衆議院

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第7号 平成21年2月3日(火曜日)

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平成二十一年二月三日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 衛藤征士郎君

   理事 岩永 峯一君 理事 小島 敏男君

   理事 佐田玄一郎君 理事 鈴木 恒夫君

   理事 田野瀬良太郎君 理事 山本  拓君

   理事 枝野 幸男君 理事 菅  直人君

   理事 富田 茂之君

      井上 喜一君    伊藤 公介君

      石田 真敏君    臼井日出男君

      小野寺五典君    尾身 幸次君

      大野 功統君    上川 陽子君

      木原 誠二君    木村 隆秀君

      岸田 文雄君    斉藤斗志二君

      坂本 剛二君    下村 博文君

      菅原 一秀君    杉浦 正健君

      園田 博之君    中馬 弘毅君

      土井 真樹君    仲村 正治君

      根本  匠君    野田  毅君

      葉梨 康弘君    深谷 隆司君

      保利 耕輔君    牧原 秀樹君

      三原 朝彦君    矢野 隆司君

      安井潤一郎君   吉田六左エ門君

      渡辺 博道君    小川 淳也君

      大島  敦君    逢坂 誠二君

      川内 博史君    鈴木 克昌君

      仙谷 由人君    田名部匡代君

      津村 啓介君    筒井 信隆君

      中川 正春君    細野 豪志君

      前原 誠司君    森本 哲生君

      渡部 恒三君    池坊 保子君

      石井 啓一君    上田  勇君

      江田 康幸君    坂口  力君

      笠井  亮君    阿部 知子君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   内閣総理大臣       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   鳩山 邦夫君

   法務大臣         森  英介君

   外務大臣         中曽根弘文君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       中川 昭一君

   文部科学大臣       塩谷  立君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   農林水産大臣       石破  茂君

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       金子 一義君

   環境大臣         斉藤 鉄夫君

   防衛大臣         浜田 靖一君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     河村 建夫君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (沖縄及び北方対策担当)

   (防災担当)       佐藤  勉君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (行政改革担当)     甘利  明君

   国務大臣

   (科学技術政策担当)

   (食品安全担当)     野田 聖子君

   国務大臣

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   小渕 優子君

   内閣官房副長官      松本  純君

   内閣府副大臣       谷本 龍哉君

   内閣府副大臣       宮澤 洋一君

   総務副大臣        石崎  岳君

   総務副大臣        倉田 雅年君

   外務副大臣        伊藤信太郎君

   財務副大臣        竹下  亘君

   農林水産副大臣      石田 祝稔君

   環境副大臣        吉野 正芳君

   総務大臣政務官      鈴木 淳司君

   法務大臣政務官      早川 忠孝君

   財務大臣政務官      三ッ矢憲生君

   文部科学大臣政務官    浮島とも子君

   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君

   国土交通大臣政務官    西銘恒三郎君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君

   会計検査院長職務代行

   検査官          西村 正紀君

   会計検査院事務総局第四局長            鵜飼  誠君

   政府参考人

   (国家公務員制度改革推進本部事務局次長)     岡本 義朗君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房臨時再就職等監視担当室長)    小林 廣之君

   政府参考人

   (内閣府官民人材交流センター審議官)       平山  眞君

   政府参考人

   (財務省主計局長)    丹呉 泰健君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    佐々木豊成君

   政府参考人

   (文化庁次長)      高塩  至君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房長) 佐藤 正典君

   政府参考人

   (林野庁長官)      内藤 邦男君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           大塚洋一郎君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          松永 和夫君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    長谷川榮一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     小澤 敬市君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  金井 道夫君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  和泉 洋人君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    岩崎 貞二君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  徳地 秀士君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月三日

 辞任         補欠選任

  小池百合子君     安井潤一郎君

  下村 博文君     保利 耕輔君

  園田 博之君     土井 真樹君

  葉梨 康弘君     木原 誠二君

  渡辺 博道君     上川 陽子君

  仙谷 由人君     小川 淳也君

  馬淵 澄夫君     田名部匡代君

  池坊 保子君     上田  勇君

  江田 康幸君     坂口  力君

同日

 辞任         補欠選任

  上川 陽子君     渡辺 博道君

  木原 誠二君     牧原 秀樹君

  土井 真樹君     園田 博之君

  保利 耕輔君     下村 博文君

  安井潤一郎君     小池百合子君

  小川 淳也君     仙谷 由人君

  田名部匡代君     鈴木 克昌君

  上田  勇君     池坊 保子君

  坂口  力君     石井 啓一君

同日

 辞任         補欠選任

  牧原 秀樹君     矢野 隆司君

  鈴木 克昌君     津村 啓介君

  石井 啓一君     江田 康幸君

同日

 辞任         補欠選任

  矢野 隆司君     葉梨 康弘君

  津村 啓介君     森本 哲生君

同日

 辞任         補欠選任

  森本 哲生君     馬淵 澄夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十一年度一般会計予算

 平成二十一年度特別会計予算

 平成二十一年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

衛藤委員長 これより会議を開きます。

 平成二十一年度一般会計予算、平成二十一年度特別会計予算、平成二十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として国家公務員制度改革推進本部事務局次長岡本義朗君、内閣府大臣官房臨時再就職等監視担当室長小林廣之君、内閣府官民人材交流センター審議官平山眞君、財務省主計局長丹呉泰健君、財務省理財局長佐々木豊成君、文化庁次長高塩至君、農林水産省大臣官房長佐藤正典君、林野庁長官内藤邦男君、経済産業省大臣官房審議官大塚洋一郎君、経済産業省経済産業政策局長松永和夫君、中小企業庁長官長谷川榮一君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官小澤敬市君、国土交通省道路局長金井道夫君、国土交通省住宅局長和泉洋人君、海上保安庁長官岩崎貞二君、防衛省運用企画局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院長職務代行検査官西村正紀君、会計検査院事務総局第四局長鵜飼誠君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

衛藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保利耕輔君。

保利委員 おはようございます。

 総理におかれましては、金曜日は衆議院、参議院の本会議で質問を受けられ、月曜日もまたもう一度おやりになられて、そして、その間にダボスに行ってこられて会議に御出席になられたということであります。大変お忙しい、激務と言っていいんじゃないかと思いますが、お元気で政務に尽力をしておられまして、心から敬意を表したいと思います。

 まず、ダボスでのお話について御質問申し上げたいのでありますけれども、このダボス会議に御出席になられた意図、そしてまた、アジアの諸国に対して援助をしたいというお申し出があったやに伺っておりますが、その辺のことについて、総理の御報告と申しますかお話を伺わせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

麻生内閣総理大臣 恒例のダボスにおいて開かれました世界経済フォーラムの年次総会において、特別講演という機会をいただきました。

 百年に一度という経済危機でありますので、世界というのは総じて悲観論に陥っておりますが、少なくともそういうことではなく、この悲観論が覆っている中で何をなすべきか、その中で日本の役割などについて自分なりの考えを訴えたというところであります。

 具体的には、経済的繁栄というものと民主主義を求めていく先には人々の平和と幸せがある、これは日本が戦後追求してきた歩みでもありますし、私の信念でもありますので、その上で、現下の世界情勢を踏まえて、金融危機に対しましては、世界のいわゆる市場安定のための方策、また、何となく野放しみたいになっていたものをある程度規制する必要があるので、金融の規制なり監督をする上で、一国ではできませんので、国際協調でこれをやっていく必要があるのではないか。

 また、金融危機に端を発して経済自体の本体も傷んでおりますので、世界経済を、金融改革だけではなくて、これは財政もやらないと、金融政策だけで今回の経済危機には対応できませんというのはかつて日本がやった経験でもありますので、財政政策が必ず要りますという話。

 また、今、気候変動の話が出ておりますので、気候変動に関して、日本としては遅くとも六月までには中期目標を出したい。それは、きちんと科学的な裏づけを持って、言い値で、言うだけじゃなくて現実問題としてやっていきたいということで、中期目標を示したいということを申し上げております。

 日本としては、世界で日本だけが景気が回復するというわけではなくて、世界の経済成長のセンターとも言われておりますアジアの国々、ともにいかないとなかなかと思っておりますので、そういったことを申し上げさせていただいて、多くの方々の共感をいただきました。

 こういった機会に日本の考え方なり日本の今やっていることなりをきちんと発信していくということは、改めて非常に有意義かつ必要なものではないかと思った次第です。

保利委員 大変重要な意見の表明をされたと思います。特に、アジア諸国に対して一兆五千億、百七十億ドル、日本が援助しようという表明をされたということは非常に画期的なことだと思います。アジアの経済がよくなって、そしてその中で日本もよくなっていく、あるいは世界もよくなっていくという考え方だと思います。

 その点、どういうおつもりで一兆五千億を援助するというふうに表明されたのか、その辺について御説明をいただきたいと思います。

 なお、国民の皆様方がテレビを通じて、あるいはラジオで聞いておられますので、閣僚の皆様方にもお願いを申し上げますが、ぜひ易しい言葉で、国民のどなたでも御理解ができるような形で御答弁をいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

麻生内閣総理大臣 今、世界人口の約四割というものをアジアが占めております。その中で、この十年間ぐらいの経済成長率を見ますと、欧米または南米、北米などに比べて明らかに成長率が高いところでもありますので、こういった地域において成長し続けていくということが、これからの世界の経済というものを成長させていく上でも非常に確率の高い、まだ成熟し切っていないところでもありますので、インド、中国を含めて、非常に大きな可能性を残している地域が伸びていくというのが大事なんだ、そう思っております。

 例えば、インドシナ半島メコンの開発もございましょうし、またインドの鉄道整備、ニューデリーとムンバイの間の鉄道の整備、また、それの周辺にいろいろ経済特区、経済開発地域を想定してやっておられますので、こういったものを各国ばらばらにやっていくのではなくて、きちんと全体として絵をつくり上げて、その中で、うちとしては技術的にはこんなことができますと。例えばメコンの開発で、南北はともかく東西に渡っていくときには、各国を越えて、タイに始まってカンボジアだベトナムだといろいろつながっていくときに当たって、関税の問題だけでも、通関の手続等々は日本の技術を使えばすっと行けますというような技術を供与する等、横の連絡は極めて、今だったら何日もかかるところが二日足らずで行けるようなことになる。

 そういったようなものは、輸送、物流の面で非常に大きな影響を与えますし、デリーとムンバイの間をきちんと鉄道がということになりますと、それまた大きな。そういったようなことをやっていくに当たって、日本としては、いろいろ技術の援助もできますし、また融資の話もできますし、そういったようなことを我々としてはやるということによって、その地域の全体の経済発展ができる。

 それは将来の、日本の開発援助が結果として日本の国益にもつながってまいりますので、そういったことで、我々としては、百七十億ドル相当、今でいいますと約一兆五千億円ぐらいのものになろうと思いますが、こういったものを支援する用意がある。それが結果としてその地域の経済発展につながり、回り回って世界の経済成長にもつながっていく、それが結果として日本の国益にもつながっていく。

 そのもとになりますものは、やはり、どこか発展させていくとすれば、可能性の一番高いのは僕はアジアだと思っておりますので、今申し上げたような話をさせていただきました。

保利委員 まさにメコン川なんというお話も総理から出ましたけれども、我が党の佐藤議員、というよりもむしろひげの隊長と言った方がいいかもしれません、彼が、メコン川周辺の各国を訪れて、どういう実情にあるか、また何をしたらいいかということを調査したいという申し出がありますので、私は許可をしたいと思っております。

 なお、総理が言及されました中に、ピース・アンド・ハピネス・スルー・エコノミック・プロスペリティー・アンド・デモクラシーという言葉がありますが、この言葉はだれかの言葉を引用されたんでしょうか、それとも総理が御自身でお考えになった言葉でしょうか。ちょっと余計なことかもしれませんけれども、お伺いしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 これはどこかの会議で私が使った言葉で、最初に英語でどこかで使った記憶がありますけれども、どなたがしゃべられたか、ちょっと正確な記憶じゃありません。

 ただ、これは何となく、日本という国が戦後六十年間やってきたのは基本的にこれだったと思っておりますので、経済的発展をすることによって、それが結果として貧困をなくし、テロを減少させ、結果としてということで、やはり経済的繁栄というのが非常に大きなあれで、自由であってもやはり経済的に発展していないとなかなかという気持ちがありましたので。

 ちょっと正確な記憶がございません。

保利委員 あと一つ、ダボスの会議について、総理が言及されたお言葉の中に、日本は、インド洋での海上自衛隊による補給活動に加え、ソマリア沖の海賊対策に自衛艦を派遣します、そういうことを言っておられます。

 ちょっと写真をごらんいただきたいと思います。お手元にも資料を配付いたしておると思いますが、これは何でしょうか。

 私は、これを見たときに、航空写真か何かかなと思ったんです。地表のありさまを写したものかなと思ったんですが、よく見ますと、これは、日本のタンカーが襲撃をされた、去年のことでありますけれども、日本郵船のタンカーが襲撃をされた。そこに、ぽつっと穴があいているように見えます。これは直径二センチの穴があいております。ここから原油が漏れ出したということもありまして、大変危険な状態にあるということを考えますと、今、海上自衛隊の船が行って警戒に当たるということは非常に重要なことだと思います。

 防衛庁長官もいろいろ手配をしていただいているようですが、防衛庁長官、準備状況はいかがでしょうか。突然で済みません。

浜田国務大臣 ただいま保利先生の方からお話がございましたように、我々とすれば、総理のもと、今回の海賊問題に対しては、国際的な部分から、そしてまた我々の国民の生命財産を守る意味からも、この海賊対策をしっかりやらなければいけないということで、総理からも御指示をいただいているところでございまして、私としては、それを受けまして準備の指示を今させていただきました。

 当然これは、私とすれば一貫して新法のもとにということで考えておりましたが、しかしながら、事態がこういう事態でございますので、あらゆる事態に対応して動けるように今現在着々と準備をしているところでございますが、いろいろ検討、調査をしなければならないことがありますので、今、それも含めて実施をしているところでございます。

保利委員 今、私は防衛庁長官と発言したようでございますが、謹んで訂正させていただきます。防衛大臣殿であります。

 そういうことで、海賊問題は大変な問題でございます。

 そこで、今一番大きな問題は、やはり現下の経済情勢だと思います。総理は、今の現下の経済情勢、そして将来の姿というものをどういうふうに見ておられるか、御意見といいますか、お考えを御披瀝いただければありがたく思います。

麻生内閣総理大臣 よく言われます、百年に一度と言われるような金融危機に端を発した経済不況ですが、今までと違うのは間違いなく二つ。一つは、世界同時に不況が始まっている点が一つ。もう一つは、これまで戦後はいずれもインフレ下で不況はありましたけれども、デフレの様相を呈してきた中での不況というのは過去に例を見なかったと思っております。

 したがって、日本もその影響の外にいるわけにはまいりませんので、日本の景気、特に輸出関連業界を先頭にして非常に急速に悪化してきていると思います。カーブが、ゆっくりなカーブじゃなくて、落ち方が、過去の例に比べて、今回の例は過去のこれまでの不況に比べて圧倒的に降下角度が非常に厳しいことになってきておると思っております。したがいまして、こういった状況はしばらく世界的には続いていくであろうということが予想されますので、当面は内需、外需ともに景気が悪いということになると思います。

 幸い原油価格が低下したという点は間違いなく日本にとって悪いことではなかったと思いますが、交易条件はいろいろ変わってくるとは思いますけれども、いずれにしても、今年度で見れば、民間需要の持ち直しが期待できますのは、早くてことし後半ぐらいかなという感じを覚悟しておかないといけないと思います。

 一―三月は底にしたとしても、なかなか後半にならないと持ち直してくるという雰囲気にはならないのではないかという感じがいたしますので、この不況感をきちんとどこかで政府としてちゃんととめて、この不況がさらに悪化するのを回避するというところに全力を挙げていかねばならぬと思っておりますので、政府といたしましては、景気回復というのを政策の最優先という形に位置づけ、そして今、世界の中において、この不況の中で一番最初に日本が脱出するという決意と覚悟を持って臨んでいく、そういう気持ちが大事だ、私はそう思っております。

 当面、七十五兆円の経済対策等々やらせていただいておりますけれども、こういった、何となく不安が不安を呼んでいくというような、不安の連鎖というようなことは断固避けたいと思っておりますので、私どもは、この経済対策の、一次、二次補正、そして今回の平成二十一年度予算というものの一日も早い実施が一番の景気対策、経済対策になり得る、そう思ってお願いをさせていただいているところでございます。

保利委員 去年の後半は大変大きな経済変動が起こった。まず原油価格が急に上がった、輸入穀物価格も急騰した、そういう状態を受けて第一次補正予算をお組みになった。それから、その後、これで終わりかなと思っていたら金融の問題が大きく出て、これは金融危機を招いて、その結果、第二次補正予算で対処しなければならなかった。そして、第三弾に今審議中の本予算があるわけで、総理は三段ロケットという表現をしていらっしゃるわけですが、こうしたことをしっかりやっていくということが必要でありますし、景気対策については、第二次補正予算が動き、そして本予算が本当に執行されていくということが大事だ、総理はそういうことを常におっしゃっているわけでございます。

 改めてもう一度、こういった三段ロケット方式で、本予算まで含めて執行することが大切だということを国民の皆さんにぜひ御説明いただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 第一次補正予算及び第二次補正予算につきましては、それぞれ、安心実現のための緊急総合対策及び生活対策という点に重点を置いて、国民生活と日本の経済というものを守っていくというのを主眼に置いております。そのためには内需を拡大する、これまで外需依存度が非常に高かったわけですから、内需を拡大するということで自律的な経済成長というものを実現するために考えたものであります。

 第一次補正予算、第二次補正予算、そして二十一年度の予算と合わせて総額七十五兆円の経済対策を行うこととしておりますが、これは、一回切るということじゃなくて、切れ目なくやっていくというところが非常に大事なところだと思っておりますので、回復するためには、やはり切れ目なく実施していくというのが最も大事だと思っているところであります。

保利委員 いつも予算の審議の前には、私どもに、予算書とともにこうした「平成二十一年度予算及び財政投融資計画の説明」という文書が配られます。非常にコンパクトにまとめてありますので、私はいつもこれを見ていろいろ物を考えるのでありますけれども、そこの最初のところの解説を読んでみますと、一ページのところに「年度後半には民間需要の持ち直しなどから低迷を脱していくことが期待される。」という表現があります。

 内閣の文書でありますから、本当は、「期待される。」という評論家的な言い方ではなくて、私としては、年度後半には民間需要の持ち直しなどから低迷を脱するよう施策を講じていかなければならないぐらいの表現にして、少し強めた方が内閣の姿勢としてはいいんだろうと思います。

 これについては、総理の御見解も伺いたいと思いますが、財務大臣はどういう御見解をお持ちか、お述べいただきたいと思います。

中川国務大臣 今、保利委員から御指摘になりました「平成二十一年度予算及び財政投融資計画の説明」の最初のページに、御指摘のような文章が載っているわけでございます。そして、その後続けて、なお、世界経済金融情勢の悪化によっては、景気の下降局面がさらに厳しく、またさらに長くなるリスクが存在することに留意する必要があると。まさに、今の日本の経済は急激に悪化しているというふうに判断をしております。

 そういう中で、保利委員からの、「期待される。」という何か他力本願的な表現でいいのかという御指摘でございます。全くそのとおりだと思います。ですから、総理が、三年の間に景気好転をさせるという強い決意のもとで、今御答弁がございましたように、三段ロケットあるいは七十五兆円対策というものを、これは総理の決意でもって今全力で取り組んでいるということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。

保利委員 この辺は、景気がどう動くか、それによってこれから先の、特に歳入計画をつくっていかなきゃならないという非常に大事なところだと思います。しかし、これは政府としてもお悩みの点だろうと思います。

 同時にまた、景気だけではなくて、この解説書にもございますが、「基礎的財政収支を二十三年度までに黒字化させるとの目標を達成すべく努力するが、」非常に難しいんだという表現が書いてある。

 この黒字化の目標、プライマリーバランスの達成目標ということについては、総理はどういう御見解をお持ちでしょうか。これはもう絶対しなきゃいけない、あるいは難しいなという方に力点が置かれているんでしょうか、どっちでしょうか。

麻生内閣総理大臣 基礎的財政収支につきましては、これは基本的には、このような急激な経済状況の変化がなければ達成というものを、我々としては、かなり可能なものではないかという気持ちを強く持っておりました。しかし、今回の状況によって、一挙にその情勢は厳しくなったことも確かです。しかし、我々としては、当面の景気対策を優先するべきと判断をしましたので、とにかく短期的には景気対策ということを申し上げました。

 しかし、同時に、我々としては、主要先進国の中ではいわゆる財政指標というものがとりわけ厳しい国に我々はおりますので、この問題をほうって、とにかく景気対策だけにどんどんというわけにもなかなかいかぬのではないか。これは、長期的にはこの問題をきちんと、我々としては責任を持って、財政に対して責任を持つということが政府としての姿勢としては大事なところだと思います。

 また、加えて、我々としてもう一点考えておかねばなりませんのは、やはり少子高齢化というものが先進国の中ではひときわ速く進んでまいりますと、どうしても、いわゆる社会福祉、介護、医療、年金、そういったものに対しても、破綻をするということになりかねないというのは、これは国民にとっての安心という気持ちが非常に失われる、不安になる。

 そういったところをきちんと、我々としては、そういったものも考えているんだということもきちんとお示しする必要があろう、そういうことを考えておりますので、我々としては、きちんとした財政再建の旗は立てつつ、当面景気対策に全力を挙げていくというのが当面の課題だと思っております。

保利委員 そういう意味で、景気対策を今は一生懸命やろうということでございますが、同時に、プライマリーバランスを回復させるという旗もおろすわけにはいかない。しかし、今この時点ではやはり景気対策に力点を置いていかなきゃいけないということの具体的なあらわれとして、今度税制改正法案が、この予算委員会ではありませんが、同時に政府から国会に対して提出されている。

 何か税制改正法案というと、すぐ消費税がどうのこうのというマスコミの書き方もありますけれども、実際は、所得税だとか法人税だとか相続税だとか企業税制、いろいろな面で、並べて、そして一兆円もの減税をしようと。プライマリーバランスを一生懸命考えたら、減税をするということはちょっと矛盾するように思いますけれども、景気対策を考えれば、これはやはり減税をして需要を喚起するということも大事なことなんだろうと思います。

 そこで、税制改正についての大きな姿というものを国民の皆様によく財務大臣から御説明いただきたいと思います。

中川国務大臣 今、保利委員御指摘いただきましたように、今これから国会で御審議をお願いしたいと思っております来年度の税制改正法案には、確かに、景気を好転させた場合には税制の抜本改正という附則も入っておりますけれども、四月一日からぜひ実行したいものはすべて減税でございます。

 具体的には、最大六百万円の減税を含む住宅ローン減税の大幅な延長、拡大、あるいは、環境対応車への自動車重量税、取得税の減免、中小企業の法人軽減税率のさらなる引き下げ、中小企業の雇用を維持し、事業を承継した場合における相続税や贈与税の猶予、農地における相続税の納税猶予制度を貸し付けの場合にも適用するということでございまして、ぜひとも四月一日から速やかに施行させていただきたい税制改正はすべて減税でございます。

 これは、あくまでも景気対策、生活対策、雇用対策という観点からでございますので、何とぞ御理解をいただきまして、これにつきましても御検討をいただきたいというふうに思います。

保利委員 この税制改正法案の中には、消費税改正法案というのは法案としては入っていないんですね。一つにまとめた中の附則の中に記述があるということであります。

 その記述はどういうことが書いてあるかというと、ちょっとわかりにくい文章なので、与謝野大臣から考え方について御説明をいただきたいんですが、紹介をしてみますと、「今年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取り組みにより経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制抜本改革を二〇一一年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、二〇一〇年代半ばまでに段階的に行って持続可能な財政構造を確立する。なお、改革の実施に当たっては、景気回復過程の状況と国際経済の動向等を見きわめ、潜在成長率の発揮が見込まれる段階に達しているなどを判断基準として、予期せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとする。」

 ちょっとわかりにくいんです、実際のところ。例えば、必要な法制上の措置をあらかじめ行ってということはどういうことなのか、それを含めて与謝野大臣から解説をお願いいたしたいと思います。

与謝野国務大臣 そんな難しいことが書いてあるわけではないと思っております。

 まず、総理がいつもここで言われていますように、経済政策としては三年後までに何としても日本経済を回復させる、これは一つのめどであるわけです。今、その経済を回復させるために、いろいろな政策手段、その中には財政もありますし、税制もありますし、また金融政策もあります。そういうものをやっていく上では、相当の財政上の負担をするということになります。当面はそうであっても、やはりまず中期的には財政をきちんとするという姿勢がなければならない。また、そういうことをきちんと政府として決めておく必要がある、これが中期的な考え方であります。

 その中で書かれております幾つかの用語だけ解説するというよりは、そこに書かれております全体を申し上げますと、一つは、二〇一一年にできれば税制改正を、税制の抜本改革をスタートさせたい、それで二〇一〇年代の半ばには完成させたい、これを段階的にやっていく。できればという条件の中に、やはり一番大事なのは経済回復でしょう、いろいろな税制の抜本改革をやるだけの経済環境が整っているということが税制の抜本改革をスタートさせる条件ですということが書いてあります。

 それで、税制抜本改革は何か消費税だけに焦点が当たっていますが、税制抜本改革という概念は、所得税、法人税、消費税、所得税その他もろもろの税制全体を改革していく。それから、二〇一一年までに必要な法制上の措置をしておくということは、いつかやりますということではなくて、少なくとも法制上の準備は二〇一一年度までにしておきましょうと。ただ、それを具体的に施行するかどうかというのは、やはり経済情勢、特に、日本だけの経済情勢でなく、世界の国際的な経済環境等も頭に入れて判断しなきゃなりませんよということをちょっと難しく書いてあるということでございます。

保利委員 やや本音が出たんですが、ちょっとわかりにくいなと思う表現であります。

 それで、これは我が党内でも大変大きな議論になりまして、実際、税法を出すときの附則の書き方については、いろいろな方々の知恵を結集してこの法案の附則として書き込んでいただいたということでございます。

 この問題は、後からまたいろいろ御議論があろうと思いますから、ここでとめておきたいと思います。

 国民の皆さんによく知っていただかなきゃならないのは、日本の国家財政というのが一体どういう状況になっているのかということについて少しお話をしてみたいと思うんですが、閣僚の皆様もお持ちだと思いますし、これは政府でつくった表ですから当然のことだと思いますが、こういう表がございます。ごらんをいただけますでしょうか。

 この中で、私はいつも思うんですが、財政の基本的な考え方というのは、入るをはかって出ずるを制すということだと思います。入るをはかって出ずるを制すという考え方からいうと、今の国家財政というのは、入るをかなりオーバーした出ずるがあるということですね。この差額が物すごく大きいということです。簡単に言えば、国民の皆さんに聞いていただきたいと思いますが、八十兆を超す歳出を五十兆以下の歳入で賄っていかなきゃならないという状態であります。

 何かいろいろ政府も、懐に少しお金を持っているだろうということで、工夫に工夫を重ね、そして探査に探査を重ねて、そして世に言う、余り使いたい言葉ではありませんが、埋蔵金を発掘しながら対処をしていったというのがその姿であります。

 特にここの中で目立ちますのは、社会保障費の非常に大きなウエートといいますか、これが非常に高いということでございます。四十七兆の一般歳出の中で、二十一兆八千億というのは半分近い数字になると思います。それで、ずっとこれを横に見ていって平成二十四年度の数字を見ると、社会保障費だけで二十七兆五千億、これはまさに、一般歳出の五十三兆から比べますと、五〇%を超えるんですね。つまり、一般歳出の部分の五〇%以上を社会保障に充てるというのが二十四年度の姿であります。

 これをやはり見ていただきたいと思いますし、もう一つの特徴は、二十年度の予算と二十一年度の予算を比べますと、ちょうど三兆円伸びているわけです。これは、基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に上げたことによる大きな影響がここへ来ているわけでありまして、それと同時に、少子高齢化社会を反映して社会保障費がぐんと伸びる。まさに社会保障国家みたいになっちゃっているんですが、中福祉・中負担ということを総理も述べていらっしゃいますし、今の状態というのが、例えば平成二十一年度の状態というのが中福祉の状態なのか、あるいは低福祉の状態なのか、あるいはまた高福祉の状態なのか、この辺はどうお考えになりますでしょうか。

 これは突然のことなので申しわけありませんが、与謝野大臣、お考えがあれば、今の状態が中福祉なのか、それとも低福祉なのか。

与謝野国務大臣 別に数学的な厳密な定義があるわけではありません。一つは、他の国との比較ということをする必要があります。

 高福祉・高負担の国は、例えば北欧の国々、これは国民負担率が七割を超えている、ただし福祉は極めて充実している、消費税は二五%である、これは確かに高福祉・高負担と言えると思います。それから、皆年金でない、あるいは医療が皆保険でない、これはどう見ても低福祉だろう。こういう国は実際にあるわけでして、こういう国々は国民負担率も低い。

 ならば、日本はどの辺の位置に属しているのかといえば、国民は皆保険であり皆年金である、そういう状況です。ですから中福祉であろう。ただ、この中福祉も少しほころびが来ているのではないかという有力な説もあります。

 そこで、あともう一つの比較の方法は、租税と社会保険料を足した国民負担という概念があります。この国民負担を所得で割った国民負担率という考え方がありますが、これを並べますと、国民負担率が七割を超えている国、五割を超えている国、三割台に残っている国。日本は四割前後でございますが、実際は借金を子や孫の世代にツケ送りしておりますから、実際の国民負担率は五割に達していると思います。

 したがいまして、将来世代を含めたものは中福祉・中負担になっていますが、今生きている、今世の中を支えている人間にとっては、先送りしている分だけ後の世代の負担に回しておりますから、現世代にとっては中福祉・小負担と言われてもいたし方がない状況があらわれていると思っております。

保利委員 いみじくもお話しになりました、中福祉・低負担ではなかろうか、こういうお話だったと思います。

 まさにそうだと思いますね。八十兆円を超す歳出予算、それに対して歳入が五十兆を切っている状態というのは、やはりこれは何とかしなきゃいけない。それは政治家全員にかけられた、与党も野党も含めて全員にかけられた、これからの日本の財政をどうやっていくかということの大変大きな問題であり、場合によっては、これは政治家の責任問題であろうかと思いますから、これに対して勇敢に対応していかなければならない、あるいはきつい話もしていかなければならない、それが政治家の責任だろうと思います。

 その辺について、総理、御見解がございましたら、ちょっとお述べをいただければありがたいと思います。

麻生内閣総理大臣 主要先進国の中で何といってもひときわ厳しい財政状況にあるということは、これはもう間違いない事実だと思っております。

 結果として、九〇年代半ば以降、日本が、いわゆるバブルがはじけた後の不況、あのときはデフレ不況になりました。そのときの対応策として、日本は財政出動をやって、結果として、GDPの五百兆というものを維持するということによって恐慌を招かずに済んだ、恐慌を回避したということは、確かな事実として我々としても堂々と言えるところだとは思いますが、それは同時に、財政を極めて厳しいものにしたというのもまた否めない事実だと思っております。

 加えて、これに対して、人口の高齢化、少子化というのも今から起きてまいりますので、これは社会保障の増大が見込まれることは避けがたい。そういう状況の中にあって、やはり経済が持続的に経済成長というものをやっていかない限り、これは持続的な社会保障制度というものの維持というのも難しいことになる、私はそう思っております。

 したがって、やはり、景気対策が終わった後は財政再建ということをきちんと腹におさめてやっていくということを確実にやっていかないと、先ほど与謝野大臣が答弁されました点が、難しい、いわゆる持続可能にならないということだと思っております。

 そのために、これは不急不要な経費等々の削減とか、いわゆる無駄の排除とか構造改革とか、いろいろなことをやっていかないかぬのは当然なんですけれども、やはり、そういったものをやった上で、社会保障というものを安心なものにして、無理して金をためておかなくても、ちゃんと社会保障というものやら年金やらきちんとしたものがある、医療、介護というものもきちんとしておるということを安心にしておかないと、結果としてそのツケを子や孫に先送りするという形になるのは、これは今の、生きている我々としてはなかなか無責任なこともできぬのではないか、そういうような感じがいたします。

 したがって、まずは経済、景気回復というものをやった上で、先ほど与謝野大臣からの御答弁がありましたように、税制の抜本改革というものをやっていって、我々としては、きちんとした持続可能な社会保障、そういったものをきちんとして、中福祉・中負担の国家ということにしていくことが極めて大事な考え方ではないかと思っております。

保利委員 今、政治家の責任ということも申し上げ、それから、景気回復をどんどんやって、そしてその後、やはりプライマリーバランスを維持するための政策も講じていかなきゃならないという段階にあろうかと思います。

 そういう中で求められているのは、今、国民的に一番関心の高いのは、わたりとか天下りとかというのをやめろということでございまして、それに対しては総理も本会議できちんと御答弁なさって、そういうものは認めないとおっしゃっていらっしゃるので、強い意思が表明されているものだと思います。

 けさのニュースを見ておりますと、内閣人事・行政管理局というのを発足させるということを意思決定しようというようなお話が伝えられておりますが、これは突然で大変恐縮ですが、けさのニュースでございますので予告はしておりませんが、どういうことを考えておられるか、これは甘利大臣から御説明をいただきたいと思います。どうぞ、国民向けにわかりやすく御説明ください。

甘利国務大臣 時系列的に申し上げますと、平成十九年に、公務員制度改革のいわば基本方針というものが閣議決定をされました。それに基づいて、時代の変化、世界の変化に対応した、新しい、あらまほしき国家公務員制度をつくっていくということで、昨年の通常国会に国家公務員制度改革基本法というものが提出をされました。これは、たしか自民、公明、民主、社民も賛成をされたと記憶をいたしております。ほとんど与野党の賛同を得て成立されたわけであります。

 そこで示している基本方針を果たすための目的というのが七項目あります。それを具体的な条文として五条から十一条までに書いてあるわけであります。十二条は、労働基本権の問題について対応するということが書いてあるわけであります。

 それのまず最初になすべきことは、人事管理の一元化、戦略的人事管理、戦略的組織管理を政治主導で行っていく。そこで、内閣官房のもとに内閣人事局をつくる、それで人事管理に必要な機能の集約を図る。今、人事管理に関する機能は、例えば総務省でありますとか人事院でありますとか財務省に散っているわけでありますが、必要な部分を一元化して、内外の諸課題に迅速、果断に対応できる人事管理体制をつくっていくというものであります。

 内閣人事局、仮称として内閣人事・行政管理局と出しておりますが、この名称は確定したものではありませんが、人事管理と組織管理をシナジー効果を上げながら戦略的に行っていく、もって、時代の変化、世界の変化に迅速に対応できる、課題を解決できる体制をしいていくということであります。

保利委員 これは党内にもいろいろ議論がありますし、また、人事院との兼ね合いもあると思いますから、果断にやっていただかなきゃなりませんが、慎重を期していただきたいなと思っております。

 それでは、時間もなくなりましたので、景気対策について御質問をいたしたいと思います。

 まず、中小企業庁でいろいろ考えておられましたが、これは二階大臣からの御答弁でも結構ですし、数字の問題は、中小企業庁長官もおられますから、そちらから御答弁いただいても結構です。

 中小企業に対しては信用保証を与えるということで、去年の十月三十一日からスタートをして、今日までどのくらいの信用保証を与えることができたか、数字をちょっと、まず中小企業庁長官から御説明願えますか。あるいは大臣でも結構です。大臣、よろしくお願いします。

二階国務大臣 緊急保証につきましては、保利委員を初め与党の皆さんからも大変力強くバックアップをしていただきまして、昨年は暮れの十二月三十日までこの仕事をさせていただきました。

 ちょうどこの十月三十一日、先ほど御説明のとおりでありますが、スタートしました信用保証制度の貸し付けの承諾実績でありますが、六十日営業日を数えておりまして、二十四万五千件であります。金額は五兆五千億円の承諾実績となっております。一日当たりに平均しますと約九百億円、こういう状況でございます。

