衆議院

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第2号 平成23年1月31日(月曜日)

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平成二十三年一月三十一日(月曜日)

    午後一時四十七分開議

 出席委員

   委員長 中井  洽君

   理事 泉  健太君 理事 城井  崇君

   理事 武正 公一君 理事 手塚 仁雄君

   理事 中川 正春君 理事 若泉 征三君

   理事 塩崎 恭久君 理事 武部  勤君

   理事 富田 茂之君

      石毛えい子君    稲見 哲男君

      打越あかし君    生方 幸夫君

      小川 淳也君    大串 博志君

      金森  正君    金子 健一君

      川村秀三郎君    吉良 州司君

      菊池長右ェ門君    郡  和子君

      佐々木隆博君    城島 光力君

      高井 美穂君    高邑  勉君

      竹田 光明君    津村 啓介君

      中根 康浩君    仲野 博子君

      藤田 憲彦君    本多 平直君

      馬淵 澄夫君    三谷 光男君

      水野 智彦君    宮崎 岳志君

      宮島 大典君    村越 祐民君

      山口  壯君    横粂 勝仁君

      渡部 恒三君    小里 泰弘君

      金子 一義君    金田 勝年君

      小泉進次郎君    佐田玄一郎君

      齋藤  健君    菅原 一秀君

      橘 慶一郎君    野田  毅君

      馳   浩君    山本 幸三君

      遠山 清彦君    笠井  亮君

      阿部 知子君    山内 康一君

      下地 幹郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       菅  直人君

   総務大臣

   国務大臣

   (地域主権推進担当)   片山 善博君

   法務大臣         江田 五月君

   外務大臣         前原 誠司君

   財務大臣         野田 佳彦君

   文部科学大臣       高木 義明君

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   経済産業大臣       海江田万里君

   国土交通大臣       大畠 章宏君

   環境大臣

   国務大臣

   (防災担当)       松本  龍君

   防衛大臣         北澤 俊美君

   国務大臣

   (内閣官房長官)

   (沖縄及び北方対策担当) 枝野 幸男君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (公務員制度改革担当)

   (拉致問題担当)     中野 寛成君

   国務大臣

   (郵政改革担当)

   (金融担当)       自見庄三郎君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)

   (行政刷新担当)     蓮   舫君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)

   (社会保障・税一体改革担当)           与謝野 馨君

   国務大臣

   (「新しい公共」担当)

   (科学技術政策担当)   玄葉光一郎君

   外務副大臣        伴野  豊君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   財務大臣政務官      吉田  泉君

   財務大臣政務官      尾立 源幸君

   厚生労働大臣政務官    小林 正夫君

   農林水産大臣政務官   松木けんこう君

   防衛大臣政務官      松本 大輔君

   防衛大臣政務官      広田  一君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月三十一日

 辞任         補欠選任

  生方 幸夫君     金子 健一君

  吉良 州司君     菊池長右ェ門君

  城島 光力君     藤田 憲彦君

  津村 啓介君     馬淵 澄夫君

  三谷 光男君     横粂 勝仁君

  菅原 一秀君     橘 慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  金子 健一君     生方 幸夫君

  菊池長右ェ門君    吉良 州司君

  藤田 憲彦君     城島 光力君

  馬淵 澄夫君     宮崎 岳志君

  横粂 勝仁君     三谷 光男君

  橘 慶一郎君     菅原 一秀君

同日

 辞任         補欠選任

  宮崎 岳志君     津村 啓介君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十三年度一般会計予算

 平成二十三年度特別会計予算

 平成二十三年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

中井委員長 これより会議を開きます。

 平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算、平成二十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。野田財務大臣。

野田国務大臣 平成二十三年度予算の大要につきましては、既に本会議及び予算委員会において申し述べたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、改めて補足説明を申し上げます。

 平成二十三年度予算は、中期財政フレームに基づき財政規律を堅持するとともに、成長と雇用や国民の生活を重視し、新成長戦略及びマニフェスト工程表の主要事項を着実に実施する元気な日本復活予算であります。

 平成二十三年度予算の基礎的財政収支対象経費は、七十兆八千六百二十五億円であります。前年度当初予算と比べ、六百九十四億円の減少となっております。

 これに国債費二十一兆五千四百九十一億円を合わせた一般会計総額は、前年度当初予算と比べ、千百二十四億円増加の九十二兆四千百十六億円としております。

 一方、歳入については、租税等の収入は、四十兆九千二百七十億円を見込んでおります。前年度当初予算と比べ、三兆五千三百十億円の増加となっております。その他収入は、基礎年金の国庫負担割合二分の一を維持するための特例法による二兆四千八百九十七億円の受け入れを含め、七兆千八百六十六億円を見込んでおります。

 以上のように、租税等の収入が依然として低水準にある中で、歳出歳入両面において最大限の努力を行った結果、新規国債発行額については、四十四兆二千九百八十億円となっております。

 次に、主要な経費について御説明いたします。

 社会保障関係費については、高齢化等に伴って年金、医療等の経費を引き続き増額するとともに、三歳未満の子供について子ども手当の支給額を引き上げ、雇用のセーフティーネットを広げるため求職者支援制度を創設いたします。この結果、前年度当初予算と比べて一兆四千三百九十三億円の増額となる二十八兆七千七十九億円を計上しております。

 文教及び科学振興費については、高校の実質無償化の着実な実施や小学校一年生の三十五人以下学級の実現、大学における教育研究基盤の強化を図るなど教育環境の整備を進めるとともに、基礎研究の充実に資する基金の創設等を行いつつ、科学技術振興費を増額しており、五兆五千百億円を計上しております。

 地方財政については、地方歳出について国の歳出の取り組みと基調を合わせつつ、地方の財源不足の状況を踏まえた加算を一兆五百億円行うこととしております。この結果、地方交付税交付金等について、前年度当初予算と比べ六千九百三十二億円減少し、十六兆七千八百四十五億円となっておりますが、地方自治体に交付される地方交付税交付金の総額は四年連続で増加し、地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源の総額を適切に確保するなど、引き続き地方に最大限配慮しております。

 また、地域の知恵や創意を生かし、地域の自由裁量を拡大するため、地域自主戦略交付金等を創設いたし、五千百二十億円を計上しております。

 恩給関係費については、六千四百三十四億円を計上しております。

 防衛関係費については、四兆七千七百五十二億円を計上しております。

 公共事業関係費については、四兆九千七百四十三億円を計上しております。

 経済協力費については、五千二百九十八億円を計上しております。

 中小企業対策費については、千九百六十九億円を計上しております。

 エネルギー対策費については、八千五百五十九億円を計上しております。

 農林水産関係予算については、公共事業関係費のうちの農林水産関係部分を含め、二兆二千七百十二億円を計上しております。

 国家公務員の人件費は、五兆千六百五億円となっております。

 政府は、三段構えの経済対策に基づき、既に実施段階に入ったステップワン、ステップツーの着実な推進を図るとともに、成長と雇用に重点を置いた平成二十三年度の予算、税制等から成るステップスリーに切れ目なくつなぎ、雇用を起点とした経済成長の実現を確かなものとしてまいります。

 以上、平成二十三年度予算について御説明申し上げました。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようにお願いを申し上げます。

中井委員長 これより基本的質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 本日、この二十三年度総予算基本的質疑、初日の第一番の質疑者として御指名をいただきました。与野党そろっての、まさに熟議の国会としての予算審議がようやくスタートするわけであります。

 私自身、つい二週間ほど前には閣僚であり、そして、年末の予算編成過程には、私も国土交通大臣としてその責任を持って取り組んでまいった。こうした者として、果たして私自身がこの予算の質疑に立つことがふさわしいのかと自問をする瞬間もございました。

 しかし、改めて、閣僚を辞して、そして一議員となって、今、我々民主党が求められていることは一体何だろうか、必要なことは何なのか、このことに思いをいたしたときに、私自身は、国民の声に真摯に耳を傾けることである、このことを実感しております。したがって、みずからが、私自身が国民の声に耳を傾けながら、さらに、この国会の場で、国民の皆さんの代表として政府に問うていく責任がある、そのように受けとめたわけであります。

 そして、私自身、閣僚であった自身のことを振り返り、深く反省をし、また、内省を繰り返しながらも精進の日々を積み重ねていく、その決意のもとに、きょうは、総理を初め閣僚の皆さん方に質問をさせていただきます。

 まず、この総予算の審議に、質問に入らせていただく前に、この年末からあるいは今日に及んで、災害あるいはそれに類する脅威について言及をしたいというふうに思っております。

 年末の予算編成を終えて今日まで、国民生活に深刻な影響を与える自然災害あるいは家畜伝染病の実態等々、これらに対しての対応についてお尋ねをしたいと思います。

 自然災害の一つにつきましては、まず、宮崎、鹿児島県境にあります霧島連山の新燃岳、この実に五十二年ぶりの噴火災害についてお尋ねをしたいと思います。

 連日、テレビの報道でも上がっておりますように、新燃岳の噴火、昼夜を問わず、そして近隣の住民の方々のその生活を脅かす状況、まさに降灰被害に遭われている方々、地域の方々には心からお見舞いを申し上げるわけでありますが、一方で、農業、交通、その他産業、さらには人体や健康、こうしたものを害する被害を最小限に食いとめる政府の責任があると考えているところであります。この復旧対策に対しては全力を挙げて取り組んでいただく、そのように考えております。

 まず、この週末には、聞くところ、松本防災担当大臣、現地に赴かれたとのことでございました。担当大臣としての実態把握、そして状況の分析、また今後の取り組みについて、地域の方々のみならず、風向きによっては、それこそ都城の方々あるいは宮崎の方々を含めまして本当に大きな不安をお持ちだと思います。ぜひ、こうした甚大なる自然災害に対しての政府の意思と決意というものを、県民の方々並びに国民の皆様方にもわかりやすくお伝えいただきたいというふうに思います。

松本国務大臣 馬淵委員にお答え申し上げます。

 おととい、きのうと、宮崎県そして鹿児島県に入ってまいりました。御指摘のとおり、新燃岳の噴火によって、私ども、いち早く関係省庁連絡会議を立ち上げまして、監視体制あるいはさまざまな手だてを講じようということで今一生懸命取り組んでいるところであります。

 二十九日の日には宮崎県に入りまして、都城の夏尾というところで、降灰状況等々、また農産物の被害も見てまいりましたけれども、やはり行かなければならないということを思いました。すごい降灰の量でありまして、これは何としてもこれを除去していかなければならない、災害弱者と言われる子供たちやお年寄りのためにも、しっかり国もバックアップをしていきながら降灰のために努力をしていきたいというふうに思っております。

 きのうは、霧島の方から、きょう小里委員もおられますけれども、噴火の様子を見てまいりました。皆吉議員等と行ってまいりましたけれども、予断を許さない状況であります。避難をされている方々に対しても心からお見舞いを申し上げますとともに、しっかりこれからも万全の体制を整えて、防災、国の基本でありますから、そういうことに関して努力を重ねていきたいというふうに思っております。

 最後に、つけ加えますけれども、桜島の経験があります鹿児島県も、ロードスイーパーであるとかいろいろなことで手助けをしていただいております。馬淵前大臣、大畠大臣もいち早く声をかけていただいて、九州地方整備局もロードスイーパーでありますとか散水車でありますとか、そういうことも手伝っていただいております。

 いずれにせよ、しっかりこれから心を合わせて頑張っていきたいというふうに思っております。ありがとうございます。

馬淵委員 松本大臣の迅速な対応、並びに現地に赴いて、そして被害の状況を確認する、並びにこうした連携を率先して率いていただいている、これは本当に地域の方々、国民の皆様方に明確な強いメッセージとして伝わったというふうに思います。

 その一方で、なかなか被害の状況というものは即座に把握は難しいかもしれませんが、テレビなどニュースを見ますと、それこそ葉物、露地物と言われるような野菜類、およそこれは収穫ができないような状況を私も拝見いたしました。

 現時点で把握できているかというのは私も定かではないんですが、ぜひ鹿野農林水産大臣にも、状況というものにつきまして、今わかる範囲で結構でございますので、お答えをいただけますでしょうか。

 防災担当大臣でよろしゅうございますか。では、防災担当大臣の方でお願いいたします。

松本国務大臣 鹿児島の曽於市に参りまして、葉物、地物、それぞれ見てまいりました。ホウレンソウの畑に行ってまいりましたけれども、大変な状況でありました。その旨は農水大臣に、けさ、今報告をいたしたところであります。いずれにせよ、これからまた避難をされている皆さんが力を合わせて、心を合わせて、この災害に向かっていただきたいということを願います。

 そして、大雪のことでありますけれども、私どももいろいろな意味で災害の大きさ、九州の人間ですから想像を絶するものがありますけれども、そのことについても、インフラの確保、あるいは除雪のときの管理等々、また農産、水産業、そういったものに対する手当て、そして災害に即対応していかなければならない、そういうことに対する強化も今一生懸命取り組んでいるところであります。

 また、これからも、災害というのは与党、野党ありませんから、そういう意味で皆さんのお知恵をいただいて取り組んでまいりたい、そのように思っております。

馬淵委員 降灰被害についてはまだこれからの把握ということでありますが、今、防災担当大臣松本大臣から、こうした状況の把握をしながら関係省庁連携をとって今後の対策に努めていただくということでありますので、ぜひその対応をしっかりとお願いしたいと思います。

 もう一点、同じ自然災害といいますと、年末にもございました。これも私も当時国交大臣としてその対応というものに終始したことを記憶しておりますが、雪害でございます。

 いわゆる豪雪による雪害、これも非常に深刻でございまして、既に除雪によっての死者の方も出ているという状況で、まさにこうした方々に対しては心からお悔やみを申し上げるとともに、また、けがをされた方、さまざまな方々におかれましても、お見舞いを申し上げるところであります。

 さて、この豪雪災害についてもお聞きをしたいと思いますが、この雪害対策、年末年始、先ほど来申し上げたように、西日本、日本海側を中心に記録的な大雪だったということでありました。これは交通機関の寸断、それこそ車の渋滞がやがて国道にとめられてしまうというような状況もあった。停電、断水、あるいは雪おろし作業の転落事故などの死亡者ということであります。

 こうした中で、特に農林水産関係におきましては、私もこれは後で報道で知ったんですが、漁船の転覆、豪雪によって船に雪がたまり、そしてその重みで沈んでしまうという状況が起きる、沈没、漁業被害が発生している。また、ビニールハウスや牛舎の倒壊など、大変甚大な影響を及ぼしているとされています。

 こうした状況の中で、当然営農、漁業活動に戻れるような迅速な対応というものが必要だと思います。農林水産業におきまして、かかる雪害対策、今後どのような形でこれを取り扱っていくか、対応していくのかということにつきまして、ぜひお答えをいただきたいというふうに思います。

鹿野国務大臣 今回の大雪でお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げながら、被災に遭われた方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 昨年末からのこの大雪によりまして、農林水産関係では、西日本の日本海側などで、漁船の転覆、沈没の漁業被害がありました。また、パイプハウスの損壊等の被害が生じております。このことにつきまして、まず被害状況をしっかりとつかむことだ、こういうふうなことで、これに対してどう対応するか。

 一つは、損害がどの程度かという迅速なる損害評価というふうなものの実施、そして保険金の早期支払いが円滑に行われるように、このようなことから、農業共済の団体なりあるいは漁業保険団体等に対して要請をしているところであります。

 もう一つは、被災農林漁業者に対する農林漁業セーフティーネット資金などのこれまた資金の円滑化、また既に借りておられる方々の償還猶予などについて、日本政策金融公庫などに対して関係金融機関等に対する依頼をもういたしておるところでございます。

 そして、漁船の被害につきましては、故障した船外機の更新が可能となる体質強化グループ活動支援事業というものがあるわけでありますけれども、これを活用しやすいようにして、そういう具体的な措置をもうとっておるところでございます。五人というようなグループでなければという枠組みがありましたけれども、これを二人ならば活用できる、こういうような弾力的な対応もいたしておるわけでございまして、これからも被害状況の把握をしっかりとつかんで、そして現地の声をお聞きしながら対応してまいりたいと思っておるところでございます。

馬淵委員 まさに雪で船が沈むなどということを私も全く想像だにしなかったんですが、お聞きしたところ、一月の二十六日の十四時現在で漁船の沈没数四百三隻ということであります。大変な数だというふうに本当に驚きました。いわゆる農業の方々のビニールハウス、パイプハウス、これは想像もつきます。雪が載って倒壊してしまうということで、これは四千四百二十九棟でありますが、漁船が四百三隻も沈没してしまっていると。

 聞きましたところ、いろいろなタイプの漁船の中でも、もちろん引き揚げて水を出して使えるものもあるが、今大臣が御指摘のあった船外機に関しては、水没してしまうともうこれは使えない。そこで、何とか利用していただこうという方法で取り組まれたのが、今大臣が御説明いただきました漁業経営体質強化対策事業、これを使おうということだというふうに私も農水省の方々からお聞きをいたしました。

 これは本来であれば漁業経営体質強化でありますから、漁業に取り組んでいる方々にぜひ全面的なバックアップの体制ということで、複数の方々で、グループで一つの船外機を買うということに取り組みをさせていただく、これは幾らかの補助があるんでしょうか、費用の二分の一の助成があるということであります。こうした経営基盤の強化という施策をこのような災害対策にも弾力的に運用するという、私は極めて政府として迅速な対応の一つのモデルだと思います。ぜひ、このような方法をもっと周知していただいて、安心して漁業者の方々に使っていただけるような、そんな取り計らいをしていただきたいというふうに思います。

