衆議院

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第13号 平成19年2月22日(木曜日)

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平成十九年二月二十二日(木曜日)

    午後二時開議

 出席委員

   委員長 金子 一義君

   理事 斉藤斗志二君 理事 実川 幸夫君

   理事 杉浦 正健君 理事 園田 博之君

   理事 萩山 教嚴君 理事 森  英介君

   理事 枝野 幸男君 理事 中川 正春君

   理事 赤松 正雄君

      井上 喜一君    稲田 朋美君

      遠藤 武彦君    小野寺五典君

      大島 理森君    大野 功統君

      河村 建夫君    倉田 雅年君

      佐藤 剛男君    笹川  堯君

      杉田 元司君    鈴木 馨祐君

      薗浦健太郎君  とかしきなおみ君

      中野  清君    西村 康稔君

      野田  毅君    馳   浩君

      深谷 隆司君    細田 博之君

      増原 義剛君    三ッ林隆志君

      三ッ矢憲生君    三原 朝彦君

      宮下 一郎君    山本 公一君

      岩國 哲人君    小川 淳也君

      大串 博志君    岡田 克也君

      川内 博史君    高井 美穂君

      高山 智司君    中井  洽君

      原口 一博君    馬淵 澄夫君

      前原 誠司君    松木 謙公君

      大口 善徳君    丸谷 佳織君

      笠井  亮君    佐々木憲昭君

      保坂 展人君    糸川 正晃君

    …………………………………

   法務大臣         長勢 甚遠君

   外務大臣         麻生 太郎君

   財務大臣         尾身 幸次君

   文部科学大臣       伊吹 文明君

   厚生労働大臣       柳澤 伯夫君

   農林水産大臣       松岡 利勝君

   環境大臣         若林 正俊君

   防衛大臣         久間 章生君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     塩崎 恭久君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (少子化・男女共同参画担当)           高市 早苗君

   内閣府副大臣       平沢 勝栄君

   法務副大臣        水野 賢一君

   外務副大臣        岩屋  毅君

   財務副大臣        田中 和徳君

   厚生労働副大臣      石田 祝稔君

   厚生労働大臣政務官    菅原 一秀君

   農林水産大臣政務官    福井  照君

   防衛大臣政務官      大前 繁雄君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君

   会計検査院事務総局第三局長            高山 丈二君

   最高裁判所事務総局経理局長            小池  裕君

   最高裁判所事務総局刑事局長            小川 正持君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  清水  治君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久元 喜造君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 長嶺 安政君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 伊原 純一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 辻   優君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   中根  猛君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    西宮 伸一君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            奥田 紀宏君

   政府参考人

   (外務省国際法局長)   小松 一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           中村 秀一君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         佐藤 正典君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房統計部長)          長   清君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  高橋  博君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  大古 和雄君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  山崎信之郎君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十二日

 辞任         補欠選任

  臼井日出男君     杉田 元司君

  小野寺五典君     とかしきなおみ君

  河井 克行君     鈴木 馨祐君

  中馬 弘毅君     薗浦健太郎君

  小川 淳也君     高山 智司君

  原口 一博君     仲野 博子君

  前原 誠司君     高井 美穂君

  佐々木憲昭君     塩川 鉄也君

  阿部 知子君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  杉田 元司君     臼井日出男君

  鈴木 馨祐君     河井 克行君

  薗浦健太郎君     中馬 弘毅君

  とかしきなおみ君   小野寺五典君

  高井 美穂君     前原 誠司君

  高山 智司君     小川 淳也君

  仲野 博子君     原口 一博君

  塩川 鉄也君     笠井  亮君

  保坂 展人君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  笠井  亮君     佐々木憲昭君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十九年度一般会計予算

 平成十九年度特別会計予算

 平成十九年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

金子委員長 これより会議を開きます。

 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、お手元に配付のとおり政府参考人及び会計検査院当局の出席を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 次に、お諮りいたします。

 最高裁判所事務総局小池経理局長、小川刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。

原口委員 冒頭、高市大臣にはお見舞いを申し上げます。お大事に。質問が終わったら、どうぞお帰りになってください。

 それから、委員長初め、特に与党理事の杉浦理事、中川理事初め多くの理事の皆さんにお礼を申し上げます。前回の質疑の資料、その後、誠実に求めていただきました。

 その出てきた資料、委員長のお許しをいただいて、きょうは二つございますが、まず、前回の続きということで、配付資料別冊の方、沖縄科学技術大学院大学の施設整備関連資料、十の一から十の十二まで、これに沿って質疑をしたいと思います。

 本来だったら大臣とやるんですが、御体調があれということで、できるだけ事務局、簡潔に答えてください。

 まず、同大学院大学のマスタープランを発注したときの契約金額、マスタープランも随契であるということがわかりましたが、それは幾らですか。

清水政府参考人 マスタープランの当の契約金額でございますが、二億四千百五十万円でございます。

原口委員 非常に大きな金額ですよね。

 そうすると、一体、総予算は幾らですか、マスタープランだけで二億四千幾らということであれば。総予算の額を教えてください。

清水政府参考人 総予算、このマスタープランで想定しております事業の規模という御趣旨かと存じます。(原口委員「予算、予算です」と呼ぶ)予算額、事業規模につきましては、このうち建築の基本設計が相当部分を占めておりますが、約三百億から三百五十億円の前提を置いて設計してございます。

原口委員 そこで、皆さんのお手元の十の一をごらんになってください。これが、審議中断後に私や杉浦理事、中川理事にお示しいただいた内閣府の御説明資料です。

 前回、ちょっともうお忘れの方もいらっしゃるかもわかりませんので、おさらいの意味で十の二をごらんいただくと、1の(1)、いわゆる白雲荘の改修工事、これは本来一体のものであったと私は思われるんですけれども、それが、公募型競争入札と、あと二つ随契に分けられて発注をしている。分けた理由がわかる資料を出してくださいと。

 高市大臣は私に、ペーパーで私が求めれば出すよと、官房長官も誠実にお答えいただいたので、十の七に私が求めたものの一覧を示しています。

 なぜこんなに三つ発注する必要があったんだということの答えが、内閣府の十の一の資料でございます。

 十の一をごらんいただくと、十の一というのは表紙の裏側です。つまり、設計がおくれたんだ、設計がおくれて、年度内に工事を完成させるためには、その間、できた設計から発注する必要があったんだと。設計資料、高市大臣見えますか、ちょっとこれはたくさんなんですけれども、これを見ましたよ。

 それで、これが本当におくれたのだろうかと私は思ったんです。平成十七年十一月九日、日建設計、これは日本を代表する設計会社です。大変信頼の高い設計会社。こういう設計会社がおくれるのだろうか、本当にそんなことがあるのだろうかと思って、契約書を出してくださいということを言いました。契約書は十の六でございます。

 内閣府に伺いますが、設計の契約の業務の履行期限はいつでしたか。そして、履行が果たされたのはいつでしたか。

清水政府参考人 平成十七年の十一月の三十日でございます。

原口委員 いや、私は二つ伺っているんです。

 先生方、十の六の第三条というところをごらんいただくと、着手時期が平成十七年の十一月九日ですね。それで、履行期限が平成十七年の十一月三十日。履行期限はいつでしたかというのが一つの質問。それから、実際にそれが履行されたのはいつでしたかというのが二つの質問。二つお答えください。

清水政府参考人 履行期限は十一月三十日でございます。また、履行が果たされましたのも十一月三十日でございます。

原口委員 今、全く同じ日をおっしゃったということは、おくれていないんです。おくれていないものをどうして分離して発注する必要があるのか。理由がこれではわかりません。

 しかも、不思議なのは、今の十一月三十日の一つ上をごらんください。平成十七年十一月十六日、こう書いてあります、「旧白雲荘改修工事」技術資料の交付開始。技術資料を交付開始したんですね。まだ設計はこの時点では終わっていないというふうに見ますが、百歩下がって、今回、発注したところだけが終わったとして、「この時点では実施設計が完了している部分のみで発注」、これはどういう意味ですか。入札の前に発注が生じているんですか。ちょっと理屈が合わないので、教えてください。

清水政府参考人 十一月の十六日に、白雲荘の改修工事に関します公募型競争入札の技術資料の交付を開始して公募の手続を開始したものでございまして、この点については、改修工事のうちの本体的な部分、本体工事と言わせていただきますと、その部分についての公募を開始したものでございます。公募手続を開始したものでございます。

原口委員 私は、強く抗議します。

 皆さんは、まず、設計がおくれたから、その設計のおくれのために発注も分割しなきゃいけませんでしたと、この間の質疑だと、パーティションは後からとか、そういうお答えをされていますよ。

 うそじゃないですか。国会でうそを言っている。これは委員長、決して許せないと思います。

清水政府参考人 お答え申し上げます。

 先日の予算委員会のときに私の方から御説明申し上げた点については、不十分、言葉不足のところがございました点につきまして、先生方に深くおわびを申し上げたいと思います。お許しいただきまして、改めて御説明させていただければと存じます。

原口委員 私は局長を責めるためにここでやっているんじゃないんです。きょう、本会議場で特別会計や特殊法人あるいはこういう独法も含めた行政改革という議論がありました。その中で、本当に補助金が、これは国のお金が入っているから、適正に使われているか聞き取りをしなきゃいけなかったから局長も寝ずに頑張っていただいた、そこはよくわかります。

 しかし、これは私だけに説明されているんじゃないんです。杉浦理事にも中川理事にも、こうやっておくれましたと、この二日間説明してこられたことなんです。それが、今私がお示しした資料でおくれていないということは、それは私たちにこの二日間違うことをずっとおっしゃっていたことにほかならないのです。国会での答弁というのはそんなに軽くないですよ。

 あなたの責任を私は問う気はありません。しかし、どうしてそういう説明を、機構側がしたのを多分そのままおっしゃったんだと思うけれども、したのか。これはちょっと、私、どう判断していいかわからないので、協議をしていただけませんでしょうか。

金子委員長 速記をとめて。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。

 原口一博君。

原口委員 どうしてこういう虚偽の答弁と疑われても仕方のないことになったのかだけ教えてください。

清水政府参考人 設計のおくれと不十分な御説明をしたことについて、改めておわび申し上げます。

 本体的な工事につきまして実施設計全体が完了する前に行いましたのは、本体的な工事をその年度内に竣工させるために早く着手する必要があったこと。さらに、施設整備費についての予算の所要額が、実施設計が進む段階で予算の額を大幅に上回る見込みとなりましたので、工事範囲を限定する必要がございました。それで、全体の実施設計が完了いたします十一月三十日を待たずして、本体工事の実施設計が完了した時点で本体部分について公募の手続に入ったものでございます。

原口委員 求めたことだけ答えさせてください、違う答弁をされています。

 言葉が足りないんじゃないんですよ。ちゃんと私たちにこうやって、これは私がつくった資料ではないですからね、十の一は。皆さんがこうやって、実施設計がおくれたと。こんな大きな、本当に名誉に関することですよ、日建設計みたいな立派な会社が、十一月九日に受けて、しかも、これはそんなに大きな箱物の規模じゃないですよ、この設計会社の規模からすると。そんなの、おくれることがあるだろうかと思って契約書を調べたら、あなたがおっしゃっていたことが全然違っていた。

 日建設計は契約どおり設計をしているんです。そうでしょう。違いますか。違うんだったら違うとおっしゃってください。

高市国務大臣 きのうの時点までで、私自身も局長も認識をしていたのは、先方からの説明を受けて認識をしていたのは、設計がおくれたことで分割発注が必要だという説明だったんですけれども、委員の御指摘で、初めて内閣府内になかった資料も含めて取り寄せました。

 その結果、予算の制約から分割発注したという新しい事実が浮かび上がりましたので、結果的には前回の答弁は間違いであったということになります。これは深くおわびを申し上げます。

原口委員 高市大臣、もうお帰りになって結構です。(高市国務大臣「大丈夫です、責任がありますので」と呼ぶ)いや、質問者がいいと言っているんだから、いいです。

 つまり、今の答弁は誠実だったと評価します。要は、向こうが局長にも大臣にも虚偽の報告をしているということです。私は、その報告をした人間を参考人として呼んでいただきたい、そう思います。理事会で御協議をお願いします。

金子委員長 理事会で預かります。

原口委員 さて、十の四をごらんください。

 十の四、十の五は、その2、その3と言っていますけれども、これは一括でできているんですよ。これをわざわざ分ける理由なんというのは、杉浦先生、一生懸命やっていただきましたけれども、結局わかりませんでした。分けた方が面倒くさいんですよ。そうでしょう、どこからどこまでを分けて随契にするなんて。これ、斜線が入っているところを分けますとか、予算のどうのこうので。

