衆議院

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第17号 平成22年2月26日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十二年二月二十四日(水曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府及び防衛省所管並びに他の分科会の所管以外の事項)

   主査 平岡 秀夫君

      小野塚勝俊君    梶原 康弘君

      松原  仁君    下地 幹郎君

 第二分科会(総務省所管)

   主査 池田 元久君

      奥野総一郎君    三谷 光男君

      渡部 恒三君    山内 康一君

 第三分科会(法務省、外務省及び財務省所管)

   主査 吉田 公一君

      緒方林太郎君    鹿野 道彦君

      城井  崇君    阿部 知子君

 第四分科会(文部科学省所管)

   主査 海江田万里君

      津島 恭一君    長島 一由君

      山田 良司君

 第五分科会(厚生労働省所管)

   主査 伴野  豊君

      岡本 充功君    沓掛 哲男君

      中林美恵子君    富田 茂之君

 第六分科会(農林水産省及び環境省所管)

   主査 山口  壯君

      田中 康夫君    豊田潤多郎君

      森本 和義君    笠井  亮君

 第七分科会(経済産業省所管)

   主査 岡島 一正君

      糸川 正晃君    黒田  雄君

      小泉 俊明君

 第八分科会(国土交通省所管)

   主査 古賀 一成君

      打越あかし君    畑  浩治君

      若泉 征三君    大口 善徳君

同月二十六日(金曜日)委員長の指名で、次のとおり分科員及び主査を選任した。

 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府及び防衛省所管並びに他の分科会の所管以外の事項)

   主査 平岡 秀夫君

      谷畑  孝君    山本 幸三君

 第二分科会(総務省所管)

      町村 信孝君

 第三分科会(法務省、外務省及び財務省所管)

      菅  義偉君    野田  毅君

 第四分科会(文部科学省所管)

      下村 博文君

 第五分科会(厚生労働省所管)

      田村 憲久君

 第六分科会(農林水産省及び環境省所管)

      小里 泰弘君    小池百合子君

 第七分科会(経済産業省所管)

      加藤 紘一君

 第八分科会(国土交通省所管)

      金子 一義君    谷川 弥一君

平成二十二年二月二十六日(金曜日)

    午後三時一分開議

 出席委員

   委員長 鹿野 道彦君

   理事 池田 元久君 理事 岡島 一正君

   理事 海江田万里君 理事 伴野  豊君

   理事 松原  仁君 理事 山口  壯君

   理事 加藤 紘一君 理事 町村 信孝君

   理事 富田 茂之君

      磯谷香代子君    糸川 正晃君

      打越あかし君    小野塚勝俊君

      緒方林太郎君    岡本 充功君

      奥野総一郎君    梶原 康弘君

      城井  崇君   菊池長右ェ門君

      沓掛 哲男君    黒田  雄君

      小泉 俊明君    古賀 一成君

      田中 康夫君    津島 恭一君

      豊田潤多郎君    中島 正純君

      中林美恵子君    長島 一由君

      平岡 秀夫君    福田衣里子君

      三谷 光男君    向山 好一君

      森本 和義君    山田 良司君

      吉田 公一君    渡部 恒三君

      小里 泰弘君    大村 秀章君

      金子 一義君    小池百合子君

      下村 博文君    菅  義偉君

      田村 憲久君    橘 慶一郎君

      谷川 弥一君    野田  毅君

      山本 幸三君    大口 善徳君

      坂口  力君    笠井  亮君

      阿部 知子君    江田 憲司君

      山内 康一君

    …………………………………

   内閣総理大臣       鳩山由紀夫君

   財務大臣         菅  直人君

   文部科学大臣       川端 達夫君

   厚生労働大臣       長妻  昭君

   国土交通大臣       前原 誠司君

   防衛大臣         北澤 俊美君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     平野 博文君

   国務大臣

   (金融担当)       亀井 静香君

   外務副大臣        武正 公一君

   財務副大臣        野田 佳彦君

   防衛副大臣        榛葉賀津也君

   財務大臣政務官      大串 博志君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   厚生労働大臣政務官    足立 信也君

   予算委員会専門員     杉若 吉彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十五日

 辞任         補欠選任

  黒田  雄君     橘  秀徳君

  田中 康夫君     斉木 武志君

  打越あかし君     白石 洋一君

  小野塚勝俊君     高橋 昭一君

  緒方林太郎君     杉本かずみ君

  奥野総一郎君     小室 寿明君

  沓掛 哲男君     石津 政雄君

  小泉 俊明君     柴橋 正直君

  斉木 武志君     山尾志桜里君

  橘  秀徳君     今井 雅人君

  長島 一由君     江端 貴子君

  畑  浩治君     野田 国義君

  森本 和義君     玉置 公良君

  富田 茂之君     高木美智代君

  小室 寿明君     三宅 雪子君

  柴橋 正直君     川口  博君

  白石 洋一君     金森  正君

  中林美恵子君     萩原  仁君

  大口 善徳君     稲津  久君

  玉置 公良君     小山 展弘君

  稲津  久君     古屋 範子君

  高木美智代君     斉藤 鉄夫君

  山内 康一君     柿澤 未途君

  渡部 恒三君     大谷  啓君

  古屋 範子君     稲津  久君

  笠井  亮君     吉井 英勝君

  高橋 昭一君     本村賢太郎君

  野田 国義君     石原洋三郎君

  萩原  仁君     木内 孝胤君

  三宅 雪子君     皆吉 稲生君

  稲津  久君     赤松 正雄君

  石津 政雄君     村上 史好君

  今井 雅人君     阿知波吉信君

  江端 貴子君     福嶋健一郎君

  赤松 正雄君     大口 善徳君

  斉藤 鉄夫君     竹内  譲君

  吉井 英勝君     赤嶺 政賢君

  阿部 知子君     中島 隆利君

  小山 展弘君     森本 和義君

  杉本かずみ君     阪口 直人君

  本村賢太郎君     瑞慶覧長敏君

  山尾志桜里君     大西 孝典君

  中島 隆利君     吉泉 秀男君

  大谷  啓君     菅川  洋君

  金森  正君     打越あかし君

  福嶋健一郎君     長島 一由君

  村上 史好君     玉城デニー君

  赤嶺 政賢君     笠井  亮君

  吉泉 秀男君     重野 安正君

  石原洋三郎君     玉木雄一郎君

  皆吉 稲生君     永江 孝子君

  竹内  譲君     石井 啓一君

  笠井  亮君     高橋千鶴子君

  重野 安正君     照屋 寛徳君

  瑞慶覧長敏君     小野塚勝俊君

  高橋千鶴子君     佐々木憲昭君

  阿知波吉信君     黒田  雄君

  大西 孝典君     田中 康夫君

  川口  博君     小泉 俊明君

  木内 孝胤君     中林美恵子君

  阪口 直人君     緒方林太郎君

  菅川  洋君     渡部 恒三君

  玉木雄一郎君     畑  浩治君

  玉城デニー君     沓掛 哲男君

  永江 孝子君     奥野総一郎君

  石井 啓一君     富田 茂之君

  佐々木憲昭君     笠井  亮君

  照屋 寛徳君     阿部 知子君

  柿澤 未途君     山内 康一君

同月二十六日

 辞任         補欠選任

  緒方林太郎君     中島 政希君

  黒田  雄君     斉藤  進君

  田中 康夫君     山崎  誠君

  大口 善徳君     池坊 保子君

  笠井  亮君     宮本 岳志君

  小泉 俊明君     三村 和也君

  長島 一由君     井戸まさえ君

  森本 和義君     石田 三示君

  池坊 保子君     遠藤 乙彦君

  富田 茂之君     江田 康幸君

  宮本 岳志君     穀田 恵二君

  斉藤  進君     空本 誠喜君

  江田 康幸君     佐藤 茂樹君

  遠藤 乙彦君     大口 善徳君

  阿部 知子君     服部 良一君

  山内 康一君     柿澤 未途君

  井戸まさえ君     櫛渕 万里君

  小野塚勝俊君     仁木 博文君

  中島 政希君     緒方林太郎君

  山田 良司君     中島 正純君

  佐藤 茂樹君     高木美智代君

  柿澤 未途君     山内 康一君

  石田 三示君     森本 和義君

  櫛渕 万里君     長島 一由君

  空本 誠喜君     黒田  雄君

  中島 正純君     山田 良司君

  仁木 博文君     小野塚勝俊君

  三村 和也君     小泉 俊明君

  山崎  誠君     田中 康夫君

  高木美智代君     富田 茂之君

  穀田 恵二君     笠井  亮君

  服部 良一君     阿部 知子君

  岡本 充功君     福田衣里子君

  梶原 康弘君     向山 好一君

  畑  浩治君     菊池長右ェ門君

  平岡 秀夫君     磯谷香代子君

  若泉 征三君     中島 正純君

  小里 泰弘君     大村 秀章君

  谷畑  孝君     橘 慶一郎君

  大口 善徳君     坂口  力君

  山内 康一君     江田 憲司君

  磯谷香代子君     平岡 秀夫君

  菊池長右ェ門君    畑  浩治君

  中島 正純君     若泉 征三君

  福田衣里子君     岡本 充功君

  向山 好一君     梶原 康弘君

  大村 秀章君     小里 泰弘君

  橘 慶一郎君     谷畑  孝君

  坂口  力君     大口 善徳君

  江田 憲司君     山内 康一君

同日

 理事富田茂之君同月二十五日委員辞任につき、その補欠として富田茂之君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 平成二十二年度一般会計予算

 平成二十二年度特別会計予算

 平成二十二年度政府関係機関予算

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

鹿野委員長 これより会議を開きます。

 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿野委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に富田茂之君を指名いたします。

     ――――◇―――――

鹿野委員長 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、集中審議を行います。

 本日は、社会保障等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。町村信孝君。

町村委員 自由民主党の町村でございます。

 きょうは、鳩山総理御出席のもとでの集中審議でございますが、日本国じゅう、日本女子フィギュア選手の活躍に目を奪われて何となく興奮冷めやらぬ中でございますが、集中審議をよろしくお願い申し上げます。

 きょうは、社会保障等集中審議ということで、私も触れますが、二番手に我が党の社会保障の専門家である大村秀章議員が質問に立たせていただきますので、私の持ち時間の範囲内で年金、医療等につきましてお伺いをする予定でございます。

 この予算委員会もだんだん終わりに近づいているわけでございますけれども、率直に言って、私も自民党の理事として、非常に異常な雰囲気の中での委員会であったなという残念な感想を私は持たざるを得ないのであります。

 与党の極めて一方的な委員会運営、総理の出席される集中審議、きょうは二回目というか三回目というかという回でありますけれども、昨年は麻生総理出席、五回もやっております。

 また、私どもが累次要求をしておりました証人喚問も、また参考人招致も、いずれも与党側からゼロ回答でございます。大変問題である、こう思っておりますし、また、さまざまな疑惑解明の資料要求についても、事実上ゼロ回答。

 これが今の予算委員会の姿でございまして、一体国民に対して、政府のみならず、私どもむしろ議会人として、十分な国民のそうした負託にこたえられているのか、こういう内心じくじたるものを持ちながら、私は、鳩山総理の脱税疑惑を初めとして、さまざまな問題について、いわば与党総ぐるみで鳩山総理等の疑惑隠しをやっているという印象を大変強く持っておりまして、民主党の諸君には強く猛省を促したいと考えております。

 そこで、予算全体あるいは社会保障に入る前に、どうしても、予算を出しておられます鳩山総理に、政治と金の問題について、冒頭少しの時間だけ伺いたいと思います。

 二十一日日曜日、長崎の県知事選挙、そして町田の市長選挙がありました。予想に反して民主党の推薦候補は大敗をするという中で、総理は、やはり政治と金の問題が大きく影響したのではないかという御発言をされたと報道されておりますけれども、どういう反省の中からこの発言が出てきたのか、まずお伺いをいたします。

鳩山内閣総理大臣 町村委員にお答えをさせていただきます。

 長崎の知事選、民主党が推薦をいたします候補が残念ながら敗れました。その理由、候補者がすばらしい候補であったにもかかわらず負けてしまったという原因の一つに、やはり私どもの政治と金の問題があったということは否めない事実だ、そのように感じておるところでございます。その一つは、私自身の政治資金の問題でございます。

 この件に関しては、中身に関して改めて申し上げる必要はないかと思っておりますが、いわゆる虚偽記載の問題、さらには母からの資金提供の問題がございました。こういったことが、当然、また納税の時期ということにも重なっているということもあり、さまざま国民の皆様方に、特に長崎の県民の皆様方に、政治と金の問題をもっとしっかりやらにゃならぬ、そのような思いに至ったのではないかと思いますし、また、小沢幹事長の政治資金の問題に関しても、それは影響があったということは事実として認めるべきではないか、そのように思っておりまして、反省の中で、私ども、政治と金の問題に関して、国民の皆様方にしっかりと立ち直る姿というものを見せることが重要ではないかと考えております。

町村委員 大切なことは、立ち直る姿ではなくて、鳩山総理御自身が、あるいは小沢幹事長御自身が疑惑解明の努力をもっとするということなんです。それがなされていないから、国民からああした審判が出るのと違うんでしょうか。

 例えば、一月、参議院において森まさこ議員が、二十年十一月の株の売買の明細を出すようにと要求して、総理は出してもいいと言われた。それを、すぐそばにおられた官房長官かあるいはどなたかがとめてしまった。与党理事もとめてしまった。この明細、総理は今でも出していいと思っておられるんですね。

鳩山内閣総理大臣 森まさこ議員の御質問に対して、そのような思いで申し上げました。その思いは変わっておりません。

 ただ、このルールを若干私が存じ上げないまま手渡しをするようなことはあってはならない、きちんと理事を通してやれということでございましたので、今、参議院の予算の理事会においてしっかりとそのことが処理されるべきではないか、そのように考えております。

町村委員 だから、鳩山総理は出す気があるのかないのかわからないことに加えて、与党が隠しているわけです。ここが重要なんです。与党が全部ブロックするわけです。だから、総理と与党民主党が一体になって疑惑隠しをやっているんだ、こういう印象を国民に間違いなく与えているんです。

 例えば総理は、二月十二日、与謝野議員から平成の脱税王とまで言われた。その中で、母に尋ねていただいても結構だと、多少興奮をしておられたのかどうか、発言をしましたが、この点についてもお考えは変わりありませんね。それも与党理事がブロックするんですか。

鳩山内閣総理大臣 今、町村委員から御指摘ありましたように、ややあのときは興奮ぎみであったと反省をしております。その興奮した理由も、与謝野議員から余りにも事実とは違う御指摘がありましたから、そのことに関して私が興奮をして、それならば事実を母に聞いてほしいという思いを申し上げました。

 ただ、そのことに関しては、もう即、鳩山邦夫議員から与謝野議員のその発言の不正確さということの指摘があったものですから、事実は解明された、そのように私は理解をしております。

町村委員 事実が解明されていたら、ああいう選挙結果にならないんです。ならないんです。ことごとくそうやって、だれかがとめる、あなた自身がとめる。正直言って、総理大臣が余り興奮をされるということは、まあ日本国には核兵器のボタンがないからいいようなものでありますけれども、総理の資質という面で私は大変大きな問題があると思いますけれども。

 例えば、贈与された金銭の使い道であるとか、あるいは総理がお出しになった上申書であるとか、いろいろな資料を全部、総理も反対をされておるんでしょう、そして与党理事がブロックして、こうやって疑惑解明ができないから、いつまでもいつまでも、国民が、おかしい、こう思っているんです。だからこそ、私どもは証人喚問、参考人を要求しているんです。これも全部与党理事がブロックしている。民主党の皆さん方がすべてこういう疑惑隠しの先兵をやっているんだということを私は国民の皆さん方によく御理解をいただきたい、こう思います。

 そして、総理は先般国会で、小沢幹事長に対して、国会でというか、とにかくもっと説明をした方がいいということを促されたようでありますけれども、なぜ、国会に出て説明をしなさいという、代表としての立場で幹事長に対して指示をしないんでしょうか。代表なんですから、部下である幹事長に対して、国会にあなた出て、みずから行って、国会で説明しなさい、何でそういう指示をしないんですか、代表として。

鳩山内閣総理大臣 今、その前に、何でも隠しているという御指摘がありました。

 検察に提出した上申書、説明書でありますが、それは私が提出したものでありますから、本物が残っているわけがありません。提出されたものであります。その概要に関しては私は手元にありますので、それならばお渡ししますよということで、これは記者会見などでもすべてお渡ししたもので、同じでございます。名前などが変わっているという部分でございます。

 また……(発言する者あり)よろしいですか。私の件に関して、何も隠しているというつもりでありません。国会の中で、出すべきものは出させていただきますので、どうぞそこで御判断をいただければと思います。

 小沢幹事長の件に関して御質問がございました。

 私は、小沢幹事長との電話のやりとりの中で、お互いにやはり説明は、国民の皆さんが理解をされていないようだから、その説明のやり方というのはお互いに考えよう、それは本人に任せますと。本人に当然任されるべきものだと思っていますが、国民の皆さんがまだ十分な説明が尽くされていないよということであれば、それはお互いのやり方の中で説明は尽くそうではないか、私は私として、国民の皆様方に自分の知り得る中で正直に申し上げている、そのようなことでございます。

町村委員 総理はそうやって、自分は何でも出す用意があるということで、いかにも私はまじめで正直な人なんですという表現をとりつつ、しかし現実は、与党理事が全部出させないんですよ。幾らあなたがよしんばそう思ったとしても、失礼ながら、総理御自身がそう思ったとしても、与党理事が全部資料は出さないと言うんですよ。どうしてそれが疑惑解明につながるんですか。総理がこれを出しなさいと与党理事に何で言わないんですか。何で総理御自身として……(発言する者あり)だから、委員会がということは与党理事が全部疑惑隠しをやっているんです。それが実態なんです。

 そして、小沢幹事長が、それは記者会見もいいでしょう、どこそこに行ってやるのもいいでしょう。しかし、私どもは国会の場で解明をする必要があると。あるいは、総理御自身の秘書の勝場さんを初めとして、国会の場で必要があると言っているのを、全部与党理事がストップするんですよ。議運委員会であれ、そしてこの委員会であれ、全部ストップしているんです。

 これが実態で、こうした与党と……(発言する者あり)静かにしてください。

 小沢幹事長のこうしたやみ献金とか不動産の疑惑、これも全部資料をストップ、鳩山総理に関する資金の出入り、上申書等々、全部与党理事がストップして、この委員会で何ら解明が進まなかったのは、ひとえに、鳩山総理、小沢幹事長、そして与党理事が疑惑隠しを一生懸命ぐるになってやっているからなのだ、このことを国民の皆さん方によく御理解いただき、私どもとしては、このことをこれからも引き続き追及していかなければいけない、こう思っております。

 それからもう一つ、今回のこの委員会をやっている最中に第三の民主党の疑惑が発生をいたしました。

 昨日の本会議でも同僚の馳議員が申し上げましたけれども、残念ながら、私の地元北海道における教職員組合が裏金で違法な政治献金を千六百万円も民主党の議員に行っていた、このために捜査が二週間前に行われた、そして議員の会計責任者が記者会見等々をやってそれを認めたというところまであるんですね。驚くべきことであります。

 そして、総理、この点は、国民は、学校の先生たちは、忙しい、忙しい、忙しい、だから三十人学級に、二十人学級に、そういう主張をしながら、先生たちは実は裏金をつくり、一生懸命選挙運動を手伝い、こんなことをやって、本当に、忙しい忙しいというのはうそじゃないかなと思いたくもなる。心ある保護者は、学校の先生たちがそんな選挙運動をやっているのといって、改めてびっくりしているんですよ。信頼できる先生たちがそんなことをやっている。学校の先生にあるまじき異常な裏金の献金とか、そうした違法な選挙活動、これは、総理、そのこと自体について異常な姿だとはお思いになりませんか。

鳩山内閣総理大臣 その前に、先ほどの話をもう一度申し上げると……(町村委員「さっきの話はもう締めたからいいです。ちょっと時間がないんです。総理、やめてください」と呼ぶ)いやいや、とんでもないです。そうではありません。そうはいきません。(町村委員「いやいや、いきますよ。ちょっと委員長、とめてくださいよ」と呼ぶ)

 上申書の問題に関しては、私は、検察にお出ししたから手元にあるわけがないと申し上げているわけです。(町村委員「あります」と呼ぶ)検察にはあります。ですから、検察からもらうならば、どうぞそこは手続をやっていただければと思いますし……(発言する者あり)コピーというものに対しては、概要があります。それはお出ししますということで、もう差し上げております。ですから、その問題に関しては問題はないんです。

 使い道に関しても、公判が終わったら、それはきちっと自分自身の政治資金の管理の問題として十分に事実関係を明らかにいたして、そして必要なところはお出しをしますということは申し上げているわけで、何も隠ぺいするつもりはないということを申し上げているんです。

 そして、教職員の問題に関しては、ましてこんな裏金づくりみたいなものがあることは、それが事実であれば、当然許されるべきではないことは言うまでもありません。したがって、これはまさに捜査中の問題でありますから、捜査にゆだねるべきで、私は今どれが事実でどれが事実でないなどというようなことを申し上げる人間ではないと思っておりまして、裏金などというものがもし存在していれば、それは大変遺憾なことだと申し上げるべきだと思います。

町村委員 いや、異常かどうかという感想を聞いているのであります。

 そして、裏金という言葉は、今回裁判になっている北海道の議員の判決で、私も判決を読んで驚きました、実に、五回も六回も組合の裏金という言葉が、第一審判決に裏金という言葉が何度も出てくるんです。だから、これは裁判所が認定をした事実として、労働組合の裏金が民主党議員の活動に充たったということがもう一審の判決で出ているのですから、どうぞひとつ、総理、ごらんをいただきたい、こう思っております。

 そして、この活動は何も北海道だけではないんです。何年か前に、参議院の輿石議員会長の地元、輿石議員会長の出身母体である山梨県の県教組でも、既に有罪の判決が出ているんです。もうこれは日本全国の教職員組合の共通現象なんです。鳩山総理の地元でも、教職員組合が熱心な活動をしておられるんです。

 そこで、私は、大企業の経理がさまざまな形で公開を義務づけられているのと同様に、大きな労働組合、日教組であるとか自治労であるとかいろいろな、官房長官を支援しておられる組合とかいろいろありましょう、大きな組合、こうした大労働組合の経理というものはやはり公開をすべきだ、法律改正をしてでも公開をすべきだ、こう思いますけれども、総理、どうお考えでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 私は、それを公開するという前に、むしろ政治家自身の問題が大きいと思っておりますから、裏金であれ表金であれ、こういった組合からの献金というものを基本的に禁止をするという方向にやはり導くしかないのではないかと思います。

 私どもは、その意味で、こういったことが決して将来起きないように、企業、団体の献金というものを、党というものも、そして個人に関しても、当然、裏は当たり前でありますが、表に関しても禁止するぐらいの厳しいものにしていくこと。一番大事なことは、まずは政治家自身の側にある、そのように考えておりまして、そのための政治資金規正法の強化というものの議論をやはり急がなければならないと考えています。

町村委員 それは政治家自身の問題であることは、すべての法律の基礎です。そのことはそのまま、鳩山総理、あなたにお返しをしたいと思います。御自身のことなんです。小沢幹事長御自身のことなんですよ。人ごとではないんですよ。

 そして、お金ばかりではない、役務提供、人がどんどんどんどん応援に入る等々、こうしたことについて、やはり大労働組合の思い上がり、やりたい放題と、それに支えられた民主党という実態の一端がこうやって出てきたんだということを、これも国民の皆さん方が驚きを持って見ている、こう思いますので、やはり労働組合の経理公開、法改正を私どもは準備をしてやっていこうと思っております。

 そして、最後にもう一つ、政治と金の問題の大きな疑惑は、まさに箇所づけ情報漏えいによる民主党による利益誘導という問題が起きてまいりました。あり得べからざることであります。

 行政の立場上知り得た情報を、だれに見せるのではなしに、まず真っ先に民主党に見せた。このことは、前原国交大臣が遺憾であったという表現をされましたが、この問題が起きてから、既に、官房長官がこの国会で二月四日に、おわびとともに、実情を精査し処分を含めた対処をするという発言をしてもう二十二日たっております。しかし、その後、何の音さたもありません。理事会で再三どうなっているんですかと求めても、何の返事もありません。ただ精査中、精査中。

 一体だれが具体的に精査しているんですか。そして、いつまでにこの精査結果に基づく処分が出るんですか。官房長官、もうそろそろ、三週間以上たったんですから、お答えをできる十分な時間が官房長官にはあったと思うんですが、一体どうなっているんでしょうか。

平野国務大臣 二月四日冒頭、私おわびをしたのは、一部の報道に接したということで混乱、誤解を与えたということでおわびしたことであって、この情報漏えい、利益誘導ということでおわびしたわけではありません。

 その間、この委員会でも再三先生方から御指摘をいただいておりまして、事実確認をして処分を含めた対処をする、こういうことで今日まで参りました。理事の結論に従って、私は、経過を含めて、精査の部分を含めて出したい、このように考えております。

町村委員 まだ何にも答えておらない。いつ出るんですか、お答えください。

平野国務大臣 この予算委員会の期間にお出しをいたします。

町村委員 ということは、与党の皆さん方は、もう来週のこの委員会採決を考えておられるようですが、それまでにお出しいただけるというのが今の答弁ですね。

平野国務大臣 そういう考え方で理事と相談させてもらいます。

町村委員 十分このことは、衆議院、そして参議院、我が党の方で精査をさせていただきます。処分を含めたしっかりとした対応も当然されるべきである、こう思っております。

 いずれにしても、この四つ、代表的なことを書きましたけれども、今や政治とお金のスキャンダルは、鳩山内閣、民主党の専売特許と化しているんですよ。だからこそ、七割も八割もの人が全く説明に納得できないという答えがずっと続いているのは、民主党やら鳩山内閣や小沢幹事長がみずから説明をする、しよう、しようと口で言うだけで、何にも具体的な資料を示すわけでもない、証人を呼ぶわけでもない、何にもやらないからなんです。ただ御理解ください、御理解くださいと言うだけ。これでは国民の疑惑は深まるばかりであるということを申し上げまして、今度は二十二年度予算の問題点について、お話を次に移りたいと思います。

 自由民主党は、既に予算の修正動議を出す準備が十分できました。これは、与謝野代議士、園田代議士あるいは村上誠一郎代議士等が大変工夫をして、これらの方々が中心になってまとめていただきました。きょうは、それをベースにして、二十二年度の民主党の予算案の問題点を明白にしていきたいと思っております。

 一つは、この一番目に書いてありますけれども、数多くのマニフェスト違反が出てきたということであります。ばらまき部分は、マニフェストどおりにやっておられるなと思います。子ども手当であれ、あるいは農家へのばらまきであり、高校の無償化でありということなんです。

 一つずつ伺いますけれども、例えば、先般この委員会で長妻厚労大臣が、年金記録を二年間で集中的に対応します、このために〇・二兆円、こういうことがこのマニフェストに書いてありますけれども、しかしこの二年間はできませんというふうに長妻さんは言われました。そのことは総理もお認めになりますね。(発言する者あり)総理に聞いております。長妻大臣には聞いておりません。もう長妻大臣の答弁は聞いておりますから、総理に聞いております。

鳩山内閣総理大臣 年金記録の問題、これは多くの国民の皆さんも御案内だと思いますが、旧政権のもとで年金記録が極めてぼろぼろになってしまって、国民の皆様方のお年をとられた後のお暮らしもぼろぼろにされてしまいかねない。その中で、だからこそ年金記録というものをしっかりと正していかなければならない。そこで、私どもは、まずは二年間に集中をして、国家的なプロジェクトと位置づけてやりましょうと。

 ただ、それを二年ですべて終えますということは最初から申し上げているわけではありません。集中的にまず国家プロジェクトとして行う。そして、四年間の間で、八億四千万件でしたか、さまざまこれは重複などを見ると五億四千万件程度だというふうに聞いておりますが、それをしっかりと四年の中で全部突合させていきたい、そのように考えているところでございます。

町村委員 これは長妻さんの答弁と違います。二年間で予算を集中的に投入すると言ったけれども、予算が集中的に投入されていないということは、我が党の田村議員が明らかにしたところであります。

 次に、暫定税率の廃止を約束されました。しかし、これにつきましては、何ら、名前を変えただけで、実際には、結局、暫定税率維持されました。

 これについて総理は、この部分については既に謝罪をされたようでありますけれども、この問題について、総理、どうお考えでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 暫定税率に関しては、私ども、さまざまな議論をいたしました。すなわち、暫定税率、私ども、これは廃止をすべきだと。結果として廃止ということにはなりましたけれども、暫定税率の部分は維持をするという結論になりました。

 そして、そのことに関しては、やはり国民の皆さんに、廃止をすると言えば、当然、暫定税率も大きく下がるだろうという期待を持たれた方々に対しては申しわけなかったということで国民の皆さんに謝ったということでございますが、そのいきさつを申し上げさせていただければ、当時、ガソリン税……(町村委員「いや、いいです。時間がないんですから、もういいですよ。結論だけ聞いているんですから」と呼ぶ)ちょっと、私にも答えさせてくださいよ。当然でしょう、答える権利はあるわけですから。そうでしょう。

 ガソリンの値段というものもかつてほど高くなかったということ、また環境の問題もある、そして財源という議論もある、トータルをさまざま議論していく中で、ここは、暫定税率、恐縮だけれども、廃止をするけれども税率は維持をする、ただ、やはりガソリンが今度は急騰するというときのための対処の方針だけはしっかりとつくらせていただくような仕組みにしたということでございます。

町村委員 一項目ずつの経緯を僕は聞いているんじゃありませんので、この後一つずつ聞こうかと思ったけれども、やめました。

 しかし、例えば、税率は維持したんですから廃止できていないんです。名称を変えただけじゃありませんか。それから、高速道路の整備を二年後に一・三兆円で無料化すると言いましたけれども、一兆三千億、マニフェストに書いてありますが、現実は一千億円、十三分の一しか進まない。これは来年やるのか、やらないのか。

 それから、最低賃金を引き上げる、このために必要な中小企業の手当てをする、こういう公約をマニフェストに書いてありますが、それも全く手つかずであります。あるいは、中小企業の法人税率引き下げ、これも全く手つかずでございました。

 あるいは、扶養控除、これは国税だけだと言っていたのに、住民税も廃止してしまった。配偶者控除、廃止せず。廃止すると言っていたのが、実際は廃止しませんでした。これもマニフェスト違反です。あるいは、特定扶養控除、十六歳から十八歳まで縮小しました。これもマニフェスト違反であります。あるいは、後期高齢者医療制度、法案まで出して、すぐ廃止するという法案を出した舌の根も乾かぬうちに、皆さん方が政権をとったら、当分やりませんというふうに、これもマニフェスト違反。これは野党の中でも一体何をやっているんだという声があります。

 こうした形で、数々のマニフェスト違反、私は高速道路の無料化なんかしない方がいい、こう思っておりますし、ガソリンの暫定税率は地球温暖化対策等々から必要だと思っているんですからいいんです。正しいことをやっていることは、結論はいいんですけれども、少なくとも、マニフェストを掲げてやった選挙に、言われたことには相当数多くの違反がありますねということを今回の予算は明らかにしたんだ、こう思います。

 二番目に大きな問題点は、無駄を減らして、そしてさまざまな政策の財源をつくります、こういうことを頻繁に言われました。

 例えば、これは我が党の谷公一議員の質問主意書で、選挙の最中あるいは選挙後も言われ続けた天下りの問題、四千五百の天下り団体に二万五千人が天下りして、国の予算が十二・一兆円流れた、これをなくします、こういう話を言っておられた。ところが、谷議員が去年の十一月に質問主意書を出したところ、政府答弁は、調査に膨大な作業を要し、回答は困難であると。そういう意味で、選挙中言っていたことを全部撤回されたんですね。何でそんな無責任なことを言われたんですか。

 結局、天下りは、齋藤日本郵政株式会社の社長の天下りを認めたから、政府が関与した、役所があっせんをした場合のみを天下りとしたので、新たな膨大な作業が発生するので、こうした数字めいたことを言ったことが全部否定されてしまったわけです。これは大変な間違いだったことをお認めになりますね。

鳩山内閣総理大臣 まず、町村委員に御理解いただきたいのは、国民の皆さんにお約束したマニフェストは、私ども、四年間の間で実現をするというお約束でございます。

 そして、一年目にはこうする、二年目にはこうするということを申し上げてきたわけでございまして、そして、一年目、確かに三兆円程度という状況になったものですから、そこの中でできるものを、先ほど町村委員からもお話がありましたけれども、子ども手当というものをスタートさせる。さらには、農業の戸別所得補償制度というものをスタートさせる。高速道路の無料化は、大変小さな規模にはなりましたけれども、モデル的に実施をして、そして検証していくというようなことなど。また、高校の無償化というものは、これはスタートすることができます。こういったことを一つ一つ行っていくことになりました。

 そして、残りのものに関しては、これは財源の手当てができ次第行っていくということを申し上げておりまして、最低賃金の問題などは、その過程の中で、四年間の中で実現をしてまいりたい。中小企業の減税などもそのとおりでございまして、そのように行ってまいりたいと思っています。

 そして、確かに、財源のことに関して申し上げれば、我々が期待する財源をこれまで、すなわち、政権をとりましてから今日まで、時間的な関係もあり、すべて満足という状況にはなりませんでしたので、したがって、マニフェストの実行も百点満点というところまでいっていないことも御理解をいただかなければならないことだと思います。

 その中で、十二兆一千億円、独立行政法人など四千五百の法人に天下りOBがいて、十二兆円の国の予算が流れているということでございまして、この十二兆円の予算というのは事実でございます。

 ただ、この一人一人、天下りのOBというものが、人数が余りにも多いものですから、それをカウントするのにまだ時間がかかっているということで、その天下りのカウントに関しては、必ずしもその時点において、答えていかなければならなかった時点において、すべてが判明をしたということではなかったということであります。

 このことに関して、これから、枝野行政刷新担当大臣を起用させていただきました、行政刷新を真剣に行ってまいりたい。特に独立行政法人などの天下り、ここに必ずしも、国民の目から見て、このお金はというのがたくさんあるのではないかというふうに我々は考えておりまして、これに対して相当程度これから努力をしてまいりたいと思っておりまして、これからの我々の大きな作業の一つだ、そのように考えております。

町村委員 余りこれからの作業、これからの作業とおっしゃると、今、国会に出されている二十二年度予算は不完全なものである、そうした不完全なものを我々に審議しろと言っているのかという逆の問題が起きるので、そこは十分言葉を注意されるべきだと思いますよ。念のために申し上げておきます。

 結局、選挙中に盛んに言っていた十二兆円も天下りに伴う無駄があるという話は、全部撤回をされたんですね。なぜならば、みずから天下りの定義を変えたからなんです。そういうことです。

 では、天下りの定義を変えなかったらばいいわけでしょう。天下りの定義を変えて、齋藤日本郵政社長を認めるために、天下りを、役所のあっせんという細かい定義をつけたから、結局この金額が全部変わってきてしまったわけでしょう。だから膨大な作業ということになったわけでしょう。

 いいですか。こういう形で、選挙向けにまことに都合いい数字をつくり上げて、そしてまた、今度自分たちが政権をとったらそれを変えるという御都合主義が非常に明らかになったと思います。

 それから、もう一つ申し上げますと、これは選挙中も選挙後も、例えばこれは藤井前財務大臣の発言でありますけれども、一般会計そして特別会計合わせて二百七兆円ある、このうち借金の返済、年金の支払い等々を除けば七十兆円、そして九・一兆円は無駄を削除して新規政策の財源に充てる、こんなのができないようでは笑われるとまで言ったのです。鳩山総理もそういう趣旨のことを言われました。

 しかし、現実はどうでしたか。九兆円どころか、七兆円どころか、やった結果、七千億円弱じゃありませんか。だから今、国民は、無駄を削るというのは、随分派手な仕分け作業をやってはみたものの、実際にできたのはごくわずかだったんだなということになるわけですね。

 どうして、十兆円できなければ笑われると藤井前大臣が豪語したにもかかわらず、七千億であれ一兆であれ、はるかに当初の目標を下回る額しかできなかったんですか。結局、何が無駄かということが定義できないからなんじゃないでしょうか。どうしてこの壮大な仕分け作業の結果が物すごくみすぼらしいものになったとお考えでしょうか。

菅国務大臣 来年度の予算に向けての作業の中で、事業仕分け等から約一兆円、それからその前の要求段階で一兆三千億、さらには公益法人等の基金の返納などで一兆円、約三・三兆円の財源を捻出いたしました。確かにマニフェストの当初の目標までは達しておりませんが、新たな政策については、ほぼこの中で初年度分については当てはまったもの、このように理解いたしております。

町村委員 それは大変、二十三年度予算で墓穴を掘る話なんですよ、菅大臣。わかった上でそう御発言をされているからこそ、最近、消費税の話を始めざるを得なくなったのではないかと思いますが、消費税の話は後ほど伺います。

 やはり子ども手当であるとか高校の無償化であるとか、こうしたこれからもずっと続く歳出には、これからもずっと続く歳入、恒久的歳出には恒久的歳入というものを充てるという財政のイロハが今回の予算ではできていないんです。恒久的財源というのは、例えば本当に無駄を削るとか、人件費を削るとか、これも当初、相当やると言ったけれども、今回は全くありません。あるいは税金をふやすとか、こういうことでやらなければできない。しかるに、今回、結局、ばらまきをやるために、確かに自然の税収が減ったことはあるにせよ、国債が三十二兆から四十四兆にふえた。著しく財政は悪化をしたわけであります。

 私ども自由民主党は、四十四兆の国債発行ではなくて、四十一兆にこれを減らすという今回の修正提案を出していることを申し上げておりますけれども、さらに二十三年度の話をすると、これは財務省の資料でも、ほうっておいても五十一兆、四十四兆から七兆円もふえます。それから、政策財源として、子ども手当で二・五兆、高速道路の無料化で一兆、基礎年金の国庫負担が三分の一から二分の一になる、恒久財源で二・五兆、社会保障の自然増で一兆。都合、ざっと数えても十四兆円の歳出がふえるんですね。

 さあ総理、埋蔵金は恒久財源ではありません。もう使い切ってしまいました。ことし、二十二年度に発生するであろう剰余金まで使い込んじゃった。一体、来年の予算、あなた方が政権におられることを前提にする話はいささか不本意な気もいたしますが、仮にあなた方が政権におられるとき、二十三年度に、私どもは子ども手当なんかはやめますから、こんなに財源不足にはならないんですが、あなた方は引き続きなさるんでしょう、鳩山内閣としては。そうすると、ざっと数えても十四兆円の財源不足、どうなさるおつもりでしょうか。鳩山総理に、これは全体のことですから、お伺いをいたします。

菅国務大臣 やっと政策的な議論がここに来てできることを大変うれしく思っております。

 恒久的な措置に恒久財源は必要だという原則は全く私も本来あるべき姿だと思っております。ただ、三分の一を二分の一にする財源は、前の政権のときからいわゆる埋蔵金で充てられていて、その後は増税などで充てる予定だというようなことは言われておりますが、結果としては、このリーマン・ショックの中で、そういったことも基本的なところから崩れたのではないかと思っております。

 それはそれとして、来年度の予算の審議の最終盤でありますけれども、再来年度、二十三年度の予算についてのいろいろ御質問ですから、今考えていることについて若干のことを申し上げておきたいと思います。

 まずは、御承知のように、六月には中期財政フレームを戦略室の方で取りまとめて、そういう中でこれからの短期、中期、さらには財政運営戦略において中期、長期のことについてもきちっとお示しをしたい、このように思っております。

 そのときに、どのような形で二十三年度の予算を組んでいくのか。

 まず考えなければならないのは、成長がなぜここまでとまってきたか。もちろん、単純に成長が一挙に五パー、一〇パーとなるわけではありませんが、私たちは、過去の政権の政策が二十年近い低成長というか成長の停滞を招いたと思っておりまして、それをまず変えていく方向性を、昨年十二月三十日には骨子のような形で基本方針を出しましたが、それも六月までにはきちっと明示をさせていただきたいと思っております。

 さらには、税制調査会を中心に税制の議論をスタートさせまして、もちろんこれには、所得税、法人税、消費税、環境税等々も含めた議論を、専門家委員会の皆さんにも議論をいただくことにいたしております。

 そういうことで、まさに二十三年度の予算に関しては、決して簡単であるということを申し上げるつもりはありませんが、まさに、マニフェストの実現も含めて、大きな課題であることを認識して、それに向かって、今度は九月の組閣ではありませんから、まさに年がかわった段階からそのための一つの土俵づくりを進めてきて、この予算が衆議院を通過させていただければ、参議院の審議と並行して作業を進めたい、このように考えていることを申し上げておきます。

町村委員 中期、長期の財政見通し、これは当然今年度予算と同時に出されなければならないものであって、中期、長期見通しのないままの単年度予算というのはいかに無責任であるのかということは、菅大臣、わかった上での今の御答弁だろうと私どもは思っております。

 そして、このグラフをちょっとごらんいただきたいんですけれども、盛んに民主党内閣はコンクリートから人へということで、あたかも初めて公共事業を削ったかのごとく、いろいろ喧伝をしておられます。

 実はこのグラフ、平成八年からですから、十二、三年たったこの長いトレンドを見ていただきますとおわかりのとおり、実は自民党政権でも、これからの経済、財政を考えたときに、間違いなく社会保障関係費はふえると。平成八年は十五兆だったものが、二十二、三兆までふえる。実際ふえてくるんです、これは高齢者がふえたり等々で。これがわかっているものですから、私どもは、激変緩和ということもありますし、確かに不況対策で膨らんだという面もありますが、公共事業を既に十二、三兆円から七兆円台にまで、このグラフでごらんのとおりに落としてきておるんです。

 ですから、二十年度予算でも、公共事業予算は七兆円前後、社会保障関係費は二十二、三兆と、もう既に、平成八年ごろには非常に金額が似通っていたのが、ワニの口が開くように、実は三倍ぐらいの開きが出て、私どもは、毎年毎年の予算編成の中でコンクリートから人へというのを実践してきているのです。また、そうしなければ財政が成り立たないという側面もあったことは事実なんです。こういうことで、私どもは社会保障を重視してきた。

 だから、この財政悪化の一番大きな原因は何かというと、社会保障、ふえてくる支出をどうするのかと。この社会保障の歳出をこのままどんどんどんどんふやすことを認めていいのかということと、もう一つは、歳入であるところの税収入をどうするのかということを、両方あわせて考えなければいけない。

 歳入については、私どもは、景気がよくなれば消費税を含む税制抜本改革をやってしっかりとした社会保障財源をつくっていきますということを決めておりますし、また、公共事業については、私は、この不況のときに地方を痛めつける公共事業削減、一八%を超える公共事業削減が地方の経済と地方の雇用にどれだけ悪影響を与えているのか、多分、東京にお住まいの菅大臣はわからないんだろうけれども、私どもはそういう形で今回の二十二年度予算の対応を考えているわけでございます。

 こういうことで私どもは考えているわけですけれども、菅大臣にちょっとお伺いしたい。

 何か、歳出をふやす、特に子ども手当にしろ何にしろ移転支出ですね、子ども手当をふやすと景気がよくなる、これからは需要が引っ張る経済だというようなことを盛んに成長戦略で言われる。しかし、一兆円の子ども手当をふやす財源を、こちらの歳出を削って一兆円ふやしても、これは財政効果においてはほとんど変わらないんです。むしろ確実に一兆円出ていく。子ども手当は、一兆円のうち何割かは貯金に回るから、消費に回らないんです。したがって、一兆円をほかの支出から子ども手当に回すからこれで景気がよくなるというのは、全く間違った議論だということにお気づきにならないのでしょうか。単純な質問です。

菅国務大臣 いや、本当に、やっと政策的な議論ができるようになってうれしく思っています。

 それで、このグラフ、本当に象徴的だと思うんです、今町村さんがざっと出されたグラフ。つまりは、かつては公共事業頼りだったわけです。しかし、公共事業頼りだったけれども、確かに地方に財源が移って地方と都市の格差は少なくなったけれども、象徴的に言えば、本州四国の橋のように、中長期的な経済効果がないものに公共事業の費用をどんどん充てたために、成長なき過大な公共事業だったんです、この時期は。

 その後、この減った時期はだれが減らしたか。まさに小泉・竹中改革で公共事業を減らしたんですが、そのときの考え方は、まさにデフレ状況の中にありながら、とにかくリストラをして、個別企業さえ効率よくなればそれで日本全体がよくなると言いながら、実際はマクロ的にも失敗したんです。ですから、その失敗の歴史がこの二十年間なんです。このグラフなんです。

 そこで、最後に言われたことに私の考え方を申し上げます。

 つまり、これまでは、公共事業は投資という考え方で、社会保障は負担という言葉で語られてきました。しかし、例えば介護にしろ医療にしろ保育にしろ、潜在需要はあるんですよ。ですから、そこに、例えば介護の価格を高くすれば、雇用が生まれて、少なくとも需要は顕在化してGDPは上がるはずです。