 さて、今、このように噴火災害あるいは雪害ということで自然災害もございましたが、もう一つの大きな話題となっております、そして、これも私たち消費者として大変気をつけなければならない、心配であるという、そんなお気持ちでいらっしゃる鳥インフルエンザ対策についてお尋ねをしたいというふうに思います。

 これは、全国の各地においていわゆる高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜の確認がなされ、これも次々にという状況であります。そしてその上で、移動制限がなされる、もちろん防疫体制の徹底ということが行われているわけでありますが。

 まず、この昨今起きている高病原性鳥インフルエンザの発生の状況につきまして、担当大臣から御説明をいただけますでしょうか。

鹿野国務大臣 今お話のございました高病原性鳥インフルエンザの対策につきましては、何といっても迅速な対応が必要だ、こういうふうなことから、政府におきましても、総理自身が本部長であります高病原性対策本部、これを数回にわたりまして開催し、また農林水産省におきましても同じように本部を設けておりまして、たびたび開催をしながら対応してきたところでございます。

 そこで、基本的には、いろいろな施策を講じていくときに、最初に簡易検査があるわけでありますけれども、その簡易検査が陽性となった、その後で遺伝子検査というふうなものが行われるわけでありますけれども、専門家の先生方、すなわち疾病小委員会の疫学チームの先生方の御判断を受けながら、いわゆる遺伝子検査の結果が陽性となる前の段階で、農林水産省の高病原性インフルエンザ対策本部におきまして、疑似患畜、こういうふうに判定した場合には直ちに防疫措置を講ずる、こういうようなことの基本方針を打ち出しまして今対応しておるところでございます。

 いずれにいたしましても、関係省庁とも連携をとりながら、都道府県ともしっかりと密接なる連携の中で、蔓延防止に万全の策を講じてまいりたい、こういうふうに今やっておるところでございます。

馬淵委員 これも原因に関しては、いわゆる野鳥であるとかさまざまな原因については今後明らかにしていただかなければならないと思いますが、宮崎、鹿児島は九州、そして愛知ということですね。この全国に飛び火と言ったらいいんでしょうか、野鳥であれば、それこそもう制限しようがないような状況かもしれません。

 そんな中で、私、一つ気になる点がありますのが、愛知県におきまして豊橋市、これは静岡とのちょうど境でありますが、そこに、これも鳥インフルエンザの発生という中で、移動制限区域内にいわゆるGPセンターというのがある、これを私、教えていただきました。これは何ですかとお尋ねしたところ、グレードパッキングセンターと称して、いわゆる卵の選別並びに洗卵といって、洗って、そして大きさを分けていく。グレードですね、Lサイズ、Mサイズ、Sサイズ、パッキングをして、集中的にそれを行って出荷していく、こうした仕組みだそうです。

 このGPセンター、グレードパッキングセンターが、この愛知県豊橋市の移動制限区域内に実に七カ所もある。しかも、ここでは鶏の鶏卵のみならず、ウズラの卵ということもありまして、このGPセンターが移動制限区域内にあるということで、今後、卵やウズラの出荷ということに対して大変不安をお持ちの方が多数いらっしゃいます。これもまた静岡の県境も含まれるわけであります。

 こうした状況の中で、愛知県の方々、消費者の皆さん方が御心配の向きであるこのGPセンターに対する対応というものも、農水省としてはこれは率先して対応をいただかねばならないと思いますが、今この対応の現状というものにつきまして農水大臣から御答弁いただけますでしょうか。

鹿野国務大臣 今、馬淵委員からGPセンターのことにつきましてお触れいただきましたけれども、移動制限区域を設けますと、区域内のGPセンター、すなわち卵の選別包装センターというものは閉鎖されるということになりまして、防疫指針では、車両消毒等の防疫措置を適切に講じていることが確認できれば、国と県との協議によりまして営業の再開を認めることが可能になっているということでございます。

 このようなことから、愛知県知事から、六カ所のGPセンターの営業再開に関する協議を受けました。そこで、一月の二十九日、営業を認める旨の回答を私どもさせていただいたところでございます。

馬淵委員 大臣、重ねて確認でありますが、今の御答弁でありますと、そのような形で、一月二十九日の段階で確認ができたということで営業再開を指示された、愛知県のこのGPセンターの方々にはそういった指示を出されたということでよろしゅうございますか。

鹿野国務大臣 お話しのとおりに、私ども、二十九日に営業再開を認める旨を回答いたしたわけでございまして、このことによりまして、移動制限区域の外側にある農場から移動制限区域内のGPセンター、いわゆる卵の選別包装センターに卵を搬入し、そして選別包装した上で出荷することが可能となったということを申し上げたいと思います。

馬淵委員 極めて重要なことでございまして、移動制限区域内にGPセンターがあるために、鶏卵業者が移動制限外からパッキングをして出荷することができなくなれば、いわゆる鶏卵、卵が消費者の方々に届かない、産業に対しては大きな打撃があると想定される中で迅速な対応をいただいたということで、消費者の方々も、また地域の方々も安心をされていると思います。

 まさに万全な防疫体制と、一方で経済に影響を与えないという、こうした両輪での対応が政府に求められている、そのことの対応をしていただいているということを、まずは国民の皆様方に御理解いただけたかというふうに思います。

 このように、目の前にある課題に対して迅速に対応しなければならないということが政府に課せられています。その上で、この国の大きなかじ取り、まさに二十三年度総予算というものについてこの国会の場で審議をしていくということになりますが、まず、総予算の詳細に入る前に、私は、総理が語られた施政方針演説、この施政方針の中で三つの理念を語られました。

 一つは平成の開国、二つ目は最小不幸社会の実現、そして三つ目が不条理を正す政治。極めて、成長戦略に乗せていく、そしてこの国を新たに世界に冠たる国として自信を持って復活させる、こうした強いメッセージを盛り込んだ理念であると私も受けとめています。

 その中で、私は、この三つすべてではなくて、まず総理には、私自身のこれは勝手な思いかもしれませんが、最も強く理念として打ち出されている最小不幸社会の実現という理念について、少しお尋ねをさせていただきたいと思います。

 私も、この言葉は、初めて聞いたときのことをはっきりと覚えています。二〇〇三年、私が衆議院初当選をした総選挙のときの、総理の顔が代表の顔としてマニフェストに刷られたその冊子を手にしたときであります。

 最小不幸社会の実現ということで、二〇〇三年のマニフェスト、「菅直人から国民のみなさんへ」とメッセージがありました。これを見ますと、「「不幸」を最小化する」「それが政治の目標だと思います。」とそのときにも明確に語っておられました。

 こうした最小不幸社会、私も選挙を通して、国民の皆さん方の苦しみや、あるいは政治によって生まれてしまったさまざまな課題を取り除く、それが政治家の使命であるということを伝えたことを今もはっきりと覚えています。

 しかし、この最小不幸社会という言葉に対しては、さまざまなアレルギーも一方で起きているような気がいたします。私は、そのことに対して、ぜひ総理から、御自身の言葉でわかりやすく国民に伝えていただきたいと思っています。

 さて、総理のことを最もよく理解されている方のお一人であると私は思っています伸子夫人、今お顔をちょっとにやにやとされましたが、七月に、総理の奥様、伸子夫人が出された本、「あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの」、この本が出されました。

 そして、この著書の中には、伸子夫人が御自身の中でも「菅伸子の代表質問」として、「「最小不幸社会」って何?」という章がございます。ここを見ますと、私も、伸子夫人の総理に対する温かい思いと、また一国民としての素朴な考えというものが非常にわかりやすく伝わってくるなと思いました。

 ここにその一節がございます。「政治家が何か高邁な理想などを掲げると、ろくなことにならないようにも思うのです」と。おっしゃるとおりだと私も思います。そして、その中で、「菅が言う「最小不幸社会」というのは、そういうことでもあるのです。」と。ここには、「国とか政治というのは権力だから、その権力が、「これがあなたの幸福だ」と押し付けることなんかできない」「不幸を取り除いていくことだ」と夫が、すなわち総理が語られていることを伸子さんはこの著書の中でも書いておられます。

 そして、伸子さんの言葉として、「「最小」で「不幸」とマイナスのイメージが重なるので、なんだか夢も希望もないみたいに聞こえますが、」このように言われている。そして、でも、「マイナスにマイナスをかけるとプラスになりますね。」このようにも言われています。そして、「「最小不幸社会」というのは、すごくよい社会だと思うのですけれど、ちょっと分かりにくいのかもしれません。」とも言われているんです。「「不幸の最小化」と言ったほうがよいかもしれません」このように語られています。

 一方で、こうした最小不幸社会については、さきの代表質問で小池百合子代議士も発言をされておられました。総理は最小不幸社会という言葉を多用されますと。このままではやる気もなくなるよという声をよく耳にします、そして、否定形ばかりでは、人間、やる気が起こらないんです、共感が呼び起こらないんですよとも語られています。

 こうした意見が両方ある中で、伸子夫人のこの章の中には、一つこう書いていることがあります。「「大きな政府」路線だと批判する人もいれば、その逆に「新自由主義」と批判する人もいて、戸惑います。」つまり、いろいろな形でとられてしまう可能性がある。しかし、「よく理解していただければと思います。」と締めくくられている。

 総理、私は、しっかりと伝えれば、この総理が示す理念というものは、まさに人としての優しさ、人の尊厳というものを大切にしようという、人中心の社会への新しい二十一世紀の国の姿をそこに込めているということは伝わると思います。しかし、それがまだ十分ではない。伸子夫人でさえ戸惑うと言われてしまう。それは、世間の方がそう受けとめられることに戸惑いを感じていられるんです。

 総理、ぜひ総理の言葉として、これは奥様に、あるいはお隣の御家庭のお母さん方にお伝えするような思いで、それこそ何か高邁な理想を掲げてろくなことになるような話ではない、総理の心根の言葉として国民の皆さん方にその理念をお伝えいただけませんでしょうか。

菅内閣総理大臣 まず、馬淵委員に、この間、国交大臣として本当に大きな仕事をしていただいたことを心からお礼を申し上げます。

 また同時に、これから党の立場で広報委員長という、ある意味では我が党にとってもう一つの最も重要な役割をお願いいたしておりまして、その点でも、これからもさらなる活躍を期待いたしております。

 そこで、きょうは、私が施政方針の中でも申し上げました最小不幸社会ということについて、もっと国民の皆さんによく理解してもらえるように説明をしろ、そういう御質問、機会をいただいたことを大変うれしく思っております。

 これは時折、いろいろなものに書いておりますが、私が本当にまだ十代のころに読んだ本の中に、「すばらしい新世界」という、ハックスレーという人の書いた本がありました。ここの中には、完全なユートピアというものをある意味で逆説的に述べられておりました。

 すべての人間が試験管ベビーで生まれて、生まれたときから、あなたは穴を掘るのが最も幸福、あなたは机で仕事をするのが最も幸福、もうすべてが条件づけられているそういう社会がその中に書かれ、そこに全く普通の女性のおなかから生まれたバーバリアンという人がやってきていろいろなことを起こしていく、大変ある意味有名な本であります。

 私は、その本を読んだ中で、幸福というものを、あなたの幸福はこれなんですと強制することの怖さというものを感じました。当時といいましょうか、その後ちょうど大学がもめたころに、いろいろな議論がありました。イデオロギー的な人からすると、例えばマルクス主義というのはすべての人を幸福にするんだとか、いや、この考え方はすべての人を幸福にするんだと。果たして本当にそうだろうか、私はそこに一貫して疑念を持っておりました。

 そういう中で、政治の役割というのは、やはり究極には権力によって人々を強制するところがある。もちろん、犯罪を犯したとかあるいは税金を払うとか、いろいろな場面で強制するところがある。そういう強制する権力をどういう場面には使わなきゃいけないか、しかし、どういう場面では使うべきでないのかということを考えました。

 そういう中で、私の一つの結論が、幸福というものは最終的には個人個人、私はベートーベンが好きだ、いやワーグナーが好きだ、いや、いろいろな、音楽であろうが、絵画であろうが、あるいは人間の関係であろうが、そういう幸福を感じるというのは個々の人たちの自由な発想の中で選ばれるものであって、それを政治の権力で強制するということは、私はとるべき道ではない。

 逆に言えば、政治がやらなければいけない最大の仕事は、だれにとっても明らかなる不幸、例えば戦争、例えば貧困、例えば病気、こういったものに対して、それをいかに少なくしていくかということこそが政治の仕事である、このように従来から考えておりまして、その考え方を最小不幸社会という形で表現をさせていただきました。

 実は、昨日までダボスに行っておりまして、初めて国際会議の席でもこの考え方を特別講演の中で申し上げました。ザ・リースト・アンハピネスという横文字で翻訳をしていただきましたが、最初はどこまで理解をいただけるか少し心配でありましたけれども、今の言葉と同じように説明をしたところ、終わった後に、いや、大変哲学的な講演でよかったと声をかけてくださった方もありまして、そういう意味では、ぜひ国民の皆さんにも、決してネガティブな意味で申し上げているんではなくて、政治の仕事の中で最も重要なのは、みんなにとって不幸になる要素を最小化する、その条件のもとで、それぞれの皆さんがみずからにとってより幸福なあり方を模索していく、こういう道につなげていきたい、そういう意味で申し上げていることをぜひ御理解いただければありがたい、このように考えております。

馬淵委員 ありがとうございます。

 極めてポジティブな発想だということを国民の皆さん方に総理自身の言葉で語っていただけたというふうに私は思います。

 今語っていただいた国づくりのその目標に向かって、まさにこれから突き進んでいただきたいというふうに思うわけでありますが、一方で、政権交代以降、一年五カ月に入り、この政権運営に当たっての私たちの基本認識というものについては、再度よくよく見詰めなければならないと思っています。

 私は冒頭、閣僚であった立場、このことを踏まえて、私自身、反省、内省の日々である、その中で精進し続けなければならない、こう申し上げました。そして、議員個人だけでなく、民主党全体、いや政権そのものが、政府そのものが、政権運営に対して基本認識を改めて再確認すべきではないか、このことも痛感をしております。我々民主党のその意識と国民の意識の中に乖離があるのではないか、実感と乖離があるのではないか、このことを私たちはまず見詰め、そして受けとめることから始めなければならない、そう思っています。

 昨年六月二日、当時の鳩山総理は、両院議員総会で政権交代後のさまざまな政策実行などに触れ、残念なことに、そのような私たち政権与党のしっかりとした仕事が必ずしも国民の心に映っていない、国民が徐々に徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまったと語られました。加えて、前総理は、残念でなりません、まさにそれは私の不徳のいたすところとみずからの責任を改めて伝え、その場で辞任を表明されました。政治家として重い決断をされた瞬間だと私も思っております。

 また、仙谷前官房長官は、雑誌アエラの取材で、「我々の政権で大きく変わった政策はたくさんあるが、きちんと評価してもらえていないのが残念です。」と語られました。「我々の力不足であることは否定しないが、メディアも大事なことをきちんと伝えていない。」とも語られています。

 お二人ともに、十分伝えられなかった、みずからの責任は大きい、このように反省されておられる。一方で、その伝えるすべについても、もっと方法はなかったのかと自責の念を述べられております。

 しかし、こうした政権を率いてこられた方々の言葉が、着実に政権交代の成果が出ているのに理解されないのは残念だ、もっと業績をアピールしなければだめだなどの意識に変わってしまっては、国民に対する真摯な姿勢とは呼べないのではないかと私は思っています。

 果たして、現在、党の意識の中にそうした部分はないのか、国民の実感との間に乖離はないのか、このことを私たちは考えなければなりません。

 私は、国民の実感はどういうものかということは、それはそれぞれの議員が、地元や、機会があれば全国各地にて、国民の代表としてしっかりと受けとめるべきものであると考えます。しかし、もはや各論を話せばわかってもらえるという状況ではないと思っています。民主党として、伝えたいことだけを伝えるのではなく、まず、国民の皆さんからの批判を真摯に受けとめる。国民の声を聞くこと、党として、政権として、出直して歩み出すということを国民の皆さんに誠実にお願いをするということが基本になければならないのではないかと私は思っています。

 先ほど総理からもお話しいただきまして、私も党の広報委員長というそのお役目を預かっております。そのために、私たちが政権の実績をアピールする、そのことだけではなく、むしろ真摯に反省をし、国民の声に耳を傾けるんだ、こういった姿勢が求められているということを、私は今、一議員として強く感じています。

 総理に、ぜひ、そのことに対する思い、お考えというものを端的にお答えいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

菅内閣総理大臣 今、馬淵議員の方から、国民の皆さんの声を真摯に耳を傾けて聞くようにと、それは全くおっしゃるとおりだと思っております。

 多少の思いを申し上げてみますと、例えば、さきの臨時国会でも、野党の皆さんのいろいろな予算審議の時間的な要望にはできるだけこたえて、私なりに真摯にその御質問にお答えしたつもりであります。しかし、ややもすれば、国会でのそうした議論というものとあるいは国民の皆さんとの直接的な会話というものが必ずしも完全に重なっていないことなのか、国民の皆さんにはそうした、少なくとも私自身が国会を通して伝えたいと思った思いが必ずしも十分には伝わり切れなかったという思いはあります。

 そういったことで、国会が終わった後に、いろいろな視察や、あるいは改めて、政治家ではないいろいろなオピニオンリーダー的な人たちとの話、あるいはいろいろな会合での私からの積極的な講演、そういうものを通じて、この約二カ月間の間がありましたので、いろいろお話を聞かせていただきました。

 おっしゃるように、私は、この民主党政権に対して大変大きな期待を持たれていた国民の皆さんが、この一年半の中で、必ずしもその期待に十分にこたえてくれていないという思いを持っておられることは、そのとおりだと思います。

