衆議院

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第2号 平成18年1月26日(木曜日)

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平成十八年一月二十六日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大島 理森君

   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君

   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君

   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君

   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君

   理事 上田  勇君

      井澤 京子君    井上 喜一君

      井脇ノブ子君    伊吹 文明君

      飯島 夕雁君    臼井日出男君

      小里 泰弘君    尾身 幸次君

      大野 功統君    奥野 信亮君

      加藤 勝信君    亀井 善之君

      河井 克行君    河村 建夫君

      木原 誠二君    木原  稔君

      木挽  司君    斉藤斗志二君

      実川 幸夫君    菅原 一秀君

      関  芳弘君    園田 博之君

      高市 早苗君    津島 雄二君

      渡海紀三朗君    西銘恒三郎君

      根本  匠君    野田  毅君

      福田 峰之君    二田 孝治君

      馬渡 龍治君    三原 朝彦君

      山本 公一君    山本 幸三君

      山本 有二君    石関 貴史君

      小川 淳也君    大串 博志君

      岡田 克也君    加藤 公一君

      北神 圭朗君    笹木 竜三君

      原口 一博君    伴野  豊君

      馬淵 澄夫君    松本 剛明君

      伊藤  渉君    坂口  力君

      桝屋 敬悟君    穀田 恵二君

      佐々木憲昭君    阿部 知子君

      糸川 正晃君    徳田  毅君

    …………………………………

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   総務大臣         竹中 平蔵君

   法務大臣         杉浦 正健君

   外務大臣         麻生 太郎君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       小坂 憲次君

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   農林水産大臣       中川 昭一君

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   環境大臣

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 小池百合子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     安倍 晋三君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       沓掛 哲男君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      額賀福志郎君

   国務大臣

   (金融担当)

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (行政改革担当)     中馬 弘毅君

   国務大臣

   (科学技術政策担当)

   (食品安全担当)

   (情報通信技術(IT)担当)           松田 岩夫君

   国務大臣

   (少子化・男女共同参画担当)           猪口 邦子君

   内閣官房副長官      長勢 甚遠君

   内閣府副大臣       嘉数 知賢君

   内閣府副大臣       櫻田 義孝君

   内閣府副大臣       山口 泰明君

   防衛庁副長官       木村 太郎君

   総務副大臣        菅  義偉君

   法務副大臣        河野 太郎君

   外務副大臣        塩崎 恭久君

   財務副大臣        竹本 直一君

   文部科学副大臣      河本 三郎君

   文部科学副大臣      馳   浩君

   厚生労働副大臣      赤松 正雄君

   厚生労働副大臣      中野  清君

   農林水産副大臣      宮腰 光寛君

   経済産業副大臣      西野あきら君

   環境副大臣        江田 康幸君

   内閣府大臣政務官     平井たくや君

   内閣府大臣政務官     山谷えり子君

   防衛庁長官政務官     高木  毅君

   総務大臣政務官      古屋 範子君

   法務大臣政務官      三ッ林隆志君

   財務大臣政務官      西田  猛君

   文部科学大臣政務官    吉野 正芳君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   農林水産大臣政務官    金子 恭之君

   経済産業大臣政務官    片山さつき君

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   衆議院事務総長      駒崎 義弘君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    阪田 雅裕君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   東  良信君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   林  幹雄君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局審査局長)        松山 隆英君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  竹花  豊君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    小林 武仁君

   政府参考人

   (防衛庁防衛局長)    大古 和雄君

   政府参考人

   (防衛施設庁長官)    北原 巖男君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    河相 周夫君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         柴田 高博君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  谷口 博昭君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十六日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     菅原 一秀君

  亀井 善之君     福田 峰之君

  河井 克行君     飯島 夕雁君

  園田 博之君     小里 泰弘君

  高市 早苗君     木原  稔君

  津島 雄二君     加藤 勝信君

  渡海紀三朗君     関  芳弘君

  中山 成彬君     馬渡 龍治君

  二田 孝治君     井澤 京子君

  町村 信孝君     井脇ノブ子君

  小川 淳也君     松本 剛明君

  古川 元久君     石関 貴史君

  桝屋 敬悟君     伊藤  渉君

  佐々木憲昭君     穀田 恵二君

同日

 辞任         補欠選任

  井澤 京子君     二田 孝治君

  井脇ノブ子君     木原 誠二君

  飯島 夕雁君     河井 克行君

  小里 泰弘君     園田 博之君

  加藤 勝信君     西銘恒三郎君

  木原  稔君     高市 早苗君

  菅原 一秀君     奥野 信亮君

  関  芳弘君     渡海紀三朗君

  福田 峰之君     亀井 善之君

  馬渡 龍治君     木挽  司君

  石関 貴史君     古川 元久君

  松本 剛明君     小川 淳也君

  伊藤  渉君     桝屋 敬悟君

  穀田 恵二君     佐々木憲昭君

同日

 辞任         補欠選任

  木原 誠二君     町村 信孝君

  木挽  司君     中山 成彬君

  西銘恒三郎君     津島 雄二君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度一般会計補正予算(第1号)

 平成十七年度特別会計補正予算(特第1号)

 平成十七年度政府関係機関補正予算(機第1号)


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     ――――◇―――――

大島委員長 これより会議を開きます。

 平成十七年度一般会計補正予算(第1号)、平成十七年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十七年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官東良信君、内閣府政策統括官林幹雄君、公正取引委員会事務総局審査局長松山隆英君、警察庁生活安全局長竹花豊君、警察庁警備局長小林武仁君、防衛庁防衛局長大古和雄君、防衛施設庁長官北原巖男君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、法務省刑事局長大林宏君、外務省北米局長河相周夫君、国土交通省都市・地域整備局長柴田高博君、国土交通省道路局長谷口博昭君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子一義君。

金子(一)委員 おはようございます。自由民主党の金子一義でございます。

 早々でありますので、小泉総理、総理御就任になられて四年十カ月、残り九カ月となってまいりました。御就任時に目指された目標、山で例えれば、頂上に向けて今何合目まで登ってこられたか、採点するとどんな感じでございますか。

小泉内閣総理大臣 どこの山にどのぐらいの高さまで登れるかわからなかったんですが、険しい山であるということは覚悟しておりました。

 何合目までかと言われるとわかりませんが、一番大きな壁といいますか、困難であろうと思われたのは郵政の民営化だと思うのであります。これも将来の経済の活性化のためでありますので、できたらデフレを脱却してしかるべき経済成長率を高めていきたい、それで退任できればいいなと思っているので、まだ何合目まで登ったのかという点についてはわかりませんが、できるだけこの改革を進めて、さらに険しい山を登っていかなきゃならないなという気持ちでございます。

金子(一)委員 総理、御自分が歩んでこられたこの道の険しさ、また、志は高く、高くというお気持ちだと思いますが、この総理が歩んできた、総理の役割の大切さというものを考えましたときに、次の総理が必要であるという資質、何だと思いますか。

小泉内閣総理大臣 よく、指導者の資質ということを聞かれた場合に、有名な学者のマックス・ウェーバーが言う使命感と洞察力と情熱、短く言えばこれでしょうね。

 指導者たるべき、将来総理になる人、何をやればいいかという使命感を持つ、そして、この目標を立てたことを実際実現できるかどうかという本質を見抜く力、時代を見抜く力、見通す力、洞察力。そして、そのためには、一時の勢いでできるものではありません。長い間、情熱を持って、これをこつこつこつこつ粘り強くやり遂げるための情熱。短く言うと、このマックス・ウェーバーの言葉というのは、どのような立場の指導者にも当てはまるのではないでしょうか。

金子(一)委員 今おっしゃられましたように、もう少しでデフレを脱却していけるし、そのかけ橋も相当でき上がってきた。

 一方で、これから御質問申し上げますけれども、雪の中で苦しむ地方の人たちがいますよね。耐震強度偽装事件で家を失いかけている人もいる。ライブドア事件、数千億の金が出たり消えたりする。こういう世の中になっちゃっているんですけれども、我が国社会をリードする総理、こういう社会現象、何か社会観あるいは基本的な理念みたいなものがあってしかるべきでないのか。この点について、お考えお持ちでしょうか。

小泉内閣総理大臣 その時々の時代において、そのときの多くの人たちが気づかない点を見つけて活躍の場を見出す方が出てくると思うんですね。新しい時代に、世の中が気づいていなかったことにチャレンジして成功する人は出てくると思うのであります。そういう方々がどんどん輩出されるのは結構でありますが、それは、あくまでもルールを守るということが大前提だと思います。

 やはり、その時代、世の中を活性化させるといいますか、よくしていくというのは、どの国でも人であります。そういう面におきまして、日本におきましては、ほかの国からは、日本は天然資源には恵まれていないけれどもよくここまで発展してきたなと評価されるのは、多くの日本国民がみずからの夢と希望を持って努力してこられたからだと思うのであります。

 そういう点において私は、これからも多くの人々がそれぞれにみずからの夢と希望が実現できるような社会をつくるのが政治として大変重要な役割だなと思っております。

 何が規範かというのは、その時々ありますけれども、やはり、人の道、これを踏み外さないようにしっかりと志を持って頑張っていくことだと思っております。

金子(一)委員 総理の今度の国会におきます施政方針演説で、物で栄えて心で滅びる、そういう社会にならないように教育という問題を取り上げておいでになっているんですけれども、それをあざ笑うような事件が相前後して起こってきている。今度の偽装、ライブドア、米国産牛を含めて三点セットと言うんだそうでありますけれども、偽装というところで共通してきてしまう。

 こういうような中で、やはり私たち政治家として、一つの社会の規範あるいはルール、このことを今総理も力強くおっしゃっていただいたと思いますけれども、我々もそういう意識を持ってこれからの社会に取り組んでまいりたいと思いますし、総理も残された十カ月間、志は高い、したがって山の頂はますます高くなるかもしれませんが、全力投球をされていかれますことを御期待申し上げる次第であります。

 耐震偽装事件でちょっと個別で行かせていく前に、雪害の問題を国交大臣と総務大臣、農林大臣に一問ずつ御質問させていただきます。

 今度の、昨年十二月初めからの雪につきましては、早い時期に大量に降ったということと、寒いという、低温下にあるということで、大変質の悪い、あるいは雪害、各地にとりましては大変被害の大きい、また、お亡くなりになられた方も百人を超えられる。与野党を代表して心からお見舞いを申し上げたい、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたいと思いますが、状況はもう報道されているとおりであります。

 私も正月明けから、私は地元でありますけれども、飛騨市、高山市、郡上踊りで有名な郡上市なんというのも雪に見舞われておりまして、雪まみれになって、視察してまいりましたが、五六豪雪と言われる、あるいは五九豪雪と言われる大雪のペースを三倍くらい今回、国交大臣、上回っていますよね。

 そこで、市町村が除雪でかなりお金を使い果たしちゃっているんです。財布空っぽという状況なんです。国交大臣、国道だけじゃなくて市町村道も、国が持っている道路除雪費を何とか回すように検討してくれませんか。

北側国務大臣 今委員の方から御指摘ございましたように、ことしの冬の雪は記録的な豪雪になっております。平年の降る雪のもう二倍、降雪量が全国平均でもございます。また、三月末までに降る平年の雪がもう既に降ってしまっている、こういう状況になっております。道路はライフラインそのものでございまして、この道路の除雪に、都道府県また市町村が大変苦労されていらっしゃる。また、住民の方々が日々苦労されている状況も私、現場で見させていただいたところでございます。

 市町村道の除雪費の補助につきましては、今調査を各市町村からさせていただいておりまして、ほぼ調査もまとまってまいりました。今財務当局との間で折衝しているところでございますが、この市町村道の除雪費についても、予算がないから除雪ができない、そういうことがないように、財政当局と調整をしまして、市町村道の除雪費の補助についても出させるように早急にさせていただきたいと考えております。

金子(一)委員 総務大臣、竹中大臣、普通交付税、ことしのような雪になると特別交付税というのも今お願いは、もう既に要請として来ていると思っておりますけれども、例年遅いんですよね。三月中旬を過ぎないとなかなか出してくれないんですけれども、今申し上げたように、地方自治体は使い果たしちゃっている、空っぽになっちゃっているんです。前倒しして出すというのを指示してくれませんか。

竹中国務大臣 我々総務省としましても、委員御指摘のように、雪害は大変深刻であるという認識を持っております。今御紹介ありました特別交付税、これはもう言うまでもなく、特別の事情が発生したような場合、ないしは、地域によって一律ではなくて特別に考慮しなければいけない場合のために用意されております。例年ですと、十二月と三月、年二回交付することになっているのでございますけれども、これは、特別の事情があるときは特例を設けることができるというふうにしております。これまで、雪のためにこの特別交付税の繰り上げ交付を行った例というのはないわけでございますけれども、大震災の際など、過去二回にわたって繰り上げ交付を行った実績がございます。

 今回、豪雪、大変深刻であると思っております。需要が多額に上る地方公共団体があるということも承知をしておりますので、そうした地方公共団体の資金需要等々をよくお聞きしまして、これは適切に対応していくつもりです。そのような指示もしております。

金子(一)委員 両大臣から力強い検討状況をいただきました。ぜひお願いを申し上げます。

 中川農林大臣、予算審議中ですけれども、あしたダボスに行っていただく。これは、民主党、野党の皆さんも、こんな大事な予算を審議しているときにということでありましたけれども、快く、大事な会議ですから行っていただくということになりました。そのダボスに行く前に、農業被害なんですよ、この雪害の。

 もう御存じのとおり、ハウスが、全国各地ですけれども、ビニールパイプがひしゃげちゃっていますよね、埋まっちゃっている。果樹もそうなんですね。委員長の青森のリンゴ、あれは矮化栽培といいまして、低いものですから、とりやすくしているものですから、せっかく攻めのリンゴ、一個三千円で海外で売れているリンゴが、相当、ちょっとした雪でもやられちゃう。私のところは桃、リンゴ、ナシとくるんですけれども、埋もれちゃっているものですから被害の実態がわからないんですが、それでも相当に、見えているところの段階で、木が、枝が折れちゃっている。

 こういう状況はもういいんです。一番心配していますのは、では、こういう機会に農業をやめちゃおう、こういう方が出てくる可能性が非常に強い。特に、各地区そうでありますけれども、各地域の農業というものは、地域の農業のブランドというのが、比較的高齢で小規模の農家の方が支えているというのがあるじゃないですか。これはもう中川農林大臣よくわかるかと。そういう方が農業からリタイアしちゃう。地域にとっても大きな問題ですし、あるいは、最近言われ始めた地域間格差というところに、これまた暗いイメージを与えかねない。この問題をどうしようか。これは我々国会だけじゃありません。地域、自治体でもどうやって考えてもらうか。

 この問題、共通している問題だと思いますが、こういう農業問題を考える上で、我々も正念場、中川大臣も正念場だと思います。どうお考えになりますか。

中川国務大臣 おはようございます。

 今、金子委員から冒頭お話がございましたので、この場をおかりいたしまして、WTOの交渉がいよいよ大詰めということで、大事な会議があるということでございますが、もっと大事な当委員会にもかかわらず出張を認めていただきました当委員会に、心から厚く御礼を申し上げます。

 大雪ということで、それでなくても全国に多様な農業のある日本、金子委員の御地元のような中山間地域でいいものを一生懸命つくっている地域、あるいは都市近郊農業、あるいは大規模農業、いろいろあるわけであります。それぞれが一生懸命やって、農業生産あり、そして御指摘のように、ブランドづくりによって、国内はもとより、総理がいつも言われておりますように、世界に向かってこれから日本の農業羽ばたいていこうということで新しい政策を今から取り組もうという最中に、いろいろな要因があるかもしれませんが、例えば、大雪によって果樹はやっていけないからこの際やめてしまおう、あるいはまた中山間地農業をやめてしまおうというのは、これは日本の農政にとって、あるいはまたいいものを欲する国民にとって決していいことじゃございません。また、多面的機能からいきましても、国土の保全、水の管理、あるいはまた、最近は特に食育という観点から、子供たちに本物の農業、食べ物というものを知っていただくという観点から、これは何としても避けていかなければいけない農政の最大の課題の一つでございます。

 大雪によってこういう影響が仮に出るとするならば、それは絶対に避けなければいけないことでございますので、現時点では、御指摘のように、雪解けにならないと本当の被害はわからないわけでございますけれども、本来、この時期は農閑期ではなくて、春に向けて作業をする大事な時期でもございます。しかし、それができないということも含めまして、収穫もできない、あるいはまた作業もできないということは、大変大きな問題でございます。

 これは、一生産地域だけではなくて、御地元のおいしい農産物あるいは日本じゅうのおいしい農産物が消費者に入らないということ、あるいは値段が高くなっているということは、大変消費者の皆さんにも影響が出ているわけでございますので、農林水産省、いや、政府全体といたしましても、今御指摘のようなことがないように、これから緊急対策、あるいはまた春になってからの中期対策、そして新政策をもって中長期的に頑張っていきたいので、引き続き御指導のほど、よろしくお願いをいたします。

金子(一)委員 引き続き中川農林大臣にもう一問だけ。

 やる気のある農家は、あら、雪に埋もれちゃったといってただ手をこまねいているだけじゃないんですね。これは全国各地区ですけれども、とにかく一刻も早く、だからこそおれのところで作付をやって生産を開始しよう、早くやれればいい値段で売れると頑張っている方もおられるんですね。

 ところが、この人たちにとって問題というのは、ハウスを建て直したい、生活道まではいいんだけれども、ハウスにたどり着くまでの農道が雪がかけないんですね。生活道は何とか今お願いできているんですが、農道は細かい規制があるんですね、市町村管理になっていないと予算がつかないとかなんとかがあって。しかし、やはり早くやりたいという、こういう強い希望もあるんです。

 こういう人たちのところは何か工夫して、余り細かいことを言わなくても何とかなるように、これは特別交付金という話なので竹中大臣の御担当になるんですが、ちょっとそういうものも、地域がやる気があるなら何とか政府内で検討をしたらどうか、中川大臣からちょっと答えてください。

中川国務大臣 生産活動をやる上で、あるいはまた復旧活動をやる上で、雪が積もってたどり着けないという現状は、私もよく承知をしております。

 一般道につきましては、今両大臣からお話がありましたが、御指摘のように、例えば農業関係者が管理している道路についてもといいましょうか、これが一番直接的に今身近で大事な道路の一つだろうというふうに思います。

 そういう意味で、農道に対して除雪をするということに関しまして、総務大臣の方に交付税あるいは特交で対応していただくように強くお願いをしているところでございますし、また市町村、自治体の方にもお願いをしております。また、私ども農林水産省がみずからいろいろな措置をまず主体的に考えて、この農道をきちっとあけて、収穫あるいはまた復旧あるいはまた春に向けての作業ができるように、農林省としてもまず全力を挙げて取り組んでいき、各省にも協力をお願いして一緒にやっていきたいと思っております。

金子(一)委員 竹中大臣、何とか政府内で対応できませんか。特交を持っているのは総務大臣だものね。

竹中国務大臣 豪雪の対策に要する経費が多額に上る地方公共団体、これについて特別交付税により所要の措置をしっかりと講じたいということは、先ほど申し上げたとおりでございます。

 その際、この特別交付税の対象となりますのは、地方公共団体が管理する道路、公共施設ということになるわけでございますけれども、農道につきましても、地方公共団体が管理をするものについては一般道路と同様に措置を講じる、これはもう当然のことでございます。

 また、その他の対策に要する経費が多額に上る場合、他の団体が管理している農道等々について、これをどうするかという大変重要なお尋ねなわけでございますけれども、地方交付税というのは、基本的には地方の自治体の財政措置に関するものである、これは前提であろうかと思います。

 いずれにしても、そういった意味で、地方公共団体からしっかりと事情をお聞きしまして、財政運営上支障がないように、これは我々としても適切に対応してまいるつもりでございます。

金子(一)委員 各省、両省、かなり頑張って対応していただける、大変力強い御回答をいただきました。こういう、各省が持っている予算を使い果たしてなお、二月、大雪が降り続くというときには予備費の発動を要請いたしますので、谷垣大臣、適切に御判断、出動をしていただきたい。御要望だけさせていただきます。

 耐震偽装問題に行かせていただきます。

 耐震偽装問題については、国交大臣、国土交通委員会で大変精力的に、参考人、証人喚問も含めて議論をされておられました。その議論の経過を踏まえてお答えいただきたいのでありますけれども、何で建築確認制度がありながら偽装が見抜かれない状況になっちゃっていたんですか。

北側国務大臣 今、この耐震偽装の事件につきましては、捜査当局も入りまして、全容解明に向けて取り組んでおります。私ども、今全面的に協力をさせていただいておりますし、また、国土交通省といたしましても、立入検査や事情聴取等を行いまして、事実関係を明らかにすべく今進めているところでございます。

 今回、指定検査機関であるところが偽装物件について見抜けなかったところもありますし、また、建築主事がいる特定行政庁も偽装を見抜けなかった案件もございます。偽装物件が現時点で九十六件あるわけでございますが、指定確認検査機関が建築確認したものが五十五件、建築主事が建築確認したものが四十一件、これは特定行政庁でございます。

 どうして今回このような偽装を見抜けなかったのかというところでございますが、一つは、姉歯元建築士という、一級建築士という国家資格を持った者がこうした偽装を行った、また、大臣認定された構造計算プログラムというものを用いて構造計算を行っていたという点を過信いたしまして、検査機関が、確認機関が計算過程を十分に審査していなかったところに大きな原因があると考えます。

 この姉歯元建築士の偽装というのは平成十年から始まっておりまして、今この偽装の内容についても調査をしているところでございますが、偽装の初期のころは、構造計算書の一部に別の数字を切り張りするなど、偽装を見抜くのが比較的困難な手口を多様に用いていたようでございます。また、近年になりますと偽装の数が非常に多くなりまして、その内容も、構造計算書をページごと大胆に差しかえる手口を用いるようになっております。こうしたことがわかってまいりました。

 今後とも、しっかりと事実関係を解明してまいりたいと思いますが、いずれにしましても、こうしたことは、こういう偽装を見抜けなかったこと自体極めて遺憾なことでございまして、再発防止に向けまして、今、構造審査方法の厳格化など、建築確認検査制度のあり方につきまして論議をしているところでございます。早急に対応が必要なものにつきましては、今国会におきまして建築基準法の改正を行う方針でございます。

金子(一)委員 今、今後の基準法見直し等々について、総点検されるというお話もありました。

 しかし、起こってしまった事件について、国がこの補正予算に盛り込むということをやるわけでありますけれども、起こってしまったことについてだれが責任があるのか。これも、参考人あるいは証人喚問を拝見しておりますと、ぐるぐる回っている。中には、偽装があると知りながら売ったのかということについては証言拒否に遭っているということで、なかなか委員会での解明が進んでいかない。

 これまでの審議、あるいは国交省の調査では、どこに責任があるかということについての整理はどうされているんですか。

北側国務大臣 まず明らかなことは、姉歯元建築士が故意で偽装を行ったわけでございます。この姉歯元建築士に責任があるのは当然の話でございます。

 また、この姉歯元建築士というのは、下請で設計をやっておりました。元請の設計事務所がございます。先般、昨日、行政処分の第一弾を行わせていただきましたが、この元請の建築設計事務所にも大きな責任があることは明らかだと思います。

 さらには、これは売り主、分譲マンションでいいますと建築主である売り主がいらっしゃるわけです。建築主である売り主の方というのは、そもそも契約上、瑕疵担保責任、無過失の瑕疵担保責任を負っております、買い主に対しまして。そもそも、この売り主である建築主というのは、だれが施工するか、だれが設計するか、それを選んでいるのは、これは建築主でございます、建築主である売り主でございます。そういう設計者を選んでいるのも建築主でございます。そういう意味で、建築主に民事上は特に第一義的な責任があるのも、またこれは当然のことであるというふうに考えております。第一義的には、売り主が買い主に対して瑕疵担保責任を負っているわけでございますので、しっかりとその責任を果たしていただくということが最も大事なことであると考えております。

 しかしながら、これまでの経過から、御承知のとおり、この売り主が、特に、危険な分譲マンションというのは十棟ございますけれども、この十棟の居住者の方々、買い主の方々に、今申し上げました売り主としての責任を果たしているかといいますと、また果たせるのかということを考えたときに、十分果たせないような状況にある。

 一方で、今回問題になっている、我々が支援をしていこうという対象となっているのは、震度五強以上の地震があったならば倒壊するおそれがある、中規模の地震でさえ倒壊するおそれがあるような、そんな危険なマンションに居住者の方がいらっしゃる。居住者の安全、また居住の安定の確保、また危険な建物がそこにあります。近隣の皆様も大変不安でございます。当然です。この近隣の住民の方々の不安を早く解消していくことも大事です。そういう意味で、緊急性また公益性というのが非常に高い。これを行政として放置することはできないと私どもは考えたわけでございます。

 また、そもそも、先ほどの御質問にあったとおり、建築確認という公の事務です。指定検査機関がやっていようとも民間機関がやっていようとも、これは公の事務でございまして、その関与が、行政の関与があるわけでございまして、なおさらのこと、私は、行政がこれを放置することは許されないというふうに考えられるわけでございまして、今回、行政として、国が地方とよく協議をさせていただいて、支援スキームをつくらせていただき、補正予算にこのような支援措置について盛り込ませていただいたところでございます。

金子(一)委員 北側大臣、整理していただきました。

 今回の措置の後、そうしますと、国としては、司法の上に出てくると思いますけれども、売り主を初めとした責任者への賠償請求は最後までしていかれるんですね。

北側国務大臣 当然のこととして売り主に対して、私どもがこうした予算措置を国、地方でとっているわけでございますので、厳しく、厳正にそうした請求をしてまいりたいと考えているところでございます。

 また、住民の皆様も、買い主である住民の皆様も、そもそも契約上売り主に対して請求できる立場にあるわけでございます。買い主である住民の皆様ともよく協議をさせていただいて、売り主責任というものをしっかりと求めてまいりたいというふうに思っております。

金子(一)委員 ライブドア問題に入りたいんですが、時間がなくなっちゃうと恐縮なので、竹中大臣にちょっと一問だけ。

 二十一世紀ビジョン懇談会というのを今度おつくりになりましたね、ここで地方自治体の破産法というのを議論すると。これは、地方自治体は結構びっくりしているんですよ。ただでさえ、三位一体で地方に財源三兆円を移した、一方で高齢化していきますと、当然、住民税という形で移されていますので高齢化されて職を離れれば財源は減ってくるし、一方で介護また医療費改革等々で地方の医療費負担部分がふえてくる。住民サービスに必要な最低需要基準というものはふえてくる、借りがふえてくる。こういう状況が出てくるようになる。十八年度まではいいんですね、財源保障機能というのがついていますから。そこから先はないんですね、これから議論。

 そういう中で、地域破産法といいますと、えっ、急に破産法かよ、地方自治体の首長さん、何を考えているんだろうか、いいですよ、だからこそ地方行革進めてくれよ、そういう話ならいいんですけれども、どういうことをねらいとして議論が始められたんですか。

竹中国務大臣 非常に重要な御質問をいただきまして、ありがとうございます。

 三位一体の改革、地方にもっと自由と責任を持ってもらって、その中で行財政もスリム化していく、地方は地方の責任においてしっかりと自由度を発揮できるようにする。その三位一体の改革についても大変御理解を賜っておりますけれども、三位一体の改革、三兆円の税源移譲を何とか実現して、地方からも画期的な第一歩であるという御評価をいただいたわけでございますけれども、その上で、しかし、さらに国と地方のあり方について抜本的に考えていかなければいけない非常に大きな問題があるというふうに理解をしております。

 その際に、何といっても、やはり地方に自由度を持っていただくということがこの分権を考える上で大変重要でございます。我々が今この懇談会で議論を開始いたしましたのは、その自由度をしっかり持っていただこう、今よりも自由度を高めていただこう、しかし、自由と責任というのはコインの両面のように表裏一体でございますから、その責任についてもしっかりと果たしていただいて、そして、住民に対するサービスがよりしっかりとできるような仕組みをつくっていこう、そういう趣旨でその全体的な見直しの議論を始めたわけでございます。

 だから、地方の自由度をいかに高めるかという議論、この議論はこの議論で非常にしっかりと今しております。課税自主権の問題をどのようにするかとか、もっと法律だけではなくて地方の条例でいろいろ決めるようにする仕組みが必要ではないかと。その自由は自由でしっかりと議論いたします。

 一方で、その責任の部分についてもしっかり議論しようということで、その責任の議論の中で破綻の制度についてもやはり考える必要があるのではないか。当然、破綻しないようにしっかりと運営していただきたい。そのために一種の緊張感を持っていただけるような仕組みが必要だということでございます。

 破綻と言いますと少しショッキングに聞こえるわけですが、御承知のように、企業においても、破綻といっても二通りあるわけで、その組織がなくなってしまう清算型のものと、それを再建する再建型の破綻というのがございます。当然のことながら、地方自治体は清算などあり得ないわけでございますので、再建型のそういう枠組みをつくろう、そのように考えているところでございます。

 今後、こうした問題、地方ともよく話し合いながら、しかしそもそものやはり枠組みをしっかり議論したい、自由と責任は表裏一体でございますので、そういう観点からフェアな議論をしていきたいと思っております。

金子(一)委員 破綻と言われますと、やはり今までが、考え方が再建という、今も再建法はあるわけですけれども、それだけに、両方考えながらこれからも議論をさせていただきたいと思います。

 ライブドア関係で、与謝野大臣、あの株式分割、一対百だとか、やたら繰り返される。本来商法改正でねらった趣旨を、ねらった目的というものをもう超えちゃいまして、株式分割そのものが目的とされるような行為が今市場で出てきちゃっている。個別にライブドアとは言いません。しかし、こんな状況を許しておいていいんですか。

与謝野国務大臣 そもそも、株式分割を認めたときの考え方は、株の流動性を高める、株主の数をふやす、そういうことで資金調達あるいはその他の会社経営上いろいろな有利な状況が出てくるということ、これを目標にしたわけでございます。しかしながら、その目的ではなく、株価をつり上げる目的で株式分割をやったということは、そもそもの株式分割を認めたときの趣旨とは全く違うことであったわけでございます。

 これは、株式分割をしましてから実際に株券が印刷できるまでの間に株の数が足りなくなるということの中で株価が上昇するという、そういう本来はあってはならないような状況を利用して分割をやって株価をつり上げる、これ自体は制度の趣旨に全く反している。そのことは当然、百分割などが行われた後、市場関係者は気がつきまして、東証は株式分割をする場合も五分割を限度としてくださいということを各会社に御要請申し上げまして、現在のところまでは、五分割以上のものはその要請の後は起きておりません。おりませんが、株式分割自体は違法ではありませんけれども、分割を認めたという趣旨に沿っての分割でなければならないということは当然であると私は思っております。

金子(一)委員 総点検されておられるんだと思います。ただ、やはり商法の考え方、なるべく自由に多くの投資家が参加していく市場をつくっていこう、そのこと自身は方向として間違っていないんだと思うんですけれども、こういう違反をするという、ルールを無視するということに対してもっと厳しい措置を我々対応していかなきゃいけない。違反したら直ちに市場から退場。

 今、与謝野大臣、人員を増強したいという、人員、証券監視委員会の人をふやしたいというお話も会見で言われているんですけれども、単に人を増加する、わかりますよ。だけれども、それだけじゃなくて、党内では、もうアメリカ型のSECというものを日本でつくっちゃったらどうだ、今の監視委員会はやめちゃって、こういう意見も当然出ていますよね。

 だけれども、何が一番米国との間で違っているかというと、アメリカの場合には、こういう違反、ルール違反やったらば制裁金ですよね、企業が倒産するほどの重い金。我が国は課徴金、もうけた部分を返すという違いがあるんですよね。やはりそういう、ルール違反をやったらば直ちに市場から退場、厳しいことをお考えになったらどうですか。

与謝野国務大臣 まず、独立性の問題ですけれども、証券取引等監視委員会は金融担当大臣の指揮監督権のもとにはありません。これは、法律上、独立して職務を行うということになっておりますし、また、そこに働いている方々の身分保障もあるということで、極めて高い独立性を持った組織であると私は認識をしております。

 また、調査、捜査の権限も、いわば令状を請求して家宅捜索、押収等もできることになっておりますし、また告発する機能も当然あるわけでございまして、アメリカのSECとの権限、規模その他を比較表をつくってみますと、やはり、アメリカのSECの場合には相当の人数、例えば三千人を超える職員を持っておりますけれども、日本の監視委員会はたかだか三百人ということで、そういう点では、権限、独立性においてはそう見劣りはしませんけれども、実際、証券監視を行う人数ということでいえば、金子先生御指摘のように、内容は大変見劣りするというふうに私は思っております。

金子(一)委員 与謝野大臣、東証に対する批判もさまざまあるのは御存じのとおり、売買停止とかジェイコムでの慌てぶりとか。

 ところが、東証ルールというのもいろいろつくっているんだけれども、どこまで本当に実効性があるんだろうかな、これもよく、どうも市場は余り認知していないんですね。株式のこういう上場とか売買等々、あるいはルールをつくるという部分、つまり自主規制部門というのが東証という株式会社の中にはあるんですね。これを思い切って分離独立して、自主規制ができるような機能を持った、権限を持った別会社、別法人にしちゃうということも考えた方がいいと思うんですよ。これを含めまして、さらに細かい、投資組合の情報開示とか、企業会計原則も何か問題がありそうだなと。

 私たち自由民主党金融制度調査会も、今どんどん議論を始めて、論点整理しています。政府に投げかけます。多少、与謝野大臣の頭目がけてビーンボールぐらい行くかもしれませんけれども、どうぞ受けとめてあげてください。必ず与党・政府としてこういう問題に対してきちっとした方向を出したい、その気持ちであります。

与謝野国務大臣 金子議員御承知のように、東京証券取引所というのは、日本の証券取引という意味もありますけれども、世界に開かれた市場として、その信頼性というものをさらに確立していく必要があると思いますし、東京市場では株価が適切に価格形成される、また、投資家が十分に保護される、そういう深い、高い信頼性を持たなければならないと思っております。

 問題は、東証の問題は、システムの問題もありますけれども、東証自体がつくっているいろいろな規則、これが十分かということはこの際検討をする必要があるわけでございます。

 先般の誤発注事件のときにも、どうも、調べてみますと、ヨーロッパの市場等では、ああいう明らかに錯誤による取引については取り消しができるという市場もあるように聞いておりまして、そういう面を含めまして、どういうルールで東証を運営することが必要なのか、あるいは、そのルールをつくる主体は一体だれであるということが適切であるのか。特に、東京証券取引所が株式会社として認められたわけですから、株式会社の中での自主規制ルールの作成というものが適切かどうかということは、やはり有識者の方に御意見をお伺いしながら、また株式市場の関係者の御意見もお伺いしながら、これからきちんと考えていかなければならないことであると思っております。

金子(一)委員 総理、最後に、皇室典範は今国会で御提出されますか。

小泉内閣総理大臣 提出する予定で準備を進めております。

金子(一)委員 終わります。

 ありがとうございました。

大島委員長 この際、玉沢徳一郎君から関連質疑の申し出があります。金子君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玉沢徳一郎君。

玉沢委員 自由民主党の玉沢徳一郎であります。

 私は、主として安全保障問題を中心に質疑をさせていただきたいと存じます。

 まず、総理に御見解をお伺いいたしたいと存じます。

 総理は、去る十八日、我が党大会におきまして、自由民主党が結党以来五十年間、ほんのわずかの期間を除いて一貫して政府・与党であったことは、世界でも最も希有なことであると申されました。私は、これは一貫して国民の皆さんが我が党を支持していただいたおかげだと思いますが、その国民の皆さんの御支持は、主として、我が党が今日まで行ってまいりました、国の運命を決する安全保障政策におきまして非常に成功してきた、ここが私は大事であると思うわけでございまして、特に、一九六〇年の安保改定の時期におきまして、我が党は安保条約の改定に全力を挙げて取り組み、岸内閣におきましては、あのような大変な反対運動があったにもかかわらず、岸総理は、官邸で討ち死にをする覚悟である、こういう気迫を持って臨みまして、ついに安保改定を達成いたしました。

 その後、これによりまして我が国は自由主義陣営を選び、共産主義陣営を排除した、こういうことになると思うわけでございますけれども、この日米安保体制を確固たる基盤たらしめたことが、この我が党の安全保障政策、これを国民の皆さんが支持し、五十年にわたりまして政権与党をやってきた最も大きな要因であると私は評価するわけでございますけれども、総理の御見解を承りたいと思います。

