衆議院

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第18号 平成19年3月2日(金曜日)

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平成十九年三月二日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 金子 一義君

   理事 斉藤斗志二君 理事 実川 幸夫君

   理事 杉浦 正健君 理事 園田 博之君

   理事 萩山 教嚴君 理事 森  英介君

   理事 枝野 幸男君 理事 中川 正春君

   理事 赤松 正雄君

      阿部 俊子君    井上 喜一君

      稲田 朋美君    臼井日出男君

      遠藤 武彦君    小野寺五典君

      大島 理森君    大野 功統君

      河井 克行君    河村 建夫君

      北村 茂男君    倉田 雅年君

      佐藤 剛男君    笹川  堯君

      清水清一朗君    杉田 元司君

      平  将明君    中馬 弘毅君

      とかしきなおみ君    徳田  毅君

      中野  清君    長島 忠美君

      丹羽 秀樹君    西村 康稔君

      西本 勝子君    野田  毅君

      馳   浩君    深谷 隆司君

      福岡 資麿君    福田 良彦君

      藤田 幹雄君    藤野真紀子君

      細田 博之君    馬渡 龍治君

      増原 義剛君    三ッ林隆志君

      三ッ矢憲生君    三原 朝彦君

      宮下 一郎君    武藤 容治君

      山本 公一君    岩國 哲人君

      小川 淳也君    大串 博志君

      岡田 克也君    川内 博史君

      田島 一成君    中井  洽君

      原口 一博君    馬淵 澄夫君

      前原 誠司君    松木 謙公君

      笠  浩史君    大口 善徳君

      丸谷 佳織君    佐々木憲昭君

      阿部 知子君    照屋 寛徳君

      保坂 展人君    糸川 正晃君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   菅  義偉君

   法務大臣         長勢 甚遠君

   外務大臣         麻生 太郎君

   財務大臣         尾身 幸次君

   文部科学大臣       伊吹 文明君

   厚生労働大臣       柳澤 伯夫君

   農林水産大臣       松岡 利勝君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         若林 正俊君

   防衛大臣         久間 章生君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     塩崎 恭久君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       溝手 顕正君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (科学技術政策担当)

   (イノベーション担当)

   (少子化・男女共同参画担当)

   (食品安全担当)     高市 早苗君

   国務大臣

   (金融担当)       山本 有二君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   国務大臣

   (規制改革担当)     渡辺 喜美君

   外務副大臣        岩屋  毅君

   財務副大臣        田中 和徳君

   経済産業副大臣      山本 幸三君

   文部科学大臣政務官    小渕 優子君

   厚生労働大臣政務官    菅原 一秀君

   国土交通大臣政務官    梶山 弘志君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君

   会計検査院長       大塚 宗春君

   最高裁判所事務総局総務局長            高橋 利文君

   最高裁判所事務総局経理局長            小池  裕君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  清水  治君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    小津 博司君

   参考人

   (独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構理事・事務局長)        三木 義郎君

   参考人

   (独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構財務部長事務取扱)       寺本 吉広君

   参考人

   (独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構施設企画グループ総括)     榎田 章三君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二日

 辞任         補欠選任

  稲田 朋美君     馬渡 龍治君

  臼井日出男君     西本 勝子君

  遠藤 武彦君     清水清一朗君

  小野寺五典君     杉田 元司君

  河村 建夫君     長島 忠美君

  倉田 雅年君     福岡 資麿君

  中馬 弘毅君     丹羽 秀樹君

  中野  清君     北村 茂男君

  野田  毅君     平  将明君

  馳   浩君     徳田  毅君

  細田 博之君     福田 良彦君

  宮下 一郎君     阿部 俊子君

  山本 公一君     とかしきなおみ君

  岩國 哲人君     笠  浩史君

  阿部 知子君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 俊子君     宮下 一郎君

  北村 茂男君     藤野真紀子君

  清水清一朗君     遠藤 武彦君

  杉田 元司君     小野寺五典君

  平  将明君     野田  毅君

  とかしきなおみ君   山本 公一君

  徳田  毅君     馳   浩君

  長島 忠美君     武藤 容治君

  丹羽 秀樹君     中馬 弘毅君

  西本 勝子君     藤田 幹雄君

  福岡 資麿君     倉田 雅年君

  福田 良彦君     細田 博之君

  馬渡 龍治君     稲田 朋美君

  笠  浩史君     田島 一成君

  保坂 展人君     照屋 寛徳君

同日

 辞任         補欠選任

  藤田 幹雄君     臼井日出男君

  藤野真紀子君     中野  清君

  武藤 容治君     河村 建夫君

  田島 一成君     岩國 哲人君

  照屋 寛徳君     阿部 知子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十九年度一般会計予算

 平成十九年度特別会計予算

 平成十九年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

金子委員長 これより会議を開きます。

 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 質疑の申し出があります。(発言する者あり)

 速記はとめてください。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。

 質疑の申し出がありますので、受け付けます。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 まず、大臣の通告をさせていただいております。お呼びした大臣がお越しになっておりません。大臣をこの場にお呼びいただきますようお願いいたします。委員長、お願いいたします。(発言する者あり)

金子委員長 今、理事間で協議をしてもらっておりますけれども、ただいまの要求大臣でありますので、こういう前例には応じられないという与党理事の反応でありますので、この要求大臣、事前通告のない要求大臣には応じられません。(発言する者あり)

 質疑の通告はありませんし、大臣要求もありません。財務大臣の範囲での質疑をお願いいたします。(発言する者あり)

馬淵委員 要求大臣がお越しでないようでありますが、そもそも、この委員会は、与党が十分な審議もないままに職権において立て、この予算審議の中では、一人当たりの総審議時間も、過去を見習っても、過去を見ても、一人当たり三時間三十分と極めて少ない時間で無理やり通そうとして、その採決を前提とする委員会を立てる、このような暴挙は許しがたい。

 そして私は、この委員会に、一般質疑の中で、要求大臣として内閣府担当高市大臣、農林水産省松岡大臣、このお二人を要求し、かつ、松岡大臣、WBEF、このNPO認証の問題についてお尋ねをしたいと要求をしております。

 委員長、通告をさせていただいております、要求をさせていただいております、お二方の大臣をお呼びください。(発言する者あり)

金子委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。

 与野党の理事がここで協議いただきましたが、馬淵議員の要請、事前通告がない要求については、受けられないということで対応させていただきます。

 財務大臣の答弁の範囲内で、馬淵澄夫君、質疑を継続してください。(発言する者あり)

馬淵委員 先ほど来より、なぜ大臣を呼んでいただけないんでしょうか。この予算委員会は、この国のこの一年のしっかりとした道筋を決める大事な委員会であり、その中で、要求された大臣については、出席を求められれば出席しなければならないということは定めがあります。憲法の第六十三条、「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」

 はっきりとこの委員会で、明確に私はこの場で、高市大臣、松岡大臣の出席を求めております。直ちに両大臣の出席を取り計らってください。(発言する者あり)

金子委員長 馬淵委員、財務大臣への質問を続行してください。(発言する者あり)

 せっかく質疑者が座っていただいているのですから、財務大臣に御質疑を続行してください。(発言する者あり)質疑を続行してください。

馬淵委員 繰り返し申し上げますが、本日のこの委員会は与野党の合意なく職権で立てられ、さらに、この予算案の採決のために、財務金融委員会、総務委員会並びに本会議も職権で立てる。全く審議を充実させることなく、さらには政治と金の問題という最も今国会で国民の関心事でもあり、議論を重ねなければならないことに対して、全くその求めに応じようとせず、先ほど来私が要求している高市大臣、松岡大臣の両名についても、委員長は一切要求どおりその大臣をお呼びもいただけない。

 この委員会の運びについては、確かに国会審議の在り方に関する申合せというのがあります。しかし、その中にも「質疑者は、原則として、前々日の正午までに質問の趣旨等について通告する。」とありますが、職権にてこの委員会を立てたのは昨日の夜。このことにおいて、私は、だからこそ本日この委員会の中でも明確に両大臣を要求いたしました。

 内閣府から、さらには農水省から、お呼びいただければ五分で来られるじゃないですか。なぜ両大臣をお呼びいただけないんですか。(発言する者あり)それほどまでに政治と金の問題を今国会で審議するのを逃げるんですか、委員長。

 両大臣をお呼びください。(発言する者あり)

金子委員長 先ほど、この件について、速記をとめて両党の理事に、与野党の理事に協議をいただきましたけれども、相調わず、呼ばないということになりました。

 質疑を続行してください。馬淵君、質疑を続行してください。(発言する者あり)

馬淵委員 委員長、当委員会の委員長として公正なお取り計らいをお願いしたい。なぜ委員長は、要求した大臣を呼べないんですか。その法的根拠は何ですか。この委員会においても、当日要求した大臣がこの場にお越しになっている事実があります。なぜ呼べないのか、呼べない根拠を示してください、委員長。

金子委員長 先ほど繰り返したとおりであります。(発言する者あり)

 それでは、ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。

 馬淵君、質疑を続行してください。(発言する者あり)馬淵澄夫君、質疑を続行願います。馬淵君、質疑を続行願います。(発言する者あり)馬淵君、質疑を続行してください。

馬淵委員 繰り返し申し上げますが、憲法で定められた大臣の国会への出席、これを果たさないというのは、まさに政府の欠席戦術であり、審議拒否ではないですか。

 委員長並びに与党の理事の皆さん、私は、この政治と金の問題、今国会、この予算委員会で徹底的に審議をしなければ、国民にそれこそ負担を強いる税という大事なものをどのように使っていくかという大事な審議の場面では政治家みずからが正さねばならない、その場面が予算委員会であると申し続けてまいりました。

 そして、この政治と金の問題については、昨年来より、組閣日にその収支報告書の訂正を行っていた松岡大臣。その松岡大臣がNPO認定に口ききをしていたと報道されている。この問題を置き去りにして予算の審議などできないということを私は申し上げ、この場面に高市大臣、松岡大臣の出席を要求しております。

 繰り返し申し上げる。この予算委員会で、政治と金の問題、これをしっかりと議論しなければ、予算の採決など到底国民が納得するものではありません。当委員会にすぐに呼べるはずです。要求どおり、憲法に定めのあるとおり、欠席戦術や審議拒否ではない、両大臣の出席を求めます。(発言する者あり)

金子委員長 馬淵君、質疑を続行してください。質疑を続行願います。質疑を続行してください。(発言する者あり)

 速記をとめてもらって結構です。

    〔速記中止〕

金子委員長 それでは、速記を起こしてください。

 ただいまから十五分休憩いたします。

    午前十時二十七分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時七分開議

金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 委員の皆様に状況の御報告をいたします。

 休憩をさせていただきまして、理事会を開かせていただきました。そして、これから馬淵委員の要求される二大臣に来ていただくように今手配しております。来次第、開会をいたします。時間は二時間二十分、午前中の部分をこれから継続してもらいます。野党の理事の先生方には、委員会の質問者の手配を今していただいております。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。

 質疑を続行いたします。馬淵澄夫君。

馬淵委員 両大臣にお越しいただきました。

 私のきょうの質疑、松岡大臣並びに高市大臣、報道に上がりましたWBEF、この任意団体のNPO認証にまつわる件につきまして質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 多くの方々、新聞報道をごらんにもなられたかもしれませんが、改めて、今回の報道に上がった事実について、私の方から簡単に御説明をさせていただきたい。

 昨年の九月の二十九日、これは朝日新聞でございますが、新聞紙上に初めて報道に載ったわけであります。「安倍内閣で初入閣した自民党の松岡利勝農林水産相の資金管理団体が、福岡県警から出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで家宅捜索を受けた福岡市の資産運用コンサルティング会社「エフ・エー・シー」の関連団体からパーティー券代として百万円を受け取ったにもかかわらず、政治資金収支報告書に記載していなかったことがわかった。政治資金規正法に違反する行為で、松岡農水相側は組閣当日の二十六日、総務省に訂正願を提出。また、二十九日の記者会見で事実関係を認めた。」まず、これが報道に上がった第一弾でございました。

 このWBEFという団体、ここではエフ・エー・シーの関連団体と記されておりますが、そもそもこのWBEFとはどういうものか、そしてその母体であるエフ・エー・シーとはどういうものか、これを簡単に御説明したい。

 このエフ・エー・シーという会社は、福岡県福岡市にございます。この会社は、教育機材の企画、販売等を行っております。いわゆる小さなベンチャー会社、ベンチャー企業と呼ばれるような企業かもしれません。この会社が関連する任意団体、WBEFと呼ばれる任意団体、これはワールド・ビジネス・エキスパート・フォーラム、こう称しているようでありますが、実質的にはエフ・エー・シーの関連団体として、いわゆる資産運用コンサルを行う上での資金集めの団体として使われていたとされています。

 この会社、エフ・エー・シーがWBEFという団体を使ってNPO法人の申請をされたのは、二〇〇五年であります。二〇〇五年、今から二年前に、平成十七年にWBEFはNPO法人申請を内閣府に行いました。そして、このNPO法人申請が内閣府において審査をされていくわけでありますが、昨年の六月六日であります、このNPO法人申請がなされているWBEFの母体のエフ・エー・シーという会社に家宅捜索が入りました。家宅捜索の容疑は、出資法違反容疑であります。

 約八千人の方から百三十億円もの出資金を募集している。その出資金の募集の仕方というのは、例えば、教材等を、ビデオ等を、百万円を出資してもらえればこれを送り、そしてまたそこから毎月五万円の配当。百万円を払うと教材ビデオが送られてくるんだ、そして毎月五万円の配当があり、さらにそれを、新たに出資していただく方を探していくと二万円もうけられる、こうした情報がWBEFが公に発していた情報でありました。

 このことについては、WBEFは任意団体でありますから、実質的にこのWBEFという任意団体を動かしているエフ・エー・シーという会社に、具体的に福岡県警が六月の六日、家宅捜索を行ったわけであります。

 そして、同日付でありますが、六月六日付でこのWBEFのNPO法人申請は不認証となりました。つまり、二〇〇五年、平成十七年に申請されたWBEFのNPO法人申請は、翌年の六月に不認証になったわけであります。

 さて、こうした団体から松岡大臣が寄附を受けておられた、すなわちパーティー券ですね、寄附というかパーティー券の購入をしていただいていたということが九月二十九日の報道で発覚をいたしました。そして、これについては、松岡大臣は記者会見で、WBEFとのつながりは私も私の事務所もございません、このように説明をされておられます。

 この問題には、衆議院の当予算委員会でも触れられました。昨年の十月十日、我が党の、今予算委員会の理事をされておられます中川委員が、この予算委員会の席で、「マスコミでいろいろ騒がれています。献金を受けてはならないところから献金を受けたといって、返したという話になっていますけれども、」ということで尋ねられています。これに対して、松岡大臣はこう答弁をされています。「この組織とは全く面識もなく、一切の関係もございません。」このように松岡大臣は答弁をされました。

 一切関係ないというところから、しかし、パーティー券の購入をしてもらっていた。しかも、これは収支報告書には記載がされていなかった。記載がされていないということから、松岡大臣は、このことについては御自身は一切かかわりないと十月十日に答弁をされているんですが、組閣当日、すなわち、大臣の入閣日に、この収支報告書の訂正を行っておられます。九月二十六日に、松岡利勝新世紀政経懇話会、これが資金管理団体でありますが、WBEFの百万円の記載を新たにされ、訂正をされておられます。

 さて、このように、松岡大臣は、御自身とは一切関係ないと衆議院の予算委員会で答弁をされたにもかかわらず、現実には、九月の二十六日に収支報告書の訂正を行われている。全く御自身は関係ないとおっしゃっていたにもかかわらずでありました。

 そして、重ねて報道が上がりましたのが一月の一日であります。これも朝日新聞でありますが、一月の一日にこういう記事が出ました。「松岡農水相秘書が照会 NPO審査「よろしく」内閣府に記録 大臣の会見と矛盾」このように報道されています。「「WBEF」のNPO法人申請をめぐって、松岡農林水産相の秘書から、審査状況について照会を受けたとする内部文書を内閣府が作成していたことがわかった。」こう報道されたわけであります。

 内閣府の内部文書、一体これはどういうものなのか。これについて、松岡大臣のその事務所は、一月一日、報道が上がって、その日のこれは夜であります。その日の夜に「報道機関各位」という形で「本日付の一部報道について」という文書を配付されました。内閣府にあるメモの指摘をされた、これに対しては、松岡大臣の衆議院議員松岡利勝事務所として「WBEFのNPO法人申請に関して内閣府に働きかけをした事実もありません。」こう報道機関各位に文書の提出をされました。

