衆議院

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第9号 平成23年2月9日(水曜日)

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平成二十三年二月九日(水曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 中井  洽君

   理事 泉  健太君 理事 城井  崇君

   理事 武正 公一君 理事 手塚 仁雄君

   理事 中川 正春君 理事 若泉 征三君

   理事 塩崎 恭久君 理事 武部  勤君

   理事 富田 茂之君

      阿知波吉信君    相原 史乃君

      石毛えい子君    石森 久嗣君

      磯谷香代子君    稲見 哲男君

      打越あかし君    生方 幸夫君

      小川 淳也君    大串 博志君

      大谷  啓君    金森  正君

      川村秀三郎君    吉良 州司君

      工藤 仁美君    郡  和子君

      佐々木隆博君    空本 誠喜君

      高井 美穂君    高邑  勉君

      竹田 光明君    橘  秀徳君

      津村 啓介君    中根 康浩君

      中屋 大介君    仲野 博子君

      浜本  宏君    平山 泰朗君

      本多 平直君    三谷 光男君

      水野 智彦君    宮島 大典君

      村越 祐民君    山岡 達丸君

      山口  壯君    渡部 恒三君

      伊東 良孝君    小里 泰弘君

      加藤 勝信君    金子 一義君

      金田 勝年君    小泉進次郎君

      佐田玄一郎君    齋藤  健君

      下村 博文君    菅原 一秀君

      橘 慶一郎君    永岡 桂子君

      野田  毅君    馳   浩君

      遠山 清彦君    笠井  亮君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

      山内 康一君    下地 幹郎君

    …………………………………

   総務大臣         片山 善博君

   外務大臣         前原 誠司君

   財務大臣         野田 佳彦君

   文部科学大臣       高木 義明君

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   国土交通大臣

   国務大臣

   (海洋政策担当)     大畠 章宏君

   国務大臣

   (防災担当)       松本  龍君

   防衛大臣         北澤 俊美君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     枝野 幸男君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (拉致問題担当)     中野 寛成君

   国務大臣

   (少子化対策担当)

   (社会保障・税一体改革担当)           与謝野 馨君

   国務大臣

   (国家戦略担当)     玄葉光一郎君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   農林水産副大臣      篠原  孝君

   国土交通副大臣      池口 修次君

   内閣府大臣政務官     園田 康博君

   総務大臣政務官      逢坂 誠二君

   外務大臣政務官      山花 郁夫君

   財務大臣政務官      吉田  泉君

   厚生労働大臣政務官    小林 正夫君

   防衛大臣政務官      松本 大輔君

   会計検査院事務総局第四局長            太田 雅都君

   政府参考人

   (公安調査庁長官)    尾崎 道明君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月九日

 辞任         補欠選任

  石毛えい子君     中屋 大介君

  稲見 哲男君     大谷  啓君

  小川 淳也君     阿知波吉信君

  吉良 州司君     石森 久嗣君

  郡  和子君     工藤 仁美君

  城島 光力君     橘  秀徳君

  中根 康浩君     磯谷香代子君

  三谷 光男君     平山 泰朗君

  村越 祐民君     浜本  宏君

  小里 泰弘君     下村 博文君

  齋藤  健君     永岡 桂子君

  馳   浩君     加藤 勝信君

  山本 幸三君     伊東 良孝君

  笠井  亮君     高橋千鶴子君

同日

 辞任         補欠選任

  阿知波吉信君     小川 淳也君

  石森 久嗣君     相原 史乃君

  磯谷香代子君     中根 康浩君

  大谷  啓君     稲見 哲男君

  工藤 仁美君     郡  和子君

  橘  秀徳君     山岡 達丸君

  中屋 大介君     石毛えい子君

  浜本  宏君     村越 祐民君

  平山 泰朗君     空本 誠喜君

  伊東 良孝君     橘 慶一郎君

  加藤 勝信君     馳   浩君

  下村 博文君     小里 泰弘君

  永岡 桂子君     齋藤  健君

  高橋千鶴子君     笠井  亮君

同日

 辞任         補欠選任

  相原 史乃君     吉良 州司君

  空本 誠喜君     三谷 光男君

  山岡 達丸君     城島 光力君

  橘 慶一郎君     山本 幸三君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十三年度一般会計予算

 平成二十三年度特別会計予算

 平成二十三年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

中井委員長 これより会議を開きます。

 平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算、平成二十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として公安調査庁長官尾崎道明君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第四局長太田雅都君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木隆博君。

佐々木(隆)委員 民主党の佐々木でございます。

 きょうは、農林水産行政を中心に、どちらかというと村というような視点で御論議をさせていただければというふうに思ってございます。

 実は、昨年、消えた高齢者ということが話題になりました。それを予見していたのかどうか、NHKで「無縁社会」というシリーズで放映がなされました。その中をある程度要約しますと、高層マンションでは、もうひとり暮らしが三割を超えているというようなこと、それから、死後の手続をNPOに委託する、あるいはまた、永代供養をNPOに委託する人たちがふえているというようなことがその放送の中で報じられているわけであります。

 したがって、地域社会の縁というものがだんだんだんだん薄まっていくというようなことで、菅総理がダボスの会議で、開国と、もう一つは、きずなということについて演説をされたというふうに聞いておりますので、そういった意味では、そのきずなの部分については世界の皆さん方も大変注目をされて聞かれたというふうに伺ってございます。

 片方で、では、今はその地縁というものはどうなっているのかというと、ネット縁と言うんだそうでございまして、いわゆるツイッターの縁というものが今の縁、血縁になっていて、結局、一生顔を合わさないお友達がふえているというような状況が片方で生まれているというようなことが言われております。

 この本によりますと、産業社会は家業というものを破壊した、福祉社会は家族や親族の相互扶助を衰弱させた、市場経済は自己責任を求めて、情報社会は匿名性を高めたとこの本が言っているわけであります。私たちは、やはり、この戦後の経済発展の見返りに何か大切なものを忘れてきたのではないかというようなことをもう一度思い起こす必要があるのではないかというふうに考えまして、きょうは、そのことを中心に、きずなというような視点、あるいは農山漁村という村の視点で少し御論議をさせていただければというふうに思ってございます。

 それに先立ってでありますが、最初に、ことしのというか、我々政権になってから、マニフェストを中心にして予算をつくり上げてきているわけでありますが、そのマニフェストの意義というものを少し考えなければならないのではないかというふうに思っております。私どもが予算をつくってきている中で何を変えようとしてきたのかということだと思うんです。

 それは、私は、予算の仕組みといいますか、予算の流れそのものを我々は変えようとしてきたはずだというふうに思っております。今までは、どちらかというと、政策も、あるいは予算も含めてですが、組織とか団体というものの間で協議がされたり、予算そのものもそういう仕組みで流れていったりというようなことが多かった。それを、生活者とか、農業でいえば生産者ですが、そうした生活者や生産者を直接支援するというような仕組みに少なくとも変えようとしてきているのではないかというふうに私は思っております。

 それは、よく象徴的に挙げられる子ども手当や、あるいは授業の無料化や、それから農業の直接支払いなんかはまさにその典型ではないかというふうに思っておりますが、そのことの効果は、政府と生産者や生活者との距離を縮めたという効果ももう一つあるように私は思っております。

 そこで、まず財務大臣にお伺いしたいのは、我々が求めてきたマニフェストの意義、そして、それを含めて予算の責任者として取り組んでこられた今の状況などについて、財務大臣から見解をお伺いします。

野田国務大臣 佐々木委員のお尋ねは、マニフェストの意義と、それをどのように予算に反映してきているかという視点での御質問だというふうに思います。

 まず、マニフェストの主要事項に入る前に、今御提起をしている平成二十三年度の予算は、一つは経済対策としての意義があると思っていまして、三段構えの経済対策のいわゆる最終章でございます。その中で、いろいろと、元気な日本復活枠とかつくって予算を組み替えたりしましたけれども、マニフェストでお約束したことの中では、法人実効税率の五%引き下げに伴いまして中小法人の軽減税率の引き下げ、これはマニフェストに書いてあったことですが、そういうことも含めて、中小企業に、恐らく約七十三万社ぐらいが対象になると思います、攻めの経営をしていただく環境整備をさせていただいたというふうに思います。

 それから、御指摘のあった、国民生活を直接支援する部分の多いマニフェストの主要事項については、子ども手当、二十二年度は月額一万三千円でございましたが、今の予算案として御提示をさせていただいているのは、三歳未満の御家庭についてはお子様お一人二万円まで上積みするという措置をとることと、それから、この後御議論いただくと思いますけれども、農業の戸別所得補償については、米だけではなくて畑作に拡充するというような進展をさせていただいています。

 加えて、高速道路の無料化、あるいは高校授業料無償化の継続、新たに、第二のセーフティーネットと言われている求職者支援制度の創設など、これらは所要約三・六兆になりますけれども、歳出削減で二・三兆、税制改正で一・三兆、それぞれ安定財源を確保しながら着実に進めていきたいというふうに考えています。

 加えて、私どもの特色はやはり地方を大事にするということだと思いますけれども、地方交付税交付金は四年連続増額でございます。そして、地方一般財源総額は、平成二十二年度が、これは過去最大規模でございますが、平成二十三年度はさらに約一千億弱上積みをするということ。加えて、弊害が多かったひもつき補助金を改めて、まずは、都道府県の投資系の補助金でありますけれども、これを一括交付金五千百二十億円を積んだということで、三位一体改革で傷んだ地方財政の立て直し、後押しもさせていただいているということでございます。

佐々木(隆)委員 ありがとうございます。

 特に、この後、戸別所得などについてはお伺いをいたしますが、地方の首長さん方とお会いする機会も私も多いんですが、交付金のことについてはそれぞれの首長さんが大変感謝をしているということについてもお伝えをしておきたいというふうに思います。

 そこで、農政についてお伺いをさせていただきます。

 民主党の農政の三本柱、民主党というより私は農政そのものの三本柱だというふうに思っておりますが、それは、業と村と食という三本だというふうに思います。

 農業、業の方については、先ほどもお話がありましたが、戸別所得補償制度というものを決断されて、今導入している、そして本年度は本格実施に向けて取り組まれるということでありますが、これは、自給率がこの国は圧倒的にゆがんでいるというふうに私は思います。お米が一〇〇を超えるような状況に片方であって、米以外のものが圧倒的に少なくて、二〇%とかそれぐらいで、物すごいアンバランスの状態になっているものを、どうやって進めていくかということも、この戸別所得のもう一つの大きな意味があるのではないかというふうに思っております。

 それと、農山漁村でありますが、これは農水省の資料でありますけれども、いわゆる限界集落というものが言われておりまして、二〇〇〇年で十三万五千の集落があったというふうに言われていますが、この十年間で五千の集落が消えたというふうに言われてございます。今後十年でさらに千四百ぐらいの集落が消える危険な水域にあるというふうに言われているわけであります。ここは、六次産業というものを中心に取り組んでおられるわけでありますけれども、私も農村に住んでいる人間でありますけれども、離農しても離村しないという政策にどう結びつけていくかということが、この六次産業のもう一つの意味だと私は思います。

 よく、日本は兼業農家が多いというお話がされるんですが、実はEUも私は兼業はあるというふうに思っています。それは何かというと、例のファームインとか、それからいろいろな乗馬とかシューティングとかということを農家の皆さん方にやっていただいているわけですね。特にドイツとかイギリスではそういうのを取り組まれていますが、これは内なる兼業なんですね。日本の場合は外に兼業を求めていくという政策をやってきたけれども、ヨーロッパは内側に兼業、多角化をさせたということなんですが、それは、ある意味で、農業、農村の置かれている事情というのが世界じゅうそんなに変わるわけではないということの私は一つのあかしだというふうに思っております。そういった意味では、この六次化というのは、そこの、いわゆる内なる多角化に向けて大いに期待をしていきたいというふうに思ってございます。

 もう一つ、食の問題でありますが、食の安心、安全は、今までのGAP、HACCP、トレーサビリティーに加えて、原料原産地表示というようなことも検討されているというふうに聞きますし、後ほどお伺いしたいと思っていますが、「食」に関する将来ビジョンということで、全省庁横断的な政策も取り組もうとしているわけであります。

 この農政の転換の主たる目的は何かというと、これは大臣と見解が同じかどうかわかりませんけれども、私は、今までの構造政策から所得政策への転換というのが一つあると思います。二つ目には、消費者負担型であった農政を財政負担型に変えていく、これはEUの手法でありますが、というのがもう一つある。三つ目、あえて言わせていただければ、補助制度から融資制度へ切りかえていくということもあります。

 こうした大きな三つの転換、特に前の二つという大きな転換というものが、我々の農政、民主党が目指す農政なのではないかというふうに思ってございますが、こうしたことに踏み切った、決断をした、その決断と、それから、今後それらをどのように実践していこうとされているのかということについて、農水大臣の御見解を伺います。

鹿野国務大臣 今、佐々木委員がお触れになりましたけれども、長きにわたりましてこの国が安定した形で推移をした、それは、やはり集落がきちっと維持されてきたというふうなことが大きな要因であると思うのであります。

 ところが、今日、この集落が一つ消え、二つ消えというような状況の中で、この集落そのものが、水田を中心として、農業というふうなものを軸として、そこにお互いの人間関係のしっかりとしたつながりというふうなことで維持されてきたということを考えますと、やはり、これからの農業というふうなものをどう国民全体でとらえていただいて、そして引き続いてこれからの安定した農村、農業のあり方を確立していくかということは非常に重要なことだ。

 こういう考え方から、思い切って政策においても転換を図っていかなきゃならない、今までは価格維持政策というふうなことの中で推移をしてきたわけでありますけれども、それを直接農家の人たちの所得に結びつけていこう、そして再生産、意欲を持っていただく、そのことが結局、集落を守り、そして農村の一つの形をつくり上げていくことではないか、このようなことから所得政策に切りかえた、こういうようなことでございます。

 そういう中で、佐々木委員も政務官として、まず初年度は、モデル事業としてお米というものを対象にしたわけでありますけれども、私どもは、平成二十三年度からは、やはり食料自給率を確立しなきゃならない、向上させていかなきゃならない、こういう考え方に立って、麦、大豆、そしてそば、そういうところにも対象を拡大していく、こういう政策をとろうといたしておるわけであります。

 そしてもう一つは、そういう中でも、生産性の向上を図っていく、体質強化を目指していかなきゃならない、こういうふうなことから、概算には入っていなかったわけでありますけれども、規模加算という形で、まず第一歩前進をさせていくというようなこともこの予算案の中に盛り込ませていただきました。

 いわば、この所得政策というふうなものが、いかにこれから充実したものになっていくか、そして、それをいかに長い間継続させていくかというようなことが一つの大きなこれからの農業、農村の振興のあり方につながっていくのではないか、こんなふうに思っております。

 そういう意味で、六次産業化法案も、昨年の秋の臨時国会で、与野党で、野党の皆様方もともに協力をしていただきながら成立をしたわけでありますから、これは、委員おっしゃるとおりに、一次産業の人たちが二次、三次の産業にも取り組んで一体的にやっていこう、それが根づいていけばまさしく新しい農村の活力にもつながるわけでありますから、そういう意味で、私どもは、この六次産業化に対する支援というものの体制にしっかりと取り組んでいかなきゃならない。

 そしてもう一点は、御承知のとおりに、委員も触れられました、安全、安心な農産物をいかに生産していくかということであります。

 日本の農林水産物というものは世界からも大きな評価をいただいておるわけでありますから、表示政策等々でこれからも国民に本当に安心していただくことができる、そういう農林水産物を供給する、こういうことにおいても、私ども、農政を推進する意味におきまして非常に重要なテーマだ、こんな意識を持ちながら取り組んでいきたいと思っているところであります。

佐々木(隆)委員 農業については、きょうの朝日新聞でありますけれども、食料高騰でG20の協議がというようなことがタイトルで出されてございました。食料自給を高めるということは、やはりどの国にとっても非常に大切なテーマだというふうに思いますので、その点、さらに御努力をお願い申し上げたいと思います。

 森林・林業と漁業についてお伺いをいたします。

 平成二十四年度から、森林・林業再生プランに基づく、そこで自給率五〇%とうたっているわけでありますが、そこを中心とした森林管理・環境保全直接支払い制度が新しくスタートする予定。それから漁業の方では、漁業共済と積立ぷらすを発展させた、いわゆるPQ保険的な資源管理・漁業所得補償対策の導入を決断されたというふうに存じておりますが、これもやはり私は、構造政策から所得政策への大きな転換だというふうに思ってございます。

 そこで、森林の方は森林管理・環境保全、それから漁業の方は資源管理・漁業所得補償と、いわゆる管理という言葉を両方につけているわけでありまして、これは、管理というものを所有者あるいは事業者に義務づけるということは、同時に国もその責任をしっかり負うということの裏返しだというふうに思うのでありますけれども、今後、これらの展開方向について、大臣の所見を伺います。

鹿野国務大臣 今、佐々木委員から、森林につきましても、また漁業につきましても、管理というのが非常に重要だ、こういう御指摘がありました。

 この管理は、押しつけでの管理ということでなしに、やはり基本的には、森林業の方々、漁業者の方々がみずから管理をしていく、こういうふうなことで資源を大切にしていこう、こういうふうな考え方、これを国として後押ししていく、このことが非常に大事なことだと思っております。

 そこで、私ごとで恐縮ですけれども、二十一年前に私もこの役を仰せつかりましたが、そのときにも、森林・林業をどうするか、二つがポイントだ、林道と機械化だ、こういうふうなことでありました。

 今日もやはり、同じく、いかにして森林の荒廃した状況を立て直すかということになりますと、やはり路網整備が不可欠だ、このようなことから、この路網整備をどうやって進めるかということになれば、やはり所有者の方々が、今まではどちらかといえばばらばらに取り組んできたわけでありますけれども、これを集約化して一体的にやっていこうというふうなことが重要だ。そして、そのことによって間伐も進められていく、路網整備によって間伐も進められていくということでありますけれども、間伐しただけではこれはだめでございますから、これをいかにして搬出するかといえば、当然、これまた路網整備が必要になってくる。

 こういうふうなことでありますので、私どもは、森林のしっかりとした管理をやっていただきやすい体制をつくるためにも、集約化をしていただいて、そして、そこに路網整備をしていただいて間伐を搬出してもらう、こういうようなことをやっていただく、このことによって森林の再生というふうなものを図ることができるんじゃないか。そのようなことから、そういう仕事、そういう事業にかかわる人たちに、直接支払い制度というふうなものを今回この予算案の中にも盛り込ませていただいているわけであります。

 また、漁業に関しましても資源管理であります。何としてもやはり、いかにして資源管理をきちっとやっていくか。これは、水産国の我が国としても率先して国際社会に訴えていかなきゃならないことでありまして、そのためには、漁業者の方々が、やはり所得の安定というふうなものにもつなぐ政策を行っていかなきゃならない。

 このようなことから、共済に対する保険料、これを三〇%、助成を上乗せする、このようなこと等、それはやはり、資源管理に頑張っていただいている人、こういうふうなことにさせていただいているわけでありまして、漁業者の人たちも、この資源管理がいかに重要であるかというふうなことを改めて確認していただいて、そして、そのことによって漁業管理そして資源管理がなされて、そして漁業者の人たちの生活の安定につながっていくというふうなことから、今回、新しい所得政策とも言える政策を、御承知のとおりに、この予算の中に盛り込まさせていただいているわけであります。

 ぜひひとつ、御理解をいただく中で、党の方からもいろいろな面でまた御指導をいただければと思っております。

佐々木(隆)委員 所有者とかあるいは事業者に管理ということをお願いする以上は、やはり国のしっかりとした計画がなければいけないというふうに思いますので、その点、申し上げておきたいと思います。

