衆議院

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第3号 平成19年10月10日(水曜日)

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平成十九年十月十日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 逢沢 一郎君

   理事 伊藤 達也君 理事 遠藤 利明君

   理事 田野瀬良太郎君 理事 中山 成彬君

   理事 森  英介君 理事 山本 幸三君

   理事 岡田 克也君 理事 前原 誠司君

   理事 富田 茂之君

      井上 喜一君    井脇ノブ子君

      伊藤 公介君    岩永 峯一君

      臼井日出男君    尾身 幸次君

      大島 理森君    大野 功統君

      金子 一義君    河村 建夫君

      木原 誠二君    倉田 雅年君

      小池百合子君    小坂 憲次君

      佐藤 剛男君    斉藤斗志二君

      坂本 剛二君    菅原 一秀君

      杉浦 正健君    園田 博之君

      中馬 弘毅君  とかしきなおみ君

      西本 勝子君    野田  毅君

      深谷 隆司君    細田 博之君

      馬渡 龍治君    増原 義剛君

      三ッ矢憲生君    三原 朝彦君

      やまぎわ大志郎君    若宮 健嗣君

      菅  直人君    笹木 竜三君

      武正 公一君    津村 啓介君

      中川 正春君    西村智奈美君

      原口 一博君    細野 豪志君

      馬淵 澄夫君    松本 剛明君

      村井 宗明君    山井 和則君

      笠  浩史君    赤松 正雄君

      漆原 良夫君    江田 康幸君

      西  博義君    笠井  亮君

      佐々木憲昭君    阿部 知子君

      糸川 正晃君    亀井 久興君

    …………………………………

   内閣総理大臣       福田 康夫君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   増田 寛也君

   法務大臣         鳩山 邦夫君

   外務大臣         高村 正彦君

   財務大臣         額賀福志郎君

   文部科学大臣       渡海紀三朗君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   農林水産大臣       若林 正俊君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         鴨下 一郎君

   防衛大臣         石破  茂君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     町村 信孝君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)

   (食品安全担当)     泉  信也君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (規制改革担当)

   (国民生活担当)

   (科学技術政策担当)   岸田 文雄君

   国務大臣

   (金融担当)       渡辺 喜美君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   国務大臣

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   上川 陽子君

   内閣官房副長官      大野 松茂君

   内閣府副大臣       木村  勉君

   内閣府副大臣       中川 義雄君

   法務副大臣        河井 克行君

   外務副大臣        小野寺五典君

   財務副大臣        森山  裕君

   厚生労働副大臣      西川 京子君

   農林水産副大臣      今村 雅弘君

   経済産業副大臣      新藤 義孝君

   経済産業副大臣      中野 正志君

   国土交通副大臣      平井たくや君

   環境副大臣        桜井 郁三君

   防衛副大臣        江渡 聡徳君

   総務大臣政務官      秋葉 賢也君

   総務大臣政務官      岡本 芳郎君

   法務大臣政務官      古川 禎久君

   文部科学大臣政務官    原田 令嗣君

   文部科学大臣政務官    保坂  武君

   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   国土交通大臣政務官    金子善次郎君

   防衛大臣政務官      寺田  稔君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久元 喜造君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  外口  崇君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       大谷 泰夫君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月十日

 辞任         補欠選任

  臼井日出男君     井脇ノブ子君

  大野 功統君     やまぎわ大志郎君

  菅原 一秀君     木原 誠二君

  細田 博之君     西本 勝子君

  三原 朝彦君     とかしきなおみ君

  細野 豪志君     津村 啓介君

  馬淵 澄夫君     村井 宗明君

  笠  浩史君     菅  直人君

  渡部 恒三君     西村智奈美君

  赤松 正雄君     漆原 良夫君

  江田 康幸君     西  博義君

  笠井  亮君     佐々木憲昭君

  糸川 正晃君     亀井 久興君

同日

 辞任         補欠選任

  井脇ノブ子君     臼井日出男君

  木原 誠二君     菅原 一秀君

  とかしきなおみ君   若宮 健嗣君

  西本 勝子君     細田 博之君

  やまぎわ大志郎君   大野 功統君

  菅  直人君     笠  浩史君

  津村 啓介君     細野 豪志君

  西村智奈美君     渡部 恒三君

  村井 宗明君     馬淵 澄夫君

  漆原 良夫君     赤松 正雄君

  西  博義君     江田 康幸君

  佐々木憲昭君     笠井  亮君

  亀井 久興君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  若宮 健嗣君     馬渡 龍治君

同日

 辞任         補欠選任

  馬渡 龍治君     三原 朝彦君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件


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     ――――◇―――――

逢沢委員長 これより会議を開きます。

 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長久元喜造君、厚生労働省医政局長外口崇君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長大谷泰夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 基本的質疑を行います。

 この際、昨日の長妻昭君の質疑に関連し、菅直人君から質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。菅直人君。

菅(直)委員 福田総理、総理になられて初めての私の質疑でありまして、まずは、総理就任おめでとうございます。

 一般には、突然の登板とか期せずしてとか、そういう言い方がされておりますが、実は私は、福田総理の登板はちょっと印象が違うんですね。まさに福田総理は満を持して登板をされた、こういうふうに受けとめております。

 というのは、昨年、小泉さんがやめた後、次期総理をめぐっては、安倍総理に比べて政治経歴も年齢的にも兄貴分に当たる福田総理は、出馬のチャンスは十分にあったと思うんですね。しかし、当時人気の高かった安倍総理に道を譲って、そして、安倍総理がいわば自滅された後、即座に立候補を表明される。多くの総裁候補が二度三度のチャレンジの中でその座を獲得する例が多い中で、福田総理は、まさに満を持してそのチャンスをうかがい、まさにそれを射とめた。こんなふうに私は見ておりますが、福田総理御自身はどんなふうに総理になられたことをお考えでしょうか。

福田内閣総理大臣 最初にお祝いいただきまして、大変恐縮でございます。

 私は、お祝いを言っていただくときにはいつも、いや、これはむしろ御苦労さん、実際そうなんです、御苦労さんと言ってくださる方が結構多いんですね。そういうような今時期でございますので、余りお祝いを言っていただくとぴんとこないというのが今の心境でございます。

 満を持して昨年は考えておったというふうにおっしゃられますけれども、私は、昨年は満を全然持していなかったんです。満を持しましたのは、やはり総理大臣になってからですね。これはやはりやらなきゃいかぬ、そういう気持ちを持って日々送っておるというところでございます。満を持してやらせていただきたいと思います。

菅(直)委員 ここのことそのものはこの程度にしますが、満を持されていたにしては、私は、福田総理が就任されてからの発言をずっと注意深く聞いているんですが、一国のリーダーとしてどのような政治理念をお持ちなのか、必ずしも明確なお話がないように思えてなりません。

 特に、小泉政権、安倍政権、あえて言えば小泉路線というものに対して、この路線は正しいんだと一方で言われながら、一方では、両政権のもとで我が党を初め野党が強く反対してきた、例えば高齢者医療、例えば障害者自立支援などについては見直すという発言を総裁選挙のころから言われております。だから、本音は小泉路線を否定しようとされているのかなと思うんですが、しかしそうは言わない。まあ、言えないのかもしれませんが。そういうところが非常にあいまいな感じが、これは私だけじゃないと思うんですね、国民の皆さんもそういうふうに見ておられるんだと思います。

 その点について、もうちょっと明確な小泉路線に対する反省なら反省を述べて、だからこう変えるんだと言われるのなら、そういうふうにはっきりされたらどうですか。

福田内閣総理大臣 小泉改革、安倍改革、安倍路線というものを私が大きく逸脱して、もしくはその改革路線を否定する、そういう立場ではありません。

 そもそも我が党は、立党の宣言にもあったと思いますけれども、国民のための政治をするということなんですよ。ですから、その考え方というのは基本的に変わっていないのでありまして、私もそれは念頭にしっかりと置いてやっていこうというように考えております。

 ただ、今までいろいろな改革をしました。そして、時間の経過もありまして、その間における内外の情勢の変化ということを踏まえて考えますと、そういう改革のいわゆる影というようなこともありますし、ひずみというようなこともある、そういうものはその都度訂正をしていく必要があるかもしれぬ。そしてまた、今申しました内外情勢変化に伴う、諸情勢の変化に対応する部分も当然あるわけでありますので、そういうことを組み合わせてしていかなければ国民生活にとってもよくないんだというように思いますし、また、国益という観点から考えてもふさわしくないことだというように思います。

 それは、そのときの状況、そしてこれからの社会のあり方とかいったようなものを見据えながらやっていくということでありまして、自民党の中で大きく路線が変わるような、そんなことはないということは申し上げておきたいと思います。

菅(直)委員 こういう答弁を聞いていると、やはりよくわからないなというのが多くの方じゃないでしょうか。国民のため、自民党が国民のためだとおっしゃるのは自由ですが、それは我々民主党だって他の党だって国民のためと思ってやっているわけで、それが何か特別な意味を持ったというふうには、ごく普通のことを言われているだけだ。改革の影、これも当然ですよね。

 ですから、福田総理はみずから、今の日本の状況はこういう問題があるから、自分としてはこういうことをやって、こういうふうな方向に持っていきたいんだと。一国のリーダーになられたんですから、もう官房長官じゃないわけですから、やはりそういう方向性を示されることが、私は、首相、総理大臣にとって必要なまさに役目だと思いますので、そのことは明確に指摘をしておきたいと思います。

 総理の書かれた本、余りないんですが、ここに衛藤征士郎さんとの共著だけ見つけまして、さらさらと読ませていただきました。この中で、総理になる人は少なくとも四年以上は続けるべきだ、こう持論を述べられております。そのお考えは今も変わりませんか。

福田内閣総理大臣 それは、やはりある程度の長さというものは必要だと思います。我が国は不幸にして、一年でかわってしまう、二年でかわってしまうというようなことも過去ありましたけれども、しかし、それは決してよろしくないことだと思います。小泉改革を見ましても、五年続けて一つの方向性が出てきたというように思います。もちろん、その修正をしなければいけない部分もあるかもしれぬけれども、しかし、五年やってやはりはっきりとした方向性が出てくるというように思います。他国の例も考えてみましても、日本の政権維持というのが余りにも短過ぎるというようには思っております。

菅(直)委員 それは持論として今も変わっていない、そういうことでお聞きをいたしておきます。

 そこで、先月の九月二十九日、私は沖縄で、教科書にかかわるあの県民集会に出席をいたしておりました。私もたくさんの大集会に出席をしましたが、会場が埋まっているだけではありません、もう那覇市内からのバス停がいっぱいで、車が渋滞で、会場までたどり着けなかった人も、私の見る目でも相当数おられた。会場の周辺の公園内もいっぱいでありました。その数が、正確に何万、十一万あるいは十二万と主催者側が発表しておりますが、それについてもいちゃもんをつけているマスコミもあるようでありますけれども、しかし、私は、その県民のみずから行動した意思というのは極めてはっきりしていると思います。

 その場で仲井眞知事も、あの不幸な戦争で、いわゆる集団自決という沖縄の中での痛ましい歴史、これが軍の関与というものは否定しがたい、明らかなことだということを知事みずからが、紛れもない事実だということを知事みずからがその大会の席でも申されました。

 私も関係者の話やいろいろな過去の経緯を調べてみて、手りゅう弾を県民に配っている。手りゅう弾というのは武器ですから、民間人が持っているものじゃありません。そういう一点からしても、軍の関与が否定されるということはあり得ない、こう考えております。

 そこで、この県民大会でも、教科書検定意見が撤回され、集団自決の記述が回復するということを求めておられますけれども、まず、総理大臣、この県民大会の沖縄県民の意思、またその中で採択された決議に対して、総理はどのようにお考えですか。

福田内閣総理大臣 沖縄戦が極めて悲惨な戦いであったということは、私もよく承知をいたしております。そしてまた、その結果、多くの県民の方々が犠牲になったということでございまして、そういうようなことは、私どもとして、一つの歴史ということでないものも感じながらおるところでございます。

菅(直)委員 この県民の大会における決議、つまりは検定意見の撤回とその記述の回復というこの県民の要求にはどのようにおこたえになりますか、総理。

福田内閣総理大臣 検定のことでございますけれども、これは文部科学省においてとっております制度でございますので、この制度を、これを云々するというのは今私どもは特別に考えているわけではございませんけれども、しかし、今文科省の方で、バランスのとれた調査審議を充実していくということは大事なのではないかというような観点から、いろいろ考えておるようでございます。

菅(直)委員 総理の口からははっきりしたことは出ないようですが、私たちも、教科書について直接に政治が党派性の中で力を及ぼすということが望ましいとは思っておりません。専門家の皆さんの審議会の中で、きちっと専門家のいろいろな検証をした中で出てくるものだと思っております。

 しかし、この過程を調べてみますと、どうも調査官と言われる文部科学省のお役人が、この検定の調査委員会に検定意見の原案を提示した。そして、審議会ではほとんど議論らしい議論もなく、専門家に対する問い合わせもなく、その調査官の原案をそのまま意見として採択をした。

 では、文科大臣にお聞きしますが、手続上、これがもし撤回できないというのであれば、今我が党は参議院において、もう一度審議会そのものをこの問題で再開して再検討したらどうかということを趣旨とする決議案を提示いたしておりますが、そういう決議案が国会の意思として採択をされれば、行政としても、もう一度審議会にお諮りをするということが可能になるのではないかと思いますが、いかがですか。

渡海国務大臣 決議の問題は国会でお決めいただくことでございますから、それについて今コメントすることは差し控えたいと思いますが、いわゆる決議そのものがどういう種類のものであるか、また、それがやはり政治的に介入にならないかということについては、我々が判断した上で行動はしなければいけない、そんなふうに考えております。

菅(直)委員 慎重なのは結構ですけれども、お役人である調査官の意見は通るけれども、県民の声あるいはそれを受けとめようとする国会の声は通らないというんですか。よく政治介入と言われますけれども、官僚がやることが政治介入じゃないんですか。

 私は、たしか四月だったですけれども、この問題が明らかになったときに、当時の安倍総理、伊吹文科大臣にも言いました。そうしたら、中立、中立と言われました。しかし、現実には、中立どころか、この十年間、教科書をつくる会とかいろいろな人たちの主張がだんだんと文科省の中に影響を及ぼすようになって、だって、これまで軍の関与ということは記述があったんですよ。総理はどこかの席で、今度の教科書も軍の関与は否定していないというようなことを言われていますが、少なくともこれまでの教科書には軍の関与が明記され、そして教科書会社が出したことしの最初の教科書にも明記されていたものを検定意見で削除したという事実は、全部の軍の関与を否定していないんだという言いわけにはならない。

 少なくとも軍の関与というものが私は確実な事実だと。いいですか、意見じゃないですよ、事実だと、私なりにいろいろな方の意見、あるいは知事みずからも言われていますが。事実だとすれば、それをわざわざ打ち消すようなそういう検定意見に基づくその決定は、もう一回審議会をやり直す。当然のことじゃないですか。いかがですか、総理。

渡海国務大臣 何度も申し上げておりますし、菅議員も四月にその議論も随分されたようでございます。私も前文部大臣また前総理との議論を全部後で読ませていただきました。

 ただ、審議会というのは、これは民間の教科書会社が策定したものを専門的、学術的立場から中立公平にやるということでありまして、そのことについて、例えば我々が判断をして、これこれこういうふうにしろと言うこと自身が政治介入に当たるというふうに我々は判断をし、そして今、そうであっても、どういうことができるのかということについてなお慎重に検討しているということであります。

菅(直)委員 県民大会には公明党の国会議員も出席をされておりました。冬柴大臣、この問題についてどのようにお考えですか。

冬柴国務大臣 過去に起こった事実をきちっと検証すべきだと思います。そのためには、今言われたような手りゅう弾を渡した、そういう事実が検証できるかどうか、そういうことも含めて過去の事実をきちっと国民の前にも明らかにし、そしてそれをもとに政治は行われるべきだと考えております。

菅(直)委員 大変いい答弁をいただきました。

 私たちは、本当のところ、参議院に提示をしたのは、どうも行政手続だけではなかなか難しいのではなかろうかという見方もあったものですから、ですから、決議案も注意をして、この部分をこう変えろなんて言っていません、もう一回検討したらどうですかと。

 それは、教科書会社が何か言ってやり直すというやり方もあるかもしれません。ただ、これまでの法解釈、手続解釈では、教科書会社の言ったことで変えられる行政手続は誤記とかそういうものに限定されていると言われますから、事実が明らかに間違っていたということであれば、今の冬柴さんの話じゃありませんが、それをきちっと検証して、そしてそれを場合によったら新たな検定意見に反映させるとすれば、それは検定審議会でやるしかないわけでありますから、審議会のやり直しをするというその決定を、これは総理の決断じゃないですか、いかがですか。

福田内閣総理大臣 やはり、検定というものは中立性とかいろいろな要件がございます。しかし、この問題については文部科学省においてしっかりと対応していくというように考えております。

菅(直)委員 何か総理までが中立性みたいですね。

 政治において、リーダーシップというのは、働かなきゃいけないときは働かなきゃいけないんです。ですから、冒頭申し上げたように、総理としての方向性が見えないというのはこういうところにもあらわれているということを申し上げて、次の問題に移ります。

 我が党は、数年前に農業再生プランというものをつくりまして、ことしの通常国会ではその法案を提出いたしました。私も、提出者の一人になりまして、答弁席にも立たせていただきました。(発言する者あり)

 そして、この問題をめぐっては、今もやじが飛びましたけれども、与党自民党からはばらまきだという非常に激しい批判をいただきましたけれども、しかし、結果として、いかがですか、地方の農村地帯で多くの農民から、今の政府の、四ヘクタール以上の農地所有者には保護をするけれども、それ以下は切り捨てるという、それに対して、我が党の農業政策について多くの支持が集まったことは、一人区で二十三勝六敗という結果を見ても明らかだと思います。

 そこで、まずこのパネルを見ていただきたいと思います。

 私たちが、まず農業から言いますけれども、民主党の農業政策を立てた二つの目標があるんですね。これは、私が農業再生本部の本部長のときに、当時の我が党関係者にこういう方針でやってくれと言いました。この二つの目標が一番大事なんです。

 その一つは、農山村地域で子育てができる長期的な見通しが持てる農業。つまり、東京の出生率が一を切ったり切らなかったりしている中で、農山村の出生率はまだ高いし、こういうところで安心して農業を営みながら子供を産み育てることができる農業というのが、それを実現するための農業政策はいかにあるべきか、これが第一の目標です。

 そして、第二の目標。とうとう四〇%も切ってしまった自給率を向上することができる農業政策。

 この二つの目標に立ってどのような農業政策があり得るかということを、我が党の農業に詳しい人たちを中心に相当の時間をかけて検討していただいた中で、農業者に対する直接支払い制度、つまり戸別所得補償制度というものを提案いたしたわけであります。(発言する者あり)

 自民党の政策は、今、ばらまきだ、ばらまきだと一斉に言われていますが、では、直接支払い制度はとられないんですか。EUもアメリカも多額の直接支払い制度をとっていますよ。そして、自民党の政策の中でも、中山間地についてはわずかの額ですが直接支払い制度をとっていますよ。金輪際直接支払い制度をとられないということなのかどうか。

 我が党の政策のこの目標について、まず総理、この目標、いかがですか。(発言する者あり)

逢沢委員長 静粛に願います。

福田内閣総理大臣 農山村で子育てできる農業、これはどうでしょうか、ちょっと抽象的過ぎてよくわからないところがあります。もう少し詳細の説明が必要なのではないか。

 例えば子育ては、では、農業だけよくなれば子育てできるかどうかということがありますね。やはり医療も必要でしょう、また学校も必要でしょう。そういうようなことを含めて、その地域全体がバランスよく発展していくという中で子育ても安心してできるということになるんじゃないかと思います。農業だけに特化して言うことはできないというふうに私は思います。

菅(直)委員 堺屋太一さんという方が日本政治のベルサイユ化ということを言われております。どういうことかといいますと、ここにおられる人みんなとは言いませんが、二世、三世の政治家の多くが、選挙区は田舎にあるけれども、小学校から東京で生活をしているために地方のことは実感として持っていない。私は、山口県の宇部市というところで十七年間育ちましたから、少なくとも十七年間はそういう地方都市の生活を自分の体で知っておりますが、そんなことを比較するつもりはありません。

 つまりは、何が言いたいかといいますと、今、福田総理の答弁の中に、結局は地方のことがわかっていないということをまさに示されているんじゃないですか。

 子育てできる環境というのを、私も、自分の田舎だけではありません、四国の山々も大分歩きましたけれども、例えば、高知で会った人が、菅さん、これから十年先……(発言する者あり)ちょっと静かにさせてください。

逢沢委員長 静粛に願います。

菅(直)委員 これから五年先、十年先、高知の県はどうなるんですかと心配をされているんですよ。まさに自民党も政府も、担い手がいなくなったと言われているじゃないですか。では、どうやって担い手を戻すんですか。四ヘクタール以下を切り捨てて、担い手が戻ってくるんですか。そんなことになっていないじゃないですか。

 つまりは、究極の地場産業は、私は、農業であり林業であって、もちろん工場誘致も重要ですよ、しかし、究極の地場産業は農業であり林業であると思って、我が党は林業にも力を入れています。(発言する者あり)今、ばらまきだ、ばらまきだという声がたくさん聞こえますが、政策目標に対してそのお金が効果を上げるのならば、これはばらまきではなくて政策の選択じゃないですか。つまりは、政策の選択なんですよ。

 従来の自民党は、農業を支えるかわりに農村地域に公共事業を大量に持ち込んで、農作業のかわりに土木工事に従事させて、それでお金をばらまいていたんじゃないですか。だから、息子や娘は、おやじの仕事を見ていると農業じゃないから、自分たちが意欲を持って農業に戻ってもいいと思っても、その地方の土木工事のそういう作業に、不安定な作業で成り立たないから、田舎に帰って子供を産んで育てようと思わないんじゃないですか。そういう実態がわからないから今のような答弁になるんじゃないですか。いかがですか。

若林国務大臣 菅委員のいろいろな御意見、今伺いましたけれども、誤解があるといけませんので、一言補足させていただきます。

 農業政策は、食料を供給するという立場の食料供給産業たる側面と、地域の水、環境そしてまた地域の文化、伝統、それらの地域を支えている地域政策としての農業政策と二面あるわけでございまして、菅委員がおっしゃられた、四ヘクタール以上の担い手に集中して零細を切り捨てるというようなことは、決してございません。

 例えば、今、四ヘクタール自身についても、地域による特例、あるいは集約的な生産に従事しているために水田、米づくりにそれほど大きな面積を要しないような中で米づくりをしているものの特例、あるいはまた、生産調整に積極的に集団として参加しているような地域の中の構成員としてのそれぞれの特例、各種の特例を用意しているわけでありまして、中山間地の地域についても特例がありますから、四ヘクタール以下の農業者を切り捨てるといったような仕組みになっておりませんので、その仕組みについてきめ細かな議論をしていただく必要があると思います。

 さらに、小規模の農業者については、例えば、農業基盤整備事業だとか、技術の開発だとか普及、あるいは農業災害に対する農業災害補償制度でありますとか、そういうようなものについては、規模による差はいたしておりません。すべて対象にしておりますし、また、品目横断との関係でいえば、産地づくり交付金、地域の中で生産目標を掲げまして、いろいろな作物を組み合わせながら生産をしていくのを推進するための産地づくり交付金による地域の特色のある水田農業の展開というものにつきましては、小規模農業者についても当然対象にしているわけであります。とりわけ、面的な面でいえば、農地、水、環境保全向上に対する施策をことしから積極的に展開をいたしている。その他いろいろございます。

 それで、民主党の提案をされました戸別の所得補償の制度については、我々も重大な関心を持っておりますので、むしろ積極的にその制度・システム設計をしっかりとお示しいただきまして、実際の政策手段ですから、その政策手段についてじっくりと国会の中で議論をさせていただきたい、このように考えております。

菅(直)委員 先ほども申し上げたように、通常国会で法案を出したんですよ。国会で議論したじゃないですか。私は答弁席に立ちました。二田さんの質問に答えました。何か我が党が案を出していないようなことは言わないでください。ちゃんとして。

 それで、いいですか、もう一つあります。自給率が、我が党案では、今四〇を切りつつありますが、大体十年程度で五〇パーに回復し、さらに六〇パーを目指し、将来は小沢代表は一〇〇パーを目指そうと言われています。国民の皆さんにわかりやすいために、大筋のこの政策について、御承知の方もあると思いますが、自民党の人も知らない人はよく聞いておいてください。

 少し説明しますと、我が党が考えているのは、米だけでなく麦とか大豆とか菜種、主に穀物ですが、穀物について、それを実際に生産して、そしてそれを販売している農家について、一定の基準で戸別的な所得補償をすることによって、小麦や大豆や菜種をつくってもちゃんと生活が成り立ち、そして長期的な安定が得られるから子育てが可能になる、こういう仕組みになっているんです。

 ですから、もし農水大臣がああいうふうに言われるのだったら、どうですか、総理、我が党の案を、さきに出した法案を今度出したら賛成されますか。

若林国務大臣 お答えいたします。

 さきの通常国会におきまして民主党が戸別の農家に対する所得の補償をする仕組み、法案を出されたことは承知しておりますし、私も衆参両院におきます、まあ衆議院におきます議事録、菅委員もその提案者としていろいろ説明しておられる、それらも議事録を読ませていただき、関係者からの話を聞いて承知いたしております。

 しかし、何としてもその設計が理念的、観念的でありまして、それをどういうふうにシステム設計として個別の農業者におろし、その農業者におろした直接支払いの効果というものがどのような形で定着をし、生産力につながっていくかといったようなことについて、詳細な設計は全く説明がございませんでした。私が議事録を読んだ限りにおいても説明がございません。

 そういう意味で、今、これからさらに提出されようとするのは、少し、市町村ごとにおきます生産目標なども示されるように修正をしておられると聞いておりますけれども、それらをどういう形で市町村までおろし、個別の生産者につなげていくかなどについてもう少し詳細なシステム設計を伺わないと、私の方でこれについて御意見を申し上げることは困難だと思っております。

菅(直)委員 もう一度だけ、ちょっと元に戻ってみたいんですね。

 長年自民党が政権を担当されて、歴代農政がなされました。自給率は少し上がったことがあったんでしょうか。計画では四五%とかいろいろな数字を挙げておられました。ずっと下がりっ放しじゃないですか。これは事実じゃないんですか。つまり、結論から見て、自給率向上という点では、少なくとも自民党農政は失敗したんです。まずそれを認めることから始まらなきゃいけない。

 かつて、同じ島国のイギリスも、ドイツも自給率が例えば三〇とか、そういう時代がありました。今私が知っている限り、たしかイギリスは七〇%ぐらいまで上がったんじゃないでしょうか。それらの国は、EUはほとんどが直接支払い制度を大規模に導入しています。そういう大きな政策を我々は提案しているんです。

 ですから、今大臣が言われたようなことはいつでも説明しますから、我が党が政権をとったときは、野党の議員としていつでも質問してください。

 今政府が出している法案は、小さい規模のところは集団化しろと言われているでしょう、小さい規模のところは集団化しろと。集団化というのは何ですか。コルホーズかソホーズか、それとも人民公社のように、財布を一緒にするんですよ。皆さん知っているんでしょう。財布を一緒にするんですよ。実際に現場を歩いてみると、それはかなわないという声がたくさんあるんです。

 私は、皆さんが総裁選挙をやっておられるときも、我が党のネクストキャビネットを、農業問題に特化して新潟の上越で開きました。稲刈りの真っ最中でありましたが、稲刈りの手を休めて三百人もの農家の人が集まってくださいました。

 ですから、この問題は、私たちは決して思いつきで言っているんじゃありません。世界の農業政策を調べた中で、そして、農山村で若い人が戻ってきて、あるいは新たに入ってきて生活ができる農業、これが第一ですよ。そして、自給率がこんなに三九に下がって、幾ら自衛隊が強いからといって、自給率が下がって安全保障が安全なのか。

 その観点からも、この二つを目標にした政策を実現しようということで出したわけでありまして、今総理や農水大臣の話を聞いても、この二つについて真正面から反対する意見は当然ないでしょうけれども、少なくとも、これまでの自民党の政策ではこれができてこなかったんです。

 そこで、もう一つ、林業再生プランというものについても簡単に申し上げます。

 ことしの五月に、こういう林業再生プランを私ども発表しました。私もその検討の一員として、例えばドイツの黒い森というところに五月に行ってまいりました。何と、黒い森で実際に伐採をしておられる林家の人から、我が家で伐採した材木の一部は日本に輸出をしているんですと言うんです。えっ、一万キロ近く離れたドイツから、しかも先進国で所得水準も変わらないドイツから、なぜ日本が材木を輸入しているんだろう。よほど特殊な材木なのかと思って、どんな材木なんですかと聞きました。そうしたら、日本ではかまぼこというものがあるそうですね、ええ、ありますよと。そのかまぼこ板とか、お墓に立てる卒塔婆とか、多分白くてにおいが少ないんでしょう、そういうものを……(発言する者あり)塔婆ですか、いろいろ言い方はありますが。つまりは、そういうものを日本にまで輸出しているというんですよ。私、なぜそんなことになっているか調べたことも含めて、この案を我が党で出しました。

 ここに書いてありますが、我々の林業再生プランは、一つには、山の中にハーベスターとかという機械が入るような作業道、せいぜい二メートルか三メートルの土の道です、これをもっとつくるべき。そして、小規模な林家、林地、一ヘクタールとか三ヘクタールとかという林地は個別には成り立ちませんから、これを集団化して林業組合などが施行する。京都の日吉林業組合がやっていますが、こういう団地化の構想。それから、林業の専門家の養成。こういったことをしっかりやらなければ、また、しっかりやれば林業再生が成り立つと思っておりますが、総理は林業について何か見解をお持ちですか。

福田内閣総理大臣 林業再生プランというのを御党で提案されていらっしゃいます。これは、林業再生に向けての、特に国産材の活用、そういう観点からとらえましても評価のできる提案だというように考えているところでございます。

 いずれにしても、自給率の問題もありますし、それから雇用をどういうふうにして拡大していくかとかいったようなこともございますので、そういうようなことについても具体的に提言をしていただきたいと思っております。

菅(直)委員 素直に我が党の政策を評価していただきまして、ありがとうございます。

 まさに林業そのものが直接雇用する雇用力は直接にはそう大きくありませんが、しかし、私、ドイツを見てみて、国産材がそこから切り出されるということは、それを使ったいろいろな木工といいましょうか、あるいは建材といいましょうか、そういう産業もあります。もちろん、切った後は植えていくわけですし、そういう中で、私は、農業と並んで林業、日本は七割が山林の国ですから、その可能性があるこの国が、自給率という言葉があるかどうかわかりませんが、何と八〇%外材ですよ、今。たった二割ですよ、日本は。

 そういう現状を踏まえると、残念ながらこれまでの林業政策は十分でなかった。だから、我々は、今こそチャンスだと。今、外材が上がり始めています。ですからこういうものを出しているんです。

 そこで、もう一方で、先ほどからやじの中で、財源はどうだ、財源はどうだと。私も、農水省だけでどのくらいの無駄遣いがあるかということと並べてみたんですね。

 諫早干拓事業、そろそろ終わりそうです。二千五百三十三億が総工費です。ここで生まれた農地が県にこの間売られました。県に幾らで売られましたか、農林大臣。

若林国務大臣 県の方に売却をした造成農用地は、五十四億でございます。

 ただ、一言追加させていただきますと、この諫早干拓は、大きな効果として、背後地におきます防災機能というものを大変重視しておりまして、そういう意味で、全体の効果としては、農用地造成だけの効果で判断するのはいかがかと考えております。

菅(直)委員 私も、この諫早干拓は現場を含めて何度となく足を運んでおりますので。当初計画が千三百五十億だったのが、一回目の変更で約倍の二千四百九十億になっているんです。投資効果、今言われた防災効果も含めて、工事費が倍になったんだから投資効果が下がるのかと思ったら、ほとんど変わっていないんですね。一・〇一。えっ、何で変わっていないのと聞いたら、何か、ここの計算式を従来は半分しか見なかったのが全部見るようになりましたとか。実態が変わったんじゃないんです、単なる計算の仕方が変わったんです。

 そういった意味で、今、農水大臣は、防災効果もある、あると言われました。ゼロとは言いません、海面を下げるわけですから排水効果があるんですね。しかし、国土交通省は、上流にダムの計画まであるんですよ。つまりは、農林水産省がやる事業として、農業を中心に考えた事業としては大失敗じゃないですか、大無駄遣いじゃないですか。

 次に、緑資源機構。これは廃止を決めたと言われていますが、まだ閣議決定されていませんが、この緑資源機構がやっていること、私は、さっきの林業再生と関連して、頑張ってもらいたいなと当初思っていたんですよ。

 そうしたら、何をやっているかというと、一メーター約五十万から六十万円かかる大きな舗装道をつくっているんですね、幹線林道という名前で。主にその作業をやっているところに天下り先をつくっているんですよ。今私たちが申し上げた作業道はせいぜい二、三メートルの幅の土の道で、これは林業を実際に施行している人たちが自分たちでつくる例がほとんどなんです。ですから、緑資源機構は、相当のお金は使っていますが、作業道というところには重点が置かれておりません。それに加えて、この緑資源機構で幹線林道をつくるときのいわゆる設計とか調査の中では、官製談合を公取委から指摘されているじゃないですか。

 つまりは、こんな無駄遣いをどんどんやって、農業共済は他の同僚議員が取り上げることになっておりますが、遠藤前農水大臣が不正受給の問題で責任をとられたことはまだ記憶に新しい。

 つまりは、農林省の関連する中だけでも税金の無駄遣いはそこらじゅうにあるわけでありまして、私たちは、この無駄遣いだけではありませんけれども、今の農林水産省の約三兆円の予算の中を精査して、そして無駄を省いて、そして、多くのそういう公共事業の一部でもう大体終わったようなところもありますから、その費用を約一兆円、この直接支払いに充てることは十分に可能だということをちゃんと政策として提案しているんです。どうですか、総理、いかがですか。

若林国務大臣 菅委員は、緑資源の問題あるいは諫早の問題、農業共済の問題、それぞれ挙げられましたが、それらは農林予算全体の中でいいますと、ごくごく一部でございます。農林水産関係の予算は、平成元年以降において、ピーク時は三兆六千億でございました。その後、歳出抑制など合理化を進めまして、平成十九年度は二兆七千億まで減額をいたしておりまして、その過程で、その時々の政策課題に対応するために効率化、重点化に努めてきております。

 具体的な説明は省略いたしますけれども、それらの、今の二兆七千億の農林水産全体の予算の中から一兆円を出す、農林水産公共が約一兆円近くあるというお話がございますが、その半分ぐらいは保全、補修の経費なんですよ。水路だとか、いろいろな、サイホンも含めてですけれども、そういう補修をしなければ今ある農業資産が使用できなくなってしまうわけですよ。そう簡単に農林公共を中心に一兆円が節約できるなどというようなことについては、もう少し具体的に、その一兆円の中身はどの予算を、農業から、林業から、水産から、どういう予算を節約すればできるじゃないかといったような話をもう少し具体的に提案いただきたい、このように思います。

菅(直)委員 私たち、先ほど申し上げたように、新潟とかいろいろなところに行って意見をお聞きしていますと、菅さん、一兆円には足らないよと言われる声の方が多いんですよ、本当言って。つまり、農山村でちゃんと地域政策として村落が維持され、自給率が向上するのであれば、一兆円とは言わずもっと使っていいんじゃないかという意見は我が党の中でも多いんですよ。

 しかし、まず政策として出す場合に、こういう形でぎりぎりのところでやれば、こういう農林水産省の予算の中の配分を変えることでも可能ではないかということを、我々も知恵を出して出しているわけでありまして、どうか、まさにマニフェストに掲げた三つの約束の一つの約束がこれでありまして、もしこれが違うというのであれば、もう一度ちゃんと政府の案も見直されて国民に示していただきたい、このように思います。

 そこで、次に、テロ特措法に関するインド洋上の……(発言する者あり)

逢沢委員長 静粛に願います。

菅(直)委員 給油活動についてのお尋ねをいたしたいと思います。

 まず総理、いいですか。これは防衛大臣もそうですが、六年間ですよね、この活動が始まってから。その間、二度の延長がありましたよね。その間に、国会やいろいろな形で、いろいろな発言や報告がありました。しかし、率直に申し上げて、私たちの立場からすると、この活動について十分に国民に説明されているとは、私はとても言えないと思うんですね。

 そこで、シビリアンコントロールという言葉、これはもちろん石破大臣よく御存じでしょうが、決して制服組を背広組がコントロールするということではないんですよ。国民が、軍について、自衛隊についての活動をコントロールする。戦前の大本営じゃないですが、負けても勝った勝ったと言って、そして勝手に関東軍がどこかにまで攻めていく、こういうことにならないように国民が軍をコントロールする。その制度的な柱になるのが国会なんですよ。その国会に正しいことを報告しなきゃいけませんよね。そして、国民の税金を使うんですから、その公開はある意味ではできるだけ広範囲の公開が必要ですよね。大臣、いかがですか。

