衆議院

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第10号 平成20年2月18日(月曜日)

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平成二十年二月十八日(月曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 逢沢 一郎君

   理事 遠藤 利明君 理事 田野瀬良太郎君

   理事 中山 成彬君 理事 増原 義剛君

   理事 森  英介君 理事 山本 幸三君

   理事 岡田 克也君 理事 前原 誠司君

   理事 富田 茂之君

      井上 喜一君    伊藤 公介君

      石原 宏高君    岩永 峯一君

      浮島 敏男君    臼井日出男君

      小野 次郎君    尾身 幸次君

      大塚  拓君    大野 功統君

      金子 一義君    河村 建夫君

      北村 茂男君    倉田 雅年君

      小池百合子君    小坂 憲次君

      佐藤 剛男君    斉藤斗志二君

      坂本 剛二君    菅原 一秀君

      杉浦 正健君    園田 博之君

      中馬 弘毅君    西銘恒三郎君

      野田  毅君    原田 憲治君

      深谷 隆司君    松本 洋平君

      三ッ矢憲生君    三原 朝彦君

      盛山 正仁君    安井潤一郎君

      若宮 健嗣君    笹木 竜三君

      武正 公一君    中川 正春君

      原口 一博君    細野 豪志君

      馬淵 澄夫君    松本 剛明君

      山井 和則君    笠  浩史君

      渡部 恒三君    赤松 正雄君

      江田 康幸君    赤嶺 政賢君

      笠井  亮君    阿部 知子君

      菅野 哲雄君    日森 文尋君

      下地 幹郎君

    …………………………………

   総務大臣         増田 寛也君

   法務大臣         鳩山 邦夫君

   外務大臣         高村 正彦君

   財務大臣         額賀福志郎君

   文部科学大臣       渡海紀三朗君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         鴨下 一郎君

   防衛大臣         石破  茂君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     町村 信孝君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 泉  信也君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (国民生活担当)

   (消費者行政推進担当)  岸田 文雄君

   国務大臣

   (行政改革担当)     渡辺 喜美君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   内閣府副大臣       木村  勉君

   内閣府副大臣       中川 義雄君

   法務副大臣        河井 克行君

   外務副大臣        小野寺五典君

   財務副大臣        森山  裕君

   厚生労働副大臣      西川 京子君

   国土交通副大臣      平井たくや君

   国土交通副大臣      松島みどり君

   環境副大臣        桜井 郁三君

   法務大臣政務官      古川 禎久君

   外務大臣政務官      小池 正勝君

   文部科学大臣政務官    保坂  武君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   経済産業大臣政務官    荻原 健司君

   国土交通大臣政務官    谷  公一君

   国土交通大臣政務官    山本 順三君

   防衛大臣政務官      寺田  稔君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   原田 正司君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  清水  治君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    米田  壯君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    末井 誠史君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    西宮 伸一君

   政府参考人

   (外務省国際法局長)   小松 一郎君

   政府参考人

   (財務省主計局長)    杉本 和行君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          金森 越哉君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            太田 俊明君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  水田 邦雄君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 望月 晴文君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 宿利 正史君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  鈴木 久泰君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  地引 良幸君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十八日

 辞任         補欠選任

  臼井日出男君     松本 洋平君

  大島 理森君     大塚  拓君

  佐藤 剛男君     石原 宏高君

  斉藤斗志二君     若宮 健嗣君

  坂本 剛二君     原田 憲治君

  長勢 甚遠君     安井潤一郎君

  武正 公一君     伴野  豊君

  笠井  亮君     赤嶺 政賢君

  阿部 知子君     日森 文尋君

  糸川 正晃君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  石原 宏高君     佐藤 剛男君

  大塚  拓君     北村 茂男君

  原田 憲治君     坂本 剛二君

  松本 洋平君     小野 次郎君

  安井潤一郎君     盛山 正仁君

  若宮 健嗣君     斉藤斗志二君

  伴野  豊君     武正 公一君

  赤嶺 政賢君     笠井  亮君

  日森 文尋君     菅野 哲雄君

  下地 幹郎君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  小野 次郎君     臼井日出男君

  北村 茂男君     大島 理森君

  盛山 正仁君     浮島 敏男君

  菅野 哲雄君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  浮島 敏男君     長勢 甚遠君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十年度一般会計予算

 平成二十年度特別会計予算

 平成二十年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

逢沢委員長 これより会議を開きます。

 平成二十年度一般会計予算、平成二十年度特別会計予算、平成二十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官原田正司君、内閣府沖縄振興局長清水治君、警察庁刑事局長米田壯君、警察庁交通局長末井誠史君、総務省郵政行政局長橋口典央君、外務省北米局長西宮伸一君、外務省国際法局長小松一郎君、財務省主計局長杉本和行君、文部科学省初等中等教育局長金森越哉君、厚生労働省職業安定局長太田俊明君、厚生労働省保険局長水田邦雄君、資源エネルギー庁長官望月晴文君、国土交通省大臣官房長宿利正史君、国土交通省道路局長宮田年耕君、国土交通省航空局長鈴木久泰君、防衛省地方協力局長地引良幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

逢沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西銘恒三郎君。

西銘委員 自由民主党の西銘恒三郎でございます。

 一九九五年の少女暴行事件から十三年、またも女子中学生暴行事件が起きてしまいました。

 外務大臣に伺います。

 凶悪犯罪を厳然と防ぐためのより強力な再発防止策はいかなる方法が考えられますか。法務大臣や弁護士と、大臣御自身の人生経験すべてを出し尽くして考えてください。

 例えば、外務大臣、防衛大臣が呼びかけて、年に一回、在日米軍のトップや全国の米軍基地の主要な基地司令官、さらには自衛隊の幹部も集めてトップ会談を開き、日米同盟の基盤とも言える地域住民とのかかわりについて意見交換をするなり、犯罪防止に努めてみてはいかがですか。ありとあらゆる方策を検討していただきたいと思います。

 外務大臣の御所見を伺います。

高村国務大臣 これまでも綱紀粛正、再発防止のためのさまざまな取り組みが行われてきたにもかかわらず今回の事件が発生したことは、極めて遺憾であります。このため、在日米軍は、再発防止策を検討するためのタスクフォースを設置し、また、政府としても再発防止策を再点検しているところでございます。これに当たりましては、再発防止策が真に実効的かつ包括的なものとなるようにする考えでありまして、また、米側が行う再発防止策が適切なものとなるように、日米間で緊密に協議を行っていく考えでございます。

 今いただいた提案は、このような検討の中で大いに参考とさせていただきたいと考えておりますし、今委員がおっしゃったように、ありとあらゆる面から再発防止策を考えていきたいと思います。

西銘委員 これまでの教育プログラムというのは、効果がないのではないかと私は考えております。それよりもむしろ、パトロールを強化するとか、例えはちょっと違いますけれども、飲酒運転の防止に罰則強化がてきめん効果があらわれたように、何らかの形で罰則を強化するなり、それだけのありとあらゆる方策を、外務大臣、ぜひとも考えていただきたいのですが、いかがですか。

高村国務大臣 パトロール強化ということは、具体的にどういうふうに強化するかということも含めて大いに検討していきたいと考えております。

 罰則強化の点でありますが、これは、日本国の刑法というよりも、米軍の中のいろいろな綱紀の点での罰則強化という意味かと存じますが、そういうことについても、これは本来米側がやるべきことでありますが、日本側も大いに関心を持って米側と緊密に協議していきたい、こう思っております。

西銘委員 今回の事件では、沖縄県警が容疑者を素早く逮捕したことを評価します。もし、容疑者が米軍基地内に逃げ込み身柄の拘束がおくれていた場合、県民感情に最悪の影響を及ぼすと考えます。

 昨今、憲法改正が議論される時代であります。日米地位協定が不磨の大典であるはずがないと考えております。

 そこで伺いますが、地位協定十七条五項の(c)は起訴前の米兵の身柄拘束を規定しておりますが、私自身は、この(c)項を削除することも含めて検討すべきではないかと考えております。

 と申しますのは、一九九五年十月二十五日の日米合同委員会合意によって運用改善がなされております。日米相互に援助することによって、起訴前であっても、米軍の代表を認めて日本側に身柄を引き渡すような運用改善が合意されております。この運用改善は、十七条五項は、(a)項、(b)項、(c)項、三つから成っておりますけれども、この(a)の規定で、日米双方相互に援助して協力するという規定が出ております。そうしますと、この(a)項を運用することによって、(c)項が削除されても九五年の合意事項は運用できるのではないか、つまり、より進化した日米同盟を構築するためにも、地位協定を時代に合わせて検討すべきではないかと考えております。

 検討すべきとすると、身柄の拘束、十七条の関係、あるいは、時代が環境の時代になってきておりますから、環境の項目で追加する等々、いろいろな点が考えられるかと思いますが、外務大臣の御所見をお伺いします。

高村国務大臣 地位協定が不磨の大典であるなどとは考えておりません。必要であれば、地位協定であろうと、法律であろうと、憲法であろうと、改正することは当然である、こういうふうに思っております。

 日米地位協定第十七条五項の(c)は、米軍人等の身柄が米側の手中にある場合、日本側が起訴するときまで米側が引き続き拘禁する旨を定めたものでありますが、この点については、NATO地位協定などと同様の規定となっているわけであります。このため、このような規定を前提として運用の改善を図っていくことが現実的であり、一九九五年の日米合同委員会合意によって、凶悪な犯罪について起訴前の拘禁の移転を可能とする道を開いたものであります。

 政府としては、引き続き運用の改善によって対処していきたいと考えております。

 十七条五項(c)は、国際約束たる規定であるわけでありますが、これを削除すると、同じく国際約束たる十七条五項(a)の規定に従い、裁判権が日本にあるものについてはすべからく全部日本に引き渡す、こういうことになりますので、米側にとってはNATO諸国との関係とかあるいは韓国との関係でとても受け入れられるものではない、こういうふうに考えております。

西銘委員 地位協定のもとにある日米合同委員会の合意事項、運用の改善で、実際に私は、この(c)項は死文化していると考えておるのであります。ですから、(a)項をよくよく読むと、日米相互に援助し協力するべきだという趣旨にとりますと、(a)項をもとにしてこれまでの合同委員会の合意事項が運用できるのではないかと、私自身はそう読み込めると思っているわけであります。対外的な関係もありましょうが、外務省としてはぜひとも検討をしていただきたいと要望しておきたいと思います。

 次に、道路特定財源と景気の動向についてお伺いいたします。

 ことしは米国の株価下落からスタートいたしました。我が国の景気も要注意と認識をいたします。個人消費と住宅建設、原油高騰と物価高、米国の景気減速と世界経済、株価の下落と産油国ファンドの動向等々、不安要因がたくさんあります。

 こういう状況の中で、一リットル二十五円のガソリンの値下げは、これはだれでも安い方がいいと言うに決まっております。私も地元で、二兆六千億円の歳入不足になるがいいのかと幾ら説明しても、金額が大き過ぎてぴんとこないようであります。

 そこで、いろいろな事例、極端な例でわかりやすく説明する方法はないか、みんなに問いかけて戻ってきた答えが幾つかありますので、これを紹介してみたいと思います。

 離島の島々では、二十五円ガソリンが安くなると、道路工事が減少して、ひょっとすると父ちゃんの給料や父ちゃんの会社までなくなるかもしれないという説明。あるいは、少々極端ですけれども、消費税の五%をゼロにすると十兆円余りの歳入不足になるけれども、二十五円のガソリン値下げをすると二兆六千億円不足する、消費税をゼロにするという話と似たような話ではないのかというような説明をすると、ううんと考え込んでしまう事例があります。

 財務大臣、感想を含めて、もっともっと庶民にわかりやすい二十五円値下げの方法はないか、お伺いします。

額賀国務大臣 西銘先生が選挙区で大変御説明に苦労し、あるいはまた地元の皆さん方のお声を聞かれていることの政治姿勢については、まことに誠意ある態度で、敬意を表したいと思います。

 おっしゃるように、一リットル二十五円安くするということは、それはだれもが安い方がいいというふうに思うでしょう。しかし、安くなることがどういう意味を持っているのか、あるいは税率を維持していくことがどういう意味を持っているのか、そういうことを考えるのが政治であると思います。単に、安くなって、その日あるいはその場がよくなっているだけでは政治ではない、やはり現状を維持することによって、それぞれの地域あるいは日本をどうしていくのかという構想があって初めて政治であるというふうに思います。

 だから、十カ年の道路計画をつくって、それぞれの地域の不便さとかあるいはまた危険だとか、そういうことを解消すると同時に、日本国あるいは地域の広域的な発展とか、そういうことを考えていく。そういう基盤となる道路、そういうものをつくっていく。そういうことをそれぞれの地域の皆さん方に説明し、そして御納得がいただけるように我々が努力をしていかなければならない。いつの時代でも、耳ざわりのいいことだけが将来のためになることではない。やはり困難なことというのは、いずれ、十年たって二十年たってから、あのときの政治判断はよかったのではないかということが問われるというふうに思います。

 与党というのはいつも政治に責任を持っておりますから、私は、そういうことをあえてきっちりと言う政治家が、本当の政治に対する責任、時代に対する責任を果たすことができるんだというふうに思っております。その意味では、西銘先生が選挙区でつらいことを言っていることが信頼関係を形成していくことになるんだろうというふうに私は思っております。お互いに頑張りましょう。

西銘委員 昨今の世界経済の状況で、我が国の財政に二兆六千億円の歳入不足が生じるというメッセージを国の内外に発信すると我が国の景気動向にどのような影響が出るのか、世界経済への波及も含めて、経済財政担当大臣に伺います。

大田国務大臣 仮に、歳入が当初予定より減少し歳出が変わらなければ、これは財政健全化に向けた取り組みにおくれが生じます。このことは、市場の信認が失われるということにつながりますので、長期金利の上昇などを通じまして経済成長に悪影響が及ぶというリスクが生じます。世界経済の連動性が高まっておりますので、このことは、当然、他の国の経済成長にも影響が及びます。こういうことがないように経済財政運営を行っていくことが必要だと考えます。

西銘委員 二・六兆円の歳入不足は、北海道から沖縄県まで全国千八百七十余の市町村すべての地域で道路工事が減少するという現象や歳入不足が生じるということを想像しますと、これは全国各地域で革命的な大混乱になるのではないかと恐ろしくなります。これだけの社会実験をする必要は全くないものと考えます。地域経済への影響について御説明をいただきたいと思います。

増田国務大臣 まず、こういった四十七都道府県の県あるいは市町村への財政に致命的な影響が出てくるというのは再三御説明していますが、九千億の直接的な減収、そのほか、臨時交付金で七千億、それから、国から地方に、補助金総額で五千五百億、国に一たん入ったものが回っているわけですが、沖縄県の場合には特に、こうした補助金、かさ上げの特例がございますので、こうした県あるいは市町村に行くお金がかなり減ってくる。特に経済構造として、こうした沖縄、失業率も大変高い地域でございますので、行政の方でそうした点を支えている部分が大きいわけでございますが、そうしたところに大きな影響が出てくるのではないかというふうに考えております。

 具体的に経済効果がどうかということは、私ども総務省の方で試算する材料は持ち合わせてございませんけれども、やはり失業率でございますとか、それから、そういったことを通じて、今、地域振興策を懸命に県の方あるいは各市町村の方でも考えておられるということを、私もよく市町村長さん方あるいは知事さんからもお聞きをしてございますが、そうした政策の実施が大変困難になるということでございますので、これから、来年度あるいは再来年度にそうした影響が出てくることを大変懸念しておるところでございます。

西銘委員 次に、新エネルギーの一つであります自動車燃料用のバイオエタノールについてお伺いをいたします。

 沖縄県の宮古島は人口五万五千人、サトウキビを基幹産業とし、その副産物の糖みつを原料にしてバイオエタノールを生産しております。島全体で約三万五千台の車にE3ガソリンを供給する、いわゆる地産地消型のエコアイランドを目指しております。

 そこで、環境大臣に伺いますが、平成二十年度予算でこれまでの実証試験の段階から飛躍すべきだと考えますが、今後の取り組みについて御説明をいただきたいと思います。

鴨下国務大臣 先生おっしゃるように、宮古島のバイオエタノール・アイランド構想は、私どもにとりましても野心的な取り組みだ、こういうふうに考えております。

 その中で環境省の役割は、今お話しになりました糖みつを原料としましたバイオエタノールの製造技術開発を実施することでありまして、平成十九年度、平成二十年度の二カ年におきましては、当面の必要量に対応できるエタノールの製造施設を整備し、その後、関係者と協力しながら、全島E3化に向けたさらなる事業拡大について取り組んでいく、こういうような方向でございます。

 バイオエタノールの利用をさらに進めるために、E10にかかわる技術開発や普及に向けた取り組みを関係者の理解を得ながら積極的に進める、こういうような方向で、これからも最善の努力をしたいと思っております。

西銘委員 宮古島では、サトウキビの副産物から出てくるエタノールの原料になる糖みつが、年間で約七千トン出てきます。そのうちの三千トンを使うことによって宮古島全体の走行車両のE3ガソリン供給、エタノールを年間七百五十キロリットル生産できる、つまり島で出てくるものですべてを賄うことができる、この七千トンのすべてを使うとするとE10まで供給可能だ、地産地消型のエコアイランド構想が実現するという説明がございました。

 宮古島のバイオエタノール・アイランド構想が事実上断念という報道が出ました。去る二月の十四日に小泉元総理と現地を視察してまいりましたが、着実に進んでいるという印象を受けております。全島E3供給に向けた課題が何であるのか、また、その課題をどのように解決していくのか、経済産業大臣に御所見をお伺いしたいと思います。

甘利国務大臣 構想断念というのは、これは誤報でございます。

 お話しのとおり、今、このE3ガソリン、これを製造から供給までの実証を行うバイオエタノール・アイランド構想が進んでいるわけであります。恐らく、断念と書いたのは、当初十九カ所のガソリンスタンドで実証を開始する予定であったのが、スタート時点は四カ所になったということをもってそういう報道をしたのかなと思います。

 これは次第にふやしていきます。というのは何かといいますと、エタノールは、混入する際に水が入ってしまうと事実上別物質になってしまって機能が発揮できないし、問題がいろいろ起きます。ですから、使用に近い……(発言する者あり)ちょっと黙って。今答弁中だから。使用に近いところで混入するというのが一番いいんです。

 そこで、つまりスタンドで混入する場合、法律で品質をちゃんと確保するという法律ができていないので、この法律をちゃんとつくって、供給者がその責任を持つ、そういう体制をとることが大事で、そういう体制がとれるということを前提に、元売は協力をしていくということになると思います。

 つまり、自分の旗のもとで売るにはそれなりの責任を持たなきゃならない、そのためにはちゃんと品質を確保するという仕組みがなければだめだということでありまして、この仕組みを整備するための法案を今国会に提出するということになります。

西銘委員 石油連盟はETBE方式を決定しておりますが、宮古島では直接混入のE3方式を進めている。実際にE3を供給するにしても、石連の協力がなければ進まないと私は思います。このETBE方式とE3方式、両方協力して推進できるような方法は何かないのか、その辺はどう考えていますか、伺います。

甘利国務大臣 両方とも進めておりまして、両方とも協力してできる体制になりつつあると思います。

 先ほど申し上げましたように、品確法、つまり供給する者が品質に責任を持つという体制がとれれば、石油業界も自分のところでも取り扱う協力はしていくということになるはずでありますから、そうしますと、ETBE、E3とも共存できる体制がとれるんではないかと思っております。

西銘委員 私は、石油連盟の方にもお話ししたことがあるんですけれども、国内でバイオエタノールを全力を挙げて生産したにしても、E3に供給するには足りないだろう、ですから、石連の皆さんが、原油を輸入するのと同じように、三%分だけでもエタノールを、生産した分と輸入した分、皆さんが輸入して皆さんがまぜて供給すれば簡単なことじゃないか、そういう話をしたこともあります。

 今の時点で石油連盟がETBE方式を結論づけておりますから、石連は直接混入の方式をとることはないのかなと思いますけれども、世界の流れを見ますと、直接混入でも十分いけるというふうに見えます。そういう意味では、石連の方もETBE方式とE3直接混入方式を同時に考えていく方がより時代に合った考え方ではないかと考えますが、大臣、どう考えますか。

甘利国務大臣 それぞれ、利点と克服すべき課題というのがあるんですね。E3方式、これは、比率が上がってきますと、技術的な問題、例えば、エンジンのゴムとか金属部分の腐食が進むのではないか、あるいはアルコール濃度が高くなってくると、光化学スモッグの原因になる。ブラジルのような大きい国土でこの問題について余り深刻に議論がされていないというところがありますけれども、排気ガスが滞留する地域においては、かつて訴訟まで出たわけであります。ですから、その辺の濃度をどうするか。

 それから、水が混入する、あるいは非課税のものと課税のものを混入するわけでありますから、そこで税の捕捉がどうできるか等々、あるいはETBEであればタンクから漏れることの管理をきちっとしていく。これは毒性検査をしておりますが、それはまずないであろう。しかし、ある種の管理をしていかなきゃならないというものである対象になると思いますから、そこは漏えいをしっかりするとか。あるいは、地産地消ではE3の方が有利だ。つまり、精製所で混入をしなきゃならないということ。ですから、そばに精製所がなければ使えないということです。

 それぞれメリット、それから克服すべき課題というのがあると思いますから、両方で利点をうまく活用できるような方法があるのではないかというふうに思っておりますし、石油業界も目標に向かって全力を投じてそれを達成するという体制は宣言をされていますから、我々も目標とする数値の確保については全力を上げていきたいと思っております。

西銘委員 二〇一〇年までに五十万キロリットルを目標に達成するという閣議決定がなされております。全力を上げて達成してほしいと思います。

 技術的な質問を一ついたしますけれども、ETBEの方式に、E3ガソリンあるいはE5、世界の流れを見ますと、将来、E10からE20ぐらいまでは行くのかなというふうに予想もされます。

 そこで伺いますが、ETBE方式の混合ガソリンに、さらにE3、E5等を直接まぜ合わすということが技術的に可能なのかどうか、お伺いします。

望月政府参考人 お答えいたします。

 先ほど来御議論になっております、揮発油等の品質の確保に関する法律によって、それぞれのガソリンについての規制がございます。その規制をそれぞれ守ったもの同士をまぜ合わせるのであれば、そのでき上がったものについても、当然問題なく使えるものができるということでございますので、ETBE混合ガソリンと、例えば、現在でいえばE3のガソリンとをまぜるということは、可能でございます。

西銘委員 そうしますと、これは将来、E10になっても、その方式で対応ができると考えてよろしいのでしょうか。

望月政府参考人 その時点の供給体制がどうなっているかということでございますけれども、化学的には問題はないと思います。

 例えば、それぞれ違う漏えい防止装置だとかそういう装置を導入せざるを得ないわけですから、その流通体系が二つ同時に行われて、それで、そこを混合したものについて、経済的に合うかどうかという検証は同時にせざるを得ないと思いますが、化学的には可能でございます。

西銘委員 どうぞ全力で、直接混入方式も含めて、推進していただきたいと思います。

 ありがとうございました。終わります。

逢沢委員長 これにて西銘君の質疑は終了いたしました。

 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、道路特定財源について御質問をさせていただきます。

 まず、私の地元の熊本県におきましては、交通手段に占める自動車利用の割合が約九七%と、全国で七二%、三大都市圏で五七%に比べて非常に高くなっておりまして、生活の多くを自動車に頼っておりまして、道路の整備、管理というのは非常に重要な課題でございます。特に、都市部では、渋滞解消、九州新幹線の全線開通に向けての鉄道高架化や駅前周辺の整備、地方部では、通学路や救急医療のための道路整備などについて、その推進が大変必要となっております。また、企業誘致、さらにはそこから生まれる雇用、これを拡大する観点からも道路整備というのは大変に重要な課題でございます。

 そのような中、熊本県におきましては、昨今の暫定税率をめぐる議論に関して強い危機感を持っておりまして、先般より、暫定税率維持による道路特定財源の確保を訴える意見広告を新聞の各紙に出したところでございます。

 その内容としましては、熊本県の税収がこの暫定税率の廃止によって約百億円減少する、そして、これに伴って、国の補助金も五割、約百億円ですが、これが減少する、さらに、国の補助金とセットになる起債、借入金も約七割減少してくる、このようなことで、起債の返済及び最低限必要な維持管理を行うだけでも、ほかの予算から六十億円の補てんをしていくことが必要となってくるということでございます。また、仮に道路関係事業をすべてやめたとしても、借金の返済だけでほかの予算から五十億円の補てんが必要、こういうふうに割り出しておりまして、そうなってくれば、福祉また教育という予算を削らざるを得ない、こういうような状況になっておるわけでございます。

 これらについては全国でも共通のところであるということを伺っておりますけれども、さて、この暫定税率につきましては、暫定といいながらも、これは約三十四年もの長きにわたり続けてきたという批判もございます。このような各地域の道路をめぐる現状をかんがみれば、しかし、引き続き暫定税率を継続するその意義というのは、私は十分にやはりあると考えるべきであろうかと思います。

 もしこの暫定税率を廃止した場合には、各地域において、先ほど言いましたように税収は半減でございます。新しい道路の整備はもちろんできません。今ある道路、橋の補修も滞って、さらには県や市町村の財政に、ひいては福祉や教育などほかの施策にも大きな影響が出る、このことが大変地元では懸念されている。これらのことから、確かに暫定税率は、三十四年にもなりますけれども、やはり引き続きこれを維持するということが必要ではないかと私は考えるものでございます。

 しかしながら、他方で、納税者としての立場から見れば、暫定税率を負担するからには、支払った税金の使われ方が適正なものかどうか、そこが大変重要になってくると思われるわけでございまして、現に道路特定財源の使われ方がこの予算委員会でも議論になっております。先般、道路特定財源がレクリエーション費や公務員宿舎の建設費に使われていた問題、これが指摘されたわけでございます。これは直ちに取りやめるということになったと思いますけれども、こういうことがあると、国民のこの暫定税率負担の理解は大変得られにくい、そのように思うわけです。

 公明党が平成十一年に連立政権に参加して以来、徹底した行政改革が行われる中で、道路予算についても削減が行われてきたところだと思います。その結果、道路予算につきましては、ピーク時は平成十年度の十五・三兆円、そこから平成十九年度には八・一兆円と、既に半分になっているところでございます。今回の道路特定財源の見直しにおいても、国民から理解や信頼を得るためには、政府として無駄をなくす断固たる姿勢を示すことが大変に重要と考えております。

 そこで、冬柴大臣に御質問でございますけれども、国民から理解や信頼を得られるように、道路特定財源の使い方に関しまして、事業コストの縮減、また職員厚生費の適正化、無駄をなくすためのさらなる努力というものが必要と考えますが、国土交通大臣としての決意をお伺いしたいと思います。

冬柴国務大臣 今御指摘がありましたように、道路特定財源、平成十年、ピークでございましたけれども、十五兆三千億というものでございましたが、現在は八・一兆円ということで、約半分ということになっております。しかしながら、国民のニーズというのは非常に高いわけでございまして、それにこたえるために、徹底的な削減あるいは道路の構造の改革等、例えば四車線ということを完成二車線にするとか、あるいは現道も利用するとかいうような工夫を重ねながら、国民のニーズにこたえてきているところでございます。

 過日も、私は熊本へ参りまして、国道二〇八に対するバイパス、玉名バイパスというんですか、それの約半分、四キロが開通する開通式に伺いました。大変なお喜びでございまして、特に、熊本の道を考える女性の会という人が大挙来られまして、本当にその必要性というものを訴えていただきました。

 私は、そういう中にあって、今回の審議の中で、レクリエーションの費目の中で不適切なものの支出があるという御指摘をいただきました。これは福利厚生費というところから出しているわけでございますけれども、しかし、国民にこのような苦しい中で暫定税率の維持をお願いしている国土交通省として、私は、こういう国民の目から見て不快感を持たれるような支出については一切今後ここからは出さないということを明言させていただき、そのように庁内にも申し渡しているところでございます。

 ただ、先ほどお話の中に宿舎ということが出ました。これは二万二千キロの国道を管理し、そして、もちろん除雪とか拡幅とか、そういうものに昼夜約一万人以上の職員が専属で担当しているわけです。それに対する公務員宿舎法に基づく宿舎の手当ては、いわゆる道路特定財源会計法によってそこから手当てすることになっております。

 しかしながら、これが過大なものに流れてはなりません。今、八千戸用意されておりますけれども、私は、不要なものは、不要というよりはできるだけ集約をして、これは削っていきたいとも思っておりますし、十九年度に用地を確保し、そして整地も済んだ部分がありますが、この着工は凍結をさせていただきました。また、平成二十年度の部分につきましても凍結をするということを申しているわけでございます。

 ただ、八千戸を管理するということは、例えばこれが六十年耐用するというふうに仮定した場合には、年間百五十戸ずつ更新していかないと八千戸は維持できません。

 したがいまして、これは全部、今から古くなったものは除却していくわけですけれども、今後一切建てかえをしないということは、私の立場としても、ことし、来年はできても、それから先のことを私がここで約束するわけにいかないということは御理解いただけると思いますが、いずれにしましても、この審議で示されましたそのようなものは、国民の目線に立って、そして厳正に判断をし、これを支払っていただく方に対して、不快な思いとか、あるいはそういうことがないように努めてまいりたいと思っております。

江田(康)委員 国民の理解が、今まさに本当に大事でございます。今大臣申されました、国民の目線で無駄をなくすと。断固たる決意を今大臣からお聞きいたしましたので、力強いリーダーシップをお願いしたいと思います。

 大臣、これで結構でございますので。よろしゅうございます。

 さらに、納税者の立場からは、支払った税金が真に必要な道路整備のために効果的に使われているのかどうかについても明らかにしてもらう必要がございます。昨年十一月に作成されました道路の中期計画(素案)は、このような観点から、今後の道路整備の姿を具体的に示すために作成されたものと考えます。

 その中身を見ますと、高速道路や空港、港湾へのアクセス道路などの国際競争力を確保するための道路、また生活幹線道路やあかずの踏切対策、さらには連続立体交差など、地域の自立や活性化に役立つ道路、さらに、地域の生活を支える生活道路、環境対策のための道路など、項目ごとに整備目標や重点方針が掲げられております。

 しかし、国民は、この計画が客観的な視点から作成されたものであるのかどうか、疑念や関心を持っているのではないかと私は感じております。これらに明確に答える必要があるのではないか。

 そこで、質問でございますけれども、道路の中期計画は、どのような基準に基づいて対象を選んでいるものなのか。また、なぜ計画期間を、これまで五年の見直しを十年としているのか。さらに、政府・与党の合意では、公明党の主張に沿って、五年後に見直す、また税制の抜本改革時に見直すとしたところでございます。したがって、五十九兆円は上限であり、この必要性もコストも不断に見直すものと解しますが、いかがでしょうか。

 国土交通副大臣にお願いいたします。

松島副大臣 お答えいたします。

 委員がおっしゃいましたように、道路の中期計画というのは客観性のある決め方をしております。国民各層に幅広く問いかけを行いまして、十万件を超える御意見をいただきました。それを踏まえまして、必要な道路というものを、昨年十一月に中期計画の素案として取りまとめたところでございます。

 この素案では、先ほど委員がおっしゃいましたように、十六の政策課題を設定して、それごとに客観的なデータを用いて調べているわけですけれども、例えば、学童の通学路の整備といったときに、全国にある百二十万キロの道路のうち、子供たちが通っている道路は十九万キロ、四十人以上の多くの子供たちが通っているにもかかわらず、事故の危険性が高い通学路というのは十一万キロございます。

 その中でも、歩道がついていなくて、道路をびゅんびゅん車が通っている横を集団登校なんかで身を細めるようにして歩いている、そういう危ないところは四万四千キロございまして、この四万四千キロを重点箇所として何とか集中的に対策を立てようということです。

 もう一つ例を挙げますと、いわゆるあかずの踏切、ピーク時の六十分の間に四十分以上閉まっているというあかずの踏切は六百カ所ですが、それ以外にも、踏切の中で、交通が集中していて危ない、これは高架化しなきゃいけない、そういったようなところが八百カ所あります。

 こういったところを優先的に行う、そういう国民の御理解を得られる形で指針をつくっているところでございます。

 なお、委員がおっしゃいました、なぜ十年間になったかということでございます。この十年という期間は、道路をつくる場合に、最初に住民への説明を行い、そしてまた測量をやって、用地買収を初め交渉が必要になりますし、その中で設計をして、さらに、工事を発注して完成する場合にも、場所によればトンネルだとか橋なども必要となって、そういう期間を考えますと、最初の時点から、でき上がる、道路の姿が見えてくるのに十年かかるということでございます。

 ただ、委員がおっしゃいましたように、昨年十二月の政府・与党の合意におきましては、中期計画は、これから社会情勢はいろいろ変わっていくだろう、そういった変化や財政状況の変化を考えながら、十年と一応決めているけれども、五年をめどにして必要に応じて所要の見直しを行う。したがって、今考えております五十九兆円というのはあくまでも上限であって、五年後に見直しをしたときにそれよりも少なくて済むようだったら済む、そういうものでございます。

江田(康)委員 今、松島副大臣よりお答えをいただきましたけれども、十年で固定してというような報道がなされていて、私は、そこに大きな国民の誤解があるのではないかと思うから質問をしたんです。

 この五十九兆円というのは、今もおっしゃいましたように、上限であるということであります。話題になっている高速道路のあの一万四千キロも、全部つくるわけではない、実際につくるかどうかはこれからもしっかり精査していくということと認識しております。また、国民は、必要以上にコストがかかっているのではないか、無駄があるのではないか、かかっているコストを不断に見直して、できるだけ安い方法でつくってほしい、そういう研究もしてほしい、こういうのが国民の声だと思います。そういう意味では、この五十九兆円は縮減する可能性も十分あるわけでございますので、そのような理解をすべきだと思います。

 政府においては、徹底したコストの縮減に努めながら、選択と集中の考えのもとで厳格な事業評価の実施によって優先順位を明確にして、真に必要な道路への重点化を進めていくことが国民の理解を得るために決定的に重要であるということを申し上げておきたいと思います。

 次に、既存の高速道路ネットワークの有効活用、機能強化についてお伺いをさせていただきます。

 日本の高速道路は約九千キロが開通しているところであるかと思いますが、しかし、高速道路の料金が割高であるために、地方部では並行する一般道路が混雑しております。一方で、高速道路には余裕があって、都市部では環状道路を整備しましたが、都心部からの迂回を促すような料金にはなっておりません。高速道路会社では、民営化の際にコスト縮減の努力により平均で一割引きを行っておりますけれども、さらなる料金の引き下げについて国民からの要望は大変強いわけでございます。

 一方で、公明党は、サービスエリアやパーキングエリアなどに設けられたETC専用のスマートインターチェンジの大幅増設を進めてまいりました。設備が小規模で、低コストで設置できるわけでございます。朝夕の渋滞緩和や、救急車による搬送時間の短縮、災害時の代替ルートの確保、さらには観光振興とか企業誘致による雇用創出などの経済効果も既に実証されているところでございます。

 公明党は、道路特定財源の見直し論議の中で、特に自動車ユーザーや納税者に納得してもらえる使途の一つとして、スマートインターチェンジの大幅増設も主張してまいりました。

 そこで、質問をさせていただきますが、昨年末の政府・与党合意におきまして、この道路特定財源を活用して、約二・五兆円の範囲で、料金の引き下げやスマートインターチェンジなど、既存高速道路ネットワークの有効活用、機能強化策を推進することといたしました。政府においては具体的にどのような方針で取り組むのか、ここで見解を伺いたいと思います。

    〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕

松島副大臣 委員おっしゃいましたとおりに、昨年末の政府・与党合意におきましても、道路特定財源を活用して、二兆五千億円の範囲で高速料金の引き下げやスマートインターチェンジの整備などに取り組むこととしております。

 高速料金の引き下げでございますけれども、これに今二兆円ということは、先ほど委員がおっしゃいましたように、地方の主要都市におきましては、一般道がとても混雑している、その瞬間に高速道路はそれほど込んでいないということもある。ですから、一般道の交通混雑時間帯、平日の夕方などにおいては高速料金を三割引き下げるとか、それ以外におきましても、物流の効率化、つまり、トラック事業者などのことも考えまして、長距離運送の五割を占める夜間の物流コストを引き下げる、夜間割引の時間の充実を図っていく、そういった形で皆様の御理解を得るような方向をとっていきたいと思っております。

 もう一つでございますが、今、スマートインターチェンジのことをおっしゃいました。これを二百カ所以上ふやしまして、大体どの市町村でもスマートインターチェンジがある、つまりETC利用ならば乗りおりができるという形にしたい。それを目標とすることにしております。今のところは、大体平均十キロで外へ乗りおりできるわけですけれども、それをもっと細かく、五キロごとに乗ったりおりたりできる、ETCの活用によってできるということを目指しております。

江田(康)委員 国民の負担軽減というのが大変重要でございまして、今、高速道路料金の引き下げを初めとして、スマートインターチェンジの設置、こういうことは大変重要かと思いますので、なかなか国民には知られていない、こういうことをもっと国土交通省は大きな声で説明をしていくべきだと思います。

 それで、あと残り時間が少なくなりましたので、財務大臣にお聞きをさせていただきます。自動車関係諸税の簡素化についてお聞きさせていただきます。

 自動車関係諸税は、消費税を含めて九種類の税金がかけられているわけでございますけれども、車を買ったときにかかる取得税、さらには、自動車重量税などの保有するだけでかかる税金、さらには揮発油税、軽油税、これらは走行、走るときにかかる税金でございます。

