衆議院

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第7号 平成20年2月13日(水曜日)

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平成二十年二月十三日(水曜日)

    午前九時十一分開議

 出席委員

   委員長 逢沢 一郎君

   理事 遠藤 利明君 理事 田野瀬良太郎君

   理事 中山 成彬君 理事 増原 義剛君

   理事 森  英介君 理事 山本 幸三君

   理事 岡田 克也君 理事 前原 誠司君

   理事 富田 茂之君

      井上 喜一君    井脇ノブ子君

      伊藤 公介君    臼井日出男君

      小川 友一君    大島 理森君

      大野 功統君    奥野 信亮君

      金子 一義君    河村 建夫君

      北村 茂男君    倉田 雅年君

      小池百合子君    小坂 憲次君

      佐藤 剛男君    斉藤斗志二君

      坂本 剛二君    清水鴻一郎君

      清水清一朗君    菅原 一秀君

      杉浦 正健君    園田 博之君

      中馬 弘毅君    徳田  毅君

      中根 一幸君    永岡 桂子君

      長島 忠美君    長勢 甚遠君

      西銘恒三郎君    野田  毅君

      林   潤君    平口  洋君

      広津 素子君    深谷 隆司君

      福岡 資麿君    藤井 勇治君

      藤田 幹雄君    藤野真紀子君

      馬渡 龍治君    牧原 秀樹君

      松本 文明君    松本 洋平君

      三ッ矢憲生君    三原 朝彦君

      安井潤一郎君    山内 康一君

      市村浩一郎君    大串 博志君

      太田 和美君    菊田真紀子君

      小宮山泰子君    郡  和子君

      笹木 竜三君    田村 謙治君

      高山 智司君    武正 公一君

      中川 正春君    原口 一博君

      細野 豪志君    馬淵 澄夫君

      松木 謙公君    松本 剛明君

      山井 和則君    笠  浩史君

      渡部 恒三君    赤松 正雄君

      江田 康幸君    笠井  亮君

      阿部 知子君    糸川 正晃君

    …………………………………

   総務大臣         増田 寛也君

   法務大臣         鳩山 邦夫君

   外務大臣         高村 正彦君

   財務大臣         額賀福志郎君

   文部科学大臣       渡海紀三朗君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   農林水産大臣       若林 正俊君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         鴨下 一郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     町村 信孝君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 泉  信也君

   国務大臣

   (国民生活担当)     岸田 文雄君

   国務大臣

   (金融担当)

   (行政改革担当)     渡辺 喜美君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   内閣府副大臣       木村  勉君

   法務副大臣        河井 克行君

   財務副大臣        森山  裕君

   文部科学副大臣      池坊 保子君

   厚生労働副大臣      西川 京子君

   農林水産副大臣      今村 雅弘君

   経済産業副大臣      新藤 義孝君

   国土交通副大臣      平井たくや君

   外務大臣政務官      宇野  治君

   外務大臣政務官      中山 泰秀君

   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   国土交通大臣政務官    金子善次郎君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長)    西  正典君

   政府参考人

   (内閣府国民生活局消費者企画課長)        原嶋 耐治君

   政府参考人

   (内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部長)   大脇 広樹君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    米田  壯君

   政府参考人

   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         宮本 和夫君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  稲見 敏夫君

   政府参考人

   (財務省主計局長)    杉本 和行君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    勝 栄二郎君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    玉木林太郎君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  西山 正徳君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         佐藤 直良君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            榊  正剛君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 谷津龍太郎君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  南川 秀樹君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十三日

 辞任         補欠選任

  井上 喜一君     平口  洋君

  伊藤 公介君     松本 洋平君

  岩永 峯一君     藤井 勇治君

  臼井日出男君     林   潤君

  尾身 幸次君     清水鴻一郎君

  大島 理森君     安井潤一郎君

  大野 功統君     奥野 信亮君

  金子 一義君     徳田  毅君

  河村 建夫君     広津 素子君

  小池百合子君     藤田 幹雄君

  小坂 憲次君     山内 康一君

  坂本 剛二君     永岡 桂子君

  菅原 一秀君     長島 忠美君

  杉浦 正健君     北村 茂男君

  園田 博之君     馬渡 龍治君

  長勢 甚遠君     福岡 資麿君

  野田  毅君     藤野真紀子君

  笹木 竜三君     大串 博志君

  武正 公一君     高山 智司君

  細野 豪志君     松木 謙公君

  山井 和則君     郡  和子君

同日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     大野 功統君

  北村 茂男君     小川 友一君

  清水鴻一郎君     牧原 秀樹君

  徳田  毅君     金子 一義君

  永岡 桂子君     中根 一幸君

  長島 忠美君     菅原 一秀君

  林   潤君     清水清一朗君

  平口  洋君     井上 喜一君

  広津 素子君     河村 建夫君

  福岡 資麿君     長勢 甚遠君

  藤井 勇治君     岩永 峯一君

  藤田 幹雄君     小池百合子君

  藤野真紀子君     野田  毅君

  馬渡 龍治君     井脇ノブ子君

  松本 洋平君     伊藤 公介君

  安井潤一郎君     大島 理森君

  山内 康一君     小坂 憲次君

  大串 博志君     笹木 竜三君

  郡  和子君     菊田真紀子君

  高山 智司君     市村浩一郎君

  松木 謙公君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  井脇ノブ子君     園田 博之君

  小川 友一君     杉浦 正健君

  清水清一朗君     臼井日出男君

  中根 一幸君     坂本 剛二君

  牧原 秀樹君     松本 文明君

  市村浩一郎君     田村 謙治君

  菊田真紀子君     山井 和則君

  小宮山泰子君     細野 豪志君

同日

 辞任         補欠選任

  松本 文明君     尾身 幸次君

  田村 謙治君     太田 和美君

同日

 辞任         補欠選任

  太田 和美君     武正 公一君

同日

 理事伊藤達也君同月十二日委員辞任につき、その補欠として増原義剛君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 公聴会開会承認要求に関する件

 委員派遣承認申請に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十年度一般会計予算

 平成二十年度特別会計予算

 平成二十年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

逢沢委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に増原義剛君を指名いたします。

     ――――◇―――――

逢沢委員長 平成二十年度一般会計予算、平成二十年度特別会計予算、平成二十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、公聴会の件についてお諮りいたします。

 平成二十年度総予算について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じます。

 公聴会は来る二月二十二日とし、公述人の選定等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

逢沢委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。

 三案審査の参考に資するため、来る二十日水曜日、委員を派遣いたしたいと存じます。

 つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、派遣地及び派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 次に、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長西正典君、内閣府国民生活局消費者企画課長原嶋耐治君、内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部長大脇広樹君、警察庁刑事局長米田壯君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長宮本和夫君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、財務省主計局長杉本和行君、財務省理財局長勝栄二郎君、財務省国際局長玉木林太郎君、厚生労働省健康局長西山正徳君、厚生労働省保険局長水田邦雄君、厚生労働省年金局長渡辺芳樹君、国土交通省大臣官房技術審議官佐藤直良君、国土交通省総合政策局長榊正剛君、国土交通省道路局長宮田年耕君、環境省大臣官房審議官谷津龍太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 これより一般的質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。増原義剛君。

増原委員 自由民主党の増原でございます。

 本日の予算委員会の一般的質疑をこれからさせていただきたいと思っております。約三十分いただいておりますので、大きく分けて三点について御質問したいと思っております。

 まず第一は、グローバル化している世界の経済についてが一点。二点目は、わけても我が国の経済の実需、要は内需中心の力強い成長にこれからどういうふうに持っていくのかということ。そうした中において、三点目としまして、二十年度の予算案、これが果たして健全なものであるかどうかということについて、いわゆる霞が関埋蔵金ですか、そういった議論もあるようでありますので、そういうことについてお聞きしたいと思います。

 まず第一点につきましては、額賀大臣、せんだっての週末に開かれましたG7の会合、本当にお疲れさまでございました。原油高とかサブプライム住宅ローンの問題とかで、世界の経済は不透明感を増してきております。G7、これにつきまして、我が国ではきのうですが、世界でいえば月、火となりますけれども、世界のマーケットには何か力強いメッセージを発したというような感じではないなというふうに思っております。

 そうした中で、G7でいろいろ議論をされましたことの中で、特にこれからの世界経済の先行きにとって非常に重要である、重要なメッセージであるという点につきまして、簡潔にお答えいただければと思っております。

額賀国務大臣 今、増原委員がおっしゃるように、世界経済は、サブプライム問題に端を発する金融不安とか原油高とか、不透明感が増しているという認識は、G7の中でも共通のものでございました。

 私は、最大のメッセージというか発信は、G7各国、それから中央銀行総裁が、こうした不透明感の中で、それぞれの国がしっかりとそれぞれの国に合った適切な政策を発信して、そして責任を持って政策を遂行し、金融の安定化と世界の経済の成長、拡大に責任を持って対処していく、それは、個別にあるいはまた共同して対処していく決意を表明したことであるというふうに思っております。

 それから、サブプライム問題に端を発した当面の金融については、それぞれの金融機関のリスク管理、それから流動性確保、それからきっちりと民間で資金調達の手法を講じていくこと、そして具体的に、各当局は必要に応じて市場に対して適切なガイダンス、ガイドラインを示していく、そういうことがそれぞれ各国の間で共有されたことであると思っております。

 中長期的には、金融安定化フォーラムの中で、これまでのいろいろなさまざまな金融機関の問題については、まず情報を開示して、損失を確定して、そしてその上で対処をしていくこと、それからまた、格付だとかそういうことについても、利益相反の問題等のことについてしっかりと問題意識を持って解決をしていかなければならないということ、それを、四月のG7までには解決策、手法を考えよう、そんなことが主な点だったというふうに思っております。

増原委員 今、額賀大臣からお伺いしたのでありますけれども、私もそのとおりだろうというふうに思っております。

 発信源であるアメリカと、そしてその被害が大きく及んでいるヨーロッパと、それから日本、それぞれ事情が違うと思うんですね。だから、それぞれの処方せんも違うのであろうと。とりわけアメリカの場合は、これからサブプライム住宅ローンの破綻がどんどん出てくると思うんですね。そうすると、これは経済問題、信用問題だけではなくて、破綻された方々が多数出てくると思いますが、これは社会問題にもなっていくんだろうと思います。

 一方、我が国も、少し金融機関でございましたけれども、ヨーロッパの場合は幾ら腐っているかわからないリンゴの箱を買っておるというわけでありまして、それはある意味では金融的な問題だけで済むという点もあるんだろうというふうに思います。

 それぞれ事情が違いますので打つ手が違ってもいいだろうと思いますが、いずれにしても、グローバル化している経済社会でありますので、やはりよく協調されてやっていくことが必要かなというふうに思っております。

 そこで、今度はリスク管理のあり方でありますが、従来よりデリバティブなどの金融派生商品、これについてのリスクをどういうふうに分析して、そして基準をつくっていくんだというのが、BIS規制も含めまして、従来から問題にはなっておりました。しかし、残念ながらそれに有効な基準を設けることができていないわけでありますね。そういう中で、こういう従来から指摘されてきたサブプライム住宅ローンの問題、これがどんと顕在化し始めたわけであります。

 恐らく、一箱に百個リンゴが詰まっている、その中で、これを売りたい、買いたいというときに、幾ら腐っているリンゴが入っているかわからない。実力は恐らく二十個ぐらいだろうけれども、いや、八十個かもしれない、だから買い手がいない。要は、買い気配で値段がつく、つけば、時価会計ですから、当然のことながら四半期ごとに出す財務諸表の中では時価で評価せざるを得ない。恐らく八十個も腐ってはいないと思うんですね。恐らく二、三十個だろうと思いますけれども、それがわからないからどうしてもマーケットが疑心暗鬼になって、大きな含み損を出さざるを得ないというのがあるんだろうと思います。

 そういう意味で、金融派生商品、金融工学か何か知りませんが、このサブプライムローンがアングロサクソン流の金融工学のなれの果てかもしれませんけれども、やはりこれは、BISの自己資本比率の規制、せんだって変えました。変えたから日本がよかったというわけじゃないんですけれども、これからどういうふうに金融当局として、いろいろな金融商品があります、そのリスク管理をどうしていくか、これについてやはりしっかりしないといけないのではないか、まさに自己資本比率に匹敵するような何らかの基準を設けていく必要があるのではないかというふうに思っておりますが、これは渡辺金融担当大臣、いかがでございましょうか。

渡辺国務大臣 増原委員には釈迦に説法でございますが、確かに御指摘のような、お値段のつかない証券化商品が出回ってしまっているという状況がございます。

 レベル1、2、3という基準がございます。レベル1は時価のついているもの、これなどはいいんですね。レベル2はマーク・ツー・マトリックス、つまり類似価格商品ですから、これもある程度はわかる。しかし、レベル3となりますと、マーク・ツー・モデルでございますから、お値段が非常に確定しにくいという問題がございます。巨大複合金融機関の中には、ティア1、自己資本の倍以上もレベル3を抱えてしまっているというところもございます。したがって、こういう大問題を抱えているという現実があります。

 一方、我が国金融機関はどうかといいますと、これは余り知られていないことなんでありますが、バーゼル2を先行実施しております。昨年の三月に実は実施を始めたところでございます。

 これは三つの柱がございまして、第一の柱は、リスク計測の精緻化を図っている、第二の柱は、リスクに見合う適正な自己資本を維持する、第三の柱がリスクの管理状況を開示させるということでございます。

 リスク計測の精緻化を図るというのは、例えば証券化商品でいきますと、リスクウエートが二〇%から一二五〇%、一〇〇%掛ける十二・五倍という基準でございますが、こうした新しいリスクウエートの導入などを通じまして、相当リスク管理が適切に行われてきたという経緯がございまして、けがの功名という状況もあったのであろうとは思いますけれども、今のところ損失は比較的軽微で済んでいるという状況でございます。

 しかしながら、世界の金融資本市場の状況がこのような状況にございますので、さらに一段と警戒水準を高めていかなければならないと考えております。

増原委員 渡辺大臣、どうもありがとうございました。

 G7の姿を見ておりまして、各国は財務大臣と中央銀行の総裁であります。我が国は渡辺大臣もお出になったと思うんでありますが、財金分離しているためにそういうことになっているわけでありますので、このような状況を考えた場合には、私はやはり財金分離は誤りであるというふうに思っておることをつけ加えておきます。

 第二問でありますが、内需中心の成長について。

 成長戦略、結構でございます。上げ潮、結構でございます。ただ、経済は生き物ですから、私の持論は上げ潮があれば引き潮があるんでありまして、私は今その引き潮に入っているというふうに思っております。

 それはそれとして、これまではどちらかといえば輸出、中国などを中心としました、BRICsを中心とした輸出、それに関連する設備投資といったところが我が国の経済をここ二、三年引っ張ってきたんだろうと思いますが、これはやはり、トータルで見れば、外需に依存しているという経済の成長ではないかと思っております。

 問題は、かつてもそうでありましたが、それがずっと国民経済全体に波及していったわけです。今はどうか。波及していないではないか。端的に言えば、消費を見ればわかりますね。消費は、やはり可処分所得がきちっとふえるというところが大事なんです。そしてまた、高齢化社会に入っていけば、高齢者は年金と利子配当なんですね、可処分所得は。では、それがふえていますか。ふえてないでしょう。なぜか。ゼロ金利、かくも低い低金利がかくも長く続いているから。

 私は、どちらが鶏か卵か、我が党の山本幸三議員なんかとは少し意見を異にするところがあるのでありますが、非常にいびつになっていることは間違いないんですね。千五百兆の個人金融資産のうちの五五%ぐらい占めていますね、預貯金が。七百七、八十兆円。これの国民の家計が受け取る利子と、住宅ローンなどで三百兆余りですか借りている、これを支払う利子と、ネットではどうなっているか。明らかに家計の方が持ち出しになっているんですよ。自分たちが借りているよりも倍預けている。にもかかわらず、受け取っている利息はマイナスですよ。幾らマイナスになっていますか。これは政府委員の答弁で結構ですが、大臣、やられますか。

大田国務大臣 利子の受け取り分、平成十八年度が、受け取りが五兆二千億円、支払いが十三兆八千億円、差し引き八兆六千億円のマイナスです。これは十年連続マイナスになっておりまして、ピークは十七年度、九兆七千億円でした。平成十八年度は、それよりは一兆円縮小してきております。

増原委員 ゼロ金利から〇・五%に誘導金利が行きました。それが少しは影響しているのかなというふうに思いますが、そうした中で、貯蓄から投資へという議論をやっておるわけでありますけれども、それは当然リスクが伴ってくるわけであります。

 それともう一点でありますが、いわゆるデフレ脱却宣言をされておりませんが、要はデフレと物価の関係なんですね。よく生鮮食料品を抜いたコアがどうだとか、石油関係を除いたコアコアがどうだとか言われておりますが、家計の実態から見ましたら、食料品を含めてどんどん値上がりしているわけですよ。今、デフレだと思っている人がいますかというんですよ。

 そして、政府統計を見ると、IT関連のものがどんどん値下げ競争をやっていますから、そのウエートが大きいから、いかにもまだマイナスですというような実感、そういうのを出されていますが、どうも庶民の実感とはかけ離れているんですね。IT関連の部門を除いたときに、一体我が国の消費者物価はどうなっているんだ。これを見ていかないといけない。

 これはむしろ、政府というよりも日銀に申し上げるべきかもしれませんけれども、そういう意味でデフレどころではないわけでありまして、どんどん値上がりしている。特に、食料とエネルギーがバッティングする時代になってきましたので、エネルギーと同様に食料も上がっていくんだと私は思っております。

 そうした中で、可処分所得の状況、ベースアップをしないなんと。もうかっている企業が、大企業を中心にしない。どんどん労働分配率が落ちている、これは何をかいわんやなんですね。それは競争原理だけを、市場原理主義に立てばそれでいいんだということになるでしょう。あたかも企業は株主のものだ、株主オンリーだということになれば、配当をふやせ、ふやせと。配当をふやす必要もありますけれども、では、ちゃんと働いた労働者に対してはどういうふうに分配しているんだ。確実にもう五〇%を切っていますね、大企業の場合は。だから消費はよくならないんですね。

 利子も低くて、そして可処分所得も低い、労働分配率も低い、そういう中で、政府はどういうふうに内需中心の成長をされようとしているんですか。成長路線も結構ですよ。結構ですが、具体的にどういうふうにやっていくのか。その点について、再度お聞きしたいと思います。

大田国務大臣 先生御指摘のように、やはり賃金が伸びないということが最大の問題です。加えて、ガソリンや食料品が値上がりしてきて、個人消費が横ばいで推移しているということがございます。

 これに対して、まず一つは、最低賃金の引き上げ、労働基準法の遵守といったことに取り組んでまいります。それから、特に従業員三十人未満の小規模企業で賃金が落ちてきておりますので、下請取引の適正化ですとか、昨年十二月末に取りまとめました原油対策というものを着実に実施してまいります。

 加えて、働く側のスキルアップということもまた必要ですので、ジョブカード制度と呼んでおります本格的な職業訓練を来年度から実施してまいります。

増原委員 非常に有効打だなと思うのはよく見当たりませんけれども、いずれにしても、スタグフレーションに陥らないようにしっかり頑張っていただきたいなというふうに思っております。

 では次に、第三点目に移りたいと思います。

 来年度、平成二十年度の予算案の健全性についてお話をちょっとお聞きしたいと思います。

 二〇一一年までにプライマリーバランスを回復するということになっておりますが、十九年度の、今の予算は四兆四千億ですか。しかし、来年度予算は、公債金と国債費の差っ引きでいくと、たしか五兆二千億になっておりますね。ちょっと拡大しております。公債依存度は、三〇・七%が三〇・五%になっている。その点はちょっと健全化しているというふうにおっしゃっておりますが、私は、かなりこれは危ういんではないかというふうに思っております。よく霞が関埋蔵金とか言われておりますが、埋蔵金であって埋蔵金でないということをこれから私は申し上げたいというふうに思っております。

 第一点につきましては、例えば、要はその他収入であります。四兆円強のものを見込まれておりますね。その中で、外為特会についてお聞きしたいと思います。

 今年度、十九年度は、外為特会から利差の分の一兆六千億を入れるということになっていますね。これをつくられたときは、恐らく一ドル百二十円ぐらいでしょう。しかし、予算編成をされた昨年の暮れは、恐らく一ドルもう百十円ぐらいになっていますね。そして、いわゆる積立金と今度は含み損の関係からいえば、大体一円につき八千億円のロスが出るんですね、含み損が出る、こういう構図になっておるんです。百兆。

 なぜこういう時期に、一兆六千億から一兆八千億円に、二千億、外為特会から一般会計への繰り入れをふやされたのか、これについてお聞きしたいと思います。

玉木政府参考人 お答えいたします。

 外為特会に毎年度発生いたします利益の一部につきましては、円高による保有外貨資産の評価損に対応するため積立金として積み立て、外為特会の健全性の確保に努めているところでございます。

 他方、行革推進法においては、外為特会に関し、一般会計に相当と認められる金額を繰り入れる措置を講ずると規定されておりまして、財政健全化への貢献もあわせて求められているところでございます。

 二十年度予算においても、外為特会の健全性の確保と一般会計の厳しい財政状況を総合的に勘案し、十九年度に生ずると見込まれております決算上の利益三兆六千億円のうち、積立金として十九年度積立金とほぼ同額の一・八兆円を積み立てることとした上で、一般会計繰り入れについては、十九年度繰入額の一・六兆円から増額して一・八兆円としたところでございます。

 今後とも、財政健全化への貢献を行いつつ、中長期的に積み立てを実施していくことによって、外為特会の健全性の維持に努めたいと思っております。

増原委員 財政健全化は一般会計だけじゃないんですよね。この外為特会だって、一ドル百一円になったら積立金は吹っ飛んじゃうでしょう、含み損で。債務超過になったときは一般会計から入れるんですか。繰り入れ規定がありますよね。百一円になったら、これは明らかに積立金は吹っ飛んでしまいます、十七兆五千億は。吹っ飛ぶんですよ。そういう中で、円高になって含み損がどんどん拡大しているときに、どうして二千億円ふやさなくちゃいけないのか、主計局のサンドバッグになっておるんじゃないか、それを言いたいんです、私は。

 よく、特別会計につきまして、三百六十数兆あるから、某党の某幹部は、一割カットして三十兆持ってくればいいんだとおっしゃる。重複計上を除けば百七十八兆しかない。その中で一番大きいのは何かといったら、国債整理基金特会の約九十兆の借換債を含めた支払いなんですね。一割カットしたらどうなるか。その分踏み倒せということかと思うんですね。これは先月、民放だったかNHKだったか、某党の某幹部が言われていましたよ、まるでそこに莫大な霞が関埋蔵金があるがごとく。

 外為特会だって、百一円だったら、もう含み損、債務超過になっちゃうんです。そういうところでなぜ二千億もふやしたか。しかも、円高傾向は続く。これから見通せば、恐らくドル高というよりもドル安ですよ、円高ですよ。そういうときにこういうものがのうのうとやられるというのは、私は極めてまずいと思いますね。こういうことをやるから霞が関埋蔵金と言われちゃうんですよ。そうじゃないんです、これは。百一円ではもう赤字になるんだから。その点を申し上げておきたいと思います。

 それからもう一点、財政融資資金特会であります。

 十八年度に十二兆円ですか、来年度の二十年度に九兆八千億、これを国債整理基金特会に繰り入れる。行革法では二十兆円ですか、もう十分これで済むということになるんですが、よく聞いてみると、今度、金利変動リスク準備金、これを、千分の百と言っておったのが、残高がどんどん減ってきましたから千分の五十でいいんです、こういうわけですね。そこで九兆八千億余剰が出るから入れるんですとおっしゃるんですけれども、では、今、資金調達コストが一・数%でしょう。恐らく、十年債であれば一・五ぐらいでしょう。これが、長期金利が上がって三・五%になったらどうなるかというんです。今程度の金利変動準備金で大丈夫かと。大丈夫じゃないでしょう。

 さっきの外為特会と同じなんです。外為特会は平衡勘定なんですね。しかも、外為特会の場合は、今年度もそうですが、来年度、一兆八千億ですか、その利差の分を入れるというので、では、それは円転しているんですか。していないでしょう。全部外国為替短期証券、為券を増発して、そして一般会計に入れているんでしょう。

 債務を圧縮するのが政策じゃないですか。しかし、債務はふえているじゃないですか、外為特会の方は。これはおかしいと思いますよ、私は。おかしい。

 そして、財政融資資金特会も同じなんです。この九兆八千億があれば、来年度予定している、財投に、新たな貸し付けに充てる八兆円余りの財投債、これを出さなくて済むわけですよ。一般会計の分減額するけれども、財投債がふえる。行って来いじゃないですか、これでは。そういう意味で、ここも霞が関埋蔵金じゃないのであります。

 金利が三・五%ぐらいいけば、これは確実に債務超過になりますよ、財政融資資金特会は。今、長期で地方に貸している分の利差があるから、これでもっているわけでしょう。今後どんどん落ちていくわけです。落ちていく。そういう性質のものを称して、埋蔵金なんていうんですか。しかも、財務諸表は全部オープンにされている。そういうものじゃない、私はそう思っております。

 そういう意味で、この点につきまして、財務大臣、非常にきついやりくり、私なんかが主計局におったときはやはりドレッシングと言ったんですよ。やっていらっしゃるんじゃないですか、今なお。そういうことをやるから霞が関埋蔵金だとかいう議論に結びつくのであって、それぞれの特別会計は、その特別会計なりにきちんとしたルールがあるはずなんです。行革法は、私はあれは誤っていると思いますよ、誤っている。本丸でおかゆをすすっているのに、出城じゃありませんけれども、すき焼きを食っているという話がありましたけれども、かなりそれはおかしい。その点について、ぜひ財務大臣の御見解をお聞きしたい。

 とりわけ、プライマリーバランスまでの要所要額というんですか、それが粉飾されちゃうんですよ、こういうことをすると。粉飾されちゃうんですよ。本来は税でもって賄うべきものをあちこちやってきている。非常に危うい状況、一般会計だけではなくて、特別会計も非常に危うい状況に今追い込んでいるのではないかというふうに私は思っております。

 我が国の経済が健全化していけば、当然のことながら、長期金利も上がってくるでしょう、円高にもなるでしょう。それにたえ得るような状況ですか。そういうものではないのではないか。要所要額をいたずらに小さく見せかけるだけのドレッシングじゃないかと私は思っておりますが、いかがでしょうか。

額賀国務大臣 今度の予算編成においては、基本的には、どういうふうに成長路線を、経済を活性化させていくかということ、それから地方の活性化をどういうふうに対応させていくかということ、しかもなおかつ、財政再建の旗はおろさない、こういう非常に難しい中で予算編成をさせていただいたことは、これは増原委員もよく御承知のとおりでございます。

 その中で、新発債は削減する、縮減する、しかもなおかつ、長期債務残高も今の財投融資の繰り入れで圧縮する。そういうことをやりながら、地方とか経済界の皆さん方にも希望を持ってもらう、やる気を起こしてもらう、そういう形で予算編成をさせていただいたことは御理解をいただけるものと思っております。

 それから、我々は、よく世間で言う埋蔵金なんというのは、そんなものはないんだ。これは、特別会計にしてもみんなもうオープンにして、透明性を持っておる。その中でできるだけ運用をして、利益を得ることができれば一般会計に戻して、そして国民のために使わせていただくという形をしておりまして、これも運用という中でぎりぎりの努力をしているわけでございまして、外為だって、非常に高いリスクを背負わない範囲でやれば、非常にうまく運用ができているんだと私は思っているんです。

 そういう中で、確かに世界の為替の状況というのはどういうふうに動くかわからないから、しっかりとそれは積立金もしております。まだこれは足りないくらいです。おっしゃるように、これはどんどん高くなっていけば評価損がどんどんふえていくことになるわけでありますから、そういうことをにらみながら、きっちりと対応をさせてもらいたいというふうに思っております。

 できるだけ、これは政治とか予算とかいうものは、国民から見てわかりやすく、単純明快なのがいいことには間違いがありません。ただ、どこの家庭でも、苦しいとやりくりをすることもあるわけでございますから、しかも見えるやりくりでございますから、御理解をいただきたいというふうに思います。

増原委員 今大臣が申されたことなんだろうと思います。非常に厳しい中にあって、どのようなやりくりをしながら国民に、あるいは市場にメッセージを送っていくかということだと思います。

 ただ、一点申し上げれば、もう時間が来ておりますので簡単に申し上げますが、これは私の持論でもあるんですが、財政融資資金の貸し付けの分、地方分は、せんだって財政力指数の悪いところだけ一部やりましたね。もう四%以上全部やったらいいんですよ、場合によったら法律を変えて。そうしたら、地方の利払いがぐっと楽になるんですね。そうすると、基準財政需要が落ちる。それが今度は交付税の交付金の方にはね返ってくる。本来はそういう形でおやりになるのが筋ではないかということを申し上げておきたいと思います。

 最後に、いわゆる埋蔵金はなし、要は、資料は全部表に出ていますよ、埋もれているわけじゃありませんということを申し上げて、終わりにいたします。

逢沢委員長 これにて増原君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤松正雄君。

赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。おはようございます。

 私は、きょうは死体、死にまつわるお話を二つさせていただきます。泉大臣と舛添大臣によろしくお願いします。

 まず、泉国家公安委員長にお聞きいたしたいと思います。

 昨今、大相撲時津風部屋の大変忌まわしい事件を初めとして、解剖のあり方をめぐるさまざまな疑問の声が上がっておるわけでございます。いわゆる外傷、外に、体の表面に出た傷というもので検視をして病死とされていたケースということでございますね。解剖しないで死因を判断して身内にも伝えるといった遺族置き去りの死因究明の現状に制度見直しを求める声がある、こういうことを背景にして、きょうは御質問をしたいと思います。

 お手元に、皆さんのところに配らせていただきました資料、資料の発行元が書いていなくて大変失礼をいたしました。これは警察庁からいただいたペーパーでございます。

 この右から二番目の平成十九年のところを見ますと、自然死以外の死体十五万四千五百七十九、こうありまして、下から四番目のところ、死体解剖総数一万四千七百二十五、これが解剖率九・五%、その下にある司法解剖数が五千九百一で、解剖率三・八%、こうあるわけでございます。

 つまり、警察が取り扱った死体の九〇%に当たる十三万、この一番上と下から四番目のを引きますと十三万九千八百五十四体が解剖しないで、見たりさわったりの、いわゆる外表検査による検視や検索で死因が特定された、こういうことになるわけでございます。こういったやり方ではベテランの法医学者でさえ四割もの誤診がある、そういうふうな指摘も専門家からなされております。

 現在は、そういう事件があった場合に、死者と遺族にまず接するのは警察である。警察にすべて責任が負わされているという観点で、冒頭申し上げました時津風部屋の事件等では、愛知県警の初動捜査に大変に問題があるという指摘がある一方で、警察にとってちょっと過酷じゃないのか、そういう同情する声もあります。

 こういった点を踏まえて、まず警察庁長官に、この現状をどう認識しておられるかをお聞きしたいと思います。

泉国務大臣 警察におきましては、犯罪を見逃すことがないように、取り扱う死体につきましては、個別の事案ごとに死体の状況、現場の状況、関係者の供述あるいは検案医師の意見等を検討し、犯罪性の有無を判断しておるところでございます。

 今回の大相撲時津風部屋の問題に関しましても、一応現場の病院でCTスキャン等を通じて判断をしていただいたところでございます。しかし、実際のところ、このような外側から見る、エックス線を使って見るとか、いわゆるまさに外側から見るその他の方法による検視だけでは、犯罪性の有無を完全に見きわめるということが困難な場合があることも承知をいたしております。

 犯罪を見逃さないためには解剖率を高めるということが有効であるという認識も、先生御指摘のとおり、私どもも持っておるわけでございます。

 そこで、現在、警察におきましては、刑事調査官、検視官と申し上げてもいいと思いますが、この増強による検視体制の強化を図ること、それから、死体を取り扱う警察官、最初に事案に立ち会う警察官の教養の充実を行っておること、そして、的確な検視の実施に資する資機材、これは、血液検査でありますとか尿の検査とかいうようなものができるような資機材の充実、整備に努めているところでございますが、いずれにいたしましても、警察のみではなかなか効果的な対策を講じることが困難な分野がございます。これも先生御指摘をいただいたとおりでございます。

 したがって、現在、内閣官房の調整のもとで、関係省庁、これは、警察庁はもとよりでございますが、法務省、文部科学省、厚生労働省、それから海上保安庁、こうした関係省庁が参加をいたしまして、死因究明に関する検討会を持たせていただいております。現状の問題点の認識を共有するということから始まっておりまして、これからも関係省庁と連携を深めながら、打開策を講じてまいりたいと思っております。

赤松(正)委員 関係各省庁でしっかり連携をとって死因究明に力を注いでいくということを言われました。

 そのとおりだろうと思うんですが、今私がちょっと疑問に思います点は、先ほどの表で、要するに解剖率のところ、一番下の司法解剖数に対する解剖率というのが、ずっと平成十三年から十九年まで物の見事に三・三%から三・八%の間、ほぼ同じパーセンテージで移動している。また、死体解剖総数に対する解剖率も、ほぼ九・五、六%というところでずっと一致している。非常に奇妙なことが行われているといいますか、この数字を見ますと、予算に応じて死体解剖の数を決めているんじゃないか、こういう指摘さえある。

 つまりそれは、裏返しますと、実際にある特定した死因があるにもかかわらず、そのことを見逃してしまって、ほとんどあらかじめ決められた数の分に合わせるがごとく死体解剖している。こんなふうな指摘さえあるわけでございまして、そういった実態に対して、どういうふうに警察庁はこれを見ているか。現実に、予算が決められている、決まっているということはあろうかと思うんですが、どんどん死体解剖するということでふえていくと、それに対応しなくちゃいけない。そういった問題が過去に話題になったことがあるのかどうか、それとも、そういうことは話題にならないで、もう既に決められたものだから決められた数字に合わせていった、こういうことなのかどうか、この辺の読み取り方について御答弁願いたいと思います。

泉国務大臣 先ほどお答えをいたしましたように、多少でも犯罪性に絡む問題につきましては、できるだけ解剖を行っておるというふうに承知をいたしておるところでございます。

 先生お示しいただきましたこの数値を見ますと、確かに一番下の欄の率は三%強という状況、四%弱という状況がずっと続いておることは、そのとおりでございます。しかし、そのもう一つ上の段を見ていただきますとおわかりのように、絶対数は、例えば平成十三年の四千四百から十九年では約六千近く、五千九百というふうに、絶対数が伸びておる結果、率がほぼ三・七%程度で推移しておるということでございまして、警察としては、決して率ありき、予算ありきということで対処させていただいておることではございません。

 ただ、御指摘ございますように、検視官一つとりましても、今百四十七名という検視官でございまして、大変重要な職業で、またそれなりの、十年以上と承知しておりますが、経験を踏んで初めて検視官になるという、時間を要する事柄でもあります。

 おっしゃるように、それでは予算は十分なのかと言われますと、これもまたやりくりをする中で原因究明に努めておるというのが実態でございまして、少し時間はかかりますが、御心配のようなことのないようにこれから努めてまいりたいと思います。

赤松(正)委員 大臣言われましたけれども、ちょっと苦しい答弁だと思うんですね。現実に、今、検視官と言われましたこの数、百四十七人、あるいは解剖嘱託医が百三十二人、ほとんどこういった前後の数字であるわけで、こういった人たちが、続出するそういう死体事件絡みの問題について対応するというのはおのずと限られてくる、そんなふうに思いますので、ここは、今最後に申されたように、死因を不明にしない、しっかりと究明していく、そういう姿勢で私は適切に予算を要求されるべきである、こんなふうに思う次第でございます。

 財務大臣もぜひ、そういった観点で、いつまでされるかわかりませんけれども、しっかり見ていただきたいと思う次第でございます。

 そこで、実は、そういう一つの事件の話をしましたけれども、今、日本の社会の中で大変こういった問題、日常的に、テレビでも見ておられる方は、毎日のようにミステリー、スリラードラマ、そういうのを普通の主婦たちが見ているわけで、そういう状況の中で、死因が不明のまま葬り去られてしまうケースというものは非常に多いということを皆さんが気がつき始めているという状況がございます。

