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第19号 平成18年2月28日(火曜日)

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平成十八年二月二十八日(火曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び内閣府所管並びに他の分科会の所管以外の事項)

   主査 松岡 利勝君

      伊吹 文明君    大野 功統君

      河井 克行君    大串 博志君

      細川 律夫君

 第二分科会(総務省所管)

   主査 田中 和徳君

      臼井日出男君    金子 一義君

      河村 建夫君    小川 淳也君

      松野 頼久君

 第三分科会(法務省、外務省及び財務省所管)

   主査 茂木 敏充君

      笹川  堯君    町村 信孝君

      山本 幸三君    岡田 克也君

      北神 圭朗君

 第四分科会(文部科学省所管)

   主査 実川 幸夫君

      尾身 幸次君    奥野 信亮君

      中山 成彬君    原口 一博君

      馬淵 澄夫君    佐々木憲昭君

 第五分科会(厚生労働省所管)

   主査 森  英介君

      渡海紀三朗君    根本  匠君

      山本 有二君    加藤 公一君

      坂口  力君    徳田  毅君

 第六分科会(農林水産省及び環境省所管)

   主査 玉沢徳一郎君

      井上 喜一君    二田 孝治君

      山本 公一君    笹木 竜三君

      阿部 知子君

 第七分科会(経済産業省所管)

   主査 高市 早苗君

      大島 理森君    亀井 善之君

      斉藤斗志二君    伴野  豊君

      糸川 正晃君

 第八分科会(国土交通省所管)

   主査 上田  勇君

      園田 博之君    野田  毅君

      三原 朝彦君    古川 元久君

      桝屋 敬悟君

平成十八年二月二十八日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大島 理森君

   理事 金子 一義君 理事 田中 和徳君

   理事 玉沢徳一郎君 理事 松岡 利勝君

   理事 茂木 敏充君 理事 森  英介君

   理事 細川 律夫君 理事 松野 頼久君

   理事 上田  勇君

      阿部 俊子君    井上 喜一君

      伊吹 文明君    臼井日出男君

      尾身 幸次君    大野 功統君

      奥野 信亮君    河井 克行君

      河村 建夫君    斉藤斗志二君

      笹川  堯君    実川 幸夫君

      篠田 陽介君    園田 博之君

      高市 早苗君    渡海紀三朗君

      中山 成彬君    丹羽 秀樹君

      野田  毅君    葉梨 康弘君

      二田 孝治君    町村 信孝君

      三原 朝彦君    山本 公一君

      山本 幸三君    山本 有二君

      小川 淳也君    大串 博志君

      岡田 克也君    加藤 公一君

      北神 圭朗君    笹木 竜三君

      原口 一博君    伴野  豊君

      古川 元久君    馬淵 澄夫君

      坂口  力君    桝屋 敬悟君

      笠井  亮君    佐々木憲昭君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

      徳田  毅君

    …………………………………

   内閣総理大臣       小泉純一郎君

   総務大臣         竹中 平蔵君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   文部科学大臣       小坂 憲次君

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   国務大臣

   (行政改革担当)     中馬 弘毅君

   内閣官房副長官      長勢 甚遠君

   財務副大臣        竹本 直一君

   厚生労働副大臣      中野  清君

   経済産業副大臣      西野あきら君

   財務大臣政務官      西田  猛君

   文部科学大臣政務官    吉野 正芳君

   厚生労働大臣政務官    西川 京子君

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   高橋  進君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            鈴木 直和君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局長)           宿利 正史君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  臼井日出男君     丹羽 秀樹君

  亀井 善之君     篠田 陽介君

  河井 克行君     葉梨 康弘君

  根本  匠君     阿部 俊子君

  佐々木憲昭君     笠井  亮君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 俊子君     根本  匠君

  篠田 陽介君     亀井 善之君

  丹羽 秀樹君     臼井日出男君

  葉梨 康弘君     河井 克行君

  笠井  亮君     佐々木憲昭君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十八年度一般会計予算

 平成十八年度特別会計予算

 平成十八年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

大島委員長 これより会議を開きます。

 平成十八年度一般会計予算、平成十八年度特別会計予算、平成十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官高橋進君、厚生労働省労働基準局長青木豊君、厚生労働省職業安定局長鈴木直和君、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君、厚生労働省年金局長渡辺芳樹君、国土交通省自動車交通局長宿利正史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 本日は、構造改革と地方経済等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。町村信孝君。

町村委員 おはようございます。久しぶりにこちらから質問をする立場を与えていただきまして、どうもありがとうございます。

 きょう、外交のことは伺いませんし、またメール問題も、きょうは民主党さんから一定の動きがあるようでございますから、この場では触れないことにいたしまして、構造改革と地方経済等というテーマでございますから、このことについて、少しく基本的な考え方について伺いたいと存じております。

 小泉構造改革、総理御就任後、鋭意進めてこられました。この点については、中川政調会長や、あるいは、たしか松岡理事でしたでしょうか、冒頭の総括質疑で、改革の成果は随分着々と上がってきていると。郵政の問題、不良債権の処理等々、これらについてはしっかりとした実も上がっているし、ただ、まだまだやはり大きな問題として、財政の再建であるとかあるいは社会保障改革、三位一体等、道半ばの課題もたくさんあるのかな、こう思っております。

 その中で、私は特に、総理が、改革なくして成長なしという大変わかりやすいスローガンで、財政出動をしないで景気回復を実現したということは大変大きな意味があったんだ、こう思っております。

 後ほどちょっとこれは谷垣大臣に伺いますけれども、先般、これは二十四日の公聴会でも、公述人の田中直毅先生から、九〇年代、累次の補正予算等々を組んで歳出増を図ったけれども、しかし、景気には全く関係がなかった、ただいたずらに赤字国債、建設国債のそれが累増していったということを触れられたわけでございます。

 そういう意味で、私は、小泉総理が、財政出動で成長率を上げるという、伝統的なケインズ政策とでもいいましょうか、そういうものから日本もようやっと脱却した、その第一歩を総理が踏み出した、こういう位置づけができるのではないかな、こう思っております。

 さらに、もっと言いますと、政府の活動で大きな国全体のマーケットを動かせるという前提というのは、これは一種のケインズ主義であり、小さな政府という基本的な考え方にも反するのではないのかな、私はこう思ったりしております。ただ、政府の役割が全くないというわけじゃなくて、後ほど申し上げる広い意味のセーフティーネットもあるでしょうし、あるいは、潜在的な成長率に影響を与えるであろう教育の投資とか人材開発投資とか、あるいは科学技術の投資とか、こういうものはやはりしっかりと成長率に影響を与えるものとしてやっていかなければいけないと思うんです。

 そこで、谷垣大臣にお伺いしたいのでありますけれども、要するに、次の世代にこれ以上負担を残さない、できれば負担を減らしていく努力をするという観点から、成長率にかかわりなく、政府あるいは経済財政諮問会議では何%成長がいいかということを大分御議論があるようですが、私は、もっと端的に言うならば、成長率にかかわりなく歳出減を図る、そして歳入増を図る、もちろん税制改革もやってということが、これから大至急やらなければならない政治課題ではないか、政策課題ではないか、こう思うのでありますけれども、財務大臣の御所見を伺います。

谷垣国務大臣 今、町村委員がおっしゃいましたように、小泉内閣のもとにおいては、財政がどういう役割を果たすべきか、今までと相当思い切った考え方の変化を行っていろいろな問題を解決してきたことは事実でございますが、残された問題が、今、国、地方合わせて長期国債の残高がGDPの一五〇%を超えるといったように、このままほっておくと後の世代にツケを先送りにしていくわけですから、それをどう克服していくかということが、残された大きな課題であるというふうに私は思っております。

 それを解決する道筋をつくっていくために、今、与謝野大臣のもとで経済財政諮問会議で歳出歳入一体改革、その道筋をつけていこうと議論が始まっているところでございまして、大体ことしの半ばまでに選択肢と工程表を示して、広く国民的な議論を引き起こして結論を得よう、こういうことでございますが、その際に、そのやり方として、まず徹底した無駄な歳出をカットしていこうということをやらなければならないのは当然でございますけれども、今申し上げたような財政状況であることを考えると、歳出歳入一体と申しますが、歳入面についてもやはり努力をしなければいけないんだろうと私は思っております。

 その際、考えなければならないことは幾つもございますけれども、高齢化が進展しておりますので、社会保障にしても毎年一兆円ぐらいの自然増がある、その給付と負担というものをどうしていくのかというような問題。それから、この前に年金改革をやりましたときに、基礎年金の国庫負担、現在三分の一でございますが、二分の一にしていくという道筋がございます。これをやるときには、初年度で二・六兆ぐらいかかるわけですが、こういった問題を一体どうしていくのか等々の、いろいろな方程式があるわけですが、その方程式をどう解いていくかということをよく頭に入れなきゃいけないと思います。

 その上で、今の町村委員がおっしゃった成長率の問題でございますが、私どもも、やはり実質成長率を高めて日本の力を大きくしていくということはやらなきゃいけないことだと思っておりますが、しかし、成長率が高まっていきますと、同時に金利が上がってくるということになりますと、金利負担がどうなってくるか。これだけ借財のストックがございますと、金利負担というのは相当なものでございます。それから、社会保障にしても、物価に伴って物価スライド等々の負担が高まっていく等々の問題がございますので、楽観的な見通しばかりで物事を進めていくわけにはいかないと思います。

 先の世代にツケを残さないという観点から見ると、町村委員がおっしゃいましたように、成長率、高きを求めるのはいいんですが、財政再建の手法としては、足元を見詰めて一歩一歩きちっとやっていかなければいけない、お説のとおりだと思います。

町村委員 歳出歳入一体改革、しっかりと御議論をいただきたいと思っております。

 自民党の方でも、これから税の議論、もちろんこの予算の成り行きを見てでございますが、少しく暖かくなったら党税調の方でもしっかり議論しようという方針である、こう理解をいたしておりますので、政府・与党一体でこの問題に取り組んでいきたい、こう思っております。

 次に、しばしば聞かれるのでありますが、小泉総理もいろいろな場面で、小泉改革の目指すものは何かとか、あるいはどういう国家社会の絵姿を想定しているのかと、随分この予算委員会でもいろいろな形で議論があったと思いますし、総理も、やる気のある人の意欲を大いに発揮できる社会がいいと、いろいろな形で述べておられます。

 私自身も、昨年三月「「凛として美しい日本」をつくる」という本を出しまして、ここで自分の本の宣伝をいたしませんけれども、我ながらなかなかよくできた本だ、こう自画自賛をしているところでございますけれども、いずれにしても、その中には、お金がすべてではありませんよとか、やはり次の世代に美しくて住みやすい安全な国をいかに伝承していくのかなどなどが書いてあるわけでございまして、昨今のいろいろな事件を見るにつけても、やはりその辺が大切なポイントなのではないか、こう思っております。

 特に、小さな政府論というのがあるわけでありまして、これは、今ある政府をそのまま全体を縮小していくというのが小さな政府論ではないんだろうと私は思います。

 昨今の偽装問題でいうならば、構造部分ですね、これはやはり鉄筋を抜いちゃいけないんです。国家が果たすべき構造部分というのは、それは外交であったり治安であったり教育であったり、またさまざまな昨今の公共財の提供というようなことがあるんだろうと思いますが、そういう意味で、構造はしっかりと保つ、そのかわり、部屋の間取りであるとか色をどうするとか、そういうことは大いに民間の創意工夫に任せる、こういう国家の姿じゃないかと思うのであります。

 ただ、これは人口の減少が進みますと、大きな政府というのは間違いなく次の世代に、さっき谷垣大臣言われたように、次の世代に依存をするという意味、すなわち負担の先送りをするということからも、やはり私どもは小さな政府というものを求めていくということが、これからの国家社会を想定する際に一つの大きなポイントではないかと思います。

 もう総理は、何度もこういうことを聞かれてまたかということかもしれませんが、改めて、総理のお考えになる、どういう日本、どういう国家社会をつくりたいとお考えになるか、その御所感の一端をお述べいただければと思います。

    〔委員長退席、松岡委員長代理着席〕

小泉内閣総理大臣 いわゆる大きな政府、小さな政府という言葉が最近よく使われますけれども、要するに、小さな政府というのは、今大きな政府であるという認識があるから、対比で使われているんだと思います。

 では、大きな政府は何か。国がやらなくていいことをやっている部分が多いのではないか、わかりやすく言えば。もっと民間に任せてもいいんじゃないか。地方にゆだねてもいいのではないか。そういう面を政府がやり過ぎているんじゃないか。だから、今やっている政府の役割というもの、仕事というものをよく見直して、民間にできることは民間にやってもらいましょう、地方にできることは地方にやってもらいましょうと。簡素で効率的な政府を目指すということは、そういう国の役割、民間の役割、地方の役割、これを見直すということから出てくる問題だと思っております。そうして、多くの国民が、やればできるというような意欲を持って企業なり個人なりが働ける環境をつくっていこう。

 すると、規制改革というものが出てきますね。これは国が、いろいろあれをしてはいけない、こういう基準を設けなさい、しかし、その基準が本当に必要なんだろうか。こういう規制が必要なんだろうか。もっと規制を緩めれば、地域の実情に合わせてできるのではないか。

 端的に言えば、学校は天井の高さが一定に決まっていた。たしか二・七メートルですか。本当に二・七メートル要るのか。この基準をもっと下げれば、校舎も低くして費用も低くして、生徒が勉強しやすい環境がつくれるんじゃないか。こういう基準も緩和した方がいいかということが出てきましたね。そういう規制の改革。

 あるいは、地域の港を振興する場合においても、一定時間決められたのを何時間でも港を開港していいようにしよう。規制改革をすれば地域の活性化、物流の展開も充実する、国民生活もこれについて利便を得ることができる。さまざまな改革があります。しかし、どうしても国がやらなきゃならない、これをやはり見極めていく必要があると思います。

 同時に、政治で一番大事なことは、まず、個人にしても企業にしても地域にしても、やる気を起こしてもらう。手足を縛ってあれをやるな、これをやるじゃなくて、何かこうやりたいというものを支援する、意欲をかき立てるような環境をつくっていくことが必要だ。

 そして、今勝ち組、負け組という言葉がよくありますけれども、これを固定化しない。勝った方だっていずれは敗れるときがある、失敗するときがある。一度の戦いに敗れたとしても、失敗したとしても、またチャンスが提供されれば勝てる場合もあるんだ。そういうチャンスを提供していって、一度や二度の失敗にくじけないような、さまざまなチャンスを国民にも企業にも地域にも提供して、ああ、自分たちは、ずっと、一たび戦いに敗れると、そのままの状態が固定化されてはいけない、そういう、やればできるというような、各地域や個人や企業に意欲を持ってもらうような環境を整備することがこれからの社会では必要ではないかと思っております。

    〔松岡委員長代理退席、委員長着席〕

町村委員 どうもありがとうございました。

 格差拡大ということが大変この委員会でも話題になってまいりました。私は、戦前のいわば反省に立って、戦後、平等というものが大変強調されてきた、それはそれで意味のあることだった、こう思っております。

 ただ、この場合の平等というのは、あくまでもチャンス、機会の平等であって、結果の平等ではなかったはずなんでありますが、いかんせん日本も貧しかったということもあって、結果の平等も随分追い求めてきた。自由民主党の政権のもとでも、実は随分結果平等を追い求めてきた政策があったと思います。それはある時期よかったんだろうと思いますが、しかし、だんだんこういう時代になってくると、いつまでも結果平等ということを言い過ぎると、まことに奇妙なことが起きてまいります。

 私は、文部大臣をやっていた経験でいうと、よく漫画チックに言われますけれども、徒競走をやると、ゴール前五メートルで速い子も遅い子もみんな手をつないで同時にゴールインする。これは本当に冗談みたいな話ですが、いっぱいあるんです、そういうことが。