 これを一個一個見たら、不思議なことが起きているんです。今十の四の随契の資料をごらんいただいていますけれども、随契の決裁伺書というのがありました。この決裁伺書をこの委員会に証拠として提示をいたします。理事、委員長にお願いします。

金子委員長 これは配られていないものですか。

原口委員 これは配っていません。

 委員長、日付のところをごらんください。この決裁伺書には日付が入っていないんですよ。

 日付の入っていない決裁がありますか。御説明ください。

 委員長にはごらんいただいていたので、もう一回質問します。

 この随意契約理由書は皆さんのお手元にございます。これに至った理由がわからなかった。だから、その資料を出してくださいと杉浦先生からも強く言っていただいて、出てきたのが決裁伺書でした。しかし、この決裁伺書には、その随意契約の理由もなければ日付さえない。こんな役所の文書がありますか。なぜ日付がない。僕は局長を責めるのが主じゃないので、報告をされていますか。

清水政府参考人 機構の発足後、文書管理が徹底せず、平成十七年度に行われた契約に関する決裁の一部について、当時の文書管理帳簿への記載漏れがあったとの報告を受けてございます。

原口委員 これは決裁そのものなんです、日付が。それがいつされたかということが決定的な証拠なんですよ。

 もう一個伺います。

 こういう入札は官報に出さなきゃいけないんですよ、官報に。独法もそれの対象なんです。私や杉浦先生、中川理事はずっと求めました。そうしたら、あなた方は何と言ったか。独法になったから。あなた方が持ってきた資料を見せましょうか。本当に、怒髪天をつきました。口頭で、その関連の、新聞社に伝えたものがこれですって持ってきたんですよ。

 官報の資料を出してください。随契の理由も、独法であっても出さなきゃいけないと思います。

 会計検査院、これは一般論で結構です。独立行政法人であっても、その入札については、公共事業の適正化法、官房長官、私たちは随分頑張って、談合禁止、廃止、絶滅、頑張ってきましたね、そのために、公共工事というのはすべてオープンなんですよ。

 きのうあなた方は私に、独法ですからそんなのありませんと言っていたんですよ。とんでもないです。もう名前は言いません、役人さんの将来の生命にもかかわるから、役人生命にも。

 だけれども、会計検査院、どうですか。一般論で結構です。適切な公表が必要だ、官報にも開示する必要があると思いますが、いかがですか。

高山会計検査院当局者 お答えいたします。

 会計検査院といたしましては、今後、機構の契約手続等の適否につきましては、機構が情報を開示していなかったことにも着眼して検査を進めてまいりたいと考えております。

 一般論として申し上げましたら、法令上行うこととなっている事務については、そのとおり行っていただくことが必要であると考えております。

原口委員 局長、資料を出してください。官報を出しているはずなんです。官報で、随意契約の理由も、一般競争入札の理由も。もしこれをやっていないとしたら、とんでもない話だと私は思います。会計法や予決令、マラケシュ条約からしても、とても許認されることではありません。

 さて、きのうの夜、突如として、設計がおくれていないということがわかったら、機構は理由を変えました。その変えた理由が、今大臣が少しお話しになった、予算が足りなかったんですと。

 皆さん、十の八をごらんになってください。この十の八、上にファクスのヘッダーがついていますから、〇五年の十一月十八日に株式会社云々というところから送られたものであると思います。これは、きのう皆さんが新たな理由の説明として私たちに提示されたものであります。これは何ですか。そして、いつ送られたものですか。

清水政府参考人 十の八、本工事費仕訳書の資料につきましては、実施設計を担当しております業者より沖縄科学技術研究基盤整備機構に対しまして送られたものでございまして、それは、この実施設計に、旧白雲荘改修工事全体の工事費の額の見積もりでございます。これは、平成十七年の十一月十八日に送られたものと承知しております。

原口委員 時系列で見るのが一番わかりやすいので、またさっきの十の一に皆さん戻ってください。

 十一月十八日、つまり平成十七年十一月十八日というのは、もうこのとき皆さん発注しているじゃないですか。いや、技術資料交付を開始しているじゃないですか。その後に額が出てきたんですか。しかも四億三千万。物すごい額ですよ。なぜ発注の後にこういうものが出てくるのか、とてもおかしくて、ちょっと教えてください、どうしてこんなことになるのか。皆さん、これの二日前に発注しているんです。

清水政府参考人 第一点でございますが、工事費全体がかなり大きな規模になるということで見積もりをしたものが出てきたものでございまして、なお、公募手続が十一月十六日に開始しておりますが、それに基づきます入札のための実施設計の資料につきましては、十一月の三十日に交付するということになっております。

原口委員 では、十分間に合うじゃないですか。

 わけて私が一番知りたかったのは、局長も多分私と同じ、こんなので夜中まで、ああでもないこうでもないとずっと二日間やってきたわけですけれども、局長も被害者だと思いますよ。なぜ三つに分けたかという理由が知りたいんです。ところが、これは理由にならないです、今の御説明だと。

 十の九をごらんになってください。皆さんの予算です。

 これは、平成十七年十月十七日に、今問題となっているちょうど一カ月前ですね、その前に申請をされています。十七年度分の申請額は幾らですか。そして、これは何を示しますか。何を申請されましたか。これは、いわゆる機構の施設整備費補助金を皆さんが申請されていると思いますが、事実関係だけお答えください。

清水政府参考人 白雲荘改修等工事についての施設整備費補助金の交付申請でございます。

原口委員 そこの額は幾らですか。

清水政府参考人 交付申請額は三億三千万円でございます。

原口委員 なぜ私が冒頭、いわゆるプロポーザルで、コンサルタント、これも随契で基本設計も実施設計もやっていたら、この予算額はわかっているじゃないですか。

 ちょうど十の八と九、皆さんこうやってごらんになってください。

 十の九では三億三千万、それが十の八では四億三千万。設計会社は四億三千万の、一億も高いものを出してきているんですよ。それでお金が足りなくなったと。こんなことがありますか。たった一カ月の間で一億も上乗せして設計会社が計算をしてきているんです。

 その次の、十の十をごらんになってください。

 驚きました、これを見て。工事費三億三千万。つまり、今問題になっている施設整備費ですよ。そして、その右の上の隅、一般競争入札(予定)、一部随意契約(予定)と、最初からあるじゃないですか、これ。随契ありきじゃないですか。こんな契約ありますか。

 向こうは何と言っていますか。局長は、その言っていることを言っていただければ結構です。

清水政府参考人 機構から内閣府に対して行われました補助金交付申請書に書かれております一部随意契約という表現につきましては、改修工事に先立って行われる実施設計を想定しているものと聞いてございます。

原口委員 ちょっと今にわかに信じられない答弁だったので、これもうそだったら本当に怒りますよ。皆さん、これは改修工事ですよ。請負ですよ。請負は工事に使うので、設計には使いません。一部随意契約が、これが設計ですか。違うじゃないですか。その隣をごらんになってください。請負契約の方式、改修工事と書いてあるじゃないですか。工事の中にどうして設計が入るんですか。

清水政府参考人 工事費の中に、積算上、実施設計費が含まれてございまして、御指摘の交付申請書の設計欄に該当する金額が本来記入されるべきでございまして、機構の事務処理手続に不適切な点があったところでございます。

原口委員 これは、あなた、その次のページごらんになってください。これは、内閣総理大臣、小泉純一郎さんだったと思いますけれども、小泉総理のときの、それを受けて、通知書ですよ。財務省に出して検討するものが、こんなので財務省が許すわけないじゃないですか。あなた方は、設計料ゼロ円とここに書いてありますよ、設計料ゼロ円と書いてあるのに、これは虚偽の申請を内閣総理大臣、当時の小泉総理になさったということですね。

清水政府参考人 該当欄への金額の記入が不正確であったこと、内閣府においても交付決定前の事前確認が不十分であったところでございます。

 なお、全体として予算の範囲内でございまして、実務的に経費の配分の変更は可能でございましたが、不適切な事務処理があったことは変わりないところでございまして、今後は、より一層公正かつ適正な事務処理に取り組んでまいりたいと思います。

原口委員 会計検査院、こういう工事費の中に、設計料をゼロと言いながら設計料を入れ込んでいるような強弁したものが許されますか。一般論で結構ですから、教えてください。

高山会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 委員の御質問につきましては、会計検査院としては、事実関係を十分把握した上で検討し判断するべきものだと考えております。したがって、今後、沖縄科学技術研究基盤機構などの検査において、委員御指摘の点を念頭に置いて検査を行ってまいりたいと考えております。

 ただ、一般論として申し上げますと、国庫補助事業においては、国庫補助金の交付申請、交付決定、そして実績報告等の各段階におきまして、事業の計画の内容、実施状況、補助金の使用の状況等が正確に記載されるべきものであると認識いたしております。

原口委員 ありがとうございます。

 正確に記載されていないんですよ。しかし、これでちょっと不思議なんです。三億三千でしょう、三億三千なんです。そうすると、(1)、(2)、(3)というか、皆さんがおっしゃっている、これは何というのか、本体というのか、これ全体では三億三千ではおさまらないはずなんです、その2とその3があるから。つまり、この基盤整備補助金ではおさまり切っていないんですよ。それはどこから来たのか、そのお金が。

 競争入札のところの伺書というのもいただきました。そうすると、三つに分けるなんて書いていないんですよ。三つに分けて本当に一般競争入札したんですか。いや、この設計書、その2とその3、ここにあるんです。これ全部入れたら、二億四千万が皆さんの言うその(1)ですよ、その2、その3だけで一億を超えるから、一億二千万だから、三億三千万じゃ足りないんですよ。それはどこから来たんですか、そのお金は。設計料も千七百万も入っている。それはどこから来たんですか。

清水政府参考人 その3の工事、内装工事でございますが、これにつきましては、機構の運営費交付金より支出したものでございます。

原口委員 運営費交付金というのは、色がない渡し切り費だから、予算にもともと立てなくても、それを流用していい、そういう判断ですか。いかがですか。

清水政府参考人 独立行政法人でございます沖縄科学技術研究基盤整備機構でございますが、独法につきましては、自主性を持って事務事業を効果的、効率的に行うということでございまして、財務会計面におきましても、執行における弾力性を確保した方がより効果的な運営が可能であるということで、運営交付金の使途については、その制度の趣旨から、独立行政法人の裁量にゆだねられております。

 したがいまして、このような交付金の使い方につきましても、独法制度の趣旨のもとで、機構の責任においてみずから行ったものであり、許されるものと考えてございます。

原口委員 いや、そんなものはこの予算委員会で通じませんよ。

 だったら、もともと箱物の批判が強い部分の基盤整備の方を小さくして、皆さんがなさったように、もう設計書は出ているのに一部随契にして、そして設計会社が一億ふやしてくれば、運営交付金を減らしてそれを賄うことできちゃうじゃないですか。何のために予算があるんですか。その間に財務省とやらなきゃいけないでしょう。入札をして、三億の入札をかけて二億四千万だったら、その六千万の分についてどうしますかと、財務省とやりとりやっているはずですよ。そして、運営交付金についても財務省とやりとりやっているはずですよ。それを出してください。

清水政府参考人 御指摘の点でございますが、施設整備の費用につきましては、基本的に施設整備費の予算を要求してやっていくものだと考えております。

 また、運営費交付金につきましては、基本的には、その組織の健全な運営に配慮しながら使っていくべきと考えております。

原口委員 私は、そうやっていないから言っているんですよ。やっていたら言わぬ。出してください。皆さんとの間に、機構との間にやりとりした決裁文書があるはずなんですよ。

金子委員長 皆さんというのは。

原口委員 皆さんというのは、内閣府。内閣府と機構、それから内閣府、機構と財務省。だって、そんな、国の予算ですからね、財務省に勝手に区分を変えるなんということもできない。あるはずなので、それを開示してください。いいですか。

清水政府参考人 運営交付金につきましては、機構の設立当初、この平成十七年度で申しますと、平成十七年九月に交付金の申請が行われて、交付金を交付してございます。

 その後の具体的な使途について、その都度、機構より協議が行われるところではございません。(原口委員「いや、だって、受注しているんだから、その間のお金もやっているはずです、財務省と」と呼ぶ)

金子委員長 原口君、もう一遍ちょっと。

原口委員 いや、一般競争入札だって、六千万違うでしょう。その間のお金をどうするかだって、勝手に機構がやったんですか、入札で余ったお金は。余ったというか、低かったですね、七九・九ですね。その分は機構が勝手にほかのところにつけたんですね、随契に。そういう答弁ですよ、あなた。

