衆議院

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第21号 平成21年2月26日(木曜日)

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平成二十一年二月二十六日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 衛藤征士郎君

   理事 小島 敏男君 理事 佐田玄一郎君

   理事 鈴木 恒夫君 理事 田野瀬良太郎君

   理事 根本  匠君 理事 山本  拓君

   理事 枝野 幸男君 理事 菅  直人君

   理事 富田 茂之君

      安次富 修君    赤池 誠章君

      井上 喜一君    伊藤 公介君

      飯島 夕雁君    石田 真敏君

      岩永 峯一君    浮島 敏男君

      臼井日出男君    小野寺五典君

      尾身 幸次君    大塚 高司君

      大野 功統君    鍵田忠兵衛君

      木村 隆秀君    岸田 文雄君

      小池百合子君    斉藤斗志二君

      坂本 剛二君    下村 博文君

      菅原 一秀君    杉浦 正健君

      園田 博之君    中馬 弘毅君

      仲村 正治君    野田  毅君

      葉梨 康弘君    深谷 隆司君

      三原 朝彦君   山本ともひろ君

      渡辺 博道君    石川 知裕君

      大島  敦君    逢坂 誠二君

      川内 博史君    菊田真紀子君

      小宮山泰子君    仙谷 由人君

      筒井 信隆君    細野 豪志君

      馬淵 澄夫君    前原 誠司君

      松本 大輔君    渡部 恒三君

      池坊 保子君    江田 康幸君

      田端 正広君    赤嶺 政賢君

      笠井  亮君    阿部 知子君

      照屋 寛徳君    保坂 展人君

      亀井 久興君

    …………………………………

   内閣総理大臣       麻生 太郎君

   総務大臣         鳩山 邦夫君

   外務大臣         中曽根弘文君

   財務大臣

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       金子 一義君

   環境大臣         斉藤 鉄夫君

   防衛大臣         浜田 靖一君

   国務大臣

   (公務員制度改革担当)  甘利  明君

   内閣官房副長官      松本  純君

   外務副大臣        伊藤信太郎君

   財務副大臣        竹下  亘君

   国土交通副大臣      金子 恭之君

   防衛副大臣        北村 誠吾君

   経済産業大臣政務官    松村 祥史君

   環境大臣政務官      古川 禎久君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      谷  公士君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君

   政府参考人

   (内閣官房郵政民営化推進室長)          振角 秀行君

   政府参考人

   (国家公務員制度改革推進本部事務局次長)     岡本 義朗君

   政府参考人

   (人事院事務総局総括審議官)           菊地 敦子君

   政府参考人

   (内閣府官民人材交流センター審議官)       平山  眞君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  内藤 純一君

   政府参考人

   (総務省大臣官房長)   田中 順一君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        椎川  忍君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 村木 裕隆君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    玉木林太郎君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            高井 康行君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          松永 和夫君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 石田  徹君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    長谷川榮一君

   参考人

   (日本銀行理事)     水野  創君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役副社長)   高木 祥吉君

   参考人

   (日本郵政株式会社専務執行役)          佐々木英治君

   予算委員会専門員     井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十六日

 辞任         補欠選任

  小野寺五典君     山本ともひろ君

  大野 功統君     安次富 修君

  木村 隆秀君     大塚 高司君

  杉浦 正健君     浮島 敏男君

  深谷 隆司君     鍵田忠兵衛君

  吉田六左エ門君    飯島 夕雁君

  大島  敦君     菊田真紀子君

  中川 正春君     石川 知裕君

  渡部 恒三君     小宮山泰子君

  池坊 保子君     田端 正広君

  笠井  亮君     赤嶺 政賢君

  阿部 知子君     照屋 寛徳君

  糸川 正晃君     亀井 久興君

同日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     大野 功統君

  飯島 夕雁君     赤池 誠章君

  浮島 敏男君     杉浦 正健君

  大塚 高司君     木村 隆秀君

  鍵田忠兵衛君     深谷 隆司君

  山本ともひろ君    小野寺五典君

  石川 知裕君     松本 大輔君

  菊田真紀子君     大島  敦君

  小宮山泰子君     渡部 恒三君

  田端 正広君     池坊 保子君

  赤嶺 政賢君     笠井  亮君

  照屋 寛徳君     保坂 展人君

  亀井 久興君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  赤池 誠章君     吉田六左エ門君

  松本 大輔君     中川 正春君

  保坂 展人君     阿部 知子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十一年度一般会計予算

 平成二十一年度特別会計予算

 平成二十一年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

衛藤委員長 これより会議を開きます。

 平成二十一年度一般会計予算、平成二十一年度特別会計予算、平成二十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、麻生内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。内閣総理大臣麻生太郎君。

麻生内閣総理大臣 私は、先週ロシアのサハリンを、また、昨日まで米国のワシントンを訪問し、日ロ首脳会談及び日米首脳会談を行いました。その成果について御報告をさせていただきます。

 まず、日ロ首脳会談につきまして御報告をいたします。

 私は、二月の十八日、メドベージェフ・ロシア大統領の招待を受けてユジノサハリンスクを訪問し、サハリン2の液化天然ガス(LNG)プラント稼働式典に出席し、日ロ首脳会談をあわせて行いました。

 会談では、平和条約交渉について、この問題を我々の世代で解決すること、これまでに達成された諸合意及び諸文書に基づいて作業を行うこと、メドベージェフ大統領が指示を出した、新たな独創的で型にはまらないアプローチのもとで、ともに作業を行っていくこと、北方領土の帰属の問題の最終的な解決につながるよう、作業を加速すべく、追加的な指示を出すことで一致をいたしております。また、極東、東シベリアにおける協力につきましては、官民一体となって具体的プロジェクトの形成に取り組むことでも一致しました。

 今回のサハリン訪問は、ロシアとの間でアジア太平洋地域における戦略的な関係を構築する上で、重要な一歩となったと思います。また、我が国のエネルギー安全保障の観点からも重要な意義を有するものであったと評価をいたしております。

 次に、日米首脳会談の成果について御報告をさせていただきます。

 私は、オバマ大統領の招待を受けて訪米し、二十四日に、ホワイトハウスを訪問する最初の外国首脳として、首脳会談を行いました。会談は非常に中身の濃いものとなっております。その中でも、私は、日米同盟は日本外交のかなめであると同時に、米国外交の礎でもあることを実感したところです。

 会談において、日米同盟を一層強化していくことで一致するとともに、国際社会が直面する金融・国際問題、アフガニスタン・パキスタン、気候変動・エネルギーといった課題にともに取り組んでいくことを確認いたしております。

 喫緊の課題であります金融・世界経済問題につきましては、世界第一位、第二位の経済大国として、世界経済全体をも考えながら、両国が手を携えて全力を尽くすことで一致をしております。

 さらに、安全保障面では、オバマ大統領より、核抑止力を含む対日防衛のコミットメントが表明をされております。また、在日米軍再編をロードマップに基づいて着実に実施していくことで一致をしております。

 北朝鮮の問題につきましては、オバマ大統領との間で、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて、緊密に連携していくことで一致しております。

 拉致の問題につきましては、私からこの問題の解決の重要性について強調したところ、クリントン国務長官が来日した際、同長官としっかり議論したこともあり、オバマ大統領は拉致問題についてよく理解しておられるとの印象を受けました。

 なお、北朝鮮がロケットによる衛星打ち上げ準備を進めていると公表したことを受けて、北朝鮮が緊張を高める行動をとるべきではないとの点でも一致をしております。

 以上のような日ロ首脳会談、日米首脳会談の成果を踏まえつつ、私は今後とも、日米同盟を基軸にしながら、アジア太平洋諸国との連携、国連などの場を通じた国際協調を重要な柱として、引き続き積極的な外交を進めてまいりたいと存じます。

 議員各位及び国民の皆様の御理解を心から重ねてお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

衛藤委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として国家公務員制度改革推進本部事務局次長岡本義朗君、内閣府官民人材交流センター審議官平山眞君、総務省大臣官房長田中順一君、総務省大臣官房地域力創造審議官椎川忍君、総務省人事・恩給局長村木裕隆君、資源エネルギー庁長官石田徹君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

衛藤委員長 これより外交及び国際関係についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三原朝彦君。

三原委員 麻生総理、御苦労さまでございました。それこそ、十三、四時間飛行機に乗って、数時間おられて、また十数時間飛行機に乗って帰ってこられたというのでしょうから、初春のワシントンを楽しむ間もない厳しい日程の中で、本当に御苦労さまでした。相手のオバマ大統領も、総理が立たれて翌日には施政方針演説をされたようですし、本当にお互い、国際社会の中で経済力一位、二位を持つ米国、我が国、そしてまた東アジアの安定、安全に責任を持つ両国のリーダーとして、大変だと思います。本当に御苦労さまでございました。

 きょうは、今総理が報告されましたオバマ大統領との会談、その中身について、よりまた国民にわかりやすく御説明いただきたい、そのための、国民を代表してといいますか、質問をさせていただきたいと思っております。

 オバマ大統領も麻生総理も、日米関係の重要性、特にこれが緊密であることが東アジアの平和の基本中の基本であるということ、これに対して何の疑問もないことでありますけれども、まずは、その方面から一つ質問させていただきたいと思います。

 つらつら考えてみましても、我々の東アジアの現状というのは、今総理がおっしゃったように、残念ながら、我々が予測できないようなことを時々やらかす隣の北朝鮮という存在がありますし、また、一衣帯水、そしてまた信頼醸成に当たっても一生懸命お互いにやりましょうということで、総理も既に昨秋も福岡で日中韓の会合を持たれて、中国のリーダーと会われましたけれども、胡錦濤さんとも会われましたが、そういう中国も、実は一面では、みずからの存在というものをより大きくするという意図もあるんでしょう、国防白書をつい数カ月前に出したりもしましたけれども、その反面、空母あたりも持ちたいなんということがあったりしまして、平和外交を望む我々としては、なかなかそう簡単にいかないという現実問題もあります。

 そういう中で、今回、新たにスタートしたアメリカのオバマ大統領との間での、東アジアを中心にした安全、安定について、そしてその核となる日米安保体制の重要性というものを再確認されたと思いますけれども、その点についての両方の考え、合意点みたいなことを御説明いただければと思います。

麻生内閣総理大臣 今、三原委員から御指摘のありましたように、この極東アジア、東アジアというところは、朝鮮半島は言うに及ばずですけれども、台湾海峡を含めていろいろな難しい問題がある、簡単に安定しているとは言いがたい問題があるという前提に立って、加えて、アジアの中には地域紛争など、いろいろ多くの問題がありますので、大量破壊兵器とか、ミサイルという搬送手段までそこに存在しているわけですから、依然として不安定、不確実という前提に立って物を考えないといかぬのだという点ははっきりしておると思います。

 こういった現実の中に、我々はそこに地理的におるわけですが、日本がみずからの自衛力のみで、少なくとも自国の安全が脅かされるようなことがないよう、あらゆる事態に自国だけで対処することは極めて困難。したがって、日米安全保障条約を引き続き堅持していくということで、米軍の前方展開というものを確保し、そしてその抑止力のもとで多様な脅威に対処して日本の安全保障を確認することが重要、これはこのところずっと一貫している日本の置かれている立場だと思っております。

 今回の日米首脳会談におきましても、日米同盟というものの一層の強化で一致するとともに、オバマ大統領からも、核抑止力を含みます対日防衛にかかわるコミットメントに関しての表明も改めてあっております。

 また、二月の十七日に署名をされました、いわゆる在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定の実施を含む在日米軍再編のいわゆるロードマップ、行程表に基づいて着実にこれを実施していくことで両国関係をという話でも一致したというところが、今具体的にこの場で申し上げられる成果であろうと存じます。

三原委員 ありがとうございます。

 今総理がおっしゃったことについての、東アジアの安定の面で、我々と野党民主党の考え方との違いみたいなものをちょっと書いてみたんですけれども、ここ数日、野党民主党の党首の言あたりですと、いや、もうアメリカ軍というのは第七艦隊だけで、あとは不必要なんだというような発言があったりして、我々も大いに危惧もしております。

 やはり外交というのは、これはもう釈迦に説法ですけれども、国内政治はみずからの選ばれた政権を持った政党が責任を持ってやるんですけれども、外交となると相手あってのことですから、相手の意見、考えも持ちながら我が国の意見も闘わせて、その中で妥協点を見出すということから考えますと、まことにもって稚拙というような考えをせざるを得ないわけですね。積み重ねというのがある中で、ある日突然、革命があるわけでもあるまいしというふうに、ちょっと残念な気もしました。

 今も東アジアのことについて述べていただきましたけれども、東アジアだけではありませんが、それ以外のところでも我が国は、アメリカとの共同のもと、世界の行動に対して方向性を見出してやってきておりますが、アフガン問題ですね。アフガン問題で我々は何とかできる限りのことをという、それは自衛隊のプレゼンスあたりは到底でき得ないことなんで、もう前から言っていますように、インド洋で補給をしながら、あそこで、わけのわからぬ船が入ってきたりテロリストに呼応して動くような船があるとちゃんと見張っておれよというようなことで、それを手伝うということで補給法案をもってやったりしておることはもう御承知のとおりであります。

 それ見たことかと思うのは、きのう、きょうの我が国のニュースあたり見ていましても、無水酢酸なるものがアフガンに送られるという。何のことだと思ったら、それは麻薬をつくるためのもとになるのだそうですね。そういうものまでも、実はそういう科学技術のある国々から何とかしてこっそり入れてという、明らかにあれはタリバンの資金源になるようなものに対する原料になるということだと思います。

 そういうことがいろいろ具体的にもありますけれども、そういう中で、我が国は、アフガンに対してはインド洋の補給の面でも協力をする。そしてまた、いま一つは、シビリアンの方でも既に我々は二十億ドルの約束をしていますし、また、もう既に今、調べてみますと、百三十人ほどの政府及びJICAで職員を出して、安全そしてまた復興支援に協力しているんですね。

 それに引きかえ、今度はまた野党の諸君あたりは、アフガンでのいろいろなことを言われる。自衛隊も、言い方は抗争停止合意ができればなんという、そういう机上の話はできても、実際問題としては、既に我が自民党、政権与党がやっていることの方がどれほど具体性があるかと思うんですけれども、アフガンを含めた世界のテロといいますか、そういうものに対する対抗措置に対しての世界平和を求める日米の考えについて言及がありましたでしょうか。

麻生内閣総理大臣 アフガンに限りませんけれども、これは基本的には、いわゆるテロとの闘いというのがその最大の基本であります。これは何もアフガンに限った話ではありませんが。しかし、少なくとも、自由で開かれた社会、我々はそういうところにいるんですが、テロというのはそれに対する明らかな挑戦であります。したがって、これは断固として非難されてしかるべきもの、私は、テロというものはそういうものだと思っております。

 日本としては、テロとの闘いに関しましては、我々もかつてサリンで五千人からの人、あれもテロ、はっきりしていると思いますので、そういった意味では、自身の安全確保にかかわる極めて重要な問題だ、私はそう思っております。

 したがって、アフガンというところは、今現在、世界で、テロと闘っておる、もしくはテロの撲滅への最前線ということになる、地理的にはそういう位置づけになっていると思います。少なくとも日本でテロと麻薬の温床みたいな形で今言われておるアフガン、そういうところでありますけれども、これに対していろいろ支援を、今、人道上からも、また給油の面からもいろいろここにしておるのはもう御存じのとおりなんです。

 いずれにしても、こういったようなものに関しましては、アフガンだけではなくて、その隣国、東側の隣国がパキスタン、西側の隣国はイラン、約二百万人からのアフガンの難民がイランの中にいるんだという話などなど含めまして、アフガン一国ではなくて、隣国のパキスタン、イランとの連携も必要、私はそういう考えを話しておりますけれども、いずれにいたしましても、この問題に関しましては、一国の力だけでやれるかというような話ではないのではないかというような話を率直にし合っております。

三原委員 力だけでは解決できないんだというのは、おっしゃるとおりだと思います。特に、麻生総理が外務大臣のときに自由と繁栄の弧というようなことを言われまして、やはりそこに繁栄みたいのがないと、こっちの方のインドから今おっしゃったパキスタン、アフガン、イラン、そしてイラク、ヨルダン、あっちの方ですね。ああいう面では、今まさに、外務大臣のころからおっしゃっておられたことが私は必ず功を奏する。たとえそれが急なものではなくても、じわじわときいてくることは確かですから、そういう意味では、外務大臣の時代からの経験を大いに使っていただいて、これから先も、まさにオバマ大統領を指導するぐらいの、そういうぐらいの気概でやってもらいたい、それを私は心からこいねがっております。

 それと、今度は、もう一つまた言及されました、残念ですけれども、すぐ隣国で、お互いに信頼しながら生きていくことがまだまだできないという北朝鮮問題ですね。

 我が国は、非核を国是として戦後ずっと生きてきましたし、もちろんこれから先もそれに対する揺るぎはないわけですけれども、反面、すべてのことを犠牲にしてでも、国民をあらゆる塗炭の苦しみにしてでも核保有の方向へ進むような国が隣にあるということは、まことに残念至極なことであります。

 その点に関して、六者協議があってみたり、我が国とはより強い外交関係を持てるような状況ではないものですから、アメリカや中国の協力を得ながら何とか平和裏のうちにということで、まずは非核をということから念じておるような隣の国ですけれども、それに対する意見の調整といいますか、方向性みたいなこと、もちろん我が国はそれと拉致問題もありますけれども、それに対してどういう意見交換があり、方向性があったのかということを聞かせていただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 私の方から、拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対して包括的な解決というものが必要なんだということを申し上げております。オバマ大統領も当然これに同意をされ、先ほども申し上げましたように、クリントン国務長官からよく話を聞いておられます。

 この点は、クリントン長官が来日されたときに、中曽根外務大臣また私とも、かなり長い時間この問題を話をしておりますので、その意味では緊密に連携をしていくということでは問題がないと思っております。

 また、六者会合の意義というものにつきましては、これは韓国も今、大統領がかわられてから、以前より積極的にこの問題に対して、六者協議ということを非常に強く押しておられますので、その意味では、朝鮮半島における非核化ということを完全に実施すべく、ともに努力をしていくということで一致しております。

 かつ、よく言われております検証可能なというあの話につきましても、私どもは、我々は拉致被害者の問題というものも抱える、かつ非核化という問題に関しては、何となく口頭で、何となくするんだかしないんだかわからぬような話がずっと続いているが、少なくともIAEA、いろいろなものが入って、きちんとした形で、我々は検証可能な形で非核化というものが朝鮮半島において行われなければならないという面で、核の完全な撤廃、またそういった可能性というものをきちんとしておかなければ、北東アジアにおける安定は考えられないということに関しましては、双方で全く一致をいたしております。

三原委員 やはり、核の問題というのは、これから先も我々は真剣に、どうすれば不拡散というものが成功できるかということをしていかないと、もう既に御承知のように、インド、パキスタンは五大国以外で核を持った国になりましたし、イスラエルももちろん持っているだろうと言われています。その後には、今度は北朝鮮とイランかというような状況になってくると、どうも貧者の兵器と言われるものがふえていく危惧を大いにせざるを得ませんので、やはり、特に我々が住んでいる地理的な近隣である北朝鮮での核保有に対する断固とした我々の態度というのは、これからも微動だにしちゃいけないと私は思っております。

 もう一つは、これは直接お話しになったかどうかわかりませんが、今、我が国からも、一応政府としては前向きに考えておりますソマリア沖の海賊への対策ですね、我が国の自衛艦をという問題です。

 これも、この委員会でもいろいろな人が議論もされましたけれども、これもやはり、国際協力の大いなる一場面であると私は思います。既に他の国にもたくさん、それに対して、呼応して協力してきていますけれども、我々は、机上の空論ではなく、明らかにそこに向かって、はるか離れたところで航行の安全を図るためにはどうすべきかという議論からすれば、明らかに、我が国の自衛艦が行ってそこに存在すること自体が、平和、航海の安全、自由の基本だ、こう思っています。

 そういうことから考えますと、理屈ばかり言うというのはどうも私にとっては納得できないところでありまして、それもまたフリップにも書いていますけれども。そのことから考えますと、私は、アメリカも十二分にそのことは協力してやろうということで、既にインド洋での補給に関しては十二分に感謝もしてもらっているんですけれども、次の、その横のところのソマリア沖でも同様の共同作戦みたいなことができるはずだと私は思うんですが、政府としての確固とした考えをいま一度明確にしていただきたいと思っております。

麻生内閣総理大臣 このソマリア沖の海賊という話は、これは日本だけでの話ではなくて、国際社会にとりまして脅威でありまして、国連安全保障理事会でも再度にわたり決議文が出されたりしたと記憶をいたします。

 これは、相手は軍ではなくて海賊ですから、一国の軍隊を相手にするわけでも何でもない。船主協会からも、ここは年間約二千隻からの日本の船が通っておりますから、一日に直せば五、六隻の船がここを通るという状態でありましょう。

 したがいまして、こういった海賊行為を行っている者に対していわゆる処罰するためには、これは海上保安庁及び海上自衛隊が海賊行為に対処するために必要な事項というものを定める新法というものを検討しておりまして、今国会への法案の提出というものを目指しているところであります。

 新法整備まで時間がかかると思いますので、なかなか遠隔地でもありますので、応急措置として海上自衛隊によります海上警備行動というもの、その点を自衛隊法、海上警備行動というものによる自衛隊の派遣などを準備しておりまして、現地調査、またこれは訓練も必要だろうと思いますので、そういった訓練を実施していかなければならないということだと思っております。

 いずれにしても、これは、日本の持っております財産もしくは生命にかかわる極めて重要な案件だ、私自身はそう思っております。

三原委員 これは、野党の諸君がどういうふうに考えておられるかというので、私ちょっと民主党さんのホームページを見てみましたけれども、結論から言うと、海上警備行動に対する派遣には反対だ、自衛隊派遣反対だということに結論はなっているんですね。では、それの対案はといいますと、海上保安庁があるだろうという感じですが、海上保安庁で、長期に行って海上警備行動ができるというような物理的な状況じゃないことは十二分にわかっているわけですから、つまり、結論としては、これはもうやらないということなんでしょうね。

 それではやはり、今総理もおっしゃったように、年間二千隻も船が通っていて、もう既に実害が三隻か何かあったんだそうですね。それで、よその国も入れますともう何十隻という実害があっているようなものを、そういうネガティブなことでやっていたんでは、やはり我が国の世界の中における信頼というようなもの、責任、信頼が、これはもう揺らぐどころか失っちゃうということになると私は思います。

 時間になりましたので、本当に短時間で行って帰ってこられて御苦労でございました。もうちょっと、今度は経済面のこともお聞きしたかったんですけれども、私の時間が終わりましたので、どうかこれから先も、日米協調のもとでの我が国の世界での平和への希求のための活動、行動というものに対して、大いに我々は思いをいたさなきゃいけないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

衛藤委員長 これにて三原朝彦君の質疑は終了いたしました。

 次に、田端正広君。

田端委員 公明党の田端でございます。

 麻生総理におかれましては、大変強行日程の中、訪米、まことに御苦労さまでございました。

 二十三日、ちょうど総理が出発された日だったと思いますが、アカデミー賞で「おくりびと」という日本の作品が初めて外国語映画賞、オスカーをとられた、これはもう大変な朗報でありました。また、「つみきのいえ」というのが同時ダブル受賞ということで、そういう明るい話題を背負ってちょうど訪米されたわけでありますけれども、私は、やはり政治は明るいことが大事だ、こう思います。

 それで、世界第一の経済大国と世界第二の経済大国のトップが初めてこういう形で、特にオバマ新大統領になって初めてホワイトハウスに日本が招かれた、これは大変明るい話。私は、会ったということ自体、会談が実現したということ自体が非常に大きな第一歩であった、意義があったと思っております。

 その上で、ここでいろいろなことを、先ほど御報告があったようなことがさまざま話し合われたわけでありますが、しかし、何といっても、今日のこの経済危機をどう克服するかということ、これが最大の主眼ではなかったか、私はこう思います。

 そういう中で、大統領は、総理が帰られた後の両院合同議会においての施政方針演説で、大変大事なお話を幾つかされたように思います。その中で私が特に注目したいのは、この演説の中でオバマさんは、エネルギー、つまり環境政策ですが、環境、医療、そして教育という三分野に重点を置いた内需拡大、経済再生、そしてアメリカの再生ということをやりたいという趣旨のことをおっしゃられたわけでありまして、これはもう本当に今までのアメリカとは違った第一歩を踏み出したな、こう思います。

 そこで、総理もいろいろな形で国際会議に多数出席されておりますが、一月の三十日でしたか二月一日でしたか、ダボス会議に出席されたときに、これは大変大事な会議だったと思いますが、ここで、気候変動枠組み条約の京都議定書の次の国際的枠組みが大事だという趣旨で、温暖化対策に対して中期目標を六月中にまとめたいという趣旨のことを世界にメッセージとして発せられました。これは大変高く評価される、日本のトップとしての見識であったと思っております。

 そういう中で、実はその前に、私たち公明党として、私は公明党の地球温暖化対策本部長という立場で、たしか一週間ほど前だったと思いますが、太田代表と一緒に総理のところに、ダボスでこういうことを言ってくださいということでお願いに参りました。

 それは、産業革命的な、画期的な環境技術を駆使して経済の再生を興す、そのぐらいの思い切った政策をとらないとだめではないか。我々は、グリーン産業革命という命名をいたしておりますが、そのぐらいの思い切った政策をとったらどうかということを提言させていただいた中で、地球温暖化についても、これは遅くても六月には中期目標を定めて、そして十二月のコペンハーゲンに向かって日本のリーダーシップを発揮していただきたい、こういうお願いをしたことが、その総理の演説につながったと思っております。

 そういう中で、気候変動枠組み条約の締約国会議が十二月にコペンハーゲンで行われるということについては、まさにこれからが大きな正念場、そこにオバマ大統領が登場してアメリカも参画するような今大きな流れができ始めました。これが大変国際的には大事なことだと思っておりますが、この次期枠組みにアメリカが参加し、そしてもう一つ大事な中国が参加すれば、排出国としての一番と二番の国がここに入ってきて新しい枠組みができるということ、それのリーダーシップ役を麻生総理、日本が果たしていくということがこれからの大きな大事なポイントではないかと思っております。