 しかし同時に、それではもう全くだめというふうに言われているかというと、やはり、今日本が抱えている課題の大きさを国民の皆さんは一方ではよく理解されていると思いました。いろいろな社会保障の今後の不安感、あるいは財政の大きな赤字、あるいは長年続いてきた経済成長の低迷、こういったものを打ち破ってもらいたいという期待が政権交代のエネルギーになったことは確かですが、また、それを一遍にすべてを解決できていないことも確かではありますけれども、しかし、それをしっかりとさらに頑張ってやってほしい、そういう声が一番基本であったし、今でもあるように私は思っております。

 そういった意味で、決して、もちろんおごるような状況にないことは言うまでもありませんけれども、しかし、何か気持ちを弱くして、やはりだめなんだろうと思ってしまうのも、またこれは責任を果たしたことにはならない。やはり、勇気を持って、国民の皆さんに耳を傾けながら、また、必要なことはしっかり伝えながら前進していく、そういう姿勢で臨んでまいりたい、このように思っております。

馬淵委員 総理にいただいた言葉、政権運営の基本認識、まさに国民の皆さん方がしっかりとその言葉を聞いて、そしてこれからを注視されていかれると思います。真摯に受けとめて、ぜひ取り組んでいただきたいということをお願いしたいと思います。

 さて、その国民の声でありますが、これは昨年の十二月の意識調査でございます。民間の意識調査。これを私が見たところ、あなたの生活にとって身近なテーマは何かという問いに対しては、消費税増税問題、年金問題、医療・介護問題などが上位の三つとなりました。

 一方、この調査で、生活者が日本社会にとって重要なテーマは何かという問いが問われたところ、尖閣諸島問題、北方領土問題、沖縄普天間基地問題、北朝鮮問題と、外交問題が上位四つを占めました。身近なテーマとしてはほとんど触れられないほどの下位のテーマが、身近ではないものの関心が非常に高い問題として外交テーマが取り上げられています。

 こうした生活者の意識は、政権交代前、政権交代後のそれから大きく変化をしておりました。定点観測的なこの調査の中で見てみますと、政権交代前は、外交問題より、あるいは国際問題よりも、消費者の細かい問題を重視し、住みよい政治にすべきだという声が圧倒していました。政権交代後も、期待していたこと、これらの上位は、税金の無駄遣いをとめる、政治主導の実現、年金問題の解決などでありました。しかし今、こうした国民の意識は大きく変わった。現実的な脅威としての北朝鮮問題、あるいは対中、対ロ、東アジア外交、日米関係の深化など、国民は、生活に直結した課題の解決を前提として、外交スタンスの明確化を求めています。

 その上で、私は、尖閣問題、北方領土問題という昨年秋に起こった二つの出来事について、私たち自身が得た教訓は何だったのかということを考えてみたい、こう思います。

 私自身、これらの事件、事案が起こったとき、国土交通大臣として、そして北方対策担当大臣として、外交課題に直面する事態だと受けとめておりました。日本としての誇りを失わないよう、厳しい声に対して凛として受け答え、問題を解決し、中国やロシアとの関係をあるべき姿に向けていくよう、所管する立場の中で尽力しなければならないと考えておりました。

 一方、これらの事件の現場に遭遇しながら、中国が何を考えているのか、ロシアがどのようなことを考えているのか、こういったことに思いをめぐらすと同時に、日本はどう振る舞うべきか、日本としての誇りを失いかねない危機に直面してどこへ向かえばいいのかということを、内政担当の大臣として考えておりました。

 したがいまして、国土交通大臣あるいは北方対策担当大臣として、尖閣問題については、海上保安庁による船長逮捕という所管事項について、国内法にのっとって厳正に対処したものであり、今後も変わらない、このように繰り返し答弁をいたしました。あるいは、ロシアのメドベージェフ大統領の国後訪問等については、極めて遺憾であるとの声明を、これも幾度となく行ってきたものでもあります。

 そして、少し時間が経過した今、改めて、この二つの出来事によって、国民は国家の利益というものに対してより敏感にならなければならないという実はごく当たり前のことを実感しているということを、政府は認識しなければならないと痛感しています。その国家の利益とは、平和な暮らしを享受できる前提である安全保障であり、豊かな暮らしの礎となる経済的繁栄であり、さらには国民が国民であることの喜びを感じるための誇りであります。

 民主党は、マニフェストで、自立した外交で世界に貢献することをうたっています。そして今、私たち民主党政権には、こうした周辺諸国との関係が前向きに発展をし、懸案を解決し、真に互恵的な関係をつくっていくことが求められています。そして、その結果、日本の誇りがしっかりと保たれていくという確信が国民の皆さんの中に生まれるように、国家の利益を意識した外交政策を進めていくことが真に求められています。そのためには、中長期的な戦略が必要であることは言うまでもありません。

 アメリカは大統領任期四年、場合によっては二期の八年です。中国は、国家主席の任期は五年、二期十年の場合もあります。ロシアの大統領任期は四年、これは次から六年になります。こうした中で、世界の大国は少なくとも四年間以上の時間軸で外交、安全保障政策を進めています。

 民主党は、任期の四年間、責任を持って政権を担う、このように言ってまいりました。やはり、中長期的な戦略、どうやって国益を増進していくかというビジョンなしでは国民の信頼は得られません。ちなみに、二〇一二年、さらには一三年にかけて、アメリカ、中国、ロシア、フランスといった主要国では、国家首脳の選挙もしくは交代となる重要な時期を迎えることになります。日本の足腰をしっかりさせなければ、これらの国々とともにビジョンを語ることはできません。

 そのために、日本の安全保障の根幹である日米同盟を深化させていくことが不可欠であります。日米両国が地域の秩序を形成していく、その上で重要な役割を果たしていくという基本方針は不変であります。また、堅固な日米同盟は、現実的な脅威となっている北朝鮮の核開発、拉致問題を解決するためには不可欠なものでもあります。

 しかし一方で、日米同盟が若干でもぎくしゃくしていると見られると、たちまち外交の安定が崩れてしまう、国民の不安が増大してしまうことになりかねません。事実、尖閣問題、北方領土問題、この二つがあたかも軌を一にして発生したかのごとく、巷間語られもいたしました。いわく、普天間問題で米国との関係がぎくしゃくする中、外交、安全保障分野で地に足がつかない日本を揺さぶる機会として、中国やロシアはそれを知って攻勢をかけてきたなどなどであります。もちろん、こうしたことが事実とは異なれど、少なからず国民の間に広がる雰囲気があったことも私は否めないというふうに思っています。

 さて、このように、日米同盟の安定と深化は極めて重要な課題であります。国民の安心のために、今後、日米同盟をどうやって深化させていくのか、深掘りをしていくのか、安定させようと取り組んでいくのかということについて、お答えをいただきたいというふうに思います。

菅内閣総理大臣 今、馬淵委員の方から、この間のいろいろな状況について述べられました。

 先ほど申し上げたダボスの基本的なテーマが、ニューリアリティー、新たな現実、こういうものに対してどう対応していくかというものが基本的なテーマでありました。そういう意味で、私もこの間、この数年の経緯というのは、いわゆる冷戦後と言われた時代からもう一つ大きく歴史の分水嶺を越えつつある、その真っただ中に現在世界があり、そして日本もある、このように考えております。そういった意味で、実はこれもダボスの基本的なスピーチで申し上げたんですが、日米同盟というものは、過去においても大変重要であったわけですけれども、現在において、さらにはこれから先において、その重要性はより大きなものになっているという認識を申し上げました。

 それは、もちろん、日本にとっての安全保障としての重要性は当然のことでありますけれども、このアジア太平洋地域の多くの国にとって平和と繁栄を維持する上での公共財的な役割を担っている。その公共財的な役割を、我が国としても、自分の国のためだけではなく、この地域のまさに平和と繁栄のためにしっかりとその役割を担っていかなければならない、このこともそのスピーチで申し上げました。

 日米関係について、ことし前半に私はアメリカを訪問することを予定いたしておりまして、オバマ大統領との間では、安全保障と経済と、そして文化や人材の交流という三つの柱の中でより関係を深化させていくという方向性は合意をいたしております。そういう方向性に基づいて、この間、外務大臣初め多くの方々が、その深化の中身を具体的に充実させるための準備を今進めていただいているところでありまして、今申し上げたように、私としては、そうした日米同盟というのはアジア太平洋地域における多くの国にとって必要な公共財である、その役割をしっかり担っていく、こういう立場に立った日米同盟の深化を目指していきたい、このように考えております。

馬淵委員 アメリカとの関係、日米同盟がこのアジア太平洋地域の平和と安定のための公共財であるということ、私は、そのことについては全くそのとおりだと思いますし、否定するつもりは毛頭ありません。しかし一方で、国民が求めている同盟深化の形、それが今ある意味、大変恐縮ですが、使い古されたそのような言葉で語られるだけでいいのかということが問題としてあるのではないかと私は思っております。

 先ほど申し上げたように、国民は、さきの、あの秋の尖閣問題、あるいは北方領土問題、あの中で起こったことをつぶさに見ています。その中で、東アジアの社会的環境が、戦略的関係が大きく変化している。どんな将来像を日米が描いていくのかということに対して、この変化の中での戦略をどのように考えているかということを国民側は関心を持って見ている、私はそう思っています。菅総理がオバマ大統領と本当に将来の日本の絵姿を共有できているのだろうか、この点が今、国民が意識調査の中で外交に強い関心を持っていると見ている一つのポイントだというふうに私は思っています。何か普天間問題で萎縮してしまった日本がアメリカの考えや出方をうかがっているのではないか、このような姿勢を持って実は国民の皆さん方が見ておられはしないか、このように私は感じるんです。

 総理、今度、春の訪米というふうにおっしゃられました。訪米をしてオバマ大統領との共同声明ということでありますが、私は、価値観を共有する日本とアメリカが強く東アジアの将来像を、むしろ日本がリードして語っていくべきであるというふうに思っております。ぜひ、総理としての御観点を、あるいは前原大臣でも結構です。この日米同盟の深化、その深掘りの中で、公共財として、これはもうどなたもがわかっている。大事なことは、アメリカに対して私たちが本当に価値観を共有する立場で、主体となって新たな東アジアの姿を描くというメッセージを出せるのか、このことについてお答えいただけませんでしょうか。

前原国務大臣 多少本質的な話になると思いますけれども、外交をやる上で大変重要なことというのは、私は国力だと思っています。国力以上のことはできません。

 なぜ、日本の存在感というものが相対的に薄らいでいるようにいろいろな報道でなされるかというと、世界第二位、第三位の経済大国であるのにそういうふうに言われるかということは、これは理由は簡単だと私は思っていまして、これから人口が減っていきますね。そして、この少子高齢化というものをこの国は乗り切っていけるのか、あるいは莫大な借金を抱えて、この国というのはサステーナブルなのか、持続可能なのか、そういったものを世界が見ている。だから、第二位の経済大国だから安穏とした外交ができる状況ではない。それをすべて織り込んだ中で、日本はどうこれからやっていくかということが見られていると私は思っているわけです。

 その中で、菅政権としてやらなきゃいけないのは、私は、大きく言えば三つだと思っています。

 一つは、経済が成長して、そして持続可能な社会保障や、あるいは財政をマネジメントできるというその基盤をつくらないと、外交そのものもできません。

 例えば、発展途上国に対してODAなんかをやっておりますけれども、ODAだって、みずからの国が財政破綻をしたらできませんよね。そうしたら、今までやってきた国に対して、いろいろな、そのODAで信頼関係をつくってきた、協力関係をつくってきたというものが、できなくなる可能性もあるわけですね。あるいは、そういった財政破綻が起きて、社会保障にもっとお金をかけなきゃいけないということになったときに、では安全保障にどれだけお金がかけられるのかということになります。そういったものすべてを他国は見て、日本の国力というものを判断しているということになると思うんですね。

 今、馬淵議員の御質問の中で、アメリカとの関係が対等かどうかという話でありましたけれども、もっと私は泥臭く考えた方がいいと思うんですね。つまりは、日本を取り巻く戦略環境というものを考えたら、北朝鮮もあるし、軍事力をどんどんどんどん伸ばしている国々がたくさんある中で、では我が国として防衛費をこれからも伸ばし続けられるような環境ですかと。人口比率やあるいは今の財政状況を考えたら、なかなか難しいですよね。

 そうすると、何かがあったときに日本の助けになってくれる唯一の同盟国というのはアメリカでありますので、アメリカとの関係をうまくマネジメントするということは一つの大きな柱であり、それと同時に、外交を通じて日本の富、経済を成長させていくという、経済外交を進めていくというのが二つ目の柱であり、もう一つはやはり価値なんですね。

 これからさまざまな国が大きくなっていきます。戦後つくられたいろいろな価値観というものに挑戦をしてくる国があるかもしれない、力を背景として。しかし、第一次大戦、第二次大戦という悲惨な経験を踏まえて、我々は今の世界秩序というものをつくってきている。これをどう守っていくかということになれば、価値を共有する国々との連携を強めていかなくてはいけない。

 私は、日本の外交の柱というのはそれほど難しくなくて、今の日本の状況を考えたら、経済外交を推進し日本の国力を高める。安全保障はもちろん自前でやるけれども、なかなか自前でできないことについては、アメリカとの同盟関係でそれを強化していく。それと同時に、今後さまざまな世界環境が変わっていく中で、今までの世界がつくり上げた秩序というものを守っていくために、価値観を共有する国々と連携を強めていく。それが日本の外交の柱であって、それを一緒にやれる、大きく重なっている国がアメリカだと私は思っておりますので、お互いボランティアで同盟関係を結んでいるわけではなくて、お互いがどう利益が合致するか、そういう観点でアメリカとの関係を強化していくということが大事だと私は思っております。

馬淵委員 前原大臣が今三点おっしゃいました。

 ただし、一方で東アジアのその姿に関しては、日本がそれこそ主体的に描いていくべきだというふうに思います。その点では多分異論はないんだと思いますが、私は、その価値の部分についてあえて申し上げれば、今後、では中国との関係であります。

 この東アジア外交の中で、必ずしも一体的に価値を共有しているとは言わない中国。しかし、経済連携は緊密である。さらには、この成長著しい中国が不可逆的な状況に今あると私は思っています。今後この経済成長というものが戻ってしまうようなことはない。そうした中で、中国との関係については、改めて私たちは日米同盟基軸という言葉の上でよく考えていかなければならない、そう思っています。

 この中国との関係、例えば日米関係、日中関係、私たちはいずれも大切にしていかなければなりません。ただ一方で、アメリカも、さきの胡錦濤主席の訪米に見られるように、中国との関係を非常に重く見ています。ここで大事なことは、私たちが、日米関係と日中関係の中で、必ずしも価値を共有していない中国との間の中で、日米との関係を緊密にすることによって日中関係が損なわれるような、いわゆる相反するような外交行動があってはならない、この点については十分に気をつけなければならないと思っています。

 その上で、前原大臣にぜひお尋ねしたいんですが、こうした日米と日中の関係の中で、トレードオフの関係にあってはならない、そのようなことがあっては、まさにアイデンティティークライシス、日本の主体性を失ってしまいかねない状況の中で、中国との関係において、価値を必ずしも共有していないわけですが、経済的には密接な関係がある。どのような立場で今後は私たちが外交に取り組んでいくべきなのか、前原大臣からぜひお答えいただけませんでしょうか。

前原国務大臣 私は、必ずしも中国と価値観が共通していないというふうには思っておりません。もちろん、隣国とかあるいは近い国ほどさまざまな問題が起きることはあります。しかし、価値観という観点から見ても、中国と日本が大きく変わる国かといえば、私はそうではないんだろうと思っています。

 例えば、WTOに入っていますよね。WTOに入っているし、実は、全貿易量に占める自由貿易のカバー率というのは日本よりも中国の方がより高いものがありまして、中国の方がより自由な貿易を進めているという面もあります。そして同時に、ASEANと中国の間では、南シナ海における海洋航行自由のいわゆるコード・オブ・コンダクト、この行動規範というものについて議論をしていこう、こういうことも今行われているわけであります。

 大事なことは、今、馬淵議員がおっしゃったように、経済的なつながりのみだけではなくて、他の今まで世界がつくってきたさまざまな秩序というものの中にしっかりと中国というものも入ってもらって、そして、中国の平和台頭というものがこの地域の安定のみならず繁栄をもたらすというふうに、どう日本が、まさに馬淵議員の言葉をかりると、主体的に行っていけるのか。

 ただ、日本だけでできるわけではない。その場合に、日米同盟とか、先ほど申し上げた、価値観を共有する国々との連携の中でそういった共同歩調を行っていくということも大事な外交の一つではないかと考えております。

馬淵委員 私も、中国と価値観がすべて共有されていないと申し上げたわけではありません。一体的に共有しているという日米関係ほどの共有関係ではないということを申し上げたかったわけであります。

 ただ、今お話を伺って、中国もある意味自由主義社会の中に向けて開かれた国を目指している、その部分は私たちも十分認められますが、戦略的互恵関係と称しながら、昨年の秋、それこそ尖閣諸島沖問題が発生した後の中国との関係においては、戦略的互恵関係で緊密に前に進むという状況にあったかと問われれば、多くの国民の皆さん方はそのことに疑問を感じられたのではないのでしょうか。

 むしろ私は、この戦略的互恵関係という言葉がむなしいスローガンになってしまわないように、より緊密な連携を強めるということは、中国に対する私たちのメッセージとして、突き詰めて言えば、戦略的互恵関係とは、強い中国であることを認めて、私たちもその中で連携をとっていく、強い日本が強い中国と連携を高めていくという一つの東アジアの中でのプレゼンスというものを示していかねばならないのではないかというふうに思っています。

