衆議院

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第4号 平成20年2月7日(木曜日)

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平成二十年二月七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 逢沢 一郎君

   理事 伊藤 達也君 理事 遠藤 利明君

   理事 田野瀬良太郎君 理事 中山 成彬君

   理事 森  英介君 理事 山本 幸三君

   理事 岡田 克也君 理事 前原 誠司君

   理事 富田 茂之君

      井上 喜一君    伊藤 公介君

      岩永 峯一君    臼井日出男君

      尾身 幸次君    大島 理森君

      大塚 高司君    大野 功統君

      金子 一義君    亀井善太郎君

      亀岡 偉民君    河村 建夫君

      倉田 雅年君    小池百合子君

      小坂 憲次君    木挽  司君

      佐藤 剛男君    斉藤斗志二君

      坂本 剛二君    菅原 一秀君

      杉浦 正健君    薗浦健太郎君

      園田 博之君    平  将明君

      谷垣 禎一君    中馬 弘毅君

      とかしきなおみ君    長勢 甚遠君

      野田  毅君    深谷 隆司君

      福岡 資麿君    牧原 秀樹君

      増原 義剛君    三ッ矢憲生君

      三原 朝彦君    山口 俊一君

      笹木 竜三君    神風 英男君

      武正 公一君    中川 正春君

      原口 一博君    細野 豪志君

      馬淵 澄夫君    松本 剛明君

      三谷 光男君    山井 和則君

      吉田  泉君    笠  浩史君

      渡部 恒三君    赤羽 一嘉君

      赤松 正雄君    江田 康幸君

      斉藤 鉄夫君    谷口 和史君

      笠井  亮君    阿部 知子君

      日森 文尋君    糸川 正晃君

    …………………………………

   内閣総理大臣       福田 康夫君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)

   (地方再生担当)     増田 寛也君

   法務大臣         鳩山 邦夫君

   外務大臣         高村 正彦君

   財務大臣         額賀福志郎君

   文部科学大臣       渡海紀三朗君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   農林水産大臣       若林 正俊君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         鴨下 一郎君

   防衛大臣         石破  茂君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     町村 信孝君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)

   (食品安全担当)     泉  信也君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (規制改革担当)

   (国民生活担当)

   (科学技術政策担当)   岸田 文雄君

   国務大臣

   (金融担当)

   (行政改革担当)     渡辺 喜美君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   国務大臣

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   上川 陽子君

   内閣官房副長官      大野 松茂君

   内閣府副大臣       木村  勉君

   内閣府副大臣       山本 明彦君

   内閣府副大臣       中川 義雄君

   総務副大臣        佐藤  勉君

   法務副大臣        河井 克行君

   外務副大臣        小野寺五典君

   財務副大臣        森山  裕君

   文部科学副大臣      池坊 保子君

   文部科学副大臣      松浪健四郎君

   厚生労働副大臣      西川 京子君

   農林水産副大臣      今村 雅弘君

   経済産業副大臣      新藤 義孝君

   国土交通副大臣      平井たくや君

   国土交通副大臣      松島みどり君

   環境副大臣        桜井 郁三君

   内閣府大臣政務官     加藤 勝信君

   総務大臣政務官      秋葉 賢也君

   総務大臣政務官      岡本 芳郎君

   法務大臣政務官      古川 禎久君

   文部科学大臣政務官    原田 令嗣君

   文部科学大臣政務官    保坂  武君

   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君

   経済産業大臣政務官    荻原 健司君

   防衛大臣政務官      寺田  稔君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  西山 正徳君

   政府参考人

   (国土交通省国土計画局長)            辻原 俊博君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  和泉 洋人君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事長)        小野 邦久君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月七日

 辞任         補欠選任

  臼井日出男君     亀井善太郎君

  尾身 幸次君     亀岡 偉民君

  大島 理森君     大塚 高司君

  小池百合子君     木挽  司君

  小坂 憲次君     谷垣 禎一君

  増原 義剛君     山口 俊一君

  三ッ矢憲生君     とかしきなおみ君

  笹木 竜三君     吉田  泉君

  細野 豪志君     神風 英男君

  赤松 正雄君     谷口 和史君

  江田 康幸君     斉藤 鉄夫君

  阿部 知子君     日森 文尋君

同日

 辞任         補欠選任

  大塚 高司君     平  将明君

  亀井善太郎君     薗浦健太郎君

  亀岡 偉民君     尾身 幸次君

  木挽  司君     小池百合子君

  谷垣 禎一君     福岡 資麿君

  とかしきなおみ君   三ッ矢憲生君

  山口 俊一君     増原 義剛君

  神風 英男君     細野 豪志君

  吉田  泉君     三谷 光男君

  斉藤 鉄夫君     江田 康幸君

  谷口 和史君     赤羽 一嘉君

  日森 文尋君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  薗浦健太郎君     臼井日出男君

  平  将明君     牧原 秀樹君

  福岡 資麿君     小坂 憲次君

  三谷 光男君     笹木 竜三君

  赤羽 一嘉君     赤松 正雄君

同日

 辞任         補欠選任

  牧原 秀樹君     大島 理森君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十年度一般会計予算

 平成二十年度特別会計予算

 平成二十年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

逢沢委員長 これより会議を開きます。

 平成二十年度一般会計予算、平成二十年度特別会計予算、平成二十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省健康局長西山正徳君、国土交通省国土計画局長辻原俊博君、国土交通省道路局長宮田年耕君、国土交通省住宅局長和泉洋人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷垣禎一君。

谷垣委員 自民党の谷垣禎一でございます。よろしくお願いいたします。

 きのう、原油高対策等を含みました補正予算が国会で成立いたしました。ねじれ国会でございますから、衆議院では可決されましたけれども、参議院では否決、しかし、憲法六十条の規定によって、両院協議会を開いた上で衆議院の議決が国会の議決となるということになって、この補正予算がうまくきいてくることを我々期待しているわけですが、きょうからは平成二十年度予算の審議に入るということで、私も張り切って、きょうは総理初め関係閣僚に質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 まず、福田総理が御就任になったのは昨年の九月二十六日でしたか、それから四カ月ちょっとたったわけでございますが、参議院選挙の敗北を私ども受けまして、いわゆるねじれ国会、大変厳しい状況でございました。そういう中で、この間の臨時国会、正月をまたいでの国会と、異例の国会でございましたが、新テロ特措法を総理のリーダーシップで成立させることができたわけでございます。

 それから、そのほかにも、政府提案の、内閣提出の法案はいろいろ民主党との御協議等々も踏まえまして成立させることができたわけですが、特にC型肝炎の問題につきましては、昨年十二月二十三日でしたか、総理の御決断でというか、総裁の御決断と言うべきかもしれません、議員立法で問題の解決を図りたいという大きな政治的決断がございまして、それを受けて、自民、公明、与党のみならず民主党等々の御協力も得て、長い間の問題でしたが解決の道筋をつけることができた、これは大きな結果だったなと思っております。

 それから、外交関係につきましても、十一月には、総理、訪米される、それから東アジア首脳会議、それから十二月の末には中国を訪問される。共鳴外交あるいは平和協力国家日本ということを総理は主張しておられますが、その実現のために大変努力をされてこられたわけでございます。

 そして、きのう、ねじれの中で補正予算を成立させたということでございますが、なかなか、ねじれというのは、この数カ月の推移を見ましても簡単なことではございません。

 総理は、施政方針演説の中で、秋田の老農の石川理紀之助氏の言葉を引用されまして、「井戸を掘るなら、水が湧くまで掘れ」、それから、何よりも得がたいのは信頼であると。国民と政治の、こういういろいろな問題がありますときに、国民の信頼を確保しながら結果を出していこうと。粘り強く努力をしてこられたということだろうと思います。いかにも福田総理らしい言葉を引用されたなと思っている次第でございますが、とにかく、衆参ねじれという極めて困難な状況の中では、総理が引かれた、結果を出すまでとにかく頑張ろうという石川理紀之助の精神は、極めて大事だと思います。

 それで、これから平成二十年度予算の審議に入っていくわけですが、こういう精神で平成二十年度予算、それから歳入法案の年度内成立に対して頑張っていくという総理の決意をまず伺いたいと思っております。

福田内閣総理大臣 いよいよ本予算の審議が始まるということでございまして、私どもも、日本の経済、そして国民生活といったようなことを考えたときに、予算をきちんと、そして切れ目なく実行できるような状況の中で成立をさせていただくということが極めて大事だというふうに思っておるわけでございますけれども、今の御指摘のとおり、大変難しい国会状況にある、こういうことでございます。私も、こういうような状況というものは総理・総裁をお引き受けするときには覚悟してお引き受けをいたしたのでありますけれども、しかし、実際にその場に立ってみますと、本当に難しい事態だなというように思っております。

 しかしながら、お話ございましたとおり、法案も、与野党間の合意によってできたものもたくさんあるわけでございまして、やはり、やれば何とかなるところもあるなという期待も持ちながら、今、この職務に専念させていただいておるということでございます。

 本予算につきましては、まさに国民生活にとって極めて大事な部分でございまして、この予算がどうなるかということについて、私も全力を挙げて成立のために努力をしてまいりたいと思いますけれども、これは与野党の皆様方の御理解と御協力なければなし得ないことだというように思っております。そういう意味において、私どもも十分な説明ができるように頑張ってまいりたいと思いますので、どうか皆様方にも御協力をぜひよろしくお願いしたいと思っておるところでございます。

谷垣委員 ねじれというのは大変困難な状況でございますけれども、世界を見てみますと、何も日本だけの状況ではないんですね。アメリカでもそういうことはしょっちゅうあって、結局、このねじれを乗り越える知恵が出たところは安定して発展していくけれども、その知恵が出せないところは、政治が国民生活の足を引っ張るということもあったんだろうと思うんですね。我々は、国会で激しく与野党議論するのは当然でございますが、同時に、そのねじれを乗り越えていく知恵というのも、与野党両方汗をかいて探っていかなきゃいけないんじゃないかなと私は思っているわけなんです。

 アメリカでも、今、ああいう選挙の最中で、きのうはスーパーチューズデーと。民主党の方はまだ互角の、熾烈な戦いのようでございますが、共和党の方は大体、マケインさんが少し抜け出したのかなという気がいたしますが、こういう選挙の状況の中でも、アメリカの大統領、ブッシュさん、この間、一月の二十八日でしたか、議会で一般教書演説をなさいました。その中で言っておられることが、選挙の年なんだが、共和党と民主党が選挙で競争しながら、同時に、結果を出すために協力できることをアメリカ国民に示そう、こういう演説をされているんですね。

 日本においても、この間、一月三十日でしたか、衆参両院議長の裁定が出まして、年度内に予算や歳入関係の法案については一定の結論を出そうというお裁きをいただいたところでございます。これは、衆参両院議長がそろって裁定をされるというのも久しくなかったことでございますが、こういう異例のことが行われたということも、やはり、このねじれの中で国民生活に不測の影響を与えてはいけないという衆参両院議長の危機感があらわれての御裁定だったのではないかと私は思っているわけです。

 アメリカでも、あのブッシュさん、そういうことを言っておられます。こういう、知恵を出していこうということで、与野党がアメリカと同じような考え方で協力していく必要があると思うんですが、この辺について総理のお考えを伺いたいと思います。

福田内閣総理大臣 御指摘のとおり、先般のブッシュ大統領の教書におきまして、結果を出すために協力できることをアメリカ国民に示そう、こういうふうに述べているわけですね。

 アメリカの政治制度と日本の政治制度は違います。大統領それから議院内閣制、そういうふうなことがありまして、アメリカの大統領というのは総理大臣よりははるかに権限を持っている、議会に対して力を持っているというように考えておりますけれども。ですから、アメリカと全く同じようになるということではありません。しかし、ブッシュ大統領がおっしゃっているように、結果を出すということ、国民のために結果を出していくということ、この一点についてはアメリカも日本も変わらないというように思っております。

 ですから、そういう意味において、私どもも結果を出すために国会においていかに努力していくかということは、これは与党だけでない、野党にも問われていることだというように思います。そういう意味において、先般、両院議長の御裁定によって審議が正常化したということでございます。議長の裁定は大変重いものだというように思っております。これは私どもは大事にしていかなければいけない。あの裁定によって私は国会が守られたんだというように思っておりますので、大変重いものだというふうに思っておりますので、そういう趣旨にもとることのないように我々としても努力をしていかなければいけない、また野党の皆さんにも御協力をいただきたいと思って、重ねて申し上げる次第でございます。

谷垣委員 日本は日本の制度のもとで日本流の知恵を発揮していかなきゃいかぬということだろうと思います。

 そこで、ちょっと話題をかえますが、昨今、連日報道の上で大きく扱われておりますのが、中国製のギョーザに農薬が入って大勢の方が中毒になられたという事件でございます。この原因については今調査あるいは捜査が行われているところでございますけれども、これは、食品製造過程の中で何らかの不備があってこういう結果が生じたのか、あるいは何者かが故意によって、あえて言えば、あるいは犯罪なのかというあたりもまだ十分解明されていないということでございます。

 我が党も、早速これに対する対策本部を立ち上げまして、一月三十日でしたか、総理のもとに七項目の提案をつくりまして申し入れをさせていただいたところでございます。

 これにつきまして、今どういうことを政府として取り組んでおられるのか。国民の安心、安全に関することでございますし、全力で政治が当たっているということで国民の不安を取り除いていかなければならないわけでございますが、今の取り組み状況、これは国民生活担当大臣、岸田大臣が御担当でございますので、岸田大臣に今の状況をお話しいただきたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘の中国製冷凍食品の薬物中毒事案につきましては、国民の中に深刻な健康被害をもたらし、また、食に対する大変大きな不安を生じさせております。

 政府としましても、関係省庁挙げて一丸となって取り組んでいるところですが、この事案は、一月三十日にこの発生が政府に報告されて、翌日、一月三十一日に関係閣僚会議を開きまして、まずは被害の拡大防止に全力を挙げなければいけない、あわせて原因の究明に努めなければいけない、そしてその上で再発防止策を検討しなければいけない、この三点を申し合わせまして、その方針で対応を続けているところであります。

 二月の三日に中国からの調査団を受け入れ、二月の四日に日本から調査団を現地に派遣し、日中両国も協力しながら、意見交換、情報交換を行い、調査を進めているところであります。

 今後とも、被害の拡大防止に気を緩めることなく努力をし、そして何よりも原因究明に努めなければいけないと思っておりますが、加えまして、再発防止ということにおきまして、まずは、情報一元化の強化、あるいは緊急な事態に対する対応体制の確立、さらには水際の検疫体制の強化、このあたりを大きな柱としまして、再発防止につきましても具体的に検討しなければいけないということで、今、案をつくりつつあるところでございます。

 そういったことで、関係省庁挙げて一丸となってこの問題に取り組んでいる、これが現状でございます。

谷垣委員 懸命に取り組んでいただいているわけですが、この経緯を見ますと、昨年暮れに中毒事件が発生して官公庁に対する通報等々もあったわけですが、年末年始の休みということもあったのかなとは思いますけれども、若干、初動態勢といいますか、最初の立ち上がりが少しもたもたしていたという印象はやはりあると思うんです。このあたりをどう克服していくかというのは、今後の大きな課題だと思うんです。

 そこで、総理が年頭記者会見や所信表明演説でもおっしゃっておられますが、生活者や消費者に配慮した行政をこれから進めていきたいと。

 今の、事件が起こって官公庁にすぐ通報があったんだけれども、窓口がいろいろあったというようなこと、いろいろなことがあってそれが機動的な、敏速な立ち上がりとは必ずしも言えなかったというような点は、やはり消費者問題の取り組み等についても、総理が問題意識を持っておられるように、よく考えて何か対応していかなきゃならぬ問題があるということを表現していると思うんですね。

 総理がお考えになっている消費者に配慮した行政、この点について具体的にどのように取り組んでいかれるのか。私は、この消費者に目配りした行政を徹底してやっていくということによって、経済や何かの発展にも、日本は成熟した経済ですから、新たな展望が開けるのじゃないか、こんな気持ちも持っているわけでございまして、ぜひその点に対しての総理のお考えを承りたいと存じます。

福田内閣総理大臣 私は、かねてから考えておりましたことは、日本の政治、行政というものは、どうも生産者側の目で見ている、そういうような行政ではなかったのか、政治もそうだと思います。それは、やむを得ないことだったと思いますよ。

 戦後、何もないときからここまで復興してきたのは、やはり生産力強化ですよ。生産力を強化する中で国民生活も豊かになってくるということがあったわけでありますけれども、今からもう十年、二十年前から国民も豊かな生活が送れるようになってきた。そして、そういう中で生産力だけを強化、強調しなくても自分の力でやっていけるような生産体制というのができたわけですね。そして、社会も円熟化してきた。

 そういうような中で、これは今までと同じような生産者目線の行政、政治ということでない、国民一人一人が納得のできるような、そういう社会というものがあっていいのではないかというように思います。

 政治行政的に言っても、分権社会というふうに言っています。そして、その先には市民社会というものがあるわけでありますので、こういう行政、政治もそういう方向に転換をしていく必要性があるのではないか、それがおくれているかなというふうに考えておったところでありますけれども、そういう意味で、私は、この立場になりまして早速この問題に取り組ませていただいたということは、経過的にあるわけでございます。

 そういう意味で、私は、今回の薬害と申しますか、農薬とかそういうようなものによる中毒症状が発生したという非常に不幸なことが起こったわけでありますけれども、こういうことについての反省ということを申し上げれば、国民の方から見て、問題が起こったときに一体どこに通報したらいいのか。今回も、警察に通報したということで、そういう観点から取り組みが始まったというんですけれども、主管官庁たる厚生労働省に連絡が行ったのは、相当おくれてからだったということでございます。

 こういうような情報の共有というか、そういう体制が整っていないということもありますし、それはやはり、窓口がたくさんあって、厚生労働省も関係するし警察も関係するし、また、輸入食品ということであれば農林水産省というようなことも関係するし、いろいろな省庁が関係している、そして地方の行政組織も関係しているということで、その間、的確な対応ができないような、情報の分散したような状態ができて、政府として一丸となって取り組めるような体制がなかなかとれないのが現状だと思います。

 これはまさに国民の方々が迷うような体制だと思いますから、そういう体制はこの際一斉に改めた方がいいのではないかということでもって、末端における縦割りをもう国民に押しつけるということなく、国民から見て非常に使いやすい政府というものができていいのではないかということで、実は、ただいま岸田大臣からもお話がございましたけれども、国民目線の行政のあり方ということで、この総点検を今国民生活審議会において行っていただいておるというところでございます。

 そしてまた、それをさらに進めて、行政組織を、統一的、一元的に進めていくというための新組織をできるだけ早くつくりたい、こういうふうなことで、具体的な方針を、消費者行政推進会議というものを立ち上げまして、そこでその設置のための議論をしていただこうというように考えておるところでございます。

 この担当大臣には岸田国務大臣に消費者行政推進担当大臣ということでお願いをいたしたところでございますけれども、今後は、国民生活審議会で今議論をしておりますが、その議論も踏まえながら消費者行政推進会議において具体的な詰めをしていきたい、このように思って、最終的には、本当に国民から見て、あそこに連絡すればいいんだ、こういう種類の問題はあそこに連絡すれば解決するんだ、解決の道が開けるんだということがわかりやすい、わかるような、そういう形にしてまいりたいと思っておるところでございます。

谷垣委員 ありがとうございます。

 今総理がお話しになりましたように、国民と行政との距離を縮めるという意味合いもあると思いますし、これを議論していきますと、事柄は、単にそういう部門をつくるということだけではなくて、今ここまで進んできた日本の経済社会、市民社会に私はかなり大きな影響を与えていくものじゃないかと思います。広がりは相当大きなものだと思いますので、余り短期的な視野では読み切れないところがございます。ぜひ腰を据えてお取り組みをいただきたいと思っております。

 そこで次に、予算審議でございますから、今、経済の現状をどう見ていくかということがございます。

 これは大田大臣に伺いたいと思いますが、大田大臣のお話をずっと伺っておりますと、基本的に底がたいんだけれども、消費なんかはちょっと弱含みだし、また、建築確認等のおくれもあって、そういうところの低迷がある、また、サブプライムローンがおかしくなってからアメリカの実体経済も不安だし、そういうものが下振れリスクになっている、こういう御認識だと思うんですが、そういうことでよろしいですか。

大田国務大臣 谷垣先生おっしゃいましたように、経済の基調はしっかりしており、回復が続いていると見ておりますが、先行きの下振れリスクは高まっていると見ております。

 まず、足元の経済で弱い点が二つ。賃金が伸びないということを背景にして、消費が横ばいになっております。それから、改正建築基準法の影響がありまして、住宅投資が落ち込んでおります。

 それで、これから先のリスクとしましては、何よりアメリカ経済が減速しておりますので、これがどの程度まで進むのかということが一点です。二点目は、原油価格の高騰が日本では中小企業の収益の圧迫ですとか物価の値上がりになってきておりますので、この原油価格高騰がどこまで続くのかということがございます。三番目は、住宅投資の落ち込みがどこから回復していくのかということでございます。

 先行き十分に注意が必要で、よく見ていきたいと思います。

谷垣委員 この間、大臣の経済演説を拝聴しまして、大変大臣も気合いが入っておられたと思うんですが、ちょっと私、ある意味でひっかかりましたのは、日本経済はもはや一流と言えない、こういう御指摘をなさった、しかし一方、底がたいということも言っておられる。ここはやや解きがたいなぞもあるような気がするんですが、私は、やはり危機感を持って臨むということは必要だと思います。しかし同時に、日本は潜在的には相当いろいろなものを持っているんだろうというふうにも思っているわけです。

 サブプライムローンにしましても、これは幸か不幸かと言っていいかと思いますが、サブプライムローンがもうかるからといって世界の金融がみんなそっちに回っていったときに、日本はそこまで突っ込んでいく力がなかったということもあるのかもしれませんが、結果的には、傷は世界でも一番浅いところだろうと思います。それから原油価格も、これも余り言うと、あいつ、のうてんきだと言われて、少し深刻な顔をした方がいいのかもしれませんが、エネルギー効率というのは日本は世界でも一番高い国でもある。

 そういうようなこと、それから科学技術等も、この間、京都大学の万能細胞の発見など、潜在的なものがいろいろありまして、景気も気のものですから、我々は大いに底力もあるし元気もあるんだぞという側面も、私は、そっちばかり言っているとのうてんきと言われますが、やはりそういうところも強調していかなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。

 そこで、今、大田大臣が御指摘になりました消費が弱いということ。これを見ますと、確かに、底がたい中で、大きな企業は相当な業績を上げてきておられますので、私はやはり、所得分配率等春闘を通じて改善をして、それが消費に向かっていくことを期待しているわけでございますが、他方、パート労働者とか契約社員だとか派遣労働者、それからニート、フリーターと言われる方々、こういうところに相当不安の声もあり、こういうところの目配りをしっかりやっていかないと、丁寧な対応をしていかないと、今の消費の問題もなかなか解決しないところがあるんじゃないか。

 このあたり、今までも取り組んでこられたところですが、派遣労働なんかに関しても、ガイドラインを出されて、悪質なものをきちっと対応していこうというのは、これは労働界にも相当評価されていることじゃないかと思います。

 このあたりにつきまして、舛添厚生労働大臣、お取り組み、お考えを伺わせていただきたいと存じます。

舛添国務大臣 働き方の多様化ということで、フリーター的な働き方を望む方もおられます。しかし、今、谷垣委員がおっしゃったように、やはり、ニートとかフリーター、非正規の雇用がふえていることが、いろいろな不安の材料をこの世の中にまいていることは確かであります。

 そういう意味で、労働の安定ということで、具体的には、三十五万人の常用雇用化を目標とするフリーター常用雇用化プランということを今推進しておりますのと、平成二十年度予算で、地域若者サポートステーションというのを、これは今全国五十カ所しかありませんけれども、さらに二十七カ所ふやして七十七カ所にして、そこに駆け込んでくだされば、これはNPOなんかに実際やっていただくんですが、若者をサポートする。

 それから、いわゆるネットカフェ、こういうところで、泊まるところがない、ネットカフェはコンピューターを使うために行くところなんですけれども、そこで寝泊まりしている、こういう人への就職支援活動も今強めております。

 それから、今おっしゃったように、日雇い派遣なんかの労働派遣の問題、これはさまざまな問題が出てきておりますので、労働基準法を初め、きちんと法律に基づいて指揮監督していって労働者の権利を守っていく、こういうことでございます。

 それから、やはり職業能力を上げていかないといけないので、そういう訓練をやるということでジョブカード制度というようなものを入れまして、職業能力開発をやっていく。こういう施策を通じて今御指摘の問題に対応していきたいと思います。

 それから、法的には、改正雇用対策法に基づいて雇用機会を確保する。それから、改正パートタイム労働法で、これはできれば正社員に転換してもらう、こういう方向を目指していく。それから、最低賃金法とか労働契約法はさきの臨時国会で成立いたしましたので、やはり少し、労働法制というのはきちんと守るべきだよ、こういうことを経営者も社会的責任として自覚してもらいたい、そういうふうに思いますので、雇用の安定と労働者の権利を守る、そのために今後とも全力を挙げてまいりたいと思います。

谷垣委員 少しいろいろな不安感が出てきますと、外需に頼っているのはいけない、内需に頼れと。内需中心の経済をつくっていくというのはいろいろな方法があると思うので、これは複線的な思考でいかなきゃいけませんが、そういう中で雇用の問題を少し踏み込んでやっていくということが大きな効果になっていくんじゃないかと私は思っておりますので、今おっしゃった点、舛添さん、頑張っていただきたいな、このように思います。

 そこで、ちょっと国内の問題はそのぐらいにしまして、サブプライムローンとか原油価格の問題を大田大臣も指摘されました。それで、どちらの問題も金融的な側面が非常に強いわけですね。サブプライムローンはもちろんですけれども、原油の問題も結局、サブプライムローンに行っていたようなお金があるいは原油に行き、あるいは食品マーケットに行き、あるいは希少資源に向かっているというようなことがあって、それが物価にも反映しているところがある。

 こういう状況の中で、世界的に金融秩序も不安だということになりますと、財務大臣、九日からG7ですよね。今度G7は日本で行われますから、額賀大臣が議長を務められる。国際的にも、このG7でどういうことを打ち出していくのか、非常に注目されていると思います。

 これからやられる前にいろいろ手のうちを明かしにくいところもあるだろうと思うんですが、やはり注目しているG7だ、しかも、問題、テーマが、今のようなことが国際的な不安の背景にあるということになりますと、これは額賀大臣に頑張っていただかなきゃいけないということで、G7に向かわれる額賀さんの決意を伺わせていただきたいと思います。

額賀国務大臣 今谷垣委員がおっしゃったように、九日からG7が東京で行われまして、財務大臣それから中央銀行総裁が一堂に会するわけでありますから、世界の経済、金融界が不安定な状況になっておりますから、大変注目されていくものと思っております。

 谷垣財務大臣のとき、一度、シンガポールでG7が行われたとき、議長役を務められたことがあったと思いますけれども、そういう流れを踏まえて私もしっかりと対応して、サブプライム問題を中心とする金融不安の問題、こういうものが実体経済に、それぞれの国にどういう影響を与えているのか、あるいはまた、原油高等の問題あるいは穀物の問題等が国民生活や経済にどういう波及効果、波及しているのか、そういうことを率直に議論する必要があるというふうに思っております。

 それから、秋のワシントンでのG7の舞台で、金融問題、サブプライム問題について、これは価格設定の信頼性とか金融機関の危機管理の問題だとか格付の問題について問題提起をして、今分析調査をしておりますので、その報告をさせて、これもまたしっかりと議論をしていきたい。その中で、世界の金融市場の安定と世界経済の安定した形をつくっていくためにどういうメッセージを与えていくか、力強い、そういう安心感を与えるような形にしなければならない、そういう思いで率直に議論をしていきたいというふうに思っております。

谷垣委員 私も注目しておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 今そういう経済情勢でございますが、そういう中で平成二十年度予算をこれから審議していくわけでありますが、平成二十年度予算の特色は何かということを考えますと、二〇〇六年に基本方針二〇〇六というのをつくりました、それで、二〇一一年に、これだけ財政も赤字体質なんだけれども、その年いただいた税金でその年の政策を打てるようにしていこう、そのために歳出歳入両面の改革を進めていこう、これが基本方針二〇〇六で打ち出された方針ですね。ですから、それをまず着実に守ってやっていくということが一つの特徴だろうと思います。

 それからもう一つは、しかし、そうなんだけれども、成長力の強化であるとか、あるいは、随分地域も、シャッター通りとかいろいろなことを言われて疲弊している点もありますので、地域の活性化であるとか国民の安全、安心、治安とかいろいろなことがありますが、そういった問題をどうして確保していくかということに配慮して予算の重点化を行ったというのが二番目のポイントじゃないかと思うんですね。

 それで、こういう努力の結果、小泉内閣のときには国債発行額を三十兆に抑えようという目標で努力されて、最後にそれを達成したわけですが、来年度予算は国債発行額は二十五兆三千四百八十億円だということで、この国債発行という点に関しては、四年連続の減額を実現できたということだろうと思います。それで、現下の原油価格高騰とか国際経済の動向、あるいは国民生活、経済成長にもいろいろ目配りをした、バランスがとれたものになったのではないかと思うんです。

 ことしの予算を踏まえまして、この二〇〇六が決めているところは、さらに歳入歳出改革に取り組んでいけと。私は、それは必要だと思います。他方、相当胸突き八丁に来ていることも事実なんですね。社会保障予算なんかを毎年二千二百億削っていく、ことしも、この二十年度予算でもやりました。これは大変厳しい課題だろうと思いますが、こういう中で、財政健全化を着実に進めていくべきだと私は思います。

 そのあたり、総理に、これからの状況、ことしの予算の先の話も今含まれているわけですが、大変難しい状況でございますが、そのあたりの総理の大きな御方針といいますか、そういうものを伺わせていただきたいと存じます。

福田内閣総理大臣 我が国が極めて厳しい財政状況にあるということはもう御案内のとおりでございまして、その厳しい現状からさらに厳しくなる、そういう見通しもあります。それは、高齢化社会がさらに進展していくということによります。

 そういう中で、財政健全化という方針を継続して、そして、私どもとしては、この世代で将来世代にツケを回さないということ、これはもう極めて大事なことでございますので、そういうために努力をしていかなければいけないと思います。このために、今後とも、安定した成長を図るとともに、歳出歳入の一体改革を進めていくということが必要であります。

 具体的に申し上げますと、歳出全般にわたってこれまで行ってきた歳出の改革努力を決して緩めることはできません。そして、国、地方を通じまして、引き続き、基本方針二〇〇六、この方針にのっとって削減を行っていかなければいけないというように厳しく思っているところでございます。

 しかし、それでも今後対応し切れないということは、これは高齢化社会、社会保障等がますますふえていくというような増要因がある中で、また同時に、少子化対策という問題にも積極的に手をつけていかなければいけないという時期にありまして、負担増というのは避けられないというふうに思っております。

 ですから、そういう対策を行うために安定した財源を確保していくということはもう当然のことでございまして、そのことは将来の世代に負担のツケ回しをしないということなのでありまして、そのために、社会保障給付、そしてまた少子化対策に要する費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的な改革に取り組んでいかなければいけないというように考えております。

 そういうような取り組みを進めることによりまして、二〇一一年度には国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を図りたい、この考え方は変わっていないのであります。

谷垣委員 総理から、二〇一一年度に基礎的財政収支、その年いただいた税金でその年の政策を打っていく体質にしていこうという決意は変わらないという決意表明を伺いました。

 しかし、今総理は、歳出の無駄は徹底して排除していく、しかしそれだけではなかなかいかない面があるというふうにおっしゃいまして、税についての抜本改革の必要性についても言及されたところでございます。それで、平成二十年度の税制改正を見ますと、今総理がおっしゃった、税体系の抜本的改革に向けての橋渡し、ことしはそういうことかなと私は思っているわけでございます。

 そういう中で、地方の財政力格差も大分目立ってきましたので、法人事業税の一部を分離して、地方法人特別税それから地方法人特別譲与税というようなものをつくってこの財政力格差を埋めようとか、それから、経済活性化あるいは競争力強化という観点から、研究開発税制の充実、それから、中小企業の事業承継、もっとこれはやりやすくしていかなきゃいけないというような、これは相当大きな改革だと思いますが、そんなことをやりました。それから、さらには、環境問題や暮らしの安心、安全などに配慮して、住宅の省エネ改修促進税制とか、長期耐用住宅、総理のおっしゃっておられる二百年住宅ですね、こういった特例措置の創設等を講じたところでございます。

 その先、我が党も税制改正大綱をつくりまして、平成二十一年度の基礎年金国庫負担割合の引き上げに要する財源を初め、持続可能な社会保障制度とするために安定した財源を確保する必要がある、こういうふうにいたしまして、その上で、「新たな国民負担はすべて国民に還元するとの原則に立って、経済動向等に左右されにくい消費税をこれらの費用を賄う主要な財源として位置付けた上で、社会保障財源を充実することを検討する。」というふうに党の税制改正大綱にも書き加えたわけでございますが、これをやっていく上には、今総理もおっしゃった社会保障等々の関係、こういうものを十分に詰めていく必要があろうかと思います。

 そういう中で、総理も社会保障国民会議というのを提唱されて、スタートして、その議論をしていこうと。これはやはり、税制の骨格あるいは社会保障制度、特に年金の骨格というようなものは、我々は政権交代が起こっていいと思っているわけじゃありませんが、仮に起こった場合でも、そこが違うようでは困る、国民的な議論をしていかなければいけないということだろうと思います。

 この辺の今後の議論の進め方について、今度は財務大臣に伺いましょうか、財務大臣、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

額賀国務大臣 谷垣委員がおっしゃるように、我々は、今度の予算の最大の眼目は、一つは、やはり日本の経済を安定的な回復軌道に乗せる、そのためには成長をきちっとしていく、その一方では財政再建をしていかなければならない、そして、地方と都市の格差の問題等々に取り組む、そういう基本的な考え方でやらせていただいているわけでありますけれども、そういう中で、社会保障制度を充実させて、国民の皆さん方に、高齢者の皆さん方には将来の生活に安心をしてもらう、そして、若い人たちにもやはり希望を持ってもらわなければならない、そのために社会保障の負担と給付をしっかりとしていかなければならないということだと思っております。

 そのためには、やはり国民の理解と納得を得る形をつくっていかなければならないわけであります。当面は、今谷垣委員がおっしゃるように、二〇〇九年には年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げていく、二兆数千億円のお金が要る、その財源をどうしていくのかということ等を初め、社会保障制度を充実させるために、これから本格的な議論をして、消費税を含めた税制全体の抜本的な改革を図っていかなければならない。

 そのために、福田総理は国民会議を先般発足させたわけであります。各界各層の学識経験者あるいはまた社会保障に携わる方々、そういう方々がお集まりになって、その実際問題の形をどういうふうにつくり上げていくのか、社会保障制度の問題はどこにあるのか、そしてそれを解決していくためにはどうしたらいいのか、負担と給付をどういうふうにしていったらいいのか、そういう議論が今始まったところであります。

 私は、この問題については、谷垣委員がおっしゃるように、これは政治が解決していかなければならない問題でありますから、与党だけではなくて、民主党を初め野党の皆さんと共通の土俵の上に立って議論をして、しっかりとこれから二十一世紀の社会保障制度のあり方を国民に提示して、政治の責任を果たしていくことが最も大事なことであろうというふうに思っておりますので、そういう舞台を国会の場でもぜひつくっていただいて、御議論をいただければありがたいというふうに思っております。

谷垣委員 額賀大臣、ぜひ気迫を持って臨んでいただきたいと思っております。

 それから、ことしの予算の一つの特徴は、地方再生の取り組みについて相当力を入れたということではないかと思います。福田政権発足後、直ちに地域活性化に関係する内閣の組織を統合して、十一月末には、総理御自身が本部長になられまして地域活性化統合本部をつくられた、そこで地方再生戦略を取りまとめられまして、地方再生に向けた取り組みを矢継ぎ早に展開してきたことは、これは高く評価できることじゃないかと思います。

 この戦略では、地方と都市がともに支え合う共生という考え方に立って、豊かで持続的に発展する地域社会に向けた取り組みを長期にわたって続けていこう、こういう福田内閣の地方再生の基本ビジョンが明確にうたわれていると思うんですね。

 しかし、問題は、この地方再生戦略をどのように実行に移していくかということではないかと思います。自治体の財政状況は、国がいろいろなプランを用意しても、これを活用したいと思っても、必ずしも、国の補助金の裏負担ができないというようなところも出てきているわけでございますので、それをどう解消していくかというのは、まず、この地方再生のときに考えなければいけないことではないかと思います。

 ここで、活性化を担う自治体の税財政能力を強化しなければならないということで今年度はいろいろ取り組んできたわけですが、その意義について、総務大臣にお伺いしたいと存じます。

増田国務大臣 今委員からお話ございましたとおり、地域間格差の問題、地方財政をきちんと安定的なものにしなければいけない。特に、その場合には、地域の活力そのものを高めていくための、そうしたいろいろ創意工夫をされるそのためのお金が各自治体になければならない、こういうふうに思っているわけでございますが、交付税が大変抑制されているものですから、どうも自治体にそういう余裕がない、こういうのが今の実情でございます。