 そこで、先ほどの農業の本格実施、それから、林業そして漁業とそれぞれ所得政策が講じられました。きょう資料を提出させていただいてございますが、日本とEUにおける農業者への直接支払いというグラフを提示させていただいてございます。

 これは二〇〇六年の比較でありますが、農業所得に占める直接支払いの割合というのは、日本は二三%、このときは価格支持政策なども入っております。EUはそのときに七八%でございます、これは平均ですが。それを、右の方に、来年度の二〇一一年度で、これは私が試算をさせていただきましたが、計算をしますと四〇%ぐらいになります。そういった意味では、二三%から四〇%、これは大変な努力だというふうに思います。そこは評価を申し上げたいというふうに思うんですが、ただ、EUが何で七八%から八〇%近い数字になっているのかということが実は大変重要であります。

 このEUの直接支払いというものの中には、国境措置が実は入っています。国境措置という言い方が適当かどうかはわかりませんけれども、要するに、俗に多面的機能というふうに言われております。しかし、いわゆるハンディキャップ助成、条件不利のところはより高く直接支払いをするということは、条件不利なところはほとんど、今はEUで一つですけれども、かつてのヨーロッパの中では国境を接しているところが全部条件が不利なわけです。ですから、そこが手薄になるということが国にとっては大変重要なことでありますので、どうしてもそういうところに手厚く保護をするという形をとらなければならなかったという事情もあるし、もう一つは、国土全体をどういうふうにしっかりと使っていくかというような、ある種の思想のようなものがあったというふうに思うんですが、そうしたことの評価というものをやはり今後さらに一層していくべきではないかというふうに思うんですが、大臣の見解を伺います。

鹿野国務大臣 今、佐々木委員から御指摘のありました、いわゆる直接支払い制度、所得政策をさらに推し進めていく必要がある、こういうことで、EUとの対比の中で申されましたけれども、私ども、非常に重要なことと思っております。

 とりわけ、農業あるいは林業、漁業、まさしく多面的機能を維持する、このことについて大きな役割を果たしてもらっておりますし、生物多様性の保全というふうな面においても、これまた大きな使命を果たしていただいておる。こういうようなところから、その役割に対してしっかりと評価をする、そしてまた、自給率の向上にもつながる、安定した食料を供給するという最も大事な仕事をやっていただいていることに対して明確なる評価というものをする、そのことが戸別所得補償というふうなものの考え方になるわけでございますので、これからも、私どもは、このEUのあり方というふうなものも参考にして再生プランというふうなものを考えた経緯からいたしますと、特に中山間地、条件の悪い地域においてどういう政策を行っていくかということになりますならば、やはり直接支払い制度というふうなものを導入することによって、安定した一つの農業者の家計というふうなものをいかにつくり上げていくかというふうなことも非常に大事なことだと思っております。

 そのためには、やはり農業者のためにということも大事でありますけれども、これは、国民全体のこれからの食料安全保障、そして、重ねて申し上げますけれども、多面的機能の維持、生物多様性の保全という、国民生活にとって非常に大事な重要な分野を担当してもらっているんですよというようなことを多くの人に理解してもらう、そのことによって、この直接支払い制度というふうなものもさらに確立していくのではないかというようなことの認識に立ちながら、私どもも、国民の人たちに理解を求めるべく、これからも努力をしていきたいと思っております。

佐々木(隆)委員 ぜひ、直接支払いの中における多面的機能のところについては、さらに一層充実をしていっていただきたいというふうに思います。

 そうした今の状況を踏まえて、ここで規制・制度改革についてお伺いをしたいというふうに思います。きょう、官房長官と内閣府の政務官においでをいただいておりますので、それぞれお伺いをしたいというふうに思います。

 政策や制度というのは、不断に点検をすることはもちろん必要でございます。そういった意味では、行政刷新のところが今日まで取り組んできた点検、評価作業というのは極めて重要でありますし、同時に、国民の皆さん方と問題意識を共有してきたという意味でも、これは極めて重要な取り組みだったというふうに私は評価をしてございます。

 現在、第二クールの規制・制度改革が行われているわけでありますけれども、点検と評価には二つの視点が必要なのではないかというふうに私は思っております。それはどういうことかというと、俗に言われている、アウトプットとアウトカムという二つの評価の方法があります。アウトプットは、そのまま、その事業がどういう事業をやったかというようなことがむしろアウトプットの評価であって、アウトカムの評価は、行政目的が何だったんだ、その目的に対してそれをどこまで達成しているんだというのが、これは、効率とはまたちょっと違った視点でもう一つ評価をしていくというのがアウトカムという評価の方式でありますが、この二つの視点がやはり必要なんだろうというふうに私は思ってございます。

 残念ながら、しかし、報道などを含めると、アウトプットの部分だけが大きく表に出されて、アウトカムの評価というのはほとんど表に出てこないということに、実は大変危惧を私は持ってございます。ちょっと例を出させていただきますが、例えば、この間ずっと予算委員会でもやられておりますマニフェストの論議も、どちらかというと、アウトプットの部分だけがいろいろ論議をされて、アウトカムの論議というのはほとんどなされていないのではないかというふうに思います。

 それから、例えば道路でありますが、よくBバイCという言い方がされます。車が通っていないから、これはBバイCで非効率だというような評価にすぐなってしまうのでありますが、私が田舎に住んでいるから申し上げるわけではありませんけれども、例えば私の住んでいるようなところで、三十分以内に第三次医療に行けない地域なんて山ほどあります、ひょっとしたら一時間以内にも三次医療に到達しないのではないかという地域があります。そこは、車が通っているとかいないとかという問題ではなくて、命のネットワークとしての道路がちゃんと整備をされているかされていないかというのが、これがアウトカムだと私は思うんですよね。そういう評価がもう一つ要る。

 農地でいうと、これは、生産手段としての評価はよくされるんですが、それを国土として、あるいは地域資源としての農地などという評価はほとんどされない。それから、漁業なんかでいうと、今、漁業権のことがいろいろ取りざたされているようでありますけれども、資源管理さえできれば漁業権なんか売り買いしてもいいんだみたいな話が片方にあります。しかし、そこにあるいろいろな環境資源などというものは、そこに漁民がいることによって守られているというものはたくさんあります。そうしたような、いわゆる生態系などとか環境とかということもやはり視点に入れる必要があるのではないかというふうに思います。

 規制改革分科会の目的、視点のところでも、「政策目的に合致した合理的な政策手段の選択」というふうな表現をされてございますので、こうした視点がやられているんだというふうに思いますが、そこはしっかりアピールをすべきではないかということがありますので、官房長官と内閣政務官にお伺いしたいんですが、官房長官は時間が迫っているようでありますので、先にお願いをいたします。

枝野国務大臣 ありがとうございます。

 たまたま、行政刷新会議に規制・制度改革分科会を設置した当時は、行政刷新担当大臣を務めさせていただきました。その折から、規制・制度改革においては、どうしても、従来、規制緩和、自由化ということばかりが強調をされていたけれども、そうではないんだ、規制・制度改革というのは、一方で自由化すべきところは自由化をするけれども、規制をしっかりと再定義して、強化すべきところは強化する、その両面が規制・制度改革の役割であるんだということを設置の時点から強く申し上げてきているところでございまして、それは蓮舫大臣にも引き継いでいただいているというふうに思っております。

 また、制度的にも、行政機関が行う政策評価に関する法律に基づいて、いわゆる規制の新設、廃止、内容の変更についての評価に当たっては、国民生活や社会経済に及ぼす影響を把握し、これに基づいて評価を行わなければならないとなっておりまして、行政刷新会議における評価においても、この法律に基づいてなされるものというふうに思っております。

 御指摘のとおり、農林漁業に関しては、いわゆる業としての経済の理屈で動く分野だけではなくて、それ以外の多面的な機能というのは大変大きなものがございます。その点については、まさに、国民生活に与える影響、それぞれの多面的機能をどうやって発揮していただくかといった政策目的、そういったものを十分に踏まえた上での議論がなされなければならないというふうに思っております。

 行政刷新会議においても、そうした形で進めていただいているというふうに思っておりますし、また、最終的には、規制、制度の改革は、行政刷新会議における評価を踏まえて、所管省と協議を行ってまいります。その協議に当たっては、内閣官房として、今のような視点で、しっかりとしたあり得べき改革が進んでいくように配慮してまいりたいというふうに思っております。

佐々木(隆)委員 官房長官は時間があるようでございますので、御退席いただいて結構です。

 このことを実質的に分科会の座長として取り進めていただいている園田政務官にも、同じ中身で見解を伺います。

園田大臣政務官 御指摘、御質問ありがとうございます。

 御案内のとおり、今、行政刷新会議のもとで、規制・制度改革に関する分科会の第二クールが昨年の十月からスタートをさせていただきまして、本年三月末をもって、取りまとめに向けて今審議をさせていただいているところでございます。

 佐々木委員の御指摘のとおり、やはり、政策目的というものをしっかりと踏まえた中で、その評価というものをしっかりと行っていかなければいけない。それは、一方的な視点の中で行われるべきものではなくて、やはり多層面的なところ、そして、あらゆる国民生活、あるいは地域経済社会というものを念頭に入れながらこれを行っていかなければいけないというのは、委員と全く共通の認識を持たせていただきまして、その視点を持って、分科会の中で、今御指摘いただいたようにワーキンググループがございますけれども、私がその中の座長として務めさせていただいているところでございます。

 今委員からの御指摘のあるように、農業分野におきまして、この農林・地域活性化ワーキンググループにおきましては、基本的な考え方というのをまずまとめさせていただいております。そこにおきましては、農村、漁村は少子高齢化の進行が極めて急速であり、コミュニティー機能維持の面でも深刻な問題であるということの認識をまずしっかりと持たせていただいております。

 そして、では、改革の方向性というものをどのように考えているかということにおきますと、農業経営の多様性を認識し、専業農家については経営規模の最適化や多角化を支援する、それが第一点。それから、零細兼業農家、ここは恐らく委員の御認識に合っているところではないかと思うんですが、零細兼業農家等につきましては地域コミュニティーや農地の多面的機能を維持保全することが重要であるということを、まず、きちっとこの改革の方向性として掲げさせていただいているところでございます。

 そういった点では、やはり地域、委員は先ほど村という御認識をお示ししていただいておりますけれども、六次産業化も含めて、しっかりと地域コミュニティーが、農業あるいは農山漁村というところを踏まえて地域経済が発展をするということの方向性が規制・制度改革の中でも議論をされ、そして、改革を行えるところは行っていきたいというふうに考えているところでございます。

佐々木(隆)委員 ぜひ、そうした視点で取り組みをお願いしたいと思います。

 次に、これは先ほどちょっと触れましたが、成長戦略に位置づけられている中に、「食」に関する将来ビジョンというのがございます。私も政務官時代、各省の政務官の皆さん方と、本当に全省庁と論議をさせていただきまして、皆さん方に大変関心を寄せていただいたということで、その当時も感謝を申し上げているのであります。

 この成長戦略において、地域資源、アジア成長の取り組み、少子高齢、消費者の信頼という視点で、この「食」に関する将来ビジョンというものは十のプロジェクトが設置をされているんですが、文科省との関係でいうと、生涯食育社会、農山漁村コミュニティー、それから地域イノベーションなどについて話し合われているというふうに承知をしてございます。

 少し事例を申し上げさせていただきますが、栃木県のユースワークカレッジというところでは、引きこもりと農村というテーマで取り組まれておりまして、特に幼児期の農村体験あるいは漁村体験というのが引きこもりを改善するために非常に効果があるということで、それはなぜかというと、普通の、いろいろなゲームやその他を含めてやるリハビリとかそういうものは、どちらかというと機械的なんですね。自然というのは予想できない出来事が次々に起きてくるというところに、非常にそういう効果があるのではないかというふうに言われてございます。

 そうしたことも含めて、特に私は、子供たちが、食というものももちろんなんですが、生き物に触れるとか、あるいはまた成長の現場に触れるとか、そういう子供たちが今や五〇%を切っているというふうに言われておりまして、そういう意味でも、文科省の取り組みの中で、そうしたことの取り組みをぜひ進めていただきたいというふうに思うんですが、文科大臣の御意見を伺います。

高木国務大臣 佐々木委員にお答えいたします。

 農林水産大臣政務官をなされておられまして、今、この問題についても非常に熱心に取り組まれたお話がありました。

 私たちとしましても、子ども農山漁村交流プロジェクト、これは非常に意義があるものと思っております。特に、子供時代に自然の恵み、そして一方で厳しさ、あるいは生き物という話も出ましたけれども、生き物を見たり触れたりするその経験、あるいは生産現場においての物をつくることのとうとさ、働くことのとうとさ、汗を流すこと、こういうことも体験できるのではないかと思っています。

 また、日ごろ住みなれた環境と違った環境において、あるいは親兄弟と離れて生活すること、このことはやはり、自立心を高めたり、あるいは集団活動における協調心を養ったりする、学校現場とは違った大きな意義があると私は思っております。

 そういう意味で、子供たち、児童の人間性を豊かにする意味では非常に効果があることでありまして、このプロジェクトについては、文部科学省、農林水産省あるいは総務省、三省が連携をして実施するものでありまして、我が省としましても、三泊四日以上の宿泊体験を通じて自然体験活動、これは小学校の取り組みを補助しております。平成二十三年度予算においても二百十二校分の支援経費を盛り込んでおります。

 御指摘の点につきましては、これから、鹿野大臣もお話をされておりますように、農山漁村の振興、あるいは新たな意味のイノベーション、こういった意味ではこれからも積極的に取り組んでいきたい、このように思っておりますので、どうぞまた御支援をいただきたいと思います。

佐々木(隆)委員 実は、古い話なんですが、二〇〇六年ごろなんですが、永六輔さんという方がやっているラジオ番組がございまして、そこで、いただきます論争というのがあったんです。やや一年にわたってありました。

 それはどんなことかというと、参観日に先生が、手を合わせて農家や漁民の皆さん方に感謝をして、いただきますと言って食べましょうと言って給食を食べたんですが、その後あるお母さんが、農民の皆さん方や漁民の皆さん方にはその対価を私は払っている、なぜそこに感謝をして、いただきますと言わなきゃいけないんだという話があって、それが火種になって、ずっと一年間ぐらい続いたんです。

 実はこれ、お母さんがけしからぬと思う人が多いかもしれませんが、これは先生の方が実は間違っていますということなんです。だから論争が続いたんです。どっちが間違っているという、はっきり白黒という話ではないんですが。

 なぜかというと、汗の対価に対していただきますと言うのではないんです。いただきますというのは、生きている食べ物、その命をいただいて私の命をつなぎますというのが、命をいただいて命をつなぎますというのでいただきますと言うので、ある意味このお母さんの言っていることは正しいわけですね。ところが、そういう現場が今ないですから、そこに触れる機会がなくなっている、やはり子供たちの教育の中でもそういうことは非常に大切だということもあえて申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 次に、今いろいろと論議をされております経済連携についてお伺いをいたします。

 経済連携には多様な仕組みが私はあるというふうに思っていますが、最初に農水大臣にお伺いをいたします。

 WTOのような、マルチのような交渉が片方にあって、そのほかにEPA、FTA、FTAAP、TPP、ASEANとか多様なものがあって、二国間のバイ交渉あるいは地域間の交渉、そしてマルチの交渉、いろいろな交渉があるわけでありますが、そうした論議が今されている中で、先ほど来、私がなぜ農村とか漁村ということにこだわって申し上げているかというと、そうした論議の中にほとんどこの村という視点が欠落しているのではないかということを、私、実は大変心配をしております。ある方に言わせますと、日本の経済交渉はマルチ至上主義だ、マルチの交渉の原則論だけ言っていて、結局、バイ交渉でおくれをとってしまったのではないかというようなことを指摘される方もおられます。

 資料を皆さん方にお示しさせていただいてございますが、今、農産物に限って言えば、農産物の関税は一一・七%で、アメリカに次いで開放されているという国になっています。

 もう一つ、その下の表なんですが、世界の農業というものを考えるときに、いわゆる東アジア型、これは日本を含めた東アジア型、それからヨーロッパ型、そして新大陸型という、農業に関して言えば三つの分類ができるのではないかというふうに思っております。

 新大陸型というのは言うまでもなくアメリカ、カナダ、豪州などでありますが、アメリカは独立されてからまだ二百三十四年、カナダは百四十三年、オーストラリアは独立してから百九年であります。いわゆる農地からいろいろなものがまだ収奪可能な状況だと言ってもいいと思うんですね、まだ百年から二百年ぐらいしかたっていないわけですから。

 そういう国で、しかも規模が大きくてという、いわゆる輸出産業として育ってきたような農業の国が片方であって、もう一つ、EUのように、先ほど申し上げましたように、地域との関係というものを非常に大切にしていって、いわゆる地域共生型といいますか、そういう形で進んできたEUの農業というのがあります。

 もう一方に、アジアというのは、アジア・モンスーンに代表されるような極めて温暖な、湿潤な気候という中で、自然環境にすごく適合した、自然共生型とも言えるのではないかというような農業が片方にあります。

 それを、これは経済連携協議ですから、一つの経済のテーブルの中で論議をしなきゃいけないというのはそのとおりでありますけれども、しかし、そういうものも同時に認め合うというような仕組みがやはり必要だというふうに思います。

 ちょっと極端なことを言わせていただきますが、この国から農業がなくなることはないと私は思います。それは、大資本がやろうが、例えば海外の資本が入ってこようが、農業がこの国から全くなくなるということはない。二〇%かそこらは残るだろうと思います。しかし、先ほど来申し上げているように、村は確実になくなるんです。ここは、私は、やはりこうした協議のときに、ぜひ我々としては視点に入れておかなければならないところなのではないかというふうに思ってございます。

 そうしたことを含めて、こうした経済の連携ではありますけれども、それぞれの国の違いというものをどうやって認め合うかというようなことも含めて、これから進めていくべきではないかというふうに思うんですが、まず農水大臣の見解を伺います。

鹿野国務大臣 昨年の十一月におきまして、包括的経済連携に関する基本方針というものを打ち立てたことは御承知のとおりであります。その中で、今後、経済連携というふうなものは、センシティブな品目に配慮しながら、高いレベルの経済連携を推進する、こういうことであります。

 今、数字の中で、関税率の話も資料として提示されておりますけれども、基本的にFTA比率が我が国は低い。こういうふうなことも現実としてあるわけでありますから、二国間バイ交渉の中で経済連携を進めていくということはそういう意味も含まれておるということだ、このように当然理解をしていただいていると思うわけであります。

 そんな中で、実は、去年の愛知県で行われたCOP10におきまして、一つ新しい考え方が認められたんです。それは、これから生物多様性というふうなものの保全の中で、水田というものが非常に重要だというふうなことがCOP10の中で認められたんです。

 御承知のとおりに、水田には約五千数百種の生物多様性が存在する、そういうものを大事にしていこうというふうなことが認められた。これは、国際社会において、多様な農業のあり方なり、それぞれ国の特性というふうなものをお互い認め合っていこうじゃないかという一つのあらわれでもあると思うのであります。

 当然、水田というふうなものは、先ほどの佐々木委員のお話にもありますとおりに、集落を形成する上において非常に重要な軸にもなっておるというふうなこととするならば、それぞれの国がそれぞれの国の特徴なり特性なり歴史なりあるいは文化なりというふうなものを認め合って、そういう中で経済連携をどうしていくかということを話し合っていくというふうなことが一つの経済連携のあり方でもあるんじゃないか、こんな思いをいたしながら、これからも当然高いレベルの経済連携を進めていかなきゃならない、これは市場を広げていかなきゃならぬわけですから。

 しかし同時に、そのことによってもし農林水産業に、第一次産業に影響があるとするならば、しっかりとした国内対策をやはりやっていかなきゃならない、そんな思いの中で経済連携を進めていきたいと思っているところであります。