 例えば、今大変話題のベストセラーの「チーム・バチスタの栄光」という大変におもしろい本があります。これは今度映画化をされるということで、大変話題になるということは私は必至だと思うんですが、これは架空の人物でありますが、厚生労働省のいわゆる役人というのが登場するわけです。この小説を書いた海堂尊という人は、ここに持ってきたんですが、「死因不明社会」というタイトルの本を出しておりまして、そういった部分で、今、死因不明、死因が究明されないということが非常に問題であるということを指摘いたしておられるところでございます。

 そういった点で、今は警察が前面に出ているということのいろいろなプラスマイナスというのがあろうかと思うんですが、各省庁がしっかり連携を持ってやるという話を今内閣官房を中心にやっているんだということを国家公安委員長言われました。舛添厚生労働大臣、この点について、厚生労働省としてのこういった問題に対する協力姿勢ということについて触れていただきたいと思います。

舛添国務大臣 お答えする前に、委員がおっしゃったように、死因がわからない死体というのは、例えば成田空港近くで見つかった、これをちゃんと解剖していれば、新しい新型のビールスが入っていたというようなことで、そういうことも阻止できるわけで、厚生労働省の立場から見ても、これは、全国の法医学教室が非常に悲惨な状態ですから、これを拡充する。

 それから、各警察の死体解剖の現場を見たときに、余りにも貧弱ですね。こういうことはやはり政府を挙げて取り組まないといけないと思います。

 それで、厚生労働省としては、まず、お医者さんの中で死体解剖に関して相当の技能や学識を持っている方々を死体解剖医として認定して協力してもらう、これをまずやる。それから、警察のお医者さんとか一般臨床医を、講習会をやりまして死体解剖の能力を高める、そういうことであります。

 もともと、委員御承知のように、占領中に、昭和二十二年でしたか、GHQが警察監察医という制度を入れた。これは余りにも戦後の混乱で死体が多かったからなんですけれども、パンデミックを含めた新しい時代の要請として、私は、この究明制度、死体をきちんと解剖して究明するというのは大変大事だというふうに考えておりますので、厚生労働省としてもさらに努力を続けてまいります。

赤松(正)委員 今、厚生労働大臣、非常に積極的な姿勢を示していただいたのは結構ですが、言葉だけに終わらないようにしていただきたいと思います。

 監察医制度のいわゆる地域格差という問題等もあり、それは、仕組みそのものが古い時代に対応するべくつくられたものが今に残っていて、そのことを、ある意味で、これは適切な表現かどうかわかりませんが、もてあましているというところがあるのではないか。一方で、先ほど取り上げた海堂氏なんかに言わせますと、徹底して厚生労働省が解剖に対して非常に不熱心である、こういうふうな指摘もあります。

 先ほど大臣が冒頭に言われましたように、人間の体、死に至った体というものがたくさんの、言ってみれば、今後、今に生きる私たち、将来に生きる私たちの病気の問題についての大きな宝というか、そういうものを持っているものだと思うんですね。

 私は、解剖にまつわる本で非常に感銘して読んだのは、吉村昭の「冬の鷹」という小説がありますが、「解体新書」をめぐっての杉田玄白と前野良沢の、言ってみれば二人の特出した生き方を描いた本ですけれども、解剖についてはぜひともしっかりと見ていってもらいたい、厚生労働省がそういう批判を受けるようなことがないようにしてもらいたい、そんなふうに思う次第でございます。

 それに関連をいたしまして、今、死体、いわゆる異常死に対して警察が前面に出る、これはある意味で当然だろうと思うんですが、医療事故にまつわる死というものに対して、どういうふうに対応していくのかということで、これもいろいろな場所で今さまざまな事件が起こって大変話題になっているところでございますけれども、これは対応していかなくちゃいけないということで、厚生労働省が音頭をとって、自由民主党、また公明党、与党の方でも対応するべく法案をつくるという準備をしているやに聞いておりますけれども、その段階では慎重に事を運ばなくちゃいけない。

 これは警察が余り前面に出るという形になるとまずいと私は思うんですけれども、この問題についての取り組み、厚生労働省の基本的な今の現状の対応について、舛添大臣に御答弁願いたいと思います。

舛添国務大臣 死因究明ということで、きのうもニュースになっている、割りばしがのどに刺さったお子さんの、これは不作為であるということで、刑事では過失を認める、しかし民事では認めないというので、けさも大変話題になっていました。こういうことで、やはり死因究明をきちんとやらないといけない。

 昨年十月に、厚生労働省としては、死因究明の委員会をつくろうということで試案を出しました。しかし、現場の声を聞いてみますと、警察だけではなくて、厚生労働省という公権力がそこに余り介入していると、お医者さんが萎縮して何もできなくなる、もっと悪くなる、こういう意見がたくさん出ております。我々は、そんなに厚生労働省が左右しようということではないんですけれども、やはり広く中立的な、第三者的な委員会的な要素がもっとあった方がいいかなという意見もあります。

 したがって、これは軽々に事を運ぶのではなくて、慎重に、そして広く声を聞いてこの問題に取り組みたいというふうに思っております。

赤松(正)委員 ぜひそうしていただきたいと思います。

 厚生労働省、今、さまざまな問題を抱えていて、何やかやと指摘されるのを大変気の毒に思う部分もあるわけですけれども、余り前面に出ない方がいいというのはそのとおりだろうと思います。あくまで慎重に運んでいただきたい、そんなふうに思います。

 次に、話題をかえまして、がん対策の話をしたいと思います。

 薬害肝炎も大変気になるところでございますけれども、ある意味でがんというのは老害、年をとったら必然的にがんになる。実は、私、舛添大臣が初めて大臣になられたときに、地元の議員と一緒に陳情に行ったときに、「ノーフォールト」という岡井崇さんの本をぜひ読んだ方がいいよと勧められて、一生懸命読みました。無過失補償制度、産科に関する無過失補償制度の必要性というものをある意味で訴える本だったと思うんですけれども、これは、今、二十年度中に実行するべく進められているということでございますので、大変結構なことだと思うんです。

 それはそれでしっかりと進めていっていただきたいと思うんですが、「ノーフォールト」を勧められたので、今度は大臣にがんの本を勧めたいと思うんです。中川恵一という東京大学の放射線科の准教授、私の友人ですけれども、この人が「がんのひみつ」という本を最近出しました。非常にコンパクトにできていて、なかなか要を得て簡潔にがんについてのさまざまな問題を解説してくれております。

 二人に一人ががんになる、三人に一人ががんで死ぬ、日本は世界一のがん大国だ、こういうことから始まっているわけですけれども、いわゆるがん対策基本法が、ここにいるすべての政党の皆さんと一緒に協力し合ってできた。それに基づいてのがん対策推進基本計画が今スタートをしているわけです。その柱は三つあって、一つは放射線治療、一つは緩和ケア、そしてもう一つはがん登録、こういうふうな言い方ができようかと思うんですけれども、ぜひとも、絵にかいたもちに終わらせないで、計画をしっかりと着実に実行していくということが大事だろうと思います。

 その観点に立ちまして、三点、ここでお尋ねをしたいと思います。

 一つは、放射線治療の専門医が少ないという問題であります。

 二〇〇七年四月時点で五百四十二人。ふえていない。アメリカでは五千人。ふえていないといっても、スタートしてからまだ一年ちょっとですからこれからということなんでしょうけれども、一方で、こういう中川さんを初めとする少ない放射線治療医の奮闘もあって、いわゆる、がんイコール胃がん、手術、外科手術、こういう発想から、放射線が効力があるらしいということがさまざまなメディアを通じて伝わっていった、その結果として、放射線の治療現場における患者が急増している。

 こういうことから、大変に、そういう放射線治療の現場でかなり厳しい場面が起きている。つまり、医者が少ないのに患者が多い、こういう事態が起きているということでございます。八十医学部の約六割で放射線治療を担当する教授が不在である、こういったことが大きな原因だ、そういう指摘もございます。

 一方、放射線治療の診療報酬という問題も非常に重要な問題だろうと思うんですね。これを引き上げて人材確保をしていかなくちゃいけない、こういう観点で診療報酬の改定も急がれる、こういうことが言えようかと思うんです。

 今申し上げた放射線治療医を充実させていくという観点で、今の私の二つの指摘に対して大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

舛添国務大臣 今委員から御紹介ありました中川教授の本は私も読んでおりますし、中川教授とも先般いろいろ議論をいたしました。放射線治療というのはいかに有効かということもよく教えていただきました。

 まず、人材育成ですけれども、平成二十年度予算案におきまして、国立がんセンターなどにおける専門的な研修に関する費用を計上しておりまして、拠点病院において放射線治療に携わる医師を育成する、そういう予算措置を既にとっておりますし、それから診療報酬、きょう午前中に中医協をやり、お昼ぐらいに答申が出ますけれども、その中でも、外来放射線治療のさらなる評価についてきちんとした診療報酬改定が行われるという見通しだというふうに思います。

 そういう意味で、放射線治療に携わる医師の育成、予算面、診療報酬面できちんと対応してまいりたいと思います。

赤松(正)委員 きょう午後に中医協でそういう議論がされるというふうに聞きました。ぜひ、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。

 二点目は緩和ケアの話でございまして、都道府県の緩和ケアの研修というのは当初十年の計画だったわけですが、私どもの太田昭宏代表と前総理大臣の安倍総理とが中川さんの東京大学の放射線の現場に行って、そういう実際の現場を見た際に緩和ケアの研修の重要性ということが話題になって、ぜひとも、前倒しということで五年間で終えよう、こういうふうになったわけですけれども、果たしてそのような計画でしっかりとやっていけるのかどうか、この辺のことが懸念をされるわけです。都道府県の緩和ケアの五年前倒しの研修をしっかりやっていくということについての決意を聞かせていただきたいと思います。

 これは、私は読んだわけじゃありませんが、中川さんから聞いた話で、「余命一ケ月の花嫁」、余命あと一カ月ということになった花嫁さんの話、これが出版をされて大変話題になっているということですが、骨が折れるほどに痛いという、大変悲しい、そういう病状の中で愛する人との別れというふうなことが描かれた本のようでありますけれども、これは、そういう緩和ケアということがしっかりと徹底されていく現状があれば、そういったふうなこと、つまり大変激しい痛みを我慢するというようなことはなくなるわけでございます。

 もちろん、すべてがそうとは言わない。いろいろなケースがあろうかと思いますけれども、緩和ケアの重要性、がんの痛みはとった方が長生きできるんだ、こういう指摘を中川氏はしておりますけれども、そういった緩和ケアの研修を予定どおりに五年で終えられるのかどうか、この辺についての抱負、決意を述べていただきたいと思います。

舛添国務大臣 今おっしゃいましたように、公明党の太田代表、安倍前総理の御努力で十年を五年ということですから、二十三年までにこれをなし遂げたい。

 具体的に申しますと、各地の拠点病院でがん治療に当たっているお医者さんをまず国立がんセンターなんかに呼んで、集中的に指導者研修を行う。そして、その方々が地元に戻って、がん検診、がん治療にかかわるお医者さんにすべてこの知識を授けるということで、五年計画、二十三年までに完遂したいと思います。

赤松(正)委員 ぜひ、よろしくお願いをいたします。

 最後に、がん登録の必要性という観点でございます。

 私は、一昨年、このがん登録という観点も一つ重要な柱にして、アメリカのテキサス州の、いわゆるがんセンターを見に行ったことがございますけれども、日本でもこのがん登録をぜひともしっかりと整備する必要がある、そんなふうに思う次第でございます。国民病と言われるがんで、このがん登録がしっかりできないというのは非常に問題である、そんなふうに思います。ぜひ、それに向けての決意を大臣に語っていただきたいと思います。

    〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

舛添国務大臣 がん対策をやる上で、基本的なデータがしっかりしているということがもとですから、がん登録を進めたいと思います。

 具体的には、院内において実務者を養成しないといけない。これをきちんとやります。

 それから、個人情報の保護ということで、実務者に対して、これをしっかり守るように、これも徹底して研修を行います。

 それから、精度を高めないといけないので、ばらばらの質問票とかばらばらの様式だとデータはとれませんから、様式をきちんと統一してやる。そういう、精度を向上させるために拠点病院に対して指導をやる。

 この三点をきちんとやることによって、がん登録をさらに進めたいと思いまして、平成二十年度予算案において、所要の経費をきちんと見積もってございます。

赤松(正)委員 去年の今ごろ、今の舛添大臣と私、憲法改正をめぐる手続法の国民投票法の議論を一緒にした覚えがあります。あのころから比べて、今は大変に激務になっておられる。激変緩和が必要かもしれないな、こう思うわけですけれども。

 このがんの問題だけではなくて、さまざまな山積する厚生労働行政の中で、ぜひとも全力を挙げて取り組んでいっていただきたいということを申し上げさせていただきまして、国家公安委員長もしっかりと先ほどの問題をよろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。終わります。

森(英)委員長代理 これにて赤松君の質疑は終了いたしました。

 次に、中川正春君。

中川(正)委員 民主党の中川正春です。

 きょうも、まずは道路特定財源の問題について質疑を進めていきたいというふうに思っています。

 中期道路計画を見ていますと、どうも現実感がないというか、具体的に何を計画としてとらえているのかというそのイメージがなかなかわいてこない。これだけ金は要るよ、これだけ確保しなきゃいけないよ、こういう話はあるんですけれども、どういう選択肢の中でコストを考え、そして、その問題を解決していく手法というのを編み出し、その中で、一つの計画として選択肢がこのようにあるよという、それが恐らく我々のイメージしている計画ということなんだろうと思うんだけれども、どうもここに羅列されている問題は、こんなところに問題点があるよ、それについて、BバイCといいますが、適当な単価といいますか、コストとベネフィットみたいなものを張りつけて、トータルでいくとこれだけかかりますよ、そのうちの何分の一を合計すると六十五兆円ですよ、こういうシナリオになっているわけなんですね。

 そこのところを、どう現実と整合性をとっていこうとしているのかというのを確認するために、ひとつ、地方でそれを実現するときに、地方との関係をどうとらえたのかということを検証していきたいというふうに思うんですね。

 それぞれの県あるいはそれぞれの市で当然具体的な道路計画というのは持っているということでありますが、地方自治体における具体的な道路計画というものと、それから今回出てきた国の道路計画と、これはどのように整合性をつけているのかということ、まずここから聞いていきたいというふうに思います。

    〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

冬柴国務大臣 中期計画の素案というのは、すべての知事、市町村長、千八百七十四名当時いられましたが、その意見を聞きながら作成したものでございます。

 素案を見ていただいたらわかりますが、その御意見に基づきまして、政策課題、これを十六に分けてまとめてありますが、各自治体が掲げている施策を総合的に勘案して、そしてまとめたものでございます。

 また、個別具体の箇所につきましては、各自治体が要望していられる箇所が、中期計画の素案においておおむね対策が必要な箇所、いわゆる要対策箇所としてなっているものと考えております。

 いずれにいたしましても、中期計画では、選択と集中によりまして事業の重点化を図り、地域が望む真に必要な道路整備を計画的に進めてまいります。

中川(正)委員 例えば、私も、地理カンといいますか、状況がよくわかっておりますので、私の地元の三重県を例にとって話を進めていきたいというふうに思うんですね。

 今、手元に三重県の道路計画の抜粋をお渡ししてあります。新道路計画というのは、これは十五年計画になっていまして、五年前にこれを作成して、今五年たってちょうど見直しの時期に来ております。

 それぞれ、整備率だとかあるいは国が項目として挙げていること、そしてそれ以外にも、ネットワークの形成、県民生活の安全性の向上あるいは利便性の向上、地域の活性化支援等々、こういう項目を並べまして、三重県の特徴というのは、おもしろいのは、それぞれを点数化しまして、その要望箇所について、点数に基づいて、評価点の総合点というのをつくり上げてきております。

 その総合点が地域によって重点的に違う部分がある。例えば、都市部に近い、ということは、三重県でいくと名古屋に近い桑名や四日市では、高齢者や通学者が安全に歩ける道路とか、渋滞対策とか、バスが円滑に走れる道路とか、そんな部分を重点的に考慮していきますよという配慮をし、ずっと下の方の紀州あるいは伊勢、こういう地域でいくと、観光用の幹線の整備が重点的に配分をされ、あるいは大雨のときに通行どめにならないような道路とかいうふうな災害的な部分、これを重点的に整備していきたい、こういうことで並べられております。

 それを、最後から二ページの地図の手前のところの凡例といいますか、それぞれどういう期間でそれを達成していくかということが、その点数に応じて、点数の高いところから緊急性というのを配慮してやっていこう、こういうことで、これから五年先に完成をしていくところ、着工をしていくところ、あるいは着手を検討していくところということで区別をして、その区間、区別をした形の上で、地図が最後のページにありますが、この地図に応じて箇所づけをしてあります。

 だから、それぞれの箇所についてはっきりと、この五年間のうちに完成をしていきますよというところ、あるいはこの五年間のうちに事業継続をやって十年後には完成をしますよというようなところ、これは事前に、それぞれ、地域の有識者あるいは議員、それから首長、そして一般の県民を含めて五千人以上のアンケートをとって、その緊急度というのを点数化して、こういう形で具体的に一つ一つ計画としてまとめた。その総額についても、予算の範囲内でその優先順位の総額をはかりながら、その範疇の中におさめて、計画としてここにある、こういうことですね。

 これは、もうここまで来ると、箇所づけまで含めて、いつこの道路ができるのか、あるいはどれぐらいの予算をかけてこれをつくるのかというのは、もうすべてこの五年計画の中でははっきりしている、こういう、ここまで具体性を持った計画をつくっております。

 ここについて、国はどのように連携をとってこれをつくっていったかということと、この具体的なそれぞれの計画が今回の中期総合計画の中にどのように反映されているかということ、これについてお尋ねします。

冬柴国務大臣 道路は、国道と県道約十九万キロ、二十万弱だと思いますが、それから市町村道が百万あります。百二十万キロありますが、例えば、そのうち子供さんが通学、通園に使っていられる道路というのは十九万キロございます。そのうち四十人以上の子供さんが使っているのは十一万キロです。

 したがいまして、それについて危険のないようにということで、例えば中川さんの三重県であれば、そのうちの何カ所とか、そういうものもその表には掲げてあります。しかし、それ全部を整備する、改善するということには予算が伴いません。したがいまして、そのうち四万四千キロを、特に歩車道の区別がない、危ない、これは直していきますということで、箇所としては十一万キロを挙げてあります。

 それはどこから来たかといいますと、各首長さんにお尋ねをいたしまして、三重県からも、通学路を安全、安心なものにしてほしい、そういうことから、それを拾い上げたわけでございます。四十人以上の子供さんが通っていられる道路というものを拾い上げたわけでございまして、それが十一万キロ、そして、そのうち四万四千キロについては、歩車道の区別がないから、これは早急に直しましょうと。

 しかし、それはどこかということは、今後十年間に整備していくわけでございますから、県の御意向とか地方の意向、こういうことも聞きながら、あるいは、予算には限りがありますから、その年度でどこを直すかということについては、個々具体的には指示をしていません。その点で、三重県の今おっしゃった部分とは違いがあります。

 なぜ具体的に整備するところを特定しなかったかといいますと、十年間の予算を全部箇所づけしてしまって、過度に縛ることになるのではないかという配慮からでございます。

 したがって、十一万キロというところはきちっと各県ごとに割り振ってあります。しかしながら、そのうちどの部分を十年の間にきちっと整備するかということについては、その年その年できちっと決めてやっていく、地方の御意見を伺いながらやっていく、こういう趣旨でございますので、三重県の、これはすぐれたものだと思いますけれども、それとの違いはそこにあると思います。

中川(正)委員 国の方でも、さっき大臣が言われた都道府県別要対策箇所一覧表というのが中期計画の中にありまして、さっき言われたそれぞれの箇所づけ、箇所づけというより問題点のある箇所というのがそれぞれ数字であらわれていますね。

 私は県の方に聞いてみたんですよ、担当者に。これは、三重県との連携の中で、あるいは地方自治体のニーズというのを前提にした上で、さっき大臣が答弁されたようなこと、それも、どうもその答弁を聞いていると本当に整合性が持てているのかどうかというのはもう一つはっきりしませんが、それを聞いてみた。ところが、地元から返ってきたのは、ここで、中期計画で、政策課題ごとに三重県内の要対策箇所が示されてありますが、これは国土交通省において集計されたものであり、三重県としては具体的な箇所は把握をしておりませんということなんですよね。

 ということは、一般的なアンケート、それは首長にも聞いたかもしれない。しかし、具体的な積み上げの中では、どうも、この担当者の話にもあるように、それぞれの県とか市が持っているものを積み上げたということじゃなくて、国土交通省の中のデータベースに入っているさまざまな情報、GPSや何かで渋滞情報や何かも、それを具体的に統計的にまとめて、ある一定以上のものを数値化したというふうなプロセス、こういう形でまとめているんだということだと思うんですよ。それで間違いありませんか。

冬柴国務大臣 十九万キロの学童が使っている道のうち十一万キロは、おおむね四十人以上の学童、幼児が通学、通園に使っている道であるということは特定できます、きちっと。そして、三重県の千四百キロメートルも特定できます。それは客観的なんです。それで、校門から一キロ以内の部分について歩車道の区別がないかどうかということも客観的なんです。しかし、それは全部整備できないから、今後十年間に、予算を過度に縛るわけにいきません、そういうことで、そのうち四万四千キロはその年その年で箇所づけをしていくけれども、その母数となる十一万キロは特定できます。そういうことです。

中川(正)委員 計画というのは優先順位なんですよね。どこから順番にやっていくかということをはっきりさせるというのが計画だと思うんですよ。

 今この中間計画の中で言っているのはそういうことじゃなくて、例えば、渋滞対策の九千カ所、これを三千カ所に絞り込んでいるんですよね。これの基準なんかは、何をもって三千カ所とするのか。これは逆に、総額が、六十五兆円というものがあって、その中につじつま合わせするために、ここからここまで切る、ここからここまで切るとトータルで切っているだけで、その中の箇所のどこを優先的にどういう形で、住民の要望を何を基準にして実現をしていくのか、これが全くないんですよね。そこのところはこの三重県の計画と基本的に違うところなんです。

 三重県の計画というのは、これは各地方自治体、三重県だけじゃなくてそれぞれの地方自治体の計画に共通するところでありますが、こうしたそれぞれの緊急度を点数化し、客観指標化し、そして、それぞれの要望箇所というのを選択肢を持って、例えば渋滞対策であるとすれば、そこにバイパスをつくる方がいいのか、あるいは交差点改良をするのがいいのか、そういう手段の選択も含めて具体的な計画化をして、こういう形でいきますよ、これが計画なんです。

 今、国土交通省の出しているこの中間計画というのは、計画じゃなくて、問題点を羅列して、それを、ここからここまで切って、トータルで六十五兆円ですねと言っているだけなんですよ。これは計画でも何でもない。そこのところが基本的に違うじゃないですかということを言っているんですよ。

 その上で、では、どういう形で地方自治体に国土交通省は、この優先順位にかかわっていくのか、ここが問題なんですよ。この各自治体が持っている計画のとおりに、これは補助金ベースで箇所づけしていくわけですから、これを補助金ベースでやって誘導していくということなんですか。

冬柴国務大臣 中期計画の三十三ページには、取り組む内容が明記されております。

 九千カ所というのはどういうところかというと、ここに書いてありますように、「日常的に混雑が発生している箇所」でありまして、「朝夕のラッシュ時等において、混雑発生時間帯が五〇%以上を占める箇所」であります。これは個々具体的に特定できます。そのうち、特に事業効果の高い三分の一程度の箇所を、いわゆる三千カ所ですが、優先的に渋滞対策を十年間で実施しますと書いてあります。それで、どういうことでセレクトしていくかといいますと、特に事業効果の高いものに優先的に渋滞対策を実施していきますということです。

 したがいまして、十年というスパンは、その間に高速道路が、インターチェンジが近くにつけば、当然に渋滞箇所というものは、今まで渋滞していたところは変わるわけです。したがいまして、今から十年先にどこを箇所づけするかということを今決めてしまえば、これは十年という時間を無視するものであり、かつ、予算を縛ってしまう、過度に縛るということになります。そういうことであります。

中川(正)委員 いや、私が聞いているのはそういうことじゃないんですよ。地方自治体は箇所づけを既にしているということなんですよ。地方自治体は箇所づけを既にしているんですよ。国土交通省はそこのところをしているのかしていないのかわからない。かつ、その選択肢、具体的にどういうふうにそれを解決していくかという、その中身もない。ただ問題点を羅列して、さっき申し上げたように、トータルでお金がこれだけ要りますねと言っているだけだ。これは計画でも何でもない、そういうことじゃないですか。

 もう一つ。それと同時に、これは優先順位ももう地方自治体は決めているんです。この優先順位で、国はまた違った基準をつくって、地方自治体とは違った形で予算をおろそうとしているのか。それとも、地方自治体の優先順位、これは具体的に個別に箇所づけもしているんですよ、この箇所づけを前提にした形で資金をおろそうとしているのか。これは国がどういう関与をしていくんですか、ここから先。

逢沢委員長 宮田国土交通省道路局長。(中川(正)委員「大臣、大臣。これは約束違反だよ。あなた、答えないからそこへ座っているということで許したんですよ。約束違反だ。大臣だ。大事なことなんですよ、これは。あなたが答えることじゃなくて、大臣」と呼ぶ)事務的なことをまず答えてもらって。

 宮田道路局長、簡潔に事実関係を答弁してください。(発言する者あり)

中川(正)委員 委員長、これは約束違反なんですよ。来たいと言うのを来なくていいと言っていたんだけれども、じゃ、答弁しなくていいから、大臣が答弁をするという前提で認めたんですよ。

冬柴国務大臣 毎年、どこからつけていくかということは、各県の御意見を伺いながらやるのは当たり前の話です。しかしながら、全国あります。三重県だけの言うことを聞くわけにはまいりません。四十七都道府県がありますから、そのそれぞれのところからの御要望の高いところ、その中でも、それをすることによって渋滞解消に非常に役立つというものから予算の範囲内で箇所づけをしていくわけでありまして、地方の御意思は当然にお伺いする、それが非常に大きな要素を占めることは当たり前のことでございます。

中川(正)委員 そういう構造の中で進めてきたとすれば、これは客観指標によってここまで出してきているわけですから、国土交通省も、この県にどれぐらいのパイ、この県にどれぐらいのパイというのは当然出せるんですよ。同時に、箇所づけせずとも、地方自治体自体がもう箇所づけして順番を決めているわけですから、この意向をしっかりと尊重するという前提でいくとすれば、それはそれで地方自治体の計画どおりにやったらいいということでありますね。そういう意味で、これまで何で補助金制度というのを国が維持し続けてきたかということ、これが問われるんですよ。

 だから、ここまで指標化しておるものを、あともう一つ、さっきの、需要に応じたトータルな形で客観性を持って発表することだと思うんです、各県にどれだけ配分が行きますよということを。これがあって初めての計画なんですよ。それの基準というのが何になっているかということを、またこれも発表して初めて道路計画ということになるんですよ。そのところが全く抜けていて、ただどんぶり勘定でやって適当な単価を掛けて、それぞれの率でもってトータルでこれだけだ、六十五兆円のつじつま合わせということ、こういう批判の出てくる根拠というのはそこにあるんだと思うんです。

 この中期道路計画、そういう意味では、私はやり直すべきだと思うんです。基本的な部分で計画にすべきだと思うし、それぞれの県がどのような形で評価されているのかというのをオープンにして、トータルで議論をすべきところだと思うんですよ。それがなければ、こんな道路財源の根拠も維持できない、もうここで崩れていますよ。そのことを指摘しておきたいというふうに思います。

 答弁があれば。

冬柴国務大臣 ちょっとその御意見は、中川さんの意見ですけれども、私はお受けすることはできませんね。

 さっきから僕が申し上げているとおりに、政策課題ごとの都道府県の要対策箇所一覧表というのが六十二ページから六十三ページに書かれていますけれども、これは県の御意思というものを無視してやっているわけではありませんし、また、例えば先ほど言った、学童が四十人以上通学している、そういうものは客観的事実じゃないでしょうか。客観的に我々はそういうものを拾っているわけで、相当膨大な資料のもとに拾っているわけです。

 そして、それを十年間でやらせていただきますといいますから、その十年間でやるためには、十年間で大きく渋滞箇所とかそういうものは変わります、したがいまして、それについては、その時々の重要性にかんがみ、そして箇所も、ここでできる部分というのはその年の予算によりますから。したがいまして、連続立体交差ということになれば物すごい金がかかります。そういうものをどれだけやっていくかということは、その年その年で変わるわけです。

 したがいまして、そういうものの中で、各地方から出ている要請、そして、三重県でいえばそういうふうに具体的にされていますから、そのどこをするかということは決めていかないと、今から、県の要請があるからそこは十年以内にやりますなんて決めてしまえば、予算を縛るじゃないですか。私はそれを申し上げているわけでございます。

中川(正)委員 だから我々は一括交付金にしようと言っているわけですよ。客観指標の中で、それぞれがどれぐらい使えるかということ、これもはっきりしてくるわけでありますし、それと同時に、一般財源化することによって、道路だけではない、それぞれの地域に応じた形のニーズがそこから出てくる。だから、地方自治体もそういう意味で自立をしていくことができるということ、こんな私たちのシナリオをトータルで書いていきたいということ、これを主張し続けているわけです。

 もう一つ、そんな議論の中で、この資料、一番最後のところを見ていただきたいと思うんですが、これは山口県の作成資料なんですけれども、暫定税率がなくなれば道路が一切つくれなくなるということをこれで説明しようとしているんですね。この財源の内訳の中で、国からの交付金それから暫定税率分、これが八十四億と百十六億、これがなくなれば二百億円がなくなって、これを卵にして国からの補助金と借入金をとっているので、トータルで七百億円の道路予算が減少しますよ、こういう説明をしている。これは実は、山口県だけじゃなくて、各県で共通のこうした説明資料を持ち歩いて、私たちのところへ向いてやってくるということなんです。

 改めて聞きますが、これは、どういうシナリオになったらこういう形のものに、その主張ができるんですか。これは正しいんですか、どうなんですか。

冬柴国務大臣 いろいろと御意見もあったようですけれども、山口県に聞いていただく。これは山口県がつくられた分でございまして、私どもが影響しているわけでも何でもないんです。山口県が、こういうふうになればこういうふうになるということを書かれているわけですから、むしろ山口県の方から聞いていただいた方が明らかだと思います。

 ただ、これを見てみますと、これは、この下の方、二百億円が減収となったらとか、その結果はとかいうところは、県の方々が私の方に来られて言っていることと一致しています。

中川(正)委員 それぞれ、さまざまな県からこういう形で陳情に来るものですから、あなた方、この資料はどういう形で共通でつくったんですか、こう言ったら、どうもその入れ知恵は、国土交通省から天下りをした外部機関がこれを指示して、こういう形でキャンペーンをしなさいというふうな形の流れができているということ。

 大臣、これは一遍調査してください、だれがこれを指示してこういうキャンペーンをしたかということを。

 それと同時に、このシナリオというのは、国会の今の流れで現実になるんですか、どうなんですか。これは総務大臣、大臣もたびたびこれと同じようなことを答弁で言っていられますが、この国会の今の状況がずっといって、こういうシナリオになるんですか。これは現実化するんですか、この問題が。

増田国務大臣 これは、山口の方で、それぞれの道路整備の状況と財政状況を踏まえて、こういうことが生ずる、それが懸念されるということでおつくりになったんだろうと思います。現実に、山口県は今もう予算編成は終了しているでしょうから、そういう段階で大変危惧をしたということだろうと思います。

 あと、こういうことが起こるかどうかということですが、従来の制度の仕組みからいえば、二百億が廃止になれば、ここに言っていますとおり、手持ちの財政からいいますと、七十八と百四十一、足し合わせると二百十九億ですから、十二億ですか、金が足りなくなる、こういうことで、現実にこういうことが起こるということだろうというふうに思っております。

中川(正)委員 民主党は何を言っているかというと、この二百億円という部分については、地方へ向いてしっかりと補てんをしていきますよ、こう言っているんですよ、地方の財政は確立をさせていきますよと。

 この二百億円のベースになっているのは二・六兆円という金額だと思うんですけれども、それは、今の国会の流れの中で、トータルで二・六兆円、本当に欠損していくんですか。与党としてはそのつもりなんですか。こういうことが起こり得るという前提なんですか、総務大臣。

増田国務大臣 今の国会状況というお話でございますが、これは地方のそれぞれ個別の団体の予算編成に係ってくる話でありますから、やはり具体的に、どういう仕組みでどういう形で、例えば一括交付金にするというお話がありますし、それから、国からの交付金のところは措置するというお話でございますが、各公共団体でそれぞれ幾らそれが影響するのかとか、具体的な案がないと、公共団体はやはり大変心配すると思います。

 ですから、どういうことで措置をされるのか。地方の道路整備は行います、地方には迷惑をかけないというお話は聞こえてきますが、個々の団体としてそれがどうなのかという具体の案がないと、それぞれの団体はやはり判断できないということではないかと思います。

中川(正)委員 具体の案というのはあるんですよ。我々、政権をとったら、これは一括交付金化して財政調整していきます、こういう主張をしているんですよ。だから、地方に対しては、トータルの中で、一般財源化ということを前提にしながら、地方の知事や首長さん、あなたが自由に使える金になるんですよ、補助金もそういう意味では自主財源化するんですよ、こういうことを我々は言っているんです。これはかなり具体的なんですよ。

 それに対して、このシナリオというのは、私たちの土俵じゃないんです。私たちの土俵じゃなくて、これは政府の土俵なんですよ。今の制度の中でこれが二百億円廃止になったら、こう言っているんです。だから、今の土俵で二百億円廃止になることがあるんですかと言っているんです。政府はそのつもりなんですか、我々が反対したら二・六兆円丸々欠けるという前提であなた方は動いているんですか、こういうことを言っているんですよ。

増田国務大臣 今の点ですが、やはりこれは、国会の方に具体的な案をお出しいただくことがまず前提になるのではないかと私は思います。

 というのは、民主党さんの方で考えておられる一括交付金でございますけれども、これは私も先日申し上げましたが、マニフェストの中では、一括交付金については、全体十九兆の補助金を六・四兆減らすということも一方で言っておられる。ですから、このことではなくて、やはりそことの整合性がどうなるかとか、地方財政は全体のことで国から地方への移転の数字を考えていかなければならないということでございますので、この点について、やはり山口県も大変心配しておられるのではないかと思います。

 土俵云々ということでございますが、やはり具体の案があって、今お話しになっている一括交付金ということについても、具体的にどこをどうするのかということをお示しいただくことが必要ではないかと私は思います。

中川(正)委員 もう一回言うと、私たちの案が実現してくるのは、解散・総選挙があって、民主党が政権をとったときのビジョンなんですよ。こういうシナリオでいくんだったら、さっきの議論は大いにやるし、私たちも、そういう意味では対案をしっかり出していくということになるんです。

 ところが、今の議論は違うんです。今の議論は、このベースというのは、これは与党の土俵なんですよ。皆さんが設定した舞台なんですよ。二百億円が欠損すると心配しているのは、この舞台で心配しているんですよ。それについて与党は、地財計画があるし、そして、本当に二・六兆円欠損するという前提で国会を動かしているんですか、それは現実的なものなんですか、この仮定が正しいんですかということを言っているんですよ。

増田国務大臣 これは、一番いいのは山口県にその趣旨を聞いていただくことだと思いますが、ただ、今問題になっているのは、もうごらんのとおり、暫定税率を廃止するという強い主張をしておられるということがあって、そのことが、法律的にはここの暫定税率分と国からの交付金のところに影響が出てくる、そこが二百億円廃止になります、そういうことでこれを組み立てているんだろうというふうに思います。そのことについてこういう資料をつくるのは、私は、公共団体としてもある程度当然のことではないかというふうに思います。

