衆議院

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第9号 平成20年2月15日(金曜日)

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平成二十年二月十五日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 逢沢 一郎君

   理事 遠藤 利明君 理事 田野瀬良太郎君

   理事 中山 成彬君 理事 増原 義剛君

   理事 森  英介君 理事 山本 幸三君

   理事 岡田 克也君 理事 前原 誠司君

   理事 富田 茂之君

      新井 悦二君    井上 喜一君

      伊藤 公介君    稲田 朋美君

      岩永 峯一君    岩屋  毅君

      臼井日出男君    江崎洋一郎君

      越智 隆雄君    大島 理森君

      大野 功統君    金子 一義君

      河村 建夫君    北村 茂男君

      倉田 雅年君    小池百合子君

      小坂 憲次君    佐藤 剛男君

      斉藤斗志二君    坂本 剛二君

      清水鴻一郎君    菅原 一秀君

      園田 博之君    中馬 弘毅君

      土屋 正忠君    土井 真樹君

      長勢 甚遠君    西銘恒三郎君

      西本 勝子君    野田  毅君

      橋本  岳君    早川 忠孝君

      広津 素子君    深谷 隆司君

      福岡 資麿君    藤井 勇治君

      藤野真紀子君    松本 文明君

      三ッ矢憲生君    三原 朝彦君

      石川 知裕君    内山  晃君

      太田 和美君    川内 博史君

      北神 圭朗君    小宮山泰子君

      笹木 竜三君    鈴木 克昌君

      仙谷 由人君    津村 啓介君

      中川 正春君    西村智奈美君

      原口 一博君    古本伸一郎君

      細野 豪志君    馬淵 澄夫君

      松木 謙公君    松本 剛明君

      三谷 光男君    森本 哲生君

      山井 和則君    笠  浩史君

      渡部 恒三君    赤松 正雄君

      江田 康幸君    高木 陽介君

      西  博義君    笠井  亮君

      塩川 鉄也君    阿部 知子君

      辻元 清美君    糸川 正晃君

    …………………………………

   総務大臣         増田 寛也君

   法務大臣         鳩山 邦夫君

   外務大臣         高村 正彦君

   財務大臣         額賀福志郎君

   文部科学大臣       渡海紀三朗君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   農林水産大臣       若林 正俊君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   防衛大臣         石破  茂君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     町村 信孝君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 泉  信也君

   国務大臣         岸田 文雄君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   内閣府副大臣       木村  勉君

   法務副大臣        河井 克行君

   財務副大臣        遠藤 乙彦君

   農林水産副大臣      今村 雅弘君

   国土交通副大臣      平井たくや君

   国土交通副大臣      松島みどり君

   法務大臣政務官      古川 禎久君

   外務大臣政務官      中山 泰秀君

   文部科学大臣政務官    保坂  武君

   経済産業大臣政務官    山本 香苗君

   国土交通大臣政務官    山本 順三君

   防衛大臣政務官      寺田  稔君

   会計検査院長       伏屋 和彦君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 赤井 裕司君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   齋藤  潤君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   柴田 雅人君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    米田  壯君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    末井 誠史君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久元 喜造君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    川崎  茂君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大野恒太郎君

   政府参考人

   (法務省入国管理局長)  稲見 敏夫君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    西宮 伸一君

   政府参考人

   (財務省主計局長)    杉本 和行君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      舌津 一良君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          金森 越哉君

   政府参考人

   (文化庁次長)      高塩  至君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            青木  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中村 吉夫君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            細野 哲弘君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)     薦田 康久君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    福水 健文君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     中島 正弘君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  甲村 謙友君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  和泉 洋人君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  地引 良幸君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十五日

 辞任         補欠選任

  岩永 峯一君     藤井 勇治君

  臼井日出男君     北村 茂男君

  大島 理森君     土屋 正忠君

  大野 功統君     江崎洋一郎君

  小坂 憲次君     坂井  学君

  佐藤 剛男君     広津 素子君

  坂本 剛二君     猪口 邦子君

  杉浦 正健君     早川 忠孝君

  園田 博之君     土井 真樹君

  中馬 弘毅君     岩屋  毅君

  西銘恒三郎君     橋本  岳君

  深谷 隆司君     福岡 資麿君

  三ッ矢憲生君     清水鴻一郎君

  笹木 竜三君     太田 和美君

  武正 公一君     三谷 光男君

  中川 正春君     松木 謙公君

  原口 一博君     石川 知裕君

  山井 和則君     小宮山泰子君

  笠  浩史君     仙谷 由人君

  江田 康幸君     高木 陽介君

  笠井  亮君     塩川 鉄也君

  阿部 知子君     辻元 清美君

同日

 辞任         補欠選任

  猪口 邦子君     坂本 剛二君

  岩屋  毅君     中馬 弘毅君

  江崎洋一郎君     大野 功統君

  北村 茂男君     西本 勝子君

  坂井  学君     小坂 憲次君

  清水鴻一郎君     藤野真紀子君

  土屋 正忠君     阿部 俊子君

  土井 真樹君     園田 博之君

  橋本  岳君     西銘恒三郎君

  早川 忠孝君     稲田 朋美君

  広津 素子君     佐藤 剛男君

  福岡 資麿君     深谷 隆司君

  藤井 勇治君     岩永 峯一君

  石川 知裕君     高山 智司君

  太田 和美君     笹木 竜三君

  小宮山泰子君     内山  晃君

  仙谷 由人君     市村浩一郎君

  松木 謙公君     川内 博史君

  三谷 光男君     森本 哲生君

  高木 陽介君     西  博義君

  塩川 鉄也君     笠井  亮君

  辻元 清美君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 俊子君     大島 理森君

  稲田 朋美君     新井 悦二君

  西本 勝子君     臼井日出男君

  藤野真紀子君     三ッ矢憲生君

  市村浩一郎君     笠  浩史君

  内山  晃君     古本伸一郎君

  川内 博史君     近藤 洋介君

  高山 智司君     原口 一博君

  森本 哲生君     北神 圭朗君

  西  博義君     江田 康幸君

同日

 辞任         補欠選任

  新井 悦二君     越智 隆雄君

  北神 圭朗君     西村智奈美君

  近藤 洋介君     中川 正春君

  古本伸一郎君     津村 啓介君

同日

 辞任         補欠選任

  越智 隆雄君     松本 文明君

  津村 啓介君     山井 和則君

  西村智奈美君     鈴木 克昌君

同日

 辞任         補欠選任

  松本 文明君     杉浦 正健君

  鈴木 克昌君     武正 公一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十年度一般会計予算

 平成二十年度特別会計予算

 平成二十年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

逢沢委員長 これより会議を開きます。

 平成二十年度一般会計予算、平成二十年度特別会計予算、平成二十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官赤井裕司君、内閣府政策統括官齋藤潤君、内閣府政策統括官柴田雅人君、警察庁刑事局長米田壯君、警察庁交通局長末井誠史君、総務省自治行政局選挙部長久元喜造君、総務省統計局長川崎茂君、法務省刑事局長大野恒太郎君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、外務省北米局長西宮伸一君、財務省主計局長杉本和行君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長舌津一良君、文部科学省初等中等教育局長金森越哉君、文化庁次長高塩至君、厚生労働省労働基準局長青木豊君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長中村吉夫君、厚生労働省保険局長水田邦雄君、経済産業省製造産業局長細野哲弘君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長薦田康久君、中小企業庁長官福水健文君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官中島正弘君、国土交通省河川局長甲村謙友君、国土交通省道路局長宮田年耕君、国土交通省住宅局長和泉洋人君、防衛省地方協力局長地引良幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土屋正忠君。

土屋(正)委員 ガソリン税問題が話題となっております今国会、ガソリン国会などと言われております。ガソリンが燃え上がるとえらい勢いになります。風によっては、我が方に来るのか、あるいは逆の方向に行って野党の皆さんに被害が行くのか、これは、これからの論議を深めていく必要があるんだろうと思っております。

 そこで、私は、大都市出身の、東京出身の議員でございますので、このガソリン税問題が、どちらかというと地方の問題としてとらえられ、マスコミもそういうとらえ方をしているところが多いわけでありますが、地方に生活道路や基幹道路が必要なことは言うまでもないわけでありますが、同時に、大都市東京にも、あるいは大都市周辺の首都圏にも道路が絶対的に不足している、道路環境が悪い、こういう角度で質問をいたしたいと存じます。

 まず、一点目として、私の地元は武蔵野、小金井、府中でございますが、民主党の代表代行がいらっしゃるところでもあります。長年、その現場に武蔵野市長として携わった者として、現場の立場から事例を申し上げたいと存じます。

 まず、お手元にお配りをいたしました新聞の切り抜き、少し古いのでありますが、平成十七年五月十四日の新聞の切り抜きであります。これをごらんいただきたいわけでありますが、「減らぬ「開かずの踏切」」ということで、首都圏のワースト二十がここに載っているわけであります。豊島区以下、ずっと載っているんですが、何と私の選挙区であります武蔵野、小金井がワースト二十のうち七つも占めるという、圧倒的多数を占めているわけでございます。

 これらを見ていただければわかりますように、まず、ピーク時一時間当たり、これはラッシュの時間をはかっておりますが、何と一時間のうち六十分閉まっている、こういうことがあるわけであります。

 率直に申し上げまして、はかり方によるところはありますが、実は地元市も各市はかっておりますが、客観的に見て、日本一閉まっているのは小金井の武蔵小金井駅の東側の踏切で、地元市がはかっても、一時間のうち大体五十八分とか五十九分とか閉まっているわけであります。逆に言えば、あいているどころか、踏切ではなくて遮断機だと言われております。こういうことの結果、一体どうなっているかといいますと、まず、通学通勤の人たちが待ち切れなくて、閉まっている踏切を上げて命がけで突破する、上げるというか潜って突破する、こういう悲惨な状態が長く続いているわけであります。

 こういった事例がたくさんありまして、現実に、人がはねられて亡くなるといったような悲劇も過去十数年の間には起こっているわけであります。でありますから、学校などでは、通学路にどうしても踏切がかかるものですから、わざわざ一キロぐらい遠回りをして駅の方まで行って、駅の上のデッキを通ってくるようにというような指導までしている始末であります。

 天下の日本国の首都でこのようなことがあるということをまず副大臣は御存じかどうか、そして、こういった現実をどう見るのかということで質問いたしたいと存じます。大都市部こそガソリン税の投入が必要だ、こういうことを申し上げたいと存じます。

 また、都道は主要地方道でありますけれども、小金井市の連雀通りなどというのは、一日のうち一万台以上の通過交通があるにもかかわらず、何と幅員が七・八メーター、自転車と歩行者と車が並行して通っているといったようなありさまなのであります。こういうところにこそガソリン税を積極的に投入して、そして踏切解消、そして都道を。これは、ガソリン税はなかなか市長だけではとってこられませんから、何といっても地元の国会議員に頑張っていただかなければならないわけであります。

 そういうことも含めて、大都市問題をどう考えていらっしゃるか、お尋ねいたしたいと存じます。

松島副大臣 土屋委員の御質問にお答えさせていただきます。

 おっしゃいますとおりに、都市部におきまして、あかずの踏切問題、非常に大きな問題があると思います。

 委員が今示された新聞記事、これを見ながら、本当に、東京の西の方に集中していると。私は東京の下町の東の方なんですけれども、非常に大変な問題だと思っております。東の方でも、これは、この記事ができたきっかけは、足立区の東武伊勢崎線竹ノ塚駅で死亡事故が、痛ましい事故が起きたことがきっかけでございました。この地域については高架を進める準備がもうなされておりますけれども、事故が起きてからこういったことがスタートするのでは本当にゆゆしき問題だと感じております。

 おっしゃるように、子供たちというか通学の高校生や中学生、そして大人の方も含めて、ピーク時に、待ち切れないで踏切を上げて突っ込むというような風景を私自身も自分の地元でも拝見しているところでございます。

 国土交通省としては、今委員がおっしゃったように、ピーク時に一時間に四十分以上延べで閉まっている、そういったあかずの踏切について対処していきたいと思っております。全国で六百カ所ございますけれども、うち二百七十カ所が東京都内に存在しております。この六百カ所については、しっかりと対応して、道路特定財源も入れて高架などを進めているところでございます。高架あるいは地下を通ることによって解消を図ってまいります。

 そしてまた、子供たちの通学路、これも非常に危険なところがたくさんあるわけでございます。歩道がなく、事故の危険性が高い通学路というのが四万四千キロあります。これについても、歩道をつけるなどの対応をとっていきたい。これを進めていくところでございます。

 おっしゃいますように、地方だけじゃなくて、都市部においても道路の問題は非常に重要になっていると思います。

土屋(正)委員 東京都は一千二百万人の人口でございますが、一都三県合わせますと、半径百キロの中に三千五百万人が住むという世界最大の都市であります。

 かつてロンドンは、グレーター・ロンドン・カウンシルというのがあって、サッチャー時代に廃止されたわけでありますが、それでも一千万人であります。仮に首都圏をグレーター東京カウンシル、こう呼ぶとするならば、たった百キロの半径のところに三千五百万人という、世界で類を見ない超高密度な住み方をしているわけでありますが、戦前は九百数十万人、一千万人でありました。

 わずか六十年ぐらいの間に三倍以上になったということでございますから、今申し上げたような問題というのは、小金井だけではなくて一都三県全体にわたる問題である、また、大阪も含めた三大都市圏、こういうところに起こっている現象であるということをまず申し上げておきたいと存じます。

 東京は東西に長いわけでありますが、二十三区を一とすると三多摩の面積は二であります。しかし、実際には、高尾山とかああいう自然のところもありますから、可住面積は東が一、二十三区が一、そして三多摩が一と、一対一の割合になるわけでありますが、ここに四百万人住んでおります。静岡県並みの人口が住んでいるわけであります。

 ここの道路整備を計画的に進めているわけでありますが、現在、都市計画道路の整備率は五一%、未着手の延長は五百三十一キロメートル。現在、年平均十キロメーターずつ整備をしているわけでありますから、ガソリン税が現在のペースでいっても五十三年かかる、こういうことになるわけであります。市長会は、それぞれ都と協議をして、今後十年間に整備する重点路線というのを決めているわけでありますが、それでもわずか一五%ぐらいしかできないということになるわけであります。

 暫定税率が撤廃されますと、現在約二千五百億円のガソリン税が東京都に投入されているわけでございますが、これが約半減して、千二百四十億円の減収となるわけであります。こういった状態。しかも、ガソリン税の中には維持管理、起債の償還、こういうこともあるわけでございますから、新規事業がほとんどできないということになるわけであります。

 先ほど申し上げた三鷹―立川間の連続立体交差事業は千八百億円の事業規模でありまして、七百数十億円がガソリン税であります。こういったことを考えますと、暫定税率がなくなるということは多摩の各市にとっては死活問題だ、このように考えているわけでありますが、どのようにお考えか、松島副大臣にお尋ねいたします。

松島副大臣 委員御指摘のとおりだと思っております。これは東京に限らないことでございますが、道路の問題は、地方とそして都市と、そういう区別なく非常に重要な問題を持っていると思います。

 暫定税率が撤廃されますと、全国で二兆六千億円の財源を失うことになります。これは、現在想定している五兆四千億円のうち半分近くがなくなるということでございまして、こういった事態になりますと、今御指摘ありました、三鷹駅から立川駅にかけての連続立体交差事業、いわゆるあかずの踏切を解消するための事業も全く進んでいかない。それから、危険な通学路、この危険な通学路というのも全国で十一万キロメートルございます。そのうち東京都内に三万四千キロ存在するわけですが、これの歩道の整備ということが進んでいかない。子供たちが危険にさらされて、朝夕の、特に朝の通学をしなきゃいけないという状況が続いていくことになります。

 そしてまた、私のところにいろいろな地域の方々が道路の延長についてぜひという要請で来られるのですが、地方の方だけでなくて、東京の特に西の方の方々から、都内の渋滞を防ぐためにも必要な、例えば埼玉県から神奈川県の方へ行くところの圏央道を初めとする、そういったものについての要請も非常に多く来られまして、この道路の問題は、地方だけでなくて、東京を初めとする大都市圏にとりましても非常に重要な問題だと国土交通省でも考えております。

土屋(正)委員 ありがとうございました。積極的に進めていただけると受けとめて、多摩の二十六市の市長に成りかわって御礼申し上げる次第でございます。

 さて、大きな二点目として、今回の議論の中に、特定財源か一般財源か、こういう議論があるわけでありますが、財務大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。

 私、去る一月二十八日の本予算委員会を傍聴しておりまして、民主党代表代行の発言の中にこういうのがあって驚いたわけであります。よく総理や他の皆さんは道路が必要だから道路特定財源が必要だと言われますが、では、教育は必要じゃないんですね、教育特定財源という制度はありません、こうおっしゃっているわけであります。

 つまり、特定財源というものが必要だということが、なぜ特定財源が出てきたのか、そういう基本的な歴史的な流れみたいなものを取り違え、特定財源がなければできないのかというふうにすりかえている議論だろうと私は思っております。

 まず、公の場で質問したことでございますので、あえてお尋ねしたいわけであります。

 そもそも、近代国家の始まりというのは、明治維新からと考えた場合に、明治の二年に六省ができているわけでありますが、民部、大蔵、兵部、刑部、外務に宮内であります。宮内を除くとみんな、国家の治安あるいは国内の安全、治安、こういうことに関することなのであります。まさに夜警国家ということが基本であり、そこから出発をして、翌年、同時に大学ができております、その年に。ですから、明治初年には、国家の治安と教育、これが国家の最大の課題であったし、これが税を使う際の中枢中の中枢のことであったわけであります。

 その後、時は流れ、社会が複雑化する中で、社会福祉の問題が出てきて、社会保障の問題が出てきて、例えば年金にしても、年金保険料という形で特定目的で使っているわけであります。あるいは国民健康保険税というような、これは市町村が集めているわけでありますが、税として、目的税として取っているわけであります。

 このように、社会福祉、社会保障が出てきて、それと並行して道路が出てきたわけであります。しかも、急速に自動車が発達をしてきた。こういうことに対応して、日本は道路行政がおくれていたのを取り戻すために、より目的的な財源を確保するために特定財源ができたというふうに考えているわけであります。

 したがって、教育特定財源なんてありようがない、治安特定財源なんてありようがないわけであります。なぜかといえば、国家の存立の基本にかかわることだからであります。

 こういうことをもって、特定財源がなければできないのかというようなことは、国家の成り立ちとか、新しい社会的な需要が起こってきた、そういうものにどうやって財源的な手当てをするのかという、歴史的な流れを全く無視した意見ではなかろうかと私は存じます。

 まず、道路が本格的に議論されたのは、ヨーロッパのように馬車の歴史がなかったわけでありますから、エチオピアからローマに通ずるアッピア街道というのがありますけれども、あれは二千年前にできたわけでありますから、そういうことについて、日本の場合には、馬車の歴史がなかったから急速に道路を整備しなきゃならなかった。とりわけ自動車が飛躍的に発展した。国民車構想ができたのは池田内閣であります。だからこそ特定財源を必要としたという歴史的な背景、こういったことがあるんではないでしょうか。ナチス・ドイツの時代に、ヒトラーの時代にアウトバーンができていた国とは違うわけであります。だからこそ、私たちは、急速に発展する自動車社会に対応して特定財源を設けざるを得なかった。

 こういうことについて、一般財源と特定財源のあり方について、財務大臣の御見解をお聞かせいただきたいと存じます。

額賀国務大臣 土屋委員の、市長さんとしての地方自治の体験を踏まえた上での本当に切実な地方自治の話、あるいはまた、体験に基づいた政治感覚、そういう視点から、本当に説得力のある説明があったというふうに思っております。そういう意味では、国民の皆さん方も非常に納得ができる思いではなかったかなと思っております。

 私も、やはり、一般財源と特定財源というのは違っているわけでございまして、特定の歳出、特定の目的をもって、受益者というか原因者に負担をしてもらって一つの目的を達成するという意味で、ある意味では、日本の戦後の傾斜配分的な予算の使い方と似ているわけでございまして、戦後、急速に先進国にキャッチアップしていくための方便として極めて有効な手段であったと思っております。

 したがって、明治維新のときは、この前も言いましたけれども、鉄道とか教育とかというところに日本の構想を持ってしっかりと、お金の使い方は間違っていなかったと思っております。だから今日の近代国家が生まれてきたと思っております。

 そして、戦後、日本の復興、再建を果たしていくために、まずインフラを整備していく、そして、工業国家をつくっていくためには、やはり道路とか港とか空港とか、そういうものをきちっとして日本の産業基盤をつくってきた、あるいは生活基盤をつくってきた、そういう歴史的な背景があって、それをどうやってやっていくか、財源を手当てしていくかということについて、受益者負担という原則に基づいてこの道路特定財源が生まれてきたというふうに思っております。それは、一般財源とは目的を異にしているわけでございますから、時代の背景に基づいて生まれてきたものであると思っております。

 それが今日まで続いてきているわけでありますけれども、ある意味では、もう五十年余り続いてきているわけでありますから、時代の変遷とともに道路も相当整備されてきたという背景もありますので、我々は、揮発油税の改正を求めて、これを少しでも一般財源化を図って有効に財源を活用していって新しい時代に対応していこうということで改正案をまとめさせていただいたということでございます。

 道路を軽視しているわけではない、道路はこれからも整備をしていかなければならないことがあるわけでございますから、そのために一部、道路整備に、上回る部分については一般財源をつくるということで今度の改正案を出させていただいているわけでありまして、基本的には、道路をきちっとして、そして日本の産業基盤、これからの発展基盤をつくっていく。あるいはまた生活基盤を、今おっしゃるようなあかずの踏切とか交通体制とか、交通事故は半減しましたけれども、自転車だとか歩行者の事故死者がふえ、これは余り減らないわけでございまして、そういう点も、やはり道路とかそういうことをきちっとしていかなければならないという要求もあるわけでありますから、きちっとそういうことを踏まえて対応していくことが大事だというふうに思っております。

土屋(正)委員 今、大臣から、相当整備したという御発言がありましたが、三多摩は相当整備されていない方でございますから、どうぞひとつ大臣の視野の中にも三多摩をしかと見ていただきますようにお願いを申し上げておきたいと存じます。

 泉国家公安委員長にお尋ねいたしたいと存じます。国務大臣というお立場も含めて質問をするわけであります。

 現在、死者は六千人を超えております。いっときは一万二千人とかという時代もありました。これは、ジャンボ機に換算すると年に十二、三機は落ちている。私たちは、利便性と同時にこういう非常な危険と隣り合わせなわけであります。マイカーでも、一トンから二トンの鉄の塊を高速で走らせるわけですから、まさに凶器と言ってもいいと思います。

 私も、道路交通法の改正について積極的に発言し、関与してきたわけでありますが、悲惨な事故が後を絶たないわけであります。

 例えば、平成十八年九月二十五日、埼玉県川口市内における事故は、携帯型カセットプレーヤーの操作のために前方の注意を欠いた運転手が、園外保育のため道路の左側を歩いていた集団登園中の中に車が突入して園児四名を死亡させたほか、十七名の園児等に重軽傷を負わすという悲惨な事故であります。

 残念ながら、この種の事故が二、三年に一遍ずつ繰り返されている。もしこのときに歩車道をきちっと分離した道路があったら、あるいはきちっとしたガードレールなどが整備されていたら、恐らくこういったことは起きなかったんではないか、このように考えている次第でございます。

 したがって、道路整備をおろそかにする者は国民の命を危険にさらしているんだ、こういうことだろうと思っておりますが、交通を所管するお立場として、事故の件数あるいは特徴、こういったようなこと、また、住宅街の中を通るのをやめさせるような幹線整備などについて、御意見をお聞きしたいと存じます。

泉国務大臣 土屋委員が例に挙げられました川口の事故などは本当に悲惨な例でございまして、これが必ずしも珍しい例ではないという認識をいたしております。

 十九年の交通事故は、十六年以来、発生件数は減少しておりますし、負傷者数も減少を始めております。死者数は、おかげさまで、官民協力の結果六千人を切りまして、昨年は五千七百四十四人というところまで落ちついてきておるところでございますが、なお一層この数を減らしていくために努力をしなければならないと思っております。

 おっしゃいましたように、交通にかかわる安全の確保というのは、これは非常に大きな命題でございまして、歩車道の分離ということは、安全確保の大変重要な一つの大きな役割を果たすことだと思っております。また、信号機の整備、これも重要な視点だと思っておりまして、世界一安全な道路、交通の実現に向けて、一層取り組まなければならないと思っておるところでございます。

 すばらしい道路をつくっていく、それは、安全の確保であると同時に、町の景観をつくる一つの財産にもなり得るものだと思っておりまして、私としても一生懸命努力をしてまいりたいと思います。

土屋(正)委員 すばらしい答弁をありがとうございました。

 私は改めて申し上げておきたいと存じますが、二・六兆円の暫定税率をめぐって今国会で議論されているわけでありますが、消費税一%以上に当たるわけでございます。こういう議論が余り瑣末的なところに陥らずに、堂々と、国民生活の安全を守るという立場から、そして国民の利便をしっかりと支えていくという立場から議論されることを心から期待いたしたいと思いますし、閣僚の皆さんもまたよろしく御答弁をお願いしたいと存じます。

 同時に、私が、ひそかに敬意を払い、尊敬しております民主党の幹部の方も最前列に座っておられますので、どうぞ、瑣末的なことではなくて、堂々たる政策制度論議を心からお願い申し上げて、私の質問といたします。

 どうもありがとうございました。

逢沢委員長 これにて土屋君の質疑は終了いたしました。

 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之でございます。

 きょうは、法務大臣を中心に御質問をさせていただきたいと思います。

 昨日、鳩山法務大臣に、我が党の法務部会と文部科学部会両部会合同で、出入国管理及び難民認定法の運用見直しに関する申し入れをさせていただきました。

 これは、平成十九年の十一月に施行されました同法の改正法で、テロリストの入国を阻止するために、特別永住者を除く十六歳以上の外国人は入国審査時において個人識別情報として指紋及び顔写真を提供することとなりました。この法改正の影響を受けて、修学旅行で外国に行かれ、そして戻ってくる特別永住者以外の外国人の高校生、十六歳を超えていると、修学旅行で外国に行って同級生と一緒に日本の空港に戻ってきたときに、同級生がいるにもかかわらず指紋をとられ顔写真を撮影される、これはちょっと教育上どうなんだという声が多数我が党に寄せられました。特に大阪のNGOの方がこの問題に積極的に取り組まれておりまして、何とかならないのかということで両部会で陳情を受けたんです。

 修学旅行というのは、もともと、学習指導要領に明記された特別活動等に基づいて、各都道府県教育委員会の承認を得て実施されている。また、海外への修学旅行等は学校教育の一環として位置づけられている。こういったことを考えた場合に、教育的な配慮から考えても、十六歳を超えているからといって高校生が指紋をとられ、また写真撮影されるというのはいかがなものか。

 文部科学省と法務省の方で協力していただきまして、本来は外国人専用の特別ブースで指紋をとったり写真撮影しているのを、そうならないように、ほかの生徒さんたちに余り気づかれないような配慮もできるんだという通達はしていただいていますけれども、それでも、指紋をとられ写真撮影される、これはやはりちょっと問題なんじゃないかということで、NGOの皆さんが何とかしてもらいたいということで我が党に来られました。

 昨日、大臣のところに参りましてその経過をお話ししましたら、大臣は何とかしたいというふうに言ってくださったんですが、これは省令を変えることで、この子たちから指紋採取とか写真撮影しなくて済むようになります。実際には、永住外国人以外の外国人の方たちは外国に行かれる際に再入国申請をしているわけですよね。そこで本人の確認もきちんとできていますし、わざわざ指紋押捺とか写真撮影する必要はないと思うんですが、大臣は、きのうの我が党の要請を受けて、今、どのようにお考えでしょうか。

鳩山国務大臣 先生おっしゃいましたとおり、指紋、両人さし指の指紋と顔写真をとるということは、やはり危険人物の入国を防ぐというのが最大の眼目でございまして、デュモンなどというアルカイーダの人は日本に六回も入国しておったわけですね。六回、一年四カ月。これが後からわかる。これは、いろいろなパスポートで何度も入国を繰り返しておったわけですから、今の制度があれば、少なくとも二回目では確実に捕らえることができた。そんなことで、やはりテロリストの入国というのが最大の眼目になってくるわけでございますが、そのためにさまざまな問題が起きるということ。

 実は、公明党の先生方から御指摘されるまで、私はこういうことについて配慮が行き届いておりませんでした。

 確かに、修学旅行ということであれば、それは危険人物であるはずがないし、どこかで逃げてしまうという可能性も全くないわけです。特別永住者の指定であれば別ですが、一般の永住者あるいは定住者であれば当然十六歳以上、やはり修学旅行の場合は十六歳以上である確率の方がはるかに高いわけですから、そういう意味で、ぜひこの問題は、教育上の問題もありますし、わからないようにとるというのではなくて、とる必要がないという形で処理できないものであろうか、こう考えております。

 そこで、今、富田先生がおっしゃいましたような、要するに、わからないようにという配慮を幾ら加えてもだめですから、やはり省令を改正するのが一番いいんです。ただ、省令改正の方向を考えたいと思いますが、修学旅行のシーズンが始まりますね、これは四月から始まるのかな、主に四、五、六月ぐらいから。間に合うようにしますが、もし間に合わなければ今の省令の中で読み取ることもできなくはないんですね。例えば、何か行政権の長が招くというので、文部科学大臣が招いたとかいうようなことでやる手もありますが、省令改正するのが本筋と思って、検討いたします。

富田委員 ぜひ省令をきちんと改正して、間に合うようにしていただきたいと思います。

 その際、昨日もお願いを申し上げましたけれども、修学旅行の生徒さんたちを除外するのに、また除外申請みたいなものに手続費用を取るようなことがないように、再入国の許可申請で費用を払っていますので、二重の負担にならないような配慮もぜひしていただきたいと思いますし、我が党の申し入れは、修学旅行等と、等を入れたんですが、これは、いろいろ外国の都市と姉妹交流していたりして、それぞれ姉妹交流で高校生たちが行ったりすることもありますので、そういった場合の配慮もぜひ一緒にやっていただきたいなというふうに思います。

 もう一点。昨日大臣に申し入れをした際に、NGOの皆さんがおっしゃっていました。

 このNGOの方たちは大阪の方で、今、韓国から、韓国の高校生が、大阪だけでも年間八千人、修学旅行で来ている。初めて外国に行くのに、日本に親しみを持った子たちが、日本に入国した途端に指紋をとられる。これは、日韓のこれからの本当に新しい関係をつくっていくことを考えたときに、これからの日韓の交流を支えてくれる世代ですから、何とかできないのか。特別扱いというわけじゃありませんけれども、やはり高校生が修学旅行で来た場合に、ぜひそこへの配慮もしていただきたいというふうにNGOの皆さんはおっしゃっていました。

 大臣の方から総理にもいろいろお話をしていただいて、総理は二十五日、李明博次期大統領と会談をされるそうですが、そのあたり、今後の日韓関係を考えたときに、小さなことかもしれませんけれども、日韓の今後を支えていただけるような若い世代に嫌な思いをさせない、そういった配慮もぜひしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

鳩山国務大臣 まず、手数料の件は、取らないようにしなければいかぬと思っております。

 また、修学旅行等という文書になっておりました。確かに、姉妹提携している学校同士が行き交うとか、あるいは姉妹提携している都市で高校生が交流するとか、あるいはスポーツの海外試合ということもあり得るかと思いますので、この辺は文部科学省ともよく相談をして、省令改正を進めていきたいと思うときにできるだけきちんと配慮できればというふうに思っております。

 それから、実は私、不敏にして知りませんでしたけれども、関西方面だけでも韓国の修学旅行生が八千人見えるという。これも、よく考えてみると、修学旅行という、極めて限定された、全く危険性のない、教育上の、恐らく学校の特別行動ですよね、我が国の法制で言えば。そういう修学旅行の方に、今のままでいけば十六歳以上である限りということになるので、これはよく勉強して、検討させたいと思います。

富田委員 ぜひよろしくお願いします。

 次に、ちょっと警察庁の方にお尋ねしますが、富山の氷見事件及び鹿児島の志布志事件における警察捜査の問題点等についてという報告書を、先月、一月の二十四日に警察庁の方でまとめられました。これまでの警察行政から考えると、自分たちの捜査活動に問題があったという報告書をあえてまとめたというのは、随分変わってきたなというふうに評価したいと思いますし、よくまとまった報告書だというふうに思います、全部読ませていただきましたけれども。

 ただ、読んでみて残念なのは、捜査上の問題点はいっぱい指摘してあるんですが、冤罪の被害者となった皆さんからの事情聴取が全くされていないんですね。裁判記録とかその他の記録からいろいろ拾ってきて報告書の中には入っているんですが、当事者となった方から話を聞いていない。これは、この報告書の中で一番の問題だと思います。

 やはり警察の視点から見た、権力側の視点から見た報告書になっているので、今後同じような事件を起こさないためにこの報告書をまとめたと思うんですが、なぜ当事者となられた方たちから話を聞かなかったのか、この点について御説明いただけますか。

米田政府参考人 委員御指摘になりました報告書というのは「富山事件及び志布志事件における警察捜査の問題点等について」という報告書でございまして、これは、警察捜査における取調べ適正化指針を策定するために、この両事件について突っ込んだ検証をするという趣旨でまとめたものでございます。

 その検証の仕方といたしまして、先ほど御指摘になりましたように、裁判記録はもちろんでございますけれども、捜査の記録、それからメディアの報道状況、それから元被告人の方々が起こされているいろいろな訴訟における主張等々を勘案いたしまして、それでまとめたものでございます。

 元被告人の方々からの直接の事情聴取ということでございますけれども、現在、既に国賠訴訟等を起こされていらっしゃる方もおりますし、また、今後起こされるというような話を聞いている方もいらっしゃいます。そういう中で、訴訟の当事者同士でそういったお話し合いをするというのは若干やはり適当ではない面があるということで、さまざまな資料等から被告人の方々の御意向も酌み取りながらこのような報告書をまとめたものでございます。

富田委員 今の答弁は納得できないんですよ、全然。

 確かに当事者ですけれども、今局長が言われた、警察捜査における取調べ適正化指針というのをつくりましたよね、このためにきちんと報告書をつくったんだと。この適正化指針をつくるために外部の有識者の皆さんが入っていますよね。この方たちに直接話を聞いてもらえばいいんですよ。どういう過程で、本来自分が事件を起こしていないのに、自分がやったんですというふうに認めるようになったのか、どこに捜査の問題があったのか。警察の目で聞きにくいというなら、外部の有識者の皆さんにきちんと聞いていただければいい。当事者の方も、なぜ自分たちに直接話を聞いてくれないんだというふうにマスコミに答えていますよね。警察だけでまとめて報告書をつくりました、適正化指針をつくりましたと。これでやったって変わらないですよ、警察の現場。外部の目が入らない限り、やはりだめなんですよ。

 志布志事件の川畑さんにお話を聞いたときに、取り調べが余りにも過酷なので大きな声を出した、ほかの警察官に気づいてもらいたい、何とか助けてもらいたいというので取り調べ中に大きな声を出したけれども、だれも来てくれなかったと。やはり同じ内部の人間ですから、だめなんだよ。やはり、密室でそういうふうなのがされたときに、どうして自分がやってもいないことをやりましたと認めるようになるのか、そこの部分をきちんと検証しておかないと、二十一世紀になってまさかこんな事件が起きるなんてだれも思っていなかったのに、だれの身にでも同じことが起こり得るわけでしょう。

