衆議院

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第19号 平成22年3月2日(火曜日)

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平成二十二年三月二日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 鹿野 道彦君

   理事 池田 元久君 理事 岡島 一正君

   理事 海江田万里君 理事 伴野  豊君

   理事 松原  仁君 理事 山口  壯君

   理事 加藤 紘一君 理事 町村 信孝君

   理事 富田 茂之君

      糸川 正晃君    打越あかし君

      小野塚勝俊君    緒方林太郎君

      岡本 充功君    奥野総一郎君

      梶原 康弘君    城井  崇君

      沓掛 哲男君    熊田 篤嗣君

      黒田  雄君    小泉 俊明君

      古賀 一成君    田中 康夫君

      津島 恭一君    豊田潤多郎君

      中林美恵子君    長島 一由君

      畑  浩治君    平岡 秀夫君

      三谷 光男君    森本 和義君

      山田 良司君    吉田 公一君

      若泉 征三君    渡部 恒三君

      小里 泰弘君    金子 一義君

      小池百合子君    下村 博文君

      菅  義偉君    田村 憲久君

      谷川 弥一君    谷畑  孝君

      野田  毅君    山本 幸三君

      大口 善徳君    笠井  亮君

      阿部 知子君    浅尾慶一郎君

      山内 康一君    下地 幹郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       鳩山由紀夫君

   財務大臣

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   菅  直人君

   総務大臣

   国務大臣

   (地域主権推進担当)   原口 一博君

   法務大臣         千葉 景子君

   外務大臣         岡田 克也君

   文部科学大臣

   国務大臣

   (科学技術政策担当)   川端 達夫君

   厚生労働大臣       長妻  昭君

   農林水産大臣       赤松 広隆君

   経済産業大臣       直嶋 正行君

   国土交通大臣

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 前原 誠司君

   環境大臣         小沢 鋭仁君

   防衛大臣         北澤 俊美君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     平野 博文君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       中井  洽君

   国務大臣

   (金融担当)

   (郵政改革担当)     亀井 静香君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   福島みずほ君

   国務大臣

   (「新しい公共」担当)  仙谷 由人君

   国務大臣

   (行政刷新担当)     枝野 幸男君

   内閣官房副長官      松野 頼久君

   総務副大臣        渡辺  周君

   財務副大臣        野田 佳彦君

   文部科学副大臣      鈴木  寛君

   総務大臣政務官      小川 淳也君

   総務大臣政務官      階   猛君

   総務大臣政務官      長谷川憲正君

   財務大臣政務官      古本伸一郎君

   厚生労働大臣政務官    足立 信也君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           田口 尚文君

   政府参考人

   (国税庁次長)      岡本 佳郎君

   予算委員会専門員     杉若 吉彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二日

 辞任         補欠選任

  平岡 秀夫君     熊田 篤嗣君

  山内 康一君     浅尾慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  熊田 篤嗣君     平岡 秀夫君

  浅尾慶一郎君     山内 康一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十二年度一般会計予算

 平成二十二年度特別会計予算

 平成二十二年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

鹿野委員長 これより会議を開きます。

 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長田口尚文君、国税庁次長岡本佳郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鹿野委員長 これより締めくくり質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原仁君。

松原委員 民主党・無所属クラブを代表して、締めくくり総括質疑を行います。

 冒頭、本日のこの衆議院予算委員会は締めくくり質疑を迎えているわけでありまして、予算の成立に向かって大きく前進をしているところであります。私たちは、国民の生活第一ということでこの予算審議に臨んでまいりました。

 総理のきょうの段階における思いをお聞かせいただきたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 まさに、予算の審議は、国民の皆様方のお暮らしを守る大切な審議であろうかと思います。

 また、この締めくくりの三時間、皆様方に積極的に御質疑をいただき、国民の皆様方の命を守る予算の成立に向けて、お互いに切磋琢磨をしてまいりたいと思っております。この三時間の議論を通じて、国民の皆様方とともに歩む新政権の姿が少しでも明らかになれば、そのような思いでございます。

松原委員 ただいま総理から緊張感を込めた熱い思いをお伺いいたしましたが、同様の質問、つまり、きょう予算委員会における締めくくり総括質疑を迎え、国民の生活第一を目指した予算案、この審議にずっとかかわってまいりました菅副総理兼財務大臣からお伺いいたします。

菅国務大臣 九月の十六日に鳩山内閣ができまして、第二次補正予算に加えて二十二年度の予算をまずは年内編成し、そして年度内に成立させるということは、今の世界さらには日本の経済の状況から見て、何としても実現しなければならない、まずの課題だと考えてまいりました。

 そういった意味で、きょう締めくくり総括を迎えることができたのは、委員長を初め理事の皆さん含めて、与野党の皆さんのそうした共通の思いがあったからだと思っております。

 しっかりと予算を参議院の審議も含めて成立させて、一日も早く国民の皆さんにその成果をきちっと見ていただきたい、そのように思っております。これからも頑張りたいと思います。

松原委員 今日の日本で最も大きな問題は景気回復と雇用の問題であるということは、この審議を通じて議論されてまいりました。景気が回復すれば雇用状況も改善されるわけであります。この解決は、まさにデフレ克服と、そして私自身は、都市成長戦略が重要で、かなめであると考えております。

 我が党の池田元久理事が二月二十二日の議論で言及されましたように、求められるのはまさに平成の高橋是清であります。鳩山総理が、デフレ脱却に努力するとした上で、金融政策の運営に関しては日銀でありますから日銀にも適切な運営に努めてもらいたい、心からそのことを期待しますと発言をし、この日、同じく池田委員の質問に対し、菅副総理は、デフレの脱却なくしては逆に財政の再建も困難度が増します、同時並行的にぜひとも日銀にもデフレ脱却の努力を一層していただきたい、このように発言をいたしております。

 日銀の中立性からいえば、政府としてはこれは最大限に踏み込んだ発言と私は考えておりますが、総理として、この御発言はそうした日銀に対する思いを込めての発言かどうか、お伺いいたしたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 松原委員の御指摘のとおりでありまして、まず景気、すなわちデフレ脱却に全力を尽くすというのが新政権の最大の課題の一つだ、そのように認識をしております。政府としてできる景気対策、成長戦略、これにも万全を期してまいりたいと思っておりますが、金融政策に関しては日銀が行うということになっておりまして、日銀に対して適切な運営に努めてもらいたい、政府としての発言はその趣旨で申し上げたところでございます。

松原委員 まさに平成の高橋是清と、池田委員は何回も主張したわけでありますが、ぜひとも平成の高橋是清として菅副総理と亀井金融大臣にはその名誉をともに二人で分かち合うよう、心より努力をお願いする次第でございます。

 さて、こうしたデフレ脱却とともに、私は強い東京をつくる都市戦略が重要であると考えております。歴史をひもといても、世界からより多く、多様な人間が集い、物資が集い、そしてお金と情報が集まる都市、その国家が繁栄を享受してきたのは事実であります。経済の活性化にはこれが条件であります。

 前原大臣は、羽田二十四時間国際空港化という大胆な決断を国家戦略として、都市戦略なき日本において新しい画期的スタートとして発表なさいました。

 ところで、前原大臣は、強い国際都市東京をつくるために、この羽田二十四時間国際空港化のほかにどのような戦略と構想をお持ちか、お伺いいたします。

前原国務大臣 今まで均衡ある国土形成というものが行われてまいりまして、この観点も確かに重要でございますけれども、国際競争力を強めていくためにはやはり大都市の競争力強化というものは極めて重要である、また、それがひいては日本全体の底上げにつながっていくというふうに考えております。

 その意味におきましては、東京の機能をどのように高めていくかという観点は極めて重要だと認識をしております。今までつくりましたいろいろな施設、インフラ等も老朽化をしてまいりまして、それをどのような形で更新していくのかということを通じて東京の再活性化というものにつなげていかなくてはいけないと考えております。

松原委員 既に私は、一月二十一日の質疑において、いわゆる容積率の緩和の問題、そして東京の大深度地下の問題等に関して議論を展開してまいりました。特にこの容積率の緩和こそ、新しい建築需要を喚起する大きな事柄だろうと私は思っております。

 私は、私の地元でありますが、品川区の大井町のある地区における、それほど大きくないわけでありますが、街区再開発の会場に行って議論いたしました。その場にいた多くの関係者が言っていたことは、容積率の緩和によって、税金を用いた公共事業をするのと同様の大きな民間活力による都市再開発と雇用が実現をされる、こういうことを常に強くその方はおっしゃっておられました。

 つまり、政府は今お金がない。お金がない中でどのような新しい雇用を実現するかといえば、規制の緩和、特に容積率の緩和をすることによって、我々建築関係はどんどんと多くの、中古になったビルを含め、そのいわゆるスクラップ・アンド・ビルドができるということは間違いないということを申し上げたいというふうにおっしゃっていたわけであります。

 私は、その後も多くのこうした人たちと会いました。議論はさまざまなことがありました。例えば地下街の消防法のあり方。今の技術水準に合わせたものにするべきで、昔の水準のままそういった法規制がなされている。

 こういったことも含め、使い勝手のよいものに、アップ・ツー・デートにするべきだとか、いろいろな議論がありましたが、少なくとも、ほとんどすべての方が、大手から中小を含むさまざまな関係事業者等が、容積率の緩和こそ、税金を使わない、雇用を生み出す最大のメリットを持つだろうということを言っていたわけであります。このことはぜひとも御理解いただきたいと思います。

 それがまたなぜ求められるかについては、私が本年のこの予算委員会でも既に指摘したように、例えば、新しいビルディングを建てかえるまでもなく、今さまざまなデータがここにありますが、古いビルディングを改修するだけでも、平均で三〇%を超えるCO2カットというものは十分に可能である。これを建てかえることによって、もっと大規模な緩和、いわゆるCO2排出の削減も可能になる。

 そして同時に、既にこれも私が指摘をいたしましたが、ニューヨークでは一人当たりの床面積が三十九・三平米、パリは三十八・八平米。東京も大分よくなってまいりましたし、確かに丸の内等には違った街区もありますが、二十三平米と、やはり国際的な競争力という点では、一人当たりのオフィス面積が、新しい、いわゆるOA社会においてはまだまだ弱いわけでありまして、こういった部分で、一人当たりの床面積、これをふやすことによって、国際経済都市東京として多くの国際的企業のアジア統括拠点をもう一回呼び戻すことが私は可能だろうと思っております。そうやって人と物と金と情報が集まるところに、私は大きな繁栄と経済の活性化は訪れると思っております。

 私のこうした質問に対して、総理は御答弁の中で、

 東京をアジアにおいてもっと魅力的な都市に変えていくための大深度地下の利用という話がありました。これも大変重要だと思います。そして、むしろ容積率を緩和していきながら、一方では地上には緑地をふやす、結果としてエコ化が進む、しかも耐震化が進んでいくということになると思っていますし、その意味で、魅力ある日本をつくるために、魅力ある東京をもう一度再生させなければならない。

とおっしゃっておられます。

 私は、都市を若返らせることによって、新しい若い日本が生まれると思っております。こういった御答弁をしていただいているわけでありますが、このことに関して具体的に、例えば前原大臣に指示をするとか、具体的な行動をしていただけるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

前原国務大臣 具体的な指示が後ほどあるかもしれませんが、その前に御答弁をいたします。

 先ほど委員がおっしゃった点で申し上げれば、私、先般、東京駅の視察に行ってまいりました。今、旧東京駅の改修をやっているわけでありますけれども、今二階です。もともと三階だったのが、空襲で三階部分が焼失して今二階で、三階にしていく。しかし、あの地域ではもっと建てられるわけでありますが、改修費用の数百億円というのは、いわゆる容積率で認められたものを丸ビルなどに売って建てかえているということであります。それは、特例容積率適用地区ということでそういうものができるわけであります。地区で容積率の移動。

 今委員が御指摘をされたことを少し検討させていただいて、例えば、その地域をより広げる形で容積率の移動なんかを行って、東京の再開発というものがよりダイナミックにできるように検討していきたいと考えております。

松原委員 前原大臣に、指示のある前に既にそういった決意を語っていただいたわけでありますが、鳩山総理の御決意をお願いしています。

鳩山内閣総理大臣 前原大臣からもう既に具体的な話がありました。私から改めて指示する必要もないかとは思っておりますが、私の決意は、思いは前原大臣にもう既に伝わっているようでございます。

 松原委員の、大都市、特に東京の再開発、再生にかける大変強い思いというものは私にも伝わってまいります。

 その意味で申し上げれば、狭い空間、土地というものを最大限に利用するためには、当然、空間的な利用が必要だという意味で、大深度地下の利用というものが必要ではないか。そして、容積率を緩和することによって、ある意味で、より居住空間を広くして、アジアの、あるいは世界の多くの方々に東京で働いていただく、仕事をしていただけるような環境をさらに整備する。一方では、子供たちが地面に触れて遊べるような空間、緑地の空間というものを東京においても広めることができる。大変多くの魅力というものをそれによって東京に再生させることができると思っておりまして、その方向で東京を再生させることが、ただ東京のみならず、日本における、あるいはアジアにおける東京の役割を強化する大変重要な役割を担うことができると思っております。

松原委員 質問の順番をまたちょっとあれしますが、中井洽大臣にお伺いいたします。

 民主党では、鳩山総理も初代拉致対策本部の本部長でありました。中井大臣がその後を継がれたわけでありますが、今回、予算の中で、拉致の対策の予算が平成二十一年度に比べて倍増されております。このことは、拉致関係者を含め、大きな拉致前進の期待感が膨らむわけでありますが、このことに対しての中井大臣の御決意をお伺いいたします。

中井国務大臣 松原議員の日常の議員活動の中で、拉致問題解決に対して並々ならぬ情熱と御努力をささげていただいておりますことに、この機会に心から敬意と感謝を申し上げます。

 今回の予算の中で、御指摘のように、拉致対策室の予算として十二億四千万、従来の倍額の予算をちょうだいいたしました。特に、その中で情報収集関係の予算を四・四三倍という形で強化をしていただきました。このことによりまして、人を集め、日本人拉致被害者の情報収集を徹底的にやる、そして安否を確かめる、その上で突破口を開いて問題解決を図っていきたい、このように決意をいたしております。

 よろしくお願いいたします。

松原委員 拉致問題は時間との闘いでありますから、より具体的な前進をお願いいたしたいと思います。

 時間も大分迫ってまいりましたので、最後に、鳩山内閣における新しい哲学でもあります新しい公共についてお伺いいたします。

 アテネの、古代ギリシャの政治家でありますペリクレスが、アテナイの民主主義のすばらしさを説いた後、ずっとるる訴えた後、これは有名なツキジデスの「歴史」の中のせりふでありますが、いやしくもアテネ市民には我が身のことと同様に国家に対して関心を持たない者はいない、およそ政治に関心を抱かぬ人間は自己の仕事に熱心とは言えない、むしろ我がアテネにおいて全く何の用にもならない人間である、諸君が他の国民との相違点はまさにこの一点にある。これは有名な演説の一節であります。

 政治という言葉を、当時のアテネの規模を考えて、小さな社会でありますから、社会奉仕、ボランティア、NPO活動と考えれば、まさに、これは今、鳩山総理が訴える新しい公共ということにつながるのではないかと思っております。また、ケネディ大統領は、あなた方に国家が何をするかを問いたもうな、あなた方が国家に何をするかを問いたまえと言いましたが、こういったことは、実は、民主主義というシステムは、多数決システムというルールだけではなく、それに伴う社会参加の意欲を前提としてつくられている。ペリクレスの言葉もケネディの言葉もそういうふうに解することができると思っております。

 そうした意味において、私は、新しい公共、居場所と出番をつくる、まさに、こういった政治の根本的な、民主主義の本質を問う議論だろうと思っておりますし、それが今問われているわけであります。

 心理学者マズローの五段階欲求説では、いろいろな議論がありますが、生存の欲求を満たす努力に景気対策を含め取り組むべきですが、既に日本は帰属の欲求、自己実現の欲求を目指すべきであるし、ハンナ・アーレントが言うような、活動という分類に人間の営為を求めていかなければいけないと思います。

 このことに関しての御決意を、担当の仙谷大臣と鳩山総理にお伺いして、私の質問を終わります。

仙谷国務大臣 簡単にお答えいたします。

 今、ギリシャの、大変高邁な位置づけというか理論づけをいただいたわけでありますが、そういう理論づけをいただいて心強い限りでございます。

 時代的にも、日本の自然発生的な共同体、コミュニティーが都市化によって相当崩れてくる、さらに、戦後を担った企業コミュニティーが崩れてくる、こういう時代背景の中で、テーマコミュニティーあるいは地域コミュニティーを再生といいましょうか、つくり出していかなければならない、こういう時代だと思います。官のみならず、あるいは民間だけでマーケットでつくり出せない公共的、公益的なものがあるということがそういうことで、松原議員が日ごろそういう観点から日常活動を展開していただいていることに敬意を表して、鳩山総理に譲ります。