 そして、運営交付金の流用についても、財務省にも相談せずにやったと。局長も財務省の御出身だと思うけれども、そういう予算の立て方というか使い方があるんでしょうか。

 官房長官、ぜひ必要な資料を開示させてください。少なくとも、やりとりしていますよ。やりとりしないでそんなことを許していいんだったら、運営交付金というもののあり方そのものを見直さなきゃいけない。独立行政法人が基盤整備補助金と運営交付金と、運営交付金を、そんな、基盤整備が足りなかったからといって勝手につけかえていいんだったら、何だってできますよ。とんでもない答弁だと思いますが、官房長官の御決意を聞きたいと思います。

金子委員長 官房長官の前に、役所ベースで何か答弁できることありますか。

 では、なければ、高市大臣。

高市国務大臣 まず、御説明申し上げますけれども、今の原口委員の御指摘を受けまして、まず、私といたしましては、機構の事務局を沖縄から呼びまして、もう一度しっかりと確認をさせていただきます。

 それから、運営交付金につきましても、現在のルールでは、運営に係る長期目標達成に使う、使途の限定もない、そしてこの交付金の内訳が研究事業費と一般管理費になっております。研究事業費はもう絶対そういうことに流用できませんが、一般管理費について、使途の制限がないということでこういう事態になったことだと思っております。

 それから、先ほど御指摘のあった公報の掲載の問題ですけれども、私は、これも今、話を聞いていまして、法律の趣旨にのっとった公表がなされていないということはけしからぬことだと思っておりますので、これは法人を所管する内閣府でも見逃していたということでございます。大変申しわけなかったと思っております。

 それから、もうさまざま機構の事務処理手続に不適切な点があったことが判明いたしました。基本的に、独法と国の関係というところで、法令上私たちがやるべきこと、そして独法にちょっと姿勢を改めていただきたいところ、ここをきっちりと整理しなければいけないなと思っております。

 特に、一応、独立行政法人制度の趣旨では、事前の国の関与を極力排する、ただ、事後における評価の結果を法人の業務に反映させることが必要だということになっております。機構の主要な業務の実施については、やはり的確に把握しなきゃいけないと私は思いますし、また、法令遵守とか業務運営で問題が生じた場合は、是正のための必要な措置をとらなきゃいけないと考えております。

 ただ、これは独立行政法人全体、国全部の、ほかの省庁の所管する独立行政法人全体にかかってまいりますので、一番わかりやすいのは独立行政法人通則法の二十八条、「独立行政法人は、業務開始の際、業務方法書を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」ということでございます。

 実際に、今回の場合は、業務方法書というものは変更されておりませんでしたので、主務大臣に対する報告もなかった。ただ、その業務方法書に記載すべき事項は、競争入札その他の契約に関する基本的事項ということもございます。

 それからもう一つは、事後の評価の権限なんですが、残念ながら……(原口委員「聞きたいことだけに答えてください」と呼ぶ)はい、済みません。

原口委員 官房長官、だから官房長官に聞いているので、ちゃんとやりとりがあるはずなんです、官報も、それからさっきの入札伺書も。僕は、この入札伺書というか決裁書、決裁伺書、これの日付が入っていないのを国会に平気で出してくるというのは、いよいよ怪しいと思っているんですね。ぜひ情報開示をしていただきたいし、私は、こんなことを普通の役人でできるかなと思うんです。

 外務省のときには、特定の政治家の口ききがありました。

 高市大臣に答弁をいただきたい、これはもう最後で結構ですから。さまざまな沖縄関係の予算に特定の政治家もしくは国会議員の口ききがあったとしたらこれは大変なことなので、これは全部久間先生に予算委員会で教えていただきましたけれども、こういうレクのあれも全部メモをとられていて、開示しなきゃいけないんです。だから、私たちはレクのときも大変慎重に言葉を運びますし、ましてや特定のものをどこかに押し込んだりするようなことは絶対にやるべきではないし、やらない。

 沖縄の関連予算について、特定の政治家から何らかの働きかけがあったようなメモが庁内にあったら開示をしていただきたいし、ないと信じるんですが、そこだけ高市大臣からお答えをいただき、そして官房長官に、残りの、いわゆる私が今求めた資料をぜひ開示を、財務省とのやりとりありますよ、ないわけないもの、これだけの予算ですから、それを開示していただくように、お二人の大臣に伺います。

高市国務大臣 私の関係部局でもしも特定の政治家からの働きかけがあった場合、閣僚申し合わせで過去に決定されました「政・官の在り方」に従って私は対応することを心に決めております。

 これは、もしも特定の政治家、国会議員の方から行政の執行を曲げるような働きかけがあった場合、こういう働きかけがあった場合に、まずは官僚は大臣に対して報告しなければならない、そして、大臣は責任を持ってその当該働きかけをした政治家に対して行政の執行がゆがめられないように対応しなければいけない、これを入閣のときに官邸でいただきました。それに従って適正に行政を執行いたしておりますし、そしてまた、実際に働きかけがあったとしたら私に報告があるように徹底をいたしております。

 現在のところ、そのような文書が存在するという事実は把握しておりませんが、存在したら、情報公開法の趣旨にのっとって提出をさせていただきます。ただし、情報公開法で禁じられております、公人以外の個人名を特定できる部分、ここについては、前回提出しました資料も黒塗りになっておりましたが、これは法の規定でございますので、御理解いただきたいと思います。

塩崎国務大臣 今、高市大臣からも御答弁申し上げたわけでありますが、一部監督不行き届きなところもあった、こういうことを認めているわけであります。

 したがって、機構と内閣府、それから内閣府、財務省、こういった間にしかるべき書類が残っているのではないのかという原口委員の御指摘でございます。存在は私自身はまだわかりませんので、確認をいたしまして、存在をするならば、しかるべき手続、法にのっとって御提示をしたい、こう思います。

原口委員 改革はやはり開示からということで、その内閣の姿勢に評価と感謝を申し上げます。

 さて、イラク問題について、外務大臣、防衛大臣、申しわけありません。

 農水大臣にも後で伺いますが、松木委員の質問に対して、アメリカはむちゃくちゃである、アメリカがむちゃくちゃなのでWTOの交渉が決裂したんだという趣旨のお話をされました。それは政府統一見解であるのか、後で伺いますので、考えておいてください。

 イラクの問題について、私はイラク特の筆頭理事をしていますが、前回の私たちの理事会は、政府の説明が不十分で、与党の委員からも大きな抗議があって、特に歴代防衛庁長官からは、こんなもので延長を納得させられると思うなよ、そういう言葉もありました。

 御自身の責任で自衛隊員を派遣している、その派遣をされた防衛担当大臣、当時の防衛庁長官ですけれども、そのお気持ちからすると私は十分考えられるし、国民全体も、一体イラクの航空自衛隊はいつになったら撤収するのか、いや、いつまで活動をするのか、そのことが多くの国民の一番聞きたいところではないかというふうに思います。

 さて、そこで、今のイラクでの航空自衛隊の活動実績、これについて防衛大臣から伺います。

久間国務大臣 現在は、御承知のとおり、航空自衛隊が、クウェートからバグダッドへ、それからエルビルへ、またバグダッドの前にアリに、定期便的に輸送を行っているところであります。

原口委員 もう一個の資料の一をごらんになってください。

 航空自衛隊の活動、私たちはアリ・アルサレムへ参ったわけですが、実は、きのうの特別委員会の質疑で、今おっしゃったアリ、今自衛隊が行っている活動は人道復興支援活動だけではありません、いわゆる安全確保活動もやっている、安全確保活動は、アリへ向かう多国籍軍の兵士を運んでいる、こういうことでありますが、これは間違いありませんか。

久間国務大臣 安全確保活動じゃございませんで、安全確保支援活動でございまして、安全確保に活動する、そういう兵士あるいはまた物資、この輸送を行っております。

原口委員 私は、そこで、非常な危惧、大きな危惧を表明しておきます。

 この間も質疑の中で話をしましたけれども、一九九〇年の十月二十六日、これは冬柴当時の委員が質問されている中に、参加とは何か、協力とは何かという議論がありました。そこで、武力行使を伴う多国籍軍、「国連軍」、これに対して、指揮下に入らず、なおかつ一員として行動しない、この二つが厳格な要件でした。

 私は、内閣法制局そのものの解釈の仕方に非常に疑問を持っています。何が協力かという定義をしないで、その反対概念だけを言って、それ以外は全部あいまいにするというやり方をしている限り、憲法の精神は守られないんじゃないか、私はそう思っています。

 その後、政府は、米軍司令部のもとにあると言いながら指揮下にないと主張をし、多国籍軍の中で行動すると言いながら一員として行動しない、こういう答弁に変えました。

 そしてさらに、今度は二〇〇四年の六月十八日答弁でどう変わったかというと、実は、自衛隊は、多国籍軍の一員として活動しなければ、いわゆるCPAからイラク暫定政府に主権の移譲が行われた後、暫定政府の承認のもとに自衛隊も駐留を続けることになって、多国籍軍の一員として認められる、こういう二〇〇四年六月十八日閣議了解に至ったわけです。

 つまり、一九九〇年には二つの大きな原則を出しておきながら、現状が変わったからといって、この一員として行動しないというところを外したんです。そのことについてきょう議論する時間はありませんが、その上に、では今何をやろうとしているか。今、陸上自衛隊が撤収した後、航空自衛隊が行っている活動は今大臣がおっしゃいました。国連等への人道復興支援活動、多国籍軍への安全確保支援活動、この二つです。

 そこで伺います。航空自衛隊が、今まで陸上自衛隊がいたときには、そこへの物資を運んでいるという理屈が立ちました。しかし、今まさに航空自衛隊がやっている、輸送している多国籍軍の兵士は、そのほとんどが治安維持活動、もっと言えば、テロリストの掃討活動にもいわゆる武力行使を行っている、そういう兵士ではないのか。そうではないという証明ができるのか。いかがですか。

久間国務大臣 同じ軍人といいますか兵士が、人道復興支援もやりますし、あるいはまた、いわゆる平和安全確保活動もやるわけでありますから、それを、武力行使をやっていない、やっているで個人的に分けるということは、現実問題として難しいと思います。

 したがって、私どもは、やはりそういう武力行使の一体化にならないというような前提は置きながらも、その兵士を、人道復興支援活動のための、あるいはまた平和安全確保活動のための活動をやる、そういう人たちを輸送する、そういう任務に徹しているわけでありますから、そこは武力行使とは一体化になっていない。

 武力行使をするために行く、そういう形で、上から、例えば何か武力行使をする、あるいはまた現実に武力行使をそこでやるためにそれを輸送するというような、そういうことをやっているわけじゃございません。

原口委員 非常にシャープな大臣には苦しい答弁ですよね。

 もともと、なぜこういう条文が生まれたかというと、よその軍隊から見て、私たちが武力行使と一体となるような活動を自衛隊がしていない、そのように担保するためにできたんですよ。だけれども、今はその担保が壊れてしまっている、そういう疑いがあるということを指摘しているわけです。現に、米軍は二万人の増派を決めましたが、そのほとんどはイラクの治安、テロリストの掃討、これに大きな労力を割くわけであります。

 私は外務大臣に伺いたいのは、昨年の暮れに出た、いわゆる超党派の議員連盟、有識者が出された、治安、イラクのさまざまな安定化のためのペーパーと、今回ブッシュ大統領が出された政策との間には、二つの意味で百八十度違う。あのペーパーには何と書いてあったかというと、隣国の協力も得て、イランやシリアやそういった国々の協力も得てということですが、その逆の政策をなさっています、ブッシュ大統領は。そして、下院でも増派反対決議がされたということでございますけれども、漸次撤収していく、そういうのが中心だったと思います。

 よく外務大臣は、幼稚だというような御発言をただす問いに対して、日本はアフガニスタンやいろいろなところで成功しているから日本の知恵を使えばよいという趣旨の御答弁をなさっています。だとすると、その御趣旨に沿えば、自衛隊だけでなくて、これからほかに何か、文民をイラク政府に派遣するとか、そういったことをお考えになって御発言されているのか、その意図を伺いたいと思います。

麻生国務大臣 いわゆる超党派というか、共和党、民主党込みという意味だと思いますが、通称ISG、イラク・スタディーグループのことだと思います。

 本年一月に発表されたイラクに対するブッシュの新しい政策とISGのグループという点に関しましては、基本的には、大きな点は二つ違っているんだと思うんです。

 一つは、戦闘旅団を二〇〇八年第一・四半期までに撤退させるというところに対して、新政策は二万人以上、二万人というのは約五個旅団ぐらいになろうと思いますが、五個旅団ぐらいの増派というのが一つの点。もう一つは、イラク、シリアとの関与の必要性をISGが求めているのに対して、イランとシリアとの対話を考えていない、ブッシュの新しい政策は。この二つが、ほかにも細々いろいろありますけれども、ここが一番大きな違いだと思っております。