佐々木(隆)委員 ぜひお願いをいたします。どんな協議でも、これから残っている、例えば豪州にしろアメリカにしろ、農業に影響はあるわけですから、それは、いずれにしても、しっかりやっていかなければならないというふうに思ってございます。

 同じ中身でありますけれども、国家戦略大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

 〇六年の十月といいますか年末ですが、これは十月十三日の記事でありますが、平成景気戦後最長という記事があります。五十七カ月連続回復、イザナギに並ぶという記事であります。

 ところが、このときは私も国会にいましたけれども、実際に生活者のほとんどがそんなにすばらしい景気だという実感がなかったというのが、このときの景気ではなかったかというふうに思ってございます。

 ある意味で、このときの実態というのは、改革によって日本全体としてのGDPは伸びた。ところが、貧富の格差が広がったり地方との格差が広がったりして、国としてはふえたかもしれないけれども、現実に生活者とか地方にいる人はむしろ苦しくなったというのが実感だったと思うんですね。そのときの改革の轍を私どもは踏んではならないというふうに思うわけであります。

 よく引き合いに出されることの中で、販売農家が百九十七万戸あるというふうに言われておりまして、そのうちの第二種兼業農家が六一・七%もあるではないか。あるいは、就業人口が二百六十・六万人いるけれども、六十五歳以上が六一・六%だというようなデータ。あるいは、これは今農業経営体という言い方をしますが、農業経営体が百六十七・九万経営体あるんですが、一ヘクタール未満が五七・三%あるというようなことがよく言われるので、それが危機なのではないかというふうな言われ方をよくするんですが、私は、一つ事例として申し上げたいというふうに思う。

 私も政務官のときにいろいろなところをお伺いさせていただいて、実は、広島県の東広島市、ここに私も行ってきました。西田口という地域の法人でございます。六十三戸の皆さん方で形成をされてございます。トータル百三十四・八ヘクタールを六十三戸ですから、一人当たりにすると二・一ヘクタールぐらいでありますけれども、この構成年齢が平均年齢六十五歳であります。六十歳以上の人が三十五戸ございます。

 富山県の黒部市というところは十八戸でやってございますが、ここも平均年齢六十七歳でございます。それから、滋賀県の近江八幡でありますが、ここでは八十二戸ですが、平均年齢五十歳代で、六十歳代が六人。それから、島根県出雲市も同じような状況でございます。

 この人たちが一様に言っているのは、土地改良などを含めてそこで再編をされたという経過はたどっていますが、地域を守りたいということなんですね。ほとんどリタイアしてから法人をつくったというような集落、この人たちの場合は多いんですが、六十歳を超えたからといって、決して担い手でないわけではないんです。地域を守っていこうという人たちが、六十歳でリタイアをしてからみんなで寄って、会社の経験なども生かして、地域を守りたい、同時に新しい担い手も育てたいと言って頑張っておられる方々がたくさんおられます。

 そんなことを含めて、私は、国力というのは、どうサステーナブルな人口構成とか国土利用ができるかということに尽きるのではないかというふうに思うんですが、戦略大臣の見解を伺います。

玄葉国務大臣 ただいま佐々木委員から、実態を踏まえた味わい深い質問を、あるいは御提言をいただいたというふうに思っております。

 私も、自分の選挙区も、市町村合併しても二十市町村あるというような地域をくまなく歩いて十七、八年選挙をしておりますので、十二分に事情は承知をしているつもりでございます。

 一言で言えば、農村の豊かさは日本の懐の深さだというふうに私自身は思っております。一方、アジア三十五億人、アジア太平洋四十億人の内需を、日本人の特性、あるいは、日本人のというよりも日本という地理的な特性を踏まえると、しっかり取り込んでいくということも国家戦略として間違いなく必要であるし、私たちは通商国家として宿命づけられているという思いも、これは強くございます。

 そういった中で、どういうふうにバランスをとっていくのか。先ほど、きずな、あるいは縁、あるいは結い、あるいはコミュニティー、そういうお話も伺いましたけれども、これらをどういうふうにバランスをさせていくのかということだと思うんです。

 まずは、今回、六月までに鹿野先生とともに、経済連携、少なくともハイレベルEPAに耐え得る農業、特に、守りと攻めとを具体的にどうするかということをしっかり制度設計し、同時に、国民全体で支える農業、これは輸出もブランド化も含めてつくり上げたいと思うんです。

 先ほど、なるほどと思いましたけれども、離農しても離村しない、これは大事なんだ、全くそのとおりだなと思いながら聞きました。コンニャクを三人の農家の方々がつくって、五十人の加工工場をつくれば、いわばそこの村で住むことができる。おっしゃるとおり、兼業農家の豊かさというのも事実ありますね、率直に言って。人間的な豊かさというのを私自身も強く感じている一人でございます。

 したがって、これは自民党時代からも、農地、水、環境とか、あるいは中山間地の直接支払いとか、そういった制度をいわば投入しながら中山間地を守るということをやっているわけでございます。

 したがって、どういう形で農業を支え、農村を守るか。私もこの間、牛久という地域に行きました。牛久という地域に行ったら、非常に条件がいいんです。いい条件にもかかわらず、六百軒の農家で十軒しか後継者がいないというわけですよ。二十ヘクタールぐらいやっているんですよ、土地利用型。ですから、そういったところできちっと自立できるように支えてあげる仕組みをまずつくらなきゃいけないと思います。

 一方、中山間地は中山間地で、これは農業の仕組みもさることながら、やはり日本の国土政策全般が、一言で言えば、私は、この人口減少社会にあっても、東京を初め大都市に集中し過ぎているという認識でございます。スウェーデンを初め、いろんな国々がございますけれども、分散型でやっても、知識集約型の産業がしっかり活性化をし、名目成長率が高い国々もあります。

 出生率を見たときに、例えば、この間コマツの会長さんがおっしゃっていましたけれども、東京のコマツの会社と北陸のコマツの会社で……

中井委員長 大臣、そろそろおまとめをください。

玄葉国務大臣 はい、わかりました。ちょっと中根さんのところに食い込んで……

中井委員長 いや、それは、そこらでやみ取引をしないでください。

玄葉国務大臣 わかりました。

 もう終わりますが、一言で言えば、地方の方が出生率が非常に高いという実態もございますので、そういったことも含めて、どういうふうにバランスをとって持続可能な農村をつくっていくのかということも意識をしながら国家戦略を考えていきたい、そう考えております。

佐々木(隆)委員 どうもありがとうございました。

中井委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。

 次に、中根康浩君。

中根委員 民主党の中根康浩でございます。

 ただいまの玄葉大臣の、日本の農村の豊かさ、懐の深さ、とてもいいお言葉を拝聴することができて、もう少しお話を承りたい、そんな思いでございましたけれども、御配慮いただきましてありがとうございます。

 全国の豪雪による被災者の皆様、そして霧島・新燃岳噴火による被災者の皆様方に、私ども、心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 民主党は、鉢呂副代表を本部長とする豪雪災害対策本部を設置いたしました。二月六日には福井県、二月七日には秋田の現地視察を行いました。私も、災害対策特別委員会の筆頭理事として、状況を把握させていただき、今後の委員会質疑に生かしてまいりたい、そんな思いで同行させていただきました。

 また、藤村副幹事長を室長とする新燃岳噴火対策連絡室も民主党として設置をし、迅速な対応に努めているところでございます。

 さて、政府におかれましては、二月七日、新燃岳噴火に関する支援チームを現地に派遣したと承知をいたしております。このチームの支援活動は具体的にどのようなことが行われるか、大臣、御説明をいただきたいと思います。

松本国務大臣 お答えいたします。

 まず、この場をかりて、発災以来、今月に入っては、雲仙・普賢岳を擁する島原の人たち、あるいは三宅島の人たちが支援を行っていただいている、そういう輪が広がって、また、ボランティアの皆さんもさまざま助け合いをしていただいていることに敬意を表したいというふうに思っております。

 今御指摘の政府の支援チームでありますけれども、七日に派遣をして、けさ、チームリーダーの越智さんに電話をして様子を聞きました。まさに、内閣府あるいは農水、国交、消防、気象庁と、さまざまなチームが派遣をされています。各市町を回って、避難計画の作成、あるいは土石流が発生したときの避難計画、さまざま今取り組んでいるところであります。

 具体的には、今、噴火警戒レベル三でありますけれども、これが四あるいは五になったときの避難計画を策定するための支援を行っていたり、あるいは、二十九日に私も新燃岳へ行ってまいりましたけれども、すさまじい火山灰でありました。降灰除去対策あるいは降灰防除地域指定等々さまざまな問題がありまして、そのために今一生懸命努力をしているところであります。これからもチーム一丸となって頑張ってくれるというふうに確信をしているところであります。

 最後になりますけれども、御党は、防災の関係で中根委員が頑張っておられることに敬意を表します。ありがとうございます。

中根委員 この支援チーム、大変重要な、また重いミッションを帯びて現地に向かわれて、一カ月の長きにわたってまずは支援活動を展開されると聞いておりました。それこそ、支援チームの方々の御健康にもぜひ御配慮いただいて、充実した活動が展開されますことを御期待申し上げます。

 私が二月六日に福井に赴いたとき、大臣も御認識のように、豪雪の被害、現地を歩かせていただきましたが、過疎化、高齢化が進む中での屋根の雪おろしあるいは雪かきの大変さとか危険性、ぜひ迅速に自衛隊に来てもらいたいという通りすがりの方々からのお声も承りました。

 既に、高齢者の方々が屋根の雪おろしの作業中に転落をして、九十七名ですか、百名近くの方々がお亡くなりになっておられるという大変な犠牲も生じておりますし、さらに、現地で聞いた話なんですけれども、一週間も家に閉じ込められてしまったという状況、買い物にも出かけられなくて冷蔵庫の中が空っぽになってしまったというお話、体調を崩しても救急車も来ることができない、そんな実情。そして、そういった中で、たった一人の町の診療所のお医者様が、雪をかき分けあるいは雪を踏み越えて訪問診療に御奮闘をされたということや、また、雪の量が大変な量でございますので、排雪場の確保もそれぞれの自治体において困難をきわめ、また工夫をされておられるということ。そんなさまざまな実情を承ってきたところでございますし、恐らく、同じようなことは新燃岳噴火災害地域においても当てはまることではないかと思います。

 その後、福井県庁に行きまして、知事さんを初めとする県の幹部の方々から御意見、御要望も承ってまいりました。

 例えば、こういった形で御要望書を福井県から承りましたけれども、この中には、鉄道や道路が立ち往生してしまったという報道もされておりましたように、鉄道事業者や道路管理者に対する御要望とか、あるいは除雪経費に対して社会資本整備総合交付金等による財政支援を充実すること、特別交付税による十分な財政措置の実施、さらには雪害による道路舗装補修などの災害復旧に係る国庫採択基準を引き下げること、また、立ち往生問題に関して言えば、ぜひ早く北陸新幹線や中部縦貫自動車道の開通をお願いしたいというような話もつけ加えられたわけでございますが、こういったさまざまな被災地の御要望に対して誠実に、大臣を中心、先頭にいたしましてお取り組みをいただけますように、心からお願いを申し上げるところでございます。

 松本大臣、これで御退室をいただいて結構でございます。ありがとうございました。

 続きまして、子ども手当と児童養護施設に関連してお尋ねをしたいと思います。

 私たち大人にとりまして、次の世代を育てること以上に大切なことはまずほかには見当たらないと言ってもいいのだと、僕は認識をさせて、自覚をさせていただいているところでございます。このことに必要なお金を使うということは、決してばらまき批判などとはほど遠いものであるということ、先進各国と比べても、我が国は子供に対する投資の仕方といいますか、お金のかけ方が余りにも今まで少な過ぎたということ、むしろ、何としてでも、苦しい状況であっても、どこからかき集めてでもやらなければならないというのが、教育であるとか子育て支援であるということではないでしょうか。

 今、この国会で例えば批判をされたとしても、五十年あるいは百年後に評価をされるというのが、子育て支援、教育に対する政策、例えば今回でいえば子ども手当ということになると私は確信をさせていただいております。

 平成二十三年度における子ども手当法案、昨年の国会での議論も十分踏まえてバージョンアップされていると思っております。例えば、児童養護施設に入所している子供等についても施設の設置者等に支給する形で子ども手当を支給するとあります。

 つまりは、平成二十三年度からは、安心こども基金ではなく、子ども手当本体から支給をされるということになるわけでございまして、このことにつきまして、児童養護施設の現場、施設長さん方から大変歓迎の声を数多くお寄せいただいて、お喜びをいただいているということにつながっておりますが、ここは大臣ですか、この児童養護施設の施設長さん方がお喜びになっておられるということはなぜか、どのような理由でというふうに把握、お考えになっておられるか、お話しいただければと思います。

細川国務大臣 二十二年の子ども手当につきましては、施設に入っている子供たちについては、親がいないとかあるいは虐待を受けた子供たちに対しては子ども手当が支給をされない、そういう法律でございました。そうしますと、児童養護施設の中で、もらえる子供ともらえない子供がいたり、いろいろと、その子供のためには何としても支援が必要だという子供に光が当たっていないということで、現場の職員の皆さん方も心を痛めていたというところでございます。

 そういう中でも、安心こども基金という限時法の法律がありまして、そこでいろいろと手当てをしてまいりましたけれども、来年度の法案には施設の方に支給をするということで、それで施設に入っている子供についてはすべて子ども手当を支給する、こういうことに決めました。

 したがって、その中で、やはり施設の中では子供たちが平等に扱われるということにもなりますし、貯金ができないできるという問題もありまして、今は安心こども基金で充てているお金について貯金ができるというふうにしましたけれども、子ども手当で支給ということになりますと、これはしっかり貯金も子供のためにできるというようなこと、そして、何としても、子供たちが将来健やかに育っていくためには、子供の特性に応じていろいろな習い事なんかもさせてあげられるというようなことで、施設に入っている子供にはすべて子ども手当を支給するということで、私どもとしては、子供の健やかな育ちをしっかり応援していく、こういうことでそのように決めさせていただいたところでございます。

中根委員 厚生労働省が平成二十二年の十二月の七日に取りまとめて発表した「子ども手当」の使途に関する調査結果を拝見させていただきました。この調査結果によりますと、子供の将来のための貯蓄あるいは保険料、こういったことに対する使い方が四一・六%ということで、断然、圧倒的に多くなっております。

 この委員会でも再三にわたって質疑がされてきたことでございますけれども、子ども手当が貯蓄に回ると消費拡大につながらず効果がないというような話がよく出てくるわけでありますけれども、子ども手当を貯蓄に回すということはいけないことなのでしょうか。趣旨あるいは理念に反することなのでしょうか。決してそうではないと私は考えさせていただいております。むしろ、貯蓄というものがある程度あることによって、家庭の安心感が高まり、あるいはそれが結果的に、多少なりとも消費の拡大ということにもつながることにもなるのかもしれません。

 子ども手当で、家庭においてもあるいは施設においても、子供たちの将来の進学や就職や自立というものに備えて、貯蓄するなら貯蓄をする、保険を掛けるなら保険料に使うということは、とても大切なことであると思っております。

 ところで、進学にしてもあるいは就職にしても、スーツの一着あるいは靴の一足というものが必要になってまいります。現行七万七千円の支度費の増額が現場からは求められておりますが、その御検討をお願いできないでしょうか。

小林大臣政務官 中根議員にお答えをいたします。

 児童養護施設の児童が施設を退所し、就職または大学進学等をする場合には、就職支度費また大学進学等自立生活支度費として七万七千円、そして、保護者からの支援が見込めない場合については二十一万四千五百十円を現在支給しております。

 これまで毎年支給額を二千円ずつ引き上げてきておりますので、平成二十三年度においても二千円の引き上げは実施をしていきたい、このように考えております。

 なお、施設等を退所した子供たちが公平なスタートを切れるように、今後とも自立支援の充実に努めてまいりたいと思います。

中根委員 また、今、児童養護施設には虐待を受けた子供が大変多いと聞いておりますが、実情はどのようになっておりますでしょうか。

小林大臣政務官 お答えいたします。

 平成二十年二月一日、児童養護施設入所児童等調査、この調査におきまして、児童養護施設に入所している児童のうち、虐待を受けた経験のある児童の割合は五三・四%でございます。

 具体的な数字は、児童数が三万一千五百九十三人のうち、虐待を受けた経験がある児童は一万六千八百六十七人、このようになっております。

中根委員 五三・四%、ある意味異常な多さであるということが言えるということではないかと思いますが、そういったことを踏まえると、今回、職員の配置を手厚くしたり、あるいは居室の面積基準を緩和していただいて広く利用できるようにしていただいたりということは伺っておりますが、そういった虐待を受けて、やむを得ずといいますか、こういった児童養護施設で生活を余儀なくされておられる子供たちの心の相談に乗ったりメンタルケアをするような、そういった専門職員の配置ということも必要になってくるのではないかと思いますけれども、どのように御対応されますでしょうか。

小林大臣政務官 中根委員の御指摘はごもっともだ、このように私は受けとめております。

 近年、児童養護施設において、虐待を受けた経験のある子供たちが増加していることも確かでございます。心理的ケアの充実が求められていることから、平成十一年度より心理療法担当職員の設置を進めております。平成二十一年度には児童養護施設五百七十五の施設中、四百六十九の施設にこの人たちが置かれております。現在、児童福祉施設最低基準の改正作業を進めておりますので、対象児童が十人以上いる施設については心理療法担当職員の配置を義務化したい、このように考えております。

 なお、省令の改正が伴う、こういうことになりますので、多少時間はかかると思いますけれども、近々中にこの案を取りまとめて、こういう対策についてさらに進めていきたい、このように考えております。

中根委員 前向きにお取り組みをいただいている。子ども手当という現金給付とあわせて、そういったきめ細かな対応をぜひこれからも政府に大きく期待を申し上げたいと思います。

 また子ども手当の方に戻りますけれども、子供に対しても国内居住要件を設けるということもこの法案の中に盛り込まれております。この点も昨年の厚生労働委員会などで大騒ぎになったところでございます。実際に、ある委員から例示をされて質問が挙げられたような、海外に子供が五十人などというような極端なケースを含めて、いわゆる不正受給に当たるものがあったのかなかったのか、あったとすればどの程度、どのぐらいあったのか、御説明をいただきたいと思います。

小林大臣政務官 結論から申しますと、同法の施行後、御指摘のような事案は発生していない、このように承知をしております。

 昨年度の子ども手当法案の国会審議において、今、中根議員がおっしゃったように、海外に居住する子供の子ども手当の支給について不正受給等が生じるのではないか、こういういろいろ御指摘をいただきました。この点については、国会での論議を踏まえて、通知において、監護や生計同一に関する確認の具体的な取り扱いを明確にして統一化するとともに、地方自治体で監護や生計同一が疑われる事案が生じた場合には厚生労働省あてに連絡するように、こういうことを対応をお願いしてまいりました。したがって、冒頭お話ししたとおり、同法の施行後、御指摘のような事案は発生していないもの、このように承知をしております。

 なお、今年度の子ども手当法案、今提案をしているものですけれども、昨年度の論議を踏まえて、新たな支給要件として国内居住要件を課すこと、このようにしたということをお話をしておきます。

中根委員 もちろん、国会で大きく取り上げたから、それがある意味、予防、抑止力になってそういったことが起きなかったということもあるのかもしれませんけれども、余りに極端な例を挙げて、そのことをもって、この大切な子供政策を否定するようなゆがめられた議論が行われてはならないということの教訓にもなるのではないでしょうか。

 したがって、ことしの子ども手当の審議、議論、この予算委員会あるいは厚生労働委員会、それぞれ、地に足をつけた、子供五十人がいるから、そういった例があり得るから、だから子ども手当はだめなんだというような議論にならないように、お互いに自覚を高めていきたいと、今の小林政務官からの御答弁を聞いて感じ取っておるところでございます。