鳩山内閣総理大臣 先般、松原委員に御指導いただいて、池上のPSI自主防犯パトロール隊の視察をいたしました。そこでは、本来ある意味で警察が行っているような防犯という仕事を、むしろボランティアの皆さん方が、老いも若きも参加をしておられた。そしてそのことによって、みずから防犯をすることによって幸せを享受しておられる。

 私は、お互いに奉仕することによって、給料とかそういうこともありますけれども、むしろそれ以上の幸せというものをお互いが享受し合えるようなシステムというものが今まさに求められているのではないかと。官がこれまで行ってきた仕事も、これから、むしろ公を開いて民が積極的に参加をしていく。ボランティアの精神、社会奉仕の精神というものをいかに政府が、これは応援してやるぞ、頑張ってくださいと、それとなく支援をするその仕組みを構築することが非常に大事なことだと思っております。

 そのことが今求められている、民主主義というものを日本に、ある意味で原点として、重要な考え方を広めるむしろ大きなチャンスであると思っておりまして、ぜひ松原委員にも今後ともお力をおかし願いたい、そのように考えております。

松原委員 終わります。ありがとうございました。

鹿野委員長 これにて松原君の質疑は終了いたしました。

 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党の阿部知子です。

 私が今回の総括質疑にいただきました十分の中で、鳩山内閣の基本理念、特に鳩山総理にお伺いをいたします。

 いわゆる高校の無償化問題にあって、先般、二月の二十六日、総理は記者会見の場で、いわゆる朝鮮学校に通う子供たちについての無償化問題にあって、国交のない国だからどういう教科書内容かも調べようがない、同じように扱うことが望ましいかどうかという議論はしなければならないというお話をされました。私は、日ごろ総理がおっしゃられる友愛ということ、あるいは日本が北東アジア並びに世界の中で本当の友愛を示していくということから見て、ちょっと総理の真意が十分伝わっていないのではないかと思うので、この点をお伺いいたします。

 もちろん、総理がここで言われたように、国交がない国、北朝鮮とは国交がございません。しかし、これは総理が以前に所信表明の中でも、日朝国交回復ということを目指されていることも伺っております。また、どういう教育内容かも調べようがないというのは、既にカリキュラム等々も公開されておるところであります。

 私は、それらの御発言以上に、実は、総理にはぜひ、この言葉を聞いた二千人余りの在日の朝鮮学校に通う高校生たちの気持ちを思っていただきたいと思うんですね。総理が、これから先、この子たちが日本と朝鮮半島あるいは世界との本当の友愛を担う何よりの人材であると思われるなら、まず、こうした御発言の前に、そうした高校生たちに会ってみてくださいませんか。

 私は、高校生といえば、まだ社会と自分、国家と自分、自分の位置というのを定めかねつつ、しかし、いろいろな可能性を模索しながら育っていく大事な時期だと思います。この子たちに、総理のこういうメッセージが本当の真意をたがえて伝わることが、私は大変懸念されます。

 質問の第一は、総理にぜひ、この朝鮮学校に通う子供たちに会っていただきたい。この政権は、子供を主人公とみなす、そういう政権の哲学と理念であります。総理が会われることで、これからの日朝の関係、あるいはアジアの中の多民族の関係の本当の担い手になってくださるような子供たちと思います。一問目はこの質問でお願いします。

鳩山内閣総理大臣 阿部委員から、朝鮮学校に通っておられる子供たちに会っていただきたいというお尋ねがございました。私も、ぜひお目にかからせていただければと思っております。

 私がさまざま発言を申し上げたこと、必ずしも真意が伝わっていないかもしれません。その子たちのことを、当然思わないわけではありません。一方で、高校の課程に類する課程というものを今文科省で省令として定めようとしているわけでありまして、そのときに、外交がないような状況の国のところで教わっている子供たち、外交手段がないと、果たして教科内容というものがどういうふうに正確に伝わるかどうかというところが心配であったということで申し上げたわけでございます。このことをこれからぜひ予算委員会でも議論していただいて、最終的に省令として文科省中心となって決めていただければと思っているところでありまして、その前に、あるいはそのような状況の中で子供たちにお会いすることは、私としても大いに結構だ、そのように思っています。

阿部委員 鳩山総理らしい御答弁で、安堵いたしました。

 総理は、所信表明の中でも、「差別や偏見とは無縁に、人権が守られ、」ということもおっしゃっておりますし、「すべての意志ある若者が教育を受けられるよう」、私たちはこの子たちには学びの意志があると思います、この意志ある若者を伸ばしたいというのが友愛政治だと思いますので、ぜひ今の御答弁のように、朝鮮学校の方ではいつでも門戸を開いておりますし、あした文部科学委員会の皆さんも視察に行かれるということであります、ぜひ政府を挙げてのお取り組みをお願いしたい。

 次に、川端文部科学大臣にお伺いいたします。

 最終的には政省令で決められるということでありますが、実は、この高校の無償化の一方で、所得税や住民税における特定扶養控除の上乗せ部分、所得税で二十五万、住民税で十二万が廃止をされます、平成二十三年と二十四年となっておりますが。もしも、この朝鮮学校に行く子供たちが高校の無償化のためのお金も受け取れず、しかも控除の上乗せ部分が廃止されたら、その御家庭は負担だけを強いられます。今、経済状況は大変低迷しております。在日の皆さんとて変わることではない。納税の義務も果たしておられる。無償化にならないばかりでなく、もしもこの方たちが扶養控除のその上乗せ部分を廃止されるということは、ダブルパンチとも思えますが、この点について、文部科学省の責任者としてどうお考えかをお願いいたします。

川端国務大臣 お答えいたします。

 特定扶養控除の縮減ということが、高校の実質無償化の諸制度に伴って税制改正されます。

 御指摘の対象というよりも、実際上、定時制高校とか通信制高校とか、そういうことを含めて、授業料が安いというところになりますと、いわゆる税制改正に伴っての負担増の方が便益を上回るという世帯が幾つか出てくることは想定をしております。

 したがいまして、本年度の税制改正大綱の中でも、そのことを想定して、実際は二十三年から税制改正の影響が及びますので、その間に現行よりも負担増となる家計については適切な対応を検討するということを税制大綱の文章の中にも入れておりますので、そういう世帯が発生しないように、しっかりと対応してまいりたいと思っています。

阿部委員 今御答弁にございましたように、そういう世帯が発生しないようというのは、一方で、多様な学びを文部科学省として今子供たちに提供していくということでもあります。時代は国際化し、そしてさまざまな生き方、学び方がある時代であります。ぜひ、川端文部科学大臣にあっては、そのことに鋭意お取り組みいただきたい。

 最後に、質問の時間がございませんので申し述べますが、二月二十四日に、ジュネーブの国際人権委員会で、我が国の朝鮮学校の子供たちへの高校無償化が不支給かもしれないという報道が伝わったがために、これが大変大きな問題になっております。

 我が国も、国際社会で生きる中で、既に二〇〇一年、我が国における在日の韓国、朝鮮の皆さんへの差別的処遇というのは、このジュネーブの人権委員会でも問題になっておるところのものであります。かてて加えて今回となりますれば、世界的に見ても大変人権が尊重されないという印象にもなりますでしょう。政府として挙げてのお取り組みをお願い申し上げて、質問を終わります。

鹿野委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 次に、下地幹郎君。

下地委員 鳩山総理におかれましては、長期間にわたって予算委員会で丁寧な御答弁をなされて御苦労さまでございました。また、亀井金融大臣も、余り大きなやじを言われることなく、丁寧な御答弁、御苦労さまでございました。参議院においても、選挙前でもありますから、余り大きなやじを飛ばすことなく、ぜひ丁寧に答弁をしていただきたいなというふうに思っております。

 きのう、私は、普天間基地の問題で、進退をかけてこの問題を解決するんだというお話をさせていただきましたけれども、私には思いがありまして、私は、二〇〇五年の七月の二十六日に自民党を離党したわけであります。そのときの、私を離党に追い込んだときの自民党の総務局長が町村総務局長でありまして、離党の勧告のとき、私に対するその離党勧告の内容の中に、嘉手納統合を言ったから、それは政府の方針と違っているからだめだというのが離党勧告の中の一つの項目になっていたのであります。だから、私にとっては、政治家として、この基地問題に対する思いは並大抵のものではありません。

 その後、私は、離党しましてから無所属になって、落選をして、二年間厳しい思いをして、また当選をしてくるという、政治の厳しい道を歩んできたわけでありますから、この大きな原因であります基地問題は何が何でも解決をしたいというのが私の思いであります。

 だから、あのとき、十四年間で自民党の総理大臣も八人、防衛大臣も十六人出ていますけれども、この十六人の防衛大臣や外務大臣が、私は沖縄問題が解決しなければ政治家をやめますよと言ってこの問題に取り組んだら、十四年間、こんな危険な基地を放置することはなかったと私は思うんです。

 そういう意味でも、この普天間の解決のためには、何が何でも沖縄県民のために、一番危険だと言われている普天間基地の危険をまず除去する、そして嘉手納の騒音をなくす、差別感のある地位協定をもう一回アメリカ側と交渉する、そういうふうなことを新政権ではぜひやってもらいたいというのが私の思いであります。

 きょうのTBSのテレビを見ますと、みのもんたさんが、下地がやめたからといって世の中変わるわけじゃないと言っている。そのとおりですね。私ぐらいの政治家は幾らでもいて、私がやめたからといって日本が変わるなんて、そんな大それたことは考えておりません。しかし、沖縄の普天間基地を解決するために自分の政治生命をかけて頑張るという政治家が一人いていいんじゃないかと僕は思っているんですね。だから、私としては、この問題は、総理にはきのうも申し上げましたけれども、政治生命をかけて私も五月の三十日までには総理に決めていただく、総理もその思いをぜひ持っていただきたいというふうなことを申し上げているわけであります。

 改めて、一日たちましたけれども、最後の質問です。この予算委員会で、もう参議院に行きますから予算委員会が行われることはないと思いますので、これが総理に対して普天間基地の問題でお聞きをする最後の機会になるのかなというふうに思っておりますから、総理の思いが伝わるように、特に沖縄の方々に伝わるようにお話をいただきたいというふうに思っております。

 私はこの一問しかやりませんから、あと五分間ありますから、五分間全部使ってお話ししてください。よろしくお願いします。

鳩山内閣総理大臣 まず、下地委員には、ぜひバッジを外さないような形で結論が出るように、私どもにいろいろとまた御指示もいただきたいし、御協力も願いたい。これはある意味で政府・与党一体でありますから、その中で御指導を願いたいと思います。

 私も、下地議員と同じように当然のことながら政治家でありますから、このように、昨年の中で結論を出せといえば出すことができたでありましょう。しかし、そのことによって、例えば沖縄の県民の皆様方に決して喜んでいただけないような状況を招いてはいけなかったし、少なくともこの問題は、アメリカと、沖縄を中心とした日本、両方の方々に理解をいただかなければ結論というものにはならないわけでございまして、そのためには、半年、すなわち五月末までという期間の中で私たちは必ず、沖縄の皆様方の今日まで大変つらい思いでおられたお気持ちの中で、わかったと理解をしていただけるような結論を出す。そして、アメリカに対しても、日米の安保というものがこの日本にとっても基軸である、大変大事な安全保障の議論であるということを理解する中で、アメリカの皆さんもよしわかったと言う結論を出さなければいけない。

 言うまでもありませんが、そのためには、その前に政府としての考え方をまとめていく必要があります。今その作業を、平野官房長官のもとで連立三党知恵を絞って、さまざまな選択肢の中で、これならばというものを選んでいる、作業しているところでございまして、皆様方にも御協力をいただきながら、これはある意味で、民主党がどうだとか、あるいは国民新党、社民党がどうだという話じゃないと思います、与野党別なくこういった一つの考え方があるぞ、そういうお考え方があればぜひとも御指導を願いたい、そのように思っております。

 五月の末までには必ずその思いを果たせるように最善の努力をいたしますので、どうぞその思いを、下地委員と私ども共有をさせていただきたいと思いますので、国民の皆様方に、特に沖縄の県民の皆様方にも御理解を願いたいと心からお願いを申し上げます。

 ありがとうございます。

下地委員 総理、ぜひ頑張ってください。ありがとうございました。

鹿野委員長 これにて下地君の質疑は終了いたしました。

 次に、加藤紘一君。

加藤(紘)委員 締めくくり総括というのは何をやるのか、特に野党の場合はというのはなかなか難しいところですが、これまでこの委員会で行われた議論の中で野党としては非常にポイントとなることを改めてフォローする、ないしはもっと追及する、そしてどういうところを我々この議論の中から得たかを確認するということだと思うんです。言うなれば、ちゃんとした政策論争の場だと思いますが、また残念なことが起きました。冒頭、それをやらなきゃなりません。北教組の問題です。

 小林議員の選挙違反に関連して、北教組の実質トップ、委員長代理の長田氏が逮捕されました。これは大変なショックだと思いますね、子供たちにとって。

 我々、子供のころ、小学生だからそうなんでしょうが、学校の先生が町で酔っぱらって、何かベルトを外してだらしない格好で歩いているとショックだったものです。中学生のころ、帰りにラーメン屋さんに寄って買い食いしちゃだめよなどということを言われた時代です。そういうときに、学校の先生がそのラーメン屋さんから出てくるのを見ると、おかしいじゃないかといって、東京のすれた子は違ったかもしれませんが、我々はそう思ったものです。時代です。

 ところが、今度、北教組の委員長が何と呼ばれるか。容疑者長田は、長田容疑者はということが、これから北海道のテレビに、これから一週間以上ないし事がおさまるまで二、三カ月、かなり報道されるわけです。そして、裏金を持っていたらしいということも、未確認でしょうけれども、報道には出るだろう。現に裏金を使って資金供与したということを司法当局から言われているわけで、私は、これはかなりのショッキングな話だと思います。

 総理は北海道出身ですけれども、手短に、どう思われますか。

鳩山内閣総理大臣 加藤委員にお答えをさせていただきます。

 私も同じ思いでございます。すべてのこの国に生きる者たちは法令を守らなければならないことは言うまでもありません。特に、北教組、教職員の方々であればなおさらなことでございます。専従の職員の方だ、そのようにも伺っておりますが、法令を犯すという疑いのもとで逮捕をされたということに関しては大変遺憾に感じておりまして、このようなことが起きないような状況をいかにしてつくり上げていくかということが私どもに課せられた課題ではないか、そのように考えております。

加藤(紘)委員 総理、心耳に響く、心耳に届くという言葉があるんですね。古い人たちが使った言葉です。心の耳にびんと響く。総理の言葉は何かどこかシュールなんですね。何か超現実的なんですね。琴線に触れないんです。心耳に届かないんです。

 文科大臣、今度の事件、どう思われますか。

川端国務大臣 お答えいたします。

 整理上でいえば、教職員団体の人は、今総理申し上げましたように、教職につく人ではないんですけれども、教育現場にかかわっている先生たちの団体の人たちがこういう容疑で逮捕されたということは、子供たちに与える影響を含めて非常に大きな影響を与えるという部分で大変遺憾であるというふうに思っておりますし、同時に、教職にある公務員は厳しく政治的中立とそれから法令遵守を求められておりますので、北海道の教育委員会及び札幌市の教育委員会に対して、現場の教員が、法令違反に当たるようなことが今回るる報道されましたので、かかわっているかどうかを調べるように要請をしているところでございます。

加藤(紘)委員 この問題は、きのう、我が方の馳議員が、四容疑者逮捕というニュースが入った途端に質問を全部かえて、三十分追及されました。

 私は、これ以上やりませんけれども、委員長に要求します。小林議員の参考人招致をできるだけ早くこの予算委員会でやっていただきたい。了承いただけますね。

鹿野委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

加藤(紘)委員 委員長、後刻処理をしますということで何件のテーマがこれまで委員会で海の藻くずのようにほうり去られたか。それが民主主義なのか。参考人招致ということが何件、実現されるまで、そういうことになっていないか。

 それから、地方公聴会というのが行われた。そして、民主党公述人も出た、大阪で新潟で。ところが、この地方公聴会で民主党推薦の公述人が全部子ども手当はやめてほしいと言ったにもかかわらず、これがほとんど扱われていない。これはもう形式化しているということですよ。自民党の公述人が言ったのならいい。

 私は、ぜひ、委員長に、ちゃんと処理をしてほしいということを要求します。

 長崎に飛びます。知事選挙。

 実は、去年十一月の中旬、私は、長崎県県連、県会議員の幹事長さんたちの幹部に、ゆえあって、縁あって会いました。自分たちの知事が急にやめた、候補者を立てなきゃならぬのだが、いい候補者が見つからない、それに、四、五カ月前の衆議院議員の選挙では一区、二区、三区、四区全部敗れた、参議院の裏表も全部民主だ、こういう中で選挙はやれない、試合放棄だ、民主党は農林省の若手の官僚を出すらしい、加藤さんは農林族だから、どういう人物か、相乗りしていいかどうか人物評価を聞きたい。こう来たんです。