中川(正)委員 それは、あなたが言っていることはプロパガンダをやっているということなんですよ。我々がトータルで示しているこの案の中の一部だけを取り上げてきて、それで与党のシナリオの中にぽんとのせて、危ない危ない、大変だ大変だ、こう言っているんですよ。そういうような議論を重ねていけば、参議院と衆議院がこうした形で逆転されている、ねじれているということが言われますけれども、こういうことが前提になる国会の中では、さっきのような議論をしていたら、毎年毎年、これは両方がぶつかっていかなきゃいけないということになるんですよ。国民もここが混乱しているんです。

 これは、私たちのトータルな議論で、総選挙ということを前提にしながら、国民が選択をしてくれるためのトータル案を出している。これが我々の土俵なんですよ。その中を、整合性を持たずに一つだけぽこんと取り出して、与党のシナリオにそれをぽんとのせて、大変だ、とんでもないことを言っている、言っていると。これは増田さん、あなた、理屈がわかっていて、それで閣僚の中に入ったらてんで違うことを言い始めた。それがここなんですよ。これまでのあなたの答弁の中でそのことを何回も何回も答えている。

 そういう意味では、私たちの土俵にのれば、これは増田さん自身もこれまで言ってきたことなんです、実現しようということで一緒にやってきたことなんですよ。これをほうり出しておいて、もう政府の土俵にのったら全く違う形で一部をとってきて、それで民主党の言っていることはおかしいということになっているんですね。こんな理屈を双方がずっと議論し続けていったら、これはもう行き着くところまで行かざるを得ない、解散でとんと国民に対して信を問うという形でしか解決しないということになってしまう。

 そこのところをしっかりと前提にしながら、増田さんの口から、そういう意味では、政府・与党のシナリオで書くとすれば、ここのところは、あなたが責任を持ってここの財政措置というのはしなきゃいけないところなんです。そういうことを指摘しておきたいというふうに思います。

増田国務大臣 そちらの方の主張している全体の中の一部とおっしゃっているんですが、私が申し上げているのは、やはり全体像をきちっと出す必要があるのではないかということ。

 それから、私も、その財源のところは、やはりいろいろ穴があくということはそちらの方にも従来から申し上げておりました。これはもう二〇〇三年のマニフェストのときからいろいろ問題があるということは申し上げておりまして、そのことをあえてここで言うつもりはないんですけれども、公共団体の予算というのは一億でも一円でもずれてはだめなので、やはりそこは具体論をきちんとお出しいただいて、その上で議論をすることが大事じゃないかというふうに思います。その点についての危惧を私は申し上げているところでございます。

中川(正)委員 だから、そこは私の仕事だから大丈夫だよ、そういう話を地方自治体に出した上で、人質にとらずに、そんな話で混乱させずに、ちゃんとした舞台でそれぞれが議論をする。そんな中で、現実、私たちが皆さんの出してきた土俵の中で、どこかで結節点を見ていこう、つなげていこうということであればそのような議論につながっていくだろうし、そうじゃなくて、両方のトータルな形で根本的に選択をしてもらわなきゃいけないんだということであるとすれば、それは解散・総選挙ということで、国民がその選択をするということになっていくんじゃないですか。そこのところの議論をきょうははっきりとさせていきたいし、増田さんもこれ以上プロパガンダに乗ることなく、それぞれフェアな議論をすべきだというふうに思っています。そのことを指摘しておきたいというふうに思います。

 次に、時間が経過してきましたので、ミャンマーの話に持っていきたいと思うんです。

 租税特別措置法をやりたかったんですが、ちょっとこれは時間足らずということで、また次の回に送っていきたい。財金もありますので、それに送っていきたいと思います。

 長井健司氏が殺害されてもう四カ月強たっていくわけでありますが、現状の対応、これをまず聞いていきたいと思います。外務省。

高村国務大臣 長井健司氏が亡くなられたことは極めて遺憾でありまして、政府といたしましては、これまでもミャンマー政府に対し強く抗議するとともに、事件の真相究明及びすべての遺留品の返還を強く求めているところでございます。

 本件事件につき、ミャンマー側は非常に遺憾な出来事であった旨表明をしておりますが、事件の真相については、いまだ両国間で事実認識に相違があるわけであります。このため、現在もミャンマー政府に対して、両国の専門家を含めた形での真相究明の機会を設けるように強く求め、調整しているところでございます。

 今後、かかる取り組みを粘り強く行っていく所存でございます。

中川(正)委員 警察の方の捜査、それから特に、ミャンマーに具体的に警察として入っていって現地を捜査するということ、こんなことも含めて、警察としては当然努力をしているんだろうというふうに思うんですが、これは今どうなっているか、報告をしてください。

泉国務大臣 本件につきましては、警察においても、司法解剖それから画像鑑定等の所要の捜査を行ってまいりました。

 十一月二十六日の画像鑑定、これは警視庁が入手した映像をもとに分析をしたわけでありますが、銃器は被害者の横の兵士が持っていたものと判断される、しかも極めて至近距離であるということが明らかになっております。また、一月十一日の司法解剖の鑑定結果では、死因は貫通銃創に基づく肝臓損傷による失血、極めて至近距離からという鑑定結果を出しておるところでございます。

 二点目にお尋ねのありました事柄でございますが、今後の捜査の進め方に深くかかわり合いを持つことでございますので、お尋ねの点、御指摘の点を含めまして、この段階でコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、今後とも、警察としては、外務省と緊密に連絡をとって、情報収集等問題の解決に当たりたいと思っておるところでございます。

中川(正)委員 さっきの大臣の答弁のように、事実認識が違っているわけですよね。向こうは至近距離を認めていないということ、それから偶発的なものであったとかいうような話ですね。

 これは、このまま、そういう形で事実認識が違ったままで推移をしていけば、ふたをされちゃって終わってしまうという可能性につながっていくんだと思うんです。外務省はどう手を打つんですか。

高村国務大臣 一月十七日に私から、日本・メコン外相会議のため訪日中のニャン・ウイン・ミャンマー外務大臣に対して、両国の専門家も含めた形での真相究明の機会を設けることを強く求めたわけであります。それについてニャン・ウイン・ミャンマー外務大臣は、そのことについて検討する、こういうことを言いましたが、今調整中でありまして、最初は、専門家を含めないで、大使館の人間に対して向こうの捜査当局から、相手方からいろいろ説明があったのですが、やはり大使館の人間です、必ずしも専門家ではありませんから、やはり、警察の人に行ってもらって、専門家同士でやろう、お互いが持っている事実認識の違い、その証拠等を照らし合わせてやろう、こういうことで今調整中のところであります。

中川(正)委員 専門家というのは、さっきの話によると、至近距離から撃ったのか遠くから撃ったのか、そういうことを判定する専門家なのか、それとも、捜査に対して、警察当局として、普通は警察同士が協力をし合って、向こうの捜査に対してこちらも関与していきながら共同捜査をしていくというふうな意味での専門家なのか、これはどちらなんですか。

高村国務大臣 日本の警察がもちろんミャンマーで公権力の行使ということはできませんから、あくまで調査でありますが、捜査当局の人が行って、そして、向こうのできれば捜査当局の人に出てきてもらって、その間でお互いの情報を交換して、意見も交換する。そういう中から、お互いが言っていることがどういうことか、そして、お互いの意見が一致すればそれにこしたことはないし、どこまで一致してどこが離れているか、そういうこともあるかもしれない。ともかく、両方の捜査当局でやってもらいたいということで、外務省は我が方の捜査当局にも言っているし、それから、相手方の外交当局にそういう場を設けようではないかということで、今強く申し入れているところでございます。

中川(正)委員 警察が直接ミャンマーに入っていって、向こうの警察当局と、それぞれ捜査の現実的な手法なりあるいはその結果の評価なり、これを含めて議論をしていく、警察が入っていくということ、そういう意味ですね。それでいいんですね。

高村国務大臣 必ずしも我が国の警察がミャンマーに入って捜査そのものをやるわけではないんですが、警察の人に行ってもらって、そして我々が持っている証拠と向こう側が言っているところとお互いに意見を交換する、証拠を照らし合わせる、そういうことは当然する、こういうことであります。

 捜査を合同でやる、こういうこととはちょっと違うと思いますが、まさに専門家同士の意見交換をして、そして、それができるだけ意見の合意を見られればそれにこしたことはない、そういうことを求めてやっていく、こういうことでございます。

中川(正)委員 これは、軍なり向こうの公安当局が日本の民間人を意図的に撃ったということが、客観的なビデオの情勢だとかあの当時の弾圧の背景だとかということからいくと、私はかなりはっきりした話なんだろうと思うんですよ。それを警察当局の専門家同士の交渉に矮小化するということは、これは間違っているというふうに一つは思います。だから、それだけですべていいんだよというスタンス、これをぜひ変えていただきたい。

 その上で、さっきの遺留品の話であるとか、あるいは軍に対しての弾圧ということ、このことも含めたいわゆる民主化運動に関連していくような形の日本政府の主張、その中で、周辺諸国のコミットも含めて、あの国をどのように正常化していくのかというふうな、そういうところまでつなげていくような外交姿勢というのはやはり必要なんだろうというふうに思うんです。

 さっきの大臣の話だと、それを何か、ここで起こった一つの事件に対して、警察当局で解決したらいいじゃないか、そういう話に縮めてしまう、そういうことだと思うので、まず、ここのところは間違っていますよということを指摘しておきたいし、そういう外交姿勢では、本来の、ミャンマーに対する、せっかくの糸口なんですよ、これは民主化をしていく圧力をかけるせっかくの糸口を無にしてしまう可能性があるということを指摘しておきたいというふうに思うんです。

高村国務大臣 あなたがこのことを聞いたから、このことについて言ったんじゃないですか。何を矮小化しているんですか。民主化について聞かれれば、民主化について我々が言っていることをきっちり答えますよ。そういう質問をしてくださいよ。この問題についてこういうことを言ったから、この問題について答えたのが、何が矮小化ですか。そういうことを言うのであれば、あなたの質問が矮小化した質問なんです。

中川(正)委員 えらく刺激をしたようですね。今私は、今どんなような交渉をしているのかということに対して出てきた答えが警察同士という話だったので、素直に、これはおかしいよという話をしただけです。だから、そこのところは、これを一つのきっかけというつかみ方が大臣の頭の中にないなということを指摘しただけのことなんです。そんなに興奮されることでもないというふうに思います。

 それから次に、今、民主化ということが一つのミャンマーのテーマになっているということはあると思うんですが、もう一つ、過去の歴史を見ていると、民族間対立といいますか、少数民族が山岳地帯に全体の人口の四〇%を占めている国柄。その民族そのものも、本当に幾つにも分かれた形で群雄割拠しているといいますか、そういう中でいかに連邦制をつくっていくかという問題があるわけです。

 そんな中で、対立があり、弾圧があり、今、開発計画が山間部でさまざまに起きてきていますけれども、そんな中での虐待がありということで、これが難民化してタイへ向いて相当出てきている、あるいはミャンマーの国内でも難民化しているという現状がある。これはしっかり理解をしていただいておるんだろうというふうに思います。

 そんな中で、私もその難民キャンプの一つに行ってきました。カレン族の難民キャンプだったんですが、一九八八年にこれは設立されて、もう二十年になるんですね。ところが、タイの方は、これは難民認定していないんですよ。タイの方は、不法入国だということで、この難民キャンプというのは、難民キャンプという形はあるんだけれども、それに難民認定していないものだから、収容所なんですよね。タイとしては、難民キャンプじゃなくて、ここに不法入国してきた人たちを集めて共同で住まわせているという、ここから出てはいけませんよ、職業についてもいけませんよという形で軟禁状態にされているというのが実は実情だということがわかりました。

 そんな中で、各国がいろいろな対策を立てているんですが、一つの課題としては、そこまで二十年も来ているので、子供たちに対しての将来の希望もないということからいけば、第三国定住、これをそれぞれの国の中で協力し合って枠組みをつくるべきだということで、アメリカやカナダはもう既に始めております。

 そこについて、私が難民キャンプに行ったときに、安倍さんのころですが、価値観外交というような言葉も出て、人権、基本的な部分、それから自由、そういうことをこれからも標榜していくべきだというふうな前提で日本が動いてきたのに、なぜこの第三国定住に対してみずから門戸を開こうとしないのかというような指摘がありました。

 そこについて、私はやるべきだと思うんですが、法務大臣、どういうふうに今整理をしているか、お答えください。

鳩山国務大臣 ミャンマーという国が、弾圧とか虐待とか、あるいは民族対立もあるんでしょうか、非常に難民が出やすい地域である。例えば、昨年一年間に難民認定申請は日本では八百十六件出ておりますが、そのうち五百人がミャンマー人であります。それで、認められた認定者四十一人のうち三十五人がミャンマー人でございます。もちろん、人道配慮による在留許可も与えております。

 そういう中で、昨年の十一月十七日だったと思いますが、国連難民高等弁務官のグテーレスさんがお見えになって、今先生からお話があったように、日本も第三国定住というような形で協力をしてほしいという強い依頼を受けたのは事実でございます。

 もちろん、先生方御承知のように、タイの難民キャンプにいて、それから日本へという形になりますと、実際は難民に極めて近くても、条約で言う難民には当たらないので、第三国定住という仕組みを新たにつくらなければならないのか、こういう問題になります。

 それで、ベトナム戦争後にいろいろな形でインドシナ難民が大量に日本に見えております。トータルでは一万一千人か二千人ぐらいだろうと思っておりますが、ボートピープルで来た人たちは、これは難民そのものですから条約難民に当たる。それ以外に、やや第三国定住と似たような形でその後日本におられる方というのが、やはり五千人ぐらいはいるのかもしれません。このときはまさに政策的にこれを閣議了解で受け入れた、こういういきさつがあろうと思っております。

 ただ、大量に受け入れるということになりますと、やはり職業訓練、言葉、子供の教育、住居等さまざまな問題がありますから、そう簡単ではありませんので、昨年九月に関係省庁の勉強会ができておりまして、これは積極的に大いに勉強してもらいたいというふうに思っております。

 国際協力という観点もありますから、これは検討しなくてはならない大きな課題であろうと思っておりますし、与野党の垣根を越えて、国会でも議論をしていただきたいと思います。

中川(正)委員 勉強会は評価しますけれども、早いところ結論を出してもらわないとだめだということと、それから、中身を聞いていると、みんなが責任を持ってという形じゃなくて、みんなが責任のなすりつけ合いをしてというふうな各省の勉強会になってはだめなんだろうというふうに思うんです。大臣中心になって、ぜひまとめてください。

 以上です。

鳩山国務大臣 それは、関係省庁大勢あると思いますが、私は法務省が中心になるべきだと思うし、私も中心になります。

中川(正)委員 以上です。ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて中川君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠浩史君。

笠委員 民主党の笠浩史でございます。

 きょうは、まず、道路の特定財源のことについて、冒頭、冬柴大臣にお伺いをしたいんです。

 昨日、私どもの同僚の馬淵委員の方から、今回の中期計画、平成十一年度のセンサス調査、それに基づいてつくられた推計、平成十四年、これが大前提になってこの中期計画がまとめられたわけだけれども、実は、平成十七年度センサス調査の推計が、去年三月にその報告書がまとまっているんだ、しかも、その報告の内容では、いろいろな需要量がこれから将来減っていく、減少に転じていく、あるいはもう既に減少している、そのずれが、乖離が出ているにもかかわらず、なぜその新しいデータに基づいてしっかりと中期計画をつくらなかったのか、あるいはこれからつくり直すべきだ、そのことについての政府見解を求めさせていただきましたけれども、大臣、まず、その点についてお伺いをいたしたいと思います。

冬柴国務大臣 笠議員に対して、このような機会を与えていただきましたことに、まずお礼を申し上げます。

 お話しのように、昨日の馬淵議員、松本議員の御指摘や理事会での要求がありましたので、ここで交通需要推計について全体をまとめてお答えをさせていただきます。

 中期計画の作成作業においては、混雑や事故の発生状況など、多くの最新データを用いているところでありますが、交通需要推計に関する確定的かつ最新のものは、平成十一年道路交通センサスに基づき、平成十四年に作成されたものであります。

 平成十七年の道路交通センサスを用いた最新の交通需要推計については、女性、高齢者の行動分析や全国を六千ゾーンに分割した分析など、従来以上に高度な分析、膨大なデータを要するものであり、現在、鋭意取りまとめ作業を進めているところであります。

 昨日の予算委員会で御指摘のありました平成十八年度発注の業務成果は、従来のモデルをもとにした推計値であり、モデルとして有用なものとするためには、都心居住の動向や産業構造の転換などの社会経済動向等についてさらに地域別の詳細な分析が必要と考えられ、その意味で途中段階のものと位置づけられるために、今回の計画作成作業に使用することは現段階では適当ではありません。

 なお、平成十七年の道路交通センサスをもとにした交通量予測値が、途中段階とはいえ減少傾向にあるとの成果を踏まえ、高規格幹線道路整備のあり方の根幹となる費用対便益の計算においては通常一・〇を用いるところを、交通需要の変動に備えるため、基準を一・二に引き上げて検証を行ったところであります。

 さらに、中期計画の内容には、幹線道路ネットワーク以外に、渋滞対策、交通安全対策などの政策課題がありますが、それらに関しては、交通需要推計が下方修正されたとしても、決定的な影響を及ぼすものではないとも考えております。

 一方、個別事業の採択に際しては、その時点で活用可能な最新データに基づいて客観的かつ厳格な事業評価を行うこととしているところであります。

 以上でございます。

笠委員 大臣、今の答弁、今の政府見解ですか、昨日の答弁とほとんど変わってないですよね、内容が。

 今るる申されましたけれども、間違いなくこれから交通量含めて減っていくということで、もう予測が随分違ってきているわけですよ。その傾向というのがもうきちっと出ているわけじゃないですか。ですから、そのことをしっかりと踏まえて、きちんともう一度つくり直すんですか、新しいデータでしっかりとやり直すんですか、そのことについて明確に答弁をいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 つくり直すというものの範囲の問題がありますけれども、私どもは、十九年十一月に明らかにしました道路の中期計画、その時点では最新のデータを用いてつくられたものでございますので、それ自体をつくり直すということはありません。

 しかしながら、今後、その中から新たな事業を起こすときには、最新のデータに基づく費用対効果等、そのほかにもありますけれども、検討を加え、そして財務省の評価をいただき、そして、物によっては国幹会議の議を経て決めていくわけでございますから、これはそのときの資料として有用であり、それを全部つくり直すということは必要ないというふうに思うところでございます。

笠委員 大臣、関連してもう一度お伺いいたしますけれども、昨日、松本委員の方から、去年の三月にこの報告ができていたにもかかわらず、大臣は昨日の委員会まで全く知らなかった、要は、その報告が上がっていなかったと。このことについて、省内しっかりと調べてみるということをおっしゃいましたけれども、省内で聞かれましたか。

冬柴国務大臣 もちろん聞きました。

 しかしながら、先ほど統一見解で述べたとおり、それは、もちろんその時点における一つの資料でありますけれども、将来交通予測というものをとらえるわけにはいかないということでございます。

 ただ、減少傾向にあるというその部分については十分受けとめ、そして、それに基づき、先ほど申しましたけれども、BバイCは普通の事業では一・〇以上を採用しますけれども、今回はこの二割増しの一・二以上というふうにさせていただいたのも、そういうものを配慮したものである、そのように答弁を得ました。

笠委員 大臣、今、十分受けとめてということをおっしゃったけれども、五十九兆円のこの中期計画の、当初六十五兆円が五十九兆円になったものが、大前提が全く傾向が変わってきているということは、これは大きな問題だと私は思いますよ。

 そもそも、平成二十年度からの、これが当初五カ年だったのか、あるいは、今回は十年ということで中期計画として出てきていますけれども、これをつくらなきゃいけないということは、とうの昔からわかっている話なんですね。だったら、それに間に合わせるように、この推計値を出すために、では平成十六年に、この十七年ではなくて、それまでこの調査は五年ごとに大体行ってきている、四年のときもありますが、なぜ、そういう計画的にやらなかったんですか。十七年にやって、三年かかります、間に合います。それは全く理由にならないですよね。

 こういう大きなこれからの十年計画、中期計画というものをつくるのであれば、最新のデータを反映させてこの中期計画をつくっていくというのが当たり前の話なんですよ。そういうことを、当時は冬柴さんが大臣ではなかったかもしれませんけれども、国土交通省内で検討されたんでしょうか。調査を、しっかりと新しい推計を出して、それに基づいて中期計画をつくろうというようなことが一度でも検討されたことはあるんでしょうか。

冬柴国務大臣 新たな将来交通需要推計につきましては、各種の社会経済指標、GDPの動きとか予想とかそういうものもありますし、交通状況のデータの更新、それらを踏まえたモデルの構築など、極めて膨大なデータが必要であります。中期計画に間に合わせることは物理的に不可能でございました。

 しかしながら、将来の交通量が減少傾向にあることは承知いたしましたので、したがいまして、先ほど申し上げましたように、一・〇を用いるところを一・二に引き上げて必要性の検証を行えるように、そのように行ったところでございます。したがいまして、それが我々としてはできる最高のことであったというふうに思います。

笠委員 物理的に不可能だったんじゃないんですよ。最初から役所は全くそれに手をつけようとしなかった。それで、実は途中、去年の三月段階で、大きな、これはおかしいぞ、減少傾向になってきたぞと。しかし、それを表に出して、大臣に上げて、そして世に公表してこれが国民の皆さんが知るところになると、当然ながら、これはどういうことだという批判が渦巻くでしょう。そういうことがわかっているから隠していたんじゃないですか。

 そして、もっと言えば、五年が十年ですよ。今度、十年間というこの長期計画。中期計画であるけれども、これは長いんです、今までよりも。この計画をつくるに当たって、何で前の五年計画と同じデータでそれだけの大事な計画をつくるのか。私は、国土交通省、その認識自身が物すごく甘いと思いますよ。

 そして、もっと言えば、大臣が国土交通大臣に就任されて、当然これは一つの大きなテーマですよね。それで、いろいろとお話を伺ったんだと思います、その時々の状況を。しかし、こんな古いデータに基づいてやっていて大丈夫なのか、そういう疑問を感じられませんでしたか、一度も。

冬柴国務大臣 一九九九年の交通センサスで古くはないかということは、経済財政諮問会議の委員からもお話がありまして、私は、それについて庁内でも十分検討をさせていただきました。

 それによって最新の、これをつくるときの最新の、センサスが最終ではないわけですよ、オフィシャルじゃないんです、交通センサスというのは物すごい手間をかけていろいろなことをやるわけですけれども、それを集計したものが一つの資料として、そして、三年ぐらいかかるんですけれども、これに対して、例えば女性や高齢者の行動分析、これは、免許証取得人数が大分ふえているわけですが、そういうものや、全国を六千のゾーンに細かく分けて、そしてそれに対する分析とか、こういうものがあるわけでございますので、それは現在取りまとめの作業をしているところなので使えない、一番最終、最新のものが十四年なんですということで私はしたわけです。

 今申し上げましたけれども、なぜそれ以外に大きな問題があるかといいますと、女性や高齢者の運転の機会の増大、女性や高齢者の免許保有者は高まっているとともに、その一人当たりのトリップ数も増大している。今後もしばらくはその傾向が続く。

 それから、都心居住の傾向があります。最近、東京都区部で特徴的な傾向として、中心部への人口増大が見られるところであります。このことから、地域をより詳細に分けたモデルが必要である。

 それから、軽乗用車の保有率、利用頻度が増大しています。軽乗用車の保有台数は全乗用車の二五%を占めるに至っているとともに、その使用形態は普通自動車と同様になる傾向を示しています。このために、軽自動車の走行キロ台数は今後一層高まると想定します。

 最後に、貨物における長距離トリップの増大があります。貨物における長距離交通が増大傾向を示している一方、短距離交通は減少傾向が見られます。このことから、距離帯別に分割したモデルを検討しなければならない等、相当膨大であり、かつ複雑な作業が残されているわけであります。

 したがいまして、ことしの秋ごろには将来交通推計が出ますが、それまでは十四年十一月の将来推計が最新のものであり、それが権威のあるものであるということでございます。

笠委員 大臣、私が聞いているのは、センサス調査が終わって、それから三年間、どれくらい、こういう作業があるんです、こういう作業があるんですという、その説明を聞いているわけじゃないんですよ。

 何で三年かかるのかということじゃなくて、センサス調査自体を一年早く行うとか、あるいはこの中期計画をつくるに当たって、新しいデータをもとにしてしっかりとつくろうという意思があるのであれば、今までだったら三年かかるところを、では二年で何とか推計をまとめられないか、そういうことを検討されていないんですか、全くそういうことは省内で検討されなかったんですかと、そのことを聞いているんですよ。

 これだけ時間がかかるから、秋まで待て、間に合わなかった、だから、今あるのは、平成十四年の推計が、十一年調査をもとにした将来推計が一番新しいんだと。そんなことを聞いているんじゃないんですよ。この重要性ですよ。

 これから十年間の中期計画をつくろうというときに、これだけいろいろな、将来、少子高齢化の社会になって人口だって減少していく。あるいは、GDPの予測だって平成十四年のを使っているじゃないですか。それだって最新のものに置きかえていく。さまざまなデータとともに、このセンサスというのがその中心にあるわけですから、やはり、すべてを新しいデータでしっかりつくろうというのが本来の当たり前の姿勢だと私は思いますけれども、その点についてお答えいただきたいんです。るる何で時間がかかっているとか、それはいいです。

冬柴国務大臣 手順に従って粛々と進めてきたものと思います。しかし、それが間に合わなかったということでございますから最新のものを用いたわけであります。

 ただ、この中期道路計画全体を見ていただいたらわかりますけれども、それが直接影響を及ぼすというのは、やはりネットワークの部分だろうと思います。しかし、それ以外の部分については非常に大きなアローアンスを見てあります。そこの交通量がふえるとか減るとかいうこととは関係なしに、例えば、もういつも言いますけれども、通学路の問題を改善するとか、あるいは、渋滞は確かに若干は変わるかもわかりませんけれども、渋滞箇所についても大きなアローアンスがとってあります。したがいまして、中期計画自体は、それだけを基礎につくられているものではございません。

 したがいまして、では、長距離のネットワークはどうかということについては、重ねて申しますが、BバイCを一・二以上にするということで十分手当てはされていると思います。

笠委員 BバイC、BバイC、きのうからそれをおっしゃるんですね、一・二にしているから大丈夫だと。

 しかしながら、きのう川内委員も指摘したように、これはまたこれからも具体的に一つ一つ私どもも精査し、指摘していきますけれども、一・二を切っているものだってあるわけですよ。

 もっと言えば、では、なぜこれが一・二だったら大丈夫なのかということだって、その根拠というのはありますか。

冬柴国務大臣 BバイCのあれは、要するにコストと通行量、予想通行量でございますから、予想通行量が落ちた場合には当然に、一・二であったものが一・一とか落ちる可能性がありますが、私どもはそれを見ても一以上になるということを言っているわけでございまして、我々はそういうふうな考えで十分に見ております。

 それから、一・〇を切っている部分があるじゃないかとおっしゃいました。それは、例えば完成二車線とか、あるいは現道でつなぐとか、現道というのは、要するに今ある道路ですね、そういうものも、全体から見れば三〇%がそういう手当てをしながらやっていこうということであります。したがいまして、二千キロを道路公団が二十兆でつくるということで言っていた部分についても、その大宗は十・五兆円にする、あるいは、それ以外に新直轄というものを入れて、それに三兆円というような、非常に切り詰めたやり方をしているわけです。

 したがいまして、私どもの思想は、今途切れ途切れになっている幹線の自動車道というものを、そういう工夫をしながら、とにかく一直線に、通れるように、そういう姿を見られるように努力していこう、そういうことなのでございます。

笠委員 大臣、今の説明、恐らく全くわからないと思いますよ。

 ちょっと視点を変えて、きのう宮田政府参考人が、先ほど私が指摘したセンサスを、本来だったら十六年にやって、十九年にはもうこの推計がきちっと終わっているというのが、今までの手順でいけばそうだったんですが、それを十七年に移したのは国勢調査の年次がずれていたというようなことをこの委員会の場でおっしゃっているんですけれども、過去の調査、センサス調査、別に国勢調査と全部ずれていますよ。ですから、これはちょっと訂正をしていただかないと。

 国勢調査に合わせてやるんですか、これからずっと。それ、きちっと訂正してください。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日の答弁で、私、二つの要素を申し上げました。

 一つは、ずっと国勢調査とベース年がずれておりましたので、できるだけ基本のデータは合わせた方がいいという考え方が一つでございます。

 もう一つ申し上げました。社会資本整備重点計画、これはいろいろな調査をそれに合わせてやっております。それが十七年度で、サイクルがございますので、その実施年度を一致させるということが全体の調査のベースを合わせるということで効果的だと。

 その二点の理由でございます。

笠委員 私、今の答弁を聞いても、やはりこれは、もう言いわけ以外の何物でもないですよね。だって、今まで全部合わせていないじゃないですか、全く。だったら、それを何で、この五年前でやるとかその前とか、全部国勢調査と合わせればいいじゃないですか。

 私、もっと言えば、国勢調査と合わせると、この作業が、大がかりな調査が同時期に行われるといったら、これは大変なことだと思いますよ、逆に。だからそういう、もう取ってつけたような、後から言いわけ言いわけというような答弁をこの予算委員会でしないように指摘をしておきたいと思います。

 そして、この件についてもう一点お伺いをいたしたいんですけれども、実は、このセンサス調査及び推計をつくっていくに当たっては、このあり方というものについても、これまで国土交通省の中でも、やはりそれだけ重大な調査であり、あるいは将来の道路にどれだけお金を使っていくんだというような、このことを決める一番の要因になっていくものですから、そのいろいろな検討が行われてきました。

 そして、これはたしか平成十六年ですか、将来交通量予測のあり方検討委員会の報告書というのも出ております。

 この中でも、例えば、道路交通センサス調査などの大規模な交通行動データが更新されない場合にも、将来の交通需要に大きな影響を及ぼすデータ、特に人口やGDPといった将来交通需要推計の主要な変数の将来値が見直されたときにはこの交通需要推計を見直すべきだという指摘をされているんですよ。

 今、GDPにしても、あるいは人口の予測にしても、これは平成十四年度の結果に基づいてつくられていますよね。もちろん、経済予測というのは毎年政府の方でも出されておりますし、人口の推移にしても、これは平成十八年の十二月でしたか、たしか最新の結果が出ていますよね。これだって、二〇五〇年であれば五百万ぐらいこの十四年度の調査のときよりも人口が減っていくというような、そういう結果が出ているんですよ。

 そういったデータを反映させて今回の中期計画というものはつくられたんですか。それをお伺いいたしたいと思います。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 大臣から何度か御説明しておりますが、平成十一年のセンサスに基づいて、平成十四年度、そこの将来推計結果で中期計画は組み立てております。

 前半の御指摘でございますが、十六年の調査報告書で、いろいろな数値があって、そこを乖離した場合はいろいろ検討を始めるようにということでございました。いろいろな指標の中で、走行台キロの実績値がそこの指摘の範囲を超えた、それが十七年度でございました。ちょうどセンサスを始めた年でございますので、それに合わせて見直しを今している、センサスと合わせて見直しをしているというのが実態でございます。

笠委員 要するに、この中期計画には反映されていないということでいいですね。それでいいですね。やはり、こういうことがおかしい。できることというのはあるじゃないですか。

 例えば、センサスが十七年からで推計が二十年秋、ことし秋になるから、それはもう間に合わないんだと。でも、逆にそのことは、本来であれば、それに基づいて見直さないといけない。しかしながら、大臣がおっしゃるように、今新しいのが十四年だ、十四年度の推計だといったって、それ自体を修正していくことはできるんでしょう、ほかのさまざまなデータで。しかし、それを十七年のセンサス調査に合わせて見直すで、何で今回の中期計画に反映をさせていくために使わないんですか。やはりデータというものは、より新しい方がいいわけですよ。その点だって私はおかしいと思います。ですから、大臣、これは秋に出てくるというけれども、これをもっと急がせる。

 あるいは、既に平成十九年、去年の三月に報告書が出ているわけですから、それは、今まだ途中段階といっても、しっかりと傾向は出ていますよ。きのう、馬淵委員、指摘しましたよ。ですから、やはりこの中期計画を、そういったことに基づいて大胆にきちっと見直す、その結果に基づいて見直すということを明言していただけますか。

冬柴国務大臣 中期計画は、五十九兆円のいわゆる天井というもの、それを超えないということがあるわけですから、それ以下である場合は当然あるわけです。しかも、毎年毎年財務省の査定を受けていくわけでございますから、それを受けるときには、ことしの秋以降は新しい交通需要推計に基づいて、権威のあるものに基づいて計算をするわけでございますから、私どもは、その計画自身を見直す、そういうことは必要ない。

 今後、そこに盛り込まれたものを現実にする際に、これは二回BバイCをとる機会がありますよ。

 一つは、調査に着手するところ。そこに書かれているけれども、具体的にこれをやるということになりますと、調査をする段階でBバイCをとって、財務省に調査費というものを査定していただきます。そして、それがそれでいいということになれば、今度は整備決定をいたします。その際にもまた、その時点で最新の交通需要推計に基づいてBバイCをとって、そして、それは国幹会議の議に供して査定していただくわけです。そして、その上で財務省からも査定をいただくわけです。

 そういうものの積み上げが、しかも五十九兆の以内ということでございますので、それは、十九年末における我々の一つの意思表示、目標として示しているものでありまして、それがそのまま全部できるというものではありませんので、私は、それをつくりかえるという必要はないというふうに思います。

笠委員 大臣、五十九兆が、結果として五十七になるのか五十六になるのか五十になるのか、それは、結果はわかりませんよ。しかし、今我々がここで議論していることは、この三月で切れる暫定税率、新たにまた増税を十年間で二十六兆円続けていくのかどうかという大きな問題だってあるわけですよ。

 そうしたら、その前提となるこの計画自体がどれだけ本当に実態に合ったものなのか。これから、どういう予測のもとに、やはり、道路であれ、それ以外の事業であれ、もっともっとこれは、いや、五十九も要らないな、四十ぐらいでできるじゃないか、あるいは四十五兆ぐらいでできるじゃないか、だったら今までどおり、余計に御負担をお願いしていた分については、なくしたって、あるいは減らしたっていいじゃないか。やはり、そういう計画じゃなければ、これは、何かとりあえずいただくものはいただいておくんです、それで、後で、その時々でチェックをしながら、まあ五十九兆円の枠の中におさめますというやり方では、御負担いただく国民の皆さんは納得しないと思いますよ。やはり、そこの発想というものが、全く考え方が間違っているんじゃないかと私は思います。

 一つ一つの事業が幾らになっていくかというのは、確かに、一つ一つ事業をやって、どこの箇所で、それがどれぐらいしっかりと効率よくできるのか、その積み上げはこれからの話でしょう。しかし、この五十九兆円というものの根拠にかかわる、五十九兆という数字を出しているわけでしょう。ひょっとしたらその根拠が崩れているんじゃないですか、このセンサス調査なりあるいは前提となる調査の推計が古いということであれば、早急にやり直して出し直してもらわなければ本当の議論というのはできないじゃないですかということを私は申し上げているわけです。

 大臣、ぜひこれは、今、省内で聞かれたと言っていますけれども、十九年三月に出てきている今の数値をもとにして早急に見直してくださいよ。ぜひそういう御指示をしてくださいよ。あるいは大臣がやるんですよ、これ。いかがですか。

冬柴国務大臣 先ほど、笠議員の御了解を得ながら私どものこの問題に対する最終的な考え方をお示ししたところでございまして、これについては、一・二というところで十分配慮されているということでございまして、今後、この年末に出たものをもとにしてそれをしていくということで御了解をいただきたい、こう思います。

笠委員 私は全く理解できませんけれども、この問題は引き続き、また次の機会にも質問をしていきたいと思います。

 それで、きょうは、実はあかずの踏切について具体的にお伺いをしたかったんですけれども、独立行政法人改革、この無駄遣いの話というものもしたいので、これはまた次回に譲らせていただきまして、独法改革の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず、やはり、税金の無駄遣いをなくしていくということで、天下りをなくしていく、あるいは独立行政法人を改革していく、補助金のあり方を見直していくというようなことは、これは当然やらなきゃいかぬという認識は同じだと思うんですね。

