衆議院

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第2号 平成19年2月1日(木曜日)

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平成十九年二月一日(木曜日)

    午前十一時一分開議

 出席委員

   委員長 金子 一義君

   理事 斉藤斗志二君 理事 実川 幸夫君

   理事 杉浦 正健君 理事 園田 博之君

   理事 萩山 教嚴君 理事 森  英介君

   理事 赤松 正雄君

      あかま二郎君    阿部 俊子君

      愛知 和男君    新井 悦二君

      井上 喜一君    井脇ノブ子君

      稲田 朋美君    臼井日出男君

      遠藤 武彦君    小川 友一君

      小野寺五典君    大島 理森君

      大野 功統君    河井 克行君

      河村 建夫君    北村 茂男君

      倉田 雅年君    佐藤 剛男君

      清水鴻一郎君    清水清一朗君

      関  芳弘君    田中 良生君

      中馬 弘毅君    徳田  毅君

      中根 一幸君    長崎幸太郎君

      長島 忠美君    西村 康稔君

      野田  毅君    林   潤君

      原田 憲治君    深谷 隆司君

      福岡 資麿君    細田 博之君

      増原 義剛君    三ッ林隆志君

      宮下 一郎君    安井潤一郎君

      山本 公一君   山本ともひろ君

      赤羽 一嘉君    大口 善徳君

      斉藤 鉄夫君    丸谷 佳織君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   菅  義偉君

   法務大臣         長勢 甚遠君

   外務大臣         麻生 太郎君

   財務大臣         尾身 幸次君

   文部科学大臣       伊吹 文明君

   厚生労働大臣       柳澤 伯夫君

   農林水産大臣       松岡 利勝君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         若林 正俊君

   防衛大臣         久間 章生君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     塩崎 恭久君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       溝手 顕正君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (科学技術政策担当)

   (イノベーション担当)

   (少子化・男女共同参画担当)

   (食品安全担当)     高市 早苗君

   国務大臣

   (金融担当)       山本 有二君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (国・地方行政改革担当) 渡辺 喜美君

   内閣官房副長官      下村 博文君

   外務副大臣        岩屋  毅君

   財務副大臣        田中 和徳君

   文部科学副大臣      池坊 保子君

   厚生労働副大臣      石田 祝稔君

   農林水産副大臣      山本  拓君

   経済産業副大臣      山本 幸三君

   国土交通副大臣      望月 義夫君

   環境副大臣        土屋 品子君

   内閣府大臣政務官     岡下 信子君

   法務大臣政務官      奥野 信亮君

   文部科学大臣政務官    小渕 優子君

   厚生労働大臣政務官    菅原 一秀君

   農林水産大臣政務官    永岡 桂子君

   経済産業大臣政務官    高木美智代君

   国土交通大臣政務官    梶山 弘志君

   防衛大臣政務官      大前 繁雄君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大藤 俊行君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  藤井 昭夫君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久元 喜造君

   政府参考人

   (総務省情報通信政策局長)            鈴木 康雄君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           荒井 和夫君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中村 吉夫君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            宿利 正史君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月一日

 辞任         補欠選任

  河村 建夫君     山本ともひろ君

  笹川  堯君     阿部 俊子君

  中馬 弘毅君     あかま二郎君

  中野  清君     原田 憲治君

  深谷 隆司君     林   潤君

  細田 博之君     長崎幸太郎君

  三ッ矢憲生君     新井 悦二君

  三原 朝彦君     愛知 和男君

  山本 公一君     長島 忠美君

  与謝野 馨君     井脇ノブ子君

  大口 善徳君     斉藤 鉄夫君

  丸谷 佳織君     赤羽 一嘉君

同日

 辞任         補欠選任

  あかま二郎君     中馬 弘毅君

  阿部 俊子君     小川 友一君

  愛知 和男君     北村 茂男君

  新井 悦二君     田中 良生君

  井脇ノブ子君     関  芳弘君

  長崎幸太郎君     細田 博之君

  長島 忠美君     山本 公一君

  林   潤君     深谷 隆司君

  原田 憲治君     安井潤一郎君

  山本ともひろ君    河村 建夫君

  赤羽 一嘉君     丸谷 佳織君

  斉藤 鉄夫君     大口 善徳君

同日

 辞任         補欠選任

  小川 友一君     清水清一朗君

  北村 茂男君     徳田  毅君

  関  芳弘君     中根 一幸君

  田中 良生君     清水鴻一郎君

  安井潤一郎君     中野  清君

同日

 辞任         補欠選任

  清水鴻一郎君     三ッ矢憲生君

  清水清一朗君     笹川  堯君

  徳田  毅君     三原 朝彦君

  中根 一幸君     福岡 資麿君

同日

 辞任         補欠選任

  福岡 資麿君     与謝野 馨君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十八年度一般会計補正予算(第1号)

 平成十八年度特別会計補正予算(特第1号)

 平成十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)


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     ――――◇―――――

金子委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ちまして、民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会民主党・市民連合、国民新党・無所属の会所属委員に対し、事務局をして御出席を要請いたしましたが、御出席が得られず、委員長といたしまして、午前九時開会の予定をおくらせ、各理事をして御出席を要請してまいりましたが、いまだに御出席をいただいておりません。

 再度理事をして出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 理事各位は各党への出席要請を再度お願いいたします。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会民主党・市民連合、国民新党・無所属の会所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 平成十八年度一般会計補正予算(第1号)、平成十八年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官大藤俊行君、総務省自治行政局長藤井昭夫君、総務省自治行政局選挙部長久元喜造君、総務省情報通信政策局長鈴木康雄君、厚生労働省大臣官房審議官荒井和夫君、厚生労働省労働基準局長青木豊君、厚生労働省社会・援護局長中村秀一君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長中村吉夫君、国土交通省総合政策局長宿利正史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田毅君。

野田(毅)委員 質疑に入ります前に一言。

 野党の皆さんが大事な審議をボイコットしている、大変残念なことだと思います。少なくとも、それぞれ主張が異なるのはわかりますけれども、それはこの論戦を通じて展開をしてもらうというのが本来の筋道であると思うんですね。自分たちの主張が通らないからといって審議拒否をして、議会の論戦を抜きに強引に自分たちの主張を通そうということはやはり憲政の常道に反するんじゃないか、どうしてもその主張を貫きたいというなら、閣僚の罷免を求めるならば、それでは堂々と不信任案を出せば結構なことだ、私はそう思います。

 このことをまず冒頭、我々は野党の皆さんにぜひ猛省を促しておきたい、そう思います。

 きょうはいろいろ総理にもお伺いをしたいと思っておるんですけれども、きのう、大変お忙しい中に、残留孤児の皆さんにお会いをいただいて、直接その訴えをお聞きいただきました。質問の順序を少し変えて、まず冒頭、その総理のお気持ち、大変みんな涙して喜んでおられたと思います。

 特に、一昨日の東京地裁の判決が、ある意味では氷のように冷たい判決であった。私どもから見ても、これは暴論に近いような内容も含まれているな、そういう思いがあっただけに、本当に孤児の皆さんの落胆と憤り、悲痛な思いというのははかり知れないものがあったんですが、それだけに、総理が、法律論や裁判の判決がどうということは別として、孤児の立場をよく考えて新しい支援策を厚生労働大臣に命じられた、その上で孤児の皆さんの話をしっかりとお聞きいただいた。孤児の皆さんは、何か地獄から天国に来たような、それぐらいうれしい思いだった、皆さん感動をしておられました。

 私は、そのことについて、総理はやはり大変心の温かいリーダーだ、そして、その総理の決断によって新たな展開がこれから始まるんだ、そういう期待感を抱いてまいりました。

 私も与党プロジェクトチームの座長を務めさせていただいておりますが、なかなか壁が厚かっただけに、率直に、本当に我々自身も大変な憤りを思いつつ、議員立法ででも何とか突破をしたい、そういう思いでありましただけに、今回の総理の御決断は我々からしても本当にすばらしいことだった、本当に感謝を申し上げておる次第であります。

 総理がそのように御決断をなされたその思いについて、きのうも孤児の皆さんにもお話はいただきましたけれども、きょうはテレビがないのが残念でありますけれども、総理から改めてその思いを少し御披露いただければありがたいと思います。

安倍内閣総理大臣 中国残留邦人の問題につきまして、野田先生を初め、自民党、公明党、与党PTで長年にわたってこの問題に取り組んでこられましたことに対しまして、まずは敬意を表したいと思います。

 昨日、残留邦人の皆様にお目にかからせていただきました。私も前々からお目にかかってお話をしたい、こう思っていたわけでありますが、裁判においての経緯等もあり、昨日になってしまったわけであります。

 法律上の問題、あるいはまた裁判の結果は別として、昨日皆様からお伺いしたお話、長い間日本に帰ることが夢だった、何とか帰りたい、自分は日本人なので、日本、祖国に帰りたいという夢を抱いて、そしてその夢が実現され祖国に帰ったけれども、期待を大きく裏切られた、その思いを切々と皆様語っておられました。それぞれ御高齢になり、また言葉の問題も抱えておられるという中で、大変な困難を抱えておられる。

 そういうことも私も皆様から直接お話を伺い、これは、やはり私どもとしては、先ほど申し上げましたように、法律上の問題、また、裁判の結果とは別に、皆様が、本当に日本に帰ってよかった、生活は安心だと思っていただけるように、きめ細かに、そして誠意を持って対応していかなければならない、このように考えたわけであります。

 そして、その上に立って、厚生労働大臣に、今後どういう対応をすべきか、何ができるか、また、残留孤児の皆様からお話を伺いながら、また、既にPTにおいていろいろと議論を重ねていただきました与党とも相談をしながら、もう余り時間をかけずに案をまとめるように指示をしたところでございます。

 繰り返しになりますが、日本に帰ってきてよかったな、こう思っていただけるように、また、日本人として尊厳を持てる生活という観点からも、検討を進めてまいります。

野田(毅)委員 本当にありがとうございました。

 柳澤大臣、いろいろきのうもまたお話を聞いていただいて、ありがとうございました。

 そこで、今の総理の温かいお気持ちを受けて、これから具体的な支援策の中身を詰めていかなきゃいけない。そのときの手順、あるいはタイミング、そして中身、それぞれこれから詰めていかなきゃなりません。

 もちろん、主体的には役所が中心になると思うんですが、我々与党PT、公明党の先生方、自民党、与党でやってきた案もございますが、それだけがすべてではないのであって、総理からお話ございましたとおり、いろいろな実情に即した内容をつくっていかなきゃいけない。ぜひ、孤児の皆さんの実情をさらによく聞いて、きのうだけにこだわらないで、これからも聞きながら実情に即した案をつくっていただきたいな、そう思っております。

 そして同時に、総理もお話ありましたが、裁判によって決着するといったのでは、なかなかこれは時間がかかります。できれば、双方ともに裁判を取り下げることができるような政治的決着をつくる、そして、その中身がみんなから感謝される。やはり祖国は温かかった、最後の最後は、総理のお気持ちに沿って、温かい国であったというその思いを持って人生の最後を全うできるような、そういう案ができるように我々も全力を尽くして努力したいと思います。

 ぜひ、担当大臣であります柳澤大臣、今申しました、これは、きょうまだスタートしたばかりですから、これから詰めていかなきゃいけない。そういう点で、これから詰めるんですからまだ具体案について細かいところまで言えないとは思うんですが、きょうの段階で考えておられる方向づけなりなんなり、お話ができるところだけは少しお話しいただければありがたい、そう思います。どうぞ。

柳澤国務大臣 まず、野田議員にお答えする前に、一言だけ申させていただきたいと思います。

 私の過般の講演の一部におきます女性の方々と人口との関係に関します表現で、私、大変不適切な言葉遣いをいたしてしまいました。このことによりまして、国民の皆様、また女性の方々の一番大事な部分を大変傷つけてしまうということをいたしました。本当に申しわけなく、この場をおかりして、改めて心からおわびを申し上げたい、このように思っております。本当に大変申しわけありませんでした。

 ところで、ただいまの御質疑の中国残留邦人の問題でございますけれども、野田議員御指摘のとおり、一昨日お昼ごろに東京地裁で判決が出まして、国側が勝ったというようなことで、私は、裁判所に対しては、それはそれなりにありがたいというコメントをいたしたわけでございます。

 しかし、晩方になりまして、六時三十六分というのが私のメモに残っているんですけれども、総理から私に直接電話をいただきました。そして、こういう判決が出たけれども、そういう判決であるとかあるいは法律論であるとかということではなくて、やはり、今の中国残留邦人の皆さんの生活の実態、また年齢、それから言葉の障害で大変御苦難な生活を送っていることに、よく、細かにこれを見て、そして適切な措置を講じるようという、そういう御指示をいただきました。

 その際、なお、野田先生たちがリードをされておる与党での御検討もよく御意見として承って、そしてそれを織り込むようにという御付言もいただいたわけでございます。

 私、すぐにそれで省内の会議をいたしたわけでございますが、その会議で出た言葉は、残留孤児の皆さんがNHKのテレビの、いわば番組内の、夜中の放送で、次々と、どういう方がいらっしゃって、どこを故郷にしてどんな形で両親と離れられたかというような話を聞かされた。あのときの国民に与えた感動というんでしょうか、あるいはいたく心を揺さぶられた、そういうことの原点に返ってもう一度考え直してみようじゃないかということが、だれと言いませんけれども、そういう意見が出まして、みんなそのとおりだという気持ちになりまして、考えなくちゃいかぬということになりました。

 具体的には、総理からの御指示にもありますように、まず生活支援というのがございます。それからまた、もう一つは、やはり言葉の壁の問題が非常にありまして、これを当初は三年ぐらいで何とかというようなことを考えたんですが、それは今の実情を考えると大きく当てはまらない考え方であった、こういうようなこともございます。それから、二、三世の方の就業の支援、就職の支援の問題もある。大ざっぱに言って、まだほかにもございます、細かいことを言い出すと切りがないんですが、そういうような項目についてこれから検討していかなければならない。

 まず第一に、中国の残留孤児の皆さんのお話を聞き、お訴えに耳を傾けたい。それから、与党の皆さんのお話も聞きたい。さらに、これは総理のお気持ちがそういうところにあるかと思って、ある意味で残念なんですけれども、厚生労働省だけではなくて、よくほかの方の意見も聞いて、今度こそいい案を練り上げろ、こういうことでございました。

 私は、そういう総理の御指示に従って、これから早急にその措置内容を決定してまいりたい、このように考えております。時期としては、できるだけ早くということでございますけれども、夏ごろまでには何とか、いろいろな第三者の、有識者の意見等もお聞きしながらいい案をつくりたい、このように心づもりをしているところでございます。

野田(毅)委員 ありがとうございました。よろしくお願いします。

 特に夏ごろというのは、恐らく、私の理解では、これは当然予算を伴います、そうすると、来年度の概算要求に間に合わせる、そういう意味で夏ごろ、ということがあってのことだと思います。できるだけ早期に取りまとめの方を、お手伝いをしますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に移りたいと思います。

 小泉総理の後を受けて、安倍内閣になりました。もう四カ月です。大変激動の四カ月で、総理もなかなか、重責を担われて大変心労も多く、緊張の連続だと思うんですが、どうぞ健康に留意されて頑張っていただきたいと思います。

 このところ多少支持率が下がってきているということは、大変気になることではあるんです。だけれども、余りそのことにとらわれ過ぎないで、どうぞ、やはり人が違えばみんな違うんですから、小泉内閣のまねする必要はないのであって、安倍総理は安倍総理のカラーを堂々と出しておやりになった方がいい、私はそう思うんです、遠慮なさらないで。

 特に、小泉総理は大変パフォーマンスが派手な人でしたよ。ですから、表現力も、小泉流の表現力がある。手法も、どちらかというと無理やり敵をつくって抵抗勢力にしてやっていくという手法、これはわかりやすくて、世の中はおもしろいかもしれない。しかし、必ずしもそのことは、それは支持率をとったりいろいろな物事を進めていく上で有効なやり方でもあったし、また、そのやり方しかなかったのかもしれない。しかし、それはその人のキャラクターの問題、安倍総理は安倍総理の個性がある。

 そういうことですから、特に、過去、おもしろい言い方をしていましたね、小泉総理は、YKKなんて言っていた時代に、友情と打算のつき合いだなんて言っていた。まさに本人自身がおっしゃっていましたけれども、おれは非情だなんて平気で言っているんです。幾ら何でも安倍総理は、おれは非情だなどと言えるタイプの人じゃない。私はもっと、今の残留孤児の話もそうなんですが、やはり情の厚い人だ、心の厚い人だ、私は、安倍総理はそういうキャラクターの人だ、そう思って見ているんです。

 ですから、我々見ていましても、就任後の幾つかの中で、意外と、世間的にアピールはまだしていないんですけれども、例えば、小泉内閣で余り強調されなかった幾つかのことがある。それは中小企業への思いあるいは地方の活性化への思い、これが際立っている、私はそう思っています。特に、大都市だけがどんどんよくなって、地方の方は何となく、格差という言葉もあるが、非常に疲弊が目立って、夕張のような事態まである。原因はいろいろあると思うんですけれども、大事なことは、これから第二の夕張をつくっちゃならぬということだし、元気な地方をさらに背中を押して、活性化に国も協力していくんだということだと思うんです。

 今回、さまざまなメニューがあるんですが、もう少し体系的に、これはぜひ菅大臣も、何も総務省だけが仕事じゃなくて、農水省の問題あるいは経済産業省、国土交通省、関係省庁みんなあるんだけれども、そういう意味で、地方活性化のためにこのようなことをやっているんだということを内閣全体で集約して、一遍出したらどうでしょうか。そうでないと、我々聞いていましても、各省ごとにぱらぱら話を聞くものだから、総合するのにこれは容易じゃない、僕は本当にそう思うんですね。

 その中で、一つは、五%以上の高金利の地方債が結構あるんですね。全部で十兆円ぐらい残っているんでしょうか、残高が。そのうちの半分の五兆円を繰り上げ償還させて低利のものに借りかえさせるという、これは物すごく画期的なことだと思うんですよ。これは地方財政に携わっている人は一番わかりやすい、率直に言って。これをもう少しアピールしていいんじゃないか。本当にそう思うんですよ。

 ですから、そんなことを含めて、限られた時間ですから、余り長い時間じゃ困るんだけれども、菅大臣、総理にかわって、地方の活性化のためにこういうことをやっておるんだということをちょっとアピールしてくれませんか。

菅国務大臣 総理の、地方の活力なくして国の活力なし、こうした考え方のもとに、地方が元気になるような政策を進めると同時に、やはり地方が自分で物事を考えて実行に移す、地方分権というものを今全力で進めているところであります。

 総務省で限りまして言うならば、今までも、過疎対策だとかあるいは市街地活性化対策、こうしたことを行ってまいりましたけれども、しかし、地方は、どこの地方にも、財政力指数が低くても、特徴があって魅力がありますから、そうしたものを何らかの形で引き出すことができないかということで、これも総理の御指示で、新年度において新たに、地場産品のブランド化だとかあるいは定住人口、あるいは、これは経産省や農林水産省とも連携をしますけれども企業誘致の問題、あるいは都会と地方との人口の交流、そうしたものを積極的に考えて行った地方には、地方交付税によって支援をする頑張る地方応援プログラム、こうしたものを新年度から行うことにいたしました。私も含めて、副大臣、政務官全員で地方に出向いてこのことを周知していきたい、こう考えております。

 さらに、委員今御指摘をいただきました、委員にも大変お世話になりました、地方の市町村長にとってはこれは大変な課題だったと思います。言われましたように、五%を超える地方債あるいは公営企業債、今十兆円ありますけれども、その中で、行政改革や経営改革を行う地方公共団体に対しては、五兆円、これを補償金なしの繰り上げ償還を認めるという、これは画期的なことであると思いますけれども、こうしたことも今度実行させていただくことになりました。地方の市町村にとって、上下水道等も含めて、このことは大変大きな効果だというふうに財政再建に向けて考えております。

 それと、第二の夕張をつくらないように、そういう御指摘もいただきました。

 今までの財政再建制度というのは普通会計を中心としたものでありましたけれども、公社とか第三セクター、こうした実質的に将来負担となるようなものを、指数を新たに整備するとともに、地方公共団体の財政情報、こうしたものの開示の徹底を図るとともに、地方公共団体の早期健全化や再生についての法案も今国会で出させていただきます。

 さらに、昨年十二月に成立しました地方分権改革推進法、これを踏まえまして、国と地方の役割分担、そうしたことを見直し、地方が自由度を持ってみずから考え実行に移すことができる、そんな仕組みをつくって、地方の活力のために私ども全力で尽くしてまいりたいと思いますので、今後とも御支援をお願い申し上げます。

野田(毅)委員 どうもありがとうございました。どうぞしっかり頑張ってください。

 我が党も、党の正規の機関はもちろん全力を挙げてやっていますが、同時に、議員連盟で、真の地方財政を確立し地方の活性化を図るという、多くの、百五十名を超えるメンバーが参加して、全面的にバックアップしています。園田さんもその大事な一人でもありますけれども、ぜひそのこともつけ加えておきたいと思います。

 さっき、柳澤大臣、冒頭、陳謝されました。大変いろいろな思いはあると思います。しかし、綸言汗のごとしということもあって、大変本人もざんきにたえないとお考えのことなんでしょう。ただ、お一人だけの話じゃなくて、我々、いろいろ報道を見ておりますと、固有名詞でどなたがどうとか言いませんけれども、このところ安倍内閣のたがが緩んでいるんじゃないかと。

 閣僚の皆さんは、職責にある間は言論の自由はないんだということをしっかり頭に置いておいてください。当たり前ですよ、そんなこと。その自分の職責はどういうところにあるかということをわきまえて言わないと、それは結果的に閣内不一致になってみたり、まさに安倍内閣の統制力を疑われることになりかねない。

 私は、総理も本当に残念だと思うが、やはり総理、遠慮しないで、言うべきことはぴしゃっと言わなきゃいかぬですよ、これは本当に。そこを私は、閣僚の皆さんが真っ先に総理を守り立てていく、そういう形をとらなきゃ一体どうするんですか、そのことを厳しく各閣僚の皆さんに注文をつけておきます。

 それから同時に、これは総理も官房長官もそうですが、事が起きてからごじゃごじゃやるんじゃなくて、大きなテーマ、いろいろな自分の方針については、いろいろな不規則な発言が出ないように、事前に意思疎通を担当大臣と明確にしてやっておいてもらいたい。いろいろな、後になって事後処理に追われることのないようにしてもらうということが大事なことだと思うんですね。

 その点は、総理、どうですか。もう一遍思いをしっかりと、閣僚にも聞かせるつもりでちょっとここで言ってください。

安倍内閣総理大臣 ただいま野田先生から厳しい御指摘、御注文もいただいたわけであります。

 私の美しい国づくりについての理念、そして方向性については、もちろん内閣はみんな共有をしているわけであって、ともにこの方向に向かって一糸乱れず進んでいくことが新しい国をつくっていくことにつながっていく、このように思うわけでございます。

