衆議院

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第16号 平成18年2月21日(火曜日)

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平成十八年二月二十一日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大島 理森君

   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君

   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君

   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君

   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君

   理事 上田  勇君

      赤池 誠章君    井上 喜一君

      井脇ノブ子君    伊吹 文明君

      浮島 敏男君    臼井日出男君

      遠藤 宣彦君    小川 友一君

      小里 泰弘君    尾身 幸次君

      大塚 高司君    大野 功統君

      岡部 英明君    奥野 信亮君

      鍵田忠兵衛君    亀岡 偉民君

      河井 克行君    河村 建夫君

      木原  稔君    北村 茂男君

      木挽  司君    佐藤ゆかり君

      斉藤斗志二君    坂井  学君

      笹川  堯君    実川 幸夫君

      篠田 陽介君    菅原 一秀君

      杉田 元司君    鈴木 馨祐君

      関  芳弘君    薗浦健太郎君

      田中 良生君    高鳥 修一君

      渡海紀三朗君    土井  亨君

      土井 真樹君    中山 成彬君

      西本 勝子君    根本  匠君

      野田  毅君    林   潤君

      原田 令嗣君    福岡 資麿君

      藤野真紀子君    二田 孝治君

      町村 信孝君    三原 朝彦君

      宮澤 洋一君    山本 公一君

      山本 幸三君    山本 有二君

      小川 淳也君    大串 博志君

      岡田 克也君    加藤 公一君

      笹木 竜三君    高井 美穂君

      高山 智司君    原口 一博君

      伴野  豊君    古川 元久君

      馬淵 澄夫君    三日月大造君

      三谷 光男君    森本 哲生君

      斉藤 鉄夫君    高木美智代君

      西  博義君    桝屋 敬悟君

      穀田 恵二君    佐々木憲昭君

      阿部 知子君    保坂 展人君

      糸川 正晃君    徳田  毅君

    …………………………………

   総務大臣         竹中 平蔵君

   法務大臣         杉浦 正健君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       沓掛 哲男君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   国務大臣

   (規制改革担当)     中馬 弘毅君

   国務大臣

   (少子化・男女共同参画担当)           猪口 邦子君

   財務副大臣        竹本 直一君

   文部科学副大臣      馳   浩君

   法務大臣政務官      三ッ林隆志君

   財務大臣政務官      西田  猛君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   林  幹雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局建築指導課長)         小川 富由君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事長)        小野 邦久君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十一日

 辞任         補欠選任

  井上 喜一君     鍵田忠兵衛君

  臼井日出男君     福岡 資麿君

  尾身 幸次君     亀岡 偉民君

  奥野 信亮君     菅原 一秀君

  亀井 善之君     浮島 敏男君

  河村 建夫君     大塚 高司君

  斉藤斗志二君     坂井  学君

  笹川  堯君     林   潤君

  園田 博之君     小里 泰弘君

  高市 早苗君     井脇ノブ子君

  渡海紀三朗君     田中 良生君

  中山 成彬君     赤池 誠章君

  野田  毅君     岡部 英明君

  二田 孝治君     遠藤 宣彦君

  町村 信孝君     小川 友一君

  山本 公一君     関  芳弘君

  山本 幸三君     宮澤 洋一君

  大串 博志君     森本 哲生君

  笹木 竜三君     三谷 光男君

  高山 智司君     北神 圭朗君

  古川 元久君     三日月大造君

  馬淵 澄夫君     高井 美穂君

  坂口  力君     高木美智代君

  佐々木憲昭君     穀田 恵二君

  阿部 知子君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  赤池 誠章君     中山 成彬君

  井脇ノブ子君     木原  稔君

  浮島 敏男君     佐藤ゆかり君

  遠藤 宣彦君     二田 孝治君

  小川 友一君     北村 茂男君

  小里 泰弘君     原田 令嗣君

  大塚 高司君     藤野真紀子君

  岡部 英明君     篠田 陽介君

  鍵田忠兵衛君     井上 喜一君

  亀岡 偉民君     鈴木 馨祐君

  坂井  学君     薗浦健太郎君

  菅原 一秀君     奥野 信亮君

  関  芳弘君     山本 公一君

  田中 良生君     渡海紀三朗君

  林   潤君     笹川  堯君

  福岡 資麿君     西本 勝子君

  宮澤 洋一君     山本 幸三君

  高井 美穂君     馬淵 澄夫君

  三日月大造君     古川 元久君

  三谷 光男君     笹木 竜三君

  森本 哲生君     大串 博志君

  高木美智代君     斉藤 鉄夫君

  穀田 恵二君     佐々木憲昭君

  保坂 展人君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  木原  稔君     木挽  司君

  北村 茂男君     町村 信孝君

  佐藤ゆかり君     亀井 善之君

  篠田 陽介君     土井  亨君

  鈴木 馨祐君     尾身 幸次君

  薗浦健太郎君     斉藤斗志二君

  西本 勝子君     臼井日出男君

  原田 令嗣君     土井 真樹君

  藤野真紀子君     杉田 元司君

  斉藤 鉄夫君     西  博義君

同日

 辞任         補欠選任

  木挽  司君     高鳥 修一君

  杉田 元司君     河村 建夫君

  土井  亨君     野田  毅君

  土井 真樹君     園田 博之君

  西  博義君     坂口  力君

同日

 辞任         補欠選任

  高鳥 修一君     高市 早苗君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十八年度一般会計予算

 平成十八年度特別会計予算

 平成十八年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

大島委員長 これより会議を開きます。

 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官林幹雄君、厚生労働省年金局長渡辺芳樹君、国土交通省総合政策局長竹歳誠君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君、国土交通省住宅局建築指導課長小川富由君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。臼井日出男君。

臼井委員 自由民主党の臼井日出男でございます。

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございました。

 二十一世紀に入りましてから、多くの課題の中で特に重要な課題としてクローズアップされてきた問題、私は二つ挙げさせていただきたいと思いますが、その一つは環境問題、これも地球レベルの環境問題でございまして、まさに私ども人類の生存にかかわる重要な問題でございます。いま一つは日本の縮みの問題、日本の縮み、縮小していくということでございます。私は、日本の活力が失われると、ODAもそうでございますし、またいろいろな環境問題、京都議定書の実行等の国際貢献、そういったものができなくなる、そういう意味で、この日本の縮みを防ぐこと、これはまさに国を挙げての大変重要な問題だと考えております。

 きょうは、まず少子化対策の問題からお聞きをしたいというふうに思っております。

 私は、川柳をやっておりまして、時々下手な川柳を歌っております、伊吹先生の方がお上手のようでございますけれども。ことしの正月の句として、「日の本の縮みを止めよ若き魂」。若い人に、日本の国力減退、そういうものをひとつしっかりと守ってもらいたい、そういう気持ちをあらわしたものでございます。しかし、若い人にそういうことをお願いする前に、我々、現在頑張っている我々がやるべきものはしっかりとやっていかなきゃいかぬ、こういうふうに思っておりまして、少子化問題というものは、これからの日本にとりましてまさに見過ごすことのできない重要な問題でございます。

 昨年、私ども日本は予想よりも数年早く人口減に転じたのでございます。これは、主として出生率の低下に原因を発しているわけでございます。出生者が百十万を切る、こういったような状況にもなってきておりまして、これをしっかりと見直していかなければいけない、こう思います。

 きょうは、資料を幾つかお渡ししてございますが、その第一の資料をごらんいただきますとおわかりのように、零歳児から十四歳児までの子供の割合は徐々に低下をするのに対しまして、六十五歳以上の高齢者は、これもまた徐々に増加をして、男性は十二年に、また女性は平成五年を境に、それぞれの割合が逆転をいたしております。

 平成十八年一月一日現在の概算でございますと、高齢者が総人口に対して、男女合わせて二〇%を超えている。それに対しまして、十四歳以下の子供の割合は一四%を下回る、こういう環境になっているわけでございます。この少子化問題というのは、ぜひともとめていかなければならないのでございます。

 今小泉内閣、新しく内閣が組閣をされました。私は、その中で評価をしているものの一つとして、きょうは猪口大臣がお見えでございますが、少子化担当大臣というものがつくられた。もっと早くつくってもよかったと思うわけでございますけれども、初代の少子化担当大臣に御就任をされたということで、この少子化問題の根本原因、こういったものがどういうものであるのか、そして現在までどういうような施策をとってきているか、そのことについて猪口大臣からお伺いをしたいと思います。

猪口国務大臣 臼井先生にお答え申し上げます。

 まず、この少子化対策の問題につきまして、これを重視していただきまして、まことにありがとうございます。私は、専任大臣ということで初ということで、担当されている大臣は今までもいらっしゃり、また熱心に取り組んでいただけたと感じております。

 これまでの政府の取り組みとしましては、一九九〇年代から少子化の流れが明らかになりましたので、その段階から、例えば、一九九五年度にはエンゼルプラン、二〇〇〇年度には新エンゼルプランが実行されておりまして、実施されております。

 このようなプランの特徴は保育関係事業の拡充というところにありましたけれども、少子化の流れをとめるにはより幅広い観点から対策をしなければならないという認識のもとに、現在は、子ども・子育て応援プランを実施しております。実は、二〇〇五年度はその実施初年度というところでございますので、これを鋭意推進していくということが重要だと思います。

 少子化の原因といたしましては、いろいろとあるわけでございます。

 例えば、結婚しない若者がふえていること、未婚化の現象というのもありますし、結婚年齢が非常に高くなっている、晩婚化の現象というのもあります。また、結婚している夫婦の子供の数は、長い間安定していましたけれども、やや減少傾向にも最近なっているということがございます。

 このようなことの背景にどういう社会的なものがあるかと考えますと、一つには、働き方の見直しと言っておりますけれども、これがなかなか進んでいない。

 例えば、男性の方について申し上げますと、子育て期の三十代の男性、四人に一人、週六十時間以上働いていらっしゃいまして、なかなか、この長時間労働が育児参画という観点からは難しい状況をつくっているであろう。また、男女ともに、主として母親につきましては、育児休業の取得などもなかなか難しい状況がございます。

 あと、保育関係事業の拡充は、待機児童ゼロ作戦の中でさらに拡充してきましたけれども、まだ十分とは言えない。また、いわゆる在宅で育児をされている方々、専業主婦の方々ですね、その方々も利用できるような、多様な保育の、子育ての支援のサービスも必要であるということ。

 あと、やはり若い方たちが、経済的な不安感の中でなかなか将来的な見通しを持ちにくいと感じている方が多いので、若者の就業支援なども重要であると感じておりまして、今お伝えしたような考え方はこの応援プランの中で展開されていますので、これを着実に実施していくことがとても重要であると感じております。

臼井委員 ただいまお話しのとおり、晩婚化あるいは結婚しない人もふえている、それから社会的に子育て支援というものが必ずしも十分に進んでいない、いろいろ原因があると思うわけでございますけれども、出産経費というものも非常に大きな要因にもなっているように思います。

 今お話しのとおり、教育費を含む子育て費用の問題というものは一番大きな要素の一つである、このように考えております。また、待機児童というものも保育園等でまだまだある、こういった働く人の環境整備が不十分である。また、企業においても、子供を持つ方の労働に対する配慮というのがやはり十分ではない、こういうこともあろうかと思っております。

 ひとつ大臣には、今後それではどのような施策というものをやっていく必要があるのか、そのことについてお伺いをいたしたいと思います。

大島委員長 猪口大臣、ゆっくりとお答えください。

猪口国務大臣 今お伝えいたしましたように、子ども・子育て応援プランは幅広い観点からの少子化対策を含んでおりますので、まずはその着実な実施が重要であると感じております。

 さらに、さまざまな観点からさらなる検討が必要である場合におきましては、今現在、政府としましては、少子化社会対策推進会議という協議の場を持っております。そのもとに私が主宰しております専門委員会がございまして、そのような場において、私のオフィスに寄せられます数多くの国民の意見、あるいは現場の意見、あるいは地方の意見を総合しまして、議論を深めて、また推進会議等に諮っていくということも考えられると思っております。

 いずれにしましても、現在、十八年度政府予算の中で、非常に厳しい財政状況の中であるにもかかわらず、児童手当の対象の拡大、それから出産育児一時金の引き上げ、このようなことを行うこととしておりますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思っております。

 これによりまして出産時の経済的負担も相当軽減されますし、全般的に子育て家庭にかかる経済的負担が大きいという意見が、これは世論調査、あるいは内閣府などが実施しておりますアンケート調査、あるいは私が地方を往訪しまして意見を聞き取る際に寄せられる意見の中で大きな部分を占めております。そのような観点からも、今政府といたしましてこの予算案でお願いしておりますことは、その軽減に大きく役立つことと考えております。

臼井委員 ただいま大臣から御説明いただきましたとおり、出産時の経費、一時金が三十万から三十五万に五万引き上げられたということは、私は大変よかったと思っております。実経費というのは大体三十五万から四十万というふうに言われておりますので、この部分についてはほぼ充足に近くなってきた、そう思います。

 しかし一方では、出産前の健診等については、病気ではございませんから健康保険では賄われないということもございます。これは平均で大体五万円ぐらいかかるんじゃないか、トータルで。そういった出産時の経費というものが無料化になるということは、出生のインセンティブというのは非常に高いと私は思っております。大臣はかつて、フリーバースという御提言をしておられますけれども、こういう観点からお考えを少しお聞かせいただきたい、こう思います。

猪口国務大臣 臼井先生のこの問題につきましての深い御関心、ありがとうございます。

 まず、今回の出産育児費用の一時金の引き上げ、非常に有益であるということでございます。

 私が申し上げました先生御指摘の点につきましては、これは、今私として、さまざまな方々が寄せられている意見を総合しているところでございます。

 具体的には、自治体のトップの方々がやはり少子化対策の主たる実施者になるだろうと考えておりますので、自治体トップの方々、例えば県知事と大臣との政策対話のプロセスを実施しております。これも、皆様に東京に集まっていただくという形ではなく、それぞれの地方ブロックを往訪して、そこで意見を伺っていくという形でございます。また、その際に、その地域の子育て支援の現場を、私、担当大臣として視察したりしております。そのような中で、よく寄せられる意見、頻繁に寄せられる意見の一つとして、このフリーバースの考え方をお伝えしたわけであります。

 現在のところ、さまざまな項目につきまして意見が寄せられていますので、それを深く議論していきたいと思っているところでございます。

 いずれにしましても、若い世代は、一般的に考えられている以上に経済的には実は困難な家庭も多いということはございます。そのことは、昨年末に出版しました少子化白書においても数字を挙げて示しているところでございます。

 私といたしましては、出産時の費用及び先生御指摘の健診費用など、よく寄せられる意見につきまして、これはしっかりとして分析し、また政府の中で各省庁とも連携を深めながら議論をしていきたいと感じております。

臼井委員 先般も、どなたか少子化の質問をされたときに伺っておりまして、大臣は今予算委員会でくぎづけ状態、しかし、副大臣、政務官がどんどん各自治体に足を運んでいただいて、いろいろな御意見を聞いていらっしゃるということを伺って、積極的に御活動いただいておって結構なことだな、こういうふうに思っております。大変だと思いますが、これからもしっかりと進めていただきたいと思います。

 出産手当の問題等は出生率向上の大切な手段、こうなるわけでございますけれども、経済問題の中で、子育てにかかわる費用、全体の三七%を教育費が占めているということ、そのことが家計を圧迫しているということが大きな原因のように思われます。

 資料二でお示しをしたとおり、これは、教育費が高いほど出生率が低い、要するに、お金の問題というのが出生率に大きな影響を与えているんじゃないかということを示す表でございます。

 それから、資料三。これはちょっと古い資料ではございますけれども、我が国の公財政支出教育費対GNP比、これは各国に比べると低レベルであるということが読み取れるわけでございまして、今回、児童手当が小学三年生から六年生まで引き上げられまして、また所得制限も九〇%まで拡大をされたということは大変結構なことだと思います。しかし、私は、これでもって十分ではないだろう、こう考えておりまして、猪口大臣に、これらの教育費の負担軽減、何か他の経済的支援策というものがおありになるでしょうか、お伺いします。

猪口国務大臣 先生御指摘のとおり、教育費につきましての負担感が非常に大きいという意見がやはり私のところに多く寄せられています。

 子育てにつきましては、私といたしまして、これは皆、国の宝であり社会の宝であり地域の宝であるという認識から出発することが大切であると感じております。それによって、当然ながら、親になるということは親自身及び家計の負担が大きいわけですけれども、にもかかわらず、社会全体で共有してあげることができる部分につきましては、社会全体でできるだけ共有する、そういう方向性を出すことはとても重要であると思います。

 そこで、この教育費のようなことにつきましても、我が国におきまして、いろいろ努力してきているところではあると思います。

 先生御提出されましたこの資料の二、私も興味深く拝見したんですけれども、同時にこれは、都市部におきまして、教育費も高くなっており、また出生率も高くなっているということを示していることでもあるかとも思います。さまざまな変数が、ほかの観点からも相関していることかもしれないと思います。

 ですから、教育費が高いから、その地域において自動的に出生率が高くなっているということだけを導き出すことはできるかできないか、もう少し私として検討してみなければなりませんが、いずれにしても、国民から寄せられるよくある意見の中で、教育費の負担は非常に大きい、そこで産むことを控えてしまうというようなことがあると聞いておりますので、そのことについて考えを深めなければならないと当然ながら考えております。

 子ども・子育て応援プランの中でも、細かいことで申しわけありませんが、日本学生支援機構による奨学金の制度がございますが、これの充実を掲げておりまして、今後五年間の目標としまして、基準を満たす希望者全員への貸し付けができるように、奨学金の給付ができるようにということを努力することとしております。

 また、現在のところ、放課後児童の安全確保の観点から、その時間の使い方につきまして、地域のさまざまな能力を活用しながら充実させていくという考え方を深めております。

 そのような中で、よくあります、例えば小学校の時期におきましても、放課後において、教育費におけます税外負担といいますか私的な支出によりまして、いろいろなさらなる付加価値ある教育を保護者等が受けさせなければならないというような状況も、放課後児童の安全確保とその時間の充実という観点から、地域内で取り組むことによって緩和できる方法もあるのではないか。そのように、大きな財源を求めずに、地域の中に財源を求めながら、工夫によって解決できる部分もあるのではないかと今のところ私として感じております。

臼井委員 子供は国の宝という大臣のお話、全く私はそのとおりだと思います。

 かつて、私は非常なショックを受けたことがあるんです。それは当然のことなんですが、例えば日本における大学進学率、現役でございますと四七・三、短大等も入れると五一・五、現役、浪人を含めると四九・九というふうなことが言われております。もう半分ぐらいの若者たちが大学まで進学している、高等教育を受けているということは、これは大変すばらしいことでございますが、一方、お隣の中国は、まだ大学進学率というのはそう高くはない。

 これは、人民網日本語版というところから引きました。したがって、信憑性というのはちょっと疑義がございますけれども、大体こんなものじゃないかと思いますけれども、二〇〇四年の中国における進学率というのは一九%、こういうふうに言われております。したがいまして、率からすると日本よりはるかに低い。ところが、この人民網にも書いてございますけれども、中国の高等教育機関の学生数は、二〇〇四年現在、世界一位の計二千万人余りに達している。

 したがって、これからの時代というのは、質と量と考えると、質の追求というのは大切だけれども、実は、進学率こそ日本は高いけれども、それではどれくらいの数の子供たちが大学を卒業していくんだということを見ると、これは比較にならないわけですね。

 ですから、二十一世紀は中国あるいはインドの時代と言われるのも、やはり国力というものが人口というものに大変大きな関連を持っているということが言えると思うわけで、ぜひとも国を挙げての施策というものが私は必要だと思います。

 フグは食いたし命は惜しやという言葉がございますけれども、谷垣大臣、大臣も財政を預かる大臣として、いいことにはどんどん金を使いたい、しかし一方では、出す懐は限られている。大変厳しい選択を迫られている毎年だと思われるわけですが、大臣も、猪口大臣を中心とする少子化社会対策会議の一員でもございます。

 私は、組織的にはこれは非常にしっかりできていると思います。幹事会もございますし、関係省庁連絡会議もある。別に、官房長官を中心として少子化社会対策推進会議というものもあったりして、組織的にはうまくできていると思いますが、大臣、どうでしょうか、厳しい財政でございますが、その会議の一員として、これから財務大臣としてどのような姿勢でもって協力をしていけるか、いけないか。その辺、ぜひとも前向きな御答弁をお願いしたいと思います。

谷垣国務大臣 今、臼井委員は私の心中を的確に表現してくださいまして、フグは食いたし、こういうことでございます。ただ、今のような財政の中では、やはり費用対効果ということもよく考えなければならないということだろうと思います。

 ただ、そういうことを言いながらも、今の日本の当面する問題は、やはり人口減少、そして、おっしゃったようなインドや中国が非常な姿で発展している中で、どうやったら魅力的な日本をつくれるかということになりますと、子供に対する投資、少子化対策というのは私は極めて重要だと考えておりまして、今、教育負担について御議論がございましたけれども、各家庭の教育費負担についても、いろいろ支援策を講じていくことは極めて大事なことだと思っております。

 具体的には、義務教育費国庫負担金あるいは国立大学の運営費交付金というようなものについて所要額を確保していることに加えまして、各種経費が削減される中で、私大への経常費助成等につきましては対前年度よりふやしておりまして、また、育英奨学金についても事業規模を拡大している。厳しい財政の中でございますが、そういう配慮はしているつもりでございます。

 それからもう一つ私が考えておりますのは、我が国における生徒数一人当たりの公教育費、小中の支出の推移を見ますと、少子化が進展してきておりますので、平成元年から十五年間に、一人当たりで見ますと五一%増加をしているということでございます。にもかかわらず、学力低下の懸念等、教育をめぐる問題はむしろ深刻化してきているという御指摘もあるところでございまして、こういうことを考えますと、重要なのは、もちろんお金もある程度投じなきゃならないのは当然でございますけれども、幾ら負担をふやすか、軽減するかということもさることながら、むしろ、教育の質を高めるためにはどういう努力が必要かというような観点からの検討も、私は必要ではないかと思っております。

 こういう考え方の中で、十八年度当初予算においては、教育の客観的な評価をどう行っていくか、そして教育の質を高める、こういう観点から、全国学力調査の実施であるとか、あるいは学校評価システムの構築、こういった点に新たな施策をやっていこうということで、文部科学大臣ともお話をしたということでございます。

 いずれにせよ、先ほど申しましたように、人口が減っていく中で魅力的な国をつくらなければいけないということになりますと、子供、少子化、全力を挙げて、できるだけ我々の持っている資源を有効に使うような工夫をこれからもしていくことが大事ではないかと考えております。

臼井委員 過去にも公教育、教育費支出というものをどんどんふやしていただいている、教育の質を高めると。数が減りますから、一人一人の質を高める、これはもちろん大切なことでございますけれども、あわせて、ぜひともこの人口減をしっかりとめていくこと、これはまさに国を挙げてやっていかなければならない問題だ、こう思います。

 私は、日本における少子化、人口減というのは一種の戦争みたいなものだと思います。五十年ぐらいたつと、人口が二千万人以上減って一億人を切ることになる、百年たつと、六千四百万ぐらい人口が減ってしまうというような統計もあるわけで、そうなってくると、まさに人口減をいかに食いとめるか、国を挙げて最も優先的にこういうものを考えていかなければ、国力というものはどんどん落ちていく、こういうことでございまして、これからも財政を預かる大臣として、こうした問題についてはぜひとも格別のまた御配慮、御協力もお願いしたい、こういうふうに思います。

 少子化問題の第二の原因として考えられております女性の環境整備について、お伺いをしたいと思います。

 表五というのをお出ししてございます。これは、私どもの調べがちょっと悪いのかもしれませんが、現在、日本の奥さんが何人ぐらいおられて、そのうち何人が勤めておられて、何人が家庭の中でおられる。あるいは、勤めている方、家庭におられる方、それぞれで、子供のない方もおられましょう。一人子供がいらっしゃる方、二人いらっしゃる方、三人あるいはそれ以上、そういうことがはっきりわかる資料が、国勢調査を五年ごとにやっているんですからやってやれないわけはないと思うんですが、今のところ聞いてもないような感じでございました。

 そこで私は、国立社会保障・人口問題研究所というところで約七千人弱の方々に調べた資料がございましたので、七千人の分母数というのはかなりの数でございますから、それを独断と偏見で、日本にそれを当てはめたとするならば一体どれくらいのパーセンテージがそれぞれおられるか、こういうふうなことを出してみたのがこの第五図の表でございます。

 下の棒グラフの表で見ていただきたいのは、平均出生率の子供さんの数。子供さんが二人という家庭は、有職者が、家庭におられる方々に比較をして大体三分の一程度の出生数しかない、率しかない、こういうことがわかるわけでございます。

 あらかじめ、このもとの表をお渡ししてございますので、この表を見て御感想を猪口大臣それから谷垣大臣にお伺いしたい、こう思います。

猪口国務大臣 済みません。まず、先ほどの答弁でちょっと言い違えたところがございまして、都市部では教育費が高く出生率も高いと申しました。これはもちろん出生率が低いの言い間違いでございます。申しわけございませんでした。訂正させてください。

 今の先生御指摘の点でございます。

 まず、臼井先生引用されていらっしゃいます出生動向基本調査でございますけれども、これは先生御指摘されましたとおり、全数調査ではなく標本調査でありまして、我が国全体の女性の就業の有無と出生児数の関係をこれだけで把握することはちょっと困難でございますということがございます。

 それから、もう一つもし申し上げてよろしければ、このグラフは、実は有職と無職のサンプル数を反映したものになっているのではないかと思います。例えば、子供が二人いる者の場合の、その無職の場合、サンプル数二千九十四ですね、総数が六千九百四十九ですから、それに占める割合が三〇%、有職の場合は、サンプル数六百八十一人で、総数が六千九百四十九人に占める割合一〇%を示しているわけで、子供の数の差を示しているものではなくて、このサンプルの差が反映されているというふうに感じております。

 それで、同調査の結果によりまして、私、検討してみましたところ、結婚持続期間が例えば十五年から十九年の夫婦ということをまず見てみます、それで子供の数がある程度安定すると思いますので。結婚持続期間が十五年から十九年の夫婦の子供の数、これを比較してみますと、妻が就業継続をしている場合の出生率は二・三三人です。そして、いわゆる専業主婦の場合は二・二八人となっていまして、大きな違いは実は見られないということが結果として出ています。

 しかし、いずれにしても、先生御指摘の点は非常に重要でありまして、日本の場合、実は多くの場合、女性が第一子の妊娠ないし出産とともに職場を退職することをもう余儀なくされるという実態があるようでございます。

 統計で見ますと、七割近い女性が第一子の出産とともに退職してしまうわけです。そして、その残りの方々の七割が育児休業をようやく取得できるということで、一般的に日本の女性七割が育児休業を取得していますというのは非常にミスリーディングでありまして、七割の方がやめた後のというところで、そこのところが非常に女性にとって厳しい社会状況があると思います。

 つまり、日本の場合、家庭を持って、結婚して育児をするか、あるいは仕事を続けるかということが二者択一になってしまっている。その選択は非常に重いものでありますから、それをやはり先延ばしにして決定をしていくということで未婚化、晩婚化ということもあるかもしれません。

 本来、育児休業取得が当然の制度として活用される、そのような社会、あるいはまた、育児休業明けで職場に戻りましたときに短時間就労も許容していただけるような労働環境、あるいは、一たん家庭に入っても、子育てが一段落しましたらまた社会にどうぞカムバックしてください、そういう、いわゆる専業主婦の方を再び社会の中で温かく迎え入れて、その個性、能力を発揮していただく。そのような多様な可能性を開いていくことによりまして、家庭と仕事が両立できるという見通しの中で、そのような選択をする女性たちあるいは若い世代がふえるのではないか、そのような観点から今政策を遂行しているところでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

谷垣国務大臣 我が国の少子化の背景として、未婚率が上昇したとか、あるいは育児の負担感だとか、それから、核家族化によって家庭の子育て力といいますか、そういうものが低下しているとか、いろいろな指摘がございますけれども、今、猪口大臣からもお話がありましたし、この表で臼井委員がお示しになりたかったことだろうと思いますが、やはり子育てと両立しにくい職場の環境というものが私はあるんじゃないかと思うんです。

 これに対しては、平成十八年度にも予算は、後で申し上げますが、仕込んでおりますが、予算措置だけで必ずしも解決できるとも思わないんですね。やはり、職場の慣行等について、どうしたら子育てと両立し得るものになるのかというのは、一種の社会運動といいますか、職場もあわせ、もちろん我々政治あるいは行政もすべきことをしなきゃいけませんけれども、何か大きな運動がないとなかなか進んでいかないのではないかという感じを、この表を見せていただきながら感じたところでございます。

 私、予算主管でございますから、十八年度の予算も若干宣伝させていただきますと、民間保育所分約四・五万人の保育所受け入れ児童の増加等を図る、そのための保育所運営費負担金として対前年度プラス六・七%の二千九百八十二億を措置した。あわせて、保育所等の施設整備の推進を図るため、次世代育成支援対策施設整備交付金として実質的に対前年度一四・五%、百四十億円を措置した。それから、中小企業における育児休暇の取得等の促進を図るために中小企業子育て支援助成金を設けて新たに十二億円を措置する、こういった施策も盛り込んだところでございますが、こういう施策とあわせて、先ほど申し上げたような、大きな努力が必要なのではないかと考えているところでございます。

臼井委員 ありがとうございました。

 私もこの表を見まして、七千人弱のものから類推を、パーセンテージをとっておりますので、これが必ずしも全体に当てはまるというものではないと思いますが、この表でお話をしますと、有職の方が二九%、専業主婦が六二%、やはり家庭で専業主婦をやっていらっしゃる方も結構多い。したがって、出生率ということを考えると、働いている方々に働きながら子供を産んでいただく、その環境整備というのが最も大切で、今、大臣お話しのとおり、しっかりやっていただいておりますが、一方では、家庭にいらっしゃる奥さんにもさらに頑張っていただかなくちゃならぬということだろうと思います。

 私ども戦前生まれの者は、私も兄弟が六人おりますけれども、明治以降、引き続く大戦で子供たちが戦争にとられていく、少し多目に産んでおかないと何人かとられてもしようがないような環境でもありました。今は、ずっと六十年間平和のうちに過ごしてきておりまして、そうした危険はまずないという安定感というものが少子化の、少ないかもしれませんが、その一部の影響だと思っておりまして、これからもやはり、私も経験しておりますと、子供の多い家庭のにぎやかさ、楽しさというものを再認識してもらう、国民の意識といいますか、そういうものを変えていくということが、施策以外の出生率増加のための大変重要なことだろうと思います。

 国勢調査もやっておりますから、そういった基本的な動態調査というものを、ぜひとも国でも実施をしていただきたい。目標がわかりませんとなかなかそこに矢を打ち込みにくい、こういうことでもあろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。

 猪口大臣、今、財務大臣からもお話ございました、働く女性が子供を産みやすい環境整備、何か具体案がございましたらお話をいただきたいと思います。

猪口国務大臣 先生からは重要な指摘ばかりをいただいております。

 先生今お述べになりました、いわゆる専業主婦の方は多く、その方々のことも考えながら政策を展開する必要があるという御指摘、そのとおりでございまして、実はさまざまな調査から、いわゆる専業主婦の方、在宅育児をされている方、非常に、何といいますか、行き詰まり感といいますか孤立感を最近深めているという結果も出ております。

 そこで、今までは、働く女性のための保育関係事業の拡充ということがまずは重要、必要である、喫緊の課題であると認識しておりましたけれども、これからは、すべての若い子育て世代が活用できる地域の子育て支援拠点を拡充していくことが重要であると認識しております。

 例えば、表現としては、つどいの広場という事業がございます。あるいはファミリー・サポート・センターなどの事業もございます。いろいろ応援プランの中では出ておりますけれども、一層、地域の子育て支援拠点の充実、そして専業主婦の方も相談に行ったり、一時預かりをしてもらって御自身の発展のために少し時間を確保する、あるいは、日常的になさりたいこともたくさんありますね、そういう少しのサポートも地域から得られていないというようなことがないように、きめ細かい努力を続けていきたいと思います。

 そこで、先生も御指摘の、いわゆる専業主婦の方の果たす役割もやはり非常にとうとく、また当然ながら地域の中でやはり支援されるべきであるという認識、私も共有しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、今度は働く女性の立場から見た両立支援といいますが、仕事と家庭が両立できるように、海外でもワーク・ライフ・バランスと言われております。これは日本の場合、長寿社会で、長寿ということはさまざまな目的を両立して生きていくことが可能である。その中でワーク・ライフ・バランス、そしてその最も根本が家庭と仕事の両立ということですが、必ずしも家庭と仕事の両立だけではなく、地域活動と仕事でありますとかNPO活動と仕事でありますとか、いろいろなことを両立できる社会ということを目指す、大きなそのような観点の中で、家庭と仕事の両立を位置づけてまいりたいと思います。

 その場合に、制度としてはかなり完備されているのですが、御指摘のとおり育児休業なども、職場のさまざまな雰囲気からとりにくい、同僚に迷惑がかかるのではないかということがございますので、私といたしましては、経営のトップの方々と大臣あるいは官房長官にもお願いいたしまして、懇談会プロセスを展開して、ぜひ企業のトップの方々に、若い子育て世代のニーズに寄り添うことがこの国にとって重要であるという意識啓発は積極的にやってまいりたいと考えております。

臼井委員 今お話しの中で、先ほど私が専業主婦も多いねというお話をいたしましたけれども、家庭にある主婦に対しても、そうした一時預かりあるいは保育の施設を有効に使えるということは大変新しい視点の施策だと思っております。ぜひともしっかりやっていただきたいと思います。

 先ほど私は、これは一種の戦争だ、こう申し上げたわけですが、この対策というのは、まさに国を挙げて対策をとっていかなければならないわけでございます。組織的には少子化対策推進会議等々、立派にでき上がっているというふうに私は思います。しかし、スタッフですね。大臣スタッフ等をお伺いすると、まだ、猪口大臣が各省庁の大臣の皆さん方にお願いをして、少子化という長期間にわたる厳しい戦いに挑んでいく体制としては、何となく不十分なんじゃないかなというふうに感じます。

 きょうは総理もおいでではございませんが、ぜひとも今後、猪口大臣のわきに各省庁から参事官クラスを出向させて、強い連携のもとに少子化対策という大事業に向かって進んでいくという体制をとるようにしていただきたいなと思っておりまして、これは私からお願いをいたしたいと思いますが、猪口大臣、ひとつ決意を表明していただきたいと思います。

猪口国務大臣 先生からの御発言、ありがとうございます。

 実は、私として報告することがございまして、しばらく前に、大臣直属の少子化社会対策特命室というものを立ち上げまして、私の大臣室のすぐ隣の部屋で、非常に強化された体制が整っております。それから、実施につきましては、各省が実施されている部分が非常に重要でございまして、その連携を強化していく体制、実によく整えていただいております。