 昨年十二月二十四日に、独立行政法人整理合理化計画というのが閣議決定をされました。渡辺担当大臣、昨年八月に、この計画へ向けて、策定に係る基本方針のもと、かなり、各省庁ともいろいろとやり合って、各大臣とも折衝を続けられたというふうに伺っておりますけれども、残念ながら、結果として、この百一法人を抜本的に見直そうということでございましたけれども、廃止になった法人は三つ、そして民営化されるものが三つ。そして、財政支出も一応、千五百七十億円ですか、歳出削減ができるんだということですけれども、三兆五千億円の中のわずか千五百億。

 当初、いろいろと大臣が、かなりこれは切り込んでいくというようなことでおっしゃっていたけれども、やはりこれはちょっと腰砕けになった感がぬぐえないんです。いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 そういう評価があることはわかっております。しかし、シンボリックなところに切り込んだという点は、ぜひ御理解をいただきたいと思うんですね。

 例えば、無駄遣いのシンボルとよく言われていた雇用・能力開発機構につきましては、一年以内にその存廃も含めて結論を出す、こういうことになりました。また、役割を終えた独法のシンボルであると言われた万博機構については、額賀大臣の御英断もいただきまして、平成二十二年までに廃止をするということを決めたわけでございます。また、独法から次のステージに移行すべきものとしての位置づけがあった日本貿易保険については、株式会社化をするということも決まりました。

 そして、独法が売却可能な実物資産を売却したときには根こそぎ国庫納付という制度がなかったのでございますが、これについても、根こそぎ国庫納付をする、簿価も含めて納付するんだということも決まりました。今、その法案の準備にかかっているところでございます。

 単年度で千五百六十九億、二十年度でございますが、これは少ないんじゃないかというお話でございますが、それ以降のいろいろな廃止、合理化が後年度もきいてくるということがあり得るかと思います。

 それだけではなくて、先ほど申し上げた実物資産の売却、これは、今年度決めただけでも簿価ベースで六千億円を超える売却処分を決定したところでございまして、十八兆円ほど実物資産の売却可能な財産はございますので、これを全部売るというわけにもいきませんけれども、売っていいものはどんどん売却をしていくということで、国庫に大いに貢献することが可能になると考えております。

笠委員 今、大臣が、シンボリックな部分にメスを入れたと。つけていって、確かに来年度末をもって決定される案件はありますね。

 しかし、シンボリックなものに手をつけることももちろん大事ですけれども、実態として、どれだけこの三兆五千億円を削っていくのか。これは、シンボリックなところをやって、やったやったという話じゃないですよね。やはり、どこまでお金を削減していくのか。

 そして、天下りの問題だってそうですよ。相変わらず続いていますよね。だから、ほとんど出向者で占められているような独法だってありますよ。それだったらそれはそのまま戻した方がいいんじゃないか。わざわざ独法ということで、そして、国家公務員じゃない、公務員から非公務員だといったって、そのお金というのは相変わらず運営費交付金等の中から支払われているわけです。

 ですから、このお金を、財政支出を本当にどこまで削っていくのかということ、これでやはり評価される話だと私は思っておりますので、ぜひそこのところをしっかりと踏まえてやっていただかなきゃならないなと思っております。

 それで、独法は、かつての特殊法人等々が非常に無駄遣いの温床であるという批判を浴びてこの制度ができたわけですけれども、この制度の一つの柱というのは、中期計画をきちっと立てていく、そして事後評価をきちんとしていく、この評価システムというところにあるんだと思うんですね。

 ただ、この評価のシステム、資料の二番目に出させていただいているんですけれども、まず、各省庁に第一次評価をする評価委員会がございます。そして一方、総務省のもとに、二次評価、上がってきた一次、各省の評価委員会が評価した内容についてさらに評価をするということで、二重にチェックをしていく仕組みになっているんですけれども、これは、ちょっと驚くことに、四番目の資料を一枚飛ばして見ていただきたいんですけれども、七項目ですね、例えば、欠損金が発生したのにその評価を行っていないであるとか、あるいは総人件費削減に向けた取り組みや効果に係る評価が厳格でないとか、さまざま指摘がされて、それぞれかなりの省の評価委員会に対して、あるいはそれぞれの独法に対して指摘をされているわけですね。ちょっとこの後具体的に幾つかお伺いをいたしますけれども、本当にこれはひどいですよ、二次評価の中身を見ると。

 ですから、では、これを今後どうやって、今回の二次評価を生かして、これはただ指摘にとどまるのか、それとも、その評価を生かしてそれぞれの独法が実際に改めていく、その評価の仕組みを改め、要するに独法を健全化させていくということにつなげていくのか、その点について、これは総務大臣ですか、ちょっと端的にお答えをいただければと思います。大臣が先頭に立って指導していく考えがあるのかどうか。

増田国務大臣 ただいまの関係についてお答えを申し上げます。

 今委員からお話がございましたとおり、私どもの方で二次評価を担当しているわけでございますが、その中で、それぞれの各府省の評価委員会の評価について、端的に言いますと、評価の基準がわかりにくいとか、それから各評定の判断理由の説明が不十分、それから総人件費削減の取り組みや給与水準の適正化等についての評価が不十分、こういったものが見られましたので、政府の政策評価・独立行政法人評価委員会から各府省で持っております評価委員会の委員長あてに意見を出しました。全体で約二百事項について改善の必要性を指摘したというところでございます。

 これを受けて各省の方では、それぞれの独立行政法人を監督していただくのは、各省の主務大臣がこれをきちんとやっていただく、こういう仕組みになってございますが、そのためにも各省のそれぞれの評価委員会がございますので、そこにこちら側から直接委員長さんに申し上げましたので、今後、事後評価の際に、今申し上げましたような観点をそれぞれ事後評価委員会の方できちんとチェックするであろう。そして、それをさらにまた私どもの方でも二次評価できちんと見ていきたいと思っています。

 各主務大臣は、今回のこういう意見表明を受けて、当然評価委員会を意識してそれぞれの独立行政法人、独法を管理監督していくわけでございますので、そういう機能を通じて、今後、こうした点を、是正されていく取り組みを私ども期待しているものでございます。

笠委員 一枚戻って、資料の三を見ていただきたいんです。

 今、増田大臣から話がありましたように、人件費ですね、これは運営費交付金からほとんど賄われているわけですけれども、平成十七年の行政改革の重要方針の中で、あるいは行革推進法においても、独法が実は省庁の国家公務員の給料よりも非常に高いんだという指摘がずっとされてきて、これから、総人件費を平成十八年度から五年間で五%減らしていくということと同時に、対国家公務員との比較をして適正な給与にしていくようにというのがあるわけですけれども、これは、半分以上の独法が、半分ぐらいの独法が高いんです。ラスパイレス指数が一〇〇を超えているんです。中でも、上位二十で、驚きますよね、これを見ても、経産省の経済産業研究所なんて平均年間給与額が一千三百万円ですよ。対国家公務員指数が一四五とか一三九とか、ずらっと並んでいるんです。

 やはりこれは、ちょっと全体の話ですけれども、相当それぞれの大臣の皆さんが指導していかないとやらないですよ。

 そして、さっき増田大臣がおっしゃったけれども、この評価に対して、つけられた注文に対して、指導に対して、これができなかったときには各大臣は独法の理事長を首にする権限を持っているんですよ。権限はあるわけですよ。やはり、それぐらいのことをしっかりやってでもやらせるということを絶対にやっていただきたいと思うんです。これは、増田大臣、どうですか、全体を預かる立場として。

増田国務大臣 私ども、この評価の内容等も全部公表する、それからあと、その前提としての、今お話ございましたとおりの給与水準なども公表して、そういったことが果たして社会的に受け入れられるものかどうかということも含めてやはりオープンにしてございます。もちろん、それぞれの大臣に、適切でないと思われるところはきちんとやっていただくということを期待してございます。

 それから、こういったそれぞれの各法人のあり方、その人件費の水準を削減していくのか、あるいは人員を削減して少数精鋭で、しかし質の高い人を雇っていくのかとか、いろいろこれはそれぞれの独法において考え方はあると思いますし、それからあと、一般職、研究職の問題もあろうかと思いますが、そういったことも含めてよく説明をしていただく、説明責任を果たしていただく、こういうことを期待して、全体として独法改革を総じて進めていくことを期待しているものでございます。

笠委員 今、増田大臣、総務省、これは二次評価を行う大事な、各省庁ごとに評価して、それをさらにきちっとチェックしていくという総務省でも、実は、独立行政法人の平和祈念事業特別基金、総務省の所管の独法も指摘を受けているんですね。

 この総人件費について、実は十八年度実績が前年度に比べて二・一%増加しているんですよ。増加しているにもかかわらず、評価結果においては評定はAA、五段階の一番上。こんなでたらめな評価はないですよね、本当に。AAですよ。だって、これから五年間で、十八年度から減らしていくという、それがまだBであって、まあまあ頑張りましたねとか、まあ一応この基準で頑張ってくださいならともかく、何でこんなものがAAの評価を受けるんだ。だれが見ても明らかですよ。

 きょう渡海文科大臣もおられますけれども、例えば独立行政法人の大学評価・学位授与機構なんというのも、総人件費減らしましたよといっても、実は実績で前年度比〇・六%減少です。それで、中身を見てみると、その分今度は、実は総人件費には非常勤の職員が入っていないんですね。これは独法全体の問題なんですけれども、どんどん常勤を減らして、その分非常勤とか、もっと言えば、アルバイトもいるんですよ、臨時の。こういう人たちの人件費、これは入っていないんですよ。それを含めていくと、実は前年よりプラスになっているんですよ。しかし、A評定になっている。

 そして、その評価の中、独法の中期計画に対してのあれがいいですよね。では、どうやって人件費を減らしているのかといったら、これは私ども、予備的調査で十八年度出てきました。そうすると、今三人国立大学に出向している、半年出している、その給料を大学の方で持ってもらって削減に努めたなんということがぬけぬけと書いてあるわけですよ。こんなことじゃ、いつまでたったって。

 独法の数を減らすことも大事だし、なくすことも大事だけれども、やはり、今あるものの節約をしっかりとしていくということ。せっかくこういう二次評価というものがいろいろと出ているわけですから、問題は、これを生かしてどうやって中身をしっかりと変えていくのか、無駄遣いをなくしていくのかということについて、これはぜひ行革担当大臣も、さっき言ったシンボリックなことも大事だけれども、もうやれることを徹底的にやってくださいよ。ちょっとよろしくお願いいたします。

渡辺国務大臣 今回の整理合理化計画においては、事後評価のあり方をがらっと変えていこうということを決めたのであります。今までは、事業管理も人事管理も事後評価も全部各省でやっていました。結局、事後チェックをきちんとしようというシステムが、こういう制度のゆえに相当お手盛り評価、今委員が御指摘された、Aがつくのが非常に多かったんですね。

 今回は、ガバナンスの内閣一元化という方針を決めました。したがって、事後チェックのところを各省のひもつきから切り離すことによって人事管理にもフィードバックしていこうということを決めたのでございます。したがって、そういうシステムの中で、無駄遣いあるいは人件費が高過ぎる、そういう問題は大いに是正をされていくはずでございます。

笠委員 是正をされていくはずであるということよりも、やはり、それぞれの所管の大臣の方々がチェックをしていくんだ、指導していくんだという意識がなければ、独法任せにしていたら、これはなかなか改善できないと思います。

 この点について、今お手盛りであるという批判があると。本当にそうですよ。また次にやらせていただきますけれども、各省の評価委員の皆さん方の中に、これは予備的調査で今回明らかになりましたけれども、いろいろな、その省の審議会に所属をしたりして手当をもらったり、あるいは研究費をもらったりという、非常にかかわりの深い方々も随分おられるんですね。もちろんその中身がわかっていないと評価できないので、全く素人の方に来ていただくというわけにはいかないですけれども、やはり、ちょっと行き過ぎた手当、高額のお金というものがその省から出ている。

 やはり、そういう人が自分のところの独法を評価するというのは、私は、そういうのもちょっと考えていかなければ一次評価というものが実際には何も機能していませんよということにつながりかねないので、もう本当に、ぜひその点を変えていただけるようにお願いを申し上げたいと思います。

 そして、ちょっと駆け足になりますけれども、きょう渡海大臣に来ていただいておりますので、一つ、公立の小中学校の耐震化の現状について、ちょっと限られた時間なんですが、資料を用意させていただいております。

 本当にそれぞれ進んでいないですね、見ていただければわかるんですけれども。今なお、ことしのこの予算案でも千百億円計上されて、そして十九年度の補正でも一千百億円ということで、ここのところずっと、大体補正で一千億、そして本予算で一千億というペースでこの耐震化が進められているんですけれども、まだ、全体の四割を超える五万棟以上が耐震化が行われておりません。

 恐らく、このままのペースでいくと、もう十年、十五年、二十年かかってしまうかもしれない。いつまでに公立の小中学校の耐震化を終わらせるのか、それをちょっと具体的にお聞かせをいただけますか。

渡海国務大臣 学校耐震化という問題について、これは笠先生と、笠先生は文部科学委員会所属でございますから、認識は基本的にそれほど違わないというふうに思っております。いろいろな理由を挙げるのは簡単だけれども、そういうことをどうやって乗り越えていくのかという課題がやはり最大重要なんだろうというふうに私は思っております。

 地域で地方自治体がいろいろな計画をされておりますから、そういうことを全く無視してやるというわけにもやはりいかないだろう。そういう中で、これまで鋭意やってきて、今やっと十九年度の初めで六割弱。これを加速していって、できる限り早くやりたいというふうには考えております。

 ただ、一つの目標としては、非常に危険度の高いもの、Is値という耐震の指標がございまして、これが〇・三未満だと震度六強で倒壊するおそれがあると言われておりますが、こういったものについては当面五年以内に一万棟と言われているものを完成させようというふうに現在のところ一応決めております。

 しかしながら、果たしてそれでいいのかという疑問は私も持っておりますから、鋭意これを加速することが何とかできないかということを、今、全体の状況もさらに把握をして検討させていただいておる。いつまでも検討するつもりはありません。できるだけ早くこういったことについても結論を出したいというふうに考えているところでございます。いつまでにできるか今すぐ言えと言われても、ちょっと。もう少しお時間をいただきたいというのが今の現状でございます。

笠委員 ただ、これは文科省だけの問題じゃなく、少なくとも公立の小中学校の施設ぐらいは、今大臣おっしゃった、この五番目の資料の特に危険なもの一万棟、これは、震度六以上の地震が来たら、あしたにでも来るかもしれません、そしたら本当に倒壊する可能性が高いわけですね。幸いなことに、これまでいろいろと大きな地震が起こった中で、その時間帯だとか、あるいはそれがたまたま週末だったとかということで、子供たちが地震で犠牲になったケースは近年ないんですよね。しかし、それは本当にたまたまなんですよね、早朝に地震が起こったとか、あるいは週末、休みのときだったとか。授業中にこれが起こったら、こういう一万棟で勉強している子供たちは本当に犠牲になる危険性が高いわけです。

 私は、だからこれは五年なんて待っていられないと思いますよ。渋滞だとかあかずの踏切だとか道路とかはちょっと待ってもらってもいいけれども、こういうのは本当に、財務大臣、やはりお金を使ってしっかりと、一万棟についてはこの二年でやる。そして、八千五百九十五棟が、まだ診断すらされていない。だから、この一万棟はまだふえるかもしれないんですよ。もっと言えば、耐震性のないものすべてに対して、やはり五年ぐらいですべてを終わらせよう、特に急ぐものについては急いでいこうと。

 これは恐らく二兆、三兆かかっていく話かもしれないけれども、やはり、そういったことについては最優先で予算を使っていこうじゃないかというような計画を、私は、こういうことこそ政府で具体的な計画を立ててほしいですよ。

 五十九兆円の道路の予算を立てるんだ、それも根拠がない。でも、こういうのは、明らかにこれに使いますよと、国民の皆さんはみんな納得してくれますよ、子供たちの安全のために。ぜひ財務大臣、よろしくお願いいたします。

額賀国務大臣 笠委員おっしゃるとおり、極めて大事なことであると思っております。学校設置管理者の町村でしっかりと優先順位を決めて、そういう危険なところをできるだけ早く解消していかなければならない、そのためにも我々も積極的に対応していきたいというふうに思っております。

渡海国務大臣 きょうは総務大臣もいらっしゃいます。冒頭に申し上げましたように、地方の問題もございます。それ以上に、地域で学校に対していろいろな計画がございます。統廃合の問題等々をすべてどういう形でクリアしていくか。長く話すつもりはありませんが、ある程度古いものに対して、やはりこれは地域の建てかえの計画というものにも多少はこたえていかなきゃいけない。

 要するに、耐震化しても長い間使えないということであれば、これは、こういったことに対応していくということでいろいろな知恵を出して、例えば規模を縮小してやっておられるようなところもありますし、PFIでやれるかどうかということも今検討していますが、PFI的手法、これは我々、議員立法の発案者でありますから、そういったことも全部総合的に判断して、できるだけ早急に、いわゆる金だけの問題じゃないということも御理解をいただきたいというふうに思います。

 気持ちは同じだということは申し上げておきます。

笠委員 時間が参りましたので終わりますけれども、冬柴大臣、最後に一つだけ。

 だから一般財源化なんです。大臣の尼崎市でも一四・三%ですからね、耐震化。非常に子供たちがかわいそうですよ。だから、道路よりもやはり子供たちの安全です。

 そういうことも含めて、一般財源化をしっかりと図っていただけるよう申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

逢沢委員長 これにて笠君の質疑は終了いたしました。

 この際、御報告いたします。

 去る八日の当委員会における町村官房長官の答弁中、不適切な部分がありましたので、理事会において協議いたしました結果、委員長において会議録上、適当な措置をとることといたしました。

 なお、昨十二日の馬淵君の発言における当該部分を引用した箇所についても同様の措置をとることといたします。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

逢沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 政府参考人として環境省地球環境局長南川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 質疑を続行いたします。細野豪志君。

細野委員 午前中に引き続きまして民主党の時間ということで、質問させていただきたいと思います。

 早速、きょう初めの議題といたしましては、中国のギョーザの問題、そのことについて幾つかまず確認をさせていただきたいと思います。

 きょうは、先週中国に調査に行ってこられました調査団の団長である原嶋内閣府国民生活局消費者企画課長に来ていただいております。調査の成果についてお伺いをしたいんですが、漠然と聞いてもなかなかお答えをいただけないというふうに思いますので、特に団長、原嶋課長にお伺いをしたいのは、メタミドホス、これが工場で管理のされ方として問題がなかったのかどうかということ、さらには、これは去年の一月から中国国内においては製造、販売、使用が禁止をされているということになっているそうでありますが、その辺のチェック体制がどうなっていたのかということ、これが調査の主題だと思いますので、その部分についてお答えをいただきたいと思います。

原嶋政府参考人 お尋ねのメタミドホスの件でございますが、工場を視察しまして、あと、工場の記録等を見てみますと、当該工場におきましてメタミドホスが使用されたことはないというような説明がございまして、また、そうした記録等も見つかっていなかったということでございます。ですから、当該工場ではメタミドホスは使用されていなかった可能性が高いというふうには考えております。

 また、メタミドホスの製造、販売についてですけれども、二〇〇七年一月から禁止されているという説明がございました。先方は、法制度上の流通はそういう形で禁止されているという説明がございまして、ただ、実際にそれが流通段階でどのような取り締まりになっているのかということにつきましては、必ずしも十分な説明はいただいておりません。

 以上でございます。

細野委員 わざわざ現地まで行ってこられたわけですよね。

 もう一回確認をしますが、工場の中においてメタミドホスが使用されていないということをどういうふうに調査をしたのかということが一点。

 もう一つは、一年前から使用していないという説明を聞いたということですが、農水省の方も厚生労働省の方も行ったわけですよね。国内で農薬のチェックをしている体制、食品の安全についてチェックをしている体制の責任者も行っているわけですよね。それが中国の中でどういうふうにチェックをされているか、それを見に行かれたんじゃないんですか。もう一度御答弁ください。

原嶋政府参考人 どのようにチェックをしたかという御質問かと思いますけれども、基本的に、工場関係者、あるいは検検総局といいまして日本の厚生労働省に相当するような当局でございますけれども、そちらの方の責任者等からお話をお聞きしまして、実際にそういうのを使って中国側も調査したわけでございますので、そういうのが調査の結果出たのかどうかということをお聞きして、その結果、出ていないということでございます。

 あともう一つ、製造、販売等につきましては、もしその薬品を購入したのであればその記録が残っているはずなのでございますけれども、そういう購入記録等を調べてもメタミドホスを購入した記録はない、またそういう書類も見つからなかったということで、使われていない可能性が高いというふうなことで判断したところでございます。

細野委員 再度確認しますが、課長、では、どのように中国内でメタミドホスが回収をされたか、どれぐらいの量がどうやって回収されたかについて、きちっとチェックしましたか。

 要するに、この時期まで販売されていたわけですから、この一年間、どういうふうにそれが流れたかわからないわけですよね。それをどういうふうにチェックして、どういうふうに回収しているのか。さっき販売の話をされましたが、回収についてチェックをされましたか。

原嶋政府参考人 回収につきましては、回収をしているということで、時間的に必ずしもそこまで十分聞く余裕がなかったということではございませんけれども、回収はしているという説明をお聞きして、それ以上の質問はこちらからしていなかったかというふうに思います。

細野委員 これは、大臣の皆さんも関係者が多いので聞いていただきたいんですが、今回わざわざ中国に行ったその最大の目的というのは、メタミドホスのこの問題にあるわけですよ。工場内をどのように調べるかということについては、これは警察ではありませんから一定の限界があることは、今の中国と日本との条約が結べていない、締結がきちっとできていない、批准されていないという状況を考えれば、やむを得ないところはあると思います。

 ただ、私は、きのうも部会でも質問したし、きょうも改めて質問して感じるんですが、行政をチェックする立場の人が行っているんですから、中国側がメタミドホスをどういうふうに回収したか、これを調べるのは、私は調査の肝だと思うんですよ。それをやられていないということについて、皆さんがどういうふうにお感じになるかというのをぜひ考えていただきたい。

 それについて今聞いても適切な答えは出てこないと思うので、町村官房長官、来ていただいていますので質問させていただきますが、ずっとこの経緯を見ていまして、いかにもこれは準備不足です。行っている方も準備不足。その準備不足の最大の原因の一つは、私は調査がおくれたことにあるというふうに思っています。

 私ども民主党のこの問題に対する対策本部の担当者が、二月一日に官房長官のところにお伺いをして、中国に調査団を出すべきではないですかという要請を既にしております。官房長官、覚えていらっしゃいますね。そのときに官房長官はどういうふうにおっしゃったか。中国の主権を侵害する可能性があるので調査団は難しい、そういうふうに答えられています。私は少なくともそう聞いています。

 官房長官、お伺いしたいんですが、一月三十日に、厚生労働省、関係者を含めてこの問題は明らかになったんですね。一月三十一日に、中国側は日本に対して、訪日団を出したいと言ってきて、受け入れについて連絡調整を始めているじゃないですか。なぜ被害を受けた日本側の調査団が、次の日の二月一日の時点で官房長官がまだこんな発言をしていて、その前の日に中国側からの受け入れを決断しているんですか。これは明らかに本末転倒じゃないですか。この準備不足があったから、今の調査報告になっていると私は思います。

 官房長官、私どもの要請も受けていただきましたし、内閣のかなめでありますから、この一連のやり方について、どのようにお感じになるか、お答えをいただきたいと思います。

町村国務大臣 民主党初め各党の皆さん方が御要請に来られました。それぞれお目にかかりました。そのとき、私も正確に、一言一句、発言した言葉を今記録にとっているわけじゃございませんが、日本側がそうした調査をすることは先方の主権があってできないといったようなことを私は申し上げた記憶はございません。

 しかし、いずれにしても、原因究明がまず第一であろうということで、国内でまず調査をやっていたということであります。確かに、先方からは若干早くそういう要請があったことは事実でございましょうが、しかし、私どもとしてはかなりスピーディーに、いろいろな体制をとる、国内的な体制、海外の調査等をやってきたつもりでありまして、初動が一日向こう側と時差があったからそこで何か決定的な立ちおくれがあったとか、そういう御指摘はどうも私には正直言ってよく理解ができません。

 残念ながら、今日に至るも、原因究明というところをとらえてみると、いまだに原因がはっきりしないという状態が続いていることは大変残念なことであるし、鋭意、警察初め関係者が努力をしているという最中でございまして、その原因究明をする傍ら、今後、こうしたことが再発しないのにはどうしたらいいだろうか、こういうことで、そちらの詰めも今同時に始めているという段階でございます。

細野委員 後ほど岸田大臣にはいろいろお伺いしますので。

 この問題は、ちょっと建設的に私ども提案をしたいと思っていまして、余り揚げ足をとりたいとは思わないんですね。ただ、官房長官、今の発言は間違っています。二月一日に私どもが行った日には、調査団については出せないというお話をされました。そして、四日から出していますが、少なくとも私どもが担当者から聞いているのは、出すと決めたのは二月三日じゃないですか、どうですか。

町村国務大臣 二月一日の時点で私が出せないと断言した記憶はございませんが、日本政府として、そのころ頻繁に関係閣僚が集まったり、局長が集まったり、会議をしておりましたものですから、いつの時点で我が方が調査団を出すか決めたのかはちょっと、詳しい資料を持っている担当の方からお答えをさせます。

細野委員 後ほど聞きますから、ちょっと岸田大臣、待ってください。

 どたばたで行ったんですよ、三日に。少なくとも私どもが聞いているところでは。そういう状況の中で、調査の結果はこういうことであるということについては、私どもは問題点を指摘しておきたいと思います。

 ただし、過去のことをうだうだ言っても国民の食の安全は守れませんので、前向きな話を二点、三点、私の方から提案をさせていただきたいと思います。

 まず、厚生労働大臣、食の安全に関するリスクを管理する最大の役割を担っているのは、厚生労働省ですね。厚生労働省の中でリスク管理をするときに、例えば販売を停止する、輸入を停止する、それを決断するときには、必ず薬事・食品衛生審議会というのは開催をしなければならないことになっていますね。食の安全において、過去いろいろありましたけれども、これほど国民が大きなリスクを感じていることはないんですよね。

 私が不思議でならないのは、なぜこの審議会をいまだに開いていないのか。厚生労働省として、リスク官庁として、それをきっちり開いて、そこに諮るということをなぜしないのか、私はそれが疑問でなりません。

 厚生労働大臣、もう事件が発生をして二週間以上たっていますよ。この状況の中で、リスク官庁として責任を果たしていると言えますか、これで。御答弁ください。

舛添国務大臣 厚生労働省としては、この案件が発生して以来、総力を挙げて取り組んでおります。例えば、千葉、兵庫、こういう事案が本省に上がってこない、こういうことについて、食品衛生法の適用を弾力化して、疑わしきは上に上げろとすぐ私は指示を出しました。そして、全力を挙げてやっております。

 ただ、薬事・食品衛生審議会を開催して審議するということは、これはやる必要があると思いますから、具体的には来週の十八日の月曜日にこれを開催して、特に、その審議会の中に食品衛生分科会というのがあります、ここで専門的見地からいろいろ御議論をいただく。ですから、危機管理、とにかく今省が持っている手段を使ってやる。

 それで、実を言うと、薬事・食品衛生審議会に諮ることは、例えば食品衛生法の八条を発動して、とにかく中国からのものは全部とめてしまう、こういうことのときには、この審議会に諮らないで大臣が勝手にやってはいけません、非常に重いことですから。だから、具体的に言うと、例えばある国で原子力発電所の事故があった、放射能汚染が想定される、こういうようなときはこれをやらないといけない。

 ですから、そういうことの前提としてこの審議会があるわけで、まあ、誤解があるといけませんので、すぐ八条を発動するということではありません。ただ、そういうことがありますから、今持てる手段をやって、危機管理をやりながら、そして月曜日に今御指摘の薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会を開きたい、開くことを決めました。

細野委員 一回で輸入停止とか、一回で販売停止なんということは、これは難しいですよ。この審議会の委員の皆さんも、当然何回かヒアリングをして、状況把握をして、その中でどういう決断をするかという話ですよね。その一回目がまだ開かれていないんですよ、二週間たって。事務方にちょっと聞いたら、委員の皆さんの日程調整がなかなか難しいんですみたいなことをきのう言っていましたよ。何のための審議会ですか。何のための分科会ですか。きちっと検討できるようにさっさとやるべきでしょう。

 十八日ということですので、それについて今はもうこれ以上言いませんが、明らかに初動が厚生労働省は遅いと私は思います。

 もう一点、今、岸田大臣が中心に消費者行政推進会議というのをやっていただいていて、これ自体はいいと思います、体制が整っていないので。

 ただ、それを、きのうやられた会議によりますと、五月までかけてじっくり決めると。じっくりと、役所の中でいうとじっくりではないのかもしれないけれども、今の国民が抱えている不安からすると随分悠長な話に聞こえるわけです。それまでに何ができるのかということについても考えていただきたいし、ぜひ関係大臣にはここで御決断をいろいろいただきたいと思っていることがあります。

 その一つが検疫体制です。この検疫の問題は私もずっと非常に関心がありまして、過去から調べてきたんですが、まず、検疫の問題について直接かかわるのは厚生労働省ですね。いわゆる検疫官というのは人の疫病なんかのチェックをしていますから、直接やるのは食品衛生監視員。数が全国で三百三十四人。例えば大きな空港であるとか港の検疫所には結構いますが、例えば地方の、私の地元の静岡の清水港には一人とか二人しかいないんですよね。それでチェックをしています。

 実際にどれぐらいチェックができているかということを調べてみると、件数ベースで、農産品については一五・八%、加工品に関しては件数ベースで四・二%。厚生労働大臣、これは件数ベースですからね。件数ですから、量でいえばこんなものじゃないですよ。本当にほんの一部しかチェックできていないのが検疫体制なんですよ。

 まず、大臣にお伺いしますが、厚生労働大臣、この食品衛生監視員の数で本当に、国民が今六〇%以上の食物を海外に頼っているわけですね、チェックのできる体制になっているというふうにお考えですか。簡潔に御答弁いただきたいと思います。

舛添国務大臣 輸入食品の安全性をどういうふうにして保つか。例えば今委員が御指摘の食品衛生監視員、これもできれば増員をしたいということで、これまでも、平成十七年三百名、それが十八年三百十四名、平成十九年三百三十四名、そして平成二十年三百四十一名というぐあいに、着実に、限られた予算の範囲内で要求を出してやっております。

 そのほかにも、輸入業者を指導して、例えば今回のように中国で加工食品をつくっているんなら、その段階でまず見てくれる、それから、輸入した段階で輸入業者もきちんとモニタリングをやりなさい、そういうことを指導しております。

 ですから、引き続き輸入食品の安全体制の拡充をしたいと思いますし、それから、食品衛生監視員だけじゃなくて、検査の機器、こういうことを導入する。

 それから、例えばキャベツなんかが入ってきたときはサンプリングしてやりやすいんですが、加工品のときに、サンプリングをやるにしてもどこまでやるか。つまり、ギョーザの中身について、その使ったニラであるとか野菜であるとかお肉であるとか、そういうものの原産地、その材料がオーケーだということでやっていて、今回のように例えば途中で毒物が混入されるというようなことについては、委員がおっしゃるように、なかなか難しいと思います。

 引き続き、監視員それから検査機器の近代化、改善ということに努めていきたいと思いますので、それは全力を挙げて努力をしてまいります。

細野委員 農水大臣にお伺いしたいと思います。

 検疫所には植物防疫官という方がいらっしゃいますね。植物防疫官というのは何をやっているのかというと、これは、例えば害虫が穀物に入っていないか、病原体が植物を通じて入ってこないかというのをチェックしていますね。これは調べると八百六十五人いるんです。

 食べ物もこれを通ります、食品も。通るときに、植物防疫官は害虫をチェックしている。それをクリアしたものを、今度厚生労働省が農薬のチェックをしている。この二つ、別々にやっていますね。

 これは私、提案なんですが、技術的な話も聞きました。いろいろ専門でいえば、それこそ農業を専門にしている方がかなり入っていますね、検疫所にも植物防疫の方にも。国民からすれば、それは害虫がついているかどうかも大事かもしれないけれども、最後腹におさまるときに安全かどうかということに関心があるんですよ。これはぜひ一緒にやっていただきたいんですよ。できますから、技術的にも。

 どうですか、農水大臣。

若林国務大臣 まず、植物検疫のことについて御理解をいただきたいと思います。

 今委員がお話しのように、植物検疫は、植物に有害な病虫害から我が国の農業生産を守るために病害虫の侵入を防止するための措置として実施しているものであります。輸入した空港あるいは港などにおいて、野菜とか果物、穀物、花、種苗、木材といったような植物全般を対象にしまして、それについています害虫だとか病気だとか、そういうものが付着しているかどうかということを検査するわけでありまして、厚生労働省が行う食品の安全の観点からの検査とは本質的に質的に違っているわけであります。

 植物防疫官が現在八百六十五人全国に配置されておりますが、実はまだこれでも十分ではないというほど忙しく仕事をしておりまして、それぞれ各空港が開設されるごとにその空港にも配置しなきゃいけないというようなことで、実際は、出張をして、便が着くときにそこに出かけていってチェックするというようなことも含めながら、精いっぱいの仕事を今しているところでございます。

 この植物防疫というのは世界各国それぞれがやっておりまして、例えば日本の国のように徳川時代ずっと閉鎖していたところは、非常に病害虫は少ないんですね、オープンになっていませんから。そういう少ない我が国に、他国においてあります害虫が入ってきたときは、もうかなり大変な広がりで害虫が広がっていくわけですが、これを防除するというのは物すごく大変なんですね。

 そういう意味で、水際できちっとチェックをするということは、国際的にはほとんどの近代的な国家ではみんなやっておりまして、そして、ある国から入ってくるものは認めるけれども、ある国から入ってくるのは認めないといったような仕組みを、非常に精密な仕組みをとって検疫をしているわけであります。今委員が御提案のように、組織をどうするかというのは、今後、検討は内閣全体として行われると思いますけれども、少なくとも、やっている仕事で手間暇があるからというようなことは全く考えられない。

細野委員 かつての農林水産省の見解をそのまま今大臣はおっしゃったわけですね。

 農水省も、今回、現地に調査団を出しましたね。しかも、食品安全情報分析官というような、食の安全に関する資格をたくさん設けられています。かつて、鳥インフルエンザが蔓延をするということになったときに、鳥同士のものは農水省がやって、人間に蔓延をすると厚生労働省がやる、鳥から人間に行くのはどうするんだという話がありましたけれども、今の答弁はそれと同じじゃないですか。

 農水大臣、植物防疫そのものの必要性を否定する気は私は全くありません、それはやっていただかなきゃなりません。ただし、今これだけ食の安全が問題になってきて、明らかに食品の方のチェック体制がおろそかになっているんですよ、これは現実的に。そのときに協力をしてお互いにやれる余地はありませんかということを聞いているんです。

 ないんですか、あるんですか。可能性は否定をされますか。お答えください。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

若林国務大臣 いろいろと連絡をしていく必要性はあると思います。現に、いろいろな物品が水際で入ってきたときには、まず目視検査をしています、見て検査をするんですけれども。その後、ここでこういう商品が輸入されてきている、こういうのがあるということを検疫官、厚生労働省の方の検疫所の方に連絡をし、検疫所の方は違う角度で、担当は別ですから、そこでチェックをするということであります。技術的には全然違いますからね、検査の中身が。

 そういう意味では、農林省の方が先に目視検査をして、その後それを必要があれば厚生労働省の検疫官が検査するというような連携はとっております。ですから、それをやるかやらないかは厚生省の方の判断であります。

細野委員 残念ながら、農水大臣の御答弁からは、積極的にそれを一緒にやろうという話は出てこないですね。

 では、もう一つだけ聞きます。

 これは舛添厚生労働大臣に聞きますが、中国に、現地に何らかの人を派遣するという話が出ていますね。民主党はマニフェストの中で、国際食品調査員というのを各国に常駐させるということを提案しています。

 これは確認をしたいんですが、厚生労働省として派遣をする、農水省とその辺はどういうふうに協力するのかも含めて、今どういうふうにお考えになっているのか、御答弁いただきたいと思います。