 さて、内部文書でありますが、これは日付を見ますと昨年の三月二十八日付であります。三月二十八日に、内閣府において内部文書が作成をされました。「特定非営利活動法人WBEFについての対応」というメモでございます。ここには、三月十三日、松岡利勝事務所の秘書から、これは秘書と名前が書いておりますが、「当該団体の審査状況について照会があり、審査中と回答。秘書からよろしくお願いしたい旨連絡。」このように書いてあったわけであります。この文書が、一月一日の朝日新聞の報道によって明らかになりました。

 まさにここは、松岡大臣が全く関係ないと言っていた団体に対して、組閣当日に収支報告書の訂正を行い、御自身の国会答弁では、一切関係ございませんとお答えされていたにもかかわらず、その年の〇六年三月二十八日付の内閣府の文書にははっきりと、松岡利勝事務所の○○秘書からということで、この照会の事実が書かれておりました。それでも、松岡事務所は、この事実は全くありませんと否定をされておるわけであります。

 さて、こうした中で、松岡大臣は、一月の五日に閣議後の会見をなさいました。文書を提出された。十月十日には否定をし、そして一月一日には事務所から文書を出し、事実はありません、そのように書かれたわけでありますが、一月五日、これは農林水産大臣記者会見として、本省会見室において、閣議後、十時四十八分から十一時十九分、大臣みずからがこの件についてお話をされておられます。

 記者の質問に対して大臣はこのように答えられている。「いずれにいたしましても、私のサイドから内閣府に対して働きかけや要請を行った事実はございません。」このように答えられておられます。さらに、大臣自身は、この記者会見において、「初めて聞きましたので、分かりません。」こう答えられておるわけであります。これは一月五日でございました。

 この問題については、その後、大臣が公の場で発する場面というのはなかったかと私は記憶しているわけでありますが、松岡大臣、一月五日の記者会見においては、これは、「要請を行った事実はございません。」ということで、また御自身も、「初めて聞きましたので、分かりません。」このようにおっしゃっておられます。大臣、端的にお答えいただきたいんですが、このように、この段階では初めて聞いたのでわからないというのがその御自身の会見の主たるトーンでありました。

 改めて確認いたしますが、大臣、この件については事務所に確認をされましたでしょうか。このときは、初めてお聞きされたということでありましたが、事務所に確認をされましたでしょうか。そして、この事実について、内閣府に対して「私のサイドから」ということですから、この「私のサイド」とは何を意味するのか。「働きかけや要請を行った事実はございません。」というこの会見のお答えに対して変更はありませんですか。端的にお答えください。

松岡国務大臣 随分いろいろ、朝日新聞をベースに、馬淵先生も御一緒に調べられたのか、調査されたのかわかりませんが、そういう御指摘がございましたが、まず端的に申し上げますと、中川委員に先般の臨時国会でお答えいたしましたように、この組織とは面識もなく、一切直接の関係はございませんと。全くそのとおりであります。

 それから、今、「私のサイド」というのはどういう意味かということでありますが、それは、私の事務所という意味で「私のサイド」、こういうふうに申したと思いますが、そのような意味でございます。そして、これについて、一切働きかけや、言ってみれば要請をした事実はございませんと。これも全くそのとおりでございます。

 そして、この一月一日の報道ということに対しての私の事務所の方から出した文書につきましては、全部を読まずにいいところだけ、いいというのは馬淵さんに都合のいいところだけ読んだり紹介したりされていますが……(馬淵委員「もう端的で結構ですから」と呼ぶ)いや、端的と言ったって、あなたはいろいろ言って、こっちも言っているんだから、それは端的というわけにはいかないですよ。秘書が、だから、記事を前提にしても……(発言する者あり)

金子委員長 御静粛に。

松岡国務大臣 秘書が審査状況について照会したとあるだけで、いわゆる働きかけをしたようなことは書かれておりませんし、したがってそういった事実はありません、こう申し上げたわけであります。

 以上です。

馬淵委員 今、松岡大臣は改めて十月十日の答弁と変わりないということをお話をされました。

 続けて、この記者会見のときにお話をされたことについて確認をしていきたいと思いますが、この記者会見では、松岡大臣は、秘書が働きかけを行ったというこのメモについては、これは事実はないと、このように答えられたわけでありますが、記者の方からはさらに重ねて質問がされております。これはどういうことかというと、記者さんから、依頼もしていない、電話もかけていない、このようにおっしゃっているけれども、全く無関係であるだけでなく、何の行為もしていないということをおっしゃっているわけですよねと、このように尋ねられると、「私は、していませんね。」と、このように依頼や電話については自身はされていないと、このように答えられています。そして、これについては「今まだ確認ができていない」ということでありましたが、確認をされた上でも、今ないとおっしゃった。「私のサイド」というのは事務所も含めてというふうにおっしゃった。

 その上で、秘書さんからは、三月十三日、つまり内閣府のメモにあるように照会があった後に、この内閣府の担当者、これは市民活動促進課長、この担当者が、この秘書さんに連絡をとった。一たんこうした確認を、いわゆる「よろしくお願いしたい旨」というのが入ったので、これについて松岡事務所に連絡をとった。これについては、松岡大臣は、このときは「把握しておりません。」と答えられておりますが、いかがですか。これもイエスかノーでお答えください。

松岡国務大臣 前後の関係も含めて正確にお答えしておいた方がいいと思うので申し上げますが、意図的にいろいろお聞きになっているのでこちらも正確にお答えしておいた方がいいと思うんですが、私の方の秘書は、これは、自分としての記憶はそういうふうな記憶がない、思い出せない、こういうことを言っておったのは事実でありますし、今もそうでありますが、しかし、内閣府の方にそういう記録がある、問い合わせがあったと、照会があったと。

 そしてまた、この団体との関係において、この団体を知る人、これは私の後援者でございますが、この方が知り合いという形でパーティー券のことについても購入を依頼していただいて、その結果購入があった、こういうことであります。

 既にそれは、それまで全く気がつかなかったわけでありますけれども、何で気がつかなかったというのは、その後援者の方が一人で二十万円という記載をしなきゃならないような形では買ってもらっていないと思うから、何人かの分だからということで、こちらも安易だったんですが、それを受けとめて、したがって、いろいろな、数が多いものですから、そういうことでこれは記載をしなかった。そのことを指摘されて、二十五日の夕方近くになってそういった指摘があって、さらに念のため郵便貯金を調べてみたら確認ができたので、もうその日は遅いですから、二十六日の朝、イの一番で訂正をしたというのが事実であります。

 このことについては、理由はどうあれ、ちゃんと記載をしていなかったことについては、私は、まことに申しわけない、こういうことで、国民の皆様にも、また関係者の方々にもおわびを申し上げたわけでございます。これがまさにパーティー券に関しての処理でございます。

 そして、また今、今度は、三月十三日ですか、あったかなかったかと。問い合わせをしたのか、しなかったか。

 秘書は確認ができていませんが、内閣府の方にそういう記録がある。そしてまた、その知り合いの後援者の人に確認をしましたら、いや、日程の確認をしてもらったということがあると。こういうことなものですから、何で、頼まれてそして聞いたのに本人が覚えていないか。

 これはどうも、本人が言うには、それは、そんな内容がどうも印象的なことで全く記憶に残っていないと言うものですから、そういうような、記憶にないということですから、これは、いろいろなことがあって、そういう印象深いものがなければ覚えていないこともあり得るなと。しかし、前後の関係からして、これは、そういう問い合わせがあったのは事実だろう、私はそう判断をしたわけでありまして、そういうことであります。

 だから、秘書が記憶になかったという点だけをとらえて、なかったのかといって、それはなかったということだけでまた何かいろいろ考えておられるようでありますが、正確に申し上げておきますと、そういうことで、前後の関係からそれはあったと判断せざるを得ない、こういうことも私は記者会見で申し上げているわけであります。

馬淵委員 確認をされていなかったということですか、今のお話ですと。

 結局、事務所の方は記憶があいまいだと。それで、こうした報道にも上がるような政治と金の問題が問われているわけですから、大臣、それでいいとお考えなんでしょうか。この国会の中では最も重要な事項として、国民の関心ある中で、これは大臣、一月五日に会見で答えられた後、なぜ確認もされないんですか。

 さて、そこで、この当時のことで言いますと、昨年の五月ごろ、この市民活動促進課、ここで、先ほど申し上げたように、三月十三日の審査の状況の照会があったので、市民活動促進課長が松岡事務所に電話をした、このように記者の取材に答えられているんですね。そして、その記者の取材に対しては、事務所に電話したんだけれども、その秘書さんはいらっしゃいますかと聞いたところ、いや、その秘書さんは、ここには、秘書さんから連絡いただいたのですがと切り出したところ、うちにはそういう秘書はおりませんとの対応で確認できなかったんだとこの市民活動促進課長はおっしゃったそうです。

 さて、高市大臣、これはもう端的に、これはもう事実だけで結構なんですが、高市大臣は、このことを一月五日のその記者会見で聞かれ、御答弁をされています。内閣府から松岡事務所に電話で確認をされた事実を高市さんは承知されておられますか、このように聞かれて、高市大臣は、聞いておりません、内閣府側から松岡事務所に電話されているという報告は受けてないですか、受けておりません、こうおっしゃっておりますが、高市大臣、これは記者が確認した事実と違うんですが、改めて確認します。

 この内閣府側から松岡事務所に電話をしたという事実、これについては、高市大臣は、今現在、この一月五日の段階では報告を受けてないとおっしゃっていますが、承知をされていますか。

高市国務大臣 課長に確認をいたしました。そうすると、内閣府側から松岡事務所に電話をかけたということはなかったということで、課長の方から記者に対しまして訂正をしているとのことでございました。

馬淵委員 一月五日、高市大臣と松岡大臣が記者会見をされたその日の晩でありました。内閣府の市民活動促進課長から記者の方に、前言撤回、すなわち、そのように松岡事務所に電話をかけたのはどうも覚え違いだった、このように前言を翻されたそうであります。高市大臣が聞かれているのもそうでありますが。

 高市大臣、そこで、重ねてお尋ねをしますが、このときに内閣府に照会をされた秘書さん、これは、もう既に内閣府からいただいている情報公開請求によるこの文書には黒塗りをされていますが、大臣は記者会見ではその方のお名前をきちっとおっしゃっておられます。この松岡事務所の何という秘書さんでしょうか。大臣、お答えください。

高市国務大臣 済みません、何月何日の記者会見でしょうか。(馬淵委員「一月五日」と呼ぶ)一月五日、私の話は、松岡事務所の秘書と名乗る人からと申し上げておりますね。お名前……(馬淵委員「わかりませんか」と呼ぶ)ごめんなさい。

馬淵委員 いいですよ、じゃ。わからないなら。

 ここに記者会見要旨、これは表に出ているものですから、公に出されているものですよ。大臣がお答えされています。「こちらの控えでは、松岡事務所の池田秘書ということです。」と大臣は述べられております。該当部分は御記憶にありますでしょうかね。しかし、これは文書で出ておりますから。よろしいですか、確認ですが。池田秘書さん、よろしいですか。

 わかりましたと今……(発言する者あり)では、答弁だけ。答弁でお願いします。高市大臣、答弁をお願いします。

高市国務大臣 済みません。池田さんという人だと、私の控えで、そうでございました。

馬淵委員 池田秘書さん、松岡事務所の池田秘書さんですね。これは黒塗りにされておりますが、高市大臣、記者会見ではお話をされています。松岡事務所の池田秘書から当該団体の審査状況について照会があり、審査中と回答、秘書からよろしくお願いしたい旨連絡と。これについて大臣は、よろしくというのは通常書かない、社会通念上、こう書いてあると何かお願いをされたと思うので、非常に不適切だ、適切でないといったこともこの場では述べられております。私もそのように思います。このような言葉が、単にあいさつ、時候のあいさつのように、よろしくという言葉で書かれることは通常ない。

 さて、この市民活動促進課長が松岡事務所に電話確認をしたという事実は、大臣には報告をされていない。そして、松岡大臣も、これは事務所としては一切ないというふうに言っておられるわけでありますが、この池田秘書さん、松岡大臣の秘書ということで三月十三日に照会をされたということでありますが、松岡大臣、端的に、これはお答えだけ、イエスかノーで結構です、松岡事務所に池田秘書さんはいらっしゃいますでしょうか。

松岡国務大臣 これ……(馬淵委員「イエスかノーかだけでいいです」と呼ぶ)いやいや、個人のあれですから。(発言する者あり)

金子委員長 御静粛にお願いします。

松岡国務大臣 質問に答えているんですから……(馬淵委員「イエスかノーかだけじゃないですか」と呼ぶ)

金子委員長 答弁中です。御静粛に。

松岡国務大臣 イエスかノーかと。

 現在、池田という秘書は、名前は、姓が変わって赤松となっておりますが、そういう意味では同一人物であります。

 それから、これは、えらい問題にしてこれをおっしゃいますが、確かに記載をミスしておった、このことは私は政治資金規正法に基づいておわびを申し上げております。それ以外のことについては、全く直接の関係はないんですよ。それを、さも何かえらい関係のあるがごとく言われるが、これはもうはっきり申し上げておきます。

馬淵委員 池田秘書さんは、松岡事務所の秘書である。政府参考人は来られていないかもしれませんが、これもイエスかノーで答えていただきたいんですが、長い答弁になると困りますので、私の方からお話をさせていただきます。

 今、松岡大臣は、池田秘書さん、赤松さんとお名前が変わったとおっしゃっておられます。松岡事務所、私サイドの方には一切なかった、このようにおっしゃっているが、確かに池田さんではなかった。そして、市民活動促進課長は、内閣府側から松岡事務所に電話した事実はないと高市大臣に御報告をされているようでありますが、記者さんには、電話をしたんだけれども、池田秘書さんはいないと言われた、こうはっきりと述べられておりました。

 さて、池田さんという方、確かに松岡事務所にはいらっしゃらないんです。今大臣がお話しになった。国会便覧、これを見ます。松岡利勝事務所、衆議院熊本三区、公設秘書は二名いらっしゃいますのは平成八年十二月版、今から十一年前。このときには、池田さんという方はいらっしゃいませんでした。そして、翌年、平成九年二月版、松岡利勝事務所に公設第二秘書として池田和隆さんが登場されます。そして、池田秘書は、平成十四年二月のこの国会便覧で、松岡事務所の政策秘書になられます。そして、政策秘書をずっと続けられて、この池田秘書さんは、便覧を見ますと、平成十八年、昨年の二月の便覧では、姓が、赤松和隆に変わりました。池田和隆から赤松和隆に変わられました。平成十八年二月の便覧には、赤松和隆という名前で政策秘書として記載されています。この便覧は、各事務所に問い合わせをされて、事務所側が提出する秘書名でありますから、松岡事務所が出したものだと思われます。

 この赤松和隆さんが、平成十八年の三月十三日には、池田という名前を名乗って審査状況の照会をされています。赤松和隆さんは、平成十八年の八月、安倍総理がほぼ総理・総裁を手中にされたとした時期なのかもしれませんが、この松岡事務所から公設秘書としていなくなりました。退職をされたようであります。

 さて、松岡大臣は、その翌月の九月の二十六日、初入閣を果たされました。初入閣は総理の任命でありますが、農林水産大臣秘書官の任命も総理によるものです。農林水産大臣秘書官は、政策秘書等公設秘書の兼務はできません。農林水産大臣秘書官、私の手元に今ある官公庁職員抄録衆議院公報附録平成十九年一月二十五日編では、大臣秘書官は赤松和隆、あなたの事務所の方じゃないですか。あなたの事務所サイドの方が、今、大臣秘書官としてあなたのそばに仕えているのではないですか。今、松岡さんは全く御自身の事務所はかかわりないとおっしゃっているが、赤松和隆さんという名前でそばにおられるではないですか。

 この方が、まさに働きかけをしたのではないかと問われているこの文書に載っているんです、池田和隆として。御自身は、名前をかたって、旧姓をかたって照会をされています。松岡大臣がどんなに御自身のその言葉の中で働きかけはないとおっしゃっても、名前を偽って照会をし、そしてそのようなもの、すなわち事務所の私サイドの方では全く確認とれなかったという事実とは異なるんではないですか。赤松和隆は大臣秘書官じゃないですか。