 そこで私は、先週の葛飾の区長選挙を見ましたかと。自民の方は三人に割れて分立、分裂選挙、民主はたった一人で圧倒的に勝つと言われて、菅さんも応援に行った、鳩山夫人も行った、でも圧倒的に自民が勝ったんですよ、だから風はわからぬよと。民主の風が吹いているというのはいっときだったのかもしれない、長崎は県会議員の数は圧倒的に、市町村会議員の数は圧倒的に我々が多い、地元でいろいろ町をやっているのは全部我々保守の仲間だ、では、やってごらんなさい、やってみたらどうですか。それを強く勧めた自民党の国会議員の中の私は一人です。ですから、関心を持っていました。

 ところが、十二月の下旬、何かやれそうだ。一月の中旬、いける。私は驚きましたね。本当に驚いた。

 ところが、その後、ちょっと緩んだところもあったけれども、応援に行ってみたら、必死で戦っている。そして、結果は十万票の差だ。私は、二万票ぐらいの差で勝てればな、仮に負けても、自民党もそろそろやれるという根性だけ持ってここまで対等にやったのならいいというような結果になればいいと思った。予想に反した。十万の差です。

 これの原因は、私は二つあると思っています、私流の解釈は。

 一つは、鳩山総理、何でしょうか。

鳩山内閣総理大臣 加藤委員から答えをお伺いできるのかと思っておりましたが、私に尋ねられました。

 私は、一つの要因はやはり政治と金の問題であった、そのように思います。すなわち、国政における政治と金の問題の影響が長崎に及んだ、そのように分析をする必要があろうかと思っています。

加藤(紘)委員 そうです。私は政治と金だと思います。

 それで、選挙の神様、小沢一郎さんが行っても、政治と金のこのあらしはおさまらなかった。そして、当人が行ったんだからさらに吹き荒れた。これはもう明確なことです。これは新聞にも書いてあるからもう言わない。

 もう一つある。それは、私の見たところ、じげもんパワーというんです。じげもんというのは、よく長崎に行ったら新聞に書いてあるから、どういうことですかと言ったら、地元の人間のこと。それはいいニュアンスの言葉かと聞いたら、いいニュアンスです。東京からいろいろな者が来た。橋をつくるだの、組合長だから集められて、水産庁長官が来るとか、物すごい権力を使った。よし、見せてやる。じげもんの気持ちを見せてやる。じげもんじゃなからんばわからんたいとか言っているんです。じげもんでなければわからないんだ、この我々の気持ちは。そう言って、泣くように勝負していましたよ。久方ぶりにいい選挙を見た。

 それは、いろいろな偉い人が行って、島原道路をつくるだの、いろいろなことを言う。水産庁関係では、何か冷凍施設をつくるの、マグロの養殖をやるだの、それも全部振り払って彼らは頑張ったんです。そして、地元の人間の誇りをあらわしたんですね。そういうときには、東京から総理が言う地域主権なんという言葉がそらぞらしく聞こえる。

 その相手の候補者、我が方の相手の候補者、これは農林省の人間で、地元の長崎市の名門高校の出身です。でも、十九歳で東京の大学に行って、それから二十二年、ほとんど帰ってこない。それではもうおしまいになるんですね。そういう地元の人だから、五年ほどすればじげもんに戻るんでしょう。しかし、この緊急の不景気のときに、彼はじげもんとみなされなかった。それを連れてきて候補者にした民主党というのは本当に何ぼのもんじゃ、地域主権が何ぼのもんじゃということを言っていましたよ。だから、それは私は、自民党に自信を持たせたし、長崎の保守の人たちに自信を持たせたし、そして彼らはまた頑張っていくでしょう。

 ただし、そこの中で一つ見逃せないことがある。それは、利益誘導ならまだしもわかりやすい。その中で長崎県の人々の気持ちを物すごく逆なでしたのは、石井一さんです。そして、総決起大会で、いいですか、長崎の人々がこの政治の流れに抗して別の結果を出したのなら、我々は、民主党政権は、長崎県に対しそれなりの政治姿勢を示すであろう、それが政治というものだと、ここまでつけ加えました。

 選挙が終わって四日ほどして、地元の長崎新聞が社説を出しました。

 いわく、どんなに激しい選挙であっても、それはあくまで民主主義のルールに基づいたものでなければならない、残念ながら今回の選挙戦の過程で、一人の有力政治家にそうしたルールを忘れた言動が見られた、民主党選挙対策委員長の石井一参議院議員、石井氏は総決起集会で、同候補が、彼らの候補が落選したケースに言及し、時代に逆行するような選択を長崎の方がされるのであれば、民主党政権は長崎に対しそれなりの姿勢を示すだろうと私は思います、それが政治であるとつけ加えた、紛れもない恫喝発言である、我々は断じてこれを許さぬ。

 民主党は知事選挙で大臣や党幹部が露骨な利益誘導発言を連発した、本県有権者の価値観は多様で人それぞれだ、それでも我々はみんなで尊重していく、それが民主主義だ、この長崎の地で、民主主義を守り、地道な努力を続ける決意である、それが有権者恫喝発言を行った石井氏に対する我々長崎県民の答えだ。

 民主党の総裁として、今この場で、長崎県民に対する何か言葉を出してください。メッセージを、鳩山さん、率直に出してください。

鳩山内閣総理大臣 加藤委員から、今、その社説の御引用がございました。私は、敗因の一つとして謙虚に耳を傾けるべき発言である、そのように思っております。

 私ども、何のために政権交代をここまで求めてきたのか、そしてそれを国民の皆さんの応援をいただいて実現をしたのか、そのことを考えたときに、いわゆる利益誘導型政治というものから決別をする、そして地域のことは地域の皆さんに基本的にお任せできる、そういう世の中にしようではないかという発想のもとで、新たな国づくりの思いを披露しながら地域主権を訴えてまいりました。

 先ほど加藤委員から、地域主権という言葉がそらぞらしく響くというお話がありました。本来ならば、そらぞらしく響くような言葉であってはならない大変大事な考え方でありますが、それが必ずしも十分に新政権の中で理解をされていない部分があるとすれば、当然、反省をする必要があろうかと思っています。

 いろいろと、これから私どもとしても敗因の分析をするべきだ、そのように思っておりますが、長崎の県民の皆様方がなぜ私どもの推薦する候補を選択されなかったのか、その思いをしっかりと謙虚に耳を傾けながら分析をさせていただきたいと思っておりまして、その中での今、加藤委員の御発言に対しては、私も胸に響くものがありますだけに、したがいまして、しっかりとやらせていただきたいと思っております。

加藤(紘)委員 もうこれ以上言いませんけれども、具体的なことを一つ聞きます。

 一月二十三日、いよいよ二月四日から選挙が始まるという直前です。場所は対馬市、そこの割烹「志まもと」で、山田農林副大臣、水産庁長官、林野庁長官、それから地元の市長、関係者、選挙前にこれだけの人間を集めて、やることはきっと一つです。私は、中に入っていないからわからない。今、調査中です。

 いずれにしても、自民党は、権力を持っているときに、選挙にストレートに官僚を使いませんでした。(発言する者あり)直前はやっていません。ところが、本当に農林省の幹部がそこに行って選挙の活動をしているならば、これは大問題です。公務員の、選挙、地位利用です。

 今ちょっと、やじにおこたえしますけれども、自民党はやっているだろうと思っているのは、下手な自民党を見ているんです。昔の自民党を見ているんです。我々は、選挙のぎりぎりのときにはそういうことをやりません。やったら下手だ。謙虚にやるんです。

 それをストレートにやった。明らかに公職選挙法とか公務員法に違反なんだけれども、このときの状況を調べてほしい。

 それに対して、公務員は、我々農林族……(発言する者あり)農林族なんですよ、僕は。その人間が言っても、断りましたよ。我々が言っても、農林省の幹部が、我々はお供できませんと断りました。断られました。当たり前のルールなんです。ここを無理やりに行ったとするならば、これは、大臣は、また副大臣はついてこいと言うでしょう。私は、ついていった人間の判断ミスだと思いますよ。

 官房長官はいないけれども、そのときに処分しますか。赤松大臣、山田さんがついてこいと言うのは当たり前なんですよ、政治家だから。そのときに断らなきゃならぬのが官僚です。それは、公職選挙法、地位利用になったら、だれが処分するんですか。

赤松国務大臣 私自身も数次にわたって選対委員長をやってまいりましたし、閣僚になりまして、今の立場になりましても、党の一員として、この長崎県知事選挙にも数次にわたって応援に参りました。

 ただ、前にも私はお答えしましたけれども、そこは、自分が大臣という立場と、一衆議院議員、一党員という立場はきっちりと分けておりまして、例えば随行にも秘書官等はついていかせませんし、車代、飛行機代その他についても一切それとは関係なくやってきた。だから、何らどうこう言われることはないというふうに私自身は思っております。

 それからもう一つ、誤解があるといけませんのではっきり申し上げておきますが、候補者になった橋本君も非常に優秀な男で、私のところへ来たときも、君は農水省にとって本当に重要な男だ、将来幹部になって、場合によっては事務次官になるかもしれない、ぜひ頑張れということを言ったのであって、無理やりに出させたのじゃなくて、本人が、いやいや、私はどうしても郷里のために、自分の地元のために、政治家として、知事として頑張りたいんですということを言ったということで、これは無理やり、先ほど何か、党が農水省の官僚に、おまえ、ここへ行ってやってこいみたいなふうにとられましたので、そうではないということです。

 それから、御質問の件は、もちろん私自身はそういう官僚を連れていくなんということは当然ありませんでしたが、山田副大臣は、たまたま地元が長崎でございますし、地元からのいろいろな要望があり、そういうことに対して、それぞれの分野の、選挙運動のためではなくて、地元の実態を知ってもらう、そして地元の声を聞いてもらう、それは副大臣としての当然の責務を果たした、私はそう思っております。

加藤(紘)委員 これについては、我が方の農林部会長の宮腰議員が政府に質問主意書を綿密に出しています。お答えいただきます。そして、違反の事実があったら、長官であろうとも、林野庁であれ水産庁であれ、局長であれ、しっかりと処分されることを望みます。総理、どうですか。

鳩山内閣総理大臣 それはしっかりと調べていただいて結構ですし、我々も調べたいとは思います。

 先ほど赤松大臣からお話がありましたように、私は、行くこと自体が問題だというよりも、行って何をしたかということが問題だとは思います。そこに何らか問題があったとすれば、当然、問題があればそれなりに処分しなけりゃならない話だと思っておりますが、そうでないことを期待しております。

加藤(紘)委員 今、何をやったかが問題だ。この間、前原大臣が島原に行って、詳しくどう行動をとったか、言われました。そして、島原の道路については、あそこは合計四十キロの道路ですね、それで、必要な道路は必ずつくる、島原と言ったんじゃないと。

 しかし、島原の現地に行って、必要な道路はつくります、そう言えば、シチュエーションからいって、ああ大臣がそこまで言ってくれた、これは利益誘導にならぬと思いますか、前原さん。

前原国務大臣 個別の事業については、事業評価もしておりますし、今までの進捗状況もありますし、それに基づいて発言をしたわけでありまして、全く御指摘は当たらないと思っております。

加藤(紘)委員 法学部的な答弁ですね。法学部、法律家的答弁であって、政治的には通らないですね。

 さて、箇所づけについては、新聞に躍っていますね、総理が何とかの対処、処分をする。それは我々国会に報告してほしい、官房長官が言って。それが、我々国会議員だれも知らない前に新聞に出るんですか。こんな国会無視はないじゃないですか。どうするんです、これは。昔なら大変な問題になったんですよ。どうして理事会に答えないで新聞に流したんですか。お答えいただきたい。

鳩山内閣総理大臣 きのう委員会で御質問をいただきましたものですから、私は、委員会の場で、これは国土交通省に対して処分を考えています、検討しておりますということを申し上げました。

加藤(紘)委員 これは、委員会に答えを出す前は守秘をするんです。秘密を守るんです。それが国会の仁義です。そこのイロハのイも理事たちがわかっていないということになりますよ。きょうの午前中にここで言うんなら、どうして新聞に出すんですか。本当に、国会を軽視してはいけません。

 次に、総理大臣の問題に行きます。

 総理大臣、最後に一つお聞きします。

 税金、今、確定申告が二月十六日から。そして、三月十五日ぐらいまでになると、最初は、非常に自分を押し殺す、余りめちゃくちゃ言わないとかそういう人たちが、心の中で変だなと思いつつ、申告納税、申告に行っているんです。三月の十五日前後になると、いろいろ、嫌だなと思う人も出てきます。トラブルも発生すると思います。

 そこで、国民が本当に思っているのは、納税義務というのは、総理は特別にやわらかく国税庁に対処されるのか、それとも国民の前には平等なのか、そこをどう考えておられますか。

鳩山内閣総理大臣 すべての人に対して平等であるべきだと思いますし、平等であると思っています。

加藤(紘)委員 それも、本当はそうじゃないんだと思いますよ。

 憲法によって、大臣はそう簡単に訴追できない、これは、総括の第一弾だけれども、棚橋議員が論理的にやった。そして、総理を訴追するときには、総理みずからのサインがなきゃできない。だから、平等ではないんです、総理大臣や大臣だけは守られているんです。だからこそ、自覚を感じなきゃいけない。

 国税庁の次長、来ていますか。国税庁を経験したことのある財務省、大蔵省OB、彼らは、大変だよな、いろいろ話を聞いたらやりにくいよなと現役の人間は言っているよ。そんなことは、雰囲気ありますかと言ったら、ありませんと言うに決まっているんだけれども、それは、自分の上司を訴追するなんというのはそう簡単ではない。なおかつ憲法上それが守られているとなったら、簡単ではない。

 国税庁次長、全く総理大臣を一般国民と同列に扱えますか、それとも扱えないですか。どうですか。

岡本政府参考人 お答えいたします。

 あくまで一般論ですけれども、国税当局においては、有効な資料情報の収集に努め、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどして、適正公平な課税の実現に努めているところでございまして、これは納税者のいかんにかかわらず同様であるというふうに考えております。

加藤(紘)委員 模範答弁ですね。それ以外言いようがない。そういうものです。でも少し手心を加えますとかなんとか言ったら、大騒ぎになる。当たり前の話だ。

 だから、総理大臣、棚橋議員がこう言った。天下に恥じず、やましいところはないんですね、だったら、自分を訴追する必要があるときにはいつでも訴追していいよということを国税庁なり検察庁に一枚書いたらどうか。これに対して答えがなかったですね。なぜ書けないんです。なぜ書けないんですか。それは平等には心理上扱えないんです。そんなことはわかり切ったことだ、世間を知っている人間なら。どうぞ。

鳩山内閣総理大臣 書く書かないの話ではなくて、私は、前から申し上げているように、もし訴追の必要があるときには、当然その訴追をされて結構ですよということは申しているところでございまして、それを、私だから特別扱いをされたくは決してありません。それは人間として当然のことだと思っておりますので、そのことは申し上げております。

 ただ、紙に書けとかいう話では私はないと思っておりまして、こういうところで皆様方に申し上げていることを、国民の皆さんのもとで申し上げているわけでありますから、御信頼を願えればと思います。

加藤(紘)委員 今、総理は、私は一般の人間と同じである、だから一般の人間が書かないなら私も書かなくていい、こういう論理ですね。

 あなたは一般の人ではないんですよ。訴追されるという意味においては守られているんですよ。だから、一般の人間でないですから、一般の人間のところまでおりるには、自分を訴追してもいいよということを紙に書いて、ここで言ってもいいのなら、どうして紙に書けないんですか。

鳩山内閣総理大臣 後で枝野大臣から答弁があろうかと思いますが、私は、先ほどから申し上げているように、私がもし訴追されるときには自分で、例えば他の大臣も含めてですが、署名をしますよ。自分自身が疑われたときは、当然のことだと思っています。

 ただ、紙に書く書かないという話ではなくて、国民の皆様方の前にこのように正直に自分の思いを申し上げることで十分ではないか、そのように考えております。

加藤(紘)委員 つまり、ここで、本当に自分の責任を感じるならば、全国に五百カ所ある税務署でいろいろなトラブルがもう既にちょこちょこ始まっていますね。そういうことを感ずるならば、自分はそういう気持ちであるということを明確に言えば、そして一筆書けば、私は違うと思いますよ。それをあなたはやろうとしない。それで人々の説得力を持つかどうか、それはあなたがお考えになることです。

 さて、政策論争に移ります。

 恒常的な支出には恒常的な財源がなきゃいけない、これはこの間、委員会で菅さんも一言言った。それで、今度の予算審議をずっと聞いてみて、何かこれまでの原則が全部崩れているように思うんですね。

 昔、いや、ごく最近まで、いろいろな支出を、我々与党自民党の当時、部会長だとか政調会長が主計と下相談する。そうすると、一回こっきりの支出だったら、十億円なんか簡単に、はい、いいですよと。ところが、これを出したら今後十年、二十年ずっと出し続けるかもしれないと思ったら、百万円でも抵抗しますね、財政硬直化するからですと。これは見事なものでした。

