衆議院

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第11号 平成23年2月15日(火曜日)

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平成二十三年二月十五日(火曜日)

    午前十時十七分開議

 出席委員

   委員長 中井  洽君

   理事 泉  健太君 理事 城井  崇君

   理事 武正 公一君 理事 手塚 仁雄君

   理事 中川 正春君 理事 若泉 征三君

   理事 塩崎 恭久君 理事 武部  勤君

   理事 富田 茂之君

      石毛 えい子君    稲見 哲男君

      打越あかし君    小川 淳也君

      大串 博志君    金森  正君

      金子 健一君    川村秀三郎君

      吉良 州司君    小室 寿明君

      郡  和子君    近藤 和也君

      佐々木隆博君    柴橋 正直君

      高井 美穂君    高邑  勉君

      竹田 光明君    津村 啓介君

      中根 康浩君    仲野 博子君

      本多 平直君    水野 智彦君

      宮島 大典君    向山 好一君

      村越 祐民君    山口  壯君

      渡部 恒三君    小里 泰弘君

      加藤 勝信君    金子 一義君

      金田 勝年君    小泉進次郎君

      佐田玄一郎君    齋藤  健君

      菅原 一秀君    野田  毅君

      馳   浩君    山本 幸三君

      遠山 清彦君    笠井  亮君

      阿部 知子君    山内 康一君

    …………………………………

   総務大臣         片山 善博君

   財務大臣         野田 佳彦君

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   国土交通大臣       大畠 章宏君

   環境大臣

   国務大臣

   (防災担当)       松本  龍君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     枝野 幸男君

   国務大臣

   (少子化対策担当)    与謝野 馨君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   厚生労働副大臣      小宮山洋子君

   財務大臣政務官      尾立 源幸君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  田中 順一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       石井 信芳君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十四日

 辞任         補欠選任

  笠井  亮君     高橋千鶴子君

同日

 辞任         補欠選任

  高橋千鶴子君     笠井  亮君

同月十五日

 辞任         補欠選任

  生方 幸夫君     金子 健一君

  佐々木隆博君     小室 寿明君

  城島 光力君     向山 好一君

  三谷 光男君     柴橋 正直君

  山口  壯君     近藤 和也君

  小里 泰弘君     加藤 勝信君

同日

 辞任         補欠選任

  金子 健一君     生方 幸夫君

  小室 寿明君     佐々木隆博君

  近藤 和也君     山口  壯君

  柴橋 正直君     三谷 光男君

  向山 好一君     城島 光力君

  加藤 勝信君     小里 泰弘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十三年度一般会計予算

 平成二十三年度特別会計予算

 平成二十三年度政府関係機関予算

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

中井委員長 これより会議を開きます。

 平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算、平成二十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として総務省行政評価局長田中順一君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官石井信芳君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川村秀三郎君。

川村委員 民主党の川村秀三郎です。

 私の地元は宮崎県でございます。

 宮崎県は、御案内のとおり、昨年は、口蹄疫で二十九万頭の牛や豚を処分するという大変な事態になったわけであります。そして、この口蹄疫は、畜産農家のみならず、関連の産業、運送業初め、そしてまた観光、商工も大変な被害を受けて、県民生活にも大変な支障を来したということでございます。

 そしてまた、ことしに入りましては、インフルエンザ、これが特にまた宮崎県はこれまでに十一件ということで多発をしております。突出して多発をしております。そしてまた、これに加えて、追い打ちをかけるように新燃岳の噴火がございまして、まさにトリプルパンチの状況であるわけでございまして、この新燃岳の噴火の問題、そしてまた鳥インフルエンザの問題、それから口蹄疫の問題を中心にきょうは御質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、新燃岳の噴火の関係でございます。

 一月二十六日に第一回目の爆発的な噴火がございました。松本防災大臣、そして大畠国土交通大臣、早速二十九日には現地に入っていただいて、状況をつぶさにごらんになって、要望もお聞き取りをいただいたということでございます。非常に素早い対応をしていただいて、私も現地に参りますと地元の方々からは大変感謝の言葉を聞いておりますので、私からも改めて御礼を申し上げたいと思います。

 そしてまた、松本大臣におかれましては、先週末も十一、十二と再度現地入りをしていただきました。

 それで、まず松本大臣にお伺いしたいと思うんですが、二回ほど現地に入られまして、最初の状況と、そしてまたおおよそ二週間たって入られた状況、かなりまた様相を異にしたのではないかと思いますが、これまでの対応状況等もまたいろいろ反省点等もおありになったんじゃないかなと思います。また、今後に向けてどういう対応をしたらいいかなということも感じられたんじゃないかと思いますので、そのあたりの大臣の率直な御感想なり、そしてまた今後に向けての基本的なお考えなり、まず聞かせていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

松本国務大臣 お答えいたします。

 新燃岳の現地調査につきましては、一月に引き続き、二月の十一日、十二日に現地に行ってまいりました。そのときは、川村委員、また小里委員もそれぞれ御同行いただきましたことを感謝申し上げたいというふうに思っております。

 伊藤鹿児島県知事、そして前田霧島市長、河野宮崎県知事、日高高原町町長等、空振の被害状況あるいは土石流、火砕泥流等々の対策を見るためにずっと行ってまいりましたけれども、降灰被害及び現地の対応状況等についてはいろいろ説明を受けました。まだまだやることが山積みをしております。

 都城の夏尾という地域に二週間ぶりに入ったんですけれども、そこでは、お年寄りがちゃんと灰を撤去してくれましたという話を聞いたり、しかし、いまだにまだまだ厳しい状況が続いているのが今の状況であります。毎日この二週間いろいろな方々が努力をされたということで、敬意を表したいというふうに思っております。

 政府としましても、関係自治体から聞いている要望等を踏まえて、引き続き、現地に派遣をしております政府の支援チームを通じて、避難計画の策定、活火山法に基づく地域指定に係る作業等を支援していくとともに、農業被害対策あるいは風評被害対策、また省庁横断的に取り組むべき課題等々をしっかり見ていきながら、連携をして迅速にこれからも取り組んでまいりたいというふうに思っております。

川村委員 大変ありがとうございます。

 今御説明いただきました中でも、また確認的にちょっと御質問させていただきたいと思っております。

 私も数日後現地に入ったんですが、そのときはもうまさに灰で視界も悪くて、至るところに灰が積もっておりまして、まるで砂漠の中の町に来たような状況でございました。

 また十一日は、民主党の方も新燃岳噴火対策連絡室というのを藤村幹事長代理を室長に対策を組んでおりまして、また、現地にも大島敦委員を団長に、宮崎そして鹿児島両県の委員が入って調査を行ったわけでございます。先ほどもお話があったように、松本大臣にも十二日は私は同行させていただきました。

 そして、現地の声、要望、まず第一に聞かれることは、この噴火が一体いつまで続くんだろうかということ、これは当然のことでございますけれども、心配しておられます。五十二年前も爆発的噴火があったんですが、このときは幸い一日でおさまったということで、記録的には、二百年、三百年先にいくと二年ぐらい続いたということもあったようでございますけれども、既に三週間たちました。