 せっかくここまでまとめたのですから、もう一回、ぜひ、冤罪の被害者となられた当事者の皆さんに、警察庁としても、申しわけなかったという思いを込めて、私はきちんと事情を聞くべきだと思うんですが、どうですか。

米田政府参考人 事情聴取を直接行わなかったという理由については先ほどお答えしたとおりでございますが、ただ、元被告人の方々の御理解、御納得を得る努力は今後もしなければならないと思います。それはまた、両県警察におきましても今後とも努力されると思いますし、警察庁としても適切に指導してまいりたいと考えております。

富田委員 ちょっと何か、最後ごにゃごにゃごにゃとなってよくわからなかったんですが、ちゃんと聞いてくださいね。

 この件に関しては、野党の皆さんもそうだとおっしゃっているから、本当に与野党関係なしに、今後同じような事件が起こらないようにするために、警察だけじゃなくて、やはり国会もきちんと問題点を掌握して、二度と同じ事件を起こさないようにしていくのが政治家の務めでもあると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 もう一つ、この報告書の問題点、ある新聞も指摘していましたけれども、取り調べの可視化、録音、録画について一切触れていない。残念なんですよね。密室でなぜああいうふうになってしまったのかというときに、やはり可視化の問題についてこれだけ議論が出てきているわけですから、裁判員制度も来年から始まります、そういったときに、この報告書をまとめるに当たって、ぜひ可視化の視点を入れてもらいたかったなというふうに思います。

 それで、可視化の方に議論を移させていただいて、法務大臣にちょっとお尋ねをしたいんですが、先日、自民党の三ッ矢先生でしたかの質問に答えられて、可視化をしたらいろいろまずい点があるんだというふうにおっしゃられていました。組織犯罪なんかのときに、自分がしゃべったことがほかに漏れたら後で大変な目に遭うからちゅうちょするだろうとか、プライバシーの件を取り上げて、いろいろ取り調べをしていくのにそういったことがオープンになるのはいかがなものかとか、大臣はいろいろ言われていたんですけれども、私は、鳩山法務大臣は文部大臣も経験された、ある意味、法曹とは関係ない世界から来られた大臣なので、可視化の点については、余り法務当局、検察当局の話を聞かないでもらいたいと。

 私は弁護士出身ですので、日弁連と同じ考え方かと思われますが、決して同じようには考えていません。自分で韓国のソウル南部地検に行って、可視化の状況を見てきました。また、もう四年前になりますか、衆議院の法務委員会でヨーロッパに裁判員制度と可視化について視察に行かせていただいて、それぞれの国で実際にやられている方たちからもお話を聞いた上で、今自分の考え方をまとめつつあるんですが、前回のこの委員会での大臣と大野局長の答弁を聞いていますと、やはり検察側が立証するに当たって都合のいいようにしか可視化を考えていないんだなというふうに思うんですよ。それでは可視化が求められる意味はないんですね。

 氷見事件や志布志事件のように、なぜ冤罪事件が起きるのかということを考えたときに、そこからやはり可視化の問題というのは出てくるんだと思うんです。密室の中でどういうことがあったかわからない。実際に、逮捕されると外部と連絡は遮断されるわけですから、異常な精神状態になりますし、対等な話ができるわけないんですね。

 そういった状況のときに、後で裁判で争いになったときに、当時の状況を検証するといったって、当事者は二人しかいないわけですから、取り調べる側と取り調べられる側、その両方の言い分が法廷でぶつかり合うわけですよ。お互いどちらが正しいのかを裁判官に判断していただくわけですけれども、今度は裁判員という全くの素人が入ってくるわけですから、素人の人たちが、これまでの裁判のように、警察でとられた調書とか検察庁でとられた調書なんかは、読んだって意味わからないですよ。どっちが本当のことを言っているのかわからない。そういったときに取り調べ状況が一番はっきりわかるのは録画、録音だというふうに考えるのが自然だと思うんですね。

 いろいろ問題点が指摘されていますけれども、今、東京地検の試行から始まって、全国で幾つかやってくれています。ただ、余りにも件数が少ない。それで、裁判に提供されたのは、資料をいただきましたが、これまでたった四件だけ。四件のうち一つはだめですよと否定され、一つは、全面的には否定されてなかったけれども、任意性の部分はこれじゃだめだ、特信性の方で使われたということを考えると、今の検察庁での試行のやり方というのは、このままでは裁判員制度に役に立たないんじゃないかなというふうに思うんですね。

 検察庁からレクされた考えじゃなくて、氷見事件や志布志事件の冤罪の被害者の皆さんの思いをちょっと考えていただいて、こういう事件を二度と起こさないためにどうすればいいんだという観点から可視化について大臣がどう考えるか、意見を聞かせていただきたいと思います。

鳩山国務大臣 富田先生のお話は非常に心に響くものがありますし、重く受けとめて、今後の私の頭の整理や考え方をまとめる場合に、有力な参考意見として使わせていただきたいというふうに思っております。

 要は、日本の刑事裁判というものが、大陸法のように、さまざまな捜査手段というのか、あるいは黙秘権を不利に判断するとか、あるいは司法取引とか、通信傍受のようなものとか、ありとあらゆる手段が認められていて、そのほとんどが日本では認められていない関係で、どうしても被疑者の取り調べというところに重点が行く。そのために、やり過ぎということが起きますと、氷見、志布志というような、あってはならない事件を生む。そこのところは私も十二分に理解をしている。

 それで、今先生が全部説明していただいたように、百七十件のいわば試行をやった。その中で四件、DVDが裁判で使われた。今おっしゃったように、まあ自白の任意性はわかるけれども、余りこのDVDを過大評価はできないなというふうに一件は言われた。一件は、逆に自白の任意性の根拠にならないという判断がされた。

 そういった意味で言うと、DVDの内容というのは、検察側は任意性の証明のために使おうと思っても、出てきた作品としてのDVDは意外と中立性を持った中正的なものになっているということがわかるわけでございます。

 ですから、今後の刑事手続あるいは裁判においてこうしたものをどう使っていくかというのは、大変難しい問題でございますが、少なくとも、今はわずか百七十件ですが、機材を整備いたしまして、これからは、もっともっとやっていこうということでございます。

 問題は、この間も御答弁申し上げましたが、全面的にやる、警察の逮捕のときから、最初から全部やるということになった場合には、この間いろいろ申し上げたように、かえって演技をするんじゃないか、そもそもしゃべれなくなってしまうのではないか、あるいは、非常に聞き出しにくいことが全く聞き出せなくなる、組織犯罪のときに共犯とか指示、指令みたいなものについて言わなくなるとか、さまざまなことが考えられるものですから、判断は今のところ慎重にいたしておりますが、先生の有力な御意見をこれから胸にしまって、いろいろ検討いたします。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

富田委員 胸にしまわないでください。本当に、表に出していただきたい。

 今大臣がいろいろ言われたことに対して日弁連が反論しているのが、きょうお配りさせていただいた資料の一と二ですので、大臣にも、日弁連側の資料だから見ないということじゃなくて、なぜ日弁連がこういう資料をつくったのかをぜひ今後検討していっていただきたいというふうに思います。これはなかなか、私が公平に見てもきちんと書かれているなと。今大臣の言ったことに対して一つ一つ全部反論になりますしね。

 今言われたことで一つ、いろいろ捜査手法が違う国と同じようにはやれないんだとおっしゃったけれども、韓国は、刑法も刑事訴訟法も条文立ての仕方も日本の法律とほとんど同じですよ、日本にまねているという部分があるので。

 その韓国でなぜ、では可視化、録画、録音がされているか。この点も法務省にもお話ししましたし、私、日弁連の方にも資料を渡したんですが、韓国で可視化が始まったのは、やはり検察庁の取り調べで死亡事件が起きたんです。そのときに、私を案内していただいた金検事という方が検事総長に直訴して、検事総長が自分の判断で、その年の予備費を使ってヨーロッパに調査へ行かせたそうです。やはり検察内部で死亡事件が起きるなんてとんでもないことだというところから、きちんと録画、録音をしなきゃいけないんじゃないかというふうに検察のトップが判断した。

 日本の場合、違うんですね。検察は上から下まで、そんなことできるかとなっている。そこを、今回の氷見事件とか志布志事件、こういう事件が二十一世紀になって起きているわけですから、やはり法務・検察のトップが、ここがチャンスだと考えて、それは隠しておきたい、中に入ってもらっては困るというような思いがあるのは、そういう考えがあるのは理解できますけれども、そこを破らなきゃだめだと思う。破るために、今この可視化の議論がされているんですよね。

 私、イタリアに行ったときに、イタリアの検事さんが、可視化のことを聞いたときに、録音、録画されているというのは、私が違法な取り調べをしていない証拠になるんだと言われたんです。私はきちんと、自分の説得だけで相手の供述を得ているということの証拠になるんだと。いや、すごいことだなと思ったんですね。それを韓国の検事さんに話しましたら、韓国の検事さんも、イギリスに調査に行ったら同じことをイギリスの検事に言われたと。こうでなきゃだめだと思うんですよ。

 日本の検察官はみんな、そんなことできるわけがない、そんなことをしたら大変なことになると。きのうも担当の検事さんが説明に来てくれました。説明に来てくれた検事は司法研修所の私の同級生ですので非常にいろいろな思いを思いましたけれども、逆の立場になりましたけれども、ぜひ、この可視化については、やはり国会できちんと議論して、大臣おっしゃったように、全部本当に録音、録画するのがいいのかどうかという問題もあると思います。警察の段階から本来はやるべきだと思うんですけれども、警察庁はなかなか抵抗しています。その点もどうすべきなのかもきちんと議論すべきだと思います。

 私も、とりあえずは検察庁で一つの調べをきちんと録音、録画した方がいいという考えでずっといました。ただ、志布志事件の川畑さんに会ったときに、川畑さんに怒られました、富田さん、それは違うよと。警察の任意の、最初の調べのときに長時間やられて、おどされて、そのときのことをきちんと証拠として残す方法は自分にはない、そのときからきちんと残してもらわないと、一般の弱い国民は、権力にわっとやられたら、やっていないことをやると言っちゃうんだと。川畑さんは、そのときに自分が一番ぐらっときたのは、娘を引っ張るぞと言われた。川畑さんは、娘さんが引っ張られたら、拘置所で娘さんが裸にされるんじゃないか、そんなことをさせるわけにはいかない、もう本当にその思いはだれにも伝えられなかったと言っていました。

 だから、そういった思いをやはり検察庁の幹部の皆さんにもわかってもらいたいし、法務・検察のトップが、本当にそういう国民、冤罪に遭われた一人の方の声にきちんと耳を傾けるべきだと思うんですね。そこから議論を始めないと、検察の方で、刑事裁判で自分たちが立証するに当たって、任意性の立証のために録音、録画を利用するんだという感覚でいる限りではだめだと思います。

 試行した経過を公表するというふうにされていたので、いつ公表するんだと言ったら、年度内にとおっしゃっていました。それで、中間報告をちょっと早目に出したいと。いつ出すんだと言ったら、きょう出すというんですよ。きょう出すというなら、きのう出しておれに見せてくれと言ったんです、その上で質問するから。それはできませんと言われたので残念だったんですが。

 きょうその中間報告が出るそうですから、それを踏まえてまた予算委員会なり法務委員会で質問をしたいと思いますので、ぜひ大臣、大臣に本当に期待していますので、志布志の皆さんにはきちんと謝っていただきましたから、その姿勢を忘れずに、可視化の議論に加わっていただきたいと思います。

 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。

遠藤(利)委員長代理 これにて富田君の質疑は終了いたしました。

 次に、笹木竜三君。

笹木委員 民主党の笹木竜三です。

 質問を始めます。よろしくお願いします。

 最初に国民健康保険制度についてやりたいんですが、まず、舛添大臣に、国民健康保険の特徴といいますか、今抱えている悩みも含めて、簡単な御感想で結構です、現状認識で結構です、お話しいただけますか。

舛添国務大臣 これは、命を守り健康を守る、そういうセーフティーネットとして、住民相互が助け合いながら保険をやるということですから、これはもうどんなことがあっても国民皆保険というのは守っていきたいというふうに思っています。

 ただ、所得に応じてやはりそこは公平に分担していただく。ただ、経済情勢が悪くなったりしてお支払いできないというような方がおられる、それについてはきめの細かい対応をしたいと思っています。

 今のところ、いわゆる滞納率というのが一八%、一番直近の数字でそうだと思いますので、さらにこれの改善に向けて努力をしたいというふうに思っております。

笹木委員 まだ具体的な質問はしていなくて、そういう話じゃなくて、一般的な現状認識をお聞きしたかったんですが。

 まず、資料の一枚目を見ていただきたいんですが、国民健康保険制度の現状というところで、これはデータはほとんど厚生労働省からの資料ですが、年度は、一番新しいのもあったり、ちょっと古いのしかなかったり、いろいろですが、ここに書いたようなことですよね。

 国民健康保険制度に入っておられる方々、まず加入者数、四千七百三十八万人、一世帯当たりの年間所得平均が百二十九万円、一世帯当たりの保険料が十五万五千円。それで、今大臣が言われたことに関係しますが、所得が百万円未満の方が五〇%、半分おられるということですね。月十万以下ということですね。所得なし層、もちろん年金で暮らしておられる方も一部入っていますが、二七・一%、こういう現状ですよね。

 ですから、国民健康保険制度、これは決して生活保護に入っておられる方は入っていないわけですよね。国民健康保険制度に入っている方々だけで平均をとってこういう現状だ。これを見れば、やはり国保の財政、運用が非常に厳しいのは当然だなというふうに思います。ですから、今大臣が言われたような、滞納があればその分さらに大変になるし、いろいろなことで悩みが大きいということだと思います。

 このデータは間違いないですよね、事務局の方。いただいたデータですから、このぐらいかなり深刻な現状だということです。

 それでお聞きしたいのは、滞納という話が今ありました。滞納世帯の変化、平成十一年でいうと三百四十九万世帯、これが平成十九年で四百七十五万世帯になっている。非常にふえているわけですよね。後でさらにお話ししますが、その滞納した、それが半年続くと、ある制度に入る。それで一年とか一年半以上になると、自治体によって若干ばらつきはありますが、違った制度にまた入っていくということです。証明書をもらうとかいろいろあるわけですが。

 どうしてこんなに十一年から十九年にかけて滞納世帯がふえたんですか。余り細かいことはいいです、舛添大臣の認識をお聞きできればいいんですが。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

舛添国務大臣 これは細かい、いろいろな角度から分析しないといけないと思いますけれども、過去十年ですから、やはりバブル崩壊後の不況ということもあり、それから私は、やはりいろいろな意味で格差が広がっている、そういうことがこういうことにも反映しているんだろう、そういうように思っております。

笹木委員 私もそう思います。やはり非常に格差が広がってきているということが非常に大きいんだろうと思います。

 それで、もう一つ、私も経験がありますが、例えば、失業する。失業する、あるいはリストラに遭って職がなくなる。当然ですが、前年の所得が算定基準になりますね。これはやはり非常にきついわけです。リストラに遭うとか失業するというのを事前に、一年前から予想している人なんていうのは余りいませんから、その状態になって非常にきつくなるということがあります。こういう理由で、非常に格差が広がった、経済的な理由で払えない人が増加している、これは間違いがないと思います。

 もちろん、役所の方が必ず言われるのは、いや、財産があっても、払えるんだけれども怠けている人もいますよという、これは当然別の問題で、一方の問題であるでしょう。しかし、事実として、格差が広がった、経済的理由で払えない人がふえているのは間違いがないと思います。これは、調べていけばいくほど間違いがないことだと思います。

 それで、そういう滞納が、例えば半年以上続いた、自治体によって違いますが、半年以上滞納が続いた、あるいは、さらに一年とか一年半以上続いた方に対しては、今どういうような手段というか措置をとられていますか。

舛添国務大臣 とにかくしゃくし定規に、もうあなただめだという切り捨てということではなくて、細かく御相談に応じましょうということで、いろいろな減免措置がありますからとにかく相談をしてください、それで、最大七割まで減免しますとか、いろいろなことがありますので、まだあと細かい点、御指摘があればお答えしますけれども。

 そうすると、さて、ではそういう方に御相談に来ていただく手は何かないだろうか。それは、市町村によっては、役所の方から出向いていって、どうですかという、幾つか先行的な市町村があって、こういうことはぜひいろいろなところでやっていただくとありがたいんですが、ただ、例えば、三カ月とか六カ月滞納されているときに、短期の証明書を出す、それから、一年以上になると一応資格証明書を出す。その資格証明書というのは、持っていくと、窓口で十割払わないといけない。だけれども、あなたはもともと保険に入っていたんですから、後ほどきちんと保険でお支払いいただければ七割はお戻ししますという形なんですね。

 それで、なぜそういう制度をやっているかということの一つの思いは、そうすると必ず窓口に、そういうのは新しい証明書に変わりましたと来てくださる。とにかく御相談してください、そういう御相談に来ていただく機会をふやすという意味も実はございます。

 というのは、私が知っている限り、二つぐらいの市町村が先行的にみずから出向いていくということで、それでやはりこれは、収入が減って、本人も気分的に、ある意味では暗いというか、こっちから出向いて相談というのはなかなか気分的にやりにくいんだろうと思いますので、こういう機会をとらえて、胸襟を開いてお話しいただけませんか、そういう思いもあってつくっている制度でございます。

笹木委員 今お話にありましたが、とにかくまず、半年ぐらい滞納が続くと短期被保険者証というのをもらう。これは有効期限が三カ月か六カ月ですから、更新のときになるべく窓口に行って相談する、いろいろ事情を聞いてもらって、行政、役所に対していろいろなことをやりとりするようにという面もあります。しかし、それが本当に理想的にされていればいいんですが、かなりこぼれている面が多いと思うんです。

 一年とか一年半続くと、今度は資格証明書になる。これは、病院の窓口で全額払わないといけないということですよね。それまでの滞納額とかを返した場合にはまた復帰できるけれどもという、そういう制度です。

 ここで大臣にお聞きしたいんですが、この資格証明書、窓口で全額払ってくれという制度になる、これになった方、ここに書いてあるんですが、これもさっきの格差の話です。平成十一年と平成十九年を比べますと、まず、短期被保険者証の交付数、これでも三十二万六千人ほどからやはり百十五万ぐらいにふえている。非常にふえているわけですよね。それで、資格証明書交付数、ここは八万から三十四万にふえているわけですね。これも非常にふえているということです。

 ここで大臣にお聞きをしたいんですが、この資格証明書とかになって結果的に病院に行くことをどうしても控える、全額払わないといけませんから、そういう方はかなりいるんじゃないかと思います。そういう調査はありますか。あるいは、どういうようにそれを認識されていますか。

舛添国務大臣 最後の御質問にお答えする前に、ちょっとお時間を賜って、私も少しデータを細かく調べてみました。

 今委員がここにお持ちのように、大きなトレンドは、十一年、十九年を比べると、こういうふうに伸びています。ところが、この直近の二、三年を調べてみますと、幸いなことに、平成十七年で若干頭打ちでございまして、例えば滞納世帯について言うと、平成十八年で一九%だったのが十九年に一八・六というふうに下がっています。

 それから、ここにあります、例えば資格証明件数が八万から三十四万ということですが、これも、平成十八年に実は三十五万まで上がったのが、若干この一、二年で下がりつつあるので、少しですけれども好転に転じているということであります。

 さて、では、その資格証明書なり短期の保険証なんてもらった人がどういう行動をとるかということは、これはもうケース・バイ・ケースで、そのことによって、それだけが理由で、じゃ、もう私は病院に行かないという人が出てきているかもしれません。それから、そのほかの行動をとられる方がおられるかもわかりませんけれども、そういう個々のケースについての具体的な調査はございません。

笹木委員 今大臣が、若干、十七年とかは好転したんだとか頭打ちになっている数字もあるというお話がありましたが、それは後でちょっとお話ししますが、かなり自治体の努力も大きいと思うんですよね。

 その前に、受診を結果的に当人なり家族が抑える、控えるということですが、やはりこれは、自治体によっては統計をとっているところもあります。かなり多いところでは福岡、一般加入者の受診率に比べて百分の一になっている。もっと大きいところもありますよね、幾つか見ましたが。神奈川なんかでも二十五分の一になっている。やはり明らかに受診を控えているんですよね。これがさっきお話ししました、財産があるとか、払えないことはないんだけれども怠けている、そういう方であれば仕方がないんでしょう。しかし、そうじゃない方が多いんじゃないかということで、いろいろ自治体が頑張っている。

 御存じですか、今お話にありましたね、具体的にどういうことをしているのか、自治体が。要は、その振り分けをちゃんとしているということなんですよね。財産があるとか払う余裕がある、しかし払っていない方、それと、いや、実際これはもう本当に払えないんだという振り分けの調査をしている。出向いていって調査をしている自治体もあります。幾つか出てきました。そういう効果もあって、結果的にちょっと回復している部分もあるわけですが、しかし、大きい流れでは、この問題は全然解決していないと思うわけです。

 ここで、今言った国民健康保険だけじゃありませんが、日本は国民皆保険といいますが、さっき言った、怠けている方とそうじゃない方、本当にやむを得ない、払えない、病気だけれども病院に行けない、そういう方と、払うのを怠けている方、これを区分けすることが必要ですが、例えば、国民健康保険法の第九条の第三項「特別の事情」。特別の事情があると認められる場合を除き、被保険者証の返還を求めるものとすると書いてあります。保険証、証明書ですね、資格証明書に切りかえるということを言っているんだと思いますが、特別の事情というのはどういう場合ですか。

舛添国務大臣 今、委員がおつくりいただいた資料の二ページをちょっと使わせていただいてよろしゅうございますか。

 国民健康保険法施行令第一条の三ということで、例えば、世帯主がその財産につき災害を受け、または盗難にかかったこと。それから、生計を一にする親族が病気にかかったり負傷したこと。それから、事業を廃止、休止したこと。その事業につき著しい損失を受けたことなどなので、私も、委員がおっしゃるように、例えば、急に会社が倒産した、もうお金がない、それで、十割払わないといけないのならもうちょっと病院に行くのをやめようということはあり得ると思います。

 ですから、これは先行的な自治体がやっているように、個々に、今仕分けとおっしゃったように、どういう理由であるのかと。それは、所得が減っても莫大な資産を持っているという方は困りません。こういうことを、きちんときめの細かいことをやる。そして、まさに前の月に倒産したんだというような方には減免措置をやるということをきちんとやるべきであって、それで、例えば、あなたならもう生活保護にかかれますからということで申請していただくとかいうことをやる必要があると思います。

 市町村によって今言ったようなことをやっておられるところもありますので、実は、これまでも言ってきたんですけれども、ちょっとこれが周知徹底されていない、この特別な事情について。二月の六日に、都道府県、自治体の担当課長が集まった会議で、これを徹底させなさい、そして、本当にきめの細かい対応をしてくださいよ、こういう指示をやったところでございます。

笹木委員 指示はしたということなんですが、そういう振り分け調査、自治体によってはやっているところがある、やっていないところがある。その結果、要するに憲法が保障する、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利、これを失っている方がいるということですよね。

 ちゃんと払えて払っていない方、こういう方は差し押さえとかいろいろなことが当然あっていいでしょう。しかし、そうじゃない方がたくさんいるわけですね。やはり、国のそういう振り分けの調査、しっかりやっていこうというリーダーシップが非常に足りない。だから、それで結果的に病気だけれども病院に行けないという方がふえている。

 あるいは、この特別な事情の周知徹底ということはどの程度やっていますか。これについても、これは患者さん一人一人に対して、あるいは国民一人一人に対して、特別な事情があればこういうふうに例外的に認められるんだよ、今払っていなくても、もちろんチャラにするわけじゃありませんが、払えるようになったら返してもらうわけですが、そういう特別な制度がありますよということを、どれだけ周知徹底を今されていますか。

舛添国務大臣 これは、保険を管轄する、そして御相談に行っていただく窓口は基本的に市町村ですので、そこに対して、先ほど申し上げたようにきちんと指導するようにということは言っております。

 ただ、やはり、普通の国民に聞いて、こういう事情があったら減免されますよ、免除されますよということを恐らく皆さん周知していないと思いますので、これは委員の御指摘も今いただいたところでありますので、きちんともっと周知徹底するような広報体制を図って、まさに憲法二十五条が保障しているようなことが実現するように、全力を挙げたいと思います。

笹木委員 この予算委員会でもたびたび話題になっていますが、後期高齢者医療制度の導入で、こういう後期高齢者の中でも、低所得の高齢者が必要な医療を受けられなくなるおそれは十分あるわけですよね。こういう方も含めてこれからふえていく可能性は十分あると思います。

 ぜひ、この振り分けの調査の徹底と、国民に対する特別な事情というのはあるんだよ、その場合はいろいろな仕組みがありますよということを周知徹底をしていただきたいと思います。

 もう一点、これはきょうは具体的にはやりとりしませんが、やはりちょっと制度として無理があるのじゃないか。本当に払う力がなくて払えない人、こういう方を国保の中に一緒にしておくことがちょっと無理があるんじゃないかというふうに思います。

 ですから、そういう方々を別枠の制度で、生活保護で全部負えるのならいいですよ、これは全部負えないわけですね。別枠の制度で、セーフティーネット的な制度の中に入っていただくということも含めて、今後検討が必要だと思うんです。

 この問題を取り上げたのは、私もびっくりしたんですが、数カ月前に、マイケル・ムーア監督がつくった「シッコ」という映画を見ました。アメリカでは医療難民が五千万人。もうとにかく、病院に行って、もちろん日本みたいな皆保険もないし、民間の保険に入れない方もたくさんいる。医療難民になるしかないわけですよね。高額な一千万円とか、交通事故なんか遭ったら大変だという世界ですよね。そういう方が保険を求めてカナダ人と結婚するとか、いろいろなことをやっていましたが、やはりこの日本の国民皆保険制度というのは誇れる制度なんだと思います、実態は別として、理念は。

 それと、日本の強みというのは、歴史的にも大昔から平均的な日本人の力が強い、これが強みのうちの大きい一つだと思うんですよね。ですから、今言ったような、そこからこぼれている方、必要最低限の健康で文化的な生活を送れなくなっている方に厚生労働省はもう少ししっかり注目をしていただきたいと思うんですよね。それに対するいろいろな手だても早く行ってほしいと思います。この問題については、また別の機会にやりたいと思います。

 二つ目なんですが、補助金。

 資料の三枚目なんですが、これは地方六団体からの意見書です。ここにも書いてありますね。今お話ししましたような一つ目の問題が、一の二行目ぐらいからありますね。国は、生活保護費等真に国が責任を持って負担すべき分野を除き、原則として国庫補助負担金を廃止してくれという要望ですね。

 地方六団体からも、最低限の生活を保障することは国の役割だと言っている。しかし、それ以外の、いろいろなおかしな補助金がいっぱいある、これはやめてくれと。ここでは、数を半分以下にしてくれ、数を減らしたと思ったらまた似たようなものをつくる、それも絶対にやめてくれ、そういうことも書いてあります。

 ちょっときょうは例を二つぐらい挙げたいと思うんですが、一つ目の補助金の例で、急傾斜地の崩壊対策事業費補助、これはどういう事業ですか。

甲村政府参考人 お答えいたします。

 急傾斜地崩壊対策事業は、大雨の際などに発生するがけ崩れから国民の生命財産を保全する、大変重要な事業でございます。現在の補助事業で実施しております補助要件は、自然のがけの高さが十メーター以上、人家戸数十戸以上、事業費七千万以上でございます。これにつきましては、従来は二十戸以上という要件でございましたけれども、昭和五十一年に戸数を十戸に緩和しております。

 また、特別な場合といたしまして、平成元年度からは、避難場所を含む事業箇所などにおきましては、人家戸数の要件を五戸以上、あるいは災害時要援護者関連施設を含む事業箇所においては、戸数は一戸なんですけれども、そこに入っておられる方、三人を一戸と換算するというようなことで、平成十二年度から行っております。

 以上のように、地域の実情に合わせまして弾力的な運用を図っているところでございます。

笹木委員 都道府県の危険区域の指定基準というのは高さ五メートル以上なんですよね。それとも異なっている。

 いろいろあるんですが、例えば最近もありました。ある地域で、去年ですが、豪雨があった。がけ崩れがあった。そこで二人の方が亡くなった。県は、当然、指定基準に合うと言ってやる、しかし国の基準に合わない。今言った、いろいろ配慮していると言うけれども、地方六団体から、やはりこれはやめてくれと真っ先に挙がっていますよね。例えば人口が減ってきた地域においては、その人口要件を満たさない場合は幾らでもあります。

 これは、国土交通大臣、地方の方からあるいは自治体の方から、やめてくれという声を聞いたときはありませんか。この要請書の中に代表的なものとして二十ぐらい挙がっている中に、毎回毎回取り上げてあります。こういう補助金をやめて、その分、地方の財源をふやしてくれ、毎回毎回例として挙がっているものですね。どういうふうにお考えですか。

冬柴国務大臣 検討させていただきます。

笹木委員 ぜひ検討していただきたいのは、この補助金をやめて、今言った、県が自前で指定して、それによって自前で権限を持ってやっていく、財源をふやしていくことが必要だろうと言っているんです。

 二つ目。公立学校等施設整備費補助金、これについて、事務局の方、御説明いただけますか。

舌津政府参考人 お答えいたします。

 この地方六団体の要望書に書いてある事業でございますが、これは、建物が構造上危険になった場合、そのかわりに新たに校舎とか体育館をつくる場合に国庫補助金を交付する、そういう制度でございます。

笹木委員 そうなんですが、よく言われる問題が二つあるんですよね。

 一つは、生徒数が非常に減ってもう使われなくなった学校、その学校が、廃校にしたい、自治体からの声ですよ、廃校にしたいけれども廃校にできない、廃校にした場合に国に対して負担がふえるからと。このことは御存じですよね。お答えください。

舌津政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる国庫補助金を受けて学校施設を建設した場合、その目的が変わった場合、その場合には原則として国庫補助金を返していただくという制度になっているわけでございますけれども、私ども、廃校校舎の有効活用という観点から、特別な場合を除いては国庫補助金の返納をしないでもよろしい、そういうような取り扱いにしておるところでございます。

笹木委員 その特別な場合の指定が少ないんじゃないですか。ですから、実際現場から、長いところで十年、最近聞いた例では五年、六年ですか。元公務員だった女性が草むしりとか花の手入れをやっている。当然もう廃校にしたい。だれも生徒はいませんよ、もちろん。先生もいない。今言った負担がふえるので、返さないといけないから廃校にしない。だから、休校ということにしている。五年、六年はざらだし、十年間のところもある。

 大臣にお聞きしたいんですが、これをどう考えられますか。

渡海国務大臣 この制度について、今も当局よりお答えをさせていただいたように、いろいろな制度の改善を図ってきておりまして、先生も御存じだとは思いますけれども、公共施設として無償で転用する場合とか、それから民間事業者へ無償で貸与する場合、こういった場合については返さなくてもいいという制度を設けておりました。

 ただ、それだけでは不十分だということで、平成十九年の三月、一年前からでございますけれども、これを廃校とした場合は、学校施設整備のための基金として積み上げて、今後の学校施設整備、そういうものに充てる、国に返さなくてもいいという制度を新たに創設いたしております。

 これは、基本的には、補助事業完了後十年を経過、十年ですからね、ですから、ほとんどの部分はカバーできるんじゃないかというふうに考えてはおりますが、なお必要があればまた改善をしていくということも考えていきたいというふうに思っております。

笹木委員 今、例外的なケースとして認めるというのがやはり非常にうるさいらしいですよね。書類とか、認めてもらうために非常に面倒だし、合わないところがたくさんあるから休校にしているところがまだたくさんある。

 もう一点、この同じ制度で、今度は建物を解体する場合に、いわゆる耐震、耐力度調査を義務づけている、これは今も変わっていないんですよね。

舌津政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる建物を改築する場合の制度でございますけれども、構造上危険になったということを合理的に証明していただいて、それのかわりに建設するというものに対して補助を出すという観点から技術的な診断をしていただくというのは、条件として課すのはやむを得ないことだというふうに思っております。

笹木委員 要らなくなって解体する場合に、これが非常にコストを引き上げている、事務コストも事業費のコストも押し上げている。平均的な二棟で三千平方メートルの校舎の場合に、これで五千万円ぐらい費用が必要になるんですよね。

 大臣は、こういう制度をこれからもずっと続けていくべきだと思われますか。

渡海国務大臣 診断に五千万かかるということはないと思います。これは、私が知っている限りにおいてはそんなにかかっていない。正確な数字は当局から聞いていただいても結構です。

 もう一点は、やはり改築をする場合の優先順位というものを今考えております。それで、その必要があるかないかということを判定するためには、どうしても診断をしなければいけない。要は、まだ大丈夫だというものについてやる場合について、確かに先生がおっしゃるように、これは無駄だというような主張があることは知っておりますけれども、大事なことは、やはり危険なものを早くやっていく。これは耐震化の問題とも絡んでいるわけでございまして、そういった意味で、この診断というものをやっていただくことが必要ではないかというふうに判断しているところでございまして、御理解をいただきたいというふうに思っております。

笹木委員 いや、だから、さっきお話ししましたように、自治体はこの補助金をやめてくれと言っているんですよ。耐震調査をやめてくれと言っているんじゃないんですよ。この補助金制度をやめてくれと言っているんです。お金をもらうときにこういう条件をつけられるような補助金そのものをやめてくれと言っているんです。結果的にコストを上げることにもなるから。

 それについては、大臣はどうお考えですか。

渡海国務大臣 今先生が言っておられる補助金というのは、診断の補助金じゃありませんね。要するに、学校施設そのものの補助金でございますね。(笹木委員「そうです。施設」と呼ぶ)これについて言うならば、要は、これは国と地方が双方責任を持ってやっていくということが一つあると思います。

 それからもう一点は、やはり財源の偏在ということがありますから、子供が教育を受ける場所、特に義務教育においては、その場所がしっかりと全国同じような基準で、同じような水準で整備をされていく。すべて同じにしろとは言いません、地域の特色はあっていいと思いますけれども、そのことを考えたときに、地方自治体だけの判断でやれるのかどうか。こういったことも考えた際に、やはり一定基準というものを設けて国がやるということがあっても、私はこれはいいんだろうなと思います。

 というのは、事実、耐震化ということを考えましてもこれだけ差が出てくるわけなんですね。そのことによって、やはり今やっていることは、例えば補助率を上げたり、そういうことによって地域の偏在というものをできるだけなくしていくということも必要なんじゃないでしょうか。安心、安全ということを考えた場合に、やはりこのことに対して国が責任を持って政策を実行していくということは、私は、地方分権とも必ずしも反しないということであるというふうに考えております。

笹木委員 ここで区切りますが、何度もお話ししますが、普通、補助金、お金はもらえないよりはもらった方がいいんですよね、だれだって。どこの自治体もそうだと思います。道路特定財源じゃないけれども、もらえるのを要らないと言うと後で意地悪されるから、とりあえず欲しいと言うんでしょう、普通は。

 その地方六団体が、真っ先に二十項目の中にいつも入っている項目なんです。それを今言ったような理屈で反論するということは、自治体の方は、今言った耐震度について、解体する必要がないのに解体するんだろうとか、あるいは廃校する必要がないのに廃校にしたんだろうとか、わけのわからない、基本的に自治体に判断力がない、そういう認識だということになるんですよね。

 こんなものは地方に任せて大丈夫だということなんですよ。ですから、もらえるお金だけでも、余りうるさいし、ばかな、古臭い、実態に合わないことがいっぱいあるから、やめてくれと言っているんですよ。補助金自体をやめてくれと言っているんですよ、こういうひもがつく補助金を。