 まだ質問はしていません。繰り返し申し上げます。

 このエフ・エー・シー、WBEF、これは一体の団体であります。八千人から百三十億円の出資金を募集して、出資法違反で家宅捜索を受けた会社、その設立しようとしている任意団体、NPO法人、この申請に対して、内閣府は再三再四、この団体はどうも問題がある、国民生活センターからも情報が寄せられる、この団体はどうも認証できないなという状況の中での照会があった、よろしくお願いしたいという話であります。このNPO法人の認証を申請しているところで、パーティー券代百万円、まさに見返りのようにして受けておられる。口ききではないですか。そして、この口ききの代償として百万円を受けていたのを、組閣の当日に御自身は訂正報告を出されている。

 このことを松岡大臣は国会の場で明らかにすべきじゃないんですか。そして、それは何よりも、赤松秘書官もこの場に呼んで明らかにすればいいじゃないですか。松岡大臣、いかがですか。

松岡国務大臣 いろいろと本当に勝手な論理で言われますけれども、大臣秘書官にだれをどうしようと、それはこちらの判断ですよ。それをあなたにとやかく言われる筋合いは全くありませんし……(発言する者あり)

金子委員長 御静粛に願います。

松岡国務大臣 まあ、黙って聞いていてください。

 そして、今あなたは全然確認されない。内閣府では、働きかけとか依頼とか要請とか、一切そのようなたぐいのものではなかったと。頼んだ人も、問い合わせをお願いした人も、日程確認以外は頼んだことはないと。そしてまた、内閣府の方も、それはよろしくというのはどういう意味かというのは、高市大臣が記者会見でおっしゃっているじゃないですか。それは、池田、赤松という名前を、もとの自分の名前をつい、それは人間、ふっと前の名前で言うときもそれはあったかもしれませんが、私もそれは定かじゃありませんが、そういうことを、何か知らぬけれども、一を百みたいに……(発言する者あり)

 いや、電話したかどうか、それは本人は覚えていませんよ。ただ、前後の関係からして、そういったことはあったんだろうというふうに私は判断をしていると記者会見でも言っているわけであります。それを何か、一かあれを、もうさも物すごい問題かのごとくここで言ってなんというのは、余りにもそれは、それこそ、そういうことについて言うなら、問題を大きく大きく、でっち上げとか捏造とかいう言葉は使いませんが、まさにそういうふうな、これはもう思わせぶりなことをおっしゃっているとしか言いようがありません。

 はっきり申し上げておきますが、エフ・エー・シーとか当該NPOの団体とか、一切関係ありませんから、直接の関係は。それは、先方と知り合いの後援者の方がお願いをされていることであって、直接の関係がないということは何度も申し上げております。

馬淵委員 松岡大臣は、先ほども私の質問に対して、私サイド、つまり事務所としては働きかけや要請はしていないという、そのことを答えられました。それは事務所も含めてです。

 働きかけや要請、これに関しては、少なくとも、どのような言葉を発したかというのは、受けた側と発した側の両方の確認が必要なんですよ。今、内閣府では、高市大臣は、これは自分のところでは確認できなかったとおっしゃっている。しかし、発した側はあなたの横にいるじゃないですか。そして、松岡事務所では池田秘書はいないということを発しておられるようであったが、あなたの横にいる方なんですよ。あなたが、まず真っ先に、わかりやすく国民に示す、その立場にいらっしゃるんじゃないですか。

 政治と金の問題は、この国会の中でも最も重要な課題だとして、国民の注視の中にあります。この国の予算を確認していく中で、閣僚のお一人がそのことに対して正々堂々と潔白を証明されないような状況の中で、なぜこの国の予算を決することができるんですか。

 松岡大臣は、このことに対して、あいまいにすることなく、赤松秘書官をどうかお連れになって、しっかりとこの場にて明らかにさせてください。松岡大臣がそのことをいつまでもいつまでもはっきりさせないとおっしゃるのであれば、それは、国民の目からは明らかにされない、隠していると言われても仕方がないと私は申し上げたいと思います。

松岡国務大臣 もうこれほど明らかにしていることはないじゃないですか。そして、内閣府の方も、大臣が、ちゃんと内閣府の立場で担当者に確認をして、働きかけや要請というものはございませんでした、こうおっしゃっているわけでありますから。いいですか。

 そして、これほど明らかにしていることを、先ほどから申し上げているように、さも本当に、疑惑とかなんとかおっしゃっていますが、単純な話なんですよ、これは。私とエフ・エー・シーとかそういう団体とは直接の関係は全くございませんと申し上げております。そして、それも、日程の照会があったと判断をされるということで申し上げているわけであって、記事でも、だから照会としか書いていないじゃないですか、あの朝日も。どう書こうとこう書こうと、やはり照会という言葉でしか書いていないじゃないですか。それをあなたが、働きかけだどうだとおっしゃる。何が疑惑ですか、働きかけなんかないとはっきり明確に言っているのを。そのことを明確に申し上げておきたいと思います。

馬淵委員 何度も申し上げるように、受け手側がおっしゃっても、発信側もいるわけですから、あなたは、大臣秘書官に今仕えてもらっているんですから、いつでもどこでもはっきりとさせることができるんじゃないですか。そして、そのメモがあるのが何よりも、内閣府のメモがあるのが事実じゃないですか。私は事実を申し上げてきたということをこの委員会の場で改めて申し上げ、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

金子委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。

 次に、大串博志君。

大串委員 民主党の大串博志でございます。

 今の馬淵議員の質疑に続きまして、政府としての倫理、政治の倫理、そういうものについて議論を進めてまいりたいと思います。

 まず、今の馬淵議員の議論のフォローアップでございますけれども、高市大臣にお尋ねしたいと思います。松岡大臣はもういなくなられましたけれども、今のWBEFの問題でございます。

 今問題になっていたこのメモ、先日、記者会見でも確認されましたね。「特定非営利活動法人WBEFについての対応」、平成十八年三月二十八日の日付になっております。

 一番上のところから少し読ませていただくと、「(参)」、「議員より電話連絡(3/27)。申請団体の審査状況について伺いたいとのこと。→市民活動促進課長対応。3/28 15:00会館」。これは三月二十八日のメモですから、この三月二十八日の十五時に会館に行くことになっているということでしょうね。その下に米印がありまして、「3/13(衆)」、何とか事務所の何とか秘書、今議論がありました、「から、当該団体の審査状況について照会があり、審査中と回答。秘書からよろしくお願いしたい旨連絡。」これが一番上に四行書かれていて、その下に1.、2.、3.とあります。1.が応答要領、2.が経緯、3.が参考でございます。

 「1.応答要領」のところは、「当該団体は、審査中であり、近く認証・不認証の決定を明らかにする予定である。 内閣府としては、NPO法の認証基準に照らして判断することとしているが、申請団体に対しては様々な情報が提供されており、認証することは難しい。」

 高市大臣、これは高市大臣も確認された内閣府の文書でございます。これは、何のためにつくられた、どういう文書ですか。

高市国務大臣 今お読み上げいただいた、最初の「(参)」というのは参議院議員の参を示します。ですから、松岡議員以外の、参議院議員の方からの連絡があって、その方に担当課長が認証の日程等について説明をするに際して、この課の職員が三月二十八日に作成したメモでございます。そこの参考情報として、先ほど来出ました松岡事務所というところからの電話の情報も入っております。

大串委員 今の御説明でわかる部分もございましたけれども、すなわち、これから参議院議員の方に説明に行かなければならない、そこで、これまでの経緯等を記しながら、「1.応答要領」として、こういう応答要領でいきたいということを省内で意思確認されたという文書だという理解でよろしゅうございますか。

高市国務大臣 応答要領そして経緯、こういったものを書いた文書でございます。

金子委員長 ちょっと、あなたは政府参考人を呼んでいるので、委員の皆さんの了解をとらなきゃいけないので、中断します。

    ―――――――――――――

金子委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、お手元に配付のとおり政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 大串博志君、続行してください。

大串委員 今、高市大臣からも御確認ありましたように、このメモは、これから参議院議員の方のところに説明に行くのに、当省としてはこういうふうな応答でいきたいということで、省内でつくられたメモということでございました。そこに参考情報として、三月十三日に衆議員事務所から当該団体の審査状況について照会があり、審査中と回答、秘書からよろしくお願いしたい旨連絡があったということでした。私も役人でしたからよくわかりますけれども、政治家の方々からいろいろな連絡がもしあったとしたら、あるいは応答を求められたとしたら、そのことはメモに残すことが多々あります。

 ここに、こういうふうに三月二十八日にメモをつくった段階で、三月十三日に衆○○の事務所、○○秘書からこういう連絡があったということが参考で記されている。

 高市大臣にお願いですが、三月十三日、衆、この事務所、この秘書から連絡があった、通常、役所であればここもメモを残しているんじゃないかと思います。大臣、このメモを探していただいて、委員会に御提出いただくことはできませんでしょうか。そうすれば、この「秘書からよろしくお願いしたい旨連絡。」この意味がはっきりすると思います。よろしくお願いいたします。

高市国務大臣 三月十三日付というメモは役所内にございませんでした。

 前回、大串委員から御質問をいただきまして、最後に大串議員が、高市大臣は、政と官の役割、政と官のあり方に基づいて、もしも役所の行政が不正にねじ曲げられるような働きかけがあったら、それは私のところに、高市のところに報告が来、私がその政治家に対してきちっとただすということを言ったのに、この件については報告がなかったようだということをおっしゃいました。

 これは、私の就任の半年前の話でございますし、就任した後、これが週刊誌等で取りざたされましたので、ちょっと遡及的ではございますが、局長と課長を呼びまして、これはもう、行政の執行がねじ曲げられた事実はないのかということを確認いたしました。実際にこの団体は、申請の後、いろいろと不適切なことがあるということで六月六日に不認証を決定しておりますし、政治家から、ここを認証しろということで、特に先ほど来松岡大臣のことが問題になっておりますが、そういった働きかけはないということでございます。行政は適正に執行されたと思っております。

大串委員 今、御答弁をいただきました。三月十三日、衆議員事務所の○○秘書からの照会があった、その照会があったことに関するメモは内閣府の中にはなかったという答弁がございました。

 この国会での答弁は、この間も申し上げましたけれども、非常に重いものでございます。なかったということを私も信じたいと思いますし、もしあったとしたらという条件つきで、これから探されて、もし後からあったというようなことがあったら、ぜひ提出していただきたいと思いますし、国会での言葉の重さをぜひ御確認いただきたいというふうに思います。

 さて、なぜこの国会での言葉がこんなに重いということを繰り返し述べるかと申しますと、先般来議論をしてまいりました、沖縄科学技術研究基盤整備機構に関してでございます。

 これまで、これの一番最初の土建工事であります白雲荘の改修事業に関しまして少し振り返ってみますと、この独立行政法人ができたのが十七年の九月でございました。十七年の九月にこれができ上がって、それと同時並行して白雲荘の改修事業は進んでいたわけでございます。十一月の九日に設計を日建設計・コーンバーグ・国建共同体に発注して、それが非常に額が大きかったということで、施設整備補助金三億三千万予算措置していたものでは入り切らない、そこの部分に関しては運営費交付金で手当てするという説明で、ですから随契でしたんですということでございました。

 これに関しては答弁が二転、三転しまして、最初の答弁は、設計が間に合いませんでしたという答弁、あるいはパーティションが云々、そういう答弁でしたが、後からそれは、認識の間違いでした、国会での答弁が間違っていたと。国会の答弁ですから非常に重いもの、これが簡単に間違っているという、非常に重大な問題だったというふうに思います。

    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕

 そして、先日、随契の理由は何ですかとお尋ねしたときに答えがあったのは、急がなきゃならなかったし、施設整備補助金三億三千万の予算をとっていたんだけれども、後から設計してみると、この設計事務所が出してきた設計の内容による予算が、五億五千万に上る、三億三千万をはるかに超える非常に大きいものだったので、これはいかぬというふうに思って運営費交付金を使うこととし、そのもともと施設整備補助金でやろうとしていたところだけ指名競争入札をして、残りの部分は随契に回すこととしました、そういう御説明でございましたけれども、この説明も私は誤っているというふうに資料を見て判断しています。

 資料をたくさんいただきました。ここにあります。これ以上の資料もたくさんいただきました。与党の理事にも大変御苦労いただきまして、ありがとうございました。ただ、これがすべての資料かはわかりませんけれども、この資料の中でいろいろなことがわかりました。

 先ほど私が申し上げました、そして、前回答弁された三億三千万という施設整備補助金、これを手当てしておったんだけれども、後から設計を十一月になってしてもらったら、その設計で出てきた見積もりの金額が五・五億と非常に大きかったから、三・三億で入り切らなかった分に関しては運営費交付金を使うということで、その分は切り離して随契にしたんだということでございましたけれども、いろいろ資料を見させていただくと、既にそれより随分前から、もともと予算措置されようとしていた三・三億円よりははるかに多い費用になることが明らかになってきていることが明らかになりました。

 九月五日に、理事長ブレナーさんを含む、そして設計の方も含む、内閣府の方も含む、機構の方も含む会議が行われています。この会議の中で出てきている資料を見ますと、既にこの段階で、設計事務所からは四億三千五百万、三・三億を既にこの段階で大きく上回るそういう予算が、既に九月の段階で、施設整備補助金の申請を十月になさるその前に既にこういうふうな見積もりが出てきているんです。すなわち、設計を十一月にさせてみたら、後からより大きな額が出てきてしまったという答弁もおかしかったんです。

 なぜ、こういうふうな間違った答弁になっているのか、ここもお答えください。三木理事、お願いします。

    〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕

三木参考人 確かに、予算三億三千万いただいておりまして、機構が発足する前から検討を始めておりましたが、お話しのように、九月五日に、理事長、設計の専門家等が集まりまして打ち合わせをいたしたところでございます。その時点で三案が出てまいりまして、今先生がおっしゃいましたように、一案は四億三千五百万、残る案、三億八千五百万、四億五千万ということで、確かに、その時点で三億三千万の工事費を上回るものが出た次第でございます。

 私ども非常に危機意識を持ちまして、抑える努力をしたわけでございますが、そのいきさつを振り返ってみますと、当初、国から重い御査定をいただいておりまして、それが三億三千万、これで基本的な工事は当然すべきものでございましたが、前回も申し上げましたように、沖縄に初めての世界級の施設をつくるその最初の施設である、そういうこともありまして、先生方からの要望があった。そこで、基本的なものについてはきちっと整備しつつ、できるものはさせていただきたい。それは、補助金以外の交付金で付加的な施設としてつくることが可能というふうにその時点では考えられましたので、確定ということではなくて、可能性として、その辺を含めて予算的な検討をさせていただいた次第でございます。

 以上でございます。(発言する者あり)

金子委員長 御静粛に願います。

大串委員 今説明がありましたけれども、これは前の説明とは変わっているんです。

 前の説明は、施設整備補助金は三億三千万しかとれなかった、しかし、後から十一月に設計をしてもらうと、設計してもらって出てきた額が五億五千万と非常に大きかった、だから、取り急ぎ、入る部分だけ競争入札にして、入らない部分を随契にしたんだという説明でした。

 しかし、今確認されました。九月五日の段階で、これは施設整備補助金の申請交付を受ける前です、予算はもちろんわかっていました、その九月五日というそういう早い段階で、既に四億三千五百万という非常に大きな額の施設整備になるということがわかっているんです。しかも、そのときの議事録によると、内閣府の方から、予算の制限は三億円ですよ、残りの部分に関してはドクター・ブレナーズ・バジェット、理事長の予算、すなわち運営費交付金から賄ってもらわなければなりませんよという話があって、その面についてはブレナーさんは合意したというところまで書かれているんです。もうこの段階で、運営費交付金を使うということが方向性として見えているんですよ。早い段階からもう見えているんです。なぜうそをついた。

 しかも、いま一つ、先ほどの説明に不可思議な点があります。

 先ほどの説明の中では、なぜこの施設整備補助金がどんどん後から膨れ上がっていったかという点に関して、各先生方から、世界最高級のものをつくりたい、そういう要望がたくさんあったので、だんだんやはりよくしていかなきゃならなかったという御説明がありました。しかし、これも私は疑わしい。

 なぜなら、これは二〇〇五年の二月二十七日ですから、今話をしている夏の半年前です。ここの段階で既にブレナー理事長に対して、内閣府やプロジェクトマネジャーの方から事業の説明をされています。この事業の説明をされている中で、既に、この中で白雲荘に関しても説明をブレナー理事長にされています。