石破国務大臣 御指摘に全く何ら異存はございません。おっしゃるとおりだと思います。

 すなわち、委員御指摘のとおり、民主的文民統制、民主主義国家でなくても文民統制というのは当然あり得る概念でございますが、民主的文民統制において、主権者たる国民から選ばれた議会に対して適切な情報開示をするということが文民統制の基本である、このように考えております。

 したがいまして、私どもといたしましては、それを明らかにすることによって明白に軍事的な差しさわりがあるもの、あるいは相手国の了解が正当な理由によって得られないもの、そのようなもの以外は極力開示をするということが極めて重要である、今、私はそのように強く認識をしておるところでございます。

菅(直)委員 大変明快な答弁をいただきましてありがとうございます。

 そこで、もう一つ石破大臣に。

 大臣は、まだ長官時代ですか、二〇〇三年五月八日の参議院外交防衛委員会においての答弁で、この作戦に関して、イラク作戦に使われていれば、つまり、油がイラク作戦に使われていればテロ特措法に反する、こういう発言をされていますが、この考え方は今も変わっていませんか。

石破国務大臣 変わっておりません。そのとおりでございます。

菅(直)委員 福田総理も当時官房長官として似たような発言をされていますが、その認識は今も変わっていませんか、今の石破さんの発言。認識は変わっていませんか。

福田内閣総理大臣 官房長官、二〇〇三年ですね、二〇〇三年に国会で答弁をしたことがございます。当時は、当時の知見に基づいて答弁をいたしたわけでございます。

菅(直)委員 ちょっとあいまいですが、今からの議論の中でそのことも明らかにしていきたいと思います。

 そこで、今いろいろな指摘がありまして、二〇〇三年の二月二十五日ですか、自衛隊の「ときわ」という補給艦が米軍の補給艦のペコスに給油をしたと。当初は、この「ときわ」の航海日誌は当時のものは廃棄しているというふうに我が党の部会などに防衛省から言ってきたわけですが、一昨日ですけれども、昨日、急に変わりまして、いや、ありましたということでしたよね。そして、一ページだけ公開しますと私のところにもお届けをいただきました、極めて、あちらこちらに黒塗りがありましたが。もともと、そういうことすら隠してきた、あるいは、あるものまでないと言ってきた。

 まず、ここから聞きましょうか、防衛大臣。一体どういうことなんです、これは。

石破国務大臣 御指摘のようなことがありましたのは事実でございます。私も、三年ぶりに防衛庁、防衛省にまた戻りまして、今委員の御指摘のようなことを確認いたしました。

 文書の管理というものについて必ずしもきちんと徹底がなされておらなかったということは、大変にお恥ずかしいことですが、事実でございます。(発言する者あり)今、隠ぺいとか隠していたとかそういうことがございますが、それは一切ございません。しかしながら、このことについての認識あるいは管理の徹底、そのようなものが十分ではなかったということを、私は今強く認識いたしております。

 したがいまして……(発言する者あり)隠しておりません。そのようなことは一切ございません。それはここで申し上げますので。この管理というものをきちんと徹底しなければいけない、それは情報公開の基礎であって、そのようなことが徹底しなければ、文民統制の実は上げ得ないということは申し上げておきたいと思います。十分なことができませんでしたことは、率直におわびをしなければいけないことだと思っております。

菅(直)委員 実は、この問題だけでも、それは大臣が隠していなかったと言われても、大臣に伝えないなんということは、私も厚生大臣のときに嫌というほど経験していますから。つまりは、大臣に伝えないということと隠していなかったということは関係ないのであって、役所が隠すときは平気で隠すのですよ。そんなことはもうみんな経験済みじゃないですか。

 そこで、少し話を進めますね。ちょっと一連の経緯をしますよ。

 まず、その二〇〇三年の二月二十五日の問題に関して、同じ年の五月六日に、第五空母群司令官のモフィット少将が、キティーホークが海上自衛隊から間接的な燃料の補給を受けた、こういう記者会見をしたときに、翌日、当時の福田官房長官は、アメリカに確認したけれども、そういうことは当然ないという確認だったと。こういう答弁をされたことは、記者会見されたことは覚えていますか。

福田内閣総理大臣 いや、当時のことを、今、記録も見ておりませんし、記憶もしていないのですけれども、ここら辺のやりとりは、私どもは自分で捏造しているわけじゃないのであって、必ず防衛庁に確認するとか、そういうことをした上で発言をしていたと思っております。

菅(直)委員 いいですか。その七日の福田官房長官の発言の翌日に、当時の統幕議長の石川統幕議長が、いや、二月二十五日にキティーホークに給油した米補給艦に対して海上自衛隊が約二十万ガロンを補給したと。当然ないという福田官房長官の発言の翌日に、二十万ガロン補給したと、今度は統幕議長が言っているじゃないですか。では、総理はこの発言をどう思いますか。矛盾しているのじゃないですか。

福田内閣総理大臣 ちょっと当時の資料が手元にございませんので、その評価をするのは難しいのですけれども、情報がいささか錯綜していたというようなこともあったかもしれません。

 というのは、当時の防衛庁の上がってくる情報というのはいろいろなところからありましたので、そういうところで、私ども、なるべく整理をしていたつもりですけれども、多少のそごがあったということはあったかもしれません。確かなことは申し上げられません。

菅(直)委員 まず、昨日はもちろんですが、こういった問題で質疑をするということは当然申し上げているわけでありまして、何か資料がないとかそんな言いわけで、このテレビが入って国民が聞いておられる中で、そんな答弁はないんじゃないですか、幾ら何でも。

 それで、もうちょっと進めますから待ってください。この次が、先ほどの石破当時の防衛大臣ですね。同じ五月八日に、私どもの補給艦から補給したものをイラクとの戦争に使われたということになりますと、テロ特措法に反します、そういう答弁をされて、実はその次なんです。これまで忘れられていると言われると困るんですけれどもね。官房長官、どういう発言をされているか。今、総理ですね。ちょっと細かいので、眼鏡を出してちゃんと読みますから。

 いいですか。二〇〇三年二月二十五日午前中にアラビア海のオマーン湾で、自衛隊の補給艦「ときわ」が米軍の補給艦ペコスに給油し、同日午後、この米国の給油艦ペコスは、米空母キティーホークに給油した。これに関して、二〇〇三年五月九日に、当時の福田官房長官は記者会見でこう言われていますね。

 燃料はアフガニスタンの作戦に使われることが、日米の間で交わした文書で決められている。問題になっている燃料はキティーホークの一日の燃料の消費量に当たる二十万ガロンであり、ペルシャ湾に行ってイラクでのいろいろな活動に使われるような量ではない。補給をしたのは二月の下旬でペルシャ湾に行くまで随分間があり、イラク関係のことで使われるということは現実的にはあり得ない。

 こうはっきり断言されています、当時の官房長官として。この見解は正しいんですか、間違っているんですか。

福田内閣総理大臣 その発言は、私が創作したわけではなくて、すべて防衛庁もしくは所管の部署から得た情報に基づいて発言されているわけでありますので、その内容について、真偽について、私は今ここで申し上げることはできません。

菅(直)委員 これは、国民の皆さん、今の答弁でいいんですか、本当に。ちょっと待ってください。いいですか。官房長官といえば総理に次いでの危機管理のかなめですよ。それが、当時、極めて、まさに防衛大臣が、当時の長官が言われていたように、イラクで使ったか使わないかという中での発言が、私がそういう記者会見をしたかもしれないけれども内容は責任持てません、ではだれが責任を持つんですか。だれが責任を持つんですか、官僚が責任を持つんですか。

 官房長官が発言したことを官房長官が責任を持たないとすれば、それは総理から言われたというならまだわかりますよ、総理から言われたというのであればまだわかります。官房長官が国民に向かって言ったことを、中身は責任持ちません、持てませんと言うんだったら、私は責任問題だと思いますね。官房長官としてふさわしくない。

福田内閣総理大臣 私は、そのときにその発言をしたことは、その当時責任を持っておりますよ、発言したんですからね。しかし、昨今というか、ごく最近ですけれども、いろいろな議論というか、いろいろな新しい事実関係も出てきている。そういうことを踏まえて今申し上げているわけでありまして、それはもし新しい事実が出てきて、そしてそれが本当であるということであれば、前の発言は撤回しなければいけない、当然のことであります。

菅(直)委員 その後のことについても申し上げますが、まず総理の見解を聞きます。

 では、この発言は間違っていたから撤回すると今言われるんですか。その場合は、責任はどうとられるんですか。

福田内閣総理大臣 当時のデータのとり方などについて、当時間違いがあったということはもう既に認めておるところでございますから、そういう意味においては、当時の発言は間違えていたということは明確に申し上げます。

菅(直)委員 どの部分が間違っていたんですか。

石破国務大臣 委員長から御指名を受けましたので、お答え申し上げます。

 これは、間違いというのは実は二つございまして、一つは、我が補給艦から相手の補給艦に補給をしました量と、ほかの船に補給をしました量、これが二十万と八十万が入れ違っておりました。入れ違っておったということは、防衛省で記者会見を担当の者からいたさせたところでございます。今初めてお話しをすることでも何でもございません。委員皆様方、御案内のとおりでございます。

 それは、これもきのう御説明をしましたので、もう一度申し上げるところでございますが、一体どれだけ補給をしたかということは、伝票をつけましてEメールで送られてまいります。現地からEメールで送られてまいりまして、それを海幕の方で集計をするわけでございますが、そのときにひっくり返して書いてしまったという事務ミスがございました。これはいろいろ調査をいたしましたが、そのことは確認をされております。そのことをきのう申し上げ、おわびを申し上げました。それが一点でございます。

 もう一点を申し上げますが、もう一つは、繰り返して申し上げますが、私どもの補給艦から米空母に直接補給をしたということはございません。

 つまり、私どもの補給艦から補給を受けましたアメリカの補給艦がキティーホークに補給をしたというこの量につきまして、日付を申し上げれば二〇〇三年二月二十五日、アメリカの補給艦ペコスが航空母艦キティーホークに補給した燃料は、これまで約八十万ガロンというふうに御説明をしてまいりましたが、アメリカ側に確認しましたところ、それは六十七万五千ガロンであったということが判明をしておるわけでございます。アメリカの説明によれば、補給艦ペコスは、航空母艦キティーホークのみならず、巡洋艦カウペンスに対しましても補給を実施しておったということでございまして、その補給量の合計が合わせて八十万ガロンであったということでございます。

 このような数値は誤っておったわけでございまして、これは、当時の確認が不十分であったということは私どもとして率直に認めなければいけないことでございます。今後は、これまで以上に丁寧に数値の確認を行わなければいけないと思っております。

 委員御指摘のように、それはまあアメリカが言うんだから大丈夫だというふうに、うのみにするということが絶対にあってはならないということを今回よく認識しておるところでございまして、日米同盟の信頼性のためには、そういうきちんきちんとした確認を行わねばならない、そのように強く認識をいたしておるところでございます。

菅(直)委員 いいですか、福田総理。八十万であるものを二十万と間違った、あるいは、さっき何か六十七万五千なんて初めて数字聞きましたが、そういう、かなり量が多かったのにその三分の一、四分の一しか言わなかったという間違いを今防衛大臣が認められました。だから、結果として、官房長官が当時言われたことも間違っていた、そういう趣旨なんでしょう。

 しかし、もう一つあるんですよね、官房長官が言われたのは。どういう表現があるか。単に数字を間違っただけだったら、ああ何かの伝達ミスですかという話になりますが、二十万ガロンだということを言われた上で、それを根拠にして、これはキティーホークの一日の燃料消費量だから、この量だと一日しか走れない、そこで、ペルシャ湾に行ってイラクでのいろいろな活動に使われるような量ではないと、総理自身が官房長官として言われているんですよ。

 さらに、補給をしたのは二月下旬で、ペルシャ湾に行くまで随分間があった、時間があったから、一日分の消費量なんというのは、ペルシャ湾にその後キティーホークが行くまでにはもう使っていたので、そんなことはペルシャ湾の中で使ったことにはならないという趣旨のことを言われているでしょう。

 いいですか、この地図を見てください。このA地点、これは実は、北緯何度、東経何度ということをちゃんと「ときわ」の航海日誌に書いてあるんですが、黒塗りなんですよね、そこは。黒塗りで、大体この範囲ですという何か丸を防衛省はつけてきましたが、いずれにしてもこのあたりです。つまりは、よくインド洋、インド洋と言いますが、インド洋の奥のアラビア海のさらに奥のオマーン湾です。オマーン湾ということは官房長官も認められていますが、オマーン湾です。オマーン湾の、このホルムズ海峡から何百キロか東のところでペコスに給油した。

 そのペコスが、先ほどキティーホークに給油したということを認められましたが、いわゆるピースデポと言われる皆さんのアメリカからの情報公開の書類によれば、これはちゃんと位置が書いてあります。これはペコスの航海日誌にちゃんと位置が書いてあります。もっと西の方ですね。このB地点で二十五日の二十時、大体給油が終わっています。そして、キティーホークは、その翌日にはホルムズ海峡を越えてペルシャ湾に入って、そしてペルシャ湾に相当期間滞在して活動しているんですよね。

 つまり、官房長官時代の福田総理は、給油は二十万ガロンだったという数字が間違っていただけではなくて、二十万ガロンだから、ペルシャ湾に行くにはその二十万ガロンは一日分だから、そんなのは消費しているはずだと言われたけれども、それが六十万ガロンか八十万ガロンか、いずれにしても三日分、四日分は十分あるわけで、翌日にはペルシャ湾に入っているわけですから。つまり、ペルシャ湾に入れる量じゃなかったという福田官房長官のこの発言は明らかに間違いであるというだけでなくて、それでもってイラクでは使われていないという根拠にされているんですから、こんな間違いが、単なる事務方の間違いで済まされるんですか。いかがですか、総理。

福田内閣総理大臣 先ほど防衛大臣からも答弁しましたけれども、要するに、この当時の情報のとり方にミスがあった、こういうことでありまして、今そのミスをもとにして委員もおっしゃいましたけれども、二十万ガロンというそういう数字からすると私が当時申し上げたことになるのだろうという、そういう推測もあるかと思いますけれども、いずれにしても、これは私の想像じゃないのでありまして、しかるべきところから入手した情報に基づいて発言をしている、こういう性質のものであります。

 ですから、何が悪いかといえば、そういう情報を間違って入手したというところに問題の原点があるわけですから、このことについては、防衛大臣も謝罪申し上げましたけれども、私からもおわびを申し上げなければいけないと思っております。

菅(直)委員 いいですか、これまで二度、このテロ特措法は延期されているんですよね。一度目の延長は、たしか二〇〇三年の十月ですよね。つまりは、最初の法律ができて二年間の活動の中で、イラクに使っているんじゃないですかということを指摘があったときに、そうではないという根拠に、今言われたような二十万ガロン、さらには距離の問題、そういうことを言われて、そうではないということを言われて、それで……(発言する者あり)何うるさいこと言っているの。こういう間違った説明をしたことを根拠にして延長の手続をとったということは、私は政治責任があると思いますが、それを事務方の何か報告ミスにすりかえるなんというのは、こんなひきょうなことはないでしょう。

石破国務大臣 委員長から御指名をいただきました。

 当時防衛庁長官であった者として発言をさせていただきたいと思いますが、二十万という数字で、当時の官房長官が、これは一日で消費する量であるというふうにおっしゃいました。それは事実でございます。そして、軍事の常識として、二十万ガロンという量が、あの巨大なキティーホークが一日通常使う量ということも、これまた事実でございます。

 これは幾重にもおわびを申し上げねばならぬことでございますが、二十万と八十万を誤って反対に入力をしてしまいました。それは、私ども防衛庁の責任であり、事務方のミスでございます。(発言する者あり)失礼なこと言わないでください。改ざんなぞというものはいたしておりません。それは、私どもとして確認をいたしておるところでございます。

 私が防衛省の責任者として確認をし、それが誤って入れられておった……(発言する者あり)

逢沢委員長 静粛に願います。

石破国務大臣 入力されておったということを確認して申し上げておるところでございます。

 したがいまして、二十万というものがキティーホークが一日使い切る量ということは、これは軍事の常識としてあることでございまして、もともとのデータが間違っておった、それは私どもの責任でございます。それに基づいて官房長官、今の総理が、それは一日で使い切る量であるというふうにおっしゃったのは、それは論理の当然というものであって、それは間違った誘導でも何でもない。一番よろしくないのは、そのデータを間違えたという私どもにあるわけでございます。

菅(直)委員 いいですか、当時の官房長官はこの法案の責任者ですか。今、数字のことばかり言われますが、ペルシャ湾ということを言われたのは総理、当時の官房長官なんですよ。キティーホークがペルシャ湾に向かうということを前提に話をされているじゃないですか。しかし、そこに向かったのには大分間があったからと言われているんじゃないですか。

 つまりは、ペルシャ湾に向かったということを知っていたんじゃないですか、少なくともこの記者会見の時点では。だって、そういうふうに自分で言っているじゃないですか。それはだれかに聞いたか聞かないかは別として、つまりは、二十万と八十万を入れかえただけではなくて、ペルシャ湾に行くキティーホークに対して、二十万だったからそこまでは届いていないんだという言い方をされた。今の石破さんは二十万と八十万だけ言っていますが、ペルシャ湾に行ったんでしょう、キティーホークは。どうなんです、総理。総理ですよ、これは。総理が当時答えているんですから。

石破国務大臣 事実関係に係ることでございますので、委員長の御指名をいただき、私から説明をさせていただきたいと思います。

 小さいという御批判をいただいておりますので、お手元に、席上に回付をしておりますので、ごらんいただきたいと思います。よろしゅうございますか。テレビをごらんの方は、こちらをアップで映していただければありがたいかと思います。

 まず第一に、ゆっくり申し上げ、正確を期すために読み上げますので、ゆっくりお聞きをいただきたいと思います。

 キティーホークの行動の概要についてでございますが、これは関係艦船の航泊日誌、航海日誌に基づきまして申し上げるものでございます。(発言する者あり)

逢沢委員長 静粛に願います。

石破国務大臣 正確に申し上げるためにはゆっくり読まなきゃいけませんので、御了承いただきたいと思います。すべての議論のもとになります。よろしいですか。

 二〇〇三年二月二十五日の午前六時三十分ごろから十時三十分ごろまでの間に、海上自衛隊の補給艦「ときわ」はアメリカ補給艦ペコスに洋上補給を行いました。その量は八十万ガロンであります。その後、十二時までの間に……(発言する者あり)正確に聞いてからやってください。その後、十二時までの間に、アメリカ補給艦ペコスは、航空母艦キティーホークと合流するためにホルムズ海峡方面に移動をいたしました。この日の夜八時、二十時でございますが、二十時ごろまでにこのペコスはキティーホークへの洋上補給を終了いたしております。補給量は約六十七万五千ガロンでございます。この補給を受けました後、キティーホークは、二十六日、翌日でございますが、十二時ごろホルムズ海峡近くに差しかかり、同日の二十時までにはホルムズ海峡を通過し、その後ペルシャ湾内で活動をいたしております。

 御指摘の燃料消費量でございますが、アメリカ会計検査院GAOの統計によりますれば、作戦行動時の通常型空母の一日の燃料平均消費量は約十一万三千ガロンとされておりまして、キティーホークが補給を受けた燃料は、単純な計算により、一週間程度で消費される、このような指摘がなされておるところでございます。

 しかしながら、政府に対しまして二〇〇三年にアメリカから提示をされましたキティーホークの一日の標準的な燃料消費量は、約二十万ガロンでございます。

 菅委員御案内かと思いますが、艦船の燃料消費量は、速力はもとより、気象条件などのさまざまな要因によって大きく変化をすることは御案内のとおりでございます。したがいまして、キティーホークが給油を受けました六十七万五千ガロンの燃料を実際にどれぐらいの期間で消費したかにつきましては、キティーホークがどのような活動をしていたか、その内容を踏まえて判断をしなければ、これは全く議論にならないのであります。

 アメリカの説明によれば、キティーホークは、不朽の自由作戦、OEFと言われるものでございますが、これを実施しております中で、ペコスから補給を受けました後、二月二十五日から二十八日の三日間、このうちに、さきに述べました燃料はすべて消費をしているという説明を受けておるところでございます。

 さて、これが本当なのかどうかということでございますが、これは二点申し上げておかなければなりません。

 一点は……(発言する者あり)この点は議論をする上において最も重要な点でございますから、お聞きになりたくないかもしれませんが、私どもとしては申し上げておかないと今後の議論になりません。

 一点です。キティーホークは、ホルムズ海峡を通過いたしますときに三十三ノット、相当の高速で、かなりの時間、航行をいたしております。

 二番目。数回の飛行作業実施時にも、これも御案内のことかと思いますが、飛行機が立ちますときは風に向かって走ります。したがいまして、相対速度を相当に上げませんと飛行機は飛びません。したがいまして、数回の飛行作業実施時にも高速で航行した、このように考えられるわけでございます。

 そのようなことを踏まえますと、キティーホークの燃料消費量は、一日約二十万ガロンという標準的な消費量を上回る、このように推定するのが合理的でありまして、三日以内、すなわち二月中に約六十七万五千ガロンの燃料を消費した、そのような米側の説明は極めて合理的なものである、私どもはそのように考えておるわけでございます。

 このようなことから、これらの燃料は、OEF、不朽の自由作戦の任務のために使われたというふうに考えられるものでありますし、ちなみに、OSWでございますが、これにつきましてもいろいろな議論がございますが、これも開始をされましたのは三月の初めであるということを念のために申し上げておく次第でございます。

 以上であります。

菅(直)委員 今の石破大臣が、我々の主張を大分裏づけていただきましたね。

 いいですか。この地図を見てください。キティーホークについては、政府が正式に、ホルムズ海峡を越えて翌日ペルシャ湾に入ったということを今認められましたよね。たとえ一日二十万ガロンだとしても、あるいは、今六十七万ガロンをペコスがキティーホークにやったとしても、三日分ですよね。ということは、一日で、二十ノット、三十ノットといえば三十キロから四十キロですから、一日で少なくとも五百キロとか千キロ走るんですから、この場所からですよ、この地図を見たらわかるように、これが百キロですからね。

 ですから、少なくとも、私たちが主張したかったのは、「ときわ」からペコスに給油した八十万ガロン、百歩譲ってそのうちの六十七万ガロンをキティーホークに入れたとしても、その六十七万ガロンでホルムズ海峡を越えてペルシャ湾に入ったというところまでは石破大臣がみずから認められたわけです。

 そこで、もう一つ、ちょっと小さい方の地図を見てください、この同じところにありますが。この場所なんですよ。ペルシャ湾からアフガニスタンに飛ぼうと思うとどうなりますか、これは。先ほど、飛行作戦をやった、飛行作業をやったということまで石破大臣が認められましたよね。ペルシャ湾でキティーホークが飛行作業をやった、だから風に向かってやらなきゃいけないと。ペルシャ湾にわざわざ入ったキティーホークが、この小さい方の地図を見ていただいたらわかるように、アフガニスタンへ行こうと思えば、ダイレクトに行けばイラン上空を通らなきゃいけません。イラン上空を通らないとすれば、アラビア海までもう一回戻って、ぐっと戻って、そしてパキスタンから通っていかなきゃいけません。

 常識的に考えて、わざわざペルシャ湾に入ったキティーホークが、そこから飛行機を戻る方向でアフガニスタンの作戦に使ったと考えるのが適当なのか、それ以外で適当なのか。

 そこで、少し話を進めますが、国民の皆さんには、このOEFとかOIFとか、いろいろわかりにくいんですよね。実は、キティーホークはもともと日本から出航しているわけですが、その出航して戻るまでの百四日間の間にイラク戦争はスタートしたんですよ。そして、最初に出たときには、イラクにおける南方監視作戦、オペレーションサザンウオッチ、OSWという活動は、さきのイラク戦争、その前の戦争以来、ある時期から始まっているんですよ。ですから、出航のときから帰ったときの米軍の記録によれば、OSWとその後始まった、つまり、イラク南部に対する監視活動とその後始まったイラクの戦争、イラク自由作戦、OIFにかかわったと報告書には書いてあるんですよ、米軍の。OEFという言葉は米軍の報告書にはないんですよ。

 では、百歩譲って、OEFもやったとしましょう。やったとしたとしても、ペルシャ湾に入ってわざわざ、これがイラン上空でも通るのならともかくとして、この二月二十五日というのはもともとイラク南部の監視活動をやっていた時期ですから、もともとやっていた地域で、さっきも石破大臣は飛行機を飛ばしたと言われましたよね、わざわざ飛行機をペルシャ湾から飛ばして、もう一遍このオマーンのアラビア湾まで戻っていくのか、イラクの南の監視区域の活動をするのか。

 つまりは、そういうことを考えると、キティーホークという物すごい攻撃力を持った航空母艦、第七艦隊から第五艦隊にこのときは司令系統を移籍されていますが、それがここに入ったということ自体が、私はどう考えたって、イラクのこの、当時であれば南方監視活動、オペレーションサザンウオッチに加わったと見るのが自然です。

 そして、何かいろいろと米側が米側がと言われていますが、先ほどのもう一つのパネルにもありますが、この最後のところに、米側の中央軍の作戦部副部長は、十月三日ですからつい先日ですね、つまりは、日本から給油を受けた米艦船がアフガニスタンでの作戦の範囲内で活動するような具体的な指示はなかったと記者会見で答えているじゃないですか。

 しかも、いろいろ米側との交換公文が云々と言われますが、交換公文の中には具体的にイラクの作戦に使っちゃいけませんとも書いていないし、アメリカ大統領はアルカイダはイラクに逃げているかもしれないということまで言っているわけですから、アメリカにとって、石破大臣や当時の福田官房長官が言われたように、OEFだからアフガニスタンで、OIF、OSWだからイラクというよりも、もしかしたら、そういうことは書いていないんですから、ごっちゃになっているんじゃないですか。

 つまり、どういうことかというと、そこで最初に申し上げたんですよ、石破大臣に一番最初に申し上げたのは、イラクの作戦に使っていたらテロ特措法には反しますねと。そのとおりですと言われました。つまり、我が国のテロ特措法には反するんですよ、明らかに。ペルシャ湾まで入ってアフガニスタンで作戦行動をとったという方が不自然ですから。そして、アメリカにとっては、ここの作戦副部長が言っているように、そんな区別はなかったんですよ。違いますか、総理。いかがですか。

高村国務大臣 指示はなかったと思うと記者会見で述べているというのは事実に反するということであります。報道にそういうことがあったということであります。

 事実は、ホルムズ准将発言の意図は、海上阻止活動を実施するタスクフォースにおける詳細かつ具体的な作戦指示については知り得る立場にないということを言っただけであります。ちゃんと言った言葉を検証してみてください。

菅(直)委員 検証はしますが、高村外務大臣もこういうときには検証をされるんでしょうが、先ほどの福田官房長官時代の発言についても検証してみてください。明らかに、ペルシャ湾に入るほどの量ではなかったということで言われているわけですから。

 ですから、もう一度言いますけれども、総理、いいですか、この問題は、六年間の、まずテロ特措法に基づく海上自衛隊の活動がどういうものであったかということをきちんと国民に知らせる場なんですよ。それを、お役人から言われたから言いました、私は当時そんなことは知りませんとか、そんな言い方で当時の法案を出したんですか、あるいは当時の延長法案を出したんですか。

 私は、その政治責任についてまず総理にお伺いしたい。間違った報告をしておいて、そして延長をやってくれと言ったその担当大臣としての総理の政治的な責任についてどう考えるか。総理です。

石破国務大臣 キティーホークがペルシャ湾に入ったからすぐOEF以外に使われたという推論は、極めて乱暴なものであります。ペルシャ湾に入った即OEF以外ではない。例えば、先ほど飛行機がどう飛ぶかというお話がありました。直接に飛ぶかどうか。陸上を飛ぶのと洋上を飛ぶのとどちらが安全であるかということは、普通考えてみればわかることです。どのように飛ぶことがオペレーションとして最も合理的であるのか。

 私どもは、アメリカの説明をうのみにするのではなくて、アメリカから出されたものを分析した結果、冒頭に申し上げましたでしょう、航海日誌、航泊日誌を全部分析した結果を申し上げておるのであって、委員のもとに航泊日誌もお出しをしておるはずでございます。そしてまた、位置情報は、これは軍事の観点から位置情報を全部出せるものではございません。そのようなことは常識に大きく反するものでございます。

 私が申し上げているのは、ペルシャ湾に入ったからといってOEF以外に使われたという推論は、それは成り立たないということ。そして、私が答弁を申し上げておりますのは、私どもの補給艦から米の補給艦に補給をした、それが航空母艦に補給をした、それがOEF以外に使われなかったということをお答えするためにるる申し上げているのであって、それが法律にのっとって使われたという政府の立場を御説明しているものでございます。

福田内閣総理大臣 今回問題になりました六十七万ガロン、これを二十万ガロンと当時報告をしたということについてでございます。このことについてはもう先ほど来おわびを申し上げているところでございますけれども、このことを含めて、今後、情報開示等については、正確を期し、そしてできるだけ速やかに行えるように努力をしてまいりたいというように考えております。

 この法案の趣旨につきましては、その都度必要に応じて誠意を持って御説明を申し上げてきたところでございます。ただ一つ、その問題についてそういうミスがあったということについて、改めておわびを申し上げたいと思います。

菅(直)委員 もう一度だけ聞きます。ミスについておわびを申し上げるということで済む問題ですかと聞いているんです。

 いいですか。延長法案も出されたんですよ、この後。つまり、そのときも、イラク作戦に使われたかどうかということが一つの問題になっていた時期ですよ。それを、こういう量だからそんなことはなかったんだということを言われたということは、つまりは、イラクに使われていないということの論証に間違ったデータを使って、それを、わざわざ官房長官、つまり法案提出者の責任のもとで言われたということは、当然ながら、普通の国民からすれば、それは提案者が言っているんだからそうなんだろうと思うのは当たり前じゃないですか。それが、今になってデータのミスを謝る。違うでしょう。データのミスじゃなくて、法案提出者として、政治的に間違った行動を起こしました、そういうふうにちゃんと謝る必要があるんじゃないですか。

福田内閣総理大臣 それは、今私が申し上げたとおりなのでありますけれども、法案の趣旨を曲げるようなそういう説明はしていないと思います。それはもう私は断言をいたします。その都度、必要に応じて必要な説明は誠意を持ってしてまいったつもりでございますし、今も、これからもその考え方は変わりません。

菅(直)委員 これがこれまでの実態なんですね。これまで六年間、我が党が延長のことの議論をしようにも、事実を言わないどころか、わざとかわざとじゃないかは、これは意思の問題ですからわかりませんが、少なくとも事実とは明らかに間違うことを二つも三つも重ねて言って、そして、いや、そういうことには使っていないんだという論証をしながら、それで延長を当然のことだと言いながら、そして、結局のところは、国民の皆さんには正しい情報を伝えないで延長をさせてきたという、このことの責任があるわけであります。

 この問題はさらに同僚議員もやりますが、先ほどの石破さんも、若干私は残念ですね。石破さんはこの問題では詳しいということはよく知っていますけれども、少なくとも、ペルシャ湾に入ったキティーホークがOEF活動に限ってやったなんということが何で言えるのかなと。軍事専門家と称されるのなら、もうこれからは軍事専門家の看板をおろしてもらわなきゃいけないですよね。もともと、先ほども申し上げたように、オペレーションサザンウオッチ、さらにはその後のイラク自由作戦にかかわってきたわけですから。

 こんなことで、実はきょうはほかの問題でもいろいろと質問する予定をしておりましたが、残念ながら、大変この問題が不十分な答弁で終わったということを残念に思うということを申し上げて、同僚議員に席を譲りたいと思います。

逢沢委員長 この際、馬淵澄夫君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 きょうは予算委員会基本的質疑、政治と金の問題、これがこの国会でも大きく取りざたをされております。総理御自身、就任され、その就任の会見の中でも、信頼なくして改革なし、信頼を取り戻すことが喫緊の課題である、このようにお話をされていました。そして、この福田内閣、かつての安倍内閣の閣僚の大部分をそのまま引き継ぐ形で福田内閣を発足されたわけでありますが、この福田内閣においても、私は、前内閣の問題であるかもしれませんが、象徴的な事例として、これも大きく報道されました遠藤武彦前農林水産大臣の農業共済問題をめぐる、このことについては、この国会の中で総理からも御見解を伺わねばならないというふうに思っております。

 農業共済制度、これにつきましては、多くの国民の方々が余りよく御存じでないかもしれませんが、昭和二十二年施行の農業災害補償法に基づき始まった制度でございます。農作物、果樹、畑作物、家畜、園芸施設等々の共済保険制度でありまして、地域の組合、さらには県単位の連合会、そして国の三者で運営する公的制度であります。互助的な、緊急時の補償を行う、まさに安全と安心の仕組みであったわけであります。

 しかし一方、こうした農業共済制度の共済組合あるいは共済連合会といったところが、巷間、政治家の集票マシンである、私的に利用されてきたとも言われてまいりました。

 これは、遠藤大臣が農相を辞任されたときに報道に上がりました、東京新聞でありますが、「辞任の連鎖なぜ 族議員は「利権の盾」 補助金の環流温存」という記事がございます。その中に、「農林水産関連団体や遠藤氏が組合長を務めていた農業共済組合などは、選挙になれば強力な集票組織の役割を果たしてきた。」という報道があります。ここでは、山口二郎、政治学の北海道大学教授がこのように述べられております。「国の補助金の受け皿になっている団体が、一政党にすぎない自民党の選挙マシンになるのは問題。昔はそれが当たり前の光景だったが、そんな仕組みは許されない時代になっている」と強調される。

 このように、共済制度、本来であれば、農家の方々の安心、安全の仕組みであるはずのその制度が集票マシンと化しているという指摘が、これは再三にわたって行われておりました。そして、農業共済、この事業に確かに、連合会などの役員に農水族議員が就任をする、さらには、官僚に圧力を加え、共済制度の維持や予算づけを図る、そして見返りに集票マシンとなるという構図があったとされています。

 ここに、共済組合の連合会、全国には四十三の都道府県の共済組合連合会と四つの特定組合がございます。そこの連合会の会長につかれている国会議員並びに自民党関連の議員の方々、これを調べてみました。お手元の資料に、1でお渡ししております。連合会、全国で今申し上げたように四十三ございます。その中で、ここに挙がっておりますように、連合会の会長に自民党、政権与党の議員の方々がつかれています。

 これをごらんいただきますと、八月三十一日、すなわち、遠藤さんが大臣につかれ、そして共済問題が発覚する直前であります。このときに、遠藤武彦前大臣は山形県の農業共済組合連合会の会長も務めておられました。ここには十四名の方々が、国会議員並びに前参議院議員、あるいは県会議員、現職の方々や前県議、こうした方々が名を連ねておられます。

 そして、九月三日現在、これは、遠藤大臣がやめられた後に、ここでは、大野松茂、現在内閣の官房副長官を務めておられますが、埼玉県の農業共済連合会、ここにも大野松茂官房副長官は会長で名を連ねておられました。大野官房副長官は、その後、遠藤大臣の辞任を受けて職務代理となり、実際には会長の職にはない、このようにおっしゃっておられますが、農業共済連合会会長を務めるこうした議員の方々、さらに、地域にあります二百六の組合、ここにも多くの政権与党自民党の県会議員の方々、あるいは前職、現職の方々が組合長理事を務めておられます。

 さて、このように、共済組合連合会あるいは共済組合がまさに集票マシンとなる構図になっているのではないかという巷間の話は、それを裏づけするような形で、遠藤武彦前農林水産大臣の問題として発覚をいたしました。遠藤前大臣が組合長理事をしていた置賜農業共済組合は、ブドウの被害を補償する果樹共済で、加入者を百五十戸水増しし、国庫負担の掛金百十五万円が不正受給された。会計検査院は平成十六年にこのことを既に指摘をしていた。遠藤前大臣は、これを把握していながら三年間放置した確信犯でありました。補助金を出す側と受ける側のトップが同一人物というケースであり、遠藤前大臣が会長を務めていた山形県の農業共済組合連合会、平成十七年に交付された補助金は五億三千三百万に上ります。

 このように、すべて国民の税金が、あたかも集票マシンと化すその制度の長になった自民党の議員の手によって流用される、あるいは不正が見逃されるという現実がある、このことが明らかになった、私は大きな証左だと思います。

 さて、ここで、総理、現在このような形で共済連合会に、多くの国会議員あるいは県会議員が長につかれておりますが、総理にお尋ねいたします。このように補助金を受給している団体に、政権与党並びに議員、ある意味影響力を持つ者が会長なり、その権限を持つということ、これは大きな問題ではないんでしょうか。

 若林現農水大臣も、御自身の政治団体の代表を務めておられる方がまた補助金等々を受ける団体の長をされていた、そしてパーティー券の購入などをしていたということも報道に上がっておりました。法的に問題はないと若林大臣はおっしゃっておられましたが、いずれにせよ、そこに大きな権限、利権が潜んでいると見られるのは私はいたし方ないと思う。