 このように、自動車ユーザーの負担は、九種類も税金がかかっているわけですから、大変負担が大きい。特に、我が国の自動車関係諸税につきましては、自動車重量税等の保有にかかわる税が欧米諸国に比べて大変高いんじゃないでしょうか。

 地方部では、公共交通が発達していないわけでございまして、一家に二台、三台、普通でございますけれども、複数台の自動車を保有するだけで、都会に比べて重い税負担を余儀なくされているのが地方でございます。

 そのほかにも、ガソリン税に消費税が上乗せされるタックス・オン・タックスの問題、さらには、消費税と自動車取得税の二重課税等の問題が指摘されておりまして、昨年末の政府・与党合意には、公明党の強い主張によって自動車関係諸税の簡素化が盛り込まれて、今後の抜本的な税制改革に合わせて、暫定税率を含めてそのあり方を検討することとなったわけでございます。

 そこで質問でございますけれども、自動車重量税を初めとする自動車関係諸税につきまして、今後の抜本的な税制改革の中でどのような方針で見直しを行っていくのか、額賀財務大臣にお聞きいたします。

額賀国務大臣 江田委員のおっしゃるとおり、昨年の十二月七日に政府・与党で合意された中で、「道路特定財源の見直しについて」ということで、税制の簡素化が必要との指摘もあったわけでございます。これは、公明党、御党を中心とした御意見が強かったと思っておりますが、今後、税制の抜本的な改革をしていく中で、この税制についても、道路の整備状況とか、環境の問題、あるいはまた国全体、地方の財政状況、そういうことをにらみながら考えていこうということで、一定の方向づけをしたわけでございます。

 それぞれの税は、国及び地方にとっても有力な財源にもなって今日まで来ているわけでありますけれども、おっしゃるように複雑でありますから、これを何とか、取得、保有、走行、そういう中でいろいろと検討していくということについては、私は方向性としては正しいことであるというふうに思っております。

 今回、道路特定財源につきましても、やはり一般財源化を図るという大きな方向転換をさせていただいたわけでございますから、今後、日本の消費税とか所得税とか法人税とかさまざまな分野の税制改革を抜本的に見直していく中で、当然、考えていくことが大事であるというふうに思っております。

 特定財源というのは、一般財源化を図ったのもやはり非常に受益者負担ということで合理的な面もありますけれども、ある意味では柔軟性を欠くというか、硬直性が出てくるということがあって、今度の揮発油税の改正に及んだということも、その一つのきっかけであろうというふうに認識をしております。

 江田委員のおっしゃるような考え方を踏まえて、今後もあるべき税制の姿を検討していく必要があるというふうに思っております。

江田(康)委員 大臣、ありがとうございました。

 このほかにも、今般の道路特定財源の見直しの論議の中におきましては、政府・与党合意で、納税者の理解が得られる範囲内で、道路歳出を上回る税収についてはこれを一般財源化していく、平成二十年度ではその規模が千九百億円、こういうような新たなことも盛り込まれましたし、また、地方の道路整備を促進し、また負担軽減をするために、地方道路整備臨時交付金の制度改善とか、さらには新たな無利子貸付制度というのがつくられてくるわけでございます。

 以上のように、私は、この道路特定財源の延長につきましては、多くの重要な課題があって、この予算委員会でも、また国会の審議の中でも落ちついてしっかりと議論をしていくことが重要であるかと思います。

 さきの衆参両院議長あっせんを受けて、暫定税率維持を盛り込んだ税制改正法案につきまして、与野党合意があれば修正することにもなっているわけでございますので、国会で充実した審議を行うために、民主党の皆さん方を初め、早期に対案を提出されるべきではないかと思います。政府案と民主党案を一緒に審議することが国民理解を深める上でも欠かせないことは論をまたないと思うわけでございます。

 さらに、我が党の太田代表も申し上げておりますように、道路特定財源と中期計画に関する与野党の政策協議の場を設けて今後の道路整備や負担のあり方を冷静かつ徹底的に議論すべきであり、道路の問題を政争の具にしてはならないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

    〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕

逢沢委員長 これにて江田君の質疑は終了いたしました。

 次に、前原誠司君。

前原委員 民主党の前原でございます。

 まず、道路特定財源が使われている独立行政法人それから公益法人について、専ら冬柴大臣にお伺いをしたいと思います。

 大臣、私がお配りをしている資料をちょっとごらんいただけますか。その三枚目をごらんいただけますか、横書きになっているもの。これは国土交通省から出していただいた資料であります。財団法人駐車場整備推進機構、我が党の原口委員が取り上げられた団体、公益法人でございますけれども、これは、私が申し上げるまでもなく、どんな駐車場があるか、所在地、そして収容台数、幾らお金がかかったか、こういうことが書かれているわけです。

 若干フォローしますと、整備に係る総事業費というのは、全部で千三十九億円かかっているわけですね、四番。これは、四の合計をすると千三十九億円です。そのうち、国庫補助負担額というのが五百十二億円。これが交通安全施設等整備事業費ということで、いわゆる特定財源が使われているということであります。七が、今申し上げたとおり。八が、うち、地方自治体の負担額ということで四百九十億円。このうち、道路特定財源が幾ら使われているかということはよくわからないと。しかし、ある程度は占められているということになろうかと思います。

 要は、この十を見ていただきたいんですね。当該団体、駐車場整備推進機構は、これは千三十九億円かかっているんですけれども、駐車場整備機構は四十四億円のみを負担している。つまりは、ほかのお金は全部出しっ放し、そして、この四十四億円を借金として返済していっている、こういうことになるわけであります。

 次に、大臣、七枚目をごらんいただけますか、縦書きの表。道路特定財源が使われている国土交通省所管公益法人の内部留保額。これを見ますと、財団法人駐車場整備推進機構、これだけがマイナスなんですね。内部留保の定義からすると、マイナスになるのはこれは仕方のない部分があるわけです。

 内部留保の定義というのはどういう定義かといいますと、基本財産、それから基金、それから法人運営に不可欠な固定資産、将来特定の支払いに充てる引き当て資産等、そしてまた負債相当額。つまり、今五つ目に申し上げた負債相当額も含めるということですから、当然ながら、内部留保は、この駐車場整備推進機構についてはマイナスになっている。四十四億円借りたけれども、今のところ約三十一億円の負債がありますので、それを内部留保、このマイナス三十一億円を入れるとこれだけのマイナスが出てくるというのは、いたし方がないことであります。

 しかし、先ほど申し上げた、超優良なんです、この財団法人は。なぜなら、千三十九億円整備にかかっているんですけれども、この機構が負担しなきゃいけないのは四十四億円、それで順調に返していっている、税金も払っている、こういうことであります。

 まず私が申し上げたいのは、この唯一マイナスの駐車場整備推進機構でも実質的な内部留保額というのはかなりあるわけです、そういう意味では。さっき申し上げたように、三十一億円これからまた返さなきゃいけないということですから、それを合わせて内部留保がマイナス二十億円余りになっているということは、これは相当の内部留保額があるわけですね、実質的な。つまりは、順調に返していったらいいわけですから、今すぐ三十一億返さなくていいわけですから。

 となると、この七ページの表をずっと見ていただくと、そういうものも含めたこの公益法人の合計の内部留保額というのは、大臣、五百二十七億円あるんですよ。ですから、先ほど申し上げたように、五百二十七億円プラスアルファなんです、これは実質的には。もちろん、内部留保というのは、将来使わなきゃいけないということでやってもいいんですけれども、一種の道路特定財源の埋蔵金になっているんですね、五百二十七億円は。つまり、これだけの埋蔵金を抱えていて、大臣、これだけの内部留保額というのが必要ですか。

 しかも、繰り返しになりますけれども、駐車場整備推進機構のように、マイナスで計上されて、定義からするとマイナスだけれども、これから返していく分ということを含めてやると極めて優良な、逆に、内部留保、繰越金なんか多いですよ、四億円以上あるということになると、かなり、内部留保をこれだけためておく意味、この埋蔵金というのは、私は問題があるんじゃないかと思います。いかがですか。

冬柴国務大臣 埋蔵金という表現がどうかはわかりませんけれども、御指摘のような経理になっておりますね。これをもっと一般の企業会計原則に基づくバランスシート、あるいは損益計算書という形であらわしてくれれば本当にはっきりすると思うんですけれども、そういうふうにやり直したときにどういうふうな収益が出るのか、やってみなきゃならないと思います。

 いずれにしましても、その剰余金が出た場合に、民法三十四条以下の公益法人の規定によって、剰余金その他があればそれと同じ目的を有するところへそれを使わなきゃならない。ですから、何か今までの議論で、埋蔵金は国庫に返金すべきだというようないろいろな話がありましたけれども、このように社団あるいは財団ということになりますと、そこの、もし剰余があるということになれば、これは、一つは、三〇%以内におさめなきゃならないとかいろいろな指導がありますから、それを超える部分については当然に、私は、どのような目的に、他の目的、公益目的に使えるのか、こういうことをした上で圧縮すべきだというふうに思います。

前原委員 これはぜひ、今、大臣が答弁されたように、私は、これは五百二十七億円プラスアルファだと申し上げました。これ以上ありますよ、さっき駐車場整備推進機構で申し上げたように。マイナスになっているわけです、内部留保額が。ただ、実際にはお金があるんですよ。

 ですから、そういうものを含めて、ぜひこれは、道路特定財源として税金を取られて、そして、後でお話ししますけれども、要は天下り団体でこれだけ利益剰余金を出しているということ、これは返すのが私は当たり前で、そうすれば、積もり積もれば、これは毎年毎年そういったものを返していけば、当然ながら減額は可能になっていくわけでありますね。

 しかも、先ほど基準が三〇%とおっしゃいました。今の基準の三〇%は高過ぎると私は思いますけれども、その高過ぎる内部留保水準を超えている法人、内規を違反している法人は六つあるんです。御存じですか、六つ。

 だから、こういうことも含めて、今、お話をしたように、この議論の中で、どれだけその内部留保を返納できるか。先ほど前委員の質問の中で、国民に不快を持たせる支出は一切しないということをおっしゃった。使っていて、財団法人の中にためておいて、埋蔵金のような形でお金が入っているというのはやはりおかしいわけですから、これはぜひ徹底して精査をして、どれだけ返納できるかということを、大臣、この委員会で明らかにしてもらいたいと思います。ちょっと決意だけおっしゃってください。

冬柴国務大臣 それは、私は、お説のとおりだと思います。六つの法人について、少なくとも三〇%を超える部分については、国民に御納得いただけるような形で、それを、国庫というわけにはいかないと思うんですが、道路特定財源に応分に裨益するような形できちっと精算しなきゃならないと思いますので、この国会の間にといいますか、審議をしていただいている間にその方向性は示さなきゃならないと私は思っております。

前原委員 しっかり、この予算委員会の議論をしているときに出していただきたいと思います。

 大臣、次に、もう一遍この資料をごらんいただけますか。二枚目。

 この駐車場整備推進機構、平成十八年度の収支状況というのを出していただきました。一般会計の事業と駐車場管理運営事業特別会計というのがありますね。平成十八年度は収支状況はマイナスだったわけです。

 二枚後ろを見ていただけますか。これも機構から出してもらったわけですけれども、これは平成十八年度に、要はマイナスだったにもかかわらず常勤役員の年収額の上限を上げるという決定を、以内ですけれども、している。これは民間企業だったら考えられませんよね。赤字を出しているわけですよ。赤字を出して、そして繰越金を食っている。しかし、平成十七年、十八年、十九年とどんどん上げていっているわけですよ。

 これは原口委員の質問の中で、プライバシー、個人情報にかかわるので正確な額は言えないとおっしゃいましたけれども、正確な額なんか言わなくて結構です。マイナスが出たのに限度額を上げていますけれども、実際の支払い額はふえたんですか、変わっていないんですか、減ったんですか。いかがですか。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 駐車場の、実際支払った額は、先ほどお示しになった額よりも少ないというふうに認識しておりまして、この二年、変わっていないと考えております。

前原委員 限度額は上がったけれども支払い額は変わっていないということでありますけれども、大臣、厳しく言えば、赤字が出たら役員の額は減らす、しかし、上限額を上げているということ自体も国民感覚からずれていますね。

 大臣に提案したいんですけれども、この駐車場整備機構、何で財団でやる必要があるんですか。これは民間でできるんじゃないですか。民営化して、さっき申し上げたように、もう国庫で、千三十九億円出しているわけですね、事業に係る。四十四億円から減らしていくということで、税金も納めている超優良ですよね。これは財団法人でやる意味というのはあるんですか。民営化したらいいじゃないですか。

冬柴国務大臣 私もそう思います。

 個々具体的に、ただ、三十一億の借入金があるんですよ。九百九十五億国費が出ていますけれども、これは道路の下の構造物として、中心市街地では大変車が混雑をいたします、しかしながら適当な民間の土地を利用して駐車場をつくるスペースというのが少ない、もちろん、がらがらだと御指摘のあったところがどういう事情か調査しなきゃなりませんけれども、総計二千五百台収容の規模の駐車場を十四カ所に持っているわけですね。

 したがいまして、その中には、順調にいっているところ、あるいは順調にいっていないところがあります。普通だったら、民間の更生管財人とか破産管財人とか、そういうようなときに、そういう余り収益の上がらない部分については、これを換価するというのが一つの方法だと思います。

 その際、やはり、三十一億の借金とかそういうものがありますし、それから、そういう道路、公道の下を駐車場にしているために、周辺のところと、過当な競争で民間を圧迫してはならないとか、それから、もし利益が出れば、先ほどおっしゃったように、道路に裨益するようなところにその剰余金を使わなきゃならないとかいうような部分もあることは事実なんです。

 ですから、商売だけでやるわけにはいかないと思いますけれども、この九百九十五億というのは、道路を整備する費用であって、それの元手ではないわけです。したがって、そういうふうに整備された道路の中を借りて、そして四十一億円をかけて空調施設とかパーキングの施設とか、そういうものをつくっているわけですね。

 ですから、そういういろいろ複雑な問題はありますけれども、これは民間ではできないとか、そういうことではないと思いますので、私は、特に先ほど来指摘のある三カ所については、早速にでも、何とかこれは競争条件を定めて、民間でやれるのかどうか、これを一度検討したいというふうに思っています。

前原委員 今大臣がおっしゃった条件というのは、全部、民営化できないという理由には全くなっていないんですよ。つまりは、順調にいっていないところがあると。これは、民間にやらせたら順調にいきますよ。お役所がやるから順調にいかないんです。

 三十一億円借金があると。国鉄というのは三十兆円以上借金があって、それで民営化してうまくやっているんですよ。だから、三十一億の借金があるから民営化できないという話にはならない。民間を圧迫しないようにと。郵貯や簡保のような巨大なものを一挙に民営化するんだったら、それは民業圧迫というのはありますけれども、これだけの台数だったら、そんなの民間でざらにありますよ。ですから、今おっしゃったことは民間でできない理由には全くならない。

 要は、国道の下の構造物等々あると。それは取り決めを決めたらいいわけで、むしろ、これを民営化して、上場して株を国庫に入れた方がよっぽど国の収入になりますよ。いかがですか。

冬柴国務大臣 目を洗うような御提言でございますので、実際、真剣に考えなきゃいけないと思います。

前原委員 これぐらいで目を洗うようなと言ってもらっては困るんですが、後でもうちょっと目を洗うような提案をさせていただきたいというふうに思います。

 この資料を見ていただきたいのでありますけれども、五枚目、六枚目、ごらんいただきたいと思います。道路整備特別会計による支出ということで法人が入っていますけれども、要は、これに、公益法人、独法だけで幾らお金が使われているかということになると、その二枚目でいいますと、大体一千八百八十七億円のお金が毎年道路特定財源から使われているわけであります。

 ただ、天下りを受け入れている団体、会社等も含めると幾らにはね上がるかというと、それは三千五百四十六億円になるんですね、毎年天下りを受け入れているところ。つまり、独法、公益法人だと千八百八十八億円、しかし、天下りを受け入れている団体への道路整備特別会計からの支出は、平成十八年度で三千五百四十六億円ということになるわけです。

 大臣、この公益法人だけで話をしますよ。国土交通省出身の役職員というのは千二百八十五名もいるんですよ。これ見てください、この資料。これは国土交通省から出していただいたものでつくった資料。千二百八十五名ですよ、大臣。常勤役員、つまりは高給取りだと言われている常勤役員ですね、他省庁を含めると二百十九名、国土交通省出身の常勤役員だったら百五十八名なんですよ。

 これは、先ほど申し上げたように、プライバシーとかいうことでなかなか公表してもらえませんけれども、内部留保の表の次のページを見ていただけますか。ここに給与規程に基づく年収計算というのが書いてありますね。どのぐらいの程度で渡されているかどうかわかりませんが、ヒアリングで、私の感覚で言うと、この方々、平均で大体千五百万かなと。年収、平均千五百万として計算しますと、役員報酬だけで三十二億八千五百万円も払われているわけですよ。退職金は別ですよ。公益法人だけでいうと、いわゆる百四十四名ですから、二十一億六千万円。これだけの報酬が実は道路特定財源から使われているということになるわけであります。

 そこで、私は、この問題を解決していくために、また違った形の提案をさせていただきたいというふうに思います。

 お配りをしている資料、少しめくっていただいて、各建設弘済会の職員数という横紙の資料。大臣、わかりますか、ページを打っておいたらよかったのですが、申しわけありません。

 各建設弘済会の職員数ということでありまして、各地方整備局のもとの弘済会と建設協会の全職員の数、OBの割合というものを書かせていただいているわけであります。合計で四千八百六十九名で、OBの数が六百八十四名いる。役職員が四十一、職員数が六百四十三ということであります。

 次のページをめくっていただけますか。これは、私が去年の十月の予算委員会で出させていただいた資料であります。

 是正はされていますけれども、今までこの各建設協会、弘済会というのは、一番左を見てください、全職員数が七千九百九十名。出向職員を含むと書いてありますよね。そのうち実は出向者数が三千五百七十六名。半分ぐらいいたわけですよ、半分ぐらい。つまりは、出向者数を半分受け入れてこの建設弘済会というのは仕事をしていたということが明らかになっているわけですね。

 この建設弘済会、今申し上げたように、半分ぐらいの出向者数で賄われていたわけでありますけれども、実際問題、その当時のいわゆる技官の数をちょっと、これは表がありませんので、大臣、読み上げさせていただきますね。

 正職員、正規職員の一級土木施工管理技士は八百九十一名、それに対して出向職員は何と二千十六名。つまりは、一級土木施工管理技士というのは、正規職員の倍以上、出向社員で賄われていたと。二級土木施工管理技士は、正規職員が五百六十八名、それに対して出向職員は九百二十九名。これも倍近く実は出向社員で技術者をあてがっていて仕事をとっていたということになるわけです。

 それで、いろいろな問題が起きて是正をされました。出向と言われているけれども、出向しないで、つまりは、もとの会社にいて仕事をして出向扱いにしていたという問題が明らかになって指摘をされたこともありますし、一番問題なのは、出向者を出しているところに仕事が建設協会から再委託のような形で受け入れをされていたという極めてわかりやすい状況があったわけです。それを是正するということでこういうふうになったわけでありますけれども。

 そもそも、今、出向者の数、こういうふうになくなりはしましたけれども、技術者も倍から三倍近くを出向に頼っていて、そして随意契約で仕事をもらっていた。要は、これはOBを食わせるための器でしかなかったということが言えるのではないですかね。大臣、いかがですか。

冬柴国務大臣 御指摘のような観点から一度調査はしますけれども、よく聞いてみますけれども、公務員の減員、それで仕事は、一つも減らないどころか、ふえるんですね。最近は、総合評価方式等で入札等ももちろん行うわけですし、建築技術についても非常に高度なものになってくるということで、こういうものを職員だけでなかなか処理ができないような規模、状況にある。職員の方はどんどん減員するわけですね。仕事も少なくすればいいんですけれども、仕事は多くなる。そういうことで、他省庁と比べても、国土交通省の職員の残業というのは非常に多いように思います。私が健康をおもんぱかるぐらいです。

 そういう中にあって、特に監督とかあるいは見積もりの、外に対して秘密が漏れないように守秘していただけるようなところ、あるいはそういう技術に精通しているとか、そういうような観点の人に任さざるを得なかった。したがって、今まで随意契約がほとんどなんですね。御指摘のとおりです。

 私は、総理の御指示もありまして、昨年末、十二月二十六日、もちろん性質上パテントあるいは著作権等があるとかいう分は別として、一切もう随意契約はならぬということで、随意契約をするにしても、企画競争というようなもので十人以上の人が競うような、外から見て公正性が担保できるようなそういう方式でやってほしいということで指示しているところでございまして、一月からはそのようにやっております。それが一つ。

 それから、天下りについても大変厳しい御批判がございます。そういうものについても、人材センター等を今後つくる。公務員改革、大きな流れというものが今動きつつあります。そういうものの結論が出次第それに従うのはもちろん当たり前の話ですけれども、もし方向が出れば、先取りしてでも自粛をするとかいろいろなことをしていきたい、このように思っています。

前原委員 今、るるお話ございました。

 公務員の減員等、そういう言い方をされると、要は、公務員総定数を削減するから公益法人をつくってそこでその分をカバーするということになれば、公務員総定数を減らす意味が全くないですよね。つまりは、ところてんで、同じような分だけ外に出して、それは公務員総定数にかかりませんよというふうなことを言っているものであります。

 仕事がふえるから職員だけでは対応できなかったと。でも、先ほど申し上げたように、出向者が半分以上で仕事をしているわけですよ。それで、出向先に再委託しているケースもたくさんあったわけですね。となると、別に弘済会あるいは建設協会を通さずに、まさに民間とか再委託先に、もともと出向を出しているところに仕事を渡したらいいんですよ。別に通す必要はないんですよ。

 それと、守秘、技術に精通しているということです。でも、出向者が半分以上いたんですよね。そこで守秘ということになれば、守秘義務を課して、別に弘済会、建設協会をかけずに出したって、守秘はしなさいよということでやることは可能なわけですよね。

 ですから、今おっしゃったことは、弘済会、建設協会が仕事をやる理由に全くなっていないということをまず申し上げたいと思います。

 これは昨年の十月の予算委員会でも申し上げましたけれども、ほとんどが随意契約で、直しましたというふうにおっしゃいましたけれども、特命随意契約はなくなりました。ただ、特命随意契約はなくなったけれども、随意契約は、この八つの弘済会でいうと九六・三%がいまだに随意契約ですよ。

 企画競争でも、これもお話をしましたけれども、受注実績があるとか、だって今まで随意契約でここが全部とっていたのに、受注実績があるのはここしかないわけですから、ほかのところは手を挙げたくても挙げられない。あるいは、受注実績を持つ技術者がいるところということは、弘済会かその技術者を天下りさせたところでしか仕事がとれないような仕組みになっていて、結果的に随意契約が九六・三%あるわけですよ。

 しかも、大臣、もう一つ資料を見てください。今申し上げた元出向者状況等の一覧表の次。弘済会でいわゆる随意契約が批判を受けた。企画競争をやりますよというようなことになった。それで、九六・三%は随契ですけれども、随契でまた建設弘済会、建設協会に仕事は出されたんですけれども、わずかながらはほかのところに仕事は出されていたわけですね。しかし、実際、弘済会と違うところの受注企業、これは国土交通省に調べてもらって、OBをまた受け入れてもらっているんですよ。

 これを見てください。建設弘済会、建設協会の随契、特命随意契約をやめましょう。だけれども、それは結構しり抜けで、九六・三%とっていた。しかし、一部の企業がとれるようになった。大臣、しかし、またそこに国土交通省の天下りが行っているわけですよ。これはひどいと思われませんか。

 従来、弘済会に発注していた業務を受注した民間企業は三十九社。これは昨年の十月五日現在。未回答は数件ありますけれども、現在確認できているだけで、三十九社のうち二十六社が国土交通省のOB九十七人を天下りとして受け入れているんですよ。

 これ、特別会計の話で言いますと、母屋でおかゆをすすって離れですき焼きを食べているのがばれたから、地下室に穴を掘って、そして、地下室の先の受注企業にまた天下りをさせているわけですよ。これはひどい話ですよ。天下りというものをどんどんステルス化している。大臣、これは事前に資料をお渡ししているわけですから。これはひどいと思われませんか。

 つまりは、結果的には、これは天下りをどんどん食わせるために悪知恵を働かせているだけじゃないですか、国土交通省が。いかがですか、大臣。

冬柴国務大臣 ここに一覧表に名が出ているのは、調査の結果そうなっているわけですけれども、どういう経緯でこの会社へ行ったのか。これが、いわゆる天下りという定義をどうしたらいいのか知りませんけれども、予算や権限を背景に押しつけ的にこれを押し込んだという場合を一応天下りとするならば、そういうことがあったのかどうか。この人たちは、それぞれに大学を出てから三十年近く役所でその仕事をしてきたベテランですよね。そういう知見や経験を持っている人たちです。したがって、そういう技能を求められて就職している場合もあるだろうと私は思いますよ。

 したがって、すべてを国土交通省が仕切って、おっしゃる地下ごうへ押し込んだかどうか、これは、にわかには私はすぐ答弁はできません。

前原委員 でも、精査してください。

 つまりは、これは客観的な事実で、建設弘済会、建設協会、これは随意契約、特命随意契約で仕事していた。だめだということになった。でも、それはしり抜けで、特命随意契約じゃなくて随意契約が残っている。これは直してくださいということは申し上げました。

 だけれども、その弘済会、建設協会以外に仕事を出している。全部これは道路特定財源が行っているわけですよ。そして、今度は違うところに発注しましたと言って胸を張っているけれども、そこにOBが結果的に天下っていたら、大臣、これはどうですか、国民から見ると、どんどん見えないところに天下り等を拡大させていって、そして、結果的には国土交通省の天下りの権限は残しているというふうに見えませんか、客観的にこれは。

 だから、ぜひ調べてください、どういう状況で天下りをしたのか。その一点だけで結構です。

冬柴国務大臣 どういう経緯で就職したのか、できる限り調査をいたします。

 それからもう一つ、九六・何%随契というのは十八年度じゃないですか。(前原委員「いや、十九年です。十七年度が一〇〇%、十九年度が九六・三%」と呼ぶ)十九年度はまだ終わっていないですけれども。十二月二十六日に私は、先ほど言ったように、してください、しなさいということを申しておりますので、どうぞ。

前原委員 官房長官、町村官房長官、今、やりとりは聞いていただいたと思うんですが、聞いていただいていましたね。(町村国務大臣「はい」と呼ぶ)この建設弘済会、建設協会、出向者が半分以上を占めていた、技術者も半分以上、三倍近くいた。そして、結果は、出向者のところに仕事を渡していたということになれば、各地方整備局のもとにある建設弘済会、建設協会というのも、結果的にはこれは要らない仕組みだと思われませんか。

 つまりは、これは、天下りを単に受け入れて、ここからまた仕事を割り振ったり、あるいは出向のもとに仕事を割り振ったりというような、結果的には、何の存在意義があるのかということになりませんか。

 廃止をするか、あるいはこれも民営化、つまりは、民間企業と同じ、同等の競争をして、だって、民間の企業の技術者を借りてきて、そしてまた、技術者が足りないということだったんですから、これそのものを全部民間会社にして、そして、ほかの民間企業と競わせたらいいじゃないですか。これは私は、財団、公益法人で運営する意味は全くないと思いますよ。いかがですか。

町村国務大臣 先ほど冬柴大臣からは、財団法人駐車場整備推進機構ですか、これのあり方について、民営化も含めていろいろ考えますという御答弁がございました。

 同じ発想で、今委員が言われたような弘済会等々も、一度抜本的に洗い直していただく必要があるんだろう、私はそう考えます。

前原委員 かように道路特定財源が使われている公益法人を含めて、やはり天下りのためにつくられたもの、つまり、天下りありきでつくられたもので、その中で働いている人もいるわけです。

 冬柴大臣、ですから、先ほどの駐車場整備推進機構にしても、今官房長官が御答弁されたものにしても、廃止というのは荒っぽ過ぎるかもしれない。だけれども、これは民間と競わせても、民間として、そこで、さっき大臣がおっしゃったように、三十年来技術を持ってやってきた人たちがいるんだということであれば、民間企業の中で他の民間企業と同様に競わせたらいいじゃないですか。だって、民間企業にもOBが行っているわけですから。これはいかがですか、今の官房長官の答弁を受けて、もう一度決意を。

冬柴国務大臣 これは、ただに国土交通省一省だけの問題ではなしに、内閣としても、官房長官が今御答弁いただいたわけですから、その方向に従って一度検討をさせてください。検討させてください、その方向性について。

 たくさんの人がそこに生活しているわけですよね。ですから、それは、直ちに私がここで廃止しますとかどうとか言うことは言い過ぎだと思うんですね。(前原委員「民営化について」と呼ぶ)ですから、民営化について検討させてくださいということを申し上げます。

前原委員 ぜひ検討していただきたいというふうに思います。検討して何も変わらないということがないようにだけ、お願いしておきたいと思います。

 残っている時間が限られてきましたので、次に、きょうのもう一つのメーンのテーマ、医療の問題について舛添大臣と議論させていただきたいというふうに思います。

 平成二十年度の診療報酬改定というものがありました。改定率はマイナス〇・八二、しかし、診療報酬というものについて、本体についてはプラス〇・三八、これは八年ぶりのプラス改定ということですね、大臣。薬価のマイナスが一・二で、全体としてはマイナス〇・八二になっているけれども、診療報酬そのものは〇・三八ということになった。その財源として約千五百億円、勤務医不足対策として充てられるということになったわけですね。

 さて、大臣、これはいろいろな経過がありましてね、紆余曲折が。つまりは、開業医のいわゆる再診料を引き下げて勤務医に回すべきだという話もありましたよね。かなりそういう方向で中医協でも議論がされていたやに私は新聞報道等で聞いておりますけれども、最終的にはいろいろあった。それについて私は今どうのこうの申し上げることはいたしませんが、結果的にこの千五百億というもので、国会でもさまざまな議論が行われてきた医師不足あるいは地域の医療崩壊というものが果たして抜本的に立て直されるのかどうなのか、その点をまず舛添大臣にお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 委員御承知のように、この医師不足の問題、私は、もう抜本的な改革が必要な時期に来ていると思います。

 しかし、当面、いろいろな手が打てる。一つは診療報酬の改定ということ。今おっしゃった千五百億円、これを本当に労働条件が過酷な勤務医の方々に手当てをする。しかし、今、当面は産科、小児科、特に産科の問題に頭を悩ませておりますけれども、例えば訴訟リスクに対する不安、実はこれは、私が全国の産科のお医者さんに直接私にメールを下さいと言ったら、百通以上来まして、一人平均十一ページです。それぐらい、お忙しいのに皆さん下さったわけですね。

 そこを見ますと、やはり、福島県の大野病院の、あの例のお医者さんが逮捕された事故が一番きいているというようなこともおっしゃる。それから、産婦人科、小児科はやはり女性の勤務医の方、女性のお医者さんが多くて、この方々が御自分が出産、育児のときにおやめになるというようなことに対して、例えば診療所に保育所をつくるというようなこともやらないといけない。

 しかし、私は、やはり、今までの医師の養成システムそれから研修医のあり方、こういうことを含めて、抜本的な改革の時期に来ていると思いますので、診療報酬の改定というのは多くの手段の一つだ、そういう位置づけで、それだけで満足しているわけではございません。

前原委員 ある意味でこれは、厚生労働大臣は気の毒だと僕は思っているわけですよ。なぜかというと、財政全体の見地から、少子高齢化が進んでいく、社会保障費が上がっていく、その自然増を二千二百億円毎年抑制しなさいというところでキャップをかけられてしまっているわけですよね。その中でまた医師会の反対等があり、私は、開業医の再診料を下げることがいいかどうかというのは、また議論があると思いますよ。

 それは、トータルとして見れば、これは皆さん方御承知のとおり、世界の水準から見れば日本の医療費というのは安いわけですよ。OECDの加盟国の平均値で見ると、これは三十カ国ありますけれども、日本は対GDP比八・〇%、二十二位ですよね。アメリカなんかは一五・三%、日本の倍近く医療費がかかっている。逆に言えば、むしろ、この少ない医療費でよくここまでの医療ができているなと。

 私は医療関係者の方々に心から敬意を表さなきゃいけないと思いますし、キャップをはめられた中で、何か細々したところで、開業医の再診料を下げて、そして勤務医対策だというような話じゃないと私は思うんです。もっと大きな絵をかくような話だと思うんです。

 そこで、財務大臣がおられて言いにくいのかもしれませんが、まずは産婦人科、小児科だということをおっしゃいましたけれども、ぜひ一遍これは、厚生労働大臣として、あるいは地域医療だと増田総務大臣と連携をされて、日本が今置かれているこの医師不足、それからくる医療崩壊というものを救うためにはどういうシステムをつくって、そしてその仕組みにはどれだけお金がかかるのかというようなことを、まさに厚生労働大臣、あるいは増田さんと御相談されて、一遍グランドデザインをかいて、それで、これだけのお金が実は要るんですという議論をした方が私はより建設的だと思いますが、いかがですか。

舛添国務大臣 私が言いたいことをすべて委員の方で言っていただいて、本当にありがとうございます。本当に、二千二百億円のマイナスをかけられて、これは医療政策はできませんよ。ですから、それこそ消費税の議論も含めてきちんとやるべき時期に来ている。そういう意味で、社会保障を考える国民会議が総理のもとでできました。

 実は私、全く同じ認識を持っていまして、例えば、お医者さんが余っている余っていると言って抑制してきた、そして財源の話だけでやってきた。しかし、人の命を財源だけでやっていいのかということがありますので、私自身のもとに、安心と希望を実現するための医療の長期ビジョンという研究会をつくりまして、長期的にどうするか、例えば今おっしゃったような医師の数であるとかそういうものも含めて、もちろん、いろいろなところに無駄があるかもしれません、そういう無駄も排さないといけない。

 例えば、アメリカのお医者さんなんかと話をしていますと、まだまだ日本の医薬品とか医療の機器について値段を下げる余地もあるんだという話もされますから、こういうことも含めた上で検討して、一体どれぐらいかかるのか。そして、最終的に、命を守るために、国民が、例えば消費税増税だって、納得していただければいい。皆さん、自分の命を守りたい、家族の命を守りたい、一番いい医療を受けたいのは当たり前なんですよ。

 ですから、その国民の目線に立って、今言った作業を、委員の御提言もありましたので、きちっと、ちょっと数字を出せるかどうか。特に自治体病院については、三位一体で全部総務省というか地方に任せちゃったものですから、しかし、それでも地方の中核病院が非常に苦しい。これも含めて検討させていただきたいと思います。

前原委員 舛添大臣、今、長期ビジョンとおっしゃいましたけれども、これはもう差し迫った話ですので、やはり短期、中期、長期と分けて考えなきゃいけないと思いますし、そのためには今、所与のものとして何ができるのか。金だけではないと思うんです、私は。つまり、システムをどう変えていくかという話も必要だと思うんですよ。

 例えば、医師数の目標設定、医師の数。今の現場をよく見られたという話をされました。私も後援会をつくっていただいたり、あるいはその関係のお医者さんからいろいろ話を伺っていますけれども、特に勤務医についていえば、今の勤務実態は労働基準法違反ですよ。違反で、しかし、その中で仕事をされているわけですよね。だったら、算定する場合に、労働基準法違反でない場合の算定基準でどれだけの医師が必要なのかというところも、私は、現状を前提にするんじゃなくて、だから金額も、キャップをはめられたところで何ができるかということじゃなくて、今申し上げたような、やはり現場の過酷な労働状況というものを加味した上で医師の数がどれだけ要るのかということと、あとは、地域ごと、それから診療科ごと、こういうものに対して医師の数の設定というのも要ると思うんですね。

 私がお医者さんと直接話をすると、特に我々の世代よりも若い世代のお医者さんと話をすると、こういうことをおっしゃいます。報酬じゃない、つまりは、幾らお金をもらえるかではないんだということをよくおっしゃいます。だから、これは金ではないんですよ。何が必要なのかということになれば、日進月歩で進化する医療技術というものに自分たちは常にキャッチアップしていないと不安で不安で仕方がない、そうなると、そういうものがさわれる大学病院あるいは中核病院のそばにいないと、幾ら地方で五千万円以上年収を上げますから行ってくださいと言われても、それはもう全然違う話なんだ、金の話じゃないんだという話を例えばされる。

 そうなると、今のことを達成するためには、やはり中核病院を地域ごとにつくっていかなきゃいけないし、今、これは総務大臣が一番よく認識をされている問題かもしれませんが、統合していかないと、中途半端なという言い方をしたらちょっと失言になるかもしれませんが、中途半端な病院が幾つかあって、結果的に両方ともどっちつかずになっていて中核病院たり得ていない、そして経営がおかしくなっている。

 例えば、きょうお渡しをしている資料をちょっと見ていただきましょうか。後ろから見ていただいた方が早いと思うんですが、後ろから四枚目の資料をちょっとごらんいただきたいと思います。

 これは自治体病院の損益収支の状況ということなんですけれども、累積欠損金、これは単位は億ですよ。平成十八年度を見ると一兆八千億円余りの累積欠損金というのがある。不良債務というのが下に書いてありますけれども、この累積欠損金というのは、これは総務省にレクをお願いしたところ、つまり減価償却が積めてない、あるいは退職金が積めてないということで、要はこのまま朽ちていきます、自治体病院は。そういうことで、だから実質的なこれだけの欠損金が、資金不足に当たる不良債務等含めて出てきているわけですよ。