 これまでのところ、利用業種は建設業、卸、小売業、製造業、飲食店、サービス業、さらに中小・小規模企業の総合的な資金繰り対策に活用をいただいております。

 内容についてごく簡単に申し上げますと、保証つき融資の金利は平均で二・五八%であります。通常より低くなっております。平均貸付期間は約八年となっておりますから、通常の四年七カ月に比べまして期間を延長しております。保証引き受けに際して、雇用維持への協力、これは一件数ごとにお願いをしております。

 返済負担の軽減、経営の安定、ひいては従業員、御家族の安心につながるような結果になることを期待いたしております。

 日本政策金融公庫によるセーフティーネット貸し付けとあわせて、資金繰りの実態に今後も全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

保利委員 今のお話、今までに二十四万五千件の信用保証を与えることができたということでありますので、別の言い方をすれば、二十四万五千の中小企業が金融面で助かった、当面かもしれませんけれども助かったということは非常に大きいことではないかなという感じがいたします。

 これが、信用保証協会から信用保証をいただいて、金融機関が実際融資したかどうか、このチェックはなかなか難しいんだろうと思いますけれども、感覚として、これはきちんと融資されているという感覚をお持ちかどうか、これは財務大臣からお述べいただけますか。

二階国務大臣 この点につきましては、中川大臣とも協力し、関係各方面にもう再三このことについて協力を要請しておりますので、ほぼ順調に進んでおると思っております。特別の問題があれば、また御指摘をいただきまして、緊急に対応してまいりたいと思います。

中川国務大臣 借り手側の方の認識は、これは二階大臣の御担当でございますが、貸し手側につきましては、これはリスクのない貸し出しがふえるということでございますから、金融機関にとってもこれはメリットになるはずでございますので、そういう意味でも、また全体的な目的からいっても、大いにこれを活用してもらいたいということを、二階大臣ともども、金融機関にも折に触れてお願いしているところでございます。

保利委員 これは、代表質問のときにも質問を総理にさせていただいたんですが、大手企業も資金繰りが非常に悪くなってきておりまして、そうした大手企業に対する融資、これは大手の銀行がやっていると思いますが、そういうものに対してもやはり貸し渋りとかいうようなことが起こり始めているというようなうわさ話もあるのでありますけれども、その辺についてはどういう対策を講じられるおつもりか、その辺をお答えいただきたいと思います。

中川国務大臣 御指摘のように、昨年後半、特に年末にかけて、大手企業の資金繰りも支障を来しているやの話も聞こえてまいりましたので、急遽、これは政策投資銀行の御判断をいただきまして、コマーシャルペーパーの買い取りということをやっていただきました。また、第二次補正予算を通じまして、金融危機対応業務として、政策金融公庫からコマーシャルペーパーの買い取り、あるいはまた日銀の方でもコマーシャルペーパーの買い取り等をやっていただいておりますし、また、今後、これは議員立法でお決めいただきました持ち合いの株の買い取り等も含めて、これは主に大企業、中堅を中心にした資金繰り対策として、中小企業対策と同じようにきちっとやっていかなければいけないというふうに考えております。

保利委員 もう時間がありませんので、ちょっと質問をし損ねたところもございますけれども、やはり、政治家というのはこうした日本の将来に対してみんなで責任を持っているんだということをしっかり我々も再確認をしていかなければいけないんじゃないかと思います。

 そういう意味で、我々も頑張ってまいりたいと思いますし、また、政府もいろいろおやりになっていること、いいことをたくさんおやりになっているわけですから、私たちも心してこのPRには努めていかなければならないと思っております。

 大臣方にまだ質問をしたいところでございますけれども、時間が参りましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 この際、野田毅君から関連質疑の申し出があります。保利耕輔君の持ち時間の範囲内でこれを許します。野田毅君。

野田(毅)委員 麻生総理には、ダボスから強行軍、本当にお疲れでございました。体も大変だと思うけれども、頑張っていただきたいと思います。

 今、保利政調会長とのやりとりの中で、社会保障、消費税についてかなり論議が進んでまいっておりますので、ちょっと質問順序を変えて恐縮なんですが、その延長線について少しお話をしてみたいと思います。

 この本なんですけれども、総理、読まれたことがありますか。小沢一郎「日本改造計画」。これが出たのは一九九三年であります。今から十六年前。そのときに、何て書いてあるか。消費税一〇%にするということが書いてあるわけで、偉いなと思ったんですよ、その当時。そのころ日本の高齢化比率は、六十五歳以上の人口比率ですが、調べてみますと、一三・五%なんですよ。

 それで、今日はどうかというのでちょっとパネルをつくってみたんですが、お手元にあると思います。これは白黒なのでちょっと見にくいかもしれないんですが。これは二〇〇五年レベルですが、日本は世界断トツ二〇・〇。去年はもう既に二二を超えています。あと数年すると二五にすぐ行っちゃう。二〇二五年には三〇ぐらいに行きかねない、こういう話になるわけですね。こんなに急テンポに、今でさえハイレベル、さらに急テンポで進むという国は世界で日本だけ。

 ちなみに、スウェーデンはどのくらいかというと、一七・三%ですね。それから、ドイツでも一九パー、アメリカは一二、三%ぐらいでしょうか。そういうことを思うと、いかにこの間、いろいろあるけれども、随分苦労しながら他の分野を削って高齢化への対応をしてきたんだということが言えると思いますね。

 その結果がどういうことになったんだということは、その次のをちょっと見てください。

 これは、年金・医療等の自然増経費ですね。これは、昨年度の予算から今年度の予算編成をするに当たって、のたうち回って苦しんだ一つなんですよ。

 これは、すなわち、年をとると年金の受給者もふえる、介護でお世話になる人もふえる、それから病気になる人もふえる。そのサービス水準は全く動かさないとして、一年高齢化が進むたびにどれくらい所要財源が変わるかというのがこのグラフでありまして、それが八千七百と計算されるわけです。

 これは毎年毎年なんですよ。去年、ことしだけじゃない。去年からおととし、あるいはその前、あるいはこれから先を考えた場合にも、実はこういう現実がある。だけれども、その分お金が入ってこない、借金も限界であるということですから、これをどうやって枠におさめるかでのたうち回った、こういうことです。

 その中で、六千五百については、済まぬがほかの分野で削ってくださいと。だから、十年この方、公共事業を毎年三%削り続けてきている。あるいは教育費でさえ一%削減ですよ。ODAはもちろんだ。あるいは、そのほか農政費、防衛費、あらゆるほかの分野を削ってきた。そのツケが随分とあっちこっちに回って、地方財政も削ってきた。そのことが、残念ながら、今日の地方の疲弊という状況であったり、あるいは内需不足ということの原因を醸し出しているのではないかという反省も必要です。

 社会資本整備にしても、地方を活性化しようと思うのなら、必要なものはやはり必要なんですよ。農産物の輸送にしたって、産地間競争が激しくなっているんですから、少なくとも、その輸送コストを下げるためには、やはり早く産地から市場に届けるような道路が必要になるだろうし、そういったこともあります。

 それだけじゃなくて、もう一つ、医療、介護、福祉、こういう分野は、ほかの分野にこれだけの迷惑をかけるんだから、せめて厚生労働省の縄張りの中で何とか自前で捻出しなさいというのがいわゆる二千二百億の話なんですよ。これを毎年やるものですから、どこを削ろうかということが、結果として、障害者に対するいろいろな見直しであったり、あるいは医療費削減の話であったり、介護の現場におけるさまざまな厳しい状況が出てきたり、何とかして二千二百を出さざるを得ない。

 しかし、もう本末転倒になってしまっているんではないかという限界があるということを、やはりここはしっかり、与党、野党じゃなくてお互いが、民主党だって政権をとることになるかもしれないんだから人ごとじゃないんですよね、だから、一緒になって、この問題は党派を超えて真剣に、政争の外に置いて、どういうふうに乗り越えるかということを議論していかなきゃいけないということだと僕は思います。

 こういうことが背景にあるから、先ほど総理がおっしゃった、まさに今度のいわゆる税制改正法案の附則の中に、今日の当面の経済情勢の中で、すぐ来年とか再来年に消費税の引き上げを提案するような環境にはないとわかっておるのに、何で附則に書かにゃいかぬのかということですよね。それはなぜだろう。

 言うなら、言葉は悪いけれども、映画をつくるのに、本番でどんな映画をつくろうかといって、税率をどうしようかとか、どんな仕組みにしようとかいって議論するのはまだわかるんだが、何か予告編をどういうふうにつくろうかという話を議論しているような話ですから、多少議論が、まだ今はそんなことをしなくても先のことだからいいじゃないかという議論が出てきたり、できればそういった議論は選挙の前は避けた方がいいんじゃないかということが、与党の中にも野党の中にもあるように実は思います。

 だけれどもそれでは困るんだという思いが、総理がこれだけはぶれないんだということで、経済環境が好転することを前提として、そして三年後には景気を回復させるんだから、そのときにはひとつしっかり正面から議論をしなきゃいけないということへのこだわり。これはやはり、今申し上げたこういう背景のほかに、基礎年金の何といっても三分の一を二分の一に引き上げるということ。二年間は財源手当てはできているけれども、三年以降の財源手当ての保証はないということがかなり背景にあるんではないかということについて、改めて総理から、総理の生の声をもう一遍国民の皆様に切々とその事柄を訴えてもらいたい、そう思うんです。

    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕

麻生内閣総理大臣 かねてから、このたびの金融危機に端を発しました世界的な不況の中にあって、これを脱出する、そのためには景気対策は優先順位の一番。これをいたしませんと、経済が少なくとも好転してこない限り、いろいろな対策を打とうにも打てない。したがって、景気対策が一番。そのためには三年は要りますと申し上げて、全治三年という言葉を申し上げ、その間には経済対策というものを集中的にやらせていただきます。いわゆる事業規模としては七十五兆円、また真水で十二兆、いろいろな表現がありますけれども、こういったことをきちんとやらせていただきます。

 それで、経済が回復をした段階で、今回は我々としては財政をきちんと立て直すということをやらないと、少子高齢化が間違いなく進んでいく中にあって、最初の、ちょうだいした表の中にもありますように、高齢者比率、これは二〇%ですけれども、もう今は二二%、三%になっておろうと思いますので、その中にあって、消費税率一けたというところは、この中では日本ぐらいしか残っておりません。

 こういうような状況を考えたときに、我々は、少子高齢化という避けがたい事実を考えたときに、少なくとも社会保障という将来の安心を考えたときには、やはりきちんとした財源の手当てをしておるということがないと、国民にとりましては、年金、介護、医療などなど、高齢者になるに従って必要なものがふえてまいりますので、その部分に対する心配、いわゆる不安が出てくると現在の消費にもつながらないということになりますので、きちんとした対応をしておくべきというのは、これは責任ある者としては当然なのではないか。私自身はそう思って、少なくとも、三年たちましたら景気は立て直っているという前提、立て直っていたらという場合を、きちんとした前提条件を置いた上で、こういったことを考えさせていただきたいと申し上げさせていただいた背景でございます。

野田(毅)委員 大変よくわかります。

 そこで、さっき与謝野大臣と政調会長の議論の中で、中福祉・中負担論の話があったんですが、私はちょっと違うんじゃないかと思う。

 なぜか。それは、さっきお話ししたように、今のレベル、そんなに高福祉でもないかもしれませんが、中福祉かもしれません。多分、与謝野大臣の認識は中福祉と思っているかもしれない。だけれども、今のままのレベルなら、今の中福祉さえどんどん崩れてきているんですよ。つまり、該当者がふえるわけだから、維持できないということだろうと思うんですね、今のままなら。

 それをさらに、もっと老後の不安のないような仕組みにきちんとしようというのなら、もう一段レベルをアップしようというのなら、それだけの覚悟が要るということで、さっき総理も指摘されましたように、この高齢化比率とそれから消費税率と比べてみて、これはアメリカでさえ、あのちいちゃな政府を言っている、自分のことは自分でやりなさいと言っているあのアメリカでさえ、州税ですけれども、八%以上ですよ、州税、市税両方すれば。

 この現実を我々は目をつぶって、それはだれも消費税上がるのを好く人はいないですよ。だからといって、そっちにばかり行って、選挙の前にお互いがということは避けたいと。だから、あえて総理が言われたわけで。

 そういう意味で、私は、中福祉というのは、国全体としての負担率の話よりは、個々人にとっての福祉が中なのかどうなのかという議論になっていくんじゃないか。そうすると、日本はこれだけ、ほかの国よりも少子化、高齢化が急速に進んでいくわけですから、私は、中福祉をやろうとすれば高負担にならざるを得ないぐらいのはまりが必要であるということだと思う。

 つまり、人口が同じ形で推移していくのなら中福祉・中負担でいい。これからますます少子化と高齢化が急速に世界にない形で進んでいく中で守っていこうとするのなら、今の中福祉でやっても中負担ではおさまらないぐらいのことがあるんですよということを、もう少し我々は認識しておかなきゃならぬということが大事なんですね。

 そこがはっきりしないから、結果として、総理がおっしゃるように、老後が不安ですから、あのきんさん、ぎんさんでも老後が不安だといって貯金だなんて言っていたんだから。やはり今これだけ、何か三カ月で病院からほうり出されるとか、いろいろな話があるじゃないですか。全部医療費を削減するという角度から医療行政が発想されているように思えてならない。そのことが、結果として老後の不安をさらに増幅してしまっている。そろそろ本来の医療のあり方論から議論なすべきところを、どうしても財政面から来ているんです。

 きょうはこの表の中に入れておりませんが、私は前に一遍、総理にも差し上げたと思うんですが、じゃ日本は医療費がそんなに世界の中で飛び抜けて高い国なのかというと、違うんです。日本はOECDの中で、一人当たりの医療費もGDP当たりの医療費も二十番目ぐらいなんですよ、今日現在。そのことをしっかり我々は認識しておくべきだ。

 そういう現実がある中で、なおかつ、さっきの二千二百ということを減らすことに一生懸命になって、あっちこっちがりがり削るから、言葉は悪いがあの後期高齢医療みたいな話になってみたり、介護の現場がおかしくなったり、あるいは、本当に、障害者やら保育もそうでしょうけれども、福祉全体がおかしくなっているんじゃないですか。

 そのことが、個人金融資産千五百兆、そのうちの半分が預貯金ですね、七百五十兆だ。世界じゅうないですよ。総理おっしゃるとおり、この七百五十兆の一割だったら七十五兆だ。もしその一%でもいいから消費に回ってごらんなさい。ブームになりますよ。これを動かすことは、先のようでいて、この議論をやる、そしてそのことによって老後の安心を我々は責任を持って達成するんだというメッセージを出すということが、実は、足元の、まさに世界の中で異例中の異例の大危機に我が国が直面して対応すべき一つの処方せんになっていくんじゃないかと思うんですが、総理、どう思いますか。

    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕

麻生内閣総理大臣 確かに、個人金融資産は一千五百五十兆とかよく言われております。かつ、それは伸びております。

 そういうような中で、かつ七十歳以上の方の持っておられる比率が約七百何十兆円とよく数字で言われているところですから、その意味では、やはり高齢者の持っておられる部分が極めて高い。普通は高齢者の預貯金というのは減っていくんですけれども、高齢者の預貯金もふえる。というのは、やはり先に対する不安、先ほどきんさん、ぎんさんの例を引かれましたけれども、こういう例はやはり、これは気分の問題ですから、制度としてそうなっているといっても気分的には何となく先が不安だという気持ちの方が私は非常に大きいと思いますので、その意味では、きちんとした対応がされるんだという安心感を与えるというところが大事なのではないか。それが結果として景気対策にもつながっていくという御指摘は正しいと存じます。

野田(毅)委員 そういう点で、我々も実は反省すべきことがあります。

 それは、さっき小沢さんの話は出したんですけれども、何で小沢さんが今日引き上げに反対とおっしゃるのかわからない。やはり選挙を意識しているんでしょう。それじゃ困る。

 だけれども、一方で、民主党の皆さんも、あなた方も増税の話を提案したんです。私は、偉かったと思うんです。当時、菅さんが代表のころ、おっしゃったことがあるんですね、三%引き上げようと。これは国家基本問題の委員会の中で堂々とおっしゃったことがある。そしてその後、岡田さんが代表になられて、参議院選挙のときに、あえて引き上げようという話をされた。野党でありながら、しかも国政選挙で正面からおっしゃったということは大変立派だった、私はあっぱれだと思った。

 だけれども、残念ながらそのときに、我が党の小泉総理は、自分の総理の間上げないなんてやっちゃったから、これは問題だった。もし、本当にそのときにきちんと、両党ちゃんと政争を超えてこの問題について一緒になってやっていれば、随分違った展開になったんじゃないか。

 そういう意味では、私は今回、これからいよいよ基礎年金法案の話もあるでしょう、そのときに、いや、消費税を上げるのか上げないのかどうとかこうとかばかり言うんじゃなくて、与党も野党もこの問題に関しては、どちらかというと政争の具にしないでやらなきゃいけないということを申し上げておるわけであります。

 この点は、お互い決して百点満点でやってきたわけじゃないので、その点は双方反省して、国民のために将来設計が安心できるような制度をつくることに、精力的にぜひ話し合いをしていくべきだ、こう思いますが、総理はいかがお考えですか。

麻生内閣総理大臣 この政党間協議の必要性はたびたび申し上げてきたところでありますので、こういうような話、経済対策、景気対策というものに関しましてもちろんのことですが、長期的なことを考えたときに、やはり間接税というものを考えねばならぬ。その場合において、少子高齢化という現状に合わせてやっていこうというのであれば、この問題は消費税というのが一番我々としては、広く薄くということを考えましたときには、少子高齢化という避けがたい現実に合わせてみては、この問題は討議されてしかるべき大事な主題だ、私もそのように考えます。

野田(毅)委員 当然、この議論をやるときには、財政面や経済面だけで話が尽きるものではなくて、先ほどのやりとりでもありましたけれども、やはりそれと同時並行して、行政の無駄遣いをできるだけなくしていくような、そういったスリム化ということもあわせてやっていかなきゃならぬ。だから、どっちが先か後かじゃなくて、それは同時並行して努力をしていかなきゃならぬテーマであると私は思います。

 ただ、その中で、もう十年この方、消費税の使い道は限定してあるんですよね。

 これは若干手前みそになるんですけれども、十年前、いわゆる自自連立をやるときの一つの政策協定の中での約束事で、平成十一年度予算から消費税の使い道を限定してやる。国に入った消費税は、その全額を三分野以外には一銭も使わない。したがって、ODAや防衛費やその他いろいろな、ほかには一銭も使いません。すべてを基礎年金と老人医療、介護、これ以外には使わない。もちろん、地方に行く部分も四五、六%ぐらいありますから、地方に行って、それは地方の一般財源として、地方も社会福祉の分野が相当今広がってきております。

 そういう意味で、実際にはこの消費税が入ることによって、いやいや、お役人の無駄遣いがふえるとか、あるいはほかの行革努力がなくなるとかいうことでは全くないということだけは明確にしておかなきゃならぬことだと思うんです。

 ただ、問題は、国に入った消費税約七兆円が、それはそのまま基礎年金、老人医療、介護、三分野にしか回らないんですが、その三分野に必要なお金がことしは十六兆円になっちゃった。去年は十三兆円ぐらいだったんです。これが、ことしは消費税では賄えないところが九兆円にふえたということなんですよ。

 この九兆円にふえた理由は何だと。そのうちの一つが基礎年金の三分の一から二分の一への引き上げ、このうちの二兆三千億はそうなっている。そのほか、やはり、何ぼ何でも二千二百億をそのままいくのはまずいということで、いろいろな見直しをいたしたりしております。

 そういった事柄で、言うなら、ほかの借金その他の財源で穴を埋めて、消費税よりも大きい九兆円というお金を必要としている、こういう現実があるということですから、これだけはぜひ……(発言する者あり)定額給付金はまた後で時間があればやりますから。このことをまずは申し上げておきたい。

 それからもう一つ、その際、附則にも書いてありますけれども、少子化への財源をどうするかということを含めて、この消費税の中から使えないか。これも待ったなしでやる、こういうことで書いてあるわけですから、私も、これは持論ではありますが、できるだけ三分野から四分野に広げてやっていくような、そういうことをぜひ与野党間でスタートができれば、早ければ早いほどいいというふうに実は思います。このことをつけ加えておきたいと思います。

 とりあえずこの問題はおきまして、さて、経済問題に戻りたいと思うんです。

 先ほど来やりとりがありまして、ただ、今国民の多くの中には、今回の世界経済危機はアメリカのサブプライムローンが発端となって始まった、日本は余り、そういった金融バブル的なものには日本の金融機関も手を出していなかったし、比較的傷は浅かったんだろうと思ってみんな見ておった。だけれども、今やアメリカ以上に実は日本は深刻な状況になりつつある。それはなぜだということなんですよ。それはいろいろな理由がありますが、一にかかって日本の経済構造が輸出依存の経済構造に特化されつつある。

 問題は、これはアメリカだけがバブル崩壊したのではない、イギリスを初めヨーロッパ全土が実は崩壊してしまっている。そのことによって、最初は決済資金が、いわゆる決済ができないような、史上初めての決済危機が発生した。これは何とか抑えた。だけれども、その次に金融機関自身がひっくり返っちゃった。金融バブル商品に手を出して、それが暴落してしまっている。そのことが、今やかなりの国で事実上銀行が準国有化をされつつある。

 さて、その次に来るのが、いよいよ本格的な、実体経済に及んで、不良債権の処理の段階に入ってくるんですね。その不良債権の処理をすることが、一方で実体経済に反映して、需要が激減していくということに来ている。いよいよ、去年の暮れから需要の大激減が、世界需要が本当に極端に急落しているという、そのことが、日本の製造業が、見直しをするたびに下方修正、下方修正で、カットダウンしなきゃならぬ、こういうことに実はなっているということなんですよ。

 だから、これは、私は、ワークシェアリングの話がありますが、とてもワークシェアリングでさばけない、正規雇用者そのものにもかなり大きな影響が出てくる可能性があるということだろうと思います。そういう点で、我が国の議論も、ぜひ、ワークシェアリングだけにとどまらないで、根本の需要創出ということをターゲットに置いた対策をしていかなければ、日本のこの現状を乗り越えることはできない。

 そこで、総理はこういう現状においてどういう具体的な処方せん、戦略に基づいて立て直しを図ろうとするのかということについて、ぜひわかりやすく御説明をいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 先ほど野田先生の方からもお話がありましたように、基本的に、この八年間ぐらいを見ましても、日本の場合は内需よりは外需による部分が多かった。事実だと思います。公共事業を見ましても、九〇年代末の方は十四兆五千億ぐらいの公共工事を今は六兆円ぐらいまでになっておりますから、間違いなく、内需と言われるものの中に占めます公共事業だけ見ましても半分以下。それから、地方単体で見ましても、三十何兆円あったものが約十五兆、十六兆ぐらいになっていると思いますので、これも約半分。したがって、内需は、かなりな部分、公共事業だけ見ましても大幅に減らしてきたのがこの七、八年の間の事実だと思っております。

 したがって、公共事業は悪というようなイメージが一時非常に強かったと思いますので、その間に減らしに減らして半分以下になったということは事実だと思います。

 それにもかかわらず経済成長をそこそこ維持できたのは、これは外需による部分が多かった。その外需の部分が軒並み、今言われましたように、中国、アメリカといずれも輸出先になっておりましたところの状況が御存じのような状況。したがって、日本から、外需、いわゆる輸出に依存しておりました耐久消費財などをつくっておったところ、また輸送機械、そういったものを輸出しておられた企業ほどリーディング産業的な地位にあったんですが、そこらがいきなり全部ぐあい悪いことになりましたのが、不況というものを一挙に醸し出している大きな背景なんだと私自身は理解しております。

 したがいまして、これはどうしても内需拡大ということを日本としてはやっていく必要があるのではないか。そういったことを考えて、今回の予算の中では住宅減税というものを主にやらせていただいた、減税率は過去最大だと思いますが、やらせていただきましたし、また、省エネ技術とか新エネ技術というものを、いろいろなものをやっていくためにつくられる設備投資につきましては、即時償却、一発で初年度で全額償却できるというような形で促進するなど、例を挙げればほかにもあろうと思いますが、今そういった形でやらせていただく。これが当面の話だと思います。

 ただ、これは、中長期的に見ますと、さらに世界的に見ますと、省エネ、新エネでいきますと、例えば自動車が電気にかわってみるとか、いろいろな形で、エネルギーというものが環境の問題からもいろいろな指摘が出てきてまいりますので、それはある面制約されますが、逆に、同時に、その分野で新しい技術を考えると、それは新たな成長産業になり得る可能性もあろうと思いますので、そういったものに関しまして大きく転換をさせていくためにはいろいろな優遇を、いろいろなことを考えておりますけれども、いずれにしても中長期的には、環境とか、また省エネとか新エネとか言われる部分は、新しい日本にとりまして技術力をもって成長産業にかわり得るものだと思って、その部分に関しましては、それを促進していく、後押しする。そういったものを政府としてやっていかねばならぬものだと思っております。

野田(毅)委員 大変よく整理してお話しいただきました。

 要は、当面の経済対策といいますか、我々は、世界の中における日本の果たすべき仕事ということから見ても、一に内需、二に内需、三、四がなくて五に内需、それぐらいの感覚で内需対策を、短期的な視点、これは当面の、落ち込みの深い谷底を何とかできるだけ浅くしてつないでいく、谷の深さを浅く、そしてできるだけ春までの期間を短くする、そのためには短期の下支えが要る、こういうことだろうと思います。

 それから同時に、もう一つは、総理がおっしゃったとおり、では長期戦略の中でどうするんだと。やはり、日本の製造業、もちろんこれからも世界の中でトップランナーであってもらわなきゃいけません。だけれども問題は、その売り先が、長期的に日本の国内でお客さんがいなけりゃ、外国にばかり売らなきゃならぬようなことだったら、相変わらず輸出依存の構造は直らない。であれば、日本の国内をどうするんだということを考えれば、総理おっしゃったように、まさにあのグリーン・ニューディールは大事なんですよ。

 何もあれは、オバマさんから言われたからやるんじゃないんですよ。僕らは胸張っていいと思います。日本が先駆けてやったことを、オバマさんが、日本のようにやろうじゃないかといって今呼びかけているんじゃないですか。このことをぜひ、国民の皆さんも、近ごろはテレビをひねっても、みんな、自民党は何もしよらぬ、おくれておるとかいう話ばかりでけちつけるんだけれども、世界が日本をお手本にして、今あのオバマさんが呼びかけているというこの現実を、もうちょっと冷静に客観的に伝えてほしいんですよ。そうでしょう。

 だから、総理がおっしゃったけれども、今度の税制改正の中でも、例えば自動車の買いかえ、とにかくエコカーについては世界じゅうで最優遇した。このことは、今、足元、四月待ちでちょっと売れ行きが落ち込んでおりますが、四月になったらエコカーにどっと買いかえが始まってくるということであれば、エコ対策としても大事だし、また、そのことによって、落ち込んでいる国内の自動車需要を少しはプラスすることに寄与するんじゃないか。あるいは、住宅も同じ、省エネの投資も同じ。

 そういうことで、我々は、そのことは今回ぜひ、この予算と同時に出しております税制改正法案、これも早期に成立をしてもらって実行に移せるように、国民が利用できるように早くするということが大事ではないか、そう思うんですね。

 そういうグリーン化を進めるということは、もう一つ大事なのは、やはり日本の弱点は資源とエネルギーを輸入に頼っているということです。ですから、資源小国の日本が生きていくためには、昔から貿易立国ということを国是にしてきた。それが結果としては輸出力を強めるということにすべてを傾けてきたけれども、そろそろ、そういう経済戦略の中で、もっと内需に目を向けた経済構造に切りかえていかにゃならぬということであれば何が大事かというと、実は、エネルギーの自給率一〇〇%を目指すということなんだ。まさにグリーン化ということはそういうことなんですよ。

 だから、原子力発電、これをもっと進めにゃならぬ。あるいは再生エネルギーもやらにゃいかぬ。バイオも大体基本的に国内でできるわけだ。あるいは、そのことが農村やあるいは林業、こういったところの活性化にもつながっていくんだということも含めて、そういう、グリーンということだけではなくて、同時にエネルギー自給率を高めるということが、実は内需重視の経済構造にまさに戦略的に大事なんだということをぜひ我々は認識しておく必要がある、こう思うんです。

 私ばかり話してはなんですから、せっかくですから、税制に関しては先ほどお話がありましたので、歳出面について、予算面でことしも大幅に歳出でグリーン化を後押しする予算をつけておりますので、これは各省ちょっとまたがっておるので、かいつまんで環境大臣から少し説明してください。

斉藤国務大臣 野田委員今御指摘のとおり、昨年七月に低炭素社会づくり行動計画を政府は立てまして、世界に先駆けて、低炭素社会そしてエネルギーの自給率を上げていこうということで取り組んでおります。

 例としては、先ほどお話がございました化石燃料に頼らないゼロエミッション、これは、再生可能エネルギーまた原子力、この電源を二〇二〇年までに五〇%以上に引き上げる、それから、いわゆる電気自動車やハイブリッド車など次世代自動車を新車販売の二台のうち一台にする、それから、太陽光発電を現在の十倍にする、こういう計画を立てて、既にこのいわばグリーン・ニューディールというものをスタートさせていただいております。

 今年度予算におきましては、太陽光発電や次世代自動車、また二酸化炭素をつかまえて地中に閉じ込めるといった技術開発等で二千百四十三億円、それから二百年住宅やビル、オフィスの省エネ化、この省エネ長寿命住宅の推進として二百四十億円、また、森林吸収源対策、これは間伐の推進、水源林の造成ですが、この費用として二千億円などを用意しているところでございます。

 さらに、環境エネルギー対策を一層戦略的に進めて、需要と雇用をつくり出していくことができる日本版のグリーン・ニューディール、緑の経済と社会の変革と言っておりますが、麻生総理の意を受けまして、なお一層これを進めていこうというところで、今、日本版グリーン・ニューディールを進めているところでございます。

野田(毅)委員 質疑通告はしておりませんが、二階大臣のところでもいろいろ取りまとめをしていただいておるということで御努力願っておりますので、せっかくの機会ですから、もしよろしければ、少しアピールしてください。

二階国務大臣 我々の国産エネルギーの問題等については野田議員が御指摘のとおりでありますから、これらに向かって果敢な挑戦をしてまいらなくてはならないと思っております。

 したがって、今、新エネルギーパークというようなものを全国十三カ所につくって、国民の皆さんにまずエネルギーということを理解していただかなきゃいけない。小学校の皆さんにも見学いただくように、入場料は無料にしております。(発言する者あり)天下りはありません。そういうことを今進めていきながら、いろいろな知恵が出てくるわけであります。

 先ほどから御指摘のほかに、メタンハイドレートなんかについても、これはだんだんと取り組みが進んでまいりました。いっときは、こういうことをこういう場で御発言することもはばかるような、まだまだうんと先の先の問題で、見通しがつかないような、関係者の自信のなさのようなものがありましたが、最近はおかげさまで、このことの研究にしっかり取り組もう、総理の後押しもあって、我々はこれを現実のものにしていこうと。

 そうしますと、例えば四国沖とか紀伊半島沖とか、ああいうところにもたくさん貯蔵されておるわけでありますが、この埋蔵量が日本のエネルギーの大体百年分、ないしは考えようによっては二百年分あるだろうということが学者の間で言われております。そうしたことを考えますと、我々は、明るい希望を持って、今、野田議員が御指摘の一〇〇%というのは最初聞いた人はみんなびっくりされるでしょうが、一〇〇%に近づくようにあらゆる分野で協力していく、努力をしていくことが大事だと思っております。

野田(毅)委員 もう一つ、戦略的に内需をもっと創出して、それを中心にした経済構造に切りかえていこうという戦略の中で大事なことは、地域の活性化なんですよ。この点、残念ながら、先ほどお話ししたようなことで、高齢化社会のあおりを受けて、農業関係費も地方財政費もあるいは地方における必要な社会資本整備も犠牲にされてきて、結局地域力が衰えてきてしまっている。これをもっとてこ入れをして、活を入れて、総理のおっしゃる底力を発揮させる、そのことが結局、内需を充実させる、国民の生活を安定させていく、そういう中で一石何鳥かになっていくんだ、そういうことだと思います。

 オバマさんのグリーン・ニューディールというのも、中身を見ると、結局金額的にいうと公共事業なんですよ、基本的には。ここの視点を忘れちゃいけない。特に、足元の需要の落ち込みをどう乗り越えられるかということを考えると、でっかいプロジェクトも大事だけれども、今、身の回りにある、地方がやりたくて、お金がないからできない、そういったことがいろいろあるんですよ。

 私もちょっと海岸防災の仕事はしておるんだけれども、県にお金がないから補助金が欲しい、だけれども手が挙げられない、こんなことが山ほどある。何でそういうものをもっと早くできないんだ。学校の耐震も、今は大分前倒ししてやることになっているけれども、もっと前倒しができるはずじゃないか。どうせ必要なことなら、今の金利が安いときに、今早くやった方がはるかにいいじゃないか。道路だって、みんな同じですよ。そういったことを含めて、私は、最近の何か社会資本が無駄だという一般の風潮というのはいかがなものかと。

 私は、そういったことについて、国交大臣、遠慮しないで、本当に有効性を、しっかりやらないと、我々は、特に地方に住む者は、本当に必要で、本当にかつえているんですよ。それを何か地方にお金を使うことが無駄みたいな扱いをして、余りは言いませんが、財政削減のしわを地方に寄せるというようなことがあっちゃならぬ、そう思うんですが、国交大臣、社会資本整備、道路の問題等の役割、必要性について、少し強調してください。

金子国務大臣 国交大臣になりまして、国と同様に、あるいはそれ以上に地方自治体に財源がない、したがいまして、何か地方で活力を出してもらう、地域活性化をやってもらうということに事当たりましても、地方がなかなかついていけないという部分がある。この部分、国と同時に地方の財政もあわせて国として考えていく必要がある。

 これは、昨年、野田委員が、東京都の法人事業税、東京都の知事さんと選出国会議員からは大分御批判いただきましたけれども、他の地域に比べて恵まれていた東京都の法人事業税を全国プールで、地方にその一部を配分させていただいて、そしてお金が回るようになってきた、地方に事業ができるようになってきた。あれは非常に効果があった。お金が回ればやはり知恵も回ってくるという、言い方は余りよくないんですけれども、そういう、地域がそれぞれ回ってくる、このことは、私も担当になりまして、一番大事なことであると思っております。

 道路財源は一般化になりました。しかし、そうはいっても、道路の重要性、先ほど野田委員が、道路は物流、道路はまさに、それによって、物流だけじゃなくて工業の配置が随分行われておりますし、それによって雇用がやはり行われてくる。それぞれの地方にいる雇用というのを企業が当てにしてというんですか、対応するためにつくり上げています。観光という意味でも非常に今効果が出てきている。随所に見られます。

 そういう道路の役割というもの、それと同時に、やはり幹線だけじゃなくて、地域が統廃合して小中学校が合併するということによって、地方の山間部の道であっても通学でスクールバスで通わなければいけないといったような、そういうようなものについての地方の道路、こういうものも含めてやはりきちんとやっていく必要があるんだろう。

 いろいろ御批判いただきましたけれども、そういう地域の声にこたえられるように、足元のこういう公共事業、道路も含めてきちんと対応していく。道路財源については一般化でありますけれども、そういう地方の声に何とかこたえられる枠組みはつくれたのではないかと思います。

 強いて言えば、これから、今お話しいただきましたように、早く予算を通していただいて、せっかく通る予算ですから、早く発注させていただくようにしていきたい。

 従来、公共事業は発注まで七週間かかっていましたけれども、もっと前倒しして、手続をなるべく簡略化して、特に、補正については年度内になるべく地方に発注できるようにしていきたいと思っておりまして、そして、それによって何よりも今大事な雇用を早く確保していくということにつなげていけるように使わせていただきたいと思っております。