 そこで、来年度は、地方と都市の共生という考え方のもとに、地財計画の中に歳出の特別枠というものをつくりました。これは地方再生対策費ということで四千億でございますけれども、こういう枠を新たにつくりまして、そして、これを地方交付税として、市町村、特に財政状況の厳しい地域に重点的に配分をしていろいろと創意工夫をしていただく、こういうことを行ったわけでございます。

 ところが、財源をどこから生み出すかということがございまして、これは大変苦労いたしましたけれども、こういった地方財政、今、法人二税のウエートが地方税収の中で四分の一ほどございます。この法人税収といいますのは、景気に随分左右されますし、大都市と地方で都市に非常に偏在しているということがございますので、法人事業税の偏在是正に取り組みました。法人事業税の一部、約二・六兆ほどでございますが、これを分離して、地方法人特別税というものを創設いたしまして、この地方法人特別税を譲与税として地方の方に譲与する。人口と従業者数を基準として都道府県に譲与するということで、東京とそれから一番少ないところと、人口当たりで六倍ぐらい偏在度が高かったものですから、こういう形でその偏在度を薄めて、そして、これを財源として、先ほど言いました地方再生対策費として地方の方の、特に市町村の安定財源を確保する、こういうことにしたわけでございます。

 この安定財源を活用いたしまして、先ほど委員の方からお話ございました地方再生戦略というのを取りまとめましたので、ここで創意工夫を凝らしていただいて、私どもは、メニューを押しつけるということではなくて、自治体の創意工夫に沿った形で事業を実施していく、それを各省で縦割りの弊害を除去して後押しをしていこうということでございますので、ぜひ、いい、自主的な創意工夫にあふれた事業を応援していきたい、このように考えております。

谷垣委員 今大臣が説明された制度は一部に誤解もありまして、地方税に移したものをもう一回国税に戻して、むしろ地方分権に逆行するんだなんという批判もあるんですが、決してそういうものではないということは我々もよく説明していかなきゃいかぬと思うんですね。

 そういう中で、これは暫定的な制度というか過渡期の制度という面がございますから、今後さらに、これをきちっと永続的な制度にしていくためにはどういうふうにしていくかという、これからのまた努力が必要だと思います。ぜひ、総務大臣、これは力を入れてお取り組みいただきたいと思います。

 地方再生というのは非常に幅広いテーマでございますので、まだまだこれは議論しなければならないことがたくさんございますけれども、次の山口俊一さんがこの問題を取り上げてくださいますので、地方再生についてはこのぐらいにさせていただきまして、道路特定財源の問題に移りたいと思うんですが、その前に私、一言、日切れという問題を申し上げておきたいと思うんです。

 日切れというのはいわば政界の術語でございまして、テレビをごらんの方、日切れって何だとお思いかもしれません。日切れというのは、三月三十一日、つまり、三月三十一日から四月一日で年度がかわるわけですが、そのときに成立しないと期限が切れてしまって不都合が起こる法律のことを、業界用語なんですが、日切れ法案というふうに呼んでいるわけですね。

 それで、毎年毎年この日切れ法案というのは幾つかあるわけでございまして、これが通らないとどういう問題が生ずるかということをちょっと申し上げたいと思うんです。

 まず税の関係でいいますと、これはまさに今国会の論点の最大なものでございますが、揮発油とかそういうものに、道路をつくることが必要だというので税をいただいているわけですが、本則のさらに上乗せして倍ぐらいの税金をいただいている。これが切れるわけですね、ほっておきますと。そうしますと、二・六兆円の大幅な減収となる。地方においては、交付金も含めますと一・六兆円財源がなくなってしまいますので、これは各地方の生活を支える道路の維持や建設が困難となってくる。これはまた後ほどよく申し上げます。

 それから、マイホームなど土地の売買を行った場合の登記に係る税負担が大きく変わる、ふえてしまう。

 それから、自動車取得税の免税点特例、これが五十万円ですが、これが失効して十五万円以上の中古車が課税対象となるとか。

 あるいは、ちょっと難しい言葉でございますが、東京オフショア市場というのがございます。海外のお金を海外で使うわけですが、それを、日本の金融機関、日本のマーケットを通して、そういう海外のお金、海外に行くのを使おうというマーケットでございますが、これは非課税措置になっているんですが、この非課税措置がなくなっちゃいますと、東京のこのマーケットが全く機能しなくなってしまうということがございます。

 それから、関税の関係で申しますと、例えば、輸入牛肉等の軽減税率が失効して、ステーキ百グラム当たり十円ぐらい税金がふえてしまうということもございます。それから、そういう関税が、化粧品、洗剤、衣服、こういう必需品でも軽減税率がかかっておりますので上昇するとか、食品についても同じような現象が生じてくるということがございます。

 それからもう一つ、特例公債法というのがございまして、これはどういう法律かといいますと、結局、我が国の財政は、八十三兆の予算でございますが、全部税金で賄えませんので、借金をしながらやっている。そのうち二十兆は特例公債という、いわゆる全くの赤字国債でございます。これを発行するためには毎年毎年法律をつくるわけですが、これが四月にできておりませんと、予算のための借り入れができなくなっちゃうということは、八十三兆の予算の四分の一ぐらいがどうしたらいいかわからなくなってしまうということになりますと、金融市場が混乱するとか、それだけにとどまらない、いろいろな問題が生じてくるということがありまして、国民生活にさまざまな混乱が生じてくるということだろうと思います。

 そこで、今まではどういうふうにしてきたかというと、この日切れ法案については、年度末に与野党できちっと議論をして、さっと通そう、必ず通そうということをやってきまして、相当政争の激しいときでもこれはできたんですね。

 私ども野党になっておりましたときがございました。いわゆる細川政権でございますが、この細川政権で、我々は野党で相当細川さんにかみついたという記憶がございますけれども、そのときでも、日切れ法案は、国民生活に混乱を起こしちゃいけないということで、我々協力して、国民生活を安定させるために、当時の私ども野党といえども協力をしたということがございます。このねじれの中でそのことをどう考えていくかということが、実は、ことしの国会の潜在的な大テーマであろうと私は思っております。

 それで、その背景に何があるかといいますと、結局、予算が通らないと国民生活に物すごく大きな影響が生ずるということで、参議院と衆議院が議論が違っていましても、参議院が否決すれば、両院協議会を開いて衆議院の議決が国会の議決にそのままなる、衆議院が参議院に送っても、三十日間参議院が結論を出さなければ、否決したとみなして、衆議院の議決で予算が成立するという制度がございます。

 これは、国民生活を混乱させちゃいけないということから、そういう衆議院の優越をきちっと定めてあるわけでございますが、しかし、予算というのは、結局、税が入ってきませんと執行できない。ところが、税は法律でございますから、法律に関しては予算ほどの衆議院の優越は認められていないんですね。

 ですから、それも、いろいろ手は、六十日ルールとか細かなことは申しませんが、手はあるんですが、そこにやはり憲法上の問題が私はあると思います。

 予算と、予算の前提となる歳入法案、つまり税法、これは一体として考えるべきではないかと思うんですが、どうも憲法はそうなっていないというところに、憲法の議論というと九条論が盛んでございますが、単に九条論にとどまらない、この両院制、その中において、こういう国民生活に一番基本的なものをどうしていくかというのは、実は、憲法を考えるときの最大の論点でもあろうかと私は思っております。

 今国会で問われているのは、そういう憲法上の問題。必ずしも憲法起草者はそこを十分に考えていなかったのかもしれません。だからといって、我々は、国民生活に混乱を招いていいわけではありませんので、それを超える知恵を出していかなきゃならない。それが、先ほど総理にも御質問いたしました、両院議長の決意、危機感のあらわれが、年度内に一定の結論を出すということだったのではないか。そして、そういう経験はやはり諸外国も味わいながら、日本と外国は制度が違いますけれども、選挙の年でも国民にちゃんと結果を出そうじゃないかというブッシュ大統領の呼びかけになっているんじゃないか。こういうことを我々はもう一回想起してこの国会に臨みたい、御答弁は求めませんけれども、このことが非常に今国会の大事な論点なんだということを改めて申し上げたい、このように思います。

 そこで、道路特定財源の話に移りたい、このように思うわけですが、政府は、政府・与党一体で、真に必要な道路を着実につくっていくためには、平成二十年度以降十年間、暫定税率による上乗せ分を含めて現行の税率水準の維持を決定したということでございます。

 これはどういうことかといえば、先ほど申し上げたように、道路は必要だ、そのために、道路を利用している方、あるいはガソリンとか自動車とかいうものに税金をかけて、それで道路をつくっていこうということでずっとやってきました。そして、それが余り無制限に膨らまないように、五年ごとにチェックしている。したがって、今、本則よりも倍ぐらいの税金をいただいて道路をつくっているわけですが、五年ごとにチェックするために、それは暫定だ、五年ごとに見直そうということでずっとやってきたわけですね。

 それで、今後高齢化も進んでいくし、今後十年ぐらいの間に必要な道路をつくり切っていくということがやはり要るんじゃないか、そういうことから先ほどのような決定をさせていただいたわけでございますが、これにはいろいろな議論がございます。

 実は、悪意の議論は、与党の中には、道路のこういう特定の財源があるということを利権として、これを確保するために、必要でもない不必要な道路をどんどんつくっていくんだと。だから、道路公団が民営化したときには九千三百四十二キロだったはずが、いつの間にか一万四千キロつくろうとしているとか、五十九兆を道路のためだけに使おうとかというような批判もあるわけです。

 だけれども、私は、この問題は道路だけから考えてはいけないんだと思っております。三つ考えなきゃいけない。

 一つは、本当にこの道路が必要なのか、必要な道路なのかどうかということですね。これが一つ。それから二番目は、地方財政というものがもつのかどうかという議論がやはりあると思います。それから三つ目は、これを言うと笑う人もあるんですが、要するに、ガソリン等々に高い税金をかけてガソリンの消費を抑制して、そして、でき得べくんばそのエネルギーを省エネとか新しい環境技術に向けていこうじゃないか、こういうことがございます。

 それで、日本では、環境税というと環境のために使わなければいけないというような議論が盛んでございますが、OECDで見ますと、石油、ガソリンに高い税金をかけて石油消費を抑え込んでいくというのが、どちらかといえば環境税の定義でございまして、OECDの統計の中では、日本のガソリン税、揮発油税等々の暫定税率を含めて日本はこれだけの環境税を取っているということになっているわけですね。このことが余り日本では理解されていないんじゃないか。だから、これを廃止すると、OECDの統計上では、何だ、日本ではこれだけ環境を議論をしているときに環境税を下げていくのかという議論にもなりかねないという、複眼的にこの問題は見ていかなければわからないんじゃないかと思うんです。

 そこで、第一段目の、何でそんなに道路をつくり続ける必要があるのかという問題でございます。

 これは、一つパネルをつくってまいりまして、この図を見ていただきますと、青く塗ってあるところが、先ほど申しました九千キロの話、それから赤まで含めますと一万四千キロの話なんですね。これは、一万四千キロ、全部つくると決めたわけじゃありません。ネットワークをつくるためにはこれが必要なんじゃないかということで、これから見直しもしながら議論していこうということでございます。

 この図を見ていただくとおわかりだと思いますが、赤いところを抜いてしまいますと分断されちゃうんですね。例えば、島根とか鳥取とかいうところはなくなってしまいます。率直に言いますと、私の地元でございます京都府の北部から兵庫県の北部、鳥取に至るところは線も引いていないというところがあって、おまえ、一体何をやっているんだと選挙区では言われるわけでございますが、とにかく赤いところを抜いてしまうと、道路というのはやはりつながらなければ意味がないと私は思うんですね。

 新幹線に例をとりましても、鹿児島新幹線というのは、熊本から鹿児島まで今通っていますけれども、博多には結ばれていない。あれはどう考えても、博多―熊本間が開通しなければあの新幹線は十分機能を発揮しないし、投資も中途半端なんだろうと思います。

 そこで、これを見ていただければ、そんな無駄なことを考えているわけじゃないというのは大体わかると思うんです。要するに、一体どういう道路が必要で、五十九兆というお金は何に使うのかというあたりを、わかりやすく冬柴大臣からお話をいただきたいと存じます。

冬柴国務大臣 非常にわかりやすい図面を出していただきました。青と赤で合計すれば一万四千ですけれども、現在供用されている部分、完成した部分は全体の六七%、今年度末で。すなわち、三三%がまだ整備中かあるいはまだ未着手というような状況にあるのがこれでございます。

 したがいまして、青に塗ってあるから全部開通しているわけではございません。例えば、宮崎のところ、九州を見てもらえるとわかりますけれども、ここを青に塗ってありますけれども、これは工事中でございまして、赤色のところは新直轄とか直轄ということで一生懸命やっておりますけれども、谷垣委員がおっしゃっていただいたように、ここで赤を全部抜いてしまえば、道路のネットワーク、国際競争力を強化するとか地方の活性化とか考えたときに、これはとてもじゃないけれどもできないということがおわかりいただけると思います。

 したがって、それじゃ十年たったらどうなるのか、十年はなぜ決めたのか。

 例えば、この道路をつくるためには長い年月がかかりますし、巨額の資金がかかります。今月の二十三日に、第二名神と言っていいか新名神と言っていいかわかりませんが、新名神と言いましょう、それの亀山ジャンクションというところから大津ジャンクションまでの四十九・七キロ、約五十キロ弱が晴れて開業することになりました。

 ただ、これは全体から見ますと、新名神は愛知県の名古屋市から兵庫県の神戸まで七つの府県をまたいで幹線道路としてつくるわけで、百十七キロあります。そのうちの五十キロが開通するわけでございますが、では、これに要した年月はどれぐらいかかったかといいますと、平成五年の十二月に着工しましてことしの二月に完成するわけですから、満十四年と何カ月という長年月を要しているわけでございますし、それに資金は幾らかかったかといいますと、概算ですけれども、四千六百五十二億円かかる予定でございます。

 では、その残りはどうなるのかといいますと、亀山から四日市北、菰野といいますけれども、そこまでとか、それから高槻から神戸市まで、四十キロありますが、こういうものは今やっておりますけれども、でき上がる、供用予定日は平成三十年でございまして、今から十年かかるわけです。これにはやはり大きなお金がかかります。

 私は、なぜ十年必要かと言われますと、道路整備というのは、安定的な財源を獲得して計画的に進めていかないと、土地だけ買収して、そこでもうお金がないからやめというわけにはいかないわけです。

 したがいまして、十年たてば、私は、この赤色のところも全部できますというようなことを胸を張ってはもちろん言いません。これにはいろいろな手続があります。国幹会議の議を経なければならない部分もありますし、また、毎年の予算の査定があります。しかしながら、姿が見える程度はきちっとしなければ、道路である以上、例えば日本海沿岸を見ていただいたらわかりますけれども、ちょぼちょぼ赤と青が入りまじっています。青も開通していないところはたくさんあるわけです。したがいまして、そういうところをやはり一直線に走れてこそ、青森から新潟までの日本海沿岸東北自動車道というふうに、もうこれは昭和六十二年に決定しているわけですね、閣議決定している。そういうものが走れないんですね、この状態では。

 私は、そういうことを考えれば、この十年間で、そしてそれの所要の経費を、いろいろしますけれども、かかるものは、今五十九兆ということを言っておりますが、そういうことをお願いしているわけで、それをドライバーの方に御理解いただきたい。

 ただ、幹線自動車道だけじゃないですよ、これは。もっと大きい部分は、生活道であるとか、慢性的な渋滞、東京都なんか、六百七十三カ所も踏切があるんですね。パリの十四カ所、ロンドンの十カ所と比べて、とてつもない数の踏切がありまして、慢性的に渋滞していますよ。私どもは、これを何とか、全部できないにしても、早く連続立体交差をしてこの渋滞を解消するということ、これはドライバーにとっても大きな利益であります。

 危ない通学路もあります。四万四千キロもあります。これは歩車道の区別がないんです。毎日四十人以上の子供が通学している道路で、四万四千キロが歩車道の区別がない。こういうものは解消しなきゃならないというのは、国民のひとしい熱望ではないかと私は思います。

 そういうものに裏づけされまして、私は、道路中期計画をつくるために、去年の四月から七月までの四カ月かけて多くの国民の御意見を伺いました。十万一千人を超える国民から御意見をいただきました。また、千八百七十四人の首長さんすべての方からも御意見をちょうだいしました。そして、学識経験者からも、二千百人を超える方からもいただきました。

 その中には、高速道路も必要だけれども、今申しましたように、病院へ六十分以内に通るための道はきちっと整備すべきだとか、渋滞は解消してほしいとか、いろいろな、十六にわたる、分類できる要望がありました。そういうものを逐一まとめたのがこの中期計画なのでございます。

 したがって、確かに、ガソリンが高騰しているこの中で、リッターで二十四円三十銭も上乗せされているということについて、ドライバーの方はみんな知っていらっしゃいますし、これを安くしてほしい、このお気持ちはわかります。当然だと思います。

 けれども、これは国家百年なんですね。本当に国家百年の計で、国際競争力を強化し、そしてまた、地方は今経済が低迷しています。これを活性化するためには、道路ができれば工場が来るんです、間違いなく。そういうことを考えたときに、これはぜひ御理解をいただいて、そして国家百年の計、これをしていただきたい。

 それで、道路の橋梁がありますね。こういうものも、あと二十年たちますと五十数%が命数を迎えるわけです。こういうものに対する手入れの費用というものも物すごい巨額なものになります。

 したがって、残された今からの十年、本格的な人口減少社会を迎えるこの十年の間に、我々としては、できるだけの、国家の骨格ですから、これをつくりたいというのが私どもの思いでございまして、ただ、一万四千キロ全部つくるのかと言われたら、これはそのときの予算と、そしてまた国幹会議の議を経て厳しく査定をしながら、真に必要なものをつくっていく、そういう趣旨でございます。

 以上でございます。

谷垣委員 今、冬柴大臣から、高速道路に類したものばかりではなく、生活に関連したものもたくさんあるんだというお話もいただきました。

 私、陳情をいただいたことで一つ、この席で冬柴大臣にもお願いしたいことがございますが、障害者の団体の方が私のところに見えまして、例えば東京なんかでも、車いすで十分に通れない歩道がまだたくさんある、こういう御陳情をいただきました。いろいろな世界の都市へ行ってみますと、本当に先進国はそういう道路も、ちゃんと歩道もできていると思うんです。発展途上国なんかでは、都市は発展しているけれども、歩道を見ると、とても車いすで通れないなというようなところがございますね。

 実は私、その障害者の団体の方で、車いすの方も、それから目の見えない方もいらっしゃったので、伺ったんです。しかし、狭い歩道で、目の見えない方が白いつえで探られるブロックがありますね、ああいうものがありますと車いすは非常に走りにくくないですかと聞きましたら、その目の見えない方が、いや、それはそういうことはあるかもしれませんが、お互いにそこは譲り合って、何とか障害者全体でよくなるように、我々、若干そこは、確かに違うんですと。それを全部満足させるようにしてくれというと、なかなかそれはできないだろうから、我々はとにかく車いすで通れる歩道を少しでも広げてほしいと。

 これは、道路財源を使っております中では、駅のバリアフリーの問題なんかもあると思うんです。これもまだ、できているのは本当に乗降客の多いところだけですからね。

 道路特定財源というのは、やゆされて、人っ子一人通っていない、クマとかシカが通っている道だなんて言いますけれども、決してそんな話じゃなくて、今のような話もたくさんあるということを、もう当然御存じだと思いますが、御答弁は要りませんけれども、よくまた取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。

冬柴国務大臣 済みません、先ほど、誤解を受けたらいかぬと思いますので。

 第二名神のことについて費用を申しましたけれども、これは道路会社がつくる部分でございますので、四千六百五十二億円の中には含まれません。しかし、道路というのはそういう大きな資源、そして長年月が要るということを申し上げたかったわけでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

谷垣委員 そこでもう一つ、先ほど申し上げました、暫定税率が廃止された場合の地方の財政への影響という点を伺いたいんです。

 それで、これは道路特定財源、暫定税率のうち地方に行っているのは九千億ですけれども、国に入っている分から地方に回している分がございますね。臨時交付金というのがございまして、それが七千億。だから、合計しますと一兆六千億地方財源がなくなるということでございます。これが一体何を意味するのかということ、このことを総務大臣にわかりやすくお話しいただきたいと存じます。

増田国務大臣 今委員からお話がございましたとおり、九千億がまずなくなる。これは二・一兆の中の九千億ですから、大変比重は大きいわけですね、それが一つ。それから交付金七千億で、合わせて一兆六千億、こういうことであります。実は、そのほかに国から来る支出金というものがあって、これも八千億あって、そちらも多分影響を受けるんだろうと思いますが、それにしても、今言いましただけで一兆六千億。

 実は、国の場合ですと道路財源がどうも余っている、ではその分を一般財源化しようとか、こういう議論があるんですが、地方財政の場合には、道路に充てているのは道路財源だけでは足りなくて、そのほかに一般財源も充てている。それから、借金をしてお金を工面して、それで全体の資金を確保している。借金をするということは、当然毎年毎年決まった額をお返ししていかなければならない、こういう構成になっています。

 地方の道路特定財源で充てている部分はわずか二一%ですから、それ以外にもいろいろ判断をして、一般財源を充てて地方の道路を整備している、こういう状況でございます。

 したがいまして、暫定税率分をなくしますと、地方財政に当然穴があくわけで、どこかでそれを埋め合わせしなくちゃいけない。しかし、維持補修費など、これは多分削れないと思います。もう新しくつくるのやめよう、もう一切やめよう、こういうことをしても、やはり決まった額は維持補修費で出さなければいけない。

 あともう一つ深刻なことは、借りたお金は、待ったなしですから、毎年毎年返していかなければならない。こういうことになっておりまして、いろいろ団体から声が寄せられておりますが、団体によっては、新しく道路をつくるというのをやめても、公債費の返しすらお金が賄えません、こういうお話がございまして、そうしますと、ほかの分野、これはどこになるかわかりませんけれども、教育なのか福祉なのか農業の予算なのかわかりませんが、どこかそこの予算をやめて、やりくりをしてその借金返しあるいは維持補修に充てなければならない。したがいまして、各首長さん方、今大変苦慮しているんだろうと思います。

 そういうことがございまして、この問題は、地方財政に大変大きな影響を及ぼす。ただ単に地方での、こういう地域の生活道路がつくれなくなりますということだけではなくて、それ以外にも、地方財政あるいは他分野にも大きな影響を及ぼす可能性を大変秘めている。

 今ちょうど予算編成期でございますけれども、地方の財政担当者あるいは首長さんが大変苦慮していると思いますけれども、こうした大きな影響がございまして、それはひいては地域の住民の皆さん方の生活に響いてくることでございますので、ぜひともこの暫定税率の維持ということについて御理解いただきたい、このように思います。(発言する者あり)

谷垣委員 実は、この問題が今国会で非常に大きな争点であることは、私は間違いないと思います。民主党もいろいろ御主張が、今やじの中にもその御主張の片りんがあると思いますが、御主張があると思うんですね。

 それで、新聞を拝見しますと、きのう民主党の原案をおまとめになったということでありますが、新聞を拝見しただけでは、まだ私よく腑に落ちないところがございます。

 一つは、まず暫定税率を廃止して、ガソリンを一リッター二十五円ぐらい安くするんだということをおっしゃっている。なるほど、これは原油価格高騰のときには魅力的な主張だなと私も思います。しかし、それと同時に一般財源化するということもおっしゃっているわけですね。

 そうしますと、暫定税率を廃止しますと、さっき申しましたように、二・六兆円歳入欠陥が生ずるということでございます。それで、一般財源化するということは、多分、本則部分を一般財源化するということに、そうなるとならざるを得ないと思うんですね。そこで、地方には不自由をかけないということもおっしゃっているわけです。

 しかし、国に入っております本則部分、これを一般財源化するとおっしゃるんですが、実は国は今一兆六千億ほど入ってきているわけですが、その本則部分ですね、実はそこから地方道路整備臨時交付金というのを六千八百二十五億国は出しております。それから、道路に関係する補助金を地方に五千五百八十一億出しております。それから、民主党の御主張は直轄事業の地方負担分を廃止するということのようですが、これが道路に関しては五千九百五十五億ございますね。これを足しますと、本則の国に入っている部分は全部なくなってしまうということになるわけでございますので、一般財源化といっても、全部地方の道路に回すことになるのかなというふうに思ったりもするわけでございます。

 それに加えまして、必要な道路は確保するということもおっしゃっているわけですが、民主党の御主張を論理的に解釈すれば、要するに道路財源が半分になるわけですから、道路を半減するということをおっしゃってなきゃつじつまが合わない。

 そうしますと、半減するというんだったら、さっき私一応、日本全国の絵を示しましたけれども、一体どこをつぶしてこういうふうにしていくのかという全体像がわかりませんと、ここはどうする、あそこはどうするなんという議論だけじゃ、結局、全体像の何にもない個別の議論になっちゃう。それでは政治になりません。

 ですから、私が御提案申し上げたいことは、ぜひとも民主党も御自分の案を法案にしていただいて、そういう道路事業計画みたいなものをきちっとつくっていただいて、そして一緒に議論すれば、ではどういうふうにして共同の知恵が出るかということもできるんだと思うんです。

 この前の議長裁定で、慎重な審議をした上で一定の結論を出すというふうに議長は裁定されましたけれども、慎重な審議の前提としても、今言ったようなことをお考えいただくことが大事ではないかと私は思っているわけでございます。

 以上を申し上げまして、実は、本当はことしはサミットもございますので外交をいろいろ申し上げたかったんですが、時間の配分が悪くて伺うことができませんので、ただ一点、総理にお伺いしたいと思います。

 ことし一月より、我が国はG8の議長国となったわけですね。七月には北海道洞爺湖サミットを日本が主催。それで、このサミットの議長国というのは、総理がおやりになる議長国もございますが、外務大臣のG8もございます、それから財務大臣のG8もございます。ほかにもいろいろあって、要するに全部それは日本が議長として仕切るわけですね。

 ですから、これは日本が世界においてリーダーシップを示す絶好の機会というわけでございまして、サミットにおいて、国際社会が当面するさまざまな問題に対して日本が一体どういう方向性を示していくのか、ことしは極めて大事な年だろうと思います。特に、環境、気候変動問題を初めとする地球環境問題は喫緊の問題でございますが、こういった処方せんをきちっとまとめていくというのが国際社会の期待にこたえていく道でもあろうかと思います。

 ことしのG8サミット議長国として、サミット成功に向けた総理の御決意のほどを伺いたいと存じます。

福田内閣総理大臣 サミットは、もともと経済問題を討議するということでスタートしたと思っておりますけれども、今はグローバルに大きな課題がたくさんございまして、そして、そういう課題について主要国が、首脳同士、肝胆相照らす仲で率直な話し合いをしていくということであるというように思っております。

 そういう意味において、ことしのサミットは、我が国が議長国であるということでありますが、非常に大きな課題がございます。それは、昨今大変大きな話題になっております環境の問題もございます。それと同時に、保健衛生といったようなこと、これは、アフリカを中心とした保健衛生に対する危惧というものがテロの温床になり得るというような観点もございまして、これも大きな話題になっております。もちろん、経済の問題は、今起こっております国際的な株安問題といったようなこともございますので、そのときの状況いかんによっては大きな討議の課題になろうかと思います。

 そういうもろもろのグローバルな課題を討議しますが、やはり環境問題というのは大変その中でも取り上げるべき課題であり、そのために我が国がどのような道筋を描いてこの議長国としてのサミットに臨むかということは、大変大きなことであります。

 御案内のとおり、昨年末に、この環境問題についてはすべての排出国が参加するという大きな枠組みができたわけでございますから、その枠組みを壊すことのないように、環境問題の将来に向けての取り組み方をここで十分議論をしてまいりたい、そして、将来が安心できるような枠組み構築ということができればというように思いますので、そのことについて全力を挙げたいと思います。

 そしてまた、保健衛生のことにつきましては、その一カ月ちょっと前に、五月でございますけれども、アフリカの首脳を横浜にお招きして、TICAD4という会議をいたします。これは日本が主導して行っている会議でございますけれども、この中で保健衛生というものは十分取り上げて、そしてその内容についてサミットでまた討議をして、よい解決方法を見出していきたい、このように考えておるところでございますので、そういう問題について鋭意取り組んで、日本の指導力というか、そういうものを発揮してまいりたいと思っております。

谷垣委員 あと、実はいろいろ御質問したい事項もございました。今の環境の問題、地球環境の問題で、ダボスで、ピークアウトを十年後ぐらいにする必要があるということもおっしゃいました、どう取り組んでいくのかとか、それから今のTICAD4の問題。さらには、お隣の国で李明博政権がこれから出発いたしますので、どういうふうに李明博政権と向かい合っていかれるのか、手をつないでいかれるのかといった問題、アメリカの大統領選挙の問題もございます。それから、桜の花の咲くころには中国から主席がおいでになるということもございまして、いろいろ総理にお伺いしたかったんですが、時間がなくなりましたので、これで終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

逢沢委員長 この際、山口俊一君から関連質疑の申し出があります。谷垣君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山口俊一君。

山口(俊)委員 自由民主党の山口俊一でございます。我が党谷垣政調会長に続きまして、質問をさせていただきたいと思います。

 実は、郵政政局以来の登場でございまして、若干緊張しております。総理初め関係大臣、何とぞ丁寧な御答弁を賜りますようにお願いをする次第でございます。

 今、政調会長の方からは、谷垣先生の方からは、総体的なさまざまな御質問がございました。実は、参議院選挙の後、我が党は地方にもっと目を向けるべきじゃないか、まさに昨年の参議院選挙というのは地方の反乱じゃないかというふうなお話がございました。

 昨年、地域活性化特命委員会というのを、政調会長のもとに我が党はつくらせていただきました。十一月の二十二日にさまざまな取りまとめを行ったわけでございまして、そういったことで、私からは、地方ということを中心に質問をさせていただきたいと思っております。とりわけ、看過できないほどに広がってきた地域間の格差というふうなことで御質問をさせていただきたいと思っております。

 御案内のとおり、これまで我が国というのは、国土の均衡ある発展というものを旗印に、全総、全国総合開発計画を初めさまざまなビジョンを取りまとめて、計画的な公共投資とか、とりわけ地域のかさ上げをしていこうというふうなことでやってきたわけであります。確かに、金太郎あめといいますか、隣の町が文化センターをやったからうちもやるんだと、いつの間にか全国津々浦々銀座通りというのができたり、いろいろなことがあったのも事実であります。しかし、総体的に、最大多数の最大幸福といいますか、そういった面からは多大な効果を上げてきたというふうに私は考えておるわけであります。

 しかしながら、御案内のとおり、いわゆる経済構造といいますか、それは大きく変化をしてきてしまった。とりわけ、我が国にあってはバブルの後のいわゆる失われた十年等々があったわけで、懸命にいわゆる改革というものに取り組んできたわけであります。それはそれでまた、効果をあらわしてきたといいますか、それなりの成果を見ることができたわけでありますが、同時に、ふと周りを見渡してみると、いわゆる格差、とりわけ地域間の格差が、それこそもう看過できないほどに広がってきてしまっておる。

 マクロで見ると、数字は確かに悪くないんです。例えば地方財政にしても、全体から見るとほどほどいっておるんじゃないかなというふうな状況です。ところが、では東京と島根がどうなんだ、鳥取はどうなんだ、見てみますと、余りにその格差は大きく開いてきてしまっておる。しかも、問題なのは、同じような道路をつくれとは言いません、六本木ヒルズを徳島へ持ってこいなんて言いません。そういった社会資本整備じゃなくて、実は、シビルミニマムといいますか、まさに生活の安全、安心にかかわる問題で格差が出てきておるというのが、私はこれはもう大変な問題だというふうに認識をしておるわけでございます。

 ちなみに申し上げてみますと、例えば乳幼児の医療費助成であります。これは、東京都では中学校三年までを対象として、しかも、人口一人当たり年間の助成額も、都内の市区町村では二万七千円になっております。ところが、東京都以外の道府県では、御承知のとおり、対象が就学前に限られております。そして、一人頭の助成額も、何とその半分の一万二千円というふうなことであります。そのほか、介護にしてもそうです。いろいろな面で、まさに看過できない格差が広がってきておるというふうなことであろうかと思います。

 地方の暮らしがよくなるどころか、ますます悪化する一方であるというふうな、怒りにも似た不満が満ち満ちておるというふうなことを実は認識をしておるわけでありますが、かつて米百俵という話もございました。しばらく我慢をすればよくなるんだろうということで、地方の皆さん方もある意味で改革に協力をしてきたというふうなことがあったわけでありますが、実は、この痛みというのが、死に至る痛みじゃないか、病じゃないかというふうなことを最近思い始めておられるわけでありますね。それほど私は深刻な状況であるというふうに思っております。

 そこで、今回の平成二十年度予算についてお伺いをいたしたいわけでありますが、先ほども議論がございましたけれども、非常に厳しい財政状況の中ではありますけれども、今回、地方再生に向けたさまざまな事業への重点配分がなされる等、従来にも増して地方への配慮が随所に見られるわけであります。もちろん、発展へのさまざまな施策もあり、そして、これも御指摘がございましたけれども、新規の国債の発行額、これもしっかりと四年続けて減らしていくというふうな成果も上げておられるわけでありますので、今回の予算につきまして、この予算に込められた総理の思いをお話しいただければと思います。

福田内閣総理大臣 日本は今閉塞的な雰囲気の中にあるなんということをよく言われるんですけれども、確かに、一部の元気さはあっても日本全体が元気でないのかなという感じが私もいたしております。そしてまた、今、委員御指摘のような数字も挙げられますと、それがすべてというわけじゃありませんけれども、そういう、地方がちょっと元気ないなという感じがしないでもないというふうに思っております。そういう状況というのは、本当に日本全体の活力につながるのかどうかということは、ここで一度考えてみた方がいいんじゃないかなと思っております。

 特に、地方では、経済の伸展が思わしくないということはありますけれども、それと同時に、人口が減ってくる、そして若い人が流出しているというようなこともございますし、また、それに伴って、学校が閉鎖されるとか、病院がなくなるとか、そういう非常に生活に基本的なものがなくなってくるということが同時に起こっているというのは事実だというふうに思っておりますので、やはり、日本全体が活力を取り戻すためには、日本全部が元気になる必要があるんじゃないかというようにも思っております。

 今までのそういうふうな傾向にどこまで歯どめがかかるのか、これは確たる見通しがあるわけではありませんけれども、しかし、少しでも努力をしてみたい、そういう気持ちでもって、平成二十年度の予算も、地方の再生ということ、これを重視して考えてみたところでございます。

 そして、地方重視の中でもって、地方再生のために必要な地方交付税の確保とか、公共事業についても地域活性化対策に重点化する。そしてまた、新たな取り組みといたしまして、地域主体のプロジェクトを支援する地方の元気再生事業といったようなことも創設をいたして、重点的に取り組んでいこうと思います。

 もちろん、新規国債発行を四年連続で減額するというのは、歳出改革路線、これは堅持していかなければいけないということは当然でございますけれども、その中で地方を重視していきたいということを考えて、地方の再生、活性化に配慮した予算を組ませていただきました。

山口(俊)委員 ただいまお話をいただきましたけれども、今回の予算、大変御苦労なさったんであろうと思いますが、それだけに、とりわけ、例えば交付税総額も久しぶりに上昇傾向というふうなこと等もございます。私は、今回の予算というのは地方も大変大きな期待を持って見守っていただいておると思いますので、私どもも努力はいたしますけれども、一日も早い成立を見て、執行していただきたいと心から思っておる次第でございます。

 同時に、今回の予算を見ておりますと、やはり福田総理のお考え、お気持ちが相当出てきておられるなというふうな感じが実はいたします。

 昨年の参議院選挙直後に、いろいろと政策転換というふうなことが話題になりました。なかなかはっきりとしたことは恐らく総理としてもおっしゃりにくいんでありましょうが、私は、今回の予算を見ても、地方に対する配慮にしても、あるいは農政の見直し、障害者自立支援法の見直し、さらには後期老人医療の見直し等々、明らかにまた新たな一歩を踏み出しつつあるなというふうな感慨を実は持っておるわけでございまして、かつて非情な宰相という方もおいでましたが、私は、福田総理は心優しき改革者かなというふうに思っておりますので、どうか自信を持って前進していただければと思っておる次第であります。

 今も若干お触れいただきましたけれども、地方の税財政についてお伺いをいたしたいと思います。

 地方は、ここ数年来、国の推し進めるいわゆる構造改革というものに懸命に協力をしてきたわけでありまして、とりわけ三位一体改革ですね。この中で、実は、確かにこれまでの懸案であった、願いであったいわゆる税財源の移譲、国税から地方税へ、これが実現できたというのは確かに画期的な話ではありますけれども、同時に、地方歳出の見直しに伴う地方交付税総額の抑制が行われたわけでありまして、結果として、何と五兆円に余る地方交付税の削減が、しかも急激に行われたというふうなことでありました。そういったこともあって、地方公共団体の皆さん方は十六年ショックとかおっしゃっておられますが、急激に財政構造の悪化を招いたというふうなことがあるわけでございます。