 それから、我々は……(発言する者あり)大臣、大臣席からやじらないように。与野党の最小限のルールです。この内閣は守っていない。

 当初予算に使う金は恒久的財源でやる。それから、突然不景気になって何かやらなきゃならぬというときには補正予算を組むし、そのときには、やむを得ない、借金してもしようがないというので、赤字公債や建設公債を使う。この原則がはっきりしていました。ところが、今度の政権交代前後、一次補正、二次補正、二十二年の本予算、この辺がぐちゃぐちゃになっています。

 そして、私は、予算委員会の理事会で何度も何度も、恒久支出、一時的な支出、その他中間でわからないもの、これと、財源の方としては、恒久財源、法人税だとか所得税だとか消費税だとか、それから一時的な収入、埋蔵金ですね、そういうものと、借金、特例公債、建設公債、それからどうにも区別のできないもの、これに分けて分析してくれと言ったら、そんな要求はコペルニクス的転回の要求でそう簡単に出ない、一部の人にこう言われたんだけれども、でも、私は、昔はちゃんと区別していました。何も書かないで持っていました。そう簡単に出ないと言われたときに、コペルニクス的変化をもう起こしているな、危ないなと思った。

 さあ、そこでがんがんやって、そして、予算が終わる最後の、きのうになって財務省から出始めたのが、渡っていますか、一枚の紙です。これはいろいろ不満足です。不満足だけれども第一歩です。不満足だけれども、紙に書いてある、第一歩です。ですから、たまごっちというのが昔あったけれども、これをだんだんだんだん詳細なものにして育てていくということが、我が国のいわゆる国債発行についてのスタンダード・プアーズだとかムーディーズだとかの格付にいい影響を及ぼすと思っています。こういうことをしっかりとわきまえながらやっているという日本ならば、まだまだ信用できるだろうというふうになるだろうと思っています。

 例えば、恒久的支出、どちらにも分類されない支出、ほとんどがこれに類推、書かれていますけれども、それでは厚労大臣、年金の支出、今度、基礎年金の二分の一、そうですね。それは、恒久的支出ですか、どちらにも分類できないのか、それとも一時的支出ですか。どう思いますか。

長妻国務大臣 基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げるというのは、これは恒久的な支出だと思います。

 ただ、自民党政権も苦しかったんだと思いますが、恒久的な支出にもかかわらず、二年間、埋蔵金を手当てするということでしのいでおられるというふうに認識しています。

加藤(紘)委員 そうです。我々自民党も、原則を守ってきたんだけれども、この基礎年金二分の一については継ぎはぎだらけでやった。埋蔵金を使った。

 ただ、やはり罪の意識がありまして、税制大綱に、本来これはよくなくて、税制の改正によって恒常的なものにしなきゃならぬと思っていますという意識の表明はしてあるんです。

 去年、第一次補正を我々は考えた。そこから三兆円か何かのお金を新しい政権は工面したんだけれども、これを翌年の子ども手当の財源にするということは望ましい形ですか。どうですか、鳩山さん。

鳩山内閣総理大臣 子ども手当の財源に関しては、二十二年度は、御案内のように地方や事業主の方々にも御負担をいただきました。この子ども手当の将来の形に関しては、これから議論をすることになっておりますので、まだ必ずしも最終的な案として決めている状況ではありません。

加藤(紘)委員 恒久財源は手当てしていないんですよ。本当にこれでいいのか。

 厚労省のものはほとんどが恒久的支出であって、それがもう二、三十兆になっている。

 一つ難しいのは、例えば文科大臣、競争的資金というのがありますね。これなどは判断が難しいんですね。これは、あなたとしては、恒久的支出として要求したのか、いや、いっとき、ことし出してくれればいいよという一時的な要求として出したか。どうですか。

川端国務大臣 性格上ではいろいろな議論があると思いますが、競争的資金は長年にわたって必要なものであるという認識に立って要求をいたしました。

加藤(紘)委員 文科大臣としたら当然ですね。

 菅さん、それを認められますか、今。

菅国務大臣 ちょっと私は、加藤先生の議論全体が必ずしもぴたっとこないところもあるんですが、文科大臣がそういう見方をされているということについては認識します。

 余り長くなってはいけませんが、なぜかというと、もともと財政硬直化というのは、逆に言うと、各省庁の比率を変えなかった、各局の歳出を変えなかったことによって時代の変化に対応できなかった、そこが私は一番あると思いますので、まずそれを崩すことからスタートした。

 確かに、個別的には、恒久的なものに対して恒久財源を充てることが望ましいということは一般的にはわかりますけれども、政権交代のときに、その中で、従来恒久財源が充てられたものを、まさに道路特定財源なんかを壊さなければいけなかったので、その部分の議論がないまま、単に恒久財源が恒久的な支出に充たるという、それは原則としてはわかりますけれども、変化させなければいけないということが先になければならない、私はこう思っています。

加藤(紘)委員 まあ、それもそうですけれども、これは財務大臣としては、すべての予算が、仮に社会保険関係の予算でも、最初からゼロで査定するぐらいの気持ちで考えていきます、それでなければ財政はもちません、だから、まして競争的資金なんというのは、四、五年のものでございますから、これは一時的なものであって恒久的ではないと言ってけんかするのが当然なんで、これはポジション的に言えば、文科大臣は当然のことを言ったし、財務大臣も、それは恒久的なものだとは考えていませんぐらい言わないと財政はもたないですよ。

 さて、後でまた行きますからね。

 そこで、野田副大臣、一つ難しいのがあるんだけれども、高速道路の無料化一千億、今度やりますね。これは恒久的支出ですか、一時的な支出ですか。

野田副大臣 加藤委員にお答えをいたします。

 高速道路の無料化はモデル事業でございますので、社会実験でございますので、一時的だというふうに認識しています。

加藤(紘)委員 社会的実験で一時的なものでしょう。将来、これが恒久的に必要なことのないように展開していくことを祈ります。余り支持の多い制度じゃないですからね。

 次に、そういう恒久支出には恒久財源という中で、私は二つ問題がここで議論されたと思います。それをフォローします。それは基金なんですね。一次補正で基金が幾つかつくられました。これは多年度で支出するために緊急に考えたものでしょう。これが問題だと言う人がいるのが問題で、実は、これについてうちの茂木元大臣と仙谷さんが議論されていましたね。それから菅さんも議論されていた。つまり、それをフォローします。

 つまり、リーマン・ブラザーズの後、世界三つの地域が必死に対応を競争した。日本の三倍GNPのアメリカは百六十兆ぐらい、日本とGNPが同じ中国は六十兆ぐらい、日本はまあ三十兆か四十兆やりましたね。それは全部、これを二、三年でやるというふうにして始めたんです。アメリカは、十年でこれを使う、そして初年度にできるだけ多くやろう、しかし、二年度目、三年度目の金も用意しなきゃならぬといってやったんですね。

 アメリカは、いろいろな見方があるけれども、ある程度回復した。中国も、かなり僕は問題あると思うんだけれども、一応今のところ回復したように見える。日本だけだめなんですね。私は、三つのジェット飛行機ががあっと上昇しようとしたときに、日本だけ逆噴射かけたからだと思います。それは、この基金をけしからぬと言ったからです。それは当然でしょう。だって、二年、三年で使おうとしたのを、二年目分、三年目分、合わせて三割ぐらい使っていないのは当たり前ですね。それを召し上げる、それに必死になったからです。

 そして、今度の予算では、二次補正や二十二年度予算では、同じような項目を全部復活させた。無駄なことだったんです。いや、無駄だけじゃない。大変なブレーキをかけた、ノッキングさせた。これについて、基金というのはいいんだと菅さんは思っていますね、二年、三年、多年度制度は。そういう発言をしていますが、今でもそう思っているでしょう。

菅国務大臣 根本的に複数年度予算に変えたらどうかということを最初に私が戦略担当大臣になったときから検討しております。

 ただ、このリーマン・ブラザーズのショックの中でやったことは、先ほど申し上げたように、まずは一次補正の中身の変更でありまして、総額については、二次補正を含めていえば、減縮させたわけではありません。

 それから、今、加藤さんは、アメリカや中国に比べて日本の景気回復が遅いのは一次補正の基金を一部凍結したからだと。凍結したものもほとんどは二年目、三年目のものですから、それを別の形で使ったんですが、私はそこが根本的な原因ではなくて、それまでの経済運営の中で、日本は金融の制度はそれほど傷まなかったけれども、外需が強烈に急激に下がったことで、GDPの七%もの需給ギャップができた。つまり、それはその前の小泉・竹中政治によって、つまりは内需の拡大を全く伴わないような経済運営をやってきた、デフレの中での効率化をやってきたことがそういう背景にあって、外需がどんと落ちたときにそれで一番悪影響を受けたのが日本だ、それがこの構造を生んだと思っております。

加藤(紘)委員 その話はいろいろな議論がありますから、もうここでやめますけれども、しかし、本当にやる場合には、この十五兆の第一次補正というのはそのまますんなり通しておけばよかったと思いますよ。

 それで、そのときに、ここに前原さんがぱんと出てくるんです。一丁目一番地はコンクリートから人へと言って出てくるんですよ。この話は十五年前から言われていました。だから、当時の国交省の幹部も僕らにこう言ったものです。二十世紀が終わって、二〇〇五年あたりから我々の予算はとれなくなります、だから今こそお願いしますよ、こう言ったものです。

 だから、(パネルを示す)これは、驚くでしょうけれども、右肩上がりの青い線は社会保障関係費なんです。特に社会保険です。それから、右下がりになって、当時の半分に減っているのは国家予算の中の公共事業関係費です。もうコンクリートから人へは終わっておるんです。今、GNPの三%なんですけれども、フランス三・二%、アメリカ二・八%、そして今伸びつつあります。

 ですから、三%程度というのは、何もほかの国に比べて違ったものではない。そこまで我々は努力し、そして、万が一、不景気対策のときには公共事業をやれるような幅を残してあるんです。それを、一丁目一番地はここを切ることだと言って、特に箱物、例えば病院の百億、一カ所みたいなものを全部切っていった、そこに私は問題があると思っています。

 そして、埋蔵金についてこれからいろいろなことをおやりになるようだけれども、また特別会計、独法、その際にぜひお願いしたいのは、そこでいろいろな無駄もあるでしょう、あるけれども、それは、出てきたものは一時金としての収入なのか、永遠に続く恒久財源なのか、その区別をちゃんとしてほしい。

 その意味で、特別会計の話で、年金の積立金に手をつけることはないでしょうね、厚年とか国年の。それは僕は、大胆なことをやる閣僚が一、二名いる中では危ないと思っているんですよ。長妻さん、それはやらせないですよね。年金積立金に埋蔵金と称して手をつければ、百五十兆、二百兆近く、いろいろなものをかき集めればありますよ。それは絶対やりませんね。やると言ったら、もう年金保険料を支払う国民はいなくなりますよ。

長妻国務大臣 今、国民年金、厚生年金、百二十兆円運用をしておりますけれども、これは国民の皆様からある意味では義務として預かった預かり金、しかも超長期で老後のために預かったお金ということでありますので、これはそういう趣旨で、きちっと求められた利回りの範囲内で運用するということに努めるということであります。

加藤(紘)委員 大変安心しました。評価します。

 ただ、長妻大臣、年金の中でちょっと不可思議なことが一つだけ、特別会計の中ないし関連であります。

 それは、今、地方で一番いい老後を過ごしているのは公務員です。特に、公務員夫婦で退職しますと、二馬力のエンジンつきの老後だと言われています。これはいいですよ。地元に、特に地方に選挙区がある人は、退職公務員のすばらしさ、退職手当もいい、年金もいい。これは驚くようなものです。

 長妻さん、年金論の根本なんだけれども、一番古い年金は何でしょう。そして、一番古い年金というのは、成熟度が高まるから一番困るんですね、支払いについても、積立金についても。保険料を高くしなきゃならぬ。ところが、公務員の年金は、保険料も一番低いんですよ、支払いは一番高いんですよ。どうしてこんなことができるか。

 もうきょうは時間がありませんから、問題提起だけにしておきます。

 今度、JALがつぶれます、つぶれたんですね。それで四割、年金は泣きましたね。ところが、国鉄、昔つぶれたんです。でも、どうやって払っているかというと、清算事業団にツケ回しして、国民がたばこをのむたびに国鉄OBの年金代を払っている、こういう図式ですね。では、JALと国鉄とどう違うか。昔親方、公務員であったというだけですね。

 地方公務員、国家公務員は、これは全部、制度を変えたときに、難しく言うと年金の過去勤務債務だけれども、それまで勤務した人の働いた期間に関する年金給付費は全部国の財源にしたんです、昭和三十三年、地方公務員は三十七年。そうすれば、まだまだ元気で金がたまっている。国家公務員には八兆円あります。地方公務員には四十兆円の積立金があります。たった三百万人の地方公務員で四十兆の積立金がある。

 これをまず認識していたか、それとも、しなくてもいいんですけれども、今後研究してみるか、その覚悟だけ聞いて質疑を終わりたいと思いますが、どうぞ。

長妻国務大臣 加藤委員がかねてから問題意識として恩給及びその追加費用、これが税金で潤沢になされている、こういう問題意識のもと国会でも質疑をされておられるというのは、私も認識をしております。

 これは一つの論点だと私も考えておりまして、今後それについて研究する必要があるというふうに考えます。

加藤(紘)委員 時間が来たので終わります。

 ただ、この年金の話はかなり、データが隠されていたり、表現が変えられたり、公務員とか国立大学の先生は自分のことだから研究しなかったり、私立大学の人も私立共済のメンバーだからおじけづいたりしていますから、国民の立場、サラリーマン及び農民の立場に立って研究してくれることをぜひお願いして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

鹿野委員長 これにて加藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、富田茂之君。

    〔委員長退席、海江田委員長代理着席〕

富田委員 公明党の富田茂之でございます。

 締めくくり質疑ということで、まず最初に総理と文科大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。

 私は、この委員会に所属させていただいて三年目になりますが、ずっと、経済的理由により高等学校等の生徒が学業を断念することのない制度をということを訴え続けてきました。

 先日の本会議で川端文科大臣は、各党の議員の質問、高校無償化法案についての代表質問があったわけですが、その中でこういう答弁をされました。

 公私間格差についてのお尋ねがありましたということで、私立高校生に対しては、高等学校等就学支援金として公立高校生一人当たりの負担軽減額と同等の額を支給するとともに、低所得世帯については増額して支給することとしていますと。これは増額になっています、確かに。

 また、これに加え、現在都道府県が独自に行っている授業料減免補助が就学支援金に上乗せされることにより、支援が充実することを期待しております。なお、高校生修学支援基金も授業料の減免補助等に活用できることから、各都道府県においては、これらを活用して低所得世帯の私立高校生への支援を充実していくことを期待しております。このように、私立高校生に対しては手厚い支援を行っているところであり、むしろ公私間格差は縮小すると考えております。

 こういうふうに答弁されたんですが、私は、この認識は間違っていると思います。

 今回の就学支援金の制度がどういうふうになっているのかというのをこれからちょっとお話しさせてもらいますが、これまで各都道府県は、経済的理由により高等学校等の生徒が学業を断念することのないよう、授業料減免補助事業等を独自に実施してきました。授業料減免に係る平成二十年度の都道府県補助実績は、対象高校生数で約十九万六千人、都道府県による補助額は二百九十億円になります。これは資料として皆さんの席に配っておりますが、資料一に、数字として文科省の方でまとめた数字が出ております。

 この対象高校生は、私立高校生全部の一七・八%に当たるんですね。この中で、都道府県から申請のあった国庫補助対象の高校生は約七千人、本当にごく一部です。これは国庫補助してきました。

 私立高校生の授業料滞納状況は、平成十九年度末で八千二百七十六人、〇・八%から、平成二十年度末で九千六十七人、〇・九%と増加しています。多分、二十一年度末もかなりの数のお子さんたちが授業料を払えないというような状況になっていると思います。

 そこで、前政権は、平成二十一年度の第一次補正予算ということで、昨年五月、経済雇用情勢の悪化に伴い、授業料を滞納したり、学業の継続が困難となる高校生が大幅に増加することが見込まれる、これらの高校生が学業を継続できるよう、都道府県による授業料減免補助や奨学金事業の今後の増加分について、国が都道府県に対して新たな交付金により緊急支援を行うとして、高等学校授業料減免事業等支援臨時特例交付金ということで四百八十六億円を予算化しました。

 民主党政権になって、連立政権になって、この基金を崩されるんじゃないかなと心配していたんですが、さすがにここはしっかり押さえていただいた。これは感謝申し上げます。

 この臨時特例交付金は、各都道府県の対象生徒数に応じて、各都道府県に設置された高校生修学支援基金に交付されます。各都道府県で、平成二十一年度末のこの基金からの取り崩しの見込み額、これは文科省の方で各都道府県に尋ねてくれたようですが、最終的には年度末にならないとわかりませんけれども、約五十一億円だというふうに数字を教えていただきました。四百八十六億円は三年分の基金ですから、一年で百五十億以上あるのに、五十一億しかまず使われない。