野田(毅)委員 私は、本当に麻生総理に感謝をしておる一人なんですよ。

 この表は、私が数年前から自民党の地域活性化特命委員会の委員長を仰せつかって、もちろん、政府の方も山口俊一さんを担当補佐官にした。総理の地域にかける思いというのがひしひしとわかってくる。鳩山大臣も頑張ってもらっておりますから、大いにサポートして、総理を立てながら頑張っていただいておるということで感謝を申し上げます。

 今、金子大臣からも御指摘ありましたが、地方再生対策費、これは二十年度、昨年度予算から初めて、戦後こんな仕組みは初めてだと思うんですが、やはり三位一体改革ということがありまして、言うなら、地方に対して補助金と交付税を減らす、そのかわり地方税を地方に回す。だから、国対オール地方でいえばとんとんなんだけれども、地方の中で見ると、地方税がふえていくのは大都市ばかりで、補助金と交付税が減るのは貧乏県ばかりなんですよ。

 ですから、これは論理的に、こんなことをやっていたら田舎切りになっちゃうからだめだと言っていたんだけれども、今から言いませんが、時の勢いでそんなことがあって、それからかなり地方の疲弊は厳しい、目に余るものがある、惨状を呈しているということの反省から、大都市に入った四千億を厳しいところに回してもらう、地方間の融通をするという仕組みをつくって、去年、ことしと、こうなっています。

 特にことし、麻生内閣になりましてからは、これじゃ不十分だということで、第一次、第二次、いろいろ補正もありました。その中で、特に第二次補正で、地域活性化について地方が独自の判断で使えるように六千億の交付金。まさにこれは二次補正に、今通ったんですが、財源法案が通らぬからすぐに実施ができないということで、今もう待ちに待っておるわけですね。それから、そのほかに四千億。この一兆円を二十年度に追加をした。さらに、来年はもう一兆円、二十一年度も追加をした。こんなことは異例のことだと思います。

 そういう点で、私は、麻生総理が実行力を持って結果を出して、この地方の底力を引き上げるということに努力を傾けておられる、本当に大変結構なことだと思います。せっかくですから、総理、地方の活性化に対してこれだけの努力をされたんですから、地方の底力を発揮してくれるように、総理からも少し、何らかのメッセージを出してみてください。

麻生内閣総理大臣 今、この数字をちょうだいいたしましたけれども、やはり地方が元気にならないと日本全体も元気にならないんだと思います。東京とか名古屋だけ元気でも、ちょっとなかなかさようなわけにはいかないんだと思いますので、そういった意味では、地方が元気が出るためには、やはり地方でいろいろアイデアやら何やらがある。

 例えば、今道路の話もしておられましたけれども、いわゆる道路をやらねばならぬ、土地が今安い、金利が安いなら今やった方がいいということを考えられている方はいろいろいらっしゃるんだと思いますけれども、現実問題としては、それをやるにも、裏負担というか、地元負担分を払うだけの金がないから公共事業は来ても受けられないという状況というのは、この数年間、全国でいろいろ言われてきたところだと思っております。

 したがって、地元としては金がないというのがやはり非常に大きな制約条件。加えて、権限もないとかいろいろあるので、そういう意味では、地方が自分で地域を経営する、自分で自分の地方自治体というのを預かった上で経営していく。そういうセンスが出てくると、今度は、その地域を経営している人とこちら側と同じようなところの人が、地域間で競争が起きる、そういう形の方が望ましいのだと私自身はそう思っております。

 ぜひ、そういった意味で、いろいろ地方の再生戦略ということで、地方でもアイデアのある市長さん方は東京周辺に、東京都の三宅村の、いわゆる灰干しプロジェクトなんというものもありますし、いろいろな珍しいものを考えておられる方がおられますので、そういった方々がやりやすくするために、あとちょっとした金がないというところにこの地方交付税というような自由に使えるものが行くことは非常に大きなものだと思っておりますので、ぜひこういったものを使って、やはりこれをもらったおかげでできた、これのおかげで元気が出てきたというようなものがあちらこちらに出てくると、さらにそれが他の市町村にも影響を与えてくるんだと思って、そちらの方を楽しみにいたしております。

野田(毅)委員 ありがとうございます。

 大分時間が押してまいりまして、本当は石破大臣からもいろいろお話を伺いたいんですけれども、これは後で小野寺さんも農政でお話しされると思うので、そのときにと思うんですが、私は、地域の活性化ということは、もう一つは、やはり第一次産業が活性化しなきゃ、幾ら地域の活性化という言葉があっても現実にはうまくいかない。

 特に、そういう中で、今、基幹的農業従事者の六割以上が六十五歳以上になってしまっている、あと十年するとどうなるんだろう。今でさえ耕作放棄地がいっぱいある、それは一体どうするんだ。そのままにしておいて食料自給率五割を目指すとかいったって、それは絵そらごとにしかすぎない。本気でこれをどうするんだという大戦略を、これは本当に国益をかけてやるぐらいのことをやらなきゃいけない。

 僕はそういうことを思うので、きょう時間があればそのことを、これは地域活性化と、そういう意味では、さっきエネルギー自給率一〇〇を目指そうと言ったんだけれども、同じように、食料自給率七割を目指すぐらいの日本の大戦略、まあ七割は高いかもしれぬけれども、とにかく今は四割ですから背伸びしてもしようがないが、少なくとも、だってヨーロッパはみんな高いじゃないですか、輸出に依存できないのならどうやってやるんですか、そういうことを、大戦略をやっていこうじゃないか。

 今回の雇用対策の中で、我が県でも少し始めたんですけれども、臨時雇用の受け皿として農業に職を求めようという人に月に五万円ぐらい出すらしいんですよ、農協を通じて農業法人で働く若者に、二カ月間しかないんだけれども。

 本当はこういったことがもっと広がって長期的な形になっていけば、どうせ規模を拡大してもらわにゃならぬわけですよ、認定農業者なり農業法人なり。そうなると、二人だけじゃ、夫婦だけじゃできない。そういう中で、農地が荒れないようにどうするのという、トータルとしての農業生産コストをそういう形でカバーすることによって競争力のある農産物ができ上がるんだ、そんな大戦略をぜひ僕は考えてやってもらいたい。

 恐らく、石破大臣、そんな思いがあっていろいろおっしゃったのではないか、そう理解しておるんです。時間の関係もありますが、ごく簡単で恐縮ですが、結論めいたことだけでも今お示しください。

石破国務大臣 先生がおっしゃるとおり、とにかく、今も十年前も二十年前も、日本の農業を主に担ってきた人たちは昭和一けた生まれの方々です。基幹的農業従事者というのはそういう概念です。これはずっとスライドしてきている。では、十年たち二十年たってこういう方々がリタイアされたときに主に日本の農業を担う人はいなくなっちゃうんじゃないの、そのときに自給力だの何だのかんだのいってもどうしようもない話だ、これをどうするかという話だと私は思っています。虚心坦懐に今までのことを考えていきながら、これからを考えなきゃいかぬだろうと思っています。

 先生おっしゃいますように、日本の農業というのはそんなにだめか。気候だって一番農業に向いている、土壌だって一番農業に向いている。この潜在力を最大限引き出すということが我々の責任であり、そのためにありとあらゆることを点検し、誤ったところは直していかねばならぬ、進めるところはもっと進めねばならぬ。まさしく、底力が一番あるのが日本の農業であり、それを最大限引き出すのが我々の責任だ、かように考えておる次第でございます。

野田(毅)委員 ありがとうございました。終わります。

衛藤委員長 この際、田野瀬良太郎君から関連質疑の申し出があります。保利耕輔君の持ち時間の範囲内でこれを許します。田野瀬良太郎君。

田野瀬委員 奈良県四区、自由民主党の田野瀬良太郎でございます。四十五分間の持ち時間でございます。どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。

 私は、総理、当然のこととはいえ、与党の一人として、さきの首班指名選挙、すなわち内閣総理大臣を決める選挙に麻生太郎と書かせていただきました。そういう立場から、私は、百年に一度の経済難局と言われておるこの状況を麻生総理の持ち前の不屈の精神でぜひひとつ切り抜けていただいて、そして日本の国をよりよき方向に引っ張っていただきたいと心から念じておる一人でございます。

 そんな思いを乗せながら、これから数点質問させていただきたいと思うんですが、とにかく私は平易な言葉で質問したいと思いますので、わかりやすい言葉でお答えいただければ大変幸いでございます。

 先週の二十七日でございました、ようやくにして第二次補正予算が成立いたしました。大きな山がこれから幾つもございますが、一つの山を越えた、このように思うわけでございます。ただ、衆議院では可決、参議院では否決、そして衆参両院協議会に持ち込まれての、難産の上に難産ででき上がった第二次補正予算でございますが、その中にあの定額給付金が含まれておるところでございます。

 私は、国民のこの定額給付金に対する大きな関心事、これから膨らんでいくのではないかな、このように思うわけでございまして、事実、私も週末に地元に帰りますと、いろいろな方々からこの定額給付金について、質問がひっきりなしでございます。

 例えば、ある主婦から聞かれました。私の家族は六人家族です、おじいちゃん、おばあちゃん、それぞれ二万円ずつで四万円、子供二人それぞれ二万円ずつで四万円だ、我々夫婦は一万二千円で二万四千円、十万四千円あるんですよ、その給付金はいついただけるんですかと。それをいただいたならば、古いテレビで今見ているけれども、幾らか追い足して新しいデジタルテレビを買いたいんだ、こういう話でございます。

 また、ある男性から聞かれたことでございますが、近所の仲間で旅行積立金をやっておる、こう言うんです。毎年一泊二日の旅行を楽しみにしておるんだけれども、この定額給付金が入るのであれば、ことしはちょっと遠出をしてリッチな二泊三日の旅行に行きたいんだ、早くそれを下さいよ、こういう話でございます。

 あるいはまた、先ほどもお話に出ましたように、定額給付金に関する地域の取り組み状況というのが、ここに資料がございますけれども、定額給付金の給付時期に合わせてプレミアムつき商品券を考えておるんだという市区町村、プレミアムつき、すなわち追い足して給付金を使っていただこう、そういうことを検討している市区町村が百二十九あるんですね。まさに、総理、私は、この定額給付金のねらいはそこにある、このように思うわけでございます。

 この二兆円を全部国民の皆さんが使っていただくと、GDP成長率〇・四%を見込めるわけでございまして、この二兆円が膨れ上がって五兆円になりますと、何と一%の経済成長率が見込めるんです。この間から、政府の二十一年度の経済見通しによりますと、恐らく〇%だろう、成長率ゼロ、こういう見通しが出ておりますが、この一・〇%は大きいですね。

 私は、この定額給付金を国民の皆さんに気持ちよく受け取っていただきまして、そしてできることなら、できる方にはぜひ追い足して、そしてぱっと盛大に使うていただく、これが非常にこの定額給付金の効果を発揮する方法ではないかな、このように思うわけでございます。

 私も会合のたびに、ぜひ皆さん、貯金はしないでくださいね、できることなら追い足して、何度も言いますけれども、そして盛大に使うてください、これがこの百年に一度の不景気をはね飛ばす最大の効果のある唯一の方法なんですよ、もうアメリカも三兆円、台湾は一人一万円ですけれども、えらい人気ですよ、韓国もオーストラリアもやると言っているじゃないですか、こんな説明をするんですけれども、ああ、定額給付金はそういう意味ですか、こういう話でございまして、みんな理解してくれるんですね。

 そんなことで、総理、私は、この際、明るく、屈託なく、そして気持ちよく国民の皆さんに受け取っていただいて、そしてぱっと盛大に使うていただくという国民的雰囲気というんでしょうか、国民的大運動をここで起こす必要があるんではないか、このように思うのですけれども、いかがでございますか。

鳩山国務大臣 全くおっしゃるとおりでして、この定額給付金をどんどん使っていただいて、にこにこ給付金だ、こういうふうに申し上げているわけで、全国民が受け取って、全国民が使っていただくということが何よりも大事だと思います。

 今先生がおっしゃったように、約百三十の市町村からプレミアムつきの商品券あるいは振興券を出そうということが言われておりまして、プレミアムつきということは、一万円で券を買うと一万一千円分買える。中には二割、一万円の券で一万二千円の買い物が地域でできるような、そういう商品券をつくろうという企画も出されておるわけでございますし、あるいはちょうど一万二千円で買えるものをいっぱい用意するというような、あるいは二万円で買えるものを多く用意するというような消費拡大セールということも随分言われております。

 これは前なんですけれども、東京の中央区がハッピー何とかといって四億円で四億四千万の買い物ができたという、つまり一割のプレミアムなんですが、これは二回に分けて発行して両方とも即日完売で、大変な地元での消費拡大効果があった、こういうふうに言われております。

 なお、私、この間地元へ戻りましたら、私は一万二千円もらえるんだけれども、一万二千円でかんぽの宿一個買えますか、こういうことを言われまして、そういうようなばかみたいなことは二度とさせませんので、一万円ではかんぽの宿は買えませんので、どうぞよろしくと。

麻生内閣総理大臣 今、鳩山大臣からもお話がありましたように、この給付金というものの性格というのはもうたびたび申し上げてきたところでございますのでここで省かせていただきますが、こういったようなものが、一種の何となく沈滞ムードになっております今、何となく悲観主義みたいなのに陥っている中にあって、一つの持続的な経済成長につなげていくためのきっかけになるというのはすごく大事なところだと思っております。

 なかんずく、GDPの中に占めますいわゆる消費というものの比率は六五とも七〇とも言われるような状況になってきておりますので、その意味では、これがマイナスになるかもしれぬというような状況の中にあって、この種のものの消費というものは極めて大きな効果があるだろうと私どもも期待をしております。

田野瀬委員 反対ばかりしないで民主党の皆さんもそろそろ理解をしていただいて、そして我々国会議員も先頭に立ってこの定額給付金の効果を最大限に持っていくようにお互い努力したいものだ、そんなふうに思うわけでございます。

 次に、消費税について、先ほど野田議員からも詳しい質問、議論がございましたが、私は違った角度から総理に質問してまいりたいと思うんです。

 総理、平成二十一年度の予算編成の中で、消費税を持ち出されました。ちょっと国民の皆さんは首をかしげておるんですね。

 先般、あるシンクタンクのエコノミストから私の事務所へメールが届きまして、確かに、これは本来ならもっと早くやっておくべきだったんだ、この消費税は、今ごろになって遅くさい、けれども、これを持ち出して議論を始めた麻生総理、麻生政権、非常に見上げたものだ、予算委員の我々はしっかり支えてやってくれというようなメールでございました。

 しかし、国民の皆さんは、この百年に一度の不景気のときに、どうしてあえて消費税を持ち出したのか、その辺のところがどうもわからない、負のアナウンス効果になって、マイナス効果になって、不景気の火に油を注いでしまうことになるのではないか、こういうような話とか、また、我々自民党、与党を支援していただく皆さん方の中には、近い将来に選挙があると言うておるのに、これは選挙にならないじゃないかというような声も多数聞かれるわけでございまして、総理、ここであえてこの時期に消費税を持ち出した意味、これをぜひひとつわかりやすく、きょうはテレビで国民の皆さんみんな見ていますから、ひとつ説明いただければ大変ありがたいと思います。

麻生内閣総理大臣 先ほど、間違いなく、今景気が悪いという状況の中にあって、この景気の悪さから脱却するというためには、これは何といっても内需振興ということをやっていかねばならぬ、外需に頼れませんから。したがって、内需喚起をやるためには、これはいろいろな形で支出が、財政支出、財政出動、いわゆる政府のお金というものが要ります、減税にしても。そういうことをやって、景気を回復するのをまず当面の主眼に置きます。したがって、そのためには政府の金が出ることになる。

 今、御存じのように、政府のいわゆる債務残高というのが、GDP比でいきますと、とにかく先進国で最悪、一五八%かな、そういう形になっておりますので、これをさらに悪くさせるという部分が必ずあります。しかし、景気対策ができて景気がよくならない限りは、さらに景気が悪くなりますから、そこのところはまずこれをやらねばなりませんから、お金は先に使わせてください、お願いします、これがまず最初です。

 しかし、景気がよくなりました後は、きちんとしたものを、また財政を再建せねばなりません。その財政を再建するためには、少なくとも今度は払っていただかないといかぬ部分が出ます。景気はよくしますよ、景気はよくしますが、そのためにはよくなった後はお願いします、それが一つです。

 二つ目は、少子高齢化という流れは、これはどうやら避けがたい。先進国の中で一番と言われるほどのいわゆる少子高齢化が進んでいます。今後とも働く人が減って受け取る人の方がふえるわけですから、その部分の社会保障、介護、医療、年金、保険、いろいろそういったものをきちんと対応できるようにするためには、きちんとした形で払っていただくということをしていただかないと、中福祉ということは成り立ちません、福祉ができないんですと。

 したがって、そういうものもきちんとさせていただきますよということをあらかじめ言っておかないと、持っておられる方々は、おれは先は危ない、年金はなくなるかもしらぬとか、いろいろな風評被害もありまして、どんどんこういう形になっていかれるのでは、これはとてもではないけれども、消費はさらに落ち込むということになりますので、我々としては、長期的にはきちんとした対応をさせていただきますということをあらかじめきちんと申し上げておくのが政府の責任なのではないかというのが、今回道筋として、三年後に景気がよくなればという条件でお願いをさせていただいた背景であります。

田野瀬委員 わかりやすく御説明いただいたんですが、さらにちょっと突っ込んで御質問したいと思うんです。

 平成二十一年度の予算案を見てみるのに、税収で五十五・三兆円。税収というのは国民の皆さんから国に支払っていただく税金ですね、所得税だとか法人税だとか消費税だとか。国に支払っていただく税金の収入が五十五・三兆円。それから、公債金収入、公債金収入というのは難しいですね、言えば借金です、国債を発行しているのは借金でございますけれども、これが三十三・三兆円。すなわち、税収だけでは日本の一年間の世帯はやっていけないんですね。だから、三十三・三兆円も借金をして、そして八十八・六兆円の世帯費を準備して一年間を賄う、こういうことでございます。

 ですから、この借金が、これは毎年重ねてきておるものですから、その残高、積もり積もった借金が五百八十一兆円、ことしの予算を見てみますとそういうことになっております。

 ただ、兆円と言われても我々わからない。そんなことで、ちょっと一つの家庭に置きかえたいと思うんですね。共稼ぎでも何でもいいんですけれども、四十万円の収入のある御家庭に日本の国の台所事情を置きかえたいと思うんです。

 そういたしますと、この借金の三十三・三兆円が何と二十四万円になりますね。四十万円の収入で、それではとても月々世帯ができないものですから、二十四万円毎月借金をしておる。六十四万円にして世帯をしておるんですね。教育費だとか医療費だとかいろいろお金が要るわけで、四十万円ではとても世帯ができない、六十四万円。そして、ずっと十年、二十年積もり積もってきた借金が、この五百八十一兆円が何と五千万円になるんです。

 もう一度繰り返し言いますが、四十万円の収入のある御家庭が、二十四万円毎月借金をして六十四万円で世帯をして、そして、とうとう積もり積もった借金が五千万円になっちまった、こういう家庭と日本の国の台所事情が一緒になるわけでございます。

 ただ、急に今五千万になったわけじゃないんです。一千万の借金のときもあれば、三千万の借金のときもあれば、四千万、五千万、今ようやくにしてというか五千万になったわけでございまして、その間、何もどうってことなかったじゃないか、今まで普通にやってきたじゃないかと。この五千万が六千万、七千万、八千万の借金になっても、今までと同じことで、どうってことないんじゃないですかと。ひょっとしたら、どないかしたら、日本の政府が埋蔵金をこそっと持っておるんじゃないか、あるいは、へそくりというんでしょうか、そんなふうに思っている国民もかなりおるんではないかなと私は思うわけでございます。

 消費税を上げなければならないというのであれば、この辺のところを与謝野大臣に、ひとつわかりやすく御説明いただきたいと思うんです。

与謝野国務大臣 まず、借金ができるというのは、お金を貸してくれる人がいるということでして、今の先生の個人の例ですと、よくまあ五千万まで貸してくれたと。それで、国の場合は個人より信用がありますから、今のところは長期金利一・五%でお金を借りることができる。それは確かですが、金利が変わってしまうと、五百八十兆も借金がありますと、仮に一%金利が違っただけで五兆八千億支出がふえるということですから、やはり金利変動に弱いということがあります。

 それからもう一つは、いつまでも一・五%で貸してくださるのか。そんなことはない。いずれ、お金を欲しいならもう少し金利を払ってくださいと、長期金利上昇の局面が来ます。そのときに迷惑をこうむるのは民間企業。自分たちも長期借り入れをしている、その長期借り入れが、政府の財政によって自分たちの金利まで上がってしまう、こういう現象も起きます。

 それからもう一つは、借金が借金を呼ぶということで、金利の支払いに借金をしなきゃいけない。これは、世間でよく言うサラ金地獄。このサラ金地獄の一歩手前まで来ているのではないかという疑いをいつも持たなきゃいけないと私は思っております。

田野瀬委員 国民の皆さんは、薄々、将来はいずれ消費税は上がるんだろうなというぐらいのことはそろそろ感づいておるんですね。国も県も市町村も、口を開いたら金がない、金がないですから、よっぽど切迫しておるんだろうということぐらいは国民の皆さんも理解を示しておるんです。

 実は私、今、自民党の情報調査局長という立場にございます。毎日毎日、党本部に国民のいろいろな方々から声が寄せられるんですね。それを取りまとめる立場にございます。週末になれば地元へ帰っていろいろな方々の声も聞きます。

 その声をまとめてみますと、もし消費税を上げるのであれば、ぜひこれだけはしておいてくれよ、あるいは、そのときにはこういうふうにしてもらいたいよ、こういう話が実はまとめますと三つあるんです、大きく分けて三つ。

 その一つを申し上げますと、税金の無駄遣いだけは絶対やめてくれ、消費税を上げるのであれば税金の無駄遣いだけは絶対やめてくれと。そして、今やその象徴になっておるのが、官僚の天下りであり、わたりなんです。

 国民の皆さんは非常に怒っています、今。総理、そろそろこの天下りとわたりに決別しようじゃないですか。もうこれをやめようじゃないですか、この話。我々与党の国会議員も全部怒っておるんです。何と、渡るたびに四千万、五千万、六千万の退職金を取って、数億もらった人もおるというじゃないですか。

 この場で、国民の前で、もう天下り、わたりは厳禁する、私はもうやめます、これをひとつここで率直に総理に明言してもらいたい、そのように思うんですけれども、いかがでございますか。

麻生内閣総理大臣 各省庁のあっせんによりますわたりと天下りに関しましては、法律では三年以内の経過期間中は認められておる、これは御存じのとおりです。これは法律で認められておる。いかにも法律違反みたいなことを言われますけれども、法律では認められております。

 しかし、これまで与党とのいろいろな御議論を踏まえて、私といたしましては、過日、わたりにつきましては、申請が出てきても認めることはしないということを明言しております。これに加えて、各省庁から天下りのあっせんも、三年を待たず、前倒しして廃止したいと思っております。

 具体的には、これを明確にするためには、わたりと天下りをことしいっぱいで廃止するための政令をつくることにしたいと思っております。

田野瀬委員 今、総理から、実にはっきりと明言してくれましたね。これでよろしいですか。(発言する者あり)はい、わかりました。

 ぜひひとつそれを実現していただきますように、よろしく、もうこれできょうは質問を終わってもいいぐらいの御答弁を総理からいただきました。

 ということになりますと、官僚の皆さんに大きく、戦後五十年、六十年続いたこの制度を切り込むことになりますね。これは、我々立法府、国会としても身を切らなければならないのではないか、このように思うわけでございます。

 かねてより、衆議院も参議院も同じことを議論しているんです、同じことをしているんです。私は、衆議院と参議院とを合併して、そして一院制にして大幅に国会議員を削減するというぐらいのことはしたい。予算委員長も、合併して一院制にする会長でございまして、ぜひしたいものだ、こう思っておるんですが、これは憲法改正が必要でございます。衆参両院とも三分の二要る。今の民主党の皆さん、政権交代、選挙、政権交代、選挙と言うておる民主党さんに、お互い協力しないとこれはできませんから、なかなかそれは望めないとしても、ここは私は、次の消費税を上げるまでには衆議院の議席を大幅に削減するというぐらいのことは麻生総理のもとでぜひやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでございますか。

麻生内閣総理大臣 政治家が先頭を切って、定員を削減するとか歳費の削減をするとか、また政党助成金とかいろいろなものに関して取り組むことは、これは大変重要なことだと思っております。一月の十八日の党大会でも申し上げましたが、昨日、党改革の担当の者に、このことに関しては検討を進めるように既に指示をいたしておるところであります。

 これは、今言われましたように、ただ、国会議員の地位とか、また議会政治の根幹にかかわる問題でもあります。一院制という話は、確かに憲法上の二院制の話となかなか問題をいたしますので、一院制なんて言ったらいかにも先送りするような話にとられかねないから、私は、こういったことを十分に検討した上で、きちんとしたものを自民党としては検討させますので、これは身分にかかわることでもありますので、各党各会派で十分に御議論をいただきたいと思っております。

田野瀬委員 それでは、ぜひ期待を申し上げておきたいと思います。

 三つ目、消費税を上げるのであれば、ぜひ生活に最低必要な食料品にだけはかけないでくれというのが国民の皆さんの大きな実は願いなんですね。

 これは、事実フランスでは、消費税率一九・六%でございますけれども、食料品は五・五%の税率でございます。低減税率ですね。また、ドイツでは、消費税一九%のところ、七%の食料品への課税でございまして、私、この消費税を導入するときには、国民の大きな望みでございます、食料品はもう今の税率でとめていただきたい、このことが大きな願いでございますけれども、この件につきましては、総理、いかがでございましょうか。

麻生内閣総理大臣 これは前々から、御存じのように、税制抜本改革をやるときに当たって、消費税率の検討の際ということで書いてあったと思いますが、税制改正法案の附則に沿って、複数税率の検討を含むということが書いてあるところでありまして、これは総合的な取り組みを行うということになっております。したがって、今言われましたように、低所得者ということを考えて、食料の話やらその他いろいろありましょうから、この複数税率の話につきましては、そのときに検討させていただくということにいたしております。

 ただ、これは、インボイスがついたりいろいろ難しい問題が出てくることも十分に御理解いただいておかないかぬところでしょうし、この問題をやるとかなり複雑になってくることも確かですので、その点につきましても十分な理解をいただいておきませんと、なかなか難しい問題だと思っております。

 これは、事業者にとりましては事務負担もふえますし、いろいろな面が出てきますので、その点も十分に配慮した上で、こういった意見を踏まえて、いよいよ消費税という話になりましたときには、そういった問題を含めて検討させていただくことになるんだと思っております。

田野瀬委員 これにつきましてはこれからの検討課題だと思いますので、どうぞ、今私の申し上げた趣旨をぜひひとつ生かして議論していただきますように、よろしくお願い申し上げておきたいと思います。

 それでは、ころっと違ったテーマに入っていきたいと思います。

 山村がいかに疲弊しておるかということをぜひ訴えたいと思うんですが、総理は、所信表明演説の中で、地方に力点を置くという話がございました。その地方の中にもいろいろございまして、十万、二十万、三十万の地方都市も地方なら、この日本列島の七割を占める山岳地帯、森林地帯、山々の中に点在するいわゆる山村も地方でございまして、この中山間地域に存在する山村が疲弊してしまいまして、今さっぱりなことになっておるんです。

 この中山間地域にある山村は、全国に市町村が千八百ございますけれども、そのうちの何と四割を占めるんです。七百五十二市町村がこの山村に点在するんですね。これが非常に疲弊しておるんです。

 実は、昭和三十年ごろの山村は林業、木材業が非常に盛んでございまして、国産木材自給率が九五%ございました。そんなことで、林業、木材業が盛んなものですから、山仕事に従事する労働者も大勢おりまして、間伐したり枝打ちしたり下刈りしたり、あるいは伐採した後の山に植林をしたりと、実にきれいな山々だったんですね。

 ところが、その後、外材が入り始めまして、木材を輸入することとなりまして、そして、木材需要者でありますハウスメーカーであるとか、あるいは集成材メーカーであるとか合板メーカー、あるいは紙会社向けのパルプ、チップ、これらがどんどんと外材に国産材が取ってかわられていって、そしてとうとう、今やその自給率が二〇%に落ちてしまったんですね。

 そんなことで、山仕事をする人を初めとしてその関係の皆さん方が、どんどん山村から人が去っていきました。私の地元のことを申し上げて失礼でございますけれども、当時二万人おった村でございましたけれども、今やもう四千人しかおりません。ある村では、当時五千人おりましたのが、もう今七、八百人になってしまいました。本当に寂れてしまったわけでございまして、実にこの状況をつくったのは林業の不振、木材業の不振であります。これが最大の原因なんですね。

 それで、山仕事をする人がほとんどいなくなりまして、そんなことで間伐もしない、下刈りもしない、何度も同じことを言いますが、枝打ちもしないということで、山がほったらかしになって、うっそうとした真っ暗な山になってお日さんが差し込まないんです、この山の地肌に。だから、山に草木が生えないんです。保水能力が低下してしまって、いっときに雨が降りますと、ばっと真っ茶色な水が川に流れ込んでしまう、川が汚くなってしまう、あっちこっちで土砂崩れも起こします。それと、風通しが悪くなって、炭酸ガスの吸収源であるはずの山が機能しておらない。地球温暖化に拍車をかけておるんですね。惨たんたる、情けない状態になっておるんですね。

 そして、先ほどからも野田議員からお話がありましたが、山村にそれでも唯一残っておった産業があったんです。それは山村の建設業なんです。唯一の残っておった建設業が公共事業のカットに次ぐカットで仕事がなくなってしまって、建設業もどんどんつぶれてしもうて、今やほとんど若者がいない、お年寄りばかりになってしまっている。

 人がおらなくなりましたから、イノシシ、シカ、そして二、三十匹で編隊組んでやってくる猿、これが山里を闊歩しておる。笑い事じゃないんです、闊歩しておるんです。そして、ささやかですけれども丹精込めてつくった農産品が、取り入れ時期になってさあ取り入れようと思ったころにこの動物がやってきて食い荒らしてしまって、残っておるお年寄りが、もう農産物をつくる気力もなくなったとへたり込んでおるんです、山村は。こんな惨状になっております。

 私、ここに、「故郷」という国民的歌でありますね、「兎追いしかの山」という歌、みんな御承知かと思います、「小鮒釣りしかの川」、ここに歌詞を持っておるんですが、これをずっと見ていきますと、「如何にいます父母 恙なしや友がき」、父母は今やシカとイノシシときばをむく猿と戦うておるんです。「恙なしや友がき」、友がきももうみんな町へ出ていってしまいました。さらにずっと見ていきますと、「山は青き故郷」、もう山は荒れ放題になりました。日が差し込まない、うっそうとした荒れ果てた山になっています。「水は清き故郷」と締めくくっておりますけれども、水は真っ茶色になって、あちこち土砂崩れを起こして、そして、川がなかなか澄まないんです、昔だったらすぐ澄んだんですけれども。

 そんなことで、私は、この「故郷」という歌を心から歌えるような、そんなふるさとを再びよみがえらせたい、このように思うわけでございますが、こんな惨状になり果てたこの山村の状況を総理はいかに感じておられるのか、ひとつ、どうぞ。

麻生内閣総理大臣 山の状況につきましては、山の管理をしておる立場におりますし、その意味では、山のことを知らないわけではありません。

 今、現実問題として、やはり考え方を変えないかぬことになりつつあることも確かだと思っております。少なくとも、国有林を見ました場合においては、針葉樹、いわゆる杉とかヒノキとかサワラとかいろいろございますが、そういうものを植えて、これはいろいろな意味で木材として使うために、国有林はほとんどそうだったんですが、逆に落葉樹はほとんど植えませんから、山には保水するための葉っぱは落ちる率が低いというのであれば、混合林みたいなものをさらに進めていかなければならない。混合林というのはおわかりだと思いますが、そういうものの比率をもっとふやしていかないといかぬ。また、少なくとも、カエデだもみじだということになりますと、広葉樹がふえますということは、観光のためにもそちらの方がいいのではないか。

 いろいろなことが、今考えるのに、国有林もそちらの方も考えていかねばならぬ時代になっているのではないかということも確かだと思います。

 傍ら、今言われましたように、山がおりて、山がおりてくるというのは特殊用語ですけれども、上の方に人が住んでいないために、だんだん荒れた山が里山の方に寄ってくるという意味ですけれども、こういうような状況が起きておりますので、そういうところには、しかるべき、例えば間伐やら何やらをやるための人が、今回、地方を活性化するという中で、ここらのところは最も人が使える大事なところの一つではないか、私自身はそう思っております。

 いずれにしても、山の多いところの市町村には、いろいろな方にお話をする機会がありましたので、ぜひ、今回の一兆円の地方交付税の中で、雇用創出の部分というのに多く使ってもらえるときに、今、目先、地域で必要なのは、治山治水の上からも、こういった間伐やら何やら、十分に林業というものを支える、そういう人を出せるようにしていただけることは不可能かという話をさせていただいたんです。いずれにいたしましても、この木材産業というものが、集合材やら何やら、随分昔とは変わってきておりますけれども、ぜひ、そういう意味で、外材の多い、形も随分変わってきておりますので、ここらのところは総合的にちょっと考えを変えてやっていかないかぬところだと思っております。

田野瀬委員 今総理がおっしゃられましたように、確かにここに来て明るい兆しが見えてきたんですね。中国を初めとする新興国は、どんどん木材需要が拡大されて、あっちこっちの国から輸入することになりました。また、逆にロシアを初めとして木材輸出国は、炭酸ガスの最大の吸収源である木材資源をもう輸出しないでおこう、そういう機運も出てまいりました。

 そんなことで、国内のハウスメーカー、先ほどから申し上げた紙会社、合板会社等々、木材需要者が国産木材に大いに目を向け始めたわけでございまして、そんなことで、私は、またとないチャンスを迎えておる、このように思うわけでございます。割りばしも、日本の国民が今使っている割りばし、これは国産材じゃなくて、外材でつくった割りばしが九八%なんです。これは、日本の国民が全部国産割りばしを使っていただいたらもっともっと山がきれいになってくるんですね。

 それもぜひお願いしたいと思うんですが、これによって、再び間伐、枝打ち、下刈り等、山の整備が進みまして、いよいよ保水能力を取り戻し、土砂災害がなくなり、きれいな水をつくり出すことになりますし、また、山が再び炭素ガスの吸収源として機能を発揮してきれいな空気をつくってくれると思うんですね。

 さらに、雇用問題が大変深刻になっておりますけれども、年末年始にかけてお聞きしたところによりますと、林業に従事したいという問い合わせが各都道府県に千七百件あったようですね。もう既に八十人が山仕事を始めたと聞いております。大変雇用創出にこれもつながることになると思います。

 このテーマは、一石三鳥も四鳥も五鳥にもなるわけでございまして、私は、ここで一大国家事業としてこれに徹底的に取り組む体制を早急に整える必要があるのではないか、このように思うんですけれども、農林大臣、いかがでございますか。

石破国務大臣 委員のおっしゃるとおり、すべて同意をいたします。

 要は、二百年住宅とかと言いますが、世界最古の木造建築は法隆寺の五重塔に決まっておるわけです。その地域でできた木でその地域に家を建てる、これが一番いいに決まっておる。そして、省エネだと言われるが、南極の昭和基地というのは、二階と三階は木造なんですね。一番断熱効果が高いということなのです。省エネであり、そして長い間もつ住宅である。

 これが、委員おっしゃるように、一石二鳥でも三鳥でもあるのだが、このフォローの風を生かしていくためには、国産材というような問題は二十年前から一緒であって、量がばらばらである、そして金額が一定しない、質がばらばらである、これを是正していけば、国産材は完全に競争力を持ち得ると思います。