 一衣帯水と称されるまさに隣国との関係の中で、中国との関係については、私はこれは、自民党政権からの言葉であります戦略的互恵関係があるから今後も中国としっかりと連携をとっていくんだという言葉の中で、一歩も二歩も下がっていると国民から見られてしまっているということについては深い反省をしながら、さらに突き進んだ関係をつくっていくということに取り組まねばならないと思います。

 この点について、前原大臣、お考えをお示しいただけますでしょうか。

前原国務大臣 戦略的互恵関係の定義でありますけれども、私は、まず最低でも、経済の相互依存関係は極めて高まっていると。日本からすると輸入も輸出もナンバーワンの国は中国ですし、中国から見ても、輸入は日本からがナンバーワンであります、輸出はアメリカに次いで日本はナンバーツーでありまして、そういう意味では、経済的にはもう相互依存関係はどんどんどんどん進んでいっているというふうに言えると思いますし、その点をとってみても、相互互恵関係の大きな、経済面では出てきているというふうに思います。

 先ほど申し上げたことで申し上げると、私が申し上げたのは括弧書きで、中国の平和台頭というものは、これは地域の安定のみならず繁栄にとってもプラスになるということだと思います。

 そのために、言うべきことは言う。例えば、二十一年間で二十倍もの防衛費、軍事費がふえている。一体何にこれは使うのか。あるいは、さまざまなシンクタンクなどの調査では、公表数字がすべての防衛費、軍事費をあらわしていないかもしれない、非常に不透明だと。こういうことについてはしっかり言っていくということが、むしろ私は相互互恵関係をしっかりと強めていくことになるというふうに思いますし、また、南シナ海のみならず、東シナ海においての航行の自由、航海の自由というものをしっかりと中国にも担保を当然ながらこれからもしてもらうということを常に日本は主張し続けるということと同時に、それを共通の価値観を有する国々との連携の中で、中国も同じようにやっていこうじゃないかということで巻き込んでいくというような懐の深さも私は必要ではないかというふうに思っております。

馬淵委員 総理、今、前原大臣から、中国との関係も含めた東アジアの外交についての前原大臣のお考えを伺いました。

 総理も、この東アジアの問題に関しては非常に高い関心を示し、また韓国、中国と繰り返しメッセージを発しておられる。総理御自身の言葉として、先ほど来私が申し上げたように、まさに国民は、この中国との戦略的互恵関係という言葉で本当に私たちがこの東アジアの外交を、民主党政権、安心して見ていられるのかということで、今一生懸命にその注視をしている状況です。

 総理の言葉で、東アジアに対するこの国のあるべき姿、一歩進めていこうとする外交姿勢をお答えいただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 確かに、昨年、特に尖閣諸島における漁船衝突事件の経緯の中で、特に国民の皆さんにとって、本当に民主党にそうした外交を任せて大丈夫なのかという懸念が生じたということは、これは否定できないことだと思っております。

 そういう中で、今、この中国の関係を中心に馬淵議員の方から、どういう基本的な考え方を持つのかという御質問をいただきました。

 率直に申し上げて、私は、この中国との関係については、今大きな、先ほど分水嶺という言葉を使いましたけれども、ある意味での大きな変化が中国自身の中に起きていることを含めて、我が国もその変化に対してきちんと対応していく、まさに主体的な対応が必要だと思っております。

 ことしはちょうど、一九一一年に起きた辛亥革命から百年の日になります。多くの新聞記事なども出ておりますけれども、まさに、清王朝という蒙古民族を中心にした王朝が倒れて、中華民国、そしてその後の中華人民共和国になって、そして百年が経過した。この百年間は、多分、中国にとっては、日本で言う明治以降の近代化と、そして東西対立の中、さらには中国としての自立というものを果たしていく百年ではなかったかと思っております。

 その百年の経過の中で、まさにGDPが我が国を抜いて第二位になるという、今度は、単に自国の立場を強化していくというところから、その力を世界の中でどのように発揮していくかという、そういう場面によくも悪くも中国が来ている。その力の発揮の仕方について中国自身もかなり戸惑っているところがある。この尖閣の対応、いろいろありましたけれども、そういう中でも、中国自身も自分たちの影響力なりをどのような形であらわすのかということで戸惑っているところもあると思います。

 そういった点で、私は、もう一度、日中関係というものは、確かに、戦略的互恵関係というこの言葉そのものの持つ意味は、まさに戦略的ですから、一方が一方に単に甘えるとか頼るとかという関係ではありませんので、言葉として変える必要はないけれども、もっとまさに本質的な意味での戦略性をお互いが、自分たちの考え方を出し合う中で、その戦略性の調整をとっていく必要がある、このように考えております。

 余り抽象的なことを申し上げても恐縮でありますけれども、少なくとも、日中関係における経済の相互関係、あるいはこれは米中関係においても同じですけれども、もうかつての米ソとかそういうような冷戦構造と全く違って、経済の構造においてはお互いがある意味で血液を循環させているようなところもありますから、それを切り離すということは考えられないわけであります。

 同時に、そうした安全保障の問題や領土問題等々において、中国の行動が、ややもすれば、国際的な役割、責任をしっかりと果たしてくれるのか、それとも、やや自分たちの主張だけを強く主張する形でいくのか、それに対しては我が国として、これは腹を割った形でしっかり議論をして、やはり中国が大きな力を持てば持っただけ、世界の中、アジアの中で果たすべき役割をしっかり果たしてくれということは我が国としても遠慮なく言っていく必要があるだろう、このように考えております。

馬淵委員 ありがとうございます。

 日米、日中関係、まさに国民が注視する中で、この外交問題、生活に身近ではないけれども日本の社会にとっては極めて重要だということを、多くの方、国民が関心を持って見ているわけです。ぜひ、総理のリーダーシップをもって取り組んでいただきたい。また、前原大臣とそれこそ二人三脚で進めていただきたいというふうに思います。

 さて、こうした状況の中で、国民は身近な課題として、先ほど申し上げたように、意識調査の中では、年金、社会保障あるいは消費税、日々暮らしにかかわる課題に一番、今後私たちの暮らしがどうなるかということを最も不安に思っておられる。

 さて、この社会保障なり税なり、まさに予算の議論のど真ん中の話でもあります。その中で、私は、あえて残りの時間の中では、予算を議論する上で、予算審議はまさにこの予算委員会でもありますが、予算関連法案についてお尋ねをしてみたいと思います。

 予算は、いわゆる自然成立、衆議院の採決成立によって、その後三十日以内での自然成立となりますが、一方で、関連法案は、衆参のその成立が必要となります。

 かつて、この予算関連法案の中で、いわゆる赤字国債、特例公債法、この法案が年度内に公布されなかったことが昭和五十年代に常態化をしておりました。当時は、自民党政権、安定多数の中で、いわゆる歳入の一部、赤字国債、借金をして埋める、この法律が年度を越えて公布されることがあっても、安定多数の中ではさほど問題にならなかった。さらには、当時の特例公債と呼ばれる赤字国債の発行比率は、一般会計全体に対して最大でも二割もしくは一〇%等々、高い比率ではありませんでした。しかし、今回、この平成二十三年度予算におきましては、特例公債として予定しているのは実に四四%、半分近い、その歳入を特例公債に当て込んでいる。

 こうした状況の中で、予算関連法案が、ねじれ国会です、仮に衆参の可決を得ずして、そして特例公債の発行ができない状況に陥った場合に、どのような国民生活の大きな変化があるのか。これは私は、実は、我々国会議員としても十分に議論をしなければならないことだと思っています。

 このことについては、当然、市場における金利の動向、さまざまな影響があることもよくわかっておりますが、まず、事実として、この特例公債法が成立せず、年度内公布はおろか、成立の先行きさえ見えない状況があった場合にこの国の状況はどう変わっていくのかということについて、お答えいただける範囲で結構ですので、財務大臣からの御答弁をいただきたいと思います。

野田国務大臣 特例公債法案等の歳入法案が成立しなかった場合というお尋ねと受けとめさせていただきました。

 特例公債法案等の歳入法案、これは予算を裏打ちする、そういう内容のものでございますけれども、馬淵委員の御指摘のとおり、予算とこの法案とは別個に議決をされます。仮に予算が成立をしたとしても、この歳入関連の法案が成立しない場合には、当然、その見込んでいる歳入は入ってこないという事態になりますが、ただいま御審議をいただいている平成二十三年度の予算においては、馬淵さんが御指摘のとおり、一般会計の歳出の規模が九十二兆四千百十六億円です。そのうちの四四%という比重を占めます。

 というのは、いわゆる特例公債、赤字公債が三十八・二兆です。加えて、基礎年金の国庫負担分の二分の一を継続するために二兆五千億円、これは馬淵さんが大臣のときに厳しい大臣折衝もやらせていただきましたが、その二・五兆も含めて四十・七兆あるんですね。ということで、かつてないほどの比重を占めている、そういう事態でございますので、仮にこの法案が成立しない場合は、予算の執行というのは、この特例公債を除いた部分の、建設国債であるとか税収等によって五十一・七兆の範囲で執行していかざるを得ませんが、それは予算執行には多大な影響が出てくるというふうに思っております。

 ちなみに、義務的経費の代表格である国債費、国債、要は借金の返還ですが、これが二十一・五兆です。社会保障関係費、二十八・七兆です。地方交付税交付金、十六・八兆です。この三つを合わせただけでも六十七兆円に達するものでありますから、まさに影響は大きいということです。

 特に、今回の予算は、三段構えの経済対策のステップスリーという位置づけであります。経済が失速しかねない、国民生活にも、年金を含めて医療、介護等、支障が出かねない。そういうことにならないように、丁寧に御説明をして、野党の皆様の御理解と御賛同をいただくように頑張っていきたいというふうに思います。

馬淵委員 まさに、予算の審議、これは与野党しっかりと議論をしてということであります。もちろん関連法案も同様でありますが、一方で、この関連法案が成立しなかったときの国民生活に与える多大な影響というものを、私たちは国会の審議を通して国民の皆さん方にもしっかりとお伝えしていかなければならないと思っています。

 一方、代表質問におきましては、谷垣自民党総裁は、かつて私たちが、ガソリン税、この減税法案の中で税制改正法案、これに対して反対したことについては、税制改正法案を人質にして国民生活を混乱に陥れるというあしき前例をつくられたと民主党を指摘し、当時の野党民主党が政局のためだけに国民生活を混乱に陥れたと述べられています。そしてさらには、谷垣総裁は、国益を全く考慮せず国会審議をいたずらに混乱させるだけのひきょうな野党にはなりませんとも述べられています。

 私は、この関連法案、この公債特例法案に関してしっかりとした議論をして、そして、この公債特例法案が、まかり間違っても、まさに人質というような形で取り上げられる、あるいは審議を十分になされないままに単に否決だけされるような状況があってはならないと思っています。この国民生活に直結する課題の解決のためには、二十三年度予算の中身の審議が重要です。しかし、その歳出を裏づけする一体不可分なこの歳入に関しても、当然ながら議論を尽くしながらも、まずは目の前の国民生活を守るということが私たちの責務であると考えます。

 総理、このことに対して、きょうは、もちろん谷垣総裁がいらっしゃるわけではありませんが、このような代表質問での御質問がありましたが、ぜひ、この特例公債法案に対する御議論として、政府の考えとしての御答弁をいただきたいと思います。財務大臣でも結構です。政府として財務大臣、ではお願いいたします。

野田国務大臣 先ほど申し上げたとおりであって、予算とやはり一体として関連法案が成立をしない場合には、日本経済そして国民生活に大変大きな支障が出ます。個別具体的なことを言えば本当にいろいろなことがあります。それはもう一々申し上げませんが、まさに国家運営として支障を来すという事態になりますので、そうならないように、懇切丁寧な御説明をしながら、御理解をいただけるように全力を尽くしていきたいと思います。

馬淵委員 まず、予算審議の冒頭でありますから、これから社会保障と税の一体改革や、あるいは、先ほど野田財務大臣御指摘あった、まさに元気な日本復活、めり張りのついた予算編成の中身についての議論をしていただきたいと思います。

 ただ、私は、この国会で審議されるべき予算については、今、目の前にどういう課題があるかということは国民の皆さん方に明らかにしなければならない責務があるということで、今この特例公債法案の成立の是非について、どのようなことが起きるかということをお尋ねしたわけであります。この長丁場となる予算審議の中で、しっかりとした議論をして、国民の皆様方にお伝えをしていただきたいというふうに思います。

 さて、もう時間も余りありません。先日、二十八日の日付になりますが、池上彰さん、朝日新聞で「なぜ明るい面を見ないのか」との表題でコラムを書かれていました。ここでは、メディアについて、どうして明るい面を見ないで、暗い部分にスポットを当てるのか、そんな不満を持ってしまったのでしたと語られております。

 今、日本は元気をなくしていると言われています。競争力が低下しているとも言われている。しかし、本当にそんなに私たち日本が、この国が力を失ってしまっているのか。暗い部分ばかりにスポットを当てずに、明るい面も見ようというこの池上彰さんの言をかりれば、過去を振り返っても、この十年間でも、我が国では八人ものノーベル賞の受賞者を出しています。さらには、世界で成果を認められている日本人の方も多数いらっしゃる。

 また、つい先日は、アジアカップサッカーでは、大変厳しい中で、日がわりでヒーローが出てくる。まさに私たちは元気づけられた思いであります。あきらめないでしっかりと戦いを挑んでいく、その姿に多くの国民が勇気づけられたというふうに私は思っています。粘り強く戦って勝利をする、まさに日本人のよいところが出た、そんな試合だったというふうに思います。

 日本のここがすごい、こんなすごい才能もあらわれているぞという気持ちで見てみると、まだまだやるぞという勇気がわいてくるのではないかというふうに思います。

 私は、そこで、昨年大きな感動を呼んだニュースとして、皆さんの記憶にもある小惑星探査機「はやぶさ」の帰還があったと思っています。この小惑星探査機「はやぶさ」、昨年の一年間の明るいニュースの第二位でありました。「はやぶさ」は、皆さん御案内のように、打ち上げられた後、その使命を果たすことなく失敗に終わったと言われました。多くの日本人が失望し、また怒りすら買った時期もあったと言われています。

 しかし、昨年六月、年月を費やしましたが、地球までの帰還を果たして、そして微量ながらも地球外物質を持ち帰り、世界に大きな衝撃と夢をもたらす偉業をなし遂げることができました。まさに、この「はやぶさ」プロジェクトにかける希望あるいはチームワーク、そして、成功を信じてあきらめず、前進する強さがあったからこその偉業であると私は思っています。

 菅総理にも、ぜひ私は語っていただきたい。日本を元気にするために、日本を再構築するために、努力が必要だというポジティブなメッセージを国民の皆さんに語っていただきたいと私は思っています。

 先週の二十五日、アメリカのオバマ大統領は、一般教書演説で、世界は変わったと述べられました。我々のスプートニクのときだと語られました。これはどういうことか。スプートニクとは、冷戦時代の一九五七年にソ連が打ち上げた世界初の人工衛星です。アメリカが他国に先を越されたことを示す象徴的な出来事であります。その後、アメリカはアポロ計画で月への一番乗りを果たす。巻き返しをいたしました。現在、技術革新で後塵を拝しているアメリカの、その苦しさをあらわすオバマ大統領の一言だったと思います。

 ニューズウィーク誌ではこのような記事が載っていました。オバマは最近、この国はスプートニク的な瞬間であると語った。ソ連が人工衛星スプートニクの打ち上げに世界で初めて成功し、アメリカに衝撃が走った一九五七年十月の四日のこと。スプートニク・ショックは、現在の世界をつくり出すのに重要な役割を果たし、二つの結果をもたらした。一つ目は、五八年にNASA、米航空宇宙局が設立されたこと。人間を月に送っただけでなく、コンピューターや新素材の分野で幾つもの大きな発展をなし遂げた。二つ目は、同じ年に国家防衛教育法が成立した。政府の教育投資が六倍近くにふえ、経済的におくれたソ連に数学と科学で出し抜かれたアメリカにとって、技術革新と教育は安全保障の問題にもなった。

 このように、スプートニクというキーワードが、アメリカが今後新たな成長戦略へのかじを切ろうというその一つとなっているとうかがわれます。

 国民は、かつて、この国におきましても、自民党政権に厳しい批判を続けていた。そして、そのときと同じように、政権与党となった私たち民主党にも手厳しく活を入れています。民主党はだらしない、期待外れだとおしかりをいただく。期待が高かった人ほど、より手厳しい声を発されます。

 総理も大変日々苦労されていると思います。国民になかなか理解されない、その言葉を伝えたくてもなかなかに伝わらない、苦しまれているのではないかとも思います。まさに総理大臣はつらいよというお気持ちかもしれませんが、しかし、前向きに、何とか変えていこう、その意思を先ほど来御答弁の中からいただいたというふうに私は思っています。

 では一方で、国民の多くの方々が、あるいはマスメディアも含め、昔に戻ればいいとお考えでしょうか。私はそんなことはないと思っています。テレビや新聞では十分に報じられることはありませんが、改革はじわじわと進んでいます。

 自信を持って、ぜひ総理を中心に閣僚の皆さん方には進んでいただきたい。確かに、改革は我々の想像を超える部分もあるかもしれない。困難が立ちはだかることもあるかもしれません。国民の皆さんに納得いただけない部分が多くあることも事実です。しかし、厳しい国民やマスコミの声に耳を傾けて、政治家としては、当然ながら、どんなに耳が痛くとも、胸が張り裂けそうになっても立ち向かっていただかなければならないと思っています。

