衆議院

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第4号 平成22年9月30日(木曜日)

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九月十七日

 鹿野道彦君が委員長を辞任した。

平成二十二年九月三十日(木曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長代理理事 松原  仁君

   理事 岡島 一正君 理事 城井  崇君

   理事 武正 公一君 理事 中川 正春君

   理事 塩崎 恭久君 理事 武部  勤君

   理事 富田 茂之君

      糸川 正晃君    打越あかし君

      小野塚勝俊君    緒方林太郎君

      大山 昌宏君    岡本 充功君

      奥野総一郎君    加藤  学君

      梶原 康弘君    川島智太郎君

      菊池長右ェ門君    沓掛 哲男君

      黒田  雄君    古賀 一成君

      菅川  洋君    高橋 昭一君

      津島 恭一君    豊田潤多郎君

      中林美恵子君    長島 昭久君

      長島 一由君    野田 国義君

      原口 一博君    平山 泰朗君

      三日月大造君    三谷 光男君

      森本 和義君    山田 良司君

      吉田 公一君    渡部 恒三君

      小里 泰弘君    小野寺五典君

      金子 一義君    金田 勝年君

      小泉進次郎君    佐田玄一郎君

      齋藤  健君    菅原 一秀君

      野田  毅君    馳   浩君

      山本 幸三君    笠井  亮君

      照屋 寛徳君    浅尾慶一郎君

      山内 康一君    下地 幹郎君

      田中 康夫君

    …………………………………

   内閣総理大臣       菅  直人君

   総務大臣

   国務大臣

   (地域主権推進担当)   片山 善博君

   法務大臣         柳田  稔君

   外務大臣         前原 誠司君

   財務大臣         野田 佳彦君

   文部科学大臣       高木 義明君

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   経済産業大臣       大畠 章宏君

   国土交通大臣

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 馬淵 澄夫君

   環境大臣

   国務大臣

   (防災担当)       松本  龍君

   防衛大臣         北澤 俊美君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     仙谷 由人君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (消費者及び食品安全担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   岡崎トミ子君

   国務大臣

   (金融担当)       自見庄三郎君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)        

   (科学技術政策担当)   海江田万里君

   国務大臣

   (「新しい公共」担当)  玄葉光一郎君

   国務大臣

   (行政刷新担当)     蓮   舫君

   内閣官房副長官      古川 元久君

   内閣官房副長官      福山 哲郎君

   外務副大臣        伴野  豊君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   農林水産副大臣      篠原  孝君

   法務大臣政務官      黒岩 宇洋君

   外務大臣政務官      菊田真紀子君

   財務大臣政務官      尾立 源幸君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   環境大臣政務官      樋高  剛君

   防衛大臣政務官      松本 大輔君

   防衛大臣政務官      広田  一君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    西川 克行君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    鈴木 久泰君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

九月九日

 辞任         補欠選任

  阿部 知子君     中島 隆利君

同日

 辞任         補欠選任

  中島 隆利君     阿部 知子君

同月十七日

 辞任         補欠選任

  鹿野 道彦君     原口 一博君

同月二十二日

 辞任         補欠選任

  菅  義偉君     逢沢 一郎君

同月二十八日

 辞任         補欠選任

  伴野  豊君     中川 正春君

  樋高  剛君     武正 公一君

  逢沢 一郎君     小泉進次郎君

  加藤 紘一君     塩崎 恭久君

  小池百合子君     菅原 一秀君

  下村 博文君     齋藤  健君

  田村 憲久君     佐田玄一郎君

  谷川 弥一君     金田 勝年君

  町村 信孝君     武部  勤君

同月二十九日

 辞任         補欠選任

  阿部 知子君     服部 良一君

同日

 辞任         補欠選任

  服部 良一君     阿部 知子君

同月三十日

 辞任         補欠選任

  糸川 正晃君     高橋 昭一君

  岡本 充功君     大山 昌宏君

  小泉 俊明君     加藤  学君

  古賀 一成君     野田 国義君

  鈴木 克昌君     長島 昭久君

  畑  浩治君     菊池長右ェ門君

  松木けんこう君    三日月大造君

  三谷 光男君     菅川  洋君

  森本 和義君     中井  洽君

  若泉 征三君     平山 泰朗君

  小里 泰弘君     小野寺五典君

  谷畑  孝君     馳   浩君

  阿部 知子君     照屋 寛徳君

  山内 康一君     浅尾慶一郎君

  下地 幹郎君     田中 康夫君

同日

 辞任         補欠選任

  大山 昌宏君     岡本 充功君

  加藤  学君     小泉 俊明君

  菊池長右ェ門君    畑  浩治君

  菅川  洋君     三谷 光男君

  高橋 昭一君     糸川 正晃君

  長島 昭久君     鈴木 克昌君

  野田 国義君     古賀 一成君

  平山 泰朗君     若泉 征三君

  三日月大造君     松木けんこう君

  小野寺五典君     小里 泰弘君

  照屋 寛徳君     阿部 知子君

  浅尾慶一郎君     山内 康一君

  田中 康夫君     下地 幹郎君

同日

 理事伴野豊君、樋高剛君、加藤紘一君及び町村信孝君同月二十八日委員辞任につき、その補欠として中川正春君、武正公一君、塩崎恭久君及び武部勤君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

八月六日

 一、予算の実施状況に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件(尖閣諸島を巡る問題等について)


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     ――――◇―――――

松原委員長代理 これより会議を開きます。

 委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原委員長代理 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      武正 公一君    中川 正春君

      塩崎 恭久君 及び 武部  勤君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

松原委員長代理 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 本日は、尖閣諸島を巡る問題等についての集中審議を行います。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長西川克行君、海上保安庁長官鈴木久泰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松原委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松原委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長島昭久君。

長島(昭)委員 おはようございます。民主党の長島昭久です。

 本日は、沖縄県尖閣諸島をめぐる事案について、与党を代表して質問をさせていただきたいというふうに思います。

 総理、今回の事案で問われていることは一体何だと思われますか。今回のこの沖縄県尖閣諸島をめぐる事案で問われている問題、これは野党の皆さんにもひとしくお考えをいただきたいと思います。与党も野党もない。

 私は、今回この問題で問われているのは、国家の意思だと思うんですね。日本国の国家の意思が問われている、そのように思うんです。したがって、検察に対する政治の介入があったかどうか、こういう問題が本質的な問題では実はない、私はそう思う。国家の意思を体現しているのは政府なんですね。国家の意思を体現しているのは政府。介入すべきときはきちっと介入する、私はそれが求められていると思いますよ。

 なぜなら、外交問題というのは、法執行機関である検察の手に負えるような問題ではない、私はそう思うんですね。外交には国民の生命財産がかかっている、私はそう思います。検察ができることは、せいぜい国内法秩序を守ること。政府は、国民の生命と財産、主権と領土、これをしっかり守ることが政府の責任だと私は思います。それを、これまでの政府の説明を伺っていると、検察の判断を追認するかのような、そういう御説明がなされている。私は、この説明で納得していただける国民の皆さんは恐らく一人もおられないと思っているんです。

 もう一度申し上げます。

 この問題で問われているのは、日本国としての国家の意思だと思います。この国家の意思のまさに最前線で頑張っていただいているのは、日本の海を命がけで守っていただいている海上保安庁の皆さんだというふうに思います。

 海上保安庁の長官にきょうお見えいただいておりますので、まず冒頭にお伺いしたいと思います。

 今回のような極めてあいまいな決着を図られたわけでありますが、同じような事例が今後これから何度も起こるかもしれない。そういう中にあって、まさに国家の意思の最前線で頑張っておられる、命がけで日本の海を守っておられる海上保安庁の皆さんに、その法執行においてちゅうちょするようなことがあったらいけないと思うんですが、その点について海上保安庁の長官から御答弁いただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 今回の事案につきましては、尖閣諸島の我が国の領海内で発生した事案でございまして、海上保安庁としても、国内法にのっとり適正に対応してきたものと考えております。今このときも、私どもの海上保安庁の船が尖閣諸島の周辺海域においてしっかりと取り締まり、警備に当たっております。

 今後とも、海上保安庁としては厳正かつ的確に警備、取り締まりをやっていきたいと思っておりますが、私どもの仕事は皆様に直接ごらんいただきにくい仕事であります。日夜、大勢の保安官がはるかかなたの海上においてしっかりと業務に当たっておるということにつきまして、ぜひとも御理解をいただきたいと思います。

長島(昭)委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。全国民が支援をしてまいりたい、こう思っておられるというふうに思います。

 それにしても、総理、この間の中国のまさに理不尽な態度は目に余るものがあったと私は思うんです。他国の国内法秩序に対して、あたかも介入するがごときの発言をされている。中国外務省の報道官は、日本の司法手続はすべて違法、無効というふうに言い放ちましたね。しかも、経済分野、あるいは人の往来までも報復措置の対象にしてきた。そして、今は民間人の方四名が極めて不透明な理由で拘束をされている。

 総理大臣に伺います。

 この間、総理もずっと説明してこられました日中関係、戦略的互恵関係に基づいてやると。総理、戦略的互恵関係というのは一体何なんですか。こういう中国の態度が戦略的なんですか。本当に互恵なんでしょうか。ぜひお答えをいただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 まず、今回の尖閣諸島におけるこの事案について、国民の皆さんにいろいろと御心配をかけ、あるいはいろいろと皆さんからも御意見をいただいたことについて、お礼も含めて、ある意味で御心配をかけたことについてはおわびを申し上げたいと思います。

 今、長島委員の方から、日中関係の戦略的互恵ということについてのお話がありました。もちろん、大きく言えば、日中関係というのは二千年、三千年に及ぶ関係でありますし、一衣帯水の関係で、これは未来においても、日本と中国のいわゆる大陸と島国日本との位置関係というのは基本的には変わらないわけでありますから、この両国がそういう長期の展望も持って、お互いにプラスに、経済的にも安全保障の面でも、いろいろな面でプラスになる関係を維持発展させていく、これが戦略的互恵関係を発展させる、私はそういう意味だと理解をいたしております。

 今回の事案については、そういった観点から見ると、少なくとも我が国の固有の領土であります尖閣諸島に対して、その中における違法操業などに対する我が国の国内法に基づく粛々たる一つの手続に対して、中国の反応というものは、そういうものに対する、ある意味ではそれを認めない姿勢があったということは大変問題であった。

 そういう意味で、私は、このことに対して尖閣諸島が我が国の固有の領土であるということを明確に申し上げ、そして、それに対してはきちっとした姿勢でこれからも臨んでいかなければならない、このように考えております。

長島(昭)委員 ありがとうございました。

 今総理がおっしゃったように、主権や領土を犠牲にして互恵関係が成り立つわけではないということです。国家の意思の話をしましたけれども、中国はぎらぎらするほどの強烈な国家の意思をこの間示してきたわけです。こういう国が隣人にあって、こういう国と互恵関係を築いていかなきゃならない、だからこそ、私たちの国家の意思もきちっと表明をしていかなければ戦略的な互恵関係は築けない、私はこのように思うんですね。

 しかし、冷静に考えれば、この間に中国側が失ったものもかなり大きなものがあったというふうに思います。私の東南アジアの友人や韓国の友人は完全にどん引き状態でございます。欧米のメディアも、本当に中国という国は一体どういう国だというふうに思い始めている。そういう中で、総理が今度ブリュッセルで行われるASEMにいろいろ日程が厳しい中でみずから行く、こういう決断をされたことは私は高く評価をさせていただいているんです。

 さて、そこで総理、今中国に対して南シナ海で本当にいろいろな横暴なことをやられていて私たちとまさに同じ課題を共有しているASEANの皆さんに対して、ASEMの場で総理はどのようなアピールをされようとお考えか、御答弁をいただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 ASEMについては、よく御承知のとおり、アジアの主要国とヨーロッパの主要国の間での首脳会議が二年に一度行われることになっておりまして、今回は、国会の日程なども勘案いたしましたけれども、野党の皆さんの理解も得られたこともありまして、私自身出席をすることにいたしました。

 今お話がありましたように、この場は、ある意味でASEAN諸国とEU諸国の最も幅広い、そして最も高度の、いわば対話といいましょうか意見交換の場でありまして、そういった意味では、もちろんEUの経済情勢とかアジアの新興諸国の問題とか、いろいろな課題はあります。しかし、同時にいろいろなバイの会談もありますので、そういう席なども含めて、今回の事案についても必要な場面においてはしっかりと我が国の立場を説明してまいりたい、このように考えております。

長島(昭)委員 主要な国家としてアメリカを除くヨーロッパとASEANの国々が集まるASEMの会議ですから、これは非常に、私ども日本の立場、正当性をはっきり主張する大事な場だと思っています。

 そこで、これはどなたに伺えばいいかわかりませんが、例の検察が持っている事故のビデオテープ、これは極めて有効な説得力のある証拠の一つだと私は思うんですね。この点もぜひお考えいただきたい。ただ、これを出すことが、今の、これからの日中関係を考えて、どういうタイミングでこのカードを切るかということは当然のことながら政権が責任を持ってお考えいただきたいというふうに思いますけれども、この点もぜひ御留意をいただいてASEMに臨んでいただきたい、このように思います。

 もう時間がないんですが、最後に、今、ASEAN、ヨーロッパの話を総理からしていただきました。肝心なアメリカとの同盟関係、これは非常に重要。私は、今回の事件で、これからは日米中、正三角形論なんということはなかなか言いにくい、こういう時代になったなとつくづく思うんですが、今回、前原外務大臣、クリントン国務長官から、恐らく今まで長官レベルでは御発言がなかったと思いますけれども、沖縄県尖閣諸島に対する日米安保条約第五条の適用、こういうことを明言する言質をとられた、このように報道されておりますが、その点について違いございませんね。

前原国務大臣 お答えいたします。

 クリントン長官との話の中で、尖閣諸島については日本の施政下であり、日本の施政下においては日米安保条約第五条が適用されるということは明確に話がございました。

 それと同時に、大事なことは、日本の安全保障のみならず、日米同盟関係というのは、アジア太平洋の安定のための公共財として、先ほど委員がASEAN諸国の反応も披瀝をされたわけでありますけれども、そういうものも含めて、この地域の安定のための公共財として極めて重要であるということを、お互い共通認識を確認いたしました。

長島(昭)委員 総理、ぜひASEMで日本の国家の意思を堂々と主張してきていただきたい。

 それから、防衛大臣も、今度ASEANの国防相会議に臨まれると思いますが、ぜひその場でも日本の国家の意思を明確に示していただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

松原委員長代理 これにて長島君の質疑は終了いたしました。

 次に、田中康夫君。

田中(康)委員 与党統一会派、国民新党・新党日本の田中康夫です。

 今回の屈辱的迷走、それを生んだPL法で規定するそもそもの製造物責任者、現在は外務大臣を務める前原誠司さんに、全国津々浦々の国民が、のみならず多くの民主党国会議員も疑問を抱く点をお尋ねします。

 産経新聞は、今月二十五日、政治部記者の署名記事でいち早く見抜きました。那覇地検は二十四日、尖閣衝突事件で逮捕した中国人船長を処分保留で釈放すると突如発表、このような中国への屈服は一地検が下せる決定ではない、外遊中の菅直人首相と前原誠司外相、留守居役の仙谷由人官房長官らの政治判断による指揮権発動に決まっている。指揮権発動、何とも見逃せない物騒な言葉です。

 西岡武夫参議院議長も二十七日、読売新聞のインタビューで、政府首脳に何の連絡もなく那覇地検が釈放するはずがない、那覇地検に責任を負わせるという形はこそくだと述べています。

 事実、地元の琉球新報も、勾留期限まで五日間も残る中、供述拒否に転じた被疑者を釈放する異例の措置をとった那覇地検の次席検事は、会見で資料をめくりながら言葉を選ぶように説明したと、いわゆる政治介入をほのめかしています。

 その沖縄では、中国ツアーのチャーター便が相次いで中止になり、県内観光業にも甚大な影響が及んでいます。前原さんは、国土交通省外局の観光庁を所管する大臣でもありました。

 今回の屈辱的迷走のそもそもの発端は、九月八日午前二時三分に船長を海上保安庁が逮捕したことから始まっています。当時、海上保安庁を所管する国土交通大臣だったあなたは、船長を逮捕した第一報をいつどこで報告を受けましたか。また、領海侵犯や違法操業、入国管理法違反という王道でなく、公務執行妨害といういわば禁じ手の覇道で逮捕に至った初動の判断ミスはだれが下したのでしょうか。