 もう一点、本年度の法案の中で、未成年後見人や父母の指定する者に対しても父母と同様の要件で子ども手当を支給するとともに、監護、生計同一要件を満たす者が複数いる場合には子供と同居している者に支給する、あるいは、地域の事情に応じた子育て支援サービスを拡充するための交付金を設けるということも盛り込まれておりますが、この点についても御説明をいただければと思います。

小林大臣政務官 少し丁寧に説明をさせていただきたいと思います。

 平成二十三年度の子ども手当では、子供に着目をして支給要件の見直しを行い、国内にいる子供については、父母がいない子供も対象とする方向でさまざまな見直しをしているところでございます。

 御指摘の未成年後見人については、父母に準ずる者として取り扱うことが適当であると考えられることから受給資格者として位置づけるとともに、海外に居住する父母が指定する者について、一つ、父母と同様に生計維持要件を必要としないこととし、指定された祖父母等が生活費の大半を出していない場合でも子ども手当を支給することができる。さらに、子供と同居することが困難であると認められる場合には、監護、生計同一要件だけで支給できること、こうしたところでございます。これにより、例えば寮などに居住する子供についても、監護、生計同一要件を満たす祖父母等を海外に居住する父母が指定すれば子ども手当が支給できるようになる、このように考えております。

 また、これまで、両親がいるケースの場合に、同居の有無に関係なく生計を維持する程度の高い方に支給することとされておりましたけれども、子供の育ちを支援する子ども手当の趣旨を踏まえれば、同居している方に支給をする、こういうふうに考えて法案を提出しているところでございます。これにより、例えば離婚調停中の別居で、母親と子供が同居している場合は、子供と同居している母親に対して支給になる、このように考えているところでございます。

中根委員 交付金の方はいかがでしょうか。

小林大臣政務官 失礼しました。

 子育て支援策については、未来への投資として社会全体で取り組むべき課題であり、現金給付とともに現物給付の充実が大変重要である、このように考えております。

 このため、地域の実情に応じた現物サービスを拡充するため、五百億円の交付金を創設して今回の子ども手当法案に位置づけました。

 交付金の具体的な内容としては、従来から実施している一時預かり事業などの次世代育成支援対策交付金のほかに、一つとして、待機児童先取りプロジェクトのうち、最低基準を満たす認可外保育施設への公費助成等を行うこと、二つ目として、市町村における地域の実情に即したさまざまな独自の子育て支援事業を支援するため、こうした事業のうち、新規事業や既存事業の上乗せ、拡充分への公費助成を行うこと、このようなことを考えております。

中根委員 このほかにも、委員各位御案内のとおり、保育料や給食費に対してもきめ細かな配慮が盛り込まれておりますし、この一年間子ども手当を実施して、そういった中で、国民の皆様あるいは与野党を通じた国会議員の間での議論、御要望、御意見、こういったものを十分踏まえた法案の中身になっているということが大臣あるいは政務官の御答弁や御説明の中で明らかになったということではないでしょうか。

 当然、制度として一〇〇%完璧なものはありませんので、まだまだ改善の余地はあるかもしれませんけれども、しかし、一部の方がおっしゃっておられるようにばらまきでも何でもなくて、菅内閣の子育て支援、次世代支援についての一生懸命さや誠実さが感じ取れる法律案ということになっています。

 これを、菅内閣打倒のための政局のために反対するということではなくて、まさに、子供たちの視点に、あるいはお父さんやお母さんの立場に立って議論をし、ぜひ成立をさせていかなくてはいけないということが、少なくともこの予算委員会の、この部屋にいるすべての議員の皆様方には御理解をいただけたのではないでしょうか。

 次に、いわゆる卒業クライシス問題というものについて取り上げてみたいと思います。

 幼稚園におきましては、これは文科省でいえば就園奨励費の増額、小学校一年生については三十五人学級を実現したい、中学生までは今の厚労省部門の子ども手当が支給をされる、公立高校においては実質高校授業料の無償化が実現をしている、こういったそれぞれの年代、学校に応じた御配慮、政策対応が行われているわけでありますが、ただ、少し積み残されているのではないかというふうに指摘をされているのが私立高校を初めとする高校の授業料の問題でございます。

 高校の授業料がやむなく滞納ということになると、卒業式に出席させてもらえない、もらえたとしても、仮の卒業証書なるものが渡されて、本当の卒業証書は授業料を納めた後、学校を卒業といいますか、三月を越えて四月以降になってからやっと受け取ることができるというようなことがあったり、せっかく就職や進学が決まっていても、授業料滞納という、これは親のさまざまな、雇用や経済状況によってもたらされるもの、子供自身の責任に帰すことができない、大変やむを得ない理由による、こういったことによって、決まっていた、内定していた就職や進学がだめになってしまうというようなこと。

 そういった卒業式に対する対応とか、あるいは就職や進学、こういったことにかかわって、子供たちが大きく傷つき、せっかくの将来の夢が中断をしたり、あるいは閉ざされたりということにもなってしまうという現状があります。これは、特に公立高校の授業料無償化というものが実現をした昨年あたりからクローズアップをされて、私立学校において目立つという問題になってまいりました。

 学校教育法施行規則五十八条というところには、校長は小学校の全課程を修了したと認められる者には卒業証書を授与しなければならないと書いてあります。この規定は、私立を含む中高にも当てはまるのではないかと私は思っております。つまりは、授業料の滞納ということが必ずしも卒業をさせない理由にはならないのではないかというふうにも考えているところでございます。

 ぜひ、高木大臣、こういった授業料滞納をめぐる問題、文科省としてどの程度把握をしておられ、平成二十三年度予算でどのような対応をされていかれるかどうか、お尋ねをしたいと思います。

高木国務大臣 中根委員にお答えをいたします。

 おっしゃられるとおり、私立高校生については、卒業を前にして、そのような実態が聞こえてまいりますが、昨年四月から就学支援金の支給を開始しておりまして、特に、低所得の世帯には支給額を増額しております。また、各都道府県においても授業料の減免補助を行っておりまして、これらを合わせると、昨年度より同水準もしくは手厚い支援となっておる、こういうふうに認識をいたしております。

 また、国は、授業料減免補助や奨学金事業を行う都道府県に対しましては、国庫補助、地方交付税の措置、あるいは高校生修学支援基金による支援もいたしております。

 なお、就学支援金制度の導入から一年を経過することを踏まえまして、私立高校の授業料減免、授業料滞納の状況、あるいは各学校の対応等につきましても、今年度末の時点で実態調査を行う、このことを検討しておるところでございます。

中根委員 こういった授業料滞納問題に果敢に取り組んで積極的に対応していただいたのが、昨年の政府のあり方であった。長妻当時の大臣が、生活福祉資金を滞納分についても貸し付けることができるように御英断をいただき、ここにもお見えの当時の高井文科政務官が、そのことの周知徹底、利用促進に奔走いただいて御努力をいただいたということも、よく記憶に鮮明に残っているところでございます。

 この生活福祉資金の授業料滞納分への貸し付けの拡大ということは、今も申し上げましたけれども、おととしまではなかった。民主党内閣になって初めて、こういった問題にも前向きに、積極的に取り組むことになったということになりますが、まだまだ十分周知をされておらないということもあろうかと思いますので、この制度の内容あるいは利用実績について御報告、御説明をいただければと思います。

小林大臣政務官 御質問のありました生活福祉資金貸付事業において、原則として滞納分を貸し付け対象とはしていない、こういうことでございました。しかしながら、高校生が授業料等を滞納しているために卒業できない、いわゆる卒業クライシス問題については、今、中根委員御指摘のとおり、昨年二月、経過がございまして、特例的に滞納分も貸し付けの対象とするよう運用を改め、対応してきたところでございます。

 昨年度の実績ですけれども、滞納分に対して、千三十三件、二億五千五百七十六万円の貸し付けを行ったところでございます。

 今年度についても、これまでの状況を注視してまいりましたけれども、景気回復の状況が思わしくない、そういう背景などありまして、授業料や私立学校の施設管理費等、学校に支払うことが求められている経費の滞納分についても、生活福祉資金の貸付対象とするとしたところでございます。

 なお、先週の二月四日金曜日に、各都道府県民生主管部長あてに厚生労働省から、この取り扱いについて指示を出したところでございます。

中根委員 「授業料等」とありますので、「等」とは何かということも含めて御説明をいただきました。

 つまりは、学校生活にかかわるお金は、当然、授業料だけではなくて、PTA会費とか給食費とか修学旅行費とか制服費、教科書代、さまざまなものがあるわけで、そういった経済的な負担を国として助成して子供たちに安心して学んでいただく環境を整えるということは、これはやはり子ども手当と同じように大変重要な政策であると思います。

 ことしもこの時期になって細川大臣がこの制度の継続を御英断いただいたわけなんですけれども、授業料の滞納というのはこの時期だけということではないんですね。まさに、例えば一学期から滞納しているということになると、そのことが、また繰り返しになりますけれども、この生徒は卒業できないのではないかという心配を学校やあるいは事業者、企業にも与えて、そのことが就職活動の支障になるということもあったりすると聞いております。

 厚生労働省からいただいた資料にも、今年度限りにするとか、あるいはあくまでも特例的に遡及してというように、今年度限り、特例的にということが繰り返し出てきているわけなんですけれども、教育現場あるいは家庭からは、この制度を恒久的な、あるいは通年利用できる制度にさらに改善してもらえないかという声もありますが、いかがでございましょうか。

小林大臣政務官 委員の御指摘のとおり、恒久化してほしい、こういう要望も多数寄せられていることは確かでございます。

 ただ、この生活福祉資金貸付制度、一方ではモラルハザードを起こすことはないんだろうか、こういう懸念の声も聞かれるところでございます。そういう観点から、過去の債務は貸付対象外にしているというところが基本的な考えでございます。高校の授業料滞納についての問題は文部科学省においても支援施策を講じていることから、まずはこうした施策を活用していただきたい、このように考えております。

 こうしたことから、厚生労働省としては、今回限りの措置と考えておりますけれども、来年度の対応については教育行政と連携を図り、実情を踏まえつつ検討をしてまいりたい、このように思います。

中根委員 ぜひ前向きに、精力的に御検討いただければと思います。

 この制度、せっかく厚生労働省がつくっていただきましたので、大切なのはやはり教育現場における周知徹底で、必要な方には適切に御利用いただくということであろうと思いますが、先ほど申し上げましたように、昨年は、もういらっしゃらなくなりましたが、高井政務官が大変御努力をいただいたわけなんですけれども、ことしもまた、ぜひ文科省におかれましても、この制度の周知徹底を御努力いただければと思います。これはお願いだけしておきます。大臣、よろしいですか。では、お願いします。

高木国務大臣 生活福祉貸付制度については、今お答えがあったとおり、対象の拡大もされております。

 私どもとしましては、まずは、卒業を控えて意欲ある高校生が卒業できないということはあってはならないことでありますから、周知徹底を図ってまいりたいと思います。

中根委員 よろしくお願いいたします。

 それで、昨日でありましたか、貧困率ということも取り上げられておりましたが、改めて私からも貧困率のことについて指摘をさせていただきたいと思います。

 これは厚労省の資料でございますけれども、日本の相対的貧困率一四・九%、子供の貧困率は一三・七%、そして一番気になるのが、一人親世帯の貧困率五八・七%ということになっております。

 数値目標を掲げて、その削減努力をしていくということもあり得ることであろうと思いますが、貧困線というものは時々の経済情勢によって移動するということもあって、数値目標を掲げるということはなかなか困難だとも聞いておりますが、貧困率というものを下げるための対策として、ぜひ政府としてもお取り組みをいただきたいと思いますが、その御決意のほどをお願いしたいと思います。

 済みません。文科大臣、どうぞ、これで御退室いただいて結構でございます。ありがとうございます。

小林大臣政務官 一昨年公表した調査では、子供がいる現役世帯の世帯員の相対的貧困率は一二・二%であります。そのうち大人一人がいる世帯の相対的貧困率は、今、中根委員おっしゃった、五四・三%と高い水準である、このようなことがわかっております。

 このため、一人親家庭に対する施策の展開が重要である、こういう認識を持っておりまして、特に母子家庭の自立支援を行うことに当たっては、経済的に自立が可能となるような就業の確保が重要であると考えておりまして、就業支援の充実だとか強化を現在進めているところでございます。

 また、昨年の通常国会で成立した改正児童扶養手当法により、これまで支給対象ではなかった父子家庭に児童扶養手当を支給することとしたところであり、経済的支援の充実にも現在取り組んでおります。

 さらに、子育て支援の総合的な対策として、昨年一月に閣議決定した子ども・子育てビジョンに基づき、就労しながら子育てができるように保育サービスの充実を図っていく、拡充を図る、一人親家庭が安心して暮らせるよう、子育て・生活支援、就業支援、経済的支援の充実を図る、こういうことに取り組んでおります。

 これらの取り組みを通じて、子供の育ちを社会全体で支え合う、こういう環境を政府としてもしっかりつくっていきたい、このように思っております。

中根委員 続きまして、求職者支援法についてお尋ねをしたいと思います。

 本制度は、第一のセーフティーネットである雇用保険が届かない求職者に対して、第二のセーフティーネットとしての機能を恒久的に提供するものであり、大変重要な法案であると認識をしております。ベースとなるのは自公政権のときにスタートした緊急人材育成支援事業でありますけれども、基金による時限措置であり、恒久化に当たっては、現行の雇用保険制度、職業能力開発制度などとの制度的な整合性を維持する必要がある。

 そういった中において、現下の雇用情勢における求職者支援制度の成立の意義というものを細川大臣からお聞きしたいと思います。

細川国務大臣 求職者支援制度について御質問がございました。

 今、経済もなかなか厳しい、雇用状況も失業率も高どまり、こういうことで、失業をして、そして仕事が得られない人も非常におられます。そういう、雇用保険でしっかりと雇用保険の給付を受けながら再就職できればいいんですけれども、できない人たちがいる。そうしますと、収入がないので、今の制度だと生活保護の制度で生活を保障される、こういうことになっているわけです。

 したがって、この雇用保険と生活保護の間に求職者支援制度というものをつくって、そして、そこで職業訓練をしながら生活費も援助して、そして再就職につなげていく、こういう制度でございます。

 そこで、求職者制度を簡単に申し上げますと、基礎的な能力から実践的な能力までを一括して付与する職業訓練を実施いたします。そして、一定の条件を満たす場合には、その訓練期間中に生活を支援する給付金を支給する。そして、最終的に就職につながるように、ハローワークにおいて強力な就職支援を実施する。こういうことで、この対象者の早期の就職の実現を図る求職者支援制度を創設したいというふうに考えております。

 この求職者支援制度につきましては、一月三十一日に、労働政策審議会の方からも、これを創設すべき、こういう建議をいただいておりまして、これを踏まえまして、今国会に提案をしたい、このように考えております。

中根委員 この法案につきましては、財源のことや、あるいは、雇用保険に加入しパートをしていた人が受ける雇用保険からの手当額が、雇用保険に加入せずに自営業やあるいは専業主婦をしていた人が求職者支援制度を使って給付を受ける十万円という金額よりも少ないというケースがあるなどということも、指摘もされていたりいたします。今後、厚生労働委員会の質疑などで十分議論をしていきたいと思っておるところでございます。

 続きまして、もう時間がなくなってまいりましたので簡単に質問をいたしますが、成年後見制度と選挙権の問題でございます。

 この成年後見制度というのは、まさに権利擁護のためにある制度であるにもかかわらず、最大の権利である選挙権というものが被後見人になるとなくなってしまう、選挙で投票することができない、立候補することができないということになってしまうということになっております。このことにつきまして、片山大臣からの御見解を承りたいと思います。

片山国務大臣 先般、この問題をめぐりまして訴訟が提起されまして、私も非常にこの訴訟の提起については重く受けとめております。

 現行制度は、もう議員御承知と思いますけれども、今おっしゃいましたように、成年被後見人になりますと選挙権と被選挙権が失われるということであります。これは、成年被後見人になりますと、精神上の障害により事理を弁別する能力を欠く常況、こういう要件のもとに被後見人になるわけでありまして、事理を弁別する能力を欠く常の状況にあるということですから、通常は政治参画を期待できないということで、これはこれで公職選挙法の規定も一定の合理性があると私は思います。

 ただ、では、同じような状況にある方で、片や成年被後見人の道を選ばれた方とそうでない方とがおられて同じような状況にあったときに、一方は選挙権を失う、一方は選挙権を保有する、こういうことが憲法に規定する法のもとの平等に反するのではないか、こういう論点は恐らくあり得るんだろうと思います。

 それからもう一つは、議員がおっしゃったように、そもそも、この成年後見制度というのは、本人を保護する、特に、経済活動に一定の制約を加えることで本人の権利を保全するという意味がありまして、そのことの結果、本人を保護することの結果、本来であれば広く享有されなければいけない政治参画の機会を奪ってしまうということに結果としてなってしまうことに対する違和感というのは、やはりあるんだろうと思います。

 いささか個人的な見解も含めて申し上げましたけれども、制度には合理性はあると思いますけれども、訴訟になりましたので、その成り行きをよく注視してまいりたいと思っております。

中根委員 知的障害をお持ちの方の中には、大変選挙に関心があって、そういう障害をお持ちがゆえに、ぜひ自分の考えや意見を選挙や投票行動に反映していきたいというふうに思っておられるにもかかわらず、自分の身を守る、財産管理を守るための被後見人になると選挙権が剥奪をされてしまう、この矛盾に大変戸惑っておられる方も多いと思いますので、ぜひ、今後もよく御検討いただきたいと思います。

 最後に一点だけ。

 一月十六日、JR山手線の目白駅で視覚障害者の方がホームから転落してお亡くなりになられたという悲しい事故が起きたということを報道で知りました。

 駅の安全対策、特に障害をお持ちの方々に対しての御配慮、こういったものにつきまして国交省の方でも前向きに御検討をいただいておると聞いておりますが、どんなことをお考えになっておられるか、お聞きをしたいと思います。

池口副大臣 お答えをいたします。

 ホームドアの整備について、今国交省でも、いろいろ調査なり指導をしながら整備を進めております。

 簡単に答弁をしたいというふうに思いますが、ホームドアというのは、ホームからの転落を防止するための設備として非常に効果があるというふうに認識をしておりまして、その推進をすることが非常に重要であるというふうに思っております。

 これに向けて、現在、まずは調査をしておりまして、本年度の一月二十五日付で鉄道事業者に対し報告を求めました。その結果として、本年度中に整備される予定が四百九十八件あるわけですけれども、それに加えて、さらに二百八十五件についてホームドアの整備計画があることがこの調査によって明らかになりました。

 国交省としましては、この報告の結果を踏まえまして、ちょうど本日、鉄道事業者の参加を得て、ホームドアの整備促進に関する検討会を開催いたすということになっておりました。

 この検討会において、実施に移すとなるとなかなか、車両の扉位置の不一致だとか多額に上る整備費用、強度不足等がありますので、それをやるとかありますので、具体的な解決策を検討して、ホームドアを初めとした転落事故防止対策の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。

中根委員 予定しておりました質問も積み残しておりますが、時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。

中井委員長 これにて中根君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。下村博文君。

下村委員 自民党の下村博文です。よろしくお願い申し上げたいと思います。

 菅総理は教育に全く関心示せず、菅総理の演説の中にも一言も入っていないんですね。しかし、今のような国難のような時代の中で、教育というのは大変重要なテーマであるというふうに思います。

 きょうは、限られた時間の中で幾つか重要問題を取り上げさせていただきたいと思います。

 まず一つは朝鮮学校の無償化問題。昨年四月から高校無償化法案、政府は導入をしたわけでございます。しかし、どう見ても、朝鮮学校に対しては無償化対象になる理由が政府も見つけられないということで、検討会をつくって、そして、検討会の中で、その基準の中で書類を出せばということになってきたわけでございます。

