衆議院

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第3号 平成21年1月8日(木曜日)

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平成二十一年一月八日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 衛藤征士郎君

   理事 岩永 峯一君 理事 小島 敏男君

   理事 佐田玄一郎君 理事 鈴木 恒夫君

   理事 田野瀬良太郎君 理事 山本  拓君

   理事 枝野 幸男君 理事 菅  直人君

   理事 富田 茂之君

      あかま二郎君    赤池 誠章君

      井上 喜一君    伊藤 公介君

      石田 真敏君    石原 伸晃君

      臼井日出男君    小野寺五典君

      大野 功統君    岡本 芳郎君

      木村 隆秀君    岸田 文雄君

      小池百合子君    後藤 茂之君

      斉藤斗志二君    坂本 剛二君

      清水清一朗君    下村 博文君

      菅原 一秀君    杉浦 正健君

      園田 博之君    中馬 弘毅君

      土屋 正忠君    土井 真樹君

      中森ふくよ君    仲村 正治君

      西本 勝子君    根本  匠君

      野田  毅君    葉梨 康弘君

      橋本  岳君    深谷 隆司君

      馬渡 龍治君    三原 朝彦君

      安井潤一郎君   吉田六左エ門君

      石川 知裕君    小川 淳也君

      大島  敦君    逢坂 誠二君

      川内 博史君    仙谷 由人君

      高山 智司君    津村 啓介君

      筒井 信隆君    中川 正春君

      細野 豪志君    馬淵 澄夫君

      前原 誠司君    渡部 恒三君

      池坊 保子君    江田 康幸君

      北側 一雄君    福島  豊君

      笠井  亮君    阿部 知子君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   内閣総理大臣       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   鳩山 邦夫君

   法務大臣         森  英介君

   外務大臣         中曽根弘文君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       中川 昭一君

   文部科学大臣       塩谷  立君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   農林水産大臣       石破  茂君

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       金子 一義君

   環境大臣         斉藤 鉄夫君

   防衛大臣         浜田 靖一君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     河村 建夫君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (沖縄及び北方対策担当)

   (防災担当)       佐藤  勉君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (行政改革担当)     甘利  明君

   国務大臣

   (科学技術政策担当)

   (食品安全担当)

   (消費者行政推進担当)  野田 聖子君

   国務大臣

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   小渕 優子君

   内閣官房副長官      松本  純君

   内閣府副大臣       谷本 龍哉君

   内閣府副大臣       増原 義剛君

   外務副大臣        伊藤信太郎君

   財務副大臣        竹下  亘君

   農林水産副大臣      石田 祝稔君

   農林水産副大臣      近藤 基彦君

   国土交通副大臣      金子 恭之君

   環境副大臣        吉野 正芳君

   防衛副大臣        北村 誠吾君

   内閣府大臣政務官     宇野  治君

   法務大臣政務官      早川 忠孝君

   文部科学大臣政務官    萩生田光一君

   文部科学大臣政務官    浮島とも子君

   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君

   農林水産大臣政務官    江藤  拓君

   経済産業大臣政務官    谷合 正明君

   経済産業大臣政務官    松村 祥史君

   国土交通大臣政務官    西銘恒三郎君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君

   政府参考人

   (国家公務員制度改革推進本部事務局長)      立花  宏君

   政府参考人

   (内閣府国民生活局長)  田中 孝文君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  巽  高英君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           岡崎 浩巳君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           門山 泰明君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         針原 寿朗君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          松永 和夫君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 石田  徹君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    長谷川榮一君

   参考人

   (日本銀行総裁)     白川 方明君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月八日

 辞任         補欠選任

  臼井日出男君     西本 勝子君

  尾身 幸次君     土屋 正忠君

  岡本 芳郎君     橋本  岳君

  斉藤斗志二君     馬渡 龍治君

  下村 博文君     後藤 茂之君

  園田 博之君     土井 真樹君

  中馬 弘毅君     あかま二郎君

  葉梨 康弘君     石原 伸晃君

  大島  敦君     石川 知裕君

  仙谷 由人君     高山 智司君

  中川 正春君     小川 淳也君

  馬淵 澄夫君     津村 啓介君

  池坊 保子君     福島  豊君

  江田 康幸君     北側 一雄君

同日

 辞任         補欠選任

  あかま二郎君     中馬 弘毅君

  石原 伸晃君     赤池 誠章君

  後藤 茂之君     安井潤一郎君

  土屋 正忠君     清水清一朗君

  土井 真樹君     園田 博之君

  西本 勝子君     臼井日出男君

  橋本  岳君     岡本 芳郎君

  馬渡 龍治君     斉藤斗志二君

  石川 知裕君     大島  敦君

  小川 淳也君     中川 正春君

  高山 智司君     仙谷 由人君

  津村 啓介君     馬淵 澄夫君

  北側 一雄君     江田 康幸君

  福島  豊君     池坊 保子君

同日

 辞任         補欠選任

  赤池 誠章君     葉梨 康弘君

  清水清一朗君     中森ふくよ君

  安井潤一郎君     下村 博文君

同日

 辞任         補欠選任

  中森ふくよ君     尾身 幸次君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)

 平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)

 平成二十年度政府関係機関補正予算(機第2号)


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     ――――◇―――――

衛藤委員長 これより会議を開きます。

 平成二十年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)、平成二十年度政府関係機関補正予算(機第2号)並びに枝野幸男君外三名提出、平成二十年度一般会計補正予算(第2号)及び平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)に対する両修正案、以上三案及び両修正案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案及び両修正案審査のため、本日、政府参考人として国家公務員制度改革推進本部事務局長立花宏君、内閣府国民生活局長田中孝文君、警察庁生活安全局長巽高英君、総務省大臣官房総括審議官岡崎浩巳君、総務省自治行政局選挙部長門山泰明君、農林水産省大臣官房総括審議官針原寿朗君、経済産業省経済産業政策局長松永和夫君、資源エネルギー庁長官石田徹君、中小企業庁長官長谷川榮一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

衛藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石原伸晃君。

石原(伸)委員 自由民主党の石原伸晃でございます。

 本日は、麻生総理大臣を中心に、第二次補正予算、そして、きょうはぜひ、麻生総理、人間麻生太郎、こういうものを国民の皆さん方に見せていただきたい、そんな思いを持っております。

 さて、きょう、テレビを朝見ておりましたら、ブッシュ大統領の差配によって、オバマ次期大統領が、歴代の、パパ・ブッシュあるいはクリントン大統領、カーター大統領の顔も見えました、アメリカ発のこの危機に対して、これは単なるジェスチャーではなくて、やはり共和も民主も、アメリカは二大政党でありますけれども、こういうものの垣根を越えて、一致協力してこの難局に臨むということをアメリカの国民に示す、そういう映像を私は目にいたしました。

 日本も、ぜひこの予算委員会で建設的な議論をしていただいて、話をまとめられるものはまとめる、あるいは主張を互いにぶつけ合う、こういう形で、国民の皆さん方に、違いまた共通点、こういうものを明らかにしていただきたいと考えております。この感想をまずお聞かせ願えませんでしょうか。

 オバマ大統領が歴代の大統領と話をする、度量のでかいところを両方で見せ合ったわけですな。ぜひ総理も度量の大きいところを今国会で見せていただきたい、そんな思いを持ちまして、御感想があればいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 私の記憶では、大統領が元大統領を呼んだ例というのは、レーガン大統領のときにニクソン大統領ほかの大統領を呼ばれたというのが千九百七十何年かにあった記憶ですから、それ以来だと思っております。

 いずれにしても、国難に当たってみんなで一緒にという話は基本的に正しい方向だ、私もそう思います。

石原(伸)委員 ぜひ日本でも、そういう場面が見られるときは見られるように、また断固闘うところは闘う、そういう姿勢で臨んでいただきたいと思います。

 さて、私、一昨年の夏のベストセラー、総理の「とてつもない日本」、この質問に当たりまして読み直させていただきました。なぜ読み直させていただいたか。総理は御就任以来、やはり目の前に迫った多くの危機、あるいは多くの事案に対して、対応する、対応する、こういうことに追われてきたような気がする。そんな中で、本当の持ち味、あるいは麻生太郎総理の考える国家観、こういうものがまだ十分に国民の間に伝わっていないんじゃないか、私は、そういう思いでこれを読ませていただいたわけであります。

 この「とてつもない日本」を読みますと、表紙に、おじい様である吉田茂元総理の「日本人のエネルギーはとてつもないものだ。日本はこれから必ずよくなる。日本はとてつもない国なのだ」。これは、昭和二十年代の、独立を回復するかしないかといったようなあの混乱のときに、この日本の将来を見据えられていた。総理もまたその御薫陶を受け、今大変経済状態が厳しい事態ではあるけれども、代表質問等々を聞かせていただいて、日本が世界に先駆けて一番最初にこの困難を克服するという強い決意を表明されております。

 そんな中で、この本を読ませていただきまして、日本がアジアのソートリーダー、何と訳せばいいんでしょうか、実践的にパイオニア、先駆者になっていくというような意味でしょうか、そして、その普遍的な日本の持っている価値観をアジアとともに共通して、そして世界に広げていくべきだ。総理がよく使われる英語だ、表現だとここのページに書いてありますけれども、ピース・アンド・ハピネス、エコノミック・プロスペリティー・アンド・デモクラシー、こういうことを述べられております。

 日本が大きな経済危機に揺さぶられている中、国民の皆さんが最も聞きたいこと、そして我々政治家がまさに問われていることは、先ほど、選挙が先だ、こんな話もありましたけれども、来る総選挙を通じて、自民党も野党の皆さん方も、我々が目指す日本とはどういう国なのか、少子高齢化社会、そして増大する社会保障の財源、こういうものに対してどう取り組み、どういう国をつくっていくのか、総理のある意味での国家像、こんなものをお聞かせ願いたいと思います。

麻生内閣総理大臣 今、間違いなく、一九〇七年もしくは一九二九年以来のいわゆる世界的な大不況だという認識は、これは皆さんほぼ一致しておられると思います。その中にあって、やはり日本の場合は、他の先進国に比べてその被害は、もしくは傷は浅かった、幸いにして。それは、一九九七年、八年のアジアの金融危機が学習効果として大きかった。これ以後、デフレ下で不況というのをやった国は世界にありませんから、その意味では、私は大きな経験だったと思っております。

 したがって、今、この状況の中にあって、これまでの世界的な流れの中にあっていろいろな問題が提起をされて、金融商品などの管理とか、いろいろな今新しい枠組みをもう一回つくり直さなくてはならぬ、そういう時期になっているというのはもう間違いないところだと思っております。

 したがって、我々としては、そういったものをきちんとまず立て直す必要があるということを申し上げて、ほぼ我々の主張どおりに、さきのワシントンにおけるサミットでもその主張がほぼ認められた形であの宣言文はでき上がりました。もちろん、日本として、いわゆる中進国、発展途上国、いろいろな表現がありますが、新興国に対する目も十分にこの際配慮すべきで、先進七カ国だけで決めるような話ではない。したがって、これは七カ国だけのサミットではなくて、もっと広げるべきだということも申し上げました。

 結果として二十カ国でやらせていただくことになったんですが、それを支援するに当たって、IMFという国際基金というものを有効に活用すべし、ただ、そのIMFには資金がない、それに融資しますということも申し上げ、それもIMFで高く評価をされたなどなど、幾つか日本として、中進国、アジアの国々に対する配慮などを申し上げたところだと思いますが、いずれにしても、日本という国は、このアジアの中にあって、いわゆる先進七カ国サミットというもののチャーターメンバーとして、ずっと創立以来、我々はそのメンバーにして、欧米諸国以外では我々がその中にいる唯一の国として、ずっと今日までその地位を保ちというのが、我々のこれまでやってきたことだと思います。

 したがって、今回のこの危機にあっても、世界の金融秩序がかなりくちゃくちゃになってきた、壊れつつある、そういった中にあって、日本の貢献によって再構築をする。そういった意味では、間違いなく、課題を先取りして我々としてはやっていった、それが高い評価につながっているんだ、私はそう思っております。

 そういうことができた背景というものを考えますときに、やはりこれまで、石油ショックが起きたときに一番輸入しておりました日本、あの当時はたしか一バレル二ドルだったと思いますが、それが一挙に六ドルまではね上がったのがあのときだったと思います。そのときにも、日本は省エネ技術、環境技術などなどを開発して、間違いなく、日本という国はその辺の技術に関して世界一にもなりました。

 また、一九八五年のプラザ合意によってドルが百二十円から二百四十円まで、一年間で暴落した後も、日本という国は一年足らずしてそれを立て直して、日本としてはきちんと経済構造を変えて、我々としては、プラザ合意以降、一挙に円高不況という言葉を克服していった。

 これまで何回もそういった不況を克服して、戦後はもちろんのこと、大きな危機を乗り越えてきた日本としては、こういったもののもとは何だといえば、やはり日本人の持っている勤勉性だ、私はそう思っております。まじめに働くというのは、我々にとっては当たり前かもしれませんけれども、なかなか、それがすべての方々の意見とは違っておる面も多々あります。そういう意味では、我々はこういったものを持っているのであって、したがって、もしこのまま少子高齢化というのが世界、先進国の潮流であるとするならば、日本は高齢化していくということは間違いありませんが、高齢化が直ちに暗く貧しい高齢化社会かといえば、必ずしもそうではないのではないか。活力ある高齢化社会、また安心して生活できる高齢化社会、そういうものをもし日本が創造するのに成功したならば、間違いなく世界は日本を見習うであろう、私自身はそう思っております。

 少なくとも、町の中を夜、女性一人で歩ける数少ない大都市というものを日本は持っているわけで、そういう国であり続けるということはすごく大事なことだと思っておりますので、私どもが目指すべき社会というものは、少なくとも世界に誇れる国、そういうものを我々は一番目指していかねばならぬ。必ずしも、活力がなくなっていくと一方的に決めつけることはないのではないか。元気な高齢者というのはいっぱいおられるわけで、そういった方々が大いに社会に参画できる、もって活力ある高齢化社会というものの創造ということが安心と活力のもとであり、日本を元気にしていく、そういったものではないか。

 ちょっとなかなか一言でまとめられませんけれども、自分でそういうような考え方を持っております。

石原(伸)委員 大変よくわかりました。活力ある、安心して暮らせる高齢化社会。要するに、萎縮するのではなくて、日本の持っている底力を引き伸ばし、そして国民のポテンシャルである勤勉性というものに着目をされている。この本の中でも、総理は、懸命に働くこと、知識や経験を分かち合うこと、成功と失敗の体験を共有するため機会をとらえて対話を重ねていくことが重要であると指摘されております。まさにこの著書を書かれたときの気持ちを持ち続けていただいているということを大変心強く思ったところでもあります。

 さて、二次補正について各論の議論をさせていただきたいと思っております。

 総理も御指摘になられたように、アメリカ発の金融危機に端を発しましたこの世界の経済不況の大津波。最初のうちは、対岸の火事のような感じを持たれた方も国民の中にはいらっしゃると思います。

 しかし、総理は覚えていらっしゃると思いますけれども、九月十五日だったと思います、ちょうど自由民主党の総裁選挙をやっているときで、与謝野大臣も小池委員も石破大臣も御一緒だったと思いますが、我々で出雲に行くとき、私が、これは大変なことですよ、総理、ぜひ政府として、あるいは党として、総裁選挙をやっているけれども、この問題はどういう本質がありどういうふうに対応しているのか、演説会とは別に、お答えを国民の皆さん方に発してもらいたい。

 出雲では与謝野大臣が、当時、福田内閣の経済担当大臣としてお話をされました。そして、与謝野大臣は、伯備線に乗らずに飛行機ですぐに東京に戻られた。岡山へ行きまして、そこは、当時幹事長であられた麻生総理から、当時の幹事長、ぜひ話をしてくださいということを私から御提言させていただいたわけであります。

 その余波というものは、私はやはり、これまでの不況に突入するときよりスピードが速いというのが大きな特徴だと思うんですね。実体経済にも大きな打撃が出ております。特に製造業を中心とした輸出産業、日本の経済を支えているとも言っていい。またそして、日本にはそれを支えるしっかりとした中小零細企業があって、そこにも大きな影響が出ている。

 災害にも例えられる世界経済危機の中で、日本経済を、そして国民の皆さん方の生活を支えていくために、これは代表質問でも、あるいは年末の総理記者会見でも、パネルを使われて御説明をされておりました、一次補正、二次補正、そして二十一年の本予算、いわば三段ロケットが一体となった対策が必要なんだ、このように訴えられていたと思われます。

 そこで、私も、今回の二次補正というものは単独でとらえるべきではないと思います。やはり総理がおっしゃるように、総合的な対策、三段ロケット全体の中でその位置づけを考えるべきだと思います。この二次補正の予算の委員会での審議に当たりまして、二次補正の位置づけと、そしてこの二次補正を作成される中で最も配慮された点、その点につきまして、まず総理からお聞かせ願いたいと思います。

麻生内閣総理大臣 今御指摘がありましたように、一次補正、二次補正、そしてお願いをする予定にいたしております平成二十一年度の本予算というものを合わせますと、経済対策としては総額約七十五兆円になろうとしております。これらを切れ目なく実施していくということが、いわゆる日本の経済の回復、不況からの脱出にとって極めて重要だと思っております。

 これらの対策の中で、雇用問題及び資金繰りというものを最重要課題といたしております。資金繰りは、いわゆる中小企業に勤めている方々の雇用の確保に直接つながるということであって、極めて重要な雇用対策にもなりますのは御存じのとおりであります。

 二次補正におきましては、その中に、それに加えまして、生活者のいわゆる暮らしの安全、安心、そういったものを考え、また金融、経済の安定強化というものもあわせて考え、加えて、よく申し上げますように、東京以外、地方論というものを考えた場合に、地方がやはり元気にならないと日本全体が元気にならないと思っておりますので、私は、地方の底力の発揮というところが非常に大事なところであって、今後日本という国をもう一回元気にしていくときに、この地方というものの元気を取り戻させるということは大事なことだと思っておりますので、ぜひこの点、三つ申し上げましたけれども、それらのところを主に考えながら、この二次補正というのを組ませていただきました。

石原(伸)委員 かなり明確に、二次補正の位置づけ、そしてこの二次補正を編成されるに当たっての留意点というものが明らかになったと思います。一に雇用、そして中小企業の資金繰り、さらには、日本は、ちょっとここは総理と考え方が若干違うんですが、東京も含めて日本全体がよくなる、国全体の元気、この三つに御留意をされたということでございます。

 そこで、各論に入ってまいりますので担当大臣にお聞かせ願いたいと思うんですが、まず資金繰りの話からさせていただきたいと思います。

 昨今の経済の悪化による下請企業、中小零細企業の影響というものは、本当にはかり知れないものがあると思います。私は東京都の都連の会長をさせていただいておりますが、もう既に私のところに、南東部に大田区という中小企業の大きな工業地帯があります。そして北東部にも、足立区あるいは墨田区また台東区といったような、いわゆる下町の工場地帯があるわけですが、そこの社長さん方がいらっしゃって、これは商工会の会合でお会いしたんですけれども、石原さん、資金繰りは助かったけれども、いよいよ本当に仕事の注文が来なくなったよ、こういう指摘を受けられる。これが早いんですね。資金繰りの手当てをすると、ああ、ありがとう、そこで大体話がとまるんですが、今回は、仕事がなくなったという話まで私の耳にもう届くようになってまいりました。

 そうはいっても、やはりまず資金繰りというものが重要であることは、私も言うまでもないと思うんです。ですから、資金繰り、昨年末までに六兆円の緊急保証枠を設けて、その対象業種、全業種が何種類ありますかははかり知れないんですが、九百ぐらいとしたら、二階大臣の御尽力でそのうちの七百近くまで融資を受けられる業種を広げていただいて、さらには、政策金融公庫を使っての緊急貸付枠を設けて、中小企業の資金繰り円滑化に御努力をされてきたと思います。年末に二階大臣が陣頭指揮で、三十一日だったと思いますが、現場を歩かれている姿を見ました。

 東京都もいろいろお願いして、中小企業診断士を各市区町村に派遣していただいて、この融資をさばく作業をしましたので、他の府県に比べてもかなりのボリュームを出していただいて、大変救われております。その実績について、二階大臣の方からまずお聞かせ願えませんでしょうか。

二階国務大臣 石原議員にお答えをいたします。

 昨年は特に年末の融資ということに留意をし、自民党、公明党の与党の幹事長からも大変強い御要請がございましたが、同時に各党からもいろいろな御意見を伺っておりましたので、十二月は土日さらに祝日を返上するとともに、暮れの三十日まで店を開いて対応しようということで関係者に御協力を呼びかけましたところ、各県におきましても、それぞれ地方の御要望にこたえてしっかりした対応をしていただいたことをむしろ感謝している次第であります。

 今お尋ねの件数でありますが、四十三営業日数、つまりこの制度を始めてからでありますが、緊急保証は昨日までに十七万七千件の保証がまとまっております。金額にしまして四兆一千億円の承諾実績となっております。

 セーフティーネット貸し付けは、昨年末時点で五万件、六千億円の実績となっておりますが、これはもう少し伸びてもいいのではないかというふうに考えておりますので、関係者に強く、今後の実績を伸ばしていただくように努力してまいりたいと思っております。

 商工会議所、商工会など関係機関からも広く御協力をいただいておりますし、今石原議員から御指摘ありましたように、中小企業診断士の皆さんとかいろいろな方々を総動員して審査に当たってまいりました。

 一方、経済環境は一層厳しくなる中で、今後は年度末に向けてどうするかという御議論がもう起こっております。当然のことであります。中小、小規模の資金繰りの万全を期すために、そこが大変大事でありまして、今後、保証を二十兆円、融資を十兆円の合計三十兆円規模の対策に拡大するとともに、セーフティーネット貸し付けの金利引き下げをお願いしてまいりたいと思っております。

 この金利につきましては、政府が一〇〇%保証しておるわけでありますから、金利の面では当然配慮をすべきだ。中川大臣とともに、金融機関の代表の皆さんをお招きして御相談を申し上げた際にも、我々は、よく言われる、雨の降る日に傘を取り上げに来るのがいるということをよく国会の議論でもなされるわけですが、金融機関の代表の方は、我々は雨の日に傘を貸すことが大事だと思う、こういうことをおっしゃっておりましたが、私は、傘を貸していただくと同時に、この金融の円滑化に一層御努力をいただく、同時に、金利の面についてはやはり配慮をしていただきたい、このように思うわけでございます。

 そしてまた、中小企業全体にとっては、私は、このピンチをむしろチャンスととらえる。これは、言うはやすく実際はなかなか難しいことでありますが、例えば人材の供給の面でも、先ほどから議論になっております地方とか中小企業には、えてして、いい人材を受け入れるということに対しては、大企業等と比べて条件的に難しい面が今まであったわけでありますが、今、大企業で、このような現況を見て、中小企業へ行って働こう、地方へ行って頑張ろうという人も出てくるわけでありますから、私は、ここをチャンスととらえて対応していく、それに対して政府はどういう応援をしていくかということは十分念頭に入れて協力してまいりたいと思っております。

 なお、新経済成長戦略、これも閣議決定を見ておりますので、この線もしっかりこれから推し進めていきたいと思いますし、また、先ほど総理との御議論の中にも出ておりましたが、アジアという問題を十分考えて対応していく。

 アジアに中小企業をどう振り向けていくかということ、これは、アジアの各国から、日本の中小企業に来てもらいたいという要望が大変強いわけです。大企業のまねごとはそう簡単にできないけれども日本の中小企業ならば我々もまねることができるということを、アジアの各閣僚はいろいろな場面でそうおっしゃっております。我々はそれにもこれからこたえていかなくてはならないのではないか、このように思っておりますが、これから皆さんの御協力をいただきながら、海外市場獲得という面においても、政府として中小企業の皆さんのために何ができるか真剣に考えてみたいと思っております。

石原(伸)委員 大臣の陣頭指揮、これからもひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

 十年前の金融危機のときは、三十兆円の対策をとりまして、二十九兆円の保証の実行がなされた。こういうことからかんがみましても、二次補正予算案の早期の成立、そして大臣が指摘されましたように金利を下げる、これは非常に重要だと思うんですね。

 信用保証協会の場合はやはりどうしてもスプレッドが乗りますので、これから厳しくなればなるほど安い金利で家業を守っていきたい、こういうことが中小企業経営者の方々に当然あるわけですから、この点の充実。そして、もう一点御指摘された、中小企業をアジアに。このピンチをチャンスに変える後押しというものもしっかりとやっていただかなければならない、こんなことを感じさせていただきました。

 私の大変尊敬します、日商会頭をされた永野重雄さんの言葉に、汗と努力と創意工夫によって家業を守る中小企業こそが日本経済の旗手である、この層を大切にしない国は必ず滅びる。こういう言葉を私はいつも肝に銘じておるんですけれども、ぜひ、大臣また麻生総理も、強い決意を持って、九九%の日本の中小企業にもしっかりと光を引き続いて当てていっていただければな、こんな気がいたします。

 さて、麻生総理が冒頭に触れられました雇用について、若干舛添大臣と議論をさせていただきたいと思っております。

 釈迦に説法でありますけれども、十一月の有効求人倍率を見ましても〇・七六と、十カ月連続で低下して、最近その下げ幅、十二月の統計は月末には出てくると思うんですけれども、拡大しているような気がしております。完全失業率も、まだまだ三%台ですけれども三・九%、対前月比よりは〇・二%上昇しております。住宅を失う方々が二千人出られる。あるいは、これは社会問題だと思います、前途洋々の若者、新卒者の内定取り消しが七百人を超える、これはまさに社会問題だと思っております。

 日比谷公園での年越し派遣村についても、大臣みずから陣頭に立たれて指揮をとられておりました。私も、官邸の方から一月二日に御連絡いただいて、東京都あるいは台東区、中央区、千代田区、大田区、練馬区、こういうところの関係者に御協力を願って、副知事も一月二日から起こしまして、かなりいろいろなきめ細かい対応をさせていただいたところであります。

 しかし、厚生労働省の調査によりますと、本年度の末、三月末でございますけれども、派遣労働者の雇いどめですか、解雇、これが八万五千人にも増加すると見込まれているという数字も漏れ聞いております。

 資金繰りは何とかなっても仕事がないと悲鳴を上げる中小企業、先ほど御紹介させていただきましたけれども、たくさん出てきました。家族の一員としてともに頑張ってきた従業員を解雇せざるを得ない状況に今陥りつつあるのではないか、雇用情勢は一段と厳しくなるのではないかと私は見ております。

 そこで、大臣にお聞きしたいのは、この雇用の現状の分析とそしてその対策、さらに、今後の景気悪化やさらなる雇用情勢の深刻化にはどのように対処されるのか。この二次補正の中でも、追加措置として雇用対策費一千六百億円が計上されております。これは、先ほど御答弁いただいた二階大臣のところの一年間の中小企業対策予算とほぼ匹敵する額でありますから、かなり思い切ったことを舛添大臣また麻生総理、されていると思うんですが、もう少し具体的に御説明願いたいと思います。

舛添国務大臣 石原委員が御指摘いたしてくださいましたように、私も雇用失業情勢は極めて厳しい状況にあると思います。今回は、がくんと下がる、悪化していくスピードが極めて速いというところが最大の問題だと思います。

 こうした状況を受けまして、まず、解雇等によって住居を失われた方に雇用促進住宅への入居をあっせんしまして、昨日段階で千八百九十九件、約千九百件のあっせんが終わりました。それから、賃貸住宅入居のための資金貸し付け、これは昨日段階で百六十九件、融資をいたしました。さらに、就職のための相談を行っております。

 先ほど、例の日比谷の派遣テント村に言及なさいました。本当に正月から石原委員にも東京都にも大変お世話になり、また関連の千代田区、中央区初め大田区、皆さん方の御協力で何とかこの件も今全力を挙げてやっておりますが、例えば、まず仕事と住むところ、これが必要なので、寮なんかで住み込みできょうからでもすぐ働いてくださいという方、この求人票を今派遣村の方々に四千件お出ししてお願いしていて、昨日までで百十四件、就職相談をいただいております。

 それから、生活保護の申請も、これは非常に必要なので、昨日までに二百五十二件、これは千代田区の窓口で一括してやる、それでその現場にハローワークの職員が出てきめの細かい相談をやる。それから、緊急の小口資金で、生活保護の非申請者に五万円、申請者には一万円ということで、昨日の午後三時からこれも既に開始をしております。そういう資金の貸し付けが二百四十一件ということで、これは派遣テント村の一例をとって今申し上げましたけれども、こういうことできちんと本当にきめの細かいことをやっております。

 それから、内定を取り消された学生などに対しての就職支援、それから企業への指導の強化、そして悪質な場合には名前を公表するという方向で、今政策をつくっております。

 それから、中小企業の雇用維持に向けた取り組み、これが必要ですから、雇用の助成金を使いまして、中小企業の方は自分の従業員に就職の訓練をやってもらう。そうすると、その間の給料は八割を国が補てんする。だから、三十万円だと、二十四万分を国が出して、あと六万だけ出していただいて、その間スキルアップしていただく。そして、景気が戻ってきてくだされば、中小企業にとっても従業員の能力も上がっているということで、そういう必要な支援を既に実施しているところでございますし、これに加えまして、二次補正予算や二十一年予算案で失業給付の見直しということをやっております。

 それから、過去最大規模の四千億円の基金を創設して、地方、緊急の雇用創出をやる。それから、雇用失業情勢の厳しい地域において、離職者訓練の強化、そして訓練期間中の生活保障給付の拡充、これは今申し上げたとおりでございます。それから、派遣先が派遣労働者を雇い入れた場合の助成金の措置、これを補正予算、来年度予算で組んでおりますので、ぜひこれは一日も早く採択していただければと思います。

 厚生労働省といたしましては、各都道府県に労働局がございます、それから全国にハローワークがあります、それから労働基準監督署、これがきちんと事業主を指導する、再就職支援を行う、そのほか、総力を挙げて今の極めて厳しい雇用情勢の改善に努力をしてまいりたいと思っております。

石原(伸)委員 短期的に、現下の雇用の厳しい状態に対して、かなりきめ細かくやっていただいております。私も初めて知りましたが、小口の五万円、一万円の、融資ですか、これは実は非常に重要だと思うんですね。申請しましても、生活保護の申請が通るまでにはやはり二週間ぐらいかかりますので、その間の生活資金みたいなものをきめ細かくやっていただいているのには大変ありがたく思っております。

 これから先は、やはり中長期的に見て、ワークシェアリングの話も経団連等々から出てきておりますので、日本の雇用形態、これからどういう形にしていくのか、またしっかりと舛添大臣を中心に日本の雇用のありようみたいなものも年度内にお示しいただけるように、御検討を願いたいと思います。

 ここでまたちょっと話題をかえまして、順番でいきますと、総理のお話ですと地方対策に行かなきゃいけないんですが、党内でも、また世論もあんまり評判がよくないと言われている給付金の議論をちょっとさせていただきたいと思います。

 よく町の声みたいなものを聞くと、選挙対策のばらまきじゃないか、あるいは、何で国会議員までもらうんだ、あるいは、もっと弱者だけでいいんじゃないか、きょうも朝からテレビでさんざんやっておりましたが、私はそもそも論に返らなきゃいけないんじゃないかと思うのであります。

 こういうふうに緊急に経済が悪化する、そしてそのスピードが速く悪化するときに、では、財政、国が何ができるのかということを考えなきゃいけない。私は二つのパイプしか日本は持っていないのだと思うんです。一つは減税であります。減税、日本全国に行き渡るには減税。そしてもう一つは、これは、GDP比でもう七、八%とかなり落ちてしまいましたけれども、必要な公共事業、こういう、斉藤大臣に総理の方からグリーンの公共事業みたいなものの指示が出ているそうでございますが、私は非常にすばらしいと思う。

 足して、日本のすばらしい海岸線が侵食されて、大変有名だった海岸がひどいことになっている。こういう海岸をきれいにもとに戻す。それはもう、ダムを直して砂が流れるようにするしかないわけですね。あるいは森林、森林で頑張っていらっしゃる方いますけれども、やはりもう少し民有林に対してもしっかりと手を差し伸べていく。こういう、環境に対する公共事業というのはいいものがたくさんあると思うので、ぜひやっていただきたい。

 今言いましたように、公共事業と減税という二つのパイプしかないわけであります。そこで、総理がおっしゃられたように、経済対策の一環としてこれを仕組まれたんだと思います。

 皆さんのところにもこの紙は行っていると思うんですけれども、上が減税であります。課税最低限、夫婦に子供さんお二人の場合は、地方住民税をやりますと二百七十五万、所得税だけでいきますと三百二十万になるわけであります。そして、そこに関係をしている人たち、その家族も含めて、給与を取っているお父さんのもとでの家族を含めると、減税で影響を受けられる方は実は九千八百万人、一億人弱しかいないわけであります。しかし、課税最低限から下の人たちに対してはどうするのかということが、そもそも今回のこの給付金のスタートだったのではないかと私は個人なりに理解をしておるわけであります。

 日本景気の回復が、実は、六年間景気拡大が行われまして、企業の側は内部留保はためましたけれども、賃金には実は反映されるところまではいっていなかった、そこに急なリーマン・ショックがやってきたわけであります。

 それで、可処分所得の減少も、年末の税調の審議の中で私も愕然としたんですが、平成八年と平成十八年で比べて、表もあるんですけれども、中央値で見ても、平成八年が五百四十万円が平成十八年に四百五十一万円、平均所得金額でも、平成八年が六百六十一万円が五百六十七万円と、かなり下がってしまった。そういうところに対してこういうことが起こったときに手を差し伸べるというのが、今回のそもそもの給付金の形のあらわれではないかと思っております。

 そこで、野党の皆さん方は減税でありますと一定の理解を示されるのでありますが、二千八百万人の人たち、実は最も苦しい人たちに支援をすると考えた給付金に対しては撤回しろと。それで、減税をやれと言わないわけですな。これは私、どういうことなのか。年末もあるテレビ番組で社民党の方、共産党の方と議論しますと、まあ、コマーシャルの間に話をするとかなり理解があるな、テレビが始まると急に理解がなくなってしまう。非常に理解に苦しんだところであります。

 そこで、総理にお聞かせ願いたいんですが、総務大臣にお聞きしましょうかね、世界的な経済危機を受け、他の国でもこういうものはやっておるわけですよ。家計への支援というのは行われている。その点について、総務大臣、ちょっと説明していただけませんか。

鳩山国務大臣 全世界全部調べる時間はなかったわけですけれども、現在のような世界同時不況というような状況の中で、決してまれではない。例えば、フランス、イタリア、韓国というところは、低所得者に対する緊急支援を、これはお金を特別給付しているんだと思います。

 日本に比較的近いのがアメリカが昨年やったものかなというふうに思いまして、この場合は戻し減税のような形で小切手で給付しているんですが、これは一人当たり二万七千円とか、そんなような金額でございます。ただ、注目すべきは、アメリカで戻し減税という形で配ったもののGDP比が〇・八%ですね。我が国の場合の二兆円というのは〇・四%ですから、倍ですね。つまり、日本でいえば四兆円の金を使って戻し減税をやるというような形なんだろうと思っております。

 オーストラリアは、昨年の十二月にやっておりますが、これはやや福祉的な要素があって、子供あるいは年金受給者等、あるいは単身年金生活者等にかなりの金額を配っておって、これもGDP比では〇・八%、つまり日本の倍ですね。台湾が、ことしからやるらしいですが、これは消費券という形で配ります。全国民が対象でございまして、一人当たり三千六百台湾元というんですが、これはGDP当たり〇・六%の金額になりますから、日本よりは大きな金額だということで、緊急性があるんでしょうが、決して世界的にまれだと、今の定額給付金というような考え方がまれであるということではないと思います。

石原(伸)委員 やはり、話を聞くと、実は少ないんじゃないかと。私も、実は感覚的には、減税もこれからやっていかなきゃいけないような時代が来るんじゃないか、ボリュームとしてもやはり倍ぐらいなものが必要じゃないのか、そんなことを世界の比較の中でも強く感じたところでございます。これはその後の議論にさせていただきたいと思うんですが。

 私は、友人が結構民主党におりますので、税制調査会のアクションプログラムというのを見せていただきました。それで、ここで私が非常に手をたたいたのは、給付つき税額控除を導入して課税最低限以下の低所得者を広く支援するとおっしゃっておるんです。

 これは我々も、昨年の税制改正でこれをやろう、検討を始めようということを、私も七年ぶりに大綱のライターに戻りましたので書かせていただいたんですけれども、しかし、残念ながら我が国には、納税者番号制度あるいは住基台帳にしましても、私の住んでおります杉並区とか国立市はついこの間まで使えなかったといったような問題があって、やりたくてもインフラが整っていなくてできないわけですね。

 この絵をまた見ていただければわかりますように、インフラがないので苦肉の策としてこういうもので緊急的に対応させていただいているのが実は本当の姿ではないか、私はこんなふうに考えるわけであります。

 そこで、総理にお聞かせ願いたいのでありますが、野党の皆さんからは、二次補正から外すという修正案が出されているわけであります。私は、さっき言いましたように、この二千八百万人の方々のことも考えると、インフラが整備されていない以上は、こういう方策を使ってそういう方々にきめ細かい配慮を行うということは必要だと思うんですが、総理のお考えをいま一度聞かせていただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 この定額給付金の話は、基本的には福田内閣当時、当時幹事長をしておりました、この当時にこの案というのは最初に出てきたと記憶をいたします。それ以後、御存じのように、リーマン・ショックなどなど、いろいろな大きな金融危機というものが起きました。加えて、この当時はガソリンの代金が今とは比べ物にならないぐらい高い時代でありまして、いろいろな大きな問題が当時、久しぶりにインフレ懸念が起きるのではないか、日に日に油の値段が上がっていくという時代でもありました。

 そういったときに起きましたので、少なくとも、間違いなく景気が急激に後退しておる、下降局面にあるという中にあって、これにきめ細かく対処するためには、定額減税は、石原委員御指摘のとおり、低額所得の方、約三千万弱の方々がそれでは対象にならない、むしろそこのところが問題なのではないのかということを、当時幹事長でしたから申し上げて、結果として今回の定額給付金ということになったんですが、家計への緊急支援という面が極めて強かったというのだと思っております。

 あわせて、今、消費刺激ということを考えねばならぬということで、やはり消費をふやす経済効果として、人によって違いますでしょうけれども、御家族、子供さんお二人夫婦二人でいきますと約六万四千円ぐらいのものになりますので、それがあれば一家として、今買おうと思ったものにあと五万円足りないというようなところはそういったものを買っていただける。そういう意味での消費刺激効果というものも大きいと思いますので、私は重要な施策の一つだと今回の景気対策の中で考えております。

 したがって、GDP比を結果として押し上げることになろうと思います、何%かということまでは詳しくはわかりませんけれども。単年度限りの措置とはいえ、持続的経済成長というのに結びつける一つのきっかけになり得るんであって、我々としては、こういうものは有効な施策だというように考えております。

 したがって、今、この第二次補正予算の中からこれだけを取り外すというような考えは持っておりません。

石原(伸)委員 世間に若干、説明あるいは方法について迷走したというような批判があることは、私は事実だと思います。しかし、今本当に何が必要なのか、そして私たちが持っているツールの中で一体何をできるのか、できることで何がベストなのか、こういうことを麻生内閣は一丸となって推し進めていただきたい。最後に御要望を申し述べさせていただきたいと思います。

 もう一点、総理が言及された地方活性化、これについて、今回の補正予算の中にも予算が組み込まれておりますので議論をさせていただきたいと思います。

 私も、総理ほどではありませんが、時間があれば週末ごとに各地方を回らせていただいて、友人の代議士のところ等を回らせていただいて、現状を直接聞かせていただき、生の声を聞くことによって、疲弊した地方、いいところももちろんありますけれども、地方でも二極化しているような印象を持つわけであります。

 産業面だけではなくて、地域経済全体にも悪影響を及ぼしているようなところも実はあります。地方公共団体においても、税収不足が国と同じように発生する中、地域経済活性化につながる事業を地方単独で行うことが困難になっている、こんなところも見てまいりました。一方でまた、総理先ほどおっしゃられたように、地方の底力ですか、発揮して頑張っている例も多々あります。

 厳しい状況ではありますけれども、この現下の経済危機を打開していく上で、一次補正で、これは二百六十億という小さい金額だったと思うんですけれども、地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金、これは地方へ行きますと大変評判がいいわけであります。今回もこの二次補正の中で、地方公共団体支援対策費ですかというような形で六千億計上されております。こういうものは地方の窮状を救う上では私も必要不可欠と考えますが、この交付金の具体的な内容、今回はボリュームが大きいですから、使い道、一体何に使えるんだ、あるいは地域活性化にどういうふうにこれが役立っていくのか。これは総務大臣になられるんですか、御説明を願いたいと思います。