 私は、大臣として非常にまだ未熟でありますけれども、内閣府で仕事をしておりまして強く感じますことは、人数ではない、思いである。大臣と、そして、きょうこれだけ熱心に少子化の問題を聞いてくださっていらっしゃいます議会との気持ちを合わせて、この問題に全力を投じて働いていくのだ、それは政府の責務であるという思いを共有していただける職員に恵まれております。ですから、そのことをまた評価していただきたく思います。

臼井委員 力強い御返答いただきまして、ありがとうございました。

 特命室というのができて、私がいただきました表からさらに新しい組織ができている。大変結構なことでございますので、頑張っていただきたいと思います。人数ではない、思いである、この大臣のお気持ちをみんなでもって体して、みんなの思いを込めていかなきゃいかぬのではないか、そういうふうに思います。

 先ほど四図をお示しいたしましたが、総所得に対し、子供なし単独世帯の税負担が極端に低く、子育て世帯の税負担が他国とほぼ同じレベルであるということから、子育て世帯優遇度は低レベル、当然そういうことになるわけでございますが、こうした相関関係が見られるわけでございます。

 谷垣大臣、先ほどもお答えいただいておりますけれども、独身世帯なんかの方が優雅に暮らしている、結婚し、子供を持つ家庭の税負担というものは重いんじゃないか、こういう子育て優遇度、これに対して将来に向けての何かいい税制等おありになりますでしょうか。

谷垣国務大臣 税財政面でもいろいろ御議論があるわけでございます。

 今ある制度はいわゆる扶養控除というものでございますが、これは考えとして、やはり子供がふえていくとそれだけ税を負担する能力が落ちるだろうという考え方でできているわけですね。それで、それをもう一歩進めて、もう一歩進めるといいますか、そこで所得控除という考え方でやっているわけですが、もう少し政策的に支援をするという方向に考え方が変えられるのかどうかというような議論をいろいろ今しているところでございまして、そうすると、むしろ税額控除というような方式の方がそういう形が出てくるのではないかというような議論があるわけでございます。

 いずれにせよ、先ほどおっしゃったように、費用対効果というものも我々の立場としては十分考えなければなりません。今までの施策の検討も深くやらせていただいて、その上で、諸外国におけるいろいろな対応の仕方とか、もちろん私どもの財政の事情もございますが、政策手段の相互関係、いろいろなことを議論しながら、もう少し私どもも検討を進めたいと思っております。

臼井委員 前向きな御答弁、ありがとうございました。

 私ども、日本の税、所得税で、課税最低限が他の国に比べて高いんじゃないだろうか。私は、もう少し、国民の一人でも多くの方が少しでもいいから税金を払う、そういうような形の方が関心度が増していいんじゃないだろうかというふうにも思っておりまして、この子育て世帯の税負担を低く抑えるということの施策というものを、ぜひともお願いしたいと思います。

 厚生大臣、御関係のあるものでございましたけれども、大変長時間お待たせして申しわけございません。

 国民年金問題、今、私ども政府・与党は、一元化というものはしなけりゃならぬと思いますが、しかし、いきなり国民年金まで含めたものはこれは難しい、とりあえず被用者年金で一元化を目指そう、こういうことでやってきているわけですが、そこには国民年金の持つ難しさというのがあるわけでございます。

 被保険者二千二百十七万人のうち、免除者が二百八十五万人、学生納付特例者が百七十三万人、それから未納者が実に四百二十四万人。実際に払わなくていい方々が四一%もいるということの問題は、極めて難しい問題だと思います。

 中でも、未納者、年金未払い者、あるいは加入していない人たちをどうやって加入させるかということが非常に大きなこれからの問題だと思います。これらに対して有効な措置というものはどういうものをお考えでしょうか。

川崎国務大臣 国民年金の未納問題、国民の信頼という面から極めて重大な課題であると思っております。

 一つは、やはり徴収機関の国民からの信頼。一昨年、社会保険庁問題、いろいろ議論をされました。解体的出直しということで、ねんきん事業機構ということで出直しをしよう。その中で、長官に民間人に来てもらいまして、やはり職員のやる意識、それから一つ一つの業務改善、これをまずやっていかなきゃならぬだろうというのが第一であります。

 二番目は、今お話ございました母数の問題。これは、要するに、学生で免除手続をまだしていないという人たちもかなりいらっしゃる、経済的な問題で。そういう人たちはやはり除かなきゃなりません。

 それから三番目の問題として、システムの問題。一つは市町村との連携。所得の状況もわかりますし、それから国民健康保険との問題も出てまいりますので、この問題をきちっと連携をしていきたいと思います。それから、納めやすい環境。今コンビニでやっておりますけれども、今度クレジットカードでできるように変えようということでございます。

 それから、社会保険制度内におきまして、例えば医療機関、介護保険事業者、そういう方で、正直言って未納の方がいらっしゃいます。私どもの制度内の話でございますので、きちっとやりたい、そんなこと。それから、事業者との連携。

 そうしたものを進めながら、少しでも収納率を上げて、国民の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。

臼井委員 払えない人はしようがないわけですが、裕福に暮らしながら国民年金に入らない、こういう人たちをぜひともびしびしやってもらいたい、こう思います。

 法務大臣、大変申しわけありません。時間もなくて恐縮でございますが、外国人労働者問題。少子化の中でもって働き手、分母をふやしていくということが一つの大きな課題だと思います。

 そうした点について、もう時間もありませんので恐縮でございますが、簡単にひとつお話をいただけたらと思います。

杉浦国務大臣 臼井先生には、法務大臣の先輩として大変御指導をいただき、御協力をいただいておりまして、感謝しておるところでございます。

 外国人労働者の受け入れ問題は、実はこれは治安の問題、不法滞在者の問題とも絡んでおりまして、非常にデリケートな問題でもございます。いわゆる専門的、技術的な方は積極的に受け入れる、それ以外の方についても前向きに検討するというのが政府、内閣の方針でございます。

 それを受けまして、私、大臣就任後、河野副大臣を長といたします今後の外国人の受け入れ問題等を含むプロジェクトチームを立ち上げまして、さまざまな角度から検討しようということで省内で議論を始めたところでございます。

 またいろいろと政府・与党、皆様方の御指導を賜ることがあると思いますが、よろしくお願いしたいと思います。

臼井委員 どうもしり切れトンボになってしまいまして申しわけございませんでした。次の機会にぜひとも御質問したいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて臼井君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡田克也君。

岡田委員 民主党の岡田克也です。

 きょうは、財政再建と経済運営の問題を中心に質疑をしたいと考えております。

 この問題は、経済財政諮問会議の議事録などを拝見しておりますと、かなり活発なる議論が各委員間、閣僚間で行われていることが想像されるわけであります。多くの論点について経済財政諮問会議の中でも意見がまだ収束していないという印象を受けるわけでありますので、国民の見ているところでしっかりと議論していきたいというふうに考えております。

 きょう、私が議論したいと思っている点は四点であります。

 第一点は、実質成長率についてどう考えていくのか。第二点が、名目成長率と長期金利の関係をどうとらえるのか。第三点が、財政再建との関係で、高目の名目成長を目指すという考え方についてどう考えるのか。第四点は、これが実は一番私は重要だと思っているわけですが、基礎的財政収支黒字化の次なる目標をどう設定し、そしてトータルとしてそれの実現に向けてどう具体化していくのかという四つぐらいの問題があるのではないかと思っております。

 それぞれについて順次お聞きしたいと思います。資料を配付させていただいていると思いますが、その資料も参考にしながらというふうに考えております。

 まず実質成長率についてお聞きしたいと思いますが、資料の最初のページをごらんいただきますと、内閣府の試算結果というのが出されておりまして、基本ケースであります。実質成長率について、今後一・八から一・七%程度で推移していく、そういう想定を置かれているわけです。これは与謝野大臣にお聞きしたいと思いますが、この一・七あるいは一・八程度、つまり二%に届かない、一%台の後半、こういう実質成長率について、どういう視点でこういった数字が出てきているのか、御説明をいただきたいと思います。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

与謝野国務大臣 御指摘の「改革と展望」参考試算の基本ケースにおいては、二〇一〇年代初頭までの中長期的な実質成長率を一・七から一・八%程度と見込んでおりますけれども、これは、高齢化が進むことから労働投入は今後とも減少していく見込みである一方、資本蓄積や全要素生産性の伸びが経済成長に貢献することによるものでございます。

 このうち、全要素生産性上昇率については、構造改革の効果が今後とも進展していくと見込まれることから、足元の一・〇%程度から一・二%程度まで徐々に高まるとの仮定を置いております。

 そこで、実質成長率一・七から一・八%程度の要因としては、具体的に申し上げますと、労働力の寄与がマイナス〇・二%、資本蓄積の寄与がプラス〇・八%、全要素生産性の寄与が一・二%程度というふうに想定して計算をしております。

岡田委員 大体多くの学識経験者といいますか学者の皆さんも二%を切るぐらいという考え方が多いんじゃないかと思うんです。

 そこで竹中大臣にお聞きしたいと思いますが、資料の三をごらんいただきますと、竹中大臣が前々回の経済財政諮問会議において出された一枚紙、論点という紙があります。その1の(2)のところで、「実質成長力 日本経済の実力は二%あるのではないか」、こういうふうに書かれております。ただ、竹中大臣が前職であったときに出された昨年の同じような試算、これは資料の二につけてございますが、このときには、二〇一二年度に向けて実質成長率は一・五から一・六という前提を置かれていたと思いますが、二%可能ではないかというふうにお考えになるに至った御説明をいただきたいと思います。

竹中国務大臣 諮問会議で議論しておりましたときは、今後、中期的な観点で財政再建を、健全化を考えようではないか、そのときの成長率でございます。

 中期的な成長力というのはどのぐらいあるかということに関しましては、これは今与謝野大臣からもお話がありましたように、基本的には、中長期的な場合は、需要側ではなくて供給側で労働のインプットがどれだけあるのか、資本のインプットがどれだけあるのか、全要素生産性がどのぐらい伸びるのか、そういう形での議論がなされるわけでございます。

 一・八なのか二なのか二・一なのか、その辺の議論をしているわけではございませんが、私は、今までの幾つかの専門家の議論を重ね合わせて二%程度の成長の実力はあるというふうに考えておりまして、そのことを申し上げているわけでございます。

 短期的に、今年度が何%か、二年後、三年後が一・七%か八%か、これはむしろ供給側の議論ではなくて、需要がどのようになっていくかということの議論でもありますので、短期の議論と中長期の議論というのはやはり分けて少し議論をする必要があるというふうにも思っております。

岡田委員 私は、足元の短期の話をしているのではないと思うんですね、まず前提として。二〇一一年度あるいは一二年度までの、これを中期と言うかどうかですが、プライマリー黒字に至るまでのその道筋の期間の話をしていると思います。

 竹中大臣のペーパーも、二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの回復をどう実現するかという中で、二%の実力があるのではないか、こう言われているわけで、これは短期の足元の話をしているのではなくて、恐らく二〇一〇年代初頭までの話として二%ということを言われていると思います。そこを従来から〇・五ポイント上げられたわけですから、一・五から一・六と言われていたわけですからね、昨年までは。〇・五上がるというのはかなりの変化だと私は思います。

 そういう意味で、どういう根拠で二%ということを主張されるに至ったのか、その根拠を示していただきたいと言っているわけです。

竹中国務大臣 今までも、日本の潜在成長力は二%弱ぐらいであるというふうに私は申し上げてきたと思います。二%弱ぐらいである、しかし、改革をすることによって潜在成長力を上げること、これは大変難しいという委員の御指摘は正しいと私も思いますけれども、それも決して不可能なことではないのだと思っております。

 そういう意味で、二%程度の中期的な成長力を前提にするというのは、今まで二%弱だった、それが二%になった、その厳密な差は何なのかと聞かれましたならば、それはそういう厳密な試算を行った上での発言ではないということを前提で申し上げておりますけれども、二%程度ということ、それは、今までの議論の延長線上、そして改革を進めるということで可能な範囲である、私はそのような趣旨で申し上げているわけでございます。

岡田委員 一・五、一・六と言っておられた竹中さんが二と。一・五、一・六というのは、去年の、竹中さんが責任者をしておられたときの内閣府の試算です。それが二と言われる。〇・五上がるというのはかなりのものでありますから、そのことをきちんと説明する説明責任があるというふうに思いますが、そのことはさておいても、今の竹中さんの御発言でも僕は基本的に違うというふうに思うのは、可能性の問題を今論じているのかということですよ。

 つまり、この試算は何のためにあるかというと、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスの黒字化、基礎的財政収支の黒字化、その道筋を議論しているわけですから、財政の立て直しの議論の前提として、可能性、つまり、ある意味では楽観的見通し、希望といいますか期待値といいますか、そういうものを置いて財政の再建を議論するということ自身が間違いではないか、私はこういうふうに思うわけですが、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 まず、そこの私の紙は試算結果を示しているわけではございません。それなりの試算に基づいて最終的ないろいろな議論をしなければいけないと思いますが、私はそういうことも可能だと思うので、そういうシナリオについても検討する必要があるのではないかという趣旨の発言をさせていただいております。その上で、しっかりとした試算は当然していただかなきゃいけないと思います。

 これは、私は経済財政政策担当大臣のときからずっと申し上げていますけれども、日本の潜在成長力について、例えば民主党は何%ぐらいと考えておられるのか、そういう議論も大いにしていただく必要があると思っておりますし、そういう意味で私は一つの可能性として二%程度は可能であるというふうに思っておりますので、そういうシナリオを踏まえた試算もしていただきたい、そのようなメモでありますので、私の試算ではございません。

岡田委員 私の質問に答えていただいていないわけですが、先ほども、不可能ではないという言い方をされたんですね。そういう可能か不可能かという次元で財政の再建の前提の議論をしていいんだろうか。やはりそこは、基礎的財政収支を二〇一〇年代初頭に実現するというその前提の議論としては、きちんとした、ある意味ではかた目の数字を置いて議論しないと、楽観論で、実はこの後で言いますが、実質成長率二%、名目も二%、合計四%、そういう数字になると、確かにかなり税収とかが違ってきますよ。それは、そういう楽観的シナリオで財政の再建について議論すれば、かなり楽な結果が出てきますよ。でも、それはある意味では粉飾だと部分的には言われても仕方のない議論ではないか、やはりそこはきちんとした裏づけのある数字で議論しなければいけない、こういうふうに私は思うわけであります。

 与謝野大臣、もし御意見があれば聞かせてください。

与謝野国務大臣 日本の経済を成長させたい、潜在的な成長力も上げたい、経済運営としては、当然高いところに目標を置いて、それに向かって改革も行い、国民的な努力もする、これは私は、高目の目標を掲げて進んでいくというのは正しいと思います。しかし、財政再建をやるときには、余り悲観的な見通しも好ましくないだろう、余り楽観的な見通しも好ましくないだろう。

 イギリスで財政を点検するとき、二つのことがございます。一つはプルーデントという言葉がありまして、要するに、堅実なと申しますか、慎重な、控え目な、そういう前提で計算しよう、それから、財政の持続可能性も三十年間ぐらいにわたってちゃんと点検しよう、こういう思想で物事を計算されているそうでございます。

 したがいまして、この日本という国の豊かさを維持するために高い潜在成長力を目指して頑張る話と、財政を堅実なものにするという話とは、恐らく前提が違ってきてもやむを得ないことだろうと思っております。

岡田委員 この予算委員会の冒頭の総括質疑のときに、自民党の中川政調会長が上げ潮路線というようなことを言われて、構造改革によって高い成長を目指すと。私、その限りにおいては方向として間違いじゃないというふうに思います。

 ただ、そのことと、税収もふえるから財政の改革が、その改革というのは、私、必ずしも増税を意味するものではないんですが、財政の改革が楽になる、あるいは、多少そこについて急がなくていいという発想に立つとすればそれは間違いで、与謝野大臣おっしゃるように、国として目指すべき高目の成長を実現するという話と、それから財政の立て直しのための前提として置く数字というのは、おのずから趣旨が違いますから違って当然である、そういうふうに私は考えております。

 竹中大臣、もし御発言がありましたらおっしゃっていただきたいと思います。

竹中国務大臣 私は、やはり改革というものを今後しっかりと続けていかなければいけない、そういう中で財政の改革をしていく必要があるというふうに見ております。これは、恐らく皆さんそうだと思います。

 その中で、その改革がどのぐらい効果をあらわすかということに関しては、これはいろいろな見方があるんだと思います。その意味では、財政については非常に堅実にそのあり方を考えていかなければいけないというのは、私も全く同感でございます。同時に、改革を進める中で、いろいろな選択、可能性があるということを念頭に置きながら、できるだけ国民の負担を小さくしていくような改革、そして財政の健全化をなさなければいけないということだと思っております。

 その意味では、私が申し上げていることと与謝野大臣が申し上げていることというのはこれは基本的に方向としては同じなわけでありまして、できるだけしっかりと成長を高めていこう、その中でできるだけ堅実に財政を健全化していこう、その方向で議論をさらに深めたいと思っております。

岡田委員 国民の負担をなるべく小さくする、そのこと自身は私は当然だと思いますが、それは、現実ではなくて仮想の世界で小さくして、後で結局大きな負担になってくる、そういうことがあってはならないというふうに思っております。余り高目の実質成長率を言うということはそういったことにつながる懸念があるということを、私、重ねて申し上げておきたいと思います。

 それでは、次に名目成長率と名目金利の関係について話を進めたいと思いますが、私は、この話をするときに、中期の話なのか長期の話なのかということで整理して議論した方がいいというふうに思うわけです。

 ここは竹中大臣も、先ほどの一枚紙、論点でありますが、二〇一〇年代初頭までのプライマリーバランス回復までの話と、それからプライマリーバランス回復後の長期シナリオ、こう二つに資料を大きく分けられて、そして、実は2の(3)のところで名目成長率と名目金利の関係という話が出てくるわけですから、これを拝見していると、長期的な話として名目成長率と名目金利の関係を議論するということなのかな。逆に言いますと、二〇一〇年代初頭までのプライマリー黒字を確保するところまでの話とは一応切り離しておられるのかな、そういうふうに受け取るわけですけれども、いかがでしょうか。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

竹中国務大臣 それはもう当然な話でありまして、プライマリーバランスというのは金利は関係ございませんから、要するに金融費用を考える前のその収支がプライマリーバランスでありますから、そこに金利が高くなるか低くなるかというのは、プライマリーバランスを議論する限りは、これは入ってきようがない問題でございます。

 その意味では、長期的に、プライマリーバランス回復後に何をさらに、プライマリーバランスの回復というのはあくまで第一歩ですから、さらに何をするのか、どういう目標を掲げるのか。そのときに成長率と金利の関係が大事になってきます。これはごく自然のお話だと思います。

岡田委員 この資料一の基本ケースのところを見ますと、名目成長率と名目長期金利の項目、「マクロ経済の姿」の中であります。これによりますと、二〇〇八年度までは名目成長率の方が名目長期金利よりも高い、これは実績も含めての話でありますが。二〇〇八年度にこれは交差をしまして、二〇〇九年度以降は名目成長率を名目長期金利が超える、こういう図になっているわけであります。竹中大臣のときにおつくりになった一年前の基本ケースでも、年度は二年ぐらい後ろ倒しになっておりますが、やはり途中で長期金利が名目成長率を上回る。二〇一〇年度に同じになって、それ以降は上回る、こういう姿になっております。

 与謝野大臣にお聞きしたいんですが、こういう名目成長率とそして名目金利の、現状は成長率の方が高いわけですが、やがて金利が上回るに至るという中期のシナリオの話、長期の話ではありません、中期でそういう絵をかいておられるその理由をお聞かせいただきたいと思います。

与謝野国務大臣 これはあくまでもモデル計算でございまして、一定の条件のもとで、経済の姿、財政の姿を試算しようということでございます。

 まず、名目成長率と名目長期金利の関係については、もう委員御承知のとおり、一方が他方を上回る、他方が一方を上回る、いろいろなケースがございまして、しかしながら、一九六六年から二〇〇四年までの平均をとりますと、名目長期金利の方が名目成長率より下でございます。しかし、一九八〇年以降の平均で見ますと、名目金利の方が名目成長率より上だということでございます。

 「改革と展望」の参考試算においては計量モデルを利用して客観的な推計を行っておりますけれども、ことしの試算においても昨年の試算においても、ともに推計期間の途中で長期金利が名目成長率を追い抜く姿となっております。

岡田委員 私は理由を聞いたわけで、今直接お答えにならなかったと思いますが、ちょっと先を急ぎます。

 私、この名目金利と名目成長率の話というのは、長期的シナリオとして非常に重要な議論だというふうに思うわけであります。竹中大臣にお聞きしたいと思いますが、二年前、竹中大臣は覚えておいでかどうかわかりませんが、私がこの議論を提起したときに、私の議論に対して竹中大臣がこういうふうに反論されたんですね。長期的には名目成長率が名目金利を上回るのは、非常に幅広く世界の専門家の間で共有されている考え方である、こういうふうに言われたんです。

 私は、これはちょっと言い過ぎじゃないかというふうに思うわけです。つまり、竹中大臣がおっしゃったのは、世界の専門家の中のいわば常識は名目成長率が名目金利を上回っているんだよと言われたんですが、私はこれは事実に反するというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 先般の諮問会議でも整理をさせていただいたんですが、長期的にはそのように世界の専門家の間に受け取られている、これは私は間違いないと思います。諮問会議でも紹介させていただいた幾つかの論文、その詳細は挙げませんが、例えば、アメリカで過去百二十年、七十年、五十年、日本で過去四十年、そういう長期をとると名目成長率の方が高かったというのは、これは歴史的な事実であると思います。ただし、その時々によって違いますし、期間のとり方によってもそれはまちまちです。

 ですから、非常に長い期間をとると、私は今でもそれは世界のファクトとして申し上げられると思いますが、我々がこれから議論するのは、百年というよりは、これから五年、十年、まあ二十年という間でございますから、それについてはいろいろなケースがあり得るわけでありますから、そこは、非常に長期の議論と、それと五年、十年の議論というのはやはり分けて考えなきゃいけないと思います。

 もう一つ、そのときも理論の話は、これは岡田委員でございましたか、別の委員でございましたか、させていただいたと思いますが、では、理論的に名目成長率と名目金利がどうなのか。これはこれで大変重要な問題でございますが、結論から言いますと、若干日本の経済学者の間でも誤解があるんですけれども、理論的に名目成長率と名目国債金利、どちらが高いか低いかということに関して確立された考えはないというふうに思っております。

岡田委員 私は、日本の過去の長いレンジをとって議論するというのは、これはアプローチとして正しくないというふうに思うわけです。

 まず、今の金利市場と、三十年、四十年前の金利市場と全く違うというふうに思います。当時は低金利政策というのを確かに政府としてとってきた、貯蓄過剰を背景にとってきたという事実はあったと思いますけれども、それが可能なマーケットだったと思うんですね。しかし、今や自由化されたこの金利マーケットの中でそういったことは私はほとんど不可能だというふうに思いますが、つまり、状況が変わっているにもかかわらず、古い状況の中での数字をもって今後のことを論じるというのは、私は明らかに誤った態度ではないか、こういうふうに考えるわけであります。

 この名目成長率と名目金利の関係について、竹中大臣は、長期的にはこれからも名目金利が名目成長率を下回るということを今言われたと思うんですが、この点について与謝野大臣はどういうお考えですか。

与謝野国務大臣 名目金利というのは何によって成り立っているかという純粋に学問的なことを申し上げますと、成長率プラス期待インフレ率プラス・リスクプレミアムということでして、これは、委員御指摘のように、今は長期金利というのは市場で決まってしまうということもありますし、それから、金融が自由化されたことによって海外市場との関係でも金利のレベルは決まるということであって、果たして人工的に金利水準を左右できるのかという根本問題が多分あるんだろうと思っております。

 いずれにしましても、経済財政諮問会議では極めてアカデミックな議論が進んでおりまして、そういう中で、経済運営の前提となる金利の話、それから財政再建を達成するための金利の考え方、こういうものはやはり分けて考えてもよろしいのではないかと私は思っております。

岡田委員 同じ質問を日銀総裁に、福井総裁にお願いしたいと思いますが、この長期金利と名目成長率の関係について日本銀行としてはどういうふうにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。

福井参考人 日本銀行におきましても、長期金利と成長率の関係につきましては、さまざまな学問的成果、そして過去の長い歴史の中での経験則ということをいろいろと勉強させていただいております。

 ただ、現実に、私どもは、生きた経済の中で金融政策をやっていく責任を負っている立場でございます。これから我々がどういう世界で、どういうマーケットの中で生きていくか、それを前提に、やはりこの関係は現実的にとらえながら政策立案をしていく必要がある。

 過去の例の中で私どもがそういう観点から特に参考になりますのは、八〇年代以降の各国における長期金利と成長率との関係でございます。なぜかと申しますと、その間、金融の自由化が非常に進んだ、経済のグローバル化が非常に進んだ、つまり、今我々が直面している状況が八〇年代以降実現してきて、その中で長期金利がどういうふうに形成されてきたかということは一つの重要な参考材料になると思います。

 その間におきましても、成長率と長期金利の関係は上下にまたがることがございます。しかし、経験則の語るところでは、やはり、自由化が進み、グローバル化が進んだ状況のもとでは、長期金利は幾分名目成長率を上回って推移することが多いということです。常にということじゃありません、多い。これを一応念頭に置きながら今後の政策をやっていく。

 そして、マーケットの中で共有されております長期金利についての見方は、将来の経済や物価に関する市場の見方、これがベースになる。それに対して、さまざまな不確実性があるので、将来を人々が見たときにどれだけリスクを感ずるか、そのリスクを感ずる度合いだけリスクプレミアムが上乗せとしてつく。

 私ども金融政策の立場、あるいは政府が経済政策を施される立場からいえば、長期金利に上乗せ要因が乗っかってくるということを極力小さくする、リスクプレミアムを極小にするということは重要な政策的ターゲットになるというふうに考えております。

岡田委員 今の福井総裁のお話を前提にしながら、竹中大臣はこういうふうにおっしゃっているんですね。名目成長率を高く、国債金利を低く保つための施策が重要であるというふうにこの論点の中でも言われていますし、経済財政諮問会議の中でもそのことを強調されていたと思います。

 これは、具体的に、国債金利を低く保つための施策というのは一体どういうことを考えておられるのか。今の日銀総裁の御発言だと、リスクプレミアムを低くする。ある意味じゃ、財政の再建路線をきちっと引くということがむしろそういうことにもつながるのかなと思いますが、竹中大臣、同じようなことを考えておられるのか、あるいはもっと別のことをここで考えておられるのか、御答弁いただきたいと思います。

竹中国務大臣 まず、名目成長率と名目金利の関係については、これは実は諮問会議での議論を専門家も今大変注目しておりますので、さらに議論を深めたいと思います。

 岡田委員が、例えば昔の事例は余り参考にならないのではないかというような議論、これはそれで理解できる面もあるわけですけれども、逆に言いますと、実は、昔は金利が低く抑えられていた。金利がもし本当に低く抑えられていたのであるならば、それによって資源の配分がゆがんでいますから、成長率もその分低く抑えられていた、そういう面もあるわけです。ですから、最近のことだけが参考になるということかというと、必ずしもそうではない。最近のことだけから参考になるのであるならば、二〇〇〇年以降はむしろ成長率の方が高いということをいろいろ述べる論者もいらっしゃいます。

 だから、要は、理論的にはどちらかわからない、そして、その時々でどちらでもあり得る、私はそれ以上のことは言えないと思います。長期的な事実としては、これは成長率の方が高かった、それ以上の議論を私は余りできないのではないかなというふうに思っております。

 その上で、私は実質成長率を高くしてくれ、これは、国民皆さん、そのように思うと思います。そして、金利に関しては、金利を人為的に低くゆがめるという必要はもちろんないし、そんなことをしてはいけませんけれども、金利が高騰しないようにやはり適切な政策をとらなければいけない。これも国民の皆さんは同意してくれるんだと思います。

 委員の直接のお尋ねは、そのリスクが、リスクプレミアムが高まらないようにするためにどういうことを考えているかということでございますけれども、これもそんなに打ち出の小づちのようなものがあるわけではありませんが、まず、ちゃんとした財政再建のシナリオを、信頼できるシナリオを築くこと。そして、それが国民に信頼されて、マーケットに信頼されて受け入れられるような状況をつくること。その過程で、財務省も苦労しておられますけれども、国債管理の政策等々についてもしっかりと市場の信認を得ていくこと。そういうことが総合的に必要であるというふうに思っております。

岡田委員 これは確認しますが、竹中さんがおっしゃった国債金利を低く保つための施策というのは今言ったような話であって、政策的に人為的に金利を低く誘導していく、こういうことではないということですね。

竹中国務大臣 人為的にというのは、市場のメカニズムをゆがめてそのような人為的なことはすべきではありませんし、自由化されたマーケットで、そのようなことは現実にできないと思います。

岡田委員 人為的にコントロールすることはできないという御答弁をいただきましたので、私は、長期で見たときに、これも財政の健全化の議論をするための長期金利と名目成長率の議論であれば、やはりそこは両論あるということであれば、基本的には、関係は一定であると見るか、つまり同じであると見るか、あるいは少しかた目に、金利の方がやや上回るというふうに見ておくのが正しい選択ではないかというふうに思いますが、谷垣大臣、この点いかがでしょうか。

谷垣国務大臣 今までの議論を伺っておりまして、私も、実質成長率を高める必要のあることはもちろんだと思います。

 他方、今の金利との関係もございますが、インフレによって名目経済成長率が高まりますと、これは税収の増加も期待できますが、他方で、社会保障コストなどが物価スライドで動いていくという面もございますし、それから、今おっしゃった、これだけ国債がございますと金利上昇によって財政負担がかさんでいく、これはプライマリーバランスとは関係ないんですが、極めてそのリスクというものは大きいというふうに考えておかざるを得ないのではないか、利払い費の増加ですね。そういったようなことを考えますと、先般も政府税調に一定の資料を出したわけですが、私は、できるだけかた目の考え方を持って財政再建に備えていくというのが私ども財政当局の心構えであるべきではなかろうか、このように思っております。

 もちろん、今の御議論のように、国債価格が市場の不信認によって高騰することのないようにいろいろな手だては講じていかなければならないと思います。一番基本は、竹中大臣もおっしゃいましたように、財政再建に向けて確実に進んでいっているということをマーケットが信頼してくれることだろうというふうに思います。その上で国債管理政策等がやはり適切になければならないと思います。市場のニーズをどう読み取っていくか、こういうようなことも私どもは工夫しなければいけないと思っておりますが、前提はできるだけ堅実なところに置いて財政再建の見通しをつけていきたい、このように考えております。

岡田委員 ちょっと議論が先に行ってしまったように思いますが、次に、名目成長と財政再建について話を進めたいと思います。

 名目成長率を高めることが財政再建にとってプラスであるのかマイナスであるのか、こういう議論があるかと思います。そういう中で、竹中大臣のお話は、名目成長率四%は堅実な前提である、こういうふうに言われているわけです。これはどちらかというと二〇一〇年代初頭までの話でありますが、実質が二、そして物価の上昇率二%程度、各国もそれが一般的である、したがって、トータルで四%ということを言われているわけであります。

 ただ、名目成長率四%、実質が二を欠ける、そういう数字だとするとGDPデフレーターが二を超える。そうすると、CPIは恐らくそれに〇・五ぐらい上乗せをした数字になるんじゃないかと思うんですね。ですから三に近い数字になってくる、二・五を超えるぐらいの数字を想定しておられるんじゃないかというふうに思います。

 大臣は、各国も二%程度が一般的である、物価上昇率の目標値ですね、というふうに言われているわけですが、各国の物価目標値を設定している国の実績を見ますと、例えば、カナダが一から三、イギリスが二、オーストラリアは二から三ということで、しかもこれは上限ですよね、三というのは。そういう中で、いわばその上限に近づけるような経済運営を日本は行うべきだ、各国がインフレ目標値をとっているその上限に近づけるようなインフレ政策、ある意味でのインフレ政策をとるべきだというふうに竹中大臣はお考えなんでしょうか。

竹中国務大臣 インフレ目標そのものについて、それがよいか悪いか、いろいろな議論が今なされているところであります。その意味では、インフレ目標を置くということを前提にした議論はするつもりはございませんけれども、私が申し上げているのは、日本はデフレです。これだけ実質成長率が高いにもかかわらずデフレが続いている。そのデフレをやはり克服しないと、デフレ下で財政再建を行うということはこれは本当に至難のわざで、その意味では各国並みの状況になる必要があるのではないかということを申し上げているわけです。

 それが二なのか二・五なのか、消費者物価でいうと二なのか二・五なのかとか、そういう厳密な議論をする段階ではまだございません。考え方として、実質成長率は日本はもう十分にあるところまで来ている。私は、二%程度、その実力はあるというふうに思う。

 加えて、今、実物がよくなっているのにデフレが続いているわけですから、そのデフレの状況を、OECD並み、G7並みの状況に早く持っていこうではないか、そうすると四%程度の名目成長という姿は出てくるのではないだろうか、そのような議論をさせていただいているわけでございます。

岡田委員 デフレの克服は、もちろん当面する非常に大きな政策テーマだと思います。ただ、議論されているのはもう少しレンジの長い話で、そのデフレの克服が成った上でどの程度の名目成長、逆に言うと物価の上昇ということを考えていくのか、そういう議論を今しているんだと思うんですね。

 そこで、日銀総裁にお伺いいたしますが、財政再建をするためにも高い名目成長が望ましいという意見があります。これは言葉をかえれば物価を上げていく、そういうことにつながると思いますが、こういう考え方について日銀総裁としてはどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。

福井参考人 財政再建と今後の経済運営の関係というのは、今をスタートとして、非常に将来にわたる長い期間の話でございます。政府の試算をお示しいただきましたけれども、プライマリーバランスの回復まででも二〇一一年、その先に、政府の債務残高のGDP比率を改善していかなきゃいけない。そこまで入れますと、恐らくこの先十年以上の期間を見なければいけません。

 一番大事なことは、私どもの立場から見ますと、まず経済成長の実力を蓄える。潜在成長能力を、人口が減るという厳しい条件を克服しながら実力を蓄える。第二に、蓄えた実力をそのまま現実の実質成長率として発現すること。第三に、その発現した実質成長というものが年々大きな波を打たない、安定的に持続的に成長を実現していくこと。そのための条件は、物価の安定を十分確保しなければ景気は必ず波を打つ。景気が波を打ちますと企業は長期的な投資ができませんので、もとに返って、潜在的な成長能力も上がらないという悪循環になります。

 私は、実力を蓄え、実質成長率をコンスタントに実現し、長期的に企業が投資しやすい環境を実現する、結果的に名目成長率はついてくる、こういう循環が一番望ましいというふうに考えています。