 しかし、実際は、昨年の十一月二十三日に、北朝鮮が韓国の延坪島砲撃、これを受けて無償化手続を停止したということでありまして、二転三転、また、理由もそのときそのときで説明が変わっているとしか思えないわけでありますが、まず、この無償化手続を停止した理由について改めて文科大臣にお聞きいたします。

高木国務大臣 下村委員にお答えをいたします。

 無償化手続を停止した理由、このことについては、十一月の二十三日、北朝鮮による韓国への砲撃、この事態は、我が国を含む北東アジアの平和と安全を損なう事態であり、国を挙げて情報の収集に努めたところでございます。また、不測の事態に備えて緊急の対応をしたわけでございまして、総理の指示に基づいて停止をしたものでございます。

 もちろん、言うまでもなく、高校無償化については、経済的な理由によって意欲ある高校生が勉学を断念したり学校に行けない状況については、こんなことがあってはならない、やはり社会として支えるべきじゃないか。したがって、教育費の家計負担の軽減という意味で、この無償化は今年度から実施されたものでございます。

 同時に、国籍を問わず高校段階の学びを保障しよう、こういった国際規約もありまして、我々としても、その精神にのっとって、我が国で勉強するすべての高校生の学ぶ権利を保障する、そういう精神に沿うものだ、このように考えております。

 なお、朝鮮学校につきましては、経過もございまして、慎重な検討、議論、国会の議論を重ねてきたところでございます。

下村委員 我々自民党は、この朝鮮学校については、そもそも北朝鮮との国交がない。そういう意味で、教科書内容についてわからない。しかし、実際にいろいろと調べてみると、反日教育的な、教育内容において我が国における教育の中で不適切と思われる事項が多々ある。これが改善されなければ、そもそも対象とすること自体おかしいのではないか。それから、朝鮮学校そのものが総連の影響下にある中で、教育基本法の「不当な支配」に該当する、つまり教育基本法の違反にもなるという部分で、これらが改善されない限りはこれは対象にはならない、これが我々の立場でございます。

 先ほど、高木文科大臣は、無償化手続の停止について菅総理から指示をされたと答弁されましたが、指示もされたんでしょうけれども、実際、高木文科大臣みずから、重大な決意をしなければならないというふうに、指示される前に答弁もされているんですね、御自身も。実際にされているんですよ。だから、御自身の判断でもあったわけですね。これは、外交上、このようなことによって判断されて、無償化手続を停止したということですよね。

高木国務大臣 今、改めて十一月二十三日のことを思い起こしております。

 まさに、我が国としてもあるいは国際社会としても、全く予想できない砲撃事件でありました。このことは、我が国の平和と安全、まさに国家の存立そのものを脅かす、そういう事態であったのではないか、そのように私も思い出しております。

 同時に、そういう事態の中で、手続の審査をするという環境にあるのかどうか。やはり審査としては、静ひつな状況の中でしっかり審査をしなきゃならぬ。しかし、そういう異常な事態の中で、これは大変なことだろう、私はそのような思いをしたわけでございます。したがって、記者会見の中でもそのような発言はいたしました。

下村委員 大変なことというのは、つまり、外交、安全保障上大変な問題だということで手続を停止したということですよね。一言で答えてください。

高木国務大臣 そのような不測の事態に備えて、大変な状況になるであろう、私はそのように判断をして、重大な決意をしなきゃならぬ事態になるかもわからない、そういう発言をいたしました。

下村委員 結局、場当たり的なんですよ。朝鮮学校の指定については、外交上の配慮で判断すべきではない、教育上の観点から判断すべき、こういうことをずっと政府の統一見解として言い続けてきたんですね、昨年の四月から。しかし、実際は、外交上のこのような事件が起きたことによって無償化手続の停止をしたわけですから、これは撤回してください。

高木国務大臣 今回の措置は、従来の外国人学校の取り扱いについての考え方と決して矛盾はしていない、私はこのように思っております。

 昨年の十一月の二十三日の北朝鮮の砲撃については、もう重ねて申し上げませんが、総理の指示によりまして手続を一たん中止したという事態でございます。

 一方、外国人学校の指定の可否の審査について、これは、外交上の配慮により判断すべきではなく、教育上の観点から判断すべきとの基本的考え方に基づいて行うことは私は現在も変わっておりません。

 このように、今回の措置は、国家の存立にかかわる事態の中で、状況の中で、手続が正常にやれるのかどうか、こういう懸念もございました。私はそのような思いでございますので、撤回する考え方はありません。

下村委員 いや、それは説明になっていないでしょう。実際に、そもそも無償化手続を停止したわけでしょう。停止したというのは、そういう外交上の配慮で停止したわけでしょう、そういう事件が起きたから。北朝鮮が韓国に対して砲撃しなかったら、そもそも無償化手続を停止する理由はないわけだから、関連があるわけでしょう。外交上の影響によって停止したのは事実じゃないですか。はっきり答えてください。

高木国務大臣 北朝鮮の砲撃が我が国を含む北東アジアの平和と安全を損なうものであり、我が国としても、国家存立の危機にかかわる重大事項でございました。そのようなことだと思っておりますし、そういうことで総理も一たんの停止を指示したもの、私はそのように思っております。

下村委員 だから、それが外交上の配慮でしょうと言っているんですよ、外交上の配慮。そのとおりじゃないですか。外交上の配慮でしょう。なぜそれが外交上の配慮じゃないんですか。矛盾していますよ、答弁が。

枝野国務大臣 先ほど来の文部科学大臣の御答弁で御理解いただけるのではないかと思うんですが、あくまでも、どのような学校が無償化の対象になるのかならないのかという問題については、これは外交上の判断ではなくて教育上の判断で行う、このことは一貫して変わっておりません。

 ただ、その手続を進めることについて、これは、砲撃事件等がありまして、手続を進めることによって我が国の平和と安全を損なう事態に陥るおそれがあるということで、手続を一たんとめさせていただいたということでございまして、いわば実体法の問題と手続法の問題との違いでございますので、実態的にどの学校に適用されるのかされないのかということは、一貫して従来からの方針どおりでございます。

下村委員 手続を停止したということ自体がそもそも外交上の配慮だと言っているんですよ。それに対して全然答弁になっていないじゃないですか。

枝野国務大臣 審査が行われた場合にどういう基準で審査が行われるのかということについて、従来から申し上げておりますとおり、外交上の判断ではなくて教育上の判断で行う、このことは変わっておりません。

 ただ、その判断をどういうタイミングでどう行うのかということについての中で、砲撃事件を受けて、あのような状況のもとで手続を進めるということについては、不測の事態も予想されることから、手続について一たんとめさせていただいたということでありまして、その実態の方の判断の基準は変わっていない。

 こういった例がいいのかどうか、全くイコールということを申し上げるわけではありませんが、例えば、入学試験のようなものは、入学試験の合否判断については、天候とか交通状況によって左右されるものではありませんが、例えば入学試験そのものが大雪とか交通障害によってスタートの時点が変更になるということはございますが、だからといって、そういったことによって入学試験の内容についてが左右されるわけではない。

 同じように、実態的な手続の基準については全く変わっておりませんが、手続を進めることについては不測の事態に備えて一たんとめさせていただいたということでございます。

下村委員 全くの詭弁ですね。昨年の十一月の二十三日にこのような事件が起きてから、無償化手続が停止してもう二カ月近くたとうとしているんです。そのまま中止しているんです。あくまでもこれは外交上の配慮で中止しているのは当然じゃないですか。だから、撤回してもらわなかったらこれは矛盾していますよ。今の答弁は全然矛盾している、答弁になっていないですよ。手続が停止したことに対して外交上の配慮はないということについて、今のは全く答えになっていないですよ。手続の停止について言っているんですからね。

高木国務大臣 審査をし、指定をするかどうか、そのときには、私たちはこれまで同様、外交上の配慮ではなくて教育的見地からこれを行う、こういうことを言っているんです。

下村委員 いや、全然答弁になっていないですよ。手続を停止したということは、この三月までで一学年が終わるわけですね。一学年が終わるまでにおいてこの二カ月間は、全く、朝鮮高校の無償化対象になるかどうかについては文科省はストップしているわけですから。これはやはり外交上の配慮でストップしているわけじゃないですか。今のは答弁にならないです、それじゃ。

高木国務大臣 審査と手続に当たっては、外交上の配慮はしなくて教育的観点から判断をする。今回の事態は、まさにその根底を揺るがす大きな事態、私はそのように考える。だから、それとこれとは別に考えることであろうと私は思っています。

下村委員 答弁になっていないですよ。なっていない。

中井委員長 答弁しておるよ、答弁している。(発言する者あり)

 下村さんに申し上げます。

 朝鮮人学校無償化手続等について、考え等、実施方法等いろいろあって、その段階段階で答弁をしていると私は考えますが、それで気に入らなければ、もう少し突っ込んで、答弁が変わるように質疑してください。

 下村君。(発言する者あり)どういう答弁がいいか。考えが違うんだから。

下村委員 いや、これは考えじゃなくて、委員長、詭弁ですよ。

 だれが見たって、この十一月二十三日の北朝鮮の韓国の延坪島砲撃を受けて無償化手続を停止したというのは、外交上の配慮以外何物でもないでしょう。それが一大事だということだったら、何における一大事なんですか。一大事、外交上の配慮でないとしたら、どういう配慮なんですか、では。

高木国務大臣 そのような不測の事態の中で、あの当時、国会においても大変な議論がございました。ああいう事態の中で、審査手続そのものが本当の意味で行われるかどうか、このことについて私は懸念を抱いております。

下村委員 全然理屈になっていないですよ。

 日本国内の……(発言する者あり)よく聞いてよ。

 日本国内の朝鮮高校に対する無償化の問題が何で、実際、北朝鮮が韓国に砲撃したことについて不測の事態と関係するんですか。まさにそれは外交の問題じゃないですか。日本の朝鮮高校の無償化の問題というのは不測の事態にどうしてつながるんですか。どうして不測の事態なのか、では説明してください、ちゃんと。

枝野国務大臣 ですから、先ほど来申し上げておりますとおり、どの学校が無償化の対象になるのかということについては、外交上の問題ではなくて教育上の見地から決めさせていただく、このことは一貫をしていると申し上げております。

 その上で、昨年の砲撃事件が我が国を含む北東アジア地域全体の平和と安全を損なうものである、このことについては同意をいただけるというふうに思いますし、これに対応するために、政府を挙げて情報収集に努めてきているところでございます。そうした中で、我が国国内において不測の事態が生じないよう、それに備えて万全の体制を整えておく必要があるという見地で、現時点において、指定の手続を一たん停止しているものでございます。

下村委員 この不測の事態というのは、今の朝鮮高校に対して授業料を無償化するということについては関係ないですよ、全然。外交上の配慮としか、これはだれが見たって説明できないですよ。これを外交上の配慮じゃないと言うこと自体が詭弁ですよ。そんな詭弁は認められません。

枝野国務大臣 繰り返しになりますが、朝鮮学校を初め、どこの学校が無償化の対象になるのかという判断については、全く外交的な問題ではなくて教育上の見地から進めさせていただくということは一貫して申し上げてきているとおりでございます。

 その上で、近隣においてああいう砲撃事件が生じたということで、我が国内においてもどのような事態が生ずるか、全く予測のつかないような状況が生じたのは間違いないわけでございまして、そうした中で、政府としては、情報収集に万全を期すとともに、さまざまな観点から不測の事態に備えて、国民の生命と財産を守るために、あらゆる不測の事態に備えて、そして、この万全な体制をとるという観点から、手続については、そうしたリスクが少なくとも砲撃事件の前の状況のところぐらいまで下がるまで手続をとめさせていただくという判断をさせていただいたということでございます。

下村委員 枝野さん、自分で詭弁だとわかるでしょう。

 そもそも、この無償化手続を停止したというその原因は何なのかといったら、それは北朝鮮が韓国に対して砲撃したということから始まっているんですよ。それで手続が停止になっているんですよ。まさにそれは外交からきているんじゃないですか。それを外交じゃないということ、否定すること自体がおかしなことでしょう。それは詭弁でしょう。

枝野国務大臣 外交的な配慮をしたのではなくて、さまざまな国際状況の中で、我が国国内における不測の事態に備え、万全な体制を我が国内においてとるという見地から、そして我が国の国民の生命財産を守る、このために万全を期すという見地から、一たん手続を停止したものでございます。

下村委員 そういうのを世間一般で外交的配慮と言うんですよ。この外交的配慮ということ自体を否定するということは、今までの政府見解を破ることになるから、強引に、だれが見ても詭弁で通そうとしているとしか見えない。それは答弁じゃないですよ。そんな答弁は認められません。

枝野国務大臣 外交上、どこの国にも配慮をいたしておりません。我が国の国民の生命と財産を守るという見地から、不測の事態に備え万全の体制をとるために手続を一たん停止させていただいたものでありまして、我が国の国民の生命財産を守るという見地からとった措置でございます。

中井委員長 下村君。下村君、どうぞ。(発言する者あり)下村君、質問を続けてください。(発言する者あり)お互いが創意工夫して、質疑、答弁をしてください。

 下村君、質疑を続けてください。(発言する者あり)下村君、質疑を続けてください。(下村委員「答弁になっていません」と呼ぶ)いやいや、答弁はちゃんとしています。(下村委員「していないですよ、全然」と呼ぶ)答弁はちゃんとしています。(下村委員「あんな詭弁は認められないですよ、あんな詭弁」と呼ぶ)認める認めないじゃない。それは委員が決めることじゃない。(下村委員「説明になっていない、説明に」と呼ぶ)説明しているよ。(発言する者あり)答弁に詰まったり、答弁ができなかったり、矛盾しているわけではないですから。それはきちっとした答弁をしています。(下村委員「いや、答弁じゃないですよ、あれは」と呼ぶ)答弁しています。

 下村君、工夫をして、違う答弁が引き出せるかどうかをやってみてください。やり方はいろいろ、ベテランでいらっしゃるからあるじゃないですか。(下村委員「あんな答弁自体認められないよ、そもそも」と呼ぶ)あれはあれで答弁です。政府の方針、答弁です。これは変えようがないもの。(発言する者あり)

 下村さん、質疑を続行してください。答弁をきちっと内閣がしている限り、質疑者は質疑を続行してください。(発言する者あり)御静粛に願います。御静粛に願います。

 時計をとめてください。速記をとめて。

    〔速記中止〕

中井委員長 それでは、速記を起こしてください。

 もう一度、枝野内閣官房長官から答弁を、今までの質疑を聞いて答弁をいたします。

枝野国務大臣 まず、どの学校が適用の対象になるのかということについては、一貫して申し上げておりますとおり、外交上の配慮などではなくて教育上の見地から行う、このことは一貫して申し上げてきているとおりでございます。

 さらに、この手続を一たん停止したことについては、その端緒においては、北朝鮮による砲撃という国外での事情でございます。ただし、そうした状況を踏まえて、政府を挙げて情報収集に努めるとともに、不測の事態に備え国民の生命財産を守るために万全の体制を備えておく必要がある、このことについては御異論ないかと思いますが、そうした国民の生命財産を守るための万全の体制を備えるという見地から、現時点において指定の手続を一たん停止しているものでございます。

下村委員 だから、教育上の配慮じゃないんですよ、全然。全然違うでしょう。だから、今のは答弁になっていない。教育上の配慮じゃないですよ、そもそも。

 だから、私が聞いているのは、無償化手続を停止したというのは、そもそも北朝鮮が韓国に砲撃したことがきっかけでしょうと。そうでしょう。そのことによって無償化手続を停止したというのは、外交、安全保障の配慮から停止したということですねと聞いているんです。(発言する者あり)いや、そういうことでしょう。

枝野国務大臣 それが、北朝鮮による砲撃が端緒でございますが、不測の事態に備えて万全の体制を備えておく必要がある。これは、国民の生命財産を守るという見地から、万全の体制を備えていくために指定の手続を一たん停止したものでございます。

下村委員 これはだれが聞いても詭弁ですよ。そもそも北朝鮮が韓国に対して砲撃をしたということが停止につながっているということは、これは明らかなことですから。それを外交、安全保障上の配慮じゃないみたいなことを言うことで通そうということ自体が詭弁なんですよ、そもそも。

 では、次に行きます。

 それでは、手続再開の条件をお聞きします。

高木国務大臣 手続再開の条件につきましては、朝鮮半島をめぐる情勢、今後の事態の推移を見る、それで総合的に判断することになります。

下村委員 だから、委員長、さっきの答弁はおかしいと言っているんじゃないですか。答弁になっていないですよ、全然。まさに外交上の配慮じゃないか、それは。

 あれは、だから答弁じゃないですよ、さっき言っているのは。素直に外交上の配慮と言えばいいんですよ。(発言する者あり)

中井委員長 御静粛に願います。

高木国務大臣 外国人学校の取り扱いについて、外交上の配慮により判断すべきではなくて教育上の観点から判断すべきという基本的な考え方は変わっておりません。

 それで、今回の事態、不測の事態、これに備えて、情報の収集などがあって、もっと言うならば、こういう状況の中で、しっかりとした審査が進められるような状況じゃない、こういう判断もございました。

枝野国務大臣 停止をしましたのが、北東アジア全体の平和と安全を損なうというような状況を踏まえて、国内における不測の事態に備え万全の体制を備えておくという必要から一たん停止をしたものでありまして、さまざまな状況を総合的に判断して、この砲撃事件を端緒として生じた不測の事態が生じる可能性というものがその砲撃事件以前の状況にまでなった段階で、手続の停止は解除されるものと考えております。

下村委員 外交上の配慮と言うのじゃないの、そういうのを。

 もう一度、文科大臣に聞きます、文科大臣に。

 手続再開の条件、どういう条件がクリアしたら手続再開になるんですか、もう一度はっきり言ってください。

高木国務大臣 その事態は、いわゆる韓国に対する砲撃事件、それ以下の状況だと私は思っております。

枝野国務大臣 これは文部科学省の手続でございますが、内閣官房としても総合調整しながら進めていくことでございますので、私から答弁をさせていただきますが、先ほど申しましたとおり、我が国内において不測の事態が生じるおそれというものが一定程度低下をして、その低下した水準というのは、砲撃事件が端緒でありますから、砲撃事件の前の段階に我が国国内において不測の事態が生じるおそれが低下をしたと総合的に判断できる状況になりましたときに解除されるものと考えております。

下村委員 今、国内において、不測の事態なんですか。どういうことが不測の事態だというふうに今認識しているんですか。

枝野国務大臣 まさに危機管理上の問題として、不測の事態に備えなければならない責任を私ども負っておりますし、砲撃事件を端緒として、そういったことが想定をされたことについては御異論ないんじゃないかというふうに思いますが、ただ、その不測の事態の具体的な内容をここで申し上げると、どういったことを想定して、どういった準備をしているのかというようなことを、まさに不測の事態を招来しようとしている人たちにもお伝えをすることになりますので、それは、国民の生命、安全を守るという見地から、総合的に不測の事態について備えているということで御理解をいただければというふうに思っております。

下村委員 枝野さん、詭弁だと自分でわかっているでしょう。あなたはさっき、教育上の観点から判断すべきことだと言ったんですよ、教育上の観点から。(発言する者あり)いや、あなたも言っているんですよ。今は、不測の事態というのは、全然、教育上の観点とは違うことを言っているんです、それでは。

枝野国務大臣 繰り返し申し上げて御理解をいただけないのは残念でございますが、どの学校がこの無償化の対象になるのかということについては、教育上の見地で行います。だけれども、今回、手続を停止したということは、教育上の配慮ではなくてこの不測の事態に備えて万全の体制を備えていく必要があるからということで、先ほど来ずっと申し上げているとおりでございます。