 きのうも噴火がありまして、今まで風向きの関係で余り被害のなかった小林市、離れているところで十数キロ離れているんですが、そこに噴石が落ちて車のガラスが割れたとか、そういう数多くの被害が出ておりまして、なかなか依然としておさまっていないというのがまさに実感でございます。

 そこで、まず国土交通大臣にお伺いしますけれども、今後の予知ですね。まず、観測体制も強化しなければならないと思うんですが、それを現状までどういうことをやってこられたのか、これからどうされるのか。それから、まさに知りたい噴火活動の今後の見通し、こういうものを、本日も火山噴火予知連絡会等が開催されるとは聞いておりますけれども、現時点でどういうことが言えるのか、お伺いしたいと思います。

大畠国務大臣 川村議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 火山の観測体制の強化ということ、並びに火山活動の今後の見通しというのはどうなのか、こういう御質問でございました。

 先ほど松本大臣からも御答弁がありましたが、私も、一月二十九日、まず現地に行って状況をつぶさに視察させていただきたい、こういうことで参りました。そのときに、鹿児島県知事あるいは鹿児島の霧島市長さん、それから高原町長さん、さらには宮崎県の河野知事、そして都城市の市長さんともお話をさせていただきまして、一つの要請の中に観測体制の強化、こういう御指摘がございました。これは、対策をとるために大変大事な視点でありまして、その要請を受けまして、国土交通省としても、この観測体制の強化というものを実施させていただきました。

 具体的には、現在、火山活動を二十四時間体制で観測監視し、噴火警報等を発表しているところでありますが、特に現在行っておりますのは、噴出物、要するに噴火してどういうものが出ているのかという調査観測、それから航空機による目視やレーダーを用いた火口の観測、それから高感度カメラというものを設置しまして、それで情報をとる、あるいは地殻活動の観測点の増設というものを実施してきたところであります。

 さらに、気象庁が事務局であります火山噴火予知連絡会に二月三日に霧島山総合観測班というものを設置いたしまして、気象庁、国土地理院、大学等の火山観測研究機関が連携して地震計などを増設いたしまして、観測体制の強化を図ったところであります。きょうも川村議員からも御指摘賜りましたので、さらにその連携を強化して対策をしてまいりたいと思います。

 また、今後の見通しはどうなのかと。これはなかなか難しいところでございますが、先ほど川村議員からもお話がありましたとおり、本日午後に気象庁において火山噴火予知連絡会を開催いたしまして、各観測研究機関の最新の観測データ等から、今後の見通しを含めた火山活動の総合的評価を行い、その結果を公表する予定でございます。

 いずれにしても、今回の火山活動は約三百年ぶりの本格的なマグマ噴火であり、活動の推移というのを注意深く見守る必要がありますが、そのような状況を踏まえて、きょう行われます火山噴火予知連絡会の総合的な評価を受けて、私たちもさらに体制を強化していきたいと思っております。

 以上です。

川村委員 ありがとうございます。

 観測の結果も、ぜひ地元に迅速に正確な情報を与えていただきたいですし、そしてまた今後の予測をできるだけ正確に、なかなか難しい問題だと思いますが、引き続きよろしくお願いを申し上げます。

 そしてまた、要望が出ておりますのは、住民の安全確保、これもやはり大事だと思います。噴石それから火砕流など、爆発によって直接の被害が生ずることはもちろんでございますけれども、これまで積もった火山灰や噴石、そういうものが雨によって引き金となって、泥流とか土石流も懸念されるということが心配されております。

 それで、これまで住民の皆さん、国の指導もあったやには聞いておりますけれども、自治体が自主的に避難基準を決めて、時間雨量四ミリでありますとか、累積で二十ミリとか決めてやっているようですけれども、先日も、きのうも雨が降っておりまして、今のところちょっと聞いておりませんので、多分大事に至らなかったのかと思っておりますけれども、そういう避難体制も被害をできるだけ抑えるためには極めて大事なことでありますし、地元の方々もそういうことを待望されていると思います。

 それで、今後の避難のあり方、それから、最初はかなり情報も、お互い混乱をして、現場に必ずしも正確な情報が行かなかったということもお聞きしましたので、そういうことがスムーズにいくように、どういうことで対応されるのか。現地に支援チームも入ったということも聞いておりますが、そのあたりを含めて、松本大臣にまずお答えいただければと思います。

松本国務大臣 今の情報の伝達、共有というのは非常に大事な御指摘だというふうに思っております。

 二月の七日に政府の支援チームを派遣いたしまして、新燃岳の噴火状況を踏まえて、噴火活動及び土石流に対応した住民の避難計画の作成や、あるいは降灰対策の円滑な実施に向けた計画作成等の支援を行うこととしております。二月七日からおおむね一カ月間の予定で行っておりますけれども、まだまだどういう状況になるかわかりませんから、これからもしっかりやっていきたいというふうに思っております。

 また、噴火警戒レベルが四あるいは五になったときの避難計画等々も、しっかり地元の皆さんと御相談をしながら関係自治体への支援を行っていきたいというふうに思っておりますし、土石流の発生が心配されることから、土石流を対策した避難計画の作成の支援も行っていきたいというふうに思っております。

 これに当たっては、避難に係る情報伝達が非常に重要だろうというふうに思いまして、私もこの間、十一、十二に行きましたときは、火山噴火予知連絡会の副会長であります石原京都大学教授とずっと丸二日一緒だったんですけれども、気象庁あるいは気象台等々の連携もこれから深めていくという話をされました。

 予知するのはなかなか難しいですけれども、一つ言われたのは、地元の方も、温泉の温度が変わったとか、色が変わったとか、井戸水が出なくなったとか、そういう小さな情報もぜひ気象台に伝えていただきたい、そして私たちは、これからそういう小さな情報も含めて火山の状況も見ることができるということもありまして、地元関係自治体との連携をこれからしっかり密にするようにとチームにはずっと伝達をしておりますので、これからも取り組んでいきたいというふうに思っております。

川村委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 また、避難所の快適性といいますかアメニティーの問題も、ボランティア等も入っておられますが、それも含めて、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 それから、降灰の処理も非常に課題でございます。至るところに積もった灰の除去、これは大変な人手もかかりますし、機材も要るということで、路面の清掃車等、国交省並びに隣県の鹿児島県からも大変な御支援をいただいてやっているということで、現在進行中でございますが、大分改善をされたと思います。ただ、道路が優先をされておりまして、生活空間といいますか、そこでの降灰の除去というのは、なかなか完全にはまだ終わっていないという状況、またさらなる降灰もありますので、あります。

 そしてまた、非常に高齢者世帯が多いということで、そういうところのきめ細かな対応というのもまたこれからだと思います。

 あとそれから、灰の処理場の確保、これも自治体は大変苦労しておられますので、そのあたりもぜひ国としても配慮をいただきたいと思うわけであります。

 そして、地元からも要望が出ておりますのは、活動火山対策特別措置法に基づきます降灰防除事業、この対策ですね。これの実施、地元からも要請されていると思います。まず、この降灰防除事業の実施と、それから土石流等の防止についても国交大臣の方からちょっとお答えいただければと思います。