鳩山国務大臣 まず最初に、一次補正で二百六十億円の、舌をかみそうな名前ですが、地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金、名前の割に金額が少なかったんですが、これは、本当に手を差し伸べなくてはいけないところにお配りをしました。

 例えば私の選挙区でいうと、久留米市というのは中核市で、人口が三十万を超えておりますが、そこに三千万円です。隣にうきは市という、人口が十分の一ぐらいなんですが、農業と林業が多いんですが、そこに二千万というような配り方をしております。

 今回の二次補正での地域活性化・生活対策臨時交付金は六千億ですからボリュームが十分あるんですね。この季節になると、それぞれの自治体から、特別交付税、つまり交付税は一部残しておきますね、六%分ぐらい。これを三月に配って、もちろん災害だとか、あるいは今度は雇用にも使ってもらうわけですが、これが残っているのが六千七百億なんです、三月に配るのが。だから、それと同じぐらいの六千億ですから、相当ボリュームがあって、総理からの御指示は地方を元気にしろということでございますから、基本的には余り制限がない、自由でございます。

 ただ、地方交付税と違いますのは、これは、こういうことをやりますというものを出していただいて、それに見合って差し上げるということですから、例えば中心市街地のことをやろうということでも結構ですし、光ファイバーとか、あるいはケーブルテレビとかということでもいいですし、地域で育てたい産業の育成ということでも結構ですし、いろいろな使い方、したがって、地方がみずから知恵を出して、いい知恵に対して六千億のお金が行く、こうお考えくださいませ。

石原(伸)委員 総務大臣、ぜひ、地方によっては自分でなかなかいいアイデアも出せないところもありますので、そういうものにもきめ細かくアドバイスをして、こういうものがいいものとして上がってきているというようなことも広く知らしめて、日本全体が、総理、東京も含めてでございますが、浮かび上がるように、この限りある予算を利用していただけるようにお願いしたいと思います。

 この後、私の時間はあと六分となってまいりまして、道路特定財源あるいは行革といろいろ御質問をさせていただきたいのですが、ちょっと時間が限られておりますので、道路特定財源の話は、金子大臣、申しわけございませんが、本予算のときに譲るとして、ちょっと行革の議論を総理とさせていただければと思っております。

 行革の中で、国民の皆様方、最も注目が集まっているのが天下りの問題だと私は思います。天下りの根絶であります。

 私も党の行革本部において、この問題、長らく手がけさせていただいておりますけれども、すぐ天下り全部やめるんだ、こう言葉で言うのは簡単なんですが、今、大体平均の退職年数が五十五ぐらいですから、もう五年間長くいるということは、その分人件費はふえるわけであります。また、人員がふえるということは、行政の肥大化につながる。人事が停滞することによって、若い方々の公務の質が低下するおそれがある。だから、無責任に、天下りはすぐやめればいいんだ、私はそんなことは言うつもりはございません。

 私どもの党としては、公務の質を落とさずに天下りを根絶するための実効性のあるものから手をつけていくのが道筋ではないかと思っております。

 各府省の再就職あっせんを禁止し、官民人材交流センターに一元化するなど、再就職規制に関する措置を講じております。これは、残念ながら野党の皆さん方の賛成は得ておりません。権限と予算を背景とした押しつけ的あっせんは、全面的にもう既に禁止しております。

 そして、そんな中で、今五十五歳でやめていらっしゃる方を六十歳まで、定年まで勤務できる環境を整備して、これはいわゆる肩たたきですな、早期退職慣行をやめる。これは、小泉内閣のとき、平成十四年からスタートさせていただいたんですけれども、現在、当時と比べまして、幹部職員の退職年齢は、さっき言いましたように五十五歳まで何とか持ってくることができました。これを定年まで勤務させて、そういう職員の知識経験をより一層活用でき、質の高い行政サービスを提供できるようにする。

 一方で、先ほども申しましたように、高齢の職員がふえれば人件費は増加するわけでありますから、改革には、実はこれまでなかなか手を触れることのできなかった給与制度を抜本的に見直すということが不可欠であり、改革の工程表、これは甘利大臣のもとで月内にはお示しされると聞いておりますが、しっかりとお示しいただいて、国民の皆さん方に、我々はこういう形で根絶していくんだという強い姿勢を示していかなければならないと思っております。

 民主党の皆さん方も、再就職監視委員会、これは恒常的な組織じゃなくて、天下りを根絶するための三年間の措置であるわけですので、ぜひこの監視委員会、我々が幾らやっても不正を行う人間を監視するための、監督するための監視委員会でありますので、天下りのあっせんを承認するための監視委員会ではないわけですから、そこのところの御協力はぜひいただきたいと思います。

 そこで、時間ですので、総理に最後にお聞きしたいんですが、時間があれば甘利大臣に詳しく行革の取り組みをお聞かせいただくつもりだったんですが、時間がありませんので総理にお聞かせ願いますが、政府はこれまで歳出削減など成果は上げてきていると思います。さらなる行政改革の推進、天下りの根絶も含めて、総理の目指す政府について最後にお聞かせ願いたいと思います。

麻生内閣総理大臣 基本的には、今、石原委員が御指摘のありましたとおりです。これは基本的には五十五歳ということに今までなっておる状況にあります。いわゆる早期勧奨退職とかいろいろ表現がありますけれども、肩たたきと言われるものが通常です。

 この問題をやりますときに、今言われたように、単にということになると、それはいわゆる人件費が膨れる、そして人事としてはかなり目詰まりが起きるという可能性というものを否定できないと思っております。

 したがいまして、そういうものをうまくやっていくときに当たりましては、これは民間の会社のことも留意いたしますと、しかるべきときに昇給がとまってみたり、いろいろな形で民間も同様な問題を抱えて、民間もそれぞれ努力しておる。したがいまして、民間に準じることを考えるというのが正しいんだと思います。

 いずれにいたしましても、この問題は甘利大臣に、この問題については真剣に検討をしておかないと将来大きな問題になりますということを申し上げておりますので、今この問題につきましては、大きな政府というものから簡素でも温かい政府ということを目指していく、そういう意味から、我々としてはこの問題というものを真剣に考えて、少なくとも無駄遣いというようなものを断固省く、そういう姿勢というものをとり続けていく、そこが一番大事なことではないかと考えておるところであります。

石原(伸)委員 総理、ありがとうございました。

 簡素で温かい政府、ぜひそれを目指すためには、やはり天下りの根絶、そして一部誤解がありますけれども、わたり、これは絶対に認めない、こういう強い決意で臨んでいただきたいと思います。

 最後にまた総理のベストセラーの中から一節を読ませていただいて質問を終わらせていただきたいと思いますが、日本人が過度に肩に力を入れる必要はない、あすからできることは、きょうまでやっていたことと少しも違いがないんだ、この気持ちを持って、国民の勤勉性というものを引き伸ばす形で政策を立案し邁進していただきますこと、そしてそれを私ども自民党はしっかりとサポートしていくことをお約束申し上げまして、同僚の小池委員に質問をかわらせていただきます。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 この際、小池百合子君から関連質疑の申し出があります。石原伸晃君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小池百合子君。

小池委員 おはようございます。衆議院議員小池百合子でございます。

 まず、麻生総理、御就任以来既に百日がたったということで、きょうは多分百三日あたりになるのではないかと思いますが、いわゆるハネムーン期間が過ぎたということが言えると思います。これからがまさに勝負でございますし、揺らぐことなく現下のこの危機的な状況に大胆に立ち向かっていただきたい、このようにまずはエールを送らせていただきたく存じます。

 ただいま石原議員からいろいろ、経済、今回の第二次補正予算について、各分野のお話がございました。私は、今回の危機、金融危機、経済危機、これがまさに世界的なものであるという観点から、国際的な切り口から諸般の御質問をさせていただきたく存じます。

 また、この世界的な金融危機、経済危機の緊急対策としての第二次補正予算でございます。一日も早く成立するということ、これを目指していかなければならないと考えております。

 さて、きょう、御就任以来百三日か四日に当たるわけですが、再来週の一月の二十日には、いよいよオバマ政権がアメリカで誕生するわけでございます。アメリカの歴史上始まって以来の黒人系の大統領ということで、まだ四十七歳、八歳ですか、大変な若さを秘めた大統領でございます。

 国家のリーダーとして百三日の御経験を積まれたわけでございますけれども、一日の長ならぬ百三日の長を有しておられる麻生総理から、ぜひともオバマ新大統領に対して、この若きリーダーに対して、取っておきのアドバイス、リーダーたるものはこうすべきだということで、ちょっとアドバイスしていただくというのはいかがでございましょうか。

麻生内閣総理大臣 オバマ大統領とは、十一月の七日の日だったと思いますが、直接電話でお祝いを申し上げたところであります。

 アメリカの大統領選挙、ことしは、小池先生御存じのように極めて異例に長かった。大統領選挙としては、スーパーチューズデーもえらく早くスタートしましたので、その意味では非常に長かったと思います。それを勝ち抜いてきておられますので、特に私の方から申し上げることはない、基本的にはそう思っております。

 ただ、一番の問題は、この方になられて、地元のシカゴ、イリノイを初め、自動車工業が急激にだめになっているという状況になっておられるというのは、物すごくお立場としてはしんどいところになってきておられると思います。自動車労働組合からの支援も多かったし、UAW、アメリカ自動車総労連でしたかの支援も多かったわけですから、そういった意味では非常に立場としてはきつくなっておられるんだと思います。

 私の方として申し上げるとするならば、少なくともこのままいきますと、アメリカもデフレ不況というものに限りなく近づいていく確率は極めて高いと思っております。日本としては一九九七年にほぼゼロ金利になって、長いことやりましたけれども、ゼロ金利にしても企業が金を借りて設備投資をしないという前提で書かれた経済学の本というものはこれまでありません。初めての状態が起きております。それを我々は経験して、デフレ下での不況というものを過去十数年やってきたというのが日本における現状だと思っております。

 したがいまして、財政出動というものが必要なんだというのは、我々の経験から、金融政策だけでは効果は極めて限定されている。マネタリストの多いアメリカ経済、シカゴ学派の中にあって、少なくともマネタリストだけではなかなか問題が解決しなかったというのが我々の経験ですから、その意味では、財政出動というものが極めて重要な要素を持つということは共和党の今の経済政策担当の方々には申し上げたことがありますが、同様のことを、これが大事なところだということは我々としての経験則として申し上げられることでないかなとは思っております。

小池委員 アメリカは、リーマン・ショック以来、大変スピードある対応を次期の政権のメンバーとともに進めておられる。日本の経験を伝えるということは重要であると同時に、むしろ、あちらのスピード感に日本がついていけなくなるような、そんなことにならないようにお願いしたいと思っております。

 さて、昨年暮れ、有名な「文明の衝突」の著者でありますハーバード大学のハンチントン教授が亡くなられたわけでありますが、これは、西洋文明とイスラム・儒教コネクションとはやがて必ず衝突するであろう、そして、世界を西欧、イスラム、日本、中国などの八つの文明圏に分けて、冷戦後の世界で、イデオロギーではなくて、宗教、文明の違いで紛争が起きる可能性が高いということを指摘したわけでございまして、フォーリン・アフェアーズの方の論文が出稿されて以来、大変な議論も起こったわけでございます。

 ポイントは一つ、日本にとって、日本という国が一国で単独の文明圏、ピンで文明圏を張るというくだりが、ある意味では日本の孤立を意味するのか、いやいや、日本という国はユニークだからこそ一国で文明圏を形成するのだといったような議論が起こったわけであります。

 先ほどから、総理からも経済の分野からの話がございましたけれども、今回のこの金融危機、まず、アメリカ発でございます。それから、残念なことに、ブッシュ大統領はイラクに行った記者会見の際に記者から靴を投げられた。アメリカの誇りであった、先ほどのビッグスリーの話もございます。これがまさに破綻の目前に瀕しているという状況、そして、それを議論するアメリカ議会も、これも大変紛糾もしている。

 これらのことを考え合わせますと、戦後の冷戦構造が崩壊した後にアメリカの一極集中主義の時代を迎え、さらに今そのアメリカが機能不全を起こしているというふうなことから、世界が多極化するのではないか、いやいや、極があればいいけれども、極のない無極化の時代が来るのではないだろうかといったような、そんな議論も行われているところでございます。

 さて、世界がこのように多極化していった場合に、ハンチントンが言うような、日本一国がピンで立つのか、それとも、これから多極化する中で、日本はどのような位置を占めるのか、その役割は一体何なのか、総理の方からお考えをお聞かせください。

麻生内閣総理大臣 ハンチントンの話は、日本を一国の文明圏としてとらえたところがあの本の最も印象に残ったところだと思っております。七大文明という言葉はありましたけれども、あそこで初めて八という言葉を使ったのがあの人の書いたところで一番参考というか印象に残ったところであります。

 今言われましたように、いわゆる一九九〇年、冷戦構造の崩壊とともに、アメリカ一極という問題と同時に、テロというものが猛烈な勢いで出てきている。いわゆる儒教の前にイスラムとキリスト教みたいな形になっておると思いますが、間違いなく、世界が流動化しつつあるという流れというのは大きな流れの一つだと思います。

 加えて、経済的に見ても、やはり基軸通貨を持っておりますアメリカという国が世界最大の債務国家、その世界最大の債務国家の通貨が世界の基軸通貨という状況にあるというのが、今、これから経済というものを不安定にさせる要因の、もう一つの理由だと思います。

 では、かわりにどこかそれに取ってかわる通貨が今あるだろうかというと、なかなか、そういった力のある通貨、もしくはそういったことをやろうという意思と決意を持っております通貨も見当たるところではありません。したがいまして、今の状況は、経済というか通貨というか金融というか、そういったものがなかなか安定しにくい状況がそこに存在をしておる、私どもはそう思っております。

 その中にあって、日本、中国などなど多くの国々はドルというものを大事にしてここまで来ておるわけですので、こういった意味では、急激にドルの通貨というものが低下する、きょう九十三円ぐらいだと思いますが、急激にドルの価格が暴落するということは、中国にとりましても日本にとりましても、ドル通貨を持っておる国にとりましては非常に大きなマイナスになりますので、そういった中で、我々としては、少なくとも日本の持っております価値観というものを、先ほど石原議員にもお答え申し上げましたけれども、やはり今、ドル基軸通貨体制というものは当分の間維持していくということをある程度考えておかないと、これは国益を損なうことになります。

 また、日本として、我々の持っております価値観というものは、ただただ市場競争原理一本やりというのはいかがなものかという意識は多くの方々がこれまでもお持ちだったと思いますので、そういう意味では、きちんと日本の価値観として、やはり働くというようなことは非常に大事なことなんだ、金融だけでやっているんじゃない、物づくりとかそういったものは基本的に大事なものなんだというところは我々として今後とも持ち続けていかねばならぬ大事な資質だと思いますし、これは世界に誇れる資質の一つだと思っております。

 働くということは善であるという考え方は旧約聖書とは全く違う考え方ですから、そういった意味では、働くということは善、そういった考え方というものは、少なくとも今後多くの国々に向かって我々の哲学として語っておかしくない。当然の権利、当然の主張の一つとして言うというのは、多くの国々にとって、考え方を一つ別の角度から見させるという意味でも大事なところだ。したがって、日本の文明とか文化とかそういったものはきちんと大事にして、守るべきものは守る、そういったものをきちんと持った上でどうするかという話をすべきだ、私自身はそう思っております。

小池委員 ドル基軸の話、これは極めて、円とドル、そして今ユーロがかなり台頭しておりますけれども、実際に流通紙幣ベースではユーロがドルを上回っているという現状を迎えてきております。今後、我が国にとっての国益のためには、どういう位置づけで、どのように戦略的に、どこと手を組んでということは極めて重要でありますので、これこそグランドデザインを描き、今の立ち位置はここである、そして我々はあっちの方に向かうんだということを、ぜひ国民にもわかるように、そして国民とともに共感を抱きながら、そんな政治を続けていっていただきたいと思っております。

 こういう金融危機の中で、昨年の十一月十五日にワシントンで首脳会議が開かれました。そこで、先ほども既に総理からお話がございましたけれども、IMFに対して、緊急支援融資をバックアップするために、日本が外貨準備から最大十兆円の資金拠出を行うということを金融サミットで表明された。そのことが、その後、ウクライナであるとかハンガリー、アイスランドといったような国々に対しての四百億ドルを超える貸し付けが機動的に決定される呼び水になる、安心感になる。私は、やはり日本という国が持っている金融力をこういったときにこそフルに活用するということが肝要であり、そしてそのときは大胆に行うということなんだろうと思います。

 そこで、また総理にちょっと伺いたいんですが、特にアジア地域での金融情勢、経済情勢を考えますと、韓国の経済が非常に今脆弱になってきておりますね。せんだって福岡で日中韓の首脳会議を開かれました。これは二回目も予定されているんでしょうか。そしてまた、その中でどのようなことを日本は、これは非常に日本が果たす役割は大きいと思うんですけれども、総理みずから御出席になり、またリードされたと聞いております。この辺の考え方をお聞かせください。

麻生内閣総理大臣 今、日中韓の経済力を足しますと、英独仏より大きいというのが現実であります。したがって、そういう大きな経済力を持っているアジアの隣国というのが、三国だけで、単独で日中韓の会議を持ったということは、これまで過去に例がありません。何かの会議の途中でわきの部屋でやるということはあっても、単独でやったことはありません。前々からこの話を考えておりましたので、このたびその話を提案して、十二月に、東京とかソウルとかそういう大きなところではなくて地方でということで、近いからということで福岡でさせていただいたのが始まりです。

 そのときに、今言われましたように韓国のウォンが当時は非常に力が落ちておりまして、価格がかなり落ちておりましたので、韓国として金融の面に多くの問題があるということで、その当時、スワップの協定が、緊急非常時、両方足しまして百三十億ドルぐらいだったと記憶しますが、これを三百にするという話を、向こうの要請もありましたので、中国も同様に韓国との間にスワップ協定を持っているはずだから、日本、中国、韓国三者で三百という話を提案して、三百のスワップ協定ができ上がるということになりました。韓国はそれ以後、ウォンがまた力が少し戻ってきておりますので、それなりに効果があった、私自身はそう思っております。

 今後継続するかといえば、次回は中国でやるという場所の話まで決めておりますので、中国の場所をどこにするかは、少なくとも北京以外よという話はしてあります。

 いずれにしても、日中韓の近い地域で、どこかでやっていくというのを継続的にやっていこうということを言い、韓国とはシャトル外交というのをしておりましたけれども、このところとまっておりますので、こういったものも再開をさせていただきたいという話をし、双方で、今、経済危機という予想だにしていなかった大きなものになっておりますので、こういった問題を、やはりアジアの国々、少なくとも経済力におきましては、この日中韓というのは非常に大きな経済力になっておりますので、そのものの力を合わせてどうしていくかということは、今後、世界から見れば、結構、英仏独の三者会合と同じような経済力というのは大きな力だと思いますので、それを有効にということは非常に大事なことだ、私自身はそう思っております。

小池委員 先ほど石原議員の方から、九月の総裁選のころのお話が出ました。暑いさなかではございましたけれども、ちょうど九月十五日にリーマンが破綻をしたということで、街宣車の中で、あのとき石破大臣も含めて五人の総裁候補で、これは大変なことだということを話し合ったのを覚えております。

 麻生総理は、総裁選が始まる、つまりリーマン・ショックの前から、日本経済は全治三年だということをおっしゃっていましたけれども、リーマン・ショックという大きな事態が起こったわけですね。であるならば、全治三年かどうか、ちょっと変えなくちゃいかぬのじゃないか。それがために、今回の二次補正のこれもしっかり通していかなければ全治三年ではおさまらなくなってしまう、そんな意味もあるんでしょう。

 それから、与謝野大臣におかれましては、当時、何か、蚊に刺されたとは言わぬけれども、ハチに刺された程度ではないであろうか、日本経済は不良債権処理が終わっているからとおっしゃっておられましたけれども、与謝野大臣、今の認識はいかがでしょうか、リーマン・ショックが終わってから。

与謝野国務大臣 リーマン・ブラザーズの倒産を放置したということは、アメリカ国内においても、放置してよかったのか、やはり救済すべきだったのではないか、いろいろ意見が分かれているところでございます。

 リーマン・ブラザーズの倒産によって日本が受けた被害あるいは日本の金融機関その他の投資家が受けた被害というのは、もちろんございます。例えば、リーマンが発行したいわゆるサムライ債、こういうものを購入していた地方の金融機関もありますので、それはそれなりの打撃、被害を受けておりますけれども、日本の金融機関の大変厚い資本を考えれば、それはまさにハチに刺された程度だろうということは今でも思っております。

小池委員 ハチにもいろいろなハチがありますので。

 さて、金利が、ちょっとこの表をごらんいただきたいと思いますが、昨年の十二月のFOMCでアメリカはついにゼロ金利にまで踏み切ったわけでございます。同時に、長期国債の買い入れなどで量的緩和の導入を決めている。これは実は、日銀がかつて導入していた政策、これをまねたといいましょうか、それも検討の中に入っていたということが、きのうちょうど議事録が発表されたということで、載っていたようでございます。

 さて、日本は、我が国の政策金利、現在〇・一%ということで、首の皮一枚残しておられるわけですけれども、日銀総裁には、今後の金融政策、これはもう極めて日本の政策、重要であります。それから、FRBも実施しているコマーシャルペーパー、CPの買い取りなども既に検討に入っているということなんですけれども、その進捗状況はどうなのか、今後の指針はどうなのか。

 それから、あわせて伺いますけれども、ゼロ金利と量的緩和というこの大きな日銀の政策でありますけれども、〇六年にそれを日銀は廃止されたわけですね。そのことが実は国内外の経済に与えた影響というのは極めて大きい、検証する必要があるのではないか。金融政策の変更が、当時上昇機運にあった日本経済に水を差したのではないだろうかというような厳しい意見もあるわけです。

 当時、ちょうど政策担当の理事をされていた白川総裁でございます。この点について、あのときの日銀の判断は正しかったのか、それで何をすべきだったのか、ではこれから何をするのか、端的にお答えいただければと存じます。

白川参考人 お答えいたします。

 まず、ゼロ金利でございますけれども、FRBは目標金利をゼロから〇・二五という形に設定いたしました。日本銀行は、今、目標金利を〇・一にしております。アメリカも日本も、現実のコールレートあるいはFF、フェデラルファンドレートは今〇・一%程度で推移しておりまして、実際の金利水準は両国とも同じでございます。

 今後の金融政策ということですけれども、金利がここまで下がってきたということでございますけれども、中央銀行として行うべきことというものは、これはまだあるというふうに思っております。一番大事なことは、金融市場の安定をしっかり保つということだと思います。先ほどリーマンの話がございましたけれども、まさにあれは、金融市場の安定を保つという点において、実はあの点、大きな問題があったというふうに思いますけれども、この安定をしっかり保つということだと思います。

 この点では、日本銀行は、ドル資金の供給オペレーション、あるいは若干技術的になりますけれども、国債の現先オペあるいは長期国債の買い入れの増額等々を行っておりまして、積極的な資金供給、それから金融市場の安定に今努めておる、今後もそれに努めたいというふうに思っております。

 それから、もう一つ大事なことは、企業金融の円滑化ということだと思います。

 コールレートは、これはあくまでも金融機関の間の、しかもオーバーナイトの金利、つまり、きょう借りてあした返すという金利でございます。実際の企業はもっと長い期間で資金調達をしているわけですから、そうした長い期間の資金調達について金利をどう下げていくのかとか、あるいは、調達の安心感、量的な安心感をどう確保するのかということが大事だというふうに思っておりまして、その点について既に幾つかの施策を打っておりますし、それから、今御質問にありましたCPの買い入れを先般発表したということでございます。

 それで、そのCPの買い入れでございますけれども、今後、年度末に向けまして企業金融が厳しさを一段と増していくというふうに考えておりまして、そうした判断に立ちまして、これは時限的な措置としてCPの買い入れを行うということを決定し、発表いたしました。

 この検討状況ですけれども、実は、今検討を行っているものは、中央銀行が個別企業の信用リスクを直接負担するというのは、これは極めて異例の措置でございます。それだけに、どういうふうな買い入れ方式が適当なのかということについて検討を行っております。特に、中央銀行の財務の健全性、これは、結局は、円という通貨に対する信認をどう確保するのかということとイコールでございますけれども、そうしたことを踏まえながら、今検討を行っております。

 ただ、既に日本銀行がこの方針を発表しております関係上、マーケットではもうそのことを前提にいろいろな動きが起きておりまして、CPの発行環境は、我々の措置を発表した後、幾分、実は改善をしておるということでございます。

 それから最後に、量的緩和の解除、それからゼロ金利解除でございます。

 小池委員おっしゃったように、私は、当時は金融政策を担当する理事でございました。

 まず、量的緩和の解除あるいはその後の利上げがどういう環境の中で行われたかということを最初に御説明したいと思いますけれども、当時、いわゆる三つの過剰、日本経済を悩ませていましたさまざまな構造的問題、そうした問題への対応にある程度めどがつく中で、経済、物価情勢が着実に改善し、先行きも持続的な成長が進む蓋然性が高いというふうに判断しまして、その上で実行したものでございます。

 もっとも、利上げをしたといっても、実は、利上げ後の金利の水準は〇・五%でございます。日本経済の潜在成長率あるいは物価上昇率の関係からいいますと極めて低い水準であるということには変わりはなく、緩和的な金融環境は維持されたというふうに思っています。

 その後の経済、物価情勢を見ますと、二〇〇六年から二〇〇七年にかけまして、内外需要ともに増加を続ける中で、消費者物価の前年比が〇%近傍から徐々にプラス幅を拡大させていくなど、日本経済は物価安定のもとでの息の長い成長を続けたというふうに判断しています。この間、海外経済も、エマージング諸国の高成長に支えられまして、全体として五%程度の高い成長を維持しました。

 以上、若干長々申し上げましたけれども、量的緩和の解除とその後の利上げは、経済、物価情勢の改善の度合いに応じて徐々に金利水準を調整するという考え方に基づいて講じた措置でありまして、当時の情勢と整合的な、適切な政策運営だというふうに考えております。

小池委員 今大変長々とおっしゃっていただいたんですけれども、手短に、国民にわかりやすくお願いをしたいと思います。

 ましてや、今、日銀は、総裁、副総裁と、全員日銀のプロパーの方々で占められている。やはり、政府のこれからの政策が、金融とうまく相まって、そして潤滑に進むということが極めて必要なことでありますので、ここをこれからも金融の政策の担い手としてしっかり対応していただきたいと思います。

 さて、ちょっといろいろ伺いたいこと、時間をとってしまいました。それから、中期プログラムのことについて、この後、後藤議員も聞くことになっておりますので、そちらにお任せをするとしましても、この後、消費税の増税ですよというのを今から明記するということがポリティカリーコレクトなのかインコレクトなのか、なかなか議論が分かれるところであり、私は、これから消費、さあみんなで頑張っていこうというときに、あちらにもうオオカミが控えていますよというのはどうかな、このように思うわけでございます。

 さて、中東情勢、パレスチナは隔日三時間の休戦ということで、今、サルコジ大統領がかなり走り回っている。私は、日本も、この国会において各閣僚がずっとこの場にいていただくことの重要性と同時に、世界をもっともっと駆け回っていただきたい、そういう思いをいつも抱いております。

 一点、外交問題といいますか、我が国の問題でありますが、ソマリア沖、特にアデン湾というところがございますけれども、ここでの海賊の出没状況が極めて高まってきている。きょうも、ソマリアで拉致されていた日本の女性のお医者さんがようやく解放されるといったような報道もあるわけですが、それぐらい極めて状況は不安定なところであります。

 そこで、日本商船が、航行船舶約二万隻通っているんですけれども、その一割の二千隻が日本関係、つまり、パー・デーでいいますと六隻、それから、特に低速力のタンカー、LNGなど約五百隻があるんですが、それはでっかいところに大変な重火器でもってねらってくるというのが現状であります。

 EU諸国は大変熱心に取り組んでいる、スペインはEUの中に入っていますけれども。アジアでも、マレーシアそれからインド、そして中国は、十二月二十二日に、ここに海軍を派遣することを決めて、二十六日に出航させて、一月六日にはもうこの海域にいるという大変迅速な、これは、中国海軍がここまで出かけるということは歴史的にも極めて大きなことであります。韓国も今準備をしている。

 日本も、このソマリア沖の海賊に対して、我が国の船を、我が国の商品を載せた荷物を、そして我が国の船員が、そしてまた、単に我が国だけではなく、外国籍船もこの地域、同じように海賊に対応していかなければならない。今、哨戒機P3を送るという現行法の中でできること、一般法としてもっと法整備をしておくという、この二本立てが考えられているようですけれども、総理はこの海賊問題に対して大変熱心に取り組んでおられる。これからの期待も込めて、これからの見通しをひとつ聞かせてください。

麻生内閣総理大臣 このソマリア沖という地域に関しまして今御意見が開陳されておりますけれども、これは現実問題としては極めて、船主協会などなど、いずれも、スエズ運河から出てきたところでもありますので、ここを通っております。多くの日本の輸出輸入商品はここを通過いたしております。便宜置籍船初め、いろいろな形で日本に入ってきたり出ていったりするものがここを通過しておりますのは事実でありますので、そのためでは、これは日本に限りませんが、国際社会にとっても極めて大きな脅威というのは、私どもも全く同じ認識であります。

 したがいまして、海賊という、これは国家ではありませんので、全く無法者でありますので、いわゆる海賊というものに対しましてどういうような対処をするかということにつきましては、新たな法整備が必要な部分、また現行法制下でも行える対策というものを検討する必要があるということで、昨年末に担当大臣をして自衛隊による海賊対策について検討を加速するようにという話を指示したところでもあります。

 今、与党でもプロジェクトチームを立ち上げられ、いろいろ検討を開始しておられると思いますが、早急に結論を得てこの問題に対応するということにしないと、日本人が直接被害に遭うなどということになってから対策というのではいかがなものかということにもなりかねませんので、私どもとしては早目にこの種のことを準備しておく必要がある、私自身はそのように考えております。

小池委員 これは責任与党としてしっかりと一般法の議論をし、そして現地に赴く海上自衛隊、海上保安庁に任せるべきだ等いろいろな意見もございますけれども、そこでオペレーションに当たる人々が安心して、そして我が国の国益を守る、世界の連携、国際連携を果たす、そういう方針をぜひ貫いていただきたいと思います。

 さて、もう一度経済の方に戻りたいと思うんですけれども、急激な円高で輸出産業は厳しい状況にある。逆を返せば、あれだけの石油高であった、資源高であったというのが、今市況は暴落しているわけですね。石油価格は百ドル近く下げている。レアメタル、日本は、特に電子材料でインジウム、ガリウム、リチウムなど、これは希少性が極めて高いものでありまして、このマーケットも急騰していたのが今は暴落しています。

 逆に言えば、価格が安いということと、それからこの円高を今こそ最大限生かすべきではないかということで、三番、レアメタルでもいろいろな種類がありますけれども、ニッケルとかクロムとか、このあたりは国家備蓄の対象になっているんですけれども、一番上の電子材料の部分、それから機能性材料の部分なども今こそ国家備蓄に乗り出すべきではないだろうかというのが一点。

 それから、もう時間がございませんのでまとめて伺います。オバマ政権になって最も劇的に変わると予想されるのが環境対策でございますけれども、太陽光発電、もう大競争時代に入っております。日本は、太陽電池メーカー、太陽光発電で世界のトップを行っていたわけですけれども、二〇〇六年から住宅用の発電に対しての補助金がカットされちゃうんですね。私は、これは政策ミスだとはっきり思っているんです。これをやめた途端にドイツ、Qセルズに抜かれているという現状であります。

 今、緑の、グリーン・ニューディールを進めるべきだということが言われておりますけれども、これは平成十六年の段階で、HERB構想、健やかで美しくて豊かな環境先進国、二〇二五年には百兆円以上の市場規模で二百万人以上の雇用創出をということで、もうパッケージはあるんですね。今こそこれを実行すべきときであります。これこそ日本の雇用をつくっていく。

 それからもう一つ、最後にこれもごらんいただいておきたいと思うわけでありますけれども、これを見てください。これは一八八〇年代のニューヨーク市、馬車が通っています。そして、空をふさぐかのような電線の、秩序なきというか、これを見てください。ニューヨークは今、五番街などすばらしい町になっていますね。

 私は、電信柱とか、電柱を街路樹にかえたらいいと思うんですよ。どんなに町が美しくなることか。それによってどんなに雇用が生まれることか。そして、社会資本としてこれは何十年も何百年も使える、そういう一大転換点を今活用できるのではないか。

 今、幾つかお尋ねを申し上げました。経産大臣から、資源の国家備蓄について。それから、今後の中期目標が日本はまだ出されておりません。ポスト京都に対しての中期目標が出されていない。こういったことについて日本こそリードをすべきではないか。

 そしてまた、環境というのは農業と非常に密接な関係があるわけです。そして、その農業は、今、食の安全ということも言われている。ところが、消費者庁というのがなかなか、できるようでできないというような状況に陥っている。総理は、この消費者庁についての今後の取り組みもあわせて。

 もう幾つもまとめて聞いちゃいましたけれども、ぜひ手短に、そして的を得たお答えをそれぞれの大臣からいただきたく存じます。

二階国務大臣 ただいまレアメタル等の資源につきまして御指摘がありましたが、大変重要なことだと考えております。

 今、このような円高の状況は、私たち資源の少ない国にとっては大きなチャンスが来ておる。そこで、先般もロンドンで産消国等の対話が行われたわけでありますが、この四月の十九日にも、中東を含むアジアの皆さんも日本に参りまして産消国対話等を行うなどを計画いたしておりますが、こうしたことも活用しながら、今御指摘のようなレアメタルの問題等を中心とする資源の確保について、あらゆる方策を駆使して全力を投球してまいりたいと思いますし、また、御指摘のレアメタル等の問題についての、何を対象にしていくかという、その対象の拡大についても早急に検討したいと思います。

 太陽光発電は、それこそ手短に申し上げますが、一月の十三日から、大々的な、御家庭での対応をしていただけるような補助金を活用して対応してまいります。

 過去のお話については、十分そうしたことも念頭に入れながら、私たちは、この太陽光発電によって今の不況も脱していくようなことも十分考えながら対応してまいりたいと思っております。

麻生内閣総理大臣 消費者庁と景観のところにつきまして。

 既存の行政組織というのは、もう御存じのように、事業者というかメーカー、そういった生産者を育てるという制度ではありますけれども、そのために訓練された公務員もあったと思いますが、全く逆の発想で、生活者、消費者側の立場に立った、いわゆる味方をするというのがすごく大事なんだと思うのがこの消費者庁でありますので、これはぜひとも必要と思っております。委員会も立ち上がったと伺っておりますので、これが早急に結論を得るようにと思っております。

 電線の話につきましても、全くおっしゃるとおりで、ネオンを見ていると上が見えませんから、町はきれいに見えるかもしれませんが、昼間上を見ると甚だいかがなものかという状況にあるのは、もう御存じのとおりであります。私どもとしては、地下に埋設というのは、地方の景観も、電線、電柱というものが景観を甚だしく害していることも確かだと思いますので、こういう意味では地下埋設ということ、イコール雇用がふえる、また新しい仕事がふえる。加えて、結果として景観がよくなるというのは非常に大きなものだ、私自身はそう思っております。

小池委員 ありがとうございました。

衛藤委員長 この際、後藤茂之君から関連質疑の申し出があります。石原伸晃君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤茂之君。

後藤(茂)委員 自民党の後藤茂之でございます。

 本日は、大胆な対策によりまして不安の連鎖を断ち切るという観点から、金融市場の対策等についてちょっとお話を伺いました後、主に雇用問題、そして社会保障問題について伺わせていただきたいと思います。

 さて、現在、百年に一度と言われる大変な危機に見舞われているわけであります。今回の危機の特徴は、先ほど石原委員も御指摘になりましたけれども、まれに見るスピードで金融の危機と実物経済への波及が進んでいることにあるというふうに思っております。

 我が国の金融機関におきましては、サブプライムローン問題の直接の影響は非常に少なかったというふうに私も考えておりますけれども、しかし、昨今、株価が大きく下げる中で、保有株式に損失が生まれます。そして、資本が毀損します。そして、そのことによりまして信用が収縮をする。その結果として、実物経済が悪くなる。実物経済が悪くなると、また株価が下がる。こうした不安の連鎖、収縮が収縮を生むという連鎖が生じているわけであります。

 これに対して、例えば、具体的に一つ異常だということを示したいと思うんですが、昨年末に、日経平均二百二十五銘柄のうち、大体六割の百三十五銘柄がPBRで一を割る。すなわち、会社をその場で解散したときの、かつてと比べてみたときに、株価の方が低いという変な状況になっております。マーケットをしっかりとやはり立て直さなければいけない、そんな状況であります。

 株式市場だけではありません。昨年の秋からCPも市場が機能不全に陥っております。このCPも、発行企業が困るというだけではなくて、CPを発行している企業の先には、実を言うと中小企業の与信がたくさんついているわけでありまして、ここを何とかしないと、中小企業へ金が回らないという事態になります。日銀も現先オペだとかいろいろなことをやっているわけでありますけれども、しかし、これに対しても、非常に異常な事態であるということに対応した、平時では考えられないようなしっかりとした政策が必要だという緊急事態であります。

 そこで総理に伺うわけでありますけれども、具体的に、こうした緊急事態に対して、平時には行われない、行うべきでないような、しかし、こういう時期だからこそ大胆に行っている政策があると思います。そうしたことにつきまして御説明をいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 これは中川大臣の方が適当かとは思いますけれども、企業の資金調達の悪化というのは、結果として、資金が回らないために黒字で会社が倒産するということになり、結果として、それが雇用を悪くする、解雇につながりますので、そういう意味では、最終的に生活に直接響くことになります。

 したがって、まずは、中小企業というのは、いわゆる九九%と言われる、企業四百二十何万社のうちの九九%ですから、その意味では、中小企業の資金繰り対策ということで、先ほど二階大臣から答弁があったような形で大きな資金をということで、今回の二次補正でも三十兆円をお願いしておる。

 また、あわせて、今度は貸します側の、大きな銀行とは言いませんが、地銀、第二地銀と言われるところであっても、いわゆるBIS規定などなどいろいろな規制がありますので、そういった自己資本比率というものを考えねばなりませんので、そういった意味では、いわゆる貸し手側の対策として、金融機能強化法という形で国の資本参加枠を十二兆円になどというのは、これは今まででは余り考えられなかったものだと思っております。

 加えて、今御指摘のありましたように、中小・小規模企業に限りませず、いわゆるコマーシャルペーパー、通称CPと言われるものに関しましても、これはかなり有名な企業のCPが買い手がつかないんだというので、そういう大企業がいわゆる直接金融から間接金融に回って銀行から金を借りられる。銀行は大手の方に貸した方が安心というので、その分が、今度は中小に回る貸し金の方は減ってくるというような形になっておりますので、CPの買い取りスキームというものを創設することで、三兆円の貸し付けということなど、かなり大胆な政策というのはもう織り込ませていただいたところであります。

 株価の変動が激しいというのはもう御存じのとおりでありまして、これは外国人売りによりますものがかなり多かったというのが事実でありますけれども、こういった株価の変動が、急激に低落いたしますと、これは銀行にとりましても、自分の持っております、担保にしております株価が下がるということは自己資本比率が下がることにもなりますので、そういったことから、銀行などの保有株式の取引機構の活用及び機能強化の法案というものを一月五日に衆議院に提出をさせていただいております。

 また、この間、先ほど白川総裁からもお話がありましたように、政策金利の引き下げに加えまして、日銀にはCP買い切りの実施を決定していただくなど、金融市場の安定化に向けた措置というものはかなり講じているところであります。

 いずれにしても、これはちょっと、平時というか普通のときでは考えられなかった対策を、かなりこの三カ月間の間に次々に打たせていただいたと思っております。

後藤(茂)委員 金融市場の問題というのは一つの例でありまして、本当に経済が底抜けしそうな、そういう状況に臨んでいるときに、大胆な対策を辞さないという決意と覚悟で総理に臨んでいただきたいと改めてお願いをするわけであります。

 さて、我々はバブル崩壊後の不良債権の処理からいろいろなことを学んでいます。その中でも、金融危機の発生に際して、金融を急速に緩和すること、それから、金融機関の資本の毀損が生じたときに、それが信用収縮を通じて実物経済に波及をしないようにすること、これが二つの非常に重要な学んだ点だというふうに思います。

