衆議院

メインへスキップ



第10号 平成18年2月13日(月曜日)

会議録本文へ
平成十八年二月十三日(月曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大島 理森君

   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君

   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君

   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君

   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君

   理事 上田  勇君

      井上 喜一君    伊吹 文明君

      浮島 敏男君    臼井日出男君

      尾身 幸次君    大野 功統君

      奥野 信亮君    鍵田忠兵衛君

      河井 克行君    河村 建夫君

      斉藤斗志二君    笹川  堯君

      実川 幸夫君    篠田 陽介君

      杉田 元司君    鈴木 馨祐君

      園田 博之君    高市 早苗君

      渡海紀三朗君    土井 真樹君

      中森ふくよ君    中山 成彬君

      丹羽 秀樹君    根本  匠君

      野田  毅君    広津 素子君

      福岡 資麿君    福田 峰之君

      藤井 勇治君    藤田 幹雄君

      馬渡 龍治君    牧原 秀樹君

      町村 信孝君    松本 文明君

      松本 洋平君    三原 朝彦君

      盛山 正仁君    矢野 隆司君

      安井潤一郎君    山本 幸三君

      小川 淳也君    大串 博志君

      岡田 克也君    加藤 公一君

      笹木 竜三君    田島 一成君

      高山 智司君    永田 寿康君

      原口 一博君    伴野  豊君

      古川 元久君    馬淵 澄夫君

      鷲尾英一郎君    坂口  力君

      福島  豊君    桝屋 敬悟君

      石井 郁子君    佐々木憲昭君

      保坂 展人君    糸川 正晃君

      徳田  毅君

    …………………………………

   総務大臣         竹中 平蔵君

   法務大臣         杉浦 正健君

   外務大臣         麻生 太郎君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       小坂 憲次君

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   農林水産大臣       中川 昭一君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     安倍 晋三君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      額賀福志郎君

   国務大臣

   (金融担当)

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   国務大臣

   (行政改革担当)     中馬 弘毅君

   国務大臣

   (食品安全担当)     松田 岩夫君

   国務大臣

   (少子化・男女共同参画担当)           猪口 邦子君

   内閣府副大臣       嘉数 知賢君

   防衛庁副長官       木村 太郎君

   法務副大臣        河野 太郎君

   財務副大臣        竹本 直一君

   厚生労働副大臣      赤松 正雄君

   厚生労働副大臣      中野  清君

   農林水産副大臣      宮腰 光寛君

   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君

   防衛庁長官政務官     高木  毅君

   法務大臣政務官      三ッ林隆志君

   財務大臣政務官      西田  猛君

   農林水産大臣政務官    金子 恭之君

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   政府特別補佐人     

   (人事院総裁)      佐藤 壮郎君

   政府参考人

   (内閣府計量分析室長)  齋藤  潤君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   林  幹雄君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            須田 和博君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       松本 義幸君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       北井久美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           中川  坦君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局建築指導課長)         小川 富由君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  岩崎 貞二君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事長)        小野 邦久君

   参考人

   (食品安全委員会委員長) 寺田 雅昭君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十三日

 辞任         補欠選任

  臼井日出男君     藤田 幹雄君

  亀井 善之君     広津 素子君

  河井 克行君     盛山 正仁君

  斉藤斗志二君     福岡 資麿君

  笹川  堯君     鈴木 馨祐君

  高市 早苗君     鍵田忠兵衛君

  野田  毅君     中森ふくよ君

  二田 孝治君     藤井 勇治君

  町村 信孝君     松本 文明君

  三原 朝彦君     杉田 元司君

  山本 公一君     土井 真樹君

  山本 有二君     丹羽 秀樹君

  大串 博志君     永田 寿康君

  笹木 竜三君     鷲尾英一郎君

  坂口  力君     福島  豊君

  佐々木憲昭君     石井 郁子君

  阿部 知子君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  鍵田忠兵衛君     高市 早苗君

  杉田 元司君     三原 朝彦君

  鈴木 馨祐君     浮島 敏男君

  土井 真樹君     馬渡 龍治君

  中森ふくよ君     牧原 秀樹君

  丹羽 秀樹君     山本 有二君

  広津 素子君     篠田 陽介君

  福岡 資麿君     斉藤斗志二君

  藤井 勇治君     二田 孝治君

  藤田 幹雄君     臼井日出男君

  松本 文明君     町村 信孝君

  盛山 正仁君     河井 克行君

  永田 寿康君     大串 博志君

  鷲尾英一郎君     田島 一成君

  福島  豊君     坂口  力君

  石井 郁子君     佐々木憲昭君

  保坂 展人君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  浮島 敏男君     福田 峰之君

  篠田 陽介君     亀井 善之君

  馬渡 龍治君     安井潤一郎君

  牧原 秀樹君     松本 洋平君

  田島 一成君     笹木 竜三君

同日

 辞任         補欠選任

  福田 峰之君     矢野 隆司君

  松本 洋平君     野田  毅君

  安井潤一郎君     山本 公一君

同日

 辞任         補欠選任

  矢野 隆司君     笹川  堯君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成十八年度一般会計予算

 平成十八年度特別会計予算

 平成十八年度政府関係機関予算


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

大島委員長 これより会議を開きます。

 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、参考人として食品安全委員会委員長寺田雅昭君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として内閣府計量分析室長齋藤潤君、内閣府政策統括官林幹雄君、金融庁総務企画局長三國谷勝範君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、総務省総合通信基盤局長須田和博君、法務省刑事局長大林宏君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長松本義幸君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長北井久美子君、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、国土交通省総合政策局長竹歳誠君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君、国土交通省住宅局建築指導課長小川富由君、国土交通省航空局長岩崎貞二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本幸三君。

山本(幸)委員 おはようございます。自由民主党の山本幸三でございます。

 きょうは、物価と金融政策の関係を中心にお伺いしたいと思いますが、福井日銀総裁には、スケジュールをいろいろ変えていただいて御出席いただきまして、本当にありがとうございました。

 私は、今、日本経済の最大の課題は、デフレから早く脱却することである、デフレ脱却を早く確実なものにすることであると考えております。そのことに政治家としての執念を燃やしていると言っても過言でないと思いますが、それは、デフレというのが続くと、経済が停滞して、そして社会にいろいろなひずみを起こすからであります。この当委員会でも格差の問題が取り上げられましたけれども、私は、この格差を広げている最大の元凶はデフレにあると考えているんですね。

 デフレは、まさに持てる者はいよいよ強くなって、そして持たざる者がいよいよ弱くなるわけであります。借金をしている人が負担がいよいよ重くなって、現金を持っている人が一番得をする、そういう状況をつくり出すわけでありまして、まさに格差を拡大する元凶であります。

 日銀は、新聞報道等を見ますと、量的金融緩和政策を三月、四月ぐらいに解除するんじゃないかというようなことでいろいろな憶測が生まれておりますけれども、四月に一体何があるのかということを御存じですかね。四月一日から年金生活者の年金が下がるんですよ。〇・三%下がるんですね。これは、昨年のCPIが〇・三%下がったからなんですね。まさに、デフレが継続しているから年金生活者の年金が下がるんですよ。国民年金で月額六万六千八円もらっている方は月額二百円下がることになります。厚生年金の標準ケースでは七百八円下がる。月額六万六千円、年収八十万ですよ。年収八十万の人の年金がデフレで下がるんです。

 余りこういうことは言いたくないんですけれども、日銀総裁の年収というのは三千六百万以上ですね。副総裁二千九百万以上、二千九百万ぐらいか。先般再任されましたけれども、日銀審議委員の年収というのは二千七百八十万ですよ。八十万円の年収と二千八百万以上の年収、これほどの格差がありますか。大変な格差ですね。しかし、その年収八十万ぐらいの方々の生活をいよいよ脅かすかもしれないようなことはどこで決まっているかというと、年収二千八百万以上の九人の政策審議委員会の議論で金融政策をどうするかによって決まってきているということなんですね。物価の番人、物価について最大の責任を持つ日本銀行のこの責任の重さを十分認識してもらわないと困る。

 日本銀行がやることは、年金生活者の年金を下げるようなことを、たとえ一%でもリスクがあったらやっちゃいけないんですよ。私はそう思う。むしろ、少しでも年金は、百円でも二百円でも毎月上がりますよというような社会を築く、そういう金融政策をやってもらわないと困るというのが私の基本的な認識であります。その認識に基づきましてきょうは御質問をさせてもらいたいというふうに思っているわけであります。

 そこで、まず最初にお伺いいたしますけれども、こういう議論をするときに一番の問題は、言葉の定義がきちっとなされていないことなんですね。日銀法に物価の安定とありますが、日銀のホームページを見ると、物価の安定とは何かと書いてあるかというと、インフレでもデフレでもない、わけのわからぬことしか書いていないんですね。そういう、きちっと言葉が定義されていないことによって、何をやったらいいかというのがはっきり出てこない、あるいは責任の所在もはっきりしないということが私は最大の問題だとまず思っておりまして、やはりこういう議論の第一歩は、定義をしっかりすることだと思います。

 デフレ脱却、政府の基本方針です。日銀も、政策の基本的な目的はデフレ脱却と言っているわけですが、このデフレ脱却というのはどういうふうに定義したらいいのかということについて、与謝野大臣と竹中大臣と日銀総裁にお伺いしたいと思います。与謝野大臣はGDPデフレーターの所管でありますし、竹中さんはCPIの責任者、日銀は企業物価そして金融政策の責任者でありますので、その順番でよろしくお願いします。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

与謝野国務大臣 デフレ脱却の定義、これをどう定義するのかというお尋ねがありました。デフレ脱却とは、物価が持続的に下落する状況を脱し、再びそうした状況に戻る見込みがないことと考えております。

 その実際の判断に当たりましては、例えば需給ギャップや、ユニット・レーバー・コスト、すなわち単位当たりの労働費用といったマクロ的な物価変動要因を踏まえる必要がありまして、また、消費者物価やGDPデフレーター等の物価の基調や背景を総合的に考慮して、慎重に判断しなければならないことであると考えております。

竹中国務大臣 デフレ脱却の何か明確な法律とか、そういうよりどころになるような確立された考えというのは、残念ながら見当たらないと思います。

 逆に言いますと、デフレに関しましては、一九九九年のIMFのワールド・エコノミック・アウトルックの中で、少なくとも二年連続物価の下落が継続している状況というふうに定義されておりますけれども、そういうものから判断する限り、デフレ脱却とは、やはり、先ほど与謝野大臣も言われましたように、持続的な物価下落ではないような状況、具体的には、どのような指標から見てもデフレとは言えない、デフレに容易に戻らない状況、そういうふうに考えなければいけないと思います。

 その意味では、デフレの要因は何なのか、その要因そのものが取り除かれているということも含めた総合的な判断が必要であるというふうに思っております。

福井参考人 山本委員が冒頭におっしゃいました、経済運営について一番大事なこととして認識しておられること、私どもも、物価安定のもとに日本経済が持続的な成長をきちんと遂げる、このことが国民の経済的福祉を最大化する、この道に通ずるというふうに考えておりまして、その点につきまして山本委員と基本的な見解の相違はないというふうに思っています。

 かつまた、これまで我々がかなりつらい思いをして経験してまいりましたデフレの状況、あるいはデフレ的な状況から経済を早く脱却させる、この点について執念を燃やしている、日本銀行も、山本委員に負けず劣らず執念を燃やし続けている状況でございます。

 そこで、デフレ脱却あるいはデフレの定義ということでございますけれども、恐らくこれは、日本で生活しておられるすべての人々に伺いましても、ぴたっと一定の定義はなかなか出にくい。つまり、重点の置き方がかなり違う。一般物価の下落ということを中心に考えておられる方が一番多いと思いますけれども、資産価格の下落という点にかなり焦点を当てられる方、それから、経済活動の落ち込みそのものに強い焦点を当てられる方、さまざまな角度からこれをごらんになっているということだと思います。

 私どもは、デフレ脱却について人々の見方、感触は大いに異なり得るものだというふうに思いますが、それを前提としながらも、大切なことは、今申し上げましたとおり、景気が持続的な回復を続けるもとで、物価が基調として下落からプラスで安定的な状況に戻っていく、あるいは転じていくと見込まれる状況であるかどうか、ここに的確な判断を下すということではないかと思います。

 その際、もちろん物価指数というものが有用な尺度になるわけでございますが、人々が消費する商品、サービスを対象とし、人々の実感に即したものである消費者物価指数、これが基本的な指標になるというふうに考えております。しかし同時に、その他の物価指標、数多くございます、それぞれに指標の特性もございますが、そうした特性を踏まえながら、その他の物価指標も活用していくべきものというふうに認識いたしております。

 そして、さらに最も重要なことは、そうしたさまざまな物価指数の動きの背景にある経済そのものの動き、とりわけ経済全体の需給の状況、単位労働コスト、ユニット・レーバー・コストの状況、さらには、市場や人々が先行きの物価をどう見ておられるかという物価観、これらに十分注目していく必要があり、それらを総合して的確な判断をする必要があるというふうに考えております。

山本(幸)委員 日銀総裁もデフレ脱却に執念を燃やしているということで、大変心強く感じた次第でありまして、ぜひ一緒にやりたいなというふうに思うわけであります。

 それにつけ加えて、ちょっともう一度与謝野大臣にお伺いしたいんですが、総合的に判断されるというのは当然だと思うんですね。その場合、物価が下がらないという状況だということは、CPIにしろGDPデフレーターにしろ、そういう指数が少なくともゼロ以上にならなきゃいかぬ、そういうことを意味しているんでしょうか。

与謝野国務大臣 二つ要素がありまして、一つは、いろいろな経済指標から見て大丈夫だという判断をする指標の判断の問題もございますし、全体、日本の経済を取り巻くいろいろな状況をも総合的にやはり判断をしてデフレ脱却だということを確認していく必要がありまして、個別の指標の点検ももとより、やはりそこには、総合的な判断というものが必要になってくると私は思っております。

山本(幸)委員 ちょっとはっきりしないところもありますが、総合的なということで、先ほどの、少なくとも物価が持続的に下がらない状況である、それはそのとおりだと思いますので、物価が下がらない状況であるというのは、いろいろな指標でゼロ%以上を意味している、そして、全体の経済の状況、そういうものを含めて判断するんだというように理解しておきたいと思います。

 ところで、その場合、日本銀行総裁がおっしゃいましたけれども、国民生活に一番関係の深い消費者物価指数、CPIですね、生鮮食品を除いていますのでコアCPIと言いたいと思いますけれども、これが基本的な指標になるということであります。これは、私も基本的な指標としては結構ではないかというふうに思うんですけれども、こういう統計指標には、総裁もちょっと触れましたけれども、癖があるんですね。

 それは、例えば、量的緩和解除の条件にCPIが安定的にゼロ%というふうになっているんですが、私は前からゼロ%台というのはまだデフレだという認識をしておりまして、それは、いわゆるコア消費者物価指数、コアCPIには上方バイアスがかかっているからだということが一つの理由でありますけれども、この点については、CPIがどれぐらいバイアスがあるのか、これはいろいろな研究があったんですが、最近の状況も踏まえてどれぐらいバイアスがかかっているというふうに考えるのか、あるいは、このCPIというのは五年ごとで変えるわけですけれども、その辺のことについて、竹中大臣、お願いします。

竹中国務大臣 消費者物価指数が持っている上方バイアスがどのぐらいかというお尋ねでございます。

 委員御承知のように、この算式の性格上、基準年というのがありますが、基準年から離れれば離れるほど実態より高くなっていきやすいというのが一般的な認識だと思います。現行の制度は、これは平成十二年を基準年としておりますけれども、基準年は五年に一度改定されますので、平成十七年を新基準という新指数が本年の八月に出されることになっております。

 どのぐらい最近で高いかというのは、この八月を見ると明確になるということだと思いますけれども、過去の最近の例だけ申し上げておきますと、平成七年基準から十二年基準に改定された数字で直近の平成十三年のものを見ますと、新基準と旧基準の間では〇・三%ポイントの乖離が出たという事実でございます。その意味では、これが最近の例でいったところの一つの上方バイアスであるということだと存じます。

山本(幸)委員 おっしゃるように、消費者物価指数、CPIは、〇・三%出ていても実際はゼロだという意味なんですね。

 つまり、基準年のウエート、そこのバスケットのウエートで掛けていきますから、物は、安くなっているものに人は移っている、あるいは品質の改善がある、あるいはアウトレット等がどんどんふえてくるというようなことで、実際の消費者の行動は安い方に、いい方に移っているはずなんだけれども、量はもとのところで計算するわけですから、当然上方バイアスがあって、これは最近の例で〇・三%あったということでありますから、私は、このことは、CPIを基準に政策判断をするときには十分頭に入れておかなければいけないことだと思っておりまして、そこは、特にことし、この今の状況というのは、前回の基準改定から一番時間もかかっているわけで、それがまさに一番乖離幅が大きくなっている状況にある。

 これは今作業をやっていて、八月に二〇〇〇年基準、変えるわけでありますけれども、私は、この基準改定を見ないと、本当のところの消費者物価というものが本当にゼロ以上になっているのか、あるいは、今はまだゼロ%以上になっているけれども、改定してみたらマイナスになっちゃったというようなことが当然起こり得るわけでありまして、これは、余り早く政策変更をやると危ないというように思っております。

 しかも今度は、GDPデフレーターの場合、原油がきいてきて少し引っ張られるところがありまして、逆にCPIは、最近の原油価格の上昇で上がっている面もあるわけですね。原油価格がこれからずっとこのまま続くということになれば、それは当然なことなんですけれども、ちょっとよくわからない。あるいはもっと上がるかもしれない。今のパレスチナのファタハが政権をとったり、あるいはデンマークの風刺漫画のことが起こったり、イランの核問題が起こったりして、原油価格というのは非常に高騰のリスクがある状況ですね。そういう状況でCPIは確かに上がるのかもしれないけれども、実体経済は逆に大変な悪影響をこうむるおそれがあるわけですね。

 しかも、アメリカ経済は住宅バブルと言われていますが、金利を少しずつ上げてきましたから、これは、一般物価の部分ではインフレが起こってくるかもしれない。それに対して金利を上げざるを得ない。上げていくと、今度は逆に、金利の上昇に耐えられなくなって、アメリカ国民の消費者行動を支えている住宅バブルが破裂するかもしれない。そういうことになると、アメリカ経済の好調さ、中国経済の好調さを背景に輸出が伸びて最近の日本経済は回復しているわけですから、これもちょっと危なくなるかもしれない。

 あるいはアメリカは、連銀でバーナンキさんが総裁になりました。私もバーナンキさんと知遇を得ているわけでありますけれども、彼は、後ほどお話ししますけれども、いわゆるインフレターゲティング、私は物価安定数値目標政策と言っていますが、これの提唱者、理論的な支柱でありますよね。そういう方が今度連銀総裁になって、一体、どういう連銀としての政策をアメリカ経済を見てやるのか。これは、私は少し様子を見る必要があるんじゃないかというようにも思っていますね。

 そういうことをいろいろ含めますと、マスコミ等では三月とか四月とかいう話が出ていますが、基本的に、まずバイアスの話について納得させるためにも、そして、そのほかのさっき申し上げたようないろいろなリスクのことを考えても、少なくとも八月の基準改定までは待たないと、逆戻りする、年金生活者をまたいじめるようなことになるリスクがあると私は考えるんですね。

 そういう意味では、この八月の基準改定まで政策判断決定を待つということについて、日銀総裁、どういうふうにお考えでしょうか。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

福井参考人 CPIについて山本委員が常日ごろ深く研究を進めておられることに、私どもも大変敬意を表しております。

 CPIについては、どこの国のCPIも一種の上方の測定バイアスを持っている、これがいかほどかということがなかなかつかみにくくて、大変苦労している一つのポイントでございます。日本についても同様でございます。私ども、金融政策の運営上、消費者物価指数というものを重視しながら運営をさせていただいておりますが、消費者物価指数がこういう上方バイアスを持っているということは十分念頭に置きながら、物価についての基本的な判断を進めているということでございます。

 政府の御努力で、指数改定の都度あるいは指数の計算方法の改善の都度、バイアスについてもどちらかというと縮まる方向でこれまで来ているということも、私どもにとってはありがたい点だというふうに思っています。

 そう申し上げました上で、デフレ脱却の方向あるいは私どもの量的緩和政策の枠組みの修正の方向を考えますときに、最も大切なことは、一つは物価のレベル、もう一つは、景気が持続的な回復を続けるもとで物価が基調として下落からプラスで安定した方向に転じていくかどうか、この方向性が確かかどうかということが非常に大事な点でございます。それで、この物価がいい方向に向かっているかどうかということの方向性を確認するためには、物価指数だけではなくて、経済実態そのものが持続的な回復の軌道にしっかり乗っていっているかどうかということを、きちんとあわせて判断しなければならないということでございます。

 昨年の十月にもこの場で山本委員の御質問にお答えして、景気について、日本経済、極めてゆっくりだけれども、少しずついい方向にありますということを申し上げました。その時点と比べましても、現在は、さらにそうしたいい方向に向けて日本経済は着実に歩を進めている、需給バランスを見ましても、ユニット・レーバー・コストの動向を見ましても、物価の基調をよりしっかりする方向に動いているということは確認できる状況でございます。

 私どもとしましては、今後とも、こうした情勢分析を精緻にきわめながら、消費者物価指数の表面的な動きとかみ合わせて、量的緩和のフレームワークの修正の時期が来たかどうか冷静かつ的確に判断したい、こういうふうに考えております。

山本(幸)委員 アメリカでも、グリーンスパンさんの英語というのは本当の英語じゃない、よくわからぬ、それを解釈するのは大変なわざが要るんだということで、グリーンスパンは英語をしゃべらないというような記事を私は読んだことがありますけれども、日本銀行総裁のお言葉というのは含蓄が非常に深くて、私も、そのお言葉の背景に何があるのかというのをいろいろ考えるわけでありますが、バイアスについては、十分念頭に置いて判断するとはっきりおっしゃいましたので、私はそのことはよくおわかりいただいているというように思っておりますし、経済実態は確かに十月よりはよくなってきていると、私もそれは思います。

 ただ、私の心配は、むしろ逆に、この二月、三月がピークになるんじゃないか、ここからどんどんまだよくなるという背景があるんだろうかということについて疑問を持っていますので。それは、先ほど申し上げたように、原油価格の高騰のリスクがむしろ激しくなっている、それからアメリカ経済のピークアウト、そして下方方向に行くリスクはむしろ高くなっているんじゃないか、あるいは、日本経済の短期循環から見て、サイクルは今非常によくなってきているんだけれども、ピークアウトするのはこの二月、三月じゃないかなということを私は個人的にちょっと感じるものですから、そこのところはよく踏まえて考えていただきたいし、そのバイアスの話も十分念頭に置いていただきたいというように思うわけであります。

 そこで、ちょっと話を進めたいと思いますけれども、量的緩和解除をやるということとデフレ脱却というのは違うんだということを日本銀行の方からは聞いておりますが、つまり、デフレ脱却したから量的緩和解除をやるんじゃないんだ、量的緩和解除はそれに向けての通過点だというような話を聞きました。

 私の単純な疑問は、デフレ脱却というのが明らかにならないで量的緩和解除というのをやることの意味、そのリスク、つまり、もう既に日銀総裁の発言で短期金利は上がってきているわけでありまして、恐らく、量的緩和解除というのをやると、いわゆる短物といいますか、短期金利はすぐ上がるだろうと。そうすると、すぐ為替レートに反応して円高になるだろうと。特に円高リスクは、もう一方で経常収支の状況でも起こってきているような気がいたしておりまして、アメリカは史上最大の経常赤字になりまして、これからアメリカ国内で少しそういう議論が起こりつつあるわけですね。中国の元に対しては今非常にプレッシャーがかかりつつある。日本に対しても当然かかる可能性がある。

 そういうことも含めると、デフレ脱却という目標がなくて量的緩和解除というのはどういう意味合い、関係にあるんだろうかなということを素朴に思うものですから、その辺について、日銀総裁、ひとつお願いします。

福井参考人 お答え申し上げます。

 山本委員も恐らく御同意いただけるんじゃないかと思う点を二つ申し上げたいと思います。

 一つは、デフレの脱却というのは、ある日突然、一夜明けたら急に、それ以前はデフレで、その翌日からはデフレ脱却というほど明確な分岐点はない。経済というのは、かつてのように、いわゆるデフレスパイラルという地獄に日本経済が落ち込みそうな時期から、そういう危機がだんだん遠ざかって、しかしまだデフレ、そしてデフレ的、どうやらデフレが終わったかな、そして物価が比較的安定的、そして人々が物価について心配しなくなる、そしてさらに前向きに人々が行動するようになって、本当に物価安定のもとに経済が持続的な成長をする、そのことを人々が確信する、こういう段階まで連続線上で変化するものだという点が一つ。

 それからもう一つは、デフレを脱却すれば満足いくということは政策目的ではない。デフレを脱却した後、本当によりバランスのとれた経済で、よりダイナミクスな経済というところまで運び進めなければ経済政策の目的は達せられない。この二つでございます。

 私ども、金融政策は、このすべての過程において経済をスムーズに運営していきたい、政策によって経済に不必要な波を加えないということが、これは金融政策の使命でございます。年度に縛られない等々、我々は、連続線上で政策をやっていけるところに最大の長所がありますので、そのよさを最大に発揮していきたい、こういうことでございます。

 そういう意味から申しますと、量的緩和政策の枠組みからの脱却というのは、文字どおり、非常に経済が危機的な状況にあったときに異例な措置として金利機能というものを犠牲にして施してきた政策でございますので、経済が比較的好ましい状況に近づいてきているという段階では、この政策を修正して、通常の金利政策のもとで、今度は、比較的低い金利でその後の経済のパスというものを滑らかにいい方向に持っていくという一連の過程にスムーズにつなげていかなきゃいけないというふうに思っています。

 山本委員、先ほど一例として為替相場のお話をなさいました。為替相場というのは、本当に何によって決まるか難しいんですけれども、経済が一連の動きを示していくということを正確に読み取っている一つの市場でございます。金融政策も経済の流れにスムーズに即して適切なタイミングで修正が行われていくということを為替市場が確認すれば、余り一方に偏ったポジションを形成するということが市場自身が難しくなるわけでございます。その点を、日本銀行の政策が何かの事情でずれているということになりますと、そのずれている間、偏ったポジションを持ち、やがてため込んだところで政策修正をすると、一挙にポジションの巻き戻しが起こってかえって市場が混乱し、経済にも相応に悪い影響がはね返ってくるということでございますので、これは金融政策としてとるべき道ではない。

 いずれにしましても、金融政策がある時点で仮に適正なタイミングで行われましても、市場にはある程度前もった読みというものが集積されていきますから、瞬間的な市場への波紋ということは避けられないと思いますけれども、政策が不必要にためらってため込みを大きくするリスクよりは少なくて済む可能性が強い、こういうふうに私どもは思っております。

山本(幸)委員 前半の部分は全くそのとおりだと思いますが、一番最後のところでちょっと気になったのは、為替相場については確かに難しいわけですが、これがある意味で一方的なポジションを持っていた方が、かえって政策変更したときに大きな変動を起こすというような趣旨をおっしゃったと思います。

 ちょっとそれではお伺いしますけれども、では、日本銀行の量的緩和政策で今の為替レート、円安というんですか、それが起こっているというふうに判断しておられるということですか。

福井参考人 ただいまの私のお答えは、ごく一般論として申し上げました。

 ごく最近まで起こっております円安方向の動きが日本銀行の量的緩和政策とどれほど直結したものか、これはなかなか分析は難しいところでございます。世界的に流動性過剰というふうに言われている状況、そして海外の金利の方向性、そして日本銀行の金融政策の方向性、それらをすべて市場関係者がさまざまな読みを入れながら市場行動が行われているというふうに理解しておりまして、その中で、日本銀行の金融政策の読みに絡む部分で為替がどれぐらい動いているかということは、なかなかそこを抽出して申し上げることは難しい状況だと思います。

山本(幸)委員 それが難しいということであれば、必ずしも日本銀行の量的緩和政策で一方的にそういうポジションができているということを言っているんじゃないんだなというふうに理解しておきますが、まさにおっしゃったように、不必要な波を生じさせないようにすることが金融政策として非常に重要だ、まさにそのとおりだと思いますので、ここのところはこれ以上ぎりぎり詰めませんけれども、十分私の言いたいこともよく理解していただければというふうに思います。

 そこで、ちょっと話を進めますが、最近、名目成長率と長期金利の関係の話が随分出ておりまして、これはなかなかおもしろい議論だなというふうに思っているんですね。高い名目成長率を持って、あるいは、高い成長率を目指してやることによって自然増収が上がるから増税は少なくて済むという議論のように新聞は書いておりますし、一方、いや、長期金利というのは名目成長率より高くなる関係が多いのでそんなことはできないんだよ、早く増税によって財政再建を図るべきだというようなそういう対立のように書かれているわけでありまして、これはどういうことだろうかと私もいろいろ考えているわけでありますが、私はどちらにもくみしない立場だと思っている、自分自身は。私は、そういう議論よりも、さきに申し上げていましたように、とにかくデフレ脱却だ、これさえやってほしい、やらなきゃいかぬ、そうしたら、デフレ脱却がはっきりしたら、私は、増税は早くやった方がいいと思っているんですよ。

 これは、最近の経済理論では非ケインズ効果という議論がありまして、増税は早くやればやるほど少なくて済む、あるいは、早目にやった方が将来の可処分所得が上がるという予想が生じて、むしろ現在の消費も上がるというようなことを最近の経済理論では言い出しておりまして、これはなかなかおもしろい議論ではないかと私は今思っているわけでありまして、その意味では、どちらにもくみしない、どっちのいいところもとっているといえばそうなんですけれども、そういう立場です。

 こういう議論の起こった背景に、「改革と展望」の二〇〇五年度改定版で、いわゆる中期展望というものですが、参考試算に出ました基本ケースというのがあります。資料を配らせていただいたと思いますが、これは内閣府が出した資料でありまして、これを見ていますと非常に興味深い。大変知的好奇心をそそられるといいますか、いろいろ考えさせられるというか、これはどうなんだろうかというようなところがあるものですから、この点について幾つかちょっとお伺いしたいなと思っているわけであります。

 一番いいのは、実質成長率がどんどん高くなる、日本の潜在成長率が高くなるというのが一番いいわけでありますし、そして安定的な物価水準が達成される。私は、物価水準、高ければいいと思わないですよ。そういうハイパーインフレをやるべきではないという立場で常に安定物価目標政策というのを言っているわけでありますが、しかし、日銀総裁もおっしゃったように、人々が物価のことは余り気にしないで生きていけるというレベルの状況にあるのが一番いい。これは、世界では一%とか二%のCPIの上昇ですよね。

 そういうところでいけばいいんですが、この試算結果の表を見まして、まず、実質成長率のところが、これが今年度は二・七で、二〇〇六年度からは一・九に下がって、それからずっと下がっていくということなんですが、これは恐らく、潜在成長率を計算して、潜在成長率レベルが達成されるという想定でなっているんだと思います。この潜在成長率を計算するモデル、生産関数を使ったモデルだと思いますけれども、ちょっと確認したいんです。それでよろしゅうございますか。

齋藤政府参考人 お答え申し上げます。

 参考試算を試算するに当たりまして用いました経済財政モデルでは、中長期的な供給力水準につきましては生産関数に基づいております。

山本(幸)委員 これもさっきのCPIと同じように、モデルによっていろいろ癖がありまして、潜在成長率を計算するときに基本的に私は三つあるんだと思います。

 一つは生産関数を使ってやる、つまり、労働力と資本ストックとそれから生産性、これをもとに生産関数を過去のデータからモデルをつくりまして、それで予想を立てるというモデル、それからもう一つは、過去のトレンドでずっといくというHPフィルターモデルというのがあるんですけれども、これでいく、それから三番目が、オーカンという人のオーカンの法則という、失業率とGDPの関係があって、それをもとに推測するというモデルの三つがあると思うんですけれども、この生産関数モデルの一つの問題は、長期低迷が続いたときには低くなるんですよ。なぜかというと、この資本ストックのところに設備投資が入っていまして、つまり、本来需要側に入るべき設備投資が供給能力を計算するところに入っているということで、長期低迷が続いて設備投資が低いときの数字でモデルをつくっていますから、少なくなっちゃうんですね。そういう癖がある。好況期が続いた後につくったモデルは、逆に上過ぎちゃうんですけれどもね。

 私は、その意味では、この十年以上の長期低迷期につくられた生産関数モデルによる実質成長率というのは、恐らく低過ぎるだろうというように思ってならないのであります。これはもうこれ以上議論したってしようがありませんから、ちょっと私のそういう感想だけ申し上げておきますが、したがって、恐らく潜在成長率はもうちょっと高いんじゃないか、そして、景気がよくなればもっとまた高くなってくるだろうという気がいたしております。

 それから、物価上昇率のところを、消費者物価レベルで、今年度が〇・一、来年度予想が〇・五、それからどんどん上がっていって、二〇一〇年度、二〇一一年度、二・一、二・二という数字になっているんですが、この二・一とか二・二というのは、日本銀行総裁にとってはカンファタブルな数字でしょうか、どうでしょうか。

福井参考人 御指摘の参考試算につきまして、私どもこれは、今後五、六年を見通したときの日本経済が持続的な成長を続け、物価が緩やかに上昇するケースを示したものというふうに少し大づかみなとらえ方を私どもはしております。つまり、全体像を大づかみに示したものだ、こういう理解でございまして、その中でちりばめられている計数の一つ一つが本当にピンポイント的にこれが妥当かどうかということは、なかなか分析しにくいし、判断しにくい。

 私どもも、委員御指摘のとおり、実質成長率について、アメリカが三%を上回っている、ヨーロッパでさえ二%と言われているときに、日本がやはり早く二%近傍までは上げていく必要がある。おっしゃったとおり、これは過小評価で、自然に上がるということであればいいんですけれども、恐らく、さらに民間の努力と政府の政策とのかみ合わせでこれを上げていく必要があるだろうというふうに思っている根拠でございます。

 そういうふうに潜在成長能力を上げながら、物価安定のもとに持続的成長を続けていくというのが理想形でございまして、結果としての消費者物価指数が二%を上回るところまで行くかどうか。日本の国民の皆さんの一般的な物価観というのは、海外に比べると比較的低いところを胸のうちに秘めながら経済行動をしておられるようなところがあると思いますので、直ちに二・二というものがすとんと皆さんの胸のうちに入るかどうか、これは、もう少し今後の経済の流れの中で判断していかなきゃいけないことではないかというふうに思っております。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

山本(幸)委員 おっしゃるとおり、まず潜在成長率をしっかり高めるということが一番重要なことですね。このために構造改革、規制緩和を一生懸命やっているわけでありまして、これは、私は日本銀行にいつも厳しいことばかり言っていると言われておりますが、政府の方もやるべきことはしっかりとやらなきゃいけないわけでありまして、そういう努力によって潜在成長率を高めるという責任が政府にはあるというように私は思っております。

 それから、もう二つ申し上げるところがありまして、一つは名目長期金利でありますし、もう一つは海外経常余剰のところなんですが、議論のためにですが、例えば名目長期金利、二〇一〇年度に三・七、二〇一一年度に三・九という数字が出ていますね。例えば二〇一一年度、三・九、これを分析すると、これは十年物の国債で名目長期金利をとっているわけですから、潜在成長率が一・七ということであれば、国債ですからリスクフリーですから、リスクなしですから、実質金利は一・七と考えていいと思いますね。そうすると、名目金利が三・九になるためには、予想インフレ率がGDPデフレーターベースで二・二ということになります。

 GDPデフレーターベースで二・二というのは、CPIベースで直すとどれぐらいになるかというのは、これはそのときによって違うんですが、このモデルでは、最大その差は〇・七ということになっているんですね。〇・七であれば、CPIベースの予想インフレ率は二・九ということになる。私は、この二・九でもちょっと小さいんじゃないか。つまり、今はCPIとGDPデフレーターの差は実に一・四あるわけですね。今、CPIが〇・一上がっていると言っていますが、GDPデフレーターはむしろ拡大してマイナスの一・五ですからね。だから、現状で一・四の差があるのに、このモデルでは最大〇・七の差しかないというのはちょっとおかしいという気がいたしておりますから、CPIベースの予想インフレ率が二・九以上、恐らく三を超えるんじゃないかというふうに思いますね、こういう状況になるというのは。

 これは、今、日銀総裁がおっしゃったように、二%を超えるところでもどうだろうかというぐらいの感触で日本銀行がいるということであれば、到底許されないレベルですよね、予想インフレ率が三以上になる。当然、それが見込まれたら金融引き締め政策に入るんじゃないですか。どうです。