 そしてまた、ある県の人が国産材でうちを建てたいなと思っても、一体どこに相談に行けばいいんだ、奈良県庁に相談に行けば教えてくれるか、市役所に行けば教えてくれるか、そうではないだろう。ほかのメーカーはパソコンで引けばばっと出てくるわけですね。国産材でうちを建てたいと思ったときに、それに見合った情報がきちんと提供されなければいけないし、そして、川上と川下、それがきちんと結ばれていなければいかぬ、そして、林道が整備されなければどうしてもコストが高いままです。

 この機会は絶対逃してはならないと私は考えておりますので、委員おっしゃいますように、ありとあらゆる政策を動員して林業を活性化したい。そして雇用もそうです。秋葉原でやったらば何千人と林業で働きたいという方が来られた。ただ、林業は、委員が一番御案内のとおり、ある程度危険なものですから、いきなり素人さんが入ってできるものではございません。そのスキルをきちんと身につける、そのためにも国としては支援をいたしてまいります。全力を尽くします。

田野瀬委員 農業につきましてもここで触れたいと思うんですが、小野寺議員がこの後しっかりやるとおっしゃっておられますので、省かせていただきますけれども、日本の七割を占める山々が荒れてしまいました、外材を入れることによって。今、農業の方々も、農産品の価格が落ちてきて、悲痛な声が聞かれます。農業を衰退させてしまったら平野部も荒れ放題になってしまって、日本列島全部荒れてしまいますので、これはもうぜひ、林業、農業は一大国家事業として力を入れていかなければならない、私はつくづくと思うところでございます。

 あと一つ、山村の大都会との格差を申し上げたいと思うんですが、補助国道というものです。国道ですね。実は、一昨年の一月、地元の話で例に出して申しわけないことでございますが、奈良県吉野郡、花の吉野の吉野ですね、吉野郡上北山村で一大崩落事故がございました。補助国道百六十九号線でございました。落ちてきた大きな岩石が下を走っておった乗用車、座席が一回転しました。それで、乗り合わせておりました男女三人が即死してしまいました。こんな悲痛な事故ですね。さらに、それから八十日間通行どめになったんです。上北山村、下北山村の皆さんは、買い物にも行けない、病院にも行けない、子供の塾にも町へ送っていけない。八十日間缶詰になりまして、もうストレスが爆発寸前になった、そういう事故がございました。

 さらに、これは私の地元で恐縮ですが、やはり奈良県吉野郡十津川村の四百二十五号線、これは補助国道でございますけれども、ここで、夜中になっても息子が帰ってこないと心配したお父さんが、その職場までの道中、何かの事故に巻き込まれておるだろうということで捜しに行ったんです、明るくなるや否や、朝早く。そうしたら、案の定、土砂崩れに巻き込まれて、下の河原へ土砂とともに転落して、車の中で死んでおった。この山村の二十代の貴重な人材でございます。これが亡くなった。

 さらには、昨年の十月、国道百六十八号線、これは補助国道でございますけれども、大崩落がございました。三台、車が下を走っておったんです。ところが、最初に落ちてきた小石がぱんぱんと車に当たっただけで、何とか大惨事は免れたんですが、それから通行どめでございまして、今もって夜は走れません。この百六十八号線というのは紀伊半島を縦貫する大幹線国道なんですよ。それが今もって通行どめなんです。

 この百六十八号線に至っては、この三年間で十七回崩落事故を起こして、延べにして通行どめ時間は千三百九十時間、二カ月とまっておるんです。今もってとまっておるんです。こんな国道が全国に何とまだ五千キロあるというじゃないですか。命がけで走っておる国道が五千キロあるんです。ところが、平野部はもうほとんど一〇〇%でき上がっておるというんです。

 なぜこんな格差ができてしまったのかということでございますが、国交大臣、私は制度に欠陥があると思うんです。私の調査では、奈良県の調査では、平野部の工事費は山間部の工事費に比べて半分です。ですから、同じ予算で平野部は倍の延長距離を改良できるんですね。山間部は半分だ。そんなことで、どんどん山間部、山村の補助国道がおくれていって、とうとう五千キロ残った。平野部はもう全部仕上がってしまっておる。こういうことでございまして、私は大いにこの制度に欠陥があると思いますので、国土交通大臣、先ほど総理が思い切った発言をしてくれていますので、大臣も一言でいいですからぜひ答弁していただきたいと思います。

衛藤委員長 国土交通大臣、簡潔に答弁をお願いいたします。

金子国務大臣 百六十八号について、昨年、委員も大臣室に来られまして、一カ月間通行どめになった、ダム湖を通学の子供さんたちが国交省の船を借りて通学したというお話もお地元の市町村長とおいでになって伺ったばかりでありますけれども、こういう山村地域における、国道であろうが県道であろうが同じだと思いますけれども、そういうまさに命の道というんでしょうか、こういうものをきちっと整備していく、そのためにさらにいろいろな工夫をしなければいけない、あるいはしていきたいと思っております。

 我々、特に奈良県の山間部の補助国道の整備率がおくれているということもよくわかった上で取り組ませていただきたいと思います。

田野瀬委員 道路特定財源が一般財源化になって予算が減ってきて、命がけで走っておる道路の改良がどんどんおくれていくことを山村の皆さんは非常に心配しておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

衛藤委員長 この際、小野寺五典君から関連質疑の申し出があります。保利耕輔君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。

 済みません、時間がほとんどなくなってしまいました。先ほど、わたり、官僚の天下りの問題、廃止について、総理が踏み込んだ発言をしていただきました。大変ありがとうございます。

 短い時間です。きょうは、午前、午後、お昼を挟んで約四十分ぐらいになると思います。午前中は外交のことをお伺いしたいと思います。

 日米の問題です。

 オバマ米政権で、今回、クリントン新国務長官が初めての外遊先ということで日本を中心に選んで調整を進めているというふうに伺っております。まだワシントン外交筋の報道だということですが、クリントン国務長官は、上院の公聴会でも日米の同盟を強調するお話をされております。

 また、これはうがった見方かもしれませんが、このクリントンの訪日というのは、来るべき総理の訪米の布石ではないかということも考えております。また、総理は、二十九日、先週ですが、オバマ大統領との電話会談を行っております。この内容でも、拉致を含む北朝鮮に対して、さまざまなお話をされたと思いますが、ぜひ、総理の訪米の見通し、そしてまた拉致を含む北朝鮮についてのお考えについてお話を聞かせていただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 お話がありましたように、クリントン国務長官の訪日に向けましては、調整が行われていることは承知をいたしております。

 オバマ大統領との首脳会談につきましては、過日電話で、なるべく早い時期にという話で、今、目下調整中であります。

 それを実現する際には、どのようなテーマというものが、いろいろ双方で話し合わなければならぬことはいっぱいありますが、その中でも拉致問題を含みます北朝鮮、これは、今、拉致に限らず、何といっても核、ミサイルという問題も含めておりますので、こういったことはきちんと双方でやっていかないと、六者協議の中できちんと片づけていきませんと、バイだけで事が進まないというのは過去はっきりしておりますので、アメリカを含む六者協議の中できちんとやっていく必要があろうと思っておりますので、この連携はきちっとしたものにしていかねばならぬという点に関しましては、過日の電話会談で一致をしているところであります。

小野寺委員 拉致問題については、ぜひ後退したととられないようにしっかり頑張っていただきたいと思います。

 次に、日ロの問題を少しお伺いしたいと思います。

 先週二十七日、鳥取県の境港のカニかご漁船第三十八吉丸が拿捕されました。この対応につきましては、石破大臣、中曽根外務大臣、きょうは近藤副大臣が現地に行っていらっしゃると伺っております。一日も早い解放を願いたいんですが、最近、このような漁船の拿捕の事件が続いております。

 また、もう一方、これも同じく二十七日になりますが、我が国が北方領土、北方四島に対して人道支援物資供与というのを行っております、平成三年から医療器具や医療品を供給しているんですが、今回、これを持って国後島に行ったところ、サハリン州政府から、何とそこで出入国カードを提出せよということを言われたそうです。従前は身分証明書ということだけなんですが、出入国カードになるということは、これは北方四島を日本の領土ではなくロシアの領土と認めたというふうにもとられかねないということを懸念いたしまして、この人道物資を積んでいった船は引き返したということになります。

 今月の中旬になると思いますが、サハリンにおいて総理はロシアのメドベージェフ大統領と会談をされるということになりますが、ぜひ、この北方領土の問題、この出入国カードの問題、多くの課題がありますので、しっかりと日ロ首脳会談で会談をしていただきたいと思いますが、その決意についてお伺いしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 先月の二十四日の日でしたか、電話をいただきました。そのときに二月中旬に日ロの首脳会談というのを言われましたので、国会の都合もありますので検討中とお答えをさせていただいております。

 いずれにいたしましても、昨年の十一月、ペルーのリマで首脳会談をさせていただいたときがありましたが、とにかくこれは首脳レベルで集中的な話をしていかないと、この種の話は進まないのではないか。ましてや、今ロシアとしては、いわゆるこちら側、東の太平洋側の方に目を向けていかざるを得ない立場にあると思うので、日本との関係をきちんとしていくということが、日本にとってもロシアにとっても非常に有意義なことなのではないか。それに当たって、この四島の問題をきちんと片づけておく必要が、双方にとっていいのではないかというのに対して、次の世代にこの問題を送るつもりはないというのが先方のお答えでもありましたので、今後さらにこの話を進めていく必要がある、これは多分政治レベルでやっていかなくてはならないのかなと思っております。

小野寺委員 ありがとうございました。

 最後五分になりましたので、ソマリアのことについてちょっと触れたいと思います。

 お手元に資料がございます。ソマリア沖での海賊事案発生状況ということです。現在、この問題については、政府・与党、さまざまな検討がなされていると思いますが、先週二十九日もまたドイツのタンカーが乗っ取りされました。現在、この海域、日本関係の船でも、年間二千隻、一日六隻が通航しているということになります。

 この図を見ていただいてわかると思うんですが、実は、赤い線、このソマリア、アデン湾、確かに最近海賊事案がどんどん発生しております。ですから、これの対策というのはとても大切だと思うんですが、青い線、青い事案は東南アジアでの海賊事案の発生状況になります。これは、逆に近年減少しております。

 外務大臣、これはどうして東南アジアが減少されたか御存じでしょうか。

中曽根国務大臣 委員の今お示しになられましたこの青い印は、東南アジアにおける海賊事案の発生状況でございますが、マラッカ海峡等、あの地域は、御案内のとおり、我が国にとりましても、貿易、いろいろな面で大変重要な地域ということで、かつては大変海賊事案が発生していたわけでありますけれども、この地域の海賊対策ということで近隣諸国と協力しながら対策を行ってきた結果、このように減少したもの、そういうふうに認識をしております。

小野寺委員 大臣のおっしゃるとおりなんです。

 実は、この東南アジアの海賊対策というのは、日本が主導権をとりまして、例えば、海上保安庁がアジアの沿岸国に専門家を派遣したりインドネシアに巡視船を三隻供与する、また日本の民間の財団も大変な協力をして、実は沿岸国がそれぞれ海賊事案に対応したということで、逆に東南アジアでは海賊事案が減少をしております。

 今回、緊急対策として、確かに自衛隊がいろいろな海上警備行動等で対応するということは大変重要なことだと思いますが、中長期的には、ソマリアの沿岸国、アデン湾の沿岸国が、逆に、みずからこの海上警備行動を含めた治安の維持を行うのが本筋だと思っております。

 先週、アフリカのジブチで開かれました、国際海事機関のソマリア沿岸の海賊対策の会議というのがございました。総理も御存じだと思います。日本からも代表を派遣しておりますが、周辺国、エジプト、エチオピア、ケニア、それから日本、アメリカ、イギリス、フランスなど二十カ国が集まって、行動指針というのを発表いたしました。イエメン、ケニア、タンザニア、これは周辺国ですが、ここに海賊情報センターというのを設置する、そしてまた、ジブチに海賊船対策の訓練センターを設置する、このような方法が行動指針として示されました。

 私は、今回の自衛隊の派遣というのは意義があると思いますし、それに備えてこれからもさまざまな法整備が必要だと思いますが、中長期的にはぜひこのような周辺沿岸国への支援ということ、これがやはり最終的にはソマリアでの海賊事案の削減につながると思いますが、麻生総理に、最後にこの対応について一言御意見を賜りたいと思います。

麻生内閣総理大臣 イエメンに触れていただいてありがとうございました。ここの方が将来的には問題になり得ると今言われております。

 現実問題として、アデン湾の方に寄っておりますから、イエメンの方がかなり内情としては危なくなり得る、今、現実そうなってきていますので、その意味では、周辺国と言われる中で、ジブチ以外はかなりいろいろな意味で治安がよろしくない。したがって、そういったところの海賊対策だけやっていても、その地域の国情がくちゃくちゃになれば、これは、海賊以外ほかにやることないから、飯の食い上げになっちゃうみたいな話ではとてもじゃありませんので、こちらとしては、そこらのところは国としてきちんとやるように、国連を使うなりなんなりしてやる必要があるのではないかというのは、既に中曽根大臣ともども外務省に指示をしているところでもあります。

 いずれにしても、その地域の安定ということは、今フランスやイギリス、特に一生懸命やっておられると思いますので、我々としても、一緒にこれをやって、治安の安定ということなり、国としての形を、きちんとした統治なり治安というものをやってもらうということを考えないと、なかなかこの問題は簡単に解決しないということだと思って、同時にいろいろやるべきことがあるのではないか、もっとこっちがやるべきことがあるのではないかということを検討させております。

小野寺委員 ありがとうございました。

 午前の部はこれで終わります。午後、またよろしくお願いします。

衛藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

衛藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。午前中に引き続き、質疑をさせていただきます。

 冒頭、総理、質問通告はしておりませんが、午前中の審議でも出ておりました国会改革の中で、衆参の合併、一院制の問題について、総理はどのようなお考えをお持ちか、御意見を聞かせていただければと思います。

麻生内閣総理大臣 この国会改革の中で、いろいろ定数削減の話などなど含めて多くの問題が今検討をされておりますが、一院制はその中の一つだと思っております。

 ただ、これは憲法上二つということに書いてありますので、これはそれとの関係もありますので、この憲法改正との整合性とかいろいろなところを考えた上の話をされないと、これは少なくとも参議院、衆議院、両方にかかわる話でもありますので、なかなか長期の検討課題かもしれませんけれども、今直ちにというのはなかなか難しいのではないかと思っております。

小野寺委員 国民に負担を強いるようなことが今後検討されるとすれば、やはり私ども国会議員みずからさまざまな改革をしなければいけない、むしろ血を流す努力をしなければいけない、そのような思いで私どもも頑張ってまいりますので、ぜひ総理も御決断をお願いしたいと思います。

 それでは、冒頭、少し教育の問題について触れたいと思います。

 今、さまざまな雇用対策、問題が生じておりますが、実は、その陰で教育の問題、それが顕在化をしています。

 これは昨年の暮れ、私の地元、河北新報という地方紙の夕刊に出た記事であります。(パネルを示す)総理にもその際お渡しいたしました。ちょっとこの内容を読み上げますので、抜粋をさせていただきますので、聞いていただければと思います。

 学費払えず ついえる夢

  「みんなと学校に通って、普通の生活がしたい。でも、もう無理かな…」

  仙台市に住む少女(一六)は六月上旬、市内の私立高校を一年あまりで辞めなければならなかった。家庭の経済状況が逼迫。学費の滞納が続き、これ以上学校に通うことができなくなった。

  家の収入が減少し、学費の滞納が続き、学校の規定で停学になったのは、一年生の二学期に入ってからだった。最初は「学校に行かなくてもいい分、遊びまくろう」。寂しかったが、家では努めて明るく振る舞った。

  ウエディングプランナーになるのが少女の夢。たとえ学校には行けなくても、卒業して専門学校に進学することはあきらめたくなかった。クラスの友達から授業のノートを借りて家で勉強。冬休みに補習を受け、やっとのことで進級が決まった。

  しかし学費が払えず、四月上旬から再び学校には行けなくなった。

  父は鉄などの回収をしている。岩手県内まで足を運んでリサイクルショップなどを回り、冷蔵庫やテレビを集めている。一日働いて、手にできる収入は五千―六千円。

  「家族で生活すること自体、本当にギリギリ。ましてお金をためたり、滞納しているお金を返したりなんて、今の状況では難しい」。少女はそう考えている。

  学校に行けなくなってから、父の仕事を手伝うようになった。早朝から作業着で荷物をトラックに積み込む作業をしている。日が暮れるころには、油や泥で手が真っ黒になる。正直、大変な仕事だと思う。

  父は、収入の落ち込みを食い止めようと休みなしで働きづめだ。家の生活を助けようと、少女は市内の居酒屋でアルバイトをしたこともある。仕事はきつく、週四、五日働いても一カ月で五万円に届かない。

  高校の教科書とノートは、大切に取ってある。勉強をしたいという思いを捨てきれないからだ。

  「夢がいっぱいあったころは幸せだった。だからといって、親をうらむことはできない。高校も義務教育になればいいのに」

このような記事でした。

 ここで間違っちゃいけないのは、実は、このような私立学校に通う、これは多くの子供たち、裕福だというわけではないんです。仙台市のように地方の中核都市では、学生に対して、公立高校だけでは定員が足りずに私立に行かざるを得ない場合もあります。運悪く公立高校の受験に失敗したり、希望する進路のために私立高校を選ばざるを得ない子供たちもおります。そして、今の社会は、就職する場合にはやはり高校卒業の資格が普通の要件になっております。この子もその一人だと思っています。

 実は、このような経済的に困窮な子供たちに対して、国では授業料減免の事業を行っております。

 お手元に資料があると思います。

 都道府県を通じて、生活が苦しい御家庭に対してこのような減免を行っています。例えば、本当に苦しい場合には十割、これは授業料をすべて、国を通じて都道府県の支援するお金で対応することができること、あるいは、多少苦しい場合には七割、五割、こういう減免措置があります。

 また、私立高校ですから、学費以外にも、納入金とか積立金とか、あるいは通学にかかる交通費とか、それもかかります。実は、それに対しても、自宅通学者三万円、自宅外では三万五千円、これは宮城県の事例ですが、このような措置があるんです。このような措置があるんですが、実は、この子供は、この十六歳の少女は、この制度を知らなかった。そして、学校は、この制度があることをこの子供と御父兄に説明をしなかった。

 私、きょうこの問題を取り上げたのは、実はこういう支援があるんだと。これだけ雇用が厳しくなっています。恐らく、お父さん、お母さんの仕事が大変になっています。そのときに、こういう支援があるからぜひ学校をやめないで続けてほしい、そういう思いで、きょうこの事例を示させていただきました。

 そして、この取材した記者を通じてお話を伺ったんですが、こういう事例が最近かなりふえているということなんです。そして、恐らくこれは、宮城県の事例だけじゃなくて全国にたくさんの事例があります。今回、こういう緊急制度、雇用の問題を取り上げるのであれば、この学生、子供たちの教育の問題、こういう環境の急変に対して何とか支援できる、そういう手当てを今回の予算の中でもしっかりしていただきたい、そう思っております。

 ぜひ、この状況について、総理、まず御感想を聞かせていただければと思います。

麻生内閣総理大臣 今、報道の、河北新報でしたか、この「学費払えず」という話が書いてある、これはまことに残念な話だと思いますが、今、こういった話がほかにも決してないわけではない、宮城県に限った話とも思えませんし、ほかのところでもあるんだと思います。

 これは、奨学金の話とか、いろいろほかにも実施されておりますというのは御存じのとおりなんですが、問題は、学校にそういった話を相談したときに、学校が、ほかにこういう手があるよとか、こういった援助とか支援の方法があるよという話を、政府でやっていても、県でやっていても、市でやっていても、それを確実に当該者に対して知らせないとなると、幾らやってもそれはなかなか難しいことになりますので、そこらのところがきちんといくような形にせぬといかぬのだというような感じが率直なところです。

 今、いずれにいたしましても、別枠で増額した一兆円の交付税の話とか、いろいろな形でこういったことに使える形にもなろうと思いますので、授業料の減免事業というものに対して支援にも回せますでしょうし、いろいろな方法があるんだと思いますが、例えば、それをしたにしても、当該者、それが本人なり本人の家族に伝わらぬとどうにもならぬという感じが、率直な感想をと言われるのであれば、それが今伺ったときの私の率直な感想です。

小野寺委員 全くそうでありまして、これは、この新聞の記事が出たときに文部科学省の方にお願いしましたら、速やかに各県には通知を出していただきました。それで、ある程度学校までは届いたのかもしれませんが、そこからさらに大切なのは担任の先生。やはり、一番子供たちが真っ先に相談するのは、心を打ち明けるのは担任の先生だと思います。そういう方々にもしっかりこの制度が広がるように。

 そしてまた、ここまで厳しくなると、この予算、例年出しておりますが、足りなくなると思います。私学の助成も加えてしっかり対応することを、文部大臣の方からお話を伺いたいと思います。

塩谷国務大臣 お答え申し上げます。

 今回の事例等、全国からこういった事例あるいは陳情が届いておりますので、文部科学省としてもこれにしっかり対応して、授業料の減免あるいは奨学金等の事業を徹底してまいりたいと思っております。

 予算としては、平成二十年度の第二次補正予算においては地域活性化・生活対策臨時交付金が計上されておりまして、各都道府県が授業料減免事業の財源としても積極的に活用できるということで、徹底してまいりたいと思っております。

 また、二十一年度予算については、授業料減免に係る私立高校への補助について、国庫補助の予算額を増額するとともに、授業料減免事業に係る新たな地方交付税措置が行われることになっております。

 そして、各学校等にも周知徹底してまいることに今後私どもとしてもしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、またこういった事例が皆さん方からいろいろな形で出てきた場合には、即対応してまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

小野寺委員 ありがとうございます。ぜひ大臣には、こういう子がないように一生懸命頑張ると、一言で私はいいんだと思います。

 この取材した記者によりますと、少女は大変明るくて本当に笑顔を絶やさない普通の女子高生、女の子だったということです。ですが、その少女は今も、この寒さの中、父親の運転しますトラックの助手席に乗って、毎日暗くなるまで鉄くず回収をしています。通信制の高校への編入も考えているようですが、中退した高校の授業料がまだ十万円未納なので、一学年の単位がもらえないんだと。それから、妹が今中三です。ことし四月にはまた進学しなければいけない。この少女は今、少しでも高いアルバイトを探して苦労されている。

 こういう雇用の部分、本当に私ども、実態を聞いて大変悲しく思いましたが、ぜひこれをしっかり腹に据えて頑張っていきたい、私どももそう思っております。(発言する者あり)では、総務大臣、お願いいたします。

鳩山国務大臣 先ほど総理からもお話がありましたが、今のような気の毒な件がなくなるようにする。

 今、塩谷文科大臣から国の手当ての話がありましたけれども、地方交付税で、都道府県が私立の幼稚園から高校までに私学助成していますね。これが大体五千三百億ぐらいあるわけですが、総理のツルの一声で地方交付税がプラスになったものですから、地方交付税の中で二十億用意をいたしまして、それで今のようなケースに充てる。すなわち、授業料を減免した学校に都道府県が助成をすれば、それをまた助ける。こういうお金を有効に使っていただきたいと思います。

小野寺委員 ありがとうございます。しっかりした対応をお願いしたいと思います。

 次に、最近の老人世帯のことについて少しお話をしたいと思います。

 資料に「三世代世帯の推移」というのがあります。これは、六十五歳以上の三世代以上の世帯、いわゆる親子三世代、四世代、おじいちゃんとかおばあちゃんとかと家族が一緒に住んでいる世帯の推移です。

 これは一九七五年、前ですが、昭和五十年には三世代同居が五四%、世帯の半分以上おりました。

 こういう親子三世代というのは、とてもいい環境があります。特に子供の教育です。親はどうしても子供のしつけには厳しくなります。でも、おじいちゃん、おばあちゃん、これはやはり孫には甘いものです。ですから、子供の逃げ込む場所があるんです、おじいちゃん、おばあちゃん。こういう家の中で三世代、四世代というのは子供の環境にもいい。恐らく総理も、おじい様には大変かわいがられたのではないかというふうに思います。

 そして、このころは、三世代、四世代一緒に住むときには、お年寄りの年金というのは孫への小遣いだったんです。そのぐらい余裕があったんです。ところが、今、二〇〇七年の数字ですが、親子三世代同居というのは一八%まで下がってしまいました。ですから、今は老人世帯だけが住んでいる。こうなると、家の生活費も、あるいはいろいろな保険料も、実はお金を払うのはこの老人世帯で払うことになる。今は、老人世帯、年金というのは生活費になってしまったんです。

 ですから、ここ何十年かで、世帯間のずれ、これによって同じ年金の持つ意味が、昔は孫への小遣いにできたのが、今は自分たちの生活費に変わってしまった、こういう大きな変化を厚生労働省も私たち政治家もしっかり踏まえなきゃいけない。ですから、年金から天引きという問題で、あれほど国民の多くの皆さんから批判を浴びたと思うんです。

 実は、長寿医療制度の問題で、医療保険の部分について、年金天引きという御批判がありました。私ども若い議員が中心になって、何度も、これを減免してくれ、減免してくれという声を上げてまいりました。

 結果として、今九割減免になったんですが、ちょっとこの数字を見てください。今、七十五歳以上総人口の中で収入が基礎年金のみの人口というのは、七十五歳以上の方が千二百七十万人いる中で二百七十五万人、約二二%です。そして、四月からは、この方々、年金の収入以下の方、収入は八十万以下になりますが、この高齢者の健康保険の保険料、これは四千二百円まで軽減されたんです。相当軽減されたんです。ですが、まだ四千二百円あるんです。

 そして、これは本当に私の私案です。これは保険だから、やはりよくないと言う方もいるかもしれません。でも、私は、もし二百七十五万人にこの四千二百円、これを軽減した場合、かかる費用というのは百十六億円しかかからないんです。わずか百十六億円で、基礎年金以下の七十五歳以上のお年寄りの保険料負担は無料にできるんです。

 今は、これは年金天引きだ、あるいは、これからは制度が変わったので銀行引き落としができると言っています。でも、二百七十五万人の高齢者の方の年金を天引きしたり、あるいは預金から引き落としたり、こういう手数料を考えてみてください。私、手数料だけで恐らく、これは全部なくしたって百十六億円しかかからないんです、こんなのは手数料で相殺されるんじゃないかと私は思うんです。それだったらこれは取らない、そういう政策。

 私は、長寿医療ということで言うのであれば、七十五歳以上になって収入が少ない場合、年金しか所得がない場合には、医療の保険部分、これは取りません、どうぞ自由に、例えば寝たきりになっても無保険になることはないんだ、それが初めて長寿だ、幸せだ、そういうことだと思うんです。

 ところが、これは何度も厚生労働省にぶつけます。返ってくる答えは、これは保険制度なんだ、保険である限りは、たとえ十円でも納めてもらわないと保険になりませんと。確かに、役所はそうだと思うんです。でも、私たちは政治家です。政治のメッセージとして、長寿医療というふうに考えるのであれば、あるいは百十六億円でこれができるのであれば、事務費を考えたら、もらわなくたってもらったって同じじゃないか、そう思うんだったら、これはやめたらどうでしょうか。厚生労働大臣の御意見を伺います。

舛添国務大臣 一つは、今委員おっしゃいましたように、世代間の公平ということがございます。高齢者世帯と全世帯の構成員一人の収入を見ると、前者が百九十万ぐらい、後者が二百万ぐらいで、余り変わりありません。ですから、世代間の公平で、若い人がこれに対してどういう意見を持つかというのが一つ。

 それからもう一つは、今おっしゃったように、保険ですから、つまり、今から私が申し上げるような考えのお年寄りもおられるというのは、百円でも二百円でも私は払っている、したがって権利があるんだと。それを、全く払っていない、ただにしてもらったということで何となく後ろめたいというような気持ちを持たれる方もおられると思いますから、そこの御高齢の方々のお気持ちに配慮というのもあるので。

 四千二百円というのは十二カ月で割ると三百五十円です。確かに、おっしゃるように手間暇というようなこともあると思いますけれども、それはよくみんなで議論をして、税か保険かというときに保険という話があったり、例えば昔の特養にしてもそうですけれども、要するに行政による措置でやるのと、みずから介護保険制度という制度を使って保険料を払ってやるのは、少しでも払ってみずからが権利としてやるんだという、そこの点もありますから、そういうことをよく踏まえて検討したいと思っております。

小野寺委員 これは恐らく政治家としての考え方、スタンスの違いということで、これからもやはり議論がたくさん必要な部分だと思っております。

 それでは、農業の問題についてちょっとお話をしたいと思います。

 実際、今回の政策の中で、五千人の雇用、これは地方の雇用を農林水産業でやってほしい、そういうお話がありました。ちょっとこの資料を見ていただければと思うんですが、私は、この話を聞いて何となく違和感がありました。それは、派遣切りや雇いどめ、そしてリストラで失業者が出た、田舎の方は後継者がいないから、その農林水産の分野で吸収してくれ、これは主に経済団体からこのようなお話が出たんだと思います。そして今、農水省もさまざまな政策を考えています。でも、農家の方は、ちょっと待ったと思うんです。

 この表を見ていただきたいんですが、上は米価、この赤い線は米の値段になります。平成二年から最近までとらせていただいています。一時、米価は米不足のときに上がりましたが、大体低くなっていく、そういうトレンドにあります。

 平成の初めのころは、米価も二万円を超えていました。そして地方には、公共事業やあるいは繊維や弱電、機械などの工場、こういうのもありました。ですから、農家の方は農閑期にも土木作業で現金収入を得ることができましたし、息子や娘は近くの工場や企業で働くことができたんです。

 しかし、その後の構造改革で、米価は三分の二以下になりました。また、地方の公共事業は無駄という批判がありまして、予算が削減されました。建設業の倒産が相次いで、この雇用の場が失われました。また、頼みの企業ですが、円高を名目に、中国やベトナムという海外にどんどん移転してしまいました。ですから、農家というのは、米が下がっただけじゃなくて、農閑期の現金収入、息子、娘の所得も実は失ってしまいました。

 今回大量の失業者を出している企業の経営者、この方々は、ついこの間までは、日本の農業は非効率的だから構造改革をしろと言っていた方なんですよ。そして、無駄な公共事業はやめろと言っていた方なんです。そして、この人たちはあっさり地方の工場を海外に移転してしまいました。そして今、自分たちがこういう状況になって急に、農業は成長産業だ成長産業だとおだてて、自分たちが首を切った労働力を農村部で使えと。私は、これはちょっと都合がよ過ぎないかということ、これは多分、地域の農民の率直な感想だと思っています。

 それで、地域の農業に大切な視点があると私は思うんです。例えば本当に地域で吸収したいんだったら、地方にもっと生活できるような農業政策と雇用の場をつくってくれ、これが本筋だと私は思っています。

 国では、集落営農という制度をつくっています。これは平たく言うと、今まで十人でつくっていた農地を四人でつくれということ。では残りの六人はどこで働けばいいんですか、これを農水省に聞くと、それは農業の多角化だ、例えば稲わらを使ったいろいろな加工品があるじゃないか、あるいは、みそ、しょうゆをつくってそれを産直で売ればいいじゃないかと。でも、十人いた人が四人になる、残りの六人がこれで本当に生活ができるのか。

 一番私たちが欠けている視点というのは、地域の農村部は、実は農業だけでは生きていけないんです。公共事業とかあるいはほかの産業、働く場、これがあって初めて、合わせわざで地域で農業ができるんです。お父さん、お母さんは農業を専業に頑張ります、ですけれども、そこにいる息子さんとか孫娘さんは地元の企業に通って初めて一家で農業ができるんです。農閑期に仕事があって初めて農業ができるんです。ですから、農林水産省が農村振興をすればするほど矛盾が出てくると私は思います。

 一番大切なのは、農村に働く場をつくること、企業をつくること。そういった意味では、ぜひ、農業の振興も大事です、ですけれども、経済産業省だったり、あるいは、もし福祉分野の人材であれば厚生労働省かもしれません。多くの……(発言する者あり)済みません、国土交通省も大切です。こういう皆さんでぜひ農村部の雇用をつくる。雇用をつくることによって初めて、農産物価格が下がっても一生懸命農業で地域を守って農業を永続的に続けていける、こういうことだと思うんです。

 繰り返して言います。地方に農業の後継者がいないのは、決して農村部の若者が農業を嫌いなわけじゃないんです。農村部で生活できない、働いていけない、だから地元を離れるから後継者がいないんです。そこに、都会から、人余りになったからといって、大企業の経営者が、やれということで地域に人を派遣しても、永続的に続くわけはありません。

 一番大切なのは、地域で農業そして産業で生活できる、そういう政策をすることだと思いますが、ぜひ、この意見について御感想を農水大臣にお伺いしたいと思います。

石破国務大臣 全く同じ見解です。

 委員の地元も私の地元も多分似たようなお話で、お兄さんは建設会社に出ていた、だけれどもリストラに遭っちゃった、お姉さんは縫製工場に出ていた、あるいは電子部品の組み立て工場に出ていた、外国に行っちゃった、そうすると、もう兼業機会がなくなっちゃうわけですから、おじいさん、おばあさんが、わしらが生きておる間だけはこの村を守る、だけれども、わしらが死んだらおしまいだ、そういうのはたくさんあります。

 おっしゃるとおり、農業収入だけで村が成り立っているわけではありません。そういう認識はきちんと持っているつもりです。ですから、兼業機会というものをどうやって得るかということですが、委員お触れになりましたように、農商工連携というのを通じて、付加価値をつけて、多くの人を呼び込むという、まだ点にしかすぎませんが、そういう成功事例もたくさんあります。そういうものをどうやって生かしていくかということは経済産業省とよく御相談をしたいと思っている。

 あるいは、田野瀬委員の御質問にもお答えをしましたが、林業の構造改革のためにはやはり林道網をもっと密にしていかねばならぬということがあるだろう。あるいは、耕作放棄地をもう一回復田していく、そういうこともあるだろう。地元に雇用の機会をどうつくっていくかということを考えないと、農業だけでは農山村はもちません。よくわかっています。

 ですけれども、農業あるいは林業にこれから先もっと拡大していく分野はないかということにもきちんと配慮していかねばならないだろうと思っています。生産費所得補償方式でずっと米価を維持してきましたが、それが水田農業というものをどのようにしたかということについての考察も我々はちゃんとしていかねばならぬことであって、すべてを総合的に考えるのが農村政策だ。

 ただ、それは農林水産省だけでできるものではございません。今度何で六大臣会合をつくったかといえば、それは、総務省もある、あるいは経済産業省もある、関係する省庁全部挙げて、政府挙げて農山村に雇用ということに取り組んでいくのが我々の使命だと考えております。

小野寺委員 石破大臣になられてようやくその視点が今回打ち出されたと思います。

 農林振興というのは決して農林水産省だけではできない、他産業が入って初めてできるということ、ぜひ、そういうことをしっかりこれからもやっていただきたい。細かいいろいろな農政の問題には、触れたいと思うんですが、実はきょうもう時間がございませんので、ぜひ、それは大臣によろしくお願いしたいと思っておりますし、総理もしっかりこのことを踏まえてお願いしたいと思います。

 最後になりますが、私はこうして政治の分野でいろいろな仕事をさせていただいております。恐らくここにいらっしゃる政治家皆さん、お一人お一人同じだと思うんですが、なぜ政治家になったかというと、社会の中で本当に困っている人、社会の中で今弱者と言われている人、社会の中で日が当たらない分野、そういうところに一生懸命支援をする、そのために私たちは政治家になっていると思うんです。

 私が自民党に入った一番の理由というのは、実は、自民党が今まで一生懸命支援をいただいたのはこういう農山漁村の皆さんです、そしてまた地域の経営者の皆さんです。私たちが支えるべき、今一番困っているのはこういう農山漁村の皆さん、そしてまた地域の経営者の皆さん、本当に中小零細の経営者の皆さん、そこに働く皆さん、多くの皆さんだと思っています。