 総理、このような補助金を受ける団体に議員あるいは権限のある者がつくことに対しては、私は、これは一切つくべきではない、このように考えますが、総理の御見解はいかがでしょうか。

若林国務大臣 委員長の御指名をいただきましたので、私の方からまず事実関係を申し上げます。

 農業共済組合また同連合会のトップに政治家が就任しているということでございますけれども、これはもう委員御承知のとおりだと思いますけれども、農業災害補償法上は、理事の少なくとも四分の三以上が組合員でなければならないと規定をされております。そして、その農業災害補償法に定められた定款では、組合長及び連合会会長につきましては、その理事の中から互選するというふうになっておりまして、成年被後見人などの一般的な欠格条項が設けられていますけれども、それ以外は特段の資格制限はないのでございます。

 したがって、いかなる人物が共済組合や同連合会のトップになるかについては、共済組合などの適正な運営という観点から、組合内部の理事互選によって決定されるもの、このようにしておりますから、この人がいい、あるいは、この人が悪いといったようなことを政治の方から言うべきことではないと思っております。(発言する者あり)

逢沢委員長 御静粛に願います。

福田内閣総理大臣 そもそも農業共済制度というのは、農業が自然災害によって受ける損失を補てんして農業経営の安定を図るという非常に重要な役割を担っているわけですね。しかしながら、今はこの制度が政治と金の問題という観点からいろいろ批判を受けているということでございますけれども、本来の趣旨からいって、そういう現状というのは非常に残念な事態になっていると思います。こういう観点からの議論でない議論が本当はなされるべきなんだろうと思いますけれども。

 その団体の会長を務めるのは議員であってはならない、こういうふうな御趣旨であろうかと思いますけれども、私も、農業共済でないけれども、総理大臣になる前はいろいろな団体の長をしておりました。それは、その団体が活性化するようにという趣旨であり、その団体の趣旨にのっとってやるということでやってきたわけでありまして、各議員がそれぞれの会長を務めていることそのものがすべて悪いというわけではないんだろうと私は思います。

 ですから、その議員がやはり節度を持って会長を務めるということがまず第一だし、そして、その趣旨にのっとったことをしていかなければいけないということもあります。いずれにしても、疑惑を受けないような日々の行動というのは必要なんだろうというふうに思っております。

馬淵委員 節度を持ってやるといいながらも、このようなことが起きているんですね。現実には、三年前に指摘をされているにもかかわらず、これを放置してきた。これは見逃してきたわけです。確信犯ですよ。

 結局、権限ある者がその座についたときに、これは補助金を受ける団体ですから、補助金の問題が今国民から大きな注視を受けているわけです。補助金を受ける団体の長に議員が権限を持ち得るということは、これは、政権政党が、長い間自民党が政権についていたがために、その中で、知り合いが大臣になる、あるいはみずからも大臣になる可能性のある中で、権限と結びつく可能性が高い。だから、補助金を受ける団体にはつくべきではないんじゃないんですか、このようにお尋ねしているんですよ。総理、いかがですか。

福田内閣総理大臣 補助金を受けたから、だからその国会議員がその立場に、その長をやってはいけないということには結びつかないんだろうと私は思います。

 この問題については、この共済制度については、これはその辺の、委員の指摘されるようなことも踏まえて、農林水産大臣のところでしっかり対応させるように指示をいたします。

馬淵委員 総理、これは補助金問題というのがやはり今注目をされているわけです。税金の無駄遣い一掃を我々民主党は訴えましたが、総理も内閣発足時に税金の無駄遣い一掃という言葉を使っておられました。

 無駄遣いをとにかく省いてほしい。国民に負担を強いる中で、今、補助金一円たりとも無駄にしてはならない。しかし、現実に、不正受給などが起きているのを三年間、その議員が長である中で見逃しているんですよ。確信犯的な行動をとっているわけです。それを単に、いや、なかなか処理が進まなかったと言って、大臣を辞任するだけで済む問題じゃないじゃないですか。根本的にこれは制度の問題、構造の欠陥じゃないですか。

 補償制度を私は申し上げているのではありません。共済制度は、これは必要なものであるということは十分認識しております。補助金を受ける団体の長たるものに、このような形で権限を行使するべき立場に立ってしまう可能性のある国会議員はつくべきではないんではないか、このようにお尋ねをしているんです。総理、いかがですか。

福田内閣総理大臣 私は、すべて国会議員がそういう立場に立ってはいけない、補助金団体の長に立ってはならないというのは、ちょっと行き過ぎではないのかと思います。

 と申しますのは、やはり指導奨励をしていかなければいけない団体もあるんです。それが国民のためになる、国家のためになるんだという観点から頑張らなきゃいけないところもあるんですよ。ですから、そういう趣旨にのっとって行われるかどうかというその中身をよく吟味しなければいけない。

 この共済制度につきましては、先ほど申しましたように、そういう趣旨にのっとったものであるかどうかということを農林水産大臣にしっかりと点検をしてもらいたいと思っております。

馬淵委員 信頼回復ということを訴えられる総理にしては随分と、私は、消極的、後退する御答弁だな、そのように感じるわけであります。

 では総理、総理の政治姿勢についてお尋ねをしたい。

 総理、政治は最高の道徳である、これはどなたの言葉か御存じでしょうか。総理にお聞きしているんです。政治は最高の道徳である。どなたのお言葉でしょうか。

福田内閣総理大臣 いろいろな方が言っておられます。私の父も言っておりました。

馬淵委員 総理、お父様の福田赳夫元総理がおっしゃっておられた言葉だと私も記憶しております。いろいろな方がおっしゃっていると言われますが、とりわけ福田元総理がおっしゃっておられました。私も、福田元総理の、政治は最高の道徳である、この言葉は本当に感銘を受けております。

 福田赳夫元総理が記された「回顧九十年」という本が岩波書店から出ております。私もこれを読んでみました。

 福田元総理はこの「回顧九十年」の中に、「政権を担当した二年間」という章がございますが、そこに「政治是最高道徳」という一節がございます。その「政治是最高道徳」の一節のその最初に記されているのは、「「金権支配」との戦い」でありました。

 ここには、まさに福田元総理が、政治は最高の道徳でなければならないというその哲学、理念を記されております。福田赳夫氏は、世のため人のため、社会公共のために奉仕をしなければならないんだ、その奉仕の量の多寡が人生の価値をはかる基準の大事な一つだ、これが私の人生哲学である、こうした考え方が政治は最高の道徳となって、今日まで頑張って私の人生を経過してきた、このように述べられているわけであります。

 政治は最高道徳、この言葉を最も薫陶を受けて育たれたのが福田総理であると私は思っております。

 さて、この福田赳夫元総理が政権につかれた昭和五十二年、年初の冒頭の通常国会、第八十通常国会で、福田赳夫元総理は施政方針演説をされておられます。その中では、基本姿勢として協調と連帯、このように掲げられました。何やら福田総理の自立と共生と非常に近いものがあるかもしれませんが、自立と共生は私ども民主党がかねがね訴えてきたことでもあります。協調と連帯の基本姿勢を掲げて多くの難題に取り組む決意を示されておられますが、中でも政治家としての姿勢については、結びにひときわ思いのこもる一節を述べられています。

 この議事録を見ますと、一九七七年、つまり三十年前の一月三十一日に、通常国会で、「いやしくも、国政に参加するすべての政治家、中央・地方の公務員、公共の仕事に従事する人々は、この際、公私を峻別し、身辺を清潔にし、公に奉仕する喜びと責任を再確認していただきたいということであります。私自身、これを自粛自戒の言葉といたす所存であります。」本当に、私も、これは今なおかつ私たちが胸にしっかりと受けとめなければならない言葉だと思います。

 そして、総理は、元総理の秘書を務められた後に、平成元年に起こりましたリクルート事件の余波が残る中、平成二年に行われました総選挙で、引退された元総理の後継として初当選をされました。

 当時の記事を見ます。これは、毎日新聞の県版の朝刊ですね。「横顔」、福田康夫候補、五十三歳、自民新人と出ています。ここに、福田総理、このようにおっしゃっておられますね。当時の記事を見ると、総理みずから、福田政治の継承者、このようにうたっておられます。三十八年間の福田政治を受け継ぎ、政界浄化に努め、国民の政治への信頼を回復させると宣言をされています。まさに、この意の中には、リクルート事件を初めとして当時も政治と金の問題が取りざたをされる中で、その決意を感じ取ることができるわけであります。

 また、二期目においては、平成五年、二期目の当選をされたときも、総理は朝日新聞にこのように語っておられますね。政治家のモラル回復が一番大事、同時に、政治資金の集め方と使い方について公私の区別を明確にすべき、政治家としてまずみずからを正すことが大切、口先だけの約束をしても仕方ない、このようにおっしゃっておられます。

 総理、お尋ねしたいんですが、そう思われる、まさに福田政治、政治とは最高道徳の理念を引き継いでおられる継承者である福田総理、残念ながら福田内閣が、今総理が、信頼なくして改革なし、信頼回復をうたっておられる。これは、十七年前にも信頼回復をうたっておられるんですね。ずっと信頼回復をうたっておられるわけですよ。しかし、今の福田内閣はどうでしょうか。

 お手元の資料の二枚目に、福田内閣について取りざたされた、報道で上がっている政治と金の問題を一覧でごらんいただいています。福田総理はもとより、町村官房長官、増田総務大臣、高村外務大臣、額賀大臣、渡海大臣、若林大臣、甘利大臣、鴨下大臣、石破大臣、泉国家公安委員長、ずらずらずらと見事に、内閣の中にこのように政治と金の問題について疑われるような報道がなされている方々が多数いらっしゃる。

 総理にお尋ねをさせていただきたいんですが、信頼回復をうたってこられた総理、そして福田政治の継承者としてお話をされてきた、今まで政治活動を続けてこられた総理、この政治と金の問題の頻発、まさに福田内閣でも起きているわけですが、総理、総理の姿勢は初当選以来微動だにしないものでしょうか。そして、このような状況を見て、残念だけれども仕方ないんだ、この時代はそんなものなんだとお考えなんでしょうか。いかがでしょうか。二つについてお答えください。

福田内閣総理大臣 私の考えは全く変わっておりません。ただ、政治情勢、それから政治資金のことであれば資金規正法とか、そういうものも刻々変わっておるわけですね。そういう中で、私自身は初心は貫いているというように思っております。これからもその初心は貫いていきたいと思っております。

 ただ、今回、いろいろと私の方でも問題を起こしまして、そしてきょうは国会でも馬淵委員に取り上げていただく、こういうふうなことで大変御迷惑をおかけしていること、大変じくじたる思いでございますけれども、そういうことについて一つ一つルールにのっとった改革をしていかなければいけない、そういう思いでございます。意図的にやったということはございませんので、そういう理念というものはいまだに変わっておりません。そういう制度の中でしっかりとやっていきたいというふうに、もう一度気持ちを改めているところでございます。

馬淵委員 微動だにしない政治姿勢である、このようにお答えをいただきました。しかしながら、お金の集め方等々も変わりつつあるんだ、政治資金規正法も変わりつつあると。制度は変わっても、ここで総理がおっしゃっておられるように、政治資金の集め方、使い方については、公私の区別を明確にすべき、これはきちっと国民の不断の監視のもとに置かねばならないということを、総理御自身、これを当選以来言っておられるわけですね。

 しかし、繰り返しますが、これはお答えいただいていないんですが、今もってこのように閣僚の方々、これほどまでに政治と金の問題が上がってくるわけです。三十年前に元総理が、それこそ政治と金の問題について、これは正さねばならないんだ、政治は最高道徳とおっしゃった。そして、その薫陶を受けてこられた総理が、初当選以来、このことも微動だにしない政治姿勢だとおっしゃっていますが、今、福田内閣はその正反対の姿ではないですか。このような状況で政治姿勢は微動だにしないと言われても、国民の方々、なかなか納得できないんではないでしょうか。

 そして、私自身は決して迷惑でも何でもありません。総理が今迷惑をかけたとおっしゃいましたが、迷惑をかけているとすれば国民の方々です。私自身は、このような問題で多くの方々が非常に疑念を持っている、信頼をすることができないと思うこと、これが問題だと思います。

 総理、改めて聞きますが、政治と金の問題、今、福田内閣についてこれほどに上がっている、このことについて、御自身の問題もさることながら、全閣僚に対してどのような姿勢をお求めになられますか。

福田内閣総理大臣 私は、こういうような問題が起こって、そして世間を騒がすということを非常に残念に思っております。政治の信頼回復ということは、まさにそういうことについて、一つ一つについてきちんとしなければいけない、こういうことだと思います。

 ですから、私自身の反省も込めて、私の最初の閣議のときに各閣僚に対しまして、こういうような問題について十分注意していこう、こういうことを申しました。これは私自身が真っ先にそれを実践しなければいけない、こういうようにも思っておりますので、十分これから心していきたいというふうに思っているところです。

馬淵委員 安倍総理は、説明を果たせなかった者は閣外に去っていただく、このように明確におっしゃいました。福田総理はいかがですか。

福田内閣総理大臣 それは、説明を十分しなければいけないと思います。

馬淵委員 説明が十分果たせなかったら閣外に去っていただくと安倍前総理はおっしゃいました。福田総理はどのようなお考え方ですか。安倍前総理と同じように、閣外に去っていただく、このように言明されますか。

福田内閣総理大臣 そのような事情が起こるとは思っておりませんけれども、そういうことが起これば去っていただくということもあり得ると思います。

馬淵委員 総理の政治姿勢というのを確認させていただいた上で、総理御自身の政治と金の問題について幾つか確認をさせていただきたいというふうに思います。

 まず最初に、福田総理の政治団体、これは自由民主党群馬県第四選挙区支部及び関連政治団体、これは福田経済研究会でございますが、そこで収支報告書に添付された領収書に多数の改ざんがあることが発覚しました。二重線で消したものや、あるいは政党支部の判を押したもの、さらには修正液であて名を消し書きかえたもの、ATMの明細書を改ざんしたものまであった。

 事実関係を確認させていただきますが、総理、この改ざんの総件数及び金額を明らかにしていただけますでしょうか。また、このような記載、書きかえられたもの、これは自民党の支部と政治団体との間で当初の記載から書きかえられたものの件数と金額ということでお答えいただけますでしょうか。

福田内閣総理大臣 どうしてこのようなことが起こったかという説明をさせていただいてもよろしいですか、先に。(馬淵委員「まず一般的にお答えください」と呼ぶ)

 それでは、補正をした領収書の件数は百十二件だったと思います、百十二枚ですね。これは、平成十六、十七、十八年の三年間の収支報告書です。それから、領収書の総合計は約九百五十万円でございます。

馬淵委員 修正とおっしゃいましたが、これは明らかにあて名を違ったもので書いて出されたということですから、これは改ざんと呼ぶのではないかと私は思います。

 今総理の答弁いただきました百十二枚の領収書、九百五十万円、これは改ざんだと私は思うわけでありますが、非常に総理の政治資金に対する資金管理のずさんさというのが残念ながら明らかになっているのではないかと思います。これは民間ではやはりあり得ない、領収書の書きかえ。

 そこで、私、ちょっとお尋ねをしたいんですが、政党支部と政治団体間でこれだけの、これは百枚以上ですよね、領収書の書きかえをされているわけですが、これは単にうっかり書きかえたということじゃないと思うんですね。当然ながら、事後にこれは政党支部につけかえる等々で故意に書きかえられていると考えるのが自然ではないかと思うわけでありますが、総理はこれはどのようにお考えですか。

福田内閣総理大臣 これは、支払いしますね、支払いのときに、今百十何枚というふうに申しましたけれども、ほとんどは福田事務所とか福田康夫あての請求書なんですよ。ですから、支払うときに余り注意しないで福田事務所でもらってきちゃうというようなことをしてきたわけです。

 それで、枚数が多いとおっしゃるけれども、これは正直申しまして、そういうことでずっと通ってきたわけなんですよ。そして、書きかえて選管にも報告をするということをずっとやってまいりました。ですから、それ以前もそういうことがあったわけなんです。しかし、そういうふうにやっていても、だれからも指摘をされない、また、そういうことについて、それが悪いんだという認識が経理の担当者になかったということによって、これだけのことが起こったということでありまして、この一枚一枚について、その支払い関係は完全に把握しておりますし、その支払いの趣旨も全部掌握しております。

 したがいまして、こういうような問題が指摘されましたので、全部この受け取り、領収書の名前は正確にしたものを取り直しまして、全部ちょうだいいたしております。

馬淵委員 ほとんどがとおっしゃいますが、明らかにこれは福田経済研究会を、あるいは群馬選挙区支部、つけかえているものもございます。これは、私はうっかりという話じゃないと。つまり、入りのお金というのは各団体に入ってきて、そして、そこで事業を行って処理をしていく中で領収書というものが出てくるわけです。それをとりあえず受けるなんということは、これは通常あり得ないですよ。民間ではあり得ない。

 総理、これはずさんな管理をやはりしてこられたということを御自身お認めになりますよね。まず、ずさんな管理だったことはお認めになりますか。

福田内閣総理大臣 正直申しまして、結果的に言えば、ずさんな管理だったというふうに言ってもいいと思います。このことについては私も責任を感じております。

馬淵委員 ずさんな管理をされてこられた。そして、領収書のつけかえをしているということについては、今までそれで通ってきた、このようにおっしゃいますが、今まで通ってきた、だったら、それで直せばいいんだというのは、先ほど来の総理のその政治姿勢と私は随分異なるのではないかなと思うわけであります。御自身が、それこそみずからを厳しく戒める、このようにおっしゃっている。

 総理は、鳴り物入りで、この内閣の中で信頼回復を訴えておられるわけであります。

 総理は、九月二十五日の就任の記者会見でこのようにおっしゃいました。「政治家一人一人がこの問題の重要さを感じ取って、そして間違いない報告を常に示すことができるようにしなければいけないと思います。」このように語り、さらに、問題が起きたとき、事情を勘案し対処するが、故意にやったようなことについては問題があると語っておられます。

 この故意にやったようなことについては問題があるというのは、これは記者会見の質問で、まさに、私、先ほどお尋ねしましたが、安倍前総理が、疑惑が指摘された場合に説明できない場合、閣僚は内閣を去ってもらうと言われたけれども、その方針を継続されるんですかという質問に対するお答えとして、故意にやったようなことについては問題がある、このように語られました。

 そして、翌二十六日の初閣議、閣僚は政治資金の透明性を確保する責任が格段に大きい、万が一疑念を持たれる状況が生じた場合には、説明責任を十分果たせるようにしてほしいとの指示を出されています。

 さらに、二十七日には、国の補助金を受けている企業や公共事業を受注している企業から衆院選時に寄附を受けていた石破防衛大臣、渡海文科大臣のお二人からの報告に対して、とにかくきちんと正直に説明しなさいなどと指示をしたと報道されています。十月一日の所信表明では、「特に、みずからについては厳しく戒めてまいります。」このように演説をされています。

 つまり、故意にやったことについては問題であり、正直に説明責任を果たすことが重要であり、さらに、みずからに対しては厳しく戒める、こう見解を示されたわけでありますが、今私が申し上げたこの解釈に相違ありませんね。

福田内閣総理大臣 ただいまの私は、まさにそういうような気持ちでございます。

馬淵委員 総理、九月二十八日に、今もお話しになられましたが、担当者は間違いなくやっているとこの領収書の改ざん問題についてお答えになられました。私は知らなかったと釈明をされましたが、それがみずからを厳しく戒めた結果の御発言ですか。いかがですか。

福田内閣総理大臣 その経理担当者は、正直に申しまして、自分は正しいことをやっている、非常に正義感の強い男ですから、正しいことをやっているんだということを思い、やってきたんですよ。

 参考までに申し上げますと、政治資金規正法上は領収書のあて名というのは特に記載を求めているわけじゃないんです。だけれども、自分の性格から、正確にしておこうということでわざわざ書き加えたんですよ。そのことが問題になったということでございまして、これはもう本人も大変、自分の意思と違ったということで後悔をいたしておりますけれども、いずれにしましても、これが国民の目に知れるということでありますから、国民からいささかでも疑念を持たれないようにきちんとしなければいけないということを改めて思った次第でございます。

馬淵委員 担当者はそう信じたんだというふうにおっしゃいますが、では総理、この総理の見解、これはまさに今も微動だに変わらないとお話しになられましたが、総理が言われている故意にやるようなことというのは、これはどなたが判断するということでしょうか。政治と金の問題について疑念を持たれていることについて、故意にやっている場合は問題だとおっしゃいましたが、故意にやっているか否かというのは、だれがどのように判断されるとお考えですか。

福田内閣総理大臣 故意かどうかというのは、これはその事情事情で違うと思います。しかし、最終責任は政治家にあるんだと思います。しかし、その担当者は判断を誤るというようなこともあるかもしれませんけれども、いずれにしても、よくその状況に応じて判断すべきことだと思います。

馬淵委員 だれが判断されるんですか。その故意かどうかということについては、総理、これは明確に記者会見で言われているんですよ。故意にやるようなことについては問題がある、このように言われています。故意にやったかどうかはどなたが判断されるんですか。

福田内閣総理大臣 私がそこで申し上げたときには、やはり政治家そのものであります。

馬淵委員 本人が判断するということでありますか。総理、そうすれば、では本人が判断して本人がそのように申告する、故意ではないんだと申告すればそれでいい、こういうことですか。いかがですか。

福田内閣総理大臣 これは主観、客観、いろいろな状況がありますから、そういう中で故意なのかどうかということは判断されるということはあると思います。

馬淵委員 みずからが判断するんだということ、故意にやったかどうかについては政治家自身が判断だということであれば、それこそ故意ではないという言い逃れが幾らでもできますよ。

 政治と金の問題については信頼回復が必要だ、そして安倍前総理は、説明ができない者については閣僚を去っていただくんだと厳しく言い放たれた。福田総理は、それを受けて、とにかく故意にやるようなことがあってはこれは問題なんだと。でも、その判断は政治家が判断するんだと。本人だとなれば、これは全く監視がきかないじゃないですか。

 私が申し上げているのは、総理、結局、あなたがおっしゃっているのは、回復しなければならない信頼をとことん失墜させるようなことになってしまいませんか、このようにお尋ねしているんです。総理、いかがですか。

福田内閣総理大臣 これは、やはりルールの問題もあると思うんですよ。ルールが、やはりこの政治資金規正法、あいまいなところがございます。ですから、私どもの担当者も、わからなくて選管もしくは総務省にお尋ねする。これは議員立法でしたか、だからそういうのも筋違いだというふうに言えるのかもしれぬけれども、そういうルールが明確でないがために誤解を招くということは往々にしてあるのだというふうに思います。

 先ほどの領収書のあて名につきましても、これは、線を引いてだめだというふうなルールはないんですよ。そういうことは言われていないんです。

 ですから、そういうことがあるから、私どもは、今、この政治と金のことについて、改善策として、だれかチェックするところが要るんじゃないかというような考え方を提示して、そして政治資金のすべてをそこでもって洗いざらいチェックしてもらおうじゃないか、こういうふうなことを申し上げているところでございます。

馬淵委員 ルールをつくることは、私どもも賛成しております。だからこそ、それこそ完全な公開をして透明性を高めるルールをつくるべきだと私どもは申し上げている。

 総理は何やら非常に消極的な発言をされておられますよね。昨日も予算委員会での答弁の中では、政治活動の自由が保障されるかどうかということ、これについてちょっと心配もしておる、このような発言をされていました。

 明確なルールをつくること、そして、それこそ透明性を高めた、国民の不断の監視のもとに置くということが今求められている。だからこそ、信頼回復のためには、故意にやったことは問題があって、去ってもらうという、その強い意思を今示していただいたんじゃないんでしょうか。

 総理は随分と後退されるような発言をされているように私は国民の皆さん方は感じていらっしゃると思うんですが、改めて総理、自身で考え、自身で判断すればいいんだというような御答弁をいただいておりますが、それでは、現行、少なくとも改正されるまで、今日、今現時点においても、さまざまなずさんなことが起きてしまうということになりかねません。

 総理の政治献金の問題について、外国籍企業からの献金もございました。

 今までの総理のお話では、会計処理を随分と軽んじておられるようでありましたし、ある意味、遵法精神については極めて低いのではないかと。いや、法が定めていないからだというふうにお話しされますが、現に、きちっと公開して、領収書を一円から添付している者も我が党の仲間にはたくさんおりますが、そのような形でやっている議員もいる中で、今現時点で非常に制度があいまいだから、それについてはついつい、今まで通ってきたから放置してきたという、ある意味、その立法趣旨を軽んじた今日までのずさんな管理をされてきた総理。政治資金規正法の中で、政治資金規正法に抵触する北朝鮮系企業からの献金の事実というものもございました。ここについては、政治資金規正法では、外国人または外国人が株式の過半数を持つ企業からの献金を禁止する規定がございます。

 平成十五年の北朝鮮系企業からの献金は、これは明らかに違法でありますが、こうした事実を積み重ねられていることについて、総理、これはどのように説明されますか。

福田内閣総理大臣 私も、外国人もしくは企業から献金を受けることはいけないということは承知をしておりました。

 しかし、この方については、正直申しまして、私も見過ごしておったということもありますけれども、経理の担当も、そのことについて、この人が外国人なのかどうかなかなか確認しなかったのでそのまま放置したんだ、こういうふうに報告がございました。担当者はそういう通告を受けてびっくりしまして、直ちに返金してしまいましたけれども、私自身、いまだにこの方が外国人かどうかというのは確認いたしておりません。

 ただ、今のような国際化の時代で、いろいろな国籍の方もいらっしゃるんだというふうに思います。ですから、その辺、より厳格にチェックしていかなければいけないというふうに思っております。こういうふうなことは、私の事務所の担当者が処理できることではないように思いますので、そこで、私も専門家に依頼をいたしまして、すべてを今チェックしている最中でございます。

馬淵委員 結局、知らなかったからで済んでしまう、済ませてしまう。みずからがこれをしっかりと不断の監視のもとに明らかにするという姿勢の欠如というのが、やはり総理、残念ながら総理の事務所の中では明らかであるということが、ここでも総理の口から、みずからが説明されたのではないかというふうに思いますが、この政治献金の問題については、さらに、政治資金規正法だけでなく公職選挙法違反の疑いがある事例についてお尋ねをしたいと思います。

 これも事実関係を確認させてください。総理は、群馬県高崎市の清掃会社、そして同じく群馬県藤岡市の建設会社が、国と契約関係があるにもかかわらず、平成十五年及び十七年の衆議院選挙の公示日前後、これもお手元の資料にお渡ししておりますが、清掃会社、建設会社ですね、平成十五年、総選挙公示日前日に清掃会社から百万円、建設会社からは公示日六日後に十万円受けておられる。翌年十六年、総選挙なし。これは献金ありませんね。そして、平成十七年、総選挙ありで、公示日二日後、百万円、公示日当日に十万円。平成十八年、これは献金なしであります。

 この表に書いてありますように、自民党支部にこのような寄附があったという事実、総理、御確認いただけますか。

福田内閣総理大臣 平成十五年から十八年の収支報告書におきまして、国と契約関係のある団体からの寄附をいただいていたということを私ども確認いたしました。どちらも、この会社が国と契約を結んでいるということは全く知らないで受け入れてしまったということでございます。

 しかし、誤解を招くということでございますので、返金を含めて、適切な処置をするように指示をいたしております。

馬淵委員 指摘されてわかった、細心の注意を払っているがそれでもこういうミスが出る、仕組みを考えていかねばならない、これが九月二十八日に総理が語った答弁であり、今も、知らなかった、このようにお話しされていますが、総理、この企業の経営者、清掃会社の経営者の方とは面識ございますか。

福田内閣総理大臣 面識ございます。年に一回か、多くて二回ぐらい、パーティーとか何かの会合なんかで、ほかの方々と一緒に会っております。

馬淵委員 この清掃会社の公共工事の受注実績というのを調べてみました。国土交通省に求めますと、これは資料保存期間が五年しかないということで、五年分しか出してこないんですが、公共事業を受けておりますね。五年間受けておりました。

 そしてさらに、お手元の資料の5に載せておりますが、日本工業経済新聞社提供の入札情報ということで、これを確認しましたところ、国土交通省の高崎河川国道事務所から、毎年、年度ごとに、年度がわりで、道路清掃の作業、指名競争入札で。これを見る限り、少なくとも平成七年からずっと国の事業を受けておられるわけですね。

 公共事業を受けているとは全く気がつかなかった、総理、これはおかしな話だと思うんですよ。道路清掃会社ですよ。道路の清掃事業ですよ。面識があるとお話しされましたが、これは公共事業じゃないですか。まさに道路の清掃事業というのは公共事業じゃないですか。国との契約関係があるとは知らなかったと言われても、既に平成七年から十二年間、ずっと公共事業を受けておられるわけです。

 さらに、私は先日、高崎に赴きました。清掃会社の社長さんともお会いをしました。社長は、先代の社長から福田赳夫元総理の時代からの熱心な支持者である、このようにおっしゃっていました。社長は私より若干若い方でいらっしゃいましたが、もう少なくとも二十年来ずっと公共事業をやっているんだ、このようにお話しされていましたよ。

 総理、このような業態、私も会社を見ましたけれども、いわゆる道路清掃の、黄色と白に塗った、黄色、黒に塗った、あの道路清掃の車が、作業車が何台も置いてありましたよ。公共事業を受ける会社じゃないですか。通常考えて、総理が御存じなくても、少なくとも事務所が知らなかったというのはこれは通らないんじゃないんでしょうか。いかがですか、総理。

福田内閣総理大臣 もう十年ほど前ですか、公共事業を受注している企業から、わずかな金額ですけれども献金を受けまして、それが一度指摘をされたことがある。以来、こういうことについては十分注意をしているつもりだったんだと思います。

 ですから、こういうことでもって政治的な問題になるというようなことがわかっていれば、受けるはずないんですよ。そのことから考えても、これは、そういうことを全く知らないで、そういう知識なくしてやってしまったということであるというふうに私は考えております。

馬淵委員 総理、これをごらんいただいたらわかるように、献金も、だから、選挙のときはちゃんと百万円受けて、そして、選挙がないときは受けていないんですよね。選挙にかかわって献金を受けて、簡単に言えば、これは十年以上公共事業を受けているところからですから、これは、知らなかったんじゃなくて、ばれなきゃいいと思ったとだれもが普通考えるんじゃないですか。

 総理、指摘されてわかったんだということでありますが、鳩山幹事長の代表質問に対して、総理の御答弁、このように十月三日の答弁でされています。「私が代表を務めます自民党支部が国と契約している業者から受けていた寄附の件につきましては、その会社が国と契約を結んでいたとは知らずに受け入れた通常の寄附であり、公職選挙法に違反するとは考えておりません。」このように答弁をされています。そして、今も、わからなかった、知らなかった、このように言われます。そして、知らなかった、だからそれは故意ではないんだというのは自身が判断するんだというのが、先ほど総理の、ずっとるるこの政治資金について発言されてきた言葉の文意としてとれる。

 指摘されてわかった、知らずに受け取ったのだから問題ないんだ、こう考えるということでよろしいんでしょうか。いかがですか。

福田内閣総理大臣 それは、まさに私どもとしては、そういうふうに思っていたとしても、他から指摘を受ける、また、国民の目の前でこれは公表するものでございますから、そういうことがないようにということで日ごろ十分注意をしてやっているわけですよ。しかし、そういう中で今回のようなことが起こってしまったということについては非常に御迷惑をかけて申しわけないし、また、そういう疑いの念を与えるということについて申しわけない、本当に申しわけない、そういう気持ちでいっぱいでございます。

 そういうことがないように十分注意をしてまいりたいという趣旨でもって今度は、依頼、専門家にチェックをしてもらうというように切りかえたところでございます。

馬淵委員 知らずに受け取ったと。これは国会の本会議の答弁を踏襲されているということでありますが、ならば、お尋ねします。総理、藤田登という方を御存じですか。

福田内閣総理大臣 ええ、よく存じております。

馬淵委員 藤田登氏は、どういうお立場の方でしょうか。一番総理に近い立場ということでお答えいただけませんか。

福田内閣総理大臣 この方は、私の子供のころというか学生のころから兄弟みたいなつき合いをしてきた、そういう方でございます。

馬淵委員 深いおつき合いだということでありますが、藤田登氏は、自由民主党群馬県第四選挙区支部の会計責任者をされておられますね。私の手元にあります収支報告書、ずっと、これは十五年からのでありますが、藤田登氏は会計責任者をされておられます。

 さらに、藤田登氏については、今御自身がみずから、よく知っているとお話しされましたが、子供のころからということでありました。これは二〇〇二年五月二十八日の日経新聞経済面に、これは群馬県の、「この人」という欄に藤田登氏が載っておられます。このように紹介されていますね。「衆院選で福田赳夫元首相、福田康夫官房長官をずっと応援してきた福田系人脈の有力者であることは地元・高崎では有名。元首相の初出馬のとき、父親が実家の離れを旅館代わりに貸してからのつき合いだ。」大変古いおつき合いで、かつ総理の政治団体、これは自民党の支部の会計責任者をされていらっしゃる方であります。

 お尋ねします、総理。藤田エンジニアリング、藤田テクノという会社を御存じですか。

福田内閣総理大臣 よく存じおります。

馬淵委員 藤田エンジニアリング、藤田登氏がオーナーでいらっしゃいますね。かつて藤田電機という会社であり、現在、ジャスダック上場されておられる会社であります。

 この藤田エンジニアリングの、現在、取締役も務めておられる。今は、御子息が代表取締役であるようでありますが。ごめんなさい、今、藤田エンジニアリング代表取締役をされておられますね。この藤田登氏は、藤田エンジニアリング、藤田テクノ等々、藤田グループのトップでいらっしゃいます。

 藤田グループから寄附を受けておられますか。

福田内閣総理大臣 受けております。

馬淵委員 藤田グループからも、同様に、群馬選挙区第四支部では寄附を受けておられます。

 この寄附は、先ほどのパネル、これは清掃会社、建設会社の例でありますが、平成十五年の総選挙のあったとき、公示日の十二日前に藤田エンジニアリングから二百万円、同じく公示日の十二日前、これはもう会社は別で数字も違いますが、わかりやすく見るために、平成十五年の選挙のあった公示日の十二日前に藤田グループから献金が四百万円なされています。ごめんなさい、さらにもう一社ございます。藤田グループから五百万円の献金がなされています。

 平成十六年、藤田エンジニアリングは、このときは総選挙はないんですが、このときには藤田エンジニアリング、五十万。これは、ずっと定常的に五十万されている、毎年の寄附と同額。藤田テクノなし、もう一社、藤田デバイスもなしですね。平成十六年は、だから五十万ですね。

 平成十七年、総選挙ありです。公示の四日前に、同じように、藤田エンジニアリング、藤田テクノから四百万円、これが入っています。

 平成十八年は、藤田エンジニアリングは五十万円であり、テクノはなし、その他なし。

 ざっと平成十五年から見ても一千百五十万円の寄附を受けておられるわけでありますが、総理、藤田グループが国と契約関係にあったことは御存じですか。

福田内閣総理大臣 いや、実は、こういう問題がありまして、調べて、そして、国との契約関係があるということを知りました。

 ただ、その藤田さんとの関係は、特に会社との関係について言えば、私ども、全く陳情なんか受けたことないんですよ。そして、仕事はどんなことをしているかということは存じておりましたけれども……(馬淵委員「聞いたことに答えてください」と呼ぶ)国の仕事をしているということは、正直申しまして、気がつかなかったというか知らなかったんです。

馬淵委員 総理、事務所は先ほどの清掃会社の件は知らなかった、事務所は知らなかったんだと。これもおかしな話だと私は思うわけであります。十年来、公共事業を請け負うための仕事をされている会社が公共事業を受けているとは知らなかった、これは、通常、説明つかないですよ。

 そして、今回のこの藤田グループからの寄附。総理の会計責任者ですよ。これは知らないは通らないでしょう。会計責任者でいらっしゃる方がみずからの会社から寄附をしているんですよ。それも選挙の公示日前後、まさに選挙に関して寄附がなされた。公職選挙法百九十九条違反に抵触するようなおそれのある寄附を、群馬県第四選挙区支部の会計責任者御自身がこれを知らないはずはないじゃないですか。知らないは通らないじゃないですか。

 総理、まさにこれは、先ほどの話の中で言う故意に該当するんじゃないですか。いかがですか。

福田内閣総理大臣 私は、先ほど来申し上げていますけれども、私は不正をしようという気持ちは全くありません。そういうことで政治家やっているんですからね。不正をするとかいうことを考えてやるんだったら、私は政治家なんかやっていませんよ。そのことは理解していただきたいと思います。

 ですから、本件につきましても、大変な大きなミスであったというふうには思いますけれども、これが意図的とか故意とか、そういうものでないということだけは一つはっきりと申し上げておきます。