福井参考人 ただいまの委員の、CPI二・九%、少なくとも二・九%という数字が出るのではないかというこの御指摘でございますけれども、三つばかり重要な仮定を置いた上での御計算かなというふうに思います。一つは、実質成長率がこの見通しのとおりに出るということ、もう一つは、CPIとGDPデフレーターとの間のギャップ、バイアスが〇・七ということを一応固定して考えるということ、それから長期金利についてリスクプレミアムが乗っていない、この三つの前提を置いて計算されたと思います。私もそういう前提を置いて計算すれば、そういう数字が明確に出てまいります。

 ただ、実際には、私は、実質成長率はもっと上がるべきだというふうに考えておりますことと、CPIとGDPデフレーターとのギャップが〇・七かどうか余り確信が持てない、それからもう一つ重要なことは、長期金利について全くリスクプレミアムを乗せなくていいか、こういう三つの点がございますので、本当に二・九かあるいはそれを上回るかどうかということは、必ずしも十分確信が持てないというふうに思います。

 ただ、将来的に見ましても、消費者物価指数が仮に三%を超える上昇というふうなのが定常状態となるということに対して日本のすべての人々の心の中の物価観と整合的かどうかという点は、やはり少し疑問が残る、将来にわたってよくここは検証していかなきゃいけないという点でございます。

山本(幸)委員 よくわかりました。三%以上というのはちょっと無理だということは、十分日銀として考えているということはわかりました。

 それからもう一つ気になるのは、海外経常余剰で、GDPベースで五%、これは大き過ぎる。経常収支の黒字がGDP比で五%もある。昔は二・五%の壁と言われておりまして、経常黒字がGDP比で二・五を超えると、これは世界から、許されないということで猛烈ないろいろなプレッシャーがかかって、結局、超円高にして戻したという歴史なんですね。最近はちょっとその限度が上がっておりまして、まさに今年度、二〇〇五年度で三・六まで行くんですね。アメリカはもう五・五を超えているんじゃないですかね、史上最大の経常赤字ですから、六ぐらいになっちゃった。

 私は、これは危険領域だともう既に判断しておりまして、ことしから来年にかけてアメリカの経常赤字がこれ以上大きくなることは、アメリカも許さないだろうし、世界の資本市場も許さないだろうというふうに思います。アメリカから先にドル暴落になるのか、あるいは、いろいろな形でプレッシャーがかかって日本が円高に持っていくのかということをやらざるを得なくなる状況にあると思うし、少なくとも、経常収支の黒字がGDP比で五%というような状況は非現実的だというふうに思うんですけれども、この点についていかがでしょうか、内閣府。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

齋藤政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の参考試算における海外部門の部門別収支は、多少概念の違いはありますけれども、おおむね経常収支に対応した概念でございます。実は、これは財・サービスの純輸出と所得収支の二つから成り立っております。

 まず、財・サービスの純輸出の推移を見ますと、足元にGDPギャップが残って、輸出余力も十分にあるという状況を反映いたしまして、試算期間の前半では拡大しておりますけれども、期間の後半では伸びが鈍化しておりまして、二〇一一年度における経常収支の黒字の約半分以下というふうに見込んでおります。

 他方で、試算期間を通じまして対外純資産の積み上がりがございますので、それが反映いたしまして、実は所得収支の黒字が拡大するというふうに見込んでおります。二〇一一年度の経常収支の黒字の半分以上はこの要因によってもたらされているというふうに考えております。

 したがいまして、参考試算で示されましたこのような姿というのは、必ずしも輸出に依存した経済を想定しているということではなくて、むしろ、成熟した債権国となっていく過程における姿を示しているものというふうに考えております。

山本(幸)委員 もうこれ以上は申し上げませんが、ちょっと要注意な数字であるということだけ申し上げておきたいと思います。

 それでは、時間が少しなくなってまいりましたので次に進みたいと思いますが、与謝野大臣が、財政再建で悪魔的な手法は使うべきではないという御発言をされました。この真意のところをちょっと教えていただきたいと思います。

与謝野国務大臣 日本の経済もだんだん正常な姿に戻ってきていると私は思うんですけれども、あと二つ、きちんと正常な姿に戻さなければならないと思っているものがあります。一つは国の財政であり、一つは日本銀行の金融政策であるというふうに思っております。もとより、金融政策は日本銀行の専らの権限でございますが、やはり、この二つが正常な姿に戻って、初めて日本の経済は健康体になるんだろうと思っております。

 先生は御専門家ですから、もう釈迦に説法だと思いますが、このまま日本の財政を放置しておくということは、やはり、現代の我々が費消するお金を後の世代に回すということになります。これは恐らく後の世代は許してくれない話だと思っておりまして、そういう世代間不公平を発生させないためにも、我々、国民の理解を得て財政を健全な姿に戻しておく、これは短期間でなし得ることとは思いませんが、やはりその努力をきちんと始めなければならない。

 また、財政の状況をこのまま放置しておくということは、中期的には経済にも大きな影響を与える可能性もありますし、また、金利との関係で思わぬ変動が起きる可能性もあると思いますので、そういう意味では、財政再建という、選挙をやる政党や議員にとってはつらい選択になり得ることでございますけれども、やはりこの問題は、きちんと対応を開始しなければならないと思っております。

山本(幸)委員 おっしゃるとおり、私は財政再建は大変大事だと思いますし、そのときに、私の理解では、高いインフレを起こして、そういうことはやっちゃいけないよ、むしろ、もっと地道にしっかりやるべきだ、そういうふうに理解しておりまして、私は全くそのとおりだと思うんですね。ただ、デフレを脱却して安定物価にすることとインフレを起こすということは私は違うと思っておりまして、そこはぜひ御理解賜りたいというふうに思うんですね。

 私が従来から主張しているインフレターゲティング、その言葉が誤解を招きやすいので私は物価安定数値目標政策と言っているんですが、これは、もともとはインフレを起こさないための政策でとられたものなので、そこはやはり大事なところだと思っていますので、ぜひそういう方向でいきたいなと思っています。

 最後に、日銀総裁にこの物価安定数値目標政策についてお伺いしたいと思います。

 きょうの議論をしておりまして、何となくにじみ出てきた、グリーンスパンさんの英語の話じゃありませんが、福井総裁の日本語の方がまだクリアなものですから、私にはこういうことじゃないかというふうに理解できたと思うのは、三%以上のCPIの上昇率は問題外だ、これはだめ、これははっきり申されたと思いますし、私はそれで結構だと思うんですね。三%以上はだめ、これ以上にはしない、大いに結構。しかし、デフレに戻すということはもう絶対にしないということも申されまして、そういうところで安定物価水準ということになってくる。

 そのときに、CPIの上方バイアスとかいうことを考えると、少しそのリスクを考えると、のり代がないと困る。CPIのバイアスが〇・三というような数字がさっき出てきましたけれども、原油価格のことも考えたりバイアスを考えると、どんなに小さく見込んでも〇・五以上ないといけないと私は、これはぎりぎりですね、思います。しかし、本当はもうちょっとのり代が欲しいというのが個人的な感じなんです。

 というのは、もう一回年金生活者のことを考えてください。年金生活者は、これは年金の物価スライド調整というのをやるように決めておりまして、スライド調整は〇・九なんですよ。つまり、CPIが〇・九以上上がらないと年金生活者の年金は上がらない、二〇二五年度まではそういうシステムになっているんです。

 だからその意味では、できれば一以上欲しいなというのが私の個人的な感触でありまして、では、にじみ出てくるのは一から三ぐらいで目標を持って、そこにおさめましょう、そういう目標政策をやればいくんじゃないか、各国ともそれで成功してきています。しかし、途中の過程では自由にやっていただきたい。何をやろうと私は、そういうことをはっきりと示してくれるんなら、逆に一切文句をつけない、政治家も一切何も言っちゃいけないということをはっきりさせたいというふうに思っています。

 そういう意味で、期間とかいろいろありますが、いろいろなやり方があると思います。フレキシブルなそういう物価安定数値目標政策ということについて、日銀総裁、どのようにお考えでしょうか。それを最後にお聞きして、終わりたいと思います。

福井参考人 物価の上下の過度の変動がいかに国民生活を害するか、年金生活者を中心にお話があったわけでございますが、まさしく私どもが見ましても、例えば年金生活者ということを念頭に置きました場合に、デフレだけでなくて、インフレもまた年金生活者の生活に強いダメージを与える。私どもは、広く国民の皆様方の生活の安定のために、デフレにもしない、インフレにもしない、こういう強い決意で今後とも金融政策をやらせていただきます。

 そして、物価指数を読みます場合に、先ほどバイアスの議論もちょっとさせていただきましたけれども、金利がゼロ以下になれないということの苦しみということをこれまで味わってまいりました。恐らく、日本銀行が一番強く味わってきたわけでありますので、そういう制約があるがゆえに、やはり安全弁が必要なんだという感覚も我々は強く持っております。

 そして最後は、国民の皆様方がこれから将来に向かって本当に安心して経済生活ができる物価の動きの安定的なゾーンとは何だろう、そこのところは我々も真剣に探し求めながら、日本銀行としてはできるだけ政策の透明性のためにどういうメッセージを出せるか、さらに真剣に工夫を重ねていきたいということでございます。

山本(幸)委員 ありがとうございました。日本銀行総裁にはぜひ大いに頑張っていただきたいと思いまして、よろしくお願いします。私の質問をこれで終わります。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて山本君の質疑は終了いたしました。

 次に、盛山正仁君。

盛山委員 自由民主党新人の盛山正仁でございます。どうぞよろしくお願いします。

 耐震強度偽装事件で、建築基準法あるいは建築行政の問題点が明らかになってまいりました。建築基準法につきまして改正が予定されていると承知しておりますが、その内容について伺っていきたいと思います。

 まず、北側国土交通大臣に伺いたいと思いますが、建築基準法につきましては、そもそも完了検査を受ける必要があると理解しておりますが、どういうわけか、その率は一〇〇%ではありません。どうしてそういうふうになっておるのでございましょうか。また、今後、完了検査につきまして、一〇〇%に引き上げていく方針についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

北側国務大臣 平成十六年の段階でございますが、建物完成後の完了検査率は七三%でございます。これは以前はもっと低くて、平成十年のころは三八%でございまして、平成十年の建築基準法の改正によりまして、民間の指定検査機関についても検査をやっていただこう、こういう新たな制度を導入した一つの成果として、完了検査率も大分上がってまいりました。しかしながら、いまだ七三%。

 これは県によっても大分違うんです。もう九〇%程度完了検査率がある県もあれば、五割ないし五割強しか完了検査がなされていない県がございます。ちなみに、ちょっと申し上げますと、茨城県五一%、群馬県五五%、埼玉県六一%、千葉県六一%、和歌山県五五%、こういうところが非常に完了検査率が低いわけでございます。

 なぜ完了検査率が低いのか。特に低い県については、これまでも各県または特定行政庁に対して完了検査率を上げるように指導してきたところでございますが、さらにしっかりと連携をとって、完了検査率が上がるように努めてまいりたいと考えております。

 都道府県なんかの調査によって、なぜこんなに低いのかというのは、一つは、完了検査について、関係者、建築主、設計者、施工者等を初め関係の方々の意識が必ずしも高くないだとか、それから検査体制が未整備であるだとか、そうしたことが言われておるところでございますが、検査率を上げていくために、例えば一つの方法として、金融機関に協力をいただきまして、完了検査済証というのが交付されて初めて融資を実行するということも検討していく必要があるのではないかというふうにも考えております。

 住宅金融公庫につきましては、今、そういう形で、完了検査済証の交付があって融資を実行するというふうな形にさせていただいておるんですが、ぜひそういう協力を、民間の金融機関についても連携をとらせていただきたいと思っておりますし、また、現地のパトロールの強化につきましてもしっかりさせていただきたいと考えているところでございます。

 完了検査率の向上に向けまして、引き続きしっかり取り組みをさせていただきたいと考えております。

盛山委員 ありがとうございました。ぜひしっかりとお願いしたいと思います。

 今回の東横インの件では、検査を受けた後のチェック体制の不備が明らかになったと思います。完了検査を一たん通れば、その後、違法改造その他をしても何のおとがめもないといったような感じではなかったのかと思います。

 私が経験した件でも、ある建物、ちょっとこれは違法建築じゃないかな、駐車場としてできたばかりのところが、建物ができた直後からもう一回改造して、倉庫ですとか店舗になったりですとか、そういうようなことで二、三指摘をしたことがありますが、区の担当の方からは、もっと早く言ってくれれば何とかしたんですけれども、一たん完成した以上、所有権等の問題があってこれ以上難しいですね、こういうふうに言われた覚えがございます。せっかく建物の所有者に指導監督する法的権限が現在の法体系であっても、こういうような対応では改善が図られないと思います。

 また、一種住専、二種住専といったようなこと、あるいは建ぺい率、容積率、それなりにしっかり決められているわけでございますが、こういうことが守られないということであれば、例えば、先般の東横インの方のように、法を破った方が勝ちであるということで、まじめに法令遵守をする人がばかを見るといったような不公平感が出てくるんじゃないかと思われます。

 また、国土交通省を中心に、二年前に景観法をつくられました。町並みをせっかく美しくしようとされているさなかでございます。建築基準法がざる法と言われないようにするためにも、建築確認あるいは完了検査の後の今後の事後チェックについてしっかり取り組んでいっていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。

北側国務大臣 今回の東横インにおける改造問題、極めて遺憾と言わざるを得ません。そもそも完了検査後に改造するということでございまして、全くの悪意、故意でやっているわけでございます。それも、東横インの完了検査後に改造が確認されたものが七十七物件、きょうの時点で確認をされておりまして、そのうち明確に法令違反が確認されているものが六十三件ある。非常に広範に、会社ぐるみでこうした改造がなされているわけでございまして、この件に関しましては、先週の金曜日も、関係特定行政庁にも集まっていただきまして、今後の対応について協議をさせていただきました。

 厳しく、是正命令等も含めまして、また、極めて悪質なものにつきましては、告発も含めた罰則についても適用できるように対応させていただきたい、厳正に対処してまいりたいと考えているところでございます。

 完了検査後のこうした違法な改造をどうチェックしていくか、これはなかなか難しい問題があります。完了検査後においても特定行政庁等でしっかりチェックをしていくということは物理的な面でなかなか困難な側面もあるんですが、建築基準法上で、一つは定期報告制度というのがございます。この定期報告制度をしっかり活用するだとか、また、ある一定の建築物、ホテル等も含めまして、そういう一定の建築物に対しては定期的なパトロールを確実に実施するだとか、それから、民間からの情報提供、そういうものもしっかり耳を傾けてキャッチして対処していく等々、こうした対応をしっかりとらせていただきたいと考えております。

 是正命令等の行政処分につきましても、これも各特定行政庁におかれましてしっかり対応していただくように、是正命令を出すこと自体にちゅうちょしないで、しっかり適切に対応していただく。

 また、一つの反省といたしまして、この東横インの件もかなり昔からあったんです。例えば、昔、仙台の方でもこうした改造問題があった。にもかかわらず、是正命令が出されたときには、そのことについては国土交通省の方へ報告があるような仕組みになっているんですが、それを関係の、例えば東横インのある所在地の特定行政庁のところに情報を共有する。この企業については、このホテルについてはこういう違法改造がどこどこ市で行われましたということを関係の特定行政庁にも情報を共有するような仕組みにつきましてもしっかりとる必要があるというふうに考えておるところでございまして、こうしたさまざまな取り組みを通じて完了検査後の違反をチェックする体制というものを整備させていただきたいと考えております。

盛山委員 大臣、ありがとうございました。ぜひ、特定行政庁に対する指導監督、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 今大臣のお言葉にもございましたが、耐震強度偽装の件でも東横インの件でも、過失でこうなったということではなく、明らかに故意ということで、確信犯だと思います。五十万円といったような罰則では軽過ぎるんじゃないかとみんな考えているんじゃないかと思います。

 もっと重くすべきだとは思いますが、他方、日本の法体系は、一般論で言いますと、どちらかというと性善説に立った法体系でございますので、アメリカのような懲罰的な罰金を科す、こういうような法体系ではないので、急に建築基準法だけ罰則を厳しくするというのは難しいのかなと想像するわけでございますが、そうであれば、例えば悪徳建築士や悪徳業者の名前を公表するといったような、どういうふうに今後の再発を防ぐか、罰則その他の体系をどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。

北側国務大臣 罰則の強化の問題につきましては、当委員会におきましても多くの委員の皆様から、今回の耐震強度偽装事件や、また東横インの事件を通しまして、罰則を強化すべきである、そうした御意見を多数ちょうだいしているところでございます。

 現在、社会資本整備審議会で御議論をいただいておりますが、今委員のおっしゃった罰則の強化の問題についても、大きなテーマの一つとして御議論いただいているところでございます。二月じゅうには中間報告をちょうだいする予定でございますが、その中で今御意見いただいておりますのは、懲役刑の導入も含めた罰則の強化をすべきではないか、こうした意見も社会資本整備審議会の中では御議論いただいているところでございます。

 罰則につきましては、ほかの関係法令との整合性とかバランスだとか、そういう問題もあるわけでございますが、関係省庁とよく連携をとらせていただいて、罰則の強化についてもぜひ一定の要件のもとで導入すべく、今進めているところでございます。

 また、行政処分の問題なんですけれども、そういう違法なことがなされた建築士等に対して行政処分があった場合に、これにつきましてもきちんと名前を公表するというふうな体制もぜひとらせていただきたいと考えているところでございまして、違法がなされた場合には、名前の公表、さらには罰則の強化等、今回の事件を受けまして、しっかり対応をとらせていただきたいと考えているところでございます。

盛山委員 ありがとうございました。

 今回の東横インの件では、駐車場法違反とあわせまして、ハートビル法の違反が問われました。現在、ハートビル法につきましては、交通バリアフリー法と合わせまして新しいバリアフリー法をつくるべく準備なさっておられると承知しております。

 このハートビル法でございますが、建築基準法との関係が大変深いわけでありますけれども、今後、高齢者、障害者、バリアフリーという観点からの罰則という点では、どちらの法律で罰則を強化していかれようとしているのか。例えば、やはり今回の件のようなことを考えますと、新しいバリアフリー法で高齢者、障害者の観点から罰則の強化ということを、建築基準法ではなくてこちらの法律でやった方がいいんじゃないのかなと私は思っております。また、障害者の方から伺いますと、障害者用の駐車場への一般車について駐車禁止、こういったことも何か盛り込んでくれないかというような要望もちょうだいしております。

 道路交通法ですとか建築基準法ですとか、そういうほかの法律との関係になってくるわけでございますが、高齢者、障害者というバリアフリーの観点での罰則についてどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。

北側国務大臣 今委員のおっしゃったように、この国会で、一つは交通バリアフリー法とそれからハートビル法、交通バリアフリー法は、これは旧運輸省時代、お聞きしますと、委員がこの法案の作成に大変御尽力されたというふうに聞いておりますけれども、この交通バリアフリー法と旧建設のハートビル法、これを一体化させまして拡充していく、面的にバリアフリー化を進めていく、そういう法案をこの国会に提出させていただきたいと考えているところでございます。

 その中に、新しいバリアフリー法案の罰則をどうしていくのか。今回の事件を受けまして、罰則の強化についてもやはり検討すべきだということで、今、関係省庁とこれも協議をさせていただいているところでございます。

 このバリアフリー法案の中に、先ほど委員のおっしゃった、単に建築物や旅客施設というだけではなくて、外にある駐車場、路外の駐車場についても対象としようということで今予定をしているところでございまして、そうした違反についても是正命令や罰則の規定を設けたいというふうに考えているところでございます。

 罰則の強化も今鋭意検討しているところでございますが、今回の東横インの事件を通じてもう一面思いますことは、建物のバリアフリー化を進めていく、またユニバーサルなまちづくりを進めていく、こうしたものの価値を十分に認識していらっしゃらない。今は、環境に優しいだとか人に優しいだとか、そうしたまちづくりや建築物をやっていくということをもっと啓発していく必要があるということを改めて痛感しているところでございます。

 そういうところに、環境や人に優しい建築物をつくられる方々に対してはきっちりと評価していく、やらない人に対しては厳しく対処していく、こうした対応が必要であるというふうに考えております。

盛山委員 ありがとうございました。

 続きまして、川崎厚生労働大臣にお尋ねしたいと思います。

 交通バリアフリー法の制定に際しましては、当時の厚生省に加わっていただくことができず、残念な思いをした人間は何人かいるかと思います。今後、地域での具体的なバリアフリー化を促進する、そのためには厚生労働省の参画が不可欠であると私は思います。地方自治体において、企画部局や都市交通部局と福祉部局、こういうところが、縦割りではなく横にしっかりと連携強化をするといったようなことでなければ、なかなかその地域、実際の場所においての具体的なバリアフリー化が進まないのではないかと思います。厚生労働大臣の御見識を伺いたいと思います。

 また、あわせまして、病院は高齢者や障害者の利用が一番多い施設でございますので、病院のバリアフリー化についてもぜひ促進していただきたいと要望申し上げます。

川崎国務大臣 盛山委員が運輸省におられたときに私が運輸大臣をしておりまして、厚生労働省が動かないなら我が省でやろうということでこの問題に取り組んだ。五年たったら随分立場が変わりまして、今度は責められる立場になりました。

 御承知のように、今トリノでオリンピックが開かれておりますけれども、きょう、パラリンピックへ参加する四十名の選手団、結団式、壮行会を行う日になっております。自立と社会参加を求めてということで世界全体が動き出しているときに、日本の国もやはり率先してやらなきゃならぬという中で、省の壁があってはならぬという大変厳しい御意見だろうと思います。

 一方で、全体の福祉施策が、地方自治体を中心にしながらやっていこう、だんだん予算自体も、交付金また一括交付金もしくはという形で変化してきております。したがって、地方における福祉部局と建設部局がしっかり手を合わせながら地域のバリアフリー基本構想をかいていくということが何よりも大事だと思っております。

 委員の御趣旨に沿いながら私どもも地方の福祉部局と話し合いをしながら、まさにそこにバリアがないようにしっかり頑張ってまいりたいと思っております。

 病院におきましても、二千平米以上については義務規定になっておると思っております。八一・六%。ある意味では、こうしたものができていない病院に市民自体が少し批判の目を向けるという社会になってきておることも事実でございます。しっかり進めさせていただきたいと思います。

盛山委員 厚生労働大臣、力強い御答弁ありがとうございました。

 続きまして、小坂文部科学大臣に伺いたいと思います。

 先ほどの北側大臣の御発言にもありましたが、一般の人につきましては、バリアフリーについての認識がやはりまだ低いんじゃないかなと思われます。

 例えば、アメリカやヨーロッパに行きましたら、建物の扉、次の人のためにドアを押さえて待っている、あるいは若いお母さんのために、ベビーカー、ちょっと手助けをして引っ張り上げてあげる、こういうのが当たり前だと思うんですけれども、日本人は、シャイなんでしょうか、なかなかそういう感じじゃないと思います。

 そして、先週来、この予算委員会でもいろいろ議論されておりますが、日本人の意識、これが、助け合おうという共同体の意識から自分中心の利己的な考え方になってきているんじゃないのかなと懸念しております。本当はこういう大人の考えを変えるというのがまずは基本なのでございますが、なかなかそうもいかないということで、小さいお子さん、小中学校というような柔軟な段階から、バリアフリーですとか、環境もそうでございます、そういうことについてよく教えていくということが大事じゃないかと思っております。小中学校での教育にこういうバリアフリーをぜひ入れていただきたいと思っております。

 また、学校のバリアフリー化についても、それなりに進んでいるとは思いますが、今後とも進展していただきたいという要望の二点につきまして、よろしくお願いいたします。

小坂国務大臣 盛山委員は、議員になられる前から、役所にいるころからバリアフリーに大変熱心であるというふうに承知いたしておりますが、今御指摘のように、健常な者も、また障害を持つ者も、同じ社会の構成者としてお互いを思いやり、そして共生し、ともに社会づくりに邁進していく、こういう世の中が求められており、そのために、各段階においてそういった思いやりの教育を推進していくことが必要だ、このように考えております。

 御指摘のように、小学校、中学校という義務教育段階においても、思いやりの心を育てるために、障害者に対する正しい理解と、そして障害者の立場になって物を見る見方、こういったものをはぐくむようなものを、社会科あるいは道徳などの時間を通じて涵養するように努めているところでございます。

 具体的に申し上げれば、社会のバリアフリーに向けての取り組みについては、車いすやアイマスクを着用して模擬体験するなど、いわゆる障害者の身になって物を見る見方を体験的に実施する、あるいはバリアフリーマップというようなものをつくってみようということを実践してもらって、町の中を自分の目で、障害者になったつもりで、どこが不便なんだろうか、こういうことを見てもらう。こういった教育を推進することで思いやりの心がはぐくまれていく、そう思っておるわけでございまして、なお一層推進に努めていくところでございます。

 一方、学校という施設はどうかといいますと、施設そのものが、まず、障害を持ったお子さんも、健常なお子さんと一緒に通学そして勉学ができるような環境を整備する、これはもちろんでございますし、また、災害等があった場合に避難場所にもなる場所でございますので、学校のバリアフリー化ということについてはそれを積極的に推進すべきもの、また、十四年のハートビル法でも学校は努力義務化されているわけでございます。

 そのような立場で見返してみますと、現在の段階で、平成十七年度の調査によりますと、全国の公立の小中学校のうち、スロープだとか障害者用のトイレを整備する等何らかの形で障害者に対するバリアフリー化を行っているものが、全体で七四%の学校においてこのようなことがなされているということでございますが、私は、さらにもう少しブレークダウンしてみたらどうなるんだと聞いておるわけですが、スロープでいうと大体五五%、また障害者トイレでいうと五一%が整備をなされている。必ずしも十分とはとても言えない状況でございます。

 さらにこういったものの国庫補助を行ってきているところでございますが、ハートビル法の精神にのっとりまして、バリアフリー化の一層の推進に努めてまいる所存でございます。引き続き御支援のほど、よろしくお願いを申し上げます。

盛山委員 小坂文部科学大臣、まことにありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。

 先日、障害をお持ちの方から指摘されて、はっと気がついたのでございますが、現在のバリアフリー法あるいは建築基準法という体系では、いざというとき、緊急時にどうすればいいかという観点がちょっと抜けているんじゃないか、これはやはり平時の法律でしょう、そういうふうな指摘を受けました。

 例えば交通機関であれば、緊急時にどのように避難をスムーズに行うのか。また、阪神大震災の折には、当時、私の母はつぶれた家に閉じ込められました。幸い木造の家であったので、お隣さんが扉を破ってくれて助かりましたけれども、これが例えば鉄筋の建物あるいは鉄の扉であれば、仮にそういうのがゆがめば、バールを持っていても普通の男でもとてもあけられないんじゃないかと思うんですね。

 ですから、すべてのビルとは言いませんが、みんながよく使うような公共的なビルについては非常口など扉がゆがまないようにする、あるいは開放されるようにするといったような危機対応の観点を、新しいバリアフリー法あるいは現在検討中の建築基準法にぜひ取り入れていただきたいと思います。これは、ちょっと時間がありませんので、要望だけにとどめさせていただきます。

 時間がありません。最後の一点、安倍官房長官にお尋ねをいたします。

 ハードの整備でできるところは、エレベーター、エスカレーターの整備というハードの整備をすべきであると考えておりますが、限界があるんじゃないかなと思います。例えば、谷垣財務大臣が、任せろ、富士山の山頂までやってやると言っていただければ別でございますが、なかなかそうはいかないと思います。そうしますと、やはりソフトの対応というのが大事になってくるんじゃないかと思います。

 先ほど文部科学大臣もおっしゃいましたが、バリアフリーの心、気持ちの問題というのが大変大事でございます。相手の立場に立って考える、相手を思いやる心、そういうものが大事だと思うんですね。我が国は、もう世界に類を見ない世界一の高齢社会でございます。四人に一人が高齢者ということでございます。バリアフリーはますます重要になります。我々みんなにとっても、年をとっていくわけですから、みんなの問題でございます。そしてさらに、バリアフリーというのは若いお母さんのための少子化対策にも役立つ、こういうことであります。

 そしてまた、観点を変えますと、障害をマイナスと考えるのではなくて、プラスの方向に持っていくというふうに社会を変えていくべきじゃないかと思います。アメリカでは、障害を持つアメリカ人のための法律、ADA法という法律がございまして、これが施行されてから、障害を持っている方は税金を投入する対象ということから、むしろ、自由に動いて自分で収入を得て税金を払う、こういうような立場に大きく変化いたしました。

 日本もアメリカのようにプラスの方向に持っていくように、また、ユニバーサルな社会を実現することが大事だと思っています。縦割りの行政ではなく、政府一体となって取り組んでいただけるようお願いしたいと思います。安倍官房長官の御見解を伺いたいと思います。

安倍国務大臣 バリアフリーについては、先ほど北側大臣がお話をされましたように、バリアフリーの価値ということをみんなで理解しなければならない、こう思っています。日本が、暮らしやすい、活力ある国である、そして志を持った国であるというふうに思ってもらうためには、やはりバリアフリーというのがちゃんと行き渡っているかどうかというのは極めて大きな要素である、このように思っています。また、バリアフリーは、ハードだけではなくてソフトにおいても極めて重要であろう、こう思っております。

 例えば、東京駅のハードをバリアフリーにしても、そこを利用するためには東京駅がバリアフリーだということの情報がちゃんと伝達されなければならない。その情報を得るために例えばインターネットを使う場合も、視覚障害者の方々のためには点字化あるいは音声化のソフトも完備されていなければいけない。あるいは、そういう情報を得ようと思って市役所に行った際にも、市役所のアドバイスが適切でなければいけませんし、また言葉遣いも適切でなければならない、こう思うわけであります。

 そしてまた東京駅自体も、ハードだけではなくて、サポーター体制がしっかりしているかどうか。それはやはりボランティアにも頼らなければいけない。そういうボランティアのための人材育成のプログラムもあるかどうか、子供たちがそういうボランティアになろうと思っているかどうか、こういう点も含めて総合的に、啓発活動も人材育成も含めたソフト面の充実もしっかりとやっていきたい、こう思っております。

 政府といたしましても、総合的に政府が一体となって対応していくために、平成十六年六月にバリアフリー化推進要綱を決定したところでございまして、現在も、ハード、ソフト両面から、省庁の壁を取っ払って対応するべく努力しております。また、ただいま委員が御指摘になった点も十分留意しながら、さらに進めていく決意でございますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

盛山委員 ありがとうございました。

大島委員長 これにて盛山君の質疑は終了いたしました。

 次に、福島豊君。

福島委員 おはようございます。大臣の皆様には大変御苦労さまでございます。

 本日は、昨年の特別国会で成立いたしました障害者自立支援法をめぐって、さまざまな懸案事項についてお尋ねしたいと思っております。

 四月一日からの施行に向けまして、現在準備が進められております。先週の九日には社会保障審議会障害者部会が開催をされまして、施行状況について厚生労働省から報告があったところでございます。具体的にどのような形で施行されるのか、この一週間、二週間が大変大きな山であるというふうに思っておりますので、障害者当事者の団体の方々の要望も踏まえ、きょうは御質問させていただきたいと思っております。

 この法案をめぐっては、国会での審議も大変長時間に及びまして、障害者の当事者の団体の方々からもさまざまな意見が寄せられました。また、反対の声も強かったということが事実であります。しかしながら、私どもは、支援費制度が財政的に行き詰まり、今後将来にわたって安定して障害者福祉サービスを拡大していくためには今回のこの改革が必要であるという思いで賛成いたしました。

 しかしながら、利用者の負担の問題でありますとか個々の問題点については、国会での審議を通じ、そしてまた附帯決議等を通じ、よりよい形で実現するために、できる限りの努力をさせていただいたつもりでございます。施行を目前にいたしまして、最後のといいますか、よりよい施行になりますように最大の努力をしたいというふうに思っております。

 まず初めに、全体的なことでございますけれども、社会保障制度全般において障害者福祉というものが占める位置について厚生労働大臣にお尋ねいたしたいと思っております。

 ことしは医療保険制度改革がこれから審議をされることになっております。昨年は介護保険制度改革でありました。一昨年は年金制度改革でありました。このように、矢継ぎ早に社会保障各般の制度にわたって見直しが行われております。

 少子高齢化という大変大きな人口構造の変化、そしてまた日本政府の財政的な状況の悪化、こうしたことが、一つ一つの制度において繰り返しての見直しを余儀なくさせている最大の原因になっている、そのように理解いたしております。そして、こうした改革は、二十一世紀、将来にわたって各制度を安定して維持していくためには避けては通れない、やはりやらなければならないことはやらなければならない、そのように思っております。

 しかしながら、障害者福祉に関して言えば、こうした社会保障制度の中でも一番おくれてきたというのが実態であるというふうに思います。戦後の高度経済成長の中で、年金にしても医療にしても、そして介護は一番最後の社会保険でございましたけれども、安定して成長してきた。しかし、専ら公費に頼るところの障害者福祉というものは、一番最後のランナーとして十分な発展を遂げてこなかったというのが私は日本の現状ではないかというふうに思います。

 そうした中にあって、支援費制度というのは、利用者本位の制度として障害者福祉サービスを転換し、そしてそのサービスの拡大を図るためには大変大きな転換点となったのだというふうに思っております。

 こうした社会保障制度全般に係る改革は、日本の人口減少社会への突入、こうしたことを踏まえ、さらに必要な改革をしていかなければならない、そのようにも自覚いたしておりますけれども、しかし、一方で、障害者福祉に関しては、他の制度と同じように抑制をどう図るかということではなくて、逆にどのようにしてさらにサービスを拡大するのか、全く逆な立場に置かれているのではないかというふうに私は思っております。

 先ほどの盛山委員の御質問にもありましたように、バリアフリーの社会を構築しなければいけない。これはだれにとっても住みやすい社会になる。まさにこうしたバリアフリーの社会、ユニバーサルな社会をつくり上げていこうと思えば、障害者の福祉サービスというものは今まで以上に発展をさせていく必要がある、そのためにこそ今回の障害者自立支援法があるのだ、そのようにも理解しておるわけであります。厚生労働大臣の御見解をお聞きいたしたいと思います。

川崎国務大臣 社会保障制度全般は、少子高齢化が進む中、負担と給付、持続の可能性、そしてそれをしっかり基盤のかたいものにしていかなきゃならぬという中で、さまざまな改革が行われております。

 しかし、障害者福祉について、負担と給付という組み合わせで考えるという話ではなくて、基本的には政策目標、先ほどのバリアフリーのように政策目標等をしっかり立てながら、それをやっていくにはどうしたらいいか、そして、もちろん国民の理解のもとという前提が私はあるような気がいたしております。

 支援費制度施行以来、一つは、障害種別間の格差が大きい、それから未実施の市町村が多い、サービスの水準に大きな地域間格差が存在する、在宅サービスを中心に予想を大幅に上回ってサービス利用が拡大ということで、昨年、法律を御提案いたしたところでございます。

 こうした課題に対応するため、支援法により、まず、身体障害、知的障害、精神障害といった障害種別にかかわらず一元的にサービスを利用できる仕組みに構築すること、サービス水準の地域格差を是正するため障害福祉計画の策定を義務づけたこと、利用者負担の見直しや国の財政責任の明確化を通じて制度の安定化を図ること、これが大きな政策目標であろうと思います。

 もちろん、できる限りの効率化、適正化を図ることは大事でありますけれども、やはり一つの政策目標を掲げて、その要請にこたえて、障害者が地域で安定、安心して暮らしていける社会の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。

福島委員 大変力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 この自立支援法、国会でさまざまな質疑がなされました。利用者負担の軽減等、国会での質疑を通じて実現することができました。

 そしてまた、質疑を通じて附帯決議も付されたわけでございます。関係団体からは、この附帯決議をまずはきちっと実現する、これを約束してほしいということが現時点においても御要請として寄せられております。

 この審議においては、附帯決議のみでなく、より幅広く議論も行われましたけれども、まずはこの附帯決議について政府としてきちっと責任を持ってやっていく、こういうことについて厚生労働大臣の御決意をお聞きしたいと思います。

川崎国務大臣 先ほど御指摘いただきましたように、衆参におきまして、委員会においてさまざまな議論が交わされました。特に福島委員、その中心になりながら、最終のおまとめをいただきました。

 附帯決議については、これまでの施行準備段階においてもその趣旨を尊重し、一つは低所得者へのきめ細かな配慮、自立支援医療における重度かつ継続の範囲の検討に当たって関係患者団体の意見に配慮する等、さまざまな附帯決議をつけていただきました。法の附則に掲げられている障害者の範囲や就労支援を含めた所得確保のあり方等についても誠実に検討してまいりたい。