 私の持ち時間はわずか五分でございます。客観的事実のみ、簡潔にお答えください。

前原国務大臣 尖閣周辺というのは漁場でございまして、中国の漁船のみならず、台湾の漁船も日常茶飯事で操業しております。

 私も国会議員になってから三度、海上保安庁の飛行機で上空を飛んで、そしてどのような状況かというものを見てまいりましたけれども、要は、日常茶飯事、領海内に入ってきて、それを海上保安庁が追い出すということをやって、立入検査も何度も行われている。ことしに入ってから十回以上行われているというふうに思いますけれども、今回の事案は、言ってみれば、海保の船に体当たりをして、ともすれば海保の船が沈没をしかねないような悪質な事案であったということから、公務執行妨害ということで逮捕されたということでございます。

田中(康)委員 少し不思議ですね。逮捕すべしとゴーサインを出したのはあなたではないのですか。

 二十八日付朝日新聞は、「前原氏「おれが逮捕決めた」」と大見出しを打って、朝刊第一面から特集を組みました。官邸がひよっていた、逮捕を決めたのはおれだ、この対応は間違っていないと周囲に自信をのぞかせたと書いています。すなわち、この報道によれば、屈辱的迷走の製造物責任者はあなたになってしまいます。

 しかも、船長釈放に動いたのは仙谷官房長官と前原外相だったと二十五日付紙面で報じた読売新聞によれば、あなたは釈放する半日前の段階で、既に、間もなく解決するからとヒラリー・クリントン国務長官に伝えたと同行記者団にニューヨークで自信たっぷりに語っていらっしゃいます。

 ところが、釈放後の二十八日、東京の外務大臣会見で、あなたは一転、ビデオを見る限りにおいては悪質な事例、事案であるとの意見を海上保安庁に申し出た、国交大臣だった私に逮捕権はない、逮捕権があるのは海上保安庁と居直っていらっしゃいます。国内法に基づき粛々と対処すべきと筋論を展開してきたあなたは、いついかなる理由でこのように変更されたのでしょうか。

 あなたは外務大臣として、今回の問題解決に向け主体的に取り組まれたわけですよね。外務大臣として、知りませんでは許されません。まさかこの問題から外されたわけでもない。それにつけても、なぜ半日前に釈放という確信を持っていらっしゃったのか、極めて不可解であります。

 いいですか、私たちは、検察主導ではなく、政治主導であってこそ、国民の信頼を、日本の国益をかち取れると私は考えております。そのためにも、リーダーは、なかんずく政治家には、的確な認識、迅速な決断、明確な責任、哲学と覚悟が必要であろうと思います。大言壮語して、責任は現場に押しつける、これでは政権交代に期待した国民が泣くと私は思います。

 この点を申し上げ、わずか五分でありますが、与党統一会派、国民新党・新党日本の私の質疑を終わらせていただきます。

松原委員長代理 答弁は求めますか。

田中(康)委員 結構です。

松原委員長代理 これにて田中君の質疑は終了いたしました。

 次に、小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。

 それでは、まず初めに、尖閣諸島の問題について触れたいと思っております。

 ここに地図をお示しさせていただきました。この地図を見ていただくとおわかりだと思うんですが、この青いところ、これが日本の領土ということになります。そして、下の方、かぎ括弧で囲っておりますが、ここには尖閣とそれから魚釣島という地名がございます。

 実は、台湾に近いこの場所が今大きな問題になっているんですが、この地図は一九六〇年、中国の地図です。中国が、実はこの時点では、日本の領土ということで、明確にこの尖閣諸島そして魚釣島を地図として表記をしております。ですから、この時点までは日本の領土ということ。この方向が急に変わったのは一九七〇年代でありました。

 そして、今回のこの失態といいますか、私ども、この一連の流れというのは戦後最大の外交敗北だ、そう思っています。このテレビを見ていらっしゃる多くの国民も、この中国に対しての対応について、政府に大変な怒りを持っていらっしゃるのじゃないかと思います。

 実はきのう、仙谷官房長官、当初の段階で中国側の対応を間違ったとお認めになりました。確かに、この初動の判断というのは大変難しいと思います。

 実は、仙谷官房長官だけじゃないんです。この時期、菅総理も大変お忙しかった。例えば、これは新聞でずっと拾ってみたんですが、この問題が発生した七日、この日には総理は何をやっていたかというと、公務の合間に携帯電話から当選一回の議員らに直接支持を訴え、国会議員票の取り込みに必死。あなたは選挙運動をやっていたんですよ。しかも、逮捕を決めた八日、この日は何があったかというと、これは決起集会。そして、官邸で公務の合間に各国会議員の陳情を受ける、ラストスパート。夜には、当選一回の議員を集めて会合二カ所の、これははしご。

 また、これは一生懸命、議員会館を歩いていたそうですね。ある民主党の議員は、菅さんの突然の訪問を受けて、あれ、今は公務の時間じゃないんですかと聞いたと。菅さんは作り笑いで、お騒がせしますとやり過ごしたと。

 ほとんど、実はこの時期、官房長官だけじゃない、総理ももう頭は自分の代表選挙のことで、尖閣のセの字もなかったのじゃないか、私はそのように思っております。

 それでは、まず総理にお伺いいたします。

 総理は、今回のビデオをごらんになったと思いますが、今回の事案というのは明確に中国漁船が我が国巡視船に体当たりを行ったものであり、今回の漁船の確保と船長の逮捕、これは適切な判断だと思われますか。端的にお答えください。

菅内閣総理大臣 ビデオは見ておりません。

小野寺委員 私は海保から官邸にビデオを持って説明をしたと伺いましたが、では、官房長官、見ておりますか。

仙谷国務大臣 先ほど小野寺委員から、私が初動の段階で判断を間違ったとお認めになったというお話がございましたが、そんな事実は一切ありません。どこで小野寺委員が情報収集をし確認をされているのかわかりませんが、そういう事実はないことをまず申し添えます。

 そして、ビデオを見たかどうかでございますが、私は、九月七日二十一時過ぎに、官邸の私の部屋で現状こういうことだという報告を受ける際にビデオを拝見いたしております。

小野寺委員 まず官房長官にお伺いしたいのは、これはきょうの新聞にみんな出ております。ですから、そういう間違った発言をしないでください。

 それから総理に、ちょっと私はびっくりしました。皆さん聞きましたか。これだけの重要な事案で総理はこのビデオを見ていない。ビデオを見ていないで今回のこの案件については了承したと伺っております。こういう国民が大変今注目している内容について、ここまで関心が薄い総理というのは、私はちょっといいかげんにしてほしい、そういう印象があります。

 では、今回のこの釈放の事案について、総理は正しい判断だとお考えですか。

菅内閣総理大臣 ビデオは当時は海上保安庁が持って、そして関係者に説明をされているわけでありまして、私は、そうしたことの報告を必要に応じて官房長官等からいただいておりますので、どこまでの資料をどのように、直接見るか見ないか、それも一つの判断だと思っております。

 その上で、今お話がありましたことで申し上げれば、基本的には、最終的な判断について捜査当局、検察がいろいろなことを含めて判断をされた、その判断は私は適切なものであった、このように認識をいたしております。

松原委員長代理 仙谷由人君。

小野寺委員 いや、仙谷さんには聞いていません。戻ってください。

松原委員長代理 仙谷由人君。(発言する者あり)委員長の指示でやらせてください。

小野寺委員 いやいや、委員長、それはおかしい。私は聞いていない。ちょっと戻ってください、仙谷さん。だめ、戻って。聞いていない。仙谷さん、戻ってください。ちょっととめてください。委員長、とめてください。聞いていませんよ、私。聞いていませんよ。委員長、とめてください。だめです。だめです。とめてください。(発言する者あり)

松原委員長代理 座ってください。質問者は座ってください。

 仙谷由人君。

仙谷国務大臣 私から補足を若干いたしますと、九月七日の段階は、九月八日の二時三分に逮捕状を執行いたしております。通常の刑事事件でいえば、いわば、これは警察が事案を検討して、逮捕状交付請求をするかどうかのこういう時間であります。その段階で、捜査の状況報告や捜査資料が内閣総理大臣のところまで上がるなんということは考えようがないというのが刑事捜査の基本であります。

小野寺委員 そうやって、幾ら今から怖いことを追及されるからといって、時間稼ぎで時間をとるのはやめてください。

 私どもは、この国というのは法と証拠に基づいて罪刑法定主義で粛々といろいろなことが行われると思っておりました。

 実は、今回と同じような違反操業の事例が十年前にありました。パネルを見ていただければわかると思うんですが、十年前、長崎沖の日本領海で韓国のトロール漁船が事件を起こしました。この際には、相手の船の船長が、巡視船に乾電池を投げつけたり棒を振るったりということで、公務執行妨害等に問われました。罪状は公務執行妨害等により懲役二年六カ月、執行猶予つきです。そして、罰金百五十万。

 今回の事案は、同じく我が国領海内、尖閣沖です。そして、中国の漁船。そして、我が国の巡視船に中国の漁船が故意に衝突を行った、公務執行妨害。今回の結果は、処分保留の上、釈放。

 このことについて、菅総理、どうお考えですか。

菅内閣総理大臣 今の御質問の趣旨は、私にそれが適切かどうかということを判断しろということですか。

 私は、先ほども申し上げましたように、検察がいろいろな法律に基づいてその権限の中で判断されたことは適切であった、このように思っております。

小野寺委員 それでは、法務大臣にお伺いします。

 この違いということに関して、法務大臣はどうお考えですか。今回のことについては、正しい処分だとお考えでしょうか。法務大臣にお伺いします。

柳田国務大臣 法と証拠に基づいて処分保留という決定を下したものと思っております。

小野寺委員 恐らく、この事案を見て、多くの国民の皆さん、そしてここにいる同僚の議員は感じたと思うんです。この違いは何かというと、これは、十年前の事案については国際問題にならなかった、今回の問題は国際問題になっている、このことを検察が判断した、そう私どもは考えますが、総理はこういう考えではないんでしょうか。総理にお伺いします。国交大臣に特に権限はないと思うので、総理にお伺いします。

馬淵国務大臣 お答えさせていただきます。

 十年前の事例についてということでございますが、十年前、これは長崎県五島東方海域であった外国船取り締まり、公務執行妨害事例でございまして、違法操業中の韓国漁船を認めて巡視船によって追跡中、乾電池を投げつけ、さらに当該漁船に乗り移った海上保安官に対し激しく抵抗、負傷させたということで、極めて悪質ということでの公務執行妨害ということでの逮捕に至ったということであります。したがいまして、今回の事例とは異にするということでございます。

 以上でございます。

小野寺委員 これは矛盾があると思います。これだけ極めて悪質だという事案について、先ほど総理も含めて官房長官もお話をされている中で、なぜ今回だけがこういう違いが出てくるのか。懲役の判決が出ているところと、今回は処分保留です。違いは、どの方が見ても、これは外交案件を考慮したとしか思えない。

 それでは、法務大臣にお伺いします。

 今回の中国漁船の公務執行妨害事件の釈放に至る過程で、外交的な考慮をされましたか。

柳田国務大臣 私がしたということはございません。那覇地検の方から、法務省を通じまして外務省の方に参考人として意見を聞きたいということで聞いたということは承知いたしております。

小野寺委員 これは、法務省が出した今回の釈放事案についてのコメント資料です。一番最後に、「処分保留の上、釈放」というところの事由に「今後の日中関係」ということが明確に書かれています。ですから、法務省自身は、今後の日中関係を考慮して今回の釈放を行ったということ、これは法務省の資料ということになります。法務大臣、どうお考えですか。

柳田国務大臣 先ほども申し上げましたように、地検の方から法務省に対して、外務省の意見も聞きたい、そういうお話がございましたので、外務省に連絡を申し上げて、参考人として意見を述べていただきたい、そういうことを申し上げた次第であります。

小野寺委員 私は、逃げていると思うんですよね。

 恐らく多くのテレビの皆さんも、那覇地検の次席検事の記者会見を見ております。あの中で、次席検事は理由に、この釈放に関する問題に関して、日中の外交関係のことをわざわざつけ加えております。私はあのテレビを見て、これは検察から国民に対するメッセージが込められていると思います。

 今、この釈放に関するすべての責任は、ここにいる方々が全部この那覇地検と検察に負わせているんですよ。私は、この判断に政治の関与があったんだと、恐らく私だけではない、多くの国民が強い疑いを持っています。

 私だけじゃないんです。民主党議員の中にもそういう方がいます。西岡参議院議長、検察に日中関係を判断する権限はない、仙谷官房長官が指示を出したとしか考えられない。これは西岡さんが言っているので、済みません、答弁は、西岡さんに質問をしてください。ほかにもいます。ここにもたくさんいるし、きょう委員長席にいらっしゃる松原先生も同じようなお考えをお持ちだ。そうテレビで私どもは見ておりますし、記者会見もしております。

 ここでちょっとお伺いいたします。総理、天地神明にかけて、今回のことについて内閣の政治介入はなかったと言えますか。イエスかノーかでお答えください。

松原委員長代理 まず、仙谷官房長官。(発言する者あり)静粛にしてください。

 官房長官、答弁お願いします。

仙谷国務大臣 先ほど小野寺委員が示された紙を拝見いたしました。

 そこで、「処分保留の上、釈放」と書かれている上に、白抜きの丸印で、一、二、三、四、五と五つ理由が書かれております。「我が国国民への影響や今後の日中関係」と書いてある条項はあるわけでありますが、「「みずき」の損傷は直ちに航行に支障が生じる程度のものではない」、これが一つ。「「みずき」乗組員が負傷するなどの被害の発生はない」、これが二つ目。「計画性等は認められない」というのが三つ目。「被疑者には我が国における前科等なし」、四つ目。五つ目に「我が国国民への影響や今後の日中関係」。こう記載がされていることは委員も御承知のとおりでございます。

 そこで……(小野寺委員「委員長、ちょっとひどいですよ、これ。完全に時間稼ぎとしか思えない。何が怖いんですか、仙谷さん。今から私が言うことが怖いんでしょう。だからこうやって時間延ばしをしているんでしょう。座ってください」と呼ぶ)

松原委員長代理 ちょっと質問者、座ってください。

仙谷国務大臣 怖いとか怖くないとか、そんな話がどこから出てくるんですか。

 検察官は、事案を処理するについては、当然のことながら、刑事訴訟法第二百四十八条、この趣旨を体して処理するものだと私は一般的に考えておりまして、その際には、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときには、この二百四十八条、起訴便宜主義によって処分をするということでございますので、今回のこの処分方針を決定するに当たりましては、先ほど申し上げました五つの理由を、五つの事由を総合的に勘案して、したがいまして、日中両国の外交その他の関係に与える影響というのは、あくまでも本件を処理するについての諸事情の一つである、一つとして考慮したにすぎないというふうに私は理解をいたしております。

小野寺委員 私は、今この場に立って、政治家というのは嫌だなと初めて思います。こんなに自分がひきょうなことをしておいて、国会で追及をされるのが嫌だから、こんな関係ないことをずるずるお話しされている。

 菅総理にお伺いをします。今回のことについて、内閣を初め政治介入はなかったと天地神明に誓って言えるかどうか、イエスかノーかで菅総理にお答えいただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げておりますように、検察当局が、事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づき粛々と判断をされたと。その国内法には、今官房長官が説明された、私は余りその法律は詳しくありませんが、そういう刑事訴訟法にかかわる問題もあって、その中でいろいろな関係する意見を聞かれた上で検察としての判断をされた、私は、それは適正であった、このように申し上げております。

小野寺委員 私が聞きたいのは、何度も総理は、この問題は国内法に基づいて粛々とというお話をされました。ですから、政治介入はなかったんですねということを聞きたい。なかったんですね。イエスかノーかでお答えください。

 総理に聞いています。これは、見てください、国民の皆さん。総理は、この政治介入があったかなかったか、ずっと記者会見で今まで、国内法に基づいて粛々とという話をしていました。ですから、政治判断、政治決断、政治介入はなかったということをずっと言ってきて、私はそれをあえてここでもう一度確認したいということで、総理にお伺いをいたします。