 あるいは、私が文部大臣のときに、民主党の日教組出身の女性の先生からこういうことを聞かれました。自分が教室の担任のときに、演劇会というんですか、クラス会か何かで白雪姫をやったら、女生徒全員に白雪姫をさせたというんです。文部大臣、これ、すばらしいでしょうと言うんですね。私、きょとんとして、何がすばらしいのかなと言ったら、子供たちは全員演劇の才能をひとしく持っているから、だから全員に白雪姫をさせるという考えだと。

 ところが、それは白雪姫が好きな子もいるだろうけれども、大道具、小道具が好きな子もいるし、照明が好きな子もいれば、いろいろな才能がある。顔が違うようにいろいろな才能があるから、全員が白雪姫というのはかえって悪平等と違いますかと言ったら、その先生は大変お怒りになられまして、とんでもない文部大臣だといって私は随分しかられましたが、今でもそれはおかしかったなと思っております。

 それから、これは文部省のお役人も全く嫌がることなんですが、私は、一年たったら何で一学年上がるんだろうかと。これはみんなごく当たり前に思っていますけれども、ゆっくり勉強して理解が到達する子もあれば、早く理解する子もある。それを無理無理一つの学年に閉じ込めておくこと自体が、学年進行主義といいますが、これは私は実は悪平等なんではないのかな、こう思うんですね。ですから、学校教育法に十八歳でなければ大学受験できないことになっております。私は、義務教育が終わったらいつでも大学を受けたって構わない。一部の例外、十七歳から受けられるようになっていますけれども。

 こんなことで、実は教育界というのは大変悪平等が蔓延しているところであります。さっき天井の高さのことも言われましたが、もう教育の実態の場面ですごくそういうところが多いんです。

 きょうは厚生労働大臣にちょっとお伺いしたいんでありますが、地元に帰ると必ず耳にする話、それは、基礎年金の額と生活保護の額がほとんど変わらない、これじゃみんな、こつこつ一生懸命掛金を払って、そして一定の年齢に達したら年金をもらう、やめてしまうと。そんなの払おうが払うまいがどうせ十三万円前後のお金がもらえるんならば、それならもう掛金を払うのをやめちゃおうと。

 お手元の資料一で見ると、基礎年金、夫婦合計十三万二千円。生活扶助の額は九万四千円から十二万円、まあ十一万円ぐらいとしても、これに住宅扶助が一万三千円入り、さらに七十歳以上の高齢者には三千円強の老齢加算がある、これを足せば大体十三万円になっちゃうんですよね。

 もちろん、制度の趣旨等が違うから単純な比較ができないのはわかりますが、しかし、世の人々は、どうせ年金の掛金を払ったって戻ってくるかわからないんだからと、安心して生活保護にみんな流れていく。私は、今生活保護の世帯率がどんどん上がっているのは、もちろん失業率がある、そういう影響があるのはわかりますが、そうした面もあるんじゃないか。もっと言うならば、生活保護の水準が、設定が、実は高過ぎるのではないか、特に基礎年金の比較において。こういう意見をしばしば地元で耳にしますけれども、厚生労働大臣、どうお考えでしょうか。

川崎国務大臣 基本的には制度の違いがあるというお話を今いただきましたので、認識はそうでございます。

 生活保護は最後の手段、最低生活を保障するため、したがって資産等の調査をきちっとしてあれば生活保護は支給しない、ここが一番大事なところであろう。年金の方は、基本的には、資産、ストックとこの年金で老後の生活をやっていく。そういう意味では、資産というもので随分考え方が違うというように思っております。

 ただ一方で、二年間、昨年の暮れまで議論してまいりました。やはり税で全部やるということになれば、生活保護の認定を初め、適正化をきちっとしなきゃなりませんねという話をずっとやってまいりまして、昨年暮れの官房長官のもとでの決着は、知事さんと市長さんと私とも、生活保護の適正化に向けてしっかりことしはやっていこう、こういう合意ができ上がりました。

 それに基づいて、特に生活保護の問題は大都市問題というのが大きな側面でございますので、東京、大阪の皆様方と個々に今議論をさせていただいているところでございます。特に入院の問題とか住宅の問題、しっかり詰めてまいりたいと思っております。

町村委員 さっき総理が言われたように、規制改革、これはもう与党も野党も問わず主張してきたテーマだ、こう思います。規制改革、自由化等を進めれば、一定の格差が生ずるのはある意味では当然の帰結なんですね。だから私は、格差が出てきたからといって、根っこの政策までやめてしまおうとか、あるいは小泉構造改革が悪かったんだという議論は、余りにもこれは短絡的な議論ではないか、こう思っております。

 ただ、そういう上に立っても、なおかつ、それでは問題が全くないのかといえば、やはり考えるべき点は幾つかあるんだろう、こう思っております。

 よく、セーフティーネットというと、競争に負けた人とか弱者とかの、ぎりぎりのところを助けるという感じで言われますけれども、私は、セーフティーネットというのは、与えられた環境で競争というものが決定的に変わってきてしまう、できるだけそのハンディを埋めて競争に入る、そのスタートラインをできる限り均等にしていくということが広い意味のセーフティーネットではないか。例えば、大企業と中小企業では同じ土俵で競争したって無理ですから、だから、法人税率に差があったり、特別の金融機関ができていたり、信用保証があったりする。これはある種のセーフティーネットだ、私はこう考えるわけであります。

 そういうふうに考えたときに、私は、きょう、地方経済問題というのが書いてありますが、地域間格差、これは、私は、それぞれの地域により差があるのは一定程度はやむを得ないんだろうと思っております。ただ、さはさりながら、例えば、沖縄というのは、戦前の沖縄戦争があり、戦中の、そして戦後の米軍統治があったということで発展がおくれたから、そこには一定のセーフティーネットを張るということは当然だろうと思うし、北海道も、広大な土地があるというのはメリットかもしれないけれども、そのための社会資本整備には他府県にはない大変なコストがかかるし、また歴史も浅いし、現実に企業立地も相当な誘致活動をやってもなかなか少ないといったようなことを考えたときに、私は、やはりそういう地域には、一定のセーフティーネットという発想で必要な政策を打っていくということは必要なことなんだろう、こう思います。

 有効求人倍率、やっと一を超えた、よかったな、こういうことでありますが、北海道は、このお手元の資料二をごらんいただきますと、一九九〇年ごろはほとんど本州、全国と北海道、差がなかったけれども、その後ぐんぐんぐんと開いて、北海道は昨年の十―十二で〇・六、全国は約一、こういうことでありました。

 厚生労働大臣、こういった実態を見て、何か雇用関係の予算をこの有効求人倍率の低い六つ七つの道県に集中するという御発言をしていただいたようでありますけれども、どういう内容の政策を集中していただけるのか、簡単にお聞かせいただければと思います。局長さんですか。

鈴木政府参考人 今、どういう事業を重点的にやるかというお話がございました。

 この雇用対策、これは、地域の考え方を生かしながら進めていくということが重要であるというふうに考えております。

 そういう観点から、雇用創造のための構想を策定するというようなものに対する支援、この事業がありますが、そういった事業について、今回、雇用情勢の回復のおくれている七道県、これについてこの事業の採択割合を五割にする。それから同時に、地域で自主的に雇用機会を創出するような事業を行っていく、そういった地域の提案に対して支援する事業、これについても採択割合を五割にする。それから、地域に貢献するサービス分野とか地域がみずから選んだ重点分野、そういったところで創業する場合に、その創業に対する助成、これは従来は三分の一でございますが、こういった道県については二分の一に引き上げる。

 そういった重点的、集中的な対策を行おうというふうに考えております。

町村委員 大いにやっていただきたいと思いますが、構想なんというのはもう既に地元にいっぱいありまして、悪いけれども、今ごろ構想策定に支援をしていただいて、ありがたいとは思いますが、もう既に各地域は随分そういうことをやっているんです。もう嫌というほどやっていますから、この程度で格差が解消できればいいですけれども、なかなか大変ですよ、局長、そうは言っても。

 そこで、私は国土交通大臣にお伺いしたいのでありますが、資料の三をごらんいただきますと、全国の公共事業の削減と北海道の公共事業の削減状況が出ております。これは平成九年から載っておりますけれども、平成九年がピークだったかな、北海道開発事業約九千九百億円、全国が九兆ということで、シェアは一〇%強でありますが、ここから比べると大体三千億円減っています。三分の一減っちゃったんです。これはやはり大変厳しいんです。

 しかも、問題なのは、全国の減り方よりも北海道の減り方の方がはるかに大きい。下の棒グラフをごらんいただくと、全国は一四・六%減りました。北海道は一九・一%減りました。確かに補助事業などで自治体が受ける能力がないといったようなこともありますが、それにしても、それなら直轄事業をもっとふやしてもらえばいいんですね。

 私は、さっき言った地域のセーフティーネットという考え方に立てば、もうちょっと景況感を反映した思い切った地域配分というものをやっていただいてもいいんじゃないか。何も私は有効求人倍率が最も高い東海の公共事業をゼロにしろと言うつもりはございません。それほど乱暴なことを言うつもりはありませんけれども、私は、もうちょっと思い切った地域配分という考え方があっても、配分の変更という考え方があってもいいのではないか、こう思いますけれども、国土交通大臣、いかがでしょうか。

北側国務大臣 確かに、北海道のこれまでの特性から考えますと、まだまだ社会資本が不十分だというのは、ほかの地域に比べて大きいというのは私もそう思います。

 特に、例えば道路なんかを見ますと、高規格の道路に限って申し上げてみましても、全国で供用率というのは六三%、北海道はまだ四〇%にしか至っておりません。ということで、まだまだ北海道という地域の中で社会資本の整備をしていかないといけないところはたくさんある、全くそのとおりであると私も考えます。

 ただ、これはもう委員も御指摘のとおり、限られた予算でございます。公共事業全体が抑制されていく中で、これはその傾向自体はこれからも多分変わらない、そういう中で、いかに優先順位をつけて、また重点化をしてやっていくかということが大事かというふうに思っておりまして、国土交通省の所管でいいますと、例えば北海道のこれからを考えますと、やはり観光というのが、私はこれからの北海道にとって非常に有力な産業にしていかねばならない。そういう観光振興のために、例えばどういう社会資本が大事なのかというふうな観点で、やはり優先順位、重点化を図っていくことが非常に大事かなというふうな認識を持っておるところでございます。

 しっかりと社会資本の整備は進めてまいりたいと考えております。

町村委員 今国土交通大臣言われた観光だけをとっても、今言った道路の整備でありますとか、あるいは新幹線も、ようやっと函館まで昨年着工した。完成はまだまだ先のことで、しかも札幌まではまだ全然道筋が見えていないという状況でありますので、またひとつそういった面で国土交通大臣の一層のお力添えをいただきたい、こう思っております。

 それから次に、地域間格差の話から、今度は世代間格差の話に少し話を移したいと思うのでありますけれども、これは厚生労働大臣にお伺いしますが、これは総じて、比較の問題ですが、豊かな高齢者と負担の重い現役世代という世代間格差はこれから大変大きくなっていく。今だって相当不満があるわけであります、働き手にとっては。

 これは大和総研のチーフエコノミストの原田さんという方の提案、あるいは神戸大学の小塩教授、こういう方の御提案もあるんですが、一昨年、年金抜本改革はやったわけでございますが、もっとやらなきゃいかぬ。それは何かというと、年金水準をやはり下げる。若い人から高齢者への所得移転になる社会保険料を据え置いて年金額をカットしなきゃいけないんじゃないか。なかなかこれは難しい話であることもわかった上で、あえて伺います。

 この資料四を見ますと、日本とその他の国々と比べると、厚生年金で比べると、日本は月額十七万円、アメリカは夫婦で十六万六千円、イギリスは七万、ドイツが十万、フランスが六万三千円、スウェーデンでも十五万四千円ということですね。先進国の中で日本の年金水準が世界一高い水準にあるという実態を見たときに、これはやはり日本はとにかく年金王国である。だから、この年金の水準を下げるという、大変これはドラスチックな提案をこの原田さんはしておられますけれども、そういうことも真剣に考えなきゃいけないんじゃないか。

 また、もっと言いますと、高齢者の中にも、豊かな人と本当に援助が必要な人と、両方いると思うんです。この豊かな高齢者から貧しい高齢者に所得移転をする方法、これは谷垣大臣にちょっとお考えいただきたいんですが、例えば年金所得というのは税制上、特別な扱いで優遇されているわけでありますが、これをやめて他の所得と合算をすれば、そして累進課税を適用すれば、同じ世代の高齢者の豊かな人から豊かでない人への所得移転が起き得るわけですね。そういう考え方はどうかという提案も、この原田さんはしておられますけれども、厚労大臣、それから財務大臣、もしお考えがあればお聞かせを願いたい。

渡辺政府参考人 ただいま先生、具体的な年金額の比較の資料を御指摘いただきましたので、ちょっと技術的なところでまず先に御答弁させていただきたいと思います。

 制度の成熟化の中で欧米諸国と比較して遜色のない年金水準になってきた、このようには理解しておりますが、では、我が国の年金制度が諸外国に比べて特に寛大であるかというと、必ずしもそうは理解しておりません。よく言われますような、二十五年最低加入期間というのは大変厳しゅうございますし、先ほどの資料にいたしましても、世帯単位で見るか、個人単位で見るかということによってもちょっと違う。

 すなわち、年金制度は各国の細かい違いがたくさんありまして、学術的にもなかなか給付水準を比較する定説というのがないというところだったのでございますが、昨年、先生御承知のように、OECDから、三十カ国、加盟国の年金の比較研究というものが出されまして、とりわけ水準につきましては、支える側の現役との対比で、我が国は三十カ国中十七番目とか、ネットで見ると二十番目というような結果も出ております。

 こうした中で、さらに十六年改正で給付の調整が行われますので、一方において給付水準が高いという議論、他方こういった見方というもの、両方ありますが、いずれにしても、負担があっての給付でございますので、しっかり改革の実施をしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。

川崎国務大臣 諸外国としっかり比較しながらやっていくというのは大事な論点だろうと思います。

 一方で、一昨年の年金改正の中で、要は、負担をある程度のところでとめる、したがってだんだん給付は下がっていきますということで、結果として一五%下がる制度になっておりますので、そういう意味では、町村委員の言っている方向へ少し動きつつあることは事実だろう。

 それから、今回の医療制度の改革で、所得のあるお年寄りには三割負担ということで、我々現役と同じ負担もお願いする。そういう意味では、少しずつ議論がそういう方向に向いていることは事実だろうと考えております。

谷垣国務大臣 年金税制ですが、今、日本の年金税制は、まず、年金には公的年金控除等を適用して、その上でほかに給与所得があれば合算をして所得控除をやっていく、そこで大変年金に手厚く保護がされているので、世代間の不公平だけではなくて、同じ世代間の中でも所得のある老人が優遇され過ぎているではないかという御批判があることは事実でございます。

 これは町村さんよく御存じですけれども、党の税調の方でも大変御苦労いただいて、年をとっている、高齢者だけだという理由で優遇されているという批判のあった公的年金給付の上乗せ部分等を改正いたしましたのも、町村さんのお考えに沿った一歩だろうと思います。それから、年金制度の中でも、今お話がございました退職老齢年金制度の見直し等をやりましたのも、恐らく同じような考え方に基づくものだろうと思います。

 今後、税制全体を、どうやって高齢者社会を支えていくか、世代間の公平であると同時にその世代内でも公平を期すという観点から、今、町村さんのおっしゃったような視点も含めて、よく議論をしていきたいと思っております。

町村委員 あと、格差ということになると、正社員あるいは非正社員、派遣社員、契約社員、パートさん等々の問題があります。

 余りこれは長々申し上げませんが、非正社員がどんどんふえるというのは本当にいいんだろうかという問題意識は、これはもう皆さんお持ちだろうと思います。実は、これは少子化という観点からも見なければならない、こう思います。