 そして、どういうことがここで決められているか、確認されているかというと、白雲荘を使うということはこれでいい、そして、一階のロビーエリアを使おうということでいい、なぜ一階のロビーエリアを使おうとするかというと、デュー・ツー・ザ・リデュースト・コストと書かれていますけれども、すなわち、予算が減ったから、費用が減ったから、ほかのところで新しくつくったりする予算はない、予算が減ってしまったのでこの白雲荘の一階部分を使おうということ、つまり、そういう小ぶりの改修でいこうということをブレナー理事長もここで合意しているんですよ。予算が少なくなったということをブレナー理事長は正しく理解した上で、この小ぶりの改修でいいんだということを二〇〇五年の二月二十七日の段階で合意されているんです。この流れは、予算要求、そして予算をとる、この動きと呼応します。

 資料を見させていただくと、二〇〇六年に概算要求をされて、そのときには、この施設整備補助金、六億円で予算要求されています。一階、二階、三階すべてを改修する予算費として要求され、しかし、それが三億三千万に予算査定されています。査定の内容を見ると、改修するエリアを限定されています。すなわち、最初は一階、二階、三階すべてを改修するということで六億要求、しかし、査定の内容で、そんなに改修しなくていいでしょうということだと思います、一階部分プラス二階部分のちょこっとということで、計三億三千万の予算でいきなさいということで査定されている。

 まさに、その査定された内容をブレナー理事長に二〇〇五年の二月二十七日に説明されて、一階部分にオフィスを置くということでいいんだということで説明され、合意を得られているんです。後から後から、どんどんどんどん先生から言われて額が膨れ上がったんだという説明とはたがうんです。

 なぜ、そういうまたたがう説明をされているのか。そこも、三木理事、ぜひ御説明ください。

三木参考人 お答えいたします。

 建設に充てるための経費、予算がどんどん膨らんだということでは必ずしもございません。

 先ほど申し上げました九月五日時点で、大き目に推移するという事実は確かにございました。その後、資料にも以前お示しいたしましたように、実施設計の契約をいたしたわけでございます。実施設計の前提といたしました設計経費の見積もりのためでもあるんですけれども、実施設計を進める上で設計業者にお願いしたその経費は、三億円という事業費で施設をつくるようにということでお願いしたものでございます。

 ところが、その後、結果的に途中段階で大き目の数字が出てきたのも事実でございまして、これを縮減する努力をして最終的な契約につなげていったということでございます。どんどん膨らんだということではございませんで、常に三億というのを頭に置きまして、縮減努力をしてきたところでございます。

大串委員 今の答弁もこれまでの答弁とは変わっているんです。すなわち、前回御説明いただいたときには、先生方からの意見があって、世界最高に向けてということでどんどん膨らんでいったんですという説明でした。しかし、今の説明では、ないとおっしゃる。この辺が非常に、国会の説明が右に行ったり左に行ったり……(発言する者あり)ごまかしているという話も今ありましたけれども、何かをかばおうとしている、隠そうとされているんじゃないかと思われるような感じの答弁なんです。

 なぜ、こんなに国会での答弁が二転三転するのか。高市大臣、どう思われますか。

高市国務大臣 前回、設計がおくれたからという理由を振興局長が最初に委員会でお答えした理由が、機構から聴取するうちに内容が変わったということにつきましては、これは金額のオーバーだったということにつきましては、この場でも私からおわびを申し上げたとおりです。改めておわびを申し上げます。

 それから、今回の、いろいろな人からの意見でということなんですが、例えば平成十七年の九月二十八日に、機構の先行研究に携わっていただいている研究者から、セミナー室ですとかワークショップ、この方向性のヒアリングが行われているんですね。ここでも、非常に多くこの施設について、よりよい研究環境ということでたくさんの注文がついておりますし、また、沖縄振興特別措置法も、これは、国際的に卓越した教育研究機関の整備ということで、どうしても、この施設の質を確保することが世界じゅうからいい研究者を集めるために重要だったということでございます。(発言する者あり)

金子委員長 御静粛に願います。

高市国務大臣 また、機構の運営関係では、平成十四年七月の国際顧問会議ですとか平成十三年の構想検討会議でも、この施設の質については御意見をいただいているということでございます。

大串委員 今の高市大臣の御説明も、これまでのいろいろな、随契になった経緯の説明からすると若干ずれているんです。

 これまでの随契に至った説明からすると、予算が三億三千としてあって、それが十一月に設計してみたら五・五億とどんとふえてしまった、これが問題だったというふうな話がありました。十一月になってどんとふえたという話だったですけれども、今の高市大臣は、九月末の会議のときからもういろいろな要請、要求があったと。しかも、先ほど申し上げたように、九月五日の段階では四億三千五百という非常に大きなものになるというのがもうわかっているんです。非常に説明が二転三転する、資料の出も悪い、何があるんだろうとやはりこちら側は思いますよね。

 それで、先般来いろいろ話がありました。この白雲荘、いつごろできた施設かというふうに内閣府の方にお尋ねしたら、平成の半ばぐらいです、四、五年ですという話がございました。しかし、よくよく調べてみると、厚生労働大臣、きょうお越しいただいて、質問する前に事実関係ですからまずお答えしますけれども、白雲荘、これは昭和四十七年にできています。非常に古い、もう四十年はたっている、そういうふうなものです。平成になって行われたのは改修ですよね、リノベーション。平成二年に改修が行われております。

 この施工をやっているのは國場組です。今回、七月の段階で日建、コーンバーグ、国建という形でジョイベンが組まれて、マスタープランをつくられています。そして、その三社で先ほどの九月五日の四億三千五百万という見積もりもつくられている。

 その段階では、実施設計を十一月に行われる前の段階で既に、日建設計、コーンバーグ、国建という國場組の仲間も入ったところですなわち話し合いが行われ、しかも額が大きくなるということもわかり、かつ、九月五日の段階では、運営費交付金をもって足りない部分は措置しよう、しかも、その意味するところとしては、随契になる可能性があるということで、その段階でもう先行きは見えているんですね。

 ここで奇妙な一致があります。先般、馬淵委員の方から尾身大臣に対して、沖縄との関係に関してのいろいろな議論がありました。政治資金をどこからどういうふうにいただいていらっしゃるか等々の話があって、政治資金収支報告書を私も見せていただきましたけれども、國場組の方も尾身大臣の支援者の一人でいらっしゃる。

 それで、尾身大臣、この間、去年の秋のボード・オブ・ガバナーズ・ミーティングの電話会合のメモがある、なしという話になったときに、予算に関する働きかけは一切していませんという話をいただきました。それは確認させていただきました。

 この沖縄科学技術大学院大学のボード・オブ・ガバナーズ・ミーティングというものが連年開かれてきております。十七年の四月二十五日が第四回、十七年の七月が第五回でございます。そういうところで尾身大臣がどういう発言をされているか。このボード・オブ・ガバナーズの会合に尾身大臣はオブザーバーとして参加されています。そういう中でどういう発言をされているかということを確認しますと、十七年の四月二十五日の会議のときには、法案の状況に関して御説明されています。それは国会で法案が進んでいたところです。

 その後、七月になりますと、尾身大臣の方からこういう発言があります。この二カ月後には独立行政法人が立ち上がろうとしている、その段階の発言です。中期目標、中期計画というのを独立行政法人はつくりますが、この中期目標、中期計画に対して、尾身大臣の方から、コストセービングあるいはインプルーブド・エフィシェンシー、すなわち、費用を削減する、あるいは効率をよくする、こういうことに関しては、この大学院大学の性格を前提とすると必要ないのではないかという意見を言われて、これが中期目標、中期計画から削除される、そういうふうな流れになっています。これは、コストセービング、インプルーブド・エフィシェンシー、いわゆる効率化係数というものです。

 この沖縄科学技術大学、機構の中期目標、中期計画を見ておりますと、この中期目標、中期計画には必ず業務の効率化に関しての規定を置かなければならないというふうになっておりまして、独法はしかも数値目標を入れなければなりません。ですから、普通の独法は、大体どういうふうに業務を毎年何%効率化していく、どれだけコストを削減化していくというのを、数値目標をパーセンテージで置いております。しかし、この沖縄機構はその数値目標が置かれておりません。独法が九月にでき上がる一カ月前の段階で、この中期目標、中期計画を議論する、その中で、わざわざ内閣府の方から断りを申し上げられて、この沖縄大学院大学は特殊な性格を持っているので、この効率化係数、数値目標は置きませんということを明確にわざわざ断りを入れられた上でこの中期目標はつくられています。

 この効率化係数は何を意味するか。予算としては運営費交付金に当たります。すなわち、ここで効率化係数が何%削減と入ると、運営費交付金をしっかり減らしていかなければならない、こういうふうな連動性があるものです。奇妙な時期的な関係があると申しましたのはここでございます。

 二〇〇五年の二月には三億三千万という予算でブレナー理事長はオーケーされている。しかし、独法ができ上がる夏前の段階、七月の段階のボード・オブ・ガバナーズ・ミーティングで尾身大臣の方からは、中期目標、中期計画に関してコストセービングとか効率化を入れなくていいと言われている。そして、八月にこの中期目標、中期計画がつくられたときには効率化係数が抜かれている。そして、九月の五日には、三億三千万より大きくなった設計の費用四億三千五百万、これが国建を含む設計者から示されて、運営費交付金でいこうということが示されている。ここに私は時系列的な連関を感じるわけでございます。

 もし国建がこの全体の流れを前から知っているとすると、あるいは國場組が全体の流れを知っているとすると、競争入札の部分をどれだけ低く抑えても、後から後から膨らせて設計の予算をつくっていれば、随契で入ってくる分が運営費交付金で手当てされてどんどん入ってくるから、もとで元が取れる、そういうふうな考えに至ったのではないか。そして、結局、運営費交付金を使ってでもふやしていいというふうなサジェスチョンなりが何かあったのではないか。そういうふうな見積もりもあるわけでございます。

 実際、十一月の一日にボード・オブ・ガバナーズ・ミーティングの簡易なものが開かれています。そこでも尾身大臣は発言されていまして、もともとこの大学は七十万平米の設計でいこうということになっていたのに対して、八十万平米でもいいじゃないか、この大学は……(尾身国務大臣「それはいつの」と呼ぶ)これは十一月です。(尾身国務大臣「去年の」と呼ぶ)いえいえ、十七年の十一月です。そこで、七十万平米よりも広くていいじゃないか、余りこれまでの経緯にとらわれないで、どんと広くいこうというような発言もされているんです。

 すなわち、先ほど、いろいろな先生からふやしてほしい、よくしてほしいという意見があったという話がありましたけれども、その中には、ボード・オブ・ガバナーズ・ミーティングにオブザーバーとして参加されていた尾身大臣のことも頭にあられたんではないかというふうに思ってしまうわけです。

 尾身大臣にお尋ねしたいんですが、この経緯、すなわち、予算額、そして予算額の中でだんだん設計内容が膨れ上がっていこうというこの事実、そして、それを運営費交付金で既に九月の段階で賄われようとしている事実、そして、そこが随契になっていくであろうという予測、これに関して一連の経緯を尾身大臣は御存じだったのではないか。いかがでしょうか。

尾身国務大臣 私は、この白雲荘の工事がどうなったかこうなったかなんということは一切知りませんよ。皆さんの質疑応答、一時間も二時間もやっているけれども、それを聞いていても、どういうことになったんだかちっともわからないですよ。大体……(発言する者あり)とぼけていませんよ。私はこんなものに一切関係していません。

 それから、何かあなた方は、私が何かあっせんしたとかなんとかいうような雰囲気で言っているけれども、失礼じゃないですか。高市大臣もそういうものは一切ないときちっと答えているじゃないですか。

 それから、私の娘が参加していることについても、いいですか、ノーベル賞の利根川先生とフリードマン先生から委員長に手紙がありました。その手紙で、私にオブザーバーを頼んだのは我々である、そして、尾身さんがこのプロジェクトに参加してくれることが大変大事で、もし尾身さんがいなければ我々の熱意も薄れてしまう、だから、これからもやってほしいという話があってやったんですよ、大臣をやめたときに。

 尾身朝子のことについても高い評価をしていただいている手紙が来ております。この手紙について本当は読ませてもらいたいけれども、どういうふうに言っているかというと、尾身朝子のことについても、単なる通訳ではなしに、非常にこのプロジェクトのために役に立っているということを言っていただいております。私は大変ありがたいと思っています。(発言する者あり)

金子委員長 簡潔に答弁してください。

尾身国務大臣 それから、この大学院大学の内容について、オブザーバーとして、ベスト・イン・ザ・ワールドにするために私はいろいろな意見を申し上げました。だけれども、それは大臣になる前の話であって、大臣になってからオブザーバーに出ていないんだから、あなたが言ったことはほとんど、私が言ったことの議事録はそうでしょう、私は、この大学院大学をベスト・イン・ザ・ワールドにするためにいろいろな意見を言いましたよ、大臣になる前は。なってからは一言も言っていません。

大串委員 大臣になる前のボード・オブ・ガバナーズでの発言に対して私は悪いというふうに言っているわけじゃないんです。その経緯、すなわち、施設整備補助金が足りない、それを運営費交付金で賄われようとしている、運営費交付金で賄った分がどんとふえて、かつ随契になろうとしている、そこの部分を御存じなかったですかということをお尋ねしているだけなんです。質問にだけお答え願います。

尾身国務大臣 いや、聞いているというんだから。

 私は、その運営費交付金とかなんとかの区分なんて一切知りません。今度、皆さんの議論を聞いて、ああ、そういうものかなというふうに聞いています。(発言する者あり)何を言っているじゃない、正直なことを答えているんだ。そして、一切そんなあっせんとかなんかないということを責任ある高市大臣が答えているじゃないですか。

大串委員 私は、今回、すべての資料は、内閣府からいただいた事実、ペーパー、これをもとに、これまで答弁が二転三転するので余りにおかしいと思って、そこのところから真相を知りたい、どういうことだったのか知りたい、なぜこんなに国会での答弁が二転三転、三転しているんですよ、これを知りたいと思って、どこにどういうふうな仕掛けが、あるとすればあったのかということを知りたくて、事実関係をお尋ねしているだけです。

 例えば、いろいろおかしいところはあるんです。独立行政法人の中期目標、中期計画に対して機構のボード・オブ・ガバナー、運営委員会が口を出せるんですか。菅大臣、一つ教えてください。中期目標というものは所管大臣が定めるものです。それを独法の運営委員会が中期目標に対して口出しをする、できるんですか、制度上。

菅国務大臣 中期目標というのは所管大臣の責任になると思います。

大串委員 中期目標は所管大臣の責任です。所管大臣の責任でつくるものに対して、七月末のボード・オブ・ガバナーズ・ミーティング、運営委員会、これは独立法人になる前の機構の運営委員会です。そこで尾身オブザーバーの発言を受けて、中期目標からコストセービングとかエフィシェンシーとか落ちているんです。その結果、効率化係数はなくなって、かつ運営費交付金が抑えられないような仕組みになっている。この間の連関性をどうしたものかというふうに思って、事実をお尋ねしているだけなんです。この資料、今回いただいた資料がありますけれども、この中でもいろいろまだ不突合なところがあります。この資料があるならこの資料があるだろうというところもまだあります。

 もう少しそういう資料もこれからお願いする、そういうことを申し上げて、事実のところをこれからもしっかり確認させていただきたいということを申し上げて、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。

金子委員長 これにて大串君の質疑は終了いたしました。

 次に、前原誠司君。

前原委員 民主党の前原でございます。

 まず、冒頭申し上げたいのは、きょうの委員会は、委員長の職権によって、与野党の合意なしに決まりました。その結果、事前通告をする準備をしておりましたけれども、できません。そしてまた、資料も用意しておりましたけれども、配付することができない。そういったことについて私は極めて遺憾に思っておりますし、今の委員長のこの与野党合意を無視した職権での委員会運営にまず強く抗議したいと思います。

 その上で、今十分な事前通告の時間がありませんが、私は余り細かな議論をするつもりはありません。したがいまして、各大臣とも、政治家として大きな観点からこの予算審議というものをやらせていただきたい、このように思っております。