 ところが、今回の平成二十二年度予算案では、私立高校生に対して高等学校等就学支援金として、支給限度額が年額十一万八千八百円。これは低所得の皆さんには増額されています。この授業料の一部を助成することにより教育費負担の軽減を図るというふうに制度設計をされたんですが、実際に現場でどうなっているかといいますと、例えば、私は千葉県ですが、千葉県の予算案を見ますと、これまで三億円を授業料減免補助に充てていたんですが、何と七二%カットされて八千三百万円になってしまった。これは、共産党の宮本議員が本会議でも各都道府県の状況を紹介していました。そういう中でかなりのカット率であります。

 そしてもう一つ、例えば、千葉県の平均授業料というのは二十七万五千円だそうです。これを全額免除されている生徒さんがいらっしゃるわけですね、単独事業で。ところが、こういうふうに三億円を八千三百万まで減らされてしまうと、免除にならなくなる可能性がある、単独事業の方で。就学支援金をもらえるんだからそれで面倒見てよということになると、これまで全額授業料を免除されていた生徒さんは負担増になってしまうこともある。また、免除されていたんだからそのまま免除になる方にとっては、この就学支援金が新しく創設されたからといって何のメリットもない、こういう御家庭が出てくるわけですね。

 本当は一番支援が必要な子供さんたちに支援が行かない。ここをやはり、公私間格差が広がるというふうに各党が代表質問で言ったんだと思うんですね。千葉県のように七二%もカットする都道府県が出てくると、やはり都道府県格差が出てしまう。冒頭、私が御紹介した大臣の答弁は、期待します、期待しますと、地方がやってくれることを期待していて公私間格差は縮減されているんだというのは、これはちょっと違うんだと思うんです。

 鳩山連立政権は、高校生たちを全部国で面倒見ようという発想から高校無償化の法案もでき上がっているんだと思うんですね。そうだとすると、都道府県任せではなくて、国の方が本当に、学費を納入するのが困難な家庭に対して、国がちゃんと最終的に全部面倒見ますよ、そういうメッセージをきちんと出していく必要があると思うんですけれども、文科大臣、どうですか。

    〔海江田委員長代理退席、委員長着席〕

川端国務大臣 富田委員は制度のことは熟知されておりますので説明は省略いたしますけれども、今、千葉の例も出されました。

 今回、一定の基本的な学費と低所得者に対する支援を国がやるということで、都道府県が今まで実情に合わせてやっていただいた分が、事実上国がやることになるということで、負担はその分だけ言えば軽減をされるということですが、地方の財政の主体において、責任においてやられる制度でありますけれども、そのことは可能な限り引き続きやっていただきたいというのは、これは期待としてお願いをしてまいりました。

 実際に、その分で二百九十億という数字をお触れいただきましたが、今我々が調査しているところでは、そのうち二百六十三億ということで、やはり二十数億円は減っております。

 ただ、中身を見ますと、千葉県のように、既に、例えば二百五十万円以下の世帯には全額負担をする、千葉県ですと、二百五十万円未満程度は、授業料を納めなければいけないのと国から今度手当てする分の差額を全額免除する制度、それから年収六百四十万円まではその差額の三分の二を補助するという制度をやって、全国的には相当高いレベルでやっていただいている部分でいうと、現行どおりしようというと、国が負担した分だけ減額されてしまったということであります。

 実質上は、四十五都道府県を今調べておりますけれども、前年に比べて総額的には減額しておりますが、制度的に申し上げますと、二百五十万円程度未満の世帯に対しては、既に全部やっているところ以外は全部上乗せをされるということで、前進していることは事実でございます。

 そして、実際に、国がやるべきだということで、地方の実情に合わせてそれをお手伝いするという分権の趣旨から、二十億円の部分を五十億円地方交付税措置をするということで、応援するという考え方でやっております。

富田委員 川端大臣は本当にお人柄がいいから、今ぽろっと出たんですよ。二百五十万円以下以外の部分は前進しているというふうに言われた。確かにそのとおりだと思うんです。

 ただ、現実は、要するに、今まで県が一生懸命努力して補助事業の資金を用意していたのに、国から来るんだから、つけかえになってしまっている部分が相当出てきているんですね。だから、そこをまずきちんと認識していただかなきゃいけないし、そこをどうするか。交付税でやっているからでは済まない。現実問題として子供たちにこのお金が行かなくなるわけですから、ここの部分をどうにかしなきゃいけないなというふうに思うんですね。

 それで、提案なんですが、実は、平成二十一年六月八日付で、文部科学大臣裁定ということで、高校生修学支援基金事業実施要領というのが出されております。この共通事項の二に、納付方法などにより実質的に授業料と同等とみなすことができる納付金に係る減免補助も算定の対象とするとの規定が設けられました。

 これはどういうことか。授業料と同等とみなすことができる納付金というのは、文科省の方に聞きましたら、施設整備費のことを意味するんだと。施設整備費も、高校生の負担、結構大変なんですね。ここも授業料と同等に各都道府県が補助対象にしてくれれば子供さんたちはすごく助かるんですけれども、なかなか、今まで都道府県の事業でやっていたからここは面倒見切れなかった。授業料だけで何とかやってきた。

 今回、さらに国がこういう就学支援金をつくったんですから、ここは施設整備費も入るんですよということをもっと徹底していただいて、ここにきちんと補助が行くように文科省の方からまずこの徹底を図っていただきたいのと、さらには、この高校生修学支援基金の実施対象を、授業料また施設整備費に限定しないで、生徒等の納付金全体そしてまた入学金も含めるようにすれば、五十一億しか使っていないわけですから、対象事業を広げることによってこの基金もしっかり運用できるようになると思うんですね。

 子供たちが学校にどういうお金を払っているか。学校教育費の中には、授業料だけじゃなくて、修学旅行・遠足・見学費、学級・児童会・生徒会費、PTA会費、その他学校納付金、寄附金、教科書費・教科書費以外の図書費、学用品・実験実習材料費、教科外活動費、通学費、制服、通学用品費、いろいろなものがかかるわけですね。授業料とほとんど同額ぐらい。

 資料の三でつけさせていただきましたけれども、高校生、特に私立校に通う子供さんを持つ親御さんの負担というのは本当に大変です。授業料だけで学校に行けるわけじゃありませんから、ぜひここの実施要領を見直して、授業料以外にも使えるんだ、また、できれば、入学金の負担というのは本当に大変なので、入学金も場合によってはここの対象にするということをぜひ積極的に検討していただきたいと思うんですけれども、大臣、どうでしょうか。

川端国務大臣 お答えいたします。

 授業料以外に、奨学金に関しても対象でございます。それも制度上のいわゆるふえた分ということでございますが、それと同時に、施設整備費等にも使えるということは周知徹底がまだ十分でないという御指摘もあります。これは徹底してまいりたいということと、入学金の問題もかねてからの課題でありまして、我々としてはそうしたいということで前向きに取り組んでおりますので、またぜひとも御支援をお願いしたいと思います。

 ありがとうございます。

富田委員 奨学金の話が出たんですけれども、こういう質問をすると、それは奨学金でやってくださいと、文部科学委員会でもこれまでずっとありました。でも、奨学金は貸与制です。本当に困っている御家庭のお子さんに奨学金を借りてくださいというのは、政治は言っちゃだめだと私は思うんですね。

 給付型の奨学金についても、先日の本会議で各党から質問が出ました。麻生政権ではかなりの額、概算要求を出していたのに、鳩山政権でも概算要求では出たんですね、給付型の奨学金、でも最終的には予算では削られちゃいました。

 それも検討していただくのはいいんですが、やはり奨学金で何とかなるんじゃなくて、今の実施要領を考え方を変えることによって本当に大変な御家庭が救われるわけですから、ぜひ川端大臣のリーダーシップでここはもう一歩踏み込んでいただきたいと思います。

 総理、鳩山内閣はそういう方向で、本当に子供たち、学費納入が困難な世帯を絶対守るんだという御決意をまず述べていただきたいと思うんですよ。

鳩山内閣総理大臣 今、富田委員からお話がありました、特に学費がなかなか払えないという困っておられるお子さんも、すべて、学ぶ意欲のおありの方々が高校に行けるような状況を積極的に応援してまいりたい、そのように思っておりまして、川端文科大臣とよく相談をしてまいりたいと思います。

富田委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。

 次に、昨年、臨時国会で、十一月四日の予算委員会で、未承認薬、適応外薬の開発支援について長妻大臣と総理に質問をさせていただきました。

 二十一年度一次補正で、がん、小児等の疾患重点分野における医薬品等の開発支援分七百五十三億をつけたんですが、そのうちの適応外薬の開発支援分六百五十三億が削られてしまいました。命を大事にと総理は言っているのにおかしいじゃないかという質問をさせてもらいましたら、長妻大臣の方から、適応外薬等を特定する議論というのが実は進んでいないんだ、その意味で、議論がきちんと進んで、薬品が特定できた際にはきちんと予算をつけていくというふうにお約束いただきました。

 総理からも、

  今、未承認薬、適応外薬の話がございました。いろいろと難しい点もあるいはあるのかもしれませんし、治験に時間がかかって、なかなか未承認の薬を承認するのに時間がかかり過ぎる、他の国では使われているのに、なぜ日本では使えないのかと、いろいろな悩みを持っておられる方が多いと思います。そういった方々の思いを一刻も早く、悩みではなくて希望に変わるように、精いっぱい努力することをお約束いたします。

というふうに御答弁いただきました。

 施政方針演説でも、命を守りたいということを総理は何度も言われましたので、私はここにきちんと予算をつけていただけるんだなと期待していたんですが、残念ながら、二次補正予算では入っていませんでした。二十二年度予算案、予算書を見たんですが、私の能力ではちょっと理解できなくて、残念ながら、この適応外薬の開発支援というのは予算書の中で見つけ出せませんでした。

 それで、厚生労働省の保険局医療課の担当者の方にお伺いしましたら、七百億円、薬価に加算して対応しました、ちゃんと予算に入っているんですというお話をいただきました。では、数字の入った資料をいただけないかと言ったら、数字の入った資料はない。七百億加算しましたと言っておきながら、数字の入った資料はないというのは、一体これはどういうことなのか。私にはなかなか理解できなかったんですが、資料の四から六ということで三枚お配りさせていただきましたが、こういうことで予算をつけたんですという御説明をいただきました。

 昨年質問した際に、有識者会議を検討会議にかえてこれからどんどん開発支援していきますというふうなことで、その検討会議における進め方というのが資料四に書かれております。

 昨年パブリックコメントをやっていただきまして、学会、患者さん等からいろいろな要望がありましたが、重なっている部分を整理すると要望が三百七十四件ある、それを医療上の必要性の評価をして基準に該当した場合には、国が企業へ開発要請するんだと。資料四のずっと下へ行きますと、左の方に、要請から六カ月以内に公知申請、要請から十二カ月以内に治験の着手、こういうスキームを考えましたというのが一つ。

 それと、資料五、六で、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」とはということで書いていただきまして、新薬について、薬価を上乗せすることによって、その上乗せした価格で未承認薬や適応外薬の開発の方を企業の方でやっていただきたい、そういうスキームをつくったんですと。資料六で、グラフがありますが、点線部分の上と実線の間、ここの部分を企業の方に薬価加算ということで援助して、この分を開発支援に回してもらうんだという説明でした。

 説明としてはわかるんですが、こういうことで本当に適応外薬の開発が進むんでしょうか。長妻大臣にちょっとお尋ねしたい、まだちょっと質問はあるんですが。

 こういうスキームはスキームとして理解できます。御説明もいただきました。ただ、資料四の中に、公知申請、治験の着手、承認申請、一変申請とあるんですが、資料の一番下に「平成二十三年秋頃中医協に開発状況の報告」というふうに一文が書いてあります。二十三年秋でまだ開発状況の報告時点だと。

 こういうスキームをつくっていただいたのはいいんですけれども、適応外薬の開発を待っていらっしゃる患者さんたちは、一日一日、命が削られていくんですね。そういう方たちに、平成二十三年秋に開発状況の報告を受けますよ、だから鳩山政権としてはちゃんとやっているんですというのは、総理が臨時国会で私の質問に答弁していただいたのとはちょっと違うんじゃないか。本当にこのスキームで大丈夫なのかな、患者さんは心配していると思うんですけれども、長妻大臣、どうでしょうか。

長妻国務大臣 いわゆるドラッグラグということで、未承認薬、適応外薬の必要性というのは、私としても十分理解をしているつもりでございます。

 そして、基金の執行停止のお話ですけれども、あれについては、適応外薬の三十六品目というのは、枠はありましたけれども、具体的に品名がまだまだ検討委員会で議論しなきゃいけないということで、直ちにそのお金は必要ないという趣旨で執行を停止させていただいたんですが、そのかわりに、我々としては、さらにそれを上回る十分な措置をさせていただいたというふうに考えているのは、今御紹介いただきました加算金という、これはもう全く今までにない新しい発想で、ことしの四月から診療報酬改定の中で入れさせていただいたということであります。

 通常のルールとしては、新薬がありまして、それが一定の期間、一定の要件があると価格を下げる、つまり点数を下げるわけですけれども、それを、この適応外薬、未承認薬の開発研究をする医薬品メーカーに限定をして、そして開発をするという前提でその下げをとめていく。

 こういう措置によって、二年間で一千四百億円その医薬品メーカーに利益が結果として残る、こういうことでありまして、これは二年ごとでありますので、今回、四月から措置をすると、前払いと言ったら変ですけれども、本来は得られないような差益が二年間続いてその医薬品メーカーに入ってくるということでございます。ただ、その間はそれを原資にきちっと我々が指示した開発はやってほしい、こういう約束のもと、そういう新しい制度を創設したということで、非常に効果が上がるということを期待しております。

富田委員 今のは制度の説明としてはわかるんですけれども、今の大臣の説明だと、製薬企業は、新薬創出加算を受けたかったら検討会議の言うことを聞いて治験しろ、検討会議から言われたことをきちんとやれというふうに言われることになるんじゃないか、ひもつきなんじゃないか、ペナルティーを加えられているんじゃないかというふうに開発企業の方から見たら思うんじゃないかと思うんですね。

 ちょっと心配なのは、今現在、医薬品医療機器総合機構、承認するかどうかを決める機構ですけれども、ここでは年間約八十件の新医薬品が承認されています。厚労省からいただいた資料ですと、平成二十一年九月末現在で、審査中の新医薬品が百三十八残っている。

 先ほどの資料四でお示ししたように、患者さんたちから要望が三百七十四件上がってきているわけですね。この三百七十四件全部がそのまますぐになるとは思いませんけれども、要請から六カ月以内に公知申請、あるいは十二カ月以内に治験の着手を行わなきゃならないというと、開発を要請された企業が本当に対応できるのかなと。制度としてはよく考えた制度だと思うんですが、実際にそういうふうに動いていくのかという心配が一つ。

 先日、がん患者の団体の責任者の方から御意見を伺いました。その方が、この制度についてこういうふうに言っておりました。

 パブリックコメントで要望が出されている治療薬は、これまで何らかの理由で着手できていないものも少なくありません。そんなものにいきなり半年とか一年と期限を突きつけられ、企業が申請できるでしょうか。新薬創出加算をあきらめるかわりに治験もしないという企業が出てくるかもしれませんし、現在普通に申請を目指して治験している治療薬や海外と一緒に治験している治療薬があおりを食って、日本だけやむを得ずストップするかもしれないという事態が起き、本当に必要な薬が宙に浮くということになりかねません。ドラッグラグを解消するためにドラッグラグが深刻化したら、一番困るのは患者です。これまで、未承認薬使用問題検討会議や抗がん剤併用療法に関する検討会議がその都度開催されてきましたが、これらでドラッグラグの根本的解決に至っていないのは明らかです。ドラッグラグを解消するのは本当に検討会議なのでしょうか。こういうふうに私に訴えられていました。

 企業の方の問題もあるし、患者さんの思いもある。大臣、ここをやはり受けとめていただいて、この加算は、もともと経済成長戦略から出てきたんだと思うんですね。新薬にきちんとお金をつけてもらいたいという企業の要望、そこに未承認薬とか適応外薬の開発を合わせるというのは、本来ちょっと筋が違うんじゃないかな、きちんと臨床の方に基金なりでお金をつけていく、そういう筋道の方が私は正しかったんじゃないかなと思うんですけれども、こういう制度が始まった以上、ここで本当に未承認薬、適応外薬の開発をしていただかないと困ると思いますので、今の企業の方の問題、そして患者さんの思いを大臣はどう受けとめられるか、御答弁いただきたい。

長妻国務大臣 皆様方から御要望をお伺いしますと、今御指摘いただいたように三百七十四件の御要望をいただいて、それを鋭意検討会議で、これはことしの二月に設置をされたものでございますけれども、これでセレクトをしていって、そして、そこで決まったものを各企業にお願いをする。要請から六カ月、要請から十二カ月ということがありますけれども、これについても、具体的にどういうふうに企業が考えるのか、その検証も十分しながら、これを有効に作用するように進めていきたいということ。