岡田委員 今までの議論で私は三点ほど確認できたんじゃないかと思うんですね。

 一つは、実質成長率あるいは潜在実質成長率を高めることは重要だ。しかし、その場合の目標数値を財政再建の前提の数値として使うのは正しくないということが第一点。

 それから第二点は、名目成長率と名目金利の関係については、これも財政再建の中で議論する際には、これは長期的な話ですが、同じあるいは名目成長率が名目金利を上回るという前提は少なくとも置くべきじゃない。これが第二点。

 第三点は、同じ実質成長のもとで名目成長を高くする。つまり、ある意味での物価を上げるという政策は、これは財政再建についてはプラス、マイナス両面あるわけで、今、日銀総裁のお話のように、長い目で見たときの不安定要因を増すということも考えれば、やはりインフレ的な政策については慎重に考えるべきだ、こういうふうに私なりに理解をしたところでございます。なお経済財政諮問会議あるいは国会の中でこういう議論を続けていきたいというふうに考えています。

 そこで、時間が非常になくなってしまいましたが、一番大事な話で、新たな目標値の設置ということについて議論したいと思っております。

 この点は、私は基本的質疑の中で、小泉総理に、基礎的財政収支黒字化後の次なる目標をどうするのかと聞いたところ、小泉さんは、基礎的財政収支回復後、財政収支均衡を回復後という意味だと思いますが、どの時点で新たな目標を設定するのかというのはその時点の為政者の考える問題ではないか、こういうふうに言われたんですね。私はやや驚いたわけでありますが、与謝野大臣は、債務残高を一定にするのか低くするのか、それは対GDP比なのか絶対額なのかという議論はこれからしなければならないというふうに答弁されたと思います。

 端的に言って、私は、債務残高の対GDP比を毎年下げていくということを明確な目標にする、それが次なる目標ではないか。そのことはやはり六月までにはっきりさせないと、単に基礎的財政収支の均衡だけが当面の目標というだけでは全体の絵がわからないわけですから、そういうものを明確にすべきじゃないかというふうに考えるわけであります。

 この点は、竹中大臣も、基礎的財政収支の黒字を対GDP比二%にするということになると二十年で四割残高は減るという発言もされていたと思います。これは非常にざくっとした議論ですが。

 私は、二〇一一年に仮に基礎的財政収支が均衡したとして、その後、黒字を対GDP比二%、これは直ちにできるわけじゃなくて数年かかると思うんですが、それからさらに二十年で四割削減ということに至るとすると、今から三十年近く、二十五年から三十五年先の話なんですね。そのときに残高が四割減っているというのはぎりぎりの数字かな、次の世代に責任を果たすという意味では。それ以上、四十年も五十年もかけて残高が三割減った、四割減ったというのでは、やはり次の世代に責任を果たすことにならないんじゃないか。

 そういう意味では、次なる目標は、端的に言えば対GDP比でプライマリー黒字を二%、そこに到達する、そしてそれを維持していく、そのことによって残高を減らしていくというのが次なる目標ではないかと思いますが、与謝野大臣、御見解を聞かせていただきたいと思います。

与謝野国務大臣 プライマリーバランスの到達というのは、あくまでも財政再建の第一歩でございます。プライマリーバランス自体は、借金の話を除いて均衡させるという話でありまして、二〇一一年にプライマリーバランスを到達したときに、財政の構造として、借金が雪だるま式にふえていくという状況、これをやはり避けるということが第二の目標であると思っております。

 私は答弁で国債残高の絶対額ということを申し上げましたけれども、直観的には、多分それを減らすというのはかなり難しい話であって、やはり対GDP比一定にする、ないしは減少させていく、そのためのプライマリーバランスの黒字をどの程度つくるか、こういうことが大変大事だと思っております。

 特に、成長率と日本の財政との関係を見ますと、成長しますと確かに税の自然増収はふえます。これはプラスの要因。ただ、マイナスの要因は、金利が上がると国債費がふえる、それから、物価連動しております社会保障関係の支出がふえるというようなマイナスの面もありまして、どこがちょうどバランスのいいところかということは、これからいろいろ数字を出して計算して、一定の結論を得たいと思っております。

岡田委員 私は、プライマリー黒字、GDP比二%ということになりますと、約五百兆の二%ですから十兆円ですね。そして、プライマリー黒字化のために約十五兆円程度、財務省は最近二十兆という数字を出したようですが、十五兆円程度の要調整額が出てくる。それにさらに十兆円ですから、合計すれば二十五兆円の要調整額。これをどうやって達成していくのか。歳出削減と増税、その組み合わせをどうするのか。こういう議論がその本質だというふうに思うわけであります。

 谷垣大臣は、来年度にも消費税増税の法案ということを言われた時期もあるんですが、私は、ここはやはり、歳出削減の具体的な案をどうやって六月までにつくり上げるのか。それは、一般会計、特別会計、地方、そして物件費、人件費あるいは社会保障、そういうものについてきちんと絵をかいて、そして、でき得ればそれを法律の形にする。財革法というのはかつて失敗しました。いろいろな意味で失敗しましたけれども、その失敗を踏まえた上で新しい法律をきちんとつくり上げて、これを必ず政府としてやり遂げる、そしてその第一歩が現に示された、そういったところまで行って初めて、国民の皆さんは、増税について議論する、そのことについて理解が得られるのではないか、こういうふうに思うわけであります。

 そういう意味で、具体的なプログラム、歳出削減のプログラム、そしてそれを法律にするということについて、谷垣大臣、いかがお考えでしょうか。

谷垣国務大臣 それこそこれからの経済財政諮問会議での議論なんですが、委員がおっしゃるように、選択肢を示すと言っておりますけれども、できるだけ具体的な選択肢をお示しして、国民的な議論を喚起していくようなものでなければならないだろうと思っております。それをどういう形に、法律にするかしないのかというのはまだ私ども十分考え詰めておりませんけれども、できるだけ具体的な議論の材料をそろえていこう、このように考えております。

岡田委員 私は、重要なのは、国民に選択肢を示すということも議論のためには重要ですが、しかし、政治の意思をしっかり示すことだと思うんです。これだけ歳出の効率化、削減をやっていく、それも具体的に示す、それがどれだけ説得力があるかで、国民はその次のステップとしての増税の話、負担増の話について理解が得られる、それが政治の手順じゃないか、こういうふうに思っております。

 したがいまして、六月の段階で、単なるケース分けで、これだけ歳出削減すれば残りはこれだけ増税が必要だとか、そういう絵を示すだけではなくて、具体的に、政治の責任としてこれだけの努力をするんだ、歳出削減の努力をするんだということを説得力を持って語っていただきたいし、そして、それはやがて法律という形で国民にしっかり約束をする、その上での負担増の話ではないか。負担増を否定するものではありませんが、やはりそういった手順というものは非常に重要ではないかということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

大島委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。

 次に、加藤公一君。

加藤(公)委員 民主党の加藤公一でございます。

 岡田さんの格調高い質問の後に極めて各論でございますが、きょうは、税制の問題で二テーマと、そして、先日に引き続いて障害者雇用の問題と、伺ってまいりたいと思います。

 まず、その税制の問題のうちの一つのテーマでありますが、谷垣財務大臣にお伺いをしたいと思います。

 この問題、これから御質問させていただきますけれども、複雑でありまして、なかなか聞いているだけじゃよくわからない方も多いんじゃないかと思いますので、ぜひわかりやすく御説明をいただきたいということを最初にお願い申し上げておきたいと思いますが、今回、特殊支配同族会社の役員報酬が損金算入できなくなる、こういうお話を承っております。一体何でこの改正をされるのか、まずそこから教えていただけますか。

谷垣国務大臣 できるだけわかりやすく申し上げたいと思うんですが、いわゆるオーナー企業ということを考えていただきたいと思うんです。オーナーがみずからの役員給与、これをその法人段階で経費として計上する、つまり損金として算入するということをいたすといたします。一方で、その役員給与について今度は個人として個人段階で給与所得控除を受ける、こういうことが今までの税制では可能になっているわけです。そうしますと、全く個人で事業をしておられる方から見ますと、いわゆる経費の二重控除じゃないかという問題が出てまいりまして、ここに個人事業者との課税上の不公平があるのではないかという議論は昔からございました。

 それと同時に、オーナー企業において、これはそういう方ばかりではないんですが、いわゆる節税対策と申しますか、課税所得の操作の余地を与えるというようなことも従来指摘をされてまいりまして、法人の経費のあり方としては問題があるのではないかという議論が行われてきたところでございます。

 そういう中で、会社法の改正がございまして、ことしの五月から施行されるわけでございますが、この会社法の中で一人会社を全面的に解禁するということが起きてまいります。それから、最低資本金制度というものも撤廃をされる等々、法人の設立というものは極めて容易になってくるわけでございます。そういう法人設立、法人成りが極めて容易になってくる状況の中で、個人事業者が租税回避を、そういう方ばかりだというわけじゃないんですよ、個人事業者が租税回避を目的として、よし、法人になっていこうというようなことがどんどん起きてまいりますと、個人事業者との間の課税上の不公平というものがさらに増大するおそれがあるのではないか。

 そこで、この十八年度の税制改正におきまして、オーナーによる支配の度合いが高い実質的な一人会社、先ほど特殊支配同族会社とおっしゃいまして、難しい言葉でございますが、典型的には一人会社を考えていただければいいんですが、それと実質的に同視できるような実質的な一人会社のオーナーの役員給与については、法人段階で給与所得控除相当部分の損金算入を原則として制限しよう、こういうねらいでつくったものでございます。

加藤(公)委員 今のお話ですと、個人事業主の方が法人化しようというときに、すべての方ではないけれども、中には過剰な節税対策を意識してそうされる方が今までもあって、あるいは、これから会社法が変わるとそういう方がふえるんじゃないかという懸念がある、こんなお気持ちかと思います。

 しかし、もともと法人は法人としての仕組み、ルールがあって、税制も法人税と所得税と別々にあって、そもそも別なんですよね、個人で御商売をされている方と法人というのは。そもそも別なものを、何だか、もしかするとちょっと余りよろしくない方向で使う人が中にいるから、あるいはふえるかもしれないから、ここは少し増税をして不公平のないようにしよう、こんなお考えのように聞こえるんです。

 しかし、そもそもその法人税と所得税というのは趣旨も違うし、個人事業主の方と法人というのはそもそも仕組みもルールも違うわけでありますから、それをごちゃごちゃにして公平にしようと言っても、それは無理があるんじゃないかというのが私の感覚なわけであります。

 例えば、今の大臣の御説明を仮に承って、公平性を保つとするならば、いいか悪いかは別、ちょっとわきへ置いておきますが、いいか悪いかは別にして、例えば個人事業主の方にその給与所得控除相当分、名前はわかりませんけれども、何か控除をするという方法もあるかもしれないし、あるいは、同族企業の役員の方の給与所得控除をなくすという方法も、これもあるかもしれないわけですね。

 その中で、何で今回は、公平に課すと言いながら、法人税でそれを公平にしよう、そう考えられたのか、ここが私は全くわからないわけであります。わかりやすく説明してもらえますか。

谷垣国務大臣 わかりやすくという御注文でございますので。

 今回の措置は、所有と経営が事実上一体化しているオーナー企業による課税上の操作を防止するためだと先ほど申し上げたわけですが、そういう形で法人経費の適正化を図ろうというものでございますから、法人段階で、今、所得税でやる方法もあるじゃないかとおっしゃったと思うんですが、そういう法人経費の適正化を図るという観点からいきますと、法人税段階で給与所得控除相当部分について損金算入の制限措置を講じていくということが自然な考え方ではないかというふうに考えているわけであります。

 そもそも、実質的な一人会社におけるオーナーへの役員給与の支給というのは、株主に対する法人の利益の還元であるという点において、配当の支払いとなかなか差別化が難しいということも事情としてはございます。

 それから、会社法の先ほど申し上げました五月からの施行を契機として、租税回避を目的とする法人成りを防止していこうという観点があるわけでありますが、これは、特定の形態の法人に着目して措置を講じないとなかなかしにくいということがございますので、こういう一部の法人について生じてくる課税上の弊害を是正するのであれば、端的に法人段階で手当てを講じていくことが自然なのではないか、妥当なのではないか、こういうふうに私どもは考えているわけであります。

加藤(公)委員 しかしそうはいっても、法人という枠で考えれば、今回条件として課されるのは、資本構成と、あと、常勤の役員の方の人数、ほんのわずかな資本構成が変わることによって税金が大きく変わる可能性が出てくるわけですね。同族の資本が九〇%以上という縛りがかかっているかと思いますけれども、これは、持ち合いして例えば八九パーに抑えちゃったら、回避されちゃうわけじゃないですか。

 すると、法人という枠の中で解決しようとすると、そのほんのちょっとしたところでまた新たな例えば節税対策みたいなものが生まれたり、逆に不平等を生むんじゃないかと私は思うんですが、そう思われませんでしょうか。

谷垣国務大臣 確かに、九〇%ということにしますと、八九%までやられたらどうかというような議論は、これは常にある議論ではございます。そういうことよりも、委員の御質問の趣旨は、新たな課税上の不平等を生むおそれがあるんじゃないかと、恐らくそういう御趣旨だろうと思うんですね。

 我が国の税制におきましては、少数の株主などによって支配されているいわゆる同族会社については、その会社やあるいはその関係者の税負担を不当に減少させるような行為とか、あるいはそういう計算が行われやすいという面がございます。そういうことにかんがみて、その課税上の公平を期するため特別な規定を置いて規律しているということでございますので、こういう中で課税所得の操作のたやすさということから考えますと、やはりほかの方が入ってきているというよりも、こういった同族性に応じてその法人の経費の見方、これは厳格にしていかなければならないというのは、私はやむを得ない点ではないかと思っております。

 そこで、特に個人事業者と同視し得るような実質的な一人会社について今般の措置を講じるということにしたわけでございまして、冒頭に申し上げました個人事業者との課税の公平の観点という点から見ますと、私どもは十分合理性のある今度の措置だというふうに考えているわけでございます。

加藤(公)委員 今のお話でありますと、法人税を課されるようになるケースの場合と、所得税で例えば税金を払われる場合とですと、税率の違い等もありますから、一概に皆さんが公平に課税されるということにならずに、逆に、今回の改正によってまた新たな不公平が生まれるんじゃないかという気も私はするわけですね。もちろん、税金の話というのは、理屈だけじゃなくて実態もあるでしょうし、また、納税者の方の気持ち、感情というのも極めて大事だろうと思いますから、ちょっとそんな観点からも、私は違いますけれども、もし私が当事者だったらどんな感覚なんだろうというのを想像してみたわけでありますが。

 これは、何も私が試算をしたわけじゃなくて、財団法人の大蔵財務協会というところが出していらっしゃる資料に試算があるんですね。法人所得が百万円で、その役員の方の給与が八百万円だった場合に、そういうケースの場合にどれぐらいの増税になるかというと、約六十二万円増税になる、こういう試算をしていらっしゃるわけですね。私はまだちっとも納得できておりませんが、仮に財務大臣のおっしゃることがすべて正しかったとしたとしても、ある日突然唐突に、はい、来年からあなたは六十二万円増税しますと言われたら、これは納得しろという方が無理じゃないかと思いますけれども、大臣、そう思われませんか。(発言する者あり)

谷垣国務大臣 今、議場内でもいろいろな議論が行われているわけでございますが、少し背景にさかのぼって申し上げますと、十八年度の税制改正におきましては、同族会社の留保金課税制度の抜本的見直し、それから交際費の損金算入範囲の見直し、それから中小企業投資促進税制の拡充、こういう形で中小企業に配慮を行っているわけでございます。

 こういう中で、今般の措置は、先ほどから申し上げているわけですが、あくまで租税回避行為を防止して、そして課税上の不公正を是正していこうということなんですね。

 ですから、開かれた経営が行われている中小企業であるとか、あるいは、オーナーのいわば片腕ともいうべき番頭さんを役員にしておられるとか、あるいは、従業員持ち株会の活用を通じて従業員と経営陣の一体的関係が構築されているような中小企業であれば、これはそもそも対象となっていないわけです。それでまた、中小零細企業を適用除外とするというように、所得の少ない中小企業にも配慮をしておりますので、この適用対象となる法人は相当程度限定されているのではないかというふうに考えております。

 こういう対象を限定した中で、なおかつ節税メリットを享受している法人についてそれに応じた課税が行われることは、これは課税の適正化の中で私は不可欠であるというふうに申し上げていいのではないかと思います。

 先ほどお挙げになった大蔵財務協会の試算、法人所得百万、オーナー給与八百万のケースをお挙げになって、約六十二万だというふうにおっしゃいました。それで、これがそもそも同等の所得水準である個人事業者と比べた場合のその税負担差、節税額と申しますか、それは一定の仮定を置いて計算すれば、七十四万というようなことではないかと思っております。

 そういうようなことがいろいろございますので、今委員のおっしゃった御議論は、私は必ずしも当たらないんではないかというふうに考えているところでございます。

加藤(公)委員 今回のこの税制改正、これは、理由は私は知る由もありませんが、本当にぎりぎりのところで唐突に出てきたという印象は否めませんし、また、多くの方が決して理解あるいは納得をされているものでもないと思います。

 実際に、いい悪いは別にして、相当額増税になる方が多数いらっしゃるのもまた事実でありますし、さっき私が申し上げて、これは大臣も、そういうケースがあればそれはそのとおりだとおっしゃっていましたけれども、例えば株式の持ち合いを少し工夫されてしまえば適用されないとか、新たな不公平の芽というものもこの中には私はあるというふうに思っておりますので、そこが大変私は懸念をしている、心配事だということだけ申し上げておきたいと思います。

 税制のテーマで二つ目でありますが、今度は地方税でございまして、竹中総務大臣に固定資産税の問題についてお伺いをしたいと思います。

 これは、固定資産税の税率云々の話じゃありませんで、北側大臣にもお運びをいただいておりますのは、この固定資産税の評価基準と税金との関係についてきょうは伺いたいと思っております。

 御案内のとおり固定資産税は、もちろんその土地の面積をもとに課税をされるわけでありますが、原則、登記簿に記載をされている地積をベースにして課税をされるということであります。この不動産登記でありますが、御案内のとおり、明治時代から数字が変わっていないものもあります。つまり、それだけ誤差が大きいのではないかという疑問があるわけであります。

 まず最初に北側国交大臣に伺いますけれども、日本全体で地籍調査がどの程度進んでいるのか、つまりは、その登記簿の登記面積というものが正しく記載をされている、現況と一致をしている割合というのはどの程度か、教えていただけますでしょうか。

北側国務大臣 地籍調査の進捗率でございますが、平成十六年度末現在の数字でございますが、全国で四六%の進捗率でございます。

 しかしながら、都市部においては進捗が大変おくれておりまして、直近のデータでは一九%にとどまっているところでございます。

加藤(公)委員 つまり、日本全国で登記簿に記載をされている土地の面積と現況が確実に合っていると言い切れるのは、何と四六%しかないということであります。そうすると残りの五四%は、ずれているのか、それとも、地籍調査はしていないけれども実はそんなにずれていないのか、ここが関心事になります。

 過去、四六%地籍調査を進めてきた中で、調査前の登記の面積と調査後の実際の土地の面積、どれぐらいずれていらっしゃいましたでしょうか。北側大臣に伺います。

北側国務大臣 この調査実施前と調査実施後との比較でございますが、地域によりましても大分異なりもあります。また、宅地とか農地とか、地目によっても大きな違いがあるわけでございますが、昭和四十五年度から平成十六年度までの成果の集計によりますと、全国の総平均で約二四%の増加となっております。

加藤(公)委員 つまり、登記簿に記載をされていた面積を実際にはかってみたら、それよりも二四%、あくまでも平均ですが、実際には二四%も広かった、こういうことであります。

 しかし実際には、固定資産税はその登記簿に書いてある面積を前提として課税をされているわけであります。二四%というのは大変なずれでありまして、これがいい例かどうかわかりませんが、仮に日本全国だといたしますと、四国四県分ぐらいずれていたという計算になります。それほどまでにいいかげんな登記簿を前提にして固定資産税を課税するということ、大きな不公平があるんじゃないかと思いますが、総務大臣、いかがお考えになりますでしょうか。

竹中国務大臣 固定資産税、なかんずく、土地に関する課税標準の大変重要な問題でございますけれども、土地に係る固定資産税、実は、一億八千万筆、一億八千万カ所の土地を一時に評価して毎年課税しなければいけない、そういう非常に大きな作業になります。市町村において全筆の土地の現況を把握できればいいんですけれども、残念だけれども、それがなかなかできないというのが現状でございます。そこで、その土地に係る固定資産税を課税する場合の地積は原則として登記簿に登記されている地積による、ほかの代替手段が現実にはなかなかないというのが現状であろうかと思います。

 そういう場合に、いろいろ後で御質問があるかもしれませんけれども、現実と違う場合、大きい場合、少ない場合はどうするかというようなことに対しては、現状に合わせて適切に対応をしていかなければいけないと思っております。

加藤(公)委員 大臣、お立場はあるんだろうとは思いますが、私が伺っているのは、課税の前提になっている登記簿の面積がこれだけずれています、それを前提にして固定資産税を徴収する、納税者の側からすると不公平感を持っても当然ではないですかということを聞いています。その先の話、いや、これは仕方がないんだという言いわけを聞いているんじゃなくて、不公平だと思われませんかということを伺っています。いかがですか。

竹中国務大臣 いろいろな御意見が当然あろうかと思いますし、現状、できるだけ地籍調査をさらに進めて、それでよりしっかりとしたものにしてほしい、これは多くの方が素朴にそのように思っておられると思います。

 ただ、ではもっと公平な方法が現にあるかということになりますと、残念ですけれども、それはなかなか見当たらないというのが現状でございまして、今の登記簿を原則にしながら、必要に応じて修正できるところは修正を加える、そのようなやり方で対応をしているわけでございます。

加藤(公)委員 不公平だけれどもいたし方がない、ほかに余り方法がないからとおっしゃいますが、これはきょうの議論の実は本筋ではないんですが、本来であれば、地籍調査をもっと進めて正確な地図を先に整えておけば、これは問題は実は解決するんですね。昭和二十六年からこの地籍調査を始めているにもかかわらず、いまだ四六%しか整っていないということに問題が本来はあるんだろうと思います。

 この議論は、実は、過去、私も別の委員会で幾度かさせていただいておりますし、きょうの本論にここを置こうとは思っておりませんでしたから議論をあえていたしませんけれども、本来であれば、公費を使って調査をしてでも正確な地図を整えるということが極めて意義が大きいということは、意見として申し上げておきたいと思います。

 固定資産税はすべてが土地じゃないことは承知はしておりますが、固定資産税そのものが三兆五千億円余りあるという中で、大変大きな税金でありまして、それの課税の基礎になる登記簿が正確なものは四六%しかありませんよと、この状態であります。この先ずれている可能性、これもあくまでも推測値でありますが、過去の経験則からすれば、二四%ぐらいずれていてもおかしくはないというこんなありさまです。正しい地籍調査が済んで正しい課税がされると、これは数千億円単位のずれが発生をする可能性だってある。これを、不公平だけれどもほかに方法がないから仕方ありませんねで済ますというわけにはいかないんじゃないかというふうに私は思うわけであります。

 そこで、資料をきょうは配らせていただいておりますが、資料の一というのをごらんいただきたいと思います。この資料の一というのは、先ほど来議論をさせていただいております固定資産評価基準、つまり、何をもって固定資産税を決めていくのか、旧自治省の告示、今でいうところの総務省の告示でこれが定められております。文字でつらつらと書いておりますとわかりにくいので、この資料一の上の段に表にさせていただきました。

 いわゆる登記面積の方が現況よりも広く書いてある、つまり縄縮みの場合というのと、登記面積の方が現況よりも小さく書いてある、縄延びの場合とあります。一番いいのは、ぴったり合っていれば一番いいわけでありますが、それは、四六%の地籍調査が済んだところ以外にはその確証がないわけであります。縄縮みの場合と縄延びの場合で地積の認定の仕方が異なっています。なぜですか、総務大臣。

竹中国務大臣 縄縮みと縄延びについての御指摘でございます。

 これは言うまでもありません、そこに書いてくださっていますけれども、縄縮みというのは、実際の現況が登記の地積より小さい場合、これに対してもしも現況の登記地積に基づいて課税をすれば、現実に存在しない地積の部分について課税をするということになってしまいます。これはやはり納税者に対しては著しく不利益が生じるということでありますので、その場合は、実際が狭いんだったら、その狭い方に合わせましょうというのがその趣旨でございます。

 一方で、今度は縄延び、つまり、実際にはかってみたら、そっちの方が登記よりも大きかったという場合でございますけれども、この場合どうするかというのはいろいろな御意見があるところかもしれません。総務省の現在の考え方は、直ちにこれは納税者の不利益になっているものではないだろう、それと何よりも、他の土地との評価の均衡の観点があるだろうということで、登記の地積によることが著しく不適当と認められる場合においては、これは現況地積によると。非常にその程度が大きいとか著しく不適切な場合はあくまで現況によるわけでございますけれども、そうじゃないときは登記の地積による、そのような定めにしているわけでございます。

加藤(公)委員 縄縮みの場合には納税者の方が損をするから現況による、縄延びの場合には納税者の方は損はしない、逆に得をしているから、よっぽどのことがない限りは登記簿の面積ですよ、こういうお話ですが、しかし、縄延びの土地がそれだけあるということは、ほかの納税者との公平性を考えれば、明らかにそこに問題があるはずですから、縄延びの場合だけ登記簿優先だというのはどうも私には納得がいかないわけであります。

 もう一つ申し上げれば、著しく不均衡がある場合に、縄延びの場合であっても現況でもいいですよと書いてありますが、納税額を得をしている御本人が、私、得をしていますからもっと税金を取ってくださいという方は、よっぽどの方じゃない限りはいらっしゃらないと思います。あるいは御近所の方が、あの家おかしい、得をしているはずだ、これもわかるはずがない。では、一体だれがそれに気がついて、この著しく不均衡な場合というのを指摘し、そして現況で課税をするということが行われるのか。実際にはこれは起こり得ないケースじゃないかと思います。

 ということは、結局のところ、縄縮みの方は現況でやってください、私、都市部なんかは縄縮みのケースが多いと思いますが、住宅密集地は多いと思っていますけれども、そういう方は現況ですよ、しかし、縄延びで得をしている皆さんはこの先もずっと得をしていて構いませんとおっしゃっているのと同じじゃないですか。どう思われますか、総務大臣。

竹中国務大臣 縄縮みの場合はともかくとして、縄延びの場合、今のままでよいのかという委員の御指摘でございます。

 直ちに納税者に不利益が生じない、それはまあ、たくさん払いたいという人は原則としていないわけでございますから、委員の御指摘のような論点というのは確かにあるんだと思います。しかし、やはり他の土地の評価との均衡、他はこれで評価している、他は登記簿で評価している、それとの均衡で、そこの観点にだけ厳密に地積のとおりというのは現実問題としてはこれはなかなか難しい問題がある。そこで、登記地積によることが著しく不適当と認められる場合において現況地積によるというふうにしているわけでございます。

 現状、制度に対していろいろな問題があるということは私たちもよくわかります。ただ、そのためには、やはりこの地籍をさらにさらにしっかりとやっていただくということ以外になかなか整合的な解決策がないというのも現実でございまして、これは今国土交通省でしっかりといろいろなことをお考えであろうかとは思いますけれども、その動向を見ながら我々も適切に判断をしていきたいと思っております。

加藤(公)委員 仕方ない、仕方ないと言っていると、いつまでもこの不公平、不平等の状態は続いちゃうわけですね。

 先ほどごらんいただいた資料一の下の段の旧自治省の告示ですけれども、一番、二番というのはわかりやすく上の表に書きかえました。

 では、三番に何が書いてあるかというと、これは、一つの市町村の中で地籍調査を進めていても、地籍調査が済んだところは正しい評価になる、それ以外のところは縄延びしているかもしれない、その場合には、地籍調査が済んだ土地であっても昔の登記面積でいいですと言っているんですよ、この三番のところは。つまり、地籍調査が済んでいる地域であっても、縄延びした昔の数字で税金を納めてくれれば結構ですという話なんですよ、この三番目。

 これはおかしな話で、いいですか、そうすると、ある自治体、ある市町村の中すべての地籍調査が済まないと、その市町村の固定資産税が実態と合わないということなんですよ。そうすると、日本全国の二七%しかないんですよ、まだそういう市町村は。日本全国の二七%の市町村しか、正しい土地の面積に従って固定資産税を納めていないということなんです。これを放置していいとは私は到底思えない。しかも、これは告示ですよ、法律じゃありません。竹中大臣がここでこの告示を変えましょうと一言言えば変わるんです。竹中大臣が変える気になれば変わる話です。

 では、一言伺います。谷垣さん、相続税の場合は何をもとに課税されるんですか。現況ですか、それとも登記簿ですか。

谷垣国務大臣 相続により取得した財産の価額は、相続税法の二十二条で、当該財産の取得のときの時価によるということとされておりまして、要するに、土地の価額は、取得時における実際の面積に基づいて行うというのが原則でございます。

加藤(公)委員 その上で伺います。

 竹中総務大臣、御自身で変えられる話ですから、この告示を御自身で変えて、固定資産税も現況によって課税をするんだ、縄縮みの場合だけじゃなくて、縄延びの場合も現況によって課税をするんだ、こう変える御決意ございませんか。

竹中国務大臣 課税というのは、他との公平というのが私は常に問われるというふうに思います。したがって、この土地、地積と現況でいろいろな問題が確かにある場合もございましょう。しかし、隣の場合はどうなのか、その隣はどうなのか、そういう特に毎年毎年お支払いになる税について横並びの水平的な平等というのが、私はやはり大変国民、住民の大きな関心事になっているのであろうかというふうに思っております。

 そうした中で我々は、登記簿に登記されている地積によるということを原則にして、そうした中で実際に現況と著しく違う場合には、それに対して適切に現実的な判断をしていくというような仕組みをとっているわけでございます。

 その意味では、総務大臣としてぜひこれから協議をしていきたいと思うのは、やはり地籍調査をできるだけきちっとやっていただいて、登記簿そのものがよくなっていく、そういうことを通じて課税の真の平等を実現していく。そのことを、これはもう国土交通省でもいろいろ頭を悩ませて今御苦労していただいていると思いますが、そういう方向でぜひ課税の平等を図っていきたいというふうに思っております。

加藤(公)委員 今、竹中さんがお答えになったのは、この土地は地籍調査が済んで正しくなりました、でも、お隣はまだだからここの不均衡があるんじゃないか、こっちの土地はまだだから不均衡があるんじゃないか、こういう話かと思います。

 さっきの旧自治省の告示、三番、問題を指摘させていただきました。同じ市町村の中であれば、こっちは調査が済んでいる、こっちは済んでいない、そのときには全部縄延びさせておいていいですよ、こういう話です。

 だけれども、この市町村の一部の人のことだけ考えるんじゃなくて、日本全体のことを考えたら、四六%は地籍調査が済んでいるんですよ、五四%は済んでいないんですよ。その不均衡はいいんですか。幾ら地方税とはいっても、地籍調査の済んだ地域と済んでいない地域がこれだけはっきりしている。しかも、そのずれが一%、二%で細かいことを言っているんじゃありません。平均で二四%ずれてきたという結果があります。二四%すべてが平均してずれているわけではありませんから、全くずれていないところもあれば、逆に、縄縮みといってマイナスだったところもある。だとすれば、大きくずれているところは五割増しだったり、下手したら倍ぐらいずれていたり、こんな土地だってあったであろうことは簡単に想像がつくわけであります。

 その状態で、税金の基本、公平、中立、簡素、この原則に照らして考えて、現況によって課税をするということがそんなにむちゃな話だと私は思わないんですが、もう一度伺います。御自身で変えられるこの告示を変えて、正しい課税をされるというお考えはありませんか。

竹中国務大臣 固定資産税は、言うまでもなく市町村税でございます。市町村が課税の主体としてそれぞれの平等性を判断なさる問題であるというふうに思います。市町村間でその判断がいろいろ違ってくる場合、税率も場合によっては違ってくる場合、これはまさに地方の自治の問題としてあり得るわけでございます。

 市町村の中での市町村税としての固定資産税でございますから、それの中での均衡、平等をどのように図っていくかということで各市町村がいろいろと工夫をしておられるというふうに思います。

加藤(公)委員 そんな話は聞いていなくて、課税の基準になる地積の決め方は、旧自治省の告示、つまり、今であれば竹中大臣の御意思によって変えられるものであります。それは、お立場もいろいろあるでしょうから、ここですぐ、ではあしたから変えますと言えないことぐらいはよくわかります。しかし、ここまで問題があることを今の議論の中でおわかりをいただいて、地籍調査を一生懸命進めてもらえばいいんじゃないですか、それは国土交通省で頑張っていると思いますじゃ済まないんじゃないですか。

 昭和二十六年からですよ、地籍調査を始めて、さっきも申し上げましたけれども。まだ四六%しか済んでいないんですよ。市町村ごとでいったら二七%しか済んでいません。残り七三%の自治体、これは合併なんかがあって数が変わっているかもしれませんが、昨年三月三十一日時点で七三%の自治体は、その市町村全体の地籍調査が済んでいる状態にはないわけです。さっきの告示の三番の理屈からいえば、それは昔の登記簿の面積で結構ですと言っているに等しいわけです。あんまりじゃないですか、幾ら何でも。まじめに税金を納めている方がこの議論を聞いたら、おかしいと思われると思いますよ、私。

 これから先、今までもそうでありましたが、国民負担がふえる議論をしているときに、何も増税しろと言っているんじゃないんですから、皆さん公平に正しい課税をしましょうと言っているんですから、総務省としてこれをほったらかしにするという理屈はないと思います。

 大臣、いかがですか。告示を変えられるお考えはありませんか。

竹中国務大臣 先ほども言いましたように、これは市町村税でございます。同じ市の中で、一カ所は新しい基準によって評価をされている、別のところが古い基準によって評価をされている、それについて、新しいところについては新しい基準に基づくということが適切かどうかということに関しては、私はやはりいろいろな御意見があろうかと思います。

 そういう中で、各市町村でできるだけ早く私は地籍調査をやっていただきたいと思いますし、そのことは、国土交通省も我々も考えていることは同じでございます。

加藤(公)委員 市町村の中で不均衡があるという問題と、日本全体で不公平があるという問題とあるわけですよ。市町村の中で、こっちは調査が済んでいます、こっちは済んでいません、だから全部をまとめて調査が済んでいない状態で課税をしましょう、とても私には理解できないけれども、ただ、百万歩ぐらい譲れば、その大臣のお立場で議論をすることもできます。しかし、日本全体を見て、明らかに縄延びしている土地があって、片やきちんと税金を納めている方があって、これが不公平じゃないとおっしゃる方はほとんどいらっしゃらないと思うんですよ。それは大臣だってそう思われるから、さっきからめちゃくちゃ歯切れが悪いんじゃないですか。