 そして、社会の弱者の反対、強者は今一体だれか。恐らく、多くの国民の皆さんはこう思っています。これだけ厳しい中でもリストラに遭わない方、給料が下がらない方、首が切られない方、そういう方というのは、恐らく公務員、あるいは大企業の、ある面ではしっかり常勤雇いの方々。そしてまた、残念ながら、経営者の中でも中小企業の方は、自分の個人資産をすべて保証、担保に入れて、自分の体を張って経営をされています。でも、大企業の経営者の皆さんというのは、これは全員とは言いませんが、あくまでも責任は有限責任であって、会社が厳しくなっても、それはそれで、自分の家屋敷をとられることはない。

 こういう、私たちが本当に今困っている人のために働く、そのための自民党であれば、もう一度、だれのために仕事をするか、きょうはそのことでいろいろな質問をさせていただきました。

 ぜひ、社会の弱者に目を向けた政策をお願いしたい。最後にそのことを総理に一言お伺いしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 選挙に出られる、政治家になられるというもとの、最初の動機というのは人それぞれ随分違うんだと思いますが、少なくとも、その地域というものを代表しておられる、中選挙区であろうと小選挙区であろうと、その地域を代表しておられる方々は、多分その地域のことにまず最初に目が行ったんだ、私はそう思います。少なくとも自分の場合はそうでしたから。

 したがって、そういうものを十分に、初心を忘れずじゃないけれども、そういったものをきちんとおなかにおさめてやっていかれるというのは、政治家として大変大切なところだと思っております。

小野寺委員 ありがとうございました。

衛藤委員長 この際、上川陽子君から関連質疑の申し出があります。保利耕輔君の持ち時間の範囲内でこれを許します。上川陽子君。

上川委員 自由民主党の上川陽子でございます。

 今回、予算委員会で大変貴重な質問の機会をいただくことができまして、心から感謝申し上げます。

 私からは、内政と外交にわたりまして、若干盛りだくさんの質問ということでございますが、総理そして閣僚の皆様におかれましては、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、まず総理の、今般の経済危機に対します基本認識につきましてお伺いをいたします。

 総理は、施政方針演説の中で、世界が今新しい時代に入ろうとしている歴史的な転換点にあり、日本は開国と明治維新、敗戦と戦後改革に次ぐ三番目の変革の時期をみずからの努力で乗り越えなければならないと表明されました。また、官から民へといったスローガンや、大きな政府か小さな政府かといった発想だけではあるべき姿は見えず、市場にゆだねればすべてがよくなるというものではない、その結果生み出されたものがサブプライム問題と世界不況であるとも述べておられます。

 こうした御意見、発言でございますが、行き過ぎた市場原理主義あるいは新自由主義への反省ではないかということで、それからの脱却に向けた総理の決意表明ではなかったかと私自身受けとめましたが、こうした私の理解でよろしいのでしょうか。総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 基本的に、今何となく悲観論が日本に限らず世界を覆っているという感じが、ダボスへ行ってもどこへ行っても同じような感じを持つんです。しかし、我々は今、戦後、明治維新と二つ、所信で例を引きましたけれども、一九七三年、七八年、一バレル二ドル弱の石油が六ドルにはね上がって、あのとき日本は終わったと言われましたけれども、数年を経ずして世界最高の省エネ技術をもって日本は一番繁栄をする。もとはあそこですから。しかし、我々は、そのときが一番最悪の状況だったんですが、それでもはね返した。

 また、バブルが崩壊した九〇年代半ば、一ドルは、最高七十九円九十五銭まで値が上がったときがありましたけれども、あのときからでも我々は、バブルがはじけた後のデフレ下の不況という、少なくとも昭和二十年この方やったことがない、世界じゅうでやったことがないデフレ下の不況からの脱却にも、日本だけで間違いなくやってのけてきたというのが歴史であります。

 したがって、何となく今みんなが大変だと言うけれども、世界の中で比べれば、日本の傷は他の先進国に比べて浅い。これは世界がそう思っておりますから。その中にあって、我々は、かつてと同じような、復活してきたのが日本の底力だと思っておりますので、きちんと対応すれば、少なくとも今回は一番傷が浅いというのであれば、一番早く脱却できる可能性が我々には残されている、それが我々の物の考え方ではないかと思っております。

上川委員 ありがとうございました。

 三番目の変革ということでございます。三番目の変革、変革であればあるほど光の部分と影の部分が出てくる。光と影の部分、この点について、しっかりとした形で、過去の、ある意味ではこれまでの成果も踏まえて、また影の部分もしっかりと向き合って、新しい変革の時代に向けて一歩を一緒にスタートする、そういうお気持ちをお出しなさったというふうに思います。ぜひ、そうした姿勢で臨んでいただきたいというふうに思います。

 次に、当面の緊急課題であります雇用問題につきまして、幾つか質問をさせていただきます。

 雇用情勢が急速に悪化をしておりまして、厚生労働省も、すべての雇用に関する数字が悪化している、そして、その後、さらにこれからもその厳しさを増すというふうな見方でございます。

 昨年秋から増加している派遣切りに伴い、失業し、住まいをなくした方たち、また、外国人の労働者やその家族の皆さん、たくさんの仕事や住まい、生活支援を求めるSOSの声が寄せられております。こうした声に、地域の現場でこの声をしっかりと受けとめ、そして対応していらっしゃる地方の労働局やハローワーク、こうしたところは、自治体やまた民間団体とも連携をとって現場でしっかり対応しているのか心配になります。

 今の体制で十分なのか、また現場からはどのような声が寄せられて、それに対してどのような課題を解決しようとしていらっしゃるのか、現状についてお聞かせいただきたいと思います。厚生労働大臣、お願いいたします。

舛添国務大臣 現在の雇用情勢、これは大変深刻な状況にあるというふうに思っております。

 この状況を乗り越えるために、全国のハローワークで、例えば住宅についてもあっせんをする、雇用促進住宅を開放するというふうなことをやっておりますので、各自治体と緊密な連携をとって、ハローワークの持っているネットワークを最大限活用していっているところでございます。

 それから、全都道府県の労働局におきまして、都道府県とともに、緊急雇用対策本部というのを昨年末に立ち上げました。そこでも活動を行っておりますし、第一次補正予算で措置しました緊急地域共同就職支援事業、これはたしか二十一の都道府県で行っておりますけれども、こういう就職支援を行っています。それから、二次補正予算で四千億円、過去に例を見ない基金、ふるさと、緊急、二つを立ち上げましたので、都道府県とともに協力しながら雇用対策を展開していきたいと思います。

 なお、ハローワーク、これは片一方で定員の削減という大きな行政改革がありますが、そういう中で、今ニーズが非常に高まっているということで、第二次補正予算で相談員を四百九十九名増員することが可能になりましたので、今後とも全力を挙げて、ハローワークを中心に必要な仕事をしていきたいと思っております。

上川委員 地域の現場の中で緊急な体制ということでありますので、ここにつきましても万全の体制で臨むということがまた安心感を与えることにもつながるということであります。ぜひ、力強い取り組みをさらにお願いいたしたいというふうに思います。

 今、直面している問題の一つとして、雇用のミスマッチの問題がございます。先ほども農業の分野で小野寺委員からの御質問がございました。特に、最近の動きといたしましては、これまで人手不足あるいは後継者の不足によって大変困難を強いられながら頑張っていらっしゃる農林水産の分野、あるいは医療、介護サービスの分野に、何と新しい就職希望者が続々とアプローチしているということでございます。

 政府は、こうした人手の足りない分野あるいは地域、人手が不足しているところにしっかりと移動させていくための、ある意味ではつなぎということが非常に大事だというふうに思います。円滑な移動を促進するために最大限の努力をすべきというふうに思います。

 まず、今就職が急増している農林水産と医療、介護サービスの分野という二つの分野でございますので、この全体のミスマッチの状況につきまして、厚生労働大臣からの御説明をいただき、厚生労働省としての対応につきましてもあわせてよろしくお願いし、そして農林水産大臣からは、農林水産の分野においての取り組みということでよろしくお願いいたします。

舛添国務大臣 まさに今、上川委員おっしゃったように、片一方で人手が足りない、しかし片一方では失業に困っているということで、このミスマッチをどうするか。特に、農林水産もそうですけれども、介護、医療の分野で甚だしいということでございまして、今般、厚生労働省の中に職業安定をやる部門と老人の介護をやる部門があるわけですから、省内にもチームを立ち上げました。そして、一体となってやっております。

 例えば、今まで三カ月の二級ヘルパーさんについての職業訓練は面倒を見ていたんですけれども、今度は六カ月の一級ヘルパーさん、それから、二年間訓練すれば介護福祉士という資格を取れます。それまでの間、雇用保険がきっちり二年間使えて、しかもこの授業料はただだ、国が補助するということをやっておりますので、ぜひ皆さんこれを御利用いただいて、今般の補正予算で二万六千人分のこのポストを用意できるようにしております。

 このミスマッチを解消するために全力を挙げて省としてもやってまいりますので、ぜひこれを利用して資格を取って、そしてきちんとした職と住まいということを確保していきたいと思っております。

石破国務大臣 問題は三つあるんだろうと私は思っています。

 一つは、委員おっしゃるマッチングのお話です。仕事がなくなっちゃった、国へ帰りたいんだけれども何の仕事があるかわからない、若い人に来てほしいんだけれどもどこにどんな人がいるのかわからない、このマッチングというのが必要です。ハローワークにおいてそういうコーナーをつくっていただいておりますが、そこは厚生労働省と連携をしながらきちんとやっていきたい。

 あわせて、それだけではなくて、農政事務所、あるいは農政局、あるいは農業会議所、そういうところでも情報がわかるようにしたいと思っております。これは、農の雇用というふうにパソコンをクリックしていただければ、そこの情報が全部出るようにいたしておりますので、ぜひ御活用いただきたいと思っている、それが一つ。

 二番目は、それでは、農業に、漁業に、林業に就業しようと思っても、実は相当に難しい仕事ですね。午前中もお答えしましたが、林業というのは非常に難しい、漁業も難しい、農業だって本当に難しい。どうやって能力を身につけるかということで、やはり研修というのは必要なんだろうというふうに思っています。

 では、その間ただ働きなんですか、その間暮らしはどうしたらいいんですかということがありましょう。研修はきちんとやる、そしてその間、国として最大十二カ月、九万七千円を事業者に対してお支払いをするということを考えております。これが農の雇用というものであります。

 あるいはもう一つ、「田舎で働き隊!」という事業を創設したいと考えておりますが、これは、若いやつが来てうちの村おこしをやってくれないかなというのが、村の方に需要がある。あるいは都会には、自分が身につけた能力を村おこしに使えないか、そう思っている人たちもいる。このマッチングを図りたいと思っております。これが「田舎で働き隊!」という事業でございます。

 これは、きっかけコースとおためしコース、エステじゃないんだとかとしかられることもありますが、きっかけコースというのをつくって、それで本当におもしろいなということになれば、今度は一年間本当に、静岡なら静岡、富山なら富山、そこで村おこしのために働いてもらいたい。

 ありとあらゆることを準備して支援をしたいと思っておりますが、小野寺委員の御質問にもありましたように、では、都会で人がいなくなっちゃった、これは押しつけだとか、そんなことは私どもは考えてはいけないと思っております。これで本当に農村が再生するような、そういうような事業にしていきたいと考えておるところでございます。

上川委員 厚労大臣からは、ハローワークの機能をさらに強化していきながら、今農水大臣から出られました、農業の分野の雇用ということでの体系化と連動させて、国全体としての雇用の全体体系をこの機会にしっかりと検証しながら、さらに向上させていくということが、私はピンチをチャンスに変えていくということにもつながる大変大事な取り組みであるというふうに思います。

 恐らく厚生労働省の中でも、縦割りの中でいろいろ無駄になっているようなところもあるかもしれません。厚労省の中は厚労省の中で頑張っていただくわけでありますが、他省庁との関係の中でしっかりと、仕事を探している人の立場に立って、そのシステムが最大限効果を発揮することができるようにもう一度点検をしていただきまして、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いをいたします。

 経済状況の厳しい環境の中で、いろいろな数字に私自身関心を持って見守っているところでありますが、最近総務省から出た、住民基本台帳に基づく人口移動の調査結果がございました。ここによりますと、都市部への人口集中に歯どめがかかっているということであります。昨年十二月の一つだけとってみても、東京都は九年ぶりに、また、愛知県も五年ぶりに転出超過になっている。これは、急速な景気減速を反映した結果になっているということでございます。全国規模の人口移動が始まっているなという印象でございます。

 今、農水大臣からも農村部にというお話がありましたけれども、そうしたことを全体の大きなスケールで見ていると、人口移動が全国規模で始まっている、これがもう十二月のところに顕著にあらわれ始めているというふうに思います。

 今、世界的な需要減少あるいは円高の直撃を受けました製造業の中でも、自動車関連あるいはデジタル関連の企業の動きを見てみますと、今後需要が見込まれる環境分野でありますとか、省エネルギー関連の事業へ重点を移している。重点を移すに伴って、正社員を原則として配置転換をするということであります。そして、もし転勤が難しいというような場合については希望退職を募るというような形で、生き残りをかけた大きな構造改革に着手している企業が出ております。

 新たな職探しということにつきましても、今までどちらかといえば、県内、あるいは地域圏も比較的小さな地域圏にとどまっていたのではないか。そういう意味では、全国規模での求人情報にしっかりと、全国のどこに住んでいてもアクセスできるような仕組みづくり、こういうことについては、先ほどちょっと指摘いたしましたけれども、万全を期さなければいけないというふうに思います。

 情報の一元管理の徹底と、そして全国どこからでもアクセスでき、そして、もしかしたら、面接に行くときにはテレビ電話のような形で活用する、あるいは、面接に行くとき旅費が必要であって、北海道に行くというようなことになればその旅費の一部も支弁をしていくという形で、この職探しの全国的な動きをむしろ積極的に政府として後押しをしていくということが大切ではないかというふうに思います。

 この点に関しまして、厚労大臣、お願いいたします。

舛添国務大臣 ILOの国際条約においても、ハローワークというのは国がしっかりと関与をして、ナショナルなネットワークでないといけないということが決まっているというのはなぜかというと、まさに今の点であるわけでありますから、全国のハローワークはきちんとネットワークを結び、どこのハローワークの窓口に行かれましても、全国の求職、求人情報がすべてそこで見られるということでございますので、ぜひこれは活用していただければというふうに思っております。

 ですから、たまたま東京に出てきて、自分が栃木からやってきた、群馬からやってきた、そういう方がおられます。それで、周辺の県の求職、求人情報をよく見て、どういう職があるのか、どういう人を企業が求めているのか、それできちっとあっせんできるように全力を挙げてやっておりますので、ナショナルネットワークの強みということを、今後ともハローワークを中心にこの就職活動をやっていきたいと思いますので、この強みを今後とも生かしていって、今委員がおっしゃった、広域の人口移動に対応できる体制をさらに万全なものにしていきたいと思っております。

上川委員 総理は、今回の危機、まさにピンチを新たな国づくりの好機、チャンスととらえ、バランスのとれた成長力のある産業構造への転換を推進するというような形で力強い決意を述べられました。今回の緊急措置に当たっても、単に一時的な雇用の受け皿づくりにとどまらない、抜本的な対応が求められるというふうに思います。

 そこで、政府では、今、新たな成長戦略を取りまとめられているということですけれども、例えば十年後の産業の姿を描くのであれば、どのような産業をどのように育成していくというような視点だけではなくて、それぞれの産業が必要とする人材の能力や技術、さらに、そこからどのくらい雇用が生み出されるのかということにつきましても、ぜひ試算をしていただきたいというふうに思います。

 若者たちは、将来どのような道に進むか、みずからの進路選択の多分参考にするでしょう。また、産業界にとりましても、新たな発展のための人材の育成や職業訓練のあり方に関係をしてきます。また、次の世代をどう育てるのかという意味では、教育とも関連をしてきます。

 私は、経済産業政策と職業訓練を含めた雇用対策、そしてさらには教育がしっかりとリンクしていくということが大切ではないかというふうに思っておりまして、ぜひ、総理におかれましては、今申し上げましたような視点を盛り込んで、連携のとれた、まさに平成の産業政策とも言えるものを立案していただきたいというふうに思っております。

 経済産業大臣のお考えをお聞かせください。

二階国務大臣 ただいま御指摘のように、雇用対策を考えていく場合に教育行政との連携を念頭に置け、こういう御指摘であろうと思いますが、私も全く同感であります。

 このため、これまで、経済産業省のいわゆる経済産業政策の推進に当たっては、私どもは、これらの施策とのいわゆる連携、他の省庁との連携ということを考えてまいりました。具体的には、雇用対策との連携としまして、例えばジョブカフェを通じた求人企業への魅力的な情報発信に対する支援を行ってまいりたいと思います。

 また、ポスドク対策、いわゆるドクターの方々の就職困難という場面が相当出ておりますので、若手のこうした立派な研究人材への就業機会を提供することに、これも力を尽くしてまいりたいと思っております。

 緊急保証実施時におけるいわゆる雇用問題に対しての御協力、これもずっと要請を続けてまいりました。また、教育行政との連携として、産学人材育成パートナーシップの推進や、あるいは太陽光発電等の施設の設置やロボットコンクールの実施等を通じて、次世代の産業の啓蒙ということに力点を置いて取り組んでおるところであります。

上川委員 ありがとうございます。

 その視点につきましては実は芽があるということでありまして、昨年に、甘利行革大臣が大変大きなリーダーシップを振るわれまして、雇用・能力開発機構の廃止に伴って、職業訓練というところに産業政策との連携というところを明確に打ち出されたところでございます。

 産業政策と職業訓練が一つになってこそ初めて、人が現場で生き生きと自信を持って仕事に取り組むことができる、それに加えて、教育政策というのをうまく組み合わせていただくことができますように、さらに連携強化をよろしくお願いしたいというふうに思います。

 それでは、もう一つ、総理に対して御質問をさせていただきますが、総理は施政方針演説の中で、皆が参加できる社会をつくること、そして安心な社会を実現することを政府の重要な役割と位置づけておられます。そして、御自身、この点におきまして我が国はなお不十分であるということもおっしゃっていらっしゃいます。

 確かに、企業の派遣切りによりまして突然仕事も住む場所も失ってしまった人たちというのは、社会の参加者どころか、人間の尊厳すら否定されたことに深く傷つき、社会不安も負の連鎖となっていると思います。しかし、私は、まだ日本の社会は捨てたものではないなというふうに思っておりまして、海外の一部企業ではございますけれども、少数の企業経営者が莫大な所得を得るといったこともございませんし、また、会社は社会の公器といった使命感が企業経営者の皆さんに脈々と受け継がれているというふうにも思います。

 最近、「日本でいちばん大切にしたい会社」という本が評判を呼んでおりますが、この中で、あるチョークメーカーのことについて紹介をされています。このチョークメーカーでは、現在七十名ぐらいの従業員の方がいらっしゃいますが、そのうちの七割が知的障害の方でありまして、この方たちが、従業員の皆さん一緒になって生き生きと働いていらっしゃって、また業績も伸ばしていらっしゃるということでございます。

 効率重視、利益追求一辺倒の企業がこちらにあるならば、その対極とも言える、働く人の尊厳を大事にしながら、一緒になって企業を支え、また地域社会に貢献をしていく、そうした中小企業こそ、私は本当の意味で日本の底力を担うものであるというふうに思っております。

 その意味でも、中小企業が、今押し寄せている大きな津波、しっかりとこれを乗り越えることができるように、政府としても七十五兆の予算をしっかりつけるということで大きな方針を出しているところでございます。もう一度、総理から、こうした中小企業の皆さんに対して、中小企業はしっかりと守るんだという、そうした強いメッセージをぜひお願いしたいというふうに思います。

麻生内閣総理大臣 企業にとりまして、これは上川先生御存じのように、仕事をして黒字でい続けないと従業員を雇用し続けられないということになる。したがって、黒字でも資金繰りがつかないと倒産する。実にいろいろ倒産する例はございますけれども、倒産すると突如として失業者が大量に出ますので、そこらのところが目先一番気にせねばならぬ。そこは、二階大臣のところのやっておられる中小企業の資金繰りなんだと思います。

 ここのところで、私ども、今、人を大事にするというお話がありましたけれども、いろいろ会社はありますけれども、例えば、去年でしたか、東洋レーヨンなんという、これはかなり大企業でありますけれども、ここは合理化手段としての解雇、希望退職はしないと宣言をされた会社の一つであります、ほかにもありますけれども。また、渋谷なんかにあります、ロフトという家庭用のものをいろいろ売っておられる会社がありますが、ここは本社員と契約社員とパートと全部一緒にしたということをやってのけた会社なので、これも現場へ行ったんですが、実に、従業員と直接話しましても、いろいろ経営者の対応と従業員の反応というのがきちんと合っているなという感じがして、すごく参考になりました。

 いずれにしても、企業と従業員の間の関係というのが、日本というのはかなりきちんとしている会社が多いんじゃないかな、私自身はそう思っております。それはとんでもないのもありますよ、はっきり申し上げて。とんでもないのもありますけれども、そうじゃないのも実はいっぱいあるんだ、私自身はそう思っております。

 今申し上げたような、幾つもの例を挙げれば幾つもあるんでしょうけれども、きちんとこういった人を大事にした会社というのは、最終的には、また世の中景気がよくなってきたときにはそういう会社がきちんと伸びてきているというのがこれまでの長い日本の会社の歴史だ、私自身はそう思いますので、経営者の姿勢の問題なんだとは思いますが、ぜひ、そういった会社がきちんと伸びるように我々も支援をしていかねばならぬと思っております。

    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕

上川委員 日本の底力の源泉というのは労使の非常にいい関係の中でつくられたものであるという総理の御指摘、また現場のそうした声、こうしたものを大切にする施策ということで、これに向けての強力な取り組みをお願いしたいというふうに思います。ありがとうございます。

 ちょっと時間がないので少し飛ばさせていただきますが、私は、今回の危機を乗り越えるもう一つのかぎは労使の協調にあるのではないかというふうに思っているんです。

 一昨年十二月に、子どもと家族を応援する日本重点戦略という戦略をつくりまして、その中でワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調和の憲章と行動指針を取りまとめました。この中では、働く人の生活あるいは仕事への意気込み、そして家庭生活、こうしたものをしっかりと御自分の求めるようにバランスをさせながら、そしてこれを社会全体で応援していくということについて労使とも大変な議論をした上で、この憲章と行動指針がまとまったところであります。

 少子化対策ということもありますし、そして男女共同参画、女性も男性も高齢者も、あるいは今働いていらっしゃる外国人の皆さんにつきましても、それぞれの能力に応じてしっかりと働きながら、また、バランスのとれた生活を送ることができるようにということでの、これはある意味では、私は、政労使の合意という意味では画期的なものではなかったかというふうに思います。

 日本のよき伝統である労使の協調ということについて、そのことの意味をまさに今発揮すべきではないかというふうに思っておりまして、これから、人間の尊厳を中心にした、ある意味ではワークシェアリング、また短時間正社員の制度、そしてまた派遣法の改正などにおきましても、政労使の信頼関係の上にぜひ合意を導くことができるように、総理のリーダーシップをよろしくお願いしたいというふうに存じます。

 ちょっと時間がないので、次に移らせていただきたいと存じます。

 外交につきまして幾つか御質問させていただきます。

 オバマ大統領の一月二十日の就任演説でございましたが、多様な民族、宗教の融和により、世界平和の実現を目指す国際協調路線へと大きく踏み出す姿勢を明らかにいたしました。特に、イスラム世界に対しましても、相互の利益と尊重に基づいて前進するという新たな道を希求するとして、対話の努力を約束し、特にイラクとアフガニスタンという二つの国名を言及されまして、イラクをイラク人にゆだね、アフガニスタンでは平和を揺るぎなきものにしなくてはならないというふうに述べられております。

 日本は、これまでも多くのイスラム諸国と大変強い友好関係を築いてきましたし、また、このオバマ政権がイスラム世界全体に対して窓を開く姿勢を示している今こそ、日本がより包括的、戦略的な対策をとっていくべきではないかというふうに思います。この点につきまして、外務大臣のお考えをお願いいたします。

中曽根国務大臣 イスラム世界は世界に十億人以上の信徒を有している、そういうふうに聞いておりますが、これは、中東地域だけじゃなくて、アフリカやアジアの地域にも広がりを見せているわけでありまして、そういうことから、我が国としては、イスラムの世界についての十分な理解と、それからまた、相互に協力をし合う、そういうような関係を築くということが非常に大事だ、それが日本外交を展開する上で大事だとまず思っております。

 そういうような認識の中で、我が国といたしましては、二〇〇二年以来、有識者を中心としたイスラム世界との文明間対話セミナー、これを開きました。また、日本、エジプト、サウジアラビアの三カ国の有識者から成る日本・アラブ対話フォーラム、こういうものも開催をして対話に力を入れているわけでございます。また、中東・北アフリカ諸国における自発的な改革努力というものを支援するために、G8のサミットで合意をされました拡大中東・北アフリカ構想、これはBMENAと言っておりますけれども、これがこの間アブダビで開催されまして、私もこれに参加をして、共同議長をやってまいりました。

 我が国といたしましても、そういうイスラムの世界が有しております多様性というものを十分に念頭に置いた上で、委員もおっしゃいましたような包括的かつ戦略的な関係をイスラム世界との間でとらえて、そして、対話と協調、これを基礎とした関係を築いていくということが大事だ、そういうふうに思っております。

上川委員 そこで一つお伺いいたしますが、昨日の日経新聞でございましたが、パキスタン支援に向けた国際会議、早ければ三月末に日本主催で開催かという記事が掲載されたところでございます。テロとの闘いにおいて、パキスタン支援は大変大事なテーマでございます。もしこれが実現すれば、テロとの闘いに向けた日本政府の具体的なイニシアチブとして大きな意義があるというふうに思います。まさにそれは、総理の言う新しい秩序づくりへの貢献の第一弾ではないかというふうにも思います。

 これにつきましての現状をお伺いしたいというふうに思います。

中曽根国務大臣 アフガニスタンと同様に、パキスタンはテロ対策に取り組んでいるわけでございますけれども、パキスタンの安定というのは、地域のみならず国際社会の平和と安定に大変重要である、これはもう言うまでもございません。そういう認識のもとに、我が国はパキスタンの安定的発展のためにいろいろな支援を行ってきております。

 具体的には、幾つか例を申し上げさせていただきますが、一つは、約四百八十億円に上る本年度円借款供与を初めとするODAによる支援を行っております。これは送電網とか道路とかかんがい等をつくっております。

 それからもう一つは、アフガニスタンとの国境地域における貧困削減のための教育とか医療等の支援を行っておりまして、アメリカと協調して学校をつくったり、あるいはポリオの撲滅、こういうものを支援したりしています。

 それから、パキスタン・フレンズ・グループ会合、これはパキスタンの民主政権を支援するための会合でございますが、昨年九月、国連総会のときにもこれが開かれまして私も出席いたしましたけれども、こういう国際的な枠組みを通じた経済安定等への積極的な働きかけを行っている。

 それから、インド洋の補給支援活動、これもパキスタンの艦船等への給油を行っておるわけでございます。

 我が国は、これまでもパキスタンの支援におきましてはいろいろ重要な役割を果たしているわけですが、今後とも国際社会の中で指導力を発揮してやっていきたい、そういうふうに思っております。

上川委員 ただいまの御発言の中に、パキスタンに対しましての日本のこれまでの貢献につきましてお触れになられました上で、そうした貢献に対して現地の皆さんから大変信頼のある評価をいただいているというふうにも承っております。そういう意味での日本への信頼に基づいて今回のことがぜひ実現できるように、外務大臣にも、また総理にもぜひ強いリーダーシップを発揮していただきたいということを強くお願いいたします。

 それでは、もう一つ、外交安全保障戦略ということで、オバマ政権が今目指している一つのキーワードとしてスマートパワーという概念がございまして、この提唱者はジョセフ・ナイ・ハーバード大学教授でいらっしゃいます。今駐日大使に選任されるというような見通しでございまして、私も留学時代に指導を受けた者でございますので、実現すれば、日本の外交にとっても大変大きな力になるのではないかというふうに思っております。

 このことにつきまして、オバマ政権の中での日米外交の占める比率というのが大変高いものであるということが、この大使の赴任の意味からも読み取れるわけでございますので、これからいろいろな分野で日米が協力していくという意味で、主体的、戦略的な取り組みということについては特に力を入れていくということでございますが、私は、スマートパワーをめぐっての日米の戦略対話をぜひ進めていくことが大切ではないかというふうに思います。

 また、日本が、先ほどのパキスタンの事例ではありませんけれども、やはりソフトパワーの面では大変大事な力でもあるし、また国際的な評価も高いということでありますので、ここの面につきましての主体的な積極的な提案ということについてもこれからどんどんすべきではないかというふうに思います。

 先ほど午前中の小野寺委員からの質問の中で、日米対話ということについて、訪日の話がございまして、早期に行かれるということでございますので、ぜひ、こうした機会の中でそうした前向きな戦略対話をしていただけますように、そして大きな成果を上げられますように強く期待しておるところでございます。

 総理のこの日米外交にかける覚悟というか意思を改めてよろしくお願いしたいというふうに思います。

麻生内閣総理大臣 スマートパワー、最近出てきた言葉です。ハードパワーとソフトパワーと足して二で割って付加価値をくっつけて、スマートパワーという言葉で、主に文化力とかそういったものをつくって、ジョセフ・ナイという人が使い始めた言葉だと思いますが、このスマートパワーというもののソフトの部分というのは、これは、日本は間違いなくいろいろな意味で大きな発信力を持っておるというのは確かだと思います。

 かつてアメリカのハリウッド映画がそうであったように、日本の場合は、コミックであってみたりTVゲームであったり、いろいろなものがこの中に伝わって入っているんだと思いますが、いずれにしても、こういったようなものから、その国の文化、その国のいろいろなものに親しんでいけるという、一つのツールとして使っているというのはすごく大事、私自身はそう思っておりますので、そういった意味で、一緒になっていろいろなことができるというのは十分に可能性がある。

 また、今環境の問題なんかが出てきますけれども、こういった問題を技術の面で、新しい技術でこういうものが一緒に共同研究がやっていける国の相手としては日米という関係が最もそれらの可能性を有しているという点に関しては、私は、向こうもこちらも同様に認め合っているところだと思っておりますので、いろいろな意味で協力し合える分野は大きいと思っております。

上川委員 中東の外交の中で、私は、昨年の五月に、閣僚としては二十年ぶりにオマーン国というところに公式訪問いたしまして、中東外交というと石油外交というイメージが非常に強いわけでありますが、あちらの国では、女性の閣僚が四人いらっしゃいましたし、また、スポーツとか文化での交流とか、あるいは女性の社会参画もそうですけれども、そうした面で日本に対して大変強い関心を持っていらっしゃるということもわかりまして、石油外交のみならず多層の外交が大変大事だなというふうに思っておりました。目からうろこというような訪問でありました。

 実は、安倍元総理が中東訪問をされるときに、これは一九九〇年でありましたでしょうか、重層的外交、レイヤードディプロマシーという新たな戦略を中東諸国に対してしていくんだ、こういうメッセージを出されたということでありまして、まさに今、スマートパワーということでありますが、日本が既に重層的外交という形で訴えているようなところがソフトパワーとしての大きな可能性というふうにも思います。

 そういう意味では、大変大きな可能性を秘めたところに日本の貢献があるというふうに思いますし、今総理がおっしゃったような新たな分野ということにつきましても、さらに概念を膨らませていただいて、むしろ日本流のスマートパワーとは何だということについて積極的に提案していくというようなことが大切ではないかと思うので、ぜひ、この点についてさらに力を合わせていただきたいというふうに思うところでございます。

 最後でございますが、外交までちょっと大きな話になりました。私は、これからの日本の中で、やはり共助ということが大変重要なかぎを握るものではないかというふうに思います。

 今、政府には財政面で大変重い負担がかかっているところでありますので、自助そして公助と同時に共助の仕組みを最大限工夫するということが大切ではないかと思います。狭い意味での官ではなく、かといって営利目的の民でもない、その中間として、民による自発的な公共サービスを担っていく、そうした考え方ではないかと思うんです。

 これは、農林水産や、まさに子育て支援、この子育て支援は、樋口恵子さんが、じじ力、ばば力をぜひ生かしたい、こんなふうにおっしゃったこの団塊の世代の子育てのスキル、ノウハウをむしろ若い世代の子育てにぜひ使っていく、お願いして力をかしていただく、そのことを仕組みとしてうまく引き出すことができるような仕組みとも言えるのかもしれません。社会の参加意識を高めていく、そしてまとまりのある社会をつくっていく、こういう意味での共助の意識というのを醸成していく意味で、こうしたことの新たな仕掛けづくりが大切ではないかと思うわけであります。

 実は、こうした仕組みが最も活発な国というのはイギリスだそうであります。イギリスでは、現在、事業者数が五万五千、そして市場規模が五・七兆円、そして雇用規模は七十七・五万人に及んでいるというふうに、これはソーシャルビジネスというセクターでございますが、この調査結果も政府から出されているということでありますが、この役割というのは、イギリスの中で大変大きな厚みのある社会づくりのための重要な基盤になっているというふうに、私は大変注目をしているところでございます。

 そういう意味では、日本としても、そうした機能を今担っている、株式会社でも、ある企業は病児保育の会社をしていらっしゃる、これは利益をむしろ子育ての応援に充てているということでありますが、あるいはNPOやNGOの活動ということにつきましても、もっともっと積極的に後押しをし、そして、総理の掲げた、皆が参加し安心と活力ある社会をつくるために極めて大切であるというふうに思いますので、最後に総理に、ソーシャルビジネスというと片仮名用語ではありますけれども、共助の取り組みということについてのお考えをお聞かせいただきまして、質問を終わらせていただきます。

    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕

衛藤委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。

麻生内閣総理大臣 地域に密着した人が営利を主たる目的とせずその地域の課題に取り組む活動を称して、イギリスではソーシャルビジネスと呼んでいる。これは昔からあることは確かです。

 今、日本でも結構いろいろそういったものが出てきているんですが、先ほど厚生大臣言っておられましたように、ミスマッチがあちこちで起きるんですね。やりたいという人はいらっしゃるんですけれども、一人じゃできないからといって、いわゆるミスマッチ、隣の輪につながっていかないというところなんで、経営ノウハウももちろん不足しているんですが、そういった意味で、ニーズを持っている人、ニーズにこたえられる人というのがうまくいかないところだと思いますので、これは、この場を設定するとか、いろいろなことを今後やっていかないかぬところだとは思っておりますので、新しい取り組みとして考えていくべき問題だと考えております。

衛藤委員長 これにて保利耕輔君、野田毅君、田野瀬良太郎君、小野寺五典君、上川陽子君の質疑は終了いたしました。

 次に、坂口力君。

坂口委員 久しぶりに質問に立たせていただきまして、麻生総理初め閣僚の皆さん方に質問させていただくこと、大変光栄に思っております。

 先日、総理は、施政方針演説におきまして、政府の重点を生活者の支援へと移す必要があります、こういうふうに述べられました。またさらに、消費者の利益を守るために、一日も早い消費者庁の設立に向け、関連三法案の成立を急ぎます、こう主張されたところであります。福田前総理も消費者、生活者主役の政治ということを言われまして、それを麻生総理も受け継いでおみえになるのではないかというふうに思っております。

 日本では今まで、宮澤元総理が生活者の問題に若干触れられたことがございますけれども、それ以外は、消費者、生活者というものを真正面から取り上げられたというのはなかったわけでありますので、非常に新しい流れではないかというふうに思います。

 アメリカにおきましては、一九六二年でございますか、ケネディ大統領が消費者の利益保護に関する大統領教書というのを発表いたしまして、その中で、四つの価値基準みたいなものを示しております。一つは、安全から守られる権利、二つ目、情報を守る権利、そして選択の権利、そして四番目に、意見を述べる権利。この後、幾つかまたつけ加えられていますけれども、最初に挙げられたのはこの四つでございます。

 さて、今、日本は景気後退の中で内需の拡大ということが非常に重視をされております。これからの大きな課題にもなっているわけでありますが、そのためにも、消費者優先の政治というものを貫くことが非常に大事な時期を迎えているというふうに思います。