 あとは、ドラッグラグのもう一つの理由は、PMDAの審査が長い。これは私も同じ問題意識を有しておりますので、この審査員の人数をかなり増強いたしますし、平成二十二年度についても予算をつけさせていただくということで対応していきたいと考えております。

富田委員 ぜひ患者さんたちの思いを受けとめていただきたいと思いますし、今、PMDAの増員のお話もいただきました。

 学会や患者さんたちが出した薬について、検討会議でどういう検討がされたのかという情報も、大臣、これは答弁は要りませんから、ぜひ検討の結果を患者さんたちがわかるようなシステムを検討していただきたい、これは御要望として申し上げておきます。

 もう残り時間が少しですので、最後に、鳩山内閣が標榜されている政治主導について、ちょっと総理のお考えをお聞きしたいと思います。

 きのうは箇所づけ、仮配分の問題について集中審議を開いていただいて、陳情の一元化等もこの委員会で大変問題になりました。その陳情の一元化、政治主導に関して、きょう私は資料を持ってきたんですが、民主党の所属の議員さん、先日もこの委員会でみんなの党の江田憲司議員が、陳情を一本化しろというふうにある県連の代表の方が知事さんとやったというお話を紹介されていました。

 その県連の代表の方が、雑誌にこんなことを投稿されています。

  陳情窓口を党に一元化する新ルールについては「脱官僚実現には、政府イコール行政、政府イコール与党という原則を徹底して打ち立てる必要がある。地域主権を推進するなかで、新しい時代の国の出先機関は与党の地方組織であるべき。地方の首長が霞が関の官僚に右顧左眄する文化もなくしたい。今年は陳情一元化ルールを徹底的に浸透させることが県連代表としての使命」

だれかとは言いませんが、県連代表と自分で言っているんですから。雑誌にきちんと投稿がされていました。

 これが鳩山内閣が目指す政治主導ですか。総理、どうですか。

鳩山内閣総理大臣 その県連代表がどなたかわかりませんが、私たちはそのような発想を考えてはおりません。

 私どもが政治主導と申し上げているのは、そして政府と与党の一体化ということを申し上げているのは、最終的に政府において政策の意思決定は行う。その間に、当然政党として、これは与党も野党もなく、さまざまな御意見というものは国民の皆さんが持っておられるわけですから、地域の声を地域でぜひしっかりと吸収して、意見を伺っていただきたい。その意見を伺ったものを党にまとめて、それは各党で結構であります、党の意見を政府に意見としてお伺いさせていただいて、最終的に政府としての考え方をつくり上げていく。それを一元化したいということでございまして、今のそのような方の考え方が私どもの政府の考え方ではないということを申し上げておきます。

富田委員 では、今私が紹介した文章は、こういう考え方は鳩山政権としてはとらない、これは間違いだというふうにお聞きしていいですね。うなずいていらっしゃる。

 実は、この方、内閣府政務官です。政府の一員でもあるんですよ。だったら、こういう考え方をしないように、鳩山政権としてもきちんと指導していただきたい。委員会等の質問を見ていますと、この方は本当にまじめで、きちんとした方だなと私もずっと思っていました。それが、内閣に入った途端にこんな考え方をされるようでは、ちょっと国民は、鳩山内閣は大丈夫なのかなと心配してしまうと思います。

 政治家と官僚の関係、政治主導とはどういうことなのか、一つ文章を紹介させていただいて質問を終わりたいんですが、二〇〇九年の一月八日の朝日新聞に、元官房副長官の古川貞二郎さんが投稿されていました。全部は紹介できませんけれども、古川さんはこういうふうに言われています。

  政と官は敵ではなく、パートナー。政は官を使いこなせばいい。官僚は、法の枠組みの中で仕事をするという性格をもつ。改革で現状の枠を超えて、時代に対応するのが政治主導だ。

  細かい知識を官僚と競うのではなく、見識ある人が尊敬される。見識は自分以外の何かに尽くすことで生まれる。その政治家が政策の旗を掲げたら、官僚は賛同し、進言し、改革についていく。

最後に、

  官邸スタッフや政治家チームを増やせば強化されるというのは幻想。「官邸風船論」と私は言っているが、「おれが、おれが」とみんなが言えば風船は破れる。少人数でいいから自らをむなしくして結束し、首相をしっかり補佐する人を育てる必要がある。

この古川さんの言葉を総理に贈りまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

鹿野委員長 これにて富田君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 いわゆる政治と金をめぐって私自身も当委員会で質問に立ってまいりましたが、公共事業という国民の税金が食い物にされた疑惑というのは、晴れるどころか、ますます深まるばかりであります。きょうで質疑終局どころか、さらに徹底審議が必要だと申し上げたい。

 そこで、まず総務省に確認いたします。宮城県選挙管理委員会に届け出を行っている政治団体に宮城一政会というものがありますけれども、所在地はどこですか。

田口政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの政治団体、宮城一政会につきまして宮城県の選挙管理委員会に確認いたしましたところ、当該政治団体は平成二十一年八月五日に解散をいたしております。

笠井委員 所在地を聞いているんですから、時間がないんです、早く答えてくださいよ。所在地を聞いているんですよ。ちゃんと答えてくださいよ、質問に。時間がないんだから。何をやっているんですか。

田口政府参考人 お答えいたします。

 宮城県選挙管理委員会に確認いたしましたところ、当該政治団体は平成二十一年八月五日に解散いたしておりますが、その前の主たる事務所の所在地は仙台市青葉区錦町一の三の二となっていたところでございます。

笠井委員 仙台市青葉区錦町一の三の二といえば、民主党の小沢幹事長の資金管理団体、陸山会が仙台市青葉区に所有するマンションと同じであります。

 宮城一政会、一九九六年に任意団体として設立をされて、二〇〇六年七月七日に政治団体として宮城選管に届け出を行い、大久保被告の逮捕後の、今ありました昨年八月五日に解散するまでの間存在していたということであります。

 手元にこの団体の実態を示す資料がございます。私、持ってまいりまして、平成十二年二月十四日作成と記された宮城一政会の名簿であります。名簿には、仙台市や盛岡市に支店や営業所を置くゼネコン計四十八社と、それから、これら四十八社のゼネコンごとに所属として分類された建設業者延べ七百二十八社の住所や電話番号などが列記をされております。ずっとこういうふうに書いてあるんですね。

 看過できないのは、去る二月十七日の私の質問に対して、前原国土交通大臣が国交省直轄の胆沢ダムをめぐり談合の疑いありと認めた鹿島、大成建設を初め、そのほかにも、清水、熊谷、それから西松建設など、胆沢ダム本体工事を受注したゼネコンのすべてがこの宮城一政会の仙台世話人などとして名前を連ねているということであります。

 鳩山総理は、小沢氏とゼネコンとの関係というのをどのように思っていらっしゃいますでしょうか。

    〔委員長退席、海江田委員長代理着席〕

鳩山内閣総理大臣 今お話を伺いまして、宮城一政会に対して、多くの企業、すなわち、さまざま公共事業を受注している企業から資金提供などがあるいはあったのかな、そのようには思っておりますが、正確には把握しておりません。

笠井委員 まさに重大な事態だと思うんです。

 仙台市内で一九九六年に開かれた宮城一政会の設立総会には、ゼネコン関係者数百人が詰めかけて、小沢氏が出席して、おじぎして頭を下げておる。そういう関係にあることは明らかであります。

 この宮城一政会と胆沢ダム受注企業との関係は、これだけではありません。

 仙台世話人には、東北地方の談合の仕切り役とされ、胆沢ダムを差配したと言われる鹿島東北支店の元幹部、現在、胆沢ダム工事を下請受注した宮本組の顧問でありますが、この方の名前もあります。さらに、名簿には、同じく談合情報で名指しをされた水谷建設のほか、山崎建設など、本体工事を下請受注した業者も、鹿島東北支店の所属ということでこの一覧表の中には分類をされておりまして、名前を並べております。

 しかも、私の前回の質問で、胆沢ダム本体工事を受注したゼネコンなど十七社から、小沢氏側が、表に出ているだけでも約三千万円の献金を受けている事実を明らかにいたしましたが、その受注業者の多くがこの宮城一政会の会員であります。

 鳩山総理、胆沢ダム本体工事を受注したゼネコンらが政治団体をつくって小沢氏側に多額の献金まで行っている、これは重大じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

鳩山内閣総理大臣 それは政治資金規正法にのっとってしっかりとやりとりがされている、そのようには理解しておりますが、一般論として申し上げれば、公共事業を受注している企業からそのような多額の献金をもらうということは必ずしも適当ではない、そのように思っています。

笠井委員 適当でないどころか、鳩山代表も、かつて、野党四党ということで、公共事業受注企業からの献金を禁止するということを我々と共同で提案したということがありました。

 民主党の小沢幹事長の政治資金団体をめぐる事件では、胆沢ダムなど東北地方の公共事業で談合が行われて、小沢事務所がいわゆる天の声を発して本命業者の選定に決定的な影響力を及ぼしていたのではないかと指摘されてまいりました。この宮城一政会というのが実はそのための談合組織ではないかと見られても仕方がない、そういう実態にあるのではないか。

 陸山会が所有するこのマンションについて、陸山会側はこう言っております。小沢氏の東北地方における政治活動の活動拠点の一つである仙台での主たる事務所という意味を有しており、購入以来、事務所兼小沢及びそのスタッフの仙台滞在時の宿泊所として使用されている、こう説明しております。

 一体、何の活動拠点か、何をするためのスタッフか、宮城一政会とはどんな関係かなど、きちんとした説明と解明が求められている問題だと思います。

 ところで、前原国土交通大臣は、私の前回の質問に対して、胆沢ダム本体工事をめぐって、国土交通省の公正入札調査委員会に二件の談合情報が寄せられて、その情報どおりに鹿島や大成建設JV、水谷建設が工事を受注していたことを明らかにして、胆沢ダムの談合事案の再調査を約束されました。私、これは大事なことだと思います。

 前原大臣に伺いますが、具体的にどのような調査を行うつもりでしょうか。

前原国務大臣 笠井委員にお答えをいたします。

 検証作業の進め方は現在検討中でございますが、例えば、当時の関係者からの聞き取りや、入札関係書類の調査を行っていきたいと考えております。

笠井委員 その調査は大体いつまでの予定なのか。調査結果は公表されますか。

前原国務大臣 時間については、いつまでということは決めておりませんが、できるだけ徹底的に調査を行いたいと思っておりますし、そして、明らかになった結果については公表していきたいと考えております。

    〔海江田委員長代理退席、委員長着席〕

笠井委員 大臣は、この問題での記者会見の際に、調べる中で、国交省の対応に問題がなかったかも含めて検討するというふうに言われております。国交省の対応について、具体的にどういう検討をされるんでしょうか。

前原国務大臣 談合情報が寄せられて、それに対する国交省としての対応というものはかなり改善はしてこられているわけでありますけれども、しかし、検証するスキームというものが国土交通省の中に限られておりまして、例えば、独立性の高い第三者機関を通じてやるとか、そういったことがいろいろ考えられるのではないかと思います。

 いずれにしても、談合情報が寄せられた場合に、それをしっかりと検証する仕組みをあわせて検討したいと考えております。

笠井委員 昨年の三月に、当時の春田国交省事務次官はこう言っておりました。胆沢ダム関係では、公正入札調査委員会で実際これはおかしいという通報があったか等を確認したけれども、特に今の時点でそのようなことはなかったとはっきり言っていたわけであります。

 前政権時代のことではありますが、ところが実際には、前回の質疑でも明らかになりました、大臣もおっしゃいましたが、二つの本体工事で談合情報が寄せられて審議を行っていたわけで、私は、当時、国交省が事実を隠していた、こういう疑いもあると思うんです。

 前原大臣、そもそもこの談合への国交省側の関与はなかったのかも含めて、しっかり調査をするということでよろしいんでしょうか。いかがですか。

前原国務大臣 あらゆる角度から調査をしたいと思っております。

笠井委員 先ほど答弁されましたが、前原大臣は、記者会見の中では、この問題を言われたときに、談合事案というのは五年前のことだということもあわせて言われました。二月十九日の記者会見でも触れられていると思うんですが。

 私、前回の質問のときにお示しもして、また共有もした話だと思いますが、二〇〇四年度に鹿島や大成建設JV、水谷が受注した胆沢ダムの本体工事にかかわっての堤体盛り立て第一期工事や原石山の材料採取の第一期工事というのは、二〇〇八年の十二月に、第二期工事というのが全く同じ鹿島や大成建設JVに今度は随意契約で継続発注をされているわけであります。

 当然、これらの契約にも問題がなかったかどうかということは調べるんでしょうか。いかがですか。

前原国務大臣 国土交通省の担当になりまして、私の問題意識の一つは、継続事業についてはほとんどが随意契約ということになっております。ですが、第一期については透明度の高い入札方法がとられつつある、一般競争入札が拡大されつつあるわけでありますが、いわゆる継続事業になるとほとんど随意契約でありまして、私はそこをも見直しの対象にしなくてはならないと考えております。

 いずれにしても、あらゆる角度から調査をしてまいりたい、検討してまいりたいと考えております。

笠井委員 非常に大事な点だと思います。事実関係をしっかり調べると言われた以上、これらの随意契約についても徹底的に調査すべきだと思います。

 胆沢ダム本体工事は、談合情報があって審議対象となった二件だけではありません。二〇〇六年三月に西松建設、佐藤工業、東急建設JVが受注した洪水吐き打設第一期工事というのがあります。この工事の工期というのは、ことし、この三月十日までとなっているわけであります。

 そこで、前原大臣、この問題で、第二期工事というのはどのような方式で発注するのか。他の二件同様、随意契約で同じゼネコンに発注するつもりなのか。これからの現政権で今問われる問題ですから、新政権のもとで従前の不透明な契約を繰り返すような発注をするならそれこそ大問題になると思います。

 このことも含めて抜本的に見直すべきじゃないかと思うんですが、今現在進行している、この三月十日に期限となる問題も含めて、どうでしょうか。

前原国務大臣 今御指摘の工事についての具体的な期日についてはちょっと確認ができておりませんのでお答えはできませんし、また、胆沢ダムだけではありません、全国各地で今公共事業が行われておりまして、それをどの時点を境に、先ほど申し上げました継続工事についての発注のあり方の見直しをするかということは、内部で検討させていきたいと思います。

笠井委員 私、ここに入札公告がありまして、今申し上げたものについて言うと、工期は平成二十二年三月十日までというふうになっている第一期工事ですから、その次がもう来るわけですね。

 胆沢ダムの第一期工事というのは、いずれも総合評価落札方式で入札が行われております。この入札方式については、大臣も例えば、私も拝見しましたが、日経コンストラクションのインタビュー、これは去年の十月だと思いますが、現在も点数は公表されているけれども、なぜその点数がついたのか明確な開示がない、恣意的に点数がつけられているところは見直していきたいと述べられておりまして、こうした方式の不透明さも指摘もされているわけで、この問題はしっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

前原国務大臣 今委員が引用された点についてはそのとおりでございまして、今、省内に指示をしております。

 一般競争入札を拡大していくということと同時に、総合評価方式のあり方、恣意的な点数のつけ方がされないかどうなのかといったところの今見直しをしているところでございます。

笠井委員 鳩山総理、この胆沢ダム一つとってみましても、総事業費というのは二千四百四十億円という相当な多額にわたるものであります。昨日、当委員会でも我が党の穀田委員が質問の中で、全国の子供の医療費無料を国の制度にということで質疑する中で、それにかかる財政問題というのが議論になりましたが、政府の数字でも三千億円ということがありまして、やはり本当にそういう問題でいうと、一つ一つの税金の使い道、あるいは無駄遣いがないのか、そこに談合がないのか、そして税金の還流がないかということはしっかりやっていかないといけない問題だと思います。

 この胆沢ダムの問題をめぐっても、五つの本体工事だけでこれまでに既に七百七十六億八千八百万円もの巨費が投じられてまいりました。この工事で大手ゼネコンが談合で不正な利益を上げたり公共事業を食い物にしていたとすれば、これはまさに重大問題だと思います。

 この予算委員会でも、税金の使い道あるいは集め方の問題、いろいろ問題になってきましたが、こういう問題、本当にしっかりやっていく上でも、政府としても一連の疑惑の全容を徹底して調査すべきではないかと思うんですが、総理の認識を伺っておきたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 胆沢ダムに限らず、いわゆる公共事業において一般競争入札が的確に行われなければなりません。ところが、残念ながら、入札談合というものが過去にあったということであります。

 これからは決してないようにしていかなきゃなりませんが、入札談合によって無駄遣いというものが発生をしてきているわけでありますから、こういったものが一切ないようにしていかなければなりません。そのための方策を徹底的に講じていきたいと思っておりますが、同時に、そのためにも情報といったものの解明が必要だ、そのように認識しております。

