衆議院

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第15号 平成18年2月20日(月曜日)

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平成十八年二月二十日(月曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大島 理森君

   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君

   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君

   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君

   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君

   理事 上田  勇君

      あかま二郎君    安次富 修君

      阿部 俊子君    新井 悦二君

      井澤 京子君    井上 喜一君

      伊吹 文明君    飯島 夕雁君

      石原 宏高君    臼井日出男君

      小里 泰弘君    小野 次郎君

      尾身 幸次君    大塚  拓君

      大野 功統君    奥野 信亮君

      河井 克行君    木原 誠二君

      近藤三津枝君    笹川  堯君

      清水清一朗君    実川 幸夫君

      平  将明君    高市 早苗君

      渡海紀三朗君    中森ふくよ君

      中山 成彬君    長島 忠美君

      根本  匠君    野田  毅君

      平口  洋君    福田 良彦君

      藤井 勇治君    藤田 幹雄君

      藤野真紀子君    牧原 秀樹君

      町村 信孝君    松野 博一君

      松本 洋平君    三原 朝彦君

      御法川信英君    武藤 容治君

      矢野 隆司君    安井潤一郎君

      山内 康一君    山本 公一君

      山本 幸三君   山本ともひろ君

      山本 有二君    若宮 健嗣君

      小川 淳也君    大串 博志君

      岡田 克也君    加藤 公一君

      近藤 洋介君    笹木 竜三君

      神風 英男君    高山 智司君

      寺田  学君    原口 一博君

      伴野  豊君    古川 元久君

      古本伸一郎君    馬淵 澄夫君

      松本 大輔君    山井 和則君

      太田 昭宏君    坂口  力君

      桝屋 敬悟君    笠井  亮君

      佐々木憲昭君    日森 文尋君

      糸川 正晃君    徳田  毅君

    …………………………………

   総務大臣         竹中 平蔵君

   法務大臣         杉浦 正健君

   外務大臣         麻生 太郎君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       小坂 憲次君

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   環境大臣         小池百合子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     安倍 晋三君

   国務大臣

   (防災担当)       沓掛 哲男君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      額賀福志郎君

   国務大臣

   (金融担当)       与謝野 馨君

   防衛庁副長官       木村 太郎君

   法務副大臣        河野 太郎君

   外務副大臣        塩崎 恭久君

   財務副大臣        竹本 直一君

   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君

   内閣府大臣政務官     平井たくや君

   防衛庁長官政務官     高木  毅君

   法務大臣政務官      三ッ林隆志君

   財務大臣政務官      西田  猛君

   経済産業大臣政務官    小林  温君

   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君

   環境大臣政務官      竹下  亘君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  宮野 甚一君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   榊  正剛君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    小林 武仁君

   政府参考人

   (警察庁情報通信局長)  武市 一幸君

   政府参考人

   (防衛庁防衛参事官)   小島 康壽君

   政府参考人

   (防衛庁防衛局長)    大古 和雄君

   政府参考人

   (防衛施設庁長官)    北原 巖男君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  藤井 昭夫君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    小貫 芳信君

   政府参考人

   (外務省大臣官房長)   塩尻孝二郎君

   政府参考人

   (外務省アジア大洋州局長)           佐々江賢一郎君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    河相 周夫君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    牧野 治郎君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    井戸 清人君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房長) 玉井日出夫君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      大島  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  松谷有希雄君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  中島 正治君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 塩田 幸雄君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         松永 和夫君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 春田  謙君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  渡辺 和足君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  谷口 博昭君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 寺田 達志君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       滝澤秀次郎君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            竹本 和彦君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  南川 秀樹君

   参考人

   (株式会社東京証券取引所執行役員)        深山 浩永君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十日

 辞任         補欠選任

  伊吹 文明君     清水清一朗君

  臼井日出男君     松野 博一君

  尾身 幸次君     中森ふくよ君

  大野 功統君     安井潤一郎君

  亀井 善之君     御法川信英君

  河井 克行君     長島 忠美君

  河村 建夫君     平口  洋君

  斉藤斗志二君     牧原 秀樹君

  笹川  堯君     石原 宏高君

  園田 博之君     大塚  拓君

  中山 成彬君     阿部 俊子君

  根本  匠君     新井 悦二君

  野田  毅君     藤野真紀子君

  二田 孝治君     藤井 勇治君

  三原 朝彦君     松本 洋平君

  山本 公一君     井澤 京子君

  山本 幸三君     近藤三津枝君

  大串 博志君     古本伸一郎君

  原口 一博君     山井 和則君

  馬淵 澄夫君     寺田  学君

  坂口  力君     太田 昭宏君

  佐々木憲昭君     笠井  亮君

  阿部 知子君     日森 文尋君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 俊子君     中山 成彬君

  新井 悦二君     根本  匠君

  井澤 京子君     山本 公一君

  石原 宏高君     笹川  堯君

  大塚  拓君     若宮 健嗣君

  近藤三津枝君     山本 幸三君

  清水清一朗君     山本ともひろ君

  中森ふくよ君     福田 良彦君

  長島 忠美君     河井 克行君

  平口  洋君     平  将明君

  藤井 勇治君     二田 孝治君

  藤野真紀子君     飯島 夕雁君

  牧原 秀樹君     小野 次郎君

  松野 博一君     藤田 幹雄君

  松本 洋平君     矢野 隆司君

  御法川信英君     あかま二郎君

  安井潤一郎君     木原 誠二君

  寺田  学君     松本 大輔君

  古本伸一郎君     大串 博志君

  山井 和則君     神風 英男君

  太田 昭宏君     坂口  力君

  笠井  亮君     佐々木憲昭君

  日森 文尋君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  あかま二郎君     山内 康一君

  飯島 夕雁君     野田  毅君

  小野 次郎君     安次富 修君

  木原 誠二君     大野 功統君

  平  将明君     武藤 容治君

  福田 良彦君     尾身 幸次君

  藤田 幹雄君     臼井日出男君

  矢野 隆司君     三原 朝彦君

  山本ともひろ君    伊吹 文明君

  若宮 健嗣君     小里 泰弘君

  神風 英男君     原口 一博君

  松本 大輔君     近藤 洋介君

同日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     斉藤斗志二君

  小里 泰弘君     園田 博之君

  武藤 容治君     河村 建夫君

  山内 康一君     亀井 善之君

  近藤 洋介君     馬淵 澄夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成十八年度一般会計予算

 平成十八年度特別会計予算

 平成十八年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

大島委員長 これより会議を開きます。

 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、参考人として株式会社東京証券取引所執行役員深山浩永君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として内閣官房内閣参事官宮野甚一君、内閣府政策統括官榊正剛君、防衛庁防衛局長大古和雄君、防衛施設庁長官北原巖男君、金融庁総務企画局長三國谷勝範君、金融庁監督局長佐藤隆文君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君、法務省刑事局長大林宏君、外務省大臣官房長塩尻孝二郎君、外務省北米局長河相周夫君、文部科学省大臣官房長玉井日出夫君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長大島寛君、厚生労働省医政局長松谷有希雄君、厚生労働省健康局長中島正治君、厚生労働省労働基準局長青木豊君、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君、厚生労働省政策統括官塩田幸雄君、経済産業省大臣官房総括審議官松永和夫君、国土交通省大臣官房長春田謙君、国土交通省総合政策局長竹歳誠君、国土交通省河川局長渡辺和足君、国土交通省道路局長谷口博昭君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君、環境省大臣官房審議官寺田達志君、環境省総合環境政策局環境保健部長滝澤秀次郎君、環境省水・大気環境局長竹本和彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野信亮君。

奥野委員 自由民主党の奥野信亮でございます。

 予算委員会で三十分のお時間をいただきましたこと、大変光栄に存ずる次第であります。また、資料をお手元に配付してあると存じますけれども、後で御説明を申し上げたいと思います。

 まず申し上げたいのは、先週末の予算委員会の質疑がありまして、根拠のない情報によるスキャンダルの議論というのは予算委員会の権威を汚すものであると私は思っておる次第であります。予算委員会というのは、国民の期待する本質的な議論をしなければならず、今こそ私は、国の財政について国民に十分御理解をしていただく必要があり、これを財政の健全化という課題で質問をさせていただきたいと思います。

 これまで予算委員会では、現金ベースの一般会計に限定して歳出入のバランスを議論するケースが大変多かったように思います。しかし、よく考えてみますと、それ以外にも特別会計というのがございまして、発生主義ベースの国の財務を民間の企業会計に近い形で評価する方がわかりやすいと考えておる次第であります。加えて、単年度だけじゃなくて、中長期的な財務内容によって将来の国の形を想定するということも、この委員会の大きなテーマではないかというふうに考えているわけであります。

 私は、実業界の経験に比べまして政治経歴は非常に浅いものですから、これから指摘する内容が抽象的でやや甘いというふうに言われるかもしれませんが、その辺はお許しをいただきたいと思います。

 また、企業会計に近い国のバランスシート、貸借対照表、あるいは損益計算書といいますかPL、そういったものは、決算終了後、完成するまでに今の実力では財務省で約一年、時間がかかる、そういうことがありまして、昨年九月にまとまった十五年度のデータを使ってお話をさせていただきたいと思います。

 ちなみに、民間では、期が締まりますと、約四十五日間でバランスシートあるいはPL、そういったものをまとめ上げる実力がある企業もありまして、国ももっとスピーディーにこういった資料ができ上がるように工夫、改善することが必要であるということを、まず指摘させていただきたいと思います。

 それでは、皆さん方のお手元にお配りしてあります平成十五年度の財務諸表、一般会計と特別会計を加えたものでありますが、これをまず見ていただきたいと思います。

 ポイントは色で塗りつぶしてありますので、それを見ていただきたいんですが、総資産が平成十五年度に六百九十六兆円であります。また、負債の合計が九百四十一兆円、一番下の欄でありますけれども、九百四十一兆円。資産・負債差額が二百四十五兆円のマイナス。企業でいいますと、これは資本金という欄がありまして左右がうまくバランスするわけでありますが、国には資本金がなくて、負債が資本を二百四十五兆円上回って債務超過という形になっているのではないかと私は考えます。これが一つの特徴であります。

 そして、この二百四十五兆円というのは、我々の子供あるいは孫等々、後世の人々への借金のツケ回しという考え方もできるのではないかと思います。平成十七年度までには、この二百四十五兆円はさらに膨らんでいるのではないかと思います。

 また、資産の内容の中で、特別会計等から特殊法人への貸付金が上から四つ目にございますが、二百九十兆円と大変大きく、また、負債の中では、五百八兆円にも及ぶ公債、国債ですね、これが目立った存在であります。これがバランスシートの特徴でございます。

 そして、一枚めくっていただきまして、損益計算書の費用に該当する部分でありますが、それが左側の業務費用計算書であります。

 この一年間、平成十五年度で日本はどれだけの費用をかけて国の運営をしてきたかということでありますが、これは見ていただいておわかりのとおり、最終的には、平成十五年度の一番下の欄にありますように、百二十三兆円という数字であります。この中でも特に社会保障費が、これは塗ってありませんが、全部足しますと約四十四兆円、さらに補助金の中にも社会保障費関連費が十二兆、十三兆近く入っておりまして、社会保障については約五十七兆円近い数字があるわけでございます。

 そのほか大きなものを拾い上げますと、地方交付税交付金というのが約二十兆円、それから、これも足し算をしなくてはいけませんが、中央省庁の運営費用、これが約十二兆円、さらに国債の利払い費が約十兆円、こういったところが大きなところでございます。

 一方の財源でありますが、損益計算書はプラスとマイナスがあるわけですが、入る方の金は資産・負債差額増減計算書というのが右側にございます。その中の財源合計、これが租税等の財源というのが四十五兆あります。それから、その他の財源というのが、保険料等々の収入でありますが、これが五十四兆円、合計約百兆円近いものがありまして、先ほど申し上げた、費用が百二十三兆円でありますから、毎年二十兆円を超える赤字が出ているというのが今の国の状況でございます。

 ただ、十六年から十八年までいろいろな改革を続けておりますから、いわゆる財源と費用の差額というのは若干、十七年度には圧縮してきているのではないかと思われます。

 政府は、今、行政サービスに対する国民の満足度を上げるために、また、下げることのないように、小さくて効率的な政府を目指し、また健全な財政というものを推進しているわけであります。その手段は、バランスシートの政府資産の圧縮、つまり六百九十六兆円というバランスシートの一番下の段、それを減らすということが一つの策でございます。また、資産・負債差額の、つまり二百四十五兆円という差額を削減することも大きな課題であります。

 そのためには、毎年発生する資産・負債差額増減、十五年度においては一時的な、その中にもありますけれども、公的年金の再計算差額というのがありまして、三兆円という数字でありますが、一般論で言いますと、平年度は二十兆円ぐらいの赤字が出るわけでありますが、これをゼロにする必要がある。そのためには何をしなくちゃいけないかというと、やはり、毎年発生する大きな費用をできるだけ引き下げる必要があるんじゃないか、あるいは景気をよくして自然増収を図る必要があるんじゃないか。それでも何ともならなければ、増税をしたり保険料を上げたりという意味合いで収入をふやしていく必要がある、こういったことがこれからの国の課題ではないかと思います。

 そうした意味で、まず、全体コスト百二十三兆円の約半分を占める社会保障費の引き下げの可能性について、厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。

 少子高齢化が一層進む中で、新たな保障費によるコストの増大も予想されるわけでありますが、現在の社会保障システムは、法律そのものが現在の社会にマッチしているのだろうか、あるいは社会的弱者に対する支援の額は今の財政状況から考えて妥当だろうかとか、あるいは社会保障費の給付に当たり、特に介護とか生活保護の断面で無駄なばらまきになっているケースがないだろうかとか、あるいはいろいろな給付作業の仕事の中で、これは役所がするわけでありますけれども、プラン・ドゥー・チェック・アクションという、いわゆる民間企業でいうレビューのサイクルが的確に回っているだろうかとかという観点から、コストを下げる可能性があるかということについてお伺いしたいわけであります。

 例えば、五%下げられるということになれば、それでもう三兆円ぐらいの原資が出てくるわけであります。五%で三兆円ですかね、五十六兆円ですから。それから、一〇%だといえば六兆円も出てくるわけであります。

 そんな意味で、余り細かいことはお伺いしませんが、そういったコストの運営費用を下げていくこれからの可能性といいますか見通しといったものについて、もし御所見をお話しいただければと思うわけであります。

川崎国務大臣 奥野委員が御指摘いただきましたように、国の予算が七十八兆、対して社会保障給付、ことしが八十四、五兆円になると思います。四十六兆が年金、二十八兆ぐらいが医療、それから生活保護、介護等を含む福祉、こんな数字になってまいるだろうと。

 七十八兆の予算の中でも二十一兆円を私ども担当させていただいております。そのうち、年金を除くものはほとんどが地方との共同作業ということになります。そういった意味では、介護、生活保護の認定等、しっかりせいという議論も含めてお話をいただいたんだと思います。

 地方としっかり話し合いをしながら、そして一方で、当然、監査というものもしながら適正化をしっかりしていかなければならない。昨年も生活保護問題、議論をいたしてまいりました。また医療制度改革、また介護保険の認定の問題、こういった問題もあわせながら、委員の御指摘いただいたことを念頭に置きながら、適正な執行に努めてまいりたいと思います。

奥野委員 今大臣がおっしゃったのは現金ベースの歳出をおっしゃったので、私の挙げている数字と若干違うと思いますが、今おっしゃっているように、一層適正な仕事の運営をしていただくことによって幾らかでも財源の捻出ができるように、ぜひお願いをしたいな、こう思うわけであります。

 特に、地方に派遣されている国家公務員との共同作業ということをおっしゃった。それは、厚生労働省だけでなくて国土交通省あるいは農林水産省等も同じように人件費が地方でも国の分が発生しているわけでありまして、きょうはおいでになりませんけれども、ぜひそういったところでの人件費削減についても、効率化することによる人件費削減についても、各省とも御尽力をお願いしたいな、こう思う次第であります。

 次に、大きな負担となっている地方交付税関係について、総務大臣にお伺いをしたいと思います。

 十年ほど前、バブルが破裂して、しばらくは景気浮揚のために地方に対して投資経費を、ちょっと言葉は適切じゃないかもしれませんが、じゃんじゃん使え、あとは交付税で補うからと言っていた時代があったことは事実だろうと思います。地方は、それならば、自分の金じゃない、国が金を出してくれるのならば、投資をふやして公共事業を推進していこうということで、せっせせっせとお金を使っていったわけであります。日本の国であろうとどこの国であろうと、同じであります。人の金を使っていいと言われれば、じゃんじゃん使うのが当たり前なわけであります。

 こういう風習が蔓延している中で、平成十六年から平成十八年の三年間で三位一体改革等々いろいろな構造改革を進めてきたわけでありまして、地方から見れば、使い道を指定された税源移譲というのが今度クローズアップされたわけでありますけれども、反対に義務的経費が膨らむ中で金を節減していかなくてはならない。大きい意味では面かじいっぱいの方向転換が図られたわけであります。非常に地方ではやりにくい、やりにくいというようなことを言っている声を耳にします。これは、総務省だけじゃなくて財務省にもその方針転換についての責任はあるかと思いますが、その責任というよりも、その前の方が問題でありまして、じゃんじゃん使えと言ったところに問題があるわけであります。特に、地方の小さい団体では今、縮み思考になっていて、身動きがとりにくくなっているな、こういう感じがいたします。

 今、国では地方に対して、自主、自立、自己責任だぞという地方分権が進む中で、市町村合併、道州制など、規模のメリットを発揮する方法もありますけれども、なかなかその合併等の推進がうまくいかないで、孤立している団体もたくさんあるわけであります。特に、小さな団体の中には、法人もない、人も余りいない、いるのは老人ばかり、あるいは土地も安くて固定資産税もままにならず、こんな団体も結構ありまして、地方税だけでは大変青息吐息というような状態になっている団体がたくさんあります。そういう意味で、大都市との格差がだんだん広がってきているのかなというような気もするわけでございます。

 その解決に向けて、いろいろな案はあるんだろうと思います。思いつくままにいろいろ言ってみますと、地方交付税の交付団体をどんどん減らしていきたい、こういうふうにおっしゃっていることも事実であろうと思います。そのためにバーを上げなくちゃいかぬと。あるいは、私は、民間企業が今、金の使い方を非常に戦略的にしなくちゃいけないということで、社長のわき役としてCFO、チーフファイナンシャルオフィサーという財務責任者を活用する例がふえているわけでありますが、今、今度の国会で、収入役なりあるいは出納長というのを副市長とか副知事というふうに任命しようという動きが出ているわけでありますが、こういった人たちをいわゆる民間で言うCFOの役割を担わせて、その資格を持っている人間を副知事にあるいは副市長に座らせる、こういう考え方もあるだろうと思う。

 また、地方団体の最後の監査は、名前だけ有名な人が出ていて、実際に監査力がないというようなのもあるわけでありまして、そういった面では、民間の公認会計士を使うようなこともあるんじゃないか。あるいは、地方団体ごとに経常経費率や行政サービスによる市民への満足度についてベンチマーキングをしながら、団体ごとの競争原理を働かせて競わせる。はたまた、裕福な団体に地方の徴税権を使わせて、少し、いわゆる生活コストを上げていく、そうした中で、人の移動を、大きいところから小さいところへ回すというようなことも考えられるのかなというような気もします。

 今、ことしの十八年度予算では十五兆円の交付税が考えられているわけでありますけれども、一〇%カットしても一・五兆円、二〇%カットすれば三兆円、そういう形で財源の捻出もできるわけでありますけれども、総務大臣としては、これから先、地方交付税、どこらまでカットできるものか、そういった見通しなりお考えについてお伺いさせていただければと思います。

竹中国務大臣 まず、奥野委員がきょう御提示くださっていますように、経営感覚を持ってしっかりと国も地方もマネージをしなきゃいけない、その際に、会計情報、財務情報をしっかりともとにして、それによってPDCAサイクルを確立しなければいけない、この基本戦略というのは、まことにごもっともな、奥野委員のこれまでの企業経営の実践を踏まえての御提言であるというふうに思います。

 その際に、交付税についての直接のお尋ねでございますが、これは、きょう二ページ目の資料をお出しいただいておりますが、なかなかややこしいのは、ここで書いているさまざまな、人件費でありますとかその他の支出はいわゆる最終支出に当たるわけでございますけれども、この地方交付税というのは、実は最終支出ではないということでございます。親会社、子会社というふうに言うと誤解が生じますのでそういうことは申し上げませんが、一種の地方公共団体という関連会社的な存在のものがあって、そこはそこで最終支出を行っていて、そことの連結勘定のようなものがこの交付税になっているという位置づけであろうかと思います。

 しかし、この連結勘定、大変重要で、地方を支えるという役割を果たしているとともに、そこにやはりしっかりと地方が機能して、おっしゃったような監査、そして必要な場合の自主課税等々、しっかりと自己責任でもって運営をしていただいて、結果的にこの交付税が減るような形に持っていかなければいけないということは、これはもう紛れもない事実であろうかと思います。

 総務大臣として、どこまでカットできるかということに関しては、これはなかなか、これだけカットできるということを申し上げるのは難しいわけでございますので、今実は、我々は、今奥野委員が御指摘くださったような、そもそも地方と国のあり方をどのようにすべきか、その中で交付税がどのように減っていくことが可能かというようなことを総合的に議論するための懇談会を設けているところでございます。

 私は、やはり地方に大きな自由を持っていただいて、自由の裏に責任を持っていただいて、そして、その責任に基づいて、しっかりと財務の効率化が進められていく、そして、結果的に交付税も減っていくというようなシナリオをぜひ描きたいと思っております。そのための中期の地方の財政ビジョンを描きたいというふうにも考えておりますので、もう少し話が煮詰まりましたら、ぜひまた御議論を賜りたいと思っております。

奥野委員 ありがとうございました。

 今、発生する費用に関して、両大臣から、その可能性を伺ったわけでありますが、具体的には言いにくいということはわかるんですが、やはりそれだけ火の車なんだと、国の財政は。これはぜひ皆さん方も共有化していただきたいし、あらゆる面での歳出削減に努力をしていただきたいと思いますが、先ほど申し上げた二十兆円を超える毎年の赤字を一気に埋めるということは非常に難しい。やはりそういったことをこれから考えていく必要性があると思うわけでありますけれども、その関係について、最後に財務大臣にお伺いしたいと思っているわけであります。

 残された課題というのは、今いろいろな運営費用の面をお尋ねしました。その中で、財務大臣関連になってくるのは中央省庁のスリム化ということがあるのではないかという気がします。中央省庁の発生費用が大体十二兆円でありますから、一〇%カットしても一兆二千億円、二〇%で二兆四千億円、こういった非常に難しい削減、スリム化ということも考えなくちゃいけないし、あるいは、五百兆円を超えるような国債の消却によっていわゆる金利負担というものを改善していく。半分、例えば国債を消却しても、金利負担は五兆円しか下げられない。加えて、これからは景気がよくなってきて金利が上がる要素を持っていますから、そう簡単に、この金利、利払いについて削減することは難しいというふうに感じます。

 こうなってきますと、残るのは、運営費用のコスト削減をにらみながら、かつ増税ということも考えざるを得ないのかな。あるいは、保険料の負担をふやすということも考えた上で、最終的には国民負担率を幾らにするかという前提があろうかと思いますけれども、そういうことも含めて、同時並行で大変複雑な運営をされていくことが一番大きなことになるんだろうと思います。そういった意味で、小さな政府を目指して、身の丈に合った国民からの借金水準を目指してバランスシートの改善をしていくということが財務大臣にとって大変大きな課題ではないかと思います。

 しかしながら、大変大きなターゲットが目の前にあるわけでありまして、政府資産の売却とか国債の消却だけではとても及ばなくて、なりふり構わず政府債務、いわゆる負債をオフバランス化するというようなことも考えざるを得ないかもしれない。そういうことによって資産と負債をバランスさせていくということも必要なのかもしれませんが、最近、政府資産を十年かけてGDP比半減するという目標をお立てになっているようでありますが、財務大臣として目標とされるいわゆる国のバランスシートの総資産額、あるいは資産負債差額の規模、並びにそれに至るまでの経過期間、そういったものについて御意見をいただければと思います。

谷垣国務大臣 今、奥野委員が国の財務諸表等を示していただいて御議論いただいた。これは、この十年ぐらいになると思いますが、財務省としても発生ベースに立った財務諸表みたいなものをつくらなきゃいけないということで、いろいろな努力を相当力を割いてやってまいりましたけれども、つくったものを見た上で日本の財政をどうしていくかという議論は、まだ緒についたばかりでございまして、十分私は活用していただいて、この国会でも御議論を賜りたいと思っているわけであります。その意味で、きょう奥野委員にしていただいた議論は、まことに予算委員会らしい御議論で大変ありがたかった、このように思っているところでございます。

 それで、今お示しいただいた図、ただ、財務諸表も、さっきおっしゃったように、資本という概念もございませんし、またこの資産の中には、道路であるとか河川であるとか、そもそも売却できるのか。この財務諸表の性格も、なかなか民間とすぐ同一にとらえるわけにはいかないところもございまして、そういった議論も深めていかなければならないと思っているわけであります。

 その上で、差額が二百四十五兆を超えているということは、委員がさっきおっしゃいましたように、後の世代にツケを先送りしているということでもあると思いますし、これがだんだん開いていくという流れはぜひともストップをかけなければいけないということだろうと思います。それからまた、フローの収支の赤字が二十三兆に上るということも、発生ベースで見ても、これは賄えていないということを意味しているわけでございます。

 そこで、どうしていくか。いろいろなことをやらなければならないわけでございまして、ことし例えば財政融資特別会計の中から十二兆の金利変動準備金を国債の消却に充てた。これは金利負担を下げていくという意味でもかなり効果のある策だったのではないかと思いますが、今後いろいろなことを考えながらやっていかなければならないだろうと思います。

 また、資産債務の圧縮ということもやらなければなりませんが、他方、みんなそれは見合いのものがあるわけでございまして、なかなか難しい点もある。そういう中で、歳出カットをできるだけやりながら、そうして、その手法の中には、さっきおっしゃったPDCAサイクルみたいなものも十分見ながらやっていかなければなりませんが、総務大臣、厚生労働大臣がおっしゃいましたように、同時にそれは制度改革も含めながらやっていかなければなかなからちが明かないということであろうと思います。

 今後の見通しとしましては、御承知のように、私どもは、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復するというのを今一つの目標としてやっているわけでありますけれども、ことしの六月めどにその工程表をつくる、そして選択肢も示していく。そういう中で、できるだけ具体的な目標を示して国民的な議論を喚起していかなければいけないと思っておりますので、今奥野委員のおっしゃるように、ちょっと明確にまだ姿を示すわけにはいかないわけでございますが、できるだけ具体的な議論ができるように、今後努力をしてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

奥野委員 ありがとうございました。

 各大臣とも問題意識は私と同じだということを痛切に感じた次第であります。

 とにかく、今、日本は経済的、政治的に必ずしも、世界の中でトップリーダーの中から追い出されつつあるような環境にあるわけでありまして、できるだけ早くこういったことを改革していかなくてはいけないのではないか。やはり、そういったことを通じて、政府としても、世界から評価される品格のある国家を目指して、健全な財政状態の実現にスピーディーに取り組むことをぜひお願いしておきたいと思います。

 特に、私は政治の世界へ入ってつくづく感じるわけでありますけれども、この日本の国を今牛耳っている政府といいましょうか、お役所といいましょうか、そういうところは、変えることが嫌いだ、変革、変化を大変望まない。しかしながら、それでは国が沈没するわけでありまして、そういう意味では、ぜひこういった変革、変化を遂げられるように、政府を含めてお役人を含めて実行していく、我々は、そういったことが政治家に課せられた大きな課題だろうと思っているわけであります。

 各大臣の御活躍をこれからも祈念して、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて奥野君の質疑は終了いたしました。

 次に、近藤三津枝君。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

近藤(三)委員 自由民主党、新人の近藤三津枝でございます。

 本日は、予算委員会で質問させていただく機会をいただき、まことにありがとうございます。何分、新人でございますので、先輩の皆様方の御協力を仰ぎながら一生懸命質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 きょうは、日中の閣僚レベルの交流、人口減少下における将来人口推計、若者の職業的自立の促進に向けた政府の取り組みなど、三点について質問させていただきます。

 まず第一点目です。

 日中間の経済関係を見ますと、貿易、投資、人的往来が増加しております。経済関係はますます深まるばかりです。一方で、政治関係の冷却化が経済関係にも影響を与えるのではないかという懸念が論じられており、政冷経熱という言葉をよく耳にいたしております。

 こうした中、先週、二階経済産業大臣は、今月二十二日、二十三日、北京で中国政府要人と会談されるべく関係方面と調整されていると発表されたというふうに聞いております。日中関係が厳しい折、閣僚レベルでの交流が減っている中、経済産業大臣が訪中されることは日中関係の上で大変重要な意味を持つものと思われますが、今回の訪中において経済産業大臣が果たされようとしておられる役割をお聞かせいただけますでしょうか。

二階国務大臣 日中間の経済関係の重要性につきましては委員御指摘のとおりでありますが、同時に、拡大する一方の日中間の経済関係の中で、両国間に常にさまざまな問題が横たわっていることも事実であります。

 こうした中で、未来志向の日中関係を構築していくために、私は機会あるごとに、中国の要人ともお目にかかるたびに、その必要性を強く申し上げてまいりました。

 先般、WTOあるいはAPECの会議におきまして、中国側から御出席をされておりました薄熙来商務部長、日本流に言いますと商工大臣というところでありますが、この会議を通じまして、私はそれぞれバイの会談を行ってまいりました。

 その際、今後、日中関係をお互いに両国の発展のために協力し合うという姿勢で、例えば、省エネルギーの問題あるいは環境問題等について日中間のフォーラムをつくって、最初の年は日本で、次の年は中国でというふうに交互に開催してはどうかというふうなことを提案し、薄部長からも賛意を得た次第であります。

 先般、一月二十三日に、改めて私の方に正式に会談の申し入れの招請状が届きました。その後、二月十日でございますが、戴秉国外交部常務副部長、外務次官でございますが、お会いをしました際に、改めて口頭で大変熱心な招請をちょうだいいたしました。

 今回、国会開会中でございますので、そのことにこたえられるかどうか、関係各方面と御相談を申し上げておりましたが、このたび、大島委員長初め予算委員会の皆さんの御理解をいただいて、訪中が許されるということになれば、私は、こういう重要な時期に出張させていただくわけでありますから、できるだけ幅広く、そして時間の許す範囲において多くの要人と会談を重ね、今後の日中関係にいささかでもお役に立てるように、ベストを尽くしてまいりたいと考えておる次第であります。

近藤(三)委員 ありがとうございました。

 ただいまの御答弁にありましたように、環境問題、省エネルギー問題で多くの成果を上げられますことを期待いたしております。

 次に、人口減少などについてお伺いさせていただきます。

 昨年末、総務省は、平成十七年国勢調査の速報値をもとに、平成十七年十月の人口が前の年の十月の人口を下回ったと公表されました。前の年を下回るのは戦後初めてのことというふうに伺っております。また、先般は、民間調査機関から、二〇五〇年には日本人の人口は八千八百万人に減少する可能性があるとのレポートが発表されるなど、これまでの予測より急速に人口が減少するのではないかとの懸念が一部にございます。

 戦後初めての人口減少期に入ったと見込まれる現在、急速な少子高齢化の状況について、そしてこれに対する対応について、厚生労働大臣の御所見をお伺いさせていただきたく存じます。

川崎国務大臣 昨年の暮れに、昨年生まれる子供の数は百六万七千、亡くなられる方は百七万七千、一万人減少社会に入ったと発表させていただきました。通常ですと、一月の一日、元旦にマスコミ向けに発表しておったんですけれども、一週間早めました。これは、やはり国民的な議論を起こすことが一番大事だろうということで、あえて一週間早くさせていただいたところでございます。

 出生率が下がっておる要因、一つは結婚、一つは、やはり家族当たり、御夫婦当たりの子供の数が減っている。結婚の要因の方が多うございますけれども、いずれにせよ、そういった問題をどう解決していくか。若い二人、御夫婦に対して、経済的支援、保育の面での支援、雇用の面での支援、こうしたものを総合的に考えていかなければならないだろう、このように思っております。

 一方で、影響でございますけれども、一つは経済活力という面での労働市場への影響、もう一つは社会保障給付というものに対する影響、これを正確に読んでいかなければならないわけでありますけれども、労働問題につきましては、十年という単位で見ますと、まず、団塊の世代である我々、七〇%ぐらいが、今六十を過ぎても労働意欲というのを示していますから、これはヨーロッパとの最大の違い、八〇%ぐらいまで高めたい。それから先ほど申し上げました女性の雇用、それから、問題になりますのはニート、一部のフリーターの問題。こういう問題を解決していけば、十年後については大きな労働市場への変動はないだろうと思っていますけれども、二十五年、三十年たったらどうだというと、やはり五百万、一千万単位の数字になっていかざるを得ない。

 したがって、この十年、まさに少子化というものに歯どめをしなければならないという立場の中で、皆さん方のいろいろな御意見を今いただいているところでございます。

近藤(三)委員 ありがとうございます。

 大臣の御答弁にもありましたように、将来人口につきましては、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所で推計が行われ、最新の推計値は平成十四年一月に公表されておられます。平成十二年の国勢調査の結果をもとに、二〇五〇年までの推計人口が公表されているというふうに理解しているんですが、将来の国の形、システムを考える上で非常に基本的な数値と考えております。この十四年一月に公表されました中位推計値を注意深く見ておりますと、我が国の人口のピークは、二〇〇六年をピークに二〇〇七年から継続的に減少する予測となっています。

 しかし、冒頭申し上げましたとおり、二〇〇四年が我が国の人口のピークであり、既に昨年、二〇〇五年から人口減少期に突入した可能性が高いわけでございます。合計特殊出生率も、二〇〇四年に一・二九と低下していますことから、平成十四年の将来人口予測値と実態の値には開きが生じているものと考えております。

 平成十四年に公表されている将来人口推計値と現在の人口の推移の状況と、開きの要因について、どのように分析されておられるのか。また、平成十七年度の国勢調査をもとに次回の人口推計に向けた検討が進められていると思われますが、その取り組み状況、中でも、人口推計の精度を向上するためにどのようなことをなさっているのか、お伺いできますでしょうか。

川崎国務大臣 基本認識として、データの発表はできるだけ早い方がいいだろうと思っております。そういった意味で、有効求人倍率とか失業給付、できるだけ早いタイミングで出したいな、二年前の統計数字で物を言っていても仕方ない、できるだけ、先月どうだったんだという数字でみんなで議論していきたいなと思っております。

 一方で、予測の方でございますけれども、実は昨年の十二月は寒うございました。私は百七万七千人ぐらいだろうという推定を出させていただいているんですけれども、やはり数字に狂いが出ます、当然。十月、十一月の推計のもとで出しておりますので、少し死亡者数が多かったかもしれないなと。