 そこで、第一の質問を総理に申し上げたいと思うわけでありますが、この質問は、お金がかかるわけではございません。総理の決断あるのみという質問でございます。

 質問でございますが、内閣府におきましては経済財政諮問会議がございまして、この中には四人の民間議員というのがおみえになります。最初から、製造業と申しますか、生産者を代表する方がお二人お入りになり、あとの二人は学者先生がお入りになっている。それで四人になって、ずっと今日まで来ているというふうに思います。

 生産者の皆さんがお入りになっていることを決して私はいけないと言うつもりはありませんし、これからも生産というのは大事でありますから、ぜひ物づくりというものが進んでいくことを期待いたしておりますが、しかし、その生産者と同格にと申しますか同様に、やはり消費者の立場を代表する人が一人そこに加わっていいのではないかというふうに私は思っております。

 これは、最初から生産者の方が二人お入りになったままでずっと来ましたから、何となくこれが当然だということになってきたように思いますけれども、やはりこういう時代を迎えますと、生産者と同じように消費者の立場で発言をされる人が一人おみえになるということが、総理に対して答申をされますその内容につきましても少し違ってくるのではないかというふうに思う次第です。

 そういう意味で、お一人、消費者を代表する人を入れられるおつもりはありませんかというのが私の第一の質問でございますので、よろしくお願いいたします。

麻生内閣総理大臣 消費者行政というのは、正直、これまで日本の行政は、主たる業務は生産者の方に、いかにうまく効率よく生産するかとかいう話が主たる仕事でしたので、それを利用する、使用する消費者側に立っての行政というものはこれまで主なものは存在していなかったのを、やりたいということで、このたび法案も提出をいたしておりますし、委員会もこの通常国会では新たに立ち上げていただくということになりました。

 私どもとしては、今諮問会議のお話がありましたけれども、これは経済財政諮問会議という名前からわかりますように、それを主たる業務として主に立ち上げてこられたのがこれまでの経緯です。ただ、そこにおられます方に関しては、これは経団連だからというのではなくて、例えば、生産者だけではなくて前回は流通部門の方がおられましたし、今の方も、いずれも経団連とかいうことではなくて個人の有識者として入っておられるという経緯であります。

 いずれにいたしましても、今言われた御視点というのは非常に大事なところだと思います。したがいまして、この間の農政の問題を今いろいろやっておりますけれども、農林大臣に御指摘をいただいたり、厚生大臣のときに御指摘をいただいたり、いろいろしておりますけれども、いずれ必要に応じて今度は消費者の話をいろいろさせていただく機会がふえてくると思いますので、消費者行政推進担当大臣と我々呼んでおりますけれども、この担当大臣に参加をいただくということは当然のことだと考えております。

坂口委員 消費者の代表もしくは消費担当大臣をこの中に加えていただくというのは一つの方法だというふうに思いますが、時々、消費者の問題がありますときにはその大臣がそこに加わるというのと、常時そこにおみえになるというのとでは大分私は違うと思うんですね。

 だからそこは、生産側の代表の人が常時おみえになる、あわせて消費者を担当する大臣もしくは消費を代表する民間議員がおみえになるというのとは、かなり私は内容が違うというふうに思いますし、それが日本の政治に与える影響というのは非常に大きいものがあるというふうに思いますから、そこはもうちょっと、必要なときだけ入れるというのではなくて、やはりふだんからそこは置きますよ、今野田大臣ですから、野田大臣をちゃんとそこへ一人入れますよというふうにおっしゃっていただくんだったら、私は、わかりましたと言うところなんですけれども、どうでしょうか。もう一言ありましたら、おっしゃってください。

麻生内閣総理大臣 おっしゃっている意味は決してわからぬわけではありませんけれども、直ちにこの場でやりますとも言える立場にもありません、言えるわけでもありませんので。

坂口委員 これは皆さんによく相談をしていただかなければならない問題でございますし、全体としても一応十名ということになっておりますから、十名というその数が決まっているのかどうかはよくわかりません。十一名にしてもいいのならば、そんなに考えずに、十一名にして一人ふやします、こう言っていただければよろしいわけでありますから、ぜひそこはひとつ御検討をいただきたいというふうに思います。

 さて、内需を拡大していきますためには、消費者の心理それから消費者の心を大切にすると同時に、所得格差のない社会というものをやはりつくっていかなければなりません。中間所得層の拡大と申しますか、そうしたことが消費を拡大していくというためにも大変大事なことではないかというふうに思っております。

 所得格差の尺度として、ジニ係数というのがございますね。大変難しい言葉で、テレビをごらんになる皆さん方、おわかりにくい方もあろうかと思いますけれども、所得、資産の不公平度というんですかね、公平度と言ってもいいと思うんですが、それをはかる尺度でありまして、イタリアのジニさんというのが考案されましたのでジニ係数というふうに言われております。ゼロから一までの間で、一に近いほど格差が大きい、ゼロに近いほど格差が小さい、こういう数字でございます。

 ひとつこの表をごらんいただきたいというふうに思いますが、これは、OECDで出されましたものを、日本総合研究所の太田清さんという方が論文でさらにそれを詳細に検討されたものをお借りいたしました。

 この表をごらんいただきますと、十四カ国、十四カ国といいますと、オーストラリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、イギリス、アメリカ、この十四カ国でございますが、この中でジニ係数を見ますと、十四カ国中十一位。市場所得ということになっておりますが、市場所得、総所得というんでしょうかね、税やあるいは保険料を引かれる前の所得だと思いますが、それで見ますと、全年齢で見ますと十四カ国中十一位でありますから、格差が大きい方から数えて順番に来て十一位というのは、格差が非常に少ない国ということになるわけです。

 ただし、この数字は二〇〇二年ぐらいの数字でありまして、この論文が出ましたのが二〇〇六年の十二月でございまして、二〇〇二年でございますから若干の異動はあるというふうに思いますが、大きな筋道としては違っていないというふうに思います。

 それが可処分所得になりますと、十四カ国中五番に上がってくるわけであります。税あるいは保険料を引きました後の所得で見ますと、十四カ国中五番目の高さになってくる。どちらかといえば、この十四カ国でいえば格差がある方の部類に上がってくるということであります。

 それからもう一つ、格差を見ますときに、貧困率がございます。相対的貧困率という、これも難しい言葉でありますが、絶対的貧困率に対して相対的貧困率。すなわち、真ん中の数字、中央値、高等学校で勉強したことがございますが、中央値を出しまして、そこからその未満の、下が何%あるかということを見たものでありますから、この貧困率の高かったその人たちが皆、その日その日食べられないというほどのことを言っているわけではないというふうに思います。

 これで見ますと、この最初の所得で見ますと十四カ国中九番目でありまして、これも下の方でございますが、これが可処分所得で見ますと二番目に上がってくるんですね。アメリカに次いで二番目に貧困率が高いということになってくる。これは、なぜこんなことになるのかな、私は実はそう思ったわけでありまして、これはひとつ財務大臣にお聞きせなわからぬなと、そのときに思ったような次第でございます。

 もう一枚、ちょっと、きょうごらんをいただきたいというふうに思います。

 これも同じOECD十四カ国の平均を出した、同じ太田さんの論文の中から拝借をいたしまして、その一部を出してございますが、これを見ますと、いわゆる賃金に対する税率及び社会保険料というものを出しまして、そして、平均賃金、真ん中のところで見ていただきますと、日本は両方合わせますと一九・三、それから十四カ国の平均は二八・一でありまして、税と社会保険料双方合わせますと、日本の方が低い、十四カ国平均の方が高い、こういうことでございます。

 下は、税率と社会保険料を別々に書いてございますが、日本は税率におきましては五・六と非常に低くて、十四カ国平均では一八・七になっております。社会保険料を見ますと、今度は日本の方が一三・六で高くて、十四カ国平均は九・四ということになっております。

 トータルで見ると一九・三と二八・一で、十四カ国平均の方が高くて日本の方が低い、少ない、こういうことでありますから、税が少ないのになぜ日本の、それを引くと貧困率が高くなっていくのか、あるいは格差が大きくなっていくのか、いささか私は、この論文を一番最初拝見しましたときに、あれ、なぜこんなことになるのかな、こう思った次第であります。

 ここをもうちょっとよくごらんいただきますと、その両側に、平均賃金の三分の二とそれから三分の五と両方書いてございますが、三分の二ですから平均賃金の人の三割減、七〇%ぐらいでございましょうか、それから三分の五ですから一七〇%ぐらい、七割増。だから、三割減のところと七割増のところ、平均値とそれよりも少ないところ、それよりも多いところというふうに分けて出してある。これはOECDがこういうふうに出しているわけでありますが、これを見てみますと、日本の税率と社会保険料両方合わせてみましたものは、低い方から一八・三、平均が一九・三、そして高い方が二二・一、こうなるわけであります。十四カ国平均は二四・三、二八・一、三三・八、こうなっております。

 結局のところ、保険料率は、日本と十四カ国とではそれぞれ差はありますけれども、賃金の格差による差は両方とも余りないわけでありますが、税率のところは、十四カ国平均で見ますと、低い方が一四・九、真ん中が一八・七、高い方が二五・五というふうに、格差は大きいわけですね。

 それで、トータルで見ますと、全体として日本は、一八・三、一九・三、二二・一というふうに、どちらかといえば、格差はついてはいますけれども、なだらかなわけですが、十四カ国平均の方が二四・三、二八・一、三三・八というふうになっておりまして、どちらかといえば格差がこちらの方が大きいということが、ちょっと済みません、初めの方にもう一度移らせていただきますが、今のそのことがこの順位に関係をしていく。ジニ係数で見ますと、十一番、十二番というようなところにありましたものが可処分所得で五番目に上がってくる、それから貧困率で見ますと、九番目でありましたものが二番目に上がってくるということになりますのは、所得の額に対する税率の関係が影響してこうなってきているということを物語っているということであります。

 総理も経団連なんかに行かれまして、所得が上がるようにひとつぜひお願いしたいということを申し入れされたことがありますし、我々も経営者の皆さん方にお会いをしますと、ぜひひとつ働く皆さん方の所得が上がるようにしてくださいよ、あるいは所得格差がないようにお願いをしたいというようなことを申し上げているわけですが、税や保険料を引く前の数字、すなわち経営者の皆さん方が出していただいた賃金で比較をしたものと、そこから税金を引いた後で比較をしたものとを見ると、税金を引いた後の方が格差が大きくなっているということであります。

 我々は経営者の皆さん方に、ひとつできるだけ格差のないようにということをお願いしておりますけれども、しかし、お願いをしておる側の我々が国会でやっております税率や保険料率というものの方が格差を拡大しているということであれば、我々としても、これは少し考え直さなきゃならないのではないか、こう私は思った次第であります。

 今、消費税の話も出ております。将来の社会保障費を賄いますために消費税が重要な役割を果たすことは私も十分に存じ上げているつもりでございますが、その消費税の前に、もう一遍所得税なり住民税なり法人税なりの見直しを行うことの方が先ではないか、私はこの方の論文を見ながらそう実は思った次第でありまして、そういう意味で、ひとつ財務大臣並びに総理大臣の御所見をお伺いしたい、こういうことでございます。

中川国務大臣 大変難しい課題でありましたけれども、坂口委員の御説明を拝聴していて何か少しわかったような気がいたしたという前提で、誤解を恐れずにお話をさせていただきますと、賃金では格差は少ないけれども、負担後では格差が広がるという坂口委員の御指摘を前提といたしますと、税というのはある意味では所得の再配分機能があるはずである、ところが再配分機能が逆に働いているというのが、多分坂口委員あるいはこの太田先生の御指摘なのではないかというふうに理解をさせていただきました。それでよろしいでしょうか。

 そういたしますと、確かに、これまで税率引き下げ等を通じて、税を引き下げるということは、それはある意味ではプラスではありますけれども、反面、再配分機能を弱めるというような効果というか影響もあるというふうに私も考えているところでございます。

 今後、社会保障を初めとした安定財源というものを構築していくためには、国民の御理解をいただきながら、税の抜本改正というものを景気回復をさせるということを前提にしてやっていかなければいけないわけでございますが、そのときに、格差の是正あるいは所得の再配分機能の回復、こういう観点から、やはり、最高税率の調整等によって、例えば高所得者の方の税負担をもう少ししていただくでありますとか、逆に、子育て等に配慮したりいたしまして、中低所得者層の方々の軽減というようなこととか、いろいろなことを考えながら、国民の御理解をいただき、安定財源を得ながら、これからの税の議論をさせていただくわけでございますけれども、そのときに、所得の再配分機能というものが弱まっているという観点も重要な御指摘だというふうに考えて、今後、今の太田先生そして坂口委員の御意見というものも大変重要な御指摘だ、今後の議論の一つの参考にさせていただきたいというふうに考えております。

麻生内閣総理大臣 この相対的貧困率という言葉がいま一つよく、わかっておられる方の方が少ないのかなと思いますけれども、私自身はちょっと正直この言葉の概念がいま一つよくわかっていないんです。

 いずれにいたしましても、税制の今回の抜本改革ということを、道筋を盛り込んだ法案を提出しておりますが、その中で税制を、御指摘のありました個人所得課税等々につきましても検討するということを今申し上げているところでありまして、高所得者の税負担の引き上げとか、所得、消費、資産などのいわゆる税体系全般についての見直しということを考えておりますので、その中にあって、今御指摘のありました面を含めて、財務大臣答弁いたしましたように、いろいろ検討していかねばならぬものだと考えております。

坂口委員 ありがとうございました。

 これはなかなかわかりにくい表で、国民の皆さん方にも御理解いただけたかどうかわからないわけでありますが、しかし、この論文をよくよく読ませていただきますと、我々も考えていかなきゃならないことが多いということを感じた次第でございます。どうぞひとつ、これからの税改正その他の中でこうした問題を議論していただくことを期待いたしておりますし、我々も提案をさせていただきたい、こういうふうに思っているところでございます。

 さて、あっという間に三十分近く時間がたってしまいまして、あと残しますところ少なくなってまいりました。

 あともう一つは、大学病院におきますところの救急救命センターの話をちょっとごらんいただきたいと思います。この問題、全く違った問題を取り上げさせていただきます。

 これをごらんいただきますとおわかりいただけますとおり、救急救命センターがありませんという、大学及び分院も含めてでありますから数が少し多くなっておりますが、これが八十ございます。その中で、しかもNICU、いわゆる新生児の救急医療、これもありませんというところが全体で二十一ありまして、一般の救急救命センターもありません、NICUもありませんというのが四十七ある。これは大学病院の話でございます。

 大学病院にお聞きをいたしますと、救急救命センターがなくても救急医療というのはおやりになっているわけでありまして、必ずしも全然そこは救急をやっていないというわけではありません。しかし、看板を上げているかどうかということを聞きますと、看板を上げていないところの方が多い。それはなぜかといいますと、看板を上げますと、それ相応の医師の数ですとか、あるいは看護師の数ですとか、そうしたものをきちっと整えなければならない。そうすると、そういう施設やらあるいは人の配置をきちっとするのがなかなか大変だということもあります。

 それから、センターをつくりますと国も県も三分の一ずつ支援するわけでありますが、県の方は、近くにセンターがありますと、大学病院をセンターに指定していないところがあるわけです。しかし、ここは、大学病院というところは医学教育をするところでありますから、そこで勉強する人に救急医療のことをしっかりと覚えていただくということをしないといけないわけですね。だから、ぜひそこは、全大学が救急医療をやっていただけるような体制をひとつできるようにしていただきたいと思うわけです。

 最後にもう一枚。

 ところが、なかなか大学病院は大変でありまして、赤字のところがふえてきておるわけであります。これをごらんいただきますと、大学病院に対します交付金は年々歳々がくがくっと減ってきているわけでありまして、そういう意味からいたしますと、大学としては、これだけ赤字が出て、もう赤字でやっていけないのに、ここに救急のセンターをつくってということになるとさらに大変だなということになってきているということがございます。

 ですから、ここは、これを文部科学大臣にお聞きをしたらおっしゃりたいことは山ほどあると思うんですが、ちょっと時間がなくなってまいりましたのでもうお聞きしませんけれども、文部科学大臣にかわりまして、これを何とかしてもらいたい。財務大臣、ぜひひとつここは何とかしていただいて、各大学病院が少なくとも救急医療の看板を上げられるようにしてもらいたい。そうじゃないと、これは日本の将来に対しましても大きな影響を与えるというふうに思いますので、ぜひそれはお願いをしておきたいというふうに思います。

 そして、医師が足りないということも影響をしているというふうに思いますが、医師が足りないということもありますので、私、二つの提案だけさせていただきたいと思います。

 一つは、クラークと申しまして、先生方が自分でいろいろな書類を書かなきゃならぬ、その書類をかわりに書いてもらう人を雇ってつけるということをすれば、先生方は診療にもっと集中してより多くの仕事をしてもらえるというので、ぜひそれをやってもらいたいというふうに思っています。

 厚生労働省の方ではこの四月あたりから中核病院ではおやりいただいているようでありますけれども、大学病院が入っていないんですね。大学病院もこのクラークがつくように、ぜひひとつお願いをしたいということでございます。これは、仕組みもちょっとはっきりしておりませんので、そこはきちっとしてもらいたいというふうに思っております。ここを何とかしなきゃならない。

 時間がないと思ったらもうちょっとありますから、それでは、今、文部科学大臣にかわってお願いしますと申し上げましたので、財務大臣に。

中川国務大臣 財務大臣という立場としては、財政が非常に厳しいということが大前提でお答えをしなければならないわけではございますけれども、先日成立させていただきました第二次補正予算、あるいは、ただいま御審議いただいております平成二十一年度本予算におきましても、救急医療対策とか医師不足対策とか、病院のネットワーク化というんでしょうか連携とかいったものは極めて重要であるという総理からの指示もいただいておりますので、そういう趣旨で、限られた財源の中でできるだけのことはしているつもりではございますけれども、やはり救急の中心である地域の大学病院にこういうものがこういうふうに減ってきているというこの図を見ますと、私としても、一人の政治家として、人間として、何とかしなければいけないのかなというふうに正直思っているところでございます。

塩谷国務大臣 坂口委員におかれましては、文部科学省のために大変御指導いただきまして、ありがとうございます。

 今、財務大臣の方から御答弁ありましたが、いずれにしましても、先ほどの表にあったような形で救命救急センターという名前を上げると、そこに対する支援が必要なものですから、なかなか県としても国としてもすべてにという状況にはない。

 ただ、そんな中で、特に最近問題になっている周産期医療についてはしっかりと予算を計上して充実させていきたいと思っておりますし、救命救急センターというこの看板を掲げなくとも、救命救急医療に対してはすべての大学で対応しておりますので、明確に打ち出す等のお話はまた今後しっかり検討して、救命救急に対して努力をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

坂口委員 医師確保の問題は、厚生労働大臣のところでかなりいろいろな点を考えていただきまして、ありがとうございます。大分進んできているように思いますし、大学の定員もふやしていただいております。

 しかし、この人たちが本当に働いてくれるのは十年先の話でございますので、今すぐどうするかという問題として、先ほど、補助員をつくって先生方に本当に医療だけに集中してもらうというふうにすることが第一。

 それからもう一つ、これは難しい問題ですから御答弁は要りませんが、看護師さんも非常に優秀な看護師さんが最近ふえてまいりまして、そして大学も充実をしてまいっております。私は、すべてのことがすべて医師の命によりということでなくても、もう少し看護師さんに分担をしてもらう分野があるのではないか、こう思っている次第であります。

 これはしかし、決めますためには、医師会の先生方の了解も得なきゃいけませんし、いろいろなかなか難しいことがあることを十分承知いたしておりますので、もう大臣の答弁は求めませんけれども、そういうことを考えていかなきゃならないときに来ているということだけは一つ指摘をさせていただきたいというふうに思います。

 最後に、時間がなくなりましたが、ワークシェアリングの話を一つさせていただきたいと思いますが、ワークシェアリングというのも、経営者とそしてそこで働く人たちとの間でいろいろ話をしていただきましても、なかなかうまく進むものではありません。前回の不況時にも大変話し合いを進めていただきましたけれども、結果としてなかなかうまくいきませんでした。そこで、これは国の方がかなり強力に主導していただいてワークシェアリングをぜひお願いしたいと思っています。

 厚生労働省の方で検討していただきましたら、例えば千名の企業があって、その中でみんなが一時間ずつ時間外労働をしていた。その時間外労働を千名が全部やめたときに、それではどれだけ非正規の人を雇えるかといいますと、一人の人の給料を二十五万として、それで二百十八人雇えることになる。二百十八人。これは計算してもらったものでありますから、そうなるんだろうというふうに思います。

 やろうとすれば私はワークシェアリングというのはできるんだと思いますし、この厳しい中に非正規の人にだけ痛みをすべて押しつけておくというのは、それはやはり許せないことだ、みんなが痛みを分かち合わなければならないのがこの不況時の特徴だというふうに思っておりまして、これからのその進め方につきまして、厚生労働大臣、御所見がありましたらお伺いをしたいと思います。

舛添国務大臣 今、委員がワークシェアリングについてお述べになったのは、委員自身が厚生労働大臣のときにこの問題にお取り組みになって大変御苦労なさったという御経験が背景にあるのだというふうに思います。

 そういう中で、御承知のように、雇用、賃金、労働時間の配分というのは、基本的にやはり労使の自主的な判断に任せるということになっておりますので、その上で、政府も関与した形で信頼関係を築きながら前に進めていくしかないというふうに思っております。

 そういう中で、今、与党のプロジェクトチームでこの問題についてはお取り組みが始まったということでございますので、与党の皆さん方の御議論をしっかりと見据えながら、政府としてどういう対応ができるのかということを考えてまいりたいと思っております。

坂口委員 最後になりますが、派遣の問題が今取り上げられておりまして、派遣法をひとつ改正してはというお話がございます。

 私もこの問題に取り組んでおります一人でございますけれども、例えば派遣の中で働く人たちの権利というものを非常に強くするということをいたしますと、一方で請負業があるものですから、そうしますと、派遣業から請負業の方に移ってしまう。経営者はそういうふうにしてしまうというところがありますので、派遣の問題もきちっとしていかなきゃなりませんが、あわせてここは請負の問題もちゃんとしていかないと、これは片方だけになってしまうという可能性がありますので、ここはぜひ総合的な取り組みが必要ではないかというふうに思っているところでございます。

 もう最後になりますので答弁は求めませんけれども、そうしたことでやらせていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 この際、上田勇君から関連質疑の申し出があります。坂口力君の持ち時間の範囲内でこれを許します。上田勇君。

上田委員 公明党の上田勇でございます。

 きょうは、麻生総理初め関係大臣の皆様、よろしくお願いをいたします。

 質問に入る前に、一つだけ御要請をさせていただきます。

 私の地元は横浜でありますけれども、横浜市はことし開港百五十周年に当たりまして、安政六年に開港されてから百五十年間、海の玄関口として、さまざまな文化やまた品物の、我が国への輸入の玄関口としても活躍をしてきたところであります。ことし百五十周年ということでありまして、いろいろなイベント等も予定をされておりまして、総理また関係大臣にも御支援をいただきますようお願いを申し上げたいと思います。

 同時に、開港百五十周年の意義も込めまして、二〇一〇年のAPECの首脳会議を横浜に誘致させていただいておりまして、超党派の国会議員、県内選出の関係議員で結成をさせていただきまして、関係大臣のところにも昨年末御要請に伺わせていただきました。総理におかれましてもぜひ前向きな御検討をいただけますように、ここで御要請をさせていただきたいと思います。

 それでは質問に入らせていただきます。

 今日、世界じゅうが、かつて経験したことのない、広範で、そしてまた深刻な経済危機を今迎えております。こうしたときには、世界各国が協力をして、政策の協調を図りながら進めていかなければいけないときであります。

 それぞれの国が、今、国内の産業、雇用を守るために、経済政策、財政金融政策、積極的な政策を総動員して取り組んでいるところでありまして、我が国としても、そうした各国の政策と協調を図りながら、この経済危機を乗り切っていくために積極的な対応をしていかなければいけないときだというふうに思っております。

 ここに来て一つ気がかりなのが、保護主義的な動きも見られているということじゃないかというふうに思います。アメリカでは、議会を中心に、公共調達などについては自国の製品を優先するというバイ・アメリカン条項、鉄鋼製品などについて今議論が行われておりますが、そうした動きも盛んになってきております。報道等で見ますと、ヨーロッパ、中国などでもそうした動きが今見られているというようなことがあります。

 これだけ経済情勢が厳しくなってきますと、当面の国内のそれぞれ雇用や産業を守るということを考えると、保護主義に走りがちなときではあります。しかし、これはもうちょっと大局的に見てみると、各国が保護主義的な政策をとると世界経済全体は縮小してしまう、そしてそれは、今のこの世界経済の回復をおくらせることになりかねないわけであります。我が国に対する影響も特に大きいというふうに思います。

 そこで、こうした保護主義的な動きが見られる中で、やはり我が国が、さまざまな国際的な枠組みの中で今こそリーダーシップを発揮していくべきときであろうというふうに思っております。

 四月には金融サミット第二回目が開催をされる予定でありますし、それまでの間にもさまざまな国際的な議論、枠組みが行われることと承知をしております。そうした議論の場で、我が国がぜひ議論をリードして、そうした目先のことにとらわれるのではなくて、大局的な、長期的な見地に立った、世界各国が協調した経済政策をとるように、我が国としてのリーダーシップが今期待されているときだというふうに思いますが、総理のお考えを伺いたいというふうに思います。

麻生内閣総理大臣 今、世界的に景気が悪いというので、各国が、保護貿易に走る、ブロック経済に走る、自国の平価を切り下げるというようなことをやると、かつての一九二九年のあの大恐慌の教訓に学んでいないということになるのではないか、ワシントンの会議で申し上げたせりふの一つです。ドーハ・ラウンドを積極的にということで、少なくとも関税障壁を引き上げるということをとめることにはなる、引き下げまでは合意に至りませんでしたけれども、そのときにはそれなりの効果があったと思っております。

 ただ、その後、いろいろな国々が、物によりますけれども、いろいろな種類の、鉄であってみたり自動車であってみたり部品であってみたりしたものを、いろいろな国々が少しずつ関税というか税金を引き上げるのが見られるというのが現実です。この間のダボスで行われた、通産大臣、農林大臣が参加されたあのWTOの会議でも、その点は多くの国々から、上げた国に対して指摘がされているという状況にあります。

 いずれにしても、こういったようなものが崩れてみんなでということになりますと、それはもとのもくあみみたいな話になりかねず、世界貿易は一挙に縮小するという可能性が出てまいりますので、日本としては、少なくともドルに対して、少なくとも我々は、今、逆に切り上がっていながらも耐えて頑張っておるところでもありますし、いろいろ、ドーハ・ラウンドの維持、一定の妥結に向けて今走っておるところですけれども、そういった努力をしていないとほかの国にも言えませんので、そういった形を今一生懸命やらせていただいているというのが現状であります。

上田委員 ありがとうございます。

 もちろん貿易の面も重要でありますけれども、今いろいろと、例えば国内での公共調達の面とかで、直接的ではないけれども、そういう保護主義的な動きも見られてきております。それは我が国にとっては非常に重大なことでありますので、これからさまざまな機会があるというふうに思いますので、そういったときには総理がぜひ議論をリードしていただいて、そうした動きが広がることがないように、最善の御努力をお願いしたいというふうに思っております。

 次に、公務員制度改革について質問をさせていただきます。

 今日、行財政改革が極めて重大、そして緊急な課題であるということは、もう申し上げるまでもないことだというふうに思っております。まず行政の無駄を徹底的になくして、その上で、今行われているさまざまな事務や事業、こうしたものも、優先度をしっかりつけながら、効率的な、そして簡素な行政システムに改めていかなければいけない。行財政改革が緊急な課題であります。

 こうした行政改革を着実、しかも大胆に推進をしていくという意味では、行政の担い手である官僚、公務員、その制度の改革も同時に行わなければ成果が十分上がらないものだというふうに考えております。

 ちょっと資料に掲載をさせていただきましたが、これまでも政府・与党では、公務員制度改革、さまざまな取り組みをしてまいりました。

 ここに資料にありますように、平成十三年十二月、公務員制度改革大綱を閣議決定して、ここから本格的な議論が始まりました。

 平成十四年には、天下りの原因の一つと言われているのが、官僚が肩たたきで早く退職するというような慣習が余りにも大きいというようなことから、退職の年齢を引き上げるということを決めて、五年間での目標でありましたけれども、ことしほぼ目標が達成できそうだというところまで来ました。

 そして平成十五年には、独立行政法人や特殊法人の役員に天下りした官僚が高額な退職金を再度受け取るという、いわば退職金の二重取りという問題、この制度を改めていかなければいけないということで、退職手当法の改正や、また退職金の算定方法の改正を行いまして、事実上、高額退職金三分の二削減をした、そういう取り組みも行いました。

 また、平成十八年には行政改革推進法を成立させまして、公務員制度改革、さらに推進をしていこうということを確認いたしました。

 それを受けて、翌十九年には国家公務員法改正をしまして、それまで、現在もそうでありますが、各役所ごとに行われてきた天下りのあっせんを廃止して、平成二十二年度までには再就職管理をすべて内閣のもとで、官民人材交流センターで一元的に行う。それから、OBが天下りを繰り返す、いわゆるわたりのあっせんも廃止をする。そして、OBによる口ききや働きかけ、そうした行為規制も随分と強化をいたしました。これによって、予算や権限を背景としたいわゆる不適切な天下りが随分改革をされるということであります。

 しかも、本日午前中の総理の答弁の方から、そうした改革をさらに前倒しして本年内に実現をするという御答弁もいただいたところであります。

 さらに、平成二十年には公務員制度改革基本法を制定いたしまして、それぞれの役所の省益にとらわれるのではなくて、国家国民全体のための政策を立案する国家戦略スタッフの創設、あるいは、人事の固定化によって活力をそいできましたキャリア制度の廃止、また、縦割りや省益優先を改めて、内閣主導を強化するための幹部人事の内閣一元化、また、専門スタッフ制や再任用制度の活用によりまして、天下りの一因でもあります早期退職慣行の是正にも役立つ等々、これ以外にもさまざまな改革を行いまして、現行の官僚制度の弊害を改革する方向性を決定してきたところであります。

 これを受けまして、きょうは、こうしたこれからの改革のスケジュールや具体的な内容を明示した工程表を公務員制度改革本部において決定した。甘利行革担当大臣にこの間随分と御努力をいただいて、この工程表がきょう決定をしたというふうに承知をいたしております。その内容に沿って、今国会では国家公務員法等の改正法案を提出して、平成二十四年度までに改革を達成するという工程表が決定をいたしました。

 今、主要なことだけを申し上げましたけれども、これまでも着実な改革を進めてきたわけでありますが、また、これからの改革の方向性も具体的に示していただいたところであります。

 これからの課題、一つには、やはりこの天下りの根絶、二つ目には、官僚主導から内閣、政治主導の政策決定、そして三つ目には、縦割りや省益優先の排除。さらに、重要なことは、総人件費、これもやはり抑制をしていかなければいけない。そうしたさまざまな課題がありますが、改革の趣旨をしっかりと実現していかなければいけないというふうに考えております。

 国民に信頼をされる公務員制度にするとともに、公務員が意欲を持って能力を十分発揮できるような、しかも、中立公正な制度でなければならないわけであります。そのためには、これからも改革を継続して着実に成果を残していくことが何よりも重要だというふうに考えております。

 総理に、公務員制度改革の意義、特に、これから改革の実行に向けての御決意を伺いたいというふうに思います。

麻生内閣総理大臣 先ほど御指摘がありましたように、本日、国家公務員制度改革推進本部におきまして、公務員制度の改革に係る工程表というものを決定したところでもあります。それに沿って、内閣人事局の設置などなど、いろいろ改革を内閣の最重要課題として前倒しに進めさせていただくという段取りが今でき上がりつつあります。関係法案を三月には提出できるようにしたいということで、この方でも動いておるところであります。

 わたり、天下りにつきましては、先ほど田野瀬良太郎委員の御質問にお答えしたとおりであります。

 いずれにいたしましても、今般の公務員制度改革というものによって、大事なことは、何となく今、役人たたきの話がえらいはやったような感じになっておりますけれども、これは極めて危険なのであって、やはり役人が国家公務員として誇りを持って働けるようにするという環境整備をしないのはいかがなものかと私自身は思っておりますので、小さければよいというものでもないということを申し上げて、私は、簡素であっても温かい政府というような、そういったコンセプトをきちんと持った上で対応すべきものだと考えております。

上田委員 ありがとうございます。

 現に今ある制度を動かしながら改革を進めていかなければいけないわけでありますから、一つ一つの課題で着実に成果を残しながら、目指すべき方向への改革をやっていかなければいけない。しかも、これは将来の我が国のあり方、それにとって極めて重要な制度の改革になるというふうに思いますので、ぜひ、総理、また甘利大臣や関係閣僚の皆様方にも引き続きの御努力をお願い申し上げます。

 以下、ちょっと具体的な施策について、何点か、関係大臣の皆様にお伺いをしたいというふうに思います。

 まず、大都市部の介護従事者の処遇と介護報酬のあり方についてであります。

 この資料の上半分、介護労働者賃金の地域間格差というものを掲げておりますが、ここには、介護労働者と全産業労働者の平均月額賃金について、上位の五県、これはほとんどが東京を初めとする大都市部であります、それと下位五県、これは東北、九州、沖縄などの地方の県がほとんどでありますけれども、平均の数字を比較させていただきました。ちょっと数字の調査方法などが違いますので、多少のずれはあるかもしれませんけれども、おおむねこういう傾向がほかの資料等でも出ております。

 大都市部では介護従事者の平均賃金が、確かに地方、下位の五県に比べると一・二三倍、一二三%あるんですが、他産業との格差というともっと大きいんですね。その結果、大都市部では介護労働者の賃金が、ここでいいますと、全産業の平均値の半分しかない、五二%しかないということがあります。もちろん地方の方でも他産業との格差は大きいのでありますが、さらに大都市部に来ると、これが広がっているということが明らかであります。

 もちろん、全産業の平均賃金というのは、それぞれの地域の生活費の水準にもある程度相関関係があるのは当然のことだというふうに思います。

 そうすると、これを見ますと、大都市部で介護に携わっている人たちの生活が本当に大変厳しいという現実がおわかりだというふうに思いますし、こうした賃金水準では、十分な人材を確保するというのは、これはもう難しいことはある意味当然なのかもしれません。

 では、事業者がもっと賃金を引き上げればいいんじゃないかと思うんですが、実はそれも厳しいんですね。

 表の下半分というのが、大都市部の事業者に対する介護保険から支払われる介護報酬の上乗せの割合を示しております。左の欄は現行制度であるんですが、東京二十三区、一番賃金水準の高いところですけれども、そこでも四・八から七・二%の上乗せしかないんです、標準に対して。特甲地というのはその他の都市部でありますが、これは横浜、川崎、大阪、名古屋など、いわゆる大都市部がほとんど、あるいは東京の二十三区以外の地域が含まれておりますが、そこでは最大六%しか上乗せがないんですね。

 上半分にあるように、大都市部と地方では、介護従事者の賃金にもっと開きがある。しかし、介護報酬の上乗せはこの程度。それではやはり事業者の方もやっていけないというのが現実であります。

 大都市部で介護事業の経営者も、もっと従業員の給料を回したいんだけれども、それもままならないというのがここからおわかりになるんじゃないかというふうに思います。

 二十一年度、今パブリックコメントに出されておりますが、この改定において、介護報酬全体で三%のプラス改正でありますし、また、地域区分の見直しによって、上乗せの比率も改善をされていますが、ここでもおわかりのとおり、これでもまだまだ不十分なのが現実であります。東京二十三区では最大一〇・五までにはなりましたが、特甲地においては若干の上乗せにとどまっているというのがあります。

 大都市部におきます介護事業の維持、また人材の確保、そこで働く人たちの処遇の改善のためにも、引き続き大都市部における介護報酬のあり方についての検討と見直しが必要と考えますけれども、厚生労働大臣、御見解を伺いたいというふうに思います。