 これでも今言ったような認識でおられるということなんですね。

渡海国務大臣 要するに、補助金を交付金化していくということは努力をしなければいけないというふうに思います。そのことについて、私は別に真っ向から反論しているつもりはありません。

 ただ、今、耐震化の状況を見ていただいたらいいと思うんですね。それだったら、では自治体が責任を持ってすべて同じようなレベルで頑張っていただけるということも言えるわけでありますが、安心、安全という点からは。ですから、自治体みずからが自分の責任において改築していただく分については、これをやめろとか、何もそんなことを言っているわけじゃないんです。要は、この補助金というのは、そういった意味で、全国的なレベルを、やはり安心、安全というレベルで今進めていくためには必要じゃないですかということを申し上げております。

 地方からそういう声がありましたら、我々はよく聞いて、そして今先生が御指摘をいただきましたように、事務手続が複雑だとかそういった面については、今後ともそれを簡素化するように頑張っていきたい。何も、このお金を我々は放したくないというつもりで言っているつもりはないということを御理解いただきたいと思います。

笹木委員 いや、何度もお話しになりますが、結局、本当に自治体をどこまで信じるかどうかということだと思うんですね。

 先ほど言ったように、国民の最低限の生活を保障する責任は国にあります。しかし、今言ったような、では、耐震基準とか、あるいはその後の建築基準法改正、国がそんなにすばらしい判断をずっとしてきたんですか。教育の現場とか、医療の現場とか、あるいは少子化の現場とか、こうした個々の事情については、自治体が一番判断力もあるし、把握もしているはずだと思います。

 それに任せないと地方分権なんてないし、もっと言えば、そういう権限も財源も任せないで、いきなり道州制なんといって、どことどこをくっつけるか、これは単なるパズルごっこにしかなりませんよ。本当の地方の創意工夫を生かすような、そういう改革になりませんよ。ぜひそこは認識を改めていただきたいと思います。

 地方六団体の意見書を見ると、おもしろいんですよね、ひもつき補助金はやめて一般財源化してくれ、あるいは、国の直轄事業負担金についてはこの負担金をやめてくれ、地方が自主財源をふやしてくれと、まさに今、この道路特定財源の議論にかかわるような、我々が主張しているようなことをそのまま主張していると思うわけですが、ここで道路特定財源のお話をしたいわけです。

 文科大臣、もう結構です。

 経済財政諮問会議で、この何日間か問題になっている話が出ているんですよね、平成十九年の十一月二十六日に。経済財政諮問会議に出ておられる方は皆さん御認識だと思いますが、こんなことを言っていますね。提言も具体的にされているんです。

 これは、この道路の中期計画、道路財源の総額を前提とした計画となっていて、なぜこれらの道路が必要なのか明確な説明がない。必要な道路だけに限定するために、着工前に改めて費用便益分析の実施をすることが重要だ。その際、一九九九年の道路交通センサス等を基礎にしたもの、これは古いから、幾ら何でも古過ぎるだろう、だから、必ずそれとは別に、現在の需要予測を見直して、地域ごとの直近データを用いろと。地区ごとに、路線ごとに事前の事業評価をやれ、政策評価をやれ。こういうことを経済財政諮問会議で提言していますよね。

 大田大臣に確認したいんです。そういう趣旨の提言、議論があったわけですよね。

大田国務大臣 民間議員から、先生御指摘の提案がなされました。それに対して、冬柴大臣もお答えになりました。

笹木委員 ここでお聞きしたいんですが、国交省の事務局の方で結構ですが。

 経済財政諮問会議でもこういう議論があった。直近のデータじゃないとおかしい、事前にもう一回評価をやり直せ、直近のデータを使って。このデータでは、平成十一年度のでは古過ぎる、こんな予測おかしいんじゃないのという意見まで出ている。

 こういう話も出ていたのに、事務局の方は、新しい平成十七年のこの資料について国交大臣に報告はしなかったわけですね。いや、まず事務局の方に今聞いているんです。

冬柴国務大臣 私自身が経済財政諮問会議に出まして、そのような委員からのお話がありましたので、それに対して説明をし、御納得いただいたと思います。

 それは、この十九年の中期計画を策定するに当たり、最も新しい最も権威のあるものというのは、一九九九年の交通センサスというのは確かに古いけれども、それをまとめて、将来交通推計を出すには三年の年月がかかるのですということも説明しまして、そのようなものはこれです。しかしながら、今後着工する場合には、おっしゃるように、その時点時点で最も新しい資料を用いて客観的にいたしますし、そしてまた、この自動車高速道路につきましてはいろいろな手続もありますということを説明いたしまして、それは最も新しいものだ、ただし、その後この交通センサスはやっているけれども、それに基づく将来交通推計というものは二十年、すなわち、ことしの秋ごろまでかかるのですというお話をいたしました。その点で私は御納得をいただいたと思っております。

 それから、総額をして内容がないじゃないかという話もありました。

 私は、暫定税率を維持するということを国民にお願いする以上は、それは負担をお願いするわけですから、それに対する、いわゆる受益と負担の割合ですから、受益の内容をきっちり示して、そしてそれのいわゆる総額というものについてもお示しをし、そしてそれは閣議でまた決定をしていただくような取り計らいをいたしますということを説明申し上げました。

笹木委員 では、今度は大臣に、ちょっと素直にここでもう一回御質問させていただきます。

 経済財政諮問会議でこういう話もあった。大臣として、大臣は役所の代表であると同時に、その前に国民の代表なんですよね。役所の中でおかしいことがずっと続けられていたら、それを国民の代表として、選挙で選ばれているのは大臣なんですから、国民の目を代表して、おかしいことは正すのがやはり大臣の大事な仕事でもあると思います。

 こういう諮問会議での議論を聞いて、直近のデータはないのかとか、そういう話を事務方に話されたこととか、一度もないわけですか。

冬柴国務大臣 経済財政諮問会議でどのようなことが話し合われるかということは、事前に私も資料をちょうだいいたしております。そして、それに対して十分聴取をいたしまして、そして交通センサスが、平成であれば十七年に行われているということ、そして、それだけでは将来推計が出ない、これからいろいろお話も出るでしょうけれども、いろいろな膨大な資料、そういうものに基づいた推計というものが行われ、それは約三年かかるということで、現時点における最新のものはこれであるということで、そのことを私も納得をし、そして財政諮問会議でも御説明を申し上げたものでございます。

笹木委員 では、さらに、きのうかおとといの答弁でありましたね、予想交通量が落ちることもあると。今、費用対効果、一・二以上に引き上げたけれども、予想交通量が落ちる場合もある、一・一に落ちる可能性もあるということを言われていました。

 さっき、諮問会議の中でも、直近の事業評価、新しいデータをもとに事業評価をやるべきだという意見は出ていたわけですが、一・一に落ちた場合には、当然、それは見直す、やめるということも含めて見直すんですね、それが事前にわかった場合にですが。

冬柴国務大臣 一・〇以上であれば、公共事業は、それはやってその価値があるということでございまして、しかしながら、今、一・二というものを目標に、新しい将来交通予想推計が出るまでは、それと整合するためにも一・二でこの中期計画は構築をしております。

 細かい話になりますが、一、二、三の三の部分です。それについては、四車線じゃなしに二車線にして、なお一・〇以上ということになりますと、これを二になるまで現道も利用できるかどうかということを諮ります。そういうことで、皆様方にお諮りをしてどうするかということを決めていくわけでございますが、その段階でそれが一・二以上になることを目標に我々は進めてまいります。

 一・〇を切れば、それはもちろんいかなる場合でも取りやめなければなりません。しかしながら、それが一・二じゃなければそれはできないというものではございません。

笹木委員 では、さらに聞きますが、これはきのうでしたか、一万四千キロというのは変わるのか変わらないのか、これを前提にしている。福田総理は七日の予算委員会で、毎年度の予算査定で精査する、各区間を整備するか否かは事前の事業評価で判断する、こうはっきり言われていますよね。きのうの冬柴大臣の答弁ではどうも、事前に事業評価をやって、やるかやらないか見直しをするということについては最後まで明確に答弁がなかったわけですが、総理も言っているわけですし、事前評価をやって、当然見直しもやる、だから一万四千キロありきじゃない、間違いないですね。

冬柴国務大臣 一万四千キロというのは六十二年の六月に閣議決定をされて、一部は法律改正がされ、一部は大臣告示をし官報にも掲載された、道路の名前も起終点も明らかにしたものが一万四千キロです。その後、それは現在までは変更されておりません。改正もされておりません。

 しかしながら、我々は、それを目標にしながら、その姿が見える、それは全部が、それは幾らお金をかけてもできない場合がありますよ。そして、かけても、それが使われなきゃしようがないわけでして、ですから、BバイC等、それだけではありません、いろいろな問題を評価しながら、そしてまた違う目で財務省からの評価もいただき、そして国幹会議の評価もいただきながら今後進めていくんですよ。

 ですから、九三四二の外の部分については、どのような手法で、いつ、やるのかやらないのかということは決まっておりません。しかしながら、それを目標であることを放棄したという行政決定は一切されていない、国会でもされていないということは、私はそのように思っております。

笹木委員 質問に答えてください、一言で。

 事前の事業評価をやって、その結果、これは交通量とかそういうところから見てかなり下回る可能性がある、そういうものについては直近のデータをもとに事前の事業評価で一万四千キロよりも減ることは当然ある、これは間違いないですね、それだけお答えいただければいいんですよ。

冬柴国務大臣 当然でございます。

笹木委員 最後に、ちょっと大田大臣に御感想だけお聞きしたいんですが、経済財政諮問会議でもさっき御紹介したような議論がたくさん出ているわけです。限られた費用をどうやって使っていくか、限られた税金をどうやって使っていくか、国が伸びていくことに効率的に使っていく、そういうことで、民間の議員も含めていろいろな意見を出されています。先ほど言った、事前評価も必要だ、いろいろなことを言われています。

 大田大臣は、今のこの道路特定財源、これについてはほとんど何も修正をしない形でそのままいくということについて、経済財政諮問会議の担当大臣としてどういうふうにお感じになっておられますか。問題はなくて大賛成だということでしょうか。

大田国務大臣 道路の必要性は常に費用対効果で計算していかなくてはいけませんので、新しい道路を着工するたび、そしてその途中段階、それは常に点検していくということで、冬柴大臣にもお願いをして御納得いただいております。

笹木委員 余り時間がないのですが、最後にもう一点だけ違うことについて。前回政治と金のことについて時間がなくなってしまったので、最後に、ちょっと確認したかったことだけ御確認をしたいと思います。

 官房長官があの後いろいろ発言されましたが、どっちの党がどうやって、こっちの党がどうやってということだけが言いたいんじゃないんです。

 政党交付金というのは国民一人当たり二百五十円、これは選択の余地がないんですよね、国民にとって。普通の政治資金は、政党の支部が集めるとか、政治家個人が後援会の方に頼んで集めるとか、寄附を集めるとか。これは、寄附をする側は選択の余地があります。しかし、この政党交付金については、国民から一人当たり自動的に二百五十円入ってくるわけで、この扱いについては、やはり非常により厳格じゃないといけないだろうと思ってこの間ああいう質問をしました。

 あのときには自由企画社のことを言いましたが、情報調査の場合にも、数年間で総額九億円ですか、やっているわけですが、これもどうも納得ができません。

 世耕さんの本を読むと、こんな文章がありましたね。何か本部に、いつからか知らないが、自民党には自動的に電話をかけて調査する便利なシステムがあった、これまでの選挙でも使われていたが、広報面では余り活用されていなかった、今まではこれを使って今度の選挙であなたはだれに投票しますかという類の質問をし、そのデータをもとに各選挙区の当落予想をしていた、しかし、それがずっとしばらく使われていなかった、それで今度使うようにしたという文章があります。

 党本部にあるんでしょう、そういう機械が、設備が。どうして情報調査に、莫大な、年によっては三億円、四億円出されている。これも費目がちゃんと出されていないからわからないんだろうと思います。

 お互いに、かなり問題のあるものについては、会計検査院がもっと力を発揮したいと思うわけですが、ほかの国では国会の議長がこれは検査の必要があるんじゃないかというようなことを言って検査をする場合もあります。

 一点確認したいんですが、まず総務省の検査、これは形式審査ですよね、単なる形式審査、どういう審査ですか、報告書が適当かどうかを判断する審査というのは。

増田国務大臣 総務大臣に与えられております権限は、いわゆる形式審査権にとどまる。これは、自由であるべき政党の政治活動に対する行政権力の介入を避ける、こういうことが大事でありますので、形式審査。

 具体的には、形式上の不備があるとき、添付の書類がないとかそういうことですね、あるいは記載すべき事項の記載が不十分であるときといったようなときに、相手方に対して説明聴取や訂正を命ずるものでございます。

笹木委員 結局、今までいろいろこういう政治とお金の問題が起こったときに総務省にこういうことについてどう思うかと言っても、今の大臣のお答えにかかわりますが、形式審査というのは、例えば数字の足し算、引き算が間違っていたり、そういうことは注意できます、あるいは当然項目として入っていないといけない項目が入っていないとか、その程度のことですよね。

 会計検査院、この間もお聞きしました。会計検査院は必要なときには検査できることになっていますよね。どういう文書、どういう法律に基づいてそれはできることになっていますか。

伏屋会計検査院長 お答えいたします。

 今議員が質問されている政党交付金は、総務省から政党に交付されて、政党からさらに支出されているわけですが、二つの段階がありまして、一つは総務省でございます。これは、総務省における検査に際しましては、政党助成法によって政党交付金の交付を受ける政党からは報告書などが総務大臣に提出されておりますので、その報告書の内容を踏まえ、必要に応じ、私ども、関係書類に基づいて、総務省に対して、説明を受け、検査をしております。

 次に、今言われました、それでは政党交付金の交付を受けている政党の会計はどうかということになりますと、それは会計検査院法第二十三条第一項第三号の「国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計」に該当するわけでございまして、したがって、会計検査院は検査をすることはできますということでございます。

笹木委員 それで十分に支出の適否の確認ができなかったときには、検査、指定を行うかどうかを個別に検討していくというふうに言われているわけですよね。

 では、どういうときに十分に支出の適否の確認ができなかったというふうに判断するのか、お答えいただけますか。

伏屋会計検査院長 今申し上げましたように、会計検査院法で検査をすることはできるわけでございますが、一方に、政党助成法には「国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならない。」という規定がございます。

 私どもは、今ここで、個々の政党の会計について検査するかしないかということを申し上げることは差し控えさせていただきます。ただ、仮に政党の会計について検査する場合には、今の政党助成法の趣旨も踏まえ、尊重して行うことになるわけでございます。

笹木委員 平成六年と平成八年に、要はこの政党交付金が導入される、その前後に、委員会でこの会計検査院の検査についての質疑が出ています。それで、今言ったように、検査の対象になり得るんだという答弁をされているわけですよね。

 これまでに、この検査、指定を行うかどうか、検討してきたときはあるんですか。まだ責任者、新しいんだとは思いますが、そういうことについては把握されていますか。

伏屋会計検査院長 お答えいたします。

 過去においても、検査院法また政党助成法の趣旨を踏まえながら検討したのだろうと思います。今後ともそういう趣旨を踏まえながらやってまいりたいとは思っておりますが、過去については、私またこれから勉強してみたいと思います。

笹木委員 ほとんど、その会計検査院の検査が現実的に一回もされていない、不可能だというふうに思われてしまうと、総務省の形式審査と何も変わらないということになってしまうんですよ。足し算、引き算が間違えているとか、普通に機械的に出す項目が出ていなかった、抜けていたとか、そんなことのためにわざわざ会計検査院が検査をできるようにしようという話になったわけじゃないですよね、政党交付金を導入するときに。

 最後に、官房長官にもう一度御意見を伺いたいのですが、どこの政党が、ここの政党がということではありません。政党交付金というのは、二百五十円、一人一人から強制的に寄附をもらっている、政党が。それについての透明度は、より厳格にしないといけないと思います。別に、自民党に対してだけ言っているのではありません。我々もそうだと思います。費目をなるべく詳細にする。私が先ほど言ったような、疑われることがないように、費目をなるべく詳細、細かくしていく。

 それと、もう一点。これはもちろん政党間でも話し合いをしないといけないのでしょうが、ほかの国の例も含めて、議長が指摘をして検査に入る、いろいろな例がありますが、こうしたことを政党交付金についてはさらに取り組んでいく必要がどうしてもあると思いますが、官房長官はどういうふうにお考えになりますか。

町村国務大臣 この政党助成金が導入されるとき、私も随分議論に参画をいたしました。そもそも税金を使っていいのかどうかという出発点から議論をし、たしか、今でも特定の政党は政党助成金を受けておられない。これは、政党活動の自由というものを、場合によっては大きく制限をするおそれがある、そんな議論も随分した記憶がございました。したがって、政治の自由、政治活動の自由あるいは政党の自由ということはまず前提として置かなければいけないという意味から、政党助成法の法律の中にもその趣旨がまず明確にうたわれているわけでございます。

 ただし、同時に、国民の税金を使う以上は、国民の信頼にもとることがないようにこの交付金を適切に使用するべきであるということが四条の二項に書いてあります。しかし、四条の一項が本来の姿であって、「政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならない。」というところでバランスをとっているわけでございますね。したがいまして、私は、政党交付金の使途等の報告書の公表というものを通じて国民がそこは判断をするということが必要であって、まさにそれが今行われているんだ、こう思います。

 そして、どこまで詳しく使途等の報告の費目を詳細にしていくのか。これは、私は今、官房長官という政府の立場で、こう細かくすべきであるとかこうしろということを言うことは、これはまさに政府による、権力による政治、政党の自由な活動のいわば介入になりますから、それは私は申し上げません。そこはまさに政党間協議で、笹木議員そして各政党の代表が集まって、ここはこうしたらいいのではないかという御議論を大いにしていただくということがこの政党交付金のあり方からいって非常に重要なことであり、その結果を受けて、必要な法律の改正等々は、これはたしかもともと議員立法ではなかったかなと思いますけれども、そこによって変えていただくことが大切なんだろう、私はこう考えております。

 ただ、ちょっと一点だけ付言をさせていただきますと、先ほど、我が党のお金の使い方について、あたかも不明朗な点があるのではないかというようなことをおっしゃいました、何かコンピューターシステムが云々と。そのことは、その著者がどなたかちょっと私聞き落としましたが、我が党の活動の実態を余りよく知らない方がそれをお書きになったのであって、私どもがどういう世論調査をやっているかという中身につきましては、これはまさに政党の自由であり、自民党的ノウハウの部分でございますから、どうぞひとつ、何かあたかも不明朗な使い方をされているというような趣旨に私はちょっと聞こえたものですから、そういうことはないということを、私もかつて自民党総務局長という選挙の責任者をやっていた立場なものですから、そのことだけはあえて申し上げさせていただきます。

笹木委員 もう終わりますが、一点だけ。

 あれは、先ほどの文章は、首相補佐官の世耕さんが書いた文章、それを引用してお話をしていたわけです。

 質問を終わります。

町村国務大臣 世耕さんは首相補佐官であって政党の役員ではないので、政党の中でのその使い方を余りよく御存じなかったんだろう、私はそう思いますよ。

逢沢委員長 これにて笹木君の質疑は終了いたしました。

 次に、松木謙公君。

松木委員 民主党の松木謙公でございます。幾つか質問させていただきたいというふうに思っております。

 まず、道路の暫定税率、今いろいろと問題になっていますけれども、このことでお聞きしたいんです。

 昨年の十一月二十九日付で、公明党の北海道本部の方から、だれとは言いませんけれども、太田昭宏代表あてに「原油価格高騰に伴うガソリン、灯油等の適正な価格を求める要望」と題して、原油高が落ちつくまで灯油への支援措置だとかガソリン税の暫定税率引き下げなどの措置を求めた、そういう文書が出されております。

 これは参考資料の三ページ目ですね。ちょこっと読んでみますと、さすがにやはり公明党の皆さんというのは国民の目線でいろいろなことを日々お考えだというふうにつくづく思うわけですけれども、「日々のニュースで報じられているとおり、現在、灯油小売価格は一リットル当たり九十円を超え、ガソリンも一リットル当たり百五十円前後と急騰。積雪寒冷が厳しく、乗用車が地域の足となっているほか、石油類の急激な値上げは生活を直撃するだけに、道民の間では大きな不安が募っています。 また、本道経済を支える農林水産業や中小企業の現場からも、原油高によるコストの増大が厳しい経営状況にさらに追い討ちをかけているといった、切実な声をうかがっております。 党におきましては、道民の声に耳を傾けていただき、原油価格の安定とガソリン、灯油等の石油類の適正価格を実現するよう、以下の事項について要望します。」こういう文書なんですね。

 そして、全部は見ていただければわかるんですけれども、幾つか、「原油高の影響が落ち着くまで」「(灯油)積雪寒冷地に対し、灯油購入に対する補助など臨時的支援措置を講ずること」。そして次は「(ガソリン)「暫定税率」となっている燃料税の」、これはガソリン税のことですね、「燃料税の「揮発油税」などについて暫定的引き下げを行うなど、特例措置を講ずること」。暫定税率をまた暫定的にという話ですね。

 私、さすがにこの方、多分これから世に出てこられる方だと思うんですよね。この方は一生懸命道民の方々のところを回って、私、多分つぶさに歩いているんだと思うんですね。

 そして、ことしの一月十八日の公明党さんと創価学会さんの連絡協議会において、暫定税率の廃止で一リットル当たり二十五円ガソリンが安くなるというのは生活実感としてわかりやすい、庶民の目には暫定税率の維持は道路族を守るためではないかと映っている、暫定税率維持について国民に納得のいく説明をしてもらいたい、そういう要望も出されたというふうに私は聞いております。

 ところが、冬柴先生はなかなか厳しい方で、おお、そうだ、暫定税率は今回ちょっとやめにして、ガソリンを庶民の手に、こういうようなことを言っていただけるかなと思ったら、なかなか、いろいろなお立場もあるんだと思いますけれども、冬柴先生を御支持されている方々とはちょっと違った動きじゃないかなというふうにも推察をするわけです。もともと公明党さんというのは生活者視点をうたってきた歴史のある政党、そして、その支持団体からも切実な要望というのもあるわけですから、もうちょっと考えていただきたいなという気持ちが非常に私は強いですね。

 そして、平成十九年三月締めの十八年度の決算なんかを見ますと、道路特別会計で何か九千億ぐらい余るような話も出ていますね。そして今、地方の首長さん方が言っているのは、我々のところに穴があく、何とかせいという話が多いと思うんですね。九千億たしか地方に足らなくなるという話があったと思うんですけれども、九千億はここで出てくるんだなというふうに私は思っちゃったんです。

 こういうお話を聞いて、国交大臣、冬柴先生、どう思われましょうか。

冬柴国務大臣 今読み上げていただきました、公明党北海道本部が昨年十一月二十九日に我が党の太田代表に要望という形で提出をされたということは、私自身は、今、松木さんからの質問通告があるまで知りませんでした。

 しかしながら、それは、政府・与党合意というのが十九年十二月七日、それから一週間ほど後でございますが、現行の税率水準の維持を決定する以前の要望でありますので、その後その北海道本部がどう考えられたかということは、また別問題であろうと思います。

 ただし、私は、松木さんも評価をしていただいたように、北海道本部長、稲津君という道議会議員ですけれども、本当に大変優秀な人で、広い北海道を走り回っている人です。原油価格の高騰による生活や地域経済に対する負担の増大が特に著しい北海道という積雪寒冷地帯の事情を背景として、要望を出されたものだと思います。

 私どもも、この暫定税率の維持ということをお願いする以上は、こういう国民の苦しみに目をつぶっているわけでは決してございません。

 我々は、御案内のとおりですけれども、年末に、補正予算で、私ももちろんそういうことにかかわりましたが、生活困窮者に対する灯油購入費等の助成ということで、四道県、二百七十八市町村、これは北海道をほとんど網羅していますが、二十九億円を補助することとしたとともに、そのほか、生活保護に対して、生活が困窮する人に対して最低限の生活を保障しているんですけれども、特に暖房費等の費用がかかるため、冬季加算を設けて、十一月から三月まで、札幌市では四人世帯に対して月額四万七百五十円を支給する等、やっております。また、一般のドライバーに払っていただくわけですから、この強制、自賠責保険の保険料につきましても九千二百六十円の減額を決定するなど、目配りはさせていただいているつもりでございます。

 ただ、道路を十年間にわたって整備していく必要性につきましては、高齢化が進み、人口減少が本格的に始まる前に、そしてまた、高度な経済発展のときにつくった道路とか橋梁が年数を迎える前の、この今からの十年が大事なんですね。そのときに、私は日本の道路のネットワークというもののおおむねの姿が見えるようにするためには、こういう苦しい国民のことはもちろんよくわかるけれども、我々の子供や孫たちのために、国際競争力のある国土をつくるためにもこれは御理解いただきたいというのが私の気持ちでございます。

 九千億については、また別ですか、言いましょうか。

 九千億の余剰金があるとおっしゃいましたけれども、これは、支払い先ももう決まっているものなんです。ただ、それは繰り越しをしないと執行ができない部分でございまして、例えば、平成十九年度には一兆百九十一億円の繰り越しがありますが、その七三%に相当する七千四百八十三億円は支払い先も全部決まっているところでございまして、最終の話がつかないから繰越金にしているものでございます。

松木委員 いろいろなお話をしていただきました。今、稲津さんという名前も言われましたね。後からいろいろなことが出たにしても、先生を御支援されている方々もそうなんですけれども、一般の方々、やはり大変なんですよ。ですから、ぜひ目配りをもっともっとしていただきたいなというふうに思います。

 そして、めちゃくちゃな議論だと言われればそうなのかもしれないんですけれども、例えば外為特会だとかいろいろなものがありますよね。今すぐ使わないものだってあるんだから、やはりそれを利用して、道路の方に使ったって構わないというふうに僕は思います。いずれにしても、そういう工夫をしていただきたいですね。

 八十六兆、一年間に使っているわけですね。それで、借金返しもありますけれども、大体、地方で九千億なくなるということは、家庭に直すと、八百六十万の年収の家庭が九万円のお金も絶対動かせないと言っているのと余り変わらないことだと僕は思いますよ。やはり工夫が足らない。幾らでも考えれば私は出てくると思いますので、これからの論議でまだまだいろいろと出てくると思いますので、ぜひ冬柴先生も考えていただきたいというふうに思っております。

 それともう一つは、去年の十月十六日に参議院議員の石井一先生が質問したことなんですけれども、要するに、参議院議員の福本さんという方がお話しなされたところで、上納金が、参議院議員は六百万円、そして衆議院議員は三百万円というお話がありました。そのとき総務大臣は、よくわかりませんという答弁をされておるはずですけれども、これは、総務大臣、どうなりましたですかね。総務大臣がわからなかったら、その関係者でも結構ですよ。答えてください。

増田国務大臣 総務省の方で確認できる範囲でお答え申し上げます。

 まず、政治資金規正法で、収支報告書に記載をする、こういう規定になってございますので、公明党本部の平成十六年分から平成十八年分の収支報告書を確認いたしましたところ、冬柴鐵三個人からの収入、それから、冬柴大臣が代表を務めておられます資金管理団体、これは冬柴政経懇話会というものでございますが、そこからの収入は、いずれも明細の記載はございません。

 それからまた、冬柴大臣が代表を務めております公明党の衆議院小選挙区兵庫第八総支部、こちらにつきまして、平成十六年分から平成十八年分を兵庫県選管で公表しております収支報告書の要旨で確認をいたしましたところ、冬柴鐵三個人からの収入と冬柴政経懇話会からの収入はいずれも明細の記載がない、こういうことでございます。

松木委員 石井一先生の問いに対して冬柴大臣は、いわゆる上納金という言い方が正しいかどうかということはありますけれども、お給料の二カ月分を公認料としてお渡しをしているという旨の御発言があったと思うんですね。

 そうすると、このお金は、要するに、党に入れたのかどこに入れたのか、それがちょっと不明ですよね。当然、別に、冬柴大臣が公明党にお金を三百万入れた、これが違法になるわけでも何でもないんですよ。ただ、大臣が公認料としてお渡しをしたと言っているお金は一体どこに行ったのか。大臣、どうでしょうか。

冬柴国務大臣 昨年十月十六日の参議院予算委員会で、石井一先生の問いに答えまして、私は、党に対する公認料ということで衆議院の場合には三百万円、というよりは、もう少しきっちりと調べた方がいいと思いますけれども、いただく報酬の二カ月分を党に出していますということを申し上げました。

 これは、公認料という言葉が間違いだったということは後でわかりましたが、二カ月分は、候補予定者、私もそうですけれども、選挙事務所、選挙会計へ歳費二カ月分を納める、歳費の金額はその候補者の公認時における歳費の額を基準とする、納めた自己資金は返金はしないこととする、こういうことが党から通知がありまして、これは、例えば平成十七年の分は、二〇〇五年でしょうか、七月十四日付で公明党の選挙対策委員会からそのようなお話をいただきましたし、それからまた、平成十五年、私は幹事長をやっていましたけれども、十五年の七月二十四日にもそのような同種のものがあります。

 それによりまして、私は、平成十七年九月十一日、一番最新の選挙ですけれども、その場合には、こういうことによりまして、選挙運動費用収支報告書というものを兵庫選管に提出いたしております。その中にきちっと、八月二十三日に二百六十五万円、尼崎市潮江一丁目五の一の二六一〇、冬柴鐵三、職業、弁護士と書いてありますが、備考は自己資金、こういうことで届け出をきちっとしております。

 そして、ちなみに、その前の選挙、平成十五年十一月九日執行のときも、これは平成十五年十一月二十日付で選管へ届け出をしておりますが、九月二十九日付で二百四十七万五千円ということで、冬柴鐵三、弁護士、自己資金ということで、選挙費用収支報告書というところですべて届け出をしまして、選挙に関しての収入、支出はすべてここに書いて兵庫選管に届け出をいたしております。

松木委員 では、報酬の二カ月分を党に出していますというお話は間違っていたということで、これは御自分の選挙でお金を使ったということだ、そういうことなのか、何かちょっと、いまいちよくわからないんですけれども。

 一番初め、先生は、「もう少しきっちり調べた方がいいと思いますけれども、年収、いただく報酬の二か月分を党に出しています。しかし、」と続くんですけれども、党に出したというよりは自分の選挙で使った、こういうことでよろしいんですか。では、ちょっと端的に。

冬柴国務大臣 私は党の公認候補ですから。それで、選挙には随分お金がかかりますよ。もちろん、党からも選挙費用は入れていただいて、届け出もしていますけれども、その中で、公明党として、自己負担、負担と書いてありますが、自分の選挙だから報酬の二カ月を負担しようじゃないか。これは、ずっと私のところはやっていますよ。

 それで、参議院で公認料と言ったら、公認料は、おまえ、もらうんやろうとやじが来たことを覚えていますよ、いや、おれのところは出すんですと言ったんですが。公認料じゃないけれども、私としては、公認をいただいたから、それはこういうふうにしてくださいということだからこういうふうに言ったわけでございまして、事実はそういうことです。

松木委員 要するに、公認料という言い方をしたけれども、公認料じゃなかったということですね。まあ、また参議院の方で石井先生がやっていただけると思いますので、このぐらいにさせていただきます。

 そしてもう一つは、余り時間がないですね、宗教と政治のかかわりとあるんですけれども、私は、やはり創価学会さんという宗教団体、これは立派な団体だと思っています。あれだけたくさんの方がいて、それで信心をなさっている。そもそも、宗教をお持ちになって、そして日々の暮らしを心安らかに過ごしていくというのは、僕は非常に理想的なことだなというふうに思うんですね。そして、公明党の先生方を見ていると、やはり人柄がいいんですよね。本当に紳士の方が多いと思うんですね。

 ところが、どうも選挙になるとこれがまた激しくなっちゃって、ここにCDというかディスクがあるんですけれども、ここに、去年の夏の参議院選挙のときの、ある県のある婦人部長さんがお話をしたのが全部入っています。そして、その中にどういうお話が入っているかというと、ちょっとだけ、かいつまんでお話をさせていただきます。

 その前に、財務大臣、済みません、せっかく呼んだのに。大臣が、あれ、やっていただきましたからね。せっかく来てくれたんですから、一言ぐらい謝っておかないと。

 それで、この婦人部長はこういうお話をしているんですね。

 民主党の、役職の名前があって、県の代表の○○が各地を回って、とんでもない公明党批判を繰り返していると。まあ選挙ですから、いろいろとあるんでしょう。今や仏敵となって私たちの前に立ちはだかる民主党は、信心で勝つしかないんだと。全国に応援に行っては、日顕宗、日顕宗というのは、どうも創価学会の皆さんは日蓮正宗をこう呼んでいるらしいんですけれども、この日顕宗の寺めぐりをしている菅直人が、○○○の、これは場所は言いません、新興住宅地で街頭演説を行うことになった、地元の婦人部長はやすやすと仏敵に物を言わせてはなるものかと祈祷師のように祈りまくったと。これは、言っていることをこのまま言っているんですからね、私は。すると、当日、一天にわかにかき曇り、真っ黒な雲がわき上がって、突風、大雨となり、菅も民主の候補もそこそこに帰ったというお話をされているんですね。

 我が党の幹部のことを批判しているんですけれども、それは選挙ですから、いろいろとあるのはわかりますけれども、ちょっと気持ち悪いですよね、こういう話は。

 それで、あと、私、党の中で一新会という勉強会のメンバーでもあるんですけれども、この批判もしているんです。対立候補とはいえ誹謗中傷している、こういうのは宗教者としての品位をかなり損なうんじゃないかなというふうに私は思っているんです。しかし、これだけしっかりした宗教団体の人たちがこういうことを言うというのは、ひょっとしたら言わされているのかなという気も、私、実はするんですね。そういうふうに思います。

 これは文化庁ですか、そういう関係の方は。私の今の話を聞いて、どう思いますか。

高塩政府参考人 ただいまの事実関係についても承知しておりませんし、個々の宗教法人の活動につきまして感想を申し述べることは、差し控えたいと思っております。

松木委員 はい、わかりました。

 それでは、冬柴大臣、私は、ちょっとヒートアップして言ってしまっているんだと思いますけれども、やはり我々も仏敵とまで言われるとちょっと怖いので、そういうことはお互いにやはり控えた方がいいなというふうに思いますので、ぜひこれからはそうしていただきたいなというふうに思います。

 そしてもう一つ、福本潤一さんという前の参議院議員の方が、自分がやめられたことの中で、秘書の葬儀問題で公認をおろされました、こういうことを言っているんですね。それで、去年の四月、冬柴幹事長に呼ばれて、神崎元代表同席のもと、公認しないことを告げられましたと。理由は何ですかとお尋ねしたところ、神崎元代表から、秘書の葬儀問題とすぐに返事が返ってきて、冬柴幹事長もうなずいて同調されていました、こういうくだりがあるんですけれども、こういうことは本当にあったんでしょうか。

冬柴国務大臣 全くの捏造で、そういうことはありません。そういうことを私が申し上げて、やめてくれというようなことを、公認できないというようなことを申し合わせたということではありません。もうそれ以上はいろいろな問題がありますから言いませんけれども、そんな、秘書の葬儀のどうとかこうとか、それでそんな、公党がやることはあり得ないので、荒唐無稽でございます。

 それからもう一つ、私、申し上げたいのは、何か、宗教団体が政治活動をしてはいけないようなことを前提におっしゃるのであれば、それは間違いですよ。私が衆議院予算委員会で法制局長官ときちっと議論しました。そのときに、法制局長官は、国及びその機関は国権行使の場面において宗教に介入、関与してはならないというのが政教分離の原則でありまして、進んで宗教団体が政治活動することをやめろということではありませんということを明確に言っているんですよ。その議事録を読んでください。(松木委員「はい、わかっています」と呼ぶ)わかっているんですか。わかっていたらそれで結構です。