 お手元の資料五というのは、これは労働政策研究・研修機構という公的機関の調査でありますけれども、例えば、三十から三十四の正社員の結婚している男性の比率は六割、非典型雇用が三割、周辺フリーターというちょっと聞きなれない言葉ですけれども一六・八%というぐあいに、要するに、正社員ほど、雇用が安定しているほど婚姻率が高いというデータがあるわけですね。

 実は、結婚している夫婦の子供の数というのは、過去三十年をずっと見ても大体二・二、三人と、そう変わらないんです。問題は、未婚率の上昇が少子化の一つの大きな原因になっているということを見たときに、やはり正社員がこれだけ配偶者がいるということは、いいことなんですね。そういう面で、何らかの対応というのは必要なんじゃないか。

 あるいは、もう言うまでもありませんけれども、非正社員は全女性労働者の過半数であります。ところが、育児・介護休業法でもなかなか育児休業がとれない、契約社員に至っては育児休業はそもそも法律が想定していないとか、あるいは妊娠したらすぐ解雇されてしまう派遣社員とか、こういうものも少子化という観点から見てもまことに問題だろうし、それから、次世代法という法律が通って昨年の四月から施行されましたけれども、大企業はしっかりとした計画を義務づけるけれども、中小企業は努力義務、また非正社員はそもそも対象外とか。

 こういったことなどを見たときに、どうも、労働者の働く権利とかそういう観点の保護はあるんだろうけれども、逆の目から見ると、少子化対策という観点を加味すると、やはり今の法律のあり方等は見直す余地があるのではないか。こう私は思うので、その点について川崎大臣の御答弁をいただきたいし、全体を通じてコメントがあれば、何か一言総理からいただければと思います。

川崎国務大臣 社会の変化、また個人の働き方に対する考え方、また経営側のニーズ、それらの中で雇用というもの全体を規制緩和してきたことは事実でございます。これだけ経済環境が回復してまいっても、残念ながら正規雇用の数がふえてこないということも事実。一方で、今言われました正規雇用と結婚、逆に言えば、非正規雇用と結婚という問題に一つの影があるんじゃないか、こういう御指摘だろうと思います。

 私ども、一つは、ハローワークで、もうこういう状況に変わってきたわけですから、正規雇用で出してくださいというお願いをしております。この職種なら正規雇用の方がいいですよ、人材を育ててください、こういうお願いをしながら、今まで二十万人の雇用計画を組んでおりましたが、二十五万人に上げさせてもらいました。そういう意味では、私どもは、正規雇用をふやす、そのことが社会としては大事だというスタンスに立ちつつあるというふうに御理解を賜りたい。

 それから、六月に少子化問題を基本的にまとめるわけでありますが、そのときに、企業の皆さん方に入っていただいておりますから、町村委員の重要な御提案、ストレートにぶつけながら、企業の社会的責任という形でもう少し議論をしたいな、こう思っております。

 それから、一点だけ。実は育児・介護休業法、これにおいては、非正規社員でありましても、一年以上継続している場合については適用になりますので、御理解をお願い申し上げます。

小泉内閣総理大臣 できるだけ非正規雇用が正社員になった方が望ましいという考えはわかりますけれども、一方で、時代の流れですから、ある場合におきましては、非正規雇用の方が、それぞれの職種によってはみずから選択しておられる方もおられます。定年を迎えたら、一度やめて、再度非正規雇用で雇ってもらいたいという方もおられるわけでございます。

 実情を見ながら、できるだけ若い人には正規雇用の方を勧めた方が私はいいと思っております。

町村委員 どうもありがとうございました。

大島委員長 これにて町村君の質疑は終了いたしました。

 次に、葉梨康弘君。

葉梨委員 自由民主党の葉梨康弘です。予算委員会で十五分、時間をいただきまして、二期生として初めて総理に対して質問をさせていただきます。

 さきの総選挙後、小泉チルドレンという言葉、新語が生まれて、マスコミでももてはやされています。しかし、我々平成十五年の当選組は、小泉政権発足後、初の総選挙を経験した元祖チルドレンでございます。そして、昨年七月には、私自身もこの部屋で郵政民営化賛成の立場から質疑を行わせていただきましたけれども、選挙基盤が弱い中、私の同期生それぞれが真剣に悩みながら、選挙でお世話になっていた特定局長さんたちの陳情やしがらみを振り切って、みずからの意思で改革に賛成票を投じました。だから、我々は、いわば筋金入りの能動的な改革者としての自負を持っています。

 そこで、まず改革の加速という観点から御質問をいたします。

 昨今、構造改革が格差社会をもたらし、地方経済にも悪影響を与えているという指摘があります。しかし、私は、公的部門が必要なセーフティーネットの構築以上に結果の平等も確保していくべきであるという意見には反対です。

 私は、さきの総務委員会でも竹中大臣に御質問をしましたけれども、我々の目指す構造改革は、決してトーマス・ホッブスの言うような自然状態を日本につくり上げることではないはずです。市場の失敗を最小限に食いとめて、市場が国民の持続的信頼をかち得るためには、市場に参加する者がルールを守り、公正さを重んじ、社会への責任を自覚するよう促していく政策こそが必要です。

 アルフレッド・マーシャルは、市場メカニズムを設計することとなる経済学者には冷たい頭脳と温かい心が必要であるとしています。勝つためには何をしてもよい、完膚なきまでに打ちのめすということではなくて、市場それ自体が、一たん負けても再挑戦が可能であるメカニズムを持っていくことが必要と考えます。

 その意味で、我々は、改革を加速させつつ公正さという方向、すなわち、例えばCSR、コンプライアンス経営の確立のための政策により力を入れていかなければならないと考えます。

 また、ルール違反の事件については、もちろんメール問題など国会議員のコンプライアンスは論外としても、改革路線への国民の信頼を高めるため、政府・与党一丸となって、徹底した実態解明と厳しい対応をとっていくことが望まれます。

 総理の御所見を承りたいと思います。

小泉内閣総理大臣 どの国にも、またどの時代でも、ある程度格差はあると思います。そういう中で、どのように活力を持った国にしていくか、社会にしていくか。また、個人にとっては、その持てる能力はそれぞれ違うわけですから、その持てる能力を生かしていくか。このことに対しては、常に、違いといいますか多様性というものを認めながら、お互いの力を、あるいは能力を高めていく努力と創意工夫を発揮するような社会をつくっていくことが望ましいと思っております。

 同時に、みずから助けることができる人、そして、自分の創意工夫を発揮して、余り人から干渉を受けたくないという人はともかく、どうしても自分だけではやっていけない、そういう方に対して国としてどのような支援の手を差し伸べるか、そういうことが重要であると思っております。

 私は、今回の、地域でばらつきがあるというのは、むしろ今後我々が、地域が競争する、競争するということは違いがあるということであります。競争によって、いいことがあればいい方を見習う、余り芳しいことがなければ逆に見習う、そういうことになりたくないと。いろいろな点があるんですから、最低限どういうことを国がやるべきか、あとはそれぞれの地域なり企業なり個人なりの能力を生かすような環境を整えていく、これが私は政治で一番大事なことだと思っております。

葉梨委員 ありがとうございました。ぜひ、分け隔てなく、元祖チルドレンにもよろしく御指導をお願い申し上げたいと思います。

 改革は、やはり加速させなければなりません。ただ、その中で変わることなく我々が守っていかなければならないもの、それが私は天皇制であると考えます。

 実は、私は、かつて私自身も、皇統について、可能であれば男系を維持すべきであるという考えを持っていました。しかし、昨年の十一月、憲法調査特別委員会の派遣でスペインを訪問した折、かの地の国会議員の方々が王位継承問題に真剣に取り組んでいるその取り組みに触れて、私自身の考え方にも変化がございました。

 スペインでは、憲法により現国王ファン・カルロス一世の後継者が男子優先の形で王位を世襲することとされています。ただ、フランコ政権下の長い空位時代を経験したため、王族の数が日本以上に極めて少ないという事情があります。昨年十月、三十八歳のフェリペ皇太子の家にお子さんが生まれました。訪問時には、十一月ですけれども、安定的皇位継承のために、これは女のお子さんなんですけれども、現皇太子以降は男女を問わず第一子を優先すべきであること、このことについて与野党の協議、検討が行われていました。まだ男子が生まれる可能性があるのになぜ議論が急がれるかというと、やはり幼児期からの帝王教育の問題があるようです。

 その意味で、今後、我が国でも皇族として男子がお生まれになったとしても、どの時点から適用するか、これは別としても、現在の女性皇族の方々に対して将来にわたって皇族としてお暮らしいただくような、そして、そのお子さんも皇族としてお暮らしいただくような教育が行われなければ安定的皇位継承に支障を来しかねません。人数の問題だけでなく、教育の問題もあるわけで、私は、女系の宮家の創設は必要であり、その意味で女系を容認せざるを得ないかなという考えを持っています。

 そして、幼児教育の始期ということを考えると、典範改正のために残された時間は、せいぜいことしか来年かぐらいのスパンであり、必ずしも長くないように思われます。角を矯めて牛を殺すことがあってはなりません。皇室典範の改正は、今国会で見送られるという報道もありますが、日本国民の総意に基づく天皇制を守り育てていくためにも、全国民の代表者である国会議員の責において、早期に結論を得ていくことが望まれます。

 総理の御所見と今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。

小泉内閣総理大臣 天皇制を安定的に将来も維持していこう、国民統合の象徴として天皇制の重要性を認識するならば、この皇位の継承というものは安定的にこれからも維持していかなくてはならないという観点から、政府としては、今のままでは、男系男子ということを考えますと、果たして将来どうなるんだろうかという心配もあります。そういうことから、政府としては、できるだけ多くの国民の理解を得ながら、また政争の具にならないように、この皇室の制度について理解を得ながら協力をいただきたいということで、これから、与党においても、また野党の皆さんにおいても冷静に議論をしていただきたいと思っております。

 確かに、この問題につきましては、それぞれの意見が分かれるところでもあります。また、皇室典範制度を変える時期によって、皇位継承者が内容によって変わってくる場合もあります。そういう点も含めて、私は、本来、政治を超越した存在である天皇の地位ということを考えますと、全会一致で改正されることが望ましいと思っているんです。

 でありますので、この協議、審議については、いわゆる取り運びについては慎重に考えたいと思って、政争の具を避けるような手だてを考えなきゃならないと思っております。そのことが、国民統合の象徴である天皇制を、今後とも、国民の総意のもとに、安定的に、敬意を持って、長く日本の歴史と伝統の天皇制が維持されるような形に持っていきたいなと思っているところでございます。

葉梨委員 ありがとうございました。

 私自身も、意見として開陳をさせていただいたわけですけれども、まさに総理おっしゃられるとおりだと思います。この問題は早期に結論を得ていかなければならない問題である。しかしながら、現在においては、もちろん、私自身も今御意見を申し上げましたけれども、いろいろな意見がやはりございます。すべての国民が一致できるような形でしっかりと議論を深めて、そしてよい結論に持っていく、そういう形で、ぜひとも総理、それから次の総裁にもしっかりとそこのところをおっしゃっていただきたいというふうに思います。

 最後、財務大臣に、時間がございませんので簡単にと思います。公共事業関係特別会計です。

 公共事業関係の特別会計については、これはもう公共事業の関係、地域経済に非常にかかわるものですけれども、今回、私も与党のチームのチームリーダーという形になりまして、五特会、五つの特別会計を統合するという形で案をつくりまして、そしてこれを閣議決定もしていただいた経緯がございます。ただし、単に統合するだけでは全く意味がない。やはり、特別会計を統合して一覧性をしっかり強化する、そして管理部門など、確実に統合メリットを出す、こういうことに配意をしていかなければならないだろうというふうに思います。

 そこで、財務大臣には、今後の公共事業特別会計について、財政規律を強化するため、またさらに、最大限の統合効果、すなわち行政改革効果を出すためにどのような取り組みを行われるか、御所見を承りたいと思います。

谷垣国務大臣 簡単に申し上げます。

 葉梨さんが、党の中でこの取りまとめに大変御努力をいただいたことを心から感謝申し上げます。

 それで、今おっしゃいましたように、公共事業関係の五つの特別会計、これはみんな社会資本整備重点計画法に位置づけられたという共通点がありますので、受益と負担の関係をはっきりさせていく、その上で縦割りの弊害を乗り越えようというので、平成二十年度までに統合しようというわけでありますが、やはり統合のメリットを出さなきゃいけません。メリットとして考えられるのは、事業の横断的、総合的な推進であるとか、あるいは調査研究の共同化。それから経費面でも、共通経費等を、統合していきますと共通経費の無駄の排除とか重複排除という効果が期待できますし、組織・定員面での効率化ということも、やはりメリットを実際に出るようにしていかなければいけないと思います。

 これは、一般会計にしていけばいいというような議論もあるんですが、公共事業には地方の負担金が入ったりあるいは民間の負担が入ってきたり、そういうのを一般会計にするとごちゃごちゃになってしまって、歳出歳入の対応といいますか、受益と負担の関係、こういうものが明確にならないという問題点がありますので、そういう問題点を生かしながら統合のメリットを出していくようにいきたいと思っておりますので、またよろしくお願いいたします。

葉梨委員 ありがとうございました。

 ことし九月までの任期ということでございますけれども、マックス・ウェーバーは、政治家の三条件として情熱と責任感とバランス感覚と言っています。ぜひともバランス感覚を持って、地域格差に目を向けて、構造改革をぜひとも進めていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて葉梨君の質疑は終了いたしました。

 次に、桝屋敬悟君。

桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。

 総理、御苦労さまでございます。きょうは質問を全く通告と変えまして、総理と政治家同士の議論をしたい、このように思っております。

 最初に、永田問題についてどうしても言及をしなきゃなりません。ライブドア関連の問題につきまして、この国会では四点セットなどと言われて大きな国民の関心事になって始まったわけであります。このライブドア問題につきましては、私どもも、企業の粉飾決算の実態であるとか、あるいは投資事業組合の実態、さらには会計監査のあり方や金融監督庁の指導のあり方など、議論しなきゃならぬ問題はたくさんある、こう思ってきたわけであります。

 国民もそういう関心を持って見ておられたと思いますが、そんな中で、あの日の永田議員の発言、この場での発言によりまして一気に流れが変わってしまった、こういうふうに私は思っているわけであります。ライブドア問題が、いわゆる永田問題あるいはメール問題としてきょうも新聞で報道されているわけでありまして、ある方が、この問題については木を見て森を見ずの議論にならないようにしなきゃならぬ、こうおっしゃったんだけれども、まさにそのとおりでありまして、しかしながら、木を見ろといってあのメールを掲げられたのは、ほかならぬ永田さんがこの席でおやりになったわけでありまして、大変に残念だというふうに私は思っているわけであります。

 衆議院の予算委員会でこの出来事を見た多くの国民の皆さんが、一体どう思っておられるのか。国会の、そしてこの衆議院の予算委員会の品位を落として、国民の負託を裏切ってしまったと言わざるを得ないというふうに私は思っております。民主党のある方も、あるいは私も、テレビで報道されまして、一体国会議員は何をしているんだ、こうおまけに言われたりいたしまして、私もすごく反省をしているわけでありますが、私は、党の問題以前に、永田議員個人の責任をまず明らかにしてもらいたいと思っている一人であります。

 この事態は謝って済むような問題ではない。民間人の名誉を傷つけたということもありますし、国会が国民の信頼を取り戻すためには、永田議員自身がみずからのけじめを一日も早くおつけになることが急がれる、私はこのように御本人に申し上げたい、この席にいらっしゃれば、委員会にいらっしゃれば申し上げたい、こう思う気持ちでいっぱいであります。

 実は彼は今回だけじゃないんですね。昨年、私ども公明党も、彼の発言によっていわれなき中傷を与えられて随分と苦労しました。これについては、民主党の皆さん、党としては誠意を持って対応していただいた、こう私は思っているのでありますが、当の本人がどこまで責任を自覚されておられるのか、このことを今言いたいわけであります。