 今回のこの釈放に至る過程で、政治介入はなかったと言い切れますか。総理、お答えください。

菅内閣総理大臣 これは、国民の皆さんもこの議論を聞いておられますから。

 いろいろな意味で、政治的に判断すべきだったということを強く言われる方と、そうではないということを強く言われる方があるわけです。その中で……(発言する者あり)聞いてください。その中で、今申し上げましたように、検察の手続そのものの中に、いろいろな状況を勘案することも法律的に認められているわけです。そのことを官房長官が説明されているのであって、そのこと自体は、広く言えば、まさに外交的なことも外務省から担当者をお呼びになって聞かれたわけですから、当然、そういうことの意見もあるいは勘案されたかもしれません。

 そういった意味で、何か介入云々と言われますが、少なくとも検察の判断については、検察がまさに自主的な判断でされたもの、このように理解しています。

小野寺委員 この問題になぜこだわるかというと、政治が検察に介入をする、もしこの介入をしたことを政治家が明らかにしなければ、例えば私たち政治家にまつわる政治と金の問題、これだって、知らないところで検察に政治が圧力や介入をすることができることになるじゃないですか。ですから、私は、今回のこの問題は大変重要だと。もし政治の介入があるのであれば介入があったと言ってほしいし、ないのであればないと言ってほしい。

 改めてお伺いします。今回のこの件に関して、菅総理、政治の介入は、釈放に至ることに関しては、菅総理にお伺いします、総理にお伺いします。総理、介入はあったんですか、なかったんですか。お答えください。

菅内閣総理大臣 先ほど来、私は国民の皆さんにできるだけわかりやすく説明していると思いますけれども、政治という言葉は大変広い言葉です。ですから、外務省なり外務省の担当者を検察が呼ばれてそういう状況について聞かれたのも、そういう意味では、それは政治という言葉に入るかもしれません。

 しかし、そのことを含めて、検察がそういう意見もわざわざお呼びになって聞かれた上で判断をされたわけですから、それについて、検察の独自の判断である、それは適切だった、私はこう申し上げているので、全く、何か逃げているわけでも何でもありません。

小野寺委員 いや、どこから見ても逃げているとしか思えませんよ。だって、イエスかノーか答えられないんでしょう。

 この件に関して、菅直人総理大臣は、政治的な意思を、介入を、あるいは内閣官房長官でも恐らく同じことだと思います、政治的な意思、内容を今回介入をされましたか。それをもう一度総理大臣にお伺いしたいと思います。(発言する者あり)

松原委員長代理 御静粛にお願いします。

仙谷国務大臣 お言葉を返すようでありますが、政治の捜査に対する介入という意味で、例えば内閣総理大臣や官房長官やあるいは法務大臣が事件処理についてこうすべきだとかすべきでないということを指示したかどうかという意味でお使いになっているとすれば、それは一切ありません。

 つまり、政治の介入というのをどういう意味でお使いになっているのか、私は委員の趣旨が全く不明であります。つまり、政治の介入というのは、報道等でもよくあらわれてまいっておりますけれども、大変広い概念で、何でもかんでも政治の介入と。これは、多分そういう使い方もあるんでしょう。しかし、今回の事件処理については、先ほど来、法務大臣、私、内閣総理大臣が申し上げているとおりであって、私どもは、政治の介入があったということは一切ないということを断言しておきます。

小野寺委員 済みません、最後の一言だけでいいんです。政治の介入は一切なかったと今断言をされました。当然、これは大きな重い責任があります。

 そして、なぜこれだけ仙谷さんが時間をかけて引き延ばしをしているか。実は、このパネルにあるんです。ちょっとこのパネルを見てください。これは釈放に至る過程です。

 九月二十二日、ここからの日付になっています。釈放したのは九月二十四日。午前十時、ここで、最高検察庁で検察首脳会議が行われました。わずか一時間の会議でこの船長の釈放は決まりました。わずか一時間の会議で、検察首脳会議で決めました。

 検察首脳会議というのは、めったに開かれるものではありません。ですから、これを開くということは、重要な案件を決める、今回の事案であれば、この処分を決める、釈放を決める、その重要な会議です。

 二十四日の十時のわずか一時間で決めた。もう大体方針は決まっていた。じゃ、いつこの方針が決まったのか。この検察会議を開くことを決めたのは、二日前、九月二十二日午前中、この日に二十四日の十時からの会議の開催を決めました。ということは、もう二十二日の段階で政府は方針が決まっていた。

 私は、この前に質問されました田中康夫議員のお話を聞いて、なるほど、前原外務大臣もそのときこの状況がわかっていたから事前にあのような発言をしたんだなと、それをわきで聞いていて改めて確認をさせていただきました。

 そして、この二十二日に何が行われたかというと、まず、検察首脳会議を開く、これを決めた。恐らくもう方針は決まったんでしょう。そして、那覇地検から法務省に、外務省の担当者を派遣してくれという要請がありました。

 私も外務省で副大臣をしていましたので、こういう派遣要請はあります。これは事務レベルで普通やるものです。今の外交案件はどうですか、こういう内容はどうですかと、事務レベルで普通はやりとりをする話です。

 ところが、なぜかこの案件に関しては、法務省から外務省へ職員の派遣を要請して、そして昼ごろ、何と外務次官から瀧野官房副長官へ連絡し、そして、これはきのう内閣官房に確認していますが、瀧野副長官から仙谷官房長官にお伺いを立て、了承し、仙谷官房長官の指示により、外務省の職員が、翌二十三日、午後だと聞いています、那覇地検に行って日中関係をわざわざ説明しました。

 お伺いします。この外務省職員はどういう方なのか、外務大臣、お答えください。

前原国務大臣 先ほど田中康夫委員の質問をひもといて、今、小野寺委員、御質問されましたけれども、申し上げておきますが、田中委員の質問は、事実に基づいた質問ではなくて、新聞記事に基づいた質問なんです。だから、新聞記事に基づいたものを全部事実という前提で質問をされている。極めて私は、しかも答弁もできませんでしたので、そのことだけは申し上げておきます。

 その上で、この外務省の職員の件でありますけれども、検察から要請を受けて、日中関係というよりも、今回の事案の中でどういった対応を中国がとっているかということも含めて、あるいは歴史的な経緯も含めて事実関係を話した、こういうことでございます。

小野寺委員 私が伺っているのは、この外務省職員というのはどういうポジションの方ですか、それをお伺いしています。教えてください。

前原国務大臣 これは、ニューヨークにいた私にも事前に事務次官から、担当職員を送るということについて了解がございました。したがいまして、私が了解をして出しているということで、私の責任で送ったということでございます。

小野寺委員 今の答弁は間違っています。このときは、外務大臣が外に行っておりましたので、職務代行者は、官房長官、あなたです。あなたの権限でこの職員が出たので、外務大臣、今の認識は間違いです。あのときの職務代行者は、官房長官、あなたになっています。ですから、あなたの了解をとって出たということです。

 それでは、外務大臣にお伺いします。

 この職員は一体どの役職の方ですか。どうしてそれを明確に言っていただけないんですか。

前原国務大臣 職務代行ということは、それは確かにそうでございますが、外務大臣として、次官から、そういう者を送るということの事前の了承を得る話がありまして、これはニューヨークの二十二日の午前一時ぐらいだったと思いますけれども、話をして、送る、そして事実関係を話すということで、私が了解してしたことでありますので、具体的にだれがということは差し控えたいと思います。

小野寺委員 どうしてどういう方が行ったかということを隠すのか。私どもはこれは、どうも、この行った本人が何を官房長官から言ってこいと言われて派遣されたかということを、これを何か隠すために言っているのではないか、そうとしか思えません。

 そして、不自然なのは、なぜ、この地検から外交の話を聞きたいということの相談があったのに、わざわざ官邸まで、そして官房長官まで了解しないとこの話ができないのか。外務大臣、不自然じゃないですか。

前原国務大臣 いや、全く不自然ではないと思います。この問題については、検察は法務省、そして海保は国土交通省所管でありますので、総合調整の官邸、官房長官に相談するというのは何の不自然もないと思います。

小野寺委員 皆さん、これを見ておわかりのように、この外務省職員を那覇地検に派遣するという決断を行ったのは、官房長官、あなたです。ということは、ここでやはり政治的な介入があった、私どもはそう思わざるを得ない。

 実は、この二十二日にもう一つ大きな変化があります。とても大きな変化があります。それは、仙谷官房長官の発言の変化です。

 九月八日、官房長官は、この事件の逮捕の直後は、記者会見で、我が国の法令に基づいて厳正に対処していくということをおっしゃっていました。ところが、この問題の二十二日の午前中、このとき官房長官は何と言ったか。戦略的互恵関係をいかに中身を豊かにしていくかということは一番重要なことである、そういう判断に基づいて今回の問題にも対処しなければならないと私は考えている。

 もう一度前のフリップを見てください。

 実は、この先ほどの逮捕に至る過程、九月二十二日の午前中の、最高検の会議を開くという決定の早朝、何があったか、ちょっと見てください。温家宝中国首相が無条件釈放を要請しているんです、ニューヨークで。そして、この一連の流れがずっと続いている。

 もう一度、さっきの官房長官の発言の変化を見てください。

 先ほどもお話ししました。戦略的互恵関係、これは常に日中関係で使う言葉です。そして、そういう判断に基づいて今回の問題にも対応しなければならないと私は考えている、これを言ったのは、官房長官、あなた自身です。このときにもう、政治判断をするとあなたは決めた、そのための発言ではないですか。お答えください。

仙谷国務大臣 さっきからお名指しをいただいているのに、答弁の機会を全然お与えいただいていないんです。

 外務省の職員が那覇地検に赴く件について、私が判断したということでございますが、そんな事実は一切ございません。

 つまり、那覇地検としましては、これは私の推測部分でありますが、捜査の協力を外務省の方に求めたというふうに私は推察をいたしております。つまり、捜査を遂げながら、遂げつつあって、そろそろそういう事情もお伺いしなければいけないのではないか、こういう捜査上の判断がなされたのではないか。これは私の推察でございます。

 そこで、捜査協力要請があったという事実を、先ほど小野寺委員がおっしゃったように、事務ルートを通じて私のところにも報告をされた。私自身は、別にそれについていいとか悪いとか判断をいたしておりません。

 公務員間で捜査協力の要請があるのは、これはどんな事件においても、ちょっとこのことについて教えてくれ、この事情を聞きたいというのは、警察であろうが検察であろうが、事件処理をするについては当然そういうことが重要になってまいります。

 温家宝首相がどうのこうのということがございましたけれども、私は、二十二日、最高検察庁において検察首脳会議が開かれたということは、ずっと後になって知ったことでございます。

小野寺委員 官房長官、幾ら怖いからといって、そうやって長々長々話をしないでください。ここにちゃんと私は、きのう官邸の方々からしっかり聞いています。瀧野官房副長官から仙谷官房長官が報告を受け、それを了承して、その了承のもとで外務省職員を派遣した。了承しているじゃないですか。おかしいでしょう、これは。(発言する者あり)ちょっと、ちょっとお待ちください。

 実は、官房長官はさらにまた違う発言をこのときしています。今回のこの大事な事案の、二十二日、同じく午前中です。そこは大局的な政治的な判断をしつつ、国内法的な処理をしていく、これを官房長官は自分で言っているんですよ。ということは、二十二日の時点で、もう官房長官はしっかりここで政治介入をしている。

 パネルを用意させていただきました。実は、この政治介入の前に、やみの政治介入という言葉を入れて準備させていただきました。ところが、理事会の協議で、やみと使われると立場が悪くなるということで、これは今隠せと言われています。ですが、私は、この案件では、明らかに今回やみの政治介入があったとしか思えない。

 二十二日、ここで最高検が二十四日の最高検の会議を決めた。そして、この会議は釈放するということを決める会議だった。二十二日の時点で既に最高検はその方針を恐らく固めているんでしょう。そして、その一つのアリバイのスケジュールかもしれません、那覇地検から法務省に職員の派遣、これはなぜか、普通は事務レベルでやる話が、官房長官まで了承するということになっています。そして、官房長官が了承して、この職員を那覇地検に派遣している。

 外務大臣にお伺いします。

 この職員は、今回この問題で大変重要な役割を担っています。職員はどういう方ですか、教えてください。

前原国務大臣 繰り返しの答弁になって恐縮でありますけれども、この職員の派遣を決めたということについては、私が次官から報告を受けて、そして了承したということであります、ニューヨークから。したがって、その職員を送ることについて了承し、また中身についても私はちゃんと把握をしております。したがって、その職員の名前を私が申し上げる必要はないと思います。すべて、政治家である私に聞いていただいたら結構であります。

小野寺委員 今、皆さん伺いましたよね、政治家である私に聞いてくれと。私は、事務レベルで何を話したかを職員から聞きたいから、その職員はどなたですか、私たちは国政調査権を持っていますので、国会でその職員、公務員の方から、どういうことをしたんですかということを普通に聞きたいというふうにお話ししたんですが、今、外務大臣は、政治家の私に聞けと。自分で政治判断ということを認めたということになりませんか。

 もう一度お伺いします。

 この職員の方はどの役職の方ですか。別にお名前を聞きたいとかというあれじゃないです。私どもが今後ここで、何を那覇地検にこの方が伝えたかということを国会で聞くためにも、この方はどういう方ですかということをお伺いしたい。教えてください。

前原国務大臣 副大臣をやられていたのでおわかりだと思いますけれども、政治が、政務三役が判断をして職員がその職務をしているわけですね。そのことについて私は了承し、そして派遣をして、そして仕事をしてもらったということですから、一々私はその職員の名前なり担当部署を言う必要はないと思います。

 どういう中身を説明したかというと、先ほど申し上げたように、今回の事実関係と、どういう対応を中国がしてきたかということについて報告したというふうに報告を受けています。

小野寺委員 私も副大臣をしておりましたのでよくわかるんですが、当然こういう国会の場に、私どもが普通に、例えば政党のいろいろな会議を開くとき、国会議員でいろいろな状況を聞きたいとき、そのときには政府の担当者が来ていろいろなことを説明してくれます。ですから、当然、課長であり課長補佐であり首席事務官であり、私どもはこの方から話を聞きたいということで呼んで、ごく普通に国政のいろいろな全般について話を聞くことができます。だから聞いているんですよ。

 この職員はどの役職の方ですか。私は、公正中立な目で、今回検察にどういうことをお話ししたんですかということを当事者から聞きたい。だから、どの方なんですか、どの役職の方なんですかということを教えてください。これだけを聞いていますので、教えてください。(発言する者あり)

前原国務大臣 隠しているわけではありません。先ほど申し上げたように、個々の職員というのは政務三役の指示に従って動いているわけですよ、すべての仕事について、別に今回の事柄ではなくて。そして、私が今回、事前に相談を受けて、そして了承して説明に行っているということですから。

 小野寺委員の聞かれたいロジックというのは、その職員が何か政治的な介入を、まあ、職員が政治的な介入というのはおかしな話ですが、そういう予断を与えるようなことを言ったのではないかというふうなことをおっしゃっているんでしょう。それをおっしゃっているのであれば、それはそうじゃない、今の事実関係、あと歴史的な背景を説明してきたということであります。

小野寺委員 前原大臣ということじゃないんです。今回のこの派遣の決定をしたのは仙谷官房長官なんです。ですからこのことを伺っております。

 残念ながら、間もなく時間も終わりになります。

 私は、今回のこの発言をずっと聞いていて、答弁を聞いていて、まず、菅総理は政治介入という言葉を明確に言わない、したか、しなかったかも言わない。かわりに官房長官が、それはなかったということをお答えになっている。一体、総理はだれなのか。何回も何回も総理は、右や左や、右顧左べんをして、さっぱりこの状況がわからない。そして、この外務省職員を派遣したときの職務代行者は官房長官なのに、外務大臣は、いや、私の権限で許したと。これはおかしいでしょう。

 ということで、何か皆さんが官房長官の周りでぐるぐるぐるぐる回っている。そして、今回のこの政治介入の一番の真ん中にいるキーストーンはどうも仙谷さんではないか、私ども、多くの方がそう思っていると思います。

 そして、今、この問題が起きて、戦後、私ども、外交、ずっとこの国は政権はかわっても着々と、脈々と頑張ってまいりました。何が起きたか、釈放後の日本外交に何が起きたか。これは政治責任に私はなると思います。