 例えば、公債費等を除く地方の一般歳出、これにしても、平成十一年度から平成十七年度までの間で、何と十一・五兆円削減をされておるわけですね。いわゆる行革努力等々みたいな話の中で、そこまで削減をされてしまった。特にその中でも問題なのは、島根、岩手等、財政力の弱いところほど実は大幅に減っております。

 そういった中で、実は、さらに格差が開いていったというふうな現実もあるわけでありまして、地方と都市といいますか、あるいは地域間の格差の拡大によって、もはや経済活性化の取り組みを行おうと思っても打つ手がない。当時よく言われました、地方の間の競争ですよ、これからは地方は元気を出してどんどん競争してくださいよと。ところが、実は、スタートラインが違うんですね。この競争はアンフェアとしか言いようがない、そういった状況になっておるわけであります。

 そこで、地方財政の現状につきまして、どのように認識をしておられるのか、総理の方にお伺いをいたしたいわけであります。あわせて、地方財政に大変大きな影響があったいわゆる三位一体改革でありますが、私自身はこれは非常に中途半端になってしまっておるなというふうな感じがいたしますが、それについても総理のお考えをお伺いいたしたいと思います。

福田内閣総理大臣 三位一体改革は、地方財政の改革の一歩だというように私は認識をいたしております。これについてはいろいろな議論がございます。また、実態が、厳し過ぎたんじゃないかといったようなこともあるということでございます。特に、財政力の弱い地方団体には厳し過ぎるといったような声もあることも認識をいたしておるところでございます。

 しかし、地方の自主性とか主体性を高めるということとともに、国、地方を通じた財政の健全化を図るために、補助金の廃止縮小、税源移譲、そして地方歳出の見直しに伴う地方交付税の総額の抑制を行う、こういうふうなことを伴ったわけでございまして、これはやはり、今までの地方の財政のあり方でいいのかどうかということに対して、頂門の一針といったような、そういう役割を果たしたのではないかと思います。

 しかし、地方財政というのは、医療とか福祉などという社会保障に要する費用の増加、これは非常に大きいものがございまして、厳しい状況にもございます。また引き続き、人件費とか投資的な経費を中心に歳出の抑制を図るということを行いながら成長力の強化を図るという歳入確保の努力も行わなければいけないということでございますが、そういうことを伴いながら、地方財政の健全化を目指していかなければいけない、こういうことになるわけであります。

 これからの財政改革は何かといいますと、次は分権ですよ、地方分権。それによって、国と地方の役割分担に応じた自主的な税財源の確保というような観点からの検討を進めなければいけない、そういう段階になるわけでございます。そして、地方分権のあり方については、地方分権改革推進委員会から、今春以降、順次その方法について御提言いただくということになっておりますので、その勧告を踏まえて、政府としてもこの分権に取り組んでいきたい、このように思っているところであります。

山口(俊)委員 確かにお話しのとおりで、これからの課題というふうなことなんだろうと思いますが、この地方の財政力とか税収の偏在というのは、実はその背後にあります税源の偏在というのを映し出しておるんだろうと思います。

 地方税の偏在是正というのは、本来は、地域経済を活性化することによって税源を涵養して、地方で税収が上がるようにするというのが本質的な解決につながるんだろうと思うわけでありますが、実は、地方の活性化の基盤というのが道路だというのも、これは地方の声として大きくあるわけでございます。道路がなければ企業も来ないというふうな話をよく聞くわけでありますが、この道路にも、残念ながら大きな偏在があると言わざるを得ないわけであります。

 もともと、東京オリンピック初めさまざまな高度成長期の政策によって、都市にどんと集中をした。都市からどんどん、さまざまな道路整備を初め基盤整備ができてきたわけでありますが、ようやく地方に来たなと、全国の高速道路の計画にしてもそうなんですが、やっと自分の番が来たと思ったところが、もう道路は十分じゃないかというふうな声も聞こえてくるわけであります。残念ながら、これでは地方の発展の機会すら奪われるというふうなことになりかねないわけでございます。

 とりわけ、先般も、実は大変残念な報道番組を見ることになってしまいました。

 実は、私の地元の方に、三十二号線、国道がありますが、非常に狭隘で、かつ急峻で、物すごいカーブなんですね。しかも、三十二号線、そのぐらいの国道では珍しく、いわゆる異常気象通行制限区域なんです。二百ミリ雨が降ると、はい、ストップですよ。ですから、年間何回も交通制限が行われる、あるいは交通事故も多発をしております。大体、免許取りたての人は通りたくないというふうな実は国道なんですが、これはもう長年の地元の皆さん方を中心にした御要望で、ようやくトンネルをやろうというふうな話になりました。

 ところが、その急峻な山道の中でも、私、ほぼ毎日通るのでよくわかるんですが、一番平たんで一番広い、唯一追い越しできる車線がある。全長二十キロぐらいの中でたかだか三百メートルぐらいですけれども、そこだけを映すわけですよ。そこを映して、こんないい道路があります、なぜトンネルが要るんですかとおっしゃるわけですね。御丁寧に、犬まで映して、犬が歩いていますよとくるわけです。こういうふうな心ない報道、これは明らかにどこかにベクトルが向いておるような報道で、結局、世論がねじ曲げられてしまうというのを私は一番危惧するわけであります。

 そこで、先ほども御質問がありましたけれども、今回の道路の中期計画、これも実は、大臣、私は不満があるんです。県からいろいろ、あるいは地方からいろいろ上がってくる要望をトータルしたら、私はあんなものじゃないと思います。もう既に財政力が弱くなっていますから、県にしても、やりたいけれどもこれはできない、全部、絞って絞って出すわけですね。物すごく絞り込まれたものでしかない。まあ、それはそれで、現下の情勢からやむを得ない話であったんでしょうけれども。

 中期計画でありますけれども、これにおいて、地域の発展の基盤としての道路ネットワークの構築というふうな観点から、どのように道路整備を進めていくことになるのか。基本的なお話は総理の方からお伺いをしたいと思いますが、同時に、山の中まで、それこそ十メーター、十一メーターの道路をどんどん抜いてくれという話は、私ども、しておりません。せめて救急車とか、いろいろな車が対向できるような道にしてほしいんです。あるいは、しょっちゅう通行制限がないようにしていただきたい。

 そういう中で、道路構造令ですか、これがネックになっておるというふうな話もあるわけでありますが、私は、実態として決してそうじゃないと思っておりますが、よりきめ細かな、より柔軟な対応をしていただきたいというふうな観点から、大臣の方からも御答弁をいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 道路構造令は、道路の安全性、円滑性を確保するという観点から、最小限保持すべき基準として定められているものでございますが、規定の内容は、さまざまな地域の実情に対応可能な柔軟なものとなっていると認識をいたしております。

 具体的には、例えば、すべてを二車線で整備するのではなく、ある場合には一車線の整備と待避所の設置とを組み合わせた一・五車線的整備なども実施できるように考えているわけであります。

 このような道路構造令の趣旨につきまして、より一層の周知徹底を図るとともに、引き続き柔軟な適用に努めるようにすることにより、地域の実情に応じた道路整備がされるように努めてまいりたい、このように思います。

山口(俊)委員 今もお話がございましたけれども、例えばで申し上げますと、四国で、実は徳島高速道路、徳島自動車道だけが片側一車線でございます。全部四車線化してくれ、これはもちろんお願いはいたしますが、しかし、実は、実態として追い越し車線をふやすことによって、事実上そういった機能を果たすことができるわけでありますので、そういった柔軟な考え方で御対応いただければというふうなことでございますので、お願いをしておきたいと思います。

 また、実は、地方単独事業でございます。これがもう大幅に減少しています。先ほどの議論でもありましたが、地方財政が非常に厳しくなってきた中で、やはり投資的経費を落としてきた。その中でも、とりわけ地方単独事業というのは実はもう激減をしております。結果として、身の回りのいわゆる側溝だとかあるいは待避所だとか、維持補修だとか、そういったところがおろそかになってきてしまっておる。同時に、そういったものを支えてきた地方の零細な建設業を初め中小企業等も影響を受けてきておるというふうな実態があるわけであります。

 これは大臣にお聞きするお話ではないかもわかりませんが、住民に身近な地方の単独事業、この確保が実は地方経済活性化にはなくてはならない必要不可欠なものだろうと思います。これは恐らく総務大臣になると思いますが、どこまで言えるかわかりませんが、お話を聞かせていただきたいと思います。

増田国務大臣 地方単独事業でやっています道路整備というのは、人間の体に例えますと、本当に先の毛細血管に当たるようなところだと思います。ただ、この毛細血管にちゃんと血が流れていないとそこの組織は死んでしまう、こういうことでございますので、そこにきちんと血を流すということがやはり大事。ですから、途中の大動脈、心臓からの動脈、大動脈や大静脈が途中で細切れになっていなくて、きちんとそこからつながっている、そして隅々の毛細血管まで血が通っている、こういうことが大変大事ではないかということだと思うんです。

 この一番末端の毛細血管のところ、実は、今委員お話ございましたとおり、一般財源が大変厳しいものですから、事業量を調べますと、平成八年以降の十年間でちょうど半減あるいはそれ以下でございます。地域によっては、非常にそこを減らさざるを得ない。削るところといいますと、どうしても単独事業。一般財源、ずっと起債でこれは補っているわけですが、そこを真っ先に削るということになりますので。実はそういう状況になっております。

 総務省として、やはり一番根本は、必要な一般財源総額、冒頭ございました、したがって今回も交付税の総額をふやしたということでございますが、そのほか、道路整備の関係でいいますと、地域において一定の事業量以上に実施する生活関連道路の整備事業、それから、補助事業と組み合わせて輪切りにして一本の道路を整備する地方特定道路整備事業というものがございます。これは、起債などを効果的に活用しているものでございますが、この地方特定道路整備事業に対して地方財政措置ということで行っているものでございまして、起債を充当してその充当率を高めると同時に、交付税措置をして地方の財源を助けている、こういうことでございます。これらの支援措置を活用して、今後も、そうした地方の判断で行われます地方単独の道路整備事業については支援をしていきたい。

 根っこは、やはり、そのための一般財源総額をきちんと確保する、このことに尽きるわけでございますので、二十年度予算、それに向けての第一歩を踏み出したというふうに思っておりますが、その努力を今後もきちんと行っていきたい、このように考えております。

山口(俊)委員 お話しのとおり、まさに一般財源総額をいかにふやすかというふうなことであろうかと思いますが、今回、総理初め大臣の御努力で地域再生枠というふうなものもあるわけではありますので、そこら辺を踏まえた上で、指導と言ったらおかしいので、地方の方とも相談をしていただいたらと思いますので、要望しておきたいと思います。

 また、これは先ほども御議論があって答弁がありましたけれども、道路特定財源ですね。この問題についてこれからさらに議論が深まっていくのであろうと思いますけれども、実は、先ほどもお話があったように、地方からは、大変不安、心配の声が上がっております。これは、地方財政に与える影響は想像を絶するものがあるのではないかというふうなことで、私どもの方にもしょっちゅう首長の皆さん方がお見えになられるわけでありますけれども、その中でもとりわけ、先ほどもお話がありましたが、地方財政に与える影響というふうなことで、申しわけありませんが、再度、増田大臣、御答弁を。

増田国務大臣 御答弁申し上げますが、直接的な影響として、この暫定税率が仮に廃止になったという場合には、九千億、地方団体で減収になる、二・一兆の中の九千億、半分近くでございます。プラス、地方に国から回っております地方道路整備臨時交付金七千億、これもなくなる。それから、そのほか、地方の方に国から補助金、交付金、そういった名目でお金が回っています。こちらの方はどの程度なくなるかわかりませんが、ただ、国の方がどうも著しく減るわけでございますから、これも相当影響を受ける、こういうことでございまして、少なく見積もっても一・六兆は削減される、こういうことです。

 したがいまして、地方の本当に、体でいえば毛細血管に当たるようなところ、中央からずっと血を流していくような、そういうところの至るところが切れてしまう、こういうことだというふうに思っております。

 あと、これも繰り返しになりますけれども、地方道路整備財源の特色として、道路特定財源だけでは二割程度しか充当されていなくて、そのほかに一般財源を多く充てている、そして、起債を充てている、借金をして整備をしている、こういうのが地方道路整備財源の特徴でございます。国の場合のような、道路財源が余剰になっている、オーバーフローしているというような現象はございません。

 したがいまして、借りているお金は確実に毎年、これは待ったなしでお返しをしていかなければならない。そのほか、やはり維持管理などに今多く金を割いておりますが、これも待ったなしできちんとお払いをしなければならない。ですから、団体によっては、こうした借金を返すお金、あるいは維持管理費に充てる部分というところにも不足が生ずるような、そういう事態も起きかねないということで、もし仮にそうなった場合には、他分野からお金を回さなければいけないような大変厳しい決断もしなければならない、こういうことでございます。

 地方道路の地域経済に与える影響、整備をするしないによってももちろん影響が出てくると思いますが、そのことだけでなく、仮に道路整備を一切やめるということにした場合でも、借金返しができなくなって、そして他分野にまで影響が出てくるということも十分考えられますので、そういうこともぜひお考えいただいて、地方財政に穴をあけないという観点からも、この問題について、暫定税率の維持ということについて御理解をお願いしたい、このように思います。

山口(俊)委員 重複をしてしまいましたけれども、地方財政の現状からして、お話しのとおり、これまでの道路の借金払いに結構払っていますので、とりわけ、一般財源といいますか民生費等々にも影響が出るのではないかというふうな心配もしておられるわけでありますので、そこら辺を明確にしながらしっかりと議論をさせていただければと思っておる次第であります。

 地方というのは、よく言われておりますように、都市への人材とか食料、きれいな空気、水の供給、あるいは下流域を自然災害から守る機能とか自然環境の保護といった従来の機能に加えまして、環境に恵まれた地方での生活を望む都市住民とか、Uターン、Iターン、Jターン等々、より豊かな第二の人生を謳歌しようとする団塊の世代のニーズにこたえる。あるいはまた、昨今では、年老いた父や母を実は地方が面倒を見ておるわけですね、税金で。そういったさまざまな機能を担っておるわけであります。

 先ほど総理の方からもお話がありましたが、地方と都市というのは日本の経済社会を構築するまさに車の両輪でありまして、この双方の機能が有機的に結びついて初めて社会が成り立つ、総理のおっしゃる共生というふうな関係にあるんだろうと思います。

 この地域の活性化を図ることこそが我が国全体の活力につながるんだろうということで、実は、さっきも申し上げましたけれども、自由民主党では昨年の十月に、政務調査会の関係機関のある意味で総力を結集していただきまして、地域活性化特命委員会というのを設置していただきました。さまざまな議論を、あるいは皆さん方の幅広いお声を聞きながら取りまとめを行ってきたわけでありまして、それが地域活性化緊急対策ということで、十一月の二十二日に提言を取りまとめて、総理の方にもお邪魔をさせていただいたわけでございます。

 そこで、この緊急対策の提言に基づきまして質問をさせていただきたいと思いますが、まずは、地域間の財政力格差の縮小というふうなことでございます。

 地方の財政が大変苦しい中ではありますけれども、景気の回復等を受けまして、都市部においては法人税収入の大幅な伸びが実は見られたわけであります。そうしたことから、さっきも冒頭申し上げましたが、税収の偏在による格差というのが注目を集めるようになったわけであります。

 私どもの特命委員会でも偏在是正というのは大きな議論になったわけでありますが、喫緊の課題として、地方が少なくとも前年度、前の年に比べて地方税財源が充実確保された、要するにお金がふえたということを確実に実感できるようにということをする、これがもう何よりも大事だろうというふうなことがまずは私どもの総意であったわけであります。少子高齢化等が加速する中で、地方自治体の歳出というのは実は社会資本の形成から対人福祉サービスの方に大きく比重を移しつつあるわけでありまして、都市も地方も、福祉、医療、あるいは少子化対策、教育振興等々、まさに地域福祉関係経費の大幅な増大に直面をして、より安定をした財源というのが今求められておるわけでございます。

 さっきも総理の御答弁をいただきましたが、きめ細かな行政サービスを提供していくためには、さらなる地方分権の推進、そしてその基盤となる地方税財源の強化、とりわけ地方分権を支える地方税体系の再構築というのが必要不可欠であろうと思っております。

 提言では、地方税財政の対策として、地方税の偏在是正によって生み出された財源を活用して、新たな地方再生・地域活性化対策費として地方交付税の特別枠を創設して、その上で、地方の負担の軽減や合併後の対策、あるいは地域活性化に資するよう重点配分をする仕組みを検討すべきだというふうなことで御指摘をさせていただきました。

 政府の対応がどうなっておるか、まず総理にお伺いをいたしたいと思います。

福田内閣総理大臣 昨年、地域活性化特命委員会で御提言をまとめていただきまして、ありがとうございました。

 その与党の議論を踏まえまして、地方と都市の共生ということを推進すべく、地域間の税源の偏在をより小さくする措置を講じるということをいたしました。それとともに、その効果を活用いたしまして、特別枠として今委員御指摘の地方再生対策費四千億円を地方財政計画に計上して、地域の活性化を図っていくということにしたわけでございます。

 この地方再生対策費は、特に財政状況の厳しい市町村に重点的に配分するということといたしております、これは地方交付税の算定を通じて行うわけでございますけれども。また、合併市町村に対しましては、合併後のまちづくりの財源確保というためにも、特段の配慮をしてまいりたいと思っておるところでございます。

山口(俊)委員 また、今回、そういったことで、地方税の偏在是正の暫定的な措置として、法人事業税の一部を分離して地方法人特別税を創設して、人口と従業者数で都道府県に譲与する地方法人特別譲与税、これを創設することになっておるわけであります。

 本来は、地方税制については、偏在性が小さく税収が安定的な地方消費税の充実を図るということが恐らくメーンなんだろう、そして、それによって地方の発展の基盤をしっかりしたものにしていくということが大事なんだろうと思っておりますが、今回は、さまざまな経済情勢、あるいは消費税のうち、御案内のとおり一%は地方なんですが、あとの四%は社会保障に使うんだというふうなことがございます、なかなかそこまで踏み込むことができなかったわけでありますが、この抜本的な改革について、総務大臣、御答弁をお願いいたします。

増田国務大臣 委員お話ございましたとおり、地方の安定的な財源を構築していくというのは大変重要なことでございまして、今、地方の税収、大体四十兆円のうち法人関係二税が十兆円なんですが、これは景気に大きく左右されるものですから、景気のいいときはよろしいんですけれども、そうでないときに大変地方税収が不安定になる。そこで、そうした影響を受けることが少ない、なおかつ都市と地方での偏在性が少ないとなりますと、どうしても地方消費税が、地方税収の中で安定的な財源として、これを中心に構築していく必要があるだろう、こういうことでございます。

 そこで、来年度の地方税改正に当たりまして、今後分権もさらに進めていかなければならない、こういうことを見据えまして、分権時代の地方税財源の充実という観点からも、地方消費税の充実を図るということを基本に据えました。あわせて、地方法人課税のあり方を抜本的に見直しをする、そして、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築するということを基本に改革を進めていこう、こういうことにいたしました。

 今お話ございましたとおり、地方法人特別税ということを暫定的な措置として講じてございますが、今申し上げました地方消費税を中心とする安定的な税体系を構築していくということは、これはもう閣議決定もいたしたものでございまして、政府の方針でございます。今後も、少子高齢化等も進展していく中で地方税改革を進めていく、その際の基本方向は、地方消費税の充実と地方法人課税のあり方の見直し、こういうことでその実現に取り組んでいきたい、このように考えております。

山口(俊)委員 今回はあくまで暫定的な措置として考えた、そういった基本的な改革の方向というのはやはり堅持しながら私どもも議論に参加させていただきたいと思っておりますので、御努力をお願いいたしたいと思います。

 また、実はこの提言では二百五十項目に及ぶさまざまな地域活性化の提言を出させていただきました。おかげでほとんどといいますか、すべてといいますか、実現方に向かって動き出したわけでありますが、ただ、お願いをしておきたいのは、これまでもいろいろな提言というか、いろいろな施策はあったわけなんです。

 例えば、昨年の参議院選挙の前にもパンフレットをつくったり、それこそ百項目に余るようなさまざまな施策も提示したわけですが、ところが、全くそれが響かなかったというふうなことがございます。

 これは、一つには、メニューが多くてわけがわからぬわけですね。どれがこの町に合うのか、うちの市にはどれがいいのかわからない。あるいはまた、これがいいのかなと思って手を挙げたら、いや、査定が厳しくて全くだめだった等々あるわけですので、そこら辺、今後、やはりワンストップでわかるように、同時に、地域に赴いてしっかりとアドバイスできるような形をつくっていただいて、これがより有効に機能するように、ぜひともそういった方向での努力を、これはもう御答弁は結構でありますので、お願いしておきたいと思っております。

 それと、とりわけ私どもの地方でも話題になりますのが、いわゆるデジタルデバイドの件であります。

 提言では、経済活動や国民生活に必要不可欠な社会インフラである情報通信、この基盤整備、これはもう企業誘致は言うに及ばず、特に若い皆さん方の定住促進にも重要である。とりわけ、よく議論で出たんですが、携帯電話がつながらないようなところには嫁に行かないというふうな話も実は議論の中で出たわけであります。

 そういった中で、二〇一〇年度のブロードバンド・ゼロ地域解消、これを着実に達成するためにも、条件不利地域への支援をぜひとも拡充していただきたい。

 また、今申し上げました携帯電話につきましては、整備目標の一層の具体化を図ることが必要である。これも、三年以内に例えば全部つながりますよ、どうだという議論もあったんですが、何と六千億から七千億要るとか、いろいろなお話がありました。しかし、より一層の具体化を図って、スピードアップを図っていただきたいというふうなことであります。

 同時に、二〇一一年、いわゆる地デジ、いよいよ目の前に迫ってきておるわけでありますが、いわゆる中継局の整備とか、あるいは辺地共聴施設整備に対する取り組みの強化、これも必要ですし、同時に視聴者の皆さん方、見る皆さん方の方からして、まだまだ普及をしておらない状況もございます。そこら辺も含めて、取り組みを総務大臣、お願いいたします。

増田国務大臣 今御指摘いただきました関係は、いずれも今後情報格差ということで、また、国民生活に大変影響が出てくるということ、したがいまして、その格差の解消に政府としてきちんと取り組むということが必要だ、このように認識しております。

 まず、ブロードバンドの関係でございますが、今現在、世帯カバー率、九五・七%、それから携帯電話のカバーエリアが、人口でいうと九九・七%というところまで来ているんですが、まさに今委員からお話ございましたとおり、過疎地域それから離島、ここが漏れていまして、大変、こうした条件不利な地域が今後深刻な格差に見舞われる、こういうことが懸念されます。

 そこで、今後の支援策について、従来の支援策の補助率を上げるなどの対策も来年度講ずるとともに、官民のいろいろな役割分担で講じていかなければなりませんので、戦略会議というものを、公共団体や有識者にも入っていただきまして、整備目標の具体化ですとか支援策のあり方についても御議論いただいております。

 一方で、地上テレビのデジタル化の関係でございますが、これも今お話ございましたとおり、辺地共聴などの解消方策も今詰めておりますし、国としても、それに対しての十分な支援も今後行っていきたいというふうに考えております。

 また、問題になってまいりますのが、経済弱者への支援のあり方でございます。基本的に、受信機の方は受益者、ユーザーの方々にというふうにお願いしてございますが、ただ、経済弱者の皆さん方に対してはしっかりとした対策を国としても講じていかなければなりませんので、この部分についての支援のあり方の検討もことしの夏までには終えて、そして明らかにしていきたい、そういう受信側の対策にも取り組んでいきたいというふうに考えております。

 ブロードバンド、それから携帯電話、さらには地デジの関係の格差が生じないように、あるいはそれをどこまで国として埋められるのかということについて、私ども、真摯に検討した上で実施に向けて努力をしていきたい、このように考えております。

山口(俊)委員 続きまして、これも地方でよく聞かれることなんですけれども、職場がない、働く場所がない、だからどんどん出ていくんだ、何とか企業誘致を進めることができないだろうか。これは、道路整備を初めさまざまな基盤整備、あるいは情報通信インフラ等もありますけれども、これについても実は提言をさせていただいております。

 農商工連携の促進とか、あるいは地域への企業立地の促進を図るべしというふうな提言をさせていただいておりますけれども、これも新たな展開が見られつつあるわけでありますが、今後の支援策にどう取り組んでいくのか、経産大臣、お願いいたします。

甘利国務大臣 地方を活性化し、自立を助けていくというためには、一つは、今のお話の中にありました、企業立地をしっかり進めていくということであります。地方に企業、産業を立地させて雇用を生み出す、所得を生み出す、地方の税収を生み出す、あるいは消費を生み出す、そのための新しい仕組みを六省庁体制で、さきの国会で成立をいただいたわけであります。

 単に企業が立地することに有利な条件をそろえるだけではなくて、企業が必要とするスキルを持った雇用をどう確保するか、あるいはインフラを同時進行でどう進めていくか、あるいは地方が誘導策をとったときの減収補てんをどうしていくか、財政力格差を地方の企業立地格差につなげていかない、財政力の弱いところでも企業立地に鋭意取り組めるようにするということでありまして、御提言を踏まえて鋭意努力をしておりまして、三十五の道府県で七十四の計画に同意をいたしました。年度内中に百の同意がなされる予定であります。

 同時に、もう一点でお話がありました農商工連携であります。

 地方を元気にするというのは、そこに新しい産業を持ってくるということも大事ですけれども、昔からある産業を元気にする。それは、地方に昔からある産業というのは何といっても農林水産業、一次産業でありまして、これを新しい視点で元気にしていこうということであります。

 これは、農業の分野だけの発想ではなくて、それ以外の商業、つまり、つくる方と売る方をつなげていって、売る方からどういうニーズがあるか、それでつくる方を考えていく、あるいは、つくる方の農産物を、こんないいものがあるんだけれどもこれを商品化できないかという、市場に向けていく。

 マーケティングあるいはブランド戦略、あるいはそこにITをどうかませていくか、工業との連携、総理が提言しておりますつながり力ですね。農林水産業と商業と工業をつなげていって、従来にない発想で市場開拓をしていくという努力を進めていくということでございます。

山口(俊)委員 まだまだ過疎等々いろいろ準備をしておったんですが、私も時間配分に若干失敗をしてしまいました。

 過疎については、申し上げておきたいんですが、実は私、昨日も秋田県の方に、過疎連盟の大会がございましてお話に行っておったんですが、ますます先鋭化してきております。とりわけ、いわゆる限界集落、六十五歳以上の高齢者の方が五〇%以上おいでるというところが、何と七千八百地区にも上るというふうな状況下にございます。

 私も実は自由民主党の過疎対策特別委員会の委員長をしておりますので、新たな過疎法に向けて今検討を開始しております。これは議員立法でありますので、私どもの方でまた与野党協議も含めて案を煮詰めていきたいと思っておりますが、どうか政府におかれましても、しっかりとした現状認識の上に立って、また御協力等をいただければと思っております。

 とりわけその中でも、今回、地方の元気再生事業というんですか、これは交付金の制度ができるわけでありますが、これも本来は限界集落をターゲットにしてやっていただきたいというふうな思いを実は特命委員会としても持っております。

 元気なところをさらに元気にというのもあるんでしょうけれども、限界集落というのは、ある意味でもうどうしようもないような地域なんですね。そこにしっかりと配慮をすべくこの制度を活用していただきたい。査定の段階でいろいろな考え方があるでしょうから、そこら辺をぜひともお願いをいたしておきたいと思います。

 郵便局のネットワークについてお伺いをいたしたいと思います。

 実は、民営化をしてまだ日が浅いわけでありますけれども、既にさまざまな御不満、御不便を来しておるというふうなお話を聞きます。実は、郵便局はあるんだけれども、サービスの中身が劣化しておるんじゃないかというふうな話をよく聞くわけであります。簡易郵便局に至っては、そのネットワークさえ危ない状況になってきておるというふうなことでございます。

 そういった中で、やはり、前より以上にまた過疎地においては農協等々が撤退をしていっております。その中で、実は、郵便局の持つ金融のユニバーサルサービス、これは前よりも非常に大事になってきておるわけでございますので、そこら辺について総務大臣がどうお考えになるのか。

 もう一点あります。かつては、ゆうパックということで、地方の特産品を掘り起こして、それを全国に販路を紹介してやってきたわけですね。まさに地域おこしの一環であったと私は思うんですが、今のあり方はそれに逆行しておると言わざるを得ません。そこら辺に対する総務大臣のお考え。

 それともう一点。実は、地方の郵便局というのは、地方のさまざまな商店に対する買い手としての存在もあるわけです。かつては、それぞれ郵便局が御町内のお得意さんからさまざまな物品を調達しておったんですが、今は、どういうお考えかわかりませんが、全国で二カ所に限定をして、そこからとりなさいというふうにしておるわけですね。結果としてこれが安くなればいいんですが、お話を聞きますと、むしろ単価が高くなった、それで手間もかかる、何でこういうことをするんですかと地元でも嫌われるというふうな話もあるわけでございます。

 やはり、しっかりとそういった役割も果たし得るような格好で、本来これは西川社長さんに聞くべきお話なのかもわかりませんが、総務大臣として今のお話に御答弁いただければと思います。

増田国務大臣 私、郵政民営化担当の大臣を仰せつかっております。その上からも、こうした地域でのサービスをきちんと支えていくということがこの民営化を成功させる非常に大事な点である、このように考えております。

 とりわけ、これまで、郵便、それから貯金、保険の三事業ということを取り扱って地域社会を支えてきた一つのインフラでもございました。そういう貴重な郵便局ネットワークでございますので、このネットワークが劣化をするということは、郵便のほか、基礎的な金融サービスの提供という意味でも非常に心配が出てくるということでございましたが、そこはしっかりと守っていただかなければならないというふうに思います。

 特に、簡易郵便局の一時閉鎖が実は目立ってきておりますので、これは何とか速やかに手を打っていただきたいということで、私からも向こうの社長さんに直接いろいろと機会あるごとに話をしております。向こうの会社の方でも、委託手数料を見直したり、あるいは近々移動郵便局を試行していきたいとか、それから、近隣の直営の郵便局の職員を巡回サービスで派遣したり、あるいは場合によっては、新たなそういうサービスをそういった地域で行うようなこともやっていきたいという話も聞いてございますが、こうしたネットワークの水準の維持ということは、これはもう民営化法でも決められていることでございますので、とにかく知恵をさまざま出していただいて、しっかりと守っていただくということを会社に期待をしてございます。

 それから、あと、今お話にございましたふるさと小包の関係、それから物品調達の関係。これも、例えばふるさと小包も、地域のいろいろな産品を全国に発信していく、そういった地域振興に大きく寄与していくサービスでございますし、それから物品の調達も、これはある程度安いものを買わなければいけないという事情はわかるんですが、例えば、地元でもっと安い金で買えるといった場合には、画一的にやるのではなくてそうしたところも利用するなど、やはり地域の皆さん方の支えがあって、国民や地域社会の支えがあってこうした郵便事業あるいは郵政事業全体が成り立っている、この認識をトップの人たちに持ってもらうということが大事だというふうに思っております。

 画一的にならない形で、そうした地域の声にしっかりと耳を傾けて、この民営化の事業を成功に導いてほしいというふうに期待をしてございますし、また、その趣旨は私の方からもきちんと伝えておきたいというふうに考えております。

山口(俊)委員 もう時間でありますが、後の伊藤先生にちょっと御迷惑をおかけします。

 一言だけ申し上げておきたいと思いますが、この件に関しては、いろいろな問題点が顕在化しつつあります。これからもさまざまな場所で御議論させていただきたいと思っておりますが、やはり正すべきは正す、修正していいんだったら修正もしていくという方向でお考えをいただいたらと思っております。

 最後に、実は、観光庁について予定をしておったんですが、これはもう総理が施政方針演説で、観光の振興というのは地域活性化の目玉だというふうなことで、総理の代になって初めて観光庁をやろうというふうな大変な御英断をいただいたわけでございます。そこら辺をこれから、やはり地域の活性化という意味からも観光というのはないがしろにできません、さまざまな意味で大事な問題でございますので、ぜひとも力を入れてしっかり頑張っていただきたい。これはお願いでございますので、もう時間がございませんので、本当はお話を聞きたかったんですが、お願いをさせていただきます。

 いずれにしても、地方は今大変疲弊をしております。そういったところへしっかりと温かい手を差し伸べる、これがさっき申し上げた優しき改革者福田総理のお務めであろうと思っておりますので、今後の御活躍を期待させていただいて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

逢沢委員長 この際、伊藤達也君から関連質疑の申し出があります。谷垣君の持ち時間の範囲内でこれを許します。伊藤達也君。

伊藤(達)委員 引き続き質問させていただきます。自民党の伊藤達也でございます。

 私も予算委員会の議論は大変久しぶりでありますので、たくさんパネルと資料を用意させていただきました。どうかよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。

 まず、経済のことについてなんですが、私は、二つの意味で、今、日本の経済というのは大きな岐路に立っているというふうに思っております。

 どういうことかといいますと、一つ目は、これは今までにも議論がありましたが、サブプライムの問題に端を発して、世界の経済あるいは金融の混乱、そして日本自身の問題として経済の回復のテンポ、景気の回復のテンポというものが鈍化をしてきている。そのことに対してどう対応していくのか、これが第一点。

 そしてもう一点は、日本という国は、ほかの国が経験したことがないスピードで少子高齢化社会に突入しようとしています。それをどう乗り越えて活力と誇りに満ちた国をつくろうとしているのか。

 この二つの課題に福田政権がどうこたえていこうとするのか、この質問を通じて国民の皆様方にわかりやすく御理解をいただくことができれば、そんな思いで質問をさせていただきたいと思います。

 まず、資料の一を見ていただきたいと思いますが、こちらのパネルになります。これは、実は二年前に自民党の当時の財政改革研究会で百数十名の自民党の国会議員が参加をして議論させていただいて、そしてそれを受けて骨太二〇〇六という方針が決定をいたしました。いわゆる日本版上げ潮政策という政策でございます。

 当時は、マイナス成長からプラス成長に転じて、経済の潮目が大きく変わってきた。その変化をしっかりとらえて潜在的な成長率を引き上げて、それに近い実質的な経済成長を実現していこう、同時に、リスクプレミアムというものをかさ上げしない、つまり、財政規律というものを堅持して、日本のマクロ経済の信頼性あるいは透明性、そうしたものを上げていこうという政策でございます。

 そのために具体的に四つの柱を立てまして、一つは、経済成長戦略、今後十年間で実質で二・二%以上の成長を実現していこう。二つ目は、歳出歳入の一体改革を推進していく、特に歳出改革については、今後五年間、十一兆から十四兆の政府の無駄を正していこうということであります。そして三つ目は、政府の資産と負債、このバランスシートの改革をしていく、つまり、負債はできるだけ圧縮をして、そして資産というものをできるだけ有効活用して国民に還元をしていく。その後、埋蔵金論争の端緒になった議論でもあります。そして四番目については、日銀との新しい政策協調ということでございますが、今日的にはもう一つ柱を立てていかなければいけない。これは、総理が強い問題意識を持っておられる社会保障の制度の再設計にあるのではないかというふうに思っております。

 こうした取り組みの状況を精査して、福田政権の中で、今、岐路に立つ日本の経済、こうしたことを踏まえて、経済財政一体改革の姿をもう一度提示していくということが必要だというふうに思いますし、経済の成長と財政の再建、これが交互に響き合うような好循環をつくり出していく、そのことに対する総理のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。

 さらにもう一点、お伺いをさせていただきたいのは、やはり、総理の成長や改革に対する決意をあらわした具体的な目標、次の世代にとっても夢のある、そういう目標についてもお話をいただくことができればというふうに思います。

福田内閣総理大臣 委員が中心になって、二年前ですか、取りまとめられました財政改革研究会の最終報告、そこには「活力ある「経済・財政一体改革」の設計図」、こういうふうなことがタイトルとしてございまして、その基本的な考え方は、その年の基本方針二〇〇六に反映されたものでございます。この考え方は現在に至るまで政府の経済財政運営の基本方針として着実に取り組まれてきておりまして、私の内閣におきましても引き続き取り組んでまいりたい、こう思っておるところでございます。

 御指摘のとおり、我が国を取り巻く内外経済社会の状況というのは大きく変化する、私は大転換期にあると思います。

 一つは、国内の人口減少、そして高齢化という内部の問題、そしてまた、外的には、中国を初めとするアジア地域の台頭といったような、そういう国際関係の変化、国際関係と申しますか、国際経済関係と言ってもいいんですけれども、その変化ということがあります。もう一つ加えれば、環境問題ということもとても大きな問題で、これも大転換の要素の一つだというふうに思います。

 そういうものを乗り越えていかなければいけないわけですね。その乗り越えていくためには、人口が減少するかもしれない、これは間違いなく減少するんです、だけれども、そういう中でもやはり一定の経済成長は確保していかなければいけない、そうしなければこの経済社会は安定したものにはなり得ないと思います。