 この勧告は、いろいろ御自分たち、御自分というのは、ブッシュ政権の中で、政治家や外部の専門家の意見も聴取した上で、最終的に御自分で決断をされて発表されたんだと思いますので、日本としては、イラクの安定と復興というのは、我々はイラクと、安定と復興のために、国連の要請に基づいて送っておりますので、米政府は米政府の結論としてやられたんだと思っております。

 日本としてもっとやれることがあるのではないかという点に関しては、日本として何ができるかというのは、少なくとも今ちょっと情報は、僕は八月に行った以来行っておりませんので、正確な情報がすべてわかっているわけではありません。ただ、北の方のクルドの地域とか南の方のサマワ、きのうイギリスが撤退を、治安権限移譲をして撤退、我々がサマワでやったのと同じことをやろうとしていますので、CNNなんかを見ている範囲では、あの辺は結構普通の生活に戻ってきているような感じの、テレビですから勝手に画像がつくられるのはいつものとおりだと思いますので余り信用しているわけじゃないんですが、信用はしていませんけれども、そういったニュースが出てきておりますので、少なくとも、それを見る限りにおいては、これだけならちょっとやり方がいろいろあるかなとか、訴えてくる話はほとんど医療、学校、食料、大体この三つぐらいですから、そういったものではやれるところがあるんじゃないかなとは思っておりますが、具体的に何か検討しているというわけではございません。

原口委員 具体的な検討に入って、私は、もう、いわゆる武力集団、自衛隊は武力行使に行っているわけではなく人道復興支援をやっているわけですけれども、それも一つの区切りをつけないと、次のステージに入らないといかぬのではないかということを指摘しておきたい。

 これは、バグダッド空港に対する迫撃砲についても、サードパーティールールがあって私たちに伝えられないというのはあったかもわからない。しかし、そのバグダッド空港の安全性ですら問いたださないと私たちに教えてもらえないということであれば、本当の意味での文民統制というか、国会がその素材を決断する材料をやはりきっちり示すべきだ。お二人の前の防衛庁長官がおっしゃったように、まさに、いつまで出すんだ、出すその根拠を、危なくない、そういうところはないのかもわからない、しかし、少なくとも安全にちゃんと確保している、そういう根拠を示してくれという、その強い願いは日本国民全体の願いだということを指摘しておきたいと思います。

 さて、松岡大臣、資料をごらんください。資料の八でございます。

 これが、松岡大臣がむちゃくちゃとおっしゃった米国の価格・所得政策であります。WTOのルールでは、それが提訴をされてそこから何らかの措置がされない限り、その国内措置は許されると私は考えております。米国の価格・所得政策は、まさにこの三本、価格支援融資制度、農家直接固定支払い制度、価格変動対応支払い、この三つだと思います。

 同盟国の政策をむちゃくちゃと言う大臣はなかなか聞かないんですが、どこがむちゃくちゃですか。

松岡国務大臣 原口先生にお答えいたしますが、アメリカの所得政策は、今先生がお示しになった八番のナンバーの資料ですか、そのとおりの仕組みで行われております。

 そこで、私がここで松木先生のときに申し上げたのは、これは客観的な、今のWTO交渉における農業分野、WTO交渉というのは、まず全体があって、農業分野もその一部分であるのですが、今、独立変数としては、農業分野、全体のyイコール農業のx、xは農業みたいなところが今あるわけですよ。(原口委員「yイコールxとは何ですか」と呼ぶ)だから、方程式に例えれば、全体のWTO交渉がうまくいくかいかぬかということを例えれば、かぎを握っているのは農業分野だ。その農業分野の中で何が一番問題になって去年の夏決裂をしたのかといえば、仕組みはこのとおりですよ。

 ところが、いわゆる市場損失支払い、これも、アメリカは青、ブルーと言っているけれども、黄色を通り越しているんじゃないかというような批判も盛んにございまして、そして、アメリカの国内支持を、今、実質二百億ドルあるんです、枠はもうちょっとありますが、それをせめて百五十億ドル以下にしなければ、これは交渉再開とはいかないよというのが、今の各国の、我々も含めた状況です。

 私は、これを一応客観的に言う意味で、まあ、むちゃくちゃという言葉が適切か不適切か、私も同盟国という立場からすれば、これはわかりやすく言ったつもりでありますが、誤解を招くのであれば、余りにも多過ぎるというような指摘があって、そこがネックになってこういう中断という状況に至っている。

 こういうふうなことを申し上げたつもりでありますが、原口先生から御指摘を受けて、同盟国としていかがなものかということであれば、これは穏当を欠くということで、これはひとつ、できればそこは削除していただいた方が正しい、私はこう思っております。

原口委員 WTOで一つのテーブルができるまでは、それぞれの国内政策なんです。我が国は、やはり農家あっての農村であり、それを集約したから農業が成り立つという考え方にはなかなか立たない。北海道は大規模です。大規模農家がたくさんいらして、だけれども、その分リスクも大きくなっている。農家の現状を考えてみると、まさに基幹産業である農業、これをどのように政策的に保障していくかということは、与野党問わない私たちの喫緊の課題であるということを申し上げて、柳澤大臣、二回も、さっき答弁が長くなって御質疑できませんで、申しわけございません。次、たっぷりと質問をさせていただきます。

 ありがとうございました。

金子委員長 これにて原口君の質疑は終了いたしました。

 次に、高山智司君。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 きょうは和やかな感じで進めたいと思っているんですけれども、まず、安倍内閣の忠誠心というので、最近新聞やニュースなんかで見ていまして、何か自民党の偉い人の方からそんなような発言があったんですけれども、これは単なる自民党内の綱引き的なものじゃなくて、国民にとっても、もし忠誠心のない閣僚がいるとなると大問題ですから、これは大変なことだなと思いまして、私も結構憂慮していたんです。

 きょうは総理はお越しいただけないので、官房長官に伺いたいんですけれども、この点に関しまして、ぐっと閣内を引き締めたりとか、あるいは、そんなことはないんだというふうに党に申し入れたりとか、何かそういうようなことをされたんですか。

塩崎国務大臣 皆、忠誠心をちゃんと持って、安倍総理を先頭に一丸となって頑張っておりますので、特に何も私はしておりません。

高山委員 報道によりますと、中川幹事長と小泉元総理と、いろいろ何かアドバイスをもらったりというような話が出ていたんですけれども、どんなアドバイスをいただいたんですか。

塩崎国務大臣 本会議が始まる前に、幹事長室に、小泉前総理、それから中川幹事長、石原幹事長代理ほか、もう十人以上おったでしょうか、たまたま私もそこに行ったらそういう話の輪に入った、こういうことでありまして、さまざまな話がありました。言ってみれば、これからどういうふうに改革をやっていくべきなのか、その心得などについて小泉前総理からお話がいろいろとあった、こういうことでございます。

高山委員 官房長官、きょう、政治と金の問題、事務所費などを伺おうと思っていたんですけれども、この事務所費に関して小泉元総理から何かアドバイスとかありましたか。

塩崎国務大臣 全くございません。

高山委員 これも報道によりますと、小泉元総理の政治団体の自民党の神奈川県第十一選挙区支部と、もう一つの政治団体の小泉純一郎同志会という団体がある、これの事務所費が二重計上されていたのではないかという疑惑があって、家賃二重計上が三年連続、使途不明金が千四百万円というような報道がありました。

 この点に関して小泉総理の方から、事務所費、自分もこういう二重計上をしているというふうに報道されていて、使途不明千四百万というふうに報道されているけれども、何かこの点についてアドバイスとかありましたか。

金子委員長 高山君、いつの報道ですか。その報道というのはいつですか。

高山委員 念のため、この報道は、今私が読んだのは十八年の四月十五日ですけれども、十七年にもありますし、結構毎年ある。多々ある報道です。

金子委員長 いや、その報道がいつの報道かというのをちょっと皆さんに言っておいてください。

高山委員 これは十八年の四月十五日ですけれども……(発言する者あり)いや、出してもいいんですけれども、これのアドバイスがありましたかと、そういうことを官房長官に聞いているんです。

塩崎国務大臣 全くございません。

高山委員 これはいろいろ答弁でも出ているんですけれども、この政治と金の問題は、佐田前大臣ですか、この辞任の問題がきっかけかなというような印象を持っているんですけれども、この点に関して、政治と金の問題、あるいは事務所費等、総理からどういう見直しをやれというような指示がまず出ていますか。

金子委員長 安倍総理からね。(高山委員「安倍総理から」と呼ぶ)

塩崎国務大臣 総理というのはどの総理ですか。

金子委員長 安倍総理です。

塩崎国務大臣 今、小泉さんの話をされていたので。もうそれは終わったんですか。そうですか。

 事務所費について、総理からだれに対して指示があったかを聞いていらっしゃるんですか。(高山委員「まず、閣僚にどういう指示があったか」と呼ぶ)閣僚に対して、特にございません。それぞれ政治資金規正法にのっとって適正に処理をしているということでございますから、何もございません。党に対して、党改革実行本部に、この問題についてよく議論をするようにという指示はあったというふうに聞いております。

高山委員 党の方に対してどういう指示が具体的にあったんでしょうか。

塩崎国務大臣 私に直接あったわけではないので、報道などを通じたりしていることなので不正確かと思いますが、党改革実行本部に対して、そのときに取り上げられていた問題などについてよく検討するようにということだったと思います。

高山委員 これは、以前この予算委員会で、質問して、総理自身が答えている議事録なんですけれども、これによれば、この事務所費についての議論については、各党各派において、この事務所費のあり方、政治資金規正法改正も含めて、議論を行うように指示したところであります、このような答弁を総理されているんですけれども。

 実際、今、うちの民主党に関しましては、この事務所費は、一万円超で領収書も全部添付して、きちんと公開していこうということも決めましたし、それ以前の問題として、我が党は、政治資金の公開に関しては、もう外部監査もきっちり入れて、当初よりしっかりやっているところでございます。

 また、報道によればですけれども、公明党の方も五万円以上の領収書添付というようなことで話がまとまっているそうなんですけれども、自民党の党内が、これは法改正も一応指示されているんですけれども、実際、例えば党の内規みたいな、お手盛りみたいなことで終わらないといいなと思っているんですけれども、官房長官といたしましては、この点に関してどのように希望していますか。

塩崎国務大臣 政府の官房長官として各党各会派にどう、総理が検討の指示をしたということを受けて、私が政府の立場としてコメントするような話ではないと思うんです。それはまさに国会議員同士が議論するべきことだというふうに思います。

 党の問題であれば、党の方に聞いていただく方が正確かと思います。

高山委員 いや、官房長官というのは、結構、党との連絡役、パイプ役だと思うんですね。それで、今官房長官を中心に、党と官邸が一体となって動かれているというような、報道によればですよ、私もわからないので、報道があるものですから。

 私、この点に関しては、またこれ、党の内規なんかで決めてしまいますと、本当はみずから公表したくてうずうずしていらっしゃる閣僚の方とか大勢いるわけですから、やはりきっちりとこれは法改正で決めてもらいたいなと思っているんですけれども、それでしたら官房長官の私見でも構いませんので、できれば法改正できっちりやっていただきたいなというような決意を述べていただければと思うんです。

塩崎国務大臣 まず第一に、官房長官が内閣と自民党との間を取り持たなきゃいけないというのはどこに法律に書いてあるのかというのをちょっと一回聞いてみたいというふうに思います。それが第一点。ぜひ、議院内閣制の原点というのはよくわからないので教えていただければと思うわけであります。法的な根拠ですね。

 それから、私は、先ほど来申し上げているように、内閣の官房長官でありますから、自民党がどうすべきかということについてはコメントする立場にはない。

 個人的にどう思うかということであれば、いろいろ法律というもので今定められている、これに対していろいろな意見が出ている、これについて大いに各党各派で議論してもらいたい。その中には、当然、御党の代表が高額なる不動産を持っている、これについての問題点もたくさん出ているわけで、そういうことについても自民党は今議論を重ねているところであります。したがって、私どもは、あるべき方向性は、これは党や各会派でお決めになることでありますから、それを見守っていくということであります。

高山委員 何かうちの党の話に触れられたので、ちょっとこっちも言うと、佐田元大臣の辞職以降、その後また、おとといかな、閣僚の選挙資金報告「「数字合わせ」に終始 使途不明の余剰金も」とか「収支報告「選挙費用」もずさん 実際と異なる記載 四閣僚」とか、これも報道なんですけれども、報道で結構また出ているんですね。こういった報道や、また小沢一郎代表が先日、事務所費の問題、不動産の問題でみずから進んで政治資金規正法上以上の公開をされたことを受けて、安倍総理の方から閣僚の取りまとめである塩崎官房長官に何か新たな御指示はありましたか。