小泉内閣総理大臣 戦後六十年間、世界各地で紛争が絶えない中に日本は六十年間平和のうちに発展を遂げることができたというのは、やはり、平和はいかに大事か。あらゆる政策を展開する上でも、平和でなくては、その政策事業は整備もされない、さまざまな施策も進まない。今、各地での不安定な地域の状況を見ると、いかに平和が大切なものか、よくわかると思うのであります。

 そういう中にあって、結党以来五十年間、幾たびか選挙を経て、一時期を除いて政権を担当してきた自民党の責任は非常に大きなものがあると思います。これからも、自由と民主主義を守って、平和のうちにさまざまな施策を展開していかなきゃならない。

 そう考えますと、水と空気はただだということを一時言われましたけれども、安全もただではない。これからも、安全面にはしっかり政治的にも十分な対策を実施して、もろもろの必要な施策、国民生活を改善して豊かにしていく施策を展開する上においても、安全保障の問題をおろそかにはしていけないと思っております。

玉沢委員 日米安保体制は、安全保障的な同盟ばかりではなくして、経済的な同盟の面もあったということを忘れてはならないと思うんです。日本とアメリカが協調しまして、自由主義経済のもとに相連携をしながら日本が経済大国に成長してきたというこの意義を忘れてはならない、私はそう思うわけでございます。

 そして、経済の繁栄の恩恵にあずかることによりまして、六〇年安保から長い間冷戦が続いたわけでございますけれども、その冷戦の最中におきましては、ソ連は非常に巧みな宣伝攻勢をかけてまいりまして、日米離間策を講じてまいりました。例えば、非武装中立論というようなものを野党第一党が唱えて、政権の転覆をはかろうといろいろやってまいったわけでございますけれども、しかし、多くの国民の良識は、このような非常識な政策はだれもほとんど支持しませんでした。

 また、ソ連は強力な軍事力を誇りまして、特に極東ソ連海軍におきましては、我が国に対しましても大きな脅威を与えてきたわけでございますけれども、日本は、ソ連の海軍力を制約する三海峡を持っているわけです。この三海峡を十分我が国が管理しながら、抑止力を確保しながら、そして、日本の安全のみならず、自由主義陣営全体の大きな抑止力を発揮した、このことは私どもは大きく評価してよろしいのではないか、このように思うわけでございます。

 そして、我々は長い冷戦の戦いを勝利に導いたわけです。世界に平和が来るとみんなが期待したわけでございますけれども、ヨーロッパ方面におきましては軍縮の動きがずっとありました。しかしながら、残念ながら、この極東アジアの方面におきましては、小国、例えば北朝鮮のような国であっても、大量破壊兵器を持ちまして、軍事的な行動によって政治目的を達成するというような国家とか、あるいは、ソ連が崩壊後、十七年間にわたりまして軍事費を一〇%以上連続して増大せしめているんですね。まあ、あえて勘ぐれば、旧ソ連のスーパーパワーにかわり得る、あるいはそれを目指しているのではないか、こういうような疑いを持つような国家も出てまいりまして、やはり、冷戦で勝利したんだけれども、もう一度日米安保体制というものを見直して、この極東アジアの平和を守り抑止力を確保する、こういうことが検討されてきたと私は思うのであります。

 特に、米国におきましては、世界戦略の見直しに着手をしまして、二〇〇一年の米国の国防政策の見直しの報告を見ますと、世界の地域を四つのブロックに分けまして、そして前方展開の抑止力を発揮しよう、こういうことで、欧州と北東アジア、それから東アジア沿岸部と中東及び南西アジア、そして、このリポートの中に明確に書いてありますけれども、中東から北東アジアにかけて広がる不安定な弧の地域においては、大量破壊兵器の開発をしようとしている国が存在をして、アジア、特にベンガル湾から日本海にかけての地域には、強大な資源基盤を有する軍事的競争相手が出現する可能性があるにもかかわらず、米軍基地の密度は他の重要地域よりも少なく、地域の施設に対するアクセスもより少ない程度にしか保証されていないため、米軍によるアクセスを強化する必要があるとしております。

 こうした考え方のもとに米軍再編等が検討されてきたと思うわけでございまして、これが、二〇〇五年二月の日米安全保障協議会の委員会における共同声明、共同合意、これにつながったと考えておるわけでございますが、防衛庁長官の御見解をお聞きしたいと思います。

額賀国務大臣 玉沢委員にお答えをいたします。

 基本的には、玉沢先生のおっしゃる時代背景それから認識が妥当であるというふうに思っております。

 最近の国際情勢というのは、おっしゃるように、テロの問題、大量破壊兵器の拡散等々で安全保障環境というものが急激に変わっております。一方で、これは湾岸戦争でよくわかるように、精密誘導兵器あるいはまた情報ネットワーク、急速な軍事力、軍事技術力の発展によりまして、その対応能力も違ってきているわけであります。

 そういう中で、アメリカも、従来のような、世界の各拠点拠点に固定的な拠点を置いておくのではなくて、やはり機動的に展開能力を高めていく、そういう形で軍の変革を行いつつあるというふうに思っております。

 我が国も、テロの問題だとか、北朝鮮のような大量破壊兵器だとか、そういう状況変化に合わせて主体的に自衛隊の変革を行いつつあるわけでございます。

 したがって、日米あわせて、この安全保障環境の変化に合わせて新しい同盟関係そしてまた日米の協力体制をどういうふうにしていくかということを考えたのが、昨年の十月の言ってみれば2プラス2の中間報告の結果であるというふうに思っております。これによって、今最終的な、我々は、日米の米軍再編に伴う日米同盟のあり方について、最終報告に向けて議論を展開しているわけでございます。

 いずれにいたしましても、新しい時代に対応して我々が考えなければならないことは、基本的には、安心がなくては生活の安定がない、小泉総理は改革なくして成長なしと言われましたけれども、それはある意味では、安全がなくては経済成長がない、そういう基本的な視点に立って同盟関係をしっかりと維持していく、堅持していくことが大事であるというふうに思っております。

玉沢委員 この2プラス2の安全保障協議会における文書におきましては、お互いに、「今日の世界が直面する課題に対する共同の取組」と項目を設けて言っております。アジアにおきましては、アジア太平洋地域において国際テロや大量破壊兵器及びその運搬の手段等、そういう点において脅威が発生しつつある。したがって、「共通の戦略目標」として、日本の安全の確保、アジア太平洋地域における平和と安定の強化、また、台湾海峡の平和的な解決をうたっておるわけであります。

 こうした目標というものを見てまいりますと、明確に表現はしておりませんけれども、やはり、北朝鮮並びに中国の軍事的な台頭というものに備えていこう、私はこういうねらいがあるものと考えるわけでございます。

 北朝鮮はともかくとしまして、なかなか言及をしないのが中国の問題でございます。

 中国は、先ほども言いましたように、十七年間にわたりまして軍事費を毎年一〇%ずつふやしてきている。これは大変な額だと思うんですね。一説によりますと、日本の防衛費は四兆数千億でございますけれども、大体四百億ドル。しかし、中国の場合は九百億ドルに達しているのではないか、しかも、公表されたこの数字よりも二倍、三倍の実態があるのではないかと。

 そういう中におきまして、今日までの経過を見ますと、例えば、中国は宇宙に人をやった第三番目の国でありますね、昨年は。そうしますと、大陸間弾道弾におきましても、世界じゅうどこにでも撃ち込める能力を持ってきている。大陸弾道システムは約三十基有しておる。さらにはまた、日本及び周辺の国々、例えばインドとかそういうところを目標としていると思われる中距離弾道弾、これはすべて核を積めるわけでありますが、これをまず百十基を有しておる。我が国の国防白書に明確に書いていますね。

 そのほか、空軍力、海軍力、こうした点を見てまいりますと、例えば、太平洋に展開をして、潜水艦に弾道ミサイルを積んで世界じゅうをねらう、こういうものを今二隻建造しております。

 こうしたこと、それから、中国の歴史的な戦略というのを見ていますと、積極防衛ということをよく言うんですよ。しかし、積極防衛といいますのは、国境線とかそういうところの紛争におきまして絶対に譲らないと。

 中国を平和国家と考えている方々も多いと思いますけれども、例えば、平和五原則というのを結んだ中国の周恩来とネール、領土保全・主権尊重、相互不可侵、内政不干渉、相互互恵、平和共存、この平和五原則を一九五四年に結んでおりながら、チベット等の問題等をめぐって国境紛争が起きて、一九六二年には中印国境紛争が行われました。インドはこの紛争に敗れたんです。

 同時にまた、一九六二年におきましては、毛沢東は、ウラル山脈から東は全部中国の領土である、こういう認識のもとに中ソ国境紛争が行われまして、五千回の紛争がなされている。これは意外と知られていないんですが、よく考えていただきたいと思うんです。

 それからさらに、一九七四年におきましては、カンボジア問題をめぐりまして中国とベトナムの武力衝突がありました。そして、中国とベトナムの沖合に西沙諸島というのがあるわけでありますが、これは、中国が支配しているところと、ベトナムが実効支配しておった永楽群島というのがあるのでありますが、この永楽群島を中国が占拠して、占拠したまま今日までいまして、一九九二年の領海法によって全諸島の領有権を主張しております。また、この領海法によりまして、我が国の尖閣列島も中国の領海法の中に入っておるわけですね。

 そのほか、南沙諸島をめぐりまして、たくさんの島々があるわけでございますけれども、ここではフィリピンとも紛争を起こしておりますし、マレーシアとも領有権を争っておる。特にマレーシアの場合は、近くにブルネイがありますから。なぜ、こういうところの島嶼地域を軍事施設を構築して占拠していくかといいますと、そこから海洋法によりまして約二百海里を主張することができるじゃないですか、その海洋の権益をねらっておる、こう言わざるを得ないわけでございます。

 日本とこの中国の間におきましては、今、東シナ海の海洋権益をめぐりまして非常に紛争に近い対立があります。本来ならば中間線をお互いに合意した上で経済開発を行うのが当然だと、国際法でもそうなっておるわけでありますが、今、中間線とみなすところから中国寄りのところで、合意がないにもかかわらず、向こうは一方的にやっております。

 中国の主張を見てまいりますと、この東シナ海の海底は中国の大陸棚の延長である、したがって中間線は認めない、この大陸棚の一番外にある縁、縁辺と言ってもいいわけですが、そこまでが中国の主張線であります。したがって、我々が、中間線までのところでありますけれども、もし抑止力を確保しなければ、どんどん入ってくるという可能性がある。

 こういうように、武力を通じて政治的な目的を場合によっては達しようとする。かつて毛沢東は、銃口の先から政権が生まれる、こう言いました。やはりこういう軍事戦略というものを頭に入れた上で我々は、この米軍の再編、基地の構築、こういうものに対処していかなければならぬと思うわけであります。明確に中国は脅威であります。

 それで、私は外務大臣に御質問するわけでございますけれども、外務大臣は、中国の脅威は増しつつある、こういうことを発言されました。途端に中国から大変な反論、批判、圧力が加わったわけでございますが、しっかりした外務大臣でありますから、そういう圧力に屈せずに、認識は全く変わらないと思いますけれども、いかがでございますか。

麻生国務大臣 玉沢先生の御説を非常に慎重に拝聴させていただきました。

 中国の話が出ておりましたけれども、中国が最近経済的に大いに発展し、かなりの、昔で言う万元戸、今で言いますいわゆる新興勢力の方々が、特に沿海州、いわゆる沿海部の方で経済的に繁栄をされておられる方々が多く出てきたということは、まことに日本にとって、アジアにとっていいことだと思っております。

 それは、生活水準が向上いたしますと中産階級が黙って生まれてくるのは必然ですから、そういった意味では、中国が経済的に発展するのはまことに結構なことだ、これは総理の答弁にもあったと思いますが、私どもとしては、それはまことに結構と思っております。

 傍ら、中国の防衛費の話が出ましたけれども、公表されておる数字と実際の数字がどれくらい違うかというのは、ちょっとなかなかこの国の数字は、正確にそれが本当の数字かどうかというのは、よく違いますので、何とも難しいところなので、いや、ここはそういう意味じゃなかったとか後々説明がつきますし、どうも統計が、ちょっと私どもほど統計にえらいきっちりしたものが出てきているように思われませんので何とも申し上げられませんが、今言われております数字を仮に四兆円、日本の防衛費が約四兆八千億ぐらいですから、四兆円と置きかえます。その四兆円の数字が、ダブル、ダブルというのは二けたで伸びます。仮に、今玉沢先生が一〇%とおっしゃいましたが、二けたということは一〇%というのが最低ですから、それでいきますと、十年たちますと十兆円になります。それがそのままさらに一〇%でいきますと、複利で計算してまいりますので、十七年たちますと二十兆円になります。日本の国防費が十七年たって二十兆になるということになったときに、隣国はどのような感じがするか。しかも、その内容は極めて不透明ということになりますと、隣国としては何となくということになる。

 私どもとしては、そういったことは多分多くの国々の率直な感想だというように思っておりますので、そういったところの不透明さをきちんと透明にしていただかないと、不必要な感情を他国、隣国に与えることになるというのは、隣国として甚だ危ないということになって、それならこちらも何とかせにゃいかぬということになって、相乗的なことになっていかがなものかということを、私どもは再三にわたって申し上げてきております。

玉沢委員 今の認識に大体私も同じでありますが、今外務大臣が、中国の経済が発展するのは結構だとこうおっしゃったわけですが、中国の経済の発展といいますのは、エネルギーの資源が確保されていかなければ物にならないわけですね。ところが、エネルギーの資源を確保するために武力的な行動まで見過ごしてはならぬ、私はそういう観点から言っているわけです。

 ですから、何も戦争をやるということを言っているわけじゃございませんで、あくまでも抑止をする。我々の方が備えが万全でなければどんどん向こうは攻めてくる。したがって、その備えを万全にするということがこれから大事であって、備えを万全にして外交する、こういうことでひとつ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。

麻生国務大臣 まことにごもっともな御説だと思いますが、これはちょっと、これから先は多分経済産業大臣やら防衛大臣の担当のところなのかもしれませんが、御存じのように、石油一リッター当たりの生産効率というものがどれくらい高いか低いかによってその国の経済力は非常に大きく違います。

 日本の場合は極めて高い、もうこれははっきりいたしているようです。多分世界で一番高いと存じますが、それは多分、省エネという技術が一九七〇年代半ばから日本に非常に普及し、結果として日本は、石油が無資源であったために技術が多く発展し、その技術を輸出できるまでになった。それまで技術のレベルが上がった。それは環境にも影響しますし、生産効率にも影響しますし、また、それだけ石油の資源の消費量が少なければ、その分だけ意図的に石油資源の獲得に狂奔しなくてもいいと言われる点は、私も確かだと思います。

 したがいまして、日本の持っております環境技術とか、また、省エネの技術とか、そういったものは、私どもは、中国をしてより積極的に交流を深め、いろいろな形でそういった技術を習得されるということは双方にとっていいことだと思っておりますので、今おっしゃるように、友好関係の中に立ってそこらのところは、お互いさま計算ずくでやれるところなんだと思いますので、そうすると、おたくも石油をそんなに一生懸命にならぬでいいでしょうがということを申し上げられることになろうと存じます。

玉沢委員 そこで、備えを万全にするということが、米軍の再編並びに日米安保体制の強化、これがまず大事なんです。それで、沖縄の問題に米軍再編にかかわる問題が生起している。

 それで、あえて申し上げてまいりたいと思うわけでございますが、この米軍再編に際しまして、総理は非常に指導力を発揮されたと私は思います。つまり、日本の米軍基地の七五%を占めるのは沖縄でありますから、抑止力の維持を図りながら沖縄の方々の負担を軽減しよう、こういうことで取り組まれました。私は、すばらしいことだとは思います。

 そして、米側もそれに誠意を尽くしてこたえてきました。例えば、一万五千人の海兵隊のうち七千人をグアムの方に回す、それから、普天間飛行場の三つの機能を、沖縄にだけ負担させるのではなくして、この機能のうちの二つを本土の方に持ってくるというようなことだとか、こういうことを見て、やはり、日本人全体が沖縄にだけ負担を負わせるのではなくして、日本全体で持っていこうという姿勢を総理が示されて、アメリカもそれに対してこたえてきた。

 そして、有事の場合におきましては、座間に司令部を置きまして、大きな有事に対するために大きな軍団を指揮できるような司令部を持ってくるということですね。この有事に即応態勢というものが準備されている。

 ただ、残念ながら、普天間の基地にかわる基地を今まで求めて、それで沖縄の向かい側の名護の沿岸部にやってきたわけですが、七年間やっても、なかなかどうも進まない。そういうことからキャンプ・シュワブの沿岸ということになったと思うわけでございますけれども、残念ながら、沖縄当局が、今までの経過が十分説明をされていないのでこれは受け入れられないという姿勢をとっております。

 私は、沖縄北方対策特別委員会に入っておりますので、去る一月九日と十日に行ってまいりました。そして、知事さんとも会って話をしたわけでございますが、沖縄の方は、この陳情書をいただいてまいりましたが、海兵隊の司令部や兵員等の海外移転、嘉手納飛行場における一部訓練の県外移転、嘉手納飛行場より南の施設・区域のさらなる整理、縮小、統合については一定の評価はしていますけれども、まだどのようになるかということも説明されていない。それからまた、今までの経過もある。軍民共用とか基地の固定化とか返還跡地の利用、地域住民の環境、こういうことに対して明確な回答が示されていないと。ここに私はそごがあるというふうに感じてきたわけでございます。

 今までも名護市を中心として北部振興に一千億円をかけて、今、四百億円実行されて、それなりの成果も上がってきておると考えるわけでございますが、ここはやはり防衛庁長官、誠意を尽くしてよく説明をして、今後万全を期すということが大事ではないかと考えまして、とかく沖縄の方々は、ヤマトンチュというとこっちの方の人なんですが、ウチナーンチュがいじめられているというような感覚を持っていますので、頭からいきなり問題を解決するというような姿勢でなくて、謙虚な姿勢で防衛庁長官が臨んでこの問題を解決するように私の方から要望しまして、ちょうど時間となりましたので、これで終わらせていただきます。

額賀国務大臣 玉沢委員の、本当に沖縄県あるいは沖縄県民に対する愛情のこもった演説、肝に銘じて今後対応してまいりたいというふうに思っております。

 また、今、日米の間で最終的な目標に向かって最後の詰めを行っております。それで、鋭意、沖縄県を初め基地のある各地域の皆さん方には誠意を持って説明をしておるところでありますので、これから具体的な話し合いをしながら、この問題の解決に向かって善処していきたいというふうに思っております。先生のお力もぜひかしてください。

玉沢委員 ありがとうございました。

 これは、日米安保体制を強化し、アジアの平和、北東アジアの平和に資するものでありますから、どうぞひとつ、総理以下、頑張ってこの問題を解決するようにお願いいたします。

 私は三十一分まででございますので、以上をもって終わります。ありがとうございました。

大島委員長 この際、茂木敏充君から関連質疑の申し出があります。金子君の持ち時間の範囲内でこれを許します。茂木敏充君。

茂木委員 自由民主党の茂木敏充です。

 残されました時間で外交問題、それからIT革命について質問させていただきたいと思っております。

 まず、外交の方から入ります。

 今日の国際社会には大きく二つの潮流が起こっている、こんなふうに私は思っております。その一つは、人類史上かつてない大きな規模、スピードで進んでいるグローバル化、そして各国の相互依存関係の深化という問題であります。そしてもう一つは、例えばEU、そして北米のNAFTAに代表されるような地域のグループ化、そして域内協力の進展という問題であります。

 第一の潮流でありますグローバル化の進展、これはもちろん、経済の効率化を上げていく、そして種々の利便性を幅広く世界に伝播させる、こういう肯定的な面もございます。しかし、その一方で、貧富の格差が広がる、そしてテロであったり感染症といった新たな脅威、さらには地球環境など、さまざまな問題が瞬時かつ大規模に国際社会に伝播していく、こういった問題、負の側面も抱えるようになったと思っております。

 グローバル化に伴うこういった課題に対して、まさに、国際社会がこれまで以上に幅広く緊密に連携していく、国際協力を図っていく、こういうことが必要な時代に入っていると思っております。

 そして、第二の潮流であります地域協力の進展、これはEUの拡大そして深化が典型的でありますが、そのほかにもNAFTA、アフリカのAU、南アジアにおきましてはSAARC、そして南米においてはメルコスール、こういった形で、世界各地でグループ化、域内協力というのが大きく進んでいるわけであります。

 あすから経済産業大臣そしてまた農水大臣、ダボス会議に出席ということでありますけれども、例えばWTOのような国際的な会議、国際的な交渉、こういうことを見ても、グループ内で、地域内でいかに意見を集約していくか、グループの裏づけをとってそういった会議に臨むか、こういうことが重要な時期に入っていると考えております。

 こういった国際協力、そしてそこの中での地域協力という観点から見ると、アジアはおくれているのではないか。統合はおろか、経済圏づくりにもいっていない、こういう問題点を抱えているのではないかなと思っております。

 こういった国際社会の二つの大きな潮流を考えたときに、私は、日本の外交、これまで例えば日米、日中、そういう二国間、バイを中心にした外交をやってまいりました。もちろん、こういった日米同盟であったり、日中、日韓関係もこれからも重要でありますが、同時に、そしてそれ以上に、マルチの外交、多国間の中で日本がきちんと発言力を強めて、国際協調でもリーダーシップをとっていく、こういう姿勢が重要なのではないかなと考えております。

 こういったマルチの外交の強化、こういう観点からしますと、日本にとって今特に大切なのは二点。その一つは、国連の改革をきちんとやって、そこの中で日本が安保理の常任理事国になっていこう。そしてもう一つは、東アジア共同体、これをしっかり進めていくことではないかな、こんなふうに思っております。

 国連でありますが、昨年国連は創設六十周年、そしてことしは日本が国連に加盟してちょうど五十周年という記念すべき年であります。

 ちょっと、総理、こちらの表をごらんいただきたいと思うんですけれども、一九四五年に国連ができましたとき、加盟国はわずか五十一カ国でありました。それが現在、四倍、百九十一カ国に広がっております。

 ところが、役員、常任理事国のメンバーというのは、P5は設立当初から全く変わっていない。そして、非常任理事国は、一九六五年の時点で六カ国から十カ国にふえましたが、それ以降四十年間、全く変わっておりません。この中であおりを受けているのが、ある意味で、アジアとアフリカであります。

 当初九カ国であったアジアは、六倍、五十四カ国になってきている。そしてアフリカは、四カ国から十倍以上の五十三カ国になっている。しかし、常任理事国の数で見ますと、アジアは一カ国、非常任の枠が二つ、アフリカは非常任の枠が三つ、それに対して北米そして西欧、これは加盟国数は二十九カ国でありますが、常任理事国は三つ、非常任の枠は二つ持っている、こういった状況であります。

 同時に、今国際社会を取り巻く課題、これを見てみますと、従来的な安全保障そして自由貿易、こういった問題だけではなくて、地球環境の問題であったり、例えば、経済でも知的所有権、これまでは考えられなかったようなさまざまな問題、テロとの闘い、出てきております。まさに国連改革が非常に重要な時期に来ているな、こんなふうに私は感じるわけであります。

 特に、昨年来、G4でのいろいろな活動もあったわけであります。そして今、日本はアメリカとの間の協調、これも模索をしております。恐らく、日本にとって、ことし、この安保理のメンバーであるうちが一つの本当にラストチャンスなのかな、こういった思いも持っているところであります。先週の施政方針演説におきましても、総理、国連改革への取り組み、この意気込みを述べていらっしゃいます。

 また、もう一つの東アジア共同体、これにつきましても、昨年十二月、クアラルンプールで開かれました東アジア首脳会議に、総理、出席をされて、東アジア共同体の構想が盛り込まれた共同声明に、お隣の温家宝首相のペンを借りてたしか署名をされておられました。

 こういった姿を見ながら、国連の改革、そして日本の常任理事国入り、さらにアジアにおける東アジア共同体づくり、これにどう取り組まれていかれるのか、総理の基本的なお考えをお聞きしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 国連加盟国が、六十年前五十一から現在百九十一カ国、四倍近くになったということから、国連での役割も、日本における責任、時代の変化につれて変わってきているだろうという御認識だと思いますが、私も、現在、世界が、非常に狭いといいますかグローバル化といいますか、瞬時に情報が行き交う、そしてお互い協力していかなきゃならない課題が多い中で、国際社会の中での日本の役割も大きくなってきたと認識しております。

 その中での国連改革でありますが、昨年は、日本とドイツとインドとブラジル、このグループ4、G4と言っていますが、この四カ国が、ともに協力して安保理常任理事国になろう、国連改革に臨んでいこうという協力態勢をとったわけでありますが、これは採択に至りませんでした。

 しかし、これだけG4が協力して各国に働きかけ、国連改革の重要性と、また、またとない国連改革の必要性が多くの国から共有されるなど、一定の成果は得たと思います。今後、このG4案が採択されなかったという点も踏まえて、さらに、他の国々とどういう協力態勢がとれるか、今のG4との協力とアメリカを中心としたこの採択に賛同しなかった国との関係という点も踏まえて、新たな国連改革の状態をどう開いていくかというのが現在の日本における課題だと思っております。

 そういう中で、日本としては、さまざまな国際会議で日本としての役割なり責任を果たすように多くの国から期待されております。G8という先進国の首脳会議のみならず、アジア太平洋会議、APEC、あるいはアジアとヨーロッパのASEM、そしてASEANプラス3、日中韓、さらに、初めて去年十二月に行われました、インド、ニュージーランド、豪州も加えたASEANと日中韓との東アジア・サミット、こういう会議で、これはほとんど毎年のように会議がたびたび開かれます。首脳会議のみならず、その間、各担当大臣が会議の調整をする、また、政府部内での担当者が頻繁に調整に走り回るという、もう極めて会議の多く、調整課題が多い。世界を回っている外交担当者あるいは交渉者は、もう世界を駆けめぐっているというのが現状だと思います。

 そういう中で、日本としては、今後、日米同盟というものを基本に、国際社会の中でどのように各国と協力していくかというのが必要でありまして、私は、これまでこれほど国連改革の機運が盛り上がってきた時代はないと思っております。

 安保理の改革だけじゃありません。国連の事務局の改革等、さまざまな改革がありますが、中でも一番大きな改革が、安保理の常任理事国の数をどのようにふやそうとするかということについてはまだ合意が出ておりませんので、今までのG4での協力の成果を踏まえて、今後、各国と協力する道をこれからも模索しながら、これを現実的な改革につなげていきたいと思っております。

 その中で、今申し上げましたさまざまな二国間関係、国際社会の中でのどういう問題に協力するかという点についても、日本としては国際社会の中での責任をきっちりと果たしていきたいと思っております。

茂木委員 パネルをおろしていただいて結構です。自民党も昨年の選挙で有能な新人議員がたくさん当選いたしまして、今までは自分でパネルを持っていたんですが、持ってくれる人もたくさん名乗り出てまいりました。

 総理が触れられた東アジア首脳会議でありますけれども、私は、やはりこれは東アジア共同体を目指すという意味で画期的な一歩だったんだろう、こんなふうに思っております。

 では、どうしてこういった東アジア共同体、こういうことが地域の共通目標になってきたか。その背景には、私は三つの歴史的な変化がアジアでもあるんではないかなと思っております。

 その一つは、アジアはこれまで、言語が違う、文化が違うというところがございましたけれども、著しい経済成長、そして相互依存関係の中で、共通の経済活動であったりとか共通の生活様式、これがアジア全域に浸透して、一体感が醸成されるようになってきた。

 二つ目には、九〇年代のアジアの金融危機、そして最近のテロ、海賊問題、さらには鳥インフルエンザ、感染症対策、まさに地域が一致して、協力をして解決しなければならない課題というのが大きく浮上してきている。

 そして三番目には、台頭する中国そしてインド、こういった国とどういういい関係を築いて、もしくは、枠内にどうそういった国を取り込んで、さらに、アジアの各国で起こっているさまざまなナショナリズム、この高まりを国際協調の方向に振り向ける、こういう必要性が生まれてきている、こんなふうに感じております。

 EUの場合、長い歴史を持って統合を今なし遂げようとしております。一九五〇年にシューマン・プラン、これが発表されたわけであります。それから五十年がたつわけでありますけれども、EUがどうしてここまで来られたのか。もちろんそこには、もう二度と戦争は起こしたくない、第一次世界大戦、第二次世界大戦、こういった苦い思いが背景にありながら、同時に、民主主義そして自由経済という共通の目標を持った。そして、この共同体構想を引っ張っていく牽引車として、ドイツ、フランスという存在があった。このことは非常にEU統合にとって私は大きかった、こんなふうに考えております。

 恐らく、これからアジア共同体、東アジア共同体をつくっていくということを考えると、牽引車になっていくのは、日本であり、お隣の中国、こういうことになってくるんだと思います。この日本と中国、東アジア共同体のメンバー構成についても、今若干意見が違うようであります。なかなか、牽引車の間で認識が一致をしないと、こういった壮大な構想をまとめていく、このことは難しいのではないかなと考えております。

 そして、この東アジア共同体、これが昨年の首脳会議以来、大きな機運の高まりを見せる中で、日中間で今ハイレベルの対話が途絶えている、中国が靖国問題を理由にしてこのハイレベルの対話を拒否している、これは非常に私は残念なことだ、こんなふうに思っております。靖国問題と首脳会談をリンクさせる、こういう中国の対応には問題がある、こんなふうに考えておりますが、同時に、中国の間に当然対話の窓口は開いています。中国の出方を待っているだけではなかなか今の膠着した現状を打開することは難しいのかな、こんな思いも持ったりもしております。

 中国をどう見るか、これについては先ほど来議論があるわけですが、お隣の中国が経済的に発展する、このことは基本的にだれから見ても好ましいことだと思っております。そして、どんな中国を期待するか、日本が、アジアが、世界が。これは、オープンで開かれた、そして未来志向の中国であります。同時に、レスポンシブルステークホルダー、日本語にすると恐らく、国際秩序を支える責任者としての中国の役割、こういうことではないかなと思っております。そういった場に中国を引き出していく、こういった努力も私は必要ではないかな、こんなふうに考えております。

 こういった観点から、今後の東アジア共同体づくりにどう取り組んでいかれるのか、また、そこの中で、ハイレベル対話も含め、日中外交をどうしていかれるのか、このことについて外務大臣の御見解を伺いたいと思います。

麻生国務大臣 昨年の十二月に第一回の東アジア共同体サミットというのが開かれました。これは、従来のASEANプラス3に加えまして、インド、オーストラリア、ニュージーランド、この三つが入ったところが非常に大きな意味があると思っております。この地域におきましては、ほかにもAPECとかASEANとか、会議がいろいろありますけれども、そういった中で、インド、ニュージーランド、豪州の三カ国が新たに入った大きな形での会議が新たに立ち上がったというのは、私どもは記念すべきことだと思っております。

 今言われましたように、その中では、言語が違う、人種が違う、加えて宗教がもう全然違いますので、ヨーロッパの場合、仮にも、シャルルマーニュ大帝の時代のときには、キリスト教という、文化というか宗教で一応の枠がくくられておりましたけれども、こちらの方は全く、ヒンズーもあればイスラムもあれば仏教もある、いろいろ違いますので、なかなか難しいという話が、極めて悲観的な話が一方にあります。

 しかし、かつてフランスとドイツが一緒になるわけがないと言われたECが今のEUになるまでの間、かれこれ、今茂木先生が言われたように五十年の月日がたっております。結果として、両方で手を組み、またいろいろな形で、東ヨーロッパというものの脅威というか、ソ連の脅威がなくなった以後、意義がまた新たに問われたりするなど、いろいろ環境も違います。

 私どもの場合は、少なくとも、この地域において、世界人口のほぼ五割強ということになるこの地域、インドと中国があるせいもありますけれども、その中にあって、今間違いなくアジアというのは経済的に伸びておりますから、それらの国々が手を携えていろいろな形でやっていくというのは、やはり一九九七年のアジア通貨危機というのが非常にきっかけになった、私どもにはそう感じられますけれども、いろいろ問題を提起し、やはり手を握っていくべきではないか。

 しかも、あのときに、少なくともインドネシア、タイ等々に、積極的に通貨危機に対応した国というのは多分日本、これがもうはっきりしておると思いますので、そういった意味では、頼りになる国としては日本という国の存在は大きかったと思っております。

 いろいろな意味で、今、アジアという中で、今感染症とか鳥インフルエンザを言われましたけれども、そういったようなものを含めて、みんなが共通に考えにゃいかぬ問題がこの地域に、特に人口が密集しているせいもあって、非常に大きいのだと思いますので、そういった意味で共同体に向けたものが出てくるんだと思っております。

 今、中国の話が出ましたけれども、私どもも、一つの問題だけで、ほかの問題はすべてだめで、全然話も面会もないというような形は少々異常と思っておりますので、私どもは、少なくとも、いろいろな国際会議場で向こうの外交部と会うこともしばしばありますけれども、それに対しましては私どもは常にオープンという姿勢はずっととり続けておりますので、そういった意味では、私どもとしては、今、少なくとも韓国とも協議をしておりますので、今言われましたように、靖国の問題だけで会わないというのは多分中国だけだと思っております。

 そういった意味で、問題は、その他の部分は経済に限らず人的交流も物すごい勢いでふえておりまして、多分、日中間で四百万を年間で超えると思っております。そして、韓国も、昔は年間で一万人が今一日一万人を超えるほどの交流というほどになりましたし、そこに、間に使われております共通のサブカルチャーとして、ジャパニメーションだ、Jポップだ、Jファッションだ、いろいろなものが出てきて、共通の話題のものもいっぱい出てきたというのは、従来とは状況が恐ろしく違い、それを補完しているものとして、やはりインターネット等々の通信技術の進歩というのがそれを非常に助長しておると思っております。

 やはり、こういった一つの大きな共同体ができ上がるというのは大変大事かつ有意義かつ経済的にもいろいろな意味もあることだと思っておりますので、この問題につきましては、いろいろ山あり谷ありとは思いますけれども、日本としては、積極的に関与していく方が日本の国益にも資する、アジアの人たちにも資すると思っております。

茂木委員 先ほど申し上げたレスポンシブルステークホルダー、中国が国際秩序を支える責任者としての役割を担うということでは、安倍官房長官、ちょうど官房長官が副長官時代、私も外務省で副大臣をやっておりまして、六者協議の立ち上げ、これは私は一つの成功例だったんじゃないかな、議長役をやり、きちんとした役割を果たす。

 私は、これを単に北朝鮮、六者協議の問題だけではなくて、例えばアジアにおけるエネルギーの問題、さらには環境の問題、そして、先ほど総理に申し上げた東アジア共同体づくり、こういったことで対話の窓口を広げていく、こういうところから日中関係を改善していく、こういうことも必要ではないかなと思いますが、御見解ありましたら、お願いします。

安倍国務大臣 日中関係については、日本にとって安全保障上も経済上も極めて重要な二国間関係の一つである、こう思っております。ただいま委員御指摘のとおり、いろいろな場を通して中国との窓口を開いていく、あるいは関係を深めていくということは極めて重要であり、有意義であろう、私はこう思っております。

 経済関係について言えば、日中間は今や切っても切れない関係になっているわけでありまして、日本は、中国への輸出において企業は利益を得ておりますし、また投資によって競争力を得ている。一方、中国も日本からの投資によって雇用を確保しておりますし、また日本にしかできない半製品を輸入し、そしてそれを加工して輸出することによって大きな外貨を獲得している。まさに、日中は互恵の関係になっているんだろう、こう思います。

 そこで、先ほど茂木先生御指摘になった、中国がしっかりとレスポンシブルステークホルダーになっていくためには、これはゼーリック副長官もかねてから主張していることでありますが、そのためには、例えばWTOの一員でもあるわけであります。日中関係のこの経済関係を毀損しない、たとえ政治問題が起こったとしてもそれを毀損することはないという原則をつくる必要があるんだろう、私はこう思っています。

 政治問題を達成するために経済に圧力をかける、あるいは経済界にプレッシャー、ハラスメント的なことが起こるということになれば、それは、それそのものがむしろ土台を揺るがしていくことになりますし、また、WTOの一員として、果たしてそれがステークホルダーとしてとるべき行動かどうかということではないかと思います。

 そしてもう一点、政治問題をやはり達成するために会わないというこの外交手段をてこに使う、これは明らかに私は間違っているんだろう、問題があるからこそ、窓口を開いて、会って話し合いを継続していく、これがやはり成熟した国家のとるべき態度ではないか、こう思います。