 そういう中で、人口減少という状況を反映した社会保障のあり方といったようなものも当然考えていかなければいけないと思います。そういう社会体制を、きちんとしたものがないと国民は将来に対して安心が持てないということになりますから、それはどうしてもやっていかなければいけないことであります。

 と同時に、今申しました経済成長を確保するということのために、最大限力を尽くしていかなければいけないということは当然のことでございますので、いろいろな政策を今考えて、そしてまた、できるものはすぐ実行しようということで取りかかっているところであります。

 例えば、一つは、他国の追随を許さない技術を持ち続けること。これは、日本であるからこそできるものだということでありまして、革新的な技術創造戦略というものを取り上げていきたい。これは環境問題にも対応することでありまして、新エネルギーを開発するということもその中に入ってくるわけであります。

 それから、日本をより世界に開かれた国にしなければいけない。そのためには、アジア、世界との間の人、物、金、情報の流れを拡大するグローバル戦略を展開していきたいと思います。

 今、我が国の対外依存度、外国との経済的な関係は年々ふえております。そして、ますますその依存関係というのは大きくなってくるだろうというふうに思いますから、今申しましたグローバル戦略、世界を見据えた、世界とともに発展する、そういう戦略というものをしっかりと打ち立てていかなければいけないと思います。

 そしてもう一つは、雇用の拡大。国内的に雇用を拡大するような、そしてそのために生産性の向上を図っていくということを同時に実現する、こういう生産供給体制というものも確保しなければいけないということであります。そういうようなことをすることによって、すべての人が経済に参加できるような、働ける人は、働きたい人はみんなが参加できるような、そういう生産社会をつくっていくということも大事だと思いまして、全員参加の経済戦略というものを組み立てていきたいと思っております。

 今、三つの柱を申し上げましたけれども、そういうような成長戦略をできるだけ国民の方々にわかりやすいような形でもって具体化していくということが大事だと思っておるところであります。

伊藤(達)委員 今総理から、三つの柱を中心に具体的に御説明をいただきました。マーケットが非常に低迷している中でありますので、非常に力強いメッセージであったというふうに思います。

 そこで、今の日本の経済の足元、先ほども議論になりましたが、もう一度、私自身も確認をさせていただきたいと思います。

 資料の二を見ていただきたいんですが、実は私、今、自民党の中で地域再生の調査会長をさせていただいておりまして、中小企業の今の現状や地域の経済、先ほども議論になりましたが、やはり大変厳しいなという感じをいたしております。

 この資料を見ていただいても、中小企業に対する貸し出しの残高、これは二〇〇六年の十二月から実はずっと下がってきてしまっているんですね。また、中小企業から見た銀行の貸し出し態度も、必ずしもよくないところがあるわけであります。この背景がどういうところにあるかということを考えていかなければいけません。

 また、資料三も見ていただければと思いますが、これも大田大臣から先ほど幾つかの点について御説明があったわけでありますけれども、こうしたものを点検していくと、私は、サブプライム問題で日本の成長が低下をしている、こういう理解ではやはり済まされないのではないか、しっかりとした対応をしていかなければいけない、そのことに総理も強い問題意識を持って、諮問会議でも、冷静にリスクを分析しなさい、こういう指示を出されたのではないかというふうに思います。

 そこで、大田大臣に、先ほどリスクに対する認識についての御説明があったんですが、どういう対応をしていくのか、そして諮問会議がどういう役割を果たされようとしているのか、その点について簡潔にお話をいただければと思います。

大田国務大臣 足元の日本経済が直面しているリスクは、三つ先ほど申し上げました。一つは米国経済の減速、それから原油価格の高騰、それから改正建築基準法の影響。

 原油価格につきましては、昨年末に取りまとめた原油価格高騰対策を着実に実行し、効果を見きわめたいと考えております。

 それから、改正建築基準法、これは今、冬柴大臣が精力的に取り組んでくださっておりまして、足元は上向いてきております。さらにスムーズにしていくことが必要と考えます。

 それから、米国経済の減速、これに加えて金融資本市場の動揺がございます。これが企業のマインド、消費者マインドにどういう影響を与えるかを見ていかなきゃいけません。これは世界経済全体が直面しているリスクでもありますので、各国と十分な連携が必要です。

 以上が足元の日本経済が直面するリスクです。

 さらに、先生が冒頭におっしゃった中長期の話もございます。これについては、経済財政諮問会議の下に専門調査会をつくりまして、日本経済がこれから直面するリスクについても総ざらいが必要と考えています。

 世界の資金の流れが大きく変わっておりますし、これほど足元の賃金が伸び悩んでいるのも、企業と労働者の成果配分のあり方も改めて検討する必要があると考えておりますので、これから中期的に直面するリスクをしっかりと点検して、これから何カ月かで集中的にリスクの分析を行いたいと考えています。

伊藤(達)委員 引き続いて、日銀の福井総裁にお見えいただいておりますので、今の議論を続けさせていただきたいと思うんですが、資料の四を見ていただければと思います。

 日銀のデフレ脱却の経路というのは、売り上げが上がって生産が増、そして所得、支出、需要不足が解消して経済の正常化、こうしたシナリオを描いているわけで、今の日本の現状というのは、輸出を中心に売り上げが上がって生産がふえてきた、しかし、所得や支出、ここの経路がこれからの課題だ、こんな状況にあるのではないかというふうに思います。

 そうしたときに、この原油高を中心に、需要ではなくて、コストが上がってきている、物価が上昇してきている、これは悪い物価上昇と言っていいのかどうかわかりませんが、そこが一つやはり注意をしておかなければいけないことではないかと思います。

 こうしたコスト上昇が実質所得を低迷させて消費が減退をしていく、あるいは、生産力が低下をして企業収益が圧迫をされていく、こうしたことになっていくとミニスタグフレーションみたいな状況が出てきてしまうのではないか、このことを私自身懸念しているところがあるんですが、総裁としてどういう認識をお持ちになられているのか、また、もしこうしたリスクが顕在化していくときに、金融政策としてどう対応をされようと考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

福井参考人 お答えを申し上げます。

 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、また大田大臣からもお答えがございましたとおり、当面直面しているリスク、たくさんありますけれども、主なものは、やはり原油価格の高騰等コストの上昇、それから海外の経済金融情勢の不透明感の高まり、国内的には住宅投資の大きな落ち込みというふうなことがございますが、その中で、原油価格の高騰等コストの上昇をどうとらえるか、非常に重要な問題でございます。

 日本だけでなくて、今、世界経済全体としてこの大きな問題に直面している。特に原油価格の高騰等は、一方で物価上昇率あるいはインフレ期待を押し上げる要因でありますが、同時にさまざまな所得移転を伴いまして、経済全体に対して押し下げ圧力をもたらす、デフレ的なプレッシャーをもたらす。この両面から判断しなければなりませんので、他のリスク要因に比べますと非常に精密な分析と冷静な判断が必要だということだと思います。

 日本経済を見ます場合にも、私ども、金融政策運営上、この点につきましては、特に綿密な考察を加えながら、委員が御指摘になられました生産、所得、支出の好循環のメカニズムに強いショックを与えないか、現在はどうなっているかということは、丹念に分析をいたしております。

 経済全体が足元減速し、中小企業等に好ましくない影響が出ている、現象面としてそういうことが出ておりますが、その根幹のメカニズムのところ、これは少し、やはりひところに比べれば弱っているというふうに思いますけれども、しかし、基本的に損なわれつつあるかと申しますと、やはりグローバルな経済との接点である輸出、生産が引き続き増加しているということを起点といたしまして、比較的このメカニズムは保全され続けているというふうに思っております。

 そのほかに、企業は設備や人員、在庫面の調整圧力も抱えておりませんので、経済の回転メカニズムがどこかで急に何か行き詰まり状態にぶつかるという状況でもございません。

 したがいまして、生産、所得、支出の好循環の力は現在一時的に少し弱まっているという面があることは率直に認めますけれども、メカニズムが基本的には維持されていると考えておりまして、今後とも物価安定のもとで持続的な成長を図っていく、景気の振れをなるべく小さいものとして息の長い経済の拡大を実現していく、これをベースに、判断に誤りなく金融政策を運営していかなければならない、そういうふうに考えております。

伊藤(達)委員 私は、実体経済を見ておりまして、やはり根幹のメカニズムが弱っているというところをもう少し重点的に見ていく必要があるのかなという感じがいたしております。

 いずれにいたしましても、景気の認識については、政府と日銀が常に認識を一致していただいて、必要に応じて迅速に対応していただくということをぜひお願いしたいというふうに思います。

 そして次に、成長戦略について議論を進めさせていただければというふうに思います。

 資料の五を見ていただければというふうに思いますが、これも政府で経済成長戦略大綱というものを決めました。生産性の向上、技術の革新、海外のダイナミズム、こうしたものをてこにして日本型の経済成長モデルというものを実現していく、そして今後十年間については短期、中期、長期に分けて工程表を策定して、定量的な目標に基づいて毎年ローリングするということを基本的な考え方にしているわけであります。そして、経済成長の姿については、十年間で年率二・二%以上、技術革新、IT革新、サービス産業の生産性の向上、そして労働参加率、質の向上を図っていくということであります。

 このことについてもっと強いメッセージを出していかないと、十分理解されていないんじゃないかなという感じがしてなりません。

 そうした中で、私は、総理がダボスに参加をされて、そして、成長戦略を具体化して、対日投資などの市場開放努力を一層進めて、日本を世界とともに成長する国としていきますと力強く演説をされた、これは大変すばらしいことであったというふうに思います。

 特に、海外の投資というものは年々年々増加をしていて、昨年は恐らく今までの記録を更新するような投資額になっているのではないかというふうに思いますし、日本への投資もふえておりますけれども、しかし、その額を見ると、中国やインド、ブラジル、ロシアの後塵を拝している状況にあります。だからこそ、今、より強いメッセージを世界に向かって発信していかなければなりません。

 しかし一方で、今、空港施設に対する外資規制の問題、この導入が政府の中で検討されているわけでありますが、総理が国際社会に向かって言われたこととこのことがどうも一致していないのではないかな、こういう声も聞かれているわけであります。

 私が非常に心配をいたしますのは、株主は何なのかな、何ができるのかなということを考えてみますと、それは、経営の基本的な方針を決める、あるいは経営者を選ぶことができるわけであります。その株主に対して、外国資本だから悪いんだと、合理的な理由がなくて規制をはめていく、こういうことをしていくと何か誤解が広がっていく、そういう懸念があるのではないかというふうに思います。

 その誤解が広がっていけば、国際社会における日本の信頼というものもやはり少なからず傷ついてしまうのではないか、だからこそ慎重に対応する必要があるのではないかと思いますが、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

福田内閣総理大臣 委員御指摘のとおりでございまして、私、施政方針演説におきましても、「日本への投資に関する制度をより透明性の高いものに変え、対日投資の倍増計画を確実に達成します。」こういうふうに申し上げているところでございます。

 そして、御指摘の空港インフラへの外資規制につきましては、そういう基本的な方針、そういうものを踏まえた上で、公正かつオープンな投資環境の整備による対日投資促進の観点、これはもう極めて大事なことでございます。しかし同時に、有事とか大規模災害、テロ対策等の安全保障の観点ということもございまして、この双方から、対立するような概念として提起されているということは非常に残念なことであると私は思っております。

 現在、政府部内において、空港インフラへの外資規制のあり方ということについて総合的な観点から検討、調整を行っているというところでございますので、こういう検討、調整を経て政府としての結論を得ることといたしたいと思っております。

 この議論につきましては、はっきりした議論というのは今までなされていなかったということはありますので、これはやはり国民にわかるような形でもって、また外国の投資家にもわかるような形でもって堂々と議論がなされるべきであるというふうに考えているところでございます。

伊藤(達)委員 今総理がおっしゃったように、内外の方々が理解できるような議論というのが非常に重要だというふうに思います。

 特に公益の事業であれば何らかの規制をしていく、それは十分考えられることでありますが、何が問題なのかということをやはり明確にして、その行為に対する規制、そういう観点からこの問題を考えていくべきではないかというふうに思いますので、ぜひ慎重な対応をお願いしたいというふうに思います。

 続きまして、資料の六を見ていただければというふうに思います。

 実は、EUも十年間にわたって成長戦略というものを策定いたしております。これはリスボン戦略というんですね。二〇〇五年にはこの戦略を改定しまして、新しいリスボン戦略というものをつくり上げました。

 ここには三つの明確な目標を掲げて、魅力的な投資、そして労働市場をつくっていこう、そのために、産業別にその阻害になっている要因というものを明らかにして、競争環境を整備するとともに新しい規制改革のイニシアチブ、こうしたものを開始いたしました。

 また、知識経済とイノベーションを促進していくために、研究開発投資をGDP比で三%ふやす、あるいは総理が言われる環境力を強化していこう、こういう取り組みをいたしております。

 そして、質、量のより高い雇用を創出していくために、労働市場を自由化して、労働者が移動することによって経済の好循環をつくろうという極めて野心的な挑戦をいたしました。そのことによって労働市場の競争環境は激化をしていくわけでありますが、それに耐え得るような、一人一人の労働者が自立できるような、そのための若者のイニシアチブあるいは教育プログラムを充実させていく。

 そのことによって、二〇一〇年までにEUのGDPを三%以上上昇させて六百万人の雇用をつくり出そう、新しい潮流をつくろう、そういう戦略であります。

 これと比較して日本がどうかということをやはり考えていかなければいけません。新しい発想で、EUと同じように成長の具体的なプラットホームというものを今しっかりつくり上げていかなければいけない。

 そういう観点からすると、社会の大きな変化、それをにらんだ新しい産業構造論というものも必要だというふうに思うんですが、この点については経産省の中でもいろいろな議論をされているというふうにお伺いをいたしておりますので、そうした議論を踏まえて、甘利大臣から福田政権での成長戦略の強化についての考え方をお伺いしたいと思います。

甘利国務大臣 経済成長戦略大綱は、イノベーションの加速、生産性の向上を通じまして、持続的で安定的な経済成長を実現するということを目指しているわけであります。大綱に基づく成果も出ております。

 例えば、具体的には、減価償却制度を四十年ぶりに改正いたしました。これによる設備投資効果というのは一兆円だというふうに試算されています。今の日本の景気は投資と輸出に支えられているわけであります。あるいは、企業結合ガイドラインの見直し。あるいは、重点施策推進要望枠というのを設けられました。これは、成長に資するものは優先的に予算をつけていくということでありまして、投資効果の高い予算、我々流に言いますと、燃費効率のいい予算は優先的についていくという仕組みができたわけであります。

 しかしまだ、地域経済のばらつき、あるいは、大企業と中小企業、製造業とサービス業、それぞれ生産性の格差がありますから、ここにどういう処方せんを書いていくかということが重要でございます。それぞれ小委員会を立ち上げて、どう生産性向上に資するか、どうイノベーションを起こしていくか、今具体的な策を策定中であります。もちろん、この成長戦略は、随時見直しということが大事でありますから、ローリングということは極めて大事な作業だというふうに思っております。

 それから、産業構造論の御質問もございました。

 グローバル化が進んでいくわけであります。そうした中で成長力強化策として何が大事かということになりますと、日本は人口が減少していくわけでありますから、ほうっておけば経済規模は小さくなる、そうすると、世界の成長センターたるアジアと連携をしながら一緒に経済を引き上げていくということが大事であります。これは、もちろん、アジアの成長に日本もみずから関与する、寄与して、同時に一緒に持ち上げていくということであります。

 それから、異分野の技術や知識を内外から糾合していく。これはイノベーションが大事でありますから、新たなイノベーションをどう常に起こしていくかということも大事でありまして、これは大企業のみならず中小企業においてもそうであります。

 総理は、日本の新成長戦略にとって、つながり力が大事だということをよくおっしゃっているわけであります。さっきの農商工連携もそうでありますし、異分野とのつながり、大企業と中小企業とのつながり、大企業のリタイア人材をどう活用するか、都市部と地方のつながり、そういったものを通じて成長力を強化していくわけでありますし、それから、強みの突出というのがあります。iPS細胞を初め世界に冠たるイノベーションを起こす力がありますから、それをどう喚起していくか。そして、それをただ研究に終わらせないで、市場に向けてつなげていくような知財を初め、あるいは予算の連携を初め、いわゆる日本の経営資源を集中投下して実りあるものにさせていく、そういう取り組みが大事だというふうに思っております。

伊藤(達)委員 ありがとうございました。

 それでは、午後引き続き質問させていただきたいと思います。

逢沢委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

逢沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。伊藤達也君。

伊藤(達)委員 午前中に続きまして、成長戦略について議論をさせていただきたいと思います。

 内閣府のことしの試算、予想では、二〇一一年度の名目の成長率、これが〇・六%下振れをしてしまうということでありますけれども、先ほど甘利大臣から成長戦略大綱についてのローリングのお話がございました。私は、この〇・六%分を取り戻す気概というものを示していかなければいけないのではないかというふうに思っております。そして、その材料が私は日本にあると思います。

 具体的に何かといいますと、ここに技術戦略マップというのがありまして、五千ページに上る報告書であります。この中に、先ほど総理が言われた、一つ一つの技術、イノベーションがどこにあるのかということはすべて描かれています。これは毎年毎年ローリングをされているわけであります。

 これをよく読みますと、実は、産業と産業の業際のところにイノベーションというのはあるんだなということを感じます。例えば、医療と材料工学の間、ここに今注目されている再生医療という問題がありますし、また、このマップを見ると、イノベーションを通じて何十兆も日本は成長していく、あるいはマーケットをつくり出していける可能性があるんだなということを感じますし、さらに、総理が非常に大切にされている環境力でありますとか、つながり力でありますとか、それを読み解く答えがこの中にあるのではないか、これを私はもっと積極的に活用すべきではないかというふうに思っております。

 ところで、総理、第六次産業、そういう造語を御存じでしょうか。これは、一次産業、二次産業、三次産業を足し算しても六になりますし、掛け算をしても六になる、しかし、どれか一つでもゼロで掛け算をするとゼロになってしまうというお話でありまして、これからの産業というのはつながりが非常に大切なんだ、それぞれの産業の価値、このバリューチェーンのつながりの中で産業政策というものを考えていかなければいけない。つまり、農業は農業だけ、サービス産業はサービス産業だけ、こういうことでは答えが出ないということであります。

 そうだとするならば、もう省庁の縦割りで産業構造を考えるのではなくて、それを乗り越えた産業政策というものを力強く展開していくことが福田政権の成長戦略の真髄ではないかなというふうに私は思いますけれども、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

福田内閣総理大臣 大事なことについて御指摘くださいましたけれども、先ほど甘利経済産業大臣からお話がありました農商工連携というのがありますね。まさにこれは、農業と商工業という、縦割り行政の中で生きている産業という感じがするんですね。それを両方くっつけてしまおう、そして新しい価値を生み出す、また新しい製品、サービス、そしてその生産体制というものを考えていったらどうかというような発想、まさにつながり力なんですね。横のつながりなんですね。今までは縦のつながりで当然だと考えていたけれども、しかし、それだけではいけない、あらゆる分野が横につながっていって、新しいもの、価値を生み出していく、こういう時代になったんだろうというふうに思います。

 我が国は行政組織がしっかりしておりますから、その分だけ横のつながりというものが弱かったということがあるのかもしれない。であれば、それを一挙に取り戻して、そしてもっと活力のある創造性豊かなものを生み出していく、そういうものが必要な時代になってきたということであります。これは私は、新しい産業を興すというぐらいな気持ちを持って取り組んでもいいことだというふうにも思っております。

 例えばではございますけれども、今度こういうような取り組みをしてまいりたいと思っているんですけれども、地域連携拠点というものを全国に展開する。数は二百から三百カ所と考えておりますけれども、三百になれば、小選挙区制の一選挙区に一つということになりますけれども、それは偶然の一致でございますが。

 これは、ITを徹底的に活用する、我が国はIT活用といいながらもやはりほかの国に比べておくれている。それを、中小企業とか農業とかあらゆる分野に徹底するというようなこと、特に過疎地域とかいうような地域もIT活用ということはもっと取り入れてもいいんじゃないかというふうに思いますが、そういうITの活用。

 そして、経験豊富な、大企業で退職をされて、意欲のある方に御指導を各地方がいただこう、こういうこともその取り組みの中に入れたいというように思います。大企業の方々は大変なノウハウを蓄積されているんですよ。そして定年退職されるということで、しかし、まだまだ働きたいという方もいらっしゃるわけですから、そういう拠点を中心に活動していただく、また指導していただく。

 中小企業、また、農業に対してもITの活用とかそういう面では働いていただけるんじゃないかな、こう思いますけれども、そういう経験豊富な退職者の方々にも参加できるような、そしてまた、中小企業、農業、大学などが相互に連携し合うというような形で新しい価値を生み出す、そういうようなことができないかどうか。そういうような取り組みを政府の方が支援していこう、そして、そういうことは当たり前だというような社会にしていきたい、こんなふうなことを考えております。

 つながり力、こういうふうに言っておりますけれども、縦のつながりも大事です、しかし、横のつながり、また異業種間のつながりとかいろいろなつながりが考えられるわけで、縦横無尽にその力を駆使した、新しい社会づくりということに向かって進むのは、新しい経済社会のあり方というふうにも思っておるところでございます。

伊藤(達)委員 今、具体的にお話しいただいて、新しい経済社会の姿を描いていく、総理の思いをお話しいただいたところであります。

 そうした思いを実現していくためにも、これはぜひ、経産省だけではなくて、多くの方に参加をしていただいてもっと読み解いていただけばいいと思うんですね。そうすると、本当に全体としてのシナリオというものを国民全体が共有できる、イノベーションというのはこういう形でできていくんだな、大田大臣、ぜひそのための工程表までつくっていただければというふうに思っております。

 次に、歳出改革についての議論をさせていただきたいと思います。

 この歳出改革は、単に数字合わせをするためにやっているわけではありません。行政の無駄を正して、また、予算の一つ一つに制度があるわけでありますので、非効率な制度を改革して、成熟社会を担う、生産性の高い二十一世紀型の行財政システムをつくっていくということが歳出改革本来の姿であります。

 資料八を見ていただきますと、当時、二〇〇六年の時点で、PBバランス黒字化のためには大体十六・五兆円ぐらいあるだろう、これに対して七〇%から九〇%近くの歳出改革の努力をして、そのことによって残りが大体二兆から五兆ぐらいだということでありました。恐らくこのシナリオそのものは税収が多少下振れしていても崩れていないのではないかというふうに思っております。

 次に、資料九を見ていただきたいというふうに思います。このパネルを見ていただければと思うんですが、小泉政権のときに、実は基礎的財政収支の赤字が二十八兆円を超えました。しかし、これがどんどん縮減をして、来年度の予算では、私のところでの試算でありますけれども、大体これは二・四兆円まで縮んできているわけであります。

 なぜこれだけ行財政改革が進んだかといえば、歳出改革の努力と経済がやはり安定してきたということなんですね。この二つが極めて重要であります。あともう少しで黒字化が実現できるんですね。二〇一一年度までにPBバランスの黒字化を必ずやるんだと先ほど総理はお話しになられたわけでありますが、これを達成していくためにも、この後に、基礎年金のところの国庫負担分、三分の一から二分の一に引き上げる、最後の三年間、大きな山はありますけれども、それを乗り越えていくためにも成長が大切であります、また歳出改革もしっかりやっていかなければいけません。その改革の手綱を緩めてはいけないというふうに思っているところであります。

 そこで、歳出改革について、私はまだ努力ができるのではないかというふうに思っております。資料十を見ていただきたいと思うんですが、国、地方の歳出の構造であります。

 二〇〇六年、二〇〇七年、大体同じでありまして、社会保障で大体三十兆。そして、実に、公務員の人件費、国、地方合わせて社会保障と同じだけの歳出があるんですね。私は、ここにさらに努力をしていくことができるんではないかというふうに思っております。

 具体的な議論をさせていただきたいと思いますが、資料の十一を見ていただきたいと思います。

 これは、地方公務員の現業とその地域の民間の方々の平均月給の比較であります。宮城県のA市、清掃職員の方でありますが、平均月給は五十・七万円、地方公務員。民間の方は二十九・七万円。大阪府のB市、学校給食の方でありますが、地方公務員であれば四十四・八万円。民間は十八・六万円であります。関西のC県、用務員の方が四十万九千円。そして、民間であると十五・六万円でありまして、これを見ていただければわかるように、官民格差というのが明らかにあるんですね。

 一生懸命働かれている公務員の方々にしっかりとした給与を保障していく、これは大切なことであります。しかし、一方で、この格差は余りにあり過ぎるんではないか。やはりここに改革のメスを入れて、多少公務員の方々にも我慢をしていただいて、民間の方々の給料を上げていく、そのために税金の使い方を変えるという決断をすべきではないかというふうに私は思っております。

 特に、この点については総務大臣にお伺いをさせていただきたいというふうに思うんですが、地方の中でも努力をしているところはたくさんあるんですね。すべての地方を一律で議論することはできないというふうに思いますけれども、地方分権が進む中で、地方における行財政改革、こうした問題も含めてどう進めていかなければいけないのか、お話をいただきたいと思います。

増田国務大臣 ただいま技能労務職員の関係について表で御指摘ございました。私は、やはりこういった差が、地方分権ですとかあるいは地方自治に対しての国民の信頼感とか期待感を損なうことにつながっていってしまっては困るな、そこを大変危惧いたすものでございます。こういったことについて厳しい批判が国民の間に渦巻いている、そのことも私ども十分意識しなければいけないというふうに思います。

 総務省の方で、こうした人件費も含めて事業全般を総点検するようにということを従来から要請してございますが、特に今御指摘いただきました技能労務職員の給与につきましては、昨年七月に民間給与との比較結果を総務省の方で公表いたしました。これは、市町村すべてではございませんが、県はすべて、それから政令市までは個別に全部公表して、私どもで調べたものでこれだけ違っているよと、やはりそういった数字が出ておりました。それを明らかにして、明らかにしたことによって、また随分国民の皆さん方から、ひどいんではないかというおしかりをいただきましたが、それをむしろ甘受しながら、地域の皆さん方でそうしたことについてそれぞれの、いろいろと首長さんや議会でよく議論していただきたいということをねらいとしたものでございます。

 さらに、各自治体に対して、そういった格差をどうやってこれから見直しをしていくのか、その見直しに向けた基本的な考え方、それから具体的な取り組み内容、これを住民にわかりやすくお示しした取り組み方針をことしじゅうにぜひつくって、それも公表してくれということを各自治体に要請しております。今、それぞれの自治体でこの取り組み方針というものをつくっているところでございます。順次、これもまた年度末までに公表されていくと思います。

 そして、地域の住民の皆さん方がそうした状況がわかれば、やはりそこに批判が出てきて、そして、それを何とか直していこう、こういうことにつながっていきますので、そうした取り組みを地域の力で行っていくということを私ども促していくということにしてございます。

 そのほか、公務員の定員削減の計画をつくったり、今、それぞれの集中改革プランというものを定めて実施をしてございますので、こうした事柄について今後も真摯に取り組んでいきたい、このように考えております。

伊藤(達)委員 今、増田大臣から力強いお話がございましたが、これを見ていただければわかるように、やはり地域の住民の方が一番よくわかっておられるんですね。何か、やはり公務員の方々の給料に労使のなれ合いがあって、民間では考えられないようなことがもしあるとするならば、それは正していかなければなりませんし、地域が厳しい、厳しいといいながら、市役所や県庁が最大の地場産業であったら、これはもう笑い話にもならない。やはり民間に雇用をつくり出していく、そのために予算の中身を変える、まず率先して公務員の人件費のあり方を変えていく、こういう改革をぜひ進めていかなければいけないというふうに思います。

 次に、政府の資産、負債の改革について議論をさせていただければと思います。

 今、このバランスシートというのは七百兆円近くございまして、スリム化をやっていかなければいけないということで、当時の財政改革研究会、鴨下大臣が実は座長をやられまして、すさまじい議論をやりました。そして、政府も私たちの議論を受けとめていただいて、十年間で百四十兆円縮減するということを決めたわけであります。

 このバランスシート改革については、埋蔵金という大変文学的な表現が出てまいりまして関心がぐっと集まったところでありますが、その伝説があるかどうかとか、埋蔵金があるかどうかとか、私はこういう議論は余り意味がないんだというふうに思います。なぜならば、私たちの目標というのは、膨大な財政赤字を生み出していくこの構造をどう正していくのか、そして埋蔵金を生み出している行政のシステムを変えていくということが極めて大切であります。

 今、政府のもとには巨額な資金あるいは資産が集められているわけでありますが、国民のために効率的に運用をしてその果実を国民に還元していく、そのことが十分、能力のある者が責任を持って、透明性を確保して実行していく、そういう体制ができているのかどうか、そのことが問われているんだと思います。

 そのためには、まずその前提として、公会計制度というものを抜本的に見直して、資金の効率的な運用あるいはリスク管理、これがしっかり行われているかどうか、きちっと説明責任を果たしていかなければいけないというふうに考えておりますけれども、額賀財務大臣、このバランスシート改革、具体的にこういう形で進めていくんだ、実物資産、金融資産に分けて骨太二〇〇六、二〇〇七に記載もされておりますので、その進捗状況も含めて、お話を賜れればと思います。

額賀国務大臣 埋蔵金、埋蔵金と言うものですから広辞苑で調べましたら、埋蔵というのは、「うずめかくすこと。うずもれていること。天然資源が地中にうまっていること。」とあるんですね。それで、「土地その他の物の中に埋蔵されて、その所有者を容易に判別し得なくなった動産。」である。「その発見者は遺失物法の手続きによって所有権を得る。他人の所有地、他人の物の中で発見した時は、その他人と折半する。」これはちょっと、実際問題としてはそんなことの実体はあり得ないわけであります。

 今、伊藤委員がおっしゃった資産・債務改革については、伊藤委員が中心となってまとめられた基本方針二〇〇六にまとめられているわけであります。具体的には、簡潔で効率的な政府を実現するために、国の資産売却に伴い生じた余剰を原則として債務の償還に充てる、そして債務残高を縮減し、また、資産、債務を両建てで縮減して、金利変動等のリスクの軽減を目指すとの考え方になっているわけであります。

 そういう考え方のもとで、財政融資資金貸付金残高の縮減、国有財産の売却促進等による資産規模のスリム化、それから資産、債務両面における管理の効率化等に取り組むこととしているわけであります。

 財務省としては、まさにこの基本方針によりまして、二〇〇七年三月に、国の資産・債務改革に関する工程表を取りまとめまして、鋭意その実現に努めてきたわけであります。

 具体的に計数的に申し上げますと、まず、財政融資資金貸付金については、二十年度財投計画において、計画規模をピーク時である一九九六年度に比べまして三分の一の水準に圧縮しております。また、財政融資資金貸付金の証券化を今月中にまず一千億円程度実施するとともに、平成二十年度予算案において最大五千億円の実施を予定させていただきたいというふうに思っております。

 また、国有財産については、昨年六月に公表した東京二十三区内の庁舎及び全国の宿舎に関する移転・再配置計画に基づきまして三百八十二ヘクタールの跡地を捻出いたしまして、その売却収入の目安といたしましては、一・六兆円を見込んでおるわけであります。さらに、昨年十一月には宿舎・庁舎の跡地の有効活用の基本方針をまとめまして、売却時に民間提案を生かす入札の仕組み等の導入等を図ることにしておりまして、今後、こうした取り組みを通じまして、跡地の処分を円滑に有効に考えていきたいというふうに思っております。

 伊藤委員がおっしゃるように、簡素で効率的な政府を目指して、工程表に基づいてしっかりと実行に移していきたいと思っております。

伊藤(達)委員 今大臣からお話がございましたように、資産、負債、その両面から総合的に管理していく、民間と同じような発想を持って取り組んでいくということは極めて重要でありますので、財務大臣のリーダーシップをぜひお願いしたいと思います。

 あわせて大田大臣にも、やはり経済財政諮問会議の重要な役割というのは粘り強く改革を訴えていくことだというふうに思います。そうした観点からすると、このバランスシート改革もそうですし、午前中に議論させていただいた成長戦略、あるいは歳出改革、こうしたことについてもしっかりローリングをして、改革を加速するようにぜひ特段の取り組みをお願いしたいというふうに思います。

 それでは、もう一度日銀総裁に金融政策のことについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 私も三年間金融行政を担当させていただいて、総裁とともに不良債権問題を解決して日本の金融システムの正常化、一緒に仕事をさせていただきました。本当に難しい時期の金融政策の運営、御苦労が多かったというふうに思いますし、総裁の御努力というのは非常に高く評価されていいというふうに思っております。

 ただ、私は、先ほどの議論の中で、リスクの検証については時間をかけて検証するということよりも、足元のリスクをしっかり固めていくということが極めて重要ではないかと思いますし、リスクに対する感性というものを私どもはやはり高めていく必要があるのではないかというふうに思っております。

 これからの日本というのは、大変不透明な時代の中で新しいリスクというものが次々出てまいります。そうした中で、どういう点に留意をして今後の金融政策というものをやっていかなければいけないのか、その点について総裁の五年間の総括も含めてお話を賜ることができればというふうに思います。

福井参考人 お答えを申し上げます。

 日本銀行の金融政策の運営でございますが、眼目とするところは、やはり物価の安定ということを常に基礎といたしまして息の長い安定的な成長を図っていく、こういうことでございますので、短期的に、そしてかなり先を見通したシナリオの点検と、委員がおっしゃったリスクの点検、これが大切だというふうに思っています。

 今現在の時点では、短期的な視点に立ちますと、足元の景気が減速しているということでありますので、短期的なリスク要因について十分注意深くなければならない。特に、グローバルな経済及び金融の面で起こってきておりますダウンサイドリスク、これは明後日からのG7でも十分議論されると思いますが、国際的に認識をきちんとそろえて対処していく必要がある。

 もう一つ、先ほども議論に出ました原油価格、食料品価格、原材料価格の高騰、これは、ダウンサイドリスクとアップサイドリスクの両面の性格を備えた複雑なリスクであります。この点につきましても、経済に及ぼす影響というところまで翻訳しながらきちんと評価を加え、金融政策にこれを反映させていく必要があるというふうに思っています。

 それから、やや長期的な視点に立ちますと、先ほどから委員も提起されておられますとおり、日本経済にとっては、少子高齢化にきちんと対応していく、財政再建はきちんとなし遂げていく、そのためにやはりイノベーションをさらに促しながら、イノベーションの成果をただ上げるだけではなくて、バリューチェーンを組んでネットワークの経済性を十分発揮させながら生産性をより上げていく、この道筋が欠かせないと思います。

 金融政策はより長い観点からやっていくというふうに最初に申し上げましたのは、このプロセスを金融政策の面からも最も好ましい金融条件を整えることによってサポートしていくということだと思います。企業も家計も安心して投資を行い、あるいは家計支出を行えるような金融環境をいつでも提供していくということだと思います。わかりやすく言えば、景気の振幅をなるべく小さくしながら、政府、民間の努力で、増加していく潜在成長能力をそのまま現実の成長力として発揮させていく、それに必要な金融環境をいつも整えていくということだと思います。

 したがいまして、日本銀行では、量的緩和政策の枠組みを脱却いたしましたときに、今のような視点を踏まえて、新しい金融政策の枠組みを打ち出しました。政策委員会のメンバーが持つ物価安定の理解ということを、数値的な表現も伴って明確に国民の皆様にお示ししております。それから、経済を安定的に成長させていくという視点からは、やや長い目で見た経済、物価の予測というものを出しまして、これが望ましいシナリオかどうかを同時に評価を加えて国民の皆様方にお示しする。それから、さらに、非常に長期的な視点に立ったリスクについて常時点検いたします、そのこともお約束し、毎回の政策委員会でこれを点検し、結果をお示ししていく、そういう枠組みをお示しいたしました。

 この枠組みについて、私どもは、今後、より望ましい経済の姿が出るように、当初の意図したところをより明確にこの枠組みが示していけるような運営の妙というものに努力をしていきたいというふうに思っております。

伊藤(達)委員 ありがとうございます。

 G7についても言及がございましたが、額賀大臣そして福井総裁、先ほども議論がありましたけれども、ぜひ国際協調をうたって、そして非常に重要なときでもありますので、世界の経済あるいは金融の安定につながるメッセージを力強く出していただきたい。

 それと同時に、経済大国第一位のアメリカが経済が減速している。だからこそ、経済大国第二位の日本が世界経済の安定のために金融政策も含めて断固たる決意で臨んでいくんだ、安定化のために力を尽くしていくんだ、そういうメッセージも力強く発揮をしていただきたいというふうに思います。

 それでは、最後の質問をさせていただきたいと思います。

 社会保障国民会議のことについて、総理に直接お話をさせていただきたいんですが、やはり国民の最大の関心事というのは、何といっても医療、年金、福祉、介護、こうした社会保障制度だというふうに思います。総理が国民会議を立ち上げられたのは、まさにこうした声にこたえて、生活に密着した、現実感あふれる改革路線を提示されたというふうに私は思います。