塩崎国務大臣 特にございません。

高山委員 ちょっとそれ、残念だなという気がいたします。

 というのは、本当に今、安倍内閣の閣僚の方でも、公明正大にみずからどんどん公開したい、もっと国民の政治不安を払拭したいんだというような思いの方は大勢いると思うんですね。うちの民主党の小沢一郎代表も、国民のどういう批判があるのか、不動産は本当に取得していいのかどうなのか、こういう国民的なやはり議論をやっていただこうということでみずから公開されたんだろうというふうに思うんですね。

 ですから、今度は安倍総理の方から、閣僚に対しても、またこの法改正の点に関しても、新たな指示がいただきたいなと思っているんですけれども、官房長官の方から、きょう私の方からまたこの予算委員会でこういう議論が出た、安倍総理も、小沢一郎の事務所費の進んでの公開を受けて、何か新しい指示を閣僚に出してくださいという進言をしていただけますか。

塩崎国務大臣 当然、国会の議論については総理もモニターテレビ等々で見ているわけでありますから、それは御自身が判断をすることであって、私から何かをお願いする筋合いのものではないというふうに思っています。

高山委員 官房長官、では、もう一回、ちょっと更問いなんですけれども。

 私からのお願いなんですけれども、せっかく民主党の方はみずから進んで情報開示しているわけですから、法律の規定があるからとかいうのではなくて、さらに、閣僚の皆さんだけでも何か自主的な公開をするということを総理に進言してください。お願いします。

塩崎国務大臣 大事なことは、政治家が法律にのっとって収支をきちっと報告しているかどうかということと、それと、新しい問題が出てくれば、それは議論して、枠組み、つまり法律を変えていくかどうかということを議論していく、あるいは対応の仕方を変えていくかということを議論することだと思います。

 今の御要望は御要望でありますから、承っておきたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。では、安倍総理に伝わるということを私も期待しております。

 それで、きょうはまず、この政治と金の問題の発端となりました佐田大臣の問題なんですけれども、改めて伺いますけれども、この佐田大臣の辞任の経緯について教えてください。

塩崎国務大臣 何度もこれは御報告を申し上げておりますけれども、佐田大臣、今は議員でありますが、この件につきましては、法律にのっとって適切に行わなければならない収支報告に不適切な処理があったことから、佐田当時の大臣からその責任をとって辞任したいという旨の申し出があって、総理としてその判断を重く受けとめて、了とされたものだというふうに聞いております。

高山委員 済みません。それはだれから聞いたんですか。

塩崎国務大臣 今申し上げたとおり、総理が佐田当時の大臣から受けた言葉で、これを了としたというふうに聞いたというふうに私どもは承知をしているわけであります。

高山委員 佐田元大臣の会計はどこが不適切だったんですか。

塩崎国務大臣 それは、佐田大臣の方に聞いていただきたいと思います。

高山委員 済みません。閣僚の方がもうちょっとやめたいのでというような話があったときに、すぐやめさせてしまうというのは、これは私、本当に問題だと思うんです。ですから、どういう原因なんだ、こういうのは聞いていただきたいと思いますし、本当は聞いたんですよね。どうなんですか。本当は、やめる理由を聞きましたか。

塩崎国務大臣 これもかつて全く同じ質問を民主党の方から受けたと思いますが、一政治家が大臣としてその職を辞したいという政治家としての重たい言葉を発したわけでありますから、その重たい政治家の言葉を受けて、これを了としたということでございます。

高山委員 また、これは報道によれば、総理も任命責任を感じているというようなことでしたけれども、本当にそのやりとりだけだったんでしょうか。任命責任を自分も感じているということであれば、それは、ただ本人が言ってきたからということではなくて、どの辺が不適切だったのかなということを調べるべきだったと思うんです。

 よく、閣僚の身体検査というんですか、俗に言われているんですけれども、これはだれがやるのか私もわかりませんけれども、これもやはり内閣のかなめの官房長官の仕事ではないのかなと私は思っているんです。

 このようなことというのは、まず、少なくとも事後に、佐田大臣がやめた後に、どこが問題だったのかなということを官邸の方で調査はなさいましたか。

塩崎国務大臣 繰り返し申し上げますが、大臣が一政治家として大臣を辞したいというこの判断を受けて了としたということでありますから、それ以上でも以下でもございません。

高山委員 ちょっと、事後的に何も調査をしていないんですか、すごい無責任な感じがするんですけれども。調査をしたんですか、事後的に。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、それを説明せいということであれば、それは議員としての佐田議員の責任だと思います。

 我々としては、特にしておりません。

高山委員 せっかくチーム安倍みたいな、結束力とか仲間意識が高いのかと思っていたら、何かすごいがっかりだなという印象を受けました。

 私、この点に関しまして、佐田大臣のこの問題、どこが問題なのかというのが自分でもよくわからなかったものですから、総務省に、この問題に関して、一体どこが問題なんですかという問い合わせを、新聞記事またいろいろな報道等による事実に基づいて照会しているんですけれども、総務省の方、きょうは政府参考人をお願いしていると思うんですが、この佐田大臣の問題、これは一体何が問題なのか、説明してください。

久元政府参考人 総務省でございますが、私どもは、政治資金規正法に基づきまして、政治資金収支報告書の提出を受け、これを受理し、そして法律の規定にのっとって公表することを任務としておりますので、今の委員の御質問につきましてお答えする材料は特段持ち合わせておりません。

高山委員 いや、これは、報道によればですけれども、要するに、政治資金収支の虚偽記載なのか、あるいは何か記載漏れなのかわかりませんけれども、まさに今答弁した政府参考人の所管のことであり、それが虚偽記載なのかどうなのかとか、こういうのはわからないのですか、総務省では。

久元政府参考人 虚偽かどうかということにつきまして、私ども、必要な調査権などは与えられておりませんので、そのことにつきましてお答えすべき材料は特段持ち合わせておりません。

高山委員 そうしますと、総務省というのは、必要な調査権がないということは、届け出とかはやりますよね、あるいは、その前にいろいろ、これは事務所費に入れていいんですかですとか、これは事務所費に入れちゃいけないんですかなんということを、よく問い合わせがあると思うんですけれども、それはどういう権限に基づいて答えているんですか。

久元政府参考人 私どもは政治資金規正法を所管しておりまして、また、今、事務所費の事柄につきまして言及されましたけれども、収支報告書に記載すべき経費の内訳、また事務所費等の概念、定義みたいなものは施行規則で決めておりますので、そういう規定ぶり等につきまして、これはいろいろなところから照会をいただいておりますので、お答えをさせていただいているということでございます。

高山委員 確かにこれはすごいわかりにくいので、私なんかも問い合わせをすることはもちろんあるんですよ。

 それで、今ちょっとびっくりしたんですけれども、施行規則の規定ぶりですとかそういうことに関してはお答えさせていただいているということですけれども、実際に、このガソリン代はどこに入れたらいいんですかねですとか、そういう当てはめですね、当てはめに関してはどうしたらいいんでしょうか。

久元政府参考人 それは、資金管理団体を初め、それぞれの政治団体の会計責任者が、事実に基づいて正確に記載をしていただくということであろうかと思います。

高山委員 でも、会計責任者の方というのは自分が書くわけですよね。そうすると、その人自身が仮に虚偽記載なんかをした場合には、訴えられたり疑いをかけられる立場の人ですよね。その人が実質的に判断してしまう、これで問題はないんですか。

久元政府参考人 ちょっと御質問の趣旨が必ずしもよく理解できないわけでありますけれども、政治資金規正法の考え方は、事実に基づきまして、会計責任……(高山委員「答えられないのになぜ答えるんですか。委員長、おかしい、これは」と呼ぶ)会計責任者がみずからの判断で事実に基づいて記載をするというふうになっているところでございます。(発言する者あり)

金子委員長 総務省、ちょっと一たん座ってください。

 高山委員、もう一遍、再質問してください。趣旨がわからなかったようですから。

高山委員 会計責任者の方が自主的な判断をして記入していただくというような話をされたので、会計責任者の人というのは、仮に虚偽記載なんかがあった場合に客体になる方の人ですよね。だから、その人が自分で書いて、おれを信じろの世界になるわけですよね。これはちょっとおかしいんじゃないんですかということを今総務省の担当に言ったんですけれども、総務省の方、意味はわかりますか。わかるのなら答弁してください。

久元政府参考人 会計責任者は、まず、政治資金規正法の規定をよく理解していただきまして、また、それぞれ会計帳簿の記載義務もあるわけであります。会計帳簿を記載する際に、それは会計責任者が事実に基づきまして正確に記載する義務が法律上あるということでございます。

高山委員 ちょっとわかりにくいなという感じがしたんですけれども。

 よく、大臣やらその他政治家の方が、総務省と相談してやっていますというような発言が多いんですけれども、そうすると、これは総務省と相談してやれば適法であるというふうに考えていいんですか。

久元政府参考人 施行規則の記載要領の中に、それぞれの経費の意義などが書かれております。その規定の書きぶり等につきまして疑義が生ずることがございました場合に、私ども、いろいろなところから照会をいただくことがあるわけでありまして、それは私どもが恣意的な判断をするわけにもいきませんので、その規定の趣旨なりにつきまして説明をさせていただくということはございます。

 そういうような事柄に基づきまして、それぞれの政治団体の会計責任者が、適切に、事実に基づいて判断して記載をしていただくということだと理解をしております。

高山委員 やはりちょっとわかりにくいな。

 というのは、別に総務省に責任をおっかぶせる気は全然ないんですけれども、結局、私が考えるに、これは政治家の方としては、会計責任者が責任を持って記入する、後は国民の判断にゆだねるんだ、多分これしかないと思うんですね。だって、これは国民の判断にゆだねないで、では、実質的に、これは合っている、間違っている、これは適切だ、適切じゃないという判断、これは一体だれがやったらいいんですか。総務省の方、もし答弁できるんだったら答弁してください。

久元政府参考人 政治資金規正法の考え方は、今申し上げましたような考え方で、出されました収支報告書を公開して、その判断は国民が行うということが政治資金規正法の基本的な考え方であろうかというふうに存じております。

高山委員 念のためなんですけれども、政治資金規正法に記載されているということは、これは最低基準というふうに考えていいんですか。それよりみずから、進んで、領収書をつけたものを公開したりだとか、より細かいものを公開したりすることというのは、何か法律上禁じられているんでしょうか。

久元政府参考人 政治資金規正法で定められたルールというのは、これは法律に基づくルールでありまして、それを超える判断ということにつきましては、これは政治資金規正法を所管する私どもが申し上げるべき事柄ではなかろうかというふうに存じます。(高山委員「禁じられているのかということ」と呼ぶ)それは、禁じられていないことは当然でございます。

高山委員 禁じられていないんだそうです。だから、政治資金規正法上のこと以上のことを出してもいいと思う。というよりは、僕は出すべきだと思いますよ。民主党は、政党支部に対する外部監査をもう既にやっていますし、代表も事細かな領収書つきのも全部出していますしね。どうして自民党あるいは閣僚の皆さんが出せないのかな、これはすごい不思議なんですね。

 やはりその原点は佐田大臣のところにあるんじゃないかなというふうに私、思うんですけれども、党内やあるいは閣僚の間で、佐田さんがただだんまりを決めて説明もほとんどしないでやめていった、これに対するいろいろな批判やあるいは思いというのが皆さん当然あると思うんですけれども、安倍総理はきょういないので塩崎官房長官に伺いたいんですけれども、閣内でそういうような声はありましたか。では、もう一回言いますね。

 佐田元大臣がやめていくに当たり、みずから明らかにして国民の疑念を払拭してそれでやめればよかったのに、何かだんまりを決め込んで、ただ総理に一言言ってやめていってしまった。総理の方もちゃんと、原因は何でなんだ、どこが不適切なんだとただすわけでもなく、臭い物にふたということではないのかもしれませんけれども、そのままやめて、後は全然おとがめもない。これに対して閣僚の中から、これはおかしいじゃないか、佐田さんはやはりちゃんと説明責任を果たすべきなんだ、こういう声は一切上がらなかったんですか。

塩崎国務大臣 高山先生、おとがめがなかったとおっしゃいますけれども、政治家でありますから政治的な、世間の目とかいろいろなものがあって、それなりにやはりつらい思いを佐田議員もされているんだろうと思います。

 説明責任については、佐田議員が政治家として負っていらっしゃることではないかというふうに思います。

高山委員 いや、私が聞いたのは、閣僚の方々の中から、これはきちんと説明責任を果たしてそれでやめるべきじゃないかというような声が上がりませんでしたかという質問なんですけれども。