 つまりは、私たちが考えているのは、社会保障の分野というのはやりようによれば非常に成長の可能性のある分野だということを私申し上げています。もちろん、それには、だれがどうやって負担するかという問題があることは十分承知をしております。

 ですから、そういう意味で、まさに皆さん方がやられた結果においても三十六兆まで税収が下がってきたわけでありますから、それはもちろんリーマン・ショックの影響もありますが、この間の税制のあり方、それは町村さんも御自身言われたように税制のあり方にも問題があったということで、先ほど申し上げたように、消費税ばかりではなくて、所得税や法人税や、場合によったら環境税も含めたトータルの議論を本格的にこの政権として始めたいということを申し上げているのは、その問題意識は共通だと思っています。

町村委員 消費税の抜本議論をやることは、あるいは税制抜本改革の議論をやることは必要であります。

 我々は、既に方向性をはっきり決めて明示してあります。それを、昨年でしたか、一昨年ですか、税法の附則にもう既に書いてあるわけであります。私どもは、そういった方向性を既に税制改正で出している。皆さん方は、去年、政治主導の税調と言われつつ、結局財源あさりをやっただけの税調だったじゃありませんか。まことに情けない税調であったなと皆さん方もきっと反省をしておられるんだろうと思います。

 しかし、さっき申し上げたように、これから介護の需要とか医療の需要、それらがふえることを僕らは何ら否定はしていないんです。ただ、あたかも子ども手当をふやしさえすれば、ほかの予算を削って子ども手当をふやしさえすれば、それで需要がふえるということは間違いですよということを申し上げているわけであります。

 そこで、もう子ども手当の議論が既に国会でも始まっております。総理に伺いますけれども、子ども手当の理由というのがころころころころ変わるんですね、時として少子化対策だ、時として景気対策だ、時として、やはり苦しい家庭対策だと。総理、この三つのうち、この子ども手当はどれが目的だとお考えですか。

鳩山内閣総理大臣 子ども手当というのは、子供の育ちを社会全体で支える仕組みをつくろうではないかということで編み出された考え方でございます。それが結果として少子化の対策にもつながるでしょう、そして、当然のことながら、子ども手当というものを支給すればそれなりの経済へのプラスの影響もあるでしょうということを申し上げているわけでありまして、トータルの考え方がありますが、そもそもの発想は、社会全体で子供の育ちを支える。だから、所得制限というものも置かないでやりましょうということになったのでございます。

町村委員 一生懸命、七月の参議院選挙に向けてどうしても六月に支給をしようという、まことに選挙対策見え見えのこの子ども手当であると私は思っております。

 そして、もし少子化対策だとおっしゃるのであれば、やはりこれから生まれてくるお子さんに手当をたくさん出すというのは、これは少子化対策になると思いますよ。それから、もし景気対策だと言うのであれば、明らかに貯金に何割か回ってしまう。中には、賢い親は、この中学生はあと数年すれば大学に行くんだから、大学の学費のために全部貯金しちゃいましょうということになれば、これは景気拡大効果ゼロであります。それから、苦しい家庭対策というのであれば、当然、所得制限をつけるべきなんですね。

 要するに、目的と手段というものが、まことに目的が不明確だから手段があいまいもことしているんです。ただ抽象的に、子供は社会で支えるものなんという、そんな漠たる目的でこれだけのお金を、何兆円もの、五兆数千億といえば防衛予算を一兆円近く上回る、そんなものを目的がはっきりしないこの子ども手当に使うというのはまことに税金の無駄遣いであるから、まさに選挙対策そのものですねということを申し上げざるを得なくなるわけでありまして、現実に、私は加藤理事と手分けして新潟と大阪の地方公聴会に行ったところ、民主党推薦の公述人も、この子ども手当、反対である、問題が多いですねということを明確に言うほどであったことは非常に印象的であります。

 私どもは、この子ども手当、今年の国費一・七兆円があれば、幼児教育無償に八千億円、学校給食費三千億円を無償にする、子供の医療費四千億円を無料にする。例えばこういうような使い方の方が、はるかに、間違いなく子供のために役に立つ使い方だと。

 あるいは、高校の授業料無償化に四千億円使うのであれば、返すこと不要の給付型奨学金に千二百億円。あるいは、低所得者に限った授業料の無償化なら一千億円で済みます。四千億円もかかりません。あるいは学校の耐震化、私どもの二十一年度当初予算と補正予算で積んだものを、補正予算をばさっと削ったので、着手できない学校が二千数百棟まだあるんです。これをことしの予算、千七百億円でできるんです。こういうものにやれば、高校授業料を全部無償にしなくたって済むわけです。

 また、私立高校と公立高校との格差が拡大をするという問題。確かに、所得の低い私学の高校生に対しては、十一万八千円の助成を倍にすると言っているけれども、実際の授業料よりははるかにこれは下回っているから、やはり私学に、私立の高校に子供を通わせる親御さんの負担は、相変わらず公私ギャップは大きいんです。新たなギャップをつくってしまうんです。そういう意味で、私立高校の高校生あるいは親御さんはこの高校授業料無償化に大変不満があるということもまた事実であることを申し上げておかなければいけない、こう思っております。

 いずれにいたしましても、私どもは、冒頭から申し上げておりますように、鳩山内閣の疑惑というものが余りにも多過ぎるということ、そして、二十二年度予算には余りにも数多くのマニフェスト違反もあるし、将来の財政の悪化を招く要素ばかり盛り込んでいて、財源手当ては何もできていない。

 これから消費税の議論を始める。議論を始めるのは結構でしょう。しかし、今さら学識経験者にお願いをするぐらいなら、どうぞ政治家でしっかりやってください、政治主導と言っておられるのですから。今さら学識経験者を頼るのであれば、私ども自由民主党で議論したことと何も変わりがない。私どもは、自民党税調で詰めた議論を相当やって、政治主導で税制というものを決めてきたという自負がありますから、そういう意味で、皆さん方ももっとしっかりとした政策目的を持って、そして政策に取り組んでいかなければいけないですよということを改めて申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

鹿野委員長 この際、大村秀章君から関連質疑の申し出があります。町村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大村秀章君。

大村委員 自民党の大村秀章でございます。

 先般の予算委員会、基本質疑におきましては、年金問題につきまして中心に質問をさせていただきました。二年間で集中的に取り組むと言いながら、それができないということ、そして、年金事務費に保険料を充てないというふうにマニフェストに書きながら、二千億円も充てて、それができないということが明らかになりました。引き続き、こうした点をまたしっかりとただしていきたいというふうに思います。

 そしてきょうは、社会保障の集中審議ということでございまして、医療についてたださせていただきたいというふうに思っております。

 鳩山総理は、施政方針演説で、命を守りたい、こういうふうに言われました。本当にそうでありましょうか。これを医療政策でもって検証したいというふうに思っております。

 民主党政権ができまして五カ月でありますが、まず、この一枚目のパネル、「理念なき民主党の医療政策の迷走」ということで整理をいたしました。例えば、インフルエンザワクチン一回、二回打ちの混乱、事業仕分けで後退、高齢者医療制度をこれから勉強して先送りをする、それからさらに、診療報酬はマイナス、それからまた、インフルエンザワクチンの輸入ワクチンは大幅に余る、また、国立がんセンター人事をごり押しするなどなど、たくさんあるわけでございます。これを一つ一つただしていきたいというふうに思っております。

 まず、お伺いをいたします。

 総理、この一番目にあります二十一年度予算の執行停止、医療関係だけで二千六百億円の予算を執行停止いたしております。これはどうしてでしょうか。医療はどうでもいいんでしょうか。命を守るというのは偽りでしょうか。総理、お答えをいただきたいと思います。

長妻国務大臣 お答えする前に、今も言いっ放しというか、二年の年金の集中の対応期間とか、先ほどの町村委員にしましても、私に答弁の機会を与えずに、一方的に言いっ放しになる。前回も私は与謝野委員から一方的に言い放たれて、私もここにおりましたのに答弁の機会がないということで、今、大村委員からは医療の問題ですけれども、その前に、先ほど言いっ放された……(大村委員「質問に答えてください」と呼ぶ)事実と違うので今訂正をさせてもらうわけでありますけれども、二年のこの集中期間につきましては……(発言する者あり)

鹿野委員長 長妻厚生労働大臣に申し上げます。委員長として申し上げます。質疑者の質疑に答えてください。

長妻国務大臣 はい。手短にまいります。

 年金問題については、二年集中、そして四年の対策をするということであります。

 そして、今、医療関係で、この十月、十一月、十二月、一月、二月といろいろ示されて、私は、事実と違うものもたくさんあるということで、一つ一つ反論したいわけですけれども、今の質問は二千五百八十二億円という執行の問題でありますが、これについては、我々はかねてより、診療報酬できちっと恒久的な措置として、単年度の措置ではなくて恒久的にやるということで、十年ぶりのネットプラスというのを実現いたしまして、産科、小児科、外科、何よりも救急医療、これを立て直していくということでございます。それが基本的な考え方です。

大村委員 今、長妻さん言われましたね。二千五百八十二億円、うち地域医療再生交付金だけで七百五十億円、この七百五十億円を執行停止するときに、まさに今あなたが言われたように、診療報酬改定で対応すると十月に言われました。振りかえるとまで言っているんですよ。でも、振りかわっていませんね。

 これは、先日、同僚の田村憲久議員がつくった資料を少し簡単にいたしました。

 三十六・五兆円の医療費、二十二年度予算ベースですが、あなた方はそれを、七百億円をプラス、国費百六十五億円です。しかし一方で、実際に、後発医薬品の置きかえ効果でマイナス六百億円、さらにジェネリック、これも後発医薬品ですが、それに置きかわった削減分でマイナス八百二十五億円、差し引きをいたしますとマイナスの〇・一九%ということでございます。

 二千六百億円をカットして、診療報酬で置きかえる、プラスにすると言っておきながら、マイナスになる。これはいかがですか。

長妻国務大臣 これも前回も御説明したわけでございますけれども、基本的に、ジェネリック医薬品というものでございまして、つまり、後発の医薬品で価格が安いということで、医療費の全体の伸びも抑えられるというものでございます。

 御存じのように、日本のジェネリック医薬品の普及率というのは欧米先進国に比べて低いということで、それを一生懸命普及させようということなんですけれども、これについて、今御指摘のこの表でございますが、ジェネリックに置きかわった削減分、この八百二十五、百九十というのがございますけれども、これを診療報酬の全体の中に含めるというのは、我々は含めていないんですね。というのは、自民党時代も含めていないわけで、過去から計算方法は変えていないんです。これはマイナスにならないわけでありまして、基本的に診療報酬は技術料でございます。

 そしてもう一つ、先ほど医療崩壊の話がありましたけれども、我々、医科については、全体の改定率では、本体部分では五千七百億円のプラスにして、医科については四千八百億円プラスにするということで、恒久的な措置として医療を立て直すということであります。

大村委員 聞いていないことを言わないようにしていただきたいと思います。

 あなたは、明確に言ったのは、二千六百億円カットした、そして七百五十億円の地域医療再生交付金を執行停止するときに、そのとき、これは診療報酬で振りかえると言ったんです。七百五十億円になっていないじゃないですか。あなた方の言い分を見ても、これで百六十五億円だけなんですよ。七百五十億円はどこに行っちゃったんですか。医療の予算もカットする、診療報酬もカットする、すべてカット、カット、カットというのがあなた方のやり方であります。

 そこで次に、事業仕分けについてもお聞きしたいと思います。

 この三の事業仕分けで、医師確保、救急、周産期医療対策二百六十六億円をカットいたしております。これは、小児とか産科とか救急の施設整備、またNICU、新生児の集中治療室とか、救急とか周産期の収支差の補てんだとか、そういったものも含めておりますし、ドクターヘリ、僻地医療、女性医師の確保とか、そういったものを総合的にやっているものをほぼ半分に減らしておいて、これも事業仕分けのときに診療報酬でやるべきだというふうに言っておりますけれども、これはできていない。そのこともいかがですか。これは総理、お答えいただけませんか。

長妻国務大臣 今の表のものでございますけれども、医師確保、救急、周産期対策補助金等につきましては、平成二十二年度予算案については、救急救命センターやNICU、新生児の皆さんの集中治療室の支援の充実などで二百三十八億円を計上しておりまして、これは、平成二十一年度の予算よりも一・七%ふやしています。その上で、診療報酬で産科、周産期医療等々についてきちっと恒久的に、恒常的に安心してその体制を整備できるということで、例えばNICU、新生児の集中治療ベッドが、その方々がある程度落ちついたときにどこのベッドに行くのかという受け入れがなかなかなくて救急が受け入れられないという問題がありましたので、後方に移るベッドに対して新しく診療報酬を新設するなどなど、そういう工夫を恒常的にしているということをぜひ御理解いただきたいと思います。

大村委員 聞いていないことを言わないでください。そんなこと聞いておりません。

 私は、あなた方がこの医療の関係の予算をこれだけぶった切って、たたき切っておいて、それを診療報酬に振りかえると言って、やらない、そのことを、何でやらないんですかと聞いているんです。

 長妻さん、こういうのを何と言うかわかりますか、日本語で。こういうのを日本語でうそと言うんですよ。あなたはうそつきなんです。そういううそつき大臣を任命した鳩山総理、任命責任があるのではないですか。いかがですか。

 先ほどから聞いても、鳩山総理、医療のことをお答えいただけません。医療のことは関心ありませんか。御存じありませんか。命を守るというのはポーズですか。今のこういった、医療の予算をこれだけ二千六百億円も切り、さらに二百六十六億円、三千億円近くカットをしておいて、診療報酬はマイナスになる。これで命を守るという医療ができるんですか。ポーズではありませんか。お答えをいただきたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 地域の医療崩壊を招いたのは、旧政権なんじゃないんですか。私どもは、その旧政権の過ちを繰り返してはならないということの中で、我々とすれば命を守る予算をつくらなきゃいかぬということで、診療報酬を久々にアップさせていただいたわけでありますよ。

 特に、医科と歯科に関しては前回の四倍もふやさせていただいて、それを本当に重要なところに回すことによって医療崩壊の現場を救おうというのが我々の基本的な考え方でございまして、そのことを長妻大臣が申したとおりでございます。

大村委員 鳩山総理はやはり医療について何にもわかっていないということがよくわかりました。診療報酬はアップしていないんですよ。上がっていないんです。

 それと、最初に鳩山総理が言われた、旧政権がどうのこうのと言われた。要は、政権担当能力がないということをみずから認めておられるんですね。もうやれない、そんな責任は持てないというんだったら、引っ込んでください。いつでもかわってあげます。そのことを強く申し上げておきたいと思います。

 それでは、さらに質問を申し上げたいと思います。

 民主党のマニフェスト、公約では、総医療費のGDP比をOECD平均まで引き上げるというふうに明確に書き込んであります。OECD平均にまで引き上げるということになりますと、幾ら必要でございましょうか。鳩山総理、お答えください。

長妻国務大臣 その前に、うそ大臣というような趣旨で言われましたので、ちょっとそれについて説明をいただきたいんですけれども、これは事実関係の問題でございまして、医科について、前回、前政権の二十年度の改定では、医科は確かにプラス〇・四二ありました。一千百億円でございますけれども、今回、新しい政権では、四千八百億円医科につけさせていただくということで、総理がおっしゃられたように四倍つけて、本当にお困りの小児科、産科、そして救急医療等々に充実をさせようということで取り組んでいるところであります。

 そして、私どもとしては、かねてより、GDPの比率で医療費を先進国並みに上げていこうということで取り組んでおります。医師の数も先進国並みに上げていこうというふうに取り組んでおりまして、今回、その意味ではそれに一歩近づいたわけでございますけれども、まだそれに、完全に平均にはなっておりませんので、今後とも、当然その効率的な使い方も含めて見直しをして、何しろ医療を充実させるということで取り組んでまいりたいと思います。

大村委員 お答えいただけないんですね。

 あなた方の政権の公約に書いてあるんですよ。総医療費のGDP比をOECD平均まで引き上げるというふうに明確に書いてあるんです。では、それは幾らなんですか、幾ら必要なんですかと聞いておるんです。そのことだけをお答えください。

 お答えできませんか。私が言いましょうか。わかりますか。一言。

長妻国務大臣 突然のお尋ねでありましたので、今計算をすると、追加的に必要になるのは、国民医療費で三・三兆円程度と考えています。

大村委員 それはちょっと数字が違うと思います。OECD平均が八・九%。皆さんのペーパーに書いてあるんですよ。選挙前にアップした政策集に書いてあるんですよ、明確に。日本が八・一%、差は四兆円なんです、皆さんのとおりに、ここに書いてあるようにやろうとすると。

 それでは、民主党のマニフェストの工程表では、今回は医療費、プラス・マイナス・ゼロですね、ゼロ改定ですけれども、あなた方のマニフェストの工程表を見ますと、二十四、二十五年度で一・六兆円。医療と介護で、全部ひっくるめて一・六兆円と書いてあります。一方で、あなた方のマニフェスト、公約集には、OECD平均まで上げる。これは四兆円要るんです。四兆円要ると言いながら、工程表で一・六兆円としか書いていない。これはどういうふうに説明されますか。明らかな矛盾ではありませんか。それともこれは、このマニフェストの工程表は間違っておりますか。いかがですか。

長妻国務大臣 今申し上げましたのは、国民医療費ベースで申し上げた数字でございます。

 そして、私どもは、それは一年目にさっと先進国並みのGDP比に、もう一年で追いつくような医療費というのは、それは理想ではございますけれども、我々は、それを努力して上げていくということで目標を決めているということです。GDPの比率では、機械的な推計では、今回の十年ぶりのネットプラスで九・五%程度、総保健医療支出の対GDP比なるのではなかろうかということであります。

 かつての政権ではGDP比が下がったということもありますけれども、我々は上げていく、こういう強いメッセージを打ち出したいと思います。

大村委員 マニフェスト、公約集に書いたOECD平均まで伸ばす、これは四年でやりますね。

 前の年金のときに、年限が書いてないものは四年でやるというふうに言い切られましたね、鳩山総理。年金保険料を、あの二千億円、事務費に充てないということは、一年で、二十二年度やれなかったのは遺憾だ、しかし四年でやりますというふうに言い切られましたね。今のこの医療費を四兆円伸ばす、OECD平均まで伸ばす、四年でやりますか、やられませんか。それとも、できないんだったら取り下げますか。いかがでございますか。鳩山総理、お答えください。

鳩山内閣総理大臣 私どもは、マニフェストの大きな項目に掲げているものは、当然四年間で実現をさせるという思いで行動しています。

 今、大村委員からお尋ねのは、インデックス二〇〇九の中にある話でございます。これに対しても努力はいたしますが、四年間で確約が必ずしもできるとは限りません。

大村委員 では、これはやらないんですか。

 あなた方は、選挙の前にこれを明確にあなた方の党の、民主党のホームページに掲げて、これで医療をやりますといって掲げているんですよ。これはうそなんですか。書いただけなんですか。あくまでもこれはやらないということですか。

 鳩山総理、いかがですか。お答えください。やらないんですね。取り下げるんですね。

鳩山内閣総理大臣 これはインデックスでありますから、すべて全部四年間でできるということをお約束しているわけではありませんが、その方向でやりたいという意欲は当然持っておるわけでございまして、私ども、ここに書いてありますように、今後引き上げていきますということでありますから、この方向で努力することは当然間違いありません。

大村委員 私はさすがにびっくりしましたね。私は、今の鳩山総理のお答えを聞くと、このインデックスというのは守らなくていいんだ、これは書いただけなんだというふうに聞こえますよ。

 では、あなた方、このインデックスのここに厚生から年金からいろいろ書いてありますけれども、これはとりあえず書いただけ、これを信じたあなた方国民がだめだったんだ、こういうことですか。インデックスの性格になりますよ。もう一度、鳩山総理、明確にお答えください。

 インデックスに書いたこのOECD平均まで総医療費を上げていくということはやらないんですね。やるんですか、やらないんですか。はっきりとお答えください。

鳩山内閣総理大臣 当然、私どもはこの方向で努力をしますということは申し上げているわけでありまして、そのことを四年間で全部やりますという話ではありません。

 ただ、我々としては、こういう国をつくりたいので、この方向で努力をするということでございます。

大村委員 私は正直言って驚きました。ここに明確に書かれたもの、これはマニフェストと一体ではないんですか。これをさらに詳細にしたのがこれですよとあなた方は説明しているじゃないですか。

 それで、OECD平均並みまで医療費を上げない、四年間でやらない、努力するんです、やらないということをはっきりと今総理が言われました。私は、これはここに書いてあることを四年間でやるということであれば、その財源と内訳と中身と工程表をはっきり示してくれということを申し上げようと思っていたんですけれども、これをまさに信じたあなた方が悪い、国民の皆さんが悪い、こういうことですか。国民を欺く、まさに詐欺的な行為になると思いますけれども、いかがでございますか。

 総理、お答えください。そんな、これは努力するんだ、やるかやらないかわからないなんという答弁では全く納得できません。国民を欺く行為です。

鳩山内閣総理大臣 くどいようですが、この民主党の政策集、インデックス二〇〇九、ここは私どもがこういう国を目指したいということで書かせているわけでございまして、当然、今お話がありましたことも、今後引き上げてまいりますということでありますので、当然その方向で頑張りますが、それをやるんですか、やらないんですか、ゼロか一かみたいな話ではなくて、この国のあり方の指針というものをインデックスとして書かせていただいているのでございまして、決してうそをついているという話じゃありません。

大村委員 今鳩山総理が言われた、インデックスに書いたことはやらなくていいというふうに理解をしていいんですね。

 命を守ると言いながら、医療費をOECD平均まで伸ばすと言いながら、私は、どこにも工程表は書いていない、内訳も中身も道筋もないということなので、これはこの機会にお聞きしようというふうに思ったら、今のお答えを聞いていると、はっきり言って全くの想定外だった、まるっきり考えていないという御答弁だとしか受け取れません。だとしたら、それは国民を欺く、私は詐欺的な行為だというふうに言わざるを得ません。

 四兆円伸ばすのか、伸ばさないんですか。これはやるんですか、やらないんですか。医療費は伸ばすんですか、伸ばさないんですか。この四兆円というのはどうするんですか。そのことについて明確にもう一回、さらにお答えをいただきたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 くどいようですが、私は、この総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げていきます、この方向で我々としてはやっていくということをここで書いているわけでありまして、決してうそを言っているわけではありません。今後引き上げていきます。

 ただ、一年でやれ、二年で全部やれ、そのことを今すぐに言われても、それは無理だと思っておりますが、徐々に徐々にその方向に近づけていくということで、今後引き上げていきますというのは事実として理解をしていただきたい。

 ですから、うそではありません。この方向でやります。

大村委員 今鳩山総理は無理だと言いましたね。やらないということですか。

 私が聞いているのは、では一年で二十二年度すぐなんて、診療報酬改定をあなた方はマイナス改定にしたんだから、これができるなどと言いませんよ。だけれども、総理はこの間、年金問題も四年間できちっとやりますというふうに言われたから、その四年間でどういうふうにやっていくか、この道筋と工程表をお示しくださいということをお聞きしようと思っておるんです。

 このマニフェストの、医療費を四兆円伸ばすということについての中身と工程表はお示しいただけますか。いかがですか。

長妻国務大臣 本当に、言葉について、うそとか詐欺とかおっしゃられましたけれども、これについては、今るる総理が申し上げておりますように、GDPの比率で医療費を先進国並みに上げていく、こういうことでありまして、マニフェストでは、我々はこの工程表できちっと、ほかの政策も含めて載っているものについて四年間やっていくと。

 すぐに初年度すべてができないと、うそだ、詐欺だということでありますけれども、しかも、今の話はマニフェストではなくて、政策集の中でこの医療費を上げていくと。それは初年度に何兆円も一気に上げられるということができればいいんですけれども、そういう状況でもない。保険の保険料の上昇、自己負担の上昇ということも考えなきゃいけない。何よりも、これまで社会保障の自然増を二千二百億、自動的に削り続けた、我々はその立て直しを今しているところであります。

大村委員 結局、医療費について私が申し上げたことをお答えいただけないわけでございます。

 これについて民主党は、民主党が政策集で、四兆円伸ばす、OECD平均までするというふうに言いながら、マニフェストでは一・六兆円としか書いていない。そのことは全く皆さんの頭の中になかった、こういうことだというふうに思います。それしか御答弁がいただけなかったのは大変残念でなりません。

 それと、鳩山総理も、何か医療については初めてこれを読んだような感じの言われ方をいたしましたが、非常に残念でございます。命を守ると言いながら、医療についてはほとんど御関心がない。そして、これについて、医療費を伸ばすということについて明快な御答弁がいただけなかった。極めて残念でございます。

 そして、もう時間がなくなりましたので、これは指摘だけにしておきたいと思いますが、年金について、先般、この衆議院の予算委員会の基本質疑でも申し上げました、さきの厚労委でも申し上げました。その際指摘をさせていただきましたが、二年で集中的に取り組むと言っておきながら、おやりにならない。二十二年度、二十三年度でたった三五%しかこれは取り組まないという工程表しか私のところには来ませんでした。

 それから、年金通帳をやると言ってやらないということも、これも明快な、予算にもそうですし、答弁でもいただきました。それから、年金保険料を事務費に充てないと言いながら、これは先ほど町村委員も指摘をいたしましたが、二千億円もこれを充てていく、できない、総理も遺憾だというふうに言われた。

 さらに、歳入庁にするとあれだけ選挙前に言われながら、歳入庁も全くどこに行ったかわからない、やらない。それから、月七万円の最低保障年金をつくると言いながら、これから勉強しますというふうに言われる。

 年金だけでもこれだけ、あなた、マニフェスト違反ばかりなんですよ。あなたが一番マニフェスト違反が多いんです。

 それからまた、医療につきましても、ここにもあります、この四にもありますように、高齢者の医療制度についても、これも選挙前は廃止すると言いながら、そして二年前に強行採決をして廃止法案もやりながら、今回全くこれを出してこない、これもそのまま先送りをする、これから勉強すると言う。

 診療報酬も、これもプラスにすると言ってマイナスにする。それから、総医療費をOECD平均並みにすると言って、これもふやしていかない。

 とにかく、長妻さん、あなたの年金と医療だけでもマニフェスト違反ばかりなんですよ。マニフェスト違反ばかり。あなたが一番多いんです。この間、与謝野議員の質問でもありましたが、鳩山総理は平成の脱税王、小沢幹事長は不動産王だとすると、長妻さん、あなたはまさにマニフェスト違反の王様です。違反王です。民主党には王様ばかりなんですよ。

 しかし、これは国民にとっては、こんな王様はみんな願い下げなんです。一刻も早くこういう王様がいなくなるように我々はしっかりとただしていきたい。お引き取り願うようにしっかりただしていきたい。国民の大事な社会保障そして医療でありますから、しっかりとつくっていきたいと思います。

 我々は、安心な社会をつくっていくために、医療の財政の安定、そしてまた医療の体制整備、医療政策を前進させていくためにこれからも全力で取り組んでいきたい、こういうふうに思っておりますし、そのことをしっかりとお誓いをしたい、こういうふうに思っております。

 なお、今回の問題については非常に不満でありますから、この答弁、全く答弁いただけなかった、これはまた厚生労働委員会初め、各委員会でしっかりと国民のために追及をさせていただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

鹿野委員長 これにて町村君、大村君の質疑は終了いたしました。

 次に、坂口力君。

坂口(力)委員 公明党の坂口でございます。

 いろいろ騒々しい委員会が続いておりましたけれども、静かにいきますから、ひとつ静かにお聞きをいただきたいと思っております。

 きょうは、いろいろ言いたいこともありますけれども、一つ、年金に絞ってお話をお伺いしたい、少し先を見てやりたいというふうに思っております。

 マスコミの方がいつも政治に対する何が関心かということを聞いておりますと、一番先に出てくるのがいつも社会保障であり、その中で何かといいますと、医療、年金というのがやはり上位に来ている。関心は非常にその分だけ高いんだと思うんですね。この高い年金や医療に対して、我々、将来これはこたえていかなきゃならない。先ほどからもいろいろ意見が出ておりますが、なかなか財政的には非常に厳しい中にあります。この厳しい中で社会保障をどうやっていくのかというのは非常に知恵の要ることだというふうに思っている次第です。

 まず最初に、総理、この絵は懐かしい絵でございますから御記憶をいただいているというふうに思いますが、御記憶いただいておりますね。

鳩山内閣総理大臣 厚生労働大臣もなさった坂口先生から御質問をいただいて、大変緊張しております。

 この図は、私どもが選挙のときにも使わせていただきましたが、年金の将来の姿として私どもが一時考えていたものでございまして、最低保障年金と所得比例部分、その二階建てで構築をするという姿が望ましい、そのようなことで考えたものでございます。

坂口(力)委員 民主党のこの制度といいますか、これは今も生きていますね。

長妻国務大臣 お答え申し上げます。

 その図は、最低保障年金があり、比例報酬年金がある、二つの年金制度が組み合わさる、そして、一元化ということで、すべての職業が一本の制度になるというようなことでございまして、今のイメージ図は、その基礎部分と所得比例部分の図が逆になっておりますけれども、基本的な考え方というのは変わっていないというふうに思います。

坂口(力)委員 この絵が非常に鮮明に皆の心に焼きついておりまして、この考え方がそのまま生きているというふうに思っている人が非常に多いんですよ。

 もう一枚お見せいたしますが、先ほどのは三年前の参議院の選挙の前にお出しいただいたものであります。この絵は、これは昨年の衆議院の選挙の前にお出しをいただいたものであります。

 長妻大臣、今お話をいただきましたように、先ほど下にありましたところがなくなって上へ乗っかった、だから大体同じものだ、こういうことをおっしゃったと思うんですけれども、これは違うんですね。違うんです。これは基礎年金のところがあったわけですね。本人が支払いをするか、あるいは国庫負担をするかは別にしまして、基礎年金のところがあった。それを取っ払って、そして上に最低保障年金というのを乗っけてある。

 これは時間がありませんから私の方から言っておりますけれども、変わっていないところもあるんです。変わっていないのは何かといいますと、一つは、消費税を用いまして、それでこの上の部分、最低保障年金のところは消費税で賄いますということが一つ。それから、すべて一元化いたします、どういう人たちもみんな一つの年金にします。この二つのことは変わっていないんです。

 変わっていないんですが、しかし変わっているのはどこかというふうに言いますと、先ほど申しましたように、基礎年金のところがなくなっている。それが一番大きな違いではないかというふうに思いますが、そこがなくなりまして、そうして、ぼつぼつ言いますけれども、変わっているんですよ。だから、基本的な理念が今回は変わっている。

 一番最初にお聞きをしたいのは、三年前の参議院の選挙のときにお出しになった最初の案、あれはなかなか評価する人が多かったんですよ。我々は評価しませんでしたけれども、評価する人が多かった。それを、わずか二年でなぜこの絵の方に変えられたのかということが私たちはわからない。

 だから、参議院の半分の皆さん、三年前に当選された皆さん方は、最初のイメージ図、あのマニフェストで、それを信じて当選された。去年当選をされました衆議院の皆さん方は、この絵で当選をされているわけであります。マニフェストが二つあって、参議院と衆議院と違っている。それが同じならいいですよ、同じならいい。同じならいいんですけれども、同じではないということでありますから、それはなぜ変わったのかということをまず明らかにしてほしい。これは本当は総理に聞きたいところですけれども。

長妻国務大臣 これは、初めの図だと、いろいろな考え方で誤解を招く可能性もある。つまり、一番初めに示された、下に最低保障年金があって、その上に比例報酬の年金が乗る図でありますと、年金保険料を全く払わなくてもその下の最低保障年金は自動的にもらえるんだ、こういうような考え方ということになってはいけないということで、図のかき方を後でお示しをされた図のようにした。つまり、次の図、これがこの前の総選挙のときにお示しをした図でございます。

 つまり、我々は、未納をなくすということで、将来的には歳入庁ということで今の日本年金機構と国税庁を合併して、そして税金と一緒に保険料を集めるということで、払える人はきちっと払う、税金と同じように我々はいただくということになります。

 ただ、払えるのに払わないという方については、下の所得比例年金部分のお金を払わない場合は上乗せの最低保障年金もお支払いできないという考え方でございまして、全くお金を一円も、払えるのに保険料を払わなくても自動的に最低保障年金だけ全部もらえる、こういうことではないというのを明確にさせていただいたところであります。

坂口(力)委員 いやいや、これは、厚生労働大臣、違いますね。最初の方の年金制度というのは、基礎年金があって、その上に所得比例年金が乗っかっている。それが、この図では基礎年金がなくなっているんです。そのかわり、その上に最低保障年金として、所得の少ないところ、所得の少ないといいますか、年金額の少ないところには上乗せをしますよという形になっている。だから、全然これは違うんですね。

 だから、この違うのをなぜ出されたかということがよくわからない。こればかりやっておりますと時間がなくなりますから、これは違うということを指摘しておきたいというふうに思います。(発言する者あり)いや、違っているんだ。

 それでは、前回の場合と今回の場合と変わっていないところ、それは何かといいますと、一元化をしたということが一つであります、一元化。そして、もう一つは何かといいますと、先ほど申しましたように、その財源は消費税で賄います。この二つは変わっていない。これは私たちも認めたいというふうに思います。

 その一元化でありますけれども、もし一元化をするということになりますと、今は自営業の皆さんでありますとか、あるいは農業をなさっている皆さんというのは国民年金にお入りになっている。そして、お勤めの皆さん方は厚生年金であり、共済年金である。その違いがある。これを一元化するということになりますと、一つは、自営業の方や農林漁業の皆さん方は保険料を納めるときに全額納めなきゃならないということになる。厚生年金、お勤めの皆さん方は、半分は企業が出してくれるわけでありますから、半分出せばいいということになっている。ところが、自営業や農業の方は全額出さなきゃならないということになっている。

 きょう、亀井大臣にわざわざお越しをいただきましたのは、去年の七月ごろ、国民新党の方が民主党からいろいろと年金の制度のことについてお聞きになっている。それはオープンでおやりになったものですから、そのペーパーが出ておりまして、私は、もう昨年になりますけれども、それを拝見させていただいて、なるほど、国民新党はいいところをついて質問をしているなと実は思ったわけです。

 その一つは、自営業の皆さん方や農業の皆さん方は全額払わなければならないことになりますね、しかも、保険料は収入の一五%ということになっている、これは払えますかねというお話が質問として出ている。亀井大臣はそのときにはおみえにならなかった。もう一人の、幹事長の亀井さんと自見さん、その他四、五人の方が出ておみえになった。

 こういうことでございますが、この一元化というのは、一見していいように思うんですけれども、今まで違う路線を進めてきたものを一つにしなきゃならないわけですから、同じ所得があったら同じ財源を払います、こういうことが書いてはあるんですけれども、同じ所得でも、一方の自営業や農業の皆さん方は倍払わなきゃいかぬですね。もらう年金の額は一緒なんです。保険料は倍払わにゃいかぬということになる。それに対していろいろ御意見が出ておりましたが、ちょっと御意見を伺いたい。

亀井国務大臣 私は名前は同じでも亀井久興前幹事長ほど頭脳明晰ではございませんけれども、私どもは、民主党の年金についての将来構想に全面的に賛成しておるわけではございません。

 私どもは、基本的には、老後、自力では生活できなくなっていく人たちに対しては、国家が責任を持って税でこれを負担してきっちりしていくべきだと。今の社会保障制度全体を私どもは検討し直さなければならない。自助努力によって老後もきっちりと生活設計できる、現にそれで生活できる人たちと、国家の助けがなければできない人を同じどんぶり勘定をしてしまっているところに、財源面その他においても問題がある、このように考えております。

    〔委員長退席、海江田委員長代理着席〕

坂口(力)委員 内閣の中にお入りになっている国民新党の亀井大臣にしては、思い切った御発言であるというふうに思っております。

 亀井大臣とは、亀井大臣が自民党の政調会長をなさっておりますときに、私は公明党の政審会長をさせていただいて、御一緒にやらせていただいて、いろいろと御指導をいただいたことが多かった、おしかりを受けたことも多かったというふうに思っておりますが、今は、なるほど、そういう御意見もあるんだろうというふうに思います。

 それからもう一つは、消費税の問題です。

 この上に乗せるのはすべて消費税でいきます、こういうふうに言っておみえになるんですが、この上に乗せる部分はどれぐらいの人を保障するんでしょうか。これは菅大臣にお聞きをしたいわけですが、国民新党のところへ民主党の方から出かけられて御説明になったときにもいろいろ議論が出ておりまして、そのときに、まず十三・五兆円という数字が出ているんですね。これがどういうことで出たのかということはよくわかりませんけれども、十三・五兆円という数字が出ていて、そうしましたら、国民新党の方から、それだったら、高齢者の数で割ったら六割の人は上乗せ部分をもらえるけれども四割はもらえぬではないか、中堅のところまではいかないけれども、それで連合の方からは文句が出ないかというようなことを言っておみえになるんですね。

 私も十三・五兆円というこの数字を割ってみますと、二〇一五年には六十五歳以上の人が大体三千二百万人ぐらいになりまして、そして、この十三兆五千億を一人七万円ということで割っていきますと、千九百万人分ぐらいしかない。三千二百万人と千九百万人とを見ると大体六割なので四割の人がもらえないという、国民新党の方がおっしゃったのは、なるほどそういうことかというふうに今理解をしておるわけであります。

 これは、今までは、民主党の皆さん方は、我々は政権についていないから厚生労働省はなかなか言っても資料を出さない、計算ができないといって、この上乗せ部分をはっきりせずに今日まで逃げておみえに、逃げてきたというのはあれですけれども、私は逃げておみえになったと思うんですけれども、今や天下をとられたわけでありますから、計算してくれと言ったら、一週間もあれば計算できるわけであります。

 そういう中で、この上乗せの部分を一体どの辺まで持っていける、これは厚生労働省は厚生労働省で、どうしてほしいという思いはあると思うんです。しかし、財務省としては、先ほどから出ておりますように、医療にもたくさん使わなきゃならないし、子育てにも使わなきゃならないし、たくさん要るわけですね。年金にだけ多くを、ここへつぎ込むというわけにもなかなかいかないのではないかというふうに思いますが、大体どのぐらいなところまでなら上乗せができるといいますか、どのぐらいな程度で抑えてほしいというふうに財務大臣はお考えになっているか、まずお聞きをしたいと思います。

菅国務大臣 坂口先生とは、私、社民連の政調会長を長く務めまして、社会党、公明党、民社党の皆さんとともにいろいろな仕事をさせていただいておりまして、きょうは久しぶりにこういう形でお話しできるのを本当にうれしく思っております。

 それから、この問題、私もかなりかかわってまいりましたが、基本的には、私の理解では、二つの図は重なるというのが前提だと思っております。あるとき図面をつくらせたときに、半透明のものにして完全に重なるようにつくらせた覚えがありますので、基本的には、ですから変わっていないというのが原則であります。

 その上で、これはなかなかややこしいんですが、私たちが今から考えなければいけないと思っているのは新しい年金制度なんです。では、今までの制度をどうするか。当然ながら、今まで入っておられた皆さんには、今まで入っておられた期間に相当する分はこれまでの制度の原理にのっとってお払いをする。そして、例えば四十歳の方が新たな制度になるとしたら、四十歳から後の部分については新しい制度の中で納めて、そして給付を受ける。それをあわせて給付を受ける。つまり、そういう意味では新しい制度をつくるという考え方に立っていて、実は、図面にしようと思うと、そういう時系列的なこととこの金額のこととが、なかなか一枚の図にするのが大変難しいという当時も思いがいたしました。

 今、具体的な数字を聞かれたんですけれども、国民新党の皆さんに対する山井政務官の説明の中にそういう金額が入っていたということも聞いておりますけれども、必ずしも、そういった今申し上げたようなことも含めて、スタティックにといいましょうか、そのお金を単にそのときの高齢者に配分するという形でいえば、ちょっとこの金額ではやや小さ過ぎるという感じがいたしております。

 あわせて申し上げますと、早ければ来週にも、今総理と御相談しておりますが、本格的な年金の抜本改正あるいは新年金制度に向けて議論を始めようということで準備をしておりまして、そのときに、民主党としての考え方の原案がこの原案であるということは申し上げることができるか、このように思っております。

坂口(力)委員 十三・五兆円は少し小さ過ぎるということを今言われましたけれども、十三・五兆円というのは、これだけの財源をつくろうと思いますと、今、四割は地方に消費税を回していますね、六割を国が使っています。これから先消費税を上げたときに、もうこれから地方へは出しませんよとは言えないと私は思うんです。地方は地方に出さなきゃならない。十三・五兆円の財源をつくろうと思いますと、これを何倍かしなきゃいけないわけで、そうしますと、計算してみますと、二十二兆五千億円をつくりましたら地方に四割渡して国に六割残ることになる。

 二十二兆五千億円といいますと、消費税にしますと九%ですね。それだけの額を、これはどの時点かは知りませんけれども、まず用意をする。これはどんどん、これから高齢者はふえていくわけですから、さらにふえてくるということであります。ただ、その十三・五兆円をつくるだけでも私は大変なことだと思うんですね。九%、一〇%の消費税を年金に使うということになりましたら、医療や介護や子育てに使うお金はなくなってしまうと私は思います。

 だから、そこを私は、これは菅大臣は、いや、それはそうだけれども、そういう気持ちは、できるだけ多い方がいいとは思うけれども、やはりそれは限界がある話だということをおっしゃるのではないかと思ってお聞きしたんですけれども、十三・五兆円は少し小さい、こうおっしゃるから、いつの間にか財務省も大盤振る舞いになったものだ、こう思って聞いたわけですけれども、大丈夫ですか。もう一遍、菅大臣、簡単にひとつお願いいたします、時間が少なくなってきたので。

菅国務大臣 ですから、先ほど申し上げたように、坂口先生が言われたように十三兆五千億で何十年か後の給付対象者の最低保障にするには、そういう考え方では不足するのではないかと申し上げたんです。

 ですから、さっき申し上げたように、ちょっと考え方が違うんです。新たな制度をつくろうという発想であって、これまでの方についてはこれまでの基準のものをあわせて給付するという考え方でありますから、つまりは、ある年齢までは旧来型の年金に入り、ある年齢からは新しい年金に入って、それを案分するような形になるということですので、単純にそういう計算にはならないということを含めて申し上げたつもりです。

坂口(力)委員 菅大臣がおっしゃるのは、これから年金改革をしていきたいというふうに思います、その改革をしていきますときに、一遍にはできないから徐々に徐々に、旧といいますか、現在の年金制度で掛金をしてきた人はそれはそれなりに生かしていきながら新しい制度を導入していこう、こう考えていますよということをおっしゃっているんだと思うんですね。それはそれで私はいいと思うんです、もしもやるのなら。変えることに私はそう賛成しておるわけではありませんけれども、そういう方法はあり得ると私は思います。

 しかし、そうしたときに、だんだんと新しい制度にしていきましたら、将来のどの時点のときに、それではこれで全額もう新しい制度にしますよということを示さなきゃならない。その示したときに、それではどれだけの財源が必要か、その中間ではどれだけの財源かということを、これは工程表を示していかなきゃならぬと思うんですよ、一番最初に示しますときに。そうでないと、将来、二十年、三十年先の人たちに対してどれだけの準備をしたらいいかということを言わないといけませんから、そういうことをしていかないといけないと私は思うんです。

 そのときに、何年先には九%、一〇%の消費税が必要ですよということを言わねばならない。将来は、これからまだ高齢者の率がふえてくるわけでありますから、額としてもまだ三十年や四十年は減っていくということはありません。そこから二〇五〇年を超えて、もう百年も先になってきましたら大体人口が減ってきますからよろしいですけれども、今はまだふえていきますから、しばらくの間は大変なんですね。

 そのときに、これから先どれだけの財源が必要かということも、つくるときには工程表をお示しにならなきゃいけない。この工程表を示されますか。

長妻国務大臣 私どもが申し上げていますのは、四年後に新しい年金制度の法案を提出、成立させるということを申し上げておりまして、その際に財政再計算ということが必要になってくるというふうに考えております。

 その際に、移行期間の問題、これはほかの国でも、一元化して新しい年金制度を入れるときには移行期間で頭を悩ませるんですけれども、それをなるべく短縮するという工夫があるわけでありますし、あと、先ほど来御指摘いただいている、例えばあの図のピンクの部分のお金がかかるとしても、あの制度が全部形づくられたときには今の基礎年金部分のお金というのは必要がなくなるわけでございまして、今は大体二十兆円ちょっとでございまして、二分の一ですから半分の十兆円が国の税金ということになりますので、その部分にプラスして、ピンクで必要な部分の財源が必要だということになります。

 そして、自営業の話でございますけれども、確かに理論上は二倍になるわけでございますけれども、ただ、今は固定でありますが、満額四十年払っても一カ月六万六千円、保険料は安いけれども受け取るのも安い。今後は、保険料は税金じゃありませんので、取られっ放しじゃなくて未来への貯蓄ということで、それは、一定の金額をお支払いいただければ必ずその金額が老後出るということでありますが、これも、ほかの国も含めて、余りに高くなることはいかがなものかという議論がありまして、それを抑える工夫というのはほかの国もしているところでありまして、海外の事例も見ながら制度設計をしていきたいというふうに考えております。