 いずれにせよ、国会での御議論というものをしっかり生かしながらやってまいりたいと思います。

福島委員 どうもありがとうございます。

 続きまして、より具体的な事項についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。

 依然、関係者の間で残されている懸念の一つは、小規模作業所がどうなるんだろうかということであります。

 障害者の保護者の方々を中心として懸命な努力がなされ全国六千を超える小規模作業所がつくられ、極めて大切な障害者福祉の社会基盤となっております。今回の自立支援法は、法定外の小規模作業所を法定内に位置づけ、より安定した運営を実現するためには必要な改革である、そのように認識しております。

 しかし、次のような当事者の方々の要請が現時点でも行われております。

 一つは地域活動支援センター、1型、2型、3型とありますが、3型が一番小さなものになります。ここに移行するところが多いのではないかというふうに考えられているわけでありますが、これについては、運用実績五年以上という要件、また、実利用人数十名以上という要件、こういうことが示されたわけであります。これについては撤廃ないしは緩和をしてほしい、こういう要請が寄せられております。

 また、個別給付についても法定内の事業所として実施することができる、こういうことも国会での審議でも示されました。しかし、これについても、最低定員が一つのハードルになる、その特例をぜひとも緩和してほしいという要請が寄せられております。

 さらに、こうしたきめ細かな対応によっても法定内の事業所に移行できない場合もあるだろう、現時点で行われておりますこうした小規模作業所に対しての支援を、引き続きそのような場合でも継続していただきたい、こういう要請もあるわけであります。

 こうした各般にわたります要請についてきちっとこたえていただいて、そして、どこの小規模作業所も、新しい制度の中でよりよくなった、そしてまた、決して閉じなくてもいい、閉じるようなことはない、こういうことを確信していただく必要があるというふうに思っております。政府の御見解をお聞きしたいと思います。

川崎国務大臣 今、小規模作業所は、法定外の事業として全国に約六千カ所、約八万人が活動しております。

 障害者自立支援法においては、良質なサービスを提供する小規模作業所についても法定の事業を実施できることとなっております。小規模作業所は、法定事業に参入していく、今お話しいただきました地域活動支援センターとなることが多く見込まれる。

 その中で、補助要件につきまして、一つは何らかの法人格を取得すること、それから利用定員が、ここが最大の議論だろうと思います、おおむね十人以上であること。最低要件をつけておりますけれども、一つはおおむねという表現をつけさせていただきました。

 もう一つは、実施主体である市町村が、当該センターの運営の安定性並びに提供するサービスの質や効率等を勘案しつつ、地域の実情や利用者の状況において設定することができるという形にさせていただいております。そこは、やはり市町村の方々の方がその作業所の位置づけというものはよく御理解をいただいているものだろうと思っております。

 もう一つは、補助基準としてはそういう形になりますけれども、基本は、地方交付税におきまして平均大体六百万ぐらい、小規模作業所、地方自治体がお出しいただいている、財源手当てした上で出しているわけですけれども、そのものにつきましては、当然、引き続き自治体による補助が行われる、このように理解をいたしております。

福島委員 引き続きまして、重度障害者の方々についてお尋ねしたいと思います。

 たくさんの重度の障害を持つ方が地域でお暮らしでございます。その生活を維持するということは大切な課題でございます。今回の改革にあって、サービス提供の枠組みというのは大きく変わるわけでありますけれども、こうした生活が維持できるようなものでなければならないと思っております。

 具体的には幾つかの御要請があります。

 重度訪問介護の単価の設定、これも大事だ、こうした配慮が適切に行われなきゃいけない、こういう要請もあります。

 また、単価のみではなく、ひとり暮らしの最重度者に対して重度訪問介護また重度障害者等包括支援、こういったサービスがあるわけでございますけれども、国庫補助基準についても、その生活を継続できるかどうかという分かれ道になるという意味で適切な対応をしていただきたい、こういう強い要請が繰り返し行われております。

 今回の改革、どのような改革だったのか、障害者の福祉サービスは将来に向かって確かに拡大していくものになるということを障害者当事者の方々にも十分御理解いただく意味においても、こうした最重度の方々の生活がどうなるのか、これは大切なメルクマールになると私は思っております。どのような考え方でこうした点について臨むのか、お考えをお聞きしたいと思います。

川崎国務大臣 まず原則でございますけれども、報酬基準については、長時間滞在して提供を行うというサービス実態にふさわしい内容とする。国庫負担基準については、サービスの利用水準に大きな地域格差がある中で、限られた国費を公平に配分するという観点から、現在の重度の障害者のサービス支給実績などを踏まえつつ設定していくことになります。

 しかし、一方で、人工呼吸器を装着したALS患者等の最も重度の障害ある方々の国費負担基準の設定に当たっては、障害が重くても地域で生活することを支援する観点から、現在の支援費制度における国庫補助水準、今、月額二十二万円ですけれども、これを引き上げ、現在、全国の市町村が、著しく重度の障害者を対象に提供している支給実績を踏まえる、施設入所の給付水準等を勘案して設定することを考えております。

 いずれにせよ、今御質問がありました重度訪問介護や重度障害者等包括支援は、重度の障害者の方々の地域生活を支える中心的なサービスであり、必要なサービスがきちんと提供されるよう、関係者の意見も聞きながら最終の詰めを今いたしているところでございます。

福島委員 ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。

 自治体の準備もなかなか大変でございます。私どもも、全国市長会の代表の方にもお越しいただきまして、準備状況についてお尋ねをさせていただきました。法律の成立が若干おくれたということもありまして準備期間が短くなったということで、頑張っていただいておる。関係者の方々は、現場は短くてもしっかりやるよ、こういう力強い御意見も地元ではお聞きいたしたりしております。しかし、自治体が混乱なく施行できるように国としても万全の支援をしていただかなきゃいけない、そのように思っております。

 事務処理システムも変えなければいけません。支援費制度のときのシステムと、今回の自立支援給付に係るシステムは全く違うものとなっている。利用者負担の問題を初め、当事者の方々にも、また、こうした自治体の準備だけではなく、実際に自治体が利用者の方々と直接向き合っているわけでありますから、利用者の方々の不安を取り除くということも非常に大切な施行に当たっての環境醸成だというふうに思っております。

 自治体の支援、そしてまたきめ細かな制度の周知徹底、特に負担がどのようになるのかということについてはさまざま誤解されている点もございますので、こうした点についても十分な配慮が必要であるというふうに思っております。政府としてどのようにこれを進めるのか、お聞きいたしたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 自治体の事務処理システムについてでございますが、今回の法改正、福祉サービスの体系や支給決定の仕組み、利用者負担、公費負担医療制度など大幅に見直すことといたしておりますので、自治体の事務処理システム改修、相当必要であるということで、平成十八年度予算案におきまして、自治体におけるシステム改修や制度の普及啓発など、施行準備のための助成として三十億円を計上しているところであり、今委員の方からお話ございましたように、自治体側の方でも精力的に取り組んでいただいているところでございます。

 また、自治体に対する助成のみならず、やはり利用者の方々が制度を御理解いただくことが大事でございますので、制度の改正内容等を説明いたしましたリーフレットを作成し、自治体や関係団体等に、障害者等、事業者等への配布をお願いしているところでございます。また、その内容につきましては厚生労働省のホームページにも掲載し、障害者の方々が自宅からも手軽に情報を得られるように配慮しているところでございます。

 このほか、さまざまな啓発事業につきまして、自治体の首長さん等にも参加していただいて、その徹底を図っているところでございます。

 こうした取り組みを通じまして、また関係者の御意見を踏まえまして、利用者初め関係者の方々に改正内容を正しく理解していただけるよう努力してまいりたいと考えております。

福島委員 時間は限られておりますので、ぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。

 そしてまた、障害程度区分の判定、これについても、国会での審議、さまざまな意見がありました。当事者の声をできるだけ反映させなければいけない、こういう主張もありました。また、精神障害については市町村ではなかなか十分な経験がないのではないか、その判定に際しては適切に支援をしていただかなきゃいけない、こういう声も現状で寄せられております。また、ケアマネジャーの問題でございますけれども、障害特性、三障害を一つにまとめた、そうした中で、障害特性を十分踏まえた上でケアプランをつくっていただけるケアマネジャーも不足している。あらゆる点で支援が必要であるということは間違いがないというふうに思っております。とりわけ障害程度区分の判定はスムーズかつ適切に行われなければ現場の混乱をもたらすということは私は必至だというふうに思っております。

 この点について、市町村がこれは担わなければいけませんので、その支援をどのように行うのか、政府の考えをお聞きしたいと思います。

中村政府参考人 今御質問にございました障害程度区分につきましては障害者の方々も大変不安に思っておられるということで、マニュアルの作成段階から障害者の方々にも委員に加わっていただくとか、また、ヒアリングをさせていただきまして、市町村が使います共通アセスメント項目につきまして、これは案をつくりまして実際に市町村の方にお示ししたところであり、現在、これを踏まえまして、都道府県が、市町村の認定調査員や市町村の審査会委員に対する研修を行っているところでございます。

 また、精神障害、今度新たに対象にいたしますので、大変市町村の方でも不安に思っておられますので、この点につきましては、都道府県にアドバイザーを置いて市町村の御支援をするとか、都道府県の研修により相談支援に従事する人材の育成をすることなど支援措置を講ずることとしておりますので、障害程度区分が全国でスムーズに進むこと、また、新たに加えられました精神障害に対する対応、市町村に不安を与えることのないよう努めてまいりたいと考えております。

福島委員 自立支援法には、与党修正によりましてさまざまな附則がつけられたわけでございます。その中で一つの柱は、就労支援を含めた所得保障についてこれを検討する。また、障害の対象についても検討していくということが記されております。

 先ほどの盛山委員の御指摘もありましたけれども、障害者の福祉、単に税金を投入するというだけではなくて、どのようにすればタックスペイヤーになれるのか、就労を通じてタックスペイヤーになっていただく、そのことが、バリアフリー、ユニバーサル社会の一つの大きな目標だというふうに思っております。

 そういう意味で、この附則の検討というものは着実に進めていただいて、なかなか難しい点もあると思いますけれども、きちっとした答えを出していただくということが必要だと思っております。先ほども厚生労働大臣、発言されましたけれども、今後これをどのように進めていくのか、御見解をお聞きしたいと思います。

川崎国務大臣 昨年の衆議院の審議の中で検討規定を盛り込んでいただきました。それに沿いながら、省内で、昨年の十二月に障害者自立支援推進本部というものを設けまして、総括的な議論に入ったところでございます。特に、就労支援を含めた所得保障、また障害の対象等の検討、施行後三年を目途に法改正を行うということになっておりますので、それまでにはきちっと結論を出すべく努力してまいりたいと思います。

福島委員 ありがとうございます。

 次に、障害者福祉サービスの利用者負担と医療保険サービスの利用者負担の合算制度について検討する旨、国会での審議で明らかにされました。今回の医療制度改革においては、介護保険の利用者負担と医療保険の利用者負担の高額な場合の合算制度が盛り込まれております。厚生労働省の今後の検討の方針について御見解をお聞きしたいと思います。

川崎国務大臣 先週提出をさせていただきました医療制度改革につきましては、今御指摘ありましたように、介護保険と医療保険、この合算制度というものを含めさせていただいております。当然、この議論に沿いながら、今度は障害者福祉サービスと医療保険の合算制度というものをしっかり議論していかなければならない。先ほど申し上げた、省内で組織をつくりましたので、ただ、実態の数字がまだ掌握できていませんので、その数字を見ながら努力してまいります。

福島委員 ありがとうございます。

 地域生活支援事業についてお尋ねいたします。

 平成十八年度、二百億円の予算を確保していただきました。大変ありがたいことだというふうに思っております。実績を踏まえ、自治体のサービス提供に支障を来さないように十分に配慮しつつ配分していただきたいと思っております。

 今後、こうしたサービスはさらに拡大をしていくということが私は確実だというふうに思っております。裁量的経費でありますから、毎年毎年財務省から大変厳しい御意見をいただくわけでありますけれども、この点については継続して拡大していく、こういう厚生労働省の強い意思が必要ではないかというふうに思いますが、御見解をお聞きしたいと思います。

川崎国務大臣 自民、公明、与党の御協力をいただきながら努力してまいります。

福島委員 私どももしっかりと要請をしてまいりたいというふうに思っております。

 先ほど大臣からお話ありましたが、三年後に見直しをするという規定が存在いたしております。今般の利用者負担の見直し、これがどのような影響をもたらすのか。さまざまな低所得者対策、負担の減免等の仕組みを盛り込ませていただきましたけれども、実際それがどのように動いていくのかということについては、関係者の方々も不安ですし、私どももしっかりとこれはフォローしなきゃいけない点だ、そのように思っているわけでございます。そして、そうした実態を踏まえながら三年後の見直しに取り組む必要がある、そのように考えておりますが、厚生労働省の考えをお聞きしたいと思います。

中村政府参考人 今先生のお話にございましたように、三年後に見直しをするということになっております。

 利用者負担につきましては、さまざまな措置を講じまして、無理のない御負担ということを考えているところでございますが、いずれにいたしましても、本年四月から施行されますので、その実施状況を見まして三年後の見直しに備えてまいりたいと考えております。

福島委員 最後に、発達障害者支援法についてお聞きをいたしたいと思います。

 議員立法として成立し、そして昨年施行されました。施行後、本年は二年目に入るわけでございます。発達障害者支援センターの整備については、もう多くの地域で強い要請がございます。着実に整備を進めるということが必要であるというふうに思っております。

 そしてまた、一方では、実際にやってこられたところでは、実にたくさんの相談がある、それも非常に難しい相談も多い。現在の発達障害者支援センターの体制では十分これが受け切れないところもある、ただ単にお話をお聞きするだけで終わってしまう。大変申しわけないけれども、その能力からそういうような対応になってしまう場合もある、こういう切実な声も寄せられております。

 こうした点について、三年後の見直しが法律にも規定されておりますけれども、着実な整備を進めていただき、その体制についても検討していただきたいと思っております。

 この発達障害者支援法の支援の対象となる障害の一つの大きな柱は自閉症でございます。自閉症については、先進国では極めてポピュラーな障害でございます。しかしながら、日本ではその対応が大変おくれてきたということが私は現状であるというふうに思っております。

 例えば強度行動障害、八〇年代に、どう対応するのかという話が日本ではなされました。しかし、そのときには、既にアメリカでは、早期の非常に集中した介入によってこうした行動障害を予防することができるというような研究がなされていたわけでございます。二〇〇〇年代に入りましてからはアメリカでもさまざまなアプローチが、州ごとによってそれぞれ違いますので、どういうアプローチをすべきなのかということについて、国家を挙げてといいますか、非常に横断的なすぐれた研究も行われております。そうしたことを考えると、彼我の差たるや大変大きなものがあるというふうに思っております。

 私は、そういう意味で、発達障害者支援法が成立した、その中で、自閉症の支援というものも今まで以上に進めていかなければいけない。現在でも、例えば大阪には松心園という第一種の自閉症の施設があります、これは医療型でございますけれども。そこは千人も待機者がいるんです。そしてまた愛知県にも県立の施設があります。そこの杉山先生という方は、私のところは二年、三年待ちですと。

 専門家に素早く診てもらって、そしてどう支援するのか、その介入を早くすればするほど結果が出る、これはアメリカでは確立された考え方になっているわけであります。そういう意味で、この体制をどうしていくのかということについて、政府としてもしっかりと私は考えていただきたいと思います。最後に、この点について厚生労働大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

川崎国務大臣 今お話しいただきましたように、発達障害者支援法、昨年四月に施行されました。本法において、発達障害者支援センターは、地域の中核となり、発達障害者やその家族に対する専門的な支援、医療、保健、福祉、教育、雇用などの複数の分野にわたる総合的な支援が可能となるよう、関係機関との連絡調整を行うための機関として位置づけられました。

 本センターについて、ことしまでで三十七カ所の整備。これを、平成十九年、来年までには全都道府県、指定都市に一カ所ずつ整備したいということで進めております。また、ことしから、都道府県内の各圏域で医療、保健、福祉、教育、雇用などの関係者のネットワークを構築するため、発達障害者支援体制整備事業を実施しております。

 いずれにせよ、今お話ございましたように、アメリカから随分おくれているぞという御指摘いただきました。その御指摘をしっかり私ども受けとめながら、このネットワークがしっかり動きながら、さまざまな相談に応じながら体制整備を進めてまいりたいと考えております。

福島委員 ありがとうございました。

大島委員長 これにて福島君の質疑は終了いたしました。

 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口でございます。きょうは二つ質問をさせていただきます。

 大きく分けて、一つは偽装問題、それからもう一つは、いつでもどこでもライブドアと申しますか、特にそのような問題と私、名づけていますが、金融とIT、それをめぐる不透明な動きについて、市場をアビューズしてしまう、そういう動きについてただしていきたいと思います。最後に財政の問題について伺いたいと思います。

 まず第一点、耐震偽装問題でございますが、この案件については、いわゆるマスコミで言うところの非姉歯物件、こういう問題についても偽装の疑いが発覚して、今国民に大きな不安を与えているところでございますが、国土交通大臣に伺います。事実の確認がどのように行われているのか、そして、これに対する対策をどのように考えていらっしゃるのか、まず伺います。

北側国務大臣 今回の耐震強度偽装事件を受けまして、国土交通省といたしまして、地方、特定行政庁とも連携をとりながら、さまざまな物件についての偽装の有無、また耐震度がどの程度あるのか調査をさせていただいております。

 まず、姉歯元建築士が関与している物件、現在まで判明しておりますのが二百八件ございます。この二百八件については、当然のこととしてすべて調査をしておりまして、二百六件が調査終わりました。そのうち、九十七件に偽装があるということが判明をしております。

 今、委員の御指摘がございましたのは、いわゆる非姉歯物件、非姉歯物件と申しますのは、木村建設、ヒューザー、そして平成設計、総合経営研究所の関与している、姉歯建築士が関与していない物件について調査をしております。これが六百七件ございまして、現在、三百九十五件まで調査が終わっておりますが、その中で、先般、福岡におきまして三件偽装があることが判明をしたわけでございます。

 これは、サムシング株式会社一級建築士事務所というところが構造計算を行っておる賃貸の共同住宅が三件でございますが、これにつきまして、福岡市から二月の八日に連絡がございまして、構造計算に連続性がなく、建物の荷重を軽減して計算を行う偽装があったことを確認した、こういう報告があったわけでございます。また、もう一件、偽装の有無は確認できないものの、再計算の結果、保有水平耐力が一・〇に満たないものが一件ある、こういう報告を受けたわけでございます。この四件につきましては、直ちに安全性が問題となるという状況ではございませんが、さらに詳細な検証を行うということを福岡市の方が連絡をしてきておりまして、今詳細な検証をしている最中でございます。

 このサムシング株式会社一級建築士事務所の関与物件、この四件だけではなくて、関与物件についてどの程度あるのか、そこを今一生懸命、懸命に調査をしているところでございますが、この関与物件の把握をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。

 それともう一つ、熊本県の方で、二月七日の日に熊本県から連絡がございまして、これは一たん偽装がないという報告をしておった件でございますが、再検証したいということで連絡がございまして、二月の九日には、六つの物件があるわけでございますが、賃貸共同住宅が五件、ホテル一件、これらの保有水平耐力の指標が一・〇を下回っている、こういう報告が熊本県また熊本市等からあったわけでございます。

 熊本県は、外部の専門家の機関に調査をしてもらいまして、偽装の疑いはないが耐震性に一部懸念があるという報告を受けておったわけでございますが、そもそも一・〇に満たないわけでございますので、耐震安全性について再検証を進める必要が当然あるわけでございまして、今それをしていただいているところでございます。国交省からも、担当者を熊本県の方に今派遣させていただいているところでございます。

 いずれにしましても、こうして姉歯建築士が設計したものではないところに偽装が福岡の方で判明したということは極めて遺憾でございますし、今国土交通省といたしましては、一体こうした事件というのはどれぐらいの広がりがあるのか、そこをやはり明らかにしていく必要があるということが一番大事だと考えておりまして、まずは、先ほど申し上げました姉歯元建築士が関与していない物件、まだ残り二百十二件あるわけでございますが、これについて速やかに調査を終えるということ。

 それから、国交省が緊急建築確認事務点検本部を設置しまして、国指定の民間の指定検査機関に立入検査を行いました。そのときに構造計算書を入手した百三物件がございます。この百三物件につきまして、これもできるだけ早く調査をしよう。

 さらに、サンプル調査をやろうということで、五百件やらせていただくわけでございますが、そのうち四百件につきましては、既存のマンションから全国からサンプル抽出をいたしまして、全額国費で年度内に調査を実施したいというふうに考えておりまして、合計約七百件余りでございますが、この七百件余りにつきまして、この年度内、三月までに調査を完了して、偽装があるのかどうかよく調査をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

 そうした調査も踏まえまして、その結果を社会資本整備審議会等にも御報告をさせていただきたいし、また皆様にも御報告をさせていただきたいと考えているところでございます。

原口委員 今大臣がお話しになりましたように、一体どこまでこれは広がるのか、私どものところにも随分多くの心配の情報が寄せられています。中には、業界の中から、こんなコンクリートの状況もあります、基礎の状況もあります、あるいは公営住宅でこんな工事をしていますと、大臣、もうこんな山になるような、内部からの情報が寄せられていまして、やはり私は、この案件だけを追っかけてそこを処罰して終わりということではなくて、まさに構造そのものをしっかりと変えていかなければいけない。カビやダニというものは、その環境を変えなければまた生えてきます。そのことが問われているというふうに思います。

 さて、そこで、国交省にお伺いしますが、信頼の置ける情報をもとに、この予算委員会の理事、随分頑張っていただきまして、私たち知り得た情報について三点だけ、これは局長で結構でございます、確認をさせていただきます。

 まず第一点は、今回の姉歯物件でございますが、木村建設以外の、太平工業、志多組等の案件についても、全部元請がヒューザーで、耐震偽装の流れになっている、このように私たちは情報を得ていますが、これは事実ですか。

山本政府参考人 私どもが掌握しておりますのは、姉歯元建築士がどういう契機で偽装をやるようになったかということでございますけれども、元請の木村建設から経済的な設計をするようにという要請があってそういう流れになった、そういう流れの中で偽装をやるようになったので、ヒューザーの仕事についてもやることになったというふうに姉歯建築士は認識しているというふうに受けとめております。

原口委員 事実関係の確認ですから、聞いたことをそのままお答えいただきたいんです。

 私は、全部元請がヒューザーで、耐震偽装の流れになっていると。先ほど大臣がお話しになりました、姉歯物件の中で、私たちは、木村建設がかかわっていたことについて、今、国会で明らかにしてきたんですが、それ以外の案件について、これもヒューザーが元請の場合は耐震偽装になっているというふうに言っているんじゃありませんか。そういう事実を私はつかんでいますが、いかがですか。

山本政府参考人 ヒューザーの物件で姉歯元建築士が設計しているものについては、そういう流れになっているという認識でございます。

原口委員 新しい事実がわかりました。

 さらに伺いますが、サン中央ホーム、この仕事は、秋葉設計経由で姉歯設計士が受けたものでございます。そこで、私どもが、信頼を置ける情報をもとに得た事実として、姉歯元設計士が一級の名義貸しを秋葉設計に行っていたという事実をつかんでいますが、これは事実ですか。

山本政府参考人 千葉県当局において、同様の事実をつかんでいるというふうに聞いております。

原口委員 一級建築士の名義貸しが行われていたと、ゆゆしき事実が明らかになったと思います。

 さらに、これはまだ疑いなのかもわかりませんが、この偽装のもとをたどれば、オーナーであるヒューザーの坪単価が坪四十万から四十五万という低い単価に設定されている、この単価が原因だ、この単価が原因で元請から下請に大きな負担が来ている、そのように認識をしている、私はそういう事実を建築士が考えているのではないか、あるいはそういう事実について推察されていますが、事実を伺いたい。

 そして、確認申請の提出日だけが決まっていて、構造設計は最後にしわ寄せが来る、このことで一番最後なので間に合わない、間に合わないからとりあえず偽装したものを入れておく、そして後で差しかえればいい、こういう認識もあったのではないかというふうに情報をもとに推察するわけでございますが、事実関係について伺います。

山本政府参考人 ただいまお問い合わせのありました二点については、いずれも私ども、同様の認識を持っております。

原口委員 大変大きな事実だと思います。

 こういう低い単価で建築するということは、施主も施工会社も耐震構造の低減はもう既に知っていたんです。私は、こういう認識が姉歯建築士にもあったというふうに推察をしていますが、これは事実ですか。

山本政府参考人 ただいまの事柄、事実関係については、司法当局も今捜査をしているところでございますので、それらの努力によって明らかになるものと考えております。

原口委員 私は、確かな情報をもとに確認をしています。まだ疑いであるということですが、姉歯建築士の認識はそういう認識であったと確かな情報をもとに推察をしているんですが、いかがですか。

山本政府参考人 お尋ねが姉歯元建築士の認識いかんということでございますならば、御指摘のような認識を私どもも持っております。

原口委員 委員の皆様、今私は、五点について明らかにいたしました。

 つまり、この問題は、構造設計の、姉歯建築士だけの問題ではなくて、ここにかかわるまさに大きなストラクチャー上の問題、これが今回の偽装につながっていたんだということを皆さんもおわかりになったと思います。

 委員長にお願いして、耐震偽装の問題について、私の配付資料を配付させていただきたいと思います。もうお手元に。

 これは、一九九八年、建築基準法が改正をされるんですが、その前の年、平成十年、平成にすると十年ですが、そのときに、日弁連の鬼追会長が当時の建設大臣、瓦大臣に提出された意見書、申し入れでございます。

 1に書いてあるところをごらんになってください。営利を目的とする株式会社が公正中立な立場を保持できるとは到底考えられない、また、手抜き工事等の欠陥住宅を生み出す建築業界の実態、体質、業者に依存せざるを得ない建築士の現状等を踏まえれば、民間検査によりどれほどの効果が期待できるかは甚だ疑問であると。まさに、今回の姉歯建築士の置かれた立場をここで日弁連は指摘をされています。

 そして、こう書いています。2のところですが、せっかく中間検査を導入しても、建築主事による検査のほかに民間の検査機関による検査も認めることになれば、中間検査制度がその実効性は十分発揮できなくなるおそれがある。今回、イーホームズ等で発覚した事態をもうここで予見をしています。

 さらに、次のページをごらんになってください。3のところです。

 建築士が監理を行ったとする書面を提出さえすれば、実地の中間検査が不要になってしまう。さらに続けて、その数行下ですが、全く監理をしないことを前提に建築士が名義貸しをするケースが多く、このような監理者は、現実には全く監理を行わなかったり、建築主の立場から法が予定する適正な監理を行っておらず、建築基準法の予定する監理が形骸化しており、そのことが欠陥住宅被害発生の最大の原因となっているということを言っています。

 今回の構造は、私たちが法改正のときに留意をしなければいけなかった最大の問題点であります。

 そのことを指摘し、資料の三をごらんになってください。これは、前回私がこの場で質問させていただいたときに、国交省から私に提示をいただいたものでございます。

 三の1、ヒューザーの小嶋社長ほか、これは十一月九日に来られたときの面談記録でございます。

 イーホームズは大臣認定のプログラムを使用したら構造計算書を見なくていいと言っている、制度上の欠陥であり、国として責任がある、国賠で訴える、ヒューザーの小嶋社長はこういうことをおっしゃったというふうに私に提示された資料で明らかになっていますが、国交省、これは事実でしょうか。

小川政府参考人 お答えいたします。

 十一月九日、ヒューザーの小嶋社長が私どもの方に参ったときに、課長に会わせるように、あるいは大臣に連絡する、そういったことを発言されたのは事実でございます。

原口委員 いや、課長に会わせる、大臣に会わせると、そこまでおっしゃったんですか。

小川政府参考人 失礼しました。正確に申しますと、当時の担当者の記憶では、課長に会わせるように、また大臣にも連絡をするというような御発言があったというふうに記録しています。

原口委員 前段についてはお答えになりませんでした。

 つまり、イーホームズは大臣認定のプログラムを使用したら構造計算書を見なくていいと言っている、制度上の欠陥であり、国として責任がある、国賠で訴える、こういうことをおっしゃいましたか。

小川政府参考人 御指摘のように、イーホームズは、大臣認定プログラムを使用したら計算書を見なくていい、制度上の欠陥であって、国に責任があり、国賠で訴えるという発言がございます。

原口委員 次に、十一月十五日について、これは、伊藤公介議員がヒューザーの小嶋社長ほか、四ページに書いております。皆さんの報告をいただいています。「伊藤議員は、もっぱらやりとりを聞く側に回っていた。」と書いてありますが、私が事前に長妻議員と皆さんから聞き取ったところにはそうは書いて、そうは言っておられなかった。マンションの供給に実績のある人たちと一緒に来ました、この人たちに聞くと大きな問題があるようなのだが、教えてほしいと伊藤議員、元国土庁長官はおっしゃったというふうに私は聞き取っていますが、これは事実ですか。

小川政府参考人 当時の担当者の記憶ということでありますと、少なくとも私の方の記憶といたしましては、伊藤先生、建築の業務については余りお詳しくないという形でやりとりを聞く側に回っていたということでございます。

原口委員 いや、誠実にお答えいただきたいと思うんです。

 皆さんは面談記録といったことを開示できないと。開示できないから、申しわけないけれども口頭で説明に来ますということで、口頭で説明された内容を私は確認しているんです。これは皆さんが報告されたことですから、私たち国会議員が役所に対して働きかけをしたもの、私はこれは全部開示すべきだと思っています。なぜか。それは、大きな公共性を国民に対して責任として持っているからです。

 もう一度聞きます。

小川政府参考人 担当者の記憶に基づきまして、面談の要旨をつくらせていただいておりますが、その中で、私どもの記憶によりますと、伊藤議員は、専らやりとりを聞く側に回っていたという記憶でございます。

原口委員 納得がいきません。

 この質疑の前提として、皆さんに私の国会の部屋に来ていただいて皆さんがおっしゃったことを、もうその記憶が今ないということをおっしゃっているに等しいんですが、いかがですか。

小川政府参考人 関係者の記憶の中で整理をいたしましてまとめさせていただいたのが、伊藤議員の専らやりとりを聞く側に回っていたという内容でございます。

原口委員 では、皆さんが私と長妻代議士にお答えになったこと、これは何ですか。私たちもしっかりと皆さんに対して事実を聞こうとしているわけです。なぜこんなことを聞いているか。国民に対して大きな不安が広がっているからです。

 後で聞きますけれども、このときに、もう支援のスキームについてお願いをされているんじゃないか、あるいは、公表を待ってくれという言葉があったんではないか、あるいは、支援についてありがとうという言葉があったんではないか、そういう疑いを持っているから聞いているんです。正確に答えてください。

小川政府参考人 再度で恐縮でございますけれども、私どもの記憶という範囲でまとめさせていただいた内容といたしましては、伊藤議員は、専らやりとりを聞く側に回っていたということでございます。

原口委員 私は、皆さんがその後まとめられたことを否定しているわけじゃありません。しかし、その前に私たちにはっきりおっしゃったことも、ああ、あれも記憶違いですとおっしゃるわけですね。

小川政府参考人 基本的な記憶としてはっきり残っているという形で整理させていただいたものでございます。

原口委員 ここで説明されていることを聞いているんじゃありません。私たちに御説明なさったことが記憶にはっきりないことを御説明なさっているんですね、そういうことですかということを聞いているんです。

大島委員長 小川課長、原口さんにどこで説明したのかわからぬが、そのことを今聞いているわけだけれども、説明したらそのことを答えたらいいんではないかなと、聞いておってそう思うが。

小川政府参考人 私どもの方でどのように説明したということについて今承知をしておりませんので、それで、私ども、まとめさせていただいて要旨として御提供しているものについて御回答させていただいております。

大島委員長 原口君、もう一度、いつ、だれとだれが原口さんに説明したか、そのことをちょっと言って質問してくれませんか。

原口委員 一月二十五日でございます。これは、予算委員会の質疑が翌日ございました、総括質疑でございましたので、私の部屋で、担当課、お名前は名刺を持っていますからちゃんとわかりますし、皆さんもちゃんと記録をされていました。あのとき私は皆さんに、必ず私たちと話をするときには複数の方が来られて大変たくさんメモをとられますね、そのメモを出してくださいということを言ったわけです。そして、皆さんもそこでとっていらっしゃいました。安全技術調査官の方でございました。

 もう一回お答えをお願いします。

大島委員長 原口さん、そのときに安全技術調査官さんがお答えしたことを課長に今聞いているわけですよね。

 小川建築指導課長。

小川政府参考人 面談での対応者の記憶によるやりとりの要旨ということで資料を提供させていただいているわけでございますけれども、担当者が正確にどのようなお話を先生の方にしたかということにつきましては、一度整理をさせてお答えさせていただきたいと思います。

原口委員 ここはぜひ整理をしてください。私どもは長妻議員と二人で聞いていますから、それが大きく変わることはないということをここでつけ足しておきます。

 さらに伺いますが、そのときに、公表は慎重にということをおっしゃっていると思いますが、いかがですか。そして、公的支援の金額の話は出ましたか。何十億とか、あるいは具体的に五十億とか、そういうお話があったんではないですか。

大島委員長 原口君、どなたからあったかということを。

原口委員 今お話をしているのは、ヒューザーの小嶋社長とそして東日本住宅の桃野社長、そして伊藤公介議員が国土交通省をお訪ねになったときに、そのときにいずれの方からかこういうお話があったというふうに私は聞いていますが、事実を教えてください。

小川政府参考人 提供させていただいております資料にございますように、ヒューザーの小嶋社長からは、住民への告知、公表に当たっては危険性の確認を行うなど慎重に対処してもらいたいという御発言がございました。

 それから、国指定の確認検査機関が偽装を見逃しており国にも責任があるので公的資金援助などが欲しいというような旨の御発言がございます。その時点におきまして、具体的な金額があったかということについては、私は記憶にございません。

原口委員 いや、記憶にないと困るんですね。おっしゃっているわけでしょう。よく、こういうところで追及をすると、事実があっても言いたくないときに、記憶にないという言葉を言う人がいますが、あなたはそういう方ではないと信じています。

 さらに、これは局長に伺います。

 四ページの紙の一番下のところ、伊藤議員は局長室で面談をされていますが、この件については、つまり今回の耐震偽装の問題については、建築確認検査機関を指定した国にも責任があると思う、居住者の安全確保などが大事だと思うが、国としてどう対応するか、こうおっしゃったと皆さんのペーパーにも書いてありますし、先刻の局長答弁にもございました。これは事実ですか。

山本政府参考人 事実でございます。

原口委員 はっきりと国の責任を追及されているわけです。

 ところが、このほど、伊藤議員はこの国会が始まるときに記者会見をされていますが、そのときには、その二日後、つまりその二日後というのは、十一月十五日ですから十一月十七日に国交省が問題を公表して、私は報道を通じて偽装問題を知った、大きな広がりがあって本当に驚いたと記者会見ではおっしゃっています。私は、これは明らかに事実に反しているというふうに思います。

 また、当委員会で私どもは証人喚問、伊藤元長官の喚問を要請しています。私は、委員長、証人喚問というのは大変、議員の身分にかかわるもので、重いものだというふうに思っています。お互いが政争の具にすることは決してあってはならない、全会一致が原則となっているのも、そういうところだからだと思います。

 ただ、前回、馬淵委員の質問の中でも御指摘がありましたとおり、多額の政治献金が正確に処理されずにいたということもわかっています。まだ私のところには幾つも情報を寄せていただいていますけれども、ぜひ、伊藤元国土庁長官に真実をこの場でお話しいただきたい。そのための参考人招致あるいは証人喚問について、さらにしっかりとお話をいただきたいというふうに思います。

 きょうは、その後の、大臣についてただしたいことが幾つかありました。それは、今回の政府の支援策、北側国務大臣が、五ページですが、斉藤委員にお答えになっている問題でした。

 今回の政府の支援策は、法律上の責任に基づくもの、法律上、民事上の責任に基づくものというものではありません、こうお答えになっています。さらに、総合的な判断として、建築主である売り主が売り主責任として瑕疵担保責任をしっかり果たしてもらうことが当然のことだ、私は大臣がおっしゃっているとおりだと思います。しかし、それが第一義的な責任を果たしてもらわなければいけないわけでございますが、それが果たせるような状況になってないというふうなことも勘案して、そうした要素をさまざまに総合的に判断して行政として決断をした、こういうお答えでございます。

 それでは、シノケンは自分でお金を出してやっているわけですけれども、ヒューザー、この小嶋社長の案件について公的資金が投入をされていますが、いわゆる瑕疵担保責任を果たす、そういう状況にないといつ御判断なさったのか、お答えください。