 ですから、こういったことも、中核病院にどれだけ、今若い医師が、お金だけではないんだと、技術がバックアップできるようなものをつくっていくべきかということも含めて、やはりつくっていかないといけないということが言えますよね。

 それから、子供の教育、家庭の問題、これもあわせて医師の方々についても考えていかなくてはいけないということ。

 それから、システムでいえば、先ほど大臣がおっしゃった訴訟の問題ですね。これはきょうはやりません。後日、時間があれば、また詳しく診療関連死の死因究明制度というものについて少し議論させていただきたいと思いますけれども、こういうシステムをつくって、そして、医師のいわゆる先ほど申し上げた地域割りあるいは診療科割り、そして中核拠点病院をどうつくっていくか。つまり、お金ではない、システムの短期、中期、長期ビジョンをどういうタイムスケジュールでつくっていくかということを示していかれないと、これ、場当たり的にこの千五百億、何かせせこましいところで何とか対応策をやった、しかしこれでどれだけ効果が上がるかわからないというような議論をしても、私は意味がないと思うんですね。

 そういう意味では、今申し上げたお金とシステムというのは相互連関しています。そういったものについて、長期ビジョンとおっしゃったけれども、これはせっぱ詰まった問題です。だから、短期、中期、長期と、できるだけ早く厚生労働大臣として総務大臣と御相談されてこれを出してもらう。それをもとに、それこそその財源をどうするかということも、別にそんな何とか国民協議会という外じゃなくて、国会で議論したらいいです、それは。いかがですか、厚生労働大臣。

舛添国務大臣 実は、そういうことをやるために、近々に、例えば、産婦人科含めて専門の方、若いお医者さんを集めての作業グループを私どもで発足させようと、長期ビジョンは長期ビジョンでありますが、今おっしゃった短期、中期のことをやろうと思っています。

 それから、先ほど御紹介しました産科の先生方の百通以上のメールの中で、全員、お金じゃないんだ、少々月給ふえるからって行くものじゃありませんと。

 それともう一つは、これはお医者さんだけでもだめで、委員の県のお近くの兵庫県、ここに県立柏原病院というところがございます。ここは、小児科の先生がもう余りにこの仕事が大変でやめようと言ったときに、お母さんたちがこの病院の小児科を守る会というものをつくられた。そして、例えば、昼間診ればいいのに、夜中、御飯食べて夜になって診る。ほとんど熱もないのにそうだ。コンビニ受診とかコンビニ診療、二十四時間やっています、これをやめましょうという運動をやられて、この統計も見せていただきましたけれども、この仕事量が随分減った。それで、結局、こういう地域の住民が協力してくださるところには行こうと、常勤のお医者さんが三名ふえたそうです。ですから、こういう取り組みもまた、何とか私も現地に行って励ましたいなというふうに思っています。

 そして、今おっしゃったような短期、中期、長期のビジョン、そして、できれば数字で出して、これを世に問う、そして国会の皆さん方とともに議論をしていく、その形で進めさせていただきたいと思います。

前原委員 ぜひ早くそれをまとめていただいて。じっくり時間かけなくていいんですよ。

 さっき申し上げたように、システムをどう変えていくか。今大臣おっしゃったようなシステムは私も聞いたことがあります。つまりは、病院を開業医がバックアップする仕組みを地域でつくって、そのことによって地域の意識も変わる、開業医の方々の意識もまた変わってきて、地域で取り組みができるようになって、そして結果的には勤務医の方の負担も減る。お金じゃないんです、これも。システムなんですね。

 そういう意味では、そういうことも含めて、少し、舛添ビジョンといいますか、それを出してもらって国会でしっかり議論する。そうしないと、これ、お互い批判をし合っているんでなくて、本当にもうこれは命の問題ですから、私は一分一秒を争うような話だと思います。たらい回しの話も含めて、またしっかりと議論をさせていただきたいと思います。

 残りの時間で、せっかく大臣をお呼びして全く質問をしないのも失礼ですので、質問をさせていただきたいと思います。別についででする質問じゃありませんので。

 この間、国土交通大臣、質問通告で、今度は空の話です、空港の話。

 これから、いよいよ羽田が、一本滑走路ができるというような話の中で、発着回数がふえますよね。滑走路が三本から四本になって、今三十万回、これが四本だと、二〇一〇年十月、四十一万回ということになる。成田も滑走路の延長で二十万回から二十二万回になるということです。

 これは質問通告してありますけれども、横田の航空管制空域、これは米軍が今管制していますね。これが仮に日本に返還されるとなると、羽田の離発着回数というのはどれぐらいふえますか。

冬柴国務大臣 平成十八年五月、日米で合意された再編実施のための日米のロードマップにおいて、二十一年度に横田空域全体のあり得べき返還に必要な条件の検討を完了することとされております。

 仮に横田空域が全面返還された場合において、羽田空港の容量拡大が可能かどうかにつきましては、羽田を離着陸する航空機の飛行ルートについて詳細に検討するとともに、その際の周辺に対する騒音影響、あるいはさまざまな要素を総合的に勘案する必要があるということで、今、どうなるということは、ちょっと申し上げにくいところでございます。

前原委員 外務大臣と防衛大臣にお伺いしたいんです。

 日米同盟関係は私も非常に重要だと思っていますけれども、戦後六十年余り、少女暴行事件の地位協定の問題も含めてでありますけれども、米軍が日本の空を、航空管制を六十年以上もずっとやっているということは、私はこれは異常だと思うんですよ。

 徐々に返還交渉が行われているものもあります、嘉手納のラプコンの話も私も存じ上げていますけれども、これはぜひ、これこそがトランスフォーメーションの一環の、日本のやはり主体的に主張する大きなポイントだと私は思うんですよ。航空管制空域の返還、これをしっかり求めていって、日本が航空管制を主体的にして米軍に使わせる、こういうことで日米同盟関係ということをマネジメントしていくべきだと思いますが、両大臣、いかがですか。

高村国務大臣 横田空域につきましては、平成十八年五月のロードマップを踏まえて、本年九月までに進入管制業務の一部が返還される予定になっております。

 そして、横田空域全体については、平成十八年五月のロードマップにおいて、あり得べき全面返還に必要な条件の検討を二〇〇九年度に完了することとしておりまして、政府としては、今後とも、安全保障上の必要を踏まえつつ、進入管制業務の返還に向けた努力を適時適切に行っていく考えでございます。

石破国務大臣 本来そうあるべきものです。ですから、主権ですから、それは本来、日本がやるべきものだろう。

 ただ、安全保障の面において本当にどれだけできるか、そして、航空管制をだれがやるかという問題になってくるだろうと思います。防衛省がやるか、国土交通省がやるか。そのあたりは、本当に委員よく御指摘のように、安全保障上の観点も踏まえてやらなきゃいかぬ。ただ、主権ですから、これは本来そうあるべきものでしょうし、努力は今後ともしていかねばならないものだと私は思います。

前原委員 これは、まさに日本の国としての姿勢が問われている問題だと私は思います。しっかりとこの三つを、別に米軍は出ていけと言っているわけじゃなくて、日本が管理する、そして、今の日米同盟関係がうまく円滑に進むような形でどう行うかということを考慮しながら日本が主体的に航空管制するということですから、ぜひそれは、両大臣、主体的に努力をしていただきたいと思います。

 最後に、法務大臣、指紋押捺の関係で、これは私、実地調査をしていません。ただ、ヒアリングをして、実際に、個人識別情報を活用した入国審査にかかる審査待ち時間についてということでお答えをいただいたのでありますけれども、やはり、かなり待ち時間が延びているんですね。ビジット・ジャパンというようなことをやっておられる。ひどいときになると二時間以上待たなきゃいけないということになれば、せっかく日本に来てもらって、そして指紋押捺、これは同僚議員が指紋押捺の是非、例えば修学旅行のということで、この間法務大臣もお答えをされていましたけれども、そういう問題は別個御検討いただくとして、せっかくビジット・ジャパンで日本に来てもらう、ふえてきた、しかし、指紋押捺によって、結果的には入国審査の待ち時間がどんどん長くなって、そしてうんざりして帰って、もう日本なんかに行くものかというような人たちも出てくるかもしれない。

 これについていえば、僕は、行革というものは、やはりめり張りをつけて考えなきゃいけない。これからどんどん人が来るようになったら、そして個人識別情報を活用したものになったら、現場はパンクしますよ。これをどういうふうにお考えですか、解消策として。

鳩山国務大臣 先生おっしゃるとおりで、昨年の十一月二十日に個人識別を始めてから嫌がって外国の方が来なくなったという形跡はなくて、順調にふえているわけですが、待ち時間が長くなると、いわゆるリピーターというか、あそこの国は時間がかかるなということで、正直言って、データのとり方はいろいろあると思うんですが、成田がやはり苦戦なんですよ。関空の方がそれほど、つまり、従来の最長待ち時間に比べて今の最長待ち時間が大分接近してきた。ところが、成田の方は、例えば成田空港第二ビルというのは、昨年の八月には最長二十七分であったものがまだ四十一分、そういうものを示しているんです、最長待ち時間の平均ですが。

 そういうことでいえば、これはゲートもいっぱいふやして、とにかく待ち時間を、人も当然予算要求もいろいろさせていただいておるわけで、こういう部分は、行革というのはやはりスクラップ・アンド・ビルドですから、ビルドの方で前原先生にも御協力をいただければありがたいと存じます。

前原委員 終わります。

逢沢委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。

 次に、松本剛明君。

松本(剛)委員 松本剛明でございます。

 まず最初に、医療について何点かお伺いをしたいと思います。

 冬柴大臣、十五分か二十分はお聞きをいたしませんので、その間に打ち合わせされることがあれば十分しておいていただいて。お願いします。

 舛添大臣にまずお伺いをしたいと思います。

 診療抑制という言葉があります。そのまま厚生労働省としてお使いになるかどうかというのはいろいろ議論があるのかもしれませんが、高齢者の今度の医療制度を入れて患者負担がふえる、それに伴って、診療に行かなくなることによって診療費がどのぐらい浮くというふうに計算をしているのか、そういう部分があるのかないのか、あるとすればどのぐらいなのかということをまずお伺いしたいと思います。

舛添国務大臣 今委員が御指摘の問題で、七十歳以上の者で所得を有する方々を、これは患者負担を二割から三割に上げる、こういうことを入れるわけですけれども、見通しとして、患者負担の見直しに伴って全体で約三千億円、これは平成二十年度ベースで見込んでございます。ですから、約三千億円というのが数字でございます。

 なお、後期高齢者医療制度の導入自体で、こちらの方で患者負担の変化を想定していないので、こちらで医療費の増減というのは見込んでおりません。今の二割、三割の方は申し上げましたけれども、医療制度については患者負担がふえるということを想定している、患者負担がふえればふえますから、そういう形で三千億円ということです。

松本(剛)委員 三千億円というのは、医療費全体で減る分という見通しでいいわけですね。はい。

 患者の負担がふえると、一般論として、これから医療の議論もさまざま積み重ねていかなきゃいけないという中で、きょう幾つかお聞きをしていきたいと思うんですが、患者の負担がふえると医者に行かなくなる、医者に行かなくなるけれども、結局、悪くなって行くと、最後は高くつくんじゃないか、こういう議論もあります。

 これについて、厚生労働省として、お調べになった、そして統一的な見解というのはあるんでしょうか。私もわからなかったんですが、ちなみに幾つかずっとひもといてみると、大学の先生の論文などで、国保組合とか幾つかの特定の部分をとって見る限りは、一、二年はいいけれども、もとのもくあみ、悪くすればもっと悪くなるんじゃないかというような結果もあるようですけれども、その辺、厚生労働省としてはどういうふうに見ておられるのか。

舛添国務大臣 今おっしゃった点は、これは学者で長瀬さん、長瀬効果という名前で呼んでいることですけれども、一般的に、患者の負担の割合が一割から二割、二割から三割と窓口負担がふえますと、やはり着実に患者数が減少するということが経験的に知られていて、そういう論文もあります。これを長瀬効果と我々は呼んでおります。

 ただ、例えば、低所得の方について自己負担限度額を据え置くというような細かい措置をとることによって、できるだけそういう効果が抑えられる。もっと言いますと、必要な治療なのにそれを受けられない、それを避けるような手だては十分とっておりますので、必要な医療までが削減されるということになるようなことは絶対避けたい、そのように思っています。

 ただ、例えば所得が十分にある方で、これが二割から三割にふえるということで、ちょっと風邪を引いた、それぐらいで行かなくなるかなというような効果が今申し上げたような長瀬効果の中に入っている、そういうような理解でおります。

松本(剛)委員 先ほど私が読んだ論文は国保組合でありましたので、一定の所得のある方が集まっているということになると思います。その中では、やはり一、二年目は落ちたけれども、その後がまた上がってきた。こういう、限られた中ではありますけれども、一つのサンプルの調査という結果になると思います。

 今おっしゃったように、確かに、その場の政策としてはそれなりに手当てをしていると皆さんおっしゃるわけですけれども、医療のもともとの目指すところは、先ほど前原議員との議論の中にもありましたけれども、やはり、まず国民の健康を守るためにやるわけでありまして、お金が前よりかからなくなるということよりも健康を守るということでありまして、今申し上げた診療抑制の話は、結果として後からお金もかかる、しかも悪くなってからお金がかかるということであれば、これは最悪の選択ということにならざるを得ないわけであります。

 その意味では、お聞きをする限り、厚生労働省の中でも、本当に患者負担をふやしたらどういうことが起こったのかということの分析がまだ十分にし切れていないのではないかというふうに、私は大変懸念をいたします。

 一応今本人負担は三割で打ちどめというお約束にはなっているわけですけれども、これから、高齢者の方々については、もし三割が上限だとすれば、いろいろな階層、いろいろな対象に関しては、まだ上げる余地のあるところもあるわけですね、はっきり言えば。それを、今の状況の、政策のつくり方の流れからしたら、そういうことをまた検討するという時期が早晩来るかもしれないけれども、本当にそのことがいい結果を生んでいるのかどうかということをぜひ一度きちっと調べていただきたい、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 これは、本当に細かい調査をやってみたいと思います。

 例えば、昔はサラリーマンは窓口負担ゼロでした。それが一割になった。そのときはかなり、いい意味での、つまり、今委員が御懸念なさったような形じゃない効果が出たと思います。

 では、今度、一割から二割、二割から三割というのは、一万円かかったら三千円払わないといけないですから、それは非常に大きいので、委員が懸念されるように、そこでかからなかったためにもっと重くなって、全体的に見て、将来的に医療費のアップにつながったというのでは何のためにやったかわかりませんから、これは少し、そういう専門の方を含めて、どこまできちんと計数的に実証できるかは別として、できるだけ調査をやってみたいと思います。

松本(剛)委員 特に、これから高齢者の方々についての負担と給付のあり方というのがいろいろ議論になってくると思いますが、高齢者の方々の場合、恐らく若い人よりは回復力等も衰えている部分があるわけですから、我慢する結果についても、これは年齢階層別なり、いろいろなことをぜひやっていただきたいというふうに思っております。

 先ほど兵庫の柏原病院の話がありました。私のところは兵庫県でございますが、実は、私の地元の姫路でもきのう、市民の方々、それから地方議員の方々も党派を超えて、というよりは、正確に言うと無所属と民主党と公明党さんで、なぜか自民党さんはおいでいただけなかったんですが、地域の医療を何とかしなければいけないということであります。

 残念ながら、私どものところの兵庫県の西部、姫路でも救急医療で受け入れ先がなくて亡くなるというケースが昨年の十二月の六日に発生をしておることもあって、皆さん集まって議論をしたんです。

 そこで市ができること、地方自治体ができること、そして市民ができること、先ほど診療の行き方についてもいろいろ議論がありました。そういうふうにしていこうということになりましたが、そこにお医者さんもおられましたし、市民の方もおられましたが、国の政策をやはり変えてくれないと、そこまで我々の地域の医療が生き延びられるかどうかという意味では努力をしようということでしたけれども、ぜひとも変えてもらわないといけないという、皆強い意識を持って取り組んでおりますので、ぜひそこはお考えをいただきたいと思います。

 もう一つ、今まさに大臣がおっしゃったように、三割負担というのは非常に大きいと思います。先週、診療報酬の改定が発表されたわけであります。今まで、どちらかというと、このことを少し広めてほしいということであれば診療報酬を積み増すという形をとってくるのが基本の形でありましたが、医療提供者の側は、確かにもらうものがふえればやる気が起こるというインセンティブが働きますが、これは一割の時代ならはっきり言って大して影響はなかったかもしれませんが、三割ということになると、今度は出す患者さんの側からすると、三割の負担をしなければいけないということは、全体的に見ればやはりマイナスのインセンティブに働いてくるわけですよね。

 例えば、今回も話題になりました再診料、これは金額は必ずしも大きくないかもしれませんが、積み重なると結構な金額になると思います。病院と例えば診療所とで再診料が違う、この再診料が違うことによって患者さんの行動がどういうふうな影響を受けたかというようなことは調べたことはおありになりますか。

舛添国務大臣 これもデータが集まれば何とか調べてみたいというふうに思います。

 私も中医協の答申の前にこの問題意識を持っていましたので、今委員がおっしゃった点は、例えば町のお医者さん、かかりつけのお医者さんのところに行くと高い、ところが大学病院なんかに行くと安い、それなら安い方に行くのは当たり前じゃないか、それで同じ金額にしたらどうですかということであったんですが、逆に今度は、地域差があって、地域で一生懸命地域を守っている開業医の方々、それを下げられたらとてもやっていけません。本当にいろいろなケースがあるものですから、逆に、再診料ではなくて、外来加算料とかその他の、ほかの専門的な分野で勤務医にお金が回るような仕組みを何とか苦労してつくり上げました。

 ただ、これも先ほど委員がおっしゃったように、階層別とか所得別で考えないと、例えば、安いからといって大学病院に行くんじゃない、値段が同じ、開業医と診療所と病院が同じだって、私は最初からもう値段が幾らであっても大学病院に行く、それは大きな病院に行った方が、最初から検査するのは、どうせ検査しに行かないといけないならそっちが楽だというような考えの方もおられたり、いろいろありますから、ちょっとこれはまた調査をしたいと思います。

 ただ、一般的に言って、やはり診療報酬、このお金のインセンティブが今までも一番医療提供者についてはきいてきたことは確かです。しかし、医療の受益者である患者、国民の側から見たときにそれがどうきくかという研究とかいうことは私は余りなされていないと思いますので、この点もひとつ検討課題にさせていただきたいと思います。

松本(剛)委員 ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。

 私どもはそもそも三割負担に反対をしてまいりましたし、今お話があったように、提供者側は確かにストレートにインセンティブが働くわけですけれども、そのことに伴って、提供者側のインセンティブを働かそうと思うと必ず患者負担が大きくふえるという、今の構造そのものをやはり一度考えていただかなきゃいけない。その議論をするためにも、きちっとした、やはりある程度、サンプルにせよ何にせよデータを持って議論させていただかないと、これから医療も大変かかるわけですし、先ほど大臣も高齢者について必要な医療はしてもらう、こうおっしゃいました。ストレートにはおっしゃりにくいでしょうけれども、言外には必要でないものも今までしていた可能性はないわけではないということで、必要な医療はキープするけれども金額は減る可能性がある、こういう話だと思います。

 必要でないものというのを、これは道路でも何が必要で何が必要でないかというのは非常に議論の難しいところなんですが、もしそういう意味で診療をしてもらう必要がないというものが今含まれているとすれば、逆に違う形で、それを何らかの形でやはりオミットすることも考えるというような手だても考えていただくためにも、やはりきちっと、率直に言って、今まで、政策をつくるまでに、あえて少しきつい表現をすれば、その法律を通すためにそれなりの説明のデータは用意をされておるわけですが、結果としてそれがどううまくいったのかいっていないのか、大きく違っていたケースもあるというのが実態でありますから、きちっと、これだけの制度変更、これまでも、この数年間でもいっぱい制度変更してきましたから、し過ぎて逆にどこがどこだかわからないというようなのに近いようなお話もあるんですが、やはりいろいろな形で研究をしていただくという必要があると思います。

 こういうことを踏まえていかないと、これからの診療報酬の体系の組み立て方、医療の見通し、何が必要なのかということができないということで、きょうはその点をお願いしておきたいと思います。

 それに関連して、医療費の伸びについても、もう一度ちょっと議論をさせていただきたいというふうに思っています。

 今、お手元にも資料を配らせていただきました。これは二年前の法改正のときに私どもが議論として提示をさせていただいた内容であります。これは給付費ベースでありまして、国民医療費のベースではありませんが、ほぼ方向性としてはというか計数としては似たような形になると思います。

 私どもは、その時点では、政府の推計というのは平成七年から十一年というこの時期をおとりになった、これはやはり高過ぎるということになるのではないかと。我々も医療費が要らないとは言いませんし、先ほど前原議員からも申し上げたように、まだまだお金をかけなければいけないところがあるというふうに思っています。

 ただ、私どもから見れば、これまでも国民に負担を求めるときには、いつも非常にびっくりするような金額を言って、大変なんだからお金を払え、基本的にこういう構造をずっとつくってきたのではないか、こういうふうに思っています。実際、大臣も御存じだと思いますが、一番大きいときは二〇二五年ベースで百四十一兆円かかると言ったときもあるわけでありまして、さすがに厚生労働省の中でも、百四十一兆円と今回の差は何なのかということでありますが、実は、中身は伸び率が変わったということが大半でありまして、制度改正の影響というのは、その中でいえば、割合からしたら少ない。ただ、伸び率を幾らに見るかというのが実はある意味ではすべての部分でありまして、ぜひこの点についても、現状を見て、医療費の推計をやり直していただきたいと思いますけれども、お考えを伺いたいと思います。

舛添国務大臣 見通しを幾らにするかというのは、今の五十六兆円は百四十数兆円に比べれば三分の一に下がったわけですから、それで、要するに、厚生労働省の政策は効果があったからこうであるということを言いたがるわけですけれども、しかし、人口がふえる、高齢化比率がふえる、それから、例えばもう一つは医療技術の高度化、これは今めちゃくちゃお金がかかる医療技術がありますから、こういうものも入っています。

 そしてまた、今、制度改正や診療報酬の改定だって全く意味を持たないわけではないので、そういうものを加味してどれだけの数字を出すかということは必要だと思いますけれども、どうしても、やはり介護の費用もそうですし、医療の費用もそうです。高目高目に出して、これだけかかるんだからきちんと抑制しないといけない、どうしてもそういうインセンティブというかそういう意識になるのは、ある意味で政策担当者としては避けがたい面もありますが、委員がおっしゃったように、いろいろな要因を入れて、できるだけ実態に近づいたことができるかどうか、これは試みてみたいと思います。

松本(剛)委員 大臣はもうよく御存じだと思いますので資料としてつけませんでしたけれども、この前の五十六兆の数字をつくるときに、百四十一兆と、今回の、これは国民医療費ベースですから六十五兆ですけれども、その数字、厚生労働省御自身が、伸び率が変わった分が八割で、制度改正の分は二割だというふうに分析をされているんですね。

 前回の議論で問題になったのは、平成十一年でお切りになると、介護保険を入れる前なんですよね。その後の状況を見ても、その前後というより、平成十一年までにはいわば介護の分も入っている、医療と介護が同じように伸びているという前提で平成十一年までの数字を使ってその先を延ばしているわけですが、その後の介護の状況、もちろん制度が変わったから一律には論じられませんけれども、ニーズ等を考えても、恐らくその中には、介護の方の伸びが高くて医療の方の伸びが低かったということは想定をされる部分があります。

 御案内のとおり、この医療費の推計は、一人当たりの医療費、その伸び率掛ける人数という形でおつくりになっていますが、この予想で置いてある一人当たりの医療費の伸び率、高齢者でない一般の方々でも、分野ごとになっていますが、一人当たりの医療費で予想を超えたのは、この数年間でもある特定の分野の一つぐらいしかない。高齢者に関しては、全く超えられないどころか、はるかに低い数字しか出ていない。

 ところが、今いろいろな議論を、マスコミなどでも、これから二〇二五年にはこんなにかかるんだからどうするんだ、こういう話がありますけれども、このこんなにかかるの根拠は、今おっしゃった医療費が、基本的にその数字が入っているわけですね。まさに大臣もおっしゃいましたけれども、高齢社会だからお金がかかる、だからお金を出せと。日本国民はみんなまじめですから、そうかなと思って今まで出してきたわけですけれども、これから議論しなきゃいけないのは、高齢社会だから幾らかかるから幾ら出せという話まできちっとやはりこの国会でやらないといけない。

 その幾ら出せという基準について、やはり今のは明らかにもう見直していただくときに来ていると思いますので、ぜひ医療費の推計を、これから社会保障に関しては大変いろいろな議論が起こってこなければいけないのであって、二年前のこれが公式です、この数字でいくんですということになれば、その数字そのものをまず争う形で議論しなきゃいけませんから、どこまで細かくやるかはいろいろあれですけれども、このときもそんなに細かい計算をしていると思えないんですよね。もう一度医療費推計をやり直すということを考えていただけませんか。

舛添国務大臣 委員、例えば健康寿命を延ばすために、簡単に言うと治療より予防、予防をするようなことを地域全体で考える、こういう政策もやっています。したがって、そういうことも含めてこの推計全体をきちんと検討し、もっと精緻なものができるかどうか、そういうことも含めて検討させていただきます。

松本(剛)委員 これはベースの部分ですので、きょうお聞きしたようなことはこれからの議論のベースとして必要なことだということで、まずきょうはお願いをさせていただきました。

 なお、もう一点だけ、これは御通告申し上げておりませんけれども、私どもの税制の中でも、これは財務大臣にもお願いをしなきゃいけないのでお願いだけさせていただいて、きょうは御答弁は求めませんが、実は、医療費にかかる消費税の問題というので、従来免税になってきているんですが、当然、医療側の仕入れ部分をどうするかということで、診療報酬でこれまで調整をされてきたということになっているわけですけれども、いろいろなところで矛盾が出てきております。

 例えば輸出品などというのは、輸出すると、その分を、消費税相当額を税額控除するとかいうことで実質的にゼロ税率、還付の仕組みをつくっているわけですね。私どもも今回の民主党の税制改正の中では、まずは、ある程度、一定以上の金額の設備投資にしようかということで限定をさせていただきましたが、税額控除を検討するように今求めております。厚生労働省としてもぜひしっかりと現実を見た要望を出していただいて、そして、これは財務大臣に回ってくる要望になりますので、お聞きをいただくようにお願いを申し上げて、医療への私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 それでは、地方財政の関係について幾つかお聞きをしていきたいと思っております。

 今回の道路の問題もそうだと思うんですけれども、今まさに国会で税の議論をしている。言うまでもなく、憲法で決めているように、実は、税というのは国会で決めなければいけないということになっているわけですが、他方で、地方の方は既に時間切れでいろいろなことを進めなければいけなくなっているということだと思います。

 大臣、まず、地方は、制度が変わるとかそういうものはどういうふうに地方の予算に反映をさせる、総務省としてはどう対応するということになっているんですか。

増田国務大臣 地方の財政の場合には、国の法律で大枠が決められる、あるいは地方財政計画で決められる、こういうことになりますので、まず年末に地方財政対策、昨年の年末の場合ですと十二月十八日に地方財政対策、これは私と財務大臣との間で決着をいたしましたが、その地方財政対策が決まりますと、翌日の十二月十九日に、全国知事会の方に私は行きまして、その内容について説明をいたしました。

 そのほか、税制改正大綱ですとか予算の関係が、予算は十二月二十四日でございますが、年末に決まりますので、各地方の団体、六団体ございますが、そこに内容を逐次お知らせする。それから、年があけまして一月に都道府県の財政課長等に、ことしの場合ですと一月二十二日でございますが、会議を開催して、説明会で中の詳しい点を、その内容を説明してございます。

 こうしたことを受けて各地方公共団体が予算編成をする。そのほか、新聞等などでいろいろ情報等は得られていると思いますけれども、公式的な動きとしては、今申し上げましたようなスケジュールにのっとりまして地方公共団体が予算編成に臨んでいる、こういう状況でございます。

松本(剛)委員 地方公共団体としては、に対してはというか、両側そうだから、総務省としてもそうだ。時間的にそうせざるを得ないんだろうと思いますが、今おっしゃったように、予算にしても税法にしても、政府でお決めになった、百歩譲って政府・与党でお決めになったところまでですよね。国会で決まっていないんですよね、予算も税法も。それで地方が動かざるを得ないということになりますよね。

 地方税のことについて確認をしておきたいと思いますが、地方税、いろいろ仕組みが変わると条例を変えなければいけませんね。しかし、法律が変わる前は条例は変えられないですよね。実際には、地方税の法律が通るのは今のスケジュールでいくと大体三月の終わりということになりますが、既にそのときには地方自治体は予算の審議は大体終わっているというふうに思いますが、どのように地方自治体で対応されていますか。

増田国務大臣 今委員がお話ございました点、私も自治体の首長をやっておりましたので、いつも大変苦労するところでございますが、地方自治法で、議会での審議をする上で、都道府県、政令市は年度末から三十日前に、それから市町村にあっては二十日前までに、予算案を議会に提出して内容を審議するということですので、実際には、都道府県の場合ですが、三月に、国の動きを見て、どうしても先行的に内容を並行して議会で審議をしていただく。

 そして、国の方が大体年度末ぎりぎりに、特に日切れの法案などは成立をいたしますので、そのときには、実際にはそれを先取りして内容を審議していただくようなことが今までは多かったわけでございますが、その上で、場合によっては、年度末に各自治体で、多くは専決処分のような形で実際には執行を担保していく。国と地方、予算の会計年度は四月から三月まで、これはずらすわけにいかないものですから。そうした一方で、地方自治体の方で議会に予算審議をしていただくための先ほど言いました三十日や市町村は二十日の期間はどうしてもとっていただかざるを得ない、こういう状況もございます。

 自治体の立場からいえば、でき得る限り国の方での審議を先にしていただくと議会の方の審議もスムーズにいく、あるいは内容等についての執行も、専決処分等までしなくてもいいようなこともございますが、今までの状況を見ますと、やはり年度末になってしまいますので、今申し上げましたような処理を実際には公共団体でせざるを得ない状況になっているところでございます。

松本(剛)委員 地方の議会で税にかかわる条例が専決になってしまうというのは、一番大事なものをいわば議会が、ないがしろとまでは言いませんけれども、議会の側からは恐らく専決処分に対しては必ず声が出るでしょうし、ここの構造を置いている限りそうなんです。

 結局、我々から見ても、政府が決めたらあとは国会は予定どおり通るだけ、ただ、さすがに条例は法律との関係もあるので矛盾を来さないようにしようと思えば、そういうおかしな格好になる。しかし、予定どおり通るはずだからということで予算にしても何にしても全部進むということになるわけですから、この仕組みというのはやはり基本的に考え直していただく必要がある。

 地方についても、もちろん、予算を組むに当たって、国からすべての情報が来ているわけではないですよね。いろいろなことはある程度地方で見積もって立てるわけですよね。例えば地方交付税額というのは個々に地方に通知されていますか。

増田国務大臣 当該年度の交付税額は、翌年度に入ってから通知をいたします。

 ただ、できるだけ事前に、予算編成上重要な項目でございますので、年明けの、先ほど言いました、ことしでいいますと一月二十二日の担当課長会議がございますけれども、そのときまでに来年度の地方財政対策ということで算定の考え方などをできるだけ詳しく申し上げるようにしていますので、各公共団体は、その考え方を見て、それで大体推計を立てて、大体うちの団体はこういう額になるだろう、こういうことをいいまして、普通交付税の場合でございますけれども、そういう推計を立てて、予測を立てて、そして予算編成をしているということでございます。

松本(剛)委員 補助金も当然、具体的な数字は箇所づけ以降になるのは、もう言うまでもないことだろうというふうに思います。その意味では、大臣、二月十三日の日に我が党の中川議員に、公共団体の予算というのは一円でもずれてはだめ、こうおっしゃいましたけれども、見積もっている予算ですからそういう部分もあるわけですから、若干その言葉は言い過ぎだったのではないかなと思いますので、ぜひそこは一つ申し上げておきたいと思っております。

 その上で、知事もされていた大臣に、改めて御所見をお聞きしたいと思います。

 先ほどお話をさせていただいたように、当然地方で見積もらなきゃいけないものもありますが、結局、国の関与が多過ぎるからそういうことがたくさん起こってくるんではないかと私は根本的に思っています。

 今回の道路特定財源の問題にしても、知事さんがみんな東京に集まってきて、暫定税率を維持しろという運動をして陳情するのが分権の方向にかなっていると総務大臣はお思いですか。

増田国務大臣 地方財政全体について申し上げますと、総務省でも地方財政計画をつくっていろいろ地方の財源を保障しておりますので、そうした計画をつくる、あるいは公共団体の大体の予算の方向性をそういった形で示すという役割がございますが、ただ、大きな分権の流れで申し上げますと、そうした総務省の役割ですとか、あるいはもっと大きく言いますと、国、政府のこういう地方自治体への関与というのは、今後は地方の財政自立を図っていく上で減らす方向に持っていかなければならない。そのためにも、地方の財源を安定的に確保するような制度改正を行った上で、国の関与は今後極力減らす方向に持っていくというのが大きな流れだろうと思います。

 今、そうした観点に立って、まさに分権委員会で地方の財政自立について議論していただいているところでございますが、そうした方向性を我々も今真剣に考えているところでございますし、そのことと、それから今回の道路の関係でいいますと、やはり地方にとりまして、今まで道路整備を計画していたものの財源がなくなるということに対しての心配というのが大変多いものですから、自主的な大きな財源を確保するということと別に、そうした地方財源に対して、いろいろと計画をされていることに対してそうした執行ができなくなるということに対しての懸念は、一方またこれも大変大きなものがあるというふうに思っております。

松本(剛)委員 大臣のおっしゃっていることは、中身については我々は議論もありますが、暫定税率を維持してほしいという意味にはなるかもしれませんが、特定財源でなければいけないという理由にはならないのではないかというふうに思います。

 大変高い志をお持ちであったはずだというふうに思っておりますので、最近それをお見受けすることができませんので、ぜひ取り戻していただきたいということをお願いさせていただきたいと思っております。(発言する者あり)私には残念ながら見えませんので。持っていないかどうかは御自身の中で判断をしていただかなきゃなりません。見えるか見えないかという私の判断を申し上げさせていただいております。

 なお、この国会の状況で、私は、こういう衆参の状況になって国会で非常にいい議論ができるようになったというふうに思っていますが、先ほど申し上げたように、地方財政との関係等も考え合わせると、今のスケジュールを続けている限りは必ず同じ問題は起こってくる。そして、制度を変えれば混乱をするからだめだといったら一切制度は変えられないという、今の制度を維持する人が非常に喜ぶスケジュールがずっと続いているわけであります。

 もう財務大臣にお答えは求めません。ぜひ、そういう状況を踏まえて、これからどうするか、お考えをいただきたいということを申し上げて、冬柴大臣、お帰りをいただきましたので、では、道路の話をお聞きさせていただきたいと思います。

 きょうは、高規格幹線道路をどこまでおつくりになるのかという話をもう一遍させていただきたいというふうに思っています。

 いわば、もう一度確認のような形になりますが、先般、岡田委員との質疑の中で、二〇〇六年の三月二日の委員会での質疑が取り上げられました。岡田委員の方は、従来のいろいろな計画、これは、九三四二キロメートルの整備計画以外はすべて白紙、そういうことで確認させていいですね、こう問いかけたときに、小泉総理は、「白紙であります。大きいでしょう。」こう答えた。

 普通の日本語で聞く限りは、九千三百四十二キロ以外はつくるという計画が白紙に戻ったというふうにこの答弁では読めるわけですが、ちょっと大臣、質問の順番が変わりますが、この総理の発言を受けて、しかし、閣議決定の一万四千キロ、法律で決まっている一万一千五百二十、若干出入りがありますから細かい数字は一万六百幾らになったり変わっていますが、これはその後も一切手をつけていないんですよね。確認させていただきたい。

冬柴国務大臣 一万四千キロというものが閣議決定されたのは昭和六十二年六月なんですね。それに基づきまして国土開発幹線自動車道建設法というものが改正されまして、そして……(松本(剛)委員「中身はわかっていますから」と呼ぶ)ですから、その後それを、確かに総理大臣の発言は重いですよ。しかし、それはどのときに言われたかといえば、この九三四二、当時その議論がなされているときに、既に整備決定がされている、施行命令がされている、そういう道路を今後もいわゆる道路公団でつくり続けていいのかどうか、有料道路として、四車線で。その議論があったときに発せられた話でありまして、それ以外のことはつくらないとかつくるとかいうことではなしに、そのときに言われた話でございます。

 したがいまして、そのようなものを覆す閣議決定がその後されているかということになりますと、それはありませんし、法改正もございません。依然として、そういうものは官報公示もされたままになっておりまして、私どもとしては、それをいつだれがどのような手法でやるかということは一切決まっていません。決まっていませんけれども、それをどうするのかということは重大な問題であるから、今回も中期計画で、将来それに手をつけるとするならばどうなのかということで、BバイC等、評価をさせていただいたということでございます。