 きょうのこの集中審議のテーマは構造改革であります。構造改革や政治改革、私は、そういう改革の前に政治家改革がなきゃならぬと思っている一人でありまして、そういう意味では、もう一回言いますが、ぜひとも、まず本人がみずからの責任を、けじめをきちっとつけていただきたい、このように切に願うわけでありますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 永田さん自身のことについて、私は、根拠のないものを事実として、それをもとにして個人を非難、中傷しているわけでありますので、過ちは過ちとして素直に認めて、悪かった、反省すると、それで、一日も早く出直していただきたいと思っております。

桝屋委員 私も総理と同じように、ここは、党の問題ではない、まずは本人がと。私は、一番困っておられるのは民主党の皆さんじゃないか、こう思っているわけでありまして、本当に政策論をきっちりやりたいというこの予算委員会の流れを見ておりますと、本当に残念でならない、こう思っているわけであります。

 さて、きょうの本題でありますが、構造改革、私は、総理の基本姿勢を議論したいと思っているのであります。

 私ども公明党、総理とともに改革作業をずっとやってまいりました。大変に困難な道であったと振り返って思っているわけでありますし、これからも大変だろうと思っているわけであります。昨年の郵政民営化もずっと私もおつき合いをさせていただいて、最後は選挙までおつき合いをさせていただいて、我が党は三十四名から三十一名になったということで、小泉総理にはいろいろな複雑な思いを持っている一人でありますけれども、しかし、やはり改革作業をここまでやってきて、次なる改革に向けて、この国会では行政改革推進法案を出して確かな流れにしたい、こういう、今、政府・与党を挙げて取り組んでいるところであります。

 最初に、総理に、今回の行革推進法案のネーミングを伺いたかったんですが、先ほどの総理の答弁で、今回のネーミングは簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案ということで、小さな政府という言葉が出るのかなと思っておりましたら、簡素で効率的な政府と。先ほど総理は御答弁の中で、やらなくていいことはぜひやめなきゃならぬ、こういうお話をいただいて、私は、そこがまさに簡素で効率的という法律の意味合いだろうというふうに思っているわけであります。

 そこで、総理、今、ポスト郵政改革と同時にポスト小泉ということが大変言われるわけでありまして、私ども公明党は、与党ではありますが、次の総理を決める立場ではないのでありまして、こういう機会、いい機会でありますから、次の総理はどういう、だれかとは聞きませんが、どういう資質をお求めになるのか、何が次の総理に求められるのかということを聞いてみたい。

 私どもが取り組んでおります、あるいは総理が取り組んでおられる改革は、決して一時の改革で終わるわけではない、不断の改革を続けなきゃなりません。ここまである意味では激しい改革の作業をやってまいりまして、これからの改革を進めるという意味でも、今の段階で今までの歩みを振り返ってみて、あるいは少し周りも見て、格差と言われているわけでありますから、格差の実態やあるいは地方の声、そうしたことにも耳を傾け、細やかな点検も必要と考えるわけでありまして、そうした姿勢もあわせ持つことが次の方に求められるんじゃないか。いやいや、そんなことはない、一気に改革というのはいかなきゃいかぬ、さらにスピードアップして、パワーアップして取り組む、そうした総理が求められるというふうにお考えなのか。総理のお考えを聞いてみたいと思います。

    〔委員長退席、茂木委員長代理着席〕

小泉内閣総理大臣 簡素で効率的な政府、いわゆる小さな政府を目指すということにつきましては、今が大きな政府であるという認識があるからだと思います。

 ということは、政府がやらなくてもいいことをやっているんじゃないか。だから、民間にできることを民間にもう少しゆだねていいんじゃないか、あるいは地方にも裁量権を拡大していく方がいいのではないか。基本的に、今は政府としてやらなくてもいいことをやっている、それをできるだけ点検しながら、個人なり企業なり社会の創意工夫を発揮させて、経済を活性化させて国民の生活を豊かにしていこう、これがやはり改革であります。公明党の主張しておられます無駄な部分は徹底的に見直していこう、これもそういう考え方であります。

 これは、今の財政状況を考えますと、社会保障の分野は黙っていればどんどんふえる、いわゆる税金を使わなきゃ今の年金、医療、介護等は維持できない。そういうところになりますと、できるだけ税負担を少なくしようとなりますと、どういう点は税金を使わないで済むようになるかということも考えていかなきゃならない。でありますので、財政がこのように非常に厳しい状況の中におきましては、今までのように国民のどんな細かい要望でも少しずつ予算をつけていくという時代ではなくなったと思うのであります。一部の要求とこれがもたらす全体の影響ということを考えていかなきゃならない。

 政党でありますから、国会議員でありますから、選挙があります。選挙になりますと、支持者団体のこと、自分を応援してくれる人たち、団体、これはやはり言うことを聞かないと次の選挙のことを大変だなと思って、できるだけ支持団体の言うことを聞こうということは、民主政治のもとにおいては、各政党、これは当然のことだと思うのでありますが、その一部の支持団体の言うことを聞くことがどれだけ税金を使うことになるのか。それは、ひいて言えば、ほかの部分にどういう影響を与えていくのかということも考えないといけない。ここが非常に難しい。

 財政が豊かなときには、いろいろな支持団体の要望をある程度満たすことができました。今、毎年歳出を減らしている段階であります。そして、支持団体の要求にこたえなきゃならない、当然こたえられない。だから、要望を聞くのは易しいんですけれども、これからの政党、政治家で一番困難な点は、自分たちを支持してくれた者の要求を断ることですよ。これがひいては全体のプラスになるんだという、この理解と協力を求めるのは非常に難しいのでありますけれども、そういう点もやっていかざるを得ない時代になったのではないかなと思っています。

 それだけに、将来の社会保障を考えますと、これは一番税金を使わなきゃならない分野でもあります。ということは、その部分の税金をふやすということは、ほかの部分の、今まで予算をつけた分を削ることになるんです。その辺をどうやって国民の理解を得るように進めていくか、これが一番これからの指導者にとって難しいところかなと。

 と同時に、改革に終わりはありません。どの部分でも現状がいいと、いわゆる予算を減らすということは既得権を奪われるんですから、今の制度が変わるということは自分たちの立場が変わるわけですから、抵抗する勢力が多いと思います。そういう方々の理解を得るということに対しての時代の流れと、それから多くの人の協力を得られるような指導力、そういう点がこれからの指導者にも要求されるのではないかなと思っております。

桝屋委員 ありがとうございます。

 次がどういう方かというのはお答えにはありませんでしたが、ただ、今総理おっしゃった、改革作業を続けていく上で、政治家として、我々議院内閣制でありますから、次の総理・総裁もやはり国会議員の中から選ばれる、その国会議員というのは、上がってくるさまざまな問題というのはそんなにたやすいことではない、必ずしもそうした声にこたえ得るだけの政策を打ち出せるかどうかと、反対のこともあるんだ、そこを突き進めるかどうかという、こういうお答えかと思います。

 言葉をかえて議論したいと思うんですが、改革作業を進めるに当たって、よく、急進的な改革か、あるいは漸進的な改革、一歩一歩進めていくという改革なのか。

 よく国民の皆さんと議論しておりますと、小泉総理というのはまさに急進論者だという認識が結構あるのでありますが、私は、ずっと与党の一員として改革作業に一生懸命取り組んできた立場からいたしますと、総理は必ずしも急進的な改革ではない。急進と思われるのは、それぐらい今までの既成の体制といいましょうかシステムといいましょうか、この抵抗というものが強かった。これを、この一歩を踏み出すための大変な苦労があったがゆえに、国民から見ると急進的な小泉総理というふうに見えたのではないか、こう思います。

 しかし、私が与党の一員として見ておりまして、あるときは押したり、あるときは引いたり、わきを締めたりあけたり、あるいは大胆に選挙に打って出たり。私は、まさに政治の手法というものを駆使しながら、政治は私は政策を実現する技術だと思っておりますから、そうしたさまざまな苦労をされながら理想に向けて一歩一歩進めていくという、結果的には私はそういう改革ではなかったかな、また、これからもそういう改革でなきゃならぬと。

 その漸進的な改革をする上で必要な武器は、まさに総理がおっしゃった、国民の理解を得るということが最も私は大変でありまして、その武器は対話だろうと思っております。対話をしっかりやっていく、国民との対話、あるいは政党同士の対話、政治家同士の対話ということが何よりも私は次の総理に求められる資質ではないかと。(発言する者あり)

 今、後ろから、おまえ、総理に聞くのか、自民党で決めることだ、こう言われて、確かにそのとおりでありますけれども、その自民党の皆さんにも聞いていただきたいのでありますが、小泉総理はどちらかというと話しにくいのであります。対話が必ずしも私はできたとは思っていない。私のような若輩にはなかなか総理とじっくり対話できたという思いがないのでありますが、ぜひそうした次の総理を期待したいと思います。

 それで、最後に、行革担当大臣おいででございまして、一つだけ、きのう、公聴会でこういう意見がありました。ある知事さんですが、三位一体の改革をやってみてつくづく思ったけれども、何が三位一体か、政府がばらばらなんだ、各省庁がばらばらなんだ、そういうことがよくわかった、各省の抵抗はみんなそうだと。今回の総人件費改革にしても純減問題にしても、農水や既に法務省からまた抵抗が出ているような報道っぷりが出ておりますけれども、ぜひ政府一体の改革をやってもらいたい、これが大事なんだという切なる声が、きのう、この委員会で公述人の意見として出てまいりました。

 担当大臣、政府一体の改革ということで大変な指導力を求められておりますが、御決意を伺って、終わりたいと思います。

    〔茂木委員長代理退席、委員長着席〕

中馬国務大臣 桝屋さんは公明党の行革推進本部長でいらっしゃいまして、こうしてここまで大変な苦労がありましたことも事実でございますけれども、年末の重要方針、そしてまた、いよいよこの十日に閣議決定もして法案として提出することの大体めどがつきました。御協力、心から感謝申し上げる次第でございます。

 途中経過においては、それぞれ、各省のお立場や、またこれまで培ってきた一つの知見といったものはありましょう。それを主張されることはもちろん結構だと思っております。しかし、最後はこれは政府としてまとめるわけでございますし、そこは各大臣とも協力をいただいております。そのことは私どもも安心をしている次第でもございます。

 ただ、御党がずっと主張されてきましたその中身につきましては、やはりそれぞれ、もうITをすればこの部署は本当に簡素でいくじゃないかとか、あるいは、もう時代的な役割は終わってこんな統計はもう必要ないじゃないのとかいった事業の仕分け的なことは、私は、これから有識者会議等にお任せして、本当に真剣に開かれた形でやっていきたいと思っています。これからもよろしく御協力のほどお願いいたします。

桝屋委員 あと一分ぐらいありますけれども、総理、総理の手法は、私は、ある意味では、こう言っているんですよ、一点突破。ともかく一点突破して、そして全面的に展開をするという。私に言わせると、一点突破して全面展開は、総理の場合、多少、丸投げの感があったのでありますけれども、これから次なる改革はやはり漏れてはいかぬ、こういう思いもありまして、そういう意味では、さっき総理がおっしゃった、やめるものはやめるという事務事業の見直しということをぜひとも、我が党も事業仕分けという観点で努力をしていきたいというふうに思っておりますので、しっかり頑張ってまいりたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて桝屋君の質疑は終了いたしました。

 次に、細川律夫君。

細川委員 民主党の細川律夫でございます。

 総理、きょうは御苦労さまです。私の方からは、まずちょっと順番を変えて御質問をいたしますが、構造改革、規制緩和の中で光と影ということも言われておりますけれども、実は、去年の九月十七日、NHKの放送、NHKスペシャルで、規制緩和・過酷な競争ということで、タクシードライバーは眠れないというNHKスペシャルがございました。

 その中で実は大阪のタクシー状況の放送をしていたわけですけれども、この大阪は規制緩和の実験場と呼ばれるようになっている、こういうことをナレーターが言っておりました。そこで、このNHKスペシャルでナレーターが冒頭で話をしておりました、そのことをちょっと御紹介いたします。

 こういう言葉で始まりました。こんなはずではなかったとだれもが言う。利用客が減っているのに、大阪の町を走るタクシーの数はふえるばかりだ。行き着くところは価格競争である。最近では、乗り場に並ぶタクシーの値段が一台ごとに違う。

 続いて、運転手がいろいろとタクシーの料金の違うところを言っておりまして、続いてナレーターが、メーターの上がり方の違いや割引の有無を含めると、タクシー料金は今や四十種類を超えていると。

 そしてまたいろいろありまして、運転手の収入は年々下がる。駅や繁華街には客引きをする運転手もあらわれた。ちゃぶりと呼ばれている。運転手が車を降りて客を誘うのは違法行為だ。大阪駅では、最終電車からおりてくる客をねらって、今夜もちゃぶりが動き始めた。ねらいは長距離客。交渉次第でメーター料金以下でも走る。駅や空港に毎晩泊まり込む運転手もいる。一回でも多くの客を乗せようと、こうして夜を徹して順番待ちをするのである。激しい価格競争に追い詰められ、身を削るような暮らしである。

 タクシーに関する規制が大きく緩和されて三年。運転手たちの収入は減り、タクシーが起こす事故はふえ続ける。規制緩和の実験場と呼ばれるようになった大阪。運転手の置かれた状況は過酷である。

 こういうようなナレーターの最初の始まりで、このNHKスペシャルは始まります。

 国土交通大臣は大阪でもございますけれども、きょうはこの規制緩和に関しまして、タクシーの規制緩和、私は光と影の影の部分について御質問をしたいと思います。

 平成十四年の二月にタクシーの需給調整規制を廃止するという道路運送法が改正されまして、施行されて四年が経過をいたしております。私の手元にある資料では、三年間で車両は一万四千台ふえました。率にして六・九%ふえ、それに引きかえて輸送人員は減少をいたしております。客待ちのタクシーというのが駅などでは大変多く、また、繁華街などでは渋滞も来すような状況でもございます。

 また、乗務員の所得というのは減る一方でありまして、十六年の平均所得が三百八万円、全産業の平均の五六%、約半分。ところが、労働時間は全産業に比べて約一〇%ぐらい多い。乗務員は所得が少なくなれば無理な運転もいたしますし、質の悪い乗務員もふえてくる。安全性それから乗客の快適性も阻害をいたすことになります。そういうことから、タクシーの事故というのがこれまたふえておりまして、十年間に五割ぐらいふえております。

 このタクシーの規制緩和、緩和をして実態がこのようになっていることについて、果たしてこの規制緩和は成功であったか、あるいはこれは失敗であったか、総理はどのように御認識をされているのか、まずお聞きをいたしたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私も、よくタクシーの状況につきまして、運転手さんからも経営者からも、大変この規制改革によって厳しい状況になったという話を聞いております。しかしながら、どの業界におきましても、新しい手法なり状況になってくると、今までの状況でうまくやってきた方とその状況の中に参入できなかった人の間においては、摩擦が起こるのが常であります。

 一方では、今回の規制緩和によって新しい参入の機会がふえたということで、料金も一定以上行くと割引するというようなことで喜んでいる消費者、お客さんも出ているわけであります。あるいは、福祉タクシーとか観光タクシーとか、今まで考えられなかったようなサービスを展開しているタクシー業界も出てきている。

 一方では、お客さんをとり合うことによって過剰な労働を強いられている運転手さんもおられるということで、それぞれによって、さまざまな部分において、この激しい競争において不満な声が出ている一方で、お客にとっては、ああ、いいサービスだな、運転手の立場とか経営者の立場を考えなければ、これだけ安くなったのか、これだけ自分たちの言うことを聞いてくれるのかということで喜んでいる状態もあるわけであります。