 総理、理想を掲げて、鳩山由紀夫氏やあるいは小沢一郎氏らとともにあなた方が大きな勇気を持ってつくり上げたこの民主党は、今、政権与党にまでなりました。そして、その代表として、この国の総理として、国民に未来への希望を抱かせる国に変えていくために、リーダーとしてより一層私は頑張っていただきたいと思っています。

 そして、まさに「はやぶさ」です。スプートニク・ショックではなく、今私たちに必要なことは「はやぶさ」。目標は遠くに、急ぎ過ぎず、着実に、「はやぶさ」のように、頑張っていただきたいというエールを最後に、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

中井委員長 菅総理から答弁の訂正と発言を求められておりますので、これを許します。菅内閣総理大臣。

菅内閣総理大臣 先ほど清国のことで、満州族と言うべきところを蒙古族と申し上げたことを訂正させていただきます。

 最後に、今の馬淵さんのお話に私の感想を一言だけ申し上げますと、先日、リチウムで世界の半分近くが存在していると言われているボリビアの大統領とお会いしたときに、自分たちは日本のような国になりたいんだと、若い二人の青年を京都大学に送って、リチウム電池の技術を今学んでおられます。

 私は、やはり日本という国は、多くの新興国にとってはまさに目標となってきた国であり、そういう兄貴分として、それらの国の発展をさらに助けると同時に、そういう国々とともに、そのエネルギーを我が国のエネルギーとして、今言われましたが、この「はやぶさ」のように、遠くに目標を持ちながら、絶対にあきらめないんだ、その勇気を持って頑張り抜きたいと思います。

 どうも激励の御質問ありがとうございました。

馬淵委員 ありがとうございました。

中井委員長 この際、山口壯君から関連質疑の申し出があります。馬淵君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山口壯君。

山口(壯)委員 民主党の山口壯です。

 総理、きのうダボス会議から帰ってこられた由で、本当にお疲れさまでした。

 講演に対する手ごたえとか、後でお聞かせいただくとして、その前に、鳥インフルエンザについて、松木農水政務官が発生後直ちに現地に飛んでいかれたと聞きます。被害に遭われた養鶏経営者の方々には心からお見舞い申し上げます。

 松木政務官、現地の状況及び対応はどういう感じでしょうか。お伺いします。

松木大臣政務官 お答えさせていただきます。

 宮崎は大変厳しい状態に置かれているというふうに思っております。

 そして、ちょっとだけお時間をいただいて説明させていただきたいんですけれども、まず、この鳥インフルエンザというのは、何よりまず初動が絶対大切なんですよね。まずしっかりやっていかなきゃならない。おっしゃるとおりだと思いますね。

 そして、幾つか指針があるんですけれども、まず、殺処分と焼却や埋却、これをやはりしっかりやっていくということだと思います。そして移動制限区域の設定等の必要な防疫措置を迅速かつ的確に実施する。そして、農林水産省の防疫専門家、それと緊急支援チーム、これを直ちに派遣する。それと、防疫調査チームを派遣して、感染経路の調査をする。そして、関係省庁とも十分連絡をとる。あと、政務三役が現地に赴く。こういうことが大体中心になると思います。

 宮崎の話をちょっとさせていただきますと、土曜日に発症が出たということで、すぐ行ってまいりました。そして、知事さん、河野さんという知事さんなんですけれども、前の東国原さんからバトンタッチをされて、その日だったんですよね。しかし、大変しっかりした知事さんでございまして、我々は夜には着いたんですけれども、民主党の議員の方も一緒に、そして自民党の方も一緒に話を聞かせていただきました。その中で、まずは国と県、しっかりと協調してやっていこうということをそこで確認させていただきました。

 そして、その日はそれで帰ったんですけれども、次の日二例目が出まして、またすぐ現地に飛ばさせていただきました。そして、前回は数はそうでもなかったんですね。それでも二万羽とかの殺処分ですけれども、今度は大きなところで実は発症しました。ですから、四十数万羽という大きな数を殺処分しなきゃいけないということになりました。これはなかなか容易なことじゃありません。

 ですから、今までは県職員の方あるいは農政局の方々でやっているわけですけれども、そのほかに、大変いろいろな方々、県職員の方々も一生懸命やっていました。そして、農政局、警察の方、あるいはJAの方、そして建設業協会の方も御協力をいただいていましたし、何より自衛隊の方が大変一生懸命やっていただきました。

 初日に全体の六%ぐらいしか実はできなかったんですね、殺処分は。そして、自衛隊の方が次の日から入っていただきました。もちろん、その前からも一生懸命、皆されていたんですけれども、しかし、自衛隊の方というのはすごい。どんどんやっていただきまして、そして、とてもちょっと間に合わないかな、四日間ぐらいでという話だったんですね。これが、おかげさまで、しっかり、自衛隊の方々、そしてもともとやっていた方々、いろいろな方が一生懸命、一丸となって頑張っていただいた結果、殺処分が終了したということでございました。

 これから見ると、やはり迅速にやるということ、そして一致団結して仕事に当たってもらう。おっしゃるとおりですね。JA、警察の方、そして自衛隊の方、全部それぞれ違うわけですよね。違う方々が一致団結をしてやっていただいた結果がこういうことだったというふうに思いますので、これからも、蔓延したというのではなくて、ぽつぽつぽつとやられているんですね。ですから、何というんですか、広がっているというのではなくていろいろなところでやられているという感じなんですけれども、しっかりとこれからも防疫措置を頑張ってやっていきたいというふうに思っております。

 それともう一つだけ、ちょっと感じたことなんですけれども、今までずっと農業でも何でもそうなんですけれども、大規模というんですか、どちらかといえば、経済合理主義で一ところにこうやったらどうのこうのというのがありましたよね。しかし、余りにもそちらの方にシフトしたというか、生き物ですから、そういうのをやはり一ところにぐっと飼うというのは、ひょっとしたらちょっと曲がり角に来ているんじゃないかなという感じも若干、余計なことは言いませんけれども、受けさせていただきました。

山口(壯)委員 あと、エジプトが大変な状況になっているようですけれども、邦人の方たちが何百人も空港で足どめを食らったという話もあります。

 邦人支援について万全を期していただきたいと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。

前原国務大臣 対策本部を二十九日ですか、立ち上げまして、その前に対策室というのはできておりましたけれども、何度も、一日二回、対策会議をこの三日間開いておりまして、現地の奥田大使とも話をしております。

 その結果として、外出禁止令というものが、きょうは午後の三時から朝の八時まで、きのうは午後の四時から朝の八時までだったわけでありますが、エジプト航空のパイロットあるいはクルーが到着できないということで、今、山口議員がおっしゃったように、六百名余りの方が空港で足どめを食らってしまった、こういうことでございます。

 当初からもう防衛省さんとも話をしておりましたし、そしてまたチャーター機も、エジプト航空が、あるいはカタール航空というコマーシャルフライトが飛ばないときには手当てをしようということで段取りをしておりまして、きのうエジプト大使に来ていただいて、そしてエジプト航空の日本の支店長にも来ていただいて、エジプト航空を飛ばしてもらうようにというお願いをいたしまして、幸いきのうは、一便、成田の分が深夜になって飛びまして、今、三百三十九名が帰国の途につかれている。そして本日、七時間時差がありますのでもうそろそろかと思いますけれども、本日は三便チャーター便を飛ばしてローマまで行っていただいて、約六百名ぐらいを、今、きょうじゅうに国外にと思っております。

 あと、残りの方については、あしたじゅうには何とか観光客の方はほぼ国外に出ていただこうということで、またコマーシャルフライトとチャーターフライト両方で国外に出ていただくような対応策をとっておりまして、あとは千七十五人の在留邦人の方がおられて、その在留邦人の御家族の方でやはり危険な状況にもありますので、国外に出ていただくことも含めて、今、現地の大使館とそして対策本部の間で二十四時間態勢で連絡をとって、そして万全を期す努力をしているところでございます。

山口(壯)委員 くれぐれもよろしくお願いします。

 総理、今、地元から東京駅に着いて八重洲口に出ますと、ホームレスの方たちの姿がいやが応でも目に入ってきます。きっと昔は企業戦士として猛烈に頑張っておられたんだろうなと思うんです。正直、涙が出てきますね。間違いなく私たち政治家にも大いに責任があろうかと思います。

 菅総理、私たちは、すべての人にチャンスが与えられるように、あるいは、だれも取り残されることがないようにということで頑張ってここまでやってきています。しかし、残念ながら、道まだまだ遠しという感は否めません。

 私たちが政権交代で託されたのは、閉塞感に満ちた日本の中で政治や政策を変えなければいけないという思い、あるいは、日本社会に新しいルールや仕組みをつくり、新たな社会、新たな時代をつくっていかねばならないという強い思いがあってのことです。私たちが石にかじりついても頑張ってきた理由、あるいは原点はそこにあります。

 菅総理、私たちは、この約一年四カ月の間進めてきたことも幾つもありますけれども、ここは国民の皆さんの私たちに対する気持ちを真っ正面から受けとめて、そしてもう一度原点に戻って、これまでのやり方についても真摯に振り返って、日本社会に新しいルールや仕組みをつくり、新たな社会、新たな時代をつくっていかねばならないという強い思いのもとに、日本再生をかけてまさに死に物狂いで取り組んでいきましょう。

 きのうのある新聞の「声」の欄にこういうのがありました。

 私には、日本国が数年おくれで日本航空、JALの後をなぞっているように思えてならないと。問題はあると思いながらも反対を気にしてきちんとした手が打てなかった歴代の経営陣、括弧して国の場合は内閣と、コスト意識が低い上、給与や人員削減に抵抗する組合、官公労。そして、赤字体質のままでも銀行からの運転資金、国の場合には云々と書いています、が続く間は生き延びていける。営業収支、これは国の場合には歳入歳出なんでしょう、の状況から見て、もう借金返済が不可能と見切りをつけられて、ようやくお手上げとなる。それぞれが勝手なことばかり言っていて、行き着くところまで行かないと本気になれない日本。JAL同様、倒産して初めて、それを御旗に給与や人員の削減、不採算路線の廃止、これが出先機関や特殊法人の廃止になるということが書いてある、などが可能になるということなのか。JALがつぶれても乗客は他社の飛行機を利用できるが……

中井委員長 山口さん、引用する場合には、どこの新聞か、いつの新聞かというのを明らかにしてください。

山口(壯)委員 そうですか。はい。私、言わない方がいいと思いましたけれども、きのうの朝日の「声」の欄です。

 それで、この乗客は他社の飛行機を利用できるけれども、国の場合には国民の逃げ場がない。そのことを政治家にはわかっていてもらいたいものだと。

 こういうことを私たちは真摯に受けとめていかなきゃいけないと思うんです。

 ただ、私たちは今、だれか自分以外の人たちのせいにしてしまっている、そういう癖がないかどうか。例えば、リーマン・ショックが悪いとか、あるいはアメリカのマネーゲーム経済が悪いんだとか、あるいは円高・ドル安が悪いんだとか、中国が悪いんだとか、政治が悪いんだとか、教師が悪いんだとか等々、こういう言葉は切りがありません。

 しかし、私たちがそう思っている限り、みずから危機脱出を図っていくことはできないと思うんです。だれかのせいではなくてみずからを変えていかなきゃいけない。自分自身で主導権を奪還して、この再生のための処方せんを描き、石にかじりついても進めていくという気概が必要なのではないでしょうか。

 貿易立国たる日本が再生する道は何なのか。維新前夜が第一の危機、太平洋戦争敗戦後が第二の危機、そして今が第三の危機というとらえ方は私は間違っていないと思います。この第三の危機をどのように乗り切っていくのか、国の活力をどこに求めるのか、そのためにこの国の形をどのような方向に持っていくのか、それが問われていると思います。

 総理、この二十三年度予算、この予算にはどういう国をつくろうとする意図が含まれているのか、あるいは今後の国の形の方向についてどのようなビジョンを総理は持っておられるか、この点について、改めて国民の皆さんに説明いただけますか。

菅内閣総理大臣 朝日新聞の「声」の欄の紹介をいただきましたが、JALの再生に当たって、私も、この企業再生機構の最初の担当大臣をいたした関係で、この問題のスタートの段階で、まあスタートといいましょうか破綻処理のときにいろいろかかわりを持ちました。

 この「声」の欄で言われている人の意見、いろいろな意味でぐさっと来るところがあります。つまりは、従来、いわゆる親方日の丸的な体質の企業であったことで、いろいろ従来から問題があると言われながら、全く改革が進まない中、ここまで来てしまったと。

 しかし一方で、私は、この一年余りで、一たん株の上場を廃止してすべての株主に負担をかけたこの企業が、急激に改革を進めた結果、少なくとも黒字化に成功している、この変化というのは、私はすばらしいものがあると。つまり、やればやれるんだという一つの例を、このJALの再生に至るプロセスが私たちに示してくれた、このように思っております。

 そこで、来年度の予算に関して私が大きな方向としての考え方を申し上げたのは、今、山口さんからもお話がありました、一つは平成の開国、まさに、明治、戦後に続く第三の開国であります。そしてもう一つが最小不幸社会の実現。そして、不条理を正す政治というこの三つの考え方であります。

 個々のことを余り細かく申し上げる余裕はないと思いますが、少なくとも、経済の成長を図っていく、これのためには、今、新興国という形で多くの国が経済発展を遂げている中で、そういう国々の発展を、さらに協力していくと同時に、その発展を我が国につなげていく、こういったこと。

 その中には、海外からのお客さんをもっともっと呼んでくる、あるいは、グリーンイノベーション、ライフイノベーションといった技術分野における前進、さらには、雇用の問題を軸にして、法人税を実効税率で五%引き下げることによって国内への投資、国内への雇用機会をもっとふやしていく、こういった考え方がこの平成の開国に沿った予算の内容につながっている。

 加えて、先ほどホームレスのことも言われました。ややもすれば、こうした国の開国とかそういう変化の中で、弱い立場の人が居場所、出番がなくなってしまう。そういうことがないように、しっかりと、雇用の面、あるいは雇用を失った人に例えば求職支援といった形で手当てをしていく、こういう面で予算をつけさせていただきました。

 さらには、不条理を正すという面で、難病などで苦しんでおられる皆さんや、さらに、新卒者の就職を何としても実現しなきゃいけない、こういった問題についても、それぞれ予算を含めて対応を決めさせていただきました。

 そういったことで、二十三年度予算は、基本的には、平成の開国、最小不幸社会の実現、そして不条理を正す政治、この三つの理念を持って今の日本の危機を突破していきたい、このように考えております。

山口(壯)委員 その最小不幸社会の中には、社会保障と税の一体改革ということも、当然、方向性としては大きな方向性としてありますね。ただ、私は、ここに行くに当たっては、まず無駄を徹底的になくしていく、ここが大前提としてあると思うんです。

 その意味で、無駄を徹底的になくすことについて、蓮舫行政刷新担当大臣、この間も大分頑張ってやられたわけですけれども、決してこれはまだ終わったものじゃないと私は受けとめています。この辺について、いかがでしょうか。

蓮舫国務大臣 山口委員にお答えをいたします。

 昨年、事業仕分け第三弾を行ったときには、山口委員には民主党の行政刷新PTの座長として全面的に御協力をいただいたので、よくおわかりの上での御質問かと存じますが、短期的に見ると、ある時点で無駄の削減、税金の浪費を改める行政刷新というのはできたと言える時点はあると思うんですが、中長期的に見た場合には、過去には無駄を削減したのに、現段階、今の時点に合わせたら、まだ無駄を削減することができる、あるいは効率的にできる、あるいは同じ予算でもっと効果的な手段がある、あるいは事業自体がもう時代を終えていて見直すという場合もあると思うんですね。

 そう考えると、無駄の削減というのは、この時点で終わるというものではなくて、不断に見直しを続けていく、そのための行政刷新は必要だと思っています。

 私の立場では、事業仕分けをさらに深化させ、各省庁と連携をとって、これまで以上に無駄の削減に取り組んでいきたいと考えています。

山口(壯)委員 あのときも、ばたばたした中で何千という事業をみんなで見ました。他方、事業仕分けという格好で見れたのはそのうちの、大分絞った中でのことだったので、そういう意味では、これから全部やはり見ていくということが我々の気持ちとしては必要だと思うんです。今、蓮舫大臣はそういうことを言われたんだと思います。

 もう一つは、特別会計について、これも膨大な中身を大分見ましたけれども、まだ去年に少しきちっとしたものを出しただけで、全体の特別会計についてはっきりした方向性あるいはその判断というものが我々はまだつきかねているところですから、一般会計、特別会計合わせて二百兆円余りのものをどういうふうに組み替えるかということに関して、我々、まだ作業は道半ばという気がしますので、そういう意味では、行政刷新担当大臣のさらなる仕事の継続というものが非常に大事だと思っています。

 それから、特にまたこれに関連する話ですけれども、議員定数削減あるいは公務員人件費の二割削減ということも、やはりこの税と社会保障の一体改革の中では国民的な視点からどうしても必要なものですね。これについて、まず議員定数削減について、これはどの大臣ということでもないので、総理、済みません、どういうふうに今思っておられますか。

菅内閣総理大臣 やはり、いろいろな無駄の削減というものの中で、国民の皆さんにも痛みを伴う面があります。また、公務員の皆さんにも、総人件費二割カットということで、いろいろと痛みを伴うこともお願いしなければなりません。そういう中にあって、私たち国会議員も、今のままの定数でいいのか、やはりある程度この定数を削減して、そうした皆さんとともにある意味で身を削る、そういうきちんとした姿勢を示す必要がある、このように考えております。