舛添国務大臣 今、その図をもう一度ちょっと見せていただいて、今委員が御指摘になりましたように、非常に介護従事者の給与の地域差が大きいということで、大都市ほど給与費が高くなりますから、経営が圧迫させられるという状況でございますので、二十一年度の介護報酬改定では地域区分ごとの単価の上乗せ割合を見直すことにしました。

 委員の地元の横浜はその特甲地に当たりますけれども、東京二十三区ほどは上がらなかったということであります。

 ただ、これは具体的には、介護事業の経営実態調査結果を踏まえた上で、細かく地域ごとに人件費割合、それから人件費水準といった客観的なデータに基づきまして、地域ごと、サービスごとの介護報酬の一単位当たりの単価を見直して、地域やサービスの実情を介護報酬に反映させるということでございますけれども、今委員が問題提起をなさいましたように、今後の課題としましては、地域区分のあり方について検討するということを昨年十二月の審議会で決めておりまして、次期三年後の介護報酬改定に向けて、地域区分のあり方をどうするかということについて、今委員の問題意識も踏まえた上で引き続き検討を行ってまいりたいと思います。

上田委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 特に、やはり大都市部では他の産業の賃金水準が高いものですから、一たん介護に志を持って介護の仕事をしようと思っても、周りを見てみると、どうもあなたの方が給料が随分高いな、それでなかなか定着しないということがあります。一方で、事業者の方もそこは何とかしたいんだけれども、介護報酬が限定をされているので人材の確保が難しい。そういう現実がありますので、引き続きぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。

 次に、中小・小規模企業への金融支援について質問をさせていただきます。

 さまざまな対策をこれまでの経済対策の中で講じていただきました。その中で、今、多くの中小企業は、経済情勢が急激に悪化をする中で、以前からあった借り入れ、既往債務の返済が経営に本当に重くのしかかっております。そこを、返済期間を延長する、あるいは毎月の返済額を圧縮することができれば、当座の経営危機を何とか乗り越えられるんじゃないかという声が多いわけであります。

 ところが、これまでだと、条件変更を行うと、金融機関では、金融庁の方からそれは不良債権だと言われる、そして不良債権比率も上がってしまうし、事実上、追加的な融資を行うことができなくなってしまうというようなことがありました。

 昨年十二月に、金融庁では、従来の検査や監督の方針を見直して、返済条件の変更がやりやすくなるような措置をとっていただいたところであります。私は、これによって中小企業の資金繰りの支援にかなり効果があるんじゃないのかなというふうに期待をいたしております。

 しかし、残念ながら、現在のところを見てみると、金融機関や多くの中小企業に今回のこの見直しが余りよく知られてないのではないかという気がいたします。金融庁として、ぜひこの制度見直しの周知に御努力をいただくとともに、積極的にこの活用を促していただいて、この中小企業の資金繰りの応援にもう一歩力を入れていただきたいというふうに思いますけれども、中川大臣の御見解をよろしくお願いいたします。

中川国務大臣 いわゆる貸出条件緩和債権の適用のやり方を昨年十一月に変えたわけでございまして、御指摘のように、今までですと、要するに貸出条件緩和債権というのは不良債権という区分になるわけでございますけれども、そうならないように期間を延ばすということをやったわけでございます。

 これは、御指摘いただきましたように、非常に効果があるものというふうに期待をしているわけでございますけれども、周知徹底をしているつもりでございますが、これを例えば五年にして、それを知らずに三年のままで不良債権扱いにしていたとすれば、これは銀行の業務のミスということにもなるわけでございますので、その辺は引き続き、これから我々もさらに金融機関側あるいは借り手側の方々にも周知徹底をさせていただきたいと思います。

 個別には、直接、私の目安箱等もございますので、何かあればまた御指摘をいただきたいというふうに思います。

上田委員 ありがとうございました。

 次に、国土交通大臣にお伺いしたいと思うんです。

 国土交通省で創設をいたしました地域建設業経営強化融資制度、この制度は、公共工事の請負代金債権を担保にして低利の融資が受けられるというものでありまして、工事の出来高に相当する部分についてはもちろんのこと、まだ完了していない部分についても、いろいろな仕組みを使って担保として融資の対象になる。

 公共工事を請け負っても、一〇%程度の前払い金をもらった上で、その後は、工事が完了して検査を受ける、さらにその後一定期間が経過しなければなかなか代金がもらえない。しかし、その間、下請やまた資材の支払いは生じる。そういう資金繰りが大変苦しいわけであります。この制度の活用で、地域の中小、中堅の公共工事を受注している業界の資金繰り、かなり支援をできるし、さらに、やはりその下請業者に対する支払いが円滑に行えるのではないか、そういう効果を期待いたしております。

 ところが、先日伺ったら、余り実績が上がっていないということでございます。発注者であります地方公共団体、それから建設業界に対してもこの制度の周知を図っていただくとともに、ぜひ積極的に活用していただくように御努力をいただきたいと思いますが、大臣、よろしくお願いいたします。

金子国務大臣 非常に資金繰りに苦しむ中小の建設会社の金融を少しでもつけさせていただこうということで、昨年、総理の指示もありまして、この地域建設業経営強化融資制度というのをつくりました。この一月で、五百件、百三億円まで実績は上がっているんですが、まだまだ、御指摘のとおり、なかなか金回りが、使いにくいというのでしょうか、知らないという方が多いようなので、もっともっと広げて案内していきたいと思っております。

 そして、今度補正予算が出ます。補正予算を通していただいて、新たに三月末までに契約した場合に、ゼロ国債で契約する、実質お金が出ない、こういうようなときも、前受け金については金融機関の保証が受けられるように、これをさらに、今議論しているこの地域融資制度というのを、建設向けの融資制度を拡大しようという方向で、今検討を進めさせていただいております。

 都道府県あるいは建設業協会等々に、さらに周知徹底を図っていきたいと思っております。

上田委員 よろしくお願いいたします。

 従来であれば、中小の建設業者でも、公共工事の請負ができればある程度融資を受けることができたわけでありますけれども、今はそれがなかなか困難になっている。そうした資金繰りや下請への支払いを円滑にするためにも、ぜひこの制度をさらに進めていただきたいというふうに思います。

 もう時間になりましたので、きょう、あと住宅関係、また放課後児童対策などの質問を通告させていただいておりましたけれども、ここで終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

衛藤委員長 この際、石井啓一君から関連質疑の申し出があります。坂口力君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石井啓一君。

石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず最初に、景気対策の全体像についてお伺いいたしたいと存じます。

 昨年十月十六日に第一次補正予算が成立をいたしました。一月の二十七日には二次補正予算が成立をいたしました。そして、ただいまは来年度の当初予算を審議しているところでございますが、この三段階で総額七十五兆円の景気対策が実行されているわけでございます。ちょっとパネルで説明を申し上げたいと思います。

 七十五兆円のうち、財政措置として十二兆円、金融措置として六十三兆円、合計七十五兆円の対策でございますけれども、生活者支援、雇用対策、中小企業支援、地域活性化と、実にさまざまな対策がこの中に盛り込まれております。

 例えば二次補正で申し上げますと、定額給付金二兆円のほかに、社会保障関係では妊婦健診の無料化。現在、五回分は地方財政措置されておりますけれども、本来十四回分必要だ。プラス九回分のうち、半分は国が補助する、残り半分を地方で負担をしていただくということで、十四回全部無料化していこう。

 あるいは、子育て応援手当。これは一年限りの措置でございますが、第二子以降で、小学校に上がる直前の三カ年間の子供さんに年間三万六千円の支給をする。そういう子供さんですと、定額給付金が二万円行きますから、五万六千円行くということになります。

 それから、介護人材の確保で、介護報酬を三%引き上げるわけでございますけれども、それに伴う保険料の抑制を行う。

 また、雇用対策でいきますと、自治体による雇用創出四千億円。これは、基金として積みまして、民間企業へ委託をして雇用をつくる、あるいは自治体がみずから臨時職員として採用するということで、四千億円の基金で二十五万人のつなぎの雇用を生み出していこう、こういう対策も盛り込んでいます。

 中小企業支援では、一次補正で緊急保証六兆円、セーフティーネット貸し付け三兆円、合計九兆円の資金繰り支援。これで、昨年の年末越えで多くの中小企業の皆さんに御利用いただいたわけでありますけれども、この二次補正では緊急保証六兆円を二十兆円に、セーフティーネット貸し出しは三兆円を十兆円、合計三十兆円に拡大をするわけであります。それから、金融機関への公的資金の注入枠も二兆円から十二兆円に、十兆円増加をいたします。

 それから、地域活性化交付金六千億円。これは、特に過疎地等の条件の悪い地域に優先配分をしております。さらに、高速道路料金の大幅値下げ五千億円。ETCを活用した引き下げでございますけれども、これで実行されれば、土曜、日曜、祝日の地方の高速道路はどこまで走っても最大千円で行ける。それから平日については、今、朝夕は通勤割引しておりまして、深夜も割引しておりますけれども、平日の昼間も三割引きをやるということで、これは非常に効果があると思います。

 ちなみに、私の地元の茨城県の水戸から青森まで行きますと、現在片道一万二千五百円かかるんですけれども、これが実行されれば千円で行けるということでございますので、地域の交流の活性化、観光振興ということで大きな効果があるというふうに期待をされるわけでございます。

 それから、来年度の当初予算でいきますと、これは通常の予算に加えて、景気対策として上乗せをいろいろやっています。住宅ローン減税、過去最大規模。一般の住宅ですと十年間にわたって合計五百万円の減税、いわゆる二百年住宅ですと六百万円の減税までいきます。環境対応車、これはハイブリッドですとか電気自動車ですとか、あるいは排ガス、それから燃費のいい車について自動車取得税、自動車重量税、全くゼロにするというところから七五%軽減、五〇%軽減ということで、大幅な軽減をやっております。

 雇用保険料の〇・四%の引き下げ、これもやります。これは一年間限りでありますけれども。

 省エネ設備の投資促進税制、省エネ・新エネ設備を投資した場合、即時償却を行う、初年度に全額経費を算入する。あるいは中小企業減税ということで、中小企業の法人税の軽減税率、今二二%を、これは二年間の時限措置でありますけれども、一八%まで軽減する。また、中小企業の繰り戻し還付制度、これは恒久措置として繰り戻し還付制度をやる。黒字から赤字に転落した企業ですと前年度に納めた法人税の一部を取り戻すことができる、こういうこともやっています。

 それから、雇用創出のための交付税増額一兆円、この中では雇用創出だけで五千億円やる。あるいは道路特定財源の一般財源化に伴って、九千四百億円、新たな交付金。経済緊急対応予備費一兆円。また、学校の耐震化もずっとやっていまして、一次補正、二次補正、来年度当初予算で合計約二千八百億円、学校の耐震化もやっている。

 実にさまざまな対策をやっているんですけれども、残念なことに余り知られていないんですね、これが。二兆円の定額給付金ばかり注目されて、残念ながら、ほかのことが余り知られていないということがございまして、まず景気対策の全体像をぜひ国民の皆さんにわかりやすく説明をいただきたい、大いにPRをしていただきたいと思います。総理の御答弁をお願いいたします。

中川国務大臣 まず、石井委員から大変わかりやすくテレビの前で御説明をいただいたことを私の方から御礼申し上げます。

 去年の前半は、大変な物価の上昇という異常事態でございました。後半は、世界的な経済、金融の危機という中に日本も巻き込まれて、今、急速に日本の経済あるいは暮らし、雇用等が悪化をしているわけでございますので、これは間断なく、第一次補正、第二次補正そして御審議いただいております来年度本予算という中で、総額七十五兆円規模、日本の場合には金融破綻はございませんが、欧米では現在も金融破綻が続いておるというのに比べて、日本はそういう状況にはないにもかかわらず、各国に遜色ない、あるいはまさるとも劣らないような対策をいわゆる縦横十文字でやっているつもりでございます。

 ただ、PR不足だという御指摘については、本当に御指摘を重く受けとめていかなければいけないと思っております。これからも、これはぜひ活用していただきたい、中小企業の方々も、あるいは中小金融機関の方々も、あるいは生活、雇用で困っている方々も、ぜひ活用していただきたいという意味で、これからも政府を挙げて御説明に努めていかなければいけないというふうに考えております。

石井(啓)委員 ちなみに、野党の皆さん方は、定額給付金の二兆円を雇用対策とか社会保障だとかあるいは学校耐震化へ回したらどうかとおっしゃっていますけれども、この七十五兆円の対策の中でそれは全部すべてやっています。ですから、我々は、それも当然やるし、家計の支援の定額給付金もやらなければいけない、こういうことを御参考までに申し上げておきたいと思います。

 続いて、テーマをかえますけれども、総理の施政方針演説の中で、混乱を乗り越えたときに社会が進化します、危機はむしろ飛躍するための好機であります、こういうふうにおっしゃっておりまして、私もそのとおりだというふうに思っております。この未曾有の金融危機、大不況を乗り越えて難局を打開した後には、明確なビジョンのもとで築かれる新しい日本の姿形が見えてくるということが重要だというふうに思っております。

 私どもの太田代表が先日の本会議の代表質問で、日本を救う希望の戦略として、環境、社会保障、農業、社会資本整備そして教育、この五つの分野の将来展望に言及をいたしました。ここでは、そのうち、まず環境・エネルギー分野を取り上げたいと思います。

 アメリカのオバマ大統領は、十年間で一千五百億ドル、一ドル九十円で換算しますと十三・五兆円、これをクリーンエネルギーに投資して五百万人の雇用を生み出すというグリーン・ニューディール構想を提唱されていらっしゃって、世界各国でもグリーン・ニューディールの取り組みが始まっております。こうした中で、我が国でも、斉藤環境大臣が総理の指示を受けて日本版グリーン・ニューディールの検討を進めておるということは、まことに時にかなったことだというふうに思っています。

 私ども公明党は、今の環境ビジネス、市場規模七十兆円、雇用者数百四十万人、これを今後五年間でそれぞれ百兆円、二百万人まで拡大するよう、こういう提唱をしているところでありますけれども、斉藤大臣に、日本版グリーン・ニューディールについて政府の取り組みをお伺いします。

斉藤国務大臣 グリーン・ニューディールの基本的な考え方は、これまで対立概念でありました経済成長と地球温暖化対策だったわけですけれども、そうではなくて、地球温暖化対策をこれからの経済、この経済の危機を乗り越えるばねにしていこう、地球温暖化と経済の活性化を両方行っていこうというのがグリーン・ニューディールでございます。

 今般、私、麻生総理のお供をしてダボス会議に参加させていただきました。地球温暖化セッションに参加しましたけれども、各国のリーダーから、このグリーン・ニューディールについて我が国でもやるという表明があったところです。こういう経済危機だからこそやると表明がございました。

 その中で私がびっくりしたのは、日本は既にグリーン・ニューディールをやっているではないか、世界一の環境技術を使って世界一の経済効率をつくり出している、我々は日本に学びたいんだというような声も結構あったということをぜひ御紹介したいと思いますが、しかし、よく見ますと、最近、日本のこのエネルギー効率向上の技術は非常にもたもたしてきております。うかうかしていると追い越されるということで、追い越されないように頑張らなきゃいけないということだと思います。

 今般、麻生総理の指示を受けまして、日本版グリーン・ニューディール、緑の経済と社会の改革ということで、今多方面から意見も伺っておりますし、有識者との会議も重ねているところでございます。最高水準である太陽光発電、それから次世代自動車、そして原子力、こういうものをしっかりとその技術を伸ばしていく、また、地域分散型電力であります小水力ですとか風力、そして森林吸収源対策、農地吸収源対策、これらによって雇用をしっかり確保していく、経済の活性化と雇用を確保していくということを頑張ってやっていきたいと思います。

 もちろん、環境省だけではできません。関連省庁、特に経済産業省、国土交通省とよく連携をとりながら進めていきたいと思っております。

石井(啓)委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、特に今後有望視されます太陽光発電について取り上げたいと思います。

 昨年七月に閣議決定をされました低炭素社会づくり行動計画においては、太陽光発電システムの導入量を二〇二〇年に現在の十倍、二〇三〇年に四十倍にする、さらに、三から五年後には太陽光発電システムの価格を現在の半額程度にするということが目標とされていまして、補正予算、来年度予算では、補助金、税制で導入拡大が図られています。これはちょっとパネルで御説明申し上げたいと思いますけれども、住宅、これは戸建て住宅ですね、それと住宅以外。補助金、税制でかなりの措置がとられようとしています。

 まず補助金について言えば、住宅で、これは今、一キロワット当たり大体七十万円ぐらい設置費用がかかるようでございます。一家庭で三キロワットから三・五キロワットでございますので、設置しようとすると大体二百十万円から二百五十万円かかる。その補助金としては一キロワット当たり七万円、約一〇%補助するということで、一家庭当たり二十一万円から二十五万円の補助になります。これは、一次補正でこの補助金を再開しました。かつてやっていたのを、一たん途絶えましたけれども、改めてやる。一次補正では九十億円、三万五千戸分、二十一年度予算では二百一億円、八万四千戸分の予算を確保しています。

 それから、税制では、新築住宅の場合、この太陽光発電も含めて住宅ローン減税の対象になっておりますし、改築の場合は、改築は自己資金でやるケースが多いんですが、省エネ改修工事の中に太陽光発電を設置した場合も投資減税の対象としまして、工事費用の一〇%を税額控除する。この工事費用の上限は三百万円までになっています。そうしますと、改築の場合ですと、補助金と税制で合わせて二〇%ぐらいは公的な支援が受けられるということになります。

 それで、今、一キロワット当たり大体七十万円ぐらいの設置費用ですけれども、先ほど申し上げましたように、供給コストが今後、数年後、三年から五年後にこれが半分になれば、百万円ちょっとで設置ができるということになりますので、これは大いに導入拡大が期待をされるわけであります。

 それから、住宅以外も、補助金でいえば、公的機関や非営利団体が設置する場合、また民間事業者でも地方自治体と連携して設置する場合は二分の一の補助、それ以外でも三分の一の補助、二十一年度予算で三百六十四億円積んでいます。それから税制でも、中小企業では七%の税額控除、それから即時償却も選択ができる、固定資産税も三年間三分の二の軽減、こういうことで大いにやっていこうと。平成十六年に太陽光発電の導入量が世界一の座をドイツに奪われたようでありますけれども、それを奪還するということで今進めていらっしゃるというふうに考えております。

 公明党の地球温暖化対策本部におきましては、先日、総理に対して、太陽光発電については政府の目標をさらに前倒しをして、五年で現在の十倍、二〇二〇年までに二十倍ということで、そういう提言を行いました。公明党の提言を真剣に受けとめていただいて、太陽光発電の積極的な導入拡大を進めていただきたいと思います。

 総理の御答弁をお願いいたします。

麻生内閣総理大臣 今おっしゃいましたように、二〇二〇年までに現状の十倍、二〇三〇年に四十倍という高い目標を掲げておるのはもう御存じのとおりであります。それでいきますと、二〇二〇年には新築持ち家住宅の約七割に太陽光発電というものが導入される計算になりまして、極めて高い水準を目標にいたしております。

 この目標の着実な実施というのが大前提なんですけれども、今いただきました御意見というもの、それのさらに倍ということになりますので、これは結構、太陽光発電というものが、それだけいきますと価格はかなり下がるかなという部分もないわけではありません。そういった意味では、導入拡大というのは、価格が下がればさらに広がる可能性はあるということだと思いますので、今こういったようなものの検討をさせていただきたいと思っております。

石井(啓)委員 特に需要サイドにおいて、住宅や企業に加えて、公立の全小中学校に太陽光発電を導入することが重要だと思っています。

 といいますのは、小中学校に太陽光発電を設置するということは、防災拠点の機能強化につながるわけですね。災害時には電力供給が途絶えることもありますから、太陽光発電装置、それに加えて蓄電池を設置すればよりいいわけですけれども、自前の発電装置を持っているというのは非常に大きい。また、学校における環境教育に活用できる意義もあるということで、今耐震化を非常に積極的に進めていただいているわけでありますけれども、この耐震化とあわせて、小中学校への太陽光発電の導入も進めていただきたいと思います。

 文部科学大臣の御見解をお願いします。

塩谷国務大臣 ただいま石井委員からお話しいただきましたように、学校施設においての環境を考慮した施設づくりを図ることは環境教育に大変重要だと思っておりまして、特にエコスクール整備に対して国庫補助を行っているところでございます。平成二十年度第一次補正、そして第二次補正、さらには二十一年度予算について、今お話ございましたような、耐震とあわせてエコ改修をすることを国庫補助の予算として計上しているわけでございます。

 また、私からも、学校での耐震化加速にあわせてエコ改修の推進を要請しているところでございまして、今後もこの推進に努力をしてまいりたい。同時に、太陽光発電の導入拡大については、昨年の十一月に、太陽光発電の導入拡大のためのアクションプランのもとに政府全体で取り組み、また、日本版グリーン・ニューディールの政策を進めるためにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

石井(啓)委員 よろしくお願いいたします。

 小中学校に続いて、道路とか鉄道ですとか港湾とか空港とか、役所の庁舎とか公営住宅、こういった公的施設についても少しずつ設置事例がふえているようでありますけれども、導入の推進をしていただきたいと思います。

 国交大臣の御見解をお願いいたします。

金子国務大臣 公共施設等につきましては、先進的に国の庁舎、それから公営住宅への導入、高速道路、駅、港湾、空港ターミナル、近場では羽田空港の貨物ターミナルの屋根に設置をさせていただいておりまして、二〇一〇年の秋に完成すると。あるいは、同じく近場では、浮島にある産業廃棄物の埋立処分場にこの施設、太陽光発電を設置させていただいて活用する、これは二〇一一年完成予定であります。

 こういった大きなスペースに、公的な部分、高速道路、駅等々も含めて大きな施設に導入していく、そのために経産省、文科省、環境省とも連携しながら進めさせていただきたいと思っております。我々も期待している分野であります。

石井(啓)委員 新たな公共投資として、ぜひ積極的に推進をお願いしたいと思います。

 それでは、環境・エネルギー分野に続いて、農業・食料分野を取り上げたいと思います。

 農業の再生、これは地域の活力の再生のためには極めて重要でございます。また、世界的な食料危機が懸念されるわけでありますが、当面、食料自給率五〇%への向上、これは必要でございます。

 ちょっとパネルで御説明申し上げたいと思いますが、これはカロリーベースの食料自給率、左側が昭和四十年度、右側が平成十九年度、この間四十二年間たっています。一日のカロリーベースをどういう食料でとっているかという構成比が出ていまして、ピンク色の部分が自給している部分です。水色の部分が輸入をしている部分でございます。昭和四十年度は、一日のカロリー一人当たり二千四百五十キロカロリーで、自給率は七三%でございました。現在では、一日二千五百五十一キロカロリーで、自給率は四〇%まで下がっています。

 これを比較してみてわかりますのは、国内で自給ができるお米を食べる量が極めて少なくなったということでございます。昭和四十年当時は、一日のカロリーのうち、お米で大体四四%ぐらいとっていたんですけれども、現在では二三%程度、半分ぐらい減ってしまっているというのがございます。

 さらには、畜産物ですね。これは、四十年当時は六%ちょっとだったものですが、今は一五%ちょっとまでふえている、二・五倍ぐらいふえているんですけれども、国内で牛、豚、鶏等を飼育しておりますが、輸入飼料で育てると、その分は自給率に換算されないんですね。パネルで黄色の部分が輸入飼料による生産部分ですが、これは自給率にカウントされません。したがって、ここで自給率が落ちているというのもございます。

 それから、油脂類、これは食用の油ですけれども、これもたくさんとるようになった。これも輸入の原料が多い。こういったことで自給率が下がっているわけでございます。

 したがって、自給率アップのためには、一つは、やはりお米の消費量をふやしていくというのがキーポイントになるだろう。それからもう一つは、畜産物で国内の飼料をふやしていく、これも非常に重要ではないか、こういうふうに思っております。

 そこで、まずお米の消費拡大でありますけれども、これは米粒として食べるのも拡大していかなきゃいけませんが、お米を粉として利用する。小麦粉にかわって、パンやめん類やあるいはお菓子等ですね。今、大手のコンビニエンスストアでも米粉パンというのが販売されていますけれども、米を粉として利用する、その利用促進を図るべきだというふうに思っております。

 取り組みを農水大臣にお伺いしたいと思います。

石破国務大臣 米粉の利用拡大についてであります。

 二十一年度予算で、米粉用米等の生産者に対しまして、十アール当たり五万五千円の助成を行いたい。あるいは、米粉やその加工品、パンでありますとか、めんでありますとか、その製造施設の整備に対する助成を行いたいと考えております。また、米粉製造設備等を取得した場合の税制上の特例措置、これを創設したいということであります。

 今、山本理事なんかがおっしゃっておられますが、米粉を使ったギョーザの皮というのはえらくうまい。あるいは、そろそろ二月十四日という日がやってきますが、米粉でケーキを焼くと、これがまたえらくおいしいということがございまして、米粉のいろいろな用途を考えてみなきゃいかぬと思っています。

 ただ、今、町中のスーパーマーケットに委員がいらっしゃって、米粉ありますかと言って、ありますよというところが余りないんだと思っているんですね。そこのところをうまく回っていくようにしなきゃいかぬと思っておりまして、需要と供給、そのあたりのマッチングも図っていきたい。

 委員おっしゃるように、米粉を使うということを我々は重視していきたい。あわせて、えさ米、こちらを重視して、やはり水田というものを有効活用する、フル活用する、重点を置いてまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 続いて、お米の消費拡大で、学校の米飯給食についてですけれども、これは相当進んできておりまして、現在、全国平均で週三回まで実施されているようでございます。頑張っていただいているところですけれども、さらに推進してはどうかなというふうに思います。文部科学大臣の御見解を伺います。

塩谷国務大臣 米飯給食につきましては、昭和六十年度以降推進をして、今委員がおっしゃったように、週三回ということで十九年度に達成したところでございます。また、この米飯給食については、食文化等の教育的意義があるということで今後も進めたいと思っておりますが、いずれにしましても、米飯給食の今後のあり方について、改めて、地場産物活用推進に関する協力者会議というものを設置して、そこで検討をしておりますので、いわゆる自給率の問題もあわせて今後検討をして、推進をしてまいりたいと思っているところでございます。

石井(啓)委員 最後の質問になると思いますが、先ほど言いましたように、自給率アップのためには畜産物の飼料で国産の飼料をふやすということがポイントですけれども、飼料用稲、この栽培の促進というのがポイントになると思います。

 これは、主食用の米をつくるわけではありませんから、減反の対象の休耕田を活用できるという意義がございますし、また既存の主食用のお米の機械をそのまま使うことができるというメリットもございますし、あるいは、麦とか大豆、転作を奨励していますけれども、それに向かない水はけの悪い田んぼでもこれは栽培可能だ、こういうメリットもございます。

 飼料用稲の栽培促進ということで、農水大臣に取り組みをお伺いします。

石破国務大臣 随分と皆様方のお力をいただきまして、平成十六年から二十年までの五年間の間で、ホールクロップサイレージ、稲発酵粗飼料は倍になりました。また、飼料用米につきましては、四十から千六百ヘクタール、四十倍になっておりますが、まだ点でしかないという認識を持っております。

 やはり稲しかつくれないねというところはたくさんありますし、それが自給率を向上させるのに一番いいことは間違いないのだし、いざとなったら食用米にすればいいのだから、これを全面的にやってまいりたい。

 一番ネックになっておりますのは、主食用に比べて販売価格が低い、生産コストが賄えない。そのことに加えて、流通、加工施設の条件整備が不十分である。このようなネックがあることはよく承知をしておりますので、ここに重点を置いてさらなる生産を図ってまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 もう時間ですので質問は申し上げませんけれども、最後に、今、農水省で平成の農地改革を進められようとしております。従来の、耕作者がみずから所有するという考え方を改めて、所有から利用へということで、農地を貸しやすく借りやすくすることによって、貸借を通じた農地の有効活用を図っていこう、これは非常に重要なことだと思います。農業を産業として育成して、意欲のある個人、法人問わず、積極的に農業に参入していただこうということでは重要な改革だと思っておりますので、ぜひ促進をしていただきたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

衛藤委員長 これにて坂口力君、上田勇君、石井啓一君の質疑は終了いたしました。

 次に、細野豪志君。

細野委員 民主党の細野豪志でございます。麻生総理そして閣僚の皆さん、よろしくお願いいたします。

 私からは、もう午前中もかなり議論になりましたが、わたりの問題、天下りの問題、この問題を中心に議論をさせていただきたいというふうに思います。

 資料は手元に届いていますでしょうか。まず一番初めのパネルをごらんいただきたいと思います。「「渡り鳥人事」禁止へ」という新聞記事がこちらにございます。横の棒を引いてありますが、「福田首相ら政府首脳は近く渡り鳥行為の実態調査を行った上、閣議で全面禁止措置を正式決定する意向である。」。

 総理、ごらんいただけますか。この新聞記事、総理、いつの新聞記事だと思われますか。この福田総理というのが一体だれかということなんですが、これは福田赳夫総理。一九七七年、今から三十二年前の日経新聞の記事なんですね。これは総理にも申し上げたいし、自民党の皆さんに申し上げたいんですが、このときからわたりは問題になっていて、三十年以上にわたってこの問題を放置してきた政府・自民党というのは、一体これは何なんだということをまず指摘したいというふうに思います。

 きょうの午前中、総理の方から、わたりについては新たな答弁がありました。それ自体は、何らかの決意を示したものとしては評価をしたいと思います。ただし、今の天下りの実態を考えれば、本当にこれでわたり、天下りを禁止できるのか、私は極めて疑問だと思っています。加えて、あとは禁止のやり方ですね。本当にこれで天下りがなくなるのか、このやり方についても、私は、やり方を含めて疑問に思っています。

 総理に確認をさせていただきたいんですが、まず、平成十九年に通った国家公務員法の改正は、この法律によると、三年間は天下り、わたりを認めているという解釈を、我々はわたりについてはこれは認めていませんが、政府はそういう解釈をしているということでよろしいですね。

麻生内閣総理大臣 今御質問のありましたのは、三年以内の経過期間中ということだと思いますので、三年以内の経過中は認められておると理解をしております。

細野委員 その法律に基づいて、十二月二十五日の、去年のクリスマス、私はこれは国民に対する最悪のクリスマスプレゼントだと思っていますが、政令を出されて、職員の退職管理に関する政令、これも天下りとわたりを三年以内は認める政令になっていますが、これも法律に違反していないというふうに考えておられるということでよろしいですね。

麻生内閣総理大臣 三年以内の経過期間中は認められておる、今御答弁申し上げたとおりです。

細野委員 これまでたび重なるこうした答弁があったわけでございますが、きょう突然、一年以内に天下りとわたりを廃止する政令を出すというふうに総理は答弁をされましたね。これは、この退職に関する政令をそのまま放置して新しい政令を出すということのようですが、この二つの政令の関係は一体どういう関係になるんでしょうか。

麻生内閣総理大臣 具体的に申し上げれば、明確にするために、わたりと天下りのあれは三年としておりますけれども、ことしいっぱいで廃止をするというための政令をつくるようにいたしたいと考えております。よろしゅうございますか。

細野委員 去年出した政令では、三年以内は天下りとわたりはオーケーとしたわけでしょう。それと対立する政令を出して、どうやってその問題を解決できるんですか。

麻生内閣総理大臣 後に出る政令の方が優先するということにルールでなっております。

細野委員 去年出した政令をきちっと訂正して出し直すのが当然筋でしょう。この一年間とりあえず、格好悪いからこのまま置いておいて、来年で上塗りしますなんという話は、こんなのは通用する話じゃありません。ことし以内、一年以内ですね。これは通用する話じゃないですよ。きちっと政令を出し直したらどうですか。

麻生内閣総理大臣 格好がいいとか悪いとかいう種類の話で考えられない方がいいと思います。

 基本的には三年以内のものを一年でやらせていただくと申し上げております。

細野委員 総理、この二つの政令の関係を説明してくださいということを申し上げているんです。総理自身がきょう唐突にこの政令を提案されたわけです。これまで言ってこられたことを、全く方針を転換して出されたわけです。一月の予算委員会では、枝野幸男委員の質問に対して、わたりについては例外もあるということを答弁されているんですよ。わずか一カ月前です。それを撤廃してここで政令を変えるには、この関係をきちんと説明してくださいということを申し上げているんです。

麻生内閣総理大臣 一年というのは三年以内です。三年以内と書いてあるわけでしょう。一年というのは三年以内ですから、別に事を荒立てるような話ではないと存じますが。

細野委員 今の政令をきちっと変えるのが、これが筋ですね。

 もう一つ申し上げます。総理、一昨年の国家公務員法の改正をするときにさんざんこの議論はしたんですよ。政府はどういう答弁をしていたかと申し上げると、三年間は激変緩和措置で省庁のあっせんが必要なんですと法律の議論をするときにさんざん答弁を続けてきたんです。これは、法律をつくるときの議論で積み重ねられてきた答弁の蓄積なんですよ。そして、わたりについては、これは法律的に認められると総理も何度も答弁をされているんですよ。

 これだけの答弁の積み上げがあって、そして制度を変えるのであれば、解釈を変えるのであれば、法律を出し直してくださいよ。当然でしょう、それは。当然、法律を出し直して書けばいいじゃないですか、一年以内で天下りをやめると。わたりは即時にやめると書いて法律を出せばいいじゃないですか、正々堂々と。どうですか。(発言する者あり)

衛藤委員長 静粛にお願いします。ちょっと静粛にお願いします。

麻生内閣総理大臣 委員長はこちらだと思いますので、指しているか指さないかはこちらが決める。余りやっていると、質問が、もう一回、忘れちゃうぐらいいろいろ言われるので、ちょっと静かにするように言っていただけませんか。

 三年以内に長い経緯があるというのは、我々もいろいろな形で、少なくとも役所の中において、定年の前に勧奨退職を求めるというこれまでの長い間の習慣、慣習というものがありました。それに基づいて、肩たたきと称されるいろいろな慣行というものがこれまであった。もう御存じのとおりです。

 それを、この際、天下りとしていかがなものかということになりました。そこで、それでいきますと、定年まで任期いっぱいということになりますと、これは民間でも同じですが、巨大な経費、いわゆる定年延長ということにもなりましょうから、人件費などなどいろいろかかる。したがって、早目に退職をしてもらう。これは、民間でも、子会社に出向などなどいろいろな例があるとおりです。

 役所ではこれまで、天下りと言われる、いろいろな団体に出てきておられるのでありますので……(細野委員「もうちょっと聞かれたことに答えてください」と呼ぶ)だけれども、説明させていただかないと。いろいろほかのも言葉がおありになりましたので、説明させていただかぬと。

衛藤委員長 発言は委員長の指示に従ってください。

麻生内閣総理大臣 そういった形にきちんとさせていただくに当たっては、これまでのものを人材センター、交流センターみたいなものできちんとした対応をしていくためには、これまでと関係ない人が来て、そこに行きますと、会社にいた人がその会社の人を人事のあっせんをするのではなくて、全然第三者があっせんするということになりますと、これはかなりなものがかかるであろう、常識的にそう考えましたので、三年はかかるというようにこれまでずっと答弁をしてこられたんだ、私はそう理解をしております。

 したがって、昨今いろいろ言われますので、私どもは、これはしゃにむに一年でやってみろという話を申しているのであって、私は、これはぜひやってもらいたいと思って、新たにこの一年以内で、三年以内と書いてありますので、我々はそれを前倒しにして一年でやるということを申し上げておるところであります。

細野委員 総理、一昨年、さんざんこの議論はしたんですよ。どうやって天下りを少なくするか、わたりをやめるかという議論をしたんですよね。そのときに積み上げられた議論を政令で全部ひっくり返すなんということは、立法府としては認めるわけにいかないんですよ。

 後ろの官僚の皆さんが、きのうから苦労されてきょうに向けて必死に考えたんだと思いますよ、ここで政令で打ち消せるんじゃないかと。そういうこそくなやり方をせずに、総理としてやめるべきだというならば、法律の解釈を変えるんだから、法律そのものを変えて国会に出し直すべきじゃないですかということを聞いているんですよ。それが立法府としての役割でしょう、総理。