 そういう点、どのような運転手の条件を、働きやすいようなものにしていくかというのは経営者の考えることであり、また、お客さんにとって喜ばれる仕組みあるいはサービスを考えるのも経営者なり運転手さんの考え方でありますし、今、状況をもう少し見ないと、この規制緩和がよかったのか悪かったのか、一概に言える状況ではないなと。しかし、こういう時代においては、この業界にも参入していきたい、そういう意欲のある人の機運といいますか、それをそいではいけないなと。

 やはり今までの規制が一番楽だという人もいますが、それではお客さん向けのサービスは進展しないじゃないか。あるいは、努力する会社とそうでない会社との間においてはサービスの展開が違ってきて当たり前じゃないかという点もありますので、私は、今回の規制改革がタクシー業界を一方的に過酷な状況にしていると断定するのはまだ早いのではないかなと思っております。

細川委員 資料の二を見ていただきたいと思いますが、これによりますと、輸送人員あるいは運送収入、これはずっと低くなってきております。規制緩和によって車の台数はずっとふえ続けております。そうなると一体どういうことになるか、これは歩合制であるタクシーの仕事をしている人に最もしわ寄せが来る。これはもうこの図から見ても当然じゃないかというふうに思います。

 例えば、今まで初乗り六百六十円が、今、ワンコインタクシーといって五百円のタクシーが大阪なんかではたくさん出ておりますけれども、では、六百六十円が五百円になる、運転手としたら百六十円収入が少なくなりますから、そうしたら、それを稼ぐには無理をしても働かざるを得ない。お客は減っているんですから、パイは同じなんですから、これを運転手が奪い合う。しかも、運賃は下がる。そうしますと、結局は、無理をして長時間働くか、あるいは急いで行って客を拾うとか、そういうことになりますから、当然、事故もふえてくるわけです。

 そして、今、総理は、利用者の方は安くなっていいという話をされましたけれども、しかし、大阪の実態は、さっきのナレーターじゃないですけれども、もう種類が物すごく多いんです。六百六十円もあれば五百八十円もあれば、五百円もあれば五百四十円もある、いろいろな種類。そして、長距離は割引があるわ、そしてその割引率も違う。そして、メーターが上がっていくのも、何十円かによって上がるのも全部違ってくるとなると、利用者の方はどのタクシーが安いのかもわからないんだ。そういう状況が大阪にはあるという、この実態をNHKスペシャルでは放送しておりました。

 だから、料金が下がるから、運賃が下がるから、では利用者が便利になっているかな、喜んでいるかなというと、私は、必ずしもそうではないのではないかというふうに思います。そういうことで、私は、この今のタクシーの実態、とりわけ大阪とか仙台とか、そういうところの実態も見てまいりましたけれども、本当に過剰競争でどうにもならないような、そんな感じがいたしました。

 そこで、ただ運賃競争だけで労働者が大変だというだけならばいいんですけれども、もろもろの弊害が出ていることが、これまたそういう規制緩和の影の部分ではないかというふうに思います。

 先ほどのNHKスペシャルでも放送しておりましたけれども、会社が名義貸しをする、あるいは車両の持ち帰りは認める、こういうようなことで、事業者の本当のモラルハザードというのが起きております。そして、運転手というか労働者の方は、稼がなきゃいけませんから労働時間もどんどん長くなるというようなことで、労働基準法なんかにも違反をしてくる、こういうような大きないろいろな弊害が出ている。

 それを今の改正した道路運送法の中でうまくやっていけるかどうか。いろいろ努力されていると思いますけれども、なかなかうまくいっていないというのが現実だろうと思うんですけれども、そこは、国交省の北側大臣、どういうふうにお考えなのか。また、厚労省の川崎大臣には、基準法とか、あるいはまた最低賃金法なんかに違反するような実態がいろいろと出てきている、では、この法律の中できちんと対応ができているのかどうかというのを、まずお伺いいたしたいと思います。

北側国務大臣 今、細川委員の方からお話がありました実態、問題点については、私も問題意識を共通にしているところでございます。

 一方で、この規制緩和というのは、これは言うまでもございませんが、利用者にとりまして、さまざまなサービス、多様なサービスが生まれました。福祉タクシーとか観光タクシーとか、従来なかった多様なサービスが行われております。また、運賃体系も非常に多様になってきております。これもまた、利用者にとっては非常にサービス向上につながっているものだと私は思います。

 一面、先ほど来委員がおっしゃっているように、一方で、労働条件が非常に過酷になっているのではないか。特に、最低賃金を割るような実態も出てきているのではないか。そうした点だとか、それから、そもそもこれは自動車交通でございます、ある意味では公共交通の一種でございまして、そこはやはり交通の安全というのがきちんと確保されていなければいけないにもかかわらず、労働条件の悪化に関連いたしまして、タクシーにかかわる交通事故がふえているのではないか、このような御指摘をいただいているわけでございますが、私は、確かにそうした問題点が昨今あるという認識を持っているところでございます。

 したがって、規制緩和後の事後チェックをしっかりやっていこうということで、これは後で答弁いたします厚生労働大臣とも連携を密にしながら、一つは原則無通告による監査の実施をしようだとか、それから新規参入の事業者に対しては早期監査の実施をするとか、こうした予防的監査にしっかり重点を置いていきたいというふうに考えております。

 また、労働環境、運転手さんの方々の労働環境の確保を図るという観点から、昨年来厚生労働省と連携を深めておりまして、この四月から、両省で合同の監査、監督をしっかりやっていこう、また、相互通報制度、片一方の方で労働基準法に違反するような事態があったならば、国交省の方でわかれば厚生労働省に連絡する、こういう相互通報制度の拡充をしっかりやっていこう、こうした取り組みをしていこうということで、労働環境の改善に、確保に、しっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。

川崎国務大臣 タクシー業界の規制緩和については、小渕内閣で当時の運輸大臣が私でございましたので、重大な関心を持って見詰めております。

 厚生労働大臣に就任する前にいろいろ相談がございまして、厚生労働省として、当時、十七年九月を皮切りに、全国安全運動実施期間ということで、全国で三十九事業場に対して、労働条件、すなわち、賃金、労働時間等の問題について調査をし、関係法令違反が確認された場合は、是正指導を行っております。

 十八年四月からは、先ほど北側大臣からお話がありましたように、国土交通省と私ども、すなわち、地方で、労働基準監督署と地方運輸支局合同による監査、監督を実施する。そして、特に両機関の一層の連携を図るために、今度の相互通報制度の中に、最低賃金、この問題を、ある場合は連絡対象にしっかり入れようということで定めさせていただきました。

 当時、いろいろな議論があって、護送船団方式でいくのか、いや、これはやはり規制緩和をしていくべきであろう、しかしながら、その後の事後チェックはしっかりしなきゃならぬという中で、今生じておる問題について、厚生労働省としても、しっかり国土交通省と連携をしながら監督指導をしてまいりたい、このように思っております。

細川委員 この改正道路運送法が国会で審議をされたときに、今私が申し上げたような実態になるのではないかということを心配しながら当時議論がされました。そのときに、今大臣などが言われましたように、しっかりと事後チェックをするのでそこは心配ない、こういうことでございました。しかし、そもそも乗客数は減ってきている、そして運賃収入も全体的に減る、その中で車の台数だけはふえていくわけですから、そこに当然無理があるし、そしてまた法律なども違反をしながらやっていくというのが、もうそうせざるを得ないというような、そういうことになってきているのではないかというふうに思います。

 そしてまた、新規参入をするにしても、そういう大変過当な競争の中ですから、だから、無理な参入をして、その無理がまた業界を非常に混乱に陥れているという実態もあるのではないかというふうに思います。

 そういう意味では、今のタクシー業界の実態を、改正道路運送法とかあるいは労働基準法とか、そういう枠内でいろいろとチェックをしていく、あるいは監査をしていく、あるいは相互通報をしていくとか、そういうことをされても、なかなか解決にはならないのではないかというふうに私は思っております。

 そういう意味では、この法制度、修正というような抜本的な改革をしてこの問題を解決していくということが私は必要ではないかと思いますけれども、大臣、お考えはいかがでしょうか。

北側国務大臣 この平成十四年の規制緩和後、先ほど委員がおっしゃいましたように、車の台数は約一万五千台ふえているわけですね。この一万五千台のうち、全くの新規事業者が参入をしてふえている部分よりも、既存の事業者、タクシー事業者の方々が増車をしているのが多いんですね。この一万五千台のうちの約三分の二、約一万台強は、これは既存のタクシー事業者が増車届け出をしているわけです。

 なぜ既存の事業者が増車届け出をするかといいますと、景気が低迷する中で競争が激化する、そういう中で、むしろ車の台数をふやした方が収益を上げられるのではないか、こう当然考えるわけですね。

 そうすると、運転手さんの方は、これは歩合制でございます。歩合制でございますから、稼がないと収入はふえないわけですね。当然、運転手一人当たりの収入は下がってしまう。ひどいところは、もう最低賃金まで下回るような実態がある。こういうのが今の問題点だというふうに認識をしておるところでございます。

 そういう中で、一方で、この規制緩和のやはりプラスの面があります。ここはしっかり生かしながら、今出ているような問題点について、私はしっかり見直しをしていく必要があるというふうに考えているところでございまして、一つは、厚生労働省とよく連携をとって、労働条件の改善にしっかり努めていきたい、また、そういう最低賃金を下回るようなことをしているところには厳しく摘発をしていく、そういうことはしっかりやらせていただきたいと思います。

 また、これは昔の法律なんですが、タクシー業務適正化特別措置法という法律がございまして、これは、指定地域において、運転者の登録制度というのを実施しているんですね。この制度の活用によって、タクシーサービスに必要な運転手の資質を確保する取り組みをより一層強めていくべきではないかというふうに考えているところでございます。

 現在、交通政策審議会のタクシーサービスの将来ビジョン小委員会というのを設けまして、そこでこの指定地域のあり方とか運転手の方の資質の確保、向上についての議論を行っていただいておりまして、今後の望ましいタクシーサービスの実現に必要な環境の整備にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

細川委員 大臣のしっかり取り組んでいきたいというお気持ちはわかりますけれども、このタクシーという制度をどういうふうに持っていったらいいのか。例えば、よく言われるのが、ロンドンのタクシーは、非常にサービスもよくて、運転手の質も高くて、地理なんかもよく知っている、多少料金は高いけれども非常にサービスがいい、こういうようなことが言われております。そういうようなタクシーを目指すのか、それとも、料金は安いけれども、しかし安全性やサービスの面では多少劣る、そういうようなタクシーを目指すのか。どっちを日本は求めていくのかということになるのではないかというふうに思います。

 まず、私は、今のままでいきますと、料金は安いけれども、安全性やサービスが劣っていくような、そういう日本のタクシーになっていくのではないかと。そういう意味では、私は、日本のタクシーが世界一安心、安全なタクシー、こう言われてきたのが、その質が低下していくのは非常に残念でございます。したがって、私は、ロンドン型のタクシーを目指していくのがいいのではないかというふうに思っております。

 それには、先ほどちょっと大臣が言われました運転手の資格の問題、こういうのをきちっと、今の二種免許だけではなくて、もっといろいろな、研修とかあるいはもっと試験を付加して運転手の質を高めていく、そういうことが必要なんじゃないかというふうに思っております。とりわけ、これから日本は観光立国、一千万の外国からのお客さんも予定をするというような国でありますから、そのタクシーというのは質の高いタクシーにしていかなければいけないというふうに思っております。

 そういう意味では、こういう資格制度を全国的につくって、それによってサービスの向上、運転手の質の向上というのを制度的に図っていくのがいいのではないかというふうに思いますけれども、大臣、どうでしょうか。

北側国務大臣 非常に大事な御指摘をいただいたというふうに思っております。

 消費者の方も、利用者の方も、当然安ければいいというだけじゃないわけでございまして、やはりサービスの質がいいものを提供してもらいたいというのは当然でございまして、そうしたものもきちんと確保されていくような、そうしたあり方を検討していかなきゃならないというふうに考えております。

 今おっしゃった運転手の方の登録、資格、そういうものを検討していくというのは、先ほども申し述べましたように、一つの道であるというふうに考えておりまして、今、そうしたことも検討をしていただいているところでございます。

 また、何よりも交通の安全ということを確保していく、また、自動車の場合は環境問題ともかかわっているわけでございまして、やはりそうしたことに配慮した運行をしていただく必要があるわけでございまして、そうしたことも考えた今後のタクシーサービスのあり方について、しっかりと検討をさせていただきたいと思います。

細川委員 力強いあれをありがとうございました。

 そこで、総理に、地方と中央というか、それの格差についてお聞きしますけれども、タクシー業界を見ましても、運転手の収入が、十万台の収入というのが二十一県もあるんです。月の収入が三十万以上というのは、もう東京だけなんです。平均年齢は、全国的に五十四歳。そういう実に地方と中央に差があります。例えば、東京は月収が平均三十二万ですけれども、最低の沖縄なんというのは十五万なんです。九州などは全部十万台、福岡だけやっと二十万なんです。それほどの格差があるんですね。

 だから、こういう地方と中央の格差、こういうものをどういうふうにして是正していくか、これは国の政策として大変重要だというように思いますけれども、総理に、どのようにこれを解決していくか、お聞かせをいただきたいと思います。

小泉内閣総理大臣 私は別に、格差があるから悪いとは限らないと思っております。収入も、東京と地方では違うという御指摘でありますが、物価においても地価においても、東京の土地の値段と地方の土地の値段は違います。また、レストランとかコンビニ等におきましても、地域によって物の値段は違います。公務員の給与の場合にも、地方の民間の企業の給与といわば東京の民間の給与と違うじゃないかという議論がありますけれども、私は、地域において違いがある、これを格差という言葉で今言われておりますけれども、格差があるからといって必ずしも悪いことではないと。

 今回の、今までお話しになったタクシーの業界におきましても、地域においては、今までにないタクシーサービスを提供していかないと無理だなという経営者もあらわれてきた。地域で、何人かの高齢者がまとまって自家用車がわりに使おう、そういう新しいアイデアを出してくるところもある。電話で、何人かがグループで、バスよりは高いけれどもバスよりはいろいろなところへ行ってくれる、注文した時間に来てくれる、今までのタクシー業界とは違ったサービスを提供するという場面も出てくるわけであります。

 地方によりましても、それぞれの地域の特殊性がありますから、その特殊性をいかに発揮していくかということは、私は、一律に考えるのではなくて、地域地域によって考えるべきことではないかと。

 かつて、地域においては、湯布院よりも別府の方が人気があった。今は逆に、別府よりも湯布院の方が人気があって、お客さんが注文して、もう断っているぐらいだということを聞いております。あるいは、各地域においても、かつては繁盛していたところが別に繁盛していないところに取ってかわられる。これはやはりその地域の努力、企業家の努力、個人の努力があるわけでありますから、今後、介護の面においても、地域によって格差が出てきます。この地域の介護の方がサービスがいい、そうすると別の地域は、じゃ、そっちの方のサービスをよくするためにはどうしたらいいんだという工夫が重ねられる。

 そういうことによって競争しながらサービス水準を上げていくということは、どの業界においても私は必要な時代になってきたんじゃないかなと思っておりますので、格差ととらえるのではなくて、お互いの違いが、どういういい点があるか、悪い点があるか、それを学び合っていく、競争し合って、悪い点をなくして、いい点を伸ばしていくというような競争が私は必要ではないかと。

 もとより、社会保障制度として最低賃金制度とか、一定の基準に対して国民のある程度の生活を保障するという、それは制度としては大事でありますけれども、一概に地域間の格差がいけないということにはならないのではないかと思っております。