坂口(力)委員 いや、そういうふうにだんだんとこれは大きくなっていく年金ですね。

 現在の年金制度というのは代替率というのがつくられておりまして、所得の少ない人には代替率を高くしている。そしてだんだんと、所得の多い人に対しましては代替率を低くしている。だから、これは生涯の額ですけれども、生涯の平均の月収が夫婦で二十万ぐらいしかないというような人に対しましては一〇〇%の代替率になっているわけです。ところが、夫婦で七十万になります、八十万になりますというような人に対しましては四二、三%ぐらいの代替率にしか今していないというふうにして、その中で、やはりお金のある人とない人との間で相互にそこは分かち合いができるような制度を今はつくり上げている。

 しかし、今回は、皆さん方の案は、どんどんとたくさん保険料を積み上げていきますと、その人はその分だけ年金をもらえますということになりますけれども、所得の少ない人は、それは少ないですよ、ただ上に七万円を上乗せしますよということになるだけでありまして、だから、そこは現在と非常に違うというふうに思っております。

 それで、そろそろ時間がなくなってきたわけですが、総理に少しお聞きをしておきたいというふうに思います。

 民主党の方で年金のことを熱心にお考えになってきたということは私たちもよく存じております。それぞれのお考えがあるということもわかっています。しかし、未来永劫民主党が政権をとっておるわけはないんですね。時にはまたかわるんです。かわりましたときに、またその政党が違う年金制度を出してくるというようなことになれば、一番不幸なのは私は国民だと思います。

 したがって、ここはスウェーデン方式というのは、その点がスウェーデン方式でありまして、スウェーデンは、各政党が寄り集まって、そして、どの政党が政権をとったとしても年金制度だけは変わらないようにしていこうという案をおつくりになった、これがスウェーデン方式だと思うんですね。姿形よりも、その合意を得たというところに一番方式があると思うんです。

 そういう意味で、政府の方でお考えいただくことは結構だというふうに私は思いますが、ここは亀井大臣がおっしゃったように、亀井大臣は、我々は我々としての年金に対する考え方があるということをおっしゃいましたし、我々は我々としてのものを持っています。ただ、現在のものをそのまま、何が何でもこれは変えないというような考え方を私たちも持っているわけではありません。

 したがって、そこはやはり各政党で話し合う場をつくっていかなきゃならない、こう思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞きしたい。

    〔海江田委員長代理退席、委員長着席〕

鳩山内閣総理大臣 坂口委員おっしゃるとおり、年金というのは、私ども、今の年金の制度が必ずしも将来にわたって十分ではないなという思いのもとで、やはり抜本的に改革をしなきゃならぬ、そのようには思い定めておりますが、改革をして本当に新しいものになるには、坂口先生がおっしゃるように、二十年、三十年、あるいはそれ以上かもしれません。移行期間というものが必要な制度であろうかと思います。したがいまして、政権がかわればくるくる猫の目のように変わっていいものではない、そのように思っております。

 今すぐに政権がまたかわるということを想定して申し上げるつもりはないわけではありますけれども、しかしながら、おっしゃるとおり、ベストのものを今考えるべきであろうかと思っておりまして、しかし、その原案は、やはり政権与党が、政府というものが中心となって、まずベースになるものをつくり上げていく努力が必要ではないか。全く白地の中で各党ぜひ集まっていただきたいというのも、政権与党として無責任のそしりも免れない、そのようにも思っております。

 したがいまして、私どもとして、まず政府として、すなわち連立三党が、知恵を絞りながら、できる限り今考えられるベストなものを原案としてつくっていこうではないか、そのように考えているところでございまして、そのための仕組みを今考えているところでございますが、当然、国会の中の議論もきょうのように行っていただくことも大事だと思っております。

 いずれの時点においてか、まだ今、その時期はいつかということは申し上げることはできませんが、ある時点において、やはり与野党でそろって協議をして一つにまとめ上げるという努力が大変重要ではないか、そのように考えておりまして、そのようなことも政府として考えてまいりたいと思っております。

坂口(力)委員 ぜひお願いをしたいというふうに思います。

 案を一つ御提案いただくということは結構なことでございますけれども、一つ、これでもう決まりだというふうにして出されてしまいますと、また混乱のもとになりますので、原案はおつくりをいただいても結構でございますけれども、各政党間で協議をして、皆が大体、これならば、ここならば納得ができるという案をぜひつくり上げるように、それこそそうしたリーダーシップをおとりいただきたい、そんなふうに思っております。

 あと二、三、表を持ってまいりましたので、ちょっとお見せだけしたいと思います。

 これは私の絵も少し悪いんですが、今出ておりました絵はこの上に乗っかるようになっていたわけですが、しかし、中には収入のゼロの人もあるわけですね。収入のゼロの人は最初から上乗せしなきゃいかぬわけですね。ですから、この絵は少し悪くて、こういうふうに上がっていく、こういうふうにしなきゃいけないと思うんです、ちょっと私の絵も悪かったんですが。そういうふうなことも一つ考えていきますと、今まで、ただ上に乗っけるだけで計算をしておみえになるのよりもやはり財源はたくさん要る、こういうふうに思っております。これが一つ。

 もう一つ、これはどれだけの額が要るかということでございますが、これは一年限りの給与所得者であります。

 これで見ますと、男女計で大体四百万円以下のところが五六・六%あるんですね。現在の貨幣価値で一生の間の全体の平均収入なるものをこの統計で見ますと、平均が約四百三十万なんですね。ですから、この四百万ぐらいなところというのは半分ちょっと多いかどうかというぐらいなところになる。これは一つの参考にはなるというふうに思っています。六百万というふうに言われたときもありますけれども、それだったらもう八割の人が入ってしまいますから、これをみんな賄っていく、上乗せ分を賄っていくというのは大変だろうというふうに思っております。

 最後でございますが、これは現在の年金制度でございます。

 それで、今までの制度をなぜ出したかといいますと、これから先、新しいものをお互いが検討していくといたしましても、それができ上がりますのは三十年先、四十年先ということでありましたら、この一年、二年、あるいは三年、四年という足元の低年金で苦しんでおみえになる方がある。例えば、御主人が亡くなられて、奥さんだけおひとりになっておみえになって、年金の額がうんと減ったというような人たちがある。そういう人たちには、年金制度を今から三十年、四十年かかってつくりますから、それまで待ってくださいとは言えないわけですね。

 まず、何はともあれ、現在のこの年金制度の中で、年収二百万以下ぐらいなところ、あるいは百五十万という説もございます、このぐらいなところで線を引いて、それよりも少ないところには少し上乗せをしようじゃないかと。何で六・六万円の基礎年金が八・三万円になるかといいますと、国庫負担を五〇%にいたしましたが、ここの低いところだけ六割にしよう、六割国が出すということにしよう、そうしますと八万三千円になる、こういう計算でございます。

 こういうふうにいたしますと、十分ではありませんけれども、現状よりもかなりこれは救われるというふうに思っておりまして、でも、これだけやるのでも一兆円かかるんです。毎年ですよ。毎年一兆円かかる。

 ですから、なかなか財源の厳しい中でこれを言うのは非常に大変なんですけれども、こういうことも、将来の絵柄は絵柄として考えるとしても、足元の問題としても少し考えていくべきではないかというふうに思いますが、これは総理に少し御意見をいただいて、あと厚生労働大臣、言っていただけますか。

長妻国務大臣 今のお話は、いわゆる無年金あるいは低年金の問題だと思います。

 私どもは、それ以外にも、国民年金と生活保護のレベルの問題や未納の問題や、かなり多くの問題があって、一つ一つやるよりは、四年後にそういう抜本改革をいたしますので、その中で考えていきたいというのが基本的な姿勢でございますが、ただ、できることからということで、実は今国会に法律の審議をお願いしようと思っておりますのは、国民年金は、支払うのが今まで二年しかさかのぼれませんでしたけれども、それを十年までさかのぼって支払うことができる、こういう法案を提出しようと。

 今まではなぜ二年かといいますと、余りにさかのぼり期間が長いと、では将来お金があるときに払えばいいやということで、そういう将来の老後の、ある意味では年金は危機管理でもございますので、そういう留保があってはいけないということでございますが、その法案によって、これは被保険者の方ですけれども、最大で一千七百十万人の方がそのお支払いが可能になり、その中で年金額をふやせる方が最大一千六百万人あり、年金受給を早められる方が最大七十万人、将来無年金とならずに済む方が最大四十万人ということでございまして、かつ、六十五歳以上の無年金の方がこの措置によって最大八千人の方が受給権者になるという措置も考えておりまして、一歩一歩やっていきたいと思います。

坂口(力)委員 ちょっと最後も一言いただけますか。

鳩山内閣総理大臣 坂口先生方がいろいろと、例えば低所得の方々に対する配慮をどうするかというようなことでお考えになっていただけることも、これは大変重要なことだと思っておりまして、参考にさせていただければと思っております。

 一方で、財源の問題が、これは坂口先生、先ほどからお話がありましたように、財源との絡みの中でどういう案が最適だという議論が当然必要だと思っておりまして、そういう中でさまざまな案を検討させていただきたいと思っておりますが、低所得の方々に対する年金ほど意味があるわけでありますから、そういったことも真剣に考えていくことは今後必要だと思っております。

坂口(力)委員 ありがとうございました。終わります。

鹿野委員長 これにて坂口君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 障害者自立支援法が二〇〇六年四月に施行されてから、間もなく四年になります。障害者が生きるために不可欠な支援を利益の益とみなして原則一割の重い自己負担を課す障害者自立支援法は、世界に類例のない希代の悪法と言っていいと思います。

 この法案審議のとき、私、衆議院の厚生労働委員でありまして、私たちのことは私たち抜きに決めないで、こういう障害者の皆さんの命がけの反対の闘いを目の当たりにしながら、この論戦をやりました。

 四年前の施行を目前にした二〇〇六年二月二十八日、この予算委員会での私の質問に対して、当時の小泉首相は、実施をして問題がわかればしかるべき対応をとると言いながら、強行いたしました。障害者を苦しめ続けてきた応益負担から決別すべきときであります。

 そういう中で、障害者の皆さんがやむにやまれずの、自立支援法、これは本当に憲法違反だということでの裁判、憲法二十五条の生存権侵害に当たるということで裁判に立ち上がられました。

 この訴訟をめぐって、鳩山政権になって、去る一月、この法律の廃止などを定めた原告と政府間の基本合意文書が取り交わされて、原告団は訴訟の終結を表明いたしました。画期的なことだと思います。

 まず、厚生労働大臣に伺います。

 この基本合意文書というのがありますが、その第一項で、障害者自立支援法廃止の確約と新法制定という部分がありますが、どのようなことが確認として取り交わされましたか。

長妻国務大臣 これは、厚生労働省の講堂で、ことしの一月七日にこういう合意文書を結ばせていただいたわけでございますけれども、その中で、基本的に、新しい法律につきましては、障がい者制度改革推進本部のもとに設置をする会議、部会で議論をするということでありますけれども……(笠井委員「第一項の紹介をしてください。第一項目、何というふうに確認したかという」と呼ぶ)

 第一項ですね。新法の制定で、六つの検討でございますけれども、この文書を読みますと、「国は、速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも平成二十五年八月までに、障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施する。そこにおいては、障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とする。」ということであります。

笠井委員 自立支援法の廃止を明言した。大変にその意義は大きいと思います。

 そこで、総理、障害者の尊厳回復の出発点にして、この基本合意文書を今後の施策に生かすべきときだと思うんですが、総理の大きな基本認識で結構ですから、伺いたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 笠井委員から、障害者自立支援法の廃止に向けての強いお尋ね、原告団との基本合意に関する意義がお話がございました。

 まさにそのとおりだと思っておりまして、私たちは、自立支援と口では言いながら自立が阻害されてきた障害がおありの方々に対して、やはり、応益負担ではない、基本的には応能負担にしていかなきゃならぬという方向で大きくかじを切りたい、そのように思っております。

 その方向に向けてこの基本合意文書というものが交わされた意義というものは、私は極めて大きなものがあろうかと思っておりまして、今までは余りこのようなことがなかなかなされなかったわけでありますが、新政権としての思いがこの中にあらわれていると御理解を願いたいと存じます。

笠井委員 障害者自立支援法の深刻な問題点を具体的に解決するには、これからが正念場だと思います。

 そこで、長妻大臣、もう一項目、基本合意文書の内容を紹介していただきたいんですが、その中で、第四項目のところで、利用者負担における当面の措置という部分がありますが、どういう合意の内容になっていますでしょうか。その部分の紹介をお願いします。

長妻国務大臣 これにつきましては、障害者の皆様方の、低所得者の皆様方に関する障害福祉サービスについて無料にするということであります。

笠井委員 それが来年度予算に反映されているのかどうかが問われております。

 最大の問題点である応益負担制度について、廃止までの暫定的な負担軽減策として、ことし四月から、まず住民税非課税の障害者への応益負担をなくすということで約三百億円の予算をこの政権が約束していたわけですが、実際には、決定したのは三分の一程度の百七億円と、福祉の部分だけにとどまっております。医療支援については軽減策の対象外になっている。

 医療費の利用者負担の廃止方向はどのように検討されているのでしょうか。答弁をお願いしたいと思います。

長妻国務大臣 今おっしゃられた部分の、医療費の部分でございますけれども、これにつきましては、低所得者の方、今まだ有料になっているということでございます。

 先ほども申し上げました、この合意文書の中にもございます、自立支援法にかわる新しい制度を議論する障がい者制度改革推進会議やそのもとの部会で今後の検討課題となると思います。

笠井委員 社会的基盤という点では、こういうことにこそきちっとやはり具体的に措置をするということが大事だと思います。応益負担を中途半端に残すべきではないということを強く言いたいと思います。

 訴訟団の方々が総理と長妻大臣に提出した要望書というのがございます。一月七日付で、この合意の日に出された要望でありますが、この中で、利用者負担の廃止、それから緊急課題が列挙されておりますけれども、私、拝見していて、どれも皆切実なものであります。すぐ対応すべきだと思います。

 我が党の調査でも、例えば、報酬単価等の引き下げによって減収になった事業所というのは九七%にも上っています。多くの事業所が、行事の縮小、廃止など利用者サービスの後退と、賃金の切り下げ、職員の非正規、パート化など労働条件の切り下げを余儀なくされております。このままでは事業所の閉鎖もやむなしと、悲痛な声もたくさん寄せられております。

 そこで、事業所に対する報酬単価を大幅に引き上げて、支払いの方式も日額制から月額制に戻すことは、切実で緊急な課題の一つだと思うんですが、これは手つかずになっていると思うんですが、これはどうするんでしょうか。

長妻国務大臣 今言われた月額制に戻すということも含めて、先ほど申し上げました会議の中で議論をしていくということでありますが、その要望書の中にある実態調査、つまり、利用者負担を理由に退所した方の実態調査というのは今実施中でございまして、そういう実態把握の調査も見ながら、その会議のもとで議論、検討していきたいと考えております。

笠井委員 新政権が自立支援法の廃止を決めたことというのは、何より障害者の命がけの闘い、国民の運動の成果であります。しかし、応益負担の廃止はまだでありまして、自立支援法の廃止明言というのは応益負担の廃止とリンクしているはずでありまして、私は、憲法にも、あるいは福祉の理念にも反する応益負担、重い負担を強いるやり方というのは、廃止を公約どおり速やかに進めるべきだ、実施すべきだということを言いたいと思います。政府は一期四年以内に新制度を創立すると言っておりますけれども、これ以上待てないというのが障害者と家族の現実であります。

 この裁判の中で、知的障害のある男性原告の母の方の口頭弁論での意見陳述、私も拝見しました。内容の概要を紹介します。

  息子の障害がわかったのは三歳のときです。「うちの子に障害なんてない」と最初は事実を受け入れることができませんでした。息子が五歳のとき障害児の通園施設に通うことになり、徐々に覚悟ができました。「いつかは息子を人に託さなければならない時がくる。人から少しでもかわいがられるようにしよう」。洋服のボタンのかけ方、店のものはお金を払ってからでないと食べたらだめ。必死で教えました。

  私は息子が二十歳のときに離婚し、生計を維持するために働きに出ました。仕事と息子との生活の両立は困難を極め、息子が二十二歳の時にやむなく認可施設に入所させました。ところが二年もたたず、息子はストレスで目はつり上がりほおはこけてしまいました。

  息子が三十歳のとき、私の信頼する人が生活寮をつくりそこに入所することができました。通所施設にも通い月二千円の工賃ももらえるようになり笑顔も出るようになりました。

  貧しいながらも希望が持てる生活になりました。

  その矢先に自立支援法で再び不安な生活に戻されてしまいました。一カ月で二万四千六百円の応益負担が必要になりました。

  生活の見通しが崩されました。今までがむしゃらに頑張ってきましたが限界です。

 障害者と家族の実態をきちんと見ていただきたいと願っていますと。本当に痛切な声だと思います。

 新制度は応益負担廃止のはずであります。自立支援法による応益負担を福祉、医療とも全面撤廃して、福祉労働者の賃金を国の責任で引き上げよと強く言いたいと思います。

 今、実態調査のことを触れられました。改めて聞きたいんですが、今後の施策の出発点として、障害者の生活、小規模作業所など自立支援施設の現状把握は大前提であります。まして、四年間にもわたる自立支援法のもとで負担増があったわけですから、障害者と家族の深刻な実態がどうなっているか、これをつかむことは必須であります。

 政府として、今後の施策をつくっていく上でも、当事者の協力も得て、今言ったような包括的な実態調査をぜひきちっとやるべきだと思うんですが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。

長妻国務大臣 自立支援サービスを受けられなくなった方の調査を今実施中と申し上げましたけれども、第一弾はもうマスコミにも発表いたしましたけれども、今、第二弾ということで、さらに深掘りした実態把握をしようということです。

 我々の問題意識は、やはり、障害者自立支援法が制定される過程で本当に障害者の当事者の方の御意見を十分に聞いたのかというのが非常に大きい点でありまして、我々は、そういうことのなきよう、先ほどの会議で当事者の方も入れて新しい制度をつくっていくという中で、前提となる実態把握を今全力で取り組んでいるところであります。

笠井委員 さらに第二弾もやるということなんですが、大体いつごろをめどとかということで調査をやっているんですか。

長妻国務大臣 今やっている調査は、春ぐらいまでに出るというスケジュールでやっております。

笠井委員 もう春ですから、きちっとした調査をやっていただきたいと思いますが。

 新政権下で、障害者権利条約に沿って、先ほどありました障がい者制度改革推進会議が開催をされて、ことし夏までに法整備が進められようとしています。障害者自立支援法の成立を強行したとき、まさに今大臣言われましたが、当事者の皆さんから、私たちのことを私たち抜きに決めないでと、痛切な叫びが上がったわけであります。私はその声が今も耳に残っております。

 新しい制度に向けての検討というのは障害者抜きには決められない。要望を新しい制度にきちんと反映させる必要があります。推進会議に障害者関係者が入ったのは前進でありますが、さらに実務的な検討を行う専門部会にも、訴訟団の推薦者など当事者の参加を検討すべきだと思います。

 総理、幾つか伺ってきましたが、この基本合意文書で、国は、「障害のある当事者が社会の対等な一員として安心して暮らすことのできるものとするために最善を尽くす」、こう言われております。約束している。この立場で政府は全力を挙げるべきだと思うんですが、総理の決意を伺いたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 障害者自立支援法の廃止の問題はもとより、障害がおありの方に対してやはり政府としては最善を尽くしていくのは当然のことだ、そのように思っております。

 そのためにも、今、長妻大臣がお話ありましたけれども、私たちはその制度をさまざま改革をしていきたいと思っておりまして、その中の会議体に障害をお持ちの方、障害がおありの方にもどんどん参加をしていただいて、今、議論が深められているところでございます。そのようなことを行いまして最善を尽くすと私どもは申し上げたいと思っております。

笠井委員 この障害者施策を含む社会保障や暮らしのための財源にかかわって、軍事費、特に米軍再編の経費について伺っておきたいと思います。

 普天間移設問題あるいはグアム移転問題、岩国を初めとして、全国での米軍再編の経費が一体幾らかかるのか。米側から三兆円という数字もたびたび明らかにされたという経過がございます。旧政権のとき以来、当委員会や外務委員会などでもたびたび問題になってまいりました。

 私自身、この委員会の場で、安倍総理、福田総理、そして麻生総理にもただしてまいりましたが、答弁は、日米間で検討して詰めている、鋭意検討を進めて、できるだけ早い段階に明らかにしていきたい、いずれにしても、厳しい財政事情のもとでもあるので、検討を進めて、必要な経費というものをきちんとした形で精査していかなければならぬと繰り返すばかりでありました。

 政権が交代したわけであります。そこで、私は歴代総理に伺ってきたので、鳩山総理に、新政権の責任者として、現時点で米軍再編というのは一体総額どれぐらいの規模になるというふうにつかんでいらっしゃるのか、あるいは把握していらっしゃるのか、答弁願いたいと思います。いかがでしょうか。

北澤国務大臣 笠井委員も含めて、たびたび国会でこういう議論があったことは私も十分承知をしております。

 したがいまして、今読み上げられた前政権のような答弁はいたしませんが、現実問題として、再編の中で、岩国のFCLPとか、それからさらには新田原の基地の問題とか、はっきりわかっているものと、例えばこのFCLPなんかは場所がまだ決まっていないわけでありますから計上のしようがないということでありまして、米側から三兆円というような話については承知はいたしておりませんけれども、未決定のところがまだかなりある。

 例えば、今、辺野古のV字案をどうするか、こういうことにおいては、政権交代になった後で、沖縄の県民の大きな期待感の中で今どうするかという議論をしておるわけでありますから、このことを確定的に申し上げるわけにはいかない、そういうことで御理解をいただきたいと思います。

笠井委員 前政権と同じ答弁ではないというふうにおっしゃったんですが、私は、内容的には同じような答弁だなと思ったわけです。

 総理、一言、どれぐらいの規模のものというふうに総理大臣としては認識しておられるのか伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 今、北澤大臣が答弁したとおりでありますけれども、まず、三兆円という話は全くの誤りでありますので、御放念いただいて結構でございます。

 その中で、当然、日本は今、財政事情も大変厳しい状況であります。ただ、一方では、日米の安全保障というのは大変重要であることも論をまたないところでございます。その中での米軍再編でございますが、今現時点でさまざまな考え方を有しているところでございますが、まずは、普天間の移設一つとってみても、これは五月末までに決定をするという段階でありますので、その決定を待つまで、トータルとして幾らかかるということを責任を持って申し上げる段階でないことを、恐縮でありますが、御理解を願いたい。

笠井委員 少なくとも旧政権時代、当時の、普天間問題、まだここは固まっていないとおっしゃいましたが、その三兆円というのは全く誤りで、放念して結構ですというふうに確信して言われる根拠は何ですか。

鳩山内閣総理大臣 かつてもそのような議論がなされたようでありますが、根拠がないということでありますから、御放念いただいて結構だということであります。

笠井委員 根拠がない。どういう根拠なのかということもないわけで、私、その問題は、新政権として、どういうことだったのか、きちっと検証が必要だと思うんです。

 武正外務副大臣、いらっしゃっていると思うんですが、私、民主党が野党時代に、この問題をともに追及してまいりました。二〇〇六年の五月十一日の本会議でも、民主党を代表した質問を副大臣が当時されて、こう言われております。会議録があります。

 厳しい財政状況の中で巨額の経費負担を押しつけられ、合意してきた政府の対応には怒りすら覚える、米軍再編に伴ってどれぐらいの費用負担が発生するのか、積算根拠を明確に示せ、二兆、三兆と、豆腐を数えているのではない、ここまで厳しく追及されました。そうですね。

武正副大臣 そのとおりでございますが、その言った思いというのは、国民の税金、これを一円たりとも無駄にしてはいけない、そういう思いからの発露でございます。

笠井委員 その民主党が政権についたんですから、総理、それこそ、米軍再編に伴ってどれぐらいの費用負担が発生するのか。三兆円は全くの誤りで、放念していいんだったら、どれぐらいの規模とか、まだこういう調整もあるけれどもと。

 つまり、事業をやっているわけですから、これは、国民の税金が一体どれぐらいかかるかぐらいの積算根拠、あるいは全体のおよその規模というのは明確に示すことが必要なんじゃないでしょうか。この部分だけしないという。大体幾らぐらいとかということもないんですか、総理。

北澤国務大臣 笠井委員の理論的な追及の仕方からすると理解できるんですよ。しかし、全く決まっていないものがあるわけです。

 例えば、辺野古のV字案については三千五百億というような試算もされておるわけでありますが、これが今決まっていないということになると計算の根拠から外れていくわけですから、そういう意味ではぜひ御理解をいただきたいと思います。

笠井委員 決まっていないところは留保して、幾らって言えばいいでしょう。それも言えないということなんですよ、そういうことを理由にして。

 資料等パネルにしてまいりましたが、実際に来年度予算を見ますと、米軍再編経費というのは一千三百二十億円に既に上っておりまして、自公政権時代の前年度よりも、前年度が八百三十九億円ですから、四百八十一億円も増額になっております。その結果、そういうことも含めて、来年度の軍事費全体は百六十二億円も増額となっている。

 これまでの米軍再編の経費の総額というのは、全部足しますと二千七百二十五億円になります。こうやってどんどん積み重なってふえてきているわけです、全体の規模がわからずに。

 今度の予算はどうして前年度よりもふえちゃったんですか。

北澤国務大臣 先ほど申し上げたように、全体が決まっていないという中で、決まっているものからロードマップに基づいて工事契約をしております。これは歳出ベースでありますから、契約をしたその年度内の経費は計上しておるわけでありまして、ぜひ御理解をいただきたいと思うんですが、前政権で合意をした中で、できるところから事業を進めている、こういうことでありますので、契約ベースでやってきた中で、時々事業が重なってきますから、歳出ベースで金額がふえるというのは御理解いただきたいと思います。

笠井委員 聞いていてもよくわからないわけですが、要するに、決まったものからというふうに足していったら、幾らになるという規模が出てきますよね。本当に十分に精査したのか。普天間がまだ決まっていないと言われましたが、では、その焦点となっている普天間基地の移設に関する事業について聞きたいと思います。

 辺野古のキャンプ・シュワブへの移設業務について、二〇〇六年から二〇〇九年度までの発注件数というのは、合わせて何件でしょうか。件数だけで結構です。

北澤国務大臣 百五十二件です。

笠井委員 百五十二件、私、防衛省からの資料をもとに一覧表にしてみました。

 この間、二〇〇六年度から二〇〇七年、二〇〇八年、二〇〇九年ということで、全体で百五十二件でありますけれども、二〇〇六年三十一件、二〇〇七年五十二件、二〇〇八年六十二件、二〇〇九年七件。総額、計算しますと、百五十五億二千九百万円であります。

 これらの工事等のうち、二〇〇九年末で事業が終了したのは九十四件。残りは五十八件ということになると思うんですけれども、私、原資料もありますが、それは間違いありませんか。

北澤国務大臣 五十八件で間違いありません。

笠井委員 そうしますと、五十八件というのはいまだに継続中の事業であります。その中には、辺野古の飛行場建設を初め、移設地の基本設計や建築設計、土木設計などの業務が新政権のもとで改めて延長をされております。この中には、滑走路上になる米兵の宿舎を、それに重なるものですから別の場所に移す、新たな兵隊の隊舎建設事業まで含まれておりまして、実際に建設が進行中であります。

 一方で、ゼロベースで、この普天間問題、移設先を探していると鳩山政権はおっしゃるんですが、その一方で、辺野古への移設、新基地建設を前提にした事業がとまらずに粛々と進んでいるということになります。これはおかしいんじゃないですか。

北澤国務大臣 キャンプ・シュワブの内陸部における工事は、間違いなく進んでおるんです、移転をしながら。また、その用地のところを造成し直しておるとか、そういう事業が進んでいることは間違いありません。

笠井委員 だから、おかしいですよね。普天間飛行場移設に関する業務なんですよ。それが辺野古で進行しているわけです。

 移設先等いろいろ議論されて、政府は検討して、ゼロベースと総理もおっしゃっているけれども、一方で、そういうふうにしてゼロベースと言われながら、実際には、辺野古で前提にした事業が進んでいる。他方で、普天間基地の方も、現在、滑走路を閉鎖して、今後さらに使えるように滑走路の補修工事が進行しております。こっちもちゃんと使えるようにやっていこうと。普天間もやる、それから辺野古も、ゼロベースと言っていて、まだいろいろな検討があると言いながら実際には進行している。これはおかしいですよね。十分に精査して積み上げたのか、なっていないんじゃないか。重大な問題だと思います。

 総理はゼロベースから見直すというふうに言われているわけですから、少なくとも、今防衛大臣が認められた五十八件の辺野古移設関連の業務というのは、政府の理屈からしても、まずストップ、凍結するというのが当然じゃないでしょうか、五月末。総理、いかがですか。

北澤国務大臣 今現在進んでいる工事は、前政権で契約をしまして、我々の政権になってから契約したものはないんです。

笠井委員 だって、それでも工事ストップするぐらい当たり前でしょう。今のはおかしいですよ。新政権のもとでゼロベースで考えると言ったのに、前政権がやったから続けますと言っていたら、これはおかしいですよね。

 総理、どうですか。総理に伺います。

北澤国務大臣 私は現地も見てきました。あそこで地元業者が契約をして粛々と工事をやっておるわけでありまして、あの工事をしているところの米軍との約束の中で隊舎を移したりしておるわけです。これが将来もしどこに移るというようなことがあっても支障がないという判断をしております。

笠井委員 ちょっと待てぐらい言えばいいでしょう。将来移るって、そういうふうに決めてそうなったときにそれからということでやればいいわけで、総理、どうですか。

鳩山内閣総理大臣 今、防衛大臣からお答えをいたしましたけれども、契約に至っていないものは、したがって全くやってはおりません。これは、前政権のときの話ではありますが、契約済みのものに関しては国の負担の義務があるものですから、生じているものに関しては行っている。

 ただ、これは笠井委員おわかりのとおり、私どもは、まさにゼロベースで、どこに普天間の移設先がベストであるかということを今探している、選択をしている最中であります。したがいまして、これはゼロベースで行って、しっかり議論をして、五月末までに必ず結論を出します。

 そうなれば、当然、工事を行っていたものでも、そこで必要がなくなるものはたくさん出てくる可能性は十分あります。そういう意味で、ゼロベースで我々は今議論を続けているところであります。

笠井委員 新政権で工期延長したんですよ。工期延長ぐらいちょっと待てと言うのは当然だと思います。私は、こんないいかげんなやり方で国民の税金を巨額につぎ込む、まともな検討もなしに旧政権のやり方を引き継ぐべきでないと思います。

 沖縄の新基地計画というのはこれはもう撤回する、普天間基地は無条件撤去しかないし、こういう米軍再編にかける経費について言えば、そんなことよりも、障害者への政策とか社会保障などに振り向けるべきだ。根本的な転換を求めて質問を終わりたいと思います。

鹿野委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、江田憲司君。

江田(憲)委員 みんなの党の江田憲司でございます。

 本日は、社会保障の財源論を、総理、菅副総理と少しさせていただきたいんです。

 御案内のとおり、日本は世界一の少子高齢社会でございまして、これからどんどん医療や介護や年金、子育ての費用がかさんでいくわけですね。ほっておいても自然増で一兆円ずつ毎年ふえていくような状況でございます。

 おまけに、民主党さんの場合は、鳩山政権で、子ども手当が完全実施すれば五兆円以上、高校無償化が四、五千億円でしたか、高速無料化がたしか、マニフェスト上は完全実施すれば一・三兆円、それから、これも完全実施すれば農家の戸別所得補償は一兆円、こういった莫大なコストがかかるわけでございまして、国民はやはり、一体この財源をどうするんだろうと心配をしているわけでございます。

 そういう意味で、まず冒頭、消費税についてお聞きをしたいんですけれども、私が聞いておるところ、菅副総理は、逆立ちしても鼻血が出ないぐらい無駄遣いの解消をした上で、その後ででしたか、消費税の議論はしていきたいという御発言をされておりますけれども、今でもそういうお考えで変わりございませんか。

菅国務大臣 私は、この間の過去のいろいろな消費税をめぐる議論を聞いていても、やはり国民が、本当に無駄遣いがないんだ、ぎりぎりのところまで行政改革というのか無駄遣いをなくしたんだということが信頼されない限りは、たとえ社会保障を維持する、あるいはそれをよくするために必要だと言っても、国民が許してくれない。そういう意味で、今、江田議員が言われたような趣旨のことを申し上げてきました。気持ちそのものは全く変わっておりません。

 ただ、作業としては、今度、枝野行刷大臣も誕生して、その作業はその作業で徹底的に進めながら、しかし同時に、昨年の税調の中で全般的な議論をするという方向性も決めておりますので、議論そのものは、総理とも相談して、三月ぐらいから本格的に、消費税も含めた税制全般の議論を始めたい、このように考えております。

江田(憲)委員 鳩山総理も同様の御認識ということでよろしゅうございますね。

鳩山内閣総理大臣 はい、結構であります。

 私は、消費税、なぜ最初は議論もする必要はないかということを申し上げたのは、それは、消費税の議論に入りますと、これは先ほど鼻血が出る出ないという話がありましたけれども、一番大事な、無駄遣いを削減するという努力を怠る可能性が出てくる。だから、それよりもまずは歳出の削減の努力を徹底的に行えということを徹底したかったということでございまして、枝野行革大臣も誕生して、むしろそこは徹底して行うシステムができてきた。ならば、これからは消費税の議論は当然行って結構だと。しかしながら、私ども昨年に誓った消費税増税、このことに関しては、我々が政権を担当しているこの四年の間行わないということは変えておりません。

江田(憲)委員 国民も、これだけ社会保障費が増大する中で、未来永劫消費税を上げてはいかぬと言っているわけではなくて、やはり、ただその前にやるべきことがあるだろうと。増税する前に、今総理も副総理もおっしゃったように、徹底的に国家経営のリストラをする、ぜい肉をそぎ落とす、無駄遣いを解消するということだと思いますし、我々みんなの党もそういうふうに訴えたところでございます。

 そういう意味で、きょうは、私が非常に心配している、財源をどこから見つけてくるかということで、特に、鳩山政権がマニフェストでお約束された、国家公務員の総人件費を二割削減するというところですね。我々みんなの党も、ぜひやっていただきたいと思っているんです。

 ただ、残念ながら、来年度予算を見ますと、人勧、人事院の勧告どおりの千四百億円程度の削減、これは平常ベースの削減で終わってしまって。ただ、それをうそつきとは私は申し上げません。大変なことですから、これをやるのは。ですから、今後、おっしゃるように、次の総選挙までにどうやって二割削減をされるのか、ここだと思うんですね。ここがしっかり、国民の皆さんに説得的に、こうやってやるんだということを明示していただかなければいけないと思うんですけれども。

 そこはマニフェストを読みますと、民主党さんのところにも、まず「地方移管」と書いてあります。それからあと、手当、退職金、定員の見直し、それから、労使交渉を通じた給与改定などによりと書いてあるんですけれども、まずこの地方移管ですね。

 原口大臣は、就任早々から、地方支分部局、ブロック機関の原則廃止をおっしゃいました。私も大賛成です。今、国家公務員数、大体三十万ちょっとですけれども、そのうちの三分の二、二十万人がこの地方ブロック機関で働いている。今までを見ましても、タクシーの無駄遣いであるとか事故米であるとか、問題、スキャンダルを起こしたところも、これは地方ブロック機関ですよ。

 ですから、私は、航空管制とか税務とか、そういう必要なところは残して、これは大胆なリストラができると思っているんですけれども、これに対する総理の御決意を伺いたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 江田委員からまさにその必要性を主張していただいて、大変ありがたいと思っております。

 私ども、人件費を削減する幾つかのやり方があると思っておりまして、その中でもトップに挙げているのは、地方分権に伴います、出先機関などを基本的には廃止したり、あるいは地方に移管をするというやり方があろうかと思っております。これを徹底しなければならぬと思います。私は、その先に地域主権の国家というものを見定めていくことが大変大事だと思っておりまして、将来的な国の財源を徹底的に減らしていく最大の戦略は、国と地域のあり方を大きく転換させるというところにあると思いますが、その第一歩としての地方移管というものを必死にやらなきゃいけない、私はそう思っております。

江田(憲)委員 そこで、地方移管をするとおっしゃいますが、都道府県や市町村の財政も厳しいわけですよ。この人たちを、人は上げますけれども人件費は差し上げませんということでは、とても地方は受け入れられませんね。

 そうしますと、今、最大の方策として、人件費二割削減の方策としてやられるとおっしゃいましたけれども、これは、地方に移管するときには当然人件費とともに移管するということでよろしゅうございますか。

菅国務大臣 御承知のように、国の機関を地方に移管するということに関しては、相当の地方との協議も必要になりますし、そういったことをことしから本格的に取り組むわけであります。

 ですから、いずれにしても、考え方としては、ダブって仕事をしているものを一方にちゃんと位置づければ、全体としてはその分だけ減るわけでありますから、その減ったところをいかに国の方の財政に対しても軽減につなげていくのか、このことは、具体的なことはこれからの作業だと考えています。

江田(憲)委員 いや、そこが私は理解できないんです。

 地方移管を否定するものじゃありませんけれども、地方ブロック機関の職員を移行するときには当然給料分も移管する、そうすると、その分は財源にはカウントできないですよ。これはもう当たり前のことですね。

 しかし、民主党のマニフェストには一・一兆円、要は、今五兆三千億ある総人件費を二割削減して、一・一兆円をさっき言った社会保障とかいろいろな財源に使っていきますとおっしゃっているんだけれども、しかし、これは人件費込みで移管しちゃったら、この一・一兆円は使えないんです、財源で。それが、総理、最大の方策だとおっしゃるのなら、このマニフェストの一・一兆円というのはいきなり信憑性を失うことになるんですよ。その点、いかがでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 まさにそうでありまして、私は、江田委員のおっしゃるとおり、国から地方への、まさに地方移管というものを進めて、その財源を全部国が支払っていることであれば、何も削減にはなりません。そこは当然、今菅大臣も申したとおり、これからしっかりとした仕組みをつくらなきゃなりませんが、当然のことながら、全部補償するみたいな話はあり得ない、そのように考えております。

 むしろ、それ以上に、それよりもさらに私どもがやらなければならないことは、ある意味で拡大人件費の削減といいますか、いわゆる、これは江田委員も大変関心をお持ちの天下りという部分でありまして、OBの天下りというもの、そこに相当のお金、人件費というものも含めて移管、移管という話ではありませんが、使われているわけでありまして、我々、それがかつて十二兆円、この間も話がありましたが、この部分に対してしっかりと手をつけるということも大事でありまして、いわゆる隠れ人件費のようなものを徹底的に削減するというようなことも含めて、トータルとして人件費の削減を行っていきたいと考えております。

江田(憲)委員 人を移管した財源をすべて補償するものではないという総理の御発言だと、なかなか地方自治体は受け入れをちゅうちょすると思いますが、ちょっときょうは時間もありませんので、これ以上申し上げません。

 ただ、やはり人件費というのは、これは常識ですけれども、人数掛ける給料の額ですから、二割削減というこれは物すごく大胆な削減、ぜひやってほしいですけれども、結局、人員削減を大胆にやる、給料も大幅に削減しないと、これは到底実現できないんですね。

 そういう意味で、労働基本権を早く与えて、民間並みのリストラ、人員整理をしていく。それから、できのいい役人は給料を上げてやってもいいですよ。しかし、やる気のない人、できの悪い人の給料はどんと下げていく。これは給与法の抜本改正、公務員法の抜本改正ですよ。

 これを、仙谷大臣あたりは来年の通常国会にやると言っているんですよ。そんなばかなこと、私はないと思っているんですよ。来年の通常国会に出したら、適用されるのは二十四年度からやっとですよ。そうすると、四年目といったら二十五年度ですから、時間もない。ということは、この一・一兆円、二割削減ができないということなので、ぜひ、総理、来年の通常国会じゃなくて、もうこの通常国会後半とか臨時国会に遅くても出すと今明言されないと、この一・一兆、二割削減はとてもできませんので、ぜひ御決意をお聞かせください。

鳩山内閣総理大臣 御案内のとおり、人勧というのがありますから、そこで人勧を無視するなどという話は簡単にできる話じゃありません。したがいまして、労働基本権というものをしっかりと付与するということを行わなければなりません。

 つまり、私ども、確かにそれを急ぐ必要があろうかと思います。仙谷大臣は来年の通常国会ということを申したかもしれません、その方向で今動いているのかもしれませんが、できる限りそれは急ぐ必要があろうかと思います。

 いずれにしても、私ども、四年間の誓いとして、一兆一千億、人件費二割カットということを申し上げておりますから、その方向に向けてあらゆる手だてで行ってまいりたい、そのように思います。

江田(憲)委員 来年の通常国会ということは二十三年度、法案が通って労使交渉して、やるのが二十四年度です。選挙は、二十一年九月ですから、二十五年九月までに来ます。もう一年少々しかなくて、この二割削減、おっしゃるとおり労働基本権を与えないと身分保障が外れませんから、さっき言ったリストラができなくなるので、これはぜひ総理から御指導されて、とにかく少なくとも臨時国会から出すということにしないと。

 この前、みんなの党の同僚議員の柿澤未途議員が総務省に資料要求しました。天下りを禁止する、大賛成、肩たたきをやめて定年まで働ける環境をつくっていく、大賛成、我々みんなの党も。だとすればどうなるかという試算が今週出まして、人件費が二割アップなんですよ。民主党さんは二割減と。しかし、そういう人たちを六十五歳まで抱えていくと、やめさせる人を抱えていくわけですから当然二割アップするという試算が総務省から出ているんですよ。都合四割ですからね。

 ですから、これをやるということは、本当にスピード感と大胆さが要ると思うんですね。鳩山総理、民主党の財源論で、ここが物すごく信憑性が問われているところですよ。ぜひ総理の御指導で早急にやらせると、もう一回最後に御答弁をいただいて、私の質疑は終わります。

鳩山内閣総理大臣 私ども、マニフェストでしっかりと国民の皆さんにお約束をしたわけでありますから、その約束をした以上、それを果たすべきであることは言うまでもありません。

 したがいまして、今、あらゆる手だてということを申し上げました。その中で、大事なことは、労働基本権を付与するということは何としても必要だと思っておりますから、それを極力急がせて、そしてその約束を果たせるように最善の努力を尽くすことをお約束いたします。

江田(憲)委員 ありがとうございました。

鹿野委員長 これにて江田君の質疑は終了いたしました。

 次に、田中康夫君。

田中(康)委員 民主党・無所属クラブの一員であります新党日本、田中康夫でございます。

 最初に、鳩山由紀夫さんに御質問いたします。

 鳩山さん、現在、日本の生活保護世帯数というのはいかほどか、御存じでございましょうか。

鳩山内閣総理大臣 田中委員にむしろ答えを教えていただいているようでありますが、そちらに六十五万世帯と書いてございます。(発言する者あり)失礼しました。平成二十一年、百三十万世帯にふえているということでございますので、そのとおりだと存じます。

田中(康)委員 平成元年には六十五万世帯だった生活保護世帯は、平成二十一年に何と百三十万世帯と、二十年間で二倍になってしまった。保護人員が百八十万人でございまして、前年比一・五倍の申請件数で、非常にふえている。大変に苦しいのかもしれません。

 しかし、大変に悩ましいことには、例えば七十歳の単身世帯の方、生活保護の受給額は十二万円でございまして、年金の六・六万円の約二倍になる。すなわち、国民年金を満額納めても生活保護受給額の半分でしかないという奇っ怪な現象というものをいかに改善すべきかということでございます。

 またお手元の資料をごらんいただきますと、こちらにありますのは、夫が三十三歳、妻が二十九歳、娘が八歳の場合、生活扶助というのが十六万二千百七十円支給されます。ここに住宅扶助というのが六万九千八百円支給されます。教育扶助が一万三百三十円でございまして、合わせて二十四万二千三百円というのが東京の場合でございます。ここに、子ども手当が支給されるとさらに加わり、給食費や教材費も出る。また、医療機関の医療費というのは全額無料でございまして、そしてまた住民税等の税金はすべて無税でございます。また、出産の扶助、あるいはお葬式の葬祭扶助というものもございます。

 また、二、三十代の単身者の方は八万三千七百円、そこに住宅扶助が五万三千七百円でございますので、計十三万七千四百円でございます。

 これは、現在、日本全体で総額年間三兆円というのが生活保護費用になっているわけでございます。

 こういたしますと、働いても一向に苦しいタクシーの運転手さん、あるいは警備員の方よりも、結果として、ありていに言えば、優雅になってしまっている。しかも、タクシーの運転手さんは、その乏しい収入の中からさらに税金をお支払いいただいているわけでございまして、これらの方々は無税でございます。