 そういう意味では、基礎になるデータというのはやはりきちっと確立して、発射台をきちっと決めませんと、これから三十年後、五十年後どうなるのか、数字的に結構難しい作業をいたしております。ある意味では、早過ぎてミスアナウンスもいけないものですから、十八年、ことしの秋までにはきちっと数字を出したいということで、まさに世の中に大きな影響を与える数字でございますので、少しここだけは慎重にやらせていただいている。御理解のほどをお願い申し上げたいと思います。

近藤(三)委員 ただいま、極力早い時期に公表する努力をしていただくとの御答弁をいただきました。本当にありがとうございます。これは、世の中のニーズにこたえたものだと大変期待いたしております。

 将来人口推計は、少子化対策、年金問題などを初め、将来の国の形を検討する上で非常に重要なものだと認識しておりますので、来年度予算の中でよりよい成果を上げられることを期待いたしております。また、これまでの人口問題研究所の御研究などを駆使されまして、将来人口推計の信頼性を高める御努力も続けていただきますよう、こちらの方も期待させていただいております。

 それでは次に、若者の職業的自立の促進についての政府のお取り組みについて、お伺いさせていただきます。

 ただいま御質問いたしましたように、我が国の少子高齢化、人口減少局面は、予想を上回るスピードで進展しております。先ほど大臣の御答弁の中にもございましたように、二〇〇七年は、団塊の世代の退職が始まり、人口減少も始まるという二つのダメージが我が国を襲うとし、二〇〇七年問題として言われてきました。そのうちの一つの人口減少社会が前倒しで現実の問題となっております。振り返りますと、昨年、二〇〇五年は、世界の先進国で史上初めて我が国が少子高齢化により継続的な人口減少に突入した年であったとも言えるわけでございます。

 さらに、労働力の面から見ますと、生産年齢人口は、既に一九九五年に八千七百十六万人とピークに達し、二〇〇五年には八千四百八十九万人と、ピーク時に比べますと二百三十万人減少しております。労働力人口も、一九九八年に六千七百九十三万人とピークに達し、二〇〇五年に六千六百五十万人と、ピーク時に比べますと百四十万人減少しております。

 このように、少子化によりまして人口全体が減り、高齢化により労働力人口の減少に拍車がかかる、そして当面この傾向が続くという、大変厳しい状況に我が国が置かれているというのが現実だと思います。このような状況にありましても、我が国が活力を維持し、国民がそれぞれの能力を存分に発揮でき、誇りを持って社会貢献できる参画社会を築いていくことが重要だと考えております。

 そのためには、先ほど大臣もおっしゃいました、あらゆる人々が社会参画しやすいようにソフト面、ハード面での制度やインフラを整えていく必要があります。言いかえますと、これまで社会参画しようとしてもなかなか思うようにできなかった人々、例えば女性、高齢者、障害のある方も、そして働く意欲が薄い若者も、意欲を持って社会に参画でき、社会を支え合っていくユニバーサル社会の実現が重要な政策課題だと考えております。

 そのすべてについてここで質疑をさせていただくわけにも、時間の都合上できませんので、社会参画づくりの大きな課題の一つでございます若者の職業的自立の問題、とりわけ、仕事につかない、教育を受けない、職業訓練も受けない若者の問題、いわゆるニート問題を中心にお尋ねさせていただきます。

 厚生労働省のデータによりますと、十五歳から三十四歳までの若者無業者数、いわゆるニートの数は、二〇〇二年、二〇〇三年、二〇〇四年の三カ年で、いずれも六十四万人と報告されておられます。この六十四万人という数字でございますが、先ほど述べましたように、一九九八年から二〇〇五年の間に減少した百四十万人の労働力人口のおよそ半数に達するわけでございます。

 このように、若者が社会に参画しやすい環境づくりは、本人そして家族の問題だけではございません、社会全体の活力にかかわる問題だと考えております。

 政府におきましては、平成十五年六月に若者自立・挑戦プランを取りまとめられ、当面三年間で若年失業者等の増加傾向の転換を目標に、若者の働く意欲を喚起しつつ、すべてのやる気のある若年者の職業的自立の促進を目指し、関係府省庁が連携して施策の推進がなされています。このプランの当面の目標の最終年度であります十八年度の予算及び重点施策の中で、若者の自立支援に対して特にどのような取り組みをお考えになっておられるのか、厚生労働大臣にお伺いさせていただきます。

川崎国務大臣 今御指摘いただきましたニート問題、一番大きな課題は、平成五年四十万人でありましたのが六十四万人にふえております。その中で、ふえている最大要因は、今二十から三十四という御指摘いただきましたけれども、三十から三十四の人たちが約十万人ふえている、ここがやはり大きな問題だろう。二十五を超えても三十を超えてもなかなか社会的に自立してこないということが一つの問題点かなと思っております。

 それからもう一つは、ニートというものをどういうふうにとらえますかということでありますが、一つは、例えば反社会的で享楽的な人、ありますね、テレビでよく出てきます。そういう、ヤンキー型というんですけれども、割合少ない。多いのはやはり、引きこもり型、立ちすくみ型、つまずき型、こういう方々が多い。簡単に一言で言えば引きこもり型が非常に多い。

 それから、卒業でいいますと、やはり高校生で中退もしくは大学受験か就職に失敗した、こういう人たちが多うございます。そういう意味では、工業高校とか、ある程度仕事をしっかり目指してやっている人たちは少ない、普通科高校の人たちが割合多い、こういう傾向にあります。

 したがって、問題は、そういう人たちを仕事の場に引き出す、もっと言えば、いろいろな方々、面接員等アドバイスをする人たち、いや、学校の先生もそうでしょう、教育の現場の人たち、また会社の人たち、そこへどうやってみんなで一度出ておいでということを声をかけられるかというところが私は一番大事なんだろうと思います。

 そういった意味で、ことしの予算も、若者自立塾ということで、まず野外体験、集団生活体験をさせよう。その中から、まさに目覚めてくる、それじゃおれはこういうものに挑戦してみよう、こういう意欲を持たせることが一番大事だろう。十七年度二十カ所だったのを二十五カ所にふやしまして、やらせていただいております。

 それから、何となく親とは相談しにくい、学校の先生とはどうも、おれの成績知っているから嫌だ、そういう人たちに、だれでも相談できるということで地域若者サポートステーションというものをつくって、何しろ、何かのきっかけで自立を目指す、挑戦する勇気が出る、そこへ着目をしながら努力をしてまいりたいと考えております。

近藤(三)委員 ありがとうございます。

 お答えいただきました総合的な施策の推進によりこのような状況が改善されますよう、一層のお取り組みを期待いたしております。

 さて、若者の職業的自立を考える上では、若者を受け入れる側の企業、産業界の取り組みも大変重要になってくると思われます。この観点からの経済産業省の十八年度の予算及び重点施策でのお取り組みについて、経済産業大臣、お聞かせくださいませ。

二階国務大臣 先ほどからのニート問題を初めとする若者の失業問題、これは我が国にとっては大変深刻な問題だと受けとめております。現に、この若者の失業者のパーセンテージは八・七%に及び、全体の失業率の約二倍に達しておるということであります。

 そこで、経済産業省としても、十八年度におきまして、関係各省庁と連携を密にしまして、若者の自立・挑戦のためのアクションプランによる若年者対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 具体的には、若者のニーズにきめ細やかに対応した就職支援サービスとして全国二十地域で実施しているジョブカフェモデル事業、しかし、これは百三十万人を相手にして職についたのが七万人という実績でありますが、もっとこれを具体的に成果が上がるように工夫を凝らしてまいりたいと思っております。

 また、若者の地元の中小企業への就職を促進する、このことも大事でありまして、経済産業省は、若者と中小企業の橋渡しを積極的に進めてまいりたいと思っております。同時に、若者のいわゆる人材育成、産業界と工業高等学校あるいはまた工業高専、こういうところとの連携をさらに深めて、若手技術者の養成にも特に力を入れてまいりたいと考えております。

近藤(三)委員 ありがとうございます。

 平成十二年の国勢調査をもとに、十五歳から三十四歳の年齢層で職業につかず学業にも専念していない人の比率は、全国平均で二・二%という数字が出てございます。これを地域別に見ますと、大阪府が二・五%、片や愛知県は一・八%など、雇用状況などの地域の実情により大きな差があるものと認識しております。このようなことも踏まえますと、先ほど御案内ございましたジョブカフェなどの展開に当たりましては、地域の実情に合ったきめの細かい対応をお願いしたいと存じます。

 次の世代を担う子供たちに、各学校段階で社会参画の重要性、勤労の喜びについて意識を高めていくことは本件の対策としても重要と考えますが、十八年度予算及び重点施策の中で文部科学省としてはどのようなお取り組みをなされているのか、お伺いできますでしょうか。

小坂国務大臣 近藤委員が御指摘のように、社会の重要な構成員であり次代を担う若者が、勤労観あるいは社会参画の重要性というものの認識が欠けてくるということは、本当に重要な危機感を持たなきゃいけない問題だと認識を共有させていただきますが、今御指摘の、各学校段階における教育活動全体を通じての勤労観、そして働くことの重要さを認識して社会参画をするための教育関係の予算はどのようになっているか。

 若者の自立・挑戦アクションプランにおける十八年度の予算額は百二十九億円を計上しておりまして、中学校を中心とした五日間以上の職業体験、また、専門高等学校等における地域と連携した職業教育の充実、学びながら体験をし、訓練に参加をしていただくという日本版のデュアルシステム、あるいはスーパー専門高校、こういったプランもこの中に組み込んでおります。また、大学におけるインターンシップ等のキャリア教育に関する支援を行い、また、子供たちの社会性をはぐくむ学校外での自然体験活動や、都市と山村等の交流活動の推進などを行う、こういった面にこの予算を活用するわけでございますが、いずれにいたしましても、委員が御指摘のように、成長の各段階において職業と接する、そういう接点をふやすこと、そういうことが、勤労観を養い、また社会参画というものの意識を高めることにつながると思っております。

 委員の御指摘のような、そういう意識をみんなが持って取り組んでいくことがこの問題の解決につながっていくと思いまして、今度の御質問をいただきましたことに感謝申し上げながら、なお一層頑張っていくということを決意として申し上げて、答弁にさせていただきます。

近藤(三)委員 この問題は、中長期的な課題ととらえますと、小学校教育の段階から、自己と社会との関係を見詰め、幅広い世代とのコミュニケーションができるよう、心の教育、体験教育などの環境をさらに整えていくことにより、勤労のとうとさ、社会貢献の重要性を身につけていくことも大変重要かと思っております。このような取り組みの一つ一つが中長期的な解決策にもつながることと思います。若者の職業的自立の問題を中長期的なスタンスで見詰めていただきまして、心の教育という視点での対応にもお力を注いでいただければうれしゅうございます。ありがとうございました。

 最後に、官房長官にお聞きいたします。

 現在の若者自立・挑戦プランは十八年度までの三カ年目標としているとのことでございますが、若者の職業的自立の問題は引き続き重要な政策課題と考えております。十八年度以降の取り組みの方針についてお聞かせくださいませ。

安倍国務大臣 先ほど来近藤委員の御指摘のとおり、フリーター問題あるいはニート問題というのはいろいろな要素があるわけでありまして、経済産業省あるいは厚生労働省だけで対応できる問題ではございません。政府一体となって取り組んでいく必要がある、このように考えておりまして、平成十五年六月に若者自立・挑戦戦略会議におきまして若者自立・挑戦プランを取りまとめを行いまして、自来、政府一体として取り組んできたわけであります。

 そしてまた、その結果、最近の雇用指数、指標におきましても、若者の完全失業率、まだ高い水準ではあるんですが、七年ぶりに九%を下回りまして、また、フリーターの数も減少に転じてきているわけであります。さらに、ことし一月には若者の自立・挑戦のためのアクションプランの改訂版を取りまとめたところでございまして、十六年度から実施している本プランの最終年度である来年度、十八年度は、フリーターの常用雇用プランの目標を十七年度の二十万人から二十五万人へ引き上げてまいります。

 また、若者の職業的自立を支援する地域若者サポートステーションの設置等、ニート対策の強化、そしてまた、中学生が五日間以上の職業体験を行うキャリア・スタート・ウイークの全国展開などさまざまな施策を着実に推進し、目標であります若年失業者等の増加傾向の転換を確かなものとしてまいりたい、こう考えています。

 しかしながら、ただいま委員が御指摘になったように、十八年度でこの目標値を達成したからといって我々のこの仕事が終わるわけではないわけでありまして、若年者の失業対策、ニート、フリーター対策はこれからも政府一体となって取り組んでいきたい、こう思っています。

 特にフリーターにつきましては、やっと二〇〇四年から減少に転じてきたわけでありますが、十年前と比べたらまだ百万人多い状況でございますから、今後とも、若者をめぐる雇用情勢等を勘案しながら、若者自立・挑戦戦略会議を中心に、関係省庁間で密接に連携し、地方や産業界、教育界等の意向も踏まえながら、積極的に検討を進めてまいります。

近藤(三)委員 若者の職業的自立の問題につきましては、厚生労働大臣、経済産業大臣、文部科学大臣、そして官房長官から御答弁をちょうだいいたしましたように、広域にわたる政策課題でございまして、政府を挙げて取り組んでおられます。また本件は、家庭、教育現場、地域、企業、行政など多様な主体の連携により効果を上げていくものと考えております。政府がリーダーシップをとられ、連携、協調を深めていく中で解決していくべき課題だと考えております。

 政府のさらなるお取り組みを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

森(英)委員長代理 これにて近藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、長島忠美君。

長島(忠)委員 自由民主党一回生の長島忠美でございます。本日は、貴重な予算委員会の中で質問の機会を与えていただきまして大変ありがとうございます。心から感謝を申し上げたいと思います。

 私は、国民の防災の観点、とりわけて安心、安全という観点から、身近な問題について若干質問をさせていただきたいと思います。

 まず、昨年末からの豪雪のことについて少し触れさせていただきたいと思います。

 一昨年が十九年ぶりの豪雪。そのことが国民の生活に大きな影響を及ぼしたことは皆さん記憶に新しいところでございましたけれども、昨年末、十二月初旬から降り続いた雪はさらにこれに輪をかけて、一月の初頭には、観測史上例のない積雪を記録し、そして百三十人を超えるとうとい人命を犠牲にするという近年まれに見る豪雪被害を引き起こすに至りました。地方にとってどんなことがその雪の中で起こっていたのか、少し私の方からお話をさせていただきたい、そんなふうに思います。

 四メートルを超える積雪、それが地方にとってどんな問題があるのか。もちろん高齢者にとって、雪おろし、四メートルを超えた時点で、九回から十回の雪おろしが必要になります。市町村が除雪に対する費用補助を行っているのは、多分三回、あるいは四回が限度であります。あとは自己負担になるという、やはり生活に大きな影響を及ぼしていることも事実でございます。

 もう一点、道路除雪。近年、十九年間暖冬が続いたということで、地方自治体にとっては、雪寒対策費、つまり除雪の経費が極めて脆弱に少なくなってきておりました。その中で二年続けての大雪、そして、特別交付税によって措置をしていただく部分もございましたけれども、多分、一月の初旬で地方自治体の除雪経費はすべて底をついたような状況の中で二月、三月の除雪を迎えているというのが現状だったと私は思います。

 私は、現地を、自由民主党の異常寒波・雪害対策本部の一員として回らせていただいたときに撮らせていただいた状況の中で、皆さんにぜひごらんいただきたい資料をお配りいたしましたので、これから少し説明させていただきたいと思います。

 これは新潟県上越市の高田地区で、屋根の雪の重みに耐えかねて住宅がきしみ始めた。一斉雪おろしの必要があるということで、一斉雪おろしをした際に、通常、幹線道路である道路がこのような状況でふさがれてしまって、経済にも大きな影響を及ぼしてしまう。この雪を取り除くために、大きな費用ももちろんでありますけれども、三日から四日という日にちを要してしまいました。

 もう一枚。これは、皆さんごらんいただいたら一目瞭然だと思いますけれども、本来、自動車用道路でございます。自動車用道路でございますけれども、除雪が立ち行かないために、今、人間が通るだけの幅を人力によってやっと確保しながら生活をつないでいるという現状でございます。

 雪国にとって四メートルに近い積雪が住民の生活にどんなに影響があるか、ごらんいただいただけでは一〇〇%語り尽くせたとは思いませんけれども、高齢者がこの中で暮らすためには非常に大きな困難を強いられていることも事実だということをまず御認識いただきたいと思います。

 昨年、雪が降り始めて、いち早く各省庁から対応していただき、現地にも出向いていただき、対策を練っていただいたところでございます。私たちは、来ていただいて一つ一つの施策を示していただくことは、それぞれ被災地にとって勇気につながりました。もともと、雪がこれほどの災害になるとは私たちも想像をしないところでございました。まさか雪によって道路が途絶し、孤立をするという事態が近年の日本の中で想像できたか。そんなことは想定できなかったのではないかなと思っています。

 私は、昨年現地を歩かせていただいて、現地の人たちから、一日一回や二回の雪おろしには耐えられるけれども、十二月の初旬から三月までこの雪が続くと思うと、どうやって生活を支え、雪に闘いを挑んでいったらいいのかわからないという声を何回も聞きました。

 ぜひ、この現状を把握していただいた防災大臣から、被害の実態をまずお聞かせいただき、対策の現状をお聞かせいただきたい、そんなふうに思うところでございますので、よろしくお願いいたします。

沓掛国務大臣 昨年末からの豪雪についてのお尋ねでございますが、私も、一月七日、現地を訪ねさせていただきました。湯沢、津南町、十日町、そして山古志村の人たちが避難しておられます長岡の仮設住宅を長島議員と一緒に見せていただいて、長島議員からいろいろ御説明もいただいて、私なりに大変勉強になりました。その後、それを生かして一生懸命対策を立ててやっているのでございます。

 さて、ことしの冬の大雪により、まず、不幸にしてお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、困難な生活を余儀なくされておられる方々に対して、本当に心からお見舞い申し上げます。

 現在までに百三十一名の死者が発生いたしております。これは、昭和三十八年豪雪の死者・行方不明者二百三十一名、昭和五十六年豪雪の死者・行方不明者百五十二名に次ぎ、昭和五十九年豪雪の死者百三十一名と並んで、戦後三番目の大雪被害となっております。

 政府といたしましては、昨年以来、総理の指示のもとに、災害救助法の適用や自衛隊の災害派遣などによる雪おろしへの支援、特別交付税の一部繰り上げ交付、あるいは、道府県道、市町村道の除雪費補助の緊急対策など種々の対策を講じて、国民生活の安全と産業の円滑な活動のために万全を期しているところでございます。

 しかし、今後は気温の変動が大きいことが見込まれており、大雪や雪崩あるいは落雪、融雪災害に注意が必要となるため、引き続き政府一丸となって対応してまいる所存でございますし、また長島議員からも、現地の情勢、状況についていろいろ御指導いただけることをお願いし、私たちもそれにしっかりとこたえていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

長島(忠)委員 国民の目線に立った力強い御答弁をいただきまして、まずもって感謝申し上げたいと思います。

 私は、雪害地を回って、恒久的な対策について必要ではないかということを少し考えてまいりました。

 一点は、今回孤立をしたような集落あるいは地域について、特に今回は、新潟県津南から長野県の栄村に通ずる国道が雪崩の危険のために一時途絶してしまった、孤立をしてしまった。もちろん、雪国に生活する者は、孤立しても、一週間、十日間生活を支える生活のすべは知っているつもりでございます。でも、現代の経済生活の中で生活をしていくためには、通勤通学あるいは生活物資ということで、道路の確保が必要欠くべからざる問題だと思っております。

 そこで、国土交通大臣にぜひお聞かせを願いたいと思います。

 最低限、雪崩防止さく、あるいはスノーシェッドというような対策を講ずることによって、今冬の雪の中で危険箇所が浮き彫りになったところを解消でき、将来安心して安全に暮らす地域ができるとしたら、やはり道路予算を優先的に配分しながらやっていくというような考え方、これが国民にとって大きな信頼につながるということを私は考えてまいりました。

 ぜひそのことについて御答弁いただきたいと思いますし、先ほど私の方から少しお話をさせていただきましたけれども、十九年間の暖冬によって、市町村は、雪寒対策費、つまり除雪費について、意外に少ない見積もりで予算立てをしております。多分、二年続いた大雪、三年、四年続かないとは限りません。国土交通省から雪寒対策費についても力強い御支援をいただくことが、あるいは、安心、安全、そして地域にとって安全なまちづくりを推進していける意欲につながるのではないか、そんなふうに思うところでございますので、ぜひ国土交通大臣から、国民の安心を守る公共事業、安全対策については最優先にやっていく必要があるという力強い御答弁をいただきたいところでございます。ぜひお考えをお聞かせください。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

北側国務大臣 今委員がおっしゃいましたように、道路というのはまさしくライフラインそのものでございます。これは、今回の大雪でも、幾つかの箇所で、道路というのが非常に大事だということが本当によくわかるわけでございます。災害時においては、道路がないと逃げることもできない、また、物資を運ぶこともできないということでございまして、やはり道路というのはライフラインの最も基本の私は社会資本であるというふうに考えております。

 今、大雪についての恒久的な対策についてお話がございました。

 雪崩防止さく、それからスノーシェッド、スノーシェッドというのは道路に屋根をかぶせるわけでございますが、こうした雪崩防止さくやスノーシェッドの整備については、これは雪の降っておらないときに進める必要があるわけでございます。

 今委員のおっしゃったように、今回の豪雪の状況をよく踏まえまして、雪崩が起きやすい地域につきましては、雪崩防止さくやスノーシェッドの整備等について重点的にしっかり詰めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

 また、道路の補助について、除雪の費用についてもお話がございました。

 私も、昨年末からことしにかけまして何カ所か豪雪地帯に行かせていただきましたが、本当に道路の除雪というのは毎日毎日のことでございまして、豪雪地帯の方々の御苦労というのを私も身にしみて感じたところでございます。

 この除雪費の補助につきましては、先般、補助費を、市町村道につきましても補助させていただきましたが、現状について二月末を目途に調査させていただいておりまして、それを踏まえまして、必要な支援はしっかりとさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

長島(忠)委員 力強い御答弁をいただきまして、心から感謝申し上げます。

 多分、雪国あるいは中山間地に暮らす者にとって、今、国土交通大臣が、国民が生活をするために基本的なライフラインである道路の整備については最優先したい、これは無駄なという議論ではなくて、必要であるからと。ぜいたくな道路を欲しいと思っているわけではなくて、生活をするために最低限安心な道路が必要だと実は地方は思っています。ぜひそのことを御理解いただきたいと、重ねて申し上げたいと思います。

 一点、私ども、一昨年被害を受けた中越地震の被災地について御見解を承りたいというふうに思っております。

 昨年、十九年ぶりの大雪で、被災地は五月二十日まで雪の下にありました。五月二十日から災害復旧工事を進めていただいて、十二月の初旬、もう少し舗装すれば何とか集落の中心まで舗装道路を完了させていただけるというところで降雪、そのまま雪の下に今は被災地がなっております。住民も大きな期待を持って、二回目の冬を越えて来年の春こそ、雪の消えるころ、若芽の吹き出すころ私たちは自宅に帰れるんだ、そのために一生懸命やっているんだという希望の中におりましたけれども、現実にこの雪は、その希望を少し後に押し返すような厳しいものでありました。

 でも、私たちは、今、国土交通省の皆さんや、そしていろいろな関係機関の皆さんが一生懸命やってくださる災害復旧を信じながら、みずからも生活復旧を遂げようと意を強くしているところであります。でも、現実にまだ二百世帯の人が、目標も定められずにいることも事実でございます。

 この雪、十二月の初旬から、多分、私の予測でいくと、早くても五月の連休までは雪の下に被災地があるのではないかなと思います。中越地震の復興計画においてこの雪が及ぼした影響あるいは対策について、今の時点でおわかりになることがありましたらぜひ御見解を賜りたいと思います。

 直接現場で携わっていただいております防災大臣の方がよろしゅうございますか、国交大臣の方がよろしゅうございますか。

 では、国土交通大臣の方からお願いいたします。

北側国務大臣 一昨年の十月の二十三日、私も翌日被災地に入らせていただきまして、被災現場で先頭を切って委員が指揮をとられていたことを今もよく覚えております。

 この年末年始の大雪で、被災現場においてまた復旧がおくれてしまうのではないか、そういう御心配の御質問だというふうに考えております。

 現在、県、市町村が管理しております事業箇所というのは約三千五百カ所ございます。そのうち、今回の豪雪で大きな影響を受けております工事箇所は、私が報告で聞いておりますのは約三十箇所というふうに聞いております。

 こうした被害規模の大きな箇所におきましては、豪雪によって工事の完成時期がおくれるかもしれない、そういう影響を懸念している旨の報告を地元から、地元の新潟県からも報告を受けているところでございますが、こうした箇所につきましては、現地の状況及び復旧計画を、地元とよく連携をとらせていただきまして聞かせていただいて、工期短縮のための工法変更等柔軟な対応をしっかりさせていただいて、できる限り早期な復旧ができますように頑張ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

長島(忠)委員 ありがとうございます。

 一つ、私の方から感謝を込めて、例を挙げてお礼を述べたいと思いますけれども、私どもの地域は、できるだけ早く、できるだけもとの生活を取り戻したいというのが当初からの目標でございました。できるだけ早くという願いの中で、被害が甚大過ぎるために、当初、三年かかるとも五年かかるとも十年かかるとも、住民はその不安の中にいたことも事実でございます。

 一昨年、国道二百九十一号線という県管理の国道を、災害復旧部門を国直轄にしていただくことができました。その中で、原形復旧が不可能なためにトンネルによって災害復旧を遂げるという箇所が一カ所ございます。通常工事のペースでいったら三十六カ月から五年かかると言われたところでありますけれども、今、十五カ月で完了するという目標で両方向からの掘削、あるいは橋を事前に一年間でかけるために側道からの掘削。アイデアを凝らしていただいて、十五カ月で次の集落まで通ずるという方向が示されました。

 そのことによってどんな影響が出てきたか。実は、奥の集落二十数戸、そして次の集落が三十戸の集落でありました。七〇%から八〇%の人しか帰らないという話をしておりましたけれども、十五カ月でできるという話を聞いて、今一〇〇%の人が、帰りたい、帰りますというふうに言ってくれています。それぐらい災害復旧に関してスピードという役割は大きなものだということをぜひ御認識いただいて、私の方からそのことに対して大きな感謝を申し上げます。

 ここで、災害復旧、さらにスピードを上げてやり遂げるという力強い全国へのメッセージがあるとすれば、これからもし災害が、あってはならないけれども、災害があった地域が国に対する大きな安心ということにつながるのではないかと思いますので、ぜひ国土交通大臣から力強いメッセージをひとつお願いします。

北側国務大臣 今回の豪雪で被災を受けられている地域の復旧はもちろんのこと、災害があったときに被災地域の復旧にできるだけ早く取り組み、それをなし遂げていくということはその地域の方々にとって極めて大事なことでございますし、またその地域の経済にとっても極めて大事なことでございます。しっかり今後とも、災害復旧については優先して、スピードを上げて取り組むように努めてまいりたいと考えております。

長島(忠)委員 ありがとうございます。

 防災大臣に私は一点だけお聞きをさせていただきたいと思います。

 災害を受けたときに防災大臣が果たされる役割は非常に大きなものがある。私たちは、現地において、顔の見える防災大臣を頼りながら省庁の連絡をとっていただきました。ぜひこれから、国民に安心を与える防災という観点から、各省庁の防災対策の窓口となって防災大臣が力強い方向を出していかれることを、新しい連絡体制だとか、国民の安心、安全だとかいう分野で力強いメッセージをいただければありがたいというふうに思います。防災大臣、よろしくお願いします。

沓掛国務大臣 今、長島議員の御質問なり要望でございますが、今回の豪雪については総理みずから陣頭指揮をされました。これは十二月の二十七日に私が呼ばれて、総理からこの対策に万全を期するようにということであり、一月七日も、一月六日の夜、総理からあした行くようにということで、実は、一月七日の朝は新幹線はとまっていたんです。八時二十四分に乗ろうと思ったけれども、それまで一度も立っておりません。二時間近く待たされて、もうともかく強引に乗り込んで行ったという形です。

 その後も、総理みずからの陣頭指揮でございました。もちろん、私もそれにこたえるというか、当然職務でございますが、各省庁をそのたびごとに呼んで、万全を期するために強力にやってまいりました。自衛隊の出動、派遣などについても、総理から、これはすぐやるように、必ず効果があるからということでもございましたし、災害救助法の適用等についても総理から指示がありましてすぐ各省庁に連絡するなど、そういう形で各省庁との強い連携をとりながらやらせていただいているのでございまして、これからも、そういう強い連携のもと、しっかりやってまいりたいと思います。

長島(忠)委員 大変ありがとうございます。当日、多分電車が走れないだろうという中、わざわざ何時間もお立ちになりながら現地に入っていただいた姿、私は心から感謝を申し上げたいと思います。

 最後に総務大臣に、災害を受け、特にこういった雪害等のとき、市町村にとって特別交付税の果たす役割は非常に大きなものがございます。今回、特に各省庁連携で災害対策を考えていただいたときに、阪神・淡路等、過去に幾例もない、雪害では多分初めてだと思いますけれども、特別交付税の前渡しということで実施をしていただきました。

 今、地方における地方自治体の財政状況は極めて困難な状況があって、使いたいお金も手元にないというのが多分現状だったと思います。そんな中で除雪を考えて、お金がなかったら何が一番おろそかになってしまうかというと、安全対策費という部分が一番おろそかになってしまいそうな気がしていたところでございますので、特別交付税の前渡しというところは非常にありがたく受けとめたところでございます。そしてまた、三月に、除雪の経費の精算あるいは人的な雪おろし経費の精算等についても特段の御配慮をいただきたいと実は思っているところでございます。

 その中で、地方自治体が地方自治体を運営していく中で大きな問題が一つ二つございます。

 確かに、個人の要援護世帯の雪おろし費については災害救助法の中で認められるようになりました。そして、除雪経費についても特別交付税あるいは補助金という形で認めていただくことができるようになりました。でも、私立の幼稚園あるいは私立の保育所だとか私立の学校だとかというところに関する除雪の経費は、実はこれは設置者の負担になって、公立保育園あるいは市立保育園との大きな差が出ていることも事実でございます。地方自治体がそんなことに踏み込んで、地方の円満な行政運営のために踏み込むという場合にはぜひ特別交付税なりで措置していただけることを心からお願いしながら、総務大臣の御見解と御所見を承りたいと思います。

竹中国務大臣 今委員からいろいろお話を伺いまして、改めてですけれども、記録的な豪雪によって大変御苦労しておられるというふうに思います。

 現実問題として、地方団体で除雪、排雪の経費が本当に多額に上っているということは承知をしております。今御紹介いただきましたけれども、既に我々としても、これは初めてのことなんですけれども、特別交付税の一部を繰り上げて八十五市町村を対象にする措置というのをとらせていただきました。

 問題は、さらに今後、三月分の特別交付税の交付だと思っています。現在算定作業中でございます。豪雪によって、道路そして公共施設の除排雪、さらには高齢者の世帯への雪おろし支援などに要する経費が多額に上る地方団体、これはよく事情をお聞きして、我々としては、もちろん民間にお出しする交付税というのはできませんので、自治体でどのような対策をとっておられるのか、よく自治体からも事情をお聞きして、財政運営に支障がないように対応してまいりたいと思っております。

長島(忠)委員 大変ありがとうございます。ぜひ、自治体運営がスムーズにいくように、特別交付税の配分について特段の御配慮を重ねてお願いしたいと思います。

 最後に私の方からお願いを。

 私たちは、当然、国の限られた財源の中で自治体、地方を運営し、国民の生活を運営していくのは義務だと思っております。ただ、雪であるとか災害であるとかいうときに、国の果たす役割と国が果たしてくれる責任は非常に大きな信頼があります。ぜひこれからも、災害あるいは防災という観点から国民の生活のために政府一丸となって取り組んでいただけることを心からお願いしながら、質問を終わらせていただきます。

 大変ありがとうございました。

大島委員長 これにて長島君の質疑は終了いたしました。

 次に、太田昭宏君。

太田(昭)委員 公明党の太田でございます。

 二階大臣、中小企業をどうバックアップするかということは、今、日本経済全体が上を向く中で、まだら模様という中で、私は非常に大事なことだというふうに思っています。企業数で九九・七%、雇用において七〇%、ここが本当に力を得てくるということが本当の景気の回復になるというふうに思いますけれども、中小企業金融で、我々としては非常に苦労して信用保証協会の特別保証枠制度等をつくったりして、また、政府系金融機関の働きを得て頑張ってきたというこの数年の経過がございます。

 政策金融改革ということは当然大事なことなんですが、その中で商工中金の民営化ということについて決断をされているわけです。しかし、詳細な制度設計の中でこの機能をしっかり残すということが私は大事だというふうに思っています。二階大臣の見解をお伺いしたいと思います。

二階国務大臣 太田議員御指摘のとおり、政策金融改革におきまして、商工中金の改革は大変重要な課題でありました。

 まず、世間でよく言われる、本当に企業が苦しいとき、つまり雨の日に傘を取り上げられる、そういうことが世評言われておるわけであります。まさかという気持ちはするわけですが、現実にはそういうことは間々あるわけであります。そういう意味で、商工中金は、過去に、中小企業に本当に頼りになる金融機関としての実績を上げてまいりました。

 私も、先般地方に参りまして中小企業経営者のお話を伺っておりますと、今から三十二年前、自分は企業の拡張を計画したが、どこの金融機関にも断られた。万策尽きて商工中金に駆け込んだところ、将来を見越して三億円の融資をしてくれた。私は、それ以来、商工中金の前を通るときに本当に手を合わせたいような気持ちだと。今日は、その企業は、従業員が千三百人、資本金にして百四十九億円、売り上げは四百六十億円の規模に達しております。

 そういう中小企業の例は各地に存在しているわけでありますから、私は、そうしたことに対して、商工中金の民営化に際してこの行く末を、議員の皆さんの御協力をいただきながら、しっかりしたものに制度設計していかなくてはならないと考えております。

 特に、普通の金融機関になって中小企業融資がおろそかにされてしまうのではないかとか、ファンドなどに買収されて利益優先主義になってしまうのではないかという不安の声が経済産業省にもしょっちゅう寄せられておるわけであります。

 商工中金を単なる普通の金融機関にするのではなく、引き続き、中小企業が不安感を抱くことのないように中小企業のための金融機関とすることが大切であり、その担保のためにしっかりとした法的枠組みを用意するということが、中小企業政策を預かる私の重大な責務と心得ております。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

太田(昭)委員 力強い答弁、ありがとうございます。ぜひともそうしたことについてお願いしたいと思います。

 二階大臣、あさってから、短期で二十二、二十三と訪中されるということですが、私は、今訪中というのは非常に大事な時期だと思っています。政調会長が、今、与党で行っているわけですが、例えばエネルギー消費とか環境という面では、中国自体だけでなく日本にとってもこれは大きいというふうに考えておりまして、環境ということ、エネルギーということでの交流、協力を図る観点というのはぜひとも今度の訪中の中で強く主張し、また協議をしてきてもらいたいと思いますが、いかがですか。