 国民会議では、今までの専門家の議論だけではなくて、労働市場や家族のあり方など新しい動きというものを把握して、そしてさらに、制度の新たな担い手の方々の声も反映するように努めていく必要があるのではないかというふうに思っております。

 また、この会議の主人公はやはり国民自身である、そのことを明確にするためにも国民会議という名前を総理はおつけになられたのではないかというふうに思いますので、国民の皆様それぞれが、みずからの働き方、あるいは、世代によってこれからの社会保障制度というのはこういうふうに変わるんだ、そういうことが実感できるような議論、あるいは、複数の選択肢をつくっていくということも会議の大切な目的ではないかというふうに思います。

 以上のことを考えると、今までの審議会とは全く違う発想でこの国民会議というものは運営されていくことが期待をされているというふうに思いますし、そこで総理がどのような基本的な考え方を持ってこの会議をリードされていこうとするのか、あるいは、子育て世代からすると少子化対策というのは非常に関心が高い、そうした課題も含めて、今後の課題の設定や運営についてお話をいただくことができればと思います。

福田内閣総理大臣 今般、社会保障国民会議を立ち上げましたけれども、そこで、我が国が社会保障会議を、今この際、どうして検討しなければいけないかということでありますけれども、それはやはり日本の社会構造が変わったということですね。大転換期を迎えた。すなわち人口が減る、と同時に少子化の問題があり、また高齢社会になったということです。

 これから高齢化がますます進んでいくという中でもって、支え手が少なくなってくる、そういう状況の中で、今までの社会保障の体制でやっていけるのかどうか。そしてまた、どのぐらいの給付と負担というものをそれぞれ確保すべきなのかといったようなことについて、これは一回全体的な枠組みというものを考えていかなければいけない。そしてまた同時に、サービスの中身、どれだけのことが必要なのかといったようなことも考えていかなければいけない。そしてまた、少子化ということがございましたので、このこともあわせて考えていきたいというように思っております。

 そのためにはやはり、これは国民全員の関係することであります。我々の将来の、我々はもう余り将来のことは言わなくてもいいんですけれども、若い世代の方々の将来の安心のためであり、そしてそれが確保されるということは社会が安定するもとになりますから、極めて大事な制度をこれから議論するということになるわけであります。

 そこでもって議論する内容につきましては、社会保障の将来像、あるべき姿、これを見据えまして、給付やサービスはいかにあるべきかという、今私が申し上げたことでございます。そしてまた、その将来像を実現するために政府が担うべき役割は何かということ、また、個人や企業が担うべき役割は何かということ、同時に、制度やサービスを支えるための負担をどのようにみんなで支え合っていくのか、分かち合っていくのかということです。

 そういうことについて、委員からも御指摘ございましたように、国民の皆様に社会保障の全体像が、また将来像がよくわかるような説明をしていくということが必要なんだろうというふうに思っております。そういったような議論をこれからしていただくというように期待をいたしておりますけれども、そういうことのために、社会保障について幅広く国民各層の意見を反映させるために、国民会議という名称にさせていただきました。

 そこの国民会議におきましては、三つの分野に分けて、いろいろな検討、細かい検討もしていただこうというように思っております。そういう場に、多くの識見をお持ちになっていらっしゃる方、そしてまた、広い各層のいろいろな分野の方々にもお集まりいただいて、率直な議論をしていただきたい。そのような中から国民がどのような将来像をイメージできるかというところがポイントなのでありまして、そういう議論を展開していただきたいと思っておるところでございます。

伊藤(達)委員 ありがとうございました。

 時間が参りました、最後に一言だけ。

 私、年末に、司馬遼太郎の代表作である「坂の上の雲」という小説を読みました。その中に描かれている明治の群像というのは、近代国家を目指して頑張っていく日本人の気概というものが生き生きと描かれているんですね。司馬遼太郎の作品というのは、生涯を通じて、日本人とは何か、日本の国はどういう国なのか、そのことをテーマにしたというふうに言われております。そのこと自身が今の政治の中にまさに問われていることではないかというふうに私は思っておりますので、ぜひ、国民の方々にそうしたことを感じられるような、そういう政権運営をしていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

逢沢委員長 この際、伊藤公介君から関連質疑の申し出があります。谷垣君の持ち時間の範囲内でこれを許します。伊藤公介君。

伊藤(公)委員 自由民主党の伊藤公介でございます。

 質問に入る前に、私も東京選出の議員の一人として、既にこの委員会の中で随分、今一番重要な道路財源の問題について、特に地方の道路が必要だというお話がございましたが、私が選挙区としている東京でも、道路財源は極めて大事でございます。

 今、六本の高速道路がありますが、その六本の高速道路を南北に結びます圏央道。鳩山大臣、覚えておられますか。私たちが東京で五人同時に政務次官になりました。あのときに、政務次官は余り役に立たないと言われたときに、僕ら東京から五人出たんだから、何とか一つぐらい大臣に負けない仕事をやろうと、五人で官邸に行きましたよね。そのときは中曽根さんでしたよね。五人の政務次官で、圏央道に予算をつけようと、総理に直訴して、それから当時の大蔵省に行ったじゃないですか。その年が初めて調査費がついたんですよ。そして、昨年の秋、冬柴大臣、現職大臣を迎えて、八王子まで見事に開通してきました。

 これからもうちょっと延びると、甘利大臣のところへ行くんですよ。千葉も行きます。これは成田空港に行くんですから。これが完成すれば、私たちは全部、東京の都心を通らないで成田に行くんですよ。福田総理大臣が御自宅から出て、そして関越ですよね、圏央道ができると、私の町田にあっという間に来てくれるんですよ。そうでないと、応援に来るにも随分時間がかかります。

 圏央道は、もし道路財源がこの国会で通らなかったら、間違いなく二十年おくれるというんですよ。これは、私たち人と物を運ぶ日本の最も大事な南北を結ぶ高速道路です。もちろん、圏央道だけではありません。連続立体も、そして子供たちの歩道だって、東京だって直さなきゃならないところはたくさんありますよ。私は、道路財源はさまざまな分野で大きな役割を果たしていることをこの機会にぜひ強くお訴えをしておきたいと思います。

 そこで、ちょっと質問が前後して恐縮ですが、多分時間がなくなると思いますので、まず外交問題から一点聞いて始めたいと思います。

 福田内閣になって、日本の外交が非常にスムーズになったと思います、日中関係あるいは日韓関係。

 私は、昭和五十一年に三十五歳で当選をいたしました。そのころ、ヨーロッパで二年、アメリカで一年過ごしました。そこに住んでいましたから、あのころどこに友人が多いかといったら、やはり、住んでいたドイツやアメリカの友人が多かった。今、どこの国の友人が一番多いかと自分が考えてみたら、圧倒的に中国です、中国は毎年のように何回も行っていますし。そういうことを考えると、日中関係は、私の個人的な生活を考えても、非常に身近になったなというふうに思います。

 そこで、日中や日韓やアジア外交、福田総理のお父様の時代から大きな歴史を重ねてきたものでございますが、スムーズになった日中関係の中で、単なる交流だけではなくて、本当に日本と中国が共同で作業ができるかという重要なテーマになってきました。

 胡錦濤さんが桜の咲くころには訪日をすると報道されています。その中で、日中のガス田の開発が大きな課題になっていると思います。新聞報道によりますと、これは両方で出資をして、出資をした分にそれぞれ分け合うという作業が進んでいるやに伺っていますが、外務大臣、今、胡錦濤さんの訪日やガス田の問題について、どのように進んでいるか、まずお聞きをしたいと思います。

高村国務大臣 昨年の十二月初めに訪中をいたしまして、ヨウケツチ外相とこの問題についていろいろ突っ込んだ意見交換をいたしました。そのときに、この問題の解決というのはかなり大変だなということと、それでも解決しなければいけないんだねという決意を共有したわけであります。

 そして、昨年の末に福田総理が訪中されて、両首脳間でいろいろ意見交換をされ、そして、さらに双方の理解が進み、そういう中で、両方でこの問題を何としても可及的速やかに解決しよう、首脳間でそういう決意を共有したわけであります。

 そういう中で、私としても、福田首相の命を受けて、この問題、可及的速やかに解決をしたいと全力を尽くす所存でございます。胡錦濤さんが来るからどうだとか、そういうことでは必ずしもなくて、この問題は、早く解決した方がいい問題である、そういうふうに考えております。

伊藤(公)委員 こういう共同開発ができるような日中関係というものを、ぜひ構築してほしいと思います。

 きょうは非常に限られた時間でありますので、たまたま私は今、自由民主党の障害者支援議員連盟の会長でございますし、また、団地議連の会長でございますので、いろいろ専門的な質疑が続いた中でございますから、少し身近な、しかし、そこに現実に多くの方々が生活をしている非常に影響のある問題について重点的に質問したいと思います。

 ただ、その前に一つだけ、社会保障で、もし時間があれば後で聞きたいと思いますが、総理に伺っておきたいと思います。

 あの郵政改革のときでも、あの時期でも、国民の皆さんに、何が一番関心事かとアンケートをしました。私の選挙区では、六〇%以上の人たちが社会保障だと答えられました。年金、医療、介護、生活保護、恐らく多くの国民の皆さんが一番心配をしているのは、社会保障がどうなるかということだと思います。

 今、アメリカ、向こうでは熱い大統領選挙が行われています。オバマ候補も、そしてヒラリー候補も、もし自分がこの国の大統領になったら、アメリカという国に国民皆保険を導入するという約束をしています。私たちのこの国は、三十六年から既に国民皆保険、そして年金制度もスタートしてきました。

 私のふるさとは、選挙区は東京ですが、信州でございます。超過疎の村です。私の両親は、子供たちが全部家を出ましたので、村にできたサンハートという施設で、大変温かい御支援をいただいてお世話になっています。私も、施設を訪ねるたびに、そのホームを出るときには、おやじ、おふくろも四階から手を振ってくれます。祈るような思いでホームを出ます。

 厚生労働省も、日本のこれからの介護、社会保障をどうするかということを真剣に考えていただいていると思います。先ほど舛添大臣とエレベーターに乗りましたら、今、一番答弁を多くしている大臣だそうでして、それほど国民の暮らしに直結をしているということだと思います。

 もう予算委員会のメンバーの皆さんは御理解をいただいている数字ですが、今、日本、私たちの国が租税負担や社会保障の負担をどれだけしているかという国際比較の図であります。

 この図を見ると、よく言われているように、我が国の社会保障、そして税の負担というのは、どちらかといえば中庸を行くというところに今いると思います。スウェーデンなどは自分の収入の七〇%は税と社会保障だ、しかし、アメリカは日本よりも低い。今、国民の最も関心事の、これからの、社会保障を含めて、税負担、給付と負担をどうするかということは、今国会の最も重要なテーマであり、国民の一番の関心事だと思います。

 総理は、この国のかじ取りをしていられるわけですが、お年寄りに安心な暮らせる政治、若い人たちに希望が持てる政治をと述べられました。総理、これから、二〇二五年、我が国が最も高齢化社会を迎えるときの日本の国民の負担、そして給付は、どういうところを目指していくのがいいと思うでしょうか。国民会議が持たれていることは承知しています。ことしの夏まで、そして秋には大体結論を出すという話ですけれども、総理御自身の描かれている日本の将来、ちょっと熱い言葉でお答えをいただきたいと思います。

福田内閣総理大臣 社会保障に対する国民の関心は非常に高いと思います。例えば年金問題、こういう不祥事がありましてまことに申しわけないことだけれども、こういうことも社会保障に対する関心を高めたと思います。

 同時に、やはり社会の情勢が変わってきたということがあります。

 一つは、昔のような高度経済成長とか、そういう経済成長に期待が余り持てなくなってきている、期待をしても安定成長であるということであります。

 それからもう一つは、高齢化の問題であります。高齢化社会になって高齢者がふえてくるというようなことの中で、それを支える若い人たちの数が減ってきて、そして若い人に負担が余りたくさん行ってしまったら若い人が気の毒だというようなこともありますけれども、そういったようなことも含めて社会保障というのは、大変関心を集める、言葉をかえれば、心配事になってきたと思います。

 この心配は何かといったら、将来に対する心配ですね。今現在、給付を受けている方々もいらっしゃいますが、若い人だって、将来の自分たちの生活を考えた上で、将来が一体どうなのかな、経済も余り昔のような伸びはないんだ、そういう中で、自分が年をとったときにどうなるかというのは大変な関心事にならざるを得ないというように思います。ということは、社会保障に対する期待が大きくなっている。相対的に昔は小さかった。しかし、これからは大きくなっていくんだということをまず考えなければいけないと思いますね。

 ですから、この社会保障について国家としてどういうものを用意すればいいのかということがあります。アメリカのように自助努力ということでやっている低福祉・低負担という国もありますし、また、スウェーデンのように、御指摘のように高福祉・高負担というような国もあります。日本は、そういう意味でいうと中福祉・中負担、このようなことも言われておるわけでありますけれども、日本が果たして将来、この中福祉・中負担でやっていけるのかどうか。そして、その中負担の、要するにサービスの中身が国民が満足できるものかということなのでありまして、そこのところを少し国民的な議論を巻き起こしていかなければいけない問題ではないかと思います。

 私は、今の状況からすれば、中福祉を維持する、今の水準を維持するということになれば、支え手が減るわけですから、負担はふえざるを得ないだろうというように思いますよ。ですから、そこのところをどうしていくのかということで、この辺を国民各層の方々にお集まりいただいて議論をしていただこう、そして、国民にも、自分たちの将来がどうなのか、どうあるべきかということをあわせ考えていただきたいというふうに思っておりまして、将来の安心のための議論をここでやっていただこうというために国民会議を開催させていただいたということでございます。

伊藤(公)委員 総理のお話のように、これからどういう福祉をやるかということになると、やはり財源の問題が当然あるんですね。

 きょうも埋蔵金の話がありましたが、今、国民というか、我々が町に帰っていろいろ話をしていると、我々の年金や医療がしっかりするなら、それは消費税なり税負担もいいと。だけれども、もっと倹約しなきゃだめだ、無駄遣いがあるんじゃないかと。そういう中で、この埋蔵金の問題は皆さん関心があるんですね。やはりどこかにあるんじゃないか、もっと絞れば。

 そこで、ちょっとパネルをつくりました。一般の国民の皆さんは、一体本当に何なんだろう、そう思っているんですね。これを見ますと、どこを削れるのか。

 財務大臣に伺いたいんですけれども、もう待ったなしの問題があるんですよ。

 国民年金はもう税負担を五〇%にしたんでしょう、法律的には。だから、もう来年というそういう時間になってきているんじゃないでしょうか。二兆三千億円はどこかでつくらなきゃならない。

 ここをずっと見てみますと、確かにトータルすると二百兆円ありますよ。ことしの国の予算は八十三兆円ですか。一般の国民の皆さんが、予算は八十三兆円、二百兆円もあるんじゃないか、そう考えがちですけれども、一つ一つ全部丁寧にやってみますと、国民の皆さんが負担していただいた保険料、一番大きいのは百三十兆円ですよ、厚生年金。それから国民年金、九兆四千億円あります。こんなのすぐなくなっちゃいますね。そのほかのもの、みんなそんなに簡単にできない。もしあるとすれば、ことしの二十年度の予算にも、この中から一般財源、過去の借金に返しているものがあります。外為で一兆八千億円、そして国債の消却に、たしか九兆八千億円返しているんじゃないですか。使えるものは使っているんですね。

 財務大臣、もう二兆三千億円はそんなに遠い将来の話ではありません。私たちは、国民の皆さんにきちっと説明をして、どこまで我々は削れるのか、どこまでは負担をするのか、そして、そのことを国民の皆さんにも御理解いただかなければなりませんが、この積立金は、一体使えるものがあるのかどうなのか。そして、二兆三千億というのは一体どうなるのか。国家の財布を握っている責任者ですから、ちょっとその辺をお答えいただけませんでしょうか。

額賀国務大臣 伊藤委員のおっしゃるとおり、特別会計というのはこんなにたくさんあるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、国家予算というのはすべて透明化されておりますし、オープン化されております。広辞苑にあったように、地下に埋もれているようなものはもう一銭もないわけでございます。

 外為にしても財政融資資金にしても、これは運用の利益で稼いで、利益を起こして、そして、外為特会というのは為替の変動によって大きく評価損が出ますから、これは積み立てておかなければならない。利益が出れば、できるだけ、特別会計でも、一般会計に戻して財政再建に努めよという形になっているわけでございます。

 伊藤委員がきちっと説明しろということでございますから、特別会計というのは、それぞれの目的があってつくられているわけですね。

 伊藤委員がおっしゃるように、積立金等百九十六兆円、二百兆円ありますが、その八割は、百五十四兆円は厚生年金、国民年金等の保険事業の積立金でありまして、例えば厚生保険特別会計の積立金約百三十一兆円及び国民年金特別会計の積立金九・六兆円は、将来の国民の年金給付の財源に充てられるものでございますから、これは、運用もよくして、安定的にして、国民の皆さん方にしっかりとお返しをしていかなければならないという、国民から預かった大切なお金でございます。

 それから、労働保険特別会計の約十一・四兆円というのは、将来の雇用情勢の変動のために備えているものでありまして、雇用保険だとか労災保険のことをいうわけでございます。

 また、国債整理基金特別会計の約十二・六兆円は、将来の国債の償還に備えていくわけでございまして、国の予算だけで五百五十三兆円の借金を抱えているわけでありますから、財政の健全化というのは国家目標の最大の課題であります。自分の時代に借金したものは自分の時代で返していくというのは、日本人の矜持として当然持っておかなければならない、そういうことであります。

 それから、今後のことについて、さっき外為の話はいたしました。それから、財政投融資特別会計の積立金九・八兆円についても、これは運用利益で国債整理基金に戻してその返済に充てたということでございまして、今後とも特別会計の状況をよく見ながら財政再建に結びつけていきたいというふうに思っております。

伊藤(公)委員 いずれにしても、積立金というのはそれぞれの目的があるということでありますから、皆さんも少しは理解をしていただけると思います。

 舛添厚生労働大臣には、日本の、介護されているそういう状況を伺おうと思いましたが、時間がありませんので、私の方からちょっと問題提起だけしておきたいと思います。

 今、どちらかというと、病院に入院している人が非常に多い。療養型病床群から福祉の方にやっていこう、できるだけ移動していこうという方向は私も理解できないわけじゃないんですけれども、その受け皿が、よくスウェーデンの例を挙げられるんですけれども、スウェーデンはみんな在宅だと。ところが、そのスウェーデンも変わってきているんですね。お年寄りですから、いろいろなケースがある。病院から介護施設までの間の中間施設のようなものが随分できているんですね。

 そこが非常に日本はおくれていると私は思いますので、厚生労働省、いろいろ今取り組んでいただいていますが、日本は日本なりのそういう受け皿を、ぜひしっかり取り組んでいただきたいということを要望して、冒頭に申し上げましたように、障害者自立支援法について具体的に伺いたいと思います。

 全国で、身体障害者の皆さんが約三百五十万人、それから知的障害者の方々が九十万人。今度は、この法のもとに精神障害の方々も含まれることになります、約三百五十万人。七百万人の方々が、そしてそこに働く人たちが、雇用されている方々が約五十万人、そこには家族もいます。全国の福祉施設には、たくさんのボランティアの方が支えていただいています。この障害者自立支援法が、ある意味では最もその支えです。ですから、厚生労働省さんがこの自立支援法をどのように運用するかは、全国の、日本の障害者の施設、それに関連する人たちが非常に関心を持っておられます。

 これは公明党さんの御協力もいただきながら、与党PTで、そして私もたまたま自由民主党の障害者支援議員連盟、きょうもこの中にも何人もいてくださいますが、皆さんと一緒に、昨年の十二月二十九日、お忙しい中でしたけれども、舛添大臣にお会いいただいて、ぜひ今緊急に改革してもらいたいということを申し上げました。そして、非常にスピーディーに大臣も決断をしていただきました。

 重要な点だけ、どのように変わったかということだけ、これはまさに全国の障害者の皆さんが見ていただいていますから、大変恐縮ですが、時間が限られていますけれども、ぜひちょっとお答えをいただきたいと思います。

舛添国務大臣 障害者の利用者負担というのは非常に大きな問題でして、九割以上を公費で負担する、しかし所得に応じて最大一割まで御負担をお願いしているところでありますが、この所得に応じた一月当たりの負担額にも上限額を設定する。さらに、昨年四月から軽減措置を講じました。

 そして、さらに、今般の緊急措置で、来年度予算案におきましては、低所得者世帯を中心に、利用者負担の上限額はこれまでの半分程度に軽減いたします。そして、障害児を抱える世帯については、利用者負担の軽減対象となる範囲を拡大、つまり、今まで年収六百万程度、これを八百九十万程度まで上げました。それから、負担上限額について、世帯全体ではなくて、例えば親が資産を持っているからどうだということじゃなくて、本人及び配偶者のみの所得で判断する、こういうことになりましたから、平均的な負担率はおおむね三%程度にとどまる。与党の皆さん方の御検討も踏まえて、こういう措置をとりました。

伊藤(公)委員 これは障害者の施設の現場では大変大きい問題でございまして、非常に早く決断をしていただいて、ありがたいと思っています。

 もう一つ重要な点がございます。これからお願いをする点です。

 これは資産要件の問題です。健常者だって、親は子供の将来を考えます。しかし、障害児を持った両親は特に、自分が支えられなくなったときの子供たちの将来を考えています。だから、自分も、そして自分の障害を持った子供にも少しずつ少しずつ蓄えをしているんですね。これが、両親の場合は一千万円、そして御本人の場合には五百万円お金がありますと、実はこの軽減されるところに入らなくなっちゃうんですよ。これはぜひ見直してもらいたい。そうしないと、親が少し蓄えをする、子供のために、必ず子供を残すということになるわけですから、ここは大臣、ぜひ決断をしていただきたいと思いますが、お考えを聞かせてください。

舛添国務大臣 今のケース、私も本当にそのとおりであるというように思っておりますが、ただ、片一方で、本当に多くの資産を持っている方がおられるとしたときに、その負担の公平性という議論が必ずあります。しかし、今委員が御指摘の点は、障害者自立支援法を抜本的に見直す過程において必ずきちんと検討したいと思います。

伊藤(公)委員 ありがとうございました。大臣が必ず見直すということですから、恐らく全国の障害者の皆さんは、これを見られて、やはり大臣の決断によって政治が動くんだな、きっとそう皆さんがお考えいただけると思います。ぜひ、できるだけ早い時期に見直しをしていただきたいと思います。

 時間が限られていますので、もう二、三点用意しておりましたが、先ほど申し上げたように、私は、住宅公団、公団関係の百人を超える党の議連の代表でございますので、行政改革の問題などもございまして大変注目をされました都市機構のこれからについて伺いたいと思います。

 私は、この債務内容などもいろいろな角度から勉強させていただきました。かつて、国鉄の借金とかあるいは道路公団とか、借金ではありませんが郵政とか、私は改革の最先頭で一緒にやってきたつもりです。ただ、この都市機構は、もう四十年近く皆さんが住んでいるふるさとです。皆さんはちゃんと家賃を払って、そしてその部分ではちゃんと採算がとれている。まず、一番心配なのは、財務事情がどうなっているのか、実際に。

 そして、もう四十年たっています。エレベーターがない。商店街も随分変わりました。後ほど総理からも御感想を伺いたいと思いますが、総裁候補として多摩ニュータウンを視察していただきました。商店街があくと、すぐにそこの商店街に入るのではなくて、新しい、障害を持った人たちのNPOとか高齢者の方々のデイサービスとかハウスシェアリングとか、やはり人々の営みというのはすごいなと私は思いますよ。自分たちで時代を変えていくんですね。

 そういう意味で、一体今この都市機構というものは財政上どういう状況になっているのか。そして、もう余り質問を続けてはできないので、あわせて、今後どんなふうに取り組んでいかれるのかを、まず都市機構の理事長さん、お答えをいただきたいと思います。

小野参考人 お答えを申し上げます。

 私どもUR都市再生機構の経営状況でございますけれども、平成十六年に独立行政法人になりましたときに資産の再評価をいたしました。その結果、七千二百八十八億円の累積の損失があるということでございました。これを平成三十年度までに何とか解消したいということで、経営改善計画をつくってスタートいたしました。現在、景気が大変よかったということもございまして、過去三年間で累損は約三割減ってきておりますし、また、有利子負債も三年間で一兆六千億の減少ということになっておりまして、おおむね経営改善は順調に進捗をしているというふうに考えております。

 さて、これからでございますけれども、私どものUR賃貸住宅は、およそ七十七万戸ございまして、三十年代、四十年代あるいは五十年代の前半までにつくりましたものが四十数万戸とその大宗を占めておりまして、これは大変老朽化が激しく、間取り、設備等も古いわけでございます。こういうものをいかに再生をしていくか、あるいは団地ごと再編をしていくかということは、大変大きな課題だと認識しております。

 昨年の十二月二十六日に、私ども、UR賃貸住宅の再生、再編の方針というのを世に問いました。これに基づきまして、団地の建てかえ、一部建てかえ、あるいはストックの改善、あるいは場合によっては用途廃止、あるいは土地の所有者への返還といったような、そういう方向によって合理化、再編を図っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。

伊藤(公)委員 私も、ちょうど四十年、町田市の鶴川団地ができて、そこに一緒に隣接をして住ませていただいてきました。エレベーターのない団地で、四十年前にもし三十代、四十代で入ったら、あれから四十年たてば、総理、八十歳になっていますよ。八十歳の方たちが毎日一階から五階まで荷物を持って上がるのは、やはり大変ですよ。民間だってみんなもうバリアフリーにしています。私の町には都営住宅があります。でも、都営住宅はほとんど、全部建てかえてエレベーターがついていますよ。やはり国の方が二、三周おくれているなと思います。

 そんな中で、多摩ニュータウンも町田も、分譲団地は自分たちで建てかえが始まりました。ですから、私は、国もしっかり取り組んでいただきたい。七十万戸、二百万人の人たちが、その団地で子供たちはみんな育ちました。私もその近くにいます。そこで育った野球少年が昨年はプロ野球に入団しました。あるいは、まさに総務省の高級官僚の道を歩いている少年野球の選手も団地に住んでいます。みんな、そこはふるさとなんです。行革も大事です、改革もしなければなりません。しかし、ふるさとは私は守ってもらいたい。

 この日本の数々のニュータウンは、イギリスやドイツのニュータウンをモデルにしてつくったんですね。今、イギリスのニュータウンに行ったら見事な町になっていますよ。それはやはり、時代背景も違うかもしれないけれども、見事に職住接近の町です。田園風景もあります、工場もあります、そして住宅がちゃんとある。もう見事にできています。日本の場合は、どちらかというと、残念ながらベッドタウンですけれども。

 でも、もう一度この町をつくり直すなら、昔のように大きな工場をつくる時代ではありません。小さな六畳間でも上場ができる時代です。先ほど申し上げたように、あいた商店街にNPOやデイサービスや、総理も、総裁として現場を訪ねていただきましたあのどんぐりパンも、実は都市機構がいろいろやっていただいて、あそこは二つの区画で、すごくおいしいパンをつくっていただきました。総理、食べられましたよね。

 私は、このふるさとは守ってもらいたい。改革はいいです。二十八社、九財団ありますね。そういう改革も大いにすべきだと思いますが、国土交通大臣の決意をお伺いします。

冬柴国務大臣 URの、いわゆる都市再生機構が持っております賃貸住宅は、今総裁も言いましたように七十七万戸でございますけれども、そのうち、三十年代に建てられたものが約九万戸、そしてまた、四十年代には実に三十二万三千戸ということでございまして、半分以上が三十年、四十年代に建てられたものでございます。それは、今おっしゃったように、大体箱形で五階建てで階段でということで、エレベーターがございません。

 私の方の地元にも西武庫団地というところがありますが、これが建てかえをしております。そして、その建てかえのパークタウンというのは、立派なもので、エレベーターはもちろんついております。

 そういうことから、その建てかえたところへ入れなくなってしまっては大変でございますので、私どもは、この平成二十年度予算において新たな出資金制度を四百億円打ちまして、そして、そういう賃料の差額を補助できるような手だてを講じました。

 また、厚生労働省と連携しまして、高層にしてあいた土地につきましては、安心住空間創出プロジェクトということで、介護や医療や子育て支援の施設を誘致して、そこを福祉拠点にしようということでございます。

伊藤(公)委員 最後に、総理、ニュータウンを大変お忙しいスケジュールで視察していただきました。総理の御感想を伺って終わりたいと思います。

福田内閣総理大臣 半年近く前に多摩ニュータウンを見学させていただきました。

 多摩ニュータウンというのはもう四十年たつんですね、今でもニュータウンですけれども。もう、できたころは大変有名で、そして、皆さん見学に行ったんじゃないかと思いますよ。私もそう思いつつ、ついぞ行けなかった。行きたいという思いはいろいろな人に、ニュータウンに住んでいらっしゃる方に伝えておりますので、皆さん御理解してくだすっていると思いますけれども。それが、総裁選挙というものがあったものですから、幸いにして行ける機会があったということであります。

 私は、あそこの地域、それは、建物はもういささかニューとは言えないような形になりましたけれども、環境はすばらしいですよね。緑もある、広々としてすばらしいところだと思います。あの地域に住む方は、精神的には非常に豊かな生活を送っていらっしゃるんじゃないかな、こういうふうに思っております。

 しかし、御指摘のように、高齢化していらっしゃる居住していらっしゃる方々、その便益を考えますと、エレベーターもないといったようなことで、これは何とかしていかなければいけないなというように思います。しかしながら、一方では、国の財政の問題もありますので、都市再生機構に工夫してもらわなければいけないと思っております。

 特に、都市再生機構で考えてほしいことは、これから高齢者がふえてくる、そして、その高齢者が、必ずしも皆さん豊かな生活を送るという保証があるわけじゃないんですね。低所得の方もいらっしゃるかもしれぬ、年金も余り多くない方もいらっしゃるかもしれぬ。そうしたら、そういう方々にどうやって住んでいただくのかということをやはり考えなければいけないんではなかろうかなと思います。

 そういうふうなことになりますと、社会保障の一環というふうなことになってしまうんですけれども、社会保障というように考えなくても、そういうような来るべき時代に備えた日本の住宅政策というものはあってもいいんではないかなというふうに思っております。

 ですから、都市再生機構には、そういうことを含めて、また、都心の防災の問題もあわせ考えて、都市再生機構としてどこまでできるのか、そして都市再生機構のあり方そのものも含めて考えてもらおう。今、独立行政法人の民営化とかそういったようなことが言われているときでございますけれども、そういう大事な使命も担っているということでありますので、そういう観点から、ここしばらく検討をしっかりやってほしいということをお願いしているところでございます。

伊藤(公)委員 まだちょっと、数分時間があるようです。

 きょうの総理の今の御答弁や国土交通大臣のお答えを聞いて、団地に住んでいる皆さんはほっとしていると思います。そして、これからまた新しい時代が来るなということを皆さん予感されていると思います。ぜひひとつ、しっかりこれからも取り組んでいただきたいと思います。

 私、最後のテーマとして、国家戦略として日本語を普及すべきだということをテーマにしてまいりました。

 今、中国は、孔子学院、世界の国に、大学なんかに中国語の先生や教材を送って、中国語普及をしていられます。最近、韓国も始めました。もちろん、イギリスとかドイツなんかはそれぞれ早くから、ゲーテ・インスティトゥートですか、私も、ドイツにいたときには、実は最初、そのドイツ語のゲーテ・インスティトゥートで語学を勉強しました。やはりいいシステムですね。午前中、ドイツ語の勉強をします。午後は必ず三人ぐらいでホームステイです、もう決められていて。ですから、学校で学んで、午後は実践するんですね。

 今までは、どちらかというと、日本に来る留学生はあれですけれども、日本語をまず勉強してというところがある。そうすると、どうも法務省は、できるだけ水際で入れまいとしている。法務省が悪いというわけじゃないんですけれども、それは不法はだめです、でも、こんな難しい日本語を学ぼうという人たちは、日本にとっては宝ですよ。やはり、この人たちはウエルカムだ。私は、そういう姿勢でやってもらいたい。

 だから、私は、むしろ日本語普及を、世界はもうやっているんですから、日本語を学んだら、多分その人は一生、日本に対して関心を持ってくれますよ。だから、これは外務省とかどこかに任せるんじゃなくて、日本語普及のプロジェクトチームをつくるべきだ。そして、日本語を学びに来たら、例えば二年間学んだら一、二年働ける条件を与えたらいい。そうしたら物すごく魅力がありますよ。

 いずれにしても、そういうシステムを官邸に、日本語普及、世界にもね。だから、日本語の勉強は、日本にも来ますけれども、今、八十五カ国ですか、世界に日本人学校がありますよ。その日本人学校にもっと政府が応援をして、現地の人たちがそこでも学べるような拠点にしていくべきだと私は思います。例えば、日本の外交官とか日本の商社の人の子供たちと現地の人たちが勉強できるといったら、ここは物すごく競争が高くなってくると思いますよ。だから、これは国家戦略としてやるべきだ。

 そして、そのときに、留学と就学という差別をやめた方がいい。もうほとんど主要な国にはありませんよ。就学になると、学割が使えません。そして、就学になると、アルバイトして働きながらも非常に制限されている、土曜、日曜にも四時間以上働けないんですから。留学は働けます。だから、ぜひ、留学、就学という差をもうなくして、国家の戦略として日本語普及を、私は、できれば官邸にそういうプロジェクトチームをつくってやってもらいたいと思うんですが、入管の問題だったら法務大臣ですから、どうぞ。

鳩山国務大臣 伊藤先生おっしゃる意味、日本への理解とか日本語の普及というのは全くそのとおりで、本来、留学生と就学生の区別がなければいいんですけれども、高等教育機関に勉強に来るのを留学として、語学等は就学という区別をしているんですね。

 今先生おっしゃったアルバイトの、資格外活動の条件等はなるべく差がないように考えていきたいと思いますが、ただ、現実問題として、うまく日本の国が受け入れないというのもあるんでしょうけれども、就学生の何人かに一人が、多い年は四人に一人ぐらいが不法残留になるというような問題も同時に解決しなければならないと思っております。

伊藤(公)委員 時間がないので総理にお答えをいただくことはできませんが、ぜひプロジェクトチームをつくっていただくことを強くお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて谷垣君、山口君、伊藤達也君、伊藤公介君の質疑は終了いたしました。

 次に、斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 昨年九月二十五日、自民党と公明党の連立政権協議を行わせていただきまして、十五項目の合意に達しました。この十五項目の中には、政治資金一円以上の領収書の公開、実は自民党さんは、そのときに初めてここに一円以上の公開を決断されたわけでございます。また、高齢者医療の負担増の見直し、母子家庭の児童扶養手当見直しの凍結、また、先ほどお話がございました障害者自立支援法の抜本的見直し、これらの合意を含んだ十五項目、政権合意としてできたわけでございます。

 そして、これらは、先日終わりました臨時国会の中で、また、昨日成立をいたしました十九年度の補正予算の中で実現したものもございますが、そのほとんどはこの来年度予算案の中に盛り込まれております。この連立政権合意が達成されるように、平成二十年度予算案の年度内の成立、そして国民生活に資するということをぜひ我々としても決意をしているところでございます。

 まず、私は初めに、きょう、地域の活性化、地方の再生ということで質問をさせていただきます。

 限界集落問題、この限界集落といいますのは、高齢化率が五〇%を超えて共同体としての機能の維持が困難な地域と言われておりますが、全国で今問題になっております。この過疎集落、限界集落の問題は、一地方の問題ではなく、私は、これから本格的な人口減少社会を迎える日本の社会のありようにかかわる大変重大な国家的な問題だと思っております。

 この限界集落につきまして、私たち公明党は実地調査をいたしました。「集落機能の維持状況」でございますが、これは国交省と総務省がまとめているものでございますが、過疎地域の集落数は大体六万、その中の約一割、集落機能の低下が言われております。そして、その半分、約三千集落が集落機能の維持が困難とされているものでございます。

 この三千集落の中から、私たちは、二百六十一市町村、四百七十六集落につきまして、公明党の地方議員が集落を訪問し、集落の世話役の方からお話を伺う、また、担当の役場の人に話を伺うという形で実地調査を行いました。その結果を二、三御紹介したいと思います。

 その一部でございますけれども、高齢化率が五割以上になっておりますのは、調べた集落のうちの八〇%近くでございます。そして、全体の四割近くが高齢化率が七割を超えている、これが実態でございます。

 そして、もう一つわかりましたのは、ちょっと細かい数字になりますが、ここの円グラフの数字は、集落の世帯数をあらわしております。高齢化率が上がれば上がるほど、その方々が住んでいらっしゃる集落は小さい集落である、田舎の小さい集落ほど高齢化率が高い、これは想像できることですけれども、我々の実態調査でこれが明らかになりました。

 そして、その方々から、何に悩んでいらっしゃるかということをお聞きしました。そういたしますと、働く場所や仕事がない、耕作放棄地がふえている、それから、空き家がふえている、また、鳥獣被害、シカやイノシシなどの被害で困っている、このような悩みの現状が明らかになったわけでございます。