北側国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、ヒューザーからのヒアリングでございますが、昨年の十一月の二十五日にヒアリングを国土交通省として行っておりまして、その際に、ヒューザーが何と言っているかといいますと、詳細は省かせていただきますけれども、国土交通省から金融機関、この金融機関というのは各分譲マンションの居住者の皆さんの金融機関ですね、二百八十八戸あるわけでございますが、この金融機関への指導により、金融機関に九〇%債権放棄をさせる等の案の説明があったということでございます。また、その後、ヒューザーからマンションの購入者に対しまして、購入価格の一〇六%の金額で買い取るという提案、こうした提案なんかもなされておりますけれども、居住者の方々からは受け入れられていないという状況もございました。

 あと、この当時、ヒューザーの小嶋社長が何かテレビにもよく出られておられましたけれども、ヒューザーの話そのものがもう二転三転を繰り返しておりまして、いずれにしましても、国土交通省のヒアリングで言っている内容も極めて非現実的な話でございますし、私どもも全くそのようなことをやる意思はございませんし、いずれにしましても、ヒューザーの提案というものが、購入者にとって受け入れ可能な現実性のある提案がなされていない状況にあったということでございます。

 最終的に十二月の六日にこの支援策を決めさせていただいておりますけれども、その時点においては、これは分譲マンションの居住者の方々もそういう御意見を多くの方々がお持ちでございましたが、ヒューザーが瑕疵担保責任を誠実に実行するというふうな状況に全くないというふうな状況であったと思います。そのように認識をしております。

原口委員 私は、公的支援策がいけないと思っていません。むしろ、決断を一定の基準をもとになさったというのは、とても大事なことだと思います。

 しかし、今の御答弁を伺えば、まさにテレビに出て、食言を弄すとまでは言いませんが、そういう人間であれば、逆に言うと、公的支援がなされるのか。本来であれば、銀行からあるいは被害者から多額の損害賠償、あるいは貸した銀行にも貸し手責任というものが問われるはずであるのに、そこに対してどうしてこの案件が公的支援になったか、その基準について教えていただきたいということを言っているわけです。

 これから、この偽装問題というのは広がってくる可能性もあります。そのときに、ではどの案件だったら行政は判断をして公的支援を入れるのか、これは国民にとって安心、安全の基礎であるということを申し上げて、またこれは、以降質問をさせていただきたいと思います。

 さて、そこで、私は、ライブドア問題について少し、残る時間でお話をしたいと思います。

 委員長にお願いして、もう一枚の資料をお願いします。

大島委員長 はい。

原口委員 きょうは法務省、来ていただいていますが、今回、偽計、風説の流布で堀江容疑者初め四名が逮捕されました。きょうは勾留期限、二月の十三日でございますが、さらに新たな、本体そのものの粉飾決算、これについても疑いが出ている。そして、再逮捕あるいは起訴という話が出ています。

 法務当局、これはまだ事実が確定していなければ確定していないということで結構でございますが、現在の状況について。それから、証券等監視委員会、これは偽計、風説の流布でこの四名を刑事告発されたと思いますが、その事実についてまずお伺いします。

大林政府参考人 お答え申し上げます。

 東京地方検察庁は、一月二十三日、偽計を用い、風説を流布したという証券取引法違反の事実で株式会社ライブドア前代表取締役堀江貴文らを逮捕しており、本日がその勾留満期日であると承知しておりますが、その処分内容に関しては、個別の事件の捜査にかかわることであり、いまだ処分がなされていない現時点においてお答えをいたしかねることを御理解いただきたいと思います。

 また、有価証券報告書の虚偽記載等に関する報道がなされていることは承知しておりますけれども、新たに逮捕するか否か等に関しては、個別の事件の捜査にかかわることであり、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。

長尾政府参考人 私どもの証券取引等監視委員会は、このライブドアに係る証取法違反、これで東京地検と合同で捜査をしたわけですけれども、先週の二月十日、株式会社ライブドア、それからライブドアマーケティング、それから堀江貴文ら四名を東京地検に告発したところでございます。

 その概要を申し上げますと、一つは、マネーライフ社の完全子会社化に関しまして、ライブドアマーケティングとマネーライフ社との株式交換が、真実は、マネーライフ社の企業価値を著しく超過する数量のライブドアマーケティング株式を発行させ、それを高値で売り抜けようとするための取引であるのに、あたかも正当な株式交換比率に基づく正常な取引行為であったかのような虚偽の内容を公表したこと。それからもう一つは、さらにライブドアマーケティングは、平成十六年十二月期、第三・四半期において架空売り上げを計上する方法により、経常損失等が発生しているにもかかわらず、経常利益等が生じたかのように装った虚偽の事実を公表したことということでございます。これが嫌疑ということでございます。

 以上でございます。

原口委員 まさにエクイティー・スワップと申しますか、そういったものを利用した市場に対する大きな背信であるのではないか、そういう疑いだと思います。

 そこで、委員長、配付資料二をお配りさせていただくことをお許しいただきたいと思います。これはきょう私が、いつでもどこでもライブドア問題と名づけているものでございまして、MSCB、無線LANですね。

 無線LANは今、野方図な規制緩和が大変問題になっていますが、その資料の一番最後をごらんください。八ページ目です、周波数帯の使用状況。これは、平成十六年に法改正を私たち国会でやりました。できるだけさまざまな周波数帯を有効利用しよう、そして国民の利便やあるいは経済の活性化につなげていこうということで、法改正をしたわけでございます。

 一ページ目に戻っていただきまして、これは、株式会社ライブドアと、そして提携をした、ヨーザンとお読みするんです、このYOZANに対して、無担保転換社債型新株予約権つき社債、これは長いですからMSCBというふうに呼んでいますので、以後はMSCBと呼びます、これを発行している。この日付は平成十七年の八月八日、ちょうど解散の日でありました。

 金融庁、これは担当で結構ですから、MSCBというのはどういうものですか。

大島委員長 金融庁を呼んでいるかい。(原口委員「ええ、局長どうぞと言っているはずです」と呼ぶ)わかる人おるかね。

 原口君、それでは続けてください。

原口委員 大臣に用語の御説明までというのは厳しいと思ってあれしましたが、私が失念していたんだと思います。申しわけございません。

 このMSCB、もうここでは時間が迫っていますので説明をいたしませんが、このときに、六十億、六十億、それぞれライブドア証券、ライブドアファイナンスが割り当て先になって発行をしているわけでございます。

 次のページをごらんになってください。これは、ライブドアの堀江社長が逮捕される直前まで出回っていた機関誌であります。機関誌の真ん中、経営管理組織。私は先ほど、粉飾決算の疑いも今出ている、私たちの情報でも似たような情報が来ています。ちょうど株主総会、取締役会、社長というところの左上に五名の取締役の名前があります。私がつかんだ信頼の置ける情報によると、ライブドアは次々とさまざまな会社をMアンドA、買収をしています。ネットワーク事業部初めさまざまな事業部がここに、傘下に入っていますが、この人たちは余り多くのことを、今回の事件についても知らない。むしろ知っているのはこの五名の取締役である。当然のことながら、決算書の承認やあるいは意思決定に責任を持つ人たち、この中で四名の方は今逮捕をされているわけです。

 私は、これから時間いっぱい使って今回の事案について伺っていきたいと思いますが、ぜひこの熊谷取締役にも来ていただいて、経営の実態がどうだったのか、あるいは、市場に対するアビューズ、そういう行為がなかったのか、ただしていかなければいけないというふうに思います。

 さて、金融担当大臣に伺います。

 昨年の四月ですが、ライブドアによるいわゆる買収の問題が上がっていたときに、粉飾決算、偽計、風説の流布もしくはインサイダー取引、こういったことは市場の健全性を確保する上で絶対にあってはならない、金融のあのメルトダウンの危機の中からしっかりと日本経済を立ち上げるために、市場の健全性を確保する、至上命題として私たちが掲げてきたことでございます。

 証券等監視委員会に伺います。

 昨年の四月の時点で既に、ライブドアに関するインサイダー取引の内部告発、これが届いていたと私は承知していますが、事実関係を伺います。

与謝野国務大臣 一般からもたらされる情報というのは、証券監視委員会にとっては貴重なものでございますが、本件に関して、個別の案件としてこれがどうであったかということは、個別の案件でございますので、お答えできないわけでございます。

原口委員 お答えできないということでございますので、私が手にしている証券等監視委員会御中、平成十七年四月十八日付の内部告発書を本委員会に提示しておきたいと思います。理事、よろしくお取り計らいをお願いいたします。委員長、よろしくお願いいたします。

大島委員長 出ているのか。

原口委員 いや、手元に持っております。委員長に提示してよろしいですか。(発言する者あり)いえ、違います。

大島委員長 新しいのでしょう。

原口委員 新しいものです。皆さんのお手元にはございません。

大島委員長 これを出したいというわけ、皆さんに。

原口委員 はい。

大島委員長 ちょっととめてください。

    〔速記中止〕

大島委員長 それじゃ、動かしてください。

 原口一博君。

原口委員 両筆頭を初め皆さんに感謝をしたいと思います。後で理事会に提出をさせていただきます。

 さらに証券等監視委員会に伺いますが、広島カープの買収があったときに、このときに与党の幹事長から読売新聞の社主に対して、今回は反対しないでくれ、あるいは、堀江さんから頼まれたということで、経団連の枢要なる地位の方から今回は反対しないでくれという、そういうお話があったということを事実として……(発言する者あり)買収ですね、広島カープの買収。前回、近鉄の買収のときには大きく反対をされました、読売新聞の社主だったと思いますが。その方に、今回は反対しないでくれというお話があったというふうに承知をしています。

 さて、証券等監視委員会、金融庁に伺いますが、今回、堀江さんに迷惑がかからないようにという圧力が政治家から金融庁あるいは証券等監視委員会にあったんではないかという情報を私は入手していますが、これは事実ですか。

与謝野国務大臣 金融庁に関して言えば、そういうものは一切ございません。また、証券監視委員会は金融庁から独立をしておりますけれども、そういう話があったというような話は全く伝わってまいりません。

原口委員 証券等監視委員会、中については大臣は御存じないと思いますので、お答えください。

長尾政府参考人 お答えします。

 お尋ねのような事実があったとは承知しておりません。

原口委員 予算委員会の場でぜひ皆さんと確認をしておきたいのは、私たち政治家が役所やさまざまなところへ働きかけをしたこの文書、それは全部開示されるべきだ。改革を言う小泉内閣、そのスタートの時点で外務省の不祥事が起こりました。そのときに内閣は、さまざまな政治家の不当な圧力についてもしっかりと開示をしました。今回もそうされることを強く要請をしておきます。

 三ページ目をごらんになってください。

 これは、同機関誌からとった「絡み合う政治とIT」。普通、こういう言葉は使わないんです。政治とITが絡み合うというのは本当なんだろうか。政治というのは公正なものであります。行政は、さらに中立で、一人一人に対して平等であるべきです。本当に政治とITというのは絡み合っていたんだろうか、そう思わざるを得ないのが今回のライブドアによる無線LAN。

 総務省に伺いますが、無線LANというのは今まで屋外での使用が禁止されていたはずです。屋外での使用が禁止されていた理由を教えてください。

須田政府参考人 屋外での使用が全く禁止されていたということではございませんが、最近の新しい無線LANシステム、いわゆるパケット通信のシステムを使っておりますので、そうしたもので、普通の家庭の中などに使う無線LANということでよく使われていたわけでございます。

 そうしたものにつきまして、もっと屋外でも、家庭の中で使っている無線LANシステムを屋外でも使えるようにということを進めております。

原口委員 今まで許可をしていなかった理由を聞いています。

大島委員長 須田総合通信基盤局長、質問はわかりますか。

須田政府参考人 個別の周波数を割り当てまして、個別の検査をして免許を出しているというケースはございます。しかし、今、一般的に無線LANで使っております登録制度に基づくものにつきましては、ごく最近の制度でございます。

原口委員 今まで無線LANをどうして屋外で禁止していたんですか。登録制になってからのことは存じ上げています。

須田政府参考人 無線LANにつきまして、いろいろございますけれども、登録制以前からも、免許不要のような微弱なものにつきましては、屋外でも利用できるような形で制度化してございます。

原口委員 もう四回目です。屋外でなぜ、微弱なものだ何だと、あなたはその以外の話をしているんですよ。無線LANそのもの、もっと言えば、強力な電波を出すものについては禁止されていたんですよ。なぜか。

 それは、八ページ目の絵をごらんになってください。航空機、船舶等のレーダー、アマチュア無線、産業科学医療用、これは五・三五ギガあるいは五・八五ギガ、このバンドの中にあるものですけれども、なぜ屋外で禁止するか、もう一回教えてください。

須田政府参考人 委員の御指摘になっています無線LANに関して言いますれば、そこの周波数帯域を別途の周波数として現に利用している、または利用するように割り当てられているという状況があるために、そこは認めていなかったということでございます。

原口委員 事実を違えて言っています。

 無線LANを屋外でやれば、例えば飛行機に乗れば、中で携帯電話はとめてくださいと言われますよね。病院でも、あるいは心臓にペースメーカーをしている方がいらっしゃったら、そのペースメーカー自体を乱すかもわからない。航行の安全あるいは国民の医療の安全、医療機器の安全。しかし、このライブドアは、いつでもどこでもライブドアという形で、いつでもどこでもやれるんですよ。いつでもどこでもやれるようになった、その認可の過程についても後で伺いますけれども、あなた方は、厚生労働省や国土交通省、つまり、命の安全やあるいは航行の安全、これをつかさどる人たちとどういう検討をされましたか。

 なぜ無線LANが禁止をされていたのか、屋外の強力な電波の無線LANが禁止をされていたのか、そのことについてだけお答えください。

大島委員長 須田局長、質問されていること、わかっていますよね。では、簡潔に、きちっとお答えしなさい。

須田政府参考人 電波というものにつきましては、私ども基本的に交通整理をしなければいけません。御指摘のような特定の周波数帯域につきまして、ある力の強さのものを屋外で使用しようとしますと、そこに現に存在するような周波数、利用しているものに影響を及ぼします。したがいまして、それで禁止していたものでございます。

 具体的にできるようにするのは、そこの周波数をどかしまして、問題がないようにした上でこうした制度を導入しているものでございます。

原口委員 いや、問題があるんですよ。

 総務大臣、よくお聞きください。二つの問題、今、片方だけしか言っていない。今までは別の帯域が使っていました。別の帯域、今回、ライブドア、このYOZANに割り当てられた、あるいは登録をした帯域は、この八ページ目の四千九百から五千と言われる帯域なんです。この帯域はもともとNTTが使っていました。だから、今局長がお話しになるように、NTTをどかさないとそこに入ることができなかった。そのどかすための法律が、この第百五十九国会で成立した電波法及び有線電気通信法の一部を改正する法律、これなんです。

 しかし、では、どきなさいと、この企画をしたのはだれですか、そしてそれを実際に作業したのはだれですか、教えてください。

須田政府参考人 こうした周波数をどこに割り当てるか、どのような形で再編成をするかにつきましては、情報通信審議会にお諮りした上で具体的なものを決めているところでございます。

原口委員 時間が迫りましたので最後まで言うことはできませんが、皆さん、四ページ目をごらんになってください。

 今お話しになった審議会のもとで電波政策特別部会ビジョン委員会というものがございます。ここで作業をしているんです。真ん中をごらんになってください。今回、いつでもどこでもライブドアのその電波の割り当てを受けた、その方が作業しているじゃないですか。これをお手盛りというんです。名前はYOZANといいます。真ん中に高取さん。まさに利害関係者じゃないですか。利害関係者がそこで作業をして、利害関係者がそこで基準をつくって。

 今まで、委員長、これは許可制だったんですよ。許可制が登録制になって、そしてMSCBが出ている。これは後でやりますけれども、莫大なお金を、ここに株式の大量発行書の書類を持っていますが、六十億、六十億、MSCBを発行して、どれぐらいの利益を得ていますか。そして、自分で企画をした人が、これは二〇〇五年の八月八日にこういうMSCBの発行を決めて、そして九月の十二日、これは私たちの総選挙の翌日です、この日に発表をし、そしてこの会社が十二月の十四日に登録を得ているんです。

 私は、今、私たちの中には、ホリエモンのお金に群がった、毒まんじゅうを食った、そういう人たち、それはだれだったのかという告発がたくさん来ています。もう一回最後に伺います。

大島委員長 時間ですので。

原口委員 利益当事者で作業をさせることについてあなた方はどう考えていらっしゃるのか。

大島委員長 須田局長。簡明に。

須田政府参考人 周波数の再編成というものに関しましては、電波の利用者が既にたくさんございます。そうしたたくさんの電波の利用者から十分な意見を聞かなければいけないということで、こうした審議会にはそうした方たちにも参加していただいているものでございます。

大島委員長 もう時間ですから。時間、時間。

原口委員 はい。

 これはそういう問題ではありません。作業をしているという問題ですから、引き続き追及をしていきたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

大島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。松野頼久君。

松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。

 北側大臣、きょうは耐震偽装問題に絡む今回の補正予算五十億の支援スキームについて少しお伺いをしたいと思うんですけれども、まず大臣、資料の一をごらんください。

 大臣が今まで委員会の中で、この五十億の補正予算及び耐震偽装関係のスキームに絡む理由を幾つかおっしゃっているんですけれども、ちょっとこれを整理させていただいて、どういう理由でこの支援をなさるのかということをまずお伺いしたいと思います。

北側国務大臣 まず、前提として申し上げたいと思うんですが、国が、また特定行政庁、地方公共団体が、法律上の責任、民事上の責任があるということを前提にして今回の支援策をつくったものではございません。

 まず、公益性、緊急性でございます。震度五強以上の地震が起こった場合に倒壊のおそれがある、そういう危険な分譲マンションに多くの方々がお住まいになっております。その居住の安全、また居住の安定を確保すること、これが当初より最も急ぐべき事項であるということで、この危険な分譲マンションにお住まいの方々の居住の安全を確保していくということが非常に公益性、緊急性が高いということがまず一点でございます。

 次に、この分譲マンションに居住者の方々は、こうした危険な建物ができることについて何ら責任を負っていないということが、やはり要件だというふうに考えております。

 さらに、今回は、民間検査機関であれ、また特定行政庁であれ、建築確認の場面でそうした偽装を見過ごしてしまっているという点がございます。これについて、責任あるなし、民事上の責任ありやなしやという問題は別といたしまして、公の関与があると言わざるを得ません。それは、民間の指定検査機関であれ、建築確認をした場合には、その事務というのは特定行政庁に帰属する、こういう最高裁の決定があるわけでございまして、それを踏まえますと、公の関与があることは言わざるを得ない。

 さらに、本来は、これは建築主であるところの売り主が瑕疵担保責任を果たさないといけない、そういう場面であるわけでございます。そこが当然のこととして第一義的な責任があるわけでございますが、その責任が果たされない、果たされるような状況になっていない。また、それを待っていたならば、どんどん時間だけが過ぎ去ってしまって、居住者の安全の確保はできない。

 そういう要件の中で、今回、支援スキームの取りまとめをさせていただいたところでございます。それは、地域住宅交付金制度等の既存の制度を活用させていただいて、分譲マンションの居住者の皆さんに対する支援スキームを総合的につくらせていただいたということでございます。

松野(頼)委員 大臣、この地域住宅交付金というのは、あくまで交付金でありますよね。その交付金と住民の支援ということ、これは別の問題なのではないかというふうに私は思うんです。交付金はあくまで、自治体がつくる地域住宅計画に基づいた、その地域住宅計画に対して補助を出すという性格のものであります。そしてまた、この耐震偽装物件に対する住民の支援というのは、これはあくまで支援であります。ここをどうも混同されているのではないかというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

北側国務大臣 地域住宅交付金制度、これは今委員のおっしゃったように国でつくった制度でございますが、地方団体の意向、意思がある場合にそうした計画をつくって、そして地域住宅交付金制度を活用できるという制度でございます。それは、さまざま、その地域地域で決められているわけでございますが、やはり優良な住宅を供給していくというふうなことが大きな目的にあるわけでございまして、そういう既存の制度を今回活用させていただいたということでございます。

松野(頼)委員 では、当該自治体の地域住宅計画の中に、この支援をする物件は入っているんですか、今の段階で。

北側国務大臣 一つは、今、地方議会の方では二月議会が開かれておりまして、予算案の審議がなされているというふうに考えております。また、この地域住宅計画につきましても、今回の危険なマンションにお住まいの方々を支援するための地域住宅計画について、当然御議論をいただいているというふうに理解をしております。

松野(頼)委員 そこは確認なんですけれども、今現在、二百幾つ地域住宅計画が全国から出ているというふうに聞いていますけれども、その中にこの対象物件は入っているんでしょうか。

北側国務大臣 今、地方自治体の方でこの地域住宅計画について御議論をいただき、その中で変更がなされるものだ、変更といいますか明記をされるものだというふうに理解をしております。

松野(頼)委員 違います。川崎市にしても横浜市にしても、今、地域住宅計画、もう既に出されているんです。その中に対象物件が既に入っているんですかということを聞いているんです。

北側国務大臣 今既に、過去のものですね、過去に出されている分にはそれはありません。ありませんが、地方の方もお金を出しますから、財政上の支出をしますので、今地方団体の方で、二月議会で当然この予算案についても御議論されているので、並行いたしまして、地域住宅計画についても新たに提出されるものだというふうに理解をしております。

松野(頼)委員 違うんですよ。今、例えば横浜市でいきますと、もう既に出ているんです、ことし。公民協働のもと、ライフステージに応じた多様な賃貸住宅の供給、高齢者や障害者が安心して快適に暮らすことができる良質な住まいづくり等々の目的を書いて。例えば川崎市においても、市民の多様なニーズに的確にこたえられる市場の活用、健全化、ゆとりと選択性のある良質な住まいづくり等々、いろいろな理由を書いて、地域住宅計画の目的を添付して、もう既に国交省に出しているんです。その中にこの当該物件が入っているんですかということを聞いているんです。

北側国務大臣 この地域住宅計画の目標がございます。この目標には合致をしております。問題は、今委員のおっしゃっていますのは具体的な計画だと思うんですが、それについては、まさしく今、その計画の中身について新たに出されてくるというふうに認識をしております。

松野(頼)委員 私が聞いている話ですと、今既に地域住宅計画が出ている。その中の文言に安全とか安心という言葉があるから、後からこの対象物件をつけ加えようとしているんじゃないんでしょうか。今現在、地域住宅計画の中に入っていないけれども、この対象物件を後からつけ加えようとしているんじゃないですか。

北側国務大臣 ちょっと具体例を申し上げますと、今は川崎の例をおっしゃったんですか。

 例えば川崎でありますと、そのもともとの地域住宅計画の目標の中に「安全で住みよい住まい・まちづくりの推進」、こういう目標が掲げられているわけですね。その目標に合致するような事業を具体的に書き込んでいかないといけないわけですね、地域住宅計画の中には。その地域住宅計画の、新たな今回の耐震偽装事件を受けた分譲マンションの居住者に対する支援のあり方、事業について、具体的な事業について、この地域住宅計画の中に新たに書かれてくるというふうに認識をしております。

松野(頼)委員 ですから、もともとの自治体がつくっている地域住宅計画の中には、この支援対象物件は入っていないんです。入っていないんでしょう。いないんです。それを後から、安全という言葉があれば、これが、支援が決まればつけ加えようということなんですよ。どうでしょうか、大臣。

北側国務大臣 目標の中にはちゃんと位置づけられているということでございます。

 その中で、具体的な事業については、これは当然この地域住宅計画の中で、さまざま、こういう事業をやろうということに、新たに地方団体の方で協議され、そのように決められれば、それは当然入ってくるわけでございます。

 今回、その耐震偽装事件を受けまして、危険な分譲マンションの居住者の方々に対する支援の対策について、この地域住宅計画の中に入ってくるものだというふうに理解をしております。

松野(頼)委員 では、まだ地域住宅計画の中に入っていないにもかかわらず、今回補正予算の中に五十億、それも地域住宅交付金、要は、その根拠法となる特措法に基づいた地域住宅交付金ということで五十億の補正予算を可決しているわけですね。

 でも、まだ今現在、自治体が出してきている地域住宅計画の中には、この当該の支援スキームに当たる住宅というのは入っていないんですよ。ちょっとそれは早いんじゃないでしょうか。

北側国務大臣 松野委員が早いとおっしゃっているのは、補正予算が早いとおっしゃっておられるんですか、補正予算に盛るのが早いと。

 今回の事件の、震度五強の地震があった場合に、分譲マンション十棟二百八十八戸でございましたけれども、この方々が危険な状況に置かれているわけですね。この方々の退去等を早く進めていく、そして建物を早く解体できるようにしていく、これが最も急ぐべきことでございまして、ちゃんと地方の方の準備がすべて、具体的に地域住宅計画の中にそういうこともすべて盛り込まれて、その上で補正予算を編成しなさいというのは、今回の事柄、性格からいっていかがなものなんでしょうか。

 今回、確かに国が主導しましたよ、国が主導したわけでございますけれども、地方公共団体とは綿密に連携をとらせていただきながら進めているわけでございまして、補正予算の成立を待って、地方の方は、地域住宅計画について今まさしく御議論をいただき、そして、今回の事件を受けて、危険な分譲マンションにお住まいの方々の支援策についても盛り込んだ地域住宅計画が近々出てくるものだというふうに理解をしております。

松野(頼)委員 大臣、精神論としてはよくわかるんです。危険な住宅からすぐに退去をしてもらわなければいけない、だから緊急を要しているから補正予算に積んだんだ、これは精神論なんです、大臣。今回は、根拠法に基づいた地域住宅交付金制度という制度のもとで出そうとしているんです。

 私は、当然、住民の方の支援をしたり、危険な建築物から退去をするためこれを支援することはいいことだと思っています。ただ、その出し方の問題で、補正予算で、この耐震偽装関係の住民に対する緊急支援という、法的根拠のないお金を積んで出すならば、それはいいんです。

 ただ、地域住宅交付金の出し方のスキームの中には、危険な住宅から退去させる、そういう意味合いのスキームはないはずなんです。自治体がつくる地域住宅計画というものに基づいて、それを国が後から支出をするというスキームのお金であって、決して、耐震偽装関係緊急対策資金という全く根拠法のない資金を出すわけじゃないんです。地域住宅交付金という根拠法のある資金を出すんですから、その根拠法に基づいたスキームの中でなければまずいんじゃないですかということを聞いているんです。

北側国務大臣 地域住宅特別措置法に基づきまして、六条の二項に「地域住宅計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。」とございます。第一号で地域住宅計画の目標、そして第二号のところに、イとして公的賃貸住宅等の整備に関する事業、ハとしてその他国土交通省令で定める事業というのが入っているわけでございます。

 このイの公的賃貸住宅等の「等」の中には、これは地方公共団体が一部支援をする、そうした民間の……(松野(頼)委員「優良賃貸住宅ですね」と呼ぶ)ええ、それも含まれます。ハのその他国土交通省令で定める事業の中には、これは規則に任されているわけでございますが、建築物の除却に関する事業というのが入っております。

 さらに今回、委員のおっしゃった趣旨どおりだと思うんですけれども、さらに明確にするために、この規則を改正いたしまして、危険な分譲マンションの除却または建てかえの促進に関する事業というものを地域住宅計画の記載事項として位置づけをさせていただいているわけでございまして、地方公共団体の方では、この除却、建てかえの促進に関する事業について、具体的な事業を各団体の地域住宅計画の中に盛り込むべく今御議論がなされているのだ、近々出てくるものだというふうに理解をしております。

松野(頼)委員 今、その附則を改正されたということですけれども、二月の六日じゃないですか。補正予算の審議の後、その附則を改定して、危険な住宅からの退去という文言を入れているんですよ。この補正予算を通過させたときには、危険な住宅からの退去という文言は入っていないんです。

 僕は、きょうの質問、本当はもっと前にやるはずだったんですけれども、このことで随分国交省とやり合いました。どう考えてもこの地域住宅交付金のスキームには今回のは入らないんじゃないかということを再三申し上げておりましたらば、二月の六日に省令を改正して入れるようになったということでありまして、これはもともと無理があるんじゃないでしょうか、このスキームを使うのには。私はそう思います。

 今大臣がおっしゃったこの特措法の六条の二項のイ、公的賃貸住宅等の整備に関する事業、本来であれば、自治体がやっている例えば県営住宅だとか公営住宅だとか、そういうものが、そろそろ老朽化をしてきたから、建てかえのためのそういう地域住宅計画に基づいた資金を積まなければいけませんねということでつくられたような資金なんです、これは。ですから、公的賃貸住宅、その後についている「等」、この「等」で今回のヒューザー物件に対しての支援をやろうとしていることに私は無理があると思いますよ。どうでしょうか、大臣。

北側国務大臣 この地域住宅特措法でございますけれども、今委員のおっしゃった六条二項の二号のイですね、これは、もともとこの「等」という中に、地方公共団体がその整備に要する費用の一部を負担して整備の推進を図る住宅というのが含まれているわけです。解釈上もともと含まれているわけでございまして、決して今回の事件があって新たにそういうふうな解釈をしたわけでもありません。

松野(頼)委員 それでは、資料の五と六をごらんください。

 その五、地域住宅交付金の交付要綱の中の優良建築物等整備事業、多分これでやろうとしているわけですよね。

 その次のページをめくっていただくと、過去に、震災のときにこのスキームを使ってやった例が、ようやく探して二件だけありました。これは、阪神大震災のときの住吉第四地区、本山第六地区、これが優良建築物等整備事業ということでやられているんです。

 このときには、実際には、移転費は活用実績はないんです、移転費の補助というのは。

 そして、家賃の補給というのが今回のスキームにあるんですけれども、このときも、要は、災害ですから応急仮設住宅を活用して、家賃の補助というものはやっていないんです。

 それで、除却費に対しては、瓦れき等の災害廃棄物処理事業を活用してやっているんです。

 それで、建築費の補助に対しても、今回のように、わざわざ底地を買い取って新しい物件を建てて、それを再販売してというようなスキームではなくて、優良建築物をつくったときに公共部分の一部だけを補助するという、それぞれ六千四百万の国費と五千百万の国費を出していますけれども、これは、従来のスキームで、優良建築物を建てたときに公共施設に関して補助をするというスキームを使っていて、全く今回のスキームとは違うやり方をしているんですよ、大臣。いかがでしょうか。

北側国務大臣 これは阪神の震災のときのですね。この当時は地域住宅交付金制度というのは当然ないわけでございます。

 今回は、新たにその後つくられた地域住宅交付金制度というものを活用させていただいて、この緊急事態に対処するための支援対策を取りまとめさせていただいたわけでございます。

松野(頼)委員 いや、違うんですよ。

 今回の地域住宅交付金の中で、優良賃貸住宅、優良建築物等整備事業、これは従来からのスキームで行おうとされているわけですよね。公的賃貸住宅等の部分です、六条の二項のイ、「等」の部分です。これは従来からのスキームでやろうとしているというから、過去の例を引いてみたんです。ですから、今回も同じルールなんですよ、ここに関しては。

北側国務大臣 優良建築物等整備事業を活用しているわけでございますが、補償費等もこれは対象になるわけですね。その中には、移転費、仮住居費を含むわけでございます。

松野(頼)委員 では、ちょっと戻っていただいて、資料の二をごらんください。

 これは、平成十七年の六月の十六日、国土交通委員会での議論なんですが、岩本司議員が民間の賃貸住宅に対する家賃補助についてお伺いしますというふうに聞いているんですけれども、山本参考人が、公営住宅と並んで家賃補助というものを位置づけた場合には、補助対象とする住宅困窮者をどのように設定するか、どの範囲に補助をするかということが、これがわからないから、家賃の補助、特に住人の方に、各世帯にキャッシュを配ることになりますので、制度を公正かつ的確に運営するために、市場家賃をきちんと評価して等々の問題点があるから、この家賃補助はやりづらいですねということを言っているんです。

 ですから、阪神大震災のときにも、家賃補助というのはしていなくて、仮設住宅を建てて対応しているというのが現実なんですけれども、では、逆の聞き方をしますと、今までに、直接ダイレクトに住人の方に対して家賃補助を行った例というのはあるんでしょうか。

北側国務大臣 一般的な御質問を今されていらっしゃるんですね。一般的な家賃補助の問題につきましては、今お引きになられました議事録の中で山本住宅局長が述べているとおりでございまして、一般的な家賃補助制度というのは、直接な形でのそういうものはしておりません。

 今回の優良建築物等の整備事業の中には、補助対象として、これは一般論ですよ、こちらも一般論でございますが、優良建築物等整備事業の中の土地整備費、補助対象経費の中の土地整備費の中に補償費等というのがございまして、その中には移転費、仮住居費等も含まれるわけでございます。

松野(頼)委員 家賃補助をした例というのはあるんですか、今回のこのスキーム以外の。では、地域住宅交付金で家賃補助をするということをこれからずっとおやりになるわけですか。

北側国務大臣 一遍正確に調べてまた御報告させていただきますが、ございます。

 どういうものがあるかということを一遍きちんと調べて御報告をさせていただきたいと思いますが、例えば密集市街地等がございますよね。どうしても、その家については、その地域からいって一たん退去していただかないといけないという場面がありますし、再開発の場合も同じような問題があります。従来の居住者の方々に一たんその建物から退去していただいて建物を建てかえる、しなければならないという場面が、これは当然ほかの例でもあるわけでございまして、そういうときに、移転費や仮住居費をこうした制度に基づいてお支払いするということはあります。

松野(頼)委員 そうすると、もう一つ確認なんですけれども、それはぜひ今後の一つのルールとしてよく精査をしていただきたい。少なくとも、過去にはこれはありませんでした。個人に対してダイレクトに家賃の補助をするというのはありませんでしたでしょう、この答弁書を見ていただいても。

北側国務大臣 先ほど来答弁させていただいておりますが、補償費という中にこれまでも移転費または仮住居費を支払っているという実績はございます。

松野(頼)委員 例えば、これは自民党のワーキングチームが三十日にお出しになった報告書の中でもこのように言われているんです。「既存の枠組みを利用した対応をしているが、必ずしも本件のような事態を想定したものではないため、ひずみが生じている。」ということなんです。

 例えば、以前これは議論になりましたけれども、では、分譲マンションのヒューザー物件十件だけを支援して、同じように耐震強度〇・五以下である賃貸マンションについてはなぜ補償をしないんですか。この地域住宅交付金の中で明確な切り分けというのはあるんでしょうか。

北側国務大臣 冒頭の御質問で私の方から、分譲マンションの居住者の場合には、こうした危険な建築物が建築されたことについて何ら責任を負っていないということを申し上げました。しかし、賃貸マンションの所有者の方々は、これは事業者の方々でございます。建築主としてみずから施工者や設計者を選ぶ。また選ぶことができる立場にあるわけですね、建築主なわけですから。例えば姉歯元建築士を、下請であろうと、設計士を選ぶ立場にもともと建築主はある。そして、その建物を賃貸することによって収益を上げようとしている、こういう事業者なわけです。

 ですから、そこは、建築主からその部屋をお買いになられた分譲マンションの居住者の方々とはやはり立場は全然違うと私は思うんですね。賃貸マンションであれホテルであれ、事業者の方々は、建築主としてみずから施工者や設計者を選べる立場にあるわけで、実際、そういう方々を選んだわけですね。そういう意味で、分譲マンションの居住者とは全く違う。

 しかしながら、我々もそれに全く無関心だと言っているわけでは決してありません。賃貸マンションであれホテルであれ、〇・五以下の建物というのは危険なわけでございますので、そうした建物について、それをどう除却をしていくのかということについて、例えば専門家の方々からの知識をしっかりアドバイスをしていくというふうな委員会についてもしっかりつくらせていただいて、相談にはしっかり応じる体制はつくっているところでございます。

松野(頼)委員 設計者を選んだ責任とか、選べる選べないという部分は、要は、地域住宅交付金の中でそういう切り分けが明確に文言としてされているんですかということを聞いているんですよ。

北側国務大臣 今回の支援スキームは、昨年の十二月に出させていただいたわけでございますが、これも冒頭に申し上げましたが、法的な責任があるということを前提としてこうした支援スキームをつくらせていただいたわけではございません。冒頭申し上げた幾つかの理由による行政上の判断として、これは支援をしていく必要性がある、必要性が高いというふうに判断したものを要件化して支援スキームをつくらせていただいたわけでございます。そこのところで行政の判断としての裁量があるのは当然でございまして、問題は、その裁量に合理性があるかどうかというところだと思うんです。