二階国務大臣 御指摘のとおり、エネルギー問題あるいは環境問題等は、中国の問題であると同時に日本の問題でもある。よく、日中間を語る際に一衣帯水の国と言われておりますが、空などはもうすっかりつながっておるわけでありますから、私たちは、中国の河川、水質汚染問題等も、けさもテレビで報道されておりましたが、大変重要な課題だと思っております。

 これについて日本が中国のために何をなすことができるか、中国はまたそのほかの分野で何を日本のために貢献できるか、そういう問題についてじっくりと話をしてまいりたいと思っております。

 なお、この件につきましては、薄熙来という商工大臣と、私は、WTO、APECの機会を通じて二度にわたって個別の会談を行ってまいりました。その際に、日中間でこの二つのテーマでフォーラムを開催して、最初は、私が提案したことでありますから日本でやりましょう、その次は中国でやりましょう、交代交代に日中間でこの協議を続けて、学者、官僚あるいはまた政治家、民間の企業の関係の皆さん等総動員して、お互いに有する知見を共有していけるような努力をしてまいりたい、このことを中国の幹部の皆さんに強く訴え、できるだけ早い機会に第一回目の会合が日本で開かれるように努力してまいりたいと思っておりますので、議員の皆さんの御協力を切にお願いする次第であります。

太田(昭)委員 二月七日からインドへ行ってきましたが、改めて感ずることは、日本の外交というものがかなり閉塞的になってきているなということです。産業ということからいきますと、付加価値をどうつくるかということにもっと政府を挙げてバックアップ体制をとらなくちゃいかぬ、こういう思いを深くするわけですが、三点だけまとめて二階大臣に質問したいと思います。

 その付加価値を上げるために、例えば一つ、この間、二階大臣にも申し上げた上で、インドでもカマル・ナート商工大臣を初めとして言ってきたんですが、インドには石炭がある、日本には採炭の技術はある、しかしもう掘るところはない、その技術というものをしっかりインドに送ることも含めてやるということは、また、それを、環境、京都議定書と絡めることも含めてやるということは非常に大事なことだという主張をしてきました。私は、日本ではもう廃れつつあるこういう技術というものを生かす道がこのグローバル社会の中ではあるというふうに思いますから、その点についてしっかりした応援体制をつくっていただきたいことが一つ。

 それから、高齢者に大変技術があるんですが、これが、定年を迎えて働く場がないということになって、そして技術もまた廃れていくということになりますから、高齢者の技術をしっかり採用するというシステムを日本の中でつくっていくことが大事だということが二つ目。

 三つ目には、今回法律が出るわけでありますけれども、物づくり中小企業の強化ということで、現場でありますメッキとかプレスとか金型技術であるとか、そうしたことをしっかりバックアップする体制をとる、あるいはまた、それとITを組み合わせるというようなことが極めて大事なんですが、支援策をそこでやり始めるというんですが、六十四億円。谷垣大臣にも一遍聞いておいてもらいたいんですが、いつもいつも、これはいろいろな理屈はありますよ、ありますけれども、中小企業へのお金が少ないんじゃないかということを中小企業諸団体が常に言います。この物づくり支援ということの六十四億円、金型技術やいろいろなものは非常にいいことなんですけれども、そうしたことについて支援体制を金額も含めてやるということが大事だ、私はこう思っています。三つ、きょうはまとめて提案しましたが、いかがでしょうか。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

二階国務大臣 先般、太田委員を団長とする公明党の調査団がインド、パキスタンに御訪問されたということを伺っておりまして、大変うれしく思っております。議員外交というのは極めて重要でありまして、機会あるごとにそれぞれの国との交流が必要だと思っております。

 ナート大臣は中小企業ということに大変着目されておりまして、日本はトヨタも来てくれている、スズキも来てくれている、しっかりやっていただいておることに感謝にたえない。しかし、私たちの国が直ちにトヨタを、直ちにスズキをまねて、あのような大企業をインドの各地に打ち立てることはそうたやすいことではない。中小企業ならば、私どもも政府を挙げてバックアップすれば可能性はある。このような判断に基づいて、中小企業にインドに来てもらいたい。こういうことでありまして、私は、経団連の奥田会長を初め日本の中小企業各団体、ジェトロあるいはまた中小企業金融公庫、そうした皆さんに呼びかけてインドにミッションを送る計画を立て、今、順次それを実行しておるところであります。

 やがて、一わたり、そうした私たちの考えております中小企業の先進的な皆さんに、インド訪問の成果をまとめて、その中から具体的にインドへの進出ができる企業というものを考えてみたいと思いますが、先ほど御指摘のありました採炭の技術等につきましては、これは極めてすばらしい御指摘だと思います。日本の企業でやや廃れておる企業、しかし技術だけは残っておる、これを他の国に提供することによって、相手の国も発展する、我々の、その企業の技術を持っておられる人々も繁栄する、そういうふうなことを考えていくのが我々の仕事であろうと思っておりますので、ただいまの御指摘を踏まえて真剣に取り組んでみたいと思っております。

 なお、高齢者についての御指摘がありました。

 私は、物づくりにおきまして日本の高齢者の長年蓄えてきた技術というものは、ある意味では日本産業の宝だと思っております。その宝が、ややもすると活躍の場面を失ってしまっておる、元気を失ってしまっておるというような状況に対しては、これはやはり工夫していかなくてはならない。

 ある小さいビール工場で、自分は大きいビール会社に勤めておった、そのときは、いろいろな決まりや基準があって、自分の好きなようなビールをつくるということはなかなか困難であった、しかし、ここへ来て、君に任すということを言われて、自分がすべてを任されておる、その満足感で今真剣に取り組んでおる。私は、高齢者の皆さんにそういうチャンスを与えていくことが仕事だと思っております。

 経済産業省は既にそういうことに取り組んでおりますが、成果を皆さんの前に御披露して、ここまで来ましたと言うのにはまだ少し時間が必要だと思いますが、この点につきましては、高齢者の皆さんが、毎日でなくてもいい、週に一日でも二日でもいい、今日まで鍛え上げた、また蓄積した御経験、技能を生かして日本の中小企業の技術強化に御尽力いただけるような環境をつくっていくことが、経済産業省としても大きな仕事の一つであると心得ております。

 物づくりにつきまして大変力強い御支援をいただきました。谷垣大臣も聞いていただいておると思いますが、六十四億が多いか少ないか。これは、今、予算審議をしていただいている最中に私の立場で申し述べるべきことではありませんが、心の中では太田議員の御指摘に対して大変感激しておるということを申し上げて、私の意のあるところをお察しいただければ幸いであります。

太田(昭)委員 沓掛大臣、この間新聞を見ましたら、十六日に、東京都が、東京直下でマグニチュード七・三の地震が発生した場合に、死者四千七百人、倒壊四十四万棟、こういう記事が出ました。大きく発表されました。あれっと思ったんですね。中央防災会議では、東京直下でマグニチュードを七・三、北部で地震があった場合に、亡くなる人は一万一千人、そして、夕方の六時、風速十五メートル、八十五万棟が焼失する、帰宅困難者六百五十万人。もう頭の中にがんと入っておるわけです。

 ところが、こういうのがばっと出ると、これはどういう話なのか、こういうふうに私は思ったわけです。中を読んでみると、風速六メートルという試算を東京都の防災会議ではやっている、国の中央防災会議は十五メートルでやっている。そして、東京都内ではということで調べてみると、中央防災会議は七千八百人というようなことが出ていたり、条件とかいろいろなもので若干違いが出るというのはしようがないんでしょうが、私は、こういうことは、非常に不安を与えたり、もう少しデータというのはきちっと、中央防災会議はこういうふうにしました、そして東京都はこう発表しますと、発表の仕方を含めて、条件、パラメーターも含めてしっかりしたものにしておかなくちゃいけない。何か統一がとれていないんじゃないかと思います。

 これは一問だけ苦言を呈して、そして、中央と都と、こういう災害についての条件、パラメーターについては当然同じものにして、それをきめ細かくほうっていくというような発表の仕方ということに心がけていただきたいと思うんですが、いかがですか。

沓掛国務大臣 十六日に発表されました東京都の被害状況について、実は私も、新聞で読んで、ううん、これはどういうことかなというので早速事務局にいろいろ検討していただいたので、委員の言われるような問題について非常に私も同感でございましたが、よく調べてみますとこういうことでございます。

 まず、その対象範囲、被害を想定する対象範囲については、中央防災会議で昨年発表いたしましたものは一都三県を対象として想定したものでございます。したがって、その中での東京都というのは二十三区は一体、そしてその残りは一体というような形になっております。東京都のは、例えば二十三区については、二十三区それぞれについて被害の想定をしてそれをサムアップするというような形になっておりまして、詳細の度がかなり違うというふうに思っております。

 それから、地震がどこで起き、その大きさがどうかということについては、これはいわゆる東京湾の北部で、そして地震の大きさが七・三というのは、一つは一致しております。

 ただ、東京都は、千葉県の北西部において六・九のマグニチュードが起きた場合というのをもう一つやっております。それは、昨年の七月、千葉の北西部で震度約六の地震が起きてかなりの被害が起きているので、東京都としては、七・三まで行かなくても、もう少し低いところでもどうなるのかということで六・九というのを想定してやったということもございます。

 それから、被害想定するためにデータを出し、そのデータから出てきた結果をもとへ戻すそのメッシュの大きさも、中央防災会議では一平方キロメートル、一キロ四方を単位としたメッシュでやっておりますが、東京都は二百五十メートル単位ですから、面積でいうと十六分の一というものでやっております。

 それからもう一つ、被害の大きさに大きく影響する風、風速でございますが、中央防災会議は三メートルと十五メートルで二つやっております。十五メートルというのは、関東大震災のときに起きた風が十五メートルでございますし、阪神の地震のとき起きた風速が三メートルでございます。考えてみると、関東大震災はあれだけ大きな火災が起きましたので、物すごい風が起きた。十五というのは、大きな、極限的な数値なんだと思います。阪神の場合は、もちろん火災も起きましたけれども、それほど大きくなくて三。東京都では、同じものよりも中間をやってみようということで、六メートルという風速を想定してやっております。

 そういうことで、被害想定の結果につきましては、今申し上げましたようないろいろな条件の違いもございますので幾分の違いが出てきておりますが、大筋での整合性は図られております。

 そこで、確かに中央防災会議は、これまでも、地方公共団体による、より詳細な検討の必要性を指摘してきたところであり、今回の東京都の検討についてもさらに震災対策の充実が図られるものとは期待いたしますけれども、先生のおっしゃられたように、今後は、地方公共団体による被害想定の発表に当たっては、やはり国の被害想定との整合性の説明についてもこれから配慮を求めて、そういう中で、より詳細にしてきた、しかし、データについては、今申し上げたように、いろいろ、風の問題であるとか震度の問題あるいはまたエリアの問題、そういう問題については、こういうことをやったんだ、中央防災と同じことをやるよりも、自分らとして特に細かな関心としてはこういうことがあるんだということをぜひやらないと、大変わかりにくいし、逆に、何しろこれは命や財産にもかかわる話でございますので、そういう点はしっかりとやってまいりたいと思います。ひとつまた今後とも、先生も大変そちらの方面は詳しいので、御指導をいただければありがたいと思います。

 ありがとうございました。

太田(昭)委員 よろしくお願いします。

 それで、学校の耐震化ということで、小坂大臣、五二%まで行ったということなんですが、僕も、これは、あれっとまた思ったわけですよ。

 この間まで四九%。でも、公明党で、北側政調会長であった時代に、これはもうデータもない時代から、学校の耐震化をやれということを我が党は一番主張してきたわけです。いまだにこれが五二%というのは一体どういうことかと私は思えてならないんです。この辺は取り組みを強化して、早く六〇%あるいは七〇%というところまで持っていっていただきたいと思いますが、いかがですか。

小坂国務大臣 太田委員の御指摘のとおり、学校というところは、児童が生活の大半を過ごし、また、災害の際には緊急避難の場所としてその役割を果たすわけでございますから、一日も早く完璧な耐震化を実施すべきだという御指摘はそのとおりでございます。

 私どもも、各学校設置者に対して耐震化の促進についてたびたびと要請しておるところでございますけれども、一方では、建てかえ方式による完璧なものをつくりたいという地域の要望もあるわけです。そのために、より効率的、また迅速に対応できる耐震補強あるいは改修というものよりも、時期を待って建てかえをしたいというようなことがあっておくれている部分もあるかと思うのでございます。

 また、どのような建物が本当にどの程度の耐震性があるかということについての把握も若干おくれておりますので、北側国土交通大臣ともお話をし、お力もいただく中で、本年中に耐震化については完璧に全部診断を済ませてしまう。そして、むしろ耐震補強、改修という点に重点を移しまして、予算面も充実させて、耐震補強、学校の安全等ありますけれども、耐震部分で約一千九億円が投下されると期待をして、そのような予算組みの中で対応してまいりたいと思っておりまして、御指摘の趣旨は十分に踏まえ、私ども、全力でこの推進に取り組んでまいりますので、何とぞ御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

太田(昭)委員 もう一つ、川崎大臣、病院です。病院の耐震化促進ということについてリーダーシップを発揮してもらいたいと思いますが、いかがですか。

川崎国務大臣 御指摘のとおり、今、新耐震基準に沿った病院は、二千四百九十四病院、三六・四%という状況にございます。そういった中で、ことしの補正予算で国立病院機構については処理をさせていただきました。また、災害時に拠点病院になります民間病院も含めまして、そこへの予算措置をいたしているところでございます。

 ただ、これからの課題といたしましては、三位一体改革の中で、地方の公立病院については県に一般財源としてお渡しをいたしました。それから、民間病院の拠点病院につきましては交付金という形でさせていただく。地方としっかり話し合いをしなければならないと思っております。残された一般の民間病院につきましては税制と融資で引っ張っているわけでありますけれども、しっかりとした目配りをしてまいりたいと思います。

太田(昭)委員 北側大臣は、ずっとこの点、推進を党の時代からやってこられたわけですが、この辺は国交省としても、耐震改修促進法をつくっていただいたりということも初めとしてぜひとも推進していただきたいと思いますが、いかがですか。

北側国務大臣 昨年の衆院選の後の特別国会で、耐震改修促進法を全会一致で改正を認めていただきました。つい先般、国としての耐震改修に向けての基本方針というものを定めさせていただきました。そしてまた地方公共団体におかれましても、年内を目途に耐震化、我が地域の耐震化をどう進めていくのか、その基本計画について策定していただきます。

 その中で、今委員から御指摘ございました学校また病院、これは非常に重要な建物でございます。災害時においてはそこが拠点になるわけですね。その学校や建物については耐震化をより強力に進めていただく必要があるわけでございまして、地方が定める基本計画の中で、具体的にいつまでに我が地域の学校や病院について耐震化を進めていくか、その目標そしてプログラム、そういうものをしっかり決めていただきたいというふうに考えているところでございます。

 それで、先ほど文科大臣から御答弁ございましたが、学校につきましては年内中に耐震診断は全部やっていただく。全部やっていただいて、なおかつ、その結果は公表していただきたいというふうに思っているんです。公表していただいて、そして、先ほど申し上げた地方公共団体の基本計画の中に、この学校についてはいついつまでに耐震化を進めるというような目標もきちんと明記していただきたいと考えているところでございます。

太田(昭)委員 財務大臣、お金がないから進まないというわけにはなかなかいかないわけですよ、これは命の問題ですから。今三人の大臣が学校とか病院の耐震化について進めるということなんですが、ずっと話を聞くと、お金がまだ、予算がという話に必ずなる。念頭に、頭の中にがっちり、これは非常に大事な問題だということをたたき込んでおいてもらいたいと思いますが、いかがですか。

谷垣国務大臣 太田委員が地震の問題に昔から大変熱心に取り組んでおられることをよく承知しておりまして、私、科学技術の仕事をしておりましたときも、太田先生から地震研究の推進や情報の一元化ということで議論させていただいたのをよく記憶しております。

 学校、病院の耐震化の重要性は私ども十分頭に入っておりますので、今後どう進めていくか、よくまた議論をさせていただいて、遺漏のないようにさせていただきたいと思っております。

太田(昭)委員 最後に、北側大臣、一つだけ、短時間であれですが、マンションの偽装の中で、〇・五以上一未満というのがございます。私の地元にもあります。そこのところへの応援体制とか支援というものの考え方について、お考えがあればお示しいただきたいと思います。

北側国務大臣 今回の耐震偽装事件で、偽装がありました分譲マンションのうち、今委員のおっしゃった〇・五以上一未満のものにつきまして、これは十一件ございます。この〇・五以上の分譲マンションに対する支援いかんという御質問でございます。

 この分譲マンションについては、〇・五以上ございますので基本的には耐震改修をしていくということになるわけでございますが、地方公共団体が耐震改修等の支援を行う場合には、当然、既存の住宅・建築物耐震改修等事業、これは大きく拡充を補正予算でも認めていただき、そして今回の本予算でも御審議いただいたところでございますが、この事業を活用して支援することとなるわけでございます。

 また、偽装物件についての違反是正のための標準的な手順等につきましても取りまとめをさせていただいて、全国の特定行政庁に通知したところでございます。

 いずれにしましても、〇・五以上の分譲マンションにおきましても、総合的な支援対策ではございませんが、その耐震改修等につきまして、しっかり地方公共団体と連携をとって支援させていただきたいと考えておるところでございます。

太田(昭)委員 ありがとうございました。

大島委員長 これにて太田君の質疑は終了いたしました。

 次に、古本伸一郎君。

古本委員 民主党の古本伸一郎でございます。

 きょうは予算委員会での質問の機会をいただきました。委員はもとより、理事各位にも感謝を申し上げる次第であります。

 私からは、今国会でも恐らく閣法で提出があると思います金サ法、金融商品取引法という名前に改まるんでしょうか、こういう御議論を控え、そして、それを前提とした予算案の審議を今しているわけでありまして、つきましては、かかるライブドアの事件をきっかけとした今日的な経済の混乱やあるいは政治も含めた混乱や、そのすべてはどこに原点があったのか。これは、ライブドアがニッポン放送の株式をいわゆる立ち会い外で取得をしたと言われている昨年の二月八日に立ち返る必要があるのではないか、そういう問題意識から少し質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 委員長にもお許しをいただきまして、資料も配付をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 それに先立ちまして、産経新聞さんの平成十八年二月十七日、おもしろい記事が出ていました。「私も言いたい YesNo」、これは資料に入れていません、簡単な話ですから。テーマは、小中高生の株式売買についてどう思うかというアンケートを産経さんがとっておられます。この中で、小中高生が株を売買することに賛成の方、約二割の人が賛成している、実際に売買することについて。さらに、小中高生に投資などのマネー教育は必要ですか、四三%の方が必要だと言っている。

 きょうは文部科学大臣にお越しをいただいております。今、我が国の教育は、こういったマネー教育をしていくことが大事なのか、読み書き計算をまずは小学生で徹底さすのが大事なのか。これは、年末年始、堀江氏がメディアに露出し、さまざまなことがあり、そして東京地検の強制捜査が入り、その後のアンケートであります。なおも必要だと言っている方がこれだけいる。まずは、文科大臣の我が国の教育におけるマネー教育のありようについて御所見を求めます、小中高生の。

小坂国務大臣 古本委員の御指摘のそのアンケートに対する回答から見ると、マネー教育を小中高でどのように取り扱うべきかという点につきましては、これは、まず御指摘の読み書きそろばん、そういった基本的な教育をしっかりやるべきだ、これは論をまたないと思うわけでございます。しかし、資本主義の国において、お金というものについての正しい認識、投資というものについての正しい認識をいろいろな段階を通じて学ばせることは、それはそれなりに意義のあることであろうとは思います。

 したがって、それは程度問題であり、今おっしゃったように、実際に株の取引をさせるかどうかということについては、これは十分に、慎重に取り組んでいかなきゃいかぬ。一概にそれが必要だと申し上げられるような立場ではないわけでございまして、私は、そういったものは慎重にする中で、そういったものの意義については、いろいろな段階を通じて教えていくことは必要だろう、このように考えております。

古本委員 今、大臣は立場にないとおっしゃられましたが、少なくとも小学校、中学校の義務教育課程は、これはすぐれて御省が特に所管されているわけでありまして、大臣として、マネー教育を、今後ともというんでしょうか、今後、小中学生にやっていくおつもりがあるのかどうか、お答えを願います。

小坂国務大臣 私が申し上げたのは、具体的なアンケートについてコメントをする立場でないということは申し上げたのでございますが、マネー教育というものの内容はどのようなものであるか、それは、先ほど申し上げたように、資本主義の国において、投資とかそういう市場主義についての意義というものを教えることは必要だ。しかし、かといって、今委員の御指摘のものを極端にとらえますと、それでは小中学校の課程の中にマネー教育あるいは投資というカリキュラムを設けるかということになりますと、それは私は全く考えておりません。

 しかし、総合教育というような時間がございますので、その総合のような中でこの社会の仕組みについて勉強していただく、また、その中で、模擬的な、それをわかりやすく説明するための取り組みをそれぞれの場において工夫をされることを否定することではありませんので、それは、学校設置者並びに学校現場等においてそういったことを勘案して御協議をいただき、また、保護者の御意見等も酌み入れる中でそういうものに取り組んでいただければよろしいことかと思っております。

古本委員 今、子供たちの教育のありようについてその御所見の一端を述べていただきましたが、同様に、実は朝日新聞の二月十一日のアンケート、これもおもしろいアンケートが出ています。「ライブドアの堀江前社長の功、罪、どちらが大きい?」こういうアンケートでありますが、功罪、恐らく両面があるんだろう、あるいは罪の方がちっちゃいんじゃないか、功の方が大きいというふうにお答えになっている方が三割いらっしゃる。いや、罪の方が大きいと言っている方が四割いらっしゃる。大変わかりやすいアンケートだと思うんですね。

 その中で、ルールのすきをついてもうけるということをどう思うかという、このことについて興味深いことを書いています。知っているか知らないかで経済格差が広がるということが、これがおかしいということを一番の理由に挙げておられます。つまり、すきをつくノウハウのある人がいれば、その人だけがもうけることができる、このことに国民は怒っておる、単純にそういうことだと思います。

 そこで、実は、本件のライブドアの問題で気づいていないことを一点確認をしてまいりたいと思うんですが、きょうは東証にもお越しをいただいております。

 何かその企業に不安定な材料、俗に言う悪材料が出たときに、これは当然、信用売りをすれば、下がったところで買い戻せば大きな利益が出る、こういう仕組みでよろしいでしょうか。そして、そういう場合に、例えば後場が終わる三時以降もそういった取引ができるのかどうか、教えてください。

深山参考人 ただいまの質問でございますけれども、まず一点目、いわゆる悪材料が出て空売りをする、それによって利益が出るというのは、先生のおっしゃるとおりでございます。

 それから、後場が引けた後ということでございますけれども、この時間帯以降は、いわゆるオークションという取引は行っておりませんので、私ども、ToSTNeTという中で取引は行うことができるということでございます。

古本委員 ライブドアに強制捜査が入った今年一月十六日でありますが、これはメディアを所管されている総務大臣に確認をするわけでありますが、第一報は何時ごろ打たれましたでしょうか。

竹中国務大臣 何時かという御質問について、済みません、その件に関しての質問通告をいただいていなかったと思いますので、今ちょっとわかりかねます。

古本委員 では、わかる人、だれかいらっしゃいますか。

大島委員長 わかる人いますか、おらぬ。

 古本伸一郎君。

古本委員 いや、これはだれもが知っていると思いますが、四時に、十六時に第一報が打たれているはずです。今、与謝野さんもうなずいていただいた。多分そうだと思います。

 四時に第一報が打たれてから、ToSTNeTの午後の時間外取引は引き続き行われたわけですね。その際に、どのくらいのライブドアの空売りがあったんでしょうか。東証にお尋ねいたします。

深山参考人 四時以降の売買については、日通しのデータしか持っておりませんので、具体的に幾らということは申し上げられません。

古本委員 今データが出ないということでありましたが、少なくとも、第一報を受けて、これはえらいことだということで、これは空売りをすることは可能な環境の中の時間帯で第一報が打たれました。これは、四時半までToSTNeTの午後の取引はできるというふうに理解をしておりまして、つまり、三十分間やれたわけでありますね。これは正しいですか。

深山参考人 午後の立ち会いは、ToSTNeTは四時半までやっておりますので、理論的には可能であったと。

 それから、先ほどの御指摘の点ですが、ToSTNeT、いわゆるライブドアの株については、その時間帯に取引はなかったということでございます。

古本委員 今の確認ですが、その間には取引がなかったのは、実績がないということですか。

深山参考人 その日のToSTNeTでの取引がなかったということでございます。ライブドアについてということです。(古本委員「約定がゼロ」と呼ぶ)約定がないということです。

古本委員 これはたまたまなかったということですか。

深山参考人 これは一概に申せないので、たまたまかどうかということはちょっと判断できないかと思います。

古本委員 個別の話とはいえ、これは法務大臣に少しお尋ねをするわけであります、杉浦法務大臣。

 東京地検は強制捜査に何時に着手をしたのか。そしてその際に、株式市場への影響ということを考えたならば、少なくとも、後場は三時に閉まるという一般常識とは別次元で、実は話題になっているこのToSTNeTというのは、時間外、立ち会い外取引と言うことができるわけでありまして、そういった観点を考慮し判断をしたのか、市場に与えるマイナスインパクトという意味ですが、着手したのかどうか、御所見を求めます。

杉浦国務大臣 お答えいたします。

 着手したのは当日の六時過ぎだと思いますが、おっしゃられたような点は私は存じておりませんが、恐らく考慮しないと思います。

古本委員 今の法務大臣の答弁を確認するわけですが、わけても経済犯罪、特に企業の業績いかん、悪材料が出るいかんによって株価というのは大きく変動します。その意味で申し上げれば、地検がいつ入るかということはもちろん地検の御判断でありますが、それを所管する法務大臣として、配慮しないというふうにお答えいただいたと思いますが、それで確認をとらせていただいていいでしょうか。

杉浦国務大臣 個々の事件については検察官に犯罪捜査権がございますので、それぞれの判断でやります。検察庁、東京地検としてやったことでございまして、東京地検が判断をして捜査に踏み切ったわけでございますので、ということは申し上げられますが、その際に、さまざまなおっしゃられたような事情を考慮するかという点については、私の考えでは、恐らく考慮に入れないだろうと推測を申し上げたわけで、検察庁の判断でやるわけでございます。

古本委員 これは個別の話を申し上げましたが、一般論で言えば、相場は常に動いているとはいえ、時間帯を考慮すれば、少なくとも、空売りを入れてその情報をいち早く一部の人が知ることがもしできたならば、これは何をか言わん、インサイダー取引であります。したがって、そういう意味での情報の漏えいや、つまり強制捜査に着手をするという大変なビッグニュースです。時代の寵児と言われたあのライブドアのあの六本木ヒルズに強制捜査が入る、このニュースのソースの管理において、今後とも、経済犯罪、可能性はあります。

 その意味では、それを所管する法務大臣として配慮をした方がいいんじゃないのか。たまたま知っていた人だけがぬれ手にアワの利益を手にする可能性がある。その意味で、再度法務大臣の御所見を求めます。

杉浦国務大臣 おっしゃられたような捜査情報の漏えいは、あの件についてはなかったと承知しております。

 捜査は事件に即して行いますので、また、一般論ですけれども、捜査情報はもう機密を守りましてやっておりますので、漏れるものはないと思っております。

古本委員 もちろん漏れては困るわけであります。しかしながら、現実として、あの六本木ヒルズに入っていくときの映像は国民は嫌というほど見ました。まさにリアルタイムで、中継なんでしょうかVTRなんでしょうか、映像は見ました。六時に着手、入っていくときに御丁寧にみんな並んでいました、カメラの大放列。たとえ一分でも、クリックすれば空売りできますよ。その意味からいえば、今回の事案を少し材料にしていただきまして、我々としても考えていかなきゃいけない課題を、インサイダー取引という意味で感じているわけであります。

 そして、たとえ一分でもという話なんですが、先日の与謝野大臣の本委員会の答弁の中で興味深いくだりが何カ所かあります。これは、まさに一分一秒を争うToSTNeTというシステムについておっしゃっておられます。これは、我が党の原口委員からの質問に対する、先日の委員会での大臣の御答弁であります。

 ニッポン放送の株をToSTNeTという時間外取引でネット上でライブドアが行った、あんな大量の売り注文があんな大量の買い注文とうまく出合うのかなという疑問は当然持ちます、TOBの規則に反しているのではないかな、強制買い付け規制に反しているのではないかなという感想を実は持っておりましたと。そして、持っておりましたところ、東京地裁、東京高裁で、多分にわかには違法とは言いがたいということがその判決の趣旨で示された、そこまでおっしゃっておられるんです。

 では、あんな大量の売りと買いが出合うことができるんだろうか。少し当時の数字に戻りたいと思うんですが、委員長のお許しをいただいて配付いたしました資料のナンバー三をごらんいただきたいと思います。

 二月八日の朝、立ち会い外取引での買い付けということで、八時二十二分の三百四十八万三千二百二十株から始まりまして、八時二十三分百三十五万七千五十株、八時二十四分百二十五万株、これはすべて一分間隔で出ています。一分間隔で実に発行済み株式総数の十数%に及ぶ株式が、時間外、立ち会い外で行われております。

 そこで東証にお尋ねをするわけでありますが、まず、ToSTNeTの掲示板に売りと買いが出てくる、そして約定する、売りたい人と買いたい人がぶつかり合う、この流れについて、一分でできますか。

深山参考人 ToSTNeTのつけ合わせは、言ってみればパソコンでメールのやりとりをする、こういうイメージをお考えいただけると理解が早いかと思いますので、一分間であっても、条件が折り合えば理論的にはつけることは可能であるというふうに理解しております。

古本委員 理論的には可能ということでありましたが、時間外は朝の八時二十分から始まります。そして、その時間外が始まったときに、これだけ売りたいよという人がいるのが先なのか、これだけ買いたいよという人がいるのが先なのか、これは大きく議論が分かれるところでありますが、時間優先の原則の話を言っておりますが、その際に、この三百四十八万株なる大変大きな数字が、しかも、条件も含めて出てきて、うまく見合ったということについて、これは感想で結構でありますが、東証においてよくある話なんでしょうか、それともめったにない話なんでしょうか。

深山参考人 ToSTNeTというのはもともと大口の注文を扱っておりますから、こういったケースがあるかとは思います。

 ただ、連続するというのはそんなに例はないのかなという印象は持っております。

古本委員 与謝野大臣にお尋ねいたします。

 大臣は、あの当時、これだけの数字が見合うということについて、疑問は当然持ったというふうにおっしゃっておられる。

 大臣は、この数字を改めて今ごらんになって、当時の取引が、当時の担当大臣であった伊藤大臣が、少なくとも市場内で行われている取引であるということを答弁したことについて、ある意味で当然でありますが、擁護するコメントをその後もなさっておられます、委員会において。その根拠となっているのが、ToSTNeTというこの時間外取引のシステムが東証の中に設定をされているシステムであるから、これは市場内での取引であるという、そのことをもって当時伊藤大臣は言われておりました。大臣もそのお考えに今お変わりはないでしょうか。

与謝野国務大臣 その当時、私は自民党の方で政策をやっておりまして、この取引を見て、随分大量のものが大量のものと出合うものだなというふうに思っておりました。

 ToSTNeT自体はもう定められた取引の制度でございますけれども、一方ではTOBの規則というものがあって、フェアなTOB、それから、売りたい人、買いたい人がそれぞれ同等のチャンスを与えられる、そういうことから考えますと、その後、疑問に思っておりましたら、裁判所で一定の判断が出ましたので、なるほど、裁判所はこういうふうに判断するものだなと思っておりましたけれども、やはり、TOB自体の厳格性を追求するためには証券取引法の改正が必要だというふうに思っておりまして、党内でも議論を重ね、国会にも御理解をいただいて、証取法の改正ができたと思っております。

 伊藤大臣は一般的な考え方をお示しされたというふうに確信をしております。

古本委員 では、資料の一を少しごらんいただきたいと思います。昨年の二月十五日の伊藤大臣の閣議後記者会見の資料であります。

 1と手書きで書いているところですが、「ライブドアの公表された資料によりますと、立会外取引において買付けを行ったということでありますので、そういたしますとこれは取引所における取引に該当するということになりますから」、当たり前ですよ、だってToSTNeTは東証のシステムなんですから。そこで行ったということは立ち会い外市場内取引で行ったということなので、取引所における取引で該当ということで書いています。

 今、大臣は違いますよ。TOBの趣旨に照らしたならば、これはいかがわしい、疑わしいということを思ったわけでしょう。ToSTNeTというシステムがどこにあるかの場所の議論じゃないんです。このToSTNeTを使って、当時堀江氏がわずか二十八分間に九百七十二万株ものニッポン放送株を買ったということなんですよ。出会い頭に見合ったかといったって、これは大臣も言われたとおり、本音で言われていると思います。東証も今御意見をいただいた。めったにあることではない、一分間隔で連続はとおっしゃった。

 したがって大臣は、改めて、TOBという趣旨に照らしたならば、この取引は違法性があったというふうに認識していますか。

与謝野国務大臣 そういうふうには思っておりませんで、やはり裁判所が判断されたことをもってそういうふうに解釈すべきかなと。

 ただ、TOBという制度をきれいな形でやっていくためには、やはり法律の中で補うべきところがある、そのような判断をした、そういうことでございます。

古本委員 実は、ライブドアの公開した資料というのは資料の二なんですね、これだけの話なんですよ。これによって当時伊藤大臣は判断されたということなんですが、各位ということで「株式買付けに関するお知らせ」と。記、対象銘柄ニッポン放送、買い付け株数九百七十二万株余。

 問題は六番の備考なんですよ。「ToSTNeT―1による時間外の市場内取引による買取りを実施いたしました。」これを額面どおりに読んでいただけじゃないですか、伊藤さんは当時。ToSTNeT1というのは東証のシステムです。したがって、時間外に行おうが時間内であろうが、東証のシステムを使って行う取引は当然市場内取引ですよ。そのことを書いているだけなんです。実は、伊藤大臣のその一言が呪縛となって司直の判断もゆがめたんじゃないか、こういう問題があるわけですよ。

 先日、原口委員も指摘をしていただきました点、もう一度おさらいをしたいと思うんですが、資料の七をごらんください。ライブドアによる時間外取引をめぐる経緯であります。二月の八日、時間外取引でニッポン放送株三五%を取得しました。そして、中七日をあけて十五日、閣議後記者会見で、今拡大してお配りをした資料のとおり、大臣はコメントされています。

 ToSTNeT1を使って東証において取引をしたんだからこれは市場内であると言った伊藤大臣の一言によって、三月十一日、東京地裁、当時、ニッポン放送がフジテレビに対する新株発行予約権、これに対して仮処分、これはライブドアから差しとめ請求が出ていたもの、これは仮処分決定されて、わかりやすく言えば、ニッポン放送が負けてライブドアが勝ったわけです。