 まず菅大臣、この予算委員会では二度、私は、都市と地方の問題、国と地方の関係についてお話をいたしました。なぜこれにこだわるかというと、都市と地方の格差がだんだんだんだん開いていっているということ、地方の困窮というものがきわまれり、そういう思いを持っているということと、同時に、今から議論をさせていただきますように、主に大都市、そして後で渡辺大臣と議論させていただきますが、中央官庁の無駄というものがかなりあるのではないか、そういったものをしっかりと是正せずして国民に負担を求めたり、あるいは地方に負担を強いるということについては、私は到底我慢ができない、そういう観点から私は質問をさせていただきたいと思います。

 菅大臣、政令都市の議論をさせていただきたいと思いますが、政令都市というのは地方自治法二百五十二条の十九というものに決められていて、児童福祉に関する事務とか民生委員、生活保護あるいは社会福祉、食品衛生、都市計画、土地区画整理などなど十五、後で伝染病の予防に関する事務が市町村になりましたので、それが省かれているということで、都道府県が持っていた権限を政令都市に対して大幅に移譲するというのがこの政令都市でございます。

 そういう意味におきましては、私も京都出身の府議会議員をしておりましたけれども、かなりの部分が道府県から政令市に移譲されているという実感を私は持っております。

 大臣に、これは政治家として、横浜の市議会議員をされておりましたので、実感で結構でありますが、では、政令市における道府県会議員の主な仕事というのは何が残っているのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。

菅国務大臣 警察があると思います。それと、市内にあれば県立の高校だというふうに思いますし、あるいは病院、医療関係の県全体のそうした政策決定がそうだというふうに思いますし、さらに都市計画決定、これは政令市で行うことができるようになりましたけれども、またこれについても、たしか承認か何かそういうものが残っていたのかなというふうに思います。

 いずれにしろ、政令都市で大部分は帰結する、こう思っています。

前原委員 そのとおりでありまして、あとつけ加えるとすれば河川整備ですね。要は一級河川の整備について、それがいわゆる道府県に移譲されていて、政令市の中を流れている一級河川については道府県の管理というものになっている。重立ったものはそれぐらいなんだろうというふうに思います。

 さて、そこで、政令都市が最近またこれからふえようとしているわけでございますが、これは時間がもったいないなと思って、資料をお渡ししたらすぐわかったわけでございますけれども、政令都市を抱える道府県における政令都市の人口の割合というものと、それから道府県会議員の定数における指定都市選出議員の割合というのは大体一緒なんですよ。

 ばあっと申し上げますね。本当に資料をお渡しできていればよかったんですが、北海道が二五・五、宮城が三六・五、埼玉が一五・九、千葉が一三・二、神奈川が五二・三、静岡が一九・二、愛知が三二・〇、京都が五六・四、大阪が三九・二、兵庫が二四・七、広島が三五・七、福岡が四五・四。ちなみに、大阪は堺市を入れております。四月一日からスタートする堺市を入れた数字にしております。

 つまりは、政令市はこれからどんどんふえていくわけです。新潟、あるいは今申し上げた堺、それから浜松、こういったところもこれからどんどん出てくるし、政令都市を目指している都市というのは、市町村合併が進んでいく中であるわけであります。

 しかし、その中で、私は二つのことを申し上げたい。

 つまりは、大部分が政令市に移譲された道府県の仕事であるにもかかわらず、政令市出身の議員の数が、神奈川だったら五二・三%、大臣は横浜の御出身なので、百七の定数のうち五十六が横浜と川崎から出ている。私の京都でいうと、六十二の定数で三十五がいわゆる市内から出ている府会議員ということになっているわけでありまして、私は、これはどう考えてもおかしな状況が出てきていると思っております。

 つまりは、言ってみれば、二重行政、三重行政の極めて典型的な無駄遣いの例がこういったものにあらわれていると思いますが、その点に対する御見解を伺いたいと思います。

 政治家同士のあれですから、ちょろちょろしないでいいですよ、事前通告もしていないんだから。

菅国務大臣 私も実感として、御指摘をされるようなことは日ごろ思っております。

前原委員 では、大臣、もう一つ申し上げましょう。

 数字で、これもお見せすれば早くわかったと思いますが、最近三つなった政令市を挙げて、政令市に移行した後の県の職員の数、つまりは、政令市として、いわゆる中核市がなくなって仕事が大幅に政令市に移譲された後の県の職員の数の推移というものを申し上げたいと思います。

 まず、宮城県。これは平成元年四月一日に政令都市になっておりますけれども、移行前が大体二万九千人だった、二万九千七百四十人だったものが、政令市に移譲して、宮城県の職員ですよ、二万九千九百三、三万三百二十八、三万五百十七、三万五百八十四、三万六百七十ということで、むしろふえていっているんです。

 それから、千葉。これは平成四年四月一日になったわけでありますけれども、これについては若干減っております。なる前の年の職員の数が六万八千百十八、そして移行一年目が六万七千五百三十一、六万七千百九十六が二年目、三年目が六万七千六十、そして移行四年目が六万六千五百三十八、そして五年目が六万六千百八十三。

 しかし、先ほど申し上げたように、千葉について言えば、一五・二%の比率で千葉の人口から政令市に移譲しているわけですから、では、その一五・二%減っているかというと、減っていないわけですね。

 それから、埼玉について申し上げると、埼玉もこれはむしろ逆にふえていっております。平成十五年四月一日に政令市になったわけでありますが、移行前の職員数が六万三千五百七十七、そして一年目が六万三千八百八十三、二年目が六万四千百六十一、そして三年目が六万四千三百七十、そして四年目が六万四千五百二十六ということで、どんどんどんどんふえていっているんですね。

 これは、実は大変おかしい話なんです。政令市ができて、そして、きょうは時間がないので、こればっかりやっているとこれで終わってしまいますので申し上げませんが、政令指定都市の職員の数というのは横ばいなんです。

 つまりは、県の職員が減って市の職員がふえているんだったらまだわかる、政令市に移譲されていわゆる事務がふえたので。しかし、市の職員というものはそれほどふえていないのにもかかわらず、こういった、最近、直近のものは、千葉については若干は減っておりますけれども、宮城や埼玉についてはむしろふえていっているということを考えると、これはまさに、いわゆる市町村合併、政令指定都市になって権限移譲して、そして行政をスリム化するというものに対する逆行じゃないかというふうに私は思いますが、大臣、いかがですか。

    〔委員長退席、斉藤(斗)委員長代理着席〕

菅国務大臣 今御指摘を受けました問題でありますけれども、政令指定都市になると、先ほど言いましたけれども、さまざまな権限が移譲される。しかし、県会議員というのは人口で基本的には配分をされる。言われた矛盾については、私も共感、共鳴をするものが正直言ってあります。ここについては、私も総務大臣になってからも、今のままでいいとは思ってもおりません。

 そうしたことも踏まえて、これは前向きに考えていきたいと思っております。

    〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕

前原委員 職員のことについて今御答弁なかったんですが、地方公務員法という法律の第二十八条、これは御存じだと思います。分限免職にかかわるものでありますが、「職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。」ということが地方公務員法第二十八条にあって、その四のところに、「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」は分限免職が意に反してできるということがこの地方公務員法にしっかり書かれている。

 だけれども、こういう市町村合併が進む、特に政令指定都市においては、今申し上げたように、直近三つの政令市においては、千葉は若干減っているけれども、ほかの二つはむしろふえていっているということを考えた場合、そしてまた、これからどんどん政令市ができていくわけです。大阪の堺、あるいは新潟、こういうことを考えたときには、しっかり総務省として、あるいはこれはむしろ自治体が率先して、権限が移譲された、職員を減らすということをしっかり考えるべきだと思いますし、それをまた、総務省としてもそういった指針をしっかり出すべきだと思いますが、いかがですか。

菅国務大臣 分限免職が可能であるということも私は承知をします。

 ただ、そこに、いつも組合との交渉等の問題があることも事実であります。しかし、国民の視点から見るならば、権限がそういう形で移譲されて、そうでないところがふえていくというのは、これはやはりおかしな問題であるというふうに思っておりますので、これも私は総務大臣として対処をしていきたいと思います。

前原委員 三年後に地方分権に対する考え方をまとめられるということで、これは、道州制を含めてですから渡辺大臣も含めて、菅大臣と共同して、協力してその話をされていっていると思うんですが、ことしが統一地方選挙ですね、これはもう間に合いません、もうすぐ選挙ですから。しかし、四年後にはこれを定数も含めて、あるいは三年後にそういったいわゆる国と地方の関係を道州制も踏まえて抜本的に見直していく、そういうことをしていくということにおいては、四年後の統一選挙では違った形での選挙が私は行われるべきだというふうに思いますが、その点、菅大臣。渡辺大臣でも結構でありますが。

菅国務大臣 さきの国会で成立をさせていただいた地方分権改革推進法、それに基づいて、今国会で、七人の分権委員が国会の御承認を得るべく、私、提出をさせていただきます。そして、その人たちが三年以内に一括法をまとめていただいて、その計画に基づいてまた国会にお諮りをします。

 当然、私は、今指摘をいただいた問題も極めて重要な問題であると思いますし、そうする方向で進めてまいりたいと思います。

前原委員 前回の予算委員会で菅大臣と議論させていただいて、これは一回目の安倍総理の答弁にもありましたけれども、私は、最終的には三層、つまりは国、基礎自治体、そして基礎自治体の広域調整をする道州のようなもの、緩やかなものにするのか確固としたものにするのか、それは議論が分かれるところでありますが、三層構造にしていく。

 その流れの中で、あくまでも我々は、今、政令市における県会議員さん、道会議員さん、府会議員さんが悪いと言っているわけではない。仕組みとしておかしい、それをどう改編していくかということを我々は議論しているわけでありますので、ぜひ、そういったことも含めて、抜本的な見直しの中で国と地方の今の、いわゆる、行政としては極めて多層的で無駄になっている部分についてはしっかり取り組みをしていただくという観点も入れてもらわなければ、私は、国民に負担を求めるという話には到底ならないんだろうと。私は、行革の本丸は分権にあると思っています、今申し上げたように。では、どうぞ。

菅国務大臣 この問題につきましては、ここに出席の政令都市を抱えています国会議員の皆さんは、多分心のうちでは思っていらっしゃる方が私は圧倒的だというふうに思います。

 前原委員が代表のときに思い切って発言をされたことが大変波紋を呼びましたけれども、そのとき私は、違う政党ではありますけれども、心から見識のある発言だなと思いました。

 しかし、こうしたことを変えるには一つのきっかけというものが必要だというふうに私は思っています。それが、今度、分権一括法、このことがその大きな契機になると私は思いますし、ここでやる決意が物すごく大事だというふうに思っています。

前原委員 議会の問題のみならず、先ほど申し上げたように、政令都市も含めて、市町村合併をしていく中で、権限が移譲されたのに職員の数は減らないどころかふえている、こういうことも含めてしっかりと整理をしていく。何度も申し上げますが、分権こそが行革の本丸であるという意識を持ってぜひ取り組んでいただきたいと思うんです。

 その中で、次に、国と地方の格差というのは今どんどん広がっている。これは実は前回も議論をしていたところで、中途半端になっております。別に資料を見ていただくような、そんな細かい質問はいたしません。

 地方財政計画において、平成十八年度から平成十九年度にかけて、いわゆる歳出というものが若干減るということになるわけであります。地方財政計画については若干減るということになるわけでありますが、私が前回も指摘いたしましたように、何が問題かといえば、地方税はふえているんですね。地方税はふえている。しかしながら、いわゆる地方譲与税とか地方交付金、こういったものを抑えていく中で、要は、地方税の税収増になった部分を、一般財源となり得る、そういったものを減らして、そして帳じりを合わせて、全体としてはまた逆に若干減っている。

 しかも、地方財政計画を見ていると、これから、交付税特別会計借入金の償還計画をつくっておられますね、これは十八年間で地方の負担部分をなくしていくということでありますが、どんどんどんどん返済金はふえていきますよね。

 そして、大臣、これはよく御存じのように、税収がふえれば、交付税はその分、二五%は留保されるけれども、七五%は減らされる、こういう仕組みにあるわけですね。でも、これはまだいい方。つまりは、税収のふえるような素地のある都市については、二五%は何とか、税収がふえた分は担保されるということでありますが、税収の減ったところは、逆に二五%を、そういう担保された残りの七五%で分け合わなきゃいけないということになれば、経済力の強い、税収が上がるところはある程度の税収増になって、分け合うパイが減っている、より経済力の弱いところには、そういう一般財源としてのお金が行き渡らなくなる。

 そうすると、この財政計画では、今後も含めて、どんどんどんどん、経済力があっていわゆる地方税の入るところとそうでないところの格差は広がっていくんじゃないですか、この仕組みでは。答弁いただきたいと思います。

菅国務大臣 委員の御指摘のありました七五%、二五%、これについて私も問題意識を持っておりまして、新たに企業誘致をし、そして税源がふえたとした場合に、その分だけ、誘致にもお金がかかりますから、減少するというのはおかしい。

 そういう中で、頑張る地方応援プログラムの中では、そのことも含めて、実は今国会に、これは経済産業省で法案を出していただくことになっていますけれども、そういうことについて、私ども、特別交付税でそこについては手当てできるような、そんな仕組みも今検討をいたしておるところであります。

 そして、私も地方を所管する総務大臣として、地方が非常に厳しい状況である、このことは私自身も肌で感じております。ことしの財政計画の中で、これは地方税の増収分を含めてでありますけれども、昨年と比べて約五千億円ぐらい伸びていることもぜひ御理解をいただきたいと思いますし、ことしは、特に市町村にとってはこれは非常に大きいと思いますけれども、五%を超える税率で借りている分については、現在全体で約十兆円ありますけれども、五兆円について、これを三年以内に補償金なしで繰り上げ償還できる仕組みもつくらせていただきました。このことについては、約八千億円の効果があるというふうに思っております。

 そして、これの条件として、行政改革を行うだとか、そういう地域を今考えていますけれども、私は、例えば財政力指数〇・五以下の部分についてはすべて適用できないかとか、そういうことについて今真剣に検討しているところであります。

前原委員 マクロでいえば、先ほど私が申し上げたように、地方税がふえた分、自由に使われるお金である部分を減らされて、地方財政計画は、全体、一般歳出は減っている。しかも、これから地方交付税特別会計においては、十八年間で返還していく中でどんどんどんどんその返済額もふえていくということでありまして、私は、いいところと悪いところの格差がより開いていくことになっていくと思います。

 今いろいろおっしゃいましたけれども、ぜひモデル地域を幾つかつくっていただいて、そして、例えば自治体で、自分は大体Aモデルだな、Bモデルだなというのはわかると思うんですね。その中で本当に、国が、いいところばかりではなくて困っているところも配慮してもらっている、あるいは、若干矛盾した話になりますけれども、今大臣が御答弁されたように、努力をして企業誘致をしても結果的には交付税が七五%取られちゃうという中で、インセンティブになっていないという、両面あるわけですね。

 その中で、地方の自立というものは必要、きょうは時間がないのでそこまでは言いません。自立というのも必要ですが、いわゆるモデル地域をつくってもらって、どのような配慮がなされているのかということが一目でわかるような、そういった地方に対する支援策、こういうものもぜひつくっていただきたいというふうに私は思います。それはやっていただけますか。

 ちょっと、歩く時間があれですので。

金子委員長 菅総務大臣、急ぎ足で頼みます。

菅国務大臣 私は前向きに考えたいと思います。

 私、総務大臣になってから、同じような規模の自治体で成功している自治体もありますから、そういうものを含めて数字で比較をできるような、そういう仕組みを今つくらせていますので、お互いに切磋琢磨できるような仕組みはつくりたいと思いますし、何を私どもが支援すれば発展をするか、そういうことも考えています。

前原委員 去年の通常国会で、私は、随意契約の問題、天下りの問題について取り上げさせてもらいました。その当時の財務大臣だった谷垣財務大臣に対して、私は、いわゆる公益法人などに会計法が当てはまらない、随意契約ではだめだ、つまり、基本は一般競争入札じゃなければいけないということが当てはまらないのはおかしい、こういうことを申し上げました。

 そのことがあったのかどうかわかりませんが、去年の六月には、いわゆる各府省において所管公益法人等の随意契約については見直しをする、そして、つい先般、一月には、その他の者との随意契約についても同様の見直しを行い、随意契約見直し計画を改定する、こういうことをやりまして、これは半歩前進だというふうに私は評価したいと思います。