松木委員 ちょっと時間があれなので。

 僕は、宗教団体が政治活動をやっちゃだめだなんて全然思いません。どんどんやっても別に構わないですね。ただ、やはり品格を持ってやっていただきたい。私だって、宗教で、つき合っている方がいますよ。それで、その方々、ある程度品格を持ってやってくれていると思う。やはり、仏敵だとか仏罰という言葉もちょっと怖いので。

 文化庁の人にちょっと聞きたいんですけれども、仏敵とか仏罰という言葉、それは仏教用語の中にあるんですか。

高塩政府参考人 文化庁といたしましては宗教上の内容についてお答えする立場にはございませんけれども、一般の辞書によれば、仏敵とは、仏法にあだするもの、仏法に背き逆らうもの、仏罰というのは、仏から受ける罰というふうに意味するものと解しているところでございます。

松木委員 何か怖くなってきました、いや、それは。なるほど、わかりました。

 今、冬柴先生、私、本当に、宗教の人たちがやることをだめだとか、そんなことは言っていません。それはもう自由なんですから。そして、日本の場合は宗教がいっぱいあるじゃないですか。もうそれぞれやっていて、私は逆に、宗教心のない、まあ私も少しはあるつもりなんですけれども、私みたいないいかげんな人間よりは、もうそれは創価学会に入ってしっかりそういうことをされている方の方が私はいいと思いますよ。

 ただ、やはり、CDとか聞くと、余りにもちょっと激しくて、これはちょっとやり過ぎだなと思いますので、ぜひどこかで、今度から、お立場のある方ですから、女性の方は特にヒートアップするといろいろとありますので、なるべくそういうことは言わないようにしなさいというふうに言っていただきたいですね。(発言する者あり)女性蔑視になりましたか。いや、そんなつもりで言ったんじゃないんです。申しわけないです。そうしたら、人間はというふうに置きかえます。大変失礼しました。

 そんなことで、時間のようでございますのであれですけれども、ぜひ選挙のときは正々堂々と戦いたいなというふうに思っているところでございます。

 そうすると、先ほどのお答えの中でちょっと、福本さんの話は全く事実無根であるというお話がありました。私、福本さんという方は先生方とけんかもなされたと思うんですよ、多分。だから、参議院の方でもありましたけれども、参考人か何かで呼んではっきりさせるというのも私は一つの手じゃないかなというふうにも思いますので、ぜひ理事会で協議をしていただきたいというふうに思います。

 それでは、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて松木君の質疑は終了いたしました。

 次に、仙谷由人君。

仙谷委員 いわゆる同意人事案件というものについて少々、法律の面あるいは憲法の角度からこれを考えなければいけないということで、主として官房長官にお話を伺いたいと思います。

 官房長官、まず、地方自治体で、いわゆる人事同意案件というものがあって、例えばこの十年間とか五年間とか一年間でもいいんですが、どのぐらいの案件で不同意、案件否決というのが発生しているか、御存じですか。

町村国務大臣 ちょっと聞き取れなかったのですが、地方自治体でとおっしゃいましたか、地方議会でということですか。

 私は存じ上げません。

仙谷委員 官房長官が御存じないのは無理ないんですね。総務省にどのぐらいそういうケースがあるのか調べているのかと聞いたんです。全く調べていないという話なんですね。

 しかし、新聞記事とか、あるいは町村議長会とか、そういうところのものを引っ張り出して、いろいろかき集めて調べました。全然正確でありません、これは。正確でありませんけれども、一番直近では、例えば秋田県議会で副知事の人事案件について、昨年の暮れ、十二月二十日、不同意、行っています。政令指定都市、横浜市では、平成十八年、助役の案件について不同意。それから、町村。町村は、平成十八年の七月一日から十九年の六月三十日までの間のこの種案件を調べてみると、四千七百十七件の人事案件があったんですが、不同意が三十九件、こういうことです。都道府県でいえば、平成九年の秋田、十一年の東京都、平成九年の沖縄、平成十五年の宮城、十五年の神奈川、十五年、群馬、十八年、群馬、平成十八年、長野。長野は公安委員、教育長、監査委員の人事案件でありますが、これが不同意にされています。

 それで、こういう場合に、不同意にした理由を不同意にした会派や議員が明らかにする必要があるのか、明らかにした方がいいのか、あるいは、その理由が妥当性を持つかどうか、これはだれが判断するんですか。官房長官、どうぞ。

町村国務大臣 そうですね、だれが明らかにする必要があるのか。

 それはやはり、提出する方が、なぜその人物が適切であるかという話をし、同意する場合はそれに賛同するということでしょうし、不同意というのは、その副知事であれだれであれ、適格でないということを、反対をされた方々がその理由は言われるのが自然体ではないのかな、ごく常識論で申し上げれば、そんな気がいたします。

仙谷委員 官房長官、我々は選挙に立候補して国民から選ばれる、要するに当選か落選かという結果が出ますね。それで、落選したときに、おれを落選させた人、つまり投票しなかった人に、理由を言え、その理由が妥当性を持つかどうか、これから例えば私が判断する、神が判断する、あるいは国民が判断する、だから理由を言いなさいという言い方を候補者ができますか。

町村国務大臣 議会の同意人事と選挙に勝った負けたというのは、またちょっと意味が違うんだろうなと私は思います。

 それは、投票というのは非常に幅広い、何万、何十万の方々の投票が、また、いろいろな理由、いろいろな思い、いろいろな事情から、Aさんがいい、Bさんがいいということで当落が決まるので、それは一様ではないんだろうと思いますね。いろいろな理由があるんだろうと思います。

 他方、その同意人事を、助役であれ、副知事であれ、審議会の委員であれ、否決をする、賛成をする、そこはやはり、通常の何万という人が投票する選挙とはまた違った意味が私はあるんだろうと思います。別に絶対的な話ではない、相対的な話であります。

仙谷委員 私どもが選挙に出て、国民から選ばれなかった、選定されなかった、その場合には、ただひたすら不徳のいたすところですとしか言いようがないですね。

 これは、例えば、知事や市長、あるいは議員というのもございますが、地方自治法上、リコールという制度があります、解職請求。解職されたときに、当然のことながら解職請求は理由が出ておりますが、結局、この妥当性の判断をするのは住民ですよね。私、そう思うんですよ。

 今、全く官房長官の認識が誤っていると私が考えていますのは、憲法十五条をお読みになったことはありますか。この憲法十五条の第一項と国会の人事に関する任命同意権というのは関係あるとお考えになっていないんですか。あるいは、まさに憲法十五条を具体化したものが国会の人事に関する任命同意権である、国会の権能として任命同意権である、そういう御理解は全くないんですか。今、関係ないようなことをおっしゃったけれども。

町村国務大臣 憲法十五条は、言うまでもございませんが、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」ということでございます。

 したがって、例えば、同意人事のことについて、どこでもいいんです、審議会であれ何であれ、その場合の候補者を選任して国会の同意を得るという手順が今あるわけでございます。これは、私は、政府として、その機関の目的を遂行する上で最も適切だという判断をして国会に御提示しているわけでありまして、したがって、これを選定するか罷免するか、それは、国民の権利であると同時に、それを代表する議会の権限であるということで、これが決まっているわけでありましょう。

仙谷委員 全然まともにお答えになられていないじゃないですか。

 つまり、主権者たる国民の国会が、特別公務員、特別職の国家公務員については、ポリティカルアポインティーのうち、この部分については国会が同意をすることが必要だということを、国会が決めているんでしょう。我々は、国民主権に基づいて、その主権を負託されて代表者として行使しているんじゃないですか。人事に関する任命同意権というのは、我々が法律案に賛否を投ずるのと同じように、あるいは予算案に賛否を投ずるのと同じような国民主権の行使じゃないですか。全く同じじゃないですか。我々は、選挙をされてそういうポジションにおるんですよ。

 先般の三名の人事案件について参議院で不同意にしたときに、町村さん、こういうことを言っているんですね。私も役人OBである、役人OBということでだめだというんだったら、私だって、そう言ったら役人OBですよ、こういう発言をしているんですよね。

 だけれども、役人OBであれ何であれ、その人が、いいですか、国民の同意、不同意、あるいは、国民の選定を受けて受け終わっている人であるか、これから受けようとする人であるかというので全然立場が違うということを、あなた、わからないんですか。わからなかったんですか、この官房長官の記者会見を十一月の十三日にしたときには。不同意にされた人々が官僚OBであろうが何であろうが、その人の立場と、あなたが経済産業省出身の、経済産業省のOBであるけれども今官房長官という特別職の国家公務員についている、そのことは、全く質が違うというか次元が違うというか、あなたは一遍国民の選定を経ておられるということに気がつかなかったんですか。どうですか。

町村国務大臣 ちょっと、何を委員がおっしゃりたいのか、私には、どうも頭が悪いものでよく理解できないのですが。

 あのとき、参議院において三人の候補者の方々の同意が否決をされました。政府としては当然ベストだと思って御提案をした、しかし否決をされた。また今度かわりの方を選ばなきゃならないんですね。そのときに、なぜだめであるのかということがわからないと、では次にどういう方を選んだらいいのか。

 現に、この三人の方にかわる方を先般二人新たに御提案をして、同意をいただきました。もう一人の方のポスト、これは公害健康被害補償不服審査会委員、一生懸命探したけれども、なかなか、いまだに見当たらない。次の同意人事までには何とか御提案を申し上げたいと思っておりますが、なかなかそう簡単に見つかるわけではないんですね。

 したがって、反対をされた野党の方々に、どうしてこの三人がだめであったのかという理由を御教示いただければありがたいな、そういう思いで私は記者会見のときに申し上げたことは記憶をいたしております。

仙谷委員 いよいよ問題は核心に入ってくるんですよ、これで。ここから先なんですよ、本当に大事なのは。

 いいですか、官房長官はあの日の記者会見で、まず衆議院が同意して参議院がまだ不同意にする前に、役人OBだからだめだというのであれば、私は失礼きわまりない判断ではないかと思っている、ここまで口をきわめてののしったんですね、まず。

 今おっしゃったように、その理由を聞きたいというのはこういうくだりなんですよ。何か、一般的にダメな理由といいましょうか、考え方の基準みたいなものは、昨日の衆議院の議院運営委員会でも各党より示されたそうでありますが、何ゆえにこのお三方がいけないのかという一人一人の理由をはっきり伺いたい、こう思っております。役人OBを理由にして不同意にしたとすれば法のもとの平等に反するとまで大げさに言っているわけだ。

 なぜ我々が議院運営委員会で考え方の基準みたいな一般的な理由を述べたか、全然御存じなかったんですか。御存じなかったんですか。どうぞ。

町村国務大臣 議院運営委員会理事会あるいは委員会のやりとりを私は承知しておりません。

仙谷委員 同意、不同意について、まず、民主党から本会議で同意、不同意の理由を討論を要求したことは御存じですか。

町村国務大臣 国会でどういうふうにお決めになるのか、それは国会のことでございますから、私は、官房長官の立場で、それは知りませんでした。

仙谷委員 この間、私どもが国会の職員の方々にお伺いする限りにおいて、約十年ぐらい前から、この同意人事をどのように国会で扱うのか、つまり、該当の委員会で意見聴取をしなければならない、すべきだ、アメリカ上院のようなことをすべきだという話ですね。そこから始まって、同意、不同意についての意見をどこかで申し上げる。つまり、本会議であれば討論ということになりますね。委員会であれば意見を申し上げるということになるでしょう。

 このたびもそういうことを要求してきたんですよ。与党の理事から、本会議の討論は受け入れられないと断固拒否したんですよ、まず。それでは委員会で意見を言わせろと。意見は言うのは結構だけれども、個人にかかわることは、この人に関することは、なぜこの人がいけないかということは言わないようにしてくれという話があったのを御存じないんですか。

町村国務大臣 それは私は存じ上げません。

仙谷委員 それでは、町村理論に基づいて、なぜこのお三方がだめなのか、一人一人だめな理由をはっきり国会の方に伺おうと思っております、私は、これはいいと思うんですよ。国会あるいはとりわけ参議院に伺う機会はつくったんですか、どうですか。

町村国務大臣 国会というより、むしろ反対をされた政党にと言うべきだったのかもしれません。そこは私の言い方が不正確だったかもしれませんが、そういうことを私は考え、我が党の与党幹部にも相談をしましたが、それはせぬ方がよかろう、こういうお話だったものですから、私はあえてそこまではいたしませんでした。

仙谷委員 官房長官、私は、この記者会見をお伺いして、いつでも議院運営委員会に出てきてくれ、質疑の形で、国民に見える形で、なぜこの三人がだめなのか、堂々たる議論を官房長官との間でやってみせる、議院運営委員長にも議運の与党の筆頭以下の方々にも、理事会の席上でもずっと言い続けてきたんですよ。それは耳に入っていなかったですか。何で出てこないんですか、議院運営委員会に。衆参の議院運営委員会に行って、なぜ野党の皆さんはこの三人を不同意にしたのか、けしからぬとあなたがおっしゃればいいじゃないですか。

 私は、何だったら本会議でもいいんですよ。本会議でそういう質問、再質問をやらせていただけるんだったら、討論をやることは全然やぶさかじゃないですよ。なぜ国民の目の前で公開の討論を同意人事についても、あなたはこれだけはっきり国会の方に伺いたい、一人一人の理由を伺いたいと言っているんだから、なぜそれをこの機会にやろうとしなかったんですか。今からでも遅くない。やるつもりありますね。

町村国務大臣 それぞれの委員会でどういう運びをなさるのか、それは国会の方でお決めになることですから、私がああせいこうせいと言うことは、それはもとよりできないわけであります。

 ただ、私が、あのとき参議院の方で不同意になった、さあ後がまをどうしようかと考えたときに、理由がわからないと、率直に言って、ではどういう人を本当に後に選んだらいいんだろうか、困るなと思ったものですから、記者会見でそういうことを申し上げた。国会にと言ったことはやはり不十分な表現であって、やはり反対をされた政党なりに、あるいは、個人ということはない、政党なんでしょうね、どうしてかなということは伺いたいとはその瞬間思ったのは事実であります。

仙谷委員 伺うのはいいけれども、アンダーグラウンドで伺いたいみたいな話じゃだめですよ、国民にわからなければ。こういう人事を提案したことが、政府として責任を持って提案しているわけですから、それが正しいのか、現在の国民感情からして、あるいは国民が持っている感覚からして、意見からして、間違っているのか、国民が決めることじゃないですか。国民の目の前で堂々と、同意、不同意、その理由を各政党が開陳する、それを判断する、これじゃない限り意味がないじゃないですか。

 法律案は大事だけれども、人事も私は物すごく大事だと思うんですね。制度が幾ら立派でも、人によって制度の運用は決定的に変わってくる。もう常識じゃないですか。だから、人事は大事なんですよ。これについて、各政党が理由を持って、できれば理由を述べて、賛成、反対するのはすばらしいことだと私は思う。

 もう一つ。ちょっと官房長官、やはりあれですね、余りこの同意人事の問題については勉強されずに、かっとして口走ったんじゃないんですか、いろいろ、五十七年ぶりの不同意で。こういうことを言っているんですよ。法律を通すことの方がはるかに重いと私は思うのでありますが、その軽い方についてはオーバーライドする規定がなく、法律については三分の二がある場合にはできるというのは、多分、そこは法の不備といいましょうか、想定外の事態といいましょうか、同意とか承認について、それを覆すだけの規定がないというのは、本当にこれでいいんだろうかなという疑問を率直に持ちます。

 これは余りにも勉強不足。なぜこんなことになっているのか、だれかに聞いたりお調べになったりしたことはないんですか。どうですか。

町村国務大臣 私は、万事不勉強な人間でございますから、それを委員から御指摘を受ければ、返す言葉もございませんが、こうやって国会に人事のことをお諮りする以上、同意人事の構成でありますとかこれまでの戦後の歴史等については、私も一通りの勉強はしたつもりでございます。

仙谷委員 そうしますと、戦後、人事院の人事官、公正取引委員会の委員、国家公安委員会の委員、これについては衆議院の優越規定があったけれども、昭和二十年代に削除された、こういう事実は御存じなんですね。御存じなんですね。

 そして、事もあろうに、いいですか、自民党内閣が、参議院において、公明党さんの大変強い要望あるいは参議院全体の強い要求だったのかもわかりません、最後に残った会計検査院の検査官を、衆議院の優越規定があったのに、平成十一年の四月六日、野中官房長官が中川秀直議院運営委員長に、この優越規定の削除、そういう改正を検討するように依頼し、四月二十七日に議院運営委員会、本会議で会計検査院法の一部を改正する法律案、衆議院の優越性を削除する、理由中に、参議院側から再三の要請があったのでそうする、こういうことをやったのは自民党じゃないですか。野中官房長官の時代にやったんじゃないですか。そうでしょう。

 こんな経緯があるのに、法の不備だとかなんとか。法の不備があるんだったら最初から変えればいいじゃないですか。別に憲法上の制約はないですよ。もともとあったんですよ、優越規定が。いろいろなことが考えられるでしょう。参議院だけに同意権をアメリカのように与える、これだって一つの方法ですよね。人事については参議院だけに与える、上院に与える。あるいは、優越規定を置くんだったら置く。

 今まで、削除してきた歴史があるのに、法の不備があると。何か今の法体系が悪いかのような責任転嫁をする。余りにも不勉強なのか、御存じなのにあえてこういうへ理屈をつけてみずからの人事案件の不同意をカバーしようとしたんじゃないか、私はそう思わざるを得ないんですね。

 時間が来ましたので終了しますが、ここで、町村さんも国会議員の一人でありますから、この人事案件について、国会からいえば任命同意権について、広くオープンに堂々と議論をする仕組みをつくる、そして特別職の国家公務員については、我々が選挙の洗礼を受けるように、同意されても不同意されても、その人の名誉に傷がつくとかその人に気の毒だとか、そういうウエットな話はやめにして、堂々と提示をし、堂々と議論をし、堂々と結論を出す、このことが必要だ。

 そうしないと、マスコミにリークしたらそれは無効だとかなんとかという話になるんですよ。リークされようが何しようが堂々と議論する、その結果についてはうじうじと文句を言わない、こういうある種のドライな、割り切ったところがないと、人事案件なんというのは公正にできませんよ。そしてまた、国民にわかりませんよ。

 今まで、五五年体制のもとで、何となく自然に、与党が決めたというよりも、与党の部会を通っているのか何か知らぬけれども、ほとんどお役人が決めたものを、チェックもせずに国会に出してきて、国会で与党多数で決めてきた、それがこの同意人事じゃないですか。

 この十年間、それについての改革がちょっとずつだけれども進んできた、遅々たる歩みで進んできた。しかし、私は、もっと抜本的に、これこそ国民にもっとよくわかる形に変えなければいけない、こういうことを、官房長官や財務大臣いらっしゃるけれども、官房長官に要請をしておきます。答弁を求めます。

町村国務大臣 会計検査院検査官の衆議院の優越規定の廃止をした平成十一年の経緯も、私も承知をした上であの先般の発言をいたしました。

 しかし、それはやはり、これは私の推測ですが、今委員が御指摘のように、衆議院あるいは参議院ともに与党圧倒的優位という、多分そういう前提もあってこういうような判断をされたのではないかと推測はいたしますが、しかし、当時の責任者であった方々は全く別の思いがあったのか、そこまで私は当時の方々に伺ったことはございません。

 最後、官房長官としてこれは言うべきではない、内閣として国会の同意人事のあり方について、また、官房長官がこう言ったというと国会の権限を侵すものだということになりますから、官房長官としては私も言うことは控えます。

 一議員としてあえてお尋ねであれば、それは私なりに考えるところはありますけれども、今、官房長官としてどうですかというお尋ねでしたから、私はあえて、官房長官として国会同意人事のあり方について申し上げることは差し控えます。

 ただ、委員が言われた、なぜ与党の理事なりが議院運営委員会で反対をしたのか、それは私は聞いておりませんし、そういう議論があったことも承知をしておりませんけれども、何らかの形で国民の目に見えるような判断材料を提供する、それは、人事案件に限らず、国会のいろいろな議論というものがそういう意味で明らかにされていくという基本的な考え方は、私は委員と考えを同じくしております。

仙谷委員 与党圧倒的優位の話をしましたけれども、実は、もうあれだったんですね、九八年の参議院選挙で逆転をして、公明党さんの力が欲しかったんですよね、参議院の。つまり、連立時代になってきた。とりわけ、参議院の公明党さんにサービスをしなければできなかったと、政略のもとにこれが行われているんですよ。

 政略でも何でもいいんだけれども、そういうことを便宜的に、あるときはこう言い、あるときは非難するというふうなことがあってはならないと私は思うんですね。そのことだけ申し上げて、きょうの質問を終わります。

 以上です。

逢沢委員長 これにて仙谷君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

逢沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 火曜日に引き続きまして質疑の機会をいただきました。きょうは、前回の積み残しと申し上げますか、私は火曜日の質疑の中で、この予算委員会での議論の中心となっております中期計画、この道路の中期計画(素案)、その大前提となる道路センサス調査に基づく交通需要推計のこの問題について質疑をさせていただきました。

 私は、中期計画そのものの位置づけが今までの五カ年計画の延長にあり、そしてそれは社会資本整備重点計画に即したものであるという冬柴大臣からの確認をいただきながら、この中期計画というものがこれからの道路をつくっていく、五十九兆円という大変大きな額でありますが、道路の整備に充てられるというその大きな根幹となる計画であるがゆえに、その前提となるデータというものが極めて重要ではないかという視点から、前回の質疑をさせていただきました。

 とりわけ、平成十一年に行われたセンサス調査の結果、平成十四年の十一月公表、交通需要推計に基づくとされる今回の中期計画は、再三、冬柴大臣が、最新のデータに基づいてと、このようにおっしゃっておられるそのデータでありますが、私が指摘させていただきましたのは、その後に、平成十七年にセンサス調査が行われ、かつ平成十九年の三月にその新たな実績値を反映させた需要推計というものが検討の結果、報告がなされている、なぜこのデータを使わないのかということ、これを再三お尋ねさせていただいたわけであります。

 私の質疑の後も同僚議員がこの問題について触れました。そして、冬柴大臣には私は十分な御答弁、私の質疑の時間では残念ながらいただけなかったな、そう感じておるわけでありますが、その後、政府見解として、同僚笠議員には御答弁をいただいておりますが、私の質疑に対する答弁という観点から、きょうは少し丁寧に大臣の御答弁の確認をしていきたいというふうに思っております。

 そこで、まず大臣にお尋ねをいたしますが、私が質疑をさせていただいた二月十二日の大臣の御答弁、議事録を当然お読みいただいたかとは思うんですが、大臣の御答弁に修正すべき点というのはございますでしょうか。

 その後の大臣の答弁が、同僚議員の質疑に対して若干あいまいさがふえているのではないかなという気が私はいたしておりますゆえ、私への答弁がもし修正すべき点があるとするならば、きょうの審議、質疑は、私、その継続の上でできませんので、改めて確認をさせていただきたいというふうに思います。

 大臣、十二日に答弁いただいた私への御答弁、修正すべき点はございませんですか。

冬柴国務大臣 まだ議事録を読む機会がありませんので、御指摘いただいて、訂正すべきところは訂正させていただきますし、維持すべきところは維持するように申し上げますので、御指摘をちょうだいしたいと思います。

馬淵委員 訂正すべき点もあるという御答弁をいただいたわけでありまして、そうなると私も前提が大分変わってくるので、ただし、変えていただける部分があるのであれば、これは当然私も要求していかなければいかぬと思います。

 さて、大臣、私が、その十一年センサスに基づく十四年推計、公表値、これが実は実績と乖離しているという指摘をさせていただいた上に、十九年三月の報告書の新たな推計というのは下方修正されていますよ、こう説明をさせていただきました。その中で大臣に私は、なぜ、今ある、今日、十九年三月に上がっているこの推計のデータを使わないのですかということ、これを再三お尋ねしたわけでありますが、残念ながら明確な御答弁はいただけなかった、そう私は理解をしております。

 しかし、実は大臣はその御答弁の中で、幾つか、BバイCが一・二あるからアローアンスがあるんだということを繰り返しおっしゃる中で、このようにお答えをされました。「道路の中期計画自体は小泉内閣のときからいろいろ議論がありました。そして、暫定税率というものを維持するために」という言葉を発されたんですね。これは大変、場内怒号が飛んでおりまして聞き取りにくい部分はあったんですが、大臣は明確に、「暫定税率というものを維持するために」と御答弁をされました。私は、これは本音が出たなと非常に強く感じたんですよ。

 まさに中期計画、私が指摘したのは、平成十一年のセンサスに基づく需要推計ではなく直近にあるものを使わなきゃならないのに、なぜそれをお使いにならないんですかという中で、中期計画というのは小泉内閣のときからいろいろ議論があったんだけれども暫定税率というものを維持するためにはと、このようにおっしゃっているのは、これはもう本音が飛び出した以外にないな、ああ、この部分はちょっとお尋ねせないかぬな、そう思っておりました。大臣、これはまさに本音の部分じゃないんでしょうか。

 いいですか。私が今申し上げたように、大臣は、「道路の中期計画自体は小泉内閣のときからいろいろ議論がありました。そして、暫定税率というものを維持するためには、納税者に理解をいただくために、その姿を示さなければならない。」このようにおっしゃったんですね。それで、暫定税率を維持するためにと、まさにこの部分に大臣は本音を言われたんではないですかということをお尋ねしているんです。いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 道路特定財源については、現行の暫定税率を維持しつつ、一般財源化することを前提に納税者に十分説明をし、その理解を得つつ具体策を立てるということが小泉内閣から一貫して言われていたことでございます。

 したがいまして、暫定税率を維持しながら一般財源化するというのは、これはもう事後相違しているわけですよ、実際。そうじゃないでしょうか。納税者から見れば、道路をつくるから納めてくださいと言っているのに、それを全然違うところへ回す。いろいろな政党もそのとおりのことをおっしゃっている人がありますけれども、私は、税の本質論から考えても、これに使いますと集めたお金を全然違うところへ使うということは、これはおかしいと思いますよ。

 したがって、そういうことを言っているわけでありまして、それは、暫定税率を維持するということは内閣の方針として決めていたんですよ。そのためにはタックスペイヤーに十分説明をしなきゃならない、説明をする責任は私にあるわけです。そのためには、負担に対しては負担に対する便益というものを提示しなきゃならないわけです。それを単に、真に必要な道路はつくりますでは、タックスペイヤーは納得してもらえないと思います。したがって、その内容というものを中期計画にまとめてお示しをしているわけでございます。

馬淵委員 具体的な中期計画として示すということでおっしゃったということでありますが、ただし、その具体的な中期計画の前提が崩れているということを私は前回指摘をさせていただいたわけでありまして、そのことについての御答弁をなかなかいただけなかった。そこに出てくる言葉というのが、暫定税率を維持するために、納税者の理解のためとおっしゃいますが、そもそも暫定税率を維持するために中期計画をつくっているという文脈にとれて仕方がない、このようにちょっと私は指摘をさせていただいたわけであります。

 さて、いよいよ本題に入ります。

 この大臣の御答弁の中にいろいろありました。私が十九年三月の報告書を指摘した部分については、大臣はさまざまなこの報告書の位置づけというのをおっしゃっておられますが、一番はっきりと言われたのが、途中段階のものというふうに御答弁をされたと思います。

 途中段階のもの、完成形があって、そしてその途上にあるということですよね。つまり、完成まであと幾つかのステップがあるということだと思いますが、途中段階のものということであれば、完成までにはあと何が必要なのか、これをちょっと端的にお答えいただきたいというふうに思います。

冬柴国務大臣 私は前、交通需要の推計について、固めて御報告申し上げたことがあります。

 その中に、平成十七年道路交通センサスを用いた最新の交通需要推計については、女性、高齢者の行動分析や全国を六千ゾーンに分割した分析など、従来以上に高度な分析、膨大なデータを要するものであり、現在、鋭意取りまとめ作業を進めているところです、こういうふうに述べたくだりだと思います。

馬淵委員 今御答弁いただいた部分というのは、私への答弁の後に、笠委員が理事会で御協議をいただいた、そして政府見解として御答弁いただいた部分だと思います。

 理事会には、委員長のお許しをいただきまして、政府見解を出してくださいということで文書を出させていただきました。

 政府は、道路にかかわる計画については、最新のデータに基づいて策定されると述べているが、平成十九年十一月の中期計画については、なぜ、平成十七年度道路交通センサスではなく、平成十一年度道路交通センサスをもとに策定しているのか。もう一つが、現在、平成十七年度調査のデータ分析が進められているが、これらを含めたさまざまな直近のデータをなぜ取り入れないのか。

 この二点についてのお答えが今御答弁いただいた部分だと思うんですが、私に対しての御答弁は若干違っておりました。ただ、同じ意だと理解をしておりますが、大臣は私に対しては、「新たな将来交通需要の推計に当たりましては、データを最新値にするだけではなく、」というところの後、「女性や高齢者の運転機会の増大や、軽自動車の保有率あるいは利用頻度の増大、貨物における長距離トリップの増大等、」ということで、具体的に御指摘をいただいたわけであります。

 さて、そこでお尋ねをさせていただきたいと思いますが、私に対しての御答弁、女性や高齢者の運転機会の増大と答弁をいただきました。後に政府見解では、女性、高齢者の行動分析という言い方をされておりますが、同じ意だと解します。この女性や高齢者の運転機会の増大とは、具体的にはどういうことなんでしょうか。

冬柴国務大臣 これは、女性や高齢者の免許保有者数は高まっているという認識があります。かつ、一人当たりトリップ数も増大しています。今後もしばらくはその傾向が続くものと想定もいたしております。したがいまして、こういうものが必要な要素ではある、こういうふうに申し上げました。

馬淵委員 実績値は、十四年推計に比較して明確に十八年まで落ちていたわけですね、全車の。しかしながら、大臣は、いや、増大要因があるんだと。それが、女性や高齢者、運転免許の保有率がふえ、また乗車機会がふえるということで今御答弁いただきましたが、つまり、運転機会がふえるということは、これは免許がないと運転できませんから、運転免許の保有率というのは非常に大きな要素だということでよろしいんでしょうか。端的にお答えください。

冬柴国務大臣 すべてではありませんが、それはそうだと思います。例えば、免許証を持っていてもペーパードライバーの人もありますし、しかし、毎日相当なところを走り回るトリップ数の多い人もあります。しかしながら、総体的にはそうだろうと思いますよ。

馬淵委員 今、私の質疑には、免許の保有率というのは非常に重要なファクターだという御答弁をいただいたというふうに理解いたします。当然ながら、免許がなければ運転できないわけですから、これが前提になるはずです。私もそのように国交省から説明をいただきました。

 お手元の資料1、お配りをしておりますが、「免許保有者数の推計の考え方について」ということで、これは一月二十八日に、私はこれは国交省の方から提出いただきました。「免許保有率は、各年齢階層で増加する見通し。特に高齢者や女性で大きく増加する見通し。」である。まさに御指摘の部分だというふうに思います。

 さて、大臣、私の質疑に対する答弁には、先ほどの女性や高齢者の運転機会の増大等々を挙げられて、さらにその上で、適切なモデルを構築することが必要である、このように述べられております。適切なモデルとは何を意味するんでしょうか、お答えいただけますか。

平井副大臣 女性や高齢者の運転機会の増大以外に、都心居住の傾向とか軽乗用車の保有率、利用頻度の増大、それと、大臣が何度もお話ししている貨物における長距離トリップの増大等々であります。

馬淵委員 私は大臣にお聞きしたかったんですが、要は、こうした運転免許保有率が非常に大きなファクターであるということの中で、こうしたことを加味するモデルが適切なモデルだという理解でよろしいんではないかと思います。今うなずいていらっしゃいますので、そうだということで理解をいたします。

 そこで、お尋ねをしていきたいんですが、大臣は、免許保有率、まさにこの1に示したように、この図表を見ますと、男性、女性と、若年層は免許を持っておられる率が高いんですね。当然、推計ですから、将来にわたって、この方々が、二十代の方は三十代に移っていく、スライドさせていっているわけであります。こうしたデータなどを加味したものが適切なモデルだという見解だというふうに今理解をいたしましたが、一方、大臣は、私が示した十九年三月のこのデータについては、一部のデータのみを単に置きかえたというふうに答弁されています。

 しかしながら、十九年三月のこの報告書、そして十四年の十一月公表データ、最終的にはこれが十五年三月に報告書として上がっております。内容は同じものです。この二つを比べますと、この二つは、推計方法というものについては、それは年齢の刻みのところで少し変わっている部分はありますが、大宗はほぼ同じなんです。大臣はあたかもその一部だけ変えたというような御表現をされましたが、比較をすると、これは同じ推計方法をとっています。

 その上で、先ほど副大臣がお話しされましたが、適切なモデルとはさまざまな要素を加味するというふうにおっしゃっておられますが、私は、これは随分違うお話だなというふうに思っております。この二つはほぼ同じ推計方法をとっている。さらにそこに別のファクターで上乗せしようという国交省の推計方法を今お考えであるのではないかと私は理解をしているわけでありますが、大臣、いかがですか。大臣、御答弁ください。

冬柴国務大臣 時間が経過すれば年齢は加齢するわけでございますから、そういう単純な意味では、それは、先ほどお見せいただいた1の資料にも書かれているようにスライドして、そして、八十歳まで生きるとして、それまでに免許証取得者がふえていくということは、客観的に、それは途中で死ぬこともあるでしょうけれども、総体的にそれで正しいと思います。

 しかしながら、それは、その上に立って、GDPの流れがどうなのかとか、あるいは都心居住、現在東京でも非常に都心居住というのが進んでおりまして、そういう人たちは公共交通機関を利用する頻度が多くなりまして、そして反面、地方の方は高速道路が延びればそれに乗る人もふえるということで、ですから、必ずしも免許を取得する人数がどうだから、それで将来予測、次にどうなるのかということを判断する場合には、それは重要な要素であります。重要な要素であることは間違いないけれども、それをいろいろと補正をしてモデル化して、そして、それを六千のグループに分けて、そこから推定するわけでございますから、今それをやっているところでございますので、そのように御了解いただきたいと思います。

馬淵委員 大臣、いいですか。私は、この二つの推計方法はほぼ一緒だと申し上げているんです。そして、そこに新たにファクターとして、今、推計値が下がるトレンドが実績として出ているわけですから、それを上げようとするようなファクターを加えようと考えているのではないかとお尋ねしたんですが、それには今十分にお答えいただけませんでした。結構ですが、具体のことに入ります。大臣、お聞きくださいね。よろしいですか。

 具体のことに入りますが、免許保有率の増大はこのようにスライドモデルをされているようでありますが、さて、そこで確認いたします。これはもうイエスかノーでお答えいただきたい。

 この免許保有率の増大、このモデルというのはスライドさせていますが、これで適切だということでよろしいでしょうか。イエスかノーでお答えいただけませんですか。

冬柴国務大臣 これは専門家がやったわけですから、正しいものと、通説かどうか知りませんけれども、私は正しいものだろうと思います。

馬淵委員 こうした計算モデルの欠陥を過去に指摘されたことがあるかということを、イエスかノーでお答えいただけますか。

平井副大臣 委員は大変お詳しいので、十分に御存じだと思いますが、高齢者や女性は免許保有率とあわせてトリップの発生原単位も増加傾向にあって、今後そういう分析を進めていこうということであります。