 改めて問います。この判断において、当時の伊藤大臣のコメントは、司直に対する何らかの支障には、予断を与えたとお考えになりませんか。

与謝野国務大臣 日本の裁判所というのは大変厳格なところでございまして、当然、法と証拠に基づいて判断をされるわけでございますから、また、法と証拠のみに基づいて判断するわけですから、裁判所の判断が国務大臣の発言等によって左右されるということは、この件に関してはあり得ないことだと考えております。

古本委員 続いて三月三日、先ほどの資料でありますが、金融審において金融庁が、実に個別具体的な話について、ニッポン放送の新株予約権の発行差しとめ請求、ライブドアから出ているものについて、まさに係争しているさなかであります。係争中のさなかに再度言っているんです。これは金融審の金融庁のコメントです。「立会外取引で行われた場合には基本的に取引所市場内取引だということでありますので、公開買付規制の対象と考えていくのは難しい」。御丁寧に、係争中に金融審がこういうコメントを出している。これは司直に予断を与えたと考える必要はないですか。どうぞ、与謝野大臣。

与謝野国務大臣 お配りした資料から申し上げますと、法律の立てつけからいたしますとということで、現行の法律の枠組みから考えますとといういわば限定つきの話をしているわけでして、何かライブドアの案件について合法性のシグナルを送ったとか、あるいは合法性を担保した、保証したというものでは全くないというふうに考えております。また、これによって司法が、裁判所が影響を受けたということはあり得ない話だと私は思っております。

古本委員 裁判所の判断なんですが、これは三月十一日に東京地裁の仮処分決定が出たときの文章であります。主文。これはお配りしていませんので少し読み上げますと、本件ToSTNeT取引は、東京証券取引所が開設する有価証券市場における取引であり、証取法上の取引所有価証券市場における取引と認められることから、取引所有価証券市場外における買い付け等には該当せず。このまま判断にしているじゃないですか。このままですよ。伊藤当時大臣が言われたコメント、金融審で書いているコメントそのとおりに東京地裁が仮処分決定しています。さらに、その後の三月二十三日の東京高裁でも、同様の判断で判断されています。

 もちろん、三権分立はわかっていますよ。わかっていますが、少なからず、いや、大きく影響したとこれは言えるんじゃないですか。大臣の御所見を再度求めます。

与謝野国務大臣 合理的な精神を持った方がある一定の事柄に違う解釈をすることもありますし、合理的な精神を持った人たちが同じ事柄について同じ判断をするという場合もあると私は思います。

古本委員 大臣、こういう今日的な経済の混乱、あの日、強制捜査が入った日から翌日にかけて時価総額は幾ら減ったと思いますか。十四兆円飛んでいるんですよ。東証全体、一部、二部、ジャスダック、十四兆円が一日にして飛んでいます。我が国の所得税に匹敵する金額じゃないですか。それをまた増税しようといって今議論しているわけですがね、谷垣さんは。まさにそれだけの数字が瞬時に吹き飛んだ、大きな話なんです、これは。

 その市場に与えるインパクトを、そのつかさの長である金融担当大臣が当時発言したことを司直は軽視するわけがない、あるいは考慮しないわけがない、そう考えるのが国民的な真っ当な感覚じゃないでしょうか。その意味におけば、当時、こういう情報をもとに、実は調べればもっともっとややこしい話とかありそうだ、うさん臭い話がありそうだということを司法と連携しましたか。

与謝野国務大臣 時価総額が上がったり下がったりということは、株式市場ですから当然あるわけでございますが、伊藤国務大臣は、あの記者会見の後に衆議院で吉田委員の御質問にお答えして、「私が記者会見等でお話をさせていただいているのは、個別の取引ではなくて、一般論として、制度論として、今回の立ち会い外取引、時間外取引というものが今御指摘になられたTOB規制の対象となるかどうか、この点について議論のあるところでございますし、そのことについてお答えをさせていただいたということでございます。」ということで、その当時の伊藤大臣の御認識は、一般論に言及しているという、そういうことはこの答弁からも明らかであると思っております。

 もとより、伊藤大臣が何か第三者のお考えに影響を与えたいとか、また与えるつもりで物を言ったということはなくて、むしろ一般論に言及したということが私は真実であると思っております。

古本委員 一般論としてお答えいただいたわけなんですが、東京地裁の判断も一般論で答えているんですよ。だって、ToSTNeTの取引は東京証券取引所が持っているシステムなんだから、そこで行う取引はすぐれて市場内の取引であるという一般論で答えている。実は、一般論と一般論のぶつかり合いなんです、これは。ヒットした。つまり、一般論の解釈、定義を、行政府である担当の金融担当大臣が当時露払いをしていただいたおかげで、司直の判断も楽になった。こういうことだと私は理解をするわけであります。

 TOBについてなぜそこまで厳しい規制がかかるか。これは、会社の支配権というのがだれに移るかわからない。一夜明けたら、自分の会社の社長が、これはステークホルダーである従業員にとってあるいは株主にとって、この社長だからおれは好きだとこの会社に投資していたというのが変わっちゃうかもしれない。したがって、三分の一の議決権を超える株式を取得する際にはこれは公開しなきゃいけない、公開買い付けしなきゃいけないというのが法の趣旨じゃないですか。

 その趣旨に照らせば、ToSTNeTがそこにあったから市場内ですなんて判断をしたことを後生大事にきょうまでずっと守り続けるというのは、与謝野さんらしくないです。そろそろ本音で話をされた方がいいと思いますよ。もう一度お願いします。

与謝野国務大臣 もうこれはお話しするまでもなく、ToSTNeTというのは市場内の取引であるということはこれはもう明らかな話でありまして、その点について議論の余地はないと思います。

 ただ、TOBという制度をきちんと運営し、あらゆる方が同等のチャンスを持てるような環境を整えるということは、やはり証取法の基本的な考え方として大変大事なところでございまして、そういう意味では、この一件から一般抽象化される部分があって証取法の改正につながったというふうに私は思っております。

古本委員 大臣、時点が一個ずれているんですよ。その後に改正したというのは当たり前で、それは改正しなきゃ立法不作為ですよ。事件はその前に起きているんです。その場面についてどうだったかと私は問うているんです。

 もっと言えば、当時、伊藤大臣が軽々にあるいは早計にこうコメントせずに、もっともっと新事実が出てくるまでぐっとこらえて、わずか四、五日後ですよ、二月八日から、買い付けてからコメントしたのは七日後か、七日後の十五日ですよ。もっともっと情報を集めてから判断すべきじゃなかったんですか。

 仮に、当時、伊藤大臣が、これは適法と明言していませんが、これはどうもグレーというよりブラックに近い、これはTOBの趣旨からすればいかがなものかというぐらいのめり張りのきいた、あるいは法の趣旨をしっかりと与謝野さんのように受けとめてコメントしていたならば、フジテレビはあの後四百億円もの莫大なお金を払わなくて済んだんじゃないですか。お答え願います。

与謝野国務大臣 伊藤大臣は、一般論として形式的な合法性について述べられたというふうに思っておりまして、個別の案件について言及されるお気持ちは全くなかったと私は確信をしております。

 また、伊藤大臣の御発言によってその後の司法判断が左右されたということも、私はなかったというふうに思っております。

古本委員 資料八を見てください。三月三日の金融審の資料の別紙です、添付された。まさに係争中ですよ。ニッポン放送にしてみれば雌雄を決したい争いをしているそのさなかに、公開買い付け制度とはということで、また御丁寧に整理されている。上のボックスですね、もう読みませんが。

 問題はその下なんですよ。改正案ということで、当時の金融審のメンバーから、立ち会い外取引であっても、三分の一を超える場合には公開買い付け規制を適用すべきじゃないかとまさに指摘しているじゃないですか。判決が出る前ですよ。残念ながら、伊藤大臣は早計にコメントしちゃっていますけれどもね、十五日に。

 そのときの金融審のコメント、法律の立てつけ云々は先ほどのとおりでありますが、こういったものを、証券取引法上、取引所市場外取引と明記されているものについて罰則の適用を行っていくのは難しい、そう書いていますから。箱の話ですね。東証のシステムを使っているというんだから市場内であるという箱の話です、と考えているところでございます。しかしながら、立ち会い外のこういった状況にかんがみまして、私ども検討しておりますところでは、立ち会い外取引のうち相対の取引に類似する取引については、買い付け後の株式等の保有割合が三分の一を超える場合には公開買い付けの規制を適用していくことが適当ではないかと考えている、それがこの文章なんですよ。

 これは、まさに同時並行で物事が起こっていたんですよ。どうして当時の伊藤さんは、みずから言ってしまった言葉に縛られて、結果、世の中はめちゃくちゃ迷惑をこうむっているじゃないですか。フジテレビは四百億払った。御党も、その後竹中さんが、兄弟だと言って選挙の応援まで行った。堀江さんがこのとき取引に失敗していたならば、堀江さんは選挙に出たと思いますか。このライブドアの買い付けに、極めて法のすき間をついたとされているこの取引が成立しなかったら、堀江さんは選挙に出たと思いますか、竹中大臣。

竹中国務大臣 出たかどうかはわかりません。

古本委員 いや、これは、竹中さんともあろう方であれば、出るわけがないですよ。だって、そんなことをやった人を御党としてそうやって最大限のバックアップをしていきますか。これはやはり、二月八日のこの二十八分の出来事に対し、当時の行政の、政府の責任者である伊藤大臣が判断したことがすべての歯車をおかしくさせたんですよ。

 事実をしっかり調べた上で十五日にコメントをされたかということにもう少し深掘りをしたいと思うんですが、先ほどの資料の三をごらんいただきたいと思うんです。少し戻っていただいて恐縮でありますが、三であります。八時二十二分、三百四十八万余株の、発行株式総数に対する一〇・六%、この売り主は一体だれだったのか。これは東証として調べることはできるんですか。

深山参考人 一般論として申し上げますけれども、何らかの不正の疑いがあるというようなことがあれば、私どもの方からその取引を行った証券会社を経由して、委託者がどなたであるかということを調べることはできます。

古本委員 では、きょうは監視委員会も来ていただいていると思います。監視委員会はこのことについて把握をされていますか。調べましたか。

長尾政府参考人 個別のことですから具体的には控えさせていただきたいと思いますけれども、一般的に、こういうさまざまな動きについて、私ども、非常に日ごろから資料情報の収集、分析をやっておりまして、今お答えがありましたような東証、あるいは今回御案内のように、ニッポン放送、当時からの調査や、資料提供、情報提供もあるというようなことで、そういうことをいろいろ日常的に収集している、こういうことでございます。

古本委員 資料の六―一、六―二、枝番を振っていますが、ごらんをいただきたいと思います。

 サウスイースタン・アセット・マネージメント・インクというのがあります。ここは長らくニッポン放送の大株主でありました。過去形であります。ここが保有していた株数一〇・六二%、ぴったり符合するわけであります。

 そしてさらに、資料の五、堀江氏が、三月三日、外国特派員協会記者会見でのコメントであります。村上氏や、これは俗に言われる村上ファンドですね、村上氏やメイソン・ホーキンス氏に相談しましたか。この氏は、今申し上げたサウスイースタンの関係者であります。ニッポン放送株取得前に相談をしたか。これに対して堀江さん、はっきり答えています。あなたは、高い値段がもしついたならニッポン放送の株をどうするつもりなのか、TOBよりもし高い価格が市場でついていたら市場で売るのかと聞きました。彼は村上さんですね、彼は、私はファンドマネジャーだから高い金額で売るのは当然だというふうに言いました。どうもサウスイースタンの人もそういうことらしいと答えているんです。

 こんなことを僕が改めてテープ起こしして書くまでもなく、当時だれでも知っていましたよ、このコメントは。しかも、大量保有報告、これは何をか言わん、役所に報告する書類であります。役所は持っている、これだけの事実がそろっていて、調べましたか、監視委員会。

長尾政府参考人 御案内のように、ライブドア事件自体がまだ現に調査中の事案なので具体的なことは控えさせていただきたいと思いますけれども、先ほど言いましたように、常日ごろから、私どもは幅広くさまざまな市場に関する資料、情報を収集、分析しております。今お示しいただいたのも、もちろん、当時報道され、そういったことで承知しておりますけれども、ただ、具体的にそれに対してどうしたということは控えさせていただきます。

 いずれにいたしましても、私ども、疑わしいときには必要な調査を行うということで、常にやるように心がけているということでございます。

古本委員 ちなみに、これはもう東京地裁も高裁も判決が出ています。終わった事案です。それを言うならば、先般の杉浦法務大臣は、まさに現在進行中の事案であるにもかかわらず、捜査への支障がもたらされるおそれも特段ないと認められたから言っていいということで、個別の事案に答えたじゃないですか。答えていますよ、個別の事案に。

 与謝野さん、今は役所の方だったから遠慮があったかもしれませんね。当時、これは調べられたという報告を受けていますか。あるいは、伊藤大臣からそういう申し送りも含め受けていますか。もうこれは個別の事柄じゃありません。もう裁判終わっています、御心配なく。

与謝野国務大臣 監視委員会というのはあらゆることを監視しています。すなわち、重要な取引、違法性があるかどうか疑いのある取引、こういうものは監視委員会は能力の限りにおいて監視しているというのが本来の職務でございます。

 しかしながら、個別の監視対象あるいは監視の方法、監視の内容等については、金融担当大臣からは全く独立の機関として独自で行っておりますから、あらゆる案件の内容については、一切報告もありませんし、また報告する義務も監視委員会側にはないわけでございまして、その当時の伊藤大臣ですら何ら報告は受けていない、これはもう当然のことであると思っております。

古本委員 いや、大臣、それはおかしいですよ。それはおかしい。当時、伊藤さんは、ライブドアの資料によりますとと、個別のことに絞って答えているじゃないですか。そして、大臣がそれだけの判断に足る情報を、例えば今言ったような、こんなサウスイースタンの話も含めて、事務方は大臣にインプットをきちっとした上で大臣にコメントをしていただいたかということなんですよ。

 つまり、大臣はそういうこともまだ御存じなかったでしょう。ない中で、ライブドアによって公表された資料というのはさっきの資料ですよ。ToSTNeT1を通じて買いましたというそれだけ、ただそれだけの話に基づいて、いや、それはToSTNeT1は市場内だから、東証のシステムだからこれは市場内取引ですと答えているんですよ。でも、先ほど来、TOBの趣旨にかんがみれば、これはいかにも疑わしい点は多いというのを再三再四与謝野さんもお認めになっているじゃないですか。

 まだありますよ。先ほどの資料の三、もう一度ごらんいただきたいと思います。

 ライブドアは、フジテレビが公開買い付けを開始した一月十七日、わずかコンマ五%しか持っていなかった。そこからせっせとせっせと買い集め、何と二月四日に五%を超えたんです。これはもう神わざですよ。いいですか。二月四日に五%を超えたということは、大量保有報告義務が発生したのは二月四日であって、五営業日後ですから、十日に報告すればいい。そのとおりです。そのときにはさっさと八日の大一番はもう終わっていますよ。こんな用意周到な契約が、ニッポン放送の支配権をとるぞという意思を持たない人ができますか。できない。

 さらに言えば、約八百億円の資金を要したと言われているこの二月八日の九百万余株の取得に対し、資金はどうやって調達したか御存じですか。これはCB債を発行して調達をしたとされていますが、そのことを堀江氏があるいはライブドアが決定したのはいつ何時だったか御存じですか。

 何と二十二分の第一回目の取引、これは一分ですよ。三百四十八万株の株を、トレーダーも手が震えますよ、こんな大一番。一分で判断してやっている。それでも事前の合意はなかったと言い張っていますけれどもね、皆さん方は。その何と二分前、つまりは八時二十分のライブドア社の取締役会で八百億の資金調達を決めたということだそうであります。神わざです。クリックを押す二分前に役員会で決めた。八百億ですよ。当期利益三十五億円の企業が、二十倍ものCB債発行を、それを使って買う二分前に決める。

 これは、竹中大臣、経済に精通する竹中さんにもうぜひ聞きたい。こんなことを竹中さんはやりますか、竹中さんが社長だったら。端的に。二分前に八百億。

竹中国務大臣 個別の前後の事情等私にはわかりませんので、ちょっとそれに対するコメントは私にはできません。

古本委員 これは、いかなマネーに精通する竹中さんといえども、そんな綱渡りできるわけがない。つまりは、事前に合意が存在しないとこんなことできるわけがない。つまりこういう事実は、すべて実は監視委員会そして東証に対しニッポン放送の代理人である弁護士から提出がされているはずです。知っていましたよね、この事実は。今私が言ったようなことはみんな知っていたでしょう。監視委員会、御存じでしたね。もう終わった話ですから、答えてもいいでしょう。

長尾政府参考人 本来、昨日も申し上げましたが、個別事案に関する情報提供の有無といったものについては……(古本委員「それはおかしい、それこそさっき答えたじゃないか」と呼ぶ)いえいえ、原則としてお答えすることを控えさせていただいていますけれども、本件については、当時、情報提供者であられるニッポン放送自身がその旨公表していることなどを踏まえまして、その限りで申し上げますと、昨年の、今、ライブドアとニッポン放送のこの一連の経緯の中で、ニッポン放送側からそういったお話があったということでございます。

古本委員 委員長、これは皆さん知っていたんです。監視委員会も、それから東証もみんな知っていた。わけても、市場の監視役である監視委員会と今与謝野大臣からいただいた言葉、監視していないじゃないですか。だから今、証券取引等監視委員会の機能強化の議論が必要だと思うんですね。

 ところが、大臣が言われているように幾ら人員増強したって、せっかく入ってきた情報を行政の長に伝える、あるいは、もちろん八条委員会ですからいろいろあるんでしょう、情報が伝わっていなければ何にもならないじゃないですか。

 実に二十八分間に九百七十二万株を買った人がいる、そして、その資金を二分前に調達することを決めた人がいる、そして、その取引の売り主、買い主が事前の合意があったんじゃないかと当時ニッポン放送が必死に主張されていた。その売り主だろうとおぼしき人の数字と、その後に売ったと言っていますけれどもねサウスイースタンは、ぴったり合っている、もう条件はすべてそろっている。

 何で黙殺したんですか、金融大臣。

与謝野国務大臣 ある一定の行為が違法性を持っているかまたは犯罪として切り取れるかどうかというのは、やはり難しい判断でございまして、監視は続けているけれども、その違法性を刑事責任として追及できるかどうか、犯罪として切り取れるかどうかというのは、やはり相当綿密な判断が必要でございまして、その点は、監視委員会も検察庁等々と始終お打ち合わせをされているんではないかと私は思っております。

大島委員長 古本君、時間でございます。

古本委員 私は、子供たちに、実はホリエモンは悪い人だったんだと言って話をしなきゃいけないことに本件の本質を見ます。つまり、どれだけいいルールをつくってどれだけ監視したって、その裏をかくという人が、これは人間の格が問われています。そういう意味できょう文科大臣にも来ていただきました。ぜひこの議論は、引き続いてさまざまな場面でさせていただきたいと思います。

 きょうお時間をいただきましたことに感謝を申し上げ、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて古本君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

大島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 政府参考人として警察庁警備局長小林武仁君、警察庁情報通信局長武市一幸君、防衛庁防衛参事官小島康壽君、総務省人事・恩給局長戸谷好秀君、総務省行政管理局長藤井昭夫君、法務省矯正局長小貫芳信君、外務省アジア大洋州局長佐々江賢一郎君、財務省理財局長牧野治郎君、財務省国際局長井戸清人君、環境省自然環境局長南川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 質疑を続行いたします。高山智司君。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 前回に引き続き、上海総領事の館員の自殺の問題、これは非常に重大な問題で、しかも論点もたくさんあるので、三回目でございますけれども、質問をまた続けさせていただきたいと思います。

 まず、これは外務省の方に、ちょっと前回聞き忘れというか確認なんですけれども、この事件の監察担当官が外務省内で査察へ行かれたのが平成十六年の五月十六日から二十日まで、その後、通信の専門官が行ったのが十六年の五月十三日から六月三日にかけてである、そして、六月になってから警察庁の方に事案の概要だけ報告したというお話でしたけれども、それでとりあえず間違いなかったかどうか、確認だけさせてください。

塩尻政府参考人 間違いございません。

高山委員 また引き続き外務省に伺いますけれども、その後、七月に他省庁からの調査団が上海の方に入られたときに、外務省としては必要な協力はいたしましたか、それとも非協力的であったんでしょうか、お答えください。

塩尻政府参考人 今御指摘になりました、そのほかの調査団ということにつきましては、私ども承知しておりません。

高山委員 今の外務省の答弁ですと、そのほかの調査は知らないというような話でしたけれども、そうしますと、そのほかの調査が、例えば、上海総領事のその当時の館員の方にいろいろなインタビューとか、当然、状況はどうだったんですかということをすると思うんですけれども、その際に全く協力をしなかったということなんでしょうか。それとも、そういう調査があったという報告を受けてないというようなことなんでしょうか。

塩尻政府参考人 上海総領事館による調査、それから、査察監察官、参事官による調査、それから電信関係の調査以外の調査団というのは承知しておりません。

高山委員 警察庁に伺いますけれども、警察庁は、六月にこの事案、外事課の方に報告があったということですけれども、その後何か調査をされましたか。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 本件の原因の究明及び検視を含めた事後の措置につきましては、前回も御答弁申し上げましたように、在外公館長の判断において、その一部を現地の関係機関にゆだねるなどいたしまして、実質的に処理は終結しておった、こう認識しておりまして、我が国警察機関は関与してございませんし、調査もしてございません。

高山委員 今の警察庁の答弁ですと、報告を受けた後に、その後、警察庁独自でこの問題の調査をしたことはないというようなことでしたけれども、これは外務省内だけのこととして終わらせずに、変死事件ですから、警察の方も捜査をするべきであったというふうに私は思います。

 外務大臣に伺いたいのですけれども、改めて伺いますけれども、これは深刻な事件で、今もまたいろいろな抗議が続けられていると思うんですけれども、そもそものこの自殺の原因というのは何なんでしょうか。

麻生国務大臣 私どものところでこの外務省の職員が自殺に追い込まれた原因ということに関しましては、前回も御答弁申し上げましたように、いわゆる公安関係の話だ、それによって極めてきつい立場に追い込まれたというのが自殺の原因だったと理解いたしております。

高山委員 済みません、大臣、公安関係できつい状態に追い込まれたというのは、もう少し具体的にはどういうことだったのでしょうか。

麻生国務大臣 これもこの間のときに御答弁を申し上げましたように、いろいろな御家庭の事情もありましたし、インテリジェンス関係の話もありましたので、この点に関しては御答弁は差し控えさせていただきますと前回御答弁をさせていただいたと記憶します。

高山委員 外務大臣にこの間の土曜日の外務省のタウンミーティングでの御発言を踏まえてもう一度質問しますけれども、この事件の原因は何だったというふうに外務大臣は認識されていますか。

麻生国務大臣 タウンミーティングのお話を今されましたけれども、タウンミーティングのときに関しましては、いろいろ御質問がありましたので私の方から答弁をさせていただいたのですけれども、少なくとも現地の中国公安当局者による恐喝、恫喝もしくはそれに類する行為があったと考えられますが、それ以上の要素につきましてはということで答弁をさせていただいたのだと思います。

 また、タウンミーティングの発言の中にいろいろ申し上げておりますけれども、基本的には、外務省員側が諜報活動に巻き込まれる可能性というのは極めて高いので、身を律して、諜報活動等々に巻き込まれないように訓練、教育を行っていくというのが大切なのだという話をしたという話の一環としていろいろ申し述べた。乱数表なんという言葉を使っておりますが、今乱数表なんというのは御存じのようにありませんから、何となく御年配の方は乱数表と言わないとわからぬかなと思って御説明させていただきましたけれども、乱数表というものは今は使っておりませんので、そういった意味で、全体的な話として申し上げたと御理解いただければと存じます。

高山委員 報道によりますと、女性問題での強要が原因だということを外務大臣がタウンミーティングで発言したということでありますが、では、この報道は間違いですか。

麻生国務大臣 この種の話はよくある話ですから、外務省職員というものはこういったものは気をつけないかぬと。大体そういったおいしそうな話が来たら、まず鏡でも買えと。自分の顔をよく見て、おれはこんなにもてるだろうかと思ってまず反省からせいと。これは事実そう言いましたから、そういったような話をしたという例を引いただけであって、この話は特にそれを意味しているつもりではございません。

高山委員 また、外務大臣はこのタウンミーティングの中で、この種の世界ではよくある話、訓練、教育、しつけは外交官として非常に大事、外務省として真摯に反省すべきというようなお話をされていますけれども、このしつけが悪かったというようなことは、あれですか、まさかこの自殺された方を指しているのではありませんよね。

麻生国務大臣 全般的な話として申し上げたのであって、情報がかなり限られておりますところとの接触をやりますときにはこの種のことは十分に注意をしておかなければいかぬところだと思いますので、全般的なこととして申し上げております。

高山委員 それでは、ちょっと将来のことにつながるのでまた伺いたいのですけれども、外務省のこの館員が自殺したときに、日本では、そういう諜報活動にかかわる人からおどされたりしたときに、例えば何か自己申告をするなりなんなりすれば免責されるですとか、そういう制度というのですか、要するに、相手に弱みを握られたときに、情報が漏れてしまうよりは、外務省の、日本側にその事実を申告すれば免責されるであるとか、そういうふうに、とにかく対諜報活動の制度というのはこの時点ではあったんですか。

麻生国務大臣 細目につきましては官房長の方から答えさせますけれども、基本的に、強要された場合に、これはとても国益に反することだからできませんということで断って、実はこういうことをされておるという話を上司に届け出るというのは、これは当然の責任、義務の範疇だと思っておりますので。それになった場合はどのような対応策があるかにつきましては、官房長の方から答弁させます。

塩尻政府参考人 諜報に対する対策でございますけれども、今委員が御指摘になりましたとおり、こういった案件については、個で対応するのではなくて組織で対応すると。したがって、何かがあれば連絡、相談をするというのが基本でございます。

 そういう意味で我々も、訓練、教育等々これまでもやってまいりましたけれども、さらにそこら辺のことを徹底してやってまいりたいというふうに思っております。

高山委員 今伺いましたのは、大臣の方からお話があったのはいわゆる一般の公務員の心構えだと思うんですけれども、また、官房長の方からお話しありましたのも、それは外務省の何か諜報活動に遭いそうな人特有のことなんでしょうか。それはまさに一般の公務員も当然心得なければいけないことだと思うんですけれども、私が伺っておりますのは、海外の公使だとか大使だとか、そういう諜報活動からねらわれやすいような人がいる、そういう人たちが特別に何か免責されるような制度、そういうのは国内というか外務省では用意してないんでしょうか。

塩尻政府参考人 今私が答弁申し上げました内容については、これはほかの公務員の方も当てはまるわけですけれども、特に外務省の職員についてはそういうものにさらされる機会が非常に多いということで、厳しく徹底をしているということでございます。

高山委員 いや、ちょっと私、これはしつこいんですけれども、もう一回聞かせていただきます。週刊誌報道によればですけれども、この自殺された方は、例えばこれは、中国の法律におまえのやっていることは触れることだからというぐあいにおどされた、そういった場合に、確かにそれはそうなんだけれども、大きな国益を守るためには外務省として免責してあげるというような、何かそういう制度とかはないんですか。

塩尻政府参考人 いわゆる、今委員が御指摘しましたような明確な意味での免責制度なるものというものはありませんけれども、当然のことながら、先ほどお話ししましたように、こういったものについては、個でなく組織で対応するということでございますので、そういった対応を慫慂するということでございます。

高山委員 では、大臣に伺いますけれども、今回のこの事件を踏まえて、今後、外務省で何か特に対策はとられましたか。

麻生国務大臣 幾つかの点で、この種の話は引き継ぎがなかった点、これもこの間申し上げましたけれども、この種の話がまだ継続中というのであれば、この種の話は大臣の引き継ぎの中で必ず、別に直接大臣から後任大臣に言ってもらう必要はないけれども、役所の方から後任大臣に対して、この種の問題がありますということぐらい報告があってしかるべきというような話を初め、いろいろな意味で、今、冷戦の時代は終わったとはいえ、その他いろいろ私どもの身の回りには、国益に関しまして言わせていただければ、技術の話とか情報の話とかいうのはいっぱいあると思っておかねばならぬところですから、この種の話に関しては、外務省職員たるものは、特に海外において赴任している地域によっては、その種の諜報とか、いわゆる防諜とか、そういった話とは常にさらされるものじゃないかと。だから、そういったようなものに対してきちんとという話を、対応すべきだと、かなり激しく叱責しておりますけれども、そういった話はいたしております。

高山委員 今の大臣のお話ですと、叱責であるとか気を引き締めるというようなことはわかったんですけれども、何か新たに、こういうスパイの防止対策というんでしょうか、こういうことはやられてないんでしょうか。それともインテリジェンスにかかわることで言えないのでしょうか。

塩尻政府参考人 お答え申し上げます。

 諜報活動への対応でございますけれども、事件発生後、すべての中国にあります公館に注意喚起を行っております。それから、赴任前の研修、注意喚起を徹底しております。それから、各種研修を含めまして、体制の強化、それから諜報活動への対応をさらに強化するということで手当てをとっているところでございます。

高山委員 先ほど大臣のお話の中にも、このケースはまだ係争中のものであるというお話がありました。

 こういった問題、やはり再発を防ぐには、その後に我が国がかなり毅然とした態度でやることがまず一番必要だと思うんですけれども、今のところどういう係争状態になっていて、大臣、これからどのようにこの問題を扱われるつもりか、お話を聞かせてください。

麻生国務大臣 私、就任して三カ月ぐらいたつと思いますけれども、その間、この話を伺ったのが十二月の末だと思いますけれども、一月、二月にわたりまして、いわゆる日中間でいろいろ交渉しております席にはこの話は頻繁に出てきておるところでもありますので、向こうにしてみれば、この一年半ぐらいの間そんなにハイキーではなかったものが、いきなりこの種の話がえらく、ローキー、ハイキー、何と言いましたっけね。(発言する者あり)トップギア、それも片仮名ですな。また委員長から注意されますので、日本語でもっとはっきりわかるような形でという話をしてきております。

 委員御存じのように、この種の話は、何となく風化するというようなことは、これは避けにゃいかぬ大事なところだと思いますので、私どももその点は留意して対応いたしております。

高山委員 いや、大臣、この事件、今ローギアとかトップギアとかいう話をされましたけれども、いわば一年七カ月、今までほっておかれたんですよね。それで、今せっかく麻生大臣になって何かやってくれるのかなという期待も込めて御質問させていただいているわけですから、これは大臣名で相手方に抗議をするという考えはありますか。

麻生国務大臣 今この段階で直ちに大臣名という予定はありません。

 ただ、向こうに対して、極めて反応というものが何も正確に出てきていないのを、今度はそちらが出す番ということを強く申し込んでいるという段階であります。

高山委員 それでは、この間の答弁ですと、一番初めの抗議は大臣からの訓令に基づいて行ったというお話がありましたけれども、大臣から、訓令を出して、例えば中国大使から相手方の外交部へ抗議される、こういうおつもりはありますか。

大島委員長 佐々江局長。(高山委員「いや、大臣に聞かないと。大臣の訓令ですから」と呼ぶ)まず、佐々江局長から。

佐々江政府参考人 既にこの委員会で、中国政府に対する申し入れ、抗議については御報告をしているところでございます。特に昨年の十二月からことしの一月にかけまして、さらに集中的に抗議を行っておりますが、これはすべて大臣と御相談の上やっているものでございます。

麻生国務大臣 訓令を出しておりますので、それに基づいていろいろ今、佐々江の方から、細目申し上げるわけにいきませんけれども、きちんとした対応をするようにという訓令に基づいて行動されておると思っております。

高山委員 安倍官房長官に伺いますけれども、総理あるいは官房長官、これは随分高度の政治判断ですけれども、そういったレベルで、この問題に関して中国側にこれから抗議するおつもりはありますか。

安倍国務大臣 私はもう既に記者会見において中国側に遺憾の意を表しているわけでありまして、私の遺憾の意は中国側に伝わっているというふうに承知をしております。

高山委員 それでは次に、ちょっと防衛庁の問題を伺います。

 前回伺って途中になってしまったんですけれども、防衛庁のミサイルシステムの情報が漏えいしていたという新聞報道がありました。これは、この間の警察庁の説明ですと、薬事法の事件の捜査をしていたらこのミサイルシステムが出てきたということなんですけれども、薬事法の捜査というのとミサイルシステムの情報漏れというのがちょっとつながらないんですけれども、まず、警察の方から、なぜこういうことがわかったのか教えていただけますか。

小林政府参考人 本事案に係る資料でございますが、昨年の十月に警視庁公安部が、朝鮮総連の傘下団体の一つでございます在日本朝鮮人科学技術協会、科協と申しますが、この幹部らによる薬事法違反の捜査の過程におきまして、当該幹部の経営するソフトウエア会社を捜索した際に、当該事務所内から発見されたものでございます。

 この資料の作成された経緯ですが、今もなお捜査中でございますので詳細は避けさせていただきますが、平成五年から七年までの間、ある民間企業、会社Aが、防衛庁から地対空ミサイルシステムの研究試作を受託していたわけでございます。一方、このA社は、当該地対空ミサイル開発に利用する目的で独自に社内で開発用シミュレーターを製作しておりまして、そのシミュレーターの社内報告のための資料を作成する必要が生じたことから、その資料の作成をさらに別の関連会社B社に委託しており、このB社作成に係る資料がさきの捜索場所で発見されました。その一部に防衛上の機密に当たる可能性のある記載が認められたわけでございまして、昨年十二月、警察といたしましては、防衛庁に対し所要の連絡を行ったところでございます。

高山委員 ちょっと今のはわかりにくいんですけれども、薬事法違反で捜査に入ったところがこのB社ということなんでしょうか。それでわかったんですか。

小林政府参考人 先ほども申し上げましたけれども、昨年十月に警視庁公安部が、朝鮮総連の傘下団体の一つである科協の幹部らによる薬事法違反の捜査でその関連場所を捜索したということでございまして、A社、B社ではございません。

高山委員 では、今度は防衛庁の方に伺いますけれども、防衛庁は、これで、情報漏れじゃないかということを警察庁の方から言われて調べたということなんでしょうか。ちょっと、防衛庁がこの情報漏れがわかった経緯を教えてください。

小島政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま警察庁の方から御報告がありましたように、昨年の十二月二十一日に警察庁から、先ほど御答弁にありました経緯を経て、防衛庁に関連する資料である可能性がある資料を発見したということで、防衛庁に連絡がありました。

高山委員 防衛庁長官にもちょっと伺いたいんですけれども、今回のこの事案は、では情報漏れはあったということですね。情報は完全に漏れてしまっていた、だけれども大丈夫だったという話なんですか。どこら辺まで漏れているのかというのをちょっと教えていただけますか。

額賀国務大臣 今お話がありましたように、防衛庁の将来SAMについて研究委託をしていた企業が防衛庁に断らずにそのデータを関連会社に流しておって、それが、先ほど言ったように、在日本朝鮮連合会傘下の企業に流れていって、我々にとっては秘情報扱いだったものが流れていたというふうに受け取っておりまして、その経緯について、今、我々は我々の立場で、捜査を妨害しないようにきちっと調査をしているということであります。