 そこで、渡辺大臣に質問といいますか、私は、これは行革、この間も本会議場で机をたたきながら、自分の大臣ではこういったものについては真剣に取り組むんだということをおっしゃっておりまして、それについて私は信頼をしたいと思います。

 その上で、今までいろいろな各役所に資料要求をしてきて、なかなか、サボタージュをされている面があります。

 例えば、随意契約についての再契約先について、これは去年はすべて出されたわけでありますけれども、民間企業、このごろ、公益法人あるいはその先の、いわゆる天下り先というものが巧妙化していっていて、昔は独立行政法人だけしっかりと見張っていれば天下りはしっかりチェックできたけれども、いわゆる公益法人などができて、そして、それからさらに、いわゆる民間企業、形の上ではいわゆる株式会社的なものになっている、そういうようなものの全体像がなかなか見えないとか、それから、二年は天下りできないルールがありますよね、国家公務員法において。二年は天下りできないと。その先に、いわゆる迂回天下りというのが防衛施設庁でも問題になったわけです。

 こういう迂回天下りについて、二年は禁止されているからだめだと。そして、その禁止されているときには、これは人事院の了解を得なきゃいけないから出せるけれども、その先について、迂回天下りも含めた先については、民間の、個人でやっていることなんだから資料を出せないということでサボタージュしている役所がたくさんあります。きょうはどの役所とは申し上げませんが。

 まず、これは、この随意契約で半歩前進はいいけれども、天下りの全体像を把握するために、そういった、今申し上げた、先の、民間企業も含めた天下り先を全部網をかける。そして、迂回天下りというもののいわゆるその先も、役所にすべて資料を出させる。そういったことを率先して、大臣のイニシアチブでやってもらえませんか。

渡辺国務大臣 総理の御指示もございまして、天下りあっせんの状況について調査を開始したところでございます。

 御指摘のような迂回天下りといいますか、二回目、三回目のあっせんがどれくらいあるのかということについても、把握している限り出してほしいと私の方からは要請をしております。(前原委員「それを国会に出してください」と呼ぶ)

 調査結果はまだいつ出るかとは申し上げられませんが、御案内のように、国家公務員法の改正案を今国会中に出したいと考えておりますので、そういうスピード感を持って調査はやっていただくように言ってあります。

前原委員 去年の通常国会で私がここで質問したときに、そのときの中馬大臣が、この迂回天下りに対して、「そういうことは各省庁にももちろん自主的にやらせておりますけれども、政府といたしましても、きつくそのことは指示してまいります。」こういうことをもう答弁されているんですね。

 ですから、今渡辺大臣が答弁されたような資料をこの国会に提出していただきたいということを委員長に要望いたします。

渡辺国務大臣 いずれにしても、調査結果は次の制度改正に反映をさせていかなければなりませんので、国家公務員法の審議の過程で明らかになると思います。

前原委員 今のは国会に出すということですね、この通常国会に法案を出されるということですから。それでよろしいですね。

 では、それを資料請求いたしますので、ぜひ出していただきたいということを求めたいと思います。

金子委員長 引き取ります。

前原委員 それからもう一つ、去年の行政改革特別委員会の中で、小泉総理大臣が、慣例である早期退職勧奨、これを三年おくらせていくということでありますけれども、それは不十分ではないかという趣旨には、これは私が不十分ではないかということを申し上げたときに、三年では不十分ではないかという趣旨には私も賛成であります、でき得れば定年まで働けるようにするのがあるべき望ましい姿だと思っておりますということを去年の段階でおっしゃっているわけです。

 これは、先ほど申し上げた随意契約とかあるいは天下りの全体像の把握とか、すべてまどろっこしいことなんですよ、やらなきゃいけないけれども。すべての根本は早期勧奨退職制度にあるんですよ。これをなくして、みんなが定年まで働けるようにして、その中で、しかし途中でやめて民間に行きたい人はどうしようかという議論をしっかりやっていかなくてはいけない。

 そういう意味では、去年の行革特で、小泉総理が、時の総理大臣が、早期勧奨退職はやめた方がいい、定年まで働く方がいいというふうに思うということをおっしゃっているわけですから、それをしっかりと、私は、政府として、もう一年がたっているわけですから、そろそろ結論を出してそれを実施するべきだと思いますが、いかがですか。

渡辺国務大臣 各省とも肩たたきの平均年齢は徐々に上がってはきているんですね。しかし、御案内のような早期肩たたきがまだ行われている。

 そこで、安倍内閣におきましては、私が大臣になる前の話でございますが、スタッフ職の創設ということについて閣議で決めまして、人事院にそういった制度、給与等の関係の整備をやれ、やってほしいということを言っているわけでございます。

 なぜ早期勧奨退職が起きるかといえば、これは私がスーパー護送船団と申しております年功序列制があるからなんですね。だから肩たたきが必要になってくる。ですから、これは、能力・業績主義、これはもう自民党が何年も前から議論している話でございますが、こういう制度を導入すればスーパー護送船団が崩れていくんですね。そして、中馬プランでも述べられていますように、官民の大幅な人材交流をやっていくということがポイントかと思います。

前原委員 いや、ですから、質問に答えてくださいよ。早期勧奨退職はやめるということを総理がおっしゃっているんです、小泉さんは、やめると。いわゆる前政権のこの総理の発言というものは引き継いでいるんですね、それで渡辺大臣はこれをちゃんとやるんですねという、やるかやらないかだけ答弁してもらったらいいんですよ。

渡辺国務大臣 早期勧奨退職をいつまでにやめるということは残念ながら今の時点では申し上げられませんけれども、極力こういうことをなくしていこうということで、今我々は制度設計に取り組んでいるところでございます。

前原委員 何かもう、机たたいて言った迫力が全くないですね。とにかく、官の無駄遣いをどうやって削っていくのか、そういったところを本気で取り組まなければ、これから参議院選挙後税制の議論があるという話でありますが、絶対にそういう国民に負担を求めることはできませんよ。

 つまりは、行革なくして増税なしということをしっかり身をもってやってもらいたいし、それができなければ、私は、まあできないと思いますよ、今の答弁を聞いていたら、あれだけ机たたいていた人がこういう腰砕けの答弁しているようでは。余り期待はしておりませんが、ぜひ、そこはしっかりとこれから我々も詰めていきますので、無駄をなくすということについて徹底的にこの内閣としても取り組んでいただきたいし、我々も追及していくということを申し上げて、質問を終わります。

金子委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。

 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 きょうのこの予算委員会は、与野党の合意が得られない状況の中で、昨日の理事会で委員長の職権によって一方的に設定されたものでありまして、その強引なやり方に厳しく抗議をしたいと思います。

 今後、締めくくり総括を行うとか、あるいは採決を行うという話もありますが、それは絶対にやってはならない。きちっと予算委員会の機能を発揮していただきたい、十分な審議を行うべきだ、このことを述べておきたいと思います。

 具体的な質疑に入ります。

 大田大臣にお聞きしますけれども、経済財政諮問会議というのは内閣の重要政策に関する基本方針その他の案件を発議することができる、このように法で定められており、権限が明確化されて、総理大臣への恒常的な諮問機関として設置されたということであります。

 大田大臣自身は、竹中さんの大臣の時代にどういう仕事をされてこられたんですか。

大田国務大臣 私は、平成十四年四月から内閣府の職員といたしまして仕事をしておりました。経済財政分析の業務を行い、経済財政諮問会議に関連しては、その運営のまさに事務局として仕事をしておりました。

 最初は参事官として、企画、政策効果分析をやっておりました。十五年から審議官として、景気判断、政策分析の仕事をしておりました。十六年四月から政策統括官として、三人の政策統括官の一人として仕事をしておりました。

佐々木(憲)委員 この経済財政諮問会議にはさまざまな方が参加されておりますが、その中で民間四議員というのがいますね。これは、この諮問会議の中で非常に大きな権限を持ち、また常に政策提起を行っております。

 私もいろいろ調べてみましたが、私は最近「変貌する財界」、こういう本を書いております。この中で、調べたら、民間四議員の連名で提案をした回数が圧倒的に多いわけです。例えば、二〇〇一年は二十二回、二〇〇二年は五十一回、二〇〇三年三十三回、二〇〇四年三十九回、二〇〇五年五十九回、二〇〇六年三十八回、ほかは、まあ数回か、各大臣があるいは十数回、こういうのが多いわけですが、民間四議員というのは、これは一体どういう性格の方々なんですか。

大田国務大臣 諮問会議は、十一名の議員のうち四割以上を民間有識者にすることになっておりまして、諮問会議の趣旨としまして、総理大臣のリーダーシップのもとで、有識者の意見を十分に反映させつつ、経済財政政策の重要な政策を調査審議する機関となっております。民間有識者は、毎回の諮問会議において、それぞれのテーマで、共同で、共同でない場合も過去においてございますが、議題についての御意見を提言なさる。そして、十一名の議員で審議をいたします。

佐々木(憲)委員 この民間四議員というのは、どういう方が参加しているんですか。

大田国務大臣 個人の識見で総理が任命された四名の方です。御手洗冨士夫氏、丹羽宇一郎氏、それから伊藤隆敏氏、八代尚宏氏の四名です。

佐々木(憲)委員 日本経団連の会長の御手洗さん、さらに財界の代表。ですから、四人のうちの二人は財界代表ですね。あとは学者の代表の方といいますか。それで民間四議員が形成されて、その四議員が常にこの間、連名の議案の提起をしている。

 その議案の提出の下作業を大田さんは大臣になる前、つまり竹中さんの時代にやられていたというふうにお聞きしますけれども、そういうことですか。

大田国務大臣 民間議員が四名の名前でお出しになるか、お一人の名前でお出しになるか、あるいは二人にするかは、民間議員の話し合いによって決められるものです。

 私が内閣府勤務時代にやっておりましたのは、民間議員の御意見を集約しながら、民間議員提案のたたき台をつくるお手伝いはしておりましたが、最終的にペーパーをおつくりになるのは民間議員です。

佐々木(憲)委員 民間四議員の実際上の事務局的役割を果たしておられて、その財界の代表の方々も含めた御意見を聞き、そしてそれを整理して、提案するペーパーにまとめていく。もちろん民間四議員の責任で出すわけですからね。しかし、それに深くかかわっていたということだと思うんです。

 さて、そこで、今度は担当の大臣になられたわけでございます。この担当の大臣になったときの姿勢、どういう立場でこの会議に参加されるか、これが今いろいろと問われると思うんですね。

 大臣になられた後に、これは新聞記事によりますと、インタビューを受けておられて、こういう質問がありましたね。諮問会議で政策立案する場合、事前に与党と相談しますか、それとも民間メンバーの案をたたき台に議論しますかという質問に、これはどうお答えになりましたか。

大田国務大臣 そのインタビューの回答をつぶさには記憶しておりませんけれども、基本は、まずは諮問会議の運営をいたしますので、諮問会議に民間議員から提案がありましたら、それをベースに議論いたします。あるいは、他の閣僚、委員である閣僚、臨時議員である閣僚からの提案がありましたら、それをベースに議論いたします。

佐々木(憲)委員 この質問は、政策を立案する場合に、事前に与党と相談しますか、それとも民間メンバーの案をたたき台にしますか、つまり、与党と相談するのか、民間四議員と相談するのか、どちらかということなんです。それをはっきり答えていただきたい。

大田国務大臣 まず、諮問会議は政策立案の機能は持っておりません。調査審議の機能です。もしそう書かれているとしたら、その記者の書き方の誤りです。

 調査審議の場合は、有識者議員から提案がありましたら、それを議論いたします。これが政府の方針になる場合は、例えば骨太の方針あるいは「進路と戦略」は閣議決定をいたします。その閣議決定の段階では、政府・与党あわせて議論を取りまとめていきます。

佐々木(憲)委員 歳出改革の工程表をいつつくるのか、こういうふうに問われたインタビューがあります。その中で大田議員は、新しい民間議員と相談してからだ、こういうふうにお答えになっているんです。つまり大田さんは、結局は、この民間四議員、つまり財界の代表の方々と相談をして進めていくというのがどうも基本的な方向らしい、このインタビューの答えによりますと。

 私は、今までこの民間四議員の果たしてきた役割というのは非常に問題があったと思いますよ。つまり、例えば労働の問題にしろ税金の問題にしろ、すべて、民間四議員というのは財界の代表としての発言をされております。そして、それをどう諮問会議の全体の意思にするか、そういうことをずっとやってこられているわけです。大田さんは、その民間四議員のお手伝いをされ、その事務局的役割を果たしてこられた。大臣になってからもそういう方向をどうもやられようとしているように見受けられる。

 大田さんが書かれた「経済財政諮問会議の戦い」、これをじっくりと私も読ませていただきました。この中で、大田さん自身がこう言っておられるんですね、「諮問会議の民間議員が特異な位置を占めるのは、みずからペーパーを書くという点にある。」と。「特異な位置」と言っているんですよ。それで、「原案が作成されたあとは、それに対する修正要求しかできなくなる。常に、原案の作成者が優位に立つのである。」と。

 つまり、経済財政諮問会議の運営の仕方は、まずは民間四議員が先んじてペーパーを提出する、これは、いわば財界の意向を反映しているわけです、もろに。それを、経済財政諮問会議の中で優位に立つ形でまずはつくって、そして、後はこれを修正するしかない、だからリーダーシップが確保できるんだ、こういうふうに言っているんです。

 それから、数の上でも、「十名の諮問会議メンバーのうち、官房長官と担当相を除けば八名。つまり、民間議員四名は、半分を占める力を持つのである。四名が名を連ねて一丸となれば、大きな力になる。」これは、結局、財界代表二人の意向の範囲内で、その意向に沿って経済財政諮問会議を運営していこう、このことを明確に、実際にそれをやってきた、そのことを示していると思うんですね。

 今後もそういう方向でやるということですか。

大田国務大臣 私の本を読んでいただきまして、ありがとうございます。

 本のその部分ですけれども、まず、民間議員が紙を書くところに特別な点があるというのは、他の審議会との違いを書いております。他の審議会は、民間の方がメンバーであっても事務局がたたき台を書くことがほとんどですが、経済財政諮問会議の有識者議員ペーパーは、民間議員がみずから書きます。

 それから、修正をしないという点につきましては、あくまでも、事前に関係省庁の意見は受けないということで、調査審議の過程における話です。実際に政策決定をする場合は、あくまで総理の諮問機関ですので、総理にお答えする形になります。閣議決定をする段階では、事前に、諮問会議全体の意見の調整、あるいは政府内部、政府・与党の調整というのが当然ございます。

 それから、民間議員の立場ですけれども、総理が何回も国会で答弁しておられますように、あくまで個人の識見に基づいて総理が任命しておられます。

佐々木(憲)委員 いろいろな弁解をしても、実際に大田さんが書かれているのを見ますと、みずからペーパーを書くというのが諮問会議の特異なものであった、特徴であると。審議会では事務局が答案を書き、委員はそれに意見を言う、しかし、この諮問会議の場合は、ペーパーを書くというところに非常に力点が置かれておりまして、それが議論の土台を設定するんだ、こういうふうにみずから書かれているじゃないですか。そして、原案が作成されれば修正しかできなくなるから、だから原案の作成者が優位に立つと。

 今までやってきたのは、実際、そういうことなんですよ。そこには労働の代表もいない、消費者の代表もいない。結局は、財界に直結した形での諮問会議の結論がそこから出されて、それが閣議決定に上げられるという形になっているんじゃないですか。結局、与党も無視、野党をもっと無視して、財界の言いなりの形でそれが閣議で行われてきた、小泉内閣時代からそれが続いているというのが実態なんですよ。

 ちょっともう時間がなくなってしまったけれども、ほかの大臣にも来ていただきましたが、この関連でずっとやろうと思ったんですが、まだ時間は十分、一般質疑も続くのかもしれないので、私は、この続きは後でまたやらせていただきたいと思います。

金子委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

金子委員長 この際、お諮りいたします。

 最高裁判所事務総局高橋総務局長、小池経理局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 私からも、与野党合意の上で丁寧かつ充実した審議を続行していただきたいということを強く要請をして、質問に入りたいと思います。

 先般、裁判所における裁判員広報の内容が、平成十七年、十八年度予算について、どうもわからないことだらけだ、契約書もでたらめである、日付も違う、こういうことがある以上、この予算審議のうちにしっかり報告をしてほしいということで、こちら、裁判員制度調査報告書という、このぐらいのボリュームの、これは会計書類が多いので、内容的には大変、A4三枚ぐらいのものですが、受け取りました。