 もちろん、時には、閣内においても政策について大いに議論をすることがございます。しかし、一度決めた方向、また既に決まっている方向については、これはもう閣内でみんなが一致協力をしていく、当然のことであろう、このように思うわけでございます。

 私どもの進めている政策について誤解を与えることのないように、また、閣内で意見が違っているのではないか、こういう印象を持たれることのないように、我々一層気を引き締めていかなければならない、このように思っているわけであります。

 昨年の九月二十六日に内閣を組閣したときの初心を忘れずに、我々さらに、今先生からいただいた言葉を胸に刻みながら、美しい国づくりに向かって進んでまいる決意でございます。またどうぞ今後とも御指導いただきますように、よろしくお願いを申し上げます。

野田(毅)委員 頑張ってください。

 党も全面的に総理を守り立ててやっていくというのが、まさにそれが選挙に勝つ一番の王道だと思います。この点は、閣僚の皆さんだけじゃなくて、我が党も、それぞれ言論の自由を余り主張しないで、党がまとまっていくということにやはり心を用いるべきだ、私はそう思います。

 特に最近、これは野党の皆さんもそうなんでしょう、見ていまして、評論家風な物の言い方で恐縮なんですが、議論が、とにかく対決ムードが激しくなりまして、もちろん、議会制民主主義ですから、選挙に勝つということが政権を担うという大前提だから、それがあらゆるものの最優先事項になることはみんなわかっていますけれども、しかし、余りに選挙に有利か不利かということだけが表に出て、中身の議論が後になって、そして、選挙に有利になるから不利になるからどうすべきだ、ああすべきだということが余りにも赤裸々に表舞台で議論が出過ぎているんじゃないか、私はそう思います。

 これは、我々与党自身もその辺は戒めなきゃならぬことだ。国民から見れば、そんなことは民主主義だからわかっている。わかっているけれども、余りにも党利優先で物事が決まるというイメージが強くなり過ぎると、有権者は逆の判断をしかねないんじゃないか、私、本当にそのことを心配いたしております。

 そういう点で、今、閣僚にいろいろ申し上げましたけれども、我々は、やはり我が党の幹部の皆さんもぜひその点を頭に置いて、参議院選挙に勝つ王道は、やはりプリンシプルをしっかり優先することだ、そのイメージが我が党の選挙へのイメージを高めることになるということをぜひ申し上げておきたいと思うんです。

 これに関連して、もう済んだことでなんですが、実は若干気になっておりました日銀の金利引き上げ問題、これも私はややどうかなという思いは実はしておりました。もちろん、政治の側からいろいろ注文があるのは当然だと思います。その是非がどうとかいうよりも、この金利政策についてどうするか。

 これは大事な、微妙なところがありまして、経済指標をどう読み取るか、今、将来にわたってどうするか、そういう判断と同時に、市場との対話をどのように重ねていくのか、それを織り込ませるやり方をするのか、あるいはイギリスみたいに唐突にやるというやり方をとるのか。いろいろなやり方があると思うんだけれども、少し我々気をつけなきゃいかぬのは、既に、ある程度の市場との対話が進んで方向性が決まっている中で、政治の世界から強引に変更されたというようなイメージになると、日銀の信認について、長期的な目で見ると決してプラスにはならない。

 そういったことを思いますと、ぜひこれは、官房長官になるのか財務大臣になるのか、この辺は、日銀総裁、きょうは呼んでおりませんけれども、日銀総裁だけにその責めを負わせないで、やはり政府全体として、ここは、表舞台でチャンバラさせるんじゃなくて、もう少し丁寧なやり方というのに留意すべきじゃないか、私はそのことを、今回見て非常に心配いたしております。

 この点について、これは財務大臣なのかな、あるいは官房長官なのか、その辺、これからの金利政策についてしっかり丁寧なやり方をしていかないと、経済運営そのものに実は、これから先、変更するのかしないのかを含めて、影響を及ぼすんじゃないか、そう思います。財務大臣、どうですか。

尾身国務大臣 私ども、経済の状況等につきましては、日銀とは不断の、絶えざる連絡をいたしまして意見調整をしているところでございまして、経済を金融の面から支えていただきたいという基本的な考え方は申し上げております。

 ただしかし、金利等の具体的な政策の内容につきましては、日銀が判断すべき専管事項であるというふうに考えておりまして、その考え方を貫きながら、正しい判断をしていただくように期待をしているところでございます。

 先般、政策金利を現状維持にするという日銀の決定がございました。御指摘のような外部からの圧力などによるものではなくて、経済、物価状況等を的確に判断した上で日銀が決定されたものと考えております。

 なお、私自身につきましては、政府側の責任者として、先般の金融政策決定会合の前から、議決延期請求権を使うような局面ではないというふうに対外的に明確にしておりまして、いわゆる圧力をかけるようなつもりは全くないということを明確にしているところでございます。

野田(毅)委員 大臣がそうおっしゃったのは承知しています。私が今申しましたのは、与党との調整を内々する仕事があるんじゃないですかと、日銀との関係だけじゃなくて。そこが政治の仕事だということです。そこだけはよく、これから、事前に内々与党との調整ということも頭に置いてやっていってください。そのことをお願いしたいと思います。

 それから、さっきいろいろ、プリンシプルというか政策から逃げてはいけないという話をしたんですが、私は、この問題は総理に申し上げておるだけじゃなくて、実は民主党だって同じ問題を抱えているわけですよ、選挙ばかり言って。消費税の話。

 特に私は、小沢さんが、十二年前は消費税を一〇%に上げる、こう言っていたんですよ。そうしたら、何か知らぬけれども、最近は消費税上げないと言うんですね。だから、あら、どうして財源つくるんだろうかなと。特に、少子化、高齢化はどんどん進んでいくし、年金引き下げでもしない限り、これはとてもじゃないがつじつまが合わないなと。財源は、何か行革をやれば打ち出の小づちのようにどんどん何でも出てくると。この話だと、共産党がよく、軍事費を減らして大企業を増税すれば財源は幾らでもあるぞと言うのと似たような議論になるので、あららという思いがしています。

 私は、ちょっとこの点で、消費税問題について、余り深くは言うつもりもありませんが、現在の使われ方についてもう少し国民にアピールしていいんじゃないかというふうに思うんですよ。つまり、消費税が何に使われているかという、ここの使い道は今限定されているんですよと。何でも使っているんじゃない。特に、ODAや防衛費に消費税はびた一文使われていないんですよ、今現在。ということすら意外とPRされていないんですね。そういったことをもう少し今のうちにぜひ国民の皆さんに知っておいてもらって、その上で議論に入る必要があるんじゃないか。つまり、議論に入る前提の認識がもうちょっと広く必要じゃないかという思いでございます。

 そこでちょっと、パネルなんですけれども、お手元にこういうのがついていると思うんです。これは二枚目ですかね。今、消費税はトータル十三・三兆円入っています、これは国税、地方税含めてこのお金ですが。この中で、国に七・五兆円、地方に五・八兆円ということで使われるようになっております。国に入った七・五兆円は、そっくりそのまま基礎年金と老人医療と介護、この三分野にしかびた一文回さない。これはもう予算総則で縛ってあるんですね、平成十一年度から。だから、これ以外のところに国費から消費税を使うことは一銭もあり得ないんです、今現在既に。だから、無駄遣いをやめれば消費税を上げなくていいとかいう議論じゃないんですよ。これを、限定されているということをぜひアピールしておいてもらいたいなというふうに思います。

 ただこれは、この三分野は七・五兆円では実は足りなくて、国費からトータルで十二・八兆円出ているんです。十二・八兆円出ているんですが、消費税からは七・五兆円しかない。だから、残る五・三兆円というのは、借金とかほかの税金とか、あるいはいろいろなその他税収で穴埋めをしている、これが現状ですよね。

 もちろん、三分野へのお金は、国費だけでこれだけですけれども、そのほかに保険料だとか運用益だとかいろいろありますから、恐らくこの三分野の総合は、十二・八兆の約倍以上いっているんじゃないですか。三十兆円ぐらいは超えるんじゃないでしょうかね。これの倍以上あるわけですね。

 そんなことを頭に置いてこれからの論議を進めていかないと、少子化、高齢化が進んでいく中でどうやってこの社会保障を安定させるかというまじめな議論に入りませんねということだけは申し上げておきたいんだけれども、この図について、これは誤りじゃないと思うけれども、財務大臣、どうですか、この図は。

尾身国務大臣 今、野田議員のおっしゃいましたお話は、まさに予算総則にそういうふうにしっかりと書いてありまして、七・五兆円、国分の消費税は、基礎年金、老人医療及び介護の三つに使うということが明確に書いてございまして、その点についても、私どもまだそういう点のPRをし足りないなという反省がございますが、まさにそういうためのものであるということでございます。

野田(毅)委員 これは、きょうこれ以上深く論議を進めるのは時間の関係上できませんけれども、ただ、なぜこうやって分野を限定したかというと、一つは、既存の借金返しのために消費税を引き上げることはしませんよという一つの意思表示でもある。それから、一般の、他の歳出をふやすために消費税を引き上げるつもりもありませんよと。やはり、使い道を限定させるということが大事なことだ。

 そしてそれは、反面で、こういった老後の社会保障の基礎的な部分について、過度の世代間の不公平をなくしていこうという要素も入っているわけですよね。これはもう当たり前のことです。そして、そのことによって長期的にこの社会保障制度を安定させることができるんじゃないか。

 私はこのことを頭に置いて、こういうことはなんですが、百年安心年金みたいなことを言っていましたけれども、これはとてもじゃないが百年なんて、出生率だってどう変わるかわからないし、経済成長率だってどう変わるかわからないのに、余り大きな声で言わぬのがいいんじゃないか、私はそう思いますよ。だから、それよりか、むしろこういう根本的なことを本当はこれから議論をしてほしいなということだけつけ加えておきたいと思うんです。

 このことは、既に多くの国民の中でも、こういう限定つきであるならば理解をする向きが世論調査でもどんどん現にふえてきているんだということを思いますと、我が党は、このことを逃げないでやりましょうということで、十九年度中に消費税を含む税制の抜本改革をやっていこうということをもう既に出しておりますし、総理も本会議答弁でもそのことをはっきり明確におっしゃっているわけですから、我が党は逃げているんじゃないよ、逃げているのはむしろ小沢さんの民主党の方が逃げているんじゃないかということを、私は、きょう欠席なのが残念だけれども、あえて申し上げておきたいと思うんですが、この点、総理、御感想があれば、どうぞお願いします。

安倍内閣総理大臣 ただいま委員から御質問の冒頭に、自由民主党はプリンシプルを大切にするべきだ、選挙のたびに選挙のことを考えて政策を曲げてはいけない、私もまさにそのとおりだと思います。自民党としての誇りは、まさにそこのところにあるんだろうと私は思います。

 国に対して、国民に対して私たちは責任を負っているんだ、この思いで我が党は結党以来五十年間、時には世論的には厳しいこともあえてなし遂げてきたわけであって、その結果、今日の日本の繁栄があるんだろう、私はこのように思うわけであります。政権を担うということは、まさにそのことが最も大切ではないか、こう思っているところでございます。

 そして、御指摘の消費税につきましても、ただいま委員が御指摘のように、基礎年金、老人医療、そして介護に向けられているわけであります。その中で、基礎年金国庫負担、三分の一から二分の一に上げていくわけでございます。そして、年々、今申し上げたこの三つの分野については、給付費はふえていくわけでございます。そういう中におきまして、さらに、例えば少子化について今本格的な戦略を考えて検討するというわけでございますが、少子化についても我々は考えていかなければならない。

 そうしたことも踏まえて、やはり世代間で平等にそうした費用を分かち合っていくということを基本としながら、消費税を含めて抜本的な税の改革を行っていく、十九年度を目途にそれを実現していきたい、そのことをお約束したいと思います。

野田(毅)委員 ありがとうございます。

 この問題、最後に総理もおっしゃいましたが、少子化への対応というのも安倍内閣の重点政策の一つですよね。問題は、ああすればよかろう、こうすればよかろう、いろいろなアイデアがあるんですが、いかんせん先立つものがないということが結果として少子化対策の大胆な進展を阻んでいるわけですね。やはりこれも財源問題だと。

 私は、これは全くの持論ですから、党として決まっているわけじゃないけれども、尾身大臣も少子化対策、一生懸命党税調でも主張しておられたし、そのためには、やはりどう財源をつくるかということであれば、このパネルに出しましたけれども、消費税の使い道を、今三分野に限定しているものを、もう一つ、四分野にふやして、そして少子化対策を思い切ってやるということぐらい考えたらどうでしょうか。

 本当に僕は、個人的には、今、幼児期の医療費をただにするとか、自治体でそれぞれやっていますよね。だけれども、本当は十歳以下の子供の医療費、全部ただにしたって一兆円かからないぐらいですよ、今、追加で言えば。だって、病院が、医者が好きな子供なんていないんだもの。それは、やはり老人医療とは質が違うんですよ。

 だから、そういう、いろいろな児童手当にしたって、今本当に財源を見つけてきては一生懸命やっていますけれども、そういったことを含めて、ぜひ、これは総理、税制改正のときに検討材料としてお考えになったらどうだろうかな。排除しないで、これをそうしましょうと言うことはできないにしても、頭の中に入れておいていただきたいな、そう思います。ありますか、どうぞ。

尾身国務大臣 少子化の問題でございますが、このままいきますと、専門家の見通しで、人口問題研究所の見通しで、五十年後には人口が、二〇五五年に九千万人になる、百年後の二一〇五年には四千五百万人になるというような推計もなされているわけでございまして、日本の将来を考えたときに、この推計を現実のものにするわけにいかない。

 したがって、政府として、あらゆる観点からこの少子化問題に全力で取り組んでいかなければいけない。このたび、本格的な戦略を打ち立てるための組織もつくってやるということになっておりますが、先ほどのお話のとおり、財政全般を考え、そして、先ほどの三分野に加えて少子化の問題も考えつつ、先ほど総理もおっしゃいましたように、今後の抜本的な税制改革について議論をしていくことが必要であるというふうに考えております。

野田(毅)委員 ありがとうございました。

 だんだん時間が経過してきておりますので、少し飛ばしていきたいと思うんです。

 もう一つ、余分なことかもしれませんが、こういう「修身 斉家 治国 平天下」、えらい古いのを出してきたねと。修身などというと、戦前の小学校、国民学校では必須科目で、広く日本の歴史、文化、伝統の、人間のあり方の根幹の中に修身がしっかりと据わっていた。武士道の原点もそういったところからいっておるわけですが、この意味は言わずもがなであります。まず、身を修め、家を整えて、国を治めて、天下を平和にするという儒教道徳の物事の順序だと思います。何かいかにも古臭いことで恐縮なんですが、しかし、考えてみれば当たり前なんですよね、これ。

 どうも最近、今、教育問題、安倍内閣の大きな柱の一つで一生懸命やっていただいておりますが、制度論その他のいろいろやることはたくさんあるんですが、もう一つは、中身の、人間教育の問題についてどこかで本当はやってほしいな。何も修身教育を復活しろとかいうことを言うつもりはありません。ただ、少なくとも、最近の世の中の事象を見ておりますと、あらゆる分野でこの欠けていることがたくさんあるんじゃないか。

 政治家だってそうだと僕は思うんですよ。だって、政治家の不祥事いろいろあるけれども、みんな修身にかかわる部分じゃないですか。修身の部分がなくて国とり物語ばかりうつつを抜かすから、政治不信が出てきておるんじゃないですか。

 企業の世界だってみんなそうだ。それは、渋沢栄一氏という、明治から日本の経済の近代化の第一人者ですよね、当時から道徳経済合一説というのを出して、それはもう福沢諭吉であれだれであれ、日本の今日、名立たる創業者というのはみんな、御承知のとおり、家訓とか社訓とか全部つくっていますよ。

 最近、不二家の事件がありますでしょう。あれも、創業者は、金もうけばかりするなということを逆に言っているでしょう。それがいつの間にか何代目かで、熟練工は要らない、機械の方が安上がりだなんて言っちゃったから、あれから会社がおかしくなってきたというんだ。

 最近のコストカット優先主義が、結果として労使関係をいい部分まで壊してしまっているんじゃないか。あるいは、バブル崩壊後の金融機関が、不良債権処理で、自分が生き残るために長年の中小企業の取引先を弊履のごとく捨ててしまった。あるいは、大企業の中でも、下請の関係、お互い苦しいときは苦労を分かち合って、値上げしてほしいときも我慢していたんだけれども、そういったことを、そういう長年のつき合いも新規参入もみんな一緒くたにして、目先のコストだけでばっさばっさ切っていってしまった。

 私は、技術を開発していこうという場合でも、必ずそういう下請と元請が技術力を一緒になって共同開発してきているということが、日本の製造業の非常に大きなプラスだったと思う。そういった部分がみんなずたずたになってしまっている。それは何も人間一般社会の問題だけじゃなくて、日本型経営そのものが崩れてきているんじゃないか、いいところが。もちろん、昔のとおりにやれと言うつもりはありませんけれども、そういう一般的な、残念ながら戦後のアメリカの方針によって日本の戦前の教育が全否定されてしまった。その結果、大事な部分まで捨ててしまった。そのツケが来ている。

 それだけじゃなくて、最近は、アメリカ型の経営方式なり、そういった市場原理優先とか、あるいは競争万能とか、あるいは目先の偏った成果主義とか、いろいろなことが結果として企業経営の中に入ってきて、そのことが今日の労使関係を壊している。雇用問題に現に今響いてきているのではないでしょうか。

 そういったことを思うと、私は、もう少しこれは時間がかかるかもしれないが、教育の現場もそうですが、本当に日本のあり方として大事な部分じゃないかということをしみじみ実は感じております。

 そういう点で、あれは一月五日の日でしたかね、総理が、経済団体の会合の中で、企業経営者も利益の分配を、中小企業や従業員や取引先や、広く、自分だけがとるんじゃなくてみんなに均てんしてもらうということをぜひお願いしたいというお話をされた。これは企業経営だけじゃなくて、そのことを通じて実は消費自身が強くなって、日本の経済のパフォーマンスをよくするという上でも大変大事なことなんですよね。そういう点で、私は、ああ、総理はいいことをおっしゃった、そう思って聞いていたんですよ。

 この議論を聞いていて、総理、御感想があれば、どうぞ。

安倍内閣総理大臣 ただいま先生が御指摘になったように、現在の景気回復、あるいはまた改革の成果と言ってもいいと思いますが、これは、やはり家計に広がっていく、家計に広がっていくことによって消費につながり、本当にそういう意味で日本の成長、景気拡大が力強いものになっていく、私はこのように思います。その観点からそうした発言を申し上げたわけであります。

 また、いわば日本的経営ということが、特にこの失われた十年のときに、日本的経営が全く間違っていたのではないかということで、短期的な成果のみに集中して、中長期的に人材を育成していく、あるいはまたチームワークを大切にしていく、これは元請、下請も含めて、チームワークを大切にしていく。このチームワークを大切にするためには、やはりお互いの信頼関係がなければできないわけでありますが、そうしたことを切り捨てていたという側面はあった、このように思います。

 しかし、今この段階に来て、そうしたことがまた見直されているんだろう、このように私は思うわけであって、やはり中期的に経営を考えて、そのためには人材も育成していこうと。先ほど委員が御指摘をされた、熟練工というのはやはり大切だな、それをまた、そういう技術を伝承していくことも、例えば現場の安全を確保するためにも不可欠であろうということが再認識され始めたのではないか。

 最近の調査の結果においても、いわゆる失われた十年のときは、チームワークを重視しているところは六五%しかいなかったわけでありますが、今はやはり八四%が、実際に大切だなと、このように変わってきた、こういう統計もあるわけでありまして、そうしたように、やはり極端に走るのは結果として禍根を残すということではないのか。このグローバルな社会で競争に勝ち抜いていくわけでありますが、やはり日本のよさ、日本の強さということも忘れてはならない、このように思います。

野田(毅)委員 私は、総理の一つの信条は、保守主義ということへのこだわりがあると思うんですね。私は、それは大変大事なことだと。保守主義というのは、それぞれ国によって中身が多少違ってくるんじゃないかと思っています。

 日本の場合の保守主義というのは、社会構造だけじゃなくて、そういう文化なり倫理面なり、いろいろなことが含まれていて、順序からいえば、さっき「修身 斉家 治国 平天下」と言いましたが、仏教的なものあるいは儒教的なもの、そしてやおよろずの神様を大事にする、そういう多元的な価値観、そして、聖徳太子じゃありませんが、和をもってとうとしとなす。和の前提は、価値観がそれぞれあるということなんですね。だれが正しいかというのはわからぬということが、ちゃんと十七条憲法の和の意味に書いてある。だから、みんなで議論をしなさいと。だれが正しくてだれが間違っているということはわからないんですよ、だから議論が大事なんですよという、これが実は和をもってとうとしとなすの原点なんですよ。単に仲よくという話じゃない。十七条憲法にそう書いてある。だから、それを引いて、五カ条の御誓文で万機公論に決すべしというのは、まさにそういうことだったんです。

 そういう意味で、日本的価値というのは、多元的な価値観なんだ、相手の価値の存在をもしっかり認めるんだ、私は、民主主義の原点はそこにある、そう思って見ております。

 そういう点で、多少、主張する外交、こういう中で幾つかの柱がございます。その中で、基本的人権、自由あるいは民主主義、そして法治ですか、法による支配、こういう四つ。これは、我々もその価値観をもちろん持っています。だけれども、この四つの現実適応というのは、それぞれの国柄によって、それぞれの国の歴史によってかなり適応の度合いが違ってきている、私はそう思います。

 価値観が一緒だったら戦争にならないかというと、実は、第二次大戦なんて、結構価値観が同じような連中がみんな領土の奪い合いをして戦争したわけだし、全く価値観の違う共産主義のスターリンとくっついて戦争しているわけですから、私は、必ずしも、価値観が一緒であればすべて世の中がうまくいくということではないんじゃないかと。

 アメリカがあれだけ苦労して、汗を流して、大変な犠牲をしながら世界平和の維持のために一生懸命貢献している。私は、動機においては善意だと思うんですよ。だけれども、それがどういうわけか大変誤解をされたり、余りにもツーアグレッシブというか、価値観の押しつけになって、それが中東諸国、イスラム諸国から、単に軍事力の行使に対する反発だけじゃなくて、文明論的なそういった反発まで招いてしまっているということを思うと、私は、基本的価値観を共有するということは非常に大事だし、そういう国々との連携関係はもちろん大事なんだが、具体的な適応をしていく場合に、国益を追求するという上では、ちょっとそのあたりはよく考えてやる必要があるんじゃないかという思いがしています。