大畠国務大臣 お答えを申し上げます。

 ただいまの降灰除去事業についてでございますが、これは自治体の皆さんからも強い要望を受けているところでありまして、火山噴火による降灰現象が継続的に、年間の降灰量が一定規模以上の場合、活動火山対策特別措置法に基づき、年間を通して市町村道などの降灰除去に要した費用の二分の一ないし三分の二を補助することになっている、国土交通省の補助制度でございます。

 このため、国土交通省といたしましては、一月三十一日以降二回にわたり担当者を現地に派遣いたしまして、状況を緊急調査させていただきました。宮崎県及び関係市町村に降灰の計測方法や必要な手続等について助言を行わせていただきました。今後、降灰量を迅速に確認するなど、降灰除去が円滑に進むよう支援してまいりたいと考えております。

 なお、この降灰除去費用の補助の基準等もございますが、この件につきましても、各市町村にこの状況を連絡しながら観測、調査をしまして、その結果に基づいて迅速に対応してまいりたいと思います。

川村委員 この降灰防除事業、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。地元にそういう情報を提供していただいて観測をしっかりして、基準に合えば迅速に対応していただきたいと思います。

 また、このほかにも、活動火山対策特別措置法では、十二条におきまして、この支障を防止する、あるいは軽減するための施設等を整備する必要がある地域を降灰防除地域として指定して事業ができるということになっておりますが、防災担当大臣にその見通しをお聞きしたいとともに、もう一つお願いしたいのは、激甚の問題でございますね、激甚指定。災害となりますと、常に地域からの要望というのが出てくるわけでありまして、激甚災害としての指定が可能かどうか検討されていると思うんですが、今回のケースはどうなのか、これは松本防災担当大臣にぜひお答えいただきたいと思います。

松本国務大臣 降灰防除地域の指定につきましては、一平米に年間を通して降灰量が一キロというところがまず第一の要件。二点目は、近い将来、降灰がやむ兆候が見られないこと等があります。三点目は、これに当たって地方公共団体が降灰防除のための施設整備の計画を有していることということも条件となっております。

 地域指定がされますと、まさに教育施設あるいは社会福祉施設等の空調等の整備事業に対して支援が行われることになっております。そういう意味では、私どもも、早期の地域指定に向けて、現在、地元地方公共団体と降灰防除のための必要となる施設や設備について照会をしておりまして、御検討いただいているところであります。

 いずれにしましても、条件が整い次第、早期に、速やかに指定してまいりたいというふうに思っております。

 二点目の激甚災害指定の件でありますけれども、近年の火山災害での激甚災害指定は、平成六年の雲仙岳、平成十三年の有珠山、平成十五年に三宅島等々がございますけれども、火山災害があります。

 今回の新燃岳の噴火による被害は、これまでのところ降灰被害が中心となっておりまして、道路や農地等の降灰除去は、一定の条件を満たせば災害復旧事業により実施することは可能でありますけれども、近年の激甚災害に指定された火山災害の場合は、降灰被害のみで指定されるには至らず、火砕流や土石流等によって道路、農地等に大きな被害が生じたことにより、局地激甚災害に指定されたところであります。

 いずれにしましても、激甚災害の指定については、被害状況のしっかりとした把握を行う必要がありますし、情報収集に努めて、これからも政府の支援チームあるいは地元公共団体等と連携をとり合って努力をしてまいりたいというふうに思っております。

川村委員 ありがとうございます。

 最後の激甚指定の問題、今申されたように、被害額の状況等にもよるわけでございまして、今後どういう状況になるかもわかりませんので、今大臣おっしゃっていただいたように、よくその被害状況等を把握していただいて、迅速な対応をお願いしたいというふうに思います。

 それから、降灰の防除事業の特別交付税による措置でございます。

 総務大臣にお伺いしたいんですが、非常に対応に追われている自治体でございますけれども、非常に心配なのは、財政支援が十分に措置されるのかということを心配しているわけであります。そして、特別交付税の決定も、この年度末で迫っておるわけでありますけれども、補助事業の場合は八割、そして単独事業の場合は五割という基本ルールになっております。例えば、この補助事業の採択に時間を要する、応急の単独事業については、多分、補助事業と採択されるだろうということ等を見通して、補助事業と同じ八割とできないのでしょうかというのがまず一点でございます。

 それから、今回の被災地域は非常に災害が重なっておりまして、実は、昨年七月の梅雨前線による豪雨がありました。ゲリラ豪雨と言われていましたけれども、この復旧もまだ終わっていない地域でありまして、口蹄疫でも経済が落ち込んだということで、いわば連年の災害に見舞われているということで、画一的でない、財政の窮乏を考慮した特別な配慮ができないものかどうか、ぜひ片山大臣に御答弁をお願いしたいと思います。

片山国務大臣 特別交付税は今、三月交付分について鋭意作業を進めているところであります。

 それで、議員が御指摘になられましたように、この種の災害の対応といたしましては、補助事業につきましては、その補助裏といいますか地元負担分の八割、それから単独事業につきましては、その事業費、地元負担されるものの五割ということで算定しております。

 スケジュールの関係もありますので、補助事業の採択といいますか認定が多少時間がかかることもありますので、このたびのようなこの時期の扱いにつきましては、いずれ補助採択されるであろうと予想されますものについては、現時点では仮に単独事業であっても、補助事業並みの八割で算定をしたいと思います。

 それから、宮崎県は、トリプルパンチと先ほどおっしゃいましたけれども、口蹄疫、鳥インフルエンザ、それから火山の爆発と、本当に大変なことだと思います。関係自治体の御労苦もさぞやと思います。それぞれにつきまして特別交付税でルールがありますので、それで適切に対応できると思いますけれども、最終的に関係自治体の財政運営がちゃんと賄えるかどうか、財政運営ができるかどうかということは非常に重要なことでありますので、その辺は、特別交付税の三月交付分におきましてよく配慮を申し上げたいと考えております。

川村委員 どうもありがとうございます。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 次に、農産物等に大変な被害が出ております。降灰によりまして、農畜産業、林業、林産業、また農地などにも大きな被害をもたらしているわけでございます。

 例えば露地野菜、ホウレンソウとか白菜、キャベツですね。これは灰をかぶったら、たとえ洗っても、もう食用に供せないといいますか商品にならないということを市場関係者等からも聞いております。農家の落胆も本当にひどい状況でございますので、こういうものがあるということを認識して対応していただきたいということ。

 それから、宮崎は千切り大根の産地でもございまして、大根を千切りにして畑とか田んぼに棚をつくって干して、そこに灰が降ったものですから、普通は十キロ四千五百円ぐらいするんですけれども、もう農協は引き取らない。そして、市場に出しても、それこそ十キロが二百円とかそれぐらいで、もう包装代にもならないぐらいの価格でしか引き取ってもらえない。だから、結局断念をするということになったようでありまして、まだ途中だったものですから、多いところで七割方、少ないところではまだ五割方しか植えた大根を千切りにしていなかったという状況があります。