 ただ、この議員定数については、いろいろと、一票の格差といった問題、あるいは各党各派の議論がありますので、余り政府が前に出てというよりも、これは国会の中で、各議員、各党会派が議論をいただくことが必要であろうと。党としての考え方の基本方針は提示をいたしておりますけれども、ぜひ国会の中で、各党各会派の中で御議論をいただき結論を得ていただきたい、このようにお願いをいたしたいと思います。

山口(壯)委員 公務員人件費の二割削減について、公務員制度改革担当大臣、中野大臣であられるんでしょうか、総務大臣ですか。それでは片山総務大臣、済みません、二割削減について、私たちはもうこれはきっちりやろうということで心合わせをしているつもりですけれども、その辺はいかがでしょうか。

片山国務大臣 公務員総人件費二割削減につきましては、民主党のマニフェストにもありますし、それから現下の厳しい財政事情もありまして、人事院勧告制度をもとにした公務員の給与制度でありますけれども、異例の措置として、給与の単価のさらなる引き下げも含めて検討しようということになっております。

 これにつきましては、先週、官房長官を座長とします関係の閣僚会合も開きまして、またそれに先立ちまして総理からも、この方針について、これを達成するように努力するようにという御指示もありまして、具体的な検討を今始めているところであります。

山口(壯)委員 我々の覚悟が問われているわけです。

 総理、先ほど私はダボスのことを言及したわけですけれども、向こうで講演をされて、そして手ごたえ等についてはどういう感じだったでしょうか。

菅内閣総理大臣 私は、ダボス会議には初めて出席をいたしましたが、後半の、最後の一日というか二日間でありました。このニューリアリティーという大きな、新しい現実に対してどうするかという、大変私にとっても、滞在時間は六時間でしたけれども、エキサイティングな時間でありました。

 特に、私自身が特別講演という形で、これは各国の首脳に許されている講演でありますが、それをさせていただいたことも大変感銘深かったわけですが、同時に、それに加えて、五つぐらいのいろいろな人数でのセッションがありまして、その中で各国の経済界あるいは学者等の人たちからいただいた議論も大変有意義でありました。

 一、二、紹介だけいたしますと、私の講演では、まさに今ここでも議論になっております開国と、もう一つは、きずなという二つのテーマを軸に申し上げました。そして、そのきずなをもう一度つなぎ合っていくという考え方の中に最小不幸社会ということを申し上げ、そのことをザ・リースト・アンハピネスと、果たして御理解していただけるかと思いましたが、ちゃんと説明すれば、よく御理解をいただいて、そうした私のスピーチにいろいろとお褒めの言葉もいただくことができました。

 と同時に、もう一つ、この小さなセッションで非常に感じたのは、アジアの中の人でありましたが、アジアから見て日本がどういう国に見えているかということを率直に言いますと言われて、やはり日本がまだまだ外から入ろうとしてもなかなか入りにくい国だという指摘もいただきました。

 私たちの意識としては、日本という国は割と自由に、開かれているという思いがありますけれども、そういう国々から見たら、もっと開いてほしい、それに加えて、もっと自信を持って役割を担ってほしい。例えばWTOの問題でも、もっとドーハ・ラウンドの前進などで日本がイニシアチブを持ってやってもらいたい。こういういろいろな場面での日本の一層の活躍も、逆に期待をされているということがよくわかりました。

 総じて言えば、やはり、先ほども言っていただきましたが、日本が国として、あるいはすべての国民が自信を持って、世界の中でやるべきことをやるんだというその姿勢を示すことを期待されているというのが、私のダボス会議に出た一番の印象でありました。

山口(壯)委員 総理、自信とともに私は覚悟だと思うんですね。外から見て、我々が本当に覚悟を持って、石にかじりついてでもやるぞということを見ているんだと思うんです。結局、国債の格付の話もそこですから。だから、ここは我々が本当に覚悟を持ってやっていきましょう。

 私たちは、ごつごつしたままでいいんです、粗削りのままでいいですよ。与党なれなんかしなくて全くいいです。スマートにやる必要なんかもう全くないと思うんです。菅総理、私たち、今、さっき言われたことを、泥だらけになって、一緒にはいずり回って、何としてもなし遂げましょう。これを、覚悟を聞いているんです。ぜひお願いします。

 先ほど、開国ということについて、私たちは、世界の人、物、金、これと日本とをうまく連動させていくということですけれども、経済連携については、新聞等で最近よく話題になっているTPPというのは、実はそのごく一部にすぎないと思うんです。

 というのは、TPPに参加しているのは九カ国。この中には、実は私たちにとって今最大の貿易パートナーになっている中国は入っていないんですね。あるいはインドも入っていないんですね。私はよく三十億のアジアという言い方をしますけれども、十三億の中国、十一億のインド、足して二十四億、これに六億のASEANを足して三十億。この三十億のアジアとどういうふうにリンクするかというときに、このTPPには十一億のインドも十三億の中国もまだ入っていないんです。

 そういう意味では、私たちは戦略を考えていく場合には、両建てですよね。だから、二国間のこの話というのも非常に大事だと思うんです。

 インドと中国、ちなみにこれは前原大臣、通告は特にしていませんけれども、インドとの経済連携協定、もうすぐ署名ということだと思いますけれども、そのとおりでよろしいですか。では、答弁お願いします。短く、済みません。

前原国務大臣 去年、シン首相が日本に来られまして、菅総理との間で包括的なEPA協定に署名をしていただきましたので、あとは国会で批准をしていただくということをお願いしたいと思います。

山口(壯)委員 総理、昨年十一月に、まず党でこの方針をまとめるというミッションをいただいたときに、総理から明確な指示があったのを私、思い出すわけです。

 それは、たたき台として用意したペーパーを総理がごらんになられて、一つ目に言われたことが、まず農業再生に言及しろ、こういうふうに言われましたね。そのときに半紙で書かれた紙を実は見せていただいて、そこには尊農開国と書いていました。農業をたっとぶ尊農、そして国を開く開国。あのとき総理が言われたのは、君ね、開国の前にまず尊農があるんだよ、ここが大事なんだよということをはっきり言っておられました。これがまず第一の指摘だったですね。

 それからもう一つは、このTPPの前にまず二国間の自由貿易協定なり経済連携協定に言及しろ、こういうことも言われました。

 そういうことで、これは極めて明確な方向性でありましたし、私も納得したから、それでペーパーのラインを書き直して、党に諮って、それがみんなに認めていただいたという格好になるわけですね。そして、政府の基本方針にもそのラインはしっかり受け継いでいただきました。

 考えてみれば、九カ国参加しているTPPですけれども、六カ国とは既に二国間をもう結んでいるんですね。マレーシア、ブルネイ、ベトナム、それからシンガポール、チリ、ペルー。残りは三つの国です。オーストラリアとニュージーランド、そして大どころのアメリカ。順番に行くと、オーストラリアについてはどういうふうになっているか、前原大臣、いかがでしょうか。

前原国務大臣 過去十一回の協議を日豪間で行っておりまして、膠着状況にありました。去年の十一月にオーストラリアに行って、フレッシュスタートを切ろうということで合意をいたしまして、二月七日、東京でようやく新たな協議が始まるということでございまして、事務方でその中身について今詰めている段階でございます。

山口(壯)委員 大臣、多分ことしじゅうのどこかではめどが立つという見通しでしょうか。

前原国務大臣 私の思いとしては、年央までにしっかりと妥結をする、そしてオーストラリアとの間でそういった取り決めを結ぶということを期待しております。

山口(壯)委員 オーストラリアについては、小麦と砂糖と乳製品と牛肉、この四つ、大変ですけれども、でも可能性はあるというふうに思いますので、それをお願いします。

 それから、ニュージーランドとは乳製品ですから、オーストラリアがまとまれば、多分ニュージーランドともレールはそんなに難しくないでしょう。

 そうしたら、残りはアメリカですね。これは一番大変です。アメリカですけれども、そこに行く前に、まず私たちがどうして時間的に切迫感を持っているかということを、ちょっともう一回、短くおさらいしたいと思うんです。

 その背景には、一つには韓国があるでしょうね。例えば、韓国が本気でいろいろな国と自由貿易協定を結んでいて、EUとも既に自由貿易協定を結んで、それでこの七月から発効するわけです。そうすると、日本からEUに車を輸出すると相変わらず一〇%の関税がかけられるけれども、韓国からは、これから七月以降は関税がゼロになってしまう。あるいは薄型テレビ。今、韓国製のサムスンの薄型テレビと日本の薄型テレビ、性能はほとんど変わりません。それが、韓国から薄型テレビをEUに輸出すると一四%のものがゼロになる、ところが日本から輸出すると一四%相変わらずかけられる。これだと競争にならないわけですね。

 ここを考えると、どうしても、例えばEUともどうなっているんですかということを聞かなきゃいけないんですけれども、EUとの今の協定に関する話しぐあいはいかがでしょうか。

前原国務大臣 EUからは、主に非関税にかかわる向こう側のリクエストをもらっておりまして、それを今議論しているところでございまして、ことしに予定をされている、これは上半期に予定されています、総理とEU代表の間で再開を合意して、これも早く締結をさせたいと考えております。

山口(壯)委員 アメリカには、特にトラックを輸出すると二五%の関税がかかりますから、アメリカと韓国はもう自由貿易協定を合意しましたから、韓国からトラックを輸出したら関税がかからないけれども、日本から輸出したら二五%もかかる。そうしたら、メーカーとしては韓国に移ろうかということになりかねないので、それが我々、時間的切迫を持っているわけですね。

 中国との関係も難しいです。

 例えば、台湾と中国が自由貿易協定らしきものを結びましたから、その中で韓国と台湾が中国の市場を競争している。そうしたら、韓国としては、中国と今一生懸命話をしています。いずれこれが結ばれかねませんね。そうすると、日本が最大の貿易パートナーに今なっている中国についても、全部勝負にならないということになりかねないということが背景としてあるわけです。

 では、アメリカに関してはTPPが出てくるわけですけれども、この間、情報収集のための協議ということで枠をはめさせてもらいました。それに関しての協議は、前原大臣、今どんなぐあいでしょうか。

前原国務大臣 去年は日本がAPECの議長国でございまして、来年はアメリカが議長国でホノルルで行われる予定でありますけれども、それまでに、先ほど山口委員が言及をされた九カ国の間でほぼ毎月一回のペースで協議を行って、何とか合意をしたいというスピードで今物事が進んでいるわけであります。

 我々は、協議をしている段階で、情報収集しかできません。これは、入れば自分たちで意思を表明して情報収集がまた違う形でもできますし、また当事者としての情報開示もできるわけでありますが、今、もらっている段階でありますし、また協議に参加できていませんので、情報開示もかなり制約的なものになっております。

 その中で申し上げると、二十四の作業部会というのがございまして、この作業部会の中でのさまざまな情報交換というものを各国で行っていて、そしてその条文案の基礎となっているのは、二〇〇六年にシンガポール、チリ、ニュージーランド、ブルネイ、もともとの四カ国で始まったものが今のTPPになっているわけでありますけれども、そういったものをベースにして、二十四の分野、いわゆる協議の仕組みが一つですので、それを除くと二十三の具体的な分野での議論が行われているということでございまして、我々としては、その情報をできるだけとって判断の材料にしていく、また、国会にもできる限り情報開示、説明責任を果たさせていただきたいと考えております。

山口(壯)委員 例えば、アメリカとオーストラリアとの間の二国間協定があるわけですけれども、そこは、アメリカは砂糖をいわゆるセンシティブ品目にして例外にしているわけですね。これは、アメリカは、実は私、先週、二十七日でしたけれども、ルース大使とたまたま隣り合わせでこういう話をさせていただくことがありました。かなり本音のベースで話を聞いたんですけれども、やはりアメリカは、早くから入っているルールメーカーである、ルールメーカーであるからオーストラリアとの間でも砂糖についてかなり強い立場で実は物を言っているんだということを言いました。

 ぜひ正確な情報収集をしていただいて、きちっと検証した上でやっていただきたいと思うんですけれども、これは非常に大事なポイントですね。

 特に私は、今、全体像を見てみますと、十一億のインド、それから十三億の中国、これを二国間でまず今攻めているわけですね。それと、アジア太平洋のカナダ、アメリカ、中南米、あるいはオーストラリア、ニュージーランド、こういうところを合わせて四十億のいわゆる市場をつくっていくというこの戦略については全く間違いないと思うんです。これは国を挙げて取り組むべきです。

 その中で出てくるのが、特に農業の話だと思うんです。いろいろありますね。それは基準・認証とかいろいろあるけれども、一つの大事なポイントは農業再生ということです。

 私、農水省の試算というものを、これは特にいろいろな場合を考えてみた場合でも、試算として物すごくネガティブな数字を公表しているわけです。それは、幾つか現実とは異なった前提をとっていることも若干私は見受けられます。例えば、何も対策が講じられないということを前提としているんですけれども、それはそもそも現実にあり得ない前提なんですね。それから、中国から輸入した米の価格は、十年前に六十キロ当たり三千円でした。しかし、直近では一万五百円。要するに、三・五倍上昇しているんです。だけれども、農水省の試算というのは、過去最低の十年前の中国産のお米の輸入価格を国際価格として採用していますから、現実とはもう全然違っているんです。

 だから、農業についてどう考えるかという場合には、私たちはもうちょっと前向きに考えた方がいいと思うんですね。

 例えば、あり得る対策の一つとして、これはちょっと乱暴な議論かもしれませんけれども、輸出の後押しということも私はあり得るんだと思います。日本の農家はだれでも、味と品質は世界で勝てるという自信を持っているんじゃないんですかね。地元の方にも私はよく言われるんですよ。山口さん、うちのお米はおいしいねと言っていただくことがあるんですけれども、特にそういうお米は本当においしいですよ。

 農業の未来像として、攻めの輸出ということに関して、これは日本の農家が考えている以上に海外からのニーズは強いと言う人もいます。日本のお米は少し高いけれども安全でおいしいということです。

 昨年十二月には、筒井信隆農水副大臣が、中国側の求めに応じて北京に行かれて、米など農産物の対中輸出拡大について、中国の中国農業発展集団と覚書を交わされたそうです。農業のブランド価値を高める、そういう好循環に入るように、政府としても後押しできることは多いと思うんです。どこにニーズがあって、どういうふうにマッチングさせるか、そういうことです。

 鹿野農水大臣、難しい立場だと思いますけれども、十年後には米を輸出産業にするというぐらいの対策を私たちは考えられるんじゃないでしょうか。この点についていかがでしょうか。

中井委員長 鹿野農水大臣、幾つかの質問がありますから、まとめて答弁してください。

鹿野国務大臣 最初に申し上げますけれども、今、山口委員が、農林水産省が出した試算はネガティブだ、こうお話しですけれども、決してそうではありません。私どもは、国内タスクをどうするかという財源の問題もまだ提示しない中で、試算を出せと言えば、何もしない場合はこうですよというきり出しようはないんです。その点はひとつ、しっかりと理解をしていただきたいと思います。

 それから、今輸出の問題が話に出されました。これは当然、我が国においても、これから世界に向けて市場開拓をしていかなきゃならない。人口も我が国は減少の時代に入ったということでありますから、これはやっていかなきゃなりません。

 しかし、そういう中で、ではどういう方法があるのかということを考えたときに、一つ、やはり、日本の農産、農林水産品と言った方がいいかもしれませんが、今大体合計で四千五百億ほど外国に輸出されていますが、それを、一応、昨年、我が政府といたしましては、一七年までに一兆円くらいにしていきたい、こういうふうなことの目標を持って今取り組んでおるわけであります。

 幸いなことに、日本の農林水産物、これは安全だ、そしておいしいという評価をいただいている。こういうふうなことから、お米について、もし輸出できるということならば、需給の改善にもつながるんじゃないか。そして、日本のそういう農業者の人たちがいそしんで頑張ってつくっていただいているすばらしい農産品に親しんでもらうということならば、お互い、各国との友好関係にもつながるんじゃないか。

 こういうふうなことから、まず、中国という大きな市場に向けて、昨年、筒井副大臣が参りまして、農業発展集団との話し合いをして、過般、その責任者の方にもお越しをいただきまして、中国輸出促進会議というもので、それぞれ意見交換をすることができました。

 そういう中で、これからどうやって具体化をしていくかということについて、農林水産省としても後押しをしていきたい、こんなふうに考えておるところでございます。

中井委員長 鹿野大臣、中国のお米の輸入の金額が、十年前は今のと大いに違う、三倍違うという話について。

鹿野国務大臣 それは、具体的なことでございますので、また……

中井委員長 具体的だから聞いておるんだ。

鹿野国務大臣 資料としてまだ私、持ち合わせていませんが、先方も、今日の価格の中で、薫蒸の問題というふうなことを解決する中で、価格の問題よりむしろ薫蒸だというふうな点もございますので、できるだけ、もちろん、我が国としても生産費を下げるという努力はしていかなきゃなりませんけれども、現状の価格体系の中で受け入れてくれるというふうなことの可能性の中で今取り組んでおるところでございます。

中井委員長 山口君、今のでいいですか。

山口(壯)委員 大丈夫です。

中井委員長 あなたは資料が間違っていると言ったんじゃないですか。違うんですか。

山口(壯)委員 ありがとうございます、委員長。今ので私は大丈夫です。

 十年前に、要するに、六十キロ三千円だったものが、それは三・五倍になっているのに、それをそのまま使うのはちょっとおかしいんじゃないですかということですから、そこはまた指摘だけさせていただいて、それで全体の判断にまた結びつけていただければと思います。