 最後に、総理にお伺いいたします。

 中国から謝罪と賠償を求める声明を、今回、釈放したにもかかわらず、また要求される。屈辱的な、韓国は日本が白旗を上げたと、アメリカのメディアも日本は敗北したと、みんな世界じゅうこう言って笑っていますよ。それを招いた責任者はあなた。しかも、そのあなたはビデオも見ていない。

 そして、中国による東シナ海のガス田の開発。前原大臣が一生懸命頑張っていらっしゃいますが、ガス田の開発も中国は今現実に進めようとしている。ロシアの北方領土。今度、メドベージェフ大統領が北方領土に行くというじゃないですか。これは何かというと、ロシアは、北方領土は自分のものだということを明確にしたいという意図があるんじゃないかと私は感じます。そして、どうも中ロの連携も出てきた、この尖閣の問題をめぐって中ロの連携も出てきた。そして、同じく中国と国境を接するASEAN諸国、これも、今回の日本の白旗を上げたような情けない外交のおかげで失望をしています。

 私は、戦後最大の日本外交の敗北、そして、この敗北の総責任はすべて菅総理大臣にある。先ほど来、政治介入はしていない、そんなことをずっと言っている。一体何をやっているんですか。この問題の当初だって、総理はずっと、皆さん、御記憶ありますよね、あのときのテレビ、この尖閣の問題じゃなくて、ずっと代表選をやったじゃないですか。もう毎日毎日、菅さんは、各議員に電話をかけ、票集め。この選挙運動の頭しかなかったじゃないですか。結局、これがこの問題の本質ではないかと思います。

 そして、菅さんの裏に隠れている仙谷官房長官、あなたがもし、やみに裏でこのような政治介入をしているとすれば、ないとおっしゃっていましたが、もししているとすれば、では、過去もなかったんですか。政治と金の問題で、私ども、検察の問題をずっと注目、注視していました。国民の皆さんが不思議だと思うこともたくさんあったと思います。でも、やみの政治介入がもしあったとすれば、この問題だってどうなのかなと。そして、これからも、私ども政治や官僚という公権力を持つ者に対して、検察に対してやみの何らかの政治介入があるとすれば、この国は恐怖国家になってしまいます。

 きょう、同僚議員がいらっしゃいます。私ども政治家のモラルとして、これは許してはいけない。政治介入をしたら、介入をしたと堂々と言うべき。責任は、最終的にはとれる政治家にある。もし今回、検察にすべて責任をおっかぶせたとしたら、このすべての日本外交の失敗は全部検察の責任になってしまいます。だれが責任をとるんですか。

 私は、無策の、そして検察にすべてを押しつけているひきょうな菅内閣に対して、一刻も早くこの問題を明らかにし、そして、もし政治介入というものが明確になったときには、菅総理、総理大臣をやめるだけじゃないです、政治家として大きな責任をしていただけるかどうか、最後にその決意を伺って終わりにしたいと思います。お願いします。

松原委員長代理 仙谷官房長官。(発言する者あり)では、仙谷官房長官、簡潔にお願いします。簡潔にお願いします。(発言する者あり)静粛にしてください。簡潔にお願いします。

仙谷国務大臣 二重三重の仮定に立つ質問、そして、やみのという形容詞までついている質問にどういうふうにお答えしたらいいのか戸惑っておりますが、いずれにしても、刑事捜査に対する政治介入ということは一切ありません。

小野寺委員 総理、済みません、一言お願いいたします。

菅内閣総理大臣 現在、内閣の責任者であります私に、外交を含めて直接的な責任はすべて私にあります。その上で申し上げれば、例えば御党の谷垣総裁も、場合によっては早く解放した方がよかったのではないかというような趣旨のことも言われております。つまり……(発言する者あり)聞いてくださいよ。

松原委員長代理 答弁中ですから、静粛にお願いします。

菅内閣総理大臣 つまり、先ほど来申し上げていますように、政治介入という言葉を、捜査に対する介入ということがあったかといえば、それは、官房長官が言われるように、一切ありません。

 しかし、例えば外務省から話を聞くということが、外務省の説明が例えば日中関係に及んだとして、それが政治に関係しないかするかということでいえば、これは法律上の手続として、そういうことも含めて勘案をすることができる形になっておりますから、そのことまで含めて政治介入という言葉でもし言われるとしたら、法律に基づいての行動が、その中で検察が検察として判断されたことは私は適正だった、このように明確に申し上げているわけでありまして、何も逃げてはおりません。

小野寺委員 今、大変なことを言いましたよ。いいですか。じゃ、こういうことだったら許されるということですね。外務省の職員を呼んで、ちょっと日中関係が今大変なところになっている、このことについてよく検察に説明してこい、こういう言い方をよく政治家は行います。私は、きょうこの問題をずっと議論させていただいて、今から塩崎先生にかわりますが、やはり菅さんは非常にひきょうだ、すべていろいろなところに責任を押しつけている。一番かわいそうなのは現場の地方検察、検察当局ですよ。私は、すべてのこの外交責任も失態も全部検察に押しつけようとしている菅総理には、大変大きな失望をいたしました。

 質問を終わりますが、事柄上、多少乱暴な言葉になったことはお許しいただければと思います。

 ありがとうございました。終わります。

松原委員長代理 この際、塩崎恭久君から関連質疑の申し出があります。小野寺君の持ち時間の範囲内でこれを許します。塩崎恭久君。

塩崎委員 自由民主党の塩崎恭久でございます。

 小野寺議員に引き続き、質問いたしたいと思います。

 今の船長の釈放に至るまでの経緯について、国民はまさに怒っております。民主党のぶれる政権運営、そして思いつきの政策決定、そして我が国の領海を明らかに侵犯をし主権を侵害した上で、だれが見ても、先ほど前原大臣が悪質な事案だと言っていましたけれども、公務執行妨害を犯した人間を中国の圧力に屈して釈放、そして国益を大きく毀損したということだと思うんです。先ほど、日本外交の最大の、言ってみれば敗北だというふうな話がありましたけれども、まさに外交史上、私は、最悪の判断ミスをしてしまったと。そして、この政権に任していたら、将来的に尖閣列島は日本のものじゃなくなるかもわからない、その懸念すら皆言っているわけであります。

 この釈放のニュースが入ったときに、私はたまたま地元で企業経営者と話をしていました。彼にその話を言ってみたところが、ああ、これは尖閣列島は日本の領土ではないというメッセージを伝えたことになるんですね、こう言いましたよ。だれしもがそうとるんですね。外交のプロでも何でもない、そういう人がちゃんとそうとっておりました。おまけに、釈放されて中国に戻ったこの船長は、また魚釣島に行って漁がしたい、機会があればまた行きたい、こう言っているわけですから、何をやっているかわからない。

 この尖閣列島が固有の領土だということを繰り返しおっしゃられますけれども、日本の法執行権の行使をしない限りは、本当にそうなのかどうかというのはよくわからない。今回そのチャンスであったけれども、それを放棄したのが菅内閣の決断であったわけであります。

 検察の判断だ、先ほど来ずっと出ています。だれも国民は信じておりません。そして、先ほど小野寺議員も言ったように、じゃ、だれがこの外交責任をとるのか。とる気が検察にあるのか。そんなことあるわけがないわけであって、そういうことについてはまた後ほどお話をしたいと思います。

 ここに一つ、一枚のパネルをごらんいただきたいと思います。「中華民国九年」と書いてありますが、これは一九二〇年でありまして、中華民国の駐長崎領事の方から感謝状というのが発布されておりまして、その中に「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」、こういうふうに書いてあるわけであります。

 もう皆さん御存じのように、中国が尖閣列島を自分のものだ、こう言い出したのは、一九七〇年ごろ、石油の存在が云々され始めて突然言い出したことであって、孫文さんの中華民国のときには、こうやってちゃんと一九二〇年には日本帝国のものだということを言っているわけでありますから、固有の領土であるということはもう明らかなわけであります。

 そこで、菅総理、閣内では、この中におられますが、尖閣は領土問題だ、こうおっしゃった大臣もおられました。その方にどういう御注意をされたのかということと、菅総理、このあなたの内閣が領土を守るという覚悟がどれほどあるのか、これをまずお聞きしたいと思います。

菅内閣総理大臣 私は一貫して申し上げておりますけれども、尖閣諸島は我が国の固有の領土でありまして、この点に関して日中間に領土問題は存在をいたしておりません。その姿勢でこれまでも、これからもしっかりと臨んでまいる、そういう覚悟であります。

塩崎委員 質問漏れがあるんだよね。閣内で尖閣は領土問題だと言った方がおられたじゃないですか。その人に対してどういう注意をしたのかを聞いているんです。

 そして、もう一つ、さっきビデオを見ていないとおっしゃったけれども、今度ASEMに行かれるというけれども、そのビデオも見ずに、じゃ何を訴えようというんですか。迫力がないよ、そんなんじゃ。

 もう一回答えてください。

松原委員長代理 仙谷由人官房長官。簡潔にお願いします。

仙谷国務大臣 答弁漏れがあったとおっしゃるので、そのことについてお答えを私の方から補足させていただきます。

 記者会見で蓮舫大臣がそのようなことをおっしゃったような報道もございましたので、私の方から、先ほど菅総理大臣がここでお伝えしたように、尖閣列島、尖閣諸島は日本の固有の領土であり、日中間に領土問題は存在しない、このことをちゃんと改めて銘記するようにという注意を私の方からさせていただいたところでございます。

菅内閣総理大臣 ASEMの性格は、塩崎委員も御承知のように、ASEAN諸国そしてEU諸国の首脳が集まって、二年に一度の会議を開くわけであります。今回は、EU諸国にもいろいろな財政問題もありますし、またアジアも、いろいろ経済発展も含めて、ある意味で新しい世界史的状況が生まれているわけでありまして、そういう大きな観点から出席をするということが基本であります。

 その上で、今回の問題に関して、バイの会談などいろいろな機会がありますので、必要なときにはしっかりと我が国の立場、姿勢を伝えていきたいと思っております。

 ビデオを見る、見ない、先ほど官房長官も言われておりましたが、個々の通常の案件でそういうところまで総理がやるかやらないか、それはそのときの判断でありますが、せっかくの塩崎委員からのお話でありますので、そのことも含めて、また、現在そういうことが法律的に可能なのかどうか、つまりは法的な位置づけもありますので、検察のところにあるのでしょうから、そういうことも可能かどうかも含めて検討して対応を決めたい、このように思っております。

塩崎委員 ここで、委員長、ビデオの委員会への提出というのを改めて、重ねてお願いをしたいと思います。

松原委員長代理 後刻、理事会で協議をいたします。

塩崎委員 今回の事案の大きな節目というのは幾つかあるんですね。一つ目は船長の逮捕、そして次は勾留決定、そして次は勾留の延長。その間に船員、船体の返還というのがありました。もう一つが処分保留の上の釈放。この大きな節目があるわけでありますけれども、船長の逮捕については国交大臣として前原さんが判断をしたというふうに私は理解をしておりますが、その他の勾留決定からは司法プロセスということだろうと思うんですね。

 そうすると、そこは先ほど来、適正に判断をしたんだ、検察において適正に判断したんだ、こういうことでずっと言っておりますけれども、官房長官、ちゃんと聞いてあげますからね。ただ、あなたは先ほど来、長過ぎますよ。私も官房長官をやったから、総理を補佐する、手を挙げる、それはわかりますけれども、呼ばれてもいないときに答えることはないし、大事なときには短く簡潔にやっていただきたいということを、きょうはテレビで国民の皆さんが見ていらっしゃいますから、中身をみんな知りたいので、短くしていただいて、次々質問をさせていただきたいと思うんです。

 そこで、官房長官、これは今、逮捕の問題を除いて、検察の判断において、事前に相談を検察からは一切受けていない、そして指示も出していないということをもう一回確認したいんですけれども。イエスかノーで言ってください。

仙谷国務大臣 検察庁から、あるいは今、塩崎さんがおっしゃった、勾留決定を受けて刑事司法のプロセスに入った、九月十日でありますが、それ以降は、そのような刑事司法の当局から、私どもに事件について何の連絡もございません。

塩崎委員 ビデオを見ていようと見ていまいと関係ないみたいなことを総理はおっしゃいましたけれども、僕はやはりそれは違うと思うんですよ。

 これは前原さんが何度も答弁も、おとといの参議院の委員会でも答弁されていましたけれども、悪質の事案だというのはビデオを見ればわかるということをおっしゃっているわけですよ。どの程度悪質かどうかということを見ないで、それは訴えようといったって無理なので。そもそも総理、この事案は悪質ですか、悪質ではありませんか。

菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げていますように、せっかく塩崎委員の方からそういう御指摘もありますから、これは今、検察、捜査当局に多分保管されているんでしょうから、それが法律的に可能かどうかも含めて、可能であれば見ることも含めて考えたいと思っております。

 悪質であるかないかということについては、私は当時の国交大臣から悪質な事案であるという説明を当時受けておりまして、私もその認識を共有しているものであります。

塩崎委員 ですから、悪質であれば、公務執行妨害でありますから、淡々と司法プロセスを進めて裁判に行く、本人が認めていないんですからね、そういうふうになるのが普通のあり方だと思うんですね。

 そこで、官房長官にお聞きをいたしますから、短くしてくださいね。勾留の決定のときに相談を受けましたか。

仙谷国務大臣 これも要するに二十四時間がたって、つまり海上保安庁の逮捕の手続が終わって、さらに四十八時間の持ち時間が那覇地検にあるわけでありますが、その間も一切、検察当局から連絡も相談も私のところには参っておりません。

塩崎委員 そうしましたら、十四人の釈放、それから船体の返還、これは十三日に行われているんですね。早手回しに飛行機が来て、代理船長というのがその飛行機に乗ってきまして、それでさっさと十三日に帰ったんですが、これは実は重要な証拠物件である船体、そしてまた、公務執行妨害ですから、それはもちろん船長がかじを持っていれば別ですけれども、そうではなくて機関士とかいろいろいるわけで、幇助をしているわけで、これも重要な参考人である船員を帰国させるには、やはり判断がいろいろあるはずなんですね。でも、いとも簡単に帰した。

 普通だったら、公務執行妨害で使ったこの船体を、裁判も始まっていない、起訴もしていないうちに、はいどうぞお帰りくださいなんということは、国内のプロセスでは私はあり得ないと思うんですね。これを返したというのは、検察の判断とまた言うのかなと。

 質問は一点。相談はありましたか。指示をされましたか。返すように言いましたか。

仙谷国務大臣 これは当然のことながら、検察庁が、あるいは検察官が、証拠をどう収集し、どう保全するか、そしてこの事案で、ここで証拠保全が、つまり証拠収集として十分であるというふうに考えればお返しするという判断もあり得たんだろうな、こういうふうに思っているんです。

 もう一つは、十四人の船員の方でございますが、これは、日本の国内法律下においては、逮捕とかとめ置く、公権的なといいましょうか、そういう対象になっていませんので、参考人として任意の調べを要請し、その調べが終われば御自由にしていただくしかない、こういうことになるわけであります。

塩崎委員 やはり、かなり大事な証拠のはずの船も返してしまった。そして船員も、これは国際的な問題ですから、不審船のときのことを思い起こしていただければ、いろいろなことがある。今度の船も、漁船にしてはでかいな、やはり安全保障に関心のある人はそうやって見ている。いろいろなことがあるわけですから、ここではっきりしたことは、検察が決めたと言い張るということがよくわかりました。

 勾留延長について、国民は当然、これを行ったときに、ああ、これで起訴に行くんだなというふうに思っていたはずで、後でがっかりするわけでありますけれども、これについては意見を求められましたか。

仙谷国務大臣 全くございません。

 ただ、問題は、問題はというか、一般論として申し上げれば、私の経験も含めて申し上げれば、検察官が勾留決定、勾留延長決定を受けても、その時間を目いっぱい使わなければならないという要請はありません。その時間内で事件処理をするというのが検察官の責務であります。

塩崎委員 聞いていないことには答えなくて結構ですから。

 次に、いよいよこの船長の釈放であります。

 総理、いつ、どこで、だれから、この情報をお聞きになりましたか。

菅内閣総理大臣 私が聞きましたのは、ニューヨークにおりましたので、ニューヨークでいうと九月の二十四日の午前一時ごろ、日本時間でいえば十四時ごろになるんでしょうか、検察が釈放を決定したということについて、同行していた秘書官から報告を受けました。