 それからまた、ハウスについても、ハウス自体のビニール等にも被害がありますし、温度調節の自動開閉の機械、あれが灰が詰まって動かない。それから、灰が降ると、もう中は真っ暗になっちゃって、たとえブロワーで吹き飛ばしても、細かいのが張りついていますので日照不足になるというようなことで、生育不良とか病気とかも今後かなり出てくるんじゃないかということが心配されています。

 そして畜産も、移転もしなくちゃいけないし、えさも灰をかぶってしまうので、これはもうとても家畜にも食べさせられないということで、牛も動物ですし呼吸器系のせきをしたりするということで獣医師にもかかるとか、例えばそういう費用もかかるということがございます。

 こういう被害を踏まえて、先日、営農継続のための対策ということで、総額十一億円の対策を打ち出していただいて、大変ありがたいということで、今、現地でそれを使ってどうやろうかという協議が行われているところではございます。

 ただ、特にこの点、強調してお願いをしておきたいのはお茶なんですね。今後、お茶の収穫に向かうんですけれども、灰が降りますと、葉っぱの表にこびりつくわけですね。これをやはり洗浄しないと、もう商品価値にならないということで、洗浄機という機械はあるらしいんですが、一台結構、安くても六百万、大きいものになるとやはり千数百万するという機械ですね。こういうものを早急に手当てもしなくちゃいけないということになりますが、この上限額が百万ということではとても対応できない。共同利用ということで一緒にやればいいじゃないかという話もあるかもしれませんが、やはり地域的な条件もありますし、必ずしも、買えるほど、共同利用できるような状況じゃないということも聞いていますので、ぜひ地元の意見をよく聞いていただいて、できる限り支障がないように対応していただければありがたいと思うんですが、その点をちょっと農林大臣にお答えいただきたいと思います。

鹿野国務大臣 お茶の被害につきまして、御要請、御要望というふうなものを私どももお聞きをいたしておりますが、その中で、今おっしゃられた、お茶の洗浄機が非常に高額だ、このようなことから、上限がある程度限定されておりますけれども、これはやはり今先生のおっしゃるとおりに、画一的な考え方でなしに、何とか緊急支援というような形で対応していくというふうなことも可能にしていかなきゃならないな、こんなようなことで、農家の人たちの考え方というものをできるだけ尊重しながら、地元の要望を聞き、弾力的に対応してまいりたい、このように考えております。

川村委員 ありがとうございます。

 積極的な御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。

 もうちょっと農林業関係の被害の関係で御質問したいと思います。

 林業も大変被害を受けておりまして、シイタケはもちろんなんですが、屋外でやっているものが多いものですから、ありますし、それから木材ですね、製材自体も、灰をかぶると製材でひくときにそれこそ火花が出て刃がこぼれてしまうということもある。それから、粗びきして野積みにして自然乾燥する、そういうところに灰が降りますと品質劣化が起こるということで、今すぐ被害が出ているというわけではないのですが、これはもう今後かなりの被害になりますし、風評でなかなかこの地域の木材を買ってもらえないということも起こり得ますので、そういった指導も含めて御留意をしていただいて、今後の対応をお願いしたいということが一点でございます。

 それからもう一つは、農地復旧の関係なんです。農地に灰が降っておりますが、これを処理しなければならない。田植えも近くなっております。しかも、先ほどもちょっと申し上げましたが、昨年のゲリラ豪雨で農地が被災をいたしまして、既に事業採択を受けたところも灰がさらにかなり降り積もって、これをあわせて整備しなければいけないということなので、これはもう一体のものとして、また、灰の事業は灰の事業、農地復旧は農地復旧ということでは現場としても大変時間もかかりますし、おかしなことになりますので、これはもう一連の被災として、例えば計画変更で対応できるように特段の配慮をしていただきたいと思うんですが、この点いかがでしょうか。

鹿野国務大臣 今回の降灰によりまして木材加工場におきましていろいろと影響が出ておる、こういうことで、生産性が低下しておるような状況もあるわけでありますけれども、とにかくこれから、今お話ありました、灰が付着した丸太を業者が敬遠しているという風評被害につきましては、私ども承知はしておりませんけれども、将来にわたってこのような風評被害が生じないように、宮崎県やあるいは木材関係団体等を通じて状況の把握にしっかりと努めながら、必要に応じて関係者の人たちに対して対応していきたい、こういうふうに思っております。

 それからもう一つは、今回の農地に対する被災ということでありますけれども、豪雨によって、そしてまた降灰によって堆積している農地、これを同時に一体的に実施できないか、こういうようなお話でございますけれども、平成二十二年度の梅雨前線豪雨によって被災し、流入した土砂が堆積した状況にありまして、今般、さらにそこに降灰が堆積してしまったという農地に関しましては、豪雨災害に対する災害復旧事業を降灰除去に対する災害復旧事業と一体として施行していくことは可能でございます。

 この場合には、堆積土砂の除去と降灰の除去とではそれぞれ処理方法が異なるところでございますけれども、その点を踏まえた災害復旧事業計画概要書を策定するということが必要になってくるわけでありますので、復旧工事は一体として実施可能にしていきたい、要望にこたえていきたい、こんなふうに考えておるところでございます。

 なお、次の作付に間に合わせるというようなことも非常に緊急を要することでございますので、災害査定を受ける前に復旧工事に着手することができる、いわゆる査定前着工の制度を活用することにより早期に実施していくというようなことについても検討してまいりたいと思っております。

 いずれにしても、各市町村、県なりと御相談をしながら対応してまいりたいと思っております。

川村委員 温かい配慮で、ありがとうございます。ぜひそのようにお願いをしたいと思います。

 あと、今回の噴火では風評被害等も大変出ておりまして、キャンセル等が相次いでいるという自治体もあります。宮崎では三千二百件以上のキャンセル。霧島の方、こちらの方は灰は降っていなくて、空振による被害しかなかったんですけれども、やはり霧島ということで二万人近くの予約キャンセルがあるとか、私の宮崎の日南市でも、この連休、八割方、入り込み者が減ったとか、観光業にも大変な被害を及ぼしております。

 この風評被害対策についてもお聞きをしたかったんですが、そういう実情にあるということで、ぜひ関係の大臣にもよろしくお願いをしたいと思います。

 それでは、次の問題で、鳥インフルエンザの問題をお聞きしたいと思います。

 ことしに入って鳥インフルエンザが続いておりまして、なかなか発生がとまらないという状況のようです。きのうも、愛知県の新城市でも発生されたということですね。これも概要をお聞きしたかったんですが、ちょっと時間の関係で、そういう事実があるということで、まだまだおさまっていないなということを踏まえた上で、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

 私の宮崎は特に突出しておりまして、十一例、合計で九十四万羽ということですね。これについても政府は大変迅速な対応をしていただきました。特に松木農林水産政務官、発生翌日の二十二日にはもう早速現地に入っていただいて、そしてまた連続発生したものですから、現地に滞在をしていただいて陣頭指揮をとっていただいたということがございました。本当にありがとうございます。