塩崎国務大臣 職を辞して大臣をやめるということの重みというのは、それなりにやはり重いものだと思っています。だからこそ、大臣を辞したいという申し出に対して、この重い言葉を受けて辞任することを了としたということで、その後の個人としての責任はもちろん佐田議員が負っているんだということを申し上げているわけであります。

高山委員 では、結局佐田議員が説明しなければこの疑惑はそのまま、やみの中みたいな、そういうことなんですか。ちょっとこれは問題だなと思うんですけれども。

 総務省に伺いたいんですけれども、いろいろ虚偽記載の問題やら何やら出ましたよね。これ以降、佐田議員の方から、訂正というのがよくあるじゃないですか、議員の資産の訂正だとか、こういう訂正の申し出があって訂正とかというのはなされたんでしょうか。教えてください。

久元政府参考人 これはまことに申しわけないんですけれども、政治資金収支報告書に関する御質問を国会でいただいた場合には、事前に政治団体の名前を特定していただいて、そして質問の内容を事前に通告していただいているところでありますので、現在、申しわけありませんが、その点につきましては答弁させていただく材料はないところでございます。

高山委員 これは、私、きのうの夜の時点で佐田玄一郎前行革担当大臣について、資金管理団体の名称、住所、会計責任者、職務代行者、選挙時の出納責任者、虚偽記載が訂正されたのか、問題となった事務所の計上につき、総務省に相談があったのか等々、文書で質疑通告しておりますので、今の答弁、撤回してください。

金子委員長 届け、事前レクをしてあるという質問をしているので……(高山委員「委員長、時計をまずとめてください。時間がもったいない」と呼ぶ)久元選挙部長、もう一遍答弁してください。再答弁して。

久元政府参考人 今、高山委員が御指摘されましたものはいただいております。

 この資金管理団体につきまして、私どもこれまでも、例えば予算委員会などでお答えを申し上げるときには、具体的に政治団体について、どういう点を答えるべきなのかということを通告していただいているところでありまして……(高山委員「訂正があったかなかったかだけだから」と呼ぶ)この点につきましては今お答えすべき材料はないということでございます。

高山委員 委員長に申し上げますが、訂正がありましたか、ありませんでしたかというだけですので、これは通告もしていますし、答えられない話じゃないので、お願いします。

金子委員長 ちょっと速記をとめて。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。

 訂正があったかどうかについて、総務省久元選挙部長。

久元政府参考人 お答え申し上げます。

 佐田玄一郎前大臣の資金管理団体は赤城倶楽部でありますが、群馬県選挙管理委員会に確認いたしましたところ、昨年十二月三十一日より後に、政治資金収支報告書の訂正はなされておりません。

高山委員 だから、佐田氏からも何か訂正もないし、これはやはり疑念を晴らすためにも、佐田氏本人に話を聞かなきゃいけないのかなということを思うんですね。

 ですから、委員長にお願いしたいんですけれども、例えば今のことでも、何か、何かを隠しているんじゃないかなという、今、この委員会室にも空気が漂ったと思うんですけれども、やはり、佐田元大臣、この委員会に参考人招致を要求いたします。

金子委員長 理事会で協議をいたします。

高山委員 ちょっと時間がなくなってきてしまったんですけれども、松岡大臣、きのうに引き続き伺いますけれども、きのう、私、農水で質問させていただいたら、この会計に関して、何か自分は全然やってないんだみたいなことをおっしゃっていたんですけれども、いろいろな、今一番疑惑というか、持たれている事務所費の問題ですね。これに関して、正々堂々、大丈夫だと言えるのはなぜなんですか。

松岡国務大臣 なぜ言えるのか、私が直接自分でタッチしていないのにと。

 これは、きのうも先生と、三十分ですかね、随分農水でそれをやったんですが、私の方の事務所、これはもうずっとまじめに正直にやっておりまして、彼らが全部、それにつきましては、全く、すべて事実に基づいたそれを整理し、計上し、報告をいたしておる、こういうことでありますから、私の事務所を通じて、しっかりとそのことを確認して申し上げているわけであります。

高山委員 よく政治家が、何か問題が起きると、秘書が秘書がとかというのがあるじゃないですか。同じ安倍内閣の閣僚の方でも、秘書がやったからといって私が責任をとらないわけではありませんというようなことを言われている方もいるんですけれども、松岡大臣は、それは会計の細かいことですからもちろん秘書にお任せするのは当然だと思うんですけれども、仮に虚偽記載であるとか不適切な事例があった場合に、これは大臣として、何か責任をとられるような考えはありますか。

松岡国務大臣 不適正なことがあるかないかということのお尋ねでありますが、今事務所の方に確認をし、そして事務所のみんながいろいろ確認をして、その上での報告では、そういったことはないというふうに私は報告を受けております。

高山委員 まず、私の質問は、秘書のせいにするんじゃなくて、最終的には、だから、本当に細かいものまで大臣に見ろと言っているんじゃないんですよ、そんなことは無理ですから。そうじゃなくて、仮に虚偽記載なり記載漏れとかそういうのがあった場合に、これはやはり、先生の事務所ですから、松岡大臣に、何か責任をとったり、そういうようなお考えはありますかというつもりで聞いているんですけれども。

松岡国務大臣 高山先生も誤解をされておるんではないか、聞き方に。

 といいますのは、秘書が秘書がとかいうような性格のものとは違うんですよ。もともと、私ども政治家があって、事務所があって、そして政治資金規正法に基づいてどう報告をするか。こういったことについては、ちゃんと会計責任者がおって、そのもとで整理をすることになっておるわけでありまして、それは先生も御存じの上でお聞きになっていると思うんですが。

 きょうは先生も穏やかということでおっしゃっておりましたので、私も穏やかに答えますが、そのようなことでございまして、責任をとるとかとらないとかという問題ではなくて、会計の仕組みといいますか、法に定められたその手続に従ってきちんと報告をしておる、そこには間違いはない、このように私は報告を受けております。

高山委員 わあ、歯切れ悪いという感じがしましたけれども、報告はだれから受けましたか。

松岡国務大臣 それは、事務所のこういったことを担当しておる人間たちであります。

高山委員 いや、複数人言われているんですけれども、会計責任者の人だとか政策秘書の人だとかあるじゃないですか。それはだれから聞いたんですか、別に個人名まで挙げなくて結構ですから。

松岡国務大臣 それは、これを担当しておる責任者初め、みんなであります。

高山委員 これは公表事項なんですよね、資金管理団体の会計責任者であるとか総支部の会計責任者とか。

 これは、今問題とされている事案があるわけじゃないですか。この件に関してみんなというのはよくないと思いますよ。だれの責任なんですか。だって、責任を問わなきゃいけない事態になるかもしれませんもの。だから、だれから報告を聞いたかというのをちょっと教えてください。

松岡国務大臣 お答えいたしますが、会計責任者を初めとする、事務を担当している者たちであります。

高山委員 大臣、先ほどの総務省の説明によればですけれども、会計責任者の人が自分で総務省に問い合わせるけれども、確たることを言われないで、書かなきゃいけないわけじゃないですか。今、もし先生の事務所費が架空計上だとかつけかえだとかこういうことがあるとすれば、その人がやっている可能性がすごい高いわけですよ。だから、だれから聞いたかというのは結構重要なんです。自分が松岡先生に怒られたくないから、隠しているのかもしれないんですよ。だから、だれから聞いたのか、ちょっと言ってください。

松岡国務大臣 会計責任者、そしてまたそれを補佐している、補助している、そういった私の事務所の職員であります。

高山委員 そうしますと、会計責任者の方は、少なくとも、絶対大丈夫です、先生、こういうようなことだったんでしょうか。

松岡国務大臣 私の事務所の会計責任者は、人格、識見ともに十分大丈夫であります。(高山委員「違う違う、報告はどういう、先生大丈夫ですという報告」と呼ぶ)報告どおり、これは間違いないものと私は確信いたしております。

高山委員 今、ちょっと大臣の答弁は微妙に何か問題のすりかえがあるんですけれども。

 大臣の会計責任者が人格ともにしっかりした人物だということはわかりました。そのしっかりした会計責任者の方が、今新聞等でいろいろ騒がれている大臣の事務所費の問題について、先生、全くこれは合法で、全く問題ありません、こういう報告があったんですか。そこを教えてください。

松岡国務大臣 何度も申し上げておりますが、主たる事務所が国会にあるから、家賃がただなのに高いんじゃないかといったことが事の発端だったようでありますが、主たる事務所が国会以外にあった人でも、それは私より、実額において、家賃を除いても多い人もいっぱいいるわけです。

 したがって、そういうような意味において、問題とされているとおっしゃいましたが、私どもは、何で問題になったのかなと。どこか本当におかしなところが明確にあるから、そこを指摘して問題があるというなら私もわかりますが、そうではなくて、今おっしゃいましたように、その点につきましては、私は、全く、きちんとした内容で、問題がない、このように報告を受けておりますし、それは全く問題のないものと確信いたしております。

高山委員 弁護士さんに相談するとかいろいろな方法があると思うんですけれども、大臣がそのように確信を持たれた理由を教えてください。

松岡国務大臣 理由といったって、これは今申し上げたことがすべて理由ですよ。うちの事務所はそんなおかしなことは一切いたしておりませんということがすべて理由ですよ。それ以上の理由はどうやって申し上げていいか。それ以上の理由というのは、もしあなたが反対だったらあなたも同じようなことをお答えになるんだろうと思うんだけれども、それがすべて理由です。

高山委員 先ほどから総務省の方も、実質的に判断権は持っていないんだ、公開して国民にゆだねるしかないんだ、こういうような話だったわけなんですよ。それで、もちろんこれは公開した方が私はいいと思っています。ですけれども、その前段階として、これはまた総務省に伺いますけれども、この収支報告に関して、帳簿があるじゃないですか、元帳、これはどのような取り扱いになっていますか。

久元政府参考人 お答え申し上げます。

 会計帳簿につきましては、政治資金収支報告上報告の義務がない使途等も含めましてこれを記載いたしまして、そして三年間保存をするという義務があるわけでございます。

高山委員 そういたしますと、松岡大臣あるいは会計責任者の方は、この帳簿は確認されましたか。

松岡国務大臣 そのように聞いております。

高山委員 会計帳簿をきちんと精査した上で、全く問題ない、だからこれは大丈夫なんだ、こういうような報告を受けているんですね。確認です。

松岡国務大臣 はい、そのように報告を受けております。

高山委員 会計帳簿の虚偽記載というのですか、こういうのがあった場合には、例えば、自民党の日歯連からの裏金とかありましたよね。あれも、みんな会計帳簿の虚偽記載が問題になっているわけですよね。ほかにも自民党の議員の方で、裏金を記載せずにという人がいまして、これも会計帳簿の虚偽記載ということが問題になったわけなんです。

 そういった場合、会計責任者の方なんかが起訴されたり逮捕されたり、そういうことはあるんですけれども、そういった場合に、大臣はどのような責任をとるということを考えていらっしゃいますか。

松岡国務大臣 失礼な話でして、そういったことはまずありません。

高山委員 では、今度は伊吹大臣にもいろいろと、ちょっと質問しなきゃなと思っていたので、質問させていただきたいんですけれども。

 伊吹大臣も、何度も答弁の中で、総務省、自治省等確認して大丈夫ですというようなことをおっしゃっていらっしゃるんですけれども、実際、自分のところはもう大丈夫だという確信をどうして持たれているんですか。

伊吹国務大臣 私のところは、あなたが国会議員であられたかどうかわかりませんが、平成七年の資金管理団体の制度ができて以来、これは私が党内で携わっていましたから、京都と東京の両方の経理を明風会という資金管理団体でやっております。したがって、京都の経理は京都、東京の経理は東京でやっております。

 もちろん、毎日毎日の帳簿の記入は私がやっておりません。しかし、毎月毎月の項目ごとの月計表を必ずうちの事務所はつくっております。そして、私がそれを点検しております。経費がふえたところはどこだ、何でこれが、こういうところはどういう理由であるか、これは私がきちっと、毎月毎月、明くる月の五日か六日ぐらいですか、チェックをしております。そして、その中で資金の動きにおかしなことがあれば私が問いただしておりますから、何かあれば、当然、資金管理団体の代表者は私ですから、私の責任として処理をさせていただきます。

高山委員 いや、何か、伊吹大臣と松岡大臣、やはりこれは性格ですよね、性格の違いが出るんだなということを思ったんですけれども。

 非常に細かい話を聞いて恐縮なんですけれども、伊吹大臣の答弁の中に、お香典とか結婚式のお祝いというのは、これはだれに払ったかとっておりますよということなんですけれども、こういうのは出していいんですか、そういう政治活動費の中から。