舛添国務大臣 民主党の皆さん方が、国際食品調査員の派遣を、食料の輸出国に置かれるということを提案なさっていることはよく存じておりますが、一番の問題は、要するに、検査をする、査察をするというときに、中国の主権の中でやるときに、ある意味では公権力の行使になる。これについて、中国当局と折衝して、それはやっていいですよとなれば出すことも可能だということと、ただ、もう一つは、それをやっていただいても、どうしても、やはり輸入のときにもきちんとやらないといけないというようなことがあります。

 それで、では何もやらないかというと、三年前に日本の厚生労働大臣と中国の厚生労働大臣が覚書を交わしまして、積極的に協議をやろうということで、具体的には、例えば平成十九年度は合計五回、協議や現地調査をやっています。昨年の四月、三日間にわたって現地調査をやって、ホウレンソウそれからチンゲンサイについて、これは我々日本の担当が行って現地を見てきた。それから十一月には、やはり冷凍ホウレンソウの農薬についての調査を現地でやって協議をやっている。ですから、何もやっていないということではなくて、中国側と協議をして、年に五回ぐらいそういうことをやっているので、これで一つ担保できる、相当頑張ってやっていますということ。

 もう一つは、公権力の行使ということになると、今考えていますのは、実は、厚生労働省から中国の大使館に三人派遣しております。しかし、その中に食品の専門家がおりません。むしろ、残留孤児なんかの担当の者がおります。ですから、これは外務大臣や関係省庁と協議をして、そういう食品の担当の常駐の役人というか外交官というか、役割は外交官になりますから、北京の日本大使館に置く、こういう方向で今解決を図ろうというふうにしております。

細野委員 ぜひ出していただきたいと強く思います。

 その際に、先ほどもちらと申し上げましたが、農水大臣、ことしの四月から、食品安全情報分析官というのが農水省の中に二人設置をされることになっているんですね。これを見ると、食品安全施策や食品事故等の情報を継続的に収集、整理、蓄積、分析し、行政部局に提供するとともに、食品安全分野にかかわる政策検討を支援すると書かれているんですね。まさにこういう仕事なんですよ。

 それぞれ、農水省は農水省でそういう資格をつくる、厚生労働省は厚生労働省で、では派遣をするということを検討するときに、私は、この二つの省庁がどうまともに連携できるのか、場合によっては一緒にできるのかということがかぎを握ると思っているんですが、残念ながら、先ほど農水大臣の御答弁からはそういう熱意は全く感じられませんでした。

 岸田大臣にお伺いしますが、ことしの五月にそういう新しい組織ができるというのは、これは結構です。ただ、やれることはもう既にあるんですね。検疫体制をきっちり、本当の意味で連携をしてやっていくこと、そして、中国に派遣をするなら派遣をして、ちゃんとそこでチェックをできる体制を整えること、そのあたりを早急にやっていただきたいと思うんです。岸田大臣、御答弁をお願いします。

岸田国務大臣 まず、その前に一つだけ。

 先ほど、調査団の対応について御質問をいただきました。準備不足ではなかったか、メタミドホスの廃棄、回収について質問をしていないのではないか、こうした御指摘がありました。

 これにつきまして、日本の調査団からは、中国側に対しまして、二〇〇四年以降のメタミドホスの月別回収量、あるいは回収指示文書、あるいは廃棄方法と廃棄量の記録、あるいは回収した製品の写真、二〇〇六年と二〇〇七年の生産流通量、これはすべて河北省内の数字でありますが、資料要求をさせていただいております。そして、すべて外交ルートを通じまして日本側に提供するという回答をもらっておりまして、今その到着を待っているところでございます。メタミドホスの廃棄、回収につきましてもしっかり確認をしたいと思っております。

 そして、御質問ですが、まず、五月までに消費者行政の一元化について議論をするということでこの推進会議もスタートしたわけですが、これは、今回の事案につきまして五月まで結論を待つということでは決してございませんで、今回の案件につきましては、関係閣僚会議あるいは連絡会議等を通じまして、まずは被害の拡大防止、そして原因究明に努めると同時に再発防止策、この具体策を今至急に取りまとめを行っているところです。

 そしてその中で、まずは、今回の反省に立って、情報の集約、一元化という課題、そしてこうした緊急事態に対する危機管理体制のあり方、そして三つ目としまして、こうした輸入食品の検疫ですとか食品管理の問題、こうした三つの課題を中心に今具体策を取りまとめているところであります。

 今回の事案に対する再発防止につきましても、原因究明とあわせて早急に再発防止策を具体化しなければいけないということで今作業を進めておりますので、この再発防止策につきましてはもう早急に取りまとめる、そしてこれを参考にしながら消費者行政の一元化の議論は進めていくということでありますので、これはしっかりと整理をして対応を考えたいと思っています。

細野委員 今回、岸田大臣が負っていらっしゃる責任というのは非常に重いと思うんですね。

 ぜひお願いをしたいのは、厚生労働省に手を突っ込む、農林水産省に手を突っ込むことについてはちゅうちょをせずにやっていただきたいということ。そこがきちっと手を突っ込めて、役割をある程度集めてやれなければ、今回の件というのはまた魂を入れずという形になってしまいますので、それをぜひ私の方から強く求めておきたいというふうに思います。

 では、岸田大臣、もうこれで結構です。外務大臣も、済みません、せっかく来ていただいたんですが、厚生労働大臣にお答えいただいたので、これで結構でございます。ありがとうございます。

 この食の安全の問題は、党内でいろいろ議論をする一方で、私は今、農政を担当しておるものですから、地元でこの話をする機会が非常に多うございます。その中で最近感じますことは、本当にこの日本の自給体制で食の安全を守れるのかということについて、消費者の皆さんが非常に強い関心を持っていらっしゃるということ。そして、これまでは、例えば農業の政策について必ずしも関心を持たなかった都市部の住民の皆さんの中にも、日本の農業政策は一体どうなっているのかという声が非常に大きくなってきていることを強く感じております。

 まず、農水大臣にお伺いしたいのですが、例の品目横断が始まって間もなく一年ですね。農水省は、小規模の農家に対する配慮を今回の予算の中でメニューとしてずらりと並べています。これまで四ヘクタール以下についてはなかなか補助金が出せなかったところの要件の緩和についても、県知事であるとか市長さんが言ったら出せるようにした。これはいろいろな声があってこういうふうにされたと思うんですが、この基準の撤廃についてはお考えになるつもりがあるのかないのか。私どもは前から基準を撤廃すべきであるということを申し上げていますが、農水省としてのお考えをお伺いしたいと思います。

若林国務大臣 結論から申し上げますと、基準自身、原則は、撤廃する気持ちはありません。

 日本の農業の最大の問題は、土地利用型農業にございます。土地利用型農業のうちでも代表的な、水稲でございます。ほかの部分、畜産とか果樹とか花だとか、それぞれの分野はいわば主業的農業者、農業で生活をしているという人たちの供給量が大体七割から九割、大部分をそういう人たちが供給する効率的で安定的な生産供給体制ができてきているわけでありますけれども、米については、主業的農業者が大体三分の一弱、それから、いわゆる兼業で、片手間でやっておられる人たちがやはり三分の一といったような構造が余り大きく変わっておりません。

 しかし、今問題になっておりますのは、農業基本法にもありますように、効率的で安定的な経営体が国民食料の相当部分を供給できるような体制にして効率を上げていくということが最大の課題であり、そのことは新しい農業基本法の中でも明確にされているところでございます。

 そういう筋書きで、一番おくれている水田農業につきまして、規模の拡大をし、そして、単一経営で難しい場合には、集落営農組織を育成しながら、そのような能率的な経営で相当部分が供給できるような体制に持っていこうというのが基本的な方向でございます。その方向を変えるつもりはありませんが、今委員がおっしゃられたこの基準については、大変な特例を今までも設けてきております。かなりの部分はその特例措置で対象にし得るようにしているわけでございます。

 このたび、委員がおっしゃられましたように、市町村の特例という項目を設けまして、きめ細かに市町村段階で、担い手として、認定農業者として、地域としてみんなが認めているような生産者については対象にしていこう、こういうふうにしたところでございます。

細野委員 大臣、品目横断を鳴り物入りで導入をして、大規模化とおっしゃって、一年たたずにもう基準を見直しているんですよ、県知事による認定を設けたり、市長による認定を設けたりして。大臣、わずか一年ですよ。そもそも、これだけ大きな制度変更を迫られているのは、一番初めの制度設計に問題があったということじゃないんですか。御答弁ください。

若林国務大臣 基本的な制度設計に問題があったとは考えておりません。

 今回の見直しは、面積要件の見直しと、新たな予算上の推進措置を講じていく、あとは手続関係の簡素化でございます。

 面積要件の見直しについては、先ほど知事の特認というお話がありましたが、それは今の制度の中にも入っているんです、知事の特認制度は。それにかえて、新たに市町村の特認の制度というのを設けたところでございまして、集落営農組織に加入する場合の指導の弾力化でありますとか、あるいは市町村レベルの認定農業者の年齢制限について、画一的な制限が町村段階でなお残っているという意味で、これを弾力化するとか、そういうようなことを見直したところでありまして、基本的な仕組みについては見直しておりません。

細野委員 私は、一年前と比較をしても、農業を取り巻く環境というのは相当変わっているというふうに思っています。

 資料の二枚目につけておきましたが、大臣、お配りをした資料の二枚目です。これは、農林水産省がつくった資料です。私は、役所がつくった資料というのは余りこういうところで引用するのは好きじゃありませんが、この資料は非常によくまとまっていてよくできていると思ったので、引用しました。

 去年の末あたりから、各国が農産物の輸出に規制をかけるようになってきた。かつては考えられなかったことです。食料の輸出国というのは、輸入国に対して、関税を下げろ下げろということを非常に強く言うのがこれまでのやり方だった。それが、ロシアもウクライナもアルゼンチンも、国内の供給を優先して、輸出を制限するようになってきた。自国の国民をまず食べさせるのが第一ですから、それが満たされた後に輸出をするということになってきた。これは、環境の大きな変化ですよね。その環境の変化に今の農政は果たして対応できているんだろうか、このことに私は非常に強い疑問を感じています。

 一つ私が非常に先見性があるなと思っている報告書があるので、大臣に、よろしければぜひごらんをいただきたいんですが、一九八〇年に、大平内閣の時代にできた総合安全保障研究グループの報告書というのが出ています。これは、私も大学で授業を受けました高坂正堯先生が主軸になってつくった報告書なんですが、その中に「食糧安全保障」という欄があります。そこにこう書いてある。「自助努力としては、緊急時の食糧増産が可能となるよう、高い潜在生産力の維持のほか、国から消費者レベルまでの備蓄の拡充、緊急時の流通システムの検討が必要である。」と書いてあるんですね。

 これを本当に思い出して今やらなきゃならないぐらい世界の食料の状況というのは逼迫をしているというふうに私は思います。

 最後に、大臣にもう一つだけ聞きます。

 今、耕作放棄の割合は約一〇%ですね。中山間地に行くと一五%ですよ。私の地元の平場においても耕作放棄地が出てきています。基幹的農家の平均年齢はもう六十五歳です。本当に農業をやめようという人がいっぱいいるんですよ。今の農水省の政策で、本当にこの潜在生産力は維持できますか。耕作放棄をしているところは、二、三年たったら、米をもうつくれませんよ。これで本当にやれますか。それを責任持ってやれるとおっしゃるのならば結構ですが、耕作放棄、これはますますこれから高まりますよ。平均六十五ですからね。中山間地に行ったら、よく御存じですよね、七十歳、七十五歳で最後の力を振り絞って農業をやっているんですよ。やれますか。お答えください。

若林国務大臣 耕作放棄地が年々拡大をしておりまして、今、三十九万ヘクタールということになっていること、大変大きな問題だと認識しております。

 耕作放棄地のうち限界生産地のような、山の方で、耕作が難しくなっている、無理してつくってきたというような部分もありまして、これらをもう一度仕分けをした上で、それらの土地については国土保全の観点で植林をしていくとかいうことをしながらも、耕作可能なものについては、計画的にこれを利用するような体制について、農地制度の改正、法改正を含めて検討をし、全力を挙げてこれに取り組むつもりでおります。

細野委員 大臣の答弁は非常に残念ですね。国際的な食料関係はそんなに甘くないですよ。日本の国内に食料が来なくなる可能性はこの十年以内に十分あり得ると私は思いますよ。潜在的にきちっと生産ができるような体制を整えていかないと、国民が安全な食料を食べられなくなる可能性がありますよ。

 限界的な部分も含めて、今農業をやってくれるという人は皆さんありがたいんですよ、兼業もありがたいんですよ。そこも含めて、どうケアするかということを我々は一生懸命考えています。残念ながら農水省はその具体的な姿というのが見えてきませんから、きょうこういう議論をして、大きく政策に隔たりがあることはわかりました。これは選挙の争点にもなるでしょうから、そういう形で、私どもとしては政策を進めていきたいというふうに思います。

 もう御答弁は結構でございます。農水大臣も、もうこれで私質問を終わりますので、結構です。

 それでは、引き続きまして、埋蔵金の問題に入ってまいりたいというふうに思います。

 きょうも午前中、埋蔵金については、額賀大臣が幾つか答弁をされていましたので、私も聞いておりました。

 まず確認をしたいんですが、パネルでも示しております。特別会計に、二〇〇六年の三月三十一日の時点で、資産から債務を引いた部分で六十八兆円資産超過になっている。独立行政法人に同じ試算をすれば、十六・七兆円資産超過になっている。念のため申し上げますが、特別会計には年金とか保険とか国債の関係のは全部入っていません。全部除いて、積立金として取り崩せる可能性があるものだけに限定しても六十八兆円あるという計算をしました。そのうち幾ばくかは取り崩しをしていますが、まだ相当あります。そしてさらに、後で具体的に指摘をしますが、いわゆる公益法人にも同じように十一・一兆円の資産超過があります。

 これだけ数がはっきり出ているにもかかわらず、きょうの午前中も先日も、埋蔵金はないんですと。たしか広辞苑を引いて、「うずめかくすこと。うずもれていること。天然資源が地中にうまっていること。」そういうものはないんですとおっしゃいました。大臣、御見解は変わりませんか。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

額賀国務大臣 今、特別会計にしても独立行政法人にしても、それぞれみんな、毎年度、国会でも議論されておりますし、それから損益計算書も明らかになっておりますし、みんなオープンになって、ホームページにも出されておりますから、衆人環視のもとでございます。

細野委員 埋蔵金というものは後ほどやりたいと思うんですが、一つだけ横道にそれます。大臣、大臣は言葉がわからないときは広辞苑を引かれるようですね。わざわざ広辞苑をこうやって引っ張られたんですから。

 ちなみに、暫定というのは広辞苑で何と書かれているか、お引きになりましたか。引いていらっしゃらないんだとすれば、暫定というのはどういう意味と大臣は解釈をされているでしょうか、お答えください。

額賀国務大臣 字をそのまま読めば、しばらく定めるということですね。

細野委員 「本式に決定せず、しばらくそれと定めること。」仮に取り決めることとあるんですね。

 先日、大臣は、広辞苑を引いて、埋蔵金はないと否定をされました。では、この暫定という意味で、この十年間の税率の維持というのは、かりそめに定めることと、大臣がお好きな広辞苑に即して、合っているというふうにお思いですか。十年は暫定ですか。

額賀国務大臣 今、委員は道路特定財源等のことについてお話しなさっているのかと思いますけれども、これは今までは五年ごとに見直しをし、と同時に、日本の場合は単年度主義でありますから、毎年毎年、国会の中で議論をし、予算と歳入が決められてきたわけでありますから、それは、委員が言うように、十年で道路特定財源が一律的に固定的に決められているとは思っておりません。

細野委員 ここは余り、こればかり議論してもしようがないんですが、大臣いいですか、せっかく広辞苑を大臣自身が引用されているんですから、忠実に考えてください。十年は、仮に取り決めること、しばらくそれと定めること、この定義に合致すると思いますか、その部分について御答弁ください。(額賀国務大臣「何。もう一度」と呼ぶ)

 申し上げるので、しっかり聞いていていただきたいんですけれども。

 しばらくそれと定めること、仮に取り決めること、この広辞苑の定義に暫定というのは合うというふうにお感じですか、そのことについてお答えください。イエスかノーでお答えください。

額賀国務大臣 しばらく定めるということは、それぞれの、言ってみれば、立場立場にもあるでしょうし、数時間でもしばらくの場合だってあるし、一年でもしばらくということはあるし、数年でもしばらくという場合が物事によってはあると思っております。

細野委員 大臣の時間軸というのはすごいですね。十年も暫定。十年足せば四十三年も暫定。大臣、もう広辞苑を引くのはやめてください。自分の好きなように解釈するということでしょうから。そこはしっかり世間の常識を考えていただきたいし、それと反する解釈をされるのであれば、こんな広辞苑みたいなものは引用しないことを御忠告しておきたいと思います。

 さて、埋蔵金の話に戻ります。

 大臣、さっき埋蔵金の話をされたときに、それはしっかり管理をされていて、そして一定の枠にはまっているのでというような趣旨の話をされましたね。

 この三年間、ここにも書いてありますが、特別会計から、二〇〇六年度予算では財政投融資特別会計に十二兆円、これは取り崩しをしましたね。そして、二〇〇七年、外為特会と産業投資特別会計などなど七特会から一・八兆円、これも取り崩しましたね。そして、来年度の予算、今審議中の予算の中で財政投融資特会から九・八兆円取り崩しを決めましたね。合計、全部合わせると、二十三・六兆円ですよ。

 今、私の手元には行革推進法という法律があります。その特別会計のところには、財政健全化に総額二十兆円程度の寄与をすることを目標とする、五年間で。

 いいですか、五年間で二十兆円と言っていたのが、三年間で二十三・六兆円出てきちゃったじゃないですか。幾らあるか、政府もわからなくなっているじゃないですか。把握できないようなものが政府の中にあるということは、この法律自体で、これと数字を比べたら明らかじゃないですか。どうですか。

額賀国務大臣 財政投融資の特別会計の場合は、今まで財投改革をやっておりまして、調達金利より運用利回りが低金利時代で上回っておったから一定の利益が出たことだし、それから、言ってみれば、郵貯とかの改革が十九年度で終わったわけでありますから、これから、その間には財投債を二十年債、三十年債と出しておりまして、長期的な形で運用ができるということで利益を出させていただいて、それから十二兆円を特別会計、そして九・八兆円は国債整理基金に、その長期債務残高の縮減に使わせていただいたということでありまして、そういう特別な背景があったということでございますから、これからもそういうことがずっと続いていくというふうには考えておりません。

細野委員 大臣、最後がよくわからなかったんですが、これからも続くとは考えていないということは、特別会計から取り崩すことは考えていないということですか、財務大臣として。今のは物すごく重要な答弁ですよ。お願いします。

額賀国務大臣 特別会計については、もう委員も御承知のとおり、利益が出れば、これからはできるだけ一般会計に還元をしていくということになっておりますけれども、今度のように、財政投融資特会で九・八兆円も、そういう大金が、その利益が出てくるようなことは、それは時の流れによってもありますけれども、そんなに考えられないという意味で言っているわけでございます。

細野委員 大臣のお話を聞いていても、結局、今、特別会計にどれだけ余剰金があって、そして、どういうふうにそれを取り崩すのかということについて十分把握をされているとは思えない御答弁でした。

 一つお願いがあるんですが、これを大臣はごらんになったことがありますか。特別会計の財務諸表、平成十七年に出ています。これは、経済財政諮問会議の求めに応じて、特別会計のいわゆるバランスシートを出したんですね、十七年度に。私も、その数字をもとに、この六十八兆円の特別会計の埋蔵金を試算しました。できるだけ近い数字を試算したかったんですが、この後、出ていないんですね。もちろん、毎年の収支は出ていますよ。どれだけ入ってどれだけ出たかというのは出ているけれども、ストックのデータがないんですよ。

 これは、大臣、お約束いただきたいんですが、今、国会で審議をしている特別会計の問題。今は、それこそ社会資本特別会計になったんですね。道路に関しての特別会計も、この財務諸表が今公表されていません。当然、予算を通すときに、どれぐらいそれぞれの特別会計に余剰金があって、それがどう利用されているのかというのは、予算に関する重要なデータですから、これは過去出していますから、すぐ出せるはずです。

 財務省として、財務諸表を毎年出すのは当然ですが、ことしは特に特別会計の問題がこれだけ大きく出ているわけですから、これをしっかり出させる、お約束いただけないですか。

額賀国務大臣 これは、決算が出ると出していくことができる。だから、ことしも、決算が出た後に出させていただいたというふうに思います。

 六十八兆円とか十六・七兆円とか十一・一兆円とか、若干、誤解を与えるといけませんので、ちょっと説明させていただいてよろしいでしょうか。(細野委員「結構です。聞いていませんから」と呼ぶ)いや、これは特別会計や……(発言する者あり)これは、このままではそういう……(発言する者あり)いやいや、国民の皆さん方がこのデータだけでは意味がわからないと思うんですよ。そこで、ちょっと説明をさせていただきたいと思いますけれども。

 言ってみれば、最初に言ったように、埋蔵金というものはありません。例えば、特別会計の積立金については、その八割は年金等の将来給付に充てるためのものでありまして、それぞれ必要な目的に沿って積み立てているものであります。それから、特別会計の法律に基づいて、国債残高の圧縮に充てる財政健全化や一般会計に充てるということになっております。

 それから、独立法人の十六・七兆円については、先ほど来話があるように、ことし、徹底した見直しを行いまして、六千億円を超える土地建物の処分、国庫納付、あるいは随意契約の原則禁止などを決定しておりまして、そういう独立行政法人の徹底した合理化を図っているということでございますので……(発言する者あり)

逢沢委員長 簡潔に発言を願います。

額賀国務大臣 それから、特別会計は、国有林とかダムだとか空港用地だとか、それは資産売却できないようなものはたくさんあるわけですよ。

 それから、公益法人は民間主導型でつくられていることでありますから、政府がこれは一様に自由にできるものではありません。

細野委員 大臣、一つ一つの特別会計を本当にごらんになりましたか、どれぐらい余剰金があるか。一つ一つの独立行政法人にどれぐらいお金がたまっているかごらんになりましたか。それを見ずに役所の答弁をそのまま読んで、埋蔵金はないんですと。そんな無責任な答弁はないんですよ。それは後ほど私が一つ一つ指摘をしますから、そこでお答えください。

 もう一つ、大臣、いいですか、さっきさんざんしゃべられましたから、私にしゃべらせてください。もう一つ資料請求、資料の問題点を指摘したいと思います。

 これをごらんになったことはありますか、国土交通省所管の予算参考書。予算参考書というのは、それぞれの省庁が予算を求めるときに財務省に出す資料なんですよ。これが予算の査定の根拠になります。

 これがなぜ重要かというと、二年前、我々がみんなで特別会計のこの問題に取り組んだときには、それぞれの特別会計のこの予算参考書をもとに、どこに無駄があるかを全部チェックしたんです、ずっと。それがきっかけとなって、特別会計は、我々は解体でしたが、皆さんは改革と称して変えられた。前進と言えるかどうか、私どもは怪しいと思っていますが、仮に半歩前進としましょう。

 私、今回驚いたんですが、これは、実は国土交通省の空港整備特別会計の予算参考書です。一冊でこれだけ、いいですか。特別会計改革が行われて、今予算参考書がそれぞれの特別会計でどうなっているのか取り寄せようと思ったら、ないんですと言うんです。何と、全部で、平成二十年度特別会計予算、予算参考書、この細さになったんですよ、特別会計の参考書が。これで予算の査定ができますか。いいですか、三十一あった特別会計の一つがこれだったんですよ。エネルギー関係の特会も全部そうだった。だから調べられたんです、どこに無駄があるか。全部の特別会計でこれ一冊。これで査定できるとは到底思えないですよ。

 これはちゃんとできていますか、大臣。御答弁ください。このことについて御答弁くださいよ。

額賀国務大臣 それはちゃんと国会にも提出しておるし、議論もされておるし、損益計算書がきちっと書かれているものと思っております。

細野委員 大臣、いいですか。この予算参考書には、それぞれの個別の出張でどういうふうに出すのか、それぞれの報告書に幾らかかっているのか、何冊刷るのか、全部書いてあったんです。それぐらい予算をぎっちり議論していたから無駄が明らかになったのが特別会計なんですよ、ようやく出てきて。ずっと出さなかったのを我々が出してきたんです。これにはそんなこと全然書いていないですよ。我々に言わせればぺらぺらですよ、これに比べれば。とてもじゃないけれども、これでチェックできるとは我々は思えません。

 大臣、役所にはいろいろからくりがあると思うんですよ。そういうのを突き破って国民に情報を明らかにするのが政治家の役割なんだから、ちゃんとやってください。どうですか。

額賀国務大臣 国民にきちっと明らかにしていくのが民主主義のルールでありますから、細野委員の言い分もよく聞いた上で今後も対応していきたいと思います。

細野委員 では、確認しますが、来年から予算参考書をちゃんとつくるということ、そしてもう一つ、財務諸表は決算のときに必ず出すということ、いいですね。

額賀国務大臣 だから、決算が終わった分については、特別会計財務書類は出していくことになります。あとは、特別会計の方はそれぞれの役所でつくっていくことになると思います。

細野委員 財務省に出して査定をさせる資料なんです。財務省が要求をして出す資料なんです。要求されますね。

額賀国務大臣 きちっと、特別会計がどういうふうになっているかということが明らかになるように要求するのは、当然であります。

細野委員 わかりました。ずっとこの問題は続きますから、今のお約束を忘れないでくださいね、大臣。

 それでは、埋蔵金の問題についてもう少し具体的に、大臣がおっしゃったとおり本当にないのかどうか、検証していきたいと思います。

 皆さんにお配りしている資料の四ページ目をごらんください。この資料は、国土交通省の出した道路整備特別会計から天下り先の独立行政法人及び公益法人に流れている補助金の上位のランキングからずっと下に並べています。そして、それぞれの団体に対して何人の天下りがいるかというのをその次の欄に書いてあります。この特会からの支出の金額はその横に書いています。そして、一番右側、ここにそれぞれの団体の資産から負債を、すべての団体から資料を取り寄せて全部書きました。これは私の事務所でやりました。

 そして、もう一ページごらんください。めくってください。全部で五十六団体に天下りがいて、そこに特別会計からの支出が流れている。そこの資産から負債を引くと、約八兆円の資産超過になっているんです。

 大臣、私は強調しておきたいんですが、さっき九十六兆円の話もしましたが、全部取り崩せるとは言っていません。ここの八兆円の中には、例えば一番上の、高速道路の保有機構のものが五兆円ちょっと入っていて、これは道路の資産そのものですから、簡単に売っ払うことができないことも、これも認めています。すべてとは言っていないんです。

 ただし、これはそれぞれずっと見ていくと、相当の埋蔵金はあるんですよ、間違いなく。大臣、そのことにしっかり気がついていただいて、そこを取り崩すことは、それこそ財務大臣なんですから、やっていただきたいという思いで質問をさせていただきたいと思います。

 まず一点目、お伺いしたいのが、都市再生機構、補助金の金額でいえば第二位ですね。いわゆるURと言われる組織ですが、そこには埋蔵金が四千百二十六億円。これはマンションなんかがいろいろありますから、簡単に売れないものもありますが、売れるものもあります。それだけあります。

 そして、このURの問題点は、渡辺大臣もさんざんいろいろ議論されてマスコミにも話をされてよく言われておりますが、このURにはとどまりません。先ほどのパネルの中にも書いたんですが、URにはいわゆる関連会社というのが相当数存在をしていて、これは国土交通省自身も公表していることですが、七百二十三億円の余剰金がその会社にたまっているんですね。

 渡辺大臣、まず答弁いただきたいのですが、いろいろな御発言の中で、このURの子会社の埋蔵金については、これはもう全部天下り先で、何しろ天下っている方がURからこの関連団体に関して四百八人、そして、そこにたまっている埋蔵金が、ここに書いてあるとおり七百二十三億円。全部随意契約で天下り先に流れていますから、これはしっかり取り崩すことを考えるということをあちこちで発言されていますが、これはよろしいですか。

渡辺国務大臣 埋蔵金と呼ぶか剰余金と呼ぶか、それぞれ人の好みによりますけれども、私は埋蔵金と呼んでおります。

 御指摘の七百二十三億円がある一方で、欠損金のある関連会社も二社ございまして、ネットでいくと三百七十一億円になります。一方、都市再生機構の繰越欠損金、これはどれぐらいになるかというと、単体で四千九百五十六億円。ところが、連結ベースにいたしますと、ファミリー会社、子会社、関連会社を入れますと、これが何と減ってしまうんですね。四千三百二十六億円、その差六百三十億円。一体この差はどこから出てくるんですかということを、私の方から国交省に疑問を呈しておるところでございます。これが回収可能な埋蔵金であるとするならば、それをどうやって回収すべきか、また、随契の結果こういうものがたまったとするならば、やはり天下りは自粛をすべきではないか、そういう点を問題提起して、今事務レベルで交渉を続けているところでございます。

細野委員 この内閣の中に、こういう問題について正常な感覚を持っている方がいたことを私は非常に歓迎したいと思います。

 国土交通大臣に聞きますが、今二つおっしゃいました。一つは、独立行政法人からの天下りは規制すべきだ、特にURはこの天下りに問題が多いということが一つ。そしてもう一つは、そこにたまっている余剰金についてはしっかりと、これは取り崩して戻すということも含めて考えるべきだというこの二つ。大臣、これはよろしいですか。

冬柴国務大臣 一つは、先ほど示された提出資料四枚目に、道路整備特別会計からURに流れた金というのは、十八年度で百三十六億というふうに書かれています。そして、埋蔵金は四千百二十六億円と書いてあります。いいですか。百二十六億円は、これは道路整備をやっていただく金ですよ。区画整理、密集市街地、それにおける道路整備の費用です、これは。いいですね。それから、四千百二十六億は、七十七万戸に及ぶ公営住宅。簿価は安いですよ。でも、それが資産として書かれているので、埋蔵金じゃないですよ、これ。七十七万がある。(発言する者あり)わかっている。

 わかっていたら、先ほどのあなたの話は全然違いますよ、これは。余っている、埋蔵金という、先ほどいろいろ財務大臣に聞かれましたけれども、私、言われたこと……(発言する者あり)いやいや、あなたも今言ったんです。あなたのことに答えている。

 それからもう一つ言いましょう。これはもう七百二十三億とそこに書いてありますが、渡辺大臣もおっしゃっていただきましたように、赤字の法人が二社あります。その部分を引きますと、そこに書くのは三百七十一億円と書くのが正確であろうというふうに思います。

 これが余剰金なのかどうかということですけれども、会社はすべて株式会社で、そして、これについては連結貸借対照表で載るようになってあります、出資していますから。

 そもそも株式会社は、自己資本というのは、企業経営の安定性の観点から、業態に応じて一定水準を確保することが必要であります。今後、整理合理化計画に基づいて、都市再生機構の関連会社の余剰金については、同業種の平均的な自己資本の水準を参考にして、業態に応じた企業経営上の必要な水準に検証いたします。

 それで、余ったものがあれば、これは、先ほどの七十七万戸に入っておられる方々、そういう住宅についてのセーフティーネットを必要とする人たちが多いわけですから、そういう人たちのために、例えばエレベーターをつけるとか、そういうようなものに使わせていただくということにいたしております。

細野委員 冬柴大臣、今の余剰金のこの数字というのは、国土交通省が、関係会社の余剰金の額についてと書いたものを足しているんですよ、そのまま。私が勝手に決めたようなことは言わないでいただきたいです。

 そこをしっかりと踏まえて、何か渡辺大臣と国土交通大臣と、見解が大きく異なりますが、もう一点だけ確認させてください、時間もないので。

 URからの天下りについては、規制しますね。これは、渡辺大臣は規制すべきだとおっしゃいましたよ。大臣、御答弁ください。大臣に聞いています。

冬柴国務大臣 URには、四千人以上の従業員がおりますが、天下りと言われるのは七人でございます。国土交通省にもとおった人は七人でございます。URですよ。

細野委員 あえておっしゃっていると思うんですが、URからの天下りについて聞いています。四百八人います。これも国土交通省から出ている資料です。URから関連団体に対して天下っている、関連会社について天下っていて、そこに余剰金がたまっているんですから。そこに埋蔵金がたまっているので、それを言っているんです。これを規制しますねということです。

冬柴国務大臣 URから株式会社へ転籍したりいろいろするということが天下りになるのかどうか、それは一度よく検討しなきゃいけないと思います。

 それで、これは、やはり今までの経歴とかそういうものが生かされるということは重要なことですよ。しかしながら、予算やあるいは権限というものを背景にして押しつけ的にそこへ入り込む、それはいけないと私は思います。したがいまして、これについては、人材センター等、今政府の方でいろいろな検討していただいているものに従って適正に私は処理をさせていただきますが、URから株式会社へ転籍するのは全部天下りだととらえて、それを全部制限せよというのは、それは私はにわかには、そういたしますということは申し上げるわけにはいかないと思います。

細野委員 明らかに答弁は不一致ですね。閣内不一致そのものだと思います。

 これは委員長にお願いします。URからの天下りの問題については、重要な行革の柱の一つだったところです。それについて両大臣の見解が異なるというのは、私は大きな問題があると思いますので、しっかりとした政府としての統一見解を求めていただきたいと思います。

渡辺国務大臣 昨年十二月二十四日の閣議決定においては、独法から関連法人への再就職の状況と関連法人との契約の状況を一体として情報開示することとしております。そのほか、国から独法への再就職、独法から関連法人への再就職について、そのあり方を検証することにいたしております。

 URにつきましては、三年間かけてその組織のあり方を結論を出そうということになっておりますので、私の方からは、都市再生機構から関連会社への再就職は当面自粛をすべきではないか、また、随意契約の結果として関連会社等に埋め込まれた剰余金の解消等についてもさらに検討を行うべきではないかということを申し上げているところでございます。

細野委員 冬柴大臣、渡辺大臣と見解が異なりますが、再度確認したいと思います。

 冬柴大臣は、天下りについては禁止をすべきではないというお考えか、それとも禁止をすべきというふうにお考えか。これは明確な問題ですから、イエスかノーではっきりお答えをいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 私の言っていることは間違いはないと思いますよ。ここで、独立行政法人通則法において統一的なルールが定められた場合には、それにのっとり対応を検討すると私は言っているんですよ。今は決まっていませんよ、そうでしょう。

 天下りというのは、役所から直接行く場合のことを今まで指していましたけれども、こういう独立行政法人から民間会社へ行く人も、これは天下りと言うかどうかは別として、透明性を確保しようということが言われていますから、資料も全部出しているじゃないですか、そうでしょう。(発言する者あり)ですから、それを、自粛じゃなしに、のっとり対応する、ルールが決まったら、それに従って全部やります、こう言っているわけですよ。

細野委員 さっきはっきり御答弁で自粛とおっしゃったんです。国土交通大臣としてはどうなんですか。渡辺大臣は行革担当の大臣として、自粛すべきとおっしゃったんです。それについて、どうですか。

冬柴国務大臣 方向として自粛するのは当然だと思いますよ。自粛しますよ。しかし、今いる四百何名ですか、そういうものについて、それは天下りだからどうこうせいということにはルールは決まっていません、そういう意味です。

 ですから、これからなおURへおりるとかどうとかいうようなことになれば、今渡辺大臣がおっしゃるように、それは自粛したらいいでしょう。しかしながら、いいですか、ルールが決まれば従うわけであって、まだ決まっていないということを申し上げているわけでございます。

細野委員 正直言って、かなり答弁、食い違っていますね。今の時点での政府の統一見解を、これは委員会として政府に求めていただきたいと思います。お願いします。

逢沢委員長 議事録を精査して、予算委員会理事会で適切に対応いたします。

細野委員 時間が参りましたので、残りの質問は次回に移したいと思いますが、ちょっと頭出しだけ。

 先ほど示した四番の数字の中で、三番目にランキングされています財団法人道路保全技術センター、そして三十五番目にランキングされています国際建設技術協会、特に三十五番の国際建設技術協会の報告書、幾つか私取り寄せましたが、一億円近い報告書があります。一億円近い報告書をずっと見ると、ほとんど参照資料です。契約内容も書いてありますが、わずか三カ月で一億円の報告書を出して、ネット検索でも幾つかひっかかってきました。そういう資料がこの中に入っている。