塩崎委員 午前一時ですから真夜中ですね。その後、お休みになられましたですか。

菅内閣総理大臣 報告を受けて、その報告を私なりに了解をした上で、翌日の会議に備えて就寝といいましょうか、眠りました。

塩崎委員 その情報に接したときに、どう思われましたか。

菅内閣総理大臣 今申し上げましたように、釈放するという決定について、その間の検察におけるいろいろな議論があったということは十分予想されておりましたので、そういう、検察当局がいろいろなことをすべて含めて判断をされた結果というふうに受けとめました。

塩崎委員 その程度にしか思わなかったというのを国民の皆さんはびっくりしていると思うんです。

 あの日は、もうどこに行ってもみんな怒っていましたよ。何で釈放したんだとみんな怒っていましたね。家に帰って、うちの女房にまで怒られましたよ、私が悪いんじゃないのに。

 それをかみしめて、寝た。準備のために寝た。それは準備はしてもらって結構なんですけれども。

 その程度に思っているのかということを私はびっくりしました。だから、ビデオも見ずに平気でいられるということだろうと思うんですね。

 全く知らないでこの情報に接したら、これは何だとまず総理は普通は思うはずなのに、そうなっていない。そして、これだけ重要な情報を秘書官経由である。私が官房長官のときには、これだけ重要なものだったら、多分、みずから電話をして、総理、申しわけないけれども起きてくれ、釈放だ、処分保留のまま釈放だ、国内は怒り狂っている、こういう報告を私だったら官房長官としてしていたはずですね。

 総理、どうですか。国民はあのとき本当に怒っていましたよ。今も怒っているけれども。その程度ですか。

菅内閣総理大臣 いろいろな意見が国内あるいは外国にある、あるいはあったことは私なりに承知をいたしております。

 先ほども申し上げましたけれども、御党の総裁も、その後発言をされて、早く釈放した方が、解放といいましょうか、よかったかもしれないというような趣旨の、そういう意見も含めて、いろいろ国民の中に声があったことは事実であります。

 そういう意味を含めて、私は、その報告を聞いたときに、先ほども申し上げましたが、検察当局でしっかりといろいろな法律と証拠、あるいはいろいろなことを勘案され議論されて決定されたんであろう、そういうふうに理解しまして、捜査の個別的なことに介入するつもりはありませんでしたから、そうした報告を私なりにかみしめて了解をしたということであります。

塩崎委員 捜査に介入するかどうかが大事であって、国民が怒ることについては何も感じない、そういうことを今おっしゃっているんですよ。

 官房長官、なぜ電話しなかったんですか。私は、やはりこれだけ国民がお怒りになって、国内が大騒ぎになっていたときに、いろいろなところで街角インタビューされていたじゃないですか。官房長官、それは御存じですよね。みんな怒っていらっしゃった。そういうのにもかかわらず電話もしないということでいるということはおかしいなと私は思うんですよ。

 もう一つ、さっき小野寺議員から話が出たように、検察首脳会議は二十四日に開かれたけれども、決まったのは二十二日の午前中なんですよ。ニューヨークに向かって立ったのは二十二日のお昼ですから、二十二日の午前中はまだおられたんですよ。その話は知っておられましたか、首脳会議が開かれることは。

 だから、こんなに冷静でいられるというのは、やはり答えがもう知られていて、そして、もう検察首脳会議も開かれるようになっていて、そして中身も知っているから、秘書官経由で扱って、そして、その後またゆっくり朝までお休みになられた。その間に、国民は初めて知って、怒り心頭に発していたわけですよ。これでもう尖閣は日本のものじゃないんだな、こう思ったんですね。その程度ですか。

仙谷国務大臣 なぜ連絡をしなかったんですかと聞かれても、ちゃんと秘書官を通じて連絡しているじゃないですか。それが連絡じゃないんですか。それが連絡じゃないんですか。

 それから、もう一点申し上げますと、那覇地検の決定を受けて総理大臣に、相手が深夜のことでもありますので、どういうビヘービアといいましょうか、行動をとっているのかわかりませんでしたので、秘書官を通じて、きっちりと事務連絡といいましょうか、結果を私の方からお伝え申し上げた、こういうことでございます。

 それからもう一点、先ほどからビデオテープの話をいろいろおっしゃるけれども、じゃ、反対に考えて、検察官が領置して手持ちになったビデオテープを総理大臣が持ってこいなどということが、あなた方の言っている政治介入にならないんですか。よくお考えください。

塩崎委員 だって、官房長官は御自分で見ているわけですよ。それはまだ海保が持っているときに見たわけであって、海保が持っているときには総理も見られるんですよ。それを見ていないというところが大問題だと言っているんだよ。

 ですから、総理への伝え方で大体この政権のこの問題の扱い方というのはよくわかった。でなければ、もっと前に決まっていて、そして、知っているから、ああ、予定どおり決まったのねといってお休みになられた、こういうことだろうと私は思います。

 そこで、事ほどさように、あらゆることが検察が決定したことだということで押し切ろうとされているわけでありますけれども、そうすると、民主党政権は外交を検察に任せる珍しい政権だ、私はそう思いますね。

 官房長官、あなたは船長の釈放決定を那覇地検の次席検事が発表したときの記者会見で、了とするとおっしゃったんですね。了とするというのはどういう意味ですか。簡単に説明してください、短く。

仙谷国務大臣 刑事司法を預かっていただいている検察庁及び検察官が、事件処理としてこういう事件処理の仕方をしたという報告を受けまして、それをそのまま、当然のことながら異議を申し立てないで、そのまま、あるがままに受けとめる、受けとめた、こういうことであります。

塩崎委員 内容によっては異議を申し立てることができると思ったんですね。

仙谷国務大臣 個別事件処理について、官房長官であろうと法務大臣であろうと、それに異議を申し立てる、申し上げるということは、原則としてあってはならないということであります。つまり、検察庁法十四条による指揮権を行使する要件があるかないかということでありますけれども、そういう事案ではないということを最初から考えております。

塩崎委員 異議を申し立てることも可能だけれども、今回はしなかった。つまり、これでいいという意味でやったということですよね、受けとめたということで。

 そこで、法務大臣、今、船長の、その事案の本人のステータスは処分保留ですよね。今後の方針はどうするんですか。どういう可能性があるんですか。いつまでにどうするんですか。私は、起訴か不起訴しかないんだろうと思うんですけれども、どうされるんですか、いつまでに。

柳田国務大臣 時期を見て検察当局が判断するものと思います。

塩崎委員 検察当局がすると今もまたおっしゃったわけです。

 さっき申し上げたように、この船長さんは帰ってマスコミインタビューに何て言っているかといったら、もう一回戻って、早く尖閣近辺で、魚釣島とかそういうところで漁をしたい、こう言っているわけですよね。早く来たいと言っているわけです。

 だから、刑事訴訟法の二百四十八条で、こういうこともあるよというふうに言っておられるわけでありますけれども、結果は、何の改心もなく、また領海侵犯をしても平気でやるよ、そういう人なんです。それに対して今法務大臣は、検察がやるだろうと言っているんだよね。

 だから、これは起訴にするのか不起訴にするのか、いずれにしても外交的に大きな影響がある。これをまた検察任せにするということを今おっしゃったわけですけれども、総理、一国の外交の総責任者、大丈夫ですか、これで。

前原国務大臣 塩崎議員もよくおわかりだと思いますけれども、一つの刑事事件が外交問題に発展するなんていうのは、古今東西ごまんとあると思うんですね。つまりは、刑事事件については司法当局で粛々とやるけれども、それを契機にいろいろな外交問題が起きたときには外交当局、政府がどう対応していくか、こういうことでありまして、外交問題については政府がしっかり対応するということでございます。司法問題、刑事問題は粛々と検察が行うと。

塩崎委員 いや、しかし今回だって、処分保留で釈放したことでこれだけの、まあ、きのう官房長官は、予想外の展開になっちゃった、こう言って自分の非を認めたようですけれども、そういうことになっていくほど大きな影響が出る話でありますから、私は、それをただ検察任せでやるというのはおかしいので、そんなんだったら、前原外務大臣のかわりに大林検事総長に外務大臣になってもらったらいいんですよ。そうだと思いますよ。

 それと、さっきの話に戻りますが、これで検察任せにするということは、次の結論も同じような扱いにするのかもわからない。官房長官、了とするというのは、さっき申し上げたように、まだ進行中の事案ですよ、これは処分保留だから。これについて了とすると言ってしまったわけですから、これは評価をしたわけですよ。弁護士さんであるあなたが、まだ途中ですからこれは評価をしないというのが常識なのに、わざわざ了とすると言って、釈放すべきだということをあたかも事前に指示をし、方針も決まって、そのとおりになったんだから了とするというふうに我々には聞こえるんですよ。

 どうですか、これは。了とすると言ったこと、進行中の捜査を評価すべきではないというのが本当は常識なのに、実は指示を出していたんじゃないんですか。そうとしかとれない。

 そこで、私は、この那覇地検の検事正と最高検の検事総長と、証人喚問をすることを扱っていただきたいというふうに思います。

松原委員長代理 後刻、理事会で協議をいたします。

塩崎委員 いずれにしても、先ほど同僚議員から、小野寺議員から言ってあるように、温家宝首相からの圧力もあり、そして、ほかにも政府高官や民間の交流の中止とかいろいろなことがあってプレッシャーが高まっていた。その結果、ずるずると引き下がって釈放したというふうに国民はみんな思っているということだろうと思うんです。

 そこで、私は官房長官を経験して、いろいろなこういう難しい問題が起きたときには、官房長官室のあの会議テーブル、大臣机がないものだから、この会議テーブルの端っこにいつも官房長官は座っているわけでありますけれども、多分今もそうですよね。そこで、各省から来て、関係者と一緒に議論をするということをやっているはずです。

 私は、十九日の勾留延長から二十四日の釈放までの間に法務省幹部とかあるいは外務省幹部、とりわけ刑事局長とかアジア大洋州局長とかが来ていないのかと事務方に聞いたら、来ていないと言っていましたよ。でも、新聞には頻繁に出入りしていると書いてある。その真偽のほどはどうなのかなと思いますし、また、こういう外交的なインパクトがあるでっかい決断をしなきゃいけないときに、官房長官だったら、検察に任せることは普通しませんよ。先ほど来、政治介入がある、ないの話で、ない、ないと言ってきたけれども、捜査に対しての介入がないのは、それはわかりますよ。しかし、私はそうじゃないと思います。

 特に、今の、陰の総理と呼ばれている大物の官房長官、おまけにそのときは総理臨時代理だったですよね。私の経験からすれば、もし、お役人が出入りをしていなかったと言うんならば、恐らく近隣のホテルか何かでこっそり集まって、場合によっては、前原大臣はあのときはいなかったから、電話で済ませているのかもわからない。いずれにしても、役人を集めて議論しているということをやっていたと私は思いますけれども、どうですか。簡単に。

仙谷国務大臣 あのときはと言われましても、いつの話なのか特定されませんと、役人を集めて協議したかどうかというお答えもできないのでありますが……(塩崎委員「この問題についてですよ」と呼ぶ)だから、いつですかと聞いているんです。(塩崎委員「だから、十九から二十四と言っている」と呼ぶ)

松原委員長代理 まだ答弁中です。(塩崎委員「いやいや、質問がわからないと言っているから」と呼ぶ)質問は何ですかということですか。

 それでは、官房長官、一回戻っていただいて。

仙谷国務大臣 いずれにしても……(塩崎委員「いやいや、わからない答えは困るな。明確に言いますから」と呼ぶ)二十四日あるいは……(塩崎委員「十九から二十四ですよ」と呼ぶ)

松原委員長代理 ちょっと待ってください。答弁が続いています。

仙谷国務大臣 あるいは二十二日、二十四日、二十五日、ここは、法務省の例えば官僚の方々とは、全く、私の部屋で打ち合わせ協議をしたという事実はありません。(塩崎委員「法務省、外務省両方」と呼ぶ)

 外務省につきましては、二十一日ですか、国連、訪米関係について私の部屋で打ち合わせをいたしましたが、この事件については行っておりません。

塩崎委員 どういう形でやるかはわかりませんけれども、今の答弁をしっかりと我々は記憶をして、実態はまただんだんと明らかになってくるんだろうと思うんですけれども、おとといの参議院の外交防衛委員会で小川副大臣が、那覇地検の発表文に示された外交的、政治的理由に基づく処分は過去に例がない、こう言っていましたね。初めてのことをやったわけです、今回。そうでしょう。

 それで、まあ言ってみれば、検察が外交に目覚めたというのは極めて不自然な話であると私は思いますが、私は、今回の一連の内閣の対応によって、さっき小野寺議員もちょっと言いましたけれども、日本の司法の独立性というのがやはり揺らいでいるんじゃないかと思うんですよ。何しろ、全部検察が決めたことだ、外交責任は検察でとれるわけがないのに、あたかも何か、自分たちはとらないで、検察が決めた決めたと言って、結果については何も自分たちで責任をとろうとしない。

 本来政治が担わなきゃいけないこの責任を行政の一部である検察に負わせているということであって、この釈放の根拠は、さっきお話があったように、刑訴法の二百四十八条だ、いわゆる起訴便宜主義だと言っていますけれども、こんなものは政権便宜主義みたいなものですよ。誤った外交判断に基づく組み立てられた虚構というのがあって、その中で検察が判断したことだからおれたちは知らない、こういうことをずっと言い続けていこうということで、私は、ですからむしろ検察の方がかわいそうだなというふうに思っているわけであって、そもそも、この間に、例えばさっきの十四人の船員、船体の返還、これにしたって、では、裏で外交的な交渉はどういうことをやっていたんですか。明らかにできるようなものがあるんだったら言ってもらいたいぐらいですよ。

 何らなくて、そして次々妥協して船体を返す、人も帰す、そしてついに船長も帰す。そして、結果はさっきのとおりですね。賠償請求はされる、謝罪請求はされる。そして今、調査船、監視船、みんな尖閣の近くまで来ちゃっている。一体どういうことになっているんだと。

 だから、きのう仙谷官房長官は、予想を間違ったと言って判断ミスをお認めになったわけであって、こういう形で外交面で国益を次々我々は失っているということをちゃんと考えなければいけないんだろうと思うんです。

 言ってみれば、国益をどうやって回復するのか。これからが、我々は本当に菅内閣がやってもらわなきゃいけないし、できるのかどうかは私は非常に心もとない、心配であります。

 まあ、新聞にも書いてある、松原委員長もひょっとしたらそうかもわからない。自衛隊を尖閣に置くという一つの手段もあるかもわからない。もう一つは、場合によっては、こうやって次々と間違った判断をした仙谷官房長官がおやめになるというのも選択の道としてあるかもわからない。

 いずれにしても、きょうテレビでごらんなっている方々は、全部しゃくし定規に検察が決めたということで自分たちの政治責任は一切とろうとしない。法律は適正な運用というのが大事で、これは官房長官には釈迦に説法でありますけれども、一般人なら起訴するけれども中国人なら起訴しないなんということはあり得ないわけです。悪質な事案だと前原大臣もおっしゃっている。総理もおっしゃった。だったら、法の適正な運用でもってこれは裁くというのが、我が国の固有の領土だと言っているんだから、法執行権をここで執行するというのが当然のことなんですね。

 それをやっていないというのを見ると、我々としては、このまま民主党政権に任せて国益を失い、そして我が国の主権が脅かされる、こういうことを続けてやっていただくわけにはいかぬなというふうに私は思っているところでありまして、何かありますか。

仙谷国務大臣 塩崎委員から、司法の独立、それで、先ほどから捜査に対する政治の介入があったのではないか、こういう議論がなされてまいりました。私は、この論点は大変重要な論点だと思います。つまり、与党だからこう言い、野党だからこう言いという話ではあってはならないと思います。

 一体、これは嫌がらせで言っているんじゃないんですよ。一つの立場として、私の尊敬する御党の総裁の谷垣さんは、これは、逮捕した段階で釈放する手もあったということをおっしゃいます。これは、捜査に対する政治の介入、あるいは政治の指揮で、いわば警察や海上保安庁に身柄があるとき、あるいは入国管理局に身柄があるときには、そういう政治的な裁量で、外交問題もよく考えて、そういう措置をすべきであったという意見なのかもわかりません。そのことは、ある意味では捜査に対する政治の介入と大きく非難されるいわれはないのかもわかりません。