 一方、日中関係、極めて重要であります。また、先ほど茂木委員が、今世界の中で起こっているこのナショナリズムをしっかりと冷静に抑制していくことが大切、これはまさにそのとおりであると思っています。しかし、日本においては見事に、そういう意味においては冷静な対応をしていると思います。この二年間、いろいろなことが起こったわけでありますが、日本人はだれ一人中国の国旗を焼いた人はいません。あるいはまた、胡錦濤主席の写真を破いた人もいませんし、乱暴ろうぜきをした人もいない。かつてと同じように、今もそしてこれからも、中国の人たちを温かく迎え入れ、接していく、これは私たちの誇るべき態度であろう、こう思っています。

 やはり、日中間の未来を担う若者の交流を進めていくことも大切であります。今回の補正予算におきまして、高校生の日本へのホームステイの人数をふやす、日中友好会館においては、短期のホームステイ、千人余りのホームステイをふやす、あるいは、国際交流基金、長期のホームステイを百五十人ほどふやしました。さらに、こうした試みを通じて日本に対する誤解を解いていく努力をしていきたい、こう思っております。

茂木委員 今外務大臣そして官房長官の方から御答弁いただきましたが、本当に、考えていることが中国に対しても国際社会にも正しくメッセージとして伝わるように、一層御努力いただければありがたい、こんなふうに思っております。

 時間の関係で、少しIT革命の問題に入りたい、こんなふうに思っております。

 先週初めからのいわゆるライブドア・ショック、これは今週に入りましてライブドア幹部四名の逮捕にまで進展して、大きな注目を集めているわけであります。報道によりますと、現状での中心となる容疑事実、これは風説の流布等による証券取引法の違反ということでありますが、厳正な捜査によりまして事件の全容解明が早急になされることを期待したいと思っております。

 こうした事案に対しましては、捜査当局によります厳正な対処、これに加えて、そもそもこのような市場をゆがめる行為を防止する制度的な対応も極めて重要だ、私はこんなふうに考えております。例えば百分割、こういった過剰な株式の分割であったり、そして、自主規制となっている四半期の開示、これを悪用して投資家を欺く、こういう行為は二度とあってはいけない、こんなふうに考えております。

 昨年からことしにかけて、既に制度的な対応、変更が行われている点もございます。先ほど与謝野大臣おっしゃられましたように、分割につきましては、昨年の三月から東証の方で五分割まで、こういう自粛が行われているわけであります。また、分割後の株券の印刷までに一定の期間がかかってしまう、それで需給のアンバランスが生じる、こういう問題につきましても、株券の振替制度の活用、そして、これからペーパーレスの時代になっていきますから、対応はなされるんだと思います。

 ポイントは三つあります。一つは、情報の開示が十分かどうか。そして二つ目は、企業のコーポレートガバナンスがしっかりしているか、機能しているかどうか。そして三つ目は、証券取引所、そして市場の監視機能というものが十分かどうか。

 先ほども議論ありましたけれども、日本では証券等監視委員会、本体の方は先ほど大臣の答弁のように三百人、それで地方の財務局も入れて五百五十人ぐらい。それに対してアメリカの証券取引委員会、SECの方は三千九百人の体制なんです。私は、体制そのものについても考えなければいけない、こんなふうに思っているところであります。

 それから、与謝野大臣、ファイナンシャル・タイムズが日本の東証をどう呼んでいるか。トーキョー・ストック・エクスチェンジではなくて、トーキョー・ストップ・エクスチェンジだ、こういう話もあるわけです。これは笑い事じゃないんですね。

 やはり私は、ここで世界の投資家が、世界のマーケットというものが東京を見放すようなことがあったら本当に深刻なことになっていく、そういう観点から、機能の強化であったりとか制度の充実、これは今とまるのではなくてきちんとフォローしていく。自民党におきましても、私は今、企業統治委員会の事務局長を仰せつかっております。金子理事のところの金融調査会と連携をしながら、政府ともまた連携をして、言うべきことは言わせていただく、そして必要な措置はとっていく、こんなことが必要だと思っております。

 開示についても、四半期開示、これはもう私は、自主ルールではだめだ、きちんと証取法で担保する必要がある、こんなふうに考えておりますが、それでよろしいですか、大臣。

与謝野国務大臣 四半期の開示、すなわち財務諸表を公開するということにつきましては、平成十五年から自主的な問題として各社が開始をしまして、大体、上場会社の約九割の方がそういうことを行っておりますけれども、実は、この四半期の開示の財務諸表の真実性については、証取法の罰則等でその真実性が担保されていないという問題があります。経済のスピードは速いですし、また、投資家が投資をするに当たって、必要な情報を得る、その真実性は罰則等によって担保されているということは、多分多くの投資家が要請をされていることではないかと思っております。

 この国会で提出をいたします証取法等一連の法律改正の中で、やはり四半期ごとの財務諸表についてもその真実性が担保されるよう、罰則等においてそれをなすということを考えなければならないという意見が今非常に強くなっておりますので、茂木議員の御指摘の方向で法律改正をしなければならないと私は考えております。

茂木委員 しっかり取り組んでいただきたい、こう思っております。

 ライブドアが本当にIT企業として付加価値、そしてまた新しいビジネスモデルというのを市場に、そしてまた顧客に、消費者に提供してきたか、こういうことについてはいろんな指摘も今あるところであります。IT革命、そしてITベンチャーの名前のもとで、実際には、新しいビジネスモデルを提供するんではなくてマネーゲームの方に走っていく、そして実体以上に株価、そして株式時価総額をつり上げる、こういうことには問題があるんだと思います。

 株価の見方というのはいろいろあるんですが、PERとか、いろんな指標がございますけれども、ざっくりと申し上げると、大体、年間に上がる収益の、日本の企業ですと十倍から二十倍ぐらいの株価、時価総額がついていく。それが、新興のベンチャー企業、伸びているところですと五十倍ぐらいのところが出てくる。ところが、ライブドアなんかになりますと、一時は二百倍、こういう値段がついていたわけであります。二百倍というのはどんなイメージかといいますと、年々、倍々ゲームで企業というのが伸びていく。ある程度まで私は行くんだと思うんですけれども、どこかでやはりそういう路線というのは限界が出てくるんじゃないかな、こういう思いも持っております。

 そんな意味から、当然、今後は過剰なMアンドA、こういうのに対する経営手法、これは見直しをされることになっていくんだと思っています。ただ、その一方で、日本におけるIT革命、これはしっかり進めていかなきゃならないな、こういう思いも大変強く持っております。

 二〇〇一年以降、おくれていると言われた日本のIT戦略、相当進んできております。

 総理には何度も見ていただいたこの表でありますけれども、「わが国のIT戦略「世界最先端のIT国家」に向けて」、まずはe―Japan戦略でインフラの整備を行う、そして、インフラの整備ができた段階で利活用の方に戦略2で重点を移す、そして、利用者の視点でのラストスパートとして、医療とか教育の分野、電子政府の分野、セキュリティーの分野、こういうことを強化して今日まで至ってきているわけであります。

 私は、大きな成果が出ている、このように考えておりますが、この戦略本部の本部長としての総理が、この日本の、この五年間のIT戦略の成果であったりとか課題についてどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。

小泉内閣総理大臣 茂木議員もIT担当大臣としてこのIT戦略には大きくかかわっていただき、そして今、目標どおり、世界最先端のIT国家を実現した。今後、このITを、我々一人一人、生活面においてITとはこんなに便利なのかと実感できるような社会にしていきたいということで進めておりますし、世界も、IT戦略、しのぎを削っておる状況であります。しかも、技術の進歩、これはもう驚くほどであります。そういう技術の進歩におくれてはならない。

 せっかく最先端IT国家になったんですから、これからは、あり続ける、これは難しいことです。最先端のIT国家になり続けなきゃならない、不断の改革をしていかなきゃならないということでありますので、実際の、我々が、例えば病院に行く場合においても、あるいは役所に行く場合でも、自宅にいる場合でも、IT社会というのはこういうものかということをわかりやすく理解していただくような努力が必要じゃないか。

 今、スーパーでも、あるいはおすし屋さんでも、知らないところで、ああ、こんなところにこういう技術が使われているのか、これがIT社会なのかということでありますので、できるだけわかりやすく、国民の皆さんにも理解し、協力していただくような体制をとって、それぞれが、時代が変わったな、これからますます便利になるな、同時に、安全面でもしっかり配慮していこうという意識を持つことも大事だと思っております。

茂木委員 今総理の方から、世界最先端であることの難しさ、そのために不断の努力が必要だ、こういうお話があったんですが、二点だけ指摘させていただきたいと思っています。

 一つは、やはりこのITの力、これを行政改革、そして構造改革にもっと生かしていく必要がある。

 こちらの図をごらんいただきたいと思うんですけれども、電子政府の状況について、図三です。九六%まで申請は電子的にできるようになったんです。しかし、どこまで実際に使われているかということになると、手続の多い登記とか国税を見ても、不動産の登記でいうと〇・〇七%、それから国税の申告でも〇・二六%、まだここまでしか使われていない。この実利用をふやしていく、このことが極めて重要だと私は思っています。

 それから、総理の方から病院、こういう話がありましたが、レセプトのオンライン化、これもきちんと進めていかなきゃならない大切な分野だ、こんなふうに考えております。

 松田IT担当大臣、そして厚生労働大臣の方から御答弁いただければと思います。

松田国務大臣 茂木先生のおっしゃるとおりで、環境はできてまいりましたが、その利活用が本当にまだこれからというところであるのはそのとおりでありまして、まさに何のためにやってきたかといえば、ITを使って、まさにこの日本の国を改革し、国民に最も便利な使いやすい、そして小さな政府をつくっていこうということであります。

 そういう意味で、この間つくりました、ごく最近、新しくこれからの五年間の改革戦略をつくらせていただいたわけでありますが、その中の一つの大きな眼目は、まさに今茂木議員がおっしゃった、いかにしてもっと活用していただくか、行政のせっかく整備したオンラインシステムをということでございます。

 そのために、正直、具体的に、これからこの三月末までに、この表、今お手元にあります表を見ますと、登記とか国税とか社会保険、こういったところが大どころでございますが、こういったところを中心にいたしまして、実はオンライン利用促進を進めるべき対象手続というのをきちっと決めまして、そしてそれに、いつまでにどうするか、具体的な行動計画をつくります。

 これを抑えているといいますか、その活用を妨げている理由、うまく進まない理由、いろいろあります。例えば、せっかくオンラインにしたのに添付書類をつけろ、それをオンラインではいけないとか、いろいろありますので、そういったところを全部整理いたしまして、三月末までにしっかりとした行動計画をつくって、本当の意味の電子政府をつくり上げてまいります。それが今度の、また改革の大きな内容にいたしております。

川崎国務大臣 今御質問いただきましたIT化について、私は、まず標準化という問題と、やはり進めるには期限を区切ってやる、そういう意味では、昨年の暮れに医療改革大綱の中で、二十三年当初から、平成ですけれども、もうオンラインでしか請求を認めないというところまで決めていただきました。したがって、これを五年間の中でどう実行させるかという段階にことしから移ってまいります。

 変換コード、これは電子化を進めるために、もう既に診療機関にはかなり入っていますから、変換コードを用いることによって標準化する、それから、それをすることによって診療機関に診療報酬等でインセンティブを与える、それから、やはり情報セキュリティーがしっかりするということ、この三つをしっかりやって、二十三年から基本的にはすべてのものがオンラインで請求という形に変えたいと思っております。

茂木委員 このITの力を行政改革、そして構造改革に生かしていく、極めて重要であると考えております。松田大臣、そしてまた関係大臣が一層御尽力いただきますようにお願いを申し上げます。

 時間の関係で、最後にもう一つ、IT産業の国際競争力、こういう問題について触れさせていただきたいと思っております。

 最近、インターネットの急速な普及、それからITベンチャーの発展、こういったことがもてはやされているわけでありますけれども、一たびパソコンの中を見てみると、深刻であります。CPU、中央演算処理装置はインテル、それからAMD、そしてまた基本ソフトはマイクロソフトのひとり勝ち、こういう状況であります。日本のIT産業の国際競争力をどうつけていくか、このことを今私は、非常に重要な、深刻な課題だと思っています。

 こちらを見ていただくと、最後の図にしたいと思うんですけれども、縦軸に利益率、そして横軸の方に売上高に対する研究開発投資、これがとってあります。マイクロソフトとかインテル、オラクル、サップ、こういった欧米の水平分業をやっているモジュラー型の産業群は収益も高いし、そして研究開発、新しいイノベーションにもどんどん投資をしている、こういうことですけれども、日本のベンダー、情報通信産業、基幹を支える部分というのは収益が低いわけであります。そして、しかも垂直統合ですからいろいろな分野に広がっちゃっている、また投資が新しい分野に向けられない、こういう問題点を持っているわけであります。

 ただ、私は、悲観だけじゃない、これからまた時代は変わっていく、こんなふうに思っています。

 九〇年代から始まったIT革命、第一幕、今まではパソコンとインターネットが中心で、欧米のこの水平分業型のモジュラー産業群が主役でありました。これを追いかけるんではなくて、これから始まっていくIT革命の第二幕、これは、携帯であったりとか多様な端末が超高速のネットワークでつながれる、こういう時代になってまいります。そうなると、日本の技術はすごいんです。情報家電、モバイル端末、光通信、モバイルシステム、これからの時代に向けた日本の技術というのはすばらしいものが出てまいります。

 問題は、これを単体の技術、単体の製品にとどめるんではなくて、産官学あわせてこれを一つのシステムとして、ネットワークとして、ソリューションとして組み立てていく、このことを早急にやっていく必要があるんではないかな、こんなふうに思っております。

 実は、私は一九八〇年にアメリカに留学をいたしました。一九八〇年という年は、日本の自動車の生産台数がアメリカを追い抜いた年であります。アメリカにとっては、アメリカの文明でもあるこの自動車で日本に負けた、非常にショッキングでありまして、どうにかしてアメリカの産業競争力を回復しよう、こういうことから、当時ヒューレット・パッカードの会長でありましたジョン・ヤングを中心にしてヤング委員会というのをつくり上げます。そして、産官学がまさに一体になって、コアコンピタンス、集中と選択、それから官から民への技術の移転、そしてベンチャーの振興、こういうことをやって、それが現在のアメリカ経済、アメリカ産業の復権につながっているわけであります。

 私は、今、このIT革命の第二幕にまさに入ろうとしているこの時期に、日本においても、日本版の産業競争力会議、こういったものをつくって、産官学が一体になった取り組みを早急に進める、このことが極めて重要だと思っておりますが、松田大臣に、簡単で結構ですが、御所見をいただければと思います。

大島委員長 時間がありませんので、簡明に。

松田国務大臣 はい、わかりました。

 茂木委員のおっしゃることはもっともでございまして、先生の御提案も含めまして、力いっぱい進めてまいりたいと思います。

 ちょうど科学技術基本計画の答申もいただきました。第三期の科学技術基本計画の中でも、このITは重点推進四分野の一つであります。おっしゃった趣旨に沿って、本当に日本のIT産業を世界に冠たるものにぜひしていきたいものだ。皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。

茂木委員 終わります。

大島委員長 これにて金子君、玉沢君、茂木君の質疑は終了いたしました。

 次に、上田勇君。

上田委員 公明党の上田勇でございます。

 きょうは、昨日、谷垣財務大臣そして竹本副大臣より御説明をいただきました平成十七年度補正予算案の内容と、それから、今日我が国が抱えております幾つかの重要な課題につきまして御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 十七年度の補正予算案では、景気回復等によりまして税収も三兆円増額となっているわけでありますけれども、今日、財政問題が非常に深刻な中で、財政規律を尊重して財政の健全化に専ら充当するということとなっておりまして、その結果、新規発行の公債額も九千二百億円減額をすることができているということであります。

 その中でも、アスベスト対策あるいは新型インフルエンザ対策、構造計算偽装問題への対応や災害対策など、緊急また重要な問題については追加補正を行って適切に対応しているという内容になっていると考えております。

 そういう意味では、この補正予算案の内容は適正であって、また、盛り込まれている施策、これを早急に執行する必要があることから、この補正予算案を早急に成立させる必要があるというふうに考えているところでございます。

 初めに、補正予算案に八十億円ほど計上されておりますが、構造計算偽装問題につきまして、国土交通大臣に何点かお伺いしたいというふうに思います。

 この問題につきましては、既に閉会中にも、国土交通委員会におきまして、証人喚問や参考人質疑も含めまして審議を重ねてきているところでありますので、きょうは、詳しい内容というよりも、政府の基本的なスタンスについて何点かお伺いしたいというふうに思います。

 まず、この事件の責任の問題であります。

 この問題というのは、その責任は、専ら、売り主、設計者、施工業者あるいは民間検査機関、そういった関係者のところにあるということは明らかだというふうに思います。

 ただ一方で、先ほどの質問にもあったんですが、地方公共団体についてもみずから確認検査を行ったという物件もあるわけでありますし、また、民間の検査機関が行った物件についても一定の責任があるというふうに考えられるのではないかというふうに思います。また、国につきましても、検査機関の指定あるいは指導監督の責任を負っているほか、現行の制度に欠陥があるとすれば、当然それは国が責任を負うところではないかというふうに思っております。

 そこで、北側大臣、国及び地方公共団体の責任についてどのように認識されているのか、お考えを伺いたいというふうに思います。

北側国務大臣 今、今回の耐震偽装事件につきましての国及び地方公共団体の責任について御質問がございました。

 まず申し述べたいのは、今回の事件というのは、もちろん、姉歯元建築士、さらにはそこに下請をさせた元請の建築設計事務所、そして売り主である建築主、ここに第一義的な責任があるのは当然の話でございます。

 その上で申し上げさせていただきたいと思うわけでございますが、建築確認というところに見過ごしがあった。これは、指定検査機関の場合もありますし、そして特定行政庁の方で見過ごしがあった場合も今回の事件の中ではありました。この見過ごしがあったこと自体は、これは極めて遺憾なことでございまして、そこには行政の関与というのがあるわけでございます。また、緊急性、公益性、居住者の方々が現に危険なマンションにお住まいで、その居住の安全、そして近隣の住民の方々の安心を確保していくためにも行政としてこの状態を放置はできないということで、行政としての支援スキームを国と地方がつくらせていただいたわけでございます。

 それを今回の補正予算案に計上させていただいているわけでございますが、委員のおっしゃっている責任というのは、恐らく国、地方の民事上の、もう少し言いますと、国家賠償法上の責任があるのかないのかという御質問だというふうに理解をしております。

 結論的には、これは最終的には司法の場において、個別具体の事実関係に即して判断されるしかないというふうに考えるわけでございますが、もう少し立ち入って申し上げさせていただきます。

 まず、国の責任、国の民事責任があるのかないのかという点について申し上げさせていただきますと、指定確認検査機関というもので、国が指定した場合に、当然これは国が監督権限を持っているわけでございます。

 国がどのような監督をしているかといいますと、指定確認検査機関の指定の要件というのがございます。この指定の要件というのは、検査員の数が調っているのかどうか、また、経理的な基礎があるのかどうか。要するに、必要な審査能力を備えているのかどうか、また、公正な、中立な民間機関としての組織になっているのかどうか、そうしたことをチェックしているわけです。指定検査機関としての要件が整っているかどうか、そして、それがその後も維持されているかどうかというものをチェックしているのが国の監督でございます。個々の建築確認、検査について国がチェックしているわけではないということをまず御理解をお願いしたいと思うわけでございます。

 ちなみに、本件で問題になっています指定検査機関であるイーホームズは、年間に確認検査業務というのは二万四千件以上、これは平成十六年度でございますが、個別の案件があるわけでございます。ここに国が一つ一つ、その建築確認について、それが正しかったのか間違っていたのか、こういうことをチェックするのが国の監督ではなくて、何度も申し上げますように、指定要件がその後も持続されているのかどうか、そこをチェックしておったということでございます。

 次に、地方公共団体の責任でございますが、これにつきましては過去にも判例がございまして、一つは、参考にすべき最高裁の決定がございます。また、今回の事件の公表後でございますが、十一月の末に横浜地裁でも判例が出ております。さらには、昔でございますが、山口地方裁判所でも地方公共団体の責任については判例があるわけでございます。政府部内でも、この過去の判例というものを当然私どもも検討してきたわけでございます。

 まず、最高裁の決定は何を言っているかといいますと、指定確認検査機関による建築確認は、当該確認に係る建築物について確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体の公権力の行使であって、指定確認検査機関が行った確認が国家賠償法上違法と評価され、故意または過失があって賠償を要するものであれば、当該地方公共団体は国家賠償法上の責任を負うべき……。失礼しました、これは横浜地裁の判例でございます。

 横浜地裁は、今申し上げたように、指定検査機関の建築確認に違法があり、故意、過失があり、そして損害が生じた場合には、当該指定確認検査機関が行った確認がそのようなものであるならば、その建築主事がいる地方公共団体も国家賠償法上の責任を負うという一般論を述べた上で、判示としては、その指定確認検査機関には過失がなかったとして、地方公共団体に対する賠償責任を否定しているんです。こういう横浜地裁の判例があります。

 さらには、山口地裁ではこういう判例がございます。これは指定検査機関ではなくて、建築主事に過失があって損害が生じたという場合でございますが、山口地裁判決はこのように言っているんです。

 構造計算を誤った瑕疵を見過ごしたことについて、過失があった場合に、この過失というのは、建築基準法は、まず設計者に対して安全性確保の直接的義務を課し、次いで建築主事に対して履行義務の有無を審査する公権的な義務を課しているとして、設計者に設計を委託した建築主の責任が主たる責任であるとして、全体の損失のうち、およそ三分の一を建築主事の責任があるとして認定、残りの三分の二は売り主側に責任があるんだ、こういう認定をしている判決でございます。

 こうした過去の判例を見ると、指定検査機関また建築主事等に過失があって、そして損害が生じた場合には、それは、個々の事案に応じては地方公共団体側に責任が及ぶ場合がある、また、ない場合もある。これは個々の事案によって全然違うわけです。いずれにしても、そういうふうな判断になっておる。

 こういうふうな判例もあることも踏まえて、私どもは今回の支援スキーム、これは最終的には司法の判断で決着をしていただくしかないわけでございますが、司法の判断があるまで行政が何もしない、そういう時間リスクを居住者の方々に、また近隣の方々に負わせてしまっていいのか、そこは、やはり緊急性と公益性があるんだから、行政としての責任を果たすためにこうした支援措置をとる必要があると私どもは判断したところでございます。

上田委員 今回の補正予算では、今大臣からも答弁がありましたように、地域住宅交付金を活用した公的支援が盛り込まれているわけでありまして、その理由、必要性については今御説明があったところであります。

 緊急性あるいは周辺への配慮、そうしたことを考えたときに、それは必要なことだろうというふうに私も認識をいたしておりますけれども、ただ、なぜこういう事犯に公的な資金を投入しなければいけないのか、これは世論では賛否両論あるところではないかというふうに思っております。そういう意味で、これからもその必要性あるいは妥当性、そうしたことも踏まえて適切に対応していっていただきたいというふうにお願いをいたします。

 そして、この問題で多くの人々が一番不安に感じていることは、ほかにもこういうようなものがあるんじゃないか、自分が住んでいるマンションは果たしてそういう偽装はないのか、あるいは近くにあるビルが倒れたりするようなことはないのか、そうしたことが一番心配なことではないかというふうに思います。

 そこで、こうした不安に対して、国土交通省としてどういうふうに対応されるのか。また、こうした事件が再発をしないためには、もしさまざまな制度的な欠陥があるとすれば、それは早急に見直していただかなければいけないわけでありまして、そうした対応も早急にしていただきたい、そのことをお願いしたいというふうに思いますが、御所見を伺いたいと思います。

北側国務大臣 まず、国民の皆様の不安があるのは当然のことでございまして、その不安の解消に努めていかなければならないと考えております。そのためには、まず、今回の事件の偽装物件というのはどこまで広がっているんだ、そこを明らかにしていく必要がある。

 姉歯元建築士が関与した物件は二百七件。この二百七件について鋭意調査をしまして、まだ調査が終わっていないのはあと二件だけでございますが、調査の終わった二百五件のうち、偽装した案件が九十六件、それ以外は偽装なしというふうになっております。

 あと、姉歯元建築士以外のところで同じようなことがあるのではないかということで、まずは、木村建設、平成設計、ヒューザーそれから総合経営研究所、こうした、姉歯元建築士がかかわっていたところが多い、そういうところの関与した物件、これは非姉歯物件でございます。姉歯元建築士が設計していない物件で、木村建設、平成設計、ヒューザー、総研の関与がある物件、これが六百四件ありますが、この六百四件について今鋭意調査を進めているところでございまして、調査が終わりました二百二十七件のうち、偽装はゼロでございます。残りは、まだ調査中、三百七十七件ありますが、これもできるだけ早く調査結果を出すように今急いでいるところでございます。こうした偽装範囲を明らかにしていくことがまず第一。

 それから相談体制。国民の皆様の不安を解消するために相談体制を今しっかりつくらせていただいておりまして、地方公共団体や各都道府県の建築士事務所協会といった専門家の皆様の協力も得まして相談体制を確立させていただいておりますし、また、耐震診断をこの際したいという方もいらっしゃいます。これにつきましては、今回の補正予算でも計上させていただいておりますが、国と地方が負担する補助制度がございます。この耐震診断に係る費用について補助していく制度、これをぜひ活用させていただいて耐震診断をお願いしたい。

 また、これから全国約五百件のマンションを抽出いたしましてサンプル調査をさせていただきたい。

 こういうこともいたしまして、国民の皆様の不安の解消に努めてまいりたいと考えております。

 そして、再発防止の今後の課題としては、やはり建築基準法等の見直しをしていかねばならないと考えておりまして、詳しくは述べませんが、今、社会資本整備審議会において検討をしていただいておりまして、建築基準法や建築士法などの制度につきまして、例えばダブルチェックによる構造計算書の審査の徹底だとか、それから特定行政庁が指定検査機関に対して立入検査ができる、そういうものの導入だとかをやって民間機関への指導監督を強化していくだとか、危険な建築物の設計者に対する罰則を強化していくだとか、そこに懲役刑を導入していくだとか、そうした制度の見直しについて今御審議をいただいているところでございます。

 早急に対応すべきものについては今国会に法案を提出させていただきまして、それ以外のものにつきましても、夏ごろまでに社会資本整備審議会でお取りまとめいただいて、所要の改正をしてまいりたいと考えておるところでございます。

上田委員 ありがとうございます。

 私もマンションの住民の一人でありますし、私どもの地元では、たくさんのそういうマンションにお住まいの方がいらっしゃいます。この問題が発生してから、果たして、自分のところ、周りのところ、本当に大丈夫なのかというような不安が広がっているわけでありまして、今、北側大臣からいろいろと御説明いただきましたけれども、国民の不安を払拭していただくための対策、早急かつ充実した施策を講じていただきたい、そのことをお願いいたします。

 次に、雪害の問題について、先ほど質問もございましたけれども、お尋ねいたします。

 本年は各地で記録的な大雪となっておりまして、非常に深刻な人的、物的な被害が発生をいたしております。地方自治体の負担というのも非常に膨大なものになっているわけでありまして、国としての財政的な支援というのも必要になってきているというふうに思われます。

 今度の補正予算では、この項目については計上はされておりません。これは十二月に編成したということでやむを得ないことだろうというふうに思います。補正予算には計上しておりませんが、そうした地方自治体の財政に支障を来すことがないよう対応していただきたいというふうに思いますが、総務大臣、ひとつよろしくお願いをいたします。

竹中国務大臣 先ほども申し上げましたが、今回の雪害について、大変深刻であるということで我々も重大に受けとめております。

 そもそも、地方公共団体の除雪とか排雪とか、そういうものについては、従来から普通交付税の中でもそのような配慮はしてきているところでございます。需要額を算定するに当たりまして寒冷補正というのを行いまして、積雪の度合いに応じて所要額を措置している、そういうのは既にあるわけでございます。

 それに加えまして、今回、非常に異例な豪雪でございますので、先ほど金子委員にも申し上げましたとおり、特別交付税により所要の措置を講じることが必要だというふうに認識をしております。これは現在三月分の算定作業中でございますけれども、必要に応じて、さらに前倒しが必要な場合については適切な対応をしろということを私からもきちっと指示しているところでございまして、いずれにおきましても、地方公共団体の運営に遅延が生じないように、よく事情をお伺いしながら適切に対応していくつもりでございます。

上田委員 ありがとうございます。ひとつ万全の対応をお願いしたいというふうに思います。

 それで、ちょっと通告の順番とは異なるんですが、最近非常に関心が集まっております経済格差の拡大の問題について、総理にお考え方をお伺いしたいというふうに思うんです。

 今、我が国の社会では、経済格差が広がっているということがいろいろなところで話題になっております。

 内閣府の資料によれば、統計データからはこうした格差の拡大というのは必ずしも確認はできないということではありますけれども、ただ、生活実感としては非常に格差が拡大しているというようなのを我々も感じますし、目にするところであります。

 内閣府においても、若年層でのニート、フリーターの増加あるいはその意識の変化、こうしたものが将来の格差拡大を内包している、そういう危険性があるんだというような指摘はしているところでありますし、また、これまでのいろいろなデータから見ても、高齢世帯になればなるほど格差が拡大するというような傾向があるのが明らかでありますので、そういうことを考えれば、これから拡大する傾向にあるということが容易に推定されるわけであります。将来そうした格差が拡大してしまうという懸念があるから、今、こういう格差の問題が非常に意識が高くなってきているということなのではないかというふうに思います。

 経済社会の活力を維持していく、その意味では、結果としてある程度の経済格差が生じるということは、これは避けられない、やむを得ない面があるのではないかというふうに思います。しかし、余りにもそうした格差が大きくなっていくと、また、そうした格差が固定されて階層みたいなものができてしまうということになると、これはかえって社会の活力を失わせることになるのではないかというふうに思いますし、それだけじゃなくて、社会全体の安定性も大きく損なうおそれがあるというふうに考えております。

 そうした事態を避けるためには、何よりも、結果の格差、これはやむを得ない部分がある程度あるにしても、機会の公平性が重要なんだろうというふうに思います。政治は、常にこうした点に留意して、さまざまな施策を考えていかなければいけないときに来ているというふうに思います。

 例えば、教育機会あるいは技能習得の機会の公平性の確保、それから、失敗しても再びチャレンジできるようなさまざまな社会システムをつくり上げていくこと、また、雇用条件などでもフェアなルールをつくる、そうしたことが重要ではないかというふうに考えております。

 そこで、こうしたいろいろなことが今言われている中で、我が国の社会のあり方として、将来目指すべき社会、どういうふうなものであるべきなのか、総理のビジョンをお伺いしたいというふうに思います。

小泉内閣総理大臣 社会の格差の問題について、最近よくジニ係数という言葉が使われます。我々学生時代はエンゲル係数とかいって、家計のいわゆる食費の割合。これはもう学校でよく習ったんですけれども、我々の学生時代にはジニ係数という言葉はほとんど聞かなかった。しかし、最近よくジニ係数という言葉が出てきますね。これは、社会の中において、所得の格差がどの程度とかいろいろ統計データがあるわけですが、そういう統計データを、私、識者からよく伺ってみますと、現在、言われているほど日本社会に格差はないということであります。

 しかしながら、問題点は、フリーターとかニート、正規の仕事に長時間あるいは定期的につかない、自由にアルバイトなり仕事をしようというフリーターと、ニートといって、そもそも余り意欲がない、仕事をしなくても何とか生きていけるという人も含めた、フリーター、ニートという若い人たちがふえているということは、将来、格差が広がっていくことにつながるのではないかという懸念はあります。だからこそ、このフリーターとニート対策は、これからしっかり必要な手を打っていかなきゃならない問題だと思います。

 職業を持つことの重要性、仕事の喜びを感ずるような、あるいは、大人がどうやって仕事をしているんだろうという、仕事の場に触れてもらうというようなことを子供のときから体験してもらおうじゃないかとか、あるいは、仕事を持ちたいという人に対して、一つだけでなくて、いろいろな選択肢を提示して仕事についてもらうというような相談を今よりもきめ細かくやろうじゃないかとかいう、仕事につくということが、将来、高齢者になって格差が広がらないように、フリーター、ニート対策をしっかりやっていかなきゃならないと思っております。

 もとより、小泉内閣が目指す社会、改革なくして成長なしということの目的は、それは人間一人一人においても、あるいは各企業一つ一つにおいても、あるいは地域においても、それぞれ持てる能力なり特殊性なり持ち味が違います。それぞれがみずからの能力に応じて力を発揮できる、創意工夫を発揮できるような社会をつくっていかなきゃならない。そのために、できるだけチャンスをふやすような、拡大していくような、選択肢を選べるような機会を与えていく。企業も、どのような規制を改革したらばみずからの企業が社会の中で自分たちの創意工夫を発揮できるか。また、地域によっても、田舎においても都会においても魅力があるはずです。そういうことから、それぞれの町の魅力を発信できるような意欲を持ってもらう。そういう、それぞれがみずからの持ち味を発揮できるような社会をつくっていくことが大事ではないかと思っております。

 私が最近懸念しているのは、余り単純に物を考え過ぎる嫌いがある。金さえあれば何でもできるとか、あるいは金がある人は幸せだとか。必ずしもそうじゃないんですね。お金がなくても心豊かな人はいるし、お金があっても心貧しい人もいるんです。

 昨日も本会議で質問がありましたけれども、人生、大事なものは、夢と希望とサムマネーだと。これはチャップリンの映画の一節なんですけれども、英語で、いろいろ訳があります。日本の訳、英語の直訳だと別の訳なんですけれども、なるほど、意訳として、夢と希望とサムマネー。ビッグマネーはそれほど必要ないんじゃないか、しかし、お金も大事だと。ある程度のお金があって、夢と希望があれば人生何とかやっていける。こういう、それぞれが夢と希望を持てる、サムマネーもしっかりと稼ぐことができるという社会が大事じゃないか。

 そして、みずからの力で何とかできる人はいいです。しかし、自分の力ではどうにもならない、生活していけない、やっていけないという人に対しては、お互い助け合う、あるいは社会の公共的な社会保障制度、これをしっかり国として構築していくということが大事ではないか。

 このような中で、全部が同じということはあり得ないです。それぞれの違いというものを尊重しながら、自分には自分のやり方があるんじゃないか、自分には自分の生き方があるんじゃないかという、平和で、自由で、そして民主主義、こういう、今まで日本が培ってきた基本的な基盤というものを大事にしながら豊かな社会を築き上げていくこと、これが我々の目指す改革の方向であるということを御理解いただきたいと思います。

上田委員 格差は、データによるとさほど拡大しているわけではないということであるんですが、今、総理からもジニ係数について言及がありました。

 今お手元にお配りをさせていただいています資料、厚生労働省が「所得再分配によるジニ係数の変化」という資料をつくっていて、これは直近のところまではちょっとデータがないんですけれども、これを見てみますと、一貫して、当初所得を見てみますと格差がやはり拡大をしてきた。それを、社会保障あるいは税制、そうしたことの所得再分配によって調整し、格差が過大に大きくなることを抑制してきたということがこの図からわかるのではないかというふうに思います。

 我が国は、今、小さな政府を目指して行政改革を行っております。これは、ある意味では、政府によります所得再分配効果を小さくするという方向にも働くものではないかというふうに思います。

 もちろん、現在の我が国の政府の規模というのは、今の我が国の経済や社会のあり方からすると、それを支え切れないほどの規模まで大きくなっている。だから、もっと効率的で小さな政府をつくっていかなければいけない、この行政改革が喫緊の課題であるということは間違いがないんですが、ただ、それを行うに当たっても、やはり将来とも、税の累進性やあるいは社会保障の給付によって所得の再分配を行って、格差が余りにも大きくなることを抑制していく必要があるのではないかというふうに思います。

 今、総理からも社会保障制度がそういう役割を果たすんだという御答弁をいただいて、総理も同じ御認識だというふうに思いますが、そういう観点から、これから行政改革それから財政再建というような問題に取り組んでいかなければいけないのではないかというふうに考えております。

 そこで、財政健全化の問題についてちょっと触れたいというふうに思うんですが、二枚目の資料でございます。パネルも用意させていただいておりますが、これは、平成十八年度の予算案とそれから平成十五年度の予算、いわゆる基礎的財政収支が一番悪かったときが平成十五年度なんですね。これを比べてみた、さまざまな数値を比べたところであります。