 本当にこれで正しいと思いますか。では、日本じゅうの皆さんの前で、いや、こんなに正しい税制を私は仕切っているんだと言えますか。堂々と言えるとは思えないですよ。これは不公平だ、だからできるだけ早く改善をしたい、あしたから変えられなかったとしても、できるだけ早くこれは改善をしたい、そのための知恵を少し絞ってみます、それぐらいの答弁をしてもいいと思いますが、いかがですか。

竹中国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、これは、市町村の中で公平か不公平かということが当然にまず問われなければいけません。市町村の間で固定資産税が違ってくるというのは、ある種自治の範囲の中でこれはあり得ることであろうかと思います。その意味では、今の制度のもとでやはり市町村にいろいろな工夫をしていただくというのが一番よいことであろうかと私は思っております。

 今の制度が最適かと言われれば、これはやはり最適ではない、いろいろな問題点がある、課税標準を確定するに当たっては常にいろいろな難しい問題があるというふうに私も思います。しかし、では、その行き先としてどういう解決策が考えられるかということになってきますと、非常に遠い道のりではありますけれども、やはり地籍調査をしっかりとやっていくということ以外になかなかその方法は見つからないのではないかなというふうに私は思っているわけでございます。

 その意味では、現状のいろいろな問題点を認識しながら、各市町村においてしっかりと運用をしていただくということが必要だ、そして、国としては地籍調査をできるだけしっかりとやっていくということが必要だ、それが我々としての対応の方向であるというふうに思っております。

加藤(公)委員 本当は、時間に限りがありますから、私、次の質問に行こうと思って今待っていたんですが、納得できない。今の大臣の答弁であれば、地籍調査をしっかりやるのが国としての責任だと。では、その地籍調査をしっかりやるために、大臣、何したんですか。

竹中国務大臣 これは、国土交通省と総務省の間で常にそういう話はしておりますし、これは国会でも地籍調査について何度も御指摘をいただいて、国土交通省の方でもしっかりと御対応いただいているというふうに認識をしております。

 我々としても、しっかりとした課税の仕組みをつくっていきたいという思いは同じでありますので、引き続き国土交通省としっかりと協議をしていくつもりでおります。

加藤(公)委員 北側大臣、今竹中総務大臣はこういうお話をされていましたが、総務省と協力をして今まで以上に地籍調査をお進めになるお気持ちはありますか。これは別に通告の必要のない御意思の問題でありますので、御答弁ください。

北側国務大臣 委員のおっしゃっておりますように、課税の対象となるものを正確に把握するためにもこの地籍調査というのは当然重要でございますし、また、土地取引をさらに円滑化していく、また、個人資産を保全していく等々の観点からも非常に大事な意義があるというふうに考えております。

 これは補助事業でございまして、市町村の事業でございます。この市町村の事業につきましては、国が半分の補助、さらに都道府県が残りの二五%、市町村は二五%なんですが、この二五%のうち八割は総務省の方から特別交付税措置がなされておりまして、実質は五%負担なんですね。市町村の方でしっかりとこの地籍調査の持っている意義というものを御理解いただきまして、進めていただくことが必要であると思っております。

 どうしても市町村の方は、ほかに必要な、あした、あさって必要なものがたくさんございますので、そちらの方に使ってしまう。地籍調査という先の長い話にはなかなか必要性を感じない部分もありますので、そこはしっかりと総務省と連携をとって、この地籍調査の重要性というものをよく御理解をいただいて、しっかり進めさせていただきたいと考えております。

加藤(公)委員 市町村に任せているといつまでたっても進まないというのは、過去の実績でおわかりのとおりであります。ちょっと残念ながら時間に限りがありますから、次の機会があればもう一度議論させていただきたいと思いますけれども、決してこれはほうっておいていい話ではないし、地籍調査が進めばそれでいいなんという悠長なことを言っている話でもないということだけ、きょうは申し上げておきたいと思います。

 川崎厚生労働大臣と猪口大臣、お待たせをいたしました。障害者雇用の問題について伺いたいと思います。

 資料の二と三というのがあります。これは、前回、資料の二というグラフをごらんいただいて、質疑の最後に私から、従業員数三百人以下の中小企業についても障害者雇用納付金制度の対象にするべきではないか、こういう御提案をさせていただきました。川崎大臣からは、中小企業の経営状況なんかを考えながら、そこまでは踏み切れないと、若干煮え切らない御答弁があったかと思います。

 きょうは、その資料二に加えて資料三というのもつけております。この資料三というのは、資料二で分類をしてある従業員規模別に仮に法定雇用率を達成したとしたらどれだけの雇用が生み出されるかというのを計算したものであります。これは私が計算をいたしました。

 この資料三を見ていただいてもおわかりいただけるように、確かに中小企業の経営に対する負荷というものは私も理解をいたしますけれども、従業員数三百人以下の企業に対しても、今まで以上に障害者の方の雇用に積極的に取り組んでいただかないとこの問題は解決をしていかないということは、この数字があらわしていると思います。

 そこで改めて伺いますが、本則のとおりにこの納付金制度を三百人以下の企業にも適用するお考えがあるかどうか、川崎大臣にお伺いをしたいと思います。

川崎国務大臣 私の答弁にももうお触れいただきました。この十年でしょうか、下がってきております。当初は、中小企業は高い位置づけにあった。一方で、中小企業に納付金を義務づけるということについては、経営を考えていった場合どうであろうかということで猶予条件になってきております。

 近年のこうした中小企業の下がり、もちろん、企業の社会的責任で果たしていただかなければならないわけでありますけれども、一方で、納付金制度、経済的負担をいただくという中小企業の経営状況に今あるか、障害者雇用の大事さ、これを政治的にどう判断していくかということになろうかと思います。そういった意味では、例えば三百人をもう少し下げてみたらどうだという御提言もあるだろうと。十分検討はしてまいりたいと思います。

加藤(公)委員 資料の四というところに、旧総務庁の行政監察局が出した勧告を一枚つけさせていただきました。

 平成八年に、既に、今私が指摘をさせていただいたことを旧労働省そして旧文部省に対して勧告がなされているわけであります。旧労働省からの回答が真ん中の欄、そして、三年後、平成十一年の七月、その後の改善措置の状況というものもここで旧労働省から報告がなされています。いずれも、検討します、検討しますと書いてあるだけであります。

 つまり、平成八年に、三百人以下の中小企業についても障害者雇用納付金の制度の対象にするべきではないかという、するべきではないかどころじゃないですね、これはしろと言うに等しい勧告がなされて、その後、旧労働省、今の厚生労働省は、検討します、検討しますで既にここまで来てしまいました。政府の中で言っていることがこれだけちぐはぐでありますが、担当の猪口大臣にお伺いをいたします。

 今後、この問題、どう対応されることが国としてベストとお考えか、御意見をお聞かせください。

猪口国務大臣 加藤先生にお答え申し上げます。

 先生よく御存じのとおり、これは第一義的には厚生労働大臣の所管事項ではございますけれども、障害者施策担当といたしまして、私の立場からは、障害者の雇用の促進、これは、障害者の自立そして社会参画のために非常に重要な柱であると認識しております。障害者につきましての基本計画がございます。この中で雇用、就業についてのしっかりとした記述がございますので、私としては、この基本計画の推進に全力を挙げたいと存じております。

 また、先生よく御存じのとおり、中小企業の中には、民主主義におきます人間存在についての非常に温かいまなざしを持って、積極的に障害者の方々を雇用し、またその能力を発揮できるように工夫されているところ多々ございます。そのような企業がこの社会の中で評価されるよう、私といたしましては、障害者の雇用、就業の機会の拡大が重要である、そういう方向性につきましての広報啓発活動を心を込めて推進していきたいと存じております。

加藤(公)委員 時間ですから終わりますが、この続きはまた次回に議論させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて加藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 私は、一月二十六日の補正予算質疑で、構造計算書の偽装は姉歯氏以外にもあるのではないか、事件の背景に、規制緩和、そしてコストダウン競争、建築主や施工会社などからのコストダウン圧力があることを指摘しました。不幸にもこの指摘が当たり、二月八日、福岡県の賃貸マンション三棟のサムシングによる偽装が発覚しました。危険な建築物が建築され、拡大しています。

 設計士の偽装はあくまでも、施主や施工業者の圧力もこの間問題になってきました、この際、偽装の有無に限らず、耐震強度など、建築物の安全性を徹底して調べる必要があります。

 そこで、聞きたいんですけれども、福岡市や国交省は、サムシングが設計した賃貸マンション四件中三件について偽装があったと考えられるとしています。ところが、構造計算を行ったサムシングの仲盛昭二一級建築士は、偽装したとの認識はない、計算書のデータを差しかえたことは認めましたけれども、これは偽造でないとも言っています。

 本人が偽装を否定しているもとで、国交省が偽装だと断定した根拠は何か、述べていただきたいと思います。

北側国務大臣 これはまず、福岡市が偽装というふうに判断をいたしました。福岡市は、JSCAという専門機関ですけれども、そこに再計算を依頼いたしまして、その結果、計算過程で操作を行わないと生じない不適合が明らかになったということで、偽装があったとしか考えられないというふうにしておるわけでございます。

 国交省といたしましても、構造計算に連続性がない、また、三件ございますが、建物の重さを九%から一六%小さくした設計が行われているということから、福岡市が偽装と判断したことは妥当な判断というふうに考えているところでございます。

穀田委員 そうしますと、偽装を通してしまったという点では、行政、公の責任は免れない。今までの大臣の言動からすると、当然そうなります。

 そうしますと、これは事は重大でして、サムシングは、明らかになったところでいいますと、福岡県を中心に通算一万二千件、年間六百から七百件の構造計算にかかわったとされています。姉歯氏にかかわった物件に比べても膨大な数です。何よりも実態の把握とその偽装、強度の検証が急務であります。そういう責任が当然国交省にはあるわけです。

 現時点での実態掌握について述べていただきたいと思います。

北側国務大臣 この件は、いわゆる非姉歯物件で、木村建設関連の物件の調査の中から出た事案でございます。

 福岡市では、この木村建設に係る調査において六件のサムシング関与物件を把握しておるというふうに聞いているところでございます。この六件のうちに、今おっしゃった三件が偽装と判断をしているということでございますが、さらに、残りの件についても現在再計算を実施中でございます。

 さらに、木村建設関係ではない、サムシングが関与した物件については、福岡市で確認申請図書が残されておりますのが四件、さらに、福岡市の補助事業で所有者の方からサムシングが関与しているということで再計算を依頼されたものが三件、これについては現在実施中でございます。

 県の方ですが、福岡県の方では、保存されているものが三十五件ございまして、この三十五件の確認申請図書等について調査を行っているところでございます。

 さらに、福岡市の対応といたしまして、さらに建築士事務所協会等々に呼びかけて把握に努めているところでございます。

穀田委員 今お話しなのは、現実にトータルでいけば五十一件しか把握していないということですよね、簡単に言えば。総トータルとしてね。つまり、一万二千件とも言われ、その中でどのぐらいマンションがあるのかという問題、いろいろあります。でも、相当膨大な数が分母にある、そういうことをしっかり認識して取り組まないと、私はえらいことになると思うんですね。

 そのやり方を見てみると、膨大な件数をこなすために、サムシングは、仲盛氏のもとに四人から五人のチーフがいて、そのもとにそれぞれ三、四人のチームを組ませて数をこなしていたと言われています。県の建築指導課によると、この仲盛氏は、十六年前から自分では構造計算していないとしていますが、構造計算書の一部だけを変更する手法は所属技術者に指導していたと言われています。国土交通省の九州地方整備局の聴取に対しても、差しかえはよくやった、特別なことではないとの認識を示したとも報道されています。つまり、仲盛氏本人が偽装したというケースよりは、サムシングという会社ぐるみで偽装したということになるわけです。

 サムシングで働いていた建築士が偽装に手を染めたと言えるわけですよね、当然、こうなりますと。だとすると、〇二年に廃業した後、それぞれが、他の設計事務所に移籍したり個人で開業したりしているはずです。そこで今でもサムシングのときの手法をやっていないかどうかというのは、当然、これは調べなければならないわけです。

 したがって、まず、三件の偽装にかかわった建築士はだれなのか把握できているのか、また、仲盛氏以外の建築士の現在の所在、仕事内容について掌握しているのか、お答えいただきたい。

山本政府参考人 旧サムシング株式会社一級建築士事務所の開設者兼管理建築士は仲盛昭二一級建築士でありまして、十四年九月にサムシングを廃業後、他の一社の建築士事務所の勤務を経て、現在、また別の建築士事務所に所属していると聞いております。

 今お尋ねの、偽装があったとされました三件の構造計算を具体的にだれが担ったかということは、市、県、それから地方整備局の聴取で仲盛昭二一級建築士自身に尋ねておりますけれども、実は掌握できておりません。これからさらに事情聴取を重ねて掌握することが必要だと考えております。

 それから、もう一点の仲盛建築士自身でございますけれども……(穀田委員「以外」と呼ぶ)本人への事情聴取を福岡市が二月七日、県が立入検査を二月八日、整備局が二月九日に事情聴取をしておりますけれども、今申し上げましたように、さらに必要に応じて聴取をしてまいります。

 複数の所属建築士が旧サムシングにいたという話も聞いておりまして、廃業後の動向、所属について現在調査中でございます。事実関係を掌握するように努力する考えでございます。

穀田委員 私、そんな悠長なことでどないすんねんと思うんですよ。だって、これは一万件近くやっているということで不安に駆られているときに、非常に腰が重いと言わざるを得ない。

 大体、今裁判になっているサムシング物件であるエイルヴィラツインコートシティマンションのイースト、ウエストのかかわった建築士だってわかっているわけですよ、名前。それから、前所長の名前だって、これはわかっているわけですよ。それさえも追及していないということはどういうことかと思わざるを得ない。

 しかも、この三件の物件について、施工は木村建設だということまでは公表されているんですね。ところが、建築主や元請設計事務所は公表されていない。一部メディアでは、三棟は二〇〇〇年から〇一年に福岡市が建築確認し、うち一棟は不動産会社シノケンが木村建設に下請に出した物件だと報道されているわけですね。だから、木村建設下請で、元請施工会社はシノケンだとも考えられるわけです。だから、ここでもシノケンが関与しているという可能性がある。そして、元請会社には、姉歯のときでさえゼネコンもいたわけですね。

 したがって、私は、大事なのはここだと思うんですよ。建築士の設計料というのは、偽造のあるなしで変わるわけではない、あくまでも施主や施工業者の考えを色濃く反映しているべきだと考えるとゼネコン業者が言っているんですね。つまり、建築士主導の偽装は基本的にはあり得ないというのが、今のある意味での常識なんですね。だから、私は、こうした元請設計それから元請施工会社、建築主など、関係事業者からの圧力も想定して、関係事業者を調査し、公表すべきではないかと考えているんですね。その見解をお願いします。

北側国務大臣 この福岡市の三件につきましては、今おっしゃった建築士が偽装を否認しているわけですね、否定をしております。ということもありますし、再度、今精査をしているところでございます。再度精査をして、近々その結果も出ると思いますが、その精査の結果、検証の結果、構造耐力が充足されていることが確認されないときは、物件の名称、所在地、建築主、設計者等を公表するというのが福岡市の見解でございます。

穀田委員 それはわかっているんですよ。それは、少なくとも、偽装と認めた段階でのそういうやり方については当然なんですよ。ただ、問題は、今言いましたように、やはり広く背景にあるものをしっかり追及するという必要があるということだけ言っておきたいのです。

 最後に一言だけ。

大島委員長 時間が来ております。

穀田委員 はい。

 この問題で、ほかの、先ほどあったエイルマンションの二棟に関して裁判が行われているんですね。だから、そのときに、二〇〇四年の六月の提訴前に民間検査機関に検査要請したが、動かなかった。そして、二〇〇五年の十一月の提訴は……

大島委員長 時間ですよ。はい、おしまい。

穀田委員 はい。

 姉歯物件が公表された後だったんですね。したがって、そういう点では本当に腰が重いという点だけ指摘をしておきたいと思います。

大島委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。

 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 先日、十三日の質疑に触れた公団の欠陥マンションの問題で、再び理事長にお越しをいただきました。先日の答弁では、これまで建てかえ補修費におおよそ年度末見込みで三百億と答弁をしていただいたんですが、その後請求した資料によると、現地の事務所維持費あるいは補償費などを含めると三十一億円ほどあって、トータルで三百三十三億円という報告を、私、機構の方から受けました。

 とすると、理事長に伺いたいんですが、四十六棟中、まだ今工事途上であるということなんですね。そうすると、先日は五百億円以上はかかるんじゃないかという答弁でしたけれども、これは六百億円以上かかってしまうんではないか、こういうふうに思うんですが、その点の見込みをお話しいただけますか。

小野参考人 お答え申し上げます。

 現時点でおよそ三百三十億円の補修費等がかかっているわけでございますけれども、現在、まだ補修方法等について管理組合と協議が調っていない場所もございます。現在、四十六棟中四十一棟について補修工事等を行っているわけでございますけれども、前回の答弁として五百億以上のお金がかかるだろうというふうに申し上げましたけれども、十七年度末まででこのぐらいのお金がかかって、さらにどのぐらいのお金がかかるのか。現時点では、まだ管理組合等と十分な協議が調っておりませんので、現在工事中のものを含めて五百億以上のお金がかかるだろうという見込みはございますけれども、現時点で何百億かかるということを確定的に申し上げることはできません。

保坂(展)委員 これは瑕疵ですから、旧公団、機構の方が払う。立てかえ払いで現在流動資産にこれを入れているということで、他方で、求償して回収できた額は約二十億というふうに聞いております。とすると、回収し切れない、未収に終わるということが当然予想されるわけですが、その場合どうしますか。

小野参考人 既に二十億ばかりの補修費は回収をしているわけでございますけれども、これを私どもは、今回の瑕疵団地についての補修費といたしまして、施工業者に一義的な責任があるというふうに考えておりますので、施工業者の方々に、かかりました補修費等の全額を回収しようということで、今、中央建設工事紛争審査会に仲裁申請をいたしているところでございます。現在、目下、仲裁法廷での双方の主張をお互いにぶつけ合っていろいろ審理をお願いしているわけでございまして、その結論がどうなるのかということは軽々に申し上げることができないわけでございますけれども、私どもといたしましては、できるだけ多くの改修費用を負担していただこうというふうに考えているところでございます。

保坂(展)委員 先日、私、その問題の団地に行ってまいりました。驚いたんですね。実は、仲裁の手続、機構が申し立てているけれども、住民の側は協議に応じていない、したがって、交渉が実際上なされないというところで、おととし、このお配りをした資料、こうございますけれども、この高層棟、十四階建ての五階部分の箇所に異常が見つかったということで、住民の方が足場を組んで、のみを入れてはつって調べてみたところ、ぼろぼろであった、コンクリートが。砂と石とセメントに分離していた。一部を持ってきたんですけれども、これは運んでいる最中にこういうふうに割れてしまうという、このようなものでございます。

 後ほど理事長にはこのかけらを直接お届けして、持って帰ってきちっと見ていただきたいんですが、これは、住民の方は危ないということで、機構の方の職員五人来たみたいですけれども、その後の処置はされていないと言うんですね。何をお望みですかといったら、補修より、安全なところに住まわせてくださいということを訴えておられていました。いかがですか。

 そういう状態で、これだけのお金をかけながらも、そういうところがあるということで、私、本当に驚いたんですが、いかがですか。

小野参考人 瑕疵補修について、どういう補修方法をとるか、あるいは技術的な原因等確定しておりませんで、管理組合との協議が調わないで瑕疵補修工事に着手できていない団地があることは、お話しのとおり、事実でございます。

 現在、四十六のうち四十一について補修工事等を実施しておりますけれども、私ども、誠意を持って管理組合とお話をしているところでございますけれども、当該団地について、私どもでもこれまで必要な調査を行ってまいりました。これは十四年当時、あるいは十五年、十六年とやってまいりましたけれども、判明したふぐあい事象について補修が行われていないということを前提といたしましても、五十六年の耐震基準に基づくSRC構造ということもございまして、何か、大規模地震時に倒壊、崩壊等に至る、そういう状況にはないというふうに私どもは考えております。

 また、今お示しをいただきましたコンクリートのはげている部分でございますけれども、これも現在、私どもでは現在の技術をもってして補修が可能というふうに考えておりますが、十分お話をした上で補修をさせていただくように努力をしてまいりたいというふうに思っております。

保坂(展)委員 話し合いができないというのは、これまでの公団、機構に対する不信なんですね。仲裁センターに機構は申し立てましたけれども、住民の方は、それは到底応じるわけにはいかない、こういうふうに主張をしている。そして、これら調査は、足場を組まないととれないわけですね。そういう調査費用、何千万とかかっているんですよ。これを機構に求めても、それは住民が勝手にやっているんだから払えません、こういう状態になっているんですが……

大島委員長 保坂君、時間が来ておりますので。

保坂(展)委員 はい。

 誠意を持ってやってください。一言お聞きして終わります。

小野参考人 管理組合等と十分お話をした上で対応してまいりたいというふうに思っております。

大島委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

大島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 本日の午後は、耐震強度偽装問題等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮澤洋一君。

宮澤委員 本日は、耐震強度偽装問題についての集中審議ということで、私自身、自民党の国土交通部会長、また与党の耐震構造偽装問題対策本部の事務局長ということでかかわってまいりましたので、政府の考え方等々、きょう質問をさせていただきます。

 この問題の公表を少し翻って勉強してみましたけれども、十一月の十七日に国土交通省で、こういう問題があるという公表をされた。たしか大臣は海外に行かれていたということで、十一月の二十二日に記者会見をされて、もう一度先ほど読み直してみたんですけれども、当初から大変きっちり把握されて事に臨んでいただいたなという気がいたしました。

 まず第一は、建築主である売り主の責任であるということ、そしてもちろん、建築士また設計事務所の責任がある、さらに施工業者の責任というものもある。さらに、検査機関の責任というものもあり、一方で、国、地方公共団体というものも責任を免れない。決してこれは、大臣の言葉を拝借しますと、純然たる民民の関係だと言い切れない、こういうことを発言されて、事態の解明、また被害者の救済策、さらに再発防止策という順番で、今、事に当たられているわけであります。

 また一方で、与党の方も、与党は大変大きな組織でありますけれども、この問題につきましてはなかなか対応が早かったなという気が私なりにしております。通常ですと、ボトムアップということで随分時間がかかるわけでありますけれども、トップダウンというような形で、十一月の二十八日には、先ほど言いました偽装問題対策本部というものを立ち上げ、武部幹事長が本部長、そして冬柴幹事長が本部長代理ということで始まり、もう三日後の十一月の三十日には、政府への申し入れという形で第一段階の申し入れをさせていただきました。

 その中身、八項目ありますけれども、住人の安全の確保、また危険建物の撤去、さらに既存建物に対する検査体制の整備、相談窓口の設置、原因究明等の第三者委員会の設置、さらに検査機関に対する緊急実態調査、また被害住人に対する支援といったような八項目を取りまとめ、十二月六日にはとりあえず政府の方から対応を検討しているというようなお答えをいただいて、その後、累次いろいろな対策を講じてまいりましたわけですけれども、十一月の半ばから既に三カ月経過しておりますけれども、この間の政府の対応といった観点から、大臣としてどういうふうに評価をしているかという点、最初にお伺いしたいと思っております。

北側国務大臣 今回の耐震強度偽装事件につきましては、私どもが、その公表以来、最もこれは最優先にすべきというふうに考えたのは、危険な分譲マンションにお住まいの居住者の方々の安全をいかに早く確保していくか、そして居住の安定を確保していくか、ここに最優先の課題があるというふうに私どもは考えました。

 震度五強で建物が倒壊するおそれがあるというふうな状況でございまして、これはもう、地震というのはいつ起こるかわからないわけでございます。幸いにして、あの公表以来きょうまでこの地域においてまだ震度五強という地震はないわけでございますが、それは結果論でございまして、当時は、きょう、あす起こるかもしれない、そういう中で、まずは急ぐべきは居住者の安全を確保することというふうに私どもは考えたわけでございます。

 その後、今委員の御指摘のとおり、与党からも申し入れをちょうだいし、そして、政府としての総合的な支援策の取りまとめもさせていただいて、補正予算についても成立をさせていただきました。

 現在、私どもが一番最優先と考えました居住者の安全の問題でございますが、つい先般までは、この危険な分譲マンション、十棟あったわけでございます。この十棟には、二百八十八戸の、二百八十八世帯のお住まいの方がいらっしゃいました。こちらの状況につきましては、現在は、退去がまだ未定の方はあと二戸のみとなりまして、また、その後もう一棟、危険な分譲マンションが見つかったわけでございますから、現在十一棟あるわけでございますが、当初のものも含めまして、入居戸数が三百九戸のうち、約八割に当たります二百五十五戸が退去済みになっているところでございます。

 今後とも、残りの皆様にも協議を精力的にさせていただきまして、できるだけ早く退去を終わらせたい、そして建物の除去、さらには、協議をしっかりと進めまして建てかえが実現できますように、特定行政庁、居住者の方々としっかりと協議をさせていただいて、最大限の努力を今後とも図ってまいりたいと考えております。

宮澤委員 この耐震構造偽装問題については、恐らく三つの点から検討していかなければいけない問題だろうと思っております。

 一つは、真相究明であります。そして二つ目が、今大臣が最優先とおっしゃった被害者対策。被害者といいましても、その居住者であり、周辺住民であり、さらに言えば、マンションに住んでいる全国民が不安を抱いているといった問題にどう対応するかという被害者対策。さらに、再発防止という三点だろうと思っております。

 まず、その真相究明という点から御質問させていただきますけれども、真相はまだまだ、午前中の質疑にもありましたように、例えば福岡、例えば熊本、例えば横浜といった、新たな問題物件もしくは疑わしいものが出てきております。正直言いまして、ここまでの調査、私自身、この問題が公表されたときには、大変大きな広がりがあったら、大変これはゆゆしきことだなと、大変国民がパニックに陥るようなことになるだろう、第二の姉歯、第三の姉歯、第十の姉歯までいたらどうしようかというような気持ちがありました。幸いといいますか、今までの調査におきましては、基本的には姉歯物件が中心で、あとサムシングといったものが出ておりますけれども、ネット社会でありますから、国の究明また地方公共団体の究明に先立っていろいろな内部情報といいますか、はんらんして、あそこも変だ、ここも変だというような事態は何とか今のところ起こっていないのかなという気がしております。

 さらに、今後、福岡、熊本、また横浜といったところ、さらに残っている案件がどういう状況かということを国交省を中心にやっていただきたいわけでございますけれども、この構図といいますか、恐らくこの後、国家公安委員長にもお願いを、御質問をいたしますけれども、今回起こってきた、それこそ姉歯、ヒューザー、木村建設、総研といったような大きな構図の中で、じゃ、みんなで共謀していろいろやったかというと、これまた、そこまでの状況というものは今のところはまだ出てきてないというようなことだろうと思います。

 これから真相が、わからないところがたくさんございますけれども、ここまでいろいろなそれなりのことはわかってきましたけれども、これを受けて国交大臣としまして、この事件の構図といったもの、なかなか責任のある御回答は難しいかもしれませんけれども、担当の大臣として、三カ月やられていた印象を含めてお伺いできればと思います。

北側国務大臣 今回の事件の構図をどう見ていくか、大変難しい問題でございます。今、捜査機関が真相解明に向けて取り組んでおりますし、私ども国土交通省といたしましても調査をさせていただいているところでございます。

 まだ全容が解明に至っているわけではございませんが、今回の件、まず、姉歯元建築士、国家資格のある一級建築士でございます。この一級建築士が、故意で、悪意で耐震度を偽装する。それも、一件や二件ではございません。今、判明しているのが九十七件、偽装しているわけでございます。

 私はやはり、一級建築士である方が、このような、犯罪です、犯罪を起こしているということに関して、極めて遺憾と言わざるを得ないわけでございますが、私は、建物を建築する側、設計士がいる、そして施工者がいる、建築主がいる、まず建物をつくる側の問題、課題というのがあるのではないかとまず一つ考えております。

 そして二番目に、今度はそれをチェックする側の建築確認。建築確認が、これは結果としてその偽装を見抜けなかったわけでございます。その偽装を見抜けなかったのも、民間の指定検査機関だけではなくて特定行政庁も、この九十七物件のうち四十一は特定行政庁です、特定行政庁もその偽装を見抜けなかった。この建築確認のあり方、ここに問題がないのかどうか、ここをしっかり実態を調査して、改善をしなければならない。

 もう一点は、やはり住宅という買い物、これは一生に一度あるかないかという大きな買い物でございます。そこにおける消費者の保護というのがやはり不十分ではないのか。

 私は、この三つ、建築側の問題、そして建築確認の問題、そして消費者保護、住宅の流通における消費者保護をどうしていくのか、この三つの大きな問題があるのではないかというふうに考えるところでございまして、これにつきましては、事実関係、実態というものをしっかりと点検をさせていただくとともに、社会資本整備審議会で現在御議論をいただいているところでございます。

宮澤委員 真相究明といいますと、一番肝心な部分は、これはまさに今国交大臣のお話がありましたように、捜査当局でやっていただいているわけでございます。姉歯元建築士は刑事告発をされておりますけれども、それ以外、関係者はまだ告発はされていない。マスコミ的に言いますと、ヒューザー、木村建設、総研等々、大変キャラクターのある登場人物には事欠かないわけである一方で、後から問題化されましたライブドアの事件がさっともう起訴までされているということを考えてみますと、これはどうなっちゃったんだろうという気持ちというのは大変あるんだろうと思います。

 ただ一方で、正直言いまして、国民の期待と言っては妙な話でありますけれども、建築基準法違反、さらに宅建業法違反といったような話で終わってしまうと、何か竜頭蛇尾だなという気持ちもある。例えば、これは詐欺的な要素というものがあるのではないかというようなことをマスコミあたりも報道しているというような中で、ある意味で、捜査当局、警察に対する期待というものは非常に大きなものがあるし、一方で、今のところそれがまだ見えてきていないというようなことだろうと思います。

 捜査の状況ということになりますと、具体的案件については当然お答えをいただけないわけでありますけれども、国家公安委員長といたしまして、まさに真相解明に向けての意気込みといったものを一言お願いしたいと思います。

沓掛国務大臣 このたびの構造計算書偽装問題については、国民の安全と安心を脅かす重大な問題と認識いたしております。

 昨年末、警視庁、神奈川県警察、千葉県警察による合同捜査本部を設置いたしまして、建築基準法違反容疑で所要関係箇所を捜査いたしましたが、本年に入りましてからも、鋭意所要の捜査を継続しているところでございます。

 警察におきましては、今言われました、告発された事案にかかわらず、もう少し広い意味で、いわゆる一連の偽装問題の全容解明のために、国土交通省の協力を得ながら、今一生懸命捜査、調査をしているところでございますが、その中で、関係者に刑罰法令にかかわるようなところがあれば、法と証拠に基づいて厳正に対処していきたいというふうに考えております。

 今、所管、国家公安委員長の意気込みということでございますが、私といたしましても、国民の生活に最も密着した住の安全に対する不安解消、一日も早くこの不安を解消するためにも、やはりこの構造計算書の偽装問題の全容解明に全力を挙げて対応していきたいというふうに思っておりますので、また、宮澤先生のいろいろな御指導もいただきながら、国民の期待にぜひこたえていきたいという、そういう決意で今臨んでおります。

宮澤委員 決意表明をしていただいたわけでありますけれども、法と事実に基づいて厳正に対処していただくとともに、時間の問題というのもありまして、余り間延びをしないようにしていただきたいなという気がしております。

 それでは、大きな二番目、被害者対策といった分野について幾つか質問をさせていただきます。

 危険な分譲マンションの、まさに先ほど大臣がおっしゃったように、居住者の退去、またマンションの除去、さらに建てかえを含めた総合的な支援策といったものが一番急を要する、そして大事なことであります。

 国土交通省の方でも、各省と協議をしながら対応策を随時まとめてきていただいておりますけれども、その概要といいますか、もう一度、こんなことをやっているんだということを大臣の方から説明をしていただければと思います。

北側国務大臣 先ほど申し上げましたように、私どもが一番最優先でやるべきことということで、危険な分譲マンションの居住者の方々の居住の安全を確保していく、そのためには、できるだけ早くその建物から退去をしていただく必要があるわけでございます。

 ところが、退去するといいましても、当然、退去する移転先の確保が必要でございます。さらには、移転するためには、移転費さらには転居先での家賃の支援等も必要でございます。さらには、円滑に退去をしていただくためには、先の、解体後の建てかえについての考え方、それについてもやはり提示をしていかないと、居住者の方々の円滑な退去というのはなかなか期待できないというふうに考えまして、退去から建物の解体、そして建てかえ、そこまでのパッケージとしての支援策をつくらないといけないというふうに最初から私ども考えておりまして、そうした支援策を取りまとめさせていただいたわけでございます。

 今申し上げましたように、移転費や仮住居の家賃軽減費用、それから危険なマンションの解体のための費用、さらには、建てかえ分については、廊下とかエレベーター等の共同施設については、その整備について支援をしていくだとか、さらには、建てかえにかかる新たな住宅ローンの利子相当分の軽減費用、こうした総合的な支援策をつくらせていただき、そして補正予算にも計上をさせていただいたところでございます。

 とともに、今回、先ほど委員もおっしゃったように、一般の国民の皆様も、自分が居住するマンションは大丈夫なのか、建物は大丈夫なのか、こういう不安が広がっております。そういうことで、相談窓口をしっかり整備していく。さらには、耐震診断また耐震改修等について、もともと補助事業というのがありまして、それを大幅に拡充させていただいて、そうしたものを活用していただいて国民の皆様の不安を解消していく。そうした支援策についても、補正予算並びに現在審議されておりますこの十八年度予算案の中にも盛り込ませていただいて、国民の皆様方一般の不安を解消していくためのそうした対策を特定行政庁、地方団体がしっかりとれるような、そうした仕組みも用意をさせていただいたところでございます。

宮澤委員 いろいろ支援策を既に用意していただいているわけでありますけれども、難しい部分というのは、最初に大臣がお話しされましたように、国にも責任があるし、また地方公共団体にも責任があるわけでありますけれども、ただし一方で、どの程度の責任があるかということになりますとなかなか難しい。

 山口県の裁判の例といったようなものもあるようでございますけれども、あえて言えば、司法の場で判断してもらうまで国の責任というものが確たるものとしてならないという中で、枠組みとして支援策を打ち出されたわけで、これについては、恐らくこれまでの各種の地震等々その他の施策とのバランスといったものを相当配慮されたと思いますけれども、その辺の配慮の中身について、大臣もしくは局長からお話をいただけますでしょうか。

山本政府参考人 危険な分譲マンションの居住者について、その安全と居住の安定を確保することは、緊急に取り組むべき課題と考えております。

 このために、ローンとか税負担の軽減策に加えまして、地域住宅特別措置法に基づく地域住宅交付金を活用しまして、地方公共団体に対し国が助成を行って、相談、移転から取り壊し、建てかえに至る総合的な支援策を講ずることとしていることは、大臣から御説明申し上げたとおりでございます。