 ちょうどことしは、日中国交正常化三十五周年です。私は、総理が就任直後に電撃的に訪中、訪韓をなされた、すばらしいインパクトだったと思います。世界じゅうも僕は賞賛したと思います。アジア外交に風穴をあけた、非常に大事なことだと思うんです。

 そういう中で、日中関係も、当時を思い起こしますと、当時の中国は共産主義そのものです。宗教も否定していました。社会体制も経済体制も根本から違う。だけれども、日本だけじゃない、アメリカが先に、日本の頭越しに中国と手を握り始めた。なぜだ。それは、価値観の話じゃなくて、明らかに、対ソ連という問題で、中ソ紛争あるいは米ソの冷戦の深刻化、そういった共通の利害ということが結果としてそういったところに結びついているんだ。

 ですから、長々言って恐縮ですけれども、国益というのは必ずしも一つじゃない。日米間でも、鯨だけじゃなくて、いろいろそごを来すことはたくさんあります。そういう点で、社会体制、政治体制があるいは違う国であっても、日本がこれから展開していく外交の中で十分そのあたりの適応をぜひ考えていただきたいなということを最近しみじみ思います。

 特に、エネルギー問題というのは、アメリカは日本のエネルギーに責任は持ってくれませんよ。日本は、日本のエネルギー政策は自分の責任において展開していかなきゃならない。

 そういったことを思いますと、ぜひ、その辺はもちろんおわかりの上でおやりいただいていることですからこれ以上は言いませんが、現実適応について、よく吟味しながら展開していただきたい。そして、ある意味では、世界からまさに敬意を表される美しい国に持っていけるようにぜひ御努力を願いたい、こう思います。

 総理、まとめて恐縮ですが、ちょっと大ざっぱな話で恐縮だったんですが、御所感があればお願いをいたします。

安倍内閣総理大臣 私の主張する外交、三本の柱ということを申し上げたわけであります。

 委員が御指摘になった自由、民主主義、基本的な人権、そして法律の支配、この基本的な価値を共有する国々と、先進民主主義国が築いてきた平和で繁栄した世界をともに支えていく、こうした同じ基本的な価値を共有する国々との連携を強化していかなければならない。そしてもう一本の柱は、イノベーションに富む、そしてオープンな、繁栄するアジアを築いていく。その中において日本も貢献をしていく。そしてまた三本目が、世界の平和と安定のために日本は積極的な貢献を行っていくということでございます。

 そして、その価値観についてでございますが、国々それぞれ、発展過程、また背景の歴史や文化が違う、多様性があります。そのことは頭に入れていく、これは当然であろう、このように思います。また、外交を展開する中において、バランス・オブ・パワーということも、常にこれは外交においては一つのキーワードであろう、このように思うわけであります。

 しかし、日本が戦後六十年営々と守ってきた、あるいは築いてきた価値、これは誇るべきものであろう、私はこのように思うわけでありまして、そういう国々との連携を今まで意識していたかといえば、そうではなかった。やはりそういう国々と連携を強化していくということが我が国の国益にとっては極めて重要ではないか、私はこのように思うわけでございまして、そういう観点から、先般、ヨーロッパを訪問し、あるいはEU、そしてまたNATOの本部も訪問をしたわけでございます。

 しかし、それと同時に、基本的な価値においてはある意味完全に一致していない国々との間においても、もちろん連携をしていくということは大切でしょうし、また、我が国の国益、地域の平和と安定という観点から話し合いをし、また協力できる分野においては協力をする。

 中国においては、戦略的互恵関係を築いていくということを、両国においてそういう関係を築いていこうということで一致をしたわけでございます。そして、今、委員が御指摘の環境の分野あるいは省エネルギーという分野においては、まさにこれは戦略的互恵関係において協力できる分野であろう、このように思っています。

 日本は、この分野において高い技術を持っています。一方、中国においては、環境の問題もありますし、またエネルギーの効率が悪い。これは、一中国の問題ではなくて、日本も影響を受けますし、世界の環境、またエネルギーの問題にもかかわってくる。この分野において協力をしていく、そうしたまさに幅の広い外交を展開していくべきことは、私は当然のことではないかと思います。

 今後とも、主張すべき点は主張する。これは、ひとりよがりの国益だけを主張することではなくて、何が地域や世界の発展のために大切か、私たちは何を考えているのかということについても主張していく外交を展開してまいりたい、このように考えております。

野田(毅)委員 ありがとうございました。終わります。

金子委員長 これにて野田君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 再開に先立ちまして、民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会民主党・市民連合、国民新党・無所属の会所属委員に対し御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 質疑を続行いたします。大島理森君。

大島(理)委員 この予算委員会は、冒頭に十八年度の補正予算の審議です。大変残念なことに、野党の皆さんが御出席いただけないことは先ほど野田先生がお話しされたとおりです。しかし、補正予算の中身について国民の皆さんにしっかり御理解をいただき、なぜ我々がこの補正予算を急ぐのか、そのことを若干申し上げ、補正予算のこの重要性について総理の強い決意をぜひお話しいただきたいと思います。

 まず、この補正予算、国民生活に喫緊の内容が入っております。それは、災害対策、八千七百八十四億円、それから市町村合併の補助金、これが九百八十四億円、障害者の自立支援制度の運営円滑化対策、九百六十億円、さらに、今最も国民の皆さんが、子供たちのこれからの問題、今の問題を含めて、いじめ、児童虐待、これらの対応のために四十五億円、国際社会に責任を果たすという意味でPKO、この国際分担拠出金、一千六百二十七億円等、まさに、安倍政治が国民生活、世界に責任を持つために、大変厳しい環境の中でもしっかりとした補正予算を組みました。

 その審議に野党の諸君が参加しないということは、この補正予算をどのように評価しているのか、私には理解できません。できるだけ早くこの年度内に消化をし、国民生活に資するためにも、私どもは早期にこれを成立し、執行いたさなければなりません。

 改めて、安倍総理のその思いをお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 この補正予算につきましては、まさに国民の皆様の生活に直結するものばかりであります。

 災害対策は、国民の皆様の命と生活にかかわるものであります。

 また、障害者自立支援法の円滑な運用、さらなる軽減措置等々を含む円滑な運用、これは、障害者の方々の声に耳を私どもが傾けながら、そうした声を反映させたものでございます。

 そしてまた、いじめは、我々、社会総がかりで取り組んでいかなければならない、我々もその責任を果たしていかなければならないわけでありますが、このいじめの、子供たちが相談しやすい体制を構築していかなければならない。深夜においても、あるいは休日でも、これはまさに、深夜こそある意味では子供たちが悩み、不安の中で相談したいという気持ちになってくるわけでありますが、その全国の相談体制を充実させるための予算もあるわけでありまして、私どもも一日も早く執行していきたい。

 そういう意味におきましては、ぜひともこの御審議をしていただきまして、一日も早い成立を期していただきますようにお願いを申し上げたいと思います。

大島(理)委員 与党理事の皆さんがたびたびにわたって野党の皆さんに呼びかけております。私は、さまざまな問題があったとしても、立法の最高機関としての国会で国民に対してどう責任を持つか、政治の最高の倫理であり責任だと私は思っております。今からでもぜひ参加をしていただいて、そしてこの審議に参加して堂々と論議を尽くし、結果を出し、この補正予算の執行をスムーズに政府において行われるよう、改めて与党の理事さん方にも御努力を願いますが、多分、この国会内テレビを通じてごらんであろう野党の皆さんにも、政治の責任とは何か、このことに思いをいたし、ぜひ委員会に参加をしていただきたい、このように思います。

 さて、安倍総理の御誕生以来、美しい日本がキーワードになり、また、それが安倍政治の目標でありました。いま一つ国民の皆さんに、美しい日本というもののその中身と、むしろ、なぜ美しい日本が生まれたのか、その政策が生まれたのか、私はぜひ御理解いただきたいし、また浸透していかなきゃならぬ、こう思っております。

 そういう観点で、昨年の十一月にフィナンシャル・タイムズの日本版が、非常に安倍政治のいわば客観的な分析をされました。ここに記事がございます。それを訳して紹介したのが、クーリエ・ジャポンというここに雑誌がございまして、私はそれを見まして、ある意味では質の高い安倍政治の分析と評価あるいは問題点ではないか、こう思っておりました。

 その記事の中に、昨日もう既に安倍総理にお渡ししてありますので、資料としては皆さんにお見せいたしておりません、申しわけないと思いますが、何せ英語でありますから、私も余り英語は得意ではございませんけれども、こういう項目がございます。この記事を書いたデビッドさんという方は、安倍政治は、小泉政治からかわって経済から国づくりに政策の重点を移した、これは私は、ある意味では的確な一つの評価ではないか、このように思うんです。

 先般、野田委員から、小泉政治の継承するべきところはしながらも、安倍政治の特色をもっとしっかりとおっしゃった方がいい、あるいは手法もそうだというお話をしましたが、自民党政治のみならず政権は、時代の要請によってその的確な政策を実行してまいりました。そういう意味で、経済から国づくりに移した、この表現は、私はある意味では安倍政治の一つの評価だと思うのです。

 非常に漠然とした質問で恐縮でございますが、総理にはもう既にフィナンシャル・タイムズのその記事も、あるいは内容もお渡ししてありますけれども、そういう評価あるいは分析に対して総理自身はどのように受けとめておられますか。

安倍内閣総理大臣 私もそのファイナンシャル・タイムズの記事を読ませていただきました。私の目指すべき方向、また目指す方向、あるいはまた安倍内閣がやろうとしている具体的な政策について客観的な、正確な分析をしていただいているな、このように感じました。

 小泉政権が成立したときには、経済は極めて厳しい状況で、不良債権は山ほどあり、経済はマイナス成長であったわけであって、その中でとにかく改革を進める、ある意味では、破壊すべきものは破壊しなければいけないという状況であったのだろう、このように思うわけであります。

 幸い、改革の成果もあらわれ、景気も回復軌道に乗っているわけでありまして、その中で私は、戦後六十年を超えて、いよいよ二十一世紀にふさわしい国づくりを始めなければいけない。そして、現状認識として、この六十年間をもう一度振り返ってみて、守るべき価値は守りながらも、しかし、憲法を頂点とする、経済や雇用やあるいはまた国と地方の関係、外交、安全保障、こうしたもの全般の枠組みを新たにつくり直していく必要があるだろう、こんなように考え、私は、その姿として美しい国をつくっていきたい、こう申し上げたわけであります。

 もちろん、まだまだ岩盤として残っている変えるべきものはありますが、しかしこれからは、やはりその上に新たに家を建てていく、国家をつくっていく、これはもうみんなの共同作業であって、一致協力をしてお互いに汗を流していくという精神も大切ではないだろうか、こんなように思うわけでございまして、子供たちの世代がこの日本という私たちの国に生まれたことに自信と誇りを持つことができるような、チャンスと優しさに満ちあふれた日本をつくってまいりたい、こう考えているところでございます。

大島(理)委員 そこで、総理の政策演説の中に、日本の新聞は、片仮名の文字が多過ぎるとかそういう御批判がありますが、私は、二点ポイントがあり、その点をいま一度国民の皆さんにきちっとお話しした方がいい、こう思います。

 それは、一つは、美しい国づくりの出発点。美しい国づくりは、今総理もお話しされましたが、二十一世紀の時代の変化ということをおっしゃられました。それから、戦後レジームということを言われました。二十一世紀の変化というと何が変化なのか。我々が議論をするときに、言葉、そしてそれもイメージということで議論して、時々それがお互いに違うことによって議論がかみ合わないときがございます。

 そこで、改めて総理に、二十一世紀の変化というのは何か。レジームというのは体制とでも訳すんでしょうか。この変えなければならないレジームは何だったのか。そして、そういう中で、大田さんの演説の中にもありますが、我々もグローバル化ということをよく言います。もし、そういう総理のレジームあるいは二十一世紀の変化の中でグローバル化ということがどういうふうにとらえられておるのか、その点を総理のお言葉で直接国民にお話をしていただければ、また、お答えをいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 この六十年間の大きな変化、さまざまな変化があるわけでありますが、その例えば一つは、冷戦構造が終わったということであります。外交、安全保障上極めて大きな変化であって、この冷戦構造が確固として存在する間は、東側、西側、日本はいわば西側陣営に属していて、しかも、当時の日本の世界から認識をされている国の力ということも含めて、日本は世界に貢献することをそれほど求められてもいなかったし、また、そういうことも、例えば人的な貢献ということもできなかった。

 しかし、今、大きく変わった中にあって、いわゆるテロの問題や大量破壊兵器の拡散という問題もありますし、地域紛争が続発をしている中においては、やはり日本は、志を同じくする国々とともにこの世界の平和と発展と自由を守っていく、そういう責務を果たしていかなければいけない時代になってきたということではないか。その中での私たちは、外交を展開していく、安全保障政策において日本の安全を守る、こういう中においても新たな我々の思考も求められている、このように思います。

 そしてまた、経済においてのグローバル化でございますが、かつては、日本の中で競争に勝ち残れば何とかやっていくことができたわけでございます。そういう中で、大体みんなが住みやすいようにこういうルールでやっていこうということをお互いに話し合いをしながら、その中で共存共栄ということもあり得たわけでありますが、今はまさに、世界の中で勝ち残らないと日本の中においても勝ち残ることができない、そして雇用を守ることもできないという時代になっている。

 ですからまさに、世界の中で勝ち残っていくことができる競争力を持たなければいけないし、日本の中で完結をしようという理想を持っていたとしても、それはできないのが現実であって、その中で勝ち残っていくためにはどういうことをしていかなければいけないか。そして、そのときに、ハンディキャップとなっているような規制やいろいろな税制があれば、それを変えていく必要があるのではないだろうか。そして、その中で、国際的に活躍できる人材という観点も必要なんだろう、このように思います。そしてまた、IT革命という第三次産業革命があります。そういうことにも対応していかなければならないんだろう、こう思うわけであります。

 そして、それと同時に、グローバル化し、あるいは競争していく、そして時には市場原理をしっかりと取り入れていくという中にあって、大切なものは何か、忘れてはならないものは何かということも、これもやはり今もう一度考え直さなければならないんだろうな、こう思うわけでありまして、この戦後六十年間、経済が成長する中で私たちが捨ててきたものは何か、軽んじてきたものはないか。それは、例えば公共の精神であるとか、みずからの生まれた地域や国に対する愛情や愛着、そして地域や社会や国や世界のために貢献しようという気持ち、また道徳心、そうしたものをもう一度見詰め直そうというのが我々の教育再生でもあるわけでございます。

 そうしたことも含めて、全体的に、やはり我々は、二十一世紀にふさわしい日本の姿を見詰めていく中にあって、今までの枠組みにとらわれてはならない、そういう思いでああした表現を、戦後レジームからの脱却、そういう表現を使ったような次第でございます。

大島(理)委員 一九八九年、ベルリンの壁が壊れました。ふと今、総理がそうおっしゃっていただきましたので思い出しておりますが、私は海部内閣で副長官をやりまして、湾岸戦争一次が起こりました。当時は、日米構造協議、政治改革、そして湾岸戦争、いかに世界に日本が貢献するか、初めてのすごく大きな課題でありました。ひょっとしたらあの湾岸戦争も、米ソ冷戦構造の壊れた結果から生まれた部分もあったのかもしれません。

 総理の今のお答えの中で私なりに解釈いたしますと、大きな戦後のレジームの変化あるいは二十一世紀の変化につながるものというのは、一つは、政治の壁、東西の壁がなくなったということでありましょう。それから、市場のグローバル化ということも総理はおっしゃられたと思うんです。あるいは技術革新のスピード、それをITということでもお話しされました。

 そういうふうなもろもろの大きな変化の中で、私は、特にこのグローバル化という問題について、ひょっとしたら、今私どもも何げなく使うのでございますが、世界が、国々が、一人一人がどのように対応していったらいいんだろうか、どのように生き抜いていったらいいんだろうか、すべて毎日考えながら生きている。そういう意味では、グローバル化の中でも市場のグローバル化というのが、非常に大きな波として私どもに今宿題を与えているような気がするのでございます。

 そのときに、小泉政治の役割というのは何だったのかというと、先ほど総理がお話しされました。市場のグローバル化に伴って、日本の仕組み、その中に市場と効率、競争と効率というパラダイムというか原則を打ち立てて、そこで進む、これはこれで一つの大きな役割であったと私は思います。時代の要請であったと思います。加えて、まさに戦後六十年積み重ねてきた財政上の問題もあるでしょう。小泉政治は、官から民、改革なくして成長なし、こういう言葉の中でそこに見えたのは、競争と効率であったと思うのであります。

 それを踏まえて、今、安倍政治がスタートしたわけでありますが、市場のグローバル化というものに打ちかたなければならない政策はさまざまにございます。やってきました。甘利大臣のもとでのいろいろな通商政策もそうでございましょうし、科学技術もそうでございますし、いろいろやってきた。しかし、私たちは、打ちかつことだけではなくて、そこで押し寄せている、極端に言うと負の部分というものを今きちっと見詰めながら日本の国づくりをしていこうということをしなきゃならぬ。まさにそれが美しい国だと私は思うんです。ですから、まさに今の時代の要請だと思うんです。

 だとすれば、その市場のグローバル化が寄せてきている私たちの問題、あるいは世界の問題、五つ六つ私はあるんだろうと思うんです。

 一つは文化です。ですから、さまざまな本の中に、「文明の衝突」とか歴史は終わったとか、そういう、立派な方々の御本もございます。もっと言えば、総理が言う、自分たちのアイデンティティーがどうなるんだろうか。ですから、市場のグローバル化は、一つは、文明、文化、これにさまざまな影響を与えている。

 もう一つは、やはり格差だろうと私は思うんです。格差という言葉は後でまた申し上げますが、例えば世界じゅうで見た場合に、アフリカと先進国、あるいは食料のない国と富める国、これはやはり、そのことの起こった原因は先ほど言ったそこにあると私は思いますが、格差という問題に対してきちっと見る必要がある。当然、競争という原理が入れば、負ける人があります。したがって、その格差という問題は、やはり世界じゅうで、アメリカの政治の論争にもなり、フランスのあるいはヨーロッパの論争にもなり、中国にも起こり、この問題をそれぞれの国がどう考えるか、世界がどう考えるか、これが二つ目だろうと思うんです。

 三つ目は環境なんだろうと私は思うんです。やはり、人間が生存するために富として豊かにならなきゃならぬ。そうすると、地球環境という問題にどう取り組むか、これも大きな私どもの課題だろう、こう思うんです。

 四つ目は、エネルギー、資源、これは食料も含めてそうだと思います。

 最後は、国民国家そのものも、ある意味では、極端な市場原理主義的な方々の論をもてば、もはや国民、国家の存在はないという議論すら数年前はございましたが、このごろは少なくなりました。しかし、国民、国家そのものがどういくか、まさにこれも、総理の言う美しい国なんだろうと私は思うのでございます。

 そこで、総理の施政方針演説の中に私はすばらしい点があると思うんです。そこをもう少し我々も国民に向かってアピールしていかなきゃいかぬ。それは、先ほど総理の言葉にありました。活力とチャンスと優しさということを言ったんです。これこそ、小泉政治から安倍政治への大きな変化だと私は思うんです。もう少しそこをどんどん総理はおっしゃった方がいいと思うんです。

 つまり、活力そしてチャンス、これは、市場グローバル化に対する、我々自身が生きていかなきゃならぬ、あるいはそのための施策をしなきゃならぬ哲学。一方、優しさということを総理はおっしゃいました。このバランスこそまさに美しい国の原点である、私は高く評価いたします。

 したがって、小泉政治から安倍政治への変化、私はそのようにとらえていますが、改めてもう一度総理の所感を私はお伺いしたい、こう思います。

安倍内閣総理大臣 強くなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格はないという言葉がありますが、二十一世紀の日本において、日本というのはやはり活力に満ちあふれていなければならないと思います。

 そして、その活力に満ちあふれるためにも、機会、チャンスがあふれていなければならないんだろう、このように思うわけでありまして、この活力、これはやはり、グローバル化の中で活力を持つためにも、例えば、日本がどんどん革新的な技術においての進歩をし、またビジネスアイデアにおいてもそうであって、そうした活力を持ち、そしてまた世界の活力を日本に引き込んでくるというオープンな姿勢もやはり大切であろう。そのことによって日本が機会にあふれた国になっていく。

 そして、この機会というのは、だれにでも何回でもなければならないと思うわけでありまして、なかなかうまく機会をとらえることのできない人たちに対しては、その機会を得やすいように、研修やあるいは改めて教育を受ける機会等がなければならないんだろうと思います。やはり、そうした優しさがなければいけない。

 これは、日本人が本来持っている共生の精神、お互いに助け合っていく、水を分かち合っていく、この精神を生かしていけばいいんだろう、このように思うわけでありまして、日本の目指すべき方向、この日本の魅力に引かれて多くの人たちが日本に集まってくるような国に私はしていきたい、こう考えているところであります。

 力強く成長していく中において、やはり、みんなが安心して生活できるセーフティーネットはしっかりと守っていくということも当然大切ではないか。そして、すべての人たちに対してチャンスが開かれている、障害を持つ人も、男性、女性、若い、年とっている、そういう区別なくそういうチャンスのある社会にしていきたい、このように思っております。

大島(理)委員 私なりに私の選挙民に説明するときに、安倍政治はすなわち強い優しさを持った政治だ、そしてバランスのとれた政治だ、これが美しい国だとこう私なりに解釈しているわけでありまして、どうぞ、美しい国というのは、美しいという言葉がある意味では情緒的、情感的な意味合いのある言葉ですから、国民に理解を徐々にはしていただいていると思いますけれども、ぜひそのもとで頑張っていただきたいと思います。先ほど野田先生がお話しされましたように、閣僚の皆様方も、あごを引き、わきを固め、腰を、重心をおろして、そして一歩一歩前進して、美しい国の成就のために努力をしていただきたいと思います。

 さてそこで、私は、文明、文化というものが、市場グローバル化の中でそれぞれが今大きな波を受けているとまず冒頭に申し上げました。文化は規範だと思うんです。それは、それぞれの社会が長い歴史の中で生きてきた目に見えない規範、これが文化ではないかと私は思います。教育の役割というものの一つとして、その社会、もっと言えばその国が持つ文化の継承と、そしてその発展である、教育基本法をつくるときに私どもはそう思いながら頑張ってまいりました。

 そういうことから、総理はある意味では教育をまず第一に取り上げた、非常に重く考えた、憲法という問題も考えたというのは、私は今の時代の要請に合った一つの指針、政策だと思うんです。

 昨年、安倍政治のさまざまな、立派な評価あるいは成果があるわけですが、中国、韓国へしなやかに、したたかに、素早く行ったことも大きな評価でありましょう。また、臨時国会で教育基本法を成立せしめた。すばらしいことだと思います。そして今度、官邸の中に教育再生会議を開き、教育基本法に基づき、さらに再生会議に向かって得た第一次の報告、これらを踏まえて、この国会を教育の国会にしたいという思いで今努力されているわけであります。