馬淵委員 いや、総理、会計責任者ですよ、これは。まさに政治資金規正法の中で、代表者、第四選挙区支部、福田康夫ですよ、会計責任者藤田登。まさに、事務所が知らないとか、私はというその第一人称に全部これは含まれますよ、あなたのかわりの会計の責任をとられる方がですから。この方が、オーナーであるみずからの企業から選挙に関しての寄附をしているということを知らないでは通らないじゃないですか。総理、いかがですか、これは。

福田内閣総理大臣 何とおっしゃられようと、私が、その方がどういう仕事をしていたか、それが国の仕事に関係するというようなことについては一切承知しておりません。どこの仕事をしているかということも一切聞いたことはございません。

馬淵委員 藤田テクノ、藤田エンジニアリング、これは農水省からの仕事を受けておられますよ。選挙の期間中に、関東森林管理局から農水省の仕事を受けておられます。さらには、法務省からも仕事を受けておられますね。法務省からの仕事、これは平成十五年三月二十五日から十二カ月間の工期で一億二千五百万円、前橋刑務所の新営工事。あるいは日本下水道事業団、これは地方共同法人になっていますが、これも国のお金が入っています。こちらからも工事を受けている。

 つまり、藤田登社長、藤田登代表取締役は、総理の会計責任者であり、御自身がすべて把握している立場でこの寄附をしているわけですよ。自分が知らなきゃいいという話であれば、先ほどの流れの中で、とにかく、故意にやったのであれば問題だと言われるけれども、自分が知らないと言い張ればすべて言い逃れできるということになりませんか。総理、いかがですか。

福田内閣総理大臣 そういうふうにとるという立場も当然あると思います。しかし、私の立場を申し上げれば、今まで申し上げたとおり、一切そういうことを承知していないで受けてしまった、それは私の大きな過失である、こういうふうに申し上げているんです。

馬淵委員 会計責任者の行動まで、これはミスだったといって言い逃れられるのであれば、これはもうまさに、現内閣では何をやったって、いや、私は知らないんだで通るということじゃないですか。福田元総理がずっと言われてきた「政治是最高道徳」は、みずから最も厳しく戒めよ、自粛自戒ということをおっしゃっている。そして、御自身も所信表明の中で、特にみずからに関しては厳しく戒める、このようにおっしゃっているにもかかわらず、私は知らないで全部逃れられるという、今のお話であれば全部逃れられるということになるじゃないですか。それでどこが自分は戒めるになるんですか。御自身の選挙区の政党団体の違法な献金ですよ。総理、お答えください。

福田内閣総理大臣 昨今、政治と金にまつわるいろいろな問題が出てきているわけですね。これは自民党だけでない、野党の方々にもいろいろあるわけですね。そしてまた、それについていろいろな説明もあります。しかし、釈然としないものもあるんですよ。それはやはり、ルールが明確でないということに一つあるんじゃないかと思います。

 ですから、そういうことについては明確にして、もうこれからそういうような、国民から疑惑を持たれるようなことは一切しないという覚悟を持って、この政治資金規正法の改正とか、それから政治家のあり方というものについて皆さん方と一緒に努力していこう、こういう気持ちでおります。

 そして、それに尽きますけれども、ひとつ協力して、いい政治を実現するように努力しましょう。

馬淵委員 みずから戒めると言われる方が、御自身の足元の政党支部の団体での違法の疑いのある献金すら、その責任を認められないというような、そんな方の言葉をどうやって信じるんですか。国民が、信頼の回復ということを訴える総理に対して、これはがっかりしていますよ。

 もう同僚議員の質問時間が迫っておりますので、私の時間はこれほどですが、今、総理の御答弁をいただいて、政治と金に対して厳しい姿勢をもって臨むということがいかに空虚な砂上の楼閣であるかということが明らかになったと思います。この政治資金の問題は、今後、規正法の改正を含めて、さらにまた今国会でも十分な議論が図られることと思いますが、ぜひ総理におかれましては、国民の前で約束をされた、宣言をされた、みずからを特に厳しく戒めるというその言葉を絶対に裏切ることのない行動をしていただきたいと切に望みます。

 最後に、委員長、このような形で安倍内閣を引き継がれた福田内閣、その負の遺産というべき政治と金の問題はやはり何一つ解決していないわけであります。看板がかわっても何も変わっていない。そして、安倍内閣の中でも大きな議論となったのは、改革の光と影の、影の部分、それについては、経済財政諮問会議の委員である経団連会長御手洗氏のその発言に対して、影の部分が大きく当予算委員会でも取りざたされました。

 我が党の当時の枝野筆頭理事から、御手洗氏のこの予算委員会、国会での参考人招致、これを強く要望していたものであります。私からも重ねて、この委員会の中での参考人招致、理事会での協議をお願いいたします。

逢沢委員長 今の馬淵澄夫君からの要請につきましては、理事会で適切に協議をいたします。

馬淵委員 以上で終わります。ありがとうございました。

逢沢委員長 この際、前原誠司君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。前原誠司君。

前原委員 民主党の前原でございます。

 午前、午後と分かれて質問をいたしますが、まず、きょう質問したいことは大きく言って二つございます。

 一つは、日本の最大の問題は、財政の赤字、国、地方を合わせて、数えようによっては一千兆円を超える借金を抱えているということが言われておりますし、しかも、そのタイミングで急速な少子高齢化が進んでいて、また、人口減少社会を迎えているということ、これを考えれば、与野党を問わず政治家の最大の問題というのは、この財政にどう向き合うかということが大きな問題であるというふうに思います。

 この問題を考えるときに、私は、安易な増税をすべきではない。私が好きな言葉に、中曽根内閣のときの行革臨調をされた土光敏夫さん、経団連の会長でありますけれども、土光さんのお言葉を私は引用をよくさせてもらっています。行革なくして増税なし。つまりは、徹底的に歳出の無駄遣いを削らずして安易な増税に頼ることがあってはならない。このことを私は、やはり政治のベースにならなければいけないというふうに思っております。

 その上で、今回の質問では、まずは三点の税の無駄遣いといいますか、歳出カットのできる分野を私なりに建設的にお訴えをし、そして、総理あるいは関係大臣から、それについて前向きに答弁をしていただきたいと私は思います。

 まずは公共事業です。そして二つ目、これは午後になると思いますけれども、天下りと随意契約の問題。三つ目は国と地方の関係、特に地方の多重行政の無駄の問題。この三つを、具体的な数字も挙げてお話をしたいと思います。

 公共事業は、額はかなり減りました。一番多いときから比べますと、国費で半額ぐらいに今なっております。一番高いときで対GDP比が六・四%、今は三・〇%ぐらいまで減ってきているわけでありますが、しかし、この三・〇%という対GDP比で見ておりますと、まだまだほかの先進諸国と比べるとこの公共事業の費用は高いと私は思っています。例えば他の先進国と比較をいたしますと、ドイツは一・三%、イギリスは二・一%、アメリカは二・五%、こういうことであります。

 そして、この公共事業でやはりボリュームが大きいのは、何といいましても道路とそして河川、この二つであります。きょう、時間があれば道路特定財源の話もさせていただきたいと思いますけれども、道路について我々は、道路特定財源は今は暫定税率でありますけれども、本則に一たん戻す、そしてまた、一般財源化を考える中で環境負荷的な税を導入するというのは、我が党の選挙マニフェストには書かれているところであります。この一般財源化をどう考えていくかということは、来年の予算編成、税制改正を含めて大きな議論になっていくと思います。

 そこで、きょうは、主に河川の問題に私は焦点を絞ってお話をさせていただきたいと思います。

 平成十一年、今から八年前に、民主党で初めて次の内閣というものが誕生いたしました。そのときに私は、社会資本整備の担当の次の内閣の大臣に任命をされました。そのときはまだ国土交通省というのはありませんで、建設省と運輸省というのがそのときの私の所管の分野でありました。そのときに私は四つの法案を出しました。

 一つは、公共事業のいわゆる事業別中長期計画というもの、これが公共事業の既得権益を守る温床になっているということで、これをなくしていくべきだということで一本化をしていくべきだという法案。それから、公共事業の額がその当時は非常に高かった。したがって、量的な削減を毎年強いていくという、今、経済財政諮問会議ではそのような話になっておりますけれども、そういう法案。もう一つ大きなのは、ダムに頼らない治水、そしてまた、山の保水能力を高めて、自然環境にも配慮した治山治水をしようということで、緑のダム法案。こういうものを出させていただきました。何度か出させていただきましたけれども、結局、議論もされずに廃案になったわけであります。

 一つは、私、このときにダムの問題として取り上げさせてもらいましたのが、熊本県にある川辺川ダム。これは私は三回行きました。この川辺川ダムでありますけれども、これは国土交通大臣御存じだと思いますけれども、これは一九七六年なんですね、七六年の当初の見積額は三百五十億円。これは三十年以上たっていますけれども、まだいまだにダムの本体工事には取りかかれておりません。しかし、今までに一体幾らかかったかというと、二千四十三億円以上かかっているということでございまして、約六倍に膨れ上がっているわけであります。

 ダムというのは金がかかる。これは国土交通省がみずから発表されたものでありますけれども、百四十九基のダム、当初計画と、実際に今の修正も含めた建設費見込みで約何倍になっているかというと、これは一・四倍になっていて、合計金額九兆円という莫大なものであります。そして、その大きな核になるのが、私はきょう二つのダムを議論させてもらいたいと思いますけれども、川辺川ダムと淀川水系の大戸川ダムだと私は思っております。

 そこで、大臣に質問させていただきたいわけでございますけれども、平成九年に河川法の改正がございましたよね。平成九年の河川法の改正というのは、これは、考え方を変える、環境保全と流域、水域の住民参加で河川計画を立てていくということが大きな柱であったわけでありまして、それが守れなければいけない。守らなければ河川法違反になるわけであります。

 ただ、この問題は、地元の相良村の村議会あるいは相良村の村長さんも反対、ダムは要らないというふうに言っている。そして、相良村だったら一つではないかということを言われますけれども、全体の流域、球磨川水域を管理されている熊本県の潮谷知事、この知事も反対をされている。そして、この取りまとめ案については了承しがたいと発言をされている。

 これは、十一回、本来、他の水系では通常二、三回の会合で答申がまとまるんですよ。私は個人的に話をしました。本心は反対だということをはっきりおっしゃっていました。ただ、取りまとめ案は了承しがたいということをおっしゃっているわけですよ。了承しがたいとおっしゃっている。十一回もこれについては審議を重ねてきている。

 河川法改正のもとで、これだけ地元の流域が反対をしていて、そして地元の熊本県知事も、取りまとめ案は了承しがたい、ダム建設を前提とする取りまとめ案は了承しがたいと言っていますけれども、まだ強行しますか、ダム建設を。

冬柴国務大臣 私はやはりつくりたいと思います、結論は。

 それは、球磨川水系では、昭和四十年七月の洪水、上流の人吉市市街及び中流部落が浸水して、流域の関連市町村、球磨川流域以外の河川流域も含みますが、水害、土砂災害による死者六名、被害家屋一万四千戸、昭和五十七年七月の洪水におきましては、死者四名、被害家屋五千戸と、これまでたび重なる洪水被害をこうむってきました。それで、近年におきましては、平成十六年、平成十七年、十八年、洪水被害が頻発しております。

 したがいまして、川辺川ダムは根本的な治水対策として必要な施設である、このように認識をいたしております。

前原委員 この川辺川ダムというのは、もともと多目的ダムでしたよね。農業利水、それから発電、それから、今大臣の御答弁された治水、この三つのいわゆる多目的ダムでしたけれども、多目的ダムではなくなりましたよね。これは、農業利水については、地元の受益者の三分の二以上が賛成をしなければいけない。

 これはどういうことをしたかということを、嫌かもしれませんが申し上げると、農林水産省は、亡くなった方の名簿までその中に入れて三分の二以上という虚偽を申請して、そして、受益者から裁判を起こされて敗訴したわけであります。負けたんです。そして、農林水産省はダムによる農業利水は行わないということを発表した。そして、発電も言われておりましたけれども、ことしの六月に、発電用利水でダム計画に参加をしていた電源開発が撤退を表明した。

 大臣、後で議論しますけれども、我々、治水が必要ないということを言っているわけじゃないんです。でも、ダムだけが治水じゃないですよね。多目的ダムでなくなれば補助率が変わりますね。そうなると、いわゆる国土交通省、地元の負担も変わってくる。そういった中で、なおかつ、前提が崩れて、三十年以上この問題が本体ダムの着工にも着手できていない。そして六倍にも膨れ上がっている。それをまだ同じように続けていくつもりですか。一たん白紙に戻して、どういう治水がいいかということを、農業利水も発電も撤退をするわけですから、考え直すべきじゃないですか。答弁してください。

冬柴国務大臣 河川法の改正が平成九年に行われましたけれども、それによりまして、従前は工事実施基本計画というもので定めていたわけでございますが、これを、河川整備基本方針というものと河川整備計画と区分をして定めることにいたしております。

 整備基本方針は、いわゆる球磨川水系全体、広い範囲においてこの川辺川ダムは必要なのかどうかということを判断される一つの方針だと思いますが、具体的には、どういうふうなダムをそこへつくるのか、そのダムの構造はどうするのかということは、整備計画において定めることになります。

 それについては、いろいろな学識経験者の意見、あるいは知事、市町村の人、あるいは広く住民の意思もお聞きをした上で、最後は、住民の生命、身体、財産について責任を負うのは国土交通大臣です。河川管理者です。私は、そのような方々の意見を考えながら、過去の歴史、そういうものも振り返りながら判断をすべきだと思っております。

前原委員 川辺川が球磨川に合流する地名が人吉というところでありますが、人吉の旅館に私は泊まりました。川辺にある旅館に泊まりました。柱に、私の頭以上に洪水の跡が残っている。ですから、おっしゃったように、過去に何回も大きな水害、水がついている。その御主人に話を伺いました。もちろん、ほかのいろいろな、三回行きましたのでかなりの方々にお話を伺いましたけれども、要は、ダムができたことによって水の流れが変わって、より危険な状況に置かれていると感じるんだということをおっしゃっている。

 今、生命財産を判断される立場とおっしゃったら、このダムは何ダムを指しているかわかられますでしょう。何ダムを言うのか。球磨川のいわゆる本流のダムですよ。何ダムか御存じですか。

冬柴国務大臣 そうではなしに、球磨川本流に流れ込む支流です。その後ろには大きな盆地があります。そこに降った雨が一点集中にここへ出てくるんです。そこへ川辺川ダムをつくるかどうかということをやっているわけです。

前原委員 わかっているんです。まだ川辺川ダムはできていないわけですから。ちょっと、事務局、そんなのだめだよ、持っていっちゃ。

 そこまでおっしゃるんだったら、わかって治水のことをおっしゃっている、僕はだから治水議論を今からしようと思っているんです、治水議論を。

 なぜ私がその治水の問題で申し上げているかというと、ダムができて、ダムだとなべ底調整というのをやるわけですよ。そこでそこまでためるわけです。ためて、しかし、オーバーフローするときはダムが決壊しますから流すわけですよ。そのことによって、それは調整はできますよ。僕はダムは全く反対だとは言っていません。しかし、大臣、ダムの名前は市房ダムというんですよ。市房ダムというのができたときに流れが変わった、そして、ある一定程度までは抑えることができるけれども、ダムができた後、オーバーフローした後、余計流れる。

 では大臣、川辺川ダムの話になりますけれども、連携できますか、市房ダムと川辺川ダム。この二つのダムをコントロールできますか。できなかったら、お互いがオーバーフローするときは一挙により多くの水量が流れますよ。

冬柴国務大臣 そのような面につきましては、学識経験者の御意見も十分に聞きながら、私のような素人判断でやるわけではありません。確かに潮谷知事はそのように意見を述べられたようですけれども、そのときほかの委員はどういう意見を言われたか御存じですか。その意見も言ってください。その上で、その学識経験者のそれ以外の委員がどのような意見を述べられ、そして、その中で潮谷さんがどう言ったかということをあわせて言ってもらわないと、みんなが反対しているように聞こえますよ。私はそうでないと認識をいたしております。

前原委員 今申し上げたのは一つの意見です。一つの意見ですけれども、私の質問には答えられていない。要は、市房ダムと川辺川ダム、その二つのダムの連携のダム管理ができますかと聞いているんです。

冬柴国務大臣 学識経験者はできると言っておられます。

前原委員 その学識経験者の方の意見というのは一つの意見で、できないと言う方々も学識経験者の中にたくさんおられることはここで申し上げておきたいと思います。そこで最終的に判断されるのは大臣になりますけれども。

 あと、これはちょっと時間がきょうはもう切れるので、ここで一たん切ります。それで、一時からまた続けてやらせてもらいます。

逢沢委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

逢沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。前原誠司君。

前原委員 それでは、午前中に続いて質問させてもらいます。

 午前中の質問で、二点申し上げたいことがあります。

 一つは、熊本県知事の公の場以外での発言については撤回をさせていただきます。

 それからもう一つは、地元の松野信夫議員の事務所にお電話があったそうであります、川辺川ダムの流域の方から。これは冬柴大臣にお伝えだけしておきますけれども、先ほど、四十年に四名、五十七年に六名の死者が出ているという答弁があったけれども、それは地元の方から、間違いであると。十名の死者は、川辺川に流入する支川、枝川での土砂崩壊による死者であって、川辺川ダムをつくれば防げる死者ではなかったということを、地元の方がおっしゃっているとお伝えだけしておきます。

 そして、質問を続行させていただきます。

 川辺川ダムの話を先ほどいたしました。もう一つ、淀川水系の大戸川ダムの話をさせていただきたいと思うわけでありますが、去る八月に、二年前に凍結を近畿地方整備局みずからが宣言をしていた大戸川ダムが、今度は一転して建設ということになりました。伺っている総工費は約一千億円。従前の計画は七百四十億円で、既に六百億円使われているというので、このたった二年で方針を転換するということで、さらに進めていくと四百億円の負担増になるわけであります。

 これは、なぜたった二年で、凍結をすると言っていたものを翻したのかということであります。

 これは、二年前に国土交通省の近畿地方整備局が出されたペーパーをもとにお話をいたしますけれども、保津峡、これは注釈を入れますと桂川、それから岩倉峡、これは木津川でありますが、の開削、つまり広げることは、「桂川及び木津川及び淀川における水害の危険性を増大させるおそれがあるため当面実施することはできません。保津峡、岩倉峡を開削するまでは、天ケ瀬ダム再開発実施後においては、大戸川ダムの洪水調節による宇治川及び淀川での洪水調節効果は小さいです。」ということを、これは整備局みずからがおっしゃっている。それからもう一点、「治水単独目的事業となることで治水分の事業費が増加し経済的にも不利になり、河道改修等のダム以外の対策案の方がコストの観点から有利です。」こういうようなことがこれは近畿地方整備局のペーパーとして出てきて、これが二年で変わったというのはどうしてですか。

冬柴国務大臣 私も、その点についてどうして二年で変わったのかということは担当者にもよく聞きました。実は、淀川水系、下流ですね、本川といいますか、そこが大阪、京都、大都市を控えていまして、そこで破堤するとかこういうことは許されないわけでございまして、まずそこをかちっとしよう、堤防を整備しようということで、ボーリング調査その他をずっと平成十五年から十八年にかけて調査をしてまいりました。

 当初は、ここが破れてはいけないということで、その際に、上流部をいらってしまうと、この下流の堤防が整備されていないときに上を整備して、上流からの流れが全部淀川へ入ってくるということになると破堤するおそれがある。そういうことから、まずは淀川本堤をきちっとしようということから、上流部については、今委員が言われたように、留保しようということを、平成十七年七月、私の方の近畿地方整備局が公表いたしまして、そのときに、大戸川ダムについても当面見送るということにしました。

 しかしながら、十八年の結果を受けまして、淀川の堤防が非常に強くて、あと五年ほど整備をすれば十分だということがわかりました。そうなりますと、上流の方も、すなわち桂川、宇治川、木津川ですけれども、そういうところの整備をできるじゃないかということになってきたわけでございまして、そうすれば大戸川ダムも、その整備された宇治川へ流れ込む水を調整する意味では必要だというふうに十八年段階で変わったわけでございます。

 確かに、二年でそういうふうに変えるのはおかしいんじゃないかという、私もそのような意味がありましたけれども、実は、十五年からの調査の結果が出たということでございます。

前原委員 この場でかなり込み入ったことを議論しても余り私は意味がないことはないと思いますけれども、現段階では適切ではないと思います。

 そこで、私が聞いているのでは、堤防強化も実は緊急措置であって、本格的な堤防強化ではないという話も聞いております。そしてまた、中流域の河川改修をしたら今度は上流のダムが必要になったということになったら、延々と要は河川整備の必要性をマッチポンプのように生んでしまうような錯覚にも取りつかれるわけです、否定的に見れば。

 そこで大臣、時間もこればかりにかけるわけにいきませんので、二つのことを申し上げておきたい。これは総理に伺いたいと思います。

 総理、前の鳥取県知事の片山さんという方がおられますが、この片山さん、御自身の任期の一期目に、中部ダムというダムをやめられたんです。前任者が決めておられたダムをやめた。

 そのときの話が私は非常におもしろいなと思うんですけれども、情報公開条例、国でいうと情報公開法ですね、これを徹底的に活用して、うそを言ったらだめだぞ、うそを言ったら情報公開条例によって罰せられるぞということを役人に言いながら、もう一度同じ治水効果でダムと河川改修の積算をやり直せということを言われたそうです、情報公開を逆手にとって。そしたら、初めは県の試算は、ダムは百四十億、護岸工事だったら百四十七億としてダムの方が安いとなっていたのが、この情報公開条例をやれば、ダムが二百三十億円、護岸の工事が七十八億円というのを出してきた。つまりは、改ざんをしていたということなんです。

 国土交通省が改ざんをされているという前提に立つわけじゃありませんが、情報公開というものを徹底的にやって、大臣も大臣でありますので、素人と言うと恐縮かもしれません、私もちょっとかじった程度で、素人であります。ですから、情報公開法に基づいて、これだけの治水効果を得るためには、例えばこういう方法があって、どちらが安いかというようなことをしっかりとデータを示して、そして、改正河川法の趣旨にのっとって、流域水系委員会、第三者機関で議論してもらってその議論を尊重するということにしていけば、透明度が上がって、本当に必要なダムだったらつくったらいいんですよ。僕は全部ダムがだめだと言っているわけじゃない。

 だけれども、先ほど申し上げたように、当初予算が川辺川のように三百億円で、今はまだダムの本体に手をつけていないのに六倍以上かかっている、こんなことはやはり繰り返しちゃいけないので、徹底した透明化、情報開示、そして河川法改正に基づく住民参加の流域委員会での結論を尊重するという形に私は河川整備を変えていくべきだと思いますが、総理の御見解をお聞かせください。

福田内閣総理大臣 私の県にも大きなダムがございます。また、建設中もあるんですね、八ツ場ダムみたいな。ですから、そういうことについて日ごろ関心は十分持っております。

 河川事業というのは、この八ツ場ダムも随分長い時間をかけておりますけれども、大変長い期間を要するわけでございまして、そういう場合に、その事業の必要性、これはもちろんでありますけれども、地域住民の意見も聞かなければいけないということがあります。そして、河川環境、この環境も、考え方がどんどん変わってきますので、そういうことも配慮しなければいけない。それからまた、需要がどのぐらいあるかといったようなことも考えなければいけない。

 いろいろな問題を考えていく場合に、地域住民にやはり相当程度の情報提供をしないと住民もよく考えることができない、判断できないということもありますから、それは可能な限り情報公開しながら進めていく、そして、的確なる事業評価、厳格なる事業評価をしていかなければいけない。何しろお金のかかることですから、そういうことは十分配慮していく必要があると思います。

前原委員 総理がおっしゃったように、ぜひ徹底した情報公開、やるとおっしゃった、そして住民の意見も聞いて判断をするとおっしゃった、そういう仕組みをしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 次に、また国土交通大臣のところの質問になるわけでありますが、ちょっとパネルを。これは五月二十三日の読売新聞の記事であるわけでございますけれども、これを見てびっくりいたしました。公募は名ばかりで民間が排除されている、こういうことであります。

 そこで、ここはちょっと出しておいていただきながら、経緯を説明させていただきたいと思います。

 去年の二月に私、予算委員会、この場で質問をいたしまして、実は、公益法人には会計法上の原則が適用されない。つまりは、会計法は一般競争入札が原則であって、指名競争やあるいは随意契約というものは例外でなきゃいけないということなんですけれども、公益法人については、その例外のまた例外になるということで除外になっていたわけですけれども、それはおかしいじゃないかということを私は質問いたしました。

 そのときの谷垣財務大臣が、「会計法では、あくまできちっと随意契約などは例外であると限定してあるわけです、今のように、公益法人のところが抜け穴になっているということがあるとすれば、もう一回会計法をきちっと、どういうものか議論、勉強させていただきたいと思っております。」ということで、勉強していただいて、六月に見直しの答申がまとまり、そしてことしの一月に、随意契約の適正化というペーパーが公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議というものでまとまったわけであります。

 つまりは、公益法人も随意契約は基本的にはだめよ、そういう形になったと思って、そして私は改善されたと思って喜んでいたわけですけれども、こういう新聞記事が出てまいりました。次のフリップをお願いします。

 このフリップは何かといいますと、これは国土交通省が出してきたものでありますけれども、平成十七年は特命随意契約ばかりでした、しかし、そういった随意契約の適正化によって、すべて競争性のある契約方式による契約に変わりました、こういうことを言ってきたわけです。

 だったら新聞記事と違うじゃないかということで調べたら、実は、この特命随意契約という特命という文字が書いてあるのがみそでありまして、この下の内訳、十九年度ですから、もう適正化をしなきゃいけない内訳の競争入札は確かに競争入札が行われていた、しかし、企画競争と公募手続はすべて随意契約だったんです。つまりは、特命は消えたわけですよ。特命は消えたけれども、公募方式とかなんとか言って条件をつけて、結局は全部随意契約。これはまさに骨抜きとしか言いようがないんですね。

 なぜこういうことになったのか。この大きな理由は、条件をつけているわけですよ。

 例えばどんな条件をつけているか、申し上げましょう。これは建設弘済会等への発注実績ということですから、どこから発注されているかというと、国土交通省の八地方整備局から発注をされているわけでありますけれども、このいわゆる企画競争とか公募手続に参加をするときには、業務に従事できる技術者認定制度を新たに新設します。これが近畿以外の七つ。あるいは八地方整備局のうち六つは、公募の際、従事できる技術者の条件として同制度の認定技術者ということを明記した。そして問題なのは、この受験資格が、技術者になるためには公共工事の発注者として最低三年以上実務経験がある、こういうことを条件に付しているわけです。

 繰り返し申し上げますけれども、平成十七年度までは全部特命随意契約だったんですよ。ということは、発注実績のある人というのは、ここにいる人しかできないわけですよ。つまりは、この特命随意契約というものはだめですよと言われた。そして競争しなきゃいけないということにした。そして、持ってきた資料では、企画競争とか公募手続になったということになっている。特命随意契約はゼロと言っている。しかし実際は、発注条件をつけて、これは大臣、三・七%ですよ、競争入札は。随意契約が結果的には九六・三%、ほとんど随意契約を残している。まさにこれは、随意契約を見直すという骨抜きじゃないですか。いかがですか。

冬柴国務大臣 外形的には、もうそのように言われても仕方がない事実だと思います、数字は。

 ただ、十九年からは、すべての案件について条件は厳しいですから、応募する人が一人しかないというようなことになって、その後に随契をやっているわけであって、頭から随意契約をやっているわけではありません。競争入札をするということでやっているわけです。

 しかしながら、きょう御指摘もありましたし、私が見ても、十八年六月の申し合わせから見ればこれは改めなければならないと思いますので、このような、先ほど挙げられましたような厳しい条件、それなりに説明すればあるんですけれども、結果的に民間の人が応募できないような、応札できないような条件というものは、これは、事実上入札に参加できなくなるわけですから、改めようと思います。今後は改めたいと思います。

前原委員 要は、これはとにかく抜け道、抜け道をつくる、先ほど申し上げた最低三年以上の実務経験もそうですけれども、発注補助業務の請負実績があるとか、つまりは、今までやった人しかだめよというそういう条件は、ほかの人は入るなということなんですよ。だから、これを改めないと、特命随意契約が随意契約、特命は消えたけれども、実際は随意契約だとしたら、骨抜きになってしまう。

 さらに問題を申し上げましょうか。

 この競争入札が行われていたはずのところですよね。ごめんなさい、先にもう一つ質問しなきゃいけません。今まで特命随意契約をしてきた理由は何ですか。特命随意契約のみに頼ってきた理由は何ですか。

冬柴国務大臣 今まで随意契約をしてきたということは、技術力、それから中立性、公平性、守秘性、当該業務を実施するまでの不可欠的な要件を明示してそういうことに絞ってきますと、やはり、今まで公務員の定数がどんどん減りました、しかし仕事はたくさんあるわけです。そういう意味で、アウトソーシングをせざるを得ないことになります。

 では、どこへでも出せるかというと、仕事が例えば発注業務ということになりますと、発注についての調査とか、いろいろなことが専門性があります。積算補助あるいは工事監督における検査補助というようなものにつきましては、非常に技術的であります。したがって、税金を使ってこういうものをやるわけですから、一番それが安心のできる人ということでそういうことになってきたということは申し上げられると思います。

前原委員 でも、今はそうおっしゃったわけですが、これはフリップはありません、フリップはこのまま出しておいていただいて、お配りをしている資料の後ろから二枚目を見ていただけますか、各建設弘済会等の元出向者の状況等一覧。

 今、冬柴国土交通大臣は、専門性とか技術力とか守秘性ということをおっしゃいましたね。このいわゆる八協議会、建設弘済会等を見ると、全職員が七千九百九十名の中で出向者は三千五百七十六名いたんです。民間企業からの出向者はこれだけいたんですよ。これだけ民間企業の出向者を受け入れておいて、要は、OBだから専門性、守秘性があるということは論理として破綻しているじゃないですか。何でこれだけ出向者を抱えなきゃいけなかったんですか。

 ということは、専門性、守秘性ということからも、出向者を民間企業から抱えるということは、これは大事な機密漏えいの危険にさらすことになる。それも三千五百七十六名もいた。矛盾されていませんか、今の答弁と。

冬柴国務大臣 しかし、信用できるOBが過半を占めているわけでありまして、それでいいんじゃないでしょうか。OBというか、それは、そういう役所に勤めていた人が、これはみんな、社団法人なり、国土交通省の監督する社団なんですよね。したがいまして、いろいろ笑われるけれども、本当に仕事をきちっとやっていこうと思えば、多くの仕事を役所の人間はどんどん減らしているわけですよ。したがって……(発言する者あり)いや、減らしていますよ。したがいまして、こういうことになったわけであります。

前原委員 公務員の総定数を減らしていったから、OBを、受け皿をつくってそこに仕事を任せているということになると、天下りを率先しているようなものじゃないですか。しかも、今、信用できるOBがなんということをおっしゃったら、まさに天下りを助長する。公明党はそういう党なんですか。そういう天下りを助長して、結果的には随意契約になっている。

 随意契約になったら何が問題だと我々は言っているかというと、競争原理なく公共事業が発注されるから、コストが高いんですよ。税金の無駄遣いなんですよ。それを我々はなくしていかなきゃいけないということを言っているのに、公務員の総定数が減ったからとか、信頼できるOBがいるところだからいいとか言って、出向者がこれだけいる。全くもって論理矛盾ですよ。

 そして、もう一つ申し上げましょう。これはそれで一応解消されましたね。つまりは、職業安定法違反だという指摘を受けて解消された。しかし、問題なのは、今のページと同じように、出向元会社に戻った人もいれば、出向元会社から契約職員としてまたもらっている。本当に能力のない人ばかりがいるんじゃないですか、ここの弘済会というのは。出向者を受け入れて、職業安定法違反だと言われたら、今度は契約社員としてもらっている。何ですか、これは。

 天下りをまさに認めて、OBを受け入れるための組織を持っておかなきゃいけないという役所の論理でしかないじゃないですか。どう説明されますか。

冬柴国務大臣 いろいろな観点から指摘を受けて、それを改めて、そして、こちらの方に職員として受け入れる人、あるいはもうこのままやめていただく人、そういう仕分けをしております。

 それから、今指摘されたような点については、我々としても反省をし、そしてそれは、これから競争入札に応札していただけるような環境をつくっていかなきゃならないと思います。徐々にそういう形で私どもはそれは改めていくものは改めていけると思っておりますし、それによって国民に損害を与えるとか、そんな意思が国土交通省にあるわけではありませんので、よろしくお願いしたいと思います。

前原委員 いや、損害を与えているんですよ。税金の無駄遣い、随意契約でコストが高くなって、国民に損害を与えているんですよ。だから問題にしているんですよ。

 最後の資料を見てください。これもフリップではありませんけれども、これは、九州地方整備局の支援業務、つまりは、このフリップの競争入札に付された会社のすべて、平成十九年度に九州地方整備局が発注して、随意契約以外で競争入札がなされたところのいわゆるこれは一覧表です。二十件のその一覧表です。これは、右に会社名が書いてありますけれども、下は、九州地方整備局のもとの九州建設弘済会という天下り組織の出向者を受け入れた企業がトップから並んでいるわけです。オーバーラップしているじゃないですか。

 つまりは、出向者を受け入れていたところに競争原理があるというところを発注させている。競争原理じゃなくて、出向者を受け入れたから仕事を発注しているわけじゃないですか。

 それで、これ、私は額を計算しました。競争入札ですよね。すべての九州地方整備局の二十件の平均落札率、競争入札で幾らだったと思われますか、大臣。九九%を超えているんですよ。九九%を超えるなんてないですよ。

 つまりは、随意契約もしり抜けで、随意契約を特命を外して弘済会等に発注していた。ここのこの民間等も同じ構図ですよ。出向者を出しているところが大宗を占めている。そして、競争入札といったところも、実は出向者を出しているところに仕事を出して、そして、競争入札といいながら平均落札率は九九%を超えている。これは犯罪ですよ、国土交通省。

 これは、是正をするだけではなくて、能力のない人がいるんですから、もう弘済会は全部廃止するか、あるいはもう民間企業にかえるか、それをしないと、まだまだそういう悪行、猿知恵というのは続きますよ。いかがですか。

冬柴国務大臣 そのフリップじゃなしに、配られたこれで、まず上の段の七番、十三番、十四番、十七番、十九番、このところには直接落札しておりません。それが一つ。

 それから、この下のところで、五十三人からずっと出向者の数字が並んでいますけれども、そのうち、四月一日付で弘済会に一部ずつ採用しています。五十三人のところは十五人、それから六十一人のところは十人、それ以外の人は全部やめていただいております。

 そういうことがあるということを申し上げたいと思います。

前原委員 そんな例外的なところの説明を聞くために質問したわけじゃなくて、犯罪行為であって、弘済会なんというのは、なくしてしまうか民営化してしまってもいいんじゃないか。出向者や契約社員を受け入れなかったら事業ができないんでしょう。専門性もない、守秘性という論理も崩れている、全くもって論理破綻じゃないですか。

 総理、私が心配をしているのは、国土交通省だけじゃないんじゃないか。四千五百の公益法人、二万八千人の天下りがそこで生活をしていて、そして、上半期だけで五兆九千億円もの補助金が流れている。六兆円近くの補助金が流れている。これを正していくために我々は、透明性のある契約方式に変えていくということで随意契約はだめよという話にしたら、一つの例として挙げましたけれども、国土交通省の所管の公益法人は、全くもって脱法行為をやっている。これはすべての役所がやっていると国民は思っているんじゃないですか、聞いている国民は。全部点検してください。すべての役所の公益法人、こういう脱法行為がないか。

 資料は上の資料を持ってくるわけです。つまりは、特命随意契約ばかりでしたけれども、全部競争性のある契約方式に変えましたと言って、中身を詳しく調べると、競争入札も出向者を受け入れているところに九九%の平均落札率、そして企画競争、公募手続については、すべて結果的には随意契約。こういうことでは、随意契約の見直しになっていないじゃないですか。

 これは、すべての公益法人でやって、国会にその精査した結果を提出する。そのことを、総理の、まさに改革を継続すると言うのであれば、霞が関改革が本丸ですよ。それをやるということをぜひ力強く示してください。

福田内閣総理大臣 補助金をいかにして透明性を高め、そして適正化を図っていく、これは大変大事なことだというふうに思っております。そういう観点から、ただいま国土交通大臣からも説明ございましたけれども、その分野についてもしっかりと対応していく必要はあると思っております。

 これは国土交通省だけでないかもしれません。ほかの省庁についても、各担当大臣が責任を持ってこの分野に切り込んでいくことを私も期待いたしております。

前原委員 期待ではなくて、総理大臣がすべての大臣に指示をしていただいて、そしてその調査結果を国会に出す、そこまで明言をしていただきたいと思います。

福田内閣総理大臣 こういうふうに私が申し上げれば、指示をしたと同じようなことであります。各省、それぞれの分野でいろいろな事情はあると思います。それは、適正化というようなことでその期待にこたえていきたいというふうに思っております。