 それで、日本銀行総裁がおられますので、ちょっと伺いたいと思います。

 これまでも、国債現先オペ、CPの現先オペの拡充、企業金融支援特別オペレーションだとか金利の引き下げだとか、いろいろなことをやっておられます。そして、先ほど日銀総裁の方からも御答弁がありましたように、いろいろな問題はあると思います。

 私はここで、時間がないので詳しいことはもう結構ですから、どうぞ、今後一段と金融が引き締まるといった場合に、日銀は大きな能力を持っているわけでありますから、その日銀の機能をフル活用してしっかりやる、その決意だけお述べをいただきたいと思います。

白川参考人 ただいま議員からお話ございましたとおり、金融と実体経済のマイナスの相乗作用というのが大変今大きな作用をしております。

 こういうもとで、中央銀行としては、金融システムの安定をしっかり維持していくということが大変大事だと思います。今非常に経済の状況、金融の状況は厳しいわけですから、中央銀行が持っている機能を使って、最大限この金融システムの安定、経済の安定に努力をしていきたいというふうに思っております。

後藤(茂)委員 日銀総裁には前向きな答弁をいただきましたので、時間が余りありませんので、これで結構ですから、御退席していただいて結構であります。しっかり金融の運営をやっていただきたいと思います。

 それから、不安の連鎖そして収縮の連鎖を断ち切るということで、大胆な政策が足元必要だというお話もさせていただきましたけれども、将来に対してやはり不安をなくしていく、将来に向けた明るい展望や目指すべき目標がしっかりしているということも重要でありまして、先ほど石原委員からも話がありましたように、日本の底力や日本の強みを生かして、国民がみんなで力を合わせて将来に向かって進んでいけるような、そういうビジョンを示しながら、みんなで助け合って頑張っていきたい、そんなふうに考えるわけであります。

 それでは、ちょっと時間をとりましたので、社会保障、雇用問題に早速移りたいと思います。

 雇用につきましては、今大変に厳しい状況にありまして、もう数字については先ほどから話が出ておりますので繰り返しませんけれども、今三分の一を超える数になりました非正規労働者、この非正規労働者に対しまして雇用調整が集中をいたしまして、解雇が約八万五千人、大変な数に上っておりますし、新卒者の内定取り消しも大変に重大な問題であります。

 今、こうした状況が進んでまいりますと、三・九%の失業率、最大の、過去五・五%でありましたけれども、そこを突き抜けていく可能性も出てまいっておりまして、六・〇%というような新しい失業率を迎えるようなことになれば、百四十万人を超える失業者が生まれるということも予想されるわけであります。

 それに対しまして、麻生総理の指示のもとで、党におきましては、新たな雇用対策に関する提言というのをまとめまして、この想定される百四十万人にまずは差し当たりしっかりと対応できるという雇用対策を提案いたしまして、それが平成二十一年度予算や補正予算に反映されまして、政府としても、過去に例を見ない充実した雇用対策を発表し、そして予算を組んでいるわけであります。特に、地方に対して雇用創出を行うための最大規模四千億円の基金の設置など、大変に見るべきものが多いと思います。

 雇用対策について幾つかちょっと話をしていきたいと思いますけれども、まず、特に、今先行き不安で、そして家族のように思っている従業員や自分たちの家族のことにまで非常に不安を感じている中小企業の関係の皆さんに対する雇用対策であります。

 先ほど厚労大臣から答弁がありましたので、答弁を省きまして、私の方から説明しますけれども、こうした中小企業の経営者の皆さんに対しまして、例えば労働者を雇用することが難しいと言われる状況の中で、解雇せずに休業や教育訓練をされる、そういう企業があった場合には、その賃金の八割を助成するという制度もあります。それから、年長フリーターの方々や内定を取り消された方々を正規労働者として雇用する、あるいは、現在派遣労働者として受け入れている労働者を直接雇用する企業ができた場合には、その企業に対して一人当たり百万円を支給する、さらに、会社が離職後も住宅を無償提供する場合には家賃補助四万から六万円を支給するといったいろいろな対策が盛り込まれておりまして、テレビを見ておられる中小企業の皆さんで一体どんなものがあるんだという方に対しては、ぜひハローワーク等にも出向いていただきまして、十分にそうしたものを使っていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、もし必要があれば、もう一段追加的な対策も必要になるのではないかと思います。

 問題は雇用対策ばかりではありません。雇用を創出するということも非常に重要であります。国民の生活基盤、今、地方のインフラ、いろいろなことでインフラ整備をしなければならない部分もあります。どうせやらなきゃいけない地方のインフラ整備は、こういう時期にしっかりやることが重要なのではないかというふうに思います。いわゆる林業だとか、あるいは地域のインフラ整備だとか、必要な社会資本の分野に金を入れるとか、あるいは、国民の生活基盤ということで、介護、医療、福祉、これから雇用が期待できて、そして新しいサービス産業が育つような分野に対しても雇用創出の施策を次々とやっていくべきだと思います。

 そこで、総理に伺うわけでありますけれども、今後想定されます雇用情勢のさらなる悪化に対しましては、さらなる雇用対策や雇用創出ということを行っていくことが必要だというふうに思います。そういう意味での総理の果断な決意を伺いたいと思います。

麻生内閣総理大臣 今の状況で三・九%ということになっておりますのは今おっしゃられたとおり、これがさらに悪くなってくる可能性というのは決して否定できない、私自身もそう思っております。他国の例を見ましても、同様に失業率の上昇というのはよく言われているところでもあります。輸出関連のところにおいては特にその部分が顕著に出てくる可能性というのは高い、私自身もそう思っております。

 したがいまして、その部分を何らかの形でということになりますときに、同様の職種があるというのはなかなか考えにくいところでありますので、そういうときにどこが一番雇用というものを抱えられるかというところは、これは真剣に検討しなきゃいかぬところだと思います。傍ら、人がない部分というのを、求人ということで困っているところに、介護、医療、そういったところでは逆に人手が足りないとよく言われているところではあります。そういう部分に関しまして、うまくそういったように職種がかわれることがあるか。また、今御指摘のありましたように、いろいろな意味で、職業訓練を受けている間の収入の保障という点で、先ほど八割というお話がありましたとおりのことをしようと思っております。

 いずれにしても、今回、地方交付税を、新たに一兆円ということを増額しておりますけれども、地方でいわゆる雇用を創出していく部分というのは、きめ細かな対応ができるのは地方自治体の方に目が見えているところが多々あろうかと思いますので、その点につきましても、地方の首長さん方のいわゆる地方における自治体経営ということを考えたときに、その地域におられる方々に雇用を創出していくということが結果として地方の元気につながっていくんだと思いますので、この一兆円のいわゆる交付税というのは最も地方が自分の裁量でできるところでもあろうと思いますので、そういったものをきちんとやらせていただければということを考えております。

後藤(茂)委員 次に、住宅を失った方々への対応でございます。

 派遣村の惨状を見ておりまして、解雇され、住居を失いまして、日々の暮らしにも大変お困りの方が大勢おられるということに対しまして大変心を痛めているわけであります。こうした方々に対して、ぬくもりのある、そして温かい手を差し伸べるということは、私は政治の原点だというふうに思います。

 今回の対策でも、先ほど御説明がありましたので、また私の方からざっと言っておきますが、全国に雇用促進住宅、十四万戸あります。廃止決定をされていない空き家の一万三千戸に加えて、既に廃止決定をされているものも含めて四万戸をすぐに活用していただくように準備をしておりますし、一月七日現在で千九百名の入居が決定している。そして、労働金庫からは、民間住宅を希望する離職者がハローワークに申請すれば、最大百八十六万円融資も受けられる。いろいろな対策がとられています。

 一方で、こういう対策というのは、地方自治体でもいろいろなことをやっているわけであります。住居を喪失した方々に対して、生活保護の制度や、あるいは住居支援や生活支援という、いろいろな仕組みがあります。今、国の施策とこうした自治体の施策が密接に連関してこそ、本当に困っている人たちをしっかりとセーフティーネットで支えるということができるのではないかというふうに考えます。

 それで、総理に伺うわけでありますけれども、こうした、雇用を失うことによりまして住宅を失われたような、そういう本当に社会的に弱い立場にある皆様方に対して、第一義的に地域で行っているそういう対応と、そして今申し上げたような国の対応、こういうものをしっかりと連携させながら施策を講じるということが非常に重要だと思います。

 そういう意味で、総理のリーダーシップが大いに期待されるところだと思いますので、こうした国、地方の連携につきまして総理からお言葉をいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 これは非常に大事なところです。特に、自治体が個別に実施されます福祉対策というか、そういう緊急対策というものと、国が実施をしております雇用対策との間の連携というのがかなり重要になってくると思っております。

 したがって、生活保護受給者の就労支援のための、例えばハローワークと自治体の担当者がチームを組んで支援をする、また、自治体の窓口にハローワークの相談員を出張させて職業相談を行うなど、今積極的にその取り組みを進めさせているところであります。

 さらに、自治体が独自の取り組みということで、大分県の杵築の話が最近よく出てきておりますけれども、緊急対応としていろいろやっておられることに関しましては、それに対して特別交付税をもって支援をするということも考えております。あわせて、先ほど申し上げました一兆円のいわゆる地方交付税というものも十分にこれに対応できるということで、雇用対策というものに充てていただけるということになるんだと思っております。

 いずれにいたしましても、第一線で活躍をしておられる地方自治体というものと国がやっておりますいろいろなものとをいかにうまく連携させていくかというのは、効率の面から考えても、緊急性を考えましても極めて重要だ、私どももさように認識をいたしております。

後藤(茂)委員 国全体を総括しておられる総理からその辺のイニシアチブもしっかりととっていただいて、全体として国民一人一人を支えるという仕組みが大切なのではないかと改めて思います。

 それでは次に、雇用と並んで国民生活の安心の確立に欠かせない社会保障の問題について話をいたしたいと思います。

 今御承知のとおり、医師不足あるいは救急医療におけるいろいろな受け入れ困難の問題だとか、今国民は、医療だとか介護、いろいろな現場において不安を感じているというのが現状だと思います。

 その背景には、社会保障費の自然増を極力抑制しつつ制度の持続的な安定を図るという、年金、医療、介護の一連の改革の中で十分に細かいところまで面倒を見てこなかったという部分があるということも一つの背景にあると思います。それから、さらに加えまして、二〇〇六年以降、歳出歳入一体改革ということで、社会保障の自然増経費を二千二百億円ずつ必ずカットしていく、そういうやり方を続けてきたということもその背景にあるのではないかと思います。

 今現場にはそういう意味でもう限界だという声もありまして、この二十一年度予算におきましては、骨太方針あるいは予算編成の基本方針で、この二千二百億円については、二千二百億円の財政努力はちゃんとするけれども、しかし、社会保障の当然増の支出をカットしなくてもいいというルールを開きまして、それに従いまして、ことしの、二十一年度の予算におきましては、二千二百億円の問題については、ジェネリックの二百三十億円、本当に効率化できる部分を除きまして、二千二百億円の社会保障費の当然増経費のカットはしない、そういう結論になりました。

 これは大変な大成果だったというふうに思いますけれども、そのことによりまして、例えば介護の三%の報酬改定とか、これはアップの報酬改定、それから、障害者につきまして五・一%の給付の引き上げを行うこともできたということでございます。

 今回、こうしたことで、非常にいい予算編成であったというふうに思うわけでありますけれども、この社会保障の自然増経費というのは、もともと、予算の性格から考えてみると、これは事業予算をカットするのとは違いまして、当然増をカットする、必ず国民生活に影響の出る制度を切ってみせなきゃいけないということになってまいりまして、補正予算で追加対応するとかいうことにはならない性格のものであります。

 そういうことも加味し、そして、本当に今医療、介護、福祉の現場で、もうちょっと温かい措置が欲しいという切実な声を考えてみたときに、こうした点については、やはり当然増の経費を機械的に見直していくということはもう既に限界に来ているのではないかな、そんな感じを非常に強くいたしておるわけであります。

 そういう意味では、社会保障の予算の確保ということが非常に不可欠であり重要であると考えますけれども、その点につきまして総理に伺わせていただきます。

麻生内閣総理大臣 これはもう御存じのように、少子高齢化という流れの中にあって、今後とも社会保障費の自然増というか、増大が見込まれております。もう避けがたいところだと思います。

 したがって、持続可能で質の高い福祉、今、福祉もいろいろ定義がありますけれども、私ども、中福祉と呼んでおりますが、今のものが中福祉であるかどうかは別にして、少なくとも中福祉の実現に向けて持続可能なものにしていかねばならぬ。したがって、中福祉を維持するためには、低負担ではできませんので、中負担をお願いせざるを得ないであろう、私自身はそう思っております。

 したがって、昨年末に中期プログラムというのを策定させていただきましたが、社会保障の安定財源につきましては消費税を主要な財源として確保するとか、また、安定財源の確保と並行して社会保障の機能強化を図るとともに、効率化を進めることとするというようなことを書かせていただいたりいたしております。

 こうした取り組みによって、やはり安心したものでないと、将来が不安だと、今持っておられる貯金は、将来のために、安心できないから使わないということにもなるのであって、そういった意味では、持続可能な中福祉・中負担というものの社会保障制度の構築というものが今後日本として非常に中長期的には大事な課題だ、私自身はそう考えております。

後藤(茂)委員 今、総理から中期プログラムのお話が出ました。中期プログラムの中では、まさにこのことは、中福祉のほころびが生じているという形で指摘をされたわけであります。

 私、今まさに総理が、持続可能な社会保障制度をきちんと受益と負担の両面から維持する、そういう責任があるというお話をされたことに対して、本当にそのとおりだというふうに思います。制度が破綻して、国民にとって非常に大切な、さまざまな社会保障の給付が突然支払いができなくなりました、あるいは制度が破綻しましたというようなことが起きたとすれば、これは国民にとっては最も困ること、政府・与党、政治の責任の立場にある者としては最も無責任な対応だというふうに考えております。

 そういう意味では、中期プログラムによりまして、中福祉・中負担をしっかりとやっていく、そういう中期的な道筋をしっかりと示したということは、これは非常に重大な、重要なことだったというふうに思っております。

 それで、中福祉のほころびという給付側の話につきまして、ちょっと先ほど、医師不足や救急医療、産科、小児科医療の確保とか、そういう重要な問題について少し具体的な話を聞いた方がよかったなというふうに思いますので、厚労大臣に伺いますけれども、医師不足対策、救急医療の問題、産科、小児科対策、そうしたものにつきまして、これまでもさまざまな取り組みをしてきたわけでありますけれども、さらに踏み込んだ対策が必要だというふうに思いますので、ぜひその辺のところを聞かせていただきたいと思います。

舛添国務大臣 医療体制の再構築という問題でありますけれども、我が国の医療におきまして、救急医療、地域医療の問題、今御指摘の産科、小児科の不足などさまざまな課題に直面しておりますけれども、これらの課題に対しては、緊急な対策を講じるとともに、やはり構造的な問題の解決に向けて積極的に取り組む必要があると考えております。

 例えば、医師数について、毎年医師は三千人以上ふえているんですが、しかし、医療ニーズが増大していて医師数が追いつかないということでありますので、先般、閣議決定を見直して、ことしの四月は六百九十三人の医学部学生の増員ということをやっております。

 また、当面の課題に対する施策としまして、昨年成立した一次補正に続きまして、二次補正、来年度予算で切れ目ない施策を講じてまいりたいと思います。例えば、二次補正だと、ドクターヘリを活用するというようなことがあります。それから、来年度予算案では、勤務医の待遇、これをきちんとやるということがあります。

 さらに、政府といたしまして、医師確保対策を一層強力に推進するため、文部科学大臣、総務大臣など関係閣僚で構成される地域医療の機能強化に関する関係閣僚会議を、昨年十二月に第一回会議を開いたところでございます。

 引き続き、国民が安心できる医療体制の確保に向けて、関係省庁と協力しながら努力をしてまいりたいと思っております。

後藤(茂)委員 昨年秋に、都立墨東病院など八病院で妊婦の受け入れができずに、大変痛ましいことに、最終的には妊婦が亡くなられた事案もありました。本当に、何ともやりきれない、そんな気持ちであります。これは大きなニュースになりましたけれども、今大変に大きな不安を抱えている。

 それから、中福祉のほころびの中には、例えば少子化対策の問題だとか年金の高齢化に伴う問題だとか、いろいろな問題があるわけでありまして、しっかりとした制度をつくっていかなきゃいけない。

 しかし、一方で、そこで今度は負担サイドの問題になるわけでありますが、そのためには安定財源の確保の問題を避けて通ることはできないというふうに思うわけでありまして、まさに中期プログラムは、そういう意味で、責任政党としての矜持をしっかりと示したものだというふうに考えるわけであります。

 それから、この中期プログラムは、国民の将来への不安をぬぐうということによりまして、現在、内需拡大につながらない、そういう問題点に対しても、国民の安心を確立することによって今内需の拡大につながっていくという前提条件にもなっていくというふうに思います。

 この負担の問題でありますけれども、一つ総理に確認をしたいと思うことがございます。

 この中期プログラム、大変に勇気ある、責任のある閣議決定であったというふうに思うわけでありますけれども、どうも世の中では二〇一一年の消費税の引き上げばかりが喧伝されているように思えてなりません。しかし、実際の中期プログラムにおきましては、経済状況を好転させること、しっかりと無駄の排除を行うこと、そうしたことが盛り込まれております。

 こうした増税の前提条件と一体として国民に対して将来のメッセージを送っているということだと思いますので、改めて、そうした増税の前提条件等につきましても総理の口から丁寧に御説明をいただければと思います。

麻生内閣総理大臣 後藤先生御指摘がありますように、私はこれまでも、短期は大胆、中期は責任ということをずっと申し上げてきたと存じます。

 したがいまして、今、目先、このような状況にありますので、短期、三年間ということは大胆な経済対策、景気対策というのを行う。そして、世界じゅう同時不況になっておりますので、どこかの国が引っ張ってくれるという状況にはありませんので、今回の同時不況というこの混乱の中から、国民の生活を守って、そして、いわゆる自律的に経済成長の波に乗っけていくというのが、やはり日本自身が取り組まねばならぬ大事なところであろうと思っております。

 したがいまして、こういった経済状況が好転をしていくことに結果としてなれば、私どもは、消費税を引き上げる等々抜本的な税制改革というものをやらせていただける前提条件としての景気回復が見込まれるんだ、私自身はそう思っております。

 税制改正の抜本改革の実現によって、いわゆる国民の皆様方に中福祉に見合う中負担をお願いできる、そういったものができる環境ができ上がってくる。同時に、政府としても、歳出改革、今いろいろ取り組んでおりますけれども、行政改革や無駄の排除などの徹底を不断に行っていくということが大前提であるということは申すまでもないところであります。

 こうやって、行政の無駄とか、そういった無駄の排除を継続していくということで経済状況の好転ということにつながっていったことを前提として、消費税を含みます税制の抜本改革というものをぜひ実施させていただきたいというように考えておるところであります。

後藤(茂)委員 当然のことながら、今総理が最後におっしゃいました行政の無駄を省くということが大前提で、これは非常に重要です。

 自民党におきましても、無駄遣い撲滅PTというものを開きまして、徹底的な無駄遣いを撲滅するための提案をぶつけまして、政府にもその実行を求めたところでありまして、相当の規模の対応がなされているわけであります。このことを、今後とも行政の無駄遣い、徹底的に行う必要があるというふうに指摘をして、また、このことについては改めて丁寧な議論が必要だというふうに思っております。

 私、今、中福祉の話をしておりましたけれども、やはり、今後いろいろな社会保障制度の見直しを行っていく場合に、注意しなければならない点があると思います。

 それは、制度を持続的なものにするためには丁寧に制度設計をしていくわけでありますけれども、そのときに、目の前にいる一人の困る人、その人を見捨てない。制度を動かすことによって本当に困る人が生まれないのか、その点を丁寧に検証して制度を見直すことが必要だというふうに思います。

 障害者自立支援法の問題にしても、通所で、所得が低くて、そして重度の障害を抱えた家庭の皆さんに、いや、月に四千円だなんていうことになれば、到底それは無理だということになります。その後、政府は、千五百円に引き下げる、あるいは民間の障害者施設に対しては九割の収入保障をするというような形で、やっと国民の皆さんから、ああ楽になったという話もいただけるようになりました。こういうことは最初から本当はやるべきだったと反省をいたしております。

 後期高齢者医療制度の問題でもそうであります。名前のつけ方が問題だった、それも心なかったという御批判もあります。それから、例えば、二年も時間があったのに、どうしてもうちょっと丁寧に説明しなかったんだというおしかりもある。それから、家庭にはいろいろな事情があるのに、源泉徴収をするという形で天引きというのは心ない、そういうような議論もありました。

 今、後期高齢者、いわゆる長寿医療制度の問題については、私はこう思っています。これを単に廃止するというようなことだけでは、かえって保険料が高くなるとか、現実の対応が混乱するというような問題が生じます。しかし、我々、見直すべき点もあるだろうというふうに思っておりまして、そういう意味では、例えば公費の負担、そういった問題について丁寧にもう一回見直しをしてみ、世代の全体の中で安定的な配分をどうしたらいいのか、あるいは、七十五歳で区切られているところの制度について、一体どういうふうに運用すると国民の気持ちに沿うような、高齢者の皆さんの気持ちに沿うような形にできるのか、そういった対応を進めていきたいというふうに考えておりまして、与党といたしましては、ことしの春中には見直しの概要をしっかりとまとめたいというふうに思っております。

 そういう意味で、障害者自立支援法あるいは長寿医療制度の見直しにつきまして、時間がなくなったので質問を振っていいのかどうか今迷ったところでありますけれども、厚労大臣から障害者問題につきまして御答弁をいただくとともに、それから総理に対しましては、後期高齢者医療制度の取りまとめの仕方についてまた伺いたいと思います。

 これで終わります。

舛添国務大臣 委員御指摘の障害者自立支援法の見直しでございますけれども、平成十九年十二月には与党プロジェクトチームから見直しについての提言をいただきました。そして、今委員みずから御説明いただきましたような点について改善し、昨年四月から社会保障審議会の障害者部会で報告書をまとめておるところでございます。

 今後ともさらなる改善に向けて、本年四月からプラス五・一%の報酬改定も行うということで、きめ細かくいい制度に仕立て上げていきたいと思っております。

後藤(茂)委員 これで終わります。

衛藤委員長 この際、葉梨康弘君から関連質疑の申し出があります。石原伸晃君の持ち時間の範囲内でこれを許します。葉梨康弘君。

葉梨委員 おはようございます。自民党の葉梨康弘でございます。

 私は、茨城県取手市というところに住んでおりますけれども、新年からずっといろいろなところで新年会、歩かせていただいております。経済の厳しさ、雇用の厳しさ、さらには、後でも質問申し上げますが定額給付金のこと、いろいろな御意見を聞く機会がございます。

 ただ、大きく変わりましたのは、ことしに入りまして、一円から領収書をいただかなきゃいけなくなりまして、私も会費というのを持っていって、会費、書いてあるんです、ちゃんと一円から領収書というのを各所でいただいているということで、ちょっと政治資金の関係についてひとつお尋ねをしたいと思います。

 まず、営利企業ですけれども、政治家の政治資金団体に対して寄附を行うこと、これは禁止されていると思います。どのような罰則があるでしょうか。

 また、政治家の政治資金管理団体が特定の営利企業に対して便宜供与を行う、例えば、具体的には、ある政治資金団体が営利企業に対して金銭を贈与する、あるいはその所有する自動車や事務所をただで営利企業に使わせるといった行為、このような行為は政治資金管理団体の目的からはどうも逸脱した活動のように思えるんですけれども、法的な位置づけについて総務大臣にお伺いしたいと思います。

鳩山国務大臣 葉梨先生御指摘の、営利企業が資金管理団体に対する、政治活動に関する寄附は、これは禁止をされておりまして、違反した場合の罰則は一年以下の禁錮または五十万円以下の罰金という形になっております。

 後段の、政治家の資金管理団体が逆に企業に便宜供与あるいは贈与をするというのは、これは想定されていない、ある意味では言語道断ということだと思うんですが。政治資金規正法に、政治資金とは何であるかと、民主政治の健全な発展を希求して拠出される国民の浄財、こう書いてありますので、そういうのは想定されておりませんから罰則もありませんが、そういうことは絶対あってはならないということで、政治資金規正法はでき上がっていると思います。

葉梨委員 ありがとうございました。

 昨年の九月の十二日の産経新聞でも報道されておるんですけれども、ことしに入りまして政治資金一円から領収書ということもありまして、ちょっと私も関心を持って調べてみたんです。

 そうしたところが、まず一つは、民主党の小沢代表、この政治資金管理団体が所有していたプライム赤坂二〇四号室という物件がございます。これが一昨年の十月の十九日に一千三百万円で、某建設不動産会社、これは不動産業をやっておる会社でございます、そこに売却をされました。そして、この不動産会社ですけれども、これは当然、プロの業者ですからこれを売り出します。この売り出し価格が一千百八十万円なんです。

 プロの業者というのでしたら、安く買って高く売るのが普通だと思うんですけれども、高く買ってプロの業者が安く売るというのはちょっとわからないなというふうに思ったんです。

 そして、その業者の関係を調べてみたところ、平成十七年、平成十八年と二年連続で、民主党の岩手県第四選挙区支部に対して百万円ずつの献金を行っています。ところが、この不動産を購入した平成十九年には献金が一切ない。この差額分が多分献金じゃないかというような意識だったのかどうか、私はわかりません。ただ、政治資金管理団体に対する企業献金というのは罰則をもって禁止をされていることを考えますと、この辺の経緯というのは、私が言う話じゃなくて、御みずから明らかにされることを望みたいなというふうに思います。

 そして、もう一つ問題があります。このプライム赤坂二〇四というのは、実は、五年九カ月にわたって、営利の株式会社であります某コンサルタント会社に月額七万円で賃貸をされていたということで、たしか毎日新聞だったと思いますけれども、問題になった件でございます。これは当時、総務省の見解として、政治資金規正法の第八条の三だったと思いますけれども、運用が不動産賃貸というのはちょっとその趣旨からは外れるんじゃないんですかというようなことで、たしか記事に載ったというふうに記憶をしておりますけれども。

 現実にそれが利殖なのかどうかということで、ちょっとこれも調べてみたんですけれども、これは見たところ、この赤坂で昭和五十四年築ぐらいの、大体築後三十年ぐらい経過した物件でワンルームマンション、これを大体賃貸を出しておりますと幾らぐらいになるかというのがこの表なんですね。この表です。これも私のホームページでつくったんですけれども、大体月七万円というのは相当格安かなという感じもいたすわけでございます。

 ですから、私、小沢代表の名誉のために言えば、この会社に対して、このプライム赤坂二〇四を賃貸するということで、賃貸料、賃借料を取るということで小沢代表がもうけていたということは、私は思いたくはありません。

 ただ、実は問題なのは、平成十九年の十月の一日に陸山会から、これは小沢代表の政治資金管理団体ですけれども、五年九カ月分の賃料がこの会社に対して四百八十三万円返還されているということなんです。返還されているんですね。

 これはどういうことかということで、先ほど大臣の御答弁もいただいたわけですけれども、これはどういうことであるかといえば、結局この五年九カ月の間、浄財である政治資金によって購入した事務所を営利企業に対してただで使わせていた。先ほども申し上げたように、ただで自動車を使わせる、あるいはただで事務所を使わせるという行為、言語道断だというようなことでございます。

 非常にそこら辺のところはあろうかと思いますし、さらに、先ほどの賃貸料七万円ということが、例えば法的に減価償却の金額と同等でありますよというふうに認定をされたといたしましょう。実は、減価償却額と同等ですというのは、この物件、千七百万で購入したものを千三百万でお売りになられたわけですけれども、大体その間の賃料というのは減価償却額と同等かなというふうに、もしも評価されたとしましょう。そうすると、この四百八十三万円は、返還金という名前は使っておりますけれども、贈与に当たる可能性が出てくる。

 先ほどの総務大臣の答弁からしますと、このような行為というのは、政治資金規正法で、言語道断であるから想定されていないということでございました。ですから、もしも政権交代がございましたら総理になられる方の政治資金管理団体にかかわる事項でございます。せんだって、麻生総理がかつて社長をやっていた会社の件についてもいろいろと御答弁をさせられたわけですけれども、これについても、やはりまずみずから具体的な説明をされるべきではないかということを申し上げておきたいと思います。

 実は、民主党の修正案提出者に、民主党について民主党の中でちゃんと調べるつもりはありますかということを聞くことを考えたんですけれども、何か委員部に聞きましたら、修正案についてしか聞けないということなので、非常に残念に思っております。

 では、それで、次に移らせていただきます。政治家と特定業界の結びつきについてでございます。

 何問か、野田大臣にお伺いをいたします。

 平成八年の四月十日でございます。当時の野田商工委員は、衆議院商工委員会で「今までの連鎖販売取引イコール悪」、連鎖販売、マルチですね、「イコール悪であるというような考え方を大きく転換しまして、この際、日本の次代の産業を支えるいわゆるベンチャービジネスの一つ、新産業としての認知をし、かつその業界の健全な発展を支援するというふうな立場で、これからはこの法律を通じて国は取り組んでいくのではないかということを考えております。 それにつきまして政府のお考えをお尋ねしたいと思います。」という質問を行っておられますけれども、これは事実ですね。

野田国務大臣 当時、十三年前になりますが、確かにこのような質問をしております。

 しかし、現時点で、現在では、いわゆるマルチ商法につきましては、国民生活センターに毎年二万件を超える苦情を寄せられており、件数も年々増加傾向にある現状をかんがみ、業界の健全な発展を支援するという立場をとるべきではないと考えております。

葉梨委員 今の考えは別として、ちょっと当時のことをお伺いしたいと思います。

 次の質問に移ります。

 この質問の準備のために、いわゆる連鎖販売取引業の関係者から情報収集をされたことはありますか。また、その際、質問内容について依頼などを受けたことはありますか。

野田国務大臣 この質問に先立ちまして、基礎的な知識を得るために、日本アムウェイの方を紹介いただきました。そして訪問販売法また連鎖販売取引についての知識を勉強させていただきました。

 質問の依頼はありません。

葉梨委員 それでは、次の質問に移ります。

 このときに、政府から、業界の健全な発展を支援するという答弁は実際のところ得られなかったんです。そうじゃないですかというふうに当時の野田商工委員が言って、結局そういうところの答弁は得られなかった。

 では、その結果として、思ったとおりの答弁が引き出せなかったわけでございますけれども、平成八年の訪問販売法の改正案、規制強化になります、これについて、当時の野田委員は、自分の信念から賛成されましたか、反対されましたか。

野田国務大臣 賛成しました。

葉梨委員 さて、上記の、今の質問を行ってから六年後、平成十四年から平成二十年にかけて、いわゆるマルチ業者、連鎖販売取引業者である日本アムウェイからパーティー券を購入してもらっているという報道があります。幾ら購入していただいているかということと、それから、この間の日本アムウェイの会社関係者からの接触、どのような接触がありましたか。

野田国務大臣 日本アムウェイからは、平成十四年に三枚、平成十五年に三枚、飛んで平成二十年に二枚パーティー券を購入していただいており、合計十六万円でございます。

 また、パーティー券は買っていただいていない年ですけれども、平成十七年には、アムウェイの会長が日本にいらした折、表敬訪問に来ていただいております。仕事の話はしておりません。

葉梨委員 それでは、アムウェイ以外の関係についてお聞きをいたします。

 平成七年に、連鎖販売取引業者である、ある会社の創立一周年の記念パーティーに出席されたことが報道をされています。このパーティーに出席をするときに、これがいわゆるマルチ業者であるというような認識はありましたか。また、パーティーでは、商品や商法に関するあいさつをされましたか。さらに、他のマルチ業者のパーティーに出られたことはありますか。

野田国務大臣 認識はありませんでした。話の内容は、青少年に関する話で、仕事の話とか商品の話ではありませんでした。

 ほかのいわゆるマルチと言われるところのパーティーには出ておりません。

葉梨委員 最後にお聞きしましょう。

 マルチ商法や健康食品などに関する議員連盟、これには所属をされておりますか。

野田国務大臣 所属しておりません。

葉梨委員 まず身内ということで、今、野田大臣からお話をお伺いいたしました。また機会があればお話を伺うこともあるかもわかりません。

 ただ、今のお話を国民の皆さんも聞いていていただいておわかりになられたと思いますけれども、まず金銭との関係で申し上げますと、質問をしてから、十六万という、それほど大した金額じゃないですけれども、パーティー券を買っていただくという間に六年が経過しています。これは、六年というのはどれぐらいの期間かといいますと、物騒な話で申し上げますと、単純収賄罪の時効というのは五年なんです。

 それから、もう一つは、質問をしたときに……(発言する者あり)いや、賢いなって、民主党の方も大変賢いんですね。まあ、それはいいや。質問をしたときに、結局、だけれども、政府に対して、答弁は、余り満足のいく答弁というのは必ずしも得られなかったわけですけれども、それでも、そういうことを当時は前提として、やはりこのマルチの業界に対してしっかり規制を強化しましょうということでの法案に賛成をされているわけです。(発言する者あり)問題ないですね。これもこの間も言ったけれども、何でここら辺でやじが出るんだかね。私、身内のことでこれを調べているんだけれども。民主党の方々は、これからちゃんと自分たちのことを調べてくださいよ、それは。

 いいですか、十六万円のパーティー券を購入されていますけれども、あなた方、今やじられた、民主党議員に流れましたのは四千万円以上ですよ。ちゃんとそこら辺、そこら辺で言うんだったら調べてくださいよ。そして、報道もありますけれども、この質問についても、個々に業者とすり合わせをして報道されたというふうに報道されているじゃないですか。同じように今、野田大臣に対して言ったような質問を、参考人として民主党の議員の皆さんに私から質問させてくださいよ。

 しかも、その議員連盟を結成して、業界の講演会で商法を推奨している。今の野田さんの話にありましたけれども、講演会に出て、商法だとか商品を、そんなのを推奨したことなんてないですよ、野田さん。

 このようなマルチの疑惑につきましては、先般、十二月の十七日でございますけれども、私ども自民党としても調査を行って、中間報告を行いました。実は、現在いろいろな情報が私どものプロジェクトチームにも集まっております。これを今精査しておる最中でございます。ですから、ここの場ではこれぐらいにというふうにさせていただきたいと思いますが、平沢勝栄座長の言によれば、刑事告発も含めて我々は調査を進めております。

 ただ、ここのところは、先ほどもお話を申し上げましたが、本来だったら、民主党こそがみずから調査を行って、その結果を私は明らかにすべきであるというふうに思います。

 そこで、民主党ですと、先ほど議連の話も申し上げましたけれども、議連をつくる、献金を受ける、国会質問をする、この三点がそろってくると、なかなかこれは、よく族議員、族議員という批判を民主党の方から受けるんですけれども、政治と特定業界との結びつきという疑念もやはり出てくるわけです。

 それぞれ議連をつくったり、あるいは献金を受けたり、国会質問をする、これ自体は、私は、正当な政治活動ですから、個別には積極的に進められるべきだと思います。ただ、これがマルチで結びついてきますと、やはりいろいろな問題点を指摘されざるを得ないだろうというようなところがあります。

 さらには、この国会質問の内容ですけれども、今、民主党さんは参議院で多数持っているわけです。参議院の院は民主党の多数で強行採決でも何でもできるというわけですから、余りバランス感覚に欠けるような主張を国会でされるというのも、ちょっといかがなものかなというような感じもいたします。

 これは、ある週刊誌、平成二十年の十一月二十七日号に出た記事をもとにちょっと調べてみたんですが、そのときに出てきた議員というのは、質問をした議員というのは、D議員とそれからB議員、E議員の名前が出ているんですが、実は、C議員、民主党を離党したC議員もこの議員連盟の中身でいいますと、パチンコの上場に関する質問、それから穴あき、いわゆる教材に関する質問で業界寄りと言われるような質問をされております。

 そして、それぞれの議員連盟の役員というものの重複を見てみたんです。(発言する者あり)名前は、だから、民主党から出してもらったらいいと思います、私は。A議員、B議員、C議員、D議員で、このような形でそれぞれ名前がダブっております。

 ですから、こういった形での国会質問ということについて、時間の関係もございますので二問ほど、どのような位置づけになる国会質問かということで御答弁をいただきたいと思います。

 一つ、国交大臣に伺います。

 まず、民主党、昨年の通常国会です。合併処理浄化槽を整備していれば原則下水道につながなくてもよいという趣旨の下水道法の改正案を提出しました。実は、合併処理浄化槽というのはすごくよくなっているんです、性能は。よくなっているし、私も、メンテナンスとかしっかりしていれば場合によってはこれは接続しなくてもいい場合もあるんだろうと思うんですけれども、ただ、環境保全とかいうことを考えると、原則接続免除にするという決めつけは、ちょっとかなり私は乱暴な話じゃないかと思うんです。

 国交大臣には、この合併処理浄化槽、これが整備された家であれば、やはりそれは原則として特に何の許可も要らないし、何もないから接続免除していいんだというふうなお考えなのかどうか、それはちょっといろいろな検討が必要じゃないか、どちらか、ちょっとそこら辺、事実関係をお願いしたいと思います。

金子国務大臣 原則接続することでありますが、しかし、今御指摘のとおり、性能も非常によくなっております。一定の基準、水質、それからそれが流れていく先の放流先、こういったところの基準が満たされれば接続をしなくてもいいということをむしろ検討していった方がいいんだろうということで、これは政府・与党でもそういう方向で検討を進めさせていただく方向であります。

葉梨委員 多面的な検討が必要ということでして、物事はやはりいろいろな面から検討していかなきゃいけません。その上で、いろいろな業界の言い分、それぞれ何分かやはり理はあるんです。ただ、それにばかり偏ってというのはちょっとバランス感覚に欠けているところもあるかな、いろいろな人の意見をやはり私は政策をつくるに当たっては聞いていくべきだというふうに思います。

 そして、これは週刊誌でも報道されておりますけれども、具体的に次の問いも、今度は公安委員長にいたしますが、これらの業界から先ほどの議員、私は名前は申し上げませんけれども、実際献金は受けている部分がございます。そこら辺のところはこちらでもある程度調査はしておりますけれども、それは民主党さんにまた明らかにしていただければいいんじゃないかなというふうに思っています。

 次に、民主党のE議員なんです、先ほどの表にも出ておりましたが。これが、遊技機の施行規則を改正したおかげでパチンコ店がつぶれる結果となったことは、かつて、射幸性というか、たくさん玉が出るパチンコの機械、これを容認していた行政の不作為の問題だ、だからこれは国家賠償の要件に該当すると。

 平成十六年の遊技機の型式検定に関する規則の改正で、確かにパチンコ店は今不況にあえいでいます。相当厳しい改正であったことも事実ですし、私もいろいろな相談を受けているんです。ただ、国家賠償というのは、これはちょっと相当物騒な話だと思いますね。

 平成十六年の規則改正によってパチンコ店がつぶれるということ、これはあったかもわかりません。ただ、これを国家賠償法による国家賠償の対象とすべきかどうか、国家公安委員長から御見解を伺います。

佐藤国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。

 パチンコの営業につきましては、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持するなどの観点から、風営法に基づきまして必要な規制が行われてきたところでございます。

 しかしながら、平成十四年、十五年のころに、短時間に極めて大量のメダルを獲得できる回胴式遊技機が出回るなど、その健全化を阻害する要因があらわれてまいりました。

 国家公安委員会においては、こうした問題に的確に対処するために、所要の手続を経て、翌平成十六年の一月には遊技の射幸性の抑制等を内容とする風営法施行規制等の改正を行いまして、そうした遊技機器がパチンコ店に設置されることがないよう、必要な措置を講じたところでございます。

 したがいまして、国家公安委員会及び警察庁においてでありますが、国家賠償法上、違法性が認められているような不作為はなかったものと考えております。

 なお、規則改正におきましては、事前に業界団体に改正案を説明して意見を聴取するとともに、パブリックコメントの手続を実施し、さらに施行に当たっては業界関係者に対する激変緩和にも十分配慮いたしまして、施行日からおおむね三年間の経過措置期間を設けるなどして、その影響にも十分配慮させていただきました。

葉梨委員 ちなみに、E議員の質問は、平成十九年の六月でございます。

 昨年十月の当予算委員会で、私は、民主党関係とそれから労働組合、それとの関係について質疑をさせていただきました。

 民主党の方々は、我々の自民党政治のことを政官業の癒着、あるいは族議員に支配されているというふうに主張しておりますが、そんな事実はございませんし、我々は、そう主張されても、やじることなく霞が関改革を徹底的に進めているところでございます。(発言する者あり)時々やじっていますね。ごめんなさいね、時々やじっているね。