松本(剛)委員 そうおっしゃるであろうと思って、ああやってわざわざ岡田委員の質問から読ませていただいたんですが、九三四二の中をどうするかということをこのとき議論していたのではなくて、九三四二の外をどうするかということが白紙でありますという答えだったわけであります。

 もちろん、おっしゃったように、そこまでは法律でも閣議でも決まっております。しかし、総理大臣が九三四二の外は白紙だと言ったら、当然、それまでの法律であったり閣議決定であったり、変えなければいけなかったはずなんじゃないですか。これは、小泉さんが怠慢だったんですか。当時の大臣が怠慢だったんですか。黙っていればそのうちもとへ戻るから、じっと黙っていようということだったんですか。どうだったと思いますか。

冬柴国務大臣 私は、そうではないと思うんですね。九三四二のうち七三四三はもう全国で供用されているわけです。(松本(剛)委員「九三四二の外の話です」と呼ぶ)いえいえ、だから、その外というのはまだできていないんですよ、ちょぼちょぼちょぼちょぼできているけれども。きょう資料として出されているところがありますけれども、その地方の方々にとってはそれはどうなるんだと。それをやめるんだったら大変なことになったんだろうと思いますよ。

 そういう意味で、それはそうじゃなしに、道路の公団改革のときに、これをそのままつくり続けていいのか、当時二十兆円かかると言っていたわけですから、残りの千九百九十九ですね、二千キロですね。それで、それでいいのかどうかということの議論がされていたわけでありまして、その外側はどうだと聞かれたら、それは白紙でございますというのは、その手法も、いつつくるとか、つくらないとか、そういうことは全く白紙だということを意味するわけで、それは変わっていませんよ。

 しかしながら、目標として、それが予定路線として閣議決定され、法律まで規定されたということの事実は、現在もそのまま残っています。

松本(剛)委員 総理大臣のおっしゃった言葉を先ほど申し上げました。これを読めば、今までの計画はやはり白紙に戻すべきであったので、手続が我々から見ればとられていなかった。黙っているうちに総理大臣がかわられて、いや、手続をとっていないから前の計画が生きているんだと今おっしゃっているというふうに考えられる。

 私どもからもお願いをしていますけれども、ぜひ当時の総理大臣に一度お話を伺ってみたいと私もこの議論を進めていて思いましたので、委員長にお願いを申し上げておきたいと思います。

逢沢委員長 このテーマについては、引き続き理事会扱いとさせていただいております。

松本(剛)委員 はい。お願いをいたします。

 国民に対しては、このやりとりで、どう見てもそれまでの計画は一度白紙に戻ったというふうに、白紙にというのは普通戻ったという言葉がついてくるんですよ、考えるのが普通ですけれども、大臣の今の立場では、その後だれも何にもしていないんだから、法律も直していない、計画も、閣議決定も変えていないんだから、私はそれに基づいていくんだ、こういう話ですよね。

 先ほど、総理の言葉は重いですよ、重いですよ、しかしとおっしゃったように、基本的にはあの小泉総理の言葉は乗り越えてというか、踏み越えてということですよね。

冬柴国務大臣 では、これで全部終わりとした場合、日本国じゅう、それは納得しないと思いますよ。圏央道だってできないですよ。そういうことを考えたときに、そんな一言で全部なくす、なくすということはできるんでしょうか。そうじゃなしに、その段階で、真に必要な道路はつくらなければならないということもおっしゃっていますよ。そうでしょう。

 そういう、全部を総合したときに、まるっきり法秩序を全部否定して、独裁国家じゃないわけですから、国会で審議をして、法律改正をしたというようなものまで、一言で全部白紙撤回ということには私はならないと思います。

松本(剛)委員 私も議事録を全部読みましたが、おっしゃったように、総理も必要な道路はつくる、しかし、この小泉総理の発言を聞いていれば、前の計画をそのままやるんじゃないんだということを言っているわけですよ、白紙ということは。しかし、これは前の計画がそのまま全部残っているわけじゃないですか、一万四千キロにしても一万一千五百二十キロにしても。だとすれば、これは白紙というのは、結果としては、総理大臣は誤ったことを国民の前で言ったことになってしまうんですよ。前の計画をそのままやるということでこういう答弁には絶対なりません、どう日本語をひっくり返しても。

 なぜ、その政権で総理が白紙と言ったのに、法律も変えず、閣議決定も変えなかったんですか。総理が言いっ放しだったということに責任があるんでしょうか。どう思われますか、大臣。

冬柴国務大臣 したがって、私は、その白紙という議論が出てきたときの状況を申し上げたわけです。そのときは、二十兆かけて千九百九十九を道路公団が有料でつくり続けるという契約、そういうことをどうするのかということを話し合っていったときに、それでは外はどうですかと言われた。それでは、その外につきましては、その時点でですよ、その時点では整備計画は出ていないわけですから、予定路線になっているわけですから、これを今後、だれが、どのようにして、いつつくっていくのかということについては白紙だということをおっしゃったと私は理解をいたしております。

松本(剛)委員 国民の皆さんの前でこの議事録を先ほども読ませていただきましたから繰り返しませんが、そういうふうにはこのやりとりはどう見ても読めません。牽強付会だというふうな指摘を受けざるを得ないのではないかと思います。

 今お話しさせていただいたように、白紙だということであれば、前の計画は、もちろん、全部見直した結果まだ残るものもあるかもしれないという理屈は成り立つかもしれません。しかし、前の計画をそのまま残して、引き続いてやるということで白紙という言葉が使われるということは、日本語としてあり得ない話であります。なぜそれを、総理がそこまで言ったのにもかかわらず、これは役所側のサボタージュなのか、それとも総理が、小泉改革というのはそこで言って終わりだったのかわかりませんけれども、結果としてはどちらかだと言われても仕方がない面があるということは指摘をしておきたいと思います。

 それでは、その上で、先ほどおっしゃいました九千三百四十二キロについては、引き続き民営会社が整備するものと新直轄でやるものということでいわば整理がされました。そして、そこの九千三百四十二キロから先の部分については、一万一千五百二十キロまでは、やるとすれば本来は国幹会議にかかるんですよね。

 では、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道というのがありますね。これは何なんでしょうか。

冬柴国務大臣 それは、高速自動車国道の整備をするには、一挙に全国全部手をつけるわけにはいきません。予算のものもありますし、それから地域の事情その他がいっぱいあります。したがいまして、それは整備をするときに順番がつきます。したがいまして、今までに、今もうどんどん走っているところはその順番で整備をされてきたわけでございますが、順番が回っていないところがあります。そういうところにおいても、一般国道におきましては、渋滞が慢性的に生じたり、交通事故が多発したりする場所があります。

 この間もちょっと例を挙げて、失礼ですけれども、鳥取県の鳥取市から米子の方に向かって青谷というところがありますが、そこでは事故が大変多発しておりました。九号線しかないわけです。したがいまして、ここにバイパスをつくってもらいたい、当然な話です。当時の知事等から強い要望がありまして、バイパスをつくるということになりました。しかし、そのバイパスをつくっても、これは将来山陰自動車道というものが予定されております。したがいまして、これが二重にならないように、バイパスについては高速道路としての能力があるようなものをつくる。

 将来それは、もしその部分で山陰自動車道がつくられるということになった場合には、もちろん手続は要りますが、その部分を高速自動車道に編入するということを、二重手間を省くためにそういうふうにしているわけで、本質は一般国道でございます。

松本(剛)委員 今の、いわば並行する自動車専用道をつくるには、国幹会議にかかりますか。

冬柴国務大臣 国幹会議にはかかりません。後で編入する場合にはかかります。

松本(剛)委員 私がお聞きをした説明では、まさに大臣がおっしゃったように、後段の部分ですね、その部分について、例えば事故であるとかそういう事情があるからその部分の道路をつくらなければいけないということでつくるんだ、こういうお話でありました。

 ところが、この前、ここにあるのは実は自民党の谷垣政調会長が国会の質問でお出しになった表ですけれども、これを見ると、ぶつぶつ切れているじゃないですか、つながないと意味がないじゃないですか、こうおっしゃいます。このぶつぶつ切れている中にいっぱいありますよね、今の自動車専用道。

 そこの地域の事情があるから国幹会議も通さずにつくって、でき上がったらこういう表の中に入れて、ここだけできているのにつながないともったいないじゃないか、こういう理屈でつくるということになると、国幹会議そのものも形骸化していると我々は思いますけれども、その国幹会議すら通さずに、あっちこっちにいろいろな種を植えつけて、これをつながないとだめだ、こういう理屈がどんどんどんどんまかり通ったら、どこで歯どめがかかるんですか。

冬柴国務大臣 それは、例えば今の路線でいえば、鳥取県の方からの強い要望がございます。そして、鳥取県において、それをもし整備するということになれば、都市計画決定をされます。それからまた、環境アセスメントも行われます、二年ぐらいかかりますけれども。そういう手続を経てそこを整備していくわけでございまして、そして、それは並行していますから、並行していないところへどんどんつくっているわけじゃありません、見ていただいたらわかりますけれども。

 そういう自動車国道として、今の法律に、幹線道路建設法に定められたその路線に並行というよりもほとんどその上とか、ですから、そういうものが本当にぶつぶつとできているわけでございます。連続してつくるわけにはいかないわけです。

 しかもそれは、地方にとっては気の毒ですけれども、こういう形でつくれば四分の三が国から補助が出ます、ところが、バイパスということになれば、三分の二しか国は出せませんので、三分の一を地方に負担していただく。四分の一が三分の一にふえる。そういう不利な条件も加味して、何とかここはやらないと、渋滞とかそういう問題があるということで、ぶつぶつだけれども、こういうふうに整備が進んでいるというのが現状でございます。

松本(剛)委員 高規格幹線道路の、また高速自動車国道の決め方の根幹にかかわる問題だと私は思うんですよ。国幹会議も置いて、予定路線も決めて、整備計画を決めて、今度は会社になりましてからは少し言い方が変わりますけれども、基本的にそうやって広げていくわけですよね。

 ところが、それと外枠に、それこそ高速自動車国道をつくるバイパスみたいな、大臣が指定して並行する専用道ができて、でき上がってから、これは国幹会議にかかるんですか、編入するときに。

冬柴国務大臣 編入するときは当然かけます。

松本(剛)委員 二〇〇五年四月一日に和歌山の海南湯浅道路が編入されていますが、それはその前の二月に国幹会議で手続をとられているんですか。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、平成十七年四月に海南湯浅道路を高速に編入しておりますが、ちょっと手元に持っておりませんので、いつかというのはデータはございませんが、国幹会議にかけて編入をしてございます。

松本(剛)委員 でも、でき上がってからですよね。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 二車線供用のもの、それを編入してございます。先ほどお答えが漏れましたが、整備計画、海南湯浅道路は平成八年十二月に第三十回の国幹審にかけて編入をしてございます。

松本(剛)委員 先につくっておいて、でき上がってから編入をするというのであれば、予定路線、基本計画、そして整備計画、道路の指定ということで、国幹会議の意味がほとんどないんじゃないかというふうに思いますよ。

 では、道路局長にお聞きした方が早いかもしれません。この並行する自動車専用道の総延長というのは、この供用延長、国土交通省の資料の進捗率から見る限り、去年かおととしもふやしていませんか。

宮田政府参考人 手元にある数字で申し上げますと、平成十九年度末の供用延長予定が七百十二キロでございます。平成十五年度末の数字しか手元にございませんが、供用済みが五百四十八キロでございました。

松本(剛)委員 局長、私が聞いていることは違います。供用延長ではなくて、供用延長が分子になって進捗率が出ていますよね。その分母の総延長を聞いているんです。つまり、ここまでやろうと思っているというのが、去年、おととしでふえていませんかと聞いています。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 大臣が答弁申し上げましたように、個別のバイパスとして事業化したものが加わりますと、当然総延長はふえてまいります。

松本(剛)委員 大臣の指定でつくられて、でき上がったら高速自動車国道に編入をされる。

 一般的には、高速自動車国道は、国幹会議で基本計画、整備計画ででき上がると思っていますが、九千三百四十二キロを超える部分については、並行するというか、大臣もおっしゃったようにその上そのものですけれども、そこを通らずにもうどんどんどんどん進んでいるわけじゃないですか。九千三百四十二キロから、あの当時だったら一万一千五百二十キロまであったんでしょうか、その差はおよそ二千キロ弱でありますけれども、まさに今局長が言ったように、そのうちもう七百キロぐらいはできちゃったわけですよね。

 国会で九千三百四十二キロをどうするんだという議論をしていたのとは全く関係なく、国土交通省はどんどんどんどん進める。どこまで何をつくるつもりなのかということが、これではコントロールできないんじゃないでしょうか。大臣、どう思いますか。

冬柴国務大臣 ですから、高速自動車国道をつくる場合には、おっしゃるように国幹会議に事前にかけてそれをやるということは当然の話です。しかしながら、その順番が回ってこないという場所についても、その地その地の事情によって、バイパスをつくってほしい、そういう要請はあるわけです。

 したがいまして、それを、普通のバイパスをつくったらそれでいいかもわからないけれども、これは計画がありますから、近い将来か遠い将来かは別として、高速自動車国道がそこに同じような線形で整備されるという事態に対処するために、二重に投資をするのではなしに、それが将来、例えば山陰自動車道が決定されたときにはその部分を編入するということを前提につくらせていただいているわけです。

 手続が後になるじゃないか、でもそれは一部なんですね。それは正当な理由もあるわけですから、今まで湯浅自動車道路ともう一つありました、計十六キロ二カ所入れていますけれども、国幹会議で御了解を得られたわけでございます。

松本(剛)委員 九三四二の後に編入をしたら九三四二がふえてもいいと思うんですけれども、その数字は変えていないんですか、局長。これは九三四二の後にそうやって編入していますよね。少なくとも二〇〇五年に海南湯浅の分を入れていますけれども、その数字は相変わらず自動車専用道ということですか。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 笹谷と海南湯浅は高速編入をいたしました。その二つだけが一万一千五百二十キロの中の高速自動車国道としての供用延長としてカウントされてございます。それ以外は高速自動車国道としての掲示はいたしておりません。

松本(剛)委員 引き続きやらせていただきたいと思いますが、時間が参りました。

 今申し上げたように、しかし、一般的には、九三四二までをどうするかということを決めて、そこから先はまたこれから議論なんだろうと皆思っていたわけですけれども、実態は違って、そのうちの三分の一は既にもう供用されているわけですよね、実質的には。実際に、こういう、つくられる紙のときにはもう供用で出てくるわけですよ、青い線で。ここまでできているんだから、あともつくらないとだめだと。これがどんどんどんどん進んでいくわけですから、一万四千キロ、そして九三四二、一万一千五百二十キロという数字で我々も議論をしてきましたけれども、そのことそのものが実はもう骨抜きになっているということを強く指摘させていただきたいと思っております。

 きょうは、この一万四千キロの外の地域高規格の問題についてもやらせていただきたいと思って資料を用意させていただきました。皆さんのお手元にも配らせていただいたと思います。

 先ほども申しましたように、我々も道路が全部要らないなんということは一言も申しておりません。しかし、財務大臣もおられますが、財政との関係で、どこまで何をつくるのかということを議論しなければいけない。

 そして、大臣もよくおっしゃっているように、ネットワークなんだから全体完成しないとだめだとよくおっしゃいますよね。そうしたら、今の理屈でいったら、今出ているものを全部つくらないとだめだということになってしまう。でも逆に、路線ごとにちゃんと見るんだと言われる。それだったら、路線ごとの見直しも含めて、一万四千キロにしても地域高規格の七千キロにしても、今回、どういう計画を立てるのかという計画そのものをぜひ見直していただかないと、路線ごとに見直すということと全部つくらないとだめだということは論理矛盾になっているということを御指摘を申し上げて、私の質問を終わりたいと思いますが、大臣の御意見があれば。

冬柴国務大臣 九三四二というものの、上限だという議論をしたときには既に、七三四三、七千三百四十三キロは供用していたんですよ、そこの青い線になっているんですよ。残りの千九百九十九ですか、それをどうするかという議論がこの改革の論議であったわけです。それが一つ。

 それからもう一つは、今言ったように、並行するものを、バイパスとしてつくったものを編入する場合には、この高速自動車国道の九三四二の上に乗るわけではなしに、その中に埋め込まれるわけですから、それが延びるということではありませんので、御理解をいただきたいと思います。

松本(剛)委員 一万四千キロの中であっても見直すかのように受け取れることをおっしゃいますが、今の最後の言葉を聞いたら、一万四千キロプラス七千キロプラスアルファは全部つくるんだということをおっしゃったに等しいんではないかということを申し上げて、終わりたいと思います。

 以上です。

逢沢委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

逢沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。細野豪志君。

細野委員 民主党の細野豪志でございます。

 午前中に引き続いて、民主党として質問させていただきますので、大臣の皆さん、よろしくお願いをいたします。

 まず、生活保護の問題について、厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 先週、非常に衝撃的な事件が発生いたしました。北海道の滝川市で二億円以上の生活保護を受けていた人間が逮捕された、こういう問題でございます。まず、大臣にお伺いしたいんですが、今の時点でわかっている事実を教えてください。

 その上で、もう一つ大臣にお伺いをしたいのは、交通費をどうもだまし取っていたということでありますが、国も四分の三負担をするということになっておるわけでありますが、なぜ厚生労働省としてこんなとんでもない事例を見つけることができなかったのか、そのことについてもあわせて御答弁をいただきたいと思います。

舛添国務大臣 これは、委員おっしゃるようにまさにとんでもない事例でありまして、特に、こういう不正を行った人間がいますけれども、それとともに、生活保護を受け取っている滝川市のこの被保護者が生活保護の移送費制度を悪用して、実は介護タクシー業者と共謀していた、そして二億円という多額の生活保護費をだまし取っていたわけであります。

 この事件の報告を北海道庁より受けまして、厚生労働省としまして、これを重く受けとめて、二月十四日及び十五日の二日間、担当四名を派遣しまして、現地調査を行いました。この調査結果を今取りまとめ中ですが、今後、それに基づいて、費用返還を含め必要な措置をとりたいと思っています。

 もちろん、国全体の施策でありますから、厚生労働省の指導が十分行き届かない、ここまでわからなかったというのは深く反省しないといけませんが、基本的に、自治体に指導してきちんとやれということを言って、その結果こういうことなので、さらに指導を強めたいと思っております。

細野委員 調査を始めていらっしゃるということでございますけれども、何しろ、これは報道ベースの話ですが、このだまし取った本人というのは、受給金で覚せい剤を買っていた、さらには暴力団の資金として流れていたという疑いまで実は報道されているわけですね。もしこれを例えば滝川市の担当者がある程度わかった上で出しているとすれば、要するに、暴力団の資金源に生活保護費が使われている、覚せい剤ということであれば、犯罪をそれこそ後ろから後押しをしているということにもなりかねないわけですよね。その深刻さというのは、私は本当に厳しく受けとめた方がいいだろうというふうに思います。

 大臣、もう一回確認をいたします。これは報道ベースの話ですが、滝川市では全体の生活保護費に占める移送費の割合が異常に高かった、それを申請しておったということも言われていますね。市から例えば国に、ある程度県を通してやるんでしょうが、国にそういう申請があった場合に、これは明らかに金額としても割合としてもおかしいんじゃないかという指摘をする仕組みはないんですか。これが一点。

 大臣、もう一つ伺いますが、同様のケースが全国にあるのではないかということが疑われるわけですよね、市の現場で。これは早急に調査をすべきだというふうに思います。ぜひ早期にしていただいて、その成果も予算委員会に提出をしていただきたいと思いますが、この二点、御答弁をいただきたいと思います。

舛添国務大臣 医者とかそういう介護の業者とかの書類がきちんと形式的に整っていれば、それで認可するという形になっておりますけれども、しかし、今回の件がありますので、この一月に、今のケースだと通院移送費、これについては最小限必要なものに限るということで、書類審査を徹底してやれという指示は出しております。

 それから、私が最近見聞したというか、報道ベースですが、岸和田市で同じようなケースがあったといいますが、これは、もっと細かい調査がわかればまた御報告いたしますけれども、精神疾患のある方で、どうしても遠くまで通わないと医療ができないというようなケースであったし、こういう輸送業者が、介護タクシーの業者が結託してやっているというようなことはなかったというように思います。

 いずれにしましても、これは二億五千二百万円というもう法外なお金でありますので、今後二度とこういうことが行われないように、今委員が御提案になりましたような徹底した調査をし、そしてまた必要に応じて御報告を申し上げたいと思います。

細野委員 この二億数千万のお金がこの人に行っていたということは、逆に言うと、本当はもらえるはずの人に行っていない、必要な予算が確保できないということにもつながりかねないわけですよね。これは、予算にかかわる非常に重要な問題ですので、厚生労働省についてはもう早急に調査をしていただきたいと思います。

 その上で、これは予算にかかわるところでございますので、今、予算審議が中盤戦ということでございますが、委員会にきちっとその調査を、予算審議のさなかできちっと提出をいただきたいというふうに思いますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いします。

逢沢委員長 予算委員会で適切に対応いたします。理事会で適切に対応いたします。

細野委員 その調査が出てから、再度、この生活保護の問題については、私の方からも質疑をさせていただきたいと思います。

 続いて、道路の問題、さらには私がこれまで取り組んできた埋蔵金の問題について話を伺いたいと思います。

 まず、財務大臣、先週の質問の中で、特別会計の情報公開については進めるという話を大臣はされました。そして、その中で、特別会計の財務諸表、これについては決算が出た時点で出すんだというお話を答弁でされています。

 実は、私の手元にはまだ平成十七年度の財務諸表しかないんですね。平成十八年度、昨年度の決算は十一月に出ていますね。まだ出ていないですよ。これは何でですか。

額賀国務大臣 特別会計財務書類というのは、例年、決算が提出された年度の三月末に公表しているわけでありまして、だから、平成十八年度決算分についてはことしの三月末に公表するようになっておりまして、今鋭意作業をしているわけでございます。

 ただ、委員がおっしゃるように、十九年度決算以降は、特別会計財務書類については、特別会計に関する法律に基づいて、十一月十五日ごろまでに会計検査院に報告をして、そして、その検査を経て年明けの通常国会に提出するように、相当前倒しをした形で作業をするように今しているところでございます。

細野委員 財務大臣、来年度からという話をされましたが、企業でも決算を出すときに、もちろんその年の収支は当然出すわけでありますが、それと同時に、当然、その年の財務諸表の中でバランスシートも出すわけですよね。これは、企業でいえば当然のことですね。

 政府の場合には、毎年の収支は特別会計で出すけれども、それについてのいわゆるバランスシート自体は、これまで出してこなかったこと自体も大変異常、いまだにそろって出せていないことも、私は異常だと思います。

 ですから、三月末とかそんなのんびりしたことを言わずに、もう去年つくっているわけですから、ひな形もあるわけですから、すぐ調べられるはずです、これも衆議院の予算審議の中できちっと出していただきたいと思います。

 なぜかというと、道路特別会計を含めて、今、社会資本特別会計になりましたが、道路の特別会計についてどういう状態にあるのかというのが、これがないとわからないんですよ。わからない状態で、それこそ税法も含めて審議をしようというふうにおっしゃっているんでしょうから、これは予算審議の中で出してください。御答弁をお願いします。

額賀国務大臣 これはもう委員も御存じのとおり、だから、例えば十八年の場合ですと、二十年の三月末までに公表するように今作業をしているわけですよ。その上に立って、約一年経過するわけですよね。十八年のものは十九年の三月でしょう。だからそれは、一年経過して二十年の三月までに出すということになるんですね、十八年の分は。

 それは、委員御承知のとおり、いろいろな作業があるんです。例えば、九月の初めころは作業の全体計画の作業、スケジュール作成、十月は作業体制、データを準備する、十月の中旬から十二月にかけては地方支分部局からのデータを収集したり、データを整理する、それから十二月から一月にかけては減価償却とか退職金の引当金などの計算を踏まえて貸借対照表をつくるとか、そういうことの作業がずっと続いておりまして、特に独立行政法人などの場合は連結した財務書類の作成が必要なので、いろいろ修正をしたり分析をしたりして、結構手間がかかるのでありました。

 だけれども、それは、来年からはできるだけ早く作業をして三月までかからないように、一月までにはきっちりと出させていただくようにするというふうにしたいと思っています。

細野委員 先週の質疑の中で財務大臣は、決算が出たら出せるんですというふうに答弁をされているんですね。これは、たんかを切られたわけですよ。先ほども申し上げましたが、そもそも毎年の入りと出と同時に、当然、そのときにバランスシートはどうなっているのかと出すのは、これは当たり前のことです。当たり前のことをやっていないわけですよ。そういうことは、財務大臣、きちっと認識をしてください。

 その上で、私も財務諸表を大分見ていますのでよくわかっています。連結が難しいのはわかりました。

 では、その単体のそれぞれの特別会計の決算については予算審議の中で出してください。これはお約束をいただけますね。(額賀国務大臣「単体というのはどういう意味ですか」と呼ぶ)連結ではない、単体です、単独の。

額賀国務大臣 それは、全体的に、決算の書類でございますから、責任を持った形で出させていただかなければならないわけでございますので、個別、どういう状況になっているか調べた上で、後で連絡します。

細野委員 先ほど財務大臣は、時間がかかる理由として、連結なので大変ですとおっしゃったんですね。だから、連結の部分を外していただいて結構です、単体で出してくださいというふうに申し上げていますので、きちっと出していただきたいと思います。

 これも委員長に、予算の審議の中できちっと結論を出すようにぜひ諮っていただきたい、これはそういう決断をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

逢沢委員長 今委員は、額賀財務大臣との間でやりとりをなさっておられるわけでありますが、もし必要であれば、理事会でそのやりとりをフォローいたしたいと存じます。

細野委員 必要としていますので、理事会で諮ってください。

逢沢委員長 理事会で扱いを協議いたします。

細野委員 続きまして、先週も、これも私が議題にいたしました都市再生機構からの天下りの問題について、きょうは冬柴大臣、そして渡辺大臣にも来ていただいていますので、質問をさせていただきたいと思います。

 政府として統一見解を出してもらいたいという話を私は先週いたしました。その前提として、一つだけ渡辺大臣に確認をしたいんですが、先週の質疑の中で渡辺大臣は、都市再生機構からの天下りは自粛をすべきではないか、そう答弁をされましたね。

 確認ですが、去年、大分天下りの問題で大臣とは内閣委員会で質疑をしました。そのときは大臣は、天下りというのは役所からの再就職のことをいうのであって、独立行政法人からのものは天下りでないとおっしゃっていましたね。先週は、独立行政法人からの再就職について天下りというふうにおっしゃいました。そういうふうに定義が拡大をしたということでよろしいですね。

渡辺国務大臣 このあたりは、法律用語ではございませんので、再就職と言うか天下りと言うか、その時々のTPOなり気分の問題もあるのではないでしょうか。

細野委員 渡辺大臣、もう一回聞きますよ。今のは大臣としての答弁になっていませんよ、どう見ても。気分によって答弁を変えられて、それこそ好きに言いかえられたら、こんな国会審議、意味ないですから。

 もう一度伺いますが、独立行政法人からの再就職も政府としては天下りというふうにお認めになりますね。

渡辺国務大臣 天下りというのは、私の理解では、各省が人事の一環として再就職先をつくってそこにはめ込んでいく、そういう実態を天下りと称して使っているのではないかということでございます。

 独法から先の再就職について、これも、各省が人事の一環としてはめ込み、玉突き人事をやっているというのであれば、これは天下りということが言えるのではないでしょうか。

細野委員 都市再生機構を見ますと、大臣、明らかに人事の一環として子会社に再就職をしています。そういう意味で、大臣は都市再生機構からの再就職を天下りとおっしゃったというふうに解釈してよろしいですね。

渡辺国務大臣 たしか、あの去年の議論では、各省の玉突き、あっせん人事のことを天下りと呼んでいたかと思います。

細野委員 大臣、食い違っていますので確認をしますが、先週、私の質疑の中で、質問に対して大臣は、都市再生機構からの天下りは自粛すべきとおっしゃったんですね。都市再生機構からの再就職を天下りと定義されたんです。それについて聞いているんです。独立行政法人の中でそういう人事が行われていたら、それも天下りということですねと。

 役所の人事の一環としての天下りの話をしているのではなくて、都市再生機構の天下りの話をしているので、その部分についてきちっとお答えをいただけませんか。お願いします。

渡辺国務大臣 まあ、世間から見ると、天下りと見える場合もあるかと思います。(発言する者あり)

逢沢委員長 細野君、もう一度質問をしてください。

細野委員 では、もう一回だけ聞きます。これできちっとお答えいただけませんでしたら、そのときはきちっと政府としての見解を整理してから出直していただきたいと思いますので、よろしいですね。

 世間としてどうかではなくて、政府として、独立行政法人からの再就職は天下りというふうに認めるんですか、認めないんですか。イエスかノーでお聞きをしていますので、きちっと答弁をしていただきたいと思います。

渡辺国務大臣 天下りというのは法律用語にないものですから、私も、どういうシチュエーションで使うか、非常に困るのであります。

 独法からの天下りという表現を一般的に国会審議の中でも使ってまいりました。その延長線で、私が先週、その言葉を使ったものと思います。(発言する者あり)

逢沢委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

逢沢委員長 速記を起こしてください。

 渡辺国務大臣。

渡辺国務大臣 各省の人事の一環としてはめ込んでいく再就職を天下りと言うのであれば、独法の人事当局が人事の一環としてはめ込んでいく再就職も天下りと言っても差し支えはないのではないかと思います。

細野委員 独立行政法人が人事の一環として再就職をさせている場合には天下りと言っても差し支えないというのが政府見解というふうに理解をいたしました。

 では、ここから都市再生機構の問題に入りますが、冬柴大臣、先週渡辺大臣は、この天下りについては自粛すべきだ、そういう答弁をされました。冬柴大臣は、必ずしもそういうものではないという趣旨の答弁をされて、そして、答弁が食い違って、私の方でおかしいではないかという話をいたしました。

 それから日にちがたちまして、さまざまな報道など、また役所の雰囲気を何となく見ていましても、これは自粛をすべきということで政府として統一見解ができたやに私は印象を受けていますが、担当大臣はあくまで国土交通大臣ですので、国土交通大臣として、この都市再生機構からの再就職については、少なくとも三年は自粛をすべきというふうに御判断されたということでよろしいですね。

冬柴国務大臣 私は前回、方向として自粛するのは当然だと思いますということを言っていますよ。

 ですから、理屈はあるんですよ。ルールは決まっていないんですから。そして、役所から直接URへ行っているという問題ではなしに、URから株式会社へ行った者を全部一律に天下りと決めつけるのはいかがなものでしょうかと……(細野委員「おっしゃったじゃないですか」と呼ぶ)いや、だから、どうでしょうかと言いながら、言いながらですよ、そのようにお勧めがあるわけですから、私は、方向として自粛するのは当然だと思いますということで、自粛することにしています。自粛することにしていますよ。

 ですけれども……(発言する者あり)いや、三年間なんて言っていないですよ。どういうことですか。当面、これは、ルールを今つくろうとしているわけですよ。ですから、ルールができればそれに従います、これが一つです。いいですか。

 それから、URから株式会社へ行った者を全部天下りと言うのには異論があります。しかしながら、このように担当大臣もおっしゃっていることもあり、皆さんもそういうふうに言われることもあり、当面は自粛するのが当然だと思いますから、そのようにいたしますと言っておるわけです。何も食い違ってはいません。

細野委員 冬柴大臣、先ほど渡辺大臣は、独立行政法人からの再就職も天下りだというふうに答弁をされたわけですよね。天下りかどうかは何かよくわかりませんみたいな御答弁は、これは食い違っているじゃないですか。渡辺大臣の定義に従って、国土交通省として、独立行政法人からの天下りについても、きちっとそれも大臣として見ていくという御答弁をいただかないと、さっきの御答弁と整合性がありませんよ。まず、それをきちっと答えてください。

冬柴国務大臣 前回も私はそれは申し上げましたけれども、独立行政法人通則法において統一的なルールが定められるということになっておるんですよ。それが定められたら従いますということを言っておるわけです。

 だから、今は白紙じゃないですか。でも、そういう評価をされる方もあり、私もそれには理由があるように思われますので、きっちり決まるまででも自粛をいたしますということを言ったんですよ、前。

細野委員 大臣、では確認をしますが、天下りのルール自体は、これまでは政府は、天下りは役所からの再就職のことを言っていましたから、政府としての、法律の枠の中でやっていることというのは、独法からの天下りは関係ないんですね。正直言って、独法の通則法についても、独法からの再就職について、どういう形で結論を得るかは全く白紙なんです。

 では、大臣、もう一回確認をしますが、独立行政法人からの再就職について、何らかのルール化がなされるまでは都市再生機構からの再就職については自粛をさせるということでよろしいですね。それを確約してください。

冬柴国務大臣 確約してくださいって、この間そのように言いましたよ、私。変わっていません。

細野委員 では、この問題は確認をできたということで、私の方も理解をしたいと思います。

 もう一つ、埋蔵金の問題。

 独立行政法人の都市再生機構の埋蔵金については、渡辺大臣、この間はこれが埋蔵金だという御答弁をされました。この答弁があったことは、私は重く受けとめたいと思います。この埋蔵金については何らかの形で返すことができないかということについても検討したい、そういう御答弁もありました。

 ただ、後で議事録を見ますと、冬柴大臣が答弁をされている中身というのは、渡辺大臣が答弁をされている中身とは随分かけ離れている。冬柴大臣はこういうふうに答弁をされている。

 先ほどの七十七万戸に入っておられる方々、そういう住宅についてのセーフティーネットを必要とする人たちが多いわけですから、そういう人たちのために、例えばエレベーターをつけるとか、そういうようなものに使わせていただくことにしております、こう答弁をされていますね。これは、渡辺大臣の趣旨とは全く違うんです。

 冬柴大臣、ぜひ認識していただきたいんですが、この都市再生機構という独立行政法人については、道路特定財源から毎年百億円以上の税金が行っています。政府全体でいえば、一千億円を超える予算が都市再生機構には行っているんです。都市再生機構は、その国民の皆さんからいただいた税金を使って、いろいろな施設整備をしたり、都市開発をしたり、そういう整備をして、そしてできた成果物の一つがこの賃貸のマンションなんです。

 その賃貸マンションの事業にかかわって、これは前提として税金が入っていますからね、その中で流れている、子会社にたまっている埋蔵金は、都市再生機構と天下り先とそこに住んでいらっしゃる住人の中だけでたらい回しにするんじゃなくて、埋蔵金なんですから、税金の出元である国に何らかの形で貢献できるようにすべきではないですかということを私はこの間聞いたんだけれども、そういうお答えではありませんでした。

 まず、渡辺大臣、確認をしますが、UR、都市再生機構の子会社のこの埋蔵金はきちっと国民にお返しをすべきであると私は思います。大臣、そうお考えになりますね。

渡辺国務大臣 先週も申し上げましたように、都市再生機構の繰越欠損金、単体ベースでは四千九百五十五億円であります。これが、連結ベース、つまり子会社、関連会社を連結しますと、何と四千三百二十五億円に、六百三十億円も減ってしまうという現実がございます。一体、この差額はどういうことから起こるんでしょうかという疑問を国交省には投げさせていただいております。

 一つの推測として考えられることは、随契がずぶずぶに行われてきたことから、この随契の結果として剰余金が相当発生をし、関連会社にたまっているのではないかという疑いでございます。したがって、随契の結果たまった埋蔵金であるならば、これを回収する方策を検討してもらえませんかという御提案をさせていただいたところであります。

細野委員 渡辺大臣、確認ですが、回収というのは、これは、少なくとも税金を出している政府があるわけですから、国民がその税金を払っているわけですから、政府に対して、きちっとこれを何らかの形で回収できる、これはポイントなんですよ。いろいろなところに散らばっている埋蔵金、それをきちっと国民にお返しできるのか、どこかわからないところに消えてしまうのか、この分かれ目なんです。

 国民に対して戻すべきだというお考えでよろしいですね。再度御答弁ください。

渡辺国務大臣 独法というのは各省ひもつきの機関ではなく、やはり最終的には国民の方を向いてその仕事を果たしてもらわなければなりません。その点でいきますと、独法が回収をするというのは、まさに国民にお返しをするということにほかならないと思います。

細野委員 冬柴大臣、今御答弁ありました。独法にお返しをして国民にお返しをするという渡辺大臣の答弁ですね。

 冬柴大臣、そのやり方を考えていただけないですか。もちろん、住民の皆さんに対するサービスが高まることは、私はいいことだと思いますよ。いいことだと思います。ただし、もちろんそこで住んでいらっしゃる皆さんに対してお返しするのは大事だと思うんだけれども、その前提として、URにはこれだけ税金が入って、これだけたまっているという現実はしっかり認識せないかぬと思うんですよ。やはり一番の被害者は、この埋蔵金をため込まれた、税金を払っている納税者ですから。そこにきちっとお返しをする方法を国土交通省としてぜひ考えていただきたいと思います。

 再度、御答弁をお願いします。

冬柴国務大臣 先ほど、道路特定財源ということを言われませんでしたか。道路特定財源からURに行っていませんよ。これは都市再生機構ですよ。ですから、道路と違いますよ。道路の独法もたくさんありますから混同されたかもわからぬけれども、ここは、それは違うということが一つです。

 それから、この財務諸表を見ていただくとわかるんですが、日本総合住生活株式会社のことじゃないんですか。それについて、たまっているということをおっしゃっているんじゃないですか、URは。それについては、法定準備金あるいはその他利益剰余金等、百七十六億一千八百万円というのがその他利益剰余金等であります。