前原委員 委員長、今、指示だ、同等だということをおっしゃいました。予算委員会として正式に、今私が申し上げた各省庁の所管の公益法人、これのいわゆる随意契約の契約形態がどのように変わっていったのか、こういった脱法行為はないのか、そういったものを調べて、この委員会に提出をされていただくように資料要求をいたします。

逢沢委員長 後ほど、理事会で扱い方について適切に協議をいたします。

前原委員 続きまして、三つ目の、税金の無駄遣いにメスを入れる話でありますけれども、これは、行政機構の多重構造、これに基づく無駄があるというふうに私は思っております。

 政令指定都市というのはどういう都市なのかということになれば、児童福祉、民生委員、身体障害者の福祉、生活保護、あるいは母子家庭、老人福祉、食品衛生、あるいは都市計画、土地区画整理、いろいろな事業を、県の持っている権限を地方に移譲するということが政令都市であります。

 私も京都府議会議員をやらせていただきました。京都市という政令都市出身の議員でございましたけれども、細々とした仕事はそれはいろいろあります。しかし、主な仕事というのは何かというと、それは、道府県立高校、京都だったら府立高校、それから警察、京都だったら京都府警、そして一級河川、この三つがメーンの仕事であって、先ほど申し上げたように、細々とした仕事、細々というか、生活に密着をする仕事についてはほとんどが市に移譲されているわけであります。

 そこで、ちょっとフリップを見ていただきたいと思いますが、これが道府県会議員の議員定数と指定都市選出議員の数ということであります。それと、あとは職員数がどれぐらいいるかということでございますけれども、要は、人口に比例して、北海道だったら札幌、宮城だったら仙台ということで、政令市ですから、権限が移譲されているところからも同じ人口比率で道府県会議員が選ばれて出てきている。

 その方々が悪いと言っているんじゃないですよ。今の仕組みで出てきて仕事をしていただいている立派な方々ですから、その方が悪いと言っているわけではない。しかし、多くの仕事が政令市に移譲された中で、そのまま同数程度を選ぶということが果たしていいのかどうなのか、私はこの点については何度も何度も質問をしてまいりました。

 そして、私が確認したかったのは何かというと、このことについて、菅前総務大臣がこういう答弁をされております。「政令指定都市になると、先ほど言いましたけれども、さまざまな権限が移譲される。しかし、県会議員というのは人口で基本的には配分をされる。言われた矛盾については、私も共感、共鳴をするものが正直言ってあります。」「私も総務大臣になってからも、今のままでいいとは思ってもおりません。そうしたことも踏まえて、」「前向きに考えていきたいと思います。」こういうふうにお答えになっている。

 総理、これからどんどん市町村合併で政令市がまたふえてくる可能性はございます。そういう中でこういった矛盾というものを解消していくということは、前内閣の菅総務大臣はやるとおっしゃった。この内閣も、こういった多重行政の矛盾について是正をしていくということに変わりありませんか。総理大臣、お答えください。

増田国務大臣 御指名いただきましたので、お答えを申し上げたいと思います。

 いわゆる政令市の議員の問題でございますけれども、これは、前原委員がみずから京都府議会議員としての御体験に基づく考えもあろうかと思いますし、それから、前菅総務大臣でございますが、横浜の市議会議員ということで、同じく政令市の議員でございました。そうした皆様方のお考えというのは、私も十分拝聴するに値する御意見だろうというふうに思います。

 この問題について、今お話にございましたとおり、警察、あるいは学校、河川等、非常に政令市の権限が大きくなりまして、道府県の権限というのは小さくなっております。そうしたことから考えれば、今お話にございましたとおり、議員の数というのは、住民感情からもどうかなという考え方は、私もうなずけるものがございます。

 一方で、そこにお住まいの住民の皆様方、要するに指定都市の住民は、個人県民税をひとしく他の市町村の住民と同じく負担をしているということがございまして、道府県行政全般にわたって財政負担を分担する、こういう仕組みもあるものですから、その点について代表者を通じて道府県行政にいろいろ発言する機会、これもまた大変重要なことであろう、こういうふうに思います。

 したがいまして、負担に見合った参加という観点からも、こうした問題をやはりさまざまな観点から検討する必要があるであろうということでございまして、前大臣もそうした発言をしてございますので、私どももこの問題を十分意識しておりますが、これについては、地方制度調査会で議論を深めるということにしてございますので、そこでの議論などを見ながらこちらも考えていきたいというふうに思っております。

前原委員 がっかりするような答弁ですね。菅さんは政治家で、やはり増田さんは行政マンだと私は思いますよ。こういうのは、なぜ総理に聞いたかというと、政治決断が必要なんですよ。そんな何とか調査会にゆだねて議論を待っているって、そんなのは政治家じゃないし、スピード感がない。(パネルを示す)

 例えば、近々に政令市が生まれたところ、経緯もありますので静岡とか堺とか入れていませんが、宮城、千葉、埼玉において、この真ん中辺が政令市になったところなんですけれども、これだけ十八もの主要な仕事が抜けるのであれば、本来であれば、県の職員というのは減って当たり前ですよね、県民感情、市民感情、国民感情からすると。これはほとんど減っていないんですよ。減っていないどころか、埼玉県なんかふえているわけです、一番近々のものなんかは。

 だから、こういうことから考えても、いわゆる市町村合併の行政改革効果というのは、私はうまく生まれていないと思いますよ。まだまだ生まれていない。

 もう一つ、先ほどのフリップ、今度は右側の方を見ていただきたいんですけれども、職員数それから平均年収、これがずらっと並んでいます。これは、具体的にはどなたがということは、先ほどと同じような調子で、撤回したように、申し上げられませんが、個人的な意見としてお伺いをいたしました。ある知事、政令都市を抱える知事の経験者が私におっしゃっていたのは、その職員は半分から三分の一で十分にやっていけるということをおっしゃっていました。それからこれは、もう一人は現職の方です。現職の方も、私に対しては同じようなことをおっしゃっていました。

 これは皆さん、平均年収、これは高いんですよね。サラリーマンだと大体今は平均年収は四百三十五万円ぐらいですか。そう考えると、公務員の給与水準というのは、特にこういう大きな県というのは高いなと思うわけでありますが、これは皆さん、この職員の方々のいわゆる合計給与額、五兆三千億を超えるわけですよ。

 つまりは、こういったものの行政改革効果というものをやっていけば、まあ、半分、三分の一と一挙にできるわけじゃありませんから、幾ら分限免職が可能だといって、そんなにばっさりやれるわけじゃない。しかし、こういったものにメスを入れて分権とセットで議論をしていけばお金は浮いてくるんだというような認識を持つべきじゃないですか、総理。

 先ほどの増田さんのわけのわからぬ答弁じゃなくて、要は、この多重行政の……(発言する者あり)全然失礼じゃない。あんな、もう時間の無駄以外の何もなかった。ああいう多層行政の無駄、そして、こういったいわゆる給与の引き下げ効果、ひいては国民の税金の無駄遣いをなくすような効果が出てくるんだということで、これは、取り組むべきだということをぜひ私は決意として表明していただきたいと思うんですが、いかがですか。

福田内閣総理大臣 先ほど来、お話をいろいろ伺いまして、私も、やはり地方自治体、合理化、スリム化というのは中央もやっていることでありますけれども、これは将来を見据えても必要なことだというふうに思います。

 ただし、その地域の事情もあろうかと思います。一票の格差の問題とか、その道府県行政の参加の機会とか、そういったようないろいろな要素もあろうかと思いますから、そういうことは頭に置きながら、しかし、方向としてはスリム化というのは必要なんだろうというふうに思っております。

前原委員 三年後に地方分権推進法ということでいわゆるあり方をまとめるわけですので、それをしっかりと目指して取り組んでいただきたいと思います。

 我々の十五・三兆円に対していろいろな人が、そんなもの根拠はあるのかという話がありますが、いろいろ知恵を出す人はいっぱい出てきます。そのことを私はきょうは、ダム、それから随契、それから、今の多重行政のいわゆる無駄、こういったことで申し上げました。これはお互い知恵を出していく、そういったことをこれからも我々もやっていきますので、ぜひ真剣にお互い取り組んでいかなければいけないと思います。

 最後に、残り時間が少なくなりましたけれども、外交問題、北朝鮮の問題について簡単に二点だけ、これは総理に質問をさせていただきたいと思います。

 南北首脳会談もございました。そしてまた六者協議の合意ということで、初期段階から次の段階へいよいよ移行していくということになるわけでありますけれども、アメリカのこのテロ支援国家指定解除というものは、日本の拉致問題の進展がなければアメリカはテロ支援国家解除をしないということを日本とアメリカの間でしっかりと話をされているのかどうなのか、その点について御答弁をいただきたいと思います。

福田内閣総理大臣 米国によります北朝鮮のテロ支援国家指定からの解除、このことに関しましては、米国は、北朝鮮との関係を進めるに当たりまして、日米関係を犠牲にすることはない、こういうふうな立場をとっております。そして、先般、私、総理就任直後にブッシュ大統領とも電話で会談いたしました。その中においても、拉致問題について決して忘れることはないということを米国の立場として述べられたということでございます。

 私は、そういうような米国の立場、これは大変心強く思っておりまして、本件も含めまして、引き続き米側とは緊密に連絡をとってまいりたいと思っております。

前原委員 緊密に連携をとっていただきたいと思いますし、このことについて私どもがどうのこうのということで揚げ足をとったり、ネガティブなことを言うつもりは全くありません。

 ただ、外交というのは、大先輩に対して恐縮でありますけれども、私の感覚として、やはり、お互い国益を背負ってやっているわけでありまして、ブッシュ政権はあと一年余りで終わりです。中東は混沌として、イラクの問題、中東和平も進んでいない。そして、テロの脅威というものをアメリカは一番感じている。テロの脅威を感じている中で核の拡散というものを防いでいかなきゃいけないというのは、テロとの闘いの最重要課題の一つですね。それを、例えば外交成果、そしてそれは、体面と同時に実のあるものにしていくためには、北朝鮮のいわゆる核の拡散をとめる、あるいは開発をとめるということは、アメリカの国益にも大きくかなっていることであって、その点は余り楽観をすべきではないということだけは私は申し上げておきたいと思います。

 その上で二つ目に私が総理に御質問したいのは、安倍政権の北朝鮮政策を踏襲するのかしないのかということなんです。

 これはどういうことかといいますと、私は二月の十三日にこの予算委員会の場で午後質問いたしました。同じ時間帯に質問いたしました。そのときは六者協議の二・一三合意がまとまった後でした。そして、初期段階の措置、その後の措置、いろいろ決まった中で、私は安倍さんにこういう問いかけをいたしました。拉致の問題、核の問題、ミサイルの問題、すべて日本としては看過できない問題である、日朝平壌宣言というものは、それを解決しないと日朝国交正常化というものはしないんだということ、しかし、核の問題が仮に進展したとしても、拉致の問題の前進がなければ六者協議における支援の輪にも加わらないということは果たしていいのかという観点で私は質問をいたしました。

 その後、我が事務所には、メール、電話等かなりの抗議が来ました。中には、拉致被害者の前で腹を切れという脅迫文書も来ました。

 私は拉致問題を置き去りにしたらいいということを言っているわけじゃない。むしろ、トータルパッケージ、核の問題も、日本も、北朝鮮が前進を示すのであれば、協力をしながら、日朝間の協議というもののパイプをしっかり持って、そして、ほかの国任せ、南北の首脳会談があれば日本の言づけをする、米朝の会談があれば日本の言づけをする、そうじゃなくて、関与していく中で拉致の問題も主体的に日朝間で交渉していく。そのためには、拉致の問題が進まなければ何もかも支援をしないということは、むしろ外交の裁量を狭めるんじゃないかということを私は申し上げて、その意味で、日朝平壌宣言に立ち戻って、主体的に関与して包括的な解決を目指す、そして、まさにその暁には日朝国交正常化というような道筋を選んでいく。

 拉致の軽視じゃないんですよ。日本が関与をしていく、外交カードをたくさん持っていくための主体的な行動なんです。そのためには、安倍政権のこの北朝鮮に対する態度は余りにもカードを持たな過ぎた。その点でこの方針を変えるおつもりはありますか。

福田内閣総理大臣 私どもの考え方としては、やはり包括的に解決していくということが大事だというふうに思います。拉致が解決しなきゃ、それは困るわけですよ。核、この問題も解決してくれなきゃ困るんですよ。あわせて、ミサイルの問題も解決しなければ困るんです。

 ですから、その辺を、バランスをうまくとりながら包括的な解決に向けて努力をしていくというのが基本的な考え方です。

前原委員 私は外交、安全保障に与党も野党もないと思っています。そういう意味では、今おっしゃったように、国益というものを重視して、むしろ拉致問題も含めて積極的に関与していく中で、この朝鮮半島、東アジアの安全保障、ひいてはそれが日本の国益につながる、そういう思いの中で、安倍さんの少しかたくなな強硬路線から転換をして、それがひいては、繰り返しになりますけれども、拉致の問題も含めたトータルの解決になるんだ、そういう思いでしっかりと私は外交を進めていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

逢沢委員長 この際、岡田克也君から関連質疑の申し出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡田克也君。

岡田委員 民主党の岡田克也です。

 まず、午前中の我が党の菅直人委員の質問に関して、総理に確認をしたいと思います。

 例の二十万ガロン、八十万ガロンの話です。つまり、日本の自衛隊からの給油が、アメリカの輸送艦を経由して最終的に空母キティーホークに八十万ガロン行っていた。そのことを、当時、二十万ガロンということで官房長官として福田さんも答弁をされたし、あるいは石破長官も答弁された、こういう問題ですね。先ほど石破大臣の方から、その経緯の説明がございました。総理御自身も、事務的な誤りによるものであるという答弁をされております。

 私も、総理は意図的にそういったことをしたのではないというふうに考えたいと思いますが、しかし、本当に事務的ミスなのか、そのことの検証を総理自身がどうやってやられたのか。

 つまり、これは事務的に誤っておりましたというだけでは済まない問題で、二十万ということが、総理が官房長官として答弁された、これはイラク向けのものでないということの決定的な根拠になっているわけですから、それが間違っていたということであれば、もしそこに意図的なものがどこかの段階で入っていたとすれば、これはシビリアンコントロールの根幹にかかわる問題でありますから、そういうことがないんだということは、やはり直接しっかりと確かめていただく必要があると思うんですが、そういったことはされたんでしょうか。総理にお聞きしたいと思います。

福田内閣総理大臣 当時、二十万ガロンと申しました。今、この段階に至って、それがそうでなかったということがわかったわけですね。そういうことであるから、その事実関係については防衛庁が今一生懸命調べておる、こういう段階でございまして、その内容につきましては、今現在、先ほど防衛大臣が答弁を申し上げたとおりである、こういうことであります。

 また、その二十万ガロンと言ったことについて、では、法律がねじ曲げられて解釈されたものかどうかということになりますと、それはそうじゃないということは、これは先ほどの答弁もございましたけれども、そういうふうに私も今もって信じておるところでございます。

石破国務大臣 総理の御指示をいただきまして、現在、省内で徹底的に調査をいたしております。

 この二十万、八十万、確かに事務のミスでございますが、それで、単なる事務ミスだということで済ませるつもりは私はございません。これは、服務上の問題も含めまして厳正な調査をいたし、しかるべく処分をいたします。

岡田委員 普通、この二十万という数字が決定的であるだけに、二重、三重に当時の防衛庁の中でもチェックがなされたはずなんですね。にもかかわらず間違った数字がひとり歩きをしたということは、やはりかなりの問題が中にあったというふうに考えざるを得ない。

 そういう意味で、防衛大臣にはしっかりとまず事実関係を明らかにしていただき、そして、総理にもそのことを納得していただいた上で、国会に対しても、これは国会の答弁がそれでなされているわけですから、そのことに基づいてイラク特措法の延長の問題とかそういうことに大きなかかわりを持ったわけでありますので、国会に対してもきちんと報告をしていただきたい。そのことを申し上げておきたいと思います。

 総理、本題に入る前に、もう一つ非常に気になる数字があるんですけれども。

 日本の自衛隊が給油した、その給油がアメリカあるいは外国の給油艦を使って外国の艦船に給油されていた、つまり間接給油ですね、それがどのぐらいあるかという数字が最近明らかになりました、半分以上だと。しかし、その中でも、この間接給油というのは非常にある意味では不透明。つまり、その先が、どこに行くのかということをきちんと把握できないということは、質問主意書に対する答弁の中でも政府もお認めになっているわけで、「政府としてはその詳細を承知する立場にない。」というふうに答えておられるわけですね。これは閣議決定された質問主意書に対する答えです。

 そういう中で、では総理は、一年目ですね、初年度、初年度といっても十二月から活動が始まっていますから、実質的には四カ月ぐらいですけれども、この間に、実は海上自衛隊の行った給油の九四%が他国の補給艦に対するものであった、つまり、全体が十万四千キロリットル、そのうちの九万八千キロリットルが給油艦に対して行われるものであった、そういう事実を官房長官当時に最高責任者として把握されていましたか。

福田内閣総理大臣 私、当時どこまで把握していたか今記憶にないのですけれども、これは、そういう軍事上と申しますか、他国の軍事との関係がございますから、その数字等を把握すべき立場にあるのは当時の防衛庁長官、こういうふうなことになります。

 どこまで把握していたかということになりますと、当時はよく私どももその答弁をしたのでございますけれども、相手国の軍事上の問題であるということから情報を開示してくれない、こういったようなことがございまして、そういうふうな答弁は何度かしたような記憶をいたしております。

岡田委員 つまり、これは、教えてくれない、くれるの話じゃなくて、日本の自衛隊の補給艦が外国の補給艦に補給した、その量あるいは割合、これの問題ですから、日本でも十分把握できているわけですよ、間違いなく。

 では、当時の長官にお聞きしたいと思いますが、石破長官は、その当時、この事実、つまり九四%が相手国の輸送艦に対するものであった、直接艦船に対するものじゃなかったという事実を把握しておられましたか。

石破国務大臣 午前中の菅委員に対する答弁でも申し上げましたが、どのような船に補給をしたかということは、報告は現場から海上幕僚監部に上がってきておるものでございます。そのような報告を受けまして、九四%という数、それをどこで区切るかによりますが、補給艦に対します、輸送艦ではなくて補給艦でございますが、そのようなものに対する補給が多いということは、当然承知しておりました。

岡田委員 九四%という数字は、ほとんど全部ということですね。そしてそれは、やはりこのテロ特措法をつくった趣旨から見ると相当問題のある数字なわけです。つまり、行き先がはっきりしないという意味において。いや、行き先は確保している、交換公文で確保しているといいながら、実は、その先は交換公文上ははっきりわからないわけです。米国船には渡さなければいけないですよということは書いてあっても、先の先まできちっと押さえろというふうには書いてないわけですから。

 そういう意味で、こういうことが行われていたということは、現場はもちろん知っていたわけですから、それが当時の長官なりあるいは官房長官にきちんと報告されてなかったとすれば、やはりそれはシビリアンコントロール上いかがなものか、非常に問題があるのじゃないか。ましてや、国会は何も知らない。国会といっても、我々野党もそうですが、与党の議員も知らない。ほとんどの方は知らなかったはずです。そういう中でこの法律を、その適否、可否について論じていた。やはりそれは、私は、非常に危ういものを感じるわけですね。

 そして、それは今回の、これから議論が始まっていくのだと思いますが、政府が用意しておられる新法についての議論も同じでありまして、つまり、必要なことは、きちんとした情報開示、事実を知った上で論じる、その事実がきちんと示されるということがいかに大事かということをこのことは語っていると私は思っております。そのことをまず冒頭申し上げておきたいと思います。

 さて、テロ特措法ですが、総理、この法律をつくったとき、総理は当時官房長官で、私は民主党の政調会長、テロ特別委員会の筆頭理事で、交渉の責任者でございました。

 当時のことを思い出すわけですけれども、当時、九・一一テロが起きて、翌日には国連決議一三六八が採択をされた。OEF、不朽の自由作戦、つまり、アフガンに対する攻撃が十月七日に開始をされて、そして、それから間もなくこの国会で特措法の審議を行い、かなり異例の土曜審議まで行って、十一月二日には施行された。こういうことでございました。そして、十二月二日にはインド洋上での補給活動が開始をされた。こういう流れにあったわけですね。

 私、当時の野党側の責任者として、実は、この法案を何とか賛成したいという思いでやっていました。そのことは当時から申し上げておりましたが、最後は、残念ながら、党の中もまとめたんですが、わずかなところで、総理官邸まで行って、決裂するということになりました。

 しかし、当時の思いは、九・一一テロが起きて、同盟国であるアメリカが大変なショックを受けている。つまり、アメリカの経済の象徴であるワールド・トレード・センターが崩落をしまして、多くの人が命を失った。もちろん、日本人も命を失いました。そういう中にあって、同盟国として一体何ができるのか、そのことを私自身も模索しながら議論をしていたことを思い出すわけであります。

 結論的には、自衛隊を出す。しかし、自衛隊を出すときに、無条件で出すわけにはいかない。やはり、そこに一定の限定をしっかりつけて出そう。こういうことで、国会でも、当時の官房長官福田さんと議論をさせていただいたわけでございます。

 いろいろな限定をつけるという意味で、例えば二年間の時限立法にするとか、それから、これはテロ全体に対するものではなくて九・一一テロに対する法律案であるということでありますとか、それから、もとになっているアメリカの行為というのは自衛権の行使ですけれども、国連決議の中で認められた正当なる自衛権の行使である、そういうことを確認しながら法律をつくり上げていったことを思い出すわけであります。

 当時、官房長官の答弁として、私の質問に対して、平成十三年十月十二日の答弁ですけれども、福田さんはこういうふうに答えておられるんですね。この法律は、九月十一日に起こったテロ、これのためにつくった非常に限定的な新法律なんですと。当時の認識として、答弁されているんですから間違いないと思いますが、こういう認識をお持ちだったんでしょうか。

福田内閣総理大臣 九・一一という非常に衝撃的な事件が起こって、そして、米国の自衛というようなことが、活動が行われたわけですね。そして、それに協力をする、そういう立場でございました。

 限定的と申しましたのは、特別措置法である、このことのためにやるんだ、こういうふうな趣旨で申し上げたわけでございます。

岡田委員 だから、法律上は、ここの法律で言うテロ攻撃というのは、九・一一のテロ攻撃であるというふうに定義されているわけですね。そういう法律だということであります。

 今、新法の話がいろいろ出てきておりますが、そして一方で、せっかく自衛隊も六年間やってきて、そう危なくないようだとか、各国も求めているんじゃないか、だから引き続きやったらどうか、そういう御意見があることは私も承知しております。

 ただ、大事なことは何かといいますと、その前に、どういう場合に自衛隊というものを海外に出していくのかということについての原理原則、しっかりとした考え方がなければ、私は、何でもいつでも出していくという道をつくっては絶対いけない、そういうふうに考えているわけであります。そういう思いで幾つか質問をしたいというふうに考えております。

 まず、九・一一テロに対する正当なる自衛権の行使ということでスタートしたOEFですね。これは、当初はそういう自衛権の行使という性格だったわけです。しかし、自衛権の行使というのは、例えば現時点が自衛権の行使かというと、私は決してそうは思わないわけです。

 石破大臣にちょっとお聞きしたいと思いますが、石破大臣もどこかで今や自衛権の行使ではないというふうにお述べになっていたと思いますが、そういう御認識ですか。

石破国務大臣 国連憲章五十一条によりまして、安保理が適切な措置をとるまでの間というふうに書いてございます。これは、個別的自衛権におきましても集団的自衛権におきましても同様であります。

 では、ISAFが安保理がとる適切な措置に該当するかといえば、それは性格を異にするものだと考えております。形式論理で申し上げますと、まだ適切な措置がとられていないということが状況としてはあるのだと思っております。

 他方、タリバン政権が崩壊をしてカルザイ政権にかわったという時点で、自衛権は我が国の考え方からすれば変質を遂げたと考えるのが普通ではないかと思っております。すなわち、国または国に準ずる組織に対して自衛権というのは行使をするものであり、タリバン政権というものに対して行使をした、そうでなければ自衛権というものは構成できませんので、それが倒れたときに少なくとも自衛権は変質を遂げたということが事実としてあるだろう。

 もう一つは、適切な措置がとられるまでの間というのをどう考えるかということでありまして、自衛権がそのままピュアな形で継続をしておるというふうには国際法的には考えられないものだ、私はそのように認識をいたしておるところでございます。

岡田委員 ここの解釈はいろいろあると思いますが、私は、自衛権の行使というのはもう終わっている、自衛権というのは非常に限られた場合に認められるものであって、正当なる自衛権と言う限りは、やられたそれに対する反撃という均衡性とか、急迫不正の侵害に対する緊急性でありますとか、そういうものはもう今やなくなっている、六年たっているわけですからね、そういうふうに考えるわけであります。

 そういうときに、では、今のOEFというのは、自衛権の行使じゃないとしたら一体何なのかということは、防衛庁長官、いかがですか。

石破国務大臣 これは、言葉は気をつけて使わなければいかぬのですが、警察的活動ということは私は可能なんだろうと思います。警察権という権限は海外で行使をできるものではございませんので、警察的な活動というような表現は、私は、今のOEF・MIOというものを評しますときに、そのような言い方は可能であろうというふうに考えております。

岡田委員 外務大臣にちょっとお聞きしたいと思います。

 外務省の事務方からは、OEF本体そのものは、これは、現在のアフガン政権とアメリカ合衆国との間の一種の契約に基づく行為である、そして、OEF・MIO、海上での活動については、これはアフガン政府、関係ありませんから、各国の自主的な活動の集積である、それが一つになったものである、こういう説明を聞いているわけですが、そういう御理解ですか。

高村国務大臣 カルザイ政権が成立してからは、カルザイ政権、領域国の同意で各国が活動している、こういうことであります。

 それから、OEF・MIOの方は、各国がこれをやるわけでありますが、これは、無線照会というのは別に国際法上何もできないということはないわけでありまして、問題は乗船検査でありますが、それは旗国の同意に基づいてやっている、基本的にそういうことであります。

岡田委員 ところで、現在行っているOEFあるいはOEF・MIOに対して、特にOEF・MIOは我が国がいわば後方支援しているわけですが、具体的にOEF・MIOとはこういうものである、OEFとはこういうものである、そういう何らかの文書を交わしているんですか。

高村国務大臣 文書を交わしたことはありません。

岡田委員 そうすると、自衛権の行使のときは、それに対するいわば後方支援、憲法の枠内での支援という位置づけだったと思いますが、今は、そのもとになるOEFとかOEF・MIOというものが、実ははっきりしないですね、中身が。はっきりしないんですよ。文書もないと外務省は言う。

 日本として、どういうものかということについてきちっと把握されていない、そういうものに対して後方支援というのは、根本のものがはっきりしない中の後方支援というのは、一体どういうことになるんでしょうか。

高村国務大臣 それぞれの国が国際法上できることをやっていることに対して日本も積極的に後方支援をしているということでありまして、はっきりしないということはありません。文書を交わしていないからはっきりしない、そういうことではありません。

岡田委員 つまり後方支援する対象がない。例えば、今やっていることとそれから将来また変わるかもしれない。つまり、はっきりとそこを限定した上で後方支援しますということでないと、それはいつの間にか、ぐっと広がってしまうんじゃないですか。そういう危険を常にはらみながらやっているということで、そんなことでいいんですか。

高村国務大臣 日本は主権国家でありますから、日本国家が認容できないことをやり始めればそれはやめるということでありまして、今は認容できることをやっている、こういうことです。

岡田委員 それが認容できるものであるかどうかという確認をきちんとできるかどうかの問題ですよ。

 では、ちょっと話をかえますが、今までずっと、昨日の説明でも、OEF・MIO、つまり海上阻止活動、これに対する油の補給あるいは給水をやっている。自衛艦がやっているわけですね、あるいはアメリカその他の給油艦を通じてやっている。

 きょう菅代表代行が言われたのはイラクの話で、これはいまだにクエスチョンのまま、さらにまた同僚議員がいろいろ究明していくと思いますが、こっちの不朽の自由作戦、OEF本体について、これはまず事実関係を確認しますが、OEF、不朽の自由作戦の中で、アフガン本土をミサイル攻撃したりあるいは爆撃したりということは、これはやっていますね。どうですか。

高村国務大臣 当初はやっておりました。自衛権をもって当初はやっていた、それについてテロ特措法で補給をしていた、こういうことです。

岡田委員 先ほどの石破大臣の説明では、カルザイ政権ができて、そこで自衛権というのは一区切りついた。見方はいろいろあると思いますが、わかりやすく言えばそういうことだと思うんですね。

 では、カルザイ政権がスタートした後はやっていないんですね。

高村国務大臣 カルザイ政権ができた後は、カルザイ政権、領域国の同意を得た行為について後方支援をしていた、こういうことです。国際法上、全く問題ありません。

岡田委員 私は、国際法上の問題を聞いているんじゃなくて、その後も、このOEFという作戦の一環としてアフガン本土にミサイル攻撃をしたりあるいは爆撃機や戦闘機を飛ばして攻撃をするということは、そういう艦船に対して自衛隊が間接、直接に給油するということはないんですねと聞いているんです。イエスかノーかでお答えください。

高村国務大臣 先ほどから申し上げていますように、ありました。そういうことはやっていたんです。自衛権に基づく行動あるいはカルザイ政権の同意に基づく行動、そういうことに海上自衛隊が補給をしていたことはあります。

 ただ、現在は、専らOEF・MIOにやっている、こういうことです。

岡田委員 つまり、自衛権の行使と言えない後も、政権の同意を得て、ミサイルを飛ばしたり戦闘機を飛ばしたりする、そのことに対する給油を自衛隊はやっていた、こういうことですね。確認します。

高村国務大臣 そういうこともあったと思われます。

岡田委員 それじゃ、今はやっていないとおっしゃったけれども、どうして今はやっていないんですか。何か事情の変化があったんですか。一番最新でやったのは、いつですか。

石破国務大臣 これは、戦闘機が飛ぶ、ミサイルが飛ぶということがすなわち武力の行使かといえば、そうではないということは、それは委員御案内のとおりでございます。何が飛ぼうと、それをどのように使うかという評価とはまた別の問題でございますので、それは御案内のとおりでございます。

 最後がいつなのかということでございますが……(発言する者あり)いや、ですから、それをどのように法的に評価するかという問題でございます。最終的に何を、いつ、何月何日であるかということは、今、手元に資料がございません。

 すなわち、私どもが補給をいたしました船がいつ何をやったかということにつきましては、これは全部米側の資料を詳細に分析しなければならぬことでございます。したがいまして、今ここで何月何日と言うだけの資料を持ち合わせておりません。

岡田委員 細かい日程まで聞こうと思いませんが、では、ここ一年間でそういうことはありますか、ありませんか。

石破国務大臣 これは米側に当たってみようと思います。

 ただ、戦闘機が飛んだということはあろうかと思います。それがどのような武器を使ったかというところまでは、かなり詳細なことになります。それは見ればわかるだろうというお話が今委員席の方からございましたが、何をやったか、何のミサイルを使ったかまでは、それはホームページを引いて出てくるものではございません。

高村国務大臣 イラクの戦争が始まるころから海上からアフガンの支援をすることが激減した、こういうことであります。そのころから激減して、今はやっていないというふうに私は認識しております。

岡田委員 今、石破大臣は、アメリカと調整しているというお話でしたが、ただ、先ほど言われたように、直接給油した場合は、これは日本はわかっているわけですよね。そういうものはあるんですか、ないんですか。

石破国務大臣 七百七十七回という数字がございます。それにつきまして今悉皆的に調査をしておるところでございまして、それが判明次第、しかるべき方法で国会に対して御説明をすることになります。今、作業がすべて完了しておりませんので、このようなお答えで恐縮であります。

岡田委員 今はやっていないというお話ですが、今後やらないという保証はどこにあるんですか。

高村国務大臣 これから出す予定の新法は、OEF・MIOに対する補給をする、こういう法律でありますから、それはできないんです。今までの法律はそれがその中に包含されているわけでありますから、そういうことはできたわけでありますが、OEF・MIO、海上阻止行動にだけの補給をするという新法を出そうとしている、こういうことであります。

岡田委員 ですから先ほど聞いたんですよね、OEF・MIOの定義、文書はあるのかと。何にもない中でOEF・MIOという名前はある、海上阻止活動と。しかし、その中身がこれから変わることは当然あるわけですよね。それが変わって、アフガン本土あるいはその他のところに直接空爆したりミサイルを飛ばすというようなことはないということは、そういうことは断言できるんですか。どこに保証があるんですか。

高村国務大臣 それはこれから出そうとする新法では許されないことでありますから、そういうことはない、こういうことであります。

岡田委員 きのうの答弁でも、武力行使をしているのでは毛頭ない、海上阻止活動のみを説明された上で、武力行使をしているのでは毛頭ないというような答弁もあったんですが、そういった、ミサイルを飛ばす、空爆する、それを武力行使と言うか言わないか。

 確かに、今の政権とは合意してやっていることだから武力行使じゃない、そういう詭弁もまかり通るかもしれません。しかし、今まで説明を受けていた多くの国民の皆さんが感じ取っているのは、私たちも同じなんですけれども、海上阻止活動という、まさしくテロリストや武器や麻薬がこのインド洋を行ったり来たりする、そのことを取り締まるための行動、それに対する給油活動あるいは給水活動であって、ミサイルが飛んでいったり戦闘機が飛んでいったりすることに対して給油、給水をやっている、そういう印象はほとんどの国民は今持っていないと思うんです。

 いつまでやっていたかということも今教えていただいていないのですが、過去にあったことはあるということは言われた。自衛権の行使が終わった後もやったことはあるということは言われた。ですから、これはもっときちんと情報開示してください。つまり、事実がはっきりしなきゃ議論できないんですよ、これは。

高村国務大臣 私は、この法律ができるとき一国会議員としてしかタッチしていませんからそのときの審議の状況をよく知りませんけれども、あのときに、ミサイルを飛ばしたりなんとかすること、そういうことについての補給もあるということは、当然、説明があったと思いますよ。

 最近の活動について聞かれるから、OEF・MIOについてやっています、こういうことを私が、少なくとも私については答えているわけです。

岡田委員 ですから、私は注意深く言っているんですが、自衛権の行使、それは、国連が認めたアメリカの正当な範囲での自衛権の行使についてそういったことがあるということは、当時も私は想定していたと思うんです。私は、そのことまで問題だと言っているのではなくて、自衛権の行使が終わった後そういったことが続いているとすれば、それは法の明らかな拡張じゃないかということを申し上げているわけです。自衛隊を海外に出すということのその重要さです。

 今まで、PKO法をつくりました。PKO五原則でたがをはめました。そして、周辺事態法をつくりました。我々は反対しましたが、しかし、日本の平和と安全にとって重要な事態でしたか、そういう定義をして、そういう場合に限って自衛隊が出られるということにしたわけです。それぞれきちんとした歯どめをつけて。

 今回の場合には、そもそもは、正当なる自衛権の行使に対して、わざわざおしりも切って二年間にして、そして九・一一テロに限るものだということで法律をつくった。しかし、今や、ひょっとしたら、イラクも行っているかもしれない、アフガン本土にいまだに攻撃を続けている。自衛権の行使はもうないにもかかわらず、はっきりとしないOEFとかOEF・MIO、そういうものに基づいて活動をしてきた。

 説明を聞いていてもう一つあるんですが、九・一一テロじゃなくて、テロとの戦争一般にこれをいつの間にか拡張していませんか。防衛省の説明なんかを見たって、パンフレットを見たって、テロとの闘いとかそういうことで言われていますけれども、法律は、そもそも九・一一テロに対する対応としてできているんですよ。法律上のテロ攻撃というのは、そういうこととして定義されているんですよ。ですから、いつの間にかどんどん広がっているというふうに私は懸念しているんです、この六年間で。

 そして、今度来る法律がどういう法律か私はわかりませんけれども、国連の明確な決議もないままに、同盟国が求めればどこにでも自衛隊を出していきますよという、そういったことに一つの道を開くことになりかねない。だから私はそれが問題だと言っているわけですよ。

 ぜひ、もちろん法律はまだできておりませんので、きょうの議論はこの辺にしたいと思いますが、そういうさまざまな問題をはらんだ法律であるということを申し上げ、そして国民の皆さんにもきちんと情報開示をしていただいて、さっきのように、ミサイルが飛んでいくとか戦闘機が飛んでいくということをもし国民の皆さんがわかったら、それは簡単にはうんと言えないと私は思いますよ。

 そういうことも含めて、きちんと真実を明らかにしていただいた上で法律の議論をすべきだ、私はそういうふうに申し上げておきたいと思います。よろしいですか。

高村国務大臣 自衛権の行使の場合には他国に武力行使もできる、こういうことなんですよね。今度は、領域国の同意があるということですから、自衛権なんか問題にするまでもなく、国際法上合致している。国際法上合致していることについて日本が、自衛隊が行ってお手伝いする。何の問題もないじゃないですか。