麻生内閣総理大臣 私は、内閣総理大臣としてここで御答弁をしていると思いますので、行政府を預かる立場として答弁をさせていただく立場。これはぜひ混線しないでいただきたいと存じます。

 加えて、三年以内ということを書いておりますので、一年は三年以内だと存じます。

細野委員 自民党の皆さんはやじっていますけれども、こういう法律を政令で解釈をちょこちょこ変えてやっていくというのは立法府の自殺行為だと思いますよ。これは麻生総理のやり方のようですが、わたりそのものも政令で認めるという形をとった、そして、今回のこの政令についても新たに出して、そしてこのこそくな方法をとる、これが総理のやり方ということのようでございますから、私どもは、法律を出すことを提案したいというふうに思います。我々はもう既に法案も出していますから、何度も。そのやり方そのものについては、私は極めて問題が多いということを指摘しておきたいというふうに思います。

 そして、もう一つ私が指摘をしたいのは、仮にそういう政令を出しても、今のわたりの実態を考えれば、そんな簡単にわたりそのものがなくなるわけではないということを説明させていただきたいと思います。

 次のパネルをごらんください。総理、二枚目の資料をごらんください。

 これは、数年前に私が元水産庁長官のわたりを調べたときの資料です。構造改善局長をお務めのこの方が、水産庁の長官をおやめになって、一番初めに再就職したのが海外漁業協力財団の理事長。ここは、年収でいえば、一番少なく見積もって、過去はもっと高かったと思います、今の給与水準で見積もると千八百万の年収です。そして、退職金は千六百万。四年六カ月で千六百万ですから、年収ベースに直すと二千万を超える給料をもらっていると言ってもいいと思います。

 そして、二つ目に地方競馬全国協会の会長。ここも、年収でいえば約千九百万。ここでも六千二百万の給料をもらっている。水産庁長官で退職金をもらったその後も含めて、この六つの天下り団体すべてについてあっせんがあったということをこの方はお認めになっています。合計で、一番少なく見積もって、控え目に見積もって、三億二千五百万円の所得をこの方が得られているということであります。

 わたり、天下りのもう一つの問題点は、こういう天下り団体に対して必ずお土産がついてくること。それぞれこの団体については補助金なり交付金なり何らかの形で公金が回っているという、この問題がある。これは一つ指摘をしておきたいというふうに思います。

 ちなみに、あえてS氏を弁護する意味で申し上げると、私は何人かの天下りの、わたりの方を調べましたが、例えば建設省の事務次官経験者の方でいえば、五億円以上もらっている方も決して少なくありません。ただ、そういう方々は、わたりである、あっせんがあったということを白状されていない方もいらっしゃいます。だからこの六回が新記録になっているという実態なんですね。

 まず農水省の政府委員に聞きたいと思いますが、これは六つの天下り団体を転々としているんですが、どういう経緯でこのあっせんがなされたのか、政府委員に聞きたいと思います。

佐藤政府参考人 御説明を申し上げます。

 この元水産庁長官につきましては、それぞれ、退職の時期を迎えまして、団体から、適当な人物がいないだろうかというような、庁に対して適当な人物の御紹介の依頼がございまして、それに際しまして、私どもの方から資料をお渡しいたしまして、それぞれの就職が行われたわけでございます。

細野委員 ちょっとちっちゃい声で、余り皆さん聞こえなかったかもしれませんが、依頼があって、それにこたえる形で就職のあっせんをしました、そういう答弁でしたね。よろしいですね。

 この方、テレビ取材に結構答えておられまして、その中でこういうふうにコメントされているんですね。農水省から、そろそろかわってもらえないかという言い方ですね、はっきり言うとと。つまり、農水省の方からかわってくれという話があって、そして天下り先を転々としたというふうに御本人がおっしゃっているんですよ。農水省としてはこれを認めますか、認めませんか。

佐藤政府参考人 御説明を申し上げます。

 再就職のあっせんに当たりましては、人材を求めている団体等の要請に応じまして人材に関する情報の提供を行っておりますけれども、その際、本人の意向を事前に確認した上で、団体等への情報提供の可否を判断しておりまして、このような意向確認のための当時の人事担当者のやりとりを、氏がテレビで発言したような趣旨で受けとめた可能性があるのではないかと推察しているところでございます。

 以上でございます。

細野委員 こうもおっしゃっているんですよ。だから三年ごとになっているでしょう、言われたとおりにやっているからと。言われたとおりにしていると本人がおっしゃっているんだから、農水省の方からそういう話をしたんでしょう。これはちゃんと素直に認めないと、この人だけ悪者になっちゃいますよ。どうですか。

佐藤政府参考人 御説明を申し上げます。

 重ねての答弁でまことに恐縮でございますけれども、私どもの方に団体の方から、適当な人物がいないだろうかという要請がございまして、その中で候補者についての御紹介、資料の提供等を行っているところでございます。そういう過程を通じまして、そうした団体がみずからの判断として長あるいは役員としてお迎えになったというふうに理解をしているところでございます。

細野委員 農水省としては、あくまで団体がそれぞれ要望をしてきて、依頼をしてきて、それに個人の意向も確認をして、そして再就職された、そういう御答弁ですね。

 では、ちょっと次のパネルをごらんいただきたいと思います。

 これは、今御説明をした、六つの天下り団体を転々とした新記録保持者のS氏の前の人がだれなのか、それぞれ六団体に関して、前任者がだれなのか、そして後任者がだれなのかというのを調べた図でございます。これを出させるのに関しては、農水省は相当抵抗しました、率直に言って。なかなか出してもらえませんでした。ようやく出てきたのがこれです。

 大前提として、当然、これは予想されていたことでありますけれども、その前任者も後任者も農水省のOBです。前任者は、構造改善局長が五団体、これは、御本人も、水産庁長官でやめる前に構造改善局長でしたからそこに天下っておられるわけですね、水産庁長官が一人。後任者も、例えば構造改善局長であったり、次官であったり、農水省関係者。

 注目をされるのは、この六団体のうち四つの団体は全く同じ人が前任者なんですよ。総理、これはどういうことだと思いますか。

 わたりというのは、渡り鳥に例えられて表現をされてきたわけです。渡り鳥というのは、同じ種類の渡り鳥は大体同じところを渡るんですよ。これが構造改善局長の渡り鳥のまさにわたりルートであって、それを転々と、Aさんの後をSさんがついていって、そしてSさんの後を、ここでいえばDさんがついていっている。こういう構図があるということをこの図は明らかに示しているんですね。ここまで資料が出ても、農水省は、これは偶然で、それぞれの団体がそれぞれ依頼をしてあっせんをしたと言うんですか。

 例えば、この一番上の海外漁業協力財団がこのS氏を雇ったのが昭和六十三年の二月十六日、その日にAさんは、たまたま地方競馬全国協会で依頼があって同時に次へ行った。また次のタイミングも、平成四年の八月一日には、Sさんはたまたまこの地方競馬全国協会に再就職の依頼があって行って、そしてAさんはその次の配合飼料供給安定機構に行っているとすれば、これは奇跡ですよ。

 これは、要望に基づいて、あっせんの依頼に基づいてやったというふうに、農水省はこれでも答弁しますか、答えてください。

佐藤政府参考人 御説明申し上げます。

 元水産庁長官本人や前任者、後任者が各団体、各法人の役員に選任された経緯等につきましては記録が残っておりませんので、それぞれが選任されました理由については、当省としても具体的には把握していないところでございますが、今回議員に提出しました資料では、六団体の前任者、後任者のうち八名が構造改善局長となっておりますけれども、元水産庁長官が就任したポストについては、団体や法人が役員を選任するに当たりまして、公務員OBの中から前任者と同様の能力あるいは適性を有する人物を求めたところ、結果的に最終官職が共通する者が多くなったのではないかと考えているところでございます。

細野委員 今の農水省の答弁もひどいですよ。構造改善局長というのは土地改良をやったり農村振興をする、そういう役職の方でしょう。非常に農水省の中で中核的な役割をやっている、農村振興そのものの主役ですよ。その仕事と海外漁業の協力財団、どういう関係があるんですか。さらには、何で競馬と関係があるんですか、その人が。そんな笑い話みたいな話をしないでください。

 これはわたりのルートとしてあって、農水省がちゃんと人事管理をして渡らせたんでしょう。このわたりのルートは確立しているじゃないですか。こんな答弁を認めておいて、わたりの実態がわかるわけないんですよ。農水省、これでも認めませんか、答弁してください。

佐藤政府参考人 OBがそれぞれの団体に就任した経緯につきましては、先ほども申し上げましたように記録が残っていないわけでございますが、一般論として申し上げれば、団体、法人がその長を選任するに当たりまして、公務員OBに人材を求める場合には、最終官職のみに着目することではなくて、当該OBの入省以来の経歴あるいは組織管理能力あるいは人柄等を総合的に判断して人選が行われているものと考えているところでございます。

細野委員 総理、こういう答弁を許してきたから、三十年以上にわたりましてわたりが直らなかったんですよ。これを本当にやめることができるのかどうかということが問われているんですね。

 総理に私は申し上げたいんですが、こういうのは本当に氷山の一角なんですよ。わたりのルートは無限に広がっているんです。天下りを一件認めれば、そこにいる人のわたり先がないと、その人は天下れないんです。このわたりの人が次に行くためには、その先の人が渡れないと、これは天下りできないんです。

 このわたりのルートがあるということは、総理、実際問題として、多くの方があっせんだということを既に認めていない状況にあるということからもわかるとおり、どんなにあっせんがなくても、ルートがあるから、そこに自動的に再就職できる仕組みは残りますよ。あっせんをするかしないかという問題ではなくて、この構図を本当に壊すことができる、そういう覚悟があるかどうかということが問われているんですよ。

 ですから、与党の皆さんにも、これは勘違いしていただきたくないのは、政令を撤廃するなんて当たり前のことなんですよ。政令を幾ら撤廃しても、あっせんなくしてこういうわたりルートがあってどんどんそこに行きますから、その構図そのものを、皆さんは本当の意味でたたきつぶす覚悟があるんですかということが問われているんですよ。

 総理、どうですか。

麻生内閣総理大臣 長い間の習慣が一発で直るか、端的にはそういう御質問をされておられるんだと存じますが、そういったことが決められた後も違反行為があり得るかもしれないのをきちんと監視するために再就職等監視委員会が必要だというのをお認めになっておられないという、現実とかなり矛盾するような話がしますが、現在、監視委員会の委員長の任命等々につきましては、法律が定めたこと自体に反対という理由だけで同意人事に賛成されないと言うのであれば、今の言われたような問題点はきちんとしておられない、私どももそう思います。

細野委員 監視委員会の委員を認めないというのは、これは参議院で我々が多数派をとったからですね。参議院で多数派をとったから同意人事が否決されているわけでしょう。(発言する者あり)参議院の民意は天下りやめろということだったんですよ。やめろという民意を受けて当選をしている参議院が、そんなもの認められるわけないじゃないですか。

 総理、私が申し上げたいのは……(発言する者あり)ちょっと静かにさせてください。

衛藤委員長 静粛に。

細野委員 総理に申し上げたいのは、実際に、あっせんなくして、これのわたりのルートが確立をしていれば次々に行けるんですよ。現職の構造改善局長がだれか、そしてその先の、例えば一つ目の団体の今理事長がだれか、会長がだれかなんというのは調べればすぐわかりますよ。その人を次のところに、別に本人と相対で、わたりのルートがあるわけだから、そこに行ける仕組みがあるでしょうということを申し上げているんです。

 実際問題として、今回我々は質問主意書を出して、わたりについては事実をすべて明らかにせよと言っていますが、二〇〇七年度に実際にわたりをしたということで認めている人数はわずか三名ですよ。こういうルートがはっきりあるにもかかわらず、各省庁全部口をつぐんでいるんですよ。

 このルートをそのまま残したまま幾らあっせんをやめたって、天下り、さらにはわたりは、これはなくなりませんよ。そういう……(発言する者あり)最後は政権かわらないと変わらないと私も思っていますが、総理、少なくとも、今のわたりのルートについては全容解明する必要性を感じませんか。そして、そのルートを根絶しない限り、わたり自体はなくならないと思いませんか。全容解明の必要性、総理に聞きます。

衛藤委員長 ちょっとその前に議事を整理いたしますから。

 行政改革担当大臣甘利明君。(細野委員「いや、私、行政改革担当大臣は事前に答弁を要求していませんから、この質問では」と呼ぶ)委員長が議事を整理しますから。その後、総理に答えさせますから。

甘利国務大臣 御指摘のような、こんなわたりを繰り返す人は断じて許せません。これをすぐとめるという措置はもちろん大事だと思いますが、問題は……(発言する者あり)ちょっと黙っていてください。問題は、まじめに勤めていながら肩たたきに遭ってやめなきゃならない問題が残っている。

 そこで、昨年、民主党にも賛成をいただいた新しい公務員制度をつくろうという基本法、その中で、きちんとまじめにやっている限り勤め上げることができる、その制度がちゃんと完成すれば、もう再就職をあっせんする必要性はないんだから、それはなくなっていくわけですね。そこのところと平仄をしっかり合わせていかないといけないんだと思います。

 総理御自身も、こんなものがいいと思っていらっしゃるはずはありません。もとから絶たなきゃだめですから、抜本的にそういうことがなくなるような制度をこれからつくっていきましょうと、これは……(発言する者あり)いや、今基本法でそういう制度をするということが決まったわけでありますから、それを今国会にきちんと提出して、そういう制度に向けてスタートしていくということであります。

細野委員 私が聞いているのは、全容調査をする必要があるんじゃないですかということなんですよ。

 総理、これを本当に絶てるかどうかというのは、全容がわからないと判断しようがないんですよ。全容調査について与党の皆さんは反対ですか、わたりのルートについて。しっかり調べましょうよ。調べた上で、どうやって絶たなきゃならないのか、そこまで総理が決意されるなら、この予算委員会で審議しましょうよ。全容調査、どうですか、総理。

麻生内閣総理大臣 今御提案がありましたけれども、私ども、どうしても理解ができないのは、法律がきちんとできて、その上……(発言する者あり)法律がきちんとできたのを認めないんですか。いや、ちょっと待ってください。これは物すごく大事。

 我々は、行政府としては、立法府で定められた法律どおりにきちんとやっていくというのが私どもに与えられた義務です。したがって、それに基づいてきちんとやっていくのに伴って、きちんとした対応が確実でないかもしれないからそういったもの、監視委員会もつくるべきではないかと申し上げているんだと存じます。

 その監視委員会のもとの法律に反対だから、監視委員会はおれたちが参議院で過半数とったから反対というお話ですけれども、その前の法律はきちんとこれは通った法律なんだという点もお忘れにならないでいただかぬと、話がちょっとぐちゃぐちゃになっていると思いますが。

細野委員 総理に御理解いただけていないようなんですが、では、農水省に聞きますが、ここで挙がっているAさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさん、Gさんは、わたりの有無について認めていますか、どうですか。

佐藤政府参考人 御説明申し上げます。

 先ほどボードの中にもございました元水産庁長官の場合につきましては、国会関係の資料要求等で、再就職に当たってのあっせんの有無につきまして本人に聞き取ることによりまして、あっせんがあったことを確認することができました。

 前任者、後任者につきましては、そのあっせんの有無につきまして、当省としては把握していないところでございます。

細野委員 総理、いいですか、把握していないんですよ。わたりのルートは明らかなのに、あっせんの有無を確認していないんです。ですから、あっせんの有無だけではなくて、まず、わたりのルートとしてどういうものがあって、そこでどういう就職をしているのかということについて全容解明しないと、あっせんの有無だけではこれは断ち切れないでしょうということを申し上げているんですよ。極めてシンプルな話ですよ。

 残念ながら、麻生総理にはこのことについては余り調査をしようという熱意はないようですから、まさか与党の皆さんもこの調査を拒否しませんよね、資料要求をしたいと思います。(発言する者あり)

衛藤委員長 静粛に。静粛にお願いします。

細野委員 わたりの全面的な調査をするために、各省庁が所管をしている独立行政法人、そして特殊法人、公益法人で、五人以上にしましょう、少なくとも五人以上が継続をして国家公務員である、OBであるという役職を特定してわたりのルートの解明を求めたいと思います。そして、そこについているOBがどういう役職だったのかということについても情報公開を求めたいと思います。

 この委員会に資料の提出を求めたいと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いします。

衛藤委員長 ただいまの申し出につきましては、後刻理事会で協議いたします。

細野委員 総理、わたりについての全容解明ということで今申し上げましたが、もう一つ確認をしなければならないことがあります。

 それは、一年間は総理は天下りのあっせんはするんですね、一年後になくすということは。この一年は、わたりじゃありませんよ、一回目の天下りについては、一回目は再就職のあっせんをするんですね。御答弁をお願いします。

麻生内閣総理大臣 わたりにつきましては、私の在任中、わたりということは認めないということを申し上げております。

 天下りにつきましては、現実問題として、今すぐ一人も、天下りをゼロにするということを今日ただいまからということはお約束はできませんから、一年以内にきちんと対応すると先ほどお答え申し上げたとおりです。よく聞いておいてください。

細野委員 総理はこの一年間の天下りのあっせんをどういった基準でやりますか。どの天下りはよくて、どの天下りがだめかということを総理自身が判断をされるわけですね、承認者だから。

 どういう基準で総理は判断をするのかということについてお答えいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 あっせんの承認基準の具体的な内容ということなんだと思いますが、政令において承認基準としてこれに、政令の細目まで全部詳しいわけではありませんので、読ませていただきたいと存じます。

 政令において、承認基準として、三つのパターンのいずれかに該当し、かつ、公務の公正性を損ねるおそれがないと認められる場合に限るとして、附則第十二条としております。

 一、企業等からのあっせんの依頼があること。あっせん先の企業などが、会計検査院などが不適切と指摘した契約を締結した相手ではないこと、あっせんを受ける職員の利害関係企業でないことが基本であります。原則であります。二、企業からのあっせんの依頼があることを前提として、高度の専門的知識経験を有する職員をあっせんする場合。三、高度の、改廃などにより離職を余儀なくされる職員をあっせんする場合。というように、これは、分限免職回避型、高度専門型、原則として三つに分けられるというように政令では定められております。

細野委員 答弁書はわかりました、総理。

 では、そういう基準で総理のところに上がってきますね。今回、天下り、わたりの全容解明ということで調査を出していただいているんですが、聞きますと、各省庁は、もう既に押しつけ的な天下りは一切ありません、そうおっしゃっているんです。すべて依頼に基づいてやっていますということなんですね。

 今おっしゃったことだと、これまでの基準と変わらないじゃないですか。

麻生内閣総理大臣 人材交流センターというのがスタートをすることになります。そこが基本的にこの種のことを全部やっていくというのが基本的ルールだ、そういうぐあいに理解をいたしております。このセンターを認めないとかいう話じゃありません。我々は、センターができる、それが前提で話をさせていただいております。

 二つ目は、今、今までと変わらぬじゃないかというようなことにならないようにするために監視委員会が必要だと申し上げております。

細野委員 総理、私が聞きたいのは、これまで各省庁であっせんをしている天下りというのがあるわけですね。その基準と、これから総理が一年間あっせんをされる基準がどう違うんですかということを聞いているんです。

麻生内閣総理大臣 これは私が直接担当するわけではありません。私は、わたりです。(発言する者あり)わたり、わたり、わたり。あっせんは違いますから、天下りじゃないから混線しないで。だから、これは政令で今そう定められておりますと申し上げております。これがまず第一点です。

 そして、基本的には、私どもの新しい政令でそのように定められておる。今までと違うじゃないか。私どもとしては、今のルールに乗ったものであれば、そのルールに従ってやらせていただくということになります。

細野委員 総理、天下りのあっせんを今各省庁でやっていますね、少なくとも去年までやっていましたね。その基準と、総理がこれからあっせんしようとしている基準はどう違うんですかということを聞いているんです。

衛藤委員長 細野豪志君、内閣府の担当室長に答弁させたいと思いますが。

細野委員 いや、総理が承認者ですから。

衛藤委員長 いや、まずは、そこで行ったり来たりしていますから、ちょっと委員長の指示に従ってください。

 内閣府、小林廣之大臣官房臨時再就職等監視担当室長。

小林政府参考人 政令の承認基準について御説明をさせていただきます。

 従来、改正国公法が施行される前につきましては、各省のあっせんにつきましては特段の規制がないという状態になっておりました。

 今回、改正国公法が施行されたことに伴いまして、新たに移行期間中については、各省庁のあっせんについて、一定の基準のもとにこれが承認されるという形になっております。

 承認基準としまして、今総理の方からも御答弁ございましたように、営利企業からのあっせん依頼があったこと、あるいは、その相手先企業が不適当と指摘された契約の相手方でないこと、それから、あっせん先の営利企業との間で利害関係企業に当たっていないこと等の基準を定めておりますので、この基準に従いまして、本来、監視委員会が、当面、経過措置として総理になっておりますが個々の承認申請の内容を厳格にチェックをいたしまして、公務の公正性を損ねるおそれがないと認めた場合に限って認められるという形になっております。

 以上でございます。

細野委員 今の答弁は、今までと同じようにやりますということなんですよ。明確に明文化はされていないけれども、もう押しつけ的なあっせんはないし、公務の執行に問題がないと言って天下りのあっせんを今までしているんでしょう。これまでと全く変わらないんですよ、総理。

 今、政府委員が答弁されましたが、これは強く抗議したいと思います、私は事前に通告していませんから。抗議をした上で、このことは天下り承認そのものの現実を象徴的にあらわしていますよ。総理が天下りのあっせんの承認を自分でできるわけないんですよ。全部官僚の皆さんに丸投げをして、上がってきたものにぼんと判こを押すだけなんでしょう、総理。

 総理、一年間にどれぐらい天下りのあっせんを官庁がやっているか御存じですか。せっかくだから、どれぐらいだと思われますか。

麻生内閣総理大臣 正確な数字を知っているわけではございません。

細野委員 推定二千五百件です。二千五百人の天下りのあっせんを総理ができるわけないんですよ。ということは、あっせんの承認そのものは全部お役人さんに丸投げをして、これまでのやり方を容認することになるということをはっきり示しているんですよ。

 もう一つ、総理、これは答弁をいただきたいと思うんですが、今回、工程表の中で、定年まで勤めることができる、そういう公務員制度改革をやるんですね。定年まで勤めることができれば、さっき甘利大臣もおっしゃいましたが、天下りはやめるんですね。ここでやめる天下りというのはどういう天下りですか。政府委員にこれは答弁いただきたいと思います。

岡本政府参考人 お答えいたします。

 各省の予算と権限とは隔絶された中立的な機関が行うものであるという官民人材交流センターの再就職支援については、押しつけということはあり得ませんから、いわゆる天下りはないというふうに理解しております。

細野委員 要するに、官民人材交流センター、我々は天下りバンクと呼んでいますが、これは今回の天下りの根絶対象でないというのが今の政府委員の答弁ですね。

 総理、定年まで勤めることができる、すなわち肩たたきがなくなるという世界が実現をするわけですね。それでも官民人材交流センターで天下りのあっせんをするんですか。総理は天下りとはおっしゃらないかもしれないけれども、我々から見れば天下りですよ、政府が再就職先を紹介するんですから。

 ここで答弁してください、そこまでおっしゃるなら。官民人材交流センターは、これは定年まで勤めることができる環境ができた時点で廃止をすると。当然でしょう。総理に御答弁いただきたいと思います。

甘利国務大臣 新しい公務員制度ができ上がりますと、まじめに勤めている限り勤め上げることができるということになるわけであります。同時に、これは与野党ともその点では合意しているわけでありますが、年金と現役世代をつなげていくということで、定年延長の課題も基本法の中に検討するように書いてあります。それらが整備されるに従って、官民人材交流センターのあっせん機能はフェードアウトしていくという関係にあると思います。

 ただ、官民人材交流センターというのは、基本法に定める中で、人材の交流、民間から登用する、あるいは民間に幹部候補を出向させていろいろ民間の感覚を養っていくという機能も持っていますから、純粋な官民人材交流機能はそこが担っていかなきゃいけないわけであります。そういう点で、官民人材交流センター自身がなくなるということはない、これからの人材交流の大事な機能を担っていくわけであります。

 ただ、勧奨退職の部分は、片方の公務員制度がきちんとでき上がっていけば、フェードアウトしていくという関係にあると思います。

細野委員 我々は、天下りそのものは即時禁止という立場ですが、百歩譲って、肩たたきがあるときは再就職について支援しなければならないという考え方があることは、これは一応、理解はします、我々は認めませんが。

 そうなると、そういうことを前提とするならば、はっきりそこは、要するに、定年まで勤めることができる環境が整備できれば官民人材交流センターは廃止すると言うべきでしょう、当然。

 もともと、なぜその組織ができたかといえば、これは再就職支援のためにできたんだから。それは、後づけで民間からも官に入ってきますということはおっしゃっているけれども、もともと再就職支援のためにわざわざ官民人材交流センターをつくったわけでしょう。税金を使って、そして再就職先を支援するというこのいびつな仕組みを皆さんはつくったわけですよ。それは、しっかりと公務員制度改革で定年まで勤めることができる環境ができた時点でこれは廃止するという答弁をしていただかないと、理屈が合わないと思いますよ。

 これは、もう大臣に答えていただきましたから、総理に伺います。

麻生内閣総理大臣 まず、基本的に担当大臣はぜひ大事にしていただきたい、最初にお断りしておきます。

 官民人材交流センターの話でしたけれども、もともとのいきさつは、特定の役所の特定の役人が特定の公益法人などにというのが天下りだということで大いに御批判を得たところでもありますので、これは基本的に各役所でやるのをやめて人材交流センターでやろうというところで、きちんとしたものをつくらせていただく。ただ、現実にそれをやっていくためにはある程度時間がかかるのではないかというのが、我々のずっと申し上げてきたところだと思います。

 そこで、そうなるときの大きな理由は、やはり五十代で早くやめさせられた、さっきの六つ七つ渡った人も結構若いときにやめさせられているんじゃないかなと勘だけはしますけれども、僕はその人の年齢を知りませんのでわかりません。ただ、そういった感じがします。それがいい悪いは別の話ですよ。若くしてやめさせられたというのが大きな理由かなと思わないでもありません。

 ただ、そういうことを考えて、今、定年というものを考えたときには、定年まで全員が行ける可能性というものが、私はちょっと、そんなに簡単に全部が行くかねと思うのが一点。したがって、徐々に徐々にやっていかなきゃしようがないと思っていますのが一つ。

 二つ目は、今多くの官民の人材交流というのはあちらこちらでしていますから、そういったときに民間からいろいろな方々がこっちに来られるときに、この人材交流センターというものは大いに利用されてしかるべきものなのではないかなと思いますので、定年に全部行ったら人材交流センターは直ちにやめろというような種類の話かなと思って、その時代に本当に必要がないということになったらその時点でやめればよろしいのであって、今の段階から、やめるとかやめないとかいうような、決めつけるような話ではないんじゃないかと思っております。

細野委員 非常に歯切れの悪い答弁でしたね。

 ちなみに、二年前の内閣……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。

衛藤委員長 静粛に。

細野委員 二年前の内閣委員会で公務員制度改革の問題を議論したときは、当時行革大臣は渡辺喜美衆議院議員です。渡辺元行革大臣は、この官民人材交流センターについてサンセットとすることもあり得ると答弁されています。サンセット、すなわち時限的になくすということがあり得るという答弁をされています。これは、立法者の意思としては非常に重いと思います。渡辺喜美衆議院議員の参考人招致と、この天下り問題、わたり問題の集中審議、立法者の意思をしっかり参考にする上で求めたいと思います。委員長、お願いします。

衛藤委員長 細野君の申し出の件につきましては、後刻理事会で協議いたします。

細野委員 天下りについてもまだまだ聞きたいことはあるんですが、次回に譲りまして、もう一つ聞きたいテーマがありますので、その問題に移りたいというふうに思います。

 総理、九州博物館なんですが、御地元ですね。厳密には選挙区ではありませんが、お隣ということですね。この九州博物館というのは、総理が以前、九州国立博物館を支援する議員連盟というのをつくっておられて会長をしておられたというふうに聞いております。加えて、去年の十二月の十三、十四日に行われた日中韓の首脳会談、これはもともと福田総理のときには神戸で開かれる予定になっていたと聞いていますが、それを総理の御判断で九州博物館に移されたというふうに聞いています。

 総理と九州博物館との関係、ちょっと一言御答弁いただけますか。

麻生内閣総理大臣 これは、岡倉天心以来、とにかくという話で、ずっと九州選出国会議員全員でやってきたプロジェクトだったと記憶をいたします。初代がたしか西岡武夫、今、議運の委員長をしておられる方が当時の会長さんだったと記憶いたしますが、それ以後ずっといろいろな方々がされて、私もその会長をさせていただいたという関係であります。

 九州では宮崎とか鹿児島とか熊本とか、いろいろな方がありましたけれども、最終的に太宰府ということで決着はしたというのが長い歴史だったと記憶をいたします。

細野委員 総理もかかわられたこの九州博物館ですが、実は、この九州博物館というのは、全国に四つ国立の博物館がある中で一番後発でございまして、平成十七年にスタートをしていまして、新しいものですから、この数年非常に多くの文化財を買っているということで、非常に業界では話題になっています。調べましたら、この三年間で二十三億円の文化財を購入しています。これは他の博物館と比較をすると非常に多い。この博物館で買っている文化財が、これはいろいろな専門家に聞いたんですが、一般に売買されているものと比較をしても非常に高い。九州博物館は高いものを買っていますねと皆さんおっしゃいます。

 そこで、一つちょっと調べてみました。(パネルを示す)

 これは、平成十七年度に購入をされた花卉鳥獣刺繍飾布という、つっておく布ですね。これが平成十七年に購入をされています。こういうものを購入するときのこの博物館のやり方というのは、非常にある意味特殊でございまして、こういうものがありますからどうですかと、売る側がまず提起をするというところから出発をします。ちなみに、この飾布の場合には、希望された価格は一億八千五百万円、この価格を希望された。

 では、それを買うのか買わないのかというのを館が決定をするわけですが、買おうということになった場合に、どういうふうに評価をするか。評価員を集めてきて、評価員の皆さんに価格を入れていただいて、そして買うか買わないかを決める。この飾布の場合ですと、AからEまでの五人の評価員が価格を入れて、そして、一番高いAさんは二億二千万円、Bさんが二億、Cさんが二億、Dさんが一億七千万円、Eさんは八百万円ということで価格を入れた。

 どうやって決めるかなんですが、これはフィギュアスケートと一緒でして、一番上と一番下を取って、真ん中の三人を合計して平均をする、その価格がどうかということで見るんですね。この場合ですと、二億円と二億円と一億七千万円ですから、平均をすると実は一億九千万円になる。売りたいと言った方の価格は一億八千五百万円で、一億九千万、わずかながら上ですから、売り渡し希望価格の一億八千五百万円で買う、こういうことになっているんですね。

 この評価員の皆さんなんですが、この評価員は、その場所に集められて、その場で評価をさせられます。

 私も九州博物館に行ってきまして、実際にその飾布を見てきました。専門家の方にも行っていただきました。それはにせものではない、いいものだとおっしゃる。ただし、これはいかにも高い、普通、この飾布を見て、その場でいきなり二億二千万とか二億とか、こういうことをその場で入れるというのは、これはちょっと考えられないのじゃないかというのが専門家の評価。

 この問題は、文科大臣にも一回去年答弁をいただいていますので、これが適正に行われたのかどうか調査をしていただいていると思いますが、文科大臣、その結果はいかがだったでしょうか。

塩谷国務大臣 以前にも御質問いただいたわけでございますが、その問題については、今細野委員がおっしゃったとおりの手続で行われておりまして、外部有識者から成る買取協議会において、収集品としてふさわしいか否かをまずは判断していただき、その上で、案件ごとに委嘱した五、六名の評価員が独立して価格評価を行っている。評価額は、最高額と最低額を除外した三、四名の金額を平均して算出している。契約については、この平均額と所有者から申し出た額を比較して低い方の金額で契約をしているということでございまして、この売買については適切に行われていると承知をしているところでございます。

 専門家のいろいろな意見から最終的にはそういうふうになったと思っておりまして、今後、買い取り制度の透明性を確保するためには、国立文化財機構において、購入した文化財の購入額や買い取り評価員の氏名の事後的公表についても検討を現在行っているところでございます。

細野委員 適正にやられているという評価なんですが、実は私はそうは思っていません。

 平成十七年度以降に購入された高価な、一億円以上の価格で購入をされたもののリストもつけておりますので、これも文科大臣、ごらんください。リストをつけておりますので。

 飾布を含めて全部で九点、一億円以上で購入をされたものがあります。こうした評価員の評価を見ますと、黄色、オレンジで抜いてあるところが、実は評価員の評価が重なっている部分なんですね。飾布を含めると九点、一億円以上のものを購入されていますが、そのうち八点の文化財で評価員の価格が重なっています、値段が重なっています。

 もう一つの特徴は、平成十九年、例えば菊蒔絵手箱ですね、下から三番目。これは一億八千万で三人の評価員の価格が重なっています。五人の評価員のうちで三人が重なっている。その下、洛中洛外図屏風、これも一億八千万で三人の方が重なっている。

 関係者に私もいろいろ話を聞きましたが、どうもこの評価員同士はお互いに連携しているのではないかということについては、強く示唆する発言が何人かの専門家の中から出てきております。

 もう一つ指摘をすると、問題は、この評価員さんが一体だれなのかということなんですね。過半数を占めるのは、実はこの評価員さんは古美術商でございまして、実際の業者さんなんですね。業者の皆さんがこれを評価している。この評価……(発言する者あり)ちょっと静かにさせてください。

衛藤委員長 静粛に。

細野委員 この評価をしている評価員が、業者が多いんですね。業者がこの三年間で十九名評価員に入っているんですが、そのうちの十一名は、実際にこの九州博物館に違うところで納入をしている業者が評価員で入っている。つまり、あるときは評価員をやるけれども、違うときには実際に売る側に回っていて、しかもお互いに情報の共有ができる立場にあるというのがこの背景にあるんですよ。

 文科大臣、これはおかしいと思いませんか、この仕組みですね。

塩谷国務大臣 仕組みということについては特に現在のところ問題ないと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、今その検討をしているところでございまして、いわゆるこういった価格の問題については、専門家それぞれの立場でその値段を出していると承知をしておりまして、だれが正しいか、だれがいいのかというのはそれじゃだれが決めていくんだということになりますと、結局、専門家に聞かなければならない値段だと思うんですね。

 ですから、そういう点で、もちろん、その値段がおかしいというのなら、おかしいという人の意見を聞かないと私どももわかりませんので、また一度聞かせていただきたいと思います。

細野委員 評価員同士で情報の共有が仮になされたとすれば、これは談合と同じ構図ですね。

 もう一つ、私がこの問題を取り上げようかなと思ったのは、実は、評価員同士だけではなくて、博物館そのものからも情報が漏れている可能性があるのではないか。それを示唆する方もいました。それについて調べていただきたいということなんですね。

 文科大臣、売り渡し希望価格が右側ですね、この右側の売り渡し希望価格と実際の平均値が余りに近過ぎませんか。例えば、一億八千万が重なっている菊蒔絵手箱ですね、一億五千七百五十万円で希望を出されていて、平均をすると、一億六千万ちょっとで実際に平均値が出ている。その下も同じような形になっています。仮にそこから情報が漏れているとすると、これは官製談合と同じ構図なんですよ。

 これは、もし仮にそういうことがあれば大問題ということについても指摘をしておきたいと思います。そして、調査をしっかりしていただきたいと思います。

 最後に、会計検査院に、この問題について、これまで恐らく調査したことないと思いますので、しっかり調べていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

西村検査官 国立博物館の運営費等の経理につきましては、文化財の購入も含めて検査をしております。

 本院といたしましては、ただいまの議論も十分踏まえて検査をやっていきたいと思っております。

細野委員 この問題はまた改めてやりたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

衛藤委員長 次回は、明四日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時散会


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