 これを見てみますと、例えば一般会計の歳出、これもこの間に二・六%抑制をしてきた。それも、国債費、これは借金の返済でありますし、また社会保障関係費、これが増大するのは、伸びていくということは避けて通ることができないことでありますが、こうしたものが伸びている中でもこのように財政規律が保たれてきた。

 一方で、公債発行額も平成十八年度には三十兆円にまで、十五年のときから見れば一七%以上抑制をしてきた。

 その結果として、さまざまな指標、例えば基礎的財政収支、プライマリーバランスを見てみましても、平成十五年のときは十九・六兆円であったのが十一・二兆円にまで縮小してきたということがわかるわけであります。

 これは、ある意味で、いずれの指標も、財政健全化へ向けての確かな道筋はできてきているということを示しているのではないかというふうに思います。

 ただ、依然として、この資料で見ていただいてもわかるように、基礎的財政収支というのは、改善したとはいっても十一・二兆円の大幅なマイナスでありますし、公債残高については増加をしているということで、財政の健全化というのが我が国において依然として緊急な課題であるということには間違いがないというふうに思います。

 次の資料を見ていただきたいんですが、では、その財政健全化をどうやるかというと、これは、今、政府では歳入歳出の一体改革というようなことを言われておりますが、歳出削減、例えばここに書いているようなメニューがあるのかなと。行財政改革を徹底的に行っていかなければいけない、また、今ある行政サービスについてもその必要性や優先順位などをよく見きわめてスリム化していかなければいけない。また、もっと重要なことは、今の歳出の中で非常に大きな部分を占めている社会保障費について、給付と負担の適正なバランスはどうあるべきなのか、こうした議論もしていかなければいけないわけであります。

 また、歳入の確保については、経済成長による税収増、これは、今、我々経験しておりますけれども、これからの経済成長の見通し、どういうふうに考えていくのか。あるいは税制改正、もちろんこれは増税という議論になってくるんだというふうに思いますが。

 こうした項目、一体改革でありますので、もちろんこれは全部やっていくことなんだろうというふうには思うんですが、ただ、今どうもこれらの一つ一つの部分だけが取り上げられていろいろな問題が、それはやり過ぎだとか、あるいはもっとやらなきゃいけない、そうした議論が行われているんですけれども、本当の意味で財政再建を達成しようとすれば、では、どの部分をどれだけやるのかといった大まかな青写真、ビジョンが必要なのではないかというふうに思いますけれども、財務大臣、その辺どういうふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 今、上田委員がいろいろ資料もお示しになって御議論のとおり、確かにこの数年、財政健全化のための努力をいろいろ進めてまいりましたけれども、依然として、平成十八年度予算の公債依存率は三七・六%でございますし、それから、国、地方合わせますと公債発行残高もGDP比一五〇%を超えるという状況でございますから、財政を健全にしていくという努力は手を緩めるわけにはいかない、こういうことであろうと思います。

 そこで、政府では、歳出歳入一体改革、これは与謝野大臣のお仕事ということにまずなるわけでありますが、ことしの半ばまでに選択肢と工程表を示して国民的な議論をしていくということになっているわけでありますが、まず、歳出歳入一体改革というのは、財布の帳じりを合わせるということだけではなくて、まさに今委員が御指摘になりましたように、高齢化等でふえていく社会保障等をどう持続可能なものにしていくかということを含めまして、将来の国のあり方につながってくる議論だろうと私は思うんですね。

 それで、今いろいろメニューをお示しになって、トータルに議論しなければいけないということであったと思いますが、委員の御議論の中でもありますように、これからやらなきゃならないことは、まず行財政改革を徹底して、歳出構造もきちっと見直していくということがなければならないのは当然でございます。

 その上で考えなければならない要素の幾つかとして、社会保障は、高齢化に伴いまして、経済の成長を超えて毎年大体一兆円ぐらいの規模で伸びていく。その負担と給付をどう考えていくかという問題があろうかと思います。

 それから、基礎年金に対する財政支出をどうしていくかということでございますが、これは既に法律の中に、平成十九年度に税制改革をやった上で、平成二十一年、基礎年金に対する国庫支出を三分の一から二分の一にしていく、これが大体二・六兆ぐらいかかるわけでございます。

 そのほかに、既に与党のマニフェストあるいは税制改正大綱の中で、平成十九年度を目途に税制改正をどうしていくかというような議論がされているわけであります。

 そういうことを考慮しまして、委員のおっしゃったような、トータルに問題を考えて、具体的な選択肢を示して国民的な議論をしていくということが大事ではないか、このように考えております。

上田委員 やはり、財政再建をするといっても、どれをどれだけやるのか、その全体像がわからないと、なかなか、それが果たしていいことなのか悪いことなのか、一人一人判断もつきにくいのではないかというふうに思います。今、そういう作業、検討を進めているということでありますので、ぜひそういうビジョンをお示しいただきたいというふうに思います。

 また、その際にも、先ほど経済格差の拡大、それは、社会保障や税制といったものが、格差が過大にならないように政府としての重要な役割があるということを申し上げました。そうした点についても、社会保障の役割、あるいは税制についても累進性といったことによってそういう格差が過大に拡大していくということを十分考慮して考えていただきたいというふうにお願いをいたします。

 今、大臣からもお話がありました。いずれにしても、最優先の課題というのは行政改革の徹底的な実行であるというふうに思います。私たち公明党は事業仕分けという考え方を提案させていただきまして、各府省の事務や事業をそれぞれ見直して、無駄はないのか、あるいはもっと効率的な実施はできないのか、そうしたことを個別にチェックしていかないと、なかなかここから先、行政改革をなんて言っても結果が出てこないのではないかというふうに考えております。

 行革事務局におきましても、近々、さまざまな分野を代表する有識者の方々の有識者会議を立ち上げてそうした取り組みをやっていただけるということであります。これから先の行政改革、本当にいよいよ難しいところに踏み込んでいくということになりますので、当然、さまざまな反対あるいはいろいろな抵抗といったもの、これまで以上に強まってくるのではないかというふうに思います。

 そうした中で実効性のある見直しを行っていくためには、やはり世論の合意と理解が必要でありまして、そういう意味では、納税者であります国民の意見をよく聞いて、そうした視点を尊重していくということ、そしてまた同時に、こういう事業仕分け、あるいは行政改革の中のプロセスが、透明で、だれから見てもわかりやすいものであって、納得のいくものとする、そうしたプロセスも重要だというふうに考えております。

 これから実際に実行に移されます中馬大臣、今私が申し上げました趣旨を踏まえて対応していただきたいと思いますが、御見解を伺います。

中馬国務大臣 上田委員は公明党の行政改革本部の事務局長をしていただいております。

 今御指摘のございました、郵政改革のみならず、それ以外の大きな改革を進めてほしいというのが国民の今の大きな願いでもございます。これを受けて、私どもは、総合的な各般の行政改革をやるべしということで、これを重要方針という形で、十二月二十四日に政府の閣議決定をさせていただきました。その中にも、御党がおっしゃっておりますことはかなり具体的に盛り込ませていただいた所存でございます。政府系の金融機関だとか、あるいは行政の事務各般にわたりましてそうした仕分けをしていくといったこともこの中に入っております。

 それを担いますのが行政減量・効率化有識者会議、これは一月三十一日に発足することにいたしておりますが、そこでいろいろなことを検討していただく。もう時代に合わなくなった仕事をこれでやめる、あるいはまた縮小する。あるいは、前に一括法で決めました自治事務といいましょうか、地方に渡してくれと言っているものをもっともっと促進させるとか、そして、今おっしゃいました、いろいろなお役所の仕事を、民間でも手を挙げたらできる形、役所と民間とが仕事の競争入札するということも今始めているところでございまして、それらの各般を検討していただくのが有識者会議でございます。

 ここは、もちろん会議の後に記者会見もしますし、それから、その議事録は全部公表をいたします。そういうことにしておりますので、こういうことで、幅広い国民の意見も入れながらこの行政改革を実のあるものにしていきたい、このように願っておりますので、ひとつ御協力のほどもお願いをいたします。

上田委員 済みません、きょうは幾つか通告をしてあったのですけれども、時間の関係で、最後に、在日米軍基地問題について一つだけお伺いをしたいというふうに思います。

 私、地元神奈川県、総理もそうでありますけれども、沖縄に次いで多くの米軍基地を提供している県でございます。今、米軍再編の中でいろいろな議論も行われているんですが、きょうは幾つかそういった点をお聞きしたいというふうに思ったんですけれども、最後に一つ、総理の地元であります横須賀への原子力空母の配備の件についてお尋ねをしたいんです。

 もちろん、原子力空母が配備をされているその抑止力といったものについては、私どもも理解をし、また認めているところでありますけれども、原子力艦船が日本に配備をされるというのは全く初めてのことでありまして、その安全性について地元の自治体や市民として不安があるということは、当然、理解できることだというふうに思います。

 きょう、お手元にお配りさせていただいております資料、地元の神奈川新聞の記事から抜粋したものでありますけれども、これまで、米原子力艦船に係る事故等、一九八〇年代以降のものをまとめたものでございます。

 それについて、こういったことが報道されると、これは記事ではもっとたくさん出ているんですけれども、報道されますと不安になるということは当然のことなので、こうした事故の原因をしっかり究明していただくということ、それから、米軍において再発防止のための対策が講じられていることを確認していただく。その上で、艦船の安全性について地元が納得のいくような説明や御努力をいただきたいというふうに思いますが、外務大臣の方でよろしくお願いいたします。

麻生国務大臣 ごもっともな御質問だと思いますが、内容をちょっと読んでいただくと、これは十四件書いてあると存じますけれども、この中で、いわゆる原子炉についての事故というのではなくて、座礁したというのが書いてありますし、泥酔して何とかしたとか、大体、原子炉と全然関係ないところが約四件あろうと存じます。

 それから、その他のところをずっと見ていただくとわかりますが、これはいずれも、ドック、いわゆる修理をする際にやっておりますのは、日本の中でやったのはゼロでありまして、これはいずれもアメリカの国内で作業中に発生したというように御理解いただいて、日本の中でこの種の修理やら何やらしたことは一切ありません。

 それから、日本ではないと申し上げたのと、もう一個、一九八〇年、一番最初のところに、ロングビーチの高放射能の話が出ております。これは沖縄に寄港したときに起きたものだとされておりますけれども、現実問題、日本でこの種の調査をいたしましたときには異常値は一切出ておりません。

 ということでありまして、一九八〇年以降、少なくとも過去二十年間、日本でこの種の関係で異常値が検出されたことはありません。

 二〇〇四年、百六十八日寄港しておりますけれども、いずれもその種のことはないということでありますので、今後ともこの種の話はきちんとした、泥酔したなんという話が書いてありますとおり、この種のふざけた話は勘弁してもらわにゃいかぬところなのであって、今後ともきちんとした対応がなされるように、双方できちんとチェックし合うというところが大事なもので、安心というところは、これは不満と不安は違いますので、そういった不安感を助長することのないように今後とも努力をしてまいりたいと思います。

大島委員長 これにて上田君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

大島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。松本剛明君。

松本(剛)委員 民主党の松本剛明でございます。

 補正予算の審議、民主党のトップバッターということで、総理初め関係各大臣にお伺いをしてまいりたいと思っております。

 まず冒頭、午前中、与党の皆さんの御議論も拝聴しておりましたが、改めて総理に、この補正予算を編成するに当たって、基本方針としてどのように御指示をされたのかということを総括的にお伺いをしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 まず、補正予算におきましては、できるだけ新たな財源というものを使わずに、前年度の剰余金初め、できるだけ経費等を切り詰めた中でどのような対策が必要かと。特に、今緊急の問題であります寒波とか大雪の被害に対する手当てはどうなっているのかとか、あるいはアスベストとか、さまざまな今喫緊の課題がございます。そういう問題に対して、年度予算で足らざるところをいかに補っていくか。また、今の状況に対してどのように的確に対処するかということで、財源も考えながら、また、やらなきゃならないことを考えながら組んだ補正予算であります。

 まだまだこれからどういう状況の変化があるかわかりませんけれども、そのような変化にも柔軟に対応できるような準備はしておかなきゃならないなと思っております。

松本(剛)委員 今お話がありました。いずれにせよ、昨年度の剰余金も国民の大切な税金でありますから、その使い道というのは、十分にやはり慎重に検討された上で、おっしゃったように、大変緊急のものから取り組む必要があるというふうに私どもも思っております。

 後ほど、私どもならこのように補正予算を使っていきたいという考えもお示しをさせていただきたいと思っておりますが、今、寒波というお話も少しありました。改めて、これは谷垣大臣にお伺いをした方がいいんでしょうか。災害対策費ということで五千七百億余の金額が計上をされております。五千七百三十三億になるでしょうか、四捨五入しますと。私が説明をお聞きした限りでは、今回の十八年度の豪雪等の災害対策費というものはこの中には含まれていなくて、昨年までの、十七年度までの災害に対する対策費がこの災害対策費であるという説明を受けましたが、それでよろしいでしょうか。

谷垣国務大臣 基本的に松本委員のおっしゃるとおりでございまして、台風十四号の上陸や、あるいは集中豪雨、それから首都直下地震対策大綱、こういったもので必要となったものを含んだのが今度の災害対策費でございます。

松本(剛)委員 また、内訳を拝見させていただきますと、十七年度までの災害対策費ということが、五千七百億のうちの三千三百億でありますが、他方で、一般公共事業ということで一千四百億余りが計上をされておりますが、文章としては、災害等の防止のために緊急に対応すべき事業ということになっておりますけれども、私も、予算、ずっと拝見をさせていただきました。中には、やはり港湾利用の高度化拠点施設とかそういったものも含まれているわけでありますし、また、これは公共事業ではありませんけれども、独立法人の出資や運営費というのも含まれております。

 先ほど総理にお伺いをさせていただきましたけれども、これでは、総理が御就任される前に毎年のように組まれていた補正予算で、いつも当初の予算では入っていないけれども補正で公共事業とかさまざまなものをいわばついでのような形で出していくという形が結局変わっていないのではないか、このように思うわけでありますけれども、谷垣大臣、御所見があれば承りたいと思います。

谷垣国務大臣 今、松本委員がおっしゃった一般公共事業関係費、これは、平成十七年度中に発生しました水害、それから土砂災害、そういったものの再度災害防止対策、それから、さっきちょっと申しましたが、首都直下あるいは東海、東南海・南海地震等に対する緊急震災対策、それから事故の続発する踏切、これに対する緊急安全対策等ということで千四百五十一億を計上したところであります。

松本(剛)委員 個々の事業の必要性を私は頭から否定しているわけではありませんけれども、本来、十七年度までの災害であれば、本予算で必要なものは組みという形をとるべきだろうと思いますし、ましてや、おっしゃったように、災害防止ということであれば、例えば河川事業などは、大半がある意味では災害防止の目的だといえばそういうことになると思います。ですから、補正予算というものが本来どういうものなのかということを、その位置づけをはっきりさせておくことこそ財政の健全な運営のためにも大変重要なことではないかということで、総理に冒頭方針を伺い、今中身をお伺いしているわけであります。

 率直に申し上げて、個々の費目を申し上げれば、総括的なこの段階で取り上げるには少し細かくなりますが、相当申し上げなければいけないところがある。財務省としても、これはチェックをするのが仕事であろうというふうに思いますので、大臣に改めてその点を強くお願い申し上げて、次の項目に移らせていただきたいと思います。

 アスベストの対策についてお伺いをしたいと思っておりますが、まず、そもそも、私どもは、このアスベストについてはやはり政府に責任があるのではないかということを申し上げ続けてまいりました。

 実際に、これは非常にお役所がつくった文章らしい文章ですが、昨年の九月にも政府の関係閣僚会議で、「当時の科学的知見に応じて関係省庁による対応がなされており、行政の不作為があったということはできないが、当時においては予防的アプローチが十分に認識されていなかったという事情」「個別には関係省庁間の連携が必ずしも十分でなかった等の反省すべき点もみられた。」

 これだけあればある意味では十分じゃないかと思いますけれども、アスベストについて、政府の責任について総理がどのようにお考えなのか、御所見を承りたいと思います。

小泉内閣総理大臣 アスベストの危険性をはっきりと科学的に予知できなかったという点、御批判を受ければ、そういう点というものを受けとめながら、改善すべき点をよく今後も検討しなきゃならないと思います。

 しかし、当時の時点において、果たしてこれが健康被害にどの程度影響があるのかという点については、かなり不透明な点もあったと思うのであります。しかし、結果的に、このアスベストを使っている施設というのは、一省庁に限らず、各省、多岐にわたっております、施設も。そういう点から、今後、各省連携をとりながら、どういう点が足りなかったか、また今後どういう対策が必要かという点を含めて、関係各大臣、府省、連携してとるべきであるということを踏まえて、しかるべき対応を練っていかなきゃならないと思っております。

松本(剛)委員 一つ一つの細かい点は割愛をいたしますが、お話がありましたように、また文章にもありますように、関係省庁間の連携がとれていれば、もっと早く動くことが可能であったということは既に明らかになっているというふうに思います。

 私がこのことをお聞きさせていただくのも、一つは、このように責任を認めるかどうかというのは政治決断以外の何物でもない。これは、下から上がってくるものではなく、やはり政治的に決断をされるべきものだと思います。そして、その結果、アスベストの被害を受けられた方々にとりましても、きちんと責任がある中で当然の補償を受けるのか、それとも、特にいわば好意で救済を受けるのかということでは、全く対応も変わってまいりますし、受け取る側の気持ちというものも全く違う、このように思うわけであります。

 そこで、総理に、アスベストについてきちっと政治的に決断をされて責任をお認めになるつもりがあるかどうか、こういう趣旨でお聞きをいたしました。もう一度もしお言葉があれば、もうなければ結構ですけれども、よろしいですか。

 でも、ぜひこれはアスベストの患者さんの声を直接お聞きになっていただきたい。本当に苦しんでおられる方々にとりまして、だれがどこでちゃんと責任をとってくれるのかということがはっきりしないと、結局自分が悪かったのではないか、そういう思いにならざるを得ません。こんな形で追い込むことは私どもは許されることではないと思っておりますので、ぜひ改めての御再考を強く申し上げてまいりたいと思います。

 続いて、このアスベストの対策でありますが、今次補正にお組み込みをいただいております。一部は翌年の予算の中にも、労災の時効のケースなどあるようですけれども、基本的には、新たな制度による救済というのは、十八年度予算の中には私どもはうかがい知ることができないのでありますけれども、さらに拡大するおそれがある中で、今回のこの補正予算で、いわば政府としては一段落という御認識でよろしいのかどうか、確認をしたいと思います。

小池国務大臣 今回の補正でございますけれども、まず、救済制度の施行当初、闘病中の被害者からの医療費、療養手当の申請、それから遺族からの特別遺族弔慰金の申請が集中することが予想されるわけでございまして、まず今回の補正でそういったことについての裏打ちをさせていただきたいと思っております。

 そして、事業者から、この今回の制度は、事業者、そして国、さらに地方公共団体が全体で基金をつくって費用負担を行っていこうというものでございますけれども、事業者からの費用徴収が平成十九年度から開始される予定となっております。そして、今申し上げましたような中身の施行ですね、当初必要となる資金をまず基金に確保することがこの段階でできないと、十九年度から始まるわけですから、そのために今回の補正でできるだけ早く安定的な立ち上げをしていこうということから、国の負担分につきまして、制度立ち上げから当面の救済給付に必要となる金額を基金の最初の拠出金として積み上げたものでございまして、加えて、制度立ち上げに要する事務費の負担、これも加えてございます。

 この法案でございますけれども、もうこれで終わりなのかということではありませんで、制度の施行後五年以内に、被害者の発生に関しての知見そしてデータの蓄積、さらには事業者、国、地方公共団体、適切な役割分担を踏まえながら必要な見直しをやっていこう、こう考えております。

松本(剛)委員 小池大臣には、中皮腫の進行のスピードなどももう十分御承知の上での御答弁だろうというふうに思います。

 今のお話を伺う限りは、今回のであとは五年先だ、こういうお話のようにも承れますけれども、それではとても、今現在さらに拡大をしつつある中で、対応が私は不可能ではないかというふうに思います。ぜひ、これで一段落ということではなく、必要があれば必ず対応する、こういう御答弁を大臣にはちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。

小池国務大臣 先ほど申し述べましたように、この基金全体は平成十九年度から事業者からのものが入ってくるということでございます。そして全体的に動いていくということで、そして被害者の皆様方に、私、尼崎でも直接お目にかかりました、直接お話も聞きました。だからこそ緊急にこの制度を動かして、そして早急な対応をしていこう、このように思っているところでございますし、そうした基金をつくった上で、それを動かしていって、そして必要な見直しは五年後にやっていこう、こういうことでございます。

松本(剛)委員 大変残念なお答えだったというふうに思います。今緊急に出すことを私どもは何も否定をしているわけではありません。現在、本当に被害が拡大をまだしているところでありますし、状況も確認をされなければいけないものが多々ある中でありますから、五年後、五年後ということを振り回さずにいただきたいということを申し上げたわけでありますが、時間に限りもあります、大変残念な答弁であったということを申し上げて次の点に参りたいと思っております。

 新たな救済制度ということで今お話がありましたけれども、総理、よろしゅうございますか、内容の細かい点はもう特にお聞きをいたしません。

 御案内のとおり、ただ、労災で受けられる方と、新たな救済制度という方で近隣の補償を受けられる方とでは著しい格差があるということは、もう既に御承知のとおりだろうと思います。ぜひ、この点について、御再考の余地がないのか、それとも、この程度の格差はやむを得ないとおっしゃるのか、総理の御所見をお伺いしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 そのような点も含めて、今、関係各大臣、関係府省連携して対策していこうということでやっているわけであります。

松本(剛)委員 法律が、この法案で、この国会というよりは、もう与党の皆さんとしては補正予算と同時にということで、一週間のうちにでも決めていきたい、こういうお話だろうというふうに伺っております。その決めようとしている救済制度で本当にいいと思っておられるのかということをお伺いしているんですけれども。

 関係閣僚で御相談をいただくところはもう既に終わっているんじゃないでしょうか、この制度については。それとも、この制度は本当に暫定的で、すぐに関係閣僚が集まって新たな制度をおつくりになるという今の御答弁でよろしいんでしょうか。

小泉内閣総理大臣 関係各担当大臣、関係府省が協力して提出しているわけであります。

大島委員長 補足して、小池大臣。しっかり説明してください。

小池国務大臣 関係閣僚が緊急に、そして何度も、この点につきましては制度の構築に当たって意見を交換し、そして今回の新法の法案を提出させていただいているところでございますが、御承知のように、労災補償制度というものは労働基準法上の……(松本(剛)委員「委員長、それはわかっておりますので」と呼ぶ)わかっている。であるならば、今回のこの問題でございますけれども、単純な労働基準法と今回のと比較はなかなか難しいところがあろうかと思っております。

 いずれにいたしましても、今回、この給付金の支給水準と、救済的な性格を持ちますほかの諸制度ともバランスを勘案しながら、救済制度として十分な水準と考えております。

松本(剛)委員 救済として十分な程度と考えているという御回答がありました。この制度でいいんだ、五年後まで見直さないんだ、こういうお返事を残念ながらいただいたというふうに確信をいたしました。だからこそ一番最初に、本当に国の責任はないのかということをお聞きしたわけであります。

 私どもは、しっかりとやはり国の責任を認めるという政治決断の上に立って、本当に患者の皆さん、被害者の皆さんのためになる制度をつくるべきだと。すき間のないとか公平なとかいう言葉が飛び交っておりますけれども、これだけの著しい格差というのは私どもは容認できないものではないかということを強く申し上げてまいりたいと思います。

 続いて、それでは子供の安全についてお伺いをしてまいりたいと思っております。

 子供の安全については大変喫緊の課題だということは、もう御認識を一にしていることだろうというふうに思います。

 昨年の十二月に、このように、犯罪から子どもを守るための対策というものが関係閣僚の中で恐らく取りまとめられたんだろうというふうに思いますが、そこに緊急対策六項目というのが挙がっています。一つ一つ挙げません。総理の本会議での御答弁でも、緊急対策六項目などを着実に推進をする、こういうお話がありましたが、補正予算の中にこの緊急対策六項目については何も入っていないというお返事でございましたけれども、この点について確認をさせていただきたいと思います。

沓掛国務大臣 今議員のおっしゃられましたように、昨年十一月の二十二日には広島市において、また十二月一日においては栃木県において、小学校一年生の女子が非業な最期を遂げるということがございましたので、十二月の五日に関係各省庁連絡会議を開きまして、早速、今言われました六項目等の、犯罪から子どもを守る対策を策定いたしました。そして十二月二十日に、総理が主宰する犯罪対策閣僚会議でこれを確認するということをいたしました。

 そして、この六項目でございますが、特に予算は……(松本(剛)委員「一つ一つの説明はもう結構ですから」と呼ぶ)はい。予算は、補正予算としては入っておりません。しかし、この最初の四項目を見ていただきますと、通学路の安全点検、それから防犯教室の開催、それから情報共有体制の立ち上げ、学校と警察等が不審者に対してそういう情報を共有すること、あるいは学校安全ボランティア、いわゆるスクールガード、こういうものの四項目につきましては、既に一部のところで行っているものでございまして、この一部を全学校区に広げ、それも、期限を切って三月三十一日までに全学校区でこれを実現するというのがこの対策の主要な部分でございますので、ここで必ずしも補正予算がなくても、既に実施しているところもあるわけでございますので、それを広げ、期限を切るということに非常に意義があるというふうに思っております。

 あとの二項目につきましては、これはスクールバス、路線バスの活用でございますが、この路線バスの活用に関する環境整備は、各自治体の選択肢を広げるための取り組みでもございますし、また、もう一つ、六番目の国民への呼びかけは、防犯ボランティア活動に関する端的な協力要請でありますが、これは、まだ期限を切らないで、少し時間をかけながらそういうものを実行していこう、そういうものでございます。

 今後とも、子供の安全確保のために、この対策を強力に進めていくことが非常に大きな効果があるというふうに判断いたしております。

松本(剛)委員 子供たちの安全の問題というのは、大変悲しい、そして憤りを覚える昨年の事件の前から、我々にとっても一つの大きな課題であったかというふうに思っております。

 しかし、この緊急対策六項目というのは、昨年のそういった事件を受けた後策定をされた。補正にも一銭も入っていない、もっと積極的にお進めになるべきだというふうに私ども思っていただけに、補正には何らかの形で入っているんだろうと思ったら、入っていない。財務当局にもお聞きをいたしました。我々が切ったのではないというような説明をしていました。要らない、最初から要求がなかったというふうにお聞きをしております。

 今のお話を聞いてもわかりますし、我々が点検をさせていただいても感じますが、結局は、今までずっとやってきた、積み重ねてきたことをただやっていく、ここに緊急という看板を掲げると、こういうのは緊急の粉飾と言わなければいけないんではないかというふうに私どもは思います。

 こういう形で、緊急対策ということで、国民に、あたかも政府がやっているかのように、実は今までずっとやっていたことをただ看板にするという形は、大変誠意がないやり方だというふうに私どもは思いますので、ぜひ本当に子供の安全を考えていただきたいということを強く訴えてまいりたいと思います。

 次に、子供の安全ということでは、公立学校の耐震化の問題についてもお話をお伺いしてまいりたいと思います。

 この耐震化、大変、私どもは早く進めるべきだということで、これまでにも推進の立法を出して国会へ提案をさせていただきましたけれども、残念ながらお取り上げをいただいておりません。総理も、民主党の考え方でもいいものはとるんだ、こうおっしゃっていただいていますけれども、ぜひ、この公立の学校の耐震化について、私どもは、もっと急ぐべきである、このように思っておりますが、御所見を承りたいと思います。

小坂国務大臣 公立学校の学校施設の耐震化につきましては、学校施設そのものが、児童生徒の一日の大半を過ごす場所である、また同時に地域住民の避難場所としてもその役割を担う、こういうことから、安全性の確保が極めて重要な課題であるということは、私どもも認識をいたしております。

 現在、御指摘のように、各学校の約半数程度の建物しか耐震化が確認されておりません。本年度の補正予算におきましては、まず、耐震診断がなされている、それらのもののうち、年度内に対策が講じられる可能性のあるものを中心にいたしまして補正予算を申請いたしました。二百七十七億円を計上いたしまして耐震化対策の推進を図ることといたしているところでございまして、国民の生命、安全を守ることは国の責務であると考えておりまして、今後とも、公立学校施設の耐震化の推進については、最大限の努力をしてまいりたいと存じます。

 また、先ほどの学校の安全対策につきましてでございますけれども、既に今まで行っておりましたスクールガードリーダー等の増強につきまして、緊急対策としてまた講じているところでございますし、これらの安全対策が着実に実施されることが必要であることから、緊急対策としての六項目を定めまして、全通学路の緊急安全点検等を初めとして、この機会に改めてその確認を要請したところでございます。

 それぞれの教育委員会並びに学校設置者に対して、この機会をとらえて緊急対策六項目としてお願いをしたところでございますので、新たな予算措置といたしましては、それぞれの点検の中で生じたものを含めまして十八年度の予算でさらに対策を推進する、このように考えているところでございます。

松本(剛)委員 先ほど補正予算の冒頭でも申し上げましたが、国民の大切な税金、お金をどう使うかということで、私どもも、この補正予算の案を政府から示されて、内部でも検討をさせていただきました。

 今、小坂大臣がおっしゃいましたけれども、二百七十七億というのは決して小さな金額ではありませんが、残念ながら、この公立の学校の、これでは、まだ残り半分近くというふうにおっしゃいました、四十数%残っていると思いますが、二百七十七億では一%も上がらないという金額になってくると思います。これまでの経緯であれば、三%ずつぐらい毎年上げておられるようですけれども、これでは十数年かかってしまうというふうに思うわけです。

 大臣、何かありますか。簡潔にお願いします。

小坂国務大臣 この二百七十七億でどのくらいの対策が講じられるかということでございますが、現在の五一・八%の耐震化率が五五・二%、すなわち三・四%の増強が図れる、このように考えております。また、十八年度でさらに増強をいたしたいと考えているところでございます。

松本(剛)委員 時間がないので割愛をしますが、十七年度の当初の分と全部合わせて三・何%上がるわけですから、二百七十七億では三・何%上がりませんので、よく事務方、御理解をいただいてあえて今御答弁いただいたんですか。それは、それこそまた答弁の粉飾になりかねませんので、私は補正の分を申し上げたわけですから、しっかりと受けとめてお聞きをいただきたいというふうに思います。

 今申し上げましたように、ここに私どもの考え方を持ってまいりました。ぜひごらんをいただきたいというふうに思っております、資料としてもお配りをさせていただいていると思いますけれども。

 今回の補正予算で、今、喫緊の課題ということであれば、私どもは、やはり建物の安全、子供の安全、そして暮らしの安全というものにしっかりとお金を使っていくべきだというふうに考えております。

 建物の安全についても、後ほど同僚議員からも質疑があると思いますけれども、耐震診断、このことをやはり本格的にやっていくべきであろうということで、百五十億の予算。そして、今申し上げた学校等の耐震化についても、私どもは、今の地方自治体の財政状況も考え、補助率を三分の一から二分の一に引き上げて、五千五百億つけるべきではないかということを御提案させていただきたいと思っております。

 また、子供の安全についても、学校の内外の安全について、合計で、耐震化予算とかぶりますけれども六千億を超える予算をつけるべきではないかということを御提案させていただいています。

 アスベストについても、著しい格差、先ほど申し上げたものを解消するために二十五億円。そして、雪害、雪の除雪費用としても、毎年百億ほど計上されているようでありますが、昨今の状況をかんがみれば、さらにその倍額を乗せるべきではないか。合計七千六百十億円の補正予算というものを、追加的に私どもは政策として御提案をさせていただきたいと思っております。

 特に、公立学校の耐震でありますけれども、昭和四十六年以前の大変古い基準でつくられたものがまだ一割以上、二割近くあります。今回の耐震偽装ということでいわば退避勧告を受けている耐震強度と、その当時の基準にかんがみれば、場合によってはさほど変わらない、退避勧告を受けてもおかしくないような強度の学校がまだ一割あり、それは現実に使われて、子供たちがそこに通い、そして場合によっては避難所の指定も受けている。

 これだけでも、この補正で、この数カ月のうちに、できれば一年のうちに早急に手当てをするべきではないか。この五千億で、工事の仕方にもよりますけれども、かなりの部分がそれはカバーできるんではないかということで、私どもは御提案を申し上げているところでございます。

 財源については、今回のNTT資金の償還に伴う補助ということでこの七千六百十億円を御計上になっておられますが、これは、毎年来る償還を、来年度以降の償還に対してつけるべき補助をいわば前倒しで今回の補正で御計上になられている分でございます。

 この償還をというか、本来発生すべき、将来発生すべきものを期を変えて前倒しをしたり、後送りをしたりというのは、会計操作の粉飾のいわば第一歩みたいなものでありまして、この補正予算でも、そういった会計の粉飾に一生懸命お金を使うよりは、子供の安全にしっかりとお金を使うべきではないかということを私どもは御提案申し上げたいと思っております。

 総理、御感想ありますか、ありませんか。

小泉内閣総理大臣 考え方としては共有する点も多々あると思います。額はともかく、耐震診断に対する支援とか耐震改修の加速とか、小中学校、幼稚園、保育園等に対する耐震改修あるいは防犯カメラ等、こういう考え方については共有できる点も多々あると思っております。

松本(剛)委員 考え方が共有をしていただけるのであれば、今申し上げたように、この七千六百十億というのは、本来、来年度から順次償還が始まって補助をつけるべきものであるはずでありますから、ぜひそのお金を、特にこの学校の耐震化にしても子供の安全にしても、先へ送ってしまったゆえにもし万一後悔するようなことがあったら、本当に悔やまれてならないわけでありますから、早急に実施をすべきものだというふうに思っております。

 考え方を一にできるというお話もいただきましたので、私どももこれをしっかり御議論いただけるようにここまで準備をしておりますので、ぜひ、私の希望としては、委員長、この私どもの考え方も審議をしていただくということを御検討いただきたいというふうにお願いをさせていただきます。

大島委員長 理事会でいろいろ議論しますが、総理も考え方が同じだという、しかし、財源はちょっと違うという感じで受けとめられておるようですが、まあ財務大臣もそこにおられますから、今後生かしてくれるものと思いますので。

 どうぞ。

松本(剛)委員 改めて、理事会で御協議をいただくということでありますから、その先は委員会にお諮りをいたしますが、私どもは、いつやるかということが大変大事だということを申し上げているんです。

 この小学校の耐震化でも、十年先にやるのか、三年先にやるのか、今やるのかということは、大きな違いがあるからこそ今回の補正予算で緊急に対応するべきだということを御提案申し上げておりますので、真摯に理事会でも御議論をいただいて、前向きにお取り上げをいただけるように強くお訴えを申し上げたいと思います。確約をお願いいたします。

大島委員長 理事会で検討してみます。理事会で検討いたしますので、財務大臣、結構でしょう。

松本(剛)委員 それでは、BSEの問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 まず、このBSEの、輸入再開決定ということがありましたけれども、今回の案件が、特定危険部位が除去されていないというものが入ってきたことについて、責任はどこにあると総理はお考えなのか承りたいと思います。

小泉内閣総理大臣 まず、日米の合意、ルールを遵守しなかったという、これに関連したアメリカ側の関係者等にルール違反という責任があると思っております。

松本(剛)委員 しっかりアメリカ側に抗議をしていただきましたでしょうか。

中川国務大臣 一月二十日にわかった後、東京で、そしてまたワシントンで事情を説明し、厳重な抗議をいたしました。

 その前に、既にすべての米国産牛肉の輸入の停止を決定しておりますけれども、原因の徹底的な究明、それから二度とこういうことが起こらないようにするためのきちっとした対応を日本側に示していただき、もちろん日本側が納得しなければならないということは当然でございます。

 それから、私あるいはまた外務大臣、官房長官初め、日曜日にゼーリック国務副長官とお会いをしたときにも、私からも強く申し上げましたし、また月曜日の夜、アメリカのジョハンズ農務長官と電話でお話をしたときにも、怒りを覚え、そしてまた、大変不信感を覚えるという言葉も使いながら、強く抗議をしたところでございます。

松本(剛)委員 一点、あらかじめというか、確認をさせていただきたいと思います。

 今回も、一部には、我が国の水際対策がしっかりしているから見つかったんだ、こういうようなコメントもというか、お話もあったようでありますが、今回既に、お聞きをする限りでは、届け出ベースで千五百トン近くが日本に到着をしていて、手続が終わったものは七百三十トンほどあるというふうに報告を聞きました。