岡田委員 アフガンの国内で行われているのは、これはアフガンの中のいわば内戦ですよ。それは、正統なる政府はありますよ。だけれども、それに対して反対している人たちがタリバン。もちろん問題はあるにしても、そこで国内で争っている。そのうち、正統なる政府の同意があれば何でもできるということじゃないでしょう。あと、日本の憲法はそういう前提には立ってないはずですよ。だから、それが、いつの間にか拡張しているということの一つなんです。

高村国務大臣 日本の憲法は、外国へ行って日本自身が武力行使しちゃいけないということを書いてあるので、日本は今、武力行使なんかしていませんよ、一切。一切していないんですよ。

 それからもう一つ。九・一一から離れていると言うけれども、あくまで相手は九・一一の主体であるタリバンであり、オサマ・ビンラディンなんですよ。そういうことで闘いを今続けているので、テロとの闘いが続いているので、何も九・一一から離れたことはやっていないですよ。

岡田委員 武力行使をしていないとおっしゃいますけれども、自衛隊を出して武力行使してはいけない、これは憲法の要請ですね。だけれども、それを実質的に担保するために我が国は戦後さまざまなことをしてきたんじゃないですか。PKOで自衛隊を初めて出すに当たっても、さんざん国会でも議論をして、PKO五原則というものをわざわざ据えて、そして、たがをはめたんじゃないんですか。

 つまり、どんどん自衛隊を海外に出していけば、それは、六十年前のあの戦争の反省に基づいてそういうことはしないんだと、きちんとたがをはめるということが大前提としてあったはずで、外務大臣の言われたことは、そういう今までの日本国政府の方針と全く違いますよ。

高村国務大臣 今、岡田委員、いいことをおっしゃいました。

 そう簡単にISAFなんか行けないんですよ。行けないんですよ。そして、まさに海上に行って、OEF・MIOでいえば、武力行使もしない海上阻止活動に対して補給をしている、こういうことなんです。

岡田委員 ISAFの話は、それは、どういう場合に武力行使を日本が行うのか、あるいは海外に自衛隊を出すのか、そういう原則論の問題として議論しているわけですから、そのことはまた別の機会にしっかり議論したいと思います。

石破国務大臣 まさしく岡田委員のおっしゃることが事の本質だと思っております。

 私たちは、やはりきちんとした原理原則のもとに実力組織は動かさなければならない。これは国内でも一緒ですよね。つまり、災害派遣であったって、これはきちんとした原則のもとでなければ実力組織は動かしてはならない。三つの原則があって、緊急性と公共性と非代替性、これがなければ出してはいけない。国内においても国外においても同様であります。

 ですから、委員がおっしゃるように、どういう場合に出して、どういう場合に出さないか、そのことについて、ではこれから先どうなるのか、できれば法案をまとめる前に野党とお話をさせていただきたいと申し上げているのは、そういうような意味も含んでおるのであります。

 当然、今のテロ特措法におきましても、そういうことを担保いたしますためにいろいろな条文を設けておる。これは武力の行使に当たるものであってはならないとか、いわゆる現に戦闘が行われておらず、そして活動の期間において戦闘が行われると認められない地域、そのような概念も、それは憲法を担保するために仕組んでおるものでございます。

 原理原則は私どもきちんと踏まえておるつもりでございますが、民主党さんの方で、なおこれを入れろというような御意見があれば、それは虚心坦懐に承るべきものと考えております。

岡田委員 ですから、私が先ほどから言っているのは、そういう枠組みをつくる法律としてテロ特措法を六年前につくった、しかし、そのテロ特措法が本当に法律どおり運用されてきたのか、かなり拡張されてきたんじゃないかという疑念に対してきちんと情報公開と説明を求める、それがすべての前提であるということを先ほど来申し上げているわけです。

 それでは、次に、地球温暖化の問題について議論したいと思います。

 安倍前総理が、美しい星50、私は余りこの名前は好きじゃないんですけれども、むしろ英語でクールアースの方がよかったんじゃないかと思うんですが、二〇五〇年までに全世界で温室効果ガスを半減するというふうに提案をされました。私は、そのこと自身は評価していいと思うんです。もちろん、ヨーロッパの国々の後追いだとか、いろいろな議論はあります。だけれども、日本国総理大臣がそのことをきちんと言われたことは評価していい。

 ただ、問題は、それを言いっ放しじゃなくて、じゃ、どうやって実現していくのか。どうやって実現していくのかというときに、私は、やはり日本自身がどうするのかということが非常に重要だというふうに思うわけですね。

 そこで、幾つか総理の御見解をお聞きしたいと思いますが、この温暖化の問題というのは、もちろん洞爺湖サミットのメーンのテーマになると言われておりますし、今、地球を取り巻くさまざまな問題の中でも非常に優先順位の高い問題だ、こういうふうに思いますが、まず、総理の地球温暖化に対する御認識、御見識を簡単にお聞きしたいと思います。

福田内閣総理大臣 地球温暖化問題は、これはいろいろな意見ございます。ございますけれども、現状を見て、そして、今までの経済社会のあり方を考えると、これは間違いなく温暖化が進むということが定説になっております。そしてまた、人口も今六十五億強ですけれども、この人口も、これから間違いなく増加するんですね。要するに、人口が一人ふえるごとに温暖化は進むというように考えてもいいわけでございますから、そういった面もあわせ考えて、これからどういうような道筋を描いてこの温暖化問題に立ち向かっていくのかということ、これを今考えなければいけないという時期にあるということであります。

岡田委員 そこで、総理にお聞きしたいんですが、日本の目標として、二〇五〇年にどの程度削減すべきだというふうにお考えですか。世界全体では半分にすべきだということを日本は言っているわけですが、日本自身は二〇五〇年にどうすべきだとお考えでしょうか。総理の御見解をお聞きしたいと思います。

鴨下国務大臣 概括的なことをお答えさせていただきますが、美しい星50というのは、これは岡田議員がおっしゃっているようにクールアース50でございますけれども、その中で、主要国がすべて参加する、こういうようなことがある意味で我々が主張する最も重要なことでありまして、これは、京都議定書の中で残念ながらアメリカが入らなかった、こういうようなことの反省を受けて、京都議定書を超える、そしてすべての国が参画する、こういう枠組みをつくるというのが日本にとって最も重要なことの一つであります。

 加えて、これは、各国の事情に配慮した柔軟かつ多様性のある枠組み、こういうような意味では、さまざまな国、特に、先進国あるいは新興国、さらには途上国、それぞれの立場があるわけでありますので、それを受けて、なおかつすべての国が参画していただける、こういう枠組みをつくるというのが、ある意味で、明年洞爺湖でサミットを行ういわばホスト国である日本の最も重要な使命なんだろうというふうに思っておりまして、そういう中で、調整役に徹するといいますか、長期目標あるいは中期目標は確かに重要でありますけれども、それ全体を調整するというのが我が国の役目だろう、こういうふうに思っております。

岡田委員 二〇五〇年に半分にするということは、少なくとも、先に豊かになった国々、日本も含めて、やはり半分じゃ済まないということは、そのぐらいのことは大臣に言ってもらいたかったんですね。

 我々が、豊かになった国が半分ということになれば、これから豊かになろうとする国もみんなそれぞれ半分ということになれば、一人当たりで見れば非常に不公平なことになるということですから、やはり我々としては七割、八割というようなことにならざるを得ないと思うんですね。

 いろいろな国がもう既に数字を出しているわけですよ。今環境大臣はいろいろぐずぐずおっしゃったけれども、例えばEU、EUはまだ二〇五〇年出していませんが、中期目標として二〇二〇年には三〇%。英国は二〇一〇年二〇%、そして二〇五〇年には六〇%。ドイツは八〇、フランス七五、スウェーデン五〇。それからアメリカも、ブッシュ政権だけ見ているとかなりまだ前向きじゃないのかな、そういう印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、各州、カリフォルニアとかフロリダとかマサチューセッツとかメーンとか、特に東と西両海岸の各州は、いろいろな数字を出して、そしてそれを目標に据えてやっていこうとしている、こういうことであります。

 私は、当然日本も、中期目標と長期目標、それぞれ数字を設定すべきじゃないかと。こういうものがないままに、いや、世界全体で半分にしましょう、そういう話だけしていても説得力はありませんしね。二〇五〇年というと、総理、お幾つになりますか。私も九十七ぐらいになるんですよ。

 ですから、そういう先の目標を示すことも大事ですが、政治ですから、やはりその大きな目標に到達するために具体的なシナリオを書いて、自分たちは少なくともこうするということがなければ、私は、洞爺湖サミットでも、そういうものがない中で言ったって、調整役に徹するといったって、ほかの国は大体物を出しているわけですから、とても調整役にすらなれないと思いますよ。

 こういう中期目標、長期目標を早急につくるべきだと思いますが、いかがですか。

福田内閣総理大臣 二〇五〇年に半減する。二〇五〇年というのは今から四十年ですよ。この四十年の間に何ができるかということですね。

 四十年もあればという見方もありますけれども、四十年しかないんですよ。その四十年しかないという中には、やはり今までの大量生産、大量消費という生産、消費のパターンを変えていかなければいけない、要するに、我々のライフスタイルと申しますか、生活そのものを変えていかなければいけない、そういうことも入っているわけです。ですから、これは大変な課題であるというように思います。

 しかし、二〇五〇年に半減するというのであれば、これは、その途中において何をすべきかということは当然出てこなければいけない。そういう数値をいずれ出さなければいけない、なるべく早く出さなければいけないというふうには思います。

 具体的な数値目標については、国内の調整も大変難しいことがあるかと思いますけれども、努力をして、やるしかないですね。今の経済界にしても、いろいろ御意見はあろうかと思いますけれども、しかし、やらなければいけないという将来の目標があるとするならば、やはり協力をしていただかなければいけない。

 しかし、と同時に、社会のあり方、これはやはり政治のリーダーシップで打ち出していかなければいけない、そういう我々の責任があるんじゃないかと思います。このことについては、いろいろ大きな課題がございますけれども、皆様方、野党の皆様方とも話し合っていきたい、それぐらい大きな課題だというふうに思っております。御協力よろしくお願いいたします。

岡田委員 こういう問題に協力するにはやぶさかではありませんが、今の総理のお話は、そうすると、近々といいますか、例えば来年の春とか洞爺湖サミットまでにそういう中期、長期の数値目標、我が国としての数値目標をまとめたい、そういう意味であるというふうに理解してよろしいでしょうか。

鴨下国務大臣 多少詳しい話につきまして申し上げますけれども、まず、長期的には、革新的な技術を開発する、こういうようなことを原則にしませんと、いわば化石燃料を燃している限りは今おっしゃっているような目標に達しないわけですから、結果的にはいわゆるローカーボンソサエティーというような、炭酸ガス、炭素を使わない、そういう社会をつくっていくということが五十年先の目標であります。

 ただ、我々はその前に、来年から京都議定書も第一約束期間に入るわけです。この五年の間にいわば九〇年比で六%下げないといけない、こういうような大きな目標があって、この足元を達成できないうちに、では中期はどうするんだ長期はどうするんだという話でも、おっしゃるとおりに説得力がないわけでありますから、まず、とにかく六%を削減するためのいわば目標達成計画を、もう一度、この暮れぐらいまでにある程度アウトラインをつくって、来年の三月には国内の六%削減のための目標を閣議決定する、こういうような方向で今進んでいるわけであります。

岡田委員 私は総理に先ほどの答弁の確認を求めたわけですから、環境大臣は全く関係ないんですよ。総理、お願いします。

福田内閣総理大臣 具体的な段取りは今環境大臣が述べたとおりでございますけれども、他国が目標を出してくるという状況の中で日本が出さないというわけにはいかぬでしょう。ですから、いずれそういう時期は来るでしょう。

 しかし、そういう数値についても、それが国際間で承認し合えるものかどうかということについては、これから各国間の協議をしていかなければいけない問題だと思っております。

岡田委員 ですから、世界全体をこうしなきゃいけないというときに、では我々は、自分たちの国は少なくともこうするというものがなければ説得力がないということだし、日本以外の国々は、そういう数字をみんな多くの国は出しているということを十分御認識いただきたいと思います。

 その上で、先ほど鴨下大臣言われました二〇一二年の京都議定書の約束、確かにこれは非常に厳しい状況にあるというふうに思うんです。安倍内閣のときに一人一日一キログラムというようなことを言われました。そういう意識改革というのも大事だと思いますが、やはりもう少し仕組みとしてかちっとしていかないと、なかなか、気持ちだけ、しかも消費者にだけそういうのを迫っていてもいけない。

 そういう意味では、国内の排出権取引、キャップをかぶせて、そして、その余った部分、排出権を取引させるとか環境税とか、そういうところに踏み込まざるを得ないんじゃないか、民主党はかねてからそういうことを主張しているわけですが、その点について政府の方では御検討されているんでしょうか。

鴨下国務大臣 まことにそのとおりでございまして、排出権取引を導入するということは、これはもう、その目標達成においてある意味で不可欠な要素なんだろうというふうに思っておりまして、岡田議員おっしゃるように、キャップ・アンド・トレード、キャップを企業あるいは地域にはめて、そしてそれで目標が達成できないことにおいてはトレードしていく、こういうような仕掛けを入れないといけない。

 こういう意味で、これはちょっと、環境省の方で既にやっている話ですけれども、自主参加型の国内排出量取引を実施していまして、今、百五十社が参加して、平成十七年から開始して、第一期については、参加した三十一事業者全体で、約束された二一%の排出削減を大幅に上回る二九%削減できた。こういうような実績があるものですから、ある意味で自主参加型のすそ野を広げるというのも一つでありますし、加えて、この目標達成において、法的な規制、こういうようなものをさらに加えていく、こういうようなことも重要なことだと思っております。

岡田委員 この二〇一二年の数字、六%削減達成のために、例えば森林吸収量で三・八%削減、それから外国からの排出権購入で一・六%、こういうものは、外国からの排出権の購入というのは、その国のエネルギー効率を高める、そういうメリットはあると思いますが、しかし、いわば自転車操業なんですね。そういった森林吸収とか外国からの購入でやりくりしている。やりくりしているという姿が私は正確だと思います。それでもできないかもしれないという今の状況ですから、やはり、今言ったような国内での排出権取引、あるいは環境税、そういうものについて、しっかりと導入に向けて具体的な検討を進めるべきだと私は思います。

 経産大臣は環境大臣と同じ認識でよろしいですか。

甘利国務大臣 とにかく、日本が約束をしたことを全力で実行するということであります。現状の目達計画を全力で仕上げたとしても、恐らく一・五パーから二・七パーぐらいまだ足りないと思います。それで、それを上積みして、死に物狂いで達成する。

 環境税についてはいろいろな議論がありまして、検討対象のうちの一つということで、幾つかの中の検討対象の一つとしてこれから議論がされるであろうというふうに思っております。

 この際に気をつけることは、内外無差別ということにならない、つまり、消費税と違ってですね。その点をどうとらえるかということであります。

 それから、CDMのように、具体的に削減が約束をされると地球全体として効果が上がるということと、それから、国際的なキャップ・アンド・トレードの場合、きちんと全世界にキャップがかかるかということ等、実際に地球全体として効果が上がるということの検証が大事だと思っております。

岡田委員 いろいろ今客観的におっしゃったんですが、大事なことは、やはり、やるという意思とスピード。ずっと議論ばかりしているけれども前に進んでいないというのが現状じゃないでしょうか。そして、そのうちに、EUだけじゃなくてアメリカの諸州も、そういうキャップ・アンド・トレード方式での取引のネットワークをつくる話が進んでいったり、アメリカの政権がかわってしまえば、気がついたら日本だけがこの問題でおくれてしまうということも十分あり得ると思うんですね。

 いろいろ言っておられますが、例えば東京都の取り組みというのはどういうふうに政府は評価されているんですかね。総理にもぜひお聞きしたいと思いますが、東京都は、カーボンマイナス東京十年プロジェクトというのを出しているんですね。私は、石原知事、賛同できないことも多いんですけれども、ここは非常に賛同しているわけですよ。二〇二〇年までに東京の温暖化ガスの排出量を二〇〇〇年比で二五%削減するということを決めて、実効性のある具体的な対策を示せない国にかわって先駆的な施策を提起する、今後十年が地球の未来を決める、今そこにある危機だということで取り組んでおられるわけですね。経済界にもいろいろ反対はあるでしょう。しかし、そういう中で東京都は進めている。

 それと比べると、余りにも政府の取り組みが遅過ぎる、鈍感過ぎる。ですから、国際的に、クールアースということで、美しい星50でぶち上げられたのはいいんですけれども、しかし、国内を見ると、足元を見ると全くお粗末な状況。やはり私は、これでリーダーシップをサミットでとると言っても到底あり得ない、そういうふうに思います。

 そういう意味で、もう一度総理に、長期的な目標やそのための具体策、そういったことを早急に閣内で議論する、我々ももちろんこういう問題は協力できますから、そういったことについて御見解をお聞かせいただきたいと思います。

福田内閣総理大臣 これは期限が迫ってきておりますので、そういうことも踏まえた上で、早急に具体的なさまざまな計画をつくり、そしてまた関係各部署との調整も進めてまいりたい、これを急ぎたいと思っております。

岡田委員 それでは、次の問題、政治と金の問題を残された時間でと思います。

 きのう、公明党の委員が質問に立たれましたが、私は、若干最後腰砕けだったかなと思って横から見ていたんです。しかし、一応、与党の中でも公明党は、すべての政治活動、事務費も含めて領収書を添付する、そしてそれを公開する、こういうふうに言っておられると思うんですが、総理のお考えはいかがなんでしょうか。

 領収書を添付するその対象は、政党や政党支部や、あるいはすべての政治団体というふうに考えていいのか、そうじゃないのか。そして、公開はどこまでというふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

福田内閣総理大臣 私がかねがね申し上げておりますのは、すべての支出について領収書を添付する、もしくは、それにかわる、十分説明に足る資料を付すということでございます。

 それで、それをすべて公開するかどうかということにつきましては、これは私は、私の意見もあり、またその意見で与党内で調整もしておりますけれども、やはり我々は、政治活動の自由を侵害するような、もしくは抑制するような、そういうようなものであってはならないということでありますので、これはどこか第三者機関にチェックする仕組みをつくってもいいのではないかというように考えております。この第三者機関が、内容をチェックし、そして悪質なものは最終的には告発をするという権限を持つぐらいの機関になってもいいのではないか、こう思っておりますけれども、この辺の仕組みにつきましては、今与党間でも協議をし、そしてまた、これから野党とも御相談申し上げるというふうに思っております。

 政治活動の自由を抑制するということにつきましては、やはり我々としては、その内容が公にされては困るということもあります。私も、実際問題、今現在あります、そういうことは。あった場合にどうするかといいますと、いろいろな方法はあるのかもしれませんけれども、私の場合には、自分のポケットマネーでその分は支出するということでもって公開しないで済むようにするということです。これがいいか悪いかということもぜひ議論をしていただきたいと思います。

 また、もし私が今やっているような方法をとりますと、資力のある人ほど政治活動の自由が確保できる、こういうことにもなりかねない。要するに、お金持ちが政治活動を自由にできる、こういうふうな世界にもなりかねないということですから、むしろ、そういうようなポケットマネーから出るようなことをなくさせて、政治資金の中からそれを堂々と支出し、しかしそれは第三者機関でチェックしてもらうというような方法もあるのではないかというように思っておりますので、ぜひそういう御理解を賜りたいと思っておるところです。

岡田委員 まず確認です。すべての支出とおっしゃいましたが、すべての政治団体の支出ですね。

福田内閣総理大臣 政治活動のすべての政治活動費、こういうことです。

岡田委員 つまり、対象は、国会議員とか政治家に限らず、すべての政治団体ということでよろしいんですね。

福田内閣総理大臣 国会議員にかかわるものは、これはもう間違いなく必要であろうかと思っております。その他の政治団体については、これはまた御協議をいただきたいと思います。

岡田委員 そうすると、すべての支出とおっしゃったんですが、それは、すべての政治団体かどうかというのは今の総理のお考えの中では固まっていない、こういうことですね。

 では、そこで、先ほどおっしゃった第三者機関的なものをつくって事前にチェックをするというお話なんですが、私が不思議に思うのは、それは、わざわざそのための第三者機関をつくらずとも、公認会計士とか監査機関とかそういったところにやらせることは可能だし、現に自民党も一部やっておられると思いますし、我が党でいえば、都道府県連まではそういう形で党本部が選んだ監査機関が監査をしているわけです、かなりお金もかかりますけれどもね。ですから、それはそれぞれの政党が自主的にできることではないか。そのためにわざわざ第三者機関をつくるということが私にはよく理解できないんですが。

福田内閣総理大臣 例えば、政治資金規正法をどうやって運用していくかということについても、今現在、あいまいなところがございます。

 ですから、私ども、政党で政党助成金についてはチェックをするということをしておりますけれども、それで十分審査できるのかどうかという問題もありますし、また、政治活動の自由というようなものがそれでもって担保できるのかどうかといったような問題もありますので、むしろ、今現在、政治と金というようなことでいろいろな事例が出てきているという状況の中では、その辺がもっと明確にならないかな、そういうことによって政治家の死命を制せられるような、そういうふうなことがないような仕組みはないのかなというようなことを中心に考えておるところでございます。

岡田委員 確かに、政治活動をしていく上であいまいな部分というのはいろいろ出てきますね。それは私も認めます。ただそれは、そうであれば国会の中で、そういったものについてどう考えるべきか解釈すべきかということをきちんとルールを決めればいいだけのことであって、別に、第三者機関をわざわざつくってそこで決めてもらう必要はない。国会の中で決めればいいんですね。

 例えば、よく似た例として、今、文書通信交通滞在費というのがありますね。これもなかなか、どこまで含めていいのか私自身も判断に迷うことがありますよ。そういうものは、もっと具体的に決めればすっきりするわけですね、これはそこから出せる出せない。

 ですから、そういうことも含めて、やはり政治と金の問題、基準づくりと言うなら、国会の中で、まさしく国会議員が中心になって、それは一部は第三者にいろいろな検討をお願いしてもいいと思いますよ。しかし、最終的には国会の中で決めることであって、何か第三者機関をつくってそこに丸投げすればいいということじゃないんじゃないですか。

福田内閣総理大臣 それは国会でもよろしいですよ。しかし、そこで例えば政治上の保秘ということができるのかどうかということもございますね。ですから、そういう保秘というようなことも含めて、第三者機関、そこには厳重なる保秘を求めるというような第三者機関というのがあってもいいのではないかというのが私の考え方です。

岡田委員 ちょっと議論がすれ違っていると思うんですが、私は、そういうものを、ルールをちゃんとつくったらいいじゃないか、そして、そのルールに基づいて外部に監査してもらえばいいじゃないかということを言っているわけです。だから、第三者機関をわざわざつくる必要はないじゃないかと。そして、その第三者機関で、今総理がおっしゃったようなことと、それから公開をするということは、これは二者択一の問題ではないですよね。

 ですから、私たちは、これだけ政治不信を招いてしまった現状では、すべて公開するというところまで思い切らざるを得ないんじゃないか、そういう思いの中で、我々だけじゃなくて、野党の多くはそういう意見だと思いますし、与党の中、公明党にもそういう意見、そういう中で、あとは最大政党である自由民主党の決断にかかっているということを申し上げているわけです。いかがですか。

福田内閣総理大臣 こういう種類の問題というのは、我が国だけの問題でないと思うんですよ。ほかの国も同様の問題、同様の経験をしてきたと思うんです。ですから、欧米では第三者機関をもう既につくって、そこでチェックをするという仕組みが働いているんですね。ですから、やはりそういう経験に学ぶということも私は必要なのではないかというように今思っているところです。

岡田委員 今の政治資金規正法の考え方は、それを国民の目にさらすことでチェックをするというのが基本的考え方で、従来もそういうことで、少なくとも五万円以上は情報公開法で求めれば全部領収書は手に入ることになっていましたよね。それをすべてに、つまり、わかりやすく言えば一円からにすればいいというのが私たちの意見であります。

 総理は、そうすると、今の五万円以上は事実上は公開されているわけですが、それもやめるということですか。すべて第三者機関で判断する、公開しないということですか。それとも、今やっている五万円以上は引き続き公開するということですか。いずれなんですか。

福田内閣総理大臣 その辺の仕組みはこれからよく議論していただきたいと思います、どこからどこまでということも含めましてね。

 それから、私は、先ほど申しましたように、要するに、すべての支出ですからこれは一円以上ですよ、すべての支出については何らかのチェックを受ける、それがすべてそこにチェックしてもらうのかどうかということは皆さんで御協議いただきたいと思っております。

岡田委員 結局、公開がなぜか嫌だというふうにしか私には聞こえないんですね。公開することがなぜだめなのか、私にはよく理解できないわけです。

 この問題は、私たちとしては譲れない一線です。ですから、総理は協議、協議とおっしゃいますが、私たちは法案を国会に出すべく今準備はもうできております。もう既に党内の手続は終わっております。したがって、自由民主党の方がすべて公開するということで合意いただければいいですが、そうでなければ、これは結局、最終的には次の総選挙において有権者に判断していただく、こういうことにならざるを得ないんだろうというふうに思っております。

 終わります。

逢沢委員長 これにて長妻君、菅君、馬淵君、前原君、岡田君の質疑は終了いたしました。

 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 まず、福田総理にお尋ねをしたいと思います。

 参議院選挙の直後、八月五日付の朝日新聞にこういう投稿が載りました。「自民の大敗は年寄りの反乱」、こういう見出しがついておりまして、「自民党の歴史的大敗に終わった参院選を、私は「じじ・ばばの反乱」と受け止めている。年寄りをばかにしてきた政権与党への仕返しだ。」「小泉、安倍と二代の政権が年寄りに何と冷たかったことか。老年者控除や定率減税が廃止され、医療費の負担増は著しい。乏しい預貯金の利息は入らない。引退後の生活にと積み立ててきた年金記録のいい加減さが発覚した。年寄りはもう要らないから死ね、と言わんばかりではないか。」「自民党の大敗が一人区に象徴されるのは、地方に暮らす年寄りたちに鬱積した不満の爆発だ。」こういう投書であります。

 七十四歳の方からのものですけれども、まず、福田総理、この高齢者の声、どのように受けとめますか。

福田内閣総理大臣 これは、今、財政が非常に逼迫している、そういう中で、例えば公共事業もそう、防衛費もそう、ODAもそう、あらゆる分野、切り込みをしているわけですね。そういう中で、社会保障は、これは高齢者増というようなこともありまして、どうしても膨張し続ける、これからも続けるわけですよ。しかし、そういう社会保障費も、どうやって合理化できないのかということについては、関係省庁、非常に頭を悩ませているわけですね。

 そういう中で、社会保障関係も、やはり何とかしなきゃいけないということで、もしくは頭打ちのような状況の中で、いろいろな対策をしていく。そうしますと、どうしても、本当に必要なところが削られるとか、ある一部のところが削られてしまうとかいったようなことで、そういうところに不満が生ずるということはあると思います。

 社会保障は、まあ、節減はしなきゃいかぬけれども、やはり限界があるんだろうというふうに思います。そこのところをよく見きわめていかなければいけない、丁寧にそういう施策をしていかなければいけないということでございますので、その辺は、今後、一つ一つの対策について、施策について丁寧に、きめ細かく実施していこうということを考えているところでございます。

佐々木(憲)委員 限界があるとおっしゃいましたが、もう本当に今、限界を超えているんですよ。

 ここに、小泉内閣と安倍内閣が高齢者に対してどれだけ負担を強いたかというのをパネルにしてみました。二〇〇一年度からことしまでの高齢者の税、社会保険の負担です。

 ここに示したのは、収入が三百四万円の世帯でありますが、所得税、住民税は、これまで税金はゼロでありましたが、二万七千百円の増税です。国民健康保険料も、九万七千二百円から十二万三千六百円にふえております。介護保険料は、五万二千八百円から九万三千六百円と倍近くにふえております。これを合わせますと、十五万円から二十四万円、こういうふうに負担がふえているんですね。

 この数字、間違いないかどうか確認をしたいと思います。財務大臣、どうですか。

額賀国務大臣 今の数字は、二〇〇一年から二〇〇七年までの間に、個々人の選択に中立的な税制を構築していくという観点から、二〇〇三年度改正において、まず、配偶者特別控除の上乗せ部分を廃止いたしました。そして、現役世代と高齢者世代の税負担の公平を図る観点から、二〇〇四年度において年金課税の見直しをいたしました。そして、近年の経済状況の大幅な改善等を踏まえまして、景気対策として平成十一年に導入いたしました定率減税を十七年度、十八年度で縮減、廃止を行ってきたところであります。

 御指摘のとおり、夫の年金収入二百二十五万円、妻の年金収入七十九・二万円の夫婦のみの高齢者世帯の場合、二〇〇一年には所得税及び個人住民税の負担は生じておりませんけれども、二〇〇七年には所得税九千円、個人住民税一万八千円、合計二万七千円の税負担というふうになっております。

 ただ、標準的な年金、夫婦世帯で二百八十万以下の年金だけで暮らしている高齢者世帯は、基本的には引き続いて税負担が生じておりません。そういうことは丁寧に我々も考えさせていただいているところであります。

佐々木(憲)委員 二百八十万以下に税金がかからないのは、これは当たり前なんですよ。今までかかっていなかった階層が、いろいろな控除がなくなって、かかるようになって、増税になった、それが大変な事態になっているわけです。

 これは自治体によっていろいろ違いますけれども、例えば名古屋市の場合、年収三百四十万円の高齢者夫婦世帯の場合、十一万円だったのが三十四万円ですよ、三倍に引き上げられている。年収百八十万円の単身世帯の場合は、四万円だったのが十六万円ですよ、四倍に引き上げられている。その上、名古屋市の場合は、市独自の敬老パスなど公共サービスもあるから負担がふえる。こういう状況なんですね。

 何でこうなったかということですけれども、今、財務大臣が一部お話しになりましたが、二〇〇四年に高齢者の公的年金控除が縮小される、老年者控除が廃止される、その上、定率減税の廃止が行われる、このため大変な負担になったわけです。今まで税金のかからなかった高齢者に税金がかかるようになり、それに連動して国保料や介護保険料などがふえる。ですから、それまで何とか自立した生活をしていた高齢者も、自立が困難になって追い詰められるという状況があるんです。高齢者の反乱というのはそういう中で起こってきた。

 総理にお伺いしますけれども、この高齢者の負担増というのは、これはいろいろな理屈はあると思うんですが、今の状況は余りにも急激であり、余りにも過酷だと思うんですけれども、どういう印象をお持ちですか。

額賀国務大臣 これは、二〇〇四年度に年金改革を行ったときに、やはり急激な人口減少、それから幸せなことに高齢者がふえていく、これを、持続的な年金制度を維持していくためには、世代内、世代間の不公平感を排除して、是正して、そして安定的な年金の仕組みをつくることによって、若い人にも励みを、お年寄りにも安心を与えよう、そういう考え方のもとで、福田総理流に言えば、共生の考え方で、お互いに負担を分かち合おう、お互いにこれは連帯してこの困難な時代を乗り切っていこう、そういう考え方のもとで行われたことであります。

佐々木(憲)委員 先ほどお認めになったように、これだけ大負担をかぶせておいて、何かいいことをやったかのようなことを言うなんというのはとんでもない話ですよ。世代間の不公平とかなんとか言いますけれども、それなら高齢者の負担を軽減するというのが当たり前じゃないんですか。

 高齢者の負担を軽減してきた今までの措置の理由として挙げられておりましたのは、高齢者になりますと稼得能力が低下する、つまり収入が減りますから、だから税制の面で負担を軽くして生活を支えましょう、そういう趣旨で今までやってきたわけです。ところが、高齢者の収入は何もふえていないのに、小泉・安倍政権は負担だけをふやした。高齢者は、この上に消費税の増税があるんじゃないか、これが大変な不安になっているわけです。

 消費税の問題について言いますと、私たちはもともとこの引き上げに反対ですけれども、参議院選挙のときに安倍総理は、私は消費税を上げないとは一言も言っていない、こういうふうに言って、大変な国民の批判が起こったわけです。ついに安倍さんは、歳出削減に努め、上げない可能性もある、こういうふうに述べました。我が党の志位委員長が、そうなると、逆に言えば、上げる可能性もあるんじゃないかということで詰めたわけですけれども、明確な回答はなかったんです。

 福田総理にお伺いしますけれども、いずれにしましても、参議院選挙のときに黙っていながら、選挙が終わったら増税だ、こういうことは通用しないと思うんですけれども、いかがですか。

福田内閣総理大臣 社会保障はやはり給付と負担のバランスということがございますし、また、制度一つ一つでいろいろな事情がありますから、そういうことをよく踏まえた上で実施していくということで、だれもがよかったよかったというわけにはいかないんですよ。高齢者がよかったと言えば、そうしたら若い人が負担が多いんじゃないかというようなことも心配しなければいけないし。

 財源には限りがありますので、その中で皆さんが、満足というわけにいかないかもしれなくても、まあ我慢はできるというようなところで、まさに共生の理念でもってやっていただかなければいけない、こう思います。

 それから、消費税のことでございますけれども、安倍内閣で、六月でしたか、基本的な経済財政の運営のことにつきまして十項目ぐらい決めましたけれども、その中で、秋になったらば消費税を含む税体系全般について議論をしよう、こういうふうなことを言っているわけでありまして、別にうそをついたとか、そういうふうな話ではないんですね。そういうことはもう既に言っておるわけでございますから、その点は御理解いただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 選挙の争点にしないものを、いわば逃げていたものを、選挙が終わってから、消費税は増税だ、もう支持されたんだから、こういうような話は通用しないということなんです。

 財源ということですけれども、財源というと、何でも政府は消費税だ、消費税だと。消費税以外はないのかということなんです。消費税というのは、もともと所得の低い人に負担が重いという逆進性を持っているわけです。いわば弱い者いじめの税制ですね。これは上げてはならないと私は思います。税金は、利益あるいは所得のあるところ、そういうところの負担能力に応じてきちっと納める、これが筋だと思うんですね。

 そこでお聞きしますけれども、バブル期を超える空前の利益を上げている大手企業、これ、まともに税金を払っているのかどうかということでございます。

 財務大臣に確認をしたいんですが、資本金十億円以上の大企業の経常利益ですね、バブル時代のピークが一九九〇年の十八兆八千億円でありました。それが二〇〇六年には三十二兆八千億円、約二倍近くにふえております。その大企業が負担している税金、つまり法人税、法人住民税、法人事業税、租税公課、この負担、どうなっているか。一九九〇年と二〇〇六年、この数字を示していただきたいと思います。

額賀国務大臣 今、佐々木委員がおっしゃるように、年次別法人企業統計によりますと、資本金十億円以上の企業の経常利益については、平成二年度は十八・七八兆円、平成十八年度は三十二・八三兆円であります。プラス十四・〇五兆円となります。おっしゃるように、御質問の法人税、住民税及び事業税と租税公課を合わせた額は、平成二年度は十三・八五兆円、平成十八年度は十三・七四兆円で、〇・一一兆円のマイナスとなっております。

佐々木(憲)委員 ここにパネルを示しましたが、利益は約二倍になっております。しかし、税金は、今のお話にありましたように、十三・九兆円から十三・七兆円、逆に、わずかですけれども、減っているわけですね。ぎりぎりの生活をしている高齢者に対して何倍もの負担を押しつけながら、空前の利益を上げている大企業がまともに税金を払っていない。これは、大企業に対して行き過ぎた減税が行われてきたからではないんでしょうか。

 法人税の表面税率を取り出してここに示しましたが、四三・三%だったのが、どんどん下げられまして、今は三〇%であります。このほかにもさまざまな名目で、例えば研究開発減税ですとか、そういう特権的な減税が設けられてまいりました。あるいは、六大銀行グループの場合、三兆円の利益が上がったけれども、法人税は一円も払っていない、こういう状況が生まれているわけです。

 福田総理にお伺いしますけれども、利益が上がっても、このように税金が逆に減っている、これはどう考えても不公平だと思うんですけれども、いかがでしょうか。総理に。

額賀国務大臣 これはもう御存じのように、これだけ国際化されている中、情報化されている中で、我が国の企業がどういうふうに伸びていくかということは、すさまじい競争を演じているわけでございます。したがって、今、ほかの先進国は法人税を下げる競争に入っている。そういう中で、我が国の企業も何とかバブル経済崩壊後の困難な時期から立ち直りかけようとしているときに、確かに法人税を下げさせていただきました。

 企業が国を選ぶ時代でありますから、我々がこの国内に雇用の機会を存続させるためにも、これは国際的にフラット化していかなければならない、イコールフッティング化していかなければならないというのは、もう世界の共通の常識であるというふうに思っております。

 企業がしっかりしているから、そこの従業員の皆さん方も雇用が生まれるし、雇用があるから、景気がよくなれば給料が上がってくるし、生産者というのは同時に消費者でもあるわけでございますから、そこのバランスをどういうふうに考えていくかということが大事であります。

 もちろん、我々は、中小企業の皆さん方にも、これから皆さん方に光が当たるようにきちっとしていかなければならない。中小企業に対しても、これはもうそれぞれの優遇措置、あるいはまた税制においても基盤的な優遇税制を行ったりしてきているわけでございます。