細川委員 一月の二十六、二十七日に実施をされました共同通信の調査でも、七五%の人が、格差は拡大をしている、こういうような回答をいたしております。そういうことからしますと、格差が拡大をしている、そしてその格差によって、いわば一方、いい方の立場に立てばその人は格差を是認するかもわかりませんけれども、しかし、悪い方というか、例えば貧困層になっている人たちからすれば、当然、これはもう格差というのはよくないというふうに思うわけですから、こういう七五%も格差があるという国民が感じているこの実感は、総理、やはり感じていただいて、ぜひこれは直していかなければ、日本の社会というのはますます悪くなっていくのではないかというふうに思います。

 私は、きょうは影の部分ということで質問をいたしまして、その影の部分をどう是正するかということについて議論をさせていただきました。時間が参りましたので、私の質問はこれで終わります。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて細川君の質疑は終了いたしました。

 次に、松野頼久君。

松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。

 きょうは、構造改革と地方経済ということで質問をさせていただきたいと思います。

 まず、地方経済でありますが、きのうも公聴会で何人かの公述人の方からいろいろお話を伺いました。その中で、随分と地方都市といっても差があるものだなということを実は感じておりまして、金子理事の地元の岐阜県可児市の工業団地の理事長さんは、非常に景気がいいんだ、人手不足だ、もう仕事が間に合わないというふうにおっしゃっている地域もあれば、多くの全国の地方都市、そうなのかなというところもあり、ただ、大都市と中小の都市という区切りではなくて、地域間で随分差が出てきたのかなということを実は感じております。

 ただ、一つ言えますのは、今回、中心市街地の活性化というまちづくり三法の改正というのがこれから出てくるようでありますが、それについて幾つか伺ってみたいというふうに思っています。

 私の地元でも、大手の量販、大手のスーパーが進出をしてきている。確かに、若者にとっては便利で、いろいろな物が一つの店で買えて、これは大変いいことではないかというふうに思うんですが、その一方で、従来からある中心部の商店街の疲弊というものが非常に激しくなってきています。私のところは六十七万の市ですから、影響はまだまだと言われるかもしれませんけれども、これが三万、五万という小さな町の商店街に至っては、本当に悲惨な状態だというふうに思っています。

 それについて幾つか伺いたいと思うんですが、今回、まちづくり三法の中で、都市計画法と、そしてまた中心市街地活性化法を主に改正されているんですけれども、この改正をする大きな目的は何でしょうか。まず国交大臣に。

北側国務大臣 昨年から人口減少時代に突入いたしまして、従来のような、どんどん市街地が拡大していく、そういうふうなまちづくりではなくて、むしろ既存のストックというものを有効に活用しよう、リニューアルしていこう、再生していこう、そうした観点でこれからはまちづくりというのを進めていく必要があるのではないかというふうに私どもは考えているところでございます。

 そういう観点から全国を見ますと、確かに、特に地方都市なんですけれども、中心市街地が非常に寂れているところが多い、そういう実態もございます。

 むしろ、これから人口減少時代、そして本格的な高齢社会がやってくるわけでございまして、ある一定の居住空間の中にすべてのものが、生活に必要なすべてのものが満たされている、ちょっと自転車に乗って、ちょっと公共交通に乗って行けば、病院もあれば学校もあれば役所もあれば、またさまざまな商業施設もある、こういうふうなまちづくりを、我々はこれをコンパクトシティーと言っているわけでございますが、そういうまちづくりを志向していくべきという観点から、今回、都市計画法並びに中心市街地活性化法について、ぜひ見直しを提案させていただきたいと考えているところでございます。

松野(頼)委員 あと、中心市街地の活性という観点から都市計画法の改正というのが行われているというふうに思われます。また、一万平米以上の大型店舗について、こういう形で少し進出規制というものが強化をされてきているのではないかと思いますけれども、その観点から御答弁いただけないでしょうか。

北側国務大臣 先ほど申し上げました基本的な考え方に立ちまして、都市計画法の改正におきましては、床面積が一万平米を超える大規模集客施設について、商業地域や近隣商業地域及び準工業地域以外の用途地域だとか、それからいわゆる白地地域への立地を一たん制限しまして、立地する場合には、都市計画手続を通じて地域が判断する仕組みへと今回転換させていただきたいというふうに考えているところでございます。

 また、市街化調整区域におきましては、大規模な開発であることにより許可できる基準というものを廃止いたしまして、むしろ地区計画に適合することによって許可することができる基準に一本化することによって、これも都市計画手続を通じて地域が判断する仕組みへと転換させていただきたいと考えているところでございます。

 さらに、都市計画区域外におきましては、広く準都市計画区域を指定することができるようにその要件を変更いたしまして、都市計画区域と同様に、大規模集客施設の立地をコントロールしていきたいと考えております。

 こうした措置によりまして、都市機能がどんどん拡散していくということに歯どめをかけさせていただきたいというふうに考えております。

松野(頼)委員 大体、今回の法改正によって何%ぐらいの部分がこの規制になるのかという、大体のめどをお聞かせいただければありがたいと思います。

大島委員長 わかる人。(松野(頼)委員「大体でいいです、大体で」と呼ぶ)大体でいいそうです。時間が過ぎておりますから。

北側国務大臣 済みません、数字の方は、改めて、調べまして答弁させていただきます。

松野(頼)委員 確かに、利便性そしてまたユーザーとしてのいろいろな選択肢という意味で、自由主義経済のもとでこういうことが、大規模なショッピングセンターができるという光の一面と、従来からある昔ながらの商店街が疲弊をしていくというここのバランスをどうとっていくのかということが非常に難しいところではないかというふうに私は思うんです。

 そして、もちろん商店街の側でも、一人一人の商店の皆さんの経営努力、これも当然しなければいけないということでありますけれども、そこの、大店法の廃止から今のまちづくり三法に至るまでの間の、余りにも急激な変化というものが起こり過ぎているのではないかというふうに私は思っていますので、ぜひ、そこのバランスを考えた政策判断というものをしていただければありがたいというふうに思います。

 また、中心部の商店街の皆さんの話を聞くと、一つネックになっていますのが税の問題。特に、中心部ですから、おのずから固定資産税の評価額というものが高くなっている。そして、今回のまちづくり基本法ですか、中心市街地の活性化に関する法律という中で、内閣府に中心市街地活性化本部というものをつくって、基本計画を総理大臣が認定する、その段階で税制の優遇措置というものも受けられるというようなことになっております。いわゆる固定資産税の減収措置というものが盛り込まれているということでありますけれども、そもそもこの固定資産税なんですが、私は以前からずっと疑問を呈しておりました。

 お配りした資料の一をごらんください。これは総務省の固定資産税課につくっていただいた資料ですが、これを見ていただきますと、御存じのように、土地の値段というのは、バブル崩壊以降下落をしているわけです。この資料の土地の部分の右のところに公示価格の変動率ということで、平成四年から土地の下落率がずっと出ているんですが、これだけ足し合わせても六三%、これだけ土地の価格が下がっているんです。

 では、固定資産税の税収はどうでしょうかと考えた場合に、バブルの一番最盛期と言われています六十三年、平成元年、この辺、二兆三千億でありました固定資産税収が、何と平成十六年、これだけ土地が下がっているにもかかわらず三兆四千億円、これだけ増収なんです。ですから、土地の価格が下がっても固定資産税額が下がらない、こういう現象が全国各地で起こっておりまして、特に中心地の商店街ではこの影響を強く受けているというのが現実かと思いますけれども、この件に関して、総務大臣、御意見はいかがでしょうか。

竹中国務大臣 固定資産税のあり方につきましては、委員も大変御専門家でいらっしゃって、また、これまでもいろいろな議論がなされてきたというふうに思っております。

 言うまでもなく、地元の地域のサービスを応益的に負担するという形での固定資産税の役割は極めて重要でございます。同時に、資産の課税という観点、税の論理からいたしますと、金融資産を初めその他の税とのバランスをとって、そのバランスが崩れないように課税しなければいけないというような役割も担っているんだと思っております。そうした観点から、非常に長い議論を経まして今日のような形での課税の仕組みがつくられているというふうに思うわけでございます。

 そういう意味では、現実に起こっていることは、大都市を初めとして、県庁所在地など地方都市におきましても、地価下落の影響を受けまして、税負担がそもそも引き下げとなる土地が近年は多くなってきているわけでございます。

 加えて、中小小売店舗、今商店街のお話がございましたけれども、住居として併用されているケースが多いわけでございますけれども、この場合、住宅用地に対する課税標準の特例措置がとられている。課税標準額の評価額を六分の一または三分の一とする特例が適用されておりますので、税負担がそういう観点からは大幅に軽減されているという点もございます。商業地等については、地域の実情に応じて、市町村の責任と判断で税負担の引き下げを図ることを可能とします条例減額制度を平成十六年度より講じているというところでもございます。

 地方の税目としては大変重要だ、それぞれの資産の課税のバランスを考えて、いろいろな議論を経て今日のような制度になっているというふうに承知しておりますので、一方で必要な減額措置もとられているのではないかというふうに認識をしております。

松野(頼)委員 この質問のポイントは、地価がこれだけ下落をしているのに、バブル期よりも約一・数倍の固定資産税収が上がっている、事実上の増税になっているということに対していかがかというふうに伺っております。

竹中国務大臣 先ほど申し上げさせていただきましたように、むしろバブルの時代には、ほかの資産課税とのバランスから考えて、実物資産、特に土地という実物資産に対する実効税率が余りに低いのではないだろうか。そうすると、資産に投資をする側から見ますと、いわゆる税引き後の、税負担後のネットの利回りというものに着目しますから、そういう観点もあって土地に非常にお金が流れてしまったんだというような議論が非常にあったというふうに承知をしております。

 そういう観点から、先ほど申し上げましたように資産間の各バランスをとるような観点から、今回の、非常に長い時間をかけてですけれども、九〇年代の固定資産税の制度というのが私は改正を重ねてできてきたんだというふうに思っております。

 一方で、土地の値段が下がっている中で負担増がある、負担感があるという点は、それはもう御指摘のとおりなんだと思います。そうした点に関しては、先ほども申し上げましたような形での具体的な軽減措置も組み合わせることによってバランスをしっかりととっていっているような内容になっているというふうに認識しております。

松野(頼)委員 大臣、これは軽減措置も含まれた後の税収のベースでありますから、軽減措置がされていてもこれだけ税収が上がっている、地価はこれだけ下落しているという状況の中で、事実上の増税ではないですかという話をしているんですが。

竹中国務大臣 むしろ、この固定資産税の議論は、本当に、もう八〇年代の中ごろからずっと専門家を巻き込んでいろいろな議論がなされてきたんだと思います。

 先ほど申し上げましたように、むしろ、土地バブルが生じた一つの原因として、原因はたくさんあります、でもその一つの原因として、土地に対する実効税率が低過ぎたのではないだろうか。これは国際的に見ても、間違いなく、当時そうだったと思うんです。そういう観点から、資産に対するバランスのとれた課税の適正化を行うという観点で、この改正が累次、九〇年代の中で行われてきたということだと思います。

 事実の問題として、地価が下がる中で税の負担がふえている、これは低過ぎた実効税率がその分上がっているという面では、委員御指摘のとおり税の負担がふえているというのは事実でございますけれども、これは、税のバランスをとるという上で長期的に行っていかなければいけない必要な対応であったというふうに思っております。

松野(頼)委員 では、この税率を変更する場合に、地方税法を改正されてやりましたでしょうか。

竹中国務大臣 その点については、御承知のように、評価額を適正化していくということで対応してきたわけでございます。

松野(頼)委員 大臣、平成五年から平成六年の評価額のところをごらんください。三百五十九兆だった評価額が千四百十九兆に上がっているんですね。評価額が四倍に上がっているんです。

 それで、これをやったのは、本来、課税法律主義、大臣にこういうことを申し上げるのも失礼な話ですけれども、課税は法律によって行われなければいけない基本原則があるわけですね。しかしながら、四倍に評価額を引き上げたときには、これは実は、当時の自治省の通知、通達で行ったんです。要は、全国で今まで二割、三割、四割と市町村がばらばらに評価額を決めていたものを、全国一律七割の評価にしなさい、地価公示価格の七割を固定資産税評価額にしなさい、こういう通知を出したことによってこれだけ評価額が何倍にも上がったという現実があるわけです。

 私は、そもそも税額に直接係る部分が通達、通知で行われることは税の原則から外れているのではないかということをかねがね主張させていただいているんですが、これは大臣の御所見はいかがでしょうか。

竹中国務大臣 松野委員の御主張は私も承知をしているところでございます。

 現実にどういう観点から事態が進んできたかということに関しましては、これはもう委員はよく御承知でございますけれども、まず、平成元年に土地基本法でいろいろな議論が行われた、その中で公的な土地評価について、これは評価についてということで法律でまさに議論されているわけですけれども、相互の均衡と適正化が図られるように努められるものとする、そして平成二年の土地政策審議会の答申において、地価公示、相続税評価及び固定資産税評価の公的土地評価については相互の均衡と適正化を図るということを、この法律を受けて議論されたわけでございます。

 御指摘のように、平成六基準年度においては、通達によって、当分の間この割合を七割程度、公示地価等々の一定割合、七割程度を目途とするということが示されて、そして平成九年度の年次については大臣告示によってそれが示されたということ、これは委員の指摘のとおり、事実でございます。

 法律において評価をしっかりやれというふうに示されて、それに基づいて評価を行政の責任においてしっかりと行ったというのが経緯でございます。

松野(頼)委員 地方税法の三百四十一条の五項というところで、固定資産税の価格は適正な価格をいうと、非常に漠とした文言なんですね。

 それで、特に建物の評価に至っては、先日も僕はあるところで話を聞いたんですけれども、実際に新築の建物で、建設会社に払った価格、これ以上適正な時価はないと思うんですけれども、それと課税庁が評価した価格、課税庁が評価をした価格の方が高かったというんです。

 実際に建設会社に払った価格、これではだめだと言われて、課税庁が評価した価格こそが適正な時価である、こういう判断をして、高い評価額のもとに高い固定資産税を払わされたという現実が実際にあるんです。このことについて、大臣、いかがでしょうか。

竹中国務大臣 資産とか取引とか、そういうものに課税する場合、本当に評価の問題というのは難しいと思います。今御紹介いただいた個別の事例については、もちろん私は存じ上げませんですけれども、素直な気持ちとして、実際に取引されている額と評価額があって、評価額が高いというのは、これは納税者としては確かに、やりきれないといいますか、おかしな気持ちになるんだと思います。

 評価が正しく行われていれば、かつ、もう一つ、この取引というのが非常に特殊な取引でなければ、そこは一致するはずなわけです。一致しないとおかしいわけで、それはどちらかがおかしいわけなんですけれども、現実にはいろいろな事例があるのだと思います。いわゆる売り急ぎをしている場合とか、何らかの特殊事情によって実際の取引価格というものも、まあ、経済学者は市場が正しいと言いますけれども、平均で見ると正しいのかもしれませんけれども、個別ではいろいろな事例があります。

 そういった、今ちょっと挙げられた例についてはどういう事情があったのかわかりませんが、そういうことが通常的に起こるということであれば、これはやはり何かおかしいわけですし、そういうことはあってはならないことだし、ここは、もし万が一にもそういうことがあれば改めていかなければいけないことであろうかと思います。

 ただ、取引事例もやはりいろいろな特殊事情がある。一方で、我々の評価もしっかりと客観的に行う努力を常にしなければいけない、そういうつもりでおります。

松野(頼)委員 要は、国税では、購入価格から耐用年数を償却させて、毎年、鉄筋コンクリートならば四十七年で、四十七分の一ずつ償却していく、こういうやり方をしているんですが、地方税のこの固定資産税に関しては、中古物件に関しては再建築評点方式といいまして、今この建物を建てたら幾らだと。

 この評価のやり方についても、以前から僕もやらせていただいているんですけれども、例えば、床がじゅうたんだったら何点、要は幾ら、塩化ビニールだったら何点、壁も、洋式の布だったら何点、和式のはけだったら何点、こういう形で決めているんですね。それと同じように、先ほど申した例は、新築の建てた価格、それを建設会社に払った価格が一番何よりも、これ以上の適正な時価はないはずなんですけれども、評価庁が評価をした金額でなければだめだと。