馬淵委員 実はこうしたモデル、高齢者、女性の運転機会がふえる、すなわち免許の保有率が高まるということについてのこのスライドモデルは問題であるという指摘がなされております。これは道路公団の民営化の議論がなされていた道路関係四公団民営化推進委員会、この第三十五回の議事録の中に明確に載っております。

 当時、このときも需要推計が、いわゆる道路公団が出す需要推計、国交省がもとだったかもしれませんが、それが非常におかしいのではないかという議論が出ておりました。その中に免許保有率の推計の問題がありました。これを猪瀬委員が指摘をし、第三者機関でこれはチェックすべきだ、このように指摘したわけであります。国交省に任せてはだめだということで第三者機関になったんですね。第三者機関ということで、三人の学識経験者、先生方が入って、推計の方法に点検を加えたわけです。

 お配りした2の資料に書いておりますように、免許保有率の推計の際には現況値補正ということについて問題がある、このように書かれています。先生方の中でも、現況値補正について問題があるという指摘をしているということで、現況値補正、後に言いますが、これはよくないと猪瀬さんははっきりこのようにおっしゃっております。

 4の資料をごらんください。いわゆるスライド補正をしている現況値補正です。このスライド補正をしている現況値補正というのが私が示した十九年三月のこの報告書の中でも変わらず使われているんですね。そして、このモデルに対して、第三者委員会、これは委員会という名前はついておりませんが、平成十四年の十二月六日に、この猪瀬さんが委員会から依頼をしてチェックしてもらった「交通需要推計の第三者チェックの結果について」という報告書があります。それを3に示しておりますが、これは後ほど説明をしますが、ここで免許保有率に対して指摘がなされております。

 このように、ある一定年齢階層の方々が五年後、十年後どのような行動に移っていくかということについては、このスライド分析、スライドさせる分析の方法というのが問題であるということを指摘されている。にもかかわらず、平成十九年三月時点でも相変わらずその方法をとっている。しかし、平成十四年の段階で、この道路公団民営化推進委員会では、これは十分おかしい、問題があると指摘されていたわけであります。

 では、この新しい別の方法で推計をすること、あるいは分析をすることが特別な技術や見識によってなされるのかというと、そうではないということが実はわかりました。平成十七年度年次経済財政報告という白書がございます。これは内閣府でつくったんですね。この内閣府でつくった年次経済財政報告の中には、同じようにある一定年齢の方々がどのような経年変化によって行動が変わるかということ、あるいはその傾向が出るかということを分析されております。

 きょうは内閣府にお越しいただいております。皆さんのお手元には資料の7というのをお配りしておりますが、内閣府では、ここで消費性向の分析というのをされています。

 さて、内閣府にお尋ねします。ここで行われている分析とはどのような分析でしょうか。

齋藤政府参考人 お答え申し上げます。

 ここで使っておりますのは、いわゆるコーホート分析というものでございます。このコーホート分析といいますのは、人口や世帯の年齢構成などの変化が、例えばマクロ的に見た消費だとか貯蓄などにどのような影響をもたらすかということにつきまして、過去の趨勢から統計的に把握、分析するものでございます。

 これによりまして、例えば高齢化によるサービス消費へのシフトなど、一国全体の消費構造がどう変化するかということがわかることになります。

 手法といたしましては、年齢階級に特有な年齢効果、それから、その時代に特有な時代効果、それに、生まれた年で分類した世代、これをコーホートというわけですが、こういった世代などに特有な世代効果に分けて、データの時系列変化におけるそれぞれの影響を把握いたします。

馬淵委員 ありがとうございます。

 内閣府では、このコーホート分析というのは、特に専門ではないんだけれども、これは一般的な方法だとして取り入れられたそうです。

 こうした分析の仕方というのは、SSM、いわゆる社会情勢移動調査というんですか、SSM調査と言われるものだそうであります。社会階層と社会移動調査と称される分析の方法だそうでありますが、特別なものではないということを少し確認したいんですが、内閣府にお尋ねします。

 こうした調査を最もこれが信頼できるとして行っている政府機関というのは、どこがありますでしょうか。

齋藤政府参考人 どこが最もやっているかということは十分承知しておりませんけれども、こういった分析手法は割合一般的でございますので、例えば消費性向とか、支出あるいは貯蓄動向の分析などについては使われていると思います。

馬淵委員 お手元にお配りしました資料6にありますが、実は、人口統計なんかに最も信頼される調査として、これは厚生労働省の外郭になりますか、国立社会保障・人口問題研究所などではこれは一般的な手法として使われております。「我が国のように詳細な人口統計資料が得られる場合は、コーホート要因法が最も信頼できる方法として採用されている。」と。

 免許というのは、その免許資格保有者というのは、性別も含めてしっかりと確認されます。年齢も確認されます。あいまいな数字ではありません。最も信頼できる数字に近い、人口と変わらないぐらいこれは把握できる数値であります。こうしたものについては、内閣府あるいは厚生労働省のこうした研究機関も含めて、コーホート分析を行うことは一般的なんです。

 そして、先ほど申し上げました3の資料にある、かつて平成十四年の段階で、猪瀬氏が、第三者機関でチェックしないと需要推計が余りにもでたらめだということで、学識経験者三名の方々にチェックしてもらったわけです。そこで示されたのは、上村先生という方が指摘をしておられます。この方は日本経済研究センターの研究者でありますが、二十年間というのが、いわゆる世代のまたがりを一つの単位として見られる数値であります。上村先生は、二十年間のコーホートの変化との連続性は確保されているのかと、免許保有率のこのスライド補正に対して指摘をしました。しかし、国交省の回答は、スライドにより説明可能と考えます、このように答えにならない答えを返しています。さらに、単純なスライドとしたとしかこれは答えていないんですね。これは全く答えになっていない。

 上村先生は、この問題については、これは即座にすぐできるんだから、コーホート分析をするべきだということを加えて提言されておりました。

 私もこの日本経済研究センターの上村氏にお会いをしました。確認をさせていただくと、コーホート分析などは簡単にできる、これは三時間もあればできるんだ、だからなぜこれをやらないのかと私は申し上げたとおっしゃっておられました。

 しかし、民営化推進委員会の中では、三日間という極めて短い時間の中でこれは議論しなければならないので、なかなか手が回らなかったとおっしゃっておりましたが、結局は、国交省は、民営化推進委員会の議論の中で上がっているにもかかわらずこれを放置し、その後も、コーホート分析というのは同じ政府部門内で一般的に行われる世代別の経年変化による行動調査の分析方法であるにもかかわらず、平成十九年三月の報告書でも相も変わらずスライド分析を行っている。大臣、適切なモデル構築というのを果たしてやっているんでしょうか。

 私は、この7をごらんいただくと、これは非常にわかりやすいなと思うんです。年齢効果、時代効果、世代効果。この7というのは内閣府がやった消費性向でありますが、若い方々は、消費性向、お金を使い、しかし、ある一定の、家庭を持つ年代になると消費性向はマイナスになる。また、年金をもらうような世代になってくると若干上がってくる。これが年齢効果。もう一つは、時代効果。生まれた年が景気のいいときか悪いときかといったところでまたこれも変わってくる。また、世代効果。それこそ戦後間もないころ、高度経済成長、バブルのころという世代の中での差が出てくる。こうした多元的な要素の分析を行って将来の推計を行うのが一般的な方法ですよ。

 免許保有率も、スライドではなくコーホート分析をするべきではないかという提言があるにもかかわらず、適切なモデルの構築をしていないという現実があるんじゃないんでしょうか。大臣、いかがですか。大臣、いかがですか。大臣、大臣答弁ですよ。

平井副大臣 消費性向では、コーホート分析は若い世代で確かに低下していますが、免許保有率の傾向もこの消費性向と同じなのかどうかは検証が必要ではないかと思います。よって、いろいろ検討しなきゃいけないということであります。

 それと、現在の交通需要推計に用いた免許保有率の推定値、一九九〇年を現況値と比較すると相関性が高いというふうに思います。

 それと、先ほど何度も猪瀬委員のお話をいろいろ指摘いただいておりましたが……(馬淵委員「聞いたことだけ答えてください」と呼ぶ)いや、この話は、委員会によって、民営化委員会によってですよ、変更せず使用することが妥当という結論が出ております。

 事実関係だけお話しします。

馬淵委員 これは、指摘されていることをそのまま放置しているという現実なんですよ。

 消費性向の話を私はしているのではなく、この免許保有率も同様にコーホート分析をすべきであるというこうした提言、また、さまざまな研究分野の識者の方に私はお尋ねをしました。コーホート分析、すぐできるんです。

 大臣、お答えいただきたいんですが、コーホート分析されたらいかがですか、どうですか。

冬柴国務大臣 私は、そういう、統計学をやったことがないのでわかりません。わかりませんけれども、これは、私どもが勝手にやるわけではなく、いろいろな今の指標を整理したら、社会資本整備審議会、社整審にお諮りをいたしまして、そこで専門家の御意見を聞きながらこれを進めることにいたしております。前もそうしています。そしてまた、我々、でき上がったら、またそれを最終的にも社整審にお諮りして、そこにはたくさんの学者の方がいらっしゃいます。猪瀬さんも入られるのかどうか知りませんけれども、そういう方々も入られて議論をするわけでございます。

 したがいまして、今、ただ一つだけで、それがいいか悪いかで全部を否定されるということになると、私はそれは違うんじゃないかということでございます。

馬淵委員 私が申し上げているのは、大臣に、中途段階だとおっしゃるならば、その完成前のステップは何ですかとお尋ねをして、その中途段階のステップについて適切なモデルを構築するという御答弁があったにもかかわらず、そうはなっていないんじゃないですかと聞いているんですよ。

 そして、その上で、大臣が今、自分はわかりませんけれどもと。わからない中で、これはもしかしたら確からしいのはこちらではないかと思ったときに、判断するのが政治のリーダーシップじゃないんですか。大臣がわからないからというお話で任せている。

 残念ながら、火曜日の福田総理のお答えもそうでした。なぜ今、政治がリーダーシップをとって、そこで御判断されないんですか。適切なモデルをつくるつくるといいながら、今、結局は放置している現実があります。

 御答弁をいただけなかった部分を確認していくと、相変わらず、ずさんな方法を放置する、あるいは恣意的なデータを得るための方法に置きかえていくということが散見されるのではないんでしょうか。

 大臣、私は繰り返しお尋ねしますが、今このように指摘をさせていただいた分析等々の方法、モデル構築に、これは実行するということをこの場で約束はできませんか。いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 コーホート分析という言葉、きょうの朝あなたからいただいた資料、その中に出てきましたよ。それは、勉強をするにしても、私も午前中も答弁していましたよ。それは無理ですよ。だから、もう少し、コーホート分析というものがあるからどうかとかいう投げかけがあればいいけれども、それを今、それを知らないのはおかしいとか言われましても、私は、人間限界がありますよ。

 ですから、私は、コーホート分析というものを、きょうあなたから言われているから、まじめに取り組みますよ。ですから、それを社整審に諮るときにも、こういう御意見をちょうだいした、これについて検討してくださいと。私は柔軟ですよ、何も。いつも柔軟ですよ。ですから、凝り固まっているわけじゃない。私はそういう、ここであなたが言っていただいたことは重く受けとめて、全部対応しようと努力しているわけです。だけれども、能力が追いつかないですよ、これは、コーホートまで言われると。

馬淵委員 私は、政治のリーダーシップを発揮してください、こうお願いしているわけですから、柔軟に取り組んでいただけるというのであれば、これはもうぜひ、それを約束していただけたということで、進めていただきたいと思います。

 その上で、私が申し上げているのは、この分析結果を含めて、大臣は、火曜日に、予算委員会まで知らされることもなかった。残念ながら、役所の中で大臣が知らないままに物事が進められてしまう、あるいは、全くその状況を把握できない中で、これでいいんですと説明されることをそのまま受けざるを得ない状況になってしまっているのを私は危惧しているんです。

 リーダーシップを持って、まさに中期計画、これは大前提となる部分が崩れるのであれば見直さねばなりませんし、五十九兆円という巨費を投じる道路整備、果たして国民がそれを納得するかどうかが問われているわけでありますから、私は、この問題、御答弁いただいて、お答えいただけなかった部分、きょうは丁寧に確認をしなければならないという思いで質疑に立たせていただいております。

 その上で、再度お尋ねをさせていただきますが、大臣が、私が問うた部分で、ちょっとこれは筋違いかなと思われる御答弁がありました。それは、私の質疑に対して大臣が言われたのは、こういう御答弁がございました。私が、この計画の前提は崩れているんじゃないですか、推計値が落ちていますよ、実績値も落ちていますというお話をしたときに、これは、高速道路におきましては、十一年と十七年の間では、通行量、いわゆる台数ですけれども、五%ふえていますよ、こういうふうにおっしゃったわけです。

 この五%ふえていますという走行台キロ、十七年度センサスと十一年度センサスの数値、これは、資料の8にお示しをしましたが、一・〇五一ということで五%。十七年度センサス、十一年度センサスの高速自動車国道の走行台キロということでこれは出されたんだと思うんですが、9に示しました、これはいただいた資料ですが、国道供用の延長が、十一年度末と十七年度末で六千六百十五キロから七千三百八十九キロに延びているんですね。これは、供用延長が延びていますから、当然ながら走行台キロというのは伸びますよね。この十一年度と十七年度の数値の差を見れば、これは約一二%、延長が延びていますよ。だから、五%高速道路はふえているんですよとおっしゃっても、供用が延びれば、当然ながら、これは一二%延びているわけですから、走行台キロは伸びるんじゃないですか。

 大臣、あたかも、推計値は落ちているけれども高速道路は大丈夫なんだ、こう言わんばかりのお答えをいただいたと思うんですが、この結果を見ると、いや、そうではなくて、走行キロは、供用が延びたから、同じ供用の区間で十一年と十七年を比較したらどうかという、そこの数値の方が大事じゃないんですか。これはいかがですか、大臣。

冬柴国務大臣 走行台キロは、御指摘のように、平成十七年度、五・一%増大しております。

 その要因として、申し上げたと思いますが、高速道路の供用延長の増加、平成十一年では六千四百五十七キロメートルでありましたが、平成十七年は七千三百七十九キロメートルということでございますが、十六年一月からETCを活用した割引を順次開始したということによる増加も当然にあると考えております。

 したがいまして、そういういろいろな状況がそこに絡んであると思いますが、客観的には、高速自動車道における走行台キロはふえている、五・一%ふえたという結論はそのとおりだろうと思います。

馬淵委員 いや、私は、五%ふえていないなんて言っていないんですよ。五%ふえているかもしれないけれども、これは、供用延長が一二%ふえているんですから、供用延長が延びれば、当然、走行台キロですから、ふえるじゃないですか。だから、私が申し上げているのは、十一年、十七年のお話を反論でされるならば、同じ十一年の供用距離の中で台キロがどうだったかということを比較しないと意味がないんじゃないですか、こう申し上げているんですよ。

 大臣は、私の質問に対しての答弁で、反論としてこれを言われたんですよ。どうですか、お答えください。

冬柴国務大臣 そのときのことを思い起こすと、馬淵委員は、そこへパネルを出されて、走行は落ちているじゃないかということをおっしゃいました。それで、私は、それに対する考え方を述べたわけで、別に反論じゃないですけれども、それに対して、それはぶわっと落ちていますから。しかし、高速道路は、それは、馬淵さんのは百二十万キロの道路全部をとっているんでしょう。私の方は、高速道路としては落ちずに上がっているんじゃないですかということを申し上げたわけです。違いますか。

馬淵委員 私のデータじゃないですよ、あれは。運輸統計年報から拾った、国交省がとった実数なんです。実数で実績は落ちているじゃないですかということを指摘しましたよ。

 しかし、大臣は、中期計画の百三十ページから百三十六ページのものについてはということで、五%伸びた、五%伸びた、高速道路は伸びているんだとおっしゃるけれども、それは交通量がふえたのではなくて、供用延長、一二%延びているんですから、そちらの方が圧倒的に高いでしょうと、ファクターとしては。何ら反論になっていないんじゃないですか。これは難しい質問ですか、大臣。

冬柴国務大臣 でも、同じ場所で再現することはできますか。もう延びてしまっているんですよ。そこをどこを途切るんです。それはちょっと無理じゃないですか。

 ですから、それは、そういうものを価値的に両方考えながら、距離も延びていると。しかし、そういう走行台キロという、我々、本当に、なかなかこの国土交通省に入るまで聞いたことないような単語が出てきますけれども、そういうものをはかるものがあるから私は申し上げているわけであって、それは、距離も一つの要素でしょう。ですけれども、出てくる数字は走行台キロというものは出るわけですから。

 ちょっと答えになっているのかなっていないのか、私はちょっと自信がありませんけれども、余りにも難しいから。でも、そういうことですよ、私が言っているのは。どこをちょん切るんですか、しかし。

馬淵委員 いいですか、供用区間の延長をした部分ということは、そこのインターチェンジ、インターチェンジ内で、走行台キロ、ちゃんと同じ距離ではかろうとすればこれはできるはずですよ。台キロ出るはずですよ。

 だから、大臣、もしあの場面で反論されて、さも高速道路は違うんだとおっしゃる趣旨で言われたのかもしれませんけれども、少なくとも、今ある客観データからいえば、大臣の言われた反論というのは全く成立しないんじゃないですか、こう指摘させていただいているわけであります。もう結構ですが、結局、今、自信がないとおっしゃっていますし、私が今確認させていただいたのは、この平成十四年推計、それを再度使っているということの問題点を指摘させていただいたことについては何ら明快な御回答をいただいていないということが、確認していけばしていくほど明らかになったというふうに思います。

 まだ引き続きこの問題、さまざまな観点から論じたいと思いますが、きょうはこの中期計画だけでとどまるわけにまいりません。なぜならば、推計値をもとにして、中期計画はこれから五十九兆円を使って、巨費を投じて整備をするかどうかが問われているわけでありますが、実は、既にこの推計、十四年推計を使って、今日、道路整備が進んでいるものがあるんです。私は、そのことも非常に問題だという問題意識を持っております。それは、民営化された道路公団の問題であります。

 さて、道路公団民営化、平成十七年の十月一日に道路公団が解体分離され、民営化になりました。これは大変大きな議論となったわけであります。上下分離方式という形で、道路の資産と債務は独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が持ち、分割された道路会社はその道路を借りて、いわゆる貸し付けですね、貸付料を機構にお支払いをして、その道路の管理を行う。管理とは、料金収受であったり、あるいはサービスエリア、パーキングエリアの事業、また附帯事業などということも言われておりました。

 これについては、小泉総理、当時、まさに改革の旗印の中で掲げられた、聖域なき構造改革、道路特定財源、これの見直しという中で、道路公団民営化というのが、小泉さんの場合は郵政民営化が第一義だったかもしれませんが、すぐにでも手をつけられるということで取り組まれたと理解をしております。

 さて、小泉総理、当時、取り組まれたこの道路公団民営化の問題でありますが、道路公団の民営化、分割になりました。上下分離方式、これは一体であるべきだとかいろいろな議論があったんですが、結果的には分割になりました。上下分離方式となりました。

 そして、この道路公団民営化についてはこれから後ほど検証していくわけでありますが、そもそも、道路公団民営化の目的、これは何だったのかということを改めて確認をさせていただきたいと思います。これは、大臣、道路公団民営化の目的は何だったのか、検証も踏まえてお答えいただけませんでしょうか。

冬柴国務大臣 道路関係四公団につきましては、平成十七年十月に、民間にできることは民間にゆだねるとの原則に基づきまして、一つ目は、約四十兆円に上る有利子債務の確実な返済を図ること、二つ目は、民間の経営上の判断を取り入れつつ、必要な道路を早期に、できるだけ少ない国民負担のもとで建設すること、三つ、民間のノウハウ発揮により、多様で弾力的な料金設定やサービスを提供することを目的として民営化されたと理解をいたしております。

馬淵委員 民営化の基本的な枠組みということでの今御答弁をいただいた目的等については、これは政府・与党の申し合わせなんかにも載っておりますが、私は、これは端的に、小泉総理が語られている言葉を拾うと非常にわかりやすいかなと思います。

 二〇〇一年五月の二十三日、まさに総理になられて直後ぐらいですか、そのときに小泉総理は、無駄な事業を行うことができなくなる、このように会見で述べられておりました。まさにこれが目的の原点ではなかったかなと思います。

 そして、道路公団民営化の議論がこの国会でも審議されるようになりました。議論になりました。その当時の国土交通委員会では、我が党の玉置議員が、二〇〇四年四月九日、国土交通委員会で「どういう目的でこのいろいろな改革に着手をされ、実行されようとしているのか。」と問うた、その問いに対して、小泉総理は「今までのような債務をふやすことなく債務を返済できる。」と述べられております。

 すなわち、民営化の最大の目的、いろいろありますよ、民にできることは民にとか、いろいろな言葉を使われましたが、この最大の目的というのは、とにかく採算のとれない道路はつくらせないということである、私はこのように認識をしているわけでありますが、大臣、これはいかがでしょうか。

冬柴国務大臣 それはそのとおりだと思います。(発言する者あり)

馬淵委員 後ろからも、無駄な道路をつくらせないんだというお声が聞こえてまいりますが、この一点に尽きるのではないかと思います。無駄な道路をつくらせてはならないんだ、そして債務を返済させていかねばならないんだ、このことが目的の最大のポイントであった。そして、道路会社と機構に分離をされていきました。

 先ほど申し上げたように、機構が道路資産を保有します、債務も保有します。しかし、道路をつくるのは道路会社なんです。道路会社は、機構との協定によって道路建設を決定していきます。もちろん、そこには大臣認可というものがついてくるわけでありますが。道路会社が道路をつくっていく、そして道路が工事完了すると、これを機構に移す、資産として移していく。そのときに、借金して道路をつくっているわけですから、その債務を移すということで、機構の名前が道路保有・債務返済機構という名前になったんだと理解しております。機構は、その道路会社から受け取る道路貸付料、これを原資としてこの債務の返済を行うということであります。

 さて、そこでちょっとお尋ねをしたいんですが、道路会社は、当然ながら、この貸付料を支払うためには、料金を各料金所で一般ユーザーから取らねばなりません、有料道路として。この道路料金の収入計画というのはどのように立てられているんでしょうか、大臣。

冬柴国務大臣 これは、総額ですけれども、四十兆に上るものを四十五年間で元利ともに返済していく。もちろん、その中には事務費も要りますし、保守管理とか要りますけれども、総体としては、その借金を四十五年間で利息も含めて完済するということを前提に料金が設定されます。

馬淵委員 その料金の設定、もちろん、返済することを前提に料金の設定をしていくわけですが、料金収入計画、料金を設定して、そして収入を計算するときに、その前提となるものは何かというお尋ねなんです。料金を設定しますね。そして、その収入計画、収入が幾らになるかということを計画、算定していく上で必要なもの、データというのは何になるんですかとお尋ねをしています。

平井副大臣 料金収入算出方法は、現況の交通量、これは、ですから平成十一年、及び将来社会経済フレーム等から将来の交通量を推計して、これに料金額を乗じて各年度の料金収入を算出するということであります。

馬淵委員 つまり、道路会社の料金収入計画というのは、将来の交通需要推計に基づいてこの計画は立てられるということなんですよ。この道路会社が立てていく収入、料金は料率ということで、将来の交通量を算出する、これは先ほど申し上げている平成十四年の十一月の、このまさに交通需要推計、これらをもとに計算していくわけでありますが、交通量推計については、平成三十三年までは供用ネットワークごとに交通量推計を行うとされていますが、平成三十四年以降は、全国将来交通需要推計の伸び率を乗じて算出としています。

 これはどういう意味かといいますと、平成三十四年ですかには、少なくともその時点で、計画された道路の供用が終わっているという前提だということの理解でよろしいかと思います。

 さて、このように、道路会社の収入計画にも平成十四年の十一月に公表した需要推計というのは大きく影響を及ぼしています。つまり、言いかえれば、平成十四年十一月の公表需要推計と実績の乖離というのは、道路会社の料金収入計画に影響を及ぼすのではないんでしょうか。大臣、いかがですか。

冬柴国務大臣 それは当然影響すると思いますよ。

馬淵委員 つまり、道路会社から機構への貸付料の支払いの計画が変わってくることになります。そして、こうした推計と実績の乖離は、中期計画の中で述べました費用便益分析に影響を及ぼすのみならず、道路公団民営化の結果の道路会社の経営にまで直接影響を及ぼすことになります。

 何度も申し上げておりますが、推計と実績の乖離は二〇三〇年で八・七%でありました。こうした状況の中で道路の新設というものが行われ、そしてさらに借金をふやしていく、借金をふやしながら道路会社は道路をつくっていくという前提になるわけですが、推計値が実績と比較して乖離してしまっている状況の中で、道路会社の経営には直接に影響を及ぼすわけです。道路会社は、莫大な債務の返済のために料金徴収をしながら機構に貸付料を払って、機構がそれを返済に充てるとしていますが、実際にはもう今、現時点でも、この料金収入計画というのが影響を及ぼされ出しているという現実があります。

 大臣、ちょっとお尋ねをしたいんですが、この料金収入計画にまで影響を及ぼしているという現状、これについてはどのようにお考えですか。

冬柴国務大臣 そのような観点から、道路会社も、将来交通予想のあり方に関する検討委員会にも専門家を招いて、平成十五年二月から十六年三月にかけて検討されました。そうしたところ、現在の将来交通需要推計、平成十四年十一月八日、民営化委員会に提出した分は変更せずに使用することが妥当だという判断をされまして、それを使ってよろしいという専門家の御意見がありました。それが一つ。

 それからもう一つは、十八年度、NEXCO三社計一兆九千八百九十四億円、六社計で二兆五千二百四十三億円ということで、十八年度料金実績は計画を上回り、そして十九年度料金収入は、まだ閉じていませんけれども上回っているということです。十八年度は、NEXCO三社では三百七十四億円実績が計画よりも上回っています。六社では四百四十四億円上回っている、そういうのが実態でございまして、決して悲観的なものではないということです。

馬淵委員 現時点においてということで今御説明をいただいたと思いますが、少なくとも、推計値と実績が乖離している中で影響を与える、その状況があるのは間違いない。しかし、今大臣は、有識者の中ではその推計値を用いることと結論されたというふうにおっしゃっておりますが、さて、私は本当にそれでいいのかということの問題意識を持っております。

 実は、道路会社は今申し上げたように、料金収入計画を立てて、そして貸付料を機構に払っています。そして機構はそれを返済に充てておりますが、機構の債務、これは当初三十七兆円規模でございました。これはお配りの資料の11ですね、こちらを見ていただきますと、当初、有利子借入金は三十六兆四千三百八十三億ですか、出ております。この債務残高をずっと道路会社からの料金収入、貸付料で取ったもので返済をしていく、そういう仕組みなんですが、機構債務のうち、政府の引受債、そして政府の保証債というのがございます。

 この政府引受債、政府保証債、きょうは額賀大臣もいらっしゃいますので、少しだけお聞きをさせていただきます。政府引受債、政府保証債、これの規模について、済みません、財務大臣の方でよろしいですか。通告させていただいておりますが。もう端的で結構でございます。

額賀国務大臣 負債が三十四兆四百三十四億円。中身は、財政融資資金が十三兆五千五百五十億円台、それから政府保証債が十兆八千六百九十一億、それから簡保資金が三兆二千三百億円台、財投機関債が六兆三千八百億円台。

馬淵委員 今お話しいただきましたが、機構の債務のうち、政府引受債、保証債等々、また財投機関債等々、これが中に含まれているわけですが、これの返済終了が、お手元の資料にありますように、二〇五〇年、平成六十二年度の期首となります。

 機構の債務返済の実績ということについてですが、これについては、機構が、順調に返済が進んでいる、このように説明をされています。少なくとも、平成十八年度の債務返済計画と実績の対比という中では、債務の返済、これが計画よりも早く進んでいる、こういう説明をされています。

 済みません、大臣、この理解でよろしゅうございますか。

平井副大臣 日本高速道路保有・債務返済機構の平成十八年度末における未償還残高は、計画四十兆七千四百四十億円に対し実績が四十兆四千八百九十三億円と、計画より約二千五百四十七億円少なくなっております。

馬淵委員 お手元の資料に12というのを用意しました。機構の未償還残高、すなわち債務返済計画の実績と計画の比較を載せております。今、平井副大臣が御説明いただいたのは、一番上の表であります。機構が、計画に対して二千五百四十六億、返済が早く進んでいると。一番上の表のところで、実績合計と計画値の差、二千五百四十六億ということで、返済が進んでいるというお話でありました。

 つまり、機構側は、道路会社からの料金収入で返済を進めていますよと。道路会社は道路会社で、先ほど私は、推計値と実績値の乖離の問題があるのではないか、経営に直接影響を与えるのではないかというお話をしましたが、いやいや、収入が上がっておりますよというお話でありました。

 しかし、実は、この表を見ていただきますと、債務が確定するのは、道路会社が道路をつくって供用開始、すなわち道路工事が完了した時点なんですね。完了しないと債務は顕在化いたしません。すなわち機構に移りませんから、仕掛かり道路資産として残るんです。これを見ていただきますと、二段目で会社の仕掛かり道路資産というのを見ますと、これが実績合計で上がっております。これが年々大変上がっておるわけでありますが、この仕掛かり資産というのがふえていっております。この道路仕掛かり資産、道路会社が完成させずに、仕掛かり資産がどんどんふえていく。

 一方で、機構の会社からの債務の引き受けというのが一番下の表にございます。これを見ていただきますと、機構の引き受けというのは、計画に比べて非常に少ない数字になっています。計画に対して引き受け債務が少ない。これは何を意味するのかということであります。実績と計画の差では、機構が、引き受け債務千八百九十三億、実際には債務を計画よりも少なく受けている。一方、道路会社は、仕掛かり資産がふえているわけですね。この仕掛かり資産の額が一兆七千九百八十二億ですか、仕掛かり資産として上がっています。

 つまり、償還計画、返済計画は順調に進んでいると言っていますが、現実は、道路を完成させずに仕掛かりとして、工事が完了せずに、供用がなされずに仕掛かりとして残れば、ずっとこれは仕掛かり資産で、債務にはならないんですね。債務の引き受けが起きないんです。進んでいる、進んでいるといいながらも、仕掛かり資産がふえて、そして引受債務は計画よりも少なくなっている。

 このことの意味は何かというと、すなわち、将来的には、第二東名などの大規模な道路が完成して供用とならない限り、実態としての債務の返済状況というのが把握できないということではないんでしょうか。

 この問題について、私は、毎年の新規の建設計画というのを道路会社が出せないのかということで確認をしましたが、五年ごとだということで、当初計画の数値しか出ませんでした。残念ながら、毎年毎年これをチェックすることはできないんです。これは何を意味するかというと、結局は、大規模の道路供用がなされない限り、実態の債務返済が進んでいるかどうかが全く見えない状態になってしまっているということなんです。

 資料にお配りをした中で、13、14に、債務引き受けの差が生じている理由が載っています。ここには、工事が延びたということで債務引き受けがまだなされないんだということで書いてありますが、その多くは、災害復旧事業の引き当て等々がございますが、大規模のものでも、工事が再度、計画が見直されて、言ったら、工期完了が先に延びたがために債務の引き渡しがなされていないという理由がここに述べられています。

 私は、このように、リスクを顕在化させないという今の仕組み、道路公団民営化という本来の目的は、無駄な道路をつくらないということでした。民営化会社になれば、それこそ自律的な会社経営という中で無駄を省き、本当に必要な道路しかつくらないというインセンティブが働くという状況であったのが本来の目的であった。しかしながら、この実態を見れば、債務を顕在化させなければ償還は進んでいるという形になって、また、民間会社で、本来ならばその道路の収益に対して最大の責任を負わなければならないのに、政府保証債初めさまざまな公的な裏づけのある状況で道路をつくっていくといえば、これは全く責任は生じないんですね。道路公団民営化の本来の目的がもろく崩れ去って、そして、国民にはそのリスクが顕在化されない状況がこのまま放置されていってしまうということを私は危惧しているんです。

 推計と実績の乖離の問題もあります。そして、さらに加えれば、金利のリスクもございます。最後の資料で、16で載せておりますが、金利リスク、二〇五〇年の債務残高ということで、これは有利子負債だけ挙げておりますが、平均金利年四%ということで想定している債務残高、しかしこれは、一%金利上昇だけでも十六・四兆円ということで、このカーブは大きく変わってまいります。

 このような状況で、道路公団民営化、実際には民営化という名のもとに、さらにリスクを先延ばしにするという結果になってしまっている。そして、その大もととなるのも需要推計が大きくかかわっている。中期計画では、これからの話ですが、現実に起きているものが、またもやこれは実態が隠ぺいされかねないということを私は危惧しますが、大臣、今私が申し上げたことに対してはいかがでしょうか。

冬柴国務大臣 随分たくさんおっしゃっていただきました。

 一つは、十八年度中に供用を予定していた圏央道八王子ジャンクション―あきる野間のインターチェンジが十九年度まで、六月になったということで、引き渡しがおくれたということが一つあります。しかしながら、この二月二十三日には、新名神高速道路の亀山―大津間のように一年一カ月も供用が前倒しとする事例もあって、この場合は逆に、財務内容はよくなりますね。

 したがって、これは五年ごとに見直すんですよ、そういう約束もあります。しかも、五年たたなくても、大きな顕著なことが起これば、これは何も敵ではないわけですから、見直しをしたらいいと思います。

 金利についても御指摘のとおりだと思いますけれども、そういうものも十分に見ながら、これは民営化したわけですから、独立の会社ですから、そこが経営判断として適時適切に判断をしてくれるであろうし、国交省もそのことを十分に注意していきたいと思っております。

馬淵委員 圏央道、このことは、国交省の説明、すぐに上がってくるんですが、私が申し上げているのは、結局、債務が実はずっと隠れてしまう。五年置きの見直しで、毎年毎年の新規の、新設の建設計画というものが、道路会社が出さないがゆえに、実態としての把握が非常に難しくなってしまう可能性があるということを申し上げています。

 いずれにしましても、道路公団民営化の検証というのはまだ、丸二年過ぎたところでありますが、これが五年たてば明確になっていくわけであります。しかし、そのときにはもう遅いということになってはならないということをしっかり申し上げて、また次の機会の質疑とさせていただきます。

 以上です。

逢沢委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。

 次に、川内博史君。

川内委員 川内でございます。また、引き続きよろしくお願いいたします。

 まず、前回に引き続き、道路特定財源問題について聞かせていただきたいと思いますが、大田大臣にお尋ねをいたします。

 先日、最後の部分で私は、道路特定財源の暫定税率分二兆六千億の道路投資、道路整備を続けることと二兆六千億の減税、ガソリン、軽油、自動車重量税の減税をすることと、現下の経済社会情勢においてどちらが果たして国民の利益を増大させるのかということについて、政府としても推計をしていただき、本委員会にお示しをいただきたいということをお尋ねしたところ、大田大臣は、困難であるというふうに御答弁をされております。他方で、町村官房長官は、公共投資はそのままGDPに乗っかるが、減税は貯蓄に回る部分があるのだということを御答弁されていらっしゃるし、冬柴大臣も同趣旨の御答弁をされていらっしゃいます。

 政府としてどのようにお考えになられるのかということについて、経済財政の担当として、政府の見解を正式にお示しいただきたいというふうに思います。

大田国務大臣 国民経済計算では道路だけ抽出することができませんので、公共投資全般、それから減税は所得税ということでよろしければ推計をお示ししたいと思います。よろしいでしょうか。(川内委員「はい」と呼ぶ)