佐々木(憲)委員 総理の見解をお伺いしたんですが、お答えがなく、今は財務大臣だったんですが。

 どうもお話を聞いていると、国民の税負担はどんどんふえるのが当たり前だ、大企業の税負担はどんどん減らすのが当たり前だと。何が常識ですか、それが。国民はみんな怒っているんですよ、そのことについて。

 例えば法人税の負担を見ますと、政府税調の資料でも、日本の企業負担は、例えば自動車製造業はフランスの七三%ですよ。ドイツの八二%。エレクトロニクス製造業では、フランスの六八%、ドイツの八七%。日本の方が負担が軽いんですよ。それなのに、まだ減税をするんだと。これは、全く、国民からいって非常識なやり方だ。ドイツが下がった、下がったと言う。そういう引き下げ競争をやることについて、例えば、今までもOECDで、そういう引き下げ競争というのはよろしくない、こういう見解も出ていたわけですね。

 ですから、私は、今、国民の立場からいって、そういう大企業の減税はどこまでもやるような発想は根本的に間違っているというふうに思います。

 何も私は極端なことを言っているんじゃないんですよ。今まで税金を払ってきたぐらいの水準は、当然そのぐらいは払って当たり前じゃないか。下げ過ぎているところをもとに戻す。例えば十年前に戻すだけでも法人税は四兆円、あるいは、さまざまな優遇税制を正すと、合わせて五兆円ぐらいの財源は出てくるわけです。

 総理にお伺いします。こういう国民の負担が非常にふえているという状況の中で大企業だけどんどん減税して、そういう状況というのは、私は、それこそ国民の目線で考えればおかしな状況ではないか。やはりある程度大企業も負担する、こういう方向に踏み出すのは当然だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

福田内閣総理大臣 法人税が下がったとおっしゃる点でございますけれども、これは当時、日本の経済というのは非常に悪い時期で、どん底のようなときだったですね。株価が七千円台といったような時期でございまして、そこから立ち直るためにはどうしたらいいかということをみんなで考えていた時期です。そういうときに、国際社会では法人税が下がるという傾向もあるし、日本も、まずは国際社会のそういう状況を見ながら法人税を下げるべきだといったような議論があったというふうに思っております。

 日本の企業もこういうふうに回復してきました。してきましたけれども、法人税について申し上げると、アジアなんかはまだ下がっているという傾向がございます。そういったことも踏まえ、また海外投資の動向も踏まえて、これから税制を議論するというのでありますから、国民生活、そして企業の動向というものを踏まえた議論をそこでしていただくということが必要なんではなかろうかというふうに私は思っております。

佐々木(憲)委員 景気が悪かった、だから減税をしたと。それなら、今、景気は利益が二倍になっているぐらい回復しているんですから、当然、そういう減税はもとに戻して普通に払ってもらうというのが、私は当たり前だと思うんですね。

 アジアとの競争と言いますけれども、アジアは、例えば特区のようなところをつくって、それで外国から企業を呼び込むという特殊なことをやっているわけです。そういうところと比べて無限に下げるような話は、やはりこれはおかしい。

 やはり、税金はきちっともうけに応じて応分の負担をしてもらう、そういうことに踏み出すというのは当然だと思うんですけれども、これは一切そういう見直しはしないという姿勢なんですか。これは見直すというのは当たり前だと思うんですけれども、今後の議論の中で当然それを含めて考えるべきだと思います。いかがでしょう。

額賀国務大臣 先ほど来お話がありますように、法人税については、世界の中で日本の企業の税体系がどうなっているのか、法人税がどれくらいになっているのか、実効税率がどうなっているのか、そういうことをバランスを見ながら考えていくことにしたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 これは下げ過ぎたものはある程度もとに戻す、総理、そういう立場に立つのは当然だと思うんですけれども、いかがでしょう。

福田内閣総理大臣 私は、先ほど申しましたように、国際競争をしていく企業の立場も考え、かつ国民生活とのバランスを考えるということは税制議論の中では当然なされるべきものだと思っております。

佐々木(憲)委員 国民生活とのバランスを考えるなら、国民にだけ負担を負わせるのではなく、大企業は適正な応分の負担をする、そういう方向に踏み出すということをやるべきだということを申し上げたい。

 今、この大企業の膨大な利益は一体どこに回っているのかという問題なんですよ。その多くは役員と大株主の懐に入っている。これを見ていただければわかるんですが、二〇〇一年度から二〇〇六年度にかけて異常にふえているのは大手企業の役員の給与、賞与であります。約二倍になっているんですね。株主配当金というのは四倍、大変なふえ方です。しかし労働者は、この点線のところにありますように、上がっておりません。五年間でマイナスです。大企業の株主になっているのは企業が多いわけですけれども、個人もあります。その配当金は十二兆円に上っております。

 財務大臣、この株の配当金に対する所得課税、どのようになっていますでしょうか。証券優遇税制、配当金の税金は年間幾らぐらいの減税になっていますか。

額賀国務大臣 配当の軽減税率についてでございますけれども、国、地方合わせて二〇%、国税分一五%、地方税分五%の税率を一〇%とする特例を設けていることは御承知のとおりであります。

 これによりまして、十九年度の税収見込み額をもとに機械的に試算をすれば、国、地方合わせて三千億円程度であるというふうに思います。

佐々木(憲)委員 配当分の減税で年間三千億円。このほか、株の売買で上げた譲渡益に対する減税があります。我々の試算では約七千億あると見ていますが、合わせて、株に関連をして一兆円の減税なんですね。特に、株でぼろもうけしている高額所得者に何で巨額の減税をするのか、これについても結構大きな怒りがあるんですよ。

 昨年末の政府税調の答申はこう書いているんです。「期限切れとなる上場株式等の配当や譲渡益の優遇措置については、金融所得課税の一体化の方向に沿って、期限到来とともに廃止し、簡素でわかりやすい制度とすべきである。」

 期限というのは去年なんです。それをわざわざ一年延ばしちゃったんです。これは、この税調答申からいうと、逆の方向に行っているんですね。当然、これはやめるというのは当たり前だと思うんですが、今度は総理、どうですか。

額賀国務大臣 確かにおっしゃるとおり、景気が一番悪かったとき、株価が七千円台でした。そのときに、この譲渡益課税について一〇%に軽減をいたしたわけであります。五年限りとしたわけでございますけれども、市場の動向を見ながら、一年間延期をするということになりました。

 それで、与党においては、一年延期をして廃止をするということになっておりますので、我々は、今日の経済状況とか市場の動きとかそういうことを見ながら、今後、きちっと整理をしていきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 与党税調は一年延期して廃止と言っているんですね。政府税調は去年やめなさいと言ったんですよ、去年でやめなさいと。当然、来年廃止というのは当たり前でしょう。どうぞ。

額賀国務大臣 これはやはり、一つは、二〇〇三年のような七千円台の株の状況ではないということ、景気がよくなりかけているということ、さまざまな条件、要件は変わってきていると思いますけれども、日本の経済が本格的な回復軌道に乗っているわけではありません。したがって、内外の経済の状況とか市場の動向とかをよく見る必要があると思います。

 と同時に、やはりバブル経済崩壊後、国民全体としては数百兆円の預貯金がある中で、国民の大多数は低金利で日本の経済を支えてきた、そういう実態もあるわけでありますから、国民生活のことも考えながら総合的に判断をしなければならない。これから私どもは、いろいろと意見を交換しながら結論を出していきたいというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 何か煮え切らないですね。

 総理、どうですか、はっきりと廃止と。これは今までの、去年の答申ではっきりしているんですから。

福田内閣総理大臣 先ほど来申し上げています、この秋の、議論を開始します税制改革の中において、企業、民間、いろいろなバランスを見ながら決めていくべきものだと思っております。

佐々木(憲)委員 ともかく、こういうことさえはっきりしないようでは全然だめですね。財源財源と言って消費税を上げるとか住民税を上げる、所得税を上げる、国民負担をふやすことに一生懸命やっていながら、減税して、もうやめると言っていたものまでやめると言わないんですからね。私は、こういうあり方そのものを根本的に変えるべきだというふうに思っております。

 そこで次に、先ほどのパネルでも、従業員の方の賃金がずっと下がってきているんですね。その背後には、正社員を減らしながら、パート、アルバイト、派遣、契約など、低賃金の非正規雇用にどんどん置きかえていった、そういう大企業の労務政策があったと思うんです。

 ある派遣労働者はこういうふうに訴えております。正社員と同じ内容で働いているのに、交通費が出ず、保険にも入れない、国民年金や健康保険は今のところ貯金をおろして払っています、全くぜいたくしておらず、最低限の生活を送っていますが、同じ仕事内容なのになぜ認められないのか、むなしくなります。

 厚労大臣に確認したいんですが、現在、非正規労働者、それはどのくらいの数いるのか、全労働者に占めるその比率、何%でしょうか。

舛添国務大臣 お答えいたします。

 労働力調査によりましたら、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員等のいわゆる非正規労働者の人数は、最新の平成十九年四月から六月の四半期の数字で千七百三十一万人でございます。それで、この四月―六月の四半期の一番最新の数字ですと三三・二%。先生の御用意なさったのには三三・七となっていますが、これは一月―三月で。ただ、いずれにしても三人に一人、これが非正規労働者という比率でございます。

佐々木(憲)委員 今御紹介いただきましたように、ことしは、一―三月期で三三・七、四―六月期で三三・二、こういうことですね、今の答弁。大変高いわけです。つまり、三人に一人が非正規雇用である。若者の場合は二人に一人なんです。一生懸命働いても年収二百万に満たない、そういう人々が、ワーキングプアですとか働く貧困層、こう言われているわけです。

 全労働者の三分の一が非正規で働いている中で、特に派遣、契約社員、この所得の統計があると思うんですが、総務大臣にお聞きしますが、労働力調査で、派遣社員、契約社員、嘱託の場合、年収二百万未満の人の割合はどうなっていますか、そのうち女性の場合はどうでしょうか。

増田国務大臣 平成十八年の労働力調査の結果を申し上げますと、派遣社員に占める二百万円未満の者の割合、男女計で四九・六%、それから、契約社員、嘱託に占める割合でございますが、これは男女計で四四・八%、こういう数字に相なります。

 また、お尋ねの、女性についての割合でございますが、これは派遣社員に占める割合が五六・六%、そして、契約社員、嘱託に占める割合でございますが、こちらが五八・九%、こういう数字でございます。

佐々木(憲)委員 つまり、ワーキングプアとも言われるような方々の比率が、派遣社員や契約社員に非常に高い。もう半分。あるいは、女性の場合は六割、こういう状況であります。

 先ほど見たように、大企業が大変な利益を上げる、その背景に、こういう低賃金の非正規雇用をふやしたり、正社員をリストラで減らしたり、そういうことをやってきた、そこに原因があるんじゃないか。

 総理にお聞きしますけれども、この非正規雇用の比率がどんどん高まってくるということは、平均の賃金水準を全体として押し下げていく、そういう作用を果たすと思うんですが、そういう認識はおありでしょうか。

福田内閣総理大臣 一般的にはそういうことが言えると思います。しかし、正規雇用もふえているんですね、今。ふえているんです、わずかかも。ことしあたり随分ふえているんじゃないかと思いますけれども。ですから、そういうところで平均すると、まあ、そんなに下がっていないんじゃないかという感じはいたします。

佐々木(憲)委員 若干正規雇用もふえていますが、非正規雇用のふえ方の方が多いんですよ。四―六月期でも、昨年比で二十九万人正規雇用がふえましたが、非正規雇用が八十四万人ふえているんですよ。ですから、当然、全体の水準が低下していくわけです。

 そこで、問題は、なぜそういうことが可能になったかということなんですね。企業側のニーズだとか労働者の働き方、いろいろ多様な働き方を求めたというようなことが言われますけれども、私はそれでは説明できないと思います、それだけでは。

 このパネルを見ていただきたいんですが、政府が労働法制の規制緩和をこの間次々に行ってきた、それが大変大きな要因になっていると思うんです。戦後は、仕事を紹介して賃金をピンはねするというような口入れ屋というのは中間搾取だということで禁止されました。職安法四十四条、直接雇用でなければならない、こう明記されたんですね。

 ところが、一九八五年、十六の専門業種に限定するという前提で、直接雇用ではなく労働者派遣というものを認めたわけです。それが最初なんです。九六年になりますと、その対象を十六から二十六専門業種に広げました。九九年になりますと、これは日本共産党だけが反対したんですけれども、それまでの二十六業種という限定を取り払って、派遣労働を原則自由というものにしてしまったわけであります。二〇〇三年になりますと、今度は製造業への派遣を解禁して、そして二〇〇四年から実施すると。

 総理、これらの一連の労働法制の規制緩和というものがなければ、現在のこれほど多くの低賃金の非正規労働者というのは発生しなかったと思うんですけれども、これはそのように思いませんか。総理の認識を聞いております。

舛添国務大臣 簡単に背景について御説明申し上げたいと思います。

 おっしゃるように、この先生のグラフのような御指摘もございますけれども、いろいろな、今先生みずからおっしゃいましたように、企業のニーズとか労働者側のニーズとかもあります。それからバブル崩壊後これがふえている。それで、必ずしも、労働法制が変わったときに有意義に変わったかどうか、これはもっと検証する必要があると思います。

 ただ、やはりこういう形で、三人に一人がフリーター、非正規というのを固定してはいけないと思いますので、派遣法制も厳しく見直して、偽装派遣がないように、例えばこれを今厳しく監督をいたしておりますし、それから二十五万人フリーターを常用雇用する、このプランを精力的に政府としても推し進めていっております。

佐々木(憲)委員 今までできなかった分野、あるいは今までできなかった派遣が可能になったのは、法律が変わったからなんですよ。法改正がなければ、これだけの非正規雇用は生まれないんですよ。そこはもう明確なんです。

 今、一番派遣労働者の中で問題になっているのは、あらかじめ派遣会社に登録しておいて、派遣された期間だけ労働契約を締結するという登録型派遣、これがあらゆる業種に今広がっているわけです。

 登録型派遣というのは、現在何人いますか。

舛添国務大臣 細かい説明は避けますが、約百九十三万人でございます。

佐々木(憲)委員 その登録型派遣の中でも、一日単位で派遣される日雇い派遣というのが大変大きな社会問題になっております。

 登録した派遣会社から、朝早くメールで仕事内容と集合場所が送られてくる。一日働いても数千円、一カ月間必死に働いても十万円台という低賃金であります。こういう方々は、その日仕事がなかったり、あるいは体調を崩して休む、その場合は収入はもちろんゼロになるわけですね。アパートの家賃も払えなくなる。そうなると、ホームレスになったり、あるいはネットカフェなどで寝泊まりせざるを得ない。一度そうなると、なかなかこれは抜け出せないという状況であります。

 元気な愛知と言われている愛知県でも、ネットカフェや漫画喫茶というものがふえております。トヨタ自動車などの関連企業の多い三河地方、製造、流通関係の事業所が多い小牧市など尾張中部地方にもふえておりまして、どんな状況かといいますと、朝早く、トヨタ系の下請会社が、バンでネットカフェを回って若者を迎えに来るというんですね。それで、日雇い派遣、スポット派遣の短期派遣労働者の宿舎がわりにこれが使われている。

 私は労働者の話を聞きました。青森から来たが、賃金が安く、アパートを借りるお金がない、通勤の交通費も大変なので仕事場近くのネットカフェに寝泊まりしている、こう言っているんです。こういう状況をほうっておいていいのかというのが問われているわけです。

 総理、住居のないこういう人たちですね、直ちに、私は、家賃補助ですとかあるいは生活資金を貸し付けるとか、せめて何らかのこういう手を打たなければならぬと思うんですが、どうでしょう。

福田内閣総理大臣 そもそもそういう雇用が発生するということは、やはり、社会の価値観の多様化というか、また働き方の多様化とかいったようなこともあるわけですね。何もそういうことを推奨しているわけではないんだし。しかし、そういうものが結果として発生しているということについてはどういうような対応をしていくか、これはいろいろな角度で施策を進めていく必要もあろうかと思っております。

 生活資金だとかそういったような貸し付け、そんなことをしたらどうかというふうな話もございますけれども、これは、既に自治体でもって実施しているところもあるというふうに聞いております。資金を貸し付けるということになりますと、保証人の確保が難しいとかいったようなことがありますので、困難なこともあるというようにも聞いております。

 ですから、例えば、ハローワークにおいて寮つきの求人を確保して、これを対象者に職業紹介するというようなことなど、住居と安定的な就労機会の双方が確保できるような、きめ細かな情報提供と相談支援を進めていきたい、こう考えております。

佐々木(憲)委員 それは、実際に効果があるのは極めてまだ部分的でありまして、ほとんど、先ほどの百九十三万人は登録型なんですね。これ全部がネットカフェだとは言いませんけれども。

 しかし、そういう状況の中で、総理は働く人を大切にするということを所信表明で言われましたね。それから、正規雇用に転換するとも言われました。それなら、私は雇用の原則というものをもう一度考える必要があると思うんです。

 期間の定めのない直接雇用を基本にする、そういう原則に今立ち戻るべきだと思うんです。そういう意味で、例えば、非人間的な日雇い派遣は禁止する、登録型派遣についても原則禁止、こういう道に踏み出すべきだと思うんですけれども、総理、どうですか。

舛添国務大臣 非正規の労働者にちょっとアンケートをやってみますと、正社員になりたいというのは三割、ところが、今のままでおれはいいよというのが五割、それから、今後も派遣労働者のままの方がいいというのも三割いて、なかなかこれはニーズが一概に言えません。

 ただ、今おっしゃるように、日雇い派遣とか登録派遣というのが今のままでいいのかなというのは、先生のおっしゃるような御指摘もございますので、この九月から労働政策審議会でこの見直しの検討を開始させたところであります。今後、日雇い派遣それから登録型派遣のあり方を踏まえて、この審議会の審議を中心にして、その結果に基づいて適切に対応していきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 働いている人がそういうことを要求しているかのようなことを言いますけれども、とんでもない話でありまして、だれもワーキングプアになりたい人はいませんよ。

 内閣府の多様な働き方に関する意識調査というのによりますと、現在、そういう形で働いている二十代の男性のうち八五%が十年後に正社員として働きたいという調査もあるんじゃありませんか。このままずっとこれでいいなんて、だれもいません。

 九月から検討していると言いますけれども、例えば一般業務については登録型派遣は明確に禁止する、そういう方向で検討しているのかどうか、それを確認したい。

舛添国務大臣 まず、さまざまなアンケートがございます。それで、若者の中でも非常に、いわゆる自由にやりたいという方がおられたり、派遣型でいいという方がおられることは確かであります。

 そこで今、審議会においては、先生のような御意見も含めてあらゆる角度から検討して、これは適切に、見直しも含めて検討する、そういう踏み込んだところで検討作業を行っているところで、その結果を踏まえて政府としてもきちんと対応していきたいと思っています。

佐々木(憲)委員 一番焦点になって緊急に対策が必要な問題について、やはり方向を明確にするということが必要だと思うんですね。

 労働政策審議会の中で、登録型派遣を禁止する方向というのに抵抗している人はだれですか。

舛添国務大臣 多様な意見がございますので、どの委員がどういう意見をおっしゃっているかは、私はつまびらかにいたしません。

佐々木(憲)委員 私が聞いておりますのは、これは経営者側の委員であります。その言い分を見ますと、登録型派遣は現状維持でいいとか、あるいは対象業務は原則自由化なんだ、こういう勝手なことを言っているわけで、私はここに日本経団連が発表した二〇〇七年の優先政策事項というのを持っておりますけれども、この中では、雇用労働分野における規制改革を一層推進すると書かれております。経営者側の委員は、この立場に立って登録型派遣の原則禁止に真っ向から抵抗している。

 日本経団連の御手洗会長は、政府の政策を事実上決定する経済財政諮問会議の中で、財界、大企業の代表としていろいろな発言をしております。違法な偽装請負を指摘されると、法律に無理があるから変えろと。法律の方を変えろと言っているんです。とんでもない話です。国会のチェックは全く入らないんですか、そういうところに。

 委員長、日本経団連の御手洗会長を参考人として呼んで、雇用政策についての考えをただしたいと思いますが、検討していただけますか。

逢沢委員長 理事会で協議いたします。

佐々木(憲)委員 日本経団連になかなか頭が上がらない状況がどうもあるのではないか。総理も何か奥歯に物が挟まったような言い方しかしないので、どうもその裏に、自民党が大企業から政治献金を受け取っているんじゃないかと思いますが、いかがですか。

福田内閣総理大臣 政治献金を受け取ったからその業界、団体に有利にしようということを考えるほど、我々は貧しくはありません、まず。

 そして、企業経営者、財界も、やはり日本経済、社会が健全に発展していくことが自分たちの企業のためにもなるんだ、こういう意識を持っていただかなきゃいかぬわけですね。そういう意識は十分に持っているんじゃないかというふうに思っております。そういう意識を持っていないというふうに言われるかもしれませんけれども、私たちはそういうふうな考え方をしております。

佐々木(憲)委員 影響を受けないと言われますけれども、今から五年前の二〇〇二年、旧経団連と日経連が合併して日本経団連がつくられる、その次の年から新しい方式で献金が行われるようになったんです。それまで十年間は、経団連が集めて自民党に献金するということはやめておりました。しかし、二〇〇四年になって、経団連が自民党と民主党に政策評価という通信簿をつけて、その点数を目安に大企業が献金を行う。

 例えばこういう形になっておりまして、この通信簿はA、B、C、D、Eの五段階になっております。それは模範解答があって、日本経団連が発表する優先政策事項というものがあるんです。それに沿って政策を出せばよい点がとれる。こういうことで、私もこれは余りにもひどいんじゃないかと思って分析をしました。「変貌する財界」、こういう本に私も分析をして書きましたけれども、ともかく、こういう政策……

逢沢委員長 佐々木君、予定の時間が来ておりますので、簡潔に結論を導いていただきたいと思います。

佐々木(憲)委員 はい、わかりました。

 こういうやり方が私は非常に政治をゆがめていると思いますが、このやり方をもうそろそろやめるという決意は総理におありかどうか、最後にお聞きしたいと思います。

福田内閣総理大臣 私は、この経団連で評価していることについてどういう経緯でそういうふうにされているかはわかりませんけれども、私どもからお願いしてやっていただいているということではないと思っております。

佐々木(憲)委員 企業・団体献金というものが政治全体をゆがめるということですから、きっぱりと禁止をする、このことを最後に主張して、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 冒頭、福田新総理、御就任おめでとうございます。

 そして、やはり私は、総理であるがゆえに、政治家としての本当に総理みずからのお言葉で答弁をいただきたいと思いますので、先ほど来、前振りに事実関係をと言って他の大臣が御答弁なさいますこともありますが、私に与えられた時間、四十分と短うございますので、なるべく多く総理に御答弁を賜りたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 まず冒頭、総理のお手元にも置かせていただきましたが、こういうカラフルな日本地図がございます。こっちで遠くで見て、お手元に配られているものと思いますが、この日本地図で、赤、オレンジ、黄色、ブルー、濃いブルーという五段階が色分けしてございます。これは何のマッピングかと申しますと、千人のお産に対してそれを扱う産婦人科医師が何人おられるか、赤い方が少ない、千人に対して五人以下。ちなみに日本の平均は、今、千人に対して、数だけですが、十人という医師の数、産婦人科となっておりますが、それ以上多い方でブルー系になっております。

 さて、委員各位も御自分の御地元のことを考えていただくと、いや、うちでも困っている、だけれども、ここはこんなに数いるかしらんと思うことがあるくらい、実は、このマッピングだけでも私は非常にこれは赤と黄色のシグナルが強く出ていると思いますが、現状はさらに危機的でございます。

 せんだって毎日新聞が調査いたしましたが、お産の問題は、もうこの十年来、子供の数は少なくなっていく、しかし、未来の大事な担い手である子供たちを本当に健やかに我が社会がまず迎え入れ、そして育てていくかということは社会的な課題であると思うわけで、いろいろな取り組みがあるんですが、その中で、各県、一つの県に一つ総合周産期センター、一つ以上です、あるいは三十万人の人口、第二次医療圏と申しますが、そこにも一つなければいけないだろうということで、地域周産期センターなどを設ける施策を実行してまいりました。

 ところが、近年、この総合周産期センターあるいは地域医療センター、まあ最後のとりでと言ってもいいようなところですが、そこで母体を引き受けられない事態が相次いでおります。

 総理も御存じと思いますが、昨年の八月、奈良県で一人の妊産婦さんが、十九カ所いろいろ当たったけれども入院できなくて、結果的には入院されたけれども、一週間後に亡くなって、お小さい赤ちゃんが残されたという事案がございました。その後も、東京の荒川区、あるいは千葉県、そしてまた最近では奈良と、相次ぐ搬送の、世で言うたらい回しがここのところ起こっております。

 これを調査いたしますと、毎日新聞調査ですが、そういう周産期センターあるいは総合周産期センターというものの受け入れの九千九百件、約一万件のうち三千件近くは受け入れがかなわない。拒否という言葉が不適切であれば、とにかく受け入れできない。三分の一近くが受け入れられない。では、最後のとりでに行って受け入れられなかったら一体どこに行けばいいんだろう、そういう不安が広く今国民に広がっていると思います。

 先ほど額賀財務大臣はおっしゃいました、企業が逃げていくと。確かに、税制の問題で、今世界じゅうが例えば法人税の税率を下げようとする、日本が上げれば逃げていく、それも一理ございましょう。しかし、同時に、企業で働く人たちが我が子を産めない状態になったら、やはりこの国には残らない。当たり前ですが、本当に私はこれは第一義的、深刻な課題と思いますが、まず福田総理のお考えを伺います。

福田内閣総理大臣 先般の御指摘の奈良の事件など、本当に痛ましいことであったと思っております。

 実際問題言って、産婦人科の医師不足、これはかなり深刻な問題だということは、地域によってその程度の差はございますけれども、そういうようなことは日本国じゅうで言われているということは、これは私どもとしても深刻に受けとめております。

 ですから、本年の五月末に、政府・与党でもって緊急医師確保対策というものを取りまとめました。緊急に講ずべき措置、そしてまた中長期的な対策、そういうような観点から各般の対策をつくり上げたところでございます。

 具体的に申し上げる必要はございますでしょうか。(阿部(知)委員「また後ほど」と呼ぶ)はい、それでは。

阿部(知)委員 では、総理から政治の第一課題として政府を挙げて取り組むという御答弁をいただきましたので、その中で、ぜひ私の方で指摘をさせていただきたい点が何点かございます。

 まず、舛添大臣にお願いいたします。

 私は、先ほど、毎日新聞社の調べのデータ、いわゆる一万件近くの搬送事案、そして三千件はそこで受け入れられないというような実態を申し述べましたが、まず、厚生労働省の方は、こうした総合周産期センターあるいは地域医療センターがどのくらいのキャパシティー、いわゆる、受け入れてお産をつかさどることができる現状にあるのかということについてどんなデータをお持ちでしょうか。

舛添国務大臣 毎日新聞の記事は私も読みました。そして、この問題、大臣になる前からずっと実は産婦人科の問題は取り組んできておりましたので、現実に千葉県の視察に行ってみまして、新生児の集中治療室、NICU、これがとにかく、私が鴨川のあれだけ大きな亀田総合病院に行っても、二人しかいないんですね。抱え込まれてくるのはほんの何百グラムという小さな赤ちゃんたち。これが、やはり長期にそこにいないとだめだ。先生が二人しかいない。全国でも十数名しかいないんじゃないか。ですから非常に根元が深い問題で、細かいデータは、集めるといっても、やはり足で歩いてこれは聞き取りを今やらざるを得ないと思うんです。

 それで最大の問題は、先生御自身が小児科の先生でしたからよくおわかりのようですけれども、産婦人科の中でもいろいろな先生がおられるんです。特に新生児の専門家を急いでこれは養成して、そのためのインフラストラクチャーも整備しないと、せっかく周産期、これは御承知のように、四十七都道府県であとないのが四つだけです。そこまでいきました。奈良も来年の五月にはできます。ですから、そこまで整備はしたんですが、今おっしゃる点がございますので、これは、産婦人科、そしてその中の細かいどのお医者さんかということも含めて検討した上で、早急に対策をとりたいと思っています。

阿部(知)委員 この問題がこういう国会の審議の中に上るようになってからもう既に一年以上、そして、舛添大臣は近年御就任でありますが、代々の大臣もみんな、深刻だ、調べようとおっしゃるんですけれども、一つも納得するデータが得られません。

 私は、例えばこの総合周産期センターでお医者さんたちみずからが調査したデータを少し御紹介申し上げたいと思いますが、今、一応、先ほど申しました各県に一つ以上ございます中で、六十カ所を調査いたしまして、五十九施設から回答を得た。そういたしますと、総合周産期センターで受け入れが最大一〇〇%可能なところから、最低は二七%、すなわち、さっき申しました、来たけれども三分の二はお受け入れができない。

 その大きな理由が、今舛添大臣がおっしゃった新生児のICUが足りない、あるいはお母さんの方のベッドが足りない、もう一つは、医師がほかのお産にかかわっていて手がない、医師不足、これらいずれも、本当に早急にかつ中長期的に計画立ててやっていかなきゃいけないけれども、とても、先ほど総理がおっしゃった今のプログラムでは、医師たちも本当に逃げ出してしまいかねない。それは別に、やる気があっても体がもたない。

 例えば、夜中、私ども医師は当直というシステムがございます。当直は、もともと労働基準法上は、夜、軽い作業だけ。夜中じゅう起きて、お産もとり何もかもやりというのは、普通、夜勤と申します。看護婦さんは夜勤三交代。医師たちはほとんど交代はないです。交代制勤務はわずか五%、残る九五%は、朝も働き、昼も働き、夜も働く、こういう本当にしゃかりきというか大車輪の中で、しかし、子供たちをやはりはぐくみ育てたいという使命感でやっておりますが、産婦人科の医師も小児科の医師ももう青息吐息でございます。

 しかし、国の方はでございます。

 皆さんにお示しします二枚目のデータは、これは、いわゆる我が国の医師の育成、養成の過程を数にプロット、点にしたものでございます。下段には医師の数、上段には、保健医療支出と申しまして、いわゆる国民総生産に対する医療費の対GDP比を上に挙げてございます。どちらを見ても日本は破格に低い。

 すなわち、医師の数は、例えば人口千人当たりOECD平均では三人というところを、日本だと二人。これは、十万人に直すと、三百人と二百人という非常に低い数でございます。また上段は、対GDP比で見ていただければ、OECD平均を下回っているのはもちろんのこと、G7の国々の中では特記すべき医療費抑制策があるんだと私は思います。

 このことは、額賀さんがちょうど目の前にいらっしゃいますから、何と申しましても、やはり命を支えることができなくなったら国も滅びますので、財務大臣の財布も開いていただきまして、というか、やはり医療というものへの考え方を変えなきゃいけない。お金がかかって非常に負担だ負担だと言っているのではなくて、やはり医療というのは一つの公共資本で、まず地域を支える基盤であります。福田総理は昨日そういう御答弁でありました、学校とか医療とか。あわせて、そこに人が生まれてくる、地域が持続するための最大のまた拠点でもございます。かてて加えて、雇用も創出できます。

 私は、ここらでそろそろ、ずっと医療費をぎゅうぎゅう、ぎゅうぎゅう締めつけてきた。はっきり言って私ども医療現場では、その言葉はもうあえて使わせていただきたい。そして、弱い部分から疲弊してつぶれていくのを放置してきた国の政策のミスだと私は思います。

 例えば、一九八六年、医師の数の見直しがございました。このグラフだとちょっとウナギの寝床みたいに長くてはっきりしませんが、実は我が国の医師は、一九七三年の自治医科大学の設立、と同時に一県一医科運動というのがありまして、そこで医師の養成をもっとふやそうとアクセルを踏みました。ところが、十年もたたずして今度はブレーキを踏みました。その理由は、医師の数がふえたら医療費が上がる、こういうものでありました。しかし、OECD諸国を見てもわかりますように、高度化する医療に対して医師の一定数の養成は、これは時代の要請でもあると思います。

 総理に伺います。今、本当に骨太な意味で日本の医師数を根本から見直して、この窮状を何とかする大きな決意と覚悟がおありでしょうか。総理にお願いします。

福田内閣総理大臣 御説明を伺っていまして、日本は医療はうまくいっているなというふうにつくづく思いました。保健医療費も少ないし、そして医師数も少ないのにもかかわらず、平均寿命はどんどん延びているんですね。昨年も延びたというようなことで、いかに日本の医療がうまく機能してきたかということであります。

 しかし現実は、産婦人科医の不足だとか、いろいろなひずみも生じてきているというように思いますから、そういうようなひずみ、そしてそれは、絶対数が不足しているからそういうことになるのかどうかというふうなことも含めて検討していかなければいけないと思います。

 いずれにしても、医療というのは、特に高齢者が増加してくるというこういう日本の社会情勢から考えても、決して軽視すべきでないことは当然でございますけれども、しかし、いずれにしましても、これはやはり国民の負担との関係もあるわけでございますから、その辺はよく考えなければいけないというふうに思っております。

阿部(知)委員 今や日本全国の医療崩壊状況は、メディアの方がたくさん取り上げていますので、もう皆さんも既に絶対御承知だと思います。ここに選出されてきている国会議員の各位が、自分の選挙区のお医者さんをどうにかしてほしい、来てほしい、本当に足りない。もうこれは党派を問いません、本当に総理。だから私は総理に伺ったんです、ここで大きくアクセルを踏めと。

 理由は、例えば、ブレアの改革で有名なイギリスのブレアさんは、二〇〇〇年に、国民医療費の対GDP比を一〇%までは上げましょう、医師の数を三千九百人から六千八百人、倍増いたしましょう、この大きなアクセルを踏んだんです。なぜなら、イギリスの医療が、例えば盲腸のような緊急のものでも、待ち時間が本当に何カ月になっちゃう。そのうち患者さんは亡くなっちゃう。あるいは医師たちは、低賃金、重労働に疲れ果てて外国に逃げちゃう。あるいはうつなどのヘルスケアワーカー、本当は健康を保つはずの人間が、みずからうつやあるいは自殺なさる。こういう率が看護婦さんで四倍、医師たちも大変にそうした現状に追い込まれたんです。

 そのとき政治家ブレアは、本当にこのイギリスの未来をどうすべきか、医療費は、かかるから困るのではない、かかったことが政策評価できれば、国民に評価してもらえればそれでいいじゃないかと踏んだわけです。

 私は、今、日本もそこまで来ているんだと思います。ですから、ぜひ総理には、私は、一回目の予算委員会ですから、命あればこそ人は何でもできます。あるいは、命が生まれてくればこそ我が国に未来はあります。この点をさっきの、皆さんの答弁はいつもそうです、本当に不足かどうか聞いてみよう、調べてみよう、そんな悠長なことでは正直言って、私も医師になって三十二年になりますけれども、だれも仲間は皆悲鳴を上げています。この声をここに届けずして私はここに選ばれた理由がないと思うほど思い定めておりますので、ぜひ総理には真剣なお取り組みをお願いしたいですが、いかがでしょう。

逢沢委員長 舛添厚労大臣、簡潔にお願いします。

舛添国務大臣 私も阿部先生と全く同じ認識を持っていますので、例えば医師の数というのは、革命的にこれは考え方を変えないといけないというように思っています。

 それから、先ほどの調査、MFICUとかNICUについて全部調査はことしの一月に都道府県に出しているんですけれども、答えが返ってきていない。それで、この前、奈良県の知事も呼びました。大阪府の知事も呼びました。それから、厚生労働大臣と知事会との定期協議の場を設けて、これをきちんとやるようにいたします。

 それから、先生御承知のように、なぜ医師不足か。過重勤務、物すごい大変です。当直にしても同じ、おっしゃったとおりです。ですからこれは、診療報酬体系の見直しを含めてきちんとやる。

 それから、訴訟、福島県の大野病院の例以来、一生懸命手術はしたわ、医療ミスだといって逮捕されるわ、これではなり手がありません。ですから、無過失補償制度、これを既に始めました。それからADR、裁判外の調停制度、これも今始めようと思っています。

 それから、小児科、産婦人科、女性の比率がふえています。この方々がちゃんと仕事と両立できるように、例えば保育所を病院の中に設けるとか、これもやりたい。そしてさらに、一たん子育てが終わった女医さんがまた戻ってくれるような再トレーニング、こういうことも私は、これは実はライフワークとしてずっと取り組んできた、大臣になる前からやってきた問題ですので、全力を挙げてこれをやりたいと思っています。

阿部(知)委員 革命的にとおっしゃってくださいましたので、本当にそのように期待したいと思います。

 そこで、舛添大臣とそして総理にもう一度資料をお見せしたいと思います。パネルではございませんが、お手元の三枚目をめくっていただけますでしょうか。ここには、平成十六年度ですが、三師調査といって、医師とか看護師とか歯科医師さんを二年ごとに調査する調査の中で、果たして産婦人科における女性医師の比率はいかがなものかというデータがございます。