松野(頼)委員 違うんですよ、大臣。何回も言っているように、今回、支援スキームじゃないんですよ。地域住宅交付金を五十億新たに積み増したんです。ですから、支援スキームじゃないんですよ、これは。既存の地域住宅交付金という、特措法に基づいた、あくまで交付金なんですよ。地域の自治体がつくってくる地域住宅計画に基づいた、その計画に対して補助を出すというのが今回の話なんです。決してこの耐震偽装の関係の方々の支援のスキームではないんです、これは。補助金なんです。補助金を活用して、何とかこれに使いましょうといってやっているだけなんですよ。

 ですから、その補助金のフレームの中で、分譲住宅と賃貸住宅を切り分ける文言なり省令なり何かあるんですかということを聞いているんです。

北側国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、この地域住宅特措法の中に公的賃貸住宅の……(松野(頼)委員「等」と呼ぶ)済みません、公的賃貸住宅等の整備に関する事業と。その「等」の中に、地方公共団体がその整備に要する費用の一部を負担して整備の推進を図る住宅というのが入るというふうに申し上げているんですね。

 この地方公共団体がその整備に要する費用の一部を負担して整備の推進を図る住宅というのはどういうものかという判断の中に、当然そこは行政の判断があるわけです。行政の判断があって、そこに、今回の耐震偽装事件で危険な分譲マンションと言われているものの居住者の方々の建てかえまでも含めた事業についても含まれているというふうに読んでいるわけでございます。

松野(頼)委員 ですから、その「等」の中で、優良賃貸住宅に対する支援ということで読んでいるわけですよね。その優良賃貸住宅には、賃貸住宅だろうが分譲マンションだろうが、そこの切り分けはないはずなんじゃないですかというんです、法律上。省令上かもしれませんが。そこをなぜ区切っているんですか。

 あともう一点。行政上の判断と申されますけれども、行政上判断するのは自治体の長であって、国土交通大臣ではないはずなんです。

 その二点についてお聞かせください。

北側国務大臣 今回、国としても、こういう事態を受けて制度要綱というのをつくらせていただいているわけですね。これはもう委員御承知のとおりでございます。その制度要綱に基づいて国としての支援スキームをつくり、補正予算も編成し、もちろんその中では関係の地方公共団体と協議をさせていただいて、こうした要綱も取りまとめているわけでございます。

 そして、私ども行政の判断として、これは特定地方行政庁も含めた行政の判断として、具体的にこの地域住宅交付金制度で支援をしていく対象としては、先ほど来申し上げておりますように、危険な分譲マンションにお住まいの居住者の方々というふうに位置づけを、これは国で勝手に決めたわけではありません、地方公共団体の皆さんと連携をとってそのように決めさせていただいているわけでございます。

松野(頼)委員 大臣、この地域住宅交付金というのは、地方自治体が地域住宅計画というのをまず立てなきゃいけないんですよ。今現在、その地域住宅計画に当該物件は入っていないんです。にもかかわらず、先に国土交通省がこれは賃貸物件はだめで分譲物件だけですよとかいうことを決めるのは、まだ計画の中に入っていないのに今そこで決めてしまうのはおかしいし、もともと決めるのは、地方自治体が自分のところで策定した地域住宅計画というのを上げてきて初めて国土交通省がそれに対してどうするかということを決める補助金なんですよ、これ。

北側国務大臣 私どもは、これは地方と協議しながら進めてきているわけでございますが、最も急ぐべきはこの分譲マンションの居住者だというふうに考えています。

 その上で、仮に地方団体の方で、我が地域においては賃貸のマンションについても、場合によってはホテルについても地方公共団体の方で、これはこういうスキームでやりたいというふうな独自の提案があったら、当然それは私どももその地方団体の御意見というのは聞かせていただきますが、現時点では、地方公共団体の方から、賃貸マンションやホテルについて、先ほどの事業なんかを活用して自分たちはこういう支援をしたいんだという提案はないんです。

 ところが、分譲マンションの居住者の方々については、これはやらないといけないねということで地方と協議をしながら進めてきているわけでございます。

松野(頼)委員 私は、これ、地方がつくってくる地域住宅計画にまずそれが入ることも大変なことだと思いますよ。住人の方がまず五分の四同意をしなければ、地域住宅計画にも入れられないんじゃないでしょうか。所有権は、いまだにその住人の方々に底地はあるんです、区分所有分。ですから、その所有権の五分の四がまず少なくとも議決をしなければ、地域住宅計画に基づいて建てかえるということもまだ決まらないと思います。簡単には決まらないと思います。あくまで、その地元の自治体がつくってくる地域住宅計画というのが一番先にまずなければ無理なんですよ、このフレームを使うならば。

 だから、私は決して、住民の支援、急いで危険なマンションから退去する手伝い、これは行政としてしなければいけない、その気持ちは精神論としてはわかります。であれば、一手間惜しまずに新規で立法をして、こういう耐震偽装関係、緊急事態が起こったから、自治体がそういう危険な倒壊物からの退去勧告なり退去命令という公権力の執行を行った場合には家賃の補助だとか、引っ越し費用の補助だとか、また違う形の補助だとかいう、そういうメニューをつくって新規立法するような案件なんですよ。それを既存のフレームで何とか、地域住宅交付金という既にあるフレームでやろうとするから、自民党のワーキングチームも指摘をされているように、これは制度にひずみが来ているんです、大臣。だから、どうも皆さん、聞かれている方も、もやもやしている状態で、本当にこのスキームでいいのかなということで、すっきりしない部分があるんじゃないですか。

北側国務大臣 今回の事件は、委員も御承知のとおり、十一月の十七日に公表をさせていただきました、こういう事態があることを。その時点で、震度五強以上の地震があった場合に倒壊するおそれがある、改正前の旧設計基準も満たしていない、旧耐震基準も満たしていない、そういう建物が現に存しておって、そこに多くの方々が居住をしていらっしゃる。

 新規の立法をしないと新たな支援措置はできないということで、行政が新規立法ができるまで何もできない、今だから言えますよ。あす、きょう地震があるかもしれない、そういう状況の中で、まずは、できるだけ早くそこの居住者の方々に退去していただく、危険な建物についてできるだけ早く解体をしていく、その必要性が極めて高いわけですね。あすにでも地震があるかもしれない、そういう中で、これは新規立法しなければできないんだというふうなことでは、行政としてそれを放置することは私はとてもできないわけでございまして、今回の支援策というものは、あくまで既存の制度というものを活用させていただいて、そして支援スキームをつくらせていただいた。そして、補正予算についても御議論いただきまして、補正予算措置も可決をいただいたということでございます。

 今、地方団体の方では、二月議会が開かれておりまして、地方の方の予算の論議、そして地域住宅計画制度についても当然御議論をされているものだというふうに理解をしております。

松野(頼)委員 だから、大臣、それは精神論としてはわかりますと。私たちも、国会で予算を預かる予算委員会の立場で、幾ら緊急だとはいえ、筋が違う予算に対して納得するわけにはいかないんですよ、国民の払った大事な税金なんですから。精神論として、気持ちとしては同じ気持ちですよ、大臣。

 ただ、やはりすっきり目的を限定して出すならば、新規立法をするのか、新規立法ができなければ災害のときと同じように、耐震偽装関係緊急対策措置の資金として出せばよかったんですよ。既存のフレームの中に潜り込ませようとするから、こういうフレームに無理が来るんです。どうでしょうか、大臣。

北側国務大臣 委員は先ほどから精神論、精神論とおっしゃいますけれども、現実論でございます。現実に多くの居住者の方々が危険な状況に置かれている。それを放置していくこと自体、行政としてはこれは許されない話でございます。

 そこを支援していくために、できるだけ居住者の方々が早く退去していただいて建物が早く除却できるように、総合的な支援策をつくらせていただいた、その根拠として既存の制度を活用させていただいた。既存の制度の活用については、先ほど来御説明をしているとおりでございます。

松野(頼)委員 では、熊本でも福岡でも今耐震偽装ができていますけれども、同じようにやるんですか。

北側国務大臣 熊本の方はまだ耐震偽装と決めつけているわけではございません。今調査をしているところでございます。

 当然、これから、福岡であれ熊本であれどこであれ、私が冒頭申し上げた、同じような要件に該当する限りは、支援をしていくことになると思います。

松野(頼)委員 いずれにしても、今でも地域住宅計画の中にまだこの物件は入っていないということでありますし、じゃ、そんなに急いでいるなら、なぜ自治体は入れて出してこないんですか。

北側国務大臣 国として補正予算が措置されなければ、地方団体の方もそうした計画はつくれないわけです、現実には。それは、財政措置の手当てが補正予算でなされて、先ほど来おっしゃっている五十億の財政手当てについて補正予算が成立をして、そして今、地域住宅計画について御議論をいただいている。地方の方は地方の方で、予算措置をしないといけないわけです。地方の方も、予算措置をする以上は議会を通さないといけないわけでございまして、今、関係地方自治体の議会の中でそうした議論がなされている、また、関係行政の中で地域住宅計画についてまさしく今御議論をいただいているということでございます。

松野(頼)委員 では、去年とことしの地域住宅交付金は一体幾らあると思われているんですか。

北側国務大臣 十七年度当初予算は五百八十億円です。

松野(頼)委員 それだけのお金があるわけですよ。これを五年以内に策定すればいいわけですから、何も補正にこのために五十億積まなくても、十分これは使う気になれば使えるんです。

 この議論は今、話の途中で出てきた話ですけれども、とにかく、私は、この地域住宅交付金制度を無理やり使って支援をするということは、いずれにしても無理があるでしょうし、いまだに地方自治体から地域住宅計画の中にこの物件がまだ入っていないという状況でありますから、しっかりと精査をして、納得のいくお金の使い方、ルールにのっとったお金の使い方というものをぜひしていただきたい、このことをお願いする次第でございます。

 次の話題に入らせていただきます。

 今回のこの牛肉偽装問題、牛肉偽装じゃない、輸入牛肉の再開問題、失礼しました。食品安全担当大臣、きょうの、後から配ったこの資料をごらんください。これは、けさ出ました日経ビジネスであります。

 これは、プリオン専門調査会の委員であります山内先生が、けさの日経ビジネスでこういう発言をされているんです。「米国が輸入条件を順守しているかどうかを監視するのは誰の役目なのか。リスク管理機関となるべきは、農林水産省と厚生労働省です。」「ところが、きちんと監視していません。二〇〇五年十二月八日に食品安全委員会は最終報告書を出したのですが、わずか四日後に日本は輸入再開を決定しています。この時点で、日本の対応はおかしいと見ていました。 輸入を再開してから、国民へのリスクコミュニケーションや、米国の日本向け牛肉加工工場への視察を実施しています。これは順番が逆です。輸入再開を急いだ日本の拙速な対応が、今回の問題を引き起こしたとも言えます。」これは、食品安全委員会のプリオン専門調査会の山内先生の発言なんです。

 それで、大臣、食品安全担当大臣というのは内閣府の特命担当大臣であります。その特命担当大臣というのは、割と重い権限を実は持たれているんですね。これは、内閣総理大臣は内閣の重要政策に関して行政各部の施策の統一を図るために特に必要がある場合において特命担当大臣を置くと。ですから、食の安全を守るというのは内閣の重要政策なんです。

 そして、大臣ができること、どうも先日の委員会では、食品安全委員会の答申を見守っているとかいう発言がありましたけれども、見守っているだけではなくて、大臣には強力な権限が実はあるんです。

 それは、内閣府設置法の十二条、特命担当大臣は関係行政機関の長に対して以下の権限を行使することができると。それは、必要な資料の提出を求められる、勧告できる、勧告に基づいてとった措置に対して報告ができる。最後は、閣議決定に基づいた行政各部を指揮監督できるという内閣法六条の総理大臣の権限に対して、食の安全を守るように総理に勧告ができるんですよ、大臣は。これだけの実は権限をお持ちなんです。

 そして、きょうのこういう、プリオン調査会の山内先生がおっしゃっているように、その最終答申の結論の部分、結論の附帯的な部分に対しても随分いろいろと意見が開陳されています。それは、いろいろな部分で不安視をする意見です。それに対して、食品安全担当大臣として一体何をなされましたか。

松田国務大臣 松野委員御指摘のように、食品安全担当大臣、内閣府特命大臣として、先生今お話しになりましたように、食品安全のために重要な権限を持っておりますことはよく承知をいたしております。

 質問の範囲が、どこまでをお聞きになっておられるのか、今のでちょっと酌み取りにくかった点があるんですけれども、もう一度はっきり質問の趣旨を、恐縮でございます、おっしゃっていただけるとありがたいのでございますが。

松野(頼)委員 では、もう一回聞き直します。

 最終答申の中で、結論への附帯的事項というのがつけ加えられました。その結論への附帯的事項について、例えば特定危険部位の除去に関しては、「米国及びカナダにおけると畜場での監視の実態が不明であり、リスク管理機関による安全担保についてもその実効性に疑問が残る。」こういうふうに最終答申では言っているんです。

 ですから、食品安全委員会のこの答申を受けて、特命担当大臣としては実はいろいろなことができる権限があるんです。リスク管理機関に守ってもらう、ただお願いをして守ってもらうだけではなくて、いろいろなことができるんですよ、大臣。それに対して何をされましたかということを聞いているんです。

松田国務大臣 今の御質問にお答え申し上げます。

 まさに、食品安全委員会で十二月九日に答申がまとめられました。その翌日、閣議がございまして、その直後の閣僚懇談会におきまして、私から厚生労働大臣及び農林水産大臣、まさにリスク管理の責任者でありますが、御両人に対しまして、米国産牛肉等に関するリスク評価の結果を踏まえ適切な対応がとられるように、しっかりと申し上げさせていただきました。

 また、御案内の、一月二十日の件が起こりましたとき、御質問にはありませんでしたけれども、ついでに申し上げますが、厚生労働省と農林水産省において、これまでの食品安全委員会の議論を踏まえて適切に対応していただきたいということを申し上げると同時に、その状況について食品安全委員会において報告を聴取しますので、しっかりとやってくださいということを申し上げております。例えばでございますが。

松野(頼)委員 それは勧告ですか。

松田国務大臣 委員御存じのように、勧告は法律に基づくものでございまして、その前段に書いてあることまで申しませんが、特に必要があるときということでございまして、今御案内のように、とめていただきまして、正直、一月二十日以降の状況は、御案内のように、食の安全というものに関しましては、まさに安全が保たれておるわけでございます。そういう中で、最近の状況について、特に勧告をもって何かという事態にはないと認識しております。

松野(頼)委員 大臣は、食品安全基本法の三条、これは、「食品の安全性の確保は、このために必要な措置が国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に講じられることにより、行われなければならない。」大臣が食品安全担当大臣として一番お守りにならなければいけない理念はここなんです。国民の健康を第一として考えて行動しなければいけないんです。

 そういう立場の中で、これだけ食品安全委員会が、特定危険部位の除去の部分が心配だという勧告を出していました。その勧告どおりに、特定危険部位どころか、背骨がついたまま日本に送られてきているんです。ですから、食品安全委員会が心配したとおりに、特定危険部位の除去ははっきりと行われていなかったんですよ。心配したどおりのことが行われているんです。それに対して、食品安全担当大臣として、各省の大臣に対して何を行いましたかということを伺っているんです。

松田国務大臣 その点も委員の、これは何度も御答弁しているかと思いますけれども、食品安全委員会の評価の附帯事項としてきちっと書いてあります。その点について、しっかり守られるべく、リスク管理官庁であります農林水産省あるいは厚生労働省においてしっかり対応していただく、それがまさに私の役目でございまして、冒頭おっしゃいましたように、国民の健康のために、本当に、百も承知と言うと言い過ぎですけれども、その気持ちで一生懸命やっているつもりでございまして、今の御質問に対しましては、したがいまして、まさに今、リスク管理官庁の方でしっかり対応してくれよ、しっかり対応しておるということでございますので、私としては、今の段階で、毎日、しっかりしろよ、しっかりしろよというわけにもいきませんし、今お待ちしておるわけでございます。ですから、しっかり見定めておると。

 これ以上の答弁は、何かお聞きになりたいような気持ちはよく伝わるんですけれども、正直、私としては、今も最善の努力をもって、最善の注意をもってこのリスク管理官庁の動向をしっかりと見定めさせていただいておるということに尽きるように思うのでございますが。

松野(頼)委員 ですから、大臣、冒頭に特命担当大臣の権限、できることは申し上げました。それに基づいて勧告は出したんですか。それとも、また次の、勧告に基づいて出したことに対する説明を求めたんですか。お願いします。

松田国務大臣 お答え申し上げます。

 その点につきましても、今勧告、法律に基づきます勧告を出す事態にあるかどうか。その点の判断もしっかりいたしまして、今、食の安全が保たれております、皆さん。いいですか。原因の究明、そしてまた再発防止策について、徹底して今御努力をいただいております。今この状況の中で、私、正直、いわゆる法律上の勧告を出すという事態にはないと認識をいたしております。

松野(頼)委員 だって、このきょうの記事でも心配どおりになったと言っているじゃないですか。特定危険部位の除去というものがちゃんと行われているか。これはもう前々から、もっと言うと平成十六年の視察のときから、その視察団も心配事の一つとして心配しているわけですよ。ずっとアメリカにおける特定危険部位の除去というものの心配がありながら、結果的に今回脊柱が入って日本に送られてきた。

 そういう状況で、食品安全担当大臣として、できる範囲の中で精いっぱいやられるのが本来の姿なんじゃないですか。どうも農林大臣と厚生労働大臣だけが、リスク管理機関だけが悪いというふうに言われているようでありますけれども、実際には、この国の食の安全を守るのは、食品担当大臣、あなたなんですよ。その気迫というものがあるんでしょうか。

松田国務大臣 何度も申し上げて恐縮なんですけれども、食品安全基本法をつくっていただいたときの議事録、何か今そこに配られていまして、私、今読まさせていただいておりましたけれども。

 それで、もちろん私は、食品安全担当、特命担当大臣として、全責任を持っております。ですけれども、それぞれまた、つかさつかさで役割を持てというのがこの基本的な考え方です。

 そういう中で、今求められていることは何かということで申し上げているわけでございまして、例えば、例えばの話はいけませんね、こういったことでのあれですが、本当に食の安全が今、例えばになりますね、やはり。現在本当に国内で起こっているような事態になれば、それはもう当然のことながら、勧告権も発動させていただきますでしょうしということだと存じますが、今の事態において、勧告権の発動とおっしゃいますけれども、観念的にはそういう権限を私持っております。したがって、いつも発動できる体制にあるかないか、本当に真剣に考えておりますけれども、きょう現在思いますと、私が本当に勧告権を発動する事態にはないという認識であるということは、御理解いただけるのではないかと思うのでございます。

大島委員長 松野君、時間が。

松野(頼)委員 きょうは、時間が参りましたのでこれで終わります。どうもありがとうございました。

大島委員長 これにて松野君の質疑は終了いたしました。

 次に、小川淳也君。

小川(淳)委員 民主党の小川淳也でございます。一時間お時間をお預かりいたしました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 松田大臣には大変気合いのこもった御答弁、ずっとお聞きをいたしておりましたが、少し冷静に、事実関係、前回の質疑の流れを踏まえまして、お尋ねを申し上げたいと思います。私は、できるだけこの国会での議論、言いっ放し、答えっ放しで済ませたくないという思いがございます。そういった思いでお尋ねをいたしますので、事実関係だけお答えをいただきます。

 まず最初に、厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 大変不幸にも、アメリカ産の輸入牛肉が既に日本国内に一部流通をされてしまったということに関して、その責任問題、その姿勢についてお尋ねをいたしました。これに対して、ちょうど二週間前、一月二十七日の審議の中で、私のお尋ねに対し川崎大臣は、この国内に流通してしまった牛肉について、二月上旬にその流通の様子について大体報告をまとめられるだろうと思いますという御答弁をいただきました。既に二月の十三日ということになっておりますが、現在の状況はいかがですか。

川崎国務大臣 既に先週の金曜日、記者発表、マスコミ発表をいたしましたので御存じだと思いますけれども、改めて言わせていただきます。

 御承知のとおり、七百三十トンが国内に輸入事業者二十六事業者においてアメリカから購入されたということになります。そのすべてのロットの中で、脊柱周囲の部位である可能性があるというもののパッケージ、ロットでございますけれども、これが五百七十五トンになります。そのうち、全ロットを見させまして、実はその箱全体に、例えば危険部位を挟む部位と同時に、例えばもも肉とかそういう表現のものもあります。あわせて書いてあるものですから、五百七十五になる。それを、まず全ロットを見ます。その中で、部位として脊柱周囲以外の部位であるというものが確認されたのが二百三十二トン。したがって、残り二百四十九・七トンについてはすべて開梱いたしました。そして一品一品調べまして、結果として混入はございませんでした。したがって、四百八十一・七トンについて脊柱の混入が認められなかったという結論になっております。差し引きいたしますと、九十トンぐらいが流通もしくは消費をされた、こういうことになります。

 なお、既に販売済みの米国産牛肉に関し、脊柱混入にかかわる情報を関係自治体、各輸入業者に対して調査した結果としてそういう返事でございましたけれども、あわせて、二十六輸入業者に引き続き、いろんな情報があるでしょう、変わった情報があれば、それはすぐ私どもにお知らせくださいと重ねてお願いをいたしたところでございます。

小川(淳)委員 五百七十五トンのうち四百八十一トンについては追跡できたというお答えですね。残りの九十三・四トンについてはいまだ追跡、確認ができないということ、これは引き続き当然確認をしていただかなければなりませんし、また、既にどなたかの口に入っている可能性がある、しかも、それが病原体を含むものであるかどうかその確認のとりようがない。その可能性については厳しくここで御指摘をさせていただきたいと思います。

 そして、私は、もう一つ前回の質疑で主張をさせていただきました。今回のこの失態の責任、すぐれてアメリカ政府、アメリカの輸出業者の管理のずさんさによるものだという点を指摘いたしましたし、また、関係の大臣の御答弁でもその点ははっきりしていると思います。したがって、不幸にも既に流通に回ってしまった牛肉については、賞味期限内に処分ができなければ、間違っても彼ら輸入業者の、あるいは流通業者の負担に負わせることなく、その責任を負うべきアメリカ政府あるいはアメリカの輸出業者に負わせるべきだということを主張いたしました。これについて、川崎大臣、少しアメリカの検討を待ちたいという御答弁をされましたが、その後二週間、状況はいかがですか。

川崎国務大臣 まず第一に、大前提は、私ども、農林水産省、厚生労働省それぞれ検疫体制をしいております。ある意味ではダブルチェックをさせていただいて、基本的に、我が国内に危険部位が混入したおそれはないと判断をいたしております。先ほどの作業は念のためにやらせていただいた。念のためにさせていた作業についても、今御報告を申し上げたように、基本的に、問題という回答は上がってきていないというのが私どもの認識でございます。念のためでございますので、どうぞ御理解を賜りたい。そういう意味では、検疫体制で基本的には安全は担保されているというふうに考えております。

 二番目に、もう委員が言われたとおり、アメリカに責任の根源はある、これは間違いない。それから、こういう食品の場合については、基本的に、民民、民間と民間の取引関係ということで解決すべきだろうと基本原則としては考えております。

 ただし、アメリカが、何ゆえにこのような失態をしたかということを今調査をされているわけでありますから、その報告を受けた上で私ども最終的な考え方をまとめたい、こう申し上げたところでございます。

小川(淳)委員 まず、危険部位が混入したおそれがなければ念のために調査をする必要はない、おそれがあるから念のために調査をする必要性を感じた、そして指示をされた。そこは、そうおっしゃりたいお気持ちはよくわかりますが、やはり、既に輸入された分についても、政府として、日本国として心配をしなければなりません。その点、御理解を頼まれましたが、御理解をするわけにはまいりません。

 もう一つ、この輸入牛肉の取り扱いについて、民民の問題だというふうにおっしゃいました。確かに、国内で物を買った、買わない、契約をした、しない、これは確かに民民の問題であります。しかし、今回のこの件に関しては、十二月に輸入再開を決定しわずか一月、一月の二十日で危険部位の混入が認められた。私は、自然な想像力として、その前一月分についても、繰り返しになりますが、心配をし疑うべきだと思いますよ。そして、これを単に民民だと言うなら、政府の政治決定、外交判断に基づいて輸入を再開した、その責めを、単に民民だ、民民で何とかしろと言うなら、私はそんな政府は要らないと思います。

 やはりこれは、政府が責任を持って、応援団でもいいですよ、直接の契約当事者になれなければ応援団でもいい、日本の不幸にも輸入をしてしまった事業者の立場に立って、アメリカ政府、アメリカ事業者と交渉に当たっていただきたいと思います。

 関連でお尋ねをいたします。この件について、二月の三日、日本食肉輸出入協会が、輸入をして保管をしている米国産牛肉一千四百トン程度、これをアメリカ政府、アメリカ業界団体に対して買い戻すように要望をしたという報道がございましたが、中川大臣、これは事実ですか。

中川国務大臣 まず、小川委員の今の御質問の中で、十二月十二日に政治決定をした、外交決着をしたというお言葉でございますが、これはあくまでも、食品安全委員会のリスク評価に基づいて、我々、厚生労働省とともにリスク管理機関として科学的根拠に基づく手続に基づいて決定をしたものであって、決して政治的でもなければ外交的でもないということは御理解をいただきたいと思います。

 御質問でございますけれども、一月二十日以降、一月三十一日ですか、日本の輸入業者の団体がアメリカ大使館の公使を呼んで、買い取ってもらいたい、補償してもらいたいという趣旨の申し入れをした。また、二月九日にも、向こうの輸出協会の代表が日本に来て話し合いをして、同じようなことを申し入れをしたということについては承知をしております。

小川(淳)委員 中川大臣、輸出入協会のこの要望、趣旨は理解いただけると思います。これは、農林省として、大臣として応援していただけますね。

中川国務大臣 日本の輸入業者の方々がルールに基づいてきちっと発注をし、そして向こうがEVプログラムに基づいて、そして農林水産省、厚生労働省、そして通関手続をきちっとしたものでございまして、それにつきまして一月二十三日に政府の方から、調査をしてもらいたい、危険部位云々については遠慮をしてもらいたいということになったということでございます。

 御質問の趣旨は、入ってこない分ですか。(小川(淳)委員「既に買ったものについて」と呼ぶ)

大島委員長 小川君、では、もう一回手を挙げて。

小川(淳)委員 既に輸入業者が抱えてしまって処分しようもなくて困っているものですね。これを買い戻せという主張に対して、日本政府として、そうだ、確かに買い取れという応援をしていただけますねという確認です。

中川国務大臣 間違っていたら御指摘いただきたいんですけれども、既に買って通関をしていない部分というふうに理解してよろしいんでしょうか。それとも、通関をして入ったけれども、一部販売を自粛するようにと一月二十三日に通知をした部分についてでしょうか。

小川(淳)委員 両方です。

中川国務大臣 まず、一月二十日以前に通関して、業者の手元あるいは市中に流通しておりますものについては、先ほど厚生労働大臣からのデータの御報告があったとおりでございます。それにつきましては、ルールどおりということでございますので、しかし、一部については、念のためにひとまず販売を自粛した方がいいですよという通知をお出ししているわけでございます。

 それから、一月二十日時点で通関がストップしてしまったものにつきましても基本的には同じだろうと思いますが、これは、小川委員御指摘のように、基本原則としては民民の売買、ビジネスの話でありますけれども、輸入業者のお立場から見れば、先ほど申し上げたように、ルールどおりにやって、そして米国政府、日本政府が、きちっとした手続を通って入ってくるはずだったものがストップをしてしまっているということについてどうしてくれるんだというお気持ちは、私はその立場に立てば十分理解ができます。ただし、だから政府として、では即刻国が補償するとかなんとかというところまでは、理解はできますけれども、国の今やるべきこととしては、現時点ではそこまでは考えておりません。

 あくまでも、アメリカ側の原因究明あるいはまた再発防止の報告書、あるいはまた、アメリカ側がこの問題についてどう対応するか、日本の輸入業界とアメリカ政府やアメリカの輸出協会との間のやりとりでどう対応するかということも見守っていかなければならないと思っております。

 ただ、企業体が、不測の事態ということでございますので、それによって経営その他に影響が出る場合には、いろいろな政府系金融機関のセーフティーネットというものは、十分対応できるように準備はしております。

小川(淳)委員 大臣、その理解できるというお気持ちを私は大事にしていただきたいと思いますね。

 まさに、川崎大臣にしても中川大臣にしても、個人的に想像をしてこうだろうなと思う気持ちと、やはり大臣として、役所の責任者として口が裂けても言えないということとの矛盾、せめぎ合っておられるんだと思うんですよね。だけれども、やはり大臣ですから、政治家ですから、御自身がそうだろうなと思うことは実現してくださいよ。その権限がありますよ、力がありますよ。御自身が素直に、素朴に感じられるそのお気持ちを大事にしてくださいよ。御自身がもし焼き肉屋さんの店主だったら、スーパーの売り主だったら、今回入った牛肉、売れますか、これ。売れないと思いますよ。そんな役所から出てくる自動的な答えだけだったら、大臣なんて要らない。それと素朴な国民感情とをつないでいただくのが大臣の役割、務めですよ。御自身がそう感じられるなら、そのお気持ちを大事にした政策決定、ぜひとも望みたいと思います。

 中川大臣に関連でお尋ねですが、私はこの二週間余り、ほとんど初めてに近い形で予算委員会の質疑、参画をさせていただきました。やはりびっくりしたのは、中川大臣の御答弁でした。ほかでもありません。一月三十日でしたでしょうか、私ども松野委員の質問に対して御答弁なさいましたね。輸入再開前に調達をしますということにつきまして、結果としてしなかったということは、この答弁書でお答えしたことと事実が違っていたということで、この場でおわびをさせていただきます、閣議決定どおりにしなかったということです、この文章と違うことを私が決定いたしましたので、私も、みずからどういう責任にしたらいいのか、これから考えたいと思います。これは本当に、この場内でお聞きをして大変びっくりしました。

 この点については、既に同僚議員初めたくさんの指摘がなされたところでありますが、私は、政策決定に携わっていただく閣僚のお一人として、少し違った観点から、大臣としての自覚をお願いしたいと思っています。

 大臣、まず、この答弁書でお答えしたことと事実が違っていたという認識を表明されました、御答弁の中で。この答弁書というのは、ほかでもありません、川内議員に対する質問主意書への答弁。輸入再開以前、また、輸入再開後も定期的に、担当官を派遣して米国における我が国向け牛肉に係る食肉処理施設に対する現地調査を実施することが必要と考えている。この答弁書でお答えしたことと事実が違っていた。事実は違っていないんじゃないですか、これ。単に必要と考えているという答弁をされただけであって、実際に輸入再開前に調査をしますということは、これは一言も言っていませんよ。大臣、これを御答弁された時点でこの内容はよく御存じでしたか。

中川国務大臣 ちょうど二週間前、一月三十日のお昼前に御質問をいただくときに、質問の資料として川内委員の答弁書をいただきまして、そのときにそれを読んで、輸入再開時には輸入再開前に現地へ行って云々ということを考えているということのやりとりを松野議員との間でやらせていただいたわけであります。

 その質問主意書に対する閣議決定というのは、政府統一見解でも、その日の夜に総理からもお示しいただきましたけれども、これは、その十一月十八日時点での米国産輸入牛肉再開に当たっての認識というものを示したものであるという趣旨で私は答弁をさせていただいております。

 なお、私自身は、責任という言葉にびっくりしたということでありますが、私は常に農林水産大臣としての責任というものを自覚しながらやっているつもりでございます。その前の答弁にも私はその趣旨が入っていると思いますし、御確認いただきたいと思いますけれども、常に農林水産大臣としての責務、責任、それは、与えられた行政、その中の大きな柱としての食の安全の確保というものであるということは常に認識をしております。

小川(淳)委員 大臣、必要と考えているとした答弁書の中身を私はもっとよく読まれるべきじゃないかと申し上げているんですね。

 必要と考えていただけなんですよ、答弁書では。それを、簡単に答弁書と事実が違っていたということをお答えになったこと自体の不正確さ、私はこの点についてもよく反省をしていただきたいと思いますし、もっと言えば、仮に、この答弁書の中身を正確に御理解をいただいていなかったとして、仮にです、閣議決定どおりにしなかった、私の責任を考えたい、これは、閣僚がこの発言、このせりふを口にするというのはどういうときですか。

 私は、答弁に詰まってもいいですよ、答弁に窮してもいい、立ち往生してもいい、だけれども、閣議決定どおりにしなかった、それを判断したのは私だ、私の責任について考えたい、これは簡単に言うようなことじゃありませんよ。私は、願わくば大臣に立ち往生していただきたかった。答弁書、よくこれを読みたいのでちょっと時間を下さい、事務方に説明させます、そうすべきではありませんでしたか。

中川国務大臣 アドバイスとして大変ありがたく受けとめさせていただきます。

 確かに、お昼前からずっと当委員会、委員長を初め与野党の理事さん、あるいは委員の皆様方に大変な時間をおかけした。その原因が、私の答弁、先ほど申し上げたように、趣旨は先ほどのとおりでありますけれども、私の言いたいことがうまく伝わらないといいましょうか、表現が悪かったといいましょうか、そのことについては私も、当日も、反省をしているという趣旨のことを申し上げました。

 いずれにいたしましても、今後、よく資料その他はじっくり読みながら、御趣旨に沿って、誠意を持って答弁をさせていただきたいというふうに思います。

小川(淳)委員 大臣、口が裂けても言ったらだめですよ、閣議決定に従わなかったとか、やめる覚悟ができたとき以外は。その辺、よく額賀長官に御助言をいただいたらいいと思いますが。これ、口が裂けても言ったらだめですよ、こんな場で本当に。その辺の御自覚をいただかないと、牛肉輸入の再開だとか、また再々開に向けていろいろ協議されるんでしょう。これは信頼できないですよ。本当にもう基本的なことですから、しっかりと対応していただきたいと思います。

 もう一つ、前回の質疑との関連でお尋ねをしますが、北側大臣、私は、耐震偽装に関して、分譲マンション、住んでいるマンション以外にも、投資用、賃貸用のマンションそれからホテル等についても、公益性の観点であれば同じく支援を行うべきじゃないか、そういうことをお尋ねいたしました。それについての議論を踏まえて大臣はこうおっしゃった。そういった物件についての関心が我々全くないわけではない、専門家による相談体制をしっかりとつくりたいと思いますという御答弁をいただきました。あれから二週間、経過はいかがですか。

北側国務大臣 まず、国といたしまして、この偽装が確認された、耐震基準を満たしていないホテルとかそれから賃貸マンションにつきまして、これはそもそもどのようにすればいいのかがわからないというお声もたくさんちょうだいしておりまして、この耐震改修に対する技術的な相談体制の整備を図るために、二月の一日に、日本建築防災協会に違反是正計画支援委員会というのを設置させていただきまして、既に具体的な相談に応じているところでございます。

 この委員会では、地方公共団体からの要請に基づきまして、建築物の耐震性の判断や違反の是正の方針が妥当であるかどうか、そうした判断について助言をしたいと考えておりますし、耐震改修の内容が現行の建築基準法で要求しているレベルに到達しているかどうか、こうしたことも判定をさせていただきたいと考えておるところでございます。

 偽装物件を抱えております地方公共団体にも集まっていただきまして、専門家の先生方を委員とするこうした委員会を設置したことを既に地方公共団体にも周知をしているところでございまして、これらの相談体制を通じて、耐震改修が円滑に進められるよう努めてまいりたいと考えております。

小川(淳)委員 ありがとうございました。

 二十七日にお尋ねをして、相談体制をつくるとおっしゃった。それが二月の一日にはきちんと立ち上がっている、大変歓迎すべきことだと思います。ただ、言いっ放しも多いんですが、つくりっ放しということも多いのが行政です。しっかりとつくっていただいたこの支援委員会、今度は動きがよくなるように、ぜひとも引き続き目を注いでいただきたいと思います。

 さて、きょうは少し時間をいただきまして、昨年の夏以降大変大きな問題になりました官製談合の問題について、関係の大臣にお尋ねをしたいと思っております。だれが悪くて、だれがどう処罰されるべきか、その話は司法の方に任せたい。そうではなくて、なぜこんなことが起き続けるのか、その辺に対する本質的な理解を議論しながら深めたいと思っております。

 最近十年だけを見ても、大型映像装置の談合事件、九五年、上水道設備の談合事件、九五年、下水道事業団、九六年、郵便区分機、九八年、都の下水道ポンプ、二〇〇四年、これは、重電メーカーに限ってもこれだけあります。