 ですから、この間、加藤委員も縄延び、縄縮みという形でこの固定資産税の議論をしていたんですけれども、非常に税の評価額というものがあいまいな部分が多いんです。ぜひここのところは、大臣、買った価格以上の適正な価格はないわけですから、しっかりとした評価をするということを明言していただければありがたいと思います。

竹中国務大臣 納税者の公平感というのが大変大事です。それに基づいて初めて、課税に対する、課税制度と課税当局に対する信頼感というのも出てくるのだと思います。そういう観点からしっかりと評価をするということは我々の大変重要な務めであるというふうに思っております。

松野(頼)委員 では、次の議題に入らせていただきます。

 これから後半国会の、構造改革の一つ、柱となります特別会計の改革というのが出てまいります。この特別会計の改革でありますけれども、今政府が行われようとしているのは、約三十一の特別会計を、五年を目途に二分の一から三分の一に縮減、また、二十兆円程度の財源を捻出するということだと思います。三十一、六十の勘定に分かれていますので、一つ一つ漠とした話をするとなかなかつかみづらいので、特に一つ、電源開発促進特別会計、ここに焦点を絞って議論させていただきたいと思うんですけれども、この電源開発促進特別会計、随分と無駄遣いが今までに指摘をされている特会であります。

 概要としては、約三千数百億円という歳入、これは電源開発促進税という特別税から成る税収と、平成十七年度ベースでいうと約九百億円程度の剰余金の繰り込みをして約四千数百億円。それを二つの勘定に分けて、立地勘定であれば約二千億、利用勘定であれば約二千億、これが経済産業省分と文部科学省分で分かれて入ってくるというのがこの税の特色であります。

 これも随分以前から私もやらせていただいているんですが、この特別税を使って電源立地、発電所の立地促進のために行おうということがこの税の目的でありますが、当初この特別会計ができたころには、要は、立地地域への交付金、補助金というのがメーンだったんですね。しかしながら、そのお金、税収が上がっていくに従って使い道をどんどん拡大してきた。そして、さまざまな技術、広報を含めた委託事業というのがいまだにたくさん残っているという状況なんです。

 少しずつ改善はされたというふうに私も見ていますけれども、ただ、いまだに、立地勘定では二十四件の外郭団体に対する委託事業、これで約百八十二億円、利用勘定では三十一件の委託事業二百一億円、計五十五件約四百億弱の委託事業というのがまだ残っているんです。

 四年前に私が質疑に立たせていただいたときには委託事業と地域の交付金の額がほとんど同じだった、それぐらいの状況であります。ですから、電源の立地地域に対しては、迷惑施設でありますから、交付金、補助金、この使い道もいろいろ議論はされていますけれども、それでも地域の方のニーズに応じて出しているものであるから、百歩譲ってここの部分はしようがないだろうと考えても、この委託事業、特に外郭団体を中心とした委託事業、まだまだ削れるのではないかというふうに思うんですけれども、そこのところの御答弁をいただければありがたいと思います。経済産業大臣、文科大臣。

二階国務大臣 原子力発電は、供給安定性がすぐれているとともに、地球温暖化対策に資するという意味で、基幹電源として今日まで推進しておるところでありますが、このために、立地地域の皆様の御協力をいただくという観点から、立地地域の振興に積極的に支援しておるというのが今日の状況であります。

 こうした中で、地元調整等で建設計画のおくれている原子力発電所が、将来建設する際に発生する交付金支出等の財政需要に備えて必要な資金を確保しておくということが重要だと考えております。こうした観点から、平成十五年度に、通常の剰余金とはっきり区別した周辺地域整備資金を創設しまして、明確に、できるだけ透明な形で必要な資金を管理することにしております。

 現時点では、資金の積立額は、平成十八年度の予算における積立額を含めますと一千百二十五億となりますが、これは、今年度以降着工される十二基の原子力発電所の立地計画を前提に考えれば、特別過大なものと考えておるわけではありません。

 今後とも、資金を十分に活用しながら原子力発電所の立地振興にしっかりと取り組んでいかなくてはなりませんが、今、松野議員から御指摘のありましたような点につきましては十分配慮をしてまいりたいと思います。

大島委員長 委託事業について云々という質問ですから。

小坂国務大臣 松野議員におかれましては、ふだんから電源立地また原子力の利用促進についていろいろな立場から応援もいただき、また御質問もいただいているところでございます。

 御指摘のように、電源立地勘定それから利用勘定それぞれに、交付金また委託事業等あるわけでございますが、文部科学省主管の委託事業というのは、利用勘定におきましては原子力に係る調査研究を中心といたしておりますし、また立地勘定におきましては立地のための広報及び原子力の安全性に係る実証試験等の委託事業として実施しているところでございます。

 これは松野議員に今さら言うまでもございませんけれども、原子力の安全利用ということについて、やはり核と原子力という言葉を正しく理解していただく、今日のそれぞれの知見を正しく理解していただいて、そして原子力というものに対する理解を、地域の皆さんに理解していただくと同時に、世論として、全体として正しい理解を持っていただくことが必要ですので、そういう意味で、国の責任において広報をしっかりやらなきゃいけない。また、国の責任において研究開発をしっかりやらにゃいかぬ。

 したがって、交付金としてやる部分はもちろんあるわけでございますが、地域にそれぞれにお渡しするのではなくて、国全体として委託事業を推進していくことがどうしても必要だ。広報等の事業については後ほどまた御質問いただけるかもしれませんが、効率的な使用に心がけているところでございまして、大幅に削減を図っておりますが、いまだに残っているのは、そういった意味で、全国的な視野から進めるという観点で御理解を賜りたいと存じます。

大島委員長 何か、二階大臣が。いいですか。(松野(頼)委員「短く」と呼ぶ)では、短く。

 二階大臣。簡明にお願いします。

二階国務大臣 先ほどの委託費でありますが、一割程度措置をしておるところであります。そして、広報予算等の圧縮や企画競争による競争原理の導入など、今後、全般にわたって、見直しすべきことは見直しをしてまいりたいと思っております。

松野(頼)委員 ちょっと時間がなくなってまいりましたが、幾つか文科省分で例を出させていただきたい。

 これは計算証明規則に基づく証拠書類という形で提出をしていただいたんですが、まだまだこんなに委託事業があるんです。これは広報分だけで、これだけの委託事業があるんです。例えば番組制作、これは独立行政法人科学技術振興機構というところがつくっているんですが、約一億七千六百万円。これは番組制作なんです。また、未来科学技術情報館の運営というのを日本原子力文化振興財団というところが六億六千四百万円でやっている。

 これは、大臣、全部聞きたいところなんです。例えばこの二つに関して、こことの契約というのは随意契約ですか。

小坂国務大臣 今まで御理解をいただいているところと思うわけでございますが、原子力の問題につきましては、これは正しい理解をしていただかないと、広報を間違えますと大変なことになります。したがって、広報の分野におきましても、長い間の推移とか、また、新しい技術を初めとして、継続的に担当し、そういった意味で幅広い知識の中から番組制作あるいは広報に当たっていただくことが必要でありますので、そういう意味で、随意契約を行いながらも競争的な手法を導入して節約に努めているところでありまして、十八年度の委託費全体では百二十五億削減を図っているなど、また広報においても、十七年度から十八年度にかけて三十六億から二十六億まで十億円の削減を行っている等、その節減に努力いたしているところでございます。

松野(頼)委員 削減はあれにしても、これは、会計法二十九条及び予決令のどこに当てはまることで随意契約が許されているんでしょうか。

小坂国務大臣 すぐにお答え申し上げたいんですが、今のその細かいところについて、もう少し説明を受けさせていただけますか。

松野(頼)委員 ちょっと待ってください。

大島委員長 ちょっと、答弁するまでとめなさい、速記を。

    〔速記中止〕

大島委員長 では、速記を起こしてください。

 小坂大臣。

小坂国務大臣 会計法の第二十九条の三に基づく随意契約でございます。

松野(頼)委員 持っているんですけれども、これのどの文言ですか。

大島委員長 ちょっと、またとめて。

    〔速記中止〕

大島委員長 では、速記を起こして。

 小坂大臣。

小坂国務大臣 会計法二十九条の三の第三項に当たると思いますが、「契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で第一項の競争に付する必要がない場合及び同項の競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、指名競争に付するものとする。」……失礼しました、その次ですね。及び、こういう規定のほかに「契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、随意契約によるものとする。」

 こういう規定があるわけでございますが、この規定を勘案する中で、今申し上げたように、決して緊急とか競争に付することができないというわけではないのでございますけれども、契約の性質または目的が競争に適さない、すなわち、安全性というものを正しく理解し、また過去のいろいろな対策についての知見とか、こういったものを熟知している者にそういったことを担当させることが適当と認められる広報事業、及び、国として全体の研究開発に携わってもらう、そういった意味で随意契約をしたものと理解いたしております。

松野(頼)委員 番組制作とかイベントの運営が、今の随意契約、会計法の二十九条の三の四項に当てはまるんでしょうか。

小坂国務大臣 今申し上げた四項の規定を勘案する中で、番組の制作といっても、サイトの全体の各場所のどこを利用するとか、そういったことについて知識を十分持ち合わせていただく等々のいろいろなことを勘案した中で随意契約を行ったものと私は理解いたしますが、しかし、委員御指摘のように、できるだけ競争的な環境を導入して、そして経費の節減に努めるというのは当然のことでございますので、今後はそういった点について私もしっかり目を通して努力させていただきたい、このように考えております。

松野(頼)委員 これは通告していないので、後で資料で届けていただければ結構ですが、何年間この財団は随意契約をしていたのか、それもぜひ教えていただきたいのと、基本的に会計法というのは、随意契約というのは本当に例外的なものしか認めていないんですね。

 これは以前ほかの委員会でもやらせていただきましたけれども、随意契約がずっと続く、その結果、特にこういう外郭団体が何年も何年も同じようなものを受託している、こういう状況の中で、無駄遣いの温床となっているんですよ。特に、会計法で定めた予決令という政令、これをちょっと読みますと、「国の行為を秘密にする必要があるとき。」あと、「予定価格が二百五十万円を超えない工事又は製造をさせるとき。」には一般競争入札にしなくてもよいということを言っているんです。

 きょうは時間が来ましたので、今後、特に電源開発特別会計に関しては、経産省分にしても文科省分にしても無駄遣いというものがずっと指摘されているわけですから、もう少ししっかりと引き締まって、そして無駄遣いをなくして、できるだけ納税者にそれを還元するという立場で考えていただければありがたいと思います。

大島委員長 時間が参りました、短く。

小坂国務大臣 委員の御指摘の点については、小泉内閣としても、同じように、そのような随意契約は避けるべき、公正を期す中でできるだけ効率を上げる、このことについては同感でございます。

 したがって、今後十分な努力をさせていただき、また、御要求いただきました資料に関しては、委員長に理事会に諮っていただきまして提出を決めていただきたい、このように考えております。

松野(頼)委員 どうもありがとうございました。

大島委員長 これにて松野君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 障害者自立支援法が、いよいよ四月一日から実施、施行となります。障害者が必要とするサービスを益として、従来の応能負担から、定率一割の利用料を負担しなければならなくなる。障害者医療についても同様であります。

 私も、昨年、法案審議のときに厚生労働委員会でもこの根本問題を指摘してまいりましたが、政府は、限りなく応能負担に近づける、そしてサービスは低下させないと繰り返してこられました。今、実施を目前にして、全国各地で、懸念されていた事態が起こっております。

 例えば北海道の旭川市の通所授産施設では、障害のある利用者から退所の申し出が相次いでいる。身体障害者通所授産施設では、八十人中十五人が通所を断念、知的障害者授産施設・通所更生施設では、百七十九人中十五人が既に退所の意向だといいます。東京の東大和市の小規模作業所でも、これまでもここではお昼代は独自に徴収していたんだけれども、新たな負担増は約一万円ということで、ゼロから一万円というのは非常に大きいと。しかも、工賃は四千円から八千円程度で、仕事をしても、結局利用料も稼げないといいますか、そういう状況だ。これでは通所できない、あるいは回数を半分に減らさざるを得ないという痛切な声が上がっております。

 総理、伺いたいんですが、政府の立場からしてもこういう事態が起きてはいけないというふうに思うんですけれども、どういうふうにお感じか、端的にお答えいただきたいと思います。総理。

大島委員長 まず川崎大臣から。

川崎国務大臣 昨年の法案の審議でもいろいろ御議論いただき、附帯決議もいただき、そして今、法施行に向かいましてさまざまな努力をいたしているところでございます。

 一方で、まだまだこの制度を知らない、よく御理解いただいていないということからいろいろな問題が生じる。したがって、方針を決めましたので、これから各地域に厚生労働の担当者が出向きまして、また、さまざまな形、インターネットを通じ、国民の皆さん方に正しい御理解が得られるよう努力してまいりたいと思っております。

 特に利用者負担の見直しに当たっては、障害者等の家計に与える影響を十分に考慮して月ごとの負担上限額を設定する、収入、預貯金の状況に応じて個別に減免するなど、きめ細かな負担軽減措置を講じております。

 具体的に申し上げれば、今ございました通所施設やホームヘルプサービスを利用して在宅で暮らす方については、社会福祉法人減免により、定率負担の月額負担上限額が半額となるよう負担を軽減いたしております。また、新たに食事等の御負担をいただくことになる入所施設の方については、食費等の負担をしても、少なくとも手元に二万五千円が残るよう負担を軽減いたしております。また、グループホーム、入所施設で暮らす方で、資産が少ないなど負担能力が少ない方については、月額六万六千円までの収入の方は定率負担をゼロとする、過大な負担とならないよう月額上限額を設定する等さまざまな措置をしておりますので、正しく御理解をいただけるよう推進してまいりたいと思っております。

笠井委員 今説明ありましたけれども、この制度について理解して、しかも負担軽減措置があったとしても実際には行けなくなる、だから断念するという方が出ているんですよ。そういう実態があるということをちゃんと受けとめなきゃいけないと思います。

 健常な人にとっては当たり前のような、食事とかあるいはトイレ、入浴にもさまざまな介助やサービスが必要だ。社会参加や自立、就労にもサービスが必要で、それがなければ生活できないという人がいて、重い負担ゆえに、生きるために必要な最低限のサービスを受けられない。現実にそういうことが、制度を理解した人の中でもあるということであります。

 大臣、そこで、ひとつはっきり言っていただきたいんですが、私のところにも、先ほど紹介したよりもたくさん事例があります。大変に実際にこれで困る、サービスを受けることを断念せざるを得ない、あるいは減らさざるを得ないと。この法律が実施されたがゆえの悲劇やあるいは新たな引きこもりが起こるようなことがあっちゃいけないと思うんです。

 四月からの新法実施を前にして、緊急に実態をつかむ、あるいは調査する、このことぐらいはきちっと約束していただきたいと思うんですが、いかがですか。

川崎国務大臣 基本的に、先ほど申し上げましたように方針を決めました。したがって、これから、地方自治体、福祉関係者、個人の方々に説明をする段階でございますから、各所に担当者が参ることになる。その中において、さまざまな問題があれば、聞き取りをしながら進めてまいります。

 いずれにせよ、御理解いただくように努力をしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

笠井委員 障害者の実態をぜひ厚生労働省は理解しなきゃいけないと私は思います。通所できない、それから昼御飯が食べられないでは、障害者の生活はめちゃくちゃになる。国の法律によって、自立ができなくても仕方がないとあきらめさせられようとしていることに腹が立つ、これが心底からの障害者の皆さんの声で、怒りです。そこを最大限聞いて、真摯に受けとめる、どうしたらいいかということを考えてこそ政治だというふうに私は思います。