 実は、この事案が表に出ましたのが一月の二十日の金曜日であったかというふうに思いますが、私は地元へ帰ろうと思って駅へ向かって、お弁当屋さんの前に立っておりましたが、ある記者さんから、こういう事案が発生したけれどもコメントをと求められたときに、私の目の前にあったのは、冗談のような話ですが、USビーフ弁当。もう外へいっぱい出ているわけですよね、現実に。

 今、検疫所を通過するに当たっては、いわば抽出の検査であるという理解でいいんですね。つまり、見ていないで出ていっているものがあるという理解でよろしいんですね。その確認をしたいと思います。

中川国務大臣 この問題が発生する前は、この動物検疫、私の所管、あと厚労省の方もございますけれども、例えば、申請件数の六割の中からサンプルを取り出しまして、そして検査をするということでございましたけれども、今回のアメリカ、カナダからの輸入牛肉につきましては、それをすべてチェックする、申請件数ごとにすべてチェックするということでございます。

 そしてまた、その中で、今回のように、今回は四十一の箱があったわけでありますけれども、十三部位に分かれておりましたけれども、部位が違えば部位ごとに全部やるということでございます。もちろん、四十一箱、仮に何もなければ、ということであるということであれば、その中での検査は全部ではなくてサンプルということになりますが、申請件数ごとに全部やります。そしてまた、部位に分かれておりましたならば部位ごとに全部やります。ただし、それについては、その次はその中のサンプルでございます。

松本(剛)委員 国民の皆様にもぜひ確認をしていただきたいと思います。残念ながら、おっしゃったように、件数というんでしょうか、いわば書類審査の件数ごとにはどこかはあけるということのようでありますけれども、全箱をあけているわけではなかったということかというふうに思います。

 ですから、今後この追跡調査のようなこともお考えであるかもしれませんが、先ほど申し上げたような弁当一つにしても、もちろん、だから必ず安全でないということではありません。しかし、少なくとも、多くの人の口に入ってしまったものがかなりあるということも事実ですし、現在も流通途上にあるものも相当あるというふうに認識をしております。この現状だけは、早急に何らかの対策をとるおつもりがおありですか。

中川国務大臣 まず、松本委員の御発言をお聞きしまして、あたかも今国内に流通しているものが不安になるようなことをこのテレビなりをお聞きの皆さんが感じるとするならば、それは私は全く心外でございまして、きちっとした手続のもとで、アメリカの責任において、日本のルールにのっとって、日米の間で合意されたルールにのっとってやっているわけでございます。

 御指摘のように、千五百トン、そしてそれが、七百数十トンが市中に流通していることも事実でございますけれども、それにつきまして、これから、今回を契機にいたしまして、もう流通しておりますから、関係業者に、自主的に、念のために、今回のように骨がついている、脊柱がついているとかなんとかがないようにもう一度確認をしてくださいということでありますけれども、動物検疫の段階できちっとした形で通関をされているということで、私は、安心していただいて結構ですと。ただし、念のために、こういうことが起きたので念のために、ひとつもう一度、関係業界の皆さんには自主的に点検をしてくださいというお願いを現在しているところでございます。

松本(剛)委員 大臣、残念なんですけれども、認識が基本的に私どもとずれているような感じがいたします。

 つまり、アメリカが、私どもが提示をしたプログラムを守ろうとしているということを前提に検疫体制なりをお組みになって、たまたま見つかったということなのか。昨今のアメリカの言動を聞いている限り、これをきちっとやろうというふうにはなかなか聞き取れないところがある。とすれば、この検疫の体制で、全箱でなかったということで、抜けたものについて不安を覚えるのもやむを得ないのではないかというふうに思います。

 そこで、食品安全の御担当の大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、改めて、今回の輸出プログラムというんでしょうか、向こう側から言わせれば。その中で、この食品安全委員会の報告でも米国の国内対応に対する「上乗せ条件」という書き方をされていますが、いわゆる二十カ月齢以下、また特定危険部位の除去という条件が挙がっていますが、これはリスクを評価していただくことにとって不可欠の要件ではないかというふうに思いますけれども、いかが思っておられるでしょうか。

松田国務大臣 お答え申し上げます。

 食品安全委員会の米国産牛肉等のリスク評価におきましては、その結論の中で、「リスク管理機関から提示された輸出プログラムが遵守されるものと仮定した上で、米国・カナダの牛に由来する牛肉等と我が国の全年齢の牛に由来する牛肉等のリスクレベルについて、そのリスクの差は非常に小さいと考えられる。」という評価結果を述べておられますとともに、「これらの前提の確認はリスク管理機関の責任であり、前提が守られなければ、評価結果は異なったものになる。」としておりまして、輸出プログラムの遵守はリスク評価の前提となっております。

松本(剛)委員 後ほどまとめてお伺いをしたいと思いますが、先ほど中川大臣の中にも出てまいりました米国の農務長官は、一月二十日のこの案件が発見をされた段階で、米国の規則のもとで三十カ月未満の牛肉の中にあって、また、この部分は米国では特定危険部位でもない、こういう認識を示しておられます。

 根本的に、どこからが安全なのかという認識が大きくずれているわけでありますが、私どもは、食品安全委員会の皆さんが言われているように、この二十カ月齢以下、そして特定危険部位の除去ということを大前提に安全性を確認しているんだ、そこから外れたら、いやアメリカでは安全だと言われても、これは、私どもの国の中の食品安全委員会が、まさに総理がよく言われるように、科学に基づいて判断した根底が根本から崩れてくるということになるのではないかということを申し上げたいと思います。

 さらに、この安全委員会の結論の後に「結論への付帯事項」というのが書いてありますね。一つ一つはもう特にお取り上げをいただかずとも結構でありますけれども、大変重要なことが、例えば、屠畜場での監視の強化なども必要だということが具体的にそこに書いてあります。安全委員会では大変懸念を持っておられたのではないかというふうに思いますけれども、この部分、結論と一体の極めて重要なものだという認識でよろしいかどうか、確認をしたいと思います。

松田国務大臣 お答えを申し上げます。

 ただいまの「結論への付帯事項」の点だと存じますが、この点につきましては、もちろんリスク評価の結論そのものではございませんけれども、評価を行う前提となった管理機関や米国、カナダへの要望、意見を取りまとめたものでございまして、重要なものでございます。

松本(剛)委員 大臣がおっしゃっていただいたように、大変重要なものだろうというふうに思います。

 そこで、再開決定の決断に至る経緯についてお伺いをしてまいりたいと思いますが、今、松田大臣が言われたように、「結論への付帯事項」の中で、屠畜場への監視の強化を初め、かなりの項目がいろいろ書いてあります。これについて、何らかの対応なり確認のことをされた上で再開の決定をされたのかどうか、この点をお伺いしたいと思いますが。

中川国務大臣 食品安全委員会は、農林水産省とは全く関係のないといいましょうか、別々の組織でございますので、食品安全委員会からいただいた結論というのは大変重く受けとめ、それを前提にリスク管理の行政を行っているわけでございます。

 今の附帯の文言に関しましては、例えば、飼料管理をきちっとするでありますとか、あるいはまた、これは義務あるいはまた約束ではございませんけれども、再開と同時に、指定された四十の屠畜場にみずから行ってチェックをしたり、書類を見たり、格付官の作業を見たりということもしておりますので、そういう意味では、我々に与えられた管理業務プラスアルファのことをやっているというふうに理解をしております。

 なお、松本委員が先ほどおっしゃった、アメリカと日本の基準が違うではないかというのは御指摘のとおりでございまして、ですから、一年半かけて話し合って、日本として、食品安全委員会が、これならばリスクの差は、正確にはちょっと忘れましたけれども、極めて小さいと思われるというところで、その後パブリックコメント等も経まして、その上で決定をしたところでございます。

松本(剛)委員 大臣にお伺いをさせていただきたかったのは、この食品安全委員会の報告の中には、私ども、食品安全委員会にもちょっと申し上げたいことが幾つかありますが、まず、この報告を前提としたとしても、今、松田大臣おっしゃったように、輸出プログラムの遵守を確保させるための責任をリスク管理機関が、つまり、この場合は厚生労働省と農水省ということになると思いますが、負うものであるということが、わざわざ「結論への付帯事項」として明記をされております。

 いわば、同じ政府の中ではかなり強い文言だというふうに私ども思いましたし、さらにその中で具体的に、例えば屠畜場での監視の実態が不明であるとか、まだ、いろいろ飼料のお話がありましたけれども、禁止する必要があるとか、つまり、今の状況よりこういう手を打つ必要があるというふうに読める内容のものを記しているわけです。

 この点について、きちっと確認なりそういう対策がとられたかどうかということを踏まえないで、そして輸入再開の決定をされたとすれば、総理がよく科学的知見に基づいて、その判断に従ったと言いますけれども、これでは報告に従ったということにならないのではないかということを、判断をされたリスク管理機関の農水、厚労両省にお聞きをしているわけであります。改めて御答弁をちょうだいしたいと思います。

中川国務大臣 まず、食品安全委員会からいただいた我々に対する命令といいましょうか決定というのは、言うまでもなく、二十カ月齢以下であるということ、それから年齢にかかわらず特定危険部位が入っていないということ、そしてまた、先ほど申し上げましたように、我々は、十二月の十二日に、再開に当たってという厚生労働省と共同でペーパーを出しておりますけれども、我々として、国民の皆様へこれからいろいろと情報もきちっと提示をしながら、えさの問題あるいはまた検査方法、そして、必要に応じてアメリカ等に行ってチェックをするということも含めましてやっているわけでございます。

 基本的には、特定危険部位の除去、それから月齢の問題、そしてえさ等の問題、それから屠畜方法云々ということで、その報告書を踏まえて最大限我々としては管理業務を行い、そして、先ほど松本委員冒頭おっしゃいましたけれども、今回のようなことが起きたときには、動物検疫段階できちっと把握ができたということでございますので、この業務を推進していくことについてのプログラム自体、それから我々のリスク管理業務自体については、今回御指摘をいただくようなことは、現時点においてはないというふうに考えております。

松本(剛)委員 私ども民主党は、この輸入再開の前後から、このプログラムが遵守をされるかどうかについては極めて懸念があるということを申し上げ続けてまいりました。私どもだけではありません。さまざまな関係各方面からも、そういう声が上がっておりました。

 今、大臣のお話ではございましたけれども、昨年の十二月十二日に再開が決定をされ、十三日に、おっしゃったように査察団が出ていきましたけれども、十六日にはもう肉は届いているわけであります。既にそれが流通に、手続が終わり次第、回っていっているわけであります。こういった、それぞれの食品安全委員会の附帯事項というものも、確認をした上でスタートをしているわけじゃないわけです。スタートをして、後から追っかけて確認をしているという状況の肉がどんどん入ってきているわけであります。

 現実に、これは大臣の配下の農水省と厚労省の方々の査察の報告の中でも、「今後対応することとした事項」ということで、SRMの定義が日米で異なっているから、マニュアルに明記するように米国政府から対日認定施設へ通知をしてもらう、これも今後対応する事項になっているわけですね。査察団が行って見て帰ってこられても、まだやるべきことがあるな、こういう状況の中なわけですよ。

 そして、食品安全委員会の報告というのを非常に大きく振り回して、いわばそれを金科玉条のようにおっしゃっておりますが、そこに書いてあることもしっかり守られているとは、私が読む限りでは到底思えない。その中で再開決定をして、こういうことになった。

 これは、私は日米の関係にとっても本当に不幸なことだと思います。こういう形を、本当に場当たりで急いでやるということは、大変大きな問題を既に呼び起こしているわけでありまして、ぜひここのところは、先ほどのアスベストのときも申し上げましたけれども、改めて政治家として、きちっともとへ立ち戻っていただいて、どこが違っていたのかということを決断していただく必要があるのではないかというふうに思いますが、御答弁をいただきたいと思います。

中川国務大臣 今回、日本側に行政としての問題点があったかと言われれば、私はないというふうに考えております。ただし、それでいいのか、百点か、一切何もしないかと言われれば、アメリカ側からこれから原因究明あるいは再発防止のための抜本的な対策が出てきたときに、それに応じてさらに日本がやるべきことがあるかもしれませんので、今後について、さらにやるべきことがあれば、政治家としてあるいは所管の農林水産大臣として、それは謙虚に、そしてまた前向きに、国民の安全と、そして食べ物に対する安心と喜びのために貢献するために努力をしていくことは当然のことでございます。

 現時点で、このプログラムに基づく作業については、今回の出来事、まことに私にとりましても怒りと悲しみを覚えるということをジョハンズ長官にも申し上げましたけれども、しかし、日本側には、今回のことに関して申し上げれば、きちっとした対応をしているというふうに考えております。

松本(剛)委員 これまでのいろいろな経緯を引きずってきた中での今回の牛肉再開決定ということで、中川大臣も途中から就任をされたことと思いますが、御判断をされた立場でありますので、率直にお聞きをさせていただいております。

 先ほどアスベストのところでも問題になりました、予見可能性というのでしょうか、そういうこともあるかもしれないということがわかっていながらやれば、当然責任が発生をいたします。今回のこの輸出プログラム、米国側のプログラムが守られているかどうかというのは本当に懸念があるということは、私どもだけではありません。この食品安全委員会の報告を見たって、素直に読めば、相当確かめてからでないと踏み切れないなというふうに読まなければいけない文章だというふうに思います。多くの関係方面からもそういう指摘はあったわけであります。その手続を踏まずに、さっき申し上げたように、あっという間に肉が入ってくる体制をとった。このことは、やはり判断において大きな責任があるということを指摘せざるを得ないというふうに思います。

 総理、よろしいですか。今申し上げてきたように、輸出プログラムというんでしょうか、二十カ月齢以下、そして特定危険部位の除去というもの、これが本当に守られているかどうかというのは本当に心配があるということを我々申し上げ続けてまいりましたし、多くの人が申し上げ続けてまいりました。その中で輸入再開決定をされ、結果としてこういう形で、特定危険部位の除去がなされていなかった。しかも、これは向こうの検査官がわかっていなかったという、まさにプログラムが本当に機能していないということがはっきりした中で、御決断、過ちは早く認めた方がいいというお気持ちになりませんか。

小泉内閣総理大臣 日本としては、食品安全委員会等の専門家の皆さん、報告をきっちり踏まえて対応したわけであります。

 その報告の中でも、仮に、この日本の守らなきゃならない基準をアメリカ側で守れなかったり、想定していないような事態が起こった場合に、その場合には輸入を一時停止すべきであるという報告も受けているわけですから、そのとおり、きちんと対応しているわけであります。

松本(剛)委員 総理、食べ物なんですよ。大変なことをおっしゃっていると思いますよ。だめだったらそのときとめればいいという話じゃないんじゃないですか。そうでないものをちゃんと入れるようにする。

 これは、食品安全委員会はあえて報告にも書いてあるんですよ。こういう条件であることだけの評価を我々はしました、条件が守られているかどうかは、厚労省、農水省のリスク管理機関にしっかりやってもらいたいと。相当心配がなければ書かないような文章が書かれているわけですよ。そこの部分をすっ飛ばして、条件が守られていれば安全だと言われた。しかし、条件が守られているかどうかということはみんなが心配をしているけれども、そこの部分を飛ばして入れちゃったわけじゃないですか。

小泉内閣総理大臣 そんなに責めなくてもいいじゃないですか。私は、丁寧に、そのとおり食品安全委員会の報告を言ったまでなんですよ、しっかり対応していると。責められるべきはアメリカ側であると。なぜ日本が責められるのかわからない。

 というのは、科学的知見に基づいて専門家の皆さんと協議して、報告を受けて、そのとおり行政は対応しているんです。それを、私は余り読むの好きじゃないから、政治家同士の対話だから、大ざっぱに考え方を言ったんですよ。そこまで詳しくやらなきゃならないんだったら、ちゃんと読みますよ。

 「もし、リスク管理機関が輸入再開に踏み切ったとしても、管理措置の遵守が十分でない場合、」「SRM除去が不十分な場合、処理・分別過程において牛肉等が二十一ヶ月齢以上のものと混合され得る場合など、人へのリスクを否定することができない重大な事態となれば、一旦輸入を停止することも必要である。」この科学的審査に基づいてきちんと日本側の行政は対応しているんです。

松本(剛)委員 もう時間が無駄だと思いますけれども、条件が守られている中でこうだということをこの安全委員会の報告は出しているわけです。これは私も全部読みました。しかし、ちゃんと条件を守るように政府、厚生労働省、農林水産省はやってくれということもこの中に書いてあるわけであります。この段取りを全くせずに入れたということは、決断が誤っていたのではないかということを私は申し上げたんです。

 もう一つ申し上げなければいけません。枝肉のというか、年齢の判定も生理学的な熟成度という形になっておりますけれども、これは三十秒にほぼ一頭と、見てきた農林水産委員会の方々も言っておられました。販売促進局がやっている、いわば、売るためのグレードアップ、グレードづけを利用して、これで年齢を見きわめようという話だろうと思います。安全にかかわる判定をしようというのと、販売の値段をつけようとするためのものとでは、当然求められる精度も違ってくる。これだけこのプログラムに懸念があって、なおかつ、そのプログラムが守られていないという懸念があるということを私はしっかりとお伝えをしてまいりたいと思います。

 麻生大臣にも。麻生大臣、そもそも私は、この間違いは、二〇〇四年の十月二十三日の外務省との局長級会談で事実上条件を決めて、事実上輸入をそこで再開の道筋をつけた。条件も決まっている、輸入することも決まっている。しかし、アメリカ側はこれで輸入できるんだと思ったけれども、日本はなかなかぐだぐだ言っている。この大きなずれから間違いが生じてきたんだと思いますよ。いわば、そこも合意の一種の粉飾じゃないでしょうか。アメリカは大統領選挙の直前、そして日本は、牛肉が入ってくるのは総選挙が終わってから、こういうやり方を食べ物の安全についてやるということは、私は絶対に許されないことだということを強くお訴えを申し上げたいと思います。

大島委員長 農水大臣、せっかく立ちましたからどうぞ。簡明に。

中川国務大臣 外務大臣の前に、一言申し上げます。

 リスク管理が行われていないというふうに何回も松本委員はおっしゃっていますけれども、総理がわざわざ文章をお読みになるぐらいにきちっと、読まれましたけれども、我々はリスク管理をやっているんです。リスク管理をやっているのは日本の我々なんです。きちっとやっています。きちっとやった上で、結局日本の中に入ってきていないんですから、この食品安全委員会の報告書の指摘するところに全く抵触していない、このことははっきり申し上げておきたいと思います。

麻生国務大臣 今、一昨年のBSEの協議の話が出されておりますけれども、松本先生は英語がおできになるという前提で、シェアド・ザ・ビューと書いてありますので、認識を共有したということを意味しておりますので、これは誤訳でもなければ何でもなく、合意したとは書いてなく、シェアド・ザ・ビューと書いてありますので、間違いなく認識を共有したと理解されてしかるべきだと存じます。

松本(剛)委員 時間が参りましたので割愛しますが、結果として、成田にああいうものが届き、なおかつ、アメリカの農務長官はこれは食品の安全の問題ではないというコメントも出しているという現状を国民の皆さんがどう認識するかということを強く訴えて、私の持ち時間を終わりたいと思います。

大島委員長 この際、馬淵澄夫君から関連質疑の申し出があります。松本君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 本日は、補正予算の審議、予算委員会の冒頭ということで、私は、昨年来、閉会中の国土交通委員会の中でもたびたび議論がなされてまいりました耐震偽装問題、特に、この耐震偽装の被害に遭われた住民の救済のための補正予算が今般のこの予算の中に組まれております。金額として、住民の皆さん方の建てかえ、マンションの相談あるいは移転、除却、建てかえといった、こうした総合的支援に五十億の予算が今回計上されているわけであります。この耐震偽装問題について、私、閉会中にかかわってきた、また、多くの住民の方々の声も聞きながら、この補正予算の是非について今回質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、今回の補正予算でございますが、いわゆる私有財産、個人が有する財産の回復、これらに対して公的支援、公的資金が投入されるということの是非についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。

 今日までもさまざまな形で、こうした個人の財産の回復について、公的資金の投入ということについて議論がなされてまいりました。例えば最近では、災害のために家屋を失った方々に対する支援、被災者生活再建支援法という法律の議論も、これも直近の中で行われております。

 平成十六年十一月の二十九日の災害対策特別委員会、いわゆる災害特の中での議論としまして、そのときの財務大臣、谷垣大臣が、住宅本体や補修費に対する支援を財務省は認めないのかといった質疑に対しては、このようにお答えになられています。「住宅というのは典型的な個人財産でありますから、まずここは自助努力ということが必要であろうと。それからもう一つは、自然災害以外の事由で住宅を失われたり何かした方とのバランスということもあろうかと思います。」この場合は、自然災害に遭われた方の補修やあるいは家屋の建てかえ等についての議論の中で谷垣大臣への質問だったわけでありますが、ここに明確に、自助努力ということが必要であろうか、このようにおっしゃっておられます。

 さて、谷垣大臣にお尋ねをさせていただきます。

 谷垣大臣、この個人の財産の回復並びにこうした住宅に対しての公的支援、公的資金の投入という部分に対しての政府の見解、この十六年の災害特でお答えになられた答弁、これらは今もって変わらないでしょうか。谷垣大臣、現時点での政府見解をお答えいただけますでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほどの、私の答弁をお引きになりましたけれども、その問題に関しては、そのときに申し上げたことでよろしいと思っております。

 それで、今回とは状況が私は違うんだと思っております。これは、午前中の審議でも国土交通大臣が御答弁になりましたように、本来、売り主、建築主の瑕疵担保責任というものが一番の基礎にあるというのは、私はもう動かせないところだと思います。

 ただ、幾つかやはり問題点がございまして、これも先ほど、国土交通大臣御答弁でございますけれども、建築確認という確認検査で重大な構造計算書の偽装が見抜けなかったという問題点がやはりございます。そういうことがございますので、これを純然たる民民の問題として瑕疵担保責任を追及する、これはかなり時間がかかる場合がありますから、そういう時間的な問題点を、すべて民間人といいますか、その当事者に持たせるということが行政としてよろしいのかという問題が一つあろうかと思います。

 それからもう一つは、この分譲マンションの居住者の安全あるいは居住の安定ということもございますが、それと同時に、周辺住民の、地震が起こった場合にこれはどうなるのかという不安の問題もございまして、そういう意味での公益性というのもあるのではないかというようなことから今回のような対応を考えたわけでございますけれども、その際、これも午前中、国土交通大臣御答弁になりましたけれども、徹底した責任追及を前提とするというのは、私は当然のことだろうと思います。

 それから、この確認検査が自治事務であるというようなことを踏まえますと、地方公共団体が主体となって対応を講じていただく、それから、対象は、構造計算書の重大な偽装というものが原因であって、その偽装を建築確認において確認することが看過をしてしまったというようなものであって、倒壊の危険がある、除却命令を講ずる分譲マンションの居住者だ、それから、災害や危険住宅等に関する既存の財政措置とのバランス、こういうことを前提として今回のような措置を講じたわけでございますので、先ほどお引きになった答弁の場合とは私は状況を異にすると考えております。

馬淵委員 今、財務大臣から、先ほど北側大臣のお答えいただいた部分も含めましてお答えがなされたというふうに理解いたします。

 確かに、今回、政府は、時間リスクの問題、また、これは売り主の瑕疵担保責任を徹底追及するといった前提から、純然たる民民の問題ではないんだということでの補正予算の措置、このようにお答えになられておりますが、このことについて、財務大臣も財政当局としてそれをお認めいただいたというふうに理解をいたします。

 ただ、過去におきましては、こうした個人の財産に対する公的資金の投入の部分については、繰り返しの議論がなされておりましたことについて私少し確認をさせていただきますが、これも災害特、平成十六年の三月十八日、これは井上大臣がお答えになられておりますが、「現在の私有財産制度のもとにおきまして、住宅の建設そのものについて直接的にお金を出していくということは非常に難しいことじゃないかと思います。」と、このように答えられております。

 また、憲法に規定されたり法律には書いてありませんけれども、私有財産制度を前提にした場合、住宅の建築費に対して財政出動していくことが適切であるのか、これについては問題あるということでありまして、そこに財政資金を投入していくことは適切ではない、こういうことを申しておりますとお答えをされています。

 つまり、基本的には、国のお金、いわゆる税金です、国民の皆さんから預からせていただいたこのお金を財政資金として個人の財産の回復に使うことは、これは適切ではないという前提のもとに、しかし、今回においては、売り主の瑕疵担保責任を徹底追及するという前提においてこの措置をされた、こういうことが今大臣のお答えの中からいただけたわけであります。

 さて、となりますと、今回、こうした場合に、少なくとも行政の何らかの責任があるんだということについての確認をさせていただきたいわけでありますが、行政の責任としてということに関しては、北側大臣が十二月二十日に国土交通省で記者会見をされておられます。行政の関与、これもそこではあるわけです。これは、建築確認という公の事務において重大な欠陥があることを見抜けなかったということもあるわけでして、行政の関与もそこではあるわけです。行政の責任として、総合的な支援対策、支援スキームを提示させていただく、これが今般の五十億のスキームということだと思います。

 さて、そこでお尋ねをしますが、北側大臣、今回、行政の責任というものがそこにはある、このようにお答えをされています。行政の責任という部分で、その責任割合というのは今どのようにお考えなんでしょうか。

北側国務大臣 まず、先ほどのお話の中で、地震等災害時に財政出動はしていないということはありません。当然、地震等の災害のときに、例えば仮設住宅の提供なり、それから……(馬淵委員「個人の財産の回復について言ったんですよ、私は」と呼ぶ)いやいや、財政支援をされていないとおっしゃったから、していると申し上げているんです。

 今回の件も、全く新しい制度をつくったわけではありません。地域住宅交付金制度という従来の、既存の制度を活用して、そして今回の支援スキームをつくったわけでございます。法律上の根拠はきちんとございます。予算上の措置については、今、この補正予算審議で皆様の御審議をちょうだいしているところでございます。決して法律上の根拠がないということではないということを申し上げているわけです。

 その上で、今の御質問、お答えしたいと思います。

 私がそこで申し上げている責任というのは、民事上や、また国賠上の責任というのを申し上げているわけではありません。行政上の責任ということを申し上げているわけです。緊急性、公益性があります。現に、震度五強の地震があったら倒壊するおそれがある分譲マンションが十棟ある、そこにお住まいの方々が三百世帯近くいらっしゃる、そういう中において早く居住者の皆さんに退去をしていただく、また、近隣の住民の方々に安心をしていただく、これは緊急性、公益性があるというふうに判断をした。そこで行政が何もしないというのは、放置をするというのは、それこそ行政上の責任を果たしていないことになるのではないかと考えているわけでございます。

 行政の責任として、今回、既存の制度をさまざま活用させていただいて支援のスキームをつくらせていただいて、補正予算の御審議をお願いしているわけでございます。

馬淵委員 国賠上の責任は負わないが行政の責任はある、だから今回は、その時間リスク等を勘案して予算措置をしたとおっしゃる言葉だと思いますが、さて、しかしながら、これに対しては総合支援という形で国土交通省は発表されておられます。住民の方々、この支援という言葉に対して、いや、国の責任としてのこれは補償であり賠償なのではないかということを常々おっしゃっておられます。

 私は、この住民の方々、グランドステージ川崎大師、あるいは藤沢、あるいは住吉、東向島といった方々とのそのお話を伺う中で、このことについてはいたく心を痛めておられました。総合支援、この国の支援という言葉が先に出ているがゆえに、責任の所在が明確でないままにお金をもらうといったイメージが先行してしまっている。むしろ、国土交通省の責任を明確にして、補償、賠償の責務を国が中心となってすぐ行うべきではないかということを強くおっしゃっておられます。

 「国土交通省の責任が裁判で決まっていないからと、国の支援と言う言葉で補償・賠償問題を別の話にすり替えている。」「知らない人は、震災と比較して税金を使いすぎるなど批判が出ている。」これはグランドステージの方々が与党のワーキンググループに対して出されている要望書でもあります。非常に心を痛められております。自分たちの税金をなぜあんたたちのために使われなきゃいけないんだといういわれなき非難を受けておられる。

 つまり、国は、国賠上の責任は持たない、行政上の責任があると言って、そして支援だとしてお金を出そうとしている。徹底追及を行うという前提があるのだからということで、その責任は当然ながらに瑕疵担保責任、十年間、これを負った売り主やあるいは請負者に対して請求を行います、こういう説明をされておられます。責任というものが明確にならなければ、本来はこうした公的支援のお金ということが投入されるのはむしろおかしいのではないか。これは住民の方がおっしゃっています。

 住民の方々がおっしゃっているこの言葉に対して、北側大臣、支援という言葉と責任があるという言葉を時によって使い分けているというこの矛盾に対してどのようにお考えでしょうか。お答えいただけますか。

北側国務大臣 先ほども答弁をさせていただきましたが、今回の耐震偽装の問題で、分譲マンションについては、約三百戸の世帯の皆様が、そういう危険な、震度五強以上の地震があった場合には倒壊するおそれがある、そういうマンションにお住まいなわけでございます。それを、居住者の皆さんの安全を確保していくこと、これが最優先でございます。近隣の住民の方々も非常に不安に思っていらっしゃいます。当然です。この近隣の住民の方々の不安を取り除くために、早く建物を解体しなければなりません。これは行政の仕事じゃありませんか。これを放置して、万一、震度五強以上の地震があって、仮に大変な被害が生じるようなことがあった場合には、それこそ私は行政の責任が問われると思うわけなんです。そこで、放置することは許されないと我々は判断した。

 かつ、先ほども谷垣財務大臣が答弁をしていただきましたが、今回の案件には、建築確認の際に見落とした、それが民間の指定検査機関であれ、建築確認の際に見落としてしまったという事実があるわけです。全く純然たる民民の関係ではないと申し上げたのは、私はそういう趣旨で申し上げているわけです。行政の関与があるわけでございます。ですから、なおさらのこと、行政としてこうした状況は放置できない、しっかりと対応しなければならないというふうに考えているわけでございます。

馬淵委員 放置しろとは私は一言も申し上げておりません。責任を明確にしていくということが大前提であるにもかかわらず、今おっしゃるように、緊急避難的な措置として税金を投入することに対して、なぜ、そこで一歩立ちどまって、この問題、事実解明を先にしなければならないかということがお考えになられないのか。

 そして、今お話の中には、周辺住宅、住民の方々の安全性を守らねばならないというお話がありました。ならば、今回のこのスキームに関しては、マンションだけであります。ビジネスホテル等、当然ながらに周辺住民の方々に危害を及ぼすおそれがある、こうした建物の除却については含まれておりません。このことについては、明らかに今のお話の中では矛盾が生じるではないですか。

 私が申し上げているのは、このような周辺住民の安全、あるいは被害に遭われた住民の方々を考えるならば、まず責任ということを明確にしていくという姿勢を出さねばならないのではないですかと申し上げているんです。

 その責任のことも、もう一つの責任の分野でいえば、今回、国と地方の責任分担は五五%と四五%、国が四五%、地方が五五%、こうした算出がおおむね五十億という計算根拠の中に含まれています。地方自治体の首長の方々、知事さんの方々、なぜ四五対五五なんだと、これに対しても異論を唱えておられます。

 このように、責任分担、割合の問題、あるいは周辺住民への安全を考えたときには、建物除却に関して当然ながら支援をすべきだという理論でいけば、マンションだけのみならず、ホテルも含まれるはずである。

 こうした一つ一つの矛盾がありながら、補正予算でとりあえず大変な状況だからお金を出さなければならないというのは、余りにもその責任ということを明確にしないということ、慌ててお金を渡してしまえということにならないですか。大臣、これに対して明確な御答弁をお願いいたします。

北側国務大臣 分譲マンションとホテルの取り扱いを違えている理由は、これから述べる理由でございます。

 分譲マンションの居住者の方々は、売り主である建築主からそのマンションをお買いになりました。こうした耐震度が偽装された建物ができたことに何らの責任はございません。それが大前提です。

 一方、ホテルとか賃貸マンションの場合は、所有者の方々は事業者でございます。事業者でかつ建築主なんですよ。建築主の方々は、施工をだれにするか、設計をだれにするか、それを選ぶ責任は、事業者である建築主の方々が選んでやっているわけで、責任があるわけでございます。事業者間の問題です。

 ですからこれは、事業者の間で基本的にそもそも責任追及する手段をお持ちなわけですから、そういうところに追及をしていくのは、当然、まずそれをしっかりやっていただくことが第一であるということを私は申し上げているわけでございます。

馬淵委員 いや、大臣、今のは全然御説明になっていないと思うんですね。周辺住民に危害を及ぼす部分に関しては同じじゃないですか。先ほど、行政の責任だと大きな声でお話しになられたじゃないですか。大臣、これは行政の責任は同等じゃないですか。周辺住民は変わるんですか。建築主が周辺住民に与える影響と、そこに住んでいるマンションが周辺住民に与える影響、何も変わらないじゃないですか。

 大臣、おっしゃっていることが矛盾していますよ。お答えください。

北側国務大臣 分譲マンションの居住者の方々、これについても、本来は売り主である建築主が当然第一義の責任を果たしてもらわなければいけません、瑕疵担保責任を負っているわけですから。ところが、これまでの経過から御承知のとおり、委員もよく御承知のとおり、売り主として誠実な責任を果たしていけるような見通しが全くないわけです。それは放置できないわけです。一方で、分譲マンションの居住者の方々は、こういう違法な、耐震が偽装された建物ができたことに何ら責任がないわけです。

 一方、ホテルや賃貸マンションの場合は、事業者の方々がみずから設計者を選んでいるわけです、施工者を選んでいるわけでございます。そういう事業者の方々がまず第一義的な責任を負うべきですし、事業者間で責任追及をしっかりやってもらいたい、それがまず先決ですと申し上げておるんです。

馬淵委員 問題をすりかえないでください、大臣。私は、ビジネスホテルの周辺住民の安全は関係ないのかとお聞きしているんですよ。しっかりお答えくださいよ。周辺住民は、ビジネスホテルの周辺は関係ないというお答えなんですか。お答えください。

北側国務大臣 ホテルの場合であれば、その近隣の住民の安全、安心を確保していくためにも、まず、その事業者であるホテルのオーナーの方々がまずしっかりやってもらう必要があるわけですよ。それをやってくださいと申し上げておるんです。

 それでもどうしてもやらない場合は、これは行政として除却命令等、それは当然やることになってまいります。

馬淵委員 それは、私はもともとのこの問題がどこにあるのかということを後ほど詰めていきたいと思いますが、繰り返し申し上げますが、ホテルに関してはオーナーに求めると。しかし、除却進まないじゃないですか。先ほど来、いつ地震が訪れるかわからない状況だとおっしゃったじゃないですか。

 マンションに住まわれる方々は、当然ながらこれは被害者です。そして、大変な不安の日々を過ごしておられます。これに対しては、支援という形ではなく、むしろ補償、賠償という責を負って取り組むべきです。

 しかし、周辺住民は、マンションであろうがホテルであろうが変わりません。それに対して明確なお答えになっていませんよ。周辺住民の方々に対しての行政の責任はあるんですか、ないんですか。お答えください。

北側国務大臣 何度も申し上げておりますけれども、ホテルの場合については、これは、一義的な責任は、みずから施工者やまた設計士を選んでいるわけですから、みずから事業者として責任を果たしていただく必要があるというふうに申し上げているんです。分譲マンションは、所有者の方々は違うでしょう、自分たちには何の落ち度もないわけなんですから。

 そして、仮に、ホテルだとかその周辺の近隣の住民の方々の不安を解消するためにどうしてもホテルのオーナーの方々ができない、やらないという状況であるならば、これは最終的に行政として、これは地方公共団体でございますけれども、除却命令というものも出していくということになります。

馬淵委員 お答えいただいていないんですね。五十億はマンションだけ、そして、ビジネスホテルに対してはもう除却命令を出すんだというお話で、それならば、では財政措置は要らないんですか。今回のこの財政措置について、行政の責任があるんだ、そして安全のためにと明確におっしゃっているんじゃないですか。それが、今のお答え、何度もお聞きしても、いや、除却命令を出すんだと。

 そのお話は、それこそマンションに対しても同等のお話としてこれは当てはまるんですよ。責任は、これは、マンションの場合も間違いなく一〇〇%まず売り主が瑕疵担保責任を負うわけですから、状況は同じなわけです。マンションの方々のためにこの補償を行っていくということをお考えになるならば、周辺住民の安全をお考えになるならば、ビジネスホテルについても同等の考えを適用しなければ、公平性が担保されないんじゃないですか。