 これについてどうするのかということにつきましては、この間も答弁をさせていただきましたけれども、居住環境整備基金積立金、これは、団地内ごみ置き場の改善あるいは車いす用昇降機の設置などの居住者サービス向上支援のための財源ですが、五十億円を充てる。平成十八年度までにこれには百億円が充てられておりますが、これに五十億円を充てるということが一つです。

 それから、駐車場整備基金積立金、これが、居住者が利用する駐車場の整備、更新のための財源として七十九億円を使うということが決まっております。これまでは五十五億円が使われております。

 以上のようなことで、これは埋蔵金とか言われる趣旨ではない、私はそう思います。

細野委員 幾つか言わなきゃならないことがあるんですが、全部答弁が食い違っているんですよ。大臣、埋蔵金とおっしゃったのは渡辺大臣ですよ。私も言いましたけれども、渡辺大臣がURの埋蔵金とおっしゃったんじゃないですか。二人で全然見解が違うじゃないですか。

 そして、冬柴大臣、いいですか。都市再生機構には道路特定財源から税金が行っていますよ。行っていないとおっしゃったじゃないですか。使い方はいろいろありますよ。都市再生機構というのは、都市再生もしているし、マンションもつくっているんだから。ただ、別にお金に色はついていないわけで、都市再生機構という独立行政法人には道路特定財源からも税金が行っているし、ほかのところからも行って、そして都市の再開発をしてマンションを建てているんじゃないですか。答弁が違うじゃないですか。いいかげんなことを言わないでください。

冬柴国務大臣 今議論しているのは子会社の話じゃないですか。子会社にある余剰金を埋蔵金とおっしゃっているんじゃないんですか。そうでしょう。そうじゃなしに、道路特会からはURに直接、土地区画整理事業、その中で道路をつくったり、これはみんな予算査定されて使い道はきっちりしていますよ。

 それからもう一つは、住宅市街地整備事業、密集市街地の道路拡幅とか、みんなそういうものであって、それの子会社にこういうところからお金が入っているということはないですよ。これはURに対して出されたものですよ。わかりますか。

細野委員 子会社は一つも直接税金で行っていないですよ。URに契約が行っていて、国から流れているお金の中で子会社に行っているんですよ。もともとそういう前提で私は議論しているんです。そこの埋蔵金をどうするのかという議論をしているのに、大臣、わかっていなくて言っていらっしゃるのか、もしくはあえてずらそうとしておっしゃっているのかもしれないけれども、全くこれは言いわけになっていないですよ。

 それで、もう一つ、私が確認したいのはそのことじゃないんです。事務方はもう結構ですから。私が確認したいのは、その子会社にたまっている埋蔵金を、それこそ、そこに住んでいる人たちとURと子会社の間で順繰りにお金を回すということをするのか、それとも国民にお返しをするのか、ここが大事だということを聞いているんです。

 先ほど大臣が答弁をされたのは、去年言っていたことと一緒なんです。去年も、住民の皆さんにサービスを向上させますと言っているんですよ。

 そんなことを言っている前に、大臣、いいですか、一番大きな日本総合住生活というのは、この一千億円ぐらいためた埋蔵金のうちの二百五十億円は、自己資本に固定化しちゃっているんですよ、ため込んでいるんですよ。ため込んで、もう流動化をしないように固定化をして、自己資本に入れちゃったんですよ。それはなくなっちゃいますよ、この埋蔵金。一刻も早くきちっとここに手をつけて、国民に返すことを考えてくださいということを言っているんです。さっきの渡辺大臣の答弁とも食い違っています。御判断をいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 日本総合住生活というのは株式会社です。ですから、資本金があります。それから、資本準備金も認められた範囲ではあります。したがいまして、総資本は、資本金は三百億円ですね。また剰余金等の法定準備金は七十五億円ですよ。ですから……(細野委員「そのことは聞いていないですから。そのことは質問していません」と呼ぶ)いや別に、例えば、東急コミュニティーなどの試算では、住宅管理大手の自己資本比率は平均三七・四%なんです。それで、このその他というものは、私が今言ったように、使わなきゃなりませんけれども、資本金と法定準備金を足したものは、この会社は三七・九%でありまして、この大手の平均と比べて過大であるというような資本にはなっていません。そういうことを申し上げているわけです。

細野委員 冬柴大臣、きょうは朝からちょっと答弁が変わってきたかなと思って期待をしたんですが、今の御説明は役所の論理なんですよ。子会社はずっと、財務諸表を見てください、取引状況を見てください、もう都市再生機構とべったりで毎年仕事を受けられている会社なんですよ。言うならば、そこに寄生してきたというか、そこにできている会社で、天下り先になっているんですよ。そこにそういう形で税金が間接的に流れ込んでいるという構図があるんですよ。そのことを考えたときに、今の答弁は、これは国民から見たときに全く納得できないと思います。

 では、最後、渡辺大臣にお伺いしますが、都市再生機構のこの子会社の埋蔵金、これはしっかり国民に返すように、今見解が違いますから、今のじゃだめですよね。きちっと渡辺大臣として、これを回収できるかどうかとおっしゃったんですから、今のでいいのかどうかも含めて、どうお考えになっているか、お答えをいただきたいと思います。

渡辺国務大臣 私の方は、こうした単体よりも少なくなってしまっている累積欠損金がいかにして生じているのかということにまずお答えをいただきたいと申し上げているわけであります。その上で、これが随契の結果流れ込んだ埋蔵金であるということであるならば、これはきちんと回収をすべきではないかと申し上げております。

 回収の仕方については、私が全部考えてしまうと国交省の方で考えることがなくなってしまいますので、これは国交省の方できちんとお考えをいただいて、それを今私どもの方と国交省の方とで事務的に詰めているところであります。

細野委員 渡辺大臣、こんなものは事務的に詰められる話じゃないんですよ。政治の世界で、国民の税金をどう取り返すかという話をしているんじゃないですか。

 天下りの問題は、先週聞いて、今週一定の結論が出ました。埋蔵金の問題については、今週聞いていますから、来週までに政府としての統一見解を出していただきたいと思います。これも、委員長にお取り計らいをお願いします。

逢沢委員長 理事会で適切に対応いたします。

細野委員 幾つかほかにも聞きたいことがありますので、今、私なりに幾つか考えている課題を申し上げましたから、ぜひ御検討いただいて、早急にお返事をいただきたいと思います。

 次に、エネルギーの問題について聞こうと思っていましたが、ちょっとその問題は最後にして、中国ギョーザの問題について質問させていただきたいと思います。

 先週から、この中国ギョーザの問題については非常に大きな展開を見せておりまして、中国側からさまざまなコメントが出ております。二つ御紹介しますと、まず中国の検疫当局からは、中国国内での人為的な混入はないという趣旨の発言が何度かなされています。そして工場長は、これは十五日ですか、会見をして、むしろ、天洋食品のこの工場ですね、こちらが被害者なんですということまで言い出している。

 これは、わざわざ日本が調査団まで出して、これだけ国民が不安に感じている中で、この見解で日本はいいんですか。まず岸田大臣に、日本の見解、日本の国内と中国の国内で何があったと考えていて、この見解についてどういうふうな判断をしているのか、これについて御答弁いただきたいと思います。

岸田国務大臣 まず御指摘の、十三日、中国国家質量監督検験検疫総局、質検総局と称させていただきますが、この質検総局の会見におきまして人為的混入はないというコメントがあった点ですが、そのような発言がされたということでありますが、確認しましたところ、同時にその同じ会見の場で、原料の輸入を含めた生産管理において、質検総局で管理しているところからは異常が見つかっていないということにすぎないという発言、さらには、結論が出るまではすべての可能性は残されており、断定はできない、公安当局の捜査の進展を待ちたい、こういった発言も同じ会見の場で発言されているということを聞いております。

 いずれにしましても、日本の政府としましては、いまだ原因の解明はされておらず、あらゆる可能性を考える必要があるということで、政府一丸となってこの原因の究明に努めていかなければいけないと考えております。

 そして、もう一つ御指摘がありました、天洋食品の工場長が、私たちが最大の被害者だという発言をしたということでありますが、今申し上げましたように、今まだ原因究明の最中でありまして、今般の事案、食の安全という国民の生命、安全にかかわる重大な問題でありまして、日中双方で原因究明に最大限努めているところでありますから、この結果を踏まえて発言なり対応をすべきものだというふうに我々は考えております。

細野委員 岸田大臣、では確認をしますが、日本政府としては、このメタミドホスの混入については中国国内でなされた可能性が高い、そういう認識に立って、前提で調査をしていて、この発言については、まあ当局の発言は幅があったということですが、工場長の発言については、これは日本側としてはおかしいというふうに考えているということでよろしいんですか。

岸田国務大臣 日本政府としましては、現状、あらゆる可能性を排除せずに、あらゆる可能性を考えて原因究明に努めているところでありますので、こうした判断、発言につきましても、こうした結果を踏まえて行うべきものだと思っています。

細野委員 シンプルな質問としてお伺いしたいんですが、岸田大臣、日本側で混入されたものだというふうに今考えているのか、もしくは、中国国内の可能性が高いと考えているのか、その判断はここできちっとしていただいても、もう十分いいと思いますよ。岸田大臣、どうなんですか、そこは。

岸田国務大臣 この原因究明につきましては、さまざまな材料が今存在いたします。こうした薬物の検出のありよう等もさまざまなパターンが存在いたします。現状では、あらゆる可能性、まだ排除できないというのが基本的な考え方であります。

細野委員 私は、何でもかんでも衝突をしてやればいいというふうには考えませんが、中国当局の発言と今の岸田大臣の御答弁というのは、非常に何か日中間の今の関係を象徴しているような気がしますね。

 では、大臣、一つ伺いますが、先週の答弁の中で、メタミドホスについては中国でどのように取り扱われているか、数字を出すように要請をしていて、来ることになっているという御答弁がありましたね。もう中国から調査団が帰ってきて十日ぐらいたちましたか。さすがにもう来ていますね、これは。どうですか。

岸田国務大臣 前回御指摘いただきましたメタミドホスに関連する資料につきましては、外交ルートを通じてリストを提出して要求しているところでありまして、それに対して、中国側、対応するという返事をいただいているところですが、その資料そのものにつきましては、入手したということ、まだ報告を受けておりません。

細野委員 岸田大臣、極めてこれは基本的な資料ですよ。メタミドホスの月別の回収量、回収指示文書、これは中国にもあるはずじゃないですか、政府に。何か新しく調べろと言っているわけじゃないわけでしょう。省に調べろと言っているんですか。いずれにしても、河北省内のこの資料はもう中国にあるはずですよね。なぜそれがいまだにとれていないんですか。いつまでにとれるんですか。

岸田国務大臣 これは、期限につきましては区切ってはおりませんが、早急に要求をし、そして対応をお願いしているところであり、いま一度確認したいと存じます。

細野委員 大臣、これは期限を切ってください、もう既に存在する資料ですから。残念ながら、日本の調査団はほとんどこの手のことについて現地で質問をせずに帰ってきたということまで先週答弁しているんです。本当に、何なんだ、あの調査はと、私は調査報告を聞いて感じました。それをフォローする上で、大臣も含めていろいろ御努力をされて、今請求をされているんでしょうから。それも、期限も切らずにまだここまで来ているということについては、私は一連の流れの中で強い違和感を感じます。

 次に、国内の問題に移っていきますが、日中関係の大きな問題になりつつあるこの問題、これを日中間のせめぎ合いの中でいつまでもどんどん先延ばしされるということについては、これは非常に問題があると私は思います。むしろ、国内できちっとやるべきことはあるし、それをすぐにやるべきだというふうに考えておりまして、厚生労働省の対応については、私は非常に生ぬるいというふうに思っています。

 厚生労働大臣、舛添大臣にお伺いをしますが、十二月二十八日に、まず病院に一番初めの千葉県の事案の方は駆け込んでいますね。病院に駆け込んで、食中毒の症状を訴えかけているわけでありますが、病院はなぜか保健所には通報しなかった。危険情報公表法という法律は、これは民主党が出している法案としてありますが、それ以前に、食品衛生法の五十八条一項で、病院には保健所に対する通報義務があるんじゃありませんか。これは法律に違反しているんじゃないですか。これをちょっと確認します。

舛添国務大臣 まず、食品衛生法の仕組みは、医師が、例えば食中毒、これは輸入食品によるものと見られる、こういうことがあれば保健所へ届ける。保健所は、今度は都道府県経由で、都道府県が厚生労働省に届ける。

 私も、一番最初の事案から次まで一月たっていますから、早目に措置していれば二番目、三番目は防げた可能性がある、直ちに調査をいたしました。そして、医師から聞きましたら、要するに、何が原因かはわからなかった、それから届け出者以外の、普通食中毒というと、小学校なんかで起こったときには何人もばっと一緒に起きますから、そういうケースではなかったということで、医師が判断して届けなかったということであります。

 例えば、どういう形で届けないといけないか。今、法令をお引きになりましたけれども、例えば、厚生労働省に都道府県から来る場合に、死者が出た場合とか、輸入食品である場合というのは確実にやらないといけない。それから、例えば五十名以上とか。

 ただ、私は、そういうしゃくし定規に、では、四十九人だったら届けないのか、重篤の患者が出ても届けないのか、こういうことも含めて、長期的には政令の改正を含めて考えないといけないと思っていますが、直ちに、疑わしきがあればすぐ届けてください、こういう形で指示をしたところでありますし、各自治体にも要請しました。

 ただ、お医者さんは今言った事情で、食中毒、例えば輸入食品、原因がどうである、故意にやった場合は摘発しないといけないんですけれども、本人が、故意じゃなくて、まさにそういうことが原因であったというふうに判断しなかったということですから、ちょっと処罰まではこの法令ではいかないかな、そういうふうに判断した次第です。

細野委員 この五十八条一項というのは、罰則までついている義務規定なんですね。

 大臣、確認をしますが、お医者さんに行ったときにこの患者さんは、ギョーザが怪しいということは言っていませんか。言っているんだとすれば、それを食べて嘔吐の症状が出ているんですから、食中毒そのものじゃないですか。これはどうなんですか。

舛添国務大臣 先ほども御説明いたしましたように、私は、やはりその段階でお医者さんがもうちょっときちんと、ギョーザ、しかも中国産の冷凍ギョーザであるということがわかっていれば、きちんと対応すべきだったと思いますけれども、しかし、お医者さんの感覚だと、食中毒というのは大量に何人も同時に出る、それから、本当にそれが理由であるかというのはお医者さん本人は判断がつかなかったというので、非常に、故意、過失、悪意でもってやったわけではないので、罰則規定まで適用するということはどうであろうかと。

 しかし、こういうケースであっても、疑わしきであればとにかく保健所に上げてください、そういう要請、指導はしたところであります。

細野委員 このお医者さん個人を攻撃するのは私も余り本意ではないんですが、大臣、これは、これからのいろいろなケースにどういうふうにこの法令が適用されるかという重要な事例でもあるんですよね。

 少なくとも、私は、過失はあったと思いますよ。罰則を科すかどうかはいろいろ議論があるかもしれないけれども、では、このお医者さんのやった行動というのは、不作為ですが、これは五十八条一項に違反をしているのか、違反をしていないのか、ここは担当省庁としてしっかり判断をしなきゃならないと思いますよ。罰則の話はとりあえず一回おきましょう、可罰性の問題がありますから。五十八条一項違反ですか、違反ではありませんか、御答弁ください。

舛添国務大臣 これは、先ほど来申し上げているように、明確な違反であるということをきちんと断言できるかどうか。

 それは、要するに、お医者さんが、例えば食べたものを解析する、そして確実にこれから来たものである。特に、私も、故意や過失ではないと思います。そして、できればこの法令に基づいてきちんとやっていただきたかったという思いはあるんですけれども、ちょうどこの冬のころというのは、ノロウイルスなんかで、食品による中毒なのか、それから、今言った風邪とかノロウイルスとかインフルエンザ、こういうものでも同じ症状が起きますから、恐らく、善意に解釈すれば、判断がつかなかったのだろうと思いますので。

 そういうことで、ちょっと私が歯切れ悪く答弁をしているのは、そういうことも含めて考えてということでございますので、もし疑わしきがあれば、例えば、仮にギョーザが原因じゃなくてノロウイルスであったということが後でわかったときにでも、そんなの一々、あなた、騒ぎ立てるのはひどいじゃないかというようなことを言わない、免責じゃないですけれども、そういうことがあっても、別にそれはとりたてて後で取りざたいたしません、とにかく疑わしきは知らせてください、そういう感じの指導をその後行ったところであります。

 ただ、今委員がおっしゃるように、これが明確に法令違反かどうかというのは、ちょっと私もそこまで自信を持って断言できないというのは、これは全く本心でございます。

細野委員 これはこれで大変深刻な問題なんですが、実は私は、むしろこの一連の経緯の中で、この病院の先生以上に責任が重いと思っているのが千葉市の保健所なんですね。ここもメールでいろいろなやりとりがされたという経緯がありますが、年が明けて一月の四日には、このお母様が直接保健所に行って、これこれこういう症状なんですというふうに伝えているんですね。そうしたら保健所は何と言ったかというと、いや、病院からは通報がないので受け付けられませんと言って帰したというんですね。

 これは、食中毒等が発生していると認められるときは通報しなければならないと書いているこの五十八条二項の規定に明らかに反していませんか。法令違反じゃないんですか。お願いします。

舛添国務大臣 私も、これはもうけしからぬじゃないかと。これも、保健所に聞きますと、年末年始でメールが云々というのはおいておいて、今おっしゃったように、四日の日に本人が行っているわけですから、そうすると、その被害者本人、患者さん本人の言うことはさておき、これはお医者さんからの届け出がないからだめだと。だから、保健所はお医者さんからの届け出がないと動かない、都道府県は保健所からきちんと上がらないと私のところまで来ないということなので、これは、やはり私はきちんとその解釈を含めて徹底させるということが必要だと思いますので、実はきょう、薬事・食品衛生審議会を今開いておりまして、この中で、法律の解釈について、そして実際の運用について、今委員がおっしゃったような御趣旨できちんとやれと。

 それから、例えば、お医者さんから届け出がなくても、本人、それから物、食料品を扱っている食料品店から届け出があれば、とにかくそういう届け出に対してきちんと対応しなければいけないと思います。したがって、これを含めて、きょうの薬事・食品衛生審議会も含めて、きちんと動くようにしたいというふうに思ってきょうも指示を出したところでございます。

細野委員 大臣、いろいろ今扱っていらっしゃることは、これはこれで必要なのでやっていただきたいと思います。

 ただ、一方で、この食品衛生法という法律があって、保健所の方はその専門家であって、その法律を遵守する義務があるわけですよね。そこの部分の解釈と法令に違反しているかどうかというのは、これは別途大変大事なこととして確認しなきゃならないですね。

 大臣、もう一回確認をしますが、では、保健所は、病院から通報がなければ都道府県知事に言わなくてもいいことになっているんですか。そうじゃないでしょう。病院から通報がある、もしくはそこで食中毒について認められるときは通報しなきゃならないことになっていますよね。この法律解釈上、五十八条の二項に、明らかにこの保健所の職員はこのときの対応として違反をしていませんかということを聞いているんです。

舛添国務大臣 私がきょう審議会で法律改正を含めてやれということを指示したのは、五十八条は医師の届け出義務になっていまして、「食品、添加物、器具若しくは容器包装に起因して中毒した患者若しくはその疑いのある者を診断し、」云々、診断した「医師は、直ちに最寄りの保健所長にその旨を届け出なければならない。」そして、そういう届け出を受けた保健所は速やかに都道府県知事に報告しないといけない、都道府県知事は直ちに厚生労働大臣に届けないといけない。

 そうすると、保健所が、この条文どおり見て、医師からじゃない、医師からじゃないものは全部シャットアウトした、そこが最大の問題なので、私は、これは、法律上は「医師は、」ですけれども、例えば直接患者が来たとき、それから、お医者さんじゃないけれども、例えばスーパーマーケットの店長さんからこういう届け出が出たとき、そういうときも直ちに私のところまで来るようなシステムをつくらぬといかぬというふうに思っていますので、そういうふうに変えたいというふうに思っています。

 恐らく、保健所は、これを文字どおり解釈して今のようになったと思います。

細野委員 大臣、私が聞いているのは五十八条の二項なんです。一項は確かに医者の規定になっていますが、二項の主体は保健所長なんです。保健所長は、医者から通報が、「届出を受けたときその他食中毒患者等が発生していると認めるときは、」となっていますよね。ということは、医師からの通報が、届け出が必要条件とは言い切れませんよね。それ以外のときにも、認められるときにはきちっと伝えなきゃならないことになっていますよね。一項ではなくて二項の話をしているんです。これに違反をしていませんかということを聞いているんです。

舛添国務大臣 失礼しました。一項、法律のつくりの形からいったんですけれども。

 ですから、二項について、明確に食中毒患者が発生している、これを認めたときは届けないといけない。だから、そのときに、その一項が頭にあって、医師から来たんじゃない、それで、いろいろな人が勝手に自分が食中毒だと言ってきている、そんなの信じるわけにはいかない、そういう態度であったんだろうというふうに私は想像します。

 しかし、今委員がおっしゃったように、まさに食中毒事案が発生したら、これは都道府県知事に届けなきゃならない。そういうことで違反をしているので、これは徹底的に指導をしたいと思います。

細野委員 大臣に確認しますが、では、五十八条二項にこのときの保健所の対応は違反をしていると。これは罰則はありません。そういう意味では、これはある程度公平に判断できるはずです。五十八条二項違反ですね。再度伺います。

舛添国務大臣 この法律の趣旨に反している、法令違反であると思います。

細野委員 いろいろ、体制を整備したり法律を新しく整備したりする必要というのは多分あるんだろうと思うんですが、それ以前に、明らかにこの食品衛生法、国内法、もうそれこそ施行されている法律に違反しているんですね、このときの対応は。そのことも含めて本当にどうなのかということを検討しないと、おかしなことになると思いますよ。

 それで、もう一つ確認をしたいことがあります。それは、これは法令でいえば五十四条ですが、食品衛生法には、危険な食品が流通しないように廃棄をする命令を出せるという規定が五十四条に存在をしています。

 まず確認をしますが、天洋食品のこの冷凍食品については、これは危ないので食べないでください、食べないでくださいと舛添大臣はあちこちで発言をされていますし、それこそ、学校給食なんかにも出さないように文科省も挙げてやっていますが、廃棄命令は出していますか、出していませんか。

舛添国務大臣 廃棄命令は出しておりません。

細野委員 廃棄命令を出せる条件というのが幾つかあります。その一つが、六条の販売禁止。「有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。」これは販売しちゃいかぬことになっていますね、六条で。

 これはもうだれがどう見ても六条違反ですよ、それを販売した販売店や、それを持ってきた業者は。明らかに違反をしている規定があって、六条に違反をしていることが明らかで、そしてそのときには廃棄を命令するという規定になっているのに、何で廃棄命令を出していないんですか。

舛添国務大臣 これは、業者に対して、直ちに回収しなさい、販売停止をしなさいということで、事実上この廃棄命令を出したのと同じ結果が今出ておりますので、そういうことで厳しい指導をし、事実上、今この法律が求めている状況を実現しているということで、あえてその後は出しておりません。

 それから、今、現物を廃棄する前にこれを検査しないといけないので、検査のために実はとっておって、それを検査しているということがございますけれども、その結果次第、また今後の検討課題としたいと思います。

細野委員 大臣、では聞きますが、廃棄命令は出ていませんね。では、仮にどこかの店で廃棄をせずに、店主がよくわからなくて販売を続けた場合には、罰則はありますか。

舛添国務大臣 そのような罰則はございません。

細野委員 大臣、これでいいんですか、本当にいいんですか。全部回収し切っていると大臣は断言できますか。私もあのギョーザを見ましたけれども、原産地が中国としか書いていないですよ。天洋食品とは書いていないですよ。今もこの日本の国内の販売店において、冷凍食品ですから、並んでいる可能性がないと断言できますか。この法律があってそれが機能しない、これは一体どういうことですか。

 大臣、ないと断言できるかどうか、御答弁いただきたいと思います。

舛添国務大臣 基本的に、消費者に対しても呼びかけ、自治体に対しても、そして輸入業者に対しても、取り扱っている食料品店に対しても、すべてこれは周知徹底し、広く広報体制をやっておりますので、断言するということになると、それは何の証拠もありませんから断言できませんけれども、私は、今おっしゃった食品が出回っていることはないというふうに思っております。

細野委員 大臣、今のは非常に重要な答弁ですよ、思いますとおっしゃいましたね。

 逆に、申し上げますが、大臣として、まだ流通をしている可能性を否定できない、そういう話ですか。

舛添国務大臣 輸入業者に対してもこれだけ徹底しましたから、輸入業者は、きちんとこれは回収していると信じています。

細野委員 信じていますですね。

 五十四条を適用して廃棄命令を出せば、処分をさせれば、違反をした場合、罰則をかけられるんですよ。法違反を問えるんですよ。六条違反は明らかですよね。何で出さないんですか。そんなの、法律をつくるとか体制をつくる以前に、国民の安全を考えれば当然に出すべきでしょう。

 さっき大臣は、薬事・食品衛生審議会とおっしゃいましたが、先週、私もその審議会の開催を求めましたが、この規定は審議会の開催とも関係ありません。大臣の政治家としての判断で出せるんです。すぐ出してください。

舛添国務大臣 先ほど申し上げましたように、今どこに原因があるかというのは検査をしています。

 それから、廃棄してしまえば検査しようがありません。先般、この廃棄しなかった中で、封をあけていなかった段ボールの中のギョーザが見つかりましたから、これをチェックすることによって、中国側に原因があるのかそうでないのかの検討もできます。ですから、これをまずやらせてください。その上で、これはもう検査が終了した、現物を廃棄してなくなったら調べられませんから、それが終わり次第、必要な処理をします。

細野委員 では、大臣、確認しますが、回収命令を出していますか、ちゃんと。回収命令、冷凍食品の。命令として出していますか。

舛添国務大臣 出してはいませんけれども、要請をし、自治体に対しても、食品業者に対しても、輸入業者に対しても、取り扱い商店に対しても、これはきちんと申し上げておりますし、要請をしておりますし、それから、消費者にも絶対に口にしないようにということを周知徹底しているわけであります。ですから、そういう意味で、きちんと検査をした上で、その検査結果、そして真相を究明した上で、きちんと処理をしたいと思います。

細野委員 大臣、再度聞きますが、なぜ回収命令を出さないんですか。

舛添国務大臣 それは、どこかの業者を守るとか、そういうことでは全くありません。きちんと成果が出ていますよ、事実上。そして、そういう検査をきちんとやった上でこれはやりたい。

 例えば、回収命令を出しても、それはいつでも出せますけれども、私はやはり真相究明が第一だと思います。そうすると、どこの倉庫にどういうものがあってどうだという現状を、それは捜査のときは現状を保存しないといけないですから、現状を保存した上できちんとやるということですから、実際的に実質的な効果が出ておりますので、どうかそういうことで、今後とも周知徹底し、一切こういうものが消費者の手に渡らないように全力を挙げてまいりたいと思います。

細野委員 大臣、後で私も議事録を精査しますが、よくわからないですね。検査をするために回収しないんですか。検査をするためには全部回収して、安全を確認したものから廃棄するのが一番早いじゃないですか。

 大臣、正直言って、私もよくわからないんです。これは何度かヒアリングして、役所からも聞いたんですが、大臣、いいですか、法律は私もそんなに詳しくなかったのですが、この法律は随分じっくり読みました。それで、いろいろな人からも意見も聞きました。なぜ今、回収命令や廃棄命令を出さずに、販売禁止もしていないのか、私もわからないんですよ。正直、今になって業者を守っているようにも、まあ、さすがにそこまで厚生労働省が間抜けだとは思いたくありません。でも、やれることをなぜやっていないのか、不思議でしようがないんですよね。

 ですから、今の議論を聞いていても、大臣、なぜ出していないのか、大臣自身もよくわからずおっしゃっていると思うんですよ。真相究明するためにも早々に行政的な手続に入って、行政的なアクションに入って、回収して廃棄をして、きちっと国内でやれることがあるんだから、それをやってください。これは私からの強い要請です。大臣、御答弁ください。

舛添国務大臣 何度も申し上げますけれども、それはきちんと精査をします。ただ、業者を守っているとか、そんなことでやっているわけではありません。一日も早くこの問題を究明したい、そして解決に導きたい。そして、一切消費者の口に入らないように、これは委員御承知のように、私はこの事件が発生してから繰り返し努力をしてやっていますので、今のことも含めて、きょう、今審議会をやっておりますので、その成果も踏まえた上で、きちんとまたお答えしたいと思います。

細野委員 何でやらないのか、わからないですね。

 大臣、この質疑の中で、三十分ぐらいで、ではすぐに判断を変えてくださいというのは、役所にいっぱい、今バックアップされている方もいらっしゃるので言えないでしょうから、早急に御自身で、いろいろな法律の解釈も出ていますし、いろいろな方の意見が聞けますから、これは判断をしてください。

 それで、努力をするというのは、それは、いろいろと対応することはもちろんやっていただかなければなりませんけれども、こういう法律を使ってきちっとやれば、それでもうけじめが一つつくわけですよ。国内でやれることがありますから、ぜひやっていただきたいと思います。

 残りの時間が少なくなってまいりまして、済みません、経産大臣と環境大臣にずっと待っていただいて、きょうはちょっと質問ができなくて申しわけなかったんですが、外務大臣、せっかく来ていただきましたので、一つ最後に質問をしたいと思います。

 中国に福田総理が行かれて、台湾問題についてコメントされていますね。外務大臣も、実は年末に外相とのやりとりをされていて、住民投票について、公民投票についてコメントを求められて、コメントされていますね、大臣、十二月に中国の外務大臣と。その中で、国連への台湾加盟は支持できない、平和的解決と対話の早期再開を強く希望する、いずれかの側によるいかなる一方的な現状変更の試みも支持できない、そういう発言をされています。

 ここから一歩踏み込んで、年末に総理が行かれたときには、台湾の住民投票についてこういうコメントをされています。台湾の公民投票をめぐって両岸に緊張が高まるようなことは望んでおらず、また、これが一方的な現状変更につながっていくのであれば支持できない。公民投票そのものについてコメントをされて、そして、それについて支持できないというコメントを発しています。

 今週からいよいよ台湾では総統選挙が始まるんですが、私はちょっと新聞を持ってきまして、もう時間がないので余りお見せする時間はありませんが、中国の新聞によると、福田総理が公民投票を支持できないと発言をしたというふうに書かれている。台湾の新聞は、もっと大々的に一面で報じていまして、国民党の新聞なんかは大きく、福田総理は四つのノーだ、その中の一つで公民投票はノーだ。中立的な新聞もみんな書いています。

 これは、私は、中国に行って恐らくいろいろな事前の交渉があってこういう発言が飛び出したんだろうというふうに思うんですが、今、台湾で総統選挙をやっていて、まさにそのことが国内的に、台湾の域内において大変議論になっているときに、日本の総理が公民投票そのものについて明確に反対だとコメントを出したことは、私は大きな問題だと思います。もちろん、台湾の独立は支持できないというのは、これは、日中の関係からいってずっとありますよ。ただ、その地域であるとかその議会において、どういうことを議論して、住民がどういう発意をするかということについて、日本政府はこうやって立ち入るんですか。

 外務大臣としてコメントされたときのコメントと、そして総理としてのコメントが明らかに一歩踏み込んでいますが、これはまた再度議論したいと思います。外務大臣としてこの問題についてどういうふうにお考えになるか、最後に御答弁いただきたいと思います。

高村国務大臣 総理がおっしゃったのは、一方的な現状変更につながっていくのであれば支持できない、こういうふうにおっしゃったわけであります。私も、どちらか一方が一方的に現状を変更することは支持できないとはっきり申し上げている。そこに何ら矛盾はない、こういうふうに思っています。

細野委員 大臣、当然わかっていて言っていらっしゃると思うんですが、我々も、去年中国へ行ってまいりまして、この議論をしました、随分。向こうからは、住民投票について、公民投票についてノーと言ってくれという話がさんざんありましたが、私どもは、このことについては民主党としてはコメントしませんでした。

 それも含めて、この日中関係、きょうはガス田の問題をやる時間はありませんでしたが、日中国交、きちっとした形に持っていくことは大変大事だと思います。ただ、その一方で、こういった問題について、私は、おもねるような主張をするということは、これは非常に問題があるし、禍根を残したと思います。そのことを最後に申し上げて、再度これはやりたいと思いますので、議論の機会をいただければというふうに思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて細野君の質疑は終了いたしました。

 次に、山井和則君。

山井委員 これから七十五分にわたって質問をさせていただきます。

 まず冒頭に、鳩山法務大臣にお伺いしたいと思います。

 先日、ホテルが日教組の集会をキャンセルした。これは、高裁の判決にも従わなかったということで非常に大きな問題となりまして、新聞各紙のすべての社説が非常に厳しい批判をしたということであります。これは、法の支配に服さないのは大問題であると思いますが、法務大臣の見解をお伺いしたいと思います。

鳩山国務大臣 山井先生の御質問にお答えいたします。

 先生から御指摘のあった案件というような個別の案件については、法務大臣としてコメントすることは差し控えたいと思っております。

 あくまで一般論として申し上げれば、いかなる紛争であれ、裁判所が公正な審議を経た上で出した裁判、それを無視して、あえてこれに反する行動をとられる当事者がもしいらっしゃるとすれば、法治国家にあるまじき事態であると私は考えます。

山井委員 本当に、これは法治国家にあるまじき深刻な大問題であると思います。

 そこで、舛添大臣にもお伺いしたいと思います。

 これは、会場がキャンセルされただけではなくて、百九十余りの客室も、宿泊予定だった客室も一方的にキャンセルをされた。これは、旅館業法違反にも当たるのではないかと思いますが、こういうことに関しても行政指導すべきではないかと思いますが、見解、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 委員御指摘のように、旅館業法の第五条は、例えば、宿泊しようとする者が伝染病にかかっているとか、賭博、その他の違法行為や風紀を乱す行為をするおそれがあるとか、それから、宿泊施設にあいた部屋がない、こういうとき以外は宿泊を拒んではならないという規定がありますから、今回の措置というのは、私は、旅館業法に違反している疑いが濃厚であるというふうに思います。

 そこで、指導ですけれども、これは、法律では自治事務ということになっておりまして、都道府県知事の権限で行う。そして、東京都につきましては、区に権限を移譲しているということで、今後、港区がこの件に対してホテルを事情聴取する予定でございます。

山井委員 こういうことは本当に二度とあってはならないと思います。

 それでは、法務大臣、もう結構でございます。ありがとうございます。

 次に、道路特定財源についてのお話に入りたいと思います。

 冬柴大臣、先日も長時間質問に答えていただきまして、ありがとうございます。ちょっと整理をさせていただきます。

 昨日の「日曜討論」でも、この道路特定財源の暫定税率の維持が必要な一つの大きな根拠として、千八百の市町村のうち千七百九十四の首長の方々が賛成の署名をされた、そしてその要望書を持ってこられたということが大きく取り上げられておりまして、地方自治体が暫定税率維持に賛成しているという根拠となっておりました。

 そして、この件や、あるいはきょうの私の資料、ちょっと分厚いですが、その一ページにありますように、一月二十日付の北海道新聞によると、こういう暫定税率維持の、ある民間団体がやる署名に対して、国交省の出先機関である網走開発建設部の職員が、勤務時間中に管内の十八市町村職員に署名依頼をした、こういう問題がございまして、問題になったわけであります。

 言うまでもなく、国土交通大臣あての暫定税率維持の要望書を、国土交通大臣の部下の方々がその署名集め、署名依頼を勤務時間中にやっていたら、これは自作自演、やらせになって問題であるのは当然であると思います。

 そこで、この間どういう議論があったか振り返りたいと思うんですが、二ページをお願いいたします。私が、網走のケースに関して、二ページ左下ですね、「こういう事例がほかにないか調査していただけますか。」と質問しましたら、冬柴大臣は、「調査をします。」と。それで、次のページにございますように、冬柴大臣は、「しかるべく、誠心誠意やります。」というふうに答弁をしてくださっております。

 そして、次の四ページ目を見ていただけますか。それを受けて、先週、二月十三日に私はここで質問をいたしました。それに対して大臣は、線が引いてあるように答弁をされました。「ほかの職員がそういうことをしているかどうか調査をいたしますということをここで約束させていただきました、」「調査の結果、このような事実は報告はされておりません。」と。この「ほかの職員がそういうこと」というのは、網走のようなことということであります。

 それで、その線を引いた少し左下に、ちょっとここは線を引いてありませんが、読み上げますと、「国土交通大臣あての要望書なわけですから、それは国土交通省の役人が署名集めをしていてはおかしいというふうに思うわけですが、冬柴大臣、いかが思われますか。」と質問しましたら、冬柴大臣も、「それはおかしいと思います。」というふうに答弁をされています。

 次の五ページ、お願いをいたします。ここも線を引いておきました。「確認しますが、この調査の中には首長さんへの署名のことも含まれているんですね。」と。それに対して冬柴大臣は、「私は、そのように全部申し上げたつもりで、だから読み上げたわけでございます。」というふうに肯定をされておられます。

 次のページ、お願いいたします。六枚目、上の線が引いてあるところ、左上です。「網走のケースのように、国土交通省の職員が勤務時間中に道路特定財源の署名活動を集めたというケースは、全国でほかにはないという認識ですか、」ということに対しても、「その段階ではないということでございますから、私の認識としてはありません」と明確に冬柴大臣は否定をされております。

 それで、ちょっと本当にくどいようで恐縮なんですが、何度も私は聞きました。左下、「客観的に、事実として、勤務時間中に国土交通省の職員が署名集めをやった、圧力ではなくですよ、圧力あるなし関係なく、そのことも今回の調査対象に入っているんですか。」と聞きましたら、冬柴大臣は、「入っています。」と明確に答えておられます。

 それで、次。議事録は最後ですが、八ページ右上。私が、「大臣の認識では、こういう署名活動を勤務時間中にやれば、やった事実としてそれは圧力になり得る、そういう認識ということでよろしいですか。」。大臣は、「そのように認識されて結構だと思うし、私もそう思いますよ。」と答弁をしてくださっております。

 それで、大臣からこのとき、たしか、何度言わすんですか、くどいですねというふうに言われたのを覚えているんですが、なぜ私が何度も聞いたかというと、前日に事前のレクで国土交通省から聞いていた説明と大臣の答弁が違ったから、私は驚いて、何度も確認をさせていただいたんです。

 どういうことかといいますと、前日の国交省の担当者のレクでは、これは圧力をかけてなかったら一般の署名活動は調査には含まれてない、網走のケースも含まれてないということをおっしゃっていたんです。だから私はそういうつもりで質問をしたら、大臣が、そうではない、圧力のあるなしにかかわらずすべて含まれている、網走のケースと同様の調査をしたんだということをおっしゃったので、そういう意味では私は大臣の答弁を聞いて安心をしたわけです。

 私は大臣の答弁を聞いて、前日のレクのときには網走のケース、つまり、圧力はかけてないと本人が認識していたら問題はないということで、網走のケースは対象には入っていませんというレクを聞きながら、しかし大臣の答弁によると、網走のケースを調査しているんです、圧力あるなしにかかわらず今回調査したんですよとおっしゃった。

 それで、私も、どちらの言っておられることが正しいのかなと思って、再び翌日に、十五日に聞いてみました。そうしたら、また話がひっくり返って、網走のケースは入っておりません、圧力かけていませんからと。そうしたら、大臣がおっしゃられたことと国土交通省の担当者が言っていることがまた違うわけなんですね。私は大臣が答弁されたとおりだというふうに信じておりますが。

 それで、次の九ページを見ていただけますか。

 これは余り水かけ論になってもなんなので、では国土交通省に書面で見解を出してくださいと言いましたら、網走が含まれる北海道開発局からはどういう回答がこの調査に対して来ているんですかというと、九ページにありますように「別紙のとおり」。次のページですね。どういうことになるかというと、十ページ、北海道開発局、網走が含まれているところからは、該当する職員ゼロ。つまり、今回の調査には網走のようなケースは含まれていないと。冬柴大臣が網走のようなケースがほかにないか調査しろと言ったにもかかわらず、その肝心の網走のケースは今回調査の対象になってないということになってしまっているわけです。

 なぜそういうことになっているんですかと聞きますと、九ページに戻りますが、今回の調査では、地方公共団体等の活動に関し、職員であることの立場を利用して、指示、干渉を行うなど、圧力を加えたことがあるかどうかを聞いており、これに該当する行為があれば対象となるが、北海道開発局の職員が行ったファクスでの署名協力については該当する報告はない、つまり、これは圧力をかけてないからということなんですね。

 ですから、これは見てもらったらわかりますが、十ページ、十一ページ、十二ページ、十三ページ、十四ページ、ずっと十八ページまで、全国九の整備局や出先機関はすべてきれいにゼロとなっているわけですが、それはあくまでも圧力をかけたのがゼロであって、網走のような勤務時間中に署名依頼、署名活動を地方自治体や職員や首長にしたかという調査はやってないということなんですね。

 それで、念のため聞いてみました。十九ページの3ですね。該当する職員ゼロとは、全国で勤務中に国土交通省職員が署名活動の依頼をしなかったということか。今回の調査結果から、国土交通省の職員は、勤務時間中には一切、特定財源関係の署名依頼を、地方自治体、首長に行っていないと理解してよいかということを聞くと、読んでもらったらわかりますように、すべてが金太郎あめのように、圧力を加えたかどうかを聞いており、該当する者はないということです。

 大臣もこれを読んでいただいたらわかると思うんですが、私が前回指摘したように、これは勤務時間中に署名活動をやったかどうかの調査じゃなくて、話がすりかわって、圧力をかけたかどうかの調査になってしまっているんじゃないですかと私はくどいほど何回も聞きましたが、大臣からは、いや、これは圧力あるなし関係なく、「入っています。」という明確な答弁をいただいたわけですね。

 そこで私は整理をしてみました。二十四ページです。これ、余り水かけ論になってもだめなので、議事録をもとにきっちり議論した方がいいと思いますので。つまり、どう食い違っているか。

 二月十三日の予算委員会で、北海道の職員の事例を挙げて、ほかの職員がそういうことをしているかどうか調査いたしますということを約束したというふうに冬柴大臣は明確に答弁されています。これは議事録のとおりです。

 つまり、この矢印で書いたのが私の理解で、他の職員が網走の職員のようなことをしていないか調査すると予算委員会で約束して、その調査を行われたということですね。

 次に、「冬柴大臣の確認」ということで、私が、網走の実例があったから質問しております、今回の調査対象に入っているんですか、圧力あるなしに関係なく、今回の調査対象に入っているんですかと聞きますと、「入っています。」と明確におっしゃっている。

 つまり、矢印にありますように、圧力あるなし関係なく、網走開発建設部の場合のような行為も今回の調査対象に入っていると明言をされています、確認ですが。

 にもかかわらず、翌々日、国交省に確認しますと、網走の職員が行った行為は、圧力を加えた行為には該当しておらず、今回の調査において報告すべき事項には該当しないと。国交省の回答は違うんですよね。つまり、国交省が行った調査と冬柴大臣の答弁が明らかに食い違っているわけなんです。

 そこで、冬柴大臣にお伺いしたいんですが、網走のケースは今回の調査の対象に入っているんですか。

冬柴国務大臣 私の気持ちとしては、当然入っていると思います。

 ところが、この事例一ページの指示が事実かどうかわかりませんけれども、いわゆる好意、自動車に乗せてあげる好意同乗というのがありますね。好意で乗せてあげるというのがありますね。そのように好意なんですよ、これ、やっているのは。それで……(発言する者あり)ちょっと待ってよ。協力を求められた十八人は署名した事実はない、それから、以前から同会関係者と知り合いであった、自発的に協力を求めるファクスなどを市町村職員に送った、それから、開発局は、これは一職員個人の行動であり、開発局として協力を求めた事実はないと言っていること等々、非常に軽率な行為でまことに遺憾だ、今後このようなことがないように全職員に指導を徹底する、それが全体的な雰囲気なんですね、実際問題。

 ですから、もう非常に長い時間、貴重な予算委員会でこれだけのやりとりをやっておるんですから、直截的に、じゃ八千人にもう一度やりましょう。それで終わりですか。(山井委員「はい」と呼ぶ)ああ、そうですか。それじゃ、やりましょう。そうしたらいいでしょう。そのときは無条件にね。無条件にということでしょう。(山井委員「はい」と呼ぶ)こういうことがあったかということでいいんですか。いいですか。(山井委員「はい」と呼ぶ)やりましょう。

山井委員 今、無条件に、圧力あるなしなく、勤務時間中に署名依頼、署名活動をされたということを調査してくださると約束してくださいました。

 それで少し確認なんですが、前回の答弁でも、五ページ、「確認しますが、この調査の中には首長さんへの署名のことも含まれているんですね。」というふうなことを確認しておりますが、そのことも、冬柴大臣、改めて確認をしていただければと思います。

冬柴国務大臣 それはだれから、職員から首長にということですか。職員から首長。(山井委員「はい」と呼ぶ)じゃ、職員がそういうことをお願いしたことがあるかということでいいんじゃないですか。それでいいのでしょう。(山井委員「そうです」と呼ぶ)はい、わかりました。

山井委員 冬柴大臣、そうしたら、その調査もやってくださるということでよろしいですか。一応答弁をお願いします。

冬柴国務大臣 やりましょう。

山井委員 ありがとうございます。

 それで、実はこの調査に、先日も申し上げましたように、四十七の都道府県の中で二十八の都道府県が、土木整備部部長とか都道府県の担当者が国交省からの出向になっておりますので、その方々についても調査を含めるということでよろしいでしょうか。

冬柴国務大臣 それは、前回議論をして、私はきちっと答えたつもりですよ。国と地方は対等、平等である、国家行政組織法十五条、ちゃんと書いてありますよ。ですから、そこへ行ったらそこの首長の指示に従うのは当たり前でありまして、我々がその人にどうこうするということはできません。そういうことです。

山井委員 そこは私も問題あると思いますが、冬柴大臣、それでは、予算委員会もこれはかなり審議も進んできておりますので、早急にこれはやっていただきたいんですが。というのは、私は一月二十九日に調査を要望したわけですけれども、残念ながら、それと違う調査が行われたわけですので、ちょっと早急にやっていただきたいんだが、いつぐらいまでに大体答えを出していただけますか。もう一月二十九日から要望しているんですから。

冬柴国務大臣 来週の月曜日ぐらいまでは、十日とか言うんですけれども、やはりそれぐらいで努力をさせます。

山井委員 これになぜ私がこれだけこだわるかといいますと、先日も申し上げましたように、国土交通省の職員の方々が首長さんのところに署名の依頼に行かれたという話を私は聞いたこともございます。そういうことがございまして、万が一それが事実であれば、やはり、大臣あての暫定税率維持の要望書を、大臣の部下の方が署名依頼に勤務として行かれているということであれば、これは自作自演、やらせということになるのではないか。そういう意味では、これは、そういうことでないという身の潔白を表明する上でも、当然、調査というのは非常に重要であると思っております。

 それで、改めてお伺いしたいんですが、そうしましたら、先ほど国土交通大臣は、そういう雰囲気が現場にあるということをおっしゃっていたんですが、この網走のケースのような、勤務時間中に職員の方が市町村の職員に暫定税率維持の署名活動を行う、そういうふうなことというのは例外的なことだと思っておられますか、いかがですか。

冬柴国務大臣 全く例外だと私は思いますよ。

 ただ、国土交通省の自作自演という言葉を言われましたね。国土交通省が組織決定をして職員を動かしたら、それはそうですよ。しかし、職員といっても、独立の人格を持っているわけですから、自己の判断がありますよ。そうでしょう。この人も、北海道の人も、自分の意思で、上司の命令もないのに自分の意思でやったということなんですよ。(発言する者あり)

 それはしかし、さっきも何かやじの方も言っていますけれども、勤務中にやった、それから、何か公のファクスか何か知りませんけれども、を使ったということがありますね。僕は、これはいかぬということで注意しました、それは。そういうことはだめだということで注意をいたしました。

山井委員 そうしたら、改めて確認しますが、ファクスを使ったこと、メールを使った、パソコンを使ったとか、そういうのを使っていなくても、勤務時間中にそういう活動をするというのは問題だという認識でよろしいですか。

冬柴国務大臣 だから、それが問題かどうかといえば、組織でやったかどうかということが問題なんですよ、組織的に。

 だけれども、国交省、六万三千人おりますから、それはそれぞれが意思を持っていますよ。こういう問題について、賛成だという人も、あるいは反対だという人もあるかもわからない。それをどういう方法で表現したからどうなるのかという問題を、全部、自作自演とか国土交通省ぐるみとか、それは言い過ぎだと思いますよ。

 ですから、今度またペケになったら大変ですからね、これは大変な費用ですからね。ですから、これは勤務時間中にと書いたらだめなんでしょう。違うんですか。これは書いてもいいんですか、勤務時間中に。それから、公のファクスとかそういう機材を使ってとか、それもいいんですか。そこは違う。勤務時間中だけ。(山井委員「はい」と呼ぶ)そういうことをしたことがあるかどうか。それで、それは役所の意思と、どうなんですか。私は、役所の意思と関係あるかどうかは、大変ですよ。そうでしょう。役所の意思で、命令でやったかどうかということはどうですか。(山井委員「いや、それはちょっと」と呼ぶ)どうして。この人、違いますよ。網走の人は命令は受けていないんですよ。自分の意思でやったんですよ。

 そういうことがありますので、私の方も、今度は任せずに私も見ますけれども、そういうことです。

山井委員 何度も質問するのは本当に申しわけないんですが、前回質問したのと違った調査をされたので、ちょっと念のために確認したいんです。

 ですから、今回は、いろいろな条件をつけずに、勤務時間中に署名活動や署名の依頼を地方自治体の職員や首長の方々にされたことがあるか否か、こういうシンプルな調査をしていただきたいと思いますが、冬柴大臣、よろしいですか。冬柴大臣、冬柴大臣、大臣。

冬柴国務大臣 そのようにしましょう。

山井委員 ありがとうございます。(発言する者あり)

逢沢委員長 静粛に願います。

山井委員 それで、これは何が問題かといいますと、圧力をかけたかかけていないかという議論ではなくて、前回も質問させていただいたんですが、やはり勤務中に、例えば県の職員の方あるいは国交省の職員の方が、箇所づけとかそういうことに関連しておられる方々が、市町村の職員あるいは首長の方々に署名依頼をするというと、別に圧力をかけたつもりがなくても、その署名依頼をすること自体が受け側としたら圧力と受け取られる可能性が高いと思うんですが、それについては、大臣、いかが思われますか。(発言する者あり)

冬柴国務大臣 いろいろ場内からも意見がありますけれども、結果を見てください、結果を。私の方の、来週月曜日には出せるだろうと思いますけれども、結果を見てから言っていただきたいと思います。それで議論したらいいんじゃないかと思います。

山井委員 それで、私、前回の質疑で非常にびっくりしまして、繰り返しになりますが、前日のレクで担当者から聞いたことと大臣の答弁がなぜ百八十度違うのか。

 それで、大臣、網走の事例が調査に入っていないということをお知りになったのはいつですか。いや、大臣に聞いている。というのは、前回の答弁のときには御存じなかったわけですか。網走の事例が調査対象に入っていないということは前回の答弁のときには御存じなかったわけですか。

冬柴国務大臣 私は、新聞はあなたが言われる前に読んでいましたから、ですから、具体的な事例を挙げてくださいとしつこく言って、言っていただきました。私はそれだけ知っていたわけです。

 それで、私は、そういう疑われる事例があるということですから、これは八千人ほどの、大変な手間ですよ、これはやってもらったわけですよ。しかし、その中に網走が入っていたか入っていないか、私はわかりません、そんなこと。網走は、いいですか、新聞報道されているわけですから。

 でも、そこに書いた文章が、勤務時間中に何か圧力云々とか書いてありますね。だから、それは入っていないと判断したんじゃないんですか、網走の人は。そう思いますよ。私はそれは、それが入っているか入っていないかは、ここであなたから言われても、知りません、そんなこと。わかりません。

山井委員 いや、でも大臣、これは重要な部分だと思うんですよ。

 私は一月二十九日に網走の例を挙げて、同様の事例がないか調査をしてくれということを要望して、大臣が調査しますということをおっしゃって、部下の方に指示をされたのに、なぜその網走の事例が調査対象にならないような調査を部下の方がされたんですか。おかしいじゃないですか。それは故意じゃないですか、悪質じゃないですか。

 だれが聞いても、網走の事例を挙げて質問して、それの同様の事例がないか調査しますと大臣がおっしゃったのに、なぜ網走のケースが調査対象とならないような調査をして、これは二週間も時間を浪費したわけですよ。それはなぜなんですか、大臣。

平井副大臣 これは圧力ととられるような意思表示というか、そういうことがあったから、大臣はそのように指示されたと考えております。

山井委員 ちょっと、関係ないことを答えないでほしいんですよ。

 大臣は、網走のケースが調査対象になるような調査を指示されたんですか。それが一番肝心なことですから。

冬柴国務大臣 その当時の議論を読んで素直に解釈すれば、それはそうでしょう。

 ですから、そうなっていなかったということで。しかしながら、故意にそうしたかどうかということはわかりませんけれども、これは本当に、網走の事例というのは自主的、自発的に、上司の命令があってやったわけでもなければ、署名活動をやっている御婦人の人とよく知り合いもあり、そういうことが、以前から知り合いがあって頼まれたから、特に自分の知人である人にファクスでやった。相手も、それをもう一遍やってくれたかどうかというのは確かめもしなければ、そういう事例でしょう。

 ですから、これは、山井議員は何か組織的にやったということが問題だということをとらえておられるんだろうと私は思いますよ。六万三千人全部が同じような意思を持つとは到底思えませんから。

 ですから、私は、圧力云々という言葉は過ぎたんじゃないかと思うから、今回もう一回やり直しますということを申し上げているんですけれども、しかし、そこでとられたことは、そういう行動はやっていない、そういう行動は、ほかの人ですよ、やっていないという回答である、私はそう思っています。そういうことです。

山井委員 前回も申し上げましたが、天下りの問題を昨年民主党が国会で取り上げたときにも、役所の方は押しつけ型天下りというものを勝手に新たに考え出して、それはゼロであるという最初答弁をして、一カ月後には押しつけ型を取って、ただ単にそういう民間に就職した人を紹介したケースはというと、千三百ぐらいが出てきたわけなんですね。そういうふうに、こちらの調査要望を勝手に変えていることになるわけです。

 繰り返しになりますが、なぜ、網走のように勤務時間中、署名活動をしたのかという質問をしたら、この質問が、(パネルを示す)ここにありますように「圧力を加えたことがあるか。」という調査になるのか、ここがわからないんですよ、私は。そこがさっぱりわからないんですよね。

 それで、もう一つ確認をさせていただきますが、岡田議員が取り上げた質問で、首長の方々への依頼ですね、二十九ページ。道全協が行った「中期計画の策定、道路特定財源諸税の暫定税率延長等に関する要望」ということで、これももちろん署名活動であります。

 念のため確認しますが、この署名に関しても、国交省の職員の方々が出先機関も含めて勤務時間中に行ったかどうか、これも調査をされるということでよろしいですね。

冬柴国務大臣 そういう署名活動を指して言うんですか、あなたがおっしゃっているのは。何か婦人の会とか北海道のものとは別でしょう、これは、全然。どういうことですか。全部、何でもかんでも。ちょっと整理してください。

山井委員 北海道のケースとともに、ですから、議事録で、先日申し上げましたように、首長への署名活動も入っているということを冬柴大臣、前回もおっしゃっていられます。これは首長に対する道路特定財源関係の署名依頼ですから、確認ですが、この署名活動に関しても今回の調査対象に入っているんですねということを申し上げています。当然でしょう。

冬柴国務大臣 それも入れてやりましょう。今からやるわけですから。

山井委員 失われた二週間といいますが、本当に、一月二十九日に要望したことがなぜこれだけ時間がかかるのか。そしておまけに、大臣自身が、当然網走の事例なんだから網走のケースも含まれた調査をやっていると、大臣も当然と思っていたにもかかわらず、巧妙に、圧力を加えたことがあるのかという文言にかえて、今まさに大臣が答弁されたように、網走のこの問題の発端となった方々でさえも、ああ、自分たちは関係ないんだと思うような調査内容にすりかえてしまう。本当にこれは、予算委員会での審議がそんなに軽いものなのかというように私は疑問に思わざるを得ません。

 それでは、次の年金に移らせていただきたいと思います。

 舛添大臣、前回の長妻議員との二月十四日の質疑の中で、五千万件のうち三百八十五万件が統合できた、そういう答弁がございました。これは、大体七%余りなんですね。

 舛添大臣、三月末までに名寄せをするという政府のお約束ですが、被害者、受給者からすれば、名寄せよりも統合なんですよね、当たり前の話ですけれども、名寄せはまだだれのものか確定しないわけですから。被害者が心待ちにしているのは、いつまでに統合してもらえるかということで、現時点では七%余り。

 それでは舛添大臣、一番重要な点をお聞きしますが、お約束の三月末までに、今七%余りですが、何%ぐらい統合ができると予想されていますか、あるいは目標とされていますか。

舛添国務大臣 今一生懸命やっております。そして、コンピューター上での名寄せ、これは千百万件、八百五十万人、これは既に特別便で今出しつつあります。これは第一次名寄せ。それから、第二次名寄せで百万から二百万。だから、総数一千万人ぐらいの方々にお送りすることができると思います。

 今御指摘の統合ですけれども、そうしてお送りする、お送りしたのを見て社会保険庁に電話ないしは本人が来られる、そしてこの間違いを正して、それからの裁定の作業、まあ、半年ぐらいはかかる可能性が、長い場合でございます。

 そして、今この三百八十五万件について次々と裁定作業をやっている次第で、前回、三百八十五万件裁定終わっていますと私がちょっと答えましたけれども、まだ裁定作業中で、終わっているのもあれば終わっていないのもある。

 それで、今全く未知の領域に直面してやっているわけですから、あとどれぐらい出るか、それから、目標はどれですかということは申し上げられない状況で、しかし、新たな記録が見つかれば一日も早く全力を挙げて統合していく、この方針に変わりはございません。

山井委員 昨年の参議院選挙前に自民党が配られたビラには、五千万口は消えたのではありません、政府・与党は今後一年間ですべての統合を完了させますということを、ビラ、ホームページで約束しているわけですね。これは六月の末ですから、またことしの六月末が来ると一年になるんですけれども。それでまたその途中の、名寄せ完了の三月末があるんですが、舛添大臣にもう一回お伺いします。

 三月末が一つのめどで、多くの国民は、政府・与党があれだけ三月末、三月末とおっしゃっているんですから、五千万件のかなりの割合が統合されるんだろうというふうに期待をしています。にもかかわらず、今の舛添大臣の答弁を聞くと、待ちに待った三月末になっても、今七%、それが一〇%になるのか二〇%になるのか、さっぱりわからないんですか。大体のめどぐらい、目標ぐらいは当然持って作業をされているんじゃないんですか。再度お答えください。

舛添国務大臣 十二月からお送りいたしている八百五十万人については、私は、これはもう何度も皆さんの御指摘を受けて、ねんきん特別便、新しいバージョンをつくる、そして、間違いの可能性が非常に大きいですよ、そしてこれはちゃんとお申し出くださって一緒に作業をすれば年金がふえる可能性も大きいですよということを申し上げております。ですから、八百五十万の方々の御協力も賜って、一日も早くこれを一つ一つ確実にしていく、そのために電話のダイヤル回線もふやす、窓口の対応もきちんと丁寧にする。

 それから、来られた方で、例えば山井さんでほぼ間違いないなという方には、その事業所の名前から場所から全部お教えする、こういう方針を今打ち出しておりますので、どうか国民の皆様にもいらしていただいて、例えば八百五十万人のほとんどの方が来られる、そうすると、八百五十万件を三月までに皆さん相談してくだされば、そこからの裁定作業は、書類を整えたりとか、それは国民の皆さんの時間もかかりますから最大六カ月ぐらいかかりますけれども、そうしていくと、一歩一歩これは確認できると思います。

 それから、四月以降は、コンピューター上での名寄せでできなかった約千九百万人に対して、十月までに一億人全員に送りますから、相当の数の解明ができる、そういうふうに思います。

山井委員 結局、めどは全くなしということですね。今の答弁を聞いていたら、具体的なめどは全くないじゃないですか。一〇%になるのか二〇%になるのかも、さっぱりわからないんですか。そういうことでは、本当にこれは国民にうそをついたことになりますよ。自民党のビラにも一年以内にすべて統合と書いてあるわけですからね。

 そこで、今、舛添大臣、ねんきん特別便でいろいろ作業をされているということですが、三十ページに、資料をお配りしております。一月二十六日から、今も大臣答弁されましたように、答えそのものずばり、つまり、何年から何年までどういう、どこに勤めていた、どの市町村の国民年金あるいは厚生年金が宙に浮いて、あなたの名前が発見されましたよということを、一月二十六日から答えを言うことになっているんですよね。

 問題は、一月二十五日まではヒントだったわけですよ。それで、一月二十五日までにねんきん特別便に対する社会保険事務所への来訪相談は、三十ページにありますように、社保庁の答弁によると九万二千三百六十三件、ねんきん特別便専用ダイヤルへの電話相談は九万六千四件です。

 そこで、私が言いたいのは、一月二十六日以降の人は教えてもらって、親切で助かったという声を私も聞いています。ところが、一月二十五日まではヒントしか言ってもらえなくて、追い返された方が多いんですね。先日もある番組でやっていましたが、会社名が間違っていると。いざ、一月二十六日以降に行って答えを聞いたら、会社名の前に「新」という字が欠けていただけで、だめだだめだと言って追い返されていたわけですね。これはゆゆしき問題ですよ。一度電話をかけたり訪問したのに、ヒントだけでクイズをさせられて追い返された方がかなりいるわけです。

 そこで、舛添大臣、ぜひとも十二月末から一月二十五日までに来られた方には、今は答えを言いますからもう一回来てくださいという連絡をすべきだと思うんですが、いかがですか。

舛添国務大臣 まず、それは一般的な広報体制としてやりますとともに、一月二十五日まで、もっと言うと、新しいねんきん特別便を二月六日から発送していますので、その前に受け取った方は本当にわかりにくい。したがって、これは再度、今送り直す作業を準備しております。そして、必ずいらしてください、今度はきちんと教えます、そういうことを引き続きやるということを今決定したところであります。

山井委員 舛添大臣、それでは余りにも不親切過ぎますよ。一度来た人、一度電話した人に本来なら答えを教えるべきだったんじゃないんですか。民主党はそれを最初から、一年前から長妻議員とかが言っていたじゃないですか。それをせずに、ヒントだけ、クイズみたいにして、多くの人が記録と結びつかずに一カ月間追い返されたわけですよ。普通の民間企業の発想だったら、その方々に電話をして、先月は大変失礼なことをしました、こちらの不手際で。今ではもう答えを言いますから、ぜひもう一度来てくださいと電話するのが最低限のやり方でしょう。

 やはりこれは電話すべきだと思いますよ。舛添大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 まず、ねんきん特別便の電話をかけてこられた方々は、どういう方がどういうふうにかけてきたかというメモが全部とってあります。それから、窓口にどういう方が来られたか、全部メモをとってありますので、そういうメモを見て、懇切丁寧な対応をしていなかったものに対しては、電話を含め、きちんと早急に対応したいと思います。

山井委員 早急に対応したいということですが、これは本当に深刻な問題なんですよ。それでもうあきらめてしまったら、その方の年金が十万円なり百万円なりもらえないまま終わってしまうんですから、一月二十五日までに行ったばっかりに。

 そこで、早急にとおっしゃいましたが、やはり一月二十五日までに来た人には大体いつぐらいまでに連絡するんですか。やはりそのことは明確に言っていただきたいと思います。

舛添国務大臣 どういう形で追い返し、追い返しという言葉を今委員が使いましたから、そういうことをちょっと調査させてください。そして、どれぐらいの方々にどういう対応をして、そして現実には、私は、だから来られる方はほとんど問題があったと思っています。

 それで、今、会社の名前、「新」がついたというようなことがあるし、それから、いつかも申し上げましたけれども、何とか病院というんじゃなくて医療法人何とか会みたいな名前になっていますから、これも細かいマニュアルをつくりましたので、取り扱いの差異があってはいけませんので、まず調査をさせていただいた上で、どういう形でスケジュールを組むか、これはまた追ってお知らせしたいと思います。

山井委員 これは、舛添大臣、引き続き質問しますが、ぜひ早急にやっていただきたいと思います。

 繰り返しになりますが、社保庁のミスで統合できなかったわけですからね。本来一回来た人なわけですから。

 そこで、もう一つ、訂正はがきの問題が深刻なんですが、配付資料のカラーのページにもございますように、ねんきん特別便、訂正なしということで返ってきている人が二九%もいるわけです。ところが、この二九%の方に対して、もう一度特に可能性が高そうな人に連絡すると、下の円グラフにもありますように、そのうち四四%の方が、訂正なしと送ったけれども、やはり私の記録だったというふうにわかったわけですよ。これは非常に深刻な状況ですよ。もしはがきを受け取って、はいそれで終わりといったら、四四%の人はそのまま、もらえるはずの年金をもらえなかったわけなんです。

 ですから、舛添大臣、訂正なしと返ってきた人にも一度念のため確認の電話をする、これは当然のことだと思うんですよ、実際こういう結果が出ている以上。舛添大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 今のようなケースについてきちんと電話で対応する。そして、電話番号がわからない場合に、住所はわかっていますから、これは一戸一戸職員が行って対応する、そういうふうに指示をしているところであります。

山井委員 確認しますが、そうしたら、今のは重要な答弁ですから、訂正なしと来たはがきに関しては、ここに実物がありますけれども、この確認はがきというものですね。確認はがき、訂正がない、こう来た方々には電話で確認をするということでよろしいですか、大臣。

舛添国務大臣 その前に、何でこんなにわかりにくかったか、もう一遍説明させていただくと、やはり同じような名前で間違った人に行ったり不正があったりしてはいけないから、いわゆる成り済ましとか不明で思い違いとかいうことで伏せたんです。これは私も最後まで迷いました。本当は、せっかく見つけたんだから、何さん、何年の期間、こういう工業所に勤めていましたと出したかった。だけれども、そういう懸念があったので、これを抑えた。しかし、今は、本人の可能性が非常に高い場合には電話でお教えするということにしておりますので、本人の可能性が高い。

 だから、訂正ありなしというのは印字されたことについて訂正ありなしですから、それはそれでやりましょうと。本来はいわゆる抜けているところの部分を確定する作業が主なので、要するに二兎を追っちゃったわけですよ、はっきり言って。メーンの目的はこっちなので、実を言うと訂正ありなしと、メーンの、第一の大きな目的とは違うんですね。ですから、そういう不備を今一生懸命、本来はこういうことがプログラム段階で組めればよかったんですけれども、今言った不正や何かの防止ということでやりました。

 したがいまして、今御指摘のように、明らかにこの人は違うよという人には、それはやる必要はありません。しかし、本人である可能性が非常に高い方については、きちんと電話で対応し、電話番号がわからないときには戸別訪問もやる、そういうことでございます。

山井委員 いや大臣、明らかに違うかどうかは本人が確認しないとわからないわけですから、可能性が高い人だけ電話するという主観的なことでは困るわけですよ。わからないから特別便を送っているわけですからね。省庁がわかっていたら送る必要ないわけですから。

 ですから、訂正ないと返ってきた方には、やはり一度電話で、本当に大丈夫ですかと、それで答えを言ってやる、やはり電話をするということをお約束願いたいと思います。これは大事なところですから。

舛添国務大臣 今委員が御指摘の点は、これは社保庁の責任で起こったことですので、きちんと対応したいと思います。

山井委員 そうしたら、これは確認ですが、訂正がないと送った人でも後で訂正した人が今かなり続出しているわけですから、電話で確認するということでよろしいですね。ちょっとこれは大事なところなので、もう一回確認します。

舛添国務大臣 そういうような方針で既に指示を出しております。

山井委員 いや、ちょっと待ってください。既に指示を出しておりますって、指示が出ていないから私は質問しているのであって、そういう方針で指示を出すんですね。もう一回それを答弁してください。

舛添国務大臣 きめ細かく、正しい記録が確立していけるように指示を出します。

山井委員 電話をしていただくというふうに理解をしたいと思います。

 ところが、そこで問題は、電話をするにしても電話番号がわからないというケースが約半数なんですよ。

 そこで、舛添大臣に提案したいんですが、ここに、確認はがきのところに電話番号の欄をつくるべきだと思うんです。最近、一〇四でわからない家が半分ぐらいなんですよ。それで、プライバシーのために上からシールを張ってほかの人には見えないようにすればいいのであって、ここに電話番号が書いてあれば、基本的には一〇〇%電話で確認ができるんですよ。

 なぜこんなことを言うかというと、相当親切にきめ細かくやらないと統合の件数はふえないんですよ。ですから、この確認はがきに電話番号の欄をつくってやるということを提案したいと思うんですが、大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 今委員が個人情報ということをおっしゃって、もう毎回、不正の防止とか個人情報の保護とかそういう配慮もしないといけないもので、全く考えないでそういうフォーマットを決めたわけじゃございません。

 しかし、今委員御指摘のように、電話番号で追いかけるというのは戸別訪問をやるよりも一番頻度を高くやれますから、そういう方向で、今の委員の御指摘が組み込めるような形で、次の印刷物からはそういう方向を今検討させていただいて、ぜひ実現したいと思います。

山井委員 私の部屋にも四百人ぐらいの方々から電話、ファクス、メール、手紙が来て、本当に困っておられる方が多いんですよね。これはやはり、ある意味では与野党を超えて、一人でも多くの人の記録が戻るように、本当に、細かいことでも親切にやっていく必要があると思うんです。

 それで、一番大きな問題はこれなんですよ。舛添大臣にはもう何度も言っていますが、最大の問題点は、今回、舛添大臣、注意喚起文を入れるとおっしゃいましたが、はっきり言ってほとんど効果ありません、注意喚起文では。

 私、例をつくってみました。「ねんきん特別便 あなたの年金記録が漏れていて、年金が少なくなっている可能性があります。 下記の年金記録のうち「※赤字部分」の時期に、年金に加入していたかどうかご確認ください。もし記録が漏れていたなら、社会保険事務所までご連絡ください。」ということで、例えば米印で、高井戸製パン、いつからいつまでと。

 やはり、これを入れたら、受け取った人は二つに一つなんですよ、心当たりがあるかないか。返答率、統合率は飛躍的に上昇します。

 そして、先日も民主党の年金の部会で聞いたら、社保庁の担当者の方は、もし成り済まし、もらおうと思って、記憶にないのにもらうと言ったら、それは後でチェックをできるということまでおっしゃっているんですね。これは今までから、長妻議員も含めて、民主党が主張していることなんですが、委員の皆さんもどう思われますか。これが入っていたら、一番わかりやすいんですよ。逆にこれが入っていなかったら、読み方の説明文があったって、おじいさん、おばあさん、そう簡単にわかりませんよ。

 大臣、こういうことで今、年金特別相談の電話や窓口に行ったら教えてもらえるんでしょう、一月二十六日から。教えてもらえるんだったら、来い、電話しろじゃなくて、そこは申請主義の枠を超えて、やはりもう答えを書いていく、こういう発想の転換をしないと、まだ訂正申請はたった四%ですよ。でも、社保庁の方々に聞いたら、恐らく八割、九割は多分その人じゃないかという方に送っているのに、四%しか訂正申請がないと嘆いておられるわけですよ。やはり根本的にやり方を変えないとだめだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 まず、お答えする前に、そこの訂正なしありというのは、例えば今のこれでいうと、黒字の部分について聞いているわけですね。だから、赤字について聞いていないので、私は先ほど二兎を追う者は一兎をも得ずということを言ったので、一兎の方はこちらなんです、実を言うと。ですから、訂正ありなしのパーセンテージとこの問題とは、直接的にはかかわりありません。

 そして、四%が今九%ぐらいに数字が上がっていますけれども、ただ、私も、先ほど申し上げたように、この高井戸製パン云々というのを入れた方がいいと。しかし、先ほど言った成り済ましとか、いろいろな問題点がありました。ただ、これは、プログラム上、今やろうとすると、あと四カ月、五カ月プログラムを組まないと、ここに個別の印字ができません。

 つまり、赤字のところは今捜査中の話ですから、それで、この部分は今ここに書いていないわけですね。そして、ここからここまで、ほら、つながっていないでしょう、五十八年十月一日から五十九年の間は空欄でしょうというのを赤字で書いて、ここの区間についてお調べくださいということを書いてありますから、それは、こう書いた方がはるかに効率はいいし、よりわかりやすいと思いますけれども、これに最大限近づけるように、注意書きをし、そして、お答えも、電話でも窓口でもより丁寧にする、そういう方策をとっているのが今の状況であります。

山井委員 民主党は、もう一年近く前から、こういう答えを送るべきだ、そうしないとわからないんだということを言い続けてきているわけですよ。だから、これは今おっしゃったけれども九%で、それでもまだ九%じゃないですか。本来、八割、九割ぐらいがヒットするであろうということでやっているわけですよ。何年かかるかわからないんですね、そういう本当に不親切なやり方でやると。

 もう一つ、先日議論になった、舛添大臣、書道家の方々が一日三十人か九十人、昔の台帳が読みにくいので作業をされているということですが、この方々、書道家の方々が作業をされているということですが、聞いてみたら、時給が三千五百円ということですね、三十一ページ。時給三千五百円、一日働くと二万八千円で、三十人から九十人、昔の台帳をやっていると。

 それで、舛添大臣に要望があるんですが、一カ月前から、この台帳の照合現場を視察したいということを民主党が要望しているんです。ところが、一カ月間ずっと拒否されてきているんです、個人情報保護に反するといって。もちろん、漏えいしません、見たものはしゃべりませんし、何なら二メートル離れて文字が読めないところにいて結構ですし、行ったときは無言で行って作業の邪魔はしませんから、民主党として、この照合作業、本当に私たち、何とかしないとだめだと思っているんですよ。先日も、中国人の派遣の人が二十万件ぐらいやって照合をミスしたとか、本当にそんなことでいいのかと心配しているんですよ。

 ですから、民主党として、御迷惑がかからない形で視察をさせていただきたいと思うんですが、大臣いかがですか。

舛添国務大臣 ワンビシアーカイブズの場合、これは皆さんで行き、私も行きました。一つは、現に作業をしているか、していないか。倉庫ですから、作業の邪魔ということはないと思います。だから、少し慎重にというのは、現に作業していることの邪魔があってはいけないとか、大事な資料を見ているので個人情報の保護とかあるんですけれども、今委員がおっしゃったように、そういうことのセキュリティーはきちんとお守りになるということですから、これは一つの御提案でございますけれども、ワンビシアーカイブズのときにも、厚生労働委員会の理事会でお諮りになって与野党の皆さんで一緒に行かれました。そういう形での対応が一番いいんではないかというふうに思っておりますので、ぜひそういうことで御協議をいただければありがたいというふうに思います。そして、前向きにこれは検討させていただきたいと思います。

山井委員 本当は、これは民主党だけですぐにでも行きたいわけですが。

 時間に限りがありますので、次に薬害肝炎のことにいきたいと思います。

 先週末、NHK佐賀の報道を見ておりまして、非常に私は驚きました。といいますのは、どういうことかというと、その開業医の方は四十五人に投与した、そうすると、六人感染した、舛添大臣、これは一三%なんですよ。今まで言われているのでは三、四%ということなんですよね。ただ、この一開業医の方のケースだけですけれども、もしこういうように高かったら、薬害肝炎にかかった人が一万人ではなくて三、四万人いるのではないかという話にもなってくるわけです。

 それで、大問題なのは、この三十四ページ、先週金曜日に出ましたように、今回新たに調査をしたら、七・七%カルテなどがあると言っていたのが、何と急に三・四倍、二五%にふえたということなんですね。四年前の調査がいかにずさんだったか。ということは、四年前にカルテがないと言われて、それこそ門前払いになっていたわけですよ。でも、実際はあったわけなんですよね。

 それで、今回のケースで、三十七ページにありますように、七千の医療機関で三千六百三十二人にお知らせを既にしたということです、元患者の方々に、医療機関から。

 そこで、大臣にお伺いしますが、三千六百三十二人にお知らせをして、何人の方が感染されていたのか、あるいは肝炎、肝硬変、肝がんになっておられたのか、その内訳をお教えください。

舛添国務大臣 今回は、とにかく約七千の医療機関に対して、投与した事実、カルテから分娩記録からあらゆる記録を探ってみてください、そして一日も早く投与された方にお知らせして、そして検査をしていただく、それが第一にやる喫緊の課題だということで、そういう調査票をお渡ししました。

 しかし、その中で何人感染し、何人が感染していないか、何人が例えば肝硬変までいったかというようなことについての調査まではまだ至っておりません。しかし、これは今後調査をしていきたい。今まだ全部回収が、戻ってきていないんです。今、医療機関は一生懸命探して、その投与した患者さんに連絡しているところでありますので。これは、今後引き続き今の答えが出るように調査を継続いたします。

山井委員 そうしましたら、三千六百三十二人の方々を含めてフィブリノゲンを投与した方に関しては、感染されているかどうか、肝炎か、肝硬変か、肝がんか調査をするということで、今うなずいてくださっております。

 そこで大事なのは、これは感染しておられたら、当然、先日議員立法で成立した薬害肝炎救済法の対象になるわけですね。なるわけですから、これは、感染されておられた方が発見されたら、その方にはこういう法律の対象になりますよということを告知するということでよろしいですね、大臣。

舛添国務大臣 それはもう医療機関に対しても、必ずそのことをお告げください。もちろん、厚生労働省のホームページでもきちんとそれは周知して、とにかく新しく法律ができましたから、きちんとあなたはこうして提出をしてください、そして法律に基づいて支給されるものがありますということは、きちんと告知をいたします。

山井委員 それと、深刻なのは、この三十七ページの表にもありますように、投与後に千七百十一人の方が既にお亡くなりになっているんです、千七百十一人。この方々が、問題は、肝炎が原因で亡くなったのか、そうでないのかというのが非常に重要なんですが、当然この調査もしないとだめだと思います。当然、お亡くなりになられた方でも、感染しておられた、あるいは肝炎が原因で亡くなられていたら、法律の対象になって和解金が出るわけですから、この調査は不可欠だと思いますが、この方々の調査もするということでよろしいですか。

舛添国務大臣 お亡くなりになられた方々の死因の究明を含めて、当然、これから引き続き調査をいたします。

 そして、仮にフィブリノゲンが投与された、そしてそれが原因で肝硬変や肝がんになってお亡くなりになったということがきちんと立証できれば、それは法律に基づいて給付金が支給される、遺族がおりますから、遺族にきちんとそれは対応する、そういうことでございます。

山井委員 これは、二十八万本投与されたにもかかわらず、まだ相手が一万人弱しか特定されていないということで、まだまだ十分ではないわけです。

 NHK佐賀の報道によると、佐賀県は、二〇〇四年のときには、カルテなどが残っているというのは一病院しかなかったんです。それが、今回再調査したら、何と十病院にふえたんですよ。この四年間、残りのところの人は、もうカルテがないんだといって門前払いにされていたわけです。おまけに、舛添大臣、今回十病院と回答しているんですが、NHKがさらに丁寧に調査したら、何と十八病院にふえたというんです。それで、NHKの佐賀は、十八病院の病院名を番組で流して、注意喚起をして、検査を受けてくださいということまで言っているわけです。

 大臣、どう思われますか、これは。二〇〇四年に一病院だったのが、十八病院、本当は関係の資料があったわけですよ。二〇〇四年の時点でそれがわかっていたら、検査を受けられて、そしてインターフェロン治療を受けたりして治っていた方もいるかもしれない。命を救われていたかもしれない。四一八リストでも、その告知をしなかったことで失われた命があるというのが大問題になったわけですよ。

 舛添大臣、二〇〇四年のときに、なぜきっちり、今回やったような、カルテなどを、いろいろな分娩記録などを調べて、そして本人に告知するということをやらなかったのか。これは、残念ながら、それで悪化した人、亡くなった方、おられるかもしれませんよ。なぜやらなかったのか。そのことはやはり調査しないと、これは、二〇〇四年のときに、カルテなしとホームページに出ていたからあきらめた方がいっぱいいるわけですから。大臣、この二〇〇四年のときの対応が、カルテの調査などが十分であったのか。不十分であったというふうに記者会見でも述べておられますが、そのときのことの調査を一回やっていただきたいんですが、大臣、いかがですか。

舛添国務大臣 平成十六年、二〇〇四年の調査票を私もちょっとチェックしますと、こういうふうに書いてあるんですね。「昭和六十三年六月三十日以前にフィブリノゲン製剤を投与した記録(診療録、使用簿など)が保管されていますか。」こういう質問に対して、投与記録は保管されていると回答したのは、今委員がおっしゃったように、六千九百十六施設のうちの約七%しかなかった。

 私は、今回、それじゃだめだ、とにかく、分娩記録でも、注射を打てといった指示でも、薬の処方せん、何でもいいから捜し出してくれ、こういうふうにお願いをしたところ、六千六百九施設、少し統廃合で病院の数が減っていますけれども、約四分の一の二五%。私は、やはり患者の視点、国民の視点に立ってきちんと対応しないといけない、その差がここに出たんだろうというふうに思います。

 そして、和解の合意書、国と患者の皆さん方との合意書の中に、きちんとこういうことについて、第三者委員会というか中立的な委員会を両者合意のもとにつくって検証作業をするという合意の中身がございますので、早急にこういう組織を患者、原告団の皆様方と協議をして立ち上げて、そこでこの問題についてもきちんと検討したい、そういうふうに思っております。

山井委員 きょうは、実は、薬害肝炎の原告の方々も何人か傍聴に来てくださっておりますが、私は、本当にこの四一八リストの問題にしても今回の問題にしても、なぜ厚生労働省はそんな命の問題に対して鈍感なのか、それがわからないんですよ。カルテのあるなしで命がかかっているんですよ、それが見つかるかどうかで。人生もかかっているんですよ。

 今回舛添大臣がそういう指示をしてくださったのはありがたいとは思いますが、なぜそれが二〇〇四年にできなかったんですか。プロ中のプロの厚生省の方だったらわかるでしょう。

 原告団長の山口さんも新聞のコメントで、二〇〇四年に国がきちんと指示を出していれば、もっと被害者の掘り起こしが進み、早い対応がとれたはず、薬害の深刻さを隠そうとしていたとしか思えないと批判しているんですよ。これは隠ぺいですよ。もしそのときに、ちゃんと告知して、カルテがあると言っていたら、医療費助成もことしの四月じゃなくて三年前からできていたかもしれないじゃないですか。そうしたら、何人の命が救えたと思うんですか。ですから、このことはぜひとも調査をしていただきたい。

 それで、時間も限りがありますが、医師不足のことについて移らせていただきたいと思います。

 先週、私が出した質問主意書に対して答弁が返ってまいりました。どういうことかというと、医師は数的に基本的に足りているのかということに対しまして、今回、充足しているとは言えないという答弁が返ってまいりました。

 しかし、今まで私が川崎元大臣に過去質問をしたときなどは、医師が不足しているとは言えないという答弁だったんですが、医師が充足しているとは言えない、つまり医師が不足しているという答弁は、私は、政府見解としては初めてではないかと思いますが、医師が不足していると認めたということで、今回の質問主意書の答弁はよろしいでしょうか。

舛添国務大臣 私は、今の医療の現場をつぶさに見ていますと、やはり総数として医師は不足している、そういう認識を持っております。

 そして、それともう一つ、偏在ということで、それは診療科による偏在。産科、小児科、外科、こういうところに足りない。それから、業態による偏在。開業医、それは、医師が不足していますと私が言うと、うちの周りを見てください、開業医がいっぱいいますよ、大臣、こういう反論が返ってくる。だから、勤務医か開業医であるか、こういう業態による偏在。こういう総合的な問題がございますので、これを一つ一つ今直していかないといけない。ですから、私はそういう答弁を山井議員に対していたした次第であります。

山井委員 今の舛添大臣の答弁は、極めて当然の答弁だと思います。問題は、今までその答弁を政府がしてこなかったことなんですよ。過去数年間、民主党が医師が不足しているのではないかと何度言っても、そう答弁してこなかったわけですよ。例えば、平成十八年三月十五日、当時の川崎厚生労働大臣は、「数的には基本的には足りている。」と答弁していたわけですよ。

 今、患者さんのたらい回しの問題や深刻な医師不足がふえている。ですから、私たち民主党は、医師は不足している、不足していると言ったにもかかわらず、政府は、不足はしていない、足りている、医師もふえている、偏在にすぎないんだということで言い続けてきたわけじゃないですか。

 では、舛添大臣、平成十八年三月十五日の川崎大臣の「数的には基本的には足りている。」という答弁から今日まで、いつの時点で、なぜ不足しているというふうに答弁を変えたんですか。大臣、いかがですか。いつ変えたんですか。

舛添国務大臣 私は、先ほど申したように、就任して以来、現場をつぶさに見、それから、大臣に就任する前も、医療は非常に興味があり、私のライフワークでもありますから、見ていったときに、これはやはり医師の数を、総量を抑制する、医療費をただ抑える、こういうことでは日本人の命は守れない、そういう確信があり、そしてそれは、細かい統計をとると、不足しているとか充足しているというのは何に対して言うんですかということになる。OECDに対してどうだ、人口千人当たりどうだと。しかし、例えばアメリカと日本を見ても、千人当たりだとそんなに数は変わらないんです。だけれども、アメリカのお医者さんは、お医者さんをサポートしてくれるメディカルクラークとかアシスタントがいっぱいいるから楽になっているんです。

 そういうのも見ないといけないので、ただ単に、数が足りている、不足しているという議論を、国際比較を入れてもやるのは、私は、さほど生産的な議論ではないと思いますので、むしろ現状をしっかり見きわめて、改善策を短期、長期、中期、これは午前中の前原委員の御指摘ですけれども、そういう方向でやった方がいい。そのためには、不足し、偏在しているという認識をしっかり持った方がいい、そういう私の哲学に基づいてお答えをした次第でございます。

山井委員 本当に残念でなりません。過去数年間ずっと民主党が医師不足、医師不足と言ってきたのに、今までから否定し続けてきた。まさに遅過ぎますよ。現場のお医者さん、地域の患者さん、泣いていますよ、医師不足で。にもかかわらず、先週まで正式には政府はそれを認めなかった。余りにも現状認識が私は薄過ぎると思います。現状認識がなっていないから対策がとれなかったわけじゃないですか。それで、おまけに、何か大臣がかわったら見解が変わったと。それも何か余りにも、そういうものでいいんですか、こんな深刻な問題が。

 それでは、もう一つお伺いします。

 肝炎の話に戻りますが、この調査、舛添大臣がおっしゃってから四カ月たってもまだ、二十八万人中一万人も、投与された人が発見されていない。これでは、刻一刻と命が失われていっているわけなんです。もっとスピードアップしないとだめだと思います。

 というのは、医療機関任せではだめなんです。そもそも、御存じのように、今回の議員立法でも明らかになったように、薬害肝炎の責任は国にあるわけですから、もっとスピーディーに、これは国の責任で、医療機関任せではなくて、調査と告知をすべきだと思います。そして、そのためには、必要ならば、カルテの検索とか手間と労力がかかるんです。これが一つの壁になっているんですね。そういうことの財政的な支援も国がやるとか、そういうことも含めてやらないと、二十八万分の一万しかまだ調査も告知もできていない、これではだめだと思いますが、これをもっと、調査と告知を急ぐ、そのための方策について最後に大臣から答弁いただきたいと思います。

舛添国務大臣 委員が先ほどごらんになったというNHKの番組、私も見ました。そして、あれだけ膨大なカルテ、これを捜し出す。この前の、四年前の二〇〇四年の指示だと、さっとしか見ていない。しかし、克明に捜し出すというのは物すごい労力が要ります。医療機関から、これじゃ大変だという声も上がっておりますので、どういう支援策ができるか、このことも含めてきちんと対応してまいりたいと思います。

山井委員 私はぜひ財政的な支援、カルテ検索、告知のためにかかる費用というのはやはり国が負担する、それぐらいのことをすべきだと思っております。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて山井君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 私は、沖縄で起こった少女暴行事件についてお伺いしたいと思います。

 二月十日の午後十時半過ぎ、沖縄本島中部において海兵隊員による少女暴行事件が、またもかという気持ちですが、発生いたしました。怒りを禁じ得ません。ところが、その後も、一週間もたたないうちに、事件現場になった沖縄市内で海兵隊員が酒酔い運転で逮捕される。けさは、名護市辺野古の女性宅に海兵隊員が侵入し、居間のソファーで寝ていたところを通報されて逮捕している。繰り返しこういうことが起きているわけです。

 まず、官房長官に聞きますが、今度の少女暴行事件についてどのように認識しておりますか。

町村国務大臣 これは、委員の御指摘をまつまでもなく、まことに遺憾な事件である、こう私どもも受けとめております。累次にわたって綱紀の粛正、再発防止、これを求めてきたにもかかわらず、今回、海兵隊員が未成年者に対する暴行容疑で逮捕されたということで、極めて遺憾である。その後、あらゆるレベルで先方に対して私どもの考え方を申し入れ、また、小野寺外務副大臣を沖縄に派遣する等々、あるいは先方の大使も来るなど、いろいろな形で伝えているところでございます。

 本件事案は、当初より日本側が容疑者の身柄を持っていたということもありまして、日本側としては、法と証拠に基づきまして適切に対処をしていく、今取り調べが続いているということでございます。こうした悲惨な事件が二度と起こることのないように、アメリカ側とともに、精力的に再発防止策の検討を進めているところでございます。

 また、加えまして、今委員がお話しの、十七日の酒酔い運転、さらには今朝の不法住居侵入の逮捕、こうした相次ぐことというのは、まことに遺憾なことでございます。強い憤りを感じておりまして、アメリカ側に猛省を促したい。来週ですか、ライス国務長官もお見えになるというような話も聞いておりますので、総理あるいは外務大臣、あるいは場合によったら私もお目にかかるチャンスがあるかもしれないので、ライス国務長官にもこのことを強く申し上げよう、かように考えているところであります。

赤嶺委員 それでは、国家公安委員長もお呼びしていると思いますけれども、今回の事件の概要、それから今どういう捜査の段階にあるのか、これについて説明していただけますか。

泉国務大臣 お尋ねの事件は、二月十日の夜、沖縄県北谷町において発生した、米海兵隊員による日本人女子中学生に対する強姦被疑事件でございます。

 本件につきましては、被害者からの申告を受けた沖縄県警察において所要の捜査を行い、二月十一日未明、当該米海兵隊員を強姦容疑で緊急逮捕したものでございます。

 現在、沖縄県警察におきましては、法と証拠に基づきまして全容解明に努めておるところでございまして、今どの程度まで進んだのかという事柄につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

赤嶺委員 私は、事件発生直後、現場に駆けつけました。

 犯人の海兵隊員は、海兵隊の軍服を着ていたのではないんですね。海兵隊員は、ハーレーダビッドソン、そのオートバイ、テレビに映っておりましたが、これに乗って、一般の市民を装って中学生に言葉巧みに話しかけてきているわけです。沖縄の中学生ですから、ほとんど他人を疑うという意識を持っておりません。自宅に送ってあげる、そういううそを信じ込んだ。連れ出したら、その海兵隊員の自宅に監禁して暴行に及ぼうとした。その場を一たん少女は逃げ出すんです。逃げ出したけれども、車で追っかけられ、捕まって引きずり回されて、そのあげくに北谷町の公園横の路上で暴行されているわけです。

 犯行現場も行きました。保育所の真ん前ですよ。保育所の真ん前、公園の横。そして、彼女は、その後、人通りもない国道の歩道で一人うずくまっているところを保護されているわけです。

 報道記事をちょっと紹介してみたいんですが、沖縄署によると、その五十分後、つまり拉致された五十分後ですね、少女は友人に携帯で泣き声で助けを求めてきた。どうしたと尋ねると、外国人に連れていかれた、どこにいるのかわからない、やばい、外国人が戻ってきたという言葉を最後に応答がなくなった。その後も携帯をつなぎっ放しにしていたわけですが、その電話からは、大音量の音楽とともに、シャラップという男の声、そして少女の泣き声が聞こえてきたわけです。

 本当に恐怖におびえて、逃げる、逃げたい、逃げるけれども失敗する。そういう少女を海兵隊員は追い詰めて、乱暴な行為に及んだわけです。羊の顔をして近づいてきて、オオカミに変身したわけですよ。こんなこと絶対に許されないですよ。この少女のどこにも落ち度はありません。

 官房長官、こういうことは絶対に起こってはならない、許されない事件だ、そういう認識、もう一度伺いたいんですが、いかがですか。

町村国務大臣 まことに許されない、二度とあってはならない行為であるということは言うをまちません。

赤嶺委員 私、繰り返し官房長官に聞いているのは、ニュースだけですから、その中身は確かめようがありませんが、最初に政府の閣僚から聞こえてきたのは、日米同盟にひびが入らないかとか、あるいは地位協定に問題はないんだとか、そういう話ばかりですね。

 官房長官、外務大臣、沖縄県警がこの事件を聞いて最初に何をしたかわかりますか。最初にゲートに行って、犯人の米兵が基地の中に逃げ込んだら、逮捕しても身柄が拘束できない、捜査に支障を来すということで、ゲートにこういう米兵が逃げてきたら引き渡してくれとお願いして歩いたんですよ。まず地位協定の対策からとって、犯人捜査に行ったんですよ。

 沖縄県の教育委員会は、この問題で抗議のコメントを出しました。伊元教育委員長は、きょうは教育委員の皆さん、そして教育委員会の職員の皆さん、みんな起立してくれ、抗議の意思を示そう、女子生徒の安全を守り切れなかった教育委員会の責任は重大だと、非常に悔しい思いで抗議のコメントを出しているんです。

 文科大臣、日本の子供たちの安全や命がこんなふうにして脅かされる、このことについて、文科大臣、どう思いますか。

渡海国務大臣 子供たちの安全の問題について、日ごろより我々も、いろいろな意味でいろいろな会合を通じて教育当局にお願いもしているところでございますが、今回の事件につきましては、本当に腹が立つといいますか、こんなことがあってはならない、これは先ほど官房長官がお述べになったことでございますけれども、そのように認識をいたしております。

 沖縄の教育委員会におかれましても、すぐに教育委員会を通じて、いろいろな通知といいますか、そういうこともされたようでございますけれども、私どもは日ごろよりも、児童生徒の安全確保と犯罪防止ということに関して、通知や会議を通じ、その推進を促してきているところでございますが、去る二月十三日付で、改めて「児童生徒の安全の確保及び犯罪被害の防止について」という通知を出させていただきました。都道府県教育委員会、指定都市教育委員会、私立学校主管部、附属学校を置く国立法人等について、なお児童生徒の安全確保ということについて留意して当たるようにということを指示したところでございますが、このようなことが起こるということは断じてあってはならないというふうに思っておりますし、また、政府において、今、しっかりとこれを受けて対応してほしいということもお願いをしておるところでございます。

赤嶺委員 一片の通知で子供たちの安全が守られるなら、それはそれにこしたことはないですよ。子供たちの安全を守り切れなかったと、沖縄県の教育委員会も悔しがっている、先生方も悔しがっている。やはり基地があるがゆえに人権が脅かされているという問題なんです。ですから、あしたは、保守的な女性団体も含めてみんな一緒になって、革新的な女性団体も、これに対する女性の抗議集会を開催しようという段取りで進めているわけです。これを超党派というんです。

 それで、私は外務大臣に今度伺いますが、県内では、一九九五年に買い物帰りの小学生が在沖米兵三人に暴行されるという痛ましい事件を覚えておられると思います。これをきっかけとして県民の怒りが爆発して、同じ年の十月二十一日に、主催者発表で八万五千人が宜野湾海浜公園に結集する、超党派の県民総決起大会が開かれる事態に発展しました。

 この集会で、当時、高校生代表の仲村清子さんは、このように演説をしました。いつまでも米兵におびえ、事故におびえ、危機にさらされながら生活を続けていくのは私は嫌です、未来の自分の子供たちにもこんな生活をさせたくありません、私たちに静かな沖縄を返してください、軍隊のない、悲劇のない、平和な島を返してください、このように訴えました。今回、米兵の犠牲になった少女は、その県民大会の直後に生まれたばかりの、当時の赤ちゃんなんです。今なお、米兵におびえ、事故におびえ、危険にさらされているのが現状であります。

 なぜこんな事件が繰り返されるんですか。政府は、その責任を一体どんなふうに考えているんですか。

高村国務大臣 この事件については、私は委員と怒りを共有するものでございます。そして、二度とこういうことがあってはいけないわけでありますから、その再発防止に向けて最善を尽くしたい、こういうふうに思っております。

 今までも再発防止、再発防止と言って、また起こったではないか、こういうことでございますが、綱紀粛正、これ自体は主体的にアメリカ側がやるべきことでありますけれども、我々も、その綱紀粛正の中身について緊密に協議をして、こういうふうにやっていきたいということは協議の中で申し上げていきたいと思いますし、我が方、日本の側がやるべきこともあるでしょうし、それからまた日米が協力してやらなければいけないこともあるでしょうし、そういうことも、緊急にやるべきことをやっていきたい、こういうふうに思っております。

 委員と意見が違うところは、日米安全保障条約はそれにもかかわらず必要だ、こういうことでございます。

赤嶺委員 こんな事件が繰り返されても日米安保条約は必要だと、これをつけ加えることを忘れない。私、本当にこういう態度に怒りを覚えます。

 それでは、国家公安委員長に聞きますけれども、戦後、こうした米軍犯罪は一体どれだけ起こっているんですか。

米田政府参考人 統計の問題ですので、私からお答えさせていただきます。

 ちょっと古い統計がございませんで、平成以降でお答えさせていただきたいと思いますが、平成元年以降一昨年、平成十八年までの米軍人による刑法犯の検挙状況でございますが、検挙の累計件数で見ますと、全国において一千八百九十二件でございます。また、検挙の累計人員の方で見ますと、一千七百三人でございます。

 それから、刑法犯のうち殺人、強盗、強姦、放火といったいわゆる凶悪犯は、この平成元年―十八年まででは、全国では百二十四件、それから、検挙の累計人員で見ますと百八十人でございます。

赤嶺委員 統計も、戦後ずっとと聞いたら、平成元年以降しかとっていません、それ以前はわかりませんというのが、今の政府の情けない現状だというぐあいに思います。

 そういう暴行事件などが明るみに出るのは、本当に氷山の一角なんです。私は、基地の周辺の自治体の首長ともよく基地問題で意見を交わしますし、そういう問題でも意見を交わしますが、暴行事件は繰り返し起こっている、異口同音なんですよ。しかし、被害者の将来を考えて、みんな、口にすることをためらっているだけだ。事件について語ることはその被害者の将来や未来を奪うことになるので、やはりタブーにしているんです。九五年の少女暴行事件は、少女暴行事件という言葉さえ、地元のマスコミは使うのをためらいました、少女に対する暴力というような。そのぐらい、やはり、起こって明るみに出るのは氷山の一角で、こういう事件というのはもう繰り返し起こっている。

 今回明るみに出たのは、少女が必死に抵抗して、携帯電話で友達に電話したからなんですよ。それで、母親や友人の同級生たちがこれを聞いて、とんでもないことが起きている、自分の娘が米軍に拉致されている、これを聞いたときの母親の張り裂けるような胸の思い、どんな思いだったか、想像を絶しますよ。

 母親と友人たちが警察に押しかけて、拉致されているということで、文科大臣、これは質問じゃないんですけれども、日本の子供たちが、自分の同級生が米兵に拉致されたといって警察に押しかける、こんなの沖縄だけじゃないですよ、ほっておいたら全国の基地の周辺で起こりますよ。今、日米安保のもとで、子供たちはそういう状態に追い詰められているんですよ。

 警察に駆けつけたから明るみに出たというだけで、外務大臣が先ほどおっしゃったように、綱紀粛正を米軍に求めるだとか、再発防止策というのを外務大臣もおっしゃりながら、何度も同じことを言ってもと、そのようなこともちょっとおっしゃっていたんですが、こんなことを繰り返しても、警察の発表でもあれだけの事件が繰り返されているわけですから、再発防止策では事件はなくならないということではありませんか、外務大臣。

高村国務大臣 限りなく事件の数がゼロに近づくように最善の努力をするというのが我々に課せられた役割だ、こういうふうに思っています。

赤嶺委員 再発防止策をとってきて限りなくゼロに近づいている、そういうのが出れば、なるほどと思いますよ。限りなくゼロに近づくどころか、少女暴行事件が起こった後、酔っぱらい運転が起こり、きょうは女性のうちに侵入しているわけでしょう、起きてみたらソファーに米兵が寝ていたという。限りなくゼロに近づくどころか、綱紀粛正も再発防止も全く効果を出していないんですよ。

 報道によりますと、何か、今回事件を起こした米兵は基地の外に居住していたということなんですけれども、基地外居住の米兵への再発防止策、こういうことも考えているということなんですが、どういうことを考えているんですか。

高村国務大臣 具体的には米軍自身がやることでありますけれども、今までの再発防止策が、基地内に住んでいる若い人たちに対する教育とか綱紀粛正、そういったものが主となっていた。今度の場合は、三十八歳という比較的年長の人で、しかも基地外の人だった、こういうことでありますから、基地内の若い人だけを対象とした再発防止策でなくて、基地外に住んでいる比較的年長の人たちも包括的に含むような再発防止策を考えてくれと今アメリカ側に言っているところでございます。

 これは、アメリカ側の綱紀粛正の問題でありますから、まず一義的にはアメリカが考えることでありますから、我々も被害に遭っている側でありますから、我々も、関心を持って緊密に連絡をし、注文もつけていきたい、こう思っております。

赤嶺委員 日本政府が被害に遭っているなんてとんでもないですよ。基地を提供しているのは日本政府じゃないですか。日本政府も加害の一端を担っているんですよ。

 今、基地の中に住んでいる米兵だけの対策をとってきたと言いますけれども、基地の中に住んでいる比較的若い米兵が、夜中は外出禁止のはずの者がけさ事件を起こしているんですよ、キャンプ・シュワブで。門限におくれた米兵は基地の中に帰れなくなるので、強盗事件を起こしたり、いろいろな事件を起こしているんですよ。深夜、若い兵士たちが起こしているんです。基地内の門限を設けたことも、再発防止には全く役に立たなかったんですよ。

 今、外の住宅のことを聞いたわけですが、私は今度は防衛大臣にも伺いたいんですけれども、北谷町、犯行現場のある場所なんですが、以前から、基地の外に居住する米兵がふえてきているということを非常に危惧しまして、日本政府に繰り返しその実態の調査と対策を要求してきました。しかし、政府が実態調査もしないから北谷町独自に調査をしてきたわけですが、それによると、北谷町の住宅全体の約一五%が米軍住宅なんですね。基地の外ですよ。基地の外に基地があるようなものだという声が上がっているわけですよ、基地外基地はごめんだ、基地の外の基地はごめんだと。

 政府は、そういう基地の外の居住の実態について正確に把握していますか。また、再発防止というわけですから、基地の外の居住をやめさせると考えておりますか。これは、外務大臣か防衛大臣、どちらか答えてください。

石破国務大臣 人数まで正確に把握をしておるわけではございません。戸数ということでは把握はいたしておりますが、人数に至るまで正確に把握はいたしておりません。

 私は、どういう人がよくてどういう人がいけないということを言うつもりはありませんが、基本的に、妻帯者であり、そしてまた新兵さんではない、今回はそうだったじゃないかというおしかりはいただきますが、どういう基準で基地外に住んでいるのか、そしてそれはどのようにして遵守されているのかということは、やはり政府としてきちんと把握をしておかなければいけないだろうと思っております。

 それは一義的には米軍のやることですが、アメリカにお任せよということであってはならないことだと思っております。これは外務省ともよく当省は協議をいたしまして、どういうことになっているのか、正確な数もできるだけ私どもとして把握をする必要があるのではないか、私はそのように思っております。

 十分でない点は、これから先、鋭意きちんとした認識を持って情報を把握したいと思っております。

赤嶺委員 ちょっと今、防衛大臣、戸数は把握しているという答弁でしたか。もう一度お答え願います。

石破国務大臣 今、北谷というお話でございますが、現在、我が国が在日米軍に提供しております家族住宅の戸数は、平成二十年一月一日現在で一万六千八百十戸、沖縄における家族住宅戸数は五千六百六十七というのを把握しておるわけでございます。これは戸数でございまして、それでは、その住宅に居住している人数について把握をしているわけではございません。

 家族住宅の整備に当たりましては、米側の要望を踏まえ、我が国の財政事情等を勘案しつつ、必要性、緊要性等を十分に精査し適切に措置しているということでございますが、戸数だけ把握をしておってそれで十分なのかと言われれば、それは十分ではない。ただ、私どもとして、住宅を提供するというようなことから、戸数ということになっているということでございます。

赤嶺委員 つまり、基地の中に日本政府が提供している住宅は一万六千八百戸ということですね。今私が聞いたのは、基地の外に何戸かと聞いたわけですが、しかし、防衛大臣がせっかくお答えになりましたので、一万六千八百戸基地の中に日本政府が提供している住宅は、空き部屋が非常に多いということを基地の周辺の人たちからよく聞きます。どのぐらい入っているんですか、どのぐらい空き部屋があるんですか。

石破国務大臣 委員御指摘のように、今のは基地内のお話でございます。

 それで、お尋ねの基地外でございますが、二月十三日、私どもの沖縄防衛局から在日米軍沖縄地区事務所に対しまして、基地外での米軍向け貸出戸数及び人数について照会をいたしました。十四日に回答がございまして、昨年九月現在の基地外での米軍用貸し住宅は、六千九十八戸が登録をされております。そのうち五千百七戸が契約をされておりますが、住居人の人数は把握をしていない旨回答を得ておるところでございます。

赤嶺委員 防衛大臣、基地内に提供している住宅はどのぐらい入っていて、空き室がどのぐらいあるんですか。

地引政府参考人 お答えいたします。

 現在、米側に対して照会中でございます。したがって、現時点では空き数等については掌握しておりません。

赤嶺委員 基地内に提供している住宅、空き部屋があるかどうかもわからないけれども、どんどんどんどん基地の外に米兵が移動してきているわけですね。ですから、それで基地の外の住居をやめさせるかといえば、明確な答弁がない。

 この間議論を聞いておりましたら、外務大臣は、いや、憲法上そんなことはできないんだとおっしゃいましたが、沖縄県民は、自分のお墓が基地の中にあるときに、自由に出入りできないんですよ、お墓参りも。米軍の許可を受ける面倒な手続をもってしか基地の中には入れないんですよ。先祖のお墓参りさえ許されていない。憲法上の権利が認められていないのに、何で米側にはあれは憲法上の権利だと。こういう神経が私にはわかりません。

 今官房長官は記者会見でいらっしゃらないんですけれども、共同パトロールというようなお話が出ておりました。これはいい考えだ、そういうのがメディアで流れていますから。もし米側の憲兵隊と日本の警察が共同パトロールをして犯行現場を押さえたときに、身柄は米軍に持っていかれるんですよ。だから、沖縄県警としては嫌なんですよ。身柄は自分で拘束したいんですよ。国家公安委員長、それはおわかりでしょう、そういうことは。共同パトロールなんて、地位協定の壁に挟まって、犯罪防止どころじゃないですよ。

 防犯灯は効果があったと。これも、官房長官は記者会見でいらっしゃらなくて残念ですが、犯行、拉致された現場は防犯灯がついていたんですよ、商業施設は。

 全く机上の空論ばかり、再発防止、綱紀粛正、こんなことを何遍繰り返しても、効果は出ないんです。そこを、やはり何が必要かということを真剣に考える必要があると思います。

 北谷の野国町長が、先ほど外務大臣がおっしゃった小野寺さんが沖縄へ行かれたときに、小野寺さんに、米軍の占領意識が問題なんだ、このように言っているんですよ。それはどういうことかおわかりですか。

高村国務大臣 占領地に、占領意識というのは、やはり一歩見下しているとか、そういうことはあったら問題だ、こういうふうに思いますが、米軍全体にそういうことがあるとは私は承知をしておりませんが、一部にそういう意識があるとしたらまさに問題だ、こう思います。

赤嶺委員 全体にないどころか、例えば九五年の少女暴行事件のときに、在日米軍を統括している、これは米太平洋軍ですよ、リチャード・マッキー司令官、犯行に及んだ海兵隊三人に、全くばかげた事件だ、レンタカーを借りる金があったなら、そういう金を払えば女性を手に入れることができるのに、こういう発言を沖縄の事件に対してしたんですよ。

 それだけじゃないですよ。二〇〇一年、やはり米軍の事件が起きて県民の怒りが燃え盛っているときに、県議会で海兵隊削減が全会一致で決議されました。そのときに、その全会一致決議をとめる努力をしなかったということで、稲嶺知事やそのときの副知事、当時の金武町長に対して、ヘイルストン四軍調整官、何と言ったと思いますか。彼らは何もしなかった、彼らは頭がおかしく腰抜けだ、私は彼らをそう呼ぶのを楽しんできた、こんなメールを在沖米軍基地の司令官に打ちまくっていたんですよ。これが明るみに出たんですよ。

 また、少女暴行事件直後にキャンプ・ハンセンで司令官を務めたゲーリー・アンダーソンという方が、アメリカに帰って、また二〇〇一年、沖縄で基地への怒りが燃え上がっているときに、彼はワシントン・ポストにこう書いたんです。海兵隊員の犯罪率が特に高いとは思わない、米軍の駐留に反対する政治家によって宣伝されている、米国人を好まない人々の政治課題になっているために広く知られることになる、こういうことを言っているんですよ。

 これは占領意識じゃないですか。いかがですか。

高村国務大臣 それが占領意識かどうかはわかりませんけれども、余り聞きたくない言葉、不愉快な言葉であります。

赤嶺委員 これが人を見下しているということなんですよ。

 海兵隊というのは、人殺しの訓練をしているんですよ。司令官は、おまえたちの任務は何だと海兵隊員に呼びかけて、海兵隊員は何と答えるか知っていますか。キルと答えるんですよ。もっと大きな声でと言ったら、キル、キル、キル、キルと。これが海兵隊の合い言葉なんですよ。殺せ、殺せ、殺せ。そして、アフガンやイラクに送られる。そういう人たちが沖縄の中で一般市民生活に羊のような顔をして入ってくる。これが犯罪の大もとじゃないですか。

 私は、レイプされた被害者の生の声をきょうは紹介したいと思います。彼女はこう言っています。

 私は、被害者の一人として訴えます。私は、高校二年生のときに米兵によるレイプを受けました。部活動が終わって自宅に帰る午後十時ごろ、友達と別れて一人で歩いていました。とめてあった車から米兵が出てきて、友人の家に行くのに道がわからないと話しかけてきましたので、かわいそうだと思って話を聞こうとして近づいていくと、後ろに隠れていた別の米兵が首に手を回し、のど元にナイフを突きつけてきた。英語でおまえを殺せると言われ、このまま死ぬのだと思うと本当に怖かった。近くの公園に連れていかれ、三人の米兵にレイプされました。助けてと言いたかったけれども、のどに物が詰まったようになって声が出ませんでした。公園に放置されて、しばらく茫然としていました。家に帰っても両親には言えなかった。友人に、警察では状況を聞かれるが大丈夫か、耐えられるかと言われ、警察にも行けませんでした。自分を責めました。なぜあのとき米兵の話を聞いてしまったのか、どうして大きな声が出せなかっただろうと、何度も自殺を図りました。ようやく生活が安定し始め、事件のことはなかったことにして暮らしたいと思っていたとき、沖縄で少女暴行事件が起こりました。