 例えば、その対策の中には、戸別所得補償についても、これからの時代に合ったものにするためにはどうしたらいいのかという話もあろうかと思います。きょうは質問はこれは省きますけれども、ぜひ農水大臣、我々の進めている、今、戸別所得補償をさらに進化させていくためにどういうふうにしたらいいかということについても、これから三月に対策を我々党としても出させていただきますし、政府としても中間取りまとめをされると思いますので、そのことについてもぜひ念頭に置いていただければと思う次第です。これは指摘だけさせていただければと思います。

 それから、これは、今まで貿易と投資に関することですけれども、もう一つ、私、きょうは通貨面で、非常に短い時間の中ですけれども、一つの提案をさせていただきたいと思うんです。

 それは、円高・ドル安ということで、我々、経済の中でも非常に影響を受けているわけですけれども、これは、見てみると、ドルが十年以内に世界の基軸通貨ではなくなるんじゃないかと言う人がアメリカの中でも出てきていますね。フレッド・バーグステンとか、あるいは世銀のボブ・ゼーリックとか、あるいはジョー・スティグリッツとか、要するにアメリカ人自身が言い出している。

 しかし、考えてみたら、我々、すぐにドルの後、人民元というわけにいかないわけです。では、その間、バランスのとれた世界の通貨制度というのはどうあるべきかということを、私たち実は日本が考えていかなきゃいけないと思うんです。

 私は、答えはバスケット通貨だと思います、多分。そうしたら、ちょうどサルコジさんが、今度G20の議長国になって、一番のアジェンダのトップが国際通貨制度改革と書いて、それで、三月に中国に行って話をしようとされている。どうもこれだと思うんですね。

 それから、この間、胡錦濤さんがアメリカに行ってオバマ大統領と会われて、その直前にワシントン・ポストに回答を出しているんですけれども、その中で彼がはっきり書いているのが、今のインターナショナルの通貨制度はプロダクト・オブ・ザ・パスト、過去の産物だと。要するに、ドルの支配は終わっているという言い方で新聞なんかは書いていましたけれども、そういうことを中国ははっきり言っている。二〇〇九年の三月でしたけれども、人民銀行の周さんという総裁がSDRということを言い出した。世界は動いていると思うんです。

 そういう意味で、アメリカは、しかし、このバスケット通貨案というのは言えないと思うんですね。言ったら次の日からドルが暴落するから。中国が言ったら、みんな腰が引けますよね。だから、日本が実は本当はこれ、イニシアチブをとって、走り回ってやっていく。そうすることによって、例えばドルが三割、円が二割、元が二割、それからユーロが二割、GCCが一割、こういう格好で比重をかけたバスケット通貨にすると円高・ドル安というものが物すごく薄まっていくんですね。その構造が根本的に変わっていく。

 だから、私は実は、野田大臣、このことについて、できればこの案を共有していただいて、ぜひ持ち帰っていただいて検討して、そして日本が通貨についてのルールメーカーになるという気持ちをぜひ持っていただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。

野田国務大臣 現在の国際通貨システムというのは、それぞれの経済主体が自分たちの使う通貨を自由に選択できる、そういう前提の中で一番ドルが活用されているということだと思います。ということは、国際通貨システムの安定にとっては、ドルを発行するアメリカと、そしてその他のそれぞれの国々の適切な経済政策というのが基本だと思いますが、委員御指摘のバスケット制については、かねてから新興国の為替政策には有効ではないかという議論がございました。そういう議論もあって、ASEANプラス3、プラス3というのは日中韓ですが、ここではずっと検討、研究が進んできております。

 加えて、今御指摘のとおり、G20の中でもこういう議論が今出てきておりまして、昨年のソウル・サミットにおいて、G20首脳間で、安定的でよく機能する国際通貨システムを促進するための努力を再活性化させることに合意したことを受けて、さっきサルコジのお話も出ましたけれども、G20の議長国が今度はフランスでございますので、そういう議論がこれから行われていくということになると思います。

 ちなみに、二月の中旬がパリでG20の財務大臣・中央銀行総裁会議、そしてASEANプラス3は、五月の半ばだったと記憶していますけれども、ハノイで行われます。こういう議論に積極的に参画をしていきたいというふうに思います。

山口(壯)委員 参画ということで、非常にまだコーシャスな答弁をされたと思うんですけれども、ぜひ一度じっくり検討をしていただきたいと思います。

 これはルールメーキングということなんですね、通貨の。先ほどの、例えば、WTOがなかなかうまくいっていない中で、アメリカが業を煮やしてTPPをやり出した、だけれども、我々としては、やはり二国間というものをきちっとやるということも腹に持ちながら今やっているわけです。こっちは貿易のルールメーキング。このルールメーキングというのは、とても大事なんだと思うんですね。

 というのは、昔、スキーのジャンプで日の丸飛行隊というのが金、銀、銅を独占していましたけれども、ルールを変えられて勝てなくなっちゃったんです。あるいは、最近では柔道が、あれだけ勝っていたのに、ポイント制に変えられて本当に苦労しているんですね。

 ルールを自分でつくっていく、あるいは考えていくというのはとても大事ですから、この通貨のルールメーキング、あるいは貿易のルールメーキング、そういう腹で我々は国家戦略をつくっていくということをぜひ念頭に置いていただければと思います。

 国を開くということ、これはいろいろな差がありますから、余り詳細にここは詰める必要はないんですけれども、でも、この根底には、一番重要なのは実は教育ですね。国の方針というものをどう進めるか。要するに、日本の国の形を考えるときに、総理は国を開くということが大変重要であるというふうに言っておられる。その際に、では、どういう教育が重要になるのか、ここが大事だと思うんです。

 どういう教育がこれから特に大事になっていくとお考えか、先に高木大臣、お答えいただいてよろしいですか。

高木国務大臣 山口委員にお答えをいたします。

 国を開くというお尋ねでありますけれども、まさに未来を開く人材の育成、特に今の時代は高度情報化、あるいはグローバル化が進展しております。そういう中で、高い国際感覚を持ち、そしてみずからの主張を、堂々と世界の舞台で物が言える、そういう人材を育てなきゃならぬと思っております。

 とりわけ語学力の習得というのも大事ではないかと思っておりまして、文部科学省としては、まず一つは、語学教育の充実。小学校にも語学活動を、外国語活動を導入しますし、若い英語教師の米国への留学もしてまいります。また、高校生、大学生の海外派遣も引き続き充実をしていく。そして、何よりも、国際競争力の高い、世界の中でリードできる、いわゆる大学、大学院の教育の充実、このことが必要であろう、このように私は考えております。

山口(壯)委員 総理、短く。総理のお考えはいかがでしょうか。

菅内閣総理大臣 ダボス会議でも、国を開くと言ったときに、一番印象に残った指摘は、国を開くときはここから始めてくれと。つまり、頭の中から始めろという指摘をされました。

 今、高木大臣からもありましたように、基本的な語学を含めた学力、それと、大学というのが、日本の大学は非常に、簡単に言えば、大学の先生も大部分は日本人であり、留学生も必ずしもそう多くないという意味で、もっとそういうところも力を入れなきゃいけないと同時に、海外で活躍している人の中で男性が相対的に少なく、女性が多い。これは、女性が元気がいいということもありますが、同時に、国内に戻ったとき、それにふさわしい仕事をなかなか見つけにくいために外に出ることをちゅうちょする傾向が、これは留学も含めてかなり出ているように思います。

 そういった点で、いい仕事をJICAなどではかなりやっている若者がいるわけですけれども、そういう人がふえていくためには、逆に言えば、国内に帰ったときにもしっかりした仕事ができる、こういうあらゆる分野で外に出ることが、ある意味自分の人生にとってよりいい意味でのチャレンジのチャンスになる、そういう形をつくっていくことが必要ではないか、こう考えております。

山口(壯)委員 世界に雄飛できる強い人材をつくる教育、我々、まだその点では深化すべきところも多いと思いますので、ぜひみんなの知恵を集めたいと思います。

 マニフェストに少人数学級を推進ということを書いています。どのように今取り組んでおられるか。一言だけ、文科大臣、よろしくお願いします。

高木国務大臣 新しい学習指導要領がこの四月から本格実施されますし、いわゆるいじめ、不登校などの教育的課題の解消のためには、何よりも教師が一人一人の子供たちと向き合う時間を確保しなきゃならぬ。同時に、それぞれの個性に応じた学習も重要でありますので、私どもとしましては、これはもう国会の中でも、あるいは各方面からも強い提言がありますように、新しい年度から三十五人以下学級を進めてまいりたい。そのための教職員の定数の改善、このための予算もお願いをしておりますし、関連の法案も提出することにいたしております。

 これからも、きめ細かい、そしてまた質の高い教育に努めてまいりたいと思っております。

山口(壯)委員 小学校一年生についてではあれ、三十五人以下学級をきちっと打ち出していただいているというのは、これは本当に大事なことです。私は十年前に、当時参議院の重鎮でおられた本岡昭次さんと一緒に、三十人学級法案を周到に準備して出しました。だけれども、当時は野党でしたから成立しませんでしたけれども、それがついにこういう格好で突破口を開いていただくというのは、とても大きな方向だと思います。

 それから、私、きょうは、もうあと三分ですけれども、どういうふうに経済をこれからドラマチックに活力を持たせていくかということを申し上げてきたわけですけれども、最近新聞を見ていましたら、ちょっと回復の兆しがあるということを言っています。

 これはこういうことだと思うんですよ。ちょうど私、去年の今ごろ、予算委員会で質問させていただいて、いろいろな賛否はあるにせよ、今のデフレの状態を見た場合に、賃金デフレで、この賃金デフレということは、賃金が下どまっているから、個々の家計の可処分所得が下どまって消費が伸びない。ということは、公共事業でばあんという時代があったけれども、今はなかなかそれがうまくいかない。個々の家計に可処分所得がふえなければデフレが解決できない。だから、いろいろあるけれども、子ども手当、高校無償化、農家の戸別所得補償というのが案外、デフレの脱却にもちょっときくんじゃないですかと申し上げた。多分、そのことだと思うんです。

 だから、少し出てきたこの芽を大きくしていくというのが、さっき申し上げた経済連携という大戦略です。だから、出てきた芽をしっかり伸ばしていくようにということをきょうは私は申し上げました。

 この第三の危機というものを乗り切るために国の活力をどこに求めるかという答えは、私はそこだと思います。進化論のダーウィンというのが、適者生存という中でこういうふうに言っているんですね。生き残る種というのはどういう種か、それは、強い種が生き残るんじゃ必ずしもない、あるいは知性のある知的な種が生き残るのでも必ずしもない、みずからを変えることができる種のみが生きていく、生き残っていくんだと。これは大事な言葉ですね。

 今、日本の国のあり方を考えるときに、みずからをどういうふうに変えられるか、それが、自分たちが主導権を奪回してやっていくということだと思うんです。ぜひ我々は、この日本をどれだけ変えられるかに子供たちの将来もかかっているわけです。総理、新たな繁栄の道というのはもうはっきり見えているわけですから、その方向に、道なきところに道を切り開いて、不可能を可能に変えていきましょう。一緒に頑張りましょう。お願いします。

中井委員長 これにて馬淵君、山口君の質疑は終了いたしました。

 次に、下地幹郎君。

下地委員 先ほど、二時半ごろですけれども、小沢民主党元代表が強制起訴されましたが、菅総理の受けとめをお願いしたいと思います。

菅内閣総理大臣 小沢元代表が強制起訴されたということを、私も、この場にはおりましたが、その知らせを受け、承知をいたしております。

 このことについて、基本的には司法手続に関することでありますし、まだ詳細なことについてはそれ以上お聞きをいたしておりませんので、この場でそれ以上のコメントをすることは、現時点では差し控えておきたいと思います。

下地委員 私は、これは強制起訴されましたので、司法の段階において新たな段階を迎えたという認識を持っておりますから、政治が介入するというのは慎重であるべきだと。だから、国民新党は証人喚問にも反対をしておりますから、司法の場でしっかりとこの推移を見守っていくというのが大事かなと私は思っています。

 それで、今国民が最優先で考えているのは小沢さんの問題じゃないんですよね。今大事なものは……(発言する者あり)郵政でもありません、まだ。大事なことは、国民生活をどう守っていくかというのが非常に大事なことなんですよ。

 今もいろいろと答弁がありました、宮崎のインフルエンザの問題や、新燃岳の噴火の問題や、豪雪の問題や、そして、この予算が通らなかったら株価が下がるんじゃないかという問題や、大学を卒業しても内定がもらえなくて苦しんでいる皆さんや、失業で苦しむ家族や、いっぱい問題があるんです。

 しかし、菅総理が、大変ですね、かわいそうですねと言っても、言葉でこんなことを言ってもだめなんですよ。政治がやる、私たちがかわいそうですねをやるには、予算の裏づけをちゃんと持って手当てをしていかなければ解決できないんですよ。だから、一にも二にも三にも四にも五にも、この予算と関連法案を通すことが今政治がやらなければいけないことになっていると思っています。だから、集中してこの予算委員会では、与野党一緒になって、この予算のどこが悪いのか、何を変えたらいいのか、そういうふうな建設的な論議をしていかなければいけないと思います。

 それで、総理にお願いしたいのは、どうしても予算そしてこの関連法案を私は通すんだという強いメッセージが国民にも伝わらないと、市場においても、きょうも日経新聞にも、関連法案が通らなかったらこうやって牛肉の値段が上がりますね、いろいろなことが書いてありますけれども、こういうことを新聞にも書かれないように、何が何でも予算を通して国民のために頑張るんだ、こういうメッセージを総理が送ることが大事だと思っておりますから、そのことについての総理の強いコメントをお願いします。

菅内閣総理大臣 今、下地委員から大変力強い激励を込めての御意見をいただきました。

 来年度の予算、民主党、国民新党のこの連立政権にとっては、スタートから予算をつくるという意味では、初めての予算とも言うことができます。まさに国民の生活が第一というその基本に立ってこの予算案をつくらせていただきました。

 これを一日も早く成立させ、関連法案を成立していただいて、これをまず実行することが、今の日本の経済情勢あるいは社会の行き詰まりを突破するその突破口になる、そういうことを私自身、確信しておりますので、これは与野党を含めて、もっと言えば、国民の皆さんにもそのことをしっかりこの質疑を通してお伝えする中で、何としてもこの予算と関連法案を成立させていただきたい、また成立させるんだというその覚悟を皆さんに申し上げて、答弁とさせていただきます。

下地委員 あしたもあさってもテレビ中継で質問がありますから、あしたから自民党の質問もありますので、これはもう菅総理がアピールする絶好のチャンスですね。いっぱい自民党からいろいろな質問が来るかと思いますけれども、その質問に的確に答えて、予算を通すんだという強い意思をやれば、間違いなく評価されてきますから、あしたからの予算委員会はチャンスだと思って頑張ってもらいたいと思っています。

 それで、予算の次に大事なのが郵政法案ですね。

 今、郵政法案は、新聞でも、この郵政法案をたなざらしにしちゃいけない、論議をして、質疑をして決めた方がいいと言っているんです。

 それで、私は、平成十七年の十月十四日に小泉内閣でこの郵政法案ができましたけれども、小泉元総理がつくったこの法案を全否定しようとする思いは一個もありません。よさはよさ、悪いのは悪いので言って、論議しましょうと言っているんです。

 だから、小泉さんが言っていたのは五つだったと思う。一つは、公務員を非公務員にする、そして納税しない郵政を納税をするようにしよう。小さな政府をつくろうじゃないか。そして、株式の売却はやっていこうじゃないか。そして、民間資金が郵政に集まるものを民間金融市場に出そうじゃないか。公社を五つに分割していこうじゃないか。こういうふうに小泉総理は五つのポイントを分けてやったんです。

 では、今度私どもが、政府が出している閣法が全部それを否定しているのかといったら、そうじゃないんです。今度のものも、非公務員であることも間違いない。納税をすることも間違いない。そして、三分の一の親会社の株もそのまま同じような内容になっている。

 ただ、子会社において一〇〇%株を持った方がいいという人たちと、私たちのように三分の一は親会社が持った方がいいという人に、このずれはありますね。しかし、NTTを見てください。NTTは、三分の一は国が持っています。JTは、民間になっても五〇%国が持っています。子会社のコミュニケーションズに関しても、子会社に関しては一〇〇%持っている。こういう例があるんですよということを私たちは論議していこうというふうに思っています。

 また、金融のユニバーサルサービスもやりたいと私たちは言っている。三百近くの地域で、信用組合もそして農協も金融をやっていないところがあるからそれをやろうと言っているけれども、それは違うんじゃないかという意見がある。そして、金融が、預金が集まり過ぎる、それは一つの要するに政府保証があるからだというけれども、今度の法律も政府保証はついていないんです。

 こういうふうな、認めるところは認める、違いがあることは違いがある、だから小泉改革と対立をしているんじゃなくて、私たちは継承とそして新たな改革の二つが今度の郵政法案だというふうに思っていますから、ぜひその論議をしていきたいというふうに思っています。

 ただ、一番大事なことは、総理、この会社がこの六年で赤字になっていますよ。一番望んでいた納税ができなくなっちゃっているというのが大きな問題。それと、高い金額で株価を売ろうと思っていたけれども、今のままでは暴落しますよ、赤字だから。赤字の会社の株を買う人はいませんよね。だから、そういうふうな意味でもこれは早目に通さなきゃいけない。