 そして、きょう額賀長官にお越しをいただきましたが、これまた談合とは別かもわかりませんが、御自身が大変不幸な事件を背負われて辞任をされたという経過もございます。

 額賀長官、この談合問題、談合事件、なぜこうも繰り返され続けるのだと思われますか。

額賀国務大臣 お答えをいたします。

 今度、防衛庁で防衛庁幹部が競売入札を妨害ということで逮捕されたわけであります。この問題については、私どもも、どういうところに問題があるのか、役所内、あるいは組織上、あるいは行政上はどういうところにあるのかということで、今、調査委員会を設けていろいろとヒアリングをしたり調査をしているところであります。きちっと再発防止のために対策を立てたいというふうに思っております。

 私の感想的なことを言えば、やはり一つは、今度の防衛庁の案件もそうだけれども、役人としての自覚、もう一つは、やはり企業人としても、これは偽装事件でも何でもそうでありますけれども、やはり日本の伝統的な経済人というのは、一つのそういう経済倫理というか社会的責任というものを負っている中にみずからの経済活動を展開してきたんだというふうに思います。そういうところをきちっとしていかなければならないことがあるというふうに思っております。

 もう一つは、やはり役所の皆さん方も、防衛庁の場合は特に、早期退職制度とか任用制度とかありまして一般公務員とは違った環境にあるのでありますけれども、そういうふうに、退職後自分の生活設計はどうするのかとか、そういうことについて不安感を持っているということも事実だろうというふうに思っております。

 そういう中で、やはり入札制度がもうちょっと透明性を持って公平に、公正に行われるためにはどうしたらいいのかとか、それから再就職について、人材を有効に使っていくためにはどうしたらいいのかとか、こういう少子社会の中で、労働力が不足していく中でどういうふうに対応していけばいいのかとか、そういうこと、あるいはまた組織上の問題、さらには、やはり幾らやっても直らないならば、もうちょっと罰則もきちっとしていかなければならないのではないか、そういうことが、原因と今後の対策を考える上で頭を去来しているというのが事実であります。

小川(淳)委員 額賀長官、今、いろいろな方面、いろいろな角度からお答えをいただきました。どれ一つとっても大変大事な課題だと思いますね。

 これは、十一年四月、調達改革の具体的措置、防衛庁、二〇〇五年の十二月、工事発注事務の適正化策、成田空港、十七年の七月、入札談合の再発防止について、国土交通省、事件が起きるたびにこうした再発防止策は検討を重ねられ、それでもなおこの談合問題というのは、時を追うごとにまた一つ、また一つと出てき続けるわけであります。

 お察しだと思いますが、今、倫理だとか、責任だとか、自覚だとか、伝統だとかおっしゃった。それはそれでもちろん大事です。しかし、やはり制度の問題として、構造的な問題として、仕組みの問題として私たちはとらえ直していかなければなりません。その意味で、お口にされた表現の中で最も構造的に取り組んでいかなければならないのは、この再就職の問題、いわゆる天下りの問題だと私は思います。

 長官には、既に、せんだっての参議院の外交防衛委員会の集中審議、二月の三日でございます。私ども同僚の白委員の質問に対して、「基本的な問題として、底流に天下りの問題があると思っております。」こういう御答弁をなさいました。この認識をまず大事にしていただきたいと思うわけです。

 関連で、これは防衛庁だけではありません。昨年の橋梁談合、道路公団、そして空港公団、こうした談合事件に関して、北側大臣にもぜひ御認識をいただきたいと思いますが、北側大臣、大臣は、この談合問題の底流に天下りの問題があると思われますか。いかがですか。

北側国務大臣 昨年、旧道路公団、旧空港公団において談合事件が発生をいたしました。ともに、いわゆる官製談合の疑いで捜査がなされて、また公判になっているところでございます。極めて遺憾と言わざるを得ません。

 今委員のおっしゃったように、この二つの談合事件というものを通しまして、私自身も、この天下りの問題、再就職の問題がこうした談合、官製談合の事案の背景にある、また温床となっているということは言わざるを得ないというふうに考えております。したがって、これは、そうした再就職、天下りをできるだけしなくてもいいような公務員制度をつくっていかねばならない、公務員の方々ができるだけ公務の世界の中で定年まで働ける、そういう仕組みをつくっていただく必要がある。今、早期退職慣行と申しまして、もう五十過ぎで肩たたきに遭うようなそういうふうな慣行というのは、これはやはり是正をしていく必要があるわけでございます。

 ただ一方で、公務員の定数そのものにつきましては純減をしていこうというふうな形で今進めているところでございまして、また一方では、若い方々を新規に採用していかないと人事の円滑化というのも進められません。

 こうしたさまざまな要請がある中でこの再就職の問題をどう規制していくのか、抑制していくのか、私は、公務員制度改革全体の中で議論をしていく必要があると考えております。

小川(淳)委員 北側大臣、ありがとうございました。ぜひその認識を大事にしていただきたいと思います。

 これは決して揚げ足をとるわけではないんですが、十七年の七月七日、参議院の国土交通委員会、これは橋梁談合の問題を審議している最中です。公明党の山本香苗委員が北側大臣にただしておられるんですね。大臣はこの談合と天下りとの関係をどのように考えていらっしゃるのかお伺いをさせていただきたい、今と同じ問いであります。これに対して大臣は、そもそも、談合とは切り離して、この天下りの問題ということについて考えていきたい。この時点では、まだ少しそこの関係をあいまいにしておられたんだな、私、過去のやりとりを勉強しながらそう思っていました。

 やはり、この天下りの問題と談合の問題、どうしてもこれはセットで考えていかなければなりませんし、天下りの問題と公務員制度の問題、これもセットとして考えていかなければなりませんし、もっと言えば、公務員制度と日本の雇用文化の問題、これもセットで考えていかなければ本質的な解決はあり得ない、私はそういう認識に立って、残りの時間、質疑を進めてまいりたいと思います。

 きょうは人事院総裁にお越しをいただきました。国家公務員法は、国家公務員の再就職について規制を設けております。この規制の趣旨、総裁、簡単に御説明をいただけますか。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

佐藤政府特別補佐人 国家公務員法にある公務員の再就職規制の趣旨についてのお尋ねでございました。

 これは、職員が在職中に、例えば自分の再就職先を確保するために特定の企業と癒着するあるいは有利な取り計らいをするという行為を防止する、もって公務の公正な執行を確保する、そういう趣旨でこの規制が設けられたというふうに理解しております。

小川(淳)委員 では、なぜ人事院がこの規制を所管しておられますか。

佐藤政府特別補佐人 人事院は、国家公務員法により、中立公正な人事行政を確保するという大変大きな責務を課せられております。したがいまして、この再就職規制につきましても、国家公務員法百三条に基づいて人事院が所掌をしているわけでございます。

小川(淳)委員 国家公務員の再就職については人事院の承認を要する。しかし、例外的に承認を要さない事例があると思いますが、総裁、その内容について御説明ください。

佐藤政府特別補佐人 人事院が今直接審査し承認しているのは、いわゆる幹部公務員でございます。幹部公務員の再就職というのは、国民の大変大きな興味といいましょうか関心の対象でございますし、もしそこに不公正な部分があれば大変重大な公務に対する批判を浴びるということで、これは人事院が直接担当しているということでございます。

 一方、行政職(一)の俸給表の九級以下の職員については、各所管の官庁にその審査と承認を委託しております。

 ただ、人事院は、常にといいますか、随意、適正な審査が行われるかどうかについて監査を行い、また報告を人事院に提出することを義務づけておりますし、したがいまして、各省庁にそれを委任しておりますけれども、適正な審査、承認がなされているというふうに理解しております。

小川(淳)委員 今、総裁がお答えになりました、人事院が直接承認しているのが、いただいた資料ですと、平成十六年、八十九件あります。人事院が直接承認している課長職以上の再就職ですね。課長職未満の再就職については各省に委任をされている。この件数が、同じ十六年で六百三十件、ほぼ七倍ですか、七倍近い数の再就職が行われている。

 こういう理解でいいですか。本来、各省にこれは任せるべきことなのか。それとも、本来、人事院が全体を統括して全体を見るべき事項だが、その実害の生じる蓋然性、危険性等を判断して、その危険性が低いものについては各省に委任していると。つまり、原則は人事院が全部やりたいんだ、全部しっかり承認したいんだ、例外的にその危険性の低いものは委任しているんだ、こういう理解でよろしいですか。

佐藤政府特別補佐人 今の御質問に対するお答え、いろいろな観点があろうかと思いますけれども、私個人的には、やはり本来は人事院が全体を掌握すべきだというふうに思っております。

小川(淳)委員 いや、ぜひそうなんですよね。やはりこれは、当事者に任せてしまってはお手盛りになる危険性が高いわけですね。だからこそ、人事院という第三者機関が監視をして、基準をつくって個別に承認をしている、これがあくまで原則だと。そして、人事院規則において、わざわざ危険性の低いと思われる職員の再就職を例外として各省に委任している。ただ、件数はもう圧倒的に逆転していますけれどもね。しかし、この基本的な哲学は大事にしていただきたいと思います。

 そこで次のお尋ねなんですが、今回の世の中に明るみに出た官製談合の問題は、一つは、防衛施設庁、防衛庁の問題でありました。もう一つは、道路公団、空港公団といった、関係する特殊法人の問題でありました。人事院総裁、この防衛庁の職員あるいは公団、特殊法人、これらに所属する職員の再就職についても規制をしておられますか。

佐藤政府特別補佐人 今、人事院が担当しております再就職の規制につきましては、国家公務員法が適用されるいわゆる一般職の公務員でございます。

 一方、自衛隊の方々というのは、日本の平和と安全を守るという大変大切な仕事に従事されている。一たん事があれば、生命を投げ出してでもその職務を全うするという大変大切な仕事をなされているわけでございまして、そういう方々に対しては、やはり特別の服務規定なり特別の人事管理なり、一般公務員とは違うそういう制度が必要ではないかと思います。

 したがって、現在でも自衛隊の方々は自衛隊法による服務規定があり、人事管理のいろいろな制度があるというふうに思っております。

小川(淳)委員 確かに、命を投げ出して職務を全うすることが求められる特殊な公務員であることは事実だと思います。しかしそのことと、再就職規制に関して、他の各省庁に対しては原則的に独自には基本的には行わせていない、しかし防衛庁についてはいいんだ、あるいは道路公団、空港公団についてはいいんだということは、これは矛盾を来していると私は思いますが、総裁、いかがですか。

佐藤政府特別補佐人 このお答えの仕方は非常に難しいのでございますけれども、やはり基本的に、私どもが担当しているのは一般職の公務員であるという大前提があるわけでございまして、それ以外の、例えば自衛隊の方々あるいはほかの特別職の公務員の方々のその再就職規制について人事院がちゃんと所掌すべきだという御意見がもしあるとすれば、やはり法律的な問題もございましょうし、あるいは先ほど申し上げましたように、それぞれの立場でそれぞれのふさわしい服務規定があろうかと思いますので、その点も十分に考慮する必要があろうかと思います。

小川(淳)委員 今のお答えで人事院総裁としてはもう精いっぱいだと思いますね。とにかく一般職の公務員についてはしっかり管理をしているんだ、それ以上のことを求められても困るんだ、そのとおりだと思いますよ。もう今ので精いっぱいだと思います。

 しかし、政府全体としていえば、例えば防衛庁は、例えば政府に関連した特殊法人は、一般職ではないからみずから再就職を判断していいんだ、それには、最初の議論でお答えをいただきました、十分お手盛りになる可能性もあるんだ、これを、政府全体としてこの議論を放置するわけにはまいらないと私は思っています。

 安倍官房長官、基本的なことでお尋ねをしたいと思いますが、今私が申し上げた認識、つまりこういうことです。国家公務員の再就職規制は、実は、国家公務員であるかどうかという身分を切り口に再就職規制が組まれているわけですね。ところが、今回問題になっている談合事件に関しては、公共発注に携わり得る立場、これはいろいろな専門知識や培った人間関係、人脈含めてです。公共発注に対してさまざまな角度からさまざまな影響力を行使してかかわり得る立場にある人というのは、決して、現に国家公務員、しかも一般職の国家公務員に限られた話ではありません。それを、国家公務員でないからといって各省、各公団に任せてしまったのでは、私は、政府全体としてこの談合問題、再就職問題に取り組んでいこうというには甚だ対応が不十分だと思いますが、官房長官、政府全体をごらんいただく立場からいかがですか。

安倍国務大臣 いずれにいたしましても、政府としては、最近、国、地方で入札談合事件が続発をしていることは大変遺憾に思っているわけであります。

 昨年の十二月に、総理より与党に対して、入札談合等関与行為防止法の改革案をまとめるよう指示があったところであります。また、私に対しましても、入札制度の改善など政府が行うべきことについて検討の指示があったところでありまして、これを受けて、十二月二十六日に、内閣官房に公共工事の入札契約の改善に関する関係省庁連絡会議を設置し、公共工事の入札契約の改善について鋭意検討を進めているところであります。

 ただいま委員が御指摘になった一般職以外の天下りの問題についてでございますが、人事院の総裁から一般職についての御回答があったところでありますが、これはそれぞれの主管の官庁においてしっかりと検討がなされていくもの、このように考えております。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

小川(淳)委員 それぞれでは不十分だと私は申し上げているんですね。

 これ、もう一つ指摘をしたいと思いますが、営利企業への就職承認に関する年次報告、人事院の方で出されています。これは平成十六年。これを見ると、いかにもやはり再就職を支援したいんだな、できるものなら再就職させてあげたいんだな、そんな感触すら読み取れるわけです。

 五十六歳男性、農林水産省。この者と再就職先企業との契約関係があったが、契約額の割合が極めて低かったので承認をする。五十九歳男性、文部省、建設会社へ。契約の関係があったが、職務上の具体的な関係がなかったから承認をする。

 事務の所掌がない、契約の関係がないことが原則なんですが、契約の割合が低い、具体的な関係がない、できるだけ再就職を支援しているかのように読み取れるわけであります。

 そこで考えますと、そもそも人事院とはどういう機関なのか。

 国家公務員法にございます。人事院は、人事行政の改善に関する勧告、給与、研修、職務に係る倫理の保持その他職員に関する人事行政の公正の確保、職員の利益の保護に関する事務をつかさどる、これが人事院の務めなんですね。それはそうですよ。国家公務員を採用して、そこでしっかりと働いていただいて、しっかりした処遇をしたい。公務員には労働基本権が制約をされていますから、その代償措置として職員の福利厚生、利益の保護に当たりたい、これが人事院の本来の務めであるはずです。

 その文脈で読めば、先ほどの再就職の承認基準、できれば、できるだけ理由をつけて再就職を支援したい、そのお気持ちがにじみ出るようなこの審査基準、私は理解できます。しかし問題は、政府全体として、公務員と、そしてその契約関係にある企業との間の不正常な関係を断ち切っていかなければなりません。そして、公平な競争環境、契約環境を保持していかなければなりません。

 やや大胆なことを申し上げますが、二つの観点から私は、人事院が国家公務員の再就職規制を預かっていることそのものの限界を感じています。

 一つには、一般職の国家公務員という地位によって立つ規制しかなし得ないこと、その他もろもろの公共発注に携わり得る立場にある人たちに対して網かけができないこと、これが一つ。もう一つは、人事院の務めとは、公平な市場環境、競争環境をこの日本国で守り育てていく務めにないこと、これがもう一つ。この二つの観点から私は、本質的な問題として人事院が再就職を規制することの限界、強く感じております。

 官房長官、私は、この公務員の再就職、天下りを規制して談合を防止していくためには、むしろ、競争や市場の公平を守る機関と国家公務員制度を所掌する機関との連携を考えていくべきだと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。

安倍国務大臣 いきなりの御質問でございます。

 この天下りの問題については、先ほど来政府側から答弁をいたしておりますように、基本的には、早期退職制度等を見直しをするということで今見直しを行っているところでございます。

 他方また、今御指摘のように、自衛隊等々の、自衛隊においては若年退職、退官ということになってくるわけでありまして、再就職をどうするかという基本的な大きな問題も抱えているわけでありますが、そういう中から、今委員が御指摘されたように、談合の温床となるようなことのないようにということは、当然、その観点からどうしていくかということについても、きっちりと我々も議論をしていきたいというふうに考えております。

小川(淳)委員 もう端的に申し上げます。

 人事院とやはり公正取引委員会、この二つが公務員の再就職については、公務員の利益保護ももちろん必要、そして市場環境が不正常な環境にならないこと、これも必要、これをしっかり議論し合っていくことが私は求められるのではないかと。これ、思索を深めれば深めるほどそこへ行き着いたわけであります。指摘をさせていただきます。

 そして、この公務員制度、やはり日本の雇用文化そのものと私は深くかかわっていると思うんですが、私自身も実は公務員でした。九年間役所での勤めをしてまいりましたが、これ、怒りがあると同時にやはり悲しいことなんですね。だれも談合の世話をしたくて公務員になる人はいないと思います。再就職したくて、再就職のお世話をしたくて公務員になる人はいないと思います。これがいつの間にかそういうところへ追い込まれていくんだと思いますね。

 そして、この温床、背景は、これも大胆なことを申し上げますが、行政機関、国家機関そのものとそれを取り巻く関連企業とで、その職員の方々に対して生涯雇用、生涯の保障を与えている、それをみんなで維持している、これがこの天下りと談合の本質、背景だと私は思っています。

 そして、定年制の引き上げとか、いろいろな公務員制度改革が議論されていますが、定年制を引き上げたら、本当にでは四十年間公務員に対して一生涯の雇用を保障することができるのか。北側大臣が大変いい御答弁をされました。これも昨年の十月です。退職慣行を先延ばししようと言いました、できるだけ一つの公務の世界にずっといられるように、しかし、早期退職慣行の年齢を先延ばしすればするほど定員の数はふえる、一方で純減は進めていかなきゃいけない、若い人たちも採用しなければいけない。

 限られた時間で端的に申し上げますが、私は、日本が大変変化の激しい、低成長の時代に入るに当たって、高度成長を前提につくられた終身雇用の仕組み、一生涯公務員が公務員として、身分としてあり続けるその仕組み、その仕組み自体を実は見直していかない限り、この再就職、そしてこれに関連した談合の問題というのはなくならないんじゃないか、そんな気がしてなりません。

 行革担当大臣にお越しをいただきました。今、行政改革について、閣議決定を踏まえ、基本方針の取りまとめが行われていると思います。この公務員制度改革に係る部分、強調されたい点、ぜひおっしゃっていただきたいと思います。

中馬国務大臣 今、小川委員がずっと議論されておられました公務員のあり方の問題等は、私は、今検討を始めていますといいましょうか、立法化を進めておりますので、ちょっとそぐわないかと思います。

 我々は、今の公務員のこのあり方がいいのかどうかという話ではなくて、こうした時代が変わってきているのにまだその部署があるとか、あるいは、これはもっと民間に任せた方がいいんじゃないか、逆に民間で大いに活躍してもらって、そしてまた場合によっては、またもとへ戻る場合にもそのことの手だてを加えるとか、そのような観点でやっておりますので、ちょっと観点がこの議論とはかみ合わないかと思いますが、また改めて、ひとつ皆様方から御承認いただきましたなら、時間がありませんから、そのことの、我々が進めておりますこの公務員制度改革につきましては大きなビジョンでやっておりますから、改めてまた御答弁させていただきたいと思います。

小川(淳)委員 今議論されている公務員制度改革では、五%削減するだとか、五年間でやるだとか、数字がやはり躍っているんですよね。数字は悪いことじゃありません。悪いことじゃありませんが、できれば、数字は目標ではなくて結果であっていただきたい。何を目指した、どんな理解に基づいた政策で、その結果どんな数字が出てくるか、これこそがやはり考えるべき筋道、道順だと思います。

 残された時間、麻生大臣にお越しいただきました。

 麻生大臣、先日の質疑の中で、伊吹委員の御質問に対して、野党質疑にだったらもうちょっと慎重に答えなきゃいかぬのだがとおっしゃられました。その真意、お聞きしてもよろしいですか。

大島委員長 麻生大臣、慎重に。

麻生国務大臣 今御質問をいただきましたけれども、答弁に当たりましては、これは正確を期さねばならぬということですが、お尋ねの二月六日の委員会におきまして、今御指摘のありました委員の方から突然御指名をいただいて、たしか、十億円もうけたやつと十万円もうけたやつとどっちの方が偉いんだという話を、たしかいきなり全く予定なく言われたものですから、私は、これ、ちょっと準備も、全く予定していませんでしたので、これは準備不足でありましたので、正確を期して御答弁を申し上げねばいかぬと申し上げて、くだくだいろいろ前提条件をつけますと話が非常に長引きますのでということでそういう話を申し上げたんだと思っておりますので、誠心誠意お答えをいたしたと思っております。

大島委員長 終わりですよ。

小川(淳)委員 では、この件については次回以降にまたお尋ねしたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて小川君の質疑は終了いたしました。

 次に、永田寿康君。

永田委員 民主党の永田寿康でございます。(発言する者あり)そうですね、昨年の選挙以来初めての質問で、前特別国会では答弁しかしていなかったので、きょうは久々にちょっとやりたいと思います。

 まず、ライブドア問題とBSE問題ということでそれぞれ通告がしてありますけれども、今回のライブドア問題の捜査の体制について私はちょっと奇異な感じがしたので、金融担当大臣にお尋ねしたいと思います。

 というのは、もともと、ああいう不正取引というか、偽計取引、風説の流布といった問題については、金融庁というか証券取引等監視委員会が情報収集をして、捜査も権限があるということでありますけれども、今回は地検と合同で捜査に入っています。そして、複数の場所に同時に合同で捜査が入っているということで、見事な連携がとれているんだなと思いますけれども、しかし、本来ならば監視委員会単独で捜査に入って、逮捕はできませんけれども、物の押収もできるわけですから、そのようにするのが本来の法制度のあり方だというふうに思っています。

 なぜ地検と合同でやったのか、その背景について可能な限りお話しください。

大島委員長 証券取引等監視委員会長尾事務局長。

 こちらの方が適切だと思います。

長尾政府参考人 今委員御指摘のように、今回、ライブドア関係、一月十六日に東京地検と合同で強制捜査に入りまして、先週の二月十日、ライブドアとライブドアマーケティング、そして堀江貴文ら四人、東京地検に告発したところでございます。

 御質問の強制捜査、合同でございますけれども、私ども、発足以来、今、十四年目になります。監視委員会でこれまでこういう犯則事件、いろいろやっているわけですけれども、その際、必要に応じて、やはり強制が必要だろうというときもあるわけです。その場合ですけれども、強制捜査を効率的、効果的に行うという観点から、ほとんどの場合、検察当局と合同で実施しております。

 具体的には、強制調査に当たっての嫌疑者の身柄の拘束ということを考えたときには検察当局に行っていただく必要があるということが一つと、それから、やはり刑事事件でございますので、告発、起訴に向けて検察当局とより緊密な連携を図ることができる、こういうことでございます。

 そこで、今回の事件につきましても、同様に、こうした観点から検察当局と合同で強制調査を行っているものでございます。

永田委員 しかし、身柄の拘束は、今回は強制捜査初日には行われていないのでありまして、捜査があってから一週間程度たってから身柄の拘束に入っていると思います。

 後段部分の、地検にお願いして今後告発していただくということを考えれば合同で捜査した方が効率がよかろうという話は、一見もっともらしいように聞こえるんですけれども、そうであるならば、はなからそういうふうに常に合同でやるというような制度にしておいた方が実態に合うんではないのか。

 つまり、過去の大型事件を見てみると、カネボウのときにも、あるいはコクドのときにも合同で捜査しているわけで、単独でやることには限界があるんじゃないかということをみずから認めているようなものだと思うんですけれども、現在の、単独でもなし得るという部分、このことは制度の存在意義があるのかどうかというのを、これは大臣のお話でいいと思うんですね、大臣、いかがでしょう。

与謝野国務大臣 証券監視委員会は、私の権限から独立して独自の権限に基づいて調査をしております。したがいまして、本件についても私は中身までは報告を受けておりませんけれども、今回の証券監視委員会の調査、それから東京地検の捜査、これは大変協力関係はうまくいっております。ただし、犯罪として切り取る、あるいは公判請求する、これになりますと、やはり公訴権を専ら持っておられる東京地検があたかも全体をリードしているように見えますけれども、証券監視委員会は、証券監視委員会に与えられた責任をその権限の範囲内で大変忠実に今回も実行しておられると私は思っております。

永田委員 いえいえ、大臣、そういうことではありませんで、もちろん委員会は大臣の権限とは独立しているので、個別の事案について大臣が詳細を御存じないのは当然だと思います。しかし、監視委員会のあり方として、単独で捜査をしたりすることが、やはりその存在意義というか本旨の部分、メーンのあり方としては単独で行動する、それで地検と合同でもできるというような組み立てになっていると思うんですね。要は、監視委員会の存在というか権限、あり方が十分かどうかという議論をしているんです。その話というのは、僕は、具体的な事案と離れて大臣と政策論としてお話をすることができることだと思っております。

 そういう意味で、地検が告発するんだから、大型事案になったり刑事事件になれば、当然それは地検と手を組んでやるのが自然な姿であると答弁されるのであれば、はなから地検と組むことをメーンに据えた方が自然なんじゃないですかということを申し上げているわけです。

 加えて、大臣は、かつてテレビ番組で、ライブドア問題については三年ぐらい前から監視委員会は関心を持っていたんだよという発言もされていました。そのことを大臣が知っているというのも、ある意味おかしな話ではあるんですが、しかし、三年ぐらい前から目をつけていながら今回地検と合同でやることになったということは、それはやはり監視委員会の存在に一定の限界があった、一定の限界を感じた、それを補完する上で地検と協力したというふうな形になっているんじゃないのかなという質問なんですが、御答弁いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 この事件が起きました後、永田先生のように、監視委員会は一体何をやっていたんだということを方々で言われまして、私は事件の内容は知りませんけれども、たしか一月の末に高橋監視委員長がお見えになりまして、何か世間の話では、監視委員会が十分な働きをしていなかった、こう言われているので、職員の士気にも影響するので、きちんとやっていたということをわかってほしいというお話がございました。私からも世間に申し上げますけれども、事件の内容ではなくて外形的なことだけお教えいただけないでしょうかということで、これらの件についてはどのぐらい前から着目されていたんですかと申し上げましたら、監視委員会の役割は文字どおり監視するのが役割なので、あらゆる大きな案件についてはきちんと情報をとり、証取法に基づいて、違法性はないかどうかというようなことはいつも考えてまいりました。それから、強制捜査に当たっては、正確な人数は申し上げられないけれども、証券監視委員会の職員が多数参加して協力をした、こういうことを言われておられました。また、強制捜査が始まった以降も、資料の分析等専門的な知見が必要な分野については地検に御協力をしている。

 こういうことなので、この事件が落ちつきましたら、証券監視委員会が持つべき権限というのはこれで十分かどうか、組織はこれでいいのか、あるいは人員はこれで足りるのか、そういうことは皆様方と総合的に検討すべき課題であるということは、多分、委員と私の考え方、そんなに大きな差はないのではないかと私は思っております。

大島委員長 監視委員会から今の永田さんの質問に対して御答弁したいようでございます。独立性が非常に強いものですから、よろしいですか。

 それでは、長尾事務局長。

長尾政府参考人 恐縮でございます。

 うちの活動の実情というものをちょっとお話しさせていただきたいと思います。

 今委員御指摘のように、論理的には強制調査も単独でやれないわけではないわけでして、現実に、数は少ないものの実際に強制調査を単独でやったというのはございます。それは、先ほども言いましたように、私ども、発足以来十四年目でございます。試行錯誤の中で、当初そういうやり方もしてみたんですが、そこのところを、これまで発足以来の歴史の中で、どうやれば一番効率的、効果的な犯則調査、特に強制調査を伴う犯則調査をやれるかなと考えたときに、現在のような、ほとんど強制は合同でやる、緊密な連携のもとにという合同が基本ということが定着してきたものということを御理解いただければと思います。

 それから、済みません、もう一つでございますが、今、私、強制を伴うと申し上げましたけれども、発足以来、今回の告発で七十八件目でございます。うち、強制を伴うものはほとんどが合同でやっておりますが、実は、強制調査に至らずに、任意調査だけで私どもが告発し、地検が起訴をするという事例も相当ございます。大体七十八件のうちの四割ぐらいでございます。

 そういうことで、昨年の例では、大きな印象深いところでは、中央官庁の職員がインサイダーを職務上知り得た秘密でとか、そういうこともやっておりまして、ただ、その場合でも、刑事事件でありますから、検察との連携をしつつということは、またそこはそこです。そんな一面があるということを御理解賜ればと、ちょっと補足させていただきました。

永田委員 役所に在職したときに大変お世話になった長尾先輩にそこまで言われると、ああ、監視委員会も頑張っているなという気持ちになってきますけれども、そういう問題ではありませんで、今大臣が、この案件が落ちついたら監視委員会のあり方についても議論を深めていきたいとおっしゃいましたけれども、きょうはちょっとその議論を先取りして、今の段階でお話しできることは限られているかもしれませんが、せっかくいい具体例が、ライブドア問題というのがあるので、これを出発点にして話をしていきたいと思います。

 今回の強制捜査の嫌疑、偽計と風説の流布というふうに言われていますけれども、事務局長、どうして今回の事案が偽計と風説の流布という犯罪を構成したのか、構成要件の部分を強調しながら、何が偽計で何が風説の流布だったのか、簡潔に御説明いただけますでしょうか。

長尾政府参考人 今回告発いたしましたけれども、その嫌疑事実、御承知なので簡潔に言いますと、一つは、マネーライフ社の完全子会社化に関して株式交換を行っているわけですけれども、その株式交換が、真実は、マネーライフ社の企業価値を著しく超過する数量のライブドアマーケティング株式を発行させ、それを高値で売り抜けようとするための取引であるのに、あたかも正当な株式交換比率に基づく正常な取引行為であるかのような虚偽の内容を公表したということが一つございます。

 それからもう一つは、さらにライブドアマーケティングというものが、平成十六年十二月期第三・四半期において、架空売り上げを計上する方法によって、経常損失等が発生しているにもかかわらず経常利益等が生じたかのように装った虚偽の事実を公表したことということでございます。

 これが、証取法百五十八条を適用して、禁止されている偽計及び風説の流布というふうに解して告発したということでございます。

永田委員 いや、本当にあちこちで報道されていることなのになぜ改めて聞き直したかというと、実は、世の中の投資家とかあるいは会社のファイナンス部の人たちが、あの程度のことはどこでもやっているよ、何であれが一々言われているんだ、捜査を受けたんだ、そういう不安を感じている人がいっぱいいるというふうに聞いたんですね。

 報道によって、何が嫌疑の事実なのかということも実はちょっとばらつきがありまして、やはり監視委員会あるいは金融庁が法律を運用する上で、どういう事実があったときに、強制捜査に至るぐらい捜査当局としてあるいは金融庁の当局としては好ましくないと考えるのか、そういう部分を明らかにしておかないと安心して経済取引ができないということになるので、きょうは改めて、何が嫌疑事実だったのかということを特定していただきました。

 お答えとしては、偽計の部分については、どうも、株式交換によって会社を買収するときの交換比率が適正でなかった、本来の数字とは違う、要は本来あるべき比率とは違う比率で交換が実際なされていて、それを適正というふうに言い張ったというか、適正な比率であるというふうに表明したことが偽計取引の要件の核心である。風説の流布の部分は、本来存在しない利益をつけて黒字を赤字だというふうに、これは決算報告なんですか、そういう情報を流したということが風説の流布だということであります。

 ほかの部分で、実はその後、新聞報道で、捜査が進むにつれて、粉飾決算とか脱税とかインサイダー取引というような違法行為の部分についても報道がなされているわけであります。粉飾決算というものが一番わかりやすいと思うんですけれども、これは風説の流布に該当するとは考えなかったんでしょうか。あるいは、捜査がそこまで行き及んでいなかったということなのか。

 風説の流布と粉飾決算の関係について御説明いただけますでしょうか。

長尾政府参考人 私ども、先週告発いたしましたけれども、今さまざまなことが報道等で行われております。先生御指摘の、ライブドア本体の例えば粉飾とか、こういうこともあります。

 実は、監視委員会の方は引き続きさまざまな観点から調査を続けておりますので、恐縮でございますけれども、お尋ねの件については、捜査中ということで控えさせていただきたいと思います。

永田委員 偽計取引の部分なんですけれども、実は、今回の事案が偽計に当たるかどうかというのについては、学者によって、一部、ごく少数ですけれども異論が存在するんですね。つまり、あれは偽計には当たらないんじゃないかという議論があるんです。

 それは、ライブドアという親会社がライブドアマーケティングという会社を買収するに当たって、後にマーケティングになる会社なんですけれども、これを買収するに当たって、実は、別の投資事業組合を通じて既に買収が済んでいたということを隠しながらこれから買収しますよというふうに発表するわけですけれども、そのような、既に事実上買収されていたという事実を隠していたということがほかの投資家にとって非常に重要な事実になるかどうか。つまり、投資判断をするに当たって重要な事実と言えるかどうかという部分が、偽計取引を構成するかどうかの重要なポイントになるであろうというふうに言われています。

 今回の株式交換の比率が正常でなかったという部分が偽計だというふうにおっしゃっておられるわけですけれども、実は世の中の人には、既に買収済みだったものを隠していたことが偽計なんだというふうに言っている人もいて、そこから議論が発展しているんですけれども。

 まず一つ目は、本当に、既に買収済みだったということを隠しながら別の投資事業組合を通じて株式交換で買収して、その瞬間が買収であるというふうに発表することが偽計に当たるのかどうか。そして、既に買収していたという事実を隠しながら今から買収するんですというふうに発表することが投資家にとって重要な判断ポイントになると言えるのかどうか。その辺について御説明いただけますでしょうか。

長尾政府参考人 お答えします。

 まず、偽計というのは、先生もちろん御案内のように、他人に錯誤を生じさせる詐欺的ないし不公正な策略、手段をいう、こう解されているわけです。

 それで、本件について、先ほど私、嫌疑事実、要するに告発に当たっての嫌疑事実ということの概要を述べさせていただきました。それについて、これまでもいろいろな解釈なり議論があるということも承知しております。ただ、先ほどもちょっと言いましたけれども、本件については、なおさまざまな観点から調査中の個別事案でございます。それから、この告発を私どもがした事件自体が今後の起訴、公判ということもありますので、大変恐縮ですけれども、それ以上の個別事案に即した詳細の話ということは控えさせていただきたいと思います。

永田委員 いえいえ、個別の話について、ライブドアとかライブドアマーケティングとか、そういうような会社の実名を出しながらやろうという話ではなくて、より一般化して話をしてもいいと思うんですけれども、投資事業組合を二つ使って、片っ方が買収していたのにそれを隠しながらもう片っ方に株式交換で買収させるというような行為は、これは偽計と言えるのかどうかという法解釈の話をしているのです。

 偽計という言葉は、法律用語辞典によると、他人の正当な判断を誤らせるような謀略的行為。他人の正当な判断ということですから、この場合は、多分、ほかの投資家の判断、投資判断を誤らせるための謀略的な行為というふうに言えると思うんですけれども、既に買収済みであるということを隠しながらほかの会社に買収させて、その瞬間に買収したと発表するということは、これは偽計に当たるのかどうか。

 こんなことはひょっとして世の中で日常茶飯事に行われているんじゃないかということを言う人もいるんですね。というか、実際にこんなことはありふれているよというふうに僕に言ってくれる投資家の人もいるんですよ。こういうのは、法律を運用する行政当局あるいは事務方にはちょっと言いにくいかもしれませんけれども、何らか、こういうことはいいことなんだ、悪いことなんだという法解釈の判断というか指針を与えてあげないと、不安であしたから取引ができないということになりかねないので、そういう意味で一般化して、ライブドアの話とは離れて一般化して、どうなんですかということをお伺いしているんですが、御説明いただけませんでしょうか。

長尾政府参考人 大変恐縮でございますが、私ども、いわば捜査当局、調査当局でございます。その職責は、事実関係をきちっと解明していく、それがまた法令違反でどうなるかというところが一番の職責だと思っています。

 今回も、その意味で、先ほど概要ということで申し上げましたけれども、一番話題になっている、一番と言っては恐縮でしょうか、例えばポイントになっております投資事業組合、これがどうかというようなところも、先ほどの、偽計、風説の流布に該当する中でそういうのをやっていますと、複数の投資事業組合を隠れみのとして使っている、こういった反則行為というものが認められるということで、またそこには我々も、詳細は申し上げられませんが、必要な調査を行う、そういうことをやっています。私どもの職責というのはそういうことであろうと思っております。

永田委員 これは間違えました、質問する人を。大臣にお伺いするべきでしたね。

 立法者たる大臣に、偽計というのはどういうことなんだ、どういうことを禁止すべきかということは、この法案は多分閣法でしょうから、立法者の意思としてお伺いしておかなければならないと思います。