 このような中で、声を二、三御紹介いたしますと、これは長野県のある集落ですけれども、七十歳以上が七五%、後継者がいる家は二十一世帯中の二世帯のみで、崩壊状態である、働く場、観光資源もなく、手の打ちようもない状態だ、国はこういう小さなところにも光を当ててほしいという声。また、鹿児島県のある町ですけれども、自治会活動を維持するのも限界を感じている、来年は七十七歳の方が自治会長に決まった、十世帯しかないこの地域だが何とか存続していきたい、このような声が寄せられております。

 この実態調査から、ある意味では本当に立ちすくんでいる、手の打ちようがないという地域の皆さんの実態がわかったわけでございますが、地方再生大臣にまず最初にお伺いいたします。

 政府は、昨年十一月末に地方再生戦略を打ち出しました。そして、その戦略では、地方を三つの類型に分けまして、その三番目に、国土保全の最前線の役割を担いながらも高齢化に直面する中で生活機能の維持が困難な「基礎的条件の厳しい集落」というジャンルを置きまして、その過疎集落に向けた施策を用意しておられますが、このような、人口二十人程度、高齢化率が七割を超えているところには手に余る事業ばかりでございます。このような過疎集落に対して今後どのような手を打っていくのか、このことをまず地方再生大臣にお伺いします。

増田国務大臣 お答え申し上げます。

 実は、私もこの地方再生担当大臣となりまして、真っ先に島根の方に、いわゆる限界集落と言われている地域を視察で訪問させていただきました。いみじくも先生のちょうどお生まれになった地域ということでございまして、大変厳しい実態に置かれているなということを、岩手の知事をしておりましたときも実感しておりましたが、本当に聞きしにまさる厳しい状況だなということを肌で感じたところでございます。

 今の調査でございますが、これもまた足で歩かれて直接いろいろ聞かれた内容でございますが、大変貴重な参考資料にさせていただきたいと思っております。

 こうした状況、いずれも急速な人口の減少、そして高齢化、こういったことによって今生じているところでございまして、それに対して、できる限りそういう地域の思いにこたえたいということで、昨年の十一月三十日に地方再生戦略をまとめたところでございます。

 まず、どういう方向に皆さん方は向かっていきたいと思われるのか、住民の皆さん自身の考え方が一番大事だというふうに思っております。

 そういったさまざまな議論をされた中で、その集落に住み続けたいという思いをできるだけ生かせるように、これは自治体も入ってよくその中をいろいろと施策を組み立てていかなければならないんですが、例えば、今ここのアンケートで出てございますけれども、耕作放棄地が多くなっているとか、あるいは鳥獣被害などが大変ふえているといったようなことに対しては、農業生産活動が少しでも継続するような施策を入れたり、あるいは、そうした地域は農業というよりは林業が中心になっているような地域が多うございますので、林業就業意欲のある皆さん方への担い手対策ですとか、これは主として農林水産省の関係にいろいろ御協力いただきまして、そうしたことを盛り込んだり、あるいは、集落における小学生の宿泊体験、これは、受け入れ施設、補助事業によってつくられたもの、その利用目的が制限されているものを緩和して、地域の施設を柔軟に使って都会などに住んでいる小学生の宿泊体験を受け入れられるような体制を整備したり、基礎的条件が厳しいところでも、でき得る限り入れられるようなものを工夫して入れたつもりでございます。

 あと、やはり足の確保が重要でございますので、こちらは国交省などにも御協力いただいて、地方バス再生の対策ですとか、乗り合いタクシーを融通し合うような、生活の足確保を入れさせていただきました。

 ただ、今委員御指摘いただきましたように、そういったものでも、さらに、今御指摘いただきましたような数十名、二十名、三十名、あるいは高齢化率七〇%以上ということになると、大変厳しいところが当然考えられます。そうしたことについては、やはり自治体がいろいろ中に入って対策を講ずるということが大事なのと、それから、そういった地域を含む圏域で何とかお互いに機能を補完し合って、それでそうした地域の特に若い人たちの人口流出を食いとめられないか。

 これは別途、今、定住自立圏をつくり上げていく上での研究会ということで、総務省の方にまたそういう研究会も先日立ち上げました。とにかくその地域だけでは解決が難しゅうございますので、近隣の地域とのお互いの連携とか補完でやり合う。

 それから、自治体、一番身近な市町村がそこに対しての対策を何とか工夫していく、それを県や国がしっかりと応援していく。地域の自発性を最大限生かした工夫を私ども国としても応援していきたいというふうに考えてございますが、なお一層、公明党さんの方でやられました調査もよく分析して対策をまた講じていきたい、このように考えております。

斉藤(鉄)委員 先日も、全国水源の里連絡協議会というのが京都の綾部市長さんを中心に、全国の二百以上の限界集落をたくさん抱える市町村が、首長さんが集まってつくられましたけれども、自治体間の連携を密にして、また国もしっかり支援をしていただきたいと思います。

 もう一つの調査結果ですけれども、これは役場の担当者に聞いた結果ですが、十年以内に消滅が予想される集落を抱えていますかという質問ですけれども、三分の一はそういうところはありませんという答えでしたけれども、非常に多くの自治体が消滅する集落を抱えている。ひどいところは、五十集落以上そういうものがございますというところもございました。

 このように、これまで人間が自然と共生して、そのこと自体が国土を守ってきた、そういう集落がどんどん消えていく。そういう廃村になったところへ行きますと、廃屋があって、耕作放棄地に人の丈を超えるような雑草が生えている。非常に心がすさみます。

 そういう国土保全ということからも、これは非常に大きな日本の社会が抱える問題だと思いますが、山河破れて都だけが栄える、そういう国はありません。どうかこの点、国土計画という面からどのようにお考えか、国土交通大臣のお考えを伺います。

冬柴国務大臣 まさに御指摘のとおりでございまして、国土の管理水準の低下の問題、大変憂慮いたしております。

 限界集落という抽象的な、そのところに住む人の半数以上が六十五歳以上の高齢者というような定義で抽象的に議論がされる可能性がありますけれども、公明党のこの調査というのは私は高く評価したいし、また、これを資料としまして、我々ももっともっと深く、一つ一つの集落について個性があると思うんですね。

 ですから、そこに住む人たちが何を望んでいらっしゃるのか、その人たちがどう選択をしていくのか。例えば、医療といいましても、五軒しかないところへ医院をつくるわけにいかないわけですね、そういうこと。あるいは、公共交通手段をどうするのか。一つ一つの集落が個性があると思うんですね。

 私どもは、他省庁とも十分連携をとりながら、国土保全という観点からも、この人たちを大事に考えていかなければならないと思います。今後、頑張っていきたいと思います。

斉藤(鉄)委員 総理、このように、限界集落の問題は、一地方の問題というよりも、これから急激な人口減少社会を抱える我が国の社会のありよう、どう支え合って、我々、日本という国家を生きていくのかという本質的な問題だと思います。五十年、百年先を視野に入れた国のあり方について、限界集落また過疎集落という問題からどのようにお考えになるか、お伺いいたします。

福田内閣総理大臣 これはなかなか難しい問題なんですね。

 一つはっきりしているのは人口が減るということでありまして、どこで減るかというと、地方で減る。今の流れというのはそういうことですね。特に、限界集落というような、もしくは、そうなっていなくても、小さいいわゆる部落のようなところは、若い人が、仕事が遠いとか、それから子供の学校がないとか病院がないとかいったような不便な、そういう基礎的な問題がいろいろ重なり合って、みんなそういうところから出て都会に行ってしまうという傾向があるわけですね。そういう中で、お年寄りの夫婦でそこにずっと住み続けるということになるんです。

 そういう中には、それは家々で皆さん違うわけでありまして、中には、どんな不便でもやはりそこに住みたいんだという方もいらっしゃるんですね。そういう方にはやはり住んでいただくということがいいんだろうというふうに私は思います。ですから、そういうような方々にどれだけの、地方自治体が、また国が面倒を見ていけるのかというようなことがございます。

 先ほど総務大臣からもお話ありましたように、地方再生戦略に基づいて、できるだけそういう方々の便益に供するような施策をしていかなければいけないということもございます。また、農林業なんかの維持、再生といったような、そういう地域資源の問題もございますので、ですから、そこら辺については多様な対応をしていく、とりあえずそういうことではないかと思います。

 そしてまた、そこにいなきゃいかぬというわけにもいかないわけですね。ですから、それはやはり、最終的には、お住まいになっている方々の意向、考え方に基づくということが大事なんだろうと思います。できれば、そういう個々の皆さんの考え方に対応できるような政策が打ち出せればいいなというように思っております。

 また、そういう部落を放置しておくとだれもいなくなっちゃうじゃないかというような危惧もございますね。そうすると、その地域はだれが守るんだというような問題も出てくるわけであります。それはそれでまた、その地域を管轄する自治体がどういう対応をするかという問題にもなってきますけれども、そういうことをやはり国としても放置するわけにいかぬだろうというような感じがいたしまして、今、差し当たって過疎対策といったようなこともございますけれども、そういう中でなるべく解決を図っていくということになるのではないかというように思います。

 やはり、地域は守りたい、そして地域の住民の意向は大事にしたい、そういう気持ちで対応すべきだと思っております。

斉藤(鉄)委員 公明党といたしましても、この調査したデータを分析して、あす発表いたしますが、政府にも申し入れをしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それから、地域の活性化、財政的なことを一つお伺いいたします。

 いわゆる財政投融資を借りていろいろな下水道事業等を行っている自治体がございます。民間金融機関から借りられるようなお金持ちの自治体はいいんですけれども、地方の自治体は、民間金融機関も貸してくれない。財政投融資を借りる。しかし、昔借りたお金は非常に金利が高い。今は非常に金利が安くなっている。だから、借りかえをしたい、そして地方自治体の負担を減らしたいということがございました。

 しかし、財政投融資の借りかえを認めるというのは、国債や昔は郵便貯金もありましたけれども、その利子、国債を買った人や郵便貯金に預けている人の利子を払えなくなってしまうわけで、この繰り上げ償還というのは基本的に認められなかったわけです。

 しかし、地方財政の現状を考えれば、行政改革に努力をしている地方自治体であれば、この借りかえ、我々、個人的には昔の住宅ローンを安い金利に借りかえるということができるわけで、地方自治体にもぜひということで公明党も長年主張してまいりましたけれども、十九年度で、一部の自治体といいましょうか、行政改革に努力するという自治体についてはそれが認められることになりました。

 いよいよこの三月から、地方自治体の補償金免除、繰り上げ償還をする場合は将来の利子分を補償金として払わないと繰り上げ償還ができなかったわけですが、その補償金なしで繰り上げ償還ができるということが我々の主張もありまして決まったわけでございますが、財務大臣そして総務大臣、どのぐらいの地方自治体が該当し、そしてその金額はどのぐらいになるのか、どれぐらい地方財政が緩和されるのか、このことについてお伺いをいたします。

額賀国務大臣 これは斉藤委員がおっしゃるように、公明党さん、斉藤先生等の強い主張もありまして、地方公共団体が厳しい財政状況にあるということも踏まえまして、平成十九年から三年間の臨時特例の措置として、財政融資資金の地方公共団体への貸付金のうち、高金利、五%以上のもの三・三兆円程度について、それぞれの団体がちゃんと財政健全化計画を策定し実行していくということを条件にいたしまして、補償金を免除した償還を認めることにしたわけであります。

 と同時に、おっしゃるように、公営企業金融公庫から地方公共団体への貸付金一・二兆円程度及び旧簡保資金からの貸付金〇・五兆円程度についても同様の措置が講じられておりまして、合わせると総額五兆円程度の償還ができる規模となるものと思っております。

 どれくらいの団体数かということでございますけれども、承認された団体数は、都道府県、政令都市及び市町村が一千三百十三団体、広域下水道組合等一部事務組合百六団体の合計一千四百十九団体であります。これに伴う繰り上げ償還申請額は三兆九百七十七億円で、補償金見込み額は五千五百億円程度となっております。

増田国務大臣 私どもで所管しております簡保資金それから公営公庫資金の関係について、私の方から申し上げたいと思います。

 十九年度からの三年間で、簡保資金の方は五千億程度、それから公営公庫資金の方は一兆二千億程度の補償金免除繰り上げ償還を行うこととしてございます。

 この団体数でございますけれども、これにつきましては財政健全化計画の提出を受けるわけでございますが、昨年の十二月に、簡保資金につきまして九百七十九団体、公営公庫資金につきましては一千二百三十七団体に対しましてこの計画の承認を行いました。両方の資金をダブって借りているという団体がございますので、この団体数は、重複を除きますと、実数で千五百二十四団体に対してこの計画の承認を行ったということでございまして、これは、全都道府県それから市町村の約八割弱、具体的には七六%がこの制度の計画の承認を受けた、こういうことになります。

 承認された計画につきましては、簡保資金で、申請額でいいますと具体的には六千五百億、それから公庫資金の繰り上げ償還申請額が一兆二千八百億、これは団体にとりましては大変助かるわけでございまして、資金繰り、本当に私も、知事をやめる最後のときに、こういう制度ができるということでほっとした覚えがございますので、公共団体はみんなこの制度はもう十分に周知は徹底されておりますけれども、またこうしたことの活用がさらに進められていくのではないか、このように考えております。

斉藤(鉄)委員 多くの、八割に及ぶ市町村、五千五百億円の補償金が免除される、これは地方財政にとっても健全化にとって大変役立つ。そのお金が、福祉に、教育に、また過疎対策に行くということでございますので、ぜひPRをしていただきたいと思います。

 次に、道路特定財源について質問をさせていただきます。

 特定財源というのは、受益と負担が明確だから特定財源なんだ、このように説明を受けております。この特定財源というのはほかにもありまして、航空機燃料税、これは空港財源になっておりますが、その二つぐらいというふうに聞いております。

 普通、負担と受益が明確な場合は料金という形をとる場合が多い。港湾使用料それから空港使用料、それから社会保障の個人負担料もそうかもしれません。また、高速道路料金や有料道路。しかしながら、この道路特定財源は料金ではなくて特定財源、税という形をとっている。なぜ税という形をとっているのか。財務大臣、お願いをいたします。

額賀国務大臣 これはもう御承知のとおり、道路を使うことによってメリットを受けるというか、恩恵を受ける方々にとりまして、そういう人たちが受益をするわけでありますから、そういう方々に負担をしていただく。そして、その負担していただいた収入は、道路建設に、特定の目的に向かって使わせていただくということで、目的税、特定財源という形で、税という形で負担をお願いしている、受益者負担という形でお願いをしているということでございます。

斉藤(鉄)委員 料金として取るのは大変だ、一つ一つ道路を使ったときに料金を取るのは大変だ、だから税という形で取りやすい形にしているということではないかと思っておりますけれども、こういうふうに受益と負担の関係が明確になっている場合は、私は納税者の理解というのが非常に大切だと思います。議会制民主主義の発生は、いわゆる代表なくして課税なしということにありまして、税金を払っている人たちの意思というのは民主主義の基本だと思います。

 この場合、負担をしていらっしゃる自動車ユーザーの方々は、自動車ユーザーの団体等を通して我々は意見を聞くわけですけれども、一般財源であるならば私たちは払いたくない、このように明確におっしゃっているわけでございます。

 この特定財源と一般財源の問題、非常に難しい問題でございますが、例えば、これは今審議している平成二十年度予算の道路特定財源の国分でございます。総額三兆三千九百億。この下の水色で書いてあるところが直接道路整備等に充てられるもの、これは地方道路整備臨時交付金を含んでおります。そして、昨年末の政府・与党合意におきまして、道路に使わないものは一般財源とするということがありまして、この一般財源千九百億円、それから使途拡大、この四千億円も、どちらかというと一般財源的な使い方であろうと思いまして、グリーンで色分けしました。

 しかし、一般財源とはいえ、また使途拡大とはいえ、自動車に関連する環境対策等ということで、その使い道がうっすらと書かれております。これは実は言葉的には矛盾しておりまして、一般財源というからには、何々に使うということを書くと、それは一般財源じゃなくなるわけでございます。しかしながら、納税者の理解ということとのぎりぎりの落としどころとして、一般財源なんだけれども、納税者の理解が得られるこういう形に使いますよということではないかと思います。

 この納税者の理解ということを考えれば、また、先ほど申し上げました、代表なくして課税なしという民主主義の基本ということも考えれば、このように負担と受益が明確な場合は特定財源であっても決しておかしくないし、ある意味ではその方が自然なのではないかとも考えますが、財務大臣のお考えをお伺いします。

額賀国務大臣 これは、斉藤委員御承知のとおり、小泉内閣のときに、道路特定財源を一般財源化する、しかし、納税者の理解を得た上で行うという考え方をお示しになりまして、その次、安倍内閣のときに、どこの法律でどの税を使うんだということになりまして、揮発油税を、今までは道路建設のみに使うことが義務化されていたけれども、道路整備を上回る部分については一般財源化を図るという考え方を示されまして、そして福田内閣において、現実にこの法案を提出させていただいているということでございます。

 ですから、従来とは違って、道路特定財源を、道路整備を上回る部分については完全に一般財源化をするという形になっているわけでございます。それで、一般財源化のお金の使い方ですが、これは、だから、道路以外の分野に使うということになっているわけでございます。

 ただ、一般的には、これまでの従来の一般予算の使い方の中で、信号機に使ったり環境問題に使わせていただいたりしていることもあります。それをストレートに結びつけるひもつきの問題ではないんだけれども、一般財源としてそういうところにこれまでも使われてきておりますので、納税者の理解を得るという点では、そういう全体的な中でぜひ考えていただけないかということで、私どもは、納税者の理解を得るために、今までも自動車と関係のあるところの分野に一般財源として使われてきたこともありますから、御理解をくださいという形で御説明をしているわけでございます。

斉藤(鉄)委員 特定財源だから無駄な道路をつくるんだという議論がございます。

 ちょっとまたこのパネルに戻りますけれども、この道路整備、大体私どもの方で、この二十年度予算、どういうことに使われているかというのを整理してみました。

 一番下、維持・修繕、これは今後大きく伸びていくと思います。アメリカで橋の落下事故がございました。あんなことが日本であってはいけないと思います。この維持・修繕、それから大都市圏環状道路の整備や連続立体交差事業、渋滞対策、これもこれからふえてまいります。交通安全対策、このような費用がふえてくる。片一方で、シーリングでこれからも多分公共事業の抑制ということは続くんだろうと思います。

 この総額は、水色の部分の総額はこれからどんどん下がっていく。そういう中で、高規格道路、分断されているネットワークの整備等、ここがいわゆる問題になっている新設または改築と言われる部分ですが、ここはどんどん小さくなっていく。事業、厳格にこれをチェック、必要かどうか見ていかなくてはならない、こういう状況になってくると思います。

 このような予算の中身、そして予算の中身を考えれば、特定財源だから無駄な道路ができるというのは余りに短絡的だと思いますけれども、総理、いかがでございましょうか。

福田内閣総理大臣 我が国の道路投資額は、厳しい精査をした結果、国と地方を合わせて平成二十年度で予算額七兆八千億円、これはピーク時の半分になっているんですね。

 そういうことから見ても、特定財源があるから道路予算が優遇されて、そして無駄な道路がつくられているというようなことではない。実態とは違うということですね、そういう御意見は。

 また、特定財源制度には財政が硬直化するおそれがあるという弊害もございます。そういう指摘もございますけれども、今回、法律改正をしまして特定財源制度を見直しまして、道路歳出を上回る税収は一般財源とする、委員おっしゃるとおりでございます。ということでございまして、特定財源制度の弊害を除去するということにいたしておるわけであります。

 また、他方、地域、国民の生活に根差したニーズにこたえるために、地域の自立、活性化に役立つ道路の整備、環境対策にも役立つあかずの踏切の解消などは、今後も私どもは必要と考えておるところでございます。

 引き続いて、徹底したコストの縮減に努めながら、選択と集中という考え方のもとで、厳格な事業評価の実施によりまして優先度の明確化を行い、そして真に必要な道路への重点化を進めていく、こういう考え方をしているところでございます。

斉藤(鉄)委員 また、一般財源にして地方に渡せば、地方の自主性のもとで道路ができるのではないかという論があります。

 先週の週末、私は山陰のある県に行きました。そうしたら、そこで、その山陰のある県は、いわゆる県が責任を持つ三けた国道、その県の中は、早く山陽や関西に行きたいということで、県の中は立派な道路が通っている。しかし、山陽側の県または関西側の県は、その県に至る道路にほとんど力を入れてくれていない、こういう弊害があるという話を聞きまして、なるほどなと思いました。

 道路はつながってネットワークになってこそ意味がある、このように思いますけれども、このネットワークづくりに対して全体観で見ていかなくてはいけないと思いますが、総理、これについてはいかがでしょうか。

福田内閣総理大臣 道路行政にかかわるさまざまな政策課題に対応するためには、地域の日常を支える生活道路、これはもう当然でございますけれども、拠点的な空港、港湾へのアクセス改善といったような国際競争力の確保に必要な道路、そしてまた、地域の自立、活性化に役立つ道路等々ございまして、国の骨格となる広域的な基幹ネットワークも、これは極めて重要なことであります。

 そのために、国、地方おのおのが適切な役割分担のもとで連携しながら、全体として必要な道路整備を進めるということが求められているのであります。国が責任を持つべき道路についても、選択と集中の考え方のもとで、重点的かつ効率的に整備を図るということが重要であると考えておるわけであります。

斉藤(鉄)委員 全体観に立ったネットワークづくりが必要だということだと思います。

 次に、中期計画について質問させていただきたいと思います。

 昨年十二月の政府・与党合意、十年の暫定税率を決めた、このように報道されておりますが、その中をよく見ていただければ、五年後に見直す、また、税制の抜本改革時に見直すということが書かれております。

 そして、この一万四千キロ、あの話題になっております一万四千キロにつきましても、これを全部つくるというわけではない、こういう理解でございます。

 なぜ十年なのかというときに、今後、真に必要な道路はつくる、その真に必要な道路というのは、やはり十年程度の長期的スパンを持って考えなければならないということで、この十年。そして、そのときに使った材料が、二十年前の閣議決定の材料ですけれども、一万四千キロということでございまして、あの一万四千キロも、よく見ますと、例えば、もう既にここにはこういう国道ができているからその国道を使って新規の建設はやめようというふうな内容も入っておりまして、一万四千キロではない、こういうふうに認識をしております。

 そういう意味で、十年で固定してというふうな報道がされておりまして、私はそこに大きな国民の皆さんの誤解があろうかと思いますけれども、この五十九兆円というのは、そういう意味で上限のお金である、そして、実際につくるかどうかはこれからしっかり精査をしていく、このように考えているわけですけれども、この点についてですが、やはり国民の皆さんは、必要以上にコストがかかっているのではないか、また、そのかかっているコストを不断に見直して、できるだけ安い方法でつくってほしい、そういう研究もしてほしい。この五十九兆円についても、そういう意味では縮減する可能性が大きく残っている、そういう五十九兆円という数字の性格なんだ、このように理解をしておりますけれども、こういう理解について国土交通大臣にお伺いします。

冬柴国務大臣 道路、特に道路のネットワークは、委員がおっしゃったとおりに、日本じゅうにこれが通じて初めて役割を果たすことができるわけでありまして、それが途中でぶつぶつ切れている。今、山陰の方へ行かれたとおっしゃいましたけれども、山陰自動車道路というのは、鳥取から島根を経て山口へ行っているわけですけれども、途中は本当に切れているというか一部できているというような感じですね。

 そういうものが、今後の十年間、少子高齢社会が進んで人口減少社会に入る、それで国際競争力を強化しなきゃならないというときに、そしてまた、地方が今本当に経済が低迷していますよ。そういう中で、その地方を活性化させるというためにもこういうものは私は必要だと思うんですね。そういう感覚に立って、私どもは道路の中期計画を示しました。

 これは、先ほど来あなたがおっしゃるように、六十二年の閣議決定、もちろん、それによって法律改正も必要ありますが、そういうものに基づいた一万四千です。これを、途中で九千三百四十二キロというものは、民営化の議論の中で、その時点で、すなわち平成十五年十二月の時点で整備命令ができているもの、これは全部公団でつくらすのかどうかという議論があったわけです。そこで、見直して、当時できていたのが、七千三百四十三キロがもうそのうち供用されていました。したがいまして、残りの千九百九十九という、それだけをこれからも日本道路公団でつくらせていいのかどうかという見直しをしたのが、あの民営化の議論でございます。

 したがいまして、その外側にある部分については、あの閣議決定以降今日まで、これを予算の査定とかあるいは国幹会議、これには民主党の議員さんも衆参ともに入っていらっしゃいます、自由民主党の方も入っていらっしゃる、計十名の政治家が入って、学識経験者とともに、そのときそのときにおける整備していいかどうかという判断を、いわゆるそういう議を経て我々が着工していくというものでございます。それも財務大臣の厳しい査定を毎年受けながらやっていくわけでございますが、十年間の上限が五十九兆というふうに決められている。これは道路だけではありません。道路整備だけではなしに、踏切の整備とか、あかずの踏切、そういうものもあります。

 ですから、そこに書きましたけれども、十六の分野を分けて、そして、国民の関心の強い、これは皆様方の声によってそこへ挙げてあるわけですけれども、それを総体として、十年間で五十九兆の範囲でこれをやっていくという趣旨でございます。

斉藤(鉄)委員 今の答弁で明らかになりましたように、五十九兆円というのは上限であると。今後、シーリングもあります。また、コストの見直しもやっていかなくてはいけません。また、ルートの見直しも不断にやっていかなくてはいけない。そういう見直しが今後常にあるんだということが明らかになったと思います。

 総理、この中期計画ですが、先ほども人口減少社会と申し上げましたが、そういう中で、これからまた維持管理費も大変ふえていく、しかし原資はそんなにない。そういう中で、今後この十年で基本的な道路インフラは整えるんだ、そういう中期計画の位置づけがあるんだというふうに我々認識しておりますが、総理、お考えはいかがでしょうか。

福田内閣総理大臣 現行の道路整備計画が今年度末に期限を迎えるに当たりまして、改めて道路整備の必要性を検討した結果、地域の自立、活性化に役立つ道路の整備や、それから環境対策にも役立つあかずの踏切の解消とか、そういう国民生活に欠かせない対策は、厳しい財政状況のもとではありますけれども、今後も進めていかなければならない、こう考えております。

 今後十年間を見据えた道路の中期計画の素案では、例えば、全国約十七万キロの生活幹線道路ネットワークのうち救急車両がスムーズに走行できない箇所など約一万三千キロに重点化しまして、その解消を目指すというようなことをいたしまして、地域や国民の生活に根差した優先課題、この優先課題はできるだけ今後十年間で解決をしていきたいと考えているところであります。

斉藤(鉄)委員 優先課題を中心に、当然優先順位の高いものからやっていくわけですが、ほぼこの十年間で必要なインフラを整える、このようなことだと思います。

 それから、次のパネル、道路特定財源について最後の質問をさせていただきますが、これは自動車関係諸税でございます。自動車には消費税を含めて九種類の税金がかけられている、大変自動車ユーザーの負担は大きいと言われておりますが、この各国の比較でございます。

 この黄色の部分が、いわゆる取得、買ったときにかかる税金。それから水色の部分が、いわゆる持っている、保有にかかる税金。それから下の紫色が、走行、走ったときにかかる税金でございます。

 このように見ますと、アメリカの税金が特に低いというのが顕著ですけれども、ヨーロッパ諸国、先進国は燃料に対して大きな課税がかかっている、日本に比べて倍ないし三倍近くかかっている、このようなことがわかるわけですが、環境大臣、この燃料課税について、世界的にこれは環境課税である、このような認識があると私は考えておりますが、いかがでしょうか。

鴨下国務大臣 今議員が御指摘のように、自動車の走行に伴う二酸化炭素の排出量、こういうようなことはガソリン等の燃料の消費量に依存していくわけでありますし、これに伴いまして、燃費だとかその国の保有台数、こういうようなことと、さらに走行距離がそれにまた依存をする、こういう関係になっているわけで、欧米諸国、特にEUの中では、議員が御指摘のように、温暖化対策などのために、エネルギーに係る課税の改革が行われて、ガソリン等のいわゆる燃料課税について急速に課税率を上げていった、こういうような経緯がございます。

斉藤(鉄)委員 この図を見ていただくと日本の課税の特徴がわかるわけですけれども、いわゆる保有にかかる税が非常に高い。諸外国は、取得また燃料の課税は大きいわけですけれども、保有については非常に少ないわけです。

 この取得、保有、走行にかかる課税、特に保有にかかる課税については今後見直していく余地がある、このように我々考えておりまして、これは政府・与党合意にもありますけれども、税の抜本改革時に見直す。このときには、いわゆる二重課税、取得税と消費税の二重課税ですとか、ガソリン税には税金にまた消費税がかかっているというタックス・オン・タックスの問題等もございます、そういう税の制度の矛盾とともに、保有にかかわる税については見直していくという余地も残っている、このように考えております。

 こういう特定財源か一般財源か、また暫定の問題、そして自動車諸税のあり方について、やはりこの国会で大いに議論をすべきだと思いますし、ぜひ民主党さんにも対案を出していただいて、民主党さんもそちら側に座っていただいてこういうオープンな議論をしていくことが、あの議長裁定の、徹底した議論によって一定の結論を得るということにつながるのではないかと思います。

 暫定分はどうなるのか、下げると言う方もいらっしゃいますし、いや、環境税として残すんだということをおっしゃっている方もいらっしゃいます。また、一般部分は、本則にも一般部分なのか、暫定分を一般財源にするのかについてもいろいろな意見があるようでございまして、ぜひ対案をまとめていただいて、政府案と比べて議論をするということを民主党の皆様にもお願いをする次第でございます。

 次に、地球環境問題の質問をさせていただきます。

 総理、ダボス会議で大きな宣言、決断をされました。いわゆる国別総量目標を掲げるということを総理として決断されているわけで、これは大変大きな国の方向性を決めた、このように思っております。

 経済界には反対がございました。経済界や、国民の中にもあるんですけれども、あるわだかまりとして、一GDP当たりのCO2排出量で日本はほかの国に比べて非常に少ない、すばらしい、ある意味では世界トップクラスの省エネ社会をつくり出している、その国がなぜ一番CO2排出抑制に苦しまなくてはならないんだ、こういうのがまず根底にあって、したがって、日本の技術を世界に輸出する、そういうトップランナー方式でこれらの国々のGDP当たりの排出量を削減すれば、その方が地球規模での排出抑制につながる。

 総量規制、数値目標の設定というのは、ある意味で、日本から外国に工場が出ていって、結局CO2排出量の多い技術で製品をつくって、最終的には排出抑制につながらないんだ、このような反対論があったわけでございますけれども、こういう反対論等全部考え合わせられて、しかし最終的には国別の総量目標を決めて、いわゆるキャップ・アンド・トレードでやっていくということを決断された。総理のその理由、また、そういう経済界の反論にどのようにお答えになるのか。

 私は総理のその決断を大変評価しているんです。公明党としても大変評価をしております。そういう意味で、しかし、そういう反対意見にもしっかりと我々説明していかなくてはいけないという意味でお聞きをいたします。

福田内閣総理大臣 地球温暖化問題は、私から申し上げるまでもなく、人類にとって最も深刻な課題でございますので、これにどう立ち向かうかということであります。

 今後十年から二十年の間に世界全体の温室効果ガス排出量をピークアウトする、要するに頭打ちにするということ、そして同時に、二〇五〇年に半減することが必要だ、これは昨年のG8で決めたことでございます。

 そうした中で、我が国は、主要排出国とともに、今後の温室効果ガスの排出削減については国別総量目標を掲げて取り組むことが必要である、こう判断いたしましたが、このことについては、産業界等においても御理解は賜れるものであると考えております。その際、今後、長期にわたって世界が一致協力して排出削減に向けた取り組みを推進、継続していくというためには、各国間の削減負担の公平感を確保する、こういう必要があるんですね。このことはしっかりやっていかなければいけない。

 この観点から、我が国としては、セクター別のアプローチを活用しながら、エネルギー効率とか今後活用される技術などを駆使して、科学的かつ透明性の高い尺度を用いた積み上げ方式による作業を進めていくということが有効な方法であるというように考えておりまして、こういう方法の採用を国際交渉等の場を通じて国際社会に主張してまいりたいと考えておるところでございます。

斉藤(鉄)委員 経済界の理解も得られているという御答弁でしたけれども、まだそういうふうに認識していない経済界もあります。

 しかしながらも、総理がそのように決断されたわけですから、日本はこの方式でいくという道を選んだわけですから、我々、日本が世界の地球環境問題のリーダーシップをとっていく国になるように、力を合わせて頑張っていかなくてはいけないと思うわけですが、そのためにも、中期目標を早く、世界から評価されるような、実際の数値を入れた数値目標を早く示すべきだと考えますけれども、環境大臣、手短にお願いいたします。

鴨下国務大臣 今、もう既に総理からの答弁がありましたけれども、二〇五〇年に半減をする、こういうようなことと、基準年を一九九〇年に我々は設定して、マイナス六%を実現する、こういう延長線上にあるわけでありますから、おのずと二〇二〇年ぐらいにはどうあるべきかということは類推できるわけでありますけれども。

 これから、例えばEUの方式が本当にいいかどうかということについては、これは京都議定書を我が国が批准した段階でもいろいろな議論がありました。そして、例えば産業界によっては、それぞれ国際競争力を非常に妨げる、こういうような議論もありますので、我々、セクター別の積み上げと、加えて総量目標、こういうようなものをある意味でコンバインしたといいますか、そういうような発想で、ひとつ日本式のルールを提案したい、こういうふうに考えております。

斉藤(鉄)委員 ダボス会議での総理の御発言でもう一つ非常に大きなポイントは、やはり発展途上国への技術協力や資金協力だと思います。大変大きな目標を掲げられました。

 その中で、私たち公明党も、日中共同出資の環境基金をつくって、中国の環境、CO2排出抑制、抑えていくことに積極的にかかわっていこう、このように提案させていただいています。また、広く東アジアを省エネ、排出削減のモデル地域にするために日本がリーダーシップをとるべきだ、このように我々は提案をしているわけでございますが、このことについて総理の御決意をお伺いします。

福田内閣総理大臣 私が昨年末に中国を訪問しまして、中国の指導者と会談におきまして、私から、昨年の十二月のバリ行動計画のもとで、中国を含むすべての主要経済国がより責任ある形で参加できる実効的な枠組み構築が必要であるという旨を強調いたしたところでございます。

 中国に対しましては、引き続き首脳会談を含むさまざまなレベルで気候変動問題について働きかけを行っていきますが、そういう中で、日中間の戦略的互恵関係の重要な分野として、環境・省エネ分野で協力をさらに推進していくということを考えておるところでございます。

 省エネというのは我が国が世界で最も進んでいるというふうに自負いたしておりますけれども、そういう省エネ技術は、今すぐ環境問題で何かするといったらば、これしかないんですよ。これしかないというか、これが一番有効であるということでありますので、そういう省エネ技術を東アジア諸国などにおいても活用してもらう、東アジアだけではございませんけれども活用してもらう、そういう仕組みを今回つくりました。

 そういう仕組みでもってアジア諸国と協力して環境改善に取り組んでいこう、CO2の削減に取り組んでいこう、こういうことを決めたわけでございますので、中国ももちろんでございますけれども、その他のアジア諸国と緊密なる連携をとって、日本の技術を活用してもらうという仕組みをさらに広めていきたいというように考えております。

斉藤(鉄)委員 ぜひそのリーダーシップをとっていただきたいと思います。

 時間が参りましたが、最後に一枚だけ、このパネルをちょっと紹介させていただきたいんですが、先ほど日本の省エネは世界一だということだったんです。この図は、横軸が一人当たりのGDPです。右に行くほど経済発展。縦軸がGDP当たりの二酸化炭素排出量でございます。七五年から〇四年まで各国の変遷をとっておりますけれども、みんな右下に向かって、つまり、経済が発展して、かつCO2排出量も抑えているという図ですが、日本は九〇年がここ、そして〇四年がここでございまして、十四年間ほとんど経済発展していないということもよくわかります。アメリカなどは、九〇年、ここからここまでいっているわけです。

 そして、問題はGDP当たりのCO2排出量、ほとんど横ばい。これは、この間、ある意味で環境技術の停滞があるということを示しておりまして、いつまでも日本は世界の省エネトップということではなくなってきた。このことについて、本当に我々真剣に頑張っていかなくてはいけないということを申し上げて、質問を赤羽一嘉さんに譲ります。

逢沢委員長 この際、赤羽一嘉君から関連質疑の申し出があります。斉藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 まず、平成二十年度の予算案の質疑に入らせていただく前に、昨日成立をいたしました補正予算案の審議について、一言所感を述べさせていただきたいと思います。

 今回の補正予算案は、昨今の原油価格の高騰に対する緊急の対策ですとか、長年の懸案でございました中国残留邦人の方への特別の支援策ですとか、また、昨年十一月九日私自身が提案をさせていただきました被災者生活再建支援法の抜本的な改正に伴います、新潟県中越沖地震の被害者ですとか能登地震の被害者の皆さんへの特別支援金の支給といった、大変重要な喫緊の課題が含まれている内容でございました。