 法律は成立しましたが、国や自治体、この中には、やはり、憲法二十五条を保障する、障害者が人間らしく生きる権利を守る責任があることは明白です。

 例えば通所の場合などでも、現在、利用者の九五%が無料ですけれども、平均で月一千円から、今度は一万九千円へと十九倍もの値上げになる。これに対し、自治体としても、横浜市、京都市、東京の荒川区などで独自の負担軽減措置をとって、障害者の人権を守るための努力が始まっております。

 厚生労働大臣、我が党は応益負担の撤回を求めておりますけれども、しかし、国として、少なくとも、重い利用料負担のためにサービスが受けられなくなる事態、これが起きないように、負担上限額を見直すなど、今後さらに減免策を拡充すべきじゃないかと思うんですが、そういう点での前向きの御答弁をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

川崎国務大臣 昨年来の、法律成立時でのさまざまな御意見それから附帯決議を賜りました。それに沿いながら三月一日に基本的な方針を決めさせていただきましたので、それを徹底していくのが一番大きな課題であろう。そして、多くの皆さん方に御理解をいただく。今から、方針を決めたことをあすから変えろという御趣旨は……(笠井委員「いや、今後の話です」と呼ぶ)ですから、今決めたところですから、昨年、法案の審議があり、附帯決議をいただいて決めたことですから、どうぞ、この周知徹底、全力を挙げますので、御理解をお願い申し上げます。

笠井委員 実態をきちっとつかんだ上で、さらに問題があれば今後そういう努力するぐらいのことは障害者の皆さんに言えないんですか。大臣、いかがですか。

川崎国務大臣 今までの制度があり、これについてはいろいろな御指摘があり、そして国会で御審議いただいた法律が通り、しかし、それでも御心配だという中から多くの附帯決議がついて、そしてこの形でやりなさいと御指示をいただいた中で、法律にのっとりながら、また、国会の意思に沿いながら、私ども、作業を進めさせていただいている。そして、一番大事なことは多くの皆さん方に御理解をいただくことでありますので、丁寧にやってまいります。

笠井委員 実際に障害者の皆さんが、知れば知るほど理解できないし、これじゃやっていけないという声を上げているんです。

 総理、最後に伺いますけれども、今度の法律で一割負担の対象者になる障害者は全国で約五百八十万人、家族含めたら二千万人を超す大きな影響を与える問題です。格差社会ということが言われている。そういう中でも障害者の皆さんは、それでなくても格差と差別という問題に直面しながら、本当に苦労されてきた。お金がないことで、自立も社会参加も必要なサービスも受けられない、こんなことを政治がつくっちゃいけないと思うんですが、その点では総理はそうだというふうにおっしゃっていただきたいんですが、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 制度を変えたわけでありますので、制度で変えた点について不安に感ずる方もおられると思います。そういう審議が行われて新しい制度になった。そして、これから施行されるわけであります、四月から。そういう中で、この審議の経過も踏まえて、もしこの審議の中での点についての、法案ではまだ十分ではないからということで附帯決議もついております。

 そういう点も含めて、このように制度が変わった、負担できない方についてはきちんと減免措置もとっているということを御理解を得るように努力して、そして、実施に当たって、ある期間たてば、どういう点が問題なのかというのがわかってきます。そういう点についてわかってきて、こういう点が問題だという時点でまたしかるべき対応をとるのが筋で、まだ実施していない段階で、決めたものをすぐ変えろというのはちょっと早いのではないかなと思っております。

大島委員長 笠井君、時間でございます。

笠井委員 既に問題点が出てきている。やはり、福祉も金次第というような、世界に恥ずべきことを絶対してはいけないということを申し上げて、終わります。

大島委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日の委員会は、主に格差の問題を取り上げて審議が進んでおりますが、実は私は、ことしで三十一年目になります小児科医でございます。子供たちを通して見える子供たちの家庭の貧困化、格差の問題をきょうは私はぜひ委員の皆さんに御理解いただきたく、特に、わけても子供は未来でございますので、そうしたことにしっかりと政策を打っていただきたいという観点から御質疑させていただきます。

 私が診ております子供たち、特に不登校、登校拒否と言われる子供たち、あるいは適応障害などの子供たちの御家族が、例えば、お父さんがリストラで職を失う、精神的な疾患になる、あるいは生活保護をお受けである、母子家庭である、本当に、三十一年間やってきて、とても、私どもが感じます実感でふえております。

 せんだって二月の七日、この委員会で、冒頭、前原民主党の代表が就学援助費の問題をお取り上げでありました。学用品や給食代に事欠く子供たちが出てきており、そのことについて、国も地方自治体もおのおの援助の役割を負っておるはずです。

 きょう、ここに用意させていただいたパネル、実はこれは、当初の予算委員会で使おうと思っておりまして、時間切れで使えなかったものでございますが、就学援助を受ける子供の数は、九〇年代から比べて約二倍、現在一二・七七%。それに比べて、国が出している補助はどんどん目減りして、実はこの二〇〇五年度からは地方に一括してお願い申し上げるということで、国の補助金はなくなってございます。

 小坂大臣はよく御存じと思いますが、平成十七年度、果たして地方は、これまで子供たちに出していた就学援助について、給食費や学用品代でございます、しっかり従前と変わらない手だて、手当てができているかどうか。実は、これは三月末でないとお答えが出ないという、私がいただきました質問の予告へのお返事でしたが、私が聞き知る各市町村、いろいろデータを集めましても、今まで、いわゆる生活保護世帯プラス準保護世帯、その近隣の方々のお子さんを扶助しているわけですが、それについて、例えば、生活保護の一・二倍であったところを一倍、同等の方、同等の家庭だけにするという形で対処せざるを得ない自治体も出てきておるやに聞いております。

 教育基本法の中で、子供たちが経済的なことを理由に教育を受けられないということは、これは基本的に子供たちの将来にもかかわるし、人権の問題でもあるという御認識は小坂大臣はおありと思いますが、これが国から地方に譲り渡された先、果たしてどのような実態になっておるかお調べいただいて、子供たちを、何よりも、きちんと教育を受ける、給食はちなみに学校の重要な要素でございますので、この点について、まず文部科学大臣としての御見識を伺います。

小坂国務大臣 阿部委員におかれましては、日ごろから子供の教育環境の改善に向けていろいろと御示唆を賜る質問等をいただいているわけでございますが、この問題については既に何度か御質問いただいております。

 今回の平成十七年度の各市町村の準要保護者の認定基準については現在精査中であるというのは御指摘のとおりでございまして、その中で、現在わかっているものの中に、基準の引き上げ、すなわち緩和したもの、また、基準の引き下げを既に決めているもの等ございます。

 例えば基準の引き上げにつきましては、秋田県の二ツ井町の基準でございますが、生活保護基準の一・一倍と従来しておりましたものを、十七年度、一・二倍と逆に緩和している例、北海道の岩見沢市のように、生活保護基準の一・二七二九倍のものを一・二七五二倍と緩和している例もあるわけでございます。

 一方で、市町村合併に伴いまして、静岡の伊豆の国市のように、この基準が、合併で三つ一緒になったわけでございますが、その一番低い方に基準を統一したということによって、結果として引き下げのような状況になっているというところ。

 あるいは、生活保護基準そのものの基準額の改定に伴って準要保護基準が改定されてしまった、これは大阪府の寝屋川市のようなところでございますが、こういった例があることは事実でございます。

 いずれにいたしましても、委員御指摘のように、地域の実情に応じて適切に判断していただくという考え方のもとに、国としては、準要保護については、要保護とは違いまして、困窮度の程度からすればそれぞれの地域事情を反映して判断していただくことが必要と考えておりますので、今後とも地域の実情に応じた取り組みにゆだねることが適切と考えて、国庫補助を廃止し税源移譲したところでございまして、その辺の事情は御理解を賜りたいと存じます。

阿部(知)委員 今の御答弁は地域の実情に応じてということでしたが、小泉総理にお伺いいたします。

 ユニセフという児童基金が調べました調査で、OECD諸国の中で、むしろ先進国の中で、子供を持つ家庭の貧困化が進んでおると。貧困率は、平均世帯収入の半分以下の世帯を一応貧困といたしますが、昔、貧困というと低開発諸国の問題でありましたが、今は、都市化に伴って逆に先進諸国の中で貧困率が進む、そのことによって子供たちが教育を実際に受ける保障ができなくなっているというのが世界的に起こっております。

 小泉総理は御存じかどうか。子供たちの給食費は、例えば小学生であれば、年に直せば五万円くらい、中学生は六万円くらい。学用品代は、小学生は一万円、中学生は二万円。私は、本来はこれくらいは、地域事情とか云々言わずに、子供が学校に行き、勉強し、給食を食べる。特に、今、子供たちの基礎学力が問題になっております。やがて我が国にも大きな禍根を残す私は予兆がここに見えると思いますが、例えば給食費は無料にする、国が持つ太っ腹くらいあってもいいと思いますが、小泉総理、いかがですか。

小泉内閣総理大臣 地域の実情はそれぞれ違うと思います。給食にいたしましても、最近は地域の生産物を使おうという動きも出ております。そういう点から考えて、教育の機会をすべての児童に与えるという点について、国と地方公共団体、地域が協力して、必要な教育費を児童なり家庭なりに与える、教育の機会を与えるということは重要であると認識しております。

大島委員長 お時間でございます。

阿部(知)委員 ありがとうございました。

大島委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党・日本・無所属の会の糸川正晃でございます。

 早速質問をさせていただきます。

 月例経済報告では景気は回復しているということでございますけれども、地域経済の回復にはかなりばらつきが現実としてはあるのかな。今後、この景気回復をどのように多くの地域に波及させていくのか、与謝野大臣のお考えをお聞かせください。

与謝野国務大臣 議員御指摘のとおり、昨日公表いたしました地域経済動向では、十一地域中七地域を上方修正しております。下方修正した地域はございません。

 今回の特徴としては、今までやや弱含んでいると判断してきた北海道と東北を、持ち直していると上方修正したことでございます。両地域とも、生産の緩やかな増加や雇用情勢の持ち直しなどが確認されております。

 地域経済の状況は、地域ごとの産業構成や輸出競争力の違いなどを背景としてばらつきがあるものの、全体としては回復に向かっていると考えております。

糸川委員 この地域経済動向では、これは北陸ですとかそういうところは、石川県とか福井県とか県別になっているわけじゃないので、かなりそういう地域の中のまた個別の格差というのはあるのかな、その辺しっかりと見ていただければと思います。

 次に、そういう地域間格差があるということで、地方財政を所管されている総務大臣にお伺いします。

 地方は、自前の税収が非常に乏しい、かつ景気動向が厳しい中で、地方交付税というものをますます頼っていくという方向になっていくのかな。ただ、交付税というのはどんどん毎年削減されている方向になっているわけで、地方の市町村からは、大都市にも交付税を配るのをもうやめて、地方にそれをもっと配るべきだというふうな声も出ているわけです。

 そこで、地方交付税について、大都市と地方の格差拡大を踏まえて、経済力のある大都市圏から経済力の弱い地方へより一層重点的に配分されるように制度を見直していくべきではないのかなというふうに考えておりますが、大臣の御所見をお聞かせいただけますでしょうか。

竹中国務大臣 交付税の仕組みというのは、そもそも、委員御承知のように、法令等によって義務づけられた標準的な財政の需要というのがあって、その財政需要、行政水準を確保するための基準財政需要を満たすために、標準的な税収入の一定割合でありますところの基準財政収入額を引いて算定される、総額が決まる、そういう仕組みになっているものでございます。したがって、この総額の仕組みそのものの中に地方部に着目した何か重点配分というようなことは、これは算定するというのは実は困難でございます。

 しかし、現実には、交付税の実際の算定においては、地方部に、人口の小さな団体については、人口規模によって人口一人当たりのコストが増加するいわゆる経費の割り増し算定なんかを行っているわけでございますので、その意味では、地方部と都市部の財源の均衡化というのは相当程度図るというようなことをやっているわけでございます。

 これは、実情を見て、必要な財政需要を満たすような対応というのは引き続きしっかりととってまいらなければいけないと思っております。

糸川委員 総務大臣は、私的懇談会において破綻法制を検討されているということでございますが、大都市と地方の格差拡大を踏まえますと、破綻法制の前に、まず、地方が経済的に自立できるように地方の経済活性化策を提案するということが課題なのかな、それをまた国民が求めているのではないかなと思いますが、御所見をお聞かせいただけますでしょうか。

竹中国務大臣 新聞等々のメディアでは、いろいろ議論している中で破綻のところだけを取り上げて活字が躍るわけでございますが、非常に総合的な議論を行っております。

 まず、地方がしっかりと自由を持てるようにしなければいけない。自由があるからその裏側で責任というものがあるわけで、その責任の一環として破綻法制のようなものも必要ではないかという議論がなされている。何よりも地域そのものをしっかりと活性化させていかないと、これは財政基盤もできないし、国と地方をあわせた財政のスリム化というのはやはり必要ですから、それを行うためにも経済の活性化が必要であるという観点から、非常に幅広い議論を行っております。

 例えば、懇談会のメンバーで慶応大学の島田晴雄先生に入っていただいておりますが、島田教授は、その中で、人口の過疎地域で大都市部からの人口の再配分を起こさせるような自助努力を刺激できないか。そういう地域も実際にございますので、幅広く議論をしております。

糸川委員 ありがとうございます。

 最後に総理にお尋ねいたします。

 政府は景気が回復していると判断されていますけれども、実際こういうデータは出ているわけですけれども、国民の生活実感とはかけ離れているのではないかなというふうに思いますが、総理大臣の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

小泉内閣総理大臣 つい最近の政府の月例経済報告におきましても、景気は回復しているという報告を受けました。現実に失業率も改善しておりますし、有効求人倍率も一以上のところも出てまいりました。各企業におきましても、大企業の業績のよさが中小にも及んでいる、地方にも及んできたなという声も、現実に経営されている方々からも出ております。また家計の面においても、消費もふえている。また賃金も、これから賃上げを交渉しようという企業も出ております。

 やはり、だんだんこの動きが地域にも中小にも広がっていくように、さらに気を緩めずにしっかりと見守る必要があると思っております。

糸川委員 ありがとうございます。

大島委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

大島委員長 この際、御報告いたします。

 去る二十三日の分科会設置の際、分科員の配置及び主査の選任につきましては委員長に御一任をいただいておりましたが、分科員の配置につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりといたします。

    ―――――――――――――

  第一分科員

      伊吹 文明君    大野 功統君

      河井 克行君    大串 博志君

      細川 律夫君

  第二分科員

      臼井日出男君    金子 一義君

      河村 建夫君    小川 淳也君

      松野 頼久君

  第三分科員

      笹川  堯君    町村 信孝君

      山本 幸三君    岡田 克也君

      北神 圭朗君

  第四分科員

      尾身 幸次君    奥野 信亮君

      中山 成彬君    原口 一博君

      馬淵 澄夫君    佐々木憲昭君

  第五分科員

      渡海紀三朗君    根本  匠君

      山本 有二君    加藤 公一君

      坂口  力君    徳田  毅君

  第六分科員

      井上 喜一君    二田 孝治君

      山本 公一君    笹木 竜三君

      阿部 知子君

  第七分科員

      大島 理森君    亀井 善之君

      斉藤斗志二君    伴野  豊君

      糸川 正晃君

  第八分科員

      園田 博之君    野田  毅君

      三原 朝彦君    古川 元久君

      桝屋 敬悟君

    ―――――――――――――

大島委員長 また、各分科会の主査は次のとおり指名いたします。

        第一分科会主査 松岡 利勝君

        第二分科会主査 田中 和徳君

        第三分科会主査 茂木 敏充君

        第四分科会主査 実川 幸夫君

        第五分科会主査 森  英介君

        第六分科会主査 玉沢徳一郎君

        第七分科会主査 高市 早苗君

        第八分科会主査 上田  勇君

以上であります。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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