 御指摘の、例えば災害被災者に対する支援措置と比較しました場合に、例えば阪神・淡路大震災におきましては、国の支援のもとに、公共団体が応急仮設住宅を建設いたしまして仮の住まいを提供するということ、それから、瓦れき等の災害廃棄物処理事業によりまして建物の解体を実施しました。さらに、マンションの建てかえにつきましては、優良建築物等整備事業を活用しまして、建てかえの助成とか基金によるローン負担の軽減を行いました。

 今般の支援策につきましても、こういった類似の財政措置とのバランスにも配慮した上で、居住者に対して最大限の支援をする必要があると考えているわけでございます。

宮澤委員 その除去といったところ、非常に、居住者自身であり、また周辺住民といったところから大事なわけですし、先ほどの大臣のお話にありましたように、建てかえに目星がつかないと除去がしにくいといった状況があるんだろうと思います。

 それで、今回の姉歯物件の中で最も倒れやすいといいますか、耐震性の指数が〇・一五という藤沢市の案件があるわけでありますけれども、この案件につきましては、最も危なっかしい案件である一方で、たしか三十戸のうちの十三戸をまだヒューザーが所有しているというようなことで、五分の四の居住者の賛成がなければ建てかえが決まらないという中で、ヒューザーが賛成しない限り建てかえができないという状況がある。さらに、ヒューザー自身、破産という方向で今動いているわけでありますから、いずれ破産管財人という人がどういう対応をするかというようなことで、最も早く手をつけなければいけない物件につきまして非常に難しい状況があるというふうに聞いております。

 周辺の方も大変心配をされているということ、一方で、藤沢市自身もかなり前向きな対応をしていると思いますけれども、国としても相当お手伝いをして、何とか早く除去し、建てかえの方向で進むということが大事だと思っておりますけれども、国としてどのようなことをされているか、局長の方から御答弁をお願いします。

山本政府参考人 御指摘いただきましたように、藤沢市のマンションは、保有水平耐力指数値が〇・一五ということで危険な分譲マンションの中でも最も低い、しかも隣接して家屋があるということで、早急に除却を行うことが必要というふうに私どもも認識しております。

 除却につきましては、十七名の区分所有者の方々は基本的に同意していただいていると聞いております。残りの十三戸を所有する、売り主でございますヒューザーですが、これは、破産管財人それから関係金融機関からも早急に同意を得まして、急いで除却工事に着手するように藤沢市に強くお願いしているところでございます。

 なお、除却工事の早期着手を支援するために、除却工事の設計それから積算業務につきましては、都市再生機構が藤沢市の依頼を受けて実施中であると報告を受けております。

宮澤委員 早急に住民の方の不安をなくすべく、努力をしていただきたいと思っております。

 そこで、今までの対応策というのは、いわゆるQu/Qunが〇・五未満という問題のマンションに対応されたものでありますけれども、一方で、〇・五以上といいましても、国の基準である一に満たないところに住まわれている方というのは、これはまた大変心配が多い。〇・六なんというところであれば、〇・五とどこが違うんだと。〇・九ぐらいあれば、一に近いから少し安心できるかなということなのかもしれませんけれども、そういうマンションについてどういう対応策を考えられているのか、大臣から御答弁をお願いいたします。

北側国務大臣 保有水平耐力が〇・五以上一未満のものにつきましても、当然私どもは関心を持っているわけでございます。先ほど申し上げた解体、建てかえまでの総合的な支援策、これはやはり建てかえないといけない、それほど危険。今おっしゃっている分譲マンションというのは、基本的には耐震改修、改修をするのが基本になるというふうに思います。

 そういう意味で、既存の住宅・建築物耐震改修等事業というのがございます。今回これは補正でも拡充をし、そして、十八年度予算案でも大きく拡充する案を今提案させていただいているわけでございますが、これを活用して支援をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

 また、具体的な改修方法につきましては、特定行政庁とよく御相談をしていただきたいと思うわけでございますが、国土交通省、国の側にも専門的な方々を集めた委員会を設置いたしまして、特定行政庁から依頼がありましたら、そうしたアドバイスも、こういう耐震改修の仕方がいいんじゃないかというふうなアドバイスもできるような委員会も設置をさせていただいたところでございます。

宮澤委員 一方で、国民の関心からいいますと、五十七年以降の耐震構造計算ができている建物についていろいろ配慮があるわけですが、五十六年以前の建物、私自身も、昭和四十四年に父親の建てた小さなマンションに住んでいますので、相当怪しげではないかと思っているわけですけれども、そういう五十六年以前の旧基準における建物というものにつきまして、一方で、基準が違うだけで、きっちりつくっていれば地震ですぐに倒れるわけではないというようなこともあろうかと思いますが、その辺、どういうような状況にあるのか。また、そういう建物を持たれている方が、この際に耐震補強をしようという方がたくさんいらっしゃると思いますけれども、それに対するどういう手だてがあるかを局長の方から少しお話をお願いします。

山本政府参考人 現行の建築基準法の耐震基準でございますが、一次設計といたしまして、震度五強程度の中規模地震で損傷しないということを確かめます。震度五強というのは鉄筋コンクリートの耐用年数の間に二回とか三回ぐらい起きそうな地震ですけれども、それで、はりとか柱が損傷しない、私たちが普通使う言葉で言えばびくともしないということを確かめる。それからもう一つが、その五十六年改正のときの新しい基準でございますが、二次設計といたしまして、震度六強から七という非常に大きな地震に対して倒壊しない、あるいは崩壊しない、べちゃっといかないということを確かめるという、二つの基準を持っております。

 今回姉歯元建築士が偽装しました物件は、その一次設計においても偽装が行われているということで、必要保有水平耐力の比率が〇・五未満の場合には、震度五強程度の中規模地震でも倒壊とか崩壊ということが起きるというものであるわけでございます。

 新耐震基準の建築物はこの一次設計の基準を満たしておりますので、中規模地震ではびくともしないということの、現在の基準で言う一次設計は検証されているということでございまして、したがって、古い耐震基準でつくられた建築物と今の姉歯物件の危険な建築物の事案を比べますと、今般の事案の方が耐震安全性は著しく低いということを申し上げて差し支えないと思うわけでございます。

 ところで、旧耐震基準の建築物を何とかして新しい耐震基準に合わせるようにしたいと考えておられる例えばマンションの居住者の方々に対しましては、基本的には、いろいろな問題意識を持ってもらった上で、現実に耐震診断をして必要があれば耐震改修をする、そういうアクションを起こしていただくことが非常に大事でございます。

 そのために、さきの特別会で耐震改修促進法を改正していただきまして、さきにこれを施行いたしました。国が基本方針をつくって、公共団体が耐震改修促進計画をつくっていただきます。それで、地に即していろいろこういう啓蒙普及活動をして、国も耐震改修促進のための事業費を持っておりますので、公共団体においてぜひこれを受けとめていただいて、区域内のマンションの耐震改修、それから、必要な場合には耐震改修の補助をやっていただく。そういうことで、全国にわたって新耐震基準の建築物をふやしていくということを進めていきたいと考えているところでございます。

宮澤委員 時間も少なくなってまいりましたので、最後の再発防止について、何点か御質問させていただきます。

 再発防止、いろいろな観点からこの再発防止というものを図っていかなければいけないわけであります。今までの検査体制、監督体制といったものが十分でなかったということは確かなわけでありますし、いろいろな意味で、各段階におけるきっちりした住宅をつくる制度といったものをつくり上げていかなければいけないのだろうというふうに思っております。

 そこで、政府の方でも、社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会というところで、建築行政のあり方についての中間報告を今、最終段階で取りまとめられていると聞いております。自民党におきましてもけさの部会から新たな法律改正についての議論を始めておりますけれども、政府の方で今考えられていることにつきまして、概要、御説明をお願いいたします。

    〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕

山本政府参考人 御指摘いただきました再発防止策として、今、指定確認検査機関を初め特定行政庁も含めて建築確認事務の総点検をやりました、その結果を踏まえること、それから、省内に、大臣のもとに設置しました緊急調査委員会でいろいろな御意見をいただいておりますので、そういった行政対応の検証も含めまして、いただいた御意見、そういったものを投入しまして審議会で議論していただいているわけでございます。

 特に、早急に措置すべき課題としましては、まず確認関係、構造計算書の審査関係では、ダブルチェックによる審査の徹底、それからもう一つは、特定行政庁による民間確認機関への指導監督の強化、それからもう一つは、危険な建築物を設計した設計者等に対する罰則の強化といったようなことを御検討いただいております。これらにつきましては、今週中にも審議会の中間報告をいただいた上で、三月には基準法等の改正案をこの国会にお願いしたいと考えております。

 さらに、その上で、引き続き検討すべき課題として、例えば建築士資格の関係でございますけれども、専門分野別の建築士制度の導入でありますとか、あるいは、建築士会あるいは事務所協会への加入の義務づけといったような課題でありますとか、そういった課題がございますので、引き続き、夏ごろまでに御検討いただいて結論を得た上で、次の機会に法律改正をきちんとさせていただく、そういう考えで取り組んでいるところでございます。

宮澤委員 いろいろこれから検討をしなければいけない点がたくさんあるわけでありますけれども、きょうの自民党の議論などでは、やはり建築士、特に構造計算の建築士というものをきっちり把握して、きっちりした仕事をしてもらえる環境を整備していかなければいけないといった意見がたくさんございました。

 一方で、いろいろなことを見ていますと、嫌なことでありますけれども、性善説に立ってつくり上げてきた制度というものがどうもいろいろな分野でワークしなくなってきている。性悪説に立った対応といったものを、例えば国民の住宅といった事後検査ができない大変大事なものについてはしっかり処置をしていかなければいけない、そういう観点から、きっちりした再発防止策をさらに検討していただきたいと思っております。

 一方で、きょうの読売新聞でございましたか、そういう再発防止策の一環として、欠陥住宅に対する損害保険の拡充といいますか、そういうものが検討されているといったことが報道されておりましたけれども、ある程度固まっているのであれば、その中身について、局長から少しお話しいただけますでしょうか。

山本政府参考人 住宅事業者は、住宅の品質確保の促進等に関する法律によりまして、十年間の瑕疵担保責任が義務づけられておりますが、この履行を担保するということが非常に大きな課題でございます。住宅事業者が十分な賠償資力を確保するということ、あるいは、倒産した場合に責任がきちんと果たされなければ意味がないわけでございますので、そういう方策が講じられる必要があるというのが今審議会で御議論いただいている課題意識でございます。

 既存の制度としては、任意の保険制度として、財団法人の住宅保証機構が運営する住宅性能保証制度もあります。それから、民間事業者で同様のサービスも行われておりますけれども、民間合わせてもまだ新規の住宅の一三%ぐらいの利用にとどまっていますので、これをできるだけ広げる必要があるということでございます。

 審議会の御審議は、住宅取得者保護の観点から、住宅事業者の瑕疵担保責任が確実に履行されるための措置を充実強化すべきであるということで御議論いただいていまして、具体的に、この三月に法律の改正案を国会にお願いする段階でどこまでのことがお願いできるのか、それから、夏まで御検討いただく第二弾のところでどこまでの議論ができるのかということが、まだ確実に詰まっているわけではございません。

 できるだけのことを三月に措置していただいた上で、第二弾ではしっかりこれをなし遂げるというふうな取り組みであろうと思っているところでございます。

宮澤委員 時間も参りましたので、これで質問を終わらせていただきますが、保険につきましては、例えば今回のような事案であれば、故意とか重過失であれば保険金の支払いは恐らくされないといったような問題もはらんでおりますし、また、コストとして建てる方にどれだけ降りかかってくるかという問題もありますので、慎重な御検討をお願いしたいと思っております。

 終わります。

田中(和)委員長代理 これにて宮澤君の質疑は終了いたしました。

 次に、斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 総括質疑のときに質問をさせていただきまして、そのときに終わらなかった質問という形で、続けて質問させていただきます。

 総括質疑のときの質問の私の問題意識は、平成十年に建築基準法の大改正がございました、この大改正が今回の耐震偽装問題の背景にあるのではないか、こういう指摘もございまして、基本的に私は、その間に関連性はない、このように思っておりますが、この点を一つ一つ検証し、同じ認識に立って議論を進めていきたいと思います。

 前回の質問では、建築基準法の平成十年の大改正、一番大きな改正であった、いわゆる仕様規定から性能規定へ変えて、これは抜本的な改革ですけれども、設計の自由度を大幅に上げたという点について、この点が今回の問題の背景にあるのではないかということについて議論をし、関係ないという結論になり、そういう共通の認識に立ちました。

 きょうは、二番目の大改正点、つまり建築確認の民間開放、これが二番目の大きな改正の柱だったわけですけれども、これが今回の問題の背景にあるのではないかという声もございます。私は基本的に、この民間開放、間違っていなかった、今回不幸にもこういう事件が起きましたけれども、ある意味で、この建築確認の実務を充実させるという方向性としては間違っていなかった、このように認識しておりますが、国土交通大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

北側国務大臣 結論から申し上げますと、私もそのように認識をしております。

 平成十年の改正によりまして建築確認の民間開放を行いました。現在、六割近くの建築確認検査が民間検査機関で行われております。そもそも、その当時、年間に建築確認検査の件数が七十五万から百万件ぐらいあるわけですね、それを特定行政庁の建築主事だけでは十分に検査できない、こういう実態があったわけです。

 そういう中で民間開放して、現在どうなっているかといいますと、例えば建物完成後の完了検査率、平成十年当時、改正時当時は三八%であったものが平成十六年には七三%まで倍増しておりますし、また、本来、地方公共団体はもっとしっかりとした監督体制をとってもらわなきゃいけないわけでございますが、そういう意味では、違反建築物の件数が平成十年からこれまた大幅に減少をしておるところでございまして、私は、この建築確認の民間開放というのは、方向としては間違っていないと考えております。

 現に、今回、姉歯元建築士が設計した物件で偽装物件、九十七件ございますけれども、これは民間の機関だけではなくて、四十一物件は特定行政庁で偽装を見逃している、これ自体遺憾なことであるわけでございますが、ということでございまして、この平成十年の改正が方向として間違っているとは考えておりません。

    〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕

斉藤(鉄)委員 平成十年の大改正、第三点は中間検査の導入だったわけですが、これは当然プラスの方向に働きます。

 そういうことを総合しますと、仕様規定から性能規定への変更、それから建築確認の民間開放、そして中間検査の導入、この三つの平成十年の改正は方向としては間違っていなかった。しかし、現実にこのような問題が起きてしまった。では、一体どこに原因があったんだろうかということになってきます。我々公明党の耐震偽装対策本部も、専門家の方々をお招きして一生懸命今勉強しているところでございますが、この建築確認、これは特定行政庁も民間も含めて、形式審査に堕していたのではないか、実質的な審査から非常に形式的な審査ということに陥っていたのではないかという感じを今抱いております。

 そういう意味で、これは二番目の質問になるんですけれども、今回、再発防止で社会資本整備審議会が中間報告を出しまして、第三者による再計算を行う、これを偽装防止の中心に据えるというふうな中間検査になっておりますけれども、同じことを二回繰り返すというのは、形式的な審査という意味でその形式性を克服しているとはなかなか考えられませんし、同じ間違いを二度するということもよくあることでございます。余り意味がないという意見がこの専門家の間で非常に強いんですけれども、この点について、国土交通大臣、どのようにお考えでしょうか。

北側国務大臣 今回の姉歯元建築士の偽装の手口、これは多様な手口を使っております。単純な差しかえを行ったものから、コンピューターの計算途中の数値など出力結果の一部を巧妙に修正したもの等まで多岐にわたっているわけでございますが、こうした巧妙な偽装というのは、構造計算書を、特定行政庁であれ指定検査機関であれ、紙面上でチェックしても見つけることはなかなか容易ではないと。

 一方、構造計算書を再計算すれば、これはもうすぐに偽装だということが確認できるということでございます。第三者機関が構造計算プログラムを使って構造計算の再計算を行うことによって、このような構造計算書の偽装については確実に防止することができるようになるのではないかと考えているところでございます。

 また、といって、コンピューターだけに頼っていてはならないわけでございまして、コンピューターによる構造計算の前提となる入力データが適切かどうか、ここはやはり人間の目でしっかりと確認する必要があると考えているところでございます。

 現在、社会資本整備審議会では、コンピューターによる再計算結果に関して、建築主事や、また指定検査確認機関の検査員がチェックすべき事項について法令上の審査基準を定めていこうということで、今御議論をいただいているところでございます。

斉藤(鉄)委員 今、いろいろな方からお聞きしますと、確かに、そういう今大臣がおっしゃったような形でのチェック、これは、小さい構造物でありますとか、マッチ箱のような非常に正形なものについてはそれでいいかもしれないけれども、多少複雑な形状であったり、また大型構造物ということについては、いわゆるピアチェックこそ物事の本質にかかわってくる重要な問題ではないのか、こういう指摘が専門家の間で強くございます。ピアというのは同じような能力を持った仲間という意味なんだそうですけれども、現在でも、高さ六十一メートル以上の大型構造物についてはそういう専門審査会があって、設計した人と対話をしながらその設計をチェックする。

 今回、そういうピアチェックのシステムを、もう少し、十階建てのマンション、六十メートル以下のものについても、例えば三十一メートル以上のものについてはそういうピアチェックという形にすることこそ本質ではないかというふうな意見、また、その中で、先ほど宮澤委員の質問にもありましたけれども、専攻建築士制度とか建築構造士制度、これらはそれぞれ建築士会連合会や構造技術者協会が提案しておりますけれども、そういう制度の改正とあわせてこのピアチェックという制度を導入すべきではないか、我々勉強していて大変説得力のあるそういう御提言なんですけれども、その点についてどのようにお考えでしょうか。

北側国務大臣 構造専門家によるピアチェック、これを構造計算が必要な建築物すべてにやるというのは、これはもう事実上不可能だというふうに考えております。

 ただ、今委員のおっしゃったように、比較的小規模な建築物については、先ほど私が申し上げましたように、審査基準を明確化することによりまして、建築主事だとか確認検査員による審査によることとしまして第三者機関の審査の対象外とするだとか、また、構造計算プログラムを用いた再計算により第三者機関の審査の簡略化を図ることというふうなこととあわせて、ある一定以上の建築物についてはこうしたピアチェックを取り入れていくというふうな議論について、まさしく今、社会資本整備審議会で御議論をいただいているところでございます。

 いずれにしましても、現実的に採用が実務で可能でないといけないわけでございまして、そこのところをよく踏まえて、この第三者によるチェックというものがしっかりとできるように進めさせていただきたいと考えております。

斉藤(鉄)委員 我々も勉強して提案をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 最近、あるところでこういう技術を聞いたんです。今回、計算の一貫性というところが問題になっている。必ず紙に打ち出してその計算結果というのは出てくるわけですけれども、その計算結果を印刷した紙に、地紋といいましょうか、そういう紋を同時に印刷する。その紋の中に、文字で印刷したものと同じような情報を繰り込むことができるんだそうです。そういう地紋という技術を組み合わせることによって一貫性ということをチェックすることができる、だから再計算しなくても済むというふうなことも技術として提案されているということだそうでございますので、そういう最新の技術も、特に小さい物件についてはピアチェックというのは無理と、これは私もそう思います。そういうものについてはそういう新しい技術を使うということも必要なのではないかということを提言させていただきます。

 それから、消費者保護の問題ですけれども、先ほども話が出ました、住宅品質確保法で、平成十一年、瑕疵担保責任十年ということが義務づけられました。しかしながら、義務づけられても、現実問題として、売り主、建築主にその経済的な負担能力がない場合はそれが実質的に機能しないということが今回わかったわけでございまして、瑕疵担保責任を売り主が確実に履行するための措置、これを講ずるべき何らかの糸口を、今回、この事件、こういう不幸な中から新しいものを生み出していくという意味でつくり出していくべきではないかと思いますが、国交大臣のお考えをお伺いします。

北側国務大臣 今回の事件を受けまして、今の委員のおっしゃった、住宅取得者、消費者の保護が現行の制度では十分ではないというふうに私も思っております。今、社会資本整備審議会で、この消費者の保護のためにいかなる方策は考えられるか、御検討をいただいているところでございます。

 おっしゃっているとおり、瑕疵担保責任を負っていてもそれが履行できなければ意味がないわけでございまして、その履行を担保していく制度について今御検討をいただいております。今も任意の保険制度があるわけでございますが、新築の住宅で利用されているのがまだ一三%という程度でございまして、やはり一定の住宅の売買については、そうした例えば保険制度の加入を義務づけすべきかどうか、こうしたことも今御議論をいただいているところでございます。

 いずれにしましても、この消費者保護というのが今回の大きな反省点の一つでございまして、しっかりとそこが改善できるように取り組みをさせていただきたいと考えております。

斉藤(鉄)委員 先ほど大臣お話しのありました任意の保険制度というのは、いわゆる住宅性能保証制度のことだと思いますけれども、これをも義務づけするという考え方、これは、現行ある制度を拡充して義務づけする、これではいけないんでしょうか。

北側国務大臣 まさしくそこが今議論させていただいているところなんですが、一つは、先ほどもお話しございましたけれども、悪意また重過失の場合をどうしていくのか、こういう問題点が一つございます。それと、その義務づけた場合に保険料が一体どうなっていくのか、そこの議論も当然必要でございます。

 今まさしくそういう議論もさせていただいているところでございまして、こちらのこの義務づけについてどうしていくかという問題については、この夏まで社会資本整備審議会で御論議いただいて、夏までに取りまとめをいただきたいと思っている事項の一つでございます。

斉藤(鉄)委員 ぜひ前向きに検討していただいて、実現可能な範囲でその保険制度を導入するという形にぜひしていただきたい、このように思います。先ほど大臣がおっしゃったような問題点があるというのは我々も十分わかっておりまして、実現可能な範囲でまず穴をあけるべきではないかな、このように考えていることをここに申し述べさせていただきます。

 最後の質問ですけれども、欧米と日本でいわゆる検査に対する考え方が大きく違う、このようによく指摘をされます。欧米では、例えばこの建築確認というような制度、それから、もっと施工の中に入り込んだ、ちゃんとしたコンクリートを打っているか、溶接はきちんとくっついているか、鉄筋もきちんとくっついているかというふうな施工にかかわる検査、これは大体施工者が行うのではなくて、建築主もしくは建築主から直接お金をもらった検査業者、もしくは保険関係者が行う。非常にある意味で第三者性が担保されている、このように言われております。

 これに対して日本は、いわゆる責任施工という概念がありまして、施工者が一括して全部請け負います、検査も任せてくださいと。確かに発注する方はそれで楽でいいんですけれども、ということは、わかりやすい例で言うと、例えば溶接にしましても、溶接をした人がそれを検査するということになりまして、ある意味で客観性に乏しい。そこが、いわゆる保険制度がなかなか入ってこない一つの大きな障害だとも言われております。

 そういう意味で、検査の第三者性を高める、いわゆる責任施工という考え方から脱却していくということも、例えば公共工事等については一歩踏み出されるのはいかがか、このように考えますが、この点についていかがでしょうか。

北側国務大臣 委員は元清水建設御出身だというふうに記憶をしております。それも技術者でいらっしゃいまして、貴重な御意見と承っております。

 工事監理が重要であるというのは、全くおっしゃっているとおりだと思います。この工事監理というのは、設計だとか設計図書どおりに施工が行われているのかどうか、そこをチェックしていくということでございます。今、日本の建築では両方あるわけですね。一貫してやっているところと、そして全く別のところがやっているところとあるわけでございますが、この工事監理者の第三者性を高めるべきではないかという御指摘については、よく検討させていただきたいと思っておるところでございますが、その必要性、実効性についての検討について、今、社会資本整備審議会でも御議論を賜っているところでございます。

 委員のただいまの御意見もよく踏まえまして、議論を進めさせていただきたいと思います。

大島委員長 時間でございます。

斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。終わります。

大島委員長 これにて斉藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口でございます。

 沓掛防災担当、済みません。きょう、直前にお願いをしましたが、今回の偽装案件について防災担当として、この問題は民民の問題である、そして一義的には国土交通省は責任を負わないんだという趣旨の御発言を昨年されたかというふうに私は承知していますが、御発言の有無と、その内容についてお教えいただければと思います。

沓掛国務大臣 今のお尋ねの件ですが、十一月の十八日、閣議後、警察庁の記者会見室で、ちょうど私、十七日の午後でしょうか、北側大臣が海外へ行かれますので、十七日から何日間の間、臨時代理を仰せつかっておりました。その時期のことでございまして、十七日に国土交通省で、いわゆる指定確認機関のあるところから、そういう偽装問題的なことがあったという情報をいただいておりました。

 そこで、十八日に記者会見で、警察関係や防災関係かと思ったら、まずそのお話が、臨時代理の話が出まして、それについて国はどうするのかというのが第一問だったというふうに思います。

 そこで、私からは、臨時代理でございますから、この問題、当時、そのときはまだこんな大きな話ではなくて、ほんのそこで起きたというような感じだったと思いますが、何しろ臨時代理ですから、その問題全体の解決に対する決意や抱負、考えを述べる立場ではございませんので、まず、今常識的に普通やっている中ではどういうことができるのかという趣旨でお答えしたというふうに思っています。

 そこで、まず何といっても、売り主の責任というのは瑕疵担保十年があるわけですし、もちろんそれをつくるに当たって設計者もいるわけですし、それからそれを建設した人たちもいるわけですから、この問題になっているのは割合に日が浅いところでございましたから、いずれも瑕疵担保期間ですし、また指定確認検査機関など民間のもいろいろあるわけですから、まずはそういうところと入っている住居者との関係、民民の問題だと思いますから、まずそこが第一歩でしょうという説明をしたように思います。

 それから次に質問があったのは、そういう危険なところから出ていかなければならないのだけれども、出ていくところがなかなか見つからないじゃないかというお話でしたから、そういうことになれば、どうしても危険で出なきゃならないということであれば、公営住宅等への優先入居についてそれぞれの地方公共団体にお願いするなり、そういうことがまず第一だと思いますと言いましたら、それに対してもう一つ、じゃ、どこでも入った場合に家賃補助はしてもらえないかということでございましたから、家賃補助についてはいろいろな条件がありますので、今こういうことを……

大島委員長 短目に、大臣。

沓掛国務大臣 想定しておりませんので、今すぐここで家賃補助という問題にはならないと思いますということで、私はそこで終わって、次の日、次の次の日ですか、それが金曜日でしたから、日曜日に北側大臣が急遽帰ってこられて、それから対応されたので、そちらの方がいよいよ本腰を入れた対応になったというふうに思っています。

 以上です。

原口委員 国土交通大臣の臨時代理として御発言になったということを確認させていただきました。

 どうぞ大臣、もう結構でございます。

 私は、今回の姉歯案件で、前回も指摘をしましたが、この偽装問題を姉歯元建築士が行った個別問題としてとらえる、小さくとらえるのではなくて、むしろ安全性や消費者の権利、大臣は消費者保護という言葉を今の審議の中で何回もお使いになりましたが、実は、御党の大口委員とそれから自民党さんの岸田議員さんと一緒に、私たちは消費者基本法というのを、私が原案をつくらせていただきました。今消費者保護法ではありません。消費者基本法というのはどうなっているかというと、CI、世界消費機構に掲げられている消費者の権利を八つ明示しまして、その権利を明定した上で、消費者の権利をどのように保障するか、保護という言葉を使っていませんで、保障ということを私たちは考えています。

 と申しますのも、消費者は保護の客体ではなくて権利の主体である、こういう考え方に基づいて行政は行われるべきであり、主権者が何といっても主役でありますので、消費者、これはまさに権利が保障される、そのために、国土交通省や私たちは公僕として消費者にさまざまな権利を保障する責務を負っている、こういう整理をさせていただいていることをまずお伝えを申し上げたいと思います。

 さて、今回の問題で、前回理事が御努力いただいた件で、幾つか確認できなかったことがございますので、これは事務方で結構でございますので、短目にお答えください。

 姉歯建築士は、これは信頼の置ける確かな情報によればということでございますが、確認申請の提出日に間に合わないので、とりあえず偽装したものを入れて、後で差しかえようと思っていたと推察されますが、この事実はあるのか。そもそも、確認申請後に構造計算書の差しかえというものができるのか、国土交通省にお伺いいたします。

山本政府参考人 建築主事あるいは建築確認機関が、既に確認申請した構造計算書について偽装に気づいた場合は、不適合通知を行って、正しい計算書を出せ、こう言うわけですが、まず、偽装した構造計算書で確認申請するというようなことはあってはならぬと思います。

 姉歯建築士が、ある確認申請について、一たん偽装したものを入れた後で差しかえようと思っていたと推測されるという御指摘については、私どもも同じような認識を持っております。

原口委員 これは頻回に行われている可能性がございます。ということは、では、大臣、確認申請というのは一体、そもそも何なんだろうか。確認申請をして、それが真正の書類だということで出していて、それが後で差しかえることがどうやってできるんだろうか。ここのことについては、なおやはり事実を明らかにする必要があるというふうに思っています。

 もう一件伺いますが、前回も、これは重複になるかもわかりませんが、姉歯元建築士は、ヒューザーの案件について、木村建設、スペースワン、エスエスエー、森田設計、下河辺設計を通して構造計算の仕事を受けていたとしているというふうに、信頼の置ける確かな情報によれば私は情報を得ていますが、これは事実ですか。

山本政府参考人 姉歯元建築士の聴聞において、国土交通省は二十一日に公表いたしました二十一件の偽装物件のリストを示した上で事実関係を確認しております。二十一物件のうち、ヒューザーの案件につきましては、スペースワン、エスエスエー、森田設計、下河辺設計を通して構造設計の仕事を受けていた。それから、木村建設は施工者としてヒューザーの案件にかかわっていたという認識でございます。

原口委員 正確な情報を教えていただいてありがとうございます。

 つまり、木村建設が施工者、あるいはこれは木村建設の下請として設計も姉歯元設計士が請け負っていた。しかも、今お話のあった四つの設計事務所の設計も、姉歯元設計士が構造計算の仕事を受けていた。この事実が明らかになりました。

 さてそこで、偽装問題が公表される二日前に、あの十一月十五日、後でこれは触れますが、伊藤元長官の面談。これも委員長初め理事が御努力いただいて、私のところでレクをしていただいた資料を開示いただきました。心から感謝申し上げたいと思います。委員長にお許しをいただいて、今皆さんのお手元に配らせていただいています。

 資料1でございます。これは、一月二十五日、原口議員というのは私です、私と長妻議員に私の部屋で国土交通省がレクを行った、その聞き取りの資料でございます。これは私がつくったのではなくて、国土交通省さんがこの委員会の求めに応じて提示をしていただいた、理事会に提示をしていただいたものでございます。これの1のところ、前回この委員会の審議では、伊藤元長官は専ら聞く側に回っていたという、それだけのお答えを四回私にお答えになりましたが、実際にはそうではありませんでした。

 1のところ、マンション供給に実績のある知人として小嶋社長、桃野会長の紹介が伊藤代議士からあり、正確にここに書いてありますが、この人たちに聞くと何か大きな問題があるようだがどういうことか教えてほしい、あるようなのだが教えてほしいということをおっしゃっています。ただ聞くだけではなかったわけであります。また、小嶋社長からは、イーホームズがいいかげんな審査をしている、制度上の欠陥があり、国として責任があるということをしっかりとおっしゃっています。

 次の資料、これは我が党の馬淵委員が本委員会で提示をしました、十一月二十日グランドステージ川崎大師住民説明会におけるヒューザー小嶋社長の御発言を一部抜粋したものでございます。これはテープから起こしたものでございますが、ただ、これが真正のものか、これは小嶋社長はそのとおりおっしゃっていますが、このとおりであるかというのは、やはりこれは確認をしていかないとわからないことでございます。

 1のところ、課長の方はそれで沿って動くということで、私は課長の前で、前の予算委員長である伊藤公介代議士を一緒にですね、ありがとうございますというふうに頭を下げてきたんです、つまり一緒に頭を下げたということが、小嶋社長はそう言っています。

 それで、その後のパラグラフで局長のお名前も出ています。ええ、建設省の、あのう、住宅局長も申し入れ、ところが、山本繁太郎とかいうこの住宅局長はですね、それはどんなシステムが国が悪い形で、その、業者に与えたからといって、業者は、その、全部、あの国が責任をとることはねえだろうとうそぶいていると。言葉的にはちょっとどうかと思うんですが、山本局長が国は責任をとることはないだろうとうそぶいていると言っているわけです。

 私は、先ほど代理がお話しになりましたように、一義的な責任が国にあるなんというのは思っていませんし、名指しで局長は悪者にされておられるようですが、局長がおっしゃっている方が、私は理路整然としているというふうに思います。

 課長までは、何とか国の対応として、自治体と話し合って費用負担も含めて対応したいというふうに言ってくれてはいたんですけど、つまり、これが事実であれば、課長まではオーケーと言ってくれているけれども、山本局長がどうしても首をうんと振ってくれないんだということをここでおっしゃっている。局長、よく頑張られましたね、私はそう思います。

 3のところは何と言っているかというと、この方を別室に呼んでですね、それから審議官も局長付の審議官というような者を一緒に話を聞いていた人が三人別室に行って、ということですが、これは審議官ではないですね。私の調査では、審議官ではなくて高見さん、技術の方の専門家の方がお入りになっているので、これは事実と違うということがわかっています。

 4をごらんになってください。それから私どもの協会、これも国交省からの役人の天下り団体でございますと。まあこれはびっくりしますね。社団法人日本住宅建設産業協会で、恥ずかしながら云々と。そこの理事長の神山という理事長でございますけれども、この方からその有力な審議官の方にもまた電話を入れていただいて、場合によっては、とにかくおまえ何でも出すな、何でも出すなと書いてあるんですね。何でもいいからとにかく持ってきてとにかく建築資金にという形で借り受けできるようであれば何でも持っていってくださいということを言って云々と。それで、五十億というところが六で出ているわけです。

 つまり、この構図が本当であれば、課長のところでは、そのときにある程度支援スキームについてオーケーですよということを言ったと。これも本当かどうかわかりません、うそかもわからない。しかし、山本局長ははねつけた。はねつけたから、もっと上の審議官に理事長がお話をしたということをここでおっしゃっているわけでございます。

 それで……(発言する者あり)いや、もっと上じゃないですね、局長が上ですから、そのもとの審議官に、上、下間違えました。審議官に言っているということであります。このことを、事実を押さえて、こうおっしゃっているという事実ですね、それが、中身が本当かどうかということは私はわかりません。

 そこで、山本局長、住宅局長と伊藤元長官との面談について、局長室内では、だれとだれがどのくらいの時間、面談をされたのか、その内容は何か、お答えを下さい。

大島委員長 この資料2の1のこの中で、予算委員長であるというのも間違っていますね、これ。ここ、間違っていますね。(原口委員「違いますね、たくさん間違いがあると思います」と呼ぶ)