 つまり、投資事業組合を二つ用いて、片っ方が買収していたのにそれを隠してもう片っ方に株式交換で買収させて、その瞬間に買収が成立したんだというような話を発表するというのは、偽計取引と呼ぶべき、あるいは禁止すべきことなんでしょうか、あるいは、それはぎりぎり許された線なのか、ぜひお考えをお願いします。

与謝野国務大臣 永田委員のような御見解も当然あると私は思います。この点がまさに、仮にこの問題で公判請求をするとしましたら、恐らく法廷でこういう点は法律論として争われる。公訴を提起する方は、この種のものは証取法の偽計に当たると主張するでしょうし、弁護する方は、これはそういうことに当たらないという主張をされるわけでして、国会の論議を通じて解決できる問題ではなく、最後は裁判所での判断によるべきところが多いのではないかと思っております。

永田委員 それは余りにも無責任な話でありまして、立法者というのは特定の行為を禁止しようという意図を持って法律をつくるのであって、当然、その法律を提出した責任者は、どういう行為を規制しようとしたんだということを表明しておく必要があると思うんですね。実際にその目的が達成されるかどうか、この法律の文言によって規制が十分にうまくいくかどうかというのは、それは司法の中で判断されることだと思いますけれども、ひょっとしたら抜け穴があるかもしれないし。だけれども、何を規制しようとしたのか、その規制しようとした範囲の中に今回の取引が含まれるのかどうかは当然お話しになるべきだと思いますよ。

 加えてもう一個、似たような話で。

 今回、株式分割が繰り返されたということが問題になっています。株式分割をすると、その瞬間は新株の印刷が間に合わなくて、需要と供給のバランスが崩れて瞬間的に株価が上がる。その瞬間に新しく発行された分割済みの株式を手に入れた人は順次売却していって高値で売り抜けることができる。そういうことを利用してライブドアグループは巨大な資金を手に入れたわけですけれども、これも見方によっては僕は偽計じゃないのかなというふうに思っているんですよ。

 つまり、他人の投資判断を誤らせる効果のある、そこを悪用して利益を得ようとしているわけですね。これも僕は見ようによっては偽計と言えるんじゃないのかなと思うんですが、立法者の意思としてはそこまで規制しようというふうには思っていなかったんでしょうか。御答弁を二点お願いします。

与謝野国務大臣 偽計とは、他人に錯誤を生じさせる詐欺的ないしは不公正な策略、手段をいうと解されているというふうにまず申し上げたいと思います。

 株式分割については、商法改正で株式分割が可能になりました。なりましたが、証券取引所でのいろいろな弊害も指摘をされまして、これについては百分割というようなことはだめであって、最大限五分割という自粛要請を東京証券取引所がいたしまして、それ以降は大きな数の分割は一切起きていない、こういう現状でございます。

永田委員 予想外に前半の質問で時間をとってしまったので、はしょりますけれども、基本的には、この偽計という考え方、僕はもう少しちゃんと詰めて世の中に発信していかないと、まさにぎりぎりのところで取引をしている人たちもいるので、はっきりこれは、財務金融委員会あるいは今後予算委員会の集中審議で立法者の意思を明らかにしていただきたいと思いますので、極力、準備を前広にお願いします。

 監査法人の話に移りたいんですけれども、時間の関係で。

 今回の事件の舞台になったのは、港陽監査法人という、規模からいえば比較的小さ目の監査法人でありました。公認会計士が十人か十一人か、それぐらいしかいないという非常に小さな監査法人で、そのうちの一人は、どうやら東京住宅供給公社とか横浜住宅供給公社の監査人も務めているということで、恐らく、ある程度、政治の世界あるいは行政の世界に人的なつながりを持っている人たちが絡んでつくられた法人ではないのかなと思っていますが、そういう看板もある一方で、法人設立後に手がけた第一号案件がオン・ザ・エッヂのマザーズへの上場であると、みずからのホームページに書いています。

 このことを書くことが一体どれほどの意味があるのかというか、何のメリットがあるのかという話なんですけれども、恐らく、僕が思うに、オン・ザ・エッヂ、ライブドアの監査をしているということが、この法人の業界内での信用を高める上で非常に有効に機能したのではないのかなというふうに推察しています。この法人は、実際、ほかの上場企業の監査もしているわけですけれども、しかし、ライブドアの事件が起こってから、これら上場企業から監査を断られたり、断られた後に、今度、港陽監査法人が監査をしていた会社が違う監査法人にお願いに行ったら断られちゃう、もう監査してくれる法人がなくなっちゃうんじゃないかと、みんな不安に思っている。つまり、信用というものはそれほど大事なんですね。

 ライブドアが絶好調だったころは、港陽監査法人は非常に我が世の春を謳歌して、おお、上場企業でも監査できるぞという話だったのが、ライブドアがずっこけると港陽監査法人もずっこけて、その監査先もずっこけて、ほかの監査法人にお願いしても監査してくれなくなる、そういうような悲惨な状況にあるわけですね。

 この構図を遠くから眺めるとどういう絵になるかというと、本来、監査法人というのは、会社の会計が正しいものであるというお墨つきを与える存在であるはずですね。監査法人が株式会社の会計についてお墨つきを与えるんですよ。ところが、今回のケースは、ライブドアが港陽監査法人の信用にお墨つきを与えているわけですね。そういう逆転現象が起こっているんですよ。

 このことを何とか解消しないと、つまり、別の切り口で言えば、ライブドアがどれぐらい社会的に重要な地位を占めているかということと港陽監査法人の信用とはそれぞれ正の相関があるのであって、言ってみれば、港陽監査法人にとってライブドアは運命をともにする運命共同体、死活的に結びついた存在になってしまっていたわけですよ。

 そういう運命共同体である監査法人に監査をしていただくということは、やはりその監査をゆがめることになるのではないか、癒着が起こるのではないか、要らぬ配慮がなされるのではないか、そういう不安があるんですけれども、この監査体制のあり方について、大臣、いかがお考えでしょうか。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の案件についての具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げました場合に、公認会計士、監査法人は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において公正に職務を遂行することが求められていると承知しております。

 こうした点を踏まえまして、日本公認会計士協会の倫理規則というのがございますが、そこでは、監査人は「独立性の保持に疑いをもたれるような関係や外観を呈しないよう留意しなければならない。」とされております。特定の関与先または関与先グループから継続的に受け取る報酬が会員の収入の大部分、これは五〇%超ということになっておりますが、これを占める場合には、原則として、独立性の保持に疑いが持たれるような関係や外観を呈するとの取り扱いがなされているところでございます。

永田委員 いやいや、公認会計士とか監査法人に対して性善説を求めてもしようがないんです。あるいは、公認会計士協会で倫理規則を求めて、上品に振る舞いなさいと言っても、これはしようがない話なんですよ。現実を見て、現実に対応する何らか制度改正なりを考えないと、僕は、第二、第三の港陽監査法人というのは出てくるんじゃないのかなと思っているんですよ。

 現状認識として、恐らく事務方では答弁しにくいと思うので大臣にお伺いしたいんですけれども、今回、ゆがんだ関係ですよね。何とかこういうことが起こらないように制度的な手当てをしていかなきゃいけないと思うんですけれども、大臣、お考えはいかがでしょうか。

与謝野国務大臣 こういう時代になりますと、監査の重要性というのは、社内監査、社外監査ともにますます重要になってきているということは間違いない事実であると私は思います。

 日本の社会は、とかく、まだ監査と経営者との関係が正しく理解されているかどうかというのは私は疑問だと思っていまして、監査しているうちに親しくなって、突き放した目で物を見るということが少なくなるというのは、人間の情からしてあり得ることであると思っております。

 そこのところをどういうふうにシステムとして乗り越えていくのかということは、例えば、余り長い間一つの監査法人が一つの会社を見ているというのは、これはきちんとリボルビングの規定はございますけれども、やはり監査法人と会社の経営というのは切り離した存在であるという意識の問題をきちんと持っていただかなければならないと思っております。

 ただ、監査を依頼した方と引受人との力関係がどうなっているかということもまた、社会的には実際はそういう関係というのは存在するわけでして、そういうことを含めまして、合理性の高いシステムをこれからも考えていかなければならないと思っております。

永田委員 そうなんですよ。ライブドアと港陽監査法人のような特殊な力関係があるケースというのは現実に散見されるわけであって、これを一人一人の投資家が一々チェックして、いや、これはこっちの力関係の方が大きいからこの監査はひょっとしたらおかしいんじゃないかなんということを一々見ながら株を買うわけにもいかないので、やはりこれは何らか手当てしていかなきゃいけないという問題意識で、今後、財務金融委員会などでぜひ議論をしていきたいと思っています。

 もう一つ、今の構図と似たような構図を私は指摘しなければならないと思っています。

 それは、竹中大臣、お待ちいただきましたけれども、去年の選挙で、繰り返し指摘されているとおり、竹中大臣も堀江元社長の選挙応援を行ったわけですね。あのときに、前々金融担当大臣がファイナンスグループが肥大化していたあのライブドアという会社の社長を応援に行ったということについて、やはり社会は、一定のお墨つきというか、別に監査法人が監査してこの監査は正しいという宣言書を書くほどではないにしても、何らか一定の信頼というものを感じたのではないのかなというふうに私は思うわけですね。

 実は、このことは竹中大臣は初めてではないですよね。木村さんという方が銀行をつくったときに、その銀行の機関誌に一緒に登場して、金融担当大臣でありながらけしからぬというような、そんな話もありましたね。

 そういう、金融を預かる行政のトップにいたことがある、あるいは現職だった方が、金融の世界で非常に重要な存在感を持っている人たちを安易に持ち上げたり、安易に親しくつき合っている姿を見せつけたりするというのはステークホルダーにとって要らぬ誤解を与える原因になるかもしれないという反省は、僕は木村さんのときにあったと思うんですね。なぜ今回その反省が生かされなかったのか、ぜひお話しいただきたいと思います。

竹中国務大臣 永田委員から、先ほどから、信用というものが大変重要である、であるからこそ、一種の影響力のある立場にいる者は自制の精神が必要である。その御指摘はまことにごもっとも、しっかりと受けとめなければいけないと思っております。

 木村氏等々の御指摘もございましたが、これは決して機関誌に登場したわけではございませんで、雑誌で、しかも、私は金融担当大臣のときではございません。現職を離れてということであったわけですが、それも自制の対象として考えるべきであったというような御指摘であるならば、それは真摯に受けとめなければいけないと思っております。

 先般の選挙に関しては、これはもう繰り返し申し上げておりますように、郵政民営化をするかどうか、私自身も大変せっぱ詰まったといいますか、やはりどうしてもそのことを訴えたいという選挙でございました。それで、民営化に賛成の候補、これは公明党の先生方も、堀江氏は無所属でございましたけれども、民営化賛成ということで応援させていただいたわけでございます。

 そうした時点では今回のようなことを見抜けなかった。みずからの不明に関しては真摯に反省しなければいけないと思っております。そういう意味で、今まだ捜査が継続中でございますので、私もしっかりと注視をしているところでございます。

永田委員 広島六区という選挙区に郵政民営化に賛成する候補者は堀江氏一人しかいなかったというお話でありますけれども、実は、自民党の公募に応じた候補者はほかにもいたと思うんですね。なぜ、よりによって堀江氏だったのかなという気もするんです。郵政民営化に賛成する候補者はあそこでは堀江氏だけだったという話を聞いてしまうと、郵政民営化に賛成すれば人格はどうでもよかったということに僕には聞こえてしまうわけですよ。

 もっとましな候補者を立てることができなかったのかという気がするんですけれども、それは自民党の選挙の責任者に聞いてみなきゃわからない話ではありますが、しかし、推薦も公認もしなかったとはいえ、やはりあそこに自民党の候補者を立てたかった。つまり、選挙区の部分ですみ分けしたということを考えれば、これは通常の概念でいえば選挙協力と呼ぶにふさわしい、実際に応援に入っているわけですから、これは選挙協力と呼ぶにふさわしい現象でありまして、選挙協力をする相手として、郵政民営化に賛成すれば人格はどうでもよかったというのは、僕は聞くにたえない驚くべき発想だというふうに思っています。

 加えて、このことは、竹中大臣は金融の専門家というふうに世の中では言われていますから、金融担当大臣を何年も続けてきたので、僕とも質疑しましたけれども。やはり金融の専門家であれば、昨年のニッポン放送の買収の際に彼が用いた手法が、合法ではあるけれども極めて脱法的だという部分について一つ思いを至らせてほしかったなとは思うわけですよ。つまり、法の抜け穴をついて利ざやを稼ぐというか、すき間をついて利ざやを稼ぐというような考え方を持っている人なんですよ。

 僕は、あのとき、つまり、ニッポン放送の買収と今回のライブドアの事件とは全然質が違うとは思っています。というのは、ニッポン放送の件というのはせいぜい、買い付けをするときにTOBなどの手法によらなかったということは、ほかに売りたくても、売りたいといって手を挙げたかったけれども挙げられなかった人たちの権利を害している、つまり、不平等の観点から潜在的に損害が発生しているという意味で確かに大きな問題ではあるんですけれども、今回は、二十二万人という株主、あるいはもっと大きなステークホルダーが実害をこうむっているので、僕はこれは全然質の違う話と言っていいと思っています。

 だけれども、堀江氏の発想の中では、法の盲点をついて株を取得したりすることは、これは明確に違法でない限り、いいこと、許されることなんだというような発想に立った人だということを、やはりあの時点で金融の専門家であれば感じるべきだったと思うんですよ。

 それでもなお選挙協力を行ったということについて、つまり、ニッポン放送のあの事件のときの反省というのは竹中大臣の中ではどのように考えられていたのか、御説明いただけますでしょうか。

竹中国務大臣 今永田委員が、ニッポン放送の株の買い付けに関連して、法の抜け穴を活用する、そういう人だというふうにおっしゃいました。

 これは、実際にニッポン放送の株の買い付けがどのようなものであったのか、私は詳細を知る立場にはございません。その意味では、そういう人だったということをおまえは見抜けなかったのかというふうに言われれば、それはまさに不明を恥じるしかないという、繰り返しの答弁になって恐縮でございますが、そういうことになるのだと思っております。

 いずれにしましても、今回の件、私、やはりみずからの不明に関しては大変真摯に反省しなければいけないと思っておりますし、大変残念で遺憾なことであるというふうに思っております。その状況がどのようになっていくか、その辺も含めて、今後の捜査の状況を注視しているところでございます。

永田委員 それで、金融担当大臣に、そろそろ締めくくりですけれども、総務大臣はもう結構です、どうぞ、これにて。

 金融担当大臣、僕は、やはりこれから金融行政というものは方針を変えていかなきゃいけないと思っているんですよ。多くの学者が指摘しているとおり、今までの金融行政というのは、取引を規制するというか、売る側、買う側それぞれの権利を保護するという視点に立ってさまざまな規制が組み立てられてきましたけれども、これからは、市場そのものを守るために、市場メカニズムを適正たらしめるためにさまざまな取引を規制するという観点を持ってこなきゃいけないと思うんです。

 それには、SECみたいな独立した機関の権限強化というものももちろん必要になると思いますけれども、それもありますけれども、何というんですか、まず、市場メカニズムというものはどういう部分にメリットがあって、どういうことをやると壊れちゃうんだ、そういう認識に立って市場メカニズムを守る。市場メカニズムによってもたらされる社会的な利益を守るために必要な規制をしていき、そして、いわゆる米国の法で言うところの包括規定みたいなものを使って、一個一個の行為が外見的な要件を満たしているから違法とされたり違法とされなかったりする、そういう話じゃなくて、取引の規模とか実態とか、そういうものを含めて全体的に総合的に見て、やはりこんなことは許しちゃいかぬよというような意図を持って能動的に市場を監視しながら規制を発動していくというような方向に転換せざるを得ないという問題を突きつけているんだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

 大臣、今後の金融行政のあり方について、転換する可能性はあるんでしょうか。

与謝野国務大臣 規制をかけたり刑罰を科したりというときにはきちんとした法律上の要件が整っていなければなりませんし、加えて、適正な手続に基づいてそのような規制あるいは刑罰法規の適用というものがなされるというのは、日本の法体系の基礎にある原則であると私は思っております。

 ただし、委員御指摘のように、大変取引も複雑になり、またネット取引という信じられないようなスピードでの取引も出てきておりますから、やはり今のままの法律ですべての取引形態を見張ることができるのか、また、そういうものを通じての不正というものをすべて摘発できるのか。

 これは確かに研究の余地があって、例えば百五十七条の包括規定を発動したらどうかという御意見も実はあります。ありますが、やはり法を適用するときには、刑罰法規ですと、構成要件の該当性とか、基礎的なことはしっかり固めていかなければならないと思っております。

 市場を守れという委員の御主張はまさにそのとおりでございまして、市場を通じて行われる価格形成あるいは投資家の保護、こういうものがきちんとなされるために、日々研究を怠りなくやっていかなければならないと思っております。

永田委員 例えて言えば、警察や消防署と軍隊の違いなんですよ。警察は犯罪を取り締まるわけです。犯罪者というのは、別に警察を困らせてやろうと思って犯罪を犯すわけじゃないわけですよ。火事も、別に消防署を困らせてやろうと思って火が燃えるわけじゃないんですね。だけれども、軍隊は、あいつを殺してやろうと思って悪意ある人たちが、できたら裏をかいてやろうとか、そういう悪意を持って、知恵を働かせて攻撃をしかけてくるのが軍隊なんですね。

 今までは個別の取引について売り方、買い方の権利を保護するためにやってきたというのは、これは犯罪を取り締まるのと同じような話なんですよ。しかし、これからは軍隊的な発想で、悪意を持って法の抜け穴を探してくるような人たちに能動的に対応できるようなまさに中央即応部隊みたいな、そういう発想でやっていかなきゃいけないんじゃないのかなということを一つ指摘しておいて、さらに最後一個だけ、残した質問はいっぱいあるんですが、今回の事件で見逃せない問題があるので、一番重要なのを最後につけ加えておきます。

 マザーズがとまったのに、東証一部と東証二部もとまっちゃったんですよ、あの強制捜査の日に。本来ならば独立したマーケットであるはずなのに、マザーズの影響がほかのマーケットにも影響しているんですね。これはコンピューターシステムが一元化されているからだというふうに聞いていますけれども、僕は早急に直さないといけないと思うし、その費用負担もなかなか悩ましいところではあるんですけれども、あるべき人に負担してもらって早急にこれを直さなきゃいけないと思っているんですが、金融マーケットを預かる大臣として、御意見いかがでしょうか。

与謝野国務大臣 取引が成立するから取引所と呼ぶのであって、取引が停止するような取引所はその名にふさわしいかどうかという根本があるんだろうと私は思っております。

 東証も、十一月一日にシステムダウンして以来、いろいろ御関係者、一体これでいいのかということを感じさせるようなことが相次ぎました。一つは、やはり東証のシステムを、処理能力、処理のスピード、そういうものに関しては飛躍的に充実させなきゃいけないと思っておりますし、東証の持っておりますいろいろな規則が果たして今日的なものであるかどうかというのは、一度検証する必要があると私は思っております。

 例えば間違って発注して、まさに錯誤で注文を出したこと、これは、どうもヨーロッパの一部の取引所では、明らかな錯誤で注文を出した誤発注に関しては取引所の規則によってはさかのぼって取り消すことができるというところもあるようでして、そういう東証の規則を含め、またシステムの問題を含め、きちんと、今日的なスピード、量に対応できるような取引所になっていかなければならないと私は思っております。

永田委員 本当はすぐにBSEの話に移ろうと思ったんですが、今ちょっと誤発注の話に触れられたので、一言だけそれについて申し上げたいと思います。

 昨年、みずほ証券が誤発注したジェイコム株の問題で四百億円とも言われる損失がみずほ証券に発生して、それはほとんどの部分が各証券会社、複数の証券会社が利益を得て、残りの一部が個人投資家によって得られて、証券会社が得た利益は何らかの形で放棄をしようという話になりました。放棄するときに、法人税をかけた上で放棄するのではちょっとかわいそうなので、法人税も何とか免ずることができるような措置ができるやに聞いております。それはそうなるのが望ましいと思っていますが。

 問題なのは、個人であっても法人であっても、こういうような誤発注に乗じて得た利益を正当なものとして認めてよいのかどうかということは、僕は、一度国会から、政治の場から発信しておかなければならないと思っています。私の思いとしては、個人であっても、あのような他人の失敗に乗じて得た利益は放棄させるべきだと思っています。もちろん、取引をしているときにはこれが誤発注によるものかどうかはわからないので、出てきた注文は全部善意の第三者という前提がありますから、利益は正当なものとして確定せざるを得ないという一つの理屈があるのはわかります。しかし、私は、あれは絶対にあるべきものではないということを世の中に政治の場から発信していかなければならないと思っています。

 それはなぜかというと、仮に現行法においてあれが正当な利益だと言わざるを得ないにしても、そうであっても望ましいと言わなければならない。もしも、あれが、本当に正しいことだ、すばらしいことだと言ってしまったら、それを見ていた子供たちはどう思うでしょうか。まじめに勉強してまじめに働くよりも、他人のすきに乗じてずるをした方が賢い生き方だという人生観を身につけることになるんじゃないかと思っています。それは亡国の道ですよ。お金持ちの人の後ろを歩いていって、財布を落としたらそれを拾って逃げるのが賢い生き方だ、そういうことを子供の前で言うべきじゃない、絶対に。

 だから、法改正の困難は多少あるにしても、やはりあるべき国づくりという観点からこれは粘り強く議論を続けて、ああいうことをやっちゃいけないんだよと。そういう倫理観が世間の隅々に定着するような議論を国会から発信していきたいというふうに大臣に申し上げて、BSEの話に移りたいんですけれども、BSEの話も……(発言する者あり)済みません、大臣、お話しいただけますか。では、短目にお願いします。

与謝野国務大臣 やはり、子供に話ができないようなことはしちゃいけないという永田委員のお話は、同感するところが大変大きいわけです。

 しかし、今度、日本証券業協会が各社に呼びかけて自発的に利益を拠出するようにされたということは、事後的でございますけれども、問題の一つの決着のあり方だと思っております。

 ただ、取引上の性格として、一度成立した取引をさかのぼって無効だと言うわけにはいかない。非常にたくさんの取引が行われるわけですから、一応すべての取引が場で成立しましたら、それは有効なものとして考えるというのが今の取引所のあり方。これは今の規則としては正しいんだろうと思っておりますが、それにしても余り褒められた出来事ではなかったというふうに私は思っております。

永田委員 金融関係のお話、これで終わりにしたいと思います。金融担当大臣、もしも外されたかったらどうぞ。

 ところで、BSEの話ですけれども、先ほど同僚の小川議員から話があったので、それに続ける形で農林水産大臣、厚生労働大臣にお伺いしたいんです。

 先ほど、一たん輸入を再開してから禁止するまでの間に入ってきたお肉が、現在、流通経路で滞留している、その多くのものは冷凍で保存されているというふうに承知をしておりますけれども、残念ながら九十トン近い肉がどうやら消費されたらしい、あるいは販売されたらしいという話であります。

 現在、輸入禁止の措置をとって各流通経路で滞留しているお肉について販売自粛をお願いする通知をしているというふうにお伺いしていますが、この通知に法的な拘束力はあるんですか。

川崎国務大臣 先ほどから申し上げております。念のために自主点検をお願い申し上げました。そして、一つ一つの業者、二十六の業者ですから、一つ一つの業者が点検を終えるまでは売らないでください、すなわち、自分たちが点検し、また、販売先まで聞いてくださいとお願いをしました。自分のところは問題ないと考えたところはもう販売に入っているという理解をしていただいて結構でございます。

永田委員 お肉というのは、もちろん生で輸入されたものを保管しておくには冷凍しなきゃいけないし、冷凍のものも保管しておくには冷凍しておかなきゃいけないんですが、滞留しているときに、日々、やはり冷凍コストとかあるいは品質が劣化するという意味で損害が発生しているわけです。問題なのは、この損害をどこに帰着すべきかという問題なんですよ。

 もちろん、私は、日本人の食卓の安全性を守るために輸入禁止の措置をとったのは正しいことだと思っています。しかし、正しい措置をとったんですけれども、そこで損害が発生してしまう。

 実際、取引をしている国内の業者とアメリカの業者でありますけれども、それぞれがちゃんと契約内容を守り、安全基準を満たした肉を取引しているというケースが恐らく圧倒的多数だと僕は思っているんですよ。正しいことをやっているのにもかかわらず、不幸にも損害が発生する事態になった。つまり、輸入が禁止された。

 輸入が禁止されたときに発生する損害というのは非常におもしろくて、おもしろいと言ったら不謹慎ですけれども、要は、禁止措置がとられるまでに入ってきた肉は、検疫も通って流通段階に入っていれば、それは建前としては安全なお肉なわけです。ところが、非常に衝撃的な脊柱の混入という事件があったので、その建前を素直に信じることができないというふうに消費者あるいは流通業者が考えた。消費者としては、本当にこれは安全なのと思うし、流通業者としては、これを売ってしまったら、あいつは危ない肉を売ったというふうに言われて自分の店の看板が傷ついてしまうというようなことになりかねないので、お互いに自分の健康とお店の看板を守るために、建前を素直に信じることができずに安全策をとっているという状況なんですね。

 しかし、先ほど小川議員の質問に対する答弁にあったとおり、そこで発生する損失は原則的には民と民の間で解決してくださいと言われています。つまり、日本の業者とアメリカの業者、取引しているお互いの関係において、損失をカバーできるように損害賠償などの手続をしてください、あるいは、日本の業者が自分でかぶるということも場合によっては起こるかもしれない、こういう話なわけでありますね。それで、最終的に民と民の関係と言い続けているんですよ。

 それは、私は一定の合理性があると思っています、はっきり言って。全量を買い上げろというのは若干無理のある話かなとは思っているんです。しかし、ここで問題を複雑にしているのは、この販売自粛をお願いする通知なんですよ。通知を発出して、通知に従ったことによって発生している損害というのは、これは政府にも一部責任が出てきちゃうんじゃないのかなと思っているんですけれども、そこの認識はいかがでしょうか。厚生労働大臣だと思います。

川崎国務大臣 その辺のところは事業者さんもよくおわかりになっていて、非常に短期間で各事業者が、地方自治体を通じて報告をいただきました。念のために、自分が、流通に行ったところもそういう混入がなかったか、お調べいただきました。そういった意味では、十日間ぐらいをどう見るかという委員の御指摘だろうと思います。

永田委員 とにかく、余りにも衝撃的な事件が起こったわけですから、消費者としては、店頭に米国産の牛肉が並んでいるときに、本当にこれは大丈夫なのというふうに不安に思うわけですよ。ですから、ぜひ、現在の体制は大丈夫だから、今後店頭に並んでいるお肉は絶対安全なものなんだという宣言を政府として出されて消費者に徹底通知するというような発想がないとなかなか不信感はぬぐえないのかなと思っているんですけれども、その辺は何か努力される予定はあるんでしょうか。

川崎国務大臣 私どもの発信といたしましては、検疫体制できちっとやっていますから安全というのは担保されている、こういう議論をいたしております。

 一方で、先週の金曜日に、自主調査の結果をまとめましてマスコミにお知らせいたしました。残念ながら、言われるとおり、このぐらいの記事にしかならないんですね。正直、よっぽど変わったニュースが来るんじゃないかと期待してマスコミは集まったようですけれども、何で部長がそんなものを発表するんだ、こんなもの、課長レベルでいいじゃないかという御意見もあったようでありますけれども、丁寧にやらせていただいております。

 また機会があれば、肉の安全性についてはお訴えをしてまいりたいと思います。

永田委員 農水大臣にもお伺いしたいんですけれども、私も、この米国産牛肉を扱っていてちょっと苦しんでいる業者さんにお伺いしたんです。結果的に、こんなに早期に輸入が再停止されて、そして自分のところが在庫を抱えて、もう非常に不安に思って、消費者からも、本当にあの肉は大丈夫だったのという質問が飛んできて困っている、こんな事態になるんだったら再開なんかしてくれなくてよかったのにという声があるんですよ。もう非常に迷惑だった、あの時点で再開したのは迷惑だと言っているんですね。つまり、これは拙速だったという話なんですよ。

 こんなことだったら再開してくれなかった方がよかったのにと言っている業者に対してどのようなお話をされるのか、弁明をされるのか、ぜひここでお話しください。

中川国務大臣 国民がよく食べる食品の一つであります牛肉ですから、安全ということが大前提で、いろいろな手続を踏んで十二月十二日に再開したわけであります、ルールどおりにやれば安全ですよという前提で。

 片っ方では、いや、拙速ではなかったのか、今、永田委員御指摘のように、こんなことになるんだったらああいうふうにしなければよかったのではないかと。他方では、米国産牛肉を一日も早く食べたいという方、あるいは、もちろん売りたいという方もいらっしゃったわけであります。

 ですから、急いだわけでもございませんし、おくらせたわけでもございませんし、まして政治的、外交的な配慮もなかったわけで、食品安全委員会のリスク評価、パブリックコメント、そして答申という前提を踏まえて決定したのが十二月十二日でございます。

 今、確かにいろいろな御意見がいろいろなお立場からあることは承知しておりますけれども、我々としては、再発防止と原因の徹底究明の米国側の責任を果たしていただくことを、今、報告を待っているということでございます。

永田委員 もう終わりますけれども、最後に一言だけ。

 この間の川内博史議員の質問主意書に関する議論で、私、中川大臣に一言申し上げたいのは、当初は、あの質問主意書の答弁が事前チェックを約束するものだというふうに多分お考えになったと思うんですよ。その後に官房長官が発表した政府統一見解では、あれは事前チェックすることが必要と考えるという、考えるという意思を表明しただけであって、特定の行為を約束したものではないというふうにお話しになりました。中川大臣もそういう見解だというふうに統一されたんだと思うんですけれども、しかし、最初、一目読んだときに、やはり行為を約束したというふうに大臣自身がお感じになったと思うんですね。だからこそ、あの場でああいうふうに、では責任も考えようかなというふうな話になったんだと思うんですよ。

 やはり一目読んだときにそういう印象を受けたのであればそういうふうに解釈するのが当然であって、深読みしなければ正しい真意が酌み取れないような答弁書というのは、それこそ偽計とは言わないけれども、他人の判断を誤らせる効果を持つものだというふうに僕は思うんですね。第一感として御自身がそういうふうに解釈されたんだったら……

大島委員長 永田君、石井さんが待っていますから。

永田委員 そういう前提に立ってお話をするのがやはり公平な議論だというふうに思いますので、そのことだけ指摘させていただきまして、終わりにしたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて永田君の質疑は終了いたしました。

 次に、石井郁子君。

石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。

 少子化問題、特に子育ての経済的負担の軽減について、きょうは質問をいたします。

 昨年末、国立社会保障・人口問題研究所は、予想よりも早く、二〇〇六年から総人口が減少すると発表しました。一・五七ショック、出生率のこのショックが出たのは一九九〇年でした。以来、政府はさまざまな少子化対策を講じてきましたが、二〇〇四年の出生率は一・二九と、下がり続けています。少子化の進行に歯どめがかかっていません。少子化問題は日本社会の基盤を揺るがす問題だと私どもは考えています。本腰を入れた取り組みが求められています。

 少子化対策としては、長時間労働、不安定雇用などの働き方の見直しは言うまでもありません。同時に、経済的負担の軽減、男女平等政策など、総合的に進められなければならないと思うんですね。その中で、きょうは経済的負担の問題を取り上げたいと思うわけでございます。

 経済的支援の必要性というのは、初めて少子化問題を取り上げた一九九二年の国民生活白書以来出されていたわけです。どう書いていたか。少子社会の到来とその影響と対応というところでは、少子化の原因に半数以上の人が子育ての費用負担を挙げていたわけです。そして、二〇〇三年の国民生活白書でも、子育てコストの増大で出産意欲の低下の方は六〇・二%ございました。

 そこで、少子化担当大臣に伺いますが、こういう経済的支援の必要性についてどのような認識をお持ちでしょうか。また、政府としてはどのような対応をされてきたでしょうか。

猪口国務大臣 石井先生にお答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、過去十年余りにわたりまして、政府としては非常に積極的に取り組みをしておりますが、少子化の流れを変えることはなかなか難しいという現実がございます。一九九五年度からは御存じのとおりエンゼルプラン、それから二〇〇〇年度からは新エンゼルプランを実施しておりまして、その特徴は、やはり保育関係事業を中心に具体的な数値目標を掲げて計画的に整備してきたということでございまして、そのような目標値は多くの事業で達成されたと考えているんです。しかも、二〇〇一年度からは、待機児童ゼロ作戦で十五万人の保育所の受け入れ児童をふやしたところでございます。

 一方で、このような保育関連事業を一層拡充する必要があると考えておりますが、同時に、幅広い観点から少子化対策を考えなければならないという認識を持っております。

 先生既に御指摘くださいました、一つは仕事と家庭の両立支援、男女共同参画政策などを通じた両立支援、そしてもう一つは男性も含めた働き方の見直し、それからさらに、子育てを地域全体で支えていくような、そういう仕組み、それからもう一つは、やはり若い世代に経済的な不安定感があって、非婚、晩婚化とつながっているという認識がありますので、若い世代における経済的な自立の促進、こういうことを考えておりますところです。

 そして、意識調査などを見ますと、先生御指摘のとおり、経済的負担、そして経済支援を必要としていると答える方が多くの調査で一番多いと認識しております。ですから、その重要性についての認識は、十分に考えております。

 先生既に御存じのとおり、十八年度政府予算では、厳しい財政状況の中ではありますけれども、児童手当の対象拡大と、それから出産育児一時金の引き上げ等を行うこととしておりまして、子育てにかかる経済的負担の軽減にこれらが寄与すると考えております。

石井(郁)委員 御答弁にございましたけれども、エンゼルプラン、新エンゼルプラン等々は進めてきたとおりだと思うんですけれども、一昨年、少子化社会の対策大綱もつくられました。しかし、流れを変えるものとはなっていない、それが今の時点だと思うんですね。

 これは、昨年の少子化白書にはどうあるか。国民は子供を生み育てやすい環境整備が進んだという実感を持つことができないでいると。だから、国民の中では、子育て環境がよくなったという実感が持てない、これは政府自身が白書でお示しになっているとおりなんですね。

 そこで、私は、具体的に申し上げたいのは、やはり子育てコストということが大変問題視されているわけです。

 きょうは資料をちょっと皆さんにお示しをしていますけれども、これはある保険会社の調査です。子供が二十二歳になるまでの総費用というのを試算しています。これは、いろいろな民間の調査がございますけれども、一つの例でありますが、食費やお小遣い、衣料などの基本的養育費が二十二年間で約千六百四十万円だと。公立、私立別に今度は教育費がかかるわけですね。この教育費、すべて公立、国立大でいった場合で、今は国立大も私学並みのところも出てきていますけれども、二千九百八十五万円だと。私立高校、私立大に進んだ場合、三千五百二十三万円というデータが出ています。

 私は、これでは、この実態では、本当に出産、育児をちゅうちょする、こういうことがやはり出てこざるを得ないんじゃないかというふうに思うわけですが、この点で大臣の率直な御感想をお聞かせください。

猪口国務大臣 平成十七年版の少子化白書におきましても子育て費用について記述してございまして、一人当たりの年間コストは百七十三万円かかると推計しております。年齢が上がるにつれ、先生御指摘のとおり学校教育費などが大きくなりますことから、非常に大きな負担となっているという事実はございます。しかし、負担で見ますと、社会保障制度あるいは義務教育費から半分ぐらいは公的負担で今も支えられているということがございます。

 子育てにおきますその負担につきましては、それはやはり家族や家計、この負担が大きいことはやむを得ないかもしれませんけれども、他方で、子供は社会の宝でありますから、社会全体でその負担を共有していくという考え方も非常に重要であると考えております。

石井(郁)委員 大臣の率直な御感想、本音のところをお聞かせいただけなかったんですけれども、この調査ですと、二〇〇一年の前回と比べても百二十六万円増ということになっているんですね。だから、経済的負担ということは十年前から指摘されていながら、結局ふえる一方になっているという問題なんです。

 子育て世帯の所得格差ということも広がっているということが、最近の、今国会でも大変重大視されているところです。これは政府自身も、二〇〇五年内閣府の調査でこのような結果が出ています。少子化対策として重要なものは何かとお尋ねしましたら、これは意識調査ですね、やはり経済的支援措置の回答が六九・九%です。七割なんですよ。これは、だから年々上がってきているわけですね。だから、政府の施策は、この分野では効果を出していないと言わなければいけない。保育所とか育休などの整備を求めるのが約四割ですから、この子育て支援、経済的支援というのが七割というのは、やはりずば抜けた数字になっているんですね。