 次の四十八時間以内、検察官の手持ちではありますけれども、しかし、この段階で、刑事司法に対して政治の側が、あるいは法務大臣が検察庁法十四条を行使して何らかのことを行う。もっと厳しく捜査をやれというのも、これは指揮権の発動です。あるいは、やるなというのも指揮権の発動になります。それをあえてやることが、どういう場合に許されて、どういう場合にはやってはならないのかという基準がまだ、実例というか、先例としても確立されていない。これは大いに議論をしなければならないと思います。

 さらに、司法過程に入ったときに皆さん方は、いわゆる政治の介入をされたと非難を一方でしながら、外交としては拙劣だと。政治の介入をして、責任を明らかにして、捜査に対して、刑事司法に対して影響力を行使せよとおっしゃられているのかどうなのかわからない。ここを私は本当に真剣に国会で議論すべきことだと思っております。今後とも議論をしたいと思います。

塩崎委員 最後に一言申し上げますけれども、総理、最後に聞きますが、先ほど申し上げているように、国家というのは、別に指揮権までいかなくたって、いろいろなことがあり得るわけですよ。

 いずれにしても、あなたは、一億三千万の国民に責任を負っている。そのことを、さっきも外国の人の話まで言っていましたけれども、そうじゃない。まずは、一義的には、一億三千万の人に責任を負っているんだから、それを皆さんが安心できて、この尖閣列島がそもそも日本のものでなくなってしまうかもわからないような、そういうことを検察にやらせながら、自分の責任を全うしようと思ったって無理ですよ。だから、責任ある政治をやるという決意を示してくださいよ。

菅内閣総理大臣 私も、昨日の参議院における質疑の中身を全部読ませていただきました。法務副大臣の小川副大臣の方から、そうしたいろいろな判断を検察がすること自体が法律的に認められているんだと。小川副大臣はかつて検察官も裁判官も経験をした人であります。

 ですから、まず……(塩崎委員「総理、覚悟を言ってください。細かいことはいい」と呼ぶ)ですから、申し上げますから、ちょっと待ってください。まずはその問題と、今官房長官からもありましたが、国として、中国を含めて他の国々とどう対峙をして、そしていい関係をつくると同時に、我が国固有の領土に関しては一歩も引かないという、そういう姿勢をとっていくことは当然私の最大の責任だ、こう考えております。

松原委員長代理 質問時間が参りました。

塩崎委員 引き続き、あしたから始まる国会の中で、しっかり予算委員会で追及していきたいと思います。

 ありがとうございました。

松原委員長代理 これにて小野寺君及び塩崎君の質疑は終了いたしました。

 次に、富田茂之君。よろしくお願いします。

富田委員 公明党の富田茂之でございます。

 尖閣諸島をめぐる問題等について、総理を初め関係大臣に質問させていただきます。

 お手元に「尖閣諸島の領有権についての基本見解」という外務省のホームページから印刷したものを一枚配らせていただきました。一昨日の参議院の外交防衛委員会で、今うなずいていらっしゃいますが、外務大臣が、法的な根拠についてという我が党の山本委員からの質問に答えられた、多分このペーパーに基づいて答弁をされたんだと思います。

 総理、今、領土の問題については一歩も譲らないというふうに、最後に強い決意を述べられました。尖閣が我が国固有の領土だという、その法的根拠を国民の皆さんに、こうこうこうだからということを簡潔にここで言ってもらえますか。

菅内閣総理大臣 尖閣諸島の領有権に関して、一八八五年以降、政府が、沖縄県当局、政府として……(発言する者あり)失礼しました。一八八五年以降、ここにまさに書かれているように、いろいろ調査をした上で、一八九五年一月十四日に現地に標くいを建設して、閣議決定を行って、正式に我が国の領土に編入することとしたものであります。

 もちろん、それ以外にも、先ほどいろいろ状況的証拠もありましたけれども、私の理解している限りでは、一九七〇年代に入るまで、先ほど御指摘の地図などでも、中国が出している地図などでも日本領であることは明確でありますし、それ以前にいろいろなことについて特に異議を申し立てられた事実はありませんので、そういうことからも含めて、まさに尖閣諸島は日本の固有の領土であることは、歴史的にも、国際的にも、法律的にも間違いのないところである、このことを国民の皆さんにも明確に申し上げておきたいと思います。

富田委員 テレビをごらんになっている国民の皆さんは、今総理がこのペーパーを一つずつ見ているということが心配なんだと思うんですよ。前原大臣は丁寧に答えられて、私は、このペーパーじゃなくて、実は、外務省の方が一昨日、細かいペーパーを下さいました、それをこの委員会に提示したい、きちんと尖閣が日本の領土であるということをあらゆる観点から論じている文書でしたので、ぜひこの委員会に提出して国民の皆さんにも理解していただきたいと思ったんですが、残念ながら、それは答弁要領をつくるための資料だということで、このホームページの一枚しか出せませんでした。

 でも、外務省として、やはりもう少し国民の皆さんに、尖閣がなぜ日本の固有の領土で、領有権問題は存在しないんだ、そういうことをきちんと広報する、そういう体制が今までなかったんじゃないか。前原大臣は一昨日の参議院の委員会の答弁で、国連に行って、十九のバイの会談でも、いろいろな場においても全部説明してきた、きちんと尖閣は日本の固有の領土なんだということを説明しましたというふうに答弁されていました。それはすばらしいことだと思うんですが、残念ながら、日本の報道機関はそういったことを一切報道していないんですよね。逆に、中国の首脳が言ったことは何でも報道する。まるで中国に領有権があるような報道になってしまっている。そこで国民の皆さんは心配する。

 内閣を挙げて、このペーパー、一昨日ペーパーを見るなという我が党の委員が非常に失礼なことを言いましたけれども、やはり見ないと、総理も言われたように、間違えたら困るという部分もあると思いますので、ここの一枚に書いてある基本的見解だけではなくて、中国政府が七〇年代になって急にいろいろ言い出した、そこの経過もきちんとわかるような形で、私は、国民の皆さんにきちんと政府を挙げて、内閣一体となって説明すべきだと思うんですが、その点、外務大臣、どうですか。

前原国務大臣 非常に建設的な御指摘だと思います。

 山本香苗委員から、そらで言えるようにしろという御指摘もいただきまして、もう私は見ずに答弁いたしますが、一八八五年にだれも領有していないということを確認し、そして十年かかって調査をした結果、一八九五年に閣議決定をして、尖閣諸島を日本に編入したということであります。

 ただし、第二次世界大戦が終わって、サンフランシスコ条約において、第二条というのがありまして、これは台湾と澎湖列島は放棄をする、しかし第三条においては、沖縄及び沖縄周辺の島々についてはアメリカの占領統治下に置かれるということでありまして、一九七二年の五月十五日に、沖縄返還と同時に尖閣列島も日本の施政下に置かれていると。

 つまりは、アメリカが占領している一部の区間を除いては全くもって他国が所有をしたことのない、日本固有の領土であるということは、もう明々白々でございます。

 しかも、これは先ほど小野寺委員もおっしゃっておりましたけれども、一九六〇年の中国の公図においては、沖縄のものであるということで中国の領土に入れていない。一九五三年の人民日報の記事においては、琉球の尖閣諸島という言い方をしていて、中国の尖閣なんということは全く言っていないわけですね。

 これは、富田委員がおっしゃったように、一九七〇年代の初め、あの海域に海底の資源があるんじゃないかということがわかり始めてから手を挙げ始めたということであって、全くもってこれは間違いのない日本の領土だと思います。

 お尋ねのことについては、私は大事なことだというふうに思っておりますので、この広報活動を含めて、しっかりとバージョンアップしたものを載せさせていただきたいと思います。

 なお、私の方から、ニューヨークで十九のバイ会談やあるいは十一の国際会議に出ました。特に私は、G8の外相会談において、このことについてかなり詳しく、他国の外相に対して、主要国の外相に対して説明をいたしましたし、また、私が指示をして、日本の在外公館の大使に対して、どういう歴史的な経緯があって、今回どういう事案だったのか、そして中国がどのような対応をとってきたのかということについて、しっかり詳しく説明をするようにということは指示をしてありますので、広報活動にも、今までもやってきておりますけれども、さらに力を入れてまいりたいと思っております。

富田委員 ぜひさらなる努力をしていただきたいんですが、中国側の主張は、外務省からいただいた資料だと、一九七一年十二月三十日の声明で、日清戦争の際にかすめ取られたものだみたいなことを言われているわけですよね。このきょうお配りした基本見解の中でも、そこに当たらないんだということをきちんと、澎湖諸島に入っていないんだということがきちんと明示されていますので、中国が今のところ言われている根拠は、全く法的な根拠はないというふうに私も思います。

 一つきょうは御提案をしたいんですが、実は、公明党の私どもの先輩たちが、一九七二年の七月二十八日、訪中団を組みまして中国に赴きました。当時の周恩来首相と何度かの会談をしましたが、その中で、周総理がこういう発言をされています。これは、今から私が紹介するのは、情報公開法に基づきまして読売新聞社が外務省に開示を求めて公開された文書ということで、インターネットで見ることができます。

 周総理は、台湾の問題をずっと聞かれた後にこのように言われています。

 そうです。尖閣列島の問題にも触れる必要はありません。我が党の代表団に、あなたも関心がなかったでしょう。私もなかったが、石油の問題で歴史学者が問題にし、日本でも井上清さんが熱心です。この問題は重く見る必要はありません。平和五原則にのっとって国交回復することに比べると問題になりません。新聞で書くことは横やりを入れたことになりますねというふうに当時の周恩来総理は言われているんですね。周総理も関心がなかった、この一九七二年まで。石油の問題で歴史学者が問題にしたというふうに明確に中国側の首脳が言っているわけですよね。

 こういったこともきちんと検証されて、外務省の方で、先ほど塩崎委員の方からもああいう感謝状が出ていると。そういったことも幾つも重ね合わせて、日本の固有の領土なんだ、領有権問題はないんだということを明確に国民の皆さんにメッセージとして出すべきだと思うんですが、総理、ちょっと今の私の指摘でどうでしょうか。

菅内閣総理大臣 全く御指摘のとおりだと思いまして、今外務大臣からも、そうしたことを国民の皆さんに、さらには世界に向けてしっかりと発信していく、そのことは内閣を挙げて取り組まなければならない、このように思っております。

富田委員 実は、総理は、この中で井上清さんという名前を出していましたが、井上さんというのは、尖閣列島は中国の領土だとずっと主張していた日本の学者さんなんです。これだけのペーパーがありますが、この方の言い分も全部わかった上で、重要な問題にする必要はないんだということを周恩来総理は言われているんですよね。やはり、これは日中間のこれまでの交流の知恵ではないかというふうに私は思います。

 こういったところを、中国側の思いもしんしゃくする必要もあると思いますし、これからのハイレベルでの交流の際に、この周恩来総理の指摘というのは大きな参考になると思います。ぜひ仙谷官房長官もこういったところを、今うなずいていただいていますので答弁は要りませんから、こういう思いを胸にしてこれからの中国とのつき合いをしていただきたいというふうに思います。

 この中国との関係で、最近の報道で、丹羽大使が何度も中国政府から呼びつけられて無礼じゃないかというような報道があります。(発言する者あり)今も後ろからありましたが、夜中に呼びつけた。私、これは本当なのかなと思いまして、外務省の方に尋ねました。私の中国の友人からの話ですと、丹羽大使が未明に呼びつけられた、十二日の未明になると思いますが、中国政府側は夜八時に大使にもう連絡していたはずだというように私の友人が言っておりました。

 外務省に聞きましたら、先ほどペーパーが来たんですが、どうも日本の報道ですと、全部、丹羽大使が呼びつけられて、いろいろな各級の中国の要人に呼びつけられたとなっていますが、六度会談をされているようですが、双方でアポ依頼をしたというのはそのうち三回ある。日本側から依頼したのが一回、主に中国側というのは二回だけだと。どうもちょっと、報道で大使が呼びつけられているというのと違うんですね。特に、未明に呼びつけられた、実際に会談がされたのが九月十二日の午前一時だそうですが、では、いつこの呼び出しがあったんだというのを外務省に尋ねましたら、九月十一日、不明という文書になっていました。夕刻から時間調整していたということなんですね。

 こういったことも政府の方からきちんと、内閣記者会なりを通じて、報道機関に適正な報道をするようにと、両国の民族主義的な感情をあおるような、そういった報道ではなくて、きちんと冷静になってこの問題を議論できるような環境づくり、そういったことも内閣の役目だと思いますが、これは官房長官、どうですか。簡潔に。

仙谷国務大臣 外交関係で、その都度すべてを明らかにしていいのかどうなのか、そうじゃない場合もあると思いますが、できる限り正確に、今、富田委員がおっしゃられたような角度から広報をしていくべきだと考えております。

富田委員 あと一点、先ほどの領有権の問題で質問し忘れたんですが、ことしの五月の二十七日、全国知事会議で東京都の石原知事から当時の鳩山総理がこのことを尋ねられて、知事会は議事録を残していないそうですから、一言一句正確な文言というふうには言えません。私の方で尋ねましたら議事録はないという御答弁でしたので、報道されている文章に基づいて御指摘をさせていただきますが、当時の鳩山総理は、この尖閣諸島の帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して結論を見出してもらいたいということだと理解しているというような発言をしたという報道がされました。

 これに対して当時の岡田外務大臣は、それはちょっと違うんじゃないかと、鳩山総理の発言を不適切との見方を示し、尖閣諸島は日本固有の領土との従来からの日本政府見解に基づき、領土権について中国と議論の必要はないとの考えを明らかにしたという報道がされていました。

 この岡田外務大臣の会見に対して、中国本土で、ネット上、とんでもないという発言がいっぱい噴き出してきた。やはり相当、中国の国民の皆さんも注目していますので、話し合いで領土問題が解決できるんだというような間違ったメッセージは絶対出さないように、菅内閣として、先ほど官房長官の方からも御答弁ありましたけれども、ぜひここは気をつけて今後の日中交渉に当たってもらいたいと思いますが、外務大臣、どうですか。

前原国務大臣 私は大切なことは主に二つあると思っておりまして、日本側の原則というのをしっかり堅持するということであります。それは、東シナ海には領土問題はない、したがって、尖閣諸島は日本の固有の領土であり、今回起きた事案については公務執行妨害という日本の国内法に基づいて対応するということ、また、今後、同様の案件が起これば、同様に対応するということ。

 と同時に、先ほども同僚委員にお答えをいたしましたけれども、刑事事件をきっかけに外交問題やあるいは戦争になったということは、古今東西たくさん私はあると思うんです。つまり、外交問題というものをどうマネジメントするかということは、この一刑事事件を大きく超える話だと思っておりまして、そのことについては、お互いの国益、それを対話を通じてしっかりと確認し、うまくマネジメントしていくということが、私は外交において大事なことではないかと考えております。

富田委員 次に、漁船の船長の逮捕、勾留の経過についてお尋ねしますが、先ほど自民党の塩崎委員の方から、逮捕時、勾留決定時、勾留延長時に、それぞれ判断にいろいろあったんじゃないかという御質問がありました。

 海上保安庁長官、見えていると思うんですが、公務執行妨害罪で逮捕したというふうにされていますが、なぜ領海侵犯事案として検挙しなかったんでしょうか。報道によれば、この漁船で日本の領海内において魚を取り上げているということを保安庁の職員が目視しているというような報道もありました。そうだとしたら、漁業目的で領海侵犯した場合ということで、外国人漁業の規制に関する法律違反ということでの摘発も可能だったと思うんですが、その点、どうでしょうか。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 尖閣諸島周辺海域においては、かねてより中国漁船あるいは台湾漁船が多数操業しておりまして、本年につきましては、特に八月中旬以降、多数の中国漁船が領海付近の海域で操業しておりました。そのうちの一部が領海内に侵入している状況が確認されておりました。このため、私どもとしては、巡視船を配備して、退去警告、あるいは場合によっては立入検査等の措置を適切に実施してきたところであります。通常、やはり多数の操業がありますので、退去警告あるいは立入検査で外へ追い出すというのをまず原則としておりました。