 さらにけしからぬことには、その前の報告書、十七年度に出ている報告書の中に、同じように数千万で発注されている報告書ですが、ダブっている部分まであります。

 こんなずさんな使われ方をして、埋蔵金の話だけじゃないです、毎年こんな無駄遣いがされている中で、これは後ほどまた改めて必ずやりますけれども、とてもではないですけれども、これは暫定税率、これからもお願いしますということを言えるような状況じゃない。まず、これをきれいにすべきだと私は思います。そこを改めてしっかりやるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて細野君の質疑は終了いたしました。

 次に、山井和則君。

山井委員 これから七十分間にわたり、質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。

 それではお伺いをしたいと思いますが、前回の質問の続きとなりますが、ここにありますように、冬柴大臣がおっしゃっておられた署名ですね。「中期計画の策定、道路特定財源諸税の暫定税率延長等に関する要望」で、冬柴大臣のところに届けられたという、先日、岡田克也議員からも質問があった件です。このことについて、まず質問をさせていただきたいと思います。

 岡田委員は、この件に関して、二月七日に、「この署名集めですけれども、この任意団体が行ったということですが、国土交通省の職員が集めたということはありませんね。」ということを聞かれております。冬柴国務大臣は、「そういうことは聞いておりません。」と。岡田委員は、「もしあったとしたら、大臣はどう思われますか。」と。それに対して冬柴国務大臣は、「今のところはそういうことはございません。」とおっしゃっています。それに対して岡田議員は、「もしそういう事例があれば、大臣もそれなりの責任を感じていただかないと困るということになりますよ。」ということをおっしゃっておられます。

 そして、前回のおさらいになりますが、これは道全協という任意団体が集めた署名でありまして、その事務局長は元建設省の職員さんであるということも前回の質疑で確認をさせていただきました。

 冬柴大臣にお伺いしますが、このときの、「そういうことは聞いておりません。」という冬柴大臣の答弁、この答弁に変わりはございませんか。

冬柴国務大臣 今、山井議員からも、北海道の職員の事例を挙げて、具体的にあるじゃないかという話がありました。それで、私も、それは云々ということで議論をさせていただきましたけれども、その際に、ほかの職員がそういうことをしているかどうか調査をいたしますということをここで約束させていただきました、あなたに。

 そこで、調査の結果、このような事実は報告はされておりません。職員が働きかけをしたということは、調査をいたしましたけれども、そういう結果は報告は受けていません。

山井委員 冬柴大臣、ちょっと質問を取り違えていられたかと思うんですが、今のは、職員の方が署名集めを、国土交通省がされたという調査について、それの答弁だったわけですね。その答弁で合っていることをちょっと確認したい。

冬柴国務大臣 あなたの、印象に残っておったものですから、北海道の職員が働きかけた、十何、そういうものはほかにあるかということだったから、私の方は調査をしますということを約束しまして、調査した結果は、そういうのは、私には、やったということは報告は上がっていませんということを申し上げた。済みません。

山井委員 国土交通省の方、ちょっとそこにいないでくださいよ、ずっとは。一たん戻ってくださいよ、そこはあなたの席でないんですから。

 それで、私が最初にお聞きしたのは、この千七百人余りの市長、町長、村長さんへの署名の件なんですが、この件について岡田議員が、「この任意団体が行ったということですが、国土交通省の職員が集めたということはありませんね。」ということについて、冬柴国務大臣は、「そういうことは聞いておりません。」と答弁されておられますが、この答弁に変わりはありますか。

冬柴国務大臣 私の答弁には、今、変わりはありません。

山井委員 これは、今、冬柴大臣もおっしゃいましたが、国土交通大臣あての要望書なわけですから、それは国土交通省の役人が署名集めをしていてはおかしいというふうに思うわけですが、冬柴大臣、いかが思われますか。

冬柴国務大臣 それはおかしいと思います。

山井委員 これはフォーマットがすべて一緒なんですね。この文書を皆さんのお手元にもお配りしておりますが、この文書を道全協がつくって、これで集めたわけなんですが、では冬柴大臣、この署名集めは、だれが、市長さん、町長さん、村長さんにお願いして、どのように集めたんだと認識をされていますか。冬柴大臣、どうぞ。

冬柴国務大臣 これは道全協、道路整備促進期成同盟会全国協議会というところが起草され、そしてそこから、私が聞いているところでは、郵送した人もあれば、会合で直接署名された方もあったというようなことも聞いています。そういう意味で、道全協が主導的にやられたものでございます。

山井委員 冬柴大臣は、この署名を受け取られて、そのことが暫定税率延長が必要な一つの根拠であるという趣旨の答弁を菅代表代行にされたわけですけれども、ということは、冬柴大臣は、国土交通省の役人さん、つまり冬柴大臣の部下の方がこの署名集めを行ったケースがあるという認識は持っておられますか、持っておられませんか。

冬柴国務大臣 これは千八百七十四名あると思うんですけれども、その人たち一人一人、だれがそうしたということは私は知りません。しかしながら、我々の職員とかがそういうものを集めたということの認識はございません。

山井委員 それで、冬柴大臣、改めてお聞きしますが、もしですけれども、仮にそういう国土交通省の職員さんが署名集めをしているケースがあったとしたら、仮定の話を聞いて恐縮なんですが、どう思われますか。

冬柴国務大臣 済みません、また間違っていました。千八百七十四と申しましたが、千七百九十四でございます。それは、その後、合併とかがありましたので。ごめんなさい。

 そういう人があるとは、私は思いません。それで、もしあれば、北海道の事例じゃないけれども、山井さん、御存じであれば、御指摘ください。これは、消極事実を立証するというのは、我々、魔女のあれだという、悪魔の立証と言って、できないですよ。ですから、あなたの方から言っていただければ、私は、それに対する、知っている事実は全部申し上げると思います。

山井委員 お手元に二月九日付の朝日新聞の報道がございます。この特定財源維持の署名に六市長が不参加なわけですね。六市長が不参加です。その方々についての取材記事が一面に出ておりました。

 その中で、恐らくこれは冬柴大臣のおひざ元だと思いますが、尼崎市の白井市長は次のように語っておられます。この資料の中の十九ページであります。線を引いてあります。

 ちょっと、国土交通省の方、常時おられるのは勘弁してください。

逢沢委員長 委員長の許可を得て発言を願います。

山井委員 はい。

 白井市長は、「「国交省近畿地方整備局の人が「道路のことで話したい」とやってきて、署名を求められた」と打ち明けた。」こう書いてあるんですね。この報道が正しければ、国土交通省の方が署名集めをされていたということなんですが、このことは、大臣、いかが思われますか。

冬柴国務大臣 正しければとおっしゃいました。正しくないんです。それは、報道ですよ。そこの報道は正しくないんですよ。

 これは私の地元の市長さんです。私ども、そういうことがあるということを聞きまして、直ちに私の秘書を、地元秘書ですよ、市長と面談をしてもらいました。そこで、どこの記者ということもはっきりわかっているわけですが、取材に来られたそうです。それで、署名を求められましたねとくどいぐらい聞かれましたが、私は、そういうことはありません、道路の話をしたわけであって、そういうものに署名をしてくださいということは言われておりませんということをはっきり証言したのに、新聞に「署名を求められた」とかぎ括弧つきでやられたことについては、私は憤慨しています、こういうふうにおっしゃっているので、私は、そっちの方が正しいと。私は、近いものですから。記者さんの顔を知りませんけれども、白井市長は僕のところの市長さんですから、私はこちらの方が正しいと思っています。

山井委員 そうしたら、お聞きしますが、白井市長はだれに署名を求められたわけですか。

冬柴国務大臣 署名していないでしょう。署名していないですよ、彼女は。(山井委員「だれに求められたのか」と呼ぶ)だれもしてませんよ、私してませんよ。

山井委員 署名はされていないんですが、ということは、白井市長は署名の要請も受けていないということですか。署名の要請はだれかから受けたけれども、断ったということですか。

冬柴国務大臣 国交省の地元の人が、四月段階で、この中期計画をするについて御意見を寄せてもらいたいということの要請のために行ったのが一人おります。(山井委員「いつですか」と呼ぶ)昨年の四月になりますか。

 それから、昨年の十二月には、素案についての意見、お話を聞きに行ったことはあります。しかしながら、それはその話だけでありまして、ちなみに、尼崎市からは、この道路特定財源維持についての要請書も私いただいていますよ、別途。そういうことでございます。

 ですから、二回行っていますが、問題はその二回目のことを言っているんでしょう。そのときに、その本人も、それは一切言っていません、そんな、道全協でしたか、のものに署名をしてくれというようなことは一切言っていないし、市長さんも言われていませんでした。しかも、新聞社がそれに求めたでしょうということを再々言われたけれども、否定したとまで言っているんですよ。しかるにそういうことを書いたということは、憤慨していますということもおっしゃっている。

 したがいまして、その弁については、山井さんは直接私に言っていただいたから私はそれに反論しているわけですけれども、私の知っている事実はそういうことでございまして、決して、私の方の職員がこういうものに署名をしてくださいというようなことを求めたり慫慂したりした事実はありません。

山井委員 冬柴大臣、それではお聞きしますが、白井市長の件は今お聞きしました。そうしたら、この件に関連して冬柴大臣は、このことは、国土交通省としては白井市長についてはそうでないという見解なんだと思いますが、では、こういうこともあったので、ほかにこういう事例はないのかということは、国土交通省の担当の方に確認はされましたか。

冬柴国務大臣 先ほど早とちりして言っていますけれども、署名でしょう。そうでしょう。それはあなたから言われたから調べましたよ。その署名にほかの人がやったか、私はその事実は聞いていませんということを先ほど来ずっと言っていますね。そういう認識はありません。

山井委員 冬柴大臣、私はそのことを聞いているんじゃないんですよ。聞いていませんというのはわかるんですが、聞いていないじゃなくて、この白井市長はこういうふうな報道があったけれども、それ以外の、この千七百人を上回る首長さんの署名に国土交通省の職員さんが行かれたというケースがあるのかないのかは確認はされていますかと聞いているんです。

冬柴国務大臣 調査したところでは、ございません。調査したところの回答もいただきましたけれども、それはありません。

山井委員 大臣、今、調査したとおっしゃいましたが、この千七百名以上の首長さんに対してだれが署名のお願いに行ったのかという調査はされたんですか。

冬柴国務大臣 それは、私の方がお願いしたものじゃなしに、道全協がやったものでしょう。ですから、私が調べられるのは、職員に対してそういう働きかけをしたことがあるかどうかということを調査するのが限界でありまして、首長さんに我々の方から調査する、だれが来たんですか、そんなことは、私は調べることはできないんじゃないでしょうか。

山井委員 いや、冬柴大臣が調査したところとおっしゃったから私は聞いているのであって、それでは改めてお聞きしますが、白井市長の件ではなくて、この千七百人以上の首長さんの署名に関して、国土交通省の役人さん、職員さんが署名集めに行かれたかどうかという確認は冬柴大臣はされましたか。大臣、いや大臣ですよ。

平井副大臣 事実関係だけですから。

 先ほど話をさせていただいたとおり、署名活動を始めた経緯については、道全協の理事である相馬市長から確認し、理事会の決定機関を経て署名活動を行うことを確認したということでありまして、署名の集約方法については承知しておりません。

山井委員 私は冬柴大臣に聞いているんですよ、冬柴大臣の認識を。冬柴大臣はそのことを確認はされているんですか、されていないんですか。

冬柴国務大臣 今、副大臣が答弁したとおりでございます。

山井委員 ということは、冬柴大臣、ほかの市長、町長、村長さんに国土交通省の役人さんが署名集めに行かれたかどうかは、調査していないんですから、把握はしていないということですね。冬柴大臣、そこのところを確認したいと思います。お願いします、大臣。

冬柴国務大臣 国土交通省におきましては、職員が、道路特定財源に関し、地方公共団体等の活動に関し、職員であることの立場を利用して指示、干渉等を行うなどの圧力を加えたことがあるかどうかについて調査を行いました。この調査の結果、このような事実は報告されませんでした。(山井委員「そんな質問していませんよ」と呼ぶ)では、言ってください。

山井委員 冬柴大臣、改めてお聞きします。

 首長さんへの署名集めのことを聞いているんです。首長さんへの署名集めを国土交通省の職員の方がされたかどうかというのは把握されているんですか、されていないんですか。

冬柴国務大臣 それは、そんな失礼なことはできないんじゃないですか。全部、首長さんに道全協がやったものについて、こちらが。それはないでしょう。

 だから、うちの職員がそういうことをしたかどうかということを調査したということはあるんですよ。それを言ったんですよ。だけれども、首長さんに直接私の方が聞くことはないでしょう。どういうこと、ちょっと言ってくださいよ、わからぬ。

山井委員 冬柴大臣、二つの署名集めのことがちょっとまざっていますので、繰り返しになりますが、民間団体の、一般の署名集めの話は私はしていませんから。首長さんの署名集めの話をしているんですよ。首長さんへの署名集めを国土交通省の役人さんがやられたケースがあるかないかを把握しているんですか、していないんですか。

冬柴国務大臣 では、全部ちょっと読ませてもらいますが、調査の対象としては……(山井委員「いや、そのことじゃないんですよ」と呼ぶ)ちょっと待って、どんな調査したか……(山井委員「違います。首長への調査の質問をしているんですから、違う答弁しないでくださいよ。そんな質問はしていませんから。わざと違う答弁したでしょう」と呼ぶ)ちょっと、余り興奮せずに。(発言する者あり)

逢沢委員長 大臣、御発言をください。答弁をください。

 静粛にお願いします。

冬柴国務大臣 道路特定財源に対して、地方公共団体、関係団体等の活動に対し、職員であることの立場を利用して指示、干渉を行うなど圧力を加えた行為の有無、特に署名活動について上記のような行為の有無、行為があると答える場合にはその詳細としました。調査期間としては二月一日から二月八日まで、報告は二月十二日までにすべてを報告しなさい、こういうことを、私の方は、国土交通省の本省の道路局それから北海道局、地方整備局、北海道開発局及び地方整備局等の事務所、出張所の係長相当職以上の道路関係職員にいたしました。

 そういうことでございまして、これは事務所百三十六、対象人数は八千八百四十名にも及んでおりますが、まじめにあなたの質問に対しては調査いたしました。しかしながら、十二日までにそのような事実があるという答えは一切寄せられておりません。そのことを裏づけにして私は答弁をいたしております。

山井委員 そうしたら、確認しますが、この調査の中には首長さんへの署名のことも含まれているんですね。

冬柴国務大臣 私は、そのように全部申し上げたつもりで、だから読み上げたわけでございます。

山井委員 私もちょっと不思議に思っておりますのは、複数の首長さんから、国土交通省の職員さんが署名集めに来られたということを私は聞いております。私は聞いております。にもかかわらず、ゼロということですね。(発言する者あり)

 それで、私は、今、名前出せというやじも飛んできましたが、そういう話を何人かの方から聞いたときに、絶対に名前は明かさないでくださいということを言われました。私は、こういうことを首長の方々がおっしゃるということは、やはり相当心配されているなということをつくづく感じました。

 それで、前回、冬柴大臣に私は質問をしました。どういう質問をしたかというと、これに関連することですので改めて振り返りますと、きょうの資料の中で北海道の新聞が出ておりますが、その北海道新聞の中で、五ページですね、国土交通省の網走開建部の職員が管内十八市町村職員にファクスを送った。そのファクスについては六ページにつけてあります。それで、この国土交通省の職員が任意団体の暫定税率維持の署名を、その協力を勤務時間中にこのようにファクスで依頼したということであります。このことが問題になって、それで私は冬柴大臣にお願いをして調査してもらったわけです。

 それで、このときに、こういう事例がほかにないか調査していただけますか、全国で署名活動を行っていますというふうに書いておりますが、まさかその全国でやっているところに、これと同じように国土交通省の職員が関与しているということはないですねと私が聞きましたら、冬柴大臣は、そのような認識は、私はそういうことは知りません、認識はありませんと。こういう事例はほかにないか調査していただけますか、冬柴大臣は、調査をします、誠心誠意やりますというふうに答弁をされました。

 そこで、この調査になるんですが、私が調査をしてくださいと言った趣旨と今回のこの趣旨は同じだというふうに大臣は認識されていますか。この調査の趣旨と私が質問で要望した趣旨は同じだと認識されていますか。

冬柴国務大臣 山井さんの質問を受けまして、私は誠心誠意やるということで、先ほどちょっと詳しく言いましたけれども、八千人に上る人を対象に調査をいたしました。その結果も今報告したとおりでございますので、山井さんのおっしゃったことに誠心誠意私はこたえたつもりでございます。

山井委員 ということは、確認します。網走のケースのように、国土交通省の職員が勤務時間中に道路特定財源の署名活動を集めたというケースは、全国でほかにはないという認識ですか、大臣。

冬柴国務大臣 私は、十二日までにそういう事実があればきちっと報告しなさい、そういうことがあれば、あるという方はその具体的事実も書いて報告してほしい、こういうことを申し上げました。それは、その段階ではないということでございますから、私の認識としてはありませんというふうに答弁を申し上げるべきだと思います。

山井委員 それでは、この資料の四ページを見ていただきたいと思います。一体これはどういう調査なんでしょうかね。読み上げます。「質問一 道路特定財源に関して、地方公共団体、関係団体等の活動に対し、職員であることの立場を利用して、指示、干渉を行うなど、圧力を加えたことがあるか。」どうかという調査なんですね。

 大臣、私は、圧力を加えたことがあるかどうかなんという調査をしてくれとはお願いしていません。勤務時間中に国土交通省の職員が署名依頼をしたことがあるのか調べてもらえますかと言ったら、なぜか、これ、圧力を加えたかどうかという調査にすりかわっているんです。

 大臣、ここは大事なところなんですが、私の質問の趣旨と、この圧力を加えたことがあるかという調査とは、同じ趣旨ということですか。大臣。

平井副大臣 お答えいたします。

 この場合の圧力とは、国土交通省としての予算や権限を背景に、地方公共団体の職員等に対して、特定の行為に関して指示や干渉を行う等、その自由な意思決定を妨げる行為を行ったことを想定しています。予算や権限を背景にした言動については、その有無が明白であり、職員に聞き取りを行うことで基本的に把握できるものと考えます。

 したがいまして、趣旨は一緒だと思っております。

山井委員 大臣、もう一回確認します。趣旨は一緒ですか。

冬柴国務大臣 趣旨は一緒だと私は思います。

山井委員 ここが問題なんです。趣旨は一緒とおっしゃいましたね。ということは、圧力を加えずに、あるいは国土交通省の役人が圧力を加えたというふうに思わなくて、ただ単純に客観的に勤務時間中に署名集めをした、そういう事例はこの調査の対象になるんですか、ならないんですか、大臣。

冬柴国務大臣 それを聞かれるんだったら、七千人を超える人ですから、山井さんの方で把握した人があれば挙げてください。

 この人に対して、お宅のどこどこ整備局のだれだれが来て、そして、圧力ではないけれども、これを懇願したのか懇請したのか何か知りませんけれども、こういう事実があるじゃないかとか、そういう積極事実を挙げて聞いてもらわないと、これは時間を空費するだけでありまして、どこに論点があるのかわからなくなりますよ。どうぞよろしくお願いします。

山井委員 私は、網走で実例があったから質問をしているんです。

 大臣、改めてお聞きします。ここは大事なところです。圧力をかけた、かけていないの問題ではないんです。客観的に、事実として、勤務時間中に国土交通省の職員が署名集めをやった、圧力ではなくですよ、圧力あるなし関係なく、そのことも今回の調査対象に入っているんですか。

冬柴国務大臣 入っています。これだけの議論がされているわけですから、そういう心に覚えのある人は、どういう感じかは別として、私はこういうことをしましたとか、それはそういうふうに言っていただくはずですが、そういうことはありません。

山井委員 今の答弁には驚きました。入っているんですか。これで読めますか。「職員であることの立場を利用して、指示、干渉を行うなど、圧力を加えたことがあるか。」圧力を加えたことがあるかという質問になっているじゃないですか。

 大臣、私は、こんな調査をしてくれとお願いしていませんよ。私が言ったのは、署名活動を勤務時間中に国土交通省の職員がやられた事例がありますかとしか、議事録を読んでもらってもわかりますが、していないのに、なぜそういう調査でなく、圧力をかけたかという調査に変わっているんですか、大臣。

冬柴国務大臣 あなたの質問を受けて、私は私なりに理解をして、このように調査を誠心誠意やったわけですよ。あなたに命令されてやっているわけじゃないですよ。あなたの質問を受けて、私としては、私の理解のもとに、職員に対してこういうふうにして尋ねているわけでありまして、誠心誠意やったわけでございます。

山井委員 冬柴大臣、私には趣旨が違うと読めます。これを読めば、圧力をかけずに普通に署名活動をやったときはこの調査の対象に入らないと読めます。

 確認しますが、本当に、圧力をかけずに署名活動をやったケースもこれは対象に入っているんですね、大臣。

平井副大臣 今回の調査は、本当に大臣の指示で丁寧に行ったものでありまして、委員の趣旨を踏まえたものだと思います。ですから、結局……(発言する者あり)外野は黙っていてくださいね。

 それで、もし国民に疑念を抱かれるような事実があるんでしたら、ぜひ指摘してください。そうしたら適切に対処したいと思います。

山井委員 大臣、改めてお聞きします。

 圧力をかける、かけないは関係なく、勤務時間中に国土交通省の職員が署名集めをやった、そのことはこの調査の対象に含まれるんですね。ここは大事なところですから、大臣。一番大事なところですから答弁してください、大臣。

平井副大臣 それは、国家公務員の職務規定の問題ですよね。(山井委員「そんなことは聞いていません」と呼ぶ)いや、委員の質問はそのように我々は聞こえます。ですから、本当に聞きたいことを明確にしていただいた方が、我々は答えやすいと思います。

山井委員 大臣に改めて聞きます。シンプルな質問です。圧力をかける、かけないは関係なく、勤務時間中に国土交通省の職員が署名集めをやった、そういうケースも今回の調査の対象に入っているんですか。

冬柴国務大臣 そこで職務上の地位を利用して云々となっているわけですから、それはそのように読んでください。

山井委員 大臣、大事なところですから、そんなえんきょく的なことを言わずに、そういう圧力をかける、かけないは関係なく、勤務時間中に国土交通省の職員が署名活動をやったというケースは、すべてここに対象に入るということでよろしいですか。大臣。

平井副大臣 我々は、職務時間中に職場のファクスやパソコンを使用した点で、非常に不適切だと判断をしております。

冬柴国務大臣 あなたから指摘された北海道の事案は、調べたところ、職務時間中に公のパソコンを使ったということがわかりました。私は厳しくこれを注意していますけれども、私は、そういうことを前提にそこで書いているんですよ。

 そして、ここの国会の議論もあるでしょう。そういうことですから、それに思い当たる人は言ってくださいということを言っているわけでありまして、私は、その文言はどうとかこうとか言われるけれども、それは、そこに圧力を講じて何とかかんとか、あなたから見れば必要ないことが書かれていて限定されるようにお読みになるかわかりませんけれども、私の真意は、それは、その職務の地位を利用して、そして、そういう働きかけをしたかどうかということを聞きたかったわけであって、そういうことを大至急聞けということを、私、あなたのあの質問、帰ってすぐに担当者にそのことは命じたんですよ。そして、次の、きょうの質問があるでしょうから、なるべく早くということで、八日には返事をせいということでやったわけです。

 しかし、それに対してのすべての答弁は、そうではなかったということでございますので、ここら辺でよろしくお願いしたいと思います。

山井委員 そうしたら、確認しますが、大臣の認識では、こういう署名活動を勤務時間中にやれば、やった事実としてそれは圧力になり得る、そういう認識ということでよろしいですか。

冬柴国務大臣 そのように認識されて結構だと思うし、私もそう思いますよ。

山井委員 そうしたら、冬柴大臣に、重ねてでまことに失礼かと思いますが、ぜひともこの調査の聞き方を変えてもう一回やっていただきたいんです。

 というのは、普通に読めば、私は、これは、署名活動をやっても圧力をかけたと認識していなかったら回答しなくてよいと理解し得ると思います。人によってもちろんいろいろな読み方はあると思いますが、冬柴大臣も余りこういう質問で痛くもない腹を探られたくはないと思いますので、ぜひ、李下に冠を正さずという言葉もありますから、こういう、ある意味で、読みようによっては、署名活動をやっても圧力をかけなかったら答えなくてもいいと読めますから、この日本語は。

 ぜひ、冬柴大臣、まことにお忙しい中恐縮ですが、もう一度、こういう、圧力という聞き方じゃなくて、勤務時間中に署名活動をやったことはありますかというシンプルな問いで調査をやっていただきたいと思います。大臣、いかがですか。

冬柴国務大臣 今、道路局はほとんどが徹夜をやっていますよ、この期間。その中でもこういうことをやっているわけで、あなたから具体的にどこどこで、先ほどから言いましたように、圧力ではなかったけれども、こういう役人から勤務時間中にやられたという人があれば挙げてください。そうすれば、私は、こういう事例はあるかということは、これはもう一度聞いたっていいと思いますけれども、それなしで、ただ疑いがあるからということで、それはできませんよ。本当に、それは御理解ください。それは、ただでやっているわけではありませんよ、これ。やはりそれだけの金もかかるわけですから。そういうことで御理解いただきたいと思います。

 ただ、山井さんから具体的にそういう事例があれば挙げていただければ、私やったじゃないですか、そのように。そうでしょう。ですから、それは挙げてください。

山井委員 網走の事例があったから、私、こう言っているわけで、私、一つ気になるのが、昨年問題になった押しつけ型天下りというものです。

 最初、天下りが問題だと民主党が言ったら、いや、押しつけ型天下りの調査をしましょうと、勝手に政府・与党は押しつけ型天下りという新しいカテゴリーを使って、三月に調査しました。そのときに、回答はゼロだったじゃないですか。押しつけ型天下りはゼロですと。しかし、民主党が再調査を要求して、押しつけ型を問わずこういう方がいますか、そういう聞き方で、押しつけ型でないものも含めてと言ったら、一カ月たったら千三百四十六人も出てきたわけですよ。

 こういう主観的な、圧力を加えたとか押しつけ型とか、そういうことをつけ加えることによって調査がうまくいかないんですよ。ですから、冬柴大臣には、ぜひとももう一回調査をやっていただきたいと思います。

 それで、もう一つ具体的な事例に移らせていただきたいと思います。

 これは青森県のケースですが、この資料の十ページ、「青森県、職員に署名用紙」「特定財源の税率、維持を」ということで、職員に署名用紙を配って署名を求めたと。職員の中には、職場で集められており、断りづらい、事実上の強制だという声もあるわけです。

 冬柴大臣、こういう青森県の県土木整備部が各部局に署名用紙を配った、このようなことに関してはいかが思われますか。

冬柴国務大臣 これは県の職員でしょう。(山井委員「はい」と呼ぶ)私は、それにコメントするあれはないと思います。県の職員がどういう気持ちでそれをやられたのか、何をしたのか、新聞報道だって違うことを書く場合だってあるわけですから、私はここでコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

山井委員 いや、これは、それでも国土交通大臣に最終的には上がってきている署名なんで、それで感想をお聞きしたわけです。こういうふうに青森県の職員が署名用紙を集めたというケースがあります。

 その次のページ、十一ページを見ていただけますか。

 これは、勤務時間中に、栃木県の高根沢町が税率維持の署名への協力を求める公文書を勤務時間帯に部課長らに回していた、県からの依頼を受けたものだが、公務員の政治的中立性の観点から疑念があるのではないかということなんですが、このような問題ですね。この十一ページの下にもありますように、栃木県がこの高根沢町を含む県内全三十一町に署名への協力を求める公文書を、公文書ですね、公文書を電子メールで送付した上、一町村につき五十人以上のノルマを割り当てていたことが、六日、わかったと。

 そこで、増田総務大臣にお伺いしますが、このように都道府県の職員が勤務時間中にノルマを与えて署名集めをする、このようなことは妥当なことでしょうか。

増田国務大臣 これはやはり、県あるいは町の職員の関係のことでございますので、一義的にはそれぞれ任命権者で判断をすべきこと、それぞれの事案の状況等もあると思いますが、そうしたことを状況に即してそれぞれ任命権者において適切に判断すべきもの、このように考えます。

山井委員 その任命権者において適切に判断するということですが、それでは、増田総務大臣としては別に問題だとは思わないということですか。今の答弁、ちょっと驚きましたが。こういうことを公務として、ノルマを与えて地方自治体の職員というのはやっても構わないんですか。

増田国務大臣 私どもは地方公務員法という法律などを所管してございますけれども、これはやはり、任命権者がそうしたことにのっとりながら判断すべき事柄である、このように考えております。

山井委員 いや、総務大臣の見解をお聞きしているんです。総務大臣は、このような行為が妥当で問題ないと思うのか、問題だと思うのか。大臣。

増田国務大臣 今のが私の見解でございます。

 改めて申し上げますが、それぞれの事案に即して任命権者が判断をすべき、このように考えます。

山井委員 いや、私は驚きました。総務大臣がそういう見解しかおっしゃらないわけですか。勤務時間中に、県が市町村に対してノルマを課して公文書で道路特定財源維持の署名集めをさせる、そのことに対して、問題があるとも何とも総務大臣はおっしゃらないんですか。

 これは国民の税金で雇われていて、税金で働いているわけですよね。そんなときに、国論を二分することに関して仕事として署名集めをやって、問題とも言わない。総務大臣、このままだったら、こういうことが今後も起こり得ますよ。本当に今の答弁でいいんですか、大臣。

増田国務大臣 先ほど来この場で議論しておりますのは、冬柴大臣とのやりとり、これは国交省の職員がどうかということで問題になっているんだろうと思います。これについて総務省の職員が関与している云々であれば、そのことについて私の方からいろいろと見解を求められるということはあると思いますが、この件について申し上げれば、一義的にそれぞれの自治体の任命権者が判断をすべきこと、このように考えています。

山井委員 ここで今、青森県の土木整備部が各部局に署名を配って集めた、そして栃木県が公文書でノルマを与えたということなんですが、冬柴大臣、ここで私が気になるのは、この青森県の土木整備部長は国土交通省から出向されているんですね。そして、栃木県の土木整備部長も国土交通省から出向されているんですよ。

 これは二例あるわけですが、やはり国土交通省として、実は今回の調査対象に入っていないんですね、こういうケースというのは。二例もこれは新たに出てきたわけです。出向されている都道府県の道路整備部とかが勤務時間中にこういう署名集め等をやったか否かという調査は、先ほど具体的な事例を言ってくれとおっしゃったので、やはりやるべきじゃないですか。

 まさに、増田大臣も、総務省の職員がやっていたら、こうおっしゃいましたが、こういう青森県と栃木県の部長は国土交通省からの出向なんですよね。このことについて、冬柴大臣、どう思われますか。

冬柴国務大臣 国と地方は対等、平等でございまして、それは国家行政組織法でも規定されております。

 したがいまして、それは、どこから行った出向かどうか私は知りません、それは調べたらわかりますけれども。それは、青森県なり、栃木県でしたか、茨城でしたか、どこでした、栃木……(山井委員「そうです、栃木」と呼ぶ)青森県なり栃木県の長がそれで判断することでありまして、職員は長の指図に従う、そういうことでございますから、私どもは、出向していた人に対して指示や何をすることは国家行政組織から見てもできません。

 そういうことでございますので、それはきちっと峻別し、立て分けて考えていただきたいと思います。

山井委員 今回、民主党が調査したところによりますと、ここに資料がありますが、四十七都道府県のうち二十八県の土木整備部などに国土交通省が出向者を出しているということであります。

 私はこの議論で非常に気になりますのは、こういう、首長に対して国土交通省の役人さんが署名集めをしに行ったという話がある、また、こういう出向されているところにおいて特に強くこういうふうな署名集めをされている。一歩間違うと、冬柴大臣のところに届けられている署名に自分の部下が関与しているケースも散見されるということなんですね。そうなると、これは自作自演、やらせということにもなりかねないわけです。だからこそ、署名の信頼性にかかわるから、私は調査をしてくれということをお願いしているわけです。

 改めて冬柴大臣にお願いしますが、こういう疑念を持たれるのは国土交通省にとってもよくないことだと私は思います。冬柴大臣にとっても嫌なことだと思います。だからこそ、圧力という言葉を抜いて、シンプルに、署名活動を勤務中に行ったケースはないのかということを都道府県に出向している国土交通省の職員も含めて調査をしていただきたいと思いますが、冬柴大臣、いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 私は、やるべきことはやった、やり尽くしたと思っておりますので、新たなアクションは、あなたからもっと、先ほど来言うようなことがない限り、私は職員を動員してそういうことをもう一度やるということはできません。やるべきことはやったと思います。それはもう国民の御判断だと思います。

山井委員 実は、私も何人かの首長さんに聞いてみたら、だれが署名集めに来られましたかと聞いたら、記憶にないとおっしゃる方も何人もおられるんですよね。何かこの質問になると、急に記憶にない。十一月の五日、六日、七日というほんの三カ月ほど前の話ですが、言葉を濁されるケース、あるいは、先ほど言ったように、国土交通省の職員さんが署名集めに来られましたという話も私は複数聞いております。

 今、冬柴大臣が、調査はしないということをおっしゃいました。ということは、冬柴大臣、もし個別に当たって事例がぼろぼろと出てきたらそれはやはり責任は感じていただかないとだめですが、そういう事例は出てこないということで調査をしないとおっしゃっているということでよろしいですか、冬柴大臣。

冬柴国務大臣 山井さん、ちょっとこれだけ読ませてください。

 私は、二月九日土曜日に、これはもう言っていいと思いますが、福島県の相馬市長さんという人とお会いすることがありました。そのときに、こういうことを言われました。

 そもそも署名運動の発端は、おととし、平成十八年十月十八日の東北市長会。道路特定財源の堅持を求める特別決議を採択した後、岩手県久慈市長から、東北の市長たち全員が署名をもって道路特定財源の堅持を訴えるべきだとの緊急動議を行った。それを受けて当日の議長だった宮城県の大崎市長が案文の取りまとめを行い、出席している全市長、全体の七割程度が同日署名し、欠席して署名できなかった市長たちには郵送で署名の可否を問うたところ、最終的には仙台市長も含めて東北の全市長が署名した。

 次に、おととし、平成十八年十月二十四日。道全協定例理事会において、相馬市長が東北市長会の動きを披瀝。同市長から緊急動議の形で、東北の市長だけでなく、道路特定財源堅持については全国の市町村長の署名を募るべきではないかとの提案がなされ、他の会員から賛同する意見が相次ぎ、全会一致の拍手のもと、署名活動を行うことになり実行された。九八・三%の署名をもとに政府・与党に対し要望活動を行った。

 平成十九年度の署名については、十月二十三日の定例理事会において、前年度の活動を踏まえて同年度も実行すべきかどうかを会長提案で協議。全会一致で十九年度も行うことを決定して各市町村長に郵送することとした。

 以上が道全協として署名活動を行うに至った経緯である。これらの一連の動きについては、地方自治体からの切実な声が大きなうねりとなって全国市町村長の署名活動となったもので、発案者の相馬市長としては国土交通省を初めとするいかなる方向からも教唆や圧力を受けたものでもない。

 道全協は会員の負担金により運営されている任意団体であり、国の支援を一切受けてはいない。また、理事会には国土交通省関係者は同席せず、理事たちがフリーに論議を闘わせる場でもある。したがって、理事の中には国の行政全般に対する非難を開陳する者もおり、国土交通省の外郭団体のような指摘は当たらない。以上。

 こういう話であり、本人からそのように私は聞きました。

山井委員 その道全協の事務局長は元建設省のお役人さんであるわけです。

 それで、冬柴大臣、そういう趣旨であれば、今おっしゃったような趣旨であれば、この千七百名余りの署名集めを、繰り返しになりますが、万が一、国土交通省の役人さんや都道府県の土木整備部なりがお願いに行くということは、趣旨として本来おかしいということでよろしいですか。冬柴大臣。