高山委員 長官に重ねて伺いますけれども、そうしますと、その防衛秘情報だったというものが朝鮮総連関連の団体に漏れてしまったということでよろしいんでしょうか。ちょっと、もう一度御答弁をお願いします。

額賀国務大臣 漏れたというか、流出したということであります。

高山委員 情報の流出には極めて神経を使わなきゃいけないと思うんですけれども、その防衛秘というんですか、それは例えばどういう管理の仕方をされているんでしょうか。要するに、どこのかぎを入れておくだとか、だれしかアクセスできないですとかあると思うんですけれども。

小島政府参考人 ただいまの流出したデータにつきましては、防衛庁が三菱電機に委託研究として出した資料の一部でございましたが、その資料においては、契約において、秘密データは秘密管理するということで、その部分は伏せ字になっておりました。伏せ字の資料をつくっていました。

 それから、受託企業である三菱電機がその資料を第三者に渡したり見せたりする場合には、防衛庁の承認を要するというふうな規制がかけられておりました。

高山委員 今のすごくわかりにくかったので、もう一度。これは事務方でも結構なんですけれども、相手方に伏せ字で渡したんだったら、情報は漏れないんじゃないんですか。どうして漏れているんですか。

小島政府参考人 防衛庁が委託した資料を、その当該三菱電機が社内の研究に使うために三菱総研に社内の委託事業をしました。そのときに、防衛庁のその資料の一部を三菱電機が三菱総研に参考資料として防衛庁の承認なく渡したということでございますが、その際、伏せ字になっていた、伏せ字として資料としては渡したようですが、その部分を口頭で、三菱電機から三菱総研にその伏せ字になっていた部分の内容を伝えたということがあって、本来、秘情報として秘密に管理されておるべきデータが三菱電機から三菱総研に流出したということでございます。

高山委員 長官、今、お聞きになっていてわかりましたか、大体どういう流出の経路かというのは。防衛庁の方は随分、口頭で数字を、談合のときも、お伝えするのが好きみたいなんですけれども、幾ら伏せ字にしていても、口頭でこれを伝えてしまったら、全然、秘にならないんじゃないんですか。

 ちょっと防衛庁長官、この秘の情報の取り扱いについて、今のこれが適切かどうか、防衛庁長官の意見を伺います。

小島政府参考人 私がただいま御説明したのは、防衛庁からその秘情報を口頭で話したということではなくて、防衛庁の委託先であった三菱電機から三菱総研にその秘情報が口頭で伝達されたということでございます。

 そして、その三菱電機から三菱総研に行った経緯は、防衛庁の関係のない事業でございまして、三菱電機が三菱総研と民民の事業として契約していた際に、参考資料として防衛庁の資料が使われたということでございます。

額賀国務大臣 これはわかりやすく言いますと、三菱電機は防衛庁の委託事業で将来SAMについての研究をしました、三菱電機は、その委託事業とは別に独自にミサイル関係のシステム開発について研究をしておって、それを三菱総研に資料として、あるいはまた社内報、広報の資料としてつくらせることにした、そのときに防衛庁の委託事業で研究していた内容を三菱総研に流出してしまった、それが北朝鮮系の企業に流れていった経緯であるということであります。

 これは基本的には、三菱電機が、我々の委託した研究の内容について第三者に漏らしてはいけない、そういうときがあるときはきちっと防衛庁の認可をとらなければならないということの約束を破ったということであります。

高山委員 そうしますと、防衛庁から三菱電機さんに行くところ、あるいは防衛庁の方としては、この秘情報の扱いに落ち度はなかったということでしょうか。

額賀国務大臣 防衛庁は、そういう約束事が当然国家の安全保障のために守られているというふうに思っておったところ、警察庁から連絡を受けて調査をして初めて事実関係を知ったということであります。

高山委員 重ねて質問しますけれども、では、防衛庁長官は、今回のこのミサイルの情報流出問題に防衛庁は落ち度はなかったとお考えですか。

額賀国務大臣 防衛庁としては、委託事業あるいは防衛関連産業に対してはそういう秘密保全体制をしっかりとしていくために日常から周知徹底させているわけだけれども、結果的にこういうことになったことについては極めて遺憾に思っておりますので、今後、こういうことがないように、改めてシステムを徹底化していかなければならないというふうに思っております。

高山委員 額賀長官、また、この事件も十年ぐらい前の話ですよね。たまたま今、額賀長官がいろいろ質問されてお気の毒な面もあるんですけれども、当時のこの関係者の皆さんに庁内でヒアリング等をして何らかの処分はされましたか。

額賀国務大臣 先ほど警察庁関係者からお話がありましたように、これは目下捜査中でございます。我々も、事件の全容が一日でも早く明らかになることが望まれます。

 その上で、我が庁内においての、あるいはまた防衛産業に携わっている企業の皆さんとの、言ってみればそういう秘密保全体制をどういうふうに堅持していくかについて考えていかなければならない、あるいはまた、どういう処分をするか、そういうことについては考えていかなければなりません。

 ただし、当該企業が、名前が出ておりますから、そういう企業についての取引等々については、今新しく仕事を発注するとかそういうことはしておりません。

高山委員 今の長官のは、三菱電機の方にはペナルティーを与えているというようなお話だと思うんですけれども、そもそも、当時のこの秘の資料を三菱電機の方に出して発注している直接の担当の方、また三菱電機からその先に、情報を防衛庁の方に通告がなくてほかにやっちゃいけないということでしたので、きちんと情報管理がされているかどうかを管理する防衛庁側の責任者は当時はだれなんですか。これは細かいことなので、事務方でも結構ですけれども。

小島政府参考人 先ほど申しましたように、平成五年から七年にかけて、防衛庁から三菱電機に将来SAMの調査研究を委託しておるわけでございまして、その委託契約の責任者は、当時の調達実施本部長でございます。

高山委員 防衛庁長官に伺いますけれども、では、その調達実施本部長が、三菱電機あるいはその先にこのマル秘情報が漏れることを管理しなきゃいけなかったんじゃないんでしょうか。

小島政府参考人 調達実施本部につきましては、委託契約をしている企業に対して秘密保全措置がきちんとなされているかどうかは、月に一回その委託先企業の事業所に入って秘密保全検査を実施しております。

高山委員 これは事務方ではなくて防衛庁長官に伺いますけれども、一カ月に一回そういう検査もしていると、だけれども、この平成五年から七年の間に情報流出があったことが今の今までわからなかったということですけれども、その調達本部長ですか、この方の責任はどうなんでしょう。防衛庁長官の御所見を伺います。

額賀国務大臣 この事件の全容が明らかになり、そしてまた行政的に、あるいは組織上の問題点を我々も究明していく中で、当然処分を考えていかなければなりません。

高山委員 今長官の方から、当時のこの情報の責任者、当然処分を考えなければいけないというお話がありましたけれども、そもそも、この情報、ミサイルシステムの情報の数字が漏れちゃった、これは何罪なんですか。どういう罪に当たるんですか。

小島政府参考人 ただいまの御質問で、何罪に該当するかということですが、今回の防衛上の情報につきましては、防衛庁と三菱電機との契約上に基づく措置だけでございます。

高山委員 やはりこれは民法上の問題だけじゃなくて、防衛庁の方でも、秘密漏えいに関して何か対策というか、そういう民間の人まで縛りをかけるようなことを考える必要もそろそろあるのかなという気が私はいたしますが、防衛庁長官の御所見を伺いたい。

額賀国務大臣 これはもう委員御承知のとおり、平成十三年に防衛秘密というものをつくって、罰則強化をさせていただきましたし、防衛庁職員だけではなく民間も対象にして罰則強化をして、秘密保全体制の強化を図ったわけでありますので、もう一回総点検をして、現実的に、そういう秘密保全体制がどういうわけで守られていないのかよく考えて、委員が御指摘のように、体制を整えていかなければならないというふうに思います。

高山委員 これはちょっと通告しておりませんが、安倍長官に伺いたいんですけれども、このような防衛秘密の漏えいですとかスパイの事件ですとかいろいろありますけれども、長官、今後、これから国政で活躍もされるでしょうから、お考えを伺いたいんです。こういう国家機密であるとか、あるいはインテリジェンスにかかわる問題、こういうのをきちんと法制化する必要があると思うんですけれども、長官のその点に関しての御所見を伺いたい。

安倍国務大臣 ただいま額賀長官が答弁されたわけでありますが、今回の事件は、防衛庁と三菱電機が契約して、そしてまた三菱電機がさらに関連の三菱総研と契約して、そして、三菱総研がさらに別途下請会社に出したところ、その下請会社から漏えいした可能性もある、こういうことであったわけであります。

 現在、いわゆる防衛機密については、法律を改正して罰則が強化されたわけでございます。そういう意味におきましては、緊張感を持ってやっているということなんだろう、こう思うわけでありますが、しかし、防衛機密を扱っている民間の中でどうだというのは、確かに問題意識としてはあるのではないだろうかというふうに思うわけでありまして、またこの問題についても研究をしていきたい、こう考えています。

高山委員 それでは、この事件のミサイルシステムのことをもう少し詳しく伺いたいんですけれども、これは私も一回聞いただけでよくわからないんですけれども、この将来SAMというものと中SAMというものは名前もすごく似ているんですけれども、後継機種のようなものなんでしょうか、この二つはどういう関係にあるんでしょうか。これは細かいことなので、事務方の方で結構です。

小島政府参考人 お答え申し上げます。

 中SAMと将来SAMの関係ですけれども、中SAMというのは〇三式中距離地対空誘導弾でございますが、中SAMをつくるに当たってどういうシステムが必要かということを机上研究した、要するに、中SAMの前提となる机上研究として将来SAMというのがされたということで、将来SAMの研究は平成五年から七年、中SAMの研究は、十年ぐらいだったと思いますけれども、その後行われたということでございます。

高山委員 ちょっと今の説明でもはっきりわからなかったんですけれども、そうすると、じゃ、将来SAMのその漏れてしまった情報というんですか、数値がいろいろ漏れているらしいんですけれども、これが今この中SAMというのにはどのように影響してくるのでしょうか。

小島政府参考人 お答え申し上げます。

 将来SAMの研究は、いろいろな前提条件を置いて、こういう場合にはこうなるというような前提条件を置いた机上研究でございますので、その後いろいろな諸条件、例えば新しく開発した要素技術の研究成果ですとか、あるいは実際の運用における諸条件というものを考慮して、余分な機能を省いて実用に供する誘導弾システムを開発するということで、将来SAMの研究はいわば大ぐくりの、範囲の広いものを研究したのに対して、中SAMはまさに実装備を開発するということから条件を絞り込んで開発したものでございますので、将来SAMの成果がそのまま中SAMになったということではございません。(高山委員「漏れた情報がどう影響してくるか」と呼ぶ)漏れた情報の一部は、例えば、将来SAMの中で要撃目標ということで弾道ミサイルの目標が入っていたわけでございますが、実際につくられました中SAMは、そういう弾道弾ミサイルというものを要撃目標として対象に加えておりませんので、そういう意味で、漏れた要撃目標という情報は中SAMの機能、性能に影響を及ぼしておりません。

高山委員 では、防衛庁長官に再度御答弁願いたいんですけれども、そうしますと、情報漏れは確かにしていた、けれども、今のこの中SAMというんですか、これにはもう影響をしていないので、今我が国の国防上は安心できる、大丈夫だということなんでしょうか。

額賀国務大臣 お答えします。

 中SAMの目標は、今お話がありましたように、目標というか脅威と思っているのは、航空機とか空対地ミサイルとかそういうことを目標にしたミサイルであります。一方、将来SAMというのは、弾道ミサイルを迎撃することを目標に研究を委託していたということでありますから、中身は、間接的には関連するだろうけれども、直接的には連関はないということだと思いますが、ただし、将来、弾道弾ミサイル迎撃体制をつくっていこうとすることの情報が外部に流れるということは、全く影響がないとは思っておりません。ただ、その上に立って、今後のことを考えていかなければならないということであります。

高山委員 今の額賀長官の御答弁ですと、全く影響がないわけではない、つまり、漏れた情報が、将来の我が国の、あるいは今の我が国のミサイル防衛に影響があったということでしょうか。もう一度お願いいたします。

額賀国務大臣 影響があったとは言いませんが、影響が起こる可能性は何もないとも断定はできない。だけれども、我々は、そういうことがないようにしっかりとさらに研究を重ねていくということです。

高山委員 いや、私は、朝鮮総連系の団体にこれだけの情報が漏れたということで、かなり国民の皆さんも、心配している方、大勢いると思うんですね。ですから、今長官から、もう国民の皆さん安心してくださいという断言のお言葉をいただきたかったんですけれども、ちょっとそれはそこまでは言い切れない、漏れて心配な可能性も捨て切れないというような御答弁で、非常に残念でございますけれども、次の問題に移りたいと思います。

 次は、法務省の方に伺いたいんですけれども、法務省の行刑施設から個人情報等の流出が一万件あったというような新聞報道がありましたが、これは一体どういう事件なんでしょうか、法務大臣。

大島委員長 高山さん、防衛庁長官がもう一度びしっと言いたいというので、お許しください。

高山委員 それでは、どうぞ長官。

額賀国務大臣 先ほども言ったように、こういう情報が流れたことについては極めて遺憾であります。

 しかし、中SAMの、今配備中の装備には何ら影響がありません。何ら影響はありません。国民の安心、安全を保っていく上で、何の心配もありません。万全を期してまいりたいと思います。

杉浦国務大臣 お答えいたします。

 法の番人である法務省においてこのような不祥事が発生いたしましたことは、甚だ遺憾でありますし、申しわけなく思いますし、重く受けとめておるところでございます。

 経緯を若干申し上げますと、ことしの二月三日でございますが、内閣官房情報セキュリティセンターから、ウィニーというファイル共有ソフトを通じて、行刑施設で取り扱っていると思われる情報が流出しているとの連絡を受けました。担当は矯正局でございますが、矯正局において連絡を受けた情報について調査を進めたところ、この情報は行刑施設の職員において作成したものであることが判明したと承知をしております。

 状況につきましては、京都刑務所の職員が自宅で保有している私物パソコンがコンピューターウイルスに感染したことによりまして、当該パソコンから情報が流出したということでございます。

 なお、その情報は、自分自身が職務上作成する文書のひな形として用いるなど職務の参考資料とするために、研修の機会に知り合った他の行刑施設の職員から入手したものでございますが、その経緯につきましては現在調査中であります。

 この報告は、私は、たしか二月七日だと承知しておりますが、聞きまして、直ちに徹底して調査するように指示いたしました。調査の結果によっては、厳正、厳重に処分する所存でございます。

高山委員 法務大臣にこの事件についてもうちょっと伺いたいんですけれども、これは今ウィニーによる流出ということを言っていますけれども、別にウィニーで外に出なくても、そもそも、私物のパソコンにこういう個人情報を持ち出していることそのものが私は問題じゃないかと思うんですけれども、大臣はその点は調査されましたか。

杉浦国務大臣 先生のおっしゃるとおりでございます。

 省内には保有個人情報保護管理規程というものがございまして、職員は、例えば「保有個人情報が記録されている媒体の外部への送付又は持ち出し」、自宅へ持ち帰ることもそうですが、そのほか幾つかございますが、「保護管理者の指示に従い行わなければならない。」という規定がございます。現在調査中でございますが、管理者の承諾を得て持ち出したものかどうかを含めて調査中でございます。

 今調査中でございますけれども、基本的には、個人情報を含む公的情報を自宅に持ち帰ったのが出発点になっておりますので、とりあえず、先週金曜日ですが、全職員に対しまして、上司の許可なく外部記録媒体等により施設外へ情報を持ち出してはならないという指示を改めていたした次第でございます。

高山委員 法務大臣に伺いますけれども、今、情報ということに関しては民間の企業でもかなりナーバスになっていまして、例えばカメラつきの携帯電話を持ち込んではいけないゾーンですとか、そういうのがあったり、個人の私物のパソコンなんかそもそも社内に持ち込めないとか、そもそもそういう決まりがあるんですけれども、この行刑施設という、私も見学に行かせていただいたことがありますけれども、当然写真撮影もできませんし、かなり個人のプライバシーにかかわることがいっぱいあるようなところで、そういう情報管理、例えば写真を撮るですとかメモをパソコンでとるのか紙でとるのか、そういうことに関しての決まりというのはどういう決まりになっていたんでしょうか。

杉浦国務大臣 先生おっしゃられたような管理規程はさまざまございます。個人情報については、こんなに分厚いわけですが、管理規程というものがあるわけですが、今回の場合、それを徹底していなかった可能性が大きいわけでございますので、とりあえず、持ち帰りは上司の許可を得るようにということを徹底するように金曜日の日に指示した次第でございます。

 ついでですから申し上げさせていただきますが、と同時に、事務次官を長とし、各局の局部長をメンバーとする法務省情報流出防止緊急対策連絡会議を立ち上げました。二月十七日金曜日に第一回の会合をしておりますが、各部局における情報管理の状況を再点検して、対応に万全を期しているのかどうかを含めて省を挙げて徹底的に調査をして対応を検討するということで立ち上げまして、早急に全省的な検討を進めてまいりたい、こう思っている次第であります。

高山委員 それではちょっと話題がかわります、また法務省の情報の管理のあり方なんですけれども。先般の委員会での質問でも、法務省の次席検事がそのようなメールの存在を把握していないというようなことを言われたという話がありましたけれども、その話について伺うのではありません。

 よく報道等を見ていますと、だれだれは容疑を認めたとか、そういう、本省の中にいるはずの人の情報がよく新聞の一面を飾ることがあるんですけれども、こういった情報はだれが漏らしているんですか。

杉浦国務大臣 いわゆる検察官がリークしていると世間の方がおっしゃる事案に該当すると思うんですが、私どもそういうことはないと信じておりますし、きちっと捜査中の機密については守るようになっておるはずでございます、なっております。

高山委員 大臣にまた再度確認しますけれども、これは起訴前の事案の、だれがこういうことを認めただとかこういう供述をしているということは、これは漏らしちゃいけないですよね。

 もう一回、ちょっと確認させてください。

杉浦国務大臣 全くそのとおりでございます。

高山委員 なぜ起訴前の事案をちょろちょろ漏らすことは禁止されているんですか。何か法律で禁止されているんですか、それとも倫理的なことなんでしょうか。

杉浦国務大臣 これは、検察官に限らず国家公務員全体だと思いますが、知り得た情報を守る義務が法律で規定されております。

高山委員 そうしますと、先般の委員会でありました、次席検事がそのメールの存在等々を把握していないというようなことを発表されたことは、これは問題ないのでしょうか。

大島委員長 今答弁の用意をしておりますから。用意できましたか。(杉浦国務大臣「それ以外の質問を。今、資料を探しております」と呼ぶ)

 では、それ以外の質問をまずやってくれませんか。(高山委員「いや、それは、今の質問の流れがありますから、時間をちょっととめてください」と呼ぶ)

 では、速記をちょっととめて。

    〔速記中止〕

大島委員長 では、速記を起こして。

 法務大臣。

杉浦国務大臣 先日地検が発表いたしました個別事案の具体的証拠関係について発表する法的根拠は何かという御質問だと思うんですが、刑事訴訟法第四十七条は、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」と規定しております。

 捜査情報の公表についても、公益上の必要その他の事由があり、相当と認められるときは、これを明らかにすることが許されると考えております。

 また、国家公務員法に規定する守秘義務、百条一項でありますが、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」と規定されており、これは検察官もかかっておりますが、捜査によって得た未公表の情報はこの規制の対象になることが多いものと考えられますけれども、刑事訴訟法四十七条ただし書きに定める、公益上の必要性その他の事由があって、相当と認められる場合には、これを公表することが正当なものとして許され、守秘義務違反にならないと考えております。

高山委員 先般の国会でその問題が扱われましたときに次席検事が発表したということですけれども、この問題は後々、この予算委員会かどこかわかりませんが、国会で扱って、国民の前で明らかにしていかなければいけない問題だと思うんですけれども、それに予断を与えることにはなりませんか、その発表は。法務大臣に伺います。

杉浦国務大臣 ちょっと、何に予断を与えるかという、質疑がちょっとわからないんですが、もう一度御質問の内容を明らかにしていただきたいと思いますが。

高山委員 一般的に裁判に予断を与えるようなことを事前にやることは禁じられていると思うんですけれども、この後、国会審議や何やらいろいろ進んでいく中で、そういう、一方的に情報を発表することがこれからの国会審議に予断を与えることにはなりませんか。

杉浦国務大臣 それは私どもの基本的考えでございますので、予断を与えることにはならないと思いますけれども。

高山委員 そうしますと、私、先ほどからもちょっと聞いていたんですけれども、いわゆる新聞報道で、だれだれが何を認めたですとか、そういう情報はよく出てくるんですけれども、これによって世論がそちらの方向に随分誘導されているような印象を受けるときがあるんですけれども、この点に関しまして、法務大臣はこれは問題だと思いませんか。

杉浦国務大臣 問題だと思います。あってはならないことだと思います。

 ただ、私どもマスコミの取材を受ける立場から申しますと、マスコミの諸君も職業でありまして、猛烈な取材攻勢をかけます。どこから漏れるのかわかりませんが、私ども検察庁、法務省としては、私どもの方からはそういうことを、あってはならないということで厳しくやっておるところでございます。

高山委員 これは、今ここで言えることと言えないこととあると思うんですけれども、そういう、新聞なんかを見ると、だれだれが漏らしたなんてよく情報が出ていますね。こういうのを見て、これは一体どこから漏れたんだというような調査をそのたびにしているんでしょうか。それとも、まあまあ、こんなのはしようがないよ、よくあることだねということで済まされているのでしょうか。法務大臣に伺います。

杉浦国務大臣 捜査を行っている担当部局の方でやることでございますので、当然、重要な事案についてはフォローしているのではないかと拝察をしております。

高山委員 ちょっと時間の前なんですけれども、これで質問を終わります。

大島委員長 これにて高山君の質疑は終了いたしました。

 次に、笹木竜三君。

笹木委員 民主党の笹木竜三です。

 では、質問を行います。

 最初に、労働者健康福祉機構、このことについてお聞きをしたいわけですが、財政も大変だし、無駄遣いをやっている暇はないんだ、改革でそういった無駄遣いをなくしていくんだということで、いろいろなことを進めるということで、この予算委員会でも何度かそのテーマで答弁をいただきましたが、この労働者健康福祉機構、過去に何度か問題にもなっています。厚生労働省から三百二十六億円補助金が出ているわけですが、この独立行政法人、個々のいろいろな業務がありますが、随意契約で非常に長い期間にわたって、ある一つの財団に対して長く発注が行われてきたわけです。そのことについて説明をしていただけますか。

青木政府参考人 労働者健康福祉機構におきましては、労災病院の運営を行っているわけでありますけれども、その中で、食堂でありますとか売店業務につきましては、昭和四十三年から、随意契約により、財団法人の労働福祉共済会へその一部の運営委託をずっとしてきているということでございます。

笹木委員 その財団法人労働福祉共済会、こちらが、例えば今言った、随意契約で長い期間にわたって、四十年近く、三十五年以上、ずっと随意契約で、食堂の業務であったり売店であったり理髪、美容、こういった業務を行ってきたわけですが、大体売り上げはどのぐらいですか。全国の三十六カ所の労災病院等でこの事業を独占的にやってきたというふうに聞いておりますが。

青木政府参考人 財団法人の労働福祉共済会の平成十六年度の収支でございますが、事業収入九十一億一千二百万円でございます。そのうち、売店あるいは理美容施設、そういったものの店舗による売り上げ収入によります店舗事業、これが六十三億円余でございます。そのほか清掃等の業務等々、合わせて九十一億円ということでございます。

笹木委員 この財団法人労働福祉共済会が独立行政法人労働者健康福祉機構に対して払っている施設使用料は、この三十六カ所すべてで幾らになるわけですか、全体で。

青木政府参考人 四千百万円でございます。

笹木委員 非常に安いコストで非常に大きな収入を上げている、これを四十年近く独占的に随意契約で受けてきた。この随意契約を受けてきた労働福祉共済会に対して、こういった話になると必ず天下りのことがセットになって出てくるわけですが、この場合、独立行政法人の労働者健康福祉機構から、あるいは厚労省のOBからどのぐらいの方が、例えば常勤の役員の中でどのぐらいの方がおられるのか。

青木政府参考人 この財団法人労働福祉共済会に就職している厚生労働省の退職者の人数でございますが、役員が二名、職員が一名でございます。

笹木委員 常勤役員五人中、厚労省のOB、会長を含んで四人いるということですよね。間違いないですよね。

青木政府参考人 この財団法人の会長は厚生労働省のOBでございまして、その方を含めまして、役員が二名、職員が一名でございます。

笹木委員 例によって、天下りの方も役員の中に存在している、そして長年の随意契約。この問題は今まで過去に何度も言われてきたと思うわけですが、この随意契約を続けていることに対して、なぜこんなに長くいつまでも、莫大な収益も上げているこの事業に対して随意契約を続けてこられたのか。

青木政府参考人 先ほど申し上げましたように、労災病院の中の売店とか理美容の施設等々でございますけれども、この労災病院の中には、小規模施設でありますとか僻地に所在する施設もございまして、非常な不採算部門もあるということで、これらの業務については、売り上げでその運営経費を賄っていただくという契約で、一括してこの財団法人労働福祉共済会に委託しているものでございます。

 そういうことでございますが、今申し上げましたように、不採算の施設にはなかなか入札を行っても応募がないのではないかということで、現在まで随意契約として委託がなされてきたというふうに承知をしております。

 しかし、こうした採算性の難しい部門についてもできるだけそういったことを目指していくということで、平成十八年度から一般公募による企画提案方式による業者選定、いわゆるプロポーザル入札方式を実施して、その準備をしているというふうに聞いております。

笹木委員 少し僻地の場合、そういった施設も中にはある、なかなか受け手がないから結局四十年近く随意契約を続けてきた。しかし、最近一部メディアでさらに、これはもう決して初めてじゃないですが、今まで何度も話題になってきたんだけれども、改めて、直っていないということがまた取り上げられた。ようやく競争入札にしていこうということになったということだと思いますが、こういったことがたくさんある。またかというふうに、相変わらず無駄遣いが続いているわけです。

 まだほかにもあります。例えば国立オリンピック記念青少年総合センター、これは施設の場合ですが、この施設は、もともとどういうような目的でつくられて運営をされてきたんでしょうか。

玉井政府参考人 お答え申し上げます。

 国立オリンピック記念青少年施設、これは、東京でオリンピックが開かれるに当たりまして、このときに選手の宿舎としてまずは整備されているわけですけれども、その後に、全国の青少年教育のいろいろな方々の研修会だとか、あるいは団体のいろいろな会合とか、こういった形で青少年教育を推進するための施設として運営をされているものでございます。

笹木委員 実際に宿泊されている、そういう方々の中で、主催事業による宿泊施設の稼働率は大体どのぐらいのパーセンテージなんでしょうか。

玉井政府参考人 恐縮でございますけれども、事前の御通告の中でそこまでのことがございませんでしたので、今ちょっと手元にはその資料がございません。後ほど御報告いたします。

笹木委員 いや、これはいろいろな報告書でも、実際に私たちが一々請求しなくても手に入るような報告書でも、大体、主催事業の参加者の利用した率というのは〇・七%。六割以上が企業であったり、言ってみれば、もともとの目的とは関係がない、青少年あるいはその指導者とは関係のない方々が、普通の企業の方、そういった方がビジネスホテルのかわりに使っているような、それが六割以上になっている。これは間違いありませんよね。御存じないですか、そういうことも。

玉井政府参考人 お答えを申し上げます。

 具体の数字が今、手元にないので後ほどと申し上げたわけでございますけれども、このオリンピック記念青少年教育施設等につきましては、独立行政法人でございまして、これは、政府として、ことしの三月三十一日までに中期目標期間が終了するものについては厳しく見直すということで議論をさせていただきました。その中にそのような問題点もあったことは承知をしているわけでございまして、それらについては、さらに業務を見直す。

 あわせて、今国会に御提出を申し上げておりますけれども、独立行政法人の見直しの中で、国立オリンピック記念青少年センターと国立青年の家、それから国立少年自然の家、三つの法人を統合し、より適切な運営をしていくという方向で法案を既に御提出申し上げているところでございます。

笹木委員 国費が投入されている分、千十五億円ですか、これだけの国費も投入されています。もともとの目的と関係のないような形で、結果的には非常に一般の民間企業の方にとってみれば格安なわけですが、そういった施設を国費も投じて運営を続けていく必要があるのかどうか。これも非常におかしな話だと思います。

 統合するというお話が今ありましたが、統合してこういったところに本当にメスが入るのか。統合しても目的と関係のないことに相変わらずいつまでも使われていく、そして予算が使われていく、こういったことを必ずやめるといったこと。あるいは、先ほどの随意契約、労働者健康福祉機構の問題、こういった問題も一つの例として挙げましたが、いまだにごまんとあります。

 こういったことを変える、直す、なくしていくというのが改革のはずですが、竹中大臣に、ぜひ、これからもこういったことをどの程度本当に切り込んでいくのかどうか、聞かせていただきたいと思います。

竹中国務大臣 今、笹木委員から個別の幾つかの事例の御紹介を賜りましたが、これはそれぞれ各省において主務大臣の監督下で適切に運営をしていただくという仕組みになっております。

 お尋ねは、今後の見直し、仕組みでございますけれども、言うまでもなく、この独法の制度というのは、中期的な目標管理を行う、そして第三者による事後評価を行う、情報公開による透明性の確保をする、そういう仕組みをつくっているわけでございます。それを運用するに当たっては、きっちりと運用していくというのが当然の我々の役目でございます。

 先般、十二月に行政改革の重要方針というのを閣議決定しておりますけれども、その中で、独法についての基本的な考え方を示しております。中期目標期間終了時の見直しの際には、官から民への観点から事務、組織の必要性を厳しく検討する、そしてその廃止、縮小、重点化等を図るということにしております。その際には、法人の事業の裏づけとなる国の政策そのものについてもその必要性までさかのぼって見直しを行って、国の財政支出の縮減を図るというふうにしておるところでございまして、これはもう我々としても、こうした見直しが着実に実施されるように、ぜひ推進をしてまいりたいと思っております。

笹木委員 必ずやるべきだと思いますが、現状としては、看板とは裏腹で、なかなか、相変わらず残っている事例が多いということをきょうお話をさせていただきました。

 先週、敗戦と戦後についての認識ということで、いろいろ質疑をさせていただきました。きょう、戦後についての認識ということで、この間ほど長い時間は割きませんけれども、若干御意見をお聞きしたいと思うわけです。

 戦後六十年で、前回もお話をしました、敗戦で、軍事によらない、平和による経済的な成長、これを目指したんだ、そういったお答えもありました。それは本当にすばらしいことだと思います。

 きょうは、ちょっと改めて、官房長官も含めてで結構ですが、谷垣大臣と与謝野大臣にもお聞きしたいわけですが、この戦後の約六十年間を振り返って、プラス面とマイナス面といいますか、成果と、そして失ったものといいますか足りないところ、そういったことについての御感想をお聞かせいただければありがたいと思います。

 自民党の中では、もちろんほかの党でもそうですが、憲法の改正の問題とか、いろいろな話題も出ています。これも、この戦後六十年を総括して、これからこの国をどうするのか、そういった問題でもあると思います。御意見をお聞かせいただけますか。

安倍国務大臣 我が国は、昭和二十年以来の歩みの中でこの六十年、当時、灰じんに帰した国土の中で、あのさきの大戦を痛切に反省しながら、日本を平和な国にする、安定して繁栄した国にするという思いの中で努力をしてきた、そして多くの成果を上げてきたというふうに思っています。その間、自由で民主的な日本をつくってきました。基本的な人権は守られ、そして国際社会において平和にも貢献をしている、胸を張れる日本をつくってきた、こう考えている次第であります。

 そこで、委員が御質問になった、反省すべき点はないのか、こういうことでございます。

 そういう点におきましては、今、社会で起こっているさまざまな現象において、反省すべき点はやはりあるのではないだろうか。例えば、損得を至上の価値にしている若者がふえている。この損得を超える価値についてしっかりと子供たちに教えてくるべきではなかっただろうか、そんな反省点はあるのではないだろうか、こう考えています。

谷垣国務大臣 私は一九四五年の生まれでございますので、この六十年といいますと、もう私の人生とぴったり重なるわけですね。その間に何を失って何を得たかと言われても、膨大過ぎてなかなか総括がしにくいんですが、プラスの面は、今、安倍官房長官がおっしゃったように、戦後六十年間、平和な国として生きてきて、そして自由で繁栄した国をつくることができたというのは、非常にプラス面だったと思います。

 私は、今、財務大臣として海外へ参りましても非常に敬意を持って迎えていただくのは、日本の築いてきたこの繁栄ということが背後にあると思います。そして、そういう日本の力によって、アジアの国々が繁栄するのにも日本は相当大きな貢献をなしてきた。そういうことが、私どもが敬意を持って受け入れていただける背景にあるんだろう。このことは、誇りに思っているところでございます。

 欠けたものは何かというのも、簡単には言いづろうございます。私ども、とかく若い方を見て、今ごろの若い者はというような気持ちも、還暦を過ぎると起こしがちでございますけれども、しかし、そういう方々の中にも、なるほど、若い人たちもこんなによく考えて頑張っているんだと思うことがありますので、余りこちたきことは言うつもりはございませんが、あえて申し上げるならば、どちらかというと、日本は、公というものは官とか行政とか、あるいは政治が担うべきものでというような意識が強かったと思いますが、やはり民間におられる方、あるいはそれぞれ市井の方々が公を担っていくというようなことが昔からあったし、今だってあるに違いありません。

 私は、そういう民間の方々あるいは市井の方々が同時に公を担っていくんだ、こういう気風をやはりもっともっと養成していくといいますか、つくっていくというようなことが必要なことではないかな、これはかなり個人的な思いでございますが、そう思っております。

与謝野国務大臣 六十年間、先人たちの知恵と努力で、全く何もないこの島国がよくぞここまで経済も大きくなって、日本の国内から見ると大したことないと思われても、よその国から見ると、やはり経済も大きいし、豊かさを維持している、そういう国をこうして国民の努力でつくり上げてきたわけですが、こういう世の中を次の世代、またその次の世代にうまく渡していけるのかどうか、そういうことは今心配していることであります。

 やはり、これからも努力をし、汗をかき、知恵を振り絞らないと、この豊かさというものを維持できないのではないか。そういう意味では、次の世代を担う方にも相当頑張っていただかないと、この豊かさは維持できない。しかも少子高齢化ということで、ぜいたくをするためではなく、その少子高齢化社会という人類が余り経験したことのない社会を支えていくためには、最低限の豊かさを維持するように国民で努力をしなければならない、そういう思いを今持っております。

笹木委員 今いろいろな御意見が述べられたわけですが、前回の質疑の中で、この六十年間、戦後六十年間のスタート、出発点であった敗戦と、そして占領、極東軍事裁判、外から与えられたこの枠、これを自明のものとしてしか、しようがないんですが、そのレールの上に乗っかって、ひたすら走ってきただけ、言ってみれば思考停止があったんじゃないかと。みずから責任を、あるいは失敗の本質を総括することを怠けてきたんじゃないか、そういった質問もさせていただきました。どうしてそういう質問にやじが出るのかわからないんですが。