下村委員 いや、その不測の事態を言えないということ自体が詭弁だと言っているんですよ。国内の問題ですから、それは言えますよ、ある程度。それが言えないということ自体がごまかしですよ、そもそも。

枝野国務大臣 まさにこの不測の事態というのは、国民の生命財産あるいは秩序の安定というものを脅かすような事態が生じるおそれということを抽象的には申し上げているわけでありまして、では、それについて具体的にこういうことが想定されると言うことは、どういった情報に基づいてどういった分析をしているのかということを、不測の事態を招来させようとしている人たちにも、ここでお話しすることがお伝えをすることになりますので、まさに国民の生命財産、そして秩序の安定を守るという政府の立場としては、それについての具体的なお答えは控えさせていただきたいと思います。

下村委員 全くの詭弁ですね。今回は、朝鮮学校に対して授業料を無償化するかどうかという議論の中での不測の事態ということですからね。

 では、何をクリアしたら、朝鮮学校に対して手続を再開するということが言えるんですか。それを明確に言えないでしょう、今の答弁じゃ。

枝野国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、政府として万全の情報収集に努めておりますが、そうした情報を踏まえて、不測の事態に備えて万全の体制を備えておく必要、これは砲撃事件を契機として生じたものでありますので、その砲撃事件が起こる前の状況にまで不測の事態が生じるおそれというものが低下をしたと総合的に判断できた段階において、一たん停止している手続を再開するものと考えております。

下村委員 今は、だから現状は不測の事態だ、そういう認識ですね。そういう認識の中で、不測の事態が解消しない限りは手続について停止を再開することはできない、こういうことを言っているわけですよね。でも、そのことについて、何をもって不測の事態かは言えないと。まさにごまかしているわけですよ。そうすると、いつ再開できるかどうかということはわからないと。こんないいかげんなことでいいんですかね。

 文科大臣、あなたは最初に、手続再開の条件は朝鮮半島の事態の好転と言ったんですよ、一番最初。最初、そういうふうにおっしゃいましたね。そういうふうに言われたんですよ。言われたんです。あなたの考える朝鮮半島の事態の好転というのは何なんですか。

高木国務大臣 昨日も、韓国、北朝鮮の会合が持たれております。この進展についてはさらに、内容はまだ煮詰まっておりませんが、北朝鮮と韓国の緊張緩和、この事態でございます。

下村委員 全く抽象的ですね。

 前原外務大臣、朝鮮半島の事態の好転、何をもって好転として、そして好転されたから無償化手続の停止を解除して進めてもいい、その判断については、外務大臣としては、この朝鮮半島の事態の好転というのはどう考えますか。

前原国務大臣 まず、このプロセスにおける外務大臣のかかわり方ということについて御説明をいたしますと、今回も高木文部科学大臣から事前にお話がございまして、私の方から、朝鮮学校で行われている教育内容について改善が行われることが望ましいということと、そのときは、まだ延坪島への攻撃の前でしたけれども、私がイメージしていたのは、例えば、新たな核実験をやるとか、あるいはミサイル発射を行うとか、そういうような事態が生じたときには状況が変化し得るということで、それに留意をしてほしいと。

 しかし、手続的には、先ほど来から文科大臣や官房長官が答弁をされているように、最終的には文科大臣の判断になるという手続になっております。ただ、その前に、外務大臣に対して話を聞くというのがプロセスになっております。

 その前提で、今、下村委員のお尋ねの件でございますけれども、これは何をもって好転と言うかというと非常に難しいものがございます。短期で見るのか、長期で見るのか。例えば、長期で見ると、まだここは戦争が終わっていないんですね、朝鮮戦争が。休戦状態にあるということでありまして、休戦状態にあるところが、ではどうすれば好転するのかということについては、これは一概に言えないものがありますけれども、先ほど高木文科大臣がお答えをされましたように、南北の会談が今行われつつあるわけでありまして、それを慎重に見きわめながら、我々がアドバイスを求められたときにはしっかりと文科大臣にはお伝えしていきたいと考えております。

下村委員 いや、端的にお聞きしたいんですけれども、前原外務大臣は、そもそも、朝鮮学校の高校無償化適用に関して、教科書の中身、特に思想教育、これについて改善が図られなければならない、こういうふうに発言されたというふうに聞いています。

 それから、今お話がありました北朝鮮による韓国砲撃についてですけれども、朝鮮学校への高校無償化の適用を見直す前提条件の中でこれがひっかかるのではないか、砲撃そのものが、前提条件にならなくなってしまったんじゃないか、こういうことも発言されているんですね。

 そういう意味からいったら、北朝鮮のこういう今の状況の中で、我が国国内における朝鮮学校に対する無償化適用というのは相当難しい話じゃないですか。どうですか。

前原国務大臣 あくまでも、このプロセスというのは、委員も御承知のとおり、最終的には文科大臣がお決めになる話で、その前に、文科大臣から、いわゆる相談といいますのか意見聴取というのかがありまして、それは、外交をつかさどる今立場におりますので、今委員が読み上げていただいたような二つについて非常に私は懸念を持っているということを申し上げて、ただ、最終的には、このプロセスにおいては、文科大臣が御判断をされるという仕組みになっております。

下村委員 これはしかし、文科大臣が一人で決める話じゃないんですよ。内閣で決める話ですからね、最終的には。

 中野拉致担当大臣についてもお聞きしたいと思いますが、この朝鮮学校の高校授業料適用に関する考え、お聞きしたいと思います。

中野国務大臣 お答えいたします。

 たびたび、幾つかの機会に発言をいたしておりますが、事の経緯、それらにつきましては、先ほどの質疑応答の部分は省略をさせていただきます。

 ただ、本件に関しまして私どもの立場は、歴代の拉致問題担当大臣から文部科学大臣に対しまして、教材の記述や経理の透明性を初めとする懸念について常々お伝えをしてきているところであります。

 また、先日、一月二十八日、拉致被害者御家族等と面会をいたしました際にも、拉致問題ではプロセスをとめなかったのに延坪島砲撃でとめるというのは、拉致問題の軽視ではないかというお声もありました。また、拉致問題が解決しない限り、朝鮮高級学校を無償化の対象に含めないでほしいという御意見もございました。

 最終的には、総理の御判断、また、官房長官や、とりわけ文科大臣の御判断によって決まることでございますが、そのプロセスにおいてこれらの御意見を十分御配慮いただき、慎重に扱っていただきたいということを閣僚懇の場所などでも申し上げているところでございます。

下村委員 中野大臣の端的なお答えというのがないんですけれども、後でまたお聞きしますね。

 先ほどの前原大臣の答弁も、完全に外交上の配慮というのは入っているんですよ、実際答弁の中で。最初の高木文科大臣の答弁の中にも、まさに朝鮮半島の事態の好転というのも入っているんですよ。ですから、実際、当然、外交上の配慮というのをしているんですね。にもかかわらず、一年前から、外交上の配慮はしないんだ、教育上の配慮で決めるんだという政府の統一見解を自分たちがつくったがために、それに縛られてさっきから詭弁を言っているだけの話なんですよ、全く。それだけいかに無責任かということのあらわれだと思いますね。

 私は、今、中野拉致担当大臣からお話がありました、触れられましたが、拉致被害者家族会の方々と会って、私たちも一月の十九日に我が党の文部科学部会にお呼びしました。

 この中で、増元照明拉致被害者家族連絡会事務局長が、北朝鮮が拉致被害者の帰国のために誠実な対応をしていない現状で、北朝鮮労働党傘下の朝鮮総連本部に支配される朝鮮学校へ公的資金を投じることは、北朝鮮に誤ったメッセージを送り、ひいては朝鮮学校に学ぶ生徒たちの正しい事象を学ぶ権利を阻害することになる、砲撃は許せないと言うが拉致問題は許せる問題なのか、それから、韓国砲撃を理由に菅総理は朝鮮学校に対する無償化手続の停止を打ち出した、従来政府は拉致問題は国家の最優先課題としていたが、これでは日本国民の命がかかわった問題より韓国領土への砲撃の方が重要であるかのような印象を受ける、国際的に見ても、日本政府は、拉致は済んでしまった問題である、そういう北朝鮮の言い分を受け入れている、そういうふうにとらえられる危険性をはらんでいる、こういうふうに述べているんですね。

 このことについて拉致担当大臣としてどうお考えになりますか。

中野国務大臣 お答えいたします。

 そういう御家族のお気持ちというのは痛いほどよくわかりますし、心情において私自身も共鳴をするところでございます。

 ただ、手続論上につきましては、先ほど来、官房長官初めそれぞれお答えをしているのが筋道でございますので、私の心情や御家族のお気持ちをお伝えすることは精いっぱい申し上げますけれども、その手続について云々ということは、政府として統一して申し上げるべきことだろうと思います。

下村委員 個人じゃないんですよ、今お聞きしているのは、拉致担当大臣としての答弁を求めているんですよ。拉致担当大臣としての答弁じゃないですよ、今の答弁は。それで答弁ということだったら、拉致担当大臣の資格はないんじゃないですか。

 さらにお聞きします。

 これは、朝鮮高校への税金投入に反対する専門家の会の萩原遼代表の証言なんですが、こういうふうに言っているんですね。北朝鮮は、本国の親族から在日朝鮮人に対して、子供を朝鮮学校に通わせてくれないと自分たちが強制収容所に送られるというふうに言わせて、脅迫して、在日朝鮮人に対して朝鮮学校への子供の入学を強要している、朝鮮学校がなくなってくれれば日本の学校に子供を通わせることができると考えている在日朝鮮人も多い、こういうふうに証言しているんですね。

 これについて公安調査庁にお聞きしたいと思うんですが、総連も在日朝鮮人に子供を朝鮮学校に入学させようと働きかけているというふうに聞いていますが、いかがでしょうか。

尾崎政府参考人 お答え申し上げます。

 朝鮮総連は、朝鮮人学校での民族教育を愛族愛国運動の生命線と位置づけております。朝鮮人学校の生徒数の維持、増加を当面の最優先課題の一つとして、組織を挙げて取り組んでいるものと承知しております。

下村委員 まさにそういうところですね。そういうところの中で、さらに今、地方自治体が朝鮮学校に対する補助金の見直しに動いています。

 二月八日、きのうですかね、産経新聞によれば、千葉県が朝鮮学校に支出してきた補助金について来年度予算案の計上を見送ったと。既に東京都及び大阪府が補助金の支出を見送っているという状況があります。

 このような地方自治体に広まっている補助金支出の見直しについて、高木文科大臣はどう考えるか。特に、東京都や大阪においては、朝鮮学校における教育内容、それから北朝鮮、朝鮮総連との関係が問題とされているということで補助金の支出が見送られているんですね。この理由も踏まえて答弁をしていただきたいと思います。

高木国務大臣 今、千葉県の例が出ました。所管官庁である千葉県がそのような判断をすることについて、私の立場からしてコメントすることはありません。

下村委員 いや、千葉県だけじゃないんですね、地方自治体がそういう動きをしていることについてどう思うかと聞いているんですよ。

高木国務大臣 全国で高校は十校あると私は把握をしておりますが、それぞれ長い間ずっと続いてきた制度でございます。まさに、それぞれの地方自治体で、判断でこれまでも決められたことでありましょう。私としては特にコメントすることはございません。

下村委員 全く文科大臣としての責任と自覚が欠如している答弁ですね。

 大臣、二月四日に文部科学省は、朝鮮学校における行政不服審査法に基づく異議申し立てについて回答を出しましたね。朝鮮学校からすると、無償化対象になって手続を進めたかに見えたにもかかわらず、韓国に対する砲撃事件があってストップしてしまった、これはまさに行政不服審査法の対象になるということでやっているわけですね。

 私は、まさに今、民主党政権がやろうとしていることは、これは北朝鮮の影響の中での朝鮮学校という認識を理解しているのかしていないのかわかりませんが、朝鮮学校の生徒たちを結果的にもてあそんでいることになっていると思いますよ。それだけ期待に期待をさせておいて、一方で、突然砲撃によってストップして、そしてペンディングになって、出すか出さないかもいまだにはっきりわからないと。

 そもそも出す対象ではないんですよ。そういう整理をきちっとされて初めて、その後に対象になることであっても、無理やりにしようとしていること自体に、そもそも法律的にも問題があるから、法律的な根拠なんかないんですね。そもそも朝鮮学校に対する無償化手続の停止の法的根拠、ないと思いますけれども、どうですか。

枝野国務大臣 各種の手続において申請に対する審査が直ちに開始されない場合であっても、それが合理的範囲内で行われているのであれば、直ちに行政手続法上の行政手続の遅延等になるものではございません。

 今回は、先ほど来申し上げましたとおり、若干誤解があったとすれば申し上げておかなければならないんですが、決して砲撃事件に対する報復等でこの措置をとっているのではなくて、それを端緒として我が国の国内における不測の事態に備えているものでございまして、この不測の事態のリスクが、今不測の事態があるのではなくて、不測の事態が生じるリスクが砲撃事件の前の状況にまで至ったと総合的に判断できましたときには、遅滞なく手続を進めることになるというふうに思っております。

下村委員 意図的に曲解した答弁をしているんですね。そもそも、報復なんて一言も言ってないですよ。外交的な配慮じゃないですかと言っているだけであって、そういうふうに答弁をどんどん変えていくでしょう。答弁そのものが意図的ですよね。

 そして、高木大臣は、このことについては法的根拠はないんだ、超法規的措置であると言っているじゃないですか。超法規的措置、言っているでしょう。一月の二十一日の記者会見で、これはある意味で総理におかれて超法規的といいますか、そういう判断をしたんだ、つまり法的措置じゃないんだと答弁されていますでしょう、高木大臣。

高木国務大臣 先ほどから答弁しておりますように、不測の事態、これに備えて国を挙げて情報収集をしておる、こういうことの中で、総理から手続の一たん停止の指示がございましたので、今このような状況になっております。

下村委員 先ほどの地方自治体についても、つまり実際は答弁できないんですよ。なぜできないかというと、東京都は、知事が定めるまでは朝鮮学校を補助金の指定対象から除くとして、補助金の交付要領を改正して法的根拠を付与した。だからこういうふうな行政不服審査法によって訴えられるということはなかった。文科省はしていないんです、法的なことを。ほかの人はしているんですよ。その辺が文科省の、国の行政のずさんさ、無責任さ。結果的にそのことによって朝鮮学校にも迷惑をかけている、私はそういうふうに思うんですね。

 朝鮮学校の指定については、外交上の配慮により判断すべきでなく教育上の観点から判断すべきという本来の政府の統一見解に従えば、逆に高木文科大臣は、職を賭してでも無償化手続の停止に反対すべき立場だったんですよ、そもそも。それをしないで、それはどう見たって外交上の配慮としか考えられないわけですけれども、それも詭弁で言わない、言えない。つまり、文科大臣として結果的に朝鮮学校をもてあそぶ。

 それから、先ほど答弁のように、不測の事態というのがいつ解消されるか解消されないか、わからないわけだから、これからも朝鮮高校に対して無償化対象にできるかどうかといったら、ここで明言できないでしょう。もう子供たち、高校三年生は卒業しちゃうわけですよ。この責任、文科大臣としてどうとりますか。

高木国務大臣 先ほどからお答えしておりますように、外国人学校の取り扱いについて政府の見解は今でも変わっておりません。

 ただ、その以前の話で、昨年十一月二十三日の事態は、まさに我が国国内におっても不測の事態。そういう事態の中で総理の判断で停止をしておる、こういうことでございます。

下村委員 いや、だから、高木文科大臣としてどう責任をとるか。そもそも、この政府統一見解、素直に撤回した方がいいんじゃないですか。どうですか。

高木国務大臣 撤回する考えはございません。

下村委員 だとしたら、自分の行動について、矛盾だと思わせない、筋を通したことをしてくださいよ。

 今後、では、文科大臣として、朝鮮高校の無償化についてはどうされるんですか。どういう決意で臨むんですか。タイムリミットは三月までですよね、実際は。つまり、卒業するまでのうちに対応できるんですか、対処できるんですか。どうしますか。

中井委員長 高木文科大臣、時間ですので簡単に答えてください。

高木国務大臣 総理の指示が、解除がありましたら、それは粛々と手続を進めることになろうかと思っています。

 期限について、今の段階では明確なことはできません。

下村委員 総理、総理ということで、前原大臣や中野大臣は最終的には高木文科大臣が決めることだと言っているにもかかわらず、高木大臣は、いや、総理が決めることだと。これだけいいかげんな答弁というのはもうあり得ないということを指摘して、終わります。

中井委員長 これにて下村君の質疑は終了いたしました。

 次に、加藤勝信君。

加藤(勝)委員 自由民主党の加藤勝信でございます。

 まず、最初の質疑に当たりまして、予算の修正について少し御議論させていただきたいと思います。明確には通告しておりませんけれども、もう予算委員会の基本ということでございます。

 これまでも、民主党の幹部の方から、予算修正に係るいろいろな御発言がありました。これはたまたま、けさの朝日新聞でございますけれども、ここに、この新聞によりますと、民主党の安住国対委員長は八日の記者会見で、「社民党が予算関連法案に賛成する条件にあげる米軍普天間飛行場の移設費用の計上取り消しや法人減税の見直しについて「歩み寄れるところがあれば十分話し合いたい」と予算案修正に意欲を示した。」こう記述されております。

 改めて政府としての姿勢をお伺いしたいと思うんですけれども、野田財務大臣、本来、政府は常に予算案、最善のものをお出しされているわけでありますから、予算修正するなどということは全く念頭にないと思いますけれども、野田財務大臣の御見解を示していただきたいと思います。

野田国務大臣 この予算委員会で再々、この予算の評価をお尋ねいただきました。その際、いつもお伝えをしていますのは、経済対策としても、マニフェストの着実な実施についても、地方への配慮についても、財政規律についても、いろいろ制約条件がある中ではベストのものをつくったというのは、製造部門としてはそういう思いでございます。若干、営業部門はいろいろ柔軟な対応の発言があるようでございますが、私どもはベストのものをつくったと自負しています。

加藤(勝)委員 製造と営業というふうにお分けになられましたけれども、これは政府が一貫しておやりになる話であります、予算でありますから。

 もう一度確認させていただきますが、予算修正に対する政府としての姿勢を明確に御発言いただきたいと思います。

中井委員長 野田財務大臣に申し上げますが、先ほどの生産部門と営業部門というのは、お取り消しになられた方がいいと思います。

野田国務大臣 正確に言うと、一般論で言うと、国会の予算修正については、内閣の予算の提案権と国会の審議権の調整の問題であり、憲法の規定から見て、内閣の予算案提案権を損なわない範囲において可能でございます。

 ベストのものをつくったという表現をしましたけれども、各党の御意見には真摯に耳を傾けていきたいというふうに思います。

加藤(勝)委員 先日の与党の委員に対する答弁の中で菅総理大臣も、場合によれば、それでは、どういう形であるならば合意ができるのか、そういう形の議論に進んでいくことを期待しております、こういうふうに御発言をされております。ある意味では、国会での与野党の議論にゆだねる、こういう趣旨なのかな、こういうふうに受けとめるわけでありますが、他方で岡田幹事長が、たしか、予算修正の議論をしつつも、ただし、子ども手当などについて、基本的な考え方については、これは譲ることができない、こういう発言もされているわけであります。

 そうすると、やはり、ある程度できる、できないもの、できるものという言い方は適切じゃないと思いますが、譲れないものというのはあるんだと思います。そういう意味で、この法人税の減税とか、あるいは普天間飛行場の移設問題というのは、これは政府として私は譲り得ない問題だと思いますが、この点も含めてすべてお任せします、ゆだねます、こういうことでございますか。

野田国務大臣 あくまでも、ベストなものをつくって提出をしているという前提の上でありますけれども、仮にそういう修正の話がある場合には、もちろんのこと、個々の、個別のテーマごとに適切な判断をしていくということになると思います。