伊吹国務大臣 小川委員の御質問にもお答えしていますし、累次お答えをしておりますが、これは、当然、あなたもそうしておられると思うけれども、政治資金収支報告書なんですよ。だから、ここへは私的なものは、当然、報告書の中へ入れるわけにはいきませんよ。選挙期間中の選挙費用も入れるわけにいきませんよ。架空のものも入れるわけにいきませんよ。政治資金しか報告できないんですよ、政治資金収支報告というのは。ですから、個人的なお香典、個人的な冠婚葬祭は、何度もお答えしているように、当然、これは私的費用なんですよ。

 そして、グレーゾーンみたいなところがありますよ。悩まれることはあるでしょう。例えば、私の後援者である同窓生のお父さんが死んだときは、これは同窓生として友人と考えれば私的資金ですよ。しかし、これを私の後援者と考えれば政治資金ですよ。そこのところは、当然、私は、グレーと言われる、グレーゾーン、どちらでも考えられるなというところは、私の性格からして政治資金には計上しておりませんということを何度も話しているわけです。

高山委員 伊吹大臣、そこまではっきり、随分詳しいようですし、性格的にも、非常に細かく全部やられているということで、私は本当に敬服いたしますけれども、それであれば、小沢代表の方も全部公開しているからみずから率先してというようなお考えは、改めて伺いますけれども、閣僚としてみずから率先して事務所費を公開しよう、こういうお気持ちはありますか。

伊吹国務大臣 これも何度も何度も御党にお答えしていますから、あなたも予算委員会におられたら、小川さんとのやりとりを当然聞いておられたと思いますよ。私は、今ずっとお答えしているようにやっているから、何が疑惑なのか、不透明なのかが今にしてわからないんですよ、私自身。(発言する者あり)だれだ、今そういうことを言ったのは。失礼なことを言うな。

 そして、何度もお答えしているように、これはある政党の機関紙に出たことでしょう。疑惑だとか不透明だとかということをある政党だとか何かが言えば、そしてそれに、率直に言えば、月刊文芸春秋の最後の、三月号の「エンマ帖」を読んでください。そういう雰囲気のもとでマスコミの報道がなされているときに、私が自分だけこれを公開すると言えば、政党で一生懸命政治運動をやっておるところもありますよ。そして、幾つも、おたくの党首だって、公表したとおっしゃっているけれども、それ以外に政治団体、十幾つあるんじゃないですか。そこの事務費はどうなっているんですか。そういうことをみんな合計して、そして公表をしないと、私だけがそんなことをしたら、政敵を陥れようとか相手党をやっつけようということは幾らだって可能になるじゃないですか。

 だから、これは、先ほど選挙部長が答えたように、公表しても構わないんですよ。しかし、公表を強制することはできないんですよ。私は、だから、疑惑だとか不透明だとか、ここでそういうことを各党に言われて公表するつもりはありません。それは公平に、自分たちだけが一方的に選挙の手のうち、経費の手のうちを明らかにさせられるということは、政党政治の常道からいって、その引き金を引くということは私はしたくない。

 だから、すべての政党が、あるいはすべての個人が持っている、資金管理団体以外の団体もすべて合計してみて、あるいは政党の委員会が計上している事務所費も目を凝らして見て、そして公平に手のうちを明らかにしようじゃないかということを各党各会派で決めてくだされば、私は進んでそれに従うと言っているんです。

高山委員 そうすると、我が方の小沢代表が公開はしたけれども、以前と変わらず、各党会派で話し合った結果、基準ができればというところはもう変わらない、こういうことなんですか。(発言する者あり)

伊吹国務大臣 国民に通ずるかどうかは国民が判断をされたらいいことです。

 そして、私は、あるいは閣僚は、これは議員活動に伴うことですけれども、閣僚という立場があるから、やや私は松岡さんとのやりとりを聞いていても、お互いに人間としてはもう少し礼儀正しい言葉を使いたいと思いますよ。しかし、それに耐えながらここで答弁をしているわけでしょう。しかし、小沢さんは答弁の機会がないわけでしょう。だから、みんなきちっと政党で決められたらいいじゃないですか。

高山委員 いや、別に答弁の機会があっても、一切出さないんだったら、そっちの方がよっぽどたちが悪いじゃないですか。記者会見でも何でもやって公開したらいいのになというふうに私は本当は思っていますよ。

 それで、伊吹先生は、御自身で会見もされていますし、本当にやましいことないんじゃないのかなとも私ちょっと思ったりもするんです。

 しかも、私ちょっと言いたいんですけれども、伊吹先生、手のうちを明かしてだとか何か、いろいろなことをおっしゃっていましたけれども、今回問題となっているこの事務所費というのは、これは経常経費ですよね。だから政治活動費とは違うんじゃないですか。いわゆる経常経費というのは、ここに項目がありますよ。この中の特に事務所費なんて、これは総務省からの資料ですけれども、事務所の借地損料、地代、家賃とか、公租公課とか、火災保険金の各種保険金だとか、電話使用料、切手購入代でしょう。こういうのが入っているわけでしょう。それで、こういう費用を公開したところで、それほどこれが手のうちを明かすことになるのかどうなのか。

 よく、政治活動費というのがあるじゃないですか。これに関して言えば、政治活動費は、相手方とか自分がどういう活動をしているのか知られたくないからだとか、こういうことはあるので、そっちはまだ納得できますけれども、経常経費に関しては、ある意味、普通の会社の経営の経費と変わるところがないのじゃないのかなというふうに私は思います。

 それで、ちょっと質問があるんですよ。

 伊吹大臣がいろいろ答弁されているので、昔の話なんかを見た。やはり政治資金が非課税なんですよね。それで、それは何でかといったら、政治活動に使うために使ってくださいねということで非課税なんですよ。だから、これは本来であれば、我々、いただいている歳費以外にいろいろいただいているお金もみんな所得のはずなんですけれども、だけれども、これは、それこそ事務所費に使っているから経費として認めてくださいねとか、多分そういう話だと思うんです。

 特にこの経常経費に関しては、一般の企業で、これは経費なので経費として利益にならないように認めてくださいというふうに、普通の会社だったらこれは当然出しているし、仮に税務署の方がそれは経費として認められないなとか、初めから領収書を添付するわけじゃないじゃないですか、となったときに、いやいや、これは本当にこういう支出があるのでというふうに、こちら側が論証するべき資料として、それでとっておくわけですよね、領収書なんかを。

 私は、そういう発想からすると、それはいろいろな政治活動をやられている方がいるので、私みたいに物すごく微々たる活動をしている人から大臣経験者まで、本当に千差万別だとは思います。だけれども、事務所費ですとかこういうものを、何か、例えば、えっ、会館なんかを使っているのにこれだけ多額のですとか、あるいは、何か飲食費とかそういうのも入っているなどとか、いろいろ報道されていると、国民の側は、ああ、何かやはり怪しいことをしているんじゃないか、また政治不信が募っていくんじゃないのかなという思いが私はあります。

 それで、税務当局のように、総務省が実質的に判断権があって、いろいろ調べて、これはちょっと認められないですね先生とか、例えばそういうことをやるのは私は適切だとは全然思いませんけれども、そういう制度になっているのであれば私はわかりますけれども、結局、本当に、この政治家はこういう事務所費あるいは経常経費をこういうふうに使っているというのを、適切だというのを判断するのは国民しかいないんじゃないかなと私は思うんですけれども、大臣はどう思いますか。

伊吹国務大臣 先ほどから申し上げているように、例えば、事務所費で、では、あなたの今の例で言えば、賃料は事務所費に入りますね。うちが何台の軽自動車を秘書に与えていて、秘書がそれでどこへ、どういう活動をしているかというのは、やはり私としては知られたくないんですよ、率直に言えば。地元の活動をしているわけだから。

 それから、いいですか。(高山委員「知られたくない。何で」と呼ぶ)当たり前じゃないの。よくこちらの言っていることを聞かにゃだめですよ、あなた、横の人と話していたんじゃ。(高山委員「聞いていますよ」と呼ぶ)私が、いいですか、私がどういうふうに秘書を動かしているか。日常、自分の車で動いているのか、何人が車で動いているのか、何人がタクシーで動いているのか、何人が地下鉄で動いているのか、うちとしては、これは選挙対策上のやはり大切なことなんですよ。切手代を幾ら払っているか、どういう通信をしているか、これはみんな関係してくるんじゃないんですか。それはあなたはそう思わないのはいいけれども、先ほどから伺っていると、自分が思わないことを、思わないからといって決めつけるのはよくないですよ。みんなおのおの考えがありながらやっているんだから。

金子委員長 時間が参りましたので、簡潔にお願いします。

高山委員 いいですか、だって、賃料をどこで払っているか、あるいは車を何台持っているかとか、こんなこと、どこを回っているかなんてことは全然、経費見たからといってわからないじゃないですか、どこを車が走っているかとか。そんなこと全然わからない。いいですか、賃料をどこの事務所が払っているかとか。

 私はちょっと残念ですね。伊吹先生は、きっちりやられていて、いつでも公開の準備があるのかと思っていたけれども、何か、余計な隠したいことでも、知られたくないなんということをおっしゃっていましたけれども、何かそういうことがあるんじゃないのかなと思いましたけれども、今、委員長に時間が来たと言われましたので、終わります。

金子委員長 これにて高山君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 生活保護の老齢加算が廃止された問題について質問いたします。

 この老齢加算は七十歳以上の生活保護受給者に支給され、その額は、地方や居住地によって異なりますけれども、東京の場合でいえば、二〇〇三年度までは月額一万七千九百三十円でありました。これが二〇〇四年度に九千六百七十円に引き下げられて、昨〇六年四月にはついに全廃となりました。その結果、最低限度の人間らしい生活が奪われる大変な状況が起こっております。

 そこで、まず柳澤厚生労働大臣に伺いますが、この老齢加算の制度というのは、一九六〇年、昭和三十五年に設けられたものでありますけれども、そもそもどういう理由でつくられたものでしょうか。お答えください。

柳澤国務大臣 今、笠井委員御指摘のとおり、生活保護の中に老齢加算という制度で加算が行われておりました。これは昭和三十五年に創設されたものでございますが、加算の理由としては、高齢者の場合には、それ以外の年齢の者と比べて消化吸収のよい食品が必要になる、あるいは厚着をするための被服費等もかかるだろう、こういう、それ以外の年齢の者と比べてのかかり増し分があるということを根拠にしていたというふうに承知をいたしております。

笠井委員 今挙げられたような老齢者の方に特有、特別な理由、つまりかかり増しというふうに言われましたけれども、そうした理由ということ自体はもう今日なくなったんでしょうか。老齢者の方はもはやそしゃく力が強くなって、肉体的条件も配慮が必要なくて、さらには、社会的費用もいろいろかかります、そういう問題も余分にかからなくなって、特別な理由が解消したということなんでしょうか、廃止したということは。

柳澤国務大臣 老齢加算の創設後、生活保護基準につきましては、加算を含めて、一般国民の消費の伸び以上に、全体として水準を引き上げてきたところでございます。

 ところが、一方、平成十五年から十六年にかけまして、今笠井委員も御指摘になられた、社会保障審議会におきまして、特に生活保護制度の在り方に関する専門委員会でございますが、生活保護基準について検証、評価をいたしました。

 それによりますと、加算を除く基準については一般国民の消費実態と比較して妥当な水準になっている一方、一般の高齢者の消費実態を見ますと、七十歳以上の者の消費支出額は七十歳未満の者より額が低くなっているということが認められたのでございます。ですから、個別の消費あるいは配慮の項目ではなくて、消費支出の水準で比較をいたしましたところ、そういうことになっていたということでございます。

 このため、生活保護基準を一般国民の生活実態に照らして適正かつ公平なものにするとの観点に立ちまして、老齢加算を平成十六年度から、今笠井委員御指摘のように、三年かけて段階的に廃止をいたしました。

笠井委員 私の質問に答えておられないんですよ。

 私、先ほど説明を受けた、かかり増し分と言われた、そもそも設置した理由があったと。老齢者に特有の理由があって、やはり食べるものについてもいろいろ配慮がある、特別にかかってくるし、肉体的条件もいろいろある、暖房費も余計にかかる、さらには社会的つき合いで同じ年代の方の冠婚葬祭もふえてくる、そういうことによってつくったという、その理由自身は消滅したというふうにお考えなのかということを聞いているんです。なくなったんですか。それに答えてください。

柳澤国務大臣 いや、ですから、この制度の考え方というものが、そういう考え方で行う、そういう仕組みで考えるということでなくなったということを先ほどお答えしたつもりでございます。