 ただ、今回の事案につきましては、その退去警告中の相手の漁船が網を上げて突然走り出して、まず、巡視船「よなくに」に衝突し、さらに、これを追いかけた巡視船「みずき」にまた衝突してきたということでありますので、これは公務執行妨害事案として捨ておけないということで、「みずき」が強行接舷をして、海上保安官六名が移乗してこれを停船させて、その後、捜査に入ったということでございます。さらに、その後、沖縄の簡易裁判所に令状を請求して、令状をいただいて逮捕したという経緯でございます。

富田委員 長官、今の私の質問に答えていないのよ。なぜ領海侵犯事案、特に漁業目的で領海侵犯したということで検挙しなかったのかと聞いているんですよ。

 今、あなたの答弁の中で、網を上げたと明確に言われたじゃないですか。日本の領海内で漁業目的で操業していたわけでしょう。完全にこれは領海侵犯じゃないですか。

 なぜこういうことを聞くかというと、領海侵犯だと、先ほど塩崎委員の方から話がありましたけれども、十四名は全員被疑者ですよ、参考人じゃない。官房長官は参考人と言われていたけれども、領海侵犯事案で検挙しておけば、全員被疑者です。逮捕してきちんと事情を聞くことができたはずなんです。それを公務執行妨害罪に限定したからこういう結果になったんじゃないんですか。

 なぜ領海侵犯事案として検挙しなかったのか、その理由を聞いているんです。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 先ほどもお答えいたしましたように、かねてより多数の漁船がこの領海に入って操業しておりまして、それを片端から捕まえるということはできませんので、退去警告を行い退去させるという措置をずっと講じておりました。

 したがいまして、それとのバランス上、直ちに違法操業で捕まえるということはせずに、今回は、特に二度も当たってきたという悪質な公務執行妨害事案として捕まえたということでございます。

富田委員 長官、重ねて聞きますけれども、領海侵犯事案として捜査は継続していたんじゃないんですか。公務執行妨害罪で逮捕したけれども、領海侵犯事案として幅広く捜査は継続していたんじゃないんですか。そこはどうですか。

鈴木政府参考人 外国人漁業規制法違反の違法操業の疑いでも捜査を行っておりました。

富田委員 それだとすると、総理、官房長官、捜査しているのに、先ほど塩崎委員の質問ですけれども、十四名を、参考人だからいつまでも置いておくわけにいかないというふうに官房長官は言われたんだけれども、被疑者ですよ、捜査しているんだから。被疑者をみすみす中国に帰してしまったということになりますよ、これは。海上保安庁は違法操業ということで捜査していたんだから。表向きは公務執行妨害罪での検挙でしたけれども、やはり違法操業もしているんだ、領海侵犯事案なんだということで、認識があったわけですから。やはり船体や十四名の返還というのはちょっと判断を誤ったんじゃないかなというふうに私は思います。

 そして、先ほど、官房長官が小野寺委員の質問に、ビデオを見ましたかという質問に対して、九月七日二十一時過ぎに、いろいろあったのでビデオを見たというふうに言われたんですが、それは、答弁、間違いないですか。私の聞き間違いか、ちょっと確認。間違いないですか。

仙谷国務大臣 ビデオの件については、そのとおりでございます。もう少し詳しく申し上げれば、逮捕状請求手続を多分、海上保安庁の方でされるプロセスだった、逮捕状請求手続のための事務作業をしているというふうに、あわせてその時点で聞いた記憶がございます。

 先ほどの、十四人が参考人というのはおかしいじゃないかという話でありますが、私は、捜査の過程で、もちろん、こういう範囲で、こういう被疑事実で、こういうことで身柄つきか、書類送検をどうするのかということは、そういう細かいことは伺っておりません。つまり、逮捕状は公務執行妨害罪で、その船長に対する逮捕状を請求する手続に入っているというのが、私が二十一時から聞いた話でございます。

 したがって、今おっしゃられる話は、九月十日の勾留決定の後、これは船長だけが要するに被疑者として勾留決定を受けて、ほかはやはり立場上、海保的に言うと被疑者的であるのかもわかりませんが、送検をされていないという意味においては、あるいは勾留決定を受けていないという意味においては、やはり法的な立場としては参考人、つまり検察庁との関係では参考人ということにならざるを得ないのではないか、そういう趣旨のことを申し上げたつもりでございます。

富田委員 官房長官も私も弁護士出身ですから、私の質問の趣旨はもう当然御理解されていると思うんですけれども、形式的に言えば今官房長官が答弁のとおりだと思うんですけれども、実際にそういう捜査がされているんですから、やはり違った判断があってもよかったんじゃないかなというふうに私は思います。

 九月七日二十一時過ぎにビデオを見たということですが、きょうの朝日新聞の報道によると、十時五十六分に漁船が「みずき」に衝突、零時五十六分に立入検査、翌日の午前二時三分に逮捕という経過なんですね。

 すると、二十一時に官房長官がビデオを見たということは、要するに衝突する前に見たということになっちゃうと思うんですが、そうではないですよね。衝突したのを、ビデオを見たわけですよね。それはいいです、もう時間がないですから。

 この段階でいろいろ官邸の方に情報が上がってきて相談を受けていたとしたら、ここの段階でビデオを公開するという判断があってもよかったと思うんです。その後の中国の対応を見ていると、官房長官のところにビデオが入ったわけですから、この段階で、中国に対してここで毅然とした態度をとるんだということで、ビデオ公開の判断をしてもよかったと思うんですが、その点どうですか。

仙谷国務大臣 衝突事案が発生したということは、どの時点で報告が入ったか。つまり、午前中に入った記憶がございますが、いずれにしても、海のことでございますので、それほどリアルタイムで詳しく入ってくるということではなくて、十六時四十分ころに、私の部屋に、外務省も、あるいは海上保安庁からも担当者が来られて、報告を受けました。そこで、まだ具体的な事実というのがそれほど定かに伝わってきている段階ではなかったわけでございます。

 あと三時間ぐらい後には詳しい事情も入る、あるいは海保の方針も煮詰まってくるだろうということで、一たんそこは解散をいたしまして、二十一時ごろに私の部屋に再び外務省あるいは海上保安庁が集まりまして、もちろん副長官もそこに集まったわけでございますが、そこで海上保安庁の方針を聞いた。

 その際に、逮捕状を請求する手続に入ると。その際に、事案はこういう中身だ、ビデオをごらんになってください、こういうお話でありますから、これは、私が拝見したのは短時間のビデオでありますけれども、そのビデオを拝見した。

 そして、二十二時三十分に逮捕状請求、零時五十五分に逮捕状が発付されて、二時三分に逮捕状が執行された、こういうふうに私は伺っております。

富田委員 質問に答えていないので、何度やっても同じですから。あと何分しかありませんので。私はこう思うというのを先ほど申し上げたので、私は、その段階で官房長官に別の判断があってもよかったのではないかなというふうに思います。

 この船長の捜査状況について、報道がされていませんのではっきりわからないので、法務省の刑事局長に来ていただいていると思うんですが、ちょっと捜査の過程が変じゃないかなというふうに私は思うんですね。

 これは、逮捕、勾留されて、この船長に対して接見禁止はついていましたか。

西川政府参考人 お答え申し上げます。

 接見禁止請求は、勾留の十三日目、平成二十二年の九月の二十二日に接見禁止処分が付されていた、それ以前はついていなかったということでございます。

富田委員 十日から勾留されて、十三日目になって接見禁止措置になったというのは、その間どうしていたんですかね。だれでも会えたということになるわけですよね。ここに、那覇地検の捜査のやり方に何かミスがあったんじゃないか。

 被疑者はずっと否認していたそうです。それだけの、前原大臣がもう明確だと言うビデオがありながら、否認を続けている。その間に、だれでも自由に接見、だれでもということはないでしょうけれども、関係者であれば。特に領事とか大使館関係者は会えますし、そのほかの方も会っていた可能性がある。何か捜査がねじ曲げられて、しまったと思って十三日目に接見禁止措置をつけたんじゃないか。

 ここは、もうちょっと時間がありませんので、今後の予算委員会できちんと明らかにしていきたいと思いますし、こうしたことの積み重ねが国民の不信を生む、そこをきちっと明らかにして、一歩前進させる議論をぜひこの予算委員会でやっていきたいと思います。

 ビデオについては我が党も公開を要求したいと思いますので、理事会で協議していただきたいと思います。委員長、どうですか。

松原委員長代理 後刻、理事会で協議いたします。

富田委員 ありがとうございました。質問を終わります。

松原委員長代理 これにて富田君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 尖閣諸島をめぐる問題について質問いたします。

 沖縄県の尖閣諸島が日本固有の領土であることは、もうはっきりしております。日本共産党は、このことを、一九七二年、今から四十年近く前に見解として発表しまして、日本の領有には歴史的にも国際法上も明確な根拠があることを明らかにしてきております。

 この間、尖閣諸島周辺で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突をし、漁船船長が逮捕され、中国側が抗議する事件が発生いたしました。尖閣諸島付近の日本の領海で外国漁船の不法な操業を海上保安庁が取り締まる、これは当然のことであります。

 船長は処分保留で釈放されましたけれども、先ほど来議論にありました、逮捕の被疑事実と釈放に至る経過について、やはり私は、国民に納得いく説明をする責任が日本政府にはある、同時に中国にも、事態をヒートアップさせないために冷静な行動をとるべきだということを求めたいと思います。

 そこで、総理、このような事件を繰り返させないために、まず一番肝心の、根本にある尖閣諸島の領有権についての歴史的、国際法的な根拠について、改めて整理して端的に確認したいので、総理に御答弁をお願いしたいんですが、まず、尖閣諸島の存在というのは古くから日本にも中国にも知られてはいたけれども、いずれの国の住民も定住したことのない無人島だった。それが、いろいろ経過の中で、一八九五年の一月十四日の閣議決定によって日本領に編入をされて今日に至っている。歴史的には、この措置が尖閣諸島に対する最初の領有行為であって、それ以来、日本の実効支配が続いている、このことは間違いないですね。

菅内閣総理大臣 おっしゃるとおりです。

笠井委員 次に、所有者のいない土地に対しては、国際法上、先に占有していた、先占というふうに言いますが、これに基づく取得及び実効支配が認められております。加えて、尖閣諸島の日本の領有に対して、一八九五年から一九七〇年代に至る少なくとも七十五年間、中国を初め外国からそのことに異議を唱えられたことは一度もない、その間、七十五年間ですが、中国は沈黙していた、そういうことでよろしいですね。

菅内閣総理大臣 私の認識も全く同様です。

笠井委員 したがって、日本の領有は国際法の要件に十分かない、合致していて、極めて正当なものだ、ここが大事なところだと思います。

 それでは、伺いますけれども、中国、台湾が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのはいつからということになるでしょうか。

前原国務大臣 お答えいたします。

 中国政府や台湾当局が独自の主張を開始したのは一九七〇年代以降でございまして、具体的には、中国、台湾とも一九七一年にそれぞれ声明を発出しております。中国の声明は一九七一年の十二月三十日、これが尖閣諸島の領有権に関する中華人民共和国政府外交部の声明。台湾の声明は一九七一年の六月の十一日、琉球群島の地位問題に関する中華民国政府外交部声明でございます。

笠井委員 中国が領海法に尖閣諸島を中国領と書き込んだのは一九九二年のこと、それまでは中国で発行された地図でも尖閣諸島は中国側が領海とする区域の外に記載をされていた、これはそういうことでよろしいんでしょうか。

前原国務大臣 そのとおりでございます。

 先ほど御答弁いたしましたように、一九六〇年の中国が出した公図においては中国領に含めておりません。日本の領土という記述になっております。

笠井委員 したがって、領有権を主張する中国側の言い分には道理がない、これは明らかだということになると思います。

 そこで、総理、このように、尖閣諸島の領有権が日本にある、日本の固有の領土であるということについて歴史的にも国際法的にも明確な根拠がある、そのこと自体を、私は、そして我が党は、国際社会や中国政府に堂々と正面から主張すべきだというふうに思うんです。

 そういうことを総理自身がさきの国連総会の場でも理を尽くして言う機会が十分あったはずだと思うんですが、総理御自身はそういうことを言ってこられたんでしょうか。具体的な根拠、国際法的にも歴史的にもこうこうこうだからということについてきちっと言ってこられたのかどうか、総理御自身が言ってこられたのかどうか伺いたいんですが、いかがでしょうか。

前原国務大臣 もちろん、例えば、日米首脳会談の前には日米外相会談というものが行われまして、例えば尖閣諸島の日米安保条約第五条の適用などについては私で話をいたしましたし、他の個別の案件については私が話をしております。

 かように、私は十九カ国の外相と会談をさせていただきましたし、また、十一の国際会議に出させていただきました。どの国が主要かということになると語弊があるかもしれませんが、主要先進国との外相会談においては、すべての事実関係、つまりは、今、笠井委員がおっしゃったような領有権をめぐる歴史的な背景と、そして中国がいつから言い始めたのか、それはなぜなのかということと、今回、固有の領土で起きた事案であって、悪質な事案であったんだということについて、かなり詳しくお話をいたしましたし、G8の外相会談でも別途時間をとって私は説明をいたしました。

 また、各国大使館に対して私が指示をいたしまして、事実関係そして歴史的な経緯そして中国の今回とった対応、それについてちゃんと説明をするようにということを指示したところでございまして、それについては総理に対しても報告をしているところでございます。

菅内閣総理大臣 さきの国連総会、主にミレニアム開発、MDGsが主要課題でありまして、そういう中ではその主要課題に沿ったお話をいたしました。

 しかし、個別の会談の中では、今外務大臣からもお話がありましたように、外務大臣の、例えばアメリカの場合は国務長官との話を踏まえた中で全体としての話をいたしたところでありまして、そういうものをあわせて、我が国の立場は、機会を得て、しっかりと表明をすべきときにはしてきたし、これからまたASEMという場に出かけることにしておりますが、そういう場でも、しっかり言うべきことは国際社会に対しても明確に申し上げていきたい、こう思っております。

笠井委員 いろいろありましたけれども、五条の適用というのは確かにニュースで日本でも世界にも流れました。それから、領土問題はないという立場で、国内法に基づいて厳正かつ粛々とという話も世界にもわあっと流れている。

 しかし、この歴史的あるいは国際法的根拠について、ではどれだけ伝わったのか、言ったのかということになると、総理の口からもそのことは明確に言われたということはなかった。果たして、それで本当に済んだのか、済むのかということが問われていると思います。

 ところで、かつて、一九七八年の日中平和条約批准の際に、当時の中国のトウショウヘイ副首相は、尖閣諸島のような問題は一時棚上げにしても構わないと、棚上げする立場を表明いたしました。それに対して日本政府はどうしたか。それ以降三十年余り、そうした棚上げ論をいいことにして中国政府に主張してこなかったんじゃないか。三十年余り、言う機会は幾らでも尖閣問題をめぐってありました。しかし、日本の領有権に明確な根拠があることについて、これまで中国政府にも国際社会にも、理を尽くして、では日本の外交がきちんと主張してきたことはあったのかどうか。これについてはどういうふうに今、あったのかどうか事実を確認したいんですが。

前原国務大臣 個別のやりとりについてすべてを把握しているわけではありませんが、委員がおっしゃったように、しっかりとその点について中国並びに国際社会に対して発信をしてこれたかどうかということについては、大いに反省するところがあるんじゃないかと思います。

笠井委員 尖閣諸島の領土問題は一貫して存在しないという立場に立って、結局、そういう形でこの根拠についても堂々と主張してこなかった。そして、政権がかわっても、ではそのことを総理が言われたかといえば、そういうふうなことでは明確におっしゃったとは言われない。結局、政権がかわっても対応が変わっていないということになってきて、それで済まないから今回のような問題が起きているんだと思います。領土にかかわる争い事は、これは現に起きていることは事実だと思いますので、だから国民も経済界もこんなに懸念をし、不安が広がっているわけであります。

 今回のような事件を繰り返さないためには、日本政府が尖閣諸島の領有権について歴史的にも国際法的にも明確な根拠があることを中国政府や国際社会に明らかにする、そのこと自体の積極的な活動を行うことが必要だと私は思うんです。

 総理はこうした立場にしっかり立って、先ほどASEM、来週のアジア欧州会合首脳会議について触れられましたが、そういう立場に立って臨むべきだと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