 新聞などの投書でもいろいろございますけれども、ある方はこう言っていました。「子供はかけがえのない存在ですが、様々な負担が伴います。今後、増税が予想される時代に、とても不安です。「子供が二人でよかった」などと思ってしまうのも現実です。今の世の中、若い人たちに子供を一人でも多く産むことを望むのはとても難しいと思う」という声なんですね。

 さて、それで私は、では、大臣はそれなりの政府の財政支出もしているという御答弁もちょっとありましたけれども、家族政策に関する財政支出の、各国がどういう支出をしているか、各国比較を見たいと思うんですね。これは、OECDの対GDP比の比較がございます。私、これも少子化白書に載っていますけれども、ちょっとグラフを持ってまいりました。高いところでは三・八%あります。日本は〇・六%ですから、これは下から五番目、こういう実態なんですよ。これは、二%以上の国と比較しますと、五分の一という程度ですね。この家族政策という中に入っているのは、児童手当であり、育休の手当であり、それから保育サービス等々ですね。

 だから、私は、日本はいかに、やはり子育てコスト、政府の公的な財政支出が少ないかということがここに示されていると思うんですが、大臣はこの点はどのように見ていらっしゃるんでしょうか。

猪口国務大臣 先生御指摘のとおり、少子化社会白書百二十二ページにその表はございます。OECD諸国の中で対GDP比に占めます家族政策の財政支出、確かに日本は〇・六%でございまして、スウェーデンやフランスと比べますと、そのような国は日本の五倍であります。ですから、我が国の割合が小さいということは、御指摘のとおりであると感じます。

 財政支出の増大は、それは財源をあわせて検討しなければならないという課題があり、社会保障制度全般のあり方あるいは税制のあり方との関係も含めまして、総合的にかつ効率的に検討しなければならないと考えております。

 少子化の流れを変えるためにさまざまな観点から私は議論する必要があると考えておりまして、その中の一つは、少子化の流れを変えることに成功した国々の政策を研究していくということでございます。しかし、その場合も、各国の歴史や制度、あと国民性、それから国民負担についての人々の考え方、こういうことの違いについてはやはり留意しなければならないであろう。そういうことも考えながら研究を進め、また、私としては、地方の声や現場の声などにも耳を傾けながら総合的に考えてまいりたいと思っております。

 そして、先生御存じのとおり、少子化社会対策のための推進会議がございます。この会議体におきまして、六月をめどに報告書を取りまとめますので、その取りまとめを目指して、政府の中で深い議論を展開していきたいと考えております。

石井(郁)委員 私は、子育て費用の負担軽減ということに今政府は真剣に取り組まなきゃいけないときだというふうに思うんですね。それで、猪口大臣にちょっと具体的にお聞きします。

 猪口少子化担当大臣は、出産費用を無料にしたいという御発言をされたと思うんですけれども、私は、さすがにやはり女性大臣だというふうに思いましたし、多くは歓迎したんじゃないかと思いますけれども、この出産費用についてのお考えをお聞きしたい。どうされるおつもりでしょうか。

猪口国務大臣 先生御存じのとおり、今般国会に提出されています医療制度改革関連法案の中で、出産と育児の一時金の三十万円から三十五万円への引き上げが提案されているところでございますので、私としては、これがまず少子化対策にとって非常に大きな進展となると考えております。

 そして、私としまして、昨年この大臣職に就任しましたときに考えたことがございます。それは、子育ての支援ニーズを最も深く把握しているのは地方自治体の責任者の方々や現場を担う方々ではないかということです。そして、私は、そのような方々の声に直接触れて政策について考えを深めていこうと思いまして、例えば、昨年の十二月から、少子化担当大臣と地方ブロックの各知事さんとの対話プロセス、これをやってございます。あるいは、そのような形で地方を往訪しましたときに、子育て関連の施設についても訪問しております。そこで現場の声に多々接しているところでございます。

 出産無料化及び類似の考え方につきましては、そのようなところにおいて非常に頻繁に寄せられる意見の一つでございます。ですから、地方の声、現場の声として私は重要と考え、それを紹介したものでございます。

石井(郁)委員 いろいろるる取り組んでおられることはわかりましたが、私は、では大臣は三十万を三十五万でよしとされるんですか、もう出産費用の無料化ということは今後されるおつもりはないんですか、そこをはっきりと言明していただきたいと思うんですね。

 本当に、この分野というのも、要求、ニーズというのは切実でございまして、妊娠、出産のコストは、健診料などを加えますと平均五十万四千円です。民間会社の調査でも六十六万七千円です。だから、やはり入り口のところで、とにかくこんなにお金がかかっちゃたまらないというのがあるわけでしょう。それはもう大臣も重々御存じだと思うんですね。子供を産むこと自体に大変なお金がかかる。

 これは後で申し上げますけれども、フランス、イギリス、イタリア、欧米諸国では、基本的にはこれは無料ですよ、そういうやはり子育て支援をしているわけですね。こういう方向に本当に踏み出すべきだと思いますが、私は大臣の御決意を伺いたいと思うんです。

猪口国務大臣 六月に取りまとめます推進会議において、さまざまなさらなる施策について取りまとめていく可能性も考え、議論を深めなければならないと感じております。多々寄せられる意見として非常に重視しているということはお伝えできると思います。その他、寄せられる意見もたくさんございます。

 いろいろな分析によりますと、この分野には、この一つの政策で流れを変えることができるというような、そのような万能薬なものはないと。いろいろな政策を組み合わせなければなりませんので、しっかりと分析し、議論を深め、六月を目指して、担当大臣として全力の努力を傾けたいと考えております。

石井(郁)委員 随分何か苦しい御答弁のようにお聞きしましたけれども、財務大臣を前にしたらそういう御答弁になるのかなとは思いますけれども、私はやはり、担当大臣ですから、少子化担当大臣として本当に決意をお述べになっていただいていいと思うんですね。

 きょう、厚労大臣もおいでいただきましたのは、もう一つの具体例として、乳幼児の医療の助成という問題がございます。これも、子供は本当に病気をするものだし、けがをするものです。大変この分野での要求というのは強いものがあって、現在、ほとんどの市区町村でやはりいろいろな制度が実施されている。年齢制限、所得制限等々いろいろありますけれども、やはり強い要求だということがあらわれているというふうに思うんです。

 この点でも、参議院では、平成十三年に少子化対策推進に関する決議がなされています。そこで、乳幼児医療の国庫助成、出産、育児にかかる経済的負担の軽減など、重点的に取り組むべきだということもされているんですね。私は、厚労大臣として、こういう問題を検討されているのか否かということをお聞きしたいと思います。

川崎国務大臣 政策として無料というのは、響きのいい言葉であります。しかし、例えば先ほどございました話も、ことしは三十五万円に上げさせてもらいます。私どもの厚生労働省としての認識として、出産の費用三十四万ぐらい、健診等の費用が十一万、四十五万、その中で三十五万、これが多いか少ないか。もう少し上げたらどうだという議論と、今申し上げたように、無料という表現の方がいいじゃないかと、これはいろいろ議論のあるところだと。かつて老人医療無料という時代もあった、しかし、やはり一割の御負担をいただくという形の中で今日まで整理してきております。

 そういった意味で、この乳幼児の問題につきましても、例えば未熟児とか慢性疾患児、手厚い保護が必要な乳幼児については、これはもちろん国としてすべてをさせていただくというスタンスにある。一方で、全体としましてはできるだけ負担を少なくするという方向にしたいということから、十四年十月から、三歳未満の乳幼児医療費の一部負担、三割から二割に下げました。そして、今回の医療制度改革大綱におきましても、平成二十年度より、乳幼児に対する自己負担軽減、これを三歳から義務教育就学前まで上げさせてもらおうということで整理をしていきたいというように考えております。

 もちろん、一割負担の方がいい、ゼロの方がいい、こういう御議論があることはよくわかっておりますけれども、財政の問題、また、無料という響きが本当にいいものかどうか、しっかり議論をしてまいりたいと思います。

石井(郁)委員 私は、助成として国が公的な支援をするべきだという意味で申し上げていまして、地方には本当に財政事情でばらつきありますから、子供たち一人が育っていくのに、こっちの地方ではよくて、こっちでは困ってということでは困るわけでしょう。そういう意味で、私は、国としての助成が必要だと。そして、参議院の決議にもあるんですから、これはやはり院の意思としても受けとめていただきたいということを申し上げているわけです。

 さて、きょうのもう一点のお話は、私は出生率の問題できょうお尋ねをしておりまして、本当に日本は歯どめがかかっていないんですよ。これでいいのかという問題ですね。出生率の回復に成功している国もあるわけですね。とりわけ九〇年代にいろいろな施策をとって回復している国があるわけです。例えばフランスでは、直近では、二〇〇五年で一・九四にまで行っている、年々上がっているんですよ、ということがございます。このフランスは家族の社会援助に関する法典というのがありまして、家族に対する公的支援というのがあるんですね。

 さて、それで、きょう、私はもう一枚の資料を持ってまいりましたけれども、これは生の資料ですからユーロで数字がございますけれども、二〇〇二年における主な家族給付の給付状況ということで、こういうふうに挙がっているんですよ。これは本当に驚くような中身だと思います。十二項目があります。もちろん、一人につきとか一家庭がこのすべてじゃなくて、こういう中から選択ができるんですね。選択肢として準備されている。だから、本当に子育てに対する手厚さというのをうかがうことができるわけです。

 そこで、端的に伺います。日本の場合、家族に対する公的支援というのは何がありますか。

猪口国務大臣 御指摘のとおり、フランスにおきましては……(石井(郁)委員「日本の場合で結構です。何がありますか」と呼ぶ)まず、児童手当がございます。直接的に子供にかかわるものとして、児童手当が主要なものと考えております。その他、病児に対するさまざまな手当等、特別の場合はございます。

石井(郁)委員 日本の場合は児童手当だけであります。それもやっと今国会、六年生までということになりますけれども、フランスでは二十歳までですよ。二十歳まで、二人子供がいる場合の手当。しかも、さまざまなメニューがあるということを、私は本当にもっと真剣に学ぶべきだというふうに思います。

 もう時間になりましたけれども、本当に、子育て支援という問題でいうと、政府と企業とがともに進めなければなりません。とりわけ、働き方の見直しというのは、私は本当に重要だというふうに思います。そのフランスですけれども、週三十五時間なんですよね。ところが、これは少子化白書、日本の場合は、三十歳代の四人に一人が週六十時間働いています。だから、子供と向き合う時間がない。この問題も実は子育て支援の中での大きな問題だというふうに思いますけれども、私はやはり、まず政府がこういう子育て支援のメッセージを発することだ、それはきちんと裏づけを持って発しなければいけないという意味で、きょうは特に経済的支援を取り上げたわけですね。

 本当に今、喫緊の課題だというふうに思います。諸外国では、目先の少子化対策という考え方ではないわけです。子供政策として長期的視点で家族政策を充実させています。ですから、人口減、このまま進めば、二一〇〇年には六千万人台になるわけですから、本当に今、政策の見直し、転換、そしてまた、子育ての予算の抜本的拡充が必要だと思います。

 きょうは、財務大臣にお聞きすることができなくて残念ですけれども、ぜひこの分野でお考えをいただくことを強く求めまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。

 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 福岡で非姉歯物件が出てまいりました。この問題、どこまで広がりを持つのかということを考えるために、きょうは、東京郊外で旧住都公団、現在都市再生機構ですが、八九年から九二年まで、バブルのころですね、分譲されたマンションの中で、これは考えられないぐらいの欠陥が見つかった。

 入居当初から雨漏りはするは何だ、かなりぐあいが悪くて、十年後に検査をしたところ、コンクリートの壁は気泡だらけ、そこから缶が出てきたり、鉄筋が曲がっていたり破断していたり。四十六棟九百十九戸ですかのうち、十六棟は建てかえが決まった。もう今、工事をしていたりとか、工事中と聞いています。これは前代未聞、欠陥住宅史上最大最悪のケースと言っていいでしょう。このことを〇二年に国土交通委員会で指摘させていただきました。

 きょうは、小野邦久理事長に来ていただいています。答弁は明確かつ簡潔にお願いしたいんですが、理事長は、昭和三十九年の建設省入省だそうですが、最終の官職は何を務められていたんでしょうか。

小野参考人 お答えを申し上げます。

 三十九年に私、建設省に入ったわけでございますが、最終官職は国土交通省の事務次官でございました。四省庁が合併したときに、初代ということで就任をいたしました。

保坂(展)委員 初代事務次官。この都市再生機構には、理事長も含めて理事の方、七名が国交省出身の方がいると聞いています。

 そこで理事長に伺いたいんですが、この東京郊外のニュータウンで発生している大規模建てかえ工事、補修工事に公団、機構はこれまでに幾ら支出をされましたか。

小野参考人 お答えを申し上げます。

 まず、今回の瑕疵問題でございますけれども、私どもの分譲住宅を購入していただいた方々に大変御迷惑と御不便をおかけしているということで、大変申しわけなく、心からおわびを申し上げたいというふうに思います。

 先生お尋ねの、これまでどのくらい瑕疵の補修工事等に費用を支出してきたかということでございますけれども、平成十七年度末でおよそ三百億円程度というふうに見込んでおります。

保坂(展)委員 私がちょうど三年半前に聞いたときには四十三億円、これはかなり大きな金額ですねと。

 これが約三百億となったわけですが、これで終了じゃありませんよね。あと幾らかかるでしょうか。現在進行形なので答えられないとおっしゃると思うんですが、これは大づかみで五百億なのか、六百億まで膨れ上がる可能性はあるのか、お答えください。

小野参考人 お答えを申し上げます。

 先生が委員会等で御質問されましたときはお話のとおりでございますけれども、十七年度で、現在四十六棟のうち四十一棟が一部既に改築を終了いたしました。あるいは補修を終わっております。残りの、四十一棟のうち、既に終わったもの五棟を除きまして、現在、改築工事中あるいは補修工事中ということでございまして、お話しのとおり現在進行形ではございますが、恐らくは今、十七年度、十八年度が補修あるいは改築の最盛期、中にはことしの秋以降完成するものもあるということでございますけれども、とても三百億円では終わらないというふうに思っております。

 どのくらいの額かということでございますけれども、今なお居住者の方々とお話をしている部分もございますし、どういう形で補修するのかを協議中のものもございまして、どのくらいになるのかはっきり予想を立ててみろというのは、なかなか難しいのでございますけれども、恐らくは五百億以上になるというふうに認識をいたしております。

保坂(展)委員 率直にお答えいただきました。五百億ですからね、大変な金額なわけです。それも、それでおさまるかどうかわからない。

 さて、理事長、これはだれが支払うのでしょうか。この五百億円、だれが支払うんですか。

小野参考人 現在は、補修工事あるいは改築工事、あるいはもろもろの調査費用等につきまして、私どもが一応仮払いという形で、項目上は一時的な流動資産でございますけれども、私どもでやらざるを得ないということでございます。

 ただ、瑕疵問題でございますので、これは施工された業者の方々には補修等、あるいは改築等に要した費用のすべてを求償するつもりでございます。

保坂(展)委員 理事長、幾ら回収しましたか、施工業者から。

小野参考人 どのくらい回収したかというお尋ねでございますけれども、現在、回収の方法、回収の問題点、それから、具体的に瑕疵というふうに認定をするということも必要でございまして、そういうことが終わったものは大変少ないわけでございます。したがいまして、そういうものについてしか回収ができないということでございます。

 また、現在、業者側とは、求償の点につきまして中央建設工事紛争審査会に仲裁申請をいたしておりまして、そういう交渉事の内容ということもございまして、はっきり申し上げることはなかなか難しいのでございますけれども、現在、今までに使いました費用の一割も十分回収が現状ではできていないということでございます。

保坂(展)委員 三年半前の国土交通委員会で、当時の扇大臣は、週刊誌に出なかったら報告にも来ないのかといって、当時の総裁に対して、公団の責任、そして徹底的にこの調査、責任を追及するというふうに委員会で述べています。

 その後、二〇〇三年の六月に、当時の総裁が文書厳重注意、公団も担当理事と東京支社長が文書厳重注意。これ以降に処分はございましたか。

小野参考人 具体的な幹部職員の処分でございますけれども、今先生おっしゃいましたとおり、当時の総裁、また担当の理事、支社長等についてはお話のとおりの処分をいたしました。それ以外は、当時の施工の責任者であった者はすべて退職をいたしておりまして、その趣旨を踏まえて注意喚起をしたということはいたしましたけれども、それ以外について処分をしたということはございません。

保坂(展)委員 文書厳重注意というのは、本人も呼ばずに文書だけが来るということで、それが重い処分かどうかというのは、明らかに軽い処分だろうと私は思います。

 北側大臣に伺いたいんですが、これだけ大規模な瑕疵が発生した。この公団の、つまり現機構の抱えている問題について、現状どうなっているか。国会に対しても調査報告をしてほしいと三年半前に求めているんですが、いかがでしょうか。しっかりやっていただきたいと思うんですが。

北側国務大臣 私も、大臣に就任直後にこのお話は報告を受けております。その後も受けているわけでございますが、極めて遺憾な案件でございまして、当時の公団という公のところが分譲した住宅においてこのような欠陥があったということは、極めて遺憾と言わざるを得ないと思います。

 いずれにしても、施工者側、施工者等々に対してしっかりと求償しなければならないと思いますし、また、国会への御報告はきちんとさせていただきたいというふうに思っております。

保坂(展)委員 ぜひ取り急ぎ報告をいただきたいと思います。

 この質問に当たって再び復習をしてみたんですが、こちらの日経アーキテクチュアという雑誌なんですが、「再計算書の誤りが招いた不信感」、こういう記事がございました。

 そこで、理事長に伺います。

 管理組合は〇二年春に、設計図書、これだけの欠陥があるわけですから、これを求めたところ、中層二棟については、捜しても、ない、紛失をしているという答えだった。そこで、もっと捜してくれと住民の要求があって、これはないということで、仕方がないので公団側が再計算書を提示した。そうすると、管理組合の方が、あれ、これはちょっと計算違うよということで、なるほど違いますねということで、今度、再々計算書を提出したんですね。そうしましたら、どうもここにも不信があるということで、同じ公団が使ったソフトを使ってデータ入力をしてみた。すると、また耐力不足などの、ここおかしい、ここおかしいと、具体的には細かいから言いませんけれども、そこが発見された。

 さらに公団に対して、では、この構造計算書をつくったデータの一覧表を出してくれというふうに求めたそうです。データの一覧表が出ました。それで分析をしてみると、技術的な根拠がないのに数値が低減されている、これは改ざんではないかというふうに住民側は疑っている。

 ところが、公団側の言い分は、これは単なる入力ミスで、お渡しする前にデータが壊れちゃったのでふぐあいが生じましたということらしいんですが、私は、これだけの規模の欠陥住宅群、公団というのは建築確認を申請しなくていいんですね、専門家集団ですから。それだけの信頼がされていた集団の中で、集合的な欠陥が生まれてしまった。それに対してこの事実関係。今大臣も、国会に報告させるとおっしゃっていただきましたけれども、これらの資料をぜひ積極的に、現在まとめられていないこれまでの段階の資料でも結構ですから、この委員会に提出していただきたい。それを理事長に求めたいんです。

小野参考人 お答えをいたします。

 最初に、構造計算書に計算ミスがあったんじゃないかという点でございますけれども、確かに、施工瑕疵のあったマンションの一部につきまして構造計算書を偽造したということは大変申しわけなく思っております。

 これは、本来は、ある意味では大変な長期間にわたって保存すべきものでございまして、私もちょっといろいろ原因をあれしてみたのでございますけれども、公団が転居したとか、あるいは永久保存的なものを貯蔵しておく高島平の倉庫が水浸しになってしまったこととか、幾つか原因があるようでございますけれども、一番の計算ミスの根拠は、やはり施工図から施工計算書を逆算するという作業をしているわけでございます。

 本来は、構造計算書があってそれから施工図ができ上がるわけでございますけれども、これが逆でございまして、施工図から構造計算書をつくり直す、その作業が膨大な作業でございまして、その過程で計算ミスがあったというふうに聞いております。決して、例えば……(保坂(展)委員「資料を出していただくかどうか」と呼ぶ)はい。それについて、例えば改ざんといったようなことをしたとかいうことは毛頭ないわけでございます。

 今までそういう点につきましていろいろ調査をしてまいりました結果、まだ具体的な瑕疵の実態というものを詰めておりませんので十分でないかもしれませんが、現時点でできる範囲のものは御報告を申し上げたいというふうに思います。

保坂(展)委員 三年半前にこの指摘を受けて、公団の中でワーキングチームを結成して、ワーキングチームで調査レポートをつくっているはずなんですね、これまでに。それも手元に来ないんですね、まだやっていますからということで。

 そして先ほどの、五百億に近く、なんなんとするうち、三百億をもう支出した。では、各年度ごとに、どういう費目で、例えば改修だったり建てかえだったり移転費用だったり、そこも全部細かく出して報告してほしいんです。

 さらに、先ほど、これまで業者から回収した額はわずかだとおっしゃいましたね。では、幾ら請求したのか、幾ら回収できたのか。それによって、ほぼ、このいわば欠陥住宅群の後処理どうなるのかという問題、我々議論できるわけじゃないですか。それを出していただきたい。

 以上について、速やかに提出願えますか。

小野参考人 お答えの前に、先ほど、構造計算書を喪失と申し上げるべきところを偽造と申し上げたようでございます。間違いでございますので、訂正をさせていただきます。

 それで、私ども、具体的な請負業者に請求している額でございますけれども、これは補修あるいは改築に要した全額の概算額という形で要求をいたしておりまして、今、中央建設工事紛争審査会で仲裁をしているところであります。(保坂(展)委員「ですから、出してくれるかどうかでいいんです」と呼ぶ)

 どういう点について費用を出してきているのかということです。先生御案内のとおり、仮入居の費用とかあるいはいろいろな費用がございますので、現時点でわかる範囲で、お出しできるものはお出ししてまいりたいというふうに思います。

保坂(展)委員 確かに、私もさっき偽造と聞こえて、まさか偽造という答弁をいきなりされるというのも随分大胆だなと思って、恐らくなくしたということを言われているんだろうなと思っていたんですが。

 北側大臣に伺いたいんですけれども、ぜひ国交省として、これだけ長期間やっているわけですから、取りまとめを早急に指示して正式な報告を出させるということと同時に、このことをしっかり精査していきたいという意味で、細かい資料も提出するようにと今求めましたけれども、この辺、実態解明について前向きにやっていただきたい。我々もやりたいと思いますが、いかがですか。

北側国務大臣 現在進行形の事案でございます。最終報告とはまいりませんが、ただ、極めて重大な案件であるだけに、きちんと御報告、また取りまとめもさせていただきたいと思います。

保坂(展)委員 財務大臣、今のやりとりを聞いていて、何か感じるところあったら、どうぞ率直に。

谷垣国務大臣 公的な住宅供給に対してこういう問題が起こって、信頼を大きく損なったということは、私、大変残念だと思います。

 今、いろいろな形で努力をされているんだと思いますけれども、やはり居住者等々に不便をかけないように、きちっとそれは対応してもらわなきゃなりませんし、もちろん回収すべきものは回収してもらう必要があると思いますが、経営努力によって乗り切ってもらいたいと思っております。

保坂(展)委員 私が今回この問題を取り上げたのは、理事長に最後に答弁いただきたいんです、もうデータとかはありません。

 今、これだけ住宅、特に構造計算書の偽造事件、これは姉歯元建築士以外にも出たという中で、二〇〇〇年ですよ、この問題が表面化したのは。ニュータウンにおける四十六棟という、たくさんの広がりのある地域で、幾つもの工区があって、JVも何組もあった。一つから出るのならわかるんですね。ところが、全部出ちゃったわけです。

 では、工事監理はだれがどういうふうにやっていたのか、これは公団の責任です。同時に、どうしてこんなに瑕疵が出ちゃうのかということをもっとそのときに、二〇〇〇年の段階でしっかりやっておけば、今日、このような不安がこれだけ広がる事態を幾らかは防止できたんじゃないか、もとは国土交通省初代事務次官というお立場もあったわけですから。

 そのことについて、見方、考え方をお聞きして終わります。

小野参考人 お話しのとおり、私ども公的な分譲住宅の供給主体がこういう大変大きな瑕疵問題を起こしましたこと、大変申しわけなく思っているわけでございます。

 いろいろな原因があるわけでございますけれども、やはり当時のいろいろな社会情勢、あるいは設計が非常に難しい設計であったとか、工事が非常に難しい、あるいは屋根自身もしゃれた感じのちょっと住宅をつくったりしたものでございますから、そういう点で非常に手戻りが多かったとか、いろいろな原因がございまして、現在それを究明しているわけでございますが、いずれにいたしましても、こういう形、大変大規模な、九百戸に及ぶ団地全体についてこういう問題が起こった、こういうことが二度と起こらないように、今私ども全力を挙げて補修工事中あるいは改築工事中でございます。

 あるいは、具体的にお話し合いにまだ乗っていただけない居住者の方も一部ございますので、そういう方々につきましては精力的にお話し合いをして、補修の方法等を含めてできるだけ短時間で御迷惑のかからないように、そういう形にしたいと思っております。

 そういう方向でやってまいりたいと思っておりますので、御理解をいただければなと思います。

保坂(展)委員 北側大臣そして理事長に申し上げますが、これは文書厳重注意、それが出ましたということで終わっていい問題じゃありません。実態を早期に解明して、責任の所在も明確にしていただきたい。今後も追及していきたいと思います。

 終わります。

大島委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党・日本・無所属の会の糸川正晃でございます。

 本日は、構造計算書偽装問題関連について大臣にお答えいただきたいと思います。

 まず、我が国は地震大国でございまして、今回の偽装問題にかかわるマンションだけでなくて、昭和五十六年以前の旧耐震基準により建設された住宅やマンション等に住んでいらっしゃる住民の耐震性に関する不安というのが非常に広がっているというふうに思っているんです。そこで、こうした不安を解消するために、耐震診断を積極的に推進したり支援したりということが必要になってくると思うんですが、大臣の見解をお伺いします。

北側国務大臣 今回の耐震強度偽装事件を受けまして、多くの国民の皆様に、自分の住んでいるマンションは大丈夫なのか、住宅は大丈夫なのか、こうした不安が広がっているのはもう全くそのとおりでございまして、この不安を解消するためにしっかり耐震診断等を積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。

 もともと、この事件が公表される以前から、昨年の中央防災会議等々で、我が国は地震大国でございますので、地震での被害を軽減していくためには建物の耐震化を進めていくことが最重要課題であるというふうなお話もちょうだいしておりました。

 そうした取りまとめ等も受けまして、昨年の衆院選後の特別国会におきまして、私どもも耐震改修促進法の改正法案を提出させていただきまして、これは全会一致で認めていただきました。その耐震改修促進法の改正案に基づきまして、先般、国の基本方針もつくらせていただきましたし、また、地方団体におきましても計画をつくっていただきます。しっかりと、住宅、建築物の耐震化に向けて強力に推し進めさせていただきたい。

 先般成立しました補正予算でも、八十億のうち三十億は、一般の方々の相談体制の確保だとかまた耐震診断等の事業に活用しようということで予算を認めていただいておりますし、また、十八年度予算案におきましても百三十億を、大幅に拡充をさせていただいて計上させていただいています。

 また、税制改正におきましても、こういう耐震改修費用については所得税やまた固定資産税等から軽減できるような制度についても、昨年末の政府・与党の税制改正案の中で取りまとめていただきました。これにつきましてはこれから御審議をいただくところでございますが、そうした支援策もつくらせていただいたところでございまして、住宅、建築物の耐震診断、まずは耐震診断、そして耐震改修等を強力に推し進めさせていただきたいと考えております。

糸川委員 今のその耐震診断といいますのは、だれがどのように申請したら受けられるものなんでしょうか。そこをお答えいただけますでしょうか。

山本政府参考人 建築物の所有者なり管理をしている者が、公共団体に耐震診断をしてもらうことを申請するわけでございます。公共団体みずからやるところもありますし、公共団体が専門家団体に委託してこれをやってもらうということもありますけれども、いずれにしても、公共団体がこういう制度を持っている、そこに建築物の所有者等が申請をするということになります。

糸川委員 福岡や、御存じのように熊本でも姉歯建築以外の偽装問題というのが発覚してきているわけでございまして、今後も広がる可能性が高いわけですね。高いと言ってはいけないのかもしれませんが、可能性があるというふうに思います。

 ここで、今局長が、国民の側から地方公共団体に申告をして、そして耐震の診断をしていただくというふうにおっしゃられたわけですけれども、正直、国民の側から声を出すというのは、非常にこれは大変なことだと思うんですよ。ですから、できれば国の側から、サンプルをランダムに今後抽出するとか、抜き打ちで検査をするとか、そういう目標が今議論されているとか、そういうことはございますでしょうか。

山本政府参考人 何といいましても、今取っかかりがありますのは、姉歯元建築士以外の者が建築したもので木村建設等が施工しました物件を調査中でございます。まだ調査が残っているのは二百件余りございます。これは急いで調査をするようにお願いしたいと思います。

 それから、今手元にあります構造計算書、設計書が、国の指定確認検査機関に立ち入った際に難しそうなものを二件ずつ持って帰っておりますので、それも百件余りありますので、これを急いでやります。

 その上で、今回補正予算でいただきました予算を活用して、全国の建築物、五百棟ほどサンプル調査をしたいんですが、そのうち四百棟は今年度中にマンションを対象にしてきちんと調査をして、いろいろな御懸念に対応できるようなデータを確保したいというふうに思っております。

糸川委員 ぜひその不安を取り除いていただけるようにと思っております。

 この偽装問題で公的支援の対象となったマンションの居住者の負担を求めているということですが、それはどのような観点から求められているのか、また、どのようにその負担を算出しているのか、この負担に対しては事前に住民の御理解をいただいているのか、その辺をお答えいただけますでしょうか。

山本政府参考人 既存の制度を使って公共団体と一緒にこれを支援していくということでございます。

 既存の制度も、古いあるいは劣悪な建物を除却していい建築物を建てるための予算制度がございます。優良建築物等整備の枠組みがございますので、それを使って、今回の危険なマンションを除却して、新しいものをきちんと建てて、そこに戻り入居をしていただくという枠組みで公共団体においてマンションの居住者の方々とやりとりをしているところなんですが、その考え方は二つの点がございます。

 国と公共団体が協力して、どういう経費であれば公的に支援できるかということについて、限界がございます。それからもう一つは、新しくできる建築物のうち、どういうふうな形のものを従前の居住者の方々が取得されるかということでございます。つまり、従前かなり広い面積の住宅をお持ちでございますので、全く同じ面積ですと非常に高額の再入居費がかかることになります。ですから、これは従前のローンもあることですので、できれば圧縮して取得可能な範囲におさめていただくというのも、これも御相談事ですので、どういう規模の新しい住宅を再取得されるかという点においても交渉しなきゃいかぬと思っております。

 その二点で従前居住者の方々とやりとりをしながら、新しいマンションの再建計画を立てようというやりとりをしているところでございます。

糸川委員 居住者の負担を減らすために、先ほど局長は負担があるということでございますが、余り重過ぎたら、住宅ローンなどの追加的な負担が生じるわけですから、幾ら公的支援といっても、逆に首を絞めかねない可能性もあるわけです。居住者の負担を軽減することを図るわけですから、今後の、例えば土地を再開発する可能性とか、そういうことも含めて、今後の事業の具体化に当たっては幅広な検討をすべきだというふうに思っておりますが、北側大臣の見解をいただけますでしょうか。

北側国務大臣 これは今、危険な分譲マンションというのは十棟。実を言いますと、先般、つい先日もう一棟追加されまして、十一棟になっておるわけでございます。

 これはそれぞれにおいて状況がさまざまでございまして、土地の地価も違えば周辺状況も全然違いますし、その棟ごとに一番ベストな案をつくっていかなきゃならないということで、今、地方公共団体と住民の皆様と協議をさせていただいているところでございます。

 今委員のおっしゃったのは、そういう公的な支援策だけではなくて、その他の方法、例えば容積率云々の問題だとか再開発の問題だとかというようなことだというふうに想定をいたしますけれども、実を言いますと、このほとんどのマンションが法律で定めております容積率を目いっぱい使っている建物ばかりでございまして、また、これを再開発するだとか規制緩和をするだとかということになりますと、当然周辺の方々の同意がないとできないというふうなこともございます。

 こうした困難な問題もあるわけでございまして、今委員のおっしゃった御提案というのは、ほかの方々からもそういうのはどうなんだという御意見もちょうだいしておるんですが、なかなか困難な課題があるということでございます。ただ、そういう困難な課題があっても、そういうことが可能であるならば、これはしっかりと、そういうことも含めて検討させていただきたいと思っております。

糸川委員 ぜひそれは御検討いただきたいと思います。

 さて、証人喚問なんかでも小嶋社長がいらっしゃいまして、瑕疵担保責任等々は大臣も今後追及していくというふうに先日、一月二十六日の予算委員会でも答弁いただいているんですが、今現在、ヒューザーの小嶋社長、姉歯元建築士、イーホームズの藤田社長、それから木村建設の木村社長、総合経営研究所の内河氏らへの責任追及についてどうなっているのか、今後どうなっていくのか。すべての方々の今後の会社や個人の資産も含めて何か追及するのか。今後の責任追及の部分、そこについて政府としての決意をお伺いしたいのです。

北側国務大臣 今おっしゃっておられますのは関係者に対する民事上の責任追及ということで理解をさせていただきますが、まだ国も地方も、住民の方々に対する具体的な拠出、財政上の拠出をしているわけではございません、これからでございます。

 そういう意味では、一番、売り主であるヒューザーに対して、当然私どもは責任追及をしっかりとさせていただきたいと考えておりますが、現時点では、まだできる法的根拠を持っておらないということでございます。今後、財政出動をしていく中で、そうした法的根拠を今協議をさせていただいているところでございますが、法的根拠を持って、厳正に責任追及をさせていただきたいと考えているところでございます。

 また、そもそも今この瑕疵担保責任というのを追及できる立場にある方は、分譲マンションの居住者、買い主の方々でございます。この買い主の方々が今現にそういう権利を持っていらっしゃるわけでございまして、先般、破産の申し立て、財産の保全をするために破産の申し立てをなされたということも聞いておるところでございまして、まだ決定が出ておりませんが、そういう推移も今見守っているところでございます。いずれにしましても、売り主に対しましては厳正に責任追及をさせていただきたい。

 あと、その他の関係者につきましては、これは最終的に、今刑事事件の方も捜査も進展しておりますところでございますが、事実関係が明らかにならないと、法的な責任を追及するといっても、これはなかなか困難なものがあるわけでございまして、ただ、最終的には司法の判断の中でそれぞれ責任が追及されなきゃならないというふうに考えているところでございます。

糸川委員 まだ全貌が明らかになっていないという時点でこれは公的支援もしているわけですから、早いうちに全貌が明らかになるように、ぜひ大臣の方からもいろいろと働きかけていただければと思います。

 先日、小嶋証人がここで、自分の資産は七十億あるというふうにお答えになられているわけですね、これは負債込みですが。資産額の確認をされているのかとか、そういうこともいろいろ私も聞きたいと思うんですけれども、まだ時間が余り経過していませんから、その辺はまだまだこれからの調査の段階だと思いますので、そういうところも含めて、小嶋証人本人で、自分で、ここにいらっしゃったときに公開しますというような指針を出されたぐらいですから、ぜひそれは明らかにしていただきたいなというふうに思います。

 最後に、今、どんどん第二、第三の姉歯というのが出そうな形になっているわけですけれども、これはシステムに問題があるんじゃないかなと。施工の監理を建設会社みずから行っている場合があるわけですよね。そこで、第三者による検査という観点も含めて、工事監理における徹底した施工段階のチェック機能を充実すべきだというふうに考えますが、大臣の見解をお聞かせいただけますでしょうか。

北側国務大臣 今回の事件におきまして、設計や設計図書どおりに施工が行われているかどうかを監理する工事監理がどのように行われていたのかということは、今後、事実の解明が必要だと考えております。適切な建築活動を担保し、このような事件の再発を防止するためには、工事監理が適正に行われているかどうか、これは大変重要な事柄であるというふうに考えるところでございます。

 現在、再発防止策につきましては、社会資本整備審議会で御議論いただいているところでございますが、その中でも、御指摘の工事監理業務の適正化につきましては、一つは、工事監理業務の内容をより明確化していくことが必要だと思いますし、また、工事施工者に対して第三者性を有する工事監理者による工事監理の義務づけにつきまして、これも今御議論をしていただいているところでございまして、こちらの方につきましては夏ごろまでに方針を取りまとめていただいて、それを踏まえて所要の改正をさせていただきたいと考えております。

糸川委員 その再発防止にぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.