 この辺を大臣は先ほど来全然お答えいただいていませんが、総理、お答えいただきたいんですが、こうした状況の中で、住民の方々が、本当に心配をされているこの問題に対して、いや、むしろ責任が行政に、国にあるんだということを明確に求めておられるんです。国に明確に求めておられる。しかし、慌てて今回この措置を行う。

 では、もう一点、北側大臣にお聞きしますよ。国と地方の責任のこの五五%と四五%についても、地方自治体はこれはちょっとおかしいとおっしゃっているじゃないですか。これは拙速な判断と言わざるを得ないんじゃないですか。大臣、ではもう一点お答えください。

北側国務大臣 今回の支援スキームですね。今回の支援スキームについては、地域住宅交付金制度を活用していますので、基本は、国が四五、そして地方は五五という割合に基本がなっています。

 ただ、今委員のおっしゃったように、地方団体からは、この支援については、全体として国、地方少なくとも五分五分でやってもらいたいというお話が何度もございました。そして、今までのこの既存の制度を活用しまして、おおむね五、五になるような対応をさせていただいておるところでございます。

馬淵委員 今ある制度を使ってのことだから、これは四五%の責任範囲だということで今とりあえず行ったんだと。これは、やはりどう聞いても、拙速、安易にとりあえず予算措置をすればいいんだということに私は見えてなりません。そして、事実、その住民の方々からの要望書の中にも、国がまず責任を明確にしろ、裁判やあるいは国家賠償などで決める前にこのことについて明確にすべきだ、こういうふうに住民の方々は要望されています。

 さて、その国の責任についてですが、先ほど、午前中に北側大臣の御説明にもありました。確かに幾つかの判例の中で、これも、地方公共団体、この建築確認制度の中での見落としといわゆる建築主事の責任については、これはみなし公務員ということで、いわゆる国土交通大臣が任命した国家資格者であり、みなし公務員としてその職責を負うとして、その地方公共団体等々が判例において責任を負うということが幾つか明示されております。

 このような形で、みなし公務員、国が責任の一端を負うんだ、行政上の責任のみならず、その資格を認定しているという流れの中ではこれは明確に責任を負うんだということを、この委員会の中で北側大臣、御確認いただけますでしょうか。

北側国務大臣 きょう午前中に申し上げたことでございますけれども、まず、この指定確認検査機関が建築確認の際に見落としをしたという場合に、何らかの被害が生じた、その場合に損害賠償の請求の対象はどうなるのかという問題は、これは判例がございます。

 その前提として、これは昨年の六月の最高裁決定でございますけれども、指定確認検査機関による確認に関する事務の帰属する行政主体というのは建築主事の属する地方公共団体というふうに、これは最高裁決定であります。

 この最高裁決定を踏まえまして、横浜地方裁判所、これは昨年の十一月の三十日に判決が出ているわけでございますが、こういう判決をしております。指定確認検査機関の行った確認について、国家賠償法上も違法と評価され、その点に故意または過失があって賠償を要するものであれば、損害賠償責任が地方公共団体に発生する、このような判示をしておるんです。

 ただし、この判示は、こういうことを言った上で、本件においては、指定確認検査機関に過失がないから損害賠償は認められないというのがこの横浜地裁の判決。これは今控訴審で控訴されておりますけれども、こういう判決があります。

 また、かつて山口地裁でも、これは指定確認検査機関ではございませんけれども、建築主事が過失があった場合の判決について、やはり、同様にこういう同じような判決があるわけでございますが、ただ、本件においてどうであるのかということについては、九十六件の姉歯元建築士の偽装物件が現時点であるわけでございます。これは態様の手口も違うのもあります。それぞれについてこの指定確認検査機関が過失があったのかどうか、その過失があったことと損害との間に因果関係がどうなのか等々が、当然これは具体的な事実関係に即して判断されていくことになるわけでございまして、これは、最終的には司法の判断を待たないといけないと考えるわけでございます。

 ただ、民事上や国賠上の責任がありやなしやという問題をずっと議論していて、今ある状態を放置していていいのかと、それはないというのが我々の判断でございまして、支援スキームをつくらせていただき、補正予算にも計上をさせていただいたわけでございます。

馬淵委員 それぞれ個々の事案において当然ながら判決が異なるのは当たり前の話でありますが、私がお尋ねをしたかったのは、こうした判例の中で、これは民間の確認検査機関ではありませんが、今御指摘の部分、あるいは東京地裁二〇〇一年の判決等でも、これについては、検査機関や建築主事の過失あるいはこうした行為に対して、当然ながらに公共団体が責を負うということの判例があるわけです。こうした判例があるということは、すなわち、今回におきましても、この民間の確認検査機関という制度そのものが構築されていく中で、そもそもの責任は国にあるのではないかということは、実は、建築基準法制定時の平成十年にさかのぼっての議論になるのではないかということに私は御指摘をさせていただきたいというふうに思っております。

 この国の責任、そもそもは、欠陥ある制度を今日まで放置してきた、あるいは見過ごしてきた、あるいは、立法時に予見しなかった行政並びに当時の立法府の方の責任があるのではないかということ、これは強く住民の方々が訴えておられることでもあります。当然ながら、その偽装を行った建築士、これは重い罪があります。また、その検査の中でずさんな状況であるならば、これも、見過ごしたことに対しては責が問われるでしょう。しかし、そもそも、民間確認検査機関のみならず、特定行政庁も見過ごしてしまっているこの制度の欠陥、この制度が果たしてどのような議論が行われていたかということを確認していきたいというふうに思います。

 この国の責が問われる、平成十年の議論でありますが、先ほどの北側大臣が、いや、こういった問題についてはやはり国が行政上の責任を負うべきだというお答えをいただきました。そうした対応をしたと。それでも先ほどのお答えの中には、ホテルとマンションの違い、周辺住民に危害を及ぼす問題については何ら合理的な御回答はいただけなかったというふうに思っていますが、しかし、立法時はどういう議論がなされていたかというと、平成十年の五月十五日、当時の建設委員会であります。

 私どもの同僚議員である川内委員が、確認や検査の仕方がまずかった、あるいは確認、検査にふぐあいがあったということで建物が何らかの理由で倒壊をしたり被害を受けたりするといった場合、どのような責任が問われるのかということの質問に対しては、当時の政府委員、住宅局長は、これは結果としてそのような引き金になって建築物に損害が生じたというふうな場合は、当然のことながら、建築確認、検査を依頼した建築主と請け負ったところに契約関係があるので、これは民事上の損害賠償責任、このように明確に答えられています。

 つまり、行政上の責任というのはこの段階では考えておられなかった。そこはまさに、民民の中での損害賠償、瑕疵担保の責任の範疇なんだということを立法時には考えておられたわけですね。

 さらに、このときの、当時の議論を見ていきます。

 この当時の議論は、同じく五月の十五日、衆議院の建設委員会の中で、与党の議員が議論の中ではもっと踏み込んだことも指摘をされています。

 例えば、この建築基準法の改正の中で、確認を民間に移行するというところの中で、「いっそ建築士事務所の自主確認を認めて、責任をより明確に負わせるという考えはないでしょうか。」と。これはどういうことかというと、例えば今回の本件の問題でいえば、元請設計である平成設計やあるいは姉歯建築士がみずから確認を行った方がいいんじゃないか、その方が早いんじゃないかというようなことをおっしゃっています。

 こうした議論の中で、とにかく民間開放、民間確認検査機関をどんどんどんどん推進せよという流れがこの当時の議論の中にありました。そして、その確認検査に対しては当然ながら不安も指摘されていますが、どういう形で行われるのかという議論、これは、民間確認検査が行われれば当然ながらに確認期間が短くなるのですかという同じく与党の議員の質問には、政府委員は「格段にスピードが速くなる」、このようにおっしゃっています。「ただ、民間にお任せした場合には、確認対象法令に合致しているか否かという、ただその一点を事務的、機械的に淡々とさばくというふうなことが業務になります。」

 いいですか、この部分、私は、昨年の十二月の二十一日、国土交通委員会の一般質疑の中でも御指摘をさせていただきました。山本住宅局長にこの点をお尋ねすると、大きな誤解があると言って、文脈上それは行政的な事務の話だということでおっしゃっていますが、そうではありません。この中では、格段にスピードが上がっていくじゃないか、本当にそれで大丈夫なのかという質問に対しては、事務的、機械的に淡々とさばくだけなんだ、だから大丈夫だ、このようにおっしゃって、そしてこの議論は終わっているんです。

 しかし、この言葉、実は、今回の民間確認検査機関、イーホームズや日本ERI、こういったところが、あるいは特定行政庁も見過ごしをしていますが、確認検査というその制度の中で、いわゆる関係法令に合致しているか否かを確認するという作業が事務的、機械的に行われてきただけだという、そうした抗弁も出ています。

 この当時の議論は、実は全く詰め切れていなかったんじゃないんでしょうか。この当時の議論は、このように、本来なら予見すべき立場にいる当局の皆さん方が、建設省、当時の方々が、政府委員の方々が、これを見過ごす、あるいは、意図的にかどうかはわかりませんが、こうした確認検査制度というものを抜本的に見直す機会を逃してしまったという大きな過失がそこにはあるのではないかということを私は御指摘をしたいと思います。大臣、いかがですか。

北側国務大臣 この指定確認検査機関制度は、今委員のおっしゃったように、平成十年の建築基準法の改正で導入をされました。

 当時までは、それぞれの地方公共団体の建築主事がすべて建築確認をやっておったわけでございます。ところが、実際は、平成七年に阪神の震災があったわけでございますけれども、その際の反省として、もっときちんとその辺のチェックをすべきではないか、十分にできていないのではないか、こういう議論がありまして、この平成七年の十一月に当時の建設大臣から建築審議会に諮問がなされまして、この答申が、平成九年の三月に答申がなされて、これからは民間企業や団体を活用したこうした建築確認も活用していこう、整備をしていこう、こういう答申が出されて、平成十年に法案が出されたわけでございます。

 そして、現に、平成十年にこの制度ができてからは、例えば、それまで平成十年段階では、建物完成後の完了検査というのがあるんですが、この完了検査は当時三八%しかできていなかったんですが、平成十六年には七三%と倍近く検査率が向上しているだとか、それから、違反建築物の件数についても、平成十年に比べますと約半減している、こういうふうな状況になっているわけでございまして、この制度そのものは、決して方向としては間違っていないというふうに考えております。

 ただ、今回、このような偽装を見抜けなかった、それも、民間の検査機関だけではなくて特定行政庁においても見抜けなかったわけでございまして、その辺の実態の調査をしっかりさせていただいて、建築確認制度、また建築士制度等の見直しはしっかりとさせていただきたいと考えておるところでございます。

馬淵委員 結局、平成十年当時に本当にずさんな議論をしているということなんですよ。

 これは、他の野党議員がまた質問されているんです。民間にゆだねた場合に、「安かろう悪かろうという検査になりはしないか。極端な場合を言えば、手抜き検査ということが横行するのじゃないか。」こういう質問に対しては、そのときの住宅局長、政府参考人は、いや、そんなことは、むしろ、安値競争ということの懸念だけれども、実はそんなことを自分たちは心配していなくて、それよりも、そうした民間確認検査機関がどうやってできていくのか、本当にそれに参加してくださるのか、八割、九割がそのことで頭がいっぱいだ、過当競争に近い状況が起こることがもしあるならばすばらしいことだと思っている、こんないいかげんな答弁をされているわけですよ。

 そして、現実に何が起きているか。これは二〇〇五年の調査の結果では、例えば大阪府では、民間指定確認検査機関上位五社ぐらいが全体の八割を占めていて、残りの二十社ぐらいが残りのシェアを奪い合う、こうした状況になっている。これは容易に想像ができることなんですよ。容易に想像ができることを、先ほどの答弁、これは全部同じ政府参考人なんですが、ずさんな議論、いいかげんな議論でこの確認検査制度を抜本的に見直すことをしなかった、そのことの責が問われるんじゃないですか。

 そして、その責が問われるという中で、今政府は、責任ということに対する何のみずからの省みをせずして、五十億というその予算措置を図って、それこそつかみ金を渡して終わらせようというそんな発想になっているのではないかとグランドステージの住民の皆さんがおっしゃっているんですよ。国民の皆さんが皆同じように、納税者として、何でこんな形で慌ててやるんだと疑問に思っているんです。

 このことに対して、総理、このずさんな議論と、そして、今申し上げたようなこの背景、国民が感じている背景についてお答えいただけませんか。総理、この補正予算措置に対してお答えいただけませんか。

小泉内閣総理大臣 責任ということに関してすぱっと割り切れない点があるというのは、今の質疑でも、私でも理解できます。

 ただ、実際にこのようなずさんな偽装建築といいますか、ごまかしによって被害を受けている住民がたくさんおられるわけです。それに対して、法的な責任云々がはっきりしないということで手をこまぬいていていいかどうか、そういう問題も責任としてはあると思います。先ほど北側大臣が答弁されたように、基本的には、民間であろうが地方公共団体であろうが、ごまかした、あるいは見抜けなかったという点については、一義的にこれは責任がある。

 今後、このようなごまかそうとする人たちに対して、そのごまかしを見抜けるような対策はどうあるべきか、再発防止をどうしていくべきかという点についても、この問題というのは大変大きな問題だと私は思っております。

馬淵委員 大きな問題なんです。そして、その責任ということについて、この立法時にまで踏み込んで、再度、本当に国がこの問題に対して予見できなかったということを明らかにしていく上で予算措置というものがなされるべきではないのかということを私は申し上げているんです。緊急避難的に、時間リスクも考慮して対応しなければならないことも十分に理解できる。しかし、国の責任ということを前提にして補償というそのスタンスで考えたときに、果たしてこのような予算措置で済むのかという問題もあります。

 この問題が、いかに平成十年の立法時、ここの問題にかかわっているかということを私は先ほど来お伝えをしてきたわけでありますが、このずさんな議論、平成十年の議論、政府委員として答弁を繰り返されておられたのは、当時の小川住宅局長でありました。

 小川住宅局長は、その後、平成十三年に内閣の官房内閣審議官となられ、小泉総理大臣が誕生された後、緊急経済対策が十三年四月六日に発布され、そして、十三年五月八日閣議決定をされた都市再生本部が設置されました。都市再生本部長、内閣総理大臣小泉総理。小川忠男住宅局長は、同年七月に都市再生本部の事務局長となられました。そして、小川忠男事務局長は、平成十六年までこの都市再生本部事務局長の仕事をされて、同年七月、独立行政法人都市再生機構の副理事長になられました。

 文字どおり、本部長である総理が都市再生政策を進め、その事務方のトップである小川忠男都市再生本部事務局長が采配を振るわれた。十六年七月に退官されると同時に独立行政法人の都市再生機構の副理事長になる。監督、コントロールする立場の者が、その事務方のトップの方が、今度は、退官された後にすぐに監督される側のその独法の副理事長につかれた。

 このことについては、平成十六年の十一月二十五日の参議院の財政金融委員会でも質疑がなされています。野党議員が、その小川都市再生機構副理事長、参考人でお見えになっているときに、なぜあなたそこにいらっしゃるんですかとなかなかユニークな質問をされているんですね。そして、このユニークな質問に対して、「なかなかお答えしにくい質問でございます」「私も役人をやっておりましたので、その後の、何といいますか、仕事として都市再生機構へ行けというふうな任命を受けたのでいるというのが事実でございます。」と。

 総理、都市再生本部長として御自身が采配を振るわれた中で、都市再生機構副理事長に行けと任命されたというこの小川さん、ずさんな平成十年の議論の真っただ中におられた住宅局長のこの小川さん、総理が本部長としておられた再生本部から指示で機構に行きましたという小川さん、このことについてのこのお答え、どのようにお感じになりますか。

小泉内閣総理大臣 都市再生は都市再生として必要な事業でありますし、その中で、今までの経験を生かしていかに各種都市再生事業をやるかということでありますので、その中で手腕を発揮していただきたいと思って起用したわけでございます。

馬淵委員 一般の国民から見れば、いわゆる天下りとしては最もこれは不思議に映る姿ですよ、監督する側が監督される側のトップに近いところに行くわけですから。もちろん、仕事を一生懸命やっていただきたい、ならば総理の任命だったのかということかと言えば、当然ながら、自分にそんな権限はないとおっしゃるでしょうからお聞きはしませんが、平成十年の立法時、こうしたずさんな答弁を繰り返す政府、また、いわゆる住宅関係にかかわる役人が天下りをしていく流れ、実は、このことはその後も後を絶ちません。

 この耐震偽装の問題の中でもたびたび政治家の名前が出てまいりました。国土交通委員会の中では伊藤公介元国土庁長官の名前が挙がりました。とりわけ伊藤長官のかかわりというものについては、大成建設、十一月十日に紹介をした、また、十一月十五日には国土交通省へ、国土交通省に対して連れていった、一緒に行った、そこでの話をした。また、政治献金も取りざたされております。また、伊藤元長官のファミリー企業との関連も言われております。

 これに対して、伊藤元長官はこの一月の十九日に記者会見で、大成建設は紹介した、国土交通省は一緒に行ったが何のことかわからなかった、後で報道で偽装を知った、そして、ファミリー企業については知らなかった、このようにお答えになられています。

 結局、この平成十年の建築確認検査を民間に移すといった議論、当時、ずさんなことがなされていた議論の中で、政治家とのかかわり、これが、その後にはこういった形で伊藤元長官にまでつながってきている。

 この伊藤元長官、ファミリー企業の部分に関して、きょうは事務総長にも来ていただいていますので、お尋ねをしたいと思いますが、御子息がそのファミリー企業、ヒューザー社との取引のある企業の社長とそして役員をされておられます。また、公設秘書をされている方が役員であり、公設秘書、政策秘書の方は監査役になられております。

 国会では、こうした公設秘書の兼業については届け出の義務が課されております。事務総長、伊藤元大臣の政策秘書並びに公設秘書の兼業届というのは届けがありますでしょうか。

駒崎事務総長 お答えいたします。

 議員秘書の兼職は原則として禁止されておりますが、国会議員が議員秘書の職務の遂行に支障がないと認めて許可したときは兼職することができることになっております。兼職の許可を受けた場合には、許可を受けた旨並びに当該兼職に係る企業、団体等の名称、報酬の有無及び報酬の額等を記載した文書を議長に提出しなければならないことになっております。

 なお、この文書は公開することとされております。この公開は、一般の閲覧に供する方法によることとされており、公開の期間は、兼職届が提出された日から三十日を経過した日の翌日から当該議員秘書の退職または死亡の日までの間とすることとなっております。

 伊藤公介議員の公設秘書の兼職につきましては、平成十八年一月十三日に政策秘書から二件の兼職届が提出され……(馬淵委員「ごめんなさい、平成十八年の」と呼ぶ)平成十八年一月十三日でございます。第一秘書から二件の兼職届が提出されました。

 なお、いずれの兼職届につきましても、提出日から三十日を経過しておりませんので、現在は公開に至っておりません。また、政策秘書提出の兼職届二件のうちの一件につきましては、平成十八年一月二十三日に兼職終了届が提出されておりますので、これにつきましては公開の対象にはなりません。したがいまして、政策秘書に関する一件と第一秘書に関する二件が二月の十三日に公開されることになっております。

 以上でございます。

馬淵委員 これも、伊藤元長官の名前が出て、そしてファミリー企業との関係が取りざたされた、そして一月十三日にこれが慌てて出されたということであります。

 伊藤元長官、この伊藤長官は、総理のまさに盟友と呼ばれるような方ではないかと思います。伊藤長官、「なんてったって小泉純一郎」というこんな著書も出されていますね。伊藤長官は、「変(革の)人 生みの親は国民だ」「なんてったって小泉純一郎」、御自身のことも、「三回の総裁選を共に闘ってきた衆議院議員伊藤公介」と、こうした著書も出されているわけです。

 この盟友である伊藤公介元長官、この問題が明らかになって、そしてファミリービジネスとのかかわりも、長妻議員の小嶋証人への証人喚問の質疑の中で、刑事訴追のおそれがあるからといってお答えいただけなかった。刑事訴追のおそれがあるということは、すなわち、何らかの疑義があるということを小嶋さんはそこの証言の中で言われているのと同じ意味なんです。この伊藤長官に対して我々は、証人喚問を求めるべきだ、このように訴えてまいりました。

 総理、これは、盟友でいらっしゃる、それこそ三回も総理を支えてこられた伊藤長官に対しての証人喚問、御自身のその盟友というお立場でどのようにお考えですか。お答えいただけませんか。

小泉内閣総理大臣 伊藤代議士とは私も親しいですし、過去、最初の総裁選挙のときからも、何てったって小泉だといって応援してくれて感謝しております。私も伊藤さんの選挙に応援に行ったこともあります。

 伊藤代議士はみずから記者会見して説明をされたようであります。これからの問題につきまして、私自身、だれであれ、疑惑を受けたなら、みずからその疑惑を晴らすために行動をとられるのが筋ではないかなと思っております。

馬淵委員 おっしゃるとおりだと思います。みずからが晴らすべきです。

 御自身は、もう一つの別の著書「駅頭からの挑戦」の中で、ロッキード事件の証人喚問について、政治家が証人喚問を要求されたら堂々と身の潔白を明らかにすべきで、そのくらいのことができないなら議員を辞職するべきと述べられております。そして、今総理のお言葉にもありましたように、そのように政治家は行動すべきだということ。

 伊藤代議士は、御自身の中で、総理を支えてくる中で、長い道のりだった、過去三回にわたり総裁戦を戦ってきた仲間として、「引き続きなんらかのお役に立ちたいという気持ちです。」と後書きに書かれています。まさに何らかの形でお役に立ちたいというならば、この問題は国民が大変注視をしている、そして、政治家とのかかわりについても大変疑念を持っているわけですから、伊藤元長官に対しての証人喚問、ぜひとも実現をしていただきたい。この予算委員会として証人喚問をぜひとも決定いただきたい。委員長、これは理事会での協議をお願いします。予算委員会としてお願いいたします。

大島委員長 理事会で協議をいたします。

馬淵委員 理事会での協議というお言葉をいただきました。

 さて、伊藤元長官だけではありません。政治家の名前は、一月十七日の小嶋社長の証人喚問の中で安倍官房長官の秘書という方も飛び出しました。この安倍官房長官が、小嶋さんとのかかわりの中では明確に記者会見をされておられます。

 明確な記者会見、それに先立って私は、小嶋さんの発言というものをその証人喚問の中で取り上げました。小嶋さんは、これは十一月の二十日にグランドステージ川崎大師の住民の方々に直接語られているんです。小嶋さんにその発言は事実としてありますかということで確認をとらせていただいて、証人喚問の中で、事実だとお答えをいただきました。

 どういうことをおっしゃったかというと、小嶋さんが、安倍晋三議員を通じて、いろいろなところから、この問題に関しては絶対国の責任だ、このように国交省の役人に言ってもらいました、このように説明をされた。さらに、なぜそうしたことができるかということについては、自分は、私どもはあの安晋会、安倍さんの安と晋三の晋ですね、安晋会というのにやっぱり入っておりまして、その彼の後援会の、そこの後援会の会長から、政策秘書の飯塚さんという方を、御担当を紹介していただきまして、そこから直接、次の事務次官になるという予定の方に電話を入れていただきました、このように語っておられます。これについては、小嶋さんは証人喚問で飯塚さんのお名前も発された、そしてそのように言ったということをお答えいただきました。

 これを受けまして、安倍官房長官は記者会見をされています。まさかこの記者会見の言葉が翻ることはないと思うんですが、一月十八日十一時十五分からの首相官邸の会見で官房長官が明確にお答えをされた。これもすぐにニュースで流れました。小嶋社長またヒューザー社と私は一切関係がございません、このようにおっしゃって、そして、国交省に対する働きかけは一切していない、このように答えられています。たまたま十一月十七日に飛び込みで小嶋氏が事務所を訪問し、事情等について述べて帰っていかれた、こうお答えになられています。そして、さらには、小嶋氏自体も後援会員でもありません、こう述べられておられます。

 さて、小嶋さん、証人喚問は本当にストレスのたまる証人喚問となりました。証言拒否が繰り返されました。しかし、あの証人喚問が終わった直後、一月の十七日でございます、一月の十七日のその証人喚問後、この国会を出た後に、午後六時、ある事務所におきまして、小嶋さんは二名の方に二時間このことについて語っておられます。そして、この二時間語られた内容はテープでとられ、さらにそれがテキストで起こされています。その内容について私は確認をさせていただきました。直接小嶋さんがお話しになった、直接小嶋さんから聞かれた二名の方から確認をさせていただいております。

 小嶋さんは、国土交通省が耐震偽装問題を発表した十一月十七日の十五時に、これは安倍晋三先生の事務所、議員会館で政策秘書の飯塚洋さんにお会いしました、こういうふうにおっしゃっています。そして、この問題について語られたわけです。すると飯塚さんが、やあ、小嶋さんの会社はこれじゃつぶれちゃいますよと心配をされた。だれに相談したらいいかな、次の次官ぐらいの人なら話を聞いてもらえるかなとおっしゃった。そして、その場で電話をしたかどうかは記憶は定かでないということでありましたが、これは、小嶋さんが出てこられた後、事務所を出て車で会社に帰る途中に飯塚さんから電話があった。電話してみたら国交省で大ごとになっているよ、役所は事態をよく知っていた、飯塚さんは審議官に要望を伝えておいた、このように小嶋さんは一月の十七日の午後六時から二時間語っておられます。そして、安晋会、これも入っております、安倍先生を応援する安晋会に入っていますと。ただ、会社の専務が代理で何度か会合に出席しているので、先生との名刺交換は専務はしているかもしれません、このようにおっしゃっています。

 安倍長官、確認をさせていただきますが、後援会には入っていらっしゃらない、そしてそのような働きかけは一切ないというふうにお答えをされていますが、小嶋さんは後援会に入っていらっしゃる、こういうふうに答えられています。一月の十七日の午後六時から二時間の中で答えられています。安倍長官、記者会見のその御発言は変わるんでしょうか。お答えください。

安倍国務大臣 ただいま委員は、小嶋社長の発言をうのみにされてそのままお話しになったわけでありますが……(馬淵委員「うのみというか、事実を伝えるだけです」と呼ぶ)小嶋社長は、住民の説明会において、私ども親交のある、それこそ市議会議員から国会議員に至るまで、石原慎太郎に至るまで、また安倍晋三議員を通じて、いろんなところから、この問題に関して……(馬淵委員「質問に答えてください」と呼ぶ)絶対国の責任だと、まかり間違ってもディベロッパーの等々を言っているんです。

 まず、石原慎太郎さんは全くこれは否定していますね。石原慎太郎さんはしています。いいですか。そして、いいですか……(発言する者あり)

大島委員長 静粛に。

安倍国務大臣 いかにあなたが、今言った、例に挙げた小嶋さんの発言が間違っているかということを私は今例に挙げて質問しているんです。そう興奮しないでください。いいですか。まず、石原慎太郎さんは全く違うと言っている。

 そしてまた、今直接私とやったと小嶋さんは言っていますが、その後の証人喚問のときには、私の秘書となったじゃないですか。そして、そのときにはまた、その場で電話したと言っていたわけでありますが、その後のインタビューにおいては、そのときには電話しているかどうか覚えていないと言っている。いいですか、そう言っているわけですよ。

 そして、そもそも私は全く小嶋さんには面識はありません。そして、私の後援会、全く政治資金を受け取ったこともありませんし、また、パーティー券もいただいたことはありません。

 そして、この安晋会という会でありますが、この安晋会という会は、慶応の同窓の方々が親睦を図る会としてつくられまして、そして私がそこに呼ばれて、それで私の名前をとって、じゃ一年に一、二回開こうかということになったわけであります。

 そして、今委員が御指摘をされました、その小嶋社長を私どもの秘書に紹介したというか、会ってくれと言ってきた人物でありますが、その人物は安晋会の会長ではありません。これも違うわけでございます。

 そして、その後私は、安晋会の、安晋会というのは、そもそも私の事務所や私が管理をしている団体ではございませんから、安晋会の会長と幹事の方に伺いました。この小嶋社長は安晋会の会員ですかと聞いたら、それは会員ではない、おととしの会に、一回ビジターとして会員が何人か連れてきた会に専務が出席したことはある、こういうことでありまして、恐らくそれ一回きりだったんだろうと、こう思うわけでございます。

 それを委員は、まるで何かすごく膨らまして、まるで私と特別な関係にあるように言うということを私は偽装と言いたい、こう思います。

馬淵委員 全くお答えをいただいていないんですね。私は、官房長官の記者会見のその言葉に変わりはないかとお尋ねをしているんですが、先ほど安倍長官、私は、小嶋証言で小嶋さんが言ったことを伝えているだけなんですよ。私、何も膨らましていないんですよ。小嶋さんが言ったこと、そして、うのみも何も、小嶋さんが言ったことを伝えているだけですから、それに対してそのままお答えになられたらいいじゃないですか。全くお聞きをしていないこともお答えになって、今、官房長官、先ほどのお話の中で、安晋会、自分が全くかかわっていないというか、自分の中での管理はしていないんだというふうにおっしゃっていますが、このように、安晋会代表幹事という形でこちらの方が紹介されているわけですね。ここには明確に後援会と書かれているわけです。そして、この方、代表幹事。

 では、官房長官、なかなかお答えいただけないので、そして、偽装だとか大変不愉快だとか御自身の感情ばかりおっしゃっていますが、政府のスポークスマンとして、内閣のかなめとして大事なお立場にいらっしゃる方がきちっとお答えをいただけないというのは大変問題だと思いますので、お尋ねしますよ。では、この安晋会の代表幹事の方を御存じですか。

安倍国務大臣 私が先ほど触れました親睦会の安晋会がなぜこの偽装とそんなに深い関係があるのか私は全くわかりませんが、先ほど申し上げたとおりであります。

 そして、今それを見せていただいたわけでありますが、そもそも代表幹事という方、恐らくそれは名刺なんだろうと思うんですが、それが設立された当初の話をちょっとさせていただきたいと思いますが、設立された当初、この会は親睦会であって、会長がいたわけでありますが、その名刺をつくった人物が、その人物が私の秘書に小嶋社長を紹介したわけでありますが、当時、その人物が、少しちょっとこれは盛り上がり過ぎましてその名刺をつくったんですが、しかし、彼は会長でもありませんし、それは後援会団体でもないので、私が言ったわけではありませんが、その会においてその名刺はもう使わないようにと数年前に、もうその名刺は使っていないはずであります。そしてそれは、私のことではなくて、この会で決めたわけでありますから、安晋会の方々に聞けばすぐわかる話でありまして、そういうことはしっかりと調べていただきたい、このように思います。

 それとまた、馬淵委員は、テレビで再三、私が記者会見において遺漏なき対応と言ったのは、小嶋さんに頼まれて記者会見でそのように言った、このようにテレビで何回も発言をしておられます。しかし、それはちゃんと、テレビで発言をするんだったら少しは調べていただきたい。少なくとも、私の記者会見はちゃんと全部のテキストを読んでください。私は、遺漏なき対応と言う前に、その前に、関係業者についての責任もしっかりと追及していかなければいけない、調査をし、告発をするべきものは告発をし、処分をしなければならない、こう述べた後、それも含めて遺漏なき対応とこう言ったわけであります。私が小嶋社長に頼まれていたら、こんなことを言うはずないじゃありませんか。

 ですから、この記者会見の言葉を、遺漏なき対応というのを引用するのであれば、その前に私が何を言ったかを調べていただきたいし、それがわかっていてそれを意図的にカットしたのであれば、まさに政争の具にあなたは利用しようとしているとしか言いようがないというふうに思います。

馬淵委員 お決まりの文句が出てきました。政争の具ですよね。必ずこうした形で、政官業、先ほど私、繰り返し確認をさせていただきました。

 政と官、まさに伊藤公介元長官、そしてこの官の中では峰久国土交通審議官、これは審議官に電話をしていただいたという話でありました。山本住宅局長、また小川建築指導課長、また先ほど、都市再生本部の小川忠男元住宅局長、こうした方々、政、官の問題。

 そして、政、業の問題であれば、伊藤公介元長官に対する献金の問題、あるいは口ききという部分が取りざたされています。ヒューザー、東日本住宅、こうしたところが、まさに口ききがあるのではないかと疑われている。

 さらには官、業、天下りがあります。先ほど話を私はしましたが、この先にまた時間があればしたいと思いますが、日本住宅建設産業協会、日住協への天下り。これは、徳山元国土庁長官官房審議官が天下りをされておられます。

 こうした政官業の癒着の構図があるから、この国が今大きな停滞に陥って、それを変えなければならないのが小泉構造改革ではないんですか。政官業の癒着を断ち切ることこそが、改革を真っ先にやらねばならない。恐れず、ひるまず、とらわれずというのは、小泉さんのそのキャッチフレーズであった。とらわれてはならないのは、この政官業の癒着を断ち切るということではなかったんですか。だからこそ、政争の具でも何でもなく、耐震偽装のこの問題を追及していく上においては、しっかりと立法やあるいは行政措置で正していく上では、政治家とのかかわりが明らかにならなければ国民が納得しないんじゃないですか。

 さあ、繰り返しお尋ねをしますが、安倍官房長官は後援会員ではないとおっしゃっていますが、小嶋さんは、安晋会、この安晋会は後援会として銘打たれた、この名刺にもあるように。後援会と名が打たれた中での会員として会費を納めてこられたというふうに証言されています、発言をされています。それに対して安倍さん、記者会見の中で会員ではないとおっしゃった。事実と違うんじゃないですか。それについて明確にお答えください。

安倍国務大臣 先ほど私は説明したじゃありませんか。その名刺の件については御説明しましたね。それはしかし会の中の話ですから、一々本当はこんなところで時間の無駄ですから説明したくなかったんですが、あえて聞かれたからそう説明をいたしました。ですから、この人物はこの名刺をもちろん使っていません。そして、先ほど申し上げましたように、会長は全く別の人物であります。会長は全く別の人物であるにもかかわらず、小嶋社長は会長から頼まれたと、これは明らかにうそであります。

 そして、先ほど来申し上げましたように、この会は私の事務所が管轄をしている会ではありませんが、この会の後援会長や幹事の方々に伺ったところ、会員ではないと言っています。そして、私どもがいただいた会員の名簿の中にも、いただいた名簿の中にも入っておりません。そして、一昨年、たまたま忘年会には何人か安晋会の会員の方々が、友人を連れてきてもいいということで、ヒューザーの小嶋さんではなくて、専務の方をだれか知っている人が連れてきた、こういうことがわかったわけでありますが、私はほとんど覚えてはいないわけでございます。そのときの座席表を事務所で調べたところ、そこにははっきりとビジターというふうに書いてあったわけであります。

 以上であります。

馬淵委員 今御説明をいただきましたが、この問題に対して、小嶋さんが発言されたことに対しての安倍官房長官の反論ということでありますが、いずれにしても、このことに対して当事者となっているのは飯塚洋さん、政策秘書の方であります。ここに関しては、私は、この安晋会という会が後援会だと銘打っておられる、そしてそこに会員としていたという小嶋発言に対して、今官房長官の御説明がありましたが、少なくとも、そこに関与してきた、この間に立たれたのは、安倍官房長官の政策秘書である飯塚さんです。飯塚さんがまず国土交通省に働きかけたか否かについては明確に調べていただかねばならないんじゃないでしょうか。

 北側大臣、これについて、しっかりと調査をこの予算委員会にして、報告をいただくことをお約束していただけませんか。北側大臣。

大島委員長 北側大臣。

 指名は私がするんです。

北側国務大臣 安倍官房長官の秘書の方から、国土交通省の例えば住宅局の職員、さらにはほかの局の局長以上、一切そういう働きかけはありません。そのように報告を受けておるところでございます。

馬淵委員 北側大臣、今、安倍官房長官からの報告でしょうか、省内の御報告でしょうか。もう一度御答弁いただきます。

大島委員長 北側大臣、ゆっくりとしっかり御説明してください。

北側国務大臣 一月の十七日に小嶋社長の証人喚問があって、そのような発言がありましたから、私の方から、念のために調べてみなさいというふうに省内に指示をいたしました。

 局長級の方々で安倍官房長官の秘書から何らかの働きかけがあったというのは、一切ありません。また、住宅局の職員の中でも、そのような働きかけがあったということは一切ありません。そのように報告を受けております。