山本政府参考人 伊藤代議士と私との面談は、五分間程度行われました。建築指導課長、それから建築指導課の職員一名が同席いたしました。伊藤代議士から、この件については建築確認検査機関を指定した国にも責任があると思う、居住者の安全確保などが大事だと思うが、国としてどう対応するのかという旨の御発言がありました。私から、国としては、まず居住者の安全確保と居住の安定が必要であり、公営住宅などを使った受け入れなどの検討を行っている旨の発言を申し上げたところでございます。

原口委員 これは、前も議事録に残っているとおりのことをお答えいただきました。つまり、国の責任について、それを責任があるというふうに伊藤元長官はおっしゃったということが山本局長のお話からわかったところでございます。

 さて、小川課長、先ほど読み上げましたとおり、資料2の1の1で読み上げましたとおり、課長までは国の対応として自治体と云々と。これは何をするのか。課長は何をおっしゃったのか、おっしゃっていないのか。事実関係をお尋ねします。

小川政府参考人 お答えいたします。

 居住の安定確保のために公営住宅を使った受け入れ等の検討を行っているという旨の発言を申しましたが、費用負担を含めて対応したいといった旨の発言を含め、ヒューザー社に対して公的支援を行う趣旨の発言は一切しておりません。

原口委員 前回の委員会の御発言では、全く心当たりはございませんと答弁をされています。

 ということは、具体的な支援スキームの内容について、大臣、国土交通省として言質をこのときに与えたことはないという認識でよろしいでしょうか。

北側国務大臣 今は十一月の十五日のお話をされていらっしゃるわけですね。その時点では、支援スキームについてまだ具体的に議論をしている段階ではございません。その時点では、たしかまだ二十一物件のころなんですね。ともかく全容をはっきりさせよう、事実関係をしっかり掌握しようというのがそのときの状況でございまして、支援スキームをどうしていくかというような議論はまだその後の話でございます。

原口委員 大臣、ありがとうございます。

 当時は、公表がこの二日後の十一月十七日でございますから、支援スキームもでき上がっているどころか、どういうことが起こっているかということもまだわからない状況だというふうに認識をします。

 ただ、明確に、伊藤元長官は記者会見で、用件については知らなかったという旨を述べておられますが、局長室にお入りになったときに、具体的に偽装についての認識をお持ちになって、指定した国の責任を問うという行動を起こしておられることがわかります。

 さて、大臣に続けて伺いますが、前回も伺いましたが、では、この支援スキーム、これは、先ほど御質問なさいました斉藤委員の問いに答えてこうお答えになっています。本来は建築主である売り主が売り主責任として瑕疵担保責任をしっかり果たしてもらうことが当然のことでございますし、それが第一義的な責任を果たしてもらわなければいけないわけでございますが、それが果たせるような状況になっていないということも勘案してと。この議事録は、平成十八年の二月六日の本委員会の速記録でございます。

 そうであれば、これは、支援スキームを決めたことがいけないということは絶対言いませんし、私は、このスキームが早急に決められたということは、逆に多くの人たちの不安を払拭する上でよかったと思っていますので、総合的に判断してお決めになったということをきょうは問いません。そこはもう何回も大臣がお答えになっています。

 では、ここにお答えになっているように、ヒューザーが一義的な瑕疵担保責任を果たせるような状況になっていないと、いつ判断をなさったのか。そして、その判断の材料は何だったのか。そのことについて、これは国土交通省の、お役所で結構ですから、お答えください。

山本政府参考人 本件に係る建築主、つまり、ヒューザーの現状あるいは考え方を把握するために、ヒューザーを含む建築主三社から、十一月二十五日に国土交通省におきましてヒアリングを行いました。ヒューザーからは、国土交通省から金融機関への指導により金融機関に九〇%程度債権放棄させるなどの案の説明がそのときにありました。

 その後、ヒューザーからマンションの購入者に対しまして、購入価格の一〇六%の価格で買い取るという提案が行われました。中身がいろいろありましたので、この御提案は受け入れられませんでした。

 今二つの例を挙げましたけれども、ヒューザーの、瑕疵担保責任を真正面から果たすという、お口ではそう言っているわけですけれども、その上で提案は二転三転をいたしました。その後も、ヒューザーからは購入者にとって受け入れ可能な現実性のある提案が行われなかったわけでございます。ヒューザーが契約上の責任を誠実に言葉どおり履行する見通しが立っているとは全く言えない状況であると私どもは判断したわけでございます。

原口委員 いや、私はそこが、お隣に金子筆頭おられますが、金融の話をずっとやってくる委員会におりますと、そういう、説明が二転三転したからということで、では、一義的な瑕疵担保責任を果たす、そういう力がないというふうに、金融の世界では、金子先生、判断しませんよね。その人たちが持っている資産あるいは会社のバランスシート、利益率、そういったものと照らし合わせて、あるいは個人の資産でもあるでしょう、それをもってデフォルトの危機が強いということであれば、今おっしゃったこともああそうかなと思いますけれども、今の御説明ではなかなか合点がいきません。

 それは十一月二十五日にヒアリングをして、この人たちには瑕疵担保責任を一義的に果たす、そういう能力がないというふうに判断をされたわけですか。

北側国務大臣 御承知のとおり、公的な支援策の取りまとめをさせていただきましたのは十二月の六日でございます。これは、財務省、総務省、関係省庁と協議の上で取りまとめをさせていただいたわけでございますが、その時点で最終的にそのように判断をしているわけでございます。

 それまでの要素として、今、山本局長が申し上げた、十一月二十五日にヒアリングをしたときの内容だとか、またその後の、この小嶋氏自身、その当時はテレビによく出演されておられまして、いろいろなことをおっしゃっていました。そうした話も聞いておりました。そういう状況の中で、ヒューザーが、小嶋氏が瑕疵担保責任をすぐに誠実に実行していく、そういう状況にはないという判断をしたわけでございます。

 一方で、日はどんどん過ぎてくるわけですね。十一月の十七日に公表してから十二月の六日まで、これは相当日にちがたっているわけです。その間にどんどん時間が過ぎていく。このままでいくと、居住者の方々と売り主であるヒューザーとの間で瑕疵担保責任の実行について早急に解決がつくような見通しが立っていれば別ですが、とてもとてもそのときの状況では、早急に、例えば年内に小嶋氏と居住者との間でそういう協議が調うというふうな状況になかったことは、委員も御理解をしていただけるんじゃないでしょうか。

 一方で、日々どんどん時間だけが過ぎ去っていって、いつ地震が起こるかもしれない、居住者の安全が大きく損なわれるかもしれない。そういう状況の中でそのような判断をしたということをぜひ御理解をお願いしたいと思います。

原口委員 大臣、ですから私は、最初に質問したときにあらかじめ断ったんです。その判断をしたことについて、なさったことを責めているわけじゃない。その判断は総合的な判断でしょうから、それは一つの政治的な決断として評価をする。ただ、そこに至る、この瑕疵担保責任を、その大まかな項目を言っているんじゃないんです、決断の。瑕疵担保責任を果たす、そういう状況にないということを何をもって判断されたのか。つまり、彼の言動や状況を見て判断をされたということなのか、いや、財務諸表を見て、あるいは金融の状況を見て、とても返す資力がないというふうに思われたのか。あるいは瑕疵担保責任を果たすと。

 銀行や証券取引法の世界でそんな判断をしたら、それは一つの基準としてはなかなか成立しないだろう、多分いろいろなところからクレームが来るだろうなと思うんです。財務諸表や、あるいはヒューザーがもし金融機関からお金をお借りになっていれば、そういう金融機関との関係も精査した上での話であったのか。

 局長、お願いいたします。

山本政府参考人 精査というとなかなか難しいんですけれども、十二月六日に公的支援の決定をする際に、担当課から株式会社ヒューザーの資産状況についても聴取をしているところでございます。

原口委員 いや、済みませんが、十二月何日ですか。十二月六日ですか。十二月六日に資産状況の聞き取りをされたのか。済みません、私、それこそ聞き損ないまして。その支援スキームをお決めになったのが十二月六日ですよね。

 そうすると、その支援スキームを決める前には、ここにお座りの財務大臣ともいろいろ調整をしなきゃいけない。その手前で、恐らくヒューザーの体力等についての審査があったと思いますが、それはいつですか。

山本政府参考人 先ほど御説明しましたように、十一月二十五日のヒアリングで財務状況についてもお話は聞いているわけでございますけれども、これを最終的に決定いたしました六日に、改めてヒューザーの役員から資産状況を聴取したということでございます。

原口委員 決定した十二月六日に改めて資産状況を聴取した、そんなことがありますか。私はとても信じられないんです。

 もう何回も言いますが、支援スキームを決めて、それを早くやったということをけなしているんじゃありませんからね。どういう調査に基づいて、瑕疵担保責任を果たす、そういう体力やあるいは資産がないと判断されたのか。十一月二十五日は聞き取りでしょう。それでどうやってわかるんですか。銀行のデューデリだってそんな簡単にはできないんですよ。個別の企業の資産査定や個別の企業の債権債務を確定させるなんというのは、結構時間かかるんですよ。だから苦労しているんです、金融の世界では。それを、二十五日に聞き取りをして、しかも十二月六日にもう一回、それは発表の日じゃないですか。

 財務大臣、こういうものを認めたんですか。

大島委員長 ちょっと、北側大臣が今の件で答えたいと言っていますので、よろしいでしょう。

原口委員 はい、結構です。

北側国務大臣 ある人にお金を貸すかどうか、そういうことを審査するときに、それは厳密に、その人が、借り入れをしたいと言っている人がどれだけの財産を持っているかどうか、そこを金融機関がきっちりと審査していくという場面と、きょう、あすにも地震が起こるかもしれない、地震が起こったら倒壊するおそれがあると言われているわけですね。そういう現実的な危険性がある状況がずっと続いている。そういう中で、瑕疵担保責任を誠実に実行するような態度をとっていない。例えば、これをもう少し待てばやってくれるなら別ですよ。危ないということはヒューザー自身が一番よくわかっているわけです、その時点では。

 だったら、その時点での居住者の方々に、まずは、これは引っ越し費用ですということで配っていくだとか、もっと誠実な交渉というのがあっていいわけですけれども、そういうのが全く見えない。このままでは時間だけがどんどん過ぎ去っていく。もしかすると、あす、あさってにもそうした危険性があるにもかかわらず、そうしたことを、現実にヒューザーからどれだけ資産があるんだということを確認しなければそうした公的支援策をつくってはならないということではないと思う。

 我々は、それまでの、公表以降、十二月六日までのヒアリング等々の状況を見て、このヒューザーというのは、早い時期にすぐさま誠実にそうした瑕疵担保責任を実行していくというふうな状況にないということを判断したわけでございます。

原口委員 財務大臣に伺います。

 どういう基準をもって、ヒューザーに瑕疵担保責任が果たせないというふうに財務省には御報告があったんでしょうか。

谷垣国務大臣 事務方で相当調整した後、私のところに上がってまいりまして、私が北側大臣とお話をいたしましたのは、瑕疵担保責任はあくまでヒューザー等々が負っている、その責任は徹底して追及すると。しかしながら、今北側大臣からお話があったことでございますけれども、国が全く関与していなかったわけではない、御承知のような建築確認というようなことがありますし、そうして今北側大臣からお話があったような、現実の問題を解決するためにこれを入れるんだ、こういうお話でございまして、私は、徹底的に責任を追及していただくのなら結構だと了承したというふうに記憶いたしております。(発言する者あり)

原口委員 資産や、あるいは銀行との関係をしっかり精査して、そして、逆に言うとそれを押さえることだってできるわけですし、国家賠償責任だと今金子理事はおっしゃっていますけれども、それはその後の手続の話で、私が伺っているのは、何をもって瑕疵担保責任を果たす、そういう能力がないと、どういう審査をしたのか。早く結論を出したから悪いと言っているんじゃないんです。だけれども、その中身を問うているわけで、中身について教えてくださいと言っているんです。

山本政府参考人 先ほど御説明しましたとおり、十一月二十五日のヒアリング、その後のヒューザーからマンション購入者に対する提案、その他、ヒューザーが、購入者にとって受け入れ可能な現実性のある提案が行われなかったという事実、そういったことを総合的に判断したということを、先ほども御説明申し上げたとおりでございます。

原口委員 では、聞き方を変えましょう。

 財務諸表や、あるいは資産、そして銀行、そういったものとの関係については、ヒューザーとどういうお話をされましたか、どういう聞き取りをされましたか。

山本政府参考人 ちょっと手元に資料を持ってきておりませんけれども、必要なヒアリングをしたと思います。

原口委員 手元に資料も何も、私はこのことについて通告をして、きょうの質問のメーンはここですから。わざわざメールも皆様に、ここはちゃんと答えられるように資料を用意しておいてくださいねということを、今何かメールがはやりのようですけれども、お願いをしていたわけです。

 どうぞ、理事、私はこの後、非姉歯案件についても、財務大臣、いろいろな公的支援が必要かもわからないんですよ。そのときに、どういう状況で公的資金スキームがつくられたのか、何を査定されたのか、これがわからなければなかなか次の質疑に進めませんので、教えていただけませんか。

北側国務大臣 先ほど来申し上げているわけでございますけれども、この十二月六日の公的支援策の決定は、責任は、私が判断をして、そして関係大臣と連携の上でやらせていただいております。

 私がどういう判断をしたかというのは、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、売り主が第一義的に瑕疵担保責任を負うというのは当然のことでございますし、それをしっかりと果たしてもらわないといけないわけでありますが、十一月の十七日の公表以降、十二月の六日の支援策の決定に至るまで、例えば十一月二十五日のヒアリングを通しても、またその後の住民の方々との対応を通しても、現実に、住民の方々との間で瑕疵担保責任を誠実に実行していくという、全くそういう姿が、姿勢があらわれていないわけでございます。そういう中にあって、時間だけが次から次へと過ぎていく中で、現実の危険性がある中で、売り主としての責任を誠実に果たしていないということの中で支援策の決定をさせていただいたわけでございます。

 この支援策の決定を仮にあのときにしていなかったならば、これは、居住者の方々の居住の安全また居住の安定を確保していこうということが図れないわけでございまして、あの時点でそのように判断したことは私は正しかったというふうに考えております。

大島委員長 山本局長に、今、大臣が決定したところはわかりましたが、財務諸表を見たかどうかということについてちょっと経過、そのプロセスで。

山本政府参考人 十二月六日にヒューザーの役員から聴取をする前の段階では財務諸表は見ておりません。

原口委員 山本局長、大変正直にお答えになってありがとうございます。

 ただ、内容は恐るべきことですよ。財務諸表も見ずに十二月六日の公的支援を決定している、とんでもないことじゃありませんか。外的に、いいかげんなことを言っている人がいるから、いいかげんな人、外側の、その人の言っていることあるいは態度、それで公的支援。

 何でこんなことを言っているかというと、シノケンは自分で瑕疵担保責任を果たしているんです。これを認めていくと、次なる公的支援、私は、大臣が後段おっしゃっているように、人命がかかっているから早くスキームを決めて、早くそこへ住民の安心を確保すべきというのはそのとおりなんです。そのとおりであるからこそ……(発言する者あり)どなたがやじっていらっしゃるんですか。

大島委員長 原口議員、こちらに質問してください。

原口委員 いいですか、そのためにもきっちり基準をしておかないと、瑕疵担保責任、この人は果たせないから公的支援ですね、この人は果たせるから公的支援しませんねということじゃ、逆に迅速性を奪い、柔軟性を奪ってしまうから聞いているんです。いかがですか。

北側国務大臣 その時点で、十二月六日の時点で、売り主であるヒューザーが瑕疵担保責任を誠実に実行していくという意思が見られないというふうに私どもは判断をしたんです。それは、十一月の十七日の公表以降、この支援策決定までの、ヒアリングも含めまして、そうした言動、状況、また住民の対応、そういうものを確認している中で、とても瑕疵担保責任を実行できるような状況にないというふうに私が判断をし、もう今早く総合支援策をつくっていかないと居住の安全は確保できないというふうに考えたわけでございます。(発言する者あり)

大島委員長 お静かに、お静かに。

北側国務大臣 もし委員がおっしゃっているように、委員がおっしゃっているのがこういうことだとすれば、委員がおっしゃっているのは、売り主のそうした財産についてきちんと確認をしてからでないとこうした支援策はつくってはならないというふうにおっしゃっているんでしょうか。あの状況の中では、居住者の安全を確保するというのが最優先なわけです。

原口委員 いや、北側大臣、そういう開き直りの答弁、やめてください。

 財務諸表を確認するなんて当たり前のことじゃないか。公的な資金を入れるには、さまざまな基準をクリアして、では財務大臣に伺います。

 公的資金を入れるときに、食言を弄したり、あるいは社長のそういった、今北側大臣がお話しになったようなことで、総合的に判断すれば公的資金が入るんですね。財務諸表なんというのは見なくても公的資金が入るんですね。財務大臣にお伺いします。

谷垣国務大臣 先ほど、この問題をめぐる状況は北側大臣がおっしゃったとおりで、その際に、私ども、スキームとしてこういうスキームを立てて、結果として公的資金を入れながら救済するということがあり得るわけですが、その条件としては、やはり徹底した瑕疵担保責任の追及があるべきだということは申し上げたわけであります。それと同時に、確認検査が自治事務であることを踏まえて、地方公共団体が主体となって対策を講じる、それも必要なことであろうというふうに申し上げたわけであります。

 そういう中で、北側大臣のお話の中で、瑕疵担保責任を追及している、最終的には訴訟等々をやる必要があるかもしれない、そうするとその結論を得るまでに相当時間がかかる、その緊急の対応としてやはりこのような策を講ずる必要がある、こういうことでありましたから、私どもはそれを了としたわけであります。ただ、あくまでも、責任の追及、それは後日訴訟になるのかもしれませんが、徹底的にやっていただきたい、こういうことでこの案を私どもは了承したわけであります。

原口委員 瑕疵担保責任というのは、公的資金を入れた後の追及もあるでしょう、徹底的に追及も。私がきょう伺ったのは、その前の徹底的追及をしたんですかということを言っているんです。

 きょう、少し政策的なことについても触れたかったので、残りの時間を提言に当てます。

 私は、建築物というのは、何も個人だけの資産というふうに狭くとらえてはこれからはいけないんだろうな、環境資産であり、国の資産であり、人と人とのきずなを深めるための安心の住居という社会的資産あるいは環境資産としてのとらえ方が必要だというふうに思います。

 そういう状況の中で、私も先日、耐震偽装のコンプライアンス緊急シンポジウム、十九日に東京商工会議所で行われました専門家の皆さんのシンポジウムに出てまいりました。ここでのいろいろな議論、大変いい議論がされていましたが、やはり法と実際の実態が合ってきていないんじゃないだろうか。

 特に私が懸念をするのは、皆さん、資料を見ていただきたいんですが、資料の、ちょっとこれ、新潟の基礎がつぶれた資料がございますが、六ページです。

 日本の住宅は、平均築後、これは随分延びてはきているんですが、ちょっと前までは二十五年とか言われていました。二十五年で日本の住宅は次へ建てかえなければいけない。それに対して、これは、ここにいらっしゃる奥野委員や多くの委員と、この間、ロンドン、イギリスも訪れましたけれども、やはり住宅が長い資産になっていますね。そして、建築物そのものが町の観光資源になっています。

 こういう形に持っていくためには、やはり建築基準法、建築士法そのものを、公共財、社会的資産としての公共財を生み出す皆さんの共同作業という形で変えていかなければいけないんじゃないかというふうに思います。

 そこで、もう時間がわずかですが、数点、御提案を申し上げます。

 まずは、今回問題となったのは、姉歯元建築士は構造設計者でした。先ほどるる明らかにしたように、構造エンジニアであって、彼は建築家と言われるものでは本来ないんですね。日本の法律では、建築家も構造エンジニアも全部建築士という形でくくられています。現代の建築は、統括的な、意匠計画を担当する設計者と構造、設備設計者との共同で設計されているんですが、この関係が、非常に資本の関係で構造のところや基礎のところが弱くなっている。つまり、今回の事件も、元請の建築家の顔が余り見えないんです。

 元請の顔が見えないどころか、その資料の一番最後をごらんいただくと、名義貸しの事実をこの間審議で明らかにしましたけれども、資料の七をごらんになってください。名義貸し、これは建築士としてはあってはならない大変重い罪でございますが、しかし業務停止は三カ月です。

 こういう状況の中で、私たちは、建築士法そして建築基準法そのものを、一人一人の責任が果たせるように、あるいは顔が見える形に変えていかなければならないというふうに思います。もう時間が来ました。やめます。

 きょうお配りした資料の中には、委員長、新潟の、これはごらんいただくと、大変深刻な震災での被害、町営住宅は二十五センチから三十センチ沈下をしている。何でこんなことが起こったかというと、基礎のところのチェックはほとんどされていないんです。中間検査ということをこの間、平成十年に入れていただきましたけれども、中間検査をどの時点で入れるかというのはそれぞれの判断に任されている。

 設計から施工まで一体にやってくることで何が起こっているかというと、資本の系列で弱いところにしわ寄せが来て、そして構造的にこういう偽装が生まれる状況になっているということを指摘して、私の質疑を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。

 次に、伴野豊君。

伴野委員 民主党の伴野でございます。

 きょうは、集中審議の時間をいただきまして、耐震強度偽装問題等について大臣に質問させていただきたいと思います。

 正直言いまして、今の原口さんとのやりとりは、大臣らしからぬといいますか、私が国土交通委員会でお世話になっていたときの冷静沈着な大臣とはちょっと違うような、私としましては、けげんな材料がふえてしまったような感がいたします。

 きょうは、本当は、技術的な側面から見ても、あるいは法律的な観点から見てもかなりこれは無理無理のスキームになっているということを御指摘したかったんですけれども、今のやりとりを聞いておりまして、十一月二十五日の段階でヒューザーが瑕疵担保責任を果たせないという判断をしたときに、財務諸表も見ていない、数字の裏もとっていない。ちょっとここは、私も本当にびっくりしました。姿勢とか勢いとか何かで判断をされた、これはちょっと説得力がないんじゃないでしょうか。

 大臣が個人的に、困った方をお救いになりたい、自分のポケットマネーでやりたいとおっしゃるなら、まあそれは気持ちと勢いで、いや、この人は本当に大変なんだということでおやりになる。だけれども、一つのスキーム、法律に従って公金を出すときに、何ら裏も、数字的なものをチェックせずに、私の政治的な判断で出した。これは余りにもけげんなことだと思いますね。

 これから一つ一つ指摘していきますけれども、これはまだ、ひょっとしたら波及する可能性があるんですね。そうしたときに、投入するか、このスキームを使うか使わないかといったときに、要するに、勢いを見て、その人の昨今の言動を見て、とんでもない発言をした人には逆にこのスキームを適用するといったら、正直者がばかを見るじゃないですか。どういうことですか、これは。直観的にそんなふうに思っちゃったんですけれども……(発言する者あり)いや、後から一個一個裏づけていきます。

 裏づけていくんですけれども、この瑕疵担保責任のお話をとってみても……(発言する者あり)冷静にお話しさせていただきますが、やはり解決策というのは正直者がばかを見ないスキームにしていただかないと、あるいは、公金を投入する以上は、国民の多くの方が、あっ、そこまで確認していただいたら、まあそれはしようがないなというところに落ちつかせないと、私は、今、原口さんと大臣のやりとりを聞いていて、国民の皆さん方が本当に納得されたか、ちょっと聞いてみたいものでございます。

 改めて、大臣、財務諸表も何も御確認にならず、ヒューザーのそのときのやりとりとか、そのときのいいかげんなことばかり言っていた姿勢で本当に判断されちゃったんでしょうか。もう一度、冷静に私もなりますので、冷静にお話しいただけませんか。

北側国務大臣 十二月の六日の時点で、先ほど住宅局長が答弁しましたように、その時点では財務諸表等を確認はしておりません。

 ただ、先ほど来私が申し上げておりますのは、日々現実の危険性が伴っているわけです、あるわけです。いつ地震が来るかもしれない、そういう状況にあるわけですね。そういう中で、それまでの、十二月六日までの状況を見ますと、少なくとも、瑕疵担保責任を果たして、買い主である居住者の皆さんとの間で、現実性のある、その方々が受け入れ可能な提案をでは具体的にしているのかというと、しておらないということでございます。そのことを確認しているということでございます。

伴野委員 急がなければいけないという気持ちは私どもも一緒で、原口さんもそのお話をずっとしていたと思います。当然、所有者であり居住者である、分譲マンションをお買いになった方が、いつ地震が来るかわからない、そういった状況の中で、不安に感じられ、本当に時間との闘いだということも、それも本当によくわかります。

 では、逆に、今後、新たな会社の物件が出てきたときには、瑕疵担保責任が果たせないかどうかという判断をされるときは、財務諸表ぐらいは見ていただけますよね。どうですか。逆にお聞きします。

北側国務大臣 今回の支援策の要件としては、これまでも何度も申し上げておりますけれども、さまざまな要件をちゃんと規定しているわけです。建築物が著しく危険であるだとか、そこに区分所有者がみずから居住をしているだとか、また、居住者の方々に何ら責任がないだとか、そして、建築確認という公の事務において見過ごしがあったとか、そうした要件が、今回と同じような要件が満たされる限りは、他でそうした事案が発生するならば、同様の支援対策を当然とっていくことになると考えております。

伴野委員 では、今の条件を全部満たして、瑕疵担保責任を果たせるかどうかの判断のときは、今後はどうされますか。

北側国務大臣 大事なことは、居住者から受け入れられる瑕疵担保責任の実行をなされているかどうか、そういう提案がなされているかどうかだと思います。

 十二月六日時点で、ヒューザーの方から、多くの居住者の方々に納得できるようなそうした提案が具体的になされていたかといえば、全くなされていなかったわけでございまして、そういう見通しが立っていないということを前提としているわけでございます。

伴野委員 はい、それもわかっております。

 居住者であり、分譲マンションをお買い求めになって、同じような状況になって、同じような構造物に住んでいらっしゃる方、それの存在があって、それが、新たな売り主からそういうふうに同じ状況があった。そのときに、先ほどおっしゃったように、居住者である分譲マンションをお買い求めになったお客様がどう納得するかというのは、一つはやはり心のケア、要するに、いかに安心していただくかというのがあると思うんですが、一番大きいのは、はっきり申し上げてお金の問題だと思うんですね。そうしたときに、どう自分に賠償してもらえるんだということをやはり気にすると思うんですよ。そのときに裏をとっていないと、その人が本当に瑕疵担保責任を果たせるかどうか、これはわからないんだと思うんですけれども、いかがでしょうか。やはり具体的な数字をどこかで確認されないと、瑕疵担保責任が果たせるかどうか。

 先ほどの、お客様、居住者であり分譲マンションをお買い求めになったその方が納得されるところには、精神的なケアから、いかに早く立ち退いて少しでも安心した生活をしていただく、さらには、これはいつ賠償してもらえるのかというお金の問題にどこかで行き着くと思うんですね。そこが担保されていないとそれはお客様は納得しないから、逆にお客様を納得させるために、この売り主が瑕疵担保責任が果たせるかどうかというところは大きなポイントだし、それを、財務諸表か、あるいはしかるべきものできちっと定量的に押さえていかないと、少なくとも今後はだめじゃないですか。大臣、どうですか。

北側国務大臣 大事なことは、居住者が受け入れ可能な提案をなされていたかどうかなんです。居住者が受け入れ可能な提案をなされていたかどうか。受け入れ可能なものであって初めて、では退去していきましょうということになるわけですね。

 そうした受け入れ可能な具体的な提案というのがこの十二月六日までの時点で全くなされていないという状況にあったことは、委員も理解していただけるんじゃないでしょうか。

伴野委員 まあ、余りあれなんですけれども、だから今後の話を、今までは大変お忙しい中でリスクをしょっていらっしゃって、時間リスクもしょっていらっしゃって、大臣も大変な中でやられたということは、私もそれは理解します。今申し上げているのは、今後の話をしているじゃないですか。

 だから、今のヒューザーさんのことを百歩譲ったとしても、これから、この会社は瑕疵担保責任が果たせないという判断をされるときには、最低、財務諸表や、あるいはしかるべきもので定量的に押さえていただけますねというお願いをしているわけなんですけれども、いかがですか。

北側国務大臣 確かに、資産状況の把握も、可能な範囲でこれは必要だと思います。しかし、大事なことはその意思があるかどうかでして、あのときには、だれが悪い、かれが悪いと専ら言っているわけですね。そういう中で、きちんと居住者の方々が受け入れることができるような提案というのは全くなされていなかったんだ、そこを私どもは見ていたんだというふうに御理解をお願いしたいと思います。

伴野委員 可能な限り、そういう定量的なもので押さえていただくということを期待したいと思います。

 では、少し技術的なことも含めて、冷静にお話をしていきたいと思います。

 今の時点でいろいろ本当に、ちょっと資料も出させていただいていますけれども、御就任になられてから本当に毎月のように、別にこれは大臣の責任だと言っているわけじゃないですよ。ちゃんと改めて言っておきます。次から次へ本当にいろいろ起こって、その中で今回の事件も、事件と言ってしまっていいかどうかわかりませんが、まだ問題と言った方がいいのかもしれませんが、起こった。だから、先ほどおっしゃったように、居住者の方の安全、安心をとにかく第一義的に何とかしなきゃいけないということは、それは非常によくわかります。私も、それは大臣に負けないぐらいその思いは強いです。

 そうした中で、公的なお金を入れていくためにどうしていくんだということはさまざまな観点からチェックもされていると思いますが、あえて今回、私がけげんだと思われるようなところを順次検証させていただきながら大臣に御答弁いただければと思うんですが、大臣、結果的に、わかりやすい言葉で言いますと、なぜこの事件といいますか問題が起こった、この問題の本質はどこにあったと今の時点で思われますか。

北側国務大臣 先ほどもその質問があったわけでございますけれども、今、事実解明を、捜査機関、また私どもも取り組んでいるところでございますが、現時点で申し上げられることは、私は三つあるのかなというふうに思っております。

 それはやはり建築側の問題です。姉歯元建築士、国家資格を持った一級建築士が耐震度を偽装する、今までそんなことは当然もう全く想定しておらないわけですね。そういうことがある。それも、現時点で判明して、九十七件もそういう偽装をしているということでございまして、また、そのことを元請の建築士も気づかない、施工者も気づかないというふうな状況にあるわけです。

 建物をつくる側にやはり問題が、課題があるのではないかというふうに思います。例えば建築士のあり方、これはこれから御議論いただくのかもしれませんが、そのことについてもしっかりと議論をしていかねばならないというふうに考えております。

 二つ目は、確認する側が見過ごしてしまった。それは特定行政庁の場合もあれば民間の指定確認検査機関の場合もございます。なぜ建築確認の段階でそれを見過ごしてしまったのか。そこの実態というものをよく調べて、これも、建築確認のありようについて、私は徹底した見直しをしていかねばならないというふうに考えております。

 三番目に、先ほど消費者保護と言って怒られましたけれども、やはり消費者、住宅を買う側にとっては、これは一生に一度あるかないかの大きな買い物をされるわけです。その消費者の側に立った仕組みというのが現行制度の中に欠けているのではないか。瑕疵担保責任十年というふうに規定しても、しかし、これが現実に実行、履行できなければいけないわけでございまして、その履行の担保が十分に果たされるような仕組みになっていないのではないか。

 こうした三つの大きな問題が私はあるなというふうに認識をしております。

伴野委員 最初の一番目と二番目は同感でございます。一つは、専門職としてのプロフェッション、建築士としてのほころびといいますか、それが出てきている。

 それから二つ目、建築確認初め建築基準法のあり方といいますか、具体的に申し上げれば、建築確認をする建築基準適合判定資格者のいわゆる能力と、何を判定すべきかというところのずれ。

 大臣は消費者のことをその次に言われておりましたが、私は三番目に建築技術の進捗、これがやはり大きく認識とずれていたんだと思うんですね。

 四番目が、そういう消費者も含めた、住宅というものすべて、これに対する意識改革をしなければいけなかったということを私は感じています。

 先ほど斉藤議員が同じような指摘をされていた中で、やはりポイントは、平成十年、一九九八年の、設計の仕方が仕様設計から性能規定、いわゆる性能設計に変わった。

 それから、限界耐力計算法というものなんですが、多分、これは勝手な推測です、今回の姉歯氏も十分理解されていなかったんじゃないかなということを私の浅学の中で感じます。さらに、建築士ですら、今申し上げた一つの改革の柱であった、はっきり言ってすごく裁量があるんですね、限界耐力計算法というのは。この使い方というのを十分認識されていなくて、非常に例えが悪いですが、姉歯さんも最初は十分理解されていなくて、まだそういう理解されていない中でぴゅっとボールを投げちゃったら、たまたまストライクだと言われちゃった。これはぼろいぞと。だから、ちょうど姉歯さんが偽装をしているのが平成十年からなんですね。

 それと同時に、もう一つの柱、民間開放した。これは、多分、許認可をされた方の心理だとわかるんですが、お上に出さなきゃいけないというと相当いろいろプレッシャーがかかるんですよ。お上に出さなきゃいけない。だけれども、これが多少、民間ということになると、今言ったように、一回投げてみてストライクになればめっけもの、ストライクじゃなければ、先ほどどなたかが言っていたかもしれませんが、差しかえればいいというようなことをやはり人間は思っちゃうんだと思うんですね。

 だから、この辺の官から民へ、私も、この平成十年の一つの建築基準法の大きな大きな改革というのは、ベクトルとしては認めます。しかしながら、それをすることによって、先ほど申し上げた、いわゆる建築士会のさまざまな制度のずれ、それからそれを認定する人の能力、判定資格者の能力と判定すべきことの事柄のずれ、さらには、今申し上げた、一つの設計法という技術進捗、それをしかもブラックボックスであるコンピューターでやる。手計算のときは一つ一つ追っていけばまだということもあるんですけれども、コンピューターというのはブラックボックスになり、しかも、このときにちょうど新しい設計法が出たものですから、多分皆さん方はどなたも疑心暗鬼。だから、新しい技術で新しい設計をやっていくわけですから、見る方も出す方も多少疑心暗鬼の中にこの事件というのは起こっちゃったのかなという気がしてなりません。

 今申し上げた中で、今回のスキームをおつくりになるときに、大臣は、公的なかかわりという非常に微妙な表現を使われています。私は、あるとすれば、やはりフォローアップを十分にしてこなかった、その部分というのは、国の責任とまでは言いませんが、きちっとしてこなかったことが追及される、あるいは、ここを責められるとちょっと国土交通省さんも弱いなという感を持っているんですが、いかがでしょうか。

山本政府参考人 一点だけ事実関係を御説明いたします。

 平成十年改革についての言及がありました。このときに限界耐力計算が導入されたわけでございますけれども、今回の姉歯物件はすべて保有水平耐力計算のルートを通じて構造安全性を検証するという物件でございますので、そのことだけ御説明させていただきます。