 そしてまた、口蹄疫の経験を生かして迅速な処理ができております。基本的には二十四時間以内に処理を終えている、殺処分を終えているということですね。これには県を初め地元市長、それから警察、消防、JAなどの努力、そして何よりも自衛隊の皆さんの機動的な協力、そしてまた、埋設等におきましては地元の建設業者の方々の協力があったということで、改めてこういう方々への感謝を申し上げたいと思います。

 ただ、本当に皆さんに聞かれるのは、宮崎だけが何でこんなに突出して発生するのかと。感染ルートがはっきりしないと、本当に安心できないといいますか、有効な防除対策がとれないということを必ず皆さん口をそろえておっしゃいます。

 先般も衆議院の農林水産委員会の現地視察が行われましたけれども、その際も、皆さんそういうことをまずイの一番におっしゃるわけでございまして、疫学調査チームも現場に入ったと思うんですが、ここまでにわかった状況、ぜひこれを大臣にお答えいただきたいと思います。

鹿野国務大臣 今回の一連の鳥インフルエンザ発生に際しまして、直ちに疫学調査チームを現地に派遣いたしまして、発生農場等の立入調査を実施していただきました。

 その結果、発生農場には、それぞれ、防鳥ネットにすき間がある、穴がある、ネズミ等の野生生物が鶏舎内に侵入している、あるいは、農場内外で靴を履きかえていない、消毒をしていない、未消毒の地表水を飲用水として使用しているといったような、そういう飼養の衛生管理上の問題が指摘されているところでございます。

 そして、二月十日に開催いたしました家きん疾病小委員会の疫学調査チーム合同会合におきましては、こうした衛生管理上の問題のほか、宮崎県におきましては養鶏場が密集していることが本病の多発の要因にかかわっているのではないか、このような指摘もされているところでございます。

川村委員 現地の生産者は本当に必死の消毒をしておりまして、本当に何で起こるのだろうかと。二例目なんかは、つい昨年でき上がったばかりの最新式の鶏舎なわけですね。そういうところでも発生してしまったということで、本当に生産者は途方に暮れているという状況がございますので、今後も、よりその原因を突きとめるような努力を引き続きやっていただきたいというふうに思います。

 それから、余り時間がなくなりましたので、今回の鳥インフルエンザ、それからまた口蹄疫でも問題になったことで、ぜひお考えをお聞きしたいと思うんです。

 鳥インフルエンザの問題につきましては非常に重要だということで、岡田幹事長を本部長とします民主党の高病原性鳥インフルエンザ対策本部が置かれておりまして、その対策本部の提言でも盛り込まれておる事項でございますが、現在の家畜伝染予防法では殺処分の手当金は五分の四となっているわけですね。口蹄疫のときの経験からも私感じるんですけれども、速やかな初動を行って感染拡大を防ぐためにも、やはり手当金は五分の五とすべきじゃないかということを強く感じております。

 手当金をもらって、それを一部の原資にして再建をするわけなんですが、手当金以上に非常に費用がかかるわけです。ただ鳥だけをもう一回買えばいいじゃないかということではなくて、施設もやはり再整備をしなければなりません。殺処分の過程で、これはもうやむを得ないことですけれども、鶏舎を、壁を壊して出口を確保するとか、あるいはケージも壊れてしまうとか、そういうこともありますし、何よりも収入が上げられるまでの空白期間というものもあるわけですね。例えば採卵の場合でも、もちろん牛とか豚はもっと長いんですが、まともにやれば一年かかる。だから、もうほぼ卵を産むような鳥を持ってきてやってもやはり長期間かかる、本格的な収入を。

 そういう実態にありますので、そういうことを考えますと、農家としてはやはりそういう大規模な処分をちゅうちょするというのは非常に当然なことでありますし、報告がおくれたりということにもつながりかねないと思いますので、この点、五分の五にすべきだというふうに思うんですが、まず農林水産大臣に、この点、お考えをお伺いしたいと思います。

鹿野国務大臣 現行の家畜伝染病予防法では、口蹄疫なり高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の発生農場に対しては、お話しのとおりに、殺処分された疑似患畜については評価額の五分の四を手当金として交付しているところでございますけれども、昨年の口蹄疫対策検証委員会の報告書では、早期の発見あるいは通報の徹底に資するために、通報がおくれた農家にはペナルティーを科す一方で、ルールに従って通報した畜産農家には十分な財政支援を行うようにすべきだ、このようにされているところでございます。そしてまた、与党の方々あるいは野党の方々、関係の議員の方々からも、とにかく今回のこのことにつきましては、手当金の家畜の評価額というものを全額とするよう、このような御意見もいただいておるところでございます。

 いずれにいたしましても、このような考え方につきましては、早期の通報や早期の初動対応をいかにして円滑に行うことができるか、そしてまた家畜伝染病の蔓延を防止する、このようなことから考えますと大変重要なことでございまして、結果的にトータルの財政負担を小さくするということにもつながる、このような観点から提言されているのではないかということも承知をさせていただいております。

 このようなことを踏まえて、今後、家畜伝染病予防法の改正に関連して、発生農場に対する財政支援のあり方というふうなものにつきまして、これからも検討しながら対処してまいりたいと考えております。

川村委員 ただいま農林水産大臣からお答えがございました。やはり口蹄疫のときもそうですけれども、早期発見、早期処理、これが原則だと思います。ペナルティーを科すというのも確かに大事だと思います。まさにあめとむちでやらなくちゃいけないということがあると思います。

 今のことをお聞きになりまして、ぜひ野田財務大臣にもお答えをいただきたいと思います。早期に処理することで蔓延を防止することで、結果として国の支出も小さくなるということもあり得るかと思いますので、ぜひその点よろしくお願いを申し上げます。

野田国務大臣 新燃岳の噴火、そして鳥インフルエンザ、口蹄疫、こうしたことによって不安な生活を余儀なくされている宮崎県民の皆様にまず心からお見舞い申し上げたいと思いますし、地元のために御奮闘されている川村委員に心から敬意を表したいと思います。

 その上で、患畜処理手当金について、評価額の全額を支払うべきではないかという趣旨の御質問でございますが、現行法では国は、患畜について評価額の三分の一、疑似患畜については評価額の五分の四を負担することとしているというふうに承知をしています。

 評価額のあり方については、現行の家畜伝染病予防法では、手当金は早期届け出の奨励措置であり損失補てんとは位置づけられていないということ、そして、国と地方の負担の割合をどうするかということ、それから、先ほどちょっと議論になっていましたけれども、激甚災害の災害復旧費用も、最大で補助率が九割ということもあって、全額国庫負担ではございません。

 そういうことなども参考にしながら、今後慎重に検討させていただきたいというふうに思います。

川村委員 現時点ではなかなかお答えも難しいんだと思いますが、本当に現場の空気としては、数羽出た、数匹出た、そういう段階でも農場全体を処分しなければならない。

 今回の鳥インフルの二例目の事例は、共同農場八戸の生産者がやっている農場でございまして、四十万羽もいたということで、ごく片隅がやられても、疫学上はリスク回避ということでやらざるを得ないと思いますが、やはり生産者の気持ちとしては、健全な鳥をなぜ殺さなくちゃいけないかといったような感情もありました。