 ただ、その中で、十四件の裁判員制度広報の契約がありました。十四件の総額は二十一億五千八百九十九億円です。十四件のすべてが、契約日と契約したときが違っていました。つまり、すべて不適正だったということがわかり、これを見ているうちに、予算というのはこの二年間で二十七億余りあったなということに気がつきまして、皆さんのもとにも資料をお配りしておりますが、二ページの方から、裁判員制度広報、こちらを足し算してまいりました。足し算をしたら、予算が十三億四千二百万円認められているのに、実は十一億四千万ぐらいにしかならないんですね。ほかにあるんですかと言ったら、この三枚目ですね、三枚目のページで出してきていただいたのが、ほかにちょいとありましたと。五百九十二万円ほどあったということですね。

 そうすると、執行額が十一億四千九百九十二万円しかなくて、実は一億九千二百八万も余っているという話なんですね、わかったのは。次の年、これも積算をすると、十二億八百万円しかないんですね。そして、五ページ目を見ていただくと、執行額は十二億一千三百八十六万円で、これも一億三千八百十四万円余っている。要するに、三億三千二十二万円、二年間で執行されていない、執行しなかった予算がある。これに一切触れていないんですよ、この報告が。

 私は、大変不本意に思います。これは予算委員長を通して、こちらの一の二を見てください。「平成十七年度・十八年度の裁判員制度広報費の事業について、企画・契約・会計にかかわる一切の資料と経緯の説明を求めたい。」と書いてあるじゃないですか。すべてについて明かしてくれと書いてあるじゃないですか。つまり、一番重要なことを全く書かなかった理由は何なのか、三億三千万余りはどこへ行ってしまったのか、簡単に答弁してください。

小池最高裁判所長官代理者 先般お出しさせていただきました報告書では、さかのぼりとか、そういう御指摘についておこたえしたものでございます。

 今の点、委員御指摘のように、予算の額と執行した額と、十七年、十八年合わせますと約三億円ほどの開差がございます。これは、先般申し上げましたように、私ども、予算を効率的に執行しようということでいろいろ努力しまして、その差益、一種差額が出てまいりました。その差額につきましては、一つには、先ほど委員も御指摘ありましたように、他の有用な広報案件等の予算に充てる、同じ予算の科目の中に充てる。それから、残りの額につきましては、端的な言い方をさせていただきますと、補正財源等に向けて国庫に返却させていただくという形でございます。

保坂(展)委員 一つは、科目の中で流用したということですね。これは目の中での流用である。そしてもう一つは、補正で減額修正をかけて国庫に返納した。

 それぞれ幾らと幾らですか。

小池最高裁判所長官代理者 つまり、執行差益が出ます。個々の案件で出ます。広報の案件でも出ましたし、庁費、そういうところでも出ます。それを一対一の関係で御説明するのはまことに難しいところはございますが、まず、一番大きなものといたしましては、今広報の関係で二億八千万円のものが出ましたけれども、十七年、十八年、この費目に当たります最高裁庁費、それから情報処理業務庁費というところは、二年度合わせますと約六億円余りの減額の修正をしております。その中に入っております。

保坂(展)委員 委員長、聞いていただくと、とにかく流用したという件、それから減額して国庫に返納したという件、しかしそれは特定できないとおっしゃっているんですね。これで、何とことしは、十四億円近い、同じ裁判員制度広報費の予算要求がこの平成十九年度予算案の中にあるんですよ。

 会計検査院に伺いますが、こういう目的別予算については、どこに使っちゃったのか、例えば裁判費とか裁判庁費とかそういうものに入れ込んでしまったものはわからなくなっちゃうんだ、行方がなかなか追えない、こういうものなんですか。しかし検査はできないということになっちゃうじゃないですか。簡単にお答えください。

大塚会計検査院長 国の収入支出の決算はすべて会計検査の対象となっておりますので、裁判所の予算に係る各項目の執行状況についても当然会計検査院の検査対象である、そのように認識しております。

保坂(展)委員 対象であって、これができなければ会計検査院というのは何もできないということになってしまいますから、これだけの予算規模で要求して未執行額があったということについては、しっかり調べていただきたいというふうに思います。

 そして、では小池経理局長に聞きますけれども、これは平成十八年の三月三十一日の閣議決定でも、各省各庁の長は、庁費のたぐいに属する各目の相互間の流用、これは認められておる、しかし、その場合には財務大臣及び会計検査院に通知をするものとするとありますが、通知していますか。

小池最高裁判所長官代理者 これは目の中の運用でございますので、そういう御通知は申し上げてございません。

保坂(展)委員 会計検査院長、先ほど確かめたんですが、目の中における流用だと通知をしなくていいんですか。先ほど確かめたら、これは通知を受けることになっていると聞いていますが、いかがですか。

大塚会計検査院長 目間での流用があった場合には通知を受けるということになっておりますけれども、目内であればそのようには聞いておりません。

保坂(展)委員 それでは、現在のところ、例えば六億円の新聞広告は、最高裁が項で、目が庁費、タウンミーティング三億四千万円は、裁判費が項で、目が裁判庁費と分かれている。今経理局長がおっしゃっているのは、では、三億三千万余り執行がされていないというけれども、それを一つ一つ追って、幾らが他のことに、では目内でいいでしょう、流用されたのか、そして幾らが国庫に返納されたのかは現時点では答弁できないというふうに確認していいですか。

小池最高裁判所長官代理者 今申し上げましたように、個々の案件について、いわば執行の努力をして執行のおつりが出てくる、そうしますと、庁費というところの財布に入ってきますけれども、それを一対一に対応するというのは、論理的には可能かもしれませんけれども、これは極めて多数の案件について全部突合するということになります。そういうことにつきましては、もうこれは実際上困難であるというふうに申し上げたいと存じます。

保坂(展)委員 そうすると、これは、平成十九年度の十四億円という予算編成はどうやってされたのか。

 きょう皆さんに配っていますけれども、資料にも、六ページに、裁判員制度広報関係諸費として十三億九千百万円とあるじゃないですか。予算要求しているじゃないですか。

 とすると、それぞれの項目から予算を積み上げていってこういうぐあいにやろうということは、そのひな形はあるはずであって、それが何%執行されたのかどうかということがこの委員会で答弁できないということは、私、非常に納得ができない。これはちょっとこのままにしておけないというふうに思います。

 したがって、これは委員長にお願いですけれども、国会法百五条に、委員会として、会計検査院に対する検査要請というのがございます。これをぜひ検討していただきたい、決議をお願いしたいと思います。

金子委員長 どういう取り扱いにするか、理事会で協議いたします。

保坂(展)委員 きょうは総務局長にも来ていただきましたけれども、このタウンミーティングのいわば見積価格が、実は九けた一致をしていたということがございます。九けた一致するというのは普通はないんですね、偶然に一致する。

 最高裁判所のこの報告では、談合の疑いが指摘されているけれども、三億三千三百万円に消費税を加算して算出する、つまり、三億三千三百万という、何となく三、三、三とごろのいい、割と日本人が好きな数字なのかどうかわかりませんが、そういう数字で三億五千万という上限価格を示しているのでぴったり合ったのであって、これは、最終的な見積額の一致は不自然とは言えない、こういう報告なんですが、これは本当に不自然じゃないんですか。この数字を見たときに担当者は疑義を持たなかったんですか。どなたがこの企画を競争させるときの実務上の担当責任者だったんですか。

高橋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 今回のフォーラムの実務上の担当者がだれであったかというお問いでございますけれども、裁判員制度広報の企画の実施につきましては、これはいろいろな各局課にまたがる事柄でございます。司法制度改革でございますと総務局でございますし、刑事裁判のことでありますと刑事局になりますし、広報のことでありますと広報課になります。そういうことでチームをつくって検討するということを前から申し上げております。

 このフォーラムにつきましては、案件ごとにいろいろ担当を決めておるんですが、このフォーラムにつきましては、総務局の一部門として審議官室というものを設けまして、そこで検討しております。

保坂(展)委員 時間が迫ってまいりましたので、もう一度経理局長に伺います。

 この二十七億円という大きな予算で国民各層に裁判員制度について周知をしようという中で、三億円を超える金額が執行されなかったという事実がある。これは検査院、ぜひ調べていただきたいと思います。

 しかし、ありていに言って、この三億円というかなり大きな額が執行されない、一年に直せば一億五千万円ですね。ところが、四千万増額をされて要求しているわけですね、ことし、平成十九年度予算案で。これは目的外に流用する予定が既に何かあるんですか。この名目で予算をとっておいて、別の手当てにしようというような、そういうお考えがあるんですか。

小池最高裁判所長官代理者 十九年度予算につきましては、それまでの十八年、十七年の実績を見て予算を組み立てました。

 ただ、これまで行いました広報の反応というものを見まして、その広報の内容というものは、いわば発展的に、動態的に動いていくものでございます。そういうことで、その企画等の中身も考慮しまして、今回の積み上げした予算を要求させていただきました。

保坂(展)委員 これは大変不思議ですよ。

 なぜかといえば、タウンミーティングというのは、そんな、いきなり二個も三個もできないですね。ところが、広告というのはすぐ打てるんですね。そうでしょう。二億円余っていれば、じゃ、この媒体にもやろうかとかできるじゃないですか、これ。だけれども、そういうふうにはせずに、これだけ、総計三億執行されなかった。その行方はと聞くと、さあ、ちょっと困難な作業です、一つ一つ突合しないと到底言えませんと。そんなことだったら、トータルでとった予算の行方というのは、はっきり使ったもの以外わかりませんよという話になってしまいませんか。

 こんな答弁では到底納得できないということを申し上げて、私の質問を終わります。

金子委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして一般的質疑は終了いたしました。

 午後二時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後一時三十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時十分開議

金子委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 これより締めくくり質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。遠藤武彦君。

遠藤(武)委員 私は、今から二十年前……(発言する者あり)聞こえますか。今から二十年前、いわゆる衆参同日七夕選挙で当選させていただきました。長いことやっていますが、ほとんど質問というのはしたことがありません。ちなみに、私の初めての質問は昭和六十三年でありました。平成元年に予算委員会でしたことになっておりますが、実に十九年ぶりの質問であります。ですから、ちょっと言葉足らずで失礼なこともあるかもしれませんが、委員の皆さんあるいは閣僚の皆さん方も……(発言する者あり)

金子委員長 御静粛にお願いします。

遠藤(武)委員 どうぞひとつ御寛容のほどをお願い申し上げたいと思います。

 さて、平成十九年度の予算案でありますが、私は、近年においてなかなかよくできた予算案じゃないかな、こう思っております。

 まず、大幅な税収増があったわけですが、これを余分な歳出に振り向けないで、財政の健全化を図ったということですね。特に、公債依存度は三割以下に抑えました。新規公債発行額の減額幅は四兆五千億円、過去最大の減額、さらに交付税特会の償還分一兆七千億円余、一般会計で計上した分を合わせれば六兆三千億円、大変な健全化を進めたことになりまして、評価していいのではなかろうかと思うわけであります。

 地方の活力なくして国の活力なし、安倍政権に地方の期待は大きいと私は思っています。地方交付税一般財源総額十五兆二千億円を確保いたしました。これは地方重視のあらわれと受けとめていいのではないか。しかも、高金利の地方債利子の借りかえ減額策五兆円、これは大きいと思いますね。これは地方財政の目玉だと言ってもいいのではなかろうか。政府資金の中には、非常に高金利で、七%、八%というのがまだまだ残っているわけです。この公債費負担を軽減することによって、地方団体では、その分、地域活性化とか行政サービスの向上に振り向けられるわけでありまして、地方にとっては大変ありがたい措置だと思っています。

 また、公共事業抑制の中にあって、まちづくり交付金、地域再生交付金、さらには、農地・水・環境保全向上対策を新たに予算化されました。全体を見ても、社会保障費二・八%の増、教育政策経費四・二%増、中小企業〇・六%の伸びなどが目についたわけであります。

 そこで総理に伺いたいのでありますが、中小企業予算は経産省分では三・四%の伸びです。しかし、政府全体の一般歳出予算の方ではたったの〇・三五%しかありません。我が国の中小企業は全企業の九九・七%を占めている。常用雇用者の七一%も占めているわけであります。地方の活力は国力の源だと総理は常々おっしゃる。だとすると、中小企業こそ地方そのものじゃありませんか。消費の拡大のために、来年度予算の大幅増、及び税制については、事業承継税制の抜本的な改正とともに、ことしの夏のヒアリングにおいてきちんと国民に約束してもらいたいなと思っていますが、それはいかがですか。

尾身国務大臣 十九年度予算につきましては、今遠藤委員のお話のとおり、七・六兆円の税収の増がございましたが、支出の方、一般歳出につきましては、これに対して〇・三兆円の増加にとどまっておりまして、大幅な財政健全化を実現したと思っております。そして、そういう中で、六・三兆円という数字になるわけでございます。

 その中で、今お話のございました、イノベーションを通じての経済成長や、あるいは科学技術、中小企業ということにつきましてはかなりの力を入れてやりましたし、また、教育再生、少子化対策、再チャレンジ、地域活性化といった、広く国民に政治の温かみが伝わるような配慮をしている予算であるというふうに自負している次第でございます。

 特に、先ほど御指摘のありました、地方の財政事情が非常に厳しい公共団体に対しまして、二〇〇七年度から三年間の臨時特例措置として、新たな行政改革の実施等を要件に、総額五兆円規模の高金利の財政融資資金などの貸し付けにつきまして、補償金を免除した繰り上げ償還を認めることにしております。これらの措置を通じまして、地方公共団体の財政健全化を促進し、将来的な国民負担の軽減を図ってまいりたいと考えている次第でございます。

 ただいま、我が国の予算案につきまして非常に適切な御感想と御指摘をいただきました。私は、この予算の審議を通じて、予算や経済の全般についてもっと突っ込んだ議論をしたいなというふうに思っておりましたが、なかなか、質問の内容がかなりかけ離れたものでございまして、そういう審議がしっかりできなかったという思いがございまして、この点については、これからは直していただきたいと思っている次第でございます。

安倍内閣総理大臣 十九年度の予算につきまして非常に的確な御指摘をいただいた、このように思っております。徹底的に無駄遣いを省いていく、歳出の見直しを行ったわけでありまして、新規国債発行額を、四兆五千億円、過去最大の削減を実現することができたわけであります。それを合わせまして六兆三千億円のいわば財政の健全化に資することができた、このように自負をいたしておる次第でございます。

 そういう中におきまして、予算においてはめり張りをつけたところでございます。成長の源であるこのイノベーションについては、いわばこれは、それを支える科学技術あるいは中小企業対策といった成長力強化につながる取り組みを強化いたしました。また、教育再生や少子化対策、再チャレンジ支援、そしてまた、今先生がお触れになられました地域活性化といった、広く地域や国民に温かい配慮を行き届かせるような取り組みを行っているところでございます。

 そして、今先生が御指摘になったように、中小企業こそ地域対策にもなっている、私もまさにそのとおりであろう、このように思うわけでございまして、中小企業につきましては、中小企業地域資源活用促進法案により、地域資源を活用した中小企業の新商品開発等を支援していくことになっております。

 また、地域の活性化については、我々九本の法律をこの国会に提出いたす予定でございまして、しっかりと対応していきたい。地域の活性化なくして国の活力なし、この考え方で進めていきたいと思っております。

遠藤(武)委員 委員長にお願いをいたしておきますが、できる限り、私が答弁をお願いした方、閣僚に答弁していただくように御指名願いたい。私はただいま総理にと申し上げたのであって、財務大臣には御指名していませんので。どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。

 さて、二十一世紀はどういう世紀かといえば、いろいろな立場、いろいろな人々からいろいろな考え方、見方があろうかと思いますが、しかし、少子高齢化社会であるということだけはだれもが異論がないであろうと思うのであります。また、国際的には、地球環境と水の世紀ではなかろうかと私は思っております。だからこそ私は、活力と調和を持って世界に貢献する日本でありたいと強く希求しておるものであります。

 まず政府には、正義と平和の外交を展開してもらいたいと思います。

 安倍総理が就任早々、昨年十月でしたか、北京を訪問されたことは、冷え切った日中関係を現実的に処理されたものであって、戦略的外交の果実であったと評価したいと思います。