北側国務大臣 今委員のおっしゃっているのは、こういうふうに理解をしましたが、構造計算等の建築における設計技術がどんどん技術的に進歩している、そういう中で建築行政が十分についていけなかったのではないか、こういう御指摘でしょうか。そういう御指摘だとすると、そのことは私もあるのかというふうに考えております。

 したがって、今、その建築確認の中での、特に構造計算に係るところのチェックのありようについて、指定検査機関、特定行政庁、それぞれについてその実態について調べさせていただいて、その見直し、改善に向けての議論をしているところでございます。

伴野委員 今回、非姉歯というものもできてきたわけでございまして、特に、この大きな改革があった後の環境がそこについていっているかどうかというチェックとともに、これは後ほど申し上げますが、今いろいろな検査をされているんだと思いますが、平成十年以降はちょっと疑って国土交通省さんもおやりいただいた方がいいんじゃないかな、その指摘はさせていただきたいと思います。

 続きまして支援スキームについて。

 今回のスキームは、結果的に、結論から、私の感触から申し上げて恐縮なんですが、いわゆるとんでもない人たちの解決策、結果的にそういったスキームになっているのではないか。結果的にですよ。そうじゃないとおっしゃることもよくわかりますが、かなり無理筋で随分頑張ってつくられたんだと思いますが、結果的にそういうふうになってしまうのはなかなか説明がつきにくいんじゃないかということで、一つ一つ私なりに検証させていただきたいと思います。

 まず一点目ですが、これも先ほど質問がありましたので、かいつまんで御説明させていただきつつ、知りたい部分だけお聞きしたいと思います。

 まず、やはり国民の関心の部分の一つは、特に今回の物件等に間接的あるいは直接的にかかわっていない、いわゆるその他の国民の方たちですね。自然災害にお遭いになって被害者になられた方、この人と比べて今回はどうなんだ、手厚いのかどうか、いやその以内なのか、あるいはスピードもどうかというようなことを、どうしても批判的に見る方もいらっしゃいます。はっきり申し上げて、同情はするけれどもという御意見も耳にいたします。

 そうした中で、先ほど、局長だったと思いますが、過去、自然災害で御苦労された方、仮設住宅、それから除却費、そして最後、優良建築物整備事業ということで、最終的には新しいお住まいまでスキームをつくられたということでございますけれども、この優良建築物整備事業をおやりになったときには、いわゆる自然災害が起こってから新しい住宅にお住まいになるまでの期間は大体いかほどであったか、今手元でわかるなら教えてください。

山本政府参考人 手元にちょっと資料を持ってきておりませんけれども、通常であれば、マンション建てかえ事業でございますので、二年とか、そういうオーダーでございます。

伴野委員 ありがとうございました。大体平均二年ぐらいというふうな感覚でよろしゅうございますかね。もしわかれば細かい数字をいただければ、今後の参考になりますので、後でいただければと思います。

 そうした中で、今回の方、自然災害と比べてどうかというと、今回被害に遭った方、はっきり言って、御自身が考えられた生活設計が大きく崩されてしまった、そういう被害に遭われた方と今までの自然災害の方を比べた場合に、やはり、自然災害の方を上回るようなことは多分あってはならないんだろうと思いまして、その以内の中ですべておやりいただくべきだと思うんですね。そうした中で、今回、分譲住宅、いわゆる分譲マンション、居住者であり、そして所有者である方、この方は、まあ偽装に対して特に瑕疵はなかった。

 資料を見ていただいて、資料二でございますが、一番大臣が理路整然と御説明されたのが、二月十三日の松野議員へのお答えだったと思うんです。

 まず、前提として、法律上の責任、民事上の責任がないということをきちっとここで言っていらっしゃる。その次に、一つ目は、公益性、緊急性だ。二つ目は、この分譲マンションを所有されて居住されている方、この方には何ら責任がない。それから三番目、公の関与があると言わざるを得ません。四番目、ここは先ほどの瑕疵担保のところでいろいろあったんですが、責任が果たされない、売り主が責任を果たさないというこの四つの条件が、あと技術的には、先ほど山本局長が水平耐力のことをおっしゃっていましたが、〇・五以下とか。ここも少し後で私なりの考えを述べたいと思いますけれども、まあ技術的な面は除いて、そういった条件を満たせば既存の制度を活用して、地域住宅交付金制度を活用させていただいて分譲マンションの居住者の皆さんに対する支援スキームを総合的につくらせていただいたとおっしゃっているわけですね。

 一つには、何ら責任を負っていないというところは、ここの部分で自然災害の方と比較すると、自然災害の方に比べれば、売り主は選べたんじゃないかと思うんですね、売り主は。確かに、すごく、その売り主がとんでもない建築士なり施工業者を使って大変なことになったケースもあるんでしょうけれども、この何ら責任を負っていないというところ、それから公の関与がある、それから公益性、緊急性というところを比べながら、例えば賃貸マンションの方はどうだったのかなといいますと、この人は確かに所有者じゃありませんね、居住者であるだけ。

 今回、賃貸マンションのいわゆる事業主さんは多分比較的きちっと、言ってみれば責任を果たされているからそういう状態が起こっていないんでしょうけれども、この理屈からいくと、賃貸マンションの事業主さんが、とんでもない、瑕疵担保責任を果たせない方だったら、居住者の移転費用は払えるという理屈になりませんか。ここはいかがですか。

北側国務大臣 賃貸マンションの居住者ですか、賃借人との関係をおっしゃっているんですか。(伴野委員「はい」と呼ぶ)

 賃借人との関係では、瑕疵担保責任というのはこれはないわけですね。むしろ、そういう危険な建物に入居をしてもらったという、賃貸借契約についての不履行かもしれません。それが、契約が解除されたのか、事実上終わったのか。

 いずれにしても、その移転に伴う費用については、それは、建築主であるところの貸し主の方が負ったということだというふうに思います。

伴野委員 いや、それはわかっているんです。負ったから今回よかったんですけれども、負わなかった場合、要するに、はっきり言って、今回の件で、言い方は悪いですけれども、どこかに逃げちゃったとかバンザイしちゃったといった場合には見られることになりませんかと言っているんです。

北側国務大臣 今回の要件の中には、その区分所有者がそこに居住をしているということも要件となっておるんです。ですから、今回の要件には当たりません。当たっておらないわけでございます。

伴野委員 それは、ですから、地域住宅交付金制度を使うからですよね。地方公共団体がほかの費目で払うことは可能になりませんか。

山本政府参考人 公共団体が支援する必要があるかどうかという公益性の判断の問題だと思います。

伴野委員 今のお話は、だから、判断をすれば払える可能性もあるというふうに私は解釈させていただきます。

 つまりは、今回の被害者の中でも、今回のスキームは、ちょっと本当に細かいことまで指摘させていただいて恐縮だったんですが、やはりいろいろ不公平感があるんじゃないかと思うんですね。

 よく大臣は、ホテルの事業主さんあるいは賃貸の事業主さんは、少なくとも建築、これを建築主というか建築士というか、いろいろやり方があるんでしょうけれども、少なくともそういう人を選べるから、ここには何ら援助のスキームを与えないんだというようなことをおっしゃっていますが、私は、例えば、いわゆる今回のホテル、偽装されて非常に危ない危険なホテルが震度五でそのまま建っている。これも、ホテルの事業主さんが、あるいは賃貸のマンションの方が、まあ、きちっと責任を果たそうとする事業主さんばかりだから、とりあえずは今のところはいいですが、これも、例えばホテルの事業主さんがとんでもない人で、今回の一件で、はっきり言って、どこかへ逃げちゃった、そのままにしていっちゃったというと、今回の地域住宅交付金制度のスキームかどうかは別として、これは地方公共団体の判断でまた除却しなきゃいけないということになりませんか。いかがでしょうか。

山本政府参考人 幾つかの事柄をまぜて議論がありますので、ちょっと分けてお答えをいたします。

 公的支援が必要かどうかという判断の中に、建築主の責任、今度の姉歯の事案の被害者の責任として、例えばホテルの建築主といいますか経営者は、みずから設計者を選んで、施工者も選んで設計するわけです。しかもそれを事業として行っているということで、みずからの責任で事柄を決着させるべきだということを基本として私どもは判断しているわけですけれども、その上で、事業主が、事業をやめてしまったり、危険なホテルをそのままにしていなくなったりした場合に、建築行政上どういうことを行政庁としてやるのかということですが、これは、建築基準法に基づいて危険な建築物を除却する、基本的には行政代執行までいきますので、建築行政上の責めを特定行政庁が果たすということになると思います。

伴野委員 今回、ホテルの事業主さんなりあるいは賃貸マンションの事業主さんが、建築士まで本当に、形式的にじゃないですよ、形式的には選べるんです、実態的に選べたかどうかというのは、これは多分司法の判断まで持っていかないと、本当のところはわからないと思うんですね。

 はっきり言って、ある知っていたコンサル、しかもそのコンサルも知り合いの人に紹介してもらった。そのコンサルがいろいろ仕組みまでつくっていて、そこにたまたまAというとんでもない建築士がいたという仕組みになると、これは、その人が選んだと言うにはなかなかつらいです。

 誤解のないようにあえて申し上げてみますと、マンション居住者、分譲マンションをお買い求めいただいて居住されている方も、突き詰めていきますと、建築主を、下請の建築士、構造設計建築士を隠そうとした意図がない限り、売り主から聞くこともできますし、その評価というのはなかなか難しいんだと思うんですね、素人さん。だけれども、先ほど申し上げたように売り主さんを選べるという点のその選択権、その重さは違うと思いますよ、おっしゃるように。

 だから、そこは一概に逆にしない方が私はいいんじゃないか。それはここで議論をしていても多分らちが明かないと思いますが、こういう、だれが責任だったのかというのは、私は最終的にやはり司法にゆだねるしか最後はないんだと思うんですね。

 あえて申し上げたいんですけれども、今回のスキームも、よくやっても、まず安全、安心のために、それは大臣は、トータルで、パックでやらないとなかなか出ていっていただけないんだ、命令を出されていても出ていっていただけないということをおっしゃいますが、私は、やはりこれは少し段階的に、まず新しい次の居住を確保してあげてそこへ移転していただいて、除却ぐらいまでで一回やめて、これは司法がたくさん時間がかかると言われるかもしれませんが、ある程度司法の、だれが一番責任をとらなきゃいけないかという責任の明確化をした上で最終的なスキームを組み立てても、そこの部分はよかったんじゃないかなと個人的には思います。

 しかも、今回、時間がなかった、タイムリスクとの闘いだというお話がございました。それはわかっているつもりでまず申し上げますと、今回使われた地域支援法、最初、私が、地域支援法の一番の根幹になっている地域住宅交付金の概要というものを説明してくださいと事務方に申し上げたら、この資料三が出てきました。

 「地方公共団体が主体となり、公営住宅の建設や面的な居住環境整備など地域における住宅政策を自主性と創意工夫を活かしながら総合的かつ計画的に推進するための支援制度」、それでポイントとかをずっとつらつらと読んでいくと、ああ、こういう制度か。地方公共団体が公営住宅の良好な環境を整えるために、総合的かつ計画的に、自主的に創意工夫をしながら地方公共団体が主体的にやる、こういういい支援制度が利用できるのかと、正直言って、私はこれを素直に読んだわけでございます。

 この中にいろいろ、等々というのがあるというお話でございますけれども、局長、この地域住宅交付金制度といいますか、今回使われたこの特措法というのは、もともとの最初の目的はどういうものだったんですか。

山本政府参考人 この法律、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法ですが、昨年の通常会で制定していただいた法律でございます。

 従来の、地方公共団体が運営する公共賃貸住宅あるいは公的賃貸住宅に対する助成は、公営住宅等建設費補助金でございました。これは、公営住宅等を建設したり建てかえたり管理したりするために必要な財源を交付するものでございましたけれども、専らそのためにだけ使われるということでございましたけれども、三位一体改革の中で、これを廃止して税源移譲するのか、あるいは、より地方公共団体が地域のニーズに合って的確に使えるように改革するのかという御議論をいただいた上で、政府としてこういう枠組みを用意するということをお願いしてつくっていただいた法律です。

 ポイントは、公共団体が、公営住宅だけではなくて、その地域の住宅事情を的確に受けとめて、必要な事柄を地域住宅計画の中に位置づける、そうすれば、国がその計画全体に対して交付金を交付する。従来、補助事業として行われた事業だけではなくて、補助制度がないために地方単独事業としてやらざるを得なかったものも計画に入れれば丸ごと交付金で応援するという制度としてでき上がったものでございます。

伴野委員 そうなんですよ。だから、そうであるならば、やはり主体は地方公共団体になってもらわないと、つらいんですね。だから、私が無理筋だと言っているのは、最初の行動を起こす人が地方なのか国なのか。話し合って今回はやったとおっしゃるのかもしれませんが、経緯だけを見ると、やはり、国が働きかけて、お願いとまでは言いませんが、外形的には国が地方にお願いして今回の支援スキームをつくっているようにしか見えないんですね。だから、横浜市初めいろいろなところから、あるいは神奈川県もそうですし東京都も、いろいろな御意見を知事さんが持っていらっしゃいます。

 局長、どうですか。このスキームに対して、苦情とまでは言いませんけれども、地方からいろいろな御意見が出ていませんか。どんな御意見が来ていますか。

山本政府参考人 今回の姉歯物件が所在する、特に危険な分譲住宅が所在する公共団体の特定行政庁に集まっていただいて、協議会で論議をしてまいりました。

 昨年つくっていただいたこの地域住宅交付金を使って、今回、公的支援スキームを動かそうという相談、やりとりをする中で、公共団体からいただきました御意見は二点ございました。

 一つは、明確に、公的資金を使って危険な分譲住宅の居住者に対して支援するということについては法律的な根拠が欲しいという要望が一つでございます。

 それからもう一つは、地域住宅交付金の枠組みが、先ほど言いました従来の地方単独事業を含んでおりますために、交付金の交付率が四五%でございます。地方の負担率が五五%という枠組みになっておりますので、今回事案を考えれば、どう考えても国の負担と地方の負担は同等であるべきではないかという意見が出されました。

 その後、やりとりをしながら、私どもは、地域住宅交付金の使い方として、この公的支援は従来の制度のもとでできるというふうに考えておりましたけれども、省令を改正して位置づけた。それから四五%の負担率の問題についても、既存の制度を活用しながら、結果として、今回、公的支援全体が大体同等の負担となるような枠組みを用意しましたところ、公共団体の御理解も得ることができたというふうに考えております。

伴野委員 山本局長、さっき原口議員もおっしゃっていましたように、本当に正直に答えていただきましてありがとうございます。

 そうなんですよ。地方も、この法律を素直に読むと、さっき私が言ったように無理筋だというのは地方の方がよくわかっていまして、やはり議会が多分もたないと思ったんだと思うんですね。(発言する者あり)横浜ももたなかったんですか。そういう事例もあるみたいでございます。

 だから、これは松野議員も指摘されましたけれども、資料四を見てください。二月六日、御丁寧に、補正予算が終わった後、ちゃんと、「保安上危険なマンション」「地震に対する構造耐力上の安全性が確保されていないため」の云々と、こういうところで、だれが見ても読めるように、あえて二月六日に官報でお示しをしている。これは、逆に、それまでではなかなか読めないというのを裏づけているとしか私は思えないような気がするんですが、時間がないので、ここの議論は指摘だけにさせていただきます。

 先ほども、素直にと言うと大変失礼ですが、本当に率直に、局長、御意見をいただき、原口議員の評価ですと突っぱねられた、そういうことも御指摘があったようでございますけれども、やはり、そういうふうにいろいろな方が御努力されている中で、きょうはあえて個人名は出しませんが、これは二十三日にもいろいろ御本人からも御説明がある、そこに期待したいとは思いますが、十一月十五日の件というのは、その取り交わされた内容よりも、こういった、いわゆる今一番問題になっている関係者が一堂に会してしまって少なくとも幾ばくかの時間お話し合いになったというのは、これは内容まで私が掌握しているわけではありませんが、李下に冠を正さずということから、これはスモモの木の下という意味だそうですが、スモモをとっているとまでは申しませんが、しかし、十一月十五日に会合を、どちらがセットした、セットさせられたかは別として、正直言ってびっくり、余りにちょっと双方危険なことをされているんじゃないかと思うんですが、山本住宅局長、こういうことは間々あるんでしょうか。

山本政府参考人 こういうことということの意味次第でございますけれども、国会議員の先生が業者を同道して役所にお見えになるということは、そんなに何回もあるものではございません。

伴野委員 本当に正直に、山本局長の人間性が浮かび上がってくるようでございますが、間々ないというお話でございます。

 それで、大臣、これは仮定の話だから仮定の話には答えられないというお答えになっちゃうかもしれないんですけれども、大臣にとっても、これは私が代弁して言いますけれども、先ほど申しましたようにスモモをとるかとらないかは別として、こういうとんでもないことが起こってがたがたしているときに、非常に大物の方が役所に来られて、内容は別として、お話をされてしまったということが外形的に認められているということは非常に御迷惑じゃないかなと思うんですし、大臣だったら、大臣の職をおりられたときに、何かあったときに、一つあるいは二つの会社をお連れになって、内容は別として、お話に行かれますでしょうか、率直な御意見ください。

北側国務大臣 伊藤代議士ですね、おっしゃっているのは。伊藤代議士が十一月の十五日に来られたということは、私も後々になって聞かせていただいたわけでございますが、今委員の御質問は、おまえだったらどうするのかというお話だと思います。

 私の場合は、そういう業者の方を連れて役所の方に行くということはしないと思います。

伴野委員 率直な御意見、ありがとうございました。

 失礼します。

大島委員長 これにて伴野君の質疑は終了いたしました。

 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 集中審議ということで、耐震強度偽装問題の質疑の機会をいただきました。

 繰り返し申し上げておりますとおり、国土交通委員会並びにこの予算委員会でも、この耐震強度偽装問題につきましては、私、たびたび質疑をさせていただいているわけであります。

 その中でも、再三の御指摘をさせていただきました今回の事件あるいはこの問題というものは、一人の一級建築士が偽装を行った、あるいは、特定の確認検査機関がずさんな検査によって見過ごしたなどという、矮小化された事件として特定されるものではないのではないか。

 それよりも、こうしたことが見過ごされる、民間の確認検査機関のみならず、特定行政庁。また、故意に偽装を行うということ以外にも、過失によってさまざまな強度不足の建物が生まれてくるという可能性のある制度の本質論、欠陥をはらんでいる制度というものに大きなメスを入れなければならないのではないか。

 さらには、平成十年、建築基準法の改正の議論がなされたそのときに、本来的には、建設省の担当部局の方々が、十分にこうしたことが発生するかもしれないという予見をもって審議に取り組まねばならなかったのではないか。

 あるいは、立法府に携わる政治家たち、国会議員が、それこそこのようなことも予見されるような議論が再三行われていたのではないかということも踏まえて、私は、ある意味、不作為の問題だけではなく、国民が大きく疑うような政官業の癒着といったこともそこに潜在しているのではないかといったことも再三御指摘をさせていただいたわけであります。

 本日におきましては、この政官業の癒着あるいは政治家とのかかわりという部分については、先ほど同僚の原口議員あるいは伴野議員の御指摘の中にありました、十一月十五日の伊藤元長官が国土交通省にお訪ねをされたことに対しては、本院におかれましては、政倫審で今週にも議論が行われる。御本人のその審査会での御発言があるということでありますので、当委員会におきましては、私は、そのことは、とりあえずは、この場においての確認ではなく、一歩前に進んだということを申し上げて、むしろ、このような制度の本質的な欠陥によって、第二の姉歯あるいは第三、第四のこうした事件が起きるのではないかと危惧していたそのことが、想像をしていたとおり、非姉歯物件として顕在化をしてきたというこの事実について、少しく皆様方への御質疑をさせていただく場として、大臣並びに関係政府委員の方々にお尋ねをしたいと思います。

 さて、この非姉歯物件でありますが、ことしに入りまして、国土交通省の方で調査の依頼を図ってきた木村建設あるいは総研、これらに関連する物件についての特定行政庁、関係部局への調査依頼を受けまして、姉歯元建築士がかかわらなかった物件についても偽装あるやなしやということについてのお尋ねの中で、これがどうも偽装があるようである、あるいは非常に極めて問題であるといった報告がなされてきた。この非姉歯物件の顕在化ということについて、まず冒頭、北側大臣に端的に御所見をお伺いしたいというふうに思います。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

北側国務大臣 今回、今委員のおっしゃったように、福岡県の方で、いわゆる非姉歯物件、木村建設関係でございますが、福岡市の方から三件、これは偽装であるという報告を受けているところでございます。今、福岡の方ではさらに精査をしているところでございますが、また熊本県の方には、こちらの方はまだ偽装かどうかわからない段階でございますが、今まさしくこの熊本県についても調査をしているところでございます。

 いずれにしましても、姉歯元建築士ではない、そういう建築士がかかわった物件について、こうした偽装があった、もしくは、偽装がなくとも耐震度が低いものが、不十分なものがあったということは極めて遺憾なことでございまして、今委員のおっしゃったように、私は、建築確認のありようというもの、実態というものをよく踏まえて、徹底した見直し、改善が必要であると考えております。

馬淵委員 福岡では偽装ありといった物件、あるいは熊本におかれましては調査中だというようなことで、一たんは偽装なし、このように伝えられたものが、偽装の疑いありというような報告がある。やはりこの制度の本質的な欠陥について踏み込んでいかねばならないという大臣のお言葉をいただいたわけであります。

 さて、本日、この熊本の非姉歯物件の調査について、少し確認をさせていただきたいというふうに思います。

 皆さんのお手元には資料をお配りさせていただいております。委員長のお許しをいただきましてお配りをした資料、一枚目、二枚目と、熊本県への非姉歯物件に関する調査の経緯ということで、国土交通省の方でおまとめいただいたものであります。

 十二月の九日、昨年でございますが、木村建設のかかわる物件について、熊本県に対して調査の依頼をされました。これがいわゆる木村一次調査と呼ばれる調査でございます。そして十二月の十九日、国交省から、今度は総研、いわゆる総合経営研究所の関与した物件についての調査の依頼がなされました。総研調査と呼ばれるものであります。明けて一月十二日、国交省からは県に対して再度の木村建設の関与する物件、これを木村二次調査と呼ぶようでありますが、この木村二次調査の依頼がなされました。

 さて、こうした木村一次、二次調査並びに総研調査、国交省の方から調査の依頼をされたわけであります。そして、これを受けまして、熊本県あるいは熊本県下の行政庁、これは熊本市や八代市といったところでありますが、これらを受けて直接に調査をされていかれるわけであります。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

 十二月の二十六日、木村一次調査、これを踏まえまして、熊本県は二件については偽装なし、そして熊本市は一件については不明という回答を国交省の方に寄せられております。そして、これらを報告した後に、一月の二十九日、今度は熊本県の建築士事務所協会、こちらが熊本市に対して二件の耐震強度の報告がなされました。さらに一月三十一日、同じく県の建築士事務所協会より八代市に対して耐震強度が報告をなされました。そして、翌日の二月一日、これは社団法人日本建築構造技術者協会、JSCA、ジャスカと呼ぶそうですが、このJSCAの九州支部、こちらから県に対して耐震強度、これが報告をなされました。

 この耐震強度、報告をされた数字というのは、今、県の建築士事務所協会並びにJSCAから熊本市、八代市、熊本県に対して報告された数字は、この経緯の中にございますように、〇・四三、〇・五一、〇・九一、〇・四五と、これは耐震強度の大変低いものが報告をされたわけであります。〇・九一というのは、一・〇に近い、九割方あるということですから、判断は難しいところかもしれませんが、少なくとも今般までのさまざまな施策の中で問題視されている〇・五以下のものも含むわけであります。

 一方、一次調査のこの四件が報告された。そして、この四件について、また、一次調査の中で十二月の二十六日、先ほど私が申し上げた、二件は偽装なし、一件は不明という話の中の二件、偽装なしと県が報告をしたんだけれども、耐震強度についてはこれは報告がなされていないということで、ここをごらんいただきますとわかりますように、県としては、耐震強度、これは、偽装の疑いはないが、耐震性に一部懸念があるとして、再度の精査を依頼されています。偽装はないんだという状況ではあるが、耐震強度については、これはどうも懸念がある、このようにJSCAから県が報告を受けて、ここでは再度の依頼をされた。この再度依頼をされた結果というのは、一月の十三日に熊本県がJSCAから受け取っておられます。一枚目の下の方にありますが、これが〇・六七、〇・九四であります。これら六物件は、すなわち耐震強度一・〇を下回るものでありました。

 さて、二月の一日、このような形でそれぞれ六物件についての数値が、いわゆる耐震強度がここに集約されていくわけでありますが、県と市と、熊本市ですね、そして八代市、この三者が協議をされておられます。これは二枚目をごらんいただきますとわかりますように、二枚目の黒ポツ二つ目でありますが、県、市、八代市の三者の課長会議が開かれた。そして、この課長会議の中で、偽装なしと報告するということが最終的には決されたかどうか、これは中身はちょっと後でお伺いしますが、偽装なしの報告がなされたわけであります。その後、この経緯にもございますように、偽装なしが調査中に変わっていく。

 北側大臣、先ほど、熊本県については今も調査中である、このようにお話をいただいたわけでありますが、さて、非姉歯物件と呼ばれるものの中で、このように県が調査をして偽装なしと発表されたものが一転、調査中に変わったということで、大臣はこれについて記者会見もなさっておられます。大臣、そのときの記者会見を踏まえての大臣の率直な御感想というものを、この委員会の場でもう一度お述べいただけますでしょうか。

北側国務大臣 今、委員のおっしゃったように、熊本県、また熊本市、八代市の方からは、偽装はないというふうに報告を受けていたわけですね。それが調査中に変わったわけでございますが、今のお話でもわかるとおり、早い時点、以前から、専門機関等の調査によりまして、耐震度が一・〇を下回るということは県も市も知っておったわけでございます。したがって、国交省への報告というのは、当然、耐震度において不十分であるということについてきちっと報告をしてもらわないといけないということを、たしか会見では申し上げたのではないかというふうに思っております。

馬淵委員 大臣はこのようにおっしゃっておられますね。「耐震度が不十分であることを専門機関等から報告を受けていたにもかかわらず、国の方にその報告がなかったということは、やはり遺憾だと思います。」「偽装はないけれども耐震性に問題があると言われているのだったら、それをそのままきちんと報告をしていただかないと、そして何故偽装がないのか、耐震度が不十分なのか、そこはやはり大変な問題ですからそこを調べてもらう必要があるわけで、そうした報告をきちんとしていただかないといけないというように思っています。」と明確に、この対応に対して遺憾だ、こう会見でお述べになられておりますが、大臣、確認ですが、やはりこうした県の対応に対しては大変遺憾だということを、改めてお伺いしますが、端的にお答えいただけますでしょうか。

北側国務大臣 そのとおりでございます。

馬淵委員 国土交通省が調査の依頼をした、お願いをした、そして調査の依頼を受けて調べていく中で、耐震強度が一を下回るものがある、しかもそれは、中には〇・五を下回るものまである状況にもかかわらず、偽装なしと報告を上げた。これは、県並びに市そして八代市、大きな問題であるわけでありますが、さて、二月の一日、県と市と八代市、三者の課長会議、一体そこで何が話し合われたのか、これについて国土交通省としては報告を求めておられますでしょうか。

山本政府参考人 熊本県からの報告によりますと、二月一日午後一時から一時間、熊本県庁内会議室におきまして、県内三特定行政庁の担当者、熊本県二名、熊本市三名、八代市二名、合計七名が集まり、国土交通省への報告に向け、調査結果の取りまとめ及び記者発表の方法等の確認を行うための会議を開催したと聞いております。会議の内容は、調査件数や、そのうち外部に検討を委託した件数等の確認、記者発表の時間調整及び方法の確認、調査結果の取りまとめ等であったと報告を受けております。

馬淵委員 今おっしゃったことがこの三者課長会議の中で話し合われたことだというふうに、国交省としても確認をされている。

 熊本市の建築指導課長、この方にも私も直接確認をさせていただいております。今、山本局長が御答弁いただいたように、この二月の一日の段階でどのような打ち合わせをされたかということでありましたが、いわゆる県を通じての報告になるので、総件数の取りまとめ等の作業、そしてこれらに対するプレスの発表の方法等集計作業、これらを行ったと、熊本市の建築指導課長も私に対して直接そうおっしゃっておられました。こうした三者課長会議が行われた後に、偽装なしが報告をされているわけです。

 ところが、この経緯を見ますと、二月の二日に、偽装なしで報告をしていた物件が、計算の結果が一致しないものがあるのでということで、再度検証が実現したということであります。

 さて、ここにつきまして、私は、この二月の二日、どういうやりとりがあったかということについてお尋ねをしたいと思います。

 この耐震強度が一・〇を下回る六件、しかも〇・五を下回るものが二件、〇・五一、このような低い耐震強度の建物があるにもかかわらず、偽装なしという報告を上げた県に対して、翌日、ちょっと待ってください、偽装なしですと報告が来た後にちょっと待ってくださいといってこのように、ちょっと一致しないものがあるんですという連絡があったため、それじゃ、これを読みますと、再度「詳細を報告するとともに検証するよう指示。」とありますが、普通に考えれば、県にお願いをして上がってきたものが、翌日になって、ちょっと再調査させてくださいというその連絡というのは極めて不自然なものであるかのように感じるわけですが、前の日の課長会議では取りまとめの集計作業をされたんだ、このようにおっしゃっておられますし、国交省もそういう報告を受けておられます。しかし、二日の段階で、いや、一件、ちょっと一致しないものがあるんですというお話を受けた。

 さて、ここでのやりとりはどういうものだったんでしょうか。御答弁お願いできますか。

山本政府参考人 二月二日に、熊本県から、偽装なしと報告済みの一物件が、再計算の結果、建築確認時の構造計算と数値が一致せず、再計算による保有水平耐力の指標が〇・九一となっているが、これは構造計算に用いたプログラムが異なるためだと自分たちは推量しているという連絡がありました。これに対しまして国土交通省からは、もっと詳しく報告をしてほしい、数値の差の生じている原因はきちんと検証してほしい、物件の安全性の確認を行ってほしい、この三点をお願いしております。

馬淵委員 そうですね。

 県の土木部の建築課長から調査官の方に、これは担当の岡崎調査官の方に連絡があった。偽装なしと報告している一件、これは〇・九一と今御指摘ありましたが、つまり八代市の報告の物件であります。これについて、もとの数値と一致しない、計算プログラムが違う。これはつまり、意味としては、古いプログラムと新しいプログラムの違いではないかと思われる、このような説明があって、思われますでは困りますよ、詳細に中身をチェックしてくださいという調査官からのお願いに対して、わかりましたということで引き受けて、そして、一たんその段階で偽装なしという状態ではありましたが、再度の調査をお願いされたということでありますね。

 さて、二月の一日の段階で偽装なしという報告をされていたこの物件に対して、二月の二日に、県から、ちょっと計算をし直すという連絡がありました。それはぜひそうしてください、それは困りますねということで、再度調査のお願いをされた。この段階での、国土交通省はホームページにてずっと発表されています。偽装あるやなしやということも含めてずっとこれは物件に対して発表されています、いわゆる日報と呼ばれるものでありますが。二月二日の段階で、日報は、これら六物件に対してはどのような区分になっておりましたでしょうか。

山本政府参考人 二月二日の段階では、偽装なしの分類の中の一件としてカウントされております。

馬淵委員 偽装なしのまま、分類としては置いておられる。耐震強度に一を下回るものがあって、そして、これは中身がちょっと問題があるかもしれないという状況の中でも、偽装なしのままで置かれている。

 県は、繰り返し申し上げますが、一・〇を下回る耐震強度が報告されているにもかかわらず、国土交通省には偽装なしで報告をされた。さらに、計算数値が違ってしまっているものがあるという御報告をされている。再度計算してくださいというお願いをして、でも、今度は国土交通省の方も偽装なしのままで置かれている。そして、二月の七日であります。二月の七日、ここには、経緯には、六物件について偽装なしから調査中に変更することについての連絡があったと書いてあります。

 さて、二月の七日、どういうやりとりがあったんでしょうか。

山本政府参考人 二月七日になりまして、熊本県より、新たに五物件について、偽装なしとしておりましたけれども、再検証を行いたいという報告を受けまして、二月二日に連絡のあった一物件を含む計六物件について、偽装なしの報告を調査中と改めて取り扱うことにいたしました。

馬淵委員 これも、直接お話を受けられた調査官に私は聞いております。

 二月七日の午前十時前ごろだったと思いますというお話だったんですが、県の建築課長から直接調査官に電話が入って、まず一件は、先に二月の二日に再計算してくださいということを受けて、二月七日に、まず午前十時前に、同じようなのがあと三件あります、こう建築課長から電話があったそうです。そう言われたとお聞きしています。

 そして、その電話を受けた後、調査官が席を外されているときにまた建築課長から電話があった。席を外されているので係の方がお受けになった。あと二件あります、このような連絡があった。調査官は、席に戻ってこられて、今度は建築課長の方に電話をされたそうです。おかしいじゃないですか、そういう状態で偽装なしと報告が来ている、これは調査中に変えたらどうですか、このようにお話をされ、わかりましたとお受けになった、こう調査官からやりとりをお聞きしております。

 なぜ偽装なしと報告に至ったんでしょうか。そして、なぜ二月二日の段階では偽装なしのままなんでしょうか。

 結果的には、この二月の七日に六物件調査中に変更され、国交省の日報も調査中に変えられました。非姉歯物件が明らかな形で世に出ていくわけであります。このことを県の担当の方々にお尋ねしていくと、偽装なしかと問われて偽装はないとお答えをしたまでだ、こうおっしゃっています。

 資料の三ページ目以降三枚ございますが、こちらは、一月の十二日の段階でいわゆる木村二次調査のために出された依頼文であります。調査官が都道府県の担当課長に出された中で、偽装があるかなしかということでの調査をお願いします、偽装が確認できない段階での物件の公表については、当然ながら慎重に取り扱われたいということで、こうした形で依頼文を出されています。

 三枚目に、五ページ目でありますが、構造計算書偽造物件の一覧、基礎データ、これがフォーマットであります。ここには、今全部アスタリスクで物件名は入っていませんが、当然ながら、送られる段階では、木村二次調査におきましては木村物件が記されています。右のスプレッドシートのセルの中に「改ざんの有無」というのがあります。改ざんがあれば偽装、なしであれば偽装でない、こう判断せざるを得ないこのスプレッドシートのセルの中。そして、右の二列目のところを見れば「耐震性の確認」とあり、問題ありとなればQu/Qun最小値、いわゆる耐震強度を記さなければならない、そうでなければ問題なしとしてこれはマルがつきます。

 県の方にお尋ねをし、あるいは、これら関係の非姉歯物件の調査を行われている方々にお尋ねをしますと、このフォーマットで偽装があるかなしかということを尋ねられれば、偽装はないと答えざるを得ない、このような御見解を語られています。