馬淵委員 この安倍官房長官の秘書の方の働きかけについては、省内での確認は、なかったというお話でありました。そして、そこの今御確認、御報告がありましたが、一方で、小嶋さんは証人喚問の中で明確に答えられていますね。そして、その当事者となる飯塚さんについては、安倍官房長官の御説明しかありません。

 ここにおいては、国会の中で明らかにすべきであり、参考人として飯塚洋政策秘書の参考人招致をどうか理事会の中で協議してください。これがなければこの問題は明確になったとは言えません。

大島委員長 必要であるかないか、理事会で検討します。

馬淵委員 理事会で協議をお願いします。

 このように、政官業の癒着の構図の話の流れの中で、今御説明をしていただくことこそが国民が望んでいることなんです。繰り返し申し上げますが、私がこの問題に対して皆さん方に何か特定の予見を持ってお話をしたことはございません。小嶋証言であり小嶋発言である、こうしたことに対して国民の皆さん方が明らかにしてほしいという願いがあるからなんです。そして、このような政官業の癒着の構図によって大きくゆがめられてしまう制度の構築があってはならないからこそ、この国会の場が求められているんです。

 平成十年の、その当時の建築基準法の改正の議論を見れば、ずさんな議論があったのは明らかです。そして、またここで再度ずさんな議論が行われてはならない。そのためにも、我々はしっかりとその事実を明らかにしていくことがこの場に求められています。

 国土交通委員会の中で、私は閉会中に繰り返しその委員会の中で発言をしてきた。常にリスクを上から下へ、川上から川下へと、より力の弱い者へと移しかえていく。結果、何の過失もない住民や、あるいはマンション、ホテルオーナー、あるいは宿泊客の方々にそのリスクを押しつけてしまう。市場万能主義、経済至上主義という小泉構造改革のほころびが、今この問題の縮図としてあらわれているんです。

 ですからこそ、ここの場で明らかにすることを、何を皆さん方はそれほどまでに恐れているんですか、何をそれほどまでに皆さん方は避けておられるんですか。国民の皆さん方は、正々堂々とこの場にて語られる政治家の姿を望んでおられます。

 このことをこの委員会の場で申し上げて、私の質疑は終わります。

大島委員長 この際、原口一博君から関連質疑の申し出があります。松本君の持ち時間の範囲内でこれを許します。原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 馬淵議員が偽装の問題を議論しましたので、まず、ちょっとそのことから総理に要請をしておきたいというふうに思います。

 それは、まず委員長、お許しいただいて、資料の配付を。

大島委員長 どうぞ。

    〔委員長退席、玉沢委員長代理着席〕

原口委員 総理、資料を配付させていただいている、皆さんにも配付させていただいているんですが、資料の六をごらんください。

 私は、先ほど国土交通大臣がおっしゃったように、責任を明確にして、そして公正公平に、公的資金を投入するときにはやはりそれが、金融でも原則ですね。ですから、どこに責任があったのかということを徹底的にやはりこの国会でも解明しないといけないというふうに思っています。

 それで、ぜひ総理にお尋ねをしたいのは、私は、少なくとも、姉歯元建築士が聴聞を受けた、この聴聞を受けたその資料は私たちに開示されるべきじゃないか。その資料も見ないで、五十億、それから三十億、合わせて八十億というお金を投入するということについては、私たち自身が説明できないんじゃないかということから求めてきましたが、国土交通省からはいまだに、こういう四角で囲ってあるのが、総理、国土交通省の答えで、その下のものが私の反論なんですが、私は、聴聞記録というのは、本人の権利保護の観点から意見陳述等の機会を与える手続であることというような時点をもう超えているんだと思っているんです。

 行政手続法第二十条六項は、審理の非公開を定めているものであって、記録をしている文書を出さない理由にはならないのではないかというふうに思いますし、聴聞制度の趣旨を考えてみたときにも、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に資する、そのために聴聞制度があるわけですから。

 今回の場合は、北側大臣が御答弁になっていらっしゃるように、まさに前代未聞の違法な偽装をやっているわけですから、その偽装が国土交通省によってどのように解明をされてきたのか、あるいは、場合によっては、大臣がおっしゃるように、国土交通省もそれを見逃した責任があると思います。

 その責任はどの辺にあるのかということをこの国会で究明するには、何としてでもこの聴聞記録、これが開示される必要があるというふうに思いますが、総理、いかがですか。

北側国務大臣 これはこの件だけではございませんけれども、聴聞というのは、もう委員よく御承知のとおりでございますけれども、行政処分の前提として聴聞をするわけでございます。

 その行政手続法に基づき行った聴聞の記録、これにはいわゆる個人情報に該当する情報が含まれているものであるため、当該個人の権利利益の保護のためにも開示をするということは困難であると考えております。

 ただし、聴聞の概要を記した資料については、今委員のおっしゃったように、この事件の事柄上、その概要を記した資料については、個人情報を含むものではないため、姉歯元建築士の同意を得て開示をしたところでございます。

原口委員 私は、それで中身がよくわからないから、これほど多くの国民に不安を与えて、そしてこれからどれぐらい、じゃ、自分たちがこの冬空にどこに行ったらいいのか。私たちは、先ほどの議論の中でも、今緊急の措置をやるなとは一言も言っていません。やるべきだと思っているんです、住民の方々にも。近隣の方々にも迷惑をかけますからね。だけれども、そのためにも、何が国土交通省とその検査機関あるいはこの当事者の皆さんの間で起こってきたのか、そのことについてはしっかりと情報を開示されなければいけない。今おっしゃったのは一、二のことだったと思いますが、建築業、一級建築士という事業を伴うので、情報公開法第五条に言う不開示情報にはそもそもなりません。

 そして、総理、これはさらに、よくこのごろ個人情報があるから出せないなんていう話がありましたが、私も大島委員長に前予算委員会で大変御無礼な質問をしたことがありました。しかし、あのとき、御本人の前で言うとおべっかになるように聞こえると嫌だけれども、しっかりと御自身の潔白を晴らすために開示をされました。私は、今回、行政機関の保有する情報の公開に関する法律も調べてみました。やはり事業を営む個人の当該事業に関する情報は除かれているんですよ。そして、人の生命、健康、生活または財産を保護するために公にすることが必要であると認められる情報は開示をされるべきなんです。

 まさに本事案はフルに開示をされるべき事案であると思いますが、総理、いかがですか。

    〔玉沢委員長代理退席、委員長着席〕

小泉内閣総理大臣 今、私よりはるかに詳しい北側大臣が答弁されたとおりで、個人情報とその情報を公開するかという点については、北側国土交通大臣の方が私よりはるかに詳しいですから、その答弁に私も従います。

原口委員 それぞれのつかさつかさにお任せになるという総理の立場からはそうでしょうけれども、しかし、一方でこういう条文もあるんです。これは、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の第七条、公益上の理由による裁量的開示。

 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても、今回そうですね、個人情報に当たるとおっしゃっているわけだから。そういう場合であっても、公益上特に必要があると認めるときには、開示請求者に対して当該行政文書を開示することができるとあるわけです。

 まさに、これほど多くの公益、私は建物の安心というのは国民の安心の中でも最も高い優先順位にある安心だと思います。私も、父が一級建築士をしておりまして、随分、一級建築士の人たちも、たくみのわざを振るって一生懸命つくる人たちも傷ついています。そういう人たちに対しても、あるいは今一生懸命販売をしている人たちもいます、住んでいらっしゃる方もいらっしゃる。そういう人たちに大きな不安と、そしてやはり絶望まで与えているという観点からすると、私は強くここは開示をされるべきだということを要請しておきます。

 そして、二番目。緊急にやらなきゃいけないことはたくさんあるんですが、資料七をごらんになってください。いろいろな方々から私のところにも、では、自分のところはどうなんだと。自分の住んでいるのは、建築基準法、この耐震基準が変わる昭和五十六年の六月以前なんだけれども、自分のところは本当に大丈夫なのか。今回、国土交通大臣の英断で、今の基準で〇・五〇以下のところは一刻も早く退去してください、私は、これは危機管理の対応としては間違っていないし、正しいと思います。

 じゃ、こういう危機管理の状況にある建物というのは日本にどれぐらいあるんだろう。私のところは大丈夫ですかと国民の皆さんが思われるのは当然だと思います。

 それで、国土交通省が、じゃ、昔の基準で今回の〇・五〇以下というのは幾らなんですか、それがこの七の一の資料の一番下に引っ張ったところです。これは、私がつくったんじゃなくて国土交通省が出した資料です。Is値、Is値というのは昔の値ですね、昔の値で〇・三未満というのは、今の〇・五未満なんだという話なんです。

 総理、一体こういう建物というのは日本全国にどれぐらいあるか。昭和五十六年以前に、日本人が、日本の国民が住んでいらっしゃるその割合は四割だと言われています。その四割の中で、ひょっとしたら、緊急に避難をしていただいて、そして手当てをしなきゃいけない建物があるんではないかと思うのは、これは余り間違った想像ではないと思いますが、いかがですか。

北側国務大臣 原口委員もよく御承知だと思うんですが、昭和五十六年以前の建築基準法のものの中に、確かに耐震性が不足しているものがあると思います。今、全国にある住宅、建物の四分の一は耐震性を満たしていないというふうに言われているわけです。

 ただ、そこで耐震性を満たしていないという意味は、旧耐震基準でも、昭和五十六年以前の法律におきましても、中規模地震で柱だとかはりだとか壁などが損傷しないという、これは一次設計でございます、旧耐震基準としてもそれだけのものは求めておりました。ですから、震度五強の程度の地震では、柱、はり、壁などが損傷しない、こういう旧耐震基準は満たしているわけでございます。

 今回の案件は、そもそもこの低減された地震力で、これは偽装でされたわけでございますが、設計されているために、こういう震度五強の地震、中規模地震でも、多くの柱やはりや壁が損傷するような、そういうおそれのあるまさしく危険な建物なわけでございます。ですから、旧耐震基準、昭和五十六年以前の建物、住宅であっても、この〇・五以下のものというものがそんなにたくさんあるとは私は考えておりません。

 我々が今求めておりますのは、むしろ、それよりももっと上の大規模地震、震度六強から七程度で倒壊しないような、そういう二次設計基準というのをこの昭和五十六年の改正で新耐震基準を求めているわけでございまして、それに不足するのが四分の一程度あるのではないかというふうに推測をしているわけでございます。

原口委員 北側大臣、私、短い時間で聞いておりますので、テレビが入っているときはできるだけ慎重に話をしなきゃいけないし、余計な不安を与えてはなりませんから、言葉を選びながらお話をしているんです。

 資料の七の三をごらんになってください。さっき、昭和五十六年以前でどれぐらいあるだろうかというのを、これも国土交通省の関連団体と聞いていますが、日本建築構造技術者協会、JSCAの調査によると、先ほど、いわゆる避難勧告、今の基準で〇・五〇以下、それを昔に当てはめるとIs〇・三、これがどれぐらいあるかというのを試算しているんです。そうすると、約二〇%というデータがあるわけですね。

 その次の次のページ、ごらんいただいて、じゃ、各自治体も、やはり国民の命を守る、住居の安全を守るというのは最大の政治の務めですから、これはテレビがありますから県名は言いません、仮に中部地方の県とだけしておきます。その県の中でIs値を調べています。それがこの資料八の一の表です。

 さっき、〇・三以下が今回の〇・五〇以下と同じだ、つまり、避難勧告をするような、そういうところだというふうに国土交通省の資料を見たわけですけれども、この丸印をつけた、これはまだいっぱいあるんですが、その中の一部を抜粋してきました。例えば警察署、それから学校、警察署は〇・二九になっていますし、学校、これは高等学校ですね、〇・二六、あるいは、これは雨天練習場と書いてありますから、そんなに子供たちがしょっちゅういるわけじゃないんでしょうけれども、〇・〇六。

 先ほど北側大臣がおっしゃったこともそのとおりだと思いますけれども、やはりもう一回、自分たちの身の回りの安全をチェックすべきだというふうに思います。

 そこで、総理、これは問題提起にとどめておきますので、御所見をいただければありがたい。

 国民の皆さんも、今回の偽装、偽装の対応をきょう私は国土交通大臣に聞いているんじゃないんです。きょう聞いているのは、ほかにもやはり耐震を補強しないといけない、あるいは命を守るためには考えなきゃいけないことがあるんだろう、世の中はどうなっているかということを聞いています。

 ぜひ、先ほど委員長もおっしゃったように、私たちの今回の補正の対案、これも真摯に受けとめて、特に子供たちが通う学校あるいは避難するそういう施設について優先的に補正予算を組んで、子供たちの安全、暮らしの安全を確保すべきだというふうに指摘をして、次の質問に移りたいと思います。

 子供の安全です。国家公安委員長にお尋ねをいたします。

 近年、本当に小さな子供たちが大変無残なそういう事件に巻き込まれて、まだ栃木の犯人は捕まっていませんね、そういう中で、学校の現場にも子供たちにも、やはり不安が見られています。実際に子供たちが犯罪に巻き込まれる、そういう状況、犯罪の認知の状況、今どうなっているのか、教えてください。

沓掛国務大臣 刑法犯認知件数で申し上げますと、平成元年と平成十六年では二・六倍になっております。その中でも、特に重要な犯罪、重犯罪については数倍になってきております。そういう中での検挙率は、平成元年に比べて平成十六年は半分近くという状況でございます。

 一般刑法犯認知件数に比べて、強姦、殺人、強盗といったようなのが本当に急激に数倍にふえているという中でございまして、これへの的確な対応が必要だというふうに思っております。

 以上です。

原口委員 いや、私は、わざわざ被害者の年齢が十三歳未満、これは数字ですから事務方でも結構です。近年、十三歳未満の子供たちが被害に巻き込まれる、そういう状況はどうなっているのか、あわせて、発生時間、どういう時間にどこで子供たちが被害に遭っているのか、それを教えてください。これは事務方で結構です。

竹花政府参考人 十三歳未満の子供を対象としました重要な犯罪、これを私ども暴力的性犯罪と呼んでおりまして、暴力的に子供に性的ないたずらをするといったような強制わいせつを中心に、平成十七年で約千五百件を認知しております。これは前年よりも減少しておりますけれども、十年前と比べると約一・二倍となっている状況にございます。

 犯罪の時間でございますけれども、やはり登下校後、十四時から十六時あるいは十六時から十八時の間に、場所は、公園、あるいは建物の中もございますし、道路上もございます。そのようなところで多く発生をいたしております。

原口委員 今その犯罪の一部をお話しになりましたけれども、被害者の年齢が十三歳未満の認知件数というのは、平成十六年で実に三万七千件もあるんです。東京都の中のある区で調べてみたら、何らかのそういう犯罪、軽微なものもですけれども、それを目にしたり、あるいは実際に遭った、四割を超えているという状況でした。今お話しになったように、非常に風俗犯、粗暴犯というものがふえてきていて、特に性的な犯罪、これは私は絶対に見逃せないというふうに思います。

 昨年、私たちも超党派でさまざまな子供虐待の問題に取り組んできましたが、いわゆる性犯罪者の出所後の居住地情報、これについて警察庁に通知する制度が昨年六月から導入されています。しかし、この半年間に情報通知の対象となった八十三人のうち、もう既に九人は所在が不明であるというふうに報告をされているわけです。

 私は、一人一人を管理して、そして一人一人を狭く狭く、まさに安全のためといって何でもかんでも、チップまでつけるという社会は決していい社会であるとは思いません。しかし、小さい何の抵抗もできない子供たちがこのような事件に巻き込まれるということは、まさに緊急に予算をつけてやるべきだというふうに思います。

 今警察庁から伺ったように、これは子供が被害を受ける時間帯です。ちょうど暗くなりかけ、今ごろですね、十六時ぐらいが一番多いんです。この冬の予算で、私たちも十二月に緊急アピールを出しました、ぜひ補正予算を組んで小さい人たちの安全を確保してくれと。

 文科省にこの実態についてもお尋ねをしましたけれども、いや、文科省は数字を持たないから警察庁に聞いてくれと。こんな対応は私は、時間がなかったからそういう対応になったのかもしれませんが、やはり、連絡会議をつくっているんであれば、もっと積極的に小さい人たちの安全についてしっかりと配慮をすべきだし、予算をつけるべきだというふうに思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私も、この子供が犯罪に巻き込まれる事態に憂慮しておりますし、今、時間帯でも、魔の八時間という言葉が流布されております。午後二時から夜十時まで、この八時間が一番、学校から帰ってきて家庭に家族がいない子供たちが一番犯罪に巻き込まれるという。この魔の八時間対策を展開しようということで今鋭意努力しているところであります。

 保育所等の待機児童ゼロ作戦も進めましたけれども、これは目標を達成するとまだ十分でないということでふやしておりますが、同時に学童保育。学校から帰ってきて犯罪に巻き込まれないようにするためには、遊ぶところにも、あるいは遊びにも、やはり地域の方々の協力が必要だろうと。最近は六時まで親が、会社勤めなり仕事から帰ってくる親もいるでしょうけれども、中には、親御さんの中で六時過ぎても会社の仕事があって、あるいはつき合いがあって、帰りたくても、両親とも、母親も父親も帰れない場合がある。できたら六時までじゃなくて十時ごろまで、子供を預かってくれるなり安心して活動、遊びができるようなところが欲しいという要望も強いものですから、ぜひとも我々も、この午後二時から夜十時までの八時間、魔の八時間と呼ばれているようでありますが、犯罪に巻き込まれないような対策を積極的に展開したいと思っております。

原口委員 前向きの答弁をいただきました。

 夜中の十二時にならないと保護者が迎えに来てくれないという、いわゆるシンデレラの子供たちという実態も私は調べてみました。本当に、小さい人たちがこのグローバル化の中で、私は、今どうしてこんなに社会が閉塞感を高めているのか、あるいは世界的にも教育のある意味では荒廃や、あるいは家庭の崩壊といったものを受けているのはどこに原因があるんだろう。これは世界的な先進国の傾向なんだろうか。日本は小泉内閣の変化でそういう形が起こっているのか。それはしっかりと総括して見きわめなきゃいけない。ただ政治のせいにしているだけでは解決にならないんだろうというふうに思います。

 もう一つ、これは問題提起だけにとどめておきますが、小さい人たち、小中高の。きょうはライブドアの堀江さんの本も持ってきました。「稼ぐが勝ち」という本です。これはいい本なんですよね。私は、彼は今大変メディアでもたたかれているけれども、閉塞感のある中で、出身とか、私の隣の県で大変地方ですね、あるいは親の職業とかそういうものと関係なしに、頑張れば何とかなるんだという夢を若い人たちに与えたということは、いや、与え続けてきたということはそんなに軽々しく否定されるべきものではないというふうに思っています。ジャパン・ドリームと言われて、ベンチャーで今も似たように頑張っている人がいるわけで、その人たちがさげすまれることがあっては絶対にならないということをまず申し上げておきます。

 ただ、この中で気になる記述があります。それは、親の所得によって自分たちの教育が決まっているんじゃないかということであります。

 退学率についても調べてみました。表の数字だけ見てみると、退学率は二・一%ぐらいで推移しています、高等学校で。ところが、この数字の出し方を精査してみると、毎年、例えば三百人入ってきた子供たちがことしは三十人出ていくとしたら、退学するとしたら、それは一〇%としかカウントしません。それを三年間で割りますから、結局は、実際に百人入って何人学校から卒業できなかったかというのを調べてみると、七%を超える子供たちが実は最後まで修学ができないということがわかりました。そして、親の経済的な事情で修学をあきらめなければいけないというようなことも、微増ですけれどもふえている。ここにはやはり大きな、経済的な理由やさまざまな社会的な理由で教育の機会を奪われるということは絶対にあってはならないというふうに思いますが、総理の御所見を伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 教育は最も熱心に我々も取り組まなきゃならない問題であると思います。

 外国に行きますと、日本の教育に学びたい、学びたいとよく言われるんですけれども、最近はそれを言われると何か私も恥ずかしくなるぐらいな気持ちを持つんですけれども、それだけ日本が、天然資源がないのに何でここまで発展してきたのか、きっと教育がいいんだろう、教育を手本にしたいという外国の人が多くいるわけですから、そのような言葉に恥じないように、日本はだれでも教育を受けられる機会がある、学ぶ機会、学ぶ意欲があれば必ず学べるんだというこの環境はぜひとも充実させていかなきゃならない問題だと思っております。

原口委員 教育によって培われるもの、これを大事にしなければいけないというふうに思います。

 そこで、日銀総裁にもきょう来ていただいていますが、総裁に伺いたいんですが、今回、午前中の質疑でストップマーケット、茂木委員からも指摘が、これは海外メディアの指摘で不当な指摘だとは思いますけれども、前代未聞の東証のストップということが起こりました。これは、ライブドア・ショック、これもあるでしょう。しかし、その後の一部証券会社の動きもあるでしょう。こういう問題が起こる背景について、日銀総裁はどのように考えていらっしゃるのか。

 そしてもう一つは、超低金利政策、これは異常な政策だと言われながら、もう何年続けていらっしゃるのか。お金が行き場を失って、そしてそれがIPOバブルやITバブルをつくっている。これは決して健全な資本市場を生み出さないんではないかというふうに思いますが、総裁の基本的な今回の事件に対する背景あるいは分析、二点について伺いたいと思います。

福井参考人 なるべく簡潔にお答え申し上げます。

 東京証券取引所、これは、日本の市場経済を支えるかなめの一つでございます。

 金融市場は、一般的に、取引それから決済の両面で、最近は特にコンピューターをベースにしたシステムが極めて重要な役割を担うようになっております。そして、もう一つ言えますことは、特に株式市場は、最近、それを取り巻く環境が急速に変わっている。具体的に申し上げますと、海外投資家の広がり、あるいはインターネット取引の急拡大、あるいは投資信託への資金の大幅流入といったように、数え上げれば切りがないほど大きく環境変化を来しているということでございます。

 そうした中で、委員御指摘のとおり、最近、売買停止のほか、昨年来のシステムトラブルあるいは誤発注問題、次から次へとイベントあるいは事件が起こっているわけでありますけれども、結局のところ、システム面を含めたさまざまな市場インフラも、今申し上げましたような変化にしっかり対応できるだけにシステムそのものが変換できてきたかどうか。こうしたさまざまな事件は、そこが不十分ではなかったかというサインを市場みずから出しているということじゃないかと思います。

 市場参加者、これはもう海外の人々も含めでありますけれども、東京の市場で安心して今後取引ができるように、しっかりとした場を提供していくということがもう喫緊の課題になっている。直接の当事者である取引所それ自身の役割が非常に大きいし、我々、金融の世界で責任持って仕事をさせていただく立場からいいましても、インフラを充実させていくというのは、共同責任、共同の課題だというふうに受けとめております。

 それから、金融緩和政策との関連でございますが、もう過去四年以上、あるいは五年以上超低金利を続けてきている。特に二〇〇一年三月以降は、量的緩和という形で、一層そこに重みをかける形で超緩和を続けてきておりますけれども、これは、日本経済の将来のダイナミックの出発点をデフレ脱却という形でくっきりつくり上げるためにやってきた政策で、この政策については、効果もあるけれども反面副作用があるということもしっかり認識しながらやってきていることでございます。

 市場メカニズムを封殺しながらという非常に大きな犠牲を払ってきておりますし、経済がよくなってくれば、超緩和を利用してさまざまな不規則な動きが出かねない、そういうリスクも十分はらみながら政策をやってきている。そういう意味では、こうした政策は、デフレ脱却というふうな方向性が十分確認された段階では、しかるべくタイミングでやはり切りかえていく必要がある。

 大事なことは、市場メカニズムがきちんと働く、それを通じて、市場規律というものが、みんなが認識できるような状況に持っていく必要がある。方向性としてはそういうことだと思っております。

原口委員 理論的には私、何の反論するところもありません。しかし、では実際にそれをだれがやっているのか。

 東証は、今回、四百五十万件から五百万件というお話ですけれども、アメリカのナスダックは、これは四億件ですよね。もうオーダーが違うんですよ。

 与謝野大臣、私は前の大臣とその前の大臣のことを言う気はありませんけれども、金融庁は、まだ業者行政を抜け切っていないんじゃないか。東証は、どこかからだれかが何か言ってくれるのを待っているんじゃないか。結局、だれも責任を持たないという形で今回のような事件が起きてきているんではないか。

 ライブドアの事件について、法務省に伺います。

 今回四名の方が逮捕されていますが、その容疑は何ですか。

大林政府参考人 お答え申し上げます。

 東京地検は、本年一月二十三日、株式会社ライブドアの堀江貴文代表取締役ほか三名を証券取引法違反の事実で逮捕いたしました。

 お尋ねの逮捕事実の要旨は、被疑者四名は、共謀の上、株式会社ライブドアマーケティングの株式売買のため、及び同社の株価の高値形成を図る目的を持って、平成十六年十月二十五日、東京証券取引所が提供する適時開示情報閲覧サービスであるTDnetにより、株式会社ライブドアマーケティングが平成十六年十二月一日を期日とする株式交換により株式会社マネーライフ社を完全子会社とする旨を公表するに際し、当事会社の間に資本関係及び人的関係の該当事項はないなどと虚偽の事実を公表し、さらに、真実は、ライブドアマーケティングは平成十六年度第三・四半期において経常損失及び当期純損失が発生していたのに、架空売り上げを計上する方法により、経常利益及び当期純利益が生じたかのように装って、同年十一月十二日、TDnetにより、その旨、虚偽の事実を公表し、もって、有価証券の売買その他の取引のため、及び有価証券の相場の変動を図る目的を持って、偽計を用いるとともに風説を流布したというものであると承知しております。

原口委員 証券等監視委員会も東京地検特捜部と一緒に捜査をしているということですから、ほぼ同じ容疑だというふうに思います。それでよろしいですか。

長尾政府参考人 今先生からお話ありましたように、私ども、東京地検特捜部と合同でやっておりますので、今の法務省刑事局長の話に、この事案の概要につきまして特段つけ加える点はございません。

原口委員 事前にいただいた容疑事実を皆さんにわかりやすいように示したのが、この絵であります。もう実際にこうやって、まず、一のところ、株式購入の代金も株も投資事業組合、この真ん中の投資事業組合に移っている。それで、この二のところ、さっきライブドアマーケティング、現ライブドアマーケティングですね、そのころはバリュークリックジャパンというんですが、そこへ株を、これは株同士のスワップをやって、そして、それを証券市場で売り抜けて、不当に株価をつり上げて本体にその利益を還流した、そういう疑いだというふうに思います。

 私は、ここで幾つか問題にしなきゃいけないことは、この投資事業組合というのは一体何なのか。総理、ここで一番怖いのは、ここの匿名性です。

 今回、これは国内でやっているから、その支配関係について一定の調査ができたのかもわからない。ここは全くのブラックボックスになっているんですよ。このブラックボックスになっていることで何が起こるかというと、昔は仕手筋なんという言葉がありまして、やみの勢力のマネーロンダリングに使われたり海外への不正送金に使われる、そういうおそれさえあるわけです。

 今回、これが国内だったから、何回も言いますけれども、資金をフォローすることができましたが、麻生外務大臣はマネーロンダリングについても、このごろ、アメリカとですか、さまざまな世界とも資金の透明化についてお話し合いをされていますが、ここのところの信頼性がなければ、まさに市場そのものが成り立たないということになるというふうに思います。

 金融担当大臣、そういう御認識でよろしいでしょうか。

与謝野国務大臣 最近、金融につきましては、いろいろな仕組み、形態が出てきております。ファンドもその一つだと思いますが、このライブドアの関連の投資事業組合は、いわばライブドアに実質的に支配されている組合でございまして、全く独立性を持っていない、実質的にライブドアとは支配、被支配関係があって、連結の対象になるべきものだ、それが今回の嫌疑を構成している一つの要素になっていると私は思っております。

 そこで、ファンドなるものをどうこれから取り扱っていくかということは非常に大事な問題でございまして、ファンドにつきましては、今回、今国会に提出する予定のいわゆる投資サービス法、実際の名前は証券取引法の一部改正の法律でございますけれども、その中でファンドについても一定の規制を行っていきたいと考えております。

 しかし、一方では、ファンドを利用したいろいろな自由な金融投資活動、これもまた必要なわけでございまして、そういう意味では、今考えておりますのは三点でございまして、新たなファンドについて包括的な定義を設け、規制範囲をファンド全般に拡大するということ、第二点は、ファンドの自己募集について新たに業者としての登録対象業務とすること、第三点は、ファンド形態による有価証券に対する投資運用について、業者として登録対象業務であることを明確にすること。

 いずれにしましても、消費者を保護し、投資家を保護するという目的を持っております。

原口委員 私たちはもう投資家の保護とか言わないんですよ、与謝野大臣。投資者の権利の保障と言うのです。消費者基本法というのを一昨年つくりましたけれども、そこで法律の枠組みを随分変えました。それは、そのときは保護法ですね、それまでは消費者保護法。しかし、保護の対象ではなくて権利の主体であるという形にして、それを公がしっかりと保障するという形にしたわけです。

 私は、今のものでもやはりまだ不十分だろう。事前規制から事後規制にするのであれば、やはりSECの役割をきっちりしておかないといけない。金融庁のもとにある、これは金融担当大臣のもとに証券等監視委員会があるわけではありません、犯則調査権も告発権もあって、そして何で今までこういったことが見逃されてきたのか、私はそこに一番大きな理由があるというふうに思います。

 今のSECの皆さんも一生懸命やっているけれども、しかし、マンパワー自体も足りない、そして機構自体も、私たちがもう何回もこの国会に出して皆さんに言っているように、あの金融国会のころからずっと言っているんです。日本版のSECをつくって、そしてしっかりとした、マーケットを乱すような人たちには厳正な対処をしないといけないということを言ってきているわけで、皆さんもぜひその辺、もう何年言っても同じことになるんだったら、マーケットは飛ばされますよ。日本は世界の六分の一ものGDPを生み出す大きな国であるにもかかわらず、そこの金融マーケットがパスをされてみたりストップしてみたりするなんということは、皆さんの責任でもあるというふうに思います。

 さてそこで、総理、政治的に、私は、さまざまなルールをつくる人間が一つの企業に利用されたり、あるいは広告塔になることがあってはならないというふうに思いますが、総理の御所見を伺いたいと思います。

小泉内閣総理大臣 自民党が一つの企業に利用されたり、一つの企業の広告塔になったり、そういうことはありません。

原口委員 聞いていらっしゃらなかったみたいですね。自民党と一言も言っていません。ルールをつくる人間が、やはりそこはきっちり、公ですから。

 私は、竹中大臣にETFの質問をさせていただきました。あのとき、これからETF、これは株価連動の商品ですけれども、これは上がるからということを竹中大臣はおっしゃっていました。上がるから、閣僚懇の後でみんな買いなさいと。この中には買っていらっしゃる方はいらっしゃらないかもわからないけれども、実際に買って、あのころ、どうでしたか、七千円か八千円ですよね、日経平均株価が。今は一万五千円ですから、お持ちの方は、塩川さんでしたか、おれも買ったよとおっしゃっていたようですけれども、大もうけされたでしょうね。

 総理、私は、そこの公のところと、いや、塩川さんが違えば、申しわけありません、訂正をしておきますけれども、小泉内閣の、特に竹中さんの路線においては、公のルールをつくる人間と、ファンドマネジャーやトレーダーであるという、自分が投資家であるというところの区別がついていないんじゃないかと思うんです。

 竹中大臣に伺いますが、ETFのあの発言は不適切だと一回御発言なさって、そのことをもう一回質問するのは大変恐縮ですが、新たな事実を知ったのであえて伺います。

 あのとき竹中大臣は、閣僚懇でああいう発言をされた後、ある証券会社でETFのデモンストレーションをして、そして金融担当大臣として世の中に、これは上がりますよということを発表する、あるいはそういうデモンストレーションをするという予定だったんですね。事実関係だけ伺います。

竹中国務大臣 今から振り返ると三年前のことになろうかと思いますが、ETFについて、私は、貯蓄から投資へという流れの中でそういう株価連動型のものについて閣僚懇で発言させていただいたことがございます。

 その言いぶりについて不適切なところがあったということも当時申し上げたかもしれませんが、それに関して、どこかデモンストレーションとか、そのようなことを考えていたという事実は私はなかったと思います。私は承知をしておりません。

原口委員 そうでしょうか、本当にそうでしょうか。

 今の発言は重大な発言だと思いますので、私、別の機会にお話をさせていただきますけれども、今回、ライブドアのさっきのこの構造というのは、まさに情報を操作して株価を引き上げて、そして自分たちに利益を還元するというやり方ですね。今否定をされましたけれども、もしその後にデモンストレーションをされていたら、まさに投資家として、みんなもうかるから、買えよ、買えよと。あなたがルールをつくり、そして経済を上げる、そういうエンジンである、あるいは企画マンである、その立場でインサイダーの取引やあるいは風説の流布をされた、私はこれと全く同じじゃないかというふうに思って質問をしたわけです。

 いや、違うんだったら、違うとおっしゃってください。

竹中国務大臣 繰り返し申し上げますが、そこで特定の会社でデモンストレーションするという話は、ちょっと私は承知をしておりません。それは私は承知をしておらないというのは、これは事実として申し上げておきます。

 その上で、今、私のETFに関することが風説の流布ないしはインサイダーというようなお話がございましたけれども、これは犯罪ですから、私がテレビの前で犯罪にかかわるような言い方をされるのは、これは不本意でございますので、はっきりと申し上げなければいけないと思いますが、風説の流布というのは、これは犯罪ですから、構成要件があると思います。自分の利益のために、ないしは特定の友達とかの利益のためにやる。しかも、風説ですから、根拠のない、大体の場合はうその話をうそだと認識しながらするというようなことだと思いますが、私は、当時も、改革を進めれば経済はよくなる、経済はよくなって、そしてそれが株価に反映されていくだろう、そして、貯蓄から投資への流れをということでございますから、これは風説でも何でもない。私は、これは政策の主張であると思います。かつ、私自身の利益、友達の利益のためにそういうことを言ったわけでもございません。

 インサイダーでありますけれども、これは株式等のいわゆる特定有価証券を対象にこれが成り立つわけですから、ETFというのは特定有価証券でも何でもないわけですから、そもそもそれとは関係がない。

 犯罪の名前が出ましたので、そのことはぜひ申し上げておきたいと思います。

原口委員 いや、自分の利益のためじゃないと今おっしゃっているけれども、その当時は投資家として申し上げたとおっしゃっているから、それは、投資家だったら自分の利益でしょう、大臣としてお話しになったんじゃないのでしょうということを言っているわけです。

 私は、小泉内閣の規制改革の危うさがやはりしっかりと議論されるべきだというふうに思っているんです。どこまでが公でどこまでが私かがわからない。

 今回、公務員制度改革を皆さんが提案されるということですが、では、竹中大臣に伺います。いわゆる公務員は身分保障というものを国家公務員法でされていますが、この解釈は何ですか。

竹中国務大臣 身分保障の話に関しては、これは国家公務員法の第七十五条以下に定める分限制度のことを言っておられるんだと思います。

 これは、職員の意に反して行う免職、降任、降格ですね、こうした要件を法定するというものであると思います。公的な仕事、公務員の仕事というのは大変重要な仕事であり、ある種特殊な仕事でありますから、その公的なサービスの品質といいますか、質的な確保をする。その意味で、公務員が情実に左右されることなく公正に職務を遂行できる条件を確保する、そして、公務、公の仕事の適正、効率的な運営を図る、この両方の要請にこたえているものであるというふうに思っております。

原口委員 まさに七十五条以下の身分保障は、一般には、このごろの新聞にも間違って書いてありますけれども、今大臣がおっしゃったように、国家公務員の政治的な中立性を担保するものであって、一般に日本全国で流布しているような公務員が身分が雇用保障されているという意味では全くないんですね。

 私は、公務員制度改革の視点は、ルーチンをやっている公務員については、しっかりと中立で公正で、そして能率よくやってもらう、企画の部門の人たちには、もう世界に冠たる最先端の日本になったわけですから、優秀な人材をいかに流動化する、そしてそこにどれだけいい人たちを集めるかということでなければいけない。

 単に公務員のバッシングをしてみたり、あるいは公務員がさまざまな、けしからぬ社会保険庁やいろいろなものもありました。しかし、結果的に数字だけいじって、それで削っていいということをやっていれば、結局それは、今回の耐震偽造や、今回のSECの不備あるいは市場の不備によって起こってきたライブドア事件と同じように、その結果は国民に返ってくるんだということを私は考えています。