菅内閣総理大臣 先ほど来申し上げていますように、今おっしゃったとおり、この問題、特に今回の事案を受けてのことも含めて、積極的に国際社会に対して、この尖閣諸島が我が国の固有の領土であって、それは歴史的にも国際的にも揺るがすことができない根拠があるんだということを、しっかりあらゆる機会を得て表明していく、あるいは説得していく、そのことが必要だ、こう考えております。

笠井委員 やはりそのことは非常に大事で、結局、今この問題をめぐって世界ではどういうふうに受けとめられているかというと、尖閣諸島は中国の領土という北京発のニュースがもう世界を駆けめぐるわけですよ。一方で、東京発でいえば、領土問題は存在しない、国内法に基づいて粛々とやっているんですというものばかりで、結局、日本の立場、主張が世界にも伝わらないということになっている。

 やはり私は、言うべきことは明確に言うべきだと。領有権の根拠について自信があるというのであれば、相手の国や国際社会に対して堂々と言えばいい。そうすれば日本の立場の大義が明らかになると思うんです。ここはしっかりやるべきだということを強く申し上げたいと思います。

 そういうことと同時に、両国の間に領有権をめぐる立場の違いがあるというもとでも、やらなければいけない緊急の問題、手を打たなきゃいけないことがあります。現実に沖縄など、日本の漁民の方々が周辺海域において安心して操業できるようにすることは急務だと思います。

 そこで、九月二十八日に沖縄県議会が全会一致で日中両政府に対する抗議決議というのを上げまして、ここの中にこうあります。「今後、」「本県及び我が国漁船と中国漁船との間で操業をめぐってのトラブルが発生したり、衝突事件が再発するなど、安全な航行が阻害されることが懸念され、県民は不安を感じている。」そういうことを言いまして、これに対応して要請項目の二番目のところでこうあります。「尖閣諸島周辺海域において、本県及び我が国の漁業者が自由かつ安全に操業・航行できるよう適切な措置を講じること。」と。私、この願いは切実だと思うんです。

 これは本当に待ったなしの問題だと思うんですけれども、この問題にかかわっては、それぞれ関係大臣がいらっしゃいますが、時間の関係で総理に大きな意味での対応について伺いたいんですが、こうしたことについてしっかり受けとめながら、今回の事態を繰り返させずに、日本の漁業者が安心して操業できるようにするための必要な措置、その点での交渉というのが必要だと思うんです。そういうことをきちっと講じるべきだと思うんですが、総理大臣に基本的な姿勢と方針について伺いたいと思います。

馬淵国務大臣 海上保安庁を所管する国土交通大臣として、また沖縄担当大臣として、お答えをさせていただきます。

 御指摘の沖縄県議会における決議も、私ども報道等を通してよく承知をしております。

 いずれにしましても、この尖閣、この周辺領海は私どもの固有の領海であり、そこでの漁業権、これはしっかりと主権を守るべきものとして常時巡視船の配備、さらには状況に応じた体制の増強等、今日まで行ってまいりました。さらに、関係省庁とも連携をいたしまして、状況に応じた対応を厳正に的確に実施してまいりたいと考えております。

笠井委員 総理、中国側との関係でこの問題をどうするかということは、当然相手のあることですから、この点について、安全操業に関して、基本的に政府全体でどうなさるかは、今、国交大臣、沖縄担当大臣からありましたが、総理から全体的なことについて改めてお願いしたいと思いますが、いかがですか。

菅内閣総理大臣 現在、先ほど国交大臣から話がありましたように、尖閣諸島は我が国の固有の領土であるという、その大原則に沿って、当然、我が国、もちろん沖縄県の漁民の皆さんが安心して操業できるように、それぞれの、海上保安庁の努力も必要ですし、また、外交的な形でどうするかというのを今この時点でどうこうは申し上げられませんが、当然ながら、我が国の安全な漁業活動を阻害するようなことについては、どの国であってもそれを認めるわけにはいかないという意思は明確にし、必要に応じてはそういったことを申し入れることも必要だ、このように思っております。

笠井委員 やはり、安全な操業というのは本当に大事な問題ですから、この点はきちっとした対応をしていただきたいと思います。

 いずれにしても、日本政府として、領土を含む国際的な紛争問題は、決して緊張をエスカレートさせずに、平和的、外交的にきちっと話し合いで解決する、これは大筋で大道だと思いますし、そういう外交力を発揮するのが政府の役割だと思います。同時に、中国側に対しても、こうした事件に際して緊張を高めない冷静な言動や対応をとることを求めて、私の質問を終わります。

松原委員長代理 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社会民主党の照屋寛徳です。

 私は、尖閣諸島が沖縄県石垣市に属する我が国の領土であることは、国際法上も明確だと認識をしております。

 先ほど、菅総理も、一八九五年一月十四日の閣議決定で我が国の領土に編入された、こういう御答弁でございました。私も時期と根拠をお尋ねしようと思いましたが、総理の答弁がありましたので、先ほどの菅総理の答弁は内閣の統一見解である、こう理解してよろしいでしょうか。

菅内閣総理大臣 そのように理解をいただいて結構です。

照屋委員 これは前原大臣にお伺いしましょうか。

 沖縄が廃藩置県になったのは一八七九年の三月十一日です。尖閣諸島が我が国に領土編入された十六年前であります。外務大臣は、一八九五年の一月十四日に我が国の領土に編入される以前は、尖閣諸島は中国のものだったというお考えか、いやいや、琉球藩のものであったに違いない、こういうお考えでしょうか、どちらかお答えください。

前原国務大臣 先ほども同僚の委員に答弁をさせていただきましたように、調査は一八八五年からしておりまして、十年かけて、他の国が統治をしていないのかどうなのかという慎重な調査のもとに、これはどの国も統治をしていないということがわかった上で、先占、先に占有するという国際法上認められた手続によって日本に編入したということでございます。したがって、中国のものであるということは全くありません。

照屋委員 前原大臣おっしゃるように、中国のものでもなかった。私は琉球藩のものであったと思います。

 きょう、「尖閣列島わったーもの」、こういう歌の歌詞を配付しました。パネルで一番だけ表示をしてございます。作詞をしたのは、元沖縄大学学長の新屋敷幸繁先生、作曲は、自称コザ独立共和国大統領、照屋林助、残念ながら、同じ照屋ですが、私の父親ではございません。パネルの方言訳は私がやりました。

 総理、大臣、この歌は、世界に向けて、尖閣列島は我々のものだ、沖縄のものだ、琉球のものだと強く訴えておるんですよね。この歌について、菅総理の御感想をお聞かせください。

菅内閣総理大臣 私も、質問をいただくということで、この「尖閣列島わったーもの」、つまり、尖閣列島は我々のもの、こういう歌があるということを知って、今資料もいただきました。まさに、この歌が長く歌われてきたことも、私は、尖閣諸島が我が国固有の領土であることを裏づける一つの大きな材料でもある、このように思っております。

 そういった意味で、この歌がいろいろなところで歌われることが、この間、他の議員からもお話がありましたように、我が国の、尖閣諸島に対する、固有の領土であるということを国際的にも国内的にもみんながしっかりと認識する大変大きな意味を持っている。機会があればまた先生からでもお聞かせをいただきたい、このように思っております。

照屋委員 ぜひ、菅総理、前原大臣、この歌を沖縄の三味線で弾いて、聞いていただきたい、このように思います。

 前原大臣に。九月二十八日、沖縄県議会は尖閣諸島海域での中国漁船領海侵犯事件に関する抗議決議を全会一致で採択しております。県議会決議に対する前原大臣の所信を伺います。

前原国務大臣 お答えいたします。

 政府といたしましても、この事案が発生した後、いろいろな機会をとらえて中国側にハイレベルから、違法操業事案及び接触事件の発生に対しまして抗議そしてまた遺憾の意を表明しているところでございます。

 先ほどから何度も繰り返し政府として答弁をさせていただいているように、東シナ海には領土問題はございません。尖閣諸島は我が国固有の領土でございまして、ここで沖縄の漁業従事者の皆さん方が安心して操業できるように体制を整えるということは、日本国政府の責務だというふうに思っております。

 先ほど馬淵国交大臣からもお話がありましたように、しっかりと海保の守りをしていくということと同時に、我々も外交ルートを通じて再発防止策というものをしっかりと求めていきたい、このように考えております。

照屋委員 最後に、尖閣列島が我が国の領海内にあることは明白である。したがって、第一の当事者は同海域で操業する沖縄のウミンチュたちであります。政府はウミンチュたちの安全操業と航行についていかなる措置を講ずるか、馬淵沖縄担当大臣に伺います。

馬淵国務大臣 お答えさせていただきます。沖縄担当大臣として改めてお答えいたします。

 沖縄県議会での決議というものを大変重く受けとめ、またさらには、先ほど委員の御指摘のように、「尖閣列島わったーもの」、県民の皆さんのお気持ちを重く受けとめながら、海上保安庁としましては、常時大型巡視船の配備、さらには、状況に応じた増強体制というものもしっかりと行っていく、厳格かつ適正な警備体制を図ってまいるということをお伝えさせていただきます。

 以上でございます。

照屋委員 終わります。

松原委員長代理 これにて照屋君の質疑は終了いたしました。

 次に、浅尾慶一郎君。

浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。

 参議院の委員会で小川法務副大臣が、過去に外国を理由にこうした処分保留とか検察が配慮したことはないという答弁をされております。

 そのことを踏まえて、菅総理大臣に伺いたいと思いますが、かなり古い話になりますけれども、明治二十四年、大津事件というものがございました。これは、総理、質問通告しておりますから、概要は御案内のとおりでありますけれども、当時、日本とかなり国力の違うロシアの皇太子に巡査が切りつけた。日本の皇族に対して傷害を行った場合には当時は死罪であったけれども、しっかりと司法の独立を示すという形でそういう形にはならなかったということは歴史の教科書に書いてありますので御案内のとおりだと思いますが、私は、今回の検察の判断というのは、まあこれは司法とは、準司法的組織ということでいえばかなり似通っている部分もあると思いますが、総理が明治の大津事件と今回の事案を比較してどういう感想を持たれるか、まず最初に伺いたいと思います。

菅内閣総理大臣 大津事件、私も一般的な歴史的な事実としては承知をしております。これには、裁判官が司法の独立という観点で、まさに司法権に沿っての判断をしたというふうに理解しております。

 今回の案件は、裁判ではありませんが、検察当局が法律に沿って、いろいろな総合的な判断も含めて最終的な判断を検察としてされた、そういうふうに理解しておりまして、共通であるとか違っているということまでは申し上げませんが、裁判と検察という違いはありますけれども、それぞれの法律的あるいは立場からしっかりした判断をされたもの、こういうふうに理解しております。

浅尾委員 私が申し上げたい趣旨は、大津事件のときは外国であろうとなかろうと配慮をしなかった。今回ははっきりと配慮をしている。その背景には、恐らく政治的な判断、もっと言えば官邸も含めた判断があったのではないかというふうに思いますが、そのことについて伺ってもなかなかお答えをいただけないと思いますので、委員長にちょっと予算委員会に資料提出を三点要求させていただきたいと思います。

 午前中の小野寺委員からの質問にありましたけれども、九月二十四日に会議があったということでありますが、二十二日にその会議が決定されたということでありますが、通常、会議が持たれる場合は、まずはその現場の那覇地検の検事正が説明をされるということだと思いますが、どういう説明があったのかということを資料提出をしていただきたい。

 二番目。外務省から二十三日の段階で那覇地検の検事正に対して説明がされたということでありますが、この一回しか説明がされていないというふうに私も聞いておりますが、どういう説明を外務省がしたのかということ。

 三番目。この取り調べは石垣島で行われておりましたけれども、石垣島でいる検事さんが、果たして全知全能をもって世界情勢までわかるのかどうか。そうだとすると、石垣島の検事さんはどういう新聞を読んでおられたのか。

 その三点の資料要求をさせていただきたいと思います。

松原委員長代理 後刻、理事会で協議をいたします。

浅尾委員 続いては、この先の日中関係を考えたことについて伺ってまいりたいと思いますが、私は、硬軟両様の対応が必要だろうというふうに思います。

 来年度の予算について各省とも予算シーリングがかかっておりますけれども、この際、あるメッセージを送る。特に、防衛予算というのは半分近くが人件糧食費ということでありまして、一〇%マイナスをするということは、あるいは多年度化されている歳出化経費というものを考えると、非常に、物件費のところで二〇%以上減らさなければいけないということなのでこれは大変厳しいというふうに思いますので、まずは防衛省の予算について一〇%シーリングを外す、これだけは外すということを今決めれば、これはかなりメッセージになるかと思いますが、総理はどういうふうにお考えになりますか。

菅内閣総理大臣 いろいろな対応が考えられるわけですが、今、浅尾議員から御指摘の概算要求組み替え基準についての問題ですが、既に概算要求は出されております。この概算要求に対して、これから、あるものはさらに切り込み、あるものは大きく増額することもあるわけでありまして、今もう終わったことの基準を変えるということは余り手続的にもとれる形ではありませんので、今後のあり方として、御指摘のような御意見はしっかり受けとめさせていただきたいと思っています。

浅尾委員 もう二点ほど防衛関係でお話をさせていただきたいと思います。

 与那国島に自衛隊を駐屯させていくということは、かつて政府が決めていたことだと思います。これを進めていくということも一つの抑止につながるのではないかというふうに思いますし、あわせて、今十八隻あります潜水艦の耐用年齢が十六年であるというのを、耐用年齢をふやすことによって、多少、南の方は島が多いわけですから、抑止的効果が出るんじゃないかということについて簡潔に、これも、自衛隊の最高指揮官でありますから、総理大臣にお答えいただきたいと思います。

北澤国務大臣 お答えいたします。

 防衛省の予算についても御見識を披瀝していただいて、大変ありがたいと思っております。私どもも、この予算のあり方についてはいろいろお話を申し上げたわけでありますが、一つの考え方として傾聴させていただきます。

 それから、潜水艦については、一六大綱で十六隻ということは既に決まっておるわけでありまして、今後、見直しに当たって、今おっしゃられたような、耐用年数を延長することによって体制を新たにするということは、一つの考え方としてお聞きさせていただいて、検討させていただきます。

 それから、与那国への配備でありますが、先島への配備については今検討しておりまして、予算要求も調査費という形でさせていただいておりますので、今後検討させていただきたいと思います。

浅尾委員 時間の関係で次の質問に移りますが、日本が国際社会にアピールする上で、外務省のホームページを見ますと、尖閣諸島が日本のものであるというのは、日本語と英語では書いてありますが、中国語では書いてありません。まず、これを中国語で書くべきだと思いますが、いかがでしょうか。

前原国務大臣 委員の御指摘も踏まえて、中国語バージョンもつくりたいというふうに考えております。

浅尾委員 もう一点。

 中国の内政についてとやかく言うつもりはありませんが、貧富の格差がいろいろな課題になっているということで言うと、かつて日本は、高度成長期のときに、最高で累進税率九三%という時代がございました。今、中国の累進税率は多分三〇%ぐらいではないかと思いますが、日本よりはるかに貧富の格差が大きい国においては、累進税率を高めるということが一つの社会安定要因になるのではないかと思います。

 そうしたことについて、日本はこうしてきたという経験を伝えていくというようなことは考えておられるかどうか、伺いたいと思います。

菅内閣総理大臣 私、財務大臣のときに、日中の財務大臣会議というものを開いたことがあります。この中では、税制のあり方やいろいろなことを相互に話題として議論をいたしたことがあります。

 そういった意味で、今、浅尾議員の言われたこと、今回の案件云々ということでは必ずしも当たるかどうかわかりませんが、そうした、日中がそれぞれの経験を相互に交換して、よりよい社会づくりにお互いが助け合うということは望ましいことだ、こう思っています。

浅尾委員 最後の質問になると思います。

 新華社が、フジタの社員、四名勾留されておりますけれども、三人が釈放されたと伝えております。まず、その事実関係を把握されておられるかどうかということと、残り一人の方の早急な釈放を強く求めていくべきだと思いますが、その点についてお答えいただきたいと思います。

前原国務大臣 四人のうち三人が釈放されたということは事実でございますけれども、まだ一人釈放されておりません。

 そもそも、今回、どういう要件で、向こうの言い方だといわゆる住居監視になっていたのかも明確でありませんし、もう一人まだ残されているということでございますので、早期解決をしっかり求めていきたいと考えております。

浅尾委員 終わります。

松原委員長代理 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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