 公共投資や減税、税制を、所得税を一兆円変化させたときにGDPが何兆円変化するか、これを乗数効果と呼んでおりますが、私どものモデルでそれを見ますと、初年度において、公共投資を一兆円削減しますと、実質GDPは一兆円程度減少いたします。それから、所得税を一兆円減税いたしますと、実質GDPは〇・六兆円程度増加いたします。これらを同時に行いますと、つまり公共投資を減らしてその分減税すると、同時に行いますと、実質GDPは〇・四兆円程度減少することになります。

 したがいまして、仮に先生がおっしゃいました二・六兆円の公共投資削減と同じ額の所得税減税、これを同時に実施しました場合は、初年度の実質GDPを一兆円程度押し下げる効果を持ちます。

川内委員 暫定税率の廃止による二兆六千億円の減税効果を所得税の減税と同じ効果で推しはかるというのは、私は、モデルとしても違っているのであろうというふうにまず思いますし、さらに、個人消費のダイレクトなプラス効果と、軽油引取税などは、輸送コストの低下による物価の値上げの抑制、あるいは物流業界の活性化等につながることであるということにおいて、経済計算モデルとしてももっと違うモデルがあるのではないかということを考えております。

 今、所得税に置きかえて計算をするならばというふうにおっしゃられたわけでございますが、とすると、大臣、政府は八年間、恒久的減税といって定率減税を、文字どおり、所得税、地方住民税の定率減税を行い、他方で公共投資をこの間ずっと削減してきたわけでありますが、その定率減税を実行し、そしてまた公共投資を削減してきたことは、日本のGDPをかなり下押ししてきたというふうに政府として総括をされるということになるんでしょうか。

大田国務大臣 今申し上げた乗数効果というのは、歳出や税収を一兆円ふやしたときにどれだけの効果が出るかという直接的な効果を見たものです。しかし、公共投資の場合は、例えば道路ができますと、それが経済の生産力を高めるという二次的な、これをストック効果と呼んでおりますが、そういうものも行われます。

 したがいまして、政策を考えるに当たっては、釈迦に説法でありますけれども、ダイレクトに、経済対策のように一兆円出してGDPがどうなるかということではなくて、公共投資も税制も、全体の中で、あるべき望ましい姿を実行していくということが正しいのだと思います。したがいまして、近年の政策も、これだけ債務残高がある中で、日本としてどういう政策をとればいいかということの中で選択されてきたものだと考えます。

川内委員 私ども民主党も、近々、この道路投資を続けることと、私は、無駄な道路投資というのは一円もないと思いますよ、無駄な道路投資はね。ただ、不必要に規格の高い道路をつくり過ぎているのではないかという問題意識は、この前から申し上げているとおり持っておりますから、その部分を、不必要に規格の高い道路を、地方の実情に合った、その地方の規格に応じた道路にしていけば、暫定税率を廃止し、そして減税もし、さらに道路もつくれるという、すべての人がなるほどと言うような政策の選択というものができるのではないかということを思っておりまして、それを予算委員会やこれから開かれるであろう国土交通委員会でまた冬柴大臣と議論をさせていただきたいというふうに思います。

 その前に、きょうは増田大臣にも来ていただいておりますから、増田大臣は、再三にわたって、暫定税率が廃止されれば地方税収に影響があると、さんざっぱら地方の自治体の首長をおどかして走らせているわけでありますが、私は、地方財政に責任を持つ担当大臣として大変恥ずかしいことである、本当に恥ずかしいことであるというふうに思います。不見識であると言わざるを得ない。

 二十年度の地方財政計画は、既に閣議決定をされ、国会に報告をされております。したがって、地方財政計画に責任を持つ大臣として、仮に地方財政に影響が生じた場合であっても、平成十九年度の補正予算を通したように、平成二十年度においても税収に変動が生じた場合において国が責任を持つということをおっしゃられるのが、地方財政に責任を持つ大臣としての発言であるというふうに思いますが、大臣、見識のある御答弁をいただきたいと思います。

増田国務大臣 今、地方財政に責任を持つべき大臣としてというお話でございました。

 確かに私、地方財政に責任を持っておりますので、その立場で、自治体の今置かれている状況をそのまま私としては正直に申し上げたということでございます。

 それで、道路の財源の問題でございますけれども、私ども、地方財政計画を、今お話ございましたとおりつくって国会の方にもお示しをしているわけでございますが、それは、地方の道路整備の状況等を十分踏まえた上でつくり上げたものでございまして、今後、二十年にこういうことが地方の標準的な団体の歳出としても必要になってくるということでございます。

 したがいまして、こう言いますとまた委員からおしかりを受けるかもしれませんけれども、そういった道路整備にふさわしい歳出を、きちんと地方団体が財源に充てるためにもこの暫定税率を継続していただいて、そして、地方団体がその財源をもってこうした道路整備を行っていく。したがいまして、その地方財政計画に沿った、それを実現する手段として、私どもも地方税に関する暫定税率の延長というものをお願いしているものでございます。両者は一体としてお願いしているものでございますので、ぜひこの点については御理解をお願いしたいと思います。

川内委員 政府の立場として一体として成立をお願いしているというのは、それは政府の立場としてわかりますよ。政府の立場としてわかるが、だからといって、将来税収に変動が生じた場合、地方財政に中央政府は責任を持たないのだということをおっしゃることが総務大臣としての責任のあり方ですかということを聞いているんですよ。

増田国務大臣 いろいろ申し上げたいことはあるんですが、いずれにしても、地方財政に責任をきちんと持たなければならない立場、それはもう御指摘のとおりでございまして、総務大臣としてその立場から、今の、税収を確保して道路整備に充てていくということを、これはまさにその責任ある立場として申し上げている、こういうことでございます。

 それから、あえて申し上げますけれども、ほかに何か地方財政を手当てする方法があるかどうかというようなことをもしおっしゃっているのであれば、これだけ、少なく見積もっても九千億、一兆に近いものでございます、見方によっては一兆六千億とも七千億とも近い大きな巨額のものでございますので、私、いろいろ考えてみましても、他に恐らく方法はない。もしそうした決められた道路整備をきちんと量として行うのであれば、やはり暫定税率をお願いするしかない、こういうことでございます。

川内委員 総務大臣、ごちゃごちゃおっしゃられているが、地方財政計画の歳出と歳入にあなたは責任を持っているわけですよ。それで国会に報告しているわけです、閣議への決定を求めて。地方財政の、地方自治の歳出について責任を持たれている立場ですね。歳入に欠陥が生じた場合においては、その歳入を穴埋めするのは中央政府の責任でしょうということを私は申し上げているんです。

 これで余り議論してもしようがない。もうちょっとよく、私も今後また議論させていただきますけれども……(発言する者あり)いやいや、勉強する人は、あなたが勉強すべきなんですよ。

 地方財政に穴があくという言い方は間違いなんですよ。地方財政に穴があくという言い方は、総務大臣としてしてはならない言い方です。どうですか。

増田国務大臣 この点については、何回も議論をさせていただく機会を与えていただければ大変ありがたいというふうに思います。

 それから、地方財政に穴があくということを言うのはおどかしというお話でございますが、むしろ実態としてはそういうことでございまして、ですから、この税法をぜひ御理解をいただいて通していただきたいということでございます。

 それから、確かに、何かほかの方法を考えられないかということでおっしゃっているのであれば、それは、歳出を削減する、例えば道路の整備を全部一切合財やめるとか、あるいは、でも借金返しがありますから他の分野を、自治体からほかの分野のものを減らして持ってくるとか、観念的にはそういうようなことも考えられるかもしれませんが、私どもは地域の実態を踏まえて地方財政計画をつくっているということでございますので、そういう方策も著しく難しいであろうと。

 それから、他の財源による補てんということも、また借金を別途国あるいは地方がふやして、当面来年度、二十年だけ埋め合わせしろということであれば、そういうことも観念的には考えられなくもないかもしれませんが、それも実態には合わない。もう既に大きな借金をいろいろなところで抱えているわけでございます。

 ですから、そういうことも考え合わせて、そして、今回こういった税の法案を責任ある立場として提案しているということでございます。もちろん、今後、この点についてはいろいろ議論をさせていただく場を与えていただければ、なお幸いでございます。

川内委員 では、ちょっと教えていただきたいんですけれども、暫定税率がもし廃止されれば、地方財政計画の歳出に穴があきますか。

増田国務大臣 これは、財政計画は歳入歳出一体でつくり上げています。ですから、歳出はこれだけ、それから歳入はこれだけ少なくとかそういうことではなくて、全体として見ておりますので、地方財政計画を根っこから考え直さなければいけない、こういうことになるというふうに思います。

川内委員 そうすると、暫定税率が廃止されれば、閣議決定をやり直すということですか。地方財政計画の閣議決定をやり直すということですか。

増田国務大臣 仮定の話になかなかお答えしづらいのですけれども、暫定税率が廃止されればということは、政府としてはこういう閣法で提案してございますので、立法府の方で何かそういう御判断をされるということだろうと思いますが、その際には立法府の方で何らかの財政的な手当てをお考えになるのではないか、こういうふうに思います。

川内委員 では、政府は知らないということですか。

増田国務大臣 ここは、ちょっと、仮定の話なのでなかなか私としても答えがたい。

 私どもとしては、今の政府案がベストということで閣法としてお出しいただいておりますので、それを立法府の方でどのように御判断をされるか、こういうことではないかと思います。

川内委員 政府として今現在の案がベストだと考えているというふうにおっしゃられたが、与野党で合意をした議長あっせん案は、与野党で合意をしてある一定の結論に達した場合には修正もあり得るというふうな合意案ですよね。与党はベストな案だと思っていないわけですよ、与党は。だから、修正に含みを持たせているわけでしょう。

 そういう意味においては、政府・与党一体なんだから、総務大臣は、地方財政に迷惑をかけないようにします、それは与野党、政府で、国がきちんと仕切りますということを現段階において発言をされるのが、私は正しい総務大臣としての態度だと思いますよ。地方財政に穴があく、穴があくという言い方は、私は責任ある政府の閣僚の御発言だとは思えないということを申し上げておきたいというふうに思います。

 この件に関しては、また議論させてください。今のは、私が総務大臣だったら、地方財政に迷惑をかけることはありません、全部国で処理しますからときちんと言いますよ。

増田国務大臣 私ども、国会にお出しする以上、立法府にお出しする以上ベストのものを出さないと、これはまた三権分立の中でも大変問題が生じますので、ベストの案を出しているということでございますし、その上で、立法府の方で厳正な御判断をされるものは、私どもとしては厳粛に受けとめる、これは私もルールだというふうに思っております。その上で、いろいろ議論させていただく場を与えていただければ大変幸いでございます。(発言する者あり)

川内委員 地方の分の九千億をどうするのかということについては、これからきちんと私が説明しますから。与党の先生方もそんなに心配しないで大丈夫ですから。

 それでは、まず、道路特別会計が厳格な財政規律のもとに使われているのかということを国民の皆さんは疑問に思っているわけです。いわゆる無駄遣いについて質問をさせていただきます。

 最近私の事務所に寄せられたメールに、私のところだけではないと思いますけれども、このような文言が書いてございました。「各整備局の出先事務所での業務用連絡車は、規則ではライトバンの車両と定められているにもかかわらず、所長の車両は、すべて高級乗用車が購入されて、専用の運転手さんがついています」という内容のものでございました。

 この工事用車両以外の車両については、二月五日の参議院予算委員会で我が党の浅尾慶一郎議員が質問をさせていただいております。そのときの冬柴大臣の御答弁では、平成十九年三月三十一日時点で工事用車両以外の車両が千四百二十六台、三ナンバー、五ナンバー、七ナンバーの車両があるという御答弁でございました。

 先生方のお手元の資料の一番が、千四百二十六台の、各地方整備局ごとの行政職二級の運転手さんの数を資料につけさせていただいておりますが、まず大臣、この千四百二十六台について、いわゆる私たちが言う高級乗用車、三ナンバーあるいは五ナンバーのセダンというものが何台あるのかということについて教えていただきたいと思います。

冬柴国務大臣 昨日、川内委員より今おっしゃったような資料要求を受けました。それで、現在、各地方整備局等を通じて全国の事務所で調査中でありますので、資料ができ次第、川内議員にお届けをしたいというふうに思います。

 なお、これで類推できるかどうかはわかりませんが、平成十八年度に購入した車両が百十台あります。これは、小型車、五とか七ナンバーといいますか、セダンは一台、それからステーションワゴンが三十五台で、計三十六台でございます。それから普通車、これは三ナンバーでございます、セダンが二台、ステーションワゴンが七十二台、計七十四台でございます。そういうことで、合計いたしますと百十台ということになるわけでございますが、セダンは三台、ステーションワゴンは百七台ということになります。

 なお、私も土日にはほとんど視察に地方へ出ますが、いつも、ステーションワゴンというんですか、あれに乗せていただきます。それで、恐らくこれは黒ナンバーというのはここのセダンの三台じゃないかなと思うんですけれども、ちょっと現実はわかりませんけれども、必ず私は秘書さんとか現場の所長とか四人ぐらい乗るものですから、セダンでね。あそこへ行っていますよ。私もずっと乗っているのもセダンですけれども。

 そういうことで、私は、高級車というよりは、現場へ行かないかぬわけですよ、中には荷物も載せないかぬし、大勢の人が乗って行くわけですから、自動車がセダン、三ナンバーでも、ステーションワゴンというようなものが主流になるということに私は理解しています。

 ただ、御要求がありますので、千四百二十六台について至急今調査中でございますので、まとまり次第、お届けいたします。(発言する者あり)

川内委員 大臣、今、余り細かいことを聞くな、細かいことを言うなと言われております。

 しかし、今、国民の皆さんというのは、非常に厳しい経済状況の中で一円、二円を計算しながら暮らしている方たちがたくさんいらっしゃるわけですよ。たくさんいらっしゃるわけです。そういう中で、ガソリンの暫定税率二十五円についてどうしていくのか。十年間で、本則まで入れれば、トータル五十数兆円の金額規模になるわけですよね。細かい金額の積み重ねが十年間で五十数兆円になることを議論しているときに、細かいことを議論するなと。そういう国民の目線に立っていない人たちがこっち側にいるから政治が混乱するんですよ。本当にあきれて物が言えませんよ。こんな細かいことを言うなと言うような人は、ここから出てくださいよ。

 委員長、細かいことですか、私が言っていることは。恥ずかしいですよ。恥ずかしいことですよ、これは。

冬柴国務大臣 与党の方でそういうあれがあったら、それは私からもおわびしますけれども、私は、今ガソリンが高騰しているときに、こういう法律でお願いしているわけですから、誠心誠意やりますし、決して小さな問題ではないと私は思います。

川内委員 それでは、今調査をしていらっしゃるということでございますので、調査の結果を速やかにまた教えていただきたいというふうに思います。

 ところで、出先事務所では、ライトバンしか車両として、業務用連絡車として使っちゃいけませんよというような規則は本当にあるんでしょうか。

平井副大臣 これは事実関係ですから、私の方から。

 国土交通省としては、そのような規則は定めていない。また、各地方整備局が独自に内規として定めているかどうかについては確認ができていませんが、地方整備局において、主に、道路計画にかかわる現地調査の実施、道路工事現場での移動、災害、事故発生時の対応などに使用している車両をいわゆる連絡車と言っており、いわゆる所長等のセダンタイプの車両とは異なる扱いをしているところであります。

 連絡車は、人員のほかにも物資輸送にも使用することを予定していることから、ステーションワゴンタイプの車両を購入しているものと承知しております。

川内委員 メールではさらに、所長さんの高級乗用車にはすべて専用の運転手さんがついているというふうに書いてございますけれども、これは事実なんでしょうか。

平井副大臣 すべての車両に専用の運転者がついているかどうかは承知しておりませんが、必要があれば正確に確認するが、所長の専属だけではなく、連絡車の運行を兼ねているケースもあると聞いております。

川内委員 兼ねているケースもあるということは、所長さんには運転手さんがついているという理解でよろしいですか。

平井副大臣 いや、そういうことではありません。

川内委員 いずれにせよ、しっかり調査をしていただきたいんですが、あと、この千四百二十六台について、行政職の運転手さん以外に民間委託で運転手さんを確保しているというお話もございます。これもお調べをいただきたいということでお願いしてございますが、結果を教えていただきたいと思います。

平井副大臣 これも、委員の昨日の資料要求を受けまして、現在、各地方整備局等を通じて全国の事務所で調査しております。資料ができ次第、お届けしたいと思います。よろしくお願いします。(発言する者あり)

川内委員 大変な税金を使ってきたのは道路特定財源なんですよ。

 それで、もし所長さんが、黒塗りの高級セダンで運転手さんがついていたりすれば、それも全部道路特定財源なんですね、税金ですよね。私は、それが果たして納税者の理解が得られるんでしょうかということをお聞きしているわけでございまして、その前提として数字をお答えくださいねということをお聞きしているわけですね。

 本省では、いろいろ、要するに情報を集約するのに時間がかかるんだなと。きのうお尋ねしたことがまだきょう午後になってもお調べをいただけないということでございますから、それは待っていますけれども。

 大臣、御存じかどうかわかりませんけれども、実は私、地方の国道工事事務所の内規をちょっと見せてもらったんですけれども、国道工事事務所の所長さんが、例えば委託で運転手さんをお願いするとか、あるいは車両込みで委託をお願いするとかいう場合に、全然制限がないんですよ。全然制限がないんです。

 これは、さっきいただいた資料で、地方整備局会計事務取扱標準細則第二十二条というところに、「分任支出負担行為担当官が契約をすることができる範囲は、次の各号に定めるところによる。」と書いてあって、九号には「役務に関する契約」。これは金額に定めがあるんですかとお聞きしたら、金額に定めはありませんということなんですね。

 要するに、何かを委託契約しようと思えば、幾らでも国道工事事務所の所長さんは委託契約をすることができるということになるわけで、私は、こういうところもしっかりと管理をしていかなければ野方図になっていくのではないかということを指摘しておきたいというふうに思いますし、これも、いずれにせよ、車あるいはドライバーさんの委託などについて調査の結果が出次第、また大臣と議論をさせていただこうというふうに思います。

 さらに、続けて聞かせていただきます。

 一昨日、私は同僚議員とともに、三重県四日市市のくすの木パーキングという駐車場の見学に行ってまいりました。これは財団法人駐車場整備推進機構が管理運営する有名な駐車場で、年金特別会計のグリーンピアに当たるものかなというふうに思います。

 この駐車場整備推進機構は、また後で取り上げたいと思いますが、この財団の常勤の役員は何人で、そのうち国家公務員再就職者は何人で、うち国土交通省出身者は何人でしょうか。

平井副大臣 非常勤役員を含めた役員数十九名、うち国家公務員出身者九名、うち国土交通省出身者六名でございます。

川内委員 この財団法人駐車場整備推進機構には、道路特定財源から融資をしている財団がございます。財団法人道路開発振興センターという財団でございます。東京湾アクアラインに千八百億円融資をしている財団でございますけれども、この道路開発振興センターの常勤役員の数と、そのうち国家公務員の再就職者の数、国土交通省出身者の数を教えていただけますか。

平井副大臣 常勤役員は四人、そのうち国家公務員の再就職者の数は四人、国土交通省出身者数は三名です。

川内委員 大臣、前回私が取り上げた財団法人国土技術研究センターは、常勤役員四人中四人が国交省出身。今回取り上げております財団法人駐車場整備推進機構の常勤役員は、四人中三人が国交省出身。財団法人道路開発振興センターも、常勤役員四人中三人が国交省出身。つまり、三つの財団法人の常勤役員、ちなみに国土技術研究センターというのは年間五十億ぐらい国交省から随意契約で仕事をもらっていますけれどもね、それは余談ですが、十二人全員が天下りで、そのうち十人が国交省出身者。

 これは、冬柴大臣、道路特定財源、道路特別会計からすべて支出をされている公益法人でございますが、こういう状況で、大臣、いいんでしょうかね。どうされるおつもりですか、こういうことを目の当たりにして。

冬柴国務大臣 そういうものについて今後どうしていくかということを内閣でも協議していただいているわけでございまして、私どもはそれにきっちり従ってやっていこうと思います。

 そういうことがなぜ生じたかということは、もう川内委員も十分御承知だと思いますけれども、仕事は減らずに、どんどん役員さんは数を減らしていったんですよね。わかりますね。それで、もちろん勧奨退職でどんどん減らしたわけですよ。そういう財団に行きたくない人も行ってもらったんですよ。そういう問題を抱えて今日があります。

 しかし、国民の目線に立って、こういうものについては、私はきちっと整理をしていくべきだと思います。しかし、すぐにはできないかもわかりませんが、内閣の強力な、いわゆる独法の改革とかいろいろやっていますから、あるいは天下りについてもどうするとか、人材センターをつくるとか、いろいろ今苦しんでみんなやっているわけですから、その中で我々としては、自粛すべきところは自粛をし、そして政府の統一的な措置には誠実に対応していきたい、このように思っています。

川内委員 ちょっとよくわからなかったですが。

 大臣、道路特定財源という形で道路整備費用が毎年五兆円、六兆円と入ってくる。そうすると、それを使わなきゃいけない。それを使うためにどうするかということを一生懸命おやりになられると、結局、年金と一緒で、無駄遣いもいろいろなところに出てくる。

 役所は非常に優秀な人たちの集まりだから、これは無駄遣いではないのだ、法令には違反していないのだということを理屈をつけるのは上手ですよ、理屈をつけるのは。しかし、国民の目から見たときに、それが果たして、ああ、なるほどね、そういう使い方はうなずけるよねとおっしゃっていただけるような、国民から見てそういう使い方であるかどうかというのは謙虚に反省をしていかなければならないというふうに思います。

 また、道路の中期計画も、これから残り三十分で議論をさせていただきますけれども、果たして本当にこの中期計画が妥当な計画であるのか否かということについて、しっかりとした議論をしなければならないというふうに思います。

 大臣、馬淵議員は、交通量の推計が平成十四年モデルを使っているというのは、既に最新の、大臣に言わせればまだ不十分なデータであるということですけれども、きょうの議論なんかを聞いていると、昨年四月に発表されたデータは十分に最新のデータと言えるデータである、そういうものを使ってしっかりとした将来交通量の推計をすべきではなかったのかという指摘が一つあります。

 さらに、私は、先生方のお手元にお配りしております資料の八ページを見ていただきますと、この将来交通量の推計がなぜ重要かというと、総理もおっしゃられているし、冬柴大臣もおっしゃっていらっしゃる費用対効果の分析、費用便益分析、英語で言うとBバイC、ベネフィット・バイ・コストアナリシスというんですか、このBバイCの分析に将来交通量の推計というものは非常に影響を与えるから最新の値を使うべきである、その方がより精緻な分析ができるのだということを馬淵議員は主張しています。

 丸囲みをしてありますけれども、BバイCのベネフィットは、走行時間短縮便益、走行経費減少便益、さらに交通事故減少便益の三つ便益があるわけですね。私は前回、走行時間短縮便益のところについて、若干、冬柴大臣とやりとりをさせていただきました。きょうは、前回ちょっと議論できなかった時間価値原単位の部分について議論をさせていただきます。

 資料の九ページには、車種別の時間価値原単位というものが出ております。乗用車が六十二円八十六銭、バスが五百十九円七十四銭、乗用車類が七十二円四十五銭、小型貨物車が五十六円八十一銭、普通貨物車が八十七円四十四銭ということでございます。

 この乗用車が一分当たり六十二円八十六銭の時間価値を持っているということの根拠は何なんだというと、次のページに出ておりますけれども、自家用乗用車の時間価値原単位、平成十五年価格ということが出ております。自家用で業務、非業務、同乗者の業務、非業務という形で出ております。

 では、この六十二円八十六銭というものをどのように計算したのかということをまず教えていただきたいと思います。

冬柴国務大臣 時間価値原単位は、自動車一台の走行時間が一分短縮された場合におけるその時間価値を貨幣換算したものでありまして、節約した時間を最も効率的に使った場合に得られる価値として算出いたしております。

 例えば、乗用車については、使途と車両の価値を考慮しており、使途については、業務目的と非業務目的に分けながら、労働者の平均人件費を平均実労働時間で除した値などをもとにして設定をいたしております。また、車両につきましては、車両のレンタル価格をもとに設定いたしております。同乗人数等については、走行した多くの車の中からの平均値が出されております。

川内委員 大臣、労働者の平均的な、何とおっしゃいましたか、賃金とおっしゃいましたか。

 労働者というのは、正規労働者、非正規労働者あるいはパート、アルバイト、さまざまな労働者がいますが、ここで言う労働者とはいかなる労働者ですか。

平井副大臣 常時雇用の労働者だと思います。

川内委員 厳格な費用対効果分析をする場合において、日本で車を運転している人々はすべて常用労働者であると仮定して計算をされているということでよろしいですか。

冬柴国務大臣 時間価値原単位につきましては、第三者の有識者等から成る道路事業評価手法検討委員会で御審議をいただきまして、その結果を受けまして値を決定しておりまして、八人のほとんどは大学の先生でございます。顧問が一人ということでございます。そういう方々の意見をいただきながら、これを決定いたしております。

川内委員 大臣、私、日本の自動車を運転している人々はすべて常用労働者としてベネフィットを計算するということが厳格な評価なんですかということをお尋ねしているわけでございます。

 もちろん、私も、この平成十五年当時の有識者の検討委員会の議事録なども読ませていただきました。資料も見せていただきました。しかし、そこに、なぜ常用労働者しか考えないのかということの説明は一切されておりません。常用労働者の賃金を時間で割るということしか説明はないです。それが厳格な事業評価につながるんですかということを尋ねております。

平井副大臣 この考え方が、実務上、近似的に得られる原単位として一般的に使われているんです。そのことをどうか御理解ください。

川内委員 一般的に使われているというのはどういう意味ですか。

平井副大臣 例えば機会費用の問題にしても、この場合は最も高い収益が得られる選択肢を選んだ場合というのを使っていますよね。ですから、そういう意味で、今回の委員御指摘の原単位の問題に関しても、これはもう一般的に使われているモデルを使わせていただいているということであります。

川内委員 いや、何を説明されていらっしゃるのかよくわかりませんが、日本で車を運転するドライバーはすべて常用労働者としてベネフィットを計算することが適切なんですか、厳密なんですか、厳格な事業評価なんですかということをお尋ねしています。

平井副大臣 厳密と言われますとどうかと思いますが、例えば、原単位が、一人当たりに直すと二千八百二円というのは要するに高過ぎるということかなというふうに思うんですが、結局、例えばこの二千八百二円にしても、平均現金給与に福利厚生費などを加えた値として設定したもので、福利厚生費等を除いた現金給与部分は約二千三百円弱になるため、これに平均月間実労働時間を掛けると月収は約三十五万、年収は約四百二十万ということになって、これが高過ぎるという御指摘は当たらないのではないかと思います。

川内委員 いや、高過ぎるとはだれも言っていない。私はきょう、高過ぎるという言葉は使っていないですよ、適切なんですかと。日本にはもう既に一千万人を超える非正規雇用者もいて、大変な思いをしていらっしゃる方々もたくさんいるわけですよね。そういう方たちのことというのはこの事業評価においては考慮をしないんですかということをお聞きしているんですね。

 では、非業務型の自家用自動車の場合には、時間当たりの機会費用が三十八円十一銭ということになっています。非業務、仕事をしていない時間にあっても大体二千二百円ですよね。時間当たり二千二百円の便益があるのだ、仕事をしていない時間でも二千二百円の便益があるのだということをこの自家用乗用車の時間価値原単位表では言っているわけですが、これは一体どういう計算なんですか。仕事をしていないときというのは、仕事をしていないわけですから。仕事をしているときと仕事をしていないときと、八円しか違わないですよ。

平井副大臣 非業務目的のドライバーの時間価値の算定に当たっては、先ほどお話ししたとおり、労働者の平均賃金を使って、これは、短縮された時間をより高い収益が得られる行動に振りかえた場合の価値算定をしたものとなっていて、この考え方が一般的だということでありますし、また時間価値原単位については、大臣からもありましたとおり、第三者の有識者等から成る道路事業評価手法検討委員会において御審議をいただいて、その結果を受けて決定しております。

川内委員 御審議をいただいて決定しておりますって、事務局案ということで、事務局案を全部事前に説明して、それに、議事録が出ているじゃないですか。事務局が全部、道路局が全部数字をつくって、これでいいですかといって、はあ、いいですよと、それで決定しているだけじゃないですか。何言っているんですか。それは、御審議はいただいていますよ。御審議はいただいているが、それが適切なんですかということを聞いているんですから。

 では、イギリスのモデルでは、業務をしていない時間の原単位は幾らになっているか、大臣、御存じですか。

冬柴国務大臣 幾らだと言われると、貨幣価値、貨幣で示すことはできませんけれども、日本では、便益として、先ほど川内委員もおっしゃいましたように、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少の三項目ですが、ドイツやニュージーランドでは、環境に関しても評価を行っている。また、日本における交通事故に係る人命の価値はドイツやイギリスと比べると小さく、私が調べたところでは、オーストラリアと比べれば物すごく違いますね、人の命の価値が。そういうことでございます。

川内委員 大臣、私の質問にお答えをいただきたいと思いますが、イギリスでは、業務していない、非業務時間における自家用車の時間当たりの機会費用を幾らと算出しているか御存じですかという質問をさせていただきましたので、御存じないなら御存じないと御答弁いただけますか。

平井副大臣 今、手元にございません。

川内委員 四・五ポンドですね。だから、大体九百円ぐらいでしょうか。

 私がなぜこんなことを言うかというと、大臣は、BバイCをちゃんとやっているんだ、費用対効果をきちんと分析して見積もって、それで事業化をしているのだ、そしてこれからもそれは変わらないのだというふうにおっしゃっていらっしゃる。しかし、その基礎となる、便益を見積もる数値が違うのではないですか、適切ではないのではないですか、厳格ではないのではないですかということを私は申し上げているわけでございます。

 それに、大臣、多分これも御存じないと思いますが、この原単位の表で、「車両の機会費用」というのが最後にくっついていますね、時間当たり十二円五十一銭。この十二円五十一銭がむちゃくちゃでかいわけです。一時間当たりにすると、この十二円五十一銭は七百二十円余りになる。

 この十二円五十一銭は、平成十年当時に初めてこのBバイCの考え方が導入されたときの表にはついていましたでしょうか、算定されていましたでしょうか。副大臣、知っていますか。

平井副大臣 算定されていたと思います。

川内委員 いやいや、これは算定されていないでしょう、平成十年は。十二円五十一銭は、平成十五年に加わったんですよね。副大臣にそんなことを答弁させちゃだめですよ。算定されていませんよ、十年当時は。自家用車よ、自家用車。

平井副大臣 申しわけありません、後ほど確認をいたします。

川内委員 いや、後ほど確認させてくれって。BバイCを厳密にやりますとか厳格にやりますとか言いながら、その基礎になる事柄について、きょうは、僕は大臣、副大臣と議論させていただきますが、事務局の方々も見えていますよ、その人たちがわからないんですか。あり得ないでしょう。

 私、資料を持ってきましたから、大臣、見てくださいよ、せっかくですから。

冬柴国務大臣 十年に入っていたかどうかは調査をしますが、十五年には入っていますよ、きちっと。だから、それに基づいて厳格にやっているわけでございますから。その車両の、レンタカーを借りても、あるいは自分の車であっても、これは、一分当たり幾らかという計算をしたら相当なものですよ。それは、保険も要ります、ガソリンも要ります。そういうことを考えればね。

 ですから、それが十年には入っていたかどうかは私は知りませんが、十五年には入っています。したがいまして、それを用いて厳格にやらせていただいております。

川内委員 いや、十年には入っていないでしょう。入っていないと答弁してくださいよ。

平井副大臣 確認させていただきます。

川内委員 私はちょっと信じられないですね。

 財務大臣、お聞きするつもりはないですけれども、予算査定をするときに、査定の基礎となる数字が過大に見積もられていたり、あるいは、ちょっとこれは適正な数字ではないのではないかというようなものがあれば、それをきちんとまず修正して、適正な数字にして事業を評価するというのは、これは政府として当然やるべきことじゃないかなというふうに思いますが、いや、その数字は間違っていないんだ、その数字はいいんだと。それでちゃんと計算しているからいいんだということにはとてもならぬと私は思うのですけれども。

 では、その車両の機会費用というのは、今冬柴大臣がレンタカーというふうにおっしゃいました。レンタカーとして使うとすればという金額が、一分当たり十二円五十一銭。自家用車をレンタカーとして使うとすれば、一分当たり十二円五十一銭という金額になるわけでございます。しかし、日本の自家用車をすべてレンタカーとして使うという仮定が果たして妥当な仮定なんですか、それは。ちょっとよくわかりません。説明してくださいよ。

冬柴国務大臣 これを決めるのを、国土交通省だけで決めたらまたおしかりを受けると思いますし、それがどういう手法でやられたかどうかは、そこまでお調べのようですけれども、立派な先生方ですよ。これは、だれが見たって、失礼ですよ、そんなことを言ったら。道路事業評価手法検討委員会にお諮りをして、そして、いただいた御意見をもとに我々はこれをやっているわけでございますから。それ以外の方法というのは、どうするんですか、我々がこれをやれば、また、おまえらが勝手にやったのではないかというおしかりを受けるんじゃないかと思います。

 私としては、行政の手法としてそれはいいかどうか知りませんよ、でも、そういうふうにして私どもは斯界の権威者と思われる方々にお諮りをして、そして出てきた結論がいいか悪いかは、これはまたここで御審議をいただき、きょうはこういう御批判をいただいておりますので、十五年といえば、ことしはもう二十年になりますから、見直しのときに川内さんの御意見をお伝えして、こういう厳しい意見があったよ、こういうことも資料として十分考えてほしいと申し上げてお諮りをすることになると思います。

川内委員 いやいや、私は、冬柴大臣や総理大臣が、厳格にやっているんだ、費用対効果分析を厳格にやっているんだ、これからもそうするんだというふうにおっしゃるので、厳格ではないのではないかということを問題提起させていただいているわけですよ。

 日本の労働者はすべて常用労働者である、さらには、日本の自家用乗用車はすべてレンタカーとして計算する、しかも、平成十年には見積もっていなかったが平成十五年には見積もると。

 立派な先生方ですよ、私も議事録を読みましたから。立派な先生方が何と言っているかというと、まだたくさん議題があるのですが、どうしましょうかねと。やはり皆さん正直なんですよ、どうしましょうかねと。ゆっくりと考えた方がいいかもわからないですね、○○さんが言っているのは正論だと思うんだけれど、ただ、一人当たりの時間価値、こうやって出しちゃっているでしょう、それをどうするんだという問題ですがと。これは、最後の結びのところですよ。これでいいですかというときに、やはり皆さん悩んでいるんですよ、ちゃんと。(発言する者あり)いや、だから、その結論が厳格ではないのではないかということを言っているわけよ。わからないかな。わかってよ、ちょっと。

 どうですか。私は、これは厳格な事業評価とはとても言えないと思います。大臣は、厳格な事業評価であるとお思いになられますか。

冬柴国務大臣 現時点における最良の方向をとっているつもりでございます。それは、人間のすることですから、いろいろ御批判はあります。しかし、御批判は甘受いたしますが、それはそれを次の機会に入れて、そしてよりいいものにしていく。しかしながら、私はここで、ええころかげんなものだというようなことは、それは口が切れても言いませんし、それは現時点では最良の方法を選択しているんだというふうに確信をいたしております。