 ごらんになっていただきますとおわかりのように、二十歳代では女性医師は何と六割おられます。しかし、どんどん年次が上がる都度、女性医師の比率は減ってまいります。これは単に登録数です。

 下を見ていただきます。登録数においても減ってくるということでございますが、この下には、一体何年目でその医師が分娩を扱っているか否かを男性と女性で分けたものがございます。右の一番下の方を見ますと、医師になって十一年から十五年、この辺は、普通でいえば脂の乗り切ったというか、本当に実力もあり、信頼も得て、体力もあり、医師としては一番充実の時期です。しかし、この時期にお産を扱っている女性医師は、半分、五〇%そこそこなのです。

 国の調査は常に数だけです。その医師がお産を扱っていなくても、三師調査では、医師として、産婦人科医として統計に上ってきてしまいます。そのギャップが一番大きい分野が産婦人科医療であったがゆえに、先ほどお見せした地図以上の悲惨な状況が展開しているんだと私は思います。

 女性たちが働きやすくなる環境ももちろん重要です。しかし、それは本当に抜本的でなければなりません。保育所をつくるもその一助でしょう。でも、今、例えば女性が子育てをして子供を学校に入れる。送り迎え、不安です。あるいは学習的な問題、どうフォローするのか。母親が働いていれば、当然子供との接触時間も短い。子供たちの教育の問題も、もっともっと本当に国が支えてやらねば、女性たちは、この医師というやりがいのある仕事の場に来ても続けることができない。特に、命を取り上げる出産の場では、やり続けることができません。

 この五〇%しか十一年目から十五年目で働いていないというデータは、これは、大学病院の各医局にお願いして調査した日医総研というところの実態調査です。国はここまで踏み込んで調べて何が必要かを施策しないと、相変わらず、たらい回しにされる患者さん、あるいは過労死で亡くなる医師、双方の不幸は後を絶つことがありません。

 先ほどの大臣の御答弁は、どれも私は前向きに受けとめます。しかし、まだまだ本質的な部分に手が届かないと思う私の現場経験から、もう一点つけ加えさせていただきます。

 あわせて、今度は福田総理にお願いします。

 これは、今度は医師の養成全体のものでございます。医師の数は足りているのか、少ないのか。先ほどグラフをお見せすれば、OECD平均が十万人当たり三百人、日本が二百人、そして実働はもっと少ないとなれば、どう見ても足りてないのです。そして、働けるような条件も整ってないのです。

 この二つを言った上で、ここにお見せいたしますのは、各科別の、内科、小児科ずらっと、真ん中辺に産婦人科、端の方に病理とございます。ここには、三十代の医師、四十代の医師、五十代の医師、六十代の医師、七十代の医師がおのおのどんなパーセンテージを持っているかでございます。

 ここで私が見ていただきたいのは、三十代の医師が四十代より少ないところは、申しわけないが、構造的不況産業、私の小児科もそうですが、今、内科と小児科と産婦人科と、著しく低いのが病理でございます。これは、放置しておけばそれらの診療科は次々と雪だるまのように坂道を転げ落ちて、本当にみんな疲弊し果ててしまいます。

 そこで何をすればいいか。私は先ほど申しました。一九八六年に、医師の数をふやしたら医療費が上がるというような変な検討委員会の結論を、まず男女比は見ていたのかという問題と同時に、例えば病理のお医者さんなどは、これからがんの問題もあり、皆さんだってがんと診断されて、その顔がどんなに悪いのか、あるいはほどほどなのか、いい顔なのか、そういう病理診断というのは絶対必要だと思うのです。

 こういうふうに養成数が少ないということは、残念ながら、独法化された、独立行政法人化された大学の中でなかなか不採算の部門にはお金がかけられないということからもきています。医師の養成の教育部門と実際の配置の厚生労働省が本当にひざを突き合わせて、この実態を、せめてやはり三十代が多くしてください。

 それは、お金をばらまくことじゃないんです。教育の中身が魅力的になれば、魅力的であるためにはマンパワーが必要なんです。若い医師を育てて、はぐくんで、おもしろさを伝えて、でも、今私たちには余力がありません。もう毎日に手いっぱい。そして、結果、こういう図ができ上がります。

 総理、ここは、長年の日本の医師養成課程を今総理のこの政権の中で見直して、必要な部分には、大学の教育というところにも目配りをさらに、お金もそうです、仕組みもそうです、つけていただかないと、医療そのものが崩壊してまいります。御答弁をお願いします。

福田内閣総理大臣 今おっしゃっているようなことにつきましては、これはやはり、一つのことをやってうまくいくということじゃないんだろうと思いますね。いろいろな要素があるんだろうと思っております。

 ですから、学校の教育の内容を変えるといったようなこともそうかもしれないし、また、それを受け入れる病院のあり方とかいったようなことも関係があるだろうし、そういうことを総合的に考えるということになりまして、この辺は、やはりしかるべきところでよく検討してまいりたいと思うんです。

 しかし、日本の医療が後退するようなことがあってはいけない、その一点でもってこれからの検討の方向性を決めていきたいと思っております。

阿部(知)委員 残念ながら、後退じゃなくて、もう崩壊なんです。後退だったらまだ私も、こんなに諸般をおいてこれを第一に取り上げないんだと思います。崩壊という現象が起こったときには、再建には二十年、三十年と年月がかかります。ぜひ、総理の決断をお願いしたいです。

 私は、引き続いて医療問題、今、出産の方で舛添さんに一つだけ可及的にやっていただきたいことがあります。

 こういう医師の実態が一方にあり、では、その昔、お産婆さんといった助産師さんたちが取り上げてくださる出産、今、赤ちゃんが百人生まれる中の一%くらいでありますが、この助産師さんたちも、昨年四月の医療法の改正で、今度の四月から非常に開業がしづらくなります。助産師さんたちが開業するとき、嘱託医と病院と両方連携しなければいけないというのが医療法の十九条で決まりました。これがもし現実化すると、今、三四%の助産所がそうした提携医を持てない状態で、業務を停止せざるを得ないことが惹起いたします。

 人がこれだけ足りないんです。医師も簡単に嘱託医を残念ながら受けられないんです、本当に手いっぱいで。そういう中で起きていることですから、しばらくこの医療法十九条を凍結し、地域のネットワークづくりに大臣みずから率先して身を挺して頑張っていただく、どうでしょう。

舛添国務大臣 助産師さんを活用する、これは非常に重要でございますけれども、正常分娩ばかりじゃないものですから、どうしてもこの医療法第十九条の嘱託医ということがないといけない。もし帝王切開というようなことになりましたら、どうしても必要です。

 ただ、おっしゃるように、必ず嘱託医師をつけなさい、嘱託医療機関がないとあなたの助産所を閉めますよというのでは地域が崩壊しますから、これは柔軟に対応しろという指示を出してございまして、例えば、連携医療機関も嘱託医とみなす、そういう形で、これは一たん決まったものですから、大臣が勝手に凍結というわけにはいかないので、事実上この法律はありましても、運用の側面において、嘱託医師、嘱託医療機関、それも本当に連携のお医者さんでいいですよ、そういう形まで柔軟にやって、できるだけの対応をやってまいりたいと思います。

阿部(知)委員 ここはやはり凍結していただきたいですね。理由は、運用というのは非常にグレーゾーンになりまして、現実に今も壊れかけているというか壊れているんだから、何とか今以上ひどくしないために、大臣はきょうそこまでしかの御答弁であれば、ぜひ凍結していただきたい。

 そして、今度は福田総理に伺います。高齢者医療制度の凍結問題でございます。

 この方は凍結なさるやに何人かの御発言でございますが、私は、高齢者の新たに保険料が発生する二百万の皆さんの、いわゆる御子息様や娘さんの扶養家族になっていらっしゃる高齢者、七十五歳以上、二百万人の問題、保険料をどうするかというお金の問題以前に、あるいは以上に、そもそも、この制度というのは何て冷たいんだろうと思います。

 家族団らんの母屋から七十五歳以上の御高齢者を離れに連れていき、その離れは決して暖かでなく、そこは非常にもしかしてぼろ家かもしれません。塩川大臣がおっしゃったような、母屋でおかゆ、離れですき焼きだったらいいんですけれども、高齢者医療制度は、七十五歳以上の、御病気がちで、そしていろいろな御不安を抱えた方を、医療制度だけですが、いわゆる家族の扶養から抜けていただくということになります。

 総理、御存じですか。例えば今、高齢者医療制度と介護保険、高齢者の医療費と介護保険と両方使ったら、あるいは医療費と介護と両方使ったら、高くなったら、世帯の中でみんな寄せ集めて上限を決めましょうと、一世帯の中で。でも、この御高齢者が七十四歳まではその世帯の中の上限に算入していただけますが、七十五歳になったら途端に、違う医療制度に行ったのでということで、一家の中でいわば除外されてしまうんです。私が言っていることが急には腑に落ちないかもしれません。七十五歳以上を分けるとは、そういうことに帰結します。

 今まで、家族のきずなを使ってまいりました。高齢者の虐待問題も、悲しいかな、起こっています。私は、こうやって今扶養家族にある、それは家族が支えているんです。それは大事な風習です。それをわざわざ壊していくような、そして御高齢者を寒い離れに追いやるような、この離れでは、実は自分で勝手に出前をとることができません。Aランチ、Bランチ、Cランチくらいに決まった高齢者医療サービスというものになってきます。差別され、そして、やはり年をとるとは、もちろん元気な方もありますが、一抹の不安を抱くものであります。

 その中で、我が国が御高齢者だけ分けて、負担も加えましょう、医療サービスのメニューも変えましょうとなったときに、果たして国民皆保険という精神が守れるでしょうか。弱者を集めて弱者連合にして、区別して差別していく。私は、その思想そのものが問題ですし、世界に例がありません。総理、いかがですか。

舛添国務大臣 阿部先生がおっしゃるような面もあるかもしれませんけれども、一つの発想は、できるだけ後期高齢者、七十五歳以上の方というのは、お年ですからどうしても病気になりがちだし、これから家族との関係をどうするか。

 ですから、今おっしゃったように、何か離れで家族と離れて冷たくするんじゃなくて、むしろ、家族のことをよく考え、それから、やがては死ということを考えないといけない。ターミナルケアをどうするか。がんになると、それの痛みのケアをどうするか。そういうことを総合的に入れた診療体系をやり、そしてまた医療費が、そのことによって、後期高齢者がいるから医療費が上がるんだよ、何かうば捨てのような思想があってもいけない。

 そういう意味で、前向きにこれは構築したいと思っていますので、どうか、そういう面もございますということを御理解賜ればと思います。

阿部(知)委員 まさに大臣がおっしゃったように、うば捨て山なんですよ。御高齢者は、みずから負担をかけちゃ悪いなと。私は小児科医ですけれども、御高齢な方も時に拝見することがあります。皆さん大変に居ずまいも正しいし、お気持ちも、我をそんなに言わないですよ。そういう方々を分けていくということは、本当に皆さん、胸が痛みませんか。私はとてもとてもあり得べき制度ではないと思います。

 本当は総理のお考えを伺いたいですが、先ほど私が……(発言する者あり)もう一個やりたいので、ごめんなさい、次にまたお願いします。

 石破大臣に最後に一つ宿題をお願いいたします。

 私は、先ほど、前原さん並びに岡田さん等々とのやりとりをお伺いしていて、果たして大臣には、米空母キティーホークの二〇〇三年司令官年次報告というのをごらんになったことがあるでしょうかというのが一点です。

 これは、キティーホーク、たまたま私は神奈川で、横須賀の近くでございますから、キティーホークの母港になってございます。キティーホークが年間どんな活動をしているかということは、例えば、シーホークというキティーホークに関連するような新聞にも出ておりますし、それを読み、なおかつこのキティーホークの二〇〇三年の年次報告を読むと、実は、一月二十三日の日に横須賀を出て、その目的には、先ほどの南方での監視活動並びにOIF、イラクの自由作戦に向かうという記述がございます。大臣はこれを知っていらしていて先ほど来の御答弁なのか。

 ちなみに、キティーホークは一月の二十三日に出て五月の六日に横須賀に戻ってまいりました。その間は、先ほど言いましたシーホークという新聞にも出ておりますし、その新聞紙上でも、その二つの作戦への参加という、決してOEFではないのです、そこに書かれているのは。大臣は御存じでしょうか。

石破国務大臣 シーホークもそうでございますし、スターズ・アンド・ストライプスもそうでございますし、米軍のそのような資料はできるだけ私自身で目を通すようにいたしております。

 累次お答えをしておりますのは、私どもの方で補給をした燃料が、OEF、すなわちテロ特措法の目的以外に使われておらないということを累次御説明をしておるわけでございまして、そのようなことが、例えばそれぞれの船でいろいろなホームページあるいは新聞、出ております。そういうものを全部見ながら、矛盾はしていないか、あるいは誤った記述、そういうものがなされておらないか、そういうことをさらに徹底してまいる所存でございますが、御指摘のシーホークは目は通しておるものでございます。

阿部(知)委員 今ここに原口委員が実物を、これは先ほどのキティーホークの年次報告で、公文書のございますアメリカで閲覧ができますが、それを見ますと、ここにはOEFという記載はございません。OIFでございます。大臣ももうちょっときちんと確認されて、私は次回また伺いたい。

 キティーホークは、横須賀を出るときからペルシャ湾に向かい、作戦上も、三月二十日のストライク、攻撃を前に、その制空権やあるいは海上でのさまざまな準備活動にかかわったというふうになってございます。やはり、大臣はごまかさない方ですので、私は期待しておりますので、アメリカの資料というものも読み解いて、我が国の将来を過つことのないような論議をしたいと思います。

 ありがとうございます。

逢沢委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 次に、亀井久興君。

亀井(久)委員 国民新党の亀井久興でございます。

 総理初め閣僚の皆様方、お疲れだと思いますけれども、最後の質問でございますから、もうしばらく御辛抱いただきたいと思います。

 まずもって、福田総理、御就任おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。

 総理には、私、長い間自民党におりましたので、自民党時代にも随分いろいろなおつき合いをいただいたこと、懐かしく思い出しております。今は違う立場でございますのでめったにお会いすることもございませんけれども、諸外国との友好議員連盟の活動等で御一緒させていただいております。

 総理のお人柄、また、御尊父譲りのひょうひょうとしたユーモアあふれるそうした総理の言動は、誠実で、大変人の意見をよく聞かれる、そういう政治家でございまして、私は、政治家のタイプとしては大変敬愛する政治家でございます。

 ただしかし、今は野党でございますので、私なりに、少し総理にとっては厳しいこと、あるいはまた失礼なことも申し上げるかもしれませんけれども、御容赦をいただきたいと思います。

 まず最初に、先般の参議院選挙、これで自由民主党が大敗をされたわけでございますけれども、その原因はどこにあったのか。いろいろあろうと思います。自由民主党もそれなりに選挙の総括もされていると思いますけれども、総理として、この選挙をどういうように受けとめておられるのか、そして、参議院選挙で示された民意というものは一体何なのか、その民意に対してどうこたえていかれようとしているのか、そのことについてまず伺いたいと思います。

福田内閣総理大臣 過分なお褒めをいただきまして、ありがとうございました。おめでたいか苦労の始まりか、これはわかりませんけれども、後者の方だと思っております。しかし、今は一生懸命やらせていただきたいと思っておりますので、よろしく御指導をお願いしたいと思います。

 この間の参議院選挙は、それは自民党にとっては大変手痛い打撃を受けたわけでございまして、もちろん、これにはいろいろな理由があったと思います。政治不信をかき立ててしまったということ、これが一番大きなことでなかったかと思いますけれども、そういう中には、今まで自民党が行ってきた政策についての御批判もあったかもしれません。ですから、そういうことをもろもろ考えて我々はこれから対処していかなければいけないと思います。

 しかし、やはり政治の信頼というのはその中では最も大事なことだというふうに思っておりますので、この信頼回復のために、及ばずながら精いっぱい努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。

亀井(久)委員 さまざまな政治不信をもたらした、そこにいろいろな原因があって、衆議院におけるいわゆる数の力による強引な進め方、国会運営、そういうこともありましょうし、また、閣僚の相次ぐ不祥事であるとか政治とお金をめぐる問題、さらに、年金に対する不安、こういうものがあったことは間違いないですけれども、もっと大きく、やはり国民の間、特に地方の方々の間に、小泉内閣以来進められてきたいわゆる構造改革路線というものが果たして国民に何をもたらしたのか、国民生活を痛めつけるという結果だけが出てきたのではないか、もう構造改革路線というのはこの辺でやめにしてもらいたい、そういう強い声があるように私は思うんです。

 総理は、改革の方向性は変えないということを言われております。ただ、さまざまな格差を正していくためにそれなりのことをやると言われておりますけれども、やはり構造改革路線というものの中で示されたさまざまな政策を大きく転換を図ってほしいという、そこに私は福田総理に対する期待感というのがあるんじゃないかと思います。最近、世論調査の結果を見ましても、福田内閣への支持率はかなり高いものがございますが、私は、その背景にそういうものがあるんだろうというように思います。

 しかし、それでは、福田内閣が果たしてそのことをやり切れるのかということになりますと、私は、部分的な修正はおやりになるだろうし、また、それはできるかもしれないと思います。しかし、大きな路線の転換というものは私はできないだろうというように思うわけでございます。

 ちなみに、総理がこの間の所信表明演説の中で述べられましたようなもろもろの施策を実行されようとすれば、当然のことながら、来年度の予算編成というものは非常に重要でございますけれども、その予算編成の大きな枠組みというのは、もう既に経済財政諮問会議でがちがちに固められて決まっておる、そういう状況でございますから、なかなか基本的な流れを変えることはできないだろう。

 そうであるならば、本当に、福田カラーというものを出して思い切った政策転換を図って国民の期待にこたえていく、そのことをおやりになるおつもりだったらば、経済財政諮問会議をもう一度やり直して、そして、そこの骨太の方針をつくり直して、それによって新しい予算編成方針というものを堂々と打ち出しておやりになる。そこまでのことをやられるおつもりならば私は国民に対して大きなメッセージになると思いますけれども、そのことをおやりになるおつもりがあるのかないのか、そのことを伺いたいと思います。

福田内閣総理大臣 構造改革の是非ということでございますけれども、今の日本の置かれている状況、これは五年前も似たようなものです。私は、将来日本がどうなるかということを中心に考えた場合に、今までのやり方でよかったかどうか、それを続けてよろしいかどうか、これは不断に見直しをしていくべきものだというふうに思っております。ですから、そういう構造改革そのものは今後も続けていかなければいけないと思います。

 人口減少、そういう時期を二年前に迎えたわけですね。そして、人口減少すれば、またそれが高齢化していくという社会で、労働生産力をどうやって確保していくかということもございますし、国内の需要、経済面における需要というのは、これは頭打ちになるだろうと思います。

 そうしたらば、今の社会福祉とか国民生活を維持していくためにはどうしたらいいのか。それは、今までと全く同じような方向でやっていけば必ず行き詰まるだろうと思います。国内需要が、国内経済が大きくならない、大きくなったとしても微々たるものだということになるわけですね。

 そういう国民生活、福祉を確保するためには、やはり国際経済でその道を開いていくということも必要なんじゃないでしょうか。私はそういうふうに思いますので、これからの国際経済というのはますます重要性を帯びてくるんだと思います。そのために、FTAとかWTOとかいうような仕組みも、これも十分に駆使しなければいけない。

 しかし一方、そういうことをするために、国内の農業はどうなのかとか、国内の生産とか生産者とかいったようなものがどうなっていくのか、そういうことも考えていかなければいけない。これはやはり、同じやり方じゃもう済まない時代だということ、これを前提に物事を考えていくべきだというふうに思っております。

 ただ、過去の改革でもって問題を生じたものもあると思います。地方が疲弊したというのもその一つだというふうに思いますので、これは、この部分については何か手当てをしていかなければいけないということはありますので、すべて改革よしというようには申し上げているわけではない。

 そしてまた、時代の変化によりまして経済社会情勢も変わりますから、そういう変化にもついていかなければいけないということを考えて、いろいろな改革というものはこれからも必要だというように思っております。

亀井(久)委員 そこで、小泉内閣以来の政治の流れを見ておりまして、私は、経済財政諮問会議というのが余りにも大きな力を持ち過ぎていた、そのように思います。

 名前からいうと諮問会議ですから総理の諮問機関であるはずなんですが、実際には、総理が議長をお務めであるということから、諮問機関ではなくて、これはもう最高の執行機関だというようにも私ども受けとめざるを得ないわけでございますね。その経済財政諮問会議で決められたことを閣議決定されて、その政策を実行される、そういう手順を踏んでこられた。

 その経済財政諮問会議のメンバーは、もちろん閣僚も入っておられますけれども、民間の人たちが入っていて、あの当時は竹中平蔵さんがそのまとめ役をやって、民間の意見というものをどんどんどんどん閣議決定まで持っていかれた。その手法は、私は、やはり議院内閣制ということを考えますと、いささかこれはおかしいんじゃないかというように思っておりますが、経済財政諮問会議のあり方について、総理はこれを変えていこうというお考えがありましょうか。

福田内閣総理大臣 つい数日前に、経済財政諮問会議担当の大田大臣に、しっかり頑張ってくれ、こう言っちゃったんですよ。

 この諮問会議というのは、御案内のとおり、総理大臣の知恵袋なんですね。政治主導ということを発揮できるような仕組みなんです。これは六年前にでき上がった制度でございますけれども、総理大臣が、政治主導で、そして全省庁横断的に、緊急なもの、大事なことについて総理大臣の案として打ち出すものである。経済財政諮問会議が出すんじゃないんですよ。それは総理大臣が出すんですよ。総理大臣が命令するんです。ですから、総理大臣のさじかげんということもありますよね。

 今まで、特に小泉内閣のときにはそれが非常にクローズアップされた。それは、大きな改革をするということ、例えば郵政もそうです、道路公団の民営化という問題もありましたけれども、そういうことをする上で、小泉総理の手法もございまして、自民党は敵だみたいな、そういうことを言うこともあったということで、何か与党と対立的な関係にしてしまったということですね。これは、政治手法としてそういうのはあるかもしれませんけれども、それで果たしていいのかどうかということは、よく考えなければいけないと思います。

 私は、そういう大改革をされた後ですから、少しは落ちついた与党との関係というものを築いていただきたいと思っております。そして、与党が政府の政策をバックアップしてくれるような、そういう機能を発揮していただきたいな、そういう関係をぜひおつくり願いたいということをお願いしていこうかと思っているところでございます。

亀井(久)委員 総理のおっしゃるようなことで進められてきたのならば私も納得するんですけれども、諮問会議といいながら、民間の委員は総理が任命されて、総理に対してしか責任を負っていない。国民に対しても国会に対しても何も責任は負っていない。そういう中でどんどんどんどん自分たちの意見を政策にのせていこうとする。そういうように国民も受けとめていたと思いますし、私どももそのように受けとめておりますので、この問題は引き続き総理にもよくお考えをいただきたいと思います。

 時間がありませんので先を急ぎますが、小泉総理は、さまざまな構造改革の中で、改革の本丸は郵政民営化であるということを再三再四言われたわけです。なぜ郵政民営化が改革の本丸かということを伺っても、きちっとした説明は最後まで聞かれなかった。

 そして、郵政民営化の目指す目標は何ですかということを伺うと、これは委員会での小泉元総理の答弁ですけれども、貯金、保険を、これを分離、民営化して、その株式を全株市場で売却することが目標です、そういうことをはっきり言われたんですね。だから私は、郵政民営化、小泉元総理の進められた郵政民営化というのはそういうことなのかなというように受けとめざるを得ないわけでございます。

 もともと、総理に申し上げるまでもありませんけれども、郵政三事業というのは公益性、公共性という性格を非常に強く持っている。一方で、事業ですから、採算性、収益性というものも重視しなくちゃいけない。その二つを両立させる経営の仕組みとしてどういう仕組みがいいのかなという議論をさんざんやったあげく、橋本内閣のときに、中央省庁等改革基本法で新しい国営の公社として位置づけましょう、それが決まったわけで、この問題は私はもう結論が出た話だと思っておりました。それを小泉総理になってから改革の本丸だといって強引に進められた。

 もう釈迦に説法ですけれども、もともと郵便事業というのは、高い公益性を持っている、そして公益性を持っているがゆえに、どこの国でも国営ないし公営で運営しているということだと思います。

 郵便事業というのはもともと構造的に赤字体質を持っておりますね。これは当然だと思うんです、はがきにしても郵便にしても、東京都内で集配するのと遠く沖縄や北海道に送るのとでは一通当たりのコストが違うわけですから。それを全国一律、均一料金で均一サービスをやってきているわけですから、構造的に赤字体質を持っている。

 しかし、国民生活を維持するために必要な不可欠なサービスだから維持をしなくてはいけないということで今日までやってきた。そして、これに税金を投入してやるということを避けて、三事業一体経営ということで、そこで黒字を出しながらうまく回してきたというのが百三十数年の日本の郵便局の歴史なんですよね。だから、その歴史の上に国民と郵便局との強い信頼関係というものが生まれて、地域の生活の拠点として今日まで機能してきたということだと思います。

 ですから、郵便局の収支を見ていただければおわかりですけれども、一万四千数百が、全郵便局の七一%は赤字なんです。そして、郵便事業だけをとってみれば九四・五%は赤字なんです。そして、これを各都道府県別に見ますと、三十五の都道府県はみんな郵政三事業は赤字です。わずか十二しか黒字を出している県というのはないんですよね。しかも、それが三大都市圏ですよ、ほとんど。三大都市圏以外で黒字を出している県というのは、岡山県と香川県と福岡県と三県だけですね。だから、その姿をごらんになれば、郵政三事業というのは、まさに三大都市圏の金融部分が支えてきたと言っても言い過ぎではないですね。そこを切り離して民営化するんでしょう、成り立つはずがないですよね。

 郵便についてはユニバーサルサービスが義務づけられている、全郵便局でちゃんと事業展開してくださいよという法律になっておりますけれども、貯金や保険についてはその縛りはないわけですから、これをどんどん株式売却していけば、どこにどういう事業を展開するかというのは経営者の自主判断にならざるを得ない。株式を市場で売却しますから、どんどんどんどん買う。外国人にどんどん買われていったときには一体どうなるのか。こういうことも大変心配なことですね。だから、成り立たなくなる。どう考えてみても制度設計が間違っておりますから成り立たない。

 成り立たなくなったときに、それじゃどうするかといえば、国民にとって不可欠なサービスだから財政資金でこれは何とかやりましょうということになったのでは、何のために民営化したのということになる。そこが国鉄の民営化とは基本的に違うんですよね。国鉄の場合には代替手段がある。バスにしてもあるいは私鉄にしてもあったでしょう。しかし、郵便というのは、今、市場には参入できますよといって郵便法の改正をやったけれども、どこも全国展開していないでしょう。それは、もうからないところでやるわけないですよね。ですから、それは公的責任できちっとやらなかったら成り立たない。

 ですから、竹中さんにもあの当時さんざん私は言いました。もしやれなくなったときには財政資金投入してやるんだということを確約してくれますか、それだったら一つの考え方でしょうと。しかし、そのことは絶対に言われなかった。それを言ったら何のための民営化だということになってしまう。ですから、私は制度設計そのものが基本的に間違っている。

 もう既に民営化、十月一日からスタートいたしましたけれども、その前の郵政公社の段階で、四千七百もあった集配局が千もなくなってしまっている。ですから、この間の所信表明で総理は、国民に不便をおかけしないように着実に推進しますと一行で片づけられたんですね。だけれども、不便をおかけしないようにと言われているけれども、もう既に不便がかかっている、不便になっているわけですよね。

 そういう現状があるわけで、これはもう明らかに制度設計そのものをやりかえなければ、将来、大変な財政負担になるか、さもなきゃサービスを思い切ってやめてどんどん過疎地や離島の郵便局をなくしてしまうか、どっちかの選択しかなくなってくるんですよね。そこを私どもは大変心配をしております。

 同時に、大都市圏はそのほかに民間の金融機関がありますから、年金や恩給の受け取りができないとか預貯金ができないとかいうことはないかもしれない。しかし、今度は国債市場に私は大きな影響が出てくると思っているんです。

 今、国債を大量に政府が発行している。それを市中で、外国から借金せずに、外国で引き受けてもらうんじゃなくて、日本の国内でちゃんと消化している。だからうまく回っているわけですけれども、その中で郵貯、簡保が大きな役割を果たしているというのは、もう申し上げるまでもないと思います。

 そういう中で、もし、これから民営化がスタートしてどんどん株式が売却されていく、経営者の自主判断で、国債を引き受けるよりも外債を買った方がいい、外国株式を買った方がいい、そのことに対して、全株売却した後だったら、国は何にも文句言えないですよね。民間会社だから経営者の自主判断、そうならざるを得ないわけでございます。そうなったときに、それじゃ国債のかわりにほかのものを買いましょうということになったらば、国債はどうなりますか。

 今、財務省が一番そこのところを前から心配しているから、巧みにその仕掛けを隠しておりまして、独立行政法人をつくって、そして、いわゆる政府保証のある定額貯金とかそういう部分はそちらが所有をして、しかし、所有をしながら、その運用については、自分でやったらリスクをしょうからやらない。それは貯金銀行にしょわせるわけでしょう。その運用リスクをしょわせて、それでやっていく。だから、それがあれば国債をちゃんと消化できると思っておられるかもしれない。

 しかし、これは税金と違うわけで、国民から預かった金ですから、郵便局の将来、どうかな、これは危ないぞ、貯金銀行の将来危ないぞなんて言ったらば、貯金している人はどんどん解約を始めますよね。そうなったら、今抱いている国債を処分せざるを得ないということになったら、国債市場は大混乱するでしょう。長期金利がばあんとはね上がるでしょう。

 そうしたら、これは地方だけの問題じゃないです。国の経済全体を直撃する金融危機を招くということにもなるわけでございますね。住宅ローンの金利だって長期金利が上がればばあんとはね上がりますから、大変な事態になる。そういうことも私どもは最初からもう想像しておりましてわかっておりましたから、こんな民営化はやめるべきだ、国益にもならない、国民生活のためにもならないと反対をしたわけでございます。

 私ども、前国会で野党共同提案で凍結法を出しましたけれども、残念ながら、これは廃案になってしまいました。今、私どもといたしまして、株式の売却を凍結する、その法案を準備しておりまして、野党の皆様方の協力を得ながら、何とか今国会で提出をしたいと思っているわけでございますが、今の私の話をお伺いになって、総理大臣の所見を伺いたいと思います。

福田内閣総理大臣 亀井先生のお話を伺って、ついつい引き込まれるような、そういう思いをいたしております。

 いろいろな考察をされまして御心配をされていらっしゃる、そのお考え、気持ちは十分受けとめていかなければいけないと思います。また、そういう懸念が起こらないようにしていくということが我々の務めだろうとも思っております。

 つい先日、郵政会社グループとして発足したばかりなんですね。ですから、その発足に当たり、本来の趣旨、その方向性、間違えないようにさせていかなければいけないというふうに今思っているところでございます。

亀井(久)委員 恐らく与党の皆様方も私と同じ思いを持っておられる方はかなりおられるのではないかというように思っておりますので、いずれまた、法案を提出いたしましたその段階で、与党、野党を超えて大きな議論にしていきたい、そのように思っておりますので、政府におかれましても真摯に受けとめていただきたいと思います。

 次に、経済財政運営の基本的な考え方についてお伺いをしたいと思いますが、私は、小泉内閣、これも、発足をしたときに、竹中平蔵当時の経済財政・金融担当大臣が、緊縮財政と、金融機関の不良債権の処理と、企業の破綻処理の推進ということを三つの柱にされたわけでございます。あのときに、不良債権、金融機関がたくさん抱えていた、それはもう当然でございますけれども、それを解決しなくてはいけないということで、公的資金を突っ込んだ。十二兆五千億弱突っ込んだ。それが、健全行に注入した分はもう七割まで返ってきておりますから、それは間違いだとは思っておりません。

 しかし、あのときに、例えば長期信用銀行に突っ込んだお金は一体どうなったのか。七兆八千億という大変なお金、これは日本の国家の全体の一年間の公共事業予算を上回るお金でしょう。それを破綻した金融機関に突っ込んだわけですから。そして、その処理がどうなったかといえば、瑕疵担保条項までつけて、リップルウッドという外資にたった十億で売却をしてしまった。そのお金は一体どうなったのか。こういう不明朗なこともあったわけでございます。

 その点もまたいずれ追及をしたいと思いますけれども、それはともかくとして、今何か着実に景気が回復してきているかのようなことをしきりに政府は言いますけれども、私は決して景気が本格的に回復しているとは思わない。一九九八年以降始まったデフレがいまだに解消していない。

 私は竹中大臣にあのとき随分いろいろなことを申し上げたけれども、需給ギャップが解消されない限り景気はよくなりませんよ、とにかく需要が決定的に不足しているわけですから需要をふやす政策をとらなくちゃいけない、特に内需拡大を図る政策をとらなければ絶対に景気は回復しませんということを言った。ところが、緊縮財政、緊縮財政ということで、しかも国債発行は三十兆円に抑えると言われたけれども、そんなものできるわけないですよ、必ず国債増発になりますよと申し上げた。

 確かに、あのときは補正を組んで五兆円も増発をしたわけで、小泉内閣を通じて二百兆の国債増発をやってしまったわけですから、これは、財政再建をやろうとした結果として、かえって財政の負担がふえてしまったという結果だと思います。

 ですから、私は、やはり需要をふやしていく、そしてGDPを大きくして、一人当たり国民所得をふやし、可処分所得をふやして、その個人消費の旺盛な力によって景気回復をさせるというのが本筋だというように思うんですね。

 今、可処分所得が、この六年間で十八兆円、毎年三兆ずつ減っているんです。その分皆さんは貯金を取り崩すしかしようがないから、個人貯蓄が十八兆、それとちょうど見合いの数字だけ減っているんですね。かつては、日本というのは貯蓄大国と言われた。その日本が、今や貯蓄率は一・八%まで落ちてしまった。貯蓄が全くゼロという、そういう世帯が全世帯のもう四分の一ということですね。

 こういう中で自民党政治がなぜ続いていったかといえば、やはり私は、一億総中流社会をつくったからだと思うんですよ。私はよく円盤形社会と言っておりますけれども、あなたはお金持ち、あなたは貧乏ですかということを聞くと、そんな金持ちじゃないよ、だけれども、そんなひどい貧乏じゃないな、まあ、中の下ぐらいですかな、まあ、ほどほどのところですかな、多くの人がそういう返答をされる。そういう社会というのを自由主義、市場経済を通じてつくったということが、日本の保守政治の誇るべきことだったと私は思いますね。その中間所得層が今どんどんどんどん下に落ちていくという危機感を持っているわけですね。

 それで、とにかく一年間額に汗して働いても年収が二百万にいかないという、そういう人が、もう一九・何%、二〇%近くある。これは私は、日本の保守政治がせっかくつくり上げていったものをこの六年間で完全にそれを崩し始めている、そういうことだと思います。

 私はやはり、一億総中流社会というのはその中間層が大宗でございますから、その人たちが可処分所得をふやして思い切ってお金を使える、そういう状況をつくり出さない限り、今の経済の立て直しというのは不可能だというように思います。

 それから、財政のことについていいましても、財政再建、財政再建と言われるけれども、今、国が抱えております借金、これは八百三十六兆と言われておりますけれども、しかし、国が持っている金融資産というのは五百八十兆あるわけですから、その金融資産というものを引いてみれば二百五十六兆ですよ、純債務というものは。これは、OECDの国と比べてみても、GDPの五〇%ぐらいですから、そんなにびっくりするようなことではない。しかも、外国から金を借りているんじゃなくて、国内でそれをきちっと消化しているわけで、個人金融資産はまだ千六百兆あるわけですからね。

 だから、外国の私の友人等に言わせますと、日本はどうなっているの、自分でお金を持っているのに、そのお金を自国の経済のために使わないでアメリカの国債を買ってみたり外貨準備でドルを支えてみたり、ちょっとおかしいんじゃない、もうちょっと国内でその個人金融資産がうまく回るような、そういう政策をとるべきじゃないのということを言われるわけですね。私は、まさにそのとおりだと思うんです。

 ですから、経済財政運営の基本が間違ってきたのではないか。イザナギ景気を超える景気拡大が続いているといっても、あれは計算上のトリックみたいなもので、デフレのときに実質経済でもって表示をしたらばプラスになるのは当たり前なんですよ。それは、名目成長率からGDPデフレーターを引くわけですから、マイナスからマイナスでプラスになっちゃう。プラス八・五%の実質成長だなんて、そんなばかなことないですよね。

 ですから、もしそうだったら、何で消費税の増税だとか、増税の議論が出てくるのか。あのイザナギ景気のときには、二・五倍日本の経済規模が大きくなり、毎年減税をやったのに二・四倍税収がふえているんです。そういう流れをつくり出すということを真剣になってお考えをいただいて、思い切った政策転換をやっていただきたい、そのことを私の意見として申し上げまして、私の時間が参りましたので、終わります。

逢沢委員長 これにて亀井君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時一分散会


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