冬柴国務大臣 あなたから、だれがしたのか言ってください。それが私の答弁です。だれがそういう働きかけをしたのか、具体的に言ってください。それが私の答弁です。

 そうじゃなければ、もう一度やれ、もう一度やれと言われたって、本当に、そういう単なる疑いでそういう大きなアクションをとるわけにはいかないじゃないですか。ですから、そこは、山井さん、頑張って調査していただいて、私に、やるんであれば、私は、それはもう率直に認めたじゃないですか、北海道だって。おわびもしたじゃないですか。そして、これだけの八千人に及ぶ人たちに対してもして、今答えもしたじゃないですか。そのやり方が悪いというだけで、もう一度やれというのは、それはいけませんね。私はそう思います。

山井委員 冬柴大臣、私の質問に答えてください。そういう、この署名集めが自主的だということをおっしゃるんならば、国土交通省の役人さんや都道府県の土木整備部などが署名集めに行くというのは、趣旨は違うというふうに大臣としては認識されていますか。大臣、大臣。

平井副大臣 同じような話が繰り返されておりますが、こういうことを大臣は調査して誠実にお答えになっていると思います。

 以上です。

山井委員 いや、調査とは全然違います。大臣、今は県の話を言っている。都道府県が首長に、首長への署名集めに行くということも、今の答弁の趣旨からいくとふさわしくないということになりますが、そういう趣旨でよろしいですか。冬柴大臣。

平井副大臣 それも先ほどずっとお答えしていると思いますが、それは地方公務員の話。地方自治体の話は大臣が答えるべきではないと思っております。

山井委員 非常に答弁を嫌がっておられますが、これは、都道府県の土木整備部から署名を依頼されたという数も私もたくさん聞いております。そして、本当は一般財源が賛成だけれども、やはり国土交通省の役人が来たら署名をせざるを得ないという声も聞いたこともございます。やはり県の土木整備部が来たら断りづらいという声も聞いたことがございます。ですから、そういうふうな声が出ておりますから、私は調査をしてくれと言ったわけですが、趣旨の違う調査をされたわけであります。

 そこで、これもお伺いしたいと思いますが、和歌山県が、きょうお配りしました「地方のチャンスを奪わないで下さい!!」、こういう全戸配布のチラシを配っておられます。それで、これについては十七ページに新聞記事も出ております、百二十万円で五十万部を作成したと。それで、この和歌山県の道路協会には、運営財源として市町村の負担金など住民の税金も入っているわけですね。私は、住民の税金が入ったものでこういう国論を二分するようなチラシをつくり、また全戸配布するのはいかがなものかと思うんですが、これについて総務大臣の見解をお伺いしたいと思います。(発言する者あり)

逢沢委員長 静粛に願います。

増田国務大臣 このチラシの内容でございますけれども、作成者は、直接の公共団体ではなくて、団体だというふうに今議員の方からお話があったかと思うんです。したがって、会の活動目的として、皆さんで議論してこういう内容を作成されたんだと思いますが、内容の適否はやはり、その会員の中であったり、あるいは、場合によっては、会員に県あるいは市町村などが入っているのかもしれませんが、そういったところの議会、これは、もし税金が使われているとすれば、そうした議会や監査委員などが適切に判断をすべきもの、このように考えます。

山井委員 この道路特定財源の問題は、また引き続き議論をしたいと思いますが、今後、どういうふうな声がまたいろいろな地域から出てくるのか、そのことをまた取り上げて質問をさせていただきたいと思います。

 そこで、舛添大臣、大変長らくお待たせいたしましたが、千四百三十万件の年金記録と、中国人派遣労働者がお手伝いをされたということについてお伺いしたいと思います。

 これは、約十日ぐらい作業をお台場のビルでされてから、十日後ぐらいに気づかれたということなんですが、これは何をきっかけに、この旧台帳の照合作業の誤り、中国人はミスをしているということに気づかれたんですか。

 例えば、聞くところによると、タナカアキラというのを、デンナカアキラというんですか、中国の場合は名字が一字のケースが多いというので、そういうふうに名字と名前の割り振りを間違ったり、あるいは、人見という字を、はねることができてなくて人貝という写し間違いを中国人の方がされた。

 そういうことで、五、六十人働かれていたということを聞いたんですが、五、六十人が十日ぐらい働かれて多くのミスをして、気づいたのが十日後であるというのはちょっと考えられないんですが、何が原因でこれは転記ミスがあるんじゃないかと気づかれたわけですか。

舛添国務大臣 いわゆる派遣されてきて、大変遺憾なことに、そこに中国人が入っていたということでありますが、派遣された職員がやる、そして、必ず日本人の社会保険庁の職員が最終的にチェックをする。その段階で、これは適切でないということの判断になったと思います。細かい点は、今、山井委員がタナカをデンだけと読んだ、ちょっとそこのところを、私は細かい一つ一つのケースについては詳細は知りませんけれども、今申し上げたように、日本人がチェックして、これは今の、タナカのデンというのはおかしい、それで発見した。

 それで、今委員御指摘のように、大変遺憾ながら、昨年十二月十日から十四日まで及び十二月十七日から二十日までの午前中までの間の合計八日間で八十八名がこういうことに従事をしていた。こういうことは二度とあってはいけないということで、今厳しい指導をしているところでございます。

山井委員 今、社会保険庁がちゃんとチェックしているということですが、なぜこれは八日間も働かせたんですか。その日にチェックしていたら、その日に間違いは見つかるんじゃないですか。毎日チェックはしていないんですか。

舛添国務大臣 これは毎日チェックをしても、例えば先ほどの例で、タナカというのが正式に正しくタナカとなればわからないわけでありますけれども、十二月十九日のこの作業チェックのときに、今委員がおっしゃったような例が出てきた。ああ、これはおかしいということで、だれがこれをやったんだ、そして、いつから派遣されたんだということで調査をしたところ、十九日に発見しましたけれども、十日からその中国人が入っていたということが判明したわけであります。

山井委員 五、六十人も入って作業をやっていて、誤りが発見されるのが八日、十日後というのは、どう考えても余りにもチェックがずさんだとしか言いようがない。私も、実際このバイトをされた方から話を聞いたことがございますが、チェックは非常にずさんだったという証言も得ております。

 忘れていただきたくないのは、この千四百三十万件、一つ一つの記録が年金なわけですから、そこでいいかげんなことになったら、年金もらえる額が減るわけですから。にもかかわらず、それを五、六十人の中国の派遣労働者にさせて、その誤りに気づくのが十日後。これでは余りにもずさんだと言わざるを得ないと思いますが、これは全員に守秘義務の誓約書は出させているんですか。出させているんだったら、それを出してください。

舛添国務大臣 派遣労働者は、これは全部守秘義務がかかります。したがって、今、全員に出しているかどうかを確認していますが、あと若干名確認がとれていない人間がおりますので、確認がとれ次第また公表したい、そしてまた委員にもお知らせしたい、そういうふうに思います。

山井委員 そうしたら、これはもちろんプライバシーの問題がありますので、その部分は隠してで結構ですから、この誓約書をすべて見せていただきたいと思います。

 問題は、二十二ページでありますが、守秘義務の誓約書のみならず、この社保庁と派遣労働者との契約書の中に十八条というのがありまして、十八条の四、「甲は派遣労働者が派遣終了にあたっても、甲あてに守秘義務の履行に関する確認誓約書を提出させるものとする。」となっていますが、この確認誓約書は全員に書かせていますか。

舛添国務大臣 今、委員が御指摘のように、労働者派遣基本契約書第十八条四項とは、派遣をスタートするときも仕事が終わってからも守秘義務はかかります。

 ただ、現実的に、契約書を書くときに、私も契約書をチェックしていましたけれども、大体最初の契約書のときに両方を兼ねて一つの契約書でやらせる。例えば我々のものですと、一条に守秘義務の誓約、そして第三条で守秘義務ということで、契約解除後の守秘義務というのは第三条にもあります。そして、これを今、先ほども申し上げましたように、全員が提出しないといけません。

 そして今、この派遣元の会社に対して確認作業を行っているところで、先ほど申し上げましたように、若干名まだ確認ができていないのがありますので、提出は基本的にさせております、その確認作業が終わり次第お知らせをしたいと思います。

山井委員 これも、確認誓約書を書いていないんじゃないか、そういう声がありますから、ぜひ出してください。

 ところで、その現場の視察にお台場に行きたいんですが、今現場ではどのような作業をされていますか。書道家などが登場していると聞いているんですが、そのこと。

舛添国務大臣 とにかく、今の件数のものはマイクロフィルム化されていますから、それを磁気テープに変えて、そしてオンライン化する、そういう作業をやっています。

 これは、ただ、どうしても、手書きですから、草書体で書いてあったりする、読めないのがある。それで今、書道家、書道の先生を動員しまして、読んでもらっている。これはどう読むんだろうという形で今その作業をやっております。

山井委員 書道家でないと読めないというのはかなり大変なんですが、何人書道家が、一カ月、二カ月、何カ月ぐらいで作業をされていて、何万件ぐらいを書道家の方々が解読されているんですか。

舛添国務大臣 これは平成十九年十月十二日から、一日につき約三十名から九十名が従事して、現在も引き続き、草書体、旧字体など判読が難しいものについて解読作業をやっております。

山井委員 これは一日三十名から九十名、それで二カ月以上ずっとやっているということは相当の数に上ると思うんですが、そういう解読不可能なのはどれぐらいの件数あるんですか。

舛添国務大臣 これは今まさに解読中であって、どれだけというのは今数字で具体的に申し上げられません。

 幾つかの報道で三百万件なんていうのが出ていますけれども、それは単純に推測して言っているだけでありまして、我々は、一つ一つこのように粘り強くこの記録をよみがえらせていく、こういう作業を今やっているわけでございます。

山井委員 これは私の二十三ページの資料になりますが、まさにこの千四百三十万件は、三月末までではなくて、ここの資料にありますように、四月、五月に千四百三十万件の名寄せと通知ということになるわけです。

 しかし、私がきょうの質問で申し上げたかったのは、そういう中国人の派遣労働者の方々がやっている転記ミスに十日間も気づかない、また、毎日三十人から九十人もの書道家の方が二カ月も来て判読しないと読めない。それで、現場の方に聞くと、現場の雰囲気は、毎日千三百人ぐらい来て、お台場のビルの二階を借り切ってやっていたけれども、チェックは非常にずさんだった、そういう証言も得ております。ですから、問題なのは、この四月、五月の時点で、本当にそんなずさんなやり方で何件名寄せができて通知ができるのか、ここが一番心配なんですよ、そんなずさんなやり方で。

 それで、最後に、もう時間になりましたので、舛添大臣にお伺いしたいんですが、この四月、五月、こういうやり方で何万件ぐらいが名寄せできて、何人ぐらいに通知ができると想定をされていますか。

舛添国務大臣 基本的に、この工程表に基づいて、つまり、昨年七月五日、政府・与党が決めた工程表どおりに着実に一歩一歩進めていっております。そして、今まさに書道家を動員して最後の難しい解読作業までやっているということでありますから、私は、予定どおりできるだけこの解明、解明できないものはそれはあると思いますよ、みんなが寄ってたかってかかっても。しかし、これは、できるところを最大限やってきちんと国民の負託にこたえたい、そういうふうに思います。

山井委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて山井君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 きょうは、地球温暖化問題、温暖化対策について質問いたします。

 今、「アース」というドキュメンタリー映画が話題になっております。大臣の皆さん、お忙しいんですが、ごらんになったかどうか皆さんに伺ってもあれですが、甘利大臣、この映画はごらんになったでしょうか。「アース」というドキュメンタリー映画。

甘利国務大臣 見ました。

笠井委員 これは私も見ましたが、五十億年ほど前に巨大な小惑星がまだ若かった地球に衝突をした、その衝撃ははかり知れず、惑星そのものを二十三・五度も傾けてしまう、しかし、この衝突事故は大惨事となるどころか、我々が知っている生命の星、地球の誕生に重大な役割を果たすことになった、こんなナレーションで始まりまして、北極を起点にしながら南極まで地球縦断の壮大な旅に出て、ホッキョクグマ、象、ザトウクジラの親子に導かれながらさまざまな命の営みに出会う。ドイツとイギリスの合作ということで、九十八分の非常に圧巻の映画でありました。これは吹きかえ版もありまして、親子連れの方もたくさん見えておりました。

 この映画は、最後に、このまま地球温暖化が進めば、二〇三〇年にはホッキョクグマが絶滅をする、そして、私たちにできることは何かと問いかけて終わっております。地球温暖化対策は、文字どおり、全地球と全人類、そして生物の生存と未来をかけた重大課題だということを印象づける映画だったと思います。

 そこで、鴨下大臣、この地球温暖化対策、温室効果ガス削減、この必要性について改めてどう認識されているか、端的にお答えください。

鴨下国務大臣 先生おっしゃるように、地球温暖化はもはや疑いがなく、気温や海面水位の上昇、あるいは雪氷の広範囲にわたる溶解、あるいは多くの自然生態系への影響など、既に現実のものになっている、こういうような認識でございます。

 また、地球温暖化は、大型の台風やハリケーン、あるいは熱波などの異常気象、さらには特に海水面の上昇に伴う国土の減少、あるいは食料や飲料水への悪影響など、人類の生存基盤を脅かす最大の環境問題、こういうようなことで、人類の共通の最優先の課題としてまさに今取り組まなければいけない、こういうふうに考えております。

笠井委員 そういう点でいえば、二〇五〇年までに半減をするというのは必須の課題だと思います。そして、先進国であり、歴史的な京都議定書を取りまとめたCOP3の開催国として、また、ことし七月の洞爺湖サミット議長国としての日本の役割、イニシアチブがどうしても必要になっている、大事だというのは言うまでもありません。そして、その日本がイニシアチブを発揮するためにも、二〇二〇年までの中期目標設定が不可欠であります。

 同時に、迫られているのは、ポスト京都議定書の取り組みだけではなくて、まず、一九九〇年比マイナス六%という京都議定書で約束した当面の目標自体を日本が期限内に達成できるか、世界は注目をいたしております。ところが、現状は六%の削減というふうに近づくどころか逆に六・四%もふえている、こういうことであります。

 福田総理は一月二十三日の本会議の中で、参議院でしたか、京都議定書目標達成計画による対策のみでは六%削減目標の達成は極めて厳しい見通しというふうに答弁をいたしましたが、鴨下大臣、その極めて厳しい見通しということについて、どうとらえていらっしゃるでしょうか。

鴨下国務大臣 我が国の温室効果ガスの排出量は二〇〇六年で基準年度比六・四%増、こういうようなことになっておりまして、ある意味で厳しい状況であることは間違いございません。

 このため、京都議定書目標達成計画の見直しにつきまして、二月の八日に取りまとめられました中環審と産構審の合同会合による最終報告においては、国、地方公共団体を初め各主体が、現行の目標達成計画の既存対策に加えまして、住宅・建築物、自動車や機器などの省エネルギー対策の強化あるいは新エネルギー対策の推進など、今般取りまとめられた追加的な対策を全力で取り組む、こういうようなことによって六%削減目標を達成することとしております。

 この審議会の結果を踏まえまして、政府としては、今年度中に目標達成計画を改定して、計画の進捗管理を厳格に行いまして、必要に応じて対策を追加していく、こういうようなことでこの五年間の目標達成を実現したい、こういうふうに考えているところであります。

笠井委員 今回出された最終報告、そして、この間の推計の中でいいますと、現行の対策だけでは削減目標に届かない。二〇一〇年度に一・七から二・八%、二千二百万から三千六百万トンの不足が生じることが判明いたしております。そして、今まさにありましたが、環境、経産両省の合同審議会が二月八日にまとめた京都議定書達成計画見直し最終報告は、追加策を講じれば三千七百万トン以上の削減が可能であるというふうにしております。しかし、これは、中央環境審議会委員や同臨時委員の専門家からも、数字は根拠が明らかでない、計測、報告、検証のできないものだとか、あるいは実効性のない数合わせという批判も出されているというものであります。

 鴨下大臣、そういう形で追加策に全力で取り組むということで言われたんですが、このまま毎年目標を達成できずに上回るようでは、これから先が大変なことになる、これは間違いないと思うんです。まさにIPCCの報告が厳しく警告しているところであります。

 福田総理は、先週の当委員会で、この問題について関連して、IPCC報告の問題について岡田委員の質問に答えて、この報告書については、単なる警告ではなくて前提に位置づけるというふうに答弁をされました。

 そこで、鴨下大臣、このIPCCの報告書、これをまさに前提にして、先進国日本として、まずことしからの第一次の約束期間の目標をやり遂げる、全力を挙げると言われたんですが、この不足分ということについては、具体的にどこをどうやってやり遂げるのか。いろいろな分野がありますね、森林の問題とかいろいろありますが、どういうふうにしてやっていくかについて、その辺について考えをお聞かせください。

鴨下国務大臣 今申し上げましたとおり、この計画は、まず、新しい計画を、それぞれ産構審、中環審でまとめていただきました。これを一つの土台にしまして、私は先ほど申し上げましたように進捗の管理が厳格に行われるということが重要だと思っておりまして、これが一年置きに進捗状況を把握するというので果たして十分かどうかというようなことも含めまして、あっという間に五年たちますから、ですから、半年ぐらいで速報値をとらえつつ、もし必要があればさらに新たな規制的な手法も加えていく、こういうような観点も必要だろうというふうに考えております。

笠井委員 政府は、削減目標六%のうち、国内対策ということで国民的運動ということも提起しておりますが、そのほかに、森林吸収、こういう問題もあります。ただ、これを見ますと、今の整備率では二・七から八%しかいかない。なかなかこれは大変だという問題がある。

 それからさらに、京都メカニズムを活用するということがありますが、一・六%ということですけれども、これに当たる約一億トン、CO2換算でいいますと五年分ですが、これは、税金で海外から排出権を買い取るという上に、さらにこの目標の達成の見通しが立たなければ買い増しをする、さらに買い取りをしなきゃいけないというふうになります。

 そこで、額賀財務大臣に伺いますが、昨年十月二十六日に財政制度審議会財政制度分科会財政構造改革部会において、財務省は、この目標未達成のリスクということについて、またその際の財政負担の発生について、どのように説明を行ったでしょうか。お答えください。

額賀国務大臣 委員にお答えいたします。

 お尋ねの財政制度審議会においての試算でございますけれども、産業構造審議会、中央環境審議会合同審議会の中間報告において、現行の対策のみでは六%削減目標の達成には一・五%から二・七%の不足がおっしゃるように見込まれていると。これを受けまして、その不足分に仮にクレジット購入で補完した場合に、既に取得することになっている一・六%と合わせると約二千二百億円から約一・二兆円の負担が生じるという結果になっております。これによって、国内対策により確実に目標を達成することができるということだと思います。

笠井委員 約二千二百億から一・二兆円という莫大なことになる。したがって、国内対策によって確実に六%削減約束を達成しなきゃいけないと財務省は見ている。こういう観点からも、国内対策によって確実に六%削減約束を達成するという必要があって、あくまで京都メカニズムというのは補完的なものであると。

 鴨下大臣、こういう関係でよろしいわけですね。

鴨下国務大臣 平成十七年の四月に閣議決定されました京都議定書目標達成計画におきましては、我が国は、京都議定書の約束を達成するため、国内での排出削減対策及び吸収源対策を基本として、国民各界各層が最大限努力をしていく、これが大前提であります。

 この国内対策でもなお達成が不足する分である基準年総排出量比一・六%分につきましては、国内対策に対して補足的な原則を踏まえつつ、京都メカニズムを活用したクレジットの取得をしていく、こういうようなことでありまして、申し上げましたとおり、これはあくまでも補完的であるということは、そのとおりでございます。

笠井委員 それでは、その基本である国内対策において有効な手だてが講じられてきたかという問題であります。政府は対策をとってきたということでありますけれども、結局、いろいろやってきたけれども、逆に大きくふえてしまったと先ほどもありました。

 そこで、環境省で結構ですが、お答えください。二〇〇六年度の管理主体別で見た二酸化炭素の排出状況の割合というのは、どういうふうになっているでしょうか。数字で結構ですが、お答えください。

谷津政府参考人 お答えいたします。

 平成十八年、二〇〇六年度の速報値でお答えを申し上げます。

 温室効果ガスの中、二酸化炭素の排出量は十二億七千五百万トンでございました。管理主体別に見ますと、家計関連が二〇%、企業・公共部門関連が八〇%でございます。

 家計関連二〇%の内訳を見ますと、家庭部門が一三%、運輸部門のうち、家庭の自家用車が六%、一般廃棄物の焼却に伴う排出が一%でございます。

 また、企業・公共部門関連の八〇%、この内訳を見てみますと、産業部門が三六%、業務その他部門が一八%、運輸部門のうち、貨物、鉄道、船舶等、これが一四%、エネルギー転換部門が六%、工業プロセスが四%、産業廃棄物の焼却に伴う排出が二%でございます。

笠井委員 今ありましたが、民生分野、家庭や個人の努力、国民的な運動、これはもちろん非常に大事でありますが、日本のCO2排出量の中で、家庭からの排出、自家用車、一般廃棄物も含めて二割ということに対して、実に八割もが企業・公共部門が占めている。とりわけ、その中を見ますと、発電所や鉄鋼などの直接排出の割合というのが、データを見ても、日本の全体の中で非常に大きいです。こうした大口排出事業所の排出をどう抑えるかというのがかぎを握っているというふうに思います。

 特に、エネルギー転換部門と電力由来の排出割合というのは、お手元の資料をごらんください。資料一の下の円グラフの方ですが、二〇〇六年度を見ましても、排出形態別排出状況を見ますと、それぞれ電力にかかわる問題を足して合わせると、合わせて三六%にもなります。二〇〇二年の場合は、同じく電力由来と電力関係を合わせますと三一%ということで、それと比べても割合が増加をいたしております。近年の石炭火力発電による排出係数の高い電力が排出量を押し上げているというのが、いろいろ調べてみると実態であります。

 そこで、甘利大臣に伺いますが、日本の国内の石炭火力によるCO2排出量というのは、一九九〇年と二〇〇五年を比較するとどれぐらいふえているか、火力発電所からのCO2排出量のうち石炭火力からの排出分は何%を占めているか、お答えください。

甘利国務大臣 石炭火力発電所から排出される二酸化炭素の量、これを九〇年と二〇〇五年で比べますと、九〇年が六千五百万トン、〇五年が二億トンでありますから、九〇年比でいうと約三倍になります。

 石油危機以降、すぐ、脱石油ということに電力関係は一斉に投資が行われまして、原子力発電、それからLNG、そして石炭、この三本柱でやってきた。リードタイムが十年ぐらいかかりますから、それが立ち上がって、現在その比率になっているということであります。

笠井委員 資料の二枚目にもありますが、あれこれ言われますが、約三倍にもふえたということであります。

 石炭火力による排出量を減らす有効な手だてをとる必要がある、それもとらずに、ひたすら民間や民生にこれを頑張ってくれと言うだけじゃいけないという問題があると思うんです。筋違いの問題になってくる。

 政府は、家庭、業務部門の排出量の増加が喧伝をされる中で、削減対策を抜本的に強化する必要があるというふうに言いますけれども、実際は、資料一の方のグラフをごらんいただいてもおわかりだと思いますが、家庭一三%のうち八%、業務一八%のうち一〇%が電力由来によるものであります。〇二年と〇六年を比べても、家庭の電力由来はいずれも八%で変わっていませんが、電力由来全体では三一%から三六%にふえている。

 こうした中で、電気事業連合会のCO2排出量というのは、一九九〇年の二億七千五百万トンが、二〇〇六年には三億六千五百万トンという形で一億トン近くもふえている。

 鴨下大臣、電力業界によるCO2の排出増加というのは明らかなことだと思うんですが、供給されている電力の大もとで排出削減の対策を進めるということは、やはり温暖化対策にとって欠かせないというふうに思うんですが、どのようにお考えでしょうか。

鴨下国務大臣 京都議定書の目標達成計画に位置づけられました電気事業連合会の自主行動計画によりますと、電力の二酸化炭素排出原単位で目標が設定されている、こういうようなことでございますけれども、他方、一つは安全確保と信頼回復を前提とした原子力発電の推進、それから、石炭火力の高効率化や、LNGのコンバインドサイクル発電の導入等による火力発電の熱効率のさらなる向上、こういうようなものをしっかりと取り組む、こういうようなことに加えまして、京都メカニズムの活用等でその目標を達成しよう、こういうふうになっているわけであります。

 環境省としましては、この自主行動計画の目標が確実に達成されるように厳格にフォローアップを行ってまいりたい、こういうふうに考えております。

笠井委員 今、安全確保を前提というふうに言われて、原発というふうなことを言われましたが、しかし、原発に依存ということではうまくいかないということは、中越沖地震による柏崎刈羽原発の全停止によっても明らかに証明されたわけであります。

 気候変動における原子力発電の役割については、欧州八カ国の環境大臣の会合でも、昨年十月に、原発は持続可能な発展とは両立しない、気候変動との闘いにおいて有効な選択肢にはならないということが言われておりますが、省エネと再生可能エネルギーの促進こそが解決策だという共同声明も出されているという問題があります。

 それから、高効率化の問題を言われました。燃焼温度を上げたりすれば半分に減るというふうなことを言われたりしますが、しかし、そんなことは織り込み済みで、効率化の努力というのは当たり前ですけれども、その努力をやってきても現実にふえているという問題があります。しかも、それは、さまざまこれから開発途上の問題がある、これから先の話でまだわからぬという問題でありまして、それを前提にしながら、あと足りなければ電力業界は買えばいいといっても、これを本当に真剣にやるかどうかという問題になってくると思うんです。

 私、もう一回、とにかく確認的にお聞きしたいんですが、いずれにしても、電力業界におけるCO2の排出がふえているという中で、やはり、供給されている電力の大もとでこの削減対策をきちっとやることが温暖化対策にとっては欠かせないということについては、そのとおりだという認識はお持ちなのかどうか、そこは鴨下大臣、もう一度御答弁をお願いします。

鴨下国務大臣 先生がおっしゃるように、電力の使用に伴う排出量はふえているわけでありまして、これについては、さまざまな方法によりまして、低炭素の社会に移行していく上での技術革新が必要だろう、こういうふうに考えているわけであります。

 そういう趣旨においては、先ほど申し上げましたように、足元では安全を確保した上での原子力発電に依存せざるを得ない部分もございますし、加えて石炭火力等もしっかりと高効率化していく、こういうようなことを組み合わせまして本来の目標を達成したい、こういうようなことで、環境省としては、ぜひこのマイナス六%をこの五年間で実現する、こういうような趣旨で、電力業界にもしっかりと御協力をいただきたいというふうに思います。

笠井委員 技術革新とか高効率化、それは大事だという話は言われるんですけれども、しかし、それはこれから開発途上の話でありまして、第一次約束期間というのはもうことしから始まるわけですよ。間に合わなかったらどうしようもない話ですからね。

 いずれにしても、私がそこははっきり言っていただきたいのは、この分野で、きちっと大もとのところで、電力の分野できちっと削減する必要があるんだということについては、そういう認識があるかないかということをはっきりさせてください。努力という問題はいいですから。

 鴨下大臣、ちょっとその点を。

鴨下国務大臣 電力需要そのものは増大しておりますので、温暖化対策においては、電力というようなものについての効率化をしていくということは極めて重要なことで……(笠井委員「削減はきちっとやると」と呼ぶ)もちろん、削減をしていくということが重要なことでございます。

笠井委員 政府が国内の製造業や発電所などの排出削減をゆだねている日本経団連の自主行動計画というのがありますが、これは、業界が、CO2とエネルギー消費の総量もしくは先ほどありました原単位目標のいずれかから、都合のよいというか選択できる、目標を選んで数値も決定するというものであります。

 電力部門の削減計画で見ると、実際どうか。電気事業連合会は、京都議定書が採択された一九九七年、経団連自主行動計画をまとめて、二〇一〇年に、電力業界全体のCO2排出原単位を一九九〇年実績から二〇%程度削減するというふうにいたしました。発電量一キロワット時当たりのCO2削減量という、この原単位という方式でやれば、発電量がふえると排出量もふえていく。

 この自主行動計画というのは、二〇一〇年には発電電力量は約一・五倍の伸びが予想されるがCO2総排出量は一・二倍程度の伸びに抑えられると。伸びるけれども一・二倍程度という話になってくる。そう言うだけでありまして、あたかも削減されると言うんですけれども、実際は排出がふえるという目標であります。

 福田総理は、自主行動計画における効果が着実に上がっているというふうに一月二十二日の当院の本会議でも答弁をいたしましたが、現実には全体で六・四%ふえている。そして、そういう中で、今申し上げた自主行動計画、業界にとっては選べる、こちらでやればふやしても削減という目標になっていくという都合のいい努力目標に照らしてさえ、電気事業連合会の二〇〇六年実績というのは一・三倍以上と、目標達成に近づくどころか逆に遠ざかっているという問題があります。

 鴨下大臣、先ほどからいろいろ言われるんですが、こういう形でつくられている自主行動計画頼みでは、削減目標を達成するという担保、何の保証もないじゃないか。こういう計画に任せて、そういう計画を積み上げていって、結局全体の目標を達成できるのか。どういう認識をお持ちでしょうか。鴨下大臣に伺っています。

甘利国務大臣 自主行動計画の話は私が担当でございます。

 これは厳然たる数字として、製造業を中心とする産業部門、三四%の部門は、九〇年比マイナス五・六になっているのは事実なんですね。家庭部門とか運輸部門が三〇パー、四〇パーふえているのも事実です。

 それから、家庭部門は送られている電気を使うだけだからとおっしゃったように聞こえましたけれども、電力会社は供給義務があるんです。必要だと言われたら送らなきゃならぬのです。ですから、家庭の方でも、電化生活を謳歌する、それはいいですよ、しかし、節約に努めるとか小まめに電気を消すとか、あるいは断熱性の高い住宅を率先して購入するとか、あるいは省エネ性能のいいものを焦点を当てて家電を買いかえるとか、そういう努力があって当然しかるべきだと思うんですね。

 電力業界は供給義務というのがありますから、供給を自分でコントロールができませんから、原単位目標で減らしていかないと、どれくらい供給要求が来るかわからぬのですから、総量で明確にコミットするというのはしづらいんですよ。

 ですから、原単位を下げていくということが一番いいアプローチだと思いますし、原子力も、北欧や、あるいは、この間私はイギリスの担当大臣とも会いましたけれども、全部原子力に推進していくと。この二、三十年の間に世界じゅうで原発の新規立地が百五十基あると言われているんですよ。そういう中で、安全を大前提に、日本もしっかり原子力を推進していく。最新の原発二基を従来の平均的な火力と置きかえると、二基だけで一%CO2が減るという極めて強力なツールなわけですから、これはしっかりと正面を見て推進をしていく必要があると思います。

笠井委員 幾つか言われましたけれども、原発の問題だって、安全性が前提と言うけれども、それ自体がもう崩れている、安全神話が崩れている中で大問題になっているわけですよ。このままやっていけるのかという問題に実際に直面しているわけですからね。

 それから、家庭部門で、使うだけだと。そういう問題での努力を否定するなんてとんでもないことを私は言っていませんよ、そんなことは。いろいろな努力はする、当然だ。しかし、結局は排出量の大きいところ、しかも石炭火力に依存してどんどんふやしている。今、日本は世界一の石炭輸入国でしょう。そういう形でやっていく。いろいろな、高効率化とかやるとか言っているけれども、これから先の話です。実際にそうやって原単位目標に基づいてふやしちゃっているんですから、電力業界全体で。それをちゃんとやらなきゃいけないというところに本当に政治の力が働かなかったらいけない、これが今、世界で問題になっているところであります。

 しかも、問題は、今出されている自主行動計画というのは努力目標にすぎなくて、結局、削減の担保がない。大量排出する事業や業界ごとに総量削減目標も排出上限の枠もはめられていないですから、こういうことになってくるわけです。京都議定書の六%の削減目標のうち、産業部門の八割をカバーする経団連の自主行動計画というのは、これはトータルでゼロ%削減、こういうものにすぎないわけでしょう。ゼロ%削減。目標達成できなかったら、メカニズムを使ってとにかく足していく。国全体が行かなかったら税金でやると。先ほど二千二百億から一兆二千億という話がありました。こういう形で、計画任せにして、あとは税金のツケでというのが、今の政府の対応の大きな問題だと私は指摘せざるを得ません。

 欧米諸国が、政府、経済界との公的な削減協定の締結や自然エネルギーの大規模な導入、削減目標を企業ごとに明確にしながら排出量取引をする、環境税を導入するなど、政府がイニシアチブを持って、規制と誘導によって大幅な削減に踏み出しているというのとは対照的だと思うんです。やれるところでやればいいんじゃなくて、やらなかったら、先ほど冒頭にありましたけれども、人類と地球が破滅的になるという事態だ、そしてIPCCの報告もそういうことを言っているんだ、警告じゃなくて前提なんだという問題だと思うわけであります。

 そこで、鴨下大臣に伺いますが、最近も、そうした自主行動計画を出している日本経団連、御手洗会長が、京都議定書のような不合理な総量規制が設定されれば国際競争力の弱体化は避けられないと言ったり、経団連の環境・エネルギー担当の三村副会長は、京都議定書の公平性や有効性に疑問があると言ったり、こういう発言が繰り返されております。あれから十年もたって、いよいよ約束の期間が始まるというときに、今さら、京都議定書は不合理な協定だとか不平等条約だとか言い募っているわけでありますけれども、鴨下大臣は、そういう発言、どういうふうに感じていらっしゃいますか。

鴨下国務大臣 昨年のバリでのCOP13において、京都議定書から十年たったということで、大変会場の方からもある意味で祝福をいただきました。それはどういうことかというと、先生おっしゃるように、京都議定書そのものは、先進各国の温室効果ガスの排出抑制削減に関する法的拘束力のある数値目標を初めて定めた、こういうような意味においては画期的な国際協定である、こういうふうに考えております。

 それで、例えばまだカバーしていないところ、離脱したところもありましたけれども、我々にとっては極めて重要な第一歩であったことは間違いございません。

 我が国が二〇〇二年に国会で満場一致で承認をいただいて批准をしたわけでありますから、約束したこの六%削減、必ず実行すべく、必要な措置を講じてまいりたい、こういうふうに考えております。

笠井委員 日本政府の態度、本当に国際的にも注目されているし、問われているというふうに思います。

 そして、京都議定書の位置づけについて、意義については今大臣は大事だということを言われましたが、しかし、そういうものが、結局、不合理な協定とか不平等条約というようなことを言っているような形での日本経団連、経済界の自主行動計画頼みのままでは、本当に、洞爺湖サミット議長国日本の国際的な信用を低下させるようなことになるということに、私は非常に危惧を持つわけでございます。

 総理は、この計画について、公的協定とすることは現時点では考えていないというふうに一月二十二日の衆議院の本会議で答弁をされました。

 鴨下大臣、この自主行動計画を協定にすることについて、現時点でという答弁だったのが総理ですが、今後、目標達成状況を見て、先ほど冒頭の議論の中でもありましたが、今やっていないようなさまざまな措置、進捗管理をやると言われました。そして、さらに規制的措置についてもということで考えていくんだと言われたわけですが、つまり、その中には、公的協定の問題や国内排出量取引とか環境税なども含めて、さらに何らかの措置をとるということも視野に置いて考えていく、検討するということで理解してよろしいんでしょうか。

鴨下国務大臣 まずは、この三月に閣議決定をいたします新たな目達計画、これをきちんと見守りつつ、厳格に進捗管理をしたい、これが大前提でございます。

 その中で、今御指摘いただきました自主行動計画の協定化、こういうようなことにつきましては、今現在は考えておりませんけれども、その厳格な進捗管理の後に、必要ならばそれぞれ考慮せざるを得ないことが出てくると思います。

 加えまして、国内の排出量取引や環境税については、これは中環審、産構審の最終報告において、今後速やかに検討すべき課題として、産業や国民経済に与える影響、諸外国の取り組み、こういうようなことを幅広い論点を踏まえまして総合的に検討する、こういうようなことになっておりますので、まずは新たな目達計画のもとで厳格に見守りたい、こういうような立場でございます。