 まあ、それはそれでいいですけれども、民主党のこの疑惑について私が調べるのも、そんな私も個人的に得意じゃないものですから、余りこういうところでこれ以上やろうとは思いません。まあ必要があればやりますけれども。

 民主党が、ただ、こんなような形で自民党を非難されている以上、やはり自分たちと労働組合との関係だとか、自分たちと特定業界との関係というのをやはり私はみずから明らかにしていただくことが、選挙前にしっかり明らかにしていただくことが、公党としての、あるいは政権を担おうとする党としての責任じゃないかなというふうに考えます。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 自民党からの質問者で修正案の提案者に一問しかないものですから、ただ短くしてください、あと十分しか時間がございません。

 社民党さんは定額減税、これは基本的には、先ほど石原伸晃委員のお話にもございましたけれども、私は賛成だったかなというふうに思っているんですが、基本的に賛成か反対か、結論のみお答えいただきたいと思います、給付金に反対の理由は私は見て知っていますから。どうぞ。

阿部(知)委員 御質問ありがとうございます。

 勤労者の賃金が上がらない中、二〇〇七年の四月に定率減税が廃止されました。社民党といたしましては、やはり毎月毎月の可分所得がふえ、そして明確な減税というメッセージのある定額減税に賛成で、なお、税を納めておられない方、いわゆる非課税世帯は、消費税の食料品の払い戻しと組み合わせるべきと考えます。

 重大な事項ですので、時間をかけ、しっかりと審議し、国民の信頼にこたえていただきたいと私は思います。

葉梨委員 ありがとうございました。

 ここら辺のところが石原委員ともちょっとダブりますけれども、石原委員も先ほど言われておりましたが、コマーシャルでいろいろと話をすると、何か気持ちがよくわかっていただけるんじゃないかなということでございますが、定額減税というのはそもそも、ここにもありますとおり、これはいろいろな方からもお話がありました、高所得者も低所得者も一定額なんです。ですから、もう既にここにおいては、定率減税と比べて、今お話があった、低所得層に有利であるという装置が完全に組み込まれているわけです。これにプラスして、非課税者に対してもやはり一定の給付を行っていこう。

 今、社民党さんは、三兆円の定額減税というのを提案されているというふうに私は伺っておりますけれども、この定額減税だったら、大体多くの国民は、社民党さんも含めて賛成されるだろう。では、定額減税で行き渡らない非納税者に対して、税金を納めていない方に対しての給付というのも、これもいいだろう。それで、高所得者に対して薄く、低所得者に対して厚いという装置もこの中に組み込まれている。ところが、その制度を足した途端に反対になる。

 これは非常によくわからないところなんですけれども、その反対の理由として、一つは、これは総理にお答えをいただくことになりますが、やはり、消費税を上げる上げると言っているから、その先取りになっちゃうので、そんなものはだめなんだみたいな話が、実は社民党さんのペーパーにもあるんです。

 ただ、私自身は、この定額給付金を支払うというのと、それから消費税の議論も含めて財政再建の努力を行うというのは全然別の問題だというふうに思います。

 では、定額給付金というのは一時の給付金ですね、二兆円です。消費税を一%上げて二・五兆円です。二兆円を定額給付金で渡しますから、消費税を恒久的に上げさせてくださいなんというのはどこの政党だって言わないです。

 ただし、ここにもあるとおり、国債の格付というのは日本はまだ低いんですよね。外国人の持ち分というのは八%ぐらいしかありませんけれども、わざわざ、財政再建の旗をおろしました、将来そういう抜本的な改革もいたしませんよなんということをしたら、せっかく二〇〇六年の方針なんかでぐっぐっぐっぐっ上がってきた国債の格付が落ちちゃう。そうしますと、日本の国債は安くしか売れない。最終的には、子孫に対してツケを回してしまう。安くしか売れなきゃ、高く後で返すしかないですから。そういうことじゃないかなという気がいたします。

 そこで、総理から御答弁願いたいというふうに思いますけれども、定額給付金制度、これはあろうがなかろうが、やはり我々は財政再建の旗をおろしちゃいかぬのだというふうに思いますけれども、総理の御所見を伺います。

麻生内閣総理大臣 今は、よく百年に一度と言われるような状況にありますのは御存じのとおり。したがって、これは景気回復というのをとにかくということで、全治三年と申し上げて、短期は大胆に景気対策をやります。しかし、だからといって、その後どういうようなことになるかという心配は、今先生言われたとおりの配慮をしておく必要が責任政党としてはあるであろう、私自身はそう思っています。

 したがって、日本の場合は、巨額のいわゆる債務残高、国債の残高を抱えておりますので、こういう厳しい状況に置かれている中にあっては、経済、社会保障に長い目で悪い影響を与えないためには、財政再建は当然の課題、したがって、中期は責任と申し上げておる背景です。

 したがって、財政規律という観点から、少なくとも現行の努力目標のもとで、景気回復を最優先としつつ、財政再建、財政健全化という取り組みを進めて、責任ある財政の確立を図っていく責任はあるであろう、私はそう思っております。

葉梨委員 まさにそうだと思いますし、後の影響を考えますと、確かに、今は日本国民が日本の国債を多く買っていただいている状況だから、余りそういうような心配というのは現実のものになっていないんですけれども、この表を見ていただいたらわかるけれども、ムーディーズの格付だったら、二〇〇二年の五月三十一日は欄外だったんですね。これは、EUの諸国なんかで比較をしますと、やはり格付の低い国の国債というのは金利が高い、すなわち安いということになりますから、後々の借金払いがふえてくる。

 ですから、政府の市場に対するメッセージとして、財政再建の旗はおろしませんよ、これはしっかりやっていきますよ、税制改革も含めてやっていきますよということを言っていかないと、むざむざ安く国債を買ってもいいですよみたいな話になっちゃったら、これは私はいかがなものかなというような感じを持っております。

 したがって、ここで申し上げたいのは、定額給付金とそれから税制改革あるいは財政再建の議論とはバーターじゃないということ、それはそれでそれぞれ必要だということを強く訴えさせていただきたいと思います。

 最後でございますけれども、先ほど野田大臣には、個人的なマルチ業界等との関係があるのかないのかということについてお聞きをいたしました。ただ、まずこれは行政的な話としてやはり最後に聞いておかなければいけません。

 政治家と特定業者、これの結びつきがあろうがなかろうが、やはり、どこかの党であるかないか知りませんけれども、マルチ商法の被害者の根絶というのは、これは極めて大きな課題だろうと思います。今のお取り組みについてやはり伺いたいと思います。

 そして、根源的問題としては、やはり消費者行政の一元化、これが必要です。いやしくも、特定業界との結びつきがあるとか、あるいは、そういうことが国会で審議されるのが嫌だとかというようなもしも理由があったとして、消費者庁設置がおくれるかのような印象を国民に与えてはならないと思います。

 消費者行政の早期一元化の必要性について伺います。

野田国務大臣 先ほども申し上げたとおり、いわゆるマルチ商法、最近では取り扱う商品とかサービスが多様化していますし、道具に至っては、インターネットであったり携帯電話によって新たな勧誘方法というのがどんどん悪質、悪徳業者によって生み出されているわけであります。

 ここ数年、年間二万件以上の苦情相談が寄せられて、増加傾向であるという厳しい事実があります。

 このことを受けまして、昨年に国民生活局では調査チームを設置し、国民生活センターに寄せられたさまざまな苦情を分析しております。そして、特に最近被害が頻発しているのが若い世代です。ということで、早速には若い世代の皆さんへの啓発用のリーフレットを作成し、これから各高校にお配りさせていただく準備をさせていただいています。

 いずれにしましても、まずは情報を共有して一元化で消費者行政についてしっかり取り組むこと、そして、先ほども小池議員の御質問に総理がまさに御答弁されましたように、これまではやはり産業振興のための行政のコンセプトを、大きく国民本位の行政のコンセプトに大転換することによってなし遂げていきたいと思います。これは、環境庁が、当時大きな企業の公害に悩まされた個人個人を救うためにできた、三十八年ぶりの大きな改革だととらえています。

 ぜひとも、法律案は提出されております。そして、この通常国会では特別委員会が設置されました。一日も早く御審議をいただきまして、年度内にはスタートさせたい、そういう思いでありますので、よろしくお願いいたします。

葉梨委員 本日の質疑では、政策をつくるに当たって、やはりバランス感覚が必要であるということを申し上げました。そして、財政再建等、結果に対する責任感が必要であるというふうなことも申し上げました。

 マックス・ウェーバー「職業としての政治」、政治家の三条件、求められる条件というのは、バランス感覚と結果に対する責任、そして最後は情熱でございます。総理そして麻生内閣には、この情熱を持って現下の経済危機に対処をしていただきたいということをお訴え申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 これにて石原伸晃君、小池百合子君、後藤茂之君、葉梨康弘君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

衛藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。北側一雄君。

北側委員 公明党の衆議院議員の北側一雄でございます。

 総理初め閣僚の皆さん、大変御苦労さまでございます。時間が限られておりますので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。

 この半年近くの間、本当に厳しい経済情勢が続いているんですが、その経済情勢の厳しさの中身というのが少し違う、変化してきているというふうに思います。(パネルを示す)

 総理はもう八月には自民党の幹事長に御就任になっておられましたけれども、福田内閣のもとでございますが、安心実現のための緊急総合対策、こういうのを八月二十九日に経済対策を発表したわけですね。このときには、一番の課題は何だったかといいますと、これはその上に書いてございますけれども、原油また食料価格の高騰、要するに物価の高騰が、これは産業だけではなくて消費者まで大きな影響を与えて、消費者物価も非常に高騰する、こういう情勢の中での経済対策でございました。

 ところが、その後、九月の二十四日、麻生内閣が発足するわけですが、その麻生内閣が発足する直前にリーマン・ブラザーズの破綻という、よく言われておりますリーマン・ショックが九月の十五日でございました。そこから日本の株価また為替相場、急速な株安、そして急速な円高というふうな金融不安になるわけですね。これは日本だけじゃもちろんございません。世界同時の金融システムの不安が一挙に広がる、これが総理が麻生内閣を発足された当時の経済情勢。ですから、物価高の問題から今度は金融不安という問題が出てくるわけでございます。

 そして、このような世界的な金融不安、また景気後退の懸念ということを受けて、十月十六日、これは麻生内閣のもとで平成二十年度第一次補正予算が成立後、十月の三十日に生活対策、二度目の経済対策を実施されたわけでございます。この生活対策の中には、国際的な金融危機への対応、これが非常に重要視されております。

 さらにその後、国際的な金融危機の問題だけではなくて、これは予想されたわけでございますけれども、日本の輸出産業を中心として、生産の縮小、さらには雇用調整、こうした急速な、実体経済に与えた影響が出てくるわけですね。これが十一月、十二月だったと思うんです。それを受けて、三弾目の経済対策が十二月十九日の生活防衛のための緊急対策であったと思います。

 現在、第二次の補正予算案が審議されていますが、この補正予算案の中身というのは、まさしくこの十月三十日の生活対策の中に盛り込まれたものが入っているわけです。そして平成二十一年度当初予算、もう近々提出されると思いますが、平成二十一年度の当初予算では、この生活対策と十二月十九日に決めました生活防衛のための緊急対策がともに入った予算になっているというふうに認識をしております。

 こういう三段階、この半年で経済情勢の局面が三段階にわたって変化してきている。それを受けてそれぞれ経済対策が打ち出されているということであるということをまず前提として私はお話をさせてもらいたいと思います。

 その上で、この経済対策の中身でございますけれども、テレビをごらんの方にはちょっと小さな字で大変恐縮でございますが、十月十六日に既に成立した一次補正予算、これは現在執行中です。そして、現在この予算委員会で審議されていますのが二次補正予算。そして、近々提出されますのが二十一年度からの新年度予算、税制改正法案ということでございます。

 例えば、一次補正予算では、これは網羅しておりません、網羅しておりませんけれども、生活者支援としては、高齢者の医療費の負担軽減策を入れているわけですね。中小企業支援では、後でまたお話ししますが、中小企業への金融の円滑化に向けての緊急保証、さらには、地域の活性化として、学校の耐震化を初めとする防災対策、災害復旧対策、こういうのを含めて十一兆五千億円が、現在、経済対策で実施をされております。

 そして、この予算委員会で審議をされていますのはこの真ん中の中身でございまして、そこには、生活者支援としては、定額給付金の実施の問題、そして自治体による雇用機会創出として四千億円の基金をつくろうとか、妊婦健診の無料化、これは八百億円入れております。さらには、雇用問題で、離職者の方々に対する住宅・生活支援対策も入っている。中小企業支援では、さらに、これは総理の御指示で緊急保証枠、またセーフティーネットの貸付枠を三十兆円に拡大する、このような対策も入っています。あと貸し手側の金融機関への資本注入枠として、今まで二兆だったんですが、これを十兆円追加して十二兆。さらに地方の活性化として、地域活性化交付金六千億円、きょうも午前中話題になっておりましたが、非常に使い勝手のいいお金が地方に行きます。高速道路料金の大幅引き下げ、これもやります。これで生活対策は二十七兆円でございます。これが二次補正予算で現在審議をされているわけでございます。

 そして、来年度予算、まだ言うのはちょっと早いんですが、近々提出されます来年度予算には、さまざまな雇用対策、出産育児一時金の増額、そして住宅減税、過去最大の住宅ローン減税を実施します。住宅投資減税もやります。自動車に係る税金については、環境対応車についても思い切った減税をやっていく。さらには、省エネ設備等の投資促進減税、中小企業の皆さんには税率の引き下げをやっていく。また、地方の活性化については、雇用創出等のための交付税を一兆円増額する、また地域活力基盤創造交付金、これは道路特定財源の一般財源化の論議の中で九千四百億円を地方で使っていただく。このような三十七兆円。

 これら三つを一体として経済対策としてやっていくんだということで、今まさしく二次補正予算、この真ん中のところが議論をされているわけでございます。やはりできるだけ早期の成立を、現下の経済情勢にかんがみるならば、これを早く執行できるようにさせていただく必要があると思っているところでございます。

 総理、今いろいろお話しさせてもらいましたが、このような経済情勢の変化、私は三段階にわたって局面が変化しているというふうに申し上げましたが、こうした経済情勢の変化と対応、また現下の景気認識について総理の御認識をちょうだいしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 分析として正しいと思います。加えてわかりやすい、これも大きいと思います。

 なかなか経済問題というのは、額も大きくて何とか兆円という話になりますので、何となく実感が伴わないところが多いんですが、今のように総額七十五兆円の中身をきちんと書いていただくと、テレビを見ていただいている方にも大変わかりやすかったのではないかと思って伺っておりました。

 今後の問題として、多分、アメリカ初めその他のヨーロッパ諸国における状況、また日本としては、輸出の大きな相手先でありました中国、その中国も、アメリカに輸出をしておる国においては一番大きな国でありましたので、その輸出先のアメリカの景気が悪くなること、イコール、中国も悪くなる、そこに輸出しております日本の輸出産業、またそれに関連する企業は軒並み悪くなることを我々は覚悟しておかねばならぬと思っておりますので、今打ちました対策というのがどの程度効果を上げるかというのは、まだ未知数であります。

 しかし、いずれも、この予算を早目に対応するということが極めて大事なところだ、私自身は、早目に対応するのが一番の経済対策、景気対策になるんだ、そう思っております。

 さらに、どうなっていくかということにつきましては、今申し上げたような、これまで日本のこの数年間の輸出の伸びは内需より外需に頼っているところが極めて大きかったというのは御存じのとおりですので、その外需先が厳しくなってくるということは、日本としては、それにかわる内需喚起というもののためにこの景気対策ということにいたしておりますが、それで十分かどうかというものにつきましてはまだまだ未知数なところが多々あろうと思いますので、我々としては、柔軟な頭を持ってこの種の情勢というものを冷静に見ておく必要がある、私自身はそう思っております。

北側委員 それで、各論に入っていきたいと思いますが、今、目下の大きな課題は、一つは雇用の問題です。これは、きょう私の後に同僚の福島議員の方から質疑をさせていただきたいと思っておりますが、私がまず取り上げたいのは中小企業の問題です。

 まず、二階大臣に御礼を申し上げたいと思います。昨年末も、本当に年末まで二階大臣が陣頭指揮をとっていただきまして、中小企業庁の方、また全国の信用保証協会の皆さん等々、中小企業の金融支援のために頑張っていただいたこと、まず御礼を申し上げたいと思います。

 きょうも午前中質疑がなされておりますので詳細は省かせていただきますが、十月三十一日から緊急保証制度、そしてセーフティーネット貸し付けを実施しまして、二カ月余りたちまして、そして、緊急保証の方は既にこの二カ月で四兆円を超える保証実績がある。十七万件を超える保証がなされた。十七万件というのは、十七万社の中小企業、中小事業者の方々が新たな信用保証、一〇〇%保証の保証を受けて融資を受けられたということでございまして、これは本当に多くの事業者の方々の年末の資金繰りに貢献できたことは間違いないわけでございます。

 特に、中小企業というのは雇用の受け皿なんですね。中小企業は日本の雇用の七割の受け皿になっているわけです。中小企業の皆さんがしっかりと事業を継続ができるということは、これはまさしく雇用を守る、雇用を維持するということにつながるわけでございまして、十七万社といいますと、仮に一社十人だとしても百七十万人、これは大変な雇用の維持に貢献したことにつながっているというふうに私は思います。

 そういう意味で、私は大いに評価をさせていただきたいと思いますが、ただ、一方でまた、現場を年末年始走っていますといろいろなお声があるんですね。例えば、赤字だからということでなかなか保証してもらえなかったということだとか、それから、保証協会の方は保証すると言っているのに、肝心の金融機関の方がだめだというふうに言われただとか、さらには、役所の方の認定はもらった、要件がありますよという認定はもらったんだけれども、実際この融資の実行までに一カ月以上かかってしまって、時間がかかり過ぎますというようなお声とか、いろいろなお声もちょうだいしております。

 これから年度末に向けまして、中小企業の皆さんはまだまだこの金融問題というのは大変な状況が続くわけでございまして、これまでの総括も含め、そして今後、年度末に向けて、きょうは多くの中小企業事業者の皆さんがお聞きになられていると思いますので、二階大臣、この金融の円滑化に向けて今後どのように取り組んでまいるのか、お答えいただきたいと思います。

二階国務大臣 今、北側議員からお尋ねのような年末の融資の件でございますが、仰せのとおり関係者が随分頑張って努力をされた。しかし、それでも、今議員御指摘のように、個々のケースになりますといろいろな問題が残っておることは事実でございます。

 我々は、それを一々どう対応していくかということを目下検討しておるところでございますが、いずれにしましても、向かい合って物事を判断するだけの金融機関やあるいは保証協会のそういう態度ではなくて、やはり年末、資金繰りに苦労しておられる中小企業の皆さんに、同じ目線で問題意識を共有しながらどう対応していくかということが最も大事なことで、私はそのことを関係者にお願いしてまいりました。随分御協力をいただいたというふうに評価はしておりますが、これからはさらに一層頑張って、今議員御指摘のようなことについて対応していきたいと思っています。

 国会の中の廊下を歩いておっても、もっと保証枠を広げるべきではないかとか、金利の問題についても御意見がございます。一〇〇%を保証しているにかかわらず金利はいつもとほとんど変わりないのではないか、一〇〇%を国が保証しているという以上は金融機関もそれに呼応して何らかの対応をすべきではないかという御意見でございますが、私どもも中川金融担当大臣とともに、金融機関の皆さんにお集まりを願って、そういうことに対してのお願いもしてございます。

 これからだんだん、実態がどうなっているかということをよく調査したいと思いますが、先ほどお尋ねの件の結論は、これからの予算におきまして、保証枠等、合わせて三十兆円の規模での対策を講じようといたしておりますので、その点につきまして、これは与党、野党いろいろ御意見があることは私も十分承知をしておりますが、事中小企業の金融の問題でありますから、一日も早く皆さんの御審議をいただいて予算を通していただく、国会を通していただく。目下の金融対策あるいは雇用対策、つまり今日の経済対策に対して最も効き目のあることは、一日も早く国会で予算を通していただくことだと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

北側委員 それで、現場の中小企業の皆さん、また事業者の皆さんからやはり一番よく聞く声は、既存債務、新たな貸し付けではなくて、今まで既にもう相当借金している、これを、既存債務について借りかえができないのか、また信用保証協会を使った借りかえ保証制度が使えないのか、これをもっと実施してもらいたいと。借金をふやすのではなくて、まあよく言われているリスケですね、返済期日を延ばす、毎月の支払いを減らす、また金利を低くする等々のリスケ、返済条件の緩和をしてもらいたい、こういう声が大変強いんですね。

 今、この緊急保証制度をこれからもやっていくわけですが、この信用保証協会の保証制度を活用した借りかえをぜひ積極的にやっていただく必要がある。また、柔軟な対応、実施をお願いしたいと思うわけでございまして、これは以前にも申し上げまして、実を言うと、生活対策の中にも書いてあるんですね。書いてあって、その後、中川大臣も二階大臣も対応していただいていますが、現場ではまだまだ、それが実効性があるかというと、そこまでいっていないというのが多分現況だと思うんです。

 そういう意味で、ぜひとも、この借りかえ保証というものを通じた既存債務の返済条件を変更していく、こういうことをぜひ対応実施をお願いしたいと思いますが、これは中川大臣、二階大臣からお答えいただければと思います。

二階国務大臣 お答えいたします。

 当然、中小・小規模事業者の資金繰りを円滑に進めていく上においては、新規の融資だけではなくて、御指摘のように、既往債務の借りかえや条件変更を通じて返済負担を軽減するということが極めて重要なことだと認識しております。

 これまでも、信用保証協会や金融機関に対して、借りかえを含め既往債務への柔軟な対応を繰り返し要請してまいりました。昨年十一月には、条件緩和を容易にするために金融検査マニュアルの改定が行われたところであり、金融機関や信用保証協会はもとより、中小・小規模企業への広報、宣伝を積極的に進めて、こうした措置を御活用いただくように図っております。

 なお、特に、お尋ねの借りかえ保証制度は、保証つき借りかえ金の借りかえや一本化を促進し、月々の返済額を軽減するために平成十五年に導入されたわけでありますが、この制度を活用し、今般の緊急保証も、この借りかえ保証制度を対象とし、借りかえ需要に対応してきております。

 これまで、緊急保証制度の利用実績は、先ほどお話のありましたとおり、確かに四兆円を超えておりますが、その三割程度がこの借りかえ保証制度を活用したものとなっております。したがって、公庫の貸し付け等についても、昨年十一月に八百十億円程度の条件変更を行うなど、既往債務への柔軟な対応を進めております。

 さらに、第二次補正により、セーフティーネット貸し付けを使った借りかえを円滑化することにいたしたいと考えております。

 引き続き、御指摘のとおり、借りかえの促進を含め、中小・小規模企業の皆さんの資金繰りの支援を真剣に取り組んでいきたいと思っております。

中川国務大臣 今、北側委員が冒頭御指摘になったように、世界が百年に一度とも言われる金融経済の危機にある、日本も経済あるいは暮らしが悪化しているという状況でございます。

 政府といたしましては、今、二階経済産業大臣が申し上げたとおりでございますけれども、一般論としては、そういう状況の中でありますから、あることは絶対にしないというようなことは、我々はそういう考えはとらない。麻生総理がもう既に七十五兆円規模の緊急対策をとっているように、今後も、何かが起こらないように、悪くならないようにするためには、あらゆる手段をとるという可能性があるという決意だけははっきりと申し上げさせていただきたいと思っております。

北側委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、定額給付金の問題について質問させてもらいたいと思います。

 きょうも午前中、石原委員の方から質疑がございましたけれども、この定額給付金は当初、定額減税から始まったんですね。先ほど、八月二十九日の一回目の経済対策ですね、この中には定額減税をやっていこうというふうに明記をしたんです。総理も、この定額減税を決めるとき、夜中の十二時過ぎて、当時、幹事長でいらっしゃいましたけれども、私もおりましたが、政調会長、税調会長なんかも入って夜中に決めたことを覚えていらっしゃるかと思いますが、あれは八月の二十八日の夜でございます。定額減税というふうに八月二十九日には決めたわけですね。

 その定額減税構想の当初から、この定額減税には二つの目的があると。当初から二つの目的があると言われておったんです。一つは、景気が後退する中で、生活者の皆さんの生活を支援していこう、これが一つ。もう一つは、個人消費を喚起して景気を下支えしていこう、この二つの目的が当初からありました。

 これが、二回目の経済対策、十月三十日の生活対策のときには、定額減税から定額給付金に変わったんですね。

 なぜ変わったか。きょうも午前中議論がありましたけれども、定額減税の問題点というのは、この表でいいますと、非課税の方々ですね。減税ですから当然なんですが、非課税の世帯の方々には減税の効果は及びません。もちろん臨時福祉給付金をやろうと言っておりますが、それは一部限られた方々だけですので、この非課税の方々にも減税の恩恵を、影響をきちんと与えていく必要がある、これが一つですね。

 もう一つは、所得税と住民税の減税時期が違うんですね。時期がずれてしまいます。減税効果は、やはり一括でやった方が効果が高い、経済効果が高い。こういうことから、ばらばら減税効果が生じるよりも一回で出た方がいいね、こういう議論もありました。そういう即効性の問題。

 そういう二つの理由から定額減税から定額給付金に変わったというふうに私は理解をしておるんですが、もう一つ、実を言うと、この与党の中の議論の中で、当時、給付つき税額控除の議論もしておりました。

 給付つき税額控除というのは、この表でいいますと、世界各国の先進国なんかで、内容は違うんですが、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、カナダ、韓国、韓国はこれからのようでございますが、もう既に実施をされているんですけれども、こういう定額減税といいますか税額控除、ここに「(税額控除)」と書いていますが、定額減税というのは、ある意味税額控除なんですね。税額控除をした場合に、この税額控除の効果が及ばない方々には給付をしましょう、これが給付つき税額控除なんです。

 もちろん、いろいろな趣旨があるんですよ。いろいろな趣旨が各国ではあるんですが、税額控除をした場合に、その効果が及ばない世帯の方々に給付していきましょう、これが給付つき税額控除でございまして、定額給付金というのは、ある意味、この給付つき税額控除を先取りした形になっているのではないかと私は思うんです。

 この定額減税のところを、これはおもしろいんですけれども、各国の中を少し調べてみました。イギリスは給付つき税額控除をやっているんですが、この定額減税のところを、やはり同じ理屈なんです、一気にやった方がいい、手続を簡易にした方がいいということで、結局、税額控除じゃなくて、すべて給付でやるという形で、イギリスは給付つき税額控除をやっているんです。それもある意味、今回の定額給付金と全く同じなんですね。

 そういう意味で、その先取りを今しようとしているんだという位置づけもできるわけでして、そうした議論も当時なされておったわけでございます。現に、ですから、与党の税制改正大綱や、また先般決めました中期プログラムの中にも、この給付つき税額控除の将来の検討をきちんと明記してあるんですね。ということでございます。

 定額減税から定額給付金に変わっていった理由、また、この給付つき税額控除制度との関係について今私の方から述べさせていただきましたが、与謝野大臣、そういう理解でよろしいでしょうか。

与謝野国務大臣 北側議員のおっしゃるとおりでございまして、もともとは、やはり石油や諸物価高騰の中で生活支援を必要とする方がおられるだろうというので、定額減税という話で始まったわけでございます。

 しかしながら、これを検討してまいりますと、税金を負担されていない、課税最低限以下の方に一切この定額減税の恩恵が行かないのではないかという問題。それから、税金を払っているけれども定額減税の総額に及ばない方には効果が及ばない、そういう問題がある。(北側委員「この斜めの線」と呼ぶ)そうですね。そこで、やはりそういう方々には給付という形にならざるを得ない。ならば、定額減税プラス給付という形じゃなくて一律給付にしよう、こういうことになりました。

 これは各国ともやっている制度に近いものでございまして、なぜ所得制限を設けなかったかというのは、もともと、所得制限を設けるという考え方もありましたが、実務上無理であるということで、一律定額給付という形にしました。

 これは、制度として、先生が御指摘のように、給付つき税額控除と共通点が非常に多い制度でございまして、何ら変わりはないんだろうと私は思っております。

北側委員 そこで、総理、現時点での定額給付金の意義について、私は二点強調させていただきたいと思っているんです。

 一つは、今までるるお話ししましたが、定額給付金というのは、定額減税あるいは給付つき税額控除、こうした理念に基づくものです。基本は減税なんですよ。基本は減税。定額給付金と言っていますが、基本は減税の考え方なんです。その意味で、私、今から思いますと、定額給付金と言うのではなくて定額還付金と言った方がよかったかなと思っているんです。給付金じゃない、還付だと。減税という考え方が基本ですから、税金を国民に戻すということなんです。それと、今述べたように、減税と給付がセットになった給付つき税額控除を先取りしたものだ、こういう意義があるんだということが一点です。減税であるということ。

 二番目に、先ほど第一段階、第二段階、第三段階と経済の局面が変わっていると申しました。今の第三の局面というのは、まさしく実体経済が悪化しているわけですね。実体経済が悪化している、特に外需に依存できない。こういう場合に、内需の柱である個人消費、そこに刺激を与えて、個人消費を喚起して、そして景気を下支えしていく、こういう重要な意義。

 私、もともとこの定額給付金には二つの意味があると言いました。生活支援という側面と、そして景気の下支え。特にこの景気の下支えという意味が、この第三の局面においては非常に重要になっているのではないかということを申し上げたいと思うんです。

 ですから、この定額給付金というのはまさしく今の経済対策の重要な一つの柱でございまして、そして、消費喚起のためにこれは積極的に使っていただく必要があるんだということを、私はこの定額給付金の意義として強調をさせていただきたいと思うんです。

 減税であること、消費拡大のための対策である、この二つを今強調しなければならないと思っておりまして、総理、どうでしょう、この定額給付金の目的、意義について、改めてお聞きをしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 最初から北側先生と一緒にやらせていただいた経緯もありますので、言われたとおりに、この問題の最初の経緯のときは、とにかく今と違って、灯油が今より倍ぐらい高かった時代でもありますし、いろいろな意味で、時代は久しぶりのインフレになって、猛烈不況が来るであろうという前提に立っておりましたが、その後、先ほど言われましたように、情勢は大きく変わった。もう間違いなく変わっておると思っております。

 したがいまして、今この問題を考えるに当たっては、減税ということも含めまして、効率を考えましたときに、他国でどのようなことになっているかといえば、アメリカも日本の、約十兆ですから、日本から見て、人口比で計算しましても三倍ぐらいになろうかと思いますが、そういったことを考えて、あちらはたしか恒久にしていると思います。こちらは単年度でこれをやっているわけですけれども。

 その意味では、日本といたしましては、今新しい状況になって、我々は、今後この状況を打破するために、国内消費の喚起というのは極めて大きな要素、しかも、消費の喚起、一般個人消費の喚起というのは極めて大きな景気回復の要素になろうと思います。

 それを刺激する意味におきましても、私どもは、給付というものは極めて大きな要素があるのであって、きっかけになるという意味においては、我々としては、景気の押し上げという契機になるという意味においては、大きな持続的経済成長へのきっかけとしても大変効果のあるものだ、私はそう思っております。

北側委員 民主党の皆さんは、去年の年末の民主党の税制改正大綱の案の中に、ここに書いてあります給付つき税額控除、これを提案されているんです。だから、考え方は一緒なんですから、なぜここまで反対されているのかよく理解できない。

 さらに言いますと、きょうも午前中議論がありましたけれども、社民党の皆さんは三兆円の定額減税と言っているんですよ、三兆円の定額減税。まだ一兆多いんですよね。そうしたら、課税最低限以下の世帯の方々に対してどうするのかという議論は当然あるわけで、それを考えて給付金にしたわけですよね。だから、社民党の皆さんの考え方からすれば、特に格差是正と言っている社民党の理念からするならば、この定額給付金に賛成してもらってもおかしくないはずなんですよ。と私は思っておるわけでございます。

 それで、この定額給付金についていろいろな御批判はあるんですが、例えば、経済効果がないとおっしゃる方がいるんです。

 テレビの討論、これはつい先日のテレビ討論で、民主党の幹部の方が、経済効果がないという説明でこういうことをおっしゃっているんです。民主党の大幹部ですよ。定額給付金はほとんど経済効果なんかないんだとおっしゃっているんですね。その上で何て言っているか。なぜならばと言って、これは民主党幹部の発言です。今、失業した人、あした失業をするような人がこれをもらったらポケットにしまうんです、これが常識です、消費に回るはずはない、あしたから生活の苦しい人ほどポケットに入れるというのは、これは常識なんです。これは民主党の大幹部のテレビの前での発言ですよ。

 私はこれを聞いていまして、いや、民主党の幹部の方というのは、庶民の方々の、国民の方々の、この経済情勢が厳しい中での生活実態というものをほとんど理解しておらないなということを私は思いました。

 これは今、賃金の減少局面では、可処分所得は減るんですね。当然、貯蓄を取り崩してでも生活をしないといけないんです。現に、内閣府の調査では、家計の貯蓄率は今、過去最低ですよ。過去最低に落ち込んでいるんです。

 また、日本総研のあるエコノミストの方の発言だと、このような所得や雇用環境が悪化しているような経済情勢の中では給付金はほぼ全額消費に回る、こういう発言もあります。そうすると、GDPでは〇・四%の引き上げの効果があるわけですね。

 というふうに、定額給付金が経済効果がないというのは、これは違う、間違っている、間違った御発言であるというふうに私は思っているところでございます。

 与謝野大臣、もう一度、この定額給付金の経済効果、それから、先ほど申し上げました民主党の幹部の方の、低所得者ほど貯蓄に回すんだ、こういう発言について、どのように御理解をされますか。

与謝野国務大臣 まず、日本の経済は約五百兆でございますから、二兆円が丸々使われたということになりますと、〇・四%の有効需要を創出することになります。ただし、地域振興券の例をとりますと、地域振興券が新たに需要を創出したというのはそのうちの四割ぐらいだというふうに考えられておりまして、そういう意味では、内閣府の数字は〇・二という数字を採用しております。

 また、日本経済五百兆のうち、個人消費はその六〇%、すなわち三百兆でございますから、それの二兆円でございますから、個人消費の押し上げ効果というのは〇・七%であるというふうに計算をされます。

 また、高くない所得の方は、この給付金を受け取られた場合は、それを費消する可能性の方が貯蓄するよりはるかに高いというのが自然な考え方であると思っております。

北側委員 この定額給付金に対する批判、あと幾つかあるんですけれども、もっとほかに使えばいいじゃないか、ほかの有用なものに使えばいいだろうと。しかし、先ほどお示ししましたように、今回七十五兆の経済対策のうちの一つなんです。さまざまな対策をいっぱい、生活者支援、中小企業支援、雇用対策、地方の活性化、特に地方の活性化は、本当に自由に使えるお金をたくさんこの予算では入れていただいて地方団体も喜んでいます。

 というふうに、さまざまな対策の一つが定額給付金でございまして、何か定額給付金ばかり今注目されていまして、それしかやっていないかのごとき。そうじゃなくて、ほかのさまざまな、学校の耐震化はもちろんのこと、医師不足の問題はもちろんのこと、さまざまな問題をいっぱい取り上げる中の一つが定額給付金なんだということもぜひ御理解いただきたいと思います。

 それから、将来の消費税増税とセットだ、こういう批判もあるんですね。これも全く的外れの批判なんですね。定額給付金は、あくまで臨時特例的な措置として現下の経済情勢を踏まえて実施をするわけでございまして、将来の税制抜本改革とは全く連動しないんですね。

 また、現にその財源は赤字公債じゃございません。特別会計の財政投融資特会の金利変動準備金を活用して、これはもう現在の世代の生み出した財産です、現在の世代の生み出した財産を財源にしてこの定額給付金をやる。赤字公債でやりましたら、将来の負担増加があるわけですから、これはそのような批判が当たるかもしれませんが、赤字公債じゃない。そういう意味では全く性格が異なるわけでございまして、消費税増税とセットなんかではないということも、ぜひ国民の皆様に御理解をいただきたいと思っているところでございます。

 最後に一問だけさせてもらいますが、この定額給付金を実施するということで、各地方自治体の中で、いろいろな取り組みをしていこうと考えているところがあるんですね。

 例えば長崎県の佐世保市ですが、長崎県の佐世保市は、政府が支給予定の定額給付金を、せっかく出すわけですから地元の消費拡大につなげたいと。当然多くの自治体がそう思うと思うんです。商店街などと協力をして、地域クーポン、させぼ振興券を発行する計画を発表されたんですね。

 また、全国の自治体の中で、この定額給付金とは別にいろいろなクーポン券を商店街振興のために発行している自治体、これは私、調べたら五十五あるんです。そういうのとうまく連動して、定額給付金がまさしく実施に移される段階のときに、ぜひとも我が地元で、商店街等々でぜひ消費に回してもらいたい、そのためにいろいろな知恵が多分これから自治体で出てくると思うんです。それをしっかりと総務省としては私は応援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

鳩山国務大臣 今の点は、先生から前にもアドバイスをいただいております。典型的なのは佐世保の件でございまして、一〇%のプレミアムつき商品券を発行する。市が半分、あとは多分商工関係団体が半分負担するんだろうと思いますが、今回の定額給付金にあわせてそういうような計画をしている。あるいは、佐賀県では、県知事が中心となって、みんなでアイデアを出して消費が拡大するようにしようではないかという会議をやっている。

 今先生がおっしゃったのは、私の前の選挙区でございますが、東京都中央区、これは矢田区長のもとで……(発言する者あり)失礼、前の前でございます。申しわけありません。前の前の選挙区でありますが、これはハッピー買物券というのを四億円発行して、それで四億四千万円の買い物ができる。その四千万円分は、これは商工団体じゃなくて中央区が全部負担しているんですね。

 だから、先生のおっしゃる趣旨を徹底するのは、現在、定額給付金に関してどんな計画がありますかと言っても、地方団体からどんどんまだ声が届いているわけではありません、調べましたけれども。ですから、こういう例がありますよということを私どもの方から千八百幾つかの自治体に発信をして、こんな例がありますよというので消費拡大に結びつけたい、こう思っております。

北側委員 どうもありがとうございました。

衛藤委員長 この際、福島豊君から関連質疑の申し出があります。北側一雄君の持ち時間の範囲内でこれを許します。福島豊君。

福島委員 時間も限られておりますので、本題に早速入らせていただきたいというふうに思っております。

 百年に一度と言われる経済危機の中で、我が国の雇用状況も急速に悪化の一途をたどっているわけであります。こうした中で、今回顕著にあらわれている事態というのは、派遣労働者が突然雇いどめになり、職を失うとともに、場合によっては住居も失うという状況。年末に向かって増加の一途をたどってまいりました。年度末に向けては十万人近い水準になるのではないか、このように推計されております。また、新規学卒者の内定の取り消しも相次いでおりまして、このことが国民に対して大変大きな不安を巻き起こしている。

 雇用の安定は生活の安定の基盤であります。この不安の連鎖というものを断ち切り、雇用の安定を図るために、政府として全力を講じる必要がある、このことを申し上げたいというふうに思っております。

 先ほど来、多くの委員の方から御指摘がありますので、若干の質問を省かせていただきたいと思っておりますけれども、こうした事態に対して対応すべきことは三つあります。

 一つは、現在の雇用を何とかしっかりと維持しなきゃいかぬ。これが一点目。二点目は、職を失った場合、所得保障そしてまた住居の保障、セーフティーネットをしっかりする。これが二点目であります。三点目は、職を失った後に新たに職をどのように確保するのか。これは職業紹介の機能強化でありますとか、また雇用創出といった問題であります。

 この三点を同時にしっかりと進めていく必要があるということであります。

 現在の政府の対応、私は、着実にこれを進めてきていると思いますけれども、ややもすると、対応が遅いのではないか、こういう批判もありますので、具体的な経過というものを若干振り返ってみたいというふうに思っております。

 十一月二十五日、これは政府・与党の協議会でありますけれども、公明党の北側幹事長から、緊急雇用対策の策定が必要である、このことを申し上げさせていただきました。総理の指示をいただきまして、十二月五日、与党で新たな雇用対策に関する提言を取りまとめ、そして九日には、関係閣僚会議におきまして、政府として正式に新たな雇用対策を取りまとめていただきました。十二月十九日には、政府として、生活防衛のための緊急対策として一括して提案をいただいております。

 このように、着実に対応を進めてきたと言うことが私はできると思いますけれども、しかしながら、対応が遅いのではないかということは、政府が今まで講じてきたこういう施策について必ずしも十分に周知されていない、国民に知られていない、こういうところがあるのではないかというふうに私は思っております。

 例えば、年末までハローワークを開庁いたしましてこうした方々の相談に乗る、こういう対応をしてまいりました。しかしながら、マスメディアの報道では、こうしたことについて正確な報道がなされていない、こういうものも拝見をいたしました。