川内委員 いや、厳格なと、あるいは、冬柴大臣は国会答弁では、厳正なという言葉もお使いになっているし、厳密なというお言葉もお使いになっていらっしゃいます。それらの言葉からいうと、私は、先ほど申し上げましたでしょう、イギリスのモデルでは、仕事をしていない時間の便益は一時間当たり四・五ポンドという形で見積もっているということで、日本のモデルは、ちょっとBバイCのBを大きくするために若干過大に評価してしまっているのではないかということを、私は批判しているんじゃないじゃないですか。

 私、大臣には、わあっと言っていません、どうですかと問題提起をしているんですから、問題提起を。それに対して大臣が、いや、その提起を受けて、平成十年にこれを始めて、十五年に一回改定をして、二十年にもう一度、これをきっかけとして、やはりこれは見直す必要があると、議論を聞いていらっしゃって、またみずから議論に参加していただいて、お思いになるのかならないのかという話ですわ。

冬柴国務大臣 それほど勉強していただいたことを私は無視しませんよ。それは、やはりやり直さなきゃいけないと思いますよ。やり直すということは、新たにまた諮問をして、その先生方に、私はこういう意見を述べられたと。

 ただ、川内さん、外国の事例のいいところだけをとったらだめですよ。やはり日本の方がすごく考慮しているところもあり、そういうものもありますよ、私もここで言いませんけれども。

 ですから、そういうものも全部含んで、先生方に判断をしていただきます。

川内委員 それは、冬柴大臣の御指摘にも、私は、そうですねと。日本のいいところもあるし、そうでないというところもある。そこをやはりしっかりと、より現実に近いモデルをつくっていく、それによって事業評価をしていく、それが道路整備の客観性というものをより高めていくことになるんだろうというふうに思うんですね。

 私、与党の先生方から、一体何のためにこんなことを言っているんだみたいなことをさんざっぱら言われながら、攻撃に耐えて、きょうは質疑をしてきたわけでございますが、私が終始一貫して申し上げているのは、国土交通省道路局が線を引き、設計図をかくと、結局、やはり優秀な技術者の集団だから、いいものをつくりたい、規格の高いものをつくりたいということをどうしても考える。これは人間ですから当然です。今まではそれでよかった。しかし、これからは、限りある財政を、財政規律の中で一番いい形でつくっていかなきゃいけない。

 そういう意味では、地方においてはBバイCが一いかなくても必要な道路はいっぱいあるんですよ。BバイCが一いかなくても、どうしてもつくらなければならない道路もある。それは地域が判断すればいいんです、地域が。国土交通省道路局が判断するのではなくて、地域が判断するという仕組みに根本から変えていかなければならないというふうに私は思っているんですね。

 だからこそ、国土交通省道路局がやるものは、BバイCを物すごい厳密にやってちょうだいねと。これは中川秀直元自民党幹事長のブログにも書いてありましたよ、日本の道路はBバイCが外国に比べて三倍甘いと。これは私の言葉じゃないですよ。中川先生のブログにそう書いてあるんです。

 国土交通省道路局がやる道路事業はそれでいい、しかし、あとは地方に全部資金を交付して、その地域に必要な道路を地域の規格でつくっていただくというような方向に変えていくための議論に今国会をしていかなければならないなというふうに思っておりまして、質疑時間が来ましたので、国土交通委員会でも、大臣、また昼夜を分かたず議論をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて川内君の質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。

 きょう、私は、大企業の製造現場における下請労働者に対する安全対策の問題についてお尋ねしたいと思っております。

 今お手元に資料を配付させていただいておりますけれども、これは平成十九年版の厚生労働白書ですけれども、ここには「労働災害発生状況の推移」ということで、一九七三年以降の数字が出ております。

 死亡者数、下の方のグラフですが、については、傾向として減少傾向にありますけれども、一方、一度に三人以上の方が死傷するという重大災害の発生件数というのは、一九八五年以降増加傾向にあって、二〇〇六年の数字では三百十八件、一九八五年と比較をすると二倍以上の重大災害の発生件数となっております。

 厚生労働省は、この重大災害の発生件数について、毎年四月、五月ぐらいに、死亡事故などについて労災を発表しておりますけれども、その際、〇四年以降、重大災害事故というのはピックアップをして取り上げるようになりましたし、二〇〇五年の厚生労働白書以降、この重大災害について明記をしております。

 そこで、舛添大臣にお尋ねしますが、重大災害発生件数を厚生労働白書で取り上げ始めたその理由、きっかけは何なのか、その点が一点と、もう一つ、この重大災害が増加傾向にある理由は何なのか、その点についてお尋ねをいたします。

舛添国務大臣 まず、委員お尋ねの第一の点でございますけれども、実は、平成十五年、二〇〇三年に、大規模製造業において爆発火災事故が続発した、こういうことを背景といたしまして、平成十六年、つまり二〇〇四年版の厚生労働白書において、重大な労働災害につきましてまず記述を始めました。そして、その翌年の十七年以降、二〇〇五年以降の白書において、一時に三人以上の労働者が被災した重大事故の件数を記載するということで、継続的にそれ以降書いております。

 それから、今お尋ねの、過去二十数年間、重大災害というのは実は増加傾向にありまして、例えば昭和六十年には百四十一件であったものが平成十八年には三百十八件と倍増ということでありまして、ただ、この内訳を見てみますと、先ほど私は、重大な爆発事故が契機だということなのでこれが多いかなと思って調べてみますと、実は交通事故というのが一番多うございまして七十七件、中毒や薬の傷、これは集団中毒で、ノロウイルスとか、こういうのが四十九件、それから、施設内で病原体に感染するなどその他が四十六件増で、この増加傾向をもたらしている一番大きな要因というのは、実は交通事故の発生件数がふえた、こういうことでございます。

塩川委員 その点でも、例えば交通事故の重大災害の発生件数がふえているのはなぜなのか、そういう分析というのが必要ではないか。また、火災や高熱物における重大災害の件数というのも全体としてはふえる傾向にありますし、確かに爆発事故については年度で大きな差がありますけれども、しかし、トータルでは減ってはいないわけですから、やはりそういった踏み込んだ分析そのものが必要ではないか、その点を率直に思うわけです。

 やはり、重大災害がふえ続けているということをわざわざ特記しているわけですから、それについて踏み込んだ分析を今後きちっと行うべきだ、その点について一言いただけますか。

舛添国務大臣 例えば、コンビナートなんかで大爆発が起きますと大きなニュースになります。だけれども、一つ一つの交通事故について一々ニュースになりませんね。ですけれども、今委員おっしゃったように、できるだけ個々のケースについて分析をする。例えば、平成十八年度で全体で三百十八件ですから、多いといえば多いんですけれども、いろいろなデータをもとにして、もう少し踏み込んだ分析をやってみたいと思います。

塩川委員 そこで、この間、重大災害がふえている問題についてもう一つ踏み込んだ分析が必要ではないかと思うのが、大企業の製造現場が大きくこの十数年間で変化をしているのではないか、その問題であります。

 そこで、総務省にお尋ねしますが、製造業における派遣、請負労働者数の推移ですけれども、製造業の事業所の中に外部の人材が入る、派遣や請負という形態で入る、その人数について統計でとっていると思いますので、一九九六年を起点に直近の数字まで、その人数についてお示しいただけますか。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省統計局が行っております事業所・企業統計調査の結果によりますと、製造業の派遣、下請の従業者数は、平成八年、一九九六年が九十八万九千人、それから、平成十三年が六十三万三千人、平成十六年が八十一万一千人、直近の平成十八年が百二万八千人となっております。

塩川委員 九六年は四十八万九千二百三十四人だと思いますが、その点、確認していいですか。

川崎政府参考人 はい、そのとおりでございます。

塩川委員 この十年間で、製造業の現場における派遣、請負の数が二倍以上、二・一倍にも膨らんでいるというのが実態であります。

 そういう中で、災害発生率の現状がどうかということについて厚生労働省が調査をした中に、元方、いわゆる元請の業者と下請の事業者を比較した場合に災害発生率がどういう違いがあるのか、そういうデータがあると思いますが、その数字についてお示しいただけますか。

舛添国務大臣 平成十五年に実施しました大規模製造業における安全管理体制及び活動等に係る自主点検、こういうデータがございます。その中に、年千人率というのは、これは労働者千人当たり一年間に発生した死傷者の数、年千人率と申します。これを元方で見ますと五・〇九。ところが、関係請負人の年千人率は一一・三二ということで、倍よりちょっと上、そういうことでございます。

塩川委員 元請に対して下請の災害発生率が二倍以上になっているということであります。そういう点でも、大企業の製造現場において派遣、請負がふえていく、そういう中で、特に派遣、請負の労働者に災害が大きく発生をするという実態になっているわけです。

 二〇〇三年に相次いだ大規模工場での労働災害、その事故を踏まえて、厚生労働省で検討会を開いてまとめられた報告書が〇四年の八月に出されておりますが、そこでも、「アウトソーシング化等により業務の合理化・効率化が図られているが、これに対応した安全対策の見直しが十分図られているとは言い難い」と。つまり、アウトソーシング、外部人材を活用するというのは急速に進んでいるけれども、それに見合った対策が十分図られていないという点です。そういう点で、この点でも踏み込んだ対応が求められていると思っております。

 そこで、ここで大企業の製造現場で下請労働者が被害を受けた事例を具体的に示して質問したいんですけれども、昨年の十二月の二十一日、三菱化学の鹿島事業所のエチレンプラント火災事故で、下請の労働者の方四人が亡くなられるという大災害がありました。この三菱化学は、エチレン製造では国内トップシェアの企業であります。

 そこで、甘利大臣にお尋ねしますけれども、経済産業省の原子力安全・保安院に三菱化学から事故報告書が提出をされております。そこにおいて、火災の引き金となったクエンチングオイル、急冷油、冷却用の油ですね、これが漏れ出す。それが発火の要因となるわけですけれども、このクエンチングオイルが漏れ出すという直接の原因及び間接の原因というのはどういうものだったのか、どういう指摘がされているのか、お答えください。

甘利国務大臣 御指摘の火災事故の発生を受けまして、原子力安全・保安院は、この三菱化学に対しまして事故原因の報告を指示しまして、十二月二十七日及び本年一月九日、同社から報告を受けました。

 この報告では、御指摘のとおり、冷却用の油、クエンチオイルの配管の工事中にこれが発生しておりまして、その直接原因は、仕切り板の入れかえ工事中に、バルブの起動スイッチが入って、バルブが開いて油が流出した、これはかなり高温の油でありますから、それが火災原因。

 それから、間接原因は、工事安全指示書等によりまして、バルブ作動防止のための施錠をする、かぎをかけるということになっておるわけですが、その確認をなすべきであったにもかかわらず、これが実施されなかったことであるという報告を受けております。

 このために、三菱化学が高圧ガス保安法に基づいて受けております自主検査に係る認定、この体制面での基準に適合していないと認められると判断をしまして、本日十五日、三菱化学に対しまして当該認定を取り消す処分を行ったというところであります。

塩川委員 今お話しのように、三菱化学に対し原子力安全・保安院として行政処分を行ったと。今まで、自主保安ということで、一年に一回は保安検査、開放検査を行わなければいけないのを、それなりの実績のある企業についていえば、四年、四十八カ月連続運転が可能だよということを認定する事業者、その認定を取り消すという形であるわけです。もともと、今までの特権をもとに戻すということですから、そういう点で、こういう企業を認定した大臣そのものの責任も問われてくるわけであります。

 そこで、資料の二枚目をごらんいただきたいんですが、この現場において亡くなった方の所属企業名が二転三転をしているということがございます。

 左側が事故の翌日の新聞です。傍線が引いてあるところにありますように、つまり、二十一日、当日、会社側の発表をもとに記事にしたものですけれども、亡くなった方の会社名が加藤商工という会社と、あと、二段目の一番後ろにあります新興プランテックという会社になっております。

 それが、真ん中にあります、二十二日付でホームページ上にも三菱化学鹿島事業所が掲載をした資料の中では、亡くなった方の会社名で、加藤商工というのがなくなって、谷黒板金、岩橋板金工業所となり、新興プランテックという会社名がなくなって、株式会社大和と常鹿工業株式会社と変わっております。

 さらに、原子力安全・保安院に提出をされた三菱化学の事故報告書で亡くなった方の所属会社を見ますと、真ん中のと比較をしていただきたいんですが、一番下、常鹿工業とされていたのが、最終的に保安院に提出をされた事故報告書では将工業と変わっている。

 被害を受けた、亡くなった労働者の方の企業名が次から次へと変わっている。これはどういうことなんでしょうか。この報告書を出された保安院、責任者の甘利大臣、お答えいただけますか。

甘利国務大臣 今回の火災事故におきまして、四名の方々が亡くなられました。改めて心よりお悔やみを申し上げます。

 御指摘のとおり、亡くなった方々の所属会社の名前が、昨年十二月二十一日、当初の三菱化学の発表と、それから、その後、十二月二十七日の原子力安全・保安院への報告とにおいて異なっているということは事実でございます。

 これは、三菱化学が最初の発表において、火災発生当日の構内の入場者名簿において把握していた協力会社の名前と、それから協力会社から作業を請け負った会社の名前を発表したわけでありますが、亡くなった方が実際に所属していた会社の名前を確認することがおくれたためであるということであります。

 要するに、下請一次、二次を把握しているんですが、実際には三次請負、下請の方が三名と、四次が一名でありました。ということで、そこまで当初、会社側が把握していなかったということであろうと思います。

塩川委員 資料の三枚目をごらんいただきたいんですが、これは三菱化学鹿島事業所の説明資料をもとに作成をいたしました火災現場の工事体制表で、亡くなられた方の会社に至る工事の体制図であります。

 三菱化学が発注者で、三菱化学エンジニアリングがいわば元請として、その下に新興プランテックがあり、左側に行きますと、仕切り抜き工事を行った常鹿工業、房総工業、将工業と、実際に亡くなられた方が所属をする将工業の名前が出てくるのが五次目ということになってきております。

 ですから、今、大臣がお話しになりましたように、一次、二次のレベルでしか三菱化学は把握をしていない。三次、四次以下、それ以降については、三菱化学そのものが現場の実態を知らないということを示しているわけであります。三菱化学が作業現場の下請労働者の実態を把握していないということを露呈するのが、この資料ということになります。

 この三菱化学を含めた石油化学プラントの特にメンテナンスなどの工程におきましては、重層下請構造になっているということであります。

 以前から、石油化学コンビナートにおけるプラント設備の保全、補修の作業におきましては、重層下請構造のもとで下請労働者が事故の犠牲になってまいりました。十年以上前の九五年に、川崎の東燃における石油精製施設での事故におきましても、亡くなられた方が三名いらっしゃる、重軽傷が四十四名という大事故がございましたが、そのとき亡くなった三名の方も、六次の下請の事業者の労働者の方でありました。

 こういうように、重層下請構造になっている。あるプラントにおきましては十次まで下請がある、こういう構造になっているわけです。ですから、本来、こういった重層下請構造になっているような石油化学関係の製造業においては、それにふさわしい安全対策を講じることが求められているわけです。

 そこで、舛添大臣にお尋ねしますが、この〇三年の一連の事故も踏まえまして、二〇〇五年に労働安全衛生法が改正されました。特に石油化学関係の製造業にかかわって、どのような改正が行われたのかについて簡単にお示しいただきたいんです。

舛添国務大臣 今御指摘の点は、この平成十七年、二〇〇五年の労働安全衛生法の改正におきまして、製造業の元請、元方事業者に対して、関係請負人との連絡調整をまず義務づけました。

 これは、私も調べてみましたら、こういう例もあるんですね、委員。一人が電気の工事をしている。そうしたら、この関係がちゃんといっていないものですから、それに試運転のスイッチを入れたので、急に電気が流れて感電した。それから、親会社がフォークリフトを運転している。そうすると、子会社がその同じルートを向こう側から台車を持ってきた。それはぶつかっちゃいますね。これは、ちゃんと元請と下請が、こういう電気工事をしますよ、だから通電しないでください、このルートはフォークリフトが通りますから通らないでください、こういうことをやっていれば防げた例なんです。

 これはきちんとやってもらわないと困るということで、製造業につきましてこれを義務づけたところでありますので、今後とも、この労働安全衛生法を含め、法令をきちんと守る。そして、必要ならば必要な改正をして、労働者を守っていく、そういう姿勢を貫きたいと思います。

塩川委員 〇五年の労働安全衛生法の改正につきましては、今お話ししました三十条の二に係る連絡調整、連絡調整といっても、合図の統一とかそういう話であります。

 もう一点、化学設備のメンテナンスなどを行う作業の注文者は文書の交付をしなければいけない、これは三十一条の二の関係で出されているわけですが、この労働安全衛生法にかかって、この三菱化学の鹿島事業所の事故というのはどうだったのか。その点についてはいかがですか。

舛添国務大臣 この点につきましては、原子力安全・保安院を含め、経済産業省の方を中心として、事故の全容ということを今解明していると思いますので、そういう観点から、今申し上げたような法令違反があれば、これは厳格に対応していきたいと思います。

 ちょっと、また私のレベルで、本当にどこに原因があったのか、どういう理由であったのか、そして〇五年に改正した労働安全衛生法の法令に違反しているのか、こういうところに照らして、もしそういうことが明確になれば、きちんと処分をしたいと思います。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

塩川委員 今回、作業現場には五人の方がいらっしゃって、三菱化学の社員が立ち会って、将工業の方が三人、それから大和工業の方が一人ということで、クエンチオイルの漏えいの現場ですけれども、そのうち二人の方が亡くなっております。

 そうしますと、三ページ目の工事体制表を見ましても、三菱化学エンジニアリングの人もいなければ、新興プランテックの人もいないわけですよね。本来、三菱化学と一緒に工事安全指示書などをつくるような、そういう元請や一次の下請、こういったメンバーが入っていないというのが現場の実態でした。そういう点でも、私、この〇五年の法改正は極めて不十分だと。そういう点でも、先ほど大臣が、必要であれば法改正もという話がありましたように、まさにそこに踏み込むべきときではないかと思っております。

 ですから、こういう三菱化学のようなプラントにおけるメンテナンスなどの作業というのは、製造業においても重層下請構造ですから、重層下請構造というのであれば、建設業や造船業と同様のような必要な規制措置というのはとるべきだ。現に、法の三十条や三十一条ではそういう措置が行われているわけであります。

 建設業、造船業で、元請の下請労働者に対する安全対策、あるいは注文者としての安全対策にどういうものがあるのか、なぜそうなっているのかについて、あわせてお答えいただけますか。

舛添国務大臣 今は、この三菱化学の事故は、製造業というくくりの中にあります。しかし、今委員おっしゃったように、建設業それから造船業、これについては、重層下請を含め、規制をもっと厳しくしてございます。

 それは、例えば、先ほど私は、元請と下請の関係調整をちゃんとやらぬといかぬ、合図の統一もクレーンなんかやらぬといかぬということのみなんですけれども、建設業は、元請は請負人との協議組織を設置しないといけない、それから作業間の連絡調整、作業場所の巡視、それから安全衛生教育の指導などの措置、それから統括安全衛生責任者を選任する、こういう四項目ぐらい余分の項目が、建設業そして造船業については付してございます。

 これは、建設現場では下請の事業者が毎日日がわりのように変わっていく、それから作業内容も日々刻々変わっていく、しかも、先ほど下請が十層あったというような話がありましたけれども、何十層にもなっているようなこともあるというようなことで、こういう重い規定を置いているわけでございます。しかし、今委員が御指摘のように、では建設業、造船業以外の製造業は安全衛生について手抜きをしていいのか。私は、決してそうであってはいけないというふうに思います。

 ですから、建設業それから造船業は今言ったような理由から極めて重い規制を課しておりますけれども、今後、いろいろな有識者、それから私もできれば現場も視察した上で、ぜひ、労働者の命を守っていくんだ、働く人の権利を守っていくんだ、そういう観点に立って、製造業においても重層構造があり、同じような問題があるとすれば、労働災害の防止対策を徹底するという意味で、しかるべき法改正も含めて検討したいと思いますので、委員の御提案を貴重な提案として、今後の検討課題とさせていただきます。

塩川委員 その点で、今大臣がお示しされた建設業、造船業における元請の責務、義務規定については法の三十条の関係がありまして、法の三十一条の方で、注文者、いわば実際に自分の仕事をする、それで下請に指示も出すような、そういった事業者が下請労働者に対しても労働環境の安全を求めるという義務規定、下請労働者の労働災害防止のための措置義務というのもかけられているわけですから、そちらも含めた具体的な措置をとるための実効ある法制度の改正にも踏み込んでいただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。

舛添国務大臣 衛生法の十五条、そして三十条、三十一条を含めて、法の精神を体現した形で、これは必要ならば改正をする。

 しかし、やはり企業というのは、ただお金もうけをすればいいのではなくて、社会的責任をきちんと果たしてもらわないといけない。そして、そういう重層的な下請であっても、元請の労働者は守るけれども下請は守らない、こういうような意識でもって労働者を扱うような企業は許されないと私は思いますから、きちんと社会的責任を果たしていただきたい。法があろうがなかろうが、そういうきちんとした原則と指針でやることこそが尊敬される経営者の姿であると思っております。

塩川委員 まさにその点が問われてくるわけで、〇五年の法改正をさらに強化するという措置はぜひお願いしたいと思いますけれども、もともとアウトソーシングを拡大して重層下請構造を進めてきた製造大企業の製造現場において、今やはり大きな問題が起こってきております。私は、この三菱化学の鹿島事業所の火災事故を見たときに、そういう重大災害事故の背景には、率直に言って、利潤とコストを優先して安全軽視をする、そういうレールを政府が敷いてきたことが問われているんじゃないか。

 例えば、労働安全衛生の保安規制の緩和あるいは高圧ガス保安法における保安規制の緩和というのが、この間行われました。企業の現場で連続運転を可能にしたい。ですから、本来は一年に一回、開放検査という形で機械をばらして点検をしなくちゃいけないのを、二年に一回でいいですよ、四年に一回でいいですよと、この十数年間、ずっと改正を行ってきました。それは、ボイラーについての労働安全衛生法もそうだし、また、その他の高圧ガス保安法に基づく高圧ガス設備についても同様な措置が行われてまいりました。

 それに加えて、現場においては特区が行われて、その四年とかについてはもっと延ばしてもいいよということを求めるような申請も現実に行われているわけです。

 そういった中で、もともと事故があったプラントというのは最新鋭のプラントです。連続運転が可能なプラントですから、最新鋭のプラントを効率よく動かしたいという動機のもとに、まさに効率とコストともうけを優先する形で保安規制の緩和を要求してきたというのが実態なんじゃないのか、このことが問われると思います。

 それに加えて、企業におきましても、生産はフル操業の一方で人員削減を行ってまいりました。その点で、政府の対応が問われます。

 産業活力再生法におきまして、この間、二〇〇〇年と二〇〇五年の二回にわたって三菱化学に対する支援措置が行われてまいりました。三菱化学は、この間、エチレン生産量拡大、販売実績も大きく伸ばしてきております。一方で、職場の人減らしも加速をしております。大規模な人減らしで、業務のアウトソーシング化を図ってきたというのが実態であります。その三菱化学に対し支援策を講じてきたのが政府なのではないのか、そこはぜひ問われてくるときだと思います。

 そこで、甘利大臣にお尋ねしますのは、二〇〇〇年と二〇〇五年の二回にわたって事業再構築計画が、産業活力再生法に基づいて申請が行われました。そこで、二〇〇〇年の計画の提出時期の三菱化学の従業員数は何人で、二〇〇五年のときの計画時の従業員数が何人で、大きく減っているわけですけれども、その減っている内訳を示していただけますか。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、三菱化学は、二〇〇〇年と二〇〇五年の二回にわたって計画の認定を受けております。二〇〇〇年の段階におけます最初のときの従業員数、これが九千六百五十人でございます。それから、二〇〇五年、五年後でございますけれども、十月時点で、二回目の計画の申請を出したというときには四千八百七十四名でございます。

 この間、約四千七百数十名の職員の減少が起こっているわけでございますけれども、これにつきましては、基本的には、先ほどこの法律に基づいて集中と選択を進めるという中で、三菱グループの関係会社の中に出向をするというような格好で三千五百数十名、それから、定年退職あるいは一部早期退職も含めまして退職をされた方が二千二百名ほど、それから、別途、いろいろグループ会社を再編する中で新規の採用も行っておりますので、減少ばかりではございませんで、約千名の新規採用もしております。都合四千七百五十名ほどの減少になっております。

塩川委員 つまり、二〇〇〇年と二〇〇五年で、従業員数が九千六百五十人を四千八百七十四人と半減をさせているんですよ。その中には、出向という形で三千五百五十人、退職という形で二千二百人。ですから、二〇〇〇年時点にいた労働者の六割が職場を去っているんです。五年間でですよ。六割がいなくなる。これでは、職場においてまともな安全対策のノウハウの継承が行われるのか、こういうことが危惧されるのは当然のことじゃないでしょうか。

 大臣、その点いかがですか。こういったリストラを進める中で、こんな重大事故を招いたんじゃないのか、それに対して政府が支援をしてきたんじゃないのか、このことは問われると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

甘利国務大臣 国際競争が激化していく中で、日本の企業が雇用を守る、これは倒産してしまったら全部の雇用が失われるわけでありますから、そのためにも選択と集中ということを行っていって生産性を上げていかなきゃならない、これは宿命であります。そういった中で、三つの事業所を二つにして生産の集約を図ったわけであります。

 要は、何らかの理由でバルブがあいて高熱の冷却剤が流れ出したということが原因で、本当はそこにかぎをかけなきゃいけない、これは当然の手だてとして励行されていかなきゃいけない。それが見過ごされてしまったわけでありまして、そこを、工事安全指示書に基づくバルブの施錠確認ということがちゃんとできていなかった。

 これは、生産を集約化して効率を上げる、三つを二つにしたわけですから一つ分の人は要らないわけでありますが、そういう中できちんと、本来、数が多かろうと少なかろうと、安全指示書というのがあるわけでありますから、それをきちんと励行できていなかった。そこに問題があります。

 どうしてそういう事態が生じたのかを含めて、今、県とそれから保安院とで協力して調査をしているところであります。

塩川委員 六割もの労働者を減らす、そういう職場においてこういう事故が起こった。そういった企業に対して、こういう事業再編、リストラ支援という形で登録免許税の減税を幾ら行ったのか。合わせて二億九千九百万円、三億円もの減税を行っているんですよ。リストラ支援のための、リストラ応援のための減税ということになるんじゃないのか。

 そういう企業のリストラを後押しするような減税措置を行っているのでは、まともな安全対策はとれない。職場の労働者、ベテランが排除をされることによって、使い勝手のいい、安価な請負で肩がわりをさせる、それが安全確保のノウハウを失わせるものになった。労働者の人減らしをして、安全対策を後回しにして、企業の収益向上ばかりを応援する政治そのものの転換が必要だと強く求めて、質問を終わります。

遠藤(利)委員長代理 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。

 次に、辻元清美君。

辻元委員 社民党の辻元清美です。

 きょうは、先日起こりました米国軍人による少女暴行事件について質問をいたします。

 私は、またかという怒りが込み上げてきました。大臣を初め多くの議員の皆さんも、またか、いいかげんにしてくれという御発言、多々あったかと思います。

 去る二月の十日の午後十時ごろに沖縄県北谷町において、在沖海兵隊キャンプ・コートニー所属のタイロン・ルーサー・ハドナット二等軍曹が十四歳の女子中学生を暴行したとして、強姦容疑で緊急逮捕された。

 この事件は、強姦という女性の人権を踏みにじる非人道的で凶悪な犯罪であって、事実であるとすれば許されないと思います。私たち社民党は、十三日に、アメリカ大使館のドノバン首席公使に抗議をしました。そして、外務省にも申し入れを行いました。

 さて、米軍による事件、事故が絶えない。まず、現状どうなっているかを石破大臣にお伺いしたいと思います。この直近の五年間で、米軍や米軍関係者による事故等、どれぐらいあるのかを、全国とそれから沖縄に分けて報告をしてください。

地引政府参考人 お答えさせていただきます。

 防衛省が日米地位協定十八条に基づきます損害賠償事務を実施する上で承知しております在日米軍によります事件、事故の件数につきましては、平成十四年度から十八年度までの過去五年間で九千百九十三件、そのうち沖縄県におけます件数は五千百九十三件でございます。

 なお、全国九千百九十三件のうち約九割が交通事故でありまして、沖縄県におきましても、五千百九十三件のうち九割が交通事故の事案になっております。

辻元委員 今、御報告がありました。私も資料をいただきましたが、事故等、例えば二〇〇六年、おととしでは一千五百四十九件、うち沖縄は九百五十三件。その前年、二〇〇五年は千七百五十五件、沖縄はうち千十二件と、大半が沖縄です。

 そしてさらに、千件以上ということは、全国を見ましても月に百五十件の事故等が起こっている、そして沖縄県一県では月に八十五件という事故等が起こっているというのが現状なんです。

 そしてさらに、沖縄の現状を見てみますと、殺人、強盗、強姦、放火などのいわゆる凶悪犯は、直近の二〇〇六年では五件、二カ月に一件、殺人とか強盗とか放火の凶悪犯が起こっている。そして、例えば最近の二〇〇三年では十二件で、凶悪犯が毎月一件ずつ起こっている。これが今の現状なんです。

 ことしに入ってからも、先月の一月七日には、在沖米海兵隊普天間基地所属の隊員二名が無抵抗のタクシー運転手を殴って金銭を奪うという強盗致傷事件が起こっております。そして昨年は、嘉手納基地所属の隊員の家族が飲食店の女性従業員の顔面をビール瓶で殴り性的暴行を加えるという強姦致傷事件や、女性を殴りバッグを奪った強盗致傷容疑でパトリオット部隊の米陸軍二等兵が逮捕される事件など、本当に凶悪な犯罪は、減っているというか、九五年からの統計を見ますと九五年と同数、九五年というのは少女暴行事件があった折よりも、対策を打つ、対策を打つと言われてきましたけれども、減っていません。そして、交通事故等も入れますと、九五年より、防衛省、この地位協定十八条にかかわる数字はふえております。

 では、最初はやはり石破さんに聞きましょうかね。どうですか。九五年から再発防止と言われてきました、少女暴行事件があって。減っていないどころか、防衛省が把握している数字はふえていますよ。この現状は、結局、再発防止策がきいてこなかったということだと思いますよ。率直にお答えください。

石破国務大臣 委員御指摘のとおりだと思います。

 ですから、再発防止策を講じますとか、二度とこんなことが起こらないようにということで、それで終わっていた、いや、あるいはいろいろなことを講じたけれども減らなかったとするならば、その対策がまだ十分ではなかったのだということは私は率直に認めなければいけないことだと思います。

辻元委員 結局、沖縄では、再発防止策がきかへんやないか、そして基地がある限り犯罪や事故は繰り返されると。この数字を見ても、それが事実であると言わざるを得ないわけですね。よく基地と切り離して考えろというけれども、事実が示しているわけですよ、大臣。そうでしょう。

 それで、なぜ減らなかったか、再発防止策がきかなくなってきているのかということの一例をこれから議論していきたいと思います。それは、今回の事件の特徴と関係します。

 現在、沖縄を初め、今回の容疑者もそうなんです、米軍基地の外に居住する米兵がふえてきています。再発防止策ということで、夜間の外出の禁止を強化するとか、レッドカードみたいなものを持たせるとか、今回も言っていますよ。けれども、結局、目が届かない基地外の居住者がふえている、そして、この基地外の米兵の居住者の犯罪が激増していると言われているわけです。

 そこで、お伺いしたいと思いますけれども、今回事件が起こった北谷町ですね、町議会の皆さんが、防衛省や外務省に対し再三にわたり基地外に住む米兵数の調査や公表を求めてきた、何とかしてくれと。後でこの実態についてはゆっくり議論したいと思いますけれども、そういう要請を今まで受けてきた事実はありますか。いかがですか。

中山大臣政務官 ありがとうございます。

 北谷町議会から外務省に対しましては、近年では、二〇〇五年に九件、二〇〇六年に八件、二〇〇七年に十三件と、毎年多くの要請をいただいておりますが、このうち、二〇〇七年に受けた要請の中に、施設・区域外住宅実態公表要請が一件含まれていたと承知をいたしております。

 二月十日の在沖海兵隊員による未成年者に対する暴行被疑事件に関し、二月十三日に宮里町議会議長からお受けした要請の中でも、綱紀粛正、再発防止とともに、米軍人等の施設・区域外住宅の実態の公表についても要請を受けたと承知をいたしております。

辻元委員 その要請に対して政府はどのように対応しましたか。そして、政府は、この米兵の基地外居住者の人数や居住地を現在把握しておりますか。いかがですか。

中山大臣政務官 今御指摘の点に関しましては、真摯に役所の方もこたえております。

 そしてまた、米軍人等の基地外の居住者数、居住地域は把握をしているのかということで、施設・区域外に居住している米軍人等の人数等については、これまで十分に把握をしてきていなかった。今般の事件を受けてさまざまな方面から要請があったことを踏まえまして、今現在、米側には照会をいたしておりますところでございます。

辻元委員 真摯に対応とおっしゃいましたけれども、今まではアメリカに照会もしていなかったということですか。いかがですか。これ、地元の自治体からは本当に非常に大きな問題だと指摘されてきたはずなんですが、いかがですか。今まではしていなくて、今度初めてしたんですか。

中山大臣政務官 今までも、その都度いろいろな形で協議は設けておりますけれども、今回新たに、今委員が御指摘になられたように、今回の事件を受けまして、米側にしっかりと調査要請を改めてしているというところが事実でございます。

辻元委員 突き詰めれば、今までしていなかったということやと思いますよ。これ、何回も中山さんともこの間も議論しましたけれどもね。

 北谷町などは、この基地周辺の自治体は、住民の治安の問題もありますから、仕方がないので、自分たちで一軒一軒回って把握したり、努力をしておりました。それによりますと、今、北谷町という町は全部で世帯数が九千三百九戸なんです、今回事件の基地周辺の自治体で。そのうち、二〇〇六年十二月時点で米兵が基地外に住んでいる戸数は千三百戸なんですよ。ということは、七、八戸に一戸になってきているわけですね。

 それで、今度これ、県も重要視しまして調査したら、沖縄県じゅうで五千百七戸契約があったというような数字が出ております。沖縄の軍人軍属、沖縄にいる米兵の数は二万四千四百七十人なんです。そうすると、そのうちの五千百七戸で契約があるということは、四、五人に一人がもう基地の外に住んでいることになる。

 それで、結局、今回も基地の外に住んでいる兵士の事件なわけですね。外出禁止や、いろいろな教育やと言っても、言葉は悪いですけれども、ちょっと野放しみたいな状況と言わざるを得ないわけですよ。

 それで、結局、基地周辺の住民はこうおっしゃっています。基地の外に基地があるような状況になっている、そしてさらには、米兵住宅がふえて、一般住民が基地の中に住んでいるみたいだと。さらに、基地の整理縮小と言うが、基地の外に米兵住宅が増加して、基地が広がっているのと同じような状況になっていると受けとめています。これは当たり前だと思います。そしてさらには、こういう事件を起こせば、米軍はもはやよき隣人ではない、住民すべてに恐怖を与えると。隣近所に住んではるわけですから。そして、我々も日本国民として安全、安心に住む権利があると訴えています。

 今まで、自治体からは、政府に対しても、この現状、どんどんふえていっているじゃないか、これでいいのかという要請があったのに、何もしてこなかった。

 それで、この基地外の居住米兵についての外国人登録とかの義務などは免除されておりますけれども、これは、地位協定で言う九条二項が当てはまるということでよろしいんですか、外務大臣。