笠井委員 事は一刻を争う全人類的、地球的課題であります。二〇五〇年までに半減といいましても、今後四十数年間で徐々にやっていけばいいというものではありません。ふえ続ける温室効果ガスの排出量を減少させるには、発電方法、交通形態を初めとして、産業と社会全般にわたる改革が必要であります。気候の変化も含めて、これは長い歳月がかかるということであります。

 だからこそ、IPCCのパチャウリ議長は、対策がおくれればおくれるほど温暖化の被害は拡大するというふうに指摘をして、気温上昇を二度から二・四度程度に抑えるには、排出量ピークを二〇一五年までに迎えて、それ以降は減少に転じなければ間に合わないと最近も警告しているわけであります。有効な中期目標が不可欠でありますし、それに向けて、まず第一次約束期間の目標達成がどうしても必要だと思います。

 最後に、鴨下大臣、確認的な、念押し的な話ですが、この目標達成計画、見直しをする、三月の年度末の閣議決定ということで予定をしている。しかし、その決定後もいろいろな状況変化があると思います。それから、欧米など先進国を初めとした国際的動向もあると思います。そういうことを踏まえて、さらに、いつでもこの政策の見直しを必要に応じて行っていく、これはもう本当に必要だったらすぐにでも手を打つという立場で閣議決定の後も臨んでいくという対応でお考えなのか、伺いたいと思います。

鴨下国務大臣 昨年、IPCCがノーベル平和賞を受賞した、こういうようなことも象徴的でありますけれども、我々は、究極の目的は地球温暖化を防止する、こういうようなことでありますから、我が国としては、まず、今おっしゃった新たな目達計画をきちんとした形で実行に移して、なおかつそれを詳細に進捗管理して、最終的には、もし足らなければ早目早目に次の手を打っていく、こういうようなことでございます。

笠井委員 これで終わりますが、日本経団連は、昨年十二月に、政党を採点する通信簿のための評価基準、優先政策事項を改定いたしました。私は見て驚いたんですが、地球環境対策の項目では、環境税や国内排出権取引制度を経済統制的な施策だとして、一切採用することなく対策を進めろという形で主張をしております。

 欧州諸国で現に存在するそういう制度などについて経済統制呼ばわりするという姿勢というのは、非常に世界から見ても異様に映るというふうに思います。今こそ、政府と経済界との間できちっとした協定を結ぶ、そして企業に社会的な責任を果たさせるルールをつくるべきであると思います。

 現行エネルギーの課税を見直して、二酸化炭素の排出量を考慮した環境税導入も真剣に検討すべきだ、このことを強く主張して、質問を終わります。

逢沢委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 私は、本日は、高村外務大臣そして岸田国民生活担当大臣のお二方に質問予告をしてございますが、たまたま、きょうのお昼休み、ちょっと前に、岸田大臣のところに社会民主党の申し入れを持っていかせていただきまして、テーマはギョーザ、毒ギョーザと申しますか冷凍ギョーザにかかわる問題でありましたが、そのときに岸田大臣が幾つかお話しくださった点が、私だけ聞いておくのはもったいないなと思いましたので、改めてこの予算委員会で、質問外のことですが、質疑をさせていただきたいと思います。

 きょうの私どもの社民党の党の申し入れは、もう皆さんこの場でも何回かお取り上げいただいていますが、昨年の十二月二十八日、千葉市で最初の中毒事件が発生し、その後、一月五日、兵庫県高砂、二十二日にまた千葉県市川市で発生しておりますが、公表までに約一カ月かかっておる。それだけかなと思えば、この冷凍ギョーザについては、そもそも昨年の四月から窓口には苦情が寄せられていた。

 そうなりますと、事件はこの間起こったことでありますが、果たして、いわゆる初動というか、最初にそうした危険を察知して、危機対応がどうであったかという問題と、そして、今なおやはり安全性については多くの国民が不安に思っている中で、これは福田総理の肝いりで、消費者生活を第一にする行政を行いたいということで、その担当大臣の岸田大臣がこのたび消費者行政推進会議というものを始動させたということでございます。

 私が一点目に伺いたいのは、そもそもこの間の事態をどうごらんになって、また、この会議の果たすべき役割はどのようにお考えであるか、一点お願いいたします。

岸田国務大臣 まず、今回の中国製冷凍加工食品の薬物中毒事案につきましては、最初の深刻な健康被害が発生してから、国、厚生労働省がこの事態を把握するまで一カ月を要したということ、この情報の収集、伝達あるいは関係省庁間の連携、こういった点で大きな反省点があったというふうに認識をしております。

 しかし、まず、この事態を把握してから後は、被害の拡大防止に全力を挙げなければいけないということで、全省庁挙げて、政府一丸となって取り組んだところであります。そして、原因の究明、再発防止という点につきまして具体策を進めていった、こういった対策を続けてまいりました。

 今回の事案につきまして、再発防止という点につきまして具体的な案をまとめる。国民の食に対する安心、安全ということを考えましても、まずこれが大至急取り組まなければいけない課題だと認識をしております。そして、こうした具体的な再発防止策を取りまとめると同時に、消費者行政全体のあり方も議論しなければいけないということで、今回、総理主宰の消費者行政推進会議もスタートするということになったわけであります。

 改めて、食の安全というもの、国民の安心、安全の中でも最も身近な課題として、こうした食の安全に不安が広がっていることについて深刻に受けとめると同時に、こうした消費者行政につきましても、ぜひ抜本的な議論を進めていかなければいけない、こういった思いを新たにしているところであります。

阿部(知)委員 私も、こうした取り組みは非常に重要であるし、ぜひ実のあるものにしていただきたいと本当に心から思うものであります。

 まず、今大臣はおっしゃいましたが、やはり情報が一元化されるということが、今まで、担当省庁、厚生労働省や農水省あるいは内閣府の中の食品安全委員会等々、いろいろな情報はありながら、さはさりながら、それが一括して寄せられないという制約がなかなか縦割りの中ではあったし、それが早い初動をおくらせている原因であると思います。

 そこで、今度大臣がそうした任に当たられるということは国民も大きく期待するところでありますし、そして、願わくばです、もちろん消費者行政が一元化されるというその言葉も重いし、それから、どんな組織図が描かれるかということもこれからなんだろうと思いますが、特に大臣が後段おっしゃった安全性ということについても、一刻の猶予もならないところに来ていると思います。

 大臣は、今、食品のとおっしゃいましたが、実は、これだけグローバル化した経済の中では、子供たちのおもちゃ、口にするおもちゃに鉛がついているとか、遊具に至るまで、この安全も不安であります。

 そして、もっと言えば、この間、特に厚生労働委員会関係では薬剤の安全性、これは当然厚生労働省が認可し安全性を図るわけですが、C型肝炎の問題を初めとして、抗うつ剤であるリタリンとかあるいはタミフルとか、いろいろなところでそれを使って安全なんだろうかということが非常に今の国民の中に広がっている、それが不安な社会に、もう蔓延を来していると私は思います。

 二点目に伺いたいのは、大臣がこれから早急に一元化を含めて展望される中で、そのキーワードの一つに、今言った食品やおもちゃあるいは医薬品ということも含めて、その安全性というところに当然ながらウエートを置いていかれるのであろうという、そこのお考えをもう一つお願いします。

岸田国務大臣 御指摘のように、国民の安心、安全ということを考えますと、食の安全に限らず、幅広い分野に目を配らなければいけないと認識をしております。

 例えば、国民生活センターに寄せられるさまざまな相談、苦情を見ましても、平時におきまして、食の安全にかかわるものは全体の三割程度であります。残りの七割程度は、御指摘のようなおもちゃの安心、安全ですとか、あるいは悪徳商法、振り込め詐欺を初めとする消費者被害等々、さまざまな分野にわたっております。消費者行政を見直すということになりますと、こうした幅広い分野、消費者の不安、国民の不安にこたえられるような行政のあり方を検討していかなければいけない、そのように認識をしております。

 こうした幅広い分野にわたりまして、情報の一元化ですとか、強い権限をどのように行使するとか、こうした点、しっかりと議論をしていきたい、このように考えております。

阿部(知)委員 私が重ねてお願いしたいのは、安全とか安心というのは間口がすごく広いので、逆に言うと拡散しやすい。そして、早急に、本当に直ちにやっていただきたいのが、口に入るもの。それは子供のおもちゃも含めてです。そこが今、みんなが不安になっている。薬も食べ物もというところを、時代の認識として特に強く持っていただきたい。

 そして、グローバル化経済というのは国境を越えて物が移動いたします。ちなみに、こうした安全行政という意味では、アメリカでもFDA、フード・アンド・ドラッグ・アドミニストレーションという医薬品と食品の安全にかかわる部局が、これも大きな見直しに直面し、今、皆さんも御存じのように、クリントンかオバマかという民主党の大統領候補の公約の中にも、FDAの充実とか見直しとかその他のもろもろの、やはり直接健康にかかわる部分の安全見直しということが大きな標語になっております。

 今の時代というのは、世界が同時代的に問題に直面する、多くを輸入食品に頼るという点も一緒です。それは、当然ながら、自給率を高めねばいけないという当たり前の、今度のことでも随分そういう流れはできましたし、また、それを支えていく行政も必要であると思いますけれども、本当に、今、即に国民に安心のメッセージを送れるとしたら、食品、おもちゃ、医薬品等々の部分は非常に重要であると認識をしていただきたい。大臣の果たす役割が大きい分だけ、私の方でお願いを申し上げます。

 では、本来の質問予告した部分に移らせていただきます。

 私は、きょうの質問は、今我が国では毒ギョーザの問題が騒がれておりますが、同じ毒は毒でも、毒ガスの問題でございます。

 化学兵器禁止条約というのが一九九七年に国際的に批准をされ、発効される中で、我が国にも、かつての大戦で中国大陸に遺棄したというふうに指摘されておるところの遺棄毒ガスの処理について、この条約にのっとった義務が課せられ、我が国の外務省あるいは内閣府も挙げて取り組んでこられたこととは思います。

 しかしながら、ちょうどことしで十年たちましたところで、果たしてこの遺棄毒ガスの処理がどのように進捗したか。遺棄毒ガスも、たまたまそこに残されたものが、例えば川の流れの中で遊んでいる子供がそれに被曝してしまうとか、小学校の校庭を掘っていてそこから出てきたもので被害を受けるとか等々も含めて、実は非常に生活の安心や安全を脅かす事態になっておると思います。そうした現実も踏まえて、果たしてこの十年間、化学兵器禁止条約にのっとった我が国のこの事業はどのように進捗し、また、私から見ればなかなか進捗していないなというのが偽らざるところですが、新たに担当になられた大臣はどのようにお考えでしょうか。

岸田国務大臣 我が国は、御指摘のように、化学兵器禁止条約に基づきまして、中国の遺棄化学兵器を廃棄する義務を負っております。そして、この事業は、中国との間におきましても、必要かつ重要な事業だと認識をしております。

 そして、この事業の進捗状況についてでありますが、まずこの事業の特殊性でありますが、長期間土中等に埋設されている、古く、変質、漏えいの著しいものを大量に、そして迅速に、遺棄化学兵器の処理をしなければいけない、発掘、回収、そして廃棄処理をしなければいけない。こうした特殊性のある事業は、世界各国の例を見ましても、世界に例を見ない、大変難しい、難易度の高い事業であるということであります。

 こういった事業でありますから、まずもって、この運用技術につきましても、さまざまな技術を候補として挙げ、実際に実験を行いながら運用技術を選定するというようなところからこの事業は始めなければいけない。なおかつ、安全面、環境面にも配慮しなければならない。こういったことから、調査、実験を慎重に行いながら進めなければいけない、こういった事情がありました。

 平成十二年以降この事業を進めているわけですが、要は、調査、実験を進めながらこの事業を行い、そして、実際に行った事業から知見を得て、その知見をもとにさらに事業を進めなければいけない、こういった手探り状態が最初は続いたわけであります。

 しかし、その後、平成十二年以降、十七回に及ぶ発掘回収事業を実施いたしまして、そして今日まで、約四万四千発の化学砲弾を発掘、回収、そして保管まで行っているというところまで参りました。

 事業の方は、これからさらに最後の廃棄処理という段階に入らなければいけないということで、移動式処理設備を導入するなど、できるだけ効率よくこの事業を完成させるために今努力をしている、事業全体としては今その段階にあると認識をしております。

阿部(知)委員 大臣の誠実な御答弁ではありますが、十年一昔と申しますが、現実に十年という年月を経て、大臣もおっしゃいましたが、それが地中にあれば漏れてもまいりますし、環境汚染も拡大するという問題も、長引けば長引くほどやはり生じてまいります。そして、まして今は、中国は非常に国土開発の波に洗われておりまして、あらゆるところで、掘っくり返すとそこで被弾してしまうというようなことも非常にふえております。

 きょうは、皆様のお手元に、大体この事業は既に委員の皆様は御承知と思いますが、どんな事業かということのあらましを御説明させていただくためにお配りいたしました一枚目には、この遺棄化学兵器の処理の事業の現状には主に二系列ございまして、ハルバ嶺という中国の東北部にございます地域に、実はここに三十万発から四十万発の、坑の中に入ったような砲弾があり、一方、今大臣が御答弁いただきましたが、中国の全国各地に広がって、偶然に発見されて、それを日本が見に行って、ああ、確かに、どうも日本の使った毒ガスらしいということで、そういう処理を引き続いて行ったものが四万四千発ということで、お示ししたこの絵の右半分については、これは偶然というか、こちら側が掘ったわけではないが見つかってきて事後処理をしたという形で進んできております。前安倍総理のときに、そうやって見つかったものを、今はまだ保管しかしていないけれども、危険少なく運ぶための補助ということも話されたとは思っております。

 しかし、今大臣の御答弁にもありましたが、実は、そこに埋まっているものを安全に保管し、最終的には無害化しないと、これは一連の処理が終わらない。となると、この十年かけて、無害化はただの一発もされていないという事態であります。大変難しく、技術的にも難しいということはわからぬではないですが、やはり、ここまでおくれてきてしまったことには、逆に、それなりに見直していかねばならない日本側の体制もあるのではないかと思います。

 私は、その点について、二枚目をおめくりいただきまして、これは平成十五年度の内閣府の委託業務報告書というものでございまして、三枚目をおめくりいただきましたらば、この事業がどういうふうに委託され、どういうふうに実行されてきたかということの資料がございます。

 この事業そのものは、「事業の目的」と上段に書いてございますが、無害化する処理までをいいます。その意味では、事業は、十年とは申しませんが、平成十二年から今日まで、無害化処理までは到達していない。

 一番下の段には、「本事業に必要な資源及び技術」ということが書いてございます。ここには、今大臣がお答えになった、非常に難しい作業でもあるし、専門性が要るというようなことが書かれておりますが、逆に、そうした理由で、この事業は、平成十三年二月からは、ここにPMCという略語、プロジェクト・マネジメント・コンサルタントというところに委託され、さらに平成十六年度からはPMCも関係するところの新たな遺棄化学兵器処理機構に委託されました。

 これは既に大臣も御承知と思いますが、平成十三年度に委託した先も、平成十六年度からさらに処理のための施設をつくらねばならないということで新たに委託した先にも、昨年の暮れから大変問題になっておりますPCI、パシフィックコンサルタンツインターナショナルですか、そこの元社長が流用の容疑で逮捕されましたが、それが関連しております。

 となりますと、実は、そもそも内閣府がこうしたお仕事を投げるときに、このPCIというところも含んだ事業体が適切であったのかどうか。実は、二〇〇〇年にも、JICA関連の、本来は相手方に払うべきお金を横領してしまったということで、PCIは会計検査院の指摘を受けている事業体でございます。そこにこのような形で内閣府が随意契約で委託し続けてきたということについては、問題がなかったとお思いでしょうか。大臣、お願いします。

岸田国務大臣 この事業につきましては、先ほど答弁させていただきましたような特殊性から、当初の技術コンサルティング業務の段階から随意契約で事業を行ってきた、一定の知見、技術を持った企業にこうした事業をゆだねなければいけないという事情から随意契約を行ってきた、こういった事情がありました。そして、平成十六年以降は、コンサルティング業務に加えまして、施設の建設あるいは装置の調達など、こういった業務が必要ということで、遺棄化学兵器処理機構という会社にこうした委託を随意契約で行うということを続けてきたわけであります。

 そして、今御指摘のように、昨年、PCIグループにおきまして、経理の疑惑がマスコミ等で報じられました。内閣府が委託してきた会社も、PCIグループのグループ会社でありました。ですから、内閣府の委託先についてもこうした疑惑があるのではないか、問題はないかという指摘を受けることとなったわけであります。

 その後の調査で、内閣府の委託会社については、現状、経理の疑惑等は確認されていないわけでありますが、いずれにしましても、もともとはこうした事業の特殊性から随意契約を行わざるを得ないという事情があったわけですが、それでも、一つの民間会社にこういった事業をゆだねてきた、こういったことが今回の疑惑を招くことにもつながったのではないか、こんな問題意識は強く持ったところであります。

 そこで、この事業も、平成十二年から続けてまいりました。当初は、この特殊性から、特殊な知見や技術を持った会社でなければこの事業を担当できないという事情はあったわけですが、今日までのさまざまな知見の集積の中で、内閣府におきましてもこうした知見をしっかりと集積して、直接この事業を進める、コンサルティング業務を委託するのではなくして、できるだけ直接内閣府がこの事業をさまざまな会社に委託する、こういった体制が考えられるのではないか、一般競争入札もこうした知見の集積の上であるならば考えられるのではないかということを考えまして、ぜひこの随意契約を見直して、一般競争入札でこの事業を進められないかどうか、私の方から検討を指示したところであります。

 そして、昨年十二月、ぜひこの体制を改めようということで、一般競争入札でこの事業を進めていく、こういった体制に変えることを発表したということになった次第でございます。

阿部(知)委員 大臣は、PCI自身は経理には問題なかったというふうにおっしゃいましたが、私は、国民から見れば税金の無駄遣いという意味で大きな問題があったんだと思います。

 皆さんのお手元の資料四ページをごらんいただきますと、ここには平成十一年から十八年度までの遺棄化学兵器処理事業予算執行推移というものが書いてございます。いろいろな数値が並んでおりますので、わかりやすくピックアップいたしますと、当初予算額が一番上段、そして不用額という欄が一番下段にございます。

 これは、十三年度から十五年度、十六年度から十八年度、おのおの委託の会社の名前は変わるのですが、中身にはPCIがおられるわけです。逆に、事業規模に応じて器もかえてきただけで、請け負っているところはPCIが関係しているというところですが、例えば十四年度は、予算の額では二百十四億円。平成十五年度にいたしましょうか、三百七億円。そして、下に不用額、百六十八億円が不用と。予算を三百七億要求し、しかし半分以上は使い残し、事業は進展しないという形になり、そういう形態が十三年度から十八年度まで毎年毎年続いております。十六年度も、予算の請求に対して百三十億の不用額。

 もちろん、不用は残りでうれしいと思えばいいですが、しかし、国民にとっては、厳しい予算編成のときに、それだけの予算をとれば他の国民生活にも問題が来るというところで、私は、こうしたお金の使い方は当然内閣府の中でみずから点検されてしかるべきだと思います。

 あと、もう一点。大臣は十二月に随意契約を見直したとおっしゃいますが、平成十九年十一月十二日の段階で出された内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室のペーパーによれば、「処理事業に有用な調査手法や技術上の情報等を有しており、業務の委託先として機構以外の者への代替は困難である」と。大臣が大丈夫だと言った一カ月もたたない前に「困難である」というふうにわざわざ公の文書に書かれているわけです。

 私はもちろん大臣が見直しされたことを評価いたしますが、逆に言うと、そうでなければこのようにずるずるべったりがずっと続き、そして、PCIは、実はコスタリカの二〇〇〇年の問題以外にも、JICA関連だけで十六カ国二十件のいろいろな不正支出が言われている団体であります。それこそ情報の一元化が余りにないのではないか。

 だって、不正でお金を使っていると言われているところに繰り返しここしかだめよ、ここしかだめよと事業を投げていけば、当然国民から見て不透明だし、本当にこの事業の進捗を逆に一日も早く願う立場からは、何度も申しますが、大臣の英断は評価いたしますが、私は、そういうことが続いていく体制そのものを危惧するものでございます。

 時間がなくなって、高村大臣に最後に一つお願いいたします。

 私は、この事業がまだこれから先も、条約も延長されました、実は二〇〇七年までであったものが、どうにも終わらないから、二〇一二年と五年延長されました。しかし、例えばハルバ嶺という、埋まったところの環境評価もまだ済んでございません。そして、逆に言うと、いろいろな被害が偶然に掘り出された中で起きてきております。日中関係においても懸念の材料になります。もちろん、そのすべてが日本が遺棄したものかどうか、これは情報も精密に調査しなきゃならないということもあると思いますが、この大枠、日本が国際公約した化学兵器の処理条約は、私は公約としてみなさなきゃいけないと思います。

 そうした段の中で、子供たちが多く被害に遭い、そして十二、十三の子供たちが日本に来て医療を求めて訴えているという現状は、非常に心が痛むものでございます。大臣として、私はそれが訴訟という形で起こるということも非常に心が痛みますし、しかし、将来ある子供たちに、せめて医療の問題では安心して育つことができるというようなメッセージを送っていただきたいし、胡錦濤主席も来られるわけですから、そうしたときには、人道的にかんがみて日本からのそうしたメッセージをぜひ伝えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

高村国務大臣 遺棄化学兵器処理事業の実施プロセスにおいて、万一事故が起きたり、遺棄化学兵器による事故が再発したりすることのないように最大限の配慮を払うことは当然でありますが、同時に、万一に備えた医療体制をしかるべく備えておく必要があると思います。

 遺棄化学兵器処理事業を通じて得られた知見等が中国側において活用されるというようなことは非常に結構なことだと思いまして、提供もしていきたい、こういうふうに思います。

 いずれにいたしましても、本件処理事業を着実に実施していくことは日中間の信頼醸成にとって極めて重要と認識しておりますので、政府としても、本事業を一日も早く完了させるべく引き続き最大限の努力を行っていきたい、こう思います。

阿部(知)委員 五年の年月で果たして本当に成るかどうか、非常に不安でございます。よろしくお願いしたいと思います。

 終わらせていただきます。

逢沢委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 本予算では初めての質疑でございまして、福田内閣が九月に発足してから既に四カ月がたったわけでございます。その中で、本日は特に、この予算委員会でも議論されておりますけれども、後期高齢者医療制度を中心に、社会保障制度のあり方を幾つか質問させていただきたいというふうに思っております。

 私どもの同僚議員もたびたび質問しておりますけれども、今回の後期高齢者医療制度は、独立した保険制度となるわけでございまして、高齢者お一人お一人が保険料を支払う、こういう仕組みになっております。このため、制度運営の観点から、保険料が滞納される場合の保険財政への影響を回避しようと、今回、年金からの保険料天引き、こういうような仕組みが導入されるわけでございます。

 しかし、天引きできる年金を受給されている高齢者はよいのかもしれませんけれども、年金から天引きできない無年金、低年金、こういう高齢者の方はどのように扱われるのか。さらに不安を感じていらっしゃる高齢者の方々がいるんではないかなというふうに思います。

 これまでは、老人医療を初め公費負担医療を適用される方については、保険料の納付が滞っても保険証を取り上げる、このようなことはありませんでしたが、後期高齢者医療制度では、独立した保険制度であるということから、保険料を滞納すれば市町村国保のように保険証を返納させて資格証明書を発行するということになっているわけでございます。

 この資格証明書になれば、当然、患者の皆様の窓口負担、これは医療費の全額となって、病院に行きたいという方でも行かれなくなるのではないか、そしてまた、無年金者の方や低年金者は病院にも行かれなくなってしまうのではないか。

 これが、四カ月たった福田総理の考え方、こういう取り扱いをするということが、国民重視だとおっしゃられる福田総理の施策なのか。これは舛添大臣にお聞かせいただきたいというふうに思います。

舛添国務大臣 まず、後期高齢者医療制度にさまざまな誤解がありますので明確に申し上げておきたいと思いますけれども、やはり七十五歳以上になると、若者、壮年と違ってそれなりの体の特質、そういうことがありますから、このケアを十分にやる、そういう観点から導入した。それから、もちろん、制度を維持していく、そのためには公費も投入する、若者世代の支援もいただくということでやっております。

 そういう中で、これは長期的な課題ですけれども、実は、年金の問題と社会保障、例えば医療の問題というのは、切り離して考えられるような話ではないんです。今まで切り離して考えてきていましたけれども、そういうトータルな社会保障、これを社会保障国民会議で議論しようということであります。

 それで、七十五歳以上の今の後期高齢者の方々は、例えば国保に加入する方について言うと、保険料収納率は実に九九%というふうになっております。それから、例えば困っている方、生活保護世帯の方々は、そもそも保険料を納付する必要はございません。それから、生活保護世帯ではないんだけれども生活困窮していてなかなか払えないということに対しては、機械的に証明書を発行して、あなたはこれを持っていって一〇〇%、十割払えということではなくて、細かい相談をお受けしてきめの細かい取り扱いができますように自治体に対して窓口を設定しておりますので、ぜひこれを利用していただきたい。

 そういうふうに思っていますので、決して、冷たくお年寄りを切り捨てるというような、そういう制度ではございません。

糸川委員 それは、制度設計をされている厚労省からすれば、もちろん、冷たく切り捨てる政策でございますという答弁にはならないわけでございます。ですから、国民の皆様、そして高齢者の方々が不安に思っている部分を確認しているわけでございます。

 そして、質問させていただきますが、年を重ねられると、それに従って高齢者の方々は、医療だけでなくて介護に対する不安も増すわけでございます。若い方の中には、老後という将来の不安よりも現在の生活を優先させる方がいらっしゃると思います。できれば保険料をなるべく払いたくないんだという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、医療、介護に対する不安をより身近に感じる高齢者が保険料を滞納するということは、こういう方がいらっしゃるということは、この方たちは払いたくても払えないという方たちの方が多いと思いますよ。

 これはほかの先生方も質問されていると思いますけれども、後期高齢者医療制度で保険料滞納を理由とした資格証明書の発行、これをやめる考えはないのかということをお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 実は、例えば三カ月、六カ月滞納すると短期の被保険者証を交付する、それから、約一年の場合は今委員が御指摘になった資格証明書を交付する。それぞれどれぐらいかというと、平成十七年の例でいいますと、三カ月、六カ月の滞納の場合が全世帯の四・三%、それから、一年払わなかった方というのは全世帯の一・三%です。

 それで、今おっしゃるように、この制度は、例えば負担能力があって、はっきり言って、お金持ちでちゃんと稼ぎがあるのに払わないような方に対しての基本を想定したものでありますから、生活保護の方とか本当に困っていて払えない方には、一律に発行して切り捨てるというようなことをするのではなくて、きちんと対応して、いろいろな事由があれば資格証明書を発行しないでいいような特例事項をたくさん設けてありますので、どうか窓口に来ていただいて、懇切丁寧にきめ細かい対応をやりたいと思っております。

糸川委員 そうすると、大臣、今のあれですと、一年以上保険料を滞納されるような高齢者の方々は、資格証明書を発行するのではなくて、まず生活保護を優先するというふうに受け取ってもよろしいんでしょうか。

舛添国務大臣 今委員が御指摘のように、収入も足りない、それから切り売りする資産もない、そういう方は、当然これは、生活保護の資格要件を備えれば、まず生活保護の対象となるわけですから、そうなると保険料の負担がございません。

 私が申し上げているのは、まずそれをきちんと申請していただく。そして、例えば、どうしてもそういうのは私は嫌だ、困っているけれども生活保護なんて受けたくないというような方がおられると思います、自分の意思として。そういう本当に困っている方に対しては、資格証明書を切り捨てのように出すのではなくて、それは免除という形でやる方法はたくさんございますので、きめの細かい対応をいたしますので、ぜひ窓口に来ていただきたいと思います。

糸川委員 ぜひ高齢者、特に弱者の方々をしっかりと保護していただく、それこそが本来の政策であるというふうに思っております。

 ちょっと視点を変えまして質問させていただきますが、今度は年金の問題について質問させていただきます。

 世界一と言われます長寿国の我が国において老後を安心して暮らせるようにするためには、医療だけではなくて、年金を含めた社会保障全般について制度運営の持続性を高めていく必要があるわけでございます。

 政府・与党が強行いたしましたさきの年金制度改革では、マクロ経済スライドを導入して、老後生活の支えとなる基礎年金の給付水準さえも引き下げていくというふうにしております。

 他方、医療、介護については、高齢者の増加、技術の進歩によって給付に要する費用は年々増加を続けておるわけでございます。このため、医療、介護保険を支える保険料負担も増加することが予想されているわけです。

 そういうことを踏まえて、今までも国会の場で多くの議論が行われたわけでございますが、国民だれもが年金制度に対して魅力を感じるようなことができないのかどうか。政府においては、年金財政の特に負担面から、給付水準引き下げを中心とした制度改正を行ってきたわけでございます。年金制度に対する国民の信頼回復には、基礎年金の給付水準をできるだけ魅力のあるものにする、そして、高齢者が経済的な心配をしなくても安心して暮らせる、こういう社会を目指す必要があるわけです。

 社会保障国民会議でこのような視点からの議論というのが行われるのかどうか、お伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 今委員は大変重要な御指摘をなさいました。年金をめぐる社会保障についてのポイントをほとんどお示しになったわけでありまして、今、例えば基礎年金の給付水準は、単身で六・六万円、夫婦で十三万二千円になっています。家計調査年報で六十五歳以上の夫婦の基礎的消費支出額というのをはじき出してみますと約十一万円ですから、機械的にいえば、十三万二千円というのはそれをカバーしていることになります。

 今御指摘のように、我々がマクロ経済スライドを入れたのは、片一方で支える方の若い世代の人口が減っていく、片一方で八十五まで生きますから長寿化ということをやっていく、その二つの人口変動要因を物価スライド以上に加えた。そうすると常識的に、このトレンドが続けばどうしても財源の問題にぶち当たると私は思います。

 ですから、給付水準、社会保障の水準を下げることができれば、それは負担も下げることができるかもしれません。しかし、負担と給付、そのバランスをどう考えるのか。そして、将来的に年金制度をどう構築するのか。民主党の皆さんその他、国民新党の皆さん、それぞれの政党の皆さん、我が自民党も含めていろいろな案を出しておりますから、これを俎上にのせて、そして国民的な議論をしたいということですから、今委員が重要なポイントをおっしゃいましたけれども、それらをすべてこの社会保障国民会議で議論してまいりたいというふうに思います。

糸川委員 既に年金を受け取っていらっしゃる方は、物価スライドしか適用されないわけですね。さらに、マクロ経済スライドで年金の価値は低下していくわけでございます。医療、介護の保険料の負担、それから患者の負担の引き上げ、こういうことが本当に政府の考え方として温かいのかなということを考えざるを得ないわけです。

 大臣に、これはちょっと通告していないんですけれども、まあ通告する必要もないと思うんですが、大臣の主観的な考えでいいんですが、健康で文化的な最低限度の生活を営むときに、大体一カ月に必要な金額はどのくらいだというふうにお考えでしょうか。

舛添国務大臣 それは、住んでいる場所が東京であるか地方であるか、それから……(糸川委員「平均的でいいです。東京でもいいですよ」と呼ぶ)いや、それはなかなか難しいと思います。そして、例えば、八十になっても非常に健康であるという方と、年をとってきていろいろな持病を持ってきたりする方とは、やはり医療費がかかったりとかいうので、なかなかそこは出せないんじゃないかなというふうに思います。ですから、まさにこういうことの議論をやっていく。

 それは、給与水準を見たって、東京と沖縄、東京と北海道を比べれば相当違いますから、最低賃金にしても地方ごとに決めているというのはそういう意味があると思いますので、ぜひ社会保障国民会議でそういうことも含めて議論したいと思います。

糸川委員 大臣、ちょっと私はそれは満足できないですね。

 本来、やはり厚生労働大臣ですから、それは、東京だろうが地方だろうが、北海道から沖縄まで四十七都道府県、すべて一致しているとは言いませんけれども、大体このぐらいがふさわしいんじゃないかなというのをお持ちだと私は思っています、個人的な感覚として。それは、大臣だから答えられないのかもしれません。だけれども、これから年金をどうやって給付していくのか、高齢者は、六万六千円の国民年金だけで暮らしていらっしゃる方々は、それだけでは生きていけないんじゃないかという心配をしているから質問しているわけですね。

 ですから、そこをどうやってこれから政策として埋めていくのかということ。もちろんそれは、厚生労働委員会とかそういうところでもまた議論しなきゃいけないんですけれども、この財源をどうやって確保するのか。

 もう時間も余りありませんけれども、例えば年金制度においては、平成二十一年度から国庫負担の引き上げが法律で規定されているわけですよ。政府・与党においては、選挙前になるのかわかりませんが、この安定財源の確保策の明示、これを先延ばししているわけですよ。だから、この際、来年度の国庫負担の引き上げの財源、これは大臣、どうされるおつもりがあるのか、もう明確にしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 私は一貫して、例えば消費税増税も含めて、この議論は避けて通るべきではないということは申し上げてきていました。

 先ほどの最初の質問ですけれども、例えば、自分の持ち家があって生活するお年寄りと家賃を払わないといけないお年寄りで金額が違います。そしてまた、例えば持ち家を持っていて、これをリバースモーゲージのような形で現金収入化してやれば、それもプラスになります。

 ですから、私は、やはり私たちがどういう生き方をするか、どういう働き方をするか、老後をどう過ごすか、これを長期的に考えて、働き方、生き方の革命的な変化をやるべき時期に来ていると思っていますので、厚生労働省の中に人生八十五年ビジョンという長期的な研究会を設けて、こういう問題を議論しております。

 私は、あえて幾らかかるというのをこういう数字で明示しないのは、むしろ責任ある態度であって、今のような細かい点を議論した上でないとラフな数字を申し上げるべきではないと思っていますので、厚生労働大臣だから逃げて言っていないのではなくて、まさに厚生労働大臣ですから責任ある発言をしたい、そういうことでございます。

糸川委員 大臣、この財源の問題、これを今大臣は消費税だというふうに明確におっしゃられたわけですから、今後そういう議論をするのかなというふうに思っています。

 先ほどの統計の話ですけれども、例えば総務省統計局のホームページでも、数字というのはある程度大体出ているわけですよ、例えば、ゆとりある生活をするにはどのくらいなのか、最低限はどのくらいなのかということで。

 別に、これだからどうということではなくて、明確に例えば二十万と答えてくださいということじゃなくて、そういう意味じゃなくて、明らかに今の六万六千円という国民年金だけで暮らすということは難しいですよね。そうすると、年金、それをどうやって増額していくのか。またさらに、後期高齢者の医療制度問題に関しましても、年金から天引きされるわけですよね。そうすると、年金を当てにして暮らしていらっしゃった方々はここからまた天引きされるんだということで、温かい政治になるのか、国民の皆様方がどういうふうに感じられるのか、それはわかりませんけれども、ただ、私からすると、そこは非常に冷たいようにも感じられるわけですよ。

 ですから、例えば年金問題にしましても、もう少し増額しようとか、それから高齢者の負担をもう少し減らそうとか、そういうことが議論できないのかなというふうに感じているわけですが、大臣、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 例えば、委員が出された二十万という数字であれば、これは皆さんの負担がふえます。それをどうするかということも考えないといけない。

 それから、私が先ほど、社会保障と、例えば医療と年金を結びつけて考えないといけないと言ったことのポイントは、要するに、公式な答弁をすれば、天引き制度というのは、利用者にとって便利がいい、一々納めに行かなくていい。徴収する方も効率がいいということなんですよ。

 しかし、よく考えてみてください。年金というものから天引きされるということは、年金と医療を結びつけるという発想に実はつながるわけで、これは今までと違った発想で、トータルに高齢者の社会保障を考え、維持可能な社会保障制度を設計することの一つの問題提起である、私自身は実はそういうふうに思っております。

糸川委員 時間が参りましたので、またこの続きはさせていただきたいというふうに思います。

 終わります。

逢沢委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十四日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二分散会


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