 私もあれが終わってからいろいろな本を見ましたら、こんな文章もありました。「「昭和八十年」戦後の読み方」、「大東亜戦争を指導して、実際に戦争に突入させた政治家や軍人の責任はどうなのか。本当ならば、その議論が戦後日本の内部から出てこなければいけなかった。東京裁判に対する人々の反感等いろいろあった。この断罪に対して反感があった。それが逆に、大東亜戦争に対して政治責任を負っているはずの人たちのその責任を消してしまったのだと思います。」

 これは、何も私が言っているわけじゃなくて、今の本の著者の一人である中曽根元総理大臣の言葉です。これは、立場は違おうと、やはり同じ認識を持っている方はたくさんおられると思います。

 そこで、先ほど、お答えの中に、御意見の中に、損得ばかりの社会の傾向があるかもしれない、そういった御趣旨の発言もありました。あるいは、民間人が公を担う、そういったことが必要なのではないかという御意見もありました。今、教育基本法の改正とかの議論もあるようですが、こういったことは、単に愛国心という言葉をそこに入れ込めば、それは入れ込めばいいですが、それでこういったことが変わるのか。政治家として、例えば、そういった弊害の面、それをもう一回立て直していくためにどういうことが必要なのか。漠然とした答えでも結構ですので、一言ずつ御意見をいただけますでしょうか。

安倍国務大臣 非常に漠然とした御質問でございましたが、私が損得を超える価値ということについて申し上げましたのは、例えば、損得を超える価値としていえば、家族を愛する気持ち、子供のためにあるいは孫のために、親のために頑張るというのは、損得を超えた価値ではないだろうか。あるいは、地域をよくしたいと願って、自分の損得を超えて地域のために汗を流す。あるいは、自分たちが生まれ育った国のために仕事をする、働く、こういう価値ということを認めてこそ、初めて社会は成り立つのではないだろうか。あるいは国というものは成り立つのではないだろうか。それを教えてこなかったことに、やはり私は政治家としてはじくじたるものがある、こう申し上げたわけであります。

谷垣国務大臣 安倍官房長官の答弁を聞きながら、何を答えようかなと思って考えていたんですが、実は安倍さんのおっしゃったことと同じでございます。

 私は民間がパブリックを担うというようなことを申し上げましたけれども、我々が家庭生活を営むに当たって、子育てをするのに、単に自分のキャリアがよければいいとかそういうことだけじゃなくて、次世代の健全な市民を送り出していく、これはやはり、個人生活でありますけれども、我々が子供を立派に育てて次世代の立派な市民に育て上げていくというのは、公共に奉仕することそのものでございます。それから、自分たちの地域がいかに住みよい地域であるようにということで少しずつでも力を出し合うというのは、やはり公共に私どもが貢献するという道でもあろうかと思います。国というのも、決して他人がつくっている国ではなくて自分たちが担っていく国なんだ、こういうようなことだろうと思います。

 それは教育も大事だと思います。それから、政治で何ほどかできることもあると思います。しかし、政治でできること、あるいは限られているという思いもございます。やはり全体の国民の力をどう発揮できるか、これは大きな国民運動みたいなことがなければならないのではないかなと思っております。

与謝野国務大臣 これから日本にとって大事なのは、一人一人の国民がやはり自分の帰属する社会に対して愛情と責任感を持って、それを支えていくんだという気概、こういうことが私は大事だと思っております。特に、日本は努力をしなければ生きられない国でありますので、そういう意味では、国民一人一人の努力が結集して日本という社会を形づくっている、そういう意識が私は必要であるというふうに思っております。

笹木委員 いろいろ御意見をお聞きしましたが、例えば、公を民間が担っていく、最近話題になったことで言いますと、いろいろなボランティア団体であったりNPOであったり、そういう団体もあります。そういう団体がせめて活動の実費ぐらいは出やすいような税制を考える、こういったことも政治の課題かもしれない、そんなことも感じながら今聞いていたわけです。

 しかし、政治として真っ先にやれるというのは、やはり足元、ここでの、例えば政治の側にもそういう面があるでしょう、あるいは役所の場合にもそういう場合があると思いますが、組織を守ることが自己目的になっている。そして、民間にはいろいろな痛みに耐えろと訴えながら、みずからはなかなかしっかりと無駄を削っていかない。身を切る、そういったしっかりした行動をしない。こういったことが、政治の側であったり公共を担うはずの役所であったり、それにあるとしたら、公共を一人一人の国民に担ってくださいといっても、これはなかなか本気にしてもらえないんだろうと思います。

 そこで、一番足元の、前回も少しお話ししましたが、政府の資産、これも一つの象徴だと思います。もとはといえば国民の税金。その税金をもとに、金融資産であったり不動産であったり、いろいろな政府の資産があります。これを法律もつくって無駄をなくす、そういった動きを具体的にやっていくんだということですが、まず谷垣大臣にお答えをいただきたいわけですが、何か、いろいろ具体的な議論をしていく中で、GDP比二分の一に十年間をめどにやるとか、しかし、その場合、こういうものは例外にするとか、いや、金融資産だけにしようとか、いや、不動産、国有財産、行政の管理している財産の中でもこういったものは例外にしようとか、いろいろな議論があると聞いています。今、基本的にどういったお考えでなされようとしているのか、お答えをいただきたいと思います。

谷垣国務大臣 昨年の暮れの十二月二十四日に行政改革の重要方針というのを閣議決定いたしまして、その中で、今委員がおっしゃったことは「政府資産については、真に必要な部分のみを厳選して保有する。」ということになっておりまして、そこで「政府の資産規模の対名目GDP比を、今後十年間で概ね半減させるといったような長期的な目安を念頭におきながら資産のスリム化を進める。」と。そこに注がございまして、「一定の政策目的のために保有している外為資金・年金寄託金等及び売却困難な道路・河川等の公共用財産はスリム化の対象としないが、それぞれの政策目的に照らして、資産を合理的に管理する」、こういうふうに書かれております。

 私どもの基本方針はこういうことになるわけでございますが、スリム化するといっても、さっき申しましたような例えば河川であるとかそういうものを、じゃ売却できるかというと、なかなかそういうものでもございませんし、また、売却するのがいいかどうか、議論もあろうかと思います。

 そういうことを含めてこういう方針を立てましたので、今後、これを踏まえてしっかり取り組んでいきたいと考えております。

笹木委員 国有財産というのは、全部で七百兆ほどあるわけですよね。国有財産とか公共用財産、これで百七十兆ぐらいですか。金融資産、これでも四百兆ほどあるわけですね。今、ただし書きがあって、例外項目でこれは除いてという話がありました。

 竹中大臣にお聞きをしたいわけですが、いろいろな議論があると思いますが、ここら辺は竹中大臣はどういうふうにお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。

竹中国務大臣 経済財政諮問会議で、国民の納得を得るためにもできるだけ幅広く対象資産を考えていこうということで、その方向で財務大臣におかれてもいろいろなしっかりとした御対応をしていただいているというふうに承知をしているところでございます。

 金融資産は金融資産でかなりございますし、実物の資産もございます。ただ、実物の資産では、その流動化が可能なものと必ずしもそうでないものといろいろあるという点もございますから、その点は、繰り返し言いますが、国民の皆さんの御理解がいただけるように、やはり政府は姿勢を正さなければいけない。その範囲で、実情を踏まえて、財務大臣の方で一生懸命、今やっていただいているというふうに承知をしております。

笹木委員 今、ただし書きで幾つか、例えばということで例外項目も挙げられましたが、この点については竹中大臣はどういうふうにお考えでいらっしゃいますか。

竹中国務大臣 詳細を考えるのはこれから、制度設計、これからでございますので、その中でよく閣内でもいろいろ議論をしていきたいというふうに思います。

 基本姿勢は、できるだけやはり幅広く国民に御理解をしていただけるようにしようと。しかし、これは政府としても、実際の仕事をしているわけですから、現実的な政策でなければいけません。実情に即してその対象とプログラムの実行の仕方を考えていこうではないかというのが閣内での一致した考え方だと思います。

笹木委員 先ほどのただし書き、除外、例外項目についてもいろいろな議論があるというふうに聞いています。それと、いろいろ役所の中でも、例えば財務局で千人から二千人の方々が国有財産の不動産管理をしているというふうにも聞きます。一体、こういうことが今の時代にも本当にこれだけの人員で必要なのかどうか、そういった議論もあると思います。

 ぜひ谷垣大臣にここでもう一回確認をさせていただきたいんですが、金融資産に限らずに政府資産全体をあくまでも、これは閣議決定もしているわけですが、十年間で政府資産全体をGDP比二分の一にする、あくまでもこの原則で、金融資産だけじゃなくてこの原則で改革をしっかりやる、閣議決定どおりやる、そういうおつもりであるわけですね。

谷垣国務大臣 金融資産に限定するという考え方はございません。現に今取り組んでいるものといたしまして、国家公務員の住宅、そういうものも売却して効率的な利用の方法はないかと有識者にお願いをして検討しているところでございます。

 他方、先ほど御議論がありましたような例外項目ももちろんございます。例えば、外為資金のようなものは、これは為替管理のために保有しているものでございますから、政策目的上、どこまでもう少し効率化できるかというような議論は常にあると思いますが、そのもの自体をなくしてしまうというわけにはなかなかいかないと思っておりますし、また、年金の寄託金のようなものも、あわせて債務を負っているわけでございますので、そういったそれぞれの性格はあると思いますが、金融資産に限らず考えていかなければならないと思っております。

笹木委員 今お答えがあった中でも、実際には毎年かなりだぶついていて、こんなに準備として蓄えている必要があるかというものもあるわけですよね。ですから、ぜひ、今お答えのとおりで、変な例外をたくさんつくって、結局、やはり足元のことにはごまかしているなと言われないように、しっかりと進めていただきたいと思います。

 次に、与謝野大臣にお聞きをしたいわけですが、私も前回の質疑の中で若干確認はさせていただきました。あるいは、その後も二名の委員がそのことについて質問をしておりましたが、ここで金融庁の方に、この間お聞きできなかったわけですから改めてお聞きしたいんです。

 ライブドアのニッポン放送に対する時間外取引について、個別の事案に対して金融担当大臣が具体的なコメントをするという例がほかにあったのかどうか、金融庁の方にお答えをいただきたいと思います。

三國谷政府参考人 一般的な話でございますけれども、金融庁が例えば証券取引法令の解釈等に関しまして御質問を受けました場合に、一般論として法令の規定の解釈等をお示しすることは一つの私どもの責務と認識しているところでございます。

 ただ、個別事案に関する法令違反の有無につきましては、御質問のその背後にさらにさまざまな個別の実態があるケースが多く、明確に当否を言えないような場合には、断定的なコメントを申し上げることは一般的に差し控えさせていただいているところでございます。

笹木委員 私も含めて何人かが与謝野大臣に何度か御意見も聞いてきたわけですが、与謝野大臣は、事前の相談に基づいて行われた疑いが極めて高い、こういうふうに政調会長時代にコメントをされているわけです。

 もし与謝野大臣が当時も今の立場であっても、あの当時は政調会長だったわけですが、この御認識は変わらないわけですね。

与謝野国務大臣 私も、あの取引に関しまして、どういう取引なのかということに関して関心を持ってもおりましたし、よくぞああいう取引が成立するものだというふうにも思っておりましたが、その後、東京高裁の決定を読んでみますと、ちょっとお時間をいただいて全文を読みますと、本件ToSTNeT取引は、東京証券取引所が開設する、証券取引法上の取引所有価証券市場における取引であるから、取引所有価証券市場外における買い付け等には該当せず、取引所有価証券市場外における買い付け等の規制である証券取引法二十七条の二に違反するとは言えない。売り主に対する事前の勧誘や事前の交渉があったことが確認されるものの、それ自体は証券取引法上違法視できるものではなく、売り主との事前売買合意に基づくものであることを認めるに足りる資料はないことから、この点の証券取引法違反という主張は、その前提において失当である。

 こういう判決文になっておりまして、私もこの判決文を読んで、そういうものなのかと納得したわけでございます。

笹木委員 納得されたんですかね、本当に。いや、それは、事前の相談に基づいて行った疑いが極めて高いと言われていますが、実際に事前の相談に基づいて行ったのであれば、そして契約が成立したのであれば、これは違法なわけですよね。先ほどお聞きしましたように、こういった御認識を当時、政調会長として持っておられた発言をしている。

 なぜこれをしつこく聞くかといいますと、先ほど戦後についての認識ということでも、いろいろな御意見がありました。ありましたが、損得だけ、そういった傾向に流れているとか、そういった御意見もありました。公のことをもっと国民が担っていくような、そんなことを考えないといけないというお話もありました。言ってみれば、象徴的な事件なんですよ。自分一人の金もうけのためだったら、脱法とか、あるいはもうほとんど実質違法であっても、何とかくぐり抜けられるんならそれはオーケーなんだと。

 もっと言うと、これについて、きょうもあったし、きのうもありました、十六日もやりましたが、時の金融担当の大臣が、本人の意図、その当時の意図がどうかということは別にしまして、ほとんどの方が適法だと解釈するようなコメントをしている。ちゃんと、ライブドア、この資料によりますとというただし書きをつけて述べている。適法と解釈される、そういったコメントをあの時点でしている。これは言ってみれば、堀江社長にしてみたら、いや、脱法でも実質違法でも、うまくやれば逆に政治家とか役所の側は、法律の不備だったのでしようがないや、法律改正するまではそれは許されるんだと。言ってみれば、甘い味をしめてしまったわけです。やはり非常に重大な、深刻な問題だと思うわけです。

 それで、その当時これを、ほとんどまずいんじゃないか、事前の相談に基づいて行った疑いが極めて高い、そういう認識を持っておられた与謝野大臣だったら、当時そういう立場であったら、少なくとももう少しはブレーキをかける必要があったと思われていたんじゃないですか、自分が担当の大臣だったら。

与謝野国務大臣 担当大臣でなかったので、その当時は政調会長としての感想しか持っていなかったわけでございますが、先ほど私、東京高裁の判例を御紹介しましたけれども、その中に、事前の相談があったということが確認されるもののということがあって、それは、裁判所は何らかのやりとりがあったということは認定している判決であると思っております。それと同時に、事前の合意があったわけではないので違法ではないというくだりがあって、この部分を反対解釈すれば、取引の合意自体が事前にあれば違法だというふうに反対解釈もできると私はこの判決を読んだわけでございます。

笹木委員 いろいろほかの方の立場のことも考えてそういった答弁を続けられているわけですが、では、竹中大臣にお聞きをしたいわけです。

 竹中大臣は当時の担当大臣でもありませんが、当然、このときの議論はいろいろ聞いておられるはずですし、やはり党の中でも国会の中でも、いろいろな議論がこの事案についてはある。当然御存じだったはずだと思います。

 言ってみれば、灰色のことを平気でやる、脱法すれすれでも平気でやる、こういった体質はやはり、私はその当時この国会の中にいたわけじゃないですが、その当時からかなり、指摘された方もたくさんおられます。そういった中で、そういった企業の経営者を選挙でも応援に行って、これはメディアの言葉ですが、みずから広告塔になられた。こういったことについて、いや、郵政一点のテーマの選挙だったからということを再三お答えになっていますが、それで本当に許されるのだろうか、責任は全く感じられないのだろうか、それをお聞きしたいわけです。

 身を削っていく改革というのは、国民が納得をして、そうじゃないと身を切る改革なんて力が出てきません。言ってみれば、こういった、私の利益のためには脱法、灰色のことも平気でやる、そういう方を当の政治家が、メディアの言葉によれば、広告塔になって持ち上げた。このことの責任は、改革を進めるという意味でもお感じになっていないのかどうか、お答えいただきたいと思います。

竹中国務大臣 まず、前半で御指摘になられた時間外取引の問題に関しましては、これは委員もおっしゃいましたけれども、私、当時そういうことを知る金融担当の立場にございませんので、個別の事情は存じ上げません。また、政府を代表して金融問題について申し上げる立場でもございません。与謝野大臣が御答弁されたとおりであろうというふうに私も思っております。

 後半の選挙の応援の件ですが、これは、あの選挙をどう位置づけるかというのはいろいろ御意見があろうかと思いますが、私はやはり、郵政民営化に賛成か反対か、内閣の命運をかけた、その一点で大変重要な選挙であったというふうに認識をいたしまして、郵政民営化賛成の方々を応援させていただきました。まあ、今こういう事態に至っているわけで、もちろんこれはまだこれから解明が進むわけでございますけれども、逮捕という事態に至っているわけですから、そういうことを見抜けなかった私のその点の不明に関しては、不明として反省をしなければいけないと真摯に思っているところでございます。

笹木委員 これは決して民主党の私たちが言っているということじゃなくて、メディアでは、もしかしてこのライブドアの脱法行為、これに対して政治とつながりがあったんじゃないかと、そこまでいろいろな記事とか一部報道もされているわけです。そういった中でのこの選挙応援の問題、非常に深刻な問題だと思います。

 そこでお聞きをしたいわけですが、今、先日の永田議員のメールについていろいろ話題になっていますが、まず刑事局長に確認をさせていただきたいんです。

 このメールあるいは金銭関係について、全く把握していないと聞いている、これは次席検事がいち早くコメントをされました。これは結局、存在を確認していないという意味なのか、あるいは、このことは自分たちは取り扱いしていないという意味なのか、そのことを確認させていただきたいと思います。

大林政府参考人 お答えいたします。

 文字どおり、報道に係るメールの存在や指摘された事実関係について把握していないということでありまして、それ以上のことを意味するものではないということで御理解いただきたいと思います。

笹木委員 ですから、いろいろ調べてみたけれどもないということじゃないんですよね。全く調べてもいないということですよね。

大林政府参考人 今申し上げたことでございまして、報道に係るメールの存在や指摘された事実関係について把握していないということでございます。

笹木委員 事実関係については把握をしていない。それ以上は、要は、実際に捜したということじゃないということですね。(発言する者あり)何度でもやります。

大林政府参考人 同じお答えで恐縮でございますけれども、把握していないということでございます。

笹木委員 それ以上はお答えにならないようですが、では、ちょっとまた質問をかえまして、今、国政調査権で調べるべきだというふうに主張しているわけです。実は、私もメールの具体的なことを何も知っているわけじゃありません。しかし、ここで議論も聞いていて、国政調査権で調べるべきだろうと私も思っています。

 ここで、官房長官にお尋ねをしたいわけですが、こういった事例について、比較的最近、単に証人喚問とかそういうことじゃなくて、実際に、比較的責任ある立場の方、今回の場合は与党の幹事長、あるいは過去の事例で、比較的最近の事例で、大臣であったり総理大臣であったり、そういう方が、国政調査権によって、今言ったお金についての疑惑、これを委員会の全会一致で実際に国政調査権で調べたという例はあるのかどうか、官房長官にお答えをいただきたいと思います。

安倍国務大臣 今の御質問でございますが、憲法あるいは国会法において、国政調査権は議院または委員会で議決をしてお決めになることでございますので、政府として答弁するのは適切ではない、このように思います。

大島委員長 笹木さん、委員長として。議事部で調べればわかることですから、調べてください。

笹木委員 はい。

 では、お答えをしますが、少なくても、これだけかどうかの確認はしていませんが、国政調査権を使って、実際、こういったお金にまつわる事案で委員会の全会一致で調査をしたという事案はあるわけです。

 官房長官もまだ当選して間もないころだったと思いますが、細川総理の、細川内閣での、あれは当時は自民党が野党でありました。私もちょうどそのときには初当選して間もない時期でしたから、よく覚えています。今の民主党どころじゃないですね、あのしつこさといったら。何にも具体的なはっきりした証拠があったわけじゃありません。ほとんど伝聞記事であったり、伝聞に基づいて、さんざんお責めになりました。

 ここにおられる方もたくさんおられたと思いますが、例えば、ここにおられる方々、竹中大臣以外はそのときも現職だったわけですが、覚えておられるかどうか、まずお答えいただきたいと思います。安倍官房長官はちょうど初当選の時代だったと思います。お答えいただきたいと思います。

安倍国務大臣 当時はまだ当選したばかりでありますが、結局、結果的には、細川総理は辞任をされたんではないかというふうに覚えております。

谷垣国務大臣 よく記憶をいたしております。

与謝野国務大臣 その当時は、裏づけのある相当な事実をもって、内閣にいろいろ迫っていたんじゃないかなと思っております。

笹木委員 これは平成五年の議事録ですが、政治責任をかけてこの問題についての解明をするために資料を提出すべきだと思います、これに対しまして総理のお答えをいただきたいです、自分の方から資料を出せ、これを再三しつこく迫っておられます。

 当時、白川委員、この方が何度も何度もそのことを迫ってもおられます。これはこの予算委員会の義務だと思います、どうか委員長において、この点はできるだけ早いうちに出していただきたいとお願いを申し上げます、そんなことも言われています。あるいは、細川さん自身が決断する以外にできないのだということを、これは白川委員の発言ですが、伊吹代議士は随分言っていたと思うわけであります、こういう発言も出ています。

 この結果どうなったということは、お三人は、細川さんがやめられる前に、こういった自民党からの、いや、本人がちゃんと証明をすべきだという再三の数カ月にわたったそういった責めを受けて、結果、委員会としてはどうなったかということは覚えておられるでしょうか。

大島委員長 どなたに。(笹木委員「官房長官に」と呼ぶ)官房長官は知らぬと思うんです、当時若かったですから。(発言する者あり)

 いや、むしろ、財務大臣は明確に覚えていると言っていましたからね、もし当時のことの感想でいうなら、財務大臣、何かちょっと感想か何かあったら。

谷垣国務大臣 私どもも相当いろいろ調査をいたしまして、その調査に基づいていろいろな主張を展開したんだと記憶しております。

笹木委員 与謝野大臣もお願いします。

与謝野国務大臣 事柄を追及するのであれば、やはり一定の根拠に基づいて追及しなければいけないというのが国会でのルールだろうと私は思っております。

笹木委員 その結果、委員会としては、「衆議院予算委員会は、去る二月二十二日、山口予算委員長の提案に基づいて、土井議長名をもって、憲法六十二条、国会法第百四条により、細川首相に関する記録の提出要求を全会一致をもって決議した」、こういうふうにあります。ですから、決して、国政調査権を使って調査をする、このことは過去になかったということじゃありません。

 それに加えて、先ほどの刑事局長のいろいろなお答えがありました。何度か御質問しても、はっきりお答えいただけないわけですが、例えばこれも、メディアでは、言ってみれば検察も政局に余り巻き込まれたくないからとか、それでああいった発言を、異常に速いスピードで発言をされたんだ、こんな意見も報道もたくさん出ています。

 あるいは、ちょっと前に、やはり政治とお金の問題で、日歯連という事件がありました。たまたま、いろいろその背景とかについても、どういうことだったのかなということが知りたくて、実際に裁判も何度か傍聴をしてみました。これを見て、例えば、一般の常識からしてみれば、村岡さんは事情聴取と在宅起訴が平成十四年九月に行われている。村岡さんは口悦に同席をしていない。実際に現金の授受があったと言われる場所です。そこに同席をしていた政治家の三人の方々、そういう方に対する事情聴取は平成十五年の二月、半年近くおくれてされている。

 しかも、あのときの裁判を聞いていますと、非常におかしいんですが、この口悦に同席されたその当時の議員が、自民党であると言われているもち代、氷代、これは検察の方から聞かれて、いや、そんなものは聞いたときがない、知らない、こういう発言であったり、口悦を途中で出て新幹線に乗ってまた深夜に戻ってきた、そういう御発言をされていましたが、結局、このことは虚偽のお答えであった。これは検察がみずから、その後、二回ほど後の裁判の中で述べられています。

 言ってみれば、検察の方も、やはり政治と、あるいは政界のいろいろな常識といいますか、そういったことをお知りにならない面もあるのかな、裁判を聞いてつくづく思いました。

 あるべき論としては、この国政調査権、きょうも、自民党の大臣の経験者でもある方が、いや、何かもう少し具体的なものがないと、裏づけるものがないと権威がある国政調査権を使うことができない、そんな発言をされています。

 今、具体的な裏づけである口座であったりそういうようなものを公開することも考えていると民主党は言っているわけですが、そういったことが担保されれば、それを受けて、細川総理にされたと同じように、あれは全会一致で、当時の与党の方も野党の方も全会一致で国政調査権で調査することを決議したわけです。そういった具体的な裏づけを示せば、国政調査権で調査をするということに応じられるおつもりがあるかどうか、これをぜひ官房長官にお伺いをしたいと思います。

大島委員長 笹木さん、これは官房長官に聞く筋合いのものじゃないような気がします。だから、官房長官に答弁を求めるのはちょっと非常に難しいんじゃないかと思うんですがね。政府だからね。

笹木委員 私は、与党の、与党で官房長官である方にお答えいただきたかったわけですが、では、この予算委員会で起きた具体的な事案なわけですから、委員長にお答えをいただきたいと思います。

大島委員長 今理事会でさまざまな議論をいたしております。細川内閣のときも、私は自民党の副幹事長で、さまざまなその場面にいたことを鮮明に覚えております。当時、自民党も必死になって資料を集めました。

 したがって、今理事会で協議をしっかりしていくことが、今笹木さんがおっしゃることは非常に重要なことを含んでおります。したがって、理事会でよく協議してまいります。

 以上です。

笹木委員 ぜひしっかりお願いします。

大島委員長 これにて笹木君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 米軍再編に伴う在日米軍の駐留関連経費負担の問題について質問をいたします。

 昨年秋、米軍再編に関する日米の基本合意が行われて、そして、在日米軍基地の強化、恒久化の方向が打ち出されて、そのために多額の税金をつぎ込む、このことが検討されております。

 まず、在日米軍の駐留経費負担の額でありますけれども、いわゆる思いやり予算分、地位協定の枠外の特別協定分、給与八手当、それから、新特別協定分、基本給与及びその他の手当、訓練移転費、そのほかに、地位協定に基づいて支出する防衛施設庁分、防衛施設周辺対策費、民有地の貸借料、移設、こういう問題や、さらには他省庁分、基地交付金や財産借り上げ資産などにわたるわけであります。

 まず外務大臣に伺いますが、思いやり予算が始まった一九七八年、この七八年度から二〇〇五年度までの負担の総計というのは幾らになりますでしょうか。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

麻生国務大臣 数字はいろいろありますので、局長の方から言わせた方がよろしいと思います。

河相政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御指摘のあった基本給等に関する……(笠井委員「全部合わせた額で結構です」と呼ぶ)総額でいいますと、昭和五十三年から平成十七年まで、この総額が十二兆九千六百億円でございます。

笠井委員 今の数字以外に、政府が在日米軍の駐留経費として積算していないSACOの関係の経費があります。これまでに千六百二十五億円になりますので、これを加算しますと総額十三兆円以上になるということになります。

 私、外務省提出の資料に基づいてグラフにしてまいりました。ここに持ってきましたけれども、一九七八年度当時千七百五十九億円だった。この在日米軍の駐留経費の負担が、二〇〇五年度、二十七年後ですけれども、額がSACO経費を含めて六千四百七十九億円ということで、三・七倍にふえております。総額で実に十三兆円を超える税金がつぎ込まれてきたという莫大な額であります。

 さらに外務省に伺いますけれども、アメリカ国防総省は、毎年、共同防衛に関する同盟国の貢献という報告書を出しております。最新の二〇〇四年度版で、日本の米軍駐留経費負担は幾らというふうになっていて、米軍基地経費の何%になっているか、米軍人一人当たりにしますと幾らになるかという数字を答えてください。

河相政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のありました二〇〇四年度版共同防衛に対する同盟国の貢献に関する統計資料、これは米国防省が出している資料でございますけれども、その資料の中では、我が国の駐留経費負担額というのが四十四億ドル強、負担割合は七四・五%、そして米軍一人当たりの経費負担は約十万六千ドルというふうに表記されておりますけれども、片や日本の統計、日本政府として積算をしているところでございますと、二〇〇四年度、日本政府が駐留米軍に関して負担した費用は、先ほど御指摘のあった六千三百億円強でございまして、これに対して米側が負担している額は約五十四億ドルということで、経費負担は大体半々というのが政府の内々の統計資料でございます。

笠井委員 私はアメリカの額を聞いたんですが、いずれにしても、四十四億ドルというと五千三百八十一億円です。それから、在日米軍一人当たり十万六千ドルということですが、千二百九十三万円。当時、二〇〇二年のレートで百二十二円ということになっていますから、そういうことになると思います。

 日本が負担した米軍駐留経費は、このアメリカの報告によりますと、米軍が駐留する二十六カ国中で断トツになっている。二位のドイツ以下、二十五カ国の合計よりも多い。ドイツの二・八倍、韓国の五・三倍、イタリアの十二倍、イギリスの十九倍というふうにもなっております。日本は米国からよく言われますね。世界一気前がいいと言われるほど突出した役割を果たしている。明確だと思います。

 財務大臣に伺いたいんですが、財政制度等審議会、報告書を出しております。「平成十八年度予算編成の基本的考え方について」来年度予算に向けて去年の六月六日に出されたものでありますけれども、これを見ますと、「我が国が「破局のスパイラル」に陥るのを回避するためには、不退転の決意で財政構造改革を推進する以外に選択肢はない。」そして、防衛関係費のところを見ますと、特に在日米軍駐留経費負担については、我が国の厳しい財政状況、自衛隊の役割の変化、他の先進国の例、米軍再編等を踏まえて、見直し、効率化を図っていくべきであるというふうに述べております。

 谷垣大臣としても、この問題、こういう指摘も踏まえて本格的に切り込んで、この在日米軍の経費負担については削減をしていくということですね。いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 今お触れになった在日米軍駐留経費負担につきましては、財審の建議もお読み上げになりましたけれども、合理化それから効率化を図っていくということで、近年においては縮減を続けてきております。十八年度予算でも、特別協定の対象ではございませんけれども、在日米軍の提供施設の整備の大幅な縮減を行う、こういうようなことによりまして、在日米軍駐留経費負担全体として抑制を図ったところでございます。

 今後とも、厳しい財政事情やあるいは日米安保体制の円滑かつ効率的な運用の必要性、こういったことを踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えております。

笠井委員 縮減を図ったと言われましたけれども、このグラフもありますが、本当にそうドラスチックなものじゃないですよ。それでは全く不十分だと言わなきゃいけない。しかも、思いやり予算による米軍施設の整備費、これが、十三兆あるうちの約二兆円に上ります。それが、防衛施設庁の官製談合という問題で、岩国、佐世保を初めとして、あちこちで食い物にされてきた。二十年、三十年とかという報道もありました。まさにそういう点では、日米安保体制とか言われましたが、平和の対価でも何でもない。

 重大なのは、しかもこの米軍駐留経費の負担が今後さらに増大する可能性があるという問題であります。きょうは時間の関係で限られておりますので、米軍再編に係る今後の経費負担のうち、特にグアム移転費の問題についてただしたいと思います。

 このグアム移転費については、昨年秋の日米合意で、七千人規模のグアムへの移転を実現可能とするための適切な資金的その他の措置を見出していく、そのための検討を行うとされております。この合意に基づいて、去る二月九日、十日と、日米の審議官級の協議で米側から移転費総額と日本の負担割合を求めてきたということが報道されております。

 その内容を見ますと、総額七十六億ドル、八千百三十二億円で、その約六割を占める住宅整備関連費のほか、基地内の司令部庁舎、隊舎、厚生施設、道路などの整備費約二十六億ドル、二千七百八十二億円、訓練施設整備費約二億ドル、二百十四億円、航空支援施設整備費約一億ドル、百七億円と書かれておりました。

 そこで伺いたいんですが、さきの審議官級協議で、グアムの移転費の問題について米側からどのような具体的提起が額の問題を含めてされたのか、明らかにしていただきたいと思います。

額賀国務大臣 今、笠井委員おっしゃるように、昨年の秋に、中間報告という形で、米側から、海兵隊七千人をグアム島に移転する考え方が示されました。これについて、我が国といたしましても、沖縄の負担が軽減されるということで評価し、これを実現するために、資金的なもの、それから必要な措置を講じるという形で合意文書に書かせていただいているわけであります。

 その後、これに基づいて精力的に協議をしているわけでございますけれども、今委員御指摘のような具体的な協議はしておりますけれども、それぞれきちっとした形で合意されているわけではありませんので、協議中の段階で明確に申し上げることはできないというのが実情でございますので、御理解をいただきたいというふうに思います。

笠井委員 沖縄の負担軽減ということならば、それはそんなことにならないというのは、もうこの間問題になっていることです。

 私、伺いたいんですが、アメリカ側から、では、長官、今回具体的な提示がなかったのか、あるいは、あったけれども具体的な中身は言えないということなのか。どちらでしょうか。

額賀国務大臣 日本側としては、具体的に、アメリカ海兵隊をグアムに移転していく場合に、日本の負担が軽減されるということが国民の皆さん方に明らかに示されて、そして負担軽減されるから、資金的な措置等々がとられる環境をつくっていかなければなりません。そのために具体的に我々が明確に協議ができるような形がまだ示されている段階ではありません。早急にそういう話し合いができるように、協議の加速を両国の間で今進めているということでございます。

笠井委員 報道によりますと、米側提示額の約六割、約五千億円の住宅整備費、それから、今回移転の対象とされている在沖海兵隊の住宅や司令部関連の施設がある五つの基地、中南部でありますけれども、そこには、平成十七年までに、住宅の部分で一千十七億円、それから管理棟や厚生施設など、それも含めて総額で二千二百三十三億円が費やされているということであります。

 日米地位協定でいきますと、リロケーションという場合には代替の範囲を超えないという考え方も国会でも議論をされてまいりました。そういう経緯があります。

 今回のことで、今長官言われたことで、ニュアンスみたいなことを言われましたが、防衛庁関係者が、とにかく向こうの言っているのは腰だめの数字にすぎないというようなことも指摘したともされておりますけれども、アメリカ側は、数字上は海兵隊の規模を削減するんだからと、そこにある意味つけ込んできてというか、そういうこともあるんじゃないかと疑わざるを得ない、そういうような莫大な額であります。

 防衛庁長官は、昨年の日米合意以降も、十二月の十三日、一月十七日それから二月十日に、それぞれ米側の高官とお会いになっていらっしゃいます。では、日本政府として合意した、グアムへの移転を実現可能とするための適切な資金的その他の措置を見出すための検討について、それらの機会に何を述べたんですか。どういう問題を長官としては米側の高官と会ったときに述べたんでしょうか。

額賀国務大臣 海兵隊七千人のグアム移転を実現していくことは沖縄の負担軽減につながっていくことになるということであるならば、日本もそれなりの努力をする必要がある。そのために、日米の間で具体的、率直な協議が展開されなければならない、そういう話をしたわけであります。

笠井委員 長官は、先ほど来、沖縄の負担軽減と言われますけれども、まさに北部に、名護のところに新しいものをつくるということで、沖縄の人たちはみんな負担軽減なんて思っていないわけですよ。しかも、パッケージで、日本全国全部受け入れたら、それと引きかえにグアムに行きましょう、そこに日本の税金出しましょうという話ですから、負担軽減なんて話は一切無縁で、むしろ負担がふえるという話なんです。