 そういった意味から、年末までに政府としてできることをしっかりと進めてきた、その対応の実際、そしてまたその成果について、厚生労働大臣から簡単に、また明確に御答弁いただきたいと思います。

舛添国務大臣 まず、昨年末から、社員寮等から退去を余儀なくされた、住居を失った方々に対しまして、ハローワークにおいて、雇用促進住宅への入居あっせん、それから賃貸住宅入居のための資金貸し付け、住み込みで働ける求人の紹介などを行っております。これは、現実に私、現場を歩いて、テレビでも若干紹介されたと思っております。

 それから、採用内定取り消しの防止について、経営者団体に直接要請もいたしましたし、大学と連携した的確な情報把握、企業に対する指導、さらに特別相談窓口の設置による学生などへの支援も行ってきております。

 さらに、午前中にも申し上げましたが、雇用調整助成金制度について、中小企業への助成率を八割に引き上げた。さらに、支給要件の大幅な緩和、対象労働者の被保険者全員への拡大など、厳しい環境の中でも解雇を行わないで雇用を維持できるように事業主の方々を支援しているわけでございます。

 さらに、雇用促進住宅への入居は昨日までで千八百九十九件、貸し付け決定が百六十九件となっております。また、内定取り消しの防止につきましては、経団連を初め約百の事業主団体に要請しましたし、昨日は、企業名公表等の関係省令改正について労働政策審議会の答申をいただいたことを踏まえ、悪質な企業の名前を公表する、さらに指導強化を図るようにしたいと思います。

 さらに、雇用調整助成金につきましては、主要都市がございます十二労働局において、十二月一日から十二月二十二日までの速報値ですけれども、二万四百二人がこの対象となりました。

 今後とも、こういう政策を精力的に推進してまいりたいと思っております。

    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕

福島委員 ただいまの雇用調整助成金、これも昨年見直しをいたしまして、派遣元においてでありますけれども、派遣労働者の方々も対象となる、こういうことで見直しをさせていただきまして、対応を進めてきた。こういったことも広く周知していただいて、そして事業者の方々には積極的にこのような施策を利用していただく、こういうことが必要だというふうに思っております。

 また、住居の問題でありますけれども、厚生労働省の調査では、非正規労働者の雇いどめ等の状況について調査をいたしております。十二月の報告では、住居を失った方については二千百五十七人、このような調査の数字になっているわけであります。ただいま大臣から報告がありましたのは、千八百を超えて紹介がきちっとなされていると。これはかなり迅速に対応させていただいた。しかし、一〇〇%というわけではないことは事実でありまして、これからも手を緩めずにしっかりとやっていただかなければならない、このように思っております。

 そして、今回の雇用対策は三年間で二兆円の規模、そしてまた、雇用創出のための基金も過去最大の四千億円を措置いたしまして、百四十万人の雇用創出、また維持のための取り組みを進める。今までにない、腰の入ったといいますか、大規模なものだというふうに言うことができると思います。

 そして、昨日、参議院におきましては、雇用と住まいを確保する緊急決議案が採決をされました。この雇用と住まいを確保する、この点については、民主党の皆さんも、そしてまた社民党、また共産党の皆さんも全く異論のないところであるというふうに私は思います。

 そして、そのためには、第二次補正予算、そしてまた少し早くなりますけれども二十一年度予算、その中に盛り込まれたこの雇用対策、過去にない規模のものをしっかりと早く成立をさせ速やかな実施を図っていく、このことが何よりも必要であるというふうに私は思っております。

 そしてまた、予算だけではありません。雇用保険法の改正、これも今回行うということになっております。職を失った後のセーフティーネットの強化、これは質、量ともに拡大をしなければなりません。そういう意味では、予算の成立と同時に、関連法案の早期成立ということも同時に図るということが国会に課せられた重要な使命であるというふうに思っております。

 今、厚生労働大臣からただいままでの取り組みについて簡単に御説明がありましたけれども、これからこうした予算を踏まえて本格的に進めていく対策について、また簡単に御説明いただきたいと思います。

舛添国務大臣 第二次補正、さらに来年度予算におきまして、今委員御指摘のように、過去最大規模の四千億円の基金を創設して雇用を創出する、さらに再就職支援策として、例えば就職未決定者、年長フリーターなどを正規雇用した場合に、受け入れている派遣労働者を直接雇用した場合に一人当たり百万、大企業で五十万円の雇い入れ助成をする、さらに離職者訓練の強化、さらに雇用保険のセーフティーネットを強化するために、非正規労働者の適用範囲を一年以上から六カ月ということで拡大する、再就職が困難な場合の給付日数の延長などを盛り込んでおりますので、これらの施策を速やかに実現して万全の体制をとりたいと思いますので、この二次補正、来年度予算の一日も早い採択をお願いしたいと思っております。

福島委員 雇用創出につきましては、厚生労働省だけの仕事ではありません、国を挙げての仕事であるというふうに私は思っております。この危機の時代を突破して、そして、新たな日本というものを想定しながら新たな雇用というものをつくり出していく必要がある、このように思っております。

 私は、三つ柱がある、これは個人的な意見でありますけれども、思っております。

 一つは、医療、介護といった分野における人材の確保。これは、医療崩壊、そしてまた介護現場の人材不足、そしてまたさらなる高齢化ということを考えれば、今後、今まで以上に人材を拡大していかなきゃいけない、こういう分野であるというふうに私は思っております。年末の社会保障国民会議におきましては、マンパワーの強化ということで、現在の一・七倍から一・八倍の規模に強化すべきではないか、こういうことが盛り込まれております。私は、医療、介護ケアのニューディールともいうべき新しいビジョンを示すべきではないか、これが第一点。

 第二点目は、政府からいろいろと発表されておりますけれども、日本版のグリーン・ニューディールであります。省エネ、そしてまた環境対策、こうした分野において日本が世界のトップランナーであることを維持し続ける、また、トップランナーでない分野についてはトップランナーに躍り出る、こういう分野を開拓することによって第二の柱をつくる。

 第三の柱。食料自給率を日本は向上させなければいけません。その中で、農林水産業における人材の拡大ということも急務の課題であるというふうに私は思っております。

 今回の雇用対策、雇用創出対策というものは、単に失業率がふえる、こういうことだけではなくて、新たな日本ということを考えながら描いていかなければいけない。私は、麻生総理の「とてつもない日本」という本が大好きでありますけれども、総理のリーダーシップのもとでこうした新しいビジョンというものをつくっていく必要がある、日本の潜在力を発揮していく必要があると。

 この点について、経産大臣、お考えをいただきたいと思います。

二階国務大臣 ただいま御指摘の医療、介護の分野あるいは環境、エネルギーの分野、さらに農業分野は、いずれも戦略的な重要な分野であると考えております。

 今後、これらの戦略分野を柱にしながら、関係各省と協力しながら成長戦略の策定を早急に進めるようにと、総理の方からも御指示をいただいておりますので、私どもとしては、三月中旬ぐらいをめどにこの戦略の策定を急ぎたいというふうに考えております。

 御承知のように、世界的な不況、そして経済社会の先行きの不安ということから、我々は何としても将来の展望を大胆に描くということが大事だと思っております。今御指摘のような点を踏まえまして、早急に実行できるように努力をしてまいりたいと思います。そして、総理がいつもおっしゃっておられる、世界で最初に不況を脱出できるようにと、私は、これは我が国としては大変大事な、国際的にも通用するメッセージだと思います。その実現のために全力を注がなくてはならないと思っております。

福島委員 現在、国会には労働者派遣法の改正案が提出をされています、昨年の臨時国会。昨年の年頭より、日雇い派遣の問題、これは規制を強化しなきゃいかぬ、禁止すべきだと、公明党北側幹事長が予算委員会でも指摘をさせていただいて、その流れの中で取りまとめをさせていただきました。

 その中で、登録型の派遣をどうするかということについてさまざまな議論がありました、禁止すべきではないかと。しかし、それは労使双方のニーズがあるのではないか、そしてまた、禁止をするということでは済まない部分がある、こういう話がありました。

 今回の製造業における派遣労働者の方々の雇いどめの拡大、また横行と私は言っていいと思いますけれども、国民は多くの方が怒りを感じているのではないかというふうに思っております。人間は物ではない、物のように簡単に切られたらたまったものではないということが国民感情として私はあるというふうに思います。そして、その点から、二〇〇四年に製造業における派遣労働者の解禁がなされた、このところまでさかのぼって見直しをすべきじゃないか、こういう議論が一方ではあるわけであります。

 しかし、当時のことについていいますと、何とか雇用を創出しなきゃいかぬ、日本の製造業における雇用を創出するためには、働き方の多様性を一方では認めなければなかなか拡大しないのではないかという議論があったということも事実だというふうに思っておりますし、そしてまた、これは労使双方にそういう共通した認識があったからこそ、この改正がなされた。しかし、現在起こっている事柄については、これをそのまま放置しておくということも一方で私はできないのではないかというふうに思っております。

 しかし、政府としましては労働者派遣法を提出しておられますし、そしてまた労使双方さまざまな意見がありますし、そしてまた政党でもさまざまに意見が違っております。これをどう収れんするかというのはなかなか難しいところがありますが、現時点における政府としての見解を厚生労働大臣からお聞きしたいと思います。

舛添国務大臣 労働者派遣法につきましては、労働者保護を強化する観点から、まず最初のステップとして、日雇い派遣の原則禁止等を内容とする改正案を政府は提出しておりますけれども、これは、登録型派遣労働者の常用化を派遣元事業主の努力義務とする、そういう措置も盛り込まれております。これは広く労使双方の御意見も賜らないといけない。

 それから、委員おっしゃったように、さまざまな働き方の多様性もある、そういう中で議論をすべきだと思いますし、また、派遣元に対しましては、労働契約法により、有期労働契約はやむを得ない事由がある場合でなければ契約期間中の解雇はできないことについて、これは省を挙げて啓発指導を行っているところでございます。

 そのほか、例えば中途解除の場合に違約金の支払いというのがあります。これについても、三十日前に予告する、また、しない場合には三十日分以上の賃金相当額の損害賠償を行う、こういう今できるところから確実にやっていき、あとは政労使そして与野党含めて広範な議論をしていく必要があると考えております。

福島委員 一方では、もとに戻したらどうなんだ、こういう意見について私も共感するところが多々あるわけであります。しかし、一方で、果たしてそのような措置を今とった場合に何が起こるのか、これを心配するわけです。今、規制を強化すれば、現在解雇が行われている状況がさらに加速をする。現在、製造業には約五十万人の派遣労働者の方がおられます。そういった方々がさらに失業するおそれがあるんじゃないかということが一点。

 そしてまた、これからこの不況を通り抜けて景気回復の局面がやってきます。そのときに、果たして雇用をふやすことができるかどうか、逆に足かせになる可能性もあるんじゃないか、こういうことが一つはあると思います。

 そこで、やはりもとに戻すべきではないかという思いを抱きつつ、そうした懸念も十分に考えながら、現に五十万人の人が働いておりますから、その中で最善の策を考える必要がある。

 私は、二段階に分けて物を考えた方がいいんじゃないかと思います。現在これだけ雇いどめが横行しております。その中で、厚労省の調査でも、中途解除が多いんですよ。派遣で五万七千三百人、これは十二月の調査、雇いどめですね。期間満了は二万二千百六十人、中途解除が二万九千四百五十一人。この中途解除の問題。現場の話を聞きますと、中途解除をしても違約金すら払わないような場合がある。違約金すらもらえなければ、派遣元も、労働者の方々にどう手当てをするか、その資源がない。そういう問題がある。

 実は、今厚労大臣から御説明いただいたのは、派遣先、派遣元それぞれに、講ずべき措置に関する指針というのがあるんです。その指針には、先ほど大臣がおっしゃられたような、三十日の保障といったようなことが書いてあるんです。書いてあるんですけれども、それが果たしてきちっと行われているのか、ここのところが問題だ。

 ですから、今考えるべきことは、いきなり製造業の派遣は禁止だといって、いろいろな副作用が出てくる、多分。そういうことはやはり政労使でもう少し議論をしなきゃいかぬ。

 そして、第一番の段階としては、雇いどめの横行、そしてまた労働者がきちっと保護されていない、この問題に対してはきちっと手を入れなきゃいけない。指導だけでは私は足りないんじゃないかという気もいたします。指針というものをきちっと法律に格上げをして、そして、中途契約する場合は、契約期間の賃金、これは契約ですから直接賃金という話になりませんけれども、その保障は派遣先がきちっと保障しますよ、こういうルールをきちっと法律上決めるだけでも違うんじゃないか、こういう思いがいたします。

 そして、それ以上にまた問題なのは、派遣元も雇用保険にも加入させない、社会保険にも加入させない。ですから、失業したときに雇用保険ももらえない。今拡大しますけれども、しかし、入っていなければそもそもできないということになるわけでありまして、ここのところも、きちっと入ってもらわないと困りますよと、このことをどう明確にするか、これがまず第一段階だと私は思うんです。

 そして、その次の段階として、これは派遣だけじゃありません、請負もどうするのか、そしてまた日本の製造業における人材確保をどうするのか、こういうものも含めて全体として労働法制をどうしていくのかということについて政労使がきちっと議論して、もちろん与野党含めて議論をして次の段階を考える、こういう取り組みを進めていく必要があるんじゃないか、このことを申し上げておきたいというふうに思っております。

 ということで、時間がありませんので次に行きます。

 昨年の暮れに中期プログラムをまとめさせていただきました。中期プログラムは、先ほどから総理がおっしゃっておられますように、我が国の財政をどうするのか、社会保障をどうするのか、こういう意味では基本的な筋道になる話だと思います。しかし、現場で聞く声というのは二つあります。そんなこと言ったって政府は無駄遣いをもっと省くのが先じゃないの、もう一つは、仮に増税をするんだったら一体何に使うの、社会保障の機能強化と言うけれども、一体それは何をしてくれるんだ、こういう話だろうと思います。

 無駄のことだけきょうはお聞きしたいと思います。

 公明党も、税金の無駄遣いをなくさなきゃいかぬということでムダゼロ対策本部というものをつくりまして、政府はそれに対して行政支出総点検会議、これは前内閣でつくっていただいて、歳出の削減ということについて、無駄の排除ということについて真摯な取り組みをしていただきました。

 ここにお示しをしましたのは、二十一年度の予算でどれだけ無駄の削減の努力というものがこの総点検会議の指摘に基づいてなされたか、この数値であります。公益法人向けの支出が三千九百二十八億円、これは平成十八年度対比でありますけれども、削減。特別会計支出等の見直しは約一兆二千四百億円。行政コストの節減・効率化五百五十七億円の削減、この中には、タクシー代の二十四億円の削減ですとかレクリエーション費の廃止でありますとか、こういうことが盛り込まれているわけであります。しかしながら、なかなかこの数字、メディアで十分取り上げられているわけではないと私は思います。

 オバマ次期大統領は、財政出動をこれから続けなきゃいかぬ、しかし一方では財政規律も大事だ、新しい組織をつくって歳出は点検します、こういうことを先日発言されておりました。我が国においても、これから財政出動しながら景気対策をやっていく、その中で無駄は徹底して省き続けているんですよということを国民にどうわかってもらうか、そして、中期プログラムの問題を国民に理解していただくためには、この無駄を排除し続けているという姿勢がどれだけ国民にわかるか、この問題だと思います。

 そして、この総点検会議は来年からは各省におろされます。各省におろされた後、一体どこまでやってもらえるのかという心配があるわけであります。この点について最後に総理の御見解をお聞きして、終わります。

    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕

麻生内閣総理大臣 この無駄の排除は物すごく大事なところです。

 行政支出総点検会議、今言われましたけれども、昨年の十二月にこの指摘があったところであります。各省は、無駄の削除ということのために担当プロジェクトチームというようなものを設置するということなど、みずから無駄の削減に取り組む。これは当然のことですが、なかなか人間、無駄を自分で無駄と思っていない人も今おられますから、そういった意味では、これは他の第三者が入ってくる必要がありますので、財務省により予算執行調査、そしてそれを踏まえた予算査定、加えて、総務省にあります、昔は行管がやっておりました政策評価・独立行政法人評価委員会の取り組み状況の報告など、そういったものを通じまして、こういったものを今後とも怠ってはいけないところだと思っておりますので、引き続き無駄の排除を徹底してまいりたいと思っております。

福島委員 ありがとうございました。

衛藤委員長 これにて北側一雄君、福島豊君の質疑は終了いたしました。

 次に、菅直人君。

菅(直)委員 予算委員会の理事という初めての立場になりまして、よろしくお願いしたいと思います。

 まず総理に、ちょっと個人的なことで恐縮なんですが、総理は、タイムカードを押すような、そういう仕事をされたことはありますか。

麻生内閣総理大臣 炭鉱屋におりましたので、ございます。

菅(直)委員 総理がいろいろと視察をされる中でハローワークに視察をされたときに、職探しをしていた青年に、何かありませんかではなくしっかり目的意識を持てというようなことを言われたと。私は本当に職を失って困っている人にアドバイスされるにはちょっと的外れじゃないかなと感じたんですね。

 ですから、総理、私は細かい総理の仕事がどういうところだったかわかりませんが、経営者であったということはよく言われるんですけれども、果たして、一介のサラリーマンとして失業の危機もあるような中での仕事をされた人としては、ややその気持ちがおわかりになっていないんじゃないか、そう感じたものですから、ちょっと失礼を省みず申し上げました。

 そこで、鳩山総務大臣、一月といいましょうか年越しですから、年越しのいわゆる派遣村に集まった人に対して、坂本総務政務官が、本当に働こうとしている人が集まったんだろうかという趣旨の話をされたと。後ほど申し上げますが、私もこの間、この派遣村にはいろいろ御相談をいただきました。そんな関係で行っていたところもあるんですが、これも実態を知らないというだけではなくて、やはり政治家というのはある種の想像力が必要なんですけれども、想像力もなくこういうことを発言している。かなりこれもおかしな発言で、我が党ばかりではなくて、社民、国民新党あるいは共産党も含めて、こういう適切でない発言をするような政務官はやはり辞任をされた方がいいんじゃないか、こう思っておりますが、いかがでしょうか。

鳩山国務大臣 一月五日の御用始めで飛び出した発言でございまして、私も同席はしておったわけでございます。

 御本人は、私の想像が若干加わるかもしれませんが、ふるさとの熊本に帰って、非常に雇用情勢が厳しくて皆さんが必死になって、それは自治体も必死になり、あるいは派遣とか雇いどめになった方々も必死になってやっておられる姿を見て、そして東京へ出てきたら派遣村というのがあるのを知ったときに、あら、随分熊本とは状況が違うんだなという、その驚きのようなものがあってあのような表現になり、さらにそれが大学紛争と結びつけるようなところがあったので、発言としては不適切だと私も思います。

 そこで、御本人とも何回か話をしましたが、発言を撤回して謝罪をするということで、それをいたしたわけでございますので、これからは真摯に反省をして、一生懸命仕事をしてくれればと思っております。

菅(直)委員 この問題はこの程度にとどめますが、やはり総理にしろ、あるいは政府関係者が、本当にみずから職を求めて、それを失った人に対しての発言ということについては、本当に気をつけていただいた方がいいのではないかということを重ねて申し上げておきます。

 そこで、総理にお聞きします。

 従来から、景気の動向によっては、いろいろと失業者がふえたり減ったりすることももちろんありました。しかし、今のように、場合によったら、失業したら途端にホームレスになりかねない、あるいはなってしまう、こういうような社会というのは、私は、従来の時代の失業とはかなり性格が違っていると思うんですね。

 実は、もう亡くなった私のおやじも、ある会社に四十年サラリーマンで勤めておりました。当時はやはり一つの会社が共同体のような気持ちがあって、全体が成長する中で、分け前といいましょうか、給料もみんな上がっていく、そういうことが自然にあったわけですが、それが最近では、とにかく株価を上げるためならば、できるだけ安い労働力に変えた方がいい。それはそうかもしれません。しかし、それによって派遣という形態になって、直雇いでないから、ある意味では痛みを感じることがない。

 私、聞いてちょっとびっくりしたのは、派遣会社から派遣社員を採用する場合は、人事課が担当するのではなくて、いろいろな備品を調達する調達部門が担当するというのを聞いて、やはりこういうことが、まさに先ほど公明党の方も言われていましたが、労働者を人間としてではなくて、単なる労働といういわば商品として見る。必要なときは買うけれども、必要でなくなったら買わない、何が悪いんだ。その結果、それこそ寮で勤めていたような人が派遣を切られた途端にまさに住まいまでも追い出される。

 私は、こういった背景、かなり深い背景があると思いますが、総理はどういう認識をこの状況に対してお持ちですか。

麻生内閣総理大臣 過去六十年間の間になかったのではないか。私も、少なくとも過去六十年間の間にこれだけ急激に、いわゆる景気のカーブというのがありますけれども、カーブの落ち方がこれだけ急激に落ちた例を過去知りません。少なくとも、統計を見ても、多分そのような数字が上がってくると思っております。

 したがって、各企業としても、これは当然のこととして、どこか今までの不景気ですと、日本は悪いけれどもヨーロッパはいいとか、どこどこはいいというような状況とは全く違って、今回は世界同時不況、これが今までとは全く違うと思います。どこも引っ張ってくれる国はないというのが今回の状況でありますから、日本の場合は、非常に今まで輸出に大きく傾斜をしておりました企業が、輸出先が急激に悪くなったために、いわゆる輸出産業と言われるようなリーディング産業からが急激にその業績を落としていった。

 慌てていろいろな策がということが今言われているような対応になっているのであって、そういった意味では、企業としては、少なくともこれまでの感からいえば、もう少し企業として頑張る、労働分配率を上げるなどなど、いろいろな考え方というものを持っていってもおかしくないという批判はそれなりに当たっていると思いますし、私どもも経団連でほぼ同じような話をした経験があります。

 少なくとも私どものころの労働分配率に比べて今の方が低いと思っておりますので、その点からも、もう少し考えてしかるべきではないかということを申し上げましたので、気持ちとしてはほぼ同じようなものだと思っております。

菅(直)委員 ちゃんと本当に聞いていただいたんですか。私は、従来も、景気が悪くなって、確かに肩たたきとかいろいろな時代がありました。しかし、今は特に派遣のような形で、つまり、会社が直雇いをしていないから、まさに急激な景気悪化で即切る。そして、寮を出、家もない。そういう事態は、単に経済がこの六十年、百年の大危機だということは、これはこれでまた議論が当然ありますけれども、それだけではない。まさに日本における労働のあり方、雇用のあり方が変わっていた中で、この十年ぐらいは比較的有効求人倍率も高かったですから、それが矛盾としては出てこなかったのが、ここに来てどんと来た。その原因がどこにあると思われていますかと聞いているんです。

 もちろん、労働分配率が低いという問題も、先ほども、株価さえ上がればいいという考え方から労賃を下げてきたというその部分では答えられていますが、雇用の形態が変わったことに大きな原因があるんじゃないですかということなんです。どうですか。

麻生内閣総理大臣 雇用形態が変わったことも一つだと思います。しかし、それがすべてだとは思っておりません。

 ただ、雇用形態が変わったということに関しましては、少なくとも、終身雇用というものをやめて、こういった労働の移動が楽な方がいいという主張があった時代もありました。そのときに合わせていろいろな慣習が変わっていったというのがその背景にあろうと存じます。

菅(直)委員 ですから、私も多少国会に長くおりますので、一九八五年ですか、労働者派遣法が、最初は通訳とかコンピュータープログラマーとか、そういう専門職について認められて、九九年、二〇〇四年とだんだんと緩和されてきた。私もその質疑の中身を少し見てみました。

 法案の質疑は二〇〇三年でしたけれども、製造業への派遣の解禁の法案の採決に当たって、我が党の山井議員が反対の討論をいたしております。幾つかやはり心配だということを指摘しているわけですね。

 そういう意味では、これは景気がいい間はそういう矛盾が余り出なかったわけですが、この景気の急激な悪化の中で、まさに失業イコール、普通だったら、失業して、長年勤めていた人は半年とか一年ぐらいは雇用保険をもらえる、場合によっては退職金の割り増しをもらってやめて、次を考える、そういう余裕があるんですよ。しかし、そういう余裕が一切ない。しかも、それまでが既に派遣ですから、蓄えもない、寮で生活している、つまり派遣を切られた途端に、単なる失業じゃなくて、生活ができない、生きていけない。こういうことになっていることについて、これは私自身も含めてですが、野党も含めてですが、少なくとも現内閣の総理大臣として、それに対する政治の責任、内閣の責任ということをどう感じられているかということを聞いているんです。

麻生内閣総理大臣 今言われました、雇用形態がこの十数年の間に大きく変化したということは間違いありません。これは全体としてそういう流れでありましたし、終身雇用でずっといるのはいかがなものかという論調が、これは法律のできたときには非常に強かったというのが事実だったと思っております。そのころはそのころでそうだったと思います。

 しかし、今申し上げたような状況になってくると、それが結果としてアメリカのレイオフみたいな形になったということだと私自身も思っておりますので、これに対策を打たねばならぬということで、我々としては、いわゆる雇用対策の予算を、補正を、いろいろなことをやらせていただいているというのが一点。

 加えて、勤めている正規労働者のレイオフではなくて派遣労働者のレイオフという形になっておるというのが、いわゆる雇い元、いわゆる派遣先ではなくて、その派遣労働者を雇う契約のもとのところでもっとしかるべき対応をしてもらっているんだと思っていた企業もおられたようですけれども、そこのところは全く冷たくやっている。そこも随分状況としては違っておった、認識としては違っていたのではないかという感じが私もいたします。

 いずれにしても、こういったものに対応する必要がありますので、私どもとしては、一次補正、二次補正でこの対策を懸命にやらせていただかねばならぬと思っております。

菅(直)委員 厚生労働大臣、まずは、一月二日にお電話を差し上げまして、派遣村のことでいろいろとお骨折りいただいたこと、また河村官房長官にもお骨折りをいただいたことを私からもお礼申し上げておきます。

 それはそれとして、厚労相が、派遣法改正について、製造業の規制も視野に入れてという大きな報道が先日出ました。私どもも、実は製造業については大分議論がこれまでありました。しかし、今申し上げたように、今回の派遣が切られた人の圧倒的多数が製造業であるわけでありまして、しかもそれには、今総理はいろいろ言われましたが、雇用保険がほとんど適用されていない方が大変多かったわけでありまして、つまりは、セーフティーネットがないまま、製造業においての急激な減産から派遣が切られる、そういった形で、果たして製造業に派遣を認めたことがよかったんだろうか。私たちも、今見直しを含めた議論に入っております。

 厚労大臣として見解を伺います。

舛添国務大臣 今、菅委員が新聞記事をお見せになりましたけれども、私は一貫して、恒産なければ恒心なし、常用雇用が望ましい、それがディーセントワークであるということを言い続けております。それは、厚生労働大臣に就任して、厚生労働委員会、衆参の委員会の委員の方は全員お認めになるとおりでありまして、私はそれは一貫しております。

 ただ、片一方で、派遣労働も労働の契約の形の一つで、そこに働いている方もおられる。それから、いろいろな働き方の多様性を求める方もおられる。しかし、そういう中で、今のような急激な雇用情勢の悪化の中で、私は、常用雇用が望ましい、特に製造業においてはそうであるということをずっと思っていましたから、そのことを申し述べたところ、こういう状況だったから大きな記事になりましたけれども、私は一貫してそういう考えであります。

 しかしながら、政府・与党で、とりあえずこの日雇い派遣を全面禁止するという法律が決まる、これはまず第一歩だと思います。そして、派遣先、派遣元に対して厳しい指導を行うとともに、やはり常用雇用化の努力をしてくださいというのが法案に盛り込まれておりますから、まずこれを御審議いただいて、まずそこから始める。そしてまた、労使の御意見も賜り、与野党よく協力して、国民の納得いく形で今の状況を打破したい、そういうふうに考えております。

菅(直)委員 舛添厚労大臣は確かに一貫してそういう主張をされているというのは、私も聞き及んでおります。

 ただ、閣僚というのは、単に個人としてそう思っているでは済まないんですね。つまりは、この担当大臣なんですから、それを本当に思うんだったら、麻生内閣がそういう方向に進むようにちゃんと手を打っていく、あるいは与党の中でちゃんと手を打っていく。つまり、評論家なら、私はこう思っていますでいいんですよ。

 そこでお聞きします。麻生総理、今の舛添厚労大臣の、常用雇用が望ましいんだ、そういう方向で製造業の派遣については見直しをしたいという趣旨だったと思いますが、同じお考えですか、どうですか。

麻生内閣総理大臣 雇用のあり方というものにつきましては、業種によっていろいろ異なるというのは当然のことだと思いますが……(菅(直)委員「製造業でと言っています」と呼ぶ)だから、まだよく聞いてくださいって。そんな焦らぬと、焦らぬと。

 基本的には製造業においては常用雇用の方が望ましい、私自身もそう考えております、私も製造業におりましたので。厚生労働大臣の今の発言につきましては、こうした考え方に基づいたものだと思いますので、現行の労働者派遣法のあり方というのを否定しておられるものではなくて、考え方というものが私と異なっているという認識ではありません。

 現在、製造業への派遣というのは約四十五、六万いらっしゃるのだと伺っております。現下のようなこういった厳しい情勢の中で、今この雇用情勢の中でこれを直ちに禁止するということは、その四十六万人の方にまた影響が出るということになろうと思いますので、そういった影響も踏まえて、現時点においては極めてこの問題に対しては慎重に対応する必要があるだろうと思っております。

 いずれにいたしましても、こういった急激な事情の変化に対していろいろな法律というものを検討するための議論がいたされるということはいいことだと思っております。

菅(直)委員 今の話も、前半と後半で大分意味が違うんですね。前半は望ましいと言われた。後半は慎重にと言われた。

 今政府が出している労働者派遣法の改正案は全く関係ありませんよね、これとは。どうですか、舛添さん。関係あるかないか、頭でこうやってもらえばいいですから。

舛添国務大臣 派遣労働の持つ問題点についてさまざまな改善策を、そこにありますから、十分関係はあると思っております。

菅(直)委員 言葉はどうでも使えますが、少なくとも業種を限定するという中身にはなっていないじゃないですかと言っているんです。

舛添国務大臣 業種についての選別ということはいたしておりません。

菅(直)委員 ですから、今の政府が出されている法案は、製造業について二〇〇四年に拡大を認めたものについて、経過措置等はいろいろ議論が当然ありますよ。あしたからとかいうことはもちろんできません。そういう中で、議論をすべきだということの趣旨を総理は言われながら、一方で慎重にと言われて、ちょっとよくわからないんですが、少なくとも製造業の派遣の是非を含めて政府として検討する、そういう理解でいいですか、総理。

麻生内閣総理大臣 さまざまな議論があると今申し上げたとおりでありますので、その内容に沿っていろいろ検討をする必要はあろうと存じます。

菅(直)委員 一歩前に出てもらいましたけれども、実は、製造業の派遣というのは別の側面も出ているんですね。

 つまりは、どちらにしても短期雇用なものですから、あるいはどんどんかわるものですから、いわゆる技術の伝承、もっと言えば専門的な技能の伝承というものがだんだんできにくくなっている、どうせ二、三年でかわっていく人だと思いますからね。そのために、物づくり立国と言われながら、物づくりのノウハウ、それも、マニュアル化されたノウハウだけでやれるものならいいんですけれども、そうでない現場におけるノウハウの伝承がだんだんできなくなって、日本の製造業の最も世界で誇るべきその質が低下し始めているという専門家の指摘があります。どうですか、二階大臣。

二階国務大臣 御承知のように、我が国の強みはやはりその技術力にあると思うんです。その技術力をさらに発展させていくためにどうすればいいか、そういう観点から、今御指摘のような雇用の問題等においても十分留意して対処していくべきだと思っております。

菅(直)委員 前向きな答弁をいただきましたが、そこで、厚労大臣、一つは、どういうふうに労働におけるセーフティーネット、さらに言えば、労働を含めて、場合によっては、今回の場合、生活保護の申請をされた方も大分多いわけですが、そのセーフティーネットが機能しているのか、していないのか。

 あの派遣村の村長をやった湯浅氏の書かれた本を私も読みました。三層のセーフティーネットが一応日本には用意されている。第一層目は、雇用そのものを守っていくという、これは労働組合であったり会社の努力であったり。しかし、万一雇用が失われたときは、第二層のセーフティーネットとしては雇用保険で、それを少なくとも保険給付で守っていく、場合によっては職業訓練でやっていく。それもだめなときに、まさに生活ができなくなった、そこで生活保護という、まさにそういう形でセーフティーネットを張っていく。

 しかし、現実には、生活保護というものに対して、社会の目もなかなか厳しいですし、場合によったら、そういう状態に客観的にはなっていても、何とか自分でやらなければいけないという思いが強い中で、そこまで踏み切れない、あるいは、いざ踏み切ろうと思ってもなかなか行政が受け付けてくれない。そういう中で、三つのセーフティーネットがあるはずなのに、切られたら一瞬にして、一段、二段、三段と全部滑り台のごとく落ちていってしまう、こういう趣旨のことを湯浅氏が書かれて、私もなるほどと思いました。

 そこで、どういうセーフティーネットをしっかりと張っていくのか、私は、このことを本格的に議論する、まさに、先日の派遣村はいろいろな議論はありますけれども、その大きなきっかけをつくってくれた、このように思っております。

 そこで、まず第一に、あらゆる形態の労働のあり方があったとしても、すべての労働者が雇用保険に何らかの形で加入する、あるいは、それは単に百円時給が高い方がいいですか、それとも安くなっても雇用保険に入りたいですかなんという任意ではなくて、派遣先なり派遣元なり、義務的にきちっとすべての労働者が雇用保険の、少なくとも二段目のセーフティーネットにちゃんとかかるようにする。私はこれが第一のセーフティーネットの雇用における原則でなければならないと考えますが、厚生労働大臣いかがですか。

舛添国務大臣 委員御承知のように、雇用保険制度は、みずからの労働による賃金で生計を維持している労働者を被保険者として保険を掛けているということでございますので、例えば非正規労働者、こういう方々も基本的には入ってもらう。ただ、学生のアルバイトとか所定時間が二十時間未満、それからさまざまな働き方をやる方々がおられますので、その被保険者の加入が多いか少ないかというのを一概に論ずることは難しいと思いますけれども、今委員がおっしゃるように、雇用のセーフティーネットとして極めて重要でございますので、例えば、今回、非正規労働者に対する適用基準、これは一年以上の雇用見込みだったのを六カ月ということに短縮しましたので、こういう形で適用範囲を拡大しております。

菅(直)委員 今も六カ月という数字が出ましたが、一年に比べれば六カ月は短いわけですが、では、六カ月未満の人はその網から外れるということになるんですか。

 私は、かつては、日雇いといいましょうか、日雇いの失業保険も今でも部分的には残っていると思いますけれども、つまりは、登録型を認めて、いわゆる日雇い派遣まで認めるとすれば、そこにも適用がなされなければいけない。つまり、穴があかないということは、任意ではなくて、穴があかないということは底がふさがっていなきゃいけないわけですから。私は、今の厚労大臣の提案で、果たしてセーフティーネットが埋まっているのか、埋まっていないんじゃないですか、いかがですか。

舛添国務大臣 今申し上げましたように、例えば二十時間以内とか学生アルバイトということもございますから一概には申し上げられませんけれども、しかし、できるだけこのセーフティーネットを拡大していくということが必要なことはおっしゃるとおりでございます。

菅(直)委員 ですから、できるだけという言い方は、派遣法が規制を緩和される中でも常に言われてきたわけですよ。しかし、現実が、それを超えて現実が起きているわけですから、今さらできるだけなんという言い方じゃなくて、きちんと。それはよほど例外的に、私は学生さんのアルバイトでも場合によったら雇用保険が適用になる場合だってあり得るかと思いますが、それはレアケースの例外はあるかもしれません。しかし、現実には……(発言する者あり)だって、学生さんだって夜間に行っているような人がいるじゃないですか、当然。いや、それはいろいろなケースがあるわけですから、学生だからといって、何かやじが飛んでいますけれども、学生だからといって必ずしも雇用保険が一切要らない人であるかどうかというのは、まさにケース・バイ・ケースであると同時に、基本をどうするかですよ。

 それからもう一つ、私も偶然ですが、あるときにNHKのテレビでオランダの問題をちょうど報道しておりました。その報道の私の記憶によれば、やはり十年ぐらい前に日本と同じような状況が生まれたと。

 そのときに、やはり派遣は雇用調整に使われて労働者の権利を守らないからやめるべきだという議論と、いやいや、国際競争の中ではそういう雇用調整も必要になるから残すべきだという議論の中で、オランダの場合は、私のその報道の理解によれば、正規雇用と全く変わらない、場合によったらそれ以上のセーフティーネットをきちんとして、そして先ほどの技能習熟も含めて職業訓練なども手厚くして、たとえ派遣が切られても、翌日から収入がなくなるのではなくて、場合によったらかなり長期に失業給付が受けられる、その間は職業訓練が受けられる、そういう制度をつくることによって、ある意味で経済界も労働界もいろいろな負担をし合ってそれをつくり上げた、そういう報道がなされておりました。

 私は、そういうセーフティーネットの充実というのがやはり社会の基本になければならない。そのさらに先には、今経済界からも少し言葉が出ておりますけれども、場合によってはワークシェアリングといった考え方も含めて社会のあり方を考えていかなきゃいけない、こう思いますが、まずは厚労大臣にお聞きしましょうか。

舛添国務大臣 まずは、ちゃんとした雇用、そしてそこで仕事を持つということが大事ですから、職業訓練含めて充実させる。例えば、今介護の現場で人がいない、しかし片一方で失業者があふれている。例えば、二年間訓練をできて、その間きちんと生活も保障する、こういう制度もやっておりますし、先ほどもおっしゃった、物づくりの現場で技能が伝承されてないんじゃないかと。私、一昨年でしたか、静岡の技能オリンピックに行きました。日本は、たしか金メダル十六個でトップでしたね。だから、こういうことはきちんとやっていきたいというふうに思っております。

 いずれにしましても、働き方をどうするのか。ワーク・ライフ・バランスという言い方をしたり、今はワークシェアリングということをおっしゃいましたけれども、やはり苦しいときもみんなでその苦しみを分け合う。そして、豊かなときはみんなでその富を分け合う。そういう社会連帯の心があるということがなければ、私は、この社会はやっていけないし、そういう意味で、セーフティーネットを張りめぐらすということが安心につながり、それが国民の活力につながる、そういう原点に立って厚生労働省としての施策をやっているつもりでございます。

菅(直)委員 麻生総理、同感でしたら同感とおっしゃっていただければ結構ですが。

麻生内閣総理大臣 基本的に、みんなで分かち合う、それはこの国の長い長い間の伝統だった、私自身はそう思っております。したがいまして、基本的コンセプトとして、今舛添大臣の言われた、コンセプトとしては正しいと思います。

菅(直)委員 もう余り繰り返しませんが、そういう分かち合うという社会から、格差がある方が元気な社会だというふうに、この十年、二十年、そういうある意味での新自由主義の行き過ぎ、あるいは暴走する資本主義といったような形で動いた結果、特に小泉内閣のときのそういった結果が今現実のものとしてあらわれているわけですから、一般論でそういう伝統が大事なことはそのとおりだではなくて、そういう矛盾が起きているということをしっかり認識して対応していただきたいということを申し上げておきます。

 そこで、次に話を移しますが、今回のこの予算審議は、政府が出された第二次補正予算と野党三党が出しました修正案をあわせて質疑をしていただいております。私が調べた限りでは、たしか枝野議員も言われていましたが、こういう形での質疑は戦後初めてだと聞いておりますし、これからは積極的に、予算についてもある意味で、全部はなかなか難しいんですけれども、作業が大変ですから、こういった形で対案的なものが出せるときは出していくのが建設的な議論かなと思っております。

 そこで、きょうは野党三党の提案者の皆さんに質疑の席にいていただきますが、簡単に言えば定額給付金の部分については削除をするというこの考え方、もちろん私どもも賛成でありますけれども、それについて基本的な考え方なり、またはその削除した場合の二兆円というものをどのように活用すべきか、そういった面について御意見があれば、それぞれお答えをいただきたいと思います。

細野委員 菅委員の質問に答えさせていただきます。

 私どもとしては、この定額給付金に関しましては、実施をすべきではないという考え方をとっております。

 そのまず初めに申し上げたい根拠は、今回の定額給付金を導入する根拠というのが果たしてどういうものにあるのかということが極めてあいまいであるということであります。

 政府・与党の皆さんは、当初、低所得者に対する配慮だという言い方をされておりましたが、ここへ来て経済対策ということに重心を移しておられます。このことは、麻生総理御自身が当初は、御自身も含めて高所得者が受け取るのはさもしいとまでおっしゃっていたにもかかわらず、ここへ来て、にこにこ全員受け取るんだというようなことも含めて出てきている、このことに端的にあらわれているのではないかというふうに思います。