笠井委員 総理は胆沢ダムに限らずと言われたんですが、具体的に起こっている問題の解明というのが、あるいは調査してどうだったのかということが大前提になると思うんですね。

 それを一つ一つやるんですが、胆沢ダムについても当然きちっと必要な調査をやるということで、それだけ、よろしいですね。

鳩山内閣総理大臣 はい。前原大臣もそう申しておりますし、そのとおりであります。

笠井委員 我が党が政府に対して繰り返し談合疑惑の徹底解明を要求するのは、胆沢ダムをめぐる問題やこの一連の問題をめぐっても、民主党の小沢幹事長の側が、談合の疑いがあるゼネコンらと密接な関係を持って、不正に得た利益を還流させている疑いがあるからであります。

 政治を変えたいという国民の強い願いのもとで政権がかわって、古い自民党政治と決別するというなら、まさに税金の還流をやめさせて、政官業の癒着の温床をなくすという立場から、小沢氏をめぐる一連の疑惑についても徹底調査と解明がいよいよ必要であります。国会としても、今こそ、我々が要求してきましたが、小沢氏を初め、三人の起訴された秘書、元秘書を当委員会に喚問して、政治的道義的責任をただすべきだと思います。

 さらに徹底審議と喚問の実現を求めて、私の質問を終わります。

鹿野委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、浅尾慶一郎君。

浅尾委員 まず初めに、ちょっと質問通告はしておりませんが、先ほど平野官房長官が記者会見をされまして、いわゆる箇所づけの関係で、本来秘匿するべき情報ではないという話をされました。

 また、きのうのこの委員会の審議で、そうした情報について、前原国土交通大臣の方から、来年の予算の審議には出していきたいという御答弁をいただいております。本来秘匿するべき情報でないものでありますので、きのうは予算委員会の審議で、前原国土交通大臣から、予算の審議のいつのタイミングかという答えをいただいておりますので、来年度以降、予算審議の前に出していただけるということで、ちょっとその点の御答弁をいただければと思います。

前原国務大臣 鳩山政権からの取り組みとして、すべての地域において事業計画を十一月末に出させていただきました。そして、二月一日に個別の事業の事業評価というものを出させていただきました。

 今回、仮配分というものが問題になったわけでございますが、平成二十三年度予算を議論していただくに当たりまして、十一月末の事業計画や、あるいはこの委員会で議論していただく前提として事業評価、ことし出させていただきましたけれども、それプラスこの仮配分、こういったものも前向きに検討し、客観的、公正的に公共事業の予算を本委員会で御議論いただけるような体制を整えていければと思っております。

浅尾委員 ぜひ、特に秘匿すべき情報でないというふうに平野官房長官がおっしゃっておりますので、秘匿するべき情報でなければ、各党各会派にかかわらず同じタイミングで出していただきますようにお願いしたいと思うんですが、鳩山総理、その点の御決意をお願いしたい。

鳩山内閣総理大臣 浅尾委員の申されるとおり、各党各会派、このように、不公平にならないようにしてまいりたいと思います。

浅尾委員 次に、通告にのっとった形で質問させていただきたいと思いますが、私は、今度の予算は、歳出歳入両面を見ると、かなり危機的な状況なのではないかなというふうに思います。再三再四予算委員会でも申し上げておりますが、歳入が三十七兆三千九百六十億円しかない中で総額で九十二兆二千九百九十二億円を使うということは、かなり将来に禍根を残す予算でありますし、特に、その他の税外収入といっても、これは毎年続くわけではありませんから、実質、借金が半分以上になっているというような予算であります。

 ちなみに、過去の税収を調べましたら、一番税収が高いのは、バブルの絶頂期の六十兆一千億円。このときは消費税は三%でありまして、五%ではありません。したがって、だから消費税を下げろということを言うわけではありませんが、一番大切なのは景気をよくするということだろうと思います。

 その景気をよくするための話は後ほどさせていただきたいと思いますが、まずは、そうはいっても、ここまで借金も膨らんでしまって、しかも持続可能なものにしていくということであれば、まさに民主党がマニフェストでも言っております、国家公務員の総人件費を二割下げる。国家公務員の総人件費を二割下げれば、本質的に、これは単価を二割下げれば、基準財政需要に反映されて地方の支出も下がる。地方の支出が下がれば地方交付税も下がるはずでありますので、それをやっていくべきだと私は思っております。

 何回かこの委員会で、例えば、共済年金の職域加算というのは民間にない制度でありますし、なおかつ企業年金部分がまさにそこで二重支給になっている問題とか、あるいは、人事院の総裁をきょうは呼んでおりませんけれども、昇給制度が、上がる方だけ上がっていって、下がる方はなっていないというバランスの問題も指摘をさせていただきました。それは、私の方の提言として指摘をさせていただきました。

 民主党のマニフェストに国家公務員の人件費二割削減というふうに書いてありますが、私の提言は、今申し上げた形でやっていけば、二割のうちの一割はほぼ確実にできる。残りの一割については、皆さん、国会議員も含めて、平均が一千四十七万円という単価は余りに高過ぎるということを考えれば、少し我慢していただくということをしないといけないのではないかという形でやっていくべきだろうというふうに思いますが、それは私の提言であります。

 それに対して鳩山総理は、民主党マニフェストを実現するに当たって、国家公務員の人件費二割を削減すると言っておられますが、職域加算の問題にもまだ手をつけられる予定がない、あるいは、先ほど申し上げました人事院の人事評価、これも、上がる方だけ上がっていくということは総人件費がふえるということになりますので、そこにもまだ明確な御答弁をいただいていないんですが、それはいただかなくても結構なんですけれども、では、具体的にどうやって下げられるのか、その点を伺えればと思います。

鳩山内閣総理大臣 浅尾委員から、いろいろと国家公務員の人件費削減に対する御提言をいただいたこと、感謝を申し上げたいと思います。

 私どもは、大きくは三点に分けて、四年間において、マニフェストどおり人件費二割削減を図っていきたいと思っています。

 一つは、地方分権によります地方移管というものによってそれを実現させていくということでございまして、これに対しては強い意欲を持って臨んでいきたいと思います。

 共済年金の話などもありましたが、各種の手当とかあるいは退職金などの水準や、定員を削減させていく、見直しをするということもその一つであろうかと思います。

 それから、人事院の話がございましたが、私どもは、より抜本的に、労働基本権というものを付与していきながら、労使の交渉によって最終的には給料を適正なレベルにしていくということがやはり大変重要であろうかと思います。それに時間をかけてはならないと思っておりまして、できるだけ急いでそのことも進めてまいりたいと考えています。

浅尾委員 労働基本権付与、私も大賛成です。

 ですから、端的に、いつまでに労働基本権を付与するか、総理の決意を伺いたいと思います。

鳩山内閣総理大臣 いつまでにというのは、これは労働基本権の話でありますから、当然私どもとすれば、この二割削減を実現するためにはそれなりに前倒しにこれを実現させていかなければならないということでございますが、これは、先般仙谷大臣が答弁を申し上げたとすれば、来年の通常国会において法案をつくり上げてまいりたい、そのように思っています。

浅尾委員 警察とか消防、自衛隊とか、特殊な業務を除けば、労働基本権が付与されたとして、例えば市役所の窓口でストがあるということはなかなか考えられないと思いますので、これは早急に付与していくべきだと思いますし、ILOの条約でもそれは求められているところでありますので、ぜひそのことを実現し、そして、先ほど申し上げましたように、一般的な産業別で一番高くなっている公務員人件費に手を入れていくべきだということを申し上げてまいりたいと思います。

 それからもう一点、この予算の中で私があれっと思いましたのは、先ほど、バブルのときは景気がよかったということを申し上げました。景気をよくする三要素というのは、労働力、そしてお金、そして最後は技術、この三つでありますが、労働力も減っていく。資本は、これから高齢社会の中で恐らくだんだんと個人の家計、金融資産というのは減っていくだろう。そうだとすると、技術力に力を入れるしかない。

 しかしながら、今回の予算を見ますと、文教及び科学振興費の中で、科学振興費は対前年比三・三%減ってしまっているんですね。基礎科学は、民間に基礎科学の研究をしてくれと言っても、鳩山総理も理系の御出身でありますからよく御存じだと思いますが、長い目でしか結果が出ないような話は、民間にやってくれと言ってもこれはできるはずがないと思います。そうすると、ここを減らすのは、なかなかこれは長いスパンで見ると経済成長に対してプラスにならないんじゃないか、そういうふうに思いますけれども、なぜこの科学振興費を減らされたのか、この点についてお答えいただければと思います。

枝野国務大臣 最終的な予算編成は財務省において行われました。特に、昨年の事業仕分けにおいて科学技術予算について注目をされまして、事業仕分け等の視点で科学技術関係予算が削られたのではないかという印象を世の中に与えているかというふうに思っていますし、また、その延長線上で、最終的な予算編成にも一定の影響を与えている部分はあるかというふうに思います。

 私ども行政刷新会議は、科学技術費にかかわらず、すべての予算項目について、その本来の目的に直接つながっていない予算がある、こういうところについては聖域なくしっかりとメスを入れて、そして、その目的に直接つながる部分の予算に集中的に財源を回していく、こういう観点の中で、科学技術費についての予算編成も、その事業仕分け等の延長線上でなされているものと考えております。

浅尾委員 時間が参りましたので質問を終了させていただきたいと思いますが、私の趣旨は、科学技術振興費を減らされた、本当は文科大臣か何かに答えていただいて、それじゃ日本の科学技術振興にならないとか、あるいは、先ほども申し上げましたように、これから食べていくのは科学技術しかないわけですから、そこはぜひ考えていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

鹿野委員長 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。

 この際、平野内閣官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。平野内閣官房長官。

平野国務大臣 私の方から、仮配分情報の取り扱いに係る処分についてということでございます。

 きのうの予算委員会で、今までの精査経過をここで御報告申し上げ、夕方、総理にその趣旨を御報告申し上げました。その後、総理の方で、けさ閣議後に取り扱いについて処分をされたことについて御報告を申し上げます。

 去る一月二十八日に、国土交通省から民主党に対し、いわゆる仮配分の検討状況に関する説明が行われたが、その後、当該仮配分の情報が地方公共団体に提供されている事態となり、結果として地方公共団体等に無用な混乱や誤解を招くおそれを生じさせたことは遺憾である。

 こうした事態が生じたのは、国土交通省が民主党に仮配分の検討状況を説明した際に、当該説明資料の取り扱いに関する相互の意思疎通が十分に行われなかったことによるものと認める。

 今後、こうした無用な混乱や誤解を招くおそれを生じさせることのないように、総理の方から前原大臣に注意をいたしたところでございます。

 以上でございます。

鹿野委員長 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして平成二十二年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。

    ―――――――――――――

鹿野委員長 ただいままでに、自由民主党・改革クラブ町村信孝君外二名から、並びに日本共産党笠井亮君から、それぞれ、平成二十二年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。

 この際、両動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。まず、谷畑孝君。

    ―――――――――――――

 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

谷畑委員 谷畑孝でございます。

 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨の弁明をいたします。

 冒頭、一言申し上げます。

 鳩山総理、小沢幹事長という政府・民主党のナンバーワン、ナンバーツーに政治と金の重大な問題があります。さらに、民主党の小林千代美議員が北教組から違法献金を受けたとの事実が浮上、まさに、鳩山内閣は、金まみれ、疑惑まみれ、労組まみれの様相を呈し、予算案を提出する資格が全くないことを指摘いたします。

 また、予算案の審議前には、いわゆる箇所づけ漏えい問題が発覚しました。これは、明らかな国会軽視であり、我が国の議会制民主主義を根底から揺るがすものとして、我々はこの問題を看過することはできないということを強く申し上げるものであります。

 本予算案につきまして問題点を申し上げます。

 本予算案の総額は九十二・三兆円、しかし、税収が三十七・四兆円、新規国債発行が四十四・三兆円、国債新規発行が税収を上回る重大な歳入欠陥であります。

 さらに、予算案と同時に中期財政見通しを示すべきですが、政府は五月に示すとのことであり、これもまた大きな問題であります。

 鳩山政権は、マニフェスト項目についてなりふり構わず予算化を行っています。これらの政策の経済効果は、GDPの押し上げがわずか〇・三%との試算もあり、経済対策として全く期待できません。

 一方、その財源について、政府は、昨年行った三兆円程度の無駄を捻出する予定であった事業仕分けで、結果として九千億円程度しか出せず、結局のところ埋蔵金頼みという課題先送りも目につきます。今後、政府は財源をどう捻出するのか。無駄の削減一辺倒の主張は、全くもって無責任であります。

 他にも、暫定税率は、仕組みは一たん廃止するが、新たな財政措置に置きかえるとして、明確なマニフェスト違反であります。また、子ども手当の財源確保のための住民税の扶養控除廃止など、手段を選ばないマニフェスト財源確保は、到底受け入れることはできません。

 我々は、予算の組み替えについて、以下の点を提案いたします。

 まず、新規国債発行額を三兆円減額、さらに、政府において責任ある財政の見通しを示すため、財政責任法の制定を提案、一方、マニフェスト予算の見直し等により一兆三千億円の安心成長重点枠を創設、より政策効果の高い雇用防衛、需要革新、成長投資の分野に絞った投資を行います。

 子ども手当は撤回し、真に少子化対策につながる施策とし、幼児教育の無償化、保育所、保育士の増加、放課後児童クラブの充実、給食費の無償化を実施すべきであると提案します。高校授業料無償化も撤回し、就学援助制度の創設、新たな給付型奨学金の創設、低所得者に対する授業料無料化など、政策効果と財源においても合理的な政策を提案します。さらに、緊急性の高い学校耐震化も直ちに実施すべきであります。

 社会保障のあり方は、財源の道筋をつけ、世代間の不公平解消に結びつけます。雇用は、大企業組合員のための雇用対策には反対、個人の自助努力を支援する仕組み、例えば医療、介護、福祉などの新たな分野を積極的に開拓します。

 農家の戸別所得補償は撤回、意欲のある農家が報われる担い手への農地集積や、中山間地域直接支払い、基盤整備関連予算の十分な確保を提案いたします。

 公共事業が地域経済の大きなウエートを占めており、それに相応した予算とします。特に、八ツ場ダムを中止にする一方で、胆沢ダムの建設の推進など、中止、推進の基準が不明確なことも大きな問題です。高速道路無料化についても、世論調査でも反対が多く、政策効果を疑わざるを得ません。

 さらに、政府・民主党がどのような社会を目指すのか、全く見えてきません。我々は、自助、公助、共助の社会を目指し、国民一人一人の潜在力を高め、国力につなげるという基本的な考えを持っています。

 我々の編成替え動議に議員各位の御賛同をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

鹿野委員長 次に、笠井亮君。

    ―――――――――――――

 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算及び平成二十二年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

笠井委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一〇年度予算三案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要について御説明申し上げます。

 まず、撤回、編成替えを求める理由についてであります。

 今、国民の暮らしは底なしの悪化を続けています。失業率は五・一%、企業倒産は三年連続で増加し、昨年の消費者物価はマイナス一・三%と過去最大の下落を記録しています。雇用者報酬も二〇一〇年度の政府見通しではマイナス〇・七%とされ、家計の所得が改善する見通しは立っていません。

 日本経済は、リーマン・ショック以前の十年間に、GDPの伸び率がわずか〇・四%、雇用者報酬はマイナス五・二%と、G7の中で最も成長力のない脆弱な経済になっていました。そこに世界的な経済危機が襲いかかったことで、景気、経済の打撃は極めて深刻になっています。自公政権が構造改革、成長戦略の名で進めてきた、強い企業をもっと強くすれば、経済が成長し、暮らしもよくなるという路線は完全に破綻しており、この抜本的な転換こそが経済危機打開の道であります。

 鳩山首相は施政方針演説で命を守る予算にと言われましたが、そのためには、大企業の巨額の内部留保と利益を社会に還元させて、雇用、中小企業を守ること、自公政権が続けてきた社会保障削減路線による傷跡を是正するために社会保障の拡充を図ること、軍事費と大企業、大資産家減税という二つの聖域にメスを入れて財源を確保し、庶民増税の不安を解消すること、この三つの転換が必要です。

 予算案には、国民の要求と運動を反映した部分的前進も見られますが、全体としては、旧来の政治の転換に踏み出すものとはなっていません。

 政治を変えたいという国民の願いにこたえるために、予算案は直ちに撤回して、抜本的に組み替えることを求めるものであります。

 次に、組み替えの概要について述べます。

 第一は、自公政権の社会保障費削減路線がつくった傷跡を速やかに是正することです。

 第二は、経済危機から暮らしを守るため、雇用と営業の安定、地域経済の活性化を図ることです。

 第三は、軍事費と大企業、大資産家減税という二つの聖域にメスを入れ、財源を確保することです。

 以上、編成替えの概要を御説明いたしました。詳細は、お手元に配付した動議を御参照願います。

 委員各位の御賛同をお願いして、趣旨の説明といたします。

鹿野委員長 これにて両動議の趣旨弁明は終了いたしました。

    ―――――――――――――

鹿野委員長 これより討論に入ります。

 平成二十二年度予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議二件を一括して討論に付します。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。糸川正晃君。