 さてそこで、総理及び伊吹文部大臣に、その教育にかける決意と、再生会議あるいは教育基本法を踏まえて、改めて、この国会でどういう法案を国会に提出され、その法案のおおよそな思いをお話しいただき、お答えをいただければと思いますが、よろしくお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 国づくりをしていくためにも、また、世界の中において日本が雄々しくその活力を維持し続けるためにも、人材の養成は不可欠であろう、このように思います。

 日本があの明治維新をなし遂げ、近代日本をつくっていく過程においても、多くの人材が出てきて活躍をしたのでございます。そのときに、私の地元山口県の長州においては、松下村塾出身の若者が大変な活躍をした。みずから身命を賭して近代日本のために頑張ったわけでありますが、吉田松陰先生は、学は人たるゆえんを学ぶなり、まさに、人であるというこのゆえんを学ぶのが学問である。当然、それには規範意識もあるんだろう、このように思うわけであります。

 それと同時に吉田松陰先生は、人々、とうときものおのれに存在するを認めるを要すということもおっしゃっていまして、人それぞれが、やはり自分の中にとうといもの、いろいろな可能性があるということを自分自身で自覚するということも大切だ、すべての人たちにいろいろな可能性があるということもおっしゃっておられるわけでございます。

 そういう意味におきまして、私は、すべての子供たちに規範意識そして高い学力を身につける機会を保障する責任が私たちにはあるのではないか、そのための教育再生を行っていかなければならない、こう思うところでございます。

 その中で、この国会におきましては、教育再生会議においてさまざまな議論を行ってまいりました。さらに議論を深めていくわけでありますが、その第一次報告をもとにいたしまして、教育免許更新制を導入する、そのための教育職員免許法の改正、そして、教育委員会制度の抜本改革を目指す地方教育行政法の改正、そして、学校の責任体制の確立及び学習指導要領の改訂につながる学校教育法の改正を今考えているところでございまして、これらの法案を国会に提出いたしまして御審議をいただき、そして私どもは成立を期していきたい、このように思うところでございます。

伊吹国務大臣 先生が先ほど来御質問になっているのを伺いまして、グローバル化が進んでいる中で一番大切なことは、やはり日本の国、国民としてのアイデンティティーをしっかり持つことだと思います。

 このアイデンティティーというのは、先生のお言葉をかりれば、文化の継続ということ。日本の歴史の中で、日本人が日本をコントロールできなかった一時期というのが戦後にあったわけです。このときにつくられたものの中で、いいものはたくさんございました。個を大切にする、権利を大切にするということ、これは非常に大切なことですが、同時に、このことが余り行き過ぎると、先ほど来野田先生のお言葉をかりれば、和ということが失われますし、感謝ということが失われてくるわけですね。その文化の継続性を維持するという、ただ一点と私は言ってもいいと思いますが、その原点が教育基本法の改正であったと思います。ですから、安倍総理が美しい国づくりの原点として教育再生を掲げられたということは、日本のよきアイデンティティーを取り戻す、そして活力のある将来を開いていく、こういう一点だったと思います。

 ですから、この法律に従って、先ほど来総理が申しました三本の法律をとりあえずこの通常国会に提出させていただきたい。しかし、この三本の法律で改正教育基本法に盛り込まれている理念がすべて達成できるわけではなく、後々まだ、文科大臣の先輩としてよく御承知のように、十本程度の法律は出さないといけないと思います。しかし、まず子供に教えることの学習指導要領を変える、そして学校の管理体制を確立するというためには、学校教育法をまずつくるんだ、そして、よき教師を確保するために教育免許の法律を変える。

 しかし同時に、この裏には、失敗をすればマスコミに取り上げられるけれども、黙々として立派に行動しておられる大勢の先生にどう報いていくかという、人確法の改正というものがあります。これは予算を伴いますから、ことしの暮れの予算編成で勝負をして、来年の通常国会にお願いしなければなりませんが、それと同時に、幾ら我々がしっかりしたことをお願いしても、いじめの問題、あるいはまた未履修の問題、学校の現場までそのことが伝わらない。この教育行政の中の責任をだれがしっかり持つのかという行政上の手当てをしなければなりません。

 総理からは、至急にこれは日本の法律に従ってできている中教審にこのことを諮って、この国会で国民の代表の御審議に供するように、そして、行政府として立法府にお願いをした限りは、行政府としては、当然成立をさせていただくんだという前提でぜひ御審議をお願いしたいと思っております。

大島(理)委員 教育関係の議論は本予算でもこれから大いに出るだろうと思います。よく決意は伺いました。教育基本法を変え、そして、今再生会議を行っているときに、それを政府の意思として、また与党とのしっかりとした調整の上、もちろん中教審の意見も踏まえ、出した限りにおいては断固これをやり遂ぐ、こういう決意が国民に一番わかる安倍政治の精神だ、私はこう思います。ぜひ、全力を尽くして、できるだけ充実した手順をとりこの国会に提出していただくよう、そしてまた与党とも十分調整をしていただくよう心からお願いを申し上げたい、このように思います。

 さて、格差という問題に触れたいと思います。

 先ほど申し上げました。競争は当然敗者をつくります。これは条理だと私は思うのでございます。格差ということを率直に言って総理は余りお使いになりたくないようでございますが、私は堂々ともっと使っていいと思います。問題は、日本の全体の中に、また、我々が格差を議論するときにこの社会がどの程度の格差を認めるかというか容認するか、ある意味ではそういう共通した思いというものがないままに、格差はけしからぬとか格差はどうだとかという議論をするところにちょっと心配なところが私はあると思うんです。

 そこで、率直にわかりやすく言えば、アメリカの現状というものを総理のお手元に一度資料をお渡ししておったと思いますが、日本の十年先はアメリカの今日的な社会の問題だ、こういうことを言われるときがございます。

 アメリカ自身の実態を見ますと、簡単に言いますと、いろいろな資料があるのでございますが、例えば所得格差、一九四七年は五段階に分けまして最低と大体五倍ぐらい違うのが、二〇〇三年になると七倍ぐらいになっているんじゃないかとか、あるいは所得分布、ジニ係数、これは二〇〇五年の世銀のデータでございますが、これを見ると、アメリカは〇・四〇八、日本は〇・二四九、ブラジルが〇・五九一。あるいは、CEOの月給、俸給というんでしょうか、従業員賃金の格差、これなんかはもうすさまじいものがございまして、平均賃金、二〇〇〇年ですと大体三万八千ドル、これはアメリカの例でございますよ、今申し上げるのは。社長の俸給、何と四千三十八万ドル、平均賃金の千倍、こういういわば格差があるわけです。

 非常に率直に伺いますが、日本の社会というのは、私はアメリカ型になってはいかぬと思うんです。ある意味では、これはもう個人的な思いでございますから、いろいろな御批判を覚悟で申し上げれば、せいぜい今の程度の賃金のありようが大体日本社会の許容範囲かなという思いは私にありますけれども、ずばり美しい国ということを考えましたときに、アメリカ型の社会というものを総理はどのように考えますか。

安倍内閣総理大臣 アメリカという国は、ダイナミックに成長し発展をしている国で、大変魅力のある国だろうと思います。だからこそ、世界からアメリカに移り住もうという人たちがたくさん出てくるんだろう、このように思っています。そのアメリカの魅力はアメリカの魅力として、これはやはり、その国が持っている特徴であり、また文化や伝統にも依拠するものだろう、このように思います。

 やはり、日本とアメリカはいろいろな点で違うわけでございまして、例えば社会保障制度について、医療については、日本の医療保険、みんなで本当に助け合っていくという公的な医療保険制度というのは、これはもう世界の模範になるものだろうと思います。アメリカの場合は、この医療保険においてもまさにアメリカ式の考え方であって、メディケア、メディケードという最低限の公的な医療の制度があって、保険の制度があって、あとは民間の保険でやっていくという形であります。

 しかし、人間にとって一番大変なときはいつかといえば、やはり病気になったときでありまして、そのときにはやはりみんなで助け合っていこうというのが日本の進むべき道であり、これは日本的な社会保障制度だろうと思います。そういう意味においては、まさに競争の中において民間が大体やっていく、そして、まさに自己責任でそれはやってくださいという米国とは違う。それは、それぞれの国がみんなが納得してやっていくものなんだろう、こう思うわけでございます。

 そこはやはり、生き方の違いといえば生き方の違いなんだろうな、また、ずっと私たちが歩んできた歴史やまた文化の違いだろう、こう思うわけでございまして、そういう意味においては、経済の分野においてもすべてアメリカ式の社会にしようとは全く私は思っていないわけでありまして、あくまでも日本のモデルをつくっていきたい、そしてそれは、世界にとって模範となるモデルになるように努力をしていきたいと思っております。

大島(理)委員 総理は、そういう意味で、格差という問題に対しまして再チャレンジということを言われました。私は、もう一つ大事な格差対策というか、日本人が生きていく美しい国をつくるために、再チャレンジと同時に、総理の言葉にもございますが、本当の意味での機会均等、もっと言えば機会平等が、本当の意味でですよ、これが必要だろう、このように思います。

 先ほど私は、格差という問題の議論をするときに、どの程度の格差というものをお互いの意識の中でおおよそ許容しているんだろうか。まあせいぜい今の時代の格差、それが実は一番心配するのは、これが広がり始めているのか、その広がりが固定しているのか、こういうふうな議論が実は格差論なんだろうと思うんです。

 これも資料としてもう総理に大変恐縮ですがお渡ししたと思うんですが、いろいろなデータがございます。菅さんのところの総務省の全国消費実態調査とか、あるいは年齢階級別の推移でございますとか、あるいは厚労省の所得再分配の調査でございます。

 いろいろございますが、確かに、いろいろなジニ係数が少しずつは広がっているのは、私はやはり客観的に認めた方がいいと思うんです。ただ、そういう中で、構造的に、いつも政府側から御答弁がございますように、それは高齢化がもたらすものもあったり、あるいはまた若年層のニート、フリーターの問題もあったりすることもこれは事実だと思うのでございます。

 そういう中で、例えば、これも何回かもう本会議場で質問がございましたが、非正規雇用者の比率、割合がふえている問題、あるいはパートタイマーと一般労働者との問題があったり、そういうふうな今日的な問題がそこに潜んでいる。先ほどの野田委員のお話でございますと、労働分配率の問題もある。総理はそれに対して明確に経団連の皆さん、経済界の皆さんに物を言った。評価をいたします。

 もう一つおもしろいのは、貯蓄ゼロ、これが昭和三十七、八年と同じような姿になっている。これも、私どもは深く分析し考えていかなければならぬことだと思うのです。

 時間がありませんので、それで恐縮ですが、労働政策、この観点から格差問題を今後どのような考え方で持っていくのか、もし厚労大臣に御所見があったら、明確に国民の皆さんにお話ししていただきたいと思います。

柳澤国務大臣 今、いろいろな視点に立ちましたデータをもとに大島委員が格差の問題を論じられました。私ども、それを今回労働法制の中でどのように取り組もうとしているかということについてお尋ねがあったわけでございます。

 私どもは、今の格差を生んでいるまず第一の問題は、就業しようにもいろいろな事情からできない、若者の中にもそういう者がいる。女性、高齢者、それから障害者、障害を負う人たち、それからさらには、地域別の経済の好況、不振を受けて、不振の地域においてなかなか就業の機会に恵まれない、こういう人たちがおります。この就業の困難な人たちに対して応援をしたりして、この就業率を上げていこう、これがまず第一の分野である、このように心得ておりまして、これに対して労働法制の上でできる限りの手を打っていきたい、これが第一でございます。

 それから第二は、先ほど来お触れになっております非正規労働者というものが正直言って非常に多くなっている。ほぼ三分の一のシェアを占めるに至っている。この人たちの中には、自分は非正規労働を選択しているんだという方もいらっしゃいますけれども、本当に自分は正社員になりたいけれども、やむを得ずこういう就業の場しかないんだということで我慢をしていらっしゃる人がいる。こういう我慢をしていらっしゃる人たちについては、どうしてもこれは正社員化をしたい、正規労働、正規雇用についていただくようにしむけていきたい、この分野が一つあります。これについても今回労働法制で打つべき手を打っていきたい、このように思っています。

 それから第三番目の分野としては、先ほどちょっと触れましたように、非正規労働についていて、それは自分の選択である、別に、いろいろな自分の生活の中で労働に割ける時間に制約があるからこれでいいんだけれどもといって非正規労働についていらっしゃる方々、しかしその処遇はどうなんだ、賃金等における格差は公正な格差と言えるだろうか、こういうことで、そういう非正規労働についている方々も安心し、また納得するようなそういう処遇を得られるようにすべきである。

 この大体三点から必要な労働法制を整えていこう、このように今考えているところでございます。

大島(理)委員 時間がありませんので大変申しわけありませんが、尾身大臣、予算委員会ですからやはり尾身大臣にもちょっと所見をお伺いしますが、格差是正のために税制上何か考えた方がいいという思いを尾身大臣はお持ちですか。それとも、税というのは、国際競争、つまり市場のグローバル化の中で、そういう視点からやはり今後の企業税も所得税も考えた方がいいというお考えですか。何か尾身哲学をちょっとだけ、余り長くなくお聞かせ願えれば。

尾身国務大臣 格差といっても、機会の平等、それから結果の平等という考え方があると思います。そういう中でやはり社会の活力、経済の活力を維持していくためには、機会の平等という考え方が大変大事だと。頑張って努力する人が幸せになれる、また高い所得を取れる、そういう基本的なメカニズムが大変大事なんだろうというふうに思っております。

 ただ、格差が不正あるいは不公平な原因でできるということはぜひとも取り除いていかなければならない。同時に、格差が固定することはいけない。だれでもがチャンスを持つ、つまり再チャレンジという言葉にあらわれていますけれども、そういう意味で、だれでもが夢と希望を持って頑張れるという、流動性のある社会というのが大変大事だと思っております。

 税制上は、所得税は累進構造になっておりまして、そういう意味で、累進的な構造によることによる格差の是正を結果としてもたらすという効果もあるわけでございます。ただしかし、このバランスというのが非常に大事でありまして、その辺のバランス、社会の活力、それからまた、結果として高い所得の人がより高い税負担をしていただくということが大事でありますが、だからといって、活力がなくなって勤労意欲がなくなるということはまた困る。そのあたりのバランスをどうとるかということが大変大事でありまして、私ども、いつもそういう中で税については、公平、中立、簡素、活力という考え方のもとに総合的に判断していると考えている次第でございます。

大島(理)委員 大変時間がなくなって申しわけありません。

 そこで、もう一つ、格差論の中で先ほど野田委員もお話しされました、地方の活力なくして日本の活力なし、これも、総理の美しい国の大きな柱でございます。

 こういうふうに苦しんでいる地域は何が原因か、三つぐらいあるんだろうと思うんですね。一つは、市場のグローバル化の中にプレーヤーが少ない地方、これが一つあるんだろうと思うんです。もう一つは、もうずばり申し上げれば、公共事業が減った、これも現実だろう、このように思うわけであります。三つ目は、すさまじい老齢化だろう、このように思います。

 そのために、二つの大きな方策、施策を総理は今とろうとしておられる。地域再生と地方活力を応援する施策、もう一つは、やはり地方財政、ここをどう考えるかだと。

 端的に伺います。これは渡辺さん、あなたの担当だと思いますが、地方再生活力プログラムというのはどのぐらいあるかといいますと、やたらあるんです。総理はこれは全部目を通しておられるかどうかはわかりませんが、こんなにあるんですね。今回新規に出したものもある。農水省それから国交省、目玉のものをやっても十本ぐらいある。菅さんのところの地方応援プログラム、これもある。メニューは多いんだ、悪くない施策だ。

 そこでもうずばり申し上げます。これをパッケージとして本当に地方自治体にワンポイントで、地方がこういうまちづくりをしたい、そうしたいと言ったときに、素早く対応し、国と地方のまさに地力がちゃんとミックスできるように、金子委員長は地域再生大臣もやられました、私も党の地域再生推進本部の会長か何かをやれと言われたこともございます。また、各省が交付金と名づければ、冬柴国交大臣のところもいろいろなアイデアを出しておりますが、詳細を見るとこれは重なるのも相当ある。悪くはないんですが、一括して、地方にとってわかりやすく、本当に役に立つ執行体制を築いてください。それは渡辺大臣の担当ですから、短くお答えください。

 それから税でございます。これはむしろ菅大臣でしょうか。

 グローバル化、だからこそ、潤いと触れ合いと安心を持つ最も基礎的なのが基礎自治体なんです。そこの充実が一番大事なんです。グローバル化の激しい競争を、安心して暮らせる実感を持つのが基礎自治体なんです。したがって、税制上このままでいいのか。この辺について菅さん何かお考えがあったら。これは尾身さんと意見が違うと思うのです。特に私は、地方法人税、だから尾身さんには余り聞きません、あなたにちょっと聞きたいと思うんですが、事業税の関係で何かないかということを短くお答えをいただければと思っております。頑張っていただきたい、こう思うんです。

渡辺国務大臣 短くお答えをいたします。

 金太郎あめ型モデルから個性ある発展モデルに転換をしようという地方政策を今進めておるところであります。大島地方再生調査会長のときにつくりました交付金なども、六百件を計画としては数えております。来週にもワンパッケージでまとめて出します。

 菅大臣の方は頑張る地方応援プログラムですが、私の方は、頑張り過ぎてへろへろにならないように上手に頑張るコツ教えますプログラムをやっていきたいと思っております。活性化ナビゲーター、もう六百人登録しておりますから、こういうお宝発掘伝道師部隊をどんどん派遣して、地方の活性化をやっていきたいと思っております。

菅国務大臣 一番の理想というのは、地方が自分で物事を考えて実行に移して、そして責任を持てる、そうした地方税の充実が必要でありますけれども、現実は、地方が仕事が六、国が四、税は全く逆であります。これをまず私どもは一対一にしたい、この努力をしたいと思います。

 その次に、とはいって、地方間で財政力のこれは格差がありますから、これを調整するために、やはり地方交付税制度、このことはしっかりと堅持をしていかなきゃならないというふうに思います。

 そして今、法人税のお話がありました。やはり偏在の少ない税制というものを確立しなきゃならない、こう考えます。それはやはり地方消費税、そういうことになっていくだろう、私はこう思っております。

大島(理)委員 多分、尾身大臣に聞くと、地方消費税じゃなくて自分は事業税を変えたいという返事が来るのではないかと思いますが、この議論はまた後にしましょう。

 最後に申し上げます。

 イノベーションという言葉を総理がキーワードとして使います。イノベーションを訳すと、これは革新とでもいうのでございましょうか。

 日本という国は、私はイノベーションの国家だったと思うのでございます。そして、私自身、日本の歴史は余り詳しくはないのでございますけれども、日本の歴史上の最大のイノベーションは何かというと、私は仮名文字の発明だったと思うのです。平安の中期まで中国の漢字という文化に我々はかなり影響を受けてまいりました。しかし、平安後期に仮名文字というすばらしいものを日本人がつくりました。なるがゆえに、源氏物語も生まれ、平家物語も生まれ、そして和歌も生まれ、何よりも国を統一しました。

 そのように日本という国は、あるいは日本人という我々は、絶えず世界の波というものを自分で消化し、自分の革新に使ってまいった。ですから、私は大いに誇りを持っております。それがある意味では総理の言うアイデンティティーであり、あるいはまた歴史を学ぶその価値を見出すことだと思います。

 そして、いま一度申し上げますが、競争、すなわちそれは効率を生みます。競争と効率というパラダイムは必要でありましょうが、そこに総理は優しさということをおっしゃられた。このバランスこそ美しい国の私は大きな骨太だと思うんです。

 ぜひ、そういう意味で総理は美しい国づくりに向かって頑張っていただきたいし、活力と優しさ、競争、効率と優しさ、これこそ美しい国、これでこれからも大いに頑張っていただきたいと思いますが、総理の思いを最後に伺いますし、あるいは、伊吹さんに大変申しわけありません、ゆとり教育をちょっと議論しようと思ったんですが、本予算で河村さんがやりますので、お許しくださいませ。

 それでは、総理の最後の決意のほどをお伺いします。

安倍内閣総理大臣 私の美しい国づくりの中心的な概念は、今委員が御指摘になられましたように、活力とチャンスとそして優しさに満ちあふれた、世界に開かれた、また自律の精神を知る日本でなければならない、こう考えているところでございます。

 その基本となるのはまず人材づくりでございまして、そういう意味におきましては、昨年の臨時国会で再生教育基本法を成立していただきました。その上に立って、さらに教育再生を進めていくために必要な法案を提出し、成立を目指していかなければならない、そして、活力ある経済と同時に、その中でやはり日本的な助け合いの精神も大切にしていきたい、そして、世界から模範とされるようなモデルを提示していきたい、日本モデルを世界に示していきたい、こう思っております。

大島(理)委員 終わります。ありがとうございました。

金子委員長 これにて大島君の質疑は終了いたしました。

 次に、萩山教嚴君。

萩山委員 ベテランの先生方の間に挟まって私が質問するのをちゅうちょいたしておりましたが、委員長の御指名と各理事の御推薦によって私の質問が実現いたしました。久しぶりでございます。

 ここに立っておりますと、私は、萩山教嚴という字は、まさに坊主なんです。坊さん出身なんです。だから、厳しく教えると書かれております。これはお経の中にも書かれております。そういう身分でありながら、私は政に参加させていただいている。このいわく因縁は、今を時めく総理大臣、安倍晋太郎先生の時代から私が始まるんです。そして、安倍晋太郎先生の御支持によって、三塚先生の御推薦によって渡辺美智雄先生のところに、政調会長のときにお預けを願った、まさに私はそこに一期一会を感じるんです。不思議な御縁なんです。

 総理、あなたのお父さん、本当に私はお世話になりました。そして、萩山を当選させてやろうと思って一生懸命なさったこの御遺志が、渡辺美智雄先生に継がれ、見事に十一年六カ月の苦難の道を経て当選することができた。これはまさに一期一会であり、仏教の話からいけば御縁なんです。御縁なくして衆生はないんです。だからこそ私はここに立てることができた。八十軒しかない田舎の山の奥から坊主のせがれが出てきて国会に参列するということは、本当に私は貴重な体験をいたして、今日までやっております。

 しかも、総理が幹事長代理のときに、私を富山県第三選挙区支部から公認させていただきました。それが私をして、富山県で長勢甚遠法務大臣と宮腰先生と私、三人が今位置づけておるわけでございます。これも私は何かの御縁だな、お父様の御縁があったのかな。