加藤(勝)委員 ということは、制約条件なしといいますか、この分野、この分野ということなく、すべての分野において修正について議論をしていく、そういう議論があれば対応していく、こういうことでございますか。

野田国務大臣 だから、個々の問題が、何が争点になるか、何をもって合意形成できるかによるかと思います。もちろん、譲れないものもあると思います。いい御提言ならば受け入れるものもあるかもしれません。これは一般論でございます。

加藤(勝)委員 いずれにしても、政府としては基本的に最善のものをお出しになられた、与党の幹部の方々からは修正についてぼんぼん出ていく。どうも何か、いま一つ我々も審議をしていて釈然としない。

 今の野田大臣の答弁というのは財務大臣としてはぎりぎりのところだと思いますが、あえて官房長官にもう一回確認いたしますけれども、政府と与党のつなぎ手でもあるのが官房長官だと思います。そういう立場で、この予算修正について、しかも、与党の幹部の方が予算修正に関してこういう発言もしていることを踏まえて、どういう姿勢をとっておられるのか、御説明いただきたいと思います。

枝野国務大臣 財務大臣からお答え申しましたように、内閣といたしましては、ベストのものという考えで予算案を国会にお示ししておりますので、でき得るならば全会一致で御賛同いただけることが大変ありがたいというふうに御期待を申し上げているところでございますが、当然、国会においては、審議をされた上で、修正権もあるわけでございます。そうしたことについては、内閣というよりも、これは与党の側で各党と御相談をされるんだというふうに思いますし、また、そうした中で、予算の修正という話がもし具体的になれば、その都度与党の方から内閣のところに御相談があるというふうに思います。

 その折には、財務大臣がお答えいたしましたとおり、それぞれのテーマごとにいろいろと御相談をして判断させていただかなければならないと思っておりますが、今の時点でこの項目はどうなのかというお尋ねをいただきましても、これはまさに仮定の話でございますので、ある程度、特定の項目について何らかの与野党間での議論がありましたら、それを踏まえて、与党からの相談に対応していくことになろうかと思っております。

加藤(勝)委員 今のお話の中で、そういうことがあれば相談があるだろうということですから、今のところ与党側からは相談がない、こういう認識でよろしいですか。

枝野国務大臣 具体的に、どこかの予算項目について、修正で、国会、与野党で、あるいは野党のどこかの党とまとめたいというような趣旨の御相談はございません。

加藤(勝)委員 今の官房長官のその発言を、とりあえず今は受けとめさせていただきたいと思います。

 ただ、いずれにしても、一方で修正だ、一方で最善だ、こういうことになると、きょうは直接オンエアされているわけじゃありませんけれども、聞いている国民の方からすると、一体何を審議しているんだ、こういうことにつながるわけでありますから、その辺は与党との間でしっかりすり合わせをしていただきながら、その運びをしていただきたいと思います。

 それでは、質問の中で、まず、財政の健全化について少しお話をさせていただきたいと思います。

 けさほど、私は、自民党で開かれたX―dayプロジェクトというのに参加をしてまいりました。すなわち、Xデー、財政破綻をしたときに一体どういう状況が起きるのか、あるいはそれに対してどういう対応があるのか、こういうことを議論し、研究していこう、こういうことであります。

 財政破綻、絶対に引き起こしてはいけないわけであります。しかし、先日の国債格付の引き下げのこともあり、そうした事態を残念ながら考えなければならない、私は、こういう事態、状況に来ている、追い込まれている、こういうふうに思います。

 あえて詳しい数字を挙げませんけれども、内閣府が出された経済財政の中長期試算、あるいは財務省の平成二十三年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算においても、既に政府が決めてある目標も、ヨーロッパ、アメリカ、先進国に比べれば一周、二周もおくれたようなそういう目標にあるにもかかわらず、今のままでいけばそれが達成し得ない、こういう姿も示されているわけでありますし、いわんや、財政赤字が税収を上回るという本当に異常な事態がまだまだ続いていく、こういう状況であります。

 財務大臣の御答弁を聞く限り、そういう危機感を同じように共有していただいているのではないか、こういうふうに私は思いますけれども、では、仮に財政破綻が起こった場合に、一体、国民生活にどういう影響があるのか。

 例えば、ギリシャやアイルランドは既にそういうことが起きているわけであります。当然、さまざまな事態が想定されると思います。条件もあるでしょう。例えば、そういう国々からの経験あるいは実態からして、国際金融機関等から資金援助を得るためには、大幅な歳出カット、特に社会保障を中心とした歳出カット、あるいは、向こうは付加価値税というんでしょうか、そういったものの税率アップ、こういったことも出てくると思いますけれども、実際、例えばギリシャやアイルランドにおいてどんな状況であり、それを仮に日本に当てはめてみると、どの程度の歳出カットあるいは国民生活への影響があるのか、その辺を御説明いただきたいと思います。

野田国務大臣 もともと財政にお詳しい委員に釈迦に説法みたいな話になるかもしれませんけれども、御指摘のとおり、税収よりも国債発行が上回るというこの事態は昭和二十一年にかつて経験したことがあるというだけであって、それほどの異常な状態の中で、ストックベースでも、国と地方の長期債務残高が、二〇一一年度末に八百九十二兆円、対GDP比で一八四%、先進国の中では史上最悪の水準です。

 ということで、財政破綻はあってはならないという思いで財政運営戦略をきちっとたどっていかなければいけないと思います。

 今、たまたま、あってはならないという前提でございますけれども、最近の事例で申し上げますと、ギリシャやアイルランドがEUとかIMFから支援を受け取るに当たりましては、所得税あるいは付加価値税の課税ベースの拡大や税率の引き上げ、あるいは年金を引き下げたり生活保護のレベルを引き下げたり、あるいは公的投資の削減など、歳出歳入両面にわたって非常に厳しい財政再建をやっています。これは、金額ベースで日本のレベルで当てはめてみると、ギリシャの財政再建策は単年度で三十・六兆円、アイルランドの財政再建策は単年度で十八・三兆円に当たるという相当厳しい措置をとっています。

 ということは、仮に、あってはならないということを重ねて申し上げますが、財政が破綻した場合には、一番困るのは国民である、国民が悲鳴を上げるぐらいな負担が出てくる。だからこそ、事前に財政健全化をしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思います。

加藤(勝)委員 まさにその思いは一緒であります。そういう事態を絶対に引き起こしてはならない、これが我々の政治の責任、私は第一に挙げてもいいんだ、こういうふうに思います。

 そういうことで、きのう茂木委員の議論もございましたけれども、私は議論を聞いておりまして、委員の御主張も、そういった状況、あるいはそういった状況が間近に迫っている、こういう危機意識の中で、財源を捻出したから、はい、それを子ども手当等のマニフェストの施策にすぐ使うというのは余りにも短絡的ではないのか、全体を見ないで、ある部分だけの均衡、確かにその部分だけは財源を確保したかもしれない、しかし、全体が赤字で大変なときに、そういう判断になるのか、こういうことだと思います。

 一つの例えとして言えば、朝九時から夜五時まで働かなきゃいけない方が、寝坊をして十二時に出てきました、そして五時から八時まで残業をしましたから三時間残業代を出しますか。そうじゃなくて、まず、九時から五時まで働く、やはりそういう原理原則に戻るというところに原点を置くべきではないか、こういうふうに私は思うわけでありまして、そういう意味から、子ども手当等を単に財源が確保できたからといって直ちに実行するというのは非常に安易な考え方だ、こういうふうに私は思うんです。

 そこで、一点お聞きしたいんですけれども、民主党のマニフェスト、いろいろ議論が出てきておりますけれども、このマニフェストをおつくりになったときに、当然、社会保障、簡単に言えば、毎年一兆円ずつ自然増があります。あるいは基礎年金の国庫負担の引き上げ分、これはまだ恒久的財源が担保されておりませんから、二・五兆円程度ですか、これは必要になってくるわけでありますが、こういった問題をどのように考えていたのか。

 玄葉大臣、どなたにお答えいただけるかわかりませんけれども、今私が申し上げたいのは、そこの部分を議論せずして、財源が確保できたからといって、すぐ子ども手当だ、私はこうはなり得ないと思うんですが、当然そういう議論はしっかり民主党の中でされていると思うんですが、その辺、どういう議論があったんですか。

玄葉国務大臣 ただいまの加藤委員の御質問でありますけれども、当時、私、直接かかわっておりませんが、かかわっていないからといって、これはもう全員の責任でありますので、一部推測にもなります、これから正式な検証をいたしますので。

 私の推測では、恐らく、その部分は経済成長による税収増を見積もっていたのではないかというふうに推測するんです。

 残念ながら、御存じのように、逆に税収が落ち込んでいるわけでありますから、私が昨年六月に政調会長になって、概算要求の組み替え基準を政府に提出を党としていたしました。そのときには、今おっしゃった社会保障の自然増、これは歳出削減でやろうと。ちなみに、前年度は赤字国債でやっているんですよ。ですから、それは歳出削減でやろうということで、例の組み替え基準を出して、一律一〇%削減して、その中から一・二兆を出すということをし、同時に、基礎年金の国庫負担の二分の一への引き上げのためには、これはもう埋蔵金を使うということで対応したということでございます。

加藤(勝)委員 今率直にお話があったんじゃないかと思いますけれども、ということは、余り明示的に議論はされていなかったということだと思いますが、ただ、そのときは既に、お話がありましたように、リーマン・ショックで税収は大幅に下がり、そういう状況だったわけですから、だから、最初に私申し上げたのは、やはりきちんとしたその根っこの部分、それがしっかりできていないにもかかわらず、上の話だけ、はい、財源ができましたからと、これはやはりそもそもおかしいんじゃないか、私はそういうふうに思うんです。

 その点を指摘させていただいた上で、先日、枝野官房長官が、小泉委員に対して、マニフェストに関する財源確保の議論の中で、実は十兆円前後あるいは超えるぐらいの財源を捻出している、こう答弁されているんですが、私は、野田財務大臣はたしか三・六兆円を捻出して、そしてその中身の説明は当委員会であったと思いますが、十兆円前後あるいは超えるというのはそのとき初めて耳にしたような記憶がしておりますが、この算出根拠をお示しいただけますか。

枝野国務大臣 歳出削減等につきましては、事業仕分けなどもございましたが、それを含めて、二十二年度予算で二・三兆円、二十三年度予算で少なくとも〇・三兆円、合わせますと、二十三年度は二・六兆円になります。

 埋蔵金については、二十二年度予算で六・三兆円、二十三年度予算で二・七兆円、計九兆円を捻出いたしております。

 それから、租税特別措置等の見直しについては、控除から手当へなどの考え方に立って、控除の見直し等で、二十二年度で一・一兆円、二十三年度で〇・二兆円、計一・三兆円を捻出いたしております。

 以上、合わせますと、若干の重複を考慮しても、十兆円を超える財源を捻出したと認識をいたしております。

 ただ、御指摘のとおり、財源を捻出したからすべてそれをそのままマニフェストの財源に充てるということは、もちろんしたいのですが、まさに税収の落ち込みであるとか、あるいは経済状況の見通しが若干違っていたというようなことを考えて、マニフェストの主要項目の実現には三・六兆円でございますが、そのほか社会保障費の自然増、年金財源、税収の落ち込みへの対応などに充てたものでございます。

加藤(勝)委員 今の官房長官の御答弁を聞いていると、財政がそれほど厳しくなければ恒久的な政策にも臨時的な財源を充てていい、こういうふうに聞こえてきたんですが、それは皆さんの政策と違うんじゃないですか。恒久的な政策には恒久的な財源を充てるというのが原理原則ではないんですか。

野田国務大臣 今の官房長官の御説明は、マニフェストで財源として何を項目に挙げているかという中で、歳出削減や予算の組み替え、そこに埋蔵金等の活用も入っているんです。でも、埋蔵金等の活用は、これはワンショットです、委員の御指摘のとおり。ワンショットの部分については、特にこの平成二十三年度からは、恒久的な政策に財源を充てないようにさせていただいています。財政運営戦略で昨年の六月にそういう方針を固めていますので、それにのっとった予算編成をしています。

加藤(勝)委員 いや、そのことは承知をしておるんですが、今官房長官は、事情が許せば、ちょっと文言の言い方は違うかもしれませんが、むしろそういったものも充てていきたい、こういう答弁をされませんか。

枝野国務大臣 済みません。誤解を招いたとすればおわびをして撤回をいたしますが、今、野田財務大臣が申し上げた財政の方針というものは、まさに政権、私も含めて一体として、同じでございます。

 ただ、政治論といたしましては、財源があるんだったらマニフェストでお約束したことを実行するということを、それは心情的にはやりたいのはやまやまでございますがということを申し上げた。ただ、まさに財政の基本的な原則、あるいは実際に自然増や年金財源、税収落ち込み等、マニフェストよりも優先してしなければならないことがありましたので、すべてをマニフェストに充てたわけではないということを申し上げたかったわけでございます。

 誤解があったとすればおわびをいたします。

加藤(勝)委員 いや、誤解じゃなくて、おっしゃり方が、だから、今のお話でいえば、さっき申し上げたもともとの、今、社会保障の自然増とか、そういうものに充てられました。では、仮にそういったものが財源があったとしても、そういう一時的な財源があれば国債の償還に充てるというのが皆さん方の方針じゃないんですか。

 だから、私が申し上げたいのは、枝野官房長官は、この十兆円の中に、今言った埋蔵金等、一時的なものを入れて十兆円とおっしゃったじゃないですか。だから、それは違うんじゃないんですかと。やはり三・六兆円で、さらに、この議論はどこから始まったかといえば、マニフェストの財源は三・六兆円しか確保できていないじゃないですか、もうそこに破綻があるんじゃないんですか、こういう一連の議論だった、私はこういうふうに思うんです。

 聞き方を変えますけれども、これから、例えば省庁、さっきもお話があったかもしれませんが、庁費等削減については、マニフェストでは六・一兆円を一応予定しているわけであります。しかし、これまでできた数字は一・三兆円、残りは四・八兆円、例えばありますね。こういったものはこれから努力してそういう財源を捻出していく、こういうふうに考えておられるわけですか。

枝野国務大臣 その目標に向けて、最大限の努力をして財源を確保してまいりたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 昨年の予算委員会でも、私、当時の鳩山総理とちょっとお話をさせていただいたんですが、ただ、よくわからないのは、庁費等を削減して翌年度のものを出します、そして、翌年度のものを出しますということであれば、二十四年度は二十三年度の庁費等を削減して二十四年度予算の財源を確保する、こういうことになるわけですよね。そうじゃなきゃ財源確保できないじゃないですか。

 ということは、皆さんが出しておられる例えば二十三年度予算にはそれだけの余地があるよ、まだ削減できる部分があるよということを前提としなければ、そういう議論にはなり得ないと私は思うんですよ。ということは、皆さんが出している予算はちっとも最善ではないじゃないですか。それだけの余地が二十四年度にできるんなら、二十三年度予算でやって出してくださいよ。

枝野国務大臣 まず、無駄があるとおっしゃられなかったということで、多分、我々が歳出削減するのは、いわゆる無駄だけではなくて、優先度などを含めて削れるところを削って、優先度の高いところに回していくという意味でございます。

 そうした中で、予算というものは、例えば、継続的な事業であって、三分の二が終わっているから、ほかに優先度が高い事業があるからといって残り三分の一をやめるというのは、むしろトータルとしては予算の使い方として適切ではないだろうというような部分もあります。さらに言えば、さまざまな制度改革には一定の期間が必要なものは、これは当然のことながら含まれているというふうに思っております。

 したがいまして、本年度の予算、これは財務大臣からお答えいただいた方がいいと思いますが、国会に御提起をしている予算案は、そうしたことも総合的に考慮した中で、現時点で組み得る最善の案として提案をさせていただいているということでございます。

加藤(勝)委員 今、枝野官房長官や野田大臣は政府の中におられるわけであります。今の答弁を聞くと、継続的なものがあるからと。では、その継続的なものが切れることを前提に数字を出してください。

 だって、出せるじゃないですか。今のお話はそういうことを言っておられるじゃないですか。

枝野国務大臣 例えばということを申し上げているのであって、予算というのは、もう委員十分御理解されているというふうに思いますが、その例として挙げたようなケースを含めて、今の時点ではベストだと思われるけれども、しかし、さらに時間の経過とともにそれを削減できる余地が生じてくる、あるいは削減をすることによって他のことに振りかえるということの合理性が高まるというようなものは、あらゆる予算についてあり得るものでございます。

 したがいまして、二十三年度予算案としては現時点の総合的な状況の中でベストと思われるものを出しておりますが、さらにこれから一年間の間に、時間の経過や状況の変化やさまざまな事情の中で、さらに歳出できるものを掘り出していくという努力を進めていくということを申し上げているわけでございます。

加藤(勝)委員 私は、毎年度毎年度、もちろん、次の予算をつくるときに前年度の見直しをし、そして、今おっしゃるように、時間の経過とともに優先度が変わったもの、それは入れかえていく、当たり前のことだと思うんですが、そうじゃなくて、こういう数字を前提におっしゃるから申し上げているんですね。

 要するに、さっき申し上げた、年間で六・一兆円、今まで一・三兆円やりました。残り四・八兆円というかどうかは別として、一つの数字目標を出されて、そしてこれをおやりになるということであれば、当然そこには何か、これはこういうふうにやれば減らし得るだろう、こういうようなイメージを持っておられる、また持っていなければこういう数字は出るはずがないわけでありますから、したがって、それならば出していただきたい。あるいは、毎年度毎年度ということであれば、それは、最初に申し上げたように、毎年の予算で次の予算でやれるのなら、二十四年度でやれるのなら二十三年度で対応していただく、そういうことになるんじゃないんですか。

 まさに、こういう数字の設定の仕方に無理があるんじゃないかということを私は申し上げている。

 要するに、それを、皆さん方が政権について担っている予算、一年度一年度に無駄がある、見直しがあるということをビルトインしていかなければ、こういった議論にはならないんじゃないか、こういうことを申し上げたいんですけれども。

枝野国務大臣 済みません、十分に御発言の御趣旨を受けとめ、理解できているのかどうか自信はないんですけれども。

 私どもとしては、まさに野党の時代に、その当時知り得る知見に基づいて、例えば庁費等のところで、合わせて四年後に六・一兆円の財源を捻出できる程度の改革が可能であるということを私どもなりに計算をして、マニフェストでお示しをいたしました。そして、そこの中においては、さまざまな改革を進めていくに当たっては、初年度から当然できることもありますし、一定の調査、分析あるいは時間の経過が必要なものもあるということの中で、四年間として六・一兆円ということをお約束した、そこに向けて今最善の努力をしているということについては御理解をいただければというふうに思っております。

加藤(勝)委員 いずれにいたしましても、先ほど、そもそもの前提の話も若干いたしましたけれども、マニフェストの財源の確保というものが、これが前提になってのそもそもの、次の子ども手当ということでありましたから、その辺の確保というものが非常に危うくなってきている。そういう議論もあって、今、税と社会保障の一体改革、こういう話になっているわけであります。

 ここでちょっと、まず、これは与謝野大臣にお伺いすればいいんだと思いますけれども、何のために行っていくのか。要するに、社会保障国民会議の議論は、基礎年金の部分あるいは今後の自然増収の部分を除くと、基本的には社会保障を充実していく、いわばそういう部分でありますから、これに、その財源として消費税を含めてどうしていくのかという議論、これは当然あると思いますが、その根っこの部分、今お手元に資料を配っていると思いますけれども、例えば、よく言われる高齢者三経費と消費税を比べますと、基礎的年金を入れて今二十二年度ベースで十兆円、これがだんだん広がっていく、この根っこの部分も含めて税と社会保障の一体改革というのは議論していく、こういうふうに理解をしてよろしいんですか。