 そういうことも踏まえると、まさに予防殺的な側面もあるわけでございます。これまでの誠意が、今大臣がおっしゃったように、補てん的な意味合いがないというようなこともあったかもしれませんが、やはり非常に畜産をめぐる状況も変わってきております。大規模化が進んでおりますし、それから、一たん出ると被害が非常に甚大になってしまうということもありますし、ぜひそういう点も踏まえて、今後引き続き、我々もそういうことで主張してまいりたいと思いますし、家畜伝染予防法の改正に際しましてもぜひそういうことで対応していきたいというふうに思っておりますので、引き続きの検討をよろしくお願いいたします。

 まだお聞きしたいことは多々あったわけでございますが、時間が参りましたので、終わります。どうもありがとうございました。

中井委員長 これにて川村君の質疑は終了いたしました。

 次に、加藤勝信君。

加藤(勝)委員 自由民主党の加藤勝信でございます。

 先週に引き続きまして、また質問の機会をいただきましてありがとうございます。

 まず、子ども手当の議論に入る前に、二点ほど、きのう、きょうの新聞関係でかなり取りざたされている問題を御質問させていただきたいと思います。

 まず一つは、当委員会と関係いたします予算関連法案の修正の議論でございます。

 きのう、与野党国対委員長会談が開かれて、その場で安住国対委員長から、予算関連法案に関しては、野党の賛成が得られる法案を先行したい旨の考えが表明され、その上で、今週中にも政府・与党としての考え方をまとめたい、こういうお話があったというふうに聞いておりますけれども、これは政府としても同じ認識でございますか、官房長官。

枝野国務大臣 国会の方の御議論として、国会対策委員長の方でそういうことをおっしゃったということは承知をいたしておりますが、これから党の方と内閣の方で御相談をさせていただくという手はずになっております。

加藤(勝)委員 ということは、これからというのは、政府・与党として考え方をまとめたいということについては合意がされている、こういうふうに考えていいんですか。

枝野国務大臣 当然、国会の中で与党として野党の皆さんと御協議をされて、それが一定の方向に収れんするに当たっては、内閣の方と御相談をさせていただきませんと、そこでそごが出てはいけないと思っております。

 ただ、具体的にはこれから、与野党でお話をされたことを含めて党の方からお話があるんだろうというふうに思っておりますので、そのお話を承った上で、時期等についても、そこで党の方からきちっとお話があるんだろうというふうに思います。

加藤(勝)委員 ということは、今のお話を聞くと、まとめたいということが与党側の意向であって、政府はそこまで議論は、これからいろいろな話を聞いてからということですから、そこまで行っていない、こういう認識でいいですか。

枝野国務大臣 国会の方で与党として野党の皆さんにお話をしていることについては、当然、与党の責任として、内閣の方としっかりと一致をした形でまとめていくということを責任を持って提起していただいていますが、詳細、細かいところの御相談はこれからさせていただくということでございますが、与党の皆さんが野党の皆さんに御提示した線を踏まえて内閣としても対応してまいりたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 何か、一般論と本件に関する話とがちょっと一緒になっているように私には聞こえたんですが、例えば、安住国対委員長はNHKの「日曜討論」で、国税、地方税でも国民生活に関係するものは百項目ぐらいあり、賛否をきちっとあらかじめ教えていただいた上で、法案からそれをうまく抜いて通していくという、かなり具体的な話に入っております。

 実は、きょうは本会議でまさにその法案を含めて審議が始まろうとするときに、そこだけ抜いて通す、もう法案の形が違ってしまうと思うんですけれども、そこは政府としてどう認識されているんですか。

枝野国務大臣 これから御審議をいただく法案でございます。これから審議の始まる法案でございます。内閣としては、ぜひ原案のまま全会一致で御賛同いただけることを期待いたしております。

加藤(勝)委員 だから、その前に、さっきお聞きしたように、今週中にも政府・与党としての考え方をまとめたい、こうおっしゃっている。それであれば、我々からすれば、まずその考え方をおまとめいただいて、このままでいいのか、あるいは違う形がいいのか、それをはっきりしてからやらせていただかなければ、こういう議論には乗れない、こう思いますけれども、いかがですか。

枝野国務大臣 党の方で、国会の方で、どういう与野党間で御議論になっているのか、詳細を含めてきちっと御報告をいただいて、それを踏まえて内閣としても対応してまいりたいというふうに思っておりますが、現時点では、私どもは、国会に御審議をお願いしている法案そして予算案、でき得るならば、すべての皆さんに御賛同いただいて、全会一致で可決をしていただきたいということで御審議をお願いしている状況でございまして、今後、党の方から御相談等があるんだろうというふうに思います。

加藤(勝)委員 ということであれば、政府と与党とまず御相談してください。それで、どうするか決めてください。そうでなければ、この予算の審議だって、予算関連法案と密接不可分ですから、できないじゃないですか。まずそれをされるのが政府、国対委員長がこうおっしゃったわけですから、一般論じゃないんですよ。しかも、予算関連法案については今週中にもまとめたいとおっしゃったんですから、それについて、今の枝野官房長官は、そうかどうかまだわかりません、こういう答弁ですから、そこははっきり、今週中にまとめるなら、まとめたいという方向は少なくとも確認されている、政府としても同じ意見だ、そこまでは言っていただかないと、我々としてはどこにのっとって議論していいかわからないと思います。

 もう一回確認いたします。

枝野国務大臣 党の方で野党の皆さんときちっと、与党の責任でこうしますということでお約束等をされたことについては、当然、内閣としても、それを踏まえて対応させていただかなければいけないというふうには思っております。

 ただ、国対委員長なり党の役員の皆さんがそれとは別の次元でいろいろなアイデアとか考え方とかをお示しになっているということについては、これは承知をいたしておりますが、とにかく、野党の皆さんにお約束をして、それに基づいて内閣と相談することについては、当然、それを踏まえた対応をさせていただくということでございます。

加藤(勝)委員 ということは、要するに、政府・与党の間でこれからその議論をしていただく、そして、それにのっとってこれから対応も変わっていく、こういうことですよね。

 同じことを二回も三回も言ってもしようがないんですが、要するに、まだ方向がわからない、基本方針がはっきりしていない、そういう法案を我々に、あるいは国会で審議してほしい、これが政府の意向ですか。

枝野国務大臣 内閣の方針は、予算も予算関連法案も、原案どおりすべての皆さんに御賛同いただいて可決をしていただきたいというのが基本方針でございます。

加藤(勝)委員 いや、だから、与党がおまとめになる話を私は政府に聞いているんじゃないんですよ。政府と与党でまとめると言っているじゃないですか、与党の幹部の方が。だから言っているんですよ。与党だけの話だったらおっしゃるとおりでいいですよ。でも、政府もと入っている。そして、その政府が今ある法案を出されるわけでしょう。あるいは出しているわけでしょう。一貫性がないじゃないですか。

 もう一回確認します。

枝野国務大臣 内閣としては、原案どおりおまとめをいただきたい、御賛同いただきたいということで御審議をお願いしているということを繰り返し申し上げているとおりでございます。