 私が防衛庁副長官のときも、私は防衛庁副長官をやりました、そのときに、靖国神社の前を通ったときに、うちの兄貴が伍長でバシー海峡で沈没いたしました、そのときの兄貴の姿が、私は靖国神社の前を通って、どうして私は九段宿舎に私の居住する御縁があったのかな。これも、私が好んでやったのではない。しかも、防衛庁副長官になったときに、私は正力松太郎先生の秘書をやっていましたから、そのときの女婿の小林與三次さんの娘さんが佐藤謙さんの奥さんになった。私が秘書の時代におんぶして歩いた方なんですよね。どこに御縁があるかわからない人生、私はこれをやはり大事にしたいと思っております。

 そしてまた、防衛庁でも不祥事件が起きました。やはり子供は親の背中を見て育っているんです。だから、幹部もやはり部下に対して背中を見せなきゃならない、そのときに模範を示さなきゃならない、こう私は思うんですね。

 だから、私はいつも演説の中で、うちのお母さんは、小さいときに、教嚴、中学校に行くときに、旧制中学ですが、行くときに、物をとってはいかぬよ、人の物をとってはいかぬよ、とられてもとるな、殴られたら殴っちゃいかぬよというのがうちのお母さんの教えでありました。子供のころから家庭でそういった教育がなされていたということを、私は、今になってつくづく母親の偉大なる力を思うときに、今いじめが盛んでありますけれども、こういった問題もやはり家庭から直していかなければだめなんだということを総理に申し上げて、私の質問に移りたいと思うんです。

 そこで、安倍総理は就任以来、美しい国づくりを標榜されております。私も大賛成でありますが、国会冒頭の演説の方針の中でも、今後目指すべき日本の姿として、世界の人々があこがれと尊敬を持つ国日本、その姿を描いておられるんだろうと私は思うんです。また、活力とチャンスと、あるいはまた優しさ、こういったものを身につけて、この日本国を導いていこうというふうに思われておるんだろうと思う。そしてまた、自律の精神、世界に開かれた、いわゆる美しい日本を目指すべきだと述べておられます。

 総理の「美しい国、日本」というのが国民の前から見ればどういう国なのか、本来ならきょうはテレビが入っているんですが、それを私は総理にみずから御説明をしていただきたかった。残念ながら、きょうはテレビが入っておりません。ニュースで取り上げていただきたいと思いますが、総理の「美しい国、日本」というのを具体的に御説明願えれば幸いかと存じます。

安倍内閣総理大臣 私の目指す美しい国づくり、活力とチャンスと優しさに満ちあふれて、世界に開かれた国にしていきたい、このように申し上げているところでございます。

 歴史や伝統や文化や自然を大切にする国でなければなりませんし、また、自律の精神を知る、凜とした国でなければならないと思っています。そしてまた、未来に向かって力強く成長し続けるエネルギーを持つ国でなければならないし、また、世界の人々から尊敬やあこがれを抱かれ、愛される日本にしていきたい、こんなように思っているわけでありますが、そのためにも、まずは人材を育成してまいらなければいけないわけでありまして、日本人の本来持っている特性というか特徴としては、やはり立ち居振る舞いが美しい、こう言われていました。日本人、やはり日本のたたずまいというのは美しいな、こう言われてきたわけであって、それは貧しい時代にあってもそうだったはずであります。

 そういう意味におきましては、やはり教育の再生が大切であろうと思います。昨年の臨時国会において教育基本法を改正いたしました。そして、その上に立って、教育再生会議において議論をしてまいりました。第一次報告も出たわけでありまして、その上に立って、先ほど申し上げました、まずは三本の法律をこの国会で成立させていかなければならない、こう思っているわけであります。

 また、その中におきまして、やはり教育というのは、みんなが子供たちを教育する責任を負っているという意識を持つ必要がある、社会総がかりで取り組んでいく必要がある、こう思うわけでありまして、今、萩山先生も、やはりお母様から受けた教育が自分の人格形成の上においても大変大切であった、大きかったということをおっしゃっておられました。改正された教育基本法におきましても、やはり保護者が第一義的に責任を負っているということを書いてあります。そしてまた、社会全体でそうした教育をする家庭を支援していくということも書いてあるわけでありまして、その上に立って、我々は教育の再生を進めていきたいと思います。

 そしてまた、チャンスにあふれる社会をつくっていくためにおいても、例えば具体的には、今私が進めております再チャレンジ支援の総合プランにおいて、フリーターと言われている人たちに対して正規雇用のチャンスがなければならない、そのための二十五万人のフリーター常用雇用化プランも進めていきたいと思っています。

 萩山委員も、十一年にわたる、相当何回も挑戦されて、その上でチャンスを物にされた。それがやはり地域にとっても日本にとってもよかったんだろう、このように思うわけでありますが、その何回でもチャンスがあった、これが大切なことなんだろう、こう思うわけでございまして、そういうチャンスのあふれる社会を私はつくっていきたい、このように思うわけでございます。

 パートで仕事をしている人にとっても、処遇が均衡である、あるいはまた正規雇用への道も開かれている、中年間近になってもう一度勉強しようという人が、その意欲を生かしてさらにキャリアをアップさせていく可能性もある、そういうチャンスにあふれる社会も実現していきたい、こう思うわけであります。

 まさに、美しい国を目指していくということは、国民の皆様の生活にも大きな変化、そして、皆様にとってそれぞれの生活がよりよくなっていくことに私はつながっている、このように思います。

萩山委員 よくわかりました。

 苦労すれば報いられる、必ず報いられる、それを私は不撓不屈の精神力で実現いたしました。このことだろうと思うんです。まして、今の世代に苦労するなどとは思ってもいない人がたくさんいるんじゃないかなと思うんですけれども、苦労はやはり買ってでも苦労しなきゃならない、それが政の、政治の道であればこそ、私はそれが言えるのだろうというふうに思います。

 総理も、大変な重責を担って総理になられて、健康に留意されて立派な総理を目指すことがお父様に報いられることだと私は思っております。心からお祈り申し上げます。

 そこで、財務大臣に質問いたしますが、今後の財政健全化の道筋を伺いたいと思います。

 健全財政というのは、本格的な議論は本予算案の審議に入るだろうと思いますけれども、まずは、財務大臣が我が国の財政にどのような考え方を持っておられるのか、その主体性をお聞きしたいと思います。

尾身国務大臣 ただいまの萩山委員のお話を伺いながら、人間社会における一期一会といいますか、えにしの大事さというのを痛感いたしました。

 私、財務大臣に就任して以来、いわゆる財政健全化という単語がいつもいつも頭の中から離れない状態で過ごしてきております。

 日本の財政状況を見ますと、国と地方を合わせた長期債務残高、平成十九年度末で七百七十三兆円、対GDP比で一四八%というふうに見込まれておりまして、これは主要先進国の中で最高の水準であります。ほかの国を見ますと、日本以外で一番高いのがイタリアの一二一%でありまして、ヨーロッパの諸国、アメリカなどは大体において五〇%から七〇%程度の水準であります。これが債務の残高であります。

 他方、国民負担の指標として、所得の中で、租税に加えまして医療保険とか雇用保険などの保険料の支払いの合計額がどのくらいの比率を占めているかという国民負担率という概念があります。

 我が国の国民負担率は、十九年度におきまして三九・七%でありまして、主要先進国の中で実質的に最低水準になっております。ちなみに、ほかの国の例を見ますと、国民皆保険制度をとっていないアメリカの三二%、これは、健康保険は自分で全部私的保険を掛けておりまして、その分負担がさらに多いわけでありますが、その三二%を例外といたしまして、ヨーロッパ諸国では五〇%から六〇%程度となっておりまして、一番高福祉の国と言われているスウェーデンは七〇%という水準であります。つまり、スウェーデンにおいては、所得を一〇〇とすると、そのうちの七〇%は、租税及び保険料の負担などで国あるいは地方公共団体に納めているという形になっております。

 端的に申し上げますと、我が国の財政の状況は、債務残高が主要先進国の中で最悪の水準にあるという反面、国民の負担をあらわす国民負担率は最低の水準であると言うことができるわけでありまして、このような財政の姿について、財政制度等審議会におきましては、膨大な財政赤字が存在することによって、国民全体の受益と負担が乖離して、中福祉・低負担ともいうべき状態にあり、その差が結果的に将来世代に先送りされているというふうに指摘されているところでございます。

 こういう状況を踏まえますと、子供たちや孫たちの世代に負担を先送りしないためにも、財政健全化に向けて歳出歳入一体改革を着実に進めていく必要があると考えております。その際には、安倍政権の掲げる成長なくして財政再建なしとの理念のもとに、経済活性化と財政健全化を両立させることを目指しまして、将来に明るい展望の開ける、活力に満ちた社会になるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

萩山委員 ありがとうございました。

 本来なら、もう一問総理にお答え願いたいんですが、時間が全然ありませんので、以下、私の兄貴分であります文部科学大臣に質問をさせていただきます。

 教育再生は安倍総理も最も重点的に考えておられる。これは皆さんも御存じのとおりであります。子供が安心で安全で学ぶことができる学校をつくらなきゃならない。そしてまた、いじめがあってはなりません。

 補正予算で、このいじめの問題について予算額が計上されております。文部科学大臣として、どのような措置で今後運営されていくのか、あるいは御指導なさるのか、お聞きいたしたいと思います。

伊吹国務大臣 総理が再三お答えいたしておりますように、教育再生は安倍内閣の最優先の課題ですが、現場で現に起こっていることは、そんなに長い時間をかけて対応できることではありません。児童生徒を安心して学校に預けられるという体制をつくらねばなりませんので、学校現場が荒れているということ等、子供がいじめられているということについて、現行の制度の中でもできることを緊急にやれという総理からの御指示がありますので、これは来週にでも通達を出したいと思っております。

 昨年の十一月の二十日過ぎでしたか、参議院の予算委員会で安倍総理が、いじめを受けている子供が本当に相談をしたいときは休みのときあるいは夜だ、しかし、そのときには公務員はすべて休んでおっていない、こういうことは自分として適当じゃないということを言われたわけです。

 私は、弱ったなと実は思いまして、それは、もう概算要求は終わっておりますので、どうしようかなと思ったら、ちょうど、今先生が御指摘のように補正の時期になりました。そこで今回、安倍総理がおっしゃった夜間、休日に、すべての県で、子供が電話をかければリアルタイムでそれを受けるという電話網の設置をしようということになりまして、そのお金が七億、これは補正期間だけですから。

 それから、スクールカウンセラーによる緊急の相談のお金が二十四億。これは補正だけで終わってはいけませんので、来年度予算も組み替えをしていただいて、これと同じ措置を来年度も引き続き継続できるようにしてございます。

 総理が約束をしたことは必ずやるんだというのが我々のモットーの一つのあらわれと御理解いただきたいと思います。

萩山委員 まさに政治の哲学なんですよね。約束は実行する。不言実行じゃなくて有言実行であるというふうに私は聞き取りました。

 それで、きょうは、補正予算というと緊急性の高いもの。富山県も、皆さん御存じのとおり、豪雪地帯であります。災害も非常に多い。補正予算でこれからどのように国土の保全を守っていくのか、国土交通大臣、ひとつお答えを願いたいと思います。

冬柴国務大臣 災害から国民の安全、安心を守るということは、国家の基本的な義務でありますし、それを担当させていただいている国土交通省にとって厳粛な使命である、このように思っております。

 そのような中で、昨年、平成十八年七月には、御案内のとおり、梅雨前線豪雨というものにより日本国土諸所で大きな被害を出しました。典型的なのは、長野県の天竜川のはんらん、あるいは鹿児島県の川内川のはんらん等の激甚災害であります。

 こういうことから、河川やあるいは道路というものを早急に復旧復興させなければなりませんので、その対策費として二千六十六億円を補正計上をお願いいたしました。

 このようなことで、同じような災害が繰り返さないように、また、地震によって橋梁が落ちる可能性のところもたくさんあります。そういうものを耐震補強するためにも、また、昨年十一月には北海道の佐呂間町で、恐ろしい、わずか十分以内でございますけれども、九人のとうとい命を奪って去ったあの竜巻被害というもの、これを予想できないのかということで、いろいろ考えまして、気象ドップラー・レーダーというものを張りめぐらせることによって、ある程度のエリアでそういうことが起こる可能性がある、そういうものがあるということで、それを早急に整備しようということで、いわゆる災害防止という観点で、二千三百六十六億円を補正計上していただきました。

 合計四千四百三十二億円の補正をしていただきまして、我が国の国民の安全、安心、それから災害に強い国土の形成ということに頑張ってまいるつもりでございます。

萩山委員 災害というのは、昔は原状復帰だけの予算しか計上されませんでした。やはり、原因を究明して、そこに予防策を立てるということが災害の主たる任務だろうと私は思います。どうぞ、そういう意味において、二度と災害を起こさないような措置をしていただきたいと思います。

 次に、厚生労働大臣にお伺いいたします。

 大臣も今大変な時期で、御同情申し上げます。あなたの御家族は、奥さんも、それからお二人のお嬢さんも、そして一人のお孫さんも、全部女性なんですよね。もちろん奥さんは女性ですから、全部女性なんですよね。だから、ほとんど女系家族の中で大臣はお過ごしになっていらっしゃる。だから、あの文言が出てきたときに、前後の文脈というものを考えないで中だけ抽出してしまったんじゃないかなと私は思っているんです。だから、私も同情している一人でございますので。

 私は、次の質問に移らせていただきます。

 昨年四月に施行されました障害者自立支援法について、障害のある人の自立を支えるという改革の趣旨、目指すべき方向について、おおむね理解が得られております。関係者の間で、利用者負担が急激に増加した者がいる、一部の事業者には経営上大きな影響が生じている、さまざまな御意見があることは事実であります。

 そういった実情の中で、自民党、公明党といたしましても、この法律を円滑に運営していこうという心構えができているわけでありますが、厚生労働大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

柳澤国務大臣 冒頭、萩山委員からも、私の過日の発言について御指摘をいただきました。大変不適切な発言をしまして、皆さんには大変な御迷惑、また御不快、またいろいろな御不都合を生じていることに対して、心からおわびを申し上げます。

 さて、御質疑のことでございますが、障害者自立支援法、これにつきましては、今仰せのとおり、方向性としてはこれでいこうではないか、これが与党の皆さんの御意向でもございました。

 ただし、その円滑な運用ということを考えると、この改革、かなりの大幅な改革でありましただけに、いま一つの激変緩和のためのいろいろな措置を講ずるべきである、こういう御意見をちょうだいいたしました。したがいまして、私ども、今般、特別対策ということで、合計千二百億円の特別対策をいたしました。

 まず、利用者の関係でございますけれども、利用者の負担軽減のために二百四十億円の予算を考えておりますが、これは通常の予算ということで、十九年度の当初と二十年度にこれを計上する予定ということで対処いたしております。

 きょう御審議をいただいております補正予算におきましては、今委員御指摘の事業者に対する激変緩和措置、これは、通所の障害者に対して日割り化ということで報酬を支払うことにいたしましたけれども、そういうことで大変事業者に負担をかけたんじゃないかということでございます。これは、現行は従前の八割を保障しますということで措置をいたしておったわけでございますが、それを九割にする。従前の報酬の九割は保障いたしますということにさせていただく等の措置を講じまして、三百億円の補正をさせていただくことにいたしました。

 それからもう一つは、これは都道府県あるいは市町村に、いろいろな移行措置ということで、経過措置をかねてから計上させていただいておるわけですが、例えば小規模作業所に対する助成というようなことで、四人ぐらいでお母さんたちが集まって通所の作業所を設置しているというようなところ、これを、考え方としては、法人化していただきたいというようなこと、少なくとも収容の障害者を十人程度にしてもらいたいということを言っておりましたけれども、いきなりそういうことを言ってもということで、今度はいろいろな配慮をさせていただくことになりましたが、これに当たる地方団体に対して六百六十億円の補正をさせていただきまして、もう少し現状からの経過をよく面倒見てもらいたい、こういうようなことで対処していただくことにいたしております。

萩山委員 よくわかりました。

 菅総務大臣、通告しておきながら、申しわけございません、時間がほとんどないものですから。

 それから厚生労働大臣、我々はあなたの味方ですから、一生懸命に支えていきますから、元気、勇気を出して、国家国民のための施策を遂行してください。

 心からお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

金子委員長 これにて萩山君の質疑は終了いたしました。

 次に、実川幸夫君。

実川委員 実川幸夫でございます。

 大先輩の先生の後の質問ということで、大変やりにくいんですけれども、安倍総理また関係大臣に何点か質問をさせていただきます。なお、多少重複する点があろうかと思いますけれども、御了承のほど、よろしくお願い申し上げます。

 まず、総理にお伺いをいたしますけれども、昨年の九月に御就任になりました。その後すぐに韓国また中国等を訪問されまして、すぐその後も精力的に各国を訪問されました。その間、先ほどから質問の中にもありましたけれども、御自身の主張いたします美しい国また国家観ということも各国の首脳に御説明をなさったというふうに思います。これは、各国の首脳の皆さんもそれなりに理解をされ、そしてまた総理も確かな手ごたえを受けてお帰りになってきたものというふうに思います。

 その後、九月の臨時国会におきましても、いわゆる国の礎となります教育基本法でありますとか、あるいは防衛庁を防衛省に昇格する法案、これらを成立させていっております。

 その後、ことしに入りまして、総理は、あらゆる年頭の場所におきましても、ことしは美しい日本を創造していく中での元年だ、このようなことも申しております。

 その後、今国会が始まりまして、その施政方針演説におきましても、昨年の九月の臨時国会の所信よりもさらに一段と踏み込んだ中身の演説ではなかったかというふうに感じ取っております。

 そこで、総理にお伺いしたいわけでありますけれども、総理が目指します美しい日本、今三人の先生方からいろいろな角度から御説明がありましたけれども、まさにことしがその元年でありますけれども、その際、私は、国民の皆さんからの御意見というものも大変大事なことではないかなと思います。

 総理は、ことしの一月になりまして、いわゆる美しい国具体的プロジェクトというものを御指示なさったというふうに聞いております。いわゆる日本のよさ、日本らしさ、みんなで考えてというようなことを、国民を巻き込んだプロジェクトをおつくりになる、こういうことを御指示なさったというふうに聞いております。これは大変すばらしいことだと思います。これから総理が目指します美しい国、国家観、国民の皆さんが参加して、それこそ国民の皆さんの信頼できる、そういう国づくりではないかと思います。

 そこで、総理にお伺いしたいんですけれども、その具体的なプロジェクト、それらを含めて、安倍総理が目指します国家観を含めた理想の国を国民の皆様にわかりやすく御説明いただければ、このように思います。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 先ほど大島先生との議論の中で、今や世界がグローバル化をしているという話があったわけでございます。

 このグローバル化社会、また、特に経済はそうですが、文化においてもだんだんそういう世界の文化が融合していくということも起こっていくかもしれないという中にあってこそ、やはり日本は日本人としてのアイデンティティーをしっかりと確立していくことが必要であろう、このように思いますし、また、日本のよさ、この日本のよさというのは、日本の自然であったり、文化であったり、そして私たちが積み重ねてきた歴史であったりするわけでありますが、そういうものを私たち自身がしっかりと認識し、そしてそのすばらしさを世界に発信していくことも大切であろう、このように思うわけであります。

 このグローバル化する中において、私たちは、しっかりと自分たちの残すべき価値を認識しながら、さらに、日本が世界において魅力ある、光り輝く国であるためにも、そのよさを発信していくことも大切ではないかなと思います。

 日本が経済の上において発展していく中において、日本の競争力というのは、ただ単に経済力等々だけではなくて、やはりその背景には、文化がちゃんとあって、すばらしい伝統を持っていて、そして価値観もすばらしい、共鳴できるというものでなければならない、このように思います。

 そこで、日本のいわばカントリーアイデンティティーというこの「美しい国、日本」について、日本の今までの私たちが培ってきた伝統や文化、そういうものをもう一度再認識するために、多くの有識者の方々に御参加をいただいて御議論をいただいて、そして、私たちのこのすばらしさを再認識しながら、それを世界にわかりやすく発信をしていきたい、そのためのプロジェクトを立ち上げていきたい、このように思っているところでございます。

 私たちがどういう国を目指しているのか、何を価値と認めているのかということを世界に発信をしていくことによって、日本に対する信頼感もさらに高まってくるのではないだろうか、このように思います。

実川委員 どうぞ、我が国の理念、また目指すべき方向、らしさ、これらを含めて総理の目指す国を築いていただきたい、このように思っております。総理が申しております正攻法で堂々と前へ進んでいただきたい、このように思っております。

 次の質問に入ります。

 頑張る地方応援プログラム、これは総理の所信表明の中にも入っております。いわゆる地方が独自の取り組みをしながら魅力ある地方に生まれ変わる、こういうことだというふうに思いますけれども、まさに地方が元気なくして日本の経済成長はあり得ないと申しますけれども、先ほどから三先生の御質問の中にありましたけれども、地方の活性化、私からは総理に具体的に質問をさせていただきたいと思います。

 いわゆる地域交通の活性化、再生についてでありますけれども、御承知のように、長い間、我が国は地方に行けば行くほど地方鉄道あるいはバス等に頼ってきたところが大であったかと思います。また、小学校、中学生、高校生、児童、また生徒の皆さんもこの足に頼ってきたことは間違いないと思います。また、高齢化が進む中で、お年寄りが病院に行くとか、あるいはちょっとしたお買い物に行くとか、これらもすべて地域のバスあるいは地域鉄道に頼ってきたのではないかなというふうに思います。

 そこで、質問に入りますけれども、パネルをごらんになっていただきたいんですけれども、お手元に資料も届いていると思います。

 棒グラフに示してありますけれども、これは三大都市圏以外でございます。赤に塗りつぶしてありますのが公共交通、バス、鉄道でございます。そして、青色につぶしてありますのがマイカーになっております。昭和五十年におきましては、五〇%、五〇%を利用されておりますけれども、平成十五年になりますと、マイカーが何と八四%を占めるようになっております。そのかわり、公共交通が一六%に落ちてしまっております。これを見てわかりますように、いかに公共交通が減っているかが一目でわかると思います。

 次に、もう一枚の資料でございますけれども、この五年間で鉄道が全国でこれだけ減っております。水色に塗ってありますのが、もう既に五年間で廃止した路線、そしてまた、黄色に塗ってあります、四カ所ございますけれども、これはことしじゅうに廃止するわけでありますけれども、合わせますと、全国でこの五年間で十七カ所廃止することになっております。

 これだけ、これまで地方の足と言われました、活性化に大きく寄与してまいりました地方鉄道がなくなるということになります。そういうことで、このようなこれからの振興、観光等も進めていく中で、大変な危機的な状況ではないかなというふうに思います。

 この点で総理にお伺いいたしますけれども、ただ、一方では、鉄道を廃止したことを地域の人たちが利用しまして、成功した事例もございます。お座りになっております法務大臣の地元だと思いますけれども、富山市、ここでLRTということを利用しまして、昨年の四月に開業したんですけれども、その当時は三千人ほどの方が利用したと聞いておりますけれども、一日のうちに五千人の方が利用した、そういう結果も出ております。これはまさにその地域の知恵あるいはやる気だと思いますけれども、これから活性化に向けていろいろな地域がこのようなアイデアというものを出してくると思います。

 そこで、総理にお伺いしたいんですけれども、このような地域交通の活性化あるいは再生に向けてどのようにお考えになっているのか、質問させていただきます。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

安倍内閣総理大臣 実川先生がおっしゃった、やはり地域の公共交通は、地域の住民の皆様の生活にとって、また将来の活性化にとって極めて重要であろう、私もこのように認識をいたしております。

 また、こうした公共交通というのは環境の面においても大切なことであって、みんながマイカーを運転するのではなくて、いわば公共交通を利用することによって効率的なエネルギーの利用にもつながっていくということになるんだろう、こう思います。我々が目指している京都議定書の目標達成の上においても、この公共交通機関というのは一定の役割を担っている、このように思うわけでございます。

 良質な公共輸送サービスを何とか確保していく、この課題は重要だろう、こう思うわけでございますが、政府としては、やはり地域、地方のニーズを一番よくわかっているのは地域自身であって、地域自身による公共交通についての取り組みに対して、我々、支援をしていかなければならないと思っております。

 予算等による支援に加えまして、今国会に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律案の提出を予定いたしております。この法案を活用して、国としても十分に取り組んでまいりたいと考えております。

実川委員 ありがとうございました。

 これからも、そういういいアイデアを出してくる地域にとりましては、積極的に御支援のほどをお願い申し上げたいというふうに思います。

 次の質問に入りたいと思います。

 厚生労働大臣また法務大臣にお尋ねをさせていただきます。

 先ほどから、いじめに対してのいろいろ御議論がありました。今大変な問題になっておりますけれども、子供対策、もう一つ大事なことがございます。いわゆる児童虐待の件でありますけれども、これは我が国も大変な社会問題になっております。我が国だけではなくして、ヨーロッパまたアメリカはもちろんですけれども、今大変な社会問題になっております。

 そこで、お伺いしたいんですけれども、児童虐待法、これは我が国では、二〇〇〇年、平成十二年に児童虐待防止法、議員立法で制定されました。もう六年になるわけでありますけれども、その間、関係機関、厚生労働省はもちろんですけれども、警察あるいは各県の福祉課でありますとか各町村の児童相談所、NPO、そしてまた大変地元で御苦労なさっております民生委員の方もそうです、また青少年相談員の皆さんもそうですけれども、大変な御苦労をなさっているにもかかわらず、大変な勢いでこの児童虐待が伸びております。一昨年ですか、十七年度では、御承知ないと思いますけれども、三万四千件にふえております。このように、今大変な社会問題になっているのがこの児童虐待だというふうに思います。

 今まさに補正予算の審議でありますけれども、先ほど大島先生からも、補正予算で、いじめ、また虐待に四十五億円という予算がついたというふうに聞いておりますけれども、これは地元の皆さんも大変喜んでいらっしゃいまして、児童虐待に携わる皆さん、いわゆる施設でありますとか児童相談員の数をふやすとか、この点については大変喜んでおります。尾身財務大臣にも御礼を申し上げたいというふうに思います。

 そこで、お尋ねをしたいんですけれども、厚生労働大臣、児童虐待がふえているというふうに申しましたけれども、昨年、福島あるいはまた京都府などでは、大変痛ましい、死に至る児童虐待が起きてしまっております。

 実は、昨年、委員会で長岡京市に行ってまいりました。私も同行したんですけれども、その際、児童相談員、また現場の皆さんからもいろいろな意見を聞きました。この痛ましい事件でありますけれども、児童相談員がいろいろな形で携わったにもかかわらず、お子さんがとうとい命を落としてしまったわけであります。こういう問題は、いろいろな形で解決しなければなりません。

 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、再発防止に向けて、児童相談所あるいは市町村の体制整備も大事ですけれども、今後どのような取り組みをしていくのか、お答えをいただきたいと思います。

柳澤国務大臣 昨年の京都府長岡京市の事件、まことに私は抜かりがあったというふうに残念に思って、その報に接したわけでございます。

 再発防止に向けて早急な取り組みが必要だということでありました。それでも、やはり役所の仕事というのはかなり組織的に進めますので、まず実態調査を徹底的にするというようなことの中で、我々、今、児童相談所等の運営指針というものを決めているんですけれども、それを改正するということで、この体験を教訓に生かしたつもりでございます。

 私自身も、一月の十五日に、全国厚生労働関係部局長会議というものがございますが、その場で、私の直接見聞をしたある児童相談所の例等も引きまして、気を引き締めて取り組んでもらいたいということを指示したところでございます。

 私が視察したところというのが非常に充実した虐待に対する対応をしておりまして、待ったなし、空振りなし、すき間なしということを標語にしていらっしゃいました。それで、現実に成果を上げておられました。

 この長岡京市の事件を見ましても、まさに、待ったなし、すき間なしという、その標語に反した取り扱いをしたというところにこういうような悲劇が生まれたということを考えますときに、私は、この標語というのはまことに的を射た標語ということで、先ほどの会議においても披露させていただいた次第でございます。

 今回の補正の関係でございますけれども、補正におきましては、被虐待児童を緊急に保護するための施設というものが、一時保護ということの施設が必要でございますが、その整備に資金を、予算を振り向けるということをいたしました。

 また、市町村の要保護児童対策地域協議会を設置して、さっきのすき間なしというものにしっかり対応してもらいたいということをやりました。

 それから、市町村に児童福祉の専門家を配置する、派遣するということもさせていただきました。市町村においては、やはり児童虐待等に余りなれていない職員が配置されている例もありますので、専門家の派遣が必要という判断に立った措置でございます。

 これらを今回補正予算に計上させていただいた次第でございます。

 なお、児童相談所の職員の充実につきましては、これは地財措置ということで菅総務大臣にお願いをしたという次第でございます。

 以上でございます。

実川委員 いじめ問題と並びまして児童虐待も大変な大きな課題でありますので、積極的に担当大臣として取り組んでいただきたい、このように思っております。

 今、柳澤大臣からいろいろ御説明がございましたけれども、この児童虐待防止対策、単に児童相談所あるいは市町村の体制強化、あるいは運営面の見通しだけでは足りないというふうに思います。前回の児童虐待防止法の改正では、見直しの問題といたしまして、立入調査を実効的に行うための方策、また医療ネグレクトなどの親権の制限を必要とする場合の対応、これが大きな宿題になっております。

 ちょうど現在、衆議院の青少年問題に関します特別委員会におきまして、議員の間で三年前のこれらの課題について勉強会が開かれております。現場の児童相談所あるいは学識経験者からは、親権の制限に関し裁判所の関与を求める声が大変大きくなっております。

 そこで、法務大臣にお伺いをしたいんですけれども、この具体的な改正案については、今後、関係議員とともに私ども検討を進めていくわけでありますけれども、基本的な方向としては、児童虐待問題に関する司法の関与を拡大し、これが大変大事なところでありまして、児童虐待を行う保護者の親権に関し一定の制約を課していくことが必要であるというふうに考えております。法務省として、大臣の御見解をお伺いいたします。

長勢国務大臣 まずもって、富山市のライトレールを高く評価いただきまして、ありがとうございました。

 お答えを申し上げます。

 厚生労働大臣からもお話がございましたように、大変残虐な痛ましい事件が起きておることは大変残念なことであります。深刻に受けとめなければならないと思っております。

 そういうことから、昨年来、お話しのような、衆議院青少年問題に関する特別委員会に関係されておられる議員の皆さん方で、法改正等を含めて継続的に勉強会をなさっておられるということに対して心から敬意を表したいと思います。

 今お話しになりました立入検査あるいは医療ネグレクトに関して、司法といいますか、裁判所の関与をしたらどうかという御意見が大変強いということも伺っておりますし、ただ、具体的なやり方、またそれにより生ずる別の問題等々、検討すべき点もあろうかと思いますけれども、先生方の御審議を踏まえながら、法務省としても真剣にその方向でやらせていただく、一緒に努力させていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

実川委員 法務大臣、この点について積極的に取り組んでいただきたい、このように思っております。

 次の質問に入ります。

 政治と金についてでありますけれども、できれば野党の皆さんもいた中での質問をしたかったのでありますけれども、その点、多少残念でございます。

 今問題になっております、いわゆる事務所費の問題でありますけれども、これはたしか一月三日に赤旗が取り上げまして、次に朝日新聞が追いかけるように同じような内容の報道をしたわけでありますが、賃料ただの議員会館に政治家の資金管理団体事務所を置きながら高額の事務所費がかかっていることがおかしい、こういうような内容ではなかったかというふうに思います。これだけですと、何か誤解されるような内容ではなかったかというふうに思います。

 基本的なことでございますけれども、この点について御確認をしたいというふうに思います。

 総務大臣にお伺いいたしますけれども、事務所の基本事項についてでありますけれども、議員会館に資金管理団体の事務所を置けるのかどうか。二つ目、資金管理団体に複数の事務所があれば一括で計上できるのかどうか。この二点を質問いたします。

菅国務大臣 政治団体が主たる事務所の所在地をどこに置くかについては、政治資金規正法上、特段の制約は設けられておりません。なお、衆議院、参議院とも、両院のそれぞれの取り決めによって、議員本人の資金管理団体に限り、議員会館の議員事務室を当該団体の事務所に使用することができる、このようになっております。

 そして、政治団体が複数の事務所を持って、それぞれの事務所において家賃などを支出した場合は、それらの経費を当該団体の事務所費として一括して計上すべきもの、このようになっています。

 具体的に申し上げますと、例えば、資金管理団体が主たる事務所を議員会館に置いて、従たる事務所を地元に置いているような場合、地元の事務所の家賃や電話代、その他事務所の維持に通常とされるような経費については、議員会館にある当該資金団体の事務所費として一括して計上される、このようになっています。

実川委員 次に、これも総務大臣にお伺いいたします。

 政治資金の公開についてでありますけれども、今問題になっております資金管理団体の事務所費は政党助成金ではないかというふうに誤解がございます。政党交付金の使途の公開基準はどのようになっているのか。もう一点、事務所費に関する領収書の保存義務と公開。この二点をお伺いいたします。

菅国務大臣 政治資金規正法に基づいて、政治資金収支報告書においては、人件費、光熱水費、備品・消耗品、事務所費の四項目すべての経常経費については、項目別の金額を報告すれば足りる、このようになっております。

 一方、政党助成法に基づく政党交付金使途等報告書においては、これらの経常経費のうち、備品・消耗品及び事務所費の二項目については、一件五万円以上の個別の支出についても報告をしなければならない、このように分かれております。

 そして、領収書の件でありますけれども、政治資金規正法においては、政治団体の会計責任者は、会計帳簿や領収書等を収支報告書の要旨が公表された日から三年を経過する日まで保存しなきゃならないこととされております。事務所費に係る領収書も、この三年間の保存義務が適用されておるところであります。

 また、政治団体の会計責任者は、一件当たりの金額が五万円以上の政治活動費について領収書等の写しを提出することとされておりますが、政治資金規正法上、事務所費を含む経常経費については領収書等の公開の義務はないところであります。

実川委員 最後に、総理にお伺いいたします。

 政治活動の自由を考慮しながら政治資金の透明性を高めていく、これは当然ですけれども、国民から疑惑を持たれないようにしなければなりません。これも当然でございます。そのためには、法律で一律に規制するところもあれば、あるいはまた、政治活動の自由を認めるかわりに、各政党または各政治団体がそれぞれの内規を定めて規律を保つようにすることもあってもよいのではないかと思いますが、この点について総理のお考えをお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 政治において大切なことは、国民の信頼であります。国民の信頼なくしては政策を実行していくこともできないわけでありまして、政治家は常に襟を正していかなければなりません。

 その考え方のもとで、この事務所費を含む政治資金のあり方について、私は自由民主党総裁として、党改革実行本部に対して政治資金規正法の法改正も含めて検討するように指示をしているところでございます。政治活動の自由あるいはまた政治資金の透明性といった観点から検討をしていかなければならない、このように考えております。各党各会派においても議論が進められることを期待いたしているところでございます。

実川委員 ありがとうございました。

 国土交通大臣、通告があったんですけれども、時間が参りましたので、申しわけございません。

 時間が参りました。終わります。

金子委員長 これにて実川君の質疑は終了いたしました。

 次に、斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 平成十八年度補正予算について質問をさせていただきます。

 まず初めに、この補正予算の審議に野党の委員の皆さんの御出席がないということについて、強く抗議を申し上げたいと思います。

 この補正予算は、災害対策、また学校耐震化、これは喫緊の課題でございます。また、障害者自立支援法の円滑活用、円滑実施、いじめ・虐待対策、そして子供安全見守りシステムなど、今の国民生活に本当に重要な、急いで成立をさせなくてはいけない課題でございます。そのような予算案審議に参加をしない。もしいろいろな御意見があれば、参加をして、ここで堂々とその意見を開陳されるべきである、また質問されるべきである、このように最初に申し上げさせていただきます。

 次に、総理に、昨日の中国残留孤児の代表とお会いになった件について質問をさせていただきます。

 一昨日、裁判の結果が出ました。そして、昨日の朝、総理が、その裁判のために全国から上京されている代表の方に会うという決断をされて、自由民主党、公明党の中にございます中国残留孤児問題プロジェクトチームの代表と一緒に会われた、このように聞いております。

 そして、その中で、まず厚生労働大臣が発言をされて、厚生労働大臣が、総理から次のような指示、電話があった、一昨日の六時半、電話があったと。その内容は、残留孤児の問題について、判決や法律論とは別に考えてもらいたい、皆さんは御苦労され、お年も召していらっしゃる、今まで日本政府としていろいろやってきましたが不十分と考えています、皆さんの生活が厳しい状況です、そのような方々に対して政府として新たな対応が必要だと思います、厚労省だけではなく、第三者の有識者や残留孤児の皆さんの声を聞いて、新たな対応策をつくるように、こういう指示があったと、厚労大臣から皆さんにお話があったそうでございます。

 これを受けて、総理は、皆さんに会いたいと思っていました、政府としては、残留孤児の問題、これまで対応してきたが、不十分な点がありました、新たな対応が必要だと思いますと。私は、厚生労働大臣に新たな対応をするよう指示をしました、厚労省だけでなく、皆様の声、有識者の声も聞いて案をつくってもらいたい、御苦労さまでした、日本に帰ってきてよかったという案にしたい、このように総理がおっしゃったそうでございます。

 そして、いろいろな代表の方がお話しになったそうですが、ある方は、私は、ゼロ歳から養父母に育てられました、そして人の顔色を見ながらびくびくして生活をしてきました、日本に帰って、生活保護というのは、あれを使っちゃいけない、これを持っちゃいけないという、まさに人の顔色を見ながらびくびくするような制度です、どうかこの現状をわかってくださいという声もその場であったそうでございます。

 私は、今回の総理の決断は、本当に、美しい日本といいましょうか、温かい日本、その祖国に帰ってきてよかったということを感じていただける大決断ではなかったか、このように思います。

 総理から御感想をいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 昨日、残留孤児の皆様とお目にかかりまして、本当に切実なお話をいただきました。

 日本人として生まれて、しかし異国の地で生活をしなければならなかった、その中で、大変な苦労をされる中で、何とか自分は日本人であるから日本に帰りたい、そういう夢を見ていた、そして、やっとその夢が実現されたけれども、しかし、残念ながら自分の生まれ故郷である日本に裏切られた気持ちである、そういうお話を伺ったわけでございます。

 我々は、今、戦後、この繁栄した日本に生きる者として、この皆さんに、本当に日本に帰ってきてよかったな、やはり祖国というのは温かいと思っていただけるような対応を誠意を持って行っていかなければならない、このように考えました。

 判決は判決として、また、法律の問題は法律論の問題として、それとはまた別に、皆さんが、日本に帰ってきてよかったな、こう思っていただけるような、そしてまた生活に不安がないように、そして何よりも、日本人としてやはり尊厳のある生き方ができるような対応が必要だろう、こうした観点から、厚生労働大臣に新たな対応を検討するように指示をいたしました。厚生労働省だけではなくて、有識者、そして、もちろん残留孤児の皆様方の意見も聞きながら、そしてまた、皆様本当に高齢になっておられるわけでございますから、時間を余り置かずに案を取りまとめるように指示をいたしました。

 私どもの気持ちが、短時間でございましたが、伝わったかどうかは私も定かではございませんが、しかし、今のように裁判でお互いに争うという関係から、やはり皆さんが、繰り返しになりますが、日本に帰ってきてよかったと、こういう案を何とか取りまとめるように努力をしていきたいと思います。

斉藤(鉄)委員 夏まで、どうかよろしく、すばらしい案をつくっていただけるようにお願いをいたします。

 次の質問に移ります。

 二月八日から北京で六カ国協議が再開されます。この六カ国協議で、拉致の問題、そして北朝鮮に核の放棄を迫る、そして一歩でも前進をさせる、日本の安全保障のためにもどうしても必要でございます。このことにつきまして総理の御決意を伺いたいわけでございますが、その前に一言、私自身の考え方を申し述べさせていただきます。

 ことしは、パグウォッシュ会議、ラッセル・アインシュタイン宣言から五十一年、また、核兵器を絶対悪と位置づけた歴史的な原水爆禁止宣言を世に問うてからちょうど五十年の節目を迎えます。日本は、唯一の被爆国として、私は、核兵器廃絶という基本的な、ある意味で目指すべきところを決して忘れてはならない、このように思います。

 確かに、日米安保条約によりまして、アメリカの核の傘、そして、いわゆる抑止論と言われるもので日本の安全が守られているという現実がございます。その現実からもちろん目を背けるわけにはいきません。しかし、この抑止論の根底は、やはり不信感であり、恐怖感であり、猜疑心でございます。そういうものに依拠した今の平和ではなく、最終的には核兵器を廃絶するということに向かって、我々、唯一の被爆国である日本が進めなくてはいけない。

 そのときに大切なのは、北朝鮮やイランという、これから核を持とうとしている、核拡散につながる国だけではなく、今既に核保有がNPTで認められているそういう国に対しても、誠意を持って粘り強く核軍縮を進めていくように日本が訴えていく。その姿勢があればこそ、私は、北朝鮮に対しても、核を持つな、核を持つことを絶対許さないということを言える、その基本的な説得力が出てくると思います。

 そういう意味で、核保有国に向けての唯一の被爆国としての日本の努力、これも総理としてぜひしていただきたい、このように考えるところでございます。

 この北朝鮮、核をどう廃棄させるか、また拉致問題について、六カ国協議が始まるに当たりましての総理の御決意をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 日本はまさに唯一の被爆国として、世界、人類の理想である核の廃絶に向けて努力をしていかなければならない、こう考えております。

 核軍縮、また核不拡散体制の維持、前進を目指して努力をしていくわけでございますが、現実的な、また漸進的なアプローチといたしまして、国連の総会のたびに核軍縮決議案を日本が提出をしているわけであります。こうした努力は、今後とも続けていかなければならないし、続けていくべきである、こう思っているところでございます。そうした観点からも、この北朝鮮の核保有、これは断じて許せないわけであります。

 八日に再開される六者会合において、北朝鮮がこの世界の懸念にこたえる形で核廃棄に向けて具体的な対応をとるように我々は強く求めてまいりたい、こう考えております。

斉藤(鉄)委員 前回の六カ国協議は成果が出なかったとも言われております。今回はぜひその成果を上げなければならないと思っておりまして、我々も与党を挙げて支援いたしますので、どうか満腔の決意で臨んでいただきたい、このようにお願いをする次第でございます。

 次に、政治と金の問題についてお伺いをいたします。

 政治と金、二つ今話題になっているかと思います。一つが官製談合でございます。

 官製談合も、いわゆる中央のお役所、官僚がかかわった官製談合と、それから地方の官製談合、これはまさに選挙で選ばれたいわゆる政治家、ある意味では我々と同じ立地点に立つ政治家がこの官製談合に携わっている、こういう問題が大きく取り上げられておりますし、税金の無駄遣いをなくすという意味でも、この官製談合、談合そのものもですが、多くの談合は官製談合ではないかという疑いの目を国民は持っております。根絶に向けて我々は頑張らなくてはいけないわけです。

 五年前に自由民主党と公明党で官製談合防止法をつくりました。そして、公取の権限を非常に強化いたしました。今、地方政界で官製談合が浮き彫りになってきて、逮捕された知事が三人おりますけれども、これも、ある意味では今まで水面下にあったものが、この自民党と公明党でつくった官製談合防止法によって浮かび上がってきた、このようにも言えるわけでございます。

 昨年の臨時国会でその法律の効力をいよいよ増すような改正も自公で行ったところでございますけれども、国土交通大臣、今も国土交通省が関与した官製談合の問題が大きくクローズアップされておりますけれども、この国民の不信、政治と金の問題について不信を取り除くには、この官製談合防止についての抜本的な前進が必要だと思いますが、その御決意をお伺いします。

冬柴国務大臣 地方や国までも談合、とりわけ官製談合ということが頻発しているなというような報道がなされた、そういうことについては本当に遺憾なことであるというふうに思っております。

 また、不正行為の排除の徹底を図るためにも、昨年の二月に策定されました公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議による取りまとめに従いまして、関係省庁とも連携を図りながら、一般競争入札の拡大、それから総合評価方式の拡充、さらには、その条件整備としての入札ボンド制の導入等を柱とする入札契約の改善に取り組みを徹底してきたところであるだけに、残念で仕方がないわけであります。

 今般、国土交通省直轄の水門設備工事の発注に関しまして、入札談合へ元職員の関与が報道された、いろいろ指摘されたということは、まことに残念、まことに遺憾なことでありまして、私は、この報道があった直後、一月の九日でございますけれども、幹部職員全員に集まっていただきまして、直ちに入札談合防止対策検討委員会というものを設置せよということを指示いたしました。

 そして、それのトップは事務次官がみずから担当しなさい、そして、職員だけではいけません、職員以外の有識者、例えば元裁判官とか検察官とか、弁護士の現職というような法曹人等も含めて、そういう人たちにも委員会に入っていただいて、その人たちに企画立案、実行もやっていただきなさいということで、そういう指示をいたしまして、十一日にはそのような委員会を立ち上げ、十七日には第一回を、そのような立派な第三者も含めた委員会で発足したところでございまして、今後、指摘された事実関係の調査、そしてまた入札談合防止対策の検討を開始いたしまして、これを徹底して再発防止に努めていきたいというふうに考えているところでございます。

 また、再就職、天下りとも言われますが、再就職と官製談合の関連については、あらぬ誤解を受けることがないように、当省では、再就職に関して、これまでも国家公務員法や人事院規則で定められた基準に基づくチェックや承認の厳正な運用を行ってきたところでございますが、橋梁工事にかかわる談合ということが、大規模な事件が公取によって摘発されたことがあります。

 そのときに、平成十七年七月二十九日でございますけれども、重大な法令違反に関与した企業、四十七社があります、日本の巨大企業ばかりですが、そこへの再就職は国土交通省の全職員、再就職はしてはならない、それから、これは退職後の期間を問わず、五年たってもだめだ、その当該企業が社会的にコンプライアンスが確立したということを認められる状況になるまで、そういうことは一切、再就職はできないということにいたしております。

 また、幹部職員、指定職以上でございますが、直轄工事受注企業への再就職は認めないということをいたしております。これは退職後五年間でございます。五年間はそこへは絶対にだめだと。それから、国交省との間で密接な関係があるとされる営利企業のうち、当該発注の公共工事の受注実績のある企業、相当な数になりますが、ここへも、営業担当部署へ新たに就職することも退職後五年間自粛をしてもらうということも、これは他省庁とは極めて違う厳しい自粛措置をとっているところでございます。

 今後も、政府全体としても再就職のあり方について公務員制度改革全体の中で検討が進められているところでありますが、その検討結果も踏まえつつ、国土交通省としては、本当に身を引き締めて、こういうことが起こらないように頑張ってまいる所存でございます。

斉藤(鉄)委員 公明党を代表して内閣に入られている冬柴大臣に大きく期待しておりますので、どうか厳しくやっていただきたいと思います。

 次に、政治と金、事務所費問題でございます。

 今回、いろいろな問題点が指摘されました。庶民感覚からも余りにかけ離れているのではないかという声も我々聞いております。これまで、どちらかというと金の入りの方に、我々、領収書の添付を義務づけるなど厳格な政治資金規正法の改正を行ってきたわけですが、これからは、金の出の方についても、やはり国民の皆さんが不信を抱かないような形、ルールにしていく、改正をしていく必要があるのではないか、このように考えます。

 政治活動の自由を担保しつつ透明性をどう高めていくか、国民の皆さんから不信を抱かれないようにしていくかということが大切かと思いますけれども、この政治資金規正法の改正について、先ほども実川委員にお答えになっておりましたけれども、総理、お考えをちょうだいできればと思います。

安倍内閣総理大臣 私が自由民主党の党改革実行本部の本部長をしておりましたときにも、自由民主党におきまして厳しい内規を決めました。また、公開の基準、自由民主党独自の基準として、インターネットにおいてホームページに公開をするということにおいても、各党に先駆けて自由民主党はかなり透明性を高めてきたつもりでございます。

 今般の事務所費等の経費の問題等につきましても、先ほど実川委員の質問に答えましたように、これは今斉藤先生がおっしゃったように、出口の議論も含めまして、政治資金のあり方について、政治資金規正法の法律の改正も含めて議論を行うように、私からも今、党の党改革実行本部の方に指示をいたしておるところでございます。

 今後、各党各会派においてこの問題について議論が進んでいくことを期待したい、こう思っております。

斉藤(鉄)委員 公明党としても議論を進めております。また、与党としての議論も進めておりまして、成案を得て、野党の案よりいいというものをつくり出していかなくてはならない、このように思っております。

 次の質問、人権擁護法案につきまして総理にお伺いいたします。

 昨年の通常国会におきまして、小泉前総理より、政府・与党内でさらに検討を進め、この人権擁護法案をできるだけ早期に提出できるよう努める旨の答弁があったところでございます。

 この問題では昨日も参議院で質疑が行われたようでございますが、私も、これまでの国会審議も踏まえ、与野党が議論を進めた上で早期に実現を図ることが望ましいと考えます。改めまして、人権擁護法案提出に向けた取り組みについて、総理の御所見をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 国内における人権の擁護は極めて重要な政策課題でございます。

 御指摘の人権擁護法案につきましては、与党内においてもさまざまな議論がございました。そうした点もつぶさに検討をしながら、そのあるべき姿について真摯な検討を行ってまいります。

斉藤(鉄)委員 どうかよろしくお願いをいたします。

 次に、今国会の大きなテーマと言われております労働法制について質問をさせていただきますが、柳澤厚生労働大臣に御答弁をいただくことになります。

 御答弁をいただく前に、どうしても私から一言申し上げさせていただかなくてはならないことがございます。

 島根県松江市での御発言につきまして、大変不用意な発言であった、女性の尊厳を傷つける発言であったということで、強く反省をしている、こうおっしゃっておりますけれども、心からの反省をお願いしたいと思います。

 私の部屋にも、実はたくさんのファクスやメールで抗議が届きました。そのうちの一つをちょっと御紹介させていただきたいと思います。

 「私も二児の母ですが妊娠十ケ月のつらさ、また出産という母親が自分の命を懸けて我が子をこの世に送り出す行為は本当に無償の愛であり、崇高な行為と考えます。男性の方にはどうしても理解できないことかもしれません」。このように、この方がおっしゃるとおり、我々男性の想像を超えた崇高な行為が私は出産だと思います。そういう意味で、その女性の方々に敬意を持って接していかなければならないのではないでしょうか。

 私も、党内で少子化対策、先日、少子社会トータルプランという議論をまとめましたけれども、私自身、こういう敬意を持ってその政策づくりに携わったかと反省するところが多でございます。今回、これから我々、女性の社会参加、少子化対策を議論するに当たって、こういう心を心として政治家が議論をしていかなくてはならないのではないか、このように考えます。

 したがいまして、大臣にも、まさに少子化担当大臣、女性の社会参加担当大臣でございますので、本当にこういう方々に喜んでいただけるような政策をつくっていただけるよう、深い反省から出発をしていただきたい、このように思います。一言だけ申し上げさせていただいて、質問に入ります。

 長時間労働の是正についてでございます。

 日本の長時間労働、それも一部の方の長時間労働は想像を絶するものがございます。週六十時間以上、ですから、週二十時間残業していることになります。一月で大体八十時間から百時間。この十年で百万人以上増加して、約六百五十万人になった。労災で認定された過労死は、昨年で百五十件、四年前の三倍になっている、このように言われております。そして、その中心は、三十代を中心とする中堅、若手社員の長時間労働が顕著になっている、このように言われております。

 三十代の働く女性、働く男性、子育ての中心を担う世代の人たちが、このような長時間労働。私は、これは本当に心して是正していかなくてはならないと思いますが、労働現場における長時間労働の現状をどのように認識しているか、また、どのような対策を講ずるべきか、基本的認識をお伺いします。

柳澤国務大臣 御質問にお答えする前に、公明党を代表して斉藤政調会長からも私の過日の発言について御注意をいただきました。本当に、私も、深く反省をし、今後、今先生御指摘のように、女性に対する敬意というものをしっかりと心の底に置きながら、与えられた任務、殊に少子化対策等の立案のために精進をいたしてまいりたい。おわびをしながら、私の決意を申させていただきます。

 そこで、御質問でございますけれども、今委員御指摘のとおり、非常に企業の中の特別な方々にこの長時間労働が集中している、全体として勤務時間、労働時間が高どまりしているわけですけれども、その中でも時間外労働というものが、正社員、また三十代の男性というようなところに集中をしているという状況が看取されるわけでございます。

 これは一体どういうことが背景にあろうかということでございますが、その背景といたしましては、やはり、グローバル化の進展の中で企業間の競争が非常に激しくなっている。こういう全般的な背景の中で、いわば既存の戦力というか、そういうものに依存してこの競争を勝ち抜こうとしている。新規戦力を導入する、新規採用をするとかというようなことではなくて、既存の戦力をとりあえず大いに活用するということの中でこうした事態が起こっているのではないか。私は、そのように見ているわけでございます。これをどのように克服していくかということ、非常に重要な課題であるというふうに思っております。

 我々の国の労働時間の歴史を見ますと、例のプラザ合意後の不況の中でいろいろな考え方が出てきまして、やはり、労働時間を短縮することによって個人の消費というようなものをあおろう、増嵩を期待していこう、週休二日制をやることによって個人の消費を期待していこう、こういうようなことで労働時間の短縮化を図ってきたというようなことが事実としてございまして、この辺のところに広くは政策の展開を再び求めていくのかなというようにも考えるわけですが、我々、労働行政の現場におきましては、今のような事態に対しては、まず、サービス残業等の法違反に対して厳重な監督指導を徹底していく、これが一つでございます。

 それからまた、時間外労働の削減に取り組む中小企業に対しては助成金でもってそれを応援していくということがさしずめ労働行政の中でとっているところでございますが、社会全体として働き方の改革が進むように、今後とも労働法制の構築等で配意をしてまいりたい、このように考えております。

斉藤(鉄)委員 この長時間労働をいかに是正して暮らしと仕事の調和を図るかということ、また一方で、非正規雇用の方もたくさんいらっしゃる、そういう方と正規雇用の方との、言葉は適切でないかもしれませんが、ワークシェアといいましょうか、労働時間を平準化していくということも必要で、いろいろな方策が考えられておりまして、今国会に提出をされているそれらの法律を今国会でどうしても成立させなくてはいけないと思っております。

 ホワイトカラーエグゼンプションでございますが、そのような長時間労働が常態化している中でこのホワイトカラーエグゼンプションを導入すると、詳しくはもう申し上げませんが、長時間労働の助長につながるのではないかという不安もたくさんございます。そういう中で、我が党の太田代表は、年頭に、この日本版ホワイトカラーエグゼンプションの導入については、慎重の上にも慎重を期して議論をすべきだと発言させていただきましたし、安倍総理も、いまだ国民の理解を得られているとは言えない、このようにおっしゃっております。

 ホワイトカラーエグゼンプションを前提とするような、いわゆる職務規定といいましょうか、仕事の責任と範囲、英語で言ういわゆるジョブディスクリプションという考え方が明確でない社会にあってこれを導入すると、もう際限なく、仕事は忙しいやつにやらせろと。私も民間会社におりました。有能なやつに仕事が集まる、だから有能なやつは忙しい、だから忙しいやつに仕事をやればきちんとやるということで、一部の人が本当に長時間労働になってしまうのではないかという心配もございます。そういう意味で、慎重にしなくてはいけないと思いますが、総理のこのことに対しての御意見。

 それから、一部に、このホワイトカラーエグゼンプションを今回やらないのであれば、いわゆる残業代割り増しの、いわゆる欧米並みにこれをふやす、またパートタイム労働法や最低賃金法、これもやらない、このような声が、これは民間からですけれども聞こえてきます。私は、そういうこと自体、このホワイトカラーエグゼンプションを賃金カットに使おうといった本音のあらわれではないか、このように思うわけでございます。

 そういう意味で、ホワイトカラーエグゼンプションについては国民の理解が得られた上できちんと議論するということを前提に、しかし、残業代の割り増し賃金、パートタイム労働法、最低賃金法の改正、これはきちんとやるんだということを私たち公明党は主張したいと思いますが、総理、いかがでございましょうか。

安倍内閣総理大臣 ただいまの御質問にお答えをする前に、先ほどの、厚生労働大臣の発言に対する厳しい御指摘がございました。私も、極めて不適切な発言であった、このように思います。多くの国民の皆様、また女性の方々には特に心を傷つける発言であったと思います。私からもおわびを申し上げる次第でございます。

 子供を産み育てるという営みは、これはかけがえのない崇高な営みである、このように思いますし、母親が子供に注ぐ愛情というのは、これはかけがえのないものであると思います。こうした観点から、我々、少子化対策も含めまして、家族を支援していく政策を遂行していきたい、こうした政策を厚生労働大臣に着実に推進していっていただくことによって、また国民の信頼を得るべく努力をしていっていただきたい、このように思います。

 いわゆる労働法制の問題につきましてでございますが、働き方についての法制につきましては、これはやはり、働く方々、また国民の皆様の理解がなければ円滑な運用はできないであろう、このように思うわけでございます。

 いわゆるホワイトカラーエグゼンプション、まだこの法案についてそんな名前がついているわけではないわけでありますが、かなりいろいろとひとり歩きをして誤解されている側面は多々あるんだろう、このように思うわけでございます。そういう中で、さらに国民の皆様方に理解をしていただく努力をしてまいらなければならない、このように思います。まだ現在検討中でございますが、御指摘のございました長時間労働の懸念も含めまして、さまざまな議論を踏まえた上で適切に判断をしてまいりたい、このように思います。

 そうした中で、労働法制全体の取り組みについての御指摘がございました。

 最低賃金、これは四十年ぶりに改革を行うわけでございます。最低賃金は、これは実は岸内閣のときに制定されたものでございまして、意外とそうなんですね、安保条約しかやっていなかったように思われがちでありますが、こうした最低賃金の制度も定めたわけでございます。

 この最低賃金制度がセーフティーネットとしての機能を十分に果たしているかどうか、検討をしていく必要は当然あるわけでありますし、また、パートタイム労働について、均衡の待遇、あるいはまた、今後、正規雇用に道を開いていく、そうした観点からもさまざまな検討をしていくべきなのではないか、このように思います。

 また、御指摘の超過勤務に対する手当の問題等々についても、総合的にこの労働法制について検討をしてまいりたいと思っております。

斉藤(鉄)委員 安倍内閣に対しての国民の期待にこたえる意味でも、この労働法制、ぜひ今国会でやり遂げたい、このように思っております。

 働き方と同時に、やはり子育てに対する経済的支援、この二つが少子化対策について非常に大切だと思っております。フランスは出生率二・〇という、先進国としてはすばらしい数字を達成いたしましたけれども、子育てに対しての経済的支援と働き方改革、この二つが柱だと言われております。

 きょうはテレビがあるかと思いまして、パネルをつくってまいりました。これは、自公連立政権以来の児童手当の伸びでございます。この折れ線グラフは対象児童でございまして、ここは三歳、ここで小学校入学まで、ここで所得制限が緩和されます。そして、ここが小学校三年生まで、そして、ことしから小学校六年生までとなりました。金額も八千五百億円までふえてきたところでございますが、今年度、ゼロ歳、一歳、二歳、この乳幼児加算、第一子、第二子は月五千円ではなくて月一万円にするということで、予算も一兆円を超えました。このように、自民党と公明党で子育て支援を一生懸命やってきたという図だと思います。

 そして、先ほど申し上げました、子育ての世代の人たちが仕事と生活を調和させて、子育てを家庭で楽しみながら仕事も頑張っていただくということが必要ではないかと思いますが、この経済的支援とそれから働き方改革、これを両方ドッキングさせて、そのスケジュールを、将来展望を示していくことが希望につながっていく、だから、結婚して子供を産もうというふうに若い人に思っていただけることにつながると思いますけれども、総理の御所見をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 先般、フランスを訪問した際、シラク大統領と会談を行い、その際、シラク大統領も、出生率が二に上がったということを大変胸を張っておっしゃっておられました。少子化についてはぜひ何でも聞いてもらいたい、こういうことでございましたが、やはり少子化については総合的な政策が必要であろうと思います。

 御指摘のように、働き方を変えていくことが大切でありますし、また、女性が働きながら子供を産み育てることができる日本にしていくことが大切であろうと思います。

 そして、それと同時に、児童手当の拡充、乳幼児に対する加算、あるいはまた育児休業手当を四割から五割に引き上げを行っております。こうした支援を行ってまいりたい。

 さらには、家族を持つことの価値、子供を産み育てることの価値ということを再認識していくことも大切ではないだろうか、こんなように思っているわけでありますが、私ども、進んでいく少子化に対して、これを何とか食いとめていくという戦略を打ち立ててまいりたい、このように考えております。

斉藤(鉄)委員 与党でも協議会をつくって議論を進めているところでございまして、与党・政府一体となって強力に進めていかなくてはならない、このように思います。

 次に、障害者自立支援施策。

 きょうは補正予算の審議でございますが、この補正予算の中身に今初めて入るわけでございますけれども、私は、今回の補正予算の一番大きなポイントがこの障害者自立支援施策ではないかと思っております。

 障害者自立支援法については、もうここで申し上げません。基本的には、安定的な財政によって障害福祉サービスを拡大する、そして、支援費制度の対象外であった精神障害も身体、知的と同等に位置づける、そして、就労支援策の抜本的な見直しということで、現実、予算も大きく毎年伸びております。そして、障害者関係団体からも評価をいただいているわけです。

 しかしながら、過渡期といいましょうか、いろいろな不都合や不安の声も出てまいりました。障害児の利用者負担が重い、また、日額支払い方式に移行したため作業所で急激な収入減になった等々、いろいろな不安の声、また不都合も現場から上がってきたところでございます。

 そこで、自由民主党と公明党で、この補正予算の中に、国費千二百億円、そのうち九百六十億円が基金、二百四十億円が当初予算における自己負担分の軽減という形になっておりますけれども、抜本的な対策を講じた、このように思っております。

 ちょっと時間がありませんので、厚生労働大臣、今回の補正予算の措置の意味を簡潔にわかりやすく、そして今後、この特別対策が、各地域のニーズに合わせて幅を持たせて運用して、皆さんに喜んでいただけるようにというふうに考えておりますが、厚労大臣のお考えをお伺いします。

柳澤国務大臣 障害者自立支援法は、今斉藤委員御指摘のとおり、地域移行の推進あるいは就労支援の強化など、障害者が施設というよりもむしろ地域で普通に暮らせる社会の構築を目指すものでございまして、これを着実に定着させるということはやはり大方の御賛同をいただいている方向であろう、このように考えております。

 しかしながら、この改革、なかなか抜本的なものであった。これまでは、支援費あるいは御負担の方は、どちらかというと応能的な考え方のもとで行われていた。それに対して、今回は、利用料の一部を負担していただくという考え方に転換をしたというようなことで、なかなか、各方面からさまざまな御意見をちょうだいするという状況であったわけでございます。

 このような状況に対しまして、与党の先生方、非常にけんけんがくがく御議論をいただき、また、実際のこの仕事に当たっていらっしゃる事業者の方、あるいは地方自治体の方々から御意見をいただきまして、それを取りまとめて特別対策ということを決めていただいたわけでございます。

 今御指摘のとおり、利用者の負担の軽減の問題については、これは本予算で措置をとるということでございます。利用者の負担と申しますのは、特に通所の障害者の方々に対する負担というものが、利用者の側にも、また事業者の側にも大きいのではないかというようなことで、このあたりのことについて対応させていただくということでございましたが、そういうようなことがございました。

 それに対して事業者の、今言った点でございますが、これについては補正予算で対処する。また、地方公共団体、都道府県、市町村が、この関係で、厚生省から与えられたいろいろな枠組みのもとで、一つの資金をもって細かい対応をしていただくということになっておりますけれども、それらについては補正予算九百六十億で対処する。こういうことになったわけでございます。

 さて、今御指摘のように、いろいろ地域の実情に配慮した運用をするようにという御注意をいただいたわけですが、私ども、これからも、今の基金を通じての、特に地方公共団体を介してのいろいろな措置については、十分地域の実情に即して弾力的に対応させるように、いろいろまた連携をしてまいりたい、このように考えております。

斉藤(鉄)委員 障害者自立支援については、本当に皆さんから御意見をいただきました。そういう方々に喜んでいただけるような、きめ細やかな対応をお願いしたいと思います。

 最後に、がん対策について総理に質問させていただきます。

 昨年の予算委員会でも、がん対策基本法をつくって、日本が一番おくれていると言われている、がんと診断されたときからの緩和ケア、それから放射線治療、そしてがん登録制度、アメリカはがんによる死亡者は今減少傾向にありますが、これは、がん登録制度が非常に大きな効果を果たしているとも言われております。こういうことに対してどのように取り組んでいかれるか。

 今は死因の三割ががんで、十年後には二人に一人ががんで亡くなる、こういう時代になると言われております。喫緊の課題だと思います。総理のお考えをお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 ただいま先生が御指摘になられたように、がんは死因の第一位でありますし、また、寿命が延びていく中にあって、当然、がんの死亡率はもっともっと上がっていくことになるんだろう、このように思います。この対策は、一層の充実をしていかなければいけない、速やかに取り組むべき重要な課題であると思います。

 御指摘のように、昨年成立したがん対策基本法に基づきまして、がん対策推進基本計画を策定することといたしておりまして、緩和ケアなど患者本位の治療体制を整備し、そして放射線医療、確かに現在の段階では大変まだ放射線医の数は少ないんだろうと思います。放射線医療を担う専門医等の育成、そしてがん登録の推進など、がん対策を総合的に進められる内容となるように検討を今進めているところでございます。今後ともしっかりと取り組んでまいります。

斉藤(鉄)委員 終わります。

金子委員長 これにて斉藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 安倍総理初め全閣僚の皆様、本日は朝から大変お疲れさまでございました。まことに残念ながら、私が恐らく最後の質疑者になるような様子でございますので、あと三十分、おつき合いのほどよろしくお願い申し上げたいと思います。

 安倍総理、総理と私はともにポスト団塊世代であるというふうに思います。ポスト団塊世代の使命と責任とは何か。それは言うまでもなく、我々の先輩であります団塊の世代の皆様が、ことしの二〇〇七年から五年間にかけて、約一千万人の方が定年を迎えられる。定年を迎えられるということは、これまで社会保障等々を支えていた側から支えられる側に回ってしまうということでございます。大変に社会として費用の負担の重い社会になる。そしてまた、もう既に人口減少時代に突入しておりますので、経済成長もなかなか容易ではない時代である。だから、ポスト団塊世代の私どもの世代は、まさに未来に責任を持つ世代として、大変その使命と責任感は重いものだというふうに、総理は当然そのように感じて政権を担われているというふうに思っております。

 きょうは限られた三十分間でございますけれども、将来に責任を持つ世代の自覚のもとで幾つかにわたって質問させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。

 まず、経済問題について少し時間を費やしたいと思います。

 きょう、残念ながら、民主党の方がいない。今起こっている格差はけしからぬ、このように言われております。しかし、私は、よくよく今までの日本の経済を振り返って考えますと、バブル経済が破綻をし、金融不安に陥り、そしてどの業種、業態、どの地域でも、全くいいところがなかった、本当に光の差し込むような状況じゃなかったときに、小泉政権の中で構造改革を断行した。時間はかかりましたけれども、いわゆる三つの過剰、設備、債務、雇用、こういったものを解消して、ようやく地域では、東京や愛知といった先行する地域で大変なバブル当時以上の状況を呈してきた。経済界でも、業種、業態の差はあれ、大変にうまくいっているところがある。

 しかし、その過程の中で全員が一斉に、全業種、全業態が一斉によくなるなんということ、それはそういったことの方がおかしいわけで、よくなる業界、業種、地域、これが先行するところもあれば、なかなかその効果が発揮できないところもある。ですから、構造改革のプロセスの中で格差という現象があらわれるのは、ある意味ではやむを得ないことだというふうに私は思っております。

 大事なのは、その現象をそのまま固定化させないこと。だから安倍政権は、今年度の予算編成、また税制改正で中小企業対策も、後で質問しますが、しっかりされておると思いますし、地域対策ということもまさに政権の柱の政策として取り組まれているというふうに、私は、政府・与党の一員としてそういう自覚もありますし、そういうことをぜひ、今回、きょうの質問で証明したかった。聞いていてほしかった民主党の方々がボイコットされているというのは、大変残念だということをまず申し上げておきたいと思うのでございます。

 ここでまず、きょうは日銀総裁にもおいでいただいております。今、景気をしっかり下支えして中小企業もしっかり頑張って日本の経済を浮揚させる、成長力をつけていくという安倍政権の施策を遂行していくために、やはり金融政策というのは大事な両輪の一つの輪だというふうに思っております。

 私は、昨年一年間、財務副大臣を務めさせていただきまして、日銀の政策決定会合にも参加をさせていただき、福井総裁初め皆さんに大変お世話になりました。心から感謝を申し上げたいと思います。大変高尚な金融政策の議論に接しさせていただきまして、大変勉強になったわけでございます。

 ただ、私、最後の出席の政策決定の会合の場でも発言をさせていただいたのですが、金融政策というのはどうしてもマクロの経済を語るという場面です。ですから、我々政治家というのは地元を歩く、ミクロの世界を歩く仕事をするわけですので、どうしてもあの金融政策決定会合の場でのマクロ経済の景気の認識ということと、私が個人として地元で実感をしている認識にはやはり若干ギャップがあるなということを感じてまいりましたし、そのときにも発言をさせていただきました。

 そのことで今、年が明け、政策決定会合でも利上げというようなことも取りざたされている中で、景気回復状況についての認識について、まず総理と日銀総裁に質問したいわけでございますが、総理は、一月五日の経済三団体の新年賀詞交歓会で、報道によれば、景気回復を家計に広げていく一年にしたいと。新聞によっては、企業の皆さん、給料をもっと上げてくださいという呼びかけをされたと。私、その場にいなかったので正確なことはわかりませんが、こういった発言を総理がされたという思い、景気認識を背景とした思いというのはどんなものだったのか、率直に聞かせていただきたいと思います。

    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 赤羽先生の御質問の冒頭部分で、大変的確な現在の景気状況、また経済の回復状況に対する分析があったんだろう、このように思います。

 景気回復につきましては、小泉構造改革によってまさに三つの過剰を克服しながら、ある意味では企業の体質の強化を通じての景気回復であったわけでありまして、その結果、企業が体質を強化し、競争力を向上させて、そしてまさに利益を上げながら景気回復を引っ張っているわけであります。しかし、そうした企業部分の強化であったがために、正規雇用面においてはなかなか回復がおくれている、あるいは地域によってはばらつきがあるわけでありますし、またそうした改革がなかなかうまくいっていない分野において景気回復の実感がないのは、事実でございます。

 しかし、こうした状況の中におきましても、雇用の状況は、雇用情勢には回復が広がり始めているわけでありますが、しかしながら、まだ賃金の伸びは緩やかになっているわけでありまして、家計部門にまだ広がっていないということから、なかなか肌で景気の回復を実感できていないというのが現状ではないだろうか、このように思います。

 しかしながら、格差の問題というのは、まさに景気が回復している中において初めてそうした問題が指摘されるわけでありまして、かつて、一九六〇年代の初頭にも、高度経済成長に入っていく段階においても、高度経済成長が先か、あるいは格差解消が先かという下村・都留重人の論争も行われたわけでございます。

 我々といたしましては、さらに景気回復を持続させる中において、企業の経営環境がさらに改善をされていけば、労働市場がもっとタイトになっていく、そうなっていけば、当然、賃金にこれは反映され、賃金は上昇していくのではないか。我々は、新成長戦略をしっかりと推し進めていくことによってそういう環境をつくり出していかなければならない、こう思っています。

 現在、失業率や有効求人倍率の改善が見られるわけでありまして、また、新規学卒の就職内定率や初任給などの面で少し明るい兆しもあらわれているわけでありますが、日本経済に新たな活力を取り入れることによって、この景気回復を息長く、そしてまた、さらに力強く安定的な成長を目指していきたい、このように考えております。

赤羽委員 日銀総裁にお伺いしたいと思いますが、かねてより、企業部門での収益が家計部門に波及していくだろう、このようなことが語られていたというふうに思いますが、それがなかなか、今、総理の御答弁にもあるように、若干おくれている。そのおくれはなぜなのかと考えられているのか。

 また、この一月の政策決定会合で利上げを見送られたわけでございますが、さまざまな理由があったとは思いますが、この家計部門の消費がおくれているといったこともその利上げを見送られた理由になっていたのかどうか、御説明をいただければと思います。

福井参考人 お答えを申し上げます。

 日本経済全体といたしましては、ただいまの総理の御答弁にありましたとおり、緩やかではございますが着実に拡大している、先行きにつきましても、息の長い拡大を続けるであろう、その可能性が高いというふうに見ています。

 その中で、企業部門は比較的好調な状況で推移しています。収益をとりましても、業況感をとりましても、設備投資の態度を見ましても、そういうことでございます。

 家計部門につきましても、次第に企業の人手不足感が高まってきておりますので、まず雇用者数はふえております。

 あと、賃金の伸びが緩やかなものにとどまっている。雇用者所得全体としては緩やかな増加になっているんですけれども、賃金の伸びが緩やかなものにとどまっておりまして、したがいまして、個人消費は、特殊な事情もありますけれども、足元やや伸び悩んでいる。私ども、基調判断としては増加していると判断しておりますが、足元やや伸び悩んでいる、こういうふうな状況でございます。

 好調な企業部門に比べて、家計部門の改善が緩やかになっている、このことの背景、いろいろな事情はあろうと思いますけれども、私どもは、一番大きな事情は、過去の景気回復局面と違って、今回、明らかにグローバルな競争環境が厳しい中での、つまり海外との切磋琢磨の中での景気回復ないし拡大であるということだと思います。

 企業が、常に国際競争に勝っていくために、賃金の引き上げについて慎重な姿勢をとり続けている。一方、働く側でも、これまでのかなり厳しい雇用環境を経験したということで、なお賃上げよりも安定的な雇用を志向するという面が残っているのではないかというふうに考えています。

 もっとも、この先、やや長い目で見ますと、労働力人口が頭打ちとなります中で、雇用者数の増加が続くといたしますれば、マクロ的な需給、労働需給は一層引き締まっていくという筋合いにございます。そうした中で、企業部門から家計部門への波及の動きも、さまざまなルートを通じて、よりしっかりとした動きになっていくというふうに見ております。

 一番大事なことは、やはり、たとえ緩やかであっても息の長い景気の拡大を続けていく、これが一番大切なことだというふうに思っています。

    〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕

赤羽委員 確かに、総裁が言われるように、マクロとして雇用がふえていくわけだから、マクロとして、総体としての量はふえるけれども、私が言いたいのは、一人一人の賃金はふえていないので、なかなか景気回復の実感ができないのではないか。恐らく、一月の政策決定会合で利上げを見送られたときに、総裁の記者会見では、現状を出発点として先行きを見た場合、生産、所得、支出の前向きな好循環のメカニズムは変わっていないと。しかし、その判断をより確かなものとするために、さらに数々の指標を丹念に検討を加えようということで見送られたというふうに記者会見でありますが、そういったことでよろしいでしょうか。

福井参考人 その大事な点のお答えを失念いたしまして、大変失礼いたしました。

 今委員御指摘のとおり、私どもは、先行きの経済につきましては、生産、所得、支出の好循環が働き続けるもとで物価安定を保ちながら息の長い景気の拡大が続くだろう、こういうことでございますけれども、現在の姿がスムーズに、今展望として申し上げました姿に本当につながっていくかどうかの可能性についてよりしっかり確かめる必要がある。

 足元、特に個人消費を中心に強弱さまざまな指標が出ているという状況でございますので、そこのところは丹念に点検し、さらに分析を重ね、議論を深めたい、こういうことで前回の結論に至っているわけでございます。

赤羽委員 どうもありがとうございます。

 前回の政策決定以降出された指標というのは、実はさまざまなものがございますが、一月二十六日に発表されました消費者物価指数(除く生鮮)も、十二月度は〇・一と極めて低いわけですし、総務省の家計調査、実質の消費支出も十二月はマイナス一・九、賃金の動向も、毎月の勤労統計ですけれども、十二月はマイナス〇・六%。軒並み、やはり足元相当低い数字が出ているということを申し上げておきたい。

 企業部門は好調というふうに申されております、一般にも言われておりますけれども。一口に企業部門といいましても、中小企業の実態とか地域ごとの実情を見ますと、現状はまだまだ厳しいな、こう実感されている経営者の方がまだ多いのではないか、こういうのが私の感じているところでございます。中小企業の実態について日銀としてどのようにまず理解をされているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

福井参考人 経済全体として見ますと、着実な拡大が続いているということでございますが、その中にありまして、確かに、企業規模などによって回復ないし拡大の程度に依然ばらつきがあるというのは事実でございます。過去の回復局面に比べましても、この点、やはり今回の一つの特徴だろうというふうに思っています。

 さまざまな理由があるんだろうと思いますが、先ほども申し上げましたとおり、今回の景気拡大は、国内の構造調整の進捗、それから世界経済の拡大を背景とするものでありますために、どうしても世界経済との結びつきが強く、過剰債務などの構造的な問題に早目にめどをつけた大企業、とりわけ製造業大企業の業況の改善が目立って先行している、こういうことだろうと思います。一方、中小企業の方は、大企業と比べますと景気拡大の実感という点ではおくれが伴いがちだ、こういう状況になっているというふうに思います。

 私ども、さまざまなデータ、そしてミクロのヒアリング等を通じまして、地域経済あるいは中小企業の現状把握に懸命になって努めているということでございまして、今後とも、中小企業の状況を含め、きめ細かく金融経済情勢すべてを点検しながら、適切な金融政策の運営をしていきたいというふうに思っております。

赤羽委員 そこで、中小企業の景況感について、お手元に二枚のグラフを配らせていただいているんですが、一枚目の「三、中小企業の景況感」、日銀短観における中小企業業況判断DIというグラフがございます。これは、いわゆる政策決定会合等々で言われる、かつ使われていることが多かったと思うんですが、この表における中小企業というのは資本金二千万から一億円の企業ということでございます。

 ただ、私どもが経済産業省、中小企業庁からいただいている二枚目の表は、実は従業員二十人以下の小規模企業が約八割を占める一万九千社のグラフでございます。このグラフですと、中小企業庁における中小企業の業況状態というのは、トレンドとしては、二〇〇一年ぐらいの谷間から見ると上昇はしているものの、まだまだ勾配ぶりというのは少ないのではないか。

 この辺の実態を経済産業大臣からお聞かせいただくとともに、今、利上げをするときに、私は個人的には中小企業の皆さんに大変インパクトが大きいのではないかということを懸念するのですが、経済産業省としてはどのように認識をされているのか、お答えいただきたいと思います。

甘利国務大臣 先生御指摘のとおり、大企業は相当元気、しかし中小企業はなかなかそのスピードについていけない。その中でも、製造業はそこそこになってきているけれども、それ以外は相当大変というところであります。また、地域によってもばらつきがありますし、そのばらつきが地域全体の好不況ということを左右しているわけであります。

 金利と中小企業に対する影響でありますけれども、御案内のとおり、大企業は直接金融が中心でありますし、中小企業は間接金融。その割合でいいますと、一億円以上の大企業は借入比率というのは三〇パーを切っている、たしか二八・六だったと思いますが、一千万円以下でいうと、中小企業でいうと六〇%にもなっているわけでありますから、当然、金利変動は中小企業により重くのしかかるということになります。

赤羽委員 私は、別に政治的な圧力を加えるつもりは全くございません。政治家としての考えを申し上げさせていただきますと、現状では、物価の上昇率はゼロ近傍でもございますし、インフレの心配があるという状況でもないと思います。その中で、中小企業や地方の実態というのは極めて厳しい状況があるわけでございまして、なかなか今の状況で利上げを行うことには慎重であるべきだという結論に私は達するのではないかというふうに考えております。

 ぜひ、総裁におかれましては、金融政策を所管するところでございますので、全国的な平均の数字だけを見るのでなくて、検討はされていると思いますが、より地域別、業種別、企業別の、規模別の実態までを丹念に分析をした上で適切な御判断をしていただきたいということを強く要望させていただきまして、この点についての質問を終えさせていただきたいと思います。

 総裁、どうもありがとうございます。

金子委員長 総裁、御退席されて結構です。

赤羽委員 次に、中小企業支援について、何かあたかも小泉政権以後、大企業優先で中小企業はほっておかれているみたいなことを野党の皆さんは言っておるようでありますが、これは全く事実誤認だということを申し上げたいと思います。

 中小企業を支えるというのは大変だけれども、今の政権で全力で支えてきているんだ、前回の中小企業の支援税制についても、減価償却の改正はこれはすべての企業ですけれども、中小企業についても大変な大きなメリットもあると思いますし、内部留保金課税の撤廃とか、特殊支配同族会社の役員報酬の不算入基準の見直しですとか、承継税制の見直し、数々のことをしたわけでございまして、このことについて尾身財務大臣から、こういったことをやり、どれぐらいの減税規模が期待できるのかということを端的にお答えをいただければというふうに思います。

尾身国務大臣 今お話のありました種々の税制改正でございますが、最初の減価償却制度、今までは九五%まで償却が認められていたものを一〇〇%にいたしました。これはまさに、大企業、中小企業ともに適用するものでございまして、減税規模千四百億円でございますが、経済がグローバリゼーションの中で、世界と競争する中で、世界とイコールフッティングにするという考え方でこういう税制改正をいたしました。これは必ず中小企業を含めた日本企業の競争力の強化に役立つものと考えております。

 それから、同族会社の留保金課税でございますが、これは通常の税金を払った後、配当にすればそれ以上の税金はかかりませんが、内部留保にするとさらにプラスアルファの税金がかかるという制度でございまして、これはまさに企業の内部留保を充実するという観点から問題があるということで、中小企業についてはこの制度を全廃する、こういうことにいたしまして、中小企業の内部留保を充実するという考え方で決定をしたわけでございまして、これが二百七十億円の減税規模でございます。

 それから、実質的な一人会社のオーナーに対する役員給与の損金算入を認めないという制限が一部あったのでございますが、これの八百万円以下というのを千六百万円以下に引き上げまして、この点の減税規模、特に、これは中小というよりも零細企業に対する減税規模が百三十億円、こういうことになっております。

 それからまた、生前贈与につきましても、これは非課税枠を五百万円上乗せいたしまして、三千万円にいたしました。

 これらの四つの項目全体を合わせまして、中小企業関係の税制全体で千八百億円の減税ということになっております。対象の企業数は、全体で二百七十万企業がこれによってプラスの影響を受けるということでございます。

 これはまた、中小企業が国の経済全体の活力の源泉であるということにも配慮して、中小企業にも大いに頑張っていただきたい、こういう趣旨で行ったものでございます。

赤羽委員 私は、中小企業に対する支援、こういう税制改正というのは本当に実効性が高いというふうに思っておりますので、ぜひつつがない施行をお願いしたいと思います。

 次に、中小企業支援政策も随分取り組まれているということでございますが、中小企業というのは、私は、マーケティング力が弱い、技術があってもマーケティングが弱いとか、販路がないということとか、人材に乏しいとか、あとは資金調達が弱いとか、やはり弱点がある。この弱点を補う効果的な政策がやはり大事だというふうに思っております。

 今、通常国会で提出予定の中小企業地域資源活用プログラムの創設というのは、この弱点を補う政策として私は評価しておりますが、その点について、経済産業大臣、きょうは何かはけも持ってきていただいているというふうに聞いておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

甘利国務大臣 安倍総理がよく引用されますお話が、広島県熊野町の筆の話であります。書道の筆というのはもう使う人がどんどん減って、こういう言い方は余り好きじゃないんですが、いわば斜陽産業。しかし、あれだけ優秀な素材なんだから、視点を変えると別なものができるんじゃないかということででき上がったのが化粧筆で、これでございまして、この感覚というのは見事なものです。つまり、キャンバスを紙から肌にかえるという発想があっただけでこういうものができた。

 お断りしておきますけれども、私は常時これを持ち歩いて使っているわけではありません、説明用に持っているわけであります。

 ただ、これも、ただ素材をこういうふうにつくったというんじゃだめなんです。そこにマーケティング、市場調査をして、販路の拡大をして、それからブランド戦略というのがなきゃだめなんです。こういう総合戦略があって初めて、世界の一流のメークアップアーティストがこれを使う。逆に言えば、これを使っていないのは一流じゃないというところまで持っていけたときに、斜陽産業はリーディングインダストリーに変わるわけです。これを全国各地で興していこうという国民運動なんです。

 ですから、マーケティング人材を派遣する、そして販路の開拓をする、それからブランド戦略についてのアドバイスをする、そういう人を派遣する、あるいはこういうものを開発するときの補助金をつける、あるいは展示会へのお金をつける、あるいは設備投資に対する減税をする。総合戦略で、しかも、我が省だけじゃなくて、観光カリスマとの連携とかビジット・ジャパンとの連携、いろいろな連携で地域おこしをしようと。そういう中心的になる人材をサポーターとして、今、全国各地百三十八名、私や農水大臣や、その他の大臣のときに連名で委嘱状を発行しました。これからもふやしていきますので、そういう人たちを中心に、第二、第三、第四のこの熊野筆、化粧筆をつくり出していこう、それを地域おこしの運動にしていこうというふうに思っております。

赤羽委員 どうもありがとうございます。

 今大臣言われたように、ブランドというのは地元の人というのは案外わからないんですね。神戸にいますと、有馬温泉が赤い色をしているというのは当たり前なんですけれども、それが他の地域の人が行くとそんなのにびっくりする、それはすごいという話になる。やはり、専門家の交流というのか投入というか、そういったことをうまく仕掛けることが大事だというふうに思っております。

 この仕組みの中に、今時間の関係で御説明はなかったと思いますが、資金面の相当格段な枠というものをつくられているので、ぜひこれは全国各地域に情報が浸透するようにお願いしたいということ。

 もう一つ、今回、いわゆる商工中金が民営化になる、中小企業金融公庫は政府系金融機関として一本化してしまう、地銀や信組は、ある意味では不良債権の処理はこれからだと。私は、中小企業というのはやはり資金調達ということが一番大事だと思うんですが、この点、政府系金融機関の改革等々で細らないかというのを大変心配する声が強いのですが、渡辺行革担当大臣から、そんなことは大丈夫だという決意表明をお願いしたいと思います。

渡辺国務大臣 結論から申し上げますと、大丈夫でございます。お任せください。

 理由は、昨年の行革本部決定の中で、中小企業金融等々、しっかり引き継ぐことになっております。いざというときには危機対応も整備をするところでございますので、お任せをいただきたいと思います。

赤羽委員 力強い御答弁、忘れないようによろしくお願いいたします。

 それで、地域再生についても聞きたかったんですが、相当時間が押していますので、一点だけ、地域おこしの中で、やはり必要な道路網というのが大事だというふうに思っているんですね。道路特定財源の一般財源化の中で、真に必要な道路はつくっていくということと、一般財源化するに当たっては納税者の理解を得るということが約束されたと思います。

 これは、真に必要な道路というのは何ぞやということを明らかにしないと、かつてのような、こここそが真に必要な道路だと言って、という話を繰り返すのはまさに愚かな話でありまして、私は、国交省がつくっているというか、国際空港とか、スーパー中枢港湾とか、いろいろ指定をされている、そこが連結されていない道路網というのは実はたくさんあるわけです。そういったことを、例えば国際物流網道路とかというような、特定をして、明確な基準をつくって、その整備の順番をつくっていくという、明らかな基準をつくるべきだというふうに思うので、その点が一つ。

 もう一つは、納税者の理解を得るということで、よく、道路をつくるのが納税者の理解なんだ、こう言いますが、私はそれだけじゃないと。納税者の理解というのは、やはり、高速料金を下げてほしいとか、そういうことの方が納税者の理解を得る意味では大事なことだというふうに思うので、一般財源化する以上は、ぜひ、高速料金の値下げ、いっとき、無料化にするという荒唐無稽な、財源のあれもないようなことを言った政党もきょうはいないけれどもありましたが、このことについて具体的に活用していただきたい。冬柴国土交通大臣に最後に御答弁いただきたいと思います。

冬柴国務大臣 道路特定財源の見直しにつきましては、五十年ぶりに抜本的改革をやろうということで、その前提となりましたのは、一昨年末の政府・与党合意、そしてまた昨年の骨太政策二〇〇六等で、道路特定財源につきましては税率を維持することとして、そしてまたこれを一般財源化することを前提に、納税者の理解を得つつ、昨年末ですけれども、新たに具体策を策定するという、非常に難しい話なんですが、平たく言えば、私は、受益と負担の関係をきっちり明確にするということだっただろうと思うんです。

 したがいまして、負担の方は従来の税率を、現行税率を維持するということで、それに対して見合う受益は何か、それは真に必要な道路整備を進めるということでありまして、おっしゃるとおり、何が真に必要かということにつきましては、ことしじゅうにその具体の内容を我が方で策定しよう。

 具体的には、年央までに国土交通省で一定の案を示し、また多くの方々の意見を伺いながら、これを全部、完全に、こういうふうにしますということを明示することが一つだろう。それからもう一つは、国民の間に非常にニーズが強い、既存の整備された高速道路の料金の設定が非常にばらばらでして、そういうものをきちっと引き下げの方向で、そしてまた納得いくようなものにしてほしいということが、既存の道路の効率化、機能強化というようなことが非常に大事だと思うわけであります。

 このようなことも踏まえながら、来年の、平成二十年の国会に具体の法案を提案いたしますが、その道路整備の一つのメルクマールとして、今委員が挙げられた、スーパー中枢港湾とかあるいは国際空港と消費地あるいは生産拠点との道路のネットワークということは非常に必要性がありますので、これも一つの大きなメルクマールとなるであろうと私は思っておりますが、現在、省内で検討中の課題でございますので、その程度の答弁で御勘弁をいただきたいというふうに思います。

赤羽委員 ぜひ、冬柴国土交通大臣の強いリーダーシップで本当に意味のある決着を導いていただきたいと思います。

 私の質問はこれで終わりますが、国民生活にとって一日も早い補正予算の成立こそ重要だということを強く申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

金子委員長 これにて赤羽君の質疑は終了いたしました。

 次に、民主党・無所属クラブ所属委員の質疑に入ることといたしておりましたが、質疑者の通告が得られません。

 理事をして質疑者の通告及び野党各会派の御出席を要請いたさせますので、しばらくこのままお待ちください。

 御担当の理事は出席方御要請をお願いいたします。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

金子委員長 それでは、速記を起こしてください。

 理事をして民主党・無所属クラブ所属委員に対し質疑者の通告及び野党各会派の御出席を要請いたさせましたが、質疑者の通告及び野党各会派の御出席が得られません。

 この際、休憩いたします。

    午後四時五十分休憩

     ――――◇―――――

    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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