 現在、年収百万から二百万の方というのが国民の全体の一二・六%、年収二百万から三百万の方が全体の一二・八%。こういたしますと、一体最低賃金というのはどういうものかということになるわけでして、手厚い保護が別の格差を生んでいるとするならば、これは改善せねばなりません。

 私の選挙区であります兵庫県尼崎市におきましては、二十世帯に一世帯が生活保護でございます。お隣の大阪市も、市民二十人に一人が生活保護者でございます。尼崎の場合には、二〇一〇年の予算、総額三百十三億円が生活保護費用でございまして、これは一般会計に占める割合が一六・七%でございます。

 誤解なきようにお聞きいただきたいですが、私は、これは、同じスタートラインに立てないような障害をお持ちの方、こうした方々にきちんとした福祉をすることは私も知事時代、行ってまいりました。しかし、難病で国や自治体から補助が出ていないというような方が、働きながら難病と向き合う人生があるという中で、この問題をいかに解決するのかということは大変複雑な思いでございます。

 ところで、自治体の側は扶助費が高い高いと言っておりますが、なぜ具体的に悲鳴を上げないのかといいますと、国が四分の三を負担すると言っております。しかし、残りの四分の一も、これは交付税で全額国が負担をしているわけでございます。そして、ケースワーカーの、福祉事務所の方々の人件費というものも、これは国が全額を負担しているわけでございます。したがって、ある種のモラルハザードが起きてきてはいないかということです。

 他方で、地域の民生児童委員の方々は生活保護の方々と向き合っておりますが、これらの方々はまさに無給なわけでございまして、こういう形で私が連載をしている雑誌や新聞に寄稿しましたところ、現場のはざまで苦しむケースワーカーや民生委員の方々から多くの賛同のお便りをいただきました。私は、やはり真っ当に働き、学び、暮らしている者がきちんと報われる社会にしなくてはいけないと思っております。

 そして、生活保護の方々は、残念ながら、収入がふえて翌年度に生活保護から脱却する方は、生活保護世帯全体の二、三%にすぎないわけでございます。

 ちょっとこの点をまず御認識いただいた上で、他方で、日本の人口というのは、皆さん御存じのように、二〇五五年には九千万人と、今から三千万人減少すると厚生労働省が述べております。そういたしますと、一年間に約八十八万人ずつ人口が減少しますので、二十三区で一番大きな世田谷区の八十六万人の人口よりも多くの人口がこれから急激に減少していく。

 すると、逆ピラミッド構造でございますから、百年安心年金などというものは、旧与党の方々がおっしゃったのが間違いであったと同様に、これから年金のシステムというものを抜本的に変えなくちゃいけないと思っております。これが、二枚目以降の資料にお示しをしました、デンマーク等で導入が図られているベーシック・インカムという制度でございます。

 これは、以前に十全ビルでも鳩山さんに、これですよ、政権交代の切り札はと、私たしか申し上げたことを思い出していただけるかと思うんですが、一月十六日の民主党の党大会でも来賓あいさつの中で述べました。私ども新党日本は、「日本「改国」宣言」というマニフェストの中でもベーシック・インカムの導入を述べております。

 ちょっと簡単に御説明をいたしますと、北欧諸国で取り組みが始まっているベーシック・インカムは、生活に必要な最低限の費用を、乳幼児から高齢者まですべての個人に無条件で支給するという画期的な制度でございます。

 なぜこういう制度が出てきたかというと、今までの社会保障制度が前提としていた労働とか家族という形態が壊れているからです。すなわち、雇用の不安定化と非正規化が進行しております。家族というのも、男性が稼ぎ手であるという専業主婦型の家族というものが標準家族ではもはやないわけでございまして、鳩山さんも御存じの私のW嬢も、もう十二年つき合って、一緒に暮らすようになって四年ではございますが、結婚しているわけではございません。このような中では人口も減少するという中で、年金の制度を、今の中で、小手先でいじるのではないということが必要かと私は思っております。

 このベーシック・インカム構想というのは、現行の社会保障給付と現金給付部分、すなわち年金と生活保護に関して抜本的な統合を図って、その中で、障害者や母子、父子家庭には積極的な加算を実施するということです。

 お手元の資料、二枚目の方でございますが、例えば、赤ちゃんからお年寄り、一人月額五万円、年額六十万円を支給します、所得税率は一律三〇%。制度はシンプルであるほど望ましいわけでございまして、どの層も、働くほど働くほど使える金額がふえる。年収二百万円の四人家族なら課税後三百八十万円、年収四百五十万円の四人家族なら五百五十五万円が可処分所得になります。

 これは本当にできるのかよと、恐らく、皆さんは財源という言葉に、呪縛にとらわれていますので思われているかもしれませんが、この場合、個人所得税制における所得控除というのが不要になりますから、税制と社会保障制度の統合が実現して、社会保険料の徴収とか記録に携わっていた役所と経費、先ほど生活保護の職員だけでも全国に一万五千人いると申し上げました、福祉給付で不可避だった裁量行政的な、いろいろな口きき等が入る、財産調査等に入る人員も、経費が不要になります。

 ですから、社会保険庁だけでなく、全額国費負担の福祉事務所を初めとして、よい意味で脱・福祉切り捨てと脱・行政の肥大化が実現できる効率的な政府になっていくというわけでございます。

 こうしたベーシック・インカム構想というものの検討は、やはり世界に冠たる超少子超高齢社会の日本においては不可欠だと私は思っておりますが、鳩山さん、こうしたことを、現行の年金制度の改善だけでなく、抜本的に議論するような場を設けられる、こうしたお考えがあられるかどうか、ぜひお聞かせください。

鳩山内閣総理大臣 田中康夫議員の年来の持論でありますベーシック・インカム構想を、国民の皆様方にも、今、御披瀝をいただいたわけでございます。

 これを拝見すると、夢のような話だなという思いと、それから、先ほどの生活保護に比べて、まず最低は五万円だというところの違いというものもあるのではないかと思っておりまして、いわゆる就労と所得保障というものを切り離して考えるという考え方は一つ現実としてあり得ることかな、そのように思っているところでございます。

 人の命を大切にするという方向からこういった発想というものも検討されるべきだ、私もそのように思っておりますが、まだ、いかんせん、必ずしも十分に理解が行き届かないところがございまして、財源の話で申し上げれば、月五万円だということで、全員に月五万円渡るということになると、それだけで七十兆という額になろうかと思います。

 この七十兆を、果たして、現在の税方式の中でどのようにして工面するかという議論が一方であろうかと思っておりまして、その辺のことも、政治の信頼性というものが高まっていく中でこれは理解をされるときも来ようかと思っておりますが、今の政府の考え方の中に必ずしも埋め込まれていないことも事実でございます。

田中(康)委員 おっしゃったように、七十兆だと。でも、厚生労働省の社会保障関係費だけでも既に二十七兆円でございます。そこに文部省とか自治体、先ほどは厚労省だけですので、あるいは、さらにそれに携わる公務員の人件費も加わってくるわけでございます。ですから、社会保障給付費自体はもう既に九十兆を超えておりますし、二〇二五年には百四十一兆円になるということでございますから、これはやはり十分可能なことである。

 鳩山さんがCO2の削減二五%ということをおっしゃったときに、それは夢ではないかということをおっしゃった方もいます。しかし、夢を実現することこそが政治であり、これこそは、私は、人間を大切にする内閣にふさわしい北欧型の試みだというふうに考えております。

 続いて、日本航空の会社更生法適用申請の責任の一端は政治にあるとおっしゃる、航空行政を所管する前原誠司さんに、離島路線を含む、社会保障としての日本航空の再生の可能性に関して、お尋ねをいたします。

 前原さんは、日本航空を絶対に破綻させないと昨年九月十七日の就任のときにおっしゃり、法的整理も公的整理も排除する、航空会社二社体制を堅持すると方針を示された九月三十日の会見では、自主再建計画ということは私的整理、法的整理、産業再生法の活用はないと考えてよいのかとの記者からの質問に対して、そうであると明言されております。そしてまた、十月三十一日には、離島路線のみならず、飛行機が飛ばない空港を日本に生み出さないと宣言をされたわけでして、これは、まさにライフラインという社会保障の観点に立った大変な覚悟であられようかと思います。

 ところで、日本航空は、二〇一二年、つまり三年以内には営業黒字を達成すると豪語いたしているわけでございますが、社会保障の一環としての日本航空を再生する上で、経営状態の改善は急務、重要でございます。

 そこで、事前にお伝えをしましたが、現在、日本航空の一日の赤字は幾らくらいなのか。先月、一月、一カ月あたりの赤字はどのくらいか。また、純利益を含めて、改善されているのか、あるいは横ばいなのか、悪化しているのかということを端的にお話しください。

前原国務大臣 失礼ながら、事前の通告をいただいておりません。

田中(康)委員 私としては、借金の状況がどうか、赤字がどうかということはお話ししたつもりでしたが、あるいは職員の方もお疲れだったのかもしれません。

 しかし、監督官庁であられますから、少なくとも、一日どのくらいであるかということの把握に努められるということは、私は必要ではなかろうかと思います。既にもう一兆円近い公的資金注入、これは、多くの議員の方がこの議場でもおっしゃっていることです。

 ですから、これは当初の二倍増になっているわけでございまして、大手商社も、この日本航空関連で、関連損失を一千億円計上したわけでございます。上場廃止前に優先株を一〇〇%減資して、また全額損失をしている。各方面に迷惑がかかっているわけですから、さらなる破綻をしないためには、血税を追加注入する事態に及ばない、このために、ステークホルダーである納税者に日本航空の現状認識を的確にしていただくインフォームド・コンセントが私は不可欠ではなかろうかと思います。

 ところが、皆様も既に御存じのように、日本航空は、現在、一兆円も血税を投入したわけでございますが、ニューヨークと成田、わずか往復六万八千円というチケットで往復するだけでボーナスマイルが五万五千マイルもつくというキャンペーンを行っております。こういたしますと、成田―ホノルルの無料往復チケットが一人二万七千マイルに設定されておりますので、ニューヨーク一往復をわずか六万八千円で往復するだけで、お二人、御夫婦やカップルがホノルルに無料で行けちゃうキャンペーンということでございます。これは、先ほどの生活保護の矛盾の話ではございませんが、全日空の中興の祖の大橋洋治さんのもと、まじめに経営努力されてきた全日空の経営者も従業員もあほらしくなってしまうのではないか。

 しかも、再生計画というのは、皆さんも既に御存じのように、客単価が二割アップするので黒字化するというふうに述べているわけです。そうすると、一体、これはだれがどういう道筋で、また、だれが主導権を持って再建するのか、だれが司令塔なのかということを、恐らく、この議場にいらっしゃる与野党の方々も心の中で大変に案じられていると私は思います。ところが、日本航空に尋ねても、自分たちには発表する数字の権限がない、管財人であるはずの企業再生支援機構は、自分たちにはわからないと言っているわけでして、公金が入っているのに不明である。これは船頭多くして、古いJALの温存。

 確かに、会長は稲盛和夫さんでいらっしゃいます。稲盛さんはもう一度再生計画を見直すとおっしゃっていますが、果たしてそれほどの余裕があるのか。

 これは、企業再生支援機構が管財人なわけでございます。この企業再生支援機構を管財人にするということを選択したのは、前原さん、あなたであろうと私は思いますが、この点に関して、イエス、ノーでお答えください。

前原国務大臣 済みません、何をイエス、ノーですか。

田中(康)委員 企業再生支援機構が日本航空の管財人であるということをお決めになったのは、あなたでいらっしゃいますよね。

前原国務大臣 企業再生支援機構が決めました。

田中(康)委員 いや、そういうお子ちゃまのような駄々をこねてはいけないのではないかと、私は同じ与党として思います。

 なぜならば、企業再生支援機構を隠れみのに、支援機構をかませることで直接責任をとらずに済む、だから、当初否定されていた法的整理を安易に選択されたのではないかと私は思います。しかも、その法的整理というのは名ばかりで、マイレージや一般債権を保護しておりますから、債権者平等負担の原則から逸脱していて、限りなく私的整理に近い、これは共同通信も断じているわけでございます。おかげで飛ばない日はなかったかもしれませんが、当の社員の多くの方も、破綻したとかつぶれたとは、いまだきちんと実感なさっていないのではないかと思います。

 繰り返しますが、隠れみのであります企業再生支援機構に対して今後追加で政府保証を行う場合には、これはどなたが責任をおとりになられるのか、お教えください。

前原国務大臣 まず、私が大臣に就任したのは九月の十六日でありますけれども、破綻の意味を聞かれたときに、つぶれてなくなることだということを言っています、私の破綻というのはそうだと。つまりは、九月の二十二日の時点から、法的整理はしないという言い方はしておりません。法的整理には二つあって、清算とそして再生ということで、私はつぶれてなくなることはないということは、言っていることは一貫をしております。

 それからもう一つ、今おっしゃったことでございますけれども、企業再生支援機構がいわゆる企業再生支援委員会という委員会にかけて、日本航空をみずからの案件として扱うかどうかという議論をされて、扱うという決定のもとで再生計画というものが立てられて、管財人も企業再生支援機構というのが決められたわけでございまして、これから、資金につきましては企業再生支援機構が、半官半民でありますけれども、独自性を有した企業再生支援機構がどのように日本航空にお金を使っていくのかということを決められることと思います。

田中(康)委員 前原さん、十一月十八日に国土交通委員会で私が御質問をしたときに、最後、以下の発言をされております。私が再生計画設定のプロフェッショナルをJALタスクフォースに任命、資産査定の後、計画を出してもらった、その計画をやるかどうかは国土交通大臣である私が下した。企業再生支援機構にゆだねるのが望ましいという報告書を、言ってみれば私が促したというふうにおっしゃっております。

 ということは、これは、私は、PL法の製造物責任法ではございませんが、製造者責任というものはあなたなのではないかということでございます。前原さんは西松遥元社長にも、トップは経営責任が問われる、しかるべきときにみずから出処進退を判断すべきと訓示をされているわけでございますから、私は、このことはきちんと胸に手を当てて業務を遂行していただきたいと思います。

 最後に一点でございます。

 本日の産経新聞が、国交省政務三役は昨年十二月、政権交代などを理由にトヨタの張富士夫さんら一部の委員に辞任を迫っていたと。これは国交省の審議会の社会資本整備審議会というものでございます。でも、これは私とて、このような更迭ということは、知事時代にも、向こう見ずな人間ではございましたが、いたしはしませんでした。

 しかし、けさの会見で前原さんは、御用学者的な人を排除した、政権に厳しく物を言ってくれる人、国益や日本の今後のあり方を考える見識のある方を選んだというふうにおっしゃっているわけでして、これが一部の委員に辞任を迫っていた理由だとすると、これはやくざ映画が好きな与謝野馨さんとて食わない仁義なき戦いになってしまうわけでございまして、しかも、産経新聞は、国土交通省審議会の「「自民寄り」委員を更迭 後任には「新民主」がズラリ」と見出しをつけておりますが、実は、この委員の方々は、例えばコンサルタント会社出身の勝間和代さんや川本裕子さんとか、むしろ小泉・竹中コンビ寄りの人選ではなかろうかと。亀井静香さんが事業仕分け人で看破したように、民主党とは対極にある市場原理主義者が選ばれている不可解さ。

 私は、霞が関の方々というものは、とりわけ国交省の方々が、二転三転するということに少なからず意気消沈され、困惑されているのであるならば、私はやはり、鳩山さんというものが、加藤紘一さんが先回の予算委員会でもおっしゃったように、首班指名の前後に寡黙になられて、リーダーの孤独という中で決断を迫られる表情だったということをおっしゃいました。私も、昨年の春、大変に苦しい時期に、幾度となく鳩山さんと事務所でお話をしたときに、鳩山さんの表情はそういう形でございました。

 ぜひとも、人間のための政治のために、リーダーの孤独と闘い、そして、人々のために決断をしてくれる内閣を率先して鳩山さんが率いてくださることを私は改めてお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

鹿野委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。本日、私にいただきました十分で、児童虐待問題を取り上げさせていただきます。

 我が国の経済は低迷し、そして、思いやりのない社会が最も弱い子供たちの命を奪っております。近年では年間にして百人以上の子供たちが、親御さんによる虐待、あるいは一緒に心中されるという形でその幼い命を終えております。

 総理も多分、御記憶にございますでしょうが、去る一月の二十五日の新聞には、東京江戸川区で七歳の小学生の男の子が、なさぬ仲のお父さんにしつけといってびんたをされ、そして頭蓋内出血で亡くなっていかれたという事案がございます。海渡君とおっしゃいます。

 この子の事案は、実は市町村の窓口である家庭支援センターにも既に昨年の九月の段階で連絡が行っておりました。そして、その児童家庭支援センターから学校やあるいは児童相談所にも連絡は行っておりました。しかし、いずれの機関も自分の機関が中心であると思わなかったこともあるのかもしれませんし、ちょうどざるから抜け落ちるように、この子は亡くなっていきました。

 実は、この子を一番最初に発見したのは歯科医のお医者さんでした。歯の治療に来られたら、ほっぺが真っ青で、そして打撲の跡が多いと。歯科医が虐待を疑い、その自治体の窓口に申し入れたということです。実は、この子が書いた文章がございます。ちょっとだけ御紹介いたします。

 この子は、この歯科医のお医者さんに、お父さんがぶつんだ、でも、お母さんかばってくれないんだと言いました。でも、私も小児科医ですが、どんなに虐待されていても、子供さんは、よっぽどでなければ親御さんがやったとか言いません。もうよっぽど、ぎりぎりのSOSだったんだと思います。

 この子は、ちょうど同じ時期、「うみへのながいたび」という文章を、一節を引いております。「おかもと かいと」「ふいに、でっかいおすぐまが、すがたをあらわした。それでもかあさんぐまは、おもいきって、そのまんまえ立ちふさがる。 なにかようかい、」ここには、でかいクマが来ても立ち上がってくれるお母さんへの期待が、万感込められております。

 でも、ここの、この子のケースでは、まだ二十二歳の若いお母さん、このお母さんは中学生でこの子を妊娠されて、そしてその後、この加害者となった男性と再婚されましたが、子供の前に、大きなクマの前に立ちふさがって我が子を守ることはできなかった事案かと思います。

 皆さんのお手元にある、いわゆる児童相談所並びに市町村に寄せられる児童虐待相談数を見ていただければと思います。ここには明らかに、児童相談所ですら四万件、そして上段は、窓口センター、市町村のものには五万三千件という膨大な数が寄せられております。児童相談所に寄せられる以前に窓口相談に行かれる場合もあります。しかし、窓口相談に寄せられても、児童相談所に寄せられても、なおかつ子供は死んでおります。このことが、我が国の子供サポート体制として極めて深刻であると思います。

 二ページ目をおめくりいただければと思います。ここには、そうした機関につながりながら死んでいった子供たちのパーセンテージが書いてございます。

 例えば、いろんな統計がございますが、この三年間をとりますと、児童相談所につながっていても亡くなった子が一五%から二〇%の間、下段は市町村がかかわっていても亡くなっていったケースですが、下段の最も近年のデータでは、身近な市町村の窓口につながっていても四三%が命を落としています。

 体制に問題があるのではないか、子供たちの虐待を支える体制に問題があるのではないかと思います。

 まず冒頭、長妻大臣に伺います。

 児童相談所にいたしましても、こういう地方自治体の窓口にいたしましても、実は、子供のケアにかかわる、本来子供に必要なソーシャルワークを実際に身につけた方の比率は、大変少のうございます。児童相談所では、いわゆる社会福祉士が占める割合は五分の一くらい、二〇%、こうした市町村の窓口になると四%。もちろん、そうした資格だけが問題じゃないけれども、やはりもっと人材を、本当にサポートできる能力と技術を持った人に変えねばならないと思いますが、一問目、いかがでしょう。

長妻国務大臣 まず、先ほどの痛ましい事件でございますけれども、あの直後に、文部科学省の方からも御提案をいただいて、川端大臣も発表されました、私も発表いたしましたけれども、事務方同士で、厚生労働省、文部科学省、つまり学校と地域が連携するというので、今その成案を得るべく検討中だということです。

 そして、今、児童福祉司の専門性を高める、あるいは人数を増加するというお話ですけれども、平成二十一年は二千四百二十八人ということで、若干ずつふえているものの、さらに我々は、財政支援や研修や、あるいは学識経験者から助言を得られる体制が必要だ、この三点を特に重点として今後取り組むということであります。

阿部委員 私がお願いいたしましたのは、児童福祉司というのは非常に大ぐくりなものなんです。児童相談所にお勤めで一年、二年たてば、そう呼ばれてしまうんです。これからお尋ねするスクールソーシャルワーカーも含めて、福祉を本当につなげてコーディネートできる人材が必要です。介護ではケアマネジャーといいますね。マンツーマンに、いろいろなスキルを持ち寄る、そういう人材が子供には大変手薄なんです。

 川端大臣に伺います。

 この事案でも、実は学校の校長先生はおうちを訪問しておられます。でも、訪問しても、学校側は行っても、御家庭とうまくコンタクトがとれませんでした。当然、虐待していると思う親御さんは、学校から来られても本当は言ってくださらない、心も開かない。その中で子供は亡くなっていきました。

 私が、平成十八年に、伊吹文部科学大臣時代に、スクールソーシャルワーカーというのを配置してくれと。先生たちだけではとても賄えないほどの家庭の崩壊が起きているということで、平成十八年度モデル事業をやっていただきました。モデル事業は全額補助ですが、その後、実はモデル事業を外して、自治体の負担が三分の二、国は三分の一になったところが、途端に、その数は伸びるどころか減ってまいりました。ぜひ学校にも、家庭が貧困、家庭が複雑、子供たちをサポートするソーシャルワークスキル、社会福祉の人材が必要です。

 全額、せめて定着するまで、国庫補助でやっていただけまいか、お願いします。

川端国務大臣 お答えいたします。

 先ほどの事例の部分は、私もそれを聞きまして、子供が悲痛なメッセージを出している部分を、どうしてそれが受けとめられなかったのだろうか。そして、それぞれの関係機関が、先ほどおっしゃったように、知っているのにうまく連携がとれない。今まで、学校現場にはいわゆるスクールカウンセラーという、個々の内面の相談に乗れるという人の配置に熱心であったけれども、いわゆる全体的な機関との連携、地域との連携、家庭との連携のまさに専門家であるスクールソーシャルワーカーがやはり本当に大事だというのは、改めて実感をいたしました。

 御指摘のように、平成二十年度に、全額負担のモデル事業ということでやったときに、九百四十四名、四十六都道府県でやりました。これが前政権下で一年後に補助事業に変わりました。五百七十三名ということで、三十八都道府県、十三指定都市へとやはり減りました。しかし、実際にやっていただいたところは非常に効果があるという評価も得ております。

 全体的に、いわゆるスクールソーシャルワーカーとそれからスクールカウンセラーの配置の財源の問題、制度の問題も実はリンクしておりまして、そういう部分でやっと成果がわかってきていただけたのかなと。そういう部分で、実施例を含めた紹介事業は熱心に取り組むとともに、今回も、事業としては六十六カ所、千五十六人分、今、現状は五百七十三人ですが、千五十六人分の財源措置はしたんですが、御案内のとおり三分の一ですので、地方財政によってうまく手を挙げられないと伸びないかもしれないという懸念がありますので、非常に効果があるし、ぜひともやっていただきたい。

 そして、実例を見ますと、決して財源の豊かな地域がたくさんやっているわけではなくて、やはり認識していただいたところは、規模の小さい県でもたくさん置いていただいている県もありますので、そういう啓蒙を含めて、地方にも促すことも含めて、前向きに充実できるように頑張ってまいりたいと思います。

阿部委員 総理にお願いしたかったですが、ぜひ、今お聞きいただきましたので、鳩山政権の本当の取り組みをよろしくお願いいたします。

 終わらせていただきます。

鹿野委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

鹿野委員長 この際、三案審査のため、去る十九日、第一班新潟県、第二班大阪府に委員を派遣いたしましたので、派遣委員からそれぞれ報告を聴取いたします。第一班岡島一正君。

岡島委員 新潟県に派遣されました委員を代表いたしまして、団長にかわり私からその概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、鹿野道彦委員長を団長として、理事加藤紘一君、富田茂之君、委員糸川正晃君、打越あかし君、小野塚勝俊君、奥野総一郎君、津島恭一君、長島一由君、山田良司君、小里泰弘君、山本幸三君、阿部知子君、山内康一君及び私、岡島一正の十五名であります。

 去る十九日、現地において、カガヤキ農園を視察した後、ハミングプラザVIP新潟において会議を開催いたしました。

 会議におきましては、亀田地区民生・主任児童委員福間哲郎君、社団法人私立幼稚園協会振興部長佐藤一郎君、自治体“農”ネットワーク代表堀井修君及び亀田郷土地改良区理事長五十嵐修平君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、福間君からは、人づくり教育の重要性、教育のあるべき姿などの意見が、

 次に、佐藤君からは、幼稚園を取り巻く教育の現状、そして幼稚園教育の重要性などの意見が、

 次に、堀井君からは、米の消費拡大策、障害者支援の充実などの意見が、

 最後に、五十嵐君からは、土地改良事業の重要性、土地改良事業予算の充実

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から陳述者に対し、農業衰退の理由と今後の農政のあり方、子ども手当に対する評価、認定こども園が普及しない理由、土地改良事業の見通し、農業の担い手育成策、農業高校での教育のあり方などについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

鹿野委員長 次に、第二班松原仁君。

松原委員 大阪府に派遣された委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、私、松原仁を団長として、理事伴野豊君、山口壯君、町村信孝君、委員緒方林太郎君、岡本充功君、城井崇君、豊田潤多郎君、中林美恵子君、三谷光男君、下村博文君、谷畑孝君、大口善徳君、吉井英勝君、下地幹郎君の十五名であります。

 このほか、現地参加議員として、松岡広隆君が出席されました。

 去る十九日、現地において、株式会社稲田歯ブラシの工場を視察した後、大阪市内のリーガロイヤルホテルにおいて会議を開催いたしました。

 会議におきましては、関西学院大学大学院経済学研究科・人間福祉学部教授小西砂千夫君、東大阪商工会議所副会頭・株式会社フセラシ会長嶋田亘君、連合大阪高齢・退職者の会会長三ッ木宣武君及び大阪商工団体連合会会長三谷信雄君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、小西君からは、マニフェストを踏まえた予算編成に対する評価、国債発行の累増に対応した国債管理政策の必要性などの意見が、

 次に、嶋田君からは、東大阪における中小企業の現状、法人税減税などの中小企業対策の必要性などの意見が、

 次に、三ッ木君からは、高齢者の生活を守る予算編成の必要性、社会福祉の充実のための給付と負担のあり方などの意見が、

 最後に、三谷君からは、物づくり中小企業における企業集積地の重要性、中小企業の固定費負担を軽減する措置の必要性

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から陳述者に対し、地方交付税の適切な配分割合の定め方、マニフェスト実施による予算の硬直化、社会保障の給付と負担のバランスのあり方、鳩山政権における消費税の評価、中小企業政策のあり方、内需拡大のための具体策などについての質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

鹿野委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。

 お諮りいたします。

 ただいま報告のありました第一班及び第二班の現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕

    ―――――――――――――

鹿野委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

鹿野委員長 速記を起こしてください。

 この際、御報告いたします。

 理事間の協議に基づき、来る三月一日分科会の審査を引き続き行うこととなりましたので、御了承願います。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時四十二分散会

     ――――◇―――――

  〔本号(その一)参照〕

    ―――――――――――――

   派遣委員の新潟県における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十二年二月十九日(金)

二、場所

   ハミングプラザVIP新潟

三、意見を聴取した問題

   平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 鹿野 道彦君

       糸川 正晃君   打越あかし君

       小野塚勝俊君   岡島 一正君

       奥野総一郎君   津島 恭一君

       長島 一由君   山田 良司君

       小里 泰弘君   加藤 紘一君

       山本 幸三君   富田 茂之君

       阿部 知子君   山内 康一君

 (2) 意見陳述者

    亀田地区民生・主任児童委員          福間 哲郎君

    社団法人私立幼稚園協会振興部長        佐藤 一郎君

    自治体“農”ネットワーク代表         堀井  修君

    亀田郷土地改良区理事長 五十嵐修平君

 (3) その他の出席者

    予算委員会専門員    杉若 吉彦君

    財務省主計局主計官   岡本 直之君

     ――――◇―――――

    午後零時三十分開議

鹿野座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の鹿野道彦でございます。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。

 皆様御承知のとおり、当委員会では、平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係機関予算の審査を行っているところでございます。

 本日は、三案の審査に当たり、国民各界各層の皆様方から御意見を承るため、当新潟市におきましてこのような会議を催しているところでございます。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようよろしくお願いいたします。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。

 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、民主党・無所属クラブの岡島一正君、糸川正晃君、打越あかし君、小野塚勝俊君、奥野総一郎君、津島恭一君、長島一由君、山田良司君、自由民主党・改革クラブの加藤紘一君、小里泰弘君、山本幸三君、公明党の富田茂之君、社会民主党・市民連合の阿部知子君、みんなの党の山内康一君、以上でございます。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 亀田地区民生・主任児童委員福間哲郎君、社団法人私立幼稚園協会振興部長佐藤一郎君、自治体“農”ネットワーク代表堀井修君、亀田郷土地改良区理事長五十嵐修平君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず福間哲郎君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

福間哲郎君 ただいま御紹介をいただきました亀田地区に住んでおります福間哲郎といいます。どうぞよろしくお願いいたします。

 風雲急を告げるような政治情勢というのを新聞とか各種報道で私なりに把握しておるところですが、しかもきょうは足元の悪いところ新潟までよくおいでくださいまして、御苦労さまでございます。

 さて、きょうは、このような機会を与えていただきましたので、私も元高等学校に勤めていた関係上、主に教育分野のことでお話をさせていただこうかと思います。

 皆さん方お耳にされたことがあろうかなと思ったりして申し上げますけれども、今から約九百八十年ぐらい前、中国の宋の時代の総理大臣、司馬光という方、雅号は温公という名前でしょうか、司馬温公というような名前で私ども文書で見たことがありますが、その方のお話の中にこういう一文があります、ちょっと長くなりますが。「子を養いて教えざるは親の過ちなり、教え導くこと厳ならざるは師の怠りなり。教え導かれて学ならざるは子の責なり」という一文がございます。

 これは、私どもの身近な言い方にしますと、子は産んだが産みっ放しだ、責任を持って育てていない、子を養っても教えていない、しつけていない、こういう意味合いです。それから、学校で職務をしておる教師を初めとする教職員、やはりそういう人たちは厳しく教えるべきだ、「教え導くこと厳ならざるは師の怠りなり」、怠けだと。親もあるいは師も一生懸命将来ある子供たちを育てようとしているにもかかわらず、「学ならざるは子の責なり」、責任である、責められても仕方ない、手抜きをした証拠だ、こういう意味合いです。

 そういったようなのが私の三十八年勤めていたころの座右の銘といいましょうか、自分自身を戒めるためにそのことをずっと大事にしておりました。退職をするころには某高校の頭をやっておりましたので、教職員にもあるいは全校集会でも、壇上からこういったことを言いながら、子供たちにある面では厳しく接していたつもりです。時には壇上から歌などを歌って聞かせたようなこともあります。そうしながら、いろいろな子供たちを引っ張っていくのは大変だな、こう思っていた時代がありました。既にやめてから五、六年たっておりますので、過去の話であります。

 そこで、きょう皆様方にお配りした資料の中に「はじめに」として書きましたが、昔よく、アメリカがくしゃみをしたら日本が風邪を引いたんでしょうか。今は、アメリカがくしゃみをしただけで世界じゅうが風邪を引いてしまう。どうやら風邪を引かぬで助かっている、鼻水も垂らさぬところは中国ぐらいじゃないかな、こんな感じがしてなりません。

 私も農家の次男坊でありましたので、しかも島根県という片田舎から出稼ぎがてら新潟へ来たものですから、子供のころから田んぼの仕事とかあるいは豚やヤギやら、そういったものを手伝いがてらやっておりました。時にはシジミを中学校の一、二年生のころから売りに歩きました。そんなことをしながら、勉強は余り好きじゃなかったせいでしょうか、やはり体で覚えたことが多いです。

 私は、それで、教育とはそこにあるんじゃないかなという気がしてなりません。汗をかくこと、そういったのが根本になければ、首から上じゃだめだ。ところが、平成二十年代、今の子供たちを見ておりますと、楽をしてもうけたい、こういう傾向に、まだ子供のときはわからぬでしょうけれども、そういう方向に親がしつけているんじゃないかな、そんな親が問題だということを文書のところに書かせてもらっております。

 そこで、私は父親の影響を受けて育ったものですから、おやじは、百姓仕事が終わると暗うなってから野良から帰ってきます。そして、子供たちが先にふろに入ったりしていますと、わずか一合の酒をさもおいしそうに飲むんですけれども、私ども先に晩飯を食います。すると、魚なら頭と骨しか残っていない。それをよこせと。おやじは、出雲地方ではすわぶると言うんですね、そうしながら酒を飲んでいました。そういう姿を見ていますと、時代が変わっても大事なことは何かなということを、常日ごろ私は心の底に持ちますね。

 そういう中で、教育に関してお話しさせてもらいますと、二番目に書かせてもらいましたが、「国家百年の大計」というえらいでっかい出だしで書きましたが、あくまでも人づくりが大事じゃないかな、人をつくることが教育の大事なことである。それはやはり汗する子供を育てにゃいかぬ。

 私、そこに「雪だるま理論」と書きましたけれども、雪だるまは、御案内のように、まず転がして土台をつくります。その後で転がしたのを上に載っけます。土台がしっかりしておれば、その後に載っける頭は、時には小さくても大きくても、しっかり載るはずです。要は、首から上は後回し、土台が先。すなわち、両足が大地に着くといいましょうか、だるまさんですから、あぐらをかいていると思ってもらえればいいですけれども。そして、ハートには燃えるような熱いものが。水色の血が流れちゃかないません、冷た過ぎてだめになる。

 だから、その後、目先がきくとか口先が上手だとか、あるいは耳ざといとか、何かここから上みたいに、ホリエモンさんが得意とするようなのは後からでいい、その前に土台がしっかりできていなければ、これが私は義務教育のあるべき姿じゃないかなと思っております。

 今私の住む亀田地区でも、小中学生あたりから何か国母選手のような感じの子が道路を歩いたりしていますけれども、嘆かわしい。それをとめるのは親であり、学校で預かったからには教師である。私は定時制も勤めましたが、定時制なら四年、全日制であれば三年、よく教職員にお話ししたのは、例えば三年後には入学したときよりもよくして親御さんに返せ、これが私の口癖でありました。やはりそういう教育をしてほしいな、こういう思いがいまだにあります。

 そこで、書いた中のことを多少読ませてもらいながらくっつけていきますが、一枚目あるいは二枚目、私が書いた漫画のようなものであります。あるいは新聞、地元に新潟日報という新聞社がありまして、その「窓」欄に載ったような記事ですが、漫画が好きだったものですから、卒業するときには生徒の名前をもじって、十七文字に駄じゃれを含めて名前を入れながら漫画を書いて、全員に渡しました。全員違う俳句といいましょうか、になるわけですけれども、そうすると、いまだに三十回ったような教え子が、今度結婚するから先生、来てくれというようなことを言います。すべてをキャンセルして最優先でそっちに行って酒を飲んでいます。

 私がお話ししたいのは、要は、学力よりもよい人をつくる。

 これも、新聞記事を切り抜いて二ページのところに入れてありますが、右側の方、御本人の了解を得ておりませんので名前は消してありますけれども、新潟日報の「窓」欄に載っていた記事であります。要は、教育というのは、やはりよい人をつくるのが教育だ。これは、頭のよい人じゃなくて、善なる人ですね。そういう教育を今後も続けてほしいな。

 それには、ちょっと議員さん方には耳の痛い話かもわかりませんけれども、このごろ就学奨励金ですか、こういったのがいろいろ世間をにぎわせております。確かに経済的に困っている人にはいいことでしょうけれども、教科書の無償配付というのが一時期あったですが、あれが諸悪の根源であったと思う。本当に困った家庭へ手を差し伸べるのはいいんじゃないか。議員さんに大変失礼なことを言うたような気もせぬでもありませんが。

 あと、ばらまきのようなことはやめていただきたい。堕落族をつくるばかりだ。この一ページ目に書いてあります。やはり人間、堕落したらだめ、貧しい中でも、強く、たくましく、本当に勉強したい気がするならば、自分で借金して自分で後で払うのでもやるはずです。それぐらいの子供を育ててもらいたい。これが国としての国民に示せる最大のプレゼントじゃないかなと私は思う。

 金塊ではありません。そういう精神面も含めて、皆さんで引っ張ってもらえればありがたいな、こう思っております。

 駄弁を弄しました。失礼します。ありがとうございました。(拍手)

鹿野座長 ありがとうございました。

 次に、佐藤一郎君にお願いいたします。

佐藤一郎君 それでは、私の方から意見を述べさせていただきます。

 本来であれば新潟県の私立幼稚園協会の理事長がこの場で意見を述べるべきところでしたが、私はだまされてしまいまして、ついこの場に立たされてしまいました。

 名前は、佐藤一郎と申します。一郎と申しますと、大変今話題になっている名前でございますけれども、私もこの名前で日々苦労しているところでございます。駄弁ではございますが、私など決してたんす預金など持っておりませんので、誤解のなさらぬように御理解いただきたいと思います。

 最初に、私どもの協会の説明を若干させていただきたいと思います。

 私ども、新潟県糸魚川から北では村上まで、私立幼稚園協会加盟園が百十三園ございます。その百十三園が新潟県で、協会が新潟の駅南にございまして、中心が新潟市地区、それと長岡地区、上越地区、下越地区と四地区に分かれております。

 主に協会の事情と申しますか、何をやる協会なのかということで、特に私どもが求めているのは、教員の資質の向上、よく三つ子の魂百までと申しまして、小さいときの教育はとても大切なんだといったところから、教員の資質向上が教育のレベルを上げるということで、そういったことに真剣に取り組んでおります。そのほか、やはり運営がしっかりしていないとまずいということで、環境整備等、補助金等の県への要望などをやる仕事が主でございます。

 特に、私どもこの協会が、最近、子供の少子化それから各保護者の保育園志向等がございまして、幼稚園児が大変激減しております。そういった中で、それぞれ各園の設置者それから園長、先生方、最近、大変大きな問題を抱えております。

 そこに輪をかけるように、いつの時代だったか、ちょっと私も記憶が定かじゃないんですけれども、幼保一元化ということが大きく取り上げられました。それがいつの間にか消えてしまいました。そしてまた、最近になって認定こども園という制度ができました。国の方から骨子が来て、各地方自治体にそれぞれ条例を設けて実施してくださいという指示がございまして、新潟も何園か認定こども園に取り組んでいる園がございます。

 これもはっきり明確な指示というのが全くなくて、やったらいいのかやらなければいいのか。やった園に聞けば、そんなの無理してやらなくてもいいよ。やらない園にしては、やりたい。本当に複雑な気持ちで先生方は毎日悩んでいるわけなんです。

 そこに今度、幼保一体化という話が出てきました。それから幼稚園無償化とか、いろいろな話が浮かんでは消え浮かんでは消え、我々現場では何をやったらいいのか、全く今悩んでいる状態でございます。

 これは国会議員の先生方もいろいろ苦労されて、いろいろな案を提案されながら、子供たちのためにという努力はされていると私どもは感じておりますけれども、明確なものが何一つ出てこない。これは本当に将来の子供たちを宝だと思っているのか、その辺を私たちは日々大変疑問に思っております。

 私も、自分のことを言って申しわけありませんけれども、もう六十を超えています。本当に働けるのは何年あるのか、それと自分の人生は何年生きられるのか、そんなことを考えたとき、やはり、ゼロから就学する五歳まで、本当に日本の宝を預けられるような施設を真剣に考えてほしいなと私どもは日々思っております。

 たまたま私が振興部で認定こども園とかの担当もしております。どこの幼稚園の園長先生も、聞かれても、こうですとはっきり答えることができないんです。やはり、そういったルール等、しっかりと明確なものを示していただければなと思っております。

 新潟県では、協会では、子宝王国新潟というテーマで幼稚園教育を今進めております。子供が中心になっていい教育ができるんだ、そのためには先生のレベルを上げるんだということに私どもは一生懸命取り組んでおるわけですが、ぜひ国会でも私どもの声を取り上げていただいて、いかにすばらしい環境を子供たちにつくってやれるか、それが皆さんの責務だと思いますので、ぜひ頑張っていただければなと思っております。

 それで、協会の方から、二、三資料を提出させていただきました。これは、よその市です。これは地方自治体で、相模原市が独自に認定こども園等、市の財政でこういった取り組みをしています。ちなみに、新潟市はやっておりませんけれども、新潟県はどこの市町村もやっておりませんけれども、こういったすばらしい市があるということの参考資料として添付させていただきました。相模原市から許可をとっておりませんので、ないしょにしていただければなと思います。

 それと、カラーのものがございます。これが今、全日本私立幼稚園協会で、やはり子供を中心としたプログラムが必要であろうということで、こういったテーマのもとで、「こどもがまんなかプロジェクト」というプロジェクトを立ち上げまして、進めているところでございます。

 代表らしからぬ意見もございましたけれども、子供たちがすくすく育つような環境を整備できるように、ぜひ国会で審議していただければなと思います。

 私の方からは以上です。ありがとうございました。(拍手)

鹿野座長 ありがとうございました。

 次に、堀井修君にお願いいたします。

堀井修君 私は、立たせていただきたいと思います。小さいころから立つのが得意でありますので、よろしくお願いします。

 自治体“農”ネットというのは、自治体の農業委員会とか経済課とか農業改良普及員とか、そういう皆さんの全国ネットで、その中には大学の先生方とかいろいろの皆さんがあって、今、三十都道府県ぐらいで四百名で組織しているというふうに考えていただければ結構だと思います。

 私は、今回は、特に農業分野について幾つか申し上げていきたいなと思っています。

 一点目は、自給率の問題であります。

 一昨日、農林大臣は、二十年後は六〇%にするというふうにおっしゃいましたけれども、我が国の四〇%というのは余りにも低過ぎると私自身も思っているところで、ぜひ二十年後には、六〇%と言わないで、七〇%でも、一〇〇%に持っていっていただけるということが極めて重要なことではないか、このように考えているところであります。

 私が農業改良普及員として県に入ったのが一九七〇年。ですから、私はちょうどことしで定年退職ということになりますけれども、減反政策はとうとう終わりを迎えることができなかった。この減反というものについては、本当にこれからも考えていかなければならない問題ではないか、やはりマイナス政策というふうに私は断ぜざるを得ないと考えているところであります。

 そこで、まず減反ありき、生産調整ありきという議論がどこでもなされていますけれども、私はそうではないのではないかと思うんです。きちっと、どのような形で米粒を食べるか、ここのところを我々自身は今後とも考えていかなければならないんじゃないか。

 そこで、幾つかのことを挙げてみたいと思います。

 一つは、食べるのは勝手であろう、自由でしょう。それは、そのとおりだと私は思っています。しかし、その次に考えてみたいのは、不況だ、派遣だ、失業だ、いろいろなことが言われております。

 私は、今、魚沼地方に勤務していますけれども、魚沼コシヒカリ、これは海外でも有名なくらいうまいというふうになっています。しかし、一ぜんのお金は幾らか。どう計算しても三十円前後なんですよ。今、三十円でパンが買えますか、ラーメンが食べられますか。そこのことを不況であればあるほど考えていく必要があるのではないか、このように考えるわけであります。

 価格の面でも考えていく必要があるし、きょう、皆さん方は、エーエフカガヤキに行かれていろいろ話を聞かれたようでありますけれども、あの会社は、実際、私の友人のところでもあるわけでありますけれども、自分でつくって自分で地域で消費する、これが一つの大きな特徴ですよ。

 そして、もう一つは、集落全体を挙げて直売、あの掘っ立て小屋の直売。決していいものをつくる必要はないと思うんです。彼らが立てているのは電柱ですよ。そういうようなものをやりながら、やはりお年寄りには生きがい、そして普通の農家には収入源としてやっていく、こういうことが本当の意味の地産地消なんじゃないかというふうに思うのであります。

 やはり、消費者にしてみれば、百姓の顔が見えた方がいいんです。そして農家も、今までは市場というものによって完全に分断されていましたけれども、その顔が見えた方がいいんですよ。やりとり、やはりこれが極めて重要だと思っています。

 次に、安全性の問題ですけれども、今、小麦は、アメリカ、カナダ、オーストラリアから持ってきています。非常に長い距離を持ってくるわけであります。飛行機じゃないわけですよ。タンカーですね。そこのところで考えるならば、そこに虫がたかったり、カビが生えたりしたらどうなるんですか。当然、そこに何があるかということは御存じのことだろうと思います。残留農薬の問題があると思うんですよ。

 そして、もう一つは、環境問題です。何千キロも運んでくるためには、炭酸ガスを当然出していくわけでありますから、地球温暖化には、上げる方向に働く、これは当たり前だろうと思っています。