 検討されている具体的内容や数字も明らかにしない、どんなことを言ってきたかも言えない。そして、国会や国民が知ったときには、既に日本とアメリカの政府間で財政措置まで合意しているというようなことになったら、絶対にそんなことは容認できない、そういう問題だと思うんですよ。重大な問題ですから。

 グアム移転費について別の角度から伺いたいと思いますが、まず外務省に二点伺います。

 一つは、これまでに、米国の領土にある米軍基地の増強に日本国民の税金を投入するなどということがあったかどうか。もう一つは、米軍が海外から本土へ移転する場合に、ホスト国が移転に要する経費を負担した例がかつてあったかどうか。端的に答えてください。

河相政府参考人 お答え申し上げます。

 過去において、日本国政府の財政支出によって米国にある米軍の基地等に財政的資金支出を行った、こういう例はないというふうに承知しております。

 第二点目は、米軍が海外にいるところから撤退する、それに当たって、その受け入れ国が財政支出を出したかどうかということについては、日本政府としてこの場で責任を持ってすべて御答弁する立場にないわけでございますけれども、現時点で、我々はそういう具体的な例というものを承知しているわけではございません。

笠井委員 日本の歴史上も例がない。それから、今、外務省は、知る限りと言われたけれども、米軍に関して、世界でも類例がないということであります。

 もう一つ、これは財務大臣に伺いますが、米側のグアム移転費負担の要請に対して、政府は、三月末の最終報告後に法的、財政的措置について閣議決定して、今国会中に根拠法の成立と米政府との協定を締結する方向で調整しているということまで報道されております。財務大臣御自身も、この一月の十二日と十三日に訪米された折に、ライス国務長官それからラムズフェルド国防長官に直接お会いになった機会があって、そしてこの件についても話し合っておられると思うんですが、日米合意に基づく財政支出について、一体どういう根拠づけをしたら、外国領土の基地建設に我が国の国費を使うということが成り立つんでしょうか。

谷垣国務大臣 先ほどからの御議論のように、去年の秋の2プラス2の共同文書に基づいて、今後、日米間で話が進んでいくんだろうと思います。

 今、両国の外交、防衛当局で一生懸命詰めていただいているんですが、まだ何も決まっていない段階なんで、財務当局としてコメントすべきことは現段階ではございません。

笠井委員 では、一般論として伺いますが、財政法上はどういうことでこういうことが成り立つんでしょうか。二条一項がありますね。

谷垣国務大臣 一般論とおっしゃいましたけれども、これからでき上がってくるスキームを見ないと何ともお答えのしようがございません。

笠井委員 では、国の支出というのは財政法の二条の一項で何と書いてありますか。

谷垣国務大臣 あくまで一般論で、仮定の議論ですから、答えたからといってそれで揚げ足をとったように言われても困るんですが……(笠井委員「揚げ足じゃないですよ、聞いているんですよ」と呼ぶ)わかりました。まじめに答弁させていただきますが、財政法上は、特段の禁止とかそういうようなことはございません。

笠井委員 財政法上、二条一項では、国の需要を満たすということが要件なんですよ、そうでしょう。一般論とおっしゃいますけれども、さっきの検討しているという話でこれもう協議をやっているんだから、一般論じゃ済まない問題になるわけです。

 従来の思いやり予算は、アメリカの財政状況が大変だからという理由でそもそも始まって、日米地位協定上も、米国が払うべき費用を日本国民の税金で負担する、こういう理不尽なものでありましたけれども、それでも政府が言ってきたのは、日米安保条約に基づく日本防衛のためというのが建前でありました。

 その後、地位協定の枠内ではおさまらなくなって特別協定まで締結して、SACOの経費に至っては別枠で予算措置をする。こういう形で、先ほど冒頭に伺ったように、在日米軍の駐留関係経費を年々増大させてきた。十三兆円。

 しかし、今度はそれでも説明できないことをやろうとしているというのが今の協議のはずでしょう。しかも、財政制度等審議会の指摘からしたって、こんな超法規的で、また何千億とか一兆円という話ですから、許されるはずがないということだと思います。

 外務省に伺いますけれども、去年秋の日米合意文書で「未来のための変革と再編」、2プラス2の合意と言われておりますけれども、米国の海兵隊の再編という問題の中で「太平洋における兵力構成を強化するためのいくつかの変更」ということが挙げられておりますが、グアムについてはどのように言及をされているでしょうか。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

河相政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年十月末に日米間で採択をした文書「日米同盟 未来のための変革と再編」、その中で「柔軟な危機対応のための地域における米海兵隊の再編」という項目がございます。この中においてグアムへの言及がございます。「太平洋における兵力構成を強化するためのいくつかの変更を行ってきている。これらの変更には、海兵隊の緊急事態への対応能力の強化や、それらの能力のハワイ、グアム及び沖縄の間での再分配が含まれる。」という記述がございます。

笠井委員 今ありましたけれども、グアムは非常に重要だ、アメリカの主要作戦基地、MOBとして重要な位置づけがされていて、グアムに海兵隊司令部を持ってきて、アジア太平洋全般、全域で行動する。リーチバックということが最近よくアメリカでは言われますけれども、そういうことで、沖縄とグアムそしてハワイなどを広域的に一体運営して、まさに米軍活動をより強化するための一大拠点にしようというものであります。

 外務大臣、グアムというのはこういう位置づけを持っている。米軍再編の中で、世界的な再編の中で位置づけを持っている。そういうことに対して、今の、これまでのことではできないと言われていた、日本国民の税金を注いで移転のために経費を負担する、こんなことはやっちゃいけないんじゃないでしょうか。いかがですか。

麻生国務大臣 基本的に、沖縄から七千人の米国海兵隊員が撤収する。家族を含めますと一万数千人になろうと思いますが、そのことは沖縄県民にとって全然負担の軽減にならないとさっきから言われますけれども、私は、七千人減るというのは結構な負担軽減になると思いますけれどもね。ならないと言われる見解からして私と全然合わないんですが、私は、七千人減るというのは大きなことだと思っております。それが何年で減るんですかと言われると、それが十年、二十年で減るというのでは、なかなか私どもとしては、特に沖縄県民の気持ちを考えると、なるべく早くその部分が軽減になる方が望ましいと思っておられるんだと思います。

 したがって、その役に立つためにはということなんだと思っておりますので、私どもとしては、グアムの再編の基地よりは、少なくとも、沖縄から七千人の海兵隊員をなるべく早く撤退していってもらう一つの手段として今のお金の話やら何やらが出てきている。背景はそれだと思いますけれどもね。

 したがって、見解が全く違っておりますので、それ以上お答えのしようがありません。

笠井委員 沖縄から七千人撤退で、負担軽減ですばらしいなんておっしゃいましたね。今度の日米合意のものはパッケージというふうに政府自身が言っているでしょう。これは、沖縄に新しい基地をつくる、新たな負担を沖縄にかけながら、そしてその機能を本土に持ってくる。さらに、この米軍再編の中で、岩国もそうです、三沢もそうです、横田もそうです、座間もそうだし、それから空母がやってくる横須賀だってそうです。全部が地元の反対をとにかく抑え込んで、そして再編ができたときに七千人引く。引くけれども、そのお金は相当の部分を日本の国民に税金で出せという話でしょう。全体としてどこが負担軽減になるのか。本当に新たな負担を強いるものでしかない。(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。

 しかも、アメリカの位置づけは、これは世界戦略の中でグアムを強化しようという話なんです。

 二〇〇四年三月の米下院の軍事委員会で、トーマス・ファーゴ米太平洋軍、海軍の司令官がもっと明確に証言しております。グアムが持つ戦略、地政学上の重要性は、強調しても、し過ぎることはない、こういう形で、グアムの戦力投射のハブとしての役割が増大しているということをはっきり言っているわけです。その中で、グアムの主要な基盤の改善が必要だ、アメリカにとっての位置づけがあって、そこのために基盤整備が必要だから、キロ埠頭やアプラハーバーの埠頭改修、アンダーセン空軍基地の施設建設や滑走路の補修、弾薬庫の建設、全部列挙されているんですよ。アメリカにとってやりたいから、これはとにかく日本の税金を出してやれという話であります。

 今回のグアム移転はこんな米軍再編のためであって、日本の防衛のためとか、国の需要でも何でもない。沖縄を初めとして、在日米軍の基地再編強化は、とにかく地元の反対を押し切って、首長もみんな反対されているのに、押し切って、のませた上に、パッケージということでグアムに海兵隊を一部移転して、そしてその経費は最大限日本国民に負担させようと。まさに、負担軽減に名をかりた米国のための米軍再編強化への財政補完そのものであります。

 外務大臣、きっぱりとこれは断るべきじゃないですか。

麻生国務大臣 全く見解が違うんだと思います。それしかお答えのしようがないんですが、基本的には……(笠井委員「委員長」と呼ぶ)まだ答弁の最中ですので。

 基本的には、今言われましたように、私どもは、沖縄の人たちの負担は、少なくとも、基地の七五%が沖縄に集中している、偏っているというのは問題だと言われることに関しましては、そちら様も同じような御意見だったと記憶いたします。したがって、それをみんなである程度分け合っていこうというのはそれはそれなりに、ほかに方法がありませんのがまず第一点。七千人減るというのは極めて大きな数字だ、私は沖縄の方からはそう聞いております。

 それからもう一点は、やはりアジア太平洋地域においてまだ不安定な要素があることは確かだというように御認識をいただいていると思いますので、その部分がきちんと強化されるということは、日本を取り巻く環境、周囲というものの安定、安全、平和というものが維持され得るという状況になりますのは、それは日本の国益にもつながるところでもあろうと思いますので、アメリカのグアム基地だけが強化されることによって、それはアメリカが得する話のみのようですけれども、結果として日本全体の安全保障上の役に立つという観点も忘れちゃならぬところだと思っております。

笠井委員 最後に一言述べて終わりますが、今言われましたが、沖縄の人たちはそういうことで納得していないですよ。

 アメリカは、地球規模での米軍再編、このことについては、テロや大量破壊兵器など新たな脅威への対抗を名目にして先制攻撃戦略を進めていると、今度のアメリカの国防計画見直しの中でもはっきり書いてあります。そして、日本を含む同盟国に対して、テロとの長期戦争への関与を求めながら、静的同盟から躍動的パートナーシップへの転換ということで、軍事安全保障上の負担分担の促進を求めている。

 政府はイラク戦争のときの対応の失敗を繰り返しちゃいけない。国民には負担を強いながら、アメリカに言われたらどんどん税金出す、こんなやり方は絶対やめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

大島委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、日森文尋君。

日森委員 社民党の日森でございます。

 きょうは、格差の問題について、格差そのものではなくて、二極化が急激に進行した結果、一体何が起きているのか、そのことについて政府として具体的な対応は何かあるのかということについて、お伺いをしたいと思うんです。

 最初に大臣にお聞きしたいと思うんですが、貧困化ということが言われています。下流だとかさまざまな言葉で言われていますが、これはもうさまざまな統計でも明らかになっています。

 日銀が事務局を務めている金融広報中央委員会の家計の金融資産に関する世論調査、これは昨年度の調査になりますが、これによりますと、貯蓄を持っていないと回答した世帯が、単身だと四一・一%ある。全体でも二三・八%、二人の世帯ですと二二・八%、貯蓄を持っていないというふうにこの調査に回答しました。これは、一九六三年に調査を始めて以降、最高の数値になっています。昨年と比較をしても〇・七%上昇している。

 こういうことに具体的に、格差といいますか、貧困化があらわれているというふうに思うんですが、貯蓄を持っていないということは、緊急に支出が必要になったとき、例えば体を壊しました、事故に遭いました、さまざまな問題があると思いますが、これに際しては、借金をする以外にありません。

 そういう、世帯の五分の一以上こんな状態に置かれている、この状態について、率直にどんな感想をお持ちなのか、まず最初にお聞かせいただきたいと思います。

与謝野国務大臣 まず、家計の貯蓄に関する統計については、関連する統計が複数存在すること、また、貯蓄の定義もさまざまであること、統計のサンプル数が限定されているなどを踏まえて見ていくことが必要であると考えておりまして、現状において御指摘のような状況が生じているかどうかについては、必ずしも明らかではないと感じているところでございます。

 いずれにいたしましても、金融庁としては、金融商品、サービスの利用者が不測の損害をこうむることのないよう、必要な利用者保護ルールの整備と徹底を図ることが大切であると認識しており、利用者保護に十分留意しながら、多様な金融商品、サービスを国民が身近に利用できるような活力ある金融システムの構築に努めてまいりたいと考えております。

日森委員 そういうお答えになるのではないかと予測をしていましたが、しかし、国際比較をしてみても、貧困率、これは着実に上昇しています。

 例えば、破産大国と言われているアメリカと比較をしても、アメリカはこの十年間で約二倍ですよ、破産する人の数が。日本はどうか。この十年間で六倍になりました。こういうことからも、格差がますます拡大をしている、貧困が進んでいるということは、実は事実ではないのかというふうに実感しているんです、私どもは。

 そういう意味では、金融庁を初め政府全体が、こうした問題について非常に、鈍いと言うと怒られるかもしれませんが、緊張感が足りないんじゃないかという思いがしてならないんですが、きょうはこの議論ではありませんから、その意見だけ申し上げておきたいと思います。

 最初にもう一つお聞きしたいんですが、国内銀行と消費者金融機関の総貸付残高の推移は、この十年間ぐらいどうなっているのか。また、消費者向けの貸付金の残高の推移についても数値を示していただきたいと思います。

佐藤政府参考人 まず、国内銀行についてでございますが、総貸付残高は、平成六年の三月末で五百八・〇兆円、これに対しまして平成十六年三月末では約四百八・六兆円ということで、九十九・四兆円の減少でございます。

 同じく銀行の消費財・サービス購入向けの貸し付け、これは個人向け貸し付けから住宅ローンを除いた数字でございますが、平成六年三月末に約十八・四兆円であったものが平成十六年三月末では約八・五兆円ということで、九・九兆円の減少ということでございます。

 それから、消費者向け無担保貸金業者の総貸付残高につきましては、平成六年三月末で約四・六兆円、これに対しまして平成十六年三月末では約十一・七兆円ということで、七・一兆円の増となっております。

日森委員 銀行初め各金融機関は減っているけれども、無担保、つまりサラ金と言われていますが、ここは急激に業績といいますか貸出残高がふえているということになっているんだと思うんです。

 これは通告していないんですが、消費者金融がこれだけ拡大している原因について、何か感想ございますでしょうか。

与謝野国務大臣 例えば、急に旅行に行かなければならない、給料日まではまだちょっと間があるというような、そういうケースの消費者ローンというのは理解はできるわけでございますが、往々にして多重債務者になってしまう、そういう危険性も消費者金融というのははらんでおりますので、消費者金融を利用される方というのは、よほど注意して利用されなければならないというふうにいつも思っております。

日森委員 なぜふえたのかという話なので、借り方のお答えをいただくということではなかったんですが、それは恐らく、借りたことのない大臣よりも、実際に借りている庶民の方がよく知っていらっしゃるので、そこはもう結構なのですが。

 問題は、消費者金融にお金を借りる人がたくさんいらっしゃる。ちょっと統計を調べてみたんですが、利用者、これは新規だけだと、二十代から四十代の方々で消費者金融を利用している方、これは八〇%いらっしゃるわけですよ。もちろん、それより年配の方もいらっしゃいます。そして、これだけが原因ではありませんが、消費者金融と関連をして破産申請、申告、これをなさった方が実は月収二十万未満、この方々が八〇%ですよ。

 つまり、こういう方々は、銀行に行ってもお金を貸してくれないんですよ、何も担保ないんですから。何かあったら、無担保の消費者金融に行ってお金を借りるほか手段がない。だから、こういう方々が、お金を借りて、しかも返せなくなって、今、推定ですが、ある数字によると全国二百万人多重債務者がいると言われています。こういう方々が実は大変な思いをしているんです。

 そこで、お金を借りれば当然利息を合わせて返済しなければなりません、これは当たり前の話なんですが。利息制限法というのがあって、これはもう御存じのとおり、上限金利二〇%です。しかし、出資法による上限利息は二九・二%。これだけ差があるわけです。この間が、御承知のとおりグレーゾーンというふうに呼ばれているわけですが、これが今大変大きな問題になっているわけです。今、無担保の消費者金融のほとんどがこのグレーゾーンの金利を採用しているわけです。

 なぜ、こんなグレーゾーンのようなものが生まれてしまったのか、もう少し詳しく申し上げますと、貸金業規制法の第四十三条のみなし弁済規定みたいなものが生まれてしまったのか。これについて、ちょっとお答えいただきたいと思います。

三國谷政府参考人 お答え申し上げます。

 貸金業規制法第四十三条のみなし弁済規定は、昭和五十八年に制定されました貸金業規制法の制定時に設けられた規定でございます。これは議員提案により制定されたものでございますが、その際の提案者の提案理由説明によりますと、みなし弁済規定は、「利息制限法との関係について、貸金業者に対して本法において各種の厳しい業務規制を課し、また、金利等取締法を改正して刑事罰対象金利を引き下げることとしていること等にかんがみ、貸金業者との利息の契約に基づき、債務者が利息として任意に支払った金銭の額が、利息制限法に定める利息の制限額を超えるときは、その超過部分の支払いは、同法第一条第一項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす」とされているところでございます。

日森委員 議員立法でできたわけですが、その前は、その出資法の金利は一〇〇%を超えているとかいう時代もあったようです。これを抑えていって、一定の規則をつくって、その規則を守らせるために、守った者については御褒美ですよ、こういう話で、これは学者がよく言っていますが、あめとむちのあめの部分として定められたのではないか。当時の議事録を見てみますと、議員さんの名前は省きますが、行儀をよろしくしてもらうために、過渡期ではございますが、規制との交換条件でこういう制度をつくったんだと、みなし弁済規定ですよ、そういうふうにおっしゃっているわけですよ。

 こういう中身で来たわけですから、しかも、この制定よりもう既に二十年も今日経過している。だから、そうすると過渡期が何年続くんですかということを考えると、現在のこのみなし規定というのは、もうほとんど意味がない、趣旨はなくなったと見ていいんじゃないかと私どもは思っているんです。

 だからこそ、後で触れますが、最高裁判所も四十三条について頻繁に、実は平成十六年、例の商工ローンの問題ですよ。商工ローンのときから、平成十六年の二月の二十日、七月九日、十二月十五日、いずれも商工ローン。そして、ことしに入ってから消費者金融について、このみなし弁済規定については厳格に適用しなさい、これについての頻繁な判決を出しているわけですね。そういう意味でいうと、実は大変問題が多いというふうに言わざるを得ないというのが私の思いなんです。

 そこで、この裁判所の判決についてちょっと報告だけしておきますが、貸金業法四十三条一項の規定の趣旨にかんがみると、同項の適用に当たっては、制限超過部分、つまり利息の超過部分ですね、この支払いの任意性の要件は、明確に認められることが必要であると判断し、債務者が制限超過部分を自己の自由な意思によって支払ったか否かは、金銭消費貸借契約証書や貸付契約説明書の文言、契約締結及び督促の際の貸金業者の債務者に対する説明内容などの具体的な事情に基づき、総合的に判断されなければいけないという、厳格に判断しなさいということを示しました。言ってみれば、消費者の側の保護、消費者の利益に立った判断を示したということだと思うんです。

 そこで、今度の最高裁の判決を受けて、政府は貸金業法施行規則十五条二項を削除するというふうにしたわけですが、これだけで本当に十分なのかどうかということについて一つ伺いたいのと、本来支払うべき利息制限法で計算された利息が一体幾らなのか利用者が契約の際にちゃんと理解できる、十分に理解できるようなそういう仕組みに改変すべきではないかというふうに思いますが、ぜひ、この最高裁の判例に対する見解、そして具体的に示された政府の対応について、改めて御見解をお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 まず、先般の最高裁判決は、みなし弁済規定の適用をめぐる判断を示したものであり、金融庁としても重く受けとめております。

 この判決を受けまして、金融庁としては、資金需要者保護の観点から、違法とされた貸金業規制法施行規則十五条二項の規定を削除するとともに、期限の利益喪失条項の記載の明確化を求める等の内閣府令の改正について、先日、パブリックコメントに付したところでございます。

 いずれにせよ、金融庁としては、最高裁判決も踏まえて、適切な行政対応に努めてまいりたいと思います。

 また、利用者が契約の際に知り得るような仕組みにすべきではないかという御質問でございますが、貸金業規制法上、貸金業者は、利用者に対し、その借り入れを返済するに当たっての支払い金額等を記載した書面を契約時及び返済時に交付することとされております。

 また、今般パブリックコメントに付した貸金業法施行規則改正案においては、利息制限法の上限金利を超える利息については、これを払わなくても期限の利益を喪失しない旨を契約時の交付書面に記載することとしております。

 ただ、契約上、利息制限法の上限金利を超える利息を上限金利内の利息と区別して表示することを義務づけることについては、利用者保護という観点からは検討に値いたしますが、貸金業規制法上みなし弁済規定が設けられており、判例によれば、債務者が任意に利息を払ったというためには、必ずしも当該利息の支払いが利息制限法で定める利息を超えていることまで認識していることを要しないとされていることにかんがみれば、慎重な検討が必要であり、みなし弁済規定を含む貸金業制度のあり方全体の中で検討すべき問題と考えております。

日森委員 恐らく一度もお借りになったことがないから、なかなか説明も、本人も御理解されていないのじゃないかという気持ちがあるんですが、これはまた引き続き、大事な問題なので、本当に、多重債務者は、実は自殺を幾度も考えたことがある、一度ならず考えたことがあるという人が四〇%以上いるんですよ。それから、子供の学費が払えなくなっちゃったとか、さまざまな事情はありますよ、借りた事情はたくさんあると思いますが、そういう実態がたくさんあって、実はもう七年間連続して三万人以上の方が自殺されているとか、こんな社会環境を生み出している一つの原因でもあるわけですよ。そういう意味では、このみなし弁済規定について、グレーゾーンについては、政府の指導として明確にしていく、そういう姿勢も持ってもらわなきゃいけないという思いなんです。

 一つ、これは検討課題として問題提起だけしておきたいと思うんですが、消費者基本法というのがあります。この立場からいうと、貸金業規制法四十三条というのは、この消費者基本法や消費者契約法に違反しているという考え方もあるわけですよ。

 問題提起だけにします。例えば基本法の五条一項。事業者は、消費者の安全と取引の公正を確保する責務がある、必要な情報を明確かつ平易に提供する責務を持っている。また、契約締結に当たって情報提供と適正な契約条項を確保すべき国の責務などということが消費者基本法に書いてあるんです。これを逸脱するようなこの貸金業規制法四十三条が、裁判所がだんだんなかなかいい判決を出すようになったけれども、しかし、こういう問題を抱えているわけですから、政府としても真剣に取り組んでいって、少なくとも利息制限法を超えるような利息を取らないような、利息制限法自体、僕は今高いと思っていますが、しかし……

大島委員長 そろそろ時間でございます。

日森委員 はい。

 そういうことをぜひ検討いただきたいということをお願いして、終わりたいと思います。

大島委員長 これにて日森君の質疑は終了いたしました。

 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党・日本・無所属の会の糸川正晃でございます。本日は、アスベスト問題につきましてお尋ねいたします。

 アスベストによります健康被害につきましては、昨年の夏以降、大変大きな社会問題となっておるわけです。先般、既存の労災補償等の法律で救済されない被害者をすき間なく救済するための法的措置といたしまして、石綿による健康被害の救済に関する法律というのが成立したところであるわけでございます。

 さてそこで、環境大臣にお願いします。

 被害者の立場からすれば、救済ではなく補償するべきだというふうに考えるんですが、なぜ今回の制度は補償ではなく救済なのか、環境大臣の御見解をお伺いいたします。

小池国務大臣 石綿による被害に遭われた皆様方を一日も早く救済をということで、このたび、石綿に関しての被害救済の法律、補正予算とともに成立を見たところでございます。貴党におかれましても、参議院の方で御賛成をいただいたということで、これからは一刻も早く救済の運用を始めてまいりたい、このように考えている次第でございます。

 その上で御質問に当たりましてのお答えでございますけれども、アスベスト禍、この法案について、御審議の最中にも何度か同様の御質問を受けたところでございます。その際に、いつも申し上げてきたことでございますけれども、幾つかの特殊な背景があると。

 それは、石綿を原因とする中皮腫、肺がんにつきましては、まず、重篤な病気を発症するかもしれないことを知らずに石綿に暴露してしまう、そしてまた、暴露から三十年から四十年という非常に長い期間を経て発症してくる、それから、石綿は、事業活動だけでなくて、建築物そして自動車など極めて広範な分野で利用されてきたということから、どういったときにどんな状況で石綿に暴露したのか、これを明らかにすることがなかなか難しいという背景がございます。よって、個々の健康被害の原因者、だれが原因なのかということを特定するというのが極めて困難だということでございます。

 また、加えまして、中皮腫、肺がんというのは大変重篤な病気で、発症から悪いことに一、二年でお亡くなりになるケースというのが少なくございません。そういったことを背景といたしまして、今回の制度は、石綿による健康被害の特殊性にかんがみまして、民事上の責任とは切り離した上で、事業者、国、そして地方公共団体の、全体の費用負担によって被害者の迅速な救済を図ろうとするものでございます。

 法案が成立いたしました今、まさにこれから救済の方向に向けまして、一日も早い準備を整えているところでございます。

糸川委員 よくわかりました。そもそもその中皮腫というもの自体が、それはどんな病気なんでしょうか。それから、その治療法というのは非常にこれはわかっていないというふうにも聞いているんですけれども、診断法とか治療法というものが確立されているのか、そして、されていないとしたら、確立に向けて今どのような研究をされているのか、厚生労働省の御見解をお伺いできますでしょうか。

中島政府参考人 中皮腫についてのお尋ねでございますが、中皮腫とは、アスベストを吸引することによりまして引き起こされるとされておるわけでございますが、これは、肺を取り囲みます胸膜という膜がございまして、そういった胸膜、あるいは肝臓とか胃などの臓器を取り囲みます腹膜、それからまた、心臓や大血管の根元のところですけれども、そこを覆います心膜、こういったところにできます悪性の腫瘍、いわゆるがんでございます。

 症状といたしましては、呼吸困難あるいは胸の痛みなどございますけれども、ある程度進行するまではなかなか無症状のことが多いというふうに言われております。その潜伏期間については、二十年から五十年とも言われております。そういったことで、がんの中でも発見、治療が大変に難しいものであるというふうにされておる病気でございます。

 この中皮腫に関しまして、これまで、がん研究助成金によります研究、あるいは、労災病院における臨床経験、研究等を進めてきたところでございますけれども、いまだ十分な治療効果のある治療方法の確立には至っていないという現状でございます。

 このため、昨年の秋から、文部科学省と連携しつつ、国立がんセンターを中心に、中皮腫の病態の把握のために、症例を登録するシステムの構築等に関する研究を行いますなど、早期の診断と有効な治療法の開発に向けまして取り組みを強化してきているところでございます。

糸川委員 救済というものは、亡くなられた方の救済というのはもちろん当たり前なんですけれども、これから発症してしまう可能性のある人たちに向けても早い研究をしていただければなというふうに思います。

 アスベストというのは、先ほどの大臣の答弁でもございましたけれども、建材のほかブレーキパッドなど、家庭用品とかいろいろなものに大量に使用されているわけでございます。本当にどこで吸い込んだのかわからないというのが、これは厄介なその実態だというふうに認識をするわけですが、そこで、健康被害の実態を、今現在そういうことを把握しているのかどうか、御見解をお伺いいたします。

滝澤政府参考人 アスベストによります周辺住民等への健康被害の詳細な実態については明らかではございませんが、まず、情報収集が重要であると考えております。

 このため、環境省におきましては、人口動態調査のデータを活用いたしまして、平成十四年から十六年の三カ年に尼崎市を含む兵庫県内で中皮腫でお亡くなりになりました方を対象に、御遺族の御協力を得ながら、一般環境経由による石綿の健康被害について、本人、遺族への聞き取り調査、それから医療機関のカルテ調査、さらには、過去の石綿取扱施設の配置状況等の調査、こういった実態調査を現在進めておるところでございます。

 先般、二月九日に専門家会議が開催されまして、この調査の経過報告があったところでございます。それによりますと、職業性暴露によるものが多いわけでございますけれども、さらに、家族性暴露が疑われる例、あるいは石綿取扱施設周辺での暴露が疑われる例、さらには暴露の経緯がわからないケース、それから複数の暴露の経路が疑われるケース等々、個々の暴露経路を明らかにすることが困難であるケースもあることが把握できました。

 今後は、さらに聞き取り調査の内容の確認作業を進めるほか、病院でのカルテ調査、石綿取扱施設の配置状況等の調査を行いまして、今年度中に全体の報告をいただく予定としておりまして、さらに専門家の意見を聞きながら検討を進めたいと考えております。

糸川委員 聞き取りを数多く行えば、それだけさまざまなその傾向がわかるということですから、早く数多くの聞き取り調査を行っていただければなと思います。

 中皮腫や肺がんというものは発症までに大変時間がかかると先ほど大臣が御答弁なされたわけですが、では、実際、これから今後どのくらいの被害が見込まれるのか、御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

寺田政府参考人 お答え申し上げます。

 これから石綿による健康被害者がどのくらい生じるのか、こういう問題でございますけれども、一つには、過去の暴露の形態が余り明らかではないこと、さらにもう一つは、政府としても一九七〇年代半ばからさまざまな対策をとってきた、事業主においてもさまざまな対策をとってきた、そうした対策の効果と申しますものがどのくらい出てくるのかというのもなかなかわからないということで、非常に困難な面があるわけでございます。そこで、政府としては、公式な見解は今まで明らかにしたことはございません。

 ただ、制度設計上の一定の見方として申し上げますと、我が国の石綿の輸入実績というのは一九七〇年から九〇年ぐらいまでがピークでございました。そして、この石綿による健康被害の潜伏期間というのが、肺がん、中皮腫で三十年から四十年という長期である、また、最近において、少なくとも中皮腫の患者さんは増加傾向にある、こういった事象を総合して判断いたしますと、これからしばらくの間、これは恐らく規制効果が発現する二〇一〇年以降までの間ということでございましょうけれども、この間は石綿による健康被害者は増加するのではないかというふうな考え方を持っております。

 具体的には、二〇〇六年以降数年間は、石綿起因の中皮腫及び肺がんの患者さんが毎年二千人から三千人ぐらい新たに発生するのではないかというふうに考えているところでございます。

糸川委員 それだけの数がどんどん発症してふえていくというところでただその治療法が見つからないというところは、これは何ともいたたまれないなと。早いうちにそういう研究をしていただければなと思うんです。

 被害者の救済の費用というのは、先ほど大臣が、事業者や国、地方公共団体が全体で負担するというふうにおっしゃられたわけですけれども、事業者というのは、これは国の規制前、規制される前なわけですよね。規制される前に使っていた。そういう事業者が、石綿を使用していたということで、これに伴って費用負担をすることになるわけですけれども、事業者に費用負担を求める基本的な考え方それから事業者に対しての説明というものを、環境大臣の御見解と、その説明の方法をお伺いできますでしょうか。

小池国務大臣 まず、基本的な考え方でございますけれども、先ほど、石綿によります健康被害の特殊性ということについて、重篤かつ予後が悪いということから迅速な救済が求められている、この旨お答えさせていただいたところでございます。

 石綿は、例えば、今御質問にもありましたけれども、建物の天井とか外壁、それから自動車のブレーキ、さらには発電所のパッキン、それから水道管などにも使用されてきた実態がございます。私も、子供のころ学校の理科の実験のときに、石綿を使った金網などで、ビーカーなどをその上に載っけて火を燃やしていたというようなこともあるわけでございます。およそ我が国のありとあらゆる産業の関係、また、その産業基盤となります施設整備、機械、そういったところに幅広く使用されてきたものでございますので、事業活動を営むすべての者が、ある意味で直接的または間接的にこの石綿の使用による経済的なプラスもあったというふうに考えられるわけでございます。

 そんなことから、迅速な救済を実現するために、民事上の責任とは切り離した上で、この石綿の使用による経済的な利得を受けてきた事業主すべてで費用負担していただくということが妥当と判断したのが基本的な考え方でございます。

 また、事業主のうち、石綿との関係が特に深い事業活動を行っていたと認められる者、それは、例えばその製品を直接扱っていた企業などでございますけれども、いろいろなデータなどもございますが、そういったものをベースにして、石綿によります健康被害の救済についてより大きな負担を担うべきものと考えております。そうした事業主には、全事業主共通の負担に加えましてさらなる負担をお願いする、一階部分はすべて、二階部分は石綿に関連する産業などをベースにした、こういう二階建ての方式を考えているところでございます。

 また、この御負担をいただく際には、今申し上げましたようなことを、企業の各業界などの分野を通じまして、的確に御説明をして御理解を得てまいりたいと考えております。

糸川委員 では、一般の拠出金の負担額というのはどの程度になるのでしょうか、お聞かせいただけますか。

寺田政府参考人 具体的な金額のお問い合わせでございますので若干前提条件を置かなきゃいけないかと思うんですけれども、先ほど御答弁申し上げました被害者数の見込み、それから、現在予定しております給付の水準、さらには労災負担、労災保険におきまして五割程度の認定率があるであろうというようなことを全部前提にいたしますと、各年度九十億円程度の負担が生ずると思っております。

 この九十億円から、政府が拠出いたします事務費それから地方公共団体の拠出金、これを除いた分が事業主の負担ということになります。この事業主の負担を、先ほど大臣が申し上げましたように、一般拠出金と特別拠出金に分かれるわけでございますけれども、今、地方の負担ないし特別拠出金の細目が決定されておりませんので、仮にこの九十億円というものをすべて一般拠出金で賄うというふうなことで仮定して計算をいたしますと、労災保険の徴収システムに乗せる格好で賃金総額に乗ずる料率というのが一千分の〇・〇六ということになります。わかりやすく言いますと、年収五百万の労働者一人当たりで年間で三百円、一日当たりで一円弱、そういった負担額ということを考えております。

糸川委員 それほど負担は大きくないのかなと思うんですけれども、何にしても、規制をする前に起きたことですので、国の方の責任が非常に大きいのかなというふうに思います。

 石綿との関連が特に深い事業主に関しましては、追加的な費用の拠出を求めるということを大臣がおっしゃられたわけですが、その対象となる事業主の範囲というものはしっかりとどのくらい定められているのかお聞かせいただきたいのと、それから、今アスベスト問題で焦点となったのは、クボタという会社がございますが、このクボタ以外にも、日本エタニットパイプ、これはもう今は会社はなくなりまして、今はミサワリゾートでしょうか、になって継承されているわけですけれども、過去に石綿製品を大量に製造していた事業者がいろいろあったというふうに思うわけです。そういう、もう会社がなくなったり、合併してこれまで事業を継承した企業に関しましてもこの費用負担を求めていくことになるのか、あわせて御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