 つまり、そういう個々の、レベルが一般に低いとき、生活保護の基準が低いときには、そういう勘案すべき要素を非常に細かく積み上げて見なければなりませんでしたが、その後、生活保護基準というものが、全体として物価あるいはそれ以上に上げてきた。そういう現状に照らして、今度は、この評価を、そうしたミクロの、個々の事項ではなくて、全体としての水準として比較をいたしたところ、単身の生活扶助相当消費支出額で見ますと、七十歳以上の方の方が消費支出が少ない、こういうことになったということで、それを理由にして、その社会保障審議会の先生方も、今言ったようなこの老齢加算というものの必要性が乏しいので、それを段階的に廃止に持っていこう、こういう答申をなさったということだと認識をいたしております。

笠井委員 何度聞いても答えないんだけれども、結局、今おっしゃったことというのは、やり方を変えたんだ、つまり、これまでの特有の理由があったということについては、それは変わっていないけれども、違うやり方でやったということなんですよ。

 しかも、今私が非常にひっかかった言葉で、ミクロ、個々の事項と言いました。しかし、こういう方々というのは個々なんですよ。具体的なんですよ。今、本当にそういう点では冷たい答弁だと思います。

 しかも、いろいろと実態調査をしたと言われましたけれども、低所得世帯層の収入、消費水準というのは、そもそも全体として今最低限度の生活基準を下回るものになっている。そのことをもって、この廃止の理由には何らならない。

 しかも、先ほど挙げられた中間取りまとめというのがありますが、この根拠にしている調査結果というのは今から八年前です。厚労省に聞きましたが、一九九九年のものであります。

 今、現実に昨年四月から廃止された結果、たくさんの悲鳴、そして本当に大変だという声を直接私も伺いました。割安の大きなパック入りの総菜を毎日数日かけて食べる、二十年前、三十年前に買った服を着ている、ガス代がかかるために自宅では入浴できない、しない、冬でも暖房をつけられない、同世代の葬儀がふえているけれども香典代が払えないので参列をあきらめている、交通費が工面できずに法事があっても実家に帰れない。特別な理由、事情があってもお金がなくて消費できないというのが実態であります。

 それでは、厚労省に伺いますが、この老齢加算制度の減額が始まった〇四年以来、この三年間に全国でどれだけの不服審査請求が出されたでしょうか。また、去る二月十四日には、都内に住む十三人の方々が廃止決定の取り消しを求めて東京地裁に提訴しましたけれども、それも含めて、全国でどれだけの訴訟が起こっていると把握しているでしょうか。事実関係だけ答えてください。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもが把握しております老齢加算の廃止に関する審査請求の件数は千五百七十二件、訴訟の件数は十件となっております。

笠井委員 まさに、本当に大規模にわたって、もう大変だ、これではもう本当に生きていけないということで、やむにやまれずそういう請求を出されたり、提訴をされているわけであります。

 大臣、衣食住の最低の必要性を保障するだけじゃなくて、やはり老齢加算があって初めて、冠婚葬祭だとか墓参りだとか、その他の社会参加もできた。憲法二十五条の生存権とともに、十三条の個人の尊厳も辛うじて保障されてきたわけであります。七十歳以上の約三十一万四千人の受給者にとっては、老齢加算というのはまさに命綱というものでありました。私は、復活すべきだと、どうかということを伺いたい。

 そして、廃止の結論に至った中間取りまとめでは、その廃止という方向を打ち出すと同時に、こうあります。「ただし、高齢者世帯の社会生活に必要な費用に配慮して、生活保護基準の体系の中で高齢者世帯の最低生活水準が維持されるよう引き続き検討する必要がある。」と。廃止の方向は言うけれども、しかし同時に、最低生活の維持ができるように引き続き検討せよということをあわせて言っているわけですが、廃止はやったけれども、こっちの方についてはふさわしい措置がとられていない。

 専門委員会の最終報告では、消費実態についても、五年に一度の頻度で検証する必要があると言っています。

 既に〇四年のデータは昨年末集まって、現在分析中のようでありますけれども、そういう点では、速やかに実態を検証して、直ちに実態も本当にリアルにつかんで、個々の、それこそまさにミクロのところの実態をつかんで、本当に一人一人ですから、そして、引き続き検討すると言っていた代替措置についてもやるべきじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

柳澤国務大臣 生活保護基準につきましては、一般の国民の生活実態等を見きわめて判断していかなければならない、これは当然のことだと認識をいたしております。

 平成十五年から十六年にかけまして開催した社会保障審議会の、先ほど申した生活保護制度の在り方に関する専門委員会の報告書においても、生活保護基準は、一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているか否かを定期的に見きわめるために、全国消費実態調査等をもとに検証を行う必要がある旨、明記をされているところでございます。これは笠井委員も御指摘になったところかと思います。

 また、骨太の基本方針二〇〇六におきましても、二〇〇八年度には低所得世帯の消費実態等を踏まえた見直しを行うことが明記されているところであり、これらに従いまして私どもとしては綿密な検討を進めてまいりたい、このように考えております。

笠井委員 綿密な検討できちっと、個々のやはりリアルな、本当に深刻な実態にこたえるようにするべきだ。政府は口を開けば、公平とか適正とか均衡というふうに言われますけれども、現実に起こっている貧困と格差の深刻な実態に即していかに政治が対応するかです。

 公平を問題にするなら、私一言言いたいんですが、今、国民と大企業、大資産家の不公平こそ最大の問題だ、これこそ正すべきだということを申し上げて、質問を終わります。

金子委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 引き続き、十四億円の要求が出ております裁判員制度の広報費の問題、裁判所の方に聞いていきたいと思います。

 前回、仲間由紀恵さんを起用した六億円のメディアミックス契約、これについても、写真撮影など主ないわば事業が終了して、事後的に契約が結ばれた、つまり、契約書が締結されて始まったのではないということを小池局長は認められました。

 そこで伺いますけれども、十月二十日に契約書が締結されたということでありますが、小池局長が決裁をされたときに、これは事後的な締結、実態上の作業はもう始まっているということを知って決裁されたのでしょうか。簡潔にお願いします。

小池最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 その時点で、その業者側が、そういった業務の準備行為あるいは一部実行行為をしているということは認識しておりました。

保坂(展)委員 認識していたということは、前回の答弁でも、映画についてもまだ契約をしていないんだ、それから、現在フォーラムで配布されている漫画パンフレットについても、もうできて配っているけれども契約をしていない。会計法上、次々と違反行為を最高裁の経理局長として放置をしているというのは一体どういうことですか。

小池最高裁判所長官代理者 前回も申し上げましたけれども、この一連の広報予算、裁判所から見ますと、例のない多額の予算でございます。これを無駄ない執行をするために、業者から出ている見積書とかそういうものを十分チェックする、そういったものがふなれであったということであります。それから、いろいろ事務がふくそうして、こういう状況になっていた。

 私としては、そこの、無駄な執行をしてはならぬというところに非常に力点を置いていたがために、このようなおくれを招いたのではないかと考えております。

保坂(展)委員 今、見積書に書かれている数字をおっしゃいました。私は、今の小池局長の答弁は非常に今後影響が大きいと思いますね。会計法上規定されている問題についてどのぐらい最高裁は厳密にやっていたのか、根底から問われる事態だと思いますが、この裁判員制度全国フォーラムの見積書には、出演者の出演費、交通費含むということで、一カ所三十万円の五十カ所分ということで千五百万円、見積書に計上されています。そして請求書にも同じ費用が載っております。そして、支払いも終わったということですね。

 この三十万円掛ける五十カ所、この費用は見積もりあるいは請求書どおりに払われていると確認できますか。

小池最高裁判所長官代理者 これは請負をして業務遂行している側のことでございまして、その点については確認できておりませんし、また、それはいわば相手方の領域にある事情である、こういうふうに理解しております。

保坂(展)委員 この見積もりも請求も、これで怪しくなってきたわけですね。

 こちらに、裁判員制度の全国フォーラム、パンフレットにまとめられていますが、平成十七年度で五十カ所なされています。そのうち、パネリストで壇上に並んだ方に向けた謝礼、出演料、交通費含んで一カ所三十万円という予算がついているんです、見積もりの中に。ところが、一円ももらっていませんという方がいらっしゃる。一方、いや、私はいただきましたという方もいるんですね。

 この実態を御存じですか。

小池最高裁判所長官代理者 今御指摘の事柄については、私、存じ上げません。

保坂(展)委員 きのう質問予告のときに五人来られて必死にメモされていたので、予告で局長の耳には入っているはずですよ。よろしいですか。最高裁判所が共催してシンポジウムをやるわけです、裁判所の名前あるいは信頼において。そのフォーラムにおいて、あるところでは出演料が払われるし、あるところでは払われない、おかしいじゃないですか。不適切だと思いませんか。

 では、三十万円、払わなかったお金はどこへ行っちゃったんですか、最高裁に戻ってきたんですか。

小池最高裁判所長官代理者 請負契約の中で、その業者側の方でその費用をどのような形で実行していくかという問題だと存じますけれども、私としては、ちょっとそこのところは存じ上げませんし、また、領域としては、そちらの、業者側の事柄であると理解しております。

保坂(展)委員 裁判所の名前は使わせるけれども、中身は業者に丸投げなんですかね。どのような支出をされようとも知りませんよと。そういうことで国費を執行していいのかどうか。また、要求しているんですよ。

 私は、局長に求めたい。委員長にも前回お願いしましたけれども、この十四日に、さかのぼり契約があったことをお認めになった。その可能性が高いという答弁でしたね。では、いつ契約したのか、まだ返答がないんです。メディアミックスのこの事後的な契約をなぜ行われたのか。あるいは、三億四千九百六十五万円で見積書が三カ所の会社で、これは平成十七年のフォーラムですが、見積もりの段階、企画競争で三社が九けたの同じ金額を出すというのは通常あり得ないですよね。どうしてこういうことになったのか。これは予算審議の最中に、しっかり最高裁から国会に向けて報告してください。これを聞かないと、十四億円を認めるわけにはいかないですよ。

小池最高裁判所長官代理者 今、委員から二つの事柄について御質問があったと存じます。

 一つは、さかのぼり契約の可能性という点、それから十八年の事務のおくれという点でございますが、これは鋭意調査中でございます。

 調査に当たりましては、契約書類、あるいは関係者から事情を聞いております。これにつきましては、もうまとまり次第、公表したいと存じます。

 それからもう一つの、見積もり、業者の方の額の問題でございますが、この点につきましては、前も申し上げたかもしれませんけれども、この企画競争に当たりましては、その企画競争のめどとなる額というものをお示ししました。そういうことが原因で、三億五千万円というところに近接した額の提案がなされたと思います。

 ただ、中身につきましては、企画の中身はバラエティーに富んでおりまして、そこの採点でしたものでございまして、その点の調査については、検討することは否定はいたしませんけれども、談合の可能性は少ないのではないかと考えております。

保坂(展)委員 委員長、お願いしますけれども、私は、今その中身について調査中なんですね、だから、この短い時間で聞けないわけですね。まして、調査中だから答弁も完了しないわけで。予算審議中にしっかり最高裁判所から、この三億四千万円の予算が使われた検査というのはこの一枚の紙なんですよ、ただのファクス。これで支払っているわけですね。こんなような事態について、予算審議中にしっかり委員会に出すように指示していただけますか。

金子委員長 出す、出さないは、もう一遍確認して指示してください。

保坂(展)委員 それだけ答弁してください。予算審議中に、十四億円要求しているんですから、我々この委員会の委員が納得できるように報告をしてくれますね。

小池最高裁判所長官代理者 今、鋭意検討中でございます。そのまとまり次第、公表させていただきたいと存じます。

金子委員長 いやいや、出す、出さないをもう一遍ちゃんと答弁してよ。予算が入っているんだから、出す、出さないがちゃんとしてくれないと。(保坂(展)委員「審議中に出しますね」と呼ぶ)

小池最高裁判所長官代理者 まず、なるべく早期に検討するようにさせていただきたいと存じます。

保坂(展)委員 委員長、指示してください。

 委員長、これは裁判所というのは大変信頼のあるところで、こんなことをやっていたことでみんな驚いているんですね。大変影響が大きい問題ですので、審議中にしっかり委員会に出すように……

金子委員長 要請してください、理事会に。

保坂(展)委員 今、理事会協議じゃなくて、指示してくださいよ、委員長から。

金子委員長 いやいや、こっちへ要請してください。

保坂(展)委員 指示できませんか。

金子委員長 こちらに要請してください。

保坂(展)委員 では、ぜひ、これは必ずこの予算執行のおかしな点について、議事に上がった点について、しっかり納得ができるような報告を予算委員会に対して求めます。

金子委員長 はい。理事会にてこれを協議させていただきます。

 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十三日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十四分散会


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