 そして、もう一つは、私の知人の医者がこんなことをおっしゃって、なるほどなと思ったのは、米粒を食べるということは、インシュリンの分泌がなだらかになる。粉は違うんだ、一挙に出てしまうからインシュリンを出す機能が非常に衰えてくる、だからぜひそういうことも考えたらどうだと。私は、それを聞いたときには、本当に目からうろこでした。糖尿病のおそれのある人たちは一千万人ですよ。そこのところをぜひ考えていっていただきたい。

 かつて、三十年前は一人頭二俵食べたのが、今は一俵になっているわけです。この部分をぜひ、今言ったように、価格の面、環境の面、健康の面、このようなことから考えていっていただかなければならない時代に今あるんじゃないか。

 まず、生産を制限するんじゃなくて、どういうふうにして、食べていこうじゃないかという、その工夫をやっていっていただく必要があるので、そこら辺を先生方にぜひお考えいただきたいなと思っているところであります。

 あと、四番目の戸別所得補償の関係です。

 私は、農村社会というのは、あくまでも平等であると思っているんですよ。都会みたいに、とんでもない金持ちはいませんよね。だから、そこのところで、Aという農家とBという農家の米価が違っちゃ困るんですよ。幾ら小さいから、片一方は十町歩だった、そうじゃないと思うんですね。そこのところを考えていくならば、ぜひこの政策は続けていただきたい。そして、ぜひ早目に、果樹や野菜や酪農や、そういう部分までやっていただかないと、出口がないんですよ。田んぼの中に閉じ込められてしまいますから、そういうことをひとつお願いしたいと思います。

 そして、何よりも、私は、今まで四十年、いろいろな農村を見てまいりましたけれども、やはり農村が元気でなければ農業は発展していかないということなんですよ。そういうこともこれから考えて、今回も、食料・農業・農村基本法ですけれども、やはり農村という一つのエリア。ついこの間、私はオーストラリアに行ったんですけれども、あそこには農村なんかないんですね。農家はあります。ぜひ、農村という固まりを考えていただきたいなと思うわけであります。

 あとは、環境の問題であります。

 中山間地直払いの問題。第三期に入りました。非常にありがたいと思っています。私もずっと山を見ています。このことによってどれだけ山村の耕作放棄地が救われているか、ぜひ先生方も見ていただければなというふうに思っています。ここは大いに評価をしていただきたい。

 ただ、問題なのは、農村における高齢化の問題です。とりわけ中山間における高齢化の問題です。じいさん、ばあさんが二人で暮らされている。どちらか欠けたら大変なことになる。そこのところを考えていただきたいというのと、魚沼コシヒカリというのは本当に、山の中でできて、おいしい米なわけでありますので、そのようなすばらしい価値観があるんだということもぜひお願いをしたいと思っています。

 あと、農地、水、環境保全向上対策の問題でありますけれども、何でこう面倒くさい名前をつけるのかなと思うんです。これは、環境支払いと言ってしまえばそれで済むんじゃないですか。何で長くやるんでしょう。そこが一つ大きな問題だと思います。

 やはり、共同作業というのはすばらしいですよ。あぜ草刈りしたり、道普請したり、大変なことを今、農家総出でやっています。すばらしいことだと思うんですよ。しかし、私は、ここにもう一点つけ加えてもらいたい。

 というのは、消費者を農村の中に入れて、いわゆる農業の応援団づくりをやっていかなければ、いつまでも、おれは都会の人、おれは農村の人ではうまくないわけでありますから、そこにおける交流問題。農林省の担当に聞くと、そうだとは言っているんですけれども、なかなかうまくいっていないというのが今の現状だと思います。

 そして、営農活動の問題でありますけれども、ぜひ環境に配慮した、私どもは、生き物調査とかいろいろなことを今提案してやっています。そこには、消費者であろうと生産者であろうと、どんどん入っていくことができるわけでありますから、そういうどちらでもできるという手段を考えていっていただければなというふうに思っています。ちなみに、今、田んぼの中の生き物は六千種を超えると言われています。そのリストも我々はつくっておりますので、後ほど、そういうチャンスがあればやってみたいなと思っています。

 あと、担い手の問題ですけれども、担い手が今どんどん少なくなっていると言っていますが、やはり経済的な問題、そしてもう一つは、食べ物をつくるという自分たちの持っていた誇りが失われてしまったせいではないかと私自身は分析しています。

 そこで、今、二十町歩とか五十町歩という法人だとか生産組織、そういうものが多いですよ。今一番問題なのは、五町歩前後の皆さん、父ちゃん、母ちゃんがつくっておられる農業ですよ。お父さんが亡くなったり事故に遭ったりすると、そこのおうちはもうやれません。しかし、五町歩とか十町歩をあした預かるという人がいますか。法人でも、もうそんなことはできなくなっています。だから、ここに一定程度焦点を当てていただきたいなというのが私のお願いであります。

 ここに数字を書いておきましたけれども、十町歩以上というのは九千戸しかないんですね。それでも面積的には六・三%あります。三から十になりますと、戸数でいきますと七・二%しかございませんけれども、面積からいうと二三%ですから、四分の一になってしまうわけです。これが空中分解したら大変なことになる。今までの、大きなものはいいですよ。今後は、ぜひこういうところに焦点を当てながら政策をやっていっていただければなと思っています。

 そして、最後にお願いがあるんですけれども、身体障害者の問題であります。

 今、私の息子は交通事故で一級です。そして母親が脳梗塞で二級です。今、正直言って、私ども非常に困っています。そして、私もこの三月で定年になるものですから、少しは母親の面倒を見ようかなと思っています。

 このような交通戦争、そして高齢化。私も六十歳になります。そのような中で、いろいろな問題が起こってくるだろうということをぜひ先生方に御配慮いただければなということで、私の話を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。(拍手)

鹿野座長 ありがとうございました。

 次に、五十嵐修平君にお願いいたします。

五十嵐修平君 五十嵐でございます。

 私自身は、最近、風上に置けないと言われる土地改良区の理事長の立場でございます。きょうのお話は教育と農業の問題に絞られてしまったようで、最後の四番バッターは苦しくなりました。そういうことでございますけれども、現実の問題のお話をさせていただきたいと思っております。

 農業については、まさに自給率向上を目指し、そしてまた生産費と販売価格の差についての補てんをするということで、戸別所得補償制度のモデル事業というものをつくっていただきました。末端の農家の皆さん方、大変喜んでいるところもございます。正直のところ、よくわからないまま、お金がもらえるということで喜んでいるのが現実だろうなと私は思っております。

 一番の問題は、その財源に実は農業農村整備事業のお金を約六割以上持っていかれてしまったということでございます。ここがやはり大きな間違いの一つだろうなと思いながらずっと来ております。

 きょう、私、この機会をいただいて大変ありがたかったな、こう思っております。そんなことで、実は、私の亀田郷土地改良区の現在の取り組んでいる状況をかいつまんでお話をして、そして、なぜ土地改良費の必要性があるかということを訴えたいな、こう思っておりますので、簡単に私の地域のことをお話しさせていただきます。

 封筒の中に入っている書類でございますので、お願いいたします。座らせていただきます。

 一ページ目が、地域を守るための土地改良施設でございます。これが私の改良区内のものでございます。

 二ページ目が、私の管内、信濃川と阿賀野川、そしてそれを結ぶ小阿賀野川の中の完全輪中地帯でございまして、ここに農地、あるいは地域の人たちが住んでいるわけでございます。

 この地域、見てのとおりでございまして、きょう見ておいでになられたカガヤキ、沢海地区でございまして、これが右の端の方の一番高いところになります。一番高いところでプラス六メーターでございます。鳥屋野潟という潟がございまして、その水位の高さがマイナス二・五メーターになっております。郷内におきましては、三分の二が海抜ゼロメーター以下の地帯でございます。そういう状況の中で、私どもがここまで、約五十五年くらいかけて、立派な田んぼになっている、あるいは都会になっているという状況下にあります。

 三ページ目に入ります。

 これが、五十五年くらい前までの、亀田郷が芦沼と言われた時代の写真、特に左の方がそうでございます。右の写真が昭和二十六年の写真でございますが、この状態を、昭和五十年ころ、作家の司馬遼太郎さんがうちの亀田郷土地改良区においでになられて、この映画を見られたわけでございます。しばらく絶句して、このような言葉を述べられております。「街道をゆく」の中の「潟のみち」の中に書いてございます。「食を得るというただ一つの目的のためにこれほどはげしく肉体をいじめる作業というのは、さらにそれを生涯くりかえすという生産は、世界でも類がないのではないか。」と亀田郷を紹介しております。幸いなことに、そのような状態が、基盤整備のおかげで、昭和四十五年くらいになりますと、何とか成功をして立派な田んぼになるわけでございます。

 ちょうどそのころ、米が余るようになりまして、生産調整に入るわけでございますけれども、そういう状況の中で、五ページ目を見ますと、十アール当たりの平均収量あるいは労働時間のアップが記されてございます。収量的には一・六倍、労働時間は十分の一になっております。

 六ページ目が、そのような関係で、まさに農産物がこのようにできるようになってきたわけであります。特に、テッポウユリ、ホワイト阿賀ですね。あるいは、これは亀田郷の名産品でございますけれども女池菜、それから十全ナスの浅漬け、それから、ナシと梅が産地になっておりますが、最近、洋ナシのル・レクチェ等がつくられております。さらに、有名なのが黒埼茶豆。これは、私の郷内じゃないですけれども、ブランド品になっております。

 そのような状況の中で、食料自給率については、全国的には四〇%でありながら、新潟市の場合は六七%になっておるわけでございます。

 郷内の排水の体系、用水の体系は、このように網の目のようにめぐっているわけでございます。用水路については百十一キロ、排水路については九十六キロとなっているわけですが、このほかに地先管理と言われる水路を合わせると千三百キロ、相当のキロ数でございます。これが狭い中に、一万一千ヘクタールの中にこのような水路がめぐっているわけでございます。

 そして、この管理は、幸いなことに、国の事業で行っていただきました親松排水機場の中に、排水の方は二年前からうちが県から委託を受けてやっておりますし、この三月からは揚水の方もここで一元管理をするということになっています。

 そういう中で、九ページ目、上の写真でございますけれども、鋼矢板。実は、約三十五年から四十年たった状態がこのようになっております。この改修については、まさに毎年仕事をしていかなければ間に合わなくなってくるというものでございまして、このたびの農業農村整備事業の予算を減らされることによって、この改修工事ができなくなってくるということになっているわけでございます。

 七ページ目に戻っていただきますと、例えば、この中の点線になっているところが早急にやらなければいけない箇所になっております。これについては、少しずつの予算をいただきながら改修工事をやっておりますけれども、年間約三億くらいの予算でいきますと、実は、この改修をするのに約二十五年かかるという試算がなされております。その予算が減らされることによってこの改修工事が進まないということになってきますと、大変なことになるわけでございます。

 そういう状況の中でございますので、とにかく、この農業農村整備事業を、戸別所得補償の中に回したお金をぜひとも、ことしだけは勘弁をいたしますけれども、来年以降はもとに戻していただかないといけない、こういうのを私は絶対に言わなければいけない。

 ですから、戸別所得補償と基盤整備というのは車の両輪だということ、これが農業の活性化、将来のために物すごく大事なことであるということをぜひとも私の方からお伝えしたい、こう思っていたわけでございます。

 昔から、農を軽んずると国が滅びる、農を大切にすると国が潤うという言葉がございます。本当に、農をお粗末にしたら絶対に国は滅びるというふうに私は思っております。ぜひとも、理解ある皆さん方が応援をしていただきたい、このように思っております。

 以上で終わりにいたします。(拍手)

鹿野座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

鹿野座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。糸川正晃君。

糸川委員 民主党の糸川正晃でございます。

 本日は、四人の陳述人の皆様方には、大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。私は、二十分の持ち時間でございますので、その中で質問させていただきます。

 では、座って質問させていただきます。

 まず、福間陳述人と五十嵐陳述人にお伺いをしたいと思っているんですが、私どもの今の日本の解決する課題として、格差の問題があるというふうに思っております。格差の拡大が近年どんどん広がってまいりまして、その結果、社会の活力というものが失われつつある。特に、その影響が非常に大きく出ているのが地域社会であるというふうに思っています。

 今の鳩山内閣の使命は、これまでの行き過ぎた市場原理主義の格差、この社会を是正して、社会に活力を取り戻すことであるというふうに思っているわけでございます。

 福間陳述人におかれましては、主任児童委員として、地域の教育、子育ての現状についての相談を受けて、今の子供たちが置かれている状況ということも非常によく御理解されていらっしゃると思います。そういう立場から、そして五十嵐陳述人には、農業を中心として地域の諸問題をよく御理解いただいている立場から、例えば地域における格差社会の現状、そしてこの格差というのは何が原因でもたらされたのかということ、例えば今までの政策で何がよくなかったのかということ、そして、では、地域社会の復活に向けて必要なものであったり、そしてその中で鳩山政権が政策面でどのように変えていくべきか、そして何を期待されていらっしゃるかということ、この点について、三点でございますけれども、簡単にまとめていただければというふうに思います。

福間哲郎君 お答えになるかどうかわかりませんが、まず一点目といいましょうか、やはり子供たちを見ておりますと、先ほどの話の中で申し上げましたが、オリンピックの某選手のような感じの子供たちを路上を歩いても見たりすることもあります。

 私は、お願い事で依頼されたものですから、いわゆるボランティア、今、有償ボランティアとかいうのもありますが、私は、金では動きたくないというような、そういう変なところがあるものですから、ただなら行くぞという感じですけれども。

 生徒が授業中にうるさくすると、やはりほかの生徒が勉強に身が入らないということで教職員が困っていまして、SOSが出たものですから、時折、そういう相談室というような小部屋にふらっと行って、どうしたんだというようなことから、どんな突っ張り君でも、私はずっと、実は高校時代、生活指導ばかりやっていたような嫌いがございまして、一般の職員がどっちかというと嫌う方なんですね。そうすると、要は、片足を自分の手のひらへ乗っけてしまえば、あとはこっちの発想で転がせる、そういうやり方でずっと来ていたものですから、中学生に苦慮している教職員を見ますと、言葉は悪いですけれども、まだ修業が足らぬなと。それは、ここに書きましたように、子供のころにもっと自分自身が塩をなめたり本当に汗をかかなきゃ、そういう教育はできないんじゃないかなと。

 私は、キーワードは汗と愛だと思います。どこかの人みたいな、命ではありません。汗と愛というのが私のキーワードです。

 要は、子供のときから汗をかけ、そうすれば、すべてが将来的には解決していくんじゃないかな、こう思っています。それが雪だるまの理論でもあります。首から下ということです。それさえあれば、あとは少々の問題があっても教育の現場では解決していくはずだと確信しております。そんな答えでいいでしょうか。

五十嵐修平君 戸別所得補償で、いい政策なんですけれども、生産調整がうまく機能しないで、それから、補償のお金をもらえるという形であったとしても、実は米がうんと安くなるだろうなと想定されるわけです。ですから、安くなったときに本当に補てんできるのかどうか。また、そこに財源がないなんというようなことになってきたら、これはやはり大変だろうなと思っています。

 それだけに、今一番生産者の皆さんが心配しているのは、価格が見えない、安くなったら本当に大丈夫なのか、安値安定してしまったらまさに困るなというのが本音であります。

糸川委員 ちょっと難しい質問かもしれませんでしたが、失礼いたしました。ありがとうございます。

 それでは、次は福間陳述人と佐藤陳述人にお伺いしたいと思うんですが、今度は教育の問題そのものでございますけれども、子育て支援というんでしょうか。

 先ほど福間さんは、汗と愛が私の思いの言葉だということでございましたが、鳩山総理は命を守るという言葉を国会の施政方針演説の中で多く使われたわけでございます。特に、子供の命を守るんだ、子供を守っていくんだという姿勢を出されまして、社会全体で子育てを応援する必要があるということで、今度の平成二十二年度の予算で月額一万三千円の子ども手当、これを創設することとしているわけでございます。

 福間陳述人と佐藤陳述人は、児童と非常に深くかかわりを持っていらっしゃる、子育て、教育の現場にいらっしゃるというふうに思います。そこで、鳩山内閣が打ち出した社会全体で子育てを応援するという考え方、そしてその考え方の具体化の一つである子育て支援の中の子ども手当、この創設について、先ほどから、とにかく塩をなめろという言葉もありましたけれども、どのように評価をしていらっしゃるのか、お二人からそれぞれお伺いしたいと思います。

福間哲郎君 ちょっと言い過ぎるときもあるかもわかりませんけれども、私の地だと思っていただければとお許し願いたいと思います。

 私は、実は、コミュニティ協議会というのが各地区に地震の後にできまして、亀田西小学校区コミュニティ協議会というところの事務局長をやっております。俗に言う天下りを断ったものですから、そこへすぱっと白羽の矢が立って、それで翻弄されているんです。

 住民の皆さん方に言うのは、昔からそこに住んでもう何代目のような農家もあります。私らみたいに他県から来て新たに住みついたような者もおります。そういう中で、一つになっていくにはどうしたらいいかということで、お互いによそのうちのことでも介入しましょうと。私の発想は、本当に田舎そのものなんです。隣でいつだれが死んでおったかわからないようなつき合い方は絶対するな、そんなことをしょっちゅう役場の職員にも言うてはいます。

 そういう中で、子供さんが何かあれば、おまえのところの子供おかしいぞと。そういうようなことを言われてかつんとくるようじゃ、実はまだ修行が足らないと思います。言われてもいいんだ、よう言うてくださった、そういうような感謝の気持ちというんですか、やはりそういうふうにみんなが胸襟を開いて、時に腹を割って話せるような仲になれと。

 ですから、会社勤めで、会社と自宅を行ったり来たりするようなおやじさんたちもいっぱいいますが、退職したらうちにこもってしまうんですね。中高年のオタク族だけは、私、いただけないんです。だから、出てこいという感じで、万年会という名前をつけて飲み会をつくったんです。二十四軒入りました。それは何かというと、会費も会則もありません。政治、宗教、あるいは学歴、門閥、一切関係なし。そういうしがらみなし。ただあるのは、その土地に住んでいるだけ。そのかわり友達になりましょう。そういう感じで、よその子もやりましょうやという感じで今やっております。一応成功しながら、今四年目を迎えております。

 だから、要は、よその子でも注意しながら、変なのがいたら遠慮なく注意したらどうだというのが私の持論であります。

佐藤一郎君 それでは、私の方から、子育て支援、それと子ども手当のことについてちょっとお話しさせていただきたいと思います。

 まず、子育て支援ですけれども、各幼稚園、それと保育園、それぞれ子育て支援は実施しているところが多うございます。

 保育園においては、やはり厚生労働省のお金がいっぱいあるのか、手厚く補助金が出ておるようでございます。これは年間幾らと言うとちょっと誤解を招くので、十分そこの職員、スタッフを準備できるほどの補助金が出ております。

 私立幼稚園は県の所管でございまして、補助金が事業費の半額、それも最高限度四十万。ですから、人件費にも及ばない。本当に、子供たちが遊びに来てお母さんと半日過ごしても、年間の事業費には足りないといったところが今の現状でございます。

 同じ三歳から五歳の子供、就園前の子供たちが子育て支援で遊びに来るのに、こんなに差があっていいのかなというのが私どもがすごく疑問に思っているところでございますので、その辺もお酌み取りいただければなと思っております。

 それと、子ども手当なんですけれども、幼稚園、保育園の保護者に会いますと、お母さん、お父さん、どうでしょうかと聞きますと、やはり賛否両論あって、確かに、今のこういった現状ですから、もらえたらありがたいという声は多いです。ただ、子育てが終わった方々は比較的冷ややかなもので、果たしてその手当は子供のために使うのかな、それが心配だよねと言う方もおられます。

 それに関連しまして、私立幼稚園の場合、保育費はそれぞれ園で徴収しておりますけれども、保育園の場合、市の所管でございますので、保育料は市が徴収するわけです。何人かの未納者がおる。そういったところを、逆に、子ども手当を支給するよりは、保育費を無償化した方がかえってお互いにスムーズにいくのかな、これは私的な考えですけれども、そんな考えを持っています。

 ただ、今、保護者はお金をもらえればありがたいというのが現状でございますし、子育てが終わった保護者の方にしますと、それは本当に正当に使われるのかなという疑問を持っている、二つの声が私どもに届いているというのが今のところの話でございます。

 以上です。

糸川委員 どうもありがとうございます。

 それでは、農業のことで堀井陳述人と五十嵐陳述人にお伺いしたいと思います。

 きょう、エーエフカガヤキの方も視察をさせていただきました。非常に、地産地消のこれが理想なのかなという思いもございまして、これから日本の目指していく社会、やはりそういうところにも一端を見ることができました。

 地域社会の活というのは、農業の活性化も当然必要なことなんですけれども、きょうもいろいろお話を伺っておりまして、農業所得の大幅な減少であったりとか、農家の高齢化、カガヤキの周辺の方々も非常に高齢化が進んでいるというふうに伺っておりまして、担い手の高齢化、そして後継者不足という問題、そして耕作放棄地の増加、結果、食料自給率が低下をしていくということ、非常に農業の環境は厳しいなということが実感としてあるわけでございます。

 鳩山内閣といたしましては、この今までの農政を大きく変えて、そして農業を将来に希望が持てる産業に変えていく必要があるというふうに考えております。そのために、戸別所得補償制度であったり、生産、加工、流通の一体化による付加価値の拡大という点から農業の六次産業化、また食料自給率の引き上げ、こういったことに取り組んでいるところでございます。

 お二人の陳述人に、農業の衰退を招いてしまった農政の問題点、これが一点目です。そして、では、農業を復活させるために必要なものとして、私どもも一生懸命取り組んでいる最中でございますけれども、そのために農政に対して鳩山内閣に望むこと、この二点についてお伺いをしたいと思います。

堀井修君 どうもありがとうございます。

 今ほどおっしゃった中で、なぜこうなったのかということは、先ほど私も申し上げましたけれども、かつてそれこそ食糧管理法があった、いわゆる生産費そのものが一定程度補償をされていたというところが一つあると思います。

 ですから、その後、米価は大体三割落ちていますね。ということは、どういうことになるかということを考えていただければわかるように、極めて収入そのもの、所得が非常な勢いで減ってきた。そこが大きな問題だし、もう一つ、先ほど申し上げたように、やはりやる気ですね。あんたがこの国の食料を支えているんだというような、自負といいますか、そういうものがだんだん失われていったのではないだろうか、生産調整とかそういうマイナス、私に言わせればマイナスの農政によって。私は、そういうふうに思っています。

 ですから、やはりやる気、そして一定程度の所得補償、ヨーロッパあたりを見てみますと、所得の中に占める直接払いが三割、四割というような実例があるわけでありますから、実際に面積的にも欧米に比べればむちゃくちゃ少ないですし、しかし労賃はアジアに比べれば高いわけですから、その辺のことも大きな原因として担い手不足があったんじゃないだろうかというふうに思っているところであります。

 ですから、ここで戸別所得を実際に具体的におやりになった、非常に私はありがたいと思っていますけれども、ほかの部門、例えば畑とか酪農とか、そういうような部門における所得補償も緊急におやりになっていかないと、私は、さっき申し上げたんですけれども、出口がなくなっちゃった、ここをぜひやっていっていただきたいなと思っています。

 そしてもう一つ、一番重要なのは、消費者の皆さんに、おれたちの食べ物をつくってくれてありがたい、そういう感謝の気持ちみたいなものをどういうふうにしてこれから培っていくのか。そこがないと全部安い方向に行ってしまって、我が国は本当に農なし国家になってしまう可能性が十分ありますので、そこら辺は、金を出すんだから感謝する必要はないじゃないかとおっしゃるかもしれませんけれども、そうじゃないのではないだろうか。

 だから、先ほど申し上げたように、できるだけ消費者の皆さんに田んぼや畑に入ってきてもらって、どうなんだ、虫がいるよ、トンボがいるよという話をやっていく、そういう交流の場みたいなものをぜひこれからつくっていっていただければよろしいのではないかと思います。ただ単に上げぜん据えぜんの温泉旅行じゃなくて、そんなことも今後考えていくべきじゃないか、このように考えます。

五十嵐修平君 なぜ農業が衰退したのか、まさにこれはスーパーがはやって、そして安ければ売れていた時代がずっと続いたということだろうなと思います。安ければ何でもいい、買う人にとっては国産の高いものより輸入した安いものの方が生活にいい、そういう風潮がずっとあったんだろうなと私は思っています。そこにあわせて、米が余る、それから米の消費量が減る、そういう中で、どうしても米の生産調整が強くなってきたところに、農家がつくる意欲を失ってきたと思っています。

 ところが、まだ一生懸命農家が続いている地帯というのは、やはりそれなりにもうかる農家、もうけてきた農家なんですね。それは何かというと、一番手っ取り早いのはお花の農家ですね。お花づくり農家のところは、やはり後継者がたくさんおります。米づくりのところは、やはり厳しい状況が続いておりまして、今、それで企業化をする、法人化をする、協業化をする、そういう状況が今どうしても生まれてきております。そこにはやはり人が集まって、そして頑張って仕事をしている。そういうところがしっかりと二極化してきているのかなと思っています。

 それだけに、希望としては何かといえば、当然のことながら、農業はもうからない仕事だということだけは事実です。そこに何とか国の手が差し伸べられる、これが大きなものだというふうに思っております。

糸川委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたのでこれで質問は終わりますが、きょうは四人の陳述人の皆様方には、貴重な御意見を大変ありがとうございました。今後に参考にさせていただきます。ありがとうございました。

鹿野座長 次に、小里泰弘君。

小里委員 自由民主党の小里泰弘でございます。

 きょうは、貴重な機会をいただきまして本当にありがとうございました。今後の子育て、教育、そして農政を考える上で、大変ありがたい、ためになる御意見をいただいたと思っております。いただいた御意見を踏まえながら質問を申し上げたいと思います。

 座らせていただきます。

 福間さんの方から、教育につきましていろいろなありがたい御意見をいただきました。就学奨励金の問題とか、ばらまきはどうかというようなお話もいただきました。また、佐藤さんの方から、幼児教育のほか、いろいろなお話をいただきました。

 その中で、今度、新たな政策において高校の無償化がある、そして子ども手当が実施をされるわけであります。例えば、子ども手当におきましては、本則は一人月二万六千円、中学校までということで、新年度においてはその半分を払いましょうということでございます。特に、児童手当をもらっている場合は、それをもとにして足りないところを乗せる、例えば児童手当を一万円もらっていた方は三千円のプラス、そんな計算になろうかと思います。

 いずれにしましても、再来年度これをもし完全実施しようとすれば、五兆六千億円の財源が必要になります。日本の国防予算を超える額でありまして、もう一つ自衛隊をつくるような話になるわけであります。果たしてこれが現実的であるのかないのか、政府部内でも議論があるように聞いております。

 そこで、私どもが考えるのは、そういった子育て支援における給付金、これは確かに大事なものであります。同時にまた大事なことは、働いて得たお金で子育てができる、これがやはり理想であると思います。そのための子育て環境整備というものをどう図っていくか、ここがやはり問われるんじゃないか。

 例えば、幼児教育の場を充実する、あるいは保育サービスを充実する、そしてまた父親がPTA参観をできやすい仕組みをつくるとか、あるいは男でも育児休暇をとりやすい社会の仕組みにするとか、そういった総合的な子育て環境の整備がやはり望まれるんじゃないか、そんな考え方を私どもはとっているわけでございまして、福間さんと佐藤さんに、そんな観点からちょっと御意見をいただきたいと思います。

 それともう一つ、これは福間さんのお話にも通じるかもしれませんが、やはり子供が親の背中を見て育つ、また感謝の気持ちを抱いていく、これは自然なあるべき姿であろうと思います。その観点からも、子ども手当、どんなふうにとらえられるか。人様のお金で子供を育てて、親に子供がそういった気持ちを本当に抱くのか。そういったことも含めて、ちょっと御意見をいただきたいと思います。

福間哲郎君 またお答えになるかどうかわかりませんが、私は、現職のころは俗に言う一馬力でございました。三人の子供がおります。それぞれ家庭を持ちまして、私は今、六人のおじい様でございます。ほんにおじい様と言う子はいませんけれども、じじというようなことを言うんですが。六人も孫がおりますと、それぞれ三人の子供たちの家庭、大変だな。では、じじとして援助するかというと、一切そんなことはしません。たまに、正月になれば、はい、お年玉だぞというような、その程度で、一応面目を保っておる程度であります。

 そういう中で、先ほど私、一馬力と申し上げましたが、本当に安給料の教員生活をしながら、女房は何をしておったかといいますと、子供が学校から帰れば、お帰りとかいう、あれですね。それと、すぐ近くに小学校がありまして、小学校で共稼ぎをしているような教員がいたんですが、福間さんは子育てが上手だと、どうか知りませんけれども、うちへ預けるんです。女房がその子守をしてやっていました。保育園へ行くような子供ですと、連れてきたのを、朝九時過ぎでしょうか、ぼちぼち歩いて保育園へ送ってやったりとか、そんなしながら、多少お金はもらっていたようです。

 実は、大切なのは何かといいますと、そういう子供たちが、女房の世話にもならなくなって、学校、中学生となっていったときに、その親、私のうちに預けた、教員の共稼ぎでございますので私と同業者でしたけれども、そういう親が、うちの子が長いことお世話になりましたとか、そういうことが言える親であってほしいんです。別に金品を持ってこいじゃないですよ。そういうことができない親だったんですね。でも次々と、まあ上手に育ててくれるということでお願いされていました。以来、ずっと私は一馬力でありますけれども、女房はそれで満足しておりました。そのかわり、御殿には住めませんけれども。

 そういう中で、今度は子ども手当のことなんですが、文書にも書きましたように、本当にシジミを売って歩いたりした私からしますと、やはり親が苦労している背中を見て育ったものですから、それに対して振る舞うといいましょうか、ばらまくというんでしょうか、これに結びつけられるような国家予算を支出すべきでない。

 本当に困っている家庭があれば、あすあさって生活していける人は、どうぞそっちを優先してくださいと言うはずです。おれのところもよこさなきゃ隣にやるなみたいな、そんなような人じゃだめだと思います。そういうのは、先ほど言いましたけれども、胸襟を開いたつき合いをふだんからする、そういう心の広い大人であってほしい。大人というのは大きい人という意味ですよね。それがなくて、人の揚げ足をとったり、人の分け前もこっちへピンはねしようとか、そういうような大人が多いのは困りますよということです。

 要は、ばらまきは絶対だめだ、こう思います。

 ありがとうございました。

佐藤一郎君 高校無償化というのはちょっと私どもからかけ離れておりますけれども、子ども手当ですけれども、先ほども申し上げたように、やはりもらう人は喜ぶし、子育てが終わっている人は本当に使えるのというふうな話を聞きますと、私的な考え方ですけれども、子育て中にかかわる教育費が相当かかるわけですね。そういったことを、補助制度を改革しまして、子ども手当よりは、子育て中の教育にかかわる補助制度をもう少ししっかりした方がかえっていいのかな。

 私は余りばらまきとかそういう言葉は好きじゃないのでそういう言葉は使いませんけれども、同じそういったお金を使うなら、子育て中には必ず教育費というのはかかるわけですね。当然、先ほど申し上げたように、保育料とかそういった教育にかかわる費用を納入しないで平然としている保護者がいるという話をたびたび聞きますと、本当に一生懸命汗水流して、ない金を振り絞って納入している方もいるわけですよ。そういったことを考えたとき、この子育てにかかわる子ども手当というのが本当に妥当なのか。私は、それよりは教育にかかわる補助金をしっかりと出していただいた方が、かえって子供たちのためになるのかな、そんな気がいたします。

 それと、たまたまちょうどここに、私以外には三名の方がいます。みんな農業にかかわっているわけですけれども、福間先生は新発農に教壇をとっておられたようですけれども、私も新発田農業高校出身なんで、幼稚園に勤めるまでは農家をやっておりました。そういった経験を踏まえて、子供たちに収穫体験をさせようということで、今、幼稚園で取り組んでおります。種まきから始めてそれから収穫まで、その収穫したものを料理したりしております。子供たちは、そういった経験の中から、物の大切さ、それから感謝という気持ちがすごく育ってくるような気がします。

 それと、私の方で草取りをしたり管理しているものですから、園長先生ありがとう、おいしいものをありがとう。収穫体験したものをお土産におうちに持って帰って、ある保護者が来て、うちの子供はミニトマトが嫌いだったんだけれども、幼稚園でとって食べたミニトマトおいしかった、それがきっかけで食べられるようになりました、そんなこともお母さん方が話しておりましたし、夏休みが終わるとすぐ大根の種まきをして、十一月にお土産に持って帰る。そうすると、三歳の子供が持ち切れないような大きな大根をお土産に持って帰るんですけれども、添乗する先生が重いから持ってやろうと言うと、僕のだから嫌だ、自分でとったものを自分でしっかりとお母さんに渡さないといけないという、そういった物の大切さというものも育っているような気がしますので、ぜひ、そういったことも踏まえながら、子供の教育にもそういうのが大事なんだなということを皆さん方も知っていただければなと思っております。

 以上です。

小里委員 ありがとうございました。

 あと十分足らずの間に、堀井さん、五十嵐さんに二問お願いしたいと思いますので、それぞれ簡潔にお願いできればと思います。

 先ほど、生産調整、米価のお話がございました。今度の新たな農政におきましては、モデル事業あるいは水田利活用自給力向上事業、そして補助金の使い方における生産調整をもとにした優先採択、そういったところを含めて考えると、全体としてやはり生産調整が緩むんだろうな、そんなふうに思っております。

 加えてまた、反一万五千円、今度モデル事業で払う、この問題でありますが、やはり足元を見られて買いたたかれるんじゃないか、そういった懸念があるんですね。それと、どうせ補てんされるんだからいいじゃないか、いいものを安くつくろうという努力が出てこないんじゃないか。それとまた、今度は余剰米対策が準備されていません。そういったことから、今度の農政では、米はやはり下がっていくんだろうと思うんです。

 それはそれでいい面もあるんですけれども、消費者は助かる、ただ、下がった分どんどん補てんしないといけないので、財政需要はどんどん膨らんでいきます。その点どうなんだろう、あるいはついていけない農家はどうなるんだ、いろいろありますね。

 そこで、堀井さんがおっしゃった食育、大事なんですよ。しっかり米を食ってもらおう、そのために食育をしっかりやろう。同じ考え方でいえば、やはり米の需要をふやしていくことですね。

 その観点からいくと、食用はもう限界があるので、新規需要ということで、飼料米、米粉用米、一生懸命やろうと、我々は二年間、議論を必死で重ねてきて、飼料米、米粉用米の制度をつくったんです。

 それをもとにして、今度、反八万とか、あるいは耕畜連携を含めれば九万三千円とか、もらえる制度が続いていくわけでありますが、これがかぎを握ると思うんですよ。飼料用米、米粉用米でつくっていきますと、米の過剰には関係ないんですね。私の計算では、年間七百五十万トンの飼料米の潜在需要があるんです。食用米に匹敵する需要であります。これをしっかりやっていけば、逆に食用米の米価は安定をしていくんですね。仕組みはわかっていただけますね。

 そういったことで、やはり需要面でしっかりと対応することでまずは食用米のことも考えていく、そこが先決なんじゃないかな、そんなふうに思っております。

 そういった考えのもとに、しかし、飼料米は新潟では余り要らぬじゃないか、畜産もそんなにないなということがあるかもしれませんが、それは鹿児島にお任せいただきたいんです。畜産県、鹿児島、宮崎、それぞれありまね、山形もそんな感じかな。県間調整というのがありますよね。そういったところで互いに交換してやっていけばいいということもあります。

 そういった点を含めて、堀井さん、五十嵐さん、御意見をいただければ、一分ぐらいでちょっと。

堀井修君 ありがとうございます。

 まず第一点の一万五千円の件でありますけれども、今実際に生産費割れしていることは事実でありますから、当分の間は必要だろうというふうに考えております。

 そして、私が一番初めに申し上げましたように、今、米は六十キロ、小麦は四十五キロ食べています。その部分を、どのような形で自給率を上げるかということになれば、小麦の部分を一定程度逆にやめるといいますか、そこがやはり今後の中においては必要になってくるんじゃないか。ラーメンの宣伝はむちゃくちゃありますけれども、米の宣伝はまずないというようなことからすると、やはりマスコミに相当やられて、動かされている部分もあるんじゃないかと思いますので、そこの部分。

 あと、努力の問題でありますけれども、正直申し上げまして、もう努力できないという年齢までいっている層が随分あるわけでありますから、必然的に土地は集まるだろうというふうに考えています。

 飼料米の件であります。

 我が社でも、やはり酪農が随分ありますので、ホールクロップサイレージとかいろいろやっているわけでありますので、ですから、それに対して、今、脂肪分がどうだとか、そういうような部分でいろいろなことの規制的なものを取っ払うとか、そういうようなことをしていけば、やはり粗飼料とかそういうもので一定程度やれるということになれば、今のところ、田んぼの中で捨てづくりみたいなことをせざるを得ないような状況になっているのも随分生きてくるんじゃないか。そうなってくると、そこのところの価格をどういう形で保証していただけるか。やはりまさに、武士は食わねどということはできませんので、そこのところは施策で一定程度の方向づけをやっていっていただきたい、そこだと思います。

 一番大きな問題は、お米、野菜、そして酪農、そういうような部分の総合的な所得補償みたいなものを今後考えて確立していただかないとなかなかうまくいかないんじゃないかと思っています。

 以上です。

小里委員 五十嵐さん、済みません。次の質問の方が五十嵐さんに関係ありますので、その点を五十嵐さんにお伺いしたいと思います。

 といいますのは、土地改良のお話がございました。新潟でも圃場整備はまだ五十数%しか進んでいない。あるいは、圃場整備が進んでいるところでもだんだん担い手が少なくなりますね。すると、区画をさらに広げないといけないという状況もあるんですね。それとまた、老朽化したから、おっしゃるように改修もしないといけない。まだまだ土地改良の必要性は極めて高いと思います。

 そういったことをもとにしますと、戸別所得補償であなたは幾ら、十万とか二十万とか戸別に給付するだけでは物事は進んでいかないんですね。効率のいい経営を目指すためには、その基盤整備が必要でありますね。それとまた、土地を貸しやすい、借りやすい仕組みをつくっていく、確立をする必要がある。あるいは、担い手、集落営農をしっかりつくっていく、そのための支援策も必要でありましょう。あるいはまた、地域全員で農村社会をしっかり活性化していきましょう、そういった意味での中山間地域直払い、そして農地、水環境、この辺もさらに充実をさせていく必要がある。そして、何より国境措置ですね。貿易自由化に対する国境措置、これは欠かせぬ前提であると思いますね。

 そういったさまざまな農業政策、農村政策、そして食料政策、これが総合的に展開されないと、やはり農業、農村というのは成り立っていかないと思います。

 そういった観点から、新たな農政の足らないところをもうちょっとしっかりやっていただきたいなという考え方を持っておりますが、五十嵐さん、そして堀井さんにその点をお伺いしたいと思います。

五十嵐修平君 新潟において圃場整備がおくれている、まさにそのとおりなのでございまして、まず大区画、第一次の区画整理は終わっておりますけれども、最近の区画というのはもうちょっと大き目の区画になって、使いやすい形、あるいはまたいわゆる汎用化といいますか、田から畑をつくられる、あるいは転作をしやすいような状態をつくる。そういうときに、やはり基盤整備をやり直さないといけない、そういう時期になっているわけですね。

 ところが、基盤整備をやって五、六年たつとその担い手がいなくなる、そうおっしゃる方がおられますけれども、問題は、幾らどうしても、やはり米だけは、あるいは野菜だけはつくっていかなければいけない、自給率を上げていかなければいけない。そのためにどういう形態の農村地帯ができてくるか。それが、先ほど申しましたように、集落営農であったり法人の経営であったりという、好むと好まざるとにかかわらずそのような移行を今していっているわけですね。それだけに、どうしてもそういう仕事をやっていかなければいけないということなんですね。

 あともう一つは、ある学者が言われましたように、戸別所得補償は米価を下げるための政策で、消費者のプラスになる方策なんですよとおっしゃっている学者もおられるようですね。その関係と私どもの関係とが、どうしてもちょっとしっくりいかないところかな、今こう思っているところです。

堀井修君 今の基盤整備の問題でありますけれども、今ほど五十嵐さんがおっしゃったように、一次基盤整備はもう終わっていて、二次目に入っているわけでありますが、やはり個人的な負担というものをどうしてもそこに伴います。そして、先ほど申し上げたように、大きな農家は将来的に展望が一定程度開けるんですよ。しかし、一ヘクタールだとかそういうような皆さんにとってみれば、おれがやっておれの時代で返せるだろうか、そのような心配がもう目の前にぶら下がるものですから、そして、今はより賛成率といいますか、全員の皆さんが賛成しなければ前に進まないというような状況になっているわけでありますので、なかなかその辺が難しい。

 とりわけ、今ほど五十嵐さんもおっしゃったように、目の前に、米価がどうなるんだろう、消費者は喜んで百姓はつぶれてじゃどうしようもないわけでありますから、そういう部分の実際の心配が農村、特に、私は今中山間地にいますけれども、その皆さん方は大きな心配を持っておいでになっていますよということだけは、基盤整備は極めて重要なことでありますけれども、考えていかなければならない。

 おれの後がどうなるか、そこが一番大きな、不安な部分でありますので、そのようなことを考えて、これからぜひ現場を調査の上進めていただければありがたい、こんなふうに思っています。

小里委員 どうもありがとうございました。

鹿野座長 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之でございます。

 四人の陳述人の先生方、きょうは本当にありがとうございます。

 座って質問をさせていただきます。

 まず、佐藤さんにちょっとお伺いしたいんですが、先ほど、政治の方の方針が、幼保一元化を打ち出したと思えば、それがいつの間にかなくなって認定こども園、やったらいいのかやらない方がいいのかよくわからない。また、最近は幼保一体化という言葉が出てきた、現場では本当に困っているんだ、明確なものが出てこないのは困るというお話をいただいて、政治の責任がかなりあるなというふうな印象を受けました。

 ただ、ちょっと誤解があるのかなと思うのは、認定こども園をなくそうというふうに今の鳩山内閣もしているわけじゃないと思うんですね。

 我々公明党は自公政権下でこれを一生懸命やってきましたけれども、二千の認定こども園を目指していたんですが、去年の四月現在で三百五十八しかできていないということで、どこにネックがあるのかな。先生は幼稚園を経営されているわけですから幼稚園型になると思うんですが、なぜ認定こども園の制度が現場に浸透しないのか。政治の方に原因があるのか、または現場でいろいろお困りのことがあるのか、それを一つ教えていただきたい。

 今、政府の方でいろいろ現場の声を伺うと、会計基準が幼稚園と保育所で違う、社会福祉法人でやっている場合と学校法人でやっている場合。この会計基準はどちらか一方でいいようにしようという見直しをしようとしています。また、幼稚園教諭と保育士さんの資格取得も、年配の幼稚園教諭の方が資格を新たに取るには、これまでは試験を受けなきゃならなかったのを、課程をとれば試験を受けなくても済むように取りやすくする、そういった見直しも、できる限り現場の声を聞いて変えていこうというふうにしています。

 そういったことが進めば、現場では、認定こども園という制度が、実際に設置しやすくなって、また運営しやすくなるのか。それだけでは足りないんだ、調理室とかいろいろまたほかの基準もありますので、そういったものまでそろわないとなかなか現場では動いていかないよということなのか。これを二点目にお伺いしたい。

 個別のことになってしまいますが、平成二十二年度の予算では、幼稚園就園奨励費補助金が、四分類ありますけれども、一番収入の多い四分類の方の補助金のカット率がかなり高くなりました、低所得の皆さんの方を重点化しようということで。その分類の方たちの親御さんが、多分幼稚園では全国的には半分ぐらいになると思うんですが、こういう補助金のカットのあり方に対して現場でどういった声があるのか。

 この三点について、現場でのお声を教えていただければと思います。

佐藤一郎君 それでは、幼保一元化については、もう過去のことなので、触れても余り意味がないと思います。

 まず、認定こども園ですけれども、私が申し上げたのは、国がやめているんじゃないかといった方向で話したのではなく、国の方から各地方自治体に、認定こども園はこうであるという骨子が県の幼保の方におりてくるわけですね。そして、県条例の中で認定こども園を認める、認めないといった形で今進めているところなんです。

 ところが、県によってやりやすかったりやりにくかったり、さまざまな問題が生じている。ある県では全く対応し切れないところもございますし、積極的に進めるところもございます。新潟では最近少しずつふえつつありますので、いい方向には向かっているのかな、そんな気がします。

 ただ、一点、給食の施設の問題がちょっとひっかかるんですね。同じ認定こども園でも、ゼロ、一、二を預かる施設、あとは幼稚園ですよといった施設がございます。それに関しては保護者から何ら抵抗はないんですね。ゼロ、一、二の給食を提供するわけですから何ら問題ないんですけれども、五歳まで保育園で預かりますよとなると、保育園の園児にだけ給食を提供して幼稚園児にどうして給食を提供しないの、それはおかしいんじゃないのというトラブルが起きている県もあるそうです。