与謝野国務大臣 実は、二つの目標を同時に達成しようとしております。

 一つは、やはり一定の財政の健全化、二〇二〇年に基礎的財政収支を何とか黒にしたい、そういう財政再建目標。もう一つは、今の年金、医療等の制度の持続可能性を確かなものにしたい、これによって社会保障に対する国民の側から見た信頼性を確保したい。この二点でございます。

加藤(勝)委員 そうすると、今理念的なお話を言われましたけれども、例えば私が示した図について言えば、まさに根っこの部分、不足した部分も当然対象として議論をされていく、すなわち財政再建、最初に一点目をおっしゃいましたけれども、財政再建もここでの目的ということに位置づけている、こういうふうに理解してよろしいですか。

与謝野国務大臣 当然、財政再建にも資するように税制を改革しなきゃいけないと思っておりますが、例えば消費税を上げた場合、法百四条では、消費税は社会保障に使いなさい、こういうことが法律で命ぜられているわけでございますが、これが高齢者の三経費に充てられるのか、その他の社会保障に充てられるのかということは決めればいい話でございまして、今から高齢者三経費に充てるためにというふうには実は考えておりません。

加藤(勝)委員 今それを何に充てるかということで、先日、与謝野大臣は少子化対策、こういったことをおっしゃいましたが、子ども手当はどう考えておられますか。子ども手当の財源を、いわばそういう消費税を初めとした税の改革で捻出していくということも対象になっているんですか。

与謝野国務大臣 税法百四条は、少子化に使うということは書いてございますが、具体的には子ども手当という文言もございませんし、また政府の答弁は、子ども手当の財源は諸経費の節減等によって捻出するということが従来からの答弁でございます。

加藤(勝)委員 したがって、子ども手当は入らないということでよろしいんですか。

与謝野国務大臣 将来のことまで全部明確に申し上げられませんけれども、現在の考え方、また平成二十三年度の予算等につきまして、子ども手当の財源を消費税でという考え方はございません。

加藤(勝)委員 税と社会の一体改革について、四月までに社会保障制度のあり方について、六月までに税との一体改革案をお出しになるというんですが、議論の場として集中検討会議というのがございますよね。それから、それの上ということになるんですか、政府社会保障改革検討本部というのがありますね。この四月とか六月というのは、どこでどうなるのか。

 それからもう一つ、そのときに結論を出すということになると、私のイメージでは、成案を出す、一つの結論を出すというふうに受けとめられるんですが、これまでの新聞のいろいろなやりとりでは、たしか玄葉大臣の御発言も引用されていましたが、必ずしもそうじゃないんだ、選択肢を複数出すんだと。そういうことになると、四月、六月じゃない、単に複数案が出てくるだけで、議論の収束、一つの考え方のまとまりにはならないと思うんです。その辺はどういうイメージを持って進めておられるんですか。

与謝野国務大臣 まず、政府・与党の間で社会保障に関する本部がございます。その下部機関として、総理を議長とする集中検討会議がございます。二層構造になっております。したがいまして、政府・与党として物を決める場合には、まず集中検討会議で一定の結論を得て、そして政府・与党の本部で御承認をいただくという手続になると思います。

 そして、四月までに社会保障改革の姿を出して、それに必要な財源を計算し、連休明けからはそのために必要な財源をどうするかという議論、二段階になると思っておりますが、案としては、背骨のきちんとした一つの案はつくりたいと私は考えておりますが、ただ、それにいろいろなオプションがついているということはあり得る話だと思っております。

加藤(勝)委員 今、与謝野大臣は、基本的には一つの案をまとめたいと。玄葉大臣、そういうお考えですか。

玄葉国務大臣 基本的に、やはり議論を収れんさせていくということが必要だというふうに思うんです。複数案もあり得るかなという答弁を以前もさせていただきましたけれども、要は、与野党で合意を得る、国民的な合意を得るためにどちらがよいかということを考えて最終的に提示をしたいな、そういう思いなんです。

 つまりは、がちっと一つにするのがいいのか、あるいは、背骨をきちっとした案を出して、オプションが幾つかつくという形がいいのか、そのあたりを見きわめながら最終的に提示をさせていただく方がよいのではないかというふうに思っています。

加藤(勝)委員 背骨をしてオプションをというのはイメージが、まだイメージの議論ですからわかりませんが、基本的に、やはりそこでは一つのある部分、周辺の部分はともかくとして、根本のところは一つの案でなければ、それはおっしゃっている、いわばお約束とはたがえてくる、私はこういうふうに思うんです。

 もう一つ、マニフェストの見直し、九月までとおっしゃいますが、そういう予定ですか。

玄葉国務大臣 正式な全体の検証は九月ということでありますけれども、ただ、社会保障分野、特に年金、医療、介護、あるいはいわゆる子育て全般のところは、やはり四月までに一定の検証を事実上終えなければ提示をできないというふうに思っていますので、その分野に関しては四月には事実上終えたいな、そう考えております。

加藤(勝)委員 九月という理由がよくわからないんですけれども、二十四年度予算というのは概算要求は八月ですよね。そうすると、二十四年度予算案というのは、マニフェスト、皆さんマニフェストを非常に大事にされますが、それとの関係が非常にそごしてくるんじゃないかな。私は、そこのところは、どうも九月にやるというのは、次の年の二十四年度予算案に対して責任を持っておやりになる、こういうイメージを全く受けないことを一言申し上げたいと思います。

 次に、子ども手当のことでちょっと申し上げたいんですが、お手元に、子ども手当の目的と、それからその次に子ども手当と児童手当の関係について書いてある紙をお配りしているんですが、まず、子ども手当の目的について、何かよくわからないんですね。

 長妻大臣の答弁は、ここにありますように、社会全体で子供を育てる経費をシェアしましょう、これが最大の目的、結果として、そのことによって少子化の流れを変える、こう言っておられます。上の方の菅総理のものは、第一義的な目的は、特に少子化に対する対応、こう言っているんですが、ここは、子ども手当の目的というのは何なのか。

 それから、あわせて聞きますが、子ども手当と児童手当の関係。鳩山前総理の答弁では、児童手当は子供が育つ家庭に着目、子ども手当は子供に着目、両者はその趣旨、制度の内容が異なっている、こう明確に書いてあります。しかし、菅総理の答弁は、子ども手当というものを、それまでの児童手当に、ある意味で強化する形で提案と、延長線上のような言い方をしております。

 まず、厚労大臣にお伺いいたしますけれども、両者は違うように思いますけれども、きちんとした政府としての見解をお示しいただけますか。

細川国務大臣 子ども手当につきましては、今の世の中、大変少子高齢社会になっております。そういう時代的なところも踏まえまして、次代を担う子供一人一人を社会全体で支えていこう、こういうのが目的でございます。

 そういう目的で子ども手当を出すことによって、子育て世代が子供を産み育てやすい、そういう環境をつくっていくということでございますし、一方で、そういう子ども手当を支給することによって可処分所得もふえますし、そういうところで使っていただければ経済的な効果もあるだろう、こういうことでございます。

 ただ、子供の健やかな成長を願うというようなことについては、従来、児童手当と大体私は同じだと思いますけれども、しかし、子ども手当の一人一人を社会全体で支えるということと、児童手当の目的にあります家庭の生活の安定に資する、これが児童手当のところの目的でありますから、そこを比べますと、これは、所得制限などもありますから違いがあるのではないか。そういう違いを強調されたのが鳩山総理でありますし、現金を支給して、そして子供の健やかな成長を願うというようなことでは共通の部分がある、子育て支援にもしっかりそこは資するということで、同じところを強調されたのが菅総理だというふうに思っております。

加藤(勝)委員 私は非常に大事なところだと思うんですが、今ちょっとお話を聞いて、委員長、よくおわかりになりましたかねと聞きたくなるぐらいな、特にこういう答弁を突きつけていますから、その間をぬえ的にお話をされている。私は、これから議論をするときに、ここは非常に大事だと思うんです。

 委員長にお願いをしたいんです。あるいは政府側に求めたいんですが、子ども手当の目的は何なのか、そして子ども手当と児童手当はどう位置づけているのか、理念においてどう違うのか、きちんとした見解を出していただきたいと思うんです。そうじゃないと、例えば、今の目的でいえば、菅総理は、一義的には少子化だと言っているんですよ。今の大臣の答弁は副次的な議論じゃないですか。これをずっと繰り返されていると、目的がわからなければ政策評価なんか絶対できませんよね。ここをきちっと出してください。

枝野国務大臣 二月一日の予算委員会で菅総理が答弁をいたしましたのは、石原委員から、子ども手当はデフレ対策であるという前提でのお尋ねがございましたので、デフレ対策ではなくて広い意味での少子化対策に当たるという趣旨をお答え申し上げました。

 ここで言う少子化対策というのは、広い意味での少子化対策ということでございまして、正確に申し上げれば、まずは、社会全体で子供の健やかな育ちを支援すること、これが直接の目的でございます。その結果として少子化の流れを変えていくことにつながっていく、このことをざっくりと少子化対策ということで申し上げたものでございます。

 それから、児童手当と子ども手当の関係でございますが、先ほど厚労大臣からも申し上げましたとおり、子ども手当は、子供の一人一人の育ちを社会全体で応援するという観点から支給するものでございます。児童手当は、児童の健全育成だけでなく、家庭における生活の安定に寄与することも目的としており、そのために所得制限などがあるという違いがございます。

 一方で、子供の育ちを支援するという面に着目をすれば、両者には共通をいたしているところでございまして、所得制限の有無など両制度の違いについての説明をされた鳩山前総理の答弁と、広い意味で子供の育ちを支援するという共通面について御説明申し上げた菅総理の答弁とは、矛盾するものではないというふうに思っております。

中井委員長 ただいまの官房長官が御説明なされた項目を政府内で十分回して、各答弁者がきちっと理解をして御答弁をいただくように委員長としては要請をいたしておきます。

加藤(勝)委員 今の御委員長の裁定というんでしょうか、あれば、ぜひ統一した言い回し、これを我々にも出していただきたい。よろしいですか、文書で。

中井委員長 はい、理事会で協議します。あしたの朝の理事会で出します。

加藤(勝)委員 あしたの朝までに出していただけるんですか。

中井委員長 朝の理事会で出します。(発言する者あり)はい、文書で出します。

加藤(勝)委員 それを出してください。それを出していただいた上で、さらに議論させていただきたい部分がございますから、それはちょっと残させていただきたいと思います。

 そして、今回、三歳未満については七千円引き上げるということでありまして、児童手当制度当時の比較において負担増にならないこと、子供の年齢が低ければ親の年齢も若く、収入も低いと考えられることに加えて、仕事の休止など出産、育児の負担感が比較的高いこと、この二つを、二つというかこういうのを理由に挙げておられますよね、細川大臣。

 しかし、先ほどの民主党の議論を踏まえれば、あるいは、今回の子ども手当法と児童手当法の趣旨、目的を見ると、家庭という部分が全くないんですね。家庭に着目しているという部分がない、だから所得制限もつけない、こういうお話だと思うんですが、今の理由で、親の年齢も若く、収入が低い、仕事の休止など出産、育児の負担感が高い、これは親御さんのことですよね、家庭のことですよね。違うじゃないですか。説明してください。

細川国務大臣 子ども手当は、一人一人の子供の育ちを社会で応援するんですけれども、それは子育ての最中の皆さんをも大きく支援をするということになるわけなんです。

 そして、そのときの子供が三歳未満の子供については、それは当然、そういう親については、収入が低いとか、あるいは子育てで職を失っているとかいうような場合が多いわけですから、そういう人たちを支援するということでその額を上げるということも理由になっているわけでございます。

加藤(勝)委員 だから、家庭に着目しないから所得制限をつけないとさんざんおっしゃったじゃないですか。今の話は、家庭に着目した議論じゃないですか。

 もし、そういうことならば、所得制限をつければいいじゃないですか。

枝野国務大臣 児童手当について、先ほど私からも申し上げましたが、児童の健全育成だけではなく、家庭における生活の安定に寄与することも目的としているということで違いがあるということを申し上げました。それゆえに、所得制限がある、なしという違いがございます。

 今回、三歳以下でしたか未満でしたかということにいたしましたのは、まさに二歳のお子さんに着目をして、この二歳のお子さんの育ちを社会全体で応援するという点と、例えば十歳のお子さんを社会全体で応援する、もちろん、両方についてたくさんのお金をお出しして支えたいところではございますが、それぞれの個々のお子さんの年齢に着目をして、そしてできる範囲の中での支援をするという中身でございますので、そういった意味では、直接家庭における生活の安定に寄与することを目的とした児童手当とは、似ている部分もあるかもしれませんが、全く着目点が違うということでございます。

中井委員長 控除のものがあって、三歳児以下の人でも所得の高い人はマイナスになるということを言えと言うとるのに。教育的指導。

加藤(勝)委員 今の枝野官房長官のお話ならば、三歳未満と十歳と、子育てにかかる費用が違う、そういうふうに聞こえますが、であれば、子育てにかかる費用が三歳未満が高くて十歳が低いという数字を出してください。

枝野国務大臣 委員長からも御指導がございましたが、まず大前提として、控除の見直しとの関係において不都合が生じないようにということが必要であるということが、まず第一にございます。

 そのことが基本にあった上で、あえて家庭に着目をしてということではないのかという御質問がありましたので、今の点も申し上げさせていただきましたが、私の答弁では、具体的に幾らかかるのが違うからということでお答えをしたつもりはございません。それぞれの年齢年齢で、それぞれの子供一人一人の育ちを社会全体で応援するといったときに、それぞれのお子さんの年齢に着目しているからこそ、子ども手当を例えば十九歳や十八歳の子供さんは支給対象にしていないわけでありますので、そういう意味で、児童手当とは違いますということを申し上げました。

 ただ、一義的には、委員長からも御指導がございましたとおり、控除の見直しによる調整をしっかり図らないと不都合が生じるということを軸に、今申し上げたような視点も加えて判断したということでございます。

加藤(勝)委員 いや、今の三歳か十歳かに着目してというところが全くわかりません。

 この間出した資料では、あるいは、私が子ども手当の審議を二十二年度にやったときには、ほとんど変わらない、だから二万六千円、こういう話だったんですよ。

 出してくださいよ、数字を。

枝野国務大臣 繰り返しますが、三歳と十歳でかかるお金が違うからという御答弁を申し上げたつもりはございません。ただ、子供の年齢に着目をして違いをくっつけたということでございますので、親御さんの所得によって違いをつけたという、その児童手当の観点とは違う観点であるということを申し上げました。

 そして、繰り返しますが、一義的には、委員長からもお話がございましたが、控除の見直しによる不都合を調整するというようなことを一義的に、お子さんの年齢に着目をして、一人一人の子供の育ちを社会全体で応援するという観点から、合理的な、今回できる範囲内での線を引いたということでございます。

中井委員長 ちょっとお待ちください。

 時計とめて。

    〔速記中止〕

中井委員長 それでは、速記を起こしてください。

 枝野内閣官房長官。

枝野国務大臣 まず、若干わかりやすくというつもりで御説明を申し上げたつもりなんですが、二歳、十歳の例というのが必ずしも適切でなかったというふうに思いますので、その点はおわびをして撤回をさせていただきます。

 基本的に、それぞれのお子さんの育ちをしっかりと社会全体で支えていくというこの目的にかんがみて、まず第一には、控除の見直しによる不都合が生じないように調整をしていくとともに、ゼロ歳から三歳までの小さなお子さんの特徴に着目をして、そしてこういった判断をしたということでございまして、決して、その世代のお子さんが余計にお金がかかるからとか、それぞれの家庭の所得がどうだからということが直接の理由になっているわけではないということは御理解いただければと思います。

加藤(勝)委員 子供の年齢に着目してというのが全くわからないんですよ、官房長官。

 三歳の子供さんがいて、十歳の子供さんがいて、それはわかりましたけれども、それが何で子ども手当の金額に反映するんですか。

枝野国務大臣 繰り返しになりますが、第一には、控除の見直し等による調整を必要とするということの中でこういった対応をとらせていただくということでございますし、まさに子ども手当というのは、お子さん一人一人の育ちを社会全体で支えていくという観点でございますので、まさにお子さんというのは一定の年齢以下の皆さんのことですから、子ども手当の制度そのものが年齢に着目をしているわけでございますので、そういったことを総合的に判断して、今回、この部分についてだけ、残念ではありますが、全体としては増額をできるならばそれが望ましかったんですが、現物給付も充実させるなど、いろいろな総合的な判断の中でこうした提案をさせていただいているということでございます。

加藤(勝)委員 ちょっとよくわからないんですが、ただ、控除の話もありますが、さっき申し上げたけれども、控除の議論というのは世帯の話なんですよ、保護者の話なんですよ。それを一緒にすべきじゃない。それから、与党の議員が、きのうでしたか、一万三千円の姿でもきちんとなっているじゃないですかって、これはいい姿ですと言われたわけですよ、表を示されてね。

 ですから、そういう点からも含めて、しかも、皆さんがそれでやってバランスがとれていると。そして、今言った、まだ私よくわかりませんが、子供のところ、さっきの着目、児童手当と子ども手当が何が違うのか、ここがはっきりしないから私はこういうことになるんだと思うんですが、この点も含めて、もう一回きちんとした統一見解を出していただきたいと思います。

中井委員長 それでは、ただいまの議論の整理も含めて、明朝理事会までに文書で提出することをお願いいたします。

加藤(勝)委員 それと、あと幾つかお話をしたいんですが、先日からあります、地方公共団体の財政負担の関連事務について、もう地方公共団体からいろいろ言われておりますけれども、その中で一点。国はその分全額で見ていますよ、こういう話でありますけれども、平成二十三年度においては、所得税の扶養控除廃止に伴う増収分の一部を特例交付金から減額するということになっていますよね、総務大臣。そうすると、不交付団体についてはその分負担増になっているんじゃないんですか。

 大臣は、全部負担はやっていますと。なっていないじゃないですか、不交付団体は。答弁が違うんじゃないんですか。

片山国務大臣 交付税と特例交付金を調整することにしておりますけれども、おっしゃるとおり、交付税で調整できるのは交付団体だけでありますので、別途、不交付団体については特例交付金の部分で調整をすることにしております。

加藤(勝)委員 特例交付金を、それでは、不交付団体は厚くといいますか、その分だけ補てんされるということですか。

中井委員長 片山総務大臣、時間が来ていますので、簡単にお願いします。

片山国務大臣 特例交付金で交付金の部分については調整することにしております。

中井委員長 加藤君、まとめに入ってください。

加藤(勝)委員 はい。

 ちょっとそこはまだ議論させていただきたいと思います。

 最後に、お手元にありますけれども、埼玉県は、子ども手当に係る県の事務について、法律に基づくもの以外は対応しない、こういう方針を出されたということがニュースにも出ておりました。その資料をもらってまいりました。お手元にあるのがこれであります。

 法律に基づき実施しなければならない事務、これは、法律が通れば当然しなければならない。しかし、県の同意に基づくもの、これは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律及び施行令、ここで同意が求められ、同意をしなければしなくていい、あるいは任意。

 これは、どなたにお聞きすればいいかわかりませんが、この県の対応は法令上は全く問題ない、こういうことでよろしいですか。

細川国務大臣 埼玉県の言われておりますことについては、法律的には、そのとおりのことを言っておられると思います。

 ただ、私どもとしては、埼玉県にお願いしたいのは、いろいろな混乱も起こりますので、ぜひやっていただきたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 法律上は全く問題がないということを確認させていただきました。

 最後に、先ほどの子ども手当のことを含めて、マニフェストについてまだまだ議論をしなければならない。それから、先ほど財政健全化の話をさせていただきましたけれども、もっともっと突っ込みながら、国民の理解は私はもっと求めていかなきゃならない。こういった問題についてさらに集中的に審議することをお願いさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

中井委員長 これにて加藤君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十三分散会


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