糸川委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度総予算に賛成、また、自由民主党・改革クラブ提出の編成替えを求める動議及び日本共産党提出の編成替えを求める動議に反対の立場から討論を行います。

 二月五日以来、本委員会は連日にわたって熱心な質疑を行い、本日ここに一定の結論を出す日を迎えることができました。この間、委員会運営も山あり谷ありでございましたが、最終的には、各党各会派が大局的視点に立ち、予算の年度内成立に向け御協力をいただいたことに感謝申し上げます。

 以下、本予算案に賛成する理由を申し述べます。

 鳩山内閣として最初の本予算である平成二十二年度予算は、国民の生活が第一、コンクリートから人への理念のもと、国民生活に安心と活力をもたらす施策を充実させた命を守るための予算であります。

 本予算案の編成に当たっては、まず、予算の無駄の排除に取り組んでいます。概算要求段階では、既存予算を約一・三兆円削減し、その後、行政刷新会議の事業仕分けや予算の横断的見直しにより、約一兆円の削減を行っています。また、公益法人や独立行政法人の基金にも切り込み、基金の国庫返納などで約一兆円の歳入を確保しています。この結果、マニフェストの主要事項の財源は、安易な国債発行に頼ることなく確保しています。

 そして、その財源を子ども手当、高校の実質無償化、農業の戸別所得補償、高速道路無料化の一部実施、雇用対策、年金記録問題への対応、医師不足解消などの段階的実施に充てたものであります。

 税収が大幅に落ち込む中、四十四兆円の国債発行を行うなど、非常に厳しい環境下での予算編成ではありましたが、家計への支援により個人消費を拡大するとともに、新たな分野で産業と雇用を生み出し、日本経済を自律的な回復軌道に乗せ、内需を中心とした安定的な経済成長を実現するという鳩山内閣の取り組みは、必ずや実を結ぶものと確信しております。

 なお、自由民主党・改革クラブ提出の編成替えを求める動議及び日本共産党提出の編成替えを求める動議につきましては、基本的な考え方を異にするものであり、賛成できないことを申し上げます。

 委員各位におかれましては、国民の生活が第一との立場に立ち、本予算案にぜひとも賛成していただくことをお願い申し上げ、賛成討論とさせていただきます。(拍手)

鹿野委員長 次に、田村憲久君。

田村(憲)委員 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、平成二十二年度予算に対し反対、我が党提出の組み替え動議に賛成の立場から討論を行います。

 まるで平成の脱税王たる鳩山総理と不動産管理会社陸山会の代表たる小沢幹事長にかかわる政治と金の問題や国交省の箇所づけ情報漏えい疑惑は、本委員会での審議を通じてもその真相解明にはほど遠い状態です。

 昨日は、民主党小林千代美議員の選挙に関連し事務所幹部と北教組幹部が逮捕され、民主党と組合とのなれ合い体質が改めて露呈したところであります。

 これらの疑惑が解明されないまま、本日予算が採決されることは極めて遺憾であります。今後も、我が党は国会審議の中で徹底追及してまいります。

 さて、平成二十二年度予算は、国債発行額が税収を上回っており、これは終戦直後の昭和二十一年以来の異常な事態であります。そもそも、三年程度先の中期経済財政見通しと財政再建目標ということ自体、その名に値しませんが、それすら不在で予算審議、税法審議を求めるのは、返済計画なしに借金するのと同じであります。

 また、本予算案は、マニフェスト違反、公約違反の予算案でもあります。

 子ども手当は全額国庫負担と公約しながら、地方と事業主への七千五百億円もの負担のツケ回し。地方公聴会でも異論続出の子ども手当のばらまきはやめるべきであります。揮発油税等の暫定税率廃止との公約もほごにしました。高速道路無料化は、交通量の少ない三十七路線だけ。年金保険料の流用禁止と公約しながら、これもうそ。加入者全員に年金通帳をとの公約もほごにしています。国家公務員の総人件費の二割削減公約についても、国家公務員が天下りせず六十五歳まで働くのでは、総人件費は逆に増大することになります。

 このように、将来の世代に借金をツケ回す鳩山政権が編成したばらまき予算、マニフェスト違反予算には、到底賛成することはできません。

 一方、我が党の組み替え動議は、国債発行額の減額、将来の財政破綻を防ぐ中期目標の明確化、政治のリーダーシップによる予算配分を行うなど、確かなビジョンのもと、あすの日本をつくるにふさわしい予算であり、賛成するものであります。

 以上、政府提出予算及び共産党提出編成替え動議に反対、我が党提出編成替え動議に賛成することを申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)

鹿野委員長 次に、大口善徳君。

大口委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度一般会計予算など三案に対して、反対の立場から討論を行います。

 以下、主な理由を述べさせていただきます。

 第一には、経済立て直しに向けた視点を欠く予算案であるという点でございます。

 鳩山内閣は、平成二十一年度第一次補正予算を執行停止し、一度は景気にブレーキをかけたかと思えば、その後慌てて二次補正予算を編成するなど、経済政策の方針が定まっていません。

 特に、明確な成長戦略もなく、具体案の策定は今後六月に向けて作業するという、その経済認識と経済政策に関する感度の鈍さは極めて深刻であります。

 本予算案は、雇用不安、今後の経済の先行きへの不安を払拭することはできず、まさに成長戦略なき先行き不安予算であると言わざるを得ません。

 第二には、財政規律を放棄し、税収を上回る四十四・三兆円もの国債大増発となるなど、財政健全化に向けた道筋のない、将来への不安を増幅する予算であるという点でございます。

 マニフェスト施策に必要な財源は予算の組み替えで十分確保できるとしていたにもかかわらず、それもできませんでした。また、一時的な財源である特別会計の積立金、剰余金などの税外収入が約十兆円となっておりますが、いわゆる埋蔵金頼みはもはや限界に達し、マニフェスト施策が本格化する平成二十三年度以降の安定財源はほとんどめどが立っておらず、まさに一時しのぎの予算案であります。将来の国債の大増発、大増税の不安を増幅させるものと言わざるを得ません。

 第三には、命を守る予算とは裏腹に、マニフェストとの関係で財源不足で、他の国民生活にとって重要な予算が削減されるなど、不十分な点であります。

 例えば、高校無償化の財源を確保するために、学校の耐震化など、まさに子供の命を守るための予算は大幅に削減されました。

 また、社会保障や福祉に関しても、厳しい財政状況ではありますが、特に低所得の方々の医療費負担の軽減のための高額療養費の見直し、さらにはがん対策の拡充、介護の施設など基盤整備の拡充、子育て支援の環境整備などを図るべきであると考えております。

 以上、反対する主な理由を申し述べました。

 最後に一点申し上げます。

 政治は信なくば立ちません。政治と金をめぐる問題については、我が党を初め、国会における再三の指摘にもかかわらず、鳩山総理、小沢民主党幹事長が説明責任を全く果たしておりません。また、昨日は、北教組から民主党小林千代美衆議院議員側に千六百万円の違法な政治資金が提供されたとの疑いで、北教組の委員長代理ら四人が政治資金規正法(企業・団体献金の禁止)違反容疑で逮捕されるなど、民主党において、政治に対する国民の信頼を著しく傷つける事態が続発しています。

 さらには、予算案が審議中であるにもかかわらず、民主党は公共事業予算の箇所づけ情報を県連を通じて一部自治体に漏らしていたなどということは言語道断であり、その利益誘導体質は極めて厳しいものがあり、批判すべきものであると思います。

 なお、自由民主党・改革クラブから提出された組み替え動議について、鳩山内閣の財政運営、財政政策に対する意見、考え方に関しては認識を共有する部分があるものの、総合的に勘案し、反対いたします。

 また、日本共産党から提出された組み替え動議については、見解を異にするものであり、反対いたします。

 以上でございます。(拍手)

鹿野委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 私は、日本共産党を代表し、二〇一〇年度総予算三案に反対、自由民主党・改革クラブ提出の編成替えを求めるの動議に反対、我が党提出の編成替えを求めるの動議に賛成の立場から討論を行います。

 まず指摘しなければならないのは、本日の採決日程について、先週末、民主党が自民、公明両党との国対委員長間で一方的に取り決め、当委員会に押しつけたことです。これは、委員会の民主的運営を踏みにじり、徹底審議に逆行するものであって、断じて容認できません。

 この国会は、鳩山総理、小沢民主党幹事長という政権と与党のトップにかかわる政治と金の問題が大問題となり、その真相の徹底解明と、その政治的道義的責任を明らかにすることが重要課題となってきました。ところが、野党が要求してきた小沢幹事長を初め関係者の証人喚問はいまだ行われておりません。

 予算をめぐっては、国民の暮らし、日本経済の立て直しなど審議すべき課題はまだまだ残されており、審議が尽くされたとは到底言えません。

 次に、本予算案に反対する理由を述べます。

 貧困と格差を広げてきた自公政権の構造改革、成長戦略が完全に破綻したことは、今や明瞭です。来年度予算は、こうした路線と決別し、抜本的な転換が求められています。ところが、本予算案は、旧来の政治の転換に踏み出すものではありません。

 第一に、自公政権が続けてきた社会保障削減路線による傷跡を是正するものとはなっていないことです。

 後期高齢者医療制度は、その廃止を先送りした上に、保険料値上げなどによる制度の被害をさらに拡大しようとしています。目玉とされる子ども手当も、保育所の待機児童解消や、義務教育の完全無償化、医療費の無料化など、子育ての土台を整備することと相まってこそ効果があります。国民の要求と運動を反映した部分的前進も見られますが、全体として社会保障拡充へと転換したとは言えません。

 第二は、大企業の巨額の内部留保と利益を社会に還元させて、雇用、中小企業を守る予算とはなっていないことです。

 労働者派遣法の改正をめぐっては、政府が労働政策審議会に諮問した法案要綱は、財界の抵抗に屈して大きく後退しています。中小企業に対しては、大企業と中小零細企業との公正な取引のルールの確立、工場の家賃や機械のリース代への緊急の直接支援が必要です。

 第三は、財源の問題です。無駄を削って財源確保と言いながら、庶民には増税を押しつけ、軍事費や大企業、大資産家への優遇税制は温存、継続したままです。

 これでは、政治を変えたいとの国民の要求にこたえることはできず、本予算案には反対であります。

 なお、自民党の組み替え動議は、旧来の自民党政治への反省もなく、消費税増税まで盛り込んでおり、到底認められません。

 以上で討論を終わります。

鹿野委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党の阿部知子です。

 私は、社会民主党・市民連合を代表し、二〇一〇年度の政府提出予算案に賛成、自民、共産各位が提出の組み替え動議に反対の立場から討論を行います。

 三党連立政権が初めて編成した二〇一〇年度予算は、小泉構造改革の負の遺産に対し、雇用や医療、福祉、地方の再生を図るには今しかないとの問題意識で、政治主導のもと、三党政策合意の実現を最大限目指したものです。生活再建を実現する、命を守る予算として、また、この間進行してきた社会的セーフティーネット破壊路線からの転換に第一歩を踏み出すものとなっています。

 以下、賛成の理由を申し上げます。

 予算案は、公共事業関係費を一八・三%マイナスとする一方、社会保障関係費を九・八%増の二十七兆二千六百八十六億円とするなど、税収減の中、大胆な財政配分の変化を断行いたしました。無駄を最大限省き、セーフティーネットの張り直しを明確にしています。

 その社会保障分野ですが、生活保護母子加算の継続、父子家庭への児童扶養手当の支給、介護労働者の待遇改善、障害者自立支援法廃止までの負担軽減、診療報酬の十年ぶりのプラス改定、肝炎医療対策の強化による自己負担引き下げ、協会けんぽの国庫負担増額など、懸案事項に踏み込んだ配分を行っています。

 また、子ども手当の支給、高校の無償化の実施、待機児童解消策など、未来の担い手である子供関連予算を充実させています。

 雇用の面でも一歩踏み出しました。雇用保険の加入要件である雇用見込み期間の六カ月以上から三十一日以上への短縮や、失業後一年間の医療保険負担の軽減などは、これまでセーフティーネットの網の目からこぼれ落ちていた人たちを救済する点で大きな意味を持っていると思います。

 他方、地方交付税額の一・一兆円増など、地域活性化、地方財政の充実強化を行っています。また、中小企業や農林水産業対策に力を入れています。中小企業の資金調達の円滑化や経営支援、研究開発支援を充実するとともに、米の戸別所得補償モデル事業や水田利活用自給力向上事業も強化しています。

 その他、新エネルギー、再生可能エネルギーの普及促進など地球温暖化対策も強化するなど、未来への投資にも目配りをいたしました。

 また、海洋国家日本として、遠方海域、海賊対処、重大事案への対応体制を強化するため、海上保安庁の「しきしま」級巡視船の整備にも着手することとなっていますが、この点も評価できると思います。

 防衛関係費では、自衛隊員の人権を守るためにオンブズマン制度の調査費がつきました。防衛力の基本はそれを支える人ですから、今後、大きく育てていかねばならないと思います。

 急激な税収減と国債増発など歳入面だけでなく、三党連立合意にある後期高齢者医療制度の廃止は四年をかけてとなり、年金、医療、介護への制度不安は未解決等、問題点は少なからずありますが、しかし、まずは生活重視型予算に大きくかじを切ったことへの評価を行うべきではないでしょうか。

 最後に、自民党から提出されている組み替え動議は、医療や雇用を初めとするセーフティーネットの崩壊の根本原因に対処せず、格差の是正のみを図ろうとしており、認められません。

 また、共産党からの組み替え提案は、傾聴に値する点はありますが、実現可能性において賛成することができません。

 国民の生活を支援するとともに、景気が二番底に陥ることを防ぐためにも、二〇一〇年度予算の早期成立を強く求め、私の賛成討論を終わります。(拍手)

鹿野委員長 次に、浅尾慶一郎君。

浅尾委員 私は、みんなの党を代表して、本予算案に反対の立場から討論いたします。

 反対の理由を以下に申し上げます。

 第一に、恒久的な財源確保の見込みがない中で子ども手当の創設をするなどばらまき政策を実施し、三十七兆四千億の税収に対し、九十二兆三千億円の歳出という極めて無責任な予算案となっているからです。

 子ども手当は、一度導入されたら政治的には廃止することが物すごく難しい制度です。だからこそ、恒久財源を確保した上で実施すべきです。

 本来、民主党のマニフェストは、国家公務員人件費の二割削減を含め、合計十六兆円強の歳出削減の計画があったはずです。しかしながら、今次予算の中で削減された金額よりも増額された金額の方がはるかに多いのです。

 民間企業の企業年金と比較すると二重支給になっている公務員共済年金の職域加算部分を廃止するだけで一兆八千億の削減が可能である等、人件費削減の提案をいたしましたが、聞く耳を持っていただけませんでした。

 あるいは、昇給の際の人事評価についても、極めて良好、特に良好、良好、やや良好でない、良好でないという五段階の尺度を設け、上位二尺度については全体の二五%の職員を割り振りながら、中下位の三尺度については具体的な割り振りを行わないといった、公務員人件費高騰の原因にも具体的な対応を示していません。

 この際、国会議員歳費も含め公務員総人件費削減により恒久的な財源の捻出を図るべきなのに、それをやらずに人気取りのためのばらまき政策を行おうとしていることは、極めて無責任だと指摘せざるを得ません。

 経済成長のためのシナリオも全く見えない予算案であります。経済の供給サイドを規定する三つの要因である労働力、資金力、技術力のうち、労働力と資金力に伸びが期待できない中、科学技術振興費を前年度比三・三%も減らしていることは、技術力の衰退に直結する話であり、成長戦略が全く欠如しています。

 経済の需要サイドについても、子ども手当が貯蓄に回れば家計への需要刺激効果は剥落しますし、企業の設備投資を促す有効策も見えません。また、輸出振興等の外需の取り込みも不十分です。

 厳しい国家財政事情のもと、人気取りのためのばらまきではなく、政治が今責任を持って具体的な恒久的な財源を捻出して、経済成長に寄与する予算を作成すべきと考え、私の反対討論にいたします。(拍手)

鹿野委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鹿野委員長 これより採決に入ります。

 まず、町村信孝君外二名提出の平成二十二年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鹿野委員長 起立少数。よって、町村信孝君外二名提出の動議は否決されました。

 次に、笠井亮君提出の平成二十二年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鹿野委員長 起立少数。よって、笠井亮君提出の動議は否決されました。

 次に、平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。

 三案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鹿野委員長 起立多数。よって、平成二十二年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました平成二十二年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

鹿野委員長 この際、一言申し上げます。

 去る二月四日の審査開始以来、委員各位におかれましては、終始真剣な議論を重ねていただきまして、心より敬意を表します。おかげさまで、本日ここに無事審査を終了するに至りました。

 これもひとえに各党の理事並びに委員各位の御理解と御協力のたまものと存じます。ここに深く感謝の意を表する次第であります。ありがとうございました。(拍手)

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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