 そういう中で、今回日米首脳会談が行われたということについては、しかも環境政策で大きな第一歩、経済再生の第一歩を踏み出したという意味で、私は、皆さんのお手元に資料が行っているかと思いますが、日米首脳会談で、エネルギー、環境技術分野の二国間協力を具体的に協議していこうということを、始めようということを合意されたようでありますけれども、まさに、CO2の排出の少ない技術の開発、そして省エネ、新エネの市場拡大、次世代自動車の開発といったようなことがこれから本当に大事なポイントになってくるかと思います。

 そういう中で、この日米の連携というものが今後環境分野を一つの大きな基軸として経済再生を共有するということでオバマ大統領との会談が行われたというふうに私は認識したいと思いますが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 気候変動の問題というのにつきましては、これは二〇一三年以降の枠組みの構築、これが今大きな話題のところなんですが、日米で緊密に連絡をしていく、連携をとっていくということでこれは一致をしております。

 現実問題として、こういう気候変動もしくは温暖化に対応して、またCO2を減らすなどの技術という面を考えたときにおきましては、やはり日本とアメリカというのが最も先進国と言われてしかるべきものだと思っております。

 したがって、具体的な日米協力、日米連携が必須であるということの認識を共有して日米関係で協議をやっていこうではないかという話で、これはいろいろ既にやっておりますけれども、トップ同士でこの点について合意ができておるということが今回の成果の一つかと存じます。

田端委員 それで、これから実務的な会議が重ねられることになると思いますが、日米にプラスして、やはり中国ということは、これは日本が一番隣国でもあり、また、途上国とは言えないと思いますが、しかし先進国には入っていない中国を、しかも排出量が二番目に多い中国を新しい枠組みの中に取り込むということが非常に大事だと思います。総理は三月の下旬にも訪中されるということでありますけれども、この日米中三カ国のこれからの協議、これは大変大事な、しかも、三カ国のまとまり方によっては世界に大変大きな影響を及ぼすというふうになろうかと思います。

 そういった意味で、今後の、総理のこの日米中に対する、三カ国の協議はどうあるべきかということについて御見解をお伺いしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 中国に行くのがまだ決まったわけでも何でもありませんが、いずれにいたしましても、地球温暖化問題の解決のためには、京都批准書がなぜ効果を発するということが少なかったかといえば、それはもうはっきりしておりまして、カバーしておりますのは世界の約三十何%のものしかない。大きな問題は何があるかといえば、それは何といったって、中国でありインドでありアメリカでありというような国々が最終的には参加しなかったというのが、京都議定書における最大の問題点だったと思います。

 したがいまして、世界全体として排出削減というのを考えるのであれば、そういった大量の排出国がこの条約に参加して、その行動を実行していくということが担保されないと、なかなか効果は上げにくい。そういった点におきましては、少なくとも、これまで消極的だったアメリカが乗ってこようとしておるときに、やはりもう一方の中国、またインド、ロシアというような国々をこの条約に参加させるというところは極めて大事なところだろうと思っております。

 したがいまして、今、米中、なかなか直接いろいろな交渉をしているわけではありませんけれども、少なくとも、こういう温暖化の問題とかまた排気ガスの問題、そういった問題に関しては、日米中三国で話し合う話題としては、連携を強めていくときの一つの種として大事な問題ではないのか、私自身はそう思っておりますので、日米中、こういったところで、少なくとも、環境とかまたエネルギーとか、そういった問題で協力の可能性というものを検討していくのがよろしいのではないか、私自身はそう思っております。

田端委員 総理、幸いといいますか、我が党出身の斉藤環境大臣が、日本版ニューディールということで、大変精力的に今各省庁と渡り合って、いろいろな形での新しい日本のあり方ということで努力していただいております。今アメリカが大きく変わろうとしている、だから日本も変わらなきゃならない、そういう意味で、経済政策の中でぜひそれを実現していただきたい、こう思うわけであります。

 オバマ大統領が、ニューディール政策という形で、こういう環境分野に対して十年間で千五百億ドルを投資して五百万人の雇用を創出するとか、二〇一五年までに百万台のプラグインハイブリッド自動車を導入するとかいろいろな形で、今までなかったような画期的なことをおっしゃっています。これがもし大きな流れとなっていけば、これはまさに私たちの思っていた、アメリカと日本の協調、共有ができるのではないか、こう思うわけであります。

 先般総理にも申し入れさせていただいた我々の「「グリーン産業革命」への提言」、この中身も、今後三年間で十兆円規模の経済投資を行って、五年間で市場規模百兆円、そして雇用二百万人超の画期的な、産業革命に匹敵する環境技術、環境産業を興すべきだ、こういう提言をさせていただきました。

 この中で、太陽光発電は五年後に五倍、二〇二〇年には二十倍、そして固定価格の導入、あるいは次世代電気自動車を五年後には百万台、二〇二〇年には新車販売の七〇%というふうな目標を、我々としては精査した上で打ち出させていただきました。こういうことで、これからの流れをぜひ大きく変えていただきたい、こう思うわけです。

 これは、まさしく政治主導でなければできない政策だと思います。そして、思い切って大胆にやらなければできない。しかも、あれもこれもとたくさん並べたのではできない、三つか四つぐらいに絞らなければとてもじゃないけれどもできないと思いますが、それを経済の活性化につなげていく、そういう流れをぜひつくるべきではないかと思っております。

 昨日のオバマ大統領の施政方針演説の中に、エネルギー政策について、環境問題について、こういうくだりがあります。クリーンで再生可能なエネルギーを利用する国が二十一世紀を主導する、我々は太陽光発電を発明したが製品化ではドイツや日本におくれをとっている、今こそアメリカが再び先頭に立つときだ、こうおっしゃっています。まさに実感がこもっているわけです。

 そういう意味で、オバマさんもここまで踏み込んだ発言をされているわけでありますから、例えば、太陽光発電と次世代型の電気自動車、この二つが大きな軸になるだろう。これは、もちろん電池の技術の開発ということが大きなポイントになりますけれども、太陽光発電の場合は住宅のリフォームとか改修とか、住宅建設という非常にすそ野の広い分野にまで影響を及ぼしますし、また自動車産業は今日の日本経済を支えてきた大きな基盤的産業でありますから、この二つをもっと画期的な形で、財政投資もしっかりやって、技術革新をやっていく、そしてここから新しい日本のあり方というものを、しかも地球温暖化を考えたそういう経済政策というのを打てないだろうか、こう思っているわけですが、総理の御見解をお願いしたいと思います。

麻生内閣総理大臣 技術の進歩というのは、田端先生、これは見るべきものがある。恐ろしい勢いで技術革新が進んでいる。

 少なくとも、今見ていますと、自動車を例に引けば、明らかに自動車というものは猛烈な勢いで蓄電池の技術が進み、またハイブリッドなどという混合したみたいなものが出てきてみたり、また電気の発電にしても、重油から原子力にかわってCO2が極端にどんと下がる。そういったことから考えますと、技術の進歩ということを考えたときに、やはり日本とアメリカの持っております技術力というものは、非常に見るべきものがあるのではないかと思っております。

 少なくとも、今世界最高水準と言われます我々の持っております環境技術というものをもとにして、社会システムの構築、いわゆる低炭素な社会をつくり上げていこうとか、またいろいろな意味で、我々としては、持っております技術というものをいかにうまく活用して、新しい社会というものの中において低炭素なものをつくり上げていくかというのは、これは生活自体をかなり変えなければいかぬという部分を含めまして、意識も随分変えていただかなければいかぬところも出てくる。

 その中には、太陽光発電というもの、これは経済産業省などなど、いろいろなところで今取り組まれつつあるところですが、こういった家庭で発電した電力、これは余った分は売電する、売りますという、受電だけではなくて送電も家庭の方からというようなことを含めまして、いろいろなものが今でき上がりつつある。それをさらにその気にさせるためには、そういったようなものを法律で、送電して売電して、そういったようなことも含めていろいろなことを考えていく、今いろいろアイデアを多く広く集めて考えているという最中であります。

田端委員 今、総理はいろいろと考えている最中だというお話をいただきましたが、これはもう考えている段階から実施ということが大事だと思いますが、そういう中で、大変ホットなニュースがございました。

 我々、低炭素社会ということを目指す以上、再生可能エネルギーの導入、拡大ということが大変大事だということを一貫して言ってまいりました。そして、その中で、「地球温暖化対策の国際交渉等に関する提言」として私たちがまとめた中にはっきりと、総理にもお出ししたその文書の中にも、再生可能エネルギーの爆発的導入のためには、日本型の固定価格買い取り制度の導入が急がれるべきであるということの趣旨も書かせていただいておりますが、今回、この固定価格の買い取り制度というものが、二階産業大臣が非常に思い切った形で政策転換といいますか進めていただきまして、いよいよこれが実現する内容となってまいったものでございますが、私は、これは大変喜ばしいことだと評価しています。

 この太陽光発電は、一家庭当たり二百万から二百五十万ぐらいの設置費用がかかると言われています。大体三キロワットぐらいが基準になるということなんですが、これに対して経済産業省が、一キロ七万円ということで、大体二十万少々の助成をする、こういうことになっています。これが、もし取りつけた場合、ドイツの場合はこれは明確に法律でもきちっと担保されて、おおむね十年で元が取れる、こういう流れをつくって、それでドイツの場合は一気に加速度的に市民が太陽光発電を設置された、こういう流れができました。

 日本にあっても、買い取り価格制度というものがこれでできるということになったんですから、これはできるだけ高く買い取っていただいて、今二十三円か二十四円ぐらいだと思いますが、今二階大臣の方では五十円程度というふうにお考えいただいて二倍以上の価格で買い取っていただくということでありますが、それは本当に画期的なことと思います。

 今つけている人にすれば、二百万とか二百何十万かかって取りつけた人が二十年ぐらいかかってようやくペイしていると思いますけれども、今回二階大臣の決断によってされることが、今後五十円程度でいった場合、何年ぐらいで投資したお金が、費用が回収できるのか、元が取れるのか。ここのところが十年とか十一、二年でできるということになれば、国民の皆さんもこれはやろうというふうになっていく、そして、地球に優しい生き方をしよう、エコ生活に入っていこう、こういうふうになると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

二階国務大臣 まず、田端先生を初め公明党の皆さんが太陽光発電に大変御熱心で、再三の申し入れを経済産業省にもちょうだいしておりますことに対して感謝を申し上げたいと思います。

 そこで、今、小学校にも中学校にも、さらに高等学校にもこの制度を導入してはどうかというふうな御提言もいただいておりますが、今関係者と真剣に計画を検討しておるところでありますので、引き続き各党の御協力をお願いしたいと思います。

 ただいまの御質問の趣旨でございますが、おおむね我が国の場合は十五年程度を目指しております。

 そこで、今田端議員のおっしゃったことから考えますと、できるだけもっと短い期間に回収できることが望ましいという御意見であろうと思いますから、我々はそれをさらに短縮できるような工夫をこれから進めていきたいと思いますが、今申し上げられることは、とりあえず十五年程度を念頭に入れて元が取れるようにしよう、こんなことを考えておるところでございます。

田端委員 もう一踏ん張りしていただいて、十五年を十二年あるいは十年、そういうふうな政策をひとつ打ち出していただきたい、こう思います。

 斉藤大臣、もう時間もなくなりましたが、大臣が今取り組んでおられる緑の経済と社会の変革ということで、日本版ニューディール政策ということで総合的な政策を今いろいろと御努力されているわけですが、いつまでにどういう形でまとめようとされているのか、どういう方向を目指しているのか、その辺のところのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

斉藤国務大臣 経済対策とそして環境対策を同時に行う緑の経済と社会の変革、今取りまとめを行っているところでございます。私自身、有識者から意見を聞いております。また、環境省も国民の皆様からアイデアを募集いたしましたところ、千件に近いアイデアが集まってまいりました。これを取りまとめまして、三月いっぱいには緑の経済と社会の変革構想をまとめて、日本の経済の回復、そして環境立国としてのあるべき姿、その両方を実現する、その案としていきたいと思っております。

田端委員 どうもありがとうございました。

衛藤委員長 これにて田端正広君の質疑は終了いたしました。

 次に、前原誠司君。

前原委員 民主党の前原でございます。

 麻生総理、まずは訪米お疲れさまでございました。ただ、まず厳しいことを申し上げなければなりませんが、恐らく国民の多くが釈然としないというかもやもやとした気持ちを持っているのではないかと思いますけれども、各種世論調査で内閣支持率が一〇%そこそこの総理大臣が、しかも、自民党の中でも公然と、総理は退陣をすべきではないかというような声が出ている、しかも衆議院の任期満了まであと半年程度のこの時期に、ロシアのメドベージェフ大統領に会われて長年の懸案事項である北方領土の問題に打開の意欲を示されたり、最も大切なパートナーであるアメリカの新大統領に会って今後のことを話し合う、極めて釈然としません。

 ソ連の元総書記であるゴルバチョフ氏の言葉をかりるまでもなく、外交には敵も味方もいない、あるのは国家利益だけだと。このような国際政治の生々しいパワーポリティクスの場に、失礼な言い方でありますけれども、レームダックの総理大臣が首脳外交をするということは違和感を感じる、国益を害すると私は思うのでありますけれども、そういった自覚を総理はお持ちですか。

麻生内閣総理大臣 一国を代表して、きちんと瑕疵なく選ばれた内閣総理大臣が国益を代表して他国と交渉する、当然のことだと思っております。

前原委員 外交というのは、やはり首脳の信頼感、あるいは相手がしっかりとした基盤を持っているかどうかというのは、逆の立場であればしっかり見るのは当たり前でございまして、そういう意味では、五月にはロシアのプーチン首相が来られる、あるいは七月にはサミットがイタリアで開かれる。この百年に一度と言われている経済危機を打開するためには、今申し上げたように、どの政党が勝つかどうかは別にして、一日も早くやはり国民の信を問うて、そして国民の信頼を得た政権で基盤のしっかりとした総理大臣が外交を行うということが私は王道ではないかと思いますが、いかがお考えですか。

麻生内閣総理大臣 たびたび似たような質問を前々から受けていると思います。同じような答弁を申し上げておりますので、今ここで別のことを申し上げるつもりもありません。選挙、解散等々は総理大臣の専権事項だと思っておりますので、自分で判断をさせて、解散時期等々は自分で決めさせていただきたいと存じます。

前原委員 後で少し議論をさせていただきたいと思いますが、麻生総理に一つ歴史的な使命がおありであるとすれば、幾つかあるかもしれませんが、一つおありであるとすれば、おじい様が吉田茂元総理でいらっしゃるということで、この吉田元首相の晩年に語られていたアメリカへの過度の依存からの自立ということをやはりそろそろ考えるべきではないかというふうに私は思っております。

 そういう意味では、きょうは、どれだけ日本の安全保障がアメリカに依存し過ぎているのかというところを少し議論させていただきながら、どういう安全保障、外交、日米、日米中のあり方がいいのかということを議論させていただきたいと思います。

 さて、総理、もし日本が有事に巻き込まれるとすれば、あるいはもうちょっと違う質問をすれば、自衛隊が想定をしなくてはいけない日本の有事というのは、起きやすいと思われるものは、どのようなものが考えられますか。

麻生内閣総理大臣 日本というものを取り巻いておりますこのアジア太平洋という地域は、冷戦構造が終わりました後、このユーラシア大陸の東半分では、北朝鮮等々、朝鮮半島にはいろいろ難しい問題がある、これは御存じのとおりだと思います。したがって、ここで考えておかねばならぬ問題が当然一つ。

 また、御存じのように、年間約二けた台で急成長しております中国の軍事費の増大、これは約二十年間継続をいたしております。しかも、その内容につきましては、極めて不透明ではないかという指摘は前々からなされております。そういったことが懸案材料としてあります上に、大量破壊兵器、また核、ミサイル、いろいろありますので、そういったものが一つ。

 また、マラッカ海峡は最近少なくなりましたけれども、テロ、海賊行為といった国際社会で共通な課題というのは幾つもありますので。

 その中で、どこからどの可能性があるかというのがあらかじめ今予想できるかといえば、今の段階で何が問題になるのか、朝鮮半島の話なのか台湾海峡の話か何の話か、今の段階で特に限定されているというわけではないと理解しております。

前原委員 何が蓋然性として高いのかということは余り突っ込んで話をする必要はないと思いますが、私も総理と同じ認識を持っておりまして、シナリオベースでいくと三つだと思うんですね。

 一つは、これは主に北朝鮮ということになると思いますけれども、ミサイルが飛んでくるということがまず一つであります。そのために八千億もかけてミサイル防衛を整備しつつあるということは、国民の皆さん方も御存じのとおりであります。

 二つ目は、あらゆるテロですね、今総理もおっしゃった、さまざまな形のテロがあると思います。

 三つ目は、私の中ではひょっとしたらこれが最も蓋然性が高いのではないかというふうに思いますけれども、島嶼侵攻。日本は島国でありまして、後で具体的な話をしたいと思いますけれども、日本の主権である領土というものの島が占領されるというような可能性があるのではないか。

 私は、シナリオベースでいくとこの三つが日本の有事として考えられるのではないかというふうに思っております。これを一つずつ少し議論していきたいと思います。

 ミサイル防衛でありますけれども、これに対処しようと思ったら、発射準備、それから発射されたという情報、こういうものを感知しなくてはいけません。特に、発射された後には約七分間で日本の国内に到達をするということが言われているわけであります。

 いわゆる発射準備にあるのじゃないかという情報は、日本もとれるかもしれません。ただ、日本の多目的衛星は、多目的衛星として四基、そしてアメリカはペンタゴンだけで百基以上の情報衛星を持っているということで、情報収集能力の彼我の差というのは明らかであります。そしてまた、北朝鮮は日本に届く二百基以上の運搬手段、ミサイルを持っているのではないかというふうに言われているわけであります。

 さて総理、まず、今回の首脳会談で、北朝鮮がミサイル、彼らは衛星と言っているみたいですが、発射準備をしているということについて、首脳会談で意見交換をされましたか。

麻生内閣総理大臣 このミサイルの発射の話につきまして、ミサイルかロケットの発射かの話に関しましては、これは私どももかなりの情報を共有しておる、我々というのは日本もアメリカも、この情報についてはかなり共有しておると思っております。

 そういった意味では、こういったことに関しまして準備を進めている。事実、先方はこのところ公表したりもしておりますので、そういった意味では、緊張を高めるべきではないのではないか。こういった緊張を高めることによって何のメリットが北朝鮮にあるのかはわかりませんけれども、少なくとも、こういった問題について、今後とも日米情報を密にして、連絡を密にしてと話し合ったことはあります。

前原委員 これはもう防衛大臣で結構であります、簡単な事実確認ですので。

 発射されたかどうかということについては、やはり一義的に、アメリカのみが持っている高高度の静止衛星の熱感知によって情報としてもたらされて、そしてミサイル防衛、もちろん準備はしているでしょうけれども、それに対処をするということでよろしいですか。

浜田国務大臣 最初の段階ではそのとおりであります。

前原委員 つまり、発射準備をしているということについては、今総理がおっしゃったように、お互いに共有している情報もある。しかし、発射をしたかどうかということについては、アメリカが唯一持っている高高度の静止衛星に頼らざるを得ないというのが現実だと思います。

 さて、二百基以上のミサイルを持っていると。先般、ハワイ沖でしたか、SM3の実験をやって失敗したということでありました。もちろん、成功されるための訓練を日々積み重ねておられて、それをどうのこうの言うつもりは現時点ではありません。しかし、二百発以上持っていて、ではSM3やPAC3だけですべて撃ち落とせるかというと、なかなか難しいと思うんですね。

 となると、着弾をする可能性がある。着弾をすべて日本有事と認定するかどうか、あるいは防衛出動と認定するかどうかは別にして、認定をする可能性は極めて高いと思うわけでありますけれども、仮に北朝鮮からミサイルが撃ち込まれて、それはまさに敵意を持って、敵意というか日本を攻撃する意図を持って行われたという認定がされた場合は防衛出動が下令をされると思いますけれども、では、日本の自衛隊に、やられたらやり返すということ、これができる能力がありますか。総理、お答えください。

浜田国務大臣 有効な敵地攻撃の能力はございません。

前原委員 その場合は、日本が攻撃をされて、日本ができない分、日米安保条約に基づいてアメリカに集団的自衛権の行使を要請するということでよろしいですか。

浜田国務大臣 当然そういうことになろうかと思います。

前原委員 今、テポドン2というものが開発をされている。ハワイあるいはアメリカの本土にも着弾をするのではないか、可能性があるのではないかと言われているわけでありますが、これは旧ソ連があるときにさんざん議論されたことでありますけれども、アメリカが自国民を核の恐怖、脅威のもとに置いてでも同盟国である日本を守るのかどうなのかということは極めて高度な政治判断だと思いますが、総理、この点についてはどうお考えになりますか。

麻生内閣総理大臣 これは、ソ連のときによく言われた、ソ連時代によく議論された話でありますので、そのときの答弁も、仮定の問題に対してはお答えできませんというのが当時の答弁だったと記憶をいたします。今、その状況に比べまして、今そのようなときになったらという前提に立ってなかなか答弁のしにくいところだと存じます。

前原委員 いずれにしても、ここで確認をしておかなくてはいけないのは、シナリオベースで、日本の有事になる可能性のある一つとしてミサイル攻撃がある。それについては、外交努力も含めて、ミサイル防衛あるいは情報収集で事前にそれに対処するということは重要であるが、しかし、実際にそういったものが着弾をした場合、日本は報復する手段を持たない。よって、その報復についてはアメリカに頼らざるを得ないという状況が今の日本にある。これは一つ確認できたと思います。

 では、シナリオベースの二でありますけれども、テロ。

 これは、いろいろなテロがあると思うんですね。例えば、北朝鮮の工作船、拉致も立派なテロ、許されざるべきテロでありますけれども、その拉致というテロを行ったとされている北朝鮮の工作船が発見をされて海上警備行動などが発令をされたケースというのは二回あったと思います、佐渡沖、そしてあと奄美大島沖。これも一義的にはアメリカから情報がもたらされたということで、日本は、先ほど申し上げたように、情報衛星では彼我の差があるし、警察や公安調査庁といった情報機関はなくはないわけでありますけれども、アメリカのようなCIAというヒューミントというのはないわけでありまして、そういう意味では、情報収集能力というのは、このテロにおいてもかなりアメリカに頼る部分があるのではないかと思います。

 私が主にきょう議論したかったのは、シナリオベースの三なんですね。島嶼侵攻の話であります。

 昨年の十二月に、中国の海洋調査船二隻が尖閣諸島の我が国領海内で約九時間活動した。今までと中国の発言は変わっています。どう変わっているかというと、中国側は、調査ではない、みずからの領土、尖閣を指しているわけですね、みずからの領土をパトロールに来たんだということで、主権を主張して、今後もこういった活動を継続する意思を表明している。新華社系の新聞によると、台湾と協力をして尖閣のいわゆる主権というものを意思表示すべきではないかというようなことも言われているわけであります。

 南沙諸島や西沙諸島の例をひもとくと、これは総理御案内だと思いますけれども、初めは海洋調査と称して船が出てくる、調査船が出てきて、今度はパトロールだと称して、いわゆる自分の領土だと主張し、最後には軍艦が出てくるんですよ。いわゆる中国の海軍の軍艦が出てくる。そして実効支配するということ。

 もちろん、後で申し上げるように、僕は、中国とはうまくつき合っていかなくてはいけない、特に経済関係、あるいは環境問題、こういう問題では、これから中国とは極めて緊密につき合っていかなくてはいけないというふうに思っておりますけれども、しかし、明らかにこの中国のトーンは変わってきているわけですね。自分たちの主権であるということであります。

 まず、総理にお伺いしたいのは、日本政府は、尖閣諸島は日本固有の領土であるということで、この主権を守り抜く意思はお持ちですか。

麻生内閣総理大臣 これは、お断りをしておきますが、領土問題ではありません、これは日本の領土ですから。

前原委員 その意味では、総理のおっしゃり方は正しいんだと思います。

 我が国固有の領土であって、我が国の立場からすると領土問題はない、向こうが言っているということでありますが、主権を守り抜く意思は当然ながらありますね。

麻生内閣総理大臣 日本の領土には日本の主権が及ぶ、当然のことです。

前原委員 この写真、資料をお配りしておりますが、ちょっとおもしろい写真でありまして、日本列島が逆さまになっています。これはいわゆる中国から見た中国の写真なんですね、中国から見た写真であります。

 これを見ると、中国から見ると、日本列島とか、あるいは沖縄につながる諸島、あるいは台湾、南沙や西沙というのは、太平洋に出るのに、言ってみれば邪魔なものに見えるというのは、別にそれに同意するわけじゃありませんが、見えると思いますし、この右上の少しピンクのところになっているのが、一九九九年から二〇〇四年にかけて中国の海洋調査船による海洋調査活動というのが極めて頻繁に行われているんですね。

 そして、アメリカも気にしているものとしては、いわゆる潜水艦の活動も、この下の黄色で書かれているところでありますけれども、かなり頻繁になってきているということがあります。

 そして、二〇〇八年の十月に、中国海軍の戦闘艦艇として初めて、実は津軽海峡を通過しているんですね。

 この中国の海洋調査、そしていわゆる戦闘艦艇というものの活動が物すごく頻繁になってきているというのが、おわかりをいただけると思います。

 総理、先ほど、尖閣は領土問題ではありませんということをおっしゃいました。総理のおっしゃるとおりであります。ということは、ここに資料としてつけさせていただいておりますけれども、尖閣諸島も日米安保条約の第五条に当てはまる地域である、つまりは、この尖閣で何かが起きたとき、第三国による島嶼侵攻が起きたときは、第五条事態でアメリカ軍が関与するべき、いわゆる集団的自衛権を行使するものになるという理解でよろしいですか。

麻生内閣総理大臣 尖閣は日本の固有の領土である以上、安保条約の対象になります。

前原委員 総理も、もちろんいろいろな要職を歴任されております。外務大臣もされましたし、アメリカにも何度か行かれていると思いますが、私がいろいろな知り合いと話をする段では、尖閣のことについてはかなり腰が引けている印象というものがあります。つまりは、後でお話をするように、やはり中国のプレゼンスというものに対する警戒感と、あとは、やはり米中関係の緊密化によるいわゆる一種の留保条件というものが出てきているということであります。

 総理、これは政府として、しっかりとアメリカとこういったことについては確認されていますか。つまりは、尖閣については、五条事態で当然ながら日米安保の枠内であり、そういったことが起きたときにアメリカが協力する責務を負うと。

麻生内閣総理大臣 この問題だけを取り上げて日米間で直接話し合ったということは私の記憶ではないんですが、少なくとも日本の領土である以上当然のことだ、日本としてはさように理解をいたしております。

前原委員 総理、あるいは政府、中曽根外務大臣もおられますけれども、ぜひこの点は一度公式に確認をしていただきたい。これは私が聞いている限りは、アメリカ側はかなり腰が引けています。そのことをちょっとお約束いただいて、また国会で御報告をいただきたいと思いますが。

麻生内閣総理大臣 機会を、機会というか、このものだけで会いに行くというのもいかがなものかと思いますので、近々、基本的には私どもはそのように理解をしておりますので、あらかじめリコンファームするという意味で、リコンファーム、再確認するという意味で話をさせていただければと存じます。

中曽根国務大臣 先ほどから総理が御答弁されているとおりでありますが、さきの私とクリントン国務長官との会談におきましても、総理がおっしゃいましたように、特定の地域を指してということではございませんけれども、日米安保体制に基づく、核抑止を含む対日防衛に係るコミットメントを長官は表明されたわけでございます。

前原委員 総理、外務大臣、ここは少ししつこく念押しをしてください。これについては、今から少しお話をしますけれども、やはり国際社会の中でのアメリカの立ち位置というものが微妙に変わってきていると私は思います。しかし、これは大事なことですので、今総理や外務大臣からお答えされたように、尖閣には、日本の主権の領土として、これは五条事態になった場合は、アメリカは当然コミットするんだというところはぜひリコンファームしていただきたいと思います。

 先ほど私は、中国との関係というのは別に軍事力の増強というものも含めて考えなくてはいけないけれども、やはり経済的な関係が極めて強いということで、私はうまく中国とはつき合うべきだというふうに思っております。

 しかし、日中友好だからといって、そういった動きについては、そんなことしないだろうというたかをくくっていては日本の主権が脅かされる可能性が高い。現に自分たちの領土だと言っているわけですし、そして中間線も認めない。あるいは沖ノ鳥島でさえ、あれは岩だと言っているんですよ、中国側は。あれは日本の島じゃない、岩だと言っている。

 つまりは、あそこから二百海里の排他的経済水域が日本では引けるわけですけれども、中国はそれを認めない立場に立っているわけです。主権を守るということは、今の沖ノ鳥島の半径二百海里の排他的経済水域も当然含むんだ、それは総理、それでよろしいですね。

麻生内閣総理大臣 当然です。

前原委員 さて、この表を見ていただきたいわけでありますが、経済的な結びつき、日米中どうなっているかということでありますけれども、まず、日本とアメリカの貿易を見ますと、日本からアメリカへの貿易額は、日本から見た輸出ですね、千四百五十六億ドルであります。日本から中国へが千九十三億ドルということであります。それに対してアメリカからの輸入というものは、これは二〇〇七年の実績でありますけれども、六百二十七億ドル、中国からの貿易額というのは一千二十一億ドルということであります。

 注目していただきたいのはその下なんですね。中国からアメリカへの輸出、これは実は中国から日本への倍以上なんですね。二千三百三十二億ドルということでございまして、中国とアメリカの総貿易量からすると、もう完全に日米関係、日中関係を上回っているということで、若干というか、かなり中国の方が輸出が過剰でありますけれども、こういった関係になっている。

 しかも、実際問題、今問題になっております米国債、金融危機における米国債の引き受けでありますけれども、今や日本を抜いて中国が第一位。非居住者による米国財務省証券保有残高、六千八百十九億ドル。そして、日本は五千七百七十一億ドル。そのほかに諸外国によるエージェンシー債というのがありますので、いわゆる米国債と言われるものプラスアルファということで考えると、まさにアメリカは日本や中国に米国債などを買ってもらわなければ資金のやりくりができないような状況になっている。

 今回のクリントン国務長官の訪中のときにも、あの方はもともとチベットの人権問題なんか非常に厳しい立場で上院議員のときはおられた、そのことについては全く触れずに、米国債の中国の保有については深く感謝するということを言って帰ってきていることから考えても、中国、アメリカとのいわゆる経済的な結びつき、アメリカからいうと若干首根っこをつかまれているという状況というものがあるのではないかというふうに思います。

 さて、総理、今回の首脳会談で、アメリカ側から米国債の引き受けあるいは米国債を含めての経済の話についてはどういった話があったか、お知らせください。

麻生内閣総理大臣 全くありません。

前原委員 今お話をしたように、中国とアメリカが経済的にどんどんどんどん結びついていっているということが、実は下の図の中国の国防費というものにも、少し私は、大きく影を落としていっているのではないか、こういう思いをしているわけであります。

 下の図を見ていただけますか。下の図は中国の国防費であります。

 先ほど自民党の三原委員もおっしゃっておりましたけれども、二十年間で約十九倍です、中国の国防費は。しかも、二十年連続して対前年度比一〇%以上の伸びを示しているということで、一元が十五円の換算にした場合、もう完全に日本の防衛費を追い抜いております、中国のいわゆる国防費は。

 しかも、中国の国防費というのは公表数字の二倍から三倍あるんじゃないかということが言われております。イギリスのあるシンクタンクは約一・七倍という言い方をしておりますし、国防総省の議会への報告書については大体二倍から三倍、こういう言い方をしているわけであります。だから、本当のことはよくわからない。

 実際、私も中国のいろいろな方々とお話をするときは必ずこのことは言います、不透明だと。つまりは、これには他国からの兵器調達にかかわる指数が入っていないんじゃないか、あるいは地域から、つまり、あそこは省ごとですね、山東省とか広東省とか省ごとですね、省から支出をされているものについてもカウントされていないんではないかとか、いろいろな不透明な部分がある、こういうことであります。

 浜田大臣、来月中国に行かれるということでありますが、防衛交流ということは大変結構だと私は思います。しかし、先ほどの尖閣の問題、我が国固有の領土をいわゆる領海侵犯をして、国連海洋法違反ですよ、こういうことを行って、しかも繰り返すという宣伝をしているということ、そしてまた、こういった国防費の伸びと、そしていわゆる不透明さ、このことについてはしっかり物を言うべきだというふうに思いますが、いかがですか。

浜田国務大臣 前原議員のおっしゃる点、我々も十二分に不透明性等々についても認識をしているところでございますし、我々も言うべきことはしっかりと言うべきだと思っております。

 そしてまた、当然、それはいろいろなつかさつかさで交流をする中で、お互いの要するに情報交換をしていくということがまず重要だと思っておりますので、我々としても問題意識をしっかりと持って対処していきたいというふうに思っております。

前原委員 守屋問題などがありまして、F4ファントムの後継機選定というのがおくれていますね。かなりもう古い戦闘機でありますし、ここには書いてありませんけれども、同じような伸びで、中国の戦闘機の増加というのは著しいものがあります。今、第四世代と言われている我々のF2とかF15と同レベルのものが日本よりも機数としては多くなってきているし、こういうカーブですので、もう凌駕するのは目に見えているということであります。となれば、いかに質を高めていくかということがF4ファントムの後継機であるFXの選定においては極めて重要だと思っています。

 このことについて私は若干危惧をしているのは、この上にある、中国、アメリカの経済的な結びつきが強くなる、あるいは米国債を保有してもらわないと今の経済危機になかなか対応できないということにおいて、しっかりと日本がみずからの主張をしないと、先ほど総理は、尖閣や沖ノ鳥島も含めて日本の主権の領土というのは当然ながら守っていくんだということをおっしゃいましたけれども、制空権、制海権を保っていくためには、それなりの装備というものをしっかり持たなきゃいけないし、今申し上げたように、これだけの国防費、中国国防費の伸び率をしているということは、よりいいものを持たなくてはいけないということに私はなろうかと思います。その観点でしっかりアメリカと話を私はすべきだと思います。

 今どの機種がとか言えないのはわかっていますので言うつもりはありませんけれども、そういった日本の主権を守り抜くという観点から、FXの選定をしっかりと国益の観点に立ってやるというところをしっかりとお話しいただきたいと思います。

浜田国務大臣 今、F4の後継機については、現在、諸外国の最新型の戦闘機に関する情報収集等を行っているところでございますし、要求性能について多角的に検討を行っているところでございます。

 FXの選定に当たっては、周辺諸国の動向を十二分に注意しつつ、戦闘機に関する技術革新の成果を踏まえて、我が国領空の防空や島嶼部に対する侵略への対応をしっかりとしていきたいというふうに思っておりますし、将来起こり得る多様な事態に適切に対応できるものにしていきたいと思っております。

 いずれにしても、FXの選定については、現在進めている調査対象機種に関する情報収集の進捗状況を踏まえて、適切な時期に判断していきたいというふうに思っているところであります。

前原委員 総理、今聞かれたとおりですけれども、数では完全にもう、言ってみれば彼我の差が出始めている、質で勝負をしなくてはいけない。こういう問題こそ、まさに首脳外交でしっかりやっていかなくては、先ほどの決意はよしであります、しかし、実際問題、そういった装備というものが背景になければなかなか主権というものは守れないという意味で、こういった問題をしっかりやるということは私は大事だと思いますが、総理、一言いただけますか。

麻生内閣総理大臣 先ほど、一番最初、三原先生の御質問にてお答えしたんだと記憶しますが、少なくとも、自国だけで自国の安全保障を完全に守り切れるという国は、世界百九十二カ国、三カ国かの中ではアメリカぐらいかな、それでもなかなかだと思いますので、いろいろな形で皆、同盟国を結んでいるんだと存じます。

 したがって、この同盟というものが、これは生き物ですから、一回サインすればそれはそのままというわけにはいきませんので、その同盟をきちんと同盟たらしめるようにするために、ふだんの連携、関係、対話などなどが極めて密接不可分に必要なものなんだと思います。

 したがって、日米同盟というものも、今回、総理として、また向こうも初めての大統領として、双方初めて意見を交換するときに、この問題に我々として申し上げ、向こうも当然として言ってきたというのが一番の肝心なところだった、私自身はそう思っておりますので、今後とも、この点に関しましてはいろいろきちんと、一たん緩急あったときにはきちんとそれに対応できる、有事に当たってはそれに対応できるようなものに、常に、同盟をさびさせない、きちんとしているようなものにしておく努力というものは双方でやり続けなければならぬものだと思っております。

前原委員 言葉じりをとらえて恐縮なんですが、有事のときでなくて、有事に備えて、特にこういった装備なんというのは、選定をしてからつくるまでに何年もかかるわけですから、そういう意味では、将来を見越した上で政治的な判断を下すということが極めて大事であります。

 先ほどシナリオベースで三つ申し上げましたけれども、ミサイル防衛、これもミサイル防衛システムでアメリカ。そして、高高度の静止衛星も、アメリカの情報に頼らなければミサイル防衛そのものが機能しない。そして、ミサイル防衛にかからなかったものが着弾をした場合、それをいわゆるやり返す能力はアメリカに頼らざるを得ない。情報もかなりアメリカに頼っているし、今話をした装備についても、結局は、日本が今までやってきたというのは、F15、ライセンス国産、F2もライセンス国産ですね。

 つまりは、後で時間があれば議論したいと思いますけれども、とにかく、日本が想定される危機というものを乗り越えていくためには、来年が安保条約締結五十年でありますけれども、私はやはり、一番初めに申し上げたように、日本の想定される危機を考えたときには、余りにもアメリカに過度に依存し過ぎていると思います。それが日本の外交の選択肢をまた狭めることになるというふうに私は思います。

 そこで、資料におつけしておりますが、総理のおじいさんの本、これを皆さん方に少し読ませていただきたいと思います。著者、吉田茂、「世界と日本」。これは総理、読まれたことはありますか。(麻生内閣総理大臣「大分前だと思うよ」と呼ぶ)ええ、初版が一九六三年ですから、私が生まれた翌年ですから、相当前だと思います。これを抜粋だけ読ませていただきます。

 「自衛隊に対する私の期待」。吉田ドクトリン、つまりは軽武装、経済中心をやられた吉田元総理が晩年に書かれたものであります。

 「再軍備の問題については、私の内閣在職中一度も考えたことがない」。中略します。第二パラグラフ、「しかし、それは私の内閣在職時代のことであった。その後の事態にかんがみるに連れて、私は日本防衛の現状に対して、多くの疑問を抱くようになった。」また少し飛ばします。第二パラグラフの最後、「防衛の面においていつまでも他国の力に頼る段階は、もう過ぎようとしているのではないか。私はそう思うようになったのである。」そして、第四段落の中ほどから、「立派な独立国、しかも経済的にも、技術的にも、はたまた学問的にも、世界の一流に伍するに至った独立国日本が、自己防衛の面において、いつまでも他国依存の改まらないことは、いわば国家として未熟の状態にあるといってよい。国際外交の面においても、決して尊重される所以ではないのである。」

 こういうことをおっしゃっているんですね。これは、初版は一九六三年です、先ほど申し上げたように。ですから、もう四十五年ほど前になります。

 日米関係はこれから大事、日中関係も大事、しかし、さまざまな動きがある中で、私はやはりこの日米同盟の中身そのものも見直していかなくてはいけない時期が来ているのではないかというふうに思います。

 そこで、どういったところから手をつけられるのかということであります。もちろん、防衛という問題については、例えば装備の問題についても、このごろいわゆる共同開発というのが、特に戦闘機やあるいは輸送機においては主流になってきているんですね。ユーロファイターというのも共同開発ですし、あるいはF35、ジョイント・ストライク・ファイターというのも共同開発でやっている。つまり、他国が協力していろいろな技術を出し合って、そして開発費用を抑えながら、みんなが同じものを持てて、いいものを持てて、そして共同開発していくということが言われているわけであります。

 これは、日本はできないんですよ、武器輸出三原則があるから。武器輸出三原則を見直すということになると何か、死の商人に逆戻りするのか、こういうような議論がありますが、私は決してそう思っていません。

 ここからは私見になります。

 武器輸出三原則というのは、これは確認でありますけれども、共産圏、それから紛争当事国、それから国連決議で出してはいけない国、この三つについては武器を輸出してはいけないということが初めのスタートであったわけでありますけれども、三木内閣のときにほぼすべての武器というものが輸出できないような形になってしまった。PKOを初めて出すときも、それを持っていくのも輸出じゃないかということで中身を変えたというのは、これは総理、御存じのとおりであります。物すごくストリクト、厳しいものに変えていった。

 しかし、平和を愛するからこそ、あるいは何かに備えるからこそ装備を持っているわけであって、それは非武装中立の方々もおられるかもしれない。私は、そういった方々を別に排除するつもりはないし、そういった方々は考え方の一つであると思う。しかし、私は、自分の国を守り、そして外交をうまくやりながら平和な国を守っていくためには、ある程度の装備や防衛力が必要だと思います。そのときに、いかにコストを下げていくかということになれば、また日本の防衛基盤、生産基盤というものを保とうとすれば、やはりこれからこの武器輸出三原則の見直しということは私は不可避だと思います。

 総理、いかがですか。

麻生内閣総理大臣 元民主党党首としてのお話だともう少しありがたかったんですが、残念ながらそんな感じでもなく、せせら笑っている方もいらっしゃるような感じがしますので、ちょっと違うような感じがするので少々残念でありますが。

 今、三原則というものによって、これは御存じのような経緯でこうなっておるのはもう御存じのとおりで、今後ともこれは慎重に対処していく方針であるのははっきりしています。

 ただ、平成十六年十二月の内閣官房長官の談話というのが御記憶あるかと思いますが、弾道ミサイル防衛システムに関する案件についてということで、日米安全保障条約体制の効果的な運用に寄与し、我が国の安全保障に資するとの観点から、厳格な管理を行う前提で武器輸出三原則などによらないこととしているというのが、あのとき官房長官談話として出されております。

 少なくとも、相手、同盟国たる米国との間で、その他の共同開発、生産案件などについても、個別の案件ごとにこれは検討した上で結論を得ていくということになるのではないか。私自身はそのように考えております。

前原委員 私はもちろん民主党の議員でありますが、どの政党が政権を担おうが、日本の主権を守っていく、安全を守っていく、これは政治家としての責務だと私は思っています。その上で時代に即したあり方というものを常に考えていくということは、私は大事なことだと思いますし、ぜひそこは、偏狭な党利党略とかそういうことではなくて、まさに、どういう姿があるべき姿なのかという議論は国会で、この国会でこそ議論をしていくことが極めて重要なことだというふうに私は思っています。

 この武器輸出三原則の問題というのは、国民の皆さん方はぱっと聞かれれば不安に思われるかもしれません。しかし、実際にコストも安くなると同時に、同じものを幾つかの国が持つことによって、これがまた信頼醸成になる。浜田大臣が中国に行かれて防衛交流をされるのと同じ意味を持つわけですよ。相手と違うものを持ったら、相手の方がいいんじゃないかと思って疑心暗鬼になるわけですよ。それをお互いが共同開発し合って、そして同じものを持つことによって安定した国をつくるということもこれまた一つのポイントですから、ぜひこのことはしっかりと考えることが大事だと思います。

 それから、私が若干気になっていることがあるのは、今までは、ブッシュ政権のときはポールソン財務長官と中国の財務部長が経済戦略対話というのをやっていた。これを、オバマ政権になって、バイデン副大統領と温家宝首相との、いわゆる経済を外した、すべてにおいての戦略対話を行うという形に格上げをするんですね。

 私は、きょうは安全保障の問題を中心に議論をさせていただきました。そして、シナリオベースで、日本が想定される危機において、いかにアメリカに頼らざるを得ないような状況なのかということも赤裸々にお話をしました。

 しかし、安全保障というのは防衛だけではありません。エネルギー、食料、あるいは、これから特に二、三年の間は経済や産業での協力というもの、あるいは、これからは環境問題、省エネというのはまさに日本の外交の大きな武器になる。そうすると、2プラス2とかいわゆる次官級の戦略対話というのは狭過ぎるんですよ。つまりは、2プラス2というのは外務大臣と防衛大臣ですね、あるいは、外務次官の戦略対話というのはまさに次官級ですね。

 例えば、一つお話をしたいのは、これから環境やあるいは気候温暖化のことを考えたときには、アメリカに対して特に売りになるのは日本の原子力発電の技術ですよ。東芝がウェスチングハウスを買収した。あるいは、GEと日立が協力をしてやっている。そして、フランスのアレバと三菱重工がちゃんと協力をしている。こういう意味では、日本の原子力発電所設立の技術というのは極めて高いものがあって、アメリカはスリーマイル島の事故以来ずっととめていて、そして、いよいよこれから三十基ぐらいをつくっていこうかという計画が出てきて、今、二十六基の原子力発電所が申請されているということで、こういった点での日米協力というものも可能ではないか。

 あるいは、日中で物事を考えた場合、御存じかもしれませんが、中国における発電は七七・二%が石炭火力なんです。アメリカでも五一・三%が石炭火力なんですね。しかも、この七七・二%はかなりCO2が排出されている。日本には、酸素吹きあるいは空気吹きの、石炭を粉にして燃やして、そして発電所のタービンを回して二酸化炭素を分離して、そして貯蔵するという技術を東京電力とかJパワーは持っているんですね。

 例えばこういったものを一つの外交ツールとして、中国やそれからアメリカと、狭い安全保障の問題だけではなくて、そういった広い安全保障の中で日本のカードもうまく出しながらやっていくということになれば、やはり中国とアメリカが行うようなハイレベルでの戦略対話となると、日本だったら首脳会談しかないんですよ。首脳会談を定期的に行う、そして日米中のサミットも定期的に行う。私はそれぐらいの発想で日米中が協力をしていくということは必要だというふうに思いますが、総理、どうお考えになりますか。

麻生内閣総理大臣 原子力の話から入られましたから、原子力で言わせていただければ、この三十年間で原子力発電を三十一基たしか日本はつくったと思いますが、その間アメリカはゼロだと思います。そういった意味では、圧倒的に技術の差がある。

 なかんずく、圧力容器というもの、お詳しいところですけれども、この圧力容器の巨大なものをつくれる技術は日本にしかありませんから、ほかのところは幾らいっても、ここに来ないとどうにもならぬ、ある企業がつくっている技術ですけれども。この圧力容器がきちんと対応できるというところは、景気が悪い中、ここはずっと何年先まで多分工場はいっぱいだと思いますが、そういうようなものを持っている。それがまた使える。

 また、今言われた石炭なんかの場合は、硫黄酸化物が極端に高いんですが、あれを石灰石と混ぜて粉末にして焼きつけると石こうになる。そういった技術があって、それを石炭の中に混ぜて、それをフライアッシュに変えて売る。これは元セメント屋としては詳しいところなんですが。

 そういったところは、いずれも全部日本の技術です。こういったものは圧倒的に力になる。だから、そこのところをやれば、これは交渉するツールになることははっきりしています。

前原委員 もうこれで終わりますが、私の質問は、ツールをいろいろ持つ、そうすると、2プラス2とか次官級会議では狭過ぎるから、日米首脳会談を定例化するとか、日米中サミットをしっかり行うという意思を持つべきだという質問をしているわけです。それだけを。

麻生内閣総理大臣 日中交渉、日中首脳会談というのは頻繁にやろうと思っていますし、米日中の交渉も、少なくともこのエネルギーの話とか環境の話でやっていったらどうかという話は既にしております。

前原委員 終わります。

衛藤委員長 この際、細野豪志君から関連質疑の申し出があります。前原誠司君の持ち時間の範囲内でこれを許します。細野豪志君。

細野委員 麻生総理、アメリカからお帰りになって直後の質疑ということで、お疲れさまでございます。この間、激務をこなしておられますので大変お疲れだとは思うんですが、できる限り明快なる御答弁をお願いしたいというふうに思います。

 まず、麻生総理に日米の首脳会談についてお伺いをしたいんですが、今回、アメリカまで行かれて、オバマ大統領と初めてお会いになる首脳ということになったわけですが、ちょっと私どもが期待していたのと違ったのは、首脳会談はやったんだけれども、共同声明のようなものは出なかった。

 確かに、首脳会談をやってそういう共同声明は出ないことがあることは承知をしていますが、その場合も、多くの場合は共同記者会見があって、例えばロン・ヤス関係もそうですが、小泉総理とブッシュ大統領も何度か共同記者会見をされましたね。そういうものを国民はやはりイメージをしていたと思うんですよ。

 それがなかったということについて、麻生総理、どういうふうにお考えになっているか、お答えいただきたい。

麻生内閣総理大臣 少なくとも、大統領教書を読む当日の話でもありますし、時間は極めて限られていた。しかし、先方からはどうしても一番最初に日本と、これが後になるともっとずっと後になるのでというので、最初からこの時期ということを設定してこられたというぐあいに理解していますので、それが共同記者会見、共同声明があるとかないとかいうより、私どもとしては、実質の話をさせていただくのが一番だと思っていました。

細野委員 先ほど冒頭の発言の中で、中身が濃かったという話をされたわけですが、今のところ、その濃い中身というのが、私どもから見るとなかなか見えてこないという気がいたします。

 具体的に少し中身に入っていきたいと思うんですが、総理は、終わった後のアメリカでのぶら下がりの中で、半分は経済、景気の話だったんじゃないかというふうにおっしゃいましたね。

 首脳会談が終わった後、松本官房副長官が記者に対してブリーフをされておりまして、きょうはいらっしゃいませんか、こういう発言をされている。オバマ大統領の方から、米国は一生懸命やっている、世界の各国も一生懸命取り組んでほしい、特に日本や中国は同じように内需拡大をやってほしい、同じようにというのは恐らくアメリカと同じようにということだろうというふうに推察をするわけですが、こういう御発言があったと副長官の方から記者に対してブリーフがなされています。

 これは、わざわざブリーフをされたわけだから間違いないというふうに思うんですが、この内需拡大の要求に対して総理はどういうふうにお答えになったのか、御答弁ください。

麻生内閣総理大臣 アメリカ側の立場に立てば、自分の国の経済を立て直して、結果として中国と日本からの輸出がふえて、さらに中国との対中貿易赤字がふえてみたり対日貿易赤字がふえてみるという結果を招くというのは、なかなか向こうとしては納得しがたいところであろう、当然のことだと思います。

 したがって、日本の側に立てば、当然のこととして、日本は内需を拡大する、その方向で進んでいて、既に七十五兆円からの内需拡大、経済対策というものをやっておるということを申し上げて、GDPの二%を超えるものをやっておるという事実だけを向こうに伝えております。

細野委員 七十五兆円というのは、昨年末に出された平成二十年度の第一次補正、そして年が明けてから出された第二次補正、そして平成二十一年度の予算をすべて合わせて七十五兆円、真水は十二兆円弱、そういう予算ですね。

 私がちょっと疑問に感じていますのは、この政策で本当にオバマ政権は満足しているんだろうか、さらには、国際的な責任を果たしているんだろうかということなんですよ。

 まず、パネルで少し日本の経済の現状について簡単に見てみたいと思うんです。

 これは、足元の経済の状況を各国比較したものです。まず、左側ですが、主要国の実質GDPの成長率ですね。直近のもので出ているのは、去年の年末、二〇〇八年十月―十二月、この数字ですから、見てまいりますと、アメリカがマイナス三・八%、フランスがマイナス四・六%、イギリスが五・九%に対して、日本は突出をしている、マイナス一二・七%。これは去年の年末の成績です。

 では、ことし、年が明けてからどうかということを見てみますと、株価でこれは見てみました。一昨日までの株価、元日からどれぐらい下がったか各国の指数で見たんですが、アメリカがマイナス一六・二%、ヨーロッパは少し落ち方が少なくて、日本は一八・〇%。

 GDPで見ても、また、株価というのは大体半年ぐらい先の経済をあらわしているというふうに言われておりますから、先行きを見ても、いずれもこれは日本が一番厳しいんですよ。

 総理は、過去、福井での講演の中で、日本はそんなに大変か、他の先進国を比較でよく見てもらったらそんなに大変じゃないとおっしゃっていますが、これを見ると、他の先進国と比較しても日本が一番大変なんですよ、この数字は。まず、この現状認識はやはり改めていただかなきゃいかぬというふうに思います。

 その上で、総理に聞きたいんです。

 こういう極めて厳しい状況に日本経済は置かれていて、各国と比較をしてもより厳しい、こういう状況の中で、与謝野大臣が所管をしている内閣府の方でも、需給ギャップは今二十兆円ぐらいはあるというふうに言っている。それに対して、七十五兆円とおっしゃるが、来年度の景気対策はわずか四兆円じゃないですか。これまでの予算に四兆円ちょこっと乗っけて、今年度の予算が多少は来年には流れると思いますよ、流れると思うが、来年度の予算についてはわずか四兆円。

 この現状を見たときに、本当にこれで国際的な責任を果たしていて、アメリカの内需拡大の要求にもきちっとこたえ、そして国民経済を引っ張っていくだけの力があるというふうに本当に思っていらっしゃいますか。

麻生内閣総理大臣 これは景気の話ですから、先行きの予想というものに関しましては、名目成長率で見ましたときには、今デフレっぽければ名目の方が現実に近いと思いますので名目成長率で言わせていただければ、今言われましたように、厳しいことは間違いありません。

 しかし、今申し上げましたように、日本では、まだ銀行が倒産するとかそういったところは一つもありませんから、これはすごく大きなことじゃありませんか。今日本で銀行がばたばたというような状況になっていれば、当然のこととして、それに対応して実体経済に与える影響は極めて大きい、私自身はそう思います。そういったところで我々はきちんと対応できておる、そういった金融対策というものがまずきちんとしておるというのは大事なことだ、私はそう思っております。これが、まず第一点です。

 その上で、景気対策というものを見ましたときに、我々は少なくとも、八十八兆円の予算というものを組んで、我々としては今まだ審議をしていただいております。また、参議院で補正やら何やらいろいろまだ滞っておりますけれども、こういったものが一日も早く施行できる、そういったようなことができるようになる、それが経済対策として最も効果のあることだ。まずは、きちんとした予算、それが実行できるように御協力をいただきたいと思っております。

細野委員 総理、金融と経済は、これは当たり前のことですけれども、連動していますね。そういう中でいうと、実体経済そのものは日本が今一番厳しいですよ。これは、アメリカやヨーロッパの場合は金融が先に肥大化をしましたから、そちらが大きく崩れていることは間違いありませんが、実体経済がこれだけ傷んでいる以上、総理の現状認識は極めて私は甘いと思いますね。

 率直に私は申し上げます。

 昨年からの一次、二次補正予算の景気対策、そして来年度のこの景気対策も含めて、実需が十二兆円、真水十二兆円という金額はいかにも少ない。これは、多分、すべての皆さんの共通認識だと思いますよ。もう既に補正予算の議論も政府の中に……(発言する者あり)

衛藤委員長 諸君、静粛にお願いします。質疑が聞き取れませんので、静粛に。

細野委員 来年度の補正予算の議論が、もう政府内にも出ていますね。補正予算というのは、補正というと何か補完するようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれないけれども、予算書を見ると、予算の修正という形になっているんですよ。これを検討しているというのは、とりもなおさず、今回出ている予算というのは実は欠陥品だ、今の日本経済の状況に十分こたえられていないということを政府内でみずから認められていることなんです。

 ですから、これはこたえられていませんから、出し直しをされるか、それとも国会にきっちり修正の場を設けるか、どちらかされるべきだと思いますよ。

 与謝野大臣、この間それは答弁いただきましたので、総理に伺います。与謝野大臣にはこの間答えていただいているので。(発言する者あり)

与謝野国務大臣 政府でもどこでも補正は検討しておりません。

細野委員 与党の皆さんはやじっていらっしゃるが、私は、本当にこういうのは残念だと思うんですよ。

 これだけ経済が厳しくて、アメリカに行かれたけれども、アメリカでも、議院でああいう場所が設けられて、経済の議論については共和党と民主党でやったわけでしょう。これだけ世界経済が厳しく、日本経済が厳しいのに、この国会ではそういう経済の協議が行い得ない。政府も自民党も、一歩も妥協する気はないわけですよ。我々の考え方を取り入れる気もないし、国会で議論する気もないし、補正予算をもうさんざん政府の中で検討されているのにそれをおっしゃる気もない。こういう国会というのは本当に残念だと思いますね。そのことだけは申し上げたいと思います。

 その上で、この議論だけを続けるわけにはいきませんので、次の議題に行きたいと思います。(発言する者あり)ちょっと静かにしてもらってください。

衛藤委員長 諸君、静粛にお願いします。質疑が聞き取れませんので。

細野委員 議題をかえますから、ちょっと静かにしてください。

 総理は外交を国という単位でやってこられたわけでありますけれども、最近、自治体の方でも外交が非常に盛んになってきておりまして、姉妹都市間のいろいろな交流であるとかまた訪問であるとか、そういうのが頻繁に行われております。

 そういうものが行われている中で、財団法人自治体国際化協会という公益法人がありまして、そこが自治体のそういう国際交流をサポートするという形になっている。私は、この役割自体は別に否定をしません。ただ、中身を見ると、この財団は非常にひどい。海外に七つ事務所を持っているんですが、東京事務所も含めて、本当にいいところにあって、自治体がそれこそ頼りがいがあるということになるのかもしれないけれども、まあ、ぜいたくが過ぎる。さらにもう一つ言うと、この自治体国際化協会というのは天下りの温床です。

 まず、総理に伺いたいんですが、後ほど自治体国際化協会についても聞きますが、総理は、天下りそのものの問題はどこにあるというふうにお考えになるか。過去、各省が行っている押しつけ的な人事の部分が最大の問題だというふうにおっしゃっているんですが、この認識は変わりませんか。

麻生内閣総理大臣 自治体に対してということではなくて天下り自体に言わせていただければ、少なくとも、特定の財源、権限をバックにした役人が天下るという点が一番問題だと申し上げております。

 何か、同じことを言っていますでしょう。(細野委員「もう一度聞きます」と呼ぶ)では、もう一回聞いてください。

細野委員 かつては、各省が行っている押しつけ的なあっせんというふうにおっしゃっていますが、これはどうですか。

麻生内閣総理大臣 押しつけ的あっせんという押しつけの背景は、役所の持っている、もしくは本省の持っている予算もしくはその権限ということになろうと存じます。

細野委員 総理、答弁を変えられましたね。過去は、ずっと押しつけ的ということをおっしゃっていたんです。それを今言わなくなりました。(麻生内閣総理大臣「押しつけの定義を」と呼ぶ)

 では、事実関係として申し上げますが、実は、この押しつけ的な議論というのはもう終わっているんですよ。

 総務省に聞きますが、この三年間で千六百三十七名が天下りのあっせんを受けている、さらには三十二名がわたりのあっせんを受けている、そういう資料をいただいていますが、このうちで、あっせんの依頼があったもの、なかったもの、その数を御紹介ください。

村木政府参考人 お答えいたします。

 今先生が御指摘になりましたように、平成十八年から平成二十年の三年間におきまして各府省が行った再就職のあっせんとして、本年一月二十七日の時点で各府省において確認された件数は、一回目の再就職あっせんに係るものが千六百三十七件、それから、二回目以降の再就職のあっせんに係るものが三十二件ございました。

 それで、これらのあっせんにつきましては、いわゆる主務大臣による積極的な関与として、任命行為を通じて独立行政法人の長に任命する、こういうものが二件ございまして、これを除きまして、いずれも企業、団体等からの情報提供の依頼に基づくものであるということが各府省において確認されております。

細野委員 つまり、今の答弁は、総理、おわかりになりますか。総理、聞いていらっしゃいますか。要するに、押しつけ的な天下りではなくて、あっせんの依頼があったからそれに基づいて紹介をしたんですというのがこの三年間の数字だということをおっしゃったんですね。

 総理は、先日、二月十七日の衆議院の予算委員会の中で、押しつけ的な人事というのが一番問題だというふうにおっしゃっている。それを聞いて、役人に言わされていて、これはだまされているなと思っていたんですよ。それで、きのう多分振りつけがあったんでしょうから、押しつけ的という言葉を取りましたね、今。それ自体は、いろいろ議論の経緯があったんでしょうから、認識を改められた。

 総理、一つだけ言っておくと、この天下りについては、近くにいる官僚の皆さんをそんなに信用しない方がいいですよ。いい官僚の方はたくさんいますよ。私も知っていますが、事この天下りだけに関して言うと、先輩ともけんかせないかぬわけです。役所の中の居心地も悪くなるわけです。この問題について本気で闘う気があるかないかというのは、これは、押しつけ的という言葉を繰り返し繰り返しおっしゃっていた総理、実際はもう押しつけがないと言っている役所の間で全然ずれていて、そういう部分は、これは残念ながら、役所の方を余り信用されない方がいいよということだけは申し上げておきたいと思います。

 そして、冒頭話をしました、自治体国際化協会を初めとした総務省の天下り団体について、少し紹介をしたいと思います。(パネルを示す)

 実は、今回、公益法人の天下り団体について、ずっと我々として資料を要求してまいりまして、こういうことが明らかになりました。この公益法人のうち、理事長、会長、専務の三職に限定をして、五代連続、監督官庁からの天下り、わたりで占められているポストが八十ポストある。

 総理、いいですか。五代連続、出身省庁の天下りということですから、これはもうどう考えても固定化しているということが言えると思うんですね。特にこの総務省系は、ずっと天下りが続いている団体が非常に多いし、固定的であるというので、きょうは取り上げさせていただきます。

 まず、それぞれの団体ですが、財団法人自治体国際化協会の場合には、現職が前に総務省の事務次官をやられていた方、そして、その前が消防庁長官をやられていた方、その前の三代が自治省の事務次官経験者。

 実は、これをずっと見てまいりますと、おもしろいのは、天下り団体もいまだに縦割りなんです。上の四つは旧自治省系なので、自治省に入った方が天下っている。それで、五つ目は、行政管理研究センターというのは旧総務庁なので、総務庁の方が天下っている。下の三つの、ゆうちょ財団、マルチメディア振興センター、そして日本データ通信協会、これは旧郵政省。この団体は、実は、去年の九月までは理事長は非常勤だったんですが、この御時世に去年の九月から常勤にしているんですよ。こんなあり得ないことが行われています。

 まず、総務省に伺いますが、こういう形で天下りが続いている経緯を、総務省としては、これは多くはあっせんがあるというふうに答弁をされていますから、どういうふうに認識をされているのか、御答弁いただきたいと思います。

田中政府参考人 ただいま御指摘をいただいています総務省所管の法人、八つの法人かと思います。

 いずれも財団法人でございまして、これらの法人の理事長につきましては、おのおのの寄附行為の定めるところにより、財団法人の評議会において選任をされた理事の互選により選任をされておるということになっております。

 御指摘のように、これらの法人におきまして理事長に五代続けて総務省のOBが就任をしているということにつきましては、私どもといたしましては、それぞれの法人の役員が選任された経緯等について具体的に把握はしてはおりませんけれども、一般的に申し上げますと、団体、法人が役員を選任するに当たりまして、業務の必要から公務員OBの中から人材を求めることとした場合に、前任者と同様の能力とか適性を有する人材を求め、結果、御指摘のようなことになっているのではないかということはあるのではないかと思っております。

 また、あっせんにつきましては、この八つの法人の現職の理事長のうち、七つの団体の法人については情報提供をいたしております。

 以上でございます。

細野委員 今、総務省の方からは適材適所というような話がありましたが、違うんですよね。

 これは、役職を見てまいりますと、例えば自治体国際化協会でいえば、理事長になる方は、事務次官を初めとした総務省の中でも本当にトップをきわめた方、上をきわめた方。それぞれの理事になる方というのは、その若干下の方。役所の中の序列がすべてこの天下り先でも反映をされる形になっているんですよ。そんなことは偶然ではあり得ない。

 総務省もそういう答弁をせざるを得ないということなのかもしれないけれども、これだけ天下り、わたりが問題になってきて、そして自治体からもいろいろな声が上がっている中で、もう少しそういうことは恥ずかしいという思いを持っていただかないと、これは見ている側は納得できないと思いますよ。

 時間が限られていますので、一つずつ確認をしていきたいと思っているんですが、まず自治体国際化協会ですが、ここの理事長さんは給料が二千七十万。調べました。これは、かつてから比べると恐らく下がったんだろうと思いますが、それでも高給です。

 私がなぜこの団体を取り上げるのかということを一つ理由を言うと、自治体から非常に声が多いんですね。代表的な例でいえば、大阪府の橋下知事が、この財団に予算を出すのはよくないということでとめていらっしゃるという、こんな議論もある。

 静岡県で調べてみたんですが、県が払っている分担金が三千四百万円。大変負担は重いです。これだけの負担を各都道府県にかぶせておきながら、この団体は、海外に事務所を持っていまして、その開設準備をするということで百二十七億円の積立金を積んでいる。海外の事務所を新規に開設するということを言っておきながら、海外に事務所をつくる計画はないそうです。それで、移転をしたり為替差損があるからそのためにため込んでおくんだということをおっしゃっているんです。

 これは総務省に聞きますが、総務省は監督官庁ですね。漢検の問題でもいろいろ文部省が今やっていますが、監督官庁には、いろいろ調べましたが、相当強い権限があるんですよ。内部留保をどうするか、そしてこういう基金が適正かどうか、きちんとチェックをせないかぬ。これは、事務次官が天下っているからといって、こういうことに今まで目をつぶってきたんじゃないですか。

 恐らく、自治体がそれぞれ協議をして決めるんですとおっしゃるのだろうと思いますが、自治体は強制的に払わされているという感覚ですよ。これを放置してきた責任について、総務省としてどう考えるか、御答弁いただきたいと思います。

椎川政府参考人 ただいま御質問の海外事務所開設準備等の積立金でございますけれども、自治体国際化協会におきまして、先ほど御指摘がありましたように、海外事務所の新設でありますとか、あるいは、運営経費の節減のために今移転を進めております、そういう移転経費、あるいは、為替の変動リスクが非常に大きくなってきておりますので、その為替差損に備えるために積み立てているものでございます。

 この積み立ては、十六年度限りで実は停止をしておりまして、二十年度は積立金の一部を運営経費に充てるというようなこともされてきておりまして、地方公共団体の意見というものを十分踏まえまして、この積立金を含む協会の財政運営につきましては検討していただいているものというふうに思っております。

細野委員 実に人ごとの答弁ですね。検討していただいていると。行政指導というか、その監督官庁として権限を行使するつもりはないという御答弁ですね。

 もう一つ御紹介をすると、二番目の自治体衛星通信機構。この団体は、静岡県の場合、分担金が八千百万円、これだけ会費を納めさせていますが、その一方で、投資有価証券を百八十八億円持っている。どんな有価証券を持っているのかというと、調べてみて驚きましたが、ニューサウスウェールズ財務公社の債券を持っていたり、オランダ水道金融公庫の債券を持っていたり、これは公益法人として私は明らかに不適切だと思うような、こういう債券も持っています。

 総理に個別のことを聞く気はないんですよ。私がなぜこの問題を取り上げたか、もう一つの理由があるので、それを申し上げます。

 総理、この天下り、それぞれの団体で五人ずつ、過去ずっと続いているという話をしましたが、この中で緑に抜いてある、自治体国際化協会でいえば上二人、直近の二人、自治体衛星通信機構でいえば二番目と三番目、そしてそれぞれ旧郵政省系のこの三人。これは何で色が塗ってあるか、おわかりになりますか。これは、麻生総理御自身が総務大臣のときに天下っているか、わたっているか、それがこの七人なんですよ。

 麻生総理、去年からことしにかけて、天下りについては政令を出すとおっしゃった。闘う姿勢を見せておられるように見えるけれども、私は違うと思っています。過去に総務大臣のときにこれだけ悪らつな天下りを認め、わたりを認め、見過ごしてきたわけですよ。そういうものと闘わずに逃げてきた人が、今どんなに天下りやめます、わたりやめますと言ったって、国民は信用しないですよ。

 この団体の現状と天下りを認めたことについてはきちっと反省の弁を述べていただかないと、国民は納得しないと思いますよ。いかがですか。

麻生内閣総理大臣 その当時、天下りというものに関しましての考え方というのは、早期勧奨退職、慣例退職、いろいろな表現がありますが、早期退職というものを肩たたきと称していろいろやっておりますときの、その人たちの行き先を考えてやらなければならないという状況にあったと存じます。

 したがって、以後、大分世の中が変わってきて、天下りはすべていかぬというような話になりますと、その人たちの生活を考えなければならぬというのであれば、その人たちは定年まで、全部最後までいさせてやるということになりますと、猛烈な勢いでこれは経費がかかることになる。そういったところが、経費が物すごく高いことになる、いろいろなことを考えて、民間でもやっておられるんだと思いますが、そういったことを考えてやらなければならない時代。

 今、時代が変わって、公務員の制度の改革によって天下りというものに関する感覚は大きく変わって、いろいろ今の中で申し上げておりますが、予算とかまた権限とかいうようなものを持っております省庁が、押しつけ的という表現を使いましたけれども、あっせんによる再就職のことを天下りという表現になっておるということであります。

 その当時は、確かに今言われたような状況であったと思っておりますので、その人たちの能力を、我々としてはしかるべき能力があると思ってそこに天下らせたということなんだと理解しておりまして、直ちに、それがあるから今はそういったことは全然できないということはないのであって、現実問題として、天下りは禁止ということで、この三月に政令を立ててきちんとやらせていただくと申し上げて、そのとおりやらせていただきたいと思っております。

細野委員 総理が総務大臣をやられていたのは、平成十五年の九月から平成十七年の十月三十一日までですね。ここは、もうとっくの昔に天下りが問題になって、わたりが問題になって、国会でも議論をしていた時期ですよ。その時期に、総理自身が天下り、わたりを容認している。これについて明確な、これは判断を間違っていましたという御答弁がないというのは、これから天下り、わたりをなくすと言っても国民は信用しないと思います。

 もう一つ私が申し上げたいことは、実は、総理、結論から申し上げると、こういう団体への天下り、これからも続く可能性があるんですよ。

 といいますのは、これは内閣府に確認をしますが、官民人材交流センターがどういう団体に天下りをあっせんするのか、基準があります。三つ基準があります。一つは、支援をしない対象として、会計検査院等から不適切と指摘された契約の相手方の法人。そして二つ目は、一定規模以上の随意契約を継続的に結んでいる法人。(発言する者あり)これが国際交流の団体に該当するかどうか聞きますから、筆頭理事、ちょっと静かにしていてください。一定規模以上の随意契約を継続的に結んでいる法人。そして三つ目に、許認可、補助金の交付等、職員が直接の利害関係に立っている法人。

 まず、内閣府に確認をしますが、上二つ、不適切な契約をしている団体、そして、一定規模以上、これは一億円以上ですが、随意契約を継続している法人、例えばこの上四つですね、旧自治省系の団体、調べていただいていますが、該当しているものはありますか。御答弁ください。

平山政府参考人 御答弁いたします。

 そこの実際上の要件で、今おっしゃいました三つの類型で、不適切な契約の相手方と、あと一億円以上の随意契約を結んでいる法人は支援の対象にしていないということですが、済みません、そこの事実関係をまだ把握していませんので、今答えることはできません。

細野委員 もうさんざんやりとりして、私の手元に数字があるんです。不適切な契約があるかないかというのも調べていただいたし、一億円以下という計算もしていただいたんです。ちょっと後ろで確認してください、これは事実関係だから。きちっと把握をして、この上二つの条件については該当しませんね。答弁してください。

田中政府参考人 ただいまのお尋ねは、先ほど御指摘のございました、昨年末につくられました官民人材交流センターの再就職支援の基準との関係で、事前に資料要求をちょうだいいたしまして、それは、とりわけその基準の中の、ちょっと丸めて申しますが、団体との間の不適切な契約がないこと、それから継続的な随意契約がないこと、そういう点について、これは今具体的にセンターの方に申請をしているわけではございませんけれども、仮に十九年について調べてみよという御指示で作業をさせていただいたものでございます。

 先ほどの御指摘の基準につきまして、団体との間の不適切な契約の有無などの項目につきましては、これは確認が比較的容易であろうかと思いますが、団体との間の利害関係の有無であるとか継続的な随意契約の有無……(細野委員「そこは結構です」と呼ぶ)はい。これは、十分に確認する必要がある。

 御指摘の趣旨に従いまして、契約等について、このたび地方自治関係の四団体につきまして総務省で概括的な作業をさせていただきましたところでは、団体との間の不適切な契約はなく、また……(細野委員「そこは聞いていないから結構です」と呼ぶ)はい。継続的な随意契約は存在しないのではないかと考えております。

 ただ、いずれにしましても、この具体的な基準につきましては、今後、実際に申請の際に詳細な確認が必要であると考えております。

細野委員 これは、私が勝手につくった基準じゃないんですよ。官民人材交流センターで、自治体国際化協会を初めとしたこういう団体からあっせんの依頼があった場合、公益法人も含めてこの基準でやりますということなので、調べていただいているんです。

 もう一回確認をしますが、不適切な契約もない、そして随意契約を継続的に結んでいる団体もない。さらには、平成二十年に公益法人に総務省から天下りのあっせんをした団体が全部で十九ありますが、それも含めて、不適切な契約と継続的な随意契約はないですね。この二つについてのみ確認をさせてください。今の方で結構です。

衛藤委員長 答弁は簡潔に。

田中政府参考人 まず、地方自治体関係、先ほどの四団体につきましては、概括的な調査をさせていただきました。十九年について見ますと、御指摘の点はないと心得ております。現段階で、ないと思っております。それから、その他、全体の方については、このたびの作業ではいたしておりません。

細野委員 十九団体も内々いただいているんですが、通告していませんので、それは結構です。

 要するに、総務省関係のこういう公益法人は、国からこういうお金も行っていないし、そして、こういう違法な契約なんかもしていませんから、こういう団体が、例えば総務省の事務次官の人をそれこそ再就職をお願いしますというふうに言っていったら、これは断る理由がないんですよ、官民人材交流センターとしては。

 確かに、利害関係に立っている法人の場合はあっせんできないという規定はあるんですが、事務次官がこの団体との直接的な利害関係のあるケースはまれだと思います。仮に個人的な利害関係があったとしても、その契約が入ったときに裁量の余地がないという判断をされれば、あっせんできることになっています。

 ですから、総理、この天下りの問題はもう少し認識を変えていただかなきゃならないと思っているんですよ。こういうものを放置しておけば、ウラルートで必ず残ります、まず一つ。ウラルートだけではなくて、今の答弁からもわかるとおり、オモテルートで堂々とあっせんの依頼をすれば、先ほど、自治体を苦しめて、そして海外に事務所を置くときにいろいろお金を集めたりしているこの自治体国際化協会も含めて、天下りのあっせんができる仕組みになっているんです、官民人材交流センターも。オモテルートであっせんが続く可能性もあるということについて、総理、どう思われますか。

麻生内閣総理大臣 少なくとも利害関係と、先ほども申し上げたと思いますが、この実体として、予算や権限を背景とした押しつけ的あっせんによる再就職、これが天下りの定義、それはよろしゅうございますね。(細野委員「いや、私は認識が違います」と呼ぶ)全然違うんですか。基本的にこの法律の背景はこれです。我々は、その人たちが自分の役所の権限やら予算やらをバックにして押しつけ的に天下るというのが問題なんだ、私どもは基本的にそういう認識をいたしております。

細野委員 麻生政権を初め自民党の皆さんは、官民人材交流センターからのあっせんは天下りではないとおっしゃる。我々は、官民人材交流センターからのあっせんも天下りと称しています。なぜなら、同じところに天下れるからですよ。

 こういう再就職、我々は天下りと呼んでいますが、天下りを許して、同じような団体を、これからも存続することを認めるということですね。天下りではないと定義をされるということは、そういうことですよ。本当にそれでいいんですか、総理。もう一度御答弁いただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 人材交流センターというものをつくらせていただいて、これは法律できちんとつくらせていただいて、こういったことになっておりますので、我々としては、再就職の支援というものを考えたときの団体としてきちんとしたものをつくらせていただいたと思っておりますので、それが天下りのための人材交流センターという意識は我々にはありません。まず、これが一つです。

 二つ目は、そういったものでなおかつ問題があるなら監視委員会をつくっていただきたい。監視委員会はと言っておる点に関しましては、監視委員会には反対と、法律に反対だからおれたちはそれにも反対と。これは、決定された後、いかがなものか。これはずっと申し上げているとおりです。

細野委員 麻生総理が、この天下りの問題、天下りのオモテルート、ウラルートも含めて、闘うつもりが全くないということがよく今の答弁を聞いてわかりました。これまでの仕組みが温存されます。公益法人も温存されます。そして、そういうところからあっせんの依頼があれば、あっせんも官民人材交流センターというオモテルートを通じて堂々と行われます。これは、もう政権をかえてやるしかないなということを改めて感じました。

 最後に総理、時間もなくなったので、さっき前原委員の質問に対して、総理はしかるべき時期に解散というふうにおっしゃいました。今、与党内では、四月の予算の成立の時期を待って、さらには、金融サミットが四月の頭にありますから、そのサミットへの参加、これを花道に総理には総辞職していただこうという話が公然と出ています。総理に御答弁をいただきたいんですが、御自身で解散をする、この思いは変わりませんか。御答弁ください。

麻生内閣総理大臣 解散というものは総理大臣の専権事項、重ねて申し上げる必要もないと存じますが。

細野委員 総理、私が聞いているのは、麻生総理が解散しますねということを聞いているんです。総理御自身で解散権を、いつかは専権事項だから私が口を挟むことじゃありません、総理自身が解散権を行使するということでよろしいですね。

麻生内閣総理大臣 これもたびたび答弁をさせていただいていると思いますが、しかるべき時期を見て私が解散を決めさせていただきます、そうお答えしている。ずっと同じことを申し上げております。

細野委員 御答弁をいただきました。

 最後に、一つだけコメントして終わりたいと思います。

 憲政の常道という言葉は総理も御存じだと思うんですが、戦前の評論家である清沢洌氏がこういうおもしろいことを言っているんですね。政策が行き詰まったら、野党に政権を渡すか解散するかして、政権の担い手を一新すべきである。そうしなければ根本的な問題の解決はあり得ない。

 この間、安倍政権から福田政権、そして麻生政権に移りましたが、何ら根本的な問題の解決はなされていません。万が一、引きずりおろされるということがあったときには、そのときには憲政の常道に基づいて我々に政権を任せていただきたい、そのことを最後に申し上げて、質問を終わります。

衛藤委員長 これにて前原誠司君、細野豪志君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 麻生首相は、オバマ大統領との日米首脳会談で、日米同盟を一層強化し、米軍再編を着実に実施していく、こう確認をされました。米軍再編の焦点になっているのは普天間飛行場の問題であります。

 一九九五年の少女暴行事件、これに抗議して開かれた沖縄県民大会を受け、九六年の四月、日米両政府は普天間飛行場の返還に合意をいたしました。あれから十三年になろうとしております。いまだに返還は実現しておりません。

 この間、日米両政府は、普天間飛行場にかわる新たな基地を名護市辺野古につくろうとしてきました。最初が海上ヘリポート案であります。二度目が沖合軍民共用空港案であります。三度目が沿岸L字案です。そして、今回のV字案、日米合意案だけで四回目であります。いずれも破綻し、そして、現在のV字案についても沖縄県の理解は得られておりません。

 この間、沖縄県では、大田県政、稲嶺県政、仲井眞県政、このように県政の担い手はかわってきましたが、いろいろな経過もありました。変わらないのが県民の意思であります。どんな世論調査をとってみても、七割、八割は新基地建設には反対だ、こういうのが変わらずずっと出てまいりました。

 総理に伺いますが、県民の理解を得られないのはなぜだという御認識ですか。

麻生内閣総理大臣 現場に私も何回か、総務大臣のとき、外務大臣のとき、その前からも行ったことがあります。

 いろいろな意味で、あの密集地域でもあります、また密集地域じゃないところにあっても、今度は騒音また墜落するかもしれない、その他いろいろなこれまでの問題があります。

 日本の基地の約七割五分が沖縄県に集中しておるなどなど、いろいろな条件を勘案いたすれば、これは県民感情としてはいろいろな思いがおありになること、私どももそのように理解をしております。

赤嶺委員 結局、人口密集地域から辺野古に移しても、負担が軽減されないから世論が変わらないんです。そのことを総理は御理解でないようでありますが、今も普天間飛行場のヘリは自由勝手に沖縄全土を飛び回っております。このV字案のときに、住宅地上空は飛ばない、こういうことを政府は説明をしましたが、今では、いや、緊急時やあるいは訓練のために飛ぶことはある、このように認めざるを得なくなっております。

 環境に配慮してつくると言いますが、辺野古には世界有数のサンゴ群落があり、ジュゴンがすむ美しい海に基地をつくれば、環境が破壊されることは明らかであります。また、どこに行っても米兵が町に繰り出し、犯罪に至るという実態も変わりません。だから、沖縄県議会は昨年七月、新基地建設反対の決議、意見書を可決したわけです。

 ところが、政府は先週、在沖米海兵隊のグアム移転協定の中で、名護市辺野古への新基地建設を進めることを条約として合意しました。頭越しにもほどがあると思いますが、米軍基地の集中する沖縄にあくまで新たな基地をつくる、これが麻生内閣の方針なんですか。

麻生内閣総理大臣 今般の米軍の再編というものにつきましては、これは幾つかございます。普天間飛行場の早期移設、返還、海兵隊要員などのグアムへの移転、そして嘉手納飛行場以南の土地の返還などを通じて、沖縄を初めといたします地元の負担軽減を図るというものであります。

 ぜひとも実現しなければならないとも考えておりますので、今般、今御指摘がありましたけれども、日米首脳会談などにおきましても、これは沖縄県民、地元の声に耳を傾けつつ、当然のこととして、日米の合意に従って再編というものを着実に進めていかなければならないものだと考えております。

赤嶺委員 県民の世論が変わらないから、今度は条約で県民の反対の声を押しつぶそうとする。

 今出されましたグアムへの移転の問題、それではこの点について伺いますが、政府は、沖縄県民の負担軽減だ、それで海兵隊八千人、その家族九千人を移転し、そのための経費約六十一億ドルを負担すると説明してまいりました。しかし、総理御存じのように、グアムは米国の領土です。海兵隊が沖縄からグアムに移転するというのは、日本からアメリカに撤退するということなんです。撤退後にその部隊をどうするのか、新たな基地をつくるかどうかは、アメリカ政府の責任に属する問題だと私は考えます。

 ところが、日本政府は、撤退後の部隊の収容先まで日本の税金でつくってやろうとしている。相手は世界最大の軍事超大国のアメリカですよ。米国内の米軍基地建設に他国が税金を投入した事例はどこにもありません。

 麻生総理、改めて伺いますが、およそ世界で考えられないような財政負担を日本が引き受けている、そういうことではありませんか。

中曽根国務大臣 もう既に委員には累次御説明しておりますけれども、在日米軍の再編に係る協議におきましては、我が方から、抑止力を維持しながら特に沖縄の負担を軽減する、そういう大変大きな目的のある、そういう重要性は強調してきたところでございます。

 この沖縄海兵隊のグアム移転は沖縄の負担軽減を実現する措置でございますけれども、これを行う場合にも、沖縄に海兵隊の実動部隊は配置をし、そして即応態勢を維持することによりまして大事な抑止力を維持することができる、そういう認識を日米とも共有して、こういうような形になるわけでございます。また、海兵隊の要員は、グアムに移転した後でも、在日米軍とともに、我が国及び極東の平和及び安全の維持に重要な役割を果たすことになります。

 こういう考えに基づきまして、我が国は、沖縄県の住民の皆さんが強く要望しております海兵隊の移転の速やかな実現が可能となるように、米国とともに、グアムにおける施設、そしてインフラの整備のための負担を行うこととしているところでございます。

赤嶺委員 海外の米国の領土に米軍の基地をつくるのにその財政を日本政府が負担する、こういう世界に例のないことを日本政府がやっていることをどう考えるか、このように問うたわけですが、その答弁はありませんでした。

 しかも、グアムに財政を投資する場所は、アンダーセンの空軍基地ですよ、アプラ港の海軍基地ですよ。沖縄の海兵隊が行く場所じゃないんですよ。結局、アメリカがグアムで陸海空海兵隊の一体的な拠点基地をつくろうとする、その財政を日本政府が負担してあげる、その一翼を担おうということではありませんか。

 それでは、海兵隊八千人、そしてその家族九千人の問題について、もう一度伺います。

 先日、沖縄の宜野湾の伊波市長から私たちの党に要請がありました。普天間飛行場の早期返還、海軍病院建設反対の要請であります。私も志位委員長と一緒にその要請を受けたわけですが、その際、伊波市長が、在日米大使館のグリーン安保課長と対談したときの話を紹介しておりました。

 市長が、沖縄の海兵隊の家族は現在約八千人だ、九千人がグアムに移転すれば沖縄には家族住宅は要らなくなるではないか、当然、海軍病院の建設も不要になってくる、こう指摘したのに対して、グリーン課長は、沖縄から八千人移るけれども、別のところからやってくる、こう述べたというんですね。非常に重大ですよ。

 政府は、海兵隊をグアムに移転して沖縄県民の負担の軽減をすると言いますけれども、別のところから沖縄に部隊がやってくれば何の負担軽減にもならないじゃないですか。

 今回結んだ協定の中に、沖縄からグアムに海兵隊が移転した後、これ以上新たな部隊は配置しない、そういう取り決めになっていますか。総理、どうですか。

麻生内閣総理大臣 今の話はすべて、聞いた、聞かないというだけの伝聞の話ですので、ちょっと確認がとれませんので、答弁のしようがありません。

赤嶺委員 取り決めの中に、今後米軍の部隊は沖縄にやってこない、そういう取り決めがあるかということを聞いているんです。

中曽根国務大臣 ただいま委員がおっしゃいました発言について私は承知しておりませんので、そのことについてはお答えできません。

 第三海兵機動隊の展開部隊が約八千人グアムに移転し、また家族が九千人移動するわけでありますけれども、常に人数というのは変動いたしますために、協定上明記することはなじまない、そういう実員数ではございません。これは、日米両政府間のロードマップに係る協議の過程で米側からその人数については示されたものでございまして、海兵隊の要員につきましては定員数、また、家族につきましては要員の定員数を踏まえたいわば概数でございます。

 具体的には、要員が八千人ということは、現在沖縄に駐留する第三海兵機動隊展開部隊の要員の、今一万八千人おりますけれども、そのうちグアムに移転することとなる定員ベースでの約八千人を意味しているわけでございまして、また家族九千人とは、さまざまな事情により変動し得るものであります。

 そういうことを前提にして、平均的な家族構成の比率、あるいは移転する機動隊の要員の定数が八千人であるということを決めたわけでございます。

赤嶺委員 総理、今の外務大臣の答弁をお聞きになりましたか。八千人、九千人も変動し得るもの、実数ではないと言っているんですよ。

 しかも、八千人、九千人がグアムに移った後、別の部隊が沖縄にやってこないという保証がグアム協定の中にあるかといえば、答えられませんでした。沖縄には、どこかの部隊が海外に行けば別の部隊がやってくる、その繰り返しなんですよ。既に嘉手納にはPAC3の部隊が、部隊だけで六百人、家族だけで九百人ふえているんですよ。嘉手納の訓練移転でF15が訓練移転したら、今度はF22がやってくる。基地の負担は変わらないんです。変わらないのを、八千人、九千人が移転する。

 ですから、グリーン課長が言った指摘が沖縄の実態に合っているんです。あなた方はその実態を知らないんです。安保条約がある限り、日本は無償で無条件の基地提供を義務づけられているんです。だから、海兵隊が去っても、また新たな部隊がやってくる。安保条約そのものを見直さなければ、沖縄の負担軽減にならない。なおさら、安保条約の取り決めにもないような財政を出すのは、これは原則にも反しているということを強く申し上げて、質問を終わります。

衛藤委員長 これにて赤嶺政賢君の質疑は終了いたしました。

 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社会民主党の照屋寛徳です。

 麻生総理、駆け足の日米首脳会談から帰任されましたが、飲酒によらない、時差によるもうろう状態は解けましたでしょうか。

 支持率六八%のオバマ大統領に対し、麻生総理の支持率は一一%、不支持率が七三%に達しております。国民から総スカンを食い、そして、今直ちにやめるべきだという国民の声が三九%にも達しているという中で日米首脳会談をして、実効ある具体的な成果が得られたとお考えでしょうか。

麻生内閣総理大臣 それなりに得られたと存じます。

照屋委員 私は、外交というのは、国民の支持があってこそ強力に推進することができると思うんですよ。政権基盤が弱体化をし、どんな世論調査を見ても、公平に判断して、国民の支持を失った麻生総理に、私は、国民の多くは、日本の外交を任せるわけにはいかない、こう思っておるんでしょうか、思っておると思います。どうでしょうか。

麻生内閣総理大臣 質問される相手を間違えておられると存じます。国民に聞かずに、言われている本人に聞いていただいても何とも答弁のしようがありませんが、私は、今、与えられた職務に忠実に、かつ国益を踏まえて頑張りたいと思います。

照屋委員 総理は、当委員会の冒頭で、首脳会談の報告に触れて、在日米軍再編をロードマップに基づいて着実に実施していくことで一致をした、こういう報告でございました。

 ロードマップの実施については、沖縄に強い抗議、異議を唱える声があることを総理は承知をしておられるでしょうか。

麻生内閣総理大臣 いろいろ地域、地元に問題があるということを、総務大臣のときにも外務大臣のときにも何度となく伺いましたので、むしろ詳しく知っている方かと存じます。

 少なくとも、今回、大統領とは、二〇〇六年の五月のロードマップに従って、二月十七日に日米両政府が署名をいたしております在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定の実施を含みます在日米軍再編というものは、私どもは、これは、抑止力を維持しつつ沖縄の県民負担をなくす、県民負担を減らすということにつきまして、我々としては真剣に考えております。

照屋委員 この日米首脳会談で確認をされたという日米同盟の強化あるいは日米同盟の重層的強化というのは、具体的に何を指しておるんでしょうか。

麻生内閣総理大臣 今回の首脳会談において、日米同盟を基軸として、少なくとも、二国間はもとよりのことですが、アジア太平洋地域において諸課題がいろいろございます。海賊の問題を含めて、ソマリアばかり有名ですが、マラッカ海峡を含め、いろいろこの問題もございます。またさらには、経済問題として、アフガニスタン、パキスタンなどというテロの問題もあってみたり、また気候変動、エネルギーといったグローバルな課題も幾つかございます。

 こういったものに一緒に取り組んでいくということを確認したということでして、日米同盟を基軸として、今申し上げたような問題に、重層的という言葉を使わせていただいておりますが、そういった問題に取り組んでいこうということでございます。

照屋委員 私は、このロードマップの推進によって、米軍と自衛隊との一体化、融合化が加速度的に進むのではないかと思っておりますし、在沖米軍基地の機能強化が一層進むのではないかと思っております。現に進んでおります。

 ところで、安全保障の問題について総理のお考えを聞いておきたいと思いますが、麻生総理は、日本の安全保障の犠牲や負担が沖縄県に過度に集中をしているという認識はお持ちでしょうか。

麻生内閣総理大臣 在日米軍専用地域また区域の約七四%が沖縄に集中しておるという事実を含めまして、沖縄県民に多くの負担をかけているという事実はこのパーセントからもはっきりいたしておる、私どももそのようなことを思っております。

 したがって、県民の負担を軽減させる意味でも、少なくとも、そこにおります海兵隊員を含めまして家族等々が減るということは、その意味で負担の軽減になりますし、また嘉手納以南の多くの土地が返還されるということにもなると思っておりますので、我々としては、こういったことをやることによって負担というものを減らしていくように努力をしたいと思っております。

照屋委員 最後に、総理は、来る三月七日に沖縄を視察する予定だと聞いておりますが、総理、その際、ジュゴンのすむちゅら海を埋め立てる辺野古への新基地建設に反対をする住民、あるいはヘリパッド建設に反対する住民、殺人的爆音に苦しむ嘉手納基地周辺住民、米軍演習場からの流れ弾で恐怖におののいている金武町伊芸区の住民、世界一危険な普天間基地の周辺住民に直接お会いをして、それらの声を聞く予定はおありでしょうか。

麻生内閣総理大臣 これは、自由民主党総裁として、今、党で日程を調整していると思っておりますので、ちょっと日程など、私のところでわかるわけではありませんので、これは党の方で調整をしていると存じます。

衛藤委員長 照屋君、もう時間がありませんから、お願いします。

 これにて照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。

 次に、亀井久興君。

亀井(久)委員 国民新党・大地・無所属の会の亀井久興でございます。

 麻生総理、大変厳しい日程の中での日米首脳会談、お疲れさまでございました。

 第一位の経済大国であるアメリカと二番目の日本が協力をして経済の立て直しを図っていこう、そういうことで合意をされたということでありますけれども、同時に、基軸通貨であるドルの信用を維持するということについても確認されたというように聞いておりますが、そのとおりでしょうか。

麻生内閣総理大臣 今、ドルの基軸通貨体制、いわゆるブレトンウッズとかいろいろな表現がございますけれども、この基軸通貨というものが急激に変動する、きょう九十三円ぐらいまで円安になっていると思いますが、少なくとも、基軸通貨というものがきちんと安定しているというのはすごく大事なことであって、これによって、他国は国債やら何やら持っておりますので、基軸通貨を安定させるためにはどうするかというと、いわゆる中央銀行のバランスシートはきちんとしておかねばならぬなどなど、いろいろな話をさせていただき、これが一番肝心だという話は申し上げました。

亀井(久)委員 ドルが基軸通貨であることは間違いないんですけれども、一九七一年に金との交換停止をやって以来、ドルというのはいわゆるペーパーマネーのようになっているわけで、その信用というものの裏づけになっているのは、アメリカの総合的な国力だと思います。

 その国力は、外交力もあるでしょうし、軍事力もありましょうけれども、一番それを支えている基本というのは経済の力ということだと思います。それが今、御承知のとおり、去年の金融危機以来、アメリカががたがたになっている。だからこそ、オバマ大統領が議会の演説でもほとんどその経済問題を中心に演説をされたということだと思います。

 ブッシュ政権の終わりごろの金融安定化対策、金融安定化法、これのスキームを見ましても、またオバマ政権の大規模な景気回復策を見ましても、その中身は、やはり財政出動に頼らざるを得ない、そういうことですね。財政出動ということになれば、アメリカにそれだけの今力があるかといえば、結局国債の増発に頼らざるを得ないという状況。その国債を、ではアメリカの国の中でちゃんと消化していく力があるかといえば、それはない。

 ですから、私、先般の本会議でも申し上げましたけれども、結局のところ、今アメリカ国債を引き受けている第一番目の中国と二番目の日本、そこに、さらに引き受けてくださいよ、協力してくださいよ、そういう期待感というのは、当然オバマ政権として強くあると思うんですね。

 そのときに、私は、日本という国は決して海外からお金を借りている国じゃなくて、海外に金を貸している国。対外純資産も世界一の国ですね。だから、ほかの国から見れば、日本というのは豊かな国だというように見えるのは当然なんです。

 ところが、日本の経済が今、先進国の中で一番落ち込みがひどい。それは、年率で一二・七%という数字が出ておりますけれども、その落ち込みはなぜかといえば、結局、外需依存型の経済の体質になってしまった、そこに外需がとまったからこういう落ち込みになってきた。

 ですから、私どもは一貫して、内需拡大政策を小泉政権当時からとっていればここまでひどい落ち込みにはならなかったということを言い続けてきたわけです。日本のお金を日本のために、日本の国民のためになぜ使わないんだというように外からは見えるわけですよ。ですから、アメリカに協力することももちろん大事ですけれども、アメリカに協力する前に、今日本の国民生活が惨たんたる状況になっているんですから、それを救うために思い切った政策をとるべきだというように思います。

 アメリカの政権に大きな影響力を持っておりますプリンストン大学のクルーグマン教授、昨年のノーベル経済学賞を受賞された学者ですが、その方が書かれたものを読みましたらば、我々は不思議な国のアリスの世界に迷い込んじゃったと書いているんですね。それで、もうその世界には長くいたくない、早く抜け出したい。だけれども、その世界から抜け出すためには、常識は一切通用しない、非常識なことをやらない限り、この世界から抜けられないということで、思い切った財政出動を示唆しているわけです。

 ですから、アメリカは、背に腹はかえられないから必ずやると私は思うんですね。だから、日本がそれに協力せざるを得ないという状況であるならば、それより何より先に、まず日本の国民の生活をきちっと守るために思い切ったことをおやりになるべきだ。

 ですから、私は、めり張りをつけた公共事業もやるべきだ。地方が今物すごい疲弊をしております。だから、このときこそ思い切った公共事業もめり張りつけてやるべきだ。そのための建設国債の発行を恐れることはない、日本の国内でちゃんと消化できる、そういう状況だと思います。

 それに加えて、与謝野財務大臣にもちょっと伺いたいんですけれども、今、無利子非課税国債の話が出てきておりますけれども、これはやはり一定の評価をすべきことだと私は思っております。このことについてちょっと財務大臣の御答弁も後から伺いますが、今の基本的なことについて麻生総理から伺います。

麻生内閣総理大臣 基本的には、今こういう状況になっておりますので、我々としても、これまでにない八十八兆円、過去、戦後では最大の予算を編成して、今スタートをいたしております。

 今そのような状況で、まだ補正予算すら参議院で通っていないという状況で、これは関連法案、通っておりませんので、そういったものが通り、予算が通った段階で、我々としては、どのような経済状況にまたなっているかというのは、これは真剣に考えねばいかぬところですが、おっしゃるとおりに、国内の景気というのに傾斜しなければ、少なくとも、よく先生おっしゃいますとおりに、十四兆五千億ありました公共工事は今六兆円ぐらいまでに激減しておりますし、地方単体で三十二兆ぐらいが十五兆幾らぐらいまで減っていると思いますので、それだけ見ましても間違いなく半減、公共工事だけ見ましても約半減したのがこの八年間の実態であります。

 したがいまして、いろいろなことを考えて、今やらなければならぬことというのは、結構、私どもとしては、公共工事に限らず、ほかの部分で民生部門を優先しておりますけれども、公共工事を含めていろいろなものを考えねばならぬと思っております。

与謝野国務大臣 実際は、課長とか課長補佐クラス何人かで集まって勉強しております。これは検討、研究に値すると思ってやっておりますが、肯定するにせよ否定するにせよ、きちんとした論拠がなきゃいけないし、やはり説明が可能なものでなければならないと思っております。

 まだ結論は出ておりません。

亀井(久)委員 伺いたいこと、たくさんあるんですが、もう時間になりましたので、最後にちょっと竹島の問題、伺いたいと思います。

 今月の二十二日、島根県は条例で、竹島の日と二月二十二日を決めております。先般、県主催の行事もあった、大会もあったわけですけれども、政府からはどなたも出席をされていない。また、政府からメッセージも何にも来ていない。

 私は、やはり竹島も、北方領土の問題と並ぶ、日本の主権にかかわる大きなテーマだと思っておりますので、政府のしっかりした対応をしていただかないと困るということだと思いますが、そのことについての総理のお考えを承っておきます。

中曽根国務大臣 竹島の日がございまして、記念式典もありまして、御案内状をいただいたんですが、私自身は諸般の事情がありまして出席することができませんでした。また、政府の職員についても出席をいたしませんでした。

 そういう形で、行事には欠席することになりましたけれども、政府といたしましては、竹島の問題の重要性というものは従来から十分に認識をいたしておりまして、平和的解決を図るためにいろいろな方策をとっているところでございます。そういうことでございまして、欠席をいたしましたけれども、竹島の問題の重要性の認識については変わらないわけでございます。

亀井(久)委員 終わります。

衛藤委員長 これにて亀井久興君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

衛藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 政府参考人として内閣官房郵政民営化推進室長振角秀行君、人事院事務総局総括審議官菊地敦子君、金融庁総務企画局長内藤純一君、財務省国際局長玉木林太郎君、厚生労働省医薬食品局長高井康行君、経済産業省経済産業政策局長松永和夫君、中小企業庁長官長谷川榮一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

衛藤委員長 これより一般的質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川内博史君。

川内委員 よろしくお願いをいたします。

 まず、舛添厚生労働大臣にいわゆる伝統薬の存続問題についてお伺いをさせていただきます。

 二月六日に平成十八年の改正薬事法の省令が公布をされました。この省令は六月一日から施行される。そうすると、いわゆる伝統薬と呼ばれている薬が販売できなくなってしまう。電話で受け付けて、送って、それを何十年と飲んでいるおじいちゃんやおばあちゃんが日本全国津々浦々にいらっしゃる、そういう方たちが飲めなくなってしまう、その薬を使えなくなってしまうという問題でございます。

 この業界団体としては全国伝統薬連絡協議会という、全国で三十五社が会員となっていらっしゃるそうですが、私の地元の鹿児島にも四社この連絡協議会の伝統薬の会社がいらっしゃるということでございます。

 その団体の要望書には、全国伝統薬連絡協議会の会員は、昭和十三年、旧厚生省が設立される以前より、既に自社で製造した医薬品を、手紙あるいは電話等にて全国から商品の注文をお受けし、文書等により丁寧に説明の上、配送をいたしてまいりました。大きな事故も大きな問題の発生もなく、販売を続けてまいりましたと書いてございます。

 大臣の方で、一昨日の二月二十四日から、舛添大臣御自身の御発案で検討会をスタートして、この省令の施行に当たっては十分検討しようねということでスタートされたようでございますが、いわゆる伝統薬については、全国で何十年とその薬を使っている人たちが、そのまま施行されれば使えなくなってしまうという大変大きな問題になってしまうというふうに思うんですけれども、大臣として、いわゆる伝統薬に対してはどのような御見解で臨まれるかということをまず教えていただきたいと存じます。

舛添国務大臣 伝統薬のみならず、インターネットによる販売というようなことで、薬を国民がお買いになるときにどういう方法があるのかということで議論がありまして、やはり薬は安全でないといけない、もう一つは、全国民が平等に安全に薬を入手する、これが私は大原則だと思います。

 それで、現場の聞き取りもやりました。そうすると、例えば、伝統薬の方も含めてですけれども、車いすで買い物に行けない、どうするんだ、僻地であると。それから、例えば紫外線に当たると体が悪くなって外を歩けないという方も来て、お聞きしました。片一方で、私のふるさとの福岡県でしたと思いますが、大量にネットで薬を買って、それで自殺をするという例もあります。

 そこで、やはりこれは、省令は省令として安全ということを第一にやっていますが、広く皆さんの御意見をもう一度聞いて、しっかりとした安全対策がとれ、国民の皆さんが納得するならば、そういう手があると思いますので、こういう通信販売やネット販売に反対の方々は、では、私が先ほど申し上げた僻地におられる方、障害者の方々、そういう方にどうすれば供給し得るかという方法を示してくださいよと。今度は、ネットをやられる方なんかは、もしそこで事故があったときに、あなたはどういう安全対策をとっているんですかと。

 これをきちんと議論しようということで、伝統薬の協議会の代表の方にもこの二十四日から始められました検討会においでいただいて、私も直接その場でも意見を聴取しましたし、要望書もいただきました。

 伝統薬の販売経路というのは、直販店で販売したり、今おっしゃったように郵送で販売したりしている。方法はたくさんあると思いますけれども、いずれにしましても、もう一度申しますと、全国民が平等に安全に薬を入手できる、こういうことの大きな目標を掲げて今検討を進めていって、そして、きちんとそのことが担保できれば、私は、伝統薬についても本当に、例えば鹿児島の薬、これは北海道で売っていない、ところがこれは自分にぴったり合っている、これで何とか健康なんだという方々の気持ちもちゃんと体した上で対応したいと思います。

 そして、これはぜひ、きょう御出席の委員の皆さん含めて、私たち国会議員みんなで、広く万機公論に決すべしであって、議論をして一番国民にとっていい方向を目指したいと思いますので、ぜひ国会の皆さんとも協議をさせていただきたいと思っております。

川内委員 ありがとうございます。

 今までその薬を頼りに入手をして使っていらっしゃった全国各地の皆さんが、いわゆる伝統薬について安全にこれからも入手をし続けることができるように、みんなで知恵を出し合っていきたいというふうに思っております。

 それでは、次の論点に移らせていただきますが、二月十九日の本委員会で取り上げた中川前大臣のローマの出張についてでございますけれども、これは私、実は、出張費用が六千万だとお聞きして、二十名で六千万だったということだったんですが、日銀の方も出張されていらっしゃるので、これは、みんな全部税金の使い道にかかわることですから、税金を使っている方が六千万で、日銀の方は幾らなんだろうなということで、ちょっと教えていただきたいんですけれども、日銀さんは、このローマのG7、十一名行かれたそうですが、出張費用が幾らだったのかということを教えてください。

水野参考人 お答え申し上げます。

 全体の出張費用は約一千三百万円で、うち飛行機代が約九百万円、宿泊代約百万円となっております。

 以上です。

川内委員 私、財務省の六千万というのを聞いて、夜のニュースで、チャーター機が四千百万だというふうに報道していて、ああチャーター機だったんだ、だからちょっと高かったんだなと思ったんですが、そのチャーター機というのは、いかなる機種で、定員が何名で、どなたがお乗りになったのか、まあ大臣はもちろん乗っていらっしゃるわけですが、どんなチャーター機だったのか教えていただきたいと存じます。

 残りの千九百万、費用の六千万の残りの千九百万についても内訳を教えていただければと思います。

玉木政府参考人 今回、ローマへの往復に使用いたしましたチャーター機はガルフストリーム社製でございます。定員は八名でございます。大臣のほかに乗っておりました、随行しておりましたのは、警護官、政務秘書官、それから私、財務省国際局長、あと財務省の関係者二名、国際機構課長と財務官室長でございます。

 それから、費用の方ですが、六千万円のうち、御指摘のとおり、特別機、チャーター機使用料として約四千百万円、それから別途行きました職員のフライト代、宿泊費等として約千三百万円、通訳費用として約三百万円、会議室の室料等で約三百万円でございます。

川内委員 大臣以下六名でチャーター機を使用した、八人乗りのジェットであると。

 このチャーター機はいつ予約をされたんでしょうか。

玉木政府参考人 一月二十七日に予約をしたと聞いております。

川内委員 以前、参議院で、うちの大塚耕平参議院議員が塩川当時財務大臣に対して、やはり同じG7会合でジャンボジェットをチャーターして出張に行かれたということについて質疑をしておりまして、そのときの財務大臣の御答弁では、これからはなるべく商用機を使って行くようにしますよという御答弁だったわけですが、我が方も、大切な国際会議に大臣が御出張されるのに、恐らくうちの国対なんかも、行っちゃだめだとかまかりならぬなんということは言ったことはないと思うんですね。ですから、なるべく、国民の皆さんの税金を使うという意味においては、商用機で行ける場合は商用機で行っていただくというのが、これはもう大原則にしなければならないというふうに思います。

 今回の反省を踏まえて、財務大臣、どうですか。

与謝野国務大臣 国会日程は、国会の場で与野党の皆様方の協議で決められるものでございまして、国会日程そのものについて政府はコメントする立場にはないということは、御理解をいただきたいと思います。

 また、財務大臣は予算の担当大臣でございますので、予算の成立に向けて国会審議が精力的に行われている状況においては、支障のない限り、国会に出席する時間を最大限に確保すべきと考えております。

 先般のG7出張に際してチャーター機を利用したのは、国会審議に支障が出ないよう、国会の状況をぎりぎりまで見きわめつつ、G7会合や二国間会議に遅滞なく出席できる日程とする必要があったためと聞いており、やむを得ない措置だったと考えております。

川内委員 私、飛行機の時刻表を見たんですが、今財務大臣は、やむを得ない措置であったと考えるというふうに御答弁されたわけですけれども、中川前大臣が成田から出発されたその二時間後に商用機が、ローマ行きが飛んでおります。したがって、その二時間をしっかり調整すれば、本来使わなくても済むお金があったのではないかと思います。

 財務省としては、チャーター機を使ったことについて、それはやむを得なかったとおっしゃるのはわかりますが、私が聞いているのは、今後、商用機を使える場合には商用機を使って行くようにするのを原則にしましょうということを御提案したということでございます。趣旨はお酌み取りいただいていると思いますので、この件をきょう議論するつもりではないですから、次に行かせていただきます。

 次に、かんぽの宿の問題でございますけれども、本日は、大変お忙しい中、参考人として、日本郵政株式会社の代表取締役副社長でいらっしゃる高木祥吉さんにお越しをいただきました。本当に、済みません、お忙しいところありがとうございました。

 言うまでもなく、高木さんは財務省の御出身で、金融庁長官という大変な御重役をお務めになられたわけでございます。その後、平成十六年四月から平成十八年の一月まで郵政民営化準備室の副室長としてお務めになられ、その後、日本郵政株式会社代表取締役副社長、そしてまた、日本郵政公社の最後の半年間は副総裁でもいらっしゃったわけですね。現在はゆうちょ銀行の社長さんをお務めになっていらっしゃるということでございます。

 さてそこで、委員会の先生方のお手元にもお配りしておりますが、「構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌」というものをお配りさせていただきました。

 私が二月五日の本委員会で、平成十六年九月十日に閣議決定された郵政民営化の基本方針、この中には「郵便貯金関連施設事業、簡易保険加入者福祉施設事業に係る施設、その他の関連施設については、分社化後のあり方を検討する。」と閣議決定に書いてございます、これが、七カ月半後、平成十七年の四月二十七日閣議決定された日本郵政株式会社法附則二条で、五年後にこれらの施設については譲渡または廃止するというふうに書かれております、「分社化後のあり方を検討する。」と前年の九月に決定したものを、だれがどういう形で検討したんですかということをお聞きしましたらば、政府の中から出てきたのがこの「竹中平蔵大臣日誌」だった。

 政府の中にはどういう検討が行われたかの資料はありません、竹中大臣の指示だったんです、そのことがこの御著書の中に書いてありますということで、郵政民営化推進室の室長が持っていらっしゃいました。

 私は、政府の中にそういう資料が全くありませんというのもちょっとにわかには信じがたいんですが、政府がこれだとおっしゃって持ってこられたので、これをもとに聞かせていただきます。先生方のお手元には、推進室がつけた印もそっくりそのままつけてございます。

 この文書の最後のところに、「後で準備室の幹部に言われたことだが、大臣が法案作成にこれだけ直接かつ詳細に係わったのは前代未聞のことだったようだ。通常は、官僚任せの仕事なのである。しかし、「戦略は細部に宿る」のだ。私は、ゲリラ部隊のメンバーと詳細に打ち合わせをしながら、徹底した法案作成を目指した。」ということが書いてございます。法案づくりに直接かつ詳細にかかわっていた、こう書いてございます。

 そこで、お尋ねいたします。高木副社長、郵政民営化準備室の副室長として、実はもう一つ、竹中平蔵さんの腹心と言われていた、今はもう財務省をおやめになられた高橋洋一さんの御著書には、ゲリラ部隊として、この竹中平蔵さんがゲリラ部隊と呼んでいる者の中に、高橋洋一さんと高木副室長がゲリラ部隊のヘッドで、その下に何人かいたということが書かれているわけでございますが、なぜ、当時のこの「分社化後のあり方を検討する。」という言葉が五年後の譲渡または廃止という言葉になったのか、その検討の経緯をちょっと教えていただきたいと存じます。

高木参考人 お答え申し上げます。

 まず、ゲリラ部隊というのは、私、実は先生の質問を受けて初めてあれを読んで、正直申し上げて、全く承知しておりません。私は、先生御指摘のとおり、準備室の副室長として、竹中担当大臣のもとで一生懸命仕事に取り組んできたということでございます。

 それで、先生御指摘のかんぽの宿の部分でございますが、これは私自身その記憶が定かでなくて大変恐縮でございますけれども、前回郵政民営化推進室長が御答弁されたようですが、私の記憶でも、竹中大臣から御指示があって、それを受けて準備室の方で法案化作業を進めていったのではなかったかというふうに思っております。

川内委員 その法案化作業を進める中で、もちろん高木さんは副室長ですからゲリラじゃないわけですね。正規軍なわけですね。もちろんそうですよ。副室長は正規軍なんですよ。竹中平蔵氏がゲリラ部隊と、あるいは高橋洋一氏がゲリラ部隊と呼んだのは、要するに、準備室のメンバーじゃないという趣旨だったのではないかというふうに思うんです。

 そこで、この法案化の作業の中で、いろいろな方と相談あるいは打ち合わせをされたと思うんですけれども、その中に準備室のメンバーじゃない人がいた、何でこの人いるんだろうなというようなことがあったということはなかったですか。

高木参考人 お答え申し上げます。

 竹中大臣はいろいろな方と御相談、御意見をお伺いしたんだと思います。ただ、私自身はそれは全く承知しておりませんし、私が一緒に仕事をしたのも、準備室の室員たちと一緒に仕事をしたわけでございます。

川内委員 何か、もうちょっと詳しく教えていただくと、みんなもその当時の様子がわかって、なるほどねということになるんじゃないかなと思うんですけれども。

 それではちょっとお聞きしますが、資料の三を見ていただきたいんですけれども、これは「郵政民営化関連法律案の概要」という文書でございます。このアンダーラインを引いてあるところ、これは、日本郵政株式会社法で、「郵貯周知宣伝施設及び簡保加入者福祉施設は日本郵政株式会社が暫定的(五年間)に保有」、こう書いてあるわけですね。

 法律には五年以内の「譲渡又は廃止」と書き、概要には「暫定的(五年間)に保有」と書くというのは、これは何で違う言葉を使ったんですかね。「暫定的に保有」というのは六文字だし、「譲渡又は廃止」、これも六文字なんですけれども、スペースを考えれば、「譲渡又は廃止」と書けばいいじゃないかと思うんですが、これは何でこうなったのか、その辺の経緯をもし御存じだったら教えていただきたいと思います。

高木参考人 お答え申し上げます。

 これも確たる記憶はないんですが、法律の概要については、事務的に、そういう総括的な係の方でまとめたんだと思います。

 当時、私は準備室の幹部の一人でございましたから、今にして思うと、先生おっしゃるように、そこもしっかりチェックすべきだったと思いますけれども、いずれにいたしましても、事務的に、法案審議の状況を見ながら、概要としてまとめていったものだと承知しております。

川内委員 事務的にまとめたという御答弁でございました。

 私、法律に「譲渡又は廃止」と書いてあるものを「暫定的に保有」と書くことが事務的にまとめたとはとても思えないんですが、総務大臣は、暫定的に保有という言葉と譲渡または廃止という言葉が法律的に同じものだというふうにお思いになられますか。

鳩山国務大臣 双方が意味するところは基本的に同じであると考えると答弁書をつくった人は書いてくれましたが、私は、この答弁書をつくった人は間違っていると思います。

 全然意味が違うじゃないですか。だって、五年間暫定的に保有するのと、五年以内に譲渡、廃止というのは全く違う次元のことですよ。それが法案作成と並行して、こういう紙に、字数もほとんど変わらないのに、五年以内に譲渡または廃止という法律をつくっていたんでしょう、当時。そのタイミングに何か、「暫定的に保有」と書いたとすれば、私のように不勉強な人間は、法律案なんか見ないから、概要を見て、ああ、当分これは暫定的に保有なんだなと。よく、暫定的なものが二十年にも三十年にも延びるようなの、法律なんかにもあるじゃないですか。

 だから、かんぽの宿とかメルパルクというのは当分続くんだなと思って、それで、実は法案が成立してみたら、人から、五年以内に「譲渡又は廃止」と書いてあると言われたら、びっくりするでしょうね。おれをだましたのか、この文書はと、多分私は怒ったでしょうね。

川内委員 今の総務大臣の御答弁は、極めて常識的な、だれもがそう思うと思うんですね。

 実は、これは推進室に確認してあるんですが、当時、準備室の時代に、もう平成十七年の二月の時点で、法制局協議で、法案の内容は、五年以内の「譲渡又は廃止」ということが書かれていたわけですね。だから、この概要版をつくったのが二月以降であれば、これはやはり明らかにおかしいんですね。この概要をつくったのは十七年の何月何日ですか。

振角政府参考人 お答えさせていただきたいと思います。

 この概要をつくりましたのは、平成十七年の四月三日でございます。

川内委員 もう二月の時点では、法制局協議の法案には「譲渡又は廃止」と書かれている。しかし、それ以降につくった、これは事務的につくったと高木さんはおっしゃられるけれども、事務的につくれば「譲渡又は廃止」と書かれるのが当然だと思うんですね。これは政治的につくったんですよ。言葉が全然違うと思うんですね。事務的につくったのではなくて、法案の概要は政治的につくられたということになるんだと思うんです。

 もう一回、よく思い出していただきたいんですけれども、「暫定的に保有」と書きなさいよということについて、高木さんはまず知っていたか知らなかったかということを教えていただけますか。

高木参考人 正直申し上げまして、先生の御指摘を受けて今気がついたので、多分、当時はいろいろな各方面に御説明に回っていましたから、私もその紙は見ていたと思うんですけれども、そういう明確な意思はなかったわけでございます。

 当時、多分、私の推測で申し上げるのもなにかと思いますけれども、事務的にまとめたことは間違いなくて、かつ、そのときに議論になっていたのが、かんぽの宿をどこにつけるかということは議論になっていたと思うんですね。それで、それを最終的に日本郵政、持ち株会社につけるということになったわけでございます。それで、日本郵政につけるという趣旨の方に取りまとめた人たちの頭が向いていたのではないかなと、今、これは単なる推測でございますけれども、そういう気がいたしております。

川内委員 高木当時の副室長はきょう初めて知った、きょう初めて知ったということだけを何か非常に……。なぞがなぞを呼ぶような気がして、ここはちょっとしっかり解明しなければならないなと。やはり暫定的に保有という言葉と譲渡または廃止は全然違いますからね。そこは、だれがそうしたのかというのは、しっかり議論して解明されるべき一つの論点だろうというふうに思います。

 それでは、これを続けてもしようがないので次に移りますが、加入者福祉施設事業、かんぽの宿のことについて、前回の質疑を確認させていただきます。

 料金規定では、利用料の一部をいただく、基本的には郵政公社がその営業のコストとして負担しますよというのがかんぽの宿であるというのは業務方法書に出ているということでございましたけれども、もう一度確認させていただきますが、かんぽの宿は収益事業ではない、簡易保険加入者福祉施設事業であるということでよろしいでしょうか。

佐々木参考人 前回もお答えいたしましたが、日本郵政公社時におきまして、簡易保険事業の中で、かんぽの宿等は、簡易保険加入者福祉施設として、簡易保険の加入者に対する現物給付的サービスと位置づけられたものでございます。このため、日本郵政公社時におきましては、簡易生命保険法第百一条によりまして、先生今御指摘の、これらの施設に要する費用は原則公社の負担とし、一部を利用者から負担いただいたものでございます。

 その利用料につきましては、日本郵政公社業務方法書第百五十三条におきまして、「利用者が当該施設に要する費用の一部を負担するため支払うべき料金」というふうに定義されているものでございまして、収益事業という概念はなかったものと認識しております。

川内委員 それで、収益事業ではないものを、先生方のお手元にお配りしております資料の四ページ、五ページを見ていただくと、今回のかんぽの宿等の譲渡問題について問題になった施設が全部書いてあって、それらがどういうふうに価値を減じられていったかということが克明に出ております。

 合計が五ページの一番下に出ておりますので、ここで見ていただきたいと思いますが、左から、公社承継時簿価、平成十五年末、十六年末、十七年末と出ております。それで十八、十九、日本郵政株式会社というふうに移っていくわけでございます。

 十六年末の今回対象となった七十九施設の簿価は千五百三十五億円。平成十七年、減損会計を取り入れたと同時に価値が六百七十二億円になる。十八年末に三百二十六億円になる。十九年九月三十日、公社が閉鎖するときには百二十九億円になるわけですね。平成十六年末に千五百三十五億円だったものが、百二十九億円、十二分の一になる。これは十七年に減損会計を取り入れているわけでございます。今、私の説明は、それでよろしいですか。

佐々木参考人 今先生御指摘いただいた数字で正しいと思っております。

川内委員 十七年末に、減損会計をするよ、そしてまた不動産鑑定評価をしますよということを決裁した人はどなたですか。

佐々木参考人 日本郵政公社の会計は、日本郵政公社法上、企業会計原則によるものとされておりまして、上場企業等に対する減損会計の強制適用に伴いまして、平成十七年度の中間決算から減損会計を導入したものでございます。したがいまして、私どものこの新たな会計基準の導入というのは、法律で義務づけられているものでありまして、会社のだれが導入するか意思決定したというものではないというふうに理解しております。

川内委員 きょう金融庁に来ていただいていますのでお尋ねしますが、減損処理をする場合に、不動産鑑定評価はマストですか、絶対にしなければならないものですか。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 固定資産の減損に係る会計基準につきましては、正味売却価額とは資産の時価から処分費用見込み額を控除して算定される金額をいうとされております。

 そこで、この資産の時価の算定に際しましては、固定資産の減損に係る会計基準の適用指針というのがございます、これによりますと、固定資産の減損損失の測定における正味売却価額の算定に当たりましては、不動産につきましては「自社における合理的な見積りが困難な場合には、不動産鑑定士から鑑定評価額を入手して、それを合理的に算定された価額とすることができる。」というふうにされているところでございます。

川内委員 国民の皆さんにもわかりやすく説明をしていただきたいんですけれども、減損会計を行う場合に、不動産鑑定評価は必ずしなければならないものではない、企業会計基準上義務づけられてはいないということでよろしいですね。

内藤政府参考人 この適用指針によりますとそのとおりでございまして、合理的な見積もりが困難な場合に不動産鑑定価額を用いるという関係に立っております。

川内委員 それでは、改めて日本郵政株式会社にお尋ねいたしますが、私が聞いたのは、不動産鑑定評価、すなわち収益事業ではないかんぽの宿を、収益事業として収益還元法で評価する不動産鑑定評価をした上で減損処理をしますということは特別なことですね。企業会計基準にも、赤字が当然の事業については計画上の赤字を大幅に赤字が上回らない限り減損処理をする必要はないよというようなことが書いてあったり、あるいは、平成十七年度までは、郵政公社の白書を見ると、かんぽの宿は公社からの交付金で大黒字ですね。要するに、そういう社内でのお金の合理的な融通がある場合にも減損の対象にしなくていいですよというようなことが書いてありますね、企業会計基準に。減損処理に係る企業会計基準に書いてあります。

 これらを総合すると、不動産鑑定評価をした上で減損会計をするよというのは、特別な経営の判断がなければ、それこそ政治的な判断なんですよ。それは、事務的にすること、事務的な判断ではないです。だから、だれが決裁をしたのですかということが大きな問題になるわけですね。だれが決裁をしたのかということを教えてください。

佐々木参考人 加入者福祉施設は、先生御指摘のように利益の獲得が目的ではございませんけれども、減損会計上は、その当初の事業目的にかかわらず個別に損益を把握して減損会計を適用しなければならないというふうに理解をしておりまして、先ほど申し上げましたように日本郵政公社は企業会計原則によることとされておりますので、加入者福祉施設につきましても減損を適用して財務諸表の健全性を確保すべきものというふうに判断したところでございます。

 さらには、会計監査人の監査意見を取得するには加入者福祉施設の減損会計の適用が必須とされていたというふうに承知しております。

川内委員 全然聞いたことに答えていないですね。

 私が聞いているのは、郵政公社は業務方法書という、これはある種の法令ですね、郵政公社時代は。法令の中で、一部しかいただきません、なるべく安い料金しかいただきませんということを法律上義務づけられている、赤字を義務づけられている施設なんですね、かんぽの宿は。それを不動産鑑定評価で、収益還元法で評価をするというのは、企業会計基準上実はあり得ないですよ。やっちゃいけないですよ。それをわざわざやったというのは、私はただ、その決裁した人はだれですかということを聞いているだけですから、そのだれというのを答えてもらわないと次に進めないですよ。

衛藤委員長 答弁は簡潔にお願いします。

佐々木参考人 先ほど申し上げましたように、会社として減損会計を適用するというふうに意思決定されました。当時の財務部門の責任者だというふうに承知しております。(川内委員「だから、だれですかと言っているんです」と呼ぶ)

 減損会計を導入した責任者という概念ではございませんけれども、決算を取りまとめた部署の経理部門を担当した役員は山下理事と藤本理事でございます。

川内委員 それでは、もう一回金融庁にお尋ねいたします。

 企業会計基準によれば、減損の認識をするか否か、郵政株式会社は減損は強制適用だというふうにおっしゃるわけです、減損会計はしなきゃいけないわけですが、減損を認識するか否か、価値が減じているか否かということをまず判断するわけですけれども、では、減損の認識をする段階で合理的な判断の基準として固定資産税評価額を用いるということは、この企業会計基準上許されていますね。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 固定資産の減損に係る会計基準の適用指針によりますと、資産の市場価格が著しく下落したことは減損の兆候となるというふうにされております。

 そこで、この固定資産に関する市場価格についてでございますが、固定資産税評価額を含む一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標が容易に入手できる場合には、これらを減損の兆候を把握するための市場価格、いわば判断を把握するための基準でございますが、そういう基準とみなして使用することができるということでございます。

川内委員 まず、減損の兆候を判断する場合に、固定資産税評価額で判断するということは、企業会計基準上、それでいいですよというふうにされている。

 したがって、せんだっての委員会の質疑でも、この七十九施設の固定資産税評価額が八百五十億であるというふうに御答弁があったわけでございますけれども、固定資産税の評価額が八百五十億ありますよということ、その価値でかんぽの宿をまず評価する、その上で、売却するに当たっては、それは売却するときの相対の取引があるでしょうと。必要以上に収益還元法を使って、赤字である施設、法律で赤字を義務づけられている施設を収益還元法で不動産鑑定評価し、そして必要以上に価値を下落させるというのは、これは私は犯罪的な行為ではないかというふうに思うんですね。

 国民の財産に多大な損害を与えたという認識が日本郵政にあるやなしやということを、これは代表取締役の高木祥吉さんにお答えいただきたいと思います。

高木参考人 お答え申し上げます。

 私も企業会計にちょっと素人であれなんですが、いずれにしても、資産の評価と、それに対する損失といいますか、そういう補てんの規定があるということは必ずしもリンクしないんじゃないかと思います。その資産の評価に当たって、その資産の収益性を勘案して評価する、それは資産の評価としてあり得る話ではないかと思います。

川内委員 いや、私は企業会計について高木さんとここで議論するつもりはないんですよ。

 私は素人ですけれども、この企業会計基準を読ませていただきましたが、この中に、そもそもかんぽの宿は法令で赤字を義務づけられている施設ですから、その施設を評価するわけですが、平成十七年までは日本郵政公社のディスクロージャー誌に大黒字で載っているわけですよ。それはなぜかというと、内部的に資金が補てんされていたから。それは、赤字を義務づけられている施設だから補てんするわけで、合理的範囲で補てんするわけですね。収支は必ずしも企業の外部との間で直接的にキャッシュフローが生じている必要はなく、例えば、内部振替価額や共通費の配分額であっても、合理的なものであれば含まれる。要するに、一人頭二千二百円補てんするんですよ。それは、郵政公社が、一部しか費用をもらいません、なるべく安くでやりますと法律で義務づけられているからですよ。だから、二千二百円、他の旅館、ホテルと同じぐらいに補てんをして、収支を計算したら大黒字になりましたというのが平成十七年のディスクロージャー誌ですよ。

 こういうことをしっかりと踏まえた上で、必要以上に鑑定評価で価格を落としてしまった、それがために、七割も転売されて、大もうけをしている人たちが一部にいるわけですよ、郵政公社バルクの時代に。それについて反省はありますか、あいたっ、ちょっと国民の財産に損害を与えてしまったねという反省はありますかということをお聞きしているんですけれども。

高木参考人 お答え申し上げます。

 今先生からいただきました御指摘、あるいは鳩山総務大臣からも多々御指摘いただいておりますが、そういう点についてしっかり受けとめて点検、検証しようということで、先週の金曜日でございますか、第三者検討委員会を立ち上げたところでございます。そこでしっかり点検、検証してまいりたいと思います。

川内委員 反省の上に立ってということですか。反省しているかどうか、ちょっと教えてくださいよ。

高木参考人 お答え申し上げます。

 いろいろこういう議論を引き起こして、皆さんに御心配、あるいは多々反省すべき点はあると思います。それを謙虚に受けとめて、しっかり検討してまいりたいと思います。

衛藤委員長 これにて川内博史君の質疑は終了しました。

 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 連日の質疑の機会をいただきました。まず金子大臣に、またおまえかという顔をなさらないでください、冒頭に確認をさせていただきたいんですが。

 二月二十日の東京新聞でございます。こういった記事が発表されました。これは、「国土交通省は十九日、」ということで、「全国一万一千五百二十キロの高速道路網構想のうち、東京外郭環状道路(外環道)の世田谷―練馬間(十六キロ)の着工に向けた法定手続きの準備に入った。今春にも国土開発幹線自動車道建設会議」、国幹会議ですね、「を開き、基本計画から着工の前提となる整備計画路線に格上げしたい考えで、格上げされれば一九九九年十二月以来となる。」このように報道されたわけであります。

 そこで、この一万一千五百二十キロ、いわゆる高速道路網の構想につきましては、過去、小泉総理が道路公団民営化の議論のとき、以前にさかのぼりますが、そこでおっしゃっておられるのが、平成十八年三月二日に当委員会において、民主党岡田議員の質問に対しまして、総理が明確に、一万一千五百二十キロ、道路公団民営化後にこれはもう白紙でしょう、このようにおっしゃっておられます。

 ここでお尋ねしたいんですが、当時、小泉総理が白紙と明確に答弁をされていますけれども、この方針を、国土交通省、これは撤回するということでよろしいんでしょうか。

金子国務大臣 小泉総理がこの予算委員会で答弁されました議事録、私も取り寄せて今拝見させていただきましたが、「無駄な道路はつくらない。そうなんです。必要な道路は、地域住民あるいは国民の税負担でもつくらなきゃならない。」「国でも、どうしても必要ということで税金を投入しようという議論がみんな出てくればまた別の話ですけれども、」こういう言い方をされています。

 それを受けまして今度は、福田総理はもう少し具体的に踏み込んでおりまして、九三四二を超える区間のすべてを当然に整備するということではなく、採算がとれる区間か、地域で負担できる区間かなどをよく考えなければいけないという趣旨であります、本当に必要な道路は整備しなければいけないと答弁されておられます。(馬淵委員「それで、撤回されるということでよろしいんですか」と呼ぶ)

 今の二月二十日の記事に出ました東京外環、関越―東名につきましては、平成十九年四月に大深度地下を活用する新たな都市計画決定が行われまして、同年、平成十九年十二月でございますが、第三回の国幹会議を開催し、基本計画が策定されております。先般、石原都知事からも早期整備の要請を受けておりまして、これについて整備計画への格上げは現時点では未定でありますけれども、重要な課題と認識しております。

馬淵委員 大臣、聞いたことだけで結構ですから、この問題、そんなにかけませんから、短くでお願いします。

 白紙撤回だ、その事情によって変えていくんだということの答弁を今いただいたんだと思います。今後の検討となるということだと思います。

 この道路、新直轄ということなんだと思いますが、これについて、この記事では、「地元東京都の負担を伴う国の直轄事業と中日本高速道路会社による有料道路事業で分担する方向で調整する。」このようにされております。すなわち、新直轄ということで、本来ならば基本的には無料となる道路が、新たに道路会社からそのお金が出てくるということで、国費を投入しながらも実はこれは有料道路になるという前提だということでしょうか。これについて、もう端的に。

金子国務大臣 整備手法については全く未定であります。

馬淵委員 ありがとうございます。

 今確認をさせていただきましたが、報道についての中身の確認ということでございますので。

 国幹会議、年度内に開かれるということ、これも一点だけ、これはもう年度内に開かれるということで確定でよろしいですか。

金子国務大臣 これも未定であります。今後、御相談しながら検討していきたいと思っております。

馬淵委員 いずれも未定であるということの答弁をいただきました。今後もしっかりと、また国会の中からの監視ということを高めていきたいというふうに思います。金子大臣、ありがとうございました。

 済みません。昨日、甘利大臣並びに谷総裁、時間をとっていただきましたのに質問できませんでした。大変申しわけございませんでした。本日、公務員制度改革につきまして質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、二月三日でございますが、国家公務員制度改革推進本部におきまして、いわゆる工程表が決定をされました。内閣人事・行政管理局、仮称でございますが、これを平成二十二年の四月をめどに設置するとされたわけであります。これに伴って、総務省と人事院そして財務省、これらの給与や定員、機構に関する部署が移管されることになっております。

 この移管される部門でございますが、これはもう何度か出ておりますけれども、済みません、大臣、御答弁をお願いしたいんですが、具体的な部署でございます。総務省、財務省、人事院と挙がっておりますが、具体的には、移管される想定となっている部署ということで、これも端的でお願いできますでしょうか。

甘利国務大臣 主に、総務省からは人事・恩給局の、恩給はありませんけれども、それから行管局の仕事。それから人事院からは、級別定数、給与局給与二課の仕事。それから財務省でいいますと、総人件費の基本方針とか人件費予算の配賦方針の企画立案、総合調整機能というところでございます。もちろん、それ以外に内閣府の中にあるもの等々、それをまとめるということであります。

馬淵委員 総務省、財務省、人事院ということで、人事院からは給与二課というのを明確にいただきましたが、もちろん、ごそっとその課が来るということではないということで、組織の名前を挙げにくいということだったのかもしれませんが。

 では、改めてお伺いしますが、総務省からは定員総括担当管理官、こうした役を負っている方の機能が移ってくるということと、財務省では給与共済課で担っていた機能が移ってくる。この二点に関して確認です。それでよろしいですか。

甘利国務大臣 財務省について言いますと、事実上そうであった機能だというふうに理解をしております。(馬淵委員「総務省もそれでよろしいですか」と呼ぶ)

 総務省は機構・定員管理機能であります。それが行管局ですね。それから、行管局に関しましては、行革機能を伴って移管するということになります。

馬淵委員 定員総括担当管理官の担われた機能も移るということでよろしゅうございますね。ちょっと今答弁から漏れたようでございますが、今うなずいていただきました。

 財務省の給与共済課、そして人事院給与二課、総務省からは定員総括担当管理官、こういった方々が担っていた機能を移すということでございます。総務省、財務省そして人事院担当部局、これらの機能を移すということでありますが、逆に言えば、この三部局が現行で給与やあるいは人事機能というものを担っていたということであります。

 さて、人事院の給与二課並びに総務省の行政管理局定員総括管理官、これらのポストについて確認をします。これはもう事務方で結構でございます。

 まず、総務省行管局の定員総括管理官、こちらのポストの方は、どちらから出向された方、どちらの府省の方でしょうか。いつからということも踏まえて、簡単に御答弁ください。

田中政府参考人 お尋ねの、いわゆる定員総括担当管理官でございますけれども、すなわち、行政管理局管理官が八人いる中で局長から定員総括という職務命令を受けている者でございますが、現在、財務省の出身の方でございます。

 それで、歴代どうであったかということでございますけれども、私どもの前身組織となります総務庁及び行政管理庁時代を含めまして、先ほど申し上げました定員総括担当の職務命令を受けていた方、当省の記録で確認できます限りで申し上げますと、昭和四十四年以降となっております。

 以上でございます。

菊地政府参考人 人事院の給与第二課長でございますけれども、昭和二十八年四月以降、歴代、大蔵省、財務省からの出向者が就任しております。

馬淵委員 今確認させていただきましたが、総務省の定員総括管理官においては、四十四年、確認できるとき以来ということですが、大蔵省、今の財務省からの出向なんですよ、これはずっと歴代。そして、人事院の給与二課長も、これは発足以来、二十八年四月以来、大蔵省、財務省ということで、お手元の資料には一、二、三と、これはお配りをしておりますけれども、このように、要は財務省の出向者なんです。そして、財務省は、先ほど申し上げた給与共済課長がいらっしゃいます。

 そして、年次、ここはもう細かいことは申し上げませんが、極めて近い年次で、財務省の給与共済課長と定員総括管理官と、さらには給与二課長が連携をとられるような形になっています。時には財務省の方々の一級先輩であったり、あるいは一級後輩であったり、しかし、極めて近い年次で、順繰り順繰りに財務省の職員の方が人事院と総務省に出向されているんですね。

 つまり、今まさに内閣人事局構想の中で移管しようとする機能そのものが財務省の方々で占められている、この事実がございます。実務が財務省によって占められているわけであります。

 とりわけ、人事院の給与二課の所掌事務というのは、これは人事院規則の二―三で、「給与についての法令の実施並びにその実施に必要な基準及び手続の制定に関すること。」として、いわゆる職務の級、級別定数の設定及び維持管理に関することとされております。給与基準と級別定数はここで決まります。

 ここで決まる級別定数、給与基準、さらには人事院規則の九―八、初任給、昇格、昇給等の基準、これは通称、役人の皆様方の中ではキューパー、キューパーと呼んでいるものでありますが、この中では、いわゆる級別、十の級に分けて、それぞれ皆さん方の、お勤めになられている方々の職務の級を定めていくわけですが、このキューパーによって、すべて経験年数によって格付のような形が行われます。これは年功序列の硬直化した人事制度の源泉となっている、このように思われます。こうしたキューパーは、人事院の中で、人事院の給与二課で、まさにこのキューパー、人事院規則九―八もつくられるわけでございます。

 このように、客観的事実として見れば、いわゆる財務省支配と呼ばれるような、硬直化した人事制度そのものは旧大蔵省、財務省の人事支配によって行われていると言えるのではないか、このように見受けられるわけであります。

 そこで、これは与謝野財務大臣、済みません、細かな通告をしておりませんが、お聞きいただいていて、こうした状況についてどのようにお感じになられますでしょうか。

与謝野国務大臣 総務省に出向した人は総務大臣の指揮下に入り、人事院に出向した人は人事院総裁の指揮下に入るわけですから、財務省のコントロールとお考えになるのは少し行き過ぎだと思っております。

馬淵委員 まさにここは、これから議論していかなければならないところなんですが、結局、本省に戻る、いわゆる本国ありですよ。出向している状況の中で常に本国を見ながらということですから、その指揮命令系統の中である程度影響を及ぼすことも、これは無理からぬことです。

 したがって、こうした仕組みを改めるために、まさに今、内閣人事・行政管理局という設置が求められているわけであります。この議論というのは、こうした財務省の支配、私が申し上げるのは、これは現に事実として出向者が占めてきた、このことを変えていかねばならないということが根底にある、私はそう感じております。

 さてそこで、こうした状況の中で、与謝野大臣は影響ないんだというふうにおっしゃっておりますけれども、国民の皆さん方はそうは感じないのではないかと思うんですが、いずれにせよ、甘利大臣のお話にもありましたように、今機能の移管ということを検討しております。そして、人事院の中で、先ほど申し上げたように規則というものは人事院の給与二課で決められていくわけでありますが、これはいずれも国会のガバナンスというものが全くかかわってまいりません。人事院規則というのは人事院の中で決定をしていくわけであります。このように、国会のガバナンスがきかないところで物事が進んでいく。

 こうした状況で、今回、工程表でようやく内閣人事局、さらには行政管理局という名前もつくわけでありますが、新たな制度にしていくということであります。

 そこで、甘利大臣にお尋ねしますが、この中にやはり財務省からの出向も含めたこうした陰の支配というようなことを懸念されるわけでありますが、これはもちろんこれからの議論だと思いますけれども、こうした財務省支配をいかに排除するか、あるいはそのようにとられないような仕組みというのを甘利大臣自身はどのようにお考えでしょうか。これも端的にお願いいたします。

甘利国務大臣 機能が移管されることと、そっくりそのままの人事構造が移管されることとは別だと思っております。これは、政治主導で内閣官房長官、内閣官房長官は総理の権限の委任を受けている者であります、そこが内閣人事・行政管理局の長として政治主導で行っていくということであります。

馬淵委員 機能の移管ということでありますから、大臣の今のお話であれば、このような過去、それこそ四十四年、あるいは二十七年ですか、長きにわたっての財務省の出向者を受け入れていたこうした仕組みを、この新たな組織、仕組みの中では踏襲しないという御決意だと受けとめてよろしいですか。端的にお答えください。

甘利国務大臣 もちろん、適材適所でありますから、適任の者をどう使うかということだと思います。

 私が申し上げるのは、一〇〇%イコールでそっくり人が異動するということではない。機能は移管しますが、人の移管はいずれにしても適材適所で行うということであります。

馬淵委員 適材適所という言葉でずっとまた変わらず財務省出向の職員に占められるというようなことがあっては、やはり国民の目から見て疑念を持たれるのではないかということを申し添えたいというふうに思います。

 さて、その移管でございますが、今議論となっているのは、移管するもとである人事院の方であります。

 この十月二十日でございますが、給与二課の権限を含む機能の移管につきまして、これはお手元には配っておりませんけれども、人事院事務総局企画法制課から改革本部の事務局に出された一枚のメモがございまして、ここには、内閣人事局による幹部職員等の任命権の一元管理や国家公務員人事管理の説明責任については、人事院の事務や機能とかかわるものではないと考えますので、念のため申し添えますとの文書が発出されております。これは人事院から本部に出ているわけですね。

 そしてこれは、当時、これが出た後、甘利大臣、あるいはきょうお越しいただいています谷総裁、人事院の機能の移管について本部とそして人事院との中でそれぞれの言い分があったというふうに記憶しておりますが、人事院の業務が内閣人事局への統合の対象にならないとみずから宣言しているともとれるような文書の発出でございます。

 そこで、人事院総裁にお尋ねをしますが、仮に、この統合の対象にならないという、いや、そういう意味ではないんだという御答弁もあるかもしれませんが、いずれにせよ、人事院については、谷総裁がいろいろな場で、またこの当委員会でもお話をされておりまして、労働基本権制約の代償措置機能を担う中立第三者機関である人事院が所管する必要があるということを、級別定数機能についてこれをおっしゃっておられます。これについて、その根拠、改めてでございますが、お答えいただけますでしょうか。

谷政府特別補佐人 お答え申し上げます。

 級別定数の移管の問題でございますが、級別定数は課、係等のポストを決めるものではございませんで、それぞれの職務を行う職員の給与を決めますために、各府省ごとに俸給表の級別の適用職員数を示すものでございまして、各任命権者がこれを踏まえて個別の職員の給与の級の格付を行って、給与を決定しているものでございます。この工程表におきましては、級別定数の設定主体を、人事院から、使用者でございます内閣人事・行政管理局に移管することとされております。

 このようにいたしますと、俸給表の何級を職員に適用するかの基準を使用者が決定するということになるわけでございまして、労働基本権制約のもとで給与制度の運営に全責任を持つこととされております人事院といたしまして、責任を持って給与制度を管理運用することができなくなるわけでございます。代償機能が損なわれるということになると考えます。また、使用者によって級別の在職者数が変えられるということになりますれば、人事院勧告が予定いたしております俸給表の改定効果を変化させ、その結果、人事院勧告制度が形骸化するおそれすらあるわけでございます。

 さらに、最近におきまして、各ポストの格付を府省横断的、弾力的に行うために級別定数が必要だという御説明をなされているわけでございますけれども、ポストの新設、改廃を横断的、弾力的に行うことは、現在でも組織管理によって十分可能であるわけでございまして、これまでも総務省行政管理局で行われてこられたはずのものだと承知いたしております。さらに、必要がございますれば、課等のポストを業務の軽重等によりまして細分化をいたしまして、それぞれ重みづけをすることも可能なわけでございます。

 そういった組織管理を超えまして、職員の処遇の基準を府省横断的に変動させるということとなりますと、そのような各府省の業務、業績を比較考量するような評価の仕組みが全く明らかでないだけではございませんで、現在人事院が行っておりますラスパイレス方式によります官民比較のあり方そのものとどのように整合するのかという基本的な問題が生ずるおそれもあるわけでございます。

 国家公務員に対する憲法第二十八条に規定いたしております労働基本権の制約の合憲性につきましては、全農林警職法事件に係ります最高裁の判例におきまして、基本権の制約に当たり、これにかわる相応の措置が講じられることが必要であり、勤務条件を詳細に法律で定めておりますこと、それから中央人事行政機関でございます人事院を設けて、人事院に給与等の勤務条件について国会及び内閣に対する勧告を義務づけることが代償措置の中核とされているところでございまして、したがいまして、現状の労働基本権の制約が存在いたします間は、代償機能を担う人事院がこれを管理する必要があると考える次第でございます。

馬淵委員 随分長く御答弁いただいた、短くで結構でございます。

 今いろいろ、るる述べられましたが、いわゆる労働基本権の代償措置機能ということで、これについては最高裁の判例がある、全農林の判例だというお話でありました。

 お手元には、資料五でございますが、これは最高裁の判例の抜粋でございます。アンダーラインを引いております下の方、何が書いてあるかというと、最高裁では、いわゆる人事院の労働基本権制約の代償措置については、一つ目が、いわゆる法定された勤務条件、この勤務条件の法定、国会によって法律で定められる、これが代償機能であるということ、そして二点目が、国会及び内閣に対する勧告または報告の義務であり、三点目が、これはアンダーラインの下の方にありますけれども、審査請求とございますが、いわゆる不服審査の請求の保障、この三点なんですね。

 全農林の最高裁判決というのは、この三点について人事院が代償措置として認められるものであって、勤務条件を定めることということは一切述べられておりません。これについて、内閣法制局長官、きょうお越しいただいておりますが、最高裁判例では人事院が勤務条件を定めるとまでは述べていないという解釈、これについて御答弁いただけませんか。短くお願いします。

宮崎政府特別補佐人 お答えいたします。

 お尋ねの全農林警職法判決、最高裁の四十八年四月二十五日の判例でありますが、公務員の労働基本権を制約するためには、代償措置、これにかわる相応の措置が講じられなければならないというふうに述べまして、具体的には、おっしゃるとおりの三点が述べられております。

馬淵委員 今の三点がこの最高裁判決の趣旨だということで答弁をいただきましたが、人事院は一方でそうではないと。ある意味、踏み越えておっしゃっているように私には聞こえます。

 そこで、昭和三十六年なんですが、お手元の資料の六でございますけれども、これは公務員制度改革推進本部の事務局から得た資料でありますが、昭和三十六年に国家公務員法の改正というのを当時行おうとしました。左の上の四角には、国家人事委員会と書いてありますが、ここは人事院の間違いだそうです。

 これはどういうことかというと、今の議論と同じなんですね。昭和三十六年当時に、人事局というのを総理府の内局として設置して、そこにいわゆる任用、給与の問題も移そうとしていたわけです。

 ここを見れば、三十六年、三十七年、三十八年と、三度も国会に提出するも、審議未了、廃案となったわけでありますが、法制局長官、この三十六年の改正法案というのは、当然ながら法制局において憲法との整合性も確認したということでよろしゅうございますか。端的に。

宮崎政府特別補佐人 お答えいたします。

 お尋ねの、昭和三十五年から三十八年まで国会に提出されました国家公務員法の一部を改正する法律案は、内閣提出法案でございますので、当局が審査を行った上で国会に提出されたものでございます。

馬淵委員 今法制局の確認もいただきましたが、このように、内閣としては少なくとも憲法との整合性も確認しながら閣法として提出をしてきた経緯がございます。今回も同様でございます。

 こうした状況の中におきながらも、人事院谷総裁、先ほどのお話でありますと、憲法とのお話、これは谷総裁が、憲法にかかわる問題、あるいは、これも二月十七日の当委員会では、「抵触する可能性を含む」とまで言及されております。

 谷総裁、今内閣法制局の見解も、また三十六年のお話もしましたが、総裁の方から抵触する可能性まで言及されております。これに対して、私は、これはかなり踏み込んだ、行き過ぎた見解ではないかというふうに思っておりますが、御答弁いただけますか。端的にお願いします。

衛藤委員長 簡潔に答弁をお願いします。

谷政府特別補佐人 三十六年の後に四十八年の警職法事件がございました。その判決の内容については、法制局長官の御答弁がございまして、私も、直ちにこれが憲法に抵触すると申し上げたことは一度もございません。

 しかし、給与につきまして国会に勧告させていただく、それは、基本的には法律で基本を決めるべきことだからでございまして、それを受けまして、具体的な内容についても人事院がかかわりますのは、実際に労使にかわりまして給与その他の勤務条件を決めますには、やはり第三者であるものがそれにかかわらなきゃならないということがあると思っております。

 しかし、このような人事院制度の仕組みの中のどの部分をどのように変更いたしました際に憲法の趣旨にもとることになるのかどうかは最終的には最高裁の判断でございまして、私どもは、それはそんたくする以上のことはできないわけでございます。しかし、この級別定数は非常に重要な勤務条件の一部でございますし、給与決定の裏表の関係でございますので、このことを移管しますと機能が著しく低下することは事実である。したがって、慎重な御判断が必要だという趣旨でございます。

馬淵委員 今のお話、可能性を踏まえただけで、最高裁しか判断できないとおっしゃっていますが、少なくとも内閣が判断をして出してきた例もございますし、法制局長官の中では、全農林最高裁判決もこの三点のみに人事院が持つ権能というのは定められる、このような答弁があります。

 甘利大臣、谷総裁はこのようにおっしゃっておられますが、やはり私は、内閣人事・行政管理局、しっかりとこれを議論しなきゃならぬと思っております。こうした人事院総裁の御意見もございますが、ぜひ甘利大臣にはこれを答弁いただきたいんですけれども、今後の進め方の決意。

 そしてもう一点、国家公務員法の、工程表が出ましたが、労働基本権の問題を谷総裁はおっしゃっておられますけれども、この労働基本権、単にこの工程表どおりやるという話ではなくて、この労働基本権の定めがなければ、これの議論が進まなければ、一方で内閣人事・行政管理局の機能の問題というのは踏み込めないということも十分ありますので、この労働基本権の問題も踏まえて、二点、お答えいただけますでしょうか。それで私の質問を終わります。

甘利国務大臣 まず、この基本法は、労働基本権の問題が現状のままでできることは何かということ、それから、労働基本権の問題については、与野党、修正協議の方向に従って検討して結論を得るという二段階になっております。

 問題になっております級別定数管理機能が使用者側が深くかかわる機能か、それとも労働側が深くかかわる機能か、あるいは両者がかかわるのか、この判断だと思います。

 級別定数機能、基本法で言う、その目的の中に、時代の変化、世界の変化、経済環境も変化する、そういう中で、それに対応し得るような公務員の制度を構築していくということが課題なんだ、それを担う人材を育てようということなんですね。

 ということは、時代の変化によってポストの重要性は変わってくるわけであります。そこで、昔はこれは重要だったけれども今はこっちの方が重要だ、その位置づけをちゃんとしよう。つまり、内閣側ができるかどうかなんですね。ところが、これは勤務条件だと言い張るのが、あの人事院です。

 ここの人事院の年次報告の中に、級別定数とはと書いてあります。彼らが書いているものです。「具体的には、毎年、行政需要の増大及び行政の複雑・多様化等に伴って個々の職務の価値が変化することに対処することを基本にし」、つまりこれは、行政需要の変化によって重要度がいろいろ変わるじゃないか、その位置づけをするんですと自分で書いておきながら、勤務条件だと。勤務条件がないとは言いませんよ。ポストには給与がついてきますから、当然、勤務条件の部分もあります。しかし、主は、言ってみれば、企業でいえば経営判断であり、組織、人事管理の問題なんですよ。そこをすべて勤務条件の問題だと言い張っているのが人事院であります。

 基本権の部分は、今、労使関係検討委員会において審議をしていただいております。できるだけ早く結論を出すようにしていただいています。工程表は基本法を加速させておりますけれども、しっかりこれに沿って取り組んでいきます。

馬淵委員 ありがとうございます。

 労働基本権の部分も置き去りではこの問題は解決しませんので、それをしっかりと申し上げて、時間となりました、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

衛藤委員長 これにて馬淵澄夫君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 いよいよ年度末を迎える今、雇用問題とともに、全国の中小企業の経営はとりわけ深刻であります。私自身、この間、東京商工会議所、東京中小企業家同友会、東京商工団体連合会などから話を伺いました。また、大田区など、現場にも直接足を運んでまいりましたが、どこでも、景気の悪化がジェットコースターだ、気が狂いそうだ、暇疲れというのがわかりますか、存亡をかけた事態だという声が共通して上がっておりまして、政治に対する、政府に対する厳しい注文の声を聞いてまいりました。

 そこで、まず与謝野大臣に伺います。

 先日も、昨年一年間の自殺者が三万二千百九十四人と十一年連続で三万人を超えて、その中で、経済的な問題による自殺がふえ、生活苦や事業の不振によるものが一昨年の二倍以上にふえている県もあるということであります。東京でも、売り上げ減が原因で先行きを絶望した業者の方々が相次いで自殺されたという話を伺いました。

 中小企業の倒産は昨年一年間で一万五千五百二十三件にも上り、東京都で最も中小企業が多い大田区では、工場が五社入ったある工場長屋でも三社が廃業いたしました。工場長屋というのはお互いが関連し合った業種が入っておりまして、その一つでも廃業すると全体に影響が及んで、ほかの工場も立ち行かなくなる。まさに一刻も猶予のならない事態だと思います。

 そこで、与謝野大臣、年度末に向けて、このままでは事態がもっと深刻になるとされておりますが、我が国の中小企業が次々と倒産、廃業に追い込まれて立ち行かなくなるということが、我が国と我が国経済にとってどういう事態をもたらすというふうに認識されているでしょうか。お答えください。

与謝野国務大臣 日本の経済にとって中小企業というのは極めて重要であって、雇用の例をとりますと、日本で働いている方の七割の職場は中小企業である。この一つの例をとっても、中小企業の存在が日本の経済にとっていかに重要かということがわかると思います。

 また、中小企業は日本経済の活力の源泉であって、こういう不況を迎えた日本経済でございますけれども、その中にあっても、政治はできるだけ中小企業政策に力を入れてやっていかなければならない。中でも、資金繰りに苦しんで、業自体は上手に経営されているのに、資金繰りで行き詰まるというような理不尽なことは絶対起こらないように、心を尽くして政策運営をやっていかなければならないと考えております。

笠井委員 今大臣も言われましたが、まさに日本経済の主役が中小企業。企業数で見ても全企業の九九・七%ということでありますので、こうした中小企業が立ち行かなくなるというのは日本経済に大きな打撃でありますし、物づくりが崩壊するとなれば、これは本当に取り返しがつかないことだと思います。

 二階経済産業大臣、大臣もやはり同様な深刻な認識をお持ちだと思うんですが、政府自身、今日の事態を百年に一度というような危機と繰り返し強調されてきました。したがって、年度末に向けて、中小企業の経営と、経営者、従業員、家族の生活を守っていく上でも、それこそこれまでにやったことがないような、あらゆる実効ある措置をとる必要がある、そういうことでよろしいわけですね。

二階国務大臣 今議員御指摘のように、中小企業にとっては、今日のこの不況というものは深刻の度は極めて大きなものがございます。

 したがいまして、私どもは、中小企業の資金繰りということを考えて、先手先手に今まで手を打ってまいりました。しかし、その融資だけで経営のめどが立つかというと、先ほど来議員も御指摘になっておられたように、仕事がなくなってきた、仕事が欲しい、こう言われることが現場の認識でございます。我々も時々現場にお伺いして、そういうことをつぶさに感じております。

 そこで、百年に一度だから、かつてやったことがないような対応を講ずるように、こういう御指摘であろうと思いますが、我々も認識を同じくしております。懸命の努力をして、中小企業の皆さんが倒産から逃れることができるようにということで今日まで手を打ってまいりました。

 融資の額等については、既に御案内と思いますが、念のために一言申し上げておきますと、緊急保証は、件数で三十一万四千件、金額で六兆九千億円に及んでおります。セーフティーネットは、六万六千件で八千億円であります。したがって、これを合計しますと、三十八万件、七兆七千億円、こういう状況に相なっておりますが、これでもまだ十分ではなかろうと。

 これに対して、今後の対策、いわゆる年度末に対してどうするか、もう一段の対策を考えなくてはならないということを真剣に今思い悩んでおるところでございます。

笠井委員 資金面の問題でいいますと、中小企業に対する貸し渋り、貸しはがしの先頭に立っているメガバンクに対する緊急の指導、是正は一刻も猶予がならないと思いますし、今大臣おっしゃった緊急保証制度にしても、全業種対象でないために、まだ借りたくても借りられないという現実があります。

 もともと原油、原材料価格の高騰に対応するということで設けられた制度であって、それ以降、想定外と政府が言われた事態が起こったわけですから、総理自身も、ほとんどすべての業種が影響を受けている、そういう可能性が高いというふうに答弁されたので、この際、やはり全業種対象にすることも含めて検討するということにしていただきたいと思っております。そして、実施していただきたいと思います。

 その上で、私がきょう取り上げたいのは、この景気悪化のもとで、大企業による、一方では派遣切り、非正規切りと並んで重大な問題になっている不当な下請切り、下請いじめをどう緊急に是正するかという問題です。今、全国で、製造業の下請事業者に対する親企業からの一方的な受注減、単価切り下げが蔓延しております。

 私、ここに、大田区が最近行いました「中小企業の景況」という平成二十年度第三・四半期の調査結果を持ってまいりましたが、ここに、製造業、それから小売も含めて、それぞれ回答とあわせてコメントというのが一覧で出ております。これを見ますと、受注がない、仕事がない、あったとしても、取引先からの値下げ要請が厳しくて、当社の限界まで下げたが転注された、親会社からの値下げ、いつまで仕事ができるか、全取引先の受注減に伴い、売上額の減少状態という声であふれております。

 そこで、二階大臣、親会社たる特に大企業などが、下請に対して景気がいいときにはコストダウンを要求しながら、そしてそれをてこにして、それを武器にしながら輸出をぐっとふやしてきた。そして、外需依存の体質をつくってやってきました。それが失敗して、この今の事態の中で、景気が悪くなって経営がなかなか大変となってきた途端に、今度はそれを口実にして、さらに下請に対する単価を切り下げたり、仕事そのものさえ、一方的な契約変更までしてばっさり切ってしまう。

 まさに、派遣切りと同じような事態がこの下請との関係で横行している。こういう横暴を許していいのかと思うんですけれども、大臣、このことをどう思われておりますでしょうか。

二階国務大臣 おっしゃるように、今一番大事な問題は、中小企業を守るという点から、下請代金の支払い遅延防止法、これをフル活用して、大企業の皆さんにも厳しく協力を要請しておるところであります。

 特に、経済産業省では、書面による調査、申告等をもとにして、問題のありそうな親事業者に対する立入検査等を積極的に対応しておりますし、事情聴取、改善報告書提出を要求するとともに、悪質な下請代金法違反を行った企業に対しては措置請求を行うということなど、下請代金法の厳格な運用に努めております。具体的には、平成二十年度上半期には四百三十三件の立入検査を行いました。親事業者に対し、約九億七千万円を返還させたところであります。

 これ以外にも、未然防止のために、親事業者の調達担当者を対象にして下請代金法の講習会なども開いております。本年度は、補正予算を活用して、経営者を対象としましたトップセミナーを約百カ所で実施しております。これなどは、先ほどお話しのとおり、いまだかつてやったことのないようなことを今親企業に対しても要求しておりますし、別途経団連に対しても、私自身、強く要請して、もしこういうふうなことを繰り返す企業があれば公表させていただくということを申し伝えております。

    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕

笠井委員 今、手だてを講じられていると言われて、立入検査四百三十三社と改善指導九百五十六件ということも言われましたけれども、やっていることは大事なんですけれども、過去、多いときを見ますと、十年前は立入検査で二千八百三十五件、改善指導で千九百八十八件ということで、その後、事態が深刻になっているのにどんどん減っているという現実もある。ここは、これまでの取り組みで十分かということは真剣にやはり政府、経済産業省としても振り返っていただいて、強化していただかなきゃいけないと思います。

 例えば、今現実でいえば、大田区のある自動車部品の下請企業では、昨年十二月に十五万個の部品の受注があったのに、一月には四万個に減る、二月にはゼロになって、このままでは廃業しかないと。もうこれは本当に部分の話じゃないです。

 そして、たとえわずかな発注があっても、材料費の方はやはり高いですから、そういう点でいうと、単価は極端に切り下げられて、しかし、それでもないよりましということで受けざるを得ないということがあります。見積もりを出しても、この額が親から見て高いとなると、これはもう一回こっきりで、再見積もりするようなことがあるんだったら、いや、ではもうほかだということで交渉の余地なし、こういう事態が全国至るところにあります。

 大田でも、一月に月商が三万円ちょっとということで、金属加工の方がいらっしゃって、不安で眠れないでうつになってしまったということも伺いました。三菱自動車関連でも、あるところですが、これは東京以外ですけれども、親企業による約束単価の一方的引き下げなどによって代金が数千万円も減額されたと。まさにこういう形で、全国至るところにそういう事態があるわけであります。

 したがって、そういう問題でいいますと、下請の側から見ればなかなか物が言えない。言っちゃったら、そして訴えたりしたことがわかったら、途端に、文句があるんだったらほかへ行きますよというふうに切られてしまうということがあるわけですから、だからこそ、政治の役割、行政の役割、親企業にとりわけ厳格な指導、監視、監督が必要なんだと思います。

 そこで、公正取引委員会に伺いますけれども、この間、具体的には、昨年度と、今年度はまだ途中だと思いますが、下請取引の不公正問題について、下請の事業者からの申し立て、申告のあった件数というのは何件になっているでしょうか。

竹島政府特別補佐人 お答え申し上げます。

 平成十九年度の下請法違反被疑事件にかかわる申告件数でございますが、百四十五件、それから二十年度は、四月から十二月までですが、それで百九件でございます。

笠井委員 やはりこれは、下請業者としては言いにくいということを現状反映しているとまさに思うんです。まさに、制度はあっても申告しづらい。だから行政の役割が大事だと思います。

 公取委員長にさらに伺いますけれども、中小企業庁と公正取引委員会が分担をして、私、公正取引委員会の様式の書面、調査の用紙を持ってきましたけれども、こういう形で、親事業者と下請事業者に対して書面調査をやるということになっていますけれども、この調査の対象となり得る親事業者と下請事業者の数というのは、合わせてで結構ですけれども、何社ぐらいになるか、そして、そのうち親事業者は何社になるでしょうか。数をお答えください。

竹島政府特別補佐人 お答え申し上げます。

 下請法の対象になる業種でございますが、製造業、それから、五年前の法律改正で新たな適用対象になったいわゆる非製造業、具体的には運輸・通信業及びサービス業ということかと思いますが、この二つについて、私ども、法律改正の時点それから最近の時点で、母集団としてどのぐらいあるのかということを推計いたしましたところ、平成十八年、ちょっとこれは統計が古うございますが、それが新しいものなんですが、製造業者では約二十六万社が親事業たり得る、それから、運輸・通信業及びサービス業では約二十九万社であると思っております。

 ただし、委員も御承知のとおり、下請法の適用というのは資本金で区分してございますので、それによって、これはまさに最大限というふうにお考えいただけばいいんですが、それから絞られてくる。現実に私どもが親事業者に対して書面調査をかけておりますのは、公正取引委員会と中小企業庁が折半いたしまして、全体で十八万社というものを対象にしております。

笠井委員 これらの親事業者、下請事業者に対して、これは中小企業庁長官に伺いたいんですが、書面調査票を発送して調査するわけでありますけれども、今十八万社と言われました、対象となるその親事業者のすべてに対して毎年調査が行われているんでしょうか。これはどうなっていますか。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 今のお尋ねでございます。今、公正取引委員会委員長から御答弁がございました約十八万社でございますけれども、資本金の規模に応じまして、毎年実施する親事業者と、資本金の規模が一定額以下の事業者に対しましては、原則といたしまして四年に一回以上、なるべく一回以上ということでございますから、毎年ではございません。一応、今の目途といたしましては、資本金の規模を五千万円で、これを超えるものを毎年ということで、五千万円以下のものは四年に一回以上ということで現在調査をさせていただいております。

笠井委員 四年に一回以上というのは、いかにも間尺に合わない話になっていると思うんですね。ましてや、こんな時代に今なっております。

 さらに、こうした書面調査によって、その中から検査の対象にすべき対象を取り出して実際に検査を行うことになりますが、中小企業庁と公正取引委員会に端的に伺いますが、それぞれ、そのために置いている専任の下請代金検査官、下請検査官の数は何人でしょうか。

竹島政府特別補佐人 下請法の検査に直接かかわる職員は、本局と地方事務所を合わせまして、平成二十年度で六十四名、それから二十一年度予算に盛り込まれている数は八十二名でございます。

長谷川政府参考人 中小企業庁の関連の部分につきましてお答え申し上げます。

 専任ということで申し上げますれば、本省で十八名、地方局で三十三名、合わせて五十一名ということになります。

 ただ、御存じのとおり、この検査、調査につきましては、時期によりまして繁閑がございます。そういう意味で、限られた定員、与えられた中で職員を機動的に活用するということで、このほか、併任をかけまして、忙しいときにはその資格を持った者を増員して対応しております。

    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕

笠井委員 公取委員長に伺いますが、この体制拡充は長年の課題でありました。

 一九七八年の二月三日の当委員会で我が党の不破委員が質問したときに、当時の橋口公取委員長は、お答えするのがちょっと恥ずかしいのですが、こう言われて答弁した人数が、本局で検査官六人を含む十六人、地方で十人の計二十六人でありました。その当時、中小企業庁でいいますと二十人でありました。

 あれから三十一年たっておりますが、しかも、今の下請取引をめぐる深刻な事態のもとで、この程度の人数で足りているのかという問題であります。二〇〇八年度の六十四人では足りないからこそ、来年度で十八人増員ということで公取は要求されたんだと思いますが、今回の増員の理由はどこにあるのか。

 それから、竹島委員長は、平成十五年の五月ですか、二〇〇三年、参議院の経済産業委員会で答弁されて、当時、この人数の問題について問われて、「やはり実態に合わせて公取の担当職員の数は増やしていかなけりゃいけないと、厳しい定員事情でございますが、引き続き努力をさせていただきたいと。いつまでに何人にするかということは事の性格上ちょっと申し上げかねますが、これからも努力させていただきたい」というふうに言われました。まさに、検査官の体制という問題、その拡充ということは引き続く課題なのかどうか。

 その二点について、端的にお答えください。

竹島政府特別補佐人 委員御存じのとおり、定員事情はこのところ大変厳しいわけですが、その中で、公正取引委員会の定員については特段の配慮をしていただいている、ネット純増の役所にしていただいているわけでございます。下請につきましても、御指摘のとおり大変厳しい状況で、いわゆる下請いじめというようなことが多発するということもありますので、私どもとしては、二十一年度予算に当たりましても、厳しい中で下請について純増をお願いし、今、予算にそれが入っているということでございます。

 今御指摘のような参議院の委員会における答弁、そのとおり私としては努力をしてきているつもりでございます。

 これからも、検査ということはもう最終の手段でございまして、その前に、下請法をいかに親事業者それから下請事業者に理解していただくか、泣き寝入りをする必要はないんだということをいかにわかっていただくかということが大変大事だと思っています。毎年ですが、昨年も十一月、これが下請取引の適正化の推進月間でございまして、それ以降、去年来特段の努力をしまして下請法の普及に努めておるわけでございます。これからも、そういうことで法律の定着に努めてまいりたいと思っております。

笠井委員 二階大臣、今聞いていただいたと思うんですが、対象となる六十万社以上の親、下請事業者に対して公取含めて合わせて百三十三人ということでありまして、これでどうやってこれだけの事態の中で下請の事業者を守れというのかというのは、私は率直にあると思うんです。

 中小企業庁の方は五十一人のままでありますけれども、三十年もたって、まあ前のことも申し上げましたが、しかも対象の下請事業者は当時からすると倍にふえているということなんですけれども、わずかな増員では追いついていけないということは率直にあると思うんです。しかも、親事業者に対して四年に一度の調査、そしてこういう体制ということになりますと、これでは本当に間尺に合わないということになると思います。私が聞き取ったところでは、一度も来ていないよ、そういうものはという話もありました。

 これで本当に、今日の大企業による不当な下請切り、下請いじめを是正することができるのかどうか、そのとおりでできると思われるか、体制を緊急に強化して一斉にすべての親事業者への調査を行う、そして下請検査官も抜本的にふやすべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。

二階国務大臣 中小企業庁等に大変御理解のある御質問をちょうだいしておりますが、だからといって、議員が御指摘のような、数を直ちにふやすことが現在の状況で可能かどうかということも考えてみなければなりません。

 一方で、私たちは、この原因はどこにあるかというと、やはり今日の不況にあるわけでありますから、この不況の打開に向けてまず努力をすることが一つ大事なところであります。

 同時に、議員も先ほどからしばしばお述べになっておられるように、日本の風習の中で、下請の皆さんが親会社に対して意見を申し述べたり、それを訴えたりということに対しては、なかなか風習に合わないところがありまして、みんな非常にその点は慎重であります。

 したがいまして、それだけにもっと役所の方がしっかりとした対応をしなきゃならぬ、こういうことになろうと思いますが、私ども、今まで申し上げてまいりましたように、親企業の皆さんに対する協力の要請、そして下請企業の皆さんに対して、しっかり奮起して、御意見があったらどんどんおっしゃっていただければ、解決の方法について、直ちに親企業と下請企業の関係が悪化することのないような方法でこの問題の解決の方式を考えていかなきゃならぬ、こんなように思っております。

 御指摘のような点については、十分考慮してまいりたいと思います。

笠井委員 十分考慮するということで、ぜひ体制も含めて、私は体制だけで言っているんじゃないんです、きちっと全面的にやらなきゃいけませんが、しかし、これでは余りにお寒いでしょうということであります。

 もう一つ、先ほどもお話がありましたが、下請代金法の第六条にある中小企業庁長官による措置請求です。そういう非常に大事な使命を持っている中小企業庁みずからが、行政執行の過程でつかんだ不正を是正させる権限をフルに使うことが大事だと思います。

 中小企業庁長官に伺いますけれども、過去十年間で、実際に措置請求を行った件数というのは毎年何件になりますか。端的にお願いします。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十二年度一件、平成十五年度一件、平成十八年度一件、平成十九年度一件、二十年度になりまして、今年度はまだ途中でございますけれども、二件措置請求をさせていただいております。

笠井委員 十年間ですから、間、言わなかった年がありましたが、数字を言わなかった年はゼロ件ですからね。そうでしょう。

 それで、過去二十年間で、二件を超えた年はありますか。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 言及いたしませんでした年度は、措置請求をしておりません。

 過去二十年度を通じまして、年度で二件措置請求をいたしましたのは、本年度、平成二十年度だけでございます。

笠井委員 ゼロのときは言わないようにというのはうまくないんですね。本当に少ないんです。

 例えば、かつて、この措置請求でいえば、一九七八年は八十件、その前年は五十九件ということで、それでも決して多いとは言えませんが、この権限を行使した時期がありましたが、今ほとんどやっていないんです。ゼロ件とか、ようやく二件になったぐらいの話なので、さっき大臣、その措置請求に触れられたんですが、実際そういうことを行使しているかという問題があるんですね。

 だから、下請いじめや不公正取引を行ったところに対して厳しく当たる、措置請求もやはり、不必要なものをやることはないですよ、でも、きちっと行使してやる、そしてペナルティーも科して、そういう事例や企業名は公表してきちっと補償もさせる、これをきちっとやらなかったらこういう下請いじめはとまらないと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

二階国務大臣 親企業と下請企業との長い慣習の中から、こういうことに対しては、今から四十年ぐらい前にできた法律でございますが、その間、ようやく今日、このような調査に入ったり、あるいはまた措置請求をしたりということがだんだんとお互いに認識されるようになってきているわけですが、これをさらに強化して、下請の皆さんを守るというのが中小企業庁の大きな役割であると認識して対処してまいりたいと思います。

笠井委員 時間が来ましたので終わりますが、大田を初め、集積しているところはとりわけそうです。ヒアリングもされていますが、ぜひ集中的に、こういうときだからこそ、やはり現場にも来てもらってということで、訪問して下請いじめの実態をつかんでほしい、そして、本当にこれを是正させるために全力を尽くしてほしいというのが共通した声です。そのことをしっかりやっていただきたいと思いますし、私、まだまだ準備しましたので、やはりこの予算をめぐっては引き続き本当に審議が必要だということを痛感しながら、きょうの質問は終わります。

衛藤委員長 これにて笠井亮君の質疑は終了いたしました。

 次に、保坂展人君。

保坂委員 社民党の保坂展人です。

 中曽根外務大臣に伺いますが、私、何度か国連広報センターの経理内容について疑問を呈してまいりました。日本政府が一〇〇%出資をし、信託基金で運営をされているこのUNICの中に、端的に言って、五百万円の定期預金が長期出し入れなく保有されている事実を指摘してまいりました。

 一月に外務大臣は、遺憾だった、そして、この予算請求については一千万円の減額をした、こう述べられましたが、何が問題で、どこが遺憾で、一千万円の減額ということは私の指摘を受けとめてのことなのかどうかについてお答えをいただきたいと思います。

中曽根国務大臣 一月の予算委員会それから先日の分科会でも、私、御答弁いたしたと思いますが、私どもといたしましては、本来このセンターの諸活動のために活用されるべき信託基金の残高の一部が、定期預金として長期にわたって出し入れもなく保有をされていたということは遺憾なことであったと考えておりまして、こういう認識を国連側にも伝達しているところでございます。

 また、既に国連側からの指示でこれは中止されておりますけれども、国連財政手続規則に違反した前払いが行われていたということで、これも遺憾であると私どもは考えております。この点については、国連側に対しまして、前払いに関与したUNIC東京の職員について早期に適切な処分を行うようにと申し入れをしてきているところでございます。

 一千万円の減額した理由でございますけれども、外務省といたしましては、国連広報センターの予算に関する諸般の事情や、また御指摘、こういうものも勘案をいたしまして、UNIC東京に二〇〇七年十二月末の時点で約一千万円の残高が存在していた、そういうことも踏まえまして、限られた財源の中で予算配分について総合的に検討した結果、UNIC東京の活動経費につきましては、平成二十一年度の概算要求において、前年度比で約一千万円を減額して要求するとしたものでございます。

保坂委員 この問題については、さらに細かくいろいろ疑問もありますけれども、大筋、国会での指摘を受けとめたというふうに理解をしました。さらに徹底的な調査もお願いをしたいと思います。

 それでは、話題をかんぽの宿の方に移しまして、議論をしていきたいと思います。

 この予算委員会の中で、かんぽの宿等の一括売却については、何て安く、何てイージーに国民の資産、財産をたたき売ってしまうのか、こういう問題意識が出てきたと思いますが、いろいろ聞いてみると、日本郵政の中にCRE、コーポレート・リアルエステート部門が民営化とともに発足している。日本郵政グループの不動産資産というのは二兆七千億円あるんですね。今回のバルクも、かんぽの宿も一%以下、まだまだ序の口だということです。

 ちょっと資料で配りましたけれども、いろいろ調べていたら、郵政がマンション分譲に乗り出すという記事が載っておりました。後ろには日本郵政のプレスリリースもございますが、これは社宅なんですね。二千五百カ所ある社宅を分譲マンションあるいは賃貸マンションで開発していくんだと。

 これはどう考えたらいいのかなとしばし悩んだんですけれども、片や、かんぽの宿で九カ所の社宅をおまけというか付録のようにつけて売っていく、そして一方においては、都内にある、何か都心には三十カ所社宅があるそうですが、マンション分譲事業へと。こういうことで、これまでの譲渡手続等を見ますと、どうもうまく民間業者側に丸め込まれてしまっているんじゃないかという疑いがあるわけですね。大丈夫なのかと心配なんですが、日本郵政、どうですか。

佐々木参考人 保坂先生今御指摘のマンションの関係でございますが、目黒東山敷地が社宅として利用しなくなったことから、グループ内で他の活用方策を検討してきましたけれども、グループ内の利用がないことが判明したため、敷地要件等をかんがみて分譲マンション事業として活用することといたしました。

 今後、分譲マンション事業につきましては、昨今の市場環境の悪化もございまして、マーケットリスク、建築リスク、近隣リスク等への対応も含めて慎重に検討したいと考えております。

保坂委員 この新聞記事には、大体百カ所の開発予定であるなんて書いてありましたけれども、このマンションについては、同じ時期に、社宅はかんぽの宿のおまけにつける部分もある、一方においては開発だという疑問を持ったんですけれども、東京中郵はJPタワーですか、ということでもう既に始まっているようですし、大阪も梅田の駅の一等地、それから名古屋、札幌と、大規模ないわゆる再開発事業というのに日本郵政が次々と乗り出すということであります。

 どうも戦略的に見ると、郵便の事業がこの先なかなか難しいので、日本郵政は不動産事業、JP不動産として乗り出していくんだと意気軒高ないろいろ戦略文書なども読ませていただきました。

 鳩山大臣にちょっと伺いたいんですけれども、この間、日本郵政のめったに出ないたたき売り物件が格安であるんだけれどもといって、いわゆるたたき売り詐欺というものも、未遂ですが、大阪、近畿であるようでございます。そのぐらい、国民の間には、コスト感覚あるいは商売ということでも、本当にこれは大丈夫なのかという不安があるわけですね。

 ですから、例えば再開発ビルを大型でつくっても、不動産の市況の悪化から、テナントがほとんど思ったように入らない。そうすると、収益還元法か何かでやると、どうももうかっていないから、一万円とは言わないですけれども、このぐらいしか出せませんが早く譲渡しましょうみたいなことになると、郵便が届かないということも結果として将来起こり得るんじゃないか。ここの点、どう考えられていますか。

鳩山国務大臣 私は、日本郵政という会社あるいは日本郵政グループをもっといい会社にするために監督する責任があるんだろうと。このかんぽの宿の問題が出てきたときに、これはひどいと思って、それは皆さんも追及されて、乱脈ぶりというのが明らかになった。

 ところがまた、皆さんもいろいろ追及されたら、郵政公社時代にとんでもないバルク売却をやっているということがわかって、それがまたリーテックだとかレッドスロープだとか、G7―1だとか2だとかSPCの会社があるのか、もう何かめちゃくちゃになってきてしまった。

 ですから、そうなりますと、私としては、公社時代からのものもできる限り調べざるを得ないということになりますし、今、保坂先生がおっしゃった、二兆六千億とか七千億というグループ全体の資産についても、いろいろと目を光らせていなくちゃならないのかなというふうに思うと、本当に、正直言って、何てだらしないことを今までやってきたのかなと非常に悔しい思いがいたします。

保坂委員 もう一回日本郵政の方に戻りますけれども、例えば株が上場された場合に、日本郵政全体がMアンドAなどの、あるいは買い占めとかという対象にもなるんだという議論がなされているようですけれども、これらの、マンション分譲のことについて先ほどお答えいただきましたけれども、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡等の大きな都市の一等地の郵便局の大規模な再開発事業、これは今どういう見通しで行われているんですか。

 そして、私どものそういう懸念を今言いましたけれども、その懸念に対してお答えはありますか。

佐々木参考人 私ども日本郵政グループは、グループ全体として、今、保坂先生御指摘いただきましたように、約二兆七千億円の土地建物の不動産を有しておりますが、大部分は事業用の拠点として現在使用中でございます。事業環境の変化等によりまして未利用となった、利用しなくなった資産の利活用というのは、私どもとしては非常に重要な問題と認識しております。

 その利活用の一つとして、収益力の高い資産を開発いたしまして賃貸や分譲を行うというふうな不動産事業を展開していきたいと考えておりますが、これは、先ほど先生は郵便事業とおっしゃいましたけれども主に郵便局会社ですね、郵便局会社の健全経営を確保してネットワークの維持に資するという観点から、そういうことに取り組んでいきたいと思います。

 具体的には、高度商業地域に位置する東京中央郵便局、大阪中央郵便局、名古屋中央郵便局の駅前分室というふうなところについては、事業化に向けて現在関係者との協議を進めてまいりたいと思っております。

 なお、不動産事業を行うに当たりましては、地域との共生、地域の発展に資することを念頭に行っております。

保坂委員 再び、鳩山大臣、よろしいですか。

 今答弁をしていただいたように、あるいは日本郵政内部の文書を見ると、不動産に対して非常に敏感なんですね。敏感というか積極的に位置づけて、戦略的にこれを転がしていく、むしろ郵便局会社の事業的な柱にしていくんだと、これは意気込みも多少は感じられる。

 だけれども、同じ部門で、この不動産資産を積極的に利活用していこうということを戦略的に目指しているはずの部門で、今回のかんぽの宿の一括譲渡手続がなされたわけですね。結果、例えば世田谷レクセンターですか、こちらの方は七千五百坪あって、雇用はありませんから、日本郵政の社員はいませんから、直ちに取り壊しということを、両社、ホテル運営会社とオリックスの方も大体そういう方向だったといいます。これはまあ外されましたけれども。

 どうも、融通無碍なそういう土地の出し方を見ていると、言っていることとやっていることが極めて矛盾する。本当にこれで大丈夫なのか。では、なぜ、簡易保険の加入者福祉施設だけがそんな採算度外視でいいんだということにはならないと思うんですね。

 この点についてぜひ大臣の見解と、そして、バルクのたたき売り、そして今回の一括譲渡の手続や契約のおかしさ、これは共有している部分が多いと思います。それと、これはまだやり直しがきくと思うんですね、今回のかんぽの宿の問題は。ただ、これから始まる二兆七千億もの資産の、いわゆる日本じゅうの大都市の一等地、そこの再開発ということは、これは失敗したじゃもう済まされない問題だ。この過去、現在、未来、バルク売却やかんぽの宿一括譲渡や、今始めようとしている大開発、ここが、過去と現在のうみがあるならこれをしっかり出して、将来過ちのないようにしていただきたい。この点で、いかがでしょうか。

鳩山国務大臣 規制改革・民間開放推進会議だったか、名前は違っているかもしれませんが、そこで、この公的な宿泊施設のようなものはやめていこうという方針が出されて、郵政関連法案の中で、先ほど川内委員からも質問がありましたけれども、五年以内の廃止あるいは譲渡ということになっていった。

 しかし、その同じ会社がマンションの分譲をやるとしたら、これは明らかに矛盾でして、じゃ、何でかんぽの宿だけは譲渡、廃止と書いたのかと、当然、だれもが、国民がおかしいと。

 官業による民業の圧迫ということであるならば、全く同じで何の違いもないし、そういった意味で、今先生は過去、現在、未来とおっしゃったけれども、これから過去のことも全部きれいに解明していかなければならないし、かんぽの宿ならかんぽの宿で、今後の売却の方針等も決めていかなくちゃならないし、二兆七千億あるという資産もまた、悪いけれども、今までの延長線上でいいかげんなことをやろうとしたならば、これもまた、いろいろ注意したり監督したり、場合によっては認可するしないという問題を提起しなくちゃならないし、厄介なことになったなという思いが正直あります。

保坂委員 最後に一つだけ総務大臣に伺っておきますが、中間報告を近く、来週にもまとめられると。国会にも当然それは開示されることと思いますが、これはいつくらいになりそうですか。

鳩山国務大臣 それはちょっと誤解があるかもしれません。私は、中間報告ということは一回も申し上げておりません。

 段ボール箱の中にぎっしり詰まっておるものをどの程度のスピードで精査できるか、私は確信を持ってお答えできませんが、明らかにわかったことで、こういう問題点が見つかりました、この辺はこうでしたと、国会に報告すべき点を幾つかまとめて、来週の初めにでもお見せできればと思っております。

保坂委員 終わります。

衛藤委員長 これにて保坂展人君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして一般的質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十七日午前九時から委員会を開会し、締めくくり質疑を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時六分散会


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