 私は、国民新党が連立でやらなければいけないと言っているからやらなければいけないという考えは総理はお持ちじゃないと思う。国民がこの郵政の問題をしっかりとしなきゃいけないからやらなければいけないと思っていますから、そういう観点で、今度の郵政改革法案を今国会で通すという思いは、決して連立だから通すんじゃなくて、国民のために通すんだという強い思いを、総理、ぜひお話しいただきたいと思います。

菅内閣総理大臣 連立合意の中でこの郵政改革法案が含まれていて、この国会で何としても成立させたいということも合意をしているということはもちろん下地議員も御承知のとおりであります。

 と同時に、今おっしゃったように、この法案が通らないと、ある意味ではこれから将来に向かっての方向性が打ち出せない、ある意味、足踏み状態のままで物事が進まない。そのことが、現在の状況の経営にも決していい影響を与えていないと同時に、将来に向かってもより大きな不安を招きかねない。そういう意味で、多くの論調も、下地議員がおっしゃるようにしっかり議論をして結論を出すように、そういうことが、声も大きくなって国民の理解も得られるようになってきていると思っております。

 私も、そういう立場で、このことをこれ以上先送りにしてはならない、そういう決意も込めて、何としてもこの国会では成立をさせていただきたいし、何よりも、野党の皆さんにも、もし問題点があるならば大いに指摘をしていただいて、その中で合意を得ていきたい、このようにしっかりと頑張りたいということを申し上げておきたいと思います。

下地委員 論議をとにかくしなきゃいけないですね。与野党で論議をしなきゃだめです。そして、結論が出たらそれに従いますよ。それでも否決されるんだったら、もう法案はこの国会以上出しません、それぐらいの気持ちで、国民のためにもこの国会で結論を出すというのは私は大事だと思っていますから、そのことをぜひお願いしたい。

 それで、先ほど申し上げましたけれども、問題が起こっているのが一つあるんです。

 ペリカン便という会社があるんですけれども、日通の、これは非常に経営が厳しい会社だ。これと郵政の会社は、ゆうパックは非常に経営のいい会社だった、何でかわからぬけれども合併しちゃったんですね。それで、合併して、合併が御破算になったんです。今度、これを見ると、郵便事業会社が今度の赤字は一千百億円ぐらいになる可能性になってきた。一千百億円の赤字になるんですが、そのうちの一千億円がペリカン便の、JPエクスプレスの負の赤字で、一千億円の赤字を抱えることになったんです。しかも、このJPエクスプレスに、会社をつくるときに資本金として三百億円入れて、四百億円の貸し付けをして、それで、御破算になったときに資産を二百億円買い取った。

 今アバウトに申し上げましたけれども、一千億円で投資をして、会社を買って、毎月八十三億円以上の赤字が出ているんですよ。こういうふうな状況を生んじゃった。しかも、それが、平成十九年の十月十日に、増田総務大臣の時代にこれを認可しているんですよね。認可するときは、間違いなく、この合併をしたらサービスもよくなるし経営も安定すると思ってこれをやったわけですけれども、それが今になって、これが一千億円の赤字が出て、もうどうしようもないと。しかも、総理が今頑張っている雇用の面においても、来年は新規の採用をゼロにしているんです。こういう状況の負の遺産は、まさに今の郵政民営改革法案でも起こったから、これはもう一回論議しなきゃいけないんです。

 私は、そこで片山総務大臣に聞きたい。なぜこういうふうなことに認可を与えたのか、どういうふうな根拠を持ってこれを認めたのかという当時の状況をちょっとお話しください。

片山国務大臣 平成二十年の六月三十日にその認可をしておりますけれども、このときは統合スケジュールの変更について認可をしております。これは、今、下地議員もおっしゃったように、その後、具体の統合計画というのは御破算といいますか、認可されなかったわけで、今日のような形になっているわけでありますけれども、いずれにしても、二十年の六月時点までは統合ということで進んでいたことは間違いないと思います。

 それで、なぜかといいますと、それはやはり、当時の政権、その政権のもとでつくられた経営陣、この経営陣の方針というものを政権の一員である大臣が是としたということだと推測をしております。

下地委員 私は、もう過去の話をどうこう言うつもりはありませんけれども、ただ、大臣にお願いしたいのは、金曜日に会社側が改善案を出してきていますよ。五年以内に黒字化しますとか、単年度黒字を二十四年にしますとか、そういうことを言っていますけれども、この会社の言うことをまともに聞いて認めたらだめですよ、大臣。厳しく、この今までの状況の中で会社が出してきたものを分析してやっていかないとだめです。

 しかも、これに書いてありますけれども、人員や給与を下げるとか人をやめさせるとか言っているんですよね。経営責任もあるはずなんですよ。政治の責任もあるはずなんですよ。責任論は明確にしないで、ことしから採用はしないは、給与は下げるは、それは本当はおかしな話なんです。

 だから、まず出してきた改善計画を見て、しっかりと、本当に国家のために貢献できるような体制になっているのか、今までのこの失敗を二度と起こさないように、慎重に分析をした判断をしてもらいたいと思っていますから、そのことについて一言お願いします。

片山国務大臣 御指摘の報告は、事業計画とそれから中間決算との間に大きな乖離があるということで、あえて報告を求めたわけであります。したがって、これはその報告を認可するとか承認するとかというものではなくて、報告を受けて、これをよく検証したいと思います。それをどうするのかといいますと、次の事業計画の認可の際にこれを生かしていくということになろうかと思います。それはしっかりやっていきたいと思います。

 ただ、根本は、先ほどの総理とのやりとりもありまして、総理の答弁にもありましたけれども、会社の今後の将来の経営方針というものがしっかりと経営陣が見通しを立てるような、そういうものにしなければいけない。それが私は目下一番必要なことだと思うんです、小異を捨てて大同につくといいますか。

 いずれにしても、早く経営体制というものに確信が持てるような、そういう仕組みをつくるのが政治の責任だと考えております。

下地委員 私たちが郵政の改革法案を出しているから、ノーズロで何でも郵政に対してオーケーだというのはありませんよ、国民新党は。しっかりと本当に今までの間違いも正しながら物事をやっていかなければいけない、そういう姿勢だということだけ御理解いただきたいと思います。

 それで、自見大臣もいらっしゃいますので、自見大臣、一言、私の質問に対する御感想など、よろしくお願いします。短目によろしくお願いします。

自見国務大臣 我が党の下地幹事長にお答えさせていただきます。

 もう多くは申しませんけれども、明治四年以来、やはり国の郵政事業というのは公益性と公共性と、そして郵政民営化、今の法律でも、会社形態を変えるわけではございません。会社が持っている経営の効率性と能率性はきちっと担保していく。

 しかし、やはり安心して、これは十年間の間に二回も経営形態が変わったわけでございますから、率直に言って、働いている人は大変士気も落ちておりまして、今はペリカン便の問題も、多くは私はもう申しませんけれども、その間に政権もかわりましたし、ある意味で、政権の交代あるいは大きな世界的な物事の考え方のはざまになって日本の郵政事業が本当にその負の面を受けたというところもございますから、我々はきちっと、誤りを正すにはしかるべき、誤りを正すことはちゅうちょしてはならないということがございますから、各党各会派の意見も聞きながら、早くこの郵政改革法案、たなざらしは国民利益に反するというようなことを大きな新聞も社説で述べるような時代になってきたわけでございますから、しっかりやっていきたいというふうに思っております。

下地委員 ありがとうございます。大臣、頑張ってください。

 それで、ちょっと沖縄の基地問題、お話しさせていただきたいんです。

 きのう、最高裁の嘉手納の爆音訴訟の判決が出ましたね。飛行停止はもちろん条約上の問題があるからできませんが、賠償金は認められる。騒音があることはもう認めているわけです。

 総理、ちょっとこれを見ていただきたいんです、資料を出していますけれども。これは嘉手納の状況なんですけれども、この大きなところは、嘉手納の飛行場というのはそのままおりないんですよね。必ず目視で一周回ってからおりるんです。これが嘉手納の一番うるさいところなんです。それから、この下の方が普天間の状況なんですけれども、普天間は、どっちにしろ、民家の上を通らないと滑走路に入れないというところがあの飛行場の危険な状況。それで、タッチ・アンド・ゴーの訓練をしますけれども、全部音が外に出ていくんです。

 それで、中の方に、私が嘉手納の統合案を言ったときの地図なんですね。嘉手納にヘリコプターを入れても、何百機入れようと、ヘリコプターの音というのは民家に行かないんですよね。それで、出るときも、海の方に出るから、ヘリコプターは百機入ろうが二百機入ろうが、絶対に、嘉手納に統合しても、ヘリコプターの騒音というのは出ませんよ、しかし、ジェット機の騒音が出るから、ジェット機の騒音というのはひどいものですよというのが私のこの当時の嘉手納統合の話だったんです。

 だから、私が嘉手納統合を申し上げたときに、とにかくジェット機を、一機でも二機でも、その訓練を持っていけば、百機、普天間には二十四機しかいませんけれども、二十四機入れても、全然違いますよというのが私の考えだった。

 当時の防衛大臣は、下地さん、あなた、そんなことを言っても、嘉手納の訓練なんて海外に移ることはできませんよ、だから、あなたが言っている嘉手納統合の話はその時点でだめなんですよと言ってきたんです。

 しかし、今度、菅内閣で、びっくりしたことに、訓練のグアムへの移転が決まった。私が嘉手納統合を言おうというわけじゃなくて、これはすごいことなんですよ。そして、あとは、今、北澤大臣が、外来機についてもこれから交渉していきたいというコメントを沖縄でしていますけれども、これが本当に沖縄の一つ一つの負担になるんです。私はすごいことをやったと思っているんです。そのことを少し、北澤大臣、内容を短目にお話しください。

北澤国務大臣 お答えいたします。

 確かに、今までに例のない日米合意ができたと私も大変うれしく思っております。

 沖縄の政治状況が極めて厳しい中で、普天間の移設場所を探すというのは大変なことだということはわかっていますが、ぜひ沖縄の皆さんに御理解をいただくということで、政策協議会があって、その下に振興部会と負担軽減部会があります。この負担軽減部会のところで、私は沖縄の皆さんにぜひ理解をしていただきたい。

 そこで、米側と交渉した結果、訓練について大幅に変更をして合意をした。単独あるいは共同で県外で訓練する場合、そしてまたそこであいた場所へ従来は岩国や三沢のジェット機が入って、差し引きゼロ、こういうことになっておったわけですけれども、これを何とか外来機を減らすということで、グアムはいかがでしょうかという話をして、そしてまた嘉手納の基地からもグアムへ行く、こういうことになったわけでありまして、このことをつい先ごろ、合意、ちょうど調印をした日に沖縄の知事に御説明を申し上げたところであります。

下地委員 僕は、これは画期的なことだと思いますよ。今はまだまだ嘉手納町の人は実感がないから、今までそう言ってもずっと破られてきたからあれですけれども、これが実態的に行ったら軽減になりますから、ぜひこれからもこの合意したとおりやってもらいたい。

 それで、大臣、もう一個だけやってもらいたいんです。あと、これに見たように、普天間、これは大変な状況なことは間違いありませんけれども、よく普天間第二小学校を移動させたらどうだとかこうだとかとありますけれども、だめですよ。それは、アパートにしっかりとした人がいて、夜中になったらちょっとお酒を飲んで騒ぐ、お酒で騒いだら大家は、横の人出ていけと言うのか、酒を飲んで大声でしゃべっている人に静かにせいと言うかといったら、横の人出ていけではないはずなんですよ。

 だから、私は、普天間基地の負担の軽減は何をしたらいいかというのを今お話ししますけれども、今、ハンセンとシュワブにヘリパッドが二十四カ所あるんです。沖縄県が確認しているだけで二十四カ所ある。もっとあると思いますよ。だから、北部の訓練場で乗りおりの降下訓練を行ったら、このヘリはそのまま普天間に帰っていっているので、それを、二十四カ所ハンセンとシュワブの中にあるので、そこに帰る、そして天候上だとか整備上の重要なときだけ普天間に戻るというふうになれば、これは間違いなく負担軽減になるんです。

 どんなにやっても基地は急にはでき上がりませんよ。だから、私は、普天間の負担の軽減をやるといったら、このヘリパッド二十四カ所を使う以外にないんじゃないかと思っています。それをぜひアメリカと交渉してもらいたい。

 そのことを大臣から一言お願いしたいと思います。

北澤国務大臣 御提言とすればなかなか魅力的なのでありますが、実行的にはなかなか難しいものがある。

 御案内のように、五月二十八日の日米合意というものは既にあるわけでありまして、菅総理も、この五月二十八日の日米合意を基本にして何とか解決をしたい、こういうふうに言っておりますので、今の段階で新しい普天間の代替を検討するというのは日米間の信頼関係にもかかわる、こういうふうに思っております。

 それと、検討するとかしないとかではなくて、今もお話がありましたように、その二十四カ所へ行った場合に、恒常的に整備であるとかあるいは給油であるとかさまざまな設備をヘリパッドの周りにしなければいけないというような問題も多分起きてくるのではないかというふうに思いますので、御提言として聞かせていただいたということで、よろしくお願いします。

下地委員 誤解のないようにですけれども、これは、日米合意を変えてこれをやりなさいと言っているわけじゃなくて、日米合意をやるのには時間がかかりますから、それをやってくださいと。しかも、一カ所か二カ所に給油施設だけ置いておけば、その給油施設でヘリが給油をして横のヘリパッドに行けばいいだけの話なので、役人の答弁を読み上げたかどうかわかりませんけれども、そんなに難しい話じゃありませんから。

 私は、あと十年違ったら、グアムの状況を見て、あと十年そのままの状態が続くかもしれませんけれども、その間にできることをやるというならば、今、日米合意を変えろと言っていませんよ、言ってもそれは無理ですから。そういうふうな意味で、新しいアイデアで、先ほどの嘉手納の訓練の移設と同じようにおやりになったら、検討されたらどうですかということですから、そのこともアメリカと率直にお話をしていただければいいなというふうに思っています。

 それで、最後になりますけれども、これは前原大臣にちょっとお聞きしますけれども、沖縄県知事と会ったりいろいろな方とお会いすると、やはり日米合意を認めてもらいたいという気持ちが本音ですよね。

前原国務大臣 御質問の意味は、私がですか。(下地委員「もちろん外務大臣がですよ。日米合意をやってもらいたい、理解してもらいたいということですよ」と呼ぶ)はい。お願いをしております。

下地委員 これは、気持ちはもう当たり前だと思うんですよ、大臣。

 しかし、県外、国外と言って仲井真知事も当選して、県議会も全会一致になって、民主党県連も自民党県連も公明党県連も社民党県連も共産党も県外、国外と言ってやって、それでこの前が、去年が沖縄の統一地方選挙で、全議員がこれは県外、国外とやったんです。これはなかなか難しいですよ。

 だから、前原大臣が言っていることはよくわかりますけれども、これは政治家が政治家に公約違反をやれと言っているようなものなんです、実際的には。これは難しいです。

 悪いとは言いませんよ。それはお立場だから、日米合意をやってくれと言うかもしれませんけれども、今の沖縄の政治環境で、今、政治の、バッジの場で県外、国外と言っていないのは下地幹郎ぐらいなんですよ。あとの政治家は、公約の中で、前原大臣の政党も、ここにいる自民党も公明党も全部、県外、国外と大会に出てシュプレヒコールを上げているんです。

 これは、日米合意、日米安保条約が大事だといっても、政治家が政治家に公約違反をやれと言うのはなかなか難しいことだと思うんです。その認識論を持ってもらいたい。

 私は日米合意を変えろとかなんとか今言ってもだめだと思っているから言いませんけれども、そういう難しさがある中で、私が言っているのは、確実に、最終的にできる話を、できない話をできるかのように言った方がアメリカには信頼を失うと思うんです。アメリカには、できない話はできない、できる話はこれができる、こういうようなもので交渉なされる方が私はいいと思うんです。

 だから、自民党政権の橋本さんがつくってから十五年間、できるかのようにやってきて、できなかったわけです。そこのところの、自民党ができないときの難しさ以上に……(発言する者あり)いやいや、そんなことない。それと同じように、それが今の前原大臣の状況であるということをぜひ御理解いただきたい。

 そして、財務大臣、この辺野古の移設に五千億かかるんです。那覇軍港の移設をするのに二千億かかるんです。那覇空港は、自衛隊機が二五%使っていますから、平行滑走路をつくるのに一千億かかる。これで八千億かかる。それでグアムの移転費に八千億かかって、一兆六千億かかって、それ以外に跡地対策といって一千億かかったら、二兆円かかるんです。今、政府がSACOの中で決めた、沖縄の基地問題を解決しようとなると、二兆円のお金がかかるんですよ。今でも一千億出すのに蓮舫さんがこんなに頑張っているのに、この二兆円を出したら、北澤大臣の、日米安全保障の中で重要なものがもうなかなかできなくなってしまうんじゃないかと思うんです。

 私はもう一回、現実的な物事の考え方、これは、今の資金がかかることからしても、アメリカともよく相談なされて、出せませんよ、お金は。そのことをぜひ御理解いただきたいなというふうに思っています。

 総理、最後、私の今の話を聞いて、基地問題に対するお考えを一言聞いて、終わります。

菅内閣総理大臣 下地議員が、まさに沖縄の、最も地元の議員としてよくおわかりの上での御議論ということで、大変重要な御議論をいただいていると思います。

 その難しさはひしひしと感じております。ひしと感じておりますけれども、これも否定はしていただかなかったわけですが、やはり日米合意というものを何とか理解をいただけるようにさらなる努力をしていきたい、この立場で臨んでまいりたい、こう思っております。

下地委員 ありがとうございました。

中井委員長 これにて下地君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二月一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十四分散会


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