 竹中大臣、何か御所見があったら聞かせてください。

竹中国務大臣 ちょっと幅広く今委員はお話をされたと思いますけれども、公務員の公的な仕事を遂行するために、そのあり方についてきっちりと仕組みをつくっていかなきゃいけないという点に関しては、全くそのとおりであろうかと思います。

 公的な仕事を担う重要さというのは、最近のいろいろな事例でも確認されていることでございますし、民間でできることは民間で行いながら、それを確認するような制度は制度としてやはりきちっとつくっていく。そして、民を活用しながらも公的なサービスが確保されていくようなシステム、これはやはり国の基本として大変重要であると思っております。

原口委員 今、メディアでは、この写真がいろいろなところに出ていますね。鬼の首をとったみたいに、出したのが悪いとかそんなことを竹中大臣に言う気はありませんが、総理や竹中大臣、お二人に伺いますが、改革の象徴として持ち上げたその責任、あるいは選挙で国民の皆さんにこの人と一緒に改革をやっていくんだと言ったその責任については、やはり説明責任を果たすべきだというふうに思います。

 そして、私は、選挙に出したその不明についても、やはり一定の反省があってしかるべきだというふうに思いますし、もっと深刻なのは、皆さんが政府という公的なものを率いながら、さっき自民党は利用されていないとおっしゃいましたけれども、小泉内閣そのものが広告塔に利用されてしまうのではないか。

 やはりIT企業は、これから通信とこういうITの融合という形になってくると、それが株を、金融を持ったときに何が起こるかというと、先ほど私が指摘をしているように、情報に対して大変大きな影響力を持ちます。その情報に対して持っている影響力については、しっかりと自制的にやるべきじゃないかと私は思うんです。

 それこそ総理は、ルールを守らないからいけないんだということをおっしゃいますが、きょう、別の本も持ってきました。「国家の品格」という本であります。

 よく、こういう事件が起こると、法律の不備だということを言うんですよ、法律の不備だと。法律をどんどん厳しくしろと。私はそれはおかしいと思います。法律というのは世間の最低限のルールを決めたものであって、そして、それ以上は自主的な規制であったり自律であったり、自律があって初めて自由があるというふうに私は思います。

 今回の事件を機に、さまざまな規制強化やさまざまな法律だという話が出ているけれども、その前に一回立ちどまって、本当に何でもかんでも、法律さえ守っておけばいい、金さえあれば何でもできるんだというすれすれのことをやる、そういう品格のない国家に日本がなってはならないんじゃないか。あるいは、そういったことを小泉内閣の政策で、アクセルを踏んだとまでは私は言わないけれども、しっかりとメッセージを出す必要があるんじゃないか、そう思うんですが、総理、今回のライブドアに関する事件で、選挙に出したのと今回の事件は別のものだとしか私たちは衆議院では聞いていません。その先のお言葉があったら聞きたいと思います。

小泉内閣総理大臣 それは、法律よりももっと大事なものがある、私もそう思っています。法と秩序という問題がありますけれども、世の中、法律がなくて秩序が整然と維持されていればこんないいことはないんですけれども、そういう状況じゃないから法律は必要だ、しかし、法律さえ守っていればいいというものではないということは私も同感であります。法律以前に守るべき道義なり礼儀なりというのがあるというのは、当然のことだと思っております。

 また、今回の堀江氏の問題と衆議院選挙等の問題で直結した言い方が言われますが、この堀江氏の逮捕に絡んで、小泉改革のせいだと言われるのは、私は心外だと思っております。

 堀江氏が今回の選挙の広告塔になったんじゃないかという言い方もされますが、確かに、堀江氏は無所属で出馬されました。我々自民党の幹部が応援にも行きました。私も、応援には行きませんでしたけれども、党本部で堀江氏と会って写真も撮りました。これは事実であります。

 この問題から考えてみますと、堀江氏は確かに、新しい時代、我々の理解できないような投資と金融問題についてははるかに知識も豊富だし、その仕事に対して成功されているというのも私はメディアを通じて知っておりました。その堀江氏が選挙に出たいということで、本当かなと思いながらも、郵政民営化に賛成だということで、その意気やよしということで、公認はしないけれどもということもいろいろ幹事長が話されたようであります。

 そういう中で、堀江氏を無所属とはいいながら自民党の幹部が応援したということに対して、総裁の私に批判があるんだ、責任があるんだと言われれば、その批判なり責任というものは甘んじて私は受けますが、私どもがお願いして、堀江氏をテレビで報道してくれとか、選挙活動をテレビで流してくれとか、テレビに出演させてくれとか言ったわけではございません。

 私は、堀江氏のところには応援に行きませんでしたけれども、ほかの候補のときにはどれだけ行ったか。行ったところはテレビで報道してくれません。頼んだってテレビで報道してくれない。メディアがあれほど騒いで時代の寵児みたいに扱って、そして、今は手のひらを返したように、堀江たたきに毎日毎日テレビを見ると夢中であります。そして今、竹中さんが応援したところばかり映す。一部だけ、ワンフレーズじゃない、一場面だけ、竹中さんが応援しているところ、武部幹事長が応援しているところ。

 では、今まで堀江さんを持ち上げていたテレビ、メディアはどうだったのか。そういう点についても、私は、この時代、ちょっとおかしいな、人を批判することは急だけれども、今まで持ち上げてきた問題はどうなのかと。

 確かに、私は、法律違反を犯した人、自民党の幹部が選挙に応援に行ったということで、批判は、総裁だから、けしからぬ、責任があると言われれば、それはもう甘んじて受けます。

原口委員 私は、そのことよりもむしろ、逆に言うと、二十二万のその株主の人たちからすると、こうして「かなりのツワモノです。」という形で対談されています、自民党の幹部さんが。「絡み合う政治とIT」「小泉内閣の規制緩和のおかげで、非常に商売がしやすくなっています。」

 私は、やはり少し、公的な、政府にいらっしゃる方のその矜持、まさに品格といったものが問われているのではないかということを言っているわけです。そのことについても、しっかりとしたお答えが必要だと思います。

 時間が迫りましたので、私は、今回、郵政株式会社の人事がどうしてこういうふうになっているのかよくわからない。

 公取は、昨年の暮れに五十年ぶりに銀行に排除勧告をしています。けしからぬ排除勧告だと思います。自分たちの地位の高い、強いのを利用して、中小企業に何をやったのか。最後に、昨年暮れに出したメガバンクに対する排除勧告、これを公取に伺って、質問を終わりたいと思います。

松山政府参考人 公正取引委員会は、昨年十二月に独占禁止法十九条の規定に基づきまして排除勧告を行いました。

 三井住友銀行が、取引上の地位が自行に対して劣っているいわゆる融資先に対しまして、金利スワップの購入を提案して、その金利スワップを購入することが融資の条件である、あるいは購入をしなければ不利益を受けることを明示あるいは示唆をするということによりまして、金利スワップの購入を要請し、またその購入を余儀なくさせるということをしたわけでございます。これが、独占禁止法の優越的地位の濫用、いわゆる押しつけ販売に該当するということで排除勧告を行いました。

 以上でございます。

原口委員 もうこれで終わりますが、私たちが公的資金を入れたのは銀行をそんなことにするためではありませんし、そういう強い者、金を持っている者が何でもやれる、そんな社会を一刻も早く変えるべく民主党も頑張っていきたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて松本君、馬淵君、原口君の質疑は終了いたしました。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 きょうは総理に質問したいと思います。

 今回の耐震強度偽装事件の大もとに、九八年の建築基準法改正があります。日本共産党は反対しました。その理由を、建築士の独立性が確保されておらず、建築主や建設業者の圧力がまかり通る可能性があるということと、もう一つは、営利を追求することから競争が激しくなる、その結果、先ほども引用いただきましたけれども、安かろう悪かろうという検査にならないか、また、手抜き検査が横行しないかということを指摘したわけです。まさに、警告が、不幸にして的中しました。

 安全を担保すべき建築行政にまで規制緩和を持ち込んだことへの問題はないと考えるのか、総理にまずお聞きしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私は、この事件の解明についてはこれから進んでいくと思いますし、なぜこのような偽装が見抜けなかったかという点についても、今後、再発防止の観点から、これは極めて重要な課題だと思っておりますが、民間に開放したことが今回の偽装をもたらしたということを一概に言うのは早いんじゃないか。

 やはり民間人だって、きちんと、うそをつかずに、法律を守ってやってもらわないといけないということは当然でありますし、これは公務員であろうと民間人であろうと、法律をきちんと守るということは大事である。我々の改革が、民間人に任せたらいいかげんにやってもいい、そういうふうにとられるというのは、これはいかがなものかな。そうではない。

 ですから、民間にこの検査を任せたことについて、今後、このような偽装をきちんと見抜くような体制というのをとることが必要ではないかなと思っております。

穀田委員 それは極めて一般論だと思うんですね。

 もともとこの法律をなぜ改正したかということで、当時、目的は、阪神大震災の教訓に学んでということをわざわざ本会議で総理は答弁なさいました。その後でこうもおっしゃっています。中間検査、これをこの法律で導入した。また、完了検査の実施率も向上したことによって、問題はないんじゃないか、こういう論ですよね。しかし、私は、残念ながら総理は、事の、今回起こっている問題についての一番肝心なところがわかっていないんじゃないかと思っているんです。

 というのは、総理がおっしゃる、民間に任せたことは問題でないとか、こういうことも前進したとかいう話の中心のポイントは何かというと、結局、工事施工後の検査のところをずっと言っているにすぎないんですね、本会議における答弁というのはまさに。ところが、今回の場合は、作成された設計図どおりに施工されているかどうか、そういう問題を検査するものであって、設計図どおりやっていないというところで耐震性が全くないということがわかったわけですね。そうでしょう。だから、私は、まず、今回の事件における中心ポイントは何かということについての認識が不足していると言わざるを得ないと思います。

 そこで、今回の事件は、今私がお話ししたように、工事施工後の検査の問題とは違って、それ以前の設計段階の問題であるということ。つまり、構造計算書の改ざん、偽装が行われ、総理がおっしゃるところの、それを検査で見抜くことができなかったということが問題なんですね。

 私は、背景にある二つの問題を議論したいと思うんです。

 一つはコスト削減という問題です。

 この間の参考人質疑や証人喚問で、姉歯建築士や小嶋社長の証言から、コスト削減最優先、安全は二の次という実態が浮かび上がってきました。ヒューザーの小嶋社長は、経済設計のどこが悪い、こうまで発言しました。そして、姉歯建築士は、鉄筋量をもっと減らせ、坪単価を安くしろ、コストを下げろと圧力をかけられたと証言しているじゃありませんか。

 だが、問題はこの人たちだけなのかと思うんです。雑誌を持ってきました。日経アーキテクチュアという本です。これは建築士を対象にしたアンケートを行っていまして、五百六十七人が回答しています。これを見て、私、驚きました。今回の偽装事件を受けて、これまで、大小にかかわらず、確認申請図書の偽造、偽装をしたことがあるかという問いに対して、あると答えた方々は一二・七%もいるんです。八人に一人は、偽造、偽装したことがあると明確に答えています。さらに、法令に違反しても構わない旨の指示を建築主など関係者から受けたことがあるか。受けたことがあると答えた人が実に二六・三%もいる、四人に一人いる。まさに深刻な事態と言わなければなりません。つまり、コスト削減が繰り広げられる中で、安全性がないがしろにされるという事態が広範にある。

 総理は、偽装したのは姉歯氏一人のことだとお思いでしょうか。

小泉内閣総理大臣 今のそのアンケート調査、議員が発表されましたけれども、それだけの人が偽装したことがあるということを答えているところを見ると、ほかにもあっても不思議ではない。これは道義観、倫理観の欠如で、憂うべき状況でありますけれども、こういうことがないように、今回の事件というものも今後に生かしていかなきゃいかぬと思います。

 いかにコストを安くしようとも、法律はきちっと守る、基準法は守る、安全は守るというような道義的、倫理的使命というのはしっかり自覚してもらわなきゃ、今後また起こりかねない問題でありますので、それぞれの御指摘も踏まえて、再発防止策、しっかりと検討しなきゃいかぬと思っております。

穀田委員 私が提起しているのは、単なる道義観だけでは済まないという問題を言っているんですね。

 この雑誌の中には「やむなく屈する設計者も」と書いていますよ。たくさんいるという、ある意味ではこれは随分広範にあるという問題。問題は、そこでコスト削減という圧力が加わっていることが問題なんですね。

 そのときに、多くの国民は、今総理もお話あったように、これだけじゃないという可能性があると。要するに、姉歯氏だけと違うんじゃないか、もしかしたら自分のマンションや自分のところもという不安を抱くわけですね。そういうときに、なぜこういうことが起きているのか、道義で済むのかという問題なんですよ。

 私は、安全性が二の次になっている風潮が出てきているときに、政府は一体何をしてきたのかということを少しただしたいと思うんです。

 九四年、九五年ごろから、アメリカや日本の財界から規制緩和の要望が強められています。それにこたえる形で、政府は九六年三月、住宅コスト低減のための緊急重点計画という規制緩和策を発表しました。そこでは、建築基準のあり方を根本的に変更する建築規制体系の性能規定化などの見直し、そして海外からのプレハブ住宅とか建材の輸入を促進することによって住宅建設のコスト削減を進めるという計画だったんです。

 まさに政府の方針として、今大問題になっている根幹の一つであるコスト削減競争をあおったんじゃないのかということはどうですか。

小泉内閣総理大臣 コスト削減の努力はこれからも私は続けていかなきゃならないと思っています。コスト削減しなきゃならないから法律違反してもやむを得ない、これがいけないんであって、法律なり基準を守っていかにコスト削減するかというのは、今後も私は必要だと思っております。

穀田委員 コスト削減一般論と法律一般論を言っているんじゃないんですよ。そういうぎりぎりのところまで来ることによって、次はそっちへ落ちるという土壌をつくったということを私は言っているんです。安全をないがしろにしていくということは、行き過ぎたコスト削減、これにつながるんですね。

 さきにも紹介しましたけれども、実は、この日経アーキテクチュアというのは二〇〇〇年に特集していまして、九八年の建築基準法の改正について特集していまして、法律が変わったことによってこんなことができるということを言っているんですよ。「鉄筋コンクリート造りでおよそ十階建て以上の高層建築物をつくる場合には、工夫しだいで、部材をスリムにできる、躯体量を減らして建設費も安くできるかも知れない」と言っているんです。まさに今問題になっている九八年の法改正で、コストを削減しやすくする仕組みをつくったということになるんですね。今回の偽装事件で総研や木村建設などが鉄筋量を減らせというふうにして推し進めていたこととぴったり符合するじゃありませんか。

 二つ目の問題に行きましょう。安全をチェックすべき建築検査機関を民間に丸投げした問題についてです。

 今回の事件ではっきりしたのが、建築確認検査が、早く、甘いという点なんです。姉歯建築士の偽装は、民間検査機関ができた九九年以降に本格化しています。自治体の見逃しもあります。民間検査機関の甘さを利用したことについては間違いありません。

 姉歯氏はどう言っているか。検査が通りやすい、見ていないのではないかとさえ、この場で証言しました。そして、総研がホテル開業を指導する際に、オーナーに対して、料金は割り増しだが早く確認がおりるとして、民間検査機関を使うよう指導しているわけです。検査が早ければ、そして早くおりるとすれば、早いほど実は期間が短くなるわけですね、物をつくる期間が。だから、こういう点でもコスト削減できるということでやっているわけなんです。ここまで影響しているんですよ。

 コスト削減競争だけを推し進めれば、一方で安全性が脅かされる。だから、建築物の設計段階での安全を確保する建築確認制度を強める必要があったんです。

 ところが、逆に、建築確認をも民間開放して競争を導入した。首相が言うところの、官から民へ、さらには、競争があればうまくいくとの路線が生み出したあだ花じゃないか。まさにこの事態というのは、安全規制が緩められた結果と違うかということについて、どうですか。

小泉内閣総理大臣 それはなかなか私は同意できるものではありません。競争によるコスト削減というのは、これからも私は必要だと思っています。競争なくしてコスト削減ないと思うんですね。

 しかし、安全第一なんです。どこの民間の工事現場に行っても安全第一。これは、安全第一という標語をきちんとみんなに見えるように掲げている限りは、民間だろうが公務員であろうが、必ず守ってもらわなきゃならない。

 競争がなかったらコスト削減ないですよ。健全な競争をして、いかにコストを安くして多くの国民に住宅なりいろいろな施設をつくってもらうか。これは競争がなかったらできません。競争があるから安全はどうでもいいんだという、そういう、一気にこれを結びつけるというのは、ちょっとおかしいんじゃないでしょうか。

穀田委員 私が結びつけているんじゃないんですよ。やっている方がやっていると言っているんです。

 私は、総理と、JRの問題についてもやりましたね。JRだって安全が前提にあるとおっしゃいます。でも、実はそうじゃなくて、稼ぐが第一だったということを覚えておいででしょう。そして、あのときに、安全という項の中には何が書いてあったかというと、安全の義務を遵守するというようなことを詳しく書いているんじゃなくて、コスト削減と書いてあったという話もしましたよね。覚えておいでだと思うんです、私と総理がやり合ったんだから。

 今度の問題はそこなんです。安全を無視した形でコスト削減が強まる。そして、姉歯さんだけじゃなくて、法令まで破ってでもやれという話が出ているということを私はお話ししたんですよ。そこまで安全を無視したコスト競争がやられている、そういう実態がある。片や、それを検査する側は、早いということで押し通す嫌いがある。ここの危険性を指摘しているんです、二つの面から。

 私が言っているんじゃないんです。まさに今の日本の現実の中に、規制緩和、官から民へという話の中でこの事態が進んでいるということを告発しているんですよ。

 最後に一言言いましょう。民間の最大手の検査機関の日本ERI社長は衆議院国土交通委員会における参考人質疑でどう言ったか。検査を厳しくすると、顧客が別の会社、別の機関に行ってしまうというふうに私に答弁したんですよ。安全を検査すべき機関が、検査の時間が早いだとか検査の内容が甘いとかいうことを競って、どうして安全が担保できるかということなんですよ。そこを私は言っているんです。

 まして、ゼネコンや住宅メーカーが出資して民間検査機関をつくって、自分の物件を自分の手で検査する事態が生まれているんですよ。自分のところの言いなりの機関をつくっただけじゃないかということになるじゃありませんか。私は、そういう問題をすべて指摘して言っているわけです。

 だから、競争原理を働かせるだけでは安全は二の次に追いやられる。安全を確保するには行政のチェック体制の強化こそ必要だ。今お話があったように、規制緩和の万能論に基づいて、民間企業が競争すればよくなるというような話じゃない。競争原理が働けばすべてうまくいくとして、建物だとか安全まで、もうけ第一の世界に落としたんじゃだめなんだということを私は指摘しているわけです。

 したがって、最終的には、こういった安全という問題について言うならば、国なり公が責任を持つということに転換すべきだということを述べて、質問を終わります。

大島委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日の予算委員会が主に補正予算の審議をめぐって行われ、とりわけ各委員の御指摘が、一九九〇年代後半からの行き過ぎた規制緩和が生み出すひずんだ競争構造の中で安心、安全が犠牲にされる、あるいはアメリカの圧力によるBSEの解禁が国民の食の不安を本当に根底から大きく揺さぶっているという問題の指摘がなされましたが、私は、とりわけ小泉総理と小池環境大臣に、この間、アスベスト問題に関しての特別立法という形で被害者の救済を早急にやらなくてはならないという御認識のもとにつくられた立法や予算措置について、きょうはお伺いしたいと思います。

 冒頭、私は、本日の委員会の中で松本剛明委員と小泉首相並びに小池環境大臣のやりとりをお聞きしながら、果たして小泉首相には、この規制緩和問題以前の問題として、我が国の産業社会、経済と産業が戦後ずっと歩んできた道の中で、アスベスト問題というのは、大きな産業構造そのものの中に深く組み込まれた産業災害と言ってもいいような構造を持っておるという認識がおありなのか否か、お伺いしたいと思います。

 建築材の中の九割に使われ、私たちの日常生活のありとあらゆるところに現状でアスベストがございます。このアスベストがある状態から、脱アスベスト、なくしていかねばならない発がん物質であります。

 このことに相対峙するに当たって、やはり総理には、現在の責任あるお立場から見て、断固たる決意で、郵政民営化にもまさる決意でこのアスベスト問題に取り組んでいただかねばなりませんが、それにつけても、まず、政府の責任とはいかなるところにあるかと、そもそも論に立ち戻らないといけないと思います。

 総理は、この間の御答弁では、問題が起きているんだから責任がないとはしないでしょうと。直截といえば直截ですが、しかし、そういう段階で済まされる問題ではないんだと思います。

 例えば、ハンセン病においては検証会議をつくられました。なぜアスベスト問題においては、各省庁間がお手盛り弁当でお互いになあなあにして、責任体制をあいまいなままにこの立法に臨まれるのか。確かな検証をしていただきたい。

 例えば、JIS規格の中にアスベストを使うことが義務づけられていた、あるいは輸入されたアスベストの表示が、たまたま、マスクをつけていれば大丈夫的な表示であった。あるいは環境省に至っては、一九七二年、近隣住民の被害を、みずからがファンディングした、お金を出した研究の中で明らかにしながら、その後の対策を一切怠ってきた。もちろん厚生労働省の問題も、これまで何度も指摘しましたのできょうはいたしませんが、これらの数々の省庁間の問題は、単なる連携の問題ではないと私は考えております。

 事にしっかりと取り組んでいくために、ぜひ検証会議を第三者機関で設けていただきたいが、首相の御認識はいかがですか。

小泉内閣総理大臣 アスベスト問題が多くの方に被害を与えて深刻な問題である、この反省というのはしなければならないと思っております。

 今まで、危険性というものについてはっきりとした十分な認識がなかった点、また、今から考えてみれば、アスベストを使っている施設等極めて多くて、役所においても連携しなければならなかった点があると思うんです。一役所の担当だという問題じゃない。さまざまな各府省の連携を考えますと、この連携も十分でなかったなという点等、反省すべき点があると思っております。

 そういう点も踏まえて、今御指摘の点も踏まえて、今後アスベスト対策をしっかりしていかなきゃならないと思っております。

阿部(知)委員 もし総理にそういうお気持ちがおありであれば、きょう、この傍聴席にも、今回の新法の対象になられる尼崎からの患者さんも傍聴に来ておられる、あるいはテレビを見ておられると思います。

 小池大臣は、昨年でしたか、じかに尼崎に行かれて患者さんたちともお会いになった。実は、工場の壁を隔てて、工場の中は勤労者として労働災害で守られ、工場の外は、例えば、当時子供として遊んでいた方たちが四十、五十になり、みずからはアスベストで息も絶え絶えで、生きていくことも絶え絶えで、現在、この現実に直面しておられます。

 そして、今回のさまざまな立法が、壁の中は労働災害としてある程度の補償がされているその補償状況と、これとて万全とは言いません、しかし、壁一枚隔てた外の方の補償状況が、きょう皆さんのお手元に配らせていただきましたが、余りにも格差がございます。格差社会をなかなかお認めにならない小泉首相でも、ここに私が載せた、今回の立法と労災等々の適用における格差というものは現状で歴然としておりますので、ぜひお目通しいただきたい。

 このたび、真ん中の段にある新法による救済は、お亡くなりの葬祭料が二十万、あるいは遺族一時金が二百八十万、計三百万でございます。これに対して労災等々では、三百万にプラスして、もし年金が支給されない御遺族には一千三百七十万、大体一千六百七十万と合計されます。

 総理は御存じでしょうか。環境省が、年末、フランスに調査団を出して、フランスでは、環境被害による被害の方と労働者として被害を受けた方の補償実態がほぼ変わりがないという調査も小池大臣は既にお持ちだと思います。

 尼崎の住民が望んでいることは、せめて壁一つなら同じにしてくれ、この壁があるゆえに、片一方が補償されている現実と、例えば、壁の外で、現在五十四歳で中皮腫を患われている方は休業することもできません。苦しい息を抱え、中皮腫を抱え、働かなければ食べられません。

 この方たちに今回出される補償は、療養手当として月額十万円でございます。これでは、さまざまな社会保険料を払い、確かに、医療の自己負担分は今回出るでございましょう、しかし、生活していけるお金ではない。働かなければやっていけない。病を抱えて働けましょうか。二年の余命の中で、苦しい、本当に苦しいと思います。お子さんがいれば、学業も断念せねばなりません。

 小池大臣に伺いたい。なぜ、九月二十九日の時点で、労災保険とのシームレスな、本当にいい言葉と思います、シームレスな対応をお約束された結果がこのような形に落ちつくのか。この理由をきょうは明示していただきたい。

小池国務大臣 御指摘の点でございますが、もう既に委員御承知のとおりだと思います。個別因果関係を明確にするのが大変という、石綿によります健康被害の特殊性、つまり、その発出源と、それから、あと、暴露から実際にその疾病があらわれるまでに平均すれば約四十年弱というその間に、世の中の流れ、その地域の流れ、もう大きく変わってくるわけでございます。労働補償制度、公健法などは損害賠償責任に基づく制度でございますけれども、この中皮腫の問題そしてアスベストの疾病についてはかなりの特殊性があるということで、そもそも設計そのものが違ってくるわけでございます。

 私も、尼崎の現状、また、かつてその地域にも住んでおりましたし、そういう意味では非常に胸動かされるところがございます。そしてまた、一刻も早くこの方々に救済、そしてまた医療を受けていただきたいという思いで、この間、まさにシームレスな、官庁縦割りではなくて、この制度をつくらせていただいたところでございます。

 制度設計が違うという一言では恐縮でございますけれども、まずはこの形で進めていくことが肝要だと思っておりますし、単純な比較には当たらないもの、このように考えております。

阿部(知)委員 それこそ、なぜこのようなことを申すかというと、人の命の額が、逆に言うとこうやって比較されているからであります。

 小池大臣がおっしゃった、労災と環境暴露はなかなか因果がはっきりしない、同じスキームでは解決できないという御答弁でしたが、ここには実は大きなごまかしがあります。

 そもそも、小池大臣自身が一番御存じのように、尼崎の場合は、工場周辺で、工場に五百メートル、一キロ、一・五キロと遠ざかれば遠ざかるほど患者さんは少なくなっていく。逆に、一・五キロ内に、住民暴露、八十五人中の七十九人がおられるわけです。ここに工場があり、その周辺に広がっている問題と、もちろん、壁の中の労働災害の問題と、それから、これから起こり得る一般環境汚染と、三つの段階があるんだと思います。

 これをしっかり認識せずして、あるいはまた工場の規制自身が行政においてどう扱われてきたかを検証せずしてこんな立法をつくるから、極めて患者さんからも不満が出る。本来は、小池大臣にしてみれば、ありがとうと言ってもらえるような法律をつくりたかったと思い、みずから行かれたんだと思います。しかし、今、多くの患者さんたちが、これは何なんだ、どうして労災とこんなに違うんだ、命の値段が違うんだろうかと、本当に切実な、逆に言うと、これでは納得できないという声が上がっています。

 私の限られた時間の中で、一例だけ、きょうお願いがございます。

 実は、前厚生労働大臣である尾辻さんが、この中皮腫という、まだ多くはない病気で遠くの病院まで通わなきゃいけない労災適用の患者さんのために、遠いところまで通っても交通費は出るという英断をなさいました。

 しかし、今度の立法では、三百万円を死んだ後いただかれる方、これも残念ですし、もっと言えば、生きていて十万円の療養費の方には交通費は全部自己負担です。今、労働災害を診る病院は少ない。中皮腫を診る病院も少ない。片道数万の往復の交通費がかかります。せめて、生きてもらうため、生き抜いてもらうため、いい治療ができるまで病院にかかってもらうため、通院費の補助をこの枠の中に入れていただきたいが、小池大臣、いかがですか。

大島委員長 小池大臣、時間が来ておりますので、短目に。

小池国務大臣 通院費という項目では設けておりませんけれども、療養手当の中に入院、通院に係ります費用も換算をして位置づけたものと御理解いただきたいと存じます。

阿部(知)委員 まるで足りません。

 終わります。

大島委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党・日本・無所属の会の糸川正晃でございます。

 まず、ライブドアの事件に関しまして質問させていただきます。

 さきの総選挙で、自民党が公認も推薦もしていない堀江社長、今では容疑者ですけれども、彼が、無所属で、国民新党の亀井静香先生の対抗馬として広島六区から立候補されたわけなんですね。その際、竹中大臣は二度も無所属候補の応援に入り、三年前、私が不良債権処理を掲げたら自民党の抵抗勢力と民主党が妨害した、今度は小泉総理とホリエモンと竹中平蔵でスクラムを組んで郵政民営化をやり遂げるというような応援をしているわけですね。閣僚が、社長業をやめていない無所属候補とスクラムを組むとまで言っているんです。これはどういうつもりでおっしゃったのか。

 また、ライブドアに、事実上、政府保証を与えたような形で、ライブドアの株が値上がりしまして、今回の事件での下落から多くの人の損失を招いたというふうに考えるんですが、それらの道義的政治的責任をどのようにお考えなのか、竹中大臣の答弁を求めます。

竹中国務大臣 お答えを申し上げます。

 さきの総選挙は、郵政民営化の賛成か反対かを問う国民投票的な位置づけであったというふうに私は理解をしております。私は、もちろん郵政民営化賛成の立場でありますので、公明党候補を含む多くの賛成派候補の応援をさせていただきました。八十カ所ぐらいで多分応援演説をさせていただいたと思います。堀江氏も、無所属候補とはいえ賛成を明確にしていたということで、郵政民営化賛成の立場から応援に赴いたことでございます。

 今言われている容疑が事実であるとすれば、不正はもちろん許されざることであり、大変残念に思いますし、遺憾に思います。その意味で、当時、そういったことを私自身が見抜けなかったという私の不明に関しては、これは、私自身、反省すべきを反省しなければいけないというふうに思っているところでございます。ただし、堀江氏が過去に行った不正にまで別に政府保証を与えたということではないというふうに思っております。

 いずれにしましても、これはまだ捜査中でございます。私も捜査の状況をしっかりと見守りたいと思っております。

糸川委員 当時、竹中大臣は、党の命令で広島に行ったというようなことを記者会見の場でおっしゃられているんです。その当時、竹中大臣、自民党の幹事長補佐という肩書であったのではないかなというふうに思うんですけれども、もしそれが本当であって、幹事長補佐という立場であるならば、選挙応援に回る人の人選にかかわる側、決定する側にいたんじゃないかというふうに思っているんですが、その辺の答弁を求めます。

竹中国務大臣 幹事長を補佐する仕事というのは、広報等々でさせていただいております。当時、選挙の応援に関しましては、具体的には幹事長から要請を受けて行かせていただいたということでございます。

糸川委員 では、総理。

 総理は、先日、堀江容疑者を自民党が支援したことについて、応援したことに対して責任があるというふうに言われれば責任になるとは言える、そういう責任は甘んじて受けると述べていらっしゃるんですけれども、それまで、別問題だというふうに述べられていたと思うんですね。これは方針転換したのでしょうか。また、その際、メディアが広告塔みたいにしたんだというふうにもおっしゃっているんですが、これはマスコミが悪いということなんでしょうか。ちょっと答弁を求めます。

小泉内閣総理大臣 それは、小泉改革と堀江氏の逮捕、これは別問題だと。また、無所属で、あれだけメディアが持ち上げて、選挙に出て、報道も、ほかの候補者に比べればはるかにテレビに出させましたよね。それで、結果的には落選しているんですよね。メディアよりも有権者の方が冷静だったと言えば言えますね。最近のメディアを見ていると、もう堀江氏たたき、たたき、今まで対談していたキャスター初め、一挙に、もう天と地の差。これも私はどうかなと。

 候補者になればできるだけメディアに出たい気持ちはわかりますよ。自由民主党もできるだけ候補を宣伝、各党も候補を宣伝、できるだけテレビで放映してくれと希望しますよ。絶対出させてくれないですよ。しかし、堀江氏に限っては、頼まなくてもあのメディアの持ち上げ方、報道の仕方。そして、一たび逮捕されると手のひらを返して、ああやるのもどうかと。

 確かに、私は応援に行かなかったにしても、幹部が応援した、それは総裁の小泉の責任だと批判されれば、その批判は私は甘んじて受けますが、この問題と、小泉改革しているからこういう問題が起きるんだというのは別問題だと私は思っております。

糸川委員 私は、小泉改革をしているからこういう問題が起きているんだということは言っていないんです。

 先ほど配付しました「Livedoor」という資料なんですけれども、この機関紙は二〇〇五年のウインター号なんです。「絡み合う政治とIT」という題で、これは武部幹事長と堀江容疑者の対談が掲載されているんです。

 この中で、「今じゃ、自民党仕込みの笑顔ですよ。」とか、それから、小泉改革の規制緩和の中で、「うちはその恩恵にあずかった企業ですよ。」とかいうようなことを言っているわけですね。このような観点からも、ライブドアと自民党の密着とか友好ぶりというのがうかがえるわけです。

 また、総理は自民党とは関係ないとおっしゃっていますけれども、党で記者会見をしたり幹部が応援に入ったりすれば、自民党と関係ないとは国民は思わないはずなんですね。ですから、やはり総理には自民党総裁としての責任があると思われても仕方ないと思うわけです。今後は十分注意していただきたいというふうに思います。

 確かに、選挙では、最後、我が党の亀井静香先生が勝ったわけですから、それ以上のことは申しません。

 続きまして、耐震偽装問題について北側大臣にお尋ねいたします。

 ヒューザーの小嶋社長は十七日の証人喚問で、私の質問の中で、会社と個人の資産を合わせて、負債込みで約七十億が資産ですというようなことを答えられています。このことを受けて、国土交通省は資産額の根拠の確認をされたのか、また、これらの資産を凍結するなどの措置を講ずるつもりはあるのか。その辺を大臣お願いします。

北側国務大臣 これまで、ヒューザーに対しまして何度か事情聴取をさせていただいております。その中で、当然、会社の資産の状況について、また経営状況等についても聴取をしておりまして、必要な情報把握はやっているところでございます。今後ともしっかりやってまいりたいと思っております。

 ただ、国とヒューザーとの間では、現時点では何の権利関係もございません。権利を持っておりますのは住民の方々でございます。買い主としての、責任を請求できる立場にございます。今後、住民の方々とも、また地方団体の皆様とよく協議をさせていただきまして、厳正にその責任は追及してまいりたいというふうに思っております。

糸川委員 というのは、道義的に、瑕疵担保責任を負っている売り主に対する責任追及を大前提として、その中で、民民の問題としてマンションの居住者のみに任せるんじゃなくて、公的支援を行う以上は、買い主が有する損害賠償請求ですとか、その一部を地方公共団体とか国が譲り受けて、それを居住者とともに売り主に請求を行う仕組みを検討するべきだということで間違いないんでしょうか。確認ということでお願いします。

北側国務大臣 今委員のおっしゃったことも含めまして、国として、地方団体または住民の方々とよく協議をして、法的に厳正なる請求をしてまいりたいと考えております。

糸川委員 最後に、この問題で総理に御質問させていただきたいんです。

 私の前の委員も、各委員がこの姉歯の偽装問題についていろいろな質問をされたと思うんですが、今の私の質問と国交大臣の答弁、一問、二問聞いたんですが、ほかの各委員の質問も含めて、もう私のがきょう最後になりますので。

 今回の公的支援措置の実施に当たって、公的支援措置の平等性、本来責任を果たすべき者に対する徹底した責任追及が重要というふうに考えているんですが、小嶋氏の責任は極めて重く、前回のような、ああいう証言拒否をどんどん繰り返すような証人喚問というのでは納得できないんじゃないかな。そういう中で、今度はしっかりとした証人喚問が必要なんじゃないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。

小泉内閣総理大臣 証人喚問制度をどのように機能させていくかというのは委員会の役割だと思いますので、よく委員会で検討していただきたいと思います。

糸川委員 確かにこれは委員会のことなんですけれども、十九日の夜にヒューザーの小嶋社長が行った住民代表に対する説明会で、同社は場合によっては十億円の債務超過に陥る可能性があるというようなことを説明しているわけです。これは、私が、どれだけあなたは資産がありますかというふうな確認をした中で、七十億ありますと言っているんですから、今度は一転して十億円の債務超過かもしれないなんということを言っているようでは、かなり証人喚問での小嶋氏の答弁と食い違うことになるのかなというふうにも思うわけですね。

 ですから、小嶋氏については早急な何か対策をとって、大臣の方で何とか、証人喚問も含め、また、小泉総理には自民党総裁としても党の方に働きかけていただいて、改めて証人喚問の要求をお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。

 これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十七日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二分散会


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