 今後、与党から御相談があるんだろうというふうに思いますけれども、その場合には、当然、与党の皆さんが野党の皆さんにお約束をしたことについては重く受けとめながらやっていきますが、現時点では、そういう段階になって御報告いただいておりませんので、私どもとしては、ぜひ原案どおり皆さんに御賛同いただきたいということが内閣としての明確な基本的立場でございます。

加藤(勝)委員 ということは、要するに、国対委員長会談で与党の国対委員長がおっしゃったことをまだ聞いていない、こういうことですね。

枝野国務大臣 詳細について、具体的なお話し合いの経緯その他含めて、そういうところについては今後御相談させていただくことになるんだろうと思っております。

加藤(勝)委員 だから、だろうと思いますと。聞いているのか聞いていないのか明言をいただいておりませんけれども、その程度の話が要するに野党に対して国対委員長から出されてきている、そういうふうに我々はとらざるを得ない。非常に無責任な話だ、こういうふうに思いますけれども。また、この話は、予算関連法案というのは、最初に申し上げましたけれども、予算にもかなり強く影響してくる場合がございますので、そこのところを含めて、これからのここの審議にも大きくかかわってくる、そのことを強く指摘させていただきたいと思います。

 それからもう一点、鳩山発言について取り上げさせていただきたいと思います。

 きょうの、これは新聞社に対する、インタビューに答えての記事だということで、新聞に出ている中身でありますけれども、ある新聞によると、「鳩山氏は「辺野古に戻らざるを得ない苦しい中で理屈付けしなければならず、考えあぐねて「抑止力」という言葉を使った。方便と言われれば方便だった」などと発言している。」あるいは、別の一問一答の中では、「徳之島もだめで辺野古となった時、理屈付けをしなければならなかった。海兵隊自身が(沖縄に)存在することが戦争の抑止になると、直接そういうわけではないと思う。」こういうことを言っておられるんですが、これは、今の政府の方針も、認識もこういうことなんですか。

枝野国務大臣 菅内閣としては、日米合意を踏まえて、この基地の問題について、沖縄の皆さんの御理解を得るべく努力をしているところでございます。これが菅内閣としての方針でございます。

 また、その前提となっておりますのは、海兵隊を含めた在日米軍の存在が、全体として日本の平和と、そして東アジア地域の平和と安定に大きく寄与している、こういう認識で一致をいたしているところでございます。

加藤(勝)委員 ということは、鳩山政権と菅政権では見解が変わった、こういうことになるんですか。

枝野国務大臣 少なくとも、菅内閣が発足をしたときに、鳩山内閣からの方針としてそういった方針が一貫してされているというふうに私は承知をいたしております。

加藤(勝)委員 いかにそうおっしゃっても、総理であった方がこういうふうにおっしゃっているとすれば、もうこれがそのとおりとしか私は考えざるを得ない。いかに官房長官が弁護人としての能力が高くても、本人がこうおっしゃっている以上、これはどうしようもない事実だと思います。これはこれ以上官房長官に聞いても無駄だと私は思うんです。

 委員長、外交、安全保障について集中的な議論もされるということでありますから、鳩山元総理を、ぜひこの場に来ていただいて、当時の話をしっかり聞かせていただく。そうでなければ、前政権、今政権、流れがむちゃくちゃになるというわけであります。その辺をしっかり議論する参考人招致をぜひお願いしたいと思います。

中井委員長 明日、集中審議が行われる予定になっておりますが、午後からの理事会で協議いたします。

加藤(勝)委員 ぜひおいでいただいて、深い議論が、まさに熟議がこの委員会で行えることを期待しております。委員長、よろしくお願いいたします。

 それでは、子ども手当に関して少し御議論をさせていただきたいと思います。

 先週の私の質問の中で、委員長の御差配で、政府というか、厚生労働省から出ていますから、これが政府なのかどうかわかりませんが、一応紙が出てきたところでございまして、きょう、資料の一ということでつけさせていただいておりますけれども、これをもとに議論を深めさせていただきたいというふうに思います。

 まず、この議論をしたときに、今回はつけさせていただいておりませんけれども、前回配らせた資料の中で、この子ども手当の目的ということで、菅総理が、子ども手当というものの第一義的な目的は特に少子化に対する対応が大きい、こことの関連で、このペーパーが出てきた一つにありますけれども、菅総理の認識とこのペーパー一でおっしゃっている問題とは合致している、あるいはたがえている、どちらなんでしょうか。

枝野国務大臣 過日も御答弁申し上げたかと思いますが、二月一日の予算委員会における総理の答弁は、子ども手当はデフレ対策ではないかという御指摘に対して、デフレ対策ではなくて、少子化という状況に対してしっかりと対応していく施策であると申し上げたものでございます。

 政府見解でお示ししましたとおり、子ども手当は、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援することが目的であり、その結果として、少子化の流れを変えていくことにつながっていくものというのがこの目的でございます。

 そのことを大きくとらえて、少子化という状況に対してしっかりと対応していく施策であると総理は申し上げたものと承知をいたしておりまして、食い違うものではないというふうに思っております。

加藤(勝)委員 ここの議論をなぜしているかというと、二兆七千億、あるいは来年度予算でいえば三兆円という、これだけの規模のものを使う政策ですから、やはり、この政策がしっかり効果があらわれているかどうか、これを我々は検証していかなきゃいけない、こういう義務があると思うんですが、では、その検証をするためには、目的が明確でなければこれは検証できないですよね。

 だからこそ、私はこの問題をずっと議論させていただいているんですが、今のように非常に幅広くとってしまえば、それは何でもかんでもそうだと言えばそういうことになってしまうので、もう一回確認しますが、政策目的を評価する、検証するというときに、この子ども手当の目的は何なんですか。

枝野国務大臣 ペーパーでもお示ししましたとおり、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援することが目的であり、その結果として、少子化の流れを変えていくことにつながっていくものというふうに内閣として統一して認識をしております。

加藤(勝)委員 いや、だから、どこを評価するんですか。要するに、すべての人にお金が行き渡る、これで一応目的は達成されているというふうに考えるのか、その結果として、例えば合計特殊出生率が上を向いていくとか、例えばそういう形で、それは少子化対策というのはそういうことですよね、そういうところまで含んでいるのか、それはどちらですか。

枝野国務大臣 直接の目的は、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援すること、これが直接の目的でございます。

加藤(勝)委員 いや、だから言っているんですよ。だから、少子化対策、狭い意味か広い意味か、この間広い意味とおっしゃいましたから、定義はいろいろあるのかもしれませんが、少なくとも狭い意味での少子化対策、あるいは、少子化社会対策基本法という法律がございますけれども、ここでの問題意識、これに沿うものではない、それはお認めいただけますよね。

枝野国務大臣 例えば、直接的に、この政策をもって出生率を高めるとか出生率の低下にブレーキをかけるとかということを直接の目的としているものではございません。

加藤(勝)委員 ということですから、これは言葉の折々、さっき言った、デフレ対策と言われたからこう言うのだというのかもしれませんが、そこはきちんと総理も御認識されているのかされていないのかわかりませんが、しっかりそこは言葉を使っていただきたい、このことをお願いしたいと思います。