 こうして低所得者に対する支援と経済対策という二兎を追った結果、いずれもの目的を達成するには全く不十分な効果しか想定ができません。わずか一年で一万二千円の給付金をもらったところで低所得者の生活が一気によくなることは、これは考えられないのは与党の皆さんも御理解いただけるというふうに思います。

 さらに、もう一つ深刻なのは、平成二十一年度においては、二兆円をばらまくわけでございますので、少ないとはいいながらも経済効果が期待できます。しかし、平成二十二年度においてはこの定額給付金がなくなるわけでございますので、全治三年という麻生総理の考え方に立つならば、平成二十二年はこの定額給付金がなくなるということが経済に対するデフレの効果を生み出すことになります。これはむしろ、経済の現状を考えれば深刻な影響を及ぼす可能性があるということもあわせて指摘をしておきたいというふうに思います。

 質問とは直接かかわりがありませんが、先ほど北側委員の方から、給付つき税額控除とこの定額給付金というのは似ているのではないか、そういう趣旨の発言がございました。残念ながら、私どもに対しては答弁の機会をいただけませんでしたので、御説明をさせていただきたいと思います。

 私どもが主張しております給付つき税額控除という仕組みは、今我が国が中心的にとっております所得控除の仕組みを税額控除に改める、このことによって低所得者に対する配慮をする制度に変えていこうという考え方でございます。

 どういう場合に給付をするのかということに関して申し上げますと、所得税が税額控除額を下回っているケース、すなわち、控除すべき金額が所得税を上回っている低所得者に関しては、その上回った部分を給付するという制度でございますので、対象も極めて明確、さらには政策目的も極めて明確でございまして、定額給付金の制度とは全く違うということを強調しておきたいと思います。

 以上の考え方に基づいて、私どもは、定額給付金そのものについては実施すべきではないという考え方のもとに、予算から削除をいたしました。

 二兆円の使い方については、党内でもさまざまな議論が出ておりますが、私は修正案の提出者でございますので、現下の経済情勢をかんがみ、この修正案を、できるだけ早期にこれを成立させることを第一に考えたいというふうに思っております。したがいまして、介護であるとか、また耐震化、学校の問題など、さまざまなアイデアは出ておりますが、私としては、この修正案を早期に通していただいて、二兆円の使い方については、与党の皆さんともここは胸襟を開いてしっかりと協議していくことを提案してまいりたいというふうに思っています。

 以上でございます。

阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。

 私どもは、先ほど葉梨さんからいただきました御質問にもお答えさせていただきましたが、この間、庶民増税が本当に暮らしを圧迫しております。その中では、定額減税というものを当初、八月段階で提案いたしました。

 以降、先ほど北側委員がパネルでお示しになりましたが、経済は生き物で、そしてどんどん経済状況が悪化し、今最も深刻に求められているのは仕事をどうつくるか。もう既に金融危機を通り越して、中小企業者の皆さんは仕事がないというところまで来ております。ですから、まず喫緊に、緊急にやるべきは雇用起こしであろう。名づけて、いのちとみどりの公共事業ということを提案いたしますが、この定額減税とは別途、そうした政策を打つべきだ。

 そして、それは時間の制約で、この二兆円の論議に間に合いませんので、とりあえず、この定額給付金と名を変え、姿を変え、意味を変えたメッセージ性の明らかでないものはやめ、そして、本予算の審議の中で御一緒に、二兆円を含めて、最も有効な活用方法を考えていきたいと思います。

糸川委員 菅議員にお答えいたします。

 麻生総理は、定額給付金につきまして、先日の衆議院本会議におきまして、家計への緊急支援であって、消費をふやす経済効果がある、国民は給付を待っている、このような発言をされておりますが、甚だ疑問でございます。

 九八年末に行いました約六千二百億円の地域振興券、これにつきまして、当時の経済企画庁の事後調査によりますと、消費性向は三二%であった、そして消費の押し上げ額は二千二十五億円程度、これは家計消費の〇・一%でございます。経済への波及効果というのが十分であったとは言えないわけでございます。

 この定額給付金に関しましても、約二兆円の給付に対しまして、政府の経済効果試算では、GDPの押し上げ効果、この実額は約一兆円と。これは効果が期待できるというふうには言えないわけでございます。

 今のこの世界的な金融恐慌に伴う景気の悪化、これは国民生活に深刻な影響を及ぼしているというふうに考えております。これは危機的な状況に追い込まれているんだというふうにも考えております。

 そこで、現下の経済情勢の悪化に対して喫緊の対策を講ずるべく、貸し渋り、貸しはがし、こういう対策を含めた中小企業対策、非正規雇用者の解雇防止、また離職者支援を柱とする十分な雇用の確保、さらには、安心につながる医療を初めとした社会保障政策を速やかに実行するとともに、継続的で力強い内需拡大政策を実施することによって日本経済を内需主導の経済へと転換させることが重要であるというふうに考えております。

 自民党内からも多くの反対意見が噴出しているわけでございます。政策としては間違っていることは明らかでございますので、ぜひ我々三党が提出しました修正案、これを早期に可決していただきたい、このように思っております。

菅(直)委員 提案者の皆さん、どうもありがとうございました。

 そこで、少し角度を変えてお尋ねをします。

 麻生総理、さもしいというのはどういう意味ですか。

麻生内閣総理大臣 さもしいというのは、何となく、自分として、目先のことにがつがつするというようなイメージが私にはありますけれども。

菅(直)委員 広辞苑には、卑劣であると。総理は、例えば所得の高い人がこの定額給付金をもし支給されることになって受け取った場合は、卑劣である、つまりさもしい、こう言われたんですね。

麻生内閣総理大臣 私は物欲しそうに見えるという感じがしますけれども、少なくとも、高額所得者の人がというと物欲しそうな感じがする。あのときはたしか生活給付金の色合いの強かったころだと思いますので、そのような答えを申し上げたと記憶しています。

菅(直)委員 物欲しそうであるという言い方は少なくとも広辞苑には書いてありませんが、少なくとも、非常にこれはある意味では、例えば私が、おまえはさもしい男だと言われたら、侮辱されたと思いますね。

 ですから、総理は、まだ給付が決まっていませんからだれとははっきりしませんが、そうすると今でも、例えば所得が二千万、三千万ある人が給付を受けた場合はさもしいと言われるんですね。

麻生内閣総理大臣 基本的には、今は、先ほど北側先生の出されたパネルをよくごらんになっておられましたので御記憶と存じます。少なくとも、あのとき、最初にできたときと今の時代では、生活給付金のイメージと、加えて消費刺激の必要性と二つ出てきておるという状況下にありましては、高額所得者である方が取られた場合、もらわれた場合、いただかれた場合、いろいろな表現はあろうと思いますが、そうなされた場合は、ぜひ、お幾らいただかれるか、二万円だか一万二千円だか、人によって違うんだと思いますが、もらわれる、取られる、そういうことになった場合は、ぜひそれ以上盛大に消費していただくのが一番正しいと思います。

菅(直)委員 総理はどうされるんですか。

麻生内閣総理大臣 私は、この間から申し上げておりますように、まだこの予算が通っておりませんので、通ってもいない段階からもらう前提でお話しするのもいかがかな、正直私自身はそう思っております。

 その上で、私がそういった、もし来た場合におきましては、そのとき、今後判断をさせていただきますと過日お答え申し上げました。

菅(直)委員 国民の皆さんに、今の答弁を聞かれてどうですか。

 つまり、全員と最初は言い、それからある段階では高額所得者は遠慮してもらいたいと言い、また今は全員と言い、しかし、さもしいと言ったこともあって、御本人はどうするかわからない、しかし皆さんはちゃんと受け取りなさい。これが政治のリーダーのやることですか。私が率先してこうするから皆さんもやってくれというのならわかりますよ。場合によっては、私はこういう形でやるけれども皆さんはこういう形だからやってくれというのならわかりますよ。私はどうするかわかりません、しかし皆さんは取ってください。そんな説得力のないことがあるわけないじゃないですか。

 私は待ちますから、どうぞゆっくり考えてください。どうされるんですか、御本人は。それがない限り、この定額給付金の性格が国民に対して説明できないじゃないですか。はっきりしてください。

麻生内閣総理大臣 少なくとも、これは個人にそれぞれ給付されるものだと思いますので、個人の判断を私の命令で縛るというのはいかがなものか、私は基本的にそう思っておりますから、それぞれの個人で判断をされる、もらわれた場合は盛大に消費していただければと思っております。

菅(直)委員 これは別に、麻生さんが自分のポケットマネーで何か寄附をする、いやいや、麻生さんからもらうわけにいかないとか、いやいや、じゃ、ありがたくもらおうという話と違うんですよ、全く。国民の税金で、少なくとも国民の税金をもとにする埋蔵金で、それを二兆円も政府の提案で定額給付金という形で出すということを言われているわけですよ。

 私は、制度に反対ですから、もちろんいただきません、制度そのものに反対ですから。しかし、私がという以上に、提案者が、提案している総理大臣が、国民は受け取りなさい。ついこの間までは、高額所得者はだめです。何が状況が変わったんですか。つい一カ月か二カ月じゃないですか。総理がみずからの提案に対して、みずからが受け取る、受け取らないも言えないような、そんな質疑を国会でやっていたら、国民から一体何を議論しているんだと。総理がきちんと、受け取られるのか受け取られないのか答弁をしていただきたい。それまで待ちますから。

麻生内閣総理大臣 まだ予算も通っていない段階からお答えするのはいかがか、最初からそう思っております。それがまず第一点です。まだ決まっていませんから。それが一つです。

 加えて、この段階で、私は、状況として、いろいろ変わったと言われますが、景気の情勢が大きく変わっておりますので、生活給付金という色合いと消費促進という色合いと両方出てきておりますので、消費促進の面を考えたら、ぜひ消費をということであるのであれば、一万二千円いただかれたら、高額所得者の方はそれに幾らか足されていろいろなものに消費していただくのが最もいいということを申し上げております。

 私自身は、まだもらっていない段階で、ちょうだいしていない段階で判断はいたしかねますので、今後判断をさせていただきますと申し上げております。

衛藤委員長 菅直人君。どうぞ。

 委員長の議事整理権に従ってください。菅直人君。菅君。

 菅君、菅君に発言を求めます。菅直人君。菅直人君、どうぞ。菅君に発言を求めます。菅直人君、発言を続けてください。

 総理は正確に答弁しております。

 委員長は総理の答弁を了といたします。

 菅直人君。

菅(直)委員 予算が通るまではもらうかもらわないかわからないと言えば、どの予算も通っていませんよ。これが総理の言うことですか。しかも、総理はこれまで発言がなかったんじゃないんですよ。ある段階では、高額の所得を持っている人が受け取るのはさもしいとまで言われたんですよ。

 それを、では、変えたんなら変えたで、ちゃんと上限を設けるべきだとか設けないべきだというのを、変えたんですね、考え方を。社会状況、経済状況が変わったから、これまで何度もいろいろ言われたことは、方針を変えたんですね。(発言する者あり)理事のくせにやじを飛ばすのはやめてください、鈴木さん。

麻生内閣総理大臣 昨日の本会議でも同じように答弁したと記憶をいたします。

 私は、少なくともこういったものは強制されてするものではないというのははっきりいたしております。それぞれ個人にちょうだいできるのであれば、ぜひ、そういったものは個人に判断をゆだねていく。

 そういうわけですから、少なくとも、条件としては、かつてと今と何がこの数カ月間で変わったかといえば、生活給付面と、もう一つ消費刺激の面ということと、二つ出ましたので、消費刺激の面を考えれば、ぜひ高額の所得をお持ちの方であっても、もらった以上は使ってください、自分でそれを足して消費をさらに刺激するようにしていただけるのがよろしいのではないかということを申し上げております。何一つ変わっていないと思っております。

 私のことにつきましては、今後判断する、昨日本会議でも答弁させていただいたとおりであります。

菅(直)委員 まず、先ほど公明党の北側幹事長が、去年の、最初にこの案を福田政権のもとで決めるときから二つのことがあるんだ、そして当時の幹事長の麻生さんとそう言ったと言われたじゃないですか。最初から二つのことがあったんでしょう。しかし、総理は、初めは全員と言って、その後はやめると言い、行ったり来たり行ったり来たりした。

 少し方向を変えてみます。与謝野さん、与謝野さんは福田内閣の閣僚でもありましたよね。私は、福田前総理は本音はこの給付金に反対だったと思うんですね。どうでした、与謝野さんの感想は。

与謝野国務大臣 その当時の与党・政府は一定の合意をいたしまして、定額減税を行う、単年度限りの措置として財源を勘案しつつというような中でやるということは、福田内閣及び与党で決めたことでございまして、福田内閣がこれを反対していて……(菅(直)委員「福田さん本人」と呼ぶ)本人は知りませんが、福田内閣は合意をしたわけでございます。

菅(直)委員 自民党の野田毅さんが、いや、菅さん、これは連立のコストだよとたしかテレビでも……(発言する者あり)そこにもおられましたか、テレビでも言われていました。

 それから、これは私の見方ですが、公明党の選挙対策費だと。公明党の選挙で、かつての振興券と同じように、自分たちが決めて皆さんに上げたんだ、その選挙対策だと。私もそう思いますが、いかがですか、総理。

麻生内閣総理大臣 公明党に対してかなり無礼な話かなと思いましたけれども、礼を失しているとは思いましたけれども、私は全く見解が違います。

菅(直)委員 少なくとも、さもしいと言うよりは、私は、選挙対策にいろいろなことをやるのは世の常ですから、しかしそれが行き過ぎているかどうかですから。

 総理、渡辺喜美氏の自民党総裁への提言は読まれましたか。

麻生内閣総理大臣 幹事長の段階で読まれたと思いますが、私自身は読んでおりません。

菅(直)委員 なぜ読まないんですか、総裁あての文書を。自民党の総裁が、自分の党の議員が言ったことが都合が悪いと読まないという姿勢なんですか、どうですか。

麻生内閣総理大臣 御本人の気持ちというものが書かれているんだと思いますが、御本人の気持ちは実にたくさんの方からちょうだいいたしますので、私自身として、幹事長の段階で処理をしたというように聞いておりますので、私自身が読んだことはございません。

菅(直)委員 では、私が七項目の一項目だけ読み上げましょう。「定額給付金を撤回し、二兆円を地方による緊急弱者対策に振り向けるなど、二次補正予算案の修正を国会において行なうべきである。」いかがですか、この意見について。これが受け入れられない場合は離党すると書かれていますね。

麻生内閣総理大臣 御本人の気持ちでございますので、今初めてその話を伺いましたけれども、私自身として、基本的には御本人、党でしかるべき手続を得て決定をさせていただいた今回の二次補正でありますので、それを、決まった後、今そのようなお話をいただいても、それに対応することはいかがなものかと存じます。

菅(直)委員 総務大臣、自治体の中にこれについて批判的な自治体もたくさんあります。もし自治体が条例を、例えば首長が議会に出さなかった場合、あるいは出しても議会で過半数を得られなくて否決された場合、これは実行できますか。

鳩山国務大臣 これは法定受託事務ではありませんで、自治事務として整理をいたしております。したがいまして、自治体がこういう定額給付金は配りたくないということであるならば、それは私どもはお金を渡すこともしない、こういうことでございます。

菅(直)委員 ということは、実行できないということですね。

鳩山国務大臣 それは、そういう自治体があれば、その自治体の範囲内では実行ができないから、市民は受け取ることができない、こういうことになります。

菅(直)委員 これは、国民の皆さん、お聞きだと思いますが、結局、自治体の皆さんは、もしそれだけの金額を自治体に交付を受けられるのであれば、その中身そのものの判断も自分たちに任せてくれないかと。中には、場合によってはそういう、ある人たちに配る自治体も出るかもしれませんが、場合によっては、あるところでは、例えば病院のお医者さんの拡充とか介護の職員の拡充とかに充てるところもある。そういうことは、それがまさに分権の考えじゃないでしょうか。それはできないんですか。

鳩山国務大臣 それは、先ほど北側先生がお話をされたように、さまざまな政策で七十五兆円の経済対策をやっているわけですね。ですから、例えば学校の耐震化、あるいは医療、あるいは教育、それぞれお金を組んでいるわけですね、障害者の支援に関しても。

 それで、それとは別に、この二兆円というお金は、いわば景気の反転攻勢というのか、これで消費が拡大して、ぽんと日本が最初に世界大不況から抜け出す立場になる、そのきっかけになる、そういうような期待も込めた二兆円でございますから、この金を別に使うということは、これは仕組みとしてできないわけですよ。

 ですから、例えば、きのう大阪の橋下知事が、所得制限を設けて云々という話があった。これは、大阪府の方によく仕組みを説明したら、わかったということのようでありますが、その場合は、例えば、四百万以上の所得の方が全員受け取って全部これを寄附するということならば、それを学校の耐震化に使うことができますが、受け取らないものについては、こちらもお渡しをしないということになるわけです。

菅(直)委員 この問題は同僚議員がもっと詰めて後に議論しますが、少なくとも仕組みとしてはできない、それが総務大臣の答弁だった。つまりは分権じゃないということですよ。つまりは、それ以外には使わせない、使わないんだったら一文もやらない。

 そこで、いいですか、二兆円というお金がどのぐらいのお金なのかということを、私なんかでさえなかなか実感が持ちにくいんですが、いろいろな表現があります。例えば、一万円札、あれは長さが大体十六センチですが、二兆円並べると二億枚になるんですね。二億枚というと、掛けてみると三万二千キロになるんですね。大体地球の一周が四万キロですから、地球の一周の八割、九割を占めるぐらいの、それだけの量なんです。あるいは、お金でいえば、百万人の皆さんに一年間二百万円ずつ給付するだけの金額なんですね。

 そこで、二兆円についてはこういう使い方がいいんではないか、これは私個人です、党の中でもいろいろ議論しておりますが、まだ最終的な党の統一的ではありませんが、私の個人的な考え方として一つの提案をさせていただきます。

 第二次補正予算というのは、定額給付金とその他生活対策二・七兆、これ以外に、税収の減収がまた別個にもちろん巨額ありますが、一応内容的にはこのようになっております。

 定額給付金を我が党を含む野党三党の修正案のように二兆円削除した場合に、これを、例えば本予算の方で、現在、雇用対策、政府案が一兆円、これに三千億上乗せする。介護人材の確保、これは約十万人を拡充していくという形で、三年間分、大体三年置きに介護報酬が変わりますから、三年間分として七千億、これで合計七千百六十九億。学校の耐震化は、現在、政府案は一千億です。これに一兆円を加える。

 なぜ耐震化が望ましいかというと、もちろん子供たちの安全ということもありますが、同時に、同じ公共事業の中でも、道路といったようなものは、用地を取得したり、いろいろな移転のことで大変着工までに時間がかかります。しかし、学校の耐震化については、もう既に建物があるわけですから、比較的着工までに時間がかからなくて、ある意味で、この振り向けられた一兆円が、そういった経済効果も迅速に生む。

 こういう形で二兆円を使った方が、私は、経済効果と同時に、国民の安心にもつながると思いますが、麻生総理、いかがですか。

麻生内閣総理大臣 これは、野党修正案とは違うんですね、そちらの意見とは全然違うんですな。これは、少なくとも、国会の予算委員会における野党の代表質問だと理解しておりますので、野党の案ではなくて個人の案と言われるのを私が答弁するというのはいかがなものか。違うんじゃないんですかね、これは。少なくとも、野党修正案は削除、こっちは使うと書いてあるので、大分違うと思いますが。

細野委員 我々の修正案は、この定額給付金の部分を削除するという案でございます。今菅委員が提案されたものは来年度の本予算においての提案というふうに承知をしておりますので、そのことを確認させていただきたいと思います。

菅(直)委員 総理は本当に質問を聞いておられるんですか。ここに書いてあるでしょう。二次補正というのは、皆さんが出された二次補正です。隣は野党の修正案で、補正予算からの二兆円削除と書いてあるんです。それ以外はそのままと書いてあるんです。そして、そのお金をどうするかというのが、もちろん我が党の中でもかなり議論をしておりますが、現時点では最終決定になっておりませんので、私の責任で、今の議論を踏まえて、こういう形で使ったらどうかと。

 先ほど総理は、自分のことについては、何も自分が最後に判断するんだと言いながら、今度は、個人の判断なら答える必要がないとでも言われるんだったら、この審議はできませんよ。ちゃんと答えてください。

麻生内閣総理大臣 それは全然違います。失礼ですけれども、これは、私が個人でちょうだいする話と、国の予算として、野党の修正案として、今平成二十年度の二次補正をやっているときに、二十一年度の予算の話を今しておられるわけでしょう。これは二十年度の補正予算の審議をしているんだと理解をいたしておりますので、ちょっといかがなものかなと思います。

菅(直)委員 そういういちゃもんで、お答えにならないなら結構です。というのは……(発言する者あり)ちょっと静かにさせてもらえますか。

 よく皆さん、おわかりだと思うんですけれども、わかっている方は。富田さんもよく聞いてください。この二兆円は、いわゆる埋蔵金から出されるんですよ。そして、その埋蔵金はこの二兆円だけでなくなるわけじゃなくて、四兆円ぐらい埋蔵金から出すんですよ。そのうちの二兆円をこの定額給付金に使うという仕組みになっていることは、与党の皆さんもちろん知っているでしょう。ですから、二兆円使わなければ、埋蔵金がその分残るんですよ。そして、本予算ではもともとその埋蔵金からさらに出すことになっているはずですよ。

 つまりは、もともと、埋蔵金の一部を補正予算で使うのを二兆円使わなければ、本予算にその二兆円を使うのは、極めて容易にといいましょうか、同じ仕組みの中でできるから、二兆円の補正の中からは削って、それは、本予算のとき我々が修正案を出せるかどうかはそのときにまた検討しますが、少なくとも、本予算でそれを振り向けるということは、財源はちゃんとあるわけですから、やれるんじゃないですか、こうしたらどうですか、そう言っているのに、二十一年度の予算に関することだからそれは答えられませんというのであれば、それは総理がその仕組みを知らないことだということを申し上げて、お答えになるんなら答えられればいいですし、お答えにならないんなら次の問題に移りますが、いかがですか。

中川国務大臣 ただいま御議論いただいております平成二十年度第二次補正予算について、今菅委員が御質問されていると思いますが、私の立場、提案者の立場から申し上げますと、埋蔵金という言葉がよく使われますので、私も広辞苑で調べてまいりましたが、埋蔵金というものは、埋めて隠すという意味でございます。今回の財源は、埋めて隠しているものを引っ張り出してくるものではございません。

菅(直)委員 この程度のことしか言えない財務大臣で大丈夫なんですかね。

 財投特会というものについて、それの一部を出すという案が政府案になっているじゃないですか。埋蔵金という言葉は、自民党の中でも、あるのないのと言って、今回たくさんあることを認めたんじゃないですか。だから、わかりやすい形で埋蔵金という言葉を使っているのであって、同じ財投特会の中から四兆円引き出すのを二兆円にして、本予算にこう回したらどうですかと、極めて国民の皆さんにもわかりやすい形で提案をしているのに、こういう、何か役人の悪知恵みたいな形で答弁を拒否するというのは私は認められませんが、答弁されないのなら話を移しますが、答弁ができないんですか。

中川国務大臣 今、菅委員が、この二兆円が、財投特会の金利変動準備金の中から二兆円を出しておるという御発言であれば、そのとおりでございます。

 この二兆円は何のためにこの定額給付金として必要かということについては、先ほど総理から御答弁があったとおりでございます。

菅(直)委員 多少はわかっているという意味ではほっとしました。それもわからないで財務大臣をやられたら困りますからね。

 この議論はさらに同僚議員が続けると思いますが、少なくとも、まともな政策議論をしようということで修正案を出し、そして修正で減額した二兆円を、同じ財投特会に残るわけですから、それをこう使ったらどうですかと言っても、結局はまともな答弁すらできないということを申し上げて、次の問題に移ります。

 総理、十月十七日に私は、この予算委員会で、オウム真理教と真理党の関係について質問をいたしました。そして、内閣法制局長官からの答弁をいただきました。その後、どうも私の質問なり答弁について、公明党の皆さんが激怒したなんという報道もありまして、新聞報道によれば、その日に、太田代表と北側幹事長が内閣法制局の幹部を呼び出したと。翌日の予算委員会では、富田委員がこの場で質問をした。そして、その後、山口那津男議員が参議院で撤回せよという質問をされております。しかし、予算委員会では、法制局長官は撤回という言葉は一度も使われておりません。

 それなのに、十二月の二十四日の閣議決定、いいですか、閣議というのは最高決定機関ですからね。閣議決定で、この内容を、少なくとも、どの部分かというのは表現上はややこしいですが、撤回するということを閣議決定されましたね、総理。

 この閣議決定というのは、内閣の全員がサインをされているはずです。法制局長官はサインをする必要がありませんし、していません。ですから、これだけは、閣議決定ということですから、決定をされた方にお聞きします。どういう理由で撤回という答弁を閣議決定されたんですか。

河村国務大臣 お答え申し上げます。

 御指摘の答弁書でございますが、山口議員からの質問主意書に答えたものであります。

 内閣法制局でも検討をした結果、平成二十年十月七日の衆議院予算委員会で、菅議員に対する内閣法制局長官の答弁には、憲法の定める政教分離の原則に関して誤解を与え、従来の政府の見解を変更したともとられかねない、こういう部分があるという考えに至ったものでありますから、当該部分について、「内閣法制局として、撤回させていただきたい。」このように答弁したわけでございます。閣議においても、そのような内容について、責任を持ってこれを了承したわけでございます。

 なお、この署名につきましては、既に御案内かと思いますが、事務の簡素化、こういうこともございまして、内閣総理大臣が閣僚を代表して署名することになっております。内閣の責任でありますから、私も署名をさせていただいておりますが、質問主意書については、菅先生が大臣のころからそのような仕組みになっておるところであります。

菅(直)委員 十月七日の質問ですよね、私の。(河村国務大臣「そうです、十月七日ですね」と呼ぶ)

 これはどういうことかというと、少しわかりやすく言いますと、私が十月七日の本院の予算委員会で質問したのは、オウム真理教という、麻原彰晃教祖が党首として真理党という党をつくって、二十五人の衆議院候補を出して、東京などを中心に戦ったときがある。幸いにして、有権者が一人も当選をさせなかった。そこで、大勢の人が例えば当選して、内閣に入って、その内閣がオウム真理教の教えなどを広げるような行動をその権限でやった場合は違反になりますよねと言ったら、そういう場合には憲法違反になりますという答弁だったわけです。

 問題は、この中身そのものもありますけれども、それ以上に、なぜ公明党がこれだけ躍起になって、私は質問の中では公明党のコの字も言っていませんよ、創価学会のソの字も言っていませんよ、それなのに、なぜ公明党の代表や幹事長が呼び出したり、あるいは衆参の議員が質問したりするんでしょうか。

 同時に、斉藤さんに申しわけないけれどもお聞きしますけれども、あなたは、亀井静香さんが本院で矢野さんとの裁判について何か話をしたときに、特にあなたに質問が行っているわけでもないのに手を挙げて、創価学会と矢野さんとの裁判はこういうふうになっていますということを説明されましたよね。環境大臣というのは、何か創価学会と矢野さんとのトラブルについてここで説明しなきゃいけない立場なんですか。もちろん、聞かれた場合は仕方ないですよ。

 つまり、どういうことなのか。つまりは、公明党というのは、みずから認められているように、創価学会が最大の支持母体。人によっては創価学会の丸抱えだという見方もあります。そうすると、その創価学会が公明党を使って閣議決定に圧力をかけたとすれば、そのこと自体が憲法二十条で言う政教分離に反する行動になる、私はそう思いますが、総理大臣、いかがですか。

河村国務大臣 今回の答弁書については、まさに政府内において慎重に検討をしたものでありまして、おっしゃるような言論弾圧、あるいは委員会での審議も経てきておるものでございますけれども、そういうものをないがしろにする、こういうものではないというふうに考えております。

菅(直)委員 では、あえて斉藤さんに聞きましょう。

 なぜあなたは、創価学会と矢野さんとの裁判のことについてわざわざ説明に立たれたんですか。

斉藤国務大臣 十月七日の亀井静香議員とのやりとりの問題だと思います。

 テーマが、矢野元委員長、公明党の元委員長という立場の方でございました。そして、そのときの議論の前提として、間違った事実に基づいて、もしくはある基本的な事実を前提に議論されなければならないのに、その事実が皆さんの共通の認識となっておりませんでした。したがいまして、私は公明党に所属しております。その元委員長の事実について申し上げたのみでございます。

菅(直)委員 百歩譲って、今の答弁がそういう理由であったとしても、少なくとも自分たちの元党首を擁護する立場ではなくて、その党首を逆に糾弾する立場で答弁されているんですよね、あのときの答弁は。それからいって、今のあなたが言っていることは、自分たちの元の党首で大事だから私がかわりに言ったという話にはなっておりません。(発言する者あり)

 委員長、私は、今もやじが飛んでいますが、この問題は、本来は政策論じゃないんですよ。ですから、みんな口をつぐむんです。私だって、別に公明党とこれまで地元でそんなに悪い関係になったことはありません。応援もしてもらったことはありませんが。だけれども、みんなが口をつぐむんですよ、この問題に。ですから、憲法二十条についてこれだけの議論があるんですから、この予算委員会できちんと憲法二十条について集中審議を関係者を呼んで行うことを、ぜひこの第二次補正予算の審議の間にやっていただくよう強く求めます。いかがですか。

衛藤委員長 後刻理事会で協議いたします。

菅(直)委員 理事会には私も出ることになりますので、そのときにまたお願いをしますけれども。

 もう一度、話を少し戻します。

 第二次補正予算の中で、先ほど、定額給付金以外の部分について、私どもは決してすべてが十分だとは思っておりません。ただし、修正案を皆さんが賛同していただければ、それで、他の部分は十分ではないけれども、まあ了解しようかなと思っております。ただ、二点だけはっきりさせておきたいことがあります。

 高速道路の値下げに五千億を使うというんですが、この値下げが、ETCを使った休日の運行についてになっていますよね。

 実は、ETCを使うと、天下り団体のETCを促進する団体にお金が結果的に回ってくる仕組みになっておりまして、そこは常勤の役員は国交省とか警察の天下りということになっております。

 私たちは、ETC促進のためにわざわざそこにターゲットを絞ったんじゃないか、こういうふうに思いますが、そうじゃないんですか。

金子国務大臣 料金引き下げがいろいろな会社の、NEXCO、首都高、本四、それぞれ一般有料道路、さまざまな道路の、高速道路の形態にまたがる、それをできるだけ今度の料金引き下げで一本化していきたい、共通にしていきたい。

 ですから、一つ一つ、全国どこまで千円と今申し上げていますけれども、東北から名古屋、東名を通るにしても、東北から首都高を通ってずっと切れ目なくこの料金引き下げの効果が得られるためには、やはり今のETCを利用していただかないとどうしても、機械をかえる、コストはかかります、かかり過ぎます。料金を手で収受する、時間がかかります。

 特にCO2、CO2の排出は運輸部門が二割を我が国は担っていますけれども、その二割はトラック、バスじゃないんです、普通乗用車が六割の排出をしているという、このことを考えれば、なるべくやはり我々国民の責任として、CO2の責任を普通乗用車の運転手の皆さんも負っていただきたい。

 そういう意味で、ORSEを守るためにETCをお願いしているわけでは決してありません。何といっても渋滞、混雑、これはETCを使うことによって間違いなく三〇%以上の料金徴収渋滞というのが、三割もう削減されています。そういう意味で、CO2削減というのが、間違いなくなくなってまいりますので、その効果をやっていただきたいと思っております。

 現に、昨年来、高速道路料金の引き下げということを打ち上げさせていただきましたらば、それではETCを買おうという方が、ETCをつけていただく方が急速におかげさまでふえてきてくれている。国民は、それをある意味期待していただいているんだろうと思います。

菅(直)委員 改めて申し上げるまでもありませんが、我が党は、高速道路の無料化、つまり、ETCも要らない、ゲートもない、そして、出入り口は今の三倍ぐらいつくってもそんな大工事にはならない、そういう提案をしているわけでありまして、ORSEという、わざわざ私が名前も言っていないものまで挙げて、結局はORSEという天下り団体にお金がたくさん入っているということをみずから認められたわけで、この問題はまた機会があったらやらせていただきます。

 そこで、最後に、時間が少なくなりましたが、先ほど、実は我が党の渡部恒三議員から、菅君、一九九八年のときに金融国会があったよね、あのときに野党が提案したものを自民党は丸のみしたんだよね、そのことを言ってみたらどうかと御示唆をいただきました。

 一九九八年には、自民党は参議院では過半数を割っておりました。金融国会と呼ばれた国会であります。そのとき、当時の民主党と自由党と公明党で金融再生法を提出いたしました。そして、当時の野中官房長官と仙谷さんやあるいは石原さんや枝野さんたちが、当時は政策新人類という呼び方もされましたが、いろいろ議論した上で、野党が提案をした金融再生法を自民党が丸のみをする。まだそれだけの見識があったんでしょうね、当時は。それによってその金融危機を越えていったわけです。

 私は、率直に申し上げて、今回の定額給付金を外すというのは、本当に言って、私は党利党略で言っているつもりはありません。二兆円という膨大なお金をより有効に使うべきだという意味で、野党三党そろって提案をしているんです。現実に、一人であるか何人であるかは別として、渡辺喜美自民党議員、皆さんの仲間としてかなり有力な方ですよ、その人もそのとおりだと言っているじゃないですか。それを、結局なぜそれを受け入れることができないのか。

 あえて最後に申し上げておきますが、第二次補正予算は、予算案が通過して成立したからといって、実行できませんよね。つまりは、関連法案、先ほどの財投特会からの繰り入れの法案が参議院で通過するか、あるいは三分の二で衆議院でさらに成立をさせなければできないんです。

 ですから、私たちは一日も早い景気対策、雇用対策をやることは賛成ですから、一日も早い雇用対策、景気対策を第二次補正に基づいてその部分を実行するためには、総理、あなたの決断で我が党の修正案に応じるか、または、第二次補正から切り離して第三次補正に振りかえて議論するか。それをやらないまま関連法案の審議が結果的に時間がかかった場合において、その責任は、金融国会のときの小渕さんはなかなか立派でしたけれども、それに匹敵する決断力を持たない麻生総理と、そして党利党略に走る公明党に、第二次補正の実行がおくれた場合は、その責任はその両者にあるということをあらかじめ国民の皆さんに明確に申し上げて、私の質問を終わります。

衛藤委員長 この際、仙谷由人君から関連質疑の申し出があります。菅直人君の持ち時間の範囲内でこれを許します。仙谷由人君。

仙谷委員 民主党の仙谷でございます。

 ちょっとあらかじめ申し出をしてございます順番を変えまして、この予算委員会の雰囲気を感じ取りながら、定額給付金問題をまずは議論をさせていただきたいと思います。

 実は、定額給付金と一般に言われておるわけですが、定額給付金給付事業助成というのが補正予算書とかあるいは政府提出のペーパーに書かれておるんですね。定額給付金給付事業助成、そういうふうに書いてあるんですね。これは私も全くわからないんですが、国としてはこの事業に絡んで法律はおつくりにならないんでしょうか。総理、財務大臣もしくは総務大臣、お答えになれる人があればお答えください。

鳩山国務大臣 御承知のように……(仙谷委員「いや、結論だけでいいから。法律つくるかどうか」と呼ぶ)法律はつくりません。つくらないでできるという考え方です。

仙谷委員 もちろん、そうなると政令もないということですね。

鳩山国務大臣 そうなると思います。

仙谷委員 国として、この事業執行をするについての法規範というのは何があるんですか。

鳩山国務大臣 先ほど申しかけましたけれども、これは自治事務という扱い、分類をしております。自治事務とは何かというと、地方自治体が行う事務であって、法定受託事務以外のものはすべてであります。したがって、自治事務の中には法律や政令を根拠にしているものもあればそうでないものもあるわけでございまして、結局、私もいつも法律を読んでいるわけではありませんけれども、地方自治法のさまざまな規定からこれを読み取っていくという形になっていると思います。

仙谷委員 端的にお答えいただきたいんですが、国としてのこの事業執行についての法規範というのは何かあるんですかと聞いている。何にもないんだったら何にもないというふうにお答えいただければありがたいんですが。

中川国務大臣 この法案が成立させていただきまして、関連法案も成立させていただいた後にこの定額給付金を地方にお渡しをするというのは、国の予算の執行権の範囲に基づいていると考えております。

仙谷委員 国が予算を執行するということですか。執行令というのがあるんですか、何か。

 つまり、この事業で各市町村にこれだけとか何か渡すことになるんでしょうけれども、その基準とか、いろいろまあ地方公共団体との関係の、ある種公法的権利義務を定めるものは何かあるんですかと聞いているんです。

中川国務大臣 予算を執行すること自体が法律と同じ効果を持つ、これは憲法で認められている権限に基づくわけでございますけれども、それに基づいて国が行う予算の執行でございます。

仙谷委員 そうしますと、地方公共団体が、国が何かこうやるということに対して従う法規範的な効果というか拘束力、地方自治体に対する拘束力というのは公法上何があるんですか。

鳩山国務大臣 それは、十分の十補助という形になるわけですから、そういう予算の執行でございますので、いわゆる法規範、法律とか政令で定めてやるものではありませんから、そういうものはないんです。

仙谷委員 だから、地方公共団体が、国がこの予算を決めたと。予算というのは、要するに国が使える金額の範囲ですよ。大まかな、こういう項目のもとでこういうふうには使えるという話。どのように使うのか。これは、予算執行であれ何であれ、やはり一定の法規範があって、これに基づいて使われなければ法治国家と言えない、私はこういうふうに若いころから習ってきましたし、現在もそう確信しています。

 そのことを自民党の先生方も否定なさるのであれば、みずから、法治主義とか法の支配とか、つまり国権の最高機関とか、これをすべて否定することになると私は思って、極めて今回のこの定額給付金のやり方について憂慮をしている。これは、いわゆるレクと言われている、財務省の人や総務省の人が中心になって来られておりますけれども、申し上げてあったはずであります。

 反対の方から、総務大臣、総務大臣にばかり集中して気の毒だけれども、地方財政法九条、十条って読んだことがありますか。読んだことがおありになるのだったらお答えください。これは一番大事なところ、今回の問題で。

鳩山国務大臣 いろいろなレクの中で見せられたかと思いますが、自分で読んだという明確な記憶はありません。

仙谷委員 まず、九条が原則なんだけれども、原則はちょっと後から言います。十条はこういうふうに書いてある。

 「地方公共団体が」、いいですか、地方公共団体が主語。「法令に基づいて実施しなければならない事務であつて、」つまり法令がないといかぬということですね。「国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する必要がある次に掲げるものについては、国が、その経費の全部又は一部を負担する。」

 今回は全部負担するとおっしゃっているんですよ。おっしゃっているんだけれども、一番最初に私が確認したように、法令に基づいて実施しなければならない事務になっていない。法令はないということを平気でおっしゃっている。どうするんですか、これ。改めてこれから法律をつくるか、あるいはこんなやみのような手段をやめるか、どっちかしかないんですよ。どう理解しますか、この十条。

中川国務大臣 まず、予算は、先ほど仙谷委員もおっしゃられましたように、これは成立したら法律と同じ効果があるわけでございます。

 この予算を予算書に基づきまして執行するわけでございますが、今回の定額給付金は補助金でございます。さっき総務大臣からも答弁ありましたように、十分の十の補助でございます、補助金でございます。したがって、これは、自治体に対して無理やりこれを受け取れという強制力はございません。これは、自治体の方が、その補助金を受け取るかどうかは自治体が御判断をなさるということでございます。

仙谷委員 雲の上で二兆円が浮いておるわけじゃないんですよ。予算執行だって、法令に基づいて自治体がやらなければならない、実施しなければならないという事務にするかどうか。これは別に、自治事務であろうと法定受託事務であろうと変わりません。いずれの場合も組み方次第ではできる。しかし、法令に基づかない事務を自治体にやらすときは、自治体が勝手にやるときはどうなるのか。財務大臣、知りませんか。

 九条に書いてあるんですよ。「地方公共団体の事務を行うために要する経費については、当該地方公共団体が全額これを負担する。」と書いてあります。(発言する者あり)質問、おかしいですか。地方公共団体が法令に基づかないで行う事務については全額これを負担すると書いてある。

 なぜこんなことが書かれるのか。これは、中央政府、地方政府の、お互いの財政規律、これを守るために書いてあるんでしょうが。地方自治体が勝手に事務をやって、お金ちょうだいと言ってきても上げません、これだけの話じゃないですか。そのかわり、十条でちゃんと限定列挙してあるじゃないですか。法令に基づいて実施すべき事務を限定列挙してあるじゃないですか。(発言する者あり)ありません。それは、あなた方がインチキやっているということの証明にしかすぎない、そんなことは。

 どうですか。私は、こんなやり方は許されない。なぜ堂々と法律をつくろうとしないのか。参議院で六十日かかるとか、参議院で否決されるとか、そんな思惑だけでこの定額給付金をやろうとするからこうなっているんじゃないですか。

 我々はちゃんとした国権の最高機関、皆さん方は、それに基づく、まことに三年半前の超過議席を単にここにきかせているだけにすぎない政権だけれども、それでもまあ、曲がりなりにも形式的には民主主義国家の政権ですよ。なぜ、民主主義国家の政権が事業をしようとするとき、正しく国会で議論をして議決を求めようとしないのか。これがわからない、僕は。どうですか。

鳩山国務大臣 地方自治法にもいろいろなことが書いてあるわけですが、結局、国が義務づけるか義務づけないかというような問題があって、これは国が義務づけているわけではないんです、今度の定額給付金は。したがって、その費用は国が見ることができるという解釈をいたしております。

仙谷委員 いかがわしい解釈でございますので、この問題については、委員長、財務省、総務省含めて、あるいは内閣法制局含めて、ちょっと統一見解を出してください。

 これはいかがわしい。つまり、法なき国家になる、法なき行政執行の国家になってしまう。そう思いませんか。

衛藤委員長 後刻理事会で協議します。(発言する者あり)

 仙谷君、もう一度発言してください。

仙谷委員 私は、地方財政法九条、十条との関係で、こんな入出金は、幾ら補助金といっても地方に渡すわけにもいかないし、これは両方の財政規律の問題です。

 もう少し大きく考えれば、法治主義とか議会制民主主義とかそういう観点から考えても、こんな法律もなければ政令もない、法規範たるものが何にもない。ところが、一千八百の地方自治体相手に公法上の権利義務関係をつくるわけでしょう。これは自治体だって、今度は自治体が条例をつくった瞬間に住民との関係で権利義務関係ができるんですよ。

 では、この不服申し立てはだれが受けるんですか。不服申し立てはだれが受けるんですか、名あて人はだれになるんですか。市町村ですよ、当然。そうすると、この事業はだれの事業なんですか。皆さん方は堂々と、国の景気対策だ、経済対策だどうのこうのと。国の施策が何で、もし問題になったら、市町村が責任をかぶって訴訟を受けて立たなきゃいけないんですか。簡単じゃないですか。つまり、国が国の施策としてやる以上、一定の規範をつくって、みずからの責任を持って事業をやる、これが法律をつくるということじゃないですか。

 私は、この脱法的、このインチキなやり方についてはやめてもらわなければならない。インチキだ。やめてもらう。

 これについて、ちゃんと内閣法制局も含めて答弁してください。そんな予算だけができたらできる、そういう論法だったら、財務大臣、予算ができたら何でもできるんだったら法律要らぬじゃないですか、予算を通したら。そういう話になっちゃうんですよ。(発言する者あり)

衛藤委員長 まず、総務大臣鳩山邦夫君。

鳩山国務大臣 先ほどの私の説明はやや舌足らずでした。つまり、国が義務づけしていれば、国がすべてその事務費等も見なければならない。しかし、義務づけていない今回のようなケースは、国が出しても出さなくてもいいという形になっているようですね。

 それから、地方財政法の第十六条というのがあります。「国は、その施策を行うため特別の必要があると認めるとき又は地方公共団体の財政上特別の必要があると認めるときに限り、当該地方公共団体に対して、補助金を交付することができる。」これを根拠にいたしております。

仙谷委員 では、統一見解を出させてください。

衛藤委員長 政府に対して申し上げますが、統一見解を明朝八時四十分の理事会までに提出をお願いいたします。以上。

 仙谷由人君。

仙谷委員 法なき政権運営をどんどんなさっているので、私は心配をしておるんです。

 次に、またまたやらかしたのが、天下り容認推進政令が出てきた。法律に反するものをへっちゃらでつくった、ひそかに十二月につくった。こういう話であります。

 つまり、私は、この間の自民党あるいは自公政権のたまりにたまったうみ、まあ、自民党の政治家でも寿命は尽きたと言っていらっしゃる方が相当多いわけでありますが、このうみをだれでもがわかるように言うとすれば、縦割り、補助金、天下りという、今も十分の十の補助金を何の法律にも基づかずにやろうとした定額給付金の問題がありましたけれども、要するに、金を垂らして、欲しければとりに来いみたいな話ですよ。縦割り、補助金、天下り。今度は天下りが、カモがネギをしょってどこかへ飛んでいくように、補助金を持っていろいろな法人とかあるいは民間企業に天下っていく。これを差配するのが何々省の官房長であるというのは、半ば常識化した、官房長の仕事はそういう仕事だというのは、霞が関と永田町、そしてそれと関連の深い企業は常識化している話ですよね、これ。

 きょう、立花さんとおっしゃるんですか、事務局長さんをお願いしてございますが、いらっしゃいますか。

 立花さん、経団連はこの天下りというものについてどんな見解をお持ちだったでしょうか、経団連としては。

立花政府参考人 仙谷先生からの御質問でございますけれども、現在、私、国家公務員制度改革推進本部の事務局長ということで、公務員ということで、ちょっと立場を異にするものですから、どういうふうにお答えしたらいいのか、私、正直言うとちょっと戸惑っております。

 前身の経団連がどういうことを言っていたのかということからいえば、経団連の方でも、たしか四、五年前に公務員制度改革についての提言をまとめたことがございましたが、天下りの問題につきましては、基本的には望ましくない、そういうことで、要は、天下りをしなくても済むような仕組みをどうやってつくるかということで、そういった観点から必要な改革を提言させていただいたことがございました。御参考までに。

仙谷委員 では、うなずいていただくぐらいで結構ですから、二〇〇五年四月十九日、日本経済団体連合会、「さらなる行政改革の推進に向けて 国家公務員制度改革を中心に」という冊子があります。この中で、こういう記載があります。

 「透明・公正な再就職システムの構築 キャリアディベロップメント制度の導入」というふうに表題、小見出しがついて、「具体的には、各府省の人事担当部局が最終的に再就職の仲介を行う現行の慣行を改め、内閣において一元的に管理するとともに、こうした透明度の高い人材マッチングシステムを通じた再就職を行うことを基本とすべきである。」要するに、「各府省の人事担当部局が最終的に再就職の仲介を行う現行の慣行」と書いてある、これを改めなきゃいかぬと。要するに、あしき慣行というのでしょう。

 もう少し読みますと、「なお、いわゆる「天下り」の弊害が大きい現状では、当面、事前承認の仕組みを維持することとし、その実効性を高める観点から、」「早期に見直しを図るべきである。」こういうふうに書いてある。

 そうだったですね。返事されますか。いいですか。では、うなずいて、はいと言われたというふうに速記に書いていただいて、先に進みましょう。

 そこで、総理、昨年の十二月の十九日に職員の退職管理に関する政令というものが閣議決定をされて、総理の名前で、平成二十年十二月三十一日施行で、公示というのですか、告示されている。御存じですね。中身も御存じですね。

 この中身について、法律と中身が変わっている部分が天下りとわたりについて存在するんですが、それを御存じになって、その上で総理も、うん、これでいいと思って世の中に出したんですか、どうですか。

麻生内閣総理大臣 今言われました、十二月三十日、御指摘の政令の条項ですけれども、これは、御存じのように、委員長が任命をされていないというために再就職等監視委員会が権限を行使し得ないという状況下でありますので、委員長が任命されるまでの間の経過措置として、再就職など規制の実効性を確保するため設けられたものだと理解をいたしております。法律の施行に関し必要な経過措置というものは政令で定めることとされておりますので、法律改正までは必要ないというように考えておったというように理解しております。

仙谷委員 今お答えになった部分も大変重要な部分ですからじっくりと議論をさせていただきますが、その前にもっとわかりやすい部分、わたりというのが、これはもう世間の大ひんしゅくを買っている部分ですね、天下りの中でもこれはひどいと。一つ、二つ、三つ、四つ、こういうふうに行くわけですね。これについては、国家公務員法の一部を改正する法律案では、十八条の五で、「内閣総理大臣は、職員の離職に際しての離職後の就職の援助を行う。」こういうふうに書いてある。「職員の」なんです。

 しかし、国会の議論の最中に、どうもこのわたりをこの条項を使ってやってしまうんではないか、こういう懸念が与野党ともに出てきて、むしろこれは、この法律自身は民主党は反対ですから、自民党、公明党賛成で成立した法律。賛成はするけれども、これはなかなか将来にわたってややこしい問題、霞が関の天才的なだましのテクニックがあるキャリア官僚群が何をやらかすかわからないということで、これは議員間で議論が行われて、それを踏まえて、渡辺喜美行政改革大臣は官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会というものを立ち上げたわけですね。

 それは、いろいろな有識者がいろいろな懸念をしながら、官民人材交流センターで議論をして報告書をつくられた。それが二〇〇七年の十二月の十四日であります。その最後の項目のところに、「各府省は、既に退職した公務員に対し二回目以降の再就職あっせんを行わないこととすべきである。」という結論を念のために書き込んだというんですね。

 ところが、この昨年の十二月に総理の名前で出された政令には、見てください、附則十二条、監視委員会による承認の基準というところに、資料も配ってあると思いますが……(発言する者あり)理事会に出してあります、これと全く同じのを出してある。附則十二条には、「あっせんを受ける職員の離職に際してのあっせんに該当すること。」これが監視委員会による承認の基準。次が問題なんです。「ただし、企業側の依頼に応ずるために、元職員をあっせんすることが必要不可欠であると認められる場合は、この限りではない。」と。どうしてこういうものが潜り込むことになるのか。これは明らかにわたり容認、わたり推進、わたりのためにつくった附則である、政令である。

 法律で決められていないことを、そして、その後、その法律の解釈、運用をめぐって懇談会まで開いて、そこで念のためにこうしてはいけないんだ、わたりは許されないんだということまで注記されたことについて、麻生さんがほかで忙しくしている間にこんなものを書いちゃったんですよ。これ、どうします総理。これは下克上と言わずして何と言うか。ひょっとすると、霞が関のクーデターと言うべきかもわからない。

 私は、本当にこの種のことがやられるのを、昔一遍やられたことがありますから記憶にあるんだけれども、今度はこれはいけない。わたりはやらせないという今までの内閣の国家公務員制度改革の一つの方針、これは厳守する、だからこの種の附則は許さない、こう言明をしていただきたいんですが、いかがでございますか。

麻生内閣総理大臣 今御指摘のありました退職管理によります政令では、わたりのあっせんにつきましては原則承認しないということとしておりますのはもう御存じのとおりです。

 例外として認められておりますのは、企業などの依頼に応じるためには、既に退職した者の情報提供などを行うことが必要不可欠という場合もあります。かつ、押しつけなどの公務の公正性を損ねるおそれがないと認められる極めて例外的な場合に限られるとされていると思っております。

 各府省のあっせんの承認につきましては、改正国家公務員法の趣旨を踏まえて厳格に運用してまいりたいと思っておりますので、わたりにつきましては基本的にはちょっと考えられないんですが、いずれにいたしましても、この附則第十二条というところに関しましては、一のイ、ロ、ハ、二のイ、ロ、ハとずっとかなり細かく政令はされておりますので、御心配の向きを踏まえて、私も厳格に対応していきたいと考えております。

仙谷委員 そんないいかげんな話だったら、もう必ずやられますから。やられますから。これは、この条項を「ただし、」以降削除するということをはっきりおっしゃらない限り、やられてしまいます。

 そしてまた、さっきから申し上げているように、法律で決めていないこと、あるいは国会審議の中でこの法律の意味はこうである、解釈、運用としてはこうするというふうに合意ができたことに明白にこれは反抗しているんですよ、反対しているんですよ。違うことをやろうとしているんですよ、やらせようとしているんですよ。そういう政令をつくっているんですよ、堂々とつくっているんですよ。今まではこそこそとやっていたわたりの承認が、堂々とできるようになるんですよ。

 こんなことを皆さん方が、霞が関の皆さん方のたなごころの上で遊ばれているのかどうか知らぬけれども、認めてきたから日本がこんなになってきたんじゃないんですか。違うんですか。ノーチェックが一番まずいじゃないですか。そうでしょう。

 岩永君、この間の公取委員のあの恥ずかしいノーチェックを見てください、同意人事で、皆さん。本当に与党がチェックできていない。政府もできないような仕組みとやり方を持ち込まれて、今の答弁も、皆さん方が一生懸命後ろから持ってきた紙を見て、わけのわからぬうちに答弁しておるじゃないですか。こういうことが続くから、全部やられてしまうんですよ。

 そして、結果、堂々と法律に反する条項が政令に書き込まれた。もう必死ですよね、霞が関の人たちは。三月が近い、人事ローテーションをしなければ、上は詰まるし下は次のポストに行けない、人事ローテーションをするためにはどこかに天下りさせなきゃいけない、ああ、あそこの法人もある、ここの銀行もある。そうでしょう。全部今までローテーションで回すから、わたりまで必要になってくるんじゃないんですか。

 それで、時とすればというかほとんどの場合、荷物に補助金とか契約とか委託金とか背負って行かれておるじゃないですか、行っておるじゃないですか。そうでしょう。これをやめなければ、無駄もなくならないし、優先度の高い政策なんか展開できないというのが、少なくともこの十年、我々の反省すべき点じゃないですか。どうですか。これは直ちに撤廃をする、削除するとおっしゃってください。

麻生内閣総理大臣 今、この段階で直ちに撤廃すると言うつもりはありません。ただし、今、仙谷先生の御指摘のあったところは、私どももこれは十分に理解をしているところであります。したがいまして、特にこのわたりの点が一番問題になったと理解をしております。

 今から、少なくとも人事監視委員会が今、国会同意人事として否決されておりますので、その関係上、いろいろなことがかなり偏ったことになっていると思いますが、この問題に関しまして責任というものを、少なくとも人事委員会が否決されております段階でなかなか進まないというのが現実でもございますので、その間、一日も早くきちんとしたしかるべき方が人事委員会に配属されることを我々は心から期待をしております。

 ただ、それができるまでの間、私の責任でそれをやらねばならぬということだと思っておりますので、そういった御指摘を受けないように対応してまいりたいと思っております。

仙谷委員 これは、一年たったらわかるけれども、ていよくもてあそばれて、我々が政権交代でもしていたら、そんな、一年後に許さないですよ。今、これは駆け込みで、三月までこんな政令を、あなたが少なくとも今ここでは実質的には否定したいようなことを言っているけれども、形式的に残る限り、彼らは三月末までにやりますよ。やらないとふん詰まりになって動かなくなるという恐怖感があるんじゃないですか、彼らも。本当に私はそう思いますよ。これはもう直ちに削除した方がいい。削除しないと麻生内閣は、わたりを許容し、容認した内閣だ、こういうことになります。

 さらに、先ほど、何か人事が不同意だからどうのこうの、こうおっしゃられました。つまり、ここにある監視委員会というのが、再就職等監視委員会の人事が不同意だ、不同意で機能しないと。今度は、再就職監視委員会を内閣総理大臣と読みかえるものとする、こういう附則までつくったんですね。こういう附則までつくって天下りをどんどんやろうということにしてしまいそうなんですね。これは、なぜこんな政令を、読みかえることができるなんというのを、法律の規定に反して違うことを政令で決めることができるんですか。どなたかお答えできますか。

宮崎政府特別補佐人 お答えいたします。

 「再就職等監視委員会に委任する。」という規定が十九年改正後の国家公務員法の中に数カ所ございます。ただ、これは監視委員会が権限行使できる状態にあるということを前提とした規定でございますところ、どうしても国会同意が得られないという外的な障害がございまして、委員長及び委員が任命できないという事態に立ち至りました。このような前提が成り立たない状態にございます。

 そこで、このような法の想定外の状況のもとでどのようにするべきかということについて、私どもも含めて検討いたしました。

 それで、今回の、平成十九年の改正法におきましては、適正な退職管理の確保のための重要な措置として、違反行為の調査、それから自己求職規制等々の例外に関する承認の制度を設けておりまして、こうした調査や承認の制度は適正な退職管理を確保する上において必要不可欠なものだというふうに法が考えて設けたものだと考えられます。

 こういたしますと、政府といたしましては、委員会への権限委任規定が適用できない状況のもとにおきまして、法の要請を誠実に執行するという憲法七十三条の考え方の観点から考えますと、やむを得ざる措置として、適正な退職管理を確保するため、委員長等が任命されるまでの間、内閣総理大臣がみずから調査等の権限を行使することとしたい、また、そのような方法をとることが法の趣旨に反するということにはならないということで、法律の中に経過措置の委任政令がございますので、その限りにおきまして、経過措置の形で最小限の措置をとらせていただいたということでございます。

仙谷委員 今までも内閣法制局長官は法匪的な人が相当おりましたけれども、あなたは史上最高の法匪だね。ここまでは、ちょっとまともに法律を勉強してきた者からすれば、そこまでねじ曲げて解釈して、これができる、こんなことが許されるという論理をつくる。今のは論理になっていなかったですよ。単なる状況説明みたいなのをだらだらだらだらやっていた。

 なぜ、政令が法律に優先することができるのか、あるいは、法律に劣後する政令で、法律に書かれた監視委員会という存在を総理大臣に読みかえたりすることができるのか。こんな換骨奪胎がなぜできるのかという理屈に全くなっていない、あなたは。

 ましてや、この再就職等監視委員会というのは、独立性のある、委員は身分保障のある、そして外部機関である、第三者性のある機関だ、こう言われていたんじゃないか。何でそんな独立性のある第三者機関を、ここが機能しないからといって、今度は最高の人事行政権の行使者たる同じ内閣総理大臣をこっちに持ってくるのか。そういうことをしてはいけないから、権限委任をして、監視という権限は委任をしちゃって、内閣総理大臣のところからは実質的になくしたというのがこの委任の意味でしょうが。そんなことは行政法上はっきりしているじゃないか。(発言する者あり)

 同意人事に応じないとおっしゃる。ところが、あなた方は、ここが本当に自民党のでたらめでだめなところ。国会で決まらなければ行政が何をしてもいい、こういう結論になっちゃうんですよ、今の論理は。国会で一たん否定されたら、違うことを考えなきゃいかぬじゃないですか。法律を変えるか、人事の案を変えるか、妥協するか。それが政治じゃないですか。何で国会で否定されたものを役人のレベルの政令で変えたりすることができるんですか。そんなことは法治国家の原則じゃないですか。どなたか良識ある人はいないんですか、この内閣の中に。

 今回の場合にも、法の執行の権限を持つ人、法執行の主体者を変えるということを政令でやってしまったという話なんですよ、この改正附則二十一条は。こんな手品みたいなことはできない、やってはいけない。もしできるんだったら、最高裁判所の裁判官がいなくなったから、不同意になったから、では内閣総理大臣が裁判官をやりましょうかというのとよく似た話じゃないですか、そうでしょうが。こんなことは許されてはならないんですよ。

 だれかちゃんと答えてください。もう法制局長官はいい、あなたは法匪だからいい。

衛藤委員長 委員長が指名します。内閣法制局長官宮崎礼壹君。

宮崎政府特別補佐人 先ほども申し上げたことに二点補足させていただきます。

 憲法と申しましたのが一つでございます。確かに、一般的に法律で書いてあることを政令でひっくり返すということはあってはならないことでございます。したがって、今回のことは非常に、通常ないことだということはおっしゃるとおりでございます。

 しかしながら、憲法七十三条を見ますと、内閣の職務といたしまして、第一号に「法律を誠実に執行し、国務を総理すること。」というのがございます。したがって、改正後の国家公務員法の要請するところが何であるかということになるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、適正な退職管理を全うするためには、調査権であるとか、また各種設けられた承認の権限を適正に行使するということが必要不可欠だろうというふうに考えて、法律がその制度を設けているんだろうというふうに考えたところでございます。

 したがいまして、万やむを得ないといいますか、やむを得ない措置として、政令の委任規定を用いましてその政令をつくらせていただいたわけでありまして、一般的に政令が法律を覆すことができないことはもとよりです。

 もう一点でございますが、もう簡単にいたしますけれども、今回の権限は、御案内のとおり、例えば調査権につきましては、改正後の国家公務員法の十八条の三と四で内閣総理大臣の権限として書かれているわけでございます。それから、内閣総理大臣は、後ろの方で、退職管理基本方針を定めるというふうなことも法律で書いてあるわけであります。

 したがいまして、法律の趣旨としては、本来、内閣総理大臣が行うべき仕事なんだけれども、これを委員会に委任するというふうにいたしました。委員会が立ち上がっていれば、内閣総理大臣が自分でもやるということはできないわけでありまして、これは行政法の教えるところでありますが、委員会が立ち上がらない、どうしても外的な障害によって立ち上がらないという場合にどういうふうに法律を考えるべきかということで、そのようにいたしたわけでございます。

 また、御指摘の、合議制の委員会を法律は考えているじゃないかというのはまことにもっともでございますが、それとあわせて考えましても、調査権なり承認権というものを法律が設けている点の、その誠実な執行という観点からすると、やはり内閣総理大臣が必要最小限度の期間その権限を行使するというふうにする必要があるというふうに考えたところでございます。

仙谷委員 では、立法の趣旨として、あなたに聞かないけれども、これは国民の皆さん方に聞きますけれども、なぜ、再就職等監視委員会、独立性の高い監視委員会というのをわざわざつくらなければならなかったのか、つくらなければ与党の言いわけにならなかったのか。こういうことでしょう。こういうものをつくらないと、公正さが担保できないと言われるから。内閣総理大臣が勝手に天下りを承認したりしなかったりするわけにはいかない。今まで人事院だったものを内閣総理大臣にするんですよ。どうやって客観性を担保するのか、透明性を担保するのか、そういう問題の結果、再就職等監視委員会というのが生まれたわけでしょう。あなたみたいな解釈したら、何をやってもいいという話じゃないか。よくまあそれで内閣法制局長官をやっていらっしゃるね、あなた。

 憲法七十三条を何と心得ているんですか。憲法七十三条に何て書いてありますか。「法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。」これが内閣の仕事ですよ、一つは。もう一つは、「この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。」と書いてあります。憲法と法律に反する政令をつくってどうするんですか。あなたがそれを先導してどうするんですか。

 ましてや事柄は天下りの問題なんですよ。ここまで、これだけ世の中に批判を浴びた天下りの問題なんですよ。これを皆さん、本当にこのまま通すんですか。もし自民党に、そこまで霞が関の皆さん方のへこをかついで走りたいんであれば、法律を変えて三分の二で通してごらんなさい。もう一遍提案して、法律で再就職等監視委員会を削除して、内閣総理大臣が何でもできる、そういう法律を国会に提案して、それをちゃんと三分の二を使って可決すればいいじゃないですか。それが手続ですよ、法律ですよ、憲法ですよ。そうでしょう。こそこそと政令でするなんということは許されるはずがない。どうです、総理、これは総理の名前で出ている政令ですから。

麻生内閣総理大臣 今御指摘にありましたように、第十八条というのが、「再就職等監視委員会への権限の委任」というのがあります。そこで、「内閣総理大臣は、前条の規定による権限を再就職等監視委員会に委任する。」と書いてありますのは、もう先ほど仙谷先生の御指摘のあったとおりです。

 その監視委員会ができなかったということで、基本的に「内閣総理大臣は、」というところへ戻ってきたというのがこの背景なのではないのか、私自身はそう理解しておりますので、それを私一人がやれるか、物理的にやれるかと言われたら、これは甚だ難しいことははっきりいたしておる、私自身もそう思っております。

仙谷委員 そんな程度の解釈で皆さんもいいんですか。人事同意で、人事が不同意になったから再就職監視委員会が機能しない、だから権限が私のところに戻ってきたと。権限が戻るんですか。権限委任をした権限が、法律に基づいて委任した権限が戻るんですか。(発言する者あり)あなた方、事実の問題と法律問題をちゃんと整理してすっきりした頭で考えないと、ばかにされますよ。

 委員長、これは、これから繰り返し繰り返し法律で決めていないことを政令でやられる可能性がある。私、きょうもう二つも指摘しているんですよ。法律も政令もなしに何か予算が決まったら何でもできるという話が一つ。今回は法律に反することを政令でこそっとやろうとしている。こんなことがこの国の常態化したら大変なことですよ。だれも憂えを感じませんか、自民党の方も。どうです。そんなにまでして天下りを認めたいんですか、どうです。

麻生内閣総理大臣 これは天下りを認めたいとか認めたくないとかいう話ではないんであって、基本的にわたりというものは原則廃止という方向になっておると理解をいたしております。

 ただし、今の状況で、いわゆる人材何とかセンターというものができ上がるということになるんですが、それが実際的に動き出すまでの間は、少なくとも、どういうような人脈、どういうような相手、これは全くそこではわからないわけですから、それまでの間、しばらくは今の状況、たしか三年と記憶しますけれども、そういった形での委員会にかわるもの、いわゆるセンターにかわるものを置いてやらねばならぬというように理解をいたしております。

 現実問題として、再就職という問題を、五十幾つで退職させられるということになった場合、それを勧奨退職、いわゆる早目の退職ということをさせないということになりますと、これは猛烈な勢いで人件費がかさむことにもなりますし、また、いろいろな意味で人事の目詰まりが起きるということで早目にということになるか、ずっと勧奨退職を延ばしていくかというような問題もここで新たに喚起せねばならぬ、もう御存じのとおりであります。それまでの間どのような形でやるかというのでいろいろ考えられてこういう経過になったんだ、私自身はそう理解をいたしております。

 ただ、わたりに関しましてはまた全然別な話でして、天下りの話とわたりの話と、ちょっと似て非なるところがあろうと思います。

 いずれにいたしましても、状況というものを考えた場合に、我々としては、これまで多くの御指摘があるところでもありますので、こういったものはきちんとした第三者の監視委員会でやるのが正しい、私自身もそう思っておったんですが、その同意人事が得られなかったためにこういった形になったというのが背景だと理解をしております。

仙谷委員 当時の担当大臣の渡辺喜美さんが何かきのう記者会見したらしいですね。それで、甘利大臣あてに……(発言する者あり)後ろにいらっしゃるんですか。甘利明大臣に申し入れをした。

  このような状況下において、昨年末、世情等の混乱の隙をみて、脱兎のごとく「天下り関連政令」を閣議決定させた。このことは、麻生内閣が霞ケ関守旧派の代弁者、行政改革の抵抗勢力であることを国民に意識づけさせたと思料する。

  就中、再就職等監視委員会の委員が任命されなければ不可能になる今後三年間の各省天下り斡旋を、「総理の承認」において行えるようにしたこと、今まで密かにやってきた「渡り斡旋」を是認したこと、などは

ここからが大事。

 党行革本部の平場の議論などまったくなされず決定された言語道断の暴挙である。

 さっき、あり方懇の話をしましたね、人材交流センターの制度設計に関する懇談会の。そんな議論を何回しようとも、あるいはこれを見ると、私は初めて知りましたけれども、党行革本部の議論も全く関係なしにどこかでするっと政令でもつくられた日には、せっかくの国民世論を踏まえた議論も何にもならない。「これらのことは「天下りを根絶すべし」という国民の声を完全に無視したことになるといえまいか。」と書かれているじゃないですか。

 自民党内は、本当に天下りをなくする、いかにすればこれを少なくしたり、あるいは透明性、合理性のあるものに変えることができるかと議論してきたんでしょう。何でこんな、渡辺喜美さんからしてもインチキなことで、私から言えば憲法違反ですよ、これは。憲法七十三条違反じゃないですか。

 そして、先ほどから申し上げているように、事もあろうに天を恐れぬ不届きな所業ですよ、これは。国会で決めたことを、何で官僚がこんな政令をつくれるんだ。そうじゃないですか。あなた、昔の陸軍が暴走して、国会が何を決めようと戦争したのと同じじゃないですか。危ないですよ、これは。こんな危ない内閣になっちゃっているんじゃないかという懸念を持って、つまりガバナビリティーの問題としてきょうはこの問題を申し上げました。

 本当に真剣に自民党の皆さんも考えてくださいよ。この政令というのは本当に癖が悪いんですよ、するっと来て。政令を国会で議論したことというのはありますか。(発言する者あり)岩永さん、究極のモラルハザードみたいな議論をしない、ここはチェックをする機関なんだから。

 それでは、次の問題に進みます。

 年金記録の訂正というのがございます。厚生労働大臣と総理大臣に資料をちょっと見ていただきたいんです。お配りした資料の多分三枚目ぐらいにあると思いますが、消えた年金とか年金記録とかというのは、こういう手続でなされているということのようであります。

 皆さん方には、まず生年月日のところを見ていただきたいんです。大正十四年、後はちょっと消してあります、大正十四年の方。それから、変更後の金額欄、八十一万五千三百円とありますね。それから、下の欄ですが、裁定申出書、この日付が十月十七日。それから、右側の郵便はがきの日付も見てください。十月十七日。

 ということは、これは、やりとりの結果なされたのじゃなくて、申し出をして、そしたら探していただいて、ここに書かれているように二カ所の分が判明して、あなたの記録はありますからこういう手続をしてくださいと、多分現場でお書きになったものだと思うんですね。だれかがお書きになった。つまり、御家族の方がお書きになったんだろうと思います。代理人氏名と書いてありますから、御家族の方が代理人で行かれたんだと思います。

 こういう手紙が来たんです。国民年金は、五十六万八千四百円受給は、その限りではできておる。しかし、昭和二十一年から三十四年までの十一年間の厚生年金が社会保険事務所で、ねんきん特別便に応じて社会保険事務所へ行ったら見つかった、発見された。六十五歳からの受給ですともう相当になる、あるいは厚生年金の場合はもうちょっと早くからできますから、結局、結論的には何か二十四年間の受給が飛んでいたということのようです。

 体のぐあいも悪く、つえをついて十五分ぐらいしか歩けませんと。まあ八十四歳ですから、それは八十四歳の男性ということになると、なかなか私どもも自信はありませんが。厚生年金がこの八十一万五千円。しかし、何か口頭で、払うのは一年後ぐらいになるだろう、こう言われたんですが、これは大臣、ここまで来て、なぜ正式の文書が届かないんでしょうか。

舛添国務大臣 今委員がお示しになった方、これは、そちらにあります年金額仮計算書、これは窓口に来られたときに、仮ですけれどもこれぐらいお受け取りになれますよということでやりました。この方は、加入期間が足りないといってゼロ円だったのが、そこにありますように、八十一万五千三百六円、仮ですけれどもあった。

 それで、これは、その下に二十年の十月十七日と書いてありますように、江東の社会保険事務所に来訪していただいて、そこでそういう手続を行った。それで、十一月の十日に業務センターにこの裁定請求書が送られてきた。それで、業務センターから江東社会保険事務所へこの裁定請求書が戻ってきた。

 ここは今調査をしていますが、こういうことは本来あってはいけないことでございますので、一刻も早く、この方はお年を召されておりますので、こういう形で裁定申出書がありますので、裁定請求書を受け付けて、今急げということで裁定処理を行わせているところでございます。

仙谷委員 この仮計算書というのは、裁定に至る前段階ですか。つまり、ここまで八十一万五千三百円と書かれていて、なぜ裁定というか支給決定ができないんですか。

舛添国務大臣 これは、私が仮計算書をつくれということを命じて、そして、そこに担当者の名前を書いて判こも押すようにして、自分の責任で、きょう受け付けて、コンピューターではじいてみて、こういう計算ですということで、あくまで仮の計算書を出させる。そして、その下にございます左側の裁定申出書というのを出す手続になっております。それに基づいてきちんと正しい計算をして裁定を出す、その上で年金をお支払いする、今そういうルールになっておりまして、もともとは年金額の仮の計算書もないままでしたので、とりあえず御安心いただくために、今は窓口での計算はこうだということを昨年つくらせました。そして、今それをやっておりますので、その後、その下についている裁定申出書に基づいて裁定作業をやっている。

 それで、本来もっと早くやらないといけないのを、江東のセンターと業務センターで一回余分に行き来したということで、これは今厳重に注意をし、その調査をして、一刻も早く正式の裁定書が出るように急がせているところでございます。そういう理由でございます。

仙谷委員 これは金額に直すと一千八百万ぐらいになるんですか、元本だけでというか。八十四歳の方が、そのお金の相当部分でもあったらもうちょっと安心して病気治療もできるのにみたいなことをおっしゃるわけですね。

 そういうときに、今大臣がおっしゃられたようなプロセス、こういうことで進んでいっているので、このぐらいの期間ではこういう裁定書が出る、決定書が出る、そのときには、あなたの確定した金額が、要するに確立した権利、受給権になりますよというようなことを、何でちゃんと文書で渡さないんでしょうか。

舛添国務大臣 それは、今の委員がお示しくださった左の下の申出書に基づいて、その裁定をし、こうなりますよということをきちんと文書でお届けして、そして、何月何日から例えばあなたの銀行口座に振り込みます、そういう手続でございます。

 この方の場合は、今少しおくれ過ぎている、私に言わせてもおくれ過ぎている、だからこれを急がせるということで、正式の裁定手続にどうしても時間がかかります。今、少し人員をふやしてこれを急がせる。一般的にですけれども、平均七カ月かかっています。先般、国会で麻生総理も御答弁なさいましたように、七カ月というのはいかにも遅いじゃないか、三カ月ぐらいがせいぜいの限度じゃないかという御指示もございました。そういう体制に持っていけるように、裁定というのは非常に難しくてプロがやらないとできないのを、今二百八十人でやっているところを五百人体制に持っていって、こういうことがないように全力を挙げたいと思っております。

仙谷委員 厚生年金ですか、保険料を払う方が遅延したら一四・六%の金利がつくんですよね。ここまで遅延をさせて、ほぼここまで出てもまだ一年かかると。これは遅延損害金か何かつけてお渡しするんですか、利息か何か。

舛添国務大臣 まず、今から一年かかるというのは、そうならないように極めて急げということで今やらせております。

 そして、今の御質問ですけれども、まず、一四・六%、この率が高いんではないか、保険料を遅延した場合。これについては、今検討中でございます。

 しかしながら、このお支払いについて、遅延したからといってこれを利息をつけるというようなルールはございません。

仙谷委員 裁判所か何かで、裁判にでも訴えられて、これだけの遅延損害金を払えと言われたら、これは認諾でもしないとしようがないんじゃないですか。

 国税は、国税通則法で原則七・三%なんですって、還付金を渡すときは。今はそれを特例によって四%プラス公定歩合にしているらしいですね。

 私、この文書を全体見たり手続を見ても、それから今の、金利を払わない、遅延損害を払わない、これは全く請求者というか、年金加入者というか、保険者の方に責任のない話で、おくれて、ひょっとすれば見つからないまま亡くなったかもわからないというような、とても国が時効を主張できるような話ではないというような案件ですよね。それにしては横着だなというか、謝りもなければ金利もないし、金利もなければ、もうちょっと説明を、ここまで来た人についてはプロセスについての何か、あなたの権利はこうなっていますよ、ここまでではなっていますよという、なぜそれがないんだろうかと思って不思議でしようがないのであります。

 この金利の問題も含めて、厚生労働大臣、早急に検討をしていただきたいんですが、いかがですか。

舛添国務大臣 私自身、今、過去四十年以上にわたる社会保険庁の不祥事、そのことによってこういう結果が生まれてきた。この問題だけではありません。標準報酬の改ざんの問題もあり、さまざまな問題があって、今、一つ一つ着実に解決していくというつもりで、被害者救済ということを前提にやっております。そういう中で、今委員が御指摘になったことも、まさに国税との比較をすれば問題になるわけでありますから、これはきちんと与野党の皆さん方の御意見も賜りながら検討をさせていただきたいと思います。

 一日も早い被害者救済、これを第一に、全力を挙げて過去の不祥事の後始末をやり抜きたいと思っております。

仙谷委員 何か、ついせんだって一月の六日に、九月までに判明した年金の記録が改めて出てきて、改めて確定をされた人たちの案件が一月の六日に厚生労働省から発表をされた。六十二人。これは、九月末日までの試算の状況というのを社会保険庁が発表されたということでありますが、これからもどんどん出てくる。発表できる程度になったものについては、ほぼやはり、けじめをつけた該当者に対しては謝罪も含めた通知をするとか、そういうことをぜひやっていただきたいということを申し上げて、この問題を終わります。

 さて、もう一問ぐらいの時間しかございませんが、麻生総理大臣、そして中曽根外務大臣にお伺いするわけであります。

 例の麻生鉱業の、捕虜を、強制であるかないかはともかくとして労働に使ったということが、ニューヨーク・タイムズ、そしてインターナショナル・ヘラルド・トリビューンで報道を二〇〇六年の十一月にされたということがあったやに伺っております。そのことについて、外務省が反論文をニューヨーク総領事館のホームページに掲載した。ところが、その事実が最近になって、何かいろいろ厚生労働省の地下の倉庫から相当記録が出てきたというようなことがあって、そのことがまた報道をされて、外務省はそのホームページを削除したということがあったようであります。

 これについては、中曽根大臣、いずれも外務大臣の公電による指示によってホームページに反論文が掲載をされて、その反論文がまた外務大臣の公電による指示によって削除されたということのようでありますけれども、事実は間違いありませんか。

中曽根国務大臣 今委員からこの件についての大体の状況の御説明がありましたけれども、改めてちょっと正確に御説明させていただきますと、御指摘の報道は、さきの大戦中の我が国企業における強制労働などについて扱ったものでございまして、その一部に旧麻生鉱業についての記述が含まれていると承知をいたしております。

 この記事につきましては、事実誤認等が種々含まれておりましたために、外務省が通常の業務の一環として在ニューヨーク総領事館のホームページに反論を掲載いたしました。委員からもお話がありましたけれども、その後、旧麻生鉱業に関しましては、連合軍捕虜を労役させていたという事実が昨年の厚生労働省の調査で新たに明らかになったわけでございます。

 反論の背景となる事実関係につき掲載当時承知し得なかった事実が後で判明したことを踏まえまして、外務省はこの反論をホームページから削除いたしました。委員のおっしゃるとおりでございます。

仙谷委員 そうすると、外務省が反論文を書いたけれども、反論文の方も、その骨子において、一番大事な、基本的な反論文の骨格が事実によって間違っていたことがわかったから削除した、今のはこういう話ですか。

中曽根国務大臣 これにつきましても、今申し上げましたけれども、最初に調査したときと調査結果が変わりましたので、結果といたしまして関連資料は政府部内で存在していたということが後日わかりましたために、当時の対応は必ずしも十分でなかった、そういうふうに認めざるを得ないと思います。

仙谷委員 外務省に責任があるのか、厚労省に責任があるのか、あるいは総理大臣官房に責任があるのか知りませんが、これはかなり恥ずかしいんじゃないんですか。現職の外務大臣の血筋といえば血筋の、あるいは御出身といえば御出身の名門の会社が、戦前、捕虜を使って労役させた。当時の日本にとってはその評価はどうだったかはともかく、現時点での連合軍の感覚からいえば、もし事実がそのとおりだとすればこういうことだという批判をされるのはある部分やむを得ないですね、捕虜を労働させるというのはジュネーブ議定書の問題もありますから。そうですよね。

 にもかかわらず、事実が違うと指摘して反論文を書いたけれども、それが相当程度というか骨格の部分において間違っていたということになると、これはちょっと外務省としては恥ずかしい話になるというか、あるいは、日本の外務省としては、国民の皆様方とアメリカのメディア等々に対して何らかの謝罪的な行為とか反省が必要なんじゃないんですか。

中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、当初の調査が十分でなかったということでございまして、当時の対応が必ずしも十分でなかった、そういうことでございます。

仙谷委員 この問題は実は本当はもう少し深刻です。というのは、当時の外務大臣は、麻生総理が外務大臣で、みずからに関係のある会社の麻生鉱業のことについて公電を打ってホームページに反論文を載せさせた。何かここに公私混同的な雰囲気がにおいますね。

 それからもう一つは、当時の麻生大臣は多分、とてつもない国家ですか、この中で自由と繁栄の弧という主張をされて、日本、アメリカ、オーストラリア、インド、四カ国同盟論を主張して、これには中国の反論が非常に多かった。その後、オーストラリアの政権がかわった。今度は、そのころにオーストラリアの中で、この捕虜として労働されたのは、多くは、三百人のうち二百何十人は旧オーストラリア軍の兵士ですよね。これはもう少し、オーストラリアでも随分報道されているみたいですから、丁寧にオーストラリアにも本当のことを、実はこうでありましたと外務省として真摯な態度をおとりになった方がいいということを申し上げて、質問を終わります。