 国交省として、非姉歯物件に対しての偽装の事実を確認する手だてとしては、これは不十分だったのではないでしょうか。局長、いかがでしょうか。

山本政府参考人 ここに偽装がある、ないと、今回偽装がないと報告してきておったわけですけれども、改ざんがなかったことの確認方法として三つ記しております。実際の構造計算プログラムを流して確認申請図書と比べるといったようなことのほかに、手法を具体的に記入するというふうにしております。

 実は私は、手元に、初めの六物件について、フォーマットでどういうふうに報告があったかというのは確認をしていないんですが、構造計算書をプログラムを実際に流す、あるいはそのほかの方法で確認をするということであれば、十分だろうと考えております。

馬淵委員 これは、県の方々も極めて戸惑っておられるように私は受けとめています。

 そもそも、国交省の非姉歯物件に対する精査の仕方。偽装あるかなしかというその報告の求めに対して、偽装は認められないという段階で、この数値を記入が求められていないと御判断をされる、あるいは、これはわかりません、三者会議の中で十分にそのことを承知しながら、結果的には偽装なしということを報告されたのか、ここはわかりません。まさかそのような悪意を持って御判断をされていると私は到底思わないわけでありますが、しかし、少なくとも国交省の調査の中では、このことが十分に明らかにされるような形ではなかったのではないか、こう御指摘をさせていただいているわけであります。

 さて、こうした不十分な中で、二月二日の段階では偽装なし、この状況を十分、何かおかしいなということを感じて偽装なしのままにされているということでありましたが、数値についてはお尋ねはされませんでしたでしょうか。いかがでしょうか。

山本政府参考人 ちょっと、私、確認しておりませんが、聞いていないものと考えております。

馬淵委員 国民の多くは、こうした非姉歯物件の存在ということも含めて、あるいはマンションにお住まいの方は、自分自身のマンションはどうなんだろうか、大変不安に思っておられる中で、こうした情報に対していち早く対応すべき、そしてそのことに事細かく丁寧にその事実を明らかにしていくということが問われるお立場である国土交通省、そこで、このように、偽装なしと一たん報告があるものの中で、それを再度計算しますという状況の中で、一体どういうことなのかということの確認は当然ながらされなければならないのではないかということと、そして、それを二月二日の段階で少なくとも御指摘をされているわけでありますから、これが偽装なしのまま公表されるというのは問題ではないんでしょうか。いかがでしょうか。

山本政府参考人 御指摘のとおり、この時点でこの一件は調査中に変えるのが正しかったと思っております。

馬淵委員 これはもう速やかに調査中と報告すべきであるということをお認めいただきました。

 そして、本来ならば、こうした問題に対していち早く対応するべく、県がどういう議論をなさっていたのか、これについて現地にでも飛んで調査をせねばならない状況ではなかったかと思われますが、さて、県は県で、先ほども申し上げていますように、偽装があるかないかということは、これは改ざんの有無を問われているのであって、改ざんを認められなければなかなか判断できない、こうおっしゃっておられます。

 さて、そこで、偽装とはどこが、だれが判断するものなんでしょうか。お答えいただけますか。

山本政府参考人 建築基準法に基づきまして、当該確認事務を担当いたします特定行政庁が判断いたします。

馬淵委員 特定行政庁が偽装であるかどうかを判断すると。では、何をもって判断するんでしょうか、お答えください。

山本政府参考人 確認申請手続で提出されました構造計算書、構造設計図等を見て、構造計算などに連続性がないとか、故意に数値をいじっているとか、そういうものを特定行政庁が確認するということでございます。

馬淵委員 さて、その故意にいじっているか、改ざんとかどうかの判断、これはどうやって判断されることになるんでしょうか。

 先ほど、特定行政庁が偽装という判断をするんだ、このように基準法上も定められているんだということで、この判断は特定行政庁にゆだねられるとお答えをいただきました。そして、それは故意に改ざんをされているかどうかだ、こうお答えをされていますが、故意に行っているという判断、これは、だれがどのようにされるんでしょうか。

山本政府参考人 確認申請図書を見て、その確認申請図書の大要がどういうふうになっているかということを見て確認するということになります。

 具体例を挙げますと、福岡で、福岡市がサムシングの構造計算をいたしました案件について、構造計算の流れに一貫性がないこと、それから、使われている荷重が少なく設計されているという二点をもって偽装されたと考えざるを得ないという判断をしたのは、そういう手続でございます。

馬淵委員 この故意に行ったかの判断、非常にわかりやすいものであればいいんですが、そうでない場合も出てくる可能性はあるんですね。偽装かどうかという部分、この判断、これは非常に難しいんではないかと思うわけでありますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

北側国務大臣 委員の御指摘は、私もよく理解できます。

 姉歯元建築士の物件に関しては、本人が偽装したというふうに言っているわけですね。今回、非姉歯物件については、これは福岡の件もそうでございますが、本人は、偽装などしていないと今も福岡市の建築士は言っているわけですね。そういう意味で、非姉歯物件について、偽装ありやなしやというところについては、これはやはり客観的な事実関係、今局長が述べたような客観的な事実関係から認定をすることになるわけで、今委員のおっしゃったように、なかなかそこは難しいものがあると思います。

 したがって、偽装のあるなし、これももちろん大事なことで、その客観的な事実関係から認定をしていくことになるかと思いますが、とともに、やはり耐震度がどうなのか、耐震強度がどうなのかというところをしっかり見ていく必要があると思います。

馬淵委員 そうですね。大臣おっしゃるとおり、私は本当に、姉歯さんの問題というのは、これは御本人がはっきりおっしゃっているのでわかりやすいのですが、非姉歯物件は非常に難しいと思う。

 大臣は、そのことも二月の十四日の会見の中でおっしゃっておられます。「偽装かどうかというのは設計士の主観的な意図です。ですから、客観的な状況から見て偽装であるという疑いが極めて高いとはっきり言える場合と、そこはよく分からないという場合とがあると思います。」大臣はこのように会見でもおっしゃっておられるんですね。

 つまり、偽装の有無というのはわかるときもあればわからないときもあるんだという状況の中で、特定行政庁が偽装を判断する、そして特定行政庁に偽装の有無を調査をかけている。しかし、今いみじくもおっしゃったように、偽装の有無もさることながら、耐震強度がしっかりと満たされているか否かということが、生命の安全という部分においても、あるいは周辺住民の方々の問題に対しても極めて重要な部分である。その意味で、今回の特定行政庁への調査というのが偽装があるやなしやということを問うていることについては、実はあるかどうかがわからない状態で、どちらになるかわからない状態で調査をかけたということになりませんか。

 国民は、多くの皆さんは、国が、少なくとも、非姉歯物件も含めて、心配のあるものについては調査を行うんだということで、安心を持って見ておられたと思うのです。ところが、実際の調査の内容を見れば、あるいはその報告のそごを見れば、偽装のあるやなしやの判断というのは実は極めて難しいという前提に立っておられながら、その部分をお尋ねされているから、偽装なしという報告が来て、あるいはその後調査中に変わってしまうというような、こうしたそごが起きてしまっている。

 国土交通省の対応としては、実はこの調査というものが、早々に終わらせることが目的であると私は夢にも思っていませんが、本来の目的を達するための調査という部分においては、ずさんな調査と言わざるを得ないということは言えませんでしょうか、いかがでしょうか。お答えいただけますか。

山本政府参考人 特に非姉歯物件の調査、最初に姉歯物件を一生懸命調査して、関係する非姉歯物件の調査に入っていったときに、今御指摘がありましたような点についてもっと心を配って、要するに偽装があるということにとらわれないで、構造計算書に問題があるかどうか、それで、特に一番大事なのは建築物の耐震安全性ですので、その二点について的確に特定行政庁が調査をした上で報告をしてもらえるというように調査をしておけば完璧だったなという反省はございます。

 私どもとしては、耐震安全性が一番大事なので、そこのところを間違えられる特定行政庁はないと思っていましたけれども、熊本県でそういうことがありましたので、念のために、各特定行政庁にそういうことはないでしょうねということも確認しております。

馬淵委員 熊本県ではそういうことがあったということで、大臣も、こういう例はそうそうないだろうと、これも会見の中で、「熊本県のような例が他にも沢山あるとは思っていません。」こうおっしゃっているわけであります。

 しかし、現実、こうした偽装があるかなしかという問い合わせが来ている中で、このように六件改めて調査中とお答えをいただくような事例を見れば、もともと偽装の判断というものは特定行政庁が行うべきであるとしながらも、国土交通省がしっかりと耐震性に対しての安全を図っていく責務を負って調査の依頼をされているということのその趣旨からすれば、極めて問題だったなと私は思うわけであります。

 そして、国土交通省が、そうした判断は特定行政庁が行うと言っているにもかかわらず、特定行政庁に対しては、その問題に対して、いや、一たん再調査させてほしいというような状況があれば、あるいは計算値が違いますといった報告があれば、再度調査を命じる。

 やはりここは明確に、国土交通省が、特定行政庁の判断にゆだねるという話ではなくて、国として、こうした耐震強度が著しく低くなってしまっているもの、あるいは偽装も含めて、偽装の判断は難しいということを今お答えありましたが、こうしたものを含めて、国の責任で行うんだということを明確にお答えいただくことはできないんでしょうか。

 先ほど来、常に、いや、行政庁の判断なんですと言われる。しかし、行政庁の判断であってもこのようにずれてしまうことが出てくる。これはあくまで偽装を中心としてお尋ねをされたことだからであるとおっしゃいますが、やはり国民は国の判断として安全の確保をしていきたい、安心を得たいと願っているわけでありますから、特定行政庁にゆだねるということだけではなくて、このような結果を踏まえて、国としての責任を持っての調査であるということを御明言いただけますでしょうか。

山本政府参考人 建築基準法に基づく建築行政の一環としてこの仕事をやっておりますので、特定行政庁がこの仕事を責任を持ってやるということを出発点として的確に進めていくというのが私どもの姿勢でございます。

 おっしゃるように、特に非姉歯物件について偽装の有無の判断は非常に難しいところがありますので、そういったところにつきましては、基準法に基づきまして、国土交通相が的確に助言あるいは援助をするということができることになっていますので、そういった事柄は惜しむことなくきちんとやっていきたいというふうに考えております。

馬淵委員 非姉歯物件、今お答えいただいたわけでありますが、例えばこうした例もあるんですね。

 あの大田区のグランドステージ池上、これは姉歯物件です。姉歯物件ではあるんですが、グランドステージ池上、国土交通委員会の証人喚問の中でも、姉歯さんが、九八年に初めて偽装した物件だ、こう証言された物件なわけでありますが、このグランドステージ池上などはいわゆる建築確認図書が保存期間を過ぎて、もう存在しない。姉歯さんが偽装したと証言しているにもかかわらず、書類がないんだということを理由で、大田区は、いや、これはもう偽造ではないんだ、このグランドステージ池上については偽造というのは不明であるんだ、不明物件である、こう主張されておられました。国土交通省は、修正しないならもう仕方がない、このようにおっしゃっている。

 やはりここは、国としてこうした明確な基準を持って、国として危険性のある建物というものを示していかねばならない大きな例であると思うんです。二月の十六日現在、国土交通省のそうした御意見を踏まえてとは思いますが、見解が分かれている中で、最終的には大田区の方では、これを、耐震性の数値は〇・四五であろう、そのように判断をされて、偽造物件のリストに挙げられましたが、今お話あるように、このような偽装物件が行政庁の判断によるんだ、あくまでも国交省がその責を地方公共団体にゆだねてしまうことによって、国民の安全が損なわれる可能性があるわけです。

 そこについては十分な御対応をいただかねばならないということを指摘させていただいて、残りの時間もございませんので、きょう中馬大臣にお越しもいただいておりますので、残りのわずかな時間でございますが、お尋ねをさせていただきたい部分に移らせていただきます。

 さて、これは、今私は非姉歯物件のことをお尋ねさせていただきましたが、今度は違う観点でございます。政倫審が予定をされている中、伊藤元長官の審尋が行われますが、伊藤元長官とヒューザー小嶋社長との関係がまた別の場面でも取りざたをされております。

 お手元に配った資料の中にもございますが、伊藤元長官が、恐らくはこれはヒューザー小嶋社長の依頼を受けてということになるかと思いますが、ダイエーの子会社の西神オリエンタル開発、いわゆる土地の入手についての問い合わせを都市再生機構の方に行われた。そして、それに対して何らかの回答があったというこの一連の経緯でありますが、中馬大臣、きょうお越しをいただいております。端的なお答えで結構ですが、ヒューザー小嶋社長の要望を受けて、伊藤元長官から電話があり、そしてその対応をした、再生機構に何らかの働きをかけたということの事実を御確認させていただけますでしょうか。

中馬国務大臣 再生機構につきましては、御承知のとおりで、ダイエーの支援を決定しましたのが十六年の十二月二十八日でございました。

 その後、本業以外のものは極力売却するということで、西神オリエンタルホテルにつきましても、これが売却対象ということで、十七年の八月、去年の八月、入札を開始しました。打診が四十六社で、その中にはもちろんヒューザーも入っておったようでございますが、その前に、伊藤議員の方から六月の上旬に電話が入って、入札の窓口等についての問い合わせがあったようでございます。

 そして、十一月四日に、ヒューザーは、このうちのこれは一番札であったこと、事業継続を条件としていること等の条件を十分に満たしているということで、ヒューザーに決定したようでございます。

 しかし、その後、この問題が出てまいりましたので、当事者間で十二月十三日に契約解除になったというのが事実関係でございます。

馬淵委員 中馬大臣から丁寧に御答弁をいただきました。

 この産業再生機構、ごめんなさい、都市再生機構じゃない、産業再生機構への電話ということで、電話が入って、そしてヒューザー小嶋社長が実際に来訪され、伊藤代議士はそこには含まれていませんでしたが、こうした売却、入札ということにかかわって、落札をされた、しかし、その後この耐震偽装の問題の報道があって、円滑な協議によって譲渡契約は解除に至ったということでありますが、このように、また一方で深いかかわりがあるということの事実の確認はさせていただきました。

 もう質疑の時間も終わりとなりますが、このように、これは政倫審の方で明らかにしていただく部分ではございますが、当委員会の中でも繰り返しの証人喚問を求めてきたわけであります。ぜひ、政倫審の結果をまた踏まえて、理事の皆様方に御協議をいただきたいというふうに思います。

 最後、お手元の資料でありますが、七ページ目。これは与党の二回生議員の方、かつての建設省、国土交通省の、今回のかかわっておられた住宅局の建築指導課の課長補佐でおられた井上信治代議士が発言をされた発言の、これは新聞記事でございますが、井上代議士は、こうした物件については、一・〇に満たないマンションはごろごろありますよと。「日本全国の物件をチェックしたら耐震強度が基準値の一・〇に満たないマンションはゴロゴロありますよ」、このように、二年半前まで国交省におられた、住宅局の建築指導課におられた方がおっしゃっている。

 ぜひ私は、先ほども御指摘をさせていただきましたように、耐震強度の問題というのは、まだまだあるんだと与党の議員が、国交省におられた議員が明言をされておられるわけですから、これについてはしっかりと確認をしていただくということの行政の措置をお願いして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 確認検査前の段階、構造設計をつくる段階について、つくり手の側からの問題点についてきょうは聞きます。

 まず、構造計算プログラムについてです。ほとんどの構造設計士が大臣認定プログラムを使用して構造計算をしています。大臣認定プログラムは百六種あると言われています。うち、市販されているものは五十六種、他の五十種は企業内のオリジナル。今回の事件を通じて、この大臣認定プログラムが改ざんできることが明らかとなっています。なぜ改ざんできるプログラムを認定したのか、お聞きしたいと思います。

山本政府参考人 建築確認の際に、建築基準法に規定された確認申請書を提出する必要がありますが、その中に構造計算書も含まれております。

 通常、構造計算書は膨大な量になることが多くて、申請者にとりましても、審査を行う建築主事、指定確認検査機関にとっても大きな負担になることから、大臣認定を取得したプログラムを使用して、エラーなく一貫計算を終了するなど一定の条件を満たすものについては、建築確認時に構造計算過程の図書の提出を省略することができるようにしたものでございます。

穀田委員 それでは、改ざんできるという話について答えたことになりませんよね。改ざんできるんですよ、それが。つまり、この間の一連の事態で明らかになったのは、そういうものも、まず、エラーか変えているかどうかということについても見逃していた、さらには、そういうものが使われていたということについても改ざんできるということが明らかになった、こういう点が今の問題なんですね。

 そこで、大臣認定プログラムはいつから認定するようになりましたか。

山本政府参考人 ちょっと正確な資料を持ってきていないので恐縮なんですが、昭和五十年ごろでしたでしょうか。また正確に御報告させていただきます。

穀田委員 それは、評定をしたのはそのころですよ。大臣認定プログラムというのをつくったというのは、二〇〇〇年の六月から、建築基準法の改正に伴う建築物に関する新たな構造規定が施行されて、そこでは、電算プログラムの審査は、構造方法等の認定、当時、法の第六十八条の二十六、これの対象になって、そして、性能評価機関、日本建築センターなどが認定するようになった、これが事実ですよ。そうでしょう。そして、この性能評価機関が認定したものについて大臣認定とみなすことになった、これが一連の事実でしょう。そうでしょう。

山本政府参考人 まことにお恥ずかしい次第ですが、手元に資料を持ってきていないので正確に答えられません。恐縮です。

穀田委員 それはありません、大臣認定プログラムについて聞くと言ったわけだから。

 そして、この認定するというのは、それは今のプログラムが問題なわけだから、そしてそれは、認定することによって国がお墨つきを与えることになる、これが一連の経過なんですよ。ここの大事な点が、実は二〇〇〇年六月、つまり、九八年建築基準法の改正に基づいて施行されたときに行われた、ここが大事なんですね。

 そこで、その結果どうなったかと。それまで高層建築物の建築確認は、学識経験者や実務に詳しい構造設計者で構成する評価委員会の示唆を受ける委員会方式、わかりやすく言うと、構造設計士から設計の考え方を聞きながらチェックする方式で行われるのが通例だったんです。ところが、九八年の建築基準法改正によって、建築確認審査の民間開放とともに、高さ六十メートル以下の建築物はすべて一般的な建築申請でよくなった。つまり、出された書類の審査で済ませることができるようになった。これは事実ですよね。

山本政府参考人 事実でございます。

穀田委員 つまり、これは大事なことでして、これについて国交省の緊急調査委員会のメンバーでもある和田東京工業大学教授は次のように述べています。できない人々が次々に設計し、わかっていない人が審査することがふえたと。構造設計はコンピューターがしてくれると誤解され、計算結果はフリーパスになり、構造設計図をきちんと審査することもなくなったと述べているんです。さらに、構造計算プログラムの大臣認定がこの過信を生み、状況をさらに悪化させたと述べているんです。実際、日本建築センターの方に聞くと、認定になった以後は、まれに自発的な評価を実施しているぐらいで、ほとんど委員会方式はなくなったと言われています。

 私は、この事態を見たときに、今の一連の偽装事件、建築確認制度のさまざまな不備、こういった問題を考えたときに、少なくとも、一つは大臣認定は廃止すること、二つは、例えば多数の住民が住む高さ二十メートル以上のマンションなどについては委員会方式にすべきではないか、その点を大臣の見解を伺いたいと思います。

北側国務大臣 この構造計算のチェックをどうするか、まさしくそこは非常に大事な問題というふうに認識しております。

 社会資本整備審議会でもそこのところを重点的に今論議をしていただいているところでございまして、私は、いずれにしましても、一定の要件のもとでこの構造計算についてはダブルチェックができるような体制をとっていく必要があるというふうに考えておりますし、また、ピアチェック制度を導入すべきということについても、この委員会でもこれまでも議論をいただいたところでございまして、そうしたこともしっかり議論をしていきたいというふうに思っております。

穀田委員 私は具体的に提案しているんですよ。やはり、つくる側がプログラムを使って改ざんできる、そして、そのプログラム自身の認定は一気に二〇〇〇年からふえた、こういう事実も明らかにして、それが、先ほど和田教授が述べたような新しい事態を生んでいるということを指摘したわけです。

 そこで、そのつくる側の問題もそうなんだけれども、では、見る側はどうなのかという問題について少しお聞きしたいと思うんですね。特定行政庁の検査実態も極めて不十分です。そもそも、再計算しようにも、では、大臣認定プログラムを持っていたのかということについてお聞きしたいと思うんです。

 国土交通省は、百六にも上る種類の認定プログラムを持っていましたか。

山本政府参考人 国土交通省は持っておりません。

穀田委員 大臣が認定したプログラムで構造計算をしてきてこれを省略するというプログラムを、確かめるソフトを持っていない、これが国土交通省。

 それでは、四十七都道府県と十四の政令市は持っていますか。

山本政府参考人 事実関係はすべて掌握しておりませんけれども、すべての特定行政庁がプログラムをそろえているというものではないという認識でございます。

穀田委員 今の話を聞くと、何か持っているところがありそうな言い方と違いますか。私が言っているのは、持っているところがあるかと聞いているんですよ。あなたの話だと、すべて持っているというものではありません、違うんですよ、持っているところが圧倒的に少ない、ないしはほとんど持っていないのと違うかと聞いているんですよ。

山本政府参考人 ほぼ同じ認識でございます。

穀田委員 ちょっとそんな、何と言うのかな、安全かどうか確かめる点での再計算を自治体ができる能力があるかどうかという話をしているわけでしょう。そういういわば国民の建物に関する安全という問題を議論しているときに、そんないいかげんな話をして、ほぼそんな認識だなんという話をしていたらあきまへんで、それは。ほんまにあかんわ、それは。

 それで、私は聞いたんですよ、少なくとも近畿の各府県に。そうしたらどうかというと、やっと買ったというのが、この事件が起きて以来、一本買いましたとか三本買いましたとか、だけれども、何か、大体リースが多いんですよね。四本買うたら六百八十万円ぐらいする、そういう多額のあれなんですよね。そして、それだけじゃないんですよ。では、使えるかといったら、すぐ使えないんですよ。研修しなくちゃこれは使えないわけですから。そういうとんでもない事態があるわけですね。

 しかも、では、構造計算のわかる担当者がいるのかとこう聞くと、この間、新聞にも出ていますように、例えば、鉄筋建築物など構造計算の審査ができる、できるですよ、全国の自治体のうち、構造審査担当の建築主事を置く自治体は一四%にすぎないということが国土交通省の調べでわかった。いいですか、ソフトを持っていない、そして、構造計算の審査ができる自治体のうち構造審査担当者の建築主事を置いているのは一四%しかない、全く体制がないということじゃないですか。

 だから、つくる側のそういう大臣認定プログラムも改ざんできる、そしてそれを調べる方の内容も不十分、これが実態じゃありませんか。

 しかも、それがいつ起きたかというと、先ほど来、何か九八年の建築基準法改正は間違いでなかった、冗談じゃないですよ。このことが、民間開放とこういう事態をもたらした最大の原因じゃありませんか。そのことを指摘しておきたいと思うんです。

 最後に……

大島委員長 穀田君、時間です。

穀田委員 終わります。

大島委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。

 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 北側大臣に伺います。姉歯元建築士の経歴なんですが、九〇年からこちらの国交省の姉歯建築士の件数が出ていますけれども、九〇年に一件、九五年に一件、九六年に一件と、極めて時期的に飛んでいるんですね。この時期に彼は何をしていたんでしょうか。どんな仕事をしていたのか調べていらっしゃいますか。

山本政府参考人 姉歯元建築士が関与いたしました物件につきましては、基本的に千葉県が事務所に立入検査を行い、把握したリストをもとに調査を行ってきております。調査の過程で関与が明らかなものについても調査を行うというのが方針でございます。

 平成六年以前の物件については、平成二年の物件が二件把握されております……(保坂(展)委員「それはわかりました」と呼ぶ)

 これまで姉歯事務所がかかわった二百四件について調査を実施しております。

保坂(展)委員 そのことを姉歯建築士自身に聞いたのかということを聞いたんですが、今度は北側大臣に、前回お聞きしたところですが、もう一度確認します。

 九八年に二件偽装ということで姉歯物件が最初に登場します。その最初の偽造というのがグランドステージ池上ということで証人喚問では証言があったわけです。しかしながら、その後、それより早い時期に建築確認申請がなされ確認がおりている物件があって、それが、国土交通省が出しているこちらの一覧表にも名を伏せた形で掲載されている。この事実、つまり、グランドステージ池上よりも建築確認申請と確認がおりた時期が早かった物件、これが姉歯物件リストとして掲載されているかどうか、明確に答弁してください。

大島委員長 山本局長。(保坂(展)委員「大臣に聞いているんですよ」と呼ぶ)まあ、まずあなたが答えてから、次に大臣でいこう。

山本政府参考人 姉歯元建築士が偽装したことが現時点で判明している物件は、平成十年の二物件からでございます。(保坂(展)委員「そんなこと聞いていない」と呼ぶ)

北側国務大臣 平成十年に二物件である、その一件が池上、もう一件のことをおっしゃっていると思うんですが……(保坂(展)委員「どちらが早いか」と呼ぶ)そのことについては現在調査をしているところでございます。大田区からの報告を待っているところでございます。

保坂(展)委員 調査をされていると言いますけれども、もう一件の物件は、九七年の十二月に申請がなされて、三月に確認がおりている。増築部分についても、九八年の五月に申請は出ていて、六月に確認がおりていますよね。時期でいえばグランドステージ池上よりも確認の時期は早いというふうに私たちはつかんでいますが、しかし、いつ設計をしていたのかどうかは、これはわかりません。グランドステージ池上の方を早くやっていたのかもしれない。時期が非常に近いですから。

 しかしながら、この物件は、木村建設の物件ではないんです。木村建設の物件であれば、木村建設から圧力がかかって、「弱い自分がいた」というあの証言がぴったりなるほどということになるんです。しかし、それが逆であれば、これは一体何だったのかということになる。そこのところについて調査をする必要があるということで、私は、前回、例えばその元請設計事務所を調べているんですかと、調べていませんとおっしゃいました。その後お調べになりましたか、大臣。

山本政府参考人 ただいま特定行政庁において耐震性の検証を行っているところでございまして、建築主の聴取等は行っておりません。

保坂(展)委員 実態を解明するに当たって、北側大臣に再び伺います。

 大事じゃないですか、この調査は。近接する二つの時期に、第一号、どっちだったのか。そのうちの一つは木村建設ではない。それについて早く実態を把握する必要があるということを前回求めましたけれども、ぜひ答弁をお願いします。

北側国務大臣 大田区ではないもう一件の方については、耐震性がどの程度あるのか、その検証を特定行政庁で今しているところでございまして、その結果の報告を待って、必要であれば、委員の御指摘のような調査もしなければならないと考えております。

保坂(展)委員 十二月十四日、証人喚問のときですが、木村建設から、篠塚支店長からホテルに関するリスト、これは姉歯物件以外を墨塗りしたものでしたが、これはいわゆる篠塚リストと国交省でも呼んでいるものが提出されました。はて、その実態調査がいかにあるのか、ことしになってから何回も国土交通省に問いただしましたけれども、そうやっているうちに非姉歯物件が拡大をしてきた。

 私ははっきり指摘したいと思うんですが、これは、国土交通省の方で、例えば国総研というところに回してやっているというふうに聞いていましたけれども、担当者が非常に少ないとも聞いています。そして、実際に、これは建防協というんですか、こちらの先生方に見ていただいているということなんですが、私、北側大臣に、これだけ非姉歯物件も出てきて、一つの限られた組織に全部やらせるというのは無理だと思うんです。これは大臣が責任を持って、この期間集中的に、構造計算、先ほどの議論もあるように、できる期間は少ないんですから、しっかり短期間に精度の高い調査をやってほしい。それは大臣の決意として伺いたい。

北側国務大臣 しっかりと構造計算の再計算をきちんとチェックができる、特定行政庁、地方団体とよく連携をとって、必要であるならば国からしっかりとそういう機関を紹介していく、そういったことをしっかり取り組みをさせていただきたいと思います。

保坂(展)委員 再度の確認になりますが、現在の形だと、建防協ということでこちらの先生方にお願いをしている、特に予算はないというふうに聞いているんですが、しっかりこれはフル稼働で専門家の方がきちっと見ていただけるように、特定行政庁、先ほどやりとりのあったように、局長でも結構です、やりとりのあったように、ソフトがなかったりとか、大変これは精査するというのは難しいわけです。この期間集中的にそこに予算を使ったからといって、だれも非難する者はいないと思います。いかがでしょうか。

山本政府参考人 御指摘のとおりでございまして、補正予算で措置していただきました耐震改修促進事業の三十億円を使って、全額国費で応援していきたいと考えております。

 それから、先ほどちょっと間違った答弁をしましたので訂正させてほしいんですが、井上建築企画研究所ですけれども、実際に偽装が確認された物件に関与しております、ほかにも。したがって、偽装物件の耐震強度等の調査、それから事実関係を調査しまして、厳正に処分する考えでございます。

保坂(展)委員 もちろん、偽装がほかにもあったということは踏まえて私お聞きしたんですが、なぜか調査はそれからだということで、不思議に思っていました。

 では、最後に確認しますが、先ほどの議論にも関連するんですけれども、国土交通省は特定行政庁に対して、偽装なしかどうかだけを問いかけていたんじゃないですか。耐震強度について報告しろ、偽装あるかなしかだけを問うていたんじゃないですか。それだけ答えてください。

山本政府参考人 姉歯物件の連続性で偽装があるかないか、ある場合の耐震強度いかんということを調査を進めてまいりました。耐震強度、耐震安全性こそ大事だという考え方のもとに、この二点を調査をかけていたところでございます。(保坂(展)委員「ない場合は」と呼ぶ)

 偽装のあるなしを聞いた上で、耐震安全性の強度を聞いたということでございます。

保坂(展)委員 終わります。

大島委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党・日本・無所属の会の糸川正晃でございます。

 今回の構造計算書の偽装問題は、偽装が発覚して、その耐震性に大きな問題があるマンション住民の方々の安全と居住の安定に大きな支障を与えただけではなくて、国民の間に、建築物に関する全般的な不安というものを呼び起こしているのではないかなと。

 そこで、本当に二度とこういうことが起こらないよう制度の見直しを行う必要があるということを前提にして、幾つかお聞きしてまいります。

 まず、福岡県や熊本県で姉歯建築士以外の新たな耐震偽装の疑いが出たということで、これらは姉歯物件の業界の構図と同様なものなのか、お答えいただけますでしょうか。

北側国務大臣 この福岡の件、また熊本の件につきましては、まさしく今調査をしているところでございます。その構図が姉歯元建築士がかかわった業界構図と同様かということでございますが、それはもう少しこの調査結果を待たないといけないというふうに考えておるところでございます。

 ちなみに、福岡市の方は三件の偽装というふうに今発表しているわけでございますが、その建築士は偽装ではないというふうに言っている、また熊本県についても、かかわった関係の建築士から、それは偽装はしていないというようなことも言っているというような状況でございまして、いずれにしましても、調査をしっかり進めさせて、事実関係を明らかにしていきたいと考えております。

糸川委員 本人は大体最初は否定するものだと思うんですが。

 構造計算書の審査というのは、今まではコンピューターで行われてきたということですけれども、今後ともコンピューターに頼るのか、それとも、確認検査員等が目で見ることが重視されることなのかなと。そこについて、今回の問題なんか特に、目で見ていれば確認できる、その程度のレベルですというようなこともあったわけですから、そこに対しての見直しということがあるのか、お考えを聞かせていただけますか。

山本政府参考人 まず、入り口のポイントですが、構造計算はコンピューターでやりますけれども、確認審査はコンピューターの再計算は従来してきておりません。再計算はしないで要点を審査していくというやり方で審査してきたわけですけれども、今回、故意に偽装するという案件が出てきたわけです。偽装の内容は、単純に前半と後半を差しかえるといったような単純なものだけではなくて、コンピューター計算の途中の数値を、結果の一部を巧妙に修正する、切り張りするといったようなものまで多岐にわたっていますので、そういった偽装については、確認の構造審査の厳格化が必要だということです。

 その際、御指摘のように、再計算すればそのことはわかるので、再計算できるものはデータを出してもらったらやりますけれども、しかし何といっても、コンピューターはもちろん利用しますけれども、人間の目を使ってしっかり審査するということが大事ですので、審査の基準も法律に位置づけて的確にやっていくことが必要だということを考えておりまして、今その方法等について御検討いただいているところでございます。

糸川委員 それはもうぜひしっかりと取り組んでいただければなというふうに思います。

 建築確認がたとえされていたとしても、東横インなどのケースなんかでは、工事完了検査後に勝手に改造するというモラルにかかわる問題も起きているわけですね。このような設計図書とは違うものがつくられていくということを防止するため、どのような方策をとられるのでしょうか。簡潔にお願いします。

山本政府参考人 今回の偽装物件でもそうですけれども、設計や設計書どおりに施工が行われていたかどうかを監理する工事監理も非常に大事でございますので、的確な建築活動を担保して、今回のような事件の再発を防止するために、工事監理を適正に行えるようにしていくということで、再発防止策を審議会で論議していただいているんですが、東横インの事例のような完了検査後の違法な改造をチェックする、適法な建築物を確保するということは、各特定行政庁におきまして、基準法に基づいて、例えば定期報告制度の活用、それから定期的なパトロール、それから、民間からの通報をもとに調査を徹底するといったようなことをきちんと実施していく必要があると思っております。

糸川委員 それはごくごく当たり前のことですから、しっかりと、してください。

 最後、大臣、平成十年の建築基準法の改正によって建築確認が民間開放されたわけです。今では全国で百二十四の民間機関が約六割の建築確認を行っている、そういうデータですが、今後とも民間機関に業務をゆだねていくのか、大臣の決意をお聞かせください。

北側国務大臣 平成十年の改正で民間開放したことについては、その方向性は私は間違っていないと思います。

 建築確認件数年間七十五万件、そして中間検査がある、完了検査があるという中で、やはり民間にも役割を果たしていただくということは、私はそういう方向は間違っていない、また、これを特定行政庁で全部やるというのは物理的にも不可能な話であるというふうに考えております。

糸川委員 今回のこの問題は、海外のメディアでも取り上げられるぐらいの大きな問題となっているわけですね。それは、日本の信頼とか信用の回復ということ、傷つけられたものを回復していかなきゃいけない。今回、その信用を回復するためにきょうも集中審議があったわけです。

 それで、先ほどから住宅局長は、私の質問には非常に積極的にお答えいただいたんですが、きょう、集中審議という場ですが、発言を聞いていると、確認していないとか、きょうは資料を持っていませんということが何回か聞かれた。やはりそれは残念に思うわけですね。もう集中審議ということを事前にわかっているわけですから、ぜひその辺をしっかりと取り組んでいただいて、今後はより一層取り組んでいただければというふうに思います。

 終わります。

大島委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十二日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会


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