高村国務大臣 九条二項に当てはまる、こういうことです。

辻元委員 そうすると、この九条二項で米軍の兵士が外国人登録もせずに基地外に住めるということを現状では認めている、地位協定で。ということになれば、今米兵は三万三千五百人います。全員が基地の外に住んでも、今の地位協定では日本政府は認めるという解釈になりますね。外務大臣、いかがですか。

高村国務大臣 地位協定上はそのとおりでございます。

辻元委員 これでいいんですかね。地位協定の改定のことが容疑者の引き渡しの問題でもいろいろ指摘されますけれども、地位協定は一九六〇年にできたんです。私が生まれた年ですよ。大分年をとっているわけです。

 大臣、このことも含めて、地位協定のどこがどこがというのをびくびくせずに、地位協定も含めてやはりこれは考え直さないと、日米の良好な関係を保つためにも、地位協定も含めての議論をしようじゃないかということが必要だと思いますが、外務大臣、いかがですか。

高村国務大臣 どこに住むかということは、日本に住む権限がある人については、何人も日本国憲法で居住の自由というのがあるわけであります。

 そういう中で、米軍の綱紀のもとに、おまえは住んではいけないよ、そういうことを決めることは、それは非常に結構なことだ、してもらいたい、こういうふうに思いますけれども、日本国憲法のもとで、日本国に住むことが許されている人たちに、地位協定上あなたは基地の中にしか住んじゃいけないよ、そういうことを地位協定で決めるということはあり得ない話だ、こういうふうに思っております。

辻元委員 そのかわり、税金を払うんですよ、みんな。住民税を払ったりしているわけです、登録外国人も。米兵は払っておりません。

 地位協定によりますと、今九条二項の話をしましたけれども、二条一項(a)に「施設及び区域」というのがあります。地位協定では、米軍に提供する施設や区域は決められています。米兵が基地外に住む住居は、この二条一項(a)には当てはまらないですね。いかがですか。当てはまるんですか。

高村国務大臣 日本国が提供している施設・区域ではありませんから、当てはまりません。

辻元委員 ということは、当てはまらないということは、日本の主権があるということでよろしいですね。あらゆることが起こったときに、日本の主権が完全に、何ら制限することなく及ぶという理解でいいですか。

高村国務大臣 日本の主権はある。今委員がおっしゃった、あらゆることに何ら制限なくという意味がはっきりいたしませんが、それぞれ、施設・区域以外であっても、米軍人についてはこういうことだということが地位協定で定められているわけであります。地域によってどうだという話ではなくて、そういうことでございます。

辻元委員 それは、普通の外国人と同じように、米兵も日本に住む一人としてという御答弁だったと思います。ということは、日本の主権が及ぶということです。

 今回アメリカ側と、基地外に住む米兵がどんどん数がふえていっているわけですよ。そして、その米兵たちの犯罪がふえていっているわけです。今までのままでいいと思わないと思いますよ、だれでも。

 そうすると、この把握の実態の中身です。人数だけではなくて、居住地を把握するのか、自治体の長が居住地を把握できるのかどうか、この点はどのようにお考えですか。

 例えば、火災が起こったとします。そこにだれが住んでいるかわからないということで、自治体の長はどういうようにこれから自治体運営していいのかわからない。何軒かに一軒になってきているわけですよ。そうしたら、この居住地にはだれが住んでいるというところまで自治体の長が把握できるようにすべきだというように私は思いますが、外務大臣、いかがですか。ほかと一緒と言うならば、地位協定で除外されたり免除されているんじゃなくて、あらゆる日本にいる人たちと一緒なんだ、だから住めるんだとおっしゃるんなら、そこに住んでいる者も自治体の長が把握できるという理解になるんじゃないですか。

高村国務大臣 おっしゃっている趣旨が私にはよくわかりませんけれども、米軍人の地位というのは全く一般の人と同じだと言っているわけではありません。

 ただ、その人たちがどこに住むかということについては、日本国憲法、「国民は、」じゃなくて「何人も、」ということで保障しているわけでありますから、日本国民に与えられていることについて、地位協定という形でそれを制限するというのは非常に難しいだろう、こういうふうに思います。

 ただし、いろいろな実態を踏まえて、米軍側に、そういう事件、事故が起こらないように、その居住する人たちのことをこういうふうにしてくれ、そういうような、米軍の綱紀の問題としてしてもらうように我々が要請するということは十分あり得ることだと思っています。

辻元委員 いつも米軍の綱紀のもとにと答弁してきて、さっきの数字なんですよ。ですから、地位協定も含めて、日米合同委員会があるじゃないですか。そこで、基地外の居住についてのルールなり、それから報告の義務を課すのなら課すということを、石破大臣、今回協議されたらいかがですか、あらゆるチャンネルで。

石破国務大臣 地位協定につきましては、今外務大臣から答弁があったとおりだと思います。

 ただ、ここはいろいろな考え方があって、この第九条というものをどのように考えるかといえば、これは、出入国の際、一般の外国人が必要な外国人の登録などが免除されることを示したものであるということですから、これをどう考えるかということです。要は、何を協議するかという話なんですよ。地位協定のどの部分をどのように協議するかということについては、これはよく議論をする必要があるだろうと私は思っています。

 日本政府としては、運用の改善でいくんだというふうに言ってきました。しかしながら、なお実効が上がっていないとするならばというお話になるのでしょうけれども、だとするならば、地位協定のどの部分をどのように考えるかという議論をやっていかなければいけないのだと思います。つまり、地位協定の九条の二というものをどのように読むかということについても、私はちゃんとした議論が必要なのだろうというふうに考えております。

 ですから、それを改定することによって、本当に合衆国の立場、そして日本の立場というものはきちんと確保され、なおかつ、委員が御指摘のように、それが犯罪を減らすことにどのように資するかということをちゃんと議論しなければだめなのだと私は思います。

辻元委員 今私が申し上げたのは、九五年から犯罪は減っていない、事故等は減っていない、むしろふえているところもあるわけです。そして、さらに、基地の外に住む米兵の事件などが急増している。これに対して、今までと同じ態度でいいのか、把握だけでいいのかと言っているわけですよ。それに地位協定が絡んでいるから、地位協定も含めて、そして地位協定で委員会もあるわけですから、議論したらどうかと言っているわけですよ。

 そこまで踏み込まないと、米軍の綱紀粛正とか再発防止、結局、今までと現状一緒じゃなくて、ふえているわけですよ。外に出れば出るほどふえるわけですから。そこにどう手を打つのかと言っているわけです。今の御答弁だと、私、地位協定の改定、びくびくすることないと思います、そこの発言をしたらすぐびくびくと、それは運用でとなるけれども。

 もう一点質問したいんですが、この住宅を見ますと、例えば一カ月四十万程度の家賃だとか、物すごく豪華なところに米兵住宅ができているわけですね、豪華な住宅ができているわけです。結局、これは思いやり予算から出ているのかどうか、これも今焦点になってきています。

 今回、思いやり予算については、光熱水費二百五十億をどうするかで日米の協議がありました。日本側も、財政難の折で思いやり予算だけを聖域にできないということで、かなりいろいろな折衝をしたようです。結局、八億円削減ということで、ことしは現状据え置き、あと三年間という決着をしましたけれども。

 この米兵住宅がどんどんふえていっている。光熱水費、これは思いやり予算から出ているかどうか、政府は把握しているんでしょうか、いかがですか。

中山大臣政務官 御指摘の部分のお金に関しては一切払っておりませんし、基地外においての光熱水費、これに対しても一切払っておりません。

辻元委員 今確認をいたしました。それはしっかり点検をしてほしいと思うんです。

 というのは、地元の皆さんは、日本は米軍に対してたくさんお金を出している、そして結局、その結果、米兵は基地の外にもどんどん住むようになって、それに対して何ら制限がされていないように思う、そして犯罪も、基地の外に住む兵士の犯罪がふえている、これを断ち切ってほしいと言っているわけですから。

 今確認しました実態把握と、そして、居住地まできちんと自治体の長が知るような方向でアメリカ側と協議をする。外務大臣、じゃないと実効性がないと思います。いかがですか、外務大臣。先ほどからアメリカ側と話はしなきゃいけないとおっしゃっているわけです。中身の問題ですよ。通り一遍では困ります。

高村国務大臣 日米合同委員会でそういう、アメリカ側と話すということは、十分やっていこうと思います。どういう形でどういう要求をするかということについてはさらに検討が必要だ、こういうふうに思いますが、この基地の外にどれだけの、どういう人たちが住んでいるのかということについては、合同委員会等を通じていろいろな場で話していくということは必要なことだ、こういうふうに思っております。

 昭和六十一年当時は、逆に、貸し家組合の人たちからいろいろ要請があって、もっと外に住んでくれという要請もあって、そういうことを取り上げたという経緯もあるんです。

 ただ、状況が違ってきていますからね。状況が違ってきている中で、どういうことをどういうふうにするかということについて委員のおっしゃっていることも踏まえて検討していきたい、こう思っています。

辻元委員 最後に、石破大臣は十二日の会見で、通り一遍のことではもうだめだという御発言をされたと思うんです。ですから、米軍に申し入れるだけではなくて、具体的に踏み込んで対策を練っていただきたいと思います。それをしっかり国会に報告してください。引き続きまた安保委員会で質問していきたいと思います。

 以上です。終わります。

遠藤(利)委員長代理 これにて辻元君の質疑は終了いたしました。

 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 本日は、四十分というお時間をいただきましたので、自殺対策問題を中心に質問させていただきたいというふうに思っております。

 平成十八年六月の自殺対策基本法の成立と昨年六月の自殺総合対策大綱の策定によりまして、我が国の自殺対策、これはひとまず体制が整ったというふうに言えるわけでございます。

 しかし、我が国におきましては、依然として、自殺者数が年間に約三万人という状況が平成十年から続いておるわけです。これは一日に大体約九十名ぐらいの方が亡くなられているという現状で、時間に換算しますと、大体一時間当たり四人ぐらいの方が自殺で亡くなっていらっしゃるわけでございます。

 こういう状況でございますので、これが深刻な社会問題になっておりまして、なかなかこの対策が打てていないのではないかなというふうに感じております。今後も継続的な取り組みと、それから不断の見直し、体制整備が必要と考えられるわけでございます。

 自殺対策基本法では、内閣府に、官房長官を会長に、そして関係府省の大臣を委員とする自殺総合対策会議、これを置いております。関係行政機関相互の調整を行うことというふうにされておりますけれども、会議は、昨年の六月に自殺総合対策大綱、これをまとめる際に開催された会合、これが最後でございまして、まだそれ以降開いていないということです。これが各省間の調整、これで本当に十分だというふうにお考えなのか。

 また、内閣府では関係各省の事業の現状についてしっかりと把握されていらっしゃるのかどうか。

 また、この基本法が成立して約一年半がたったわけです。現時点で、この基本法が成立して今どうなのかというふうなその評価、この点についてお答えいただきたいと思います。

岸田国務大臣 政府の自殺対策につきましては、御指摘の自殺総合対策会議、これは閣僚会議でありますが、昨年六月以降、この自殺総合対策会議の事務局であります内閣府の自殺対策推進室におきまして、白書の作成を行い、そして平成二十年度の予算編成を行う中で、省庁間の調整ですとか、それから実施状況の把握に努めてきたところであります。

 そして、自殺対策の実施状況の評価あるいは施策の見直し、改善、こういったことを図り、総合的な対策を進めていくという観点から、自殺対策推進会議というのを今週二月十二日に立ち上げまして、第一回目の会合を開きました。この会議におきまして、十四名の民間有識者の方々に御参加をいただき、そして、関係省庁十省庁がこの会議に常時出席するという形で省庁間の連携を図っているところであります。

 そして、今日までの評価ということでありますが、政府の自殺対策、かつては、自殺というものは個人の問題として精神保健対策の中で実施されてきたという経緯がありました。しかし、今日、自殺対策基本法が制定され、大綱が設けられて、やはり自殺対策というものは社会全体で取り組まなければならないという認識のもとに総合的な対策を進めていくということで、具体策を急いでいるという状況であります。

 こうした大きな流れ、変化の中で政府としましても自殺対策に取り組んでいる、これが現状でございます。

糸川委員 今大臣が何度もおっしゃられた、各省庁間で連携をとっていらっしゃるということですけれども、私も今回この質問をするに当たっていろいろな省庁からいろいろな資料をいただきました。だけれども、本当にどれもこれもわかりにくいですね。正直、どこがどういう事業をやっているのかわからない。それはどこでやっているんですかと内閣府に問い合わせても、例えば厚労省でやっているのか、経産省でやっているのか、文科省でやっているのか、予算がどのくらいついているのかというのも、データを集めたりするのも非常にわかりにくいなというのを率直に感じたわけです。

 今大臣がおっしゃられた自殺総合対策大綱の概要、こういうのもありまして、これは当面の重点施策だけでも九項目、五十施策近くあるわけでございます。内容も、短期的に効果が望めるもの、それから基礎的な研究までやるというものまで多岐にわたっているわけですよね。それぞれ重要な施策ではあるわけですが、これらの施策の中でも、最も重点的に実施すべきと考える施策があるんじゃないかなというふうに思います。

 自殺総合対策会議では、これらの施策の優先順位について検討されていらっしゃるのか。また、岸田大臣が個人的にでもいいんですが、優先順位についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。また、これが平成二十年度予算案を作成する中で、財務大臣にこういうことは特に重要に考えていただきたいというふうに進言されるような、そういう反映をされたのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

岸田国務大臣 世界保健機関、WHOにおきましても、自殺というものは、予防は可能であるものの、その対策としましては、治療ですとか、あるいは自殺の危険因子に対する対応ですとか、あるいは情報の普及啓発など、本当にあらゆる活動がなされなければならないという認識を示しています。

 自殺対策というものは、本当に幅広くいろいろな要素を考えなければいけない、こうした対策だというふうに認識をしておりまして、御指摘の大綱におきます九項目、四十六の施策につきましても、これはさまざまな対策の中から選別をし、そして整理をした結果だというふうに認識をしております。

 これはどれも大切な対策だというふうに認識をしておりますが、その中で、平成二十年度の予算編成に当たりましては、予算面から、まずは具体的に講ずべき施策を整理したわけでありますし、また、個人的にこの優先順位についてどう考えるかという御質問でございましたが、この施策を見ておりますと、自殺の危険性の高い人に対する相談体制の整備充実ですとか自殺未遂者に対する支援といった、自殺防止に直ちに効果が出るような施策、こういった施策がこの中に含まれています。

 この中には、正しい知識の普及啓発など恒久的にやらなければいけない施策も含まれておりますので、こういった中身を見ておりますと、やはり、さきに申し上げました、危険性の高い方に対する施策、あるいは自殺未遂者に対する対策、こういったあたりがより緊急性の高い施策ではないかなというふうに認識をしております。

糸川委員 大臣、今その優先順位の部分でも私も同感でございまして、本当に危険性の高い方たちをどうやって救っていかれるのか。その方たちはサインをいろいろと出していらっしゃるということですから、それをどうやって酌んでそのサインにこたえてあげることができるか。

 これはちょっと名前を挙げるわけにはいかないんですが、平成十五年に亡くなられた方の遺書も私は実は持っていまして、私の地元が福井なものですから、東尋坊というところがありまして、この方はそこで飛び込み自殺をしようというときに助けられた方、そして自分の自宅へ帰ろうというときに、転々と他県の行政に助けを求めながら、お金を五百円とか四百円とか、電車賃をもらいながら転々とされていらっしゃったんですよ。

 その中で、例えば、きょうは役所が休みだから、交通費をいただけませんかと警備員の方にお話をすると、何だ、放浪者がそんな金が要るのかというような話になってしまったりとか、それから、済みませんが、雷雨なので要らない傘をいただけませんでしょうかというふうにお願いをしたところ、その方は夫婦でいらっしゃったんですが、何だ二本も要るのか、いいものを着ているのにということを言われたということを切々と書かれまして、そして、最後には、これは場所はちょっとあれですけれども、保健所か福祉の方に、死ぬならどうぞと言われて、そして絶望され、亡くなられました。

 亡くなられる前に、こういうことがないようにということで、その助けていただいた、私の地元の、これはボランティアをやっている方なんですが、その方にあててこの手紙を書いて出されました。私はその手紙をいただいたわけです。

 ですから、せっかくそういうサインを出していても、助けてもらえないということになると、例えば警備員であってもそういうところに目を向けていただきたい、そういう徹底した指導をしていただかないと、これは幾らこういう大綱をつくっても、なかなか対策という点では打てないんじゃないかなというふうに思いました。

 今、健康日本21というものが、平成十二年三月に厚生省で策定されたものですね。これは、自殺者数を二〇一〇年に二万二千人以下にするなどというものが、このときにはあるわけですよ。もうあと、今二〇〇八年でございますから、到底これに達することができるのかどうか、そういうことも今考えながら大臣にはいろいろ取り組んでいただきたいなというふうに思っております。

 この自殺対策の諸施策、これは関係府省庁が一義的に責任を持って実施されております。内閣府は総合調整を行う役になっておるわけでございます。こうした体制では、自殺対策全体の責任の所在が不明確になってしまって、総合的な対策を実施する上で弊害があるのではないかなというふうに思います。

 一つの省に権限を集中させるとか、あるいは、少なくとも自殺総合対策会議で大綱よりさらに詳細な計画、こういうものを作成する必要があるのではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

岸田国務大臣 今週立ち上げました自殺対策推進会議、先ほど御紹介させていただきましたように、民間の有識者の方々と関係十省庁の関係者がこの会議に出席するという形で議論を進めていくわけですが、その際に、民間有識者の方々にはぜひ現場に即した意見をしっかりお述べいただきまして、そうした実際に即した対策を考えていかなければいけないと思いますが、その際に、この会議では、ぜひタイムスケジュール等、工程管理等、しっかりとしたフォローアップをしていく、こういった形で今後の対策につきまして、横の連携も図り、そしてしっかりとした計画性を持って対応していく、こういったことに努めていかなければいけないと考えております。

糸川委員 大臣、この自殺対策の中で、もしかしたら有識者会議の中でも出ていたかもしれませんけれども、重要な柱の一つとしては、相談できる体制を充実させていくということが一つあると思います。これを長い間支えてこられたのは、いのちの電話、こういう民間の支援団体ではないかなというふうに思います。

 平成二十年度予算案というのを見ますと、いのちの電話に対しまして約八千万円を計上されております。そのほかの民間団体については、具体的な支援策がほとんどない状態でございます。

 豊富な経験を持って、これからもさまざまな活動を通じて自殺問題に対応していくんだ、こういうような民間団体に対して、直接的な補助であったり、あるいは事業の委託、また活動しやすいような環境整備、人材の育成、そして、まだほかにも国ができることはあるかなというふうにも思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

岸田国務大臣 自殺予防あるいは遺族支援に取り組んでおられます民間団体の皆様方の活動は、自殺対策基本法制定におきましても大きな役割を果たしていただいたと考えておりますし、今後とも、この対策を推進していく際に、こうした民間団体の皆さんの協力が不可欠であると認識をしております。

 内閣府におきましても、昨年七月に、民間団体との協働推進につきまして各都道府県あるいは政令指定都市に依頼をしたところでありますし、また、具体的な支援として、今、委員御紹介いただきましたいのちの電話に対する助成のほかに、民間団体の先駆的、試行的取り組みに対する支援、あるいは遺族支援等の取り組みを行う民間団体の立ち上げの支援、こういったことを行うこととしています。

 そして、自殺対策推進会議、先ほど来紹介させていただいておりますこの会議におきましても、民間有識者の中に民間団体から三名の方に御参加をいただいております。こうした団体の皆様方の意見も、しっかりと具体的な施策に反映していきたいと考えております。

糸川委員 大臣、実は、いのちの電話といいましても恐らく、財務大臣はわかりません、でも、例えば財務大臣、別に答弁いただく必要はないんですけれども、いのちの電話の電話番号を御存じですか。わからないですよね。これが現実なんですよ。

 結局、いのちの電話ということがあるというのはわかります。だけれども、多分、ここにいる議員の皆様方も、いのちの電話番号は何番ですかと聞かれてもわからないんですよ。そういう方たちが、最後、もう明け方ぐらいになって、そういう電話があったなと思って、電話をいざかけようとするときに、自殺される直前に電話をするときに、一〇四に電話をしますか。一〇四に電話をして、いのちの電話番号は何番ですかと聞くか。

 ということは、やはり皆さんが、例えば警察なら一一〇番、救急なら一一九番とか、消防なら一一九番、こういうものがわかるような電話番号にしていただかないと、ここに〇一二〇―七三八―五五六と書いてありますけれども、例えば五五六というのは、ここにココロと書いてありますから五五六だけとか、そういうことで助成金をつけていただく。

 また、ここに、これは私、今回初めて知ったんですけれども、毎月十日だけなんですよ、大臣、これがフリーダイヤルになるのは。ここに書いてある、毎月十日、八時から翌日八時の二十四時間が無料ですと。九月十日から毎月十日だけずっと、一カ月に一回ですよ。だから、そうじゃなくて、三百六十五日二十四時間、そういう体制がとれるように支援をしていただいて、例えば電話代だけでも助成をするとか、補助をしっかりとするとか、そういうことにしないと今度は、毎月十日とここにうたってあるのはちょっと残念だなと。

 先ほどお話ししたように、毎日約九十名の方が亡くなられるという現状で、いつそういう事態に陥るかわからないわけですから、ぜひお取り組みいただきたいなということと、民間団体が非常に多いですよね。それぞれの方たちが、皆さん相談の電話番号を持っていらっしゃるんですが、それだとどこに電話をしたらいいのかというのがわかりにくいので、ぜひそこも統一をしてお考えいただいたらありがたいなというふうに思うわけでございます。

 早急にそこは取り組んでいただきたいなと思うんですが、大臣、通告していませんが、もしそこを何か答弁できるようであれば答弁していただきたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘もしっかり踏まえて、民間団体の皆さんの活動の重要性にかんがみて、しっかりとした支援体制の充実を検討したいと思います。

糸川委員 ぜひ財務大臣も、ここは予算委員会ですから、そういう意味では、電話代だけでもつくように、しっかりと予算配分を考えていただきたいなというふうに思います。

 またちょっと話題がかわりますけれども、今、新しい形の自殺として、ネット自殺というのが大分多くなってきているんですよ。昨日、これは十四日の報道におきましても、警察庁の発表によりますと、いわゆるネット自殺、すなわち、インターネット上の自殺予告であったり自殺サイトを通じた自殺志願者、こういう方たちの共同自殺等について、警察によりこういう事案を把握し保護に至った例、これは七十二人に上るということが伝えられております。

 このような自殺予告というのは、多くの場合、自殺志願者が助けを求める最後の叫びとも思われるものでありまして、自殺防止のためにも、今後一層の対策強化、これが期待されるところでありますが、この点については、大臣、いかがでしょうか。

岸田国務大臣 インターネット上の自殺予告等は、危険な状態が起こりつつあるという大変重要なシグナルだというふうに認識をしております。これは早急かつ適切に対応しなければいけないと認識をしておるところですが、政府におきましては、インターネット上の自殺予告事案への対応に関するガイドラインというガイドラインに基づきまして、プロバイダー等の管理者から開示を受けた自殺予告事案に対する情報をもとに、自殺防止の措置を講じてきたということであります。

 さらに、平成二十年度におきましては、インターネット・ホットラインセンターの充実を図るなど、対応を強化することとしておりますし、また、内閣府におきましては、二十年度から調査研究という形で自殺サイト等の実態把握を行う、こういったことで、この問題の重要性にかんがみながら、さまざまなルートで、こうした情報をどのように取り扱うのか検討しているところでございます。

糸川委員 新しい形で、こうやってインターネットで自殺予告をするとか、いろいろなシグナルを出してくるようになっておりますので、ぜひ、これは渡海大臣にも言えることかもしれません、若年者にやはりインターネットでの自殺予告というのは多くなってきているようでございますので、しっかりと取り組んでいただきたいなと思います。

 それで、この中の、今の例の七十二人のうちの十五件が、自殺予告を警察が把握するのは、情報源としては教育委員会による通報であったということでございます。教育基本法の特別委員会ですとか教育再生特別委員会における議論においてもこれは議論されておりましたけれども、いじめ自殺等が社会問題化しているこの状況において、関係機関であったり、特に教育委員会が児童生徒の自殺防止に果たすべき役割、こういうものが重要ではないかなと思いますが、その重要性について、大臣、どのようにお考えでしょうか。

渡海国務大臣 先生御指摘のとおりでございまして、まずは、いじめの問題というのは、これは大変深刻なある意味社会問題だというふうにとらえております。毎年一度問題行動調査というのもやっておりまして、そういうことを工夫して、いろいろな状況把握に努める。特に、児童生徒は学校で過ごす時間が多いわけでありますから、教員が子供たちの変化に気づくという機会が非常に多いと考えております。

 同時に、その情報等を、やはり教育委員会、これは校長ももちろんでございますが、共有をする、また家族と共有をするということが大変大事だと考えておりまして、気づいたらできるだけ早急に対応するということが大事でありますし、また、その中において教育委員会が果たす役割というのも非常に大きいというふうに考えておりまして、日ごろからそういった連携について十分情報を共有するようにということを指導しているところでございます。

 同時に、例えばいろいろな意味でのカウンセラー等も設けておりまして、そういうところでいろいろな相談に乗ることも大事でありますし、また、これは今教育の現場で一番使っている言葉でありますけれども、先生が生徒に向き合う時間ですね、しっかりと子供を見ていれば変化に気づくはずだということで、そういったことの時間をできるだけとれるように学校現場において努力をするということ、それからまた、先生がそういうことをちゃんと気づくような、質の向上といいますか、そういうこともやらなければいけないと考えているところでございます。

糸川委員 岸田大臣に、今渡海大臣がおっしゃられたような、こういうような関係機関の連携について、では、現在、具体的に内閣府としてどういうふうな連携をとりながらやっていらっしゃるのか、今後の強化という面も含めてお答えいただきたいと思います。

岸田国務大臣 各都道府県そして政令指定都市に対しましては、今御指摘がありました教育委員会を初め、民間団体、ハローワーク、医療機関あるいは警察等々、こうした関係者によって構成される自殺対策連絡協議会という協議会を設置することをお願いしております。現在、全都道府県にこの協議会は設置をされています。政令指定都市の中であと二つまだ設置が済んでいない都市がありますが、これも今年度中には設置が終わるというふうに報告を受けています。

 こうした各都道府県あるいは政令指定都市にあります連絡協議会をぜひ活用して連携をとっていただくことを考えていかなければいけないと思っておりますし、政府としましても、こうした自殺対策連絡協議会に対しまして、情報の提供ですとかあるいは職員の派遣ですとか、こういった形で支援をしていかなければいけないと考えています。

糸川委員 今、大臣、今年度中というふうに言われましたので、今年度中ということは、三月までにということでよろしいんですよね。はい。

 今度は舛添大臣にお聞きしたいんですけれども、自殺願望がある方たちは、先ほどからお話ししていますけれども、いろいろなところに相談先を探しながら、どこに相談しようかなということも含めて探していらっしゃるんじゃないかなというふうに思います。相談先としては、民間による専門電話相談、こういうものもありますし、そのほかにも、自治体の精神保健福祉センターであったり保健所であったり、公的機関による精神保健相談というのもあるわけでございます。

 精神保健福祉センターや保健所でこのように自殺願望がある人に対する相談にきちんと対応していくためには、国民への周知をしっかりと行っていく、そういう体制の整備、これをしっかりと図っていくことが必要であるというふうに考えております。

 これは厚生労働省としてどのように取り組んでいらっしゃるのか、予算にどのように反映されているのかということも含めてお答えいただきたい、こういうふうに思います。

舛添国務大臣 やはり、各自治体の精神保健福祉センター、それから特に保健所、これは身近な存在であります。だから、例えばC型肝炎の問題にしても、検査を受けてください、保健所へ行ってください、こういうことをやっています。それぞれの自治体の、例えば市役所、こういうところにも張り紙をし、ホームページなんかにおいて連絡先もきちんとやるとともに、平成十九年度からは、今言った精神保健福祉センターとか保健所において相談業務に携わる相談員、これは、自殺願望者、未遂者に対してどういう形で対応すればいいか、やはり技能が必要ですから、その研修をきちんと行って資質の向上を図っておるところでありますし、来年度も同じような予算を組んでありますので、きちんとやりたい。

 それから、先ほど委員が指摘くださいましたように、民間のいのちの電話を含め、これに対する支援体制も予算計上しているところでございます。

糸川委員 大臣、今、いのちの電話についても予算計上されているとおっしゃられたわけですから、ぜひ、先ほど私、電話番号の統一という問題も含めて、皆さんがわかるような電話番号に統一して、そして、二十四時間三百六十五日フリーダイヤルでつながるように、ボランティアの数でいうと、七千五百名ぐらいの方が登録されているわけですよね。だから、全国統一して、どこかに振り分けていくというんでしょうか、そういうような形で対応できればありがたいなというふうに思いますので、どうかお願い申し上げたいと思います。

 自殺を図った後、重症で救急病院に搬送された人についての調査によれば、大体七五%の方が精神障害が見られて、そのうちの半数の方たちはうつ病であるというようなデータも出ておるわけです。自殺を防ぐためには、このような、自殺と関連が指摘されているうつ病等の精神疾患の早期発見、それから早期治療、こういうことをしっかりと図っていくということが重要であると思いますが、これは、厚生労働省、どうでしょうか。

舛添国務大臣 今委員がおっしゃったように、自殺を図った方の四分の三が何らかの精神障害を持っている。その中身を言うと、半分がうつ病だと。ところが、うつ病の方のたしか四人に三人は医療機関を受診していないんですね。こういうことが現状でありますので、うつ病の手当てということをきちんとやることが自殺予防につながると思いますから、そういう意味での正しい知識の啓発を行いたい。

 それから、何といっても、かかりつけのお医者さんが患者さんを診るときに、これはうつ病だ、こういう対応が必要だということをできないとだめですから、このかかりつけの方々に、専門の精神科医の先生方に研修をやってもらう、これも予算計上しております。

 それから、平成二十年度の診療報酬改定、これを今行うところでございますけれども、ここで、かかりつけのお医者さんがうつ病だと判断して、それを専門の精神科医に紹介した場合に、診療報酬上の評価をきちんと行うことをやりました。

 そういうことも含めて、厚生労働省としても、予算措置を含め、うつ病に対する的確な対応ということを今後とも努めてまいりたいと思います。

糸川委員 ぜひ、これは、早期発見、そして早期治療を。

 それで、この窓口になるのが保健所であったりということもあるんでしょうけれども、自殺相談窓口というのは、法務省、それから文部科学省、地方自治体、NPO、民間支援団体、こういうものにたくさんあるわけでございます。こういう、うつになっていると自覚される方はいいんですけれども、そうでない方たちというのは、自殺を考えていらっしゃる方たちというのは幾つかの悩みが複合的に重なっていらっしゃる場合が多いのかなというふうに思います。

 そうした場合、こういう方たちが、多様な相談窓口の存在というのが、先ほど民間団体が非常に多いですという話もしました。こういうことも含めて、逆にどこに相談したらいいのかなというふうに迷ってしまったりとか、あるいは相談者を、うちではなくて専門的には向こうですよとかいう話になって、たらい回しになってしまうということも考えられるのではないかなというふうに思います。

 そのためには、まず、責任ある総合的な窓口の設置であったりとか、それから、例えば私の福井県の東尋坊の例でもそうなんですが、自殺志願者の遭遇事例というのがあります。ここは八十五名の事例があるんですけれども、大阪の人であったり神奈川の人であったり滋賀の人であったり長崎の人であったり、本当に北海道から沖縄まで自殺をされに東尋坊へいらっしゃるんですが、そうすると、ここで幾らカウンセリングをしたとしても、福井県で最後までカウンセリングをすることは非常に難しいわけですね。

 例えば長崎県にお帰りになられた後、どういう窓口でしっかりとカウンセリングができるのかということも含めると、地方自治体との連携も含めて相談窓口をどういうふうにしていくかということも検討する必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

岸田国務大臣 相談窓口の重要性につきましては御指摘のとおりだと思います。相談窓口の存在、ありようをわかりやすくお知らせしていく、こういったことがまず大事だというふうに思っています。

 ただ、自殺の背景とか原因となるような悩みを抱えている方、この悩みをストレートに相談されるケースというのは少ないという現実もあるようです。ですから、自殺につながるようなシグナルとかサインというのはいろいろな形で潜んでいるというふうに思います。

 ですから、さまざまな相談窓口、金融ですとかあるいは家庭内の問題ですとか、職場ですとか、学校ですとか、健康ですとか、いろいろな相談窓口があると思いますが、それぞれの相談窓口がこうした自殺のサインに対して感度を高めてもらう、これがまず大事だと思いますし、そうした窓口がお互いに連携していくこと、これが大切かというふうに思っています。

 こうした連携を支えるということから、国におきましても、こうした具体的な例をしっかりと把握して、情報として流していく、こうした窓口の連携体制の構築ということに今努めているところであります。

糸川委員 大臣が今おっしゃるように、さまざまな窓口があっていいと思うんですね。例えば司法関係の方であったりとか金融関係の方で、専門的にアドバイスをいただけるようなところで窓口がしっかりとあるというのはいいんですが、なかなかそれがどこにあるのかというのがわからないということもありますから、先ほどからお話ししているような、まず電話をどこにしたらいいのかとか、そういうことをしっかりと統一していっていただきたいなというふうに思います。

 もう時間がなくなってまいりましたので、財務大臣にお伺いしたいんですけれども、今、きょうはこの四十分の間ずっと自殺の話をして、ちょっとどうだったかなというふうに思います。いのちの電話の予算、こういうものも含めて、今我が国では、平成十年に自殺者数というのが平成九年に比べて三割も急増して、以来、毎年三万人前後という高い水準で推移しているわけです。

 そういう中で、今、政府としてしっかりとした対応が求められているわけですね。内閣府の取りまとめによると、二十年度による自殺対策関係予算、これは二百二十五億円となっていますけれども、これは、例えば電車の転落防止さくの設置とか山の転落防止さくの設置とか、そういうことまで含んだ予算で、二百二十五億のうち、例えば、いのちの電話であれば八千万円ですよね。こういうところで本当に十分な対応なのかどうかということを財務大臣にお伺いしたいと思います。

額賀国務大臣 先生の話を聞いておりまして、まさに、生まれてきて、そしてみずからの人生の役割を十分に果たせないままに自殺をしていくということは痛ましいことであるということを、つくづくと考えておりました。

 岸田大臣がよく説明をしておりました。財務省も、おっしゃるように二百二十五億円を二十年度予算で計上させていただいておりますけれども、先ほど来お話があるように民間団体のボランティアとかあるいはまたネット自殺の予防とか、今おっしゃるように、本当に悩んでいる方々がどこに連絡すればストレートにスピーディーに心の病の相談ができるのか、そういうことについては十分考えていかなければならないなというふうに思っております。

 よく岸田大臣と相談をして、しっかりとした対応策をとらせていただきたいと思います。

糸川委員 ぜひ、大臣、まずその取っかかりとして、いのちの電話、政府の統一ダイヤルを早急につくっていただいて、先ほど財務大臣もいのちの電話番号がわからないということは、国民の皆様もわからないはずなので、いのちの電話が何番なのか、相談だけできるようにしていただきたいなというふうに思います。

 本当に、自衛官にいたしましても、一年間に大体七十八人の方、平成十八年だと百名を超えていらっしゃる。警察官も、昨年だけでも約六十名ぐらいですかの方が亡くなられているわけですね。こういうとうとい命が守れるのであるならば、しっかりと予算をつけて、どういう対策ができるか、早急に検討していただきたいと思います。

 以上です。終わります。

逢沢委員長 これにて糸川君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る十八日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二分散会


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