 この補正予算に私は全会派賛成されるものだというふうに思っておりましたが、そうはならなかったことに大変な驚きがございました。

 原油価格がこれだけ高くなって大変だと声高に叫びながら、その緊急対策に賛成をされないというのは、どうしても首をかしげざるを得ないというのが私の実感でございますし、国民生活不在の、反対のための反対の政治は、必ずそのツケは国民生活に回ってくるということを、私は政治家として、厳として戒めなければいけないというふうに認識をした次第でございます。

 そういった観点から、きょうから始まります平成二十年度の予算案については、総理の指摘されているように、国民生活の視点に立った議論をしっかりと深めながら、十分に深めながら、野党の皆さんも堂々と意見を言っていただいて、そして一日も早い成立を期するべきだというふうに私は思いますので、その観点で質問をさせていただきたいと思います。

 まず、道路特定財源について質問させていただきたいと思います。

 この点につきましては斉藤政調会長が種々質疑をされましたので、私は、基本的には一、二点だけにさせていただきたいと思いますが、今回の予算の中で、約千五百億円、道路建設には使われない、こういったことが用意されているというふうに伺っております。

 私は、地元に戻りますと、トラック業界などの運送事業者の方は、これは毎日長距離を使われますので、これだけ油も高くなる、高速料金もどうなるかわからない、民営化をされれば安くなるというふうに聞いていたのにそういうふうにはなかなかならない、こういったような大変な悲鳴が叫ばれているわけでございます。

 規制緩和の中で、運賃の価格設定も、これはもう売り主の言うがままに運ばざるを得ないというような状況の中で、何とかしなければいけないというのは、私自身もそのような認識ですし、担当の冬柴国土交通大臣も、同じ地元として、皆様から同じ声が私以上に届いているというふうに思うわけでございます。

 そういった中で、阪神高速、また首都高速について、今まで、いわゆる道路公団系の高速道路では既に実施をされています高速料金の引き下げの割引、大口割引ですとか多頻度の割引、これを阪神高速、首都高速というのはまだほとんどやられていないんですね。ですから、これは道路公団系がやっているんですから、今回の千五百億の予算で最優先に拡充するべきだというふうに思いますが、御所見を伺わせていただきたいと思います。(発言する者あり)

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

冬柴国務大臣 阪神高速、首都高速、新たな料金につきましては、その会社が中心になって検討を進めておられまして、昨年の九月に、会社の採算の範囲内で料金案、例えば阪神高速でいえば、東線は四百円から千二百円というようなことが提示されたところでございます。

 これは、政府と与党との申し合わせによって、画一料金では、短い区間を上ってすぐおりても同じような料金を払うというのはおかしいじゃないかというような発想から、二十年度にはこの料金を、走る距離に従ってすべきだというような申し合わせがありまして、それに基づいて十九年に、九月ごろに会社としての考え方を示されたわけでございます。

 しかしながら、この料金については、今、赤羽委員もおっしゃいましたように、多頻度でしかも大型ということになりますと、これは大変な金額になります。そういうことの負担軽減を求められる利用者の方から非常に多く意見を今も寄せていただいているところでございます。

 国交省としましては、昨年の十二月に政府・与党の合意いたしました「道路特定財源の見直しについて」に基づき、既存の高速道路ネットワークの有効活用を図る料金の引き下げについて検討するということになっておりますので、この秋ごろまでにその検討結果をして、そして、多頻度とか、それから深夜ももう少し、十一時じゃなしに十時にするとか、そういう人たちがお使いになっていられることをきめ細かく見ていきたいと思っております。

赤羽委員 電車の定期も、通勤定期とかは安くなるわけですから、やはり道路料金も、頻度が高まれば当然単価が安くなるというのは、私はとってもいいというふうに思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。

 私はやじに答えるつもりはございませんが、先ほどの私のときに、要するに企業努力でするべきだと言われましたが、それは全く現状がわかってないと言わざるを得ない。これだけの原油高、原材料高、いろんな環境の中で、トラック業界だけでこの一年間で六千億とか七千億のコスト高になっています。それが運賃に価格転嫁できるならそれはいいですけれども、そんな状況じゃないからこそ私はこの場で質問しているということを付言させていただきます。

 次に、総理に聞きたいと思います。

 この道路特定財源について、私はいろんな議論があると思います。国土交通省の立場もわかりますが、向こう十年間、今まで予定されていることを、これは二十年前の閣議決定ですから、これから、人口分布ですとか地域経済の情勢とか、さまざま変化をしていく。ですから、当然それは、一つ一つ丁寧に、事業を行う際に客観的また丁寧な精査をされるというのは、私は当然だと思いますし、その点についてもお聞きしたいんですが。

 そういった前提の中で、私は、恐らくこの国会では修正協議もされるのではないかというふうに思うわけです、与野党で。ちょっとお答えしにくかったらしなくても結構なんですが、私は、そのときに予算の組み替えまで踏み込むことはないんでしょうねということだけぜひ確認をさせていただきたいんです、お答えできる範囲で。

福田内閣総理大臣 道路計画は十年計画というように言っております。それは、やはり道路整備にはどうしても中長期の期間が必要なんですね。十年ぐらいというのはあっという間ということです、道路整備に当たりましては。ですから、それは計画としてそういうものをつくっております。そして、提示をするということは当然のことだと思います。でなきゃ、先の見通しの立たない、そういうような状況になってしまいますので、そういうことは関係者すべてがわかっていることだというふうに思います。

 そしてまた、五年ごとに見直すということもありますし、また、実際に予算を組むときに、毎年、当然のことながら細かい見直しということもするわけでありますので、そういう意味で、決めたらもうむちゃくちゃに走るんだというわけにはいかないことだし、また、そうも考えていないということであります。

 今の、修正というのは、野党の求めに応じて修正する、こういう意味かと存じますけれども、もし修正をするというのであれば、これはやはり野党からきちんとした対案というのを出していただかなければいけない、そして、総合的に議論をする中で、評価をし合いながら、本当に修正が必要なのかどうかということになるわけでありまして、対案が出ていないときに修正という話もないんだろうというふうに私は思っております。

赤羽委員 よくわかりました。

 次に、救急医療体制につきまして質問させていただきたいと思います。

 昨年夏、奈良県で起きました救急搬送システム不備による痛ましい妊婦死産の事件などを受けまして、公明党では救急医療対策推進本部を設置いたしました。先ほど斉藤政調会長が御紹介しました地域活性化対策本部と横並びの本部でございます。

 昨年十一月から一月間かけまして、私たち、全国地方議員も全員合わせて、救急医療体制の実態について把握をするために、救急医療関係のアンケート調査を実は行いました。きょうは、そのアンケート調査を使って質問させていただきたいと思います。

 このアンケート調査は、まず、二次救急病院に対する調査ということで、全国任意で千百四十の病院にアンケートをお願いして、自己記入をしていただいておるのが一つでございます。また、もう一つは、政令都市と都道府県の関係団体へのヒアリングの調査、これは二百二団体から回答をいただきました。

 これは解説をしておりますとあれですので、お手元を見ていただければと思いますが、アンケート調査ではっきりしたのは、改めまして勤務医の過酷な労働実態、また、医師及び看護婦の不足が明らかとなりました。

 今、このパネルに出ております、お手元の資料では二ページ目になりますが、救急病床の空きベッド情報を消防に提供するシステムがない施設というのは、調査結果全体の約四割に近い四百十四施設になったということでございます。その中で、導入予定は二十二施設、一・九%にとどまっているという現状でございます。

 また、救急患者の救急車による医療機関への収容所要時間、これは一枚目のページでございますが、これは年ごとに、平成八年では二十四・四分という平均時間が、今は、平成十八年度では三十二分までかかるようになってしまっている、こういったことも明らかになっているわけでございまして、私たち公明党としては、これを二十分以内に短縮することを提案させていただいているところでございます。

 その観点から、厚生労働大臣に三点求める質問をさせていただきたいんです。

 現在、四十四都道府県に、仮称でございますが、救急中央情報センターがございます。ここの各消防本部や救急隊に、それぞれの病院が診察ができるか否か、また、空きベッドがあるかないか、手術の準備があるのかないのか、こういった受け入れ情報をリアルタイムに発信するための専門の人員と機器を整備することをぜひお願いしたいというのが第一点でございます。

 また、常駐の指導医師のメディカルコントロールのもとで、救急隊と搬送先医療機関や搬送方法など迅速かつ的確な情報をうまく交換するためのコーディネーターの配置を行うということが二つ目でございます。

 三つ目は、指導医師の事務作業を補助する、情報を入力しながら発信するといったことになるかと思いますが、このメディカルクラークを診療報酬できちんと措置するということが、私たち、この調査結果を終えて、急務であるというふうな認識に立ったわけでございますが、この三点についての御所見を伺いたいと思います。

舛添国務大臣 まずもって、公明党の皆さんが独自にこういうアンケートをなさったことに大変敬意を表したいと思います。

 厚生労働省と総務省消防庁、今、この救急医療情報システムの運用状況について、別途、同様の調査を行っているところでございます。今委員から御指摘のように、四十七のうち四十四都道府県については一応整備しているんですが、これは、公明党の皆さんの調査だと、医療機関ごとにおやりになると四割が不備だということでありますので、第一点のことも含めて、このシステムの改善ということで、来年度予算にも措置をしているところであります。

 それから、順不同になりますが、メディカルクラーク、これはもともと、お医者さんが医療を集中してやれるために、例えばカルテのコンピューター整理とか、こういうことをやれるための人員を配置して少しでもお医者さんの負担を軽くするというために措置をしましたけれども、このメディカルクラークが例えば今の緊急医療情報の入力作業をやる、これは、できるというふうに思います。

 それから、もう一つお尋ねのメディカルコーディネーターの配置につきましても、これは、医師などをコーディネーターとして配置して、こういう方が救急車と病院、患者さんと病院、これの間のコーディネートをやれるようにということで、これも今確実に進める手配を進めております。

 その他、さまざまな施策を動員しまして、緊急医療体制の整備を図ってまいりたいと思います。

赤羽委員 命にかかわることですので、ぜひ至急対応方をよろしくお願いしたいと思います。

 また、地元の産婦人科のお医者さんと話しますと、妊婦の受け入れ先が見つからないことを、たらい回し、こういう表現をされることに大変お怒りになられる方が多いんですね。

 というのは、その原因というのはいろいろあって、早産などリスクの高い妊婦を受け入れるために必要なNICUというのがほとんど満床状態である、受け入れられない状態であるというのが実態であるというのが一つ。

 もう一つは、医療現場の産婦人科の皆さんはまさに過酷な労働と訴訟リスクというのが物すごく強くて、出産をするお医者さんが本当に減っている。私の地元の神戸市兵庫区の中には一軒もございません。そんなような状況でございます。

 一方、妊婦健診をほとんど受けないまま出産間近になって病院にやってくる、いわゆる飛び込み妊婦、こういう人たちは、出産の予定日ですとか健康状態が日ごろから把握できていないため、やはり早産や死産などのリスクが高まる。ですから、そもそも飛び込みで来られてもベッドを対応できない、こういう複合的な原因があるということでございます。

 こうした飛び込み出産というのはほとんど経済的な理由が多いというふうに聞いておりまして、先日の新聞報道では、全国の主な病院で、昨年一年間で三百一人の方がいわゆる飛び込み出産をされたということでございました。

 私ども公明党は、かねてより妊婦の無料健診の実施というのを長年強く求めてまいりまして、平成十年からは妊婦健康診査費用を地方交付税措置として一般財源化していただいた、また、平成十九年度予算において地方財政上の特別の措置を講じたことから、各都道府県の市町村で平均五回を公費負担でできるようになったということでございますが、どうも、調査をしてみますと、全国の市町村の平均は二・八回という状況なんですね。

 ですから、地方交付税で措置をされていても、五回分渡していても二・八回になってしまっている。これはやはり命にかかわることですから、こういったことはよくあることかもしれませんが、命にかかわることであるがゆえに厳しくしなければいけない、私はそう思っております。

 ですから、この無料健診、各都道府県の市町村、平均五回以上を目指して指導方するということをぜひお願いしたいということが一つと、もう一つは、里帰り出産の場合にでも公費助成を受けられるように制度改革をお願いしたい。この二点、ちょっと重ねてになりますが、よろしくお願いします。

舛添国務大臣 その二点にお答えする前に、前の半分の部分ですけれども、訴訟リスクとか過剰な労働とかありますね。それで、まさに奈良県の例を出されましたけれども、諸外国はどうしているんだろうというと、私、調べましたら、例えば開業医さんが病院にローテーションで入って医師不足を補っている。アメリカなんかはそうなんです。奈良県が実はこの制度と同じことを始められたという報告がございましたので、これも一つの手だろうというふうに思います。

 それで、無料で検査できるのは五回。しかし、平均二・八回。ただ、秋田県なんかは十回できるようになっています。十四回やると完璧なんですけれども、こういうことについてもまた充実を図っていきたいと思います。

 それで、経済的理由だけかというと、ちょっとデータを大学病院で調べていただきますと、受診しなかった理由、経済的な理由が二九%で一番多いんですけれども、気がつかなかったが二割とか、放置していたが一二%、家庭的な事情が一五%。これは、例えば、おじいちゃん、おばあちゃんが一緒に住んでいるとそういう出産に関する知恵の伝授みたいなことがあるんですけれども、ちょっとそういうことも問題があるかと思います。

 それから、里帰り出産。例えば、この前私が国民対話をやった長野県の飯田の市立病院なんというのは、せっかくそれをやっているのにお医者さんがいなくなってできなくなるというようなことがありますから、公費のことも考えますけれども、まず、里帰り出産すら受け入れられないというこの喫緊の課題について対応してまいりたいというふうに思います。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

赤羽委員 同じことでございますが、ぜひ、フットワークよく、きめ細かく対応していただきたいと思います。

 また、この点、もう一点だけ質問させていただきたいと思いますが、緊急医療体制の構築というのは、私はやはり、その地域の核となる病院が中核となってそこに所在する病院のネットワーク体制をつくるということがすごく大事だというふうに思っております。

 その中で、社会保険病院のことでちょっと質問させていただきたいのですが、これは、平成十四年の十二月に、厚生労働省の方針で、経営改善をしなきゃいけないところが確かに多かったということで、平成十五年から三年間にわたって経営改善を図って、その後に、それぞれの病院のあり方について、その病院が地域医療に果たしている役割を念頭に置きながら検討を進めるということになっていたはずでございます。

 しかしながら、社会保険庁改革なんかがありまして、そのあおりを受けておりますが、今、法律でいきますと、この十月以降、社会保険庁は社会保険病院を保有することはできなくなるというようなことになっていると思います。

 実は、私の地元にも社会保険中央病院という神戸市の北区の病院がございまして、これはまさに地域医療の核となっている病院なんですが、この方針がはっきりしないので、毎回選挙のたびに、ここは廃止になるといって全く根も葉もないデマを飛ばす勢力があるんです。それで大変心配をされている地元の住民が多くて、この点、ぜひこのことを、存続すると。

 もちろん、どうしようもない経営をしているというのは論外かもしれませんが、私の地元のところはもう明らかにこの三年間で経営改革はされているんです。そういったところについては明らかなこれからの見通しというものを立てるべきだというふうに思いますが、厚生労働大臣、重ねてで申しわけございませんが、御答弁をお願いいたします。

舛添国務大臣 委員の御地元の社会保険の神戸中央病院、過去三年、経営状況を調べましたら、黒字でございます。きちんとやっているところはやっている。

 それで、平成十七年の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審議の際に、衆議院の厚生労働委員会の附帯決議でこういうのがございます。「厚生年金病院の整理合理化計画については、地域の医療体制を損なうことのないように、十分な検証をした上で策定する」と。

 これは社会保険病院についての整理合理化についても当てはまるわけでございますので、今御指摘のように、このような経緯、さらに与党の皆さん方の検討を踏まえながら、地域の医療を損なうことのないように十分配慮しつつ、この整理合理化計画をまとめたいと思います。

赤羽委員 力強い御答弁を本当にありがとうございます。その大臣の方針で、地元住民の皆さんもきっと安心した暮らしが回復できるというふうに確信をしております。

 この安心な暮らしを保障するための救急医療体制の構築とともに、やはり、安全なまちづくり構築のために災害法制の整備というのは大事だというふうに思っております。

 昨年の十一月九日に、冒頭申し上げました被災者生活再建支援法の改正が、長年の課題でございましたが、全会派賛成という形で抜本的な改正がなされ、そして、被災者は、年収要件、年齢要件にかかわらず、だれでも公平に、また簡単な手続で、かつ使途が制限されない支援金を満額受給できるという制度になったわけでございます。

 しかしながら、この被災者生活再建支援法というのは、もともとその対象が、全壊世帯ですとか大規模半壊世帯が対象にすぎません。半壊世帯の人たちは、他の法制、災害救助法ですとか災害弔慰金法、こういったことで対応しなければいけない。

 そうすると、災害救助法というのは昭和二十二年に制定された法律で、それ以後抜本的な改正がなされずに、実は、災害が起きるたびに厚生省からの通達で行政がなされていたという、私は、少しどこかで本当に根本的に見直さなければいけない法律なのではないかなというふうに思いますし、災害救助法を直すだけではなくて、災害救助法と被災者生活再建支援法、また災害対策基本法、また弔慰金法という、他の法制との横並びも整合性を持たないと、これはやはり機能しなくなるというふうに心配をしております。

 しかし、この災害救助法、弔慰金法は厚生労働省の所管であり、災害対策基本法、被災者生活再建支援法というのは内閣府の所管なんですね。ですから、災害法制が二つに分かれているというのは、いろいろな経緯があったとはいえ、大変これから乗り越えなければいけないハードルというのがあるということは明らかであります。

 私は、ここを何とかといっても、二つにまたがるというのはなかなか非常に難しいわけでして、これを総理にお願いするのは、何かわかりませんが、この被災者生活再建支援法の改正というのは福田政権第一号の成立法案でありますから、その由をもって、福田総理の指示でこの災害法制の、一本化というのはなかなか難しいと思いますが、整合性をとるための、内閣府、厚生労働省で官邸のもとに研究会みたいなものをぜひ立ち上げていただきたいと思うのですが、御見解を賜りたいと思います。

福田内閣総理大臣 さきの国会で、委員が被災者生活再建支援法の改正に当たりまして、法案の提出から取りまとめに至るまで大変御苦労なさったということを伺っておりまして、まず感謝を申し上げたいと思います。

 ただいまのお話につきまして、災害関連の各種法制度、これは、運用実態とか問題点の把握に努めまして、そして、被災者の立場から見てよりよい制度となるように今後努めてまいりたいと思います。

赤羽委員 災害関連にかかわっている関係者の声は実は大変大きいものですから、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 その次に、教育問題について質問を移らせていただきたいと思います。

 私は、日本のあるべき教育制度というのは、だれもが公平に良質な教育を受けることができるというのが大変重要だというふうに考えております。前回の、秋の臨時国会の予算委員会で、そういった観点から奨学金制度のさらなる拡充といったものを求め、その結果を受けまして、平成二十年度の予算の中には毎月の上限額二万円増額といったものも組み込んでいただきましたし、入学金に充当できる部分も以前よりは進捗しているところでございます。

 さらなる拡充をお願いしたいというのはこれまでどおりなんですが、きょうは、奨学金制度ではなくて、教育の現場の質の向上について質問したい、こう考えております。

 私は、かねてより、学校の現場に行きますと、私の子供もまだ高校三年生と高校一年生で、両方とも公立に通っていますので、授業参観ですとか、学校授業、たまに参加をするんですが、余りにも先生が、教師が、いろいろなことに、雑事と言ってはなんなんですが、教育現場というか、授業以外にかかわることがたくさんあり過ぎる。

 地元では、兵庫県は数年前から、中学校二年生を対象に体験学習をするトライやる・ウイークという実習をしております。これは、受け入れ先の自治会ですとか、商店街ですとか、有馬温泉の旅館ですとか、JRの鉄道駅ですとか、さまざまなところがあるんですが、それをコーディネートするのは、全部先生、教師たちなんですね。ですから、授業にかける時間というのは大変限られたものになってしまっているのではないかということを心配もするんですが、全部先生たちが請け負っている。

 こういった中で、そういったことをサポートする人員を非常勤講師として雇える制度、これはお手元の資料にも出しておりますが、ことし、「平成二十年度 子どもと向き合う時間の拡充」、こう銘打って、外部人材の活用、非常勤講師でありますが、全国で七千名、また、学校支援地域本部、全国千八百カ所に、地域の人たちが学校運営に参加できる、こういったことが盛り込まれたというのは、私は大変画期的なことだというふうに考えております。

 このことについて、活用される外部人材の社会人は教職免許がなくてもいいのかどうかという点と、あと、教職現場じゃなくて、例えば定年退職された人の中で、教育をすることはできないけれども、組織、学校運営をすることには非常に優秀だというような、そういう人材の方もたくさんいらっしゃると思うんですね。ですから、もう少し学校の現場を割り切って、教師の皆さんは教えることに専念していただく。アメリカのように、アメリカは担任以外にカウンセリングをする人も別にいるというような、それが本当の意味で子供の立場に立った教育現場だというふうに思うんですが、そういった方向にかなう制度になるのかどうか、簡単にお答えをいただければと思います。

渡海国務大臣 簡単にということでございますから、基本的には、今先生がおっしゃった方向で我々も考えております。いろいろな人材を活用して活躍をしていただく。

 例えば、この支援本部なんかも、私もこの間、横浜の青葉台でいろいろな方々と懇談会をやりましたが、本当にいろいろな方がいらっしゃいます。そういうボランティアもいっぱいいらっしゃるわけでございますし、また、講師の方も、社会人、それからちょうど我々団塊の世代、退職教員というのもたくさん出てくるわけでございますから、そういう方々に大いにこれからも頑張っていただこう、そういうふうに思っております。基本的には、幅広い人材の登用が可能であるというふうに考えております。(赤羽委員「教職免許はなくていいんですか」と呼ぶ)免許は必ずしもなくて構いません、もちろん場合によりますけれども。

赤羽委員 ぜひ、余り文科省で規定を細かくしないで、現場で、実態に合わせた、活用できる制度にしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 次に、食料問題について質問させていただきたいと思います。

 まず、パネル。お手元に資料がございますが、資料はちょっと順番が違っております。世界の食料需給は我が国の食料供給に大きく影響するといったパネル、お手元の資料を見ていただきたいのです。

 左の縦のグラフは我が国の食料自給率、供給率、それぞれ品目別に出ているんですが、一番下のお米は九四%の自給率でございます。上の畜産物につきましては一六%ですが、この畜産物だけはちょっと状況が違っておりまして、例えば国産の豚肉、国産の鳥肉、国産の牛肉を食べても、その家畜が食べているえさが外国産、輸入ですと一〇〇%国産の換算にはならないということでございます、カロリーベースですから。この黄色の部分、輸入飼料の生産部分は実は五一%。ですから、えさが全部国産ですと畜産物は、一六%プラス五一%で、実は六七%自給できるということです。しかし現実は、その五一%部分は輸入のえさに頼っているというのが現状でございます。

 油脂類、これは四%が自給で、残りの九六%は輸入だ。小麦は、一三%が自給で、残り八七%が輸入だということでございます。

 ただ、この小麦は、国産の小麦でパンやめんにはなりません、ほとんどおせんべいですとかで。最近、ちょっとごく一部いいものができて、めんになりますが、日本の大宗のパンは、オーストラリアのASWですとかそういったものが使われているということでございます。

 この円グラフを見ていただければわかるように、日本の基幹的な食品の大半が、原料は海外に依存をしているのがわかるというのが一つです。

 次の資料でございます。

 これは農林水産省に出ているホームページですが、国内農地のみで私たちの食事を賄う場合はどんなメニューになるかという絵でございます。

 そうすると、これは朝食が、ほとんどおかずが出ない状況でございます。一番右下に、肉は九日に一食食べられるかどうか。牛乳は六日でコップ一杯飲める。みそ汁は、日本のものかと思いきや、大豆がほとんど輸入ですから、二日に一杯だけ食べられる。こういった状況が、もし国内農地で生産したものだけで賄うんだったらこうだということでございます。これは、私がつくったあれじゃなくて、農林水産省がホームページで出している資料でございます。まあ、健康になっていいという人もいるかもしれませんが。

 私がここで申し上げておきたいのは、食料は安全保障という観点がやはり必要なのではないかと。

 例えば、飼料穀物の半分以上を占めておりますトウモロコシも、実は、中国だ、インドだという需要が物すごく伸びてきている。加えて、バイオマスのエネルギー源にもなっている。値段は物すごく今上がっておりますが、値段が上がるだけじゃなくて、恐らく量の確保も大変難しくなってくるのではないか。先ほどの絵にもありました、トウモロコシや大豆が全部輸入ができなくなるというような状況になるとしたら、日本は大変なパニックに陥ってしまうのではないか。

 だから、私は、別に全部自給で賄えというような主張をするんではないんですが、国内の自給率はやはり適正に向上させる努力もしなければいけないし、また、しっかりとした輸入供給元を確保するということが大事だというふうに考えております。

 それで、この食料自給率を向上させるというのは、政府の方針でもあります。その中で、やはり、日本の自給できる農産物というのは米なんですね。米は、これだけ減反政策を続けていながら、九四%の自給率がある、在庫も抱えているという状況でございますが、すごく簡単に言えば、自給率を上げるのは、米の消費量を伸ばすということが一番簡単な道だというふうに考えております。

 まず、学校給食、これは週三回を目標にやられているとも聞いておりますが。今、大抵の家庭が、働くお母さんが多くなって、朝はなかなか御飯を食べる家庭は少なくなっていると思います。朝、家でパンを食べ、お昼、給食でもパンを食べ、夜は塾に行く前にコンビニエンスストアの弁当を食べというようなことだと、もう健全な食育が施されているというふうにはとても思えないわけであります。やはり、和食の持つ栄養価値の高さとか、食育としての評価とかということをしっかり教えながら、私は、学校給食、神戸市の中学校なんというのは学校給食を実は全然していないんですね、ですから、そういったことももう少し、自給率を上げるという角度だけではなくて、もちろん学校給食ですから、教育的な側面から学校給食での米飯化、学校給食の推進、普及に文部科学省としても力を入れていただきたい、こう思うのですが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

渡海国務大臣 委員おっしゃるように、教育的意義というのは非常にあると思います。

 一つは、やはり、日本の主食である、また、日本の食文化といいますか、そういったものをしっかりと教育の中で教えていく、こういう意義があります。それからもう一つは、地域の地場産の産物、こういったものを給食の中に取り入れることによって、ふるさとの文化、また、風土というものを学ぶこともできます。

 そういうことで、今おっしゃいましたように、十八年度の調査で、これは六十年から導入しておりますが、週三回をめどということで、二・九回ということでございますから、そこそこ頑張っていただいているんじゃないか、米飯という意味では。なお今後とも、そういった食文化ということを食育も含めてしっかりと教育の場で進めてまいりたい、そのように考えております。

赤羽委員 あと、農地に行くと、減反政策の中でどんどん休耕田になっているとか放棄されているところがある。しかし、そこを、私、本当にもったいない話だなと思いながら、ちょっと農水大臣、時間がないのであれなんですけれども、そこをぜひ、ほうっておかないで、食用の米じゃなくて、飼料穀物にかわる米というのもできるんですよ、国策として取り組めば。今は、コストが合わないとかと、すぐそういう話になりますが、やはり食料安保ということを考えれば、そのくらいの真剣度が必要だと私は思うんです。

 そういった飼料穀物の多様化ということもぜひお考えをいただきたいと思いますが、御答弁があればお願いします。

若林国務大臣 委員から、食料安全保障という観点から問題を取り上げて、いろいろ御意見をいただきました。

 結論を申し上げますと、二十年度の組織・定員要求の中で、農林水産省の中に食料安全保障課というのを設けまして、食料安全保障という観点から農業政策というものをきっちり見る担当部局を設けたい、このように思っております。

 同時に、時間も余りないようでございますけれども、食料の自給率というのは、食料・農業・農村基本計画においては、熱量でいって五割以上を国内生産で賄うことを目指すのが適当だ、こう言っていますね。しかし、現実的に実現可能性を考えますと、二十七年には四五%を目標とする、しかるに、昨年の実績を見ますと三九%、四〇%を割ったという状況でありまして、このことについては大変危機感を持っておりますから、政策を総点検いたしまして、どのような方策を講ずれば食料自給率の向上につながっていくかということを全力を挙げて取り組みたいと思っております。

 そこで、委員がおっしゃられました、飼料用にその水田を利用して米をつくり、えさ用の米としてこれを飼料に使ってはどうかというお話でございます。

 飼料用は主としてトウモロコシでございますが、トウモロコシを国内で生産するというのは確かに不向きでございますから、やはり、水田を活用した飼料用の米や、なお、米だけではなくて、稲全体を無駄なく利用するという角度から、稲のホールクロップサイレージを進めていくということは極めて重要な課題だと考えておりまして、十九年度の補正予算におきましては、地域水田農業活性化緊急対策において、主食用の米の需給バランスを図りながら米の生産調整の一環として低コストの生産技術の確立、定着を図るという角度から、飼料用の米をその対象に加えております。

 これは、飼料用米に見合うような増産可能な品種の開発とか、さらに、収穫に至ります生産技術なども詰めていかなければなりません。ただ、委員自身がおっしゃられましたように、値段でいきますと、トウモロコシとほぼ栄養価が同じだと考えますと、五倍から七倍という高いものになります。その点の負担をどうするかという課題があるということを申し添えておきたいと思います。

赤羽委員 用意した質問はまだありますが、時間も参りましたので、ここで終わらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

逢沢委員長 これにて斉藤君、赤羽君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡田克也君。

岡田委員 民主党の岡田克也です。

 きょうから、あした一日かけまして、野党の方から、福田総理初め各閣僚に質問したいと思います。

 私からは総理を中心に質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、総理にお聞きする前に、きょう持ってまいりましたが、さきの補正予算の審議のときに我が党の菅代表代行の質問がありまして、各市町村長の、中期計画の策定、暫定税率延長あるいは道路特定財源維持、そういったものに対する賛同の署名簿というのがあるということで、ここに現物を持ってまいりました。

 確かに三冊に分かれているわけですが、ただ、この署名について、冬柴大臣から全員の署名があったという御答弁がありまして、これは事実に反しているのではないかということで、御説明と釈明をいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 去る一月二十八日の当委員会におきまして、貴党の代表代行でもあられる菅直人委員が質疑されました。その中で、私の発言に誤りがありました。質疑者の菅代表代行に対してはもちろんのことですが、委員長そしてまた予算委員の皆様方、また国民に対しても、心からおわびを申し上げたいと思います。

 御案内のとおり、道路の中期計画(素案)の中には、全首長、すなわち千八百七十四人、当時でございますが、の意見を寄せていただきました。そして、そのような記述がございました。これが私の頭に刻み込まれていたときに、この三冊を大臣室へ持ってこられまして、首長直筆の署名による道路特定財源諸税の暫定税率延長等に関する要望です、このように聞かされましたので、私はすべての首長が、先ほど千八百七十四人が意見を寄せていただいた、その人たちが署名をしていただいたというふうに誤信をしてしまいまして、その結果、先日の答弁となってしまいました。

 その後、担当者から、当時は合併前でございますが、千八百人の市町村長のうち六人の市長さんの署名が欠けているということを知らされまして、びっくりしまして、直ちに菅委員にもおわびを申し上げ、この衆議院の予算委員会でそのことを申し上げておわびを申し上げる、訂正させていただくということを申し上げた次第でございます。まことに軽率であったことを重ねておわびし、訂正をさせていただきたいと思います。

岡田委員 その現場に私もおりましたけれども、大臣もかなり勢い込んで全員がと答弁されましたので、以後、よく気をつけていただきたいというふうに思います。

 そこで、この署名ですが、私、ちょっと見本を持ってまいりました。名前はちょっと差しさわりがあるかもしれませんから消しておきましたが、気がつくことは、同じフォームで全員が署名をしているということであります。では、一体だれが集めたんだろうかということで確認をしましたところ、私が承知している限りでは、任意団体である道路整備促進期成同盟会全国協議会、今、兵庫県の加古川市長が会長をしておられるということですが、この団体が集めたということであります。

 この団体と国土交通省の関係というのはどうなっているんですか。

冬柴国務大臣 任意団体でございますので、国土交通省とは全く関係はございません。

岡田委員 国土交通省のホームページを探しますと、この団体にリンクされているんですね。事務局長は旧建設省のOBであります。

 ついでに言いますと、これは二〇〇六年のさる新聞社の報道ですけれども、この全国協議会が出版をしていると。出版をしておりまして、例えば道路時刻表とかあるいは永田町・霞が関エリアマップなる本を出版いたしまして、そしてその本を地方整備局あるいは北海道開発局に買わせていたと。合計で七千百万円であります。今はまさかそんなことはないだろうと私は期待をいたしますが、しかし、二〇〇六年の報道の段階でそういうことがございました。

 つまり、これも恐らく道路予算を使っているんだと思いますけれども、それだけの予算を使って、七千百万円の予算を使って本を買わせ、かつ、事務局長は国土交通省OBでありますから、これは密接に国土交通省と関係のある団体である、そう言わざるを得ないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 道路整備局は、書籍を、必要な部分についてはその判断で買っております。

 それから、事務局長がOBだからそれが関係があると言うかどうか、それは皆さんの判断だとは思いますが、そういう事実はございます。

岡田委員 今大臣は、書籍は必要があれば買っていると言われましたが、たしかこれが報道されたときに、国民の理解を得られるように見直しを検討したいと国土交通省は言ったんじゃないんですか。今でも買っているんですか。

冬柴国務大臣 もちろん、我々の、今、原油価格高騰の折から、国民の皆様に苦しい中を暫定税率維持をお願いしている立場から、あらゆる点について不快な思いをしていただかないように、自粛すべきものは自粛するということはもう申し上げているとおりでございます。

岡田委員 それではお聞きしたいと思いますが、この署名集めですけれども、この任意団体が行ったということですが、国土交通省の職員が集めたということはありませんね。

冬柴国務大臣 そういうことは聞いておりません。

岡田委員 もしあったとしたら、大臣はどう思われますか。

冬柴国務大臣 前回も北海道の事例ですかでそのような指摘をされました。したがいまして、全国の出張所長あてに、そういうことがないかどうか、あったら知らせてほしいということで今調査をしているところですけれども、今のところはそういうことはございません。

岡田委員 これは、もしそういう事例があれば、大臣もそれなりの責任を感じていただかないと困るということになりますよ。

 それでは、総理にちょっとお聞きしたいんですけれども、全国の市町村長が、六人の例外があったとはいえ、私は六人の例外があったというのは非常に救われた気持ちがするんです。ほぼ例外なくすべての市町村長が、こういった役所ないしは役所に関係する団体の求めに応じてサインをする、道路特定財源を守れ、あるいは一般財源化すべきでないとか、そういったことにサインをするということについて私は非常に違和感を感じるんですけれども、総理はいかがですか。

福田内閣総理大臣 極めて多くというか、ほとんど全国の市町村長さんがこういうような署名をされたということでございまして、これは、地方行政にそういう自治体の長の方々は責任を持っているわけですね。ですから、そういう責任を持つ立場として、地域、住民の生活に根差した道路整備の必要性、これは強く常々認識をされていることだと思います。そういう認識を反映した結果、署名をされたというように認識いたしております。

岡田委員 私は、地方に道路予算をという観点で署名をされているのなら、それは市長さんあるいは町長さんのお立場として理解できないわけじゃないんです。ただ、特定財源制度を守れとかそういうことになると国の仕組みの問題ですから、そういったことまで含めて署名を強いているようなことはいかがなものかと。

 総理も私と同じ平成二年の初当選ですから、昔のことを覚えておられると思いますが、昔は、いろいろな団体、公共事業ごとに、道路以外も含めて、年末になると大きな集会をやって陳情にどんどん回って、そういうことがありました。最近、大分それは、私は、風景が変わりつつあるなとは思うんですが、道路の世界だけは変わらないんですね。やはり年末に大きな集会を打って全国から市町村長を集めて、そして、とにかく道路予算を守れ、こういうふうに言う。そして、実際に各省庁をぞろぞろと陳情して回る。住民に選ばれた首長がどうして役所に行って頭を下げなきゃいけないんですか。私はすごく違和感を感じるわけです。

 そういったことがいまだに色濃く残っているのがこの道路予算であって、私は、これは道路の帝国主義かあるいは道路翼賛会だというふうに思うわけですけれども、こういうことについて総理は違和感を感じられませんか。私は非常に違和感を感じますが、いかがですか。

福田内閣総理大臣 私は、岡田委員とちょっと意見が違うのかもしれぬのですけれども、例えば、予算のシーズンになって、ある団体が集まって気勢を上げる、そしてその後、国会、議員会館を回って陳情する、そういう光景は今でもいろいろな団体がやっているんじゃないでしょうか。私もそういうのを受けたこともございます。ですから、それほど違和感を感じていないということが一つ。