衛藤委員長 この際、逢坂誠二君から関連質疑の申し出があります。菅直人君の持ち時間の範囲内でこれを許します。逢坂誠二君。

逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。

 麻生大臣、閣僚の皆さん、お世話になります。よろしくお願いいたします。

 私、ゆうべといいましょうか、けさといいましょうか、夢を見ました。夢を見て、それは地球だったのかどこだったのかわかりませんけれども、ある国でございました。その国には王様がいました。王様のおじいさんも王様だったというような王様でございまして、民主的な国づくりをしたいと王様は思っているようでございますが、実際にやられていることは必ずしもそうでもないように私には見受けられました。

 その国には国民が住んでいるんですが、皆さん、マンションにお住まいになっているんですね。しかも、そのマンションは千八百ぐらいあるんです。大きなマンションもあれば、小さなマンションもある。たくさん人が入っているマンションもあれば、部屋がたくさんあいているマンションもあるんですね。

 かつては随分立派だったマンションもあるようでございますけれども、総じて千八百のマンション、最近どうもがたぴししている。ドアがあかないとか、エレベーターが故障しているとか。あるいは、そのマンションには、医務室があったり託児室があったり老人の静養室もある。ところが、医務室には、かつてはお医者さんがいたんだけれども今お医者さんがいなくなっちゃったんだよな、いつも二十四時間やってくれていたんだけれども、最近は日中のちょっとの時間しか医務室があいていないんだよな、託児室とか老人の静養室もいつも人が出入りしていてなかなか利用できない、困ったな、そういう感じであります。

 ところが、最近、王様の方針なのかどうかはわかりませんけれども、マンションの中に短期でお部屋を借りている方、あるいはずっと自己所有でマンションの部屋を持っている方もいらっしゃるんですけれども、短期でお部屋を借りている方が突然部屋を出なければならないというようなことになりまして、マンションの廊下で寝泊まりをしたり、マンションの外にいるというような状況が生まれてまいりました。

 私はそんな夢をけさ見たのでありますけれども、そのときに、やはりどうもこの国はちょっと変だなと王様が思い始めたんですね。それで、王様は何を考えたか。お仲間、どうも仲のいい方と御相談をされたみたいで、王様、国民には米を配るといいですよ、米を配ると、食べ物に困っている人もたくさんいますから、国民は喜びますよと。王様もやはり従順でございますので、よし、米を配ることにしよう、二兆円分の米を配ろうじゃないかと王様が言ったんですね。

 そうして、配るんだと決めたところが、マンションの中をよく見渡すと、いやあ、その米欲しいという方も確かにいらっしゃるんです。あしたの食事にも困るという方もいらっしゃいますから、米をもらえるならうれしいな、それを待っているという国民もいるんですね。ところが、米はやはり要らないよ、だって、うちは食料はちゃんとあるんだからという人もいるんですね。

 でも、そういう中で、二兆円もかけて米を配らなきゃいけないというマンションの管理人や自治会長は大変でございます。エレベーターも故障しているのに、また重たい米を十階、十三階まで上げなきゃいけないのか、大変だな、こういうものに使うんだったら、本当は玄関のドアを直してもらったりエレベーターを直してもらったり、いや、実は、マンションが最近、地震が来たらつぶれそうだと言われているので、それも直さなきゃいけないなというふうに自治会長やマンションの管理人たちは思い始めているんですね。

 ところが、最近、さらにまたもう一つ別なことが生まれてまいりました。王様のお仲間、家来の皆さんの中に、いや、我々は米をもらったってどうしようもないや、我々は王様から食いぶちをもらっているしさ、我々は米要らないよ、米なんかもらうとちょっとさもしいかもしれないな。言ったかどうかわかりません、私の夢の中ではそういうイメージの夢だったんですね。

 そんなような状況になったときに、お仲間の中に、これまた機転のきく人がいたんですね。王様、せっかく米を配ると決めて、どうも国民に評判が悪いようだ。でもね、王様、考えてください。この国で米をみんなに配れば、この国の食料自給率が上がるじゃないですか、国家全体にプラスになりますよ。だから、みんなに米配りましょうよ、米配りましょうよ、にこにこして米配りましょうよというような夢を、けさ私は見たところなんですね。

 私は、この夢を見て、いや、何ともかわいそうな王様だなと。マンションの管理人や自治会長は、みんな、米が確かに必要な人もいるけれども、もっと別なものも欲しい。私たちがマンションを直すお金や、医務室や老人の静養室を直すお金が欲しいよ、その自由を与えてくれと王様に多分言いたいんだと思うんですけれども、その王様は何か裸の王様っぽい感じなんですね。

 これでけさ私は目が覚めまして、私は思わず、目が覚めてから、あれ、何の夢を見たのかな、どうもよくわけのわからぬ夢だったなということで、質問を始めさせていただきたいと思います。

 私、二十二年間、自治体の現場で仕事をしておりました。そして、国会へ移って四年になるわけでございます。

 きょうは定額給付金の問題についてお話をさせていただきますけれども、自治体の現場にいた感覚からいたしますと、今回の定額給付金、極めて筋の悪い政策だなというふうに感じます。実施するという点においても非常に難しいですし、住民の皆さんにとっても必ずしも支持が得られないんじゃないかなというふうに思っております。

 そこで、きょうは、何点かの観点からこの定額給付金の問題について議論させていただきたいと思うわけです。

 まず、お手元に資料を配らせていただきました。手元の資料をごらんください。

 一枚目、これは自治体の借入金、借金の状況でございます。年々借金がふえているというのは御案内のとおりでございます。最近、若干借金が減りぎみになっておりますけれども、これは自治体全体の予算が収縮しておりますので、借金の割合が極めて高い状態になっているということはおわかりいただけると思います。

 二枚目もおめくりください。経常収支比率でございます。平成八年八四%、平成十八年九一%。すなわち、自治体が裁量で自由に使えるお金というのはどんどん減ってきている。平成十八年においては全体予算のうちの八%と、少ししか自己裁量で使える部分はない。あとは経常的なお金に全部化けていくんだ。それから、公債費負担比率、起債制限比率、いずれも数値は悪化をしているということがございます。

 私、実は、自治体で仕事をするというのは私に与えられた本分だというふうに思っておったのですが、小泉内閣のときに三位一体改革というのがございました。非常にふれ込みはよかったのでありますけれども、結果的には、自治体の財政から六・八兆円ものお金が削減をされて、自治体の自由度が狭まり、自治体の現場は今大変な状態になっている。そのことを思えば思うほど、日本の国で、国政の場において、自治の現場に対する想像力、思いというのは余りにも少ないんじゃないかな。そんな思いで、実は国会の方へ今軸足を移しているわけでございます。

 そういう点で、まず総務大臣にお伺いしたいんですけれども、今の地方財政の現状について、私は、極めて厳しい、史上まれなほどに厳しいのではないかと思っているんですけれども、簡単に御認識をお願いいたします。

鳩山国務大臣 率直に申し上げて、私は、総務大臣に任命されたときに、麻生総理からは地方を元気にするために頑張れと、たった一つの使命を与えられてやっておるわけでございますが、その後の世界同時不況というのか、金融等の問題等が生じました。したがいまして、そうでなくても地方が疲弊している、それは今逢坂さんおっしゃった認識と基本的に私は違わない。

 それに加えて、例えば、国税五税、今度減額補正を打ちますが、激しく減って七兆円を超す減額ですね。その三分の一ぐらいが地方交付税の減につながっていく。地方税と地方譲与税も平成二十年度当初に比べると三・五兆円ぐらいの減ということでありますから、これは本当に大変なわけですね。

 そういう中でどうするかということで、総理の特別の指示によって、来年度予算では一兆円の地方交付税の特別の積み増しをやった。その結果、いろいろな加算があるわけですが、地方交付税の総額が、当然、平成二十年度に比べて二十一年度が減るだろう、大体皆さんそう思ったんですが、これが十五兆四千百億円から十五兆八千二百億円ということで……(逢坂委員「来年度予算のことですね」と呼ぶ)ええ、そう、来年。四千百億円ふえたんですね。

 そのことで何とか来年度もやってもらいたいと思っていますが、ただ、認識としては、さっき先生おっしゃった六・八兆円の減というのは、多分、私の想像するところ、四・七兆円補助金を切った、税源移譲は三兆円しかなかった、その差が一・七兆円、それから交付税の減が五・一兆円、合わせると六・八兆円、ああ、この数字かなと思ったわけですね。

 急激にそれをやりましたから、当時は景気がよくて税の自然増収はあったりしたんでしょうけれども、やはりこれが今となっては決定的に響いている、こういうことでございますから、地財計画をつくるときにも財源不足が十兆円出るというありさまでございまして、大変厳しい状況でありますがゆえに、与野党の垣根を越えて、地方を元気にするために二次補正も本予算も早く成立をしていただきたいと思います。

逢坂委員 今総務大臣がおっしゃられたとおり、地方財政は本当にひどい状況でございまして、三位一体改革で六・八兆が削られた年、前年の十二月でしたけれども、NHKホールで全国町村長大会というのがございまして、私はあの席で当時の総理大臣に、総理、総理、このままなら日本がつぶれますと、大きな声でやじを飛ばしたんですね。当時の総理は振り返ってくれましたけれども、残念ながら六・八兆を見直すことはございませんでした。でも、あの日がなければ、多分私は国会に来ていなかったというふうに思います。それぐらい、今、地方の財政は大変なところに来ているんですね。

 ただ、地方の財政が大変なことが余り皆さんのお目にとまらない理由が一つあるんです。

 それは、地方の財政というのは、歳入と歳出を合わせなければいけない宿命を持っているからです。要するに、歳出が歳入を上回ったまま予算を組むことはできない。すなわち、原則的に赤字地方債の発行が認められていないから、歳入の範囲でしか歳出予算を組めないわけであります。だから、予算上を見ると、どうしても赤字幅が少なく見えるんですね。

 こういう宿命を持っていますから、地方財政はどうしても、赤字額だけを見ると、何となく足りているように見えてしまう。でも、そうじゃないんです。地方の側は、予算をどんどん縮小させていって歳入と均衡させているというこの現実を、ぜひ皆さんに御理解いただきたいというふうに思います。

 そこで、今回、二兆円の定額給付金なんでありますけれども、私、今地域を歩いておりますと、いやあ、逢坂さん、ここの地域で病院がどんどんなくなって、これは何とかならぬかねというような話があります。あるいは介護の現場でも、介護の皆さんは給料も安いし大変なんだよというような話も聞きます。いろいろなところで疲弊している。特に、これは舛添大臣に言うわけではないんですけれども、厚生労働省の部門で、随分いろいろな要望、要求あるいは不平不満のようなことを聞くんですね。

 大臣、定額給付金の是非は全然別にしまして、もし今二兆円というお金があるとするならば、優先順位として、自分としてはどんな厚生労働施策を展開したいというふうにお考えになりますか。

舛添国務大臣 社会保障の予算、これは二十一兆を二十四兆と約三兆円ふやし、委員も御承知のように、全力を挙げて、医師不足、それから地方の社会保障の充実、これに努力をしております。

 そういう意味で、社会保障だけが国の施策ではありませんし、さまざまやらないといけないところもたくさんあると思いますけれども、私は、厚生労働大臣としては、医療、介護、年金、雇用、自分のカバーする範囲において、それは財源がたくさんある方がいいわけですから、そういうところに使うと思います。

逢坂委員 医療、雇用、年金、介護という、まさに人間が生きていくために大切なもの、そこに二兆円使いたいというふうに今舛添大臣から言われたんだと。先ほどやじで、夢のような話というようなことがございましたけれども、今国会は松の内に始まっておりますので、多少夢があってもいいのかなとは思うんですけれども、大臣はそのような御意向を語られた。

 次に、実は、きょう私が予算委員会で質疑に立つということを地元の皆さんあるいは全国の皆さんにホームページなどでお話をしたら、たくさんメールが参りました。特にこの定額給付金についてたくさんメールが来ました。紹介させていただきたいと思います。

 まず、ある町の職員からですが、私が行政に携わって以来、最大の愚策に思えます、こういうメールが来ました。

 それから、定額給付金については総額二兆円ということですが、やはり報道されているとおり、仕事をつくる、失業者対策に資金を投入するという選択肢がよいのではと思います、学校の耐震整備などによる公共事業の発注など必要最小限の雇用対策の確保は打てると思います、与党にはもっと簡単に必要な事業で雇用対策が検討されないのか不思議です、こういうメールが参りました。

 あるいは、これは私が担当になりました、担当になったというのは定額給付金の担当になったということなんですね、ばらまき給付金というネーミングにしようかと考えています。そして、この中にこういうふうに書いてあるんです。給付金などよりはるかに重要な地域課題への対処が山積、このような時期にそれをおいて愚策に対応させられるのが最も悔しいと書いてあるんです。

 あるいは、次には、強行するなら総務省職員を全自治体に派遣し、その対応に当たらせるくらいのことをすべきだ。

 それから、三番目、これは先ほどの仙谷先生の質問とまさに一緒なんですが、予算だけでなく法律で決めるべき、補助金というのも自治体をばかにしている、こんなメールですね。

 それから、もう一つ来ています。これはまた本州の方からです。自治体現場では住居がない路上生活者に対して給付することが手続上困難ではないかと思いますというようなことが来ていますね。

 大変失礼ですが、これは私がネット上でメールのやりとりをしている仲間や、あるいは私のホームページを見て自発的にメールを送ってきた皆さんの意見でございます。

 こういう声があるということをぜひ御理解いただいた上で、総理、質問の時間ももう最後でございますので、ちゃんと議論ができるように、できれば多少はこちらもお向きいただけるとありがたいなというふうに思いますが。

 それで、総理、呼びかけたときぐらいはお向きいただければと思うのですが、今の、地方財政がこれほど厳しい、それから、ほかにもやることがたくさんあるのではないかと。

 例えば、私の住んでいる函館の市長さんはこう言っておりました。函館市には今回の定額給付金、総額で、給付分だけで四十五億円ぐらい来るんですね。となると、函館の市長さん、私に、非公式な場でありましたけれども、四十五億来るなら、これを市の予算に組み入れたら、例えば市立病院、来年ですか、病院特例債を発行せざるを得ない、それの額に充てるなんということをすれば、後世に負担もなく医療サービスが提供できるのになとか、あるいは、雇用だって地域で考える、四十五億円をもう少し使わせてくれたらやれるのになというような話とかが市長さんから寄せられるわけです。

 あるいは、人口一万人ぐらいの町の町長さん、そこには一億五千万ぐらいお金が来るわけですね。いや、うちの町で、逢坂さん、一億五千万あったらさ、まだまだやれるんだ、公営住宅だって、この北海道寒いのに、壊れているのを何とかできるよ、そういうような話があるんですが、総理、本当にこの定額給付金というもので何とかなるとお思いですか。そういう自治体の財政の状況を考えたときに、これは優先順位の高い政策だというふうに思われますか。

麻生内閣総理大臣 基本的には、今言われた話は各地方自治体、あなたもたしかニセコというところでしたか、人口四千五、六百人ですか、たしか、私の記憶ですけれども、そういう町の町長をしておられた、行政の責任をしておられましたので、今その町に幾ら金が来るかというのは逆算しておられると思っております。

 同様に、このたび、今申し上げましたように、先ほどの御質問にもお答えしましたけれども、いろいろ、この定額給付金だけが話題になっておりますけれども、学校の耐震の話にいたしましても、一兆円の特別交付税の話にしても、基金の話にしても、いろいろなものが、全然別に行っている話もぜひ思い出して、御記憶をしておいていただきたいと思っております。

 その上で、この二兆円の定額給付金の話ですけれども、地方の行政体の首長さんだけの権限で勝手にできる話ではなくて、むしろ、そこに住んでおられる住民の方々に、我々としては定額給付金という形で、かなりの、所得税とか、もしくはそれの対象外ぐらいの所得の低い方々にも皆さん公平にということにおいては、家計を助けるという意味においては緊急支援的であって、これが毎年二兆円出ていくわけではございません。

 それから、あわせて、いわゆる家計に広く給付するということで考えた場合においては、消費をふやす経済効果ということにつきましても、先ほどいろいろ御答弁のあったところだと思っております。

 したがって、今、そういった市長さん、首長さん方の御意見もありましょうが、給付を待っているという声がありますことも御存じでして、きょうの朝日新聞にも似たような投書が載っておったのは、読まれたかどうか存じませんけれども、そういうことだと思っております。(発言する者あり)うん、おれもたまには読むの。いい記事です。ありがとう、ありがとう、指摘してくれて。

 さらに、生活対策に基づく六千億円の地域活性化、この話も全然評価していただけませんけれども、これもみんな首長さんはかなり待っておられると思いますけれどもね。全然話をされませんけれども。

 もちろん地方交付税の一兆円につきましては、少なくとも皆さん方の町長さんを代表される方々から、私が総務大臣をやったときには、毎回地方六団体からほとんど文句を言われた記憶しかないんですが、今回は、少なくとも予算がほぼ確定した段階において、地方六団体を代表して、今回は文句を言うことはないということを六団体から言われましたので、一応首長さん方を代表される方の御意見はそういうものだと理解をしております。

 もちろん、御存じのように市町村というのは一千八百四団体ありますから、東京都二十三区を足しまして一千八百四市町村区というものがあるんですが、それを足した代表ですから、それはいろいろな御意見はあろうとは存じます。しかし、それを代表する地方六団体の代表としてそういった話をいただきましたので、地方の元気というものをしつこく言っておりましたので、その意味におきましては評価していただけたものだとありがたく思いました。

逢坂委員 今総理がそうおっしゃられたこと、例えば交付税がふえるとか、私は、それは五・一兆も減らされているわけですから、一兆や二兆ふえるのはそれは当然だろうというふうに思いますし、それがふえたところで平成十五年レベルには到達できない、それぐらい今大変な状況になっている。かつて私が仕事をしていたニセコ町、ここも六十億の予算を組んでいたのが今三十億の予算です。これは大変な話なんですね。まあそれはいいでしょう。

 でも、私は、総理が自分の政策を自画自賛されている、それはやはり、私のきょうの夢じゃないですけれども、裸の王様じゃないかなというふうに思わざるを得ません。もっと自治体の現場へ行って、直接声をお聞きになったらいいと私は思います。そして、多くの人は私のように総理に対して物が言えないんです。だから直接本当に本音で物を言ってくれる方をそばに置かなければ、総理、これは大変なことになります。

 次に、資料の三枚目をごらんください。三枚目は自治体病院のことが書いてありますが、自治体病院の累積赤字が実は今二兆十五億円ということで、たまたま定額給付金と同じぐらいの額なんですね。先般、ある方と話しておりましたら、逢坂さん、今回の二兆円、自治体病院の赤字の解消に使ってくれればいいのにねなんという話もありました。このことは申し伝えておきます。

 それで、次に、四枚目の表をごらんください。「「定額給付金」に係る想定される事務スケジュール」でございます。パネルにいたしました。これ、私の事務所で総務省の資料をもとにつくったものでございますから、総務省の想定のものと多少もしかしたら違うところがあるかもしれません。これをごらんいただきたいんです。今、国会でさまざま議論されております。そして、これは多分、自治体の議会は三月には予算を議決しなければいけない、そしてさまざま手続をして給付の開始をしていくという、これがスケジュールでございますが、総理に一点、ちょっと簡潔にお伺いします。

 総理は国民の皆様にこれを年度内に給付するというお約束をされているということでよろしいでしょうか。簡潔にお願いします。

麻生内閣総理大臣 これは各地方自治体で、首長の権限もしくは議会というものとの関係もありますので、年度内に来るものと今のうちから準備してあらかじめその段取りをしておられる自治体もあれば、そうじゃないところもあるでしょうし、また、中でもめるところもあろうと思いますので、私どもとしては年度内に配りたいという希望を持っておりますけれども、それが果たしてそれまでにできる市町村が、一千八百四団体漏れなくそういくかどうかについては疑問です。

逢坂委員 総理としては年度内というお約束はしていないということでよろしいんでしょうか。

麻生内閣総理大臣 年度内というのを私どもが希望しておるということは最初から申し上げております。

 ただ、年度内ということ、いつの間にか年内になってみたりいろいろしておりますけれども、年度内ということは、これは、だって二次補正の話ですから年度内だと思っておりましたので、私どもは最初からそのように申し上げてきたと記憶をいたしております。

逢坂委員 そこで、政府参考人にお伺いしたいんですけれども、政府参考人、これをもし自治体が年度内に配るとすれば、自治体や議会の手続だとか補助申請だとか、どういうスケジュールでやらなければいけないのか。今私が手元に「想定される事務スケジュール」というのを出しましたけれども、政府参考人、これについていかがですか。

岡崎政府参考人 お答え申し上げます。

 先生の資料にもございますけれども、基準日を二月一日といたしまして、地方議会でまず予算の可決が必要になります。それを受けまして、給付リスト、ここにあるような順番で手順を踏んでリストをつくり、申請書を送り、それを受け付け、そして交付決定をして給付をしていく。その間に、国の補助金の交付申請等もきちんと手続をするということをこなさなければいけないというふうに考えております。

逢坂委員 政府参考人から、大体今私が示したようなスケジュールによってやるんだということでございますけれども、皆さん、よくごらんください。自治体で三月の議会で予算を議決いたします。予算議決後に、短期間の間に相当のことをやらなければ、実は年度内給付は実現いたしません。

 そして、先ほど総理が今から準備をするという話をされておりましたけれども、では、今から準備をする経費はどうなるんですか。今から準備をするということは、これは補助事業だというふうにおっしゃっておりましたけれども、補助の内示もしていない、何にもしていないのに補助事業で補助対象経費として見るんですか、これは。

 そういうような、要するに、これは補助金のルールとしても極めて普通ではない。私から言わせると、全くでたらめとしか言えないような期間の中で、急ごしらえで仕事をさせざるを得ない、そういうものになるのではないかと私は危惧をしているんです。

 そして私は、これまでいろいろな補助事業も私も役所の職員としてやってまいりましたが、そのときに、補助金の申請書というのはいつも日付を空欄にしてくれとか、あるいは補助の交付決定が年度をまたいで、翌年の秋ぐらいになってから前年のものが来たりというようなことが、私がやっていた時代、これは十数年前でございましたけれども、ありました。そういうような仕事を自治体に強いるようなことは、私はやはりよろしくないのではないかと思うんですね。

 それから、次の表をごらんください。

衛藤委員長 今のを答弁させます。答弁をさせますので。

逢坂委員 ちょっと待ってください。

 これは毎月の住民票の移動の件数でございます。住民票の移動の件数、一年間に五百五十万件ほど住民票の移動があるわけでございますけれども、御承知のとおり、三月、四月は住民票の移動が非常に多い時期でございます。この時期に合わせてこれは給付をせざるを得ないということで、今自治体の職員からは極めて不安の声が上がっております。本当にこれで大丈夫か、こんなことやれるんかということでありますね。

 それで、二月一日時点の住所に何かお出しをするということのようでありますけれども、特に混乱を来すような時期にこれをあえてぶつけざるを得ない、もっと別なやり方があるのではないかということで、自治体の職員からは意見をいただいております。

 この点について、総理、いかがですか。こういう時期にこういうものをやるということについて。

衛藤委員長 まず総務省、岡崎浩巳官房総括審議官。その後……(逢坂委員「委員長、聞いていない。政府参考人には聞いていない」と呼ぶ)議事整理権。

岡崎政府参考人 御指名がございましたので、一言だけ御説明いたします。

 定額給付金につきましては、御指摘のとおり、市町村が転出入とか税務事務等で忙しい時期に当たりますので、できるだけシンプルな仕組みの構築を目指しておりまして、窓口が混雑しないように、郵送申請等工夫をしているところでございます。(逢坂委員「何で、委員長、おかしいよ」と呼ぶ)

鳩山国務大臣 よろしいですか。

 三月、四月が非常に移動が多いというのも私どもわかっておりますが、これは三月にできれば交付したい、配りたい、こう思っております。

 ですから、基準日を二月一日といたしましたのも、一月一日にすれば、それだけそれまでの間の移動がふえてしまいますから、せめて三月に配るということで、それに近づけて二月一日を基準日にした、こういうことでございますので、御理解をいただければありがたいと思っております。

 また、この予算、二次補正を早く通していただくことによって、そうしますと見通しが立ちます。関連法案があります、財源法案があります、この見通しを立てることによって、各市町村には早目に準備に入っていただけるように、こういうお願いができると思っております。

逢坂委員 これは、いかにも国の勝手な都合なんですよ。今この時期に補正予算を出しておいて、三月までにやるともしおっしゃるんでしたら、なぜそれは昨年のうちに補正予算を出せなかったんですか。昨年出せば、自治体の議会は十二月議会の対応だってできるんですよ。

 そして、現に、自治体の皆さんからの御意見の中にこういう声があるんですよ。給付時期は三月、四月の窓口が忙しい時期は外してほしい、定額給付金については新年度からの実施としていただきたい、こういう声がある。それから、この御意見は去年のうちにいただいていたものですから、年度内支給ということですが、一月から支給を開始できればよいのですが、三月からの支給開始となると事務処理の面で煩雑になるので、ぜひ今年中に補正予算を成立させていただきたいと。

 要するに、自治体の皆さんも、去年のうちに補正予算を出してくれ、そういう思いもあるわけですよ。それを今、年が明けたこの時期になってから、早く成立させないのは、あたかもそれは自治体を困らせているかのようなニュアンスをする、それはやはり相当に問題があると言わざるを得ません。

 私は、これは本当に自治体の現場は御苦労されると思います。私、平成十一年の地域振興券のときに、町長として具体的にその事務をつかさどらせていただきました。地域振興券のときもいろいろなトラブルがございました。今回のも多分、それに輪をかけて、さまざまな混乱が出ることが予想されます。

 さてそこで、次に、これは分権の観点からちょっと見てみたいんですけれども、総理、この定額給付金に関して言いますと、何か、分権の観点からいえばこれはいいことじゃないかと。特に分権の観点からいって、所得制限なんかも自分たちで決められるんだからいいことだというふうに総理はおっしゃったように報道されております。

 総理、これはよく見ていただきたいんですけれども、次の表を見ていただきたい。

 分権というのはどういうことか。分権というのは、政策を地域できちんと決められる、しかも、それを責任を持って執行するということがやはり分権の重要なところなんですね。

 なぜそれが大事か。それは、なるべく住民に身近なところでいろいろなものをやった方が地域の実態や実情に合うようにできる、それから、身近なところでお金を使った方が監視がきく、遠い政府でやるよりも身近なところでやった方がコストが安く済むというようなことで、なるべく近いところでいろいろな仕事をした方がいいということで、分権ということが今言われているわけですね。

 英語で言うとニア・イズ・ベターという言い方をしたり、補完性の原理という言い方をしたり、いろいろな言い方があります。すなわち、事務事業に裁量権があるということ。裁量権というのは、自治体がその権限を振るえる範囲があるということが大事なんですね。

 ところが、今回の定額給付金事業、本当にこれは自治体に裁量はありますか。給付対象者の要件、これは自治体に裁量なし。申請・受給者の要件、額の設定、申請・給付方法、申請期限、これは何にも裁量権がないんですよ。

 二つだけ裁量権のあるものがあります。それは給付開始日です。ところが、これはどういう意味かというと、総理の先ほどの御希望どおり、できれば年度内にやっていただきたいということで、準備ができ次第やってくれというものですから、これは事実上、裁量ではありません。それから、所得制限の設定、これは自治体によってやれるというふうに言っておりますが、設けないことを基本とするというふうに言っているわけですね。これは自治体の裁量というふうに言えるのかどうかということです。

 それから、所得制限の下限については一千八百万、これを下回る所得制限はあり得ない。すなわち、裁量の全くない政策を押しつけている。これは究極の中央集権だというふうに言わざるを得ないんですね。

 さらに言うと、私は、この所得制限については本当にとんでもないと思っています。それは、所得制限はいつの所得でやるのか。二十一年分所得でやるというふうに言われています。二十一年分所得といえば、ことしの一月から十二月までの所得です。その所得が確定するのは来年の五月です。

 すなわち、本当に所得制限をやりたいと思う自治体が、所得制限の作業をやって、給付した方から還付をしていただけるのは来年の六月以降なんですよ。ことし、年度内にお金を配ってくれと言ったものを来年の六月以降になってもう一回戻してくださいなんという事務を自治体がやれますか。だから、こんなものは、やれないこと、やらないこと、やらせないことを前提にしてつくった制度としか言わざるを得ないんですね。

 これは、総理、分権でも何でもない、中央集権のきわみだというふうに私は思うんですけれども、いかがですか。総理。

衛藤委員長 まず、総務大臣鳩山邦夫君。

鳩山国務大臣 税務情報の確定という意味では、確かに先生おっしゃるとおりで、住民税でいうならば来年の五月か六月ぐらいになるでしょうね。

 しかも、税務情報というのは勝手に使ってはいけませんから、事前に、あなたの税務情報をこういう事柄に使っていいですかという承諾書をとるというようなことがあるので、私は、所得制限というのは非現実的であって、基本的に、命令はできないけれども、やらないでいただきたいと要請はできますから、全市町村に要請をしたい、そういう構えで考えてきているわけでございますので、どうぞ御理解ください。

麻生内閣総理大臣 所得の話は、これは、いわば税務情報というものに関しましては、もう御存じのとおり、確実に……(逢坂委員「質問は分権じゃない、中央集権的政策だと言っているんです」と呼ぶ)よく聞いてくださいよ、答弁と言っているんだから。その話をしているわけですから。

 今、鳩山大臣が答弁をされたように、基本的には、今この段階で所得の格差が幾ら、何とかというようなことを地方の首長さんが捕捉できることはありません。したがって、これは現実的ではないのではないか、現場にいれば当然のことですといって、全国市長会からも同様の趣旨が上がっておりましたのは御存じのとおりです。

 したがいまして、私どもは、地方がその裁量に関して、これが地方分権かと言われればいろいろ御意見もあるだろうとは思いますが、地域のことを地域住民が決めるようにする、そこの地域住民がその金を何に使うかというのを自分で決められるというので、そういうところは基本なんじゃないんですかと、私自身はそう思っておりますので、これは基本的に、定額給付金に書いてありますこの内容が直ちに地方分権と一致しているか一致していないかという話はともかく、私は、本人の自由意思で決められるところが一番肝心なところだと思っております。

逢坂委員 私、総理に今回の質問の中で分権に対する総理のお考えを聞こうと思ったんですけれども、今の答弁を聞いてあきれました。

 だって、自分で自由に決められる、それが分権だと、個人の財布の中身のことを分権だということを聞いているわけじゃないんですよ。自治体の裁量が全くないから、これは地方分権じゃないでしょう、中央集権的な政策。しかも、法律にも決めないで自治事務だと言っているけれども、全国にやってほしいと言っている。これは究極の中央集権的押しつけ政策だということを私は指摘しておきたいというふうに思います。

 総理、そこで、今回の定額給付金の目的で、総理は二つおっしゃいました。家計への緊急支援だということと、家計に広く給付することにより消費をふやす経済効果もあると。目的はこの二つでよろしいですか。

麻生内閣総理大臣 基本的には、最初に申し上げましたように、全体的に言えば景気対策につながればと思っておりますが、まず最初に申し上げました家計に対する緊急支援という面もありますし、これによって、単年度とはいえ、一つのきっかけになり得るのであれば、消費刺激ということにもなりましょう。結果としてそれが景気全体に影響を与えていってくれればと思っております。

逢坂委員 先日の衆議院本会議の、私どもの鳩山議員の代表質問の中で、総理はこういうふうに言っているんですね。「国民からは、給付を待っているという声もあり、」というふうに言っているわけですが、「給付を待っているという声もあり、」ですから、待っていない声もあるんだとは思うんです。

 それで、政府参考人にちょっとお伺いしたいんですけれども、制度設計上、給付を待っている声もありというのは、給付を待っているというのは大体どういう方だというふうに想定されていますでしょうか。

 一万二千円あるいは二万円という額でございますので、所得の高い方よりも、生活にお困りになっている、困窮されている方というのがやはり給付をお待ちになっているんだなというふうに私は類推をしているんですけれども、政府参考人、制度設計上、まずどうお考えでしょうか。

岡崎政府参考人 私ども、定額給付金室という部屋で仕事をしているわけでありますけれども、そこにも、もちろん批判的な御意見もありますけれども……(逢坂委員「それを聞いているんじゃなくて、制度設計上どう考えているか。考えていないなら考えていないでいい」と呼ぶ)はい。(発言する者あり)

衛藤委員長 逢坂君に申し上げますが、発言は起立の上お願いします。

岡崎政府参考人 そういういろいろな声がありまして、そういう方たちはいろいろなことを申し上げますけれども、必ずしも、一律こういうような方が多いというような感触は受けていませんで、いろいろな方がおられるというふうに感じております。

逢坂委員 政府参考人から余り意味のある答弁が得られなかったので、総理、大変恐縮ですけれども、総理の御答弁でございますから、「給付を待っているという声もあり、」、給付を待っているというのは、総理、どういう方だと思われますか。

麻生内閣総理大臣 世論調査が幾つか出ておりましたけれども、総じて八八%の方々が、来たら受け取ると答えておられます。八八%というのはかなりの数だと存じますので、その意味では、私は、多くの方々というので、こういった、所得ならこれぐらいの方というのを特定しているわけではございません。

逢坂委員 現金を目の前に出されて、受け取るか受け取らないかと言われたら、やはり多くの方は欲しいと思うのは、そういう動きになるのは無理からぬことだというふうに私は思うのです。

 だがしかし、例えば、朝日新聞社の世論調査では六三%が必要な政策とは思わない、NHKの調査でも八一%の人が景気回復に効果はない、この政策に否定的なんです。政策そのものに否定的だけれども、現金を出されりゃ受け取りたいと思う気持ちがあるというのは、それは人の心の、そのぐらいのところは総理も想像つくのではないかというふうに思うんです。

 さて、そこで私が指摘をしたいことが一つあるんです。これは、多くの人が本当にこれを受け取りたいと思っているのか思っていないのかというところなんですよ。

 というのは、定額給付金を受け取るか受け取らないかについて、なぜ総理はそれをおっしゃれないんですか。あるいは、麻生内閣の皆さんは、なぜ定額給付金を受け取るか受け取らないかについて発言がぶれるんですか。

 それは、要するに、皆さん、国民の皆さんにも言いたいんですが、本当にこれがすべての国民の皆様にとって必要な政策であって、お金を受け取ることがどうしても必要なんだという政策であるならば、全員が、受け取りますと言うはずなんですよ。それは、受け取らなくてもいい立場の人にまで全部ばらまくと言っているから、いや、受け取りたい人がいるのもわかるけれども、おれはどうかなというふうに思う、そういうことのあらわれなんじゃないですか。そうじゃなかったら、こんなにぶれるはずないじゃないですか。それじゃ、なぜ閣僚の皆さん、全員がそろって受け取るって言えないんですか。これはどこかに、やはり一万二千円じゃちょっとね、いや、おれのこの所得でもらっていいのかね、そういう思いがあるからなんじゃないですか。

 国民の皆さんの中には、私のところにも来ていますよ、定額給付金という制度は余りいい制度じゃないとは思うかもしれないけれども、逢坂さん、反対しないでくれと言う人も来るんですよ。一万二千円といえども私は欲しいという人だって私の事務所に来ますよ。ただ、私が言いたいのは、ここで総理は言っているんですよ、きめ細かくというふうに言っているんですよ。きめ細かい政策と言うのであるならば、本当に一万二千円であっても、なければ生活に困るという方に手厚く対応していくこと。一万二千円をもらったぐらいでは、それはちょっとどうかな、おれ、もらっていいのかなと思う方には上げないというのが政策のきめ細かさなんじゃないですか、総理。

 総理はここで、きめ細かくと言っているようですけれども、どういう意味でこれはきめ細かいんですか。

麻生内閣総理大臣 一万二千円、あなた要りますか要りませんかということを、全家庭の所得が全部捕捉されているわけではない、少なくとも市町村では、という状況では、現実問題として、きめ細かくやれるかといえば、首長をやっておられたのでよく御存じのところだと思いますが、物理的にできないということだと思っております。したがって、申し上げたようなことになっているんだと思っておりますが、実際、首長さんで、それが全部捕捉できるのは、とてもできないと。個人情報の開示にもなりますので、なかなかそれはできないんだと思いますよ。

 そういった意味では、私どもは、こういった形で広く薄く、少なくとも低所得の方にも広く行き渡るようにするために定額給付金という制度にして、しかも一括、まとめた方がよろしいということで、二段階になるような形で後になるのではなく、一斉にやった方がいいという形からこういった形になったという経緯、もう御存じのとおりです。

 現場をある程度わかっておられる方の方がむしろわかっておられると思いますが、そういった意味では、私どもの今回の形というものは、きめ細かくと言うけれども、少なくとも、閣僚、これは個人にいただくわけですから、個人にいただくことに関して、受け取れ、受け取るな、何にしろということは私の立場で言えるというのはいかがなものかというので、私どもとしては自由にやらせていただくのが正しい、そう思っております。

逢坂委員 私は、もう少しまともに、建設的に議論ができるのではないかというふうに思っておりました。

 所得についても、そんなもの、自治体にいたってみんなわからないじゃないかみたいな話。そうじゃないでしょう。ある程度物事を想定して、個別の所得の、この人がどうこうということを言っているのではなくて、どういう方のために今回この生活支援をしたらよいのか、そういうようなことをどう考えているかという質問を私はしているのであって、所得が捕捉できるとかできないとか、個人情報がどうとかということを私は言っているのではないんですね。

 何度も繰り返して言わせていただきますけれども、今回の定額給付金、この事業はやはり、皆さんがなぜ私ももらいますと言えないのかというと、この政策そのものの中に、本当にもらっていいかなと思う人が含まれているからこういう結果になるのだというふうに私は思っております。これは本当に、先ほど、自治体職員のメールにございました、役所へ勤めて以来の、これは私が行政にかかわって以来の最大の愚策に思えますというのがありましたけれども、まさにこのとおりじゃないかなというふうに私は思っています。

 そこで、きょう、もっともっと言いたいことはあるんですけれども、残念ながらもう時間になりましたのでこの程度にいたしますけれども、私は究極の大愚策だと思うんですけれども、総理、そうお思いになりませんか。総理は新聞をお読みにならないと言っているけれども、新聞でもやはりやめた方がいいということはたくさん書かれているんですよ。それを思って、究極の大愚策だというふうにはお思いになりませんか。

麻生内閣総理大臣 自分の政策を実行するに当たって、愚策だと思って実行するということは普通はないんだと思いますけれども、首長をやっておられたので、御自分でいろいろ政策をやられて、愚策だなと思いながら自分でやられたことはないと思っております。したがって、私自身も、これを天下の大愚策と思ってやっているつもりは全くございません。

逢坂委員 総理、愚策だと思わないのであるならば、ぜひ、私も胸を張って受け取りますというふうに言ってくださいよ。閣僚の皆さんだって、自信がないんでしょう。本当にこれを受け取る資格があるのかどうかについて自信がないんでしょう。本当に苦しい人を差しおいて一万二千円や二万円をもらうということに対して自信がない。そういう政策だから煮え切らない、ぐらぐらぐらぐらした、そういうことになるんじゃないですか。

 さて、三党の提案者、民主党の提案者にお伺いしますが、これは天下の大愚策だと私は思うんですけれども、どうですか。

細野委員 逢坂委員は本当に長年地方で住民の声を聞いてこられて、自治体を統治してこられた立場だからこそ、いかに今回の制度が自治体に過酷なものであるかという印象を非常に強く持ちました。

 あともう一つ、これは本当に逢坂委員が盛んに指摘をされたところですが、住民が何を欲しているのかというのを一番よく知っているのがやはり市町村なんだと。これは補完性の原理という言葉でよく呼んでいますが、そのことに立ち返ったときに、この政策を少なくとも一回切り離して、与野党で建設的な議論をした上で、地方自治体のさまざまな活力を本当の意味で生かせるような政策に組みかえるべきではないか、私はそう思います。

 最後に、逢坂委員の夢に出てきた裸の王様が、どこかでそのことに気づいていただければいいなという感想を持ったということを最後に申し上げたいと思います。

逢坂委員 これが本当の自治事務であるならば、自治体の裁量が振るえて、自治体の皆さんが本当にこの方向へ使うことがいいのだ、個人に給付をするもよし、団体としてまとめて使うもよしというような二兆円になることを私は切に願って、質疑を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございます。

衛藤委員長 次回は、明九日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十分散会


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