 これは九五年のときです。

 ニュースを聞いて、涙がとまりませんでした。自分が警察にも行かず、公にもしなかったことが、同じような被害に遭う少女を生み出してしまったのかと思って。被害に遭った女子中学生は何も悪くありません。私たちには自由に外を歩く権利があります。人殺しの訓練をしている人が基地内外を自由に行き来できる、そういう人がすぐそばに住んでいるのがおかしいのです。私の人生は、あのとき大きく狂わされました。政府に、前の生活に戻してほしいと言いたい。基地を残し、米兵を連れてきて、いえることのない苦しみを押しつけているのは日本政府です。性犯罪の温床にもなる米軍基地の撤去を実現したい。

 このように述べております。

 私は、じかに彼女からお話も伺いました。今回の県議会の全会一致決議も、やはり海兵隊の削減だ、基地の整理縮小、撤去だと言っているんです。再発防止は、海兵隊の撤退と基地の撤去、そのために努力することだ、そのように外務大臣、考えませんか。そういう要求にどうこたえるんですか。

高村国務大臣 海兵隊八千人を減らすという目標で、今、日米政府、動いています。その実現に全力を尽くします。

赤嶺委員 海兵隊八千人減らすというのも、私は安保委員会で何度も言ってきましたが、一万人残るんです。今、一万三千人しかいない沖縄の海兵隊、八千人減らせばもっと減るじゃないかと言うと、一万人は残るというのが防衛省の答弁なんです。主力は残るんです。事件は繰り返されます。

 私は、ここで本気になって海兵隊の撤退、そして基地の削減、撤去、これに踏み出さない限り、また同じような事件が繰り返される、もう再発防止や綱紀粛正ではごまかされない、そういうことを申し上げて、質問を終わります。

逢沢委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。

 次に、菅野哲雄君。

菅野委員 社会民主党の菅野哲雄です。

 最初に、格差の問題について伺います。

 福田総理の施政方針演説は、格差について全く触れていませんでした。大田大臣の経済演説も、もはや日本は経済は一流と呼ばれるような状況ではないという踏み込んだ認識を示し、家計に景気回復の実感がないことを指摘しておりますが、そこでも格差問題には触れてはおりません。

 かつて小泉総理は、格差が出るのは別に悪いことだとは思っていないと予算委員会の場で答弁されたことがありました。安倍総理は、老人世帯の増加などの要因を取り除けば、余り格差は拡大していない、こういう認識を示したことがありました。

 そこで、福田内閣は、格差は拡大している、このことで多くの国民が不安を抱いているという認識をお持ちなのか、それとも格差は広がっていないという認識なのか、まず答弁願いたいと思います。

大田国務大臣 労働の分野で正規、非正規の格差があるということ、地域間で景気回復の格差があるということ、それから、なかなか中小企業も景気回復を実感できないでいるということ、この認識は、総理も持っていますし、私も十分に持っております。

 そして、福田内閣として、改革を進めるという方向は変えませんけれども、生じている問題には一つ一つ丁寧にこたえていくということで、例えば職業訓練を充実させる、最低賃金を引き上げる、あるいは中小企業の不適正な下請取引をなくしていくといった、さまざまな角度から取り組みたいと考えております。

菅野委員 大臣、私どもと認識は違っているということなんですね。

 質問します。根本的な原因がどこにあるのかということなんですが、国税庁の民間給与実態調査では、平成十八年、つまり二〇〇六年で、年収が二百万に満たない労働者が一千二十二万八千人。これは政府統計であります。率にして二二%ですから、働く人の五人に一人以上が年収二百万に満たないわけです。小泉内閣が誕生した二〇〇一年には、同じ調査で、年収二百万円以下は八百六十一万五千人。六年間で百六十万人もふえました。

 今大臣は、改革の方向は変えないというふうにおっしゃったんですが、規制緩和を中心とした小泉内閣の構造改革、それから企業の生産性や付加価値のアップを追い求めた安倍内閣の成長戦略がこのような低所得者層の増加や格差の拡大を促した、私どもはそういう認識でありますけれども、大田大臣はこのことに対してどういう認識なのか、答弁願いたいと思います。

大田国務大臣 世界経済の構造が大きく変わっていく中で、そのシステムに合うように経済構造を変えていくという意味での構造改革というのは避けられないんだと思います。そして、どの先進国もやはり模索しながら取り組んでいるということだと思います。

 小泉内閣、安倍内閣において、確かに内需主導の経済成長にかじは切られましたし、実際、失業率もピークの五・五%から三・八%に下がってきたという面があると思います。ただ、その一方で、こういう大きい経済構造の変化の中でひずみが生じるのも事実です。したがいまして、やはり、世界経済の大きい変化の中で成長できるような経済の構造をつくることとあわせて、その中で生じているひずみ、ここについてはしっかりと目を向けて対応していかなくてはいけないと感じております。

 そういう意味で、先ほど、改革するということは続けながら、起こってきた問題に対して一つ一つ丁寧に対応していくということを申し上げました。

菅野委員 後ほども議論いたしますけれども、大田大臣、ひずみを生じるのはしようがないということを言いましたけれども、私が言いたいのは、小泉内閣で構造改革を進めてきた、安倍内閣で成長戦略を進めてきた、そして、政府が一体となってこの政策を進めてきた帰結として今日の低所得者層というものがふえ続けてきていると申し上げなければならないというふうに思います。百六十万人という数字は異常とも言えるというふうに思っています。

 ただし、所得や賃金の水準というのが多くは労使にゆだねられる問題であることは、私も理解します。しかし、余りにも経営側の理論の擁護に走った政府の政策が働く人の所得の低下をもたらしたのではないかという、この問題なんです。企業の利益がバブルの絶頂期を大幅に上回る一方、労働者の給料が一九九八年から九年連続マイナスになっているのは、もはや異常な事態と言わなければなりません。

 大田大臣の言葉をかりれば、日本の企業の労働者に対する待遇も一流ではなくなったと言わざるを得ません。年収二百万円以下の労働者が急増しているように、企業の経常利益が上がっても労働者の所得が低下しているこの原因というものをはっきりと明らかにしておかなければ、今後の対処方針というのは決まっていかないんだというふうに私は思うんですけれども、大臣、このことをどう思っていますか。

大田国務大臣 今の日本経済の非常に大きい問題が、先生おっしゃるように、賃金が伸びないということでございます。

 それから、二百万円以下の層がふえているということの背景は、私は、最大の問題は非正規労働がふえているということだと思います。しかも、日本の問題としまして、依然として新卒採用や企業内訓練が中心ですので、非正規に一度なると固定化してしまう、なかなかそこから抜け出せないという問題がございます。

 したがいまして、政策としても、もちろんそこを手をこまぬいているわけではなくて、そこに対して、非正規雇用が固定化しないように、職業訓練を本格化する、あるいは最低賃金の引き上げ、非正規雇用の待遇改善といったものに今取り組んでおりますし、さらに取り組んでいかなくてはいけないと考えております。

菅野委員 経済財政政策担当大臣としての見解をお聞きいたしました。

 今のことを具体的に推し進めていってほしいし、次に、厚生労働大臣にお聞きいたしますけれども、今大臣の答弁にあるように、格差の拡大や労働者の所得低下の背景には、雇用の不安定化、もっと具体的に言えば、直近の数字で一千七百三十六万人に達した非正規雇用、パートやアルバイト、派遣といった働き方の急増があるというふうに私も認識しています。この間労働分野の規制緩和を促してきた政治の責任は、極めて大きいものがあると言わなければなりません。

 そこで、厚生労働大臣に伺います。

 昨年の十二月二十五日に規制改革会議が取りまとめた規制改革推進のための第二次答申、この中の、「労働分野」の内容を見てびっくりいたしました。一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めるほど労働者の保護が図られるという安易な考え方は正しくないという記述、それから、無配慮に最低賃金を引き上げることは結果として雇用機会を喪失する、正規社員の解雇を厳しく規制することは非正規雇用へのシフトを企業に誘発する、こういうことが述べられています。

 これは、まるで昨年五月の規制改革会議のタスクフォースが意見書として取りまとめられた内容とほぼ同じではないかと言わなければなりません。タスクフォースの意見書は、国会でも多くの議員がその内容を批判し、当時の林芳正内閣府副大臣が、進めるべき政策の方向と異なる内容の文書だとして、タスクフォースの意見書が公表されたことは不適切であり、まことに遺憾との政府見解を昨年五月二十九日の参議院厚生労働委員会の冒頭で述べられております。

 政府は、林副大臣の政府見解をほごにするんですか。規制改革の第二次答申は閣議決定され、「最大限に尊重し、所要の施策に速やかに取り組む」となっていますが、この「労働分野」の内容を受け入れるのですか。大臣、お答え願いたいと思います。

舛添国務大臣 まず、委員が御指摘のこの規制改革会議の主張に対して、厚生労働省としてきちんと反論をいたしました。

 一部に残存する神話のように労働者の権利を強めるほど労働者の保護が図られるという安易な考え方は正しくないということに対しては、こういう表現は不適切であると。それから、最低賃金についても、最低賃金を引き上げることが労働者の失業をもたらすということについては、これは最低賃金の引き上げが必要である、こういうふうにきちんと反論をしております。

 それから、平成十九年十二月二十八日の閣議決定におきまして、「問題意識」として今委員が引用なさったことは述べられていますけれども、しかし、「具体的施策」については政策提言であって、これには対応しますが、「問題意識」として述べられたことについて、我々はそれに対して、今私が申し上げたように、厚生労働省としてきちんと労働者の権利を守るという立場から反論いたしておりますので、林副大臣の答弁のとおりでございます。

菅野委員 大臣、ここに閣議決定の文書を持っています。大臣の言うように、「「具体的施策」を最大限に尊重し、所要の施策に速やかに取り組むとともに、」という、具体的施策に取り組むんだという今答弁だったというふうに思います。

 そして、この労働分野における問題意識として、先ほど申し上げたように、タスクフォースの記述を問題意識として掲げて、これは一体として閣議決定しているという、ここを指摘しているんです。反論していることは当然のことだというふうに思うんですが、これが今の政府の進めようとしている方向であるというふうにとらえられたならば、私は大きな問題が生ずるんだというふうに思っています。

 だから、こういう文書が十二月二十八日に閣議決定されているんですから、大臣の労働政策審議会の中で、このことも議論になって先に進まないという現状、早急に解決しなければならない課題も先に送られてしまっているというのが今日の実情であるということを、私は特に指摘しておきたいというふうに思っています。

 それで、先ほど言いましたように、この第二次答申の内容は、法律で労働者保護を図るよりも、あるがまま市場に任せた方がいいという理論がずっと展開されているんです。これが政府の現状認識だという、このことに私は大きな疑問を抱いているからここで述べているということを、しっかりととらえていただきたいというふうに思います。

 そして、労働者と使用者は決して対等な関係にはないからこそ、大臣が所管している労働法制が労働者保護の立場から存在しているのではないでしょうか。労働行政をつかさどる舛添大臣、労働者と使用者は市場において対等な関係にあると考えているんですか。今後の労働行政、規制緩和が必要なのか、それとも規制強化が必要なのか、審議会や研究会の議論にゆだねていこうということではなくて、大臣自身の方向性をしっかり明らかにしていただきたいと思います。答弁願います。

    〔委員長退席、増原委員長代理着席〕

舛添国務大臣 労働者と経営者、使用者、これは対等な立場にございません。使用者が払う賃金によって生計を立てています。従属関係にあります。だからこそ、労働法制があり、最低賃金法をさきの臨時国会で、また労働契約法もさきの臨時国会で、皆さんの御協力で通過させることができました。

 そういう観点に立って、働く人たちの権利を守る、そのための厚生労働省でありますから、きちんとその原点に立って、しかるべき対応をやっていきたいと思います。

菅野委員 大臣、その点をしっかり踏まえていただきたいというふうに思います。それで、規制緩和、規制緩和という流れで労働分野にもどんどん広がっていって、そして非正規労働者、派遣労働者がどんどんふえている実態、このことを放置することなく、しっかりと対応していただきたいというふうに思っています。

 次に、ハローワーク事業の市場化テストについて聞いていきたいというふうに思います。

 これも、まさに労働市場の規制緩和にどんどんつながっていく、こういう動きだと、冒頭指摘しておきたいというふうに思っています。この第二次答申の労働分野の考え方が実行に移されるとしたら、格差や貧困がますます労働者に重くのしかかってくることは間違いありません。許しがたい問題だと再度指摘しておきます。

 ハローワークの職業紹介業務を市場化テストの対象にするための法案が準備されております。

 ハローワークの職業紹介業務の市場化テストは、一昨年に市場化テスト法案が審議された際に、行政減量・効率化有識者会議の委員から推進論が出ていたことは承知しています。しかし、ILO八十八号条約は、職業安定組織は公務員が国の指揮監督のもとで全国的体系で構成すべしとしております。民間事業者に無料の職業紹介業務をゆだねることは条約違反になりませんか。

 二年前の法案審議の際、当時の川崎厚生労働大臣は私の質問に対して、失業保険の給付と無料の職業紹介業務はきちっと私どもでしていかなければならないと答弁されています。いつから厚生労働省は考え方を変えたのでしょうか。大臣、お答えください。

舛添国務大臣 委員御指摘のように、ILO第八十八号条約は、第一条で「この条約の適用を受ける国際労働機関の加盟国は、無料の公共職業安定組織を維持し、又はその維持を確保しなければならない。」ときちんと明言してあり、我々はこの加盟国でありますから、これを守っていく。したがって、私たちは、その基本線はしっかりと守っていく、いささかもこの公共職業紹介窓口を閉鎖するとか、なくすということではございません。

 ただ、この市場化テストについていいましても、ハローワークに、庁舎内の職業紹介窓口に民間窓口を併設する形で実施する、一応市場化テストをやってみようということで、そこまでは、この市場化テストをやることが直ちに違反になるということではなくて、我々は基本的に、無料の職業紹介を全国ネットワークで公務員によってハローワークでやる、この基本方針をしっかり踏まえた上でやりますから、その上での市場化テストだというふうに御理解を賜りたいと思います。

菅野委員 大臣、その答弁は、非常に苦しい答弁を行っているというふうに私は申し上げなければなりません。ハローワークの業務は継続されるから問題はないという、これは答えにはなっていないと思います。

 ILO八十八号条約をしっかりと検討していただきたいと思うんです。この「ILO事務局のクレオパトラ・ドンビア・ヘンリー労働基準局長の見解について」で、平成十八年十月二十七日に示されていますけれども、「民間事業者の成長を理由に、ILO第八十八号条約に規定するセーフティネットとしての全国ネットワークの公共職業安定機関を民間委託してしまうこと、全国的体系の一部でも民間委託することはあってはならない。」こう言っているんですね。そして、一から四まであるんですけれども、このことをしっかり踏まえれば、私は、条約違反だというふうに言わなければならないというふうに思うんです。

 そのことを踏まえて、先ほどからも言っていますけれども、規制改革、規制改革で、行け行けどんどんという政策がとられている中で、ここにまで、規制改革の流れを条約を犯してまで進めることに私は大きな危惧を抱いているということを申し上げておきたいというふうに思います。

 それで、もう一つ質問しますが、職業安定法三十二条の十一で、港湾運送業務と建設業務は有料職業紹介事業として禁止されていますが、その理由について簡単にお答えください。

太田政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のとおり、港湾運送業務と建設業務につきましては、職業安定法第三十二条の十一において、有料職業紹介事業者が求職者に紹介をしてはならないとされているところでございます。

 この理由でございますけれども、港湾運送業務等の現場作業につきましては、紹介事業者と労働者との間の支配従属関係に基づきまして労働者供給に該当するような形で職業紹介が行われ、このことが中間搾取、強制労働等につながるおそれが強いことから、取り扱い禁止職業とされているところでございます。

菅野委員 ところが、今回の法改正では、ハローワークの市場化テストで職業紹介業務を落札した民間事業者には港湾、建設業務の取り扱いを認めるという方向になっています。これは問題ではないですか。港湾、建設業務は労働者派遣法でも派遣が禁止されている業務です。派遣も含め、港湾、建設業務への職業紹介を全面解禁する布石に思えてなりません。民間事業者に港湾、建設業務の職業紹介を許可することは問題ではありませんか。大臣、お答えください。

舛添国務大臣 先ほど来の委員のさまざまな御懸念について、これはきちんと私も対応していきたいと思っていますが、御理解賜りたいのは、要するに、無料の公務員によるハローワーク、この全国ネットではきちんと守れますよ、これをいささかでも崩すことはいたしません。

 ただ、どうしても、官がやるものについて非効率であったりやり方がまずかったりすることもありますから、ハローワークの窓口に、市場化テストとして、民間業者のノウハウを取り入れるようなことができないかということが趣旨でございます。

 したがいまして、ハローワークは、造船業であれ港湾運送業であれ建設業務であったって、これはハローワークだから当然できます。有料の紹介所というのはできません。そうすると、競争条件を一緒にしてちょっと試してみようというテストをやるときに、一緒にしないといけないというその便宜的なことでやるわけで、なし崩し的に何もかも有料紹介所に持っていこう、そういう意図ではございませんで、テストの実証性を高めるためだということでございますので、どうか御理解を賜りたいと思います。

菅野委員 大臣、理解できないんです。

 労働者派遣法を制度として導入したときは、今のような議論から労働者派遣法というものがどんどん拡大していって、今日まで至っているんです。この出発に当たって、先ほど答弁いただきましたけれども、なぜ港湾、建設業務は有料職業紹介事業として禁止されているのかという趣旨を踏まえれば、その趣旨というものは継続されていくべきじゃないでしょうか。このことを私は申し上げております。これは今後も、この部分はしっかりと議論していかなければならない大きな課題というふうに私は思っております。

 最後に、労働者派遣法について伺います。

 昨年末に厚生労働省が発表した集計結果では、平成十八年度派遣労働者数は約三百二十一万人で、前年と比べて二六・一%もふえました。派遣業は、売上高は五兆円を超えています。ふえ続ける派遣労働について、大臣はこの数字を適正と考えておりますか。

 恐らく政府は、派遣労働が臨時的、一時的な労働力の需要調整措置という認識に今も立っているのだと思いますが、確かに、派遣期間に制限があるという意味では臨時的、一時的かもしれませんが、五兆円産業にもなった派遣業、八十六万件にも及ぶ派遣先、ふえ続ける派遣労働者の実態を見れば、もはや臨時的、一時的な労働力ではなく、正社員にかわる恒常的な雇用形態になっているのではないですか。大臣の認識をお聞かせください。

舛添国務大臣 一部の労働者の方には、こういう自由な、日々変わってもいい、こういう生き方、働き方もいいという方もおられます。しかし、今委員が御指摘のように、やはり派遣、特に日雇い派遣についてさまざまな問題が噴出していることは確かであります。

 いろいろなガイドラインや指導方針を設けて、法律の厳格な適用ということをやっておりますけれども、しかし、やはり私は、制度の根幹について再検討すべきだ、そういう時期に来ていると思いますので、この二月の十四日にそのための研究会を立ち上げました。そこで、今委員が御指摘の問題点、私も同じ問題意識を持っておりますので、徹底的に検討して、根幹の問題にも触れてまいりたい、そういうふうに思っております。

菅野委員 大臣、日雇い派遣の問題、この間、共産党の志位委員の質問に、日雇いという形態は好ましいものではないと福田総理大臣は答弁しています。そもそもこの日雇い派遣、これはもう禁止すべきだというふうに思っています。

 ここにあるんですが、日雇い労働者の雇用の安定を、日雇い労働者というのは、そもそも雇用は不安定な身分なんですが、これを制度として残して安定化を図ろうといったって、図ることはできないんじゃないですか。そして、派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針という案がここにございます。こういうものをつくったとしても、私は、日雇い派遣の根本的な不安定雇用というのは解消していかないんだ、この日雇い派遣はやめるべきだというふうに思います。

 それから、派遣法そもそもも、当面は一九九九年の改正前に戻すべきだというふうに思うんですけれども、最後に大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。

舛添国務大臣 いわゆるフリーターと言われるような方々もきちんと常用雇用についていただきたいということで、今、これはフリーター三十五万人を常用化しようという計画を立てております。

 この前のグッドウィルの件でしたか、結局、やはり現にそこに日雇いの労働の方がおられる。この人たちもまた救わないといけないというわけで、ハローワークを使って今一生懸命やりますけれども、先ほど申し上げましたように、やはりこの今委員が御指摘の問題、根幹にかかわる問題ですので、これを十四日に発足します研究会を中心にきちんと検討して、一つの結論を出したいと思っております。

菅野委員 終わります。

増原委員長代理 これにて菅野君の質疑は終了いたしました。

 次に、下地幹郎君。

下地委員 残念ですけれども、また米軍の事件、事故の質問をしなければなりません。それはもう、再発防止をして、二度とこういう質問をしなくてもいいような環境にするための質問でありますから、お互いに積極的に、前向きに、どうしたらなくなるのかということを考えた結論を出していくべきだというふうに思いますね。

 私は、安保条約は、間違いなく国民の多くの理解を得て成立をするものだというふうに思っておりますから、住民のしっかりとした安全を守るということは必要だと思いますね。そういう意味では、軍人軍属が四万三千人沖縄にいるんですよね。この人たちの事件、事故を一年間ゼロにするということは、北朝鮮のミサイルを撃ち落とすより難しいことですよ。それにチャレンジをしなければならない。それだけに、意気込みを持った外務大臣の姿勢が必要だというふうな認識を持っていただきたいと思うんですね。

 そのためには、二つのキーワード、責任論はどこにあるのかということと、それと、感情的にならずに、長期的なビジョンを持った再発防止策をやる、このことが必要だというふうに思いますね。

 今回事件を起こしたタイロン・ハドナット容疑者という人は、沖縄に観光で来たわけでもありませんし、沖縄にビジネスで来たわけでもありません。彼は、日米安保条約に伴って、日本側が基地を提供する責任にのっとって派遣されてきて、この安保条約に伴って地位協定の対象者として沖縄にいるのであります。こういう人たちが年間六十回から七十回、多いときでは百七十回近くの事件、事故を起こしているというふうなことを考えると、その安保条約にのっとって来ている彼らを、私は安保条約を認めている者として、ここにも大体認めている人々、共産党は違いますけれども、認めていないと思うんですけれども、認めている人たちは、責任を回避するような発言をしてはいけない。

 先ほど外務大臣が私も被害者だと言っていますけれども、被害者じゃないんですよ、私たちは。安保条約を認めて、在日米軍が沖縄にいることを、彼らがいることを認めている以上は、私たちは、共同責任を持ってどうするかということを考えなければいけない。この一点を間違うと、いつまでたっても再発防止策が骨抜きで、アメリカ任せで、そして解決策が見出せないという結果がずっと続いていることに、やはり私は気づくべきだと思うんですね。

 そういう意味では、この解決策をやる場合に、さっき言ったように、情緒的にならないようにする、一過性にならないようにするということが大事だと申し上げましたけれども、外出禁止令をやる、オフリミットをやるといっても、今までの経験からして、二十日以上もったためしはありませんね。必ず沖縄側から、外出禁止令をやめてくれ、オフリミットはやめてくれ、こういう声が出てきますよ。

 この四万三千人の軍人軍属が基地外で落とすお金は年間六百億ですね。公共工事が一千三百億。民間の沖縄のほかの工事が八百億と考えると、この基地外に落とす六百億のお金で生活をなされている方々を私たちは否定することはできないと思いますね。だから、そのことも認めながらどうするかということを考えていかなければいけないというふうに思うんです。

 そして、今大臣のところにも、先ほど質問がいっぱいありましたけれども、基地外の住居の問題がありましたけれども、ドイツのシュパングダーレムという空軍基地に行って見てみますと、嘉手納基地よりも大きい基地ですけれども、向こうでは、独身は基地内、そして妻帯者で家族持ちは基地外、これが一つの条件なんです。アメリカ人のうちがあって、ドイツ人のうちがあって、アメリカ人のうちがあって、ドイツ人のうちがある。今までに五千組近くの人が、アメリカ人とドイツ人が結婚して、一万二千人その子供ができていますよと私たちに言うぐらいなんです。

 だから、もう長期にわたって、安保条約が成立して沖縄に基地があるというならば、これは交流をどうするかということも真剣に考えていかなければいけない。外出はさせません、交流はしません、そういうようなものではなくて、私はもっと前向きな対策を立てる必要があるのではないかというふうに思うんです。

 それで、きょう、四つだけ提案をさせていただきたいんですが、一つは、三位一体のパトロール、何としてでも実行してもらいたい。先ほど逮捕権の話がありましたけれども、これはMPが出てきたら逮捕権はありますよ。MPが出てこなければ、軍曹やその指導者が出てきて酔っぱらいを注意するというのには逮捕権はありませんから、県警に逮捕権がありますから、それはぜひやってもらいたい。県警の中にも反対をするという声がきょうも新聞に少し出ておりましたけれども、沖縄の県警は治安に関して一生懸命頑張っています。しかし、沖縄は歴史的に特殊地域なんですよ。この特殊地域で特殊地域に合うような県警に、日本政府は沖縄の県警に予算や仕組みをつくっていない。そこに反省点があるから、これが解決されるまでの間は、私は三位一体のパトロールはぜひやってもらいたいというのが一点目のことでありますね。

 それと、二つ目には教育。この教育も、日本人と沖縄の人とも習慣はいっぱい違いますけれども、アメリカ人と沖縄の人とも習慣はいっぱい違いますから、アメリカに教育を任せても実態的な教育はできません。だから、日本政府と沖縄県と自治体と、そしてアメリカと、プログラムをつくるのも一緒、実施をするのも一緒、そしてそれのチェックをして、効果的にプログラムが進められているかというのも一緒にしたようなチェック機能を持った教育をやる。そして、先ほどから話がありますけれども、教育だけじゃなくて、この教育の中に、沖縄の人との交流もしっかりとやる。このことを二点目にお話をさせていただきます。

 三点目には、先ほど申し上げましたけれども、三万人以上中部地区には軍人軍属がいますから、沖縄の今の県警の体制ではなかなか難しいんじゃないでしょうかね。予算もなければ、正直言って、英語をしゃべれるお巡りさんがどこまでいるか、こういうふうなこともずっと今まで培ってきていないというふうになってくると、今、基地があるために沖縄の振興費という予算が、さまざまな予算がついていますけれども、この予算、振興費だけじゃなくて、治安を守る予算に防衛の予算を回すことが僕はあってもいいのではないかと思いますね。街灯をつくるだとか、そして防犯ベルをやるだとか交番をつくるだとか、県警にだけ任せるのではなくて、国全体で予算を県警につけて、それでちゃんとやっていく。

 この基地外で暮らしている人たちも悩みはいっぱいあると思いますよ。どこに相談していいかわからないところがあるから、基地外で暮らすアメリカ人も相談ができるような交番であったり、基地外で暮らしているアメリカ人がちょっとトラブルを起こしたりすると、そこが相談できるような窓口が交番署にあったり、しかも、これが英語が流暢に話せて。近ごろ英語もしゃべれない兵隊も多いんです、キューバとかその辺から、もう多国籍軍になっていますから。そういう人たちにも対応できるようなものをやるとか。こういうのをやれば、私は、それも大きな成果が出てくるんじゃないかというふうに思いますね。

 そして、最後になりますけれども、予算というもののあり方を、もう一回、高村外務大臣にこれを機会に見直してもらう。外交という観点というのと防衛という観点からしても、外交は外でというんじゃなくて、外交をやる人たちが沖縄にも岩国にもいろいろな地域にもいっぱいおる。外交という観点からしても、こういう地域にはお金を、予算をつけて、外交問題にならないように積極的にやる。先ほど申し上げたことをぜひやっていただきたいなと思います。

 高村大臣には、パトロールの件と教育の件の二つの御答弁をいただきたい。泉国家公安委員長には、今の予算をさまざまな沖縄のトラブルに採用できるような、沖縄県警を強化するような、外交的にできるような予算をつけてもらいたいというようなことを一点。それと、岸田大臣には、沖縄振興策の予算を、この振興策の原点は安全でありますから、治安に回せるような仕組みをつくるというようなことをぜひお考えいただきたい。この四つを、三人の大臣に御答弁いただきたいと思います。

    〔増原委員長代理退席、委員長着席〕

高村国務大臣 先ほど、我々も被害者である、こういうことを申し上げました。それについて二人の委員から御批判があった、二人とも沖縄の方でありますが。私たち政府とすれば、やはり、国民の身体、生命、財産を守るという責任があるわけでありますから、国民の被害というのは政府の被害である、こういう受けとめをして真剣にやりたいということを申し上げたので、そのことは御理解をいただきたい、こう思うわけであります。

 それから、共同パトロールについては、前回委員から御提案がありまして、重く受けとめております。これは確かに効果があるということで、地元、そして、特に警察ですね、警察との間でどういうふうにするのかということを、いろいろ法的観点も含めて積極的に検討をしているところでございます。

 教育の問題については、米兵の教育自体は一義的にはアメリカ側が自主的に責任を持ってやるべき話でありますが、まさにそういうこととの関係で、日本国政府は、日本国民の生命、身体、財産を守る、そういう責任があるわけでありますから、そういう方たちが被害に遭わないように、それは積極的に関心を持って我々も注文をつけていきたい、こういうことを申し上げた。そういうふうにやっていくつもりでございます。

泉国務大臣 私に対しましては、共同パトロールの問題と沖縄県警の体制についてお尋ねがあったと承知をいたしております。

 沖縄の県民の安全、安心を守るのは、一義的には沖縄県警察である、そのように考えております。

 沖縄で米軍関係者による生活指導を目的とした巡回が行われていることは承知をいたしておりますが、日本の警察官がこれに同行する、いわゆる共同パトロールということにつきましては、その効果を見きわめる、あるいは県民感情がどのようなお気持ちであるかというようなことを十分配慮した上で、これから、沖縄県警察の考え方も徴し、さらに外務省の考え方も徴した上で対処してまいりたいと思っております。

 それから、沖縄県警の充実強化につきましては、平成十四年から十八年度までの間に、沖縄県警に対しましては二百六十五人の増員を認めていただきました。このことで、我々も、沖縄県の特殊な事情、いわゆる基地があるというような事柄を考えながら対処しておるところでございますが、一般的に申しますと、地方の警察官の定員は、人口だけではなくて、面積、事件あるいは事故の発生状況、これは刑事法に基づく犯罪認知件数、あるいは交通事故発生件数、一一〇番の受理件数、こうした事柄を考えながら人員の増強を行っておるところでございまして、今回の事故等を考えながら、これからもまた沖縄県ともよく相談をしながら対処してまいりたいと思います。

岸田国務大臣 沖縄担当大臣としましては、沖縄振興計画後期展望の趣旨にのっとって、しっかりと沖縄の振興に努めなければいけないわけですが、沖縄の振興、県民生活の安定ということを考えます際に、県民の安心、安全というのが最も基本的な部分だと考えております。予算の獲得等につきましても、こういった配慮をしっかりと考えていきたいと思っております。

下地委員 僕も西海岸に行って研修を見てきましたけれども、十九歳の子供が六カ月研修を受けて沖縄に来て、二年間いるんですね。研修は大事ですよ。私の十九歳のころを考えたら、研修は大事です。本当に日本政府が、この研修に首を突っ込むというか手を突っ込むというか、本気でやる気がないと、一義的にはアメリカがやることですというのではなかなか難しいと思いますね。

 私は、今回、責任論の話をこうやって持ち出す、安保を信じている人たちは全員責任があるんだと私は言っていますけれども、それぐらいの重い気持ちじゃないと再発防止がしっかりしたものにならないという心配をしているんですね。こういうふうなことが何回も続くと安保はもちませんね、これは。日米安保の反対勢力の人たちの声が大きくなることだけは確かですから、そのことをしっかりと踏まえて、本当に省庁の壁にこだわらない対策をやってもらいたい。

 泉長官にも、沖縄県警に二百六十人ふやしましたというのではなくて、それも役人が書いた答弁だと思うけれども、そうじゃなくて、もっと政治家としての、二度と起こさないという国家公安委員長としての答弁があってもしかるべきだと僕は思うんですね。共同パトロールなんて本当は必要ないですよ、沖縄県警がそれらに全部対応できるんだったら。しかし、今まで国はそういうふうに県警を育てていない。これははっきりしている。だから、今、これが育つ間は三位一体のパトロールをやり、あとは、英語もスペイン語もしっかりとできる警察官を数多くし、中部地区で交番署もできれば、それも必要なくなって、おのずと数字は変わってきますから、そのことについては、もう一回委員長は答弁すべきじゃないでしょうかね。

泉国務大臣 国民の治安、日本国の治安というのは、第一義的には日本の警察が背負うべき事柄だと思っております。その上に立って沖縄の状況を考えたときに、今までのやり方でいいのかどうかということは、先生の御指摘のとおりに考えてみなきゃならないと思います。

 青森県あるいは神奈川県等で一部共同でパトロールをしておる、これは本当に月に一回とかそういうことでございますけれども、そうした行動がとられておることも考えながら、本当にたびたび起きております米軍の事件に対して県警として対処してまいるように指導してまいります。

下地委員 地位協定の質問をしようと思っていましたが、時間があと五分しかないので、冬柴大臣がいらっしゃいますので、一つだけ。

 今度、ガソリンの高騰で値上げをすると航空会社が言っているんですね。私は値上げに反対というふうなことを申し上げていて、沖縄県議会も値上げに反対の議決をして、きょう、いろいろなところを回られておりますけれども。

 なぜ反対かといったら、一つだけなんですけれども、この十年間で、沖縄に対して政府は多くの施策をやっていただきました。一つは、着陸料の減免、そして航空燃料税の減免、航行施設の利用料の減免、赤字保証制度とやってまいりました。この十年間で三社の航空会社が得た減免措置は二千七百億あるんですね。JALだけで一千二百億、JTAで百六十億、そしてANAで一千三百六十億あるんです。ガソリンの高騰だと航空会社は言いますけれども、この十年間、今はキロ当たり六万一千円で高いですよ。十一年前は幾らだったんですかといったら、十一年前はキロ当たり一万六千円です。そして、十年や八年前は八千円ですよ。では、八千円のときに航空会社は運賃の値下げを行ったのかといったら、行っていないんですね。

 政府がこれだけの熱い思いで航空会社にやってきて、今、離島県の沖縄で、島嶼県の沖縄で、こういうふうに苦しいときに頑張って、この料金を上げずにしっかりとやりますかといったら、私は、これだけの制度をもらっておいて、これは便乗値上げだと言っているんです。今国土交通省に申請していると思うんですけれども、それは許されることではないんじゃないか。県議会も全部一緒の考えですから。

 申請が来る、国土交通省に決定権はないというふうなことになっているかもしれませんけれども、常識的に考えて、これだけの、二千七百億の税金を減免してきたこの航空会社は、今努力をして沖縄県民のために乗り越えるというようなことは当たり前だと思いますが、ぜひ御認識だけ、岸田大臣と二人に。なぜ岸田大臣かというと、これは沖縄振興法でやっているから。許可、認可は国土交通省にありますけれども、沖縄振興法でやっているので、岸田大臣のお考えも聞きたいというふうに思います。

冬柴国務大臣 下地議員には、私が答弁すべきことを全部おっしゃっていただきました。

 私の方は、国内運賃は届け出制になっているわけでして、航空運送事業者から、みずからの収支状況を踏まえて判断された運賃を届け出していただくということで、私の方がそれを削ったり指導したりすることはできないんですね。ただ、人間的に、あなたがおっしゃったとおりのことを国としては一生懸命やっているんですね。

 ですから、JTAですか、日本トランスオーシャン航空の場合だけとっても、十八年度には、着陸料それから航行援助施設利用料、航空機燃料税等を免除しまして、十五億五千万やっていますけれども、三社合わせても三百四億という大変な国民の税金をそこへつぎ込んで、そして、沖縄県民のために少しでも安くしていただこうということでやっているわけでございまして、航空会社も応分の減額はしています。

 そういうことはしていますけれども、ただ、その結果、お隣の奄美と比べたとき、奄美は距離が近いけれども、向こうの方が高いんですよね。私の地元も奄美出身の人がたくさんいますけれども、せめて沖縄並みにしてくれという話が出るぐらいなんですよ。

 それで、私は何も説得しているわけでもないので、今、下地さんの熱弁を聞いて、大変それは、航空会社にそのように訴えていただきたいと思います。私は、値上げする場合には、住民に十分説明して、御理解を得るように努力すべきだということは申し上げたいと思います。

岸田国務大臣 航空運賃につきましては、今所管の国土交通大臣から答弁申し上げたとおりでありますが、届け出制ということになっております。ただ、沖縄担当大臣としましては、こうした航空会社には、ぜひ、地元の関係者そして利用者の理解を得られるように、最大限御努力をいただかなければいけないと考えております。

 そして、私の所管ということを考えますと、島嶼県であり、多くの離島を抱える沖縄県、この沖縄県民の生活を支えるために、空港ですとか港湾ですとか、こうした交通基盤を整備する、これで県民の生活を支えていく、これが私の役割だと思っています。

下地委員 終わりますけれども、住民の代表である県議会が全会一致で採決している、その重みを大臣が御理解いただいて、御指導いただくというような期待を申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

逢沢委員長 これにて下地君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十九日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会


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