 まず我が国は、戦後一貫して、自由と民主主義、法による統治、そして基本的人権の確立を実現してきた国家であるということを繰り返し繰り返し、くどいほど内外に明示していく、発言していく、これが大事ではなかろうかと思います。このような国家をつくり上げてきたことこそ、過去の戦争への贖罪の一つをなしているのではなかろうか。また、隣国などからの執拗なまでの歴史的認識糾弾に対する、こういう国をつくり上げてきたじゃないか、それは一つの回答にもなるんじゃなかろうかと思うのであります。

 それゆえにこそ我が国は、普遍的な人権、普遍的な価値観が確立されていない、多くの国民が深刻な苦痛を強いられている国々の政府を容認することはできないわけであります。そのような国、政府が存するがこそ我が国の人道復興支援があるのだということを、やはり明言していくべきではなかろうかと思うのです。

 これは麻生外務大臣にお伺いしたいのでありますが、唯一の被爆国である我が国の非核三原則、核兵器の廃絶というのは、いわば我が国からの世界宣言であると思います。北朝鮮による拉致及び核開発、なかんずく核兵器利用に対しては敏感に対応すべきである。と同時に、北朝鮮はもとよりでありますが、たとえ経済的な友好関係と言われるインドの核兵器開発に対しても、毅然として強い反対の意思を明確にすべきではなかったのかと思うのでありますが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 二点いただいているんだと存じますが、第一の点につきましては、これはもう政府としては何回となく申し上げてきているとおりであって、この内閣に限らず、歴代内閣、同じような内容の答弁をさせていただいていると思いますが、非核三原則の件につきましては、内閣として今後とも堅持をしてまいるということに関しましては全く変わりないところでもあります。

 インドのお話があっておりましたけれども、これはもう御指摘のように、インド、約十億の民、そして極めて親日的であり、今、ITを中心に猛烈な勢いで経済的にも伸びておりまして、日本との関係は、過日、マンモハン・シン総理の訪日これあり、いろいろな意味で日本との関係が極めて友好に推移しておりますのは御存じのとおりであります。

 それと、この核の問題とという話に関しましてはまことにおっしゃるとおりなのであって、これは、いわゆるNPT、ノンプロリファレーション・トリーティー、核不拡散条約に加盟していない国というのでもありますので、私どもとしては、そういったのに加盟していない国の核問題を容易に認めちゃうというのは極めて難しいところでありますので、この問題に関しても、IAEAの理事国、我々も理事でありますので、そういった意味では、今後、この問題については、そこの場できっちり議論をしてもらわないで安易に認めるというようなことはありません。

遠藤(武)委員 私は、日本の国是ともいうべき、世界宣言である核廃絶、非核三原則、これはどこまでも筋を通して貫いていくべき、それができるのは日本だけだというふうに思っていますので、今後とも毅然とした外交を続けてもらいたいと思っています。

 総理にお伺いいたしたいと思いますが、国連中心の集団安全保障体制のもとでの集団的自衛権確立のために私はまだまだ国民の理解が足りないと思う。ですから、いろいろなキャンペーンでも組んだり、何か事あるごとにこれは国民の皆さん方に、いい、悪いとか別に、こういうものなんですよということをわかってもらう努力を今後ともしていくべきだと思います。

 また、北方領土、尖閣諸島、南沙、西沙諸島、これらの領土問題はかなり厳しい局面にあると思います。国後、択捉は我が国の国土である、しかし実効境界はこのラインだ、こんな二またの理由が国際社会で通用しますか。しません。ですから、銃撃でやられたりするような事件も勃発するのであります。仮に尖閣諸島で外国の軍隊が駐留したりしたらば、日本はただ厳重抗議、それだけなんでしょうか。関係国の政府と領土問題については徹底的な議論を間断なく続け、厳然たる姿勢で臨んでこなければならなかった問題ではなかったかと思います。

 外交の先達たる白洲次郎は占領軍、GHQと闘いました。吉田茂首相は単独講和を実現しました。岸信介首相は日米安保条約を締結しました。佐藤栄作首相は沖縄、小笠原の返還を実現しております。総理には、誇りと自信を持って毅然たる外交を展開していただきたいと思いますが、総理の外交に関する所感をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 私への質問は二問あったのだと思います。

 まずは、集団的自衛権の問題でございます。

 私たちの一番のまず大きな責任といたしましては、国民の生命財産を守る、身体を守るということでございます。

 近年、国際社会のいわば安全保障をめぐる環境は大きく変わってきたと言ってもいいのではないかと思います。特に、大量破壊兵器やミサイルの拡散の問題がございます。テロとの闘い、そしてまた地域紛争の続発といったこうした問題の中において私たちは、国民の生命と身体、財産を守るという責任を果たしていかなければならないわけであります。そのためには、日米同盟が効果的に機能を果たし得るものでなければならないと思います。そしてまたもう一点は、世界の平和と安定のために私たちはその責任を果たしていくべきであろう、このように考えるわけであります。

 こうした活動、現在も、PKO活動、また平和の回復、それぞれの紛争地域の復興支援のための活動を行っているわけでございます。これはまさに、国連の活動において、今先生が御指摘になられました集団安全保障の中において、例えばこれは、警察活動的な中においてその責任を果たすことができるかどうか、そういう議論もあるわけでございますが、こうした貢献を私たちやっていく上において、責任を持った貢献をしていかなければいけないわけでございます。

 こうした観点から、時代状況に適合した、実効性のある安全保障の法的基盤を再構築していく必要がある、私はこう考えているわけでございまして、この問題意識のもとに、昨年来、集団的自衛権の問題を含めまして、憲法との関係の整理について、個別具体的な類型に即して研究を現在しているところでございます。

 そして、もう一点は領土問題でございますが、領土問題は、我が国のこれはまさに主権にかかわる極めて重要な問題である、こう認識をしているわけでありまして、この認識のもと、政府としては、今後とも引き続き、毅然とした態度で精力的に領土問題の解決に取り組んでまいります。

遠藤(武)委員 ところで、総理は就任早々中国を訪問され、次いで韓国やロシアやEU、あるいは東アジア・サミットに出席されたりして、大変東奔西走の日々でありました。しかし、アメリカにはまだ行っていないわけであります。

 よく、日米同盟というお話を政府関係者から聞きますが、アメリカには行かれるおつもりなのかどうなのか、行かれるとするといつなのか、もしお差し支えなければ明かしていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 アメリカとのつき合いが始まって百五十年を超えたわけであります。途中、いろいろと山あり谷ありでもあったわけでございますが、恐らくこの百五十年の中で、現在、最も日米関係というのは信頼というきずなで結ばれている関係の中にあると言っても私は過言ではないんだろう、このように思うわけでございます。

 かつては、政権が誕生したらすぐに訪米しなければいけないという、いわば参勤交代、このようにやゆされた時代もあったわけでありますが、現在、やはりこの信頼関係は大変強いものがあるわけでありまして、すぐに訪米をしなくてもそう簡単に崩れるような信頼関係ではない、私はこう確信をいたしております。

 私も、官房副長官また官房長官として小泉政権にいたわけでありますが、特に官房副長官時代には首脳会談に何回か同席をしたこともあるわけでございまして、ブッシュ大統領とも数回面識がございますし、食事をともにしたこともございます。私が就任直後、電話をいただきまして訪米を招請されたわけでございます。先般、ハノイで首脳会談を行った際には、この招請に対して私は、しかるべきときに訪米したい、このようにお話をしたわけでございます。

 私も、そんなに遠い先ではない、できるだけこれはある程度早い段階で訪米して首脳会談を行い、同盟関係が揺るぎないものであるということを確認していきたい、このように考えております。

遠藤(武)委員 しかし、行かないわけにはいかないのではないでしょうかね。沖縄の問題がある、また、現実問題、チェイニー副大統領も来ているわけでありますね。さらには六カ国協議の問題がある。拉致の問題で取り残されたわけではないにせよ、やはり表裏一体となって対処していく必要がある。また同時に、今、オーストラリアとのFTAあるいはEPAがまないたに上がろうとしている。オーストラリアとそういうテーブルに着けばアメリカやカナダが黙っているわけはないのであって、やはり早晩アメリカと、外交的にも通商的にも、あるいは北朝鮮との関係でもすり合わせを行う必要があるのではないかということを提言しておきたいと思います。

    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕

 さて、地方がよくならなければ国がよくなるはずがないというのは、これは、昭和六十一年、私が衆参同日選挙で当選させていただいて以来のスローガンであります。実は、ここに昔の選挙公報というのを持ってまいりました。ここに、地方がよくならなければ国がよくなるはずがない、次の年の平成七年もこういうふうにしております。次の平成十年ですか、全部これが私のタイトルであります。ですから、今、総理が、地方の活力なくして国の活力なしと再三言及されることに私は非常な共感を覚え、感動いたしておるわけでありまして、いよいよ私が言い続けてきたことが少し見えてきたのかなという思いであります。

 まさしく、地方がよくならなければ国がよくなるはずがありません。地方経済の活力なくして国家経済の繁栄もありません。しからば、おまえの言う地方とは何か。私の申し上げる地方というのは、圧倒的多数の中小零細企業と農業と、そこで働く人々そのものが地方なのであります。この二つながらに元気がなければ、国が元気になるわけがないのであります。

 中小企業というのは大部分は物づくりであります。着手から完成まですべて手づくりで、しかも、私たちの日々の暮らしになくてはならないものをつくっている人だっている。そこで働く人々は常用雇用者の七〇%以上であります。ところがその多くは、育児休業も介護休暇も、あるいは子供のために学校へ行く休暇をもらうことすらままならない人たちばかりですね。この人たちを元気にしないで、どうして消費をふやしたり国民全体が活力を持つことができるでしょう。ここが私は問題だと思うんですね。

 ですから私は、成長なくして財政再建なしといいますけれども、中小零細企業対策さえしっかりしておれば、大企業はおのずと潤うんじゃないですか。景気対策なども大企業や巨大産業に目が行き過ぎているように思えてならない。中小零細企業においても、少子高齢化社会に対応できるような労働形態というのを早急に政府の責任において進めていく必要があると思うのであります。

 また、もう一つの農業について言うならば、エジプト、メソポタミア、インダス、黄河、これは古代世界四大文明であります。しかし、今や砂れきの下であります。茫漠たる砂漠の下であります。しかし、何十万、何百万という人たちがそこに住んでおった。だから、それを支えるに足る食料生産、農業があったはずであります。しかし、今や茫漠たる砂漠の下。これこそまさに、森なき民は滅び、農なき国は衰亡するということの明白な事実でありますよ。

 ですから、穀物自給率で二七%、カロリーベースで四〇%という、これが経済大国日本の姿でありまして、輸入する農産物を全部ストップして自国で賄おうとすると、千四百万ヘクタールの農地が必要です。不可能です。だけれども、それでもなおかつ経済大国日本の農業者は、低価格にあえぎ、さらなる農産物市場の開放を迫られ、全く元気を失っております。

 日本とオーストラリアとのEPAまたはFTAは、日本農業に大なる脅威を与えていることは皆様方が御認識のとおりでありますね。近くオーストラリア首相ハワードさんが来日されると聞きますが、総理は日本の農業に対するどのような認識を持って会談に臨まれるおつもりか、お伺いいたしたいと思います。

    〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕

安倍内閣総理大臣 農業というのは、これはまさに、私たちの食を守る、食べ物を供給する大切な産業であると同時に、地域を産業として支えています。そしてそれと同時に、地域の環境や自然、さらには文化や伝統といったものも守っている、この美しい日本の原風景そのものではないか、このように私は思うわけでございまして、これを失っては日本は日本でなくなってしまう、そういう私は認識を持っているわけでございます。

 この農業は、当然私たちは、大切な食の安全を守っていく、食料の安全保障という観点からもとらえていかなければならない、こう思っております。

 三月の十一日から十四日までハワード首相が来日をされるわけでございます。日本と豪州との関係、近年は、日米豪の戦略対話もスタートしているわけでありますが、この日豪の関係は大変今発展してきており、そして緊密な連携を、いわば国際場裏においてもこの両国は連携を生かし、お互いの国益をまさにこれは増進をしていると言ってもいいのではないか、このように思うわけでございまして、この両国の戦略的な関係を強化していくという意味においてもこのEPAは重要であろう、このように思うわけであります。

 一方、先ほど申し上げました農業の重要性がございます。また、規模の格差もあるわけでございまして、国内農業への影響、十分にこれは踏まえて取り組んでいかなければならないと思うわけでありまして、守るべきものはしっかりと守っていく、その方針のもとに、国内農業の構造改革の進捗状況にも留意をしながら、日本として最大限の利益を得られるように、政府一体となって取り組んでまいる所存でございます。

遠藤(武)委員 最後に一つ提言を申し上げたい。

 京都議定書はいわば国際的な約束でありますね。九〇年の時点で我が国の削減目標は六%でした。ところが、今や倍増して一四・一%であります。そのうちの三・八%を森林が担うことになりました。

 しかし、現実の森林は荒れ放題であります。クマやシカやイノシシや猿が荒らし回りまして、危なくて近寄れない。間伐も行われていない。相続による不在地主が多過ぎる。これで森林目標三・八%、何と千三百万炭素トンですか、を削減していかなくちゃならない。大変な数字、気が遠くなるような数字。

 しかし、幸いにして、このたび予算の中で、補正も含めて百二十万ヘクタール、毎年二十万ヘクタールずつ六年かけて森林を整備していこうということになりました。大変いいことだと思います。

 そこで私は提案する。緑の森林保全隊というものをつくったらいいのではないでしょうか。各都道府県に百人。一人月十五万、年間十二カ月、百八十万。四十七都道府県掛ける百ですから四千七百人。たった八十四億六千万円でしかありません。これが全国展開して、各県に百人もの森林保全隊がいるということはすばらしいことだと思いますので、これは国際約束を守っていく上での大事業ですから、総理の御感想をお聞きして、質問を終わりたいと思います。

安倍内閣総理大臣 これはまさに委員の御指摘のとおり、京都議定書の目標達成のためには、温室効果ガスの削減、これの排出削減に加えまして、間伐などの森林整備を的確に推進していかなければならないわけであります。

 このため、私は農林大臣に指示をいたしまして、先般、関係閣僚会議を開催し、その方針を作成したところでございます。その対策を着実に実行していくためには、森林整備の、やはり今委員が御指摘をされたような担い手を確保することが極めて重要でございます。

 緑の森林保全隊の創設について御提案がございました。この御提案や、実際に作業員を雇用する事業体の実情を踏まえていく必要がございますが、踏まえながら、緑の雇用対策を初めとする各般の施策によって新たな林業就業者が確保されるように、努めてまいる考えでございます。

遠藤(武)委員 他に御指名した大臣がいらっしゃいますが、冬柴さんそれから大田大臣、どうも申しわけございませんでした。

 終わります。

金子委員長 これにて遠藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、野党委員の質疑を行います。

 質疑を行ってください。(発言する者あり)野党委員の質疑を行ってください。(発言する者あり)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。(発言する者あり)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

金子委員長 速記を起こしてください。(発言する者あり)

 野党委員の質疑を行ってください。(発言する者あり)野党委員に、質疑を行ってください。野党委員に申し上げます。(発言する者あり)野党委員の質疑を行ってください。(発言する者あり)野党委員の質疑を行ってください。

    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕

萩山委員長代理 野党委員の質疑を行ってください。

    〔萩山委員長代理退席、森(英)委員長代理着席〕

森(英)委員長代理 質疑を行ってください。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

    〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕

    〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕

金子委員長 野党の委員の質疑を求めてまいりましたが、得られません。

 以上をもちまして締めくくり総括を終了させていただきます。

 平成十九年度……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)平成十九年度本予算の全質疑を以上をもちまして終了いたします。

 日本共産党から、佐々木憲昭君から組み替え動議を求められておりますので、これを許します。趣旨説明を求めます。佐々木憲昭君。(発言する者あり)佐々木憲昭君。……(聴取不能)

 それでは、ただいまより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを認めます。はい、入ります。実川君。(発言する者あり)

 討論ができる状況ではありませんので、以上をもちまして採決に移ります。採決に移ります。

 平成十九年度……(聴取不能)共産党提案の組み替え動議に賛成の諸君の起立を求めます。起立少数。よって、組み替え動議は否決されました。

 次に、平成十九年度……(聴取不能)賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって、本案は可決されました。(拍手)

 委員会報告書の作成は委員長に一任願いたいと思いますが……(聴取不能)起立を求めます。起立多数。よって、そのように決しました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三十五分散会


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