寺田政府参考人 まず、御質問の第一点目、特別拠出金でございますけれども、二月三日成立いたしました石綿救済法の第四十七条におきましては、石綿の使用量、指定疾病の発生状況等を勘案して定めるというふうなことになっております。

 具体的には、今後、有識者等から成る検討会を経まして、最終的には中央環境審議会の意見を聞いた上で政令で定める、そして私どもとしては、できれば平成十八年度前半にそういったことを決定してまいりたいというふうに考えております。まだ、細目についてはここで申し上げられる段階にはなっておりません。

 また、第二点目の御質問でございます。

 今、具体的に日本エタニットパイプなどの例で御指摘ございましたけれども、基本的には、企業としての連続性がある場合、つまり、債権債務関係というのが継承されているのでしたらば、それは当然負担を求めていくというのが常識的なことであろうというふうに考えております。

 ただ、先ほど申しましたように、今後、特別拠出金の細目を詰めてまいります。その過程においてさまざまな事例というのも掌握できるかと存じますので、ただいまの御指摘も踏まえまして、今後慎重に検討をしてまいりたいと考えているところでございます。

糸川委員 継承した企業にまで負担を求めるわけですから、本当に慎重にお考えいただければなと思うんです。

 石綿の使用量について個別企業に申告をさせるということが必要なのかなというふうに思うんですが、これは、実態の把握というのが必要になってくると思いますから、そういう意味からも、申告をさせるということが必要だと思うんですね。企業も、モラルの問題としてそうした情報を積極的に情報公開していくべきじゃないかなというふうに思います。そうさせていくのかどうなのか、その辺、御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

寺田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御説明申し上げましたように、今後、特別拠出金の算定に当たりましては、石綿製品の製造量などが非常に重要な要素になってまいります。何十年も前の話でございますので非常にデータは少ないわけでございますけれども、この検討に当たりましては、行政として現在把握しております情報をできる限り活用するということとともに、石綿の使用量等につきましては、事業者にも積極的な情報提供の協力をお願いしてまいらなければいけないのではないかというふうに考えているところでございます。

糸川委員 クボタのように、早々にそうやって自己申告をしてくれる企業もあるわけですから、ぜひ政府としても、そのように申告を促すということに努力をしていただければなというふうに思います。

 そこで、今、アスベスト被害の救済制度をアスベストの被害者に広く周知していく必要があるのではないかなと。今後どのように取り組んでいくのか、環境大臣のお考えをお聞かせください。

小池国務大臣 本制度につきましての周知徹底、御指摘のように極めて重要なことだと考えております。

 例えば、制度の内容がどういうものであるのか、それから認定の申請手続などについての周知徹底、これをしっかり図っていきたいと考えております。政府広報であるとか、例えば環境省のホームページ、そして受け付けの文字どおり窓口となってまいります、また、さまざまな事務なども行います独立行政法人環境再生保全機構、このホームページを活用するということで、せんだっても、このホームページ、次から次へと新しい情報が加わりますとどんどん消えていってしまうことのないように、このアスベストのは、わかりやすいところに置くように指示をしたところでございます。

 また、ただいま、ポスターであるとかリーフレットの作成をいたしておりまして、被害者の目に触れるような、関係機関にそれを置いていただくように、また張っていただくようにお願いをしてまいりたいと思っております。

 そのほかさまざまな広報媒体がございますので、積極的かつわかりやすい広報に取り組ませていただきたい、このように考えております。

糸川委員 ことしの一月の十六日に、神奈川県の湯河原というところで実はアスベストが、旧大伊豆ホテルというもうこれは廃業されたホテルなんですけれども、このホテルで解体工事中にアスベストが飛散したんですけれども、ここでアスベスト使用工場に対する基準値を超える濃度のアスベストが検出されました。これは敷地境界においてリットル十本以下ということですが、ちょっとこの基準値について、この基準を御説明いただけますか。これは環境省。

竹本政府参考人 御指摘の一リッター当たり十本という基準でございますが、WHOの調査結果なども踏まえまして、大気汚染防止法に基づきます特定粉じん発生施設の敷地境界における規制のための基準でございまして、いわば、石綿製品製造工場からの飛散防止を規制するという意味での敷地境界濃度ということになっております。

糸川委員 この一月の十六日に神奈川県の湯河原で飛散したときには、その直後には敷地境界においてこれは百本検出されているわけですね。十倍の検出をされている。すぐにその日に工事を停止したわけです。それで、これまた工事停止後に行った環境濃度再測定結果についてというところでは、翌日では、停止後に再度環境調査を行ったところ、大気汚染防止法が定めるアスベスト製品製造工場における敷地境界基準を下回っており、問題のない結果でした、こういう説明をしているんですが、実際、翌日にはかって、もう飛散していないから大丈夫というのは、これはどういうものなのかなと。正直、その日のうちに百本飛んでいるということは、大気中にかなりの数が舞ってしまったんだろうということを思うわけですね。

 そこで、今回の神奈川県の湯河原町の旧ホテルの解体工事でアスベストの飛散問題が発生したことで、建築物の解体工事におけるアスベストの適正な処理について建設業者に対してどのような指導を行っているのか、国土交通省の御見解をお聞かせください。

北側国務大臣 昨年七月に、建設業の関係団体十一団体に通知を発出いたしまして、関係法令を遵守するように周知徹底を行ったところでございます。そして、さらにこの徹底を図るために、昨年の九月に、関係団体におきまして行動計画を取りまとめていただきました。昨年の十二月末までのところでございますが、この行動計画に基づきまして、石綿使用建築物の解体等に関する講師を百四十五名、養成を既にしていただきました。また、特別の教育をしていただく必要がございますので、約五万七千人の方々が受講をしたという報告を受けているところでございます。

 今後とも、アスベストが混入しました建物の解体というのはこれからふえてくるわけでございまして、関係団体また関係省庁とよく連携をとりながら、法令の遵守等の徹底に努めてまいりたいと考えております。

糸川委員 北側大臣は、先日の大臣所信表明でも、「アスベスト問題に対応するため、吹きつけアスベスト等の使用実態の把握を進め、アスベストの早期かつ安全な除去等を推進するとともに、建築物の解体現場における飛散防止の徹底に取り組んでまいります。」とおっしゃられているわけですから、これはしっかりと取り組んでいただきたいわけですね。

 これはやはり、百本飛び散っているといって住民が大変不安に思われているというのも事実でして、今もう現在、解体がまた再開しているわけです。建築物の解体において、今回の事故の場合、アスベストが使用されているかどうか事前にわからなかったということでのこの事故が起きているわけですね。解体をしていって出てきた、その処理の仕方が悪かったということで事故が起きているわけなんですが、今まだ古い建物というのは山ほどあるわけですから、そういうものを解体していく中で、アスベストが使用されているかどうか、図面があって把握できるものはいいんですが、把握できていないもの、図面が古くて解体するときにもうわからないというものに関して、そのような場合どういう措置を講ずるのか、これは厚生労働省、お答えいただけますか。

青木政府参考人 労働安全衛生法に基づく石綿障害予防規則というのを定めてございまして、今御質問のような場合につきましては、お話にもありましたように、設計図書があれば、それで確認できればまず第一なわけでありますけれども、そういったものがないような場合、あるいはそれでもわからないような場合に、アスベストの使用の有無が建材でわからないわけでありますが、その場合には、規則によりまして調査を行うということが義務づけられております。それは分析による調査を行うということになっております。

 また、これをやらないまでも、アスベストがあるとみなして、湿潤化でありますとか、労働者に対する保護具の着用でありますとか、そういった暴露防止措置を講ずることが必要というふうにされております。

 こういったことで措置を講ずる場合には、そのほかに、作業場所の隔離をいたしましたり、あるいは立入禁止措置を講じましたり、あるいは、作業計画、段取りについて労働者に周知をするというようなことで労働者保護を図っておりますが、同時に、その現場におきましては、そういった調査分析をしたかどうか、その結果どうであったか、それから、そういうことがわからない場合であっても、こういう措置を講じているというようなことを表示するということで、付近の方々に対してもわかるようにするということを指導しているところでございます。

 今後とも、暴露防止措置など必要な措置は講じていきたいというふうに思っております。

糸川委員 個々の工事業者に適正な作業の徹底を促すだけではなくて、国として、吹きつけ石綿を使用した建築物等の解体における周辺環境とか、それから飛散防止対策の徹底が必要だというふうに思います。

 では、実際、病院でのアスベストの今現在の使用実態というのはどのようになっているのか、お聞かせいただけますか。

松谷政府参考人 お答え申し上げます。

 病院でのアスベストの使用実態につきましては、昨年の十一月二十九日に取りまとめ、公表したところでございますけれども、その時点で調査分析中のものがございましたので、今般、その後の状況について都道府県から報告のあったものを取りまとめまして、去る二月十三日に公表いたしたところでございます。

 その結果の概要を申し上げますと、調査済みの病院数は七千八百九病院でございます。このうち、吹きつけアスベスト等のある病院が二千二百七十五病院。このうち、さらに石綿等の粉じんの飛散により暴露のおそれのある場所を有する病院が三百九十六病院ございました。このうち、患者の利用する場所を有する病院が五十二病院という状況でございます。

 この患者の利用する場所を有する病院の、廊下など患者が日常利用するところでのアスベストの暴露のおそれがある病院につきまして、措置済みが十九病院、それから措置予定が三十三病院でございまして、全病院において暴露防止のための対応がされているところでございます。

糸川委員 まだ未措置のものが三十三ということで、今後の病院におけるアスベスト対策についてのお考えというのはいかがなものなのか、厚生労働大臣の見解と、それから、今後のその取り組みについて、その御決意をお伺いできますでしょうか。

川崎国務大臣 今、局長から数字を発表いたしましたけれども、アスベストのある建築物を有する病院、これが二千二百余りございます。その中で、アスベストを封じ込め状態にしてある、もしくは囲い込み状態にしている、これが千二百八十六カ所でございます。これについては、基本的には暴露のおそれがないという判断をいたしております。それから、同じように、粉じんの飛散による暴露のおそれのない病院数、これが千六十二カ所、残るところ三百九十六カ所が先ほど御説明した数字になります。

 補正予算で、措置済みを含めて五十二カ所については、病室、待合室、食堂など患者が日常利用する場所についてはすべて措置をいたします。そして、残りのボイラーとかエレベーター機械室、倉庫、ここはまず立入禁止、また、十八年度以降の予算で徐々に直していくということになってまいります。

 緊急性というものから、まずやるべきところを緊急に決めながらやっていくということでございますので、御理解をよろしくお願いいたします。

糸川委員 もうよくわかりましたので、そこは早期に、危険性がなくなるまで取り組んでいただければと思います。

 平成十七年、昨年の十一月に公表されました学校施設における吹きつけアスベストの使用実態調査という調査結果がございまして、この説明を文部科学省から御説明いただけますでしょうか。

大島政府参考人 お答え申し上げます。

 今お尋ねにございました調査でございますが、文部科学省におきまして昨年の七月末から調査をしてきたものでございまして、十一月の末にその結果を公表しているところでございます。

 概要ですが、調査対象の学校などは約十五万一千機関でございます。このうち、調査が完了した学校等は約十三万七千機関、完了率で申し上げますと九一%ということになります。

 これら完了した学校等のうち、吹きつけアスベスト等がある部屋、これらを保有する学校でございますが、これらは、対策済みのものも含めて六千二百七十一機関ございました。

 このうち、幾つかに分かれるわけですが、一つは、封じ込めや囲い込みによりまして対策済みの部屋等を有するものとなりますが、これは三千四百四機関でございます。それから、吹きつけの状態が安定しておりまして暴露のおそれのない部屋等、これらを保有するものが二千九百四十三機関でございます。しかしながら、吹きつけの状態等の損傷、劣化等によりまして暴露のおそれがある部屋等、これらを保有するものが七百七十一機関あったわけでございまして、これらの部屋につきましては、学校等の設置者において使用禁止にするなどの適切な措置が講じられていることを確認しているところでございます。

糸川委員 まだ暴露のおそれのあるという数が非常に多いということから、今のお話を聞いて、文部科学大臣、今後どのように対応されるのか、御決意を端的にお答えいただけますか。

小坂国務大臣 糸川委員の御指摘の懸念というのは国民に共通する懸念だと思いますから、そのような不安を早期になくしていくということが必要だと思っております。

 今、部長の方から説明申し上げた、まだ七百七十一機関があるということを申し上げたわけでございますけれども、一番問題なのは、学校等において児童等がボール遊びをしたり、いろいろな形で吹きつけのものが暴露するというようなことにならないようにすること、それから、安定しておっても、そういうところに人はできるだけ出入りをしないということ、ともかくそれによる被害を根絶するということでございますので、そういった意味で、緊急性に応じて対応していくことが必要だと思っております。

 その点で、現在使われていなくても直ちに除去する必要があるものは優先的に、また、学校施設の中で早く利用できるようにしなきゃいけないという封鎖されている場所、そういったものは優先的にやる。全体で、おかげさまで十七年度の補正で七百四十五億円つけていただきましたので、これをもって、そういった危険な、優先度の高いものについては全部処理ができると思っております。

 しかしながら、それ以外の部分についても、順次予算を得て、これらをすべて除去するという方針で取り組んでまいりたいと思いますが、いずれにしても、御懸念のような被害の出ないということに最優先に取り組んでまいりますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

糸川委員 委員長、今回、私の質問でこんなに多くの参考人が出てくるわけですね。ということは、それぞれの省庁がたくさんその実態を持っているわけですね、いろいろな数多くの。そういうことで、関係省庁間でもっとそういう情報を共有したりとか活用したりするべきなんじゃないかなと思うわけです。

 そこで、この活用方法みたいなことを、環境大臣、何かお答えできますでしょうか。その御見解というんでしょうか。

小池国務大臣 今、幾つか御質問そして答弁、伺っておりました。公共住宅であったり民間の建物であったり、それぞれそのベースになるものは違いましても、今後その対応については、ひとしく迅速に、的確に行ってまいらなければならないわけでございます。

 そういった中で、吹きつけ石綿の使用実態調査の結果、解体作業への指導などにおけます基本的な、基礎的な情報としてシェアするということは極めて重要なことだと思っております。

 また、このたびこの法案を御審議いただく際に、また採決をしていただく際に、衆議院の方の環境委員会におけます附帯決議でも、関係府省が密接に連携しながら、各地方公共団体などにおける石綿の使用実態の情報の共有化に努めるべき、このように一行を設けていただいているところでございます。

 いずれにいたしましても、石綿の飛散を防止するということ、それを徹底するということは、また、これまでに生産の分野ではとめられてはいますけれども、これから、使われていたものを、それを処理の仕方によってまた新たに飛散をしてしまうということのないように、それを徹底していかなければならないということから、関係府省との密接な連携、そして地方公共団体などでの石綿の使用実態の情報の共有化ということ、極めて重要、かつ、しっかりと活用できるようにしてまいりたいと考えております。

糸川委員 このアスベスト問題は、本当にそれぞれの省庁が所管を持っているわけですから、しっかりと連携をしていただいて、人的な被害というものはもう絶対ないというふうに対処していただければなと思います。

 最後に、アスベストによる健康不安というのを抱えた国民の方、先ほどの湯河原の事例なんかもそうなんですが、今後、政府として、そのような不安を抱えられた方々にどのように対応されていくのか、また、そのような方々が健康相談等をどこに行けば受けられ、また、その費用というものがどのようにかかってくるのか、厚生労働大臣の御見解をお聞かせください。

川崎国務大臣 まず、不安を抱える住民の方々が保健所なり労災病院に御相談に来てもらう、そこで問診によっていろいろな経歴も聞かせていただいて判断をいたします。その上で、労災病院等の専門機関において、問診の結果問題があるとなれば、エックス線等の検査を受けていただくことになります。その費用につきまして、十八年度以降、無料で受けられるように、今環境省と調整をいたしております。

 ある程度継続的にやっていかなきゃなりませんので、その仕組みを最終の詰めを今行っているところでございます。どうぞ御理解、よろしくお願いいたします。

糸川委員 本当に、国民の、このアスベストというのは今や非常に大きな関心を寄せているわけですから、しっかりとした国の対応というのが必要になると思います。今の湯河原の問題にしましても、不安に思われている方の対応というのをしっかりとしていただければというふうに思います。

 長い時間でしたが、ありがとうございました。

大島委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。

 次に、徳田毅君。

徳田委員 鹿児島二区選出の徳田毅でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、我が国における経済的格差、格差社会という存在が大きな問題となっており、これまでの本予算委員会でも質疑において議論が交わされてまいりました。

 私は、日本経済が資本主義経済であり、頑張っている人、努力する人、またそういう会社が報われる社会であっていただきたいという観念から、ある程度の格差はいたし方ないと思っています。しかしながら、その格差が決して固定化されてはならない。また、競争に参加できない社会的、経済的弱者に関しては、国が責任を持ってしっかりとセーフティーネットを整備するということが何よりも重要なことだと考えています。

 また、この格差社会において、所得の格差だけではなく、現在、都市部と地方との間にも格差が広がりつつあるように思われます。本日は、この地域間格差について、幾つかの観点から質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、三位一体の改革について質問をさせていただきます。

 この三位一体の改革におきましては、基本方針二〇〇三において、官から民へ、国から地方への考え方のもと、地方の権限と責任を大幅に拡大し、国と地方の明確な役割分担に基づいた自主自立の地方から成る地方分権型の新しい行政システムを構築していく必要があるとの認識のもとに、税源移譲、国庫補助負担金、交付金のあり方を三位一体で改革するものだと認識しています。

 そして、四兆円の国庫補助負担金の削減、三兆円の税源移譲というものを達成しつつあるこの三位一体の改革について、いろいろな評価に分かれますが、まず第一に、税源移譲のあり方について。

 国の所得税を地方の個人住民税に移すことを通じて行うとすれば、将来的に、少子高齢化または過疎化が深刻化して人口自体が減少することが見込まれる地域などにおいては、税源移譲効果が偏在し、自治体に新たな財政力の地域間格差が生じると危惧されておりますが、その点について、竹中総務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

竹中国務大臣 今、徳田委員御紹介くださいましたように、三位一体改革、基本的な理念を持ってやっております。地方にできることは地方にということで、国の補助金を縮減して、国から地方へ税源移譲を進める、それと同時に交付税の改革を行うというものでございます。

 その進捗状況につきましても、四兆円を上回る補助金改革、三兆円の税源移譲、そして五兆円の地方交付税改革ということをこの三年間で行えるということを見通しております。

 委員のお尋ねは、税源、移譲は税源移譲でわかるけれども、税源、課税客体の偏在がやはり存在するから、課税客体の少ない自治体についてその結果一体何が起こるのか、そういうお尋ねであろうかと思います。

 実は、そうであるからこそ、まさに地方交付税の改革を含めて三位一体で行わなければいけないということであるというふうに考えております。

 これは、税源移譲は重要だと思います。重要な財源を持つことというのは、地方にとって重要な進捗であると思います。同時に、その後での課税客体の偏在を調整するような形で地方交付税が引き続きうまく機能するように、そのような改革を我々も今進めているところでございます。その間にスリム化というのも入るわけでありますけれども、スリム化を行いながら、地方交付税を活用しながら、そういう課税客体の偏在を補って必要な財政の需要が賄えるように、そのような改革を引き続き進めていきたいと思っております。

徳田委員 ありがとうございました。

 税源移譲についてですが、確かに移譲効果が偏在するということでありますが、所得税というものを移すにおいて、この所得税のもともと三二%は交付税の原資でありまして、税源移譲に伴い、三兆円の所得税減によって、三二%相当、およそ一兆円が自動的に削減されることになるのではないかと思いますが、これについてもお伺いさせていただきたいと思います。

竹中国務大臣 御指摘のような話というのは、我々にとっても大きな関心事でございます。

 今の地方の財政の状況というのは、御承知のように、基準財政需要を考えて、そして地方税等々の財源を考えて、そして財政需要が賄えるような形で結果として地方の交付税の額を設定する、それを地方財政計画で決定するというような形になっているところでございます。その意味でのいわゆる税率、本来の税率に伴って生じる地方交付税というのが影響を受けるわけでございますけれども、そういうことを考慮した上で、地方の基準財政需要が満たされるような形で地方財政計画をきちっと作成する、そういう仕組みになっております。

徳田委員 全体のスキームが大事でありまして、その名のごとく三要素が、税源移譲、また国庫補助負担金の削減、また地方交付税のあり方、この三要素がやはり同時進行で改革が進められるべきだと思いますが、これまでの過程を見ますと、税源移譲と国庫補助負担金の削減だけが先行して行われ、地方交付税の改革については何か立ちおくれているような感を私たちは持っています。

 地方交付税については、財源保障機能または財政調整機能という大きな役割を果たしておりまして、特に財政調整機能の役割というのは、これからも依然として重要であると考えています。これからやはり地方交付税を削減する方向でありますので、この議論が進められていく中で、やはり基準財政需要額の算定のあり方など、従来の財政調整の仕組みによる対応に加えて、より幅広い検討も今後考えていく必要があるのではないかと思います。その辺のところを詳しく教えていただければと思います。

竹中国務大臣 委員お尋ねの、より幅広い検討が必要ではないかという点に関しましては、私は全くそのとおりであるというふうに思っております。私自身、総務大臣に就任をさせていただいた当初から、そういうことをぜひ検討したいということを申し上げているところでございます。

 国、地方あわせて、このような財政難の中でしっかりとスリム化を行っていくことは重要でありますが、かといって、地方交付税をねらい撃ちしたような議論といいますか、それだけをとにかく減らすということを自己目的化したような議論というのは、私はやはり間違っているというふうに思います。

 より幅広い議論としては、非常にまさに幅広いわけではございますけれども、まず、地方にもっともっと自由度を持っていただく必要があるというふうに私は思います。その中には、課税自主権の問題もございますでしょうし、場合によっては、国がいろいろ決めている基準に関して、例えばの例で申し上げますが、一定の幅で地方がそれを上書きするというような、そういう自由度についても、私はやはり長期的に検討していく必要があると思っております。

 そして、自由度を持つということのコインの両面、裏腹の問題として、しっかりと責任を持っていただくということだと思うんです。その責任の一環として、再建型の破綻制度、破綻法制のようなものも、私はぜひ考えていきたいというふうに思っておりますし、そのような御検討を実は懇談会の方に今お願いをしているところでございます。

 そして、そうしたことを踏まえて、結果的に、地方が自由度と責任を持って、そして自律をもって地方の行革もちゃんと進めていただく、必要な住民サービスを提供しながら、そして結果的に財政の健全化が実現をしていく、そのような姿を目指さなければいけない。その意味で、まさに幅広い観点からの検討が必要だというふうに認識をしております。

徳田委員 地方も今、市町村合併などを行い、一生懸命財政の健全化に向けて努力をしている。まだまだ体質的なものが大きく変わったとは言える状況にないのかもしれませんが、今のところ、三位一体の改革に伴い、一生懸命努力をしていると言ってもおかしくはないと思います。

 そういった中で、この五兆円の地方交付税の改革というものが進められてまいりましたが、まだまだ先行きが見えない、見えづらいという部分がありまして、そういう中において、先日、竹中大臣の私的懇談会において、今申されました自治体破綻法の導入、多額の借金を抱えた自治体を民間企業のように破綻、再生させる、こういう法律などの導入についての検討もされたということであります。今の段階でこの議論が進められるというものはいかがかなというふうな感がありますが、その辺について、この自治体破綻法について、なぜ今から議論がなされなければならないかという部分についてお伺いしたいと思います。

竹中国務大臣 新聞等々では、破綻法制という言葉がどうしても躍ってしまうわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、今地方に必要なのは、自由度をもっと持っていただくということと、その自由の裏返しとして責任を持っていただくということなわけです。

 その自由度について、私たちも今しっかりと議論を懇談会のメンバーにしていただいております。その中心が課税自主権の問題であり、先ほど言った法律の、ルールの決め方の問題、その裏側としての破綻の制度ということを議論しているわけで、そのことだけが何かマスコミでいろいろと躍って議論されるというのは、若干残念な気がしております。これだけを先行して議論するというようなことは、これは私はよくコインの両面と申し上げているわけで、それだけが先行するということはあり得ないことでございます。

 もう一つ。破綻という言葉がなかなか少し、ちょっと物騒な響きを持つ場合があるわけでございますが、これはむしろ再建型の破綻の制度なわけです。

 本当に悪くなったものを再建しようと思ったら、その場合のストックの調整をどうするのかというようなルールをやはりちゃんと決めておかないと、いつまでも本当は実は再生できない可能性も出てくるわけですね、今のままでは。今、例えば不良債権の処理をして再生された企業はたくさんありますけれども、それはやはり再生の仕組みを持っているから再生されるわけで、そういうことをしっかりと決めておかなければいけない。再生するために必要だということが第一点。

 そして第二として、そういうことがそもそも起こらないように、その予防の措置として、きっちりと、お互いがモラルハザードを起こさないように、予防のメカニズムが働くように、当事者にも債権者にも納税者にもその予防のメカニズムが働くような仕組みをつくっておかなければいけないというふうに思うわけでございます。

 そういうことをトータルで議論しておりますので、そのことを何とぞ御理解賜りたいと思います。

徳田委員 ありがとうございました。

 申されたように、破綻、破綻という言葉が躍りますと、地方にとっては大変警戒感を強める部分がありまして、やはり、話し合われている本質について、もっともっと地方に対して理解を深める努力も必要だと思います。

 地方の言い分だけを言いますと、税源移譲しろ、また、補助金をよこせ、交付税をよこせということになりますが、それだけではならない。今、国が財政の再建に一生懸命危機感を持って取り組んでいる中で、地方においても同じように危機感を持ってしっかりと取り組んでいただくことが何よりも大切だということは私も思いますし、その中において、この三位一体の改革というものは大変画期的な改革であり、必ずいい形で実現、実行していただきたいというふうに思っています。

 三位一体の改革についてはここまでにしまして、次に生活保護の制度について、少し厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。

 現在、国が七五%、地方が二五%、四分の三と四分の一という割合になっています。今回、生活保護制度の費用負担については見送られましたが、やはり、生活保護については、ナショナルミニマムの確保、または、憲法上にあるように国民の文化的で最低限度の生活を保障するという生活保護の性格上、地方ができることは地方にという趣旨にはそぐわないのではないかと思いますが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 国と地方のあり方をどうするか、根本の議論になろうかと思います。

 例えば、分権が最も進みましたドイツにおきましては、生活保護費は当然州の負担になります。また、中央集権でありますフランスは、全額国費の負担でございます。また、アメリカのような国ですと、州と国がそれぞれ負担し合う。我が国も、そういった意味では、国が七五、地方が二五、したがって、どちらの責任ということではなくて、国と地方のお互いの責任という中で生活保護費の問題をやってきているというように御理解を賜りたいと思います。

 特に、地方の皆さん方に、認定と給付という仕事をいたしております。一方で、この生活保護費の適正化を図らなきゃならないというのは、国も県も市も合意事項でございます。

 そうなりますと、一つは就業支援、仕事をしていただく、これが一番大事であろう。また、お年寄りの皆さん方は入院という問題がございます。入院は、もう先生御専門ですけれども、入院からできるだけ福祉の場へ、もしくは在宅の場へと変えていこう、こういう課題がございます。もう一つは住宅の問題、これも地方によって事情が違います。

 そういった意味では、国がすべての制度を決めていくという時代よりも、より地方が、例えば就業支援、入院の問題また住宅の問題、できるだけかかわりを多くしていった方がいいのではないかという議論を昨年一年間やりました。しかし、この制度は、国、県、地方がお互いに理解し合って進めなければならないという中で、私は昨年は断念をいたしました。

 そして、お互いに適正化を図るということについて、随分県からも市からも御意見がございました。それを私どもできるだけ改正しましょう、例えば金融などのチェック、国税のチェック、こういうようなものをきちっとしましょう、お互いが生活保護費の適正化に向けて努力しましょうということで合意をいたしましたので、これに向けてことしは努力をいたしているところでございます。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

徳田委員 ありがとうございました。

 確かにおっしゃるとおり、地方分権がどこまで進むかによってこの割合のあり方というものは変わってくるのかもしれません。確かに、このあり方については、全国の都道府県やまた市町村ともしっかりと話し合いを行い、進めていかなければならない議論だと思います。

 そこで、二月十四日には、全国知事会会長や全国市町村会会長から、国と地方の協議を早期に再開するようにという申し入れがあったかと思います。先ほど言われた生活保護の適正化について、再開の見通しや、またこれから大臣としてどのようなビジョンを持っておられるかということについてお伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 この適正化につきまして、まず県や地方から御意見をいただきました。それを国としてできるだけ改善しましょう、また各省庁の協力も得られるようにしましょう、これが第一であります。

 第二番目に、もうこれも委員は御承知ですけれども、ある意味では都市問題になってきております。個々の地域に今私どもが入りながら、まず東京二十三区、どうしてこういう状況になっているか一つ一つつぶしましょうということで話し合いをしております。次は大阪かなと思っております。

 そういう議論を地域、地域で今始めたところですから、これを集大成をしながらまた知事さんお話をしましょうという話をいたしておりますので、少し今、この作業、大都市対策というものが落ちついた段階でまた改めて県や自治体とお話をさせていただきたい、このように思っております。

徳田委員 ありがとうございました。

 やはり、生活保護一つについても、就業支援や医療制度のあり方であるとかいろいろな多方面からかかわり合いがあり、それらを包括的に解決していくことが、ひいては地方のまた自立や経済の活性化につながっていくものだ、国民生活を豊かにすることにつながるものだというふうに思います。

 今申し上げた就業支援についてなんですが、雇用情勢について、昨年十二月の有効求人倍率では全国で一・〇〇倍になった。これは大変喜ばしいことであり、また構造改革の成果かなと思いますが、この雇用情勢、有効求人倍率についても、地域間の格差が顕著であります。愛知県では一・六一倍、群馬県一・五九倍、東京都は一・五四倍に対して、沖縄では〇・四一倍、青森〇・四四倍、高知〇・四八倍。

 地方にある程度格差が生じるのはやむを得ないにしても、やはりこれだけ大きな格差があるというものに対して、厚生労働省はどのように取り組んでいかれるのか。特に北海道、東北、九州、沖縄などのこういった地域の具体的取り組みについて、お伺いしたいと思います。

川崎国務大臣 この問題に対して、まず第一の整理は、四十七都道府県すべてが有効求人倍率はよくなりました。しかし、愛知県や私の三重県みたいに突出してよくなったところと、〇・一ぐらいしか上がらない、〇・三だったものが〇・四になった、非常にスピードの遅いところがある。その遅い七県、北海道、青森、秋田、高知、長崎、鹿児島、沖縄、この県につきましては、私ども労働関係の施策でございますけれども、できるだけここに集中させようという基本的な考え方を持っております。

 雇用をどうやってつくり出すのか。従来ならば、公共事業をという話が出てまいります。今回、私どもはそういう政策はとらない。したがって、地方で知恵を出していく、企業をつくっていくというときに私どもはどうバックアップできるか、また、他の省庁でも、地方の創造というものをどうやっていくか。

 そういう意味で、知恵を出しながら地方がやってください、我々はできるだけそれに対して御支援をしていきましょうという立場の中で、現実は、やはり地方を見ることは大事ですから、昨年十二月、ずっと副大臣に全部回ってもらいました。知事さんと話をしてくれ、どうやっていったらいいのかと。知事さんもやはり積極的に、どうやったら雇用を創出できるのかと。

 やはり、お互いが知恵を出してやっていこうという時代でございますので、それに向けて、ことし精いっぱい努力をしてまいりたい、このように思っております。

徳田委員 ありがとうございました。

 確かに、地域経済を活性化させ、そして雇用情勢についても改善させるには、地方自治体のこれからの創意工夫、知恵を出し合ってやるというものも大変大事だと思います。

 ですが、今、公共事業はしないというようなことでございましたが、私は、公共事業については、地方に対してはやはり経済対策として物すごく大きな乗数効果、波及効果があると考えておりまして、また、やはり経済社会が発展していくためには、必要不可欠な社会資本を整備すること、そしてストック量を増大させることというのが大切だというふうに思っています。

 地方自治体が知恵を、工夫を出し合って頑張っていけといいましても、やはり最低限の都市に対抗するだけのインフラ整備というものはまだまだ欲しがっている部分もありまして、また、道路についてですが、そういう生活道路などが整備されていないために助かる命も助からなかったという例も私はたくさん見てまいりました。

 最近、公共事業といえば官製談合や税金の無駄遣いの温床というような印象が持たれ、減らせ、これ以上高速をつくるなという声もあるのは事実ですが、私は、公共事業に問題があるのではなくて、公共事業のあり方そのものに大きな問題があるのではないかなというふうに思います。

 この公共事業の仕組みそのもの、国民の信頼を回復させるためにはどのようにこれからしていけばいいのか、北側国土交通大臣にお伺いしたいと思います。

北側国務大臣 公共事業、即、悪というのは、今委員のおっしゃったように、私は間違っているというふうに思います。

 やはり、日本というのは災害の多い国でございまして、防災、減災のための社会資本整備というのは、これは本当に国、地方の大きな役割なわけでございまして、これをやはり着実に進めていく必要がある。また、今委員のおっしゃったように、経済の活性化に資するような社会資本をこれまた着実に整備していくことも、極めて大事なことであるというふうに思っております。

 この公共事業につきましては、我が省だけではございませんが、政府といたしましては、景気が悪くなって、補正を毎年のように組み、公共事業を積み増していく、そういうことをする以前の状況に戻そうということでやってまいりました。ことしは、国費ベースでございますけれども、七兆二千億というオーダーになっておりまして、これは平成二年、バブルの終わりのころですが、平成二年の七兆三千億、当初予算と比べても低くなっているわけでございまして、ほぼその目的は達したかなというふうに私は理解をしているところでございます。

 今後とも、やはり重点化、また効率化をしっかりして、必要なところには着実に公共事業を整備していく、また、経済効果の高い公共事業を整備していくということが重要であると考えております。

 ちなみに、例えば委員の地元、鹿児島でございますよね。鹿児島は、整備新幹線が今、鹿児島中央と、そして新八代までつながっているわけですが、私、この間乗らせていただきまして福岡まで行きましたら、乗り継ぎで二時間ちょっとで行くんですね。これは、つながりますと一時間二十分台。私は、これは恐らく、福岡から鹿児島まで一時間二十分台で行くということは、九州の交通、また人流、物流に大変な影響を与えていくと思うわけですが、これをいかに鹿児島県が活用されていくのかというのは、まさしくこれからの取り組み次第だというふうに考えるところでございまして、公共事業とともに、そうした各地域での地域再生、都市再生に向けた取り組みが重要であると考えております。

徳田委員 本当にきょうは御丁寧にお答えいただきまして、ありがとうございました。

 本当に地方の経済においては、バブル崩壊後、まだまだ傷跡が大きく残っており、そういう状態が引き続いていることから、雇用が悪くなり、そして過疎化が進み、少子高齢化が進みと、こういう悪循環が繰り返されております。

 三位一体を含め、やはり包括的な議論を進めていただき、どうか地方の実情に配慮した形の改革を行っていただきたいというふうにお願いいたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて徳田君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会


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