 それからもう一つ、道路特定財源のために、この存続のために署名しているんじゃないか、こういうふうにおっしゃるけれども、しかし、今までずっとこういう制度のもとでやってきたわけですよね。ですから、新しい制度をしてくださいとかいうようなことを考える必要はないわけですよ、その制度は存続するという前提に立って。もしこの制度をやめるというのであれば、やはりそれなりの対案を出していただくということが大事なんだと私は思いますけれども。その上でまた議論ができるのではないかと思います。

岡田委員 道路特定財源の話は、後ほどまたしたいと思います。

 そこで、一万四千キロの話を少ししたいと思うんですが、この一万四千キロというのは、昭和六十二年六月の四全総、第四次全国総合開発計画に定めたものであります。この昭和六十二年というと、一九八七年ですから二十年前である。二十年前の数字がいまだに通用しているというのは、私は非常にこれまたおかしなことであるというふうに思うんですが、総理はいかがですか。

冬柴国務大臣 おっしゃるように、一万四千キロで決めてありますけれども、現在の整備率は六七%です。すなわち三分の二ができただけでございます。あと三分の一があるわけです。そしてそれは、委員もおっしゃいましたように、閣議決定をし、そして一部は、国土開発幹線自動車道建設法という法律に、きちっと別表に書かれているわけでございます。したがいまして、それには道路の名前から起終点も明らかにされておりますので、地方もそれを期待して、私の方を早くしてくれという陳情があるということでございます。

岡田委員 冬柴大臣は道路建設を推進するお立場ですから、その立場の意見を私は今議論したいとは思いません。

 ただ、一言言わせていただくと、せっかく、政府・与党、公明党から二代続けて国土交通大臣が入りながら、ああ、期待された役割を果たしておられないんじゃないか、今や役所の言うがまま、役所の代弁者になってしまっている。そのことは、この問題もそうですし、例えば成田空港の外資の規制の問題もそうですよ、さまざまな問題について、私は、もう少し自民党とは違う視点から大臣としてお務めになることを期待しておりましたので、非常に残念だということは申し上げておきたいと思います。

 そこで、総理と議論をする前にちょっと、テレビを見ておられる方に少し定義の説明をしておきたいと思いますが、一万四千キロというのは、高規格幹線道路ネットワーク、これは四全総で、一九八七年、昭和六十二年六月に閣議決定されたものであります。

 この内訳は実は二つありまして、高速自動車国道と一般国道自動車専用道路。高速自動車国道の予定路線は同じく一九八七年、国幹道法で決められておりまして、一万一千五百二十キロ、これに一般国道自動車専用道路の二千四百八十キロを足すと一万四千キロになる、こういうことであります。ただし、この一万一千五百二十キロの予定路線のうち、整備計画に乗っかっているものは九千三百四十二キロ、こういうことになっているわけであります。

 一万四千というのは、この予定路線と一般国道自動車専用道路を足したものが一万四千、高規格幹線道路ネットワークということで四全総で定義された、こういうことでありますので、このことをまず申し上げた上で、総理に少しお話ししたいと思います。

 まず、道路公団民営化の議論というのが小泉総理の時代にございました。そのときに、なぜ道路公団を民営化する必要があるのかという議論を私も小泉総理と随分いたしましたが、そのときの小泉総理の答弁は極めて明確で、いや、無駄な道路をつくらないためである、道路公団を民営化すれば無駄な道路をつくらなくなる、つまり採算に合わない道路はつくらないんだ、だから民営化するんだ、こういうふうに総理はおっしゃったわけであります。

 そのことについて、実はこれは、民営化が決まった後、小泉総理と議論いたしました。この一万四千キロというのは、先ほど言いましたように、つまり一万一千五百二十キロのことですから、この一万一千五百二十キロについて総理は、一万一千五百二十キロまでこの道路公団でつくっていく、みんなそれを当然視していた、それを自分はストップしたんだ、これがいかに大きなことか、無駄な部分をつくるということが避けられた、こういうふうに小泉総理はたんかを切られたわけですね。

 私は、それでは既にもう決まっている九千三百四十二キロの整備計画以外はすべて白紙、そういうことで確認させていただいてよろしいんですねというふうに申し上げました。小泉総理は、白紙であります、これは大きいでしょう、こういうのは道路公団民営化をやったから言えるんですよ、こういうふうに断言をされたわけであります。これは平成十八年三月二日の予算委員会であります。

 時の総理がこれだけ、白紙だと言われたことが、一万一千五百二十キロ、つまり今で言う一万四千キロですよ、一万四千キロがいつの間に生き返ったんですか、総理。だれがそういう判断をしたんですか。総理大臣が国会で約束されたことが簡単に変わっていいんですか。いかがですか、総理。総理。国土交通大臣が総理大臣の前言を翻すことはできないんですよ。だから、総理に聞いているんです。総理に聞いているんです。

逢沢委員長 まず、冬柴国土交通大臣。

冬柴国務大臣 その整備計画、九三四二というのは、平成十五年十二月に、日本道路公団を民営化するという議論のときに、整備計画、いわゆる整備命令が出ていた部分でございます。そのうち七千三百四十三キロは、その段階でもう完成して道路が供用されていたんです。したがって、あと千九百九十九キロについてどうするのか、そのままつくっていいのか。それは、道路公団で有料道路として会社が運営できるのかということの判断をしたわけです。

 したがいまして、その結果、岡田さんも知っているように、走行距離に対してかかった費用が、BバイCで、コストはそのベネフィットに見合うのかどうかという検討を全部したんですね。その結果、千百七十七キロについては採算が合う。要するに、それだけで、BバイCは合うけれども、それだけ高い値段を払って償却がなかなかできないということから、千百七十七キロについては、道路公団、すなわちその後の道路会社でつくる、有料道路としてつくる。しかしながら、残りの二千四百八十キロ、一番下に書いてあるところは、これはそのとおりにつくっていくということで決まっていたわけです。

 したがいまして、そこで言われた、それは白紙ですというのは、一万四千キロからそれを引いた分は、なるほど計画はあります、しかしながら、それをつくるかどうかということは、いわゆる国幹会議の議を経て、それぞれ、その年その年で決めていくわけです。その後も決めていますよ。したがって、それには民主党からもちゃんと代表が入っていらっしゃるじゃないですか。

岡田委員 いろいろ答弁されますが、当時の小泉総理は、この一万四千キロに相当する一万一千五百二十キロについて、これは白紙であると言われたんですよ。白紙であると言われたことが、いつの間にか、それはBバイCで、何か国土交通省が計算したかもしれませんが、それだけで生き返るんですか。総理の言葉というのはそんなに軽いんですか。一国の指導者の発言というのは、そんなに、国会でその場しのぎでやって、時間あけたら変わるんですか。福田総理、いかがですか。

逢沢委員長 冬柴国土交通大臣、簡潔に答弁してください。(岡田委員「福田総理の意見を聞いているんです」と呼ぶ)

冬柴国務大臣 しかし……(岡田委員「聞いていませんから。聞いていませんから。聞いていません」と呼ぶ)

逢沢委員長 指名します。着席してください。(岡田委員「全く聞いていません。総理。総理、答えなさいよ。総理」と呼ぶ)

 内閣総理大臣福田康夫君。

福田内閣総理大臣 別に逃げていませんよ。国土交通大臣がいますのですから、正確なる答弁も、私よりもうまくできるんじゃないかと思っております。

 小泉総理は、当時の整備計画区間の九千三百四十二キロを超える区間については白紙である、全部見直すと言っておられましたけれども、こういう答弁をされた、これは承知いたしております。

 しかし、これは、九千三百四十二キロを超える区間のすべてを当然に整備するということではなくて、採算がとれる区間か、地域で負担できる区間かなどをよく考えなければならないという趣旨で答弁されたものであります。本当に必要な道路は整備しなければならないという答弁もされておられます。

 その一万四千キロの高規格幹線道路については、今、国土交通大臣から答弁しましたように、今般の中期計画において、すべての区間を整備すると決定したものではありません。各区間を整備するか否かは、事業着手に先立って行う事業評価の結果により判断をするということになっております。

 また、今回、未供用区間について点検を行ったところでありますけれども、九千三百四十二キロを超えて高速自動車国道の事業着手を行うかどうかは、先ほども答弁したとおり、改めて客観的かつ厳格な事業評価を行うとともに、民主党の皆さんも委員となっておられる国土幹線自動車道建設会議、国幹会議の議を経て決定するものでございます。

岡田委員 総理、ここは本当によく考えていただきたいんですよ。つまり、二十年の歳月の重みということです。四全総をつくったとき想定した日本と今想定される日本と、かなり違うんですね。

 例えば、二〇五〇年の数字について、四全総の前提としている二〇五〇年の人口を御存じですか。これは厚生省の人口問題研究所が当時出したものですけれども、一億二千八百万人です、二〇五〇年。今の、同じ人口問題研究所が出している二〇五〇年の数字は御存じですか。これは、私はかなり甘い推計だと思いますが、中位推計で九千五百万人です。つまり、一億二千八百万人と想定した二〇五〇年の人口が九千五百万になっている。ほぼ四分の一減っているわけですよ。

 それから、六十五歳以上の人口の割合は、四全総では、二〇五〇年の想定が二五・五三%。それが現時点では三九・六%。これも全然違うわけですよ。これだけ前提が変わっているわけです。

 そして、もう一つ言います。国の借金はどうですか。二十年前の国、地方の借金は二百三十八兆円ですよ。対GDP比で六六%。今は七百七十八兆円、対GDP比一四七・六%ですよ。

 これだけ二十年前に想定した人口から見て人口が減り、そして借金がこれだけふえて、それで一万四千だけはそのまま何が何でもやっていくという、こんなおかしな国がありますか。これで本当に次の世代に対して責任を果たしたと言えるんですか。どうですか、総理。

福田内閣総理大臣 確かに、人口も急速に減る見通しがあるということもございます。そういうことは当然考えなければいけない。そしてまた国の借金も多い、これもそうです。ですから、そういうような状況変化というものはよくわきまえて、その上で計画をつくるということなんですけれども。

 では、だからといって、人口が減るから地方道路は要らないのか。地方の活性化は図らなくてもいいのかどうか。地方の経済はどうなるか。国土の発展ということを考えた場合に、また地域の発展もそうですけれども、例えば森林地帯をどうするかとか、そういう自然を守るのにどうしたらいいか、いろいろなことを考えた上で判断すべき問題であって、ただ単に人口が減るからとかいったようなことだけでは私は結論が出ない問題だというように思います。

 そしてまた、人口のことでございますけれども、今般の中期計画の素案の作成に際して行った点検におきましては、平成十五年の道路公団民営化時と同様の評価手法により行ったものでありますけれども、この作業には、平成十四年に国立社会保障・人口問題研究所が推計した将来人口をもとに推計された将来交通需要を用いておりまして、我が国人口が二〇〇六年にピークを迎え、その後は減少していく、こういう傾向というものは織り込んでいるのであります。さらに、各区間の事業着手に先立っては改めて事業評価を行うことといたしておりますけれども、その際には、その時点で活用可能なデータに基づいて作業をこれからもしてまいる予定でございます。

岡田委員 BバイCで分析している基準では、たしか二〇三〇年だったと思いますね。だから、それ以降また減っていくんですよ。余りつくり過ぎると、これは維持費だけで大変ですよ。もうそれだけで国の歳出構造が硬直化してしまいますよ。ほかの、社会保障とか介護とか高齢者医療とか子育て支援とか農業とか、さまざまな部門にお金が回らなくなりますよ。だから、二十年前の、先ほど言いましたような、その前提に立ってやっている、それが変わっていないということの異常さをよく考えていただきたいんです。

 それは、BバイC分析というのは、国土交通省がやられて、一万四千キロについて全部一以上であるという結論を出されましたよ。しかし、それは前提の置き方で幾らでも変わるのであって、例えば原油価格がこれだけ上がったらどうなりますか。車を利用する人は減るでしょう。また変わってくるんですよ、そうすると。

 ですから、もう一回これはきちんと見直して、一万四千キロは本当につくるのかつくらないのか。それはなかなかつらい作業ですよ。一回、これだけやりますといってアナウンスしたものを、いや、実は違いましたと言うことは、それぞれ地元を抱える者としてつらいことではありますけれども、しかし、やはり将来の日本のことを考えたら、一万四千キロを当然の前提にする、そんなばかげた前提で私は議論すべきじゃないと思いますが、もう一度、総理の御意見を聞きたいと思います。

福田内閣総理大臣 私は、二十年前の計画、こういうふうにおっしゃるけれども、道路建設というのは時間がかかるんですよね。長い時間がかかってやっとでき上がる、そういう性格のものでございますから、やはり計画として長期的な計画を持つというのは当然だと思います。そうでなければ、本当に関係者は困ってしまうということになりますし、また、道路ができるかできないかで、その地方が発展するかしないかということにも関係してくるわけでしょう。

 ですから、そういうことも含めて考えて、そして、先ほど来御説明申し上げていると思いますけれども、これは、何もこれでもってすべてやりますというふうに言っているわけではないんですね。見直しは当然あるわけでありますし、そして、そういうときには、社会情勢その他の状況を判断して毎年決定していくということでございますから、そういうように、やはり全体を考えて、また地方の発展のこととかそういうことも含めて考えていかなければいけないということを強調させていただきたいと思います。

岡田委員 小泉総理の時代に一たん消えた一万四千という数字が当然のように生き返ってくるから、私は申し上げているわけですよ。

 それじゃ、もう一つ、先ほど出ていました一般財源化の話ですけれども、これだけ財政が厳しい中で、なぜ道路だけなのかということが私には理解できないんです。もちろん道路も大事です。だけれども、ほかにも大事なものはある。

 先ほど言いましたように、例えば都道府県、市町村に行けば、介護の問題もある、高齢者の医療もある、農業もある。さまざまなことに対応していく中で、なぜ道路予算だけが、最初にこれありきで特定財源になっているのか。一般財源化して、それぞれの市町村で、必要なことは議会と市町村長が決めればいいじゃないですか。国で必要なことは国会と政府が決めればいいじゃないですか。なぜ最初からこれだけは道路ありきということになるんですか。どうして一般財源化できないんでしょうか。

 総理の御意見を。当事者は、当然、必要だと言うに決まっていますよ。これは、特定財源と関係のない、全体を見ている総理に聞いているんです。総理、いかがですか。総理、いかがですか。基本的なところですから、総理、答えてください。

額賀国務大臣 これは、岡田委員も御承知のとおり、昭和二十九年に最初に特定財源化されたわけであります。当時は、道路をつくってインフラ整備をして、そういうことで高度成長の基盤がつくられてきたわけでありますから、これは国会の知恵でそういう財源が措置されたわけでありまして、道路をつくることによって恩恵を受ける人たちに負担をしていただく、受益者負担の原則に従って今日まで来た。と同時に、五年に一遍ずつ見直しをして、そして全国の国民の皆さん方の要望にこたえて、道路はつくってほしいというようなことの要望が強かったから今日まで継続をしてきたということがあるわけでありますね。

 しかし、先ほども申し上げましたけれども、小泉政権のときに、やはり道路財源は一般財源化していってもいいのではないかという考え方を示しました。しかし、その場合、特定財源でありますから、ユーザー、負担者の理解を得なければならないということが条件でありました。

 そして、安倍政権のときに、これは、じゃ、何の法律をもって一般財源化をするのかということを明確にして、揮発油税を改正して、道路整備を上回る分については一般財源化を図るということに考え方をまとめていただいて、福田首相が今回、その改正法案を出させていただいた。だから、はっきりと、道路特定財源から区分をして一般財源化をしてという形になったわけでございます。

岡田委員 余ったものは一般財源にすると。まず道路予算ありきなんですね。

 私は、額賀大臣のこの予算委員会における答弁を何回か聞かせていただいて、やはり財務大臣ですから、財務大臣らしく答弁された方がいいんじゃないかと思うんですね。まるで道路族の一人みたいな答弁をされているじゃないですか。やはり財務大臣としては、なるべく特定財源じゃなくて一般財源の方が望ましいというのは当然だと思うんですね。それを何か道路族の親分のような答弁をしているのは、私は非常に理解しがたいことであります。

 そこで、総理、ちょっとお聞きしますが、総理、聞いておられますね。

 小泉総理の時代に、まず、二〇〇一年、聖域なく見直す方向で検討したい、こう言われました。結論は政府・与党の合意ですが、一般財源化を図ることを前提に、納税者の理解を得つつ、具体案を得る。確かに、納税者の理解を得つつというふうに入っていますよ。だけれども、一般財源化を図ることを前提にと言ったんですよ。これは政府・与党合意なんですよ、二〇〇五年。それで、安倍内閣になって安倍さんが、揮発油税を含めて道路特定財源全体を見直しの対象としたいと。

 全然こうなっていないじゃないですか。余ったものを一般財源化すると言っているだけじゃないですか。根っこから一般財源にしないと、一般財源とは言えませんよ。

 総理、どうなんですか。この小泉総理の時代の発言から後退したということはお認めになりますか。いかがですか。総理です、総理に聞いているんです。総理の発言ですから、総理大臣。

福田内閣総理大臣 小泉政権のもとでは、納税者の理解を得つつ、一般財源化を図ることを前提として見直しを行う、これは基本方針と決めたものであります。

 そして、安倍政権では、税収の全額を道路整備に充てることを義務づけている現在の仕組みを改め、毎年度の予算において道路歳出を上回る税収は一般財源とすることは見られました。

 今回の政府案におきましては、こういうような見直しの方針に沿って初めて一般財源化を法律に盛り込んだものでございまして、現行案がこれまでの方針から後退しているわけではありません。

岡田委員 安倍さんは、二〇〇六年十一月には、揮発油税を含めて道路特定財源全体を見直しの対象としたい、こう言われたんですよ。ただ、その後後退されて、余ったものは一般財源化、こう言われている。私は、ですから、その後退した安倍総理のそういう視点で総理は言っておられるわけですから、小泉総理のときと比べればはるかに後退していますねと確認しているんです。いかがですか。

額賀国務大臣 道路特定財源というのは、道路をつくることによって恩恵を受ける方々に負担をしていただいているわけでありますから、納税者の皆さん方の理解を得なければ、これは全面的にその転換をすることはできないわけでございます。

 したがって、今度の改正によって、揮発油税の分について、あるいはまた石油ガス税も含めますけれども、道路整備を上回る部分については一般財源化をするということで明確にしたわけであります。

 岡田委員は、道路ありきと言っておりますけれども、では民主党は、暫定税率を廃止する、あるいはまた全部一般財源化を図るということを言いながら、なおかつ道路の水準は維持すると言っております。当初のころ、そういうことを言っておりました。しかもなおかつ、今はどうなっているか知らないけれども、暫定税率を下げたらガソリン税を下げますというふうに言っております。転々と、何を考えているのかわからないところがあります。

 だから、そこは、全国的に、あるいは地方も都市部も、道路をつくってほしいという要望はあるわけであります。日本の国土全体のバランスを考えても、これは順次つくっていかなければならない。民主党が言うように暫定税率をゼロにしたら、それはほとんど、新しい一般国道だとかバイパスの工事も、みんなとは言わないけれども、相当停滞をしたりなんかいたします。そういうことについてしっかりと計画を立てて、我々に対案を出してください。そうすると、はっきりとしたその議論ができると思います。

岡田委員 大臣、今、一般財源化の話をしているんですよ。私の質問に全然答えていないし、違うことばかり言っているじゃないですか。

 総理、この道路特定財源について、今、財務大臣も言われましたけれども、道路特定財源というのは、道路に関する受益と負担の関係が明確であることから、納税者である自動車ユーザーの理解が得られてきた、こういうふうに予算委員会で答弁されましたけれども、基本的にそういうふうにお考えですか。つまり、特定財源というのは、ユーザーの受益と負担の関係がはっきりしている、だから道路をつくらなきゃいけないんだ、そういうロジックですよね。そうお考えですか、今でも。総理の発言について聞いているんです。時間がないから、やめてください。

逢沢委員長 額賀財務大臣。短く。

額賀国務大臣 これは、道路特定財源は、おっしゃるように受益者負担であります。道路をつくるために負担をしていただいているわけであります。これが長く続くと、一方で、財政的に硬直化が起こって、弊害が起こることもあります。その上に立って私どもは判断をして、揮発油税を改正して一般財源化を図っているということでございます。

福田内閣総理大臣 同じことを何回も繰り返すようでございますけれども、道路特定財源については、自動車ユーザーが道路利用から得る受益とガソリン税の形でお願いする負担との関係が、他の行政分野に比較して明確であるということから制度化しているものでございます。

岡田委員 その総理の発言を前提にしたとしても、私、納得いかないんですね。

 つまり、六十五兆円という数字が、今は五十九兆になっていますが、ありましたよね。そのときに、国際競争力の確保として二十四兆円なんですよ。国際競争力の確保というのはユーザーと関係ありますか。それはもちろんトラックとか貨物輸送もありますけれども、ほとんどはやはり自家用車ですよ。国際競争力を強化するために道路を使っているわけじゃありませんよ。

 つまり、ユーザーから見たら、自分たちの道路じゃない、国際競争力の強化のためのそういう違う目的で自分たちの税金が使われているということにならないですか。いかがですか、総理。破綻していませんか、論理が。論理が破綻していませんか。

冬柴国務大臣 私どもは、国民に広くどういうことを要請されるかということを聞きました。十万一千人を超える国民から、そしてまた、先ほど議論になりましたけれども、当時、千八百七十四名に上るすべての首長さんからも意見を寄せていただきました。これはすべてです。そして、それを超えて、また、二千九百人ですか、超える学識経験者の方も、道路整備の必要性についていろいろな議論をしていただいていますよ。そういうものを踏まえてこれをやっているわけです。

 それから、道路財源といいますけれども、道路をつくるためには、総理もおっしゃいましたように、長い時間がかかります。だって、第二名神は、四日市、あなたの選挙区を通りますよ。そして、そこから私どものところを通って神戸まで行く百十七キロのものですけれども、菰野から亀山までは供用開始平成三十年ですよ、これは今から十年かかるんですよ。そしてまた、茨木から神戸までも三十年ですよ。ですから、そういう長い期間がかかり、しかも巨額の資金が必要だから、安定的な……(発言する者あり)ちょっと待ってください。ちょっと聞いてください。安定的な財源というものをしなきゃならないから、道路特定財源と言えるんですよ。

岡田委員 私は長期計画の話を聞いているんじゃないんですよ。要するに、国際競争力の確保ということで一般のユーザーから税金を取っているのは、もし総理のような特定財源の論理を認めるのならおかしいんじゃないかと言っているわけですよ。いかがですか、総理。総理以外にならもうお答えいただく必要はありませんが、総理、どうですか。

福田内閣総理大臣 単に国際競争力ということだけでなくて、いろいろな要素は入っているわけですよね。ですから、そこだけ切り出して云々というのは妥当性は私はないというふうに思います。

 用途のことですから、詳しくは国土交通大臣の方から答弁をさせていただきます。

岡田委員 繰り返しますが、六十五兆円の中の二十四兆円が国際競争力の確保ということで位置づけられているということです。

 道路の話はこれで終わりますけれども、最後にもう一度、先ほど言いましたように、一万四千キロ、二十年前の四全総をつくったときと時代状況が全く変わっているということが一つ。それからもう一つは、これから十年間で事業費ベースで五十九兆円という道路投資をするということでありますけれども、五十九兆といったら国民一人当たり五十万ですよね、一億ちょっとですから。十年間で国民一人一人に五十万円負担してください、税金なりその他収入で取り上げて五十万で道路をつくりますよ、四人家族なら二百万ですよと。本当にそれで国民は納得しますかね。

 一方で、これから財政が非常に厳しくて、いや、将来的には増税が避けられない、そういう声も聞こえてきますよね。消費税も上げなきゃいけないかもしれない。そして、いろいろな社会保障も含めて歳出カットしなきゃいけない。そういう中で、道路だけは一人五十万、これから十年間でいただきます。私は、それが国民にとって説得力ある話だとは決して思わない。ですから、そのことはもう一度、これからまたあした以降議論していきますが、しっかりと見直していきたいというふうに思っています。

 次に、地球温暖化の問題について申し上げたいと思います。

 総理は、施政方針演説の中で、「低炭素社会への転換」ということを言われました。私は、このことは評価しております。ただ、私も少し行ってみたんですけれども、昨年十二月のバリ島でのCOP13、ここで国際NGOとか、あるいはEUの国々、私も政治家とか官僚とかいろいろな人と会いましたけれども、NGOの皆さんとも会いましたけれども、そこで日本の評価は非常に低かったんですね。

 ちょっとこれを、これは現地の新聞の広告ですから、私はこれを見て非常に残念な思いをしました。つまり、ブッシュ大統領と福田総理とハーパー・カナダ首相が温暖化の問題で数値目標を入れることをブロックしているんだ、邪魔しているんだ、こういう趣旨の新聞記事なんですね。

 確かに、日本政府は、数値目標を入れることには抵抗しましたよね。二〇二〇年に二五から四〇%先進国は削減するという数字が最初は入っていた。これに反対したことは事実じゃないですか。だから書かれたんですよ。私はそれは非常に残念だったんです。

 そのときの説明は、それはアメリカを先進国のグループの中にとどめておくためには必要だという説明をしていましたが、それだけだったんですか。やはり国内で反対があって、日本も二〇二〇年で二五から四〇という数字は困る、だから抵抗されたんじゃないですか。いかがですか、総理。

鴨下国務大臣 今、岡田議員がお話しになったときに私もバリにおりましたので、この新聞を拝見しました。ある種の衝撃を私たちも受けましたけれども、これは単純に日本を非難したというよりは、むしろ日本にもっと積極的にかかわってくれ、こういうようなメッセージも込められているわけでありまして、単純に、これで、では日本は全く怠けている、こういうようなことの評価ではないというふうに私はその会議の中の雰囲気を見て感じております。

 加えて、数値目標については、あそこで、では日本が中期目標についてそれなりの数字を言うというようなことで、果たしてあのCOP13、気候変動枠組み条約の十三回の締約国会合が成功したかどうかというようなことについては、これは現実の話として、新たな枠組み、すべての国が入る枠組みというのができ上がったわけでありますから、この段階では、私は日本の戦略は成功したというふうに確信しております。

 ただ、これから先の話はまた岡田議員とも十分に議論をさせていただきたい、こういうふうに思っております。

岡田委員 次のパネルを見ていただきたいんですが。

 要するに、日本がこれだけ疑心暗鬼で見られるのは、この十年間のパフォーマンスが余りにも悪かったということだと思うんですね。一九九〇年の基準、十二・六億トン。二〇〇五年度の排出量は十三・六億トン。七・七%ふえました。

 実は、二〇〇八年から二〇一二年まで、京都議定書の削減約束では一九九〇年比六%削減なんですね。それが、二〇〇五年度は七・七ふえたし、二〇〇六年度も、多少減ったとはいえ六・四プラスなんですよ。六%減らすまで持っていくのは不可能ですよね。ですから、森林吸収源対策で三・八とか、京都メカニズムで外国から買ってくるものが一・六ということで、何とかやりくりできるかどうか、六%削減という目標が達成できるかどうか。来年は無理ですけれども、二〇〇八年は私は無理だと確信をしますけれども、二〇一二年でもこれができるかどうかというのは相当厳しいところに来ている。

 ですから、いろいろな、特にヨーロッパの国々が順調に排出量を減らしている中で日本が逆にふえているということが、日本は熱心でないという評価につながっていると思うんです。つまり、この十年間、一体日本は何をしてきたのかということですよ。

 確かに、小泉政権のもとでも、クールビズだとかいろいろなことを言いましたよ。精神運動、国民運動も結構です。だけれども、やはり仕組みとしてかちっと減らすようなものはなかったんですよ。いかがですか。そういうものをきちんと入れていかないと、温暖化税とか、国内キャップ・アンド・トレード方式の排出権取引とか、あるいは自然エネルギーの導入とか、そういうものをきちんと入れていかないと、これは二〇一二年で終わりじゃありませんから、この先さらに厳しい削減目標をやっていかなきゃいけないわけですから。

 この十年間、総理はどう評価されますか。そして、これからどうされるおつもりですか。総理の御見解を聞きたいと思います。

鴨下国務大臣 岡田議員がおっしゃっているように、七%削減する、これはなかなか大変なことであります。加えて、ことしから日本は京都議定書の第一約束期間に入ったわけでありますから、この五年間に達成しなければいけない、こういうような意味においては、私は岡田議員と問題意識は共有をしております。

 加えて申し上げますと、今、新たに、政府の中では、京都議定書の目標達成計画について、新しい達成計画をつくって、この三月にも閣議決定をして熱心にやっていこう、こういうようなことでございます。

 そういう中で、産業界も自主行動計画の中でさらに深掘りをする、加えて民生部分、業務部分、さらには運輸部分、それぞれが最大限の努力をしてやっていこうじゃないか、こういうようなことをこれから閣議決定をして、温対法の改正まで含めましてやっていこう、こういうようなことでありますので、ぜひ達成するために国民の皆さんもそして産業界も協力をしていただきたい、こういうことを申し上げたいと思います。

岡田委員 ですから、二〇一二年までに六%削減という目標を達成するということであれば、今大臣が御説明になったようなことをいろいろやりくりやりくりして、あるいは可能かもしれません。

 しかし、問題はそこで終わるのではなくて、二〇二〇年に、それが、後ほどまた時間があれば議論したいと思いますが、日本の目標がどうなるかはわかりませんが、例えば二〇とか二五とかあるいは三〇とか、そういう数字が控えているときに、単なる通過点でしかないわけですよ、二〇一二年は。むしろ余裕を持って二〇一二年に六%削減を通過していかないと、二〇二〇年に国際社会の中でこれから議論されるような数字にはならないんですよ。

 だから、私は、こんなやり方で本当にいいのか、もっとしっかりとした制度的な枠組みを入れないとだめなんじゃないかということを申し上げているわけです。

 さて、時間が非常に限られていますので、総理にちょっとお聞きしたいんですけれども、今環境問題の議論の前提になっているのは、IPCCの第四次評価報告書、昨年出たものですね。これに対しては、ゴア副大統領と並んでノーベル平和賞がIPCCに対して贈られている。

 中身は非常に多岐にわたるわけですけれども、四百五十名の代表執筆者、そして二千五百名を超える専門家の協力で三年間かけて検討したと。温暖化には疑問の余地がない。いろいろな議論がありました、しかし温暖化には疑問の余地がない。それから、二十世紀半ば以降の気温の上昇のほとんどが人為起源の温室効果ガスの増加によりもたらされた可能性がかなり高い、九〇%だと。現状のままでは二十一世紀により大規模な温暖化がもたらされる。二度C程度の気温上昇に抑えるためには、地球全体の温室効果ガスが次の十年から二十年の間にピークアウトし、二〇五〇年までに少なくとも半減しなければならない。既存の技術と今後数十年で実用化される技術で温室効果ガス濃度の安定化は可能である、つまり二度程度に抑えることができる。今後二十年、三十年の努力と投資がかぎである。こういう報告書になっているんですね。

 ダボスで総理はこのIPCCの報告書にも言及されたと思うんですが、そのとき、総理の表現は、警告、科学者たちの警告というふうに言われたと思うんです。私は、警告ではなくて、これを議論の前提にすべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

福田内閣総理大臣 IPCCが提供してくれた科学的知見、これは気候変動に関する貴重なよりどころとなる資料として評価はいたしております。ですから、御指摘のIPCCの報告書についても真摯に受けとめなければいけないと考えております。これは、楽観的に考える人もいるかもしれませんけれども、しかし、楽観的に考えて、そして取り返しのつかないことになってはいけないということを含めて、私は真摯に受けとめるべきであるというふうに考えております。

 ですから、御指摘のように、私が警告と言ったとすると、警告では少し緩いんじゃないか、これを前提にすべきだというようにおっしゃれば、そういうようにも私は思います。ですから、そういうことを前提にしてこれからいろいろな施策を打ち出していかなければいけない、そのように思っております。

岡田委員 総理に明確に御答弁いただいたと思います。私もバリで随分言われたんですが、もうサイエンスは結論を出したんだ、あとは政治家がその前提をどう実現していくか、それは政治家の責任であるというふうに言われました。私はそのとおりだというふうに思いますし、総理の今の御答弁も同じ趣旨だというふうに受けとめます。

 そこで、残された時間で削減目標の話を少ししたいと思うんですけれども、総理はダボスで、国別の総量目標を掲げるということは明言されました。これは私も評価をしております。

 安倍さんの時代に、クールアース50、ここで二〇五〇年に温室効果ガス半減ということを、これは世界全体でですね、言われたわけですから、世界全体、二〇五〇年、半分にするということであれば、先進国はより大きな削減をしなければならないことは自明であるというふうに思うんですね。そうだとすると、その延長線で伸ばすと、やはり二〇二〇年の段階でかなり大幅な削減をしないとそういう数字にはならないと思うんですが、総理は、二〇二〇年、バリでは先進国は二五から四〇という数字も一時はあったわけですけれども、あるいはそれがいまだに残っているという議論もありますけれども、この二〇二〇年についてどのような数字をお考えでしょうか。

 これは総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。恐らく環境大臣と経産大臣で答えが違うと思いますから、総理の御意見を聞きたいと思います。

鴨下国務大臣 先ほどもお話し申し上げましたけれども、日本は九〇年比でマイナス六%、そして、基本的には二〇五〇年には五〇%削減、こういうようなことを前提にしておりますので、その延長上ではおのずと類推できる削減目標というのが設定できるんだろうと思います。

 ただ、その決め方でありますけれども、これについては、EUのようにトップダウンで、いわゆるグランドファザリングという決め方ではなく、むしろセクター別に積み上げていって、最終的にどういう削減目標をつくっていくか、こういうような意味での日本のルールを世界に提案していきたい、こういうふうに考えております。

岡田委員 セクター別の積み上げというのは手法としては私もありかなと思いますが、ただ、やはり最終的には、日本全体でどれだけ削減するか、その削減の量が少なければ意味がないわけですよ。二〇五〇年、先進国全体で五〇をかなり深掘りするような目標に向かって進むとすれば、やはり二〇二〇年には二〇とか二五とか三〇とか、そういう数字を日本自身も持たなきゃいけない。だから、個別に積み上げるのはいいんですが、しかし、その結果としてそれだけのものになるかどうかというのは、これは必ずしも楽観を許さないわけですよね。

 ですから、国としてこれはやるというきちんとした意思の表明がまず数字としてあるべきじゃないか、こういうふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。総理の御意見を聞きたいと思います。

福田内閣総理大臣 二〇二〇年とおっしゃいましたか。二〇二〇年にどうするか、それは、二〇五〇年に半減、我が国としては半減以下にしなければいけないということもあるかもしれませんけれども、半減目標というものを掲げて、その途中どうするか、こういう問題であります。

 そこで、私が先日ダボスで申しましたのは、日本としても国別総量目標を掲げて取り組むことが必要だ、こういうことを申したのでありますけれども、一方的に数字を発表すればよいというわけではなくて、他の主要排出国も参加できるような条件を整えながら戦略的に対応していくということが、サミット議長国でございますので、これは議長国としての役割として大事である、こういうふうに思っております。

 多くの国の参加を得るためには公平性の確保がかぎでございますので、まず、議員のお配りいただきました表にもございますけれども、基準年は一九九〇年が適当なのかどうか、そしてまた、削減幅の決め方ももっと科学的で透明性の高い方法はないものかどうかというようなことについて、各国ともよく相談しながら決めていく必要があるということでございますので、我が国が数字を示せばいいというものでもないんだというふうに私は思っております。

岡田委員 この表で見てわかるように、各国がかなり野心的な数字を出しているわけですね。そういう中で、日本が自分の数字も持たないでサミットでやるといっても、説得力持ちませんよ、それは。もちろん、アメリカのことはあるかもしれません。しかし、アメリカは大統領がかわりますよね。ヒラリー・クリントンは、二〇五〇年、八〇%削減ですよ。オバマも厳しい数字を言っている。まあ、次の大統領はヒラリーかオバマか、あるいはマケインかということになるんだと思いますが、マケインだってこの環境問題は非常に厳しくとらえていますよ。ですから、気がついたら日本だけが取り残されていたということになるんじゃないですか。

 ですから、私が申し上げたいのは、政府もそうだし、それから経済界の一部もそうなんですけれども、とにかくだめだ、だめだと言っている間にどんどんルールが、例えば排出権取引にしても、キャップ・アンド・トレードにしても、でき上がっていく、ルールメーカーになれない、後から乗っかっていく。こういうことでは、私は、日本の将来の競争力という観点からも問題がある。

 私は、実は今から三十年ほど前に石油の行政を、第二次オイルショックのときにやった経験がありますが、あのときは、やはり日本の産業界はすごかったですよ。みんなが、何とかこの危機を乗り越えなきゃいけない、石油をなるべく少なくして有効活用しなきゃいけない、省エネしなきゃいけないということで、生産プロセスを全部分析して、無駄なエネルギーを使わないように徹底的にやりました。その結果が、日本のその後の競争力につながったんですよ。今は、それに対して、だめです、だめですと言い続けている姿。私は、それ自身も日本の内向きの姿を示しているように思えてならないんです。

 ぜひ、しっかりとこの問題に産業界も対応する、政府も対応する、そのことをお願いしておきたいと思います。

 終わります。

逢沢委員長 次回は、明八日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時一分散会


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