 そういう意味で、与謝野大臣にお伺いしたいんですが、まさに、子供の育ちを社会全体で応援するために子ども手当を配る、これが目的である。これは、与謝野大臣の本の中に、子ども手当のばらまきもそうだとか、あるいは別途の議論で、ばらまきと点まきというお話をこの本の中でされておられますが、そういう御観点から見て、私はこれはばらまきじゃないかと思うんですが、大臣の御認識を教えていただきたいと思います。

与謝野国務大臣 過去、いろいろ行った政策で、ばらまきと批判されたものが幾つかございます。一つは地域振興券、これは、どのぐらいの経済効果があったのかと。それから、一昨年の定額給付金、こういうものも、効果がよくわからない、所得制限もついていない。これは大いに批判があったところでございますが、子ども手当については、私は、先生がお配りした資料の中からもわかるように、児童手当の拡充であるというふうにも考えられると思っております。ただし、これは単年度の政策でございますから、そういう意味では、児童手当とは違うんだろうと思っております。

 問題は、現金給付がいいのか、現物給付がいいのか。この問題はやはり政治が相当考えなきゃいけないところでございまして、私は、どちらかといえば、保育所等の待機児童等の問題を解消する現物給付の方に重点を置きたいというのは、昔から自分の考え方でございます。

 子ども手当もそれなりの効果はあると思っております。

加藤(勝)委員 今の大臣のお話の中で、子ども手当に効果がある、そこは、要するに、私が聞きたかったのは、簡単に言えば、配るということが目的化している、応援するということはお金を支給する、それはばらまきになるのではないんですかと。しかも、おっしゃったように、単年度限りである。効果をどこで判定していいかよくわからない。まさに、これぞばらまきだというふうに思いますし、効果があるとおっしゃるけれども、ではその効果とは何なのかと。さっき議論させていただきましたけれども、はかりようがないんですね。要するに、配ったということだけが指標だということであれば、これは政策効果とは言えない、私はそのことを御指摘させていただきたいと思います。

 その上で、今お話がありました、子ども手当は児童手当の拡充だというお話がありました。これでいただいた二に関する話になるわけでありますけれども、この二の話は、このときも議論させていただきましたけれども、またきょうも資料二でつけさせていただいておりますけれども、いわゆる鳩山前総理の御認識、これとここでお書きになっている話は、これは合致している、のっとった話だ、それはそういう理解でよろしいですか。

枝野国務大臣 子ども手当と児童手当については、子供の育ちを支援するという意味で共通する面がある一方で、もちろん、違う制度でございますから、違いもございます。鳩山前総理の御指摘をされた御答弁は、児童手当と子ども手当との違い、制度の異なる面を説明したものでございます。

 一方で、統一見解でもお示しをさせていただいている、あるいは菅総理などが御説明をしてきておりますのは、子ども手当が子供の育ちを支援するという面では児童手当と共通する面があって、いずれも主に家庭に対する現金給付施策であるということから、児童手当のこれまでの蓄積を基礎としながら構築してきたという意味での共通点といいますか、類似点について御答弁をしたというものでございまして、それぞれ一つの制度を違った側面から御説明したものでございまして、矛盾をするものではないというふうに考えております。

加藤(勝)委員 矛盾をするかどうかはこれから議論したいんですが、少なくとも、鳩山前総理のこの見方、見解というのは肯定をしている、それにのっとったペーパーだ、こういうことで先に進めたいと思います。

 私が一番ひっかかるのは、今おっしゃったけれども、子ども手当と児童手当は子供の育ちを支援する点では共通する面があるという、ここなんですよね。確かに、社会を豊かにするとか、いわゆる高次元の目標を挙げれば挙げるほど、すべての政策というのは共通していく、私はそういうふうに思うんですが、一番ここでやはり議論になったのは、それをどういう形でしていくのかというところに、どうも私は、児童手当と子ども手当の理念に根本的な違いがある、こう思うんです。

 そこで、まずお伺いしたいのは、資料の三の方に用意させていただいたんですけれども、これは、児童手当法と子ども手当法のそれぞれ目的と趣旨に関する部分でありますけれども、児童手当法は、幾つかありますけれども、今の育ちという点でいうと、「次代の社会をになう児童の健全な育成」、こう書いてあるんですね。それから、子ども手当法は、「子どもの健やかな育ち」と書いてあるんですね。私もいろいろ調べたんですが、育ちという言葉は、他の法令で使ったことがないんですね、私が調べた限り。なぜ、あえて育成とはせずに、育ちというこれまで余り使われない言葉を使われたのか、そこを教えていただきたいと思います。

細川国務大臣 子ども手当につきまして、この制度でも親が子供の扶養義務を負っているということは当然前提としておりまして、その上で、児童手当のように、児童手当の場合は、子供を大人の視点から育成する、こういうふうになっていると思うんですが、子ども手当の方は、子供自身の育ち、これに視点を置いた制度だ、そういう趣旨で考えたものだというふうに思います。

 御指摘のように、両者は、目的に向けての視点の異なる面、これは十分あるというふうに私も考えますが、いずれも、子供の健やかな育ちということを目的としている部分では、当然、私は、共通の面があるということで、そのための手段としては現金給付を行うという点でも共通をしているところでございます。

加藤(勝)委員 委員長も首をかしげていたように思いますが、正直言って、よく私はわからないんですよ。

 一番気になるのは、皆さんの言葉の育ちというものに私どもがやってきた児童手当の理念を引きつけて、一緒だとおっしゃっているところなんですよ。そうではなくて、この育ちという意味は、児童手当にあった育成とほぼ同義語ですよ、同じことなんですよ、だから一緒だと言われるなら、そうかなと私は思いますが、何で、皆さんが新しくつくり上げた育ちという概念に、我々が違う形で健全育成とやってきたその視点を一緒だと言わなきゃいけないんですか。それなら、育成と同じだと言ってください。

細川国務大臣 だから、先ほども申し上げましたように、委員がおっしゃるような育ちというのが、今までのそういう法律のところに規定がなかったというようなことがあるかと思いますけれども、そういう意味では、子ども手当の理念というものが、一人一人の子供が育っていく、どういう環境におろうと社会が子供を応援していく、その育ちを応援していく、こういう視点で子ども手当の目的といいますか、趣旨でつくられた。

 だから、今までの児童手当は、育成というのは、やはり親の面から見た、そういう言葉でもあるわけですね。そういうとらえ方というか、視点が違うということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。

加藤(勝)委員 だから、違うんですよ。だから、違うものを一緒にするというところにそもそも無理がある。だから、違うということを認めるべきじゃないですか。そうしたら、もっと論理が、あるいは議論がはっきりしていく。

 子供を育てることを支援するという話と、子供がいわば育つことを支援する、そういうことになると思いますね。その間で、やはり親というものの存在が全然違う。皆さんの立場に立つと、そこが非常に希薄化したように少なくとも聞こえるんