衆議院

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第16号 平成21年2月19日(木曜日)

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平成二十一年二月十九日(木曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会〔皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府(地方分権改革、金融を除く)及び防衛省所管並びに他の分科会の所管以外の事項〕

   主査 佐田玄一郎君

      尾身 幸次君    岸田 文雄君

      仲村 正治君    大島  敦君

      菅  直人君

 第二分科会〔内閣府(地方分権改革)及び総務省所管〕

   主査 石田 真敏君

      杉浦 正健君    中馬 弘毅君

      渡辺 博道君    枝野 幸男君

      細野 豪志君    池坊 保子君

 第三分科会〔内閣府(金融)、法務省、外務省及び財務省所管〕

   主査 下村 博文君

      臼井日出男君    衛藤征士郎君

      三原 朝彦君   吉田六左エ門君

      馬淵 澄夫君    渡部 恒三君

      阿部 知子君

 第四分科会(文部科学省所管)

   主査 田野瀬良太郎君

      井上 喜一君    小野寺五典君

      鈴木 恒夫君    逢坂 誠二君

      仙谷 由人君

 第五分科会(厚生労働省所管)

   主査 根本  匠君

      伊藤 公介君    菅原 一秀君

      園田 博之君    前原 誠司君

      江田 康幸君

 第六分科会(農林水産省及び環境省所管)

   主査 富田 茂之君

      小池百合子君    斉藤斗志二君

      野田  毅君    筒井 信隆君

 第七分科会(経済産業省所管)

   主査 山本  拓君

      岩永 峯一君    坂本 剛二君

      深谷 隆司君    中川 正春君

      笠井  亮君

 第八分科会(国土交通省所管)

   主査 小島 敏男君

      大野 功統君    木村 隆秀君

      葉梨 康弘君    川内 博史君

      糸川 正晃君

平成二十一年二月十九日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 衛藤征士郎君

   理事 小島 敏男君 理事 佐田玄一郎君

   理事 鈴木 恒夫君 理事 田野瀬良太郎君

   理事 根本  匠君 理事 山本  拓君

   理事 枝野 幸男君 理事 菅  直人君

   理事 富田 茂之君

      井上 喜一君    伊藤 公介君

      石田 真敏君    臼井日出男君

      小野寺五典君    尾身 幸次君

      大野 功統君    木村 隆秀君

      岸田 文雄君    小池百合子君

      斉藤斗志二君    坂本 剛二君

      下村 博文君    菅原 一秀君

      杉浦 正健君    園田 博之君

      中馬 弘毅君    仲村 正治君

      野田  毅君    葉梨 康弘君

      原田 憲治君    深谷 隆司君

      三原 朝彦君    矢野 隆司君

      渡辺 博道君    大島  敦君

      逢坂 誠二君    川内 博史君

      仙谷 由人君    筒井 信隆君

      中川 正春君    細野 豪志君

      馬淵 澄夫君    前原 誠司君

      渡部 恒三君    池坊 保子君

      江田 康幸君    笠井  亮君

      阿部 知子君    鈴木 宗男君

    …………………………………

   内閣総理大臣       麻生 太郎君

   総務大臣         鳩山 邦夫君

   外務大臣         中曽根弘文君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   内閣官房副長官      松本  純君

   外務副大臣        伊藤信太郎君

   財務副大臣        平田 耕一君

   環境副大臣        吉野 正芳君

   政府参考人

   (財務省財務官)     篠原 尚之君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    玉木林太郎君

   参考人

   (日本郵政株式会社執行役) 寺崎 由起君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十九日

 辞任         補欠選任

  岩永 峯一君     原田 憲治君

  仲村 正治君     矢野 隆司君

  糸川 正晃君     鈴木 宗男君

同日

 辞任         補欠選任

  原田 憲治君     岩永 峯一君

  矢野 隆司君     仲村 正治君

  鈴木 宗男君     糸川 正晃君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十一年度一般会計予算

 平成二十一年度特別会計予算

 平成二十一年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

衛藤委員長 これより会議を開きます。

 平成二十一年度一般会計予算、平成二十一年度特別会計予算、平成二十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、麻生内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。内閣総理大臣麻生太郎君。

麻生内閣総理大臣 一昨日、中川財務大臣が、自身の健康管理が不十分であったことから辞任することとなりました。平成二十年度第二次補正予算の関連法案並びに二十一年度予算の審議中にあって、担当大臣たる財務大臣の交代という事態に至ったことは、まことに申しわけないと考えておるところであります。

 この経済危機に対応するため、同日直ちに、後任として与謝野経済財政担当大臣に兼務の発令をしたところです。与謝野大臣は、財政金融問題に明るく、経済対策の取りまとめを初め現下の財政金融問題に内閣の一員として取り組んできていただいたところでもあり、最適任であると考えております。

 アメリカ発の経済、世界的な金融危機により、世界が同時にかつてない不況に入りつつあります。こうして我が国の景気は急速に悪化をしてきております。先日発表されました四半期のGDPの速報でも、年率換算、名目六・六、実質一二・七%の減、非常に厳しい数字が出ております。景気の落ち込みは予想を超えるものでありまして、景気対策が現下の最大の課題となっております。このため、私の内閣におきましては、世界でも早期に大規模な経済対策を取りまとめたところであります。

 第一次補正予算、第二次補正予算、平成二十一年度予算をいわば三段ロケットとして進めてまいります。例えば中小企業対策につきましては、緊急保証と特別枠の貸し付けを合わせて、昨日までに三十四万五千件、七兆円の実績が上がり、資金繰りに大きな効果を発揮したと存じます。国民の生活を守るため、これらの経済対策を着実に実施してまいります。

 また、昨年十一月のワシントンの金融サミットを初め国際会議の場において、日本の主張を各国首脳に説明してきたところであります。国際通貨基金、IMFの機能強化と最大一千億ドルの融資による日本の貢献策を表明しました。これに基づき、先日、ローマにおけるG7において、中川前財務大臣が正式な融資の取り決めをストロスカーン専務理事と調印したところでもあります。

 また、ワシントンでは、金融市場の監督と規制に関する国際的な協調の必要や、保護主義に陥ることなく世界の貿易と経済を拡大することの必要性を主張しました。これらは、各国の賛同を得て、目下進みつつあるところです。

 こうした状況におきまして、国民生活を守るためには、平成二十年度二次補正予算関連法案と二十一年度予算の早期成立、着実な実行が不可欠であります。国民も地方公共団体も企業もこれらの成立を強く求めております。そのほか、消費者庁法案など国民生活を守るための法案につきましても、早急に成立させる必要があろうと存じます。

 国民の皆様と議員各位の御理解と御協力を心からお願いさせていただきたいと存じます。

    ―――――――――――――

衛藤委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として財務省財務官篠原尚之君、財務省国際局長玉木林太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

衛藤委員長 本日は、麻生内閣の方針についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小島敏男君。

小島委員 自由民主党の小島敏男でございます。

 予算委員会、とりわけ今回は予算委員会の理事として参画をしているわけでありますけれども、衛藤委員長並びに鈴木筆頭理事、理事の皆さん、それから野党の理事の皆さんの御意見を聞いたり御指導をいただいたりしながら、非常にすばらしい委員会運営をされていることに参加できたことを本当にうれしく思っているところであります。

 そして、理事の発言の中で、私は言いました。予算委員会の委員も大変な出席を求められますけれども、予算の理事というのは交代ができないということで、これは選挙間近というときにはやらない方がいいと言われていたんですよ。ところが、やってみて、最初は不平不満があったんですけれども、この間、予算委員会の理事会で、野党の理事さんもいるところで私は発言したんです。それは、非常に大変で忙しかった、しかし、今思うと、百年に一度と言われているこういう時代に、国家の運営、財政、方向性、こういうところに参加できたことが非常にうれしい、よかったというふうに……(発言する者あり)私が発言したことなんですから。よかったという話をしたんです。

 ですから、そういうことを考えると、麻生総理も、そういう劇的に変化をするときの総理大臣というのは、なかなか選んでなれるものではない。非常に厳しいと思うんですよ。厳しいと思いますけれども、ぜひそのお気持ちで、歴史に残る総理として名を残していただきたい。そのためには命がけで頑張っていただきたいというふうに思います。

 きょうは、中川財務・金融大臣が交代されたということで、今、総理から冒頭発言がありましたけれども、きょうの集中審議というのは、やはり総理の、麻生内閣の方針についてということが命題としてあるわけでありますので、集中審議より集中攻撃を受けますから、ともかくしっかりとして答弁をやっていただきたいということを私からもお願いをしておきたいと思います。

 時間が短いので、きょうは総理のみの質問という形で私はお答えをいただくわけですので、よろしくお願いしたいと思います。

 中川財務・金融大臣は、私は伊吹派で同じ仲間としての勉強会に参加をしておりますので非常に残念なんですけれども、見ていて、やはり閣僚の皆さんは忙し過ぎるんじゃないかと思うんですよ、はっきり言って。これから与謝野大臣も、全部兼務ですから、ぜひ体調には気をつけていただきたいと思うんです。

 先日のダボス会議でも、麻生総理の滞在期間は八時間ということでありますし、昨日もサハリンの方に行きましたけれども、これもトンボ返り。それから、今度はアメリカの方に行かれるのも二十四、二十五ということで、本当に忙しいわけでありますけれども、体調に気をつけられてやると同時に、アメリカのヒラリー・クリントン、彼女が来て、あの忙しいスケジュールをこなした。しかも、テレビでも新聞でも見ると、全部笑顔ですよ。満面の笑みを浮かべながらあの厳しいスケジュールをこなしたというのは、やはりアメリカのトップレディーとして非常にすばらしいということと、同時に、あの厳しい大統領選挙を戦った女性として私は尊敬をしているわけであります。

 これから……(発言する者あり)だめだよ、余り言っちゃ。私は気が弱いんだから、そっちの方で余り言うと、そっちに気をとられるから。トップレディーは人によって違うわけです、ヒラリー・クリントン長官ですね。(発言する者あり)

衛藤委員長 静粛にお願いします。

小島委員 そういうことでありますけれども、話が横道にそれました。

 中川前大臣、私は十一月ごろ財務省に行ったんですけれども、そのころからです、風邪を引かれていたんですね。しゃっくりをしていた。ここで答弁しているときもしゃっくりがとまらないんですね、答弁中も。それで、麻生総理が後ろからずっと心配げに見ている顔というのは、私は本当にそばで見ていましたから、彼にすれば、非常に苦しい中でも一生懸命やってこられた。しかし、国際会議で日本を代表してのあれはいただけないわけでありますから、中川前大臣には、猛省をしながら、これからも一生懸命政治の道で頑張っていただきたいというふうに思っています。

 そこで、第一の質問に入るわけでありますけれども、私が題目をつけたのが、昨秋からの総理の経済見通しについてということですけれども、きょうはお二人がいるので、ちょうどよかったなと思っているんです。

 どうもアメリカ発の大不況に対して、もう日本の金融機関は一回ハードルを通った、金融危機を抜け出したんだから、これは、アメリカというか世界が見本にすべきだということで、余り日本には影響がないであろうということ、それから、与謝野大臣にしても、余り心配するような出来事ではないのではないかというようなことが新聞に載ったことがあるんですね。ところが、今の総理の冒頭発言の中で、ともかく大変な事態が起きたということで、四半期別のGDP速報でも年率換算で実質一二・七%減、名目六・六%減と、非常に厳しい数字が出ているというお話があったわけであります。

 景気の落ち込みは予想を超えるものがあるということですけれども、この辺の経済見通しというのは、当初考えていたことと今は全く誤っていたというふうに理解するのか。さもなければ、スピードがこんなに速いとは思わなかったということなのか。その辺についてちょっとお聞かせください。

麻生内閣総理大臣 世界的な金融危機というのが、リーマン・ブラザーズということになろうと思いますが、昨年の九月のことであります。

 日本の金融システムという点でいけば、我が方はこの四カ月の間に銀行の倒産とか証券会社の倒産というような事態になっていないということは、はっきりいたしております。傍ら、欧米はもちろんのこと、多くの金融機関が問題を起こしているという状況は、もう非常に彼我の差ははっきりしておると思っております。

 ただ、実体経済につきましては、輸出の面等々が大幅に減る、また国内の設備投資が大幅に減るなどなど、そういった面において日本のGDPに大きな影響を与えた。これが景気回復を支えておりました大きな部分でもありましたので、そこの部分のマイナスが大きかったということだと思っております。

 そういった意味で、外需の落ち込みというのは多分最も大きかったと思いますが、こういったものが今後期待できないというような状況が、アメリカ、欧米、どれくらい続くかは別にして、そういったことを考えて、各国、国内の景気対策、内需の喚起というものに全力を挙げていかねばならぬということが、当面、我々の景気対策、経済対策として大事なことになりつつあるんだと存じます。

小島委員 世界的な状況の中で日本がどうあるべきかということを考えながら進めるということでありますが、冒頭発言の中にもありましたけれども、三段ロケットでともかく打ち抜くんだ、しかも世界で一番最初に不況から脱出をするという強いメッセージが当初からあったわけでありますので、これを忘れずに、ともかく力強く進んでいただきたいということであります。

 そのためには、補正予算初め本予算も早期に通してもらうということが第一番目の条件だと思いますので、この辺については我々も真剣に考えてやっていきたいと思っています。

 時間の関係で次に進みます。

 二番目は、総理のこれまでの経験、実績が現在生きているかということなんですけれども、この辺については、総理の今までの経歴をずっと見てみると、このくらい経験豊富な人というのはいないんじゃないかと私は思うんです。平成八年にもう経済企画庁長官になられて、十三年には経済財政担当大臣になられ、同じく十三年に今度は自民党の政調会長、十五年には総務大臣、十七年には外務大臣、それから十九年には自民党の幹事長と、党務もそれから政務も物すごいキャリアを持っているわけであります。自民党の外交部会長もやられていますから、そういう点では、もう申し分のない経歴を持たれているわけであります。

 そのときに、やはりそういう経験を生かしながらやっていく場合に、三番目の、サハリン会談の成果と北方四島についてということであります。

 これは、日本の首相として戦後初めてサハリン、いわゆる樺太へ出かけていって、ロシアのメドベージェフ大統領と会談をしたわけでありますけれども、その会談の内容が、けさも一面トップで各紙が取り上げているということであります。ですから、こういう、五月にプーチン首相が来日するとか、また北方四島については政治的な解決をしていく、領土解決は新しい手法で行うということで、外交を得意とする首相には多くの国民が期待をしていると思うんです。

 それで、どのような進展があったのかということを聞きたいわけでありますけれども、今まで北方四島は、総理が発言されているように、二島にするか四島にするかで分かれているということで、硬直化状態が続いたわけでありますけれども、こういうことにやはり賛成、反対があるんですね。きょうの新聞なんかでも、どちらかというと、ロシアが提案したことに同意して、歴史的な汚点であるということを大学の名誉教授なんかが言っている新聞もあるわけですよ。

 だから、我々はそうじゃないというふうに思っているんですけれども、この大統領との会談は実際どういう進展があったのか、どういう内容で、ポイントはどこなのか、この辺についてお聞かせいただければありがたいと思います。

麻生内閣総理大臣 今回の会談は、ロシア・メドベージェフ大統領からの電話によって成立することになりました。サハリン2プロジェクトの竣工式という席に呼ばれて、その席で会談をということで、会談をさせていただくことになったというのがそのそもそもの背景です。向こうから面会を申し込んできたというのも、過去六十年間ぐらいの間では、ないと記憶をいたします。

 この中で、領土問題につきましては、進展があったというよりは、少なくともこの問題に関しては我々の世代で解決することという話をされたので、あなた四十代、こっち六十代だから彼我の差は二十幾つあるので、どっちの世代だというような話をさせていただくなどいろいろありましたけれども、とにかく、これまでいろいろ長い歴史がありますので、その歴史の間に基づいたいろいろな合意した文書があります。そういった合意文書に基づいてまずやらないと、いきなり全くゼロからなんてわけにはいきませんよと。

 それから、大統領が指示を出しておられます。新たな独創的で型にはまらないアプローチのもとで作業をしていこうではないか、これは向こうが言ったせりふであります。

 そこで、私どもは、四島の話は、これはまず、そこにいる人をどうするんだとかいろいろな話が出ますが、その前に、四島というものの帰属がどうなるのか。この帰属がロシア領なのか日本領なのか、その帰属の問題というのが、いわゆる解決をしておかないと、いろいろな作業を進めても、そこが余り意味のないことになる。

 したがって、まず帰属の問題というものも、同時並行的にこの話を進めていってもらおうというような話をさせてもらったのが、首相として、向こう側の大統領として作業を加速させるという話をしたというところが大きな転機だとは思いますが、いずれにしても、二〇一二年のウラジオストクにおきましてAPECを開く予定にしておりますので、そのときに、いわゆる会場となる島がありますが、その島への橋の建設というのをやろうと。これはかなり長い橋になりますので、西でボスポラス海峡をトルコのところにかけた日本の技術というものを、たまたま東ボスポラスというので、東ボスポラス海峡と向こうは呼んでいますけれども、こういったものに関しては一緒にやっていこうではないかという話やら何やらの合意がそこで見られたということであります。

 五月、プーチン大統領の来日ということについても、政治的対話を加速していくということで、その点でも話が出ておりますし、いずれにいたしましても、こういった問題は、事務的に詰められるところもあろうが、最終的な決断は政治家でする以外ないという話が、双方でのきちんとした強い意思を持って臨まないと、これは下に任したって進む話ではないというところが双方で合意しているところであります。

小島委員 ありがとうございました。

 一応、北方四島の問題等については、質問の方をずっと見ていくと、国民新党の鈴木宗男先生もこれを取り上げるわけでありますので、ピンポイントでお話があると思いますけれども、ぜひそのときの雰囲気だとか何かを率直に話して、そして問題解決に当たっていただきたいというふうに思います。

 それで、あと一つは、私が最後に挙げたのは、新聞で、ヒラリー・クリントン長官が日本に来たときにお土産で持ってきたというようなことがありますけれども、いずれにしても、ヒラリー長官が初めて外遊したときに日本を訪問したという大きな歴史的な事実もありますし、二十四、二十五日の、いわゆるバラク・オバマ大統領が外国の人を招待するのも初めてということで、初めて尽くしなんですけれども、相当、日米同盟に対して気を使っておられる。それから、これから先もやはり一緒に仲よくやっていこうというあらわれだと思いますけれども、総理がアメリカの方に行ったときに、当然のことながら景気回復を初めいろいろな問題を取り上げると思うんですけれども、その中でも特に、景気回復の金融対策以外にどういう問題をプライオリティーとして考えているのか、優先順位ですね、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 これまで、アメリカの国務長官が就任をして最初の海外というのは、大体ヨーロッパないし中東が歴史です。アジアが選ばれたのは過去に例がないと思っております。その意味では大きかったと思います。また、ホワイトハウスに呼ばれるのもヨーロッパが最初だったと記憶をいたします、ちょっと正確じゃないかもしれませんが。国務長官の訪問に関しては、間違いなくそうだと思っております。そういった中では、過去に例がないという点ではおっしゃるとおりだと存じます。

 しかし、基本的に同盟というものは生き物だと思っております。付与の条件で固定されているものではありませんので、同盟がきちんと作動するかしないかというのは、過去の歴史を見ましても、同盟条約が破られたというのは過去に例が幾つもあります。そういった意味では、同盟は常に生き物ですから、双方できちんとそのメンテナンス等々をやっていく努力が必要なんだと思います。

 今、日米に関して、やはり経済問題、金融問題というのは大きな問題だと思います。しかし、アジア太平洋地域という、このアジアの中において太平洋地域における平和と繁栄をいかにというのは、東端と西端にいるんですが、こういった地域がやはり双方で、世界一位、二位の経済力を持っている国がどうするかという問題は、非常に大事な問題だと思っております。ほかにも、今、アフガンを含めまして、世界じゅうでテロの話もありますし、環境の問題などなど、世界的にやっていかねばならぬ問題はいっぱいあります。

 特に環境問題で、いろいろな技術の進歩によって排気ガスを抑えるなどなど、こういったことができる技術力、工業力、経済力のある国というのは日米だと思っておりますので、そういった意味では、同盟国同士がこういった問題についてきちんと姿勢を調整をしておくというのは大事なことなのではないか。

 基本的には、今申し上げたアジア太平洋の平和と繁栄、そして金融危機以外の話で世界的な問題、テロ、環境など、そういったいわゆるグローバルと言われる問題に関して意見の一致をさせておくことが必要だろうと考えております。

小島委員 いろいろとありがとうございました。

 テロの中に恐らく拉致問題も入っていると思うんですけれども、いずれにしても、ブッシュから始まって、今オバマ大統領ということでありますので、拉致家族の方々も大変な期待を寄せていると思いますので、ぜひこの会談でそういう問題も取り上げて、継続的に問題解決に向かって麻生総理の外交手腕を発揮していただいて、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。終わります。

衛藤委員長 これにて小島敏男君の質疑は終了いたしました。

 次に、池坊保子君。

池坊委員 皆様おはようございます。公明党の池坊保子でございます。

 私は、先日の中川前財務大臣の辞任について、麻生総理に質問をさせていただきたいと思います。

 私たち公明党は、十年前に自民党と連立を組み、二人三脚でやってまいりました。連立を組むということは、私は、結婚のようなものではないかと思います。時にむっとすることがあったとしても、相手のいい面を見詰め合って、喜びや悲しみを分かち合い、助け合い、励まし合い、そして、時に夫が溝に落ちたらしっかり者の妻が手を差し伸べ、引き上げ、そしてともに歩んでいく。さまざまな問題を英知を出し合って解決していく、その過程の中で信頼や愛情のきずなが深まっていくのではないかと私は思います。

 でも、正直言いまして、私は先日、その連立を組んでいる人間の一員としてではなく、その以前に一政治家として、一国民として、大変恥ずかしく、悲しい思いをいたしました。

 テレビをつけましたら、突然、中川前大臣のもうろうとした会見が目に入り、一体これは何なんだろうかと思っておりますうちに、いろいろと何度も何度もそれが流れました。私が残念に思いましたのは、日本のみならず全世界にそれが発信されたということなのです。

 昨日の新聞、いろいろと目を通しましたら、先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議の開催地であった、問題の震源地であるローマで、主要メディアが中川氏辞任を一斉に速報しておりました。

 主要紙では、政治統治能力が失われた今の日本を象徴している、あるいはまた、日本人は常に真剣、清廉、厳格だというイメージが崩壊したと。ニューヨーク・タイムズ紙では、アメリカのガイトナー財務長官は投資家を奮い立たせるスピーチができないと批判されているがだれも彼を酔っぱらっていると非難しなかったとして、G7後の記者会見の映像を見ればだれもが酔っぱらい大臣と結論づけるだろうと指摘しております。イギリスのフィナンシャル・タイムズは、中川氏がローマの記者会見で見せた失態は国際金融危機に効果的に対応できない世界第二の経済大国の無力ぶりを暗示したと酷評しております。そして中国でも、十七日付の北京晨報は、日本の財務相が酒に酔ってG7にと大きな見出しで報じたそうです。

 私が残念に思いますことは、能力もさることながら、問題は、その態度、振る舞いであったのではないかと思います。つるべ落としに景気が悪化していく中であって、ばたばたと中小企業が倒産し、失業者もふえ、あす食べることにも事欠いている人が多く出ている現在の不況の中で、せっかく、経済対策を担当する大臣が出席なさって、先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議が財政出動しようねということで一致した、こんな大切な会議だった。そして、その会議は無事に終了した。それなのに、その後の記者会見でこのような醜態を演じるということは、残念というとともに前代未聞なのではないかと思います。

 体調が悪かった、風邪薬の飲み過ぎだったといろいろなことが言われておりますが、私は、重要なポストにいらっしゃる方のリーダーとしての条件の中に、やはり危機管理能力、自己管理があるのではないかと思います。

 何度も申し上げるようですが、私が残念に思ったのは、一国の問題ということではなくて、全世界に日本という国を印象づけたという点で、私は極めて残念に思います。イタリアのジョルナレ紙が、さっき申し上げましたように、日本人は常に真剣、清廉、厳格、そういうイメージが崩壊したと。

 私は、総理もそうでいらっしゃると思いますが、日本をこよなく愛しております。そして、世界の人々が日本人に愛情と信頼と尊敬を持ってほしい、そう願っております。私は、その日本人のすばらしい人格や振る舞いが損なわれたということに大きな懸念と悲しさを感じております。日本は、経済大国第二位だけでなく、長い歴史や文化や芸術を有しているすばらしい国なのよといつも世界にアピールしている立場の人間として悲しく思っておりますが、麻生総理は今回の事件をどのようにとらえていらっしゃるかをちょっとお伺いしたいと存じます。

麻生内閣総理大臣 今、いろいろ例を引かれてありましたように、中川前財務大臣、自身の健康管理の不十分というのが、総合的な判断はそういうことになるんだと思いますが、辞任することとなりました。

 平成二十年度の第二次予算の関連法案並びに平成二十一年度の予算案の審議中において、担当大臣であります財務大臣という立場の人が交代ということになりましたのは、大変申しわけないと思っております。

 また同時に、今、海外にそういったイメージを与える結果になってしまったこと、会議自体はともかく、その終わった後の記者会見においての態度というものが、結果として世界的にいろいろな不安なり不信なりというのを招いたということは、まことに申しわけなかったと思っております。

池坊委員 そして、この問題でちょっと残念に思いましたことは、事後処理をもうちょっと迅速にしていただいたらよかったのではないかなという気がいたします。

 私の父は、よく、失敗を重ねます私に、人間は失敗することもある、けれども大切なのは、それを受けとめ、どうそこから立ち上がっていくか、その対応の仕方だというふうに私をいさめておりました。

 中川前大臣の辞任はやむを得ないとすべての人が思ったのではないかと私は思います。けれども、予算案と関連法案の衆院通過後の辞任というのは、政府を代表して答弁なさるのですから、やめる大臣に答弁してもらってもと国民が思ったのも私はちょっとわかるなという気がいたします。でも、だからといって、野党の方が昨日委員会を欠席なさったことを、私は決して容認するものではございません。やはり……(発言する者あり)今、やじに答えることはないのですが、野党の方にしっかりと私はこの際申し上げておかなければならないと思います。政権与党になりたい、なりたいとおっしゃるならば、まず自分の身をしっかりと、今、何をなすべきかということを考えるべきと私は思います。

 経済対策を待ちわびている人にとって、一日が大変長いのです。予算通過をどれだけ待ちわびていらっしゃる方がいるか、そのことに思いをはせなければいけないと思います。そして、私どものやるべき仕事は、やはりこの委員会に出席することだと思います。仕事をサボタージュしてはならないと思います。人間、嫌な仕事のとき、不快になることもありますが、そのときにもしっかりと出て、そして自己主張をなさればいいんです。きのうだって、テレビがあったんですから、おっしゃりたいことがあったら堂々とおっしゃればよかったと私は思います。それが民主主義ではないかと思います。

 私は、ぜひ野党の方には民主主義は何かということをまず勉強していただきたいと思いながら、また本筋に戻ります。

 これについて、総理、事後処理がちょっと遅かったかなと思われましたか。

麻生内閣総理大臣 私は、今回のあれにつきましては、中川大臣から、本人の体調と。私はこれが一番だと思っておりますので、能力より体調の問題だったと基本的に思っております。したがいまして、それぞれの時点で私が判断したものであります。

 十六日の夜、予算及び関連法案の成立に全力を尽くすということでありました。十七日の昼、病院の診断の結果、風邪や疲労性など体調思わしくなく、予算及び関連法案が衆議院を通過するまでは全力を尽くすということでありました。しかし、その日の夜、まあここで見られても、脂汗がずっと流れておられましたし、そういった意味で、本人の体調と国会審議への影響を考えて辞任をするということであったので、本人の意思を尊重したということであります。

 それぞれの場において、御本人の意思の問題でもありますので、私どもとしては最後まで職責を果たしていただきたかったと正直思っておりますけれども、本人の健康の問題というのは、これはやはり御本人自体でないと、我々、何となく周りからいろいろ申し上げても、これは本人ということになろうと思いますので、本人の健康の問題であり、やむを得ないというように判断したというのが経緯であります。

池坊委員 麻生総理は、いつも夢や希望を大切にという、これは麻生総理の美学でいらっしゃるのではないかと、いろいろな本を読みながら私は思っております。

 悲観主義からは何も生まれてまいりません。ですから、常に建設的に夢や希望を持ちながら目標に向かっていくことが私は必要だと思いますが、私は、今のこの経済対策を乗り切りますキーワードは、安心、信頼なのではないかと思います。オバマ大統領があれだけ人気があるのは、国民がオバマさんについていこうと思うその安心感、ついていったら大丈夫というその安心感と、彼を信頼しているからだと思うのです。

 今、六十五歳以上の世帯の貯蓄残高は五百五十八兆もあるんですね。実際に老後に必要な経費なんかを差し引いても百七十九兆が残ると言われております。また、たんす預金は三十兆、個人の金融資産は千四百六十七兆。つまり、皆様方が未来に希望を持って、安心して信頼したら、こういうお金も使っていただけると景気も浮揚するのではないかと思います。

 これから麻生総理には、ぜひ強い信念を持って、国民を引っ張っていかれるリーダーとして、どのような形で国民の信頼、安心を構築していかれるかを伺いたいと存じます。

麻生内閣総理大臣 基本的に、今言われましたように、個人金融資産約千五百兆と言われております。その千五百兆の中で、どういった形でこれを、貯金とか預金とかいう種類の金融資産が何らかの形で一部投資に向かうということになるのが景気を活性化させる、また、消費に向かうというのも同様に景気を活性化させるものだと思っております。そのために、いわゆる景気刺激策として、住宅の借りかえとか建てかえとかいったものに関しての減税をやらせていただきますとか、いろいろなことを申し上げてきておりますが、安心というものがないとなかなか金を使いにくいのではないか。

 このままいっても将来年金はなくなるのでないかなどという話が、いろいろ風聞としてよく出されたところであります。したがって、そういったようなものを我々としてはきちんと対応をしておかないと、なかなか安心して老後が過ごせないから、きちんと今自分で何とかしておかなければならない。

 そういった意味では、貯蓄率が極めて高い中国がよく例に引かれますけれども、中国は、そういった年金、医療などなどいろいろなものがきちんとできていないがゆえに貯蓄率が高い、そういった説もあります。これは、高ければ必ずいいというものでもありませんし、低いところがすべて健康保険ができていないというわけでもありません。これは一つの例です。

 そういった例を見てもわかりますように、日本としては、きちんとした対応をしておく必要があるということ、安心という意味でいくと、そういった点をきちんと対応していくというのは今後大きな問題になってくると思っております。

池坊委員 麻生総理と接した方は皆様、総理を大変友情に厚くてすばらしい人柄の方だというふうにおっしゃいます。多分、私は、人を大切になさる方でいらっしゃるんだと思います。でも、同時に、私がかつて読みました中で、リーダーの必須の条件の中に、孤独に耐えられる人でなければならないと書いてございました。

 どうか、リーダーは、総理はある意味で本当に孤独な日々でいらっしゃると思いますが、余り周りのことに煩わされずに、友情もほどほどになさって、孤独にも耐えていただけたら、私はもっともっとすばらしさが引き出るのではないかと思います。

 それで、最後に、与謝野大臣に伺いたいと思います。

 安定感のある与謝野大臣が三つの役を兼任されますことを、私は頼もしく、そしてうれしく思っております。確かに、経済、財務、金融、この三点をお一人で担われるのは重責であり過ぎるかと思いますけれども、でも、前の大蔵大臣はそれを全部していらしたんですよね。この三つというのは連動しておりますから、私は、一人の方がこれを担われる方がかえって効率的なのではないかというふうに思っております。

 会見でも、政治家はプラグマティズム、現実主義の塊みたいなところがある、状況に応じて適切な政策選択を行うことが我々に与えられた使命だと語っていらっしゃいます。

 いかがですか、この金融危機に対し、財務・金融大臣としてどんな対応を考えていらっしゃるでしょうか。

与謝野国務大臣 我々は、平成二十年度の一次補正、二次補正、そして今、国会に平成二十一年度の当初予算をお願いしております。これは、事業規模七十五兆の経済対策でございますが、今週の月曜日、十六日に発表された年率換算のGDPの落ち込みというのは、なかなか大きな数字でございます。これから、経済界も言論界も学界も、また国会の中でも、一体これからどういう物の考え方で政策を進めていくべきか、こういう議論はたくさん出てくると私は思っております。一―三月についても、民間の方々は決して楽な予想をされておりません。

 したがいまして、私としては、麻生内閣の三つの閣僚を兼ねますけれども、兼ねたからといって私の立場は麻生内閣の一閣僚でございますから、そういう立場で、日本の経済をしっかりとしたものにするために全力を挙げてまいりたいと思っております。

池坊委員 国民の八割の方が補正予算並びに本予算の一日も早い成立を待ち望んでおります。国民の視点に立って、関連法案、再議決も含め、どなたが欠席なさろうとも、私たちは国民とともに粛々とやってまいりたいと思っております。全力でお支えいたしますから、頑張っていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 これにて池坊保子君の質疑は終了いたしました。

 次に、菅直人君。

菅(直)委員 私、総理が本当にどんなふうに中川財務大臣の辞任について言われるのかなと耳をそばだてて聞いておりました。私は、多くの国民の皆さんも、麻生総理の盟友とも言われ、お友達という言い方もありますけれども、その中川大臣の辞任にどういうふうに総理が国民の皆さんにおわびを言われるのかなと聞いておりました。

 しかし、総理の言葉は、中川財務大臣が自身の健康管理が不十分であったことから、つまり、総理の判断は一切入っておりません。本人が健康管理が不十分で辞任することになったと。申しわけないと言われた部分は、単に、予算の審議中に担当大臣が交代に至ったことはまことに申しわけないと。一言も、みずからが任命した大臣であることに対するおわびの言葉は入っておりません。

 しかし、私が少なくとも聞いたり見たりしている限りは、麻生総理は中川財務大臣とはかなり親しい関係じゃないんですか。一緒に食事をされたこともお酒を飲まれたこともあるんじゃないですか。そして、中川大臣、私はお酒を一緒に飲んだことはありませんけれども、少なくともこれまでにもお酒をめぐるいろいろなトラブルが報道されてきたことは、私もいろいろなところで目にいたしております。本当に大丈夫なのかなという声もあったことも聞いております。それを承知で任命されたのが麻生総理なんです。

 しかも、今も公明党の委員の方もありましたように、G7の後の記者会見というのは、ある意味では、会議そのものは世界から直接は見ることができませんから、G7の会議の後の記者会見こそ、それこそ各国の財務大臣が、自分の国の国民に対してだけではなく、世界に向かって、我が国はこういう形でこの経済対策をやるんだ、最も重要な場面じゃないですか。その最も重要な場面で、少なくともほとんどのメディアから、あれは酔っぱらった状況じゃなかったのかと言われるような醜態をさらした。

 そういう大臣を、私は、一切兆候がなかったとは言えないと思うんですよ、何回もそういう話題の出た人ですから。まさに、麻生総理は国民の皆さんに、私たちじゃなくて結構です、国民の皆さんに、みずからが任命した中川財務大臣がこういう醜態をさらして世界の信用を失ってやめたことに対して、あなた自身の責任をきちんと語って、おわびをするならおわびを国民の皆さんにしてください。

麻生内閣総理大臣 過去、中川大臣が時々体調を崩されるということは、報道によっては知っておりました。

 私は、この方と一緒に何回となく酒を飲んだりしたということがあるかといえば、飯を食べたことは何回もあります。本当に何十回とあると思いますが、私の前で酒を飲まれたことは、私の記憶では、ありません。ないんです、私の場合には、少なくとも。それがまず事実としてありますので、近くで見ていても、全く、少なくともこの数年間の間、私と中川さんとの間でそのような、酒席というような席で彼が酒を口にしたという記憶はありません。

 そのため、財政、金融に明るいという意味で私は適任であると考えて、任命をさせていただきました。最近、体調管理というものにも注意していると聞いておりましたし、事実、私もそう思っておりましたので、問題はないと判断をしておりました。

 しかし、このような事態になったというのは事実でありますので、閣僚に任命した責任は当然私にある、そのように考えております。

菅(直)委員 何回も食事をしたけれどもお酒を飲んだことはないと言われれば、それは、私も別に同席したことは一度もありませんから、そのこと自体を私も否定する根拠はありません。

 ただ、総理大臣として、いろいろな情報が入っていたんじゃないんですか。総理大臣はそういううわさを一切聞いておられなかったんですか。つまり、総理大臣というのが、そういう、まさに閣僚やいろいろなことに対して、正確な的確な情報を把握できていなかったとすれば、その方がもっとひどいじゃないですか。

 自分の目の前で酒を飲んでいなかったから、じゃ、中川さんはお酒を飲まない人なんですか。そんなことはないでしょう。ですから、そういう言い逃れをして、国民にまともにおわびをされようとしないのはおかしいんじゃないですか。つまりは、そういう、まさに問題がある人であったけれども、まあしかし、それは大丈夫と思って任命したけれども結果としてこういうことになったのは、私自身にも、そういうことに対してちゃんとした注意をしなかった、あるいは何とかできなかったことの責任はあるんだということをはっきり言われるべきじゃないですか。

 私の目の前ではお酒を飲んだことがないからそれで大丈夫だと思ったというんだったら、情報が把握できない総理という意味で総理の資格はないと私は思いますが、いかがですか。

麻生内閣総理大臣 人のうわさというものをもとにしてやるのもいかがなものかという点も、我々としては考えておかねばならぬところです。人のうわさ、週刊誌のうわさだけでその人の判断をやるというのも、極めて間違った情報を持つということもあり得ます。

 したがって、お酒を飲まれた上での話というのは、いろいろな方とうわさは聞きましたけれども、閣僚になられて、そういったことをきちんと自分で身を律するか律しないかというのは、かかって本人の問題だと存じます。

 したがって、閣僚になったときにいろいろお互いで話をさせていただく機会もありましたし、そのときに飯を食ったこともあります。見ていても召し上がりませんでしたので、かなり最初のうちだったと思いますが、この種の話は最初のうちに申し上げておくべきだと思いましたので、きちんと最初の段階で、酒の話というのは、酒を飲まないからいいけれども、これは注意しておかなければだめよと言ったら、本人も十分に自覚をしておられたので、私どもとしては、先ほど申し上げたような経緯で任命をさせていただいたというのが私の背景であります。

 情報収集というのであれば、知らなかったかといえば、少なくともいろいろなうわさは知っておりました。それが情報というのであれば、その種の情報としては、うわさ同様に入ってきておったというのは事実です。

菅(直)委員 今総理は、早い段階に、それは中川さんが閣僚になられて早い段階ですよね、お酒については注意したと言われましたね。言われましたね。どうです、今言われたこと。

麻生内閣総理大臣 そのとおりに、先ほど答弁申し上げたとおりです。

菅(直)委員 ということは、うわさであったか何であったかは別として、心配して注意された。私はよかったと思いますよ。結果として、その注意にきちんとした対応ができなかった、総理の注意にちゃんとした対応ができなかった、そういうことじゃないですか。

 だから、総理として、自分がそういう注意をして大丈夫だと思ったけれどもこういう事態になったことは、やはり任命権者としてそういう選択をしたことについて、みずからの責任があるんならあるとちゃんと言ってくださいよ。人ごとのようなことを言わないで、自分の口で国民の皆さんに言ってください。

麻生内閣総理大臣 先ほど申し上げたとおりだと思いますが、少なくとも今回の場合、もちろん、疲労もあったでしょう、風邪も引いておられたのは、この前の一連の本会議の答弁を見られてももう鼻水状態でしたので、よくわかっているところだと思っております。加えて、抗ヒスタミン剤を飲めば、いわゆる少量のアルコールであっても非常に大きく反応が出るということも、これは言われるとおりです。

 そういった意味におきましては、薬によります部分というのは非常に大きかったので、酒がすべてかと言われれば、私は、それは少し違っているのであって、薬というものと酒が少量であっても反応するというところが、御本人の判断というものが大きく違ったところだと思っております。

 したがって、先ほど、任命責任というのであれば、早目に注意をしたというのは事実ですから、その意味において、その注意が、会議が終わった後のことでもあり気が緩んだところもあったんだと思いますが、結果として、いろいろな意味で、皆の前でああいうような状態になったということに関しては彼は非常に責任を重く感じ、結果として、その後も体調が芳しくないと判断をされましたので、私は、名誉挽回の機会というものもきちんと与えた方がよろしいのではないかと思ったことも事実です。しかし、本人の気力、そういった体調に合わせての気力も関係をしますので、そういった意味では、御本人が最終的にとてもという判断をされたのに合わせて辞任を受理したというのが経緯であります。

菅(直)委員 中川財務大臣が帰国をして、二月十六日にまず総理に会って陳謝をしたと報道があります。それに対して総理は、いや、職務に専念して頑張れと激励されたと報道に出ております。十六日の夕方です。

 そして、十七日の朝、いろいろありますけれども、衆議院、参議院でそれぞれ委員会が立って財務大臣の出席が少なくとも求められていたのに、まあ、お医者さんに行かれたんだから、そのことがいい悪いは言いません、少なくともその出席をしないで医者に行かれて、そして昼、この予算委員会の集中審議が始まるわずか三十分前に記者会見をされて、衆議院での予算が通過したら辞表を出しますと。

 私、そのときに安倍総理のことを思い出しました。本会議のわずか十分前に、やめたと、代表質問に対する受け答えをやめたと。集中審議を今から始めますというわずか三十分前に一方的に記者会見をして、いや、予算が通過したら、関連法案が通過したら辞表を出します、そんな人を相手にどうやって議論できるんですか。私たちが、そんなことはおかしいじゃないの、即座にやめるべきだと言って問責が参議院から出たら、夕方に今度は、即座にやめますと。

 その間、総理は、前の日の夕方は慰留し、そして朝、昼、昼の少なくとも記者会見の前にも、報道によれば、官邸に予算が通過したら辞表を出しますということを言った。言ったということは、それでいいということを言われたんでしょう、総理は。しかし、夕方になったらまた、やはりだめだからやめますと。そういうことに対して、総理は、二転三転する本人のその態度の変更に結局何も指導性を発揮しない。判断がぶれまくっているんじゃないですか。

 少なくとも前の日は、大丈夫だ、あの画像を見ても映像を見ても大丈夫だ、まさに挽回のチャンスを与えようと。それが、翌日の昼間になったらまた変わって、しばらくしたらやめるのも仕方ない、夕方には、即座にやめるのも仕方ない。こんなふうに判断がぶれまくるから国民の信頼が得られないんですよ。いかがですか。

麻生内閣総理大臣 中川大臣からは三度にわたって報告、説明を受けたと存じます。

 まず、十六日の夜、これは面談をしております。官邸、官房長官も同席をしたと記憶します。G7の成果の報告とあわせて、記者会見の状況等々の報告を受けております。そのとき中川大臣から、体調を万全にして二次補正予算関連と二十一年度予算の成立に全力を尽くしたいという決意が述べられております。そこで、私から、健康管理というものはしっかりしなきゃだめだという注意をすると同時に、体調を万全にして着実に仕事の成果を出してもらいたいと話をしました。

 十七日の話ですが、これは昼前、電話にて、これも官房長官が同席していたと思いますが、病院での検査の結果、風邪や疲労など体調が思わしくなく、予算及び関連法案の衆院通過だけは全力を尽くして、その後に辞任するとの報告がありました。私は、本人の厳しい決断でもあり、やめるという意思はそれなりに尊重をするべきものだと思いました。

 夜、面談、これは官邸、これも官房長官が同席をしております。極めて体調は思わしくなく、その後もぐあいが悪いので、国会審議への影響も考慮し、本日辞任をさせていただきたいとの報告がありました。熟慮した上での判断だと思いましたので、大変厳しい決断を政治家としてされたんだと思いますので、その意思を尊重することにさせていただいたということであります。

菅(直)委員 まさにそういうことを総理が、前もってもうここまで来たら無理じゃないのと言うんじゃなくて、じゃ、大丈夫でしょう、次は予算が通過まで、じゃ、それもいいでしょう、最後は、いや、即座にやめると。判断がぶれまくっているじゃないですか。

 少なくとも任免権者ですよ。つまりは、本人が言ったらそれでいいというんだったら、任免権者としての責任はないということじゃないですか。本人がたとえどう言おうとも、ここはもう無理なら無理、大丈夫ならそれでも支える。そういうものがたった二十四時間の間に、今のをお聞きしたら、十六日のときから十七日の夜までの二十四時間の間に、最初は頑張れ、次は予算が通過したらやめるのも仕方ない、次は即座にやめる、こういうのを判断がぶれていると言うんです。

 そこで、後にもう一度この議論も含めて総理のまさに資質については申し上げますが、与謝野大臣、本当に御苦労さまです。私は、財務、金融、経済財政担当の三閣僚というのを兼任されるのは大変だと思いますね、特に外遊の多い仕事でありますから。与謝野大臣は記者会見か何かで、能力的には十分でないかもしれないけれども、体力的には大丈夫だと。私は、与謝野大臣はあえてそう言われたんだと。与謝野さんの、考え方はかなり違いますが、能力的には私も評価をいたしております。しかし、体力的には本当に心配をいたしております。

 二十二日、たしかASEANの会議がありますね、財務大臣の会合がある。しかし、与謝野大臣は、本来なら財務大臣として出席をされなきゃいけない立場だと思いますが、欠席をされるときょうの報道にありました。

 私は、本当のところ、与謝野大臣が、能力とかじゃなくてそういう意味で、私は、三つのポジションをやられるのはなかなか大変じゃないかな、本当の意味で心配も含めて申し上げているんですが、与謝野大臣から見解をお伺いしたいと思います。

与謝野国務大臣 菅さんにかわっていただけるんでしたら、一つぐらいかわっていただきたいぐらいでございます。

 いずれ、総理からこういうことをせよということを閣僚として言われたわけでございますから、体力の続く限り懸命に頑張るというのが私に与えられた使命だと思いますので、菅さんほど体力があるかどうかはわかりませんけれども、体力の限りを尽くして職責を全うしたい、そういう決意でございます。

菅(直)委員 個人的には心配をいたしているということを申し上げておきたいと思います。

 そこで、もう一度麻生総理に戻りますが、支持率のことを余り私も一々この場で取り上げるつもりはありません。ただ、私もこの席にずっと、今予算の理事をしておりますので、ほぼすべてのこの間の予算委員会の質疑を聞いておりますが、さすがに二月五日の麻生総理の発言には私も驚きました。私は、率直に申し上げて、これは致命傷になるなと思いました。

 つまり、麻生総理はあのとき何を言われたか。郵政民営化について、小泉総理のもとで自分は賛成ではなかった、解散の詔書にもサインをしないといって大変なことになった、郵政民営化担当大臣は竹中さんで、私だというのはぬれぎぬだと。

 ぬれぎぬというのは、普通、犯罪か何かをやってもいないのにやったと言われて、ぬれぎぬだというとき使う言葉ですね、たしか日本語では。つまり、郵政民営化担当大臣であったということは、あえて言えば、それがぬれぎぬだという意味は、大臣であったということは、犯罪者と言われたのと同じで、それはぬれぎぬだというふうにもとらえられるような言葉なんですよ。

 そして、こういう言葉が何を国民にもたらしたか。郵政見直しは私たちも言っているんですよ、郵政民営化見直しは。そうではなくて、総理大臣が、自分が総務大臣のときに担当であったかなかったかはともかくとして、総務大臣のときに最終的にはサインをしたんですね。解散詔書にサインをしたのに、サインをするしないでもめたんだと。あのとき、たしか島村大臣ですか、最後までサインを拒まれて、潔くといいましょうか、まさに罷免をされたんですよ。最後まで意思を貫いたから、時の小泉総理は罷免をしたんです。まさに信念に基づく行動じゃないですか。中身がいい悪いは別です。麻生さんは、自分は反対でぬれぎぬだと言いながら、解散のときの詔書に最終的にはサインをした。こんな人を信用しろと言われて、だれが信用できるんですか。

 その後の釈明も二転三転。いや、四分割には何とかだとか、それとこれとはとか、二年間勉強したらこうなったとか。あのとき言われたことは、解散の時点でサインをするかしないかでもめたんだ。つまり、解散のときに、そのときでも反対だったというふうに、少なくとも私はそこに座っていて、ほとんどの人が聞いていると思いますよ。そういうふうに理解されることを言われたんですよ。後になって、二年前の話で、二年間のあれでそうでなくなったとかいろいろ言われていましたけれども、解散のことを言われましたからね。

 私は、そういう意味で、麻生総理が本当に信念ある総理大臣だったら、あの時点で、最後までサインをされないでやめられるべきだったし、それをしなかった総理大臣が、国民に、いや、私を信用してくださいと。先ほども池坊さんが、オバマさんは選挙によって信頼をかち得たから頑張れていると。信頼も信用もされない総理は、私は、何をやったって存在それ自体が政治空白だ。

 それでも、そんなことはない、国民は自分を信頼しているんだと言われるんなら、解散してちゃんと問うてください。それができないんだったら、即座に総理の座をおりていただきたい。これが国民の大多数の声だと思いますので、あえて申し上げます。

麻生内閣総理大臣 郵政民営化につきましては、私は当初は民営化には慎重でありました。しかし、議論の末、結果として民営化に賛成をしました。

 ある政策が提案された場合に、議論をして結論を出す、その際に当初の考え方が変わるということは何らおかしくない、私自身はそう思っております。そして、決定されたらそれに従う、これは民主主義のルールだ、私どもはそう理解しております。少なくとも自由民主党ではそうです。

 決定されたこと、そしてみずから賛成したことについてその後反対するなら、それはぶれたと批判されるんだと思いますが、決定までの間いろいろ議論するというのは当然のことだ、私はそう思っております。

菅(直)委員 聞いておられる皆さんの方が判断できると思いますが、解散の詔書にサインするしないでもめたとみずから言われたんですよ。解散を決定するのに賛成されたんじゃないですか、最終的に。決定そのものに参加しているんじゃないですか。閣議決定がその間もいろいろあったんでしょう。人が決定したんじゃないんですよ。閣議で決定するときには、あなたも閣僚の一員として決定に参加しているんですよ。それを、何かほかが決定したから仕方ないじゃないかと。それこそ無責任だと言っているんですよ。

 あなた自身が決定に参加していて、反対なら反対で貫けばいいじゃないですか。考え方を変えたんなら変えたと言えばいいじゃないですか。それを、自分は、わざわざこの場で、二月五日、私は小泉さんのもとで賛成じゃなかったんですよと、筒井委員がそこまで聞いてもいないのにみずから言われたんですよ。人が決めたことのようなことを言わないでください。あなた自身が閣僚として、その決めること自身に自分自身がサインをしているんじゃないですか、それまでの閣議決定も含めて。

 もう一度、そういう態度で国民の皆さんから信頼を得られないんですから、得られていると思うんなら解散すればいいし、得られていないと思うんなら即座にやめてください。

麻生内閣総理大臣 今御答弁を申し上げたとおりを重ねて申し上げるようで恐縮ですけれども、少なくとも、最終的に、私は議論の末、民営化に賛成したがゆえにサインをしたということだと御理解いただければ、時系列的にもきちんとしていると思います。

 解散につきましては、私が判断をさせていただきます。

菅(直)委員 同じ繰り返しはもうする必要もないぐらいに、国民の皆さんはわかっておられると思います。

 そこで、もう一つ。そういう麻生総理の発言に対して、小泉元総理が痛烈な批判をされました。私は、その後の私の定例記者会見でも申し上げたんですが、先ほども自民党の方が麻生総理のいろいろな経歴を言われていましたが、そのかなりの部分は小泉政権のもとで、自民党政調会長、そして総務大臣、外務大臣と、まさに枢要なポストを占められた。その麻生さんを、ある意味で、そういう形で引き立てた。それが総理というものにつながった、私は客観的に見てもそう見えると思います。

 そういうことをやった小泉さんが今になって笑ってしまうなんていうこと自体が、私は小泉さんを笑ってしまうんですけれども、そういう意味で、決して小泉さんの発言がすばらしいなんて私は全く思いません。

 ただ、あえて一点、定額給付金について、三分の二の、つまり、郵政選挙で獲得した三分の二の議席を使ってそれを再議決するのは、簡単に言えば反対だと。何か昨日は、自分は欠席すると言われたそうであります。この定額給付金については、我が党は、今でもそれを切り離すべきだということを関連法案で主張しております。

 この小泉総理が定額給付金を三分の二で議決するには反対だと言われていること、さらには、その場面では欠席すると言われていること、それに対して、総理として、場合によっては自民党総裁として、それに対する見解、また、そういう行動を総理がとられたときに自民党としては処分をするのかしないのか、それについてもあわせてお答えください。(発言する者あり)

麻生内閣総理大臣 小泉総理がどのような発言をされたということにつきましては、その現場にいたわけではありませんので、発言された内容のおおよそを承知しております。

 しかし、私の記憶では、小泉元総理は二次補正並びに関連法案にも衆議院で賛成をしておられました。どのような意図で発言されたということについては、その真意をはかりかねておりますが、いずれにしても、自民党所属の国会議員、代議士である以上、党の方針には従っていただきたいと考えております。

 定額給付金につきましては、もうたびたび申し上げておりますように、これは家計への緊急支援であり、消費をふやす効果もあると思っておりますので、既に予算も成立しておることでもあり、ぜひ関連法案の成立は早期に図っていただくように御協力をいただきたいものだと存じます。

菅(直)委員 やじの中に、自民党の中でのことだから大きなお世話だというやじもありましたけれども、やはり、元総理が発言されていることについて聞くのは当たり前のことでありまして、それに対して率直な答えでした、今の麻生総理の、真意をはかりかねていると。私が小泉さんにかわって真意を言うわけにはいきませんので、よく真意を聞いてみてください。

 少なくとも私が理解している範囲でいえば、三分の二というのは異例の対応なんだと。本来は、賛成多数を衆議院、参議院で得て法案が通るわけですから。しかし、その例外規定として三分の二がある。その三分の二の議席を得たのは郵政選挙だ、我々からいえばけしからぬ話ですよ、その郵政選挙で得た三分の二を使ってまで異例の形でやるのはおかしいのではないかということを多分言われたんだと思いますが、それ以上のことは、ぜひ当事者に聞いてください。

 そこで、予定の時間があれですので、もう一言だけちょっと与謝野財務大臣に、せっかく新たに財務大臣にもなられたので、お聞きしたいと思います。

 与謝野さんは当初、ハチに刺された程度だとリーマン・ブラザーズの破綻のときに言われました。しかし昨日は、今や日本経済が底抜けをしそうな状況だと、かなり認識が、よく言えば深まった。ちょっと最初が甘かったという感じがします。

 そして、私たちは、先日予算委員会で私も申し上げましたように、四年間で五十七兆円の財政出動、つまり真水五十七兆円の財政出動を予定し、さらに、それに融資の枠、さらには求職者支援法といった形での追加の政策を現在準備いたしております。

 それに対して、平成二十年度一次補正、二次補正合わせて七兆円、本予算で五兆円、合わせて十二兆円の真水、プラス融資枠六十三兆円で七十五兆円と言われていますが、財政出動は十二兆円と言われていますね。

 まず、二つお聞きします。

 この程度の財政出動で、今の景気対策、底抜けしそうな景気対策に大丈夫なんですか。もう平成二十一年度予算に対する補正予算の話もちらほら出ていますが、今の予算が不十分である、もしそういう結論であれば、まずは修正なり組み替えなりを出すのが新たに財務大臣となられたあなたの責任だと思います。

 二つの点、最初は、まず今の予算で景気対策として十分なのかどうかという見解と、それが不十分だというときには今の予算を組み替えたり修正したりする意思があるのかないのか、あるいはそうではなくて、それを補正で対応されようとしているのか。そのことについてお答えをいただきたい。

与謝野国務大臣 こういう状況ですから、世界の経済の状況は刻々と変化するわけでございます。私どもとしては、平成二十年度の一次補正の円滑な執行、二十年度の二次補正が動き出すこと、また二十一年度の当初予算を、なるべく早い段階で関連法案を含めて国会で御承認をいただく、これに全力を挙げることであると思っております。

 追加は必要がないかどうか、これは大いなる論点であると思います。大いなる論点でありますから、国会でもそういうことを十分御議論いただきたいと思いますし、経済界も言論界も学界も、これらの点については、世界の経済の情勢を見ながら、また日本の経済の状況を見ながら、今後大いに議論を展開し、一つの結論の方向に向かって収れんをしていただきたいものだと思っております。

 組み替えとかそういうことは考えておりません。

菅(直)委員 今の予算審議がまだ続いている途中に、うかつなことが言えないという立場はよくわかります。

 ただ、あえて私は国民の皆さんに申し上げておきたいのは、時々、総理でしたか、どなたかでしたか、与党の方だったかもしれませんが、昨年の暮れにも我が党が法案を出したときに、ツーリトル・ツーレートという言葉を言われた方がありました。しかし、この時点になって景気対策で出されている第一次、第二次補正を合わせて真水十二兆、それを出されたのは一月の半ばですから、ツーレート・ツーリトル。その言葉を私から申し上げ、少なくとも民主党は、昨年来の内需拡大を軸にした経済政策の中で、既に、四年間で五十七兆円の財政出動を含むそれを提案している。財源がどうこうということを与謝野さんが言われましたから、そのとき、もしよかったら公開討論会でもやりましょうかと言いましたが、今度は改めて、担当大臣になられたわけですから。

 そういう意味で、我が党の出していることの方が、国民の皆さんに私は申し上げているんですが、より早い段階からより的確に、もちろんその時点ではリーマン・ブラザーズの問題はまだ起きておりませんでしたけれども、少なくとも、内需拡大が大変重要だ、さらには、子育て、そういった安心感が重要だ、さらには、高齢者医療の廃止を含めたお年寄りに対する安心感が重要だ、年金の抜本改革が重要だ、今、与党の皆さんまでもが、それがなければ個人貯蓄もちゃんと使えないじゃないかという議論も出ておりますが、そういうものをすべて含んだ経済政策を我が党は昨年来提案しているということを改めて申し上げて、時間ですので、質問を終わります。

衛藤委員長 これにて菅直人君の質疑は終了いたしました。

 次に、川内博史君。

川内委員 川内でございます。

 四十五分お時間をいただきましたので、きょうは、麻生総理以下、質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 きょうの主なテーマは、中川前財務大臣のローマでの、本当に私も前代未聞であろうというふうに思いますが、あの記者会見と、辞任に至るその事実関係。そしてまた、このG7というのは、百年に一度の危機、世界的な危機の中での非常に大事な会合であった。チーム日本としてしっかりと臨まなければならなかった、これは記者会見まで含めてですね。そういう非常に大事な会合であった。そういうときに、中川大臣がやめて済む話ではない。やはりチーム日本として、財務省が組織としてそれをしっかり支えられたのか、あるいは政府としてもしっかり対応できていたのかということについて、中川大臣がやめました、はい、終わりですということではなく、しっかり検証し、二度とこのような恥ずかしい姿が世界の人々に配信されることのないようにしていかなければならない。それが、中川大臣が責任をおとりになられたことの、我々が今度引き受けるべき責任であろうというふうにも思っております。

 そのことについてお尋ねをさせていただくんですが、その前に、先ほども郵政民営化の話が出たんですが、いい民営化もあれば悪い民営化もある。民営化は、いい民営化にしていかなければならないというふうに私どもは考えておりまして、そういう意味で、かんぽの宿問題というのは、悪い民営化の一つの象徴的な事例ではないかというふうに思うわけでございますが、ちょっと新たな事実が出てまいっておりますので、きょうは鳩山総務大臣にも来ていただいておりますから、中川前大臣問題をやる前に、短く、このかんぽの宿問題をまず聞かせていただきたいと思います。

 昨年十二月二十六日に、オリックス不動産に百八億八千六百万、約百九億円で売却されることになっていたかんぽの宿等の七十九施設の中で、先日、我が党の松野議員の財務金融委員会での質問で、ラフレさいたまの施設に関して、固定資産税評価額が八十五億三千七百七十二万八千四百四十四円である、それに対して、日本郵政が公表した不動産鑑定評価額は十五億六千七百万円であるということが発表されたわけでございまして、差額が七十億、固定資産税評価額より不動産鑑定評価額が七十億低かったという話でございます。

 それでは、今回対象になっていた七十九施設全体の固定資産税評価額は幾らだったのかということについて御答弁をいただきたいと思います。

寺崎参考人 お答え申し上げます。

 今回の譲渡の対象としましたかんぽの宿等七十九施設の平成二十年の固定資産税評価額は、合計で約八百五十七億円でございます。

川内委員 七十九施設が八百五十七億円の固定資産税評価額であると。

 その七十九施設に対応する不動産鑑定評価額は幾らですか。

寺崎参考人 お答え申し上げます。

 不動産鑑定評価額は、二十年九月末の簿価を算出する際にとっておりまして、七十九施設につきましては約百二十三億でございます。

川内委員 七分の一ですよね。

 もう一つ、最後で外れた世田谷レクセンターの固定資産税評価額それから不動産鑑定評価額を教えていただきたいと思います。

寺崎参考人 お答え申し上げます。

 世田谷レクセンターにつきましては、固定資産税評価額が平成二十年時点で約五十二億円でございます。不動産鑑定としまして、先ほどと同じお答えになりますけれども、二十年九月末の簿価といたしまして約六十二億円でございます。

川内委員 世田谷レクセンターだけは不動産鑑定評価額が高くなっているわけですね。これは、私も、なぜかということについては疑問を解明していかなければならないわけでございます。

 それでは、最初に日本郵政さんが売却しましょうねというふうに考えていた八十施設トータルで、今までのお答えいただいた数字をトータルして、八十施設の不動産鑑定評価額それから固定資産税評価額を御答弁いただきたいと思います。

寺崎参考人 お答え申し上げます。

 七十九施設に世田谷レクセンターを含めました八十施設の固定資産評価額の合計額は約九百九億円でございます。また、八十施設の二十年九月末の簿価は百八十五億円でございます。

川内委員 総務大臣、固定資産税評価額というのは、いわゆる課税庁がこれで税金をいただきますよということで評価しているわけでございまして、実際に売買されるときは、実はそれよりも高い場合の方が、一般に不動産取引の場合、大体その一・五倍ぐらいで取引されるというのが普通の場合ですよね。もっと高いかもしれない、いい土地の場合は、あるいはいい施設の場合は。それが、日本郵政のこのかんぽの宿の場合は、不動産鑑定評価をしたら価値が大体七分の一になってしまっている。これはなぜだと思いますか。

鳩山国務大臣 土地というのは、一物四価とか五価とか六価とか昔言ったんだと思います。それは、当時の国土庁、今でいうと国交省の公示価格があり、それを補うような形で都道府県が評価するんでしょうか。あるいは、相続税の、昔、路線価と言った評価があり、固定資産税の評価がある。それに、実勢価格というか実際の取引価格というのがある。

 私が国会議員になったばかりのころは、少なくとも、実勢価格で固定資産税の評価をされたんじゃもう東京の住宅地には住めないよというぐらい、実勢価格の方がうんと高くて、固定資産税評価の方がうんと低かったわけですね。それが、その後の、詳しくは私わかりませんが、土地に関する法律等で一定の目安ができて、地価公示価格が比較的実勢価格に近いものにという理念なんでしょうか。あるいは、相続税の評価はその八割ぐらいが目安だとか、今、川内委員おっしゃったように、地価公示価格の七割ぐらいが相続税の評価額ということになるとしますね。そうしますと、今委員がおっしゃったように、実際の取引の価格は固定資産税評価額の三割増しとか四割増しとか五割増しということが通例だ、こう考えるわけでございます。

 今度のかんぽの宿の問題は、そもそもが、事業譲渡ということですべてがおかしくなっているような気がするわけですね。つまり、一部の方は意見をよく新聞等に書いておられますが、これは、かんぽの宿が不良債権だから、赤字を出しているものであれば一万円で売れても御の字だみたいな話が出てくる。しかし、実際には、その一万円の土地が半年後に六千万円で売られたという公社時代の話もあるというあたりが問題なんで、今委員御指摘の、固定資産税評価額と、簿価に反映させた不動産の評価が余りに違うことに私も驚いているわけで、なぜそういうふうになってしまうのか。

 少なくとも、実際の実勢価格の方が固定資産税評価額よりも高いというのが常識であるとするならば、逆ならまだしも、数分の一になるというのがどうしてなのか、極めて大きな疑問を感じるところでございます。

川内委員 不動産として取引をすると、どんなに安くたたき売っても、固定資産税評価額よりは高い値段で売れたのではないか。しかし、事業譲渡という形をとっているがためにこんなに安くなってしまう。では、その事業譲渡というものが果たして適正なものであったか、適切なものであったかということになるわけでございますが、かんぽの宿は、日本郵政株式会社法上、どのような施設であるというふうに位置づけられていますか。日本郵政。

寺崎参考人 お答え申し上げます。

 宿泊事業を行う施設として位置づけてございます。(川内委員「法律に書いてあるとおりに言ってくださいよ。加入者福祉施設と書いてあるんでしょう。それをちゃんと言ってください」と呼ぶ)

 申しわけございません。加入者福祉施設ということで位置づけられております。

川内委員 法律に書いてあることをそのまま言っていただかないといけないですからね。法律にどう位置づけられているかということを私は聞いているわけです。

 日本郵政株式会社法上、かんぽの宿は加入者福祉施設と位置づけられています。福祉施設ですから、これは、ホテル業でもなければ宿泊業でもないわけですね。福祉施設なんだから、法律上。

 ところが、日本郵政は、不動産鑑定評価を出すときに、このかんぽの宿をホテル業として評価せよという指示で評価させていますね。

寺崎参考人 お答え申し上げます。

 鑑定評価に当たりましては、事業の継続という条件で評価をお願いしてございます。

川内委員 いや、事業の継続じゃなくて。事業の継続というのは加入者福祉施設としての継続になるでしょう、事業としての継続だったら。

 私は、ラフレさいたまの不動産鑑定評価書を見ましたが、ホテル業として評価していますよ、ホテル業として。ホテル業として評価してくれと依頼したんでしょう。

寺崎参考人 お答え申し上げます。

 ただいま、詳細な記述につきましては確かでございませんが、事業の継続という意味でホテル業という記述が……。事業の継続という条件で委託したものと記憶しております。(発言する者あり)ホテル業という記述があったかどうかにつきましては……

衛藤委員長 寺崎君、よく確認をして答弁をしてください。ちょっと確認してください。

 速記をとめて。

    〔速記中止〕

衛藤委員長 速記を起こしてください。

 日本郵政株式会社執行役寺崎由起君。

寺崎参考人 お答え申し上げます。

 鑑定評価の条件といたしまして、対象確定条件といたしまして、ホテルとしての現況を所与として建物及び敷地の鑑定評価の対象とするということと、御指示により、現行の事業継続を前提とした評価とするということで依頼してございます。

川内委員 加入者福祉施設事業をホテル事業として評価をしてしまったと。日本郵政株式会社法上は加入者福祉施設なんですね。これはホテル事業でも旅館業でもないわけです、福祉施設だから。それをホテル業として評価すれば、それは値段はべらぼうに安くなるに決まっているんですよ。これは法律に違反している評価をしたということですからね。加入者福祉施設なんですから、法律上明記されているわけですから。

 総務大臣、ここに日本郵政の決定的なごまかしがあるわけでございまして、今その事務の人が何を示唆したのかちょっと聞きたいので、どう思われるか。

鳩山国務大臣 それは、時々答弁させていただいたように、簡易保険の加入者の方々の福祉施設ということ、そして、公的な施設でございますから値段は低料金に抑えざるを得ないという面があったし、あるいは、宣伝も、これは法的なものではないかと思いますが、控え目にしてきたということがあるんだろうと。

 公的施設だから、加入者福祉施設だから低料金で抑えてきていわゆる利益が上がっていない、利益が上がっていないから減損処理で価値、価格がひどく評価されるという、その仕組みに私は間違いがあると思います。

川内委員 不動産鑑定士法上、不動産鑑定士は法律にのっとって評価をしなければならない、公正な、妥当な評価をしなければならないというふうに書いてございます。

 したがって、法律に加入者福祉施設である、営利事業ではないよと書いてある施設を、営利事業として評価をするということ自体に私は法律的な問題もあると思いますし、このかんぽの宿問題というのは悪い民営化の典型的な事例であるというふうに思いますので、また本委員会でもぜひとも集中審議を求めたいというふうに思います。委員長に求めたいと思います。

衛藤委員長 後刻、申し出の件につきましては理事会で協議をいたします。

川内委員 それでは、中川前大臣の問題に移らせていただきます。

 G7に、財務省それから金融庁からたくさんの事務方の方々が、大臣を支えるために同行をしていらっしゃいます。何人行かれたのか、そしてまた、その飛行機代とか宿泊費とか、どのぐらい費用がかかったのかということについて、まず教えていただきたいと存じます。

玉木政府参考人 お答えいたします。

 今回の出張には、財務省から二十名、金融庁から二名、合計二十二名が同行しておりますが、それに要した総出張費用、これは大臣の分も含めてでございますが、総出張費用は約六千万円となる見込みでございます。(発言する者あり)

川内委員 尾身先生、そのぐらい当然かかるんですよ。それはかかることを悪いなんて私は言いませんよ。

 ただ、六千万円かけて、では成果は何だったんですか。G7の成果を、今、玉木林太郎局長に成果は何だったということを答えていただきたいと思います。

玉木政府参考人 G7の成果、私からお答えするのも恐縮でございますが、G7においては、引き続く深刻な世界経済の減速そして金融の混乱の中で、世界経済と金融市場の安定化を依然として最優先課題ととらえた上で、成長と雇用を支持し、金融セクターを強化するため、あらゆる政策手段を用いて協働するとのコミットメントを改めて確認したことが、今回のG7の成果であると考えております。

 また、現下の危機に対応する上で、保護主義に対抗すること、それから新興国、途上国による信用と貿易金融へのアクセスを支援すること、そして、IMFの資金基盤を拡充し、さらなる改革を進めること等が重要であるという点についてもG7各国の間で認識が共有されたものでございます。

川内委員 いや、それはあなたが言うことじゃなくて、それこそ、中川大臣が無事に会見を終えられて帰ってきて、予算委員会で、こういう成果があったというふうにお答えをいただくというのが正しいあり方だったわけですよ。

 あなた方は六千万使って、あなたが言うべきことは、いや、成果はありませんでしたと……(発言する者あり)いやいや、成果はなかった、大臣に大変恥ずかしい思いをさせてしまいました、大失態をしてしまいましたということをまず言わなければ。成果は何だったんですかと聞いて、ただ会議の内容を、今のは成果じゃない、会議の内容ですよ、ということをおっしゃられただけですね。

 では、お聞きします。一日目の夜、中川前大臣は記者との懇談会をしていらっしゃいます。この記者との懇談会をセットした人はだれですか。

玉木政府参考人 十三日夜の公式日程、G7のディナーと、それからIMFとの取り決めへの署名、そして事務的な打ち合わせが終了しました後、前大臣が個人的に親しい記者を招くよう望まれたものでございます。そういうことで開催されたものでございます。

川内委員 いや、だから、大臣が望まれて、だれがセットしたんですかということを聞いているんですけれども。

玉木政府参考人 出席者は、中川前大臣がお決めになりました。

川内委員 いや、だから、決めたのは中川大臣かもしれません。だれが連絡役をしたんですかということを聞いているんですよ。ちゃんと答えてよ。

玉木政府参考人 連絡は大臣側でおとりになりました。私は、記者の方々が入った後、それに呼び込まれて参加したものでございます。

川内委員 大臣側というのはだれですか。そこまで知っているんだったらちゃんと答えてくださいよ。

玉木政府参考人 私はその場におりませんでしたが、政務の秘書官が随行しておりましたので、基本的に大臣と政務の秘書官が相談して決められたものと承知しております。

川内委員 その呼ばれた記者さんたちの所属する会社名というのは、どういうお会社だったんですか。

玉木政府参考人 私がその部屋に入りましたときには、四名の記者が部屋で大臣と懇談されておられました。男性二名、女性二名でございます。

 大臣が親しい方々を招かれた機会でありますことから、参加した記者の方々に、所属の公表の是非について確認をお願いしているところでございますが、二名の方からは、財務省からの公表は控えてほしい、一名からはまだ回答が届いていないという状況でございます。(川内委員「もう一人、最後の一人」と呼ぶ)最後の方は、これは了解がとれておりますが、最後の一名の方は読売新聞の記者の方でございます。

川内委員 それで、次の日、G7の昼食会を抜け出してホテルで昼食をおとりになられたということでございますが、このときの、中川前大臣のホテルでの昼食に同席をされた方々というのはどういう方たちかということを教えてください。

玉木政府参考人 大臣のほかには、政務の秘書官、私、それから次の、控えております会合に関係した財務省職員二名、それから通訳、これは東京から同行した通訳、それから大臣の旧知の知人、ごあいさつに寄られて、そのままあいている席に座るように言われた方でございますが、その知人の方、それから大臣がレストランに入る前に取材で近寄ってこられた記者の方を、時間がないので昼食の場に入るようにと言われた、この方々でございます。

川内委員 これは、それこそ読売新聞で私も読みましたけれども、その記者さんというのは読売新聞の方ですね。

玉木政府参考人 そのとおりでございます。

川内委員 それじゃ、これもちょっと中川前大臣の、あるいは局長の御答弁も若干変わってきているんですけれども、この昼食の席にワインのボトルがサービスされていますよね。

玉木政府参考人 この昼食は、三十五分から四十分間の極めて忙しい昼食でございました。ほかの委員会でもお答えいたしましたが、実際に召し上がったものはサラダとパスタだけでございます。私は、食事を済ませていたので何も食べませんでした。

 その場には、当然のことながら、ワインのグラスが置かれておりました。

川内委員 いや、ワインのグラスが置かれていたというのは、中身が入っていたのかいないのかということですがね。

玉木政府参考人 もちろん、中身は入っておりました。

川内委員 それはだれが頼んだんですか。

玉木政府参考人 私はその場を差配していたわけではないので、しかとは記憶しておりませんが、レストランが、料理を選択の後、当然、これでいいかというようなしぐさをして、大臣が了解をして、つがれたものと承知しております。(発言する者あり)

川内委員 済みません。今、後ろの人が、川内さん、何とかかんとかと言ったものですから、ちょっと聞き漏らしたので、もう一回言ってください。

玉木政府参考人 大臣が注文をいたしまして、その後、レストラン側がこのボトルでいいですかということを聞かれて、大臣がそれでいいと言ったものと承知しております。

川内委員 大臣が御注文になられた、まあそうだろうなと思います。

 きのう私がレクを聞いたときは、いつの間にか置いてあったという説明だったものですから、そんなことはないだろうというふうに思ったんですけれども、大臣が注文されたということでございますね。

 この間、きょうは財務官にも来ていただいているわけですが、G7の事務方の責任者という位置づけでございましょうけれども、財務官もあるいは国際局長も、中川前大臣は体調がお悪そうであったということは国会の答弁の中でもたびたびおっしゃられています。大臣は体調が悪そうであった、お薬も飲んでいらっしゃったと。

 であれば、当然、その体調がお悪そうにしていらっしゃる大臣に対して、お酒は控えてくださいねと。注文したワインに対しても、余り飲んじゃだめですよ、まだ記者会見があるんですよ、あるいはロシアの財務大臣との会合もありますよというようなことを、特に玉木局長はずっと中川大臣と一緒にいらっしゃるわけですから、お声をかけられましたか。

玉木政府参考人 前大臣がそこで薬を服用されていたかどうかということは、大臣のお部屋の中での出来事ですので、私どもは承知しておりませんでした。

 それから、お昼の食事の際につがれたというワインのことでございますが、ほかの委員会でも大臣からも私からも申し上げましたように、口をつけた程度の飲み方しかしておられません。

川内委員 だから、僕が聞いたのは、大臣は体調がお悪そうだったということをたびたびいろいろな場所で答弁されていらっしゃるので、それで、大臣に対して、お体は大丈夫ですか、お酒は余り飲まないでくださいねというようなことを、あなた、だって同級生なんでしょう、友人でもあるわけですから、当然声をかけやすいですね。人がたくさんいるところでは大臣と言わなければならないけれども、二人っきりになったときは多分違う言葉遣いでお話もできる間柄だというふうに思いますが、そういう意味では、大丈夫、ちょっと飲み過ぎたんじゃないのというようなことは、全然声をかけていないということですか。

玉木政府参考人 大臣の体調がすぐれないという印象を持ちましたのは、この昼食の後、日ロの財務大臣会合の席で大変お疲れの御様子だったということで、その後の時間、これは次に記者会見を控えておりますので、大臣にその会見の部屋でそのままお休みいただいたものでございます。

川内委員 日ロの財務大臣会合で体調が悪そうだなということを感じた、記者会見が控えていたので、その日ロの財務大臣会合の部屋で休んでいただいたと。

 だから、私が聞いているのは、大臣、大丈夫ですかという声をかけましたかと聞いているんですけれども。

玉木政府参考人 大変お疲れの御様子でしたので、私も案じておりました。大臣はそのまま休むということでありましたので、多くの者を入れて大臣をお煩わせしてはいけないと思い、私ともう一名だけが大臣のおそばに控えて、大臣がお休みになるのを見守っていたところでございます。

川内委員 いや、それはちょっと違うんじゃないですか。きのうの私が聞いた説明では、記者会見が始まる直前までは局長と中川大臣と二人であったというふうに聞いておりますが、そうでしょう。

玉木政府参考人 その間、私はずっと切れ目なくついておりました。そのほか、ほとんどの時間、もう一名の担当課長がそばにおりました。

川内委員 いや、それはちょっときのうの説明と違いますよ。記者会見の直前に、記者会見で大臣に参考資料としてお渡しする紙を持ってその部屋に入りましたと、その担当課長は私に明確に答えましたよ。それまでは局長と大臣とお二人でありましたというふうにお答えになりましたが。

玉木政府参考人 私は、最初は、大臣をお休みさせるために一人だけついていた瞬間があったことは事実でございます。しかし、間もなくその担当課長が入ってきまして、担当課長も黙って大臣がお休みになるのを見ておりました。

川内委員 記者会見の時間を若干ずらしていますね。当初、予定は、十五時三十分から記者会見を行う予定であった。それが、大臣がお休みになっていらっしゃるので若干ずらした、十五時四十五分からにした。十五分ずらした。その間、大臣の御回復を待ったということでよろしいですね。

玉木政府参考人 私の記憶では、記者会見は三時半以降、これは通常、前倒しにすると問題になりますが、三時半以降ということでセットされております。前にその記者会見室では議長国イタリアの会見が行われる部屋でございますので、前の記者会見次第ということもありましたので、三時半以降という連絡をしておりました。

 大臣がお休みになって、若干の打ち合わせをした後、行こうとおっしゃって、記者会見に臨まれたのが結果的に三時四十五分だったということでございます。

川内委員 体調がお悪そうだった。記者会見は三時半以降、できれば三時半からやるわけですね、それを時間を延ばした。そのくらい中川大臣は疲れていらっしゃったのか酔っぱらっていらっしゃったのか。それは、酔っぱらうというのは、薬に酔っぱらう、お酒に酔っぱらう、いろいろあるでしょうが。

 そういう状況の中で、先日の財務金融委員会での中川前大臣の御答弁は、自分から記者会見をすると言ったのだ、そして自分で記者会見をしたのだというふうに御答弁をされていらっしゃいます。

 そういう大臣に対して、いやいや、三時半以降ということであれば、大臣、もうちょっと休んでからにしましょうと。この記者会見の後は、大臣は、御回復をされたのか、バチカンの視察をしていらっしゃいます。あのもうろうとした記者会見の後、バチカンの視察をしているんですね。そうすると、もうちょっと待てば大丈夫だったかもしれない。

 では、その判断を、大臣が行くというときに、大臣、もうちょっと休みましょうよとか、いや、ちょっと今はやめてくださいとか、でも行っちゃった、ではやりましょうと、事務方としてもそういう判断があったと思うんですが、それは局長がその場で判断された、財務官と相談したということではないということでよろしいですか。

玉木政府参考人 大臣がお休みをとられた後、簡単な資料をお渡ししました。そして、一たん部屋に戻られて、ほんの何十秒かの間でしたが、出てこられて、もうやろうとおっしゃったので、日銀総裁、財務官と一緒に記者会見場に臨まれたものでございます。

川内委員 さっき局長は、日ロの財務大臣会合のときに体調がお悪そうだなということを感じた、そして、そのままその部屋で御休息をいただいたと。休息していたというのは、要するに仮眠をとっていたということですね。どうなんですか。

玉木政府参考人 仮眠をとっていたかどうかは、私は御本人ではないのでわかりませんが、多くを語らずに、それこそお休みになっていた状況でございました。(川内委員「目を閉じていた」と呼ぶ)

衛藤委員長 川内君、立って発言してください。

川内委員 はい。ちょっと遠いものですから、委員長、時間を節約するために。

 目を閉じていたということですね。じっと、こうやって休んでいたということですか。だって、ずっとそばについていたと言ったじゃないですか。

玉木政府参考人 顔をのぞき込んだわけではございませんが、基本的に、ほとんどの時間、目を閉じておられたと思います。

川内委員 だから、僕が聞いているのは、チーム日本として大臣をサポートすべき人たちが、お体の調子が悪そうだな、そして目を閉じてじっと休んでいらっしゃる、さあこれから会見だというときに、時間もわざわざ十五分、本当は三時半以降ということですが、三時半に始められれば三時半にやるわけですね、それを十五分延ばしたということなわけです。

 そうすると、そこでやはり事務方として何らかの判断、大臣に対してアドバイスというか、もうちょっと待ちましょう、その後の日程もまだあいているわけですから、という判断があってもよかったのではないかというふうに思うんですが、その辺については、局長は適切な判断であったというふうに思われますか。

玉木政府参考人 大臣は、三十分程度お休みになり、その後、打ち合わせの書類をお持ちになって二部屋離れた御自分の部屋に戻られて、そして、出てきて、もうやろう、こうおっしゃったわけで、この時点で、私どもは大臣の意向に従ったということでございます。

川内委員 そうすると、記者会見での中川前大臣のあの酩酊ぶりというか、あの御様子というのは、会見場で突然ああいうふうになったのだ、自分たちもあの様子を見てびっくりしたということなんでしょうか。

玉木政府参考人 大臣は、やろうとおっしゃって、御自分の足ですたすたと会見場まで階段をおりていかれた、そういう状況から、私どもは、ああいった事態になることは予測しておりませんでした。

川内委員 会見場で突然ああなったと。予測しておりませんでしたと言いましたからね。

 財務官にも来ていただいていますが、財務官は、事務方の責任者としても、先日の財務金融委員会の御答弁で、「私どもの補佐が至らなかったという点はもしかするとあろうかもしれませんけれども、」と、あるのかないのかわからないような答弁をしているんですね。「私どもの補佐が至らなかったという点はもしかするとあろうかもしれませんけれども、」とおっしゃっているんですけれども、私はやはり、結果がすべてじゃないですか。よく総理がおっしゃいますよ、結果がすべてだと。

 六千万円を使ってG7に行って、世界じゅうに日本国の財務大臣のあの姿が流されたということについて、それは、もちろん一番悪いのは中川大臣ですよ、体調管理ができていなかったという面において一番悪いのはそうだが、しかし、それを補佐する財務省が、あるいはついていった人たちが、いや、私たちは気づかなかったんです、大臣がやると言ったからしようがなかったんですということでは私は済まぬと思います。自分たちもある一定の責任はある、補佐に至らなかった点があるということをしっかり認識し、そして今後に当たっていくということが必要であるというふうに思いますが、財務官の御意見はどうですか。

篠原政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生からお話ございましたとおり、私どもの仕事というのは、大臣を補佐して、今回のG7でございますれば、そうした国際会議を全体として成功に導くということであろうと思っております。

 したがいまして、私ども、大臣の仕事を補佐する身といたしまして、必ずしも十分でなかったという点があったというふうに考えております。

川内委員 最後、総理に御答弁いただきたいんですけれども、さっきのかんぽの宿問題もそうだし、今回のこともそうなんですけれども、総理は施政方針演説などで、官僚を使いこなすことが大事なんだということをおっしゃられるわけでございますけれども、いろいろなことの責任を最後に政治は引き受けなければならない。そのためにはやはり、引き受けるためには、官僚と、お役人の皆さんと政治との間の信頼関係、あるいはチームとしての一体感というものがなくてはならぬというふうに私は思うんですね。ところが、このかんぽの宿問題を見ても、あるいは今回のG7のあの失態を見ても、どうもチームとしての一体感がない、ばらばらなのではないかなということを私は心配するんです。

 最後、総理に御答弁いただきたいことは、与謝野大臣が直接の責任者ですから与謝野大臣からでも結構なんですが、今回の、やはり財務省の省としての、組織としての責任というものもしっかりととるべきところはとるということがなければならぬというふうに私は思いますが、総理それから与謝野大臣、それぞれ御答弁いただきたいと思います。

与謝野国務大臣 官僚は精いっぱい中川大臣のG7での活動等を補佐していた、これはもう間違いないことでございます。

 この種の事態はやはり中川さん自身が責任をとるべき話であって、その責めを必要以上に官僚組織に申し上げるというのは少し酷なことではないかと思っております。

 中川大臣は、みずから職を辞することによってすべての責任をとった、そのように私は考えております。

麻生内閣総理大臣 補佐するというのは、川内先生、それは秘書官並びに周りに随行している者としてはすごく大事なところです。別にこれは大臣に限らず、先生の場合でも、周りにいる人がちょっと待ってくださいと言う話はよくある話ですから。

 しかし、それをやるやらないの前に、やはり最終的に自分が判断をして、自分で行くということを決める、決めた本人に最終責任がかかるのは当然であって、今与謝野大臣が答弁をされたとおり、これは最終判断をおろした大臣が責任をとって職を辞されたということだと思いますので、補佐の仕方が悪かったかと言われれば、それはいろいろ言い方はあろうかとは思いますけれども、少なくとも、起きてこられて、行くと言われた以上は、階段もすっと歩いていかれるというのであれば、そういった判断になったとしてもその責を問うというのはいかがかなという感じがしますし、やはり最終的には御自分の責任でやられるべきものだった、私はそう思っております。

川内委員 いや、私が申し上げているのは、玉木局長は高校時代の同級生であって友人だから同行されていたという話も聞いておりますし、そういう中で、やはりちょっと省としても、そういう友人を同行させたということに関してのすきがあったのではないかとか、あるいは……(発言する者あり)

 だから、私も言っているじゃないですか。それは中川前大臣が一番悪いんですよ、御自身のことですから。一番悪いけれども、しかし、すべては結果ですから。世界じゅうにあの映像が配信をされたということの重みというか恥ずかしさというのは、これはみんなで引き受けなければいけないわけですね。総理もそれは引き受けなきゃいかぬわけです。私もそうだし、与野党ともにです。日本の政治家はあんなふうになるんだねと世界じゅうの人に思われたかもしれないわけですね。

 そういう中で、じゃ、役所は役所としての責任のとり方があるでしょうと。中川前大臣は前大臣として、一人やめれば済むという話でないと私は思うんです。総理は総理、あるいは、次を引き継がれる与謝野先生は与謝野先生で、責任のとり方がある。特に総理は、任命権者として最後の責任のとり方があるんだというふうに私は思うからこそ、その問題提起をしたくてきょうはさまざまな議論をさせていただいたということでございます。

 終わらせていただきます。ありがとうございました。

衛藤委員長 これにて川内博史君の質疑は終了いたしました。

 次に、枝野幸男君。

枝野委員 まず総理に、今の話の流れでお尋ねをさせていただきたいと思います。

 先ほど、菅委員、川内委員の議論を通じて、今回の件について、大臣がかわったことについて申しわけないというおわびはいただきました。これ自体、大変前例のない話でありますから、任命権者、内閣のトップとしての総理大臣として、しっかりと責任を認識し、自覚をしていただかなければいけないと思っております。

 ただ、本当はこんな話はもう終わりにしたいんですが、終わらせられないのは何かといったら、今回の事態は、経緯についてのいろいろな認識の違いはあるかもしれませんが、結果的に全世界に対してああした映像を通じたメッセージが発せられてしまった、このことは間違いない事実であります。そして、結果的にそういった大失態をやらかした財務大臣を選ばれたのは麻生総理であります。このことによって、国民の皆さんは大変情けない、恥ずかしい思いをされている方もたくさんいらっしゃいます。

 したがって、中川前大臣御自身はもちろんのことでありますけれども、それを任命した、内閣のトップである麻生総理大臣からも、ある意味では我が国の国益を損なっているかもしれないような、こんな映像が世界に配信されてしまったことについてのおわびと責任の言葉がこの間一貫して出てきてないんですよ。この自覚はないんですか。責任を感じられないんですか。

麻生内閣総理大臣 任命責任は私にありますと、最初からこれはずっと、枝野先生、申し上げてきたと存じます。任命責任は私にあると存じます。結果的に、予算を審議していただいている今、最も重要な予算関連法案というものの財政、金融担当大臣をやっておられます中川大臣が少なくとも辞任に至ったということはまことに遺憾なことだ、これは前例がない、おっしゃるとおりだと思います。

 しかし、現下のこのような経済状況の中にあっては、こういった問題を、今言われましたように一刻も早くきちんとした上で、国民生活並びに日本経済というものを考えたときには、予算並びに関連法案というのは一日も早く成立をさせるということが今何よりも重要なんだ、私どもはそう思っております。

 したがって、そのため直ちに後任として与謝野経済財政担当大臣に兼務の発令をさせていただいたということで、予算の早期成立に全力を挙げるということが私の責任の一番大事なところではないかと考えております。

枝野委員 私も、どちらかというとああ言えばこう言う方だと言われていますけれども、ああ言えばこう言う的な、ディベートテクニックとしては、それにしても余りうまいとは思わないんですけれども、まさにそこの、誠意が感じられないからこの問題はますます大きくなっているんですよ。我々もこんなレベルの低い話は終わらせたいですが、終わらせられないんですよ。

 あれだけの映像を世界に流してしまったのは、あなたが選んだ大臣なんですよ。百歩譲って、中川大臣御自身は、一定のそのことについての反省の言葉を述べた上で辞任をされた、責任をとられた。総理からは、あんな映像を世界に流してしまって、あんなメッセージを世界に配信してしまって、私の内閣の一員がそのことによって国民の皆さんにも不快な思いをさせたり、場合によっては国益を損なっているんじゃないかという心配も与えたり、何でそのことを素直に謝らないんですか。

 この問題だけじゃないですよ。あらゆる問題について、総理は論点をずらして、素直に誠意を持って国民の皆さんに、これは間違っていました、これは結果的に国民の皆さんに迷惑をかけましたということについて、全部今のようにずらして誠実に対応していない。そのことに国民のフラストレーションもたまっているんじゃないかと私は思うんです。

 どうですか。あなたの内閣の一員がああいう映像を世界に発信してしまった、そのことについて国民に対して何かないんですか。

麻生内閣総理大臣 任命責任の話を重ねて問うておられるんだと存じます。本人の体調の問題もあると思いますが、あのような状況が世界に配信される結果になったことに関しては、少なくとも私どもとしては遺憾に思っております。これはもう最初から申し上げております。

 そういった意味で、よくない印象というものを非常に大きく世界に与えておりますので、そういった意味に関しては大変遺憾に思うとずっと申し上げてきておると存じます。

枝野委員 ようやく今の言葉が出てきました。この話はまずそこから入るんじゃないんですか。内閣総理大臣として、自分の内閣の一員としてああいった映像が流れてしまった、そのことについて国民の皆さんにまずはおわびを申し上げなきゃならないというところから普通の感覚だったら入ると私は思いますよ。その上で、では責任をとってやめろという話になるのか、いや、責任をとって新しい大臣のもとでしっかりやるのか、そこでは政治的意見は分かれるかもしれませんが、まず総理は今の言葉を繰り返し国民の皆さんにおっしゃるところから私は入るべきだと思うんですが、どうもその間の認識が違うようです。

 もう一点。先ほども菅委員からも質問をいたしましたが、ぶれたことと、つまり、最初の日の夜に頑張ってやれと言い、翌日の昼には予算成立後にやめるという話を認め、そして最終的には辞職を認めるというこの二十四時間ぐらいの間の中川大臣がやめるまでの経緯なんですが、ここに、今の遺憾であるという認識が全くリーダーシップとして発揮されていないんですよ。

 経緯はいろいろと認識に違いがあってもいいですよ。飲んだせいなのか、薬のせいなのか、体調のせいなのか、いろいろな認識の違いがあってもいいですよ。結果的にああいう世界じゅうから酔っぱらっているんじゃないかと認識をされるような映像が流されてしまって、世界各国のメディアで報道されているようなこういう状況になってしまったということを、本当に国民の皆さんに内閣のトップとして遺憾に思うんだったら、まずは徹底して国民の皆さんに今回のことは申しわけないという話が出てくるはずであるし、それから、中川大臣の今回のやめる、やめないの経緯の話においても、総理として、せめて、あなたは頑張ってやったかもしれない、だけれども、これは国民の皆さんにもおわびをしなきゃならないことだからというリーダーシップを発揮しようということを全く思わなかったんですか、総理。

麻生内閣総理大臣 その当時から、十七日のときから申し上げてきたと存じますが、中川大臣の話の経緯がいろいろ変わっていった、一転、二転、三転したというお話は、先ほど菅議員の質問にもお答えをしたとおりであります。

 重ねて恐縮ですけれども、十六日の夜には、御本人から全力を尽くすという御判断がありました。十七日に、昼、これは電話でしたけれども、そのときには、少なくとも予算というものが財務大臣に与えられた責任でもあるので、これをきちんとというお話で、全力を尽くすということでありました。

 ただ、ここでずっと隣に座っておられましたので、その隣に座っている間ずっと、そちらは御欠席でしたけれども、我々は隣におりましたので、見ておった段階で、脂汗もえらい出てくるし、あなた、医者に行った方がいいんじゃないかという話をして、たしかその日に医者に行かれたんだと思います。そして、十七日の夜、本人からもう一回、帰ってこられた上で、即日辞任をするという話を御自分でされたんだと思います。

 私は、基本的には、この種の判断は政治家にとりまして、本人自身が決断というのは物すごく大きいと思っております。したがって、私としては、きちんとした決断を自分自身でおろすというのは大事なことだと思っておりますので、私は、御本人の意思を尊重するというのが私の立場だと思っておりますので、意思を尊重させた上で結論をおろさせていただいたというのが経緯です。

 私は、ほかの話と違って、健康の話とか体調の話というのは非常に大きな問題であろう、個人にとりまして大きな問題でありますし、政治生命にもかかわる問題でもあろうと思いますので、私はそう思ったものであります。

枝野委員 本人が体調が悪くてこれ以上大臣の激務を続けられないからやめる、一種の武士の情けで、それから、総理の方から引導を渡しても、本人から辞表を出した形にしてやめさせる、これまた武士の情けでそういう形をとるということはあり得ますよ。そういう一種の文化を僕は否定しませんよ。

 しかし、総理はどうも、この間の議論を聞いていると、本心で、体調が悪くて続けられないから、それを本人が言ってきたからやめさせただけであって、あのローマでの結果的にああいう大醜態をさらした会見についての責任をみじんも感じていない。そうなんですね。あれはやめたのは、あのローマの映像が問題なんじゃなくて、大臣としての体がもたないから、それを本人が申し出たからやめさせただけであって、あのことについての責任問題とは全然関係ないと。

 本当はこんなことは詰めたくないですよ、まさに武士の情けで。でも、そういう明らかな話じゃないですか。そういうことなんですね。

麻生内閣総理大臣 一番の問題は体調の問題というのははっきりしていると思います。しかし、あの映像の問題というのは体調から起きた話であって、通常であれば普通の記者会見をしてこられた方でもありますし、この四カ月間の彼のそれなりの成果、もしくはこれまでの、国際会議場でも、同行したこともありますが、そこにおける態度等々を見ましても、私は大きなる問題というものを感じたことはありません。

 したがって、今回の一番大きな問題は体調に端を発していると思いましたので、体調がよければいろいろリカバリーもきくと思います。しかし、体調が完璧でない状態が続いているのであれば、なかなかこれは難しい。したがって、今の予算の審議の最中でもあるので、彼自身が自分なりに医者に再度行って決断をおろしたんだ、私はその決断を大事にしたいと思ったという話を申し上げたということであります。

枝野委員 なぜああいう状況になったのかについてというのは事実関係がはっきりしていませんから、体調が最大の原因であった、そういう認識に立ったとしましょう。だとしても、そして最終的に、武士の情けで、体調が悪くてこれ以上もたないからということの名目でみずから辞表を出した形にこういった場合は収拾をつけるというところも、私もそういう文化は嫌いじゃありませんからわかります。

 しかし、その間には、体調のせいであるにしろ、ああいった映像が流れて、少なくとも普通に見たら酔っぱらっていたとしか見えないような映像が出て、飲んだのか飲んでいなかったか、口をつけたのか、ごっくんだとかというわけのわからぬ混乱もしてという構造があったならば、最終的に形式的にいろいろ顔を立ててとかという話、武士の情けの世界の話があったとしても、少なくとも内閣のトップである内閣総理大臣のところからは、こんなことに結果的になってしまったことについて、国民の皆さんにも申しわけないし、だからそのことについて事実上の責任をきちっとけじめとしてとってもらうということでやめてもらわざるを得ないんだというリーダーシップが発揮をされて、それで初めて、まあ御本人もおやめになったことなんだしという話になり得ると思うんです。

 しかしながら、先ほど来、この一時間半の議論を通じて麻生総理がなさっていることは、いかにして自分の責任がないようにするか、自分の責任について言質をとられないようにするか。もちろんわかりますよ、そういう気持ちも入らなければならない、与野党でこうやって議論する以上は。しかし、余りにもその一点で、ああ言えばこう言う。もっと誠実に。国民の皆さんが今回のことでどんなに情けない思いをしたか。

 私も、最初は笑ってしまいましたよ。国会議員である私であっても、笑ってしまいましたよ。二回目、三回目を見て、繰り返されているのを見て、これは大変なことだ、こんなものを世界じゅうに配信されて。多くの国民の皆さんが、最初、何だこれはとお笑いになったんじゃないかと思います。そして、もしかすると一般の国民の方の方が早いかもしれません、何だこれはと怒っていらっしゃる方は少なからずいらっしゃる。そういった結果を出したことに対して、この間一貫して総理の誠意が見られないんです。

 もう一回お尋ねします。誠意を持って国民の皆さんに、内閣総理大臣としての今回の事態についての見識を示してください。

麻生内閣総理大臣 最初に、これは記者会見だったと思いますけれども、そのような話を申し上げたと思いますが、国民の皆様に対して。

 今回の中川昭一前大臣の映像が世界に配信され、かなりそちらは笑われたそうですが、私は全然おかしくありませんでした。えっという驚きが最初で、事態が全然のみ込めなかったので、全然笑えるという状態では正直ありませんでした、私の方は。そういった状況で、ショックを受けたのが最初であって、これは何かよく事態がわかりませんでした。その後、事態を聞いて、私は、そういった話をいろいろ聞いて、これはぐあいが悪いなと。それで、何が悪いんだと。最近、一滴も飲んでいる風を、一緒の席になったことはありませんでしたので、それで私は非常に興味を持って、これは何でこうなったんだという話はいろいろ聞いて、抗ヒスタミンなどの話が出たということであります。

 したがいまして、こういった状態になりましたということに関しては、結果論でありますから、そういった意味では甚だ遺憾に思っておりますということを最初から申し上げておるところであります。

枝野委員 御本人もびっくりされたぐらいの話を国民の皆さんがごらんになったらどう感じられるのか。記者会見という非公式なところで一回話しましたと。今回、大臣がかわったことでこの委員会が特別に立てられて、わざわざ総理大臣の発言を最初に、冒頭その機会をつくったわけですよ。時間は余り長くなくてもいいから、きちっと。

 でも、そこで出てきたのは、大臣かわったことごめんなさいで、国会の場で総理大臣が、少なくとも衆議院の予算委員会の場で、この間の映像の話はどういうことだったのかと、初めて総理は発言する機会に、何度も何度も繰り返し聞かれて、ようやく渋々と遺憾なことであると言い、記者会見のときも遺憾なことであると言った。残念ながら、その御発言の仕方というのも、誠意を持って本当に申しわけなかったという趣旨での遺憾の発言とは、私は今伺っていても到底思えない。私は、当事者意識というか誠実さというか、その意識のなさというものを国民の皆さんがいろいろなところで認識されているんだと思います。

 この件だけじゃないですね。先ほどの郵政の話の、私は反対だったという発言もあるし、これもいろいろ追及したら、まさにああ言えばこう言うの世界の、ディベートの技術としては、まあ稚拙だけれども、そういうやり方もあるのかなという反論を一生懸命しておられる。誠意を持って真摯に国民の皆さんに向かって説明するというその姿勢がない。その内閣が、果たして、御本人は一生懸命景気をよくしたいと思っていらっしゃるのかもしれませんが、本当に国民の信任を得て経済をよくしていくような、そんな政策を推進していけるはずがない。

 誠意を持って、まず国民の皆さんと向かい合ってください。世の中の声に向かい合ってください。新聞も読んでください。新聞の社説だって間違えることたくさんあります。我々の意見も違うことたくさんあります。新聞やテレビや多くの国民の皆さんや世の中に、真正面からまず向かい合ってください。それができていないことが、今回のこの事態の、内閣総理大臣としての見識が問われているところである。総理が今のような姿勢と今のようなリーダーシップであるならば、やはりあの事態を招いてしまったことの内閣としての責任を、我々としては、残念ながら、それこそ遺憾ながらこれからも追及せざるを得ない。そのことを申し上げて、時間ですので他の党に譲りたいと思います。

 終わります。

衛藤委員長 これにて枝野幸男君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 麻生総理御自身が、百年に一度の危機と言われてまいりました。そして、そういう中でGDPが実質年率一二・七ダウン。そういうときに、国民の暮らし、経済に直接責任を負う中心的な財務・金融大臣が、G7という大事な国際会議の場でああいう醜態をさらした。このこと自体が、私は、いかに国民の暮らしに対して無頓着かということを象徴的に示すものだと思いました。

 そういう中川前大臣を直ちに罷免されないどころか、続投を一時指示された。総理の責任は免れないと思います。多くの国民から、事の重大性をどれだけ認識されているのか、政権を任せられない、政権担当能力をなくされたんだ、こういう声が上がっているのは、私は当然だと思います。

 その上で総理に質問いたしますが、この問題で政府が右往左往しているちょうどそのときにクリントン米国務長官が来日をし、在沖縄海兵隊のグアム移転にかかわる協定が日米両政府間で結ばれました。この協定では、グアム米軍基地の増強のために日本側が二十八億ドルも直接の形で資金提供をし、それを含めて総額約六十一億ドルを拠出することを取り決めております。総理と私、外務大臣をなさっている当時にいろいろとこの問題でも議論をいたしましたが、グアムという米領土内に米軍の米軍による米軍のための基地をつくる計画に日本国民の税金を出す、まさに世界に類例のないものであります。

 そこで、総理に端的に伺いますが、そもそも日米安保条約、日米地位協定では、米軍基地の建設費用は米側が負担すると書いてあります。日本国内でさえそうなのに、何で、グアムの米軍基地建設のために、もともと日米安保条約や地位協定にもないような日本側の負担が許されるとお考えになるんでしょうか。総理、いかがですか。

麻生内閣総理大臣 これは、前にも笠井先生からの御質問に答えたと記憶をしますけれども、当時は何大臣だったかちょっと記憶はありませんけれども、ほぼ同じ質問だったと思います。そのときにお答えを申し上げたこととほぼ同じことになろうと存じます。

 財政法上は、少なくとも、海外に所在をいたします外国政府の施設というものを日本の予算というもので整備することを禁じたり、あるいは制限するという明文というか、規定というものはないということと承知しておるとそのときお答えを申し上げたと存じます。

 今回も同様でありまして、日本から、少なくとも沖縄の事情等々を勘案して今回の決断をおろしておりますけれども、その一環でありまして、沖縄県民にとりましては、多くの米兵、海兵隊が主ですけれども、そういう方々が移転していくということは、沖縄にとりましては非常に大きな問題であろうというのは御賢察のとおりであります。

笠井委員 財政法上、国の需要という話ですが、これも国の需要と言えるかどうかという根本問題があります。安保条約や地位協定にないこんな協定までつくってできるようにしたこと自体が問題であります。

 総理は今、沖縄の負担軽減ということを言われました。これまでも言われましたが、もともとアメリカにとっては、グアムの軍事増強、ビルドアップの計画に沿ったものであって、その一つの柱がグアムへの海兵隊移転ということであります。

 その上、協定は、沖縄の新基地建設とワンパッケージで、県民の反対をがんじがらめで押さえつけて、協定という国際約束で押しつけるものだ。米軍が米軍のために考えた計画であって、グアムのアプラ港とかあるいはアンダーセン空軍基地に実戦部隊の基地の基盤整備まで日本側の負担でやろうとしているわけであります。要するに、日本にその資金を出させるために沖縄の負担軽減というふうに言っているだけじゃないんですか。総理、いかがですか。

麻生内閣総理大臣 これまた笠井議員よく御存じのとおり、グアム移転にかかわります協定に従いまして、在沖縄海兵隊の要員約八千名、家族は約九千人、それでグアムへの移転が実施されることになりつつあります。合計一万七千人の米兵関係者が移転するということになります。

 これは同時に、嘉手納という大きな基地があります、飛行場がありますが、あれの以南の施設及び区域の統合や、それに関連する土地の返還などなど、そういった実現にもつながっていくというのはもう御存じのとおりであります。

 これによって、いわゆる日米安全保障条約が持っております抑止力というものを維持しつつ、地元の負担軽減が図られるという結果につながっていける、そういったことを我々は考えてこの案をやらせていただこうと思っておる次第であります。

笠井委員 これは、グアムの軍事基地をどうするかという点では増強なんですよ。それで、日本がそのために金を出す。八千名ということで兵員のことも削減と言われましたけれども、実際にどれだけ減るかということについて言うと、一万人残るという話もあって、この問題についてはそういう議論がある。

 しかも、沖縄についても、それを含めて当委員会で浜田防衛大臣が、負担軽減が実現していないという指摘を重く受けとめている、こう答弁されました。沖縄にとって軽減どころか強化が実態になっているということもるる言われているところであります。

 しかも、米軍再編というのは、ブッシュ大統領の時代から、日米同盟を地球規模の侵略的な軍事同盟につくりかえる作業として進めてきたものであって、そのこと自体が強化だと私は思うんですけれども、今回の協定を見ますと、今総理は抑止力の維持ということを言われましたけれども、これまで政府が言ってきて、今総理も言われたような抑止力については、維持ではなくて、ここにはっきりと抑止力の強化をするものである、こう書いてあるんじゃないんですか。いかがですか、これは。強化ですよ。

麻生内閣総理大臣 基本的には、今、笠井先生おっしゃいましたように、アメリカ海兵隊員含みまして八千人からの兵隊が沖縄からいなくなるということは、抑止力が落ちます。当然のことだと思いますが。それをカバーするためにどうするかというのは、我々にとりましては、朝鮮半島の情勢などなど考えた上で、我々としては極めて重要な状況に今あるのであって、抑止力というものは維持して当然。しかも、向こうは核実験をやったの、テポドンを撃つの何のかんのという情勢というものも我々は無視できない、我々はそう思っております。

 結果としてそれが抑止力の向上になるのであれば、それが日本の安全につながるのであれば、我々としてはそれは歓迎してしかるべきなんだと存じます。

笠井委員 抑止力の維持と説明したけれども、今度は強化と変えたんだということでよろしいんですね、これは。

麻生内閣総理大臣 基本的に強化になるということになるのか、正直、これは軍事力の話ですから、これは相対的な話になりますので、笠井先生、一方的に強化と言っても、それが強化になるかどうか。相手がもっと強化すればなかなか強化になりませんので……(笠井委員「書いてあるんですから」と呼ぶ)そこのところには、そこに書いてあれば書いてあるとおりです。

笠井委員 協定で強化に変えたということは重大であります。

 しかも、そういう協定によって直接の資金提供は二十八億ドルが限度だ、上限だというふうにありますけれども、これを見ますと、提供した資金の利子まで米側が活用できるよということが、そこまで細かく、そういうことも含めて、まあよくも書いたものだと思いますが、書かれております。

 総理、こうした計画を含む米軍再編全体で日本側が負担する総額は幾らかという議論がありまして、三兆円とも日米関係者から言われてきました。私自身、安倍総理、福田総理、そして外務大臣当時の麻生総理にもその都度ただしてきましたけれども、答弁は、日米間で検討して詰めている、鋭意検討を進めて、できるだけ早い段階に明らかにしていきたい、こういうことを繰り返してきたばかりで、もう私が聞いてからだけでも二年たちました。

 一体、現時点で、米軍再編、総額幾らになると、麻生総理、今おっしゃるんでしょうか。

麻生内閣総理大臣 米軍再編の内容につきましては、引き続き、これは日米両政府で検討中のものと、事業の概要についての調整というのはそれなりに進んできております。当方、沖縄側の移転の問題なんかはまだ終わっておりませんので、したがって、詳細な内容につきましては、引き続き、日米両政府の間、またあるいは地元との間で調整中のものなどなどいろいろございますが、日本側の経費負担の総額というものについては、今、現時点でお答え申し上げるような段階にはありません。

 いずれにいたしましても、厳しい財政事情でもありますので、我々としては、検討を進めて、必要な経費というものをきちんとした形で精査していかねばならぬものだと考えております。

笠井委員 要するに、やってみないとわからないと。アメリカがこれだけ必要だからといって言ってきた言い値で、際限がないということじゃないんですか。およそ国の事業で、やってみないとわからない、総額幾らという規模もない、こんなものありますか。

 それとも、米軍再編全体で、これ以上は少なくとも日本は負担しないよと、財政事情もおっしゃいましたが、そういう限度とか上限というのは総理はお考えなんですか。

麻生内閣総理大臣 これは今後とも双方で、いろいろこの間の調整をしている中で、急に石油の値段が上がった、資材の値段が上がった、もっと上がるぞという話もあれば、今度は逆になってみたり、目下、これは笠井先生、正直、いろいろ調整している段階で、かなり国際資材というものの物価が物すごい変わったというのは、途中から詰まった大きな理由の一つでもあります。そういった意味では、正直申し上げて、まだ調整中としかお答えはしないことなんであって、際限がない、そういったような感じではございません。

笠井委員 国の公共事業だって、物価とか資材の値上がりがあったって、ちゃんと見積もりを立てて総額規模を出すんですよ。アメリカ言いなりで際限もない、歯どめもないということであります。

 日本経済、国民の暮らし、雇用、商売がこんなに大変なときに、定額給付金は二兆円。そして、こっちの方は三兆円ですよ、規模。そういう規模で、その一環としてこんな重大な内容の協定を、酩酊問題の背後で、国会初め国内での議論もなしに取り決めた。私、国民は到底納得しないと思います。麻生内閣と総理の責任は重大だと思います。日米同盟の強化の名のもとでのこうした米軍再編の計画、直ちに中止すべきだ、撤回すべきだということを求めたい。

 最後に、総理、来週訪米をされて、二十四日にオバマ米大統領との首脳会談をされるということでありますが、オバマ大統領が一万七千人もの増派を発表したばかりのアフガニスタン戦争でありますけれども、これへの巨額の軍事費負担や、あるいは米国が実施する八千億ドル規模の対策実行の下支えとしての米国債の引き受け、買い取りまでアメリカから要求されるのではないか、そういうことも言われております。

 こんなに日本だって経済も財政も大変なときです。まさかそんな要求まで、わかりましたということで受けてくるようなことはないでしょうね。いかがですか。

麻生内閣総理大臣 オバマ大統領との会談においてどのような話がというのを、あらかじめ我々の方として、向こうが何を言ってくるか、どう言ってくるかというのを今の段階で予測しているわけではありません。ただ、基本的には、太平洋地域の平和と繁栄、これが基本の話になるんだと思っております。

 今、経済危機やらテロやら地球環境問題、ほかにもいろいろありますけれども、こういったグローバルな課題に対しまして、少なくとも世界第一位と第二位の経済大国というものの双方が協力をして、きちんとした日米同盟関係というものを今後とも強化を図っていくということに関しては、率直な議論をしたいと思っております。

 いずれにしても、アメリカを含めまして国際社会におきまして日本がどういった形で貢献するかということにつきましては、これはこれまで同様、日本が自主的に判断するということになります。

笠井委員 自主的に判断と、あっても受けないということでいいんですか。

麻生内閣総理大臣 仮定の質問に対してはお答えできないと常にお答え申し上げてきております。

笠井委員 断ることはできるとは言わない、断るとははっきりおっしゃらないという問題であります。

 前財務大臣の問題でも、対米関係でも、今日の深刻な事態への根本的な認識と姿勢が厳しく問われる、私、このことを強く指摘をして質問を終わります。

衛藤委員長 これにて笠井亮君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。

 私にちょうだいいたしました時間が十分でありますので、きょうは、中川前財務大臣の辞任に関する件、そして、新たに御就任された与謝野大臣への御質疑とさせていただきます。

 まず冒頭、きょうも午前中からずっと審議のこの場におりまして、麻生総理の御答弁を聞くと、国民は、もういいかげんにしてほしい、この間の失態も含めて辟易しているというこの実感について、ほとんど認識をお持ちでないのではないかと私は思います。

 例えば、財務省はこの中川前大臣のローマにおける会見場のいわゆるホームページ上の記載を消されました。日本の財務省のホームページからは消すことができても、世界に流れた映像は消すことができません。それほど深刻な日本の評価を下げた事態だと私は思います。それについての真剣さも、残念ながら麻生総理の答弁からは出てまいりません。

 私は、総理は外交問題に熱心であるし、またBBC初めCNN、いろいろなものもごらんになっていると。そこにおいてこうした失態が全世界に流れているということについて、まず明確な御認識をいただきたいと思います。

    〔委員長退席、佐田委員長代理着席〕

麻生内閣総理大臣 BBC、CNN、ちょっとほかのをよく知りませんけれども、その二つに関しましては、この中川大臣の記者会見の映像が流されておりますことは十分に認識をいたしております。

 また、こういった形でそれに関連をいたします、ちょっとほかの外国通信のあれを見ておりませんのでわかりませんけれども、世界じゅうにこの映像が流れている。こういった意味で、記者会見の席が、結果として会議の中まで悪かったのではないかというようなイメージを与えることになってしまったということは、甚だ遺憾に思う、まことに遺憾なことに思うと申し上げております。

阿部(知)委員 本当に真剣にそう思われるなら、やはりそこで総理の任命責任の問題になるんだと思います。

 総理は、中川前財務大臣の体調がお悪かったということで、大臣自身が体調の悪さゆえにおやめになったという御認識をきょうも繰り返されました。しかし、総理、申しわけないけれども、中川大臣がこれまでも、例えば睡眠薬と、あるいは風邪薬とお酒を召し上がっていろいろな失態があったということは、よもや総理は全く御存じなかったわけでもなく、私は、今回、お酒がメーンかあるいはそうした薬がメーンかは、これはわかりません、しかし、そういう組み合わせの中で同じような事案が起きてきたのは今回が初めてではなかろうと思います。

 総理は、今の段階でどういうふうな御認識ですか。そして、私は、もしこれが全くそうしたお薬の影響でないならば、それほど体が悪いのであれば、そもそも最初の段階で大臣が御相談に来られたときから、本来、無理をせず、本当の今の国難に対峙できるような人材を早急に任命して、世界についてもそう配信すべきであったと思います。

 二点についてお伺いいたします。

麻生内閣総理大臣 まず最初に、情報はなかったのかということだと思いますが、時々ああいった状態になられると。私、そういった現場に、何十回とはちょっと言い方がいかがなものかと思いますが、かなりな数、何回か酒席を同席したことがあります。しかし、少なくとも、私の前でああいった状態になられたことは、私の記憶では一回もなかったと思います。正直、阿部先生、二十回以上あると思いますけれども、少なくとも一回もなかったというのが私のあれです。ただ、そういった形になる、麻生といないときはそういうことになるといううわさ、話は聞いたことがあります。

 しかし、一緒に閣僚として仕事をしてまいりましたけれども、総裁選も一緒に戦ってきたこともありますけれども、そばで見ていて、同様な席はありましたけれども、少なくとも、飲むということは、私の記憶では一回もありませんでしたし、閣僚になられてからも一回もなかった、これはもう間違いなくありませんでしたので、そう思っております。

 したがって、財政、金融、特に興銀におられたせいもあろうと思いますが、金融等々に関して、特に国際金融に関していろいろな発言をして、一緒に意見を交換してきておりましたので、極めて適任な方だったと思っております。

 したがいまして、今、任命の話がありましたけれども、当然、任命をしたのは私でありますから、それはその意味において任命責任が総理にあるのは当然だと思っておりますが、少なくとも、体調に関して言わせていただいて、最初の判断というのは、彼の状況として、どうしてもこれをリカバーするために頑張ろうという当時は気力も私は感じられたんですが、残念ながら次の日、一晩、やはり医者に行かれたせいもあり、次の日に重ねて医者から言われたこともあり、やはり体力、気力がなえたという感じが私はしましたので、その意味では、向こうがそういった話をされましたから、受理をさせていただいたということでございます。

阿部(知)委員 世界じゅうが見ているのは、麻生総理御自身のいわば総理としての素質、資質であります。この中川財務大臣の任命を初めとして、そしてその後の事後処理に至っても、本当にリーダーシップがあるのか。体の上での深刻さも、それから、これまでほとんど御存じないと言いましたが、参議院の本会議での農水大臣の当時の御答弁のろれつの回らなさも、よもや御存じないわけではないでしょう。当時のお話も、やはりお薬と多少のお酒が残られたというようなことでありました。ここまで来て麻生さんがそういう態度であるということが極めて、日本のそして世界の、日本はアメリカに次ぐ経済大国としてG7の中でも重要な役割をしている、そこでの失態であります。そのときの麻生さんの処理の仕方が問われているからこそ、きょう、この大事な場でのこうした論議になるんだと思います。

 私は、はっきり言って、今、国民の支持率ももう一〇%を切っております。この国の困難に対するに、今の麻生総理のこうしたリーダーシップのなさでは到底世界も日本も納得できない。挙国一致内閣でもおつくりになって、本当に、この三月、期末までにやるべきことをやって、早期に解散をしていただきたいと思います。当然、これを聞いてもまたへねごねおっしゃるので、残念ながら私の時間がありませんので、今度……(発言する者あり)では、つべこべです、ああだこうだでもいいです、おっしゃるので、この件は御答弁を聞きません。

 そして、今回大任につかれた与謝野財務大臣にお伺いいたします。

 今、アメリカも同じように経済危機に瀕して、その中で、オバマ大統領は、いわゆるグリーン・ニューディールという、これは、財政出動を伴う、しかしながら今やらねばならない。世界じゅうがそうした動きにあります。与謝野さんは財政均衡を大変重んじる方ですので、なられて、これから先どんな迅速な手が打てるかというところはまだまだこの審議の中でも可及的に詰めねばなりませんが、私は、与謝野さんが大臣になられたことで、先ほどの救国内閣という考え方にのっとった場合に、お願いがあります。

 今、日本の医療の崩壊状況について、極めて深刻であるということは、明日も集中審議がありますから御承知おきと思います。アメリカでも、バイデン、オバマのいわゆるがん対策というものにかける予算と、そして国民皆保険のための大きな取り組みというのが進んでいます。内需拡大という本当に日本が今向かわねばならないことのために、一方での公共投資と同時に、私は、医療という分野に新たに本当にかじを大きく切り直して投資をしていく。それは、大臣御自身ががんと闘病され、今度国民がみんな、衆目見ているわけです。お体ももちろん国民も心配します。でも、大臣がこの場につかれて、本当に日本の多くの国民が、命の問題、医療の問題、特にがん対策の問題、日本の予算はけた違いに少ない、しかし、今、医療を充実させるということにまさる内需拡大はないとくらいに思います。

 この認識を一点だけ伺って、終わらせていただきます。

佐田委員長代理 与謝野財務大臣、予定の時間が来ております。

与謝野国務大臣 阿部先生おっしゃるとおり、内需というものはどこにあるのかということをこの三カ月間ぐらい一生懸命勉強してまいりました。旧来型の、公共事業型の内需というのもそうありません。また、その内需が国民生活に貢献するという形の内需というと、先生が今言われたグリーン革命、環境関係、それから先生が今言及された医療福祉分野、こういうものの内需というものを考えなきゃいけないし、また、医療の質を高める、あるいはがん対策、新しい医薬品の開発、こういう分野で日本の経済を引っ張っていかないと、なかなか従来型の内需というものは見つからないということがありますので、先生の御意見には全面的に賛成でございます。

阿部(知)委員 しっかりと御健康に留意されて取り組んでください。

佐田委員長代理 これにて阿部知子君の質疑は終了いたしました。

 次に、鈴木宗男君。

鈴木(宗)委員 総理、きのうは日ロ首脳会談、御苦労さまでした。日本の総理大臣として戦後初めてのサハリン訪問、極めて重要な意義のあることだったと思います。

 私も、一九九七年、平成九年十二月の二十七日、サハリンに日本の閣僚として初めて行ったのが私だったんです。そこで今の領事館の前身たる出張駐在官事務所をつくったんですね。そういった意味では、きのうの会談は、私自身、麻生総理の対応等も見ながらも、非常に感慨深いものがありました。

 そこで、総理、端的にお聞きしますけれども、歯舞、色丹、国後、択捉の四島が日本領として確認されない限り平和条約は締結しないという認識は変わらないということでよろしいでしょうか。

麻生内閣総理大臣 これはもう既に一部報道でなされておりますし、また、答弁も先ほどさせていただいた一部がありますけれども、前回ペルーのリマというところで初めて話をしたときからのスタートにならぬと、ちょっとここだけぽんと飛び出すと、話が込み入りますので、このときに、少なくとも、これまで長い間かけて、外務省とかそちらの役人とかいうのでやっても、ずっとらちが明かないでここまで来た。それが、きちんと解決をしたいとあなた自分で言うんだったら、自分で決断をしてもらう以外にはほかに方法がない。やはりこれは政治的決断をすべき話なのではないか。それが一点です。

 それから二つ目は、少なくとも西、西というのはNATOとかそういった意味の西側諸国との間では極めて難しい関係にあって、南の方とも難しい関係にある。出口として、やはりアジア太平洋というところに、もっと伸びていくべきところには投資はしていない。そういったことを考えたら、組むべき相手は日本。その日本との間でひっかかっているのはこの問題。

 したがって、これをきちんとやるというのが、これまでのあれを超えてやらねばならぬといったときに、新たな独創的で型にはまらないアプローチのもとで作業したいと言われたものですから、いろいろ向こうも言いましたので、まず、このときに、それもあるけれども、これが一番肝心なところなので、四島の帰属の問題というところが一番の問題で、これが最終的な解決をしない限りは、ほかのが全部解決してもここが解決しなかったらというので、ずらっと述べましたけれども、これまでの基本でありますこの四島の帰属の問題というのが一番肝心という点に関しては、鈴木先生おっしゃるとおりであります。

    〔佐田委員長代理退席、委員長着席〕

鈴木(宗)委員 今の総理の答弁からして、わかりやすくすっきり言えば、四島の帰属が確認されない限り平和条約の締結はないということでいいですね。

麻生内閣総理大臣 四島の帰属の問題、ここが一番の肝心なところです。委員の言われたとおりです。

鈴木(宗)委員 今の答弁を聞いて安心しました。

 というのは、独創的アプローチあるいは政治決断、こう総理が言ったものですから、今までの政策を転換したのでないかという受けとめ方を元島民あるいは北海道の領土関係者も心配しているものですから、それで今確認したということなんです。

 そういった意味では、今総理が、四島が日本領として認められない限り平和条約の締結はないということを担保されただけでも、これはまた、私は、関係者はほっとするだろうし、さらにまた、麻生総理に期待するものは大きい、こう思いますので、この原理原則はきちっと守っていただきたい、こう思います。

 あわせて、外交には相手がありますね。日本の主張だけで通るものではありません。やはり外交というのは歩み寄って初めて結果が出る、こう思うんです。そこで、総理、私は、領土問題の解決に当たっての提案は川奈提案とイルクーツク提案があったと思うんです。これを撤回する、あるいは、これをほごにするということはないという認識もよろしいでしょうか。

麻生内閣総理大臣 これは、五六年の日ソ共同宣言に始まって、もうずっと、言わなくても御存じのとおりだと思いますので、こういったこれまでの声明とか宣言とか条約とか、こういったもので、今言われました東京宣言やら何やらを含めまして、こういった採択されました日ロ行動計画というものに関しましては、もう言及されておりますとおりでありますので、これらのものはすべて含まれていると認識をいたしております。

鈴木(宗)委員 きょうの総理の答弁で、一部報道では、政策転換したのでないかという報道もありましたから、そういった意味では、今総理は、基本は変わっていないというのと、四島がきちっと日本領と認められて平和条約の締結ということについては一切のぶれもないということで、安心をいたしました。

 同時に、総理、やはり、プーチン首相も来られる、私は日本からカードを切っていった方がいいと思うんです、お互い信頼関係でやっているわけですから。また、そのことが国益にかなう、こう思いますので、この点、今回の会談で日本から、例えばこの領土問題で新たなカードを、具体的な中身は結構ですよ、中身は結構ですけれども、そういったカードなり話はしたことはありますか。

麻生内閣総理大臣 新しい提案をしたか……(鈴木(宗)委員「はい」と呼ぶ)提案……(鈴木(宗)委員「いや、領土問題でですよ」と呼ぶ)領土問題に関する提案。新しいと言われるとちょっと困るんですけれども、少なくともこれまでやってきた中で、両国の信頼醸成というのがないとという話で、例のビザの話やら何やらがありましたので、信頼醸成というのがないと話が前に進まないと。

 今、あそこは、ウラジオストクでAPECをやりたいとかいろいろ言ってきておりますのは、もう御存じのとおりなので、そこにかたってやる、島に渡るには橋をかけないとあそこは使えませんから、その島にかける橋ができるのに、ロシアとしては東ボスポラス海峡と言っているのだと聞いていますけれども、ああいうものができる技術は世界じゅう日本しかありませんから、そういった意味では日本と、これに対してやる用意はこちらとしてはありますと。したがって、こっちの誠意はわかっていただけると思いますよと。これによって、決して悪い話にはなりませんから、そういった意思はありますと。したがって、こちらも誠意を示して言っているのだから、そちらも次にお目にかかるまでにきちんとした答えというものを、周辺の話はともかくとして、帰属問題、これに関する答えというものをそれなりに示していただければという話が、提案といえば提案であります。

鈴木(宗)委員 総理、私は、この領土問題の解決にはやはりトップ同士の話し合い、信頼醸成が一番だと思いますから、今のスタンスでしっかりやっていただきたいと思います。

 最後に、時間ですから、一分しかありませんからお話ししますけれども、中川大臣が辞任された日の夜、記者団に総理は、辞任による政権への影響はという問いかけに対して、特にないと思いますと答えていますけれども、その認識は今も同じかというのが一つ。

 もう一つ、森元首相は、十六日の民放テレビで、組閣の際、麻生総理に電話をして、組閣にはいろいろ異議がある、この異議というのはいわゆる問題があるという意味での異議ですね、特に中川さんについては、お酒の好きな方ですから、お酒に気をつけなさってと私は申し上げたんですよという話を森さんが言っておりますけれども、それは事実かどうか。

 この二点、お尋ねをいたしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 影響があったかといえば、それは、日本にとりまして、もしくはこの政権にとりまして、いろいろな意味で印象、イメージというものを悪くしたということにとりましては、それは全然影響がなかったなどと言うつもりはありません。

 ただ、我々としては、これを直ちにカバーして、危機管理上、新たに任命するのではなくて、兼務という形で直ちに対応するという形で対応させていただくので、少なくともこの予算に関しまして、与謝野大臣を充てることをもって直ちに対応したということだと思っております。

 今の森先生の話は、正直、記憶はございません。

鈴木(宗)委員 私は、中川大臣とはいろいろな縁がありますから、国内問題ならば守れるし、カバーできる点もあったと思うんですが、いかんせん外国での、ローマ発の世界行きのニュースになったものですから、これはちょっと不幸なことだったな、こう思っているんですけれども、とにかく、国民がやはりそれなりの思いを持っていることは事実ですから、ぜひとも緊張感を持って麻生内閣をやっていただきたいな、こう思っております。

 終わります。

衛藤委員長 これにて鈴木宗男君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十日午後一時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


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