 そういった給食施設の見直し等、やはり現場の声をしっかりと聞いた中で、もう少し緩やかな方法でもいいのかな、そうすれば認定こども園というのはどんどん普及していくのかな、そんな気がします。

 それと、やはり細かいことは県の方が決めることですから、あとはそこにかかわる県の幼稚園担当者と県との協議の中で決めればいいことなので、認定こども園については、そんなのが各県の状況でございます。

 それと、会計基準ですけれども、私も余り会計基準というのは詳しくない。やはり幼稚園の方は、公認会計士の監査がございまして、比較的緩やかです。お金も緩やかですけれども、会計も緩やかなんです。ただ、保育所の場合、金も出すけれども口も出すという、本当に厳しい監査がされているようでございます。

 それから、資格の問題です。もう少し簡単に教員免許、保育士免許を取得できれば就園する先生また保育士がふえるのではないかという質問ですけれども、逆に、だれでも取ってしまって、今度はレベルの低下が一番心配かなと。特に、保育に関しては経験等が大事ですけれども、教育に関しては、やはり子供たちを指導、教育しなければならない。それにふさわしい資質を持った先生が育っていかないといい教育は実践できないということになりますので、余り緩やか過ぎてはまずいのかな、そんな気がします。

 それと、今回、幼稚園免許の更新制度が二十一年度、二十二年度に実施されます。その後、何か難しい言葉で、その免許更新制度をなくすということになっているそうですけれども、そういった話が我々の方に入ってくると、何をやっているんだと、あれほど教員の資質を高めるということを指示していながら。それで先生もやっとやる気になって、園長も、あなたはちょうど何年になるから勉強してきなさいよと指示をしている段階で、発展的何とかという形で、なくなる。ちょっと無責任かな、そんな気がします。

 ですから、余り緩やか過ぎても、逆に、いい保育士、いい教員が育たないのではないのかなという気がします。

 それと、最後になりますけれども、就園奨励費です。先般、私ども政令市が入っている、全国で今十八政令市がございますけれども、政令市の会というのがございまして、札幌から福岡まで十五の政令市が加盟しております。その中で、やはり、就園奨励費の補助の減額ということで、すごく先生方はショックを受けておりまして、特にDランクの所得の方がカットされているということで、その他の保護者の方も、どうなんだろうという不安な声が聞こえてきます。力のある市では、その分補てんしてあげましょうということになっているようでございますけれども、ぜひそういったところも余り減額しないように配慮していただければなと思っております。

 以上です。

富田委員 ありがとうございました。

 次に、五十嵐さんにお伺いしたいんですが、五十嵐さんのお話の結論が、最後におっしゃっていただきましたけれども、戸別所得補償と基盤整備を両輪でというお話でした。

 実は、この会が始まる前に、お隣にいらっしゃる社民党の阿部さんと、やはり所得補償と基盤整備は車の両輪だよねという話を二人でしていたんです。子育て支援も、現金給付とサービスの現物給付、この両輪がなきゃだめだと。農業に関してもやはり両方必要なんじゃないかという話をしていましたら、五十嵐さんから全くそのとおりの意見陳述がされたので、我が意を得たりというふうな思いなんです。

 五十嵐さんのお話の中で、資料の七ページの図を使って、点線が対策、補修が必要だというお話をされて、年間三億の予算で改修、それでも二十五年かかると。本来は、どのぐらいの予算があれば必要な時期に改修ができたのか。今回、予算で六割カットされたということになりますと、箇所づけになると相当またその三億円が減額されると思うんですが、そういったことは予想されて、今後の改修に向けてどういうふうにしていこうというような計画もされているんでしょうか。そのあたりの、具体的に困るということをもう少し教えていただければと思います。

五十嵐修平君 三億の予算というのは、昨年度の予算がそうだったんですね。二十一年度がそうだったものですから、二十二年度については減らされるということですから、これは減らされることは想定していなかったというのが本当のところでございます。それだけに、さて、先の見通しが立たなくなったなということが本当の気持ちですね。だから、困ったなというのにつながるわけです。

 この場所については、この点線の部分については、まさにもう仕事にかかっていかないとだめなんですね。最近、ストックマネジメント事業といって、長もちをさせる事業で、修理をしながらの方法もあるわけですね。そのために、それぞれの方法をどうやってやれるかというテストケースで、この穴のあいたところを補修して長もちをさせよう、そういう事業がございまして、そのテストもやっております。

 しかしながら、その経費もやはり相当かかるわけですね。その経費であっても、半額で終わるということじゃないんですね。そういう状況の中でこの事業を、仕事を進めていかなければいけない、そういうことですので、さてどうしたものか、全く見通しが立たなくなったなというのが本当の気持ちです。それだけに、二十三年度からはまたもとに戻してもらいたい、そうでなかったらこの両輪はうまくいかないというのが私どもの見方でございます。

 幸い、二十二年度において千五百億と言われるいわゆる農林水産用の交付金というのがついておりまして、このお金の使い道についても、我々は、どうしてもこの事業を先にやってもらわなければいけない部分を提出しながら、そして新潟県の方ともいろいろなディスカッションをしながら、今やっている最中ではございます。

 そんなことで、今のところ、先の見通しと言われると全く立たなくなっているというのが今の状態です。

富田委員 交付金の方を手をついて申請して、それを充てようというふうにとりあえず考えているということですか。

五十嵐修平君 当然のことながら、二十二年度の計画等はもう前から出してあります。継続をして仕事をしていただこうということで、常に計画を前に前にと立てております。その準備だけはしてあるわけですけれども、ただ、予算がぱんとこう削られたりすると、もうどうしようもないというのが本当のところです。

富田委員 ありがとうございました。

 次に、堀井さんにお伺いしたいんですが、実は、委員部また調査室の方が準備していただいた資料で、堀井さんの「環境に配慮した農業」という文章を読ませていただきました。一杯に三千粒のお米、三株、またオタマジャクシが三十五匹分。小さいころ私も千葉の銚子、田舎で育ったものですから、もう本当にそうだなというのを実感しながら、実はどんな方かなと思って伺ったんですが、先ほどのお話を聞いていて、本当にいろいろ示唆に富むお話でした。

 午前中にカガヤキに行ってきましたけれども、買い物に見えていた奥さんが、週に一回は来る、特に夏場、トウモロコシがおいしいし、トマトもすごくおいしいんだ、つくった方の顔が見えた方がいいというふうに、先ほど堀井さんが言われたとおりのことを言われていました。七月には何か朝五時半から行列ができるということで、やはり地元の農家の方がつくって地元の方が買われるというのは本当に大事なことなんだなというのを実感しました。新潟では、このような直販所が六百カ所あって、六十億ぐらい売り上げているということで、農家の所得ということから考えても大事な施策だなというのを、委員全員で見させていただきました。

 堀井さんの先ほど来のお話の中で、どうしたらいいんだろうということが幾つかありますので、その点をちょっとお伺いしたいんです。

 戸別補償制度も早目に、麦、大豆、野菜、果樹、畜産、広げて、その出口をきちんとしろという、そのとおりだと思うんですが、今の財源についても基盤整備の方を削って回したというような状況ですから、そうなると、その出口に到達するための財源というのをどういうふうに用意するか。これはもう政治の責任なんですが、現場から見て、こういうふうに財源を考えたらどうだという御提言がありましたら、ぜひひとつ教えていただきたい。それが第一点。

 あと、消費者が田んぼに入る活動が大事だというふうにおっしゃいました。これもカガヤキで平野さんという専務も同じことを言われていて、カガヤキでも、田んぼをお貸しして、田んぼの水をちゃんと毎日管理してもらうというお話をされていました。ただ、そうなると、その地域にいないとなかなか、一般の消費者の方が田んぼに入っていくのは難しいんじゃないかなというふうに平野さんのお話を聞いていて思ったんです。カガヤキでも、やはり九名から十名ぐらいしか現在のところ田んぼをお貸ししていない、実験的にやっていただいている。ここを広げるには何か方法があるか、これが二点目。

 そして、三つ目に、後継者の問題で、短期間で農業実践、農業知識を学習できる場をつくるべきだという御提言をいただいているんですが、農業の場合にこれが本当に可能なのかなというちょっと心配があるんですね。

 この三点について、もう一歩掘り下げて教えていただければと思います。

堀井修君 どうもありがとうございます。

 正直、財源と言われると、私は全然そこのところは自信がございませんけれども、要は、誘導策として、田んぼだけで、稲だけでやっているということは、やはり出口がないものですから、どうすればいいんだ。そこで、結局、行き着くのが、米価が暴落するんじゃないかというただ単なる不安がそこに出てくるだけでありまして、お互いに少しは銭を節約するしかないじゃないか。

 ですから、今回の中では五十嵐理事長のところが一番ひどい目に遭っているわけでありますけれども、やはりそこのところは、お互いにやりやすい畑の部分。今、農業総生産に占める割合が一番多いのは畜産ですね。そして、その次に野菜になっちゃったんですよ。三番目にようやく稲が、米が出てくるというような状況になっていますので、やはりでかいところからやっていく必要があるのではないか、あまねくやらないと回らないよということを一つ申し上げておきたいと思います。

 それから、消費者の問題ですけれども、カガヤキの連中を連れて、練馬の白石さんがやっている「風のがっこう」というところに行ってみました。練馬はとんでもないところ、周りが全部マンションだらけのところですけれども、その真ん中でもやっておられるんですね。畑の中にちゃんと農家を入れて、カルチャースクールのようなことをやっていました。ですから、そういう制度を私はぜひカガヤキの皆さんにも知ってもらいたいということで、おととい行ってきたんですよ。

 ですから、田んぼがないからということじゃなくて、すべて田んぼに入れる必要はないわけですね。畑はどこにもあるわけでありますから、そういうところに入れて、極端なことを言えばプランターでいいと思うんですよ。プランターに大根の種をまけば、立派な間引き大根ができるわけでありますから、そういうようなことをしながら、農業生産現場にどう近づいていただいて、やってもらうか。

 まあ、彼なら言いかねないなということですけれども、毎日水管理をせいなんて、そんなことできるわけないわけでありますから、そこまで農村、農業現場を見ていただきたいというふうに専務は言ったんじゃないかと思いますので、ひとつお願いしたいと思います。

 もう一つは、短期間でどうだということですけれども、昨年、農家に対する緊急雇用対策、これが相当のお金を使ってやられましたけれども、正直、おれ、仕事がないからさといって行ったって、何をしていいかわからぬわけでしょう、トラクターを運転できるわけでもないし、くわを持ったこともなければ。だから、やはり定着率は低くなって、むしろ農業、農村に対する不信感を変に醸成しちゃうまくないなというふうに私は思っていますし、私の事務所の中でも、三、四人すぐやめられたとか、いろいろな話は聞いています。

 とすると、では、一年間ぐるっと、田植えから稲刈りまで全部やれ、それは理想ですけれども、やはり、田んぼというのはこんなものだよ、トラクターというのはこんなものだよというようなものをせめて三カ月、四カ月ぐらい教えて、そして一定程度理解して入ってもらう。そして、今の若い皆さんはITを使いますよ。我々の世代の農家は使えません。私は、そこで相互に対する支援関係が出てきて、むしろいい結果が出てくるのではないかと。

 先ほど申し上げたように、農家の後継ぎは農家をしなければならない世襲制というのがだんだん薄れていくんだろうな、そうすると、やりたいという人にどのような形でやる入り口をつくってさしあげるか、ここが重要なんじゃないか、このように考えております。

富田委員 ありがとうございました。

 時間になってしまいましたので、福間先生に最後に一点だけ。

 私、文部科学委員会の理事もしておりまして、衆議院の文部科学委員会では、子供たちを、学校、教師を含め、親御さん、地域が一体になって育てていこうという議論を今ずっとしています。

 そういう中で、福間さんは校長先生御出身ですので、先ほど佐藤さんの方からもお話がありましたけれども、教員免許制度をつくったのにまたやめるのかと、政治の方が今ちょっと揺れ動いているんですが、教員の質の向上というためには何が星だというふうに考えられますか。この一点だけ最後に教えていただければ。

福間哲郎君 教員の質の向上という質問でございますね。

 やはり、雪だるまということで先ほどから言うておりますが、その親御さんも含めて、何年間かの、即教員とか、希望の高校に行って希望の大学に行って希望の教員になった、さあどうぞではなくて、その間、端的な言い方をしますと、例えば自衛隊に三年ぐらい行ってこいとか、それでそこの三年を経過したら、では本採用してやろうとか、何か思い切ったそういうことをしない限りは、本当に子供を引っ張っていけるだけの力量を備えてくれないような気がします。

富田委員 終わります。

鹿野座長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党の阿部知子です。

 本日は、予算委員長の御高配で、この新潟という、大変に命をはぐくみ、水と緑が豊かな地域に来させていただきました。

 鳩山内閣では、命ということをキーワードに、とりわけその中でも子供、そして農の営みということは大変重要な政策と考えて、いろいろな至らぬ点はありながら、大きくかじを切らせていただいたものと思っています。そういう観点からきょうは四人の方に質問をさせていただきます。

 座らせていただきます。

 まず、福間さんにお伺いいたします。

 長年民生委員をやっていただき、あるいは児童委員もやっていただき、福間さんのお取り組みの中で、御自身の近隣で最近、児童虐待というものはふえておるのかどうか。これはいろいろな取り組みが進むと発見はふえますのですけれども、もちろん、発見していろいろな意味でサポートして、未然に子供たちが虐待から守られるということをやっていくのが第一であると思いますが、御自身の長年の御経験の中でいかがかということを冒頭お願いいたします。

福間哲郎君 私ども主任児童委員というのは亀田地区には三人おりまして、三人が六月ごろに一回、そしてその後また半年ということで十二月あるいは一月ごろにもう一回ということで、一月ぐらい前にも回ったところでありますが、うわさといいましょうか、学校長が掌握していたり担任あたりが掌握しているようなことを白日のもとにといいますか、三人の前でいろいろ話を聞かせていただくんですが、去年、おととしあたりと比較しますと、実質上はふえている感じがいたします。中には、六月のときはこうだったが今はもう心配には及びませんというような例もありまして、そういうときには私どもは名簿から、児童相談所等々も含めてですが、抹消していきますけれども、新たにまた出てきます。そういう点では、新たに出てくる数が大変多くなっております。

 そういう点で、私はそのような立場であるものですから、先ほども話をちょっとしましたが、地元の中学校の困っている子供といいましょうか、翻弄されている教職員の悩みを聞きながら、場合によっては、そういう子がいたらこの部屋に連れてきなさいということで話をしますと、やはりシグナルなんですね。これは皆さん御存じのとおりだと思います。

 結局、どういう親かというようなことから、それに対して反感といいましょうか、また、先ほど控室で話をしていたんですけれども、読み書きそろばんといいましょうか、やはりそういったような基礎的なこと、これをしっかりできなかった子供が、例えば掛け算の九九がちゃんと言えないと小ばかにされる、それがいじめにつながっていく、そういったことが時々あるみたいでして、それこそ本当にあの、私、実はおとといも行っていたんですけれども、オリンピックの入場行進にはふさわしくないというような感じの中学生なんかがおりました。そうすると、おい、おまえ、それは何だ、パンツ見えるぞと言って、ベルトを後ろから持ってぐっと引き上げてやりますと、何するんだなんというようなことを言うんですけれども、でも、そうして声をかけて構ってやるのを待っているんですね。

 そういうことでは、どんな子でも大人の声を待っている。ただ頭からがつんじゃなくて、それをみんなでして、将来ある子供たちを育てたいな。私はとげ抜きをしているぐらいですけれども、でも、悩みを聞くことによってほっとしてくれる子を見ると、こっちが内心ほっとします。そんな感じでやっております。

阿部委員 ありがとうございます。

 家庭のはぐくみ育てる力も弱まっていて、それのまた一つ外側にある社会の力もなかなか、無縁社会と言われる中で、ぜひこれからもお取り組みをよろしくお願いしたいと思います。

 そして、今の御指摘の中にもいみじくもございましたが、やはり教育という問題。鳩山政権でも、子供たちが学ぶ、また、みずからを表現していくための力は教育にあるというふうに思い定めております。

 佐藤さんにお伺いいたしますが、その教育なるものは、北欧諸国等々をとると、ゼロ歳から教育である。日本の場合は保育と教育とあえてすみ分けてまいりましたけれども、言葉のないゼロ歳の子供たちでも、やはり人間の信頼関係を築いたり表現力を持っていくという基礎は教育にあるというふうに考えますと、これから幼稚園の役割、保育園の役割はなべて重要になってくると思います。

 そこでお伺いいたしますが、今、いわゆる格差、家庭の貧困問題が大変に、若い人は特に収入が少ないということがあって、幼稚園に入れるに際しましても、先ほどの奨励金のお話もありましたが、家計が非常に厳しくなってきているのではないか。子供たちに学びを身につけさせたいと思って、しかしなかなか家計がそれを許さないような状況は当然ながら強まっておると思いますが、このあたりは長年やっていらしていかがでしょうか。

佐藤一郎君 私の考え方もちょっと含めながらお話しさせていただきたいと思います。

 先ほど先生がおっしゃるように、ゼロ歳から教育が大事である。私は、ゼロから何か物を教えるというんじゃなくて、ゼロ歳から教育というのは、ゼロ歳から温かいハートを伝える、要するに、ゼロから一、二は保育だと思うんです。しっかりと自分で抱き締めて、子供たちをしっかり育てる、そうすれば、教える先生に対して信頼がわく、そして三歳からしっかりとした教育が受けられる、こういったことは私は実際見ております。

 お父さんもお母さんも、自分が悪いと子供たちにちょっと手を上げてしまったりすることもあります。私も実際ありました。しかし、そういうことをしっかり子供たちは覚えておりますし、ゼロ、一、二でもしっかりと体にしみついているわけですね。ですから、やはりゼロ、一、二をしっかりとした保育をする、そして三歳からはしっかりとした教育ができるということがいい教育の現場ではないのかな、私はそんな気がします。

 それから、格差の問題ですけれども、確かに今、共稼ぎしないとなかなか生活が大変だということで、ゼロから保育園に入ります。教育は受けさせたいんだけれども、せっかく三歳になって、では幼稚園へやろうかといったら、幼稚園は、私立の場合は、入園料も払わなければいけない、それと保育料も結構高い、負担が大きい。教育がいいのはわかっていても。それと、保育園に三年間お世話になっているわけですから、そこから、では幼稚園に行きますということも心情的に言えない。そういった部分で、幼稚園の就園の方がふえているのかな。

 正直言って、幼稚園は専門の教育の場ですし、保育園は保育する場ですから、教育の差は歴然としているわけですけれども、生活上、お金の関係で、どうしてもやれないというのが今の現状だと思います。

阿部委員 そうした家庭の格差あるいは生活の厳しさゆえに子供たちの本来の力が抑えられることのないよう、子ども手当の問題も一方でございますが、やはり現物給付、あるいはそういう保育や教育、幼稚園の場の確保ということをさらに両輪で回していきたいなと、今伺って思いました。

 堀井さんにお伺いをいたします。

 もう皆さん大分聞いていただいたので、私は一つだけ。

 先ほどの資料の中で、五ヘクタールから十ヘクタール、あるいは三から五という部分の問題をどうするのかがある意味では一番問題であるとおっしゃいました。これは、例えば環境支払い等々を併用すれば少しく維持していけるのか。例えば、段々畑などというところの保水力を持っていただいているということで環境支払い面で、あるいは低農薬で、小さなところであるけれども無農薬、アイガモ農法、いろいろな農法はあるでしょうが、そういう環境支払いと絡めれば少しくここの部分は何とか維持できるのかどうかを教えてください。

堀井修君 ありがとうございます。

 今ほど私がこの五から十というところが問題でしょうと言ったのは、いわゆるその担い手がほとんどいない、御夫婦のどちらかが倒れられた場合はまさに空中分解せざるを得ない経営ですよということで、この部分にやはりもう少し手厚い視線を向けていただきたいというふうに我々は考えているわけであります。

 それで、今、阿部先生がおっしゃった環境という問題については、今まで我々は余りにも環境という問題を無視して、経営だけ、効率だけを追い求めてきた結果がこうなった。やはり、いち早くヨーロッパ、イギリスとかあの辺あたりでは、環境が悪い、だから環境支払い、環境不利地の問題として手をつけられて、もう三十年、四十年たっているわけであります。

 ですから、私は、今そのことによってこれらの人たちの経営が助かるかということになれば、それは非常に助かる部分はあるかもしれませんけれども、一〇〇%ということはあり得ないと思っています。ですけれども、今後、百ヘクタール、二百ヘクタールの経営が本当にできるだろうか。

 先ほど五十嵐理事長がおっしゃっているように、まさに今、日本の用水路、排水路は全部合わせると四十万キロと言われていますよね、地球を十周するわけですよ。やはり、水で田んぼをつくるわけですから、全く水がないところで田んぼはできません。

 そういうことからいきますと、より適当な数字を持ちながら、一つ申し上げたいのは、農村社会がきちっとしていなければ農業はなかなかできかねるんじゃないですかということはそこで申し上げたのでありまして、一つの重要なファクターとしては環境支払い。そうしていくと、消費者の皆さんは見やすくなりますよね。よく私は例に出すんですけれども、あぜ道に除草剤をまいて、あぜ道が真っ茶色になるんですよ。それはよく見えます。しかし、全く無農薬で田んぼをつくったとしても、第三者が見たらそれはわからないんですよ。

 だから、事ほどさように、見ると聞くとやるとでは非常に変わってくるので、ぜひ今後とも、環境支払いということを重視していけば農村はより豊かになるし、今まで田んぼの中にオタマジャクシがいたってどうでもなかったんですよ。平気で中干しをして全部殺していましたからね。少しはかわいそうだと思えやなんて私は言っていますけれども。

 そんなことも今後考えていっていただければ、農業、農村に対する視点も変わってきて、先ほど五十嵐理事長がおっしゃったように、安ければいい、安ければ何でもいいんだという状況ではないでしょう、一番重要なのはあなたの命でしょう、命を危うくするようなものは食わない方がいいですよということが、この間のギョーザ事件みたいに、やはりあるのではないか、このように考えています。

阿部委員 では、五十嵐さんにお伺いいたします。

 いただきました資料を見て、改めて、農業がここまで今日持続され、またこれからもさらに続けられていかねばならないということを教えていただいて、本当にありがとうございます。

 私は、特に三ページ目の「芦沼時代の農作業」というこの写真が大変に印象に残りました。実は私は小児科の医者なのですが、昔、この時代、女性たちは水の深い田んぼに入ったために、おなかに赤ちゃんがいると、冷えて、よく流産があったということを聞いたことがございます。本当に重労働で、司馬遼太郎さんに御指摘されるまでもなく、本当にそういう身体を酷使して続けてこられた農業が、さまざまな改良工事の結果、収量を上げ、また人間の体にも負担少なく、そして願わくば後継の人を得てということが今一番課題になっておろうかと思います。

 五十嵐さんがこれはもう本当に長い間ここにかかわられて、先ほどの戸別所得補償というのも、実は、これから若い世代が農家をやっていただくに際しては、やはりある程度のきちんとした収入がなければそうはいってもやれまいということで、国としてそこに力を注ぎたいという思いの一つでありますが、五十嵐さんからごらんになって、若い世代に農業を本当に継承していくために私ども政治は今何をすればよいのか。先ほど、短期でも少し農業に親しむチャンスを設けなさいというのが堀井さんの陳述の中にもございましたが、五十嵐さんからはどんなお考えがおありか、教えていただければと思います。

五十嵐修平君 私、ずっとハードの話だけしてきておりました。実は、私の改良区では、全国で一つしかないと思うんですが、財団法人亀田郷地域センターというのを設けております。

 ちょうど一ページ目の右下の写真が、これは田植え体験会の写真です。十ページ目の、はさかけをしている写真があります。これは秋の稲刈りとはさかけの状況です。実は、このイベントだけじゃないんですが、このイベントだけを申しますと、二百五十人募集をするんですけれども、あっという間に二百五十人になってしまいます。そういう状態のものを、これはもう十年くらい続けているイベントでございます。

 最近、学校田とかいろいろなところで子供たちの田んぼ体験というのが多くなされております。私のところはそういう形で、この田植えだけじゃなくて、大豆を無農薬でつくって、草取りは大変ですが、その大豆をとって、そして秋の収穫をして、その大豆でみそをつくる、そういう事業もやっております。その地域センターのところでは、いろいろな、とにかく、改良区という、農地法の枠外の仕事もやろうという考え方でやっております。

 例えば二十二年度に米の生産調整の云々というような話の中で、加工用米あるいは米粉用米という制度で、米粉用は八万円のプラスがあるということですけれども、米粉用はなかなか売り口はすぐ見つけられない。加工用米は何とかということで、新潟県は米菓のメーカーさんが多うございます。米菓屋さんの方も、ぜひともそういった加工用米をうまく利用したいということで今話が進んでおりまして、私のところのこのセンターで千五百トン、それをまとめよう、これはJAじゃなくて私のこの地域センターでまとめようという動きで、一生懸命、今最中でございます。

 そんなようなことで、政治の流れの中で、やはり常に前向きに行動しなければいけないということも重々わかっておりまして、ハードのことばかり申しましたけれども、やさしいものもやっておるのでございます。

 そしてまた、私どもも、用水路、排水路のいわゆるのり面のところの除草剤というのは前から続けておりましたが、これをやめました。年間三千五百万ほどの予算を立てて、草刈りをしております。そのようなことで、環境にやさしい、安心で安全な食料をつくろう。そしてまた、私どものところでは、二十五万人の住民が住んでおります。ですから、その人たちのことも考えた仕事をやらなければいけない、そういうことでやっております。

 もう一つ言わせていただきますと、次世代の子供たちの教育に関係する仕事もやっておりまして、私のところでは、資料館があったり、あるいは海抜ゼロメーターの関係がありまして、年間二千五百から三千人の視察者が来ております。それに対応しておりまして、特に小学校の子供さん、それから中学校の生徒、そういう人たちが大変多く来て、そして勉強していっております。

 以上でございます。

阿部委員 ありがとうございます。

 私は実は神奈川なのですが、よく上越地区に、中学生が修学旅行とか、あるいは不登校の子たちのフリースクールをやっていただいたりして、大変お世話になっています。これからも、どうか皆様の御助力で、政治の中でも取り組んでいきたいと思います。

 ありがとうございます。

鹿野座長 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一と申します。

 きょうは、現場の経験に基づく、示唆に富んだ御意見、どうもありがとうございます。

 座って質問させていただきます。

 きょうは、農業と教育の話が大変多かったわけですが、農業高校で先生をなさっていた福間様にお尋ねしたいと思います。

 私は、職業高校、農業でも工業でも商業でも、どんな分野でもいいんですけれども、そういう職業教育というのはもっと見直されてしかるべきではないかと思っております。特に、普通科の高校を出た後就職した人と職業高校を出た後就職した人のその後の人生をフォローアップしていくと、普通高校よりもむしろ職業高校を出て就職した子たちの方がフリーターになったりニートになったりする可能性が非常に低いということを何かの本で読んだことがあります。

 そういった意味で、これまで、日本の教育は、普通教育に余りにも力を置き過ぎていて、職業教育を、高校レベルですけれども、おろそかにしてきたのじゃないか、そんな思いを持っておりますが、先生のこれまでの御経験から、農業高校を出た人たちがその後どういうお仕事につかれているか。例えば、農業に行っているのは何%で、サービス業が何%、感覚的なもので結構ですので、お答えいただければと思います。

福間哲郎君 先ほど言いましたが、私自身が県外の者でございまして、出稼ぎがてら新潟県で最初勤めさせてもらいましたが、そのまま居ついてしまいました。農業の教員をやりながらありとあらゆる、例えば、普通高校のような名前でも農業科があるとそこへ勤めたりもしました。

 最初は、県外人ですので、佐渡というのはある面では観光ができるみたいな感じで、面接のときに、もし採用になったらどこへ行きたいんだと言われたので、佐渡ならどこでもいいですと言ったんです。そうしたら、佐渡農業高校の分校に行くことになって、うれしかったんです。ところが、一度住みついてしまいますと、私、実は松江農林高校というところの卒業なんです。そこを出てから新潟へ来たものですから、本当に新潟は、しかも佐渡は、子供たちが純粋だな、教育が生きているな、そういう感じがしました。

 いつの間にか人事異動をみんな断ってきまして、佐渡にいますと、佐渡出身の教員がたくさんおりまして、佐渡へ帰りたがる。鉄砲玉でこっちへ帰らない。そんなことから、二年たったら転勤話が出ましたが、私もどうも佐渡を離れづらくて、十一年おりました。県教育委員会の人事異動に抵抗しておったわけですが。そういう中で、やはりよかったなと思うのは、一人一人、定時制ですのでなおのことですが、本当に心が生きているというんですか、そういう感じで勤めさせてもらいました。

 皆さん、地名でわかると思いますが、山古志というところにもその後一年いたこともあります。一年でしたけれども、そういうところへ行きますと、つらさとか難儀さとか、やはりそういうのが、親の後ろ姿を見たり、村人の後ろ姿を見ながら、身についていくんですね。

 先ほど、お隣がおっしゃっていましたけれども、やはり幼児教育というのが大事じゃないかな。小さいときに……

山内委員 私の質問は、農業高校を卒業した人の割合、どういう職業についているのか。

福間哲郎君 ざっとの数字というか、人数把握で言いますと、やはり地元に残っているのは半分ぐらいはいるみたいです。新発田農業の時代ですが、その中で半分ぐらいが県内、勤めても家から通える範囲で、その程度です。

山内委員 農業の知識を生かした職業についているのはどれぐらいの割合でしょうか。

福間哲郎君 それは、そのまた三分の一ぐらいでしょうか。どんぶり勘定です。

山内委員 きょう午前中、カガヤキ農園に行って思ったんですけれども、純粋に農業技術だけを教えるのじゃなくて、その後のマーケティングといいますか、売れるものをつくるとか、消費者、お客様が喜ぶものをつくるということを非常に重視されていたんです。本当は、これからの農業高校はそういうところまで含めて教えていかないといけないんじゃないかなと思います。先生はどういうふうにお考えでしょうか。

福間哲郎君 私も実は、農業、いろいろなことをやりました。生徒には納豆づくりなんかも教えました。ど根性納豆という名前で、リヤカーに積んで歩きますと、喜んで買ってくださるお客さんがたくさんおりました。子供たちは、売れたという成就感というんでしょうか、そういうので一生懸命取り組んでいましたので、そういうこともやはり取り組むべきだと思います。

山内委員 農業高校がどういう人材をつくれば、若い人たちが農家として、専業でちゃんと生活できるだけの給料をもらって、やっていけるようになるでしょうかということを、堀井さんにお伺いしたいと思います。

堀井修君 ありがとうございます。

 農業高校も、私もいろいろの関係を持ってやっていますけれども、一つは、先ほどカガヤキでおっしゃったように、今までは、我々は、どちらかというと、とにかくつくればいい、つくれば農協で売ってもらえるという状況の中で、農協の悪口を言うわけじゃないですけれども、一定程度じり貧になってきましたので、そこで居直ってカガヤキの皆様がそのようにやったとするならば、私も今そういう学校をつくろうかということで動きはやっていますけれども、ぜひマーケティングの、そう生易しいものではないですよ、営業というものが出てくるわけでありますから。

 となると、自分のつくったものをより深く知っていなければ営業はできませんから、そのような知識を、やはりこれからは、農業高校といいますか、むしろ大学も、そういうものも必要になってくるんじゃないかな、そのように考えています。

山内委員 さらに、今のお答えを掘り下げて、では、学校、大学とか、あるいは一たん社会に出た人が、専門学校でもいいんですけれども、どういうサポートがあれば農業に定着する人材が育っていくでしょうか。

堀井修君 それは、二つ考えられると思います。

 一定程度の経験者であれば、むしろITとか会計学とか簿記とか、そういうようなものをきちっとやっていくことによって、特に現役の農家の皆さんは、今補助金とか非常に多いですよね、非常に難しがるんですよ。だから、一つは、そういうようなものをやる。

 もう一つは、先ほど申し上げたように、興味はあるけれども全く知らないという皆さんについては、やはり実践です。野菜がどんどん育っていくのを見れば、だれしも嫌だとは思いませんよ。だから、そういうものを見せながら、育てるもののすばらしさ、それは子育てにも通ずるんだろうと思いますけれども。

 そのような形で、育てるという一つの技術と、もう一つは、販売するという一つのテクニック、この部分をどのような形で伝授していくのか。ここをやっていけば、私は、農業に対して変な、今まで、どちらかというと、農業に対しては、頭の悪いとかできの悪いとかいうようなことがやるんだということでいたんですけれども、価値観がここ何年かで全く変わってきていますから、それらの皆さんに本当に、今言うように、実践、そしてマーケティング、このようなものを教えていくというのが極めて重要になってくる、このように考えています。

山内委員 ありがとうございます。

 実は、私は九州の、うちの父親はサラリーマンをやりながらお米をつくっていまして、後を継がずに東京に出てきたので、食料自給率の低下の原因をつくっていて、大変後ろめたい気持ちがあるのです。

 五十嵐さんにお尋ねしますが、先ほど、土地改良事業の成果として、労働時間がすごく減っていると。昭和三十年に比べると、それこそ六分の一、七分の一の時間で同じ量がつくれるようになったということは、極論というか、あえてドライな言い方をさせていただきますと、農家の数がぐっと、例えば五分の一、六分の一に減っても同じだけのお米をつくれるようになったというふうに考えられると思うんですね。一世帯当たりの所得をふやそうとしたら、実は、専業でやる農家をふやしていき、もしかすると、農家の戸数が減った方が一世帯当たりは豊かになれる。

 そういう意味では、これまで、兼業農家と専業農家でいうと、両方に優しい農政だったかもしれませんけれども、これからは、もっと、極端に専業農家を優遇するような農政というか補助のあり方というのを考えていった方が実は農業は強くなるんじゃないかなという印象を受けたんですけれども、その考えについて、どのようにお感じでしょうか。

五十嵐修平君 非常に難しい質問でございます。

 本当は、農家の状況は、自然に兼業農家、息子は勤めに出して、おやじは年をとっても米づくりをやっていくというのが今までの流れだったと思いますね。これを変えようとするときは、物すごく難しいエネルギーが必要と思います。

 そこに出てくるのが、やはり、集落でお互いに話し合って、そして集落営農で、そういうのを自分たちで、つくれる人たちでつくろうじゃないか、そういう組織化が私の管内でもちょっと出てきているわけです。そういうことで、自然にそういう形に流れていくものだというふうに私は思っています。

山内委員 これまでの農政は、どちらかというと、政治力があるのはむしろ兼業農家の方で、専業農家の方は数がずっと少なかったので、兼業農家に対して優しい農政だったんじゃないかなという印象を私は持っています。

 恐らく、農家の所得補償というのは、どちらかというと、兼業農家にとってより有利な制度なのかなと。むしろ、兼業農家を続けていく方にインセンティブが働いてしまって、専業農家を強くすることにはマイナスになるんじゃないかな、そういう印象を受けるんですけれども、それについて、五十嵐さんと堀井さんのお二人にお尋ねします。

五十嵐修平君 全くそのとおりだと思います。大規模農家を育てるにはちょっと後ろ向きだと思いますね。

 でも、大規模でやっている農家の皆さんも、とりあえず一万五千円のあのお金は魅力があるということだけは事実なんですね。事実なんですけれども、その後がどうなるかという見通しがもう一つだというふうに感じております。

堀井修君 専業、兼業の問題ですけれども、これは、多分、日本に百姓が始まったときからなんだろうと思うんです。日本で本当に専業そのものが成立していたというのは、あり得なかったのではないかと思うんですよ。ですから、私としては、兼業という形で、地域に産業があって、そこに勤めることが可能なのであれば、それがいいのではないかと思います。そうでなければ、今の米価でいったら、やはり二十とか三十ヘクタールのものが必要になってきます。実際、私どもの管内にも、三十ヘクタールぐらいつくっている人たちがいまして、それはそれなりに経営は成り立っているところでありますけれども。

 やはり、集落というのは、本当に仲よくやっていくというのが一つの原則であります、隣のじいさんが大変だよねと。実際に、阪神・淡路の地震のときに、農村部ではほとんど助かったけれども都会部ではというような話もあったようであります。確かに、暮らすときにはいろいろ、何だかんだあるかもしれませんけれども、最終的には、助け合いということになれば、やはりそういうところが重要になってくるのではないでしょうか。

 都会の中で孤独死なんかの話がありますけれども、農村においては孤独死というのは聞いたことがないわけでありますから、そういう視点をぜひ持っていただくこと、専業、兼業問題というのは、そこら辺が重要になってくるんじゃないか、このように考えています。

山内委員 ありがとうございました。

 きょうお話を伺っていて、本当は幼稚園のことで佐藤さんにも伺おうと思ったんですが、これまでの委員に全部質問をされてしまいまして、最後の質疑者は結構苦労するんです。

 最後に、全員の皆さんに御質問させていただきます。

 農業も教育も幼稚園教育も障害者の福祉も、全部大事だと思います。ただ、どうしても、財政的に限りがありますので、どこかをふやせばどこかを削らなくちゃいけないということがあります。もし削るとしたら、皆さんはどういう予算を削ってほしいとお考えでしょうか。二つ挙げていただければと思います。

 では、福間さんからお願いします。

福間哲郎君 文書にも書きましたが、一律、高校生以上には一切要らぬ。まず一つ目、そこを削るべき。

 二つ目としては、義務教育の中でも、担当する親たちで、収入が本当になくて困っている実態があれば、それは援助してやってもいいけれども、そうでない人たちには遠慮してもらう。

 ぜひともそういう方向で教育予算を削っていただきたいな、こう思います。

山内委員 次は、佐藤さん、お願いします。

佐藤一郎君 私は、ここに保護者がおられないので、しかられないと思いますけれども、まず、子育て手当を見直して、やはりそのお金を教育にかかわるお金に、本来ならそういう目的で子育て手当を出すわけですけれども、実際、それぞれの家庭に入ってしまうと子育て以外に使ってしまう可能性があるので、ちょっとその辺が疑問に思いますし、金もかかり過ぎるのかと思います。

 それと、ちょっと時間が押して申しわけないんですけれども、せっかくここに衆議院議員の先生方、十五名ほどおられますけれども、幼稚園協会から一つお願いがあるんです。

 それは、特殊教育と申しまして、障害者を預かる制度なんですけれども、たまたま先般、うちの県知事に陳情に行きましたら、要するに、特殊教育の認定が難しいんです。専門医の診断書とかそういうのがなければ補助金が出ませんよと。それで、県は何とかならないかということで直談判したんですけれども、国の方がうんと言わない限りこれはだめだと。

 なぜ私どもが苦しんでいるかと申しますと、保護者はやはり自分の子供を障害者として認めたくないんです。グレーゾーンにいるわけです。でも、幼稚園に来れば、完全なる障害を持った子供にしか見えないんですね。そういった場合は、やはり、ぜひもう少し緩やかな方法で認定をしていただくように。それと、今、特殊教育の補助金が年額十六万九千円出ています。当然、専門の職員を一人配置するわけですから、これでは足りません。

 そういった点をぜひ、削れと言いながら変な要望して大変申しわけありませんけれども、それで苦しんでいる幼稚園がいっぱいある。保護者の気持ちもわかるわけなので、その辺はぜひ国会で討議していただければなと思います。

 ありがとうございました。

山内委員 ありがとうございます。

 堀井さん、お願いします。

堀井修君 私は、今、日本における防衛の問題とか、こういうようなものに、やはり一定程度、我々国民の目線に、きちっと説明できるような形にしていただければなというのが一つ。

 申しわけないんですけれども、きょう昼飯をいただきましたけれども、とても食べ切れない。ああいうものは、やはりとりあえずやってもらわなきゃだめだし、私の後ろにいますけれども、彼が入ってきたときに、どこに入ってきたんだろうということで、余りにも過剰防衛じゃないのかねという話をしておりました。もう少し私どもが国会議員の先生方と親しく接するためには、少し塀が高い。そして、変な意味、過剰な部分があるのではないでしょうか。そんなところから少しやっていっていただければな、このように考えています。

山内委員 貴重な御意見、ありがとうございました。我々もそう思っておりまして、理事会で協議しないといけないんじゃないかと思います。

 では、五十嵐さん、お願いします。

五十嵐修平君 困りました、財源がないのに削れと言われると。

 私も、いわゆる高校生あるいは子ども手当、これはやはり所得制限を設けるべきだろうなと思います。これは、むやみにやったら、経済の活性化につながらない。

 きょうは、経済の話が何も出なかったので残念だったんですけれども、やはり、経済の発展のためには、お金が回る政策もしてもらわないといけないと思います。そのために、削らなければだめなところは、まずそこのところ。

 あとは、困りました、削るところと言われますと。もう一つは出てきません。

山内委員 大変貴重な、率直な御意見をありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

鹿野座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 意見陳述者の皆様方におかれましては、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。

 本日拝聴させていただいた御意見は、当委員会の審査に資するところ極めて大なるものがあると存じます。ここに厚く御礼を申し上げます。

 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午後三時一分散会

    ―――――――――――――

   派遣委員の大阪府における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十二年二月十九日(金)

二、場所

   リーガロイヤルホテル

三、意見を聴取した問題

   平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 松原  仁君

       緒方林太郎君   岡本 充功君

       城井  崇君   豊田潤多郎君

       中林美恵子君   伴野  豊君

       三谷 光男君   山口  壯君

       下村 博文君   谷畑  孝君

       町村 信孝君   大口 善徳君

       吉井 英勝君   下地 幹郎君

 (2) 現地参加議員

       松岡 広隆君

 (3) 意見陳述者

    関西学院大学大学院経済学研究科・人間福祉学部教授          小西砂千夫君

    東大阪商工会議所副会頭

    株式会社フセラシ取締役会長          嶋田  亘君

    連合大阪高齢・退職者の会会長         三ッ木宣武君

    大阪商工団体連合会会長 三谷 信雄君

 (4) その他の出席者

    財務省主計局主計官   谷内  繁君

     ――――◇―――――

    午後一時二分開議

松原座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の松原仁でございます。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。

 皆様御承知のとおり、当委員会では、平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係機関予算の審査を行っているところでございます。

 本日は、三案の審査に当たり、国民各界各層の皆様方から御意見を承るため、当大阪市におきましてこのような会議を催しているところでございます。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようよろしくお願いをいたします。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。

 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、民主党・無所属クラブの伴野豊君、山口壯君、緒方林太郎君、岡本充功君、城井崇君、豊田潤多郎君、中林美恵子君、三谷光男君、自由民主党・改革クラブの町村信孝君、下村博文君、谷畑孝君、公明党の大口善徳君、日本共産党の吉井英勝君、国民新党の下地幹郎君、以上でございます。

 なお、現地参加議員といたしまして、民主党・無所属クラブの松岡広隆君が出席されております。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 関西学院大学大学院経済学研究科・人間福祉学部教授小西砂千夫君、東大阪商工会議所副会頭・株式会社フセラシ取締役会長嶋田亘君、連合大阪高齢・退職者の会会長三ッ木宣武君、大阪商工団体連合会会長三谷信雄君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず小西砂千夫君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

小西砂千夫君 関西学院の小西でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 資料を用意いたしましたので、それに基づきまして御説明を申し上げたいと思います。

 私は、大学で、財政学あるいは地方財政論、そういう関連の科目を担当しておりますので、そういう方面での研究者として意見を申し述べさせていただきます。

 資料はいずれも政府の資料をもとに作成したものでございますが、特に私が注目している点をピックアップして並べたものでございますので、これが政府の方針だとか、そういうようなつもりではございません。あくまで私が関心のあるもの、特に私は地方財政に関心がございますので、地方財政と関連の深いところを中心に、注目点と地方財政の関連を中心に資料をまとめさせていただきました。

 項目は三つございます。最初は予算の内容、それから税制改正について、そして最後は財政収支について、それぞれ簡単に申し述べさせていただきます。

 これは、特に政府の資料、御説明に対して解釈を加えたり何かつけ加えるというような趣旨ではございませんで、このように私は理解しておりますということだけでございます。後ほど御質疑を承るようでございますので、その際に御参考になるかと思います。そういう観点で申し上げることでございます。

 資料の二ページでございますが、「マニフェストと予算編成」に関して、特に私自身の注目しております点と地方財政関連について申し上げます。

 コンクリートから人へという、一つの考え方といいますか、全体を象徴するような表現があるわけでございますが、大変大きな歳出の構成比の変化があります。子ども手当ですとか高校の授業料の実質無償化とか、そのあたり、あるいは戸別補償などが、反映されたところは随分大きな伸びになってございますし、その反面で公共事業関係費が大きく減っているところでございますので、大変顕著な変化であるというふうに見ております。

 中身はもちろん申し上げませんが、子ども手当でございますが、特に次年度どうなるかというところに早くも注目があるようでございます。

 これは原口総務大臣が特にというふうに承っておりますけれども、子ども手当を次年度については全額国費を充てると同時に、子育て政策については地方負担を全額ということを原口大臣はおっしゃっておられるところでございまして、現金給付と現物給付の国と地方での役割分担というような、そういう意図もあるところかと思いますので、これがどうなるかについて大変注目しているところでございます。

 それ以外の、項目のみですが、高校の実質無償化、それから医師不足解消などの段階的な実施についてでございます。

 私は地方公共団体の方との御交情をたくさんいただいているところでございますが、公立病院につきましては随分経営環境が厳しいところでございますので、特に医師不足に対して御配慮いただいているというところを感じるところでございますが、一方、医療費の増嵩はまた国保会計の厳しさにもつながるところでございますので、今後どうなるか注目していきたいところでございます。

 農業、農家の戸別所得補償、それから暫定税率については税制改正のところで申し上げたいと思いますが、そのほか、地方関係でいいますと、地方交付税の増額を通じた地方財源が手厚く確保されたということ、それから、直轄事業負担金の見直しにつきましては、地元大阪府の知事も大変強く御主張されているところでございますが、予算関連法案として見直しの法律が国会に提出されているというふうに聞いておるところでございまして、この点は、地方分権改革というところから申しますと、やや地味ではありますけれども、一歩前進ではないかというふうに評価しているところでございます。

 以上が二ページ目に関してでございます。

 三ページ目、「税制改正」でございます。

 税制改正の観点として、税制改正大綱によりますと、納税者の立場に立って、公平、透明、納得の三原則、納得という原則というのは、私勉強不足ですけれども、恐らくこういう税制関係のあり方のときには初めての表現ではないかと思います。これも一つの考え方であるというふうに興味を持って見守っておるところでございます。

 それから、税制改正の決定プロセスを見直そうとされたということも大きなことだと思います。

 税制改正での注目点は、何といいましても、扶養控除の見直し、たばこ税の税率の改定、暫定税率の見直し、それから租税特別措置の見直しと同時に透明化に向けて一歩を進めるというところが、主要な、私が注目するところでございます。

 それ以外に、納税者保護の観点というところで、納税者権利憲章ですとか、国税不服審判所の見直し、社会保障と税の共通番号制度の導入といったところで、納税環境を整えるというところに踏み込まれたことも、今までなかったかと思いますので、非常に注目しているところでございます。税は、租税原則でいいますと、取れてこそ税というところがありますので、納税環境の強化については重要であるというふうに感じているところでございます。

 四ページ目、裏面に参りまして、「財政収支」のところでございます。

 平成二十二年度の予算編成方針、これは九月二十九日閣議決定の文書でございますけれども、その中に、これは幾つかある項目の中のごく一部だけを抜き出してきたんですが、「財政規律を守り、国債マーケットの信認を確保していく。」という文言がございます。

 国債マーケットの信認を確保するために財政規律を守らなければいけないという表現は、私、やはり財政学を学ぶ者として心にとめておかなければいけないことだというふうに思っておりまして、マーケットはもう情け容赦なく反応するところがありますので、そのマーケットの信認にたえられるような財政規律というところが重要であると予算編成方針にも書かれているところでございます。

 同じことが、それに関連しまして、税制改正大綱につきましても、下の、抜き書きしたところに書かれておりまして、財政赤字の解消に向けて取り組むという姿勢が示されているところではないかというふうに思っております。財源不足は大変厳しい状況でございますし、国債発行の累増に伴う国債管理政策にも十分な配慮が必要であるというふうに私も考えているところでございます。

 最後に、地方財政に関しましてはこの財源不足の中でも比較的手厚く財源手当てをしていただいておりますし、また、先ほどちょっと飛ばしてしまいましたが、税制改正でも、こういう財政状況にあっても地方財政の安定財源について御配慮いただくような表現がございましたので、地方財政について目配りしていただいているということについて特に重要であるというふうに感じるところでございます。

 私からは以上でございます。

松原座長 ありがとうございました。

 次に、嶋田亘君にお願いいたします。

嶋田亘君 皆さん、こんにちは。

 東大阪商工会議所副会頭を仰せつかっております嶋田でございます。会社は株式会社フセラシといいます。さっき座長、フセラ、シ、こう言われたんですけれども、布施市で生まれた、ラシというのはねじのことなんですけれども、フセラシと申します。主に自動車のねじをつくっておりまして、このねじは東大阪の地場産業の一つでございます。

 私ども、昨年は、御多分に漏れませず、非常に大きな不況に見舞われまして、二月には前年比で売り上げが三〇%まで落ちた、実に七〇%も減ったというようなことでございます。その間、雇用調整助成金を使わせていただいたり、また、社内で懸命なる合理化をいたしまして、何とか一年頑張って生き残ってまいりまして、昨年の末ぐらいから徐々によくなってまいりました。九月、十月ぐらいからまた黒字に変わってきたというようなところでございます。

 ところが、一般的に、私どもの、例えば東大阪の中小企業、約六千数百社あるわけなんですけれども、いろいろなアンケートだとか調査をしますと、まだまだそのように復活しておらない。全体的に見ますと大体五〇%ぐらいまで戻っておるというのが現状でございまして、非常に厳しい環境がまだ続いておるというのが現状でございます。今でもまだ雇用調整助成金をいただきまして何とか頑張っておる企業も散見されるということでございまして、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 今、私ども何とか八〇%まで戻ってきたということで言っておるわけですけれども、これもまだほんの一部だと思うんですけれども、政府がとっていただきましたエコ減税、これによって自動車が回復してきたというようなこと、それから、何といっても中国特需が今起こっておりまして、まだまだ中国がどんどん伸びていく中で、日本から品物、部品を送っておるという状態でございます。そういう中で何とか八割まで戻ってきたという状況でございます。

 そういうことでございますけれども、八〇%戻ってきて、非常にあしたが明るいかといいますと、なかなか明るさが見えてこないというのが現状でございます。

 これはなぜかといいますと、一つには、国内の自動車関係、これは大企業ほとんどの動きだと思うんですけれども、代表していいますと、自動車関連は、国内での生産を今物すごく縮小されております。そして海外へどんどん工場移転をしていっているという現状がございます。パイが非常に小さくなってきたということです。

 それから、二つ目なんですけれども、今までは、日本から部品を送って海外の工場で使ってもらっておったわけなんですけれども、ここへ来まして、現地で調達する。ある自動車メーカーは、中国では現調率を九〇%まで上げるというようなことを言われております。そうなってまいりますと、日本は完全に空洞化してくるというような問題がございます。

 それから三つ目に大きな問題は、これは為替の問題もあるんですけれども、今どんどん海外から品物が入ってきております。これもある自動車メーカーですけれども、価格競争して、四〇%は海外の品物を入れるよ、そして、国内の、今まで一生懸命に培ってきた関係もあるので、六〇%は残しておきましょうと。こういうのが今の動きでございます。

 そんなことを考えますと、この二、三年のうちにどんどんそういうことが進行しますと、どうしても明るさが見えてこないのが現状でございます。そういうことで、何とか私どもも、対応策として、国内を縮小してでも海外へ出ざるを得ないというような形で、海外に出るように今いたしております。もう既に、アメリカそれから中国、それから、昨年はタイにも進出をいたしました。

 何とかまだ私どもはそういう形で出ておるわけなんですけれども、例えば東大阪の二次、三次の要するにメーカーさん、中小企業、零細含めまして、ある程度ネットで動いておる。下請というような形と言うたら語弊があるんですけれども、そういうところに関しましては、本当に注文が入っていかない、どんどん注文が減ってくるということでございまして、このままほうっておきますと、どうしても中小企業は倒産するなり廃業するなりするしか仕方がない。

 これはやはり政治の力で何とか中小企業を残していただきたい。そのネットワークがつぶれてしまいますと、例えば我々も今四千数百点の品物を流しているんですけれども、社内で全部できるわけじゃございません。東大阪等の中小企業のネットワークを通じて多種少量部品をつくってもらい、いろいろなことをして残っておるというのが現状でございます。そういう中小企業対策をぜひともお願いしたいことでございます。

 それから、実は、これにかわる産業があればいいんですけれども、今ハイブリッドとかいろいろありますけれども、やはりどうしてもまだすそ野が低いというようなことでございます。

 まとめます。

 お願いがあるんです。日本で生き残る政策をお願いしたいことなんですけれども、一つには、法人税の減税を考えていただきたい。法人税そのものが無理であれば、投資減税等をぜひ考えていただきたいことが一つです。

 二つ目に、関税がいろいろあるわけなんですけれども、海外から日本へ入ってくる場合の関税はほとんどゼロなんですけれども、日本から例えば中国とかタイとかへ出しますと、大体八から一〇%の関税が今かかっております。そういう意味で、自由貿易協定ですか、FTAのような、あるいはAFTAのような動きをぜひお願いしたい。

 それから、為替が九十円ではもうとてもやっていけないというようなことがございます。そういう意味で、為替の、できれば百円ぐらいまで円安対策をとっていただければ私どもは非常に助かる、競争力も出てくるということでございます。

 それから四つ目に、デフレ対策をできたらとっていただきたいということです。

 それから五つ目に、韓国、あるいは中国の党首、大統領とか、皆さん、トップ外交、トップセールスをやっておられると思うんですけれども、ぜひ日本のトップの方も、例えば新幹線を売り込みに行くとかあるいは原子力の注文をとりに行くとか、そういう動きをしていただければ、とっていただければ、我々にもおこぼれが来るんじゃないかなという期待をいたしております。

 時間が来たようでございます。よろしくお願いいたします。

松原座長 ありがとうございました。

 次に、三ッ木宣武君にお願いをいたします。

三ッ木宣武君 連合大阪高齢・退職者の会の三ッ木でございます。よろしくお願いをしたいというふうに思います。

 土地柄でございまして、ちょっと品の悪い言葉もあると思いますが、お許しをいただきたいというふうに思います。

 平成二十二年度の予算についての膨大な資料をお送りいただきましたけれども、大変膨大なので、もう見るだけでたまげてしまって、先ほど座長が言われたような内容の、要約されたものをよく読んでまいりました。しかし、読んだということと理解するということは大分違いますので、いろいろ御意見を申し上げたいというふうに思います。

 私は専門家ではございませんので、予算全般について意見を言うというのは非常に難しい、できないということがございますが、学者でもなく業界団体の人間でもありません。労働団体のOB、町に働く人たちのOBという立場でございます。そういうふうなことで、本日の私の立場というのは普遍的なものではなくて、高齢者としての立場の意見を述べさせていただきたい。高齢者というのは、日本で定義するならば、六十五歳以上と通念上なっているというふうに聞いておりますけれども、そういたしますと、六十五歳以上の高齢者は、昨年の九月で二千八百十九万人おられるそうです。国民の実に二二・一%に当たると。

 その高齢者の生きがいといいますか誇りは、やはり戦後の混乱した日本から今日の日本をつくり上げてきた、そういうことの誇りであります。もちろん鬼籍に入られた方もおられますけれども、そういうことを生きがいにして今日まで来ておるわけですが、この高齢者の生活というのは、イコール年金生活者の生活でございます。国の政策の社会保障制度と税制で、生かすも殺すも、生殺与奪の権は政権が握っているということで間違いがないわけであります。これは、現政権であれ前政権であれ同じだというふうに思っております。

 この私たちの生活が脅かされそうになったときというのは、やはり生活防衛として、国民の生活を豊かにしてくれる政権を選ばなければいけないということで、選挙権を行使して、私たちの将来が安心できるような政権になっていただくということでございます。

 そこで、政権を目指して掲げたマニフェストで選挙が行われたわけでございますけれども、当然ながら、政権を得た政党は、そのマニフェストを政策に反映しなければ約束違反ということになるわけでございます。

 この予算について、もうかなりでき上がっているというふうに思うわけではございますけれども、十分な審議がされて決まってきているのかどうか。決定に当たっては、現実の姿としては、きょうはたくさんの党の方がお見えでございますけれども、政権政党がイニシアチブを握っているということについては間違いのないことだろうというふうに思います。そういたしますと、政権政党とは、民意が最も強く負託されている政党ではないか、また、そういうふうに心得ていただかなければいけない党ではないかというふうに思っておるわけでございます。

 しかし、予算の審議状態をマスコミによってしか我々は知るすべがないわけでございます。予算委員会に出るとか国会の討論に出るとかというのは、この大阪の地にあっては当然不可能でございますから、新聞、テレビで見るしかないわけでありますけれども、非常に私たちの生活を大切にしていただかなければいけないこの予算の審議について、国民の期待に沿った審議が行われているのかどうか、大変問題であります。

 テレビなどで審議の状態を見ていますと、飲みかけたビールのコップをテレビにぶん投げたくなるような未熟な審議だというふうに思います。いさかいの起こる議論を応酬するんだったら土俵の外で乱闘でも何でもやってくれ、土俵の上では純粋に予算の審議をしていただきたいというのが国民の願いだというふうに思っております。

 しかし、こういうふうな未熟な審議であっても、先ほど申し上げましたように、国民の負託を受けている政権政党であれば、提案側に十分な重みを持った内容が必要で、大いに期待しているというところでございます。

 そこで、予算を提出する現政党に政権交代への風が吹き始めたのは、一つは前政党が起こした政策の失敗、特に社会格差に対する国民の怒り、あるいは直接的な引き金になったのは、年金問題、後期高齢者医療問題を含む社会保障費の削減だったというふうに思います。そして、政権交代は、総選挙において、二千八百十九万人の高齢者やあるいは社会格差に泣く弱者が、生活を守るために投票を行った結果のあらわれだというふうに思っておるわけであります。そういうことで、現政権に大変期待をしておるわけであります。

 しかし、この予算編成に際して、そのことが生かされるかどうかということを大変疑問に思っているわけであります。高齢者や社会格差に泣いている国民の救済が生かされている予算であるかどうか。国民のほとんどはマスコミのニュースでしか判断する方法がないわけでございますけれども、そこから推測するに、その期待にはこたえていない予算ではないかというふうに思います。

 きょう、お手元の方にお配りしております資料は、前政権の時代から私どもが要請し続けている高齢者の生活を守る要求書でございます。年金制度、医療制度、介護保険制度、税制、どれをとっても予算措置が必要でありますけれども、高齢者の現在の生活、将来の生活設計にはそれぞれ欠かせないものでございますけれども、それがほとんど手がつけられていない、あるいは、それは作業はしているとおっしゃられますけれども、私たちには聞こえてこないということでございます。

 中身につきましても、皆様既に承知済みのことであるというふうに思いますので一々説明はいたしませんけれども、これらの実現をお願いするということでございます。これは有権者の三〇%を占める国民の生活の実感からの政策要求であり、予算編成に重きをなしていただきたいというふうに思っております。

 それから、高齢者の立場を外れて普遍的な立場で一件だけ意見を申し上げたいと思います。少子高齢化解消についての子ども手当でございます。

 その導入は、将来の労働力の維持、あるいは国民皆保険制度の維持、あるいは喫緊の景気刺激策と聞いておりますけれども、子ども手当で本当に子供がふえるのか、その上で、国民の皆保険制度が維持できるのか、子ども手当で子供のいる家庭の可処分所得をふやしても消費が起きるのか。それを本気で思っているとしますと、非常に甘い算段と言わざるを得ないわけであります。

 これは、産業構造の変化と労働形態の変化から将来の歳入をどのように予測するか。今日の産業構造と労働形態を二十年後、三十年後に平行して移動して見るということは、二十年前、三十年前と今日を比較して見ると、想定ができない話であります。したがって、将来必要とされる労働力や産業形態と労働の質と内容をどのようにとらえるべきかが重要であり、この重要な点が明確でないというふうに思います。にもかかわらず、子ども手当の創設は非常に拙速ではないか。

 将来の労働力の確保や皆保険制度の負担の担保は十分な検討が必要であります。今後も歳入増が余り見込まれないときに、この子ども手当という恒久的付加給付は後世に禍根を残すし、制度化したらやめることができないというふうに思っております。大変口の悪い言い方で申しわけありませんが、私は現政権の政党を支持する立場でございますけれども、これは厳しく指摘しておきたいというふうに思います。子ども手当は点取り虫的な政策ではないかというふうに思うわけであります。

 総論といたしまして、平和、安全、利便性等多くの分野で予算措置が組み替えられ検討されて予算案ができつつあると思いますけれども、国民生活の面から見ると社会福祉充実が最大の要点でございまして、社会福祉が充実している北欧諸国の視察なども私は経験してきておりますが、決してまねするとは言いませんけれども、やはり今日の日本の歳入状態から見ますと、高福祉の追求は高負担がなければ不可能だということが実態としてあるわけでありますから、十分な社会福祉制度のもとの豊かな生活を実現したい、そして、そのためには税制のあり方についても真剣な検討が必要ではないかというふうに思っておるわけでございます。

 以上の意見を付して予算案に賛成をいたしますけれども、歳入について危機的状態なので、ひとつ一層の全般的な見直しをお願いしたい。

 最後に、特に公務員改革や独立行政法人の整理、廃止を断行し、日本がマニフェスト倒産にならないようにお願いをしておきたいと思います。

 以上でございます。

松原座長 ありがとうございました。

 次に、三谷信雄君にお願いいたします。

三谷信雄君 ただいま御紹介いただきました大商連の会長の三谷です。この場で意見を述べさせていただくことに感謝とお礼を申し上げます。

 大商連というのは、基本的には、一人親方や家族で経営をする四人以下の零細業者を中心に組織している団体です。限りなく労働者に近い、そういう団体です。

 私たちは、労働基準法も最低賃金法も過労死も対象外です。今、非正規労働者の低賃金が社会問題となっていますが、少なくとも非正社員といえども契約期間中は労働と賃金は保障されますが、我々にはそれすらありません。きょうは、中小業者を取り巻く情勢と問題点と要望について意見を述べたいというように思っております。

 中小業者は、全事業所の九九%、九人以下というだけを見ても八〇%を占め、雇用の七八%を占め、文字どおり日本経済の主力です。こうした中で、〇九年度、中小企業予算は千八百九十億円で、一般歳出に占める割合は〇・三七%です。このことに違和感を感じませんか。

 先日、二月十四日のNHKの「日曜討論」の中で民主党の海江田さんが、来年度予算の中で、従来予備費は三千億円だが、別に一兆円積んであると。ぜひ活用していただいて、中小企業予算に少なくとも一兆円ぐらいは出していただきたい、切実なお願いです。

 今、日本経済は、一昨年のリーマン・ショック以来、依然戦後最悪の状況で、二番底が懸念されるなど景気回復の展望は全く見えません。ピラミッド形経済構造の底辺にいる零細業者はどん底の状態です。

 私は、堺で大手自動車関連や油圧運搬機製造業の三次下請を四十年近くやっていますが、従来やっていた仕事は大半が中国へ持っていかれ、それならばということで、溶接ロボット三台を入れて新たな仕事にも挑戦するなどして何とか経営を維持してきましたが、昨年初めごろから一気に仕事量が激減し、それでもつぶすわけにいかない。得意先をふやしたり、深夜まで労働したり、単価の安い仕事もとって何とかしのいできましたが、昨年末にメーンの親会社からさらなる単価引き下げがあると言われ、これではもうとてもやってられへんと思いましたが、やめると、残るのは借金と機械のローンやリース代で、やめるにやめられないアリ地獄の中にあります。

 お渡ししている、私がつくった、うちの資料を見てもらったらいいと思いますけれども、私たちの団体の婦人部が昨年四月から六月までの二カ月間、一万人を対象に実態調査を行い、有効回答八千八百二十五人分を集計したものでございまして、渡している資料の図十五を見てもらいますと、営業収入で生活できないと答えた業者が全体で六一・五%を占め、できる業者は三五・七%です。

 この資料十五で見てもらいますと、製造・販売、下請・加工、建設関連、運送、卸・小売、料理・飲食、サービス、その他と、あらゆる産業が全体の数字に近いというようなことになって、今、中小零細業者がいかに困難かということがあらわれているというように思っております。

 高い技術力を持った町工場がどんどん倒産や廃業に追い込まれ、日本の物づくりを根底から支えてきた町工場が危機的な状況です。日本を代表する物づくりの町、東大阪がシャッター通りと化し、我々の仲間も多数いるし、運送業者に聞いても、いろいろ配達に行くけれども、シャッターの閉まっているところは多い、人の気配もしないようなところもあるというようにも言っております。

 中小企業集積地の潜在能力が著しく低下しています。この集積地というのは、人間に例えますと歯のようなもので、一本、二本抜けますと全体がもたないというような状況の中で、メード・イン・ジャパンが高品質であり、また、ユーザーに安心感を与えていた時代が終えんしつつあるかもしれない、そのような危機感を抱いております。

 問題点としては、資源のない日本がグローバル経済の中で生き残るには、高品質、安心、安全、信頼の高い製品をつくることしかありません。しかし、熟練技能を持った町工場が倒産や廃業する中で、そこで働く職人の居場所がなくなりつつあります。しかし、技術者を必要としている企業はあるがマッチングできない場合が多々あります。倒産や廃業した企業のベテラン職人を技術の内容等で分類して登録して、ハローワーク等で把握して再雇用を図ることによって技術の伝承が保たれるのではないかというように思っております。

 町工場の職人はほとんどの仕事に対応できますが、大企業の職人は専門職が得意で、違う職種では余り力が発揮できないような人が見受けられます。町工場ではどんな仕事が来るかわかりません。図面が来たら、鉄を切断して曲げたり溶接したり穴をあけたり、メッキや塗装をして親会社に渡す。技術のデパートみたいなものです。それができなければ町工場の経営はできません。

 大企業や中小企業の大手に至るまでコストダウンを求めて、生産拠点を海外、特に中国に移し、我々の仕事の主力である部品、単品は逆輸入でほとんどの仕事を中国に奪われ、中国にまねのできないものしか生き残れません。国はこの状況を傍観するのか、仕方がないと思うのか、知恵と工夫を働かせて何とか打開策を考えているのか、聞いてみたいと思います。

 また、要望としては、海外で生産、販売するものについては、貿易摩擦や現地雇用で日本パッシングを回避する意味でも必要かと思いますけれども、海外生産も仕方がないということについては非常に悩みました。しかし、今言ったような状況で、そういうことも考えることもありますけれども、国内で生産することを何らかの形で考えていただきたい。国内で消費するものについては国内で生産するということについて、企業と議論してほしいというように思っております。

 私たち民商・全商連は、政府に対して、仕事量の激減で倒産や廃業の危機に追い込まれている町工場に対して、緊急対策として工場の家賃や機械のリース代など固定費補助に踏み出すべきだと思っております。東京の大田区の三民商の実態調査でも、百三十四件の回答がありまして、自己所有が四〇・三%、貸し工場が五六・七%、平均の広さが二十二坪で平均の家賃は十八万円で、とても払い切れない。このままだと大田区の中小工場は三分の一ぐらいになるのではないか。そうなると、企業集積そのものが崩壊すると危機感を募らせています。

 鳩山総理も、国会討論の中では、固定費補助は難しいが、しかし、町工場は日本の宝、町工場の灯を消さないようにしていきたいと述べていましたが、本当にそう思うのであれば、固定費補助に踏み出すべきだというように思っております。

 また、中小企業憲章も、従来、競争力の強い中小企業や大企業の競争力強化に役立つ中小企業に支援を集中してきましたが、一方、大多数の小零細企業は支援の外に置かれ、倒産や廃業が続出してきました。欧州中小企業憲章を例に、小零細企業も含む中小企業の持つ社会経済的役割を再評価した憲章を求めたいというように思っております。

 また、納税者権利憲章も長年にわたる我々の要求で、税務職員が納税者を犯罪者扱いにするような税務調査の被害が横行して、営業と生活に欠かせない事業所や自宅、売掛金の差し押さえなども後を絶ちません。これは、納税者を守り、税務行政における適正な手続を定めた納税者権利憲章が日本にないからです。納税者権利憲章がないのは、OECDに加盟する先進三十カ国で日本だけです。ぜひ皆さんに納税者権利憲章制定に御理解を願いまして、私からの意見とします。

 以上です。

松原座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

松原座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三谷光男君。

三谷委員 民主党の三谷光男です。

 四人の意見陳述者の皆様には、大変貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。時間が短いので、早速質問をさせていただきます。

 まさに今審議をしております平成二十二年度予算三案は、昨秋、政権交代が実現をし、鳩山新政権となって初めて編成をした新年度の予算であります。正直、楽に組むことができた予算ではありませんでした。厳しい経済状況の中、税収が上がらないということがありました。また、国債発行を四十四兆円程度に抑えなきゃいけないということもございました。掲げてきたコンクリートから人へという観点から、社会保障費や地方交付税の増額をする一方で、公共事業費の一八%減など、予算の資源配分を大きく変えたということもございます。

 また、今も意見の中で厳しい指摘をいただきましたけれども、マニフェストに掲げた主要公約の中で、子ども手当のように、半額実施という形ではありますけれども、実行できたものもあれば、税制改正も含めて実行できなかったものもございました。鳩山政権の政権発足直後には、事業仕分けをやったり、また、政治主導の新しい政策決定の仕組みもつくるといったこともございました。

 ここまでの新政権の取り組み、そしてこの予算を含めて、四人の陳述人の皆様全員に聞かせていただきます。

 きょうは、さまざまな立場の陳述人に来ていただいております。それぞれのお立場から、また、それぞれの専門分野の切り口から、これまでの取り組みを、そしてこの予算をどのように評価されているか、そしてまた、どのような御意見を持たれているか、率直な忌憚のない評価を、御意見を聞かせてください。

 小西先生からお願いをいたします。

小西砂千夫君 それでは申し述べさせていただきます。

 手短にと思いますので、一言で言いますと、マクロ経済情勢と、それから政権公約の中でぎりぎりのバランスをとった予算だというふうに思います。ですから、その予算、マニフェストをどこまで完全に実施するかというところもあるわけですけれども、税収減がありますし、国債も無限に発行できるわけではないという中で、本当にぎりぎりのところでバランスをとられた。

 ただ、税外収入の繰り入れも、今年度十兆円ですが、来年はそれはもうないわけでありますし、子ども手当も、マニフェストどおりであれば来年はもっと大きい金額になるわけですので、今の経済成長見通しからいいましても、新たなる歳入がなければ国債発行が膨らむという見通しになっています。ですので、今年度に関してはぎりぎりのバランスをとった予算である、しかし、次年度については不安を残しているということではないかと思います。

嶋田亘君 個々の額につきましては、難しい話ですのでわかりかねるんですけれども、やはり税収をふやすために、もっと経済を活発化しないと税収がふえないんじゃないかなと思います。

 そういう意味で、経済を活発化させるための予算であるというようなところがどうも見えてこないというようなことに関しまして、非常に懸念をいたしております。子ども手当を払う金があるのやったら、もっと我々にというような気持ちでございます。

 以上です。

三ッ木宣武君 マニフェストと、それから財政を一生懸命ぎりぎりのところで組まれたということでございますが、特別会計と一般会計を含めて二百兆円余りというふうな数字も新聞等で見ております。そういたしますと、一般会計の方がかなり少ない金額でございまして、組み替えをするということで民主党は多分主張されておったんではないかなというふうに思いますが、その辺がほとんど、できているのかできていないのか全然わからぬということが一つあります。

 それからもう一つは、今、隣の嶋田さんがおっしゃられていましたけれども、デフレスパイラル、大変なことだと思います。

 消費者はイコール生産者でございます。いろいろな海外の輸入品もありますが、私は、ぜひこの際、原産地表示をちゃんとやってもらいたい。日本人がつくった商品であるということを、何もバイ日本とは言いませんけれども、そうすることによって、やはり日本の皆さんがつくった商品の購入が図れるのではないかと。

 現実に、いろいろな企業では、これは日本製でありますと大手を振ってやはり利益を上げてきているところもございますので、昔アメリカで、バイ・ユニオンといいますか、そういうふうなことで、労働者がつくったものを買いましょうという運動もあったようでございますけれども、日本では、優秀な中小企業の技術を生かす商品について、ほとんどそういうことに裏づけられた商品が多いわけでございますから、これは日本製であるというふうな表示をして、消費者にチョイスをしてもらう。安ければいいというふうな今のようなことを直すには、デフレスパイラルというのをとめるには、どうしてもやはりその辺が大事ではないかなと。

 消費者はイコール生産者であるということを念頭に置いていただきたいと思います。

三谷信雄君 今度の民主党の予算案の中でも内需拡大をというようなことが言われておりますけれども、労働者の可処分所得がどんどん低くなって、年収百万円台で食うや食わずの人があふれ、二百八十円の牛どんと六百八十円のジーパンに群がるようでは、なかなか内需拡大につながらない。

 ちなみに、非正社員と言われる方、財務省の経済研究所の発表によりますと、十八歳から六十歳まで働いて、極論で、非正社員ばかり続けると生涯年収が六千五百万、ところが、正規のところに働きますと二億三千五百万というような数字が出ておりまして、失業率が五%の高どまりという中で、民主党の中では、百万人雇用とか経済成長戦略の中で言っておりますけれども、幾ら雇用がふえても、このような年収の人が幾らふえても、日本の経済の発展にはつながらないというようなことでは、やはり今大きな問題となっております非正社員に対する賃金の低さ、そしてそのことが我々零細業者の加工工賃にも反映するというような考え方から、そこらもきっちりと考えてもらって、やはり個人消費をふやす、そして経済回復につなげるというような方向をぜひとっていただきたいというように思っております。

三谷委員 大変ありがとうございました。

 中には、心温まる、また大変厳しい、また具体的な意見をいただきまして、また、質問者ですので議論ができないのが大変つらいところでありますけれども、来週以降の審議にしっかりとその意見を生かさせていただきたいと思います。

 少し小西先生に伺います。

 きのうもちょうど国、地方の協議の場法案の骨格ができ上がりまして、まさに地方主権改革にこれから踏み出していくことになるわけですが、きょうのお話の中でも、まさに小西先生、地方財政論が御専門でありますので、地方財政のことで、あるいは地方分権のことでお伺いをいたします。

 一つは、国の直轄事業、地方への負担金の問題でありますが、民主党がこれを廃止しなければいけないと言ってまいりまして、廃止の方向づけをしています。そして、まとめていただいた資料には、その「第一歩として、」まさに第一歩でありますけれども、「平成二十二年度から維持管理に係る負担金制度を廃止。」というふうにまとめていただいています。実は、まだその負担のあり方をめぐって議論をしているところであります。なかなか簡単にはいかない問題もございます。どのようにこれから進めていけばよいか、御示唆をいただければ幸いかと思います。

 それともう一つ、地方交付税についてでございます。

 一・一兆円、これまで減額が続いてきた地方交付税をこの予算の中では増額をいたしました。増額するのは、先生もお話しになられたように、いいことだ、しなければならないことだと思っています。

 だけれども、その内容の見直しの議論がございます。昨秋の事業仕分けの中でも、なかなか見えづらい、複雑である、内容について、そのあり方について見直しが必要だという意見が続出をしました。この地方交付税の見直しについて、どのような地方交付税の配分がよいのか、これも、御示唆をいただけるところがあれば、そのお考えを教えてください。

小西砂千夫君 二点、御質問をいただきました。

 直轄事業負担金につきましては、維持管理の部分と建設の部分が両方あります。第一歩として維持管理に係るものを廃止されるということでございまして、維持管理に関しましては、公物管理の原則というふうに言うようでございますけれども、管理者が責任を持って負担をするという、ここはかなりルールとして理解しやすいところではないかと思いますので、その意味では、維持管理の部分について優先して負担金制度を廃止する。しかも、維持管理については、内容が、各種報道等で明らかになりましたように、直接の維持管理とは言いがたいものも含まれているというようなことであったようでございますので、それについて見直していくということは非常に重要であるというふうに思うわけです。

 さらに、その先ということになりますと、建設部分についてどうするかということであります。

 そもそも、鳩山政権では公共事業そのものが圧縮しているわけでありますので、直轄事業そのものが圧縮しているということから考えますと、建設の負担金まで廃止するかどうかというのは、これはどうも四十七都道府県知事の中でも意見が分かれているようなところがあります。御当地、大阪府知事は、これはもう建設分も含めて当然だとおっしゃるわけですが、直轄事業そのものの額を維持することが重要だと思われる知事に関しましては、ちょっとその点は意見が違うというところでございますので、建設部分については少しやはり議論が要るんじゃないかと思うところであります。

 ですから、私は、ちょっとそこは、ともかく維持管理の部分についてはというふうにだけ申し述べさせていただいたわけでございます。

 地方交付税ですが、いわゆる事業費補正の見直しというのがテーマにありまして、地方分権改革推進委員会の勧告あるいは事業仕分けでもその点は問題になりましたので、そこが見直されたところでございますので、いわゆる事業費補正の見直しというところを含めて、地方交付税、さまざま見直しが行われているところですので、税制改正のところにもありますように、信頼ない制度はどうも維持できないというところでございますので、配分については、少しずつですが見直しがされているところではないかと思います。

 問題はやはり総額確保でありますが、国税収入がこの状態ですと、地方交付税だけを確保しろというのはさすがにちょっとつらいところがあります。国債マーケットが非常に不安定になりますと、地方債マーケットにはその倍以上の効果が回るわけでございますので、まず国税を立て直していただいて、その後に地方交付税財源を立て直していただくということをぜひお願い申し上げたいと思うところでございます。

 以上でございます。

三谷委員 ありがとうございました。

 続いて、嶋田副会頭にお尋ねをいたします。

 先ほど嶋田副会頭のお話では、中小企業の現状は厳しい、それはまさに東大阪の、御自身の周りのことを言われたのだと思いますが、だけれども、私も実は出身は広島県の呉市でありまして、東大阪同様に、まさに物づくりの町であります。私どもの地元を初めとして、もっともっと中小企業は地方の中であえいでいるわけでありまして、先ほどのお話はよくよくわかります。

 だけれども、東大阪のこれだけユニークな、そして元気な、そして強い中小企業がたくさん集積をしているこの現状というのは、むしろお手本にしなきゃいけないモデル地域のようなところでありまして、むしろ、東大阪にどうしてこれだけ個性のある、元気な、そして強い中小・小規模企業が輩出をしておるのか、集積をしておるのか、その秘訣のようなものがありましたら教えていただきたいと思います。

 そしてもう一つは、中小企業対策費の話をされました。

 デフレ対策をしなければいけない、あるいは法人税の減税を考えてほしい、いろいろな御提案がございました。先ほどマニフェストのことで言いましたように、いずれも、なかなか言ったことも実行ができなかったこともあり、今年度は厳しい現状の中で、中小企業対策というのは考えなければいけないことだと思いますが、なかなかいい知恵がありません。

 先ほど三谷さんからもございましたように、これは千八百九十億円に増額をしたんです。以前はもっともっと低かった、千億以下だったんですね。だけれども、三年前にものづくり高度化事業のような、中小企業、それも製造業向けの制度立てが始まりましたけれども、なかなかいい知恵が出せずに、策を打ち出す方も考えあぐねているところがございます。

 これは、もしいい知恵が、あるいはいい提案がございましたら、中小企業対策、その施策の面でお考えがありましたらお聞かせください。同じように、後段の部分は三谷さんの方にもお願いを申し上げます。

嶋田亘君 まず初めに、なぜ東大阪に個性のある強い企業が生まれたのかという御質問でございますが、東大阪というところは、交通の便が非常にいい、立地条件のよいところであるということが一つだと思います。

 また、ほとんどの方々が大阪あるいは大阪近辺で土間を起こし、業を起こしてスタートされたわけですけれども、その後、規模がある程度大きくなったときに、新しい地を求めて東大阪に来られた。東大阪は昔はまだ本当に畑ばかりだったものですからそういう動きがあったと思うんですけれども、とにかく新しいことに、商売を、商売というより工場ですね、業を起こしたいという意欲のある方がたくさんおられたというようなこともあろうかと思います。

 それと、松下さんとか弱電関係、電機関係とか、やはり大企業がその近辺に立地しておったというようなことが栄えたことだと思います。

 しかし、ここへ参りまして、大企業もどんどん東大阪から出ていかれておりますし、我々、今ネットワークで維持管理していっているというようなところだと思います。

 それと、先ほど減税のお話をお願いしたわけなんですけれども、必ずしも約四〇%近い法人税を云々じゃなくて、我々も今現在、中国とかあるいは韓国、物すごく彼らと価格競争をしておるわけなんですけれども、それをやるためには、合理化投資をどんどんやっていかないとどうしても勝てないわけなんですね。設備をしたいんですけれども、設備投資をやっていく中でやはり税金がかかってくるという中で、少なくとも合理化投資に関しては、投資減税がもしか認められますと競争力もついてくるんじゃないかな、そういう意味でちょっと税金の問題に触れさせていただいたわけでございます。

 それから、デフレスパイラルに今陥っている中ですけれども、本当に、今までデフレとはどういうことやといって前から質問があったときに、ユニクロで物を買うのがデフレやというような冗談を言っておったんですけれども、今ユニクロというのは非常に高級なところになっておりまして、むしろ、それ以下のところ、先ほども話がありましたけれども、非常に安いものが今出回っております。

 今ほとんど、我々の自動車部品でも、品質よりも価格を優先しているような政策が各企業さんでとられておると思うんですけれども、そういうのを見てみますと、こういうデフレが問題なのであって、やはりもっと高級志向をさせるようなやり方が必要じゃないかなと私は思っておるわけでございます。

 ちょっと答えになっておらないかもわかりませんけれども。

三谷信雄君 物づくりの原点は、やはり企業集積だというように思っております。そういう点でいくと、東大阪という地域に行くと、あそこに行ったら何でもできるで、何でも業種がそろっているでということがすごく強みということです。

 今の東大阪が、かつて発展した中で、歯が抜けるように、二次、三次の下請が閉鎖や縮小、倒産というようなことで抜けることで企業集積が欠けていって、例えば、東大阪に行って鉄をひっつけて、堺に持ってきて穴をあける、こんな不合理なことをしていたのでは、やっていけないというようなことがあるので、やはり、この企業集積を大切にするという意味でも、そういうような、歯が抜けるような、企業が抜けていくことに非常に危機感を覚えているということ。

 我々はかつて、本当にガレージをつぶしたような工場に行っても、NCとか、何千万というような機械が入っている、そういうのをいっぱい見られたけれども、この不況の中で、そういう設備投資というものが、どんどん先が見えないということで減っていく。そして、海外では、そういう中ででも人材育成や企業投資がどんどん進んで、日本との差がどんどん縮まってきているというところにも非常に危機感を覚えて、そういうことに対しても、何らかの対策を考えていただきたいというように思っております。

松原座長 申し合わせの時間が経過しております。

三谷委員 ありがとうございました。質問を終わります。

松原座長 次に、谷畑孝君。

谷畑委員 本日は、公私ともどもお忙しい中、四人の皆さんの意見陳述を、貴重な意見をいただきましたこと、私、自由民主党の谷畑でございますけれども、心よりお礼と感謝を申し上げたいと思います。

 まず、本題に入る前に、冒頭にどうしても聞いておかなきゃならぬことがあると思います。それは、予算委員会でも政治と金という問題について非常に大きな議論になりました。内閣のトップであります鳩山総理は、平成脱税王、このように言われましたし、また、民主党の中核的存在であります小沢幹事長の政治資金について、不動産の購入資金の疑惑、こういうことがあります。今まさに確定申告の時期でありまして、もうばからしくて税金を払えるかい、また、この怒りをどこへぶつけたらいいのか、このような声が聞こえてくるわけであります。

 嶋田陳述者、あるいは三谷さん、確定申告にかかわるこの二人に御意見を一言お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

嶋田亘君 政治と金の問題、非常に難しい問題でございますが、鳩山さんあるいは小沢さんの今回の問題につきましては、我々から見ると、なめとんのちゃうかな、一言で言ったらそういう感をいたしております。絶対に説明責任が果たされておらないというように思います。

三谷信雄君 あのテレビの中身を見ておりますと、我々は、税金の民商といって、中小業者の営業と生活を守るとともに、税金に関しても、取り方、使われ方についても重大な関心を持って対処してきたというような団体の中で、あの鳩山さんの話を聞いておりますと、我々、税務調査の中で、もしかああいうことが起きたときに、知らなかった、事務員がやったことで経営者は知らなかったということがもしかまかり通るのであれば、こんなばかげたことはないというように思っております。

 そういう点では、今のあの問題に関しては、我々も、これから税務調査がどんどん、確定申告が始まる中で、そんな不合理があってええのかという非常に怒りを持ってあれを聞いておりました。

谷畑委員 ありがとうございます。

 嶋田陳述者と、そして小西先生、そしてまた三ッ木さんにもお願いしたいと思います。

 今国会の予算で、私ども本当に不思議だなと思いますのは、今回の予算が九十二兆円を超えるという最大の予算になってしまっている。それとまた、過去最大の四十四兆円という国債発行になってしまっている。

 それと次に、恒久政策、とりわけ子ども手当とか、こういうものは一たんスタートいたしますと、これをずっと継続していかなきゃならないという、まさしく恒久政策だと思うんです。しかも、今小西先生もおっしゃったように、財源が税外収入に頼っていかなきゃならない、こういう非常に不安定な予算の組み方になってしまっている。

 しかも、子ども手当などは二万六千円ということで、マニフェストはそういうことでありますから、これはまだ半分でありますから、これから一体、このマニフェストと予算ということでどのような硬直した予算になっていくのか非常に不安である。

 特に、今日のこの状況、嶋田意見陳述者のお話を聞いてもわかりますように、今こそ景気対策、中小企業対策をしっかりと打たなきゃならぬ、こういうときに、硬直してしまって手際よく打てない、ここに今国会の予算の非常に大きな欠点がある、このように私は思うんです。

 その点について、三人の意見陳述者の方から、簡単にひとつ意見をお聞きしたいと思います。

小西砂千夫君 申し上げたいと思います。

 マニフェストという言葉も随分定着するようになりましたので、それを見て選挙に臨むということが定着したということからいいますと、マニフェストにできるだけ可能な限り忠実に予算を組むということは、歳出面におきましては求められているところではないかと思いますが、ただいま谷畑先生御指摘のように、私も財政を少しかじっておりますので、財政収支が不安であるということがマクロ経済を通しても非常に大きな影響を与えるということについては、当然強く心配をしております。

 現状、国債マーケットは少し不安視する声はあるわけですけれども、金利だけを見ますと、そう大きく反応しているわけではない。もちろんそのほかの要件もありますけれども。この国債マーケットに火がついてしまうと、これはもう取り返しがつかないことになりますので、しばらく時間的な猶予が今はある。

 一方、急速に財政収支だけ均衡させますと、マクロ経済も心配なところがあります。そうなりますと、結局、中長期で財政収支を均衡するという強い政治的意思を示すということが喫緊の課題ではないかと思います。少なくとも、それについてはこれから政府税調等できちんとした議論がされて、そしてマーケットの信認を揺るがさないように配慮いただきたい、そういうふうに思う次第です。

嶋田亘君 子ども手当の件でございますが、私どもはもう子育てが終わりまして、今度は孫の代が来るわけなんですけれども、よく家でもこの子ども手当のことで女房と話をするんですけれども、子供というのは親の背中を見て育っていくわけだと思うんですね。親が苦労して育ててこそ、初めて感謝の気持ちが生まれ、子供が育ってくる。

 そこへお金を渡すことによって、そういう会話が家の中で起こることによって、子供というのは果たして育つのかなというようなことを家の中でもしゃべっておるわけなんですけれども、もらえないから言っておる感もしますけれども、やはり僕は、今のこの厳しい環境の中で急いでやることではないんじゃないかなという感じがいたします。

 以上です。

三ッ木宣武君 先ほども関連するようなことがございましたが、一般会計と特別会計、特別会計のことについては前政権の先輩の塩川さんあたりも、すき焼きの議論でいろいろおもしろおかしく話をされておったわけでございまして、何も今さら始まったことではないというふうに思いますが、二百兆円の組み替えをするというふうなことが、やはりうまく組み替えができなかったのではないのかなというふうな気はするんですけれども、それはこっちがおもんぱかって言うことであって、組み替えはしてもらわないかぬということだというふうに思います。

 それから、九十二兆円、四十四兆円という数字もございますけれども、別に私は民主党のかわりに言うわけではございませんが、前政権のコンクリートの部分について手当てをしていかないかぬということになりますと、いきなり全部減らすわけにいかぬでしょうから、そういう意味ではちょっと無理が生じているのかなと。だから、少し長い目で見なければいけないのかなという気も、さっきは厳しいことを言いましたけれども、実際にはそういうことも考えていかなきゃいけないのかなというふうに思っております。

 以上です。

谷畑委員 もう一度三ッ木さんにお聞きしたいんですが、今回の選挙、私はつくづく不思議だと思いますのは、いわゆる中負担で中サービス、日本の福祉制度の関係ですけれども、私はこのことは、国民的な議論をしっかりと巻き起こして、そういう状況の中で、日本の福祉に対する自己負担率というのは大体四〇%と言われたり、ヨーロッパは高いところで七〇%の負担率になっている、こういうふうに言われるわけですけれども、日本はその点、非常に低い負担で中サービスを行っている。しかし、これを高サービスに切ろうとすれば、必ず高負担という状況、ここはやはりしっかりと議論しなきゃならぬと思うんですね。この議論なしに、生活が大事だ、こういうことでずっと、子ども手当などは満額やれば、国だけで負担すれば五兆を超えるという、このような状況になるわけなんですね。

 そこの点、今、三ッ木さんの方から高福祉・高負担ということをちょっと触れられましたので、少し意見がありましたら一言お願いします。

三ッ木宣武君 高福祉・高負担ということは、国民の皆様もかなり意識しているものではないかなと。ただ、高負担がどうなるのかということはあるというふうに思いますけれども。

 この福祉の問題は、前政権の時代からほっちらかしっ放しにしてあるので、どっちかといいますと、今の政権に余りぎゃあぎゃあ言うことはないんですけれども、先ほど言いましたように、場外乱闘などせずに、そういうことも予算委員会の中できっちり議論してもらいたい。あっちの金はどうだ、こっちの金はどうだ、そんなものはよそでやってもらいたい。予算というのは、国民生活に非常に大事な問題。今先生がおっしゃるようなことは、どうぞひとつ予算委員会できっちりやってください。

谷畑委員 それでは、質問を少し変えまして、鳩山総理の発言だとか、あるいは民主党政権の中でどうしても気になることは、例えばCO2二五%、これは非常に理想的でいいんだけれども、実際、私ども地域を回っておりましたら、もう日本では相当努力してCO2を削減してきている、企業はこれなら外国へ出ていかざるを得ないじゃないか、こういう話をよく聞きます。

 それと二つ目は、製造業の派遣は原則全部禁止するんだ、こういうことであります。私もこのことについてはわからぬわけでもないんだけれども、それにはやはりそれなりの階段のつけ方をしないと、もちろん正規と正規外とのいわゆる待遇とかを含めてどうしていくかという、さまざまな、きめ細かくしながら、もう少し労働の自由度を高めていかないと、ここもまた企業は外国へ出てしまう。

 だから、嶋田会長さんがおっしゃったように、中小企業が日本で頑張れるようなシグナルをもっと出していかなきゃならぬじゃないか、私は、今、嶋田さんの意見陳述を聞いて、つくづくそう思うんですね。その点について、小西先生と嶋田さんにもう一度お聞きしたい。

 嶋田さんにはもう一つ。

 ちょっと心配なのは、トヨタのリコールで成長率を〇・一二引き下げてしまうんじゃないかという、きょう、記事が出ておりましたけれども、この影響は日本にとってみても大変だと思いますけれども、そこらはひとつ、自動車関係だと思いますのでお願いいたします。

小西砂千夫君 ただいまの御質問は、必ずしも私、自信を持って答えられるところではございませんので、あくまで原則論として申し上げさせていただくわけでございますが、今の国民世論といいますか、その見方からいいますと、先にゴールを見せておいてだんだんそちらへ行きますというよりも、ここへ行きますというそのゴールを見せろ、そういう感じがある。ですから、打ち出しはやはり非常に高く打ち出して、最初にここへ行くんだというふうに打ち出すということが、そういうスタイルをとらないと国民の関心を引かないというようなところが現実にはあるのではないかと思います。

 私が専門にするような部分につきましても、地方分権の徹底にしましても、経過措置といいますか、そこへ行く経路の、非常に現実的な、しかも丁寧な制度設計がなければ絵にかいたもちに終わるというところだと思いますので、谷畑先生が今言われたことについては、直接、具体的にこうだということは申し上げられませんけれども、いずれにしても、非常に高いハードルを掲げた以上は、経路をきちんとしておくというのが責任、非常に重要なことではないかというふうに思います。

嶋田亘君 まず、CO2の問題でございますが、二五%できるかできないか、世の経営者はもう絶対無理だというようなことを言っておられますけれども。

 私、中国に工場がありますので、いつも中国へ、上海へ行くんですけれども、上海へ行ったら、もう全く青空が見えないんですね、スモッグで曇っておりまして。ところが、この前帰ってきた者が、春節、旧正月で今中国は全部休みや、上海、青空が見えましたでというような話を聞いたんですけれども。

 やはり、そういう意味からいうと、CO2を削減しようと思うと工場をとめようということになるんですね。とめれば確実にCO2二五%下がると思います。だけれども、そんなことをしてもつのかということでございますので、これでいいのかどうか、よく吟味していっていただきたいと思います。

 もう一つ、トヨタのリコールの問題ですけれども、今このトヨタのリコールが起こる前に、トヨタさんが原価低減を三〇%やるというようなことを新聞に発表されておりました。また、他のカーメーカーさんにおきましても、例えばインドでタタ社が二十五万円ぐらいの車をつくった、非常に低価格車が出ておる。そういうものとの競争をやっていくためには、どうしても、部品の質を落としてでも安いものを買わざるを得ない。結局それがしっぺ返ししてリコールにつながっているんじゃないかなと思っております。

 そういう意味で、先ほどから、我々、中国とか韓国とかいろいろな形で競争していく中で、同じ土俵に乗った勝負をやらないで、我々には材料も日本の材料を使いなさいと。ところが、他社には違うことを言うということで、やはり同じ土俵で戦わせてほしいと思います。だから、品質はやはり優先すべきだと私は思います。

 以上です。

谷畑委員 最後に、小西先生に。

 財政再建というのは非常に大事なことだと思うんですね。だから、地方財政も、結局のところは税収入はどうかと。そのことについては、鳩山総理は四年間消費税は一切上げない、こういう議論になっていますけれども、この消費税と地方財政との関係ですね、先生の見識というのか意見というのか、ありましたらお聞きして終わりたいと思います。

小西砂千夫君 消費税は一番偏在性がないものでありますし、しかも税源の安定しているといいますか、景気変動が非常に少ないものでありますので、国税、地方税を問わず、税を負担する側というよりも、税源としてはこれほど魅力的なものはないわけであります。

 地方税は特に税源偏在がないものが望ましいというのが、これがもうほとんど地方財政を研究する諸先生が一致する意見でございますので、消費税が地方税に非常になじむというところは、そのとおりでございます。

 ですので、国家財政、地方財政全体の健全化の中で、消費税を地方税の中でウエートを高めていっていただきたいというふうに、これはかなりの人が一致する宿願、意見ではないかというふうに思います。

谷畑委員 終わります。ありがとうございました。

松原座長 次に、大口善徳君。

大口委員 公明党の大口善徳でございます。

 四人の陳述者の方々、大変お忙しいところありがとうございます。

 それでは、私の方から、まず小西先生にお伺いしたいんですけれども、二十三年度、今二十二年度の審議ですが、二十三年度については非常に心配だ、こういうお話をいただきました。

 確かに、一般会計、特別会計、二百七兆円を組み替えて十分その財源を確保できるということで、七・一兆円のマニフェスト予算ということであったんですが、現実には三・ちょっとということになったわけですね。そういう点では、今回も、暫定税率も含めてマニフェストをなかなか実行できなかったり、あるいは子ども手当の財源として地方税の増税があったり、あるいは高速道路の無料化につきましても六千億を一千億に縮減したり等々、高校の無償化も私学の低所得者の方にしわ寄せが来てしまったり、五百億減ということですね。

 こういうことで、二十二年度でさえこういう状況が続いているわけですので、二十三年度、本当にこれは心配だな、これは国民の皆さんがそう思っているわけです。

 先生、財政の専門家でございますので、例えば、二百七兆円の一般会計、特別会計の組み替えで来年は十二・六兆円ですかを削るという話なんですが、そういうことが本当に可能なのかどうか。また、恒久政策についてはいわば恒久財源が必要ではないか等々という関係がございます。先生の専門家としての見通しをまず一つお伺いしたいということ。

 あと、確かに今国債の金利が、まだ急上昇ではないにしても、S&Pでネガティブ、こういう格付の評価が出ました。これは本当に専門家としても注意しなきゃいけないことであると思います。そういうことも含めて、今後の長期金利の上昇等についてもお伺いしたいと思います。

小西砂千夫君 予算の組み替えということをお尋ねいただいたわけでございますけれども、まず、非常に異常な税収の落ち込み、もちろんその背景には経済が非常に異例の状態になっているというところがありますので、その財源不足というのを、経済がせめて健康体と言える状態に戻ったときの、いわば景気が平年度化したときの税収というところをベースに考えませんと、その金額が、余りにも財源不足が大き過ぎますので議論できないところがあります。

 組み替え云々というのも、結局は、そこに余剰な財源があるというよりも、諸政策を根本的に改めることが組み替えだということだと思います。ですので、不可能だというふうに言い切ることはできないわけですけれども、それをするための諸政策の見直しというものがどこまでやれるかということについては心配をしながら見守っているというような状況でございます。ですので、気が早いようですけれども、平成二十三年度予算の審議、実質的なその内容の検討については一日も早くやっていただいて、お願いしたいと思うわけです。

 政権が交代していますので、それは前政権云々がどうだということではないんですけれども、現政権は、議論の中身を可視化しようというところがあります。ですから、どういう議論をしているかということを国民に見せよう、これをもっともっとやっていただきたい。そうしますと、結局、国民も無理なことをやれというふうには政治に対して言わないんじゃないか。ですから、見せて、やるだけのことはやったけれども、もうここまでしかできませんというところを本当に国民にうまくアピールできたら、そこは、変な言い方ですけれども、国民も妥協の余地はあるというところだろうと思います。

 ですので、いろいろ精力的に改革はやっていただきたいと思いますが、ぜひ透明性のある議論をしていただいて、国民にある種のシンパシーを求めるようにお願いしたいというふうに思います。

大口委員 長期金利の件は。

小西砂千夫君 それは、国民に対する信頼と金融マーケットに対する信頼というのは、これはもうほとんど同義でございますので、結局、マーケットの方も、財政再建をするというその政治的意思及びリーダーシップを見ている、数字だけを見ているわけではないということで、基本的には同じだというふうに考えております。

大口委員 そういう点では景気対策が非常に喫緊の課題であると思います。ただ、二十一年度の第一次補正の二・九兆円の凍結をしましたね。これがやはり相当きいている。その後、凍結の後、デフレ宣言を菅大臣がおっしゃったわけですが、デフレ対策も十分ではない。こういうことで、私どもは、早く景気対策をしっかりやっていただきたいということ。

 それから、中長期の、要するに財政規律の点について、遅過ぎる。本来は、平成二十二年度の予算とセットで、中期的なフレームといいますか財政規律についても発表すべきであったわけですね。そこが発表されていない、五月とかになるということがまた、国民が不安に思っていますし、またマーケットも不安に思っていると思うんですが、このことについて、もう一回、小西先生、どう思われますか。

小西砂千夫君 中長期の財政収支の均衡化について強い政治的メッセージをできるだけ早い時期に発信する必要は、やはり先ほど御質問いただいた金融マーケットの関係からもあるのではないかというふうに思います。

 一方、マクロ経済というのはまた、現状ではガラス細工のようなところがありますので、余り増税そのものを急ぐと、マクロ経済のマイナスになると、角を矯めて牛を殺すようなことにもなりかねない。

 ですので、中長期で均衡するという何か強いメッセージが欲しいなというのが正直な私の感想でございます。

大口委員 東大阪といえば、東の大田区、西の東大阪というぐらい、我々静岡の人間も物づくりということで注目をしているわけです。そして、この東大阪というのは、今、嶋田さんあるいは三谷さんがおっしゃいましたように、集積をしていて、本当に、一つのネットワークということで、いろいろなものについてどんどん対応していける、こういうことである。

 そのネットワークが少し今壊れてきている。一万社ぐらいあったのが六千数百社、こういうことで、嶋田さんは副会頭でいらっしゃるということで、本当に、御自分の仕事もそうですが、地域のネットワークが壊れつつあるということに対して非常に危機感を持っておられる、こういうふうに思っているわけであります。

 そういう点で、中小企業政策は、予算、あるいは税制、そして融資、それから、雇用調整助成金という、雇用の維持、こういうものがあると思います。

 これにつきまして、一つ、減税ということで、民主党さんは、一八%を一一%に法人税を引き下げるということも、これはマニフェストであったわけでありますけれども、この法人税の減税、それから投資減税ということを強く求めておられましたが、これについて。

 それから、実は物づくりの件では、二十一年度の第一次補正予算で、ものづくり中小企業製品開発等の支援補助金ということで、試作品開発、これは五百七十億でございましたが、七千件ぐらい要望があったんですね。東大阪でも相当これについては要望があったと思うんですが、これが事業仕分けで打ち切られましたですね。これについてどうお考えなのか。よろしくお願いします。三谷さんにも御感想を言っていただけたらと思います。

嶋田亘君 一番最後に言われました試作品関係の補助金の打ち切り、これに関しては、何とか復活をしていただきたい。これは非常にいい政策で、非常に期待しておったわけなんですけれども、これがなくなるということは、やはり新産業の創造ということに対して打ち切りを言っているような感じがするわけなんです。

 それで、今、東大阪では、クリエイション・コアというのをつくっていただきまして、そこでいろいろと大学と、産官学、こういうような形で新しいものを創造していこうよというようなことでしきりに頑張っておるわけなんですけれども、何か、そういうものの要するに出ばなをくじかれたというような感じがいたしますので、ぜひとももう一度考えていただきたいと思います。

 それから、金融面でいろいろ御援助、御支援いただいているわけなんですけれども、これは非常にうまく回転しておるんじゃないかなと僕は思っております。非常に感謝しております。ただ、余りおくれてくると、ただ単なるモルヒネ的な役割になってしまって、本当の援助にならないということもあろうかと思いますので、この辺の取り扱いについても、それこそ本当に助けるべきものをもっと助けていくというようなことでやっていけたらなと思っております。

 いずれにしましても、これだけマーケットが変わってきますと、新しい産業の創造がなければ食っていけなくなってくると思いますので、ぜひともそういう政策をよろしくお願いしたいと思います。

三谷信雄君 物づくりの補助金という点では、我々は余りそういうことに携わらない部分が多々あると思います。

 ただ、一つ、最近我々の間で危惧しているのは、雇用助成金等をもらって会社が休みがふえるということになると、納期の問題で、例えばいついつ受けていついつ持っていくといったって、そこが休みがふえて納期が必然的に延びてしまう、しかし最終的な納期は守らなければならないというところで、雇用助成金をもらって休みがふえるということは、特に従業員のモチベーション、意欲という点でも、本当は、景気が回復して雇用助成金なんかは配らなくても企業活動ができるような、そういう方向へ行かないと、そこをもらうことで、割と安易に休みがふえて、労働者のモチベーション、そういうものもちょっと薄れるということ。

 仕事の関係の納期なんかでも、例えば塗装屋へ持っていく、それから穴あけ屋へ持っていく、ところが休みだ、こういうことでは納期が必然的にずれてしまうことで、ちょっとそういうことも危惧しているというようなことを考えております。

大口委員 この試作品の開発支援の補助も、本当にそういう点では、現場では強い要望があるんですが、残念ながらこれが仕分けになりました。ですけれども、やはり、特に東大阪のように一つのネットワークがあるところであればこそまたいろいろな試作品も、人工衛星までやっておられるわけですから、本当に中小企業がチャレンジできることですので、しっかりこれは我々としても復活を求めていきたいな、こういうふうに思っております。

 それから、三ッ木陳述者にもお伺いしたいと思います。

 私ども公明党も、介護総点検活動というのを、昨年の十一月から十二月、一カ月間かけて、十万件アンケート調査をとらせていただきました。介護の問題一つとってみましても、本当に施設が足りない。特に、二〇二五年にはもう団塊の世代はすべて七十五歳以上になるわけですね。施設の整備の要望が非常に強い。それから、介護従事者の、人の確保ということもこれは非常に大事である。それから、介護難民が出てくるのではないか。

 そしてまた、医療の方も、やはり、今、高額療養費の上限についてもっと下げてもらわないと難病の方とか慢性疾患の方は大変だ。

 あるいは、年金につきましても、本当に、今、国民年金の方の場合は満額でも月六万六千円、年間で八十万弱ですから、これの加算をお願いしたい。そしてまた、二十五年掛けないともらえないということで、二十三年と少しだというようなこともあるわけでございます。

 年金、医療、介護、それぞれ、これから自然に一兆円ずつ社会保障費がふえていくわけでありますけれども、そういう中で、なおかつこれを充実させていかなければならない。

 それとともに、子育て支援も大事でございまして、子育て支援も、現金給付だけではこれは実は少子化をストップできないですね。フランスとドイツを比較しますと、フランスは、現金給付だけじゃなくて現物給付もしっかりやって少子化をストップした、ところがドイツの場合は、現金給付だけだったので効果が上がっていない。やはり、現物給付、保育園等の子育て支援も、環境整備もしっかりやらなきゃいけない。こういうことでございますので、今の民主党のマニフェストについて。

 私どもは児童手当を推進してきているわけであります。今回、児童手当にプラスアルファという形になったわけでありますけれども。

 いずれにしましても、社会保障全体における、あるいは負担と給付という中での財源の確保、これが非常に大事である。やはりバランスのとれた社会保障制度、それとやはり財源の裏づけのある社会保障制度というのが持続可能な社会保障制度を確立していくことだと思うんですが、この点について御意見をいただければと思います。

三ッ木宣武君 社会保障制度の満足度というのは、それに該当する人によって違うと思うんです。それぞれみんな、こういう面を充実してもらいたい、ああいう面を充実してもらいたい。ですから、おっしゃるバランスというものは大事だと思います。

 子供がふえることについての外国の例は、生活様式も違いますし民族的な感覚も違うわけですから、そのものをそのまま日本に入れて、フランスやドイツ並みにしたら子供がふえるなんということにはなかなかなりにくいのではないかなというふうに思っております。

 私は、介護に従事している方の生活をしっかり見てあげないと、それは、施設とか、介護難民とかいろいろおりますけれども、それを介護する人がいなければどうしようもない。

 たまたま私は大阪の労働委員会をやっていまして、いろいろな事件のあっせんで見ますと、結婚もできない、生活もできない、だから三カ月か四カ月するとやめてしまう。しかし、政府の方で、月々幾らか介護従事者に回るようにとお金を出しているんですけれども、それがそこまで行かない、要するに施設の方でみんな食ってしまうというふうなことですから、高齢化社会というのは、医療制度が非常に発達したから高齢化社会になると思うんですけれども、それに付随して、やはり高齢化というのは介護の問題というのが非常に大切な問題だというふうに思います。

 先ほど、子供が海外の場合はこうやってふえますと言いましたけれども、例えばスウェーデンへ行きますと、寝たきりの人が少ないんです。そうしますと、介護に必要な療養のあり方について根本的に見ていかないといけないのではないか。何か調子が悪かったらすぐ病院へ入院するということでは歩けなくなるということですから、そういうことを全般的に見直さないと、なかなかこの介護の問題は解決しないと思うんです。

 ただ、介護の問題で一番大事なのは、介護従事者について、生活ができるような保障をしてあげてくださいということが非常に大事ではないかというふうに思います。

大口委員 ありがとうございます。

 四人の方々から貴重な御意見をいただきました。しっかりまた対応していきたいと思います。介護従事者などの待遇改善は、本当にこれは喫緊の課題であると思います。またしっかり力を入れていきたいと思います。

 以上です。

松原座長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。

 きょうは、四人の陳述者の方には、大変お忙しいところ、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございます。

 私は、最初に嶋田陳述人と三谷陳述人の方から、日本の中小企業、物づくりにかかわって、まず御意見を伺いたいというふうに思います。

 今、トヨタのリコールが大きな問題になっておりますけれども、これは最近のプリウスの問題だけじゃなしに、昨年は特に北米トヨタのアクセルペダルにかかわるリコールが随分たくさん出ましたし、その部品の方は、実は日本の国産の部品じゃなくてアメリカ工場でつくられた部品であったという問題がありますので、もちろん、どこでつくろうとトヨタ自身に品質保証には責任がありますけれども、そこからやはりなかなか大事な教訓というものを私たちは導き出す必要があるんじゃないかというふうに思っておるんです。

 その一つは、一昨年のリーマン・ショックの後、クライスラーとかGMが行き詰まりましたけれども、あれはその後もいろいろな方が論じていますけれども、同じ会社の中で、株とか為替とか先物取引とか、いわば金融ばくちに走る部門が力を持ってきて、当面の売り上げを伸ばしたところが発言力が強くなって、物づくりにかかわるところが肩身が狭くなるといいますか、そういう問題があるということを指摘されておりましたけれども、やはりそこから得るべきものとしては、自動車の場合、大体三万点から部品がありますから、その一点一点が非常に精密で高品質のものであるということがあって初めて安全が保たれるわけですから、そういう点では、日本の基盤的技術の集積地を、個々の工場だけじゃなしに、集積地としてどう守っていくのか、どうその集積地の力を維持し発展させていくのかということが大事なことではないか。

 そこで、三点伺っておくんですが、一つは、今確かに不況ですから、仕事が来なければつぶれていくというところが出てくるわけですけれども、この不況の時期を脱出するまでの間、やはり親企業から設備投資と言われて投資したけれども、仕事が来ないので固定費が出てこない、そういうところについては固定費の補助なり助成なり、とにかくこの不況を脱出するまで基盤的技術の集積地が存在し得るような対策というものをとっていかないと、これは日本の将来の産業、経済にとっても大変な問題になってくるのではないかという点が一つです。この点についてのお考えというものを伺っておきたいというふうに思います。

 それから二つ目に、やはり仕事してこそ技術を身につけて継承できるわけですから、技術の空洞化を防ぐ、あるいは技術の継承ができなくなるようなことを防ぐには、やはり一定量の仕事を、トヨタなどが二割減産でも、下の方に行ったら、実際は八割、九割減産に近いというところもありますから、減産はするにしても、やはりある程度、全部内製化しないで、きちんとそういう仕事を回すという取り組みをやらないとなかなか技術は継承できないんじゃないかということについてのお考えを伺いたい。

 三つ目に、実際に集積地が崩れていった場合に、そこにマンションなんかが建ってきて住工混住地域になってしまって、ますます悪循環の中に入っていく、そこで工場を経営すること自体がやりにくくなっていくという問題が現に大阪の各地でも、集積地で生まれてきておりますが、これらについてどういうふうに取り組んでいくのかということについての御意見や御要望をぜひお聞かせいただきたいというふうに思います。

嶋田亘君 こういう質問があるとは余り想定しておりませんので、準備も何もできておらないんですけれども。

 まず、トヨタさんの不良の問題でございますけれども、やはりゼネラル・モーターズとかクライスラーが倒産に至った原因が品質だったと思うんですね。アメリカ人がやはり日本の車は品質がいいということで、どんどんトヨタとかホンダとか日産とかがアメリカで伸びたと思うんですけれども、このごろ、本当にコスト優先というような思想というのか動きがございまして、非常に懸念しておるところでございます。多分またもとに戻ると思うんですけれども、我々、百万個に一個の不良も許されませんので、そういう意味で、アメリカのAQLの世界と、百個に何%というような世界と全然違う管理をしておりますので、その辺のところをやはりきっちりやっていっていただきたいと思います。

 それから、集積地における問題でございますけれども、本当に、言われますように、底辺の方へ、二次、三次、場合によったら四次ぐらいになってきますと、二〇%、あるいはもう三日間仕事ゼロやというような話もよく聞くわけなんです。

 私のところの工場の裏にメッキ屋さんがあるんですけれども、ほとんど動いておらない。もしあのメッキ屋がつぶれてしまうと、もう一回再開するときに、必ず環境の問題とかいろいろなことを言われて、きっと立ち直ることはできないであろうと思うわけなんですね。

 そういう意味から、絶対、中心になる会社、つぶしてはいけない会社というのは何としても残していくべきであると私は思っております。

 あとは、固定費の補助でございますが、我々も、今回の不況の中で、賃金カットというのも職制以上お願いしましたし、従業員はだれも切らなかったんですけれども、六十歳以上の再雇用者に関しましては一たん自宅待機をしていただきたいというような形で固定費を減らしたり、いろいろな形で、残業ゼロとかももちろんですけれども、固定費を削減してきたわけなんです。

 幸いにして、自動車の場合まだ、割と早く戻ってきましたので、もとに徐々に戻しておりますけれども、本当に仕事のないところに関しては、一部何らかの形で固定費の補助というのがきいてくるんじゃないかなと私も思います。努力に努力を重ねた後だと思いますけれども、そういうように思います。

 それから、住工の問題で、工場の跡地に家が建つ、住宅が来るということで、周りとまた問題を起こして、今度はまた住宅に押されて工場が出ていくというようなケースがやはり出てきております。東大阪から出てどこかへ行くというようなケースもありますし、そこまで言われるんやったらもうやめやというようなこともございます。

 そういう意味で、これは、市も府もまた商工会議所も挙げて工業を守ろうというような動きを今いたしております。いろいろな形で、住宅が入ってくるときはそういうことを納得させて来てもらわないと、後でにおいがするとか音がするとか文句を言われても仕方ないものですから、そういうようなことをいろいろと、特別地域というんですか、そういうような線引きをしながら今見直しをやっておるというのが現状でございます。その辺のところもよろしくお願いいたします。

 以上です。

三谷信雄君 今の設問に全部答えられるかどうかはわかりませんけれども。

 まず、私も自動車関連の製造業をやっております関係で、トヨタについては、日本のことわざに、石橋をたたいて渡るということわざがありますけれども、全くそれが抜けた。あの石橋をたたいて渡るという中には、石のような堅固な橋でもたたいて渡れと。

 逆に、それは何でたたくかといいますと、音なんですね。我々、長い鉄工経験の中でいきますと、音とか色とかにおいで物事が識別できる、古い職人はそういうのがいてるわけですね。ですから、そういうのが今どんどん消えていく中で、私らが駆け出しのころには、なかなか先輩の職人は技術は教えてくれません。盗めと。ですから、先輩の職人のやっていることをじっと見て、そしてその領域に達するというようなところからいきますと、なかなか、そういうのがどんどん消えていく中で、技術の継承が非常に危惧されるということ。

 今、我々の製造関係でもほとんどハイテク化されて、例えばボタン一つ押すと最高の製品が出てくる。しかし、そこへ出るまでの工程というのはボタンを押す人はわからないわけですね。ですから、我々、ローテクの時分から仕事をやってきた者は、こうしてこうしてこうなったらこう出てくるんだと。ところが、材料を入れてボタンを押すと出てくるというようなことからいきますと、そこへ行くまでの技術というものがなかなか習得できない。

 そういう点では、企業が従業員を雇うと、すぐその従業員を利益の対象と。我々の時分は、三年ぐらいは雇ったって利益の対象にならない。そこから技術を習得して初めてそういう一人前の職人となって会社に貢献するという点ですけれども、今、雇った人に即製品をつくらすというようなことで、そういう教育というものが企業から抜けているように感じることが、そういう物づくりの技術の蓄積、集積という点ではちょっと問題がある。

 それから、マンションが建って工場が追い出されるということについては、よく聞くのは、住宅屋が連れてくるのが日曜日だと。大体日曜日に連れてくると、工場が休んでいるので音も何もしない、ああ、静かなええところやなと思って契約して、いざ入るとドンドン音が鳴って、そういうことに気づかなかったというようなことがあります。大体住宅屋が連れていくのは日曜日が多いという中で、そして住民パワーで追い出されるというようなことが、今の悲劇か喜劇か知りませんけれども。

 そして、私がフランスに行ったときに、つぶれた工場の跡地には住宅は建てさせないという市の条例ができて、つぶれたところには、工場とかそういう雇用をできるようなところに許可を出すというようなこともやられておりますので、行政の方としても、そういう企業がどんどんつぶれる中で、あっという間にマンションやら住宅が建って住民パワーで工場が消えるということに対しても、一定何らか考えていただきたいなというように思っております。

 それから、技術という点でいきますと、音や色やにおいと言いましたけれども、私は大体主として溶接をやっております。そうすると、溶接というのは、物をつけて、それがもし外れたら人身事故になるんですね。そういう点では、つけたものがこの強度に耐えられるか、そういうことを勘案できるというのも、長い経験。

 それから、鉄は溶接の火を当てると必ずひずむんです。ところが、そのひずんだものをどう真っすぐにするかという点では、もちろん小さいものなら機械加工でも真っすぐできますけれども、しかし、物が大きくなると、ひずんだものを真っすぐできない。そうすると、我々の間では、やいとといって、ガスの火であぶって、そして水をかけてもとへ戻す。これがなかなか口で言っても、古い私らは親会社の中に入っておりますから、いろいろな職人が聞きに来るけれども、やはり色ですね。ですから、火であぶっていって、色が変わってくる、その変わり目を勘案して、板の厚みとか材質とかそんなのも全部勘案して火を当てて、キツネ色とかよくそういう表現をするんですけれども、ああ、キツネ色になったで、どれぐらいの色になったで、そこで水をかけて。

 ですから、焼くところとか、それから溶接でも、順番が、こっちからつけたら、次にこうつけたら鉄はねじれてしまうんです。こっちからつけたらこっちからつけるというように、非常にそういう点では口では言えない技術を経験のある者は持っている。

 今、そういうものがボタンを押して出てくる中で、なかなかそこへ行くまでの工程が考えられない中で、今の物づくりというものに私は危惧を持っているという点では、そういう古いとか職人とかいうものを、先ほど私の報告にもありましたように、何らかの形で登録とか把握して、マッチングがあるので、そういうことを欲しい企業がいっぱいあるんです。ところが、欲しい企業はそういうことがわからないんです。ですから、そういう点では、そういう技術を持った者が、企業がつぶれても、そういうところでマッチングできるようなことも何らかの形で考えていくことが必要かなというように思っております。

 以上です。

吉井委員 私たちも、中小企業憲章とか納税者憲章というのは必要だと思っていますが、ちょうどこの間、東大阪で地主さんとお話ししていましたら、とにかく自分のところの貸している町工場が仕事がなくなって、これじゃ自分のところの家賃を取ったら企業が成り立たないのはわかっている、だから、固定資産税でもまけてくれたら、まけてもらった分は全部家賃をその分ばっさり引いてでも残したいというぐらいの意欲を地主さんからお伺いしたことがあります。

 どこの国でも、やはり基盤的技術を守るとか育てるとか、そういう点では、アメリカでいえば、スモールビジネスとかマイクロビジネスと言われるものを重視していますし、それからEUには中小企業憲章がありますし、やはり日本でも、中小企業を融資の面だけじゃなしに、開発とか、そして存立する環境、基盤そのものをどのように支援するかということがそういう憲章等で必要ではないかというふうに思っているんですが、この点についても嶋田陳述人と三谷陳述人の方からお伺いしておきたいと思います。

嶋田亘君 東大阪で今、工場が抜けて住宅が建ちますと、固定資産税の収入が随分違うらしいですね。住宅よりも工場が非常に高いというようなことで、市の税制の面から見ましても、工場を残しておきたい、そういうことを今考えておられます。

 工場が抜けて新しい工場が、違う人が入ってきた場合、補助金を出そうというようなことも考えておられるわけなんですけれども、仕事と家賃の問題になってまいりますと、本当に地主さんも大変だと思うんですけれども、これはお互いの関係でやってもらわなければ仕方ないと思うんですけれども、そこまで大変やということだけは知っておいていただきたいと思います。

三谷信雄君 先ほども報告しましたように、零細企業というのは、ガレージを借りたり、小さなところを借りて、大体どこの調査でも、東大阪の調査でも、恐らく六割ぐらいが借り工場に入っているというようなことでいきますと、今の不況の中で固定費が出ない中で、そしてそういうところでも高価な機械が入っているんです。NCの旋盤一台入れたら大体一千万ぐらいかかります。しかし、そういう機械を入れないと、親会社は機械を見て仕事をくれますので、そういう機械を入れるということになると、やはりローンやリースがひっついてくる。それで、この不況の中で払えないということで引き揚げられるというようなことも私たちの仲間でも出ております。

 やはりそういう零細業者を維持するという点でも、特にリース代とか、そういう機械、設備にかかったものについては、何らかの形で、鳩山総理も町工場の火は消さないというように、はっきり日本の宝だと言っておりますので、そういう点では、少なくとも機械を、設備が抜けたら工場は維持できないという点では、やはりリース代とかそういうところについては最低何らかの形で見ていただきたいということ。

 あと、ちょっとお話がずれるかもわかりませんが、結局、派遣やパートの問題で、私は、もちろん派遣やパートというのは本採用してほしいということですけれども、最大の問題は賃金が低いということなんですね。

 EUでは、一九九七年、もうその時分から、正社員と非正社員の間の賃金格差をなくせという指令を出して、例えばオランダでは、非正社員の割合が五二%、ところが賃金格差は、正社員の九五%の賃金をもらっているというように報告されております。

 そういう点では、非正社員がなぜだめなのかというと、社会保障がまず削られるということと、賃金が低いということなので、非正社員を推薦、もちろんだめですけれども、派遣やパートを入れたところでそこの賃金水準を上げる、同一労働同一賃金ということになると、我々だって、工賃というのは、そういう労働者の賃金から割り出すということから我々の工賃も出てくるということでは、やはりそういうところの賃金を上げてもらうことによって……。

 それともう一つ、低い賃金で雇えるということは、一次下請は二次の仕事をとる、二次は三次の仕事をとる、内製化していくわけですね。今まで下請に出していた仕事を自分のところでやったって、そういう低い工賃の労働者が雇えるということは、わざわざ外へ出さなくても自分のところで囲い込んで生産ができるということで、末端の零細業者の仕事がどんどん親会社に取り上げられて、本当に我々は、そこまでやるかと。何千万円の商売をしている親会社が、わずか何万円、二万円、三万円の仕事でも、今回はこれはうちでやりますよということで引き揚げていくということで、本当に病気で寝ている病人の布団をはぐようなことを平気で親会社がやっていくというのが現状です。

 以上です。

吉井委員 どうもありがとうございました。

 終わります。

松原座長 次に、下地幹郎君。

下地委員 陳述人の皆様には、長時間にわたり、陳述をしていただいて、また質疑にお答えいただいておりますけれども、最後ですから、またよろしくお願いしたいと思います。

 そして、予算委員会では多岐にわたった項目で質問が出ます。だから、私も多岐にわたって質問させていただきたいと思います。そして、四人の方全員に同じ質問の答えをいただきたいと思いますので、私も質問時間を短くしますから、答弁も短くして、数多く皆さんの御意見を聞かせていただきたいと思いますから、よろしくお願いします。

 まず、鳩山内閣の点数は何点か。そして、いいところ、悪いところ、点数を挙げてからそれをお願いしたいというふうに思います。小西先生からお願いします。

小西砂千夫君 点数は、済みません。先生、私、全く答えを用意していなかったものですから。申しわけありません。

 一番よいところは、国民に情報を開示して国民とともにという姿勢があるところだというふうに思います。それが一番いいところではないかというふうに思うんですけれども、その実績はまだ上がっていないというところで、方向性として非常にいいというふうに思いますが、成果は十分にないということではないかと思います。

 点数については、申しわけありませんが、御容赦いただきたい。

嶋田亘君 点数だけ言います。支持率ぐらいが点数じゃないかなと思います。以上です。

三ッ木宣武君 優しい人です。点数は言いません。わからぬ。

三谷信雄君 私はかつて、我々の暮らしをよくするには政治を変えなければならないというようなことで、六十余年ぶりに自民党中心の政権からかわりましたけれども、民主党の政権につきましては、私はかえなければならない政権ではないというように思っております。

 そういう点では、いろいろ問題はありますけれども、我々の運動の中でよい方向にやっていける可能性のある政権だというように思って、及第点として、あえてつけさせていただければ六十点をつけたいというように思っております。

下地委員 ありがとうございました。

 それでは、もう一つ聞きます。予算委員会では子ども手当のことがよく出るんですけれども、この子ども手当は少子化対策になっているのか、そして、可処分所得を上げることになっているのか、経済効果があるのか、丸、バツ、三角でお願いしたいんですけれども。それは嶋田さんからお願いしましょう。

嶋田亘君 非常に私はペケや思っています。終わります。

下地委員 三項目で、丸、バツ、三角で、可処分所得、経済にも効果があるのかとか。

嶋田亘君 可処分所得としては丸、経済の効果としては三角。もう一つ、何でしたかね。

下地委員 少子化対策です。いいです、もうずっといって。

三ッ木宣武君 可処分所得は、二万五千円将来あるんだから、それはふえると思いますけれども、使うかどうかはわかりませんな。だから経済効果はわからぬです。

 少子化は、それはその御夫婦にとってみぬとわからぬのと違いますか。百組の御夫婦がおったら百の考え方があると思いますから、これは、うちは要らぬわというのか、それとももらったからふやそうというのか、それはわからぬと思いますね。

三谷信雄君 少子化という点では、お金をもらったから子供をたくさんふやすということにはつながらないと思いますけれども、今既に子供を持っておられる家庭については非常に期待の声がたくさん出てきて、ただ、そこには不安の声もありまして、今の財源を見てみますと本当にくれるんかいなというような危惧の念を持っていることを多々聞きます。そういう点では、すべて三角をつけたいというように思っております。

小西砂千夫君 可処分所得がふえる、それから、経済効果については、扶養控除の見直しとの純計というところはありますけれども、まああるんじゃないかというふうに思います。可処分所得はまあふえるだろう、特に低い所得のところではふえますので、そう思います。

 少子化対策は、出生率ということからするとそんなに急にふえるものではないと思いますが、子育てを社会共同体の課題として担いますというメッセージとして浸透すれば丸じゃないかと思います。今浸透しているとはなかなか、すぐには浸透していないというふうに思います。

下地委員 予算委員会の後半になってまいりましたけれども、この時期に菅副総理兼財務大臣は、消費税論議を三月から始めるというようなことを申して、予算委員会でも多く取り上げられるようになってまいりました。

 今皆さんのお話を聞くと、中小企業の減税をすべきだ、投資減税も行うべきだ、今は消費税論議よりも経済対策をすべきだという声があったように聞こえますけれども、この時期の消費税論議というのはどうお考えになるのか。私たちは、政治改革も公務員改革も、そして特別会計や財団の見直しも行ってから消費税論議というふうに思っていましたけれども、この時期に、三月から始めるということについて、皆さんの、このタイミングの消費税論議についてのお考えをお聞かせいただきたい。

小西砂千夫君 私、きょうここへお招きいただいて、自分が何を考えているかということが非常にはっきりしたことがあるんです。それは、国民の信任があれば、国民は、恐らく増税にはノーとは言わないんじゃないかということであります。ですので、国民の信任をどうやって得るか、政府に対する信頼をどうやって得るか、それをやれば増税は可能だ。

 ですから、事業仕分けもいろいろな改革も、すべて国民の信任というところへかかってきますので、無駄をなくすとかいうのは一種の永久運動のようなもので、ずっとやはりやっていかないといけない。そういう意味では、無駄をゼロにしてから増税じゃなくて、無駄をなくすというようなことを通じて早く国民の信任を得てほしい、そうすると増税ができる環境が整う。そういう意味では、今から少なくとも議論ぐらいはやはりしていただきたいと私は思います。

嶋田亘君 消費税議論は大いにやるべきであると私は考えております。そして、消費税がもし決まりますと、経済対策にも回していただきたい、そのように考えております。

三ッ木宣武君 消費税を上げないと言った首相は、元の首相、小泉首相と、鳩山さんだと思うんですね。しかし、国の歳入とか税制とか福祉とか、今おっしゃられているようなことについては、税制のあり方についてはいろいろ考えていかなきゃいかぬ。

 だから、あれがだめ、これがだめと否定的に考えるよりも、先ほど小西先生がおっしゃられているように、国民の信頼を得ながら、透明性を確立しながら検討していく。しかし、実施については、これはやはり国民の民意を問うということが大事だと思います。

三谷信雄君 消費税については、私は悪魔のような税金だ。本当に消費税が、転嫁がずっとされていっているのかという点でいきますと、我々のように規模が小さければ小さいほど、転嫁できなくて身銭を切る税金になっておるということで、消費税の税率アップは即企業破壊につながるというような観点で思っております。

 以上です。

下地委員 経済政策と一緒に金融政策をやらなければ非常に資金繰りとかいろいろな問題が生じてくるわけですけれども、この前、去年の十二月に中小企業の金融円滑化法案が通ったわけでありまして、それは返済猶予の法案になっているわけです。新聞を見ると、相当にその猶予をお願いして、銀行も真摯に対応しているというようなことでありますけれども、金融政策の中でつくられたこの金融円滑化法案に対するお考えを、評価などいただきたいと思います。

小西砂千夫君 私ちょっと、自信を持って答えられること以外は、特にこういう場ですので、避けたいと思います。方向性として評価しております。

嶋田亘君 商工会議所等でも、この辺の相談事があれば乗るようにという形で聞いておるわけなんですけれども、今のところまだ会議所には入ってきておりません。ということは、個人というんですか、企業と銀行との関係の中でもう話がほぼ固まって、問題なくスムーズに動いていると思っております。いい制度であると聞いております。

 以上です。

三ッ木宣武君 私、冒頭に申し上げましたように、予算全般について述べることは、専門家でもないから不可能です。余り細かいことを聞かれるとちょっとわからぬところがあるわけですよ。

 この亀井法案につきましては、運用次第だというふうに思っています。僕は年金生活者ですから、これがどういうふうに運用されるかというのはわかりません。事業者の皆さんの御意見が大変大事だと思います。

三谷信雄君 返済猶予とかそういう法案で、高い数字で応じているというような報道がなされておりますけれども、それは優良企業に対するものであって、本当にそういう、返済猶予してほしい、資金が欲しいというようなところにはなかなか応じてもらえないというようなことが報告で入っております。新聞報道なんかによりますと、今受けている案件も八割ぐらいは応じられるだろうというように言われておりますけれども、それは結局銀行サイドから見て優良だというようなところで、我々のような本当に資金が困っているところについては、なかなかハードルが高いというようなことが現実ではないかというように思っております。

 以上です。

下地委員 今、先ほどからも、予算審議の中で政治と金のことが言われておりましたけれども、小沢幹事長に政治倫理審査会へ来てお話をしてくれというような件が予算委員会でも出てくるんです。私は、司法で不起訴と決まったもの、そして本人が定期的に記者会見するものは出なくてもいいんじゃないかというようなことを思っているんですけれども、皆さんはどういうふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

小西砂千夫君 済みません。申しわけありませんけれども、私、その質問に答えるだけの十分な学識がございませんので、御容赦いただければ幸いでございます。

嶋田亘君 ちょっと私も、答えられるだけの準備ができておりません。よろしいでしょうか。

三ッ木宣武君 予算委員会はいろいろなことを議論するんでしょうけれども、申しわけないですけれども余りつまらぬことを聞かんといてください。

 予算というのは、国民の生活がどうなるかということだと思うんですよ。そこに僕らは非常に力点を置いているわけです。冒頭申し上げていますように、そういういろいろなことは場外で取っ組み合いでも何でもしてやってください。予算委員会ではちゃんと早く予算を上げてもらって、そして執行に移してもらって、国の景気をよくする、福祉についていろいろよくしていくということに力点を置いていただきたいというふうに思います。

 何か点をつけるような、マル・バツ式というテレビのあれみたいなのはやはりちょっとけしからぬですよ、質問の仕方としては。反省してください。

三谷信雄君 予算委員会とかいろいろな報道を見ておりますと、世論調査で出ていることに私は納得して、そのとおりだなというように思っております。

 以上です。

下地委員 最後になりますけれども、内需の拡大ということが先ほどから陳述人の方からも多く出てまいりました。コンクリートから人へというふうになって公共工事は少なくなってきたわけですけれども、一説には、こうやって介護でお仕事なされる方をふやして内需を拡大するとか、こういうようなこともいろいろな提案があるわけですけれども、皆さんから見て、内需拡大の一番の切り札みたいなものを一つずつ挙げていただきたいというふうに思います。

小西砂千夫君 経済学でも昔からこういう議論があるんですけれども、将来に対する不安があれば貯蓄率は高くなりますので、消費は落ちます。ですから、将来に対する不安をなくそうと思えば消費は上がってくる、これが一番の内需拡大。

 そうすると、現代ではやはり社会保障制度の充実を通じた将来への不安をなくすことが、個人の貯蓄に頼らなくてよくなるようになって消費がふえる、これだと思います。

嶋田亘君 内需の拡大を促すために、元気なメッセージをぜひとも発してほしいと思います。どうも最近暗い話が多くて、将来に展望が開かれないというんですか、そういうような感じがいたしますので、国を挙げて、元気なメッセージが聞けるようになれば、内需が拡大してくるのではないかなと思います。

三ッ木宣武君 先ほども申し上げましたが、消費者は生産者なんですね。少し値段が張るかもわかりませんけれども、ぜひ日本製品を購入するような方法を何か考えていただきたい。

三谷信雄君 老後と将来の安心と、そして個人消費が伸びる、そういうことが内需につながるというように思っております。

下地委員 ありがとうございました。

 皆様の御意見をしっかり聞いて、また頑張って、もう二度とマル・バツ言わないようにしますから。

 ありがとうございました。

松原座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 意見陳述者の皆様方におかれましては、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。

 本日拝聴させていただいた御意見は、当委員会の審査に資するところ極めて大なるものがあると存じます。ここに厚く御礼を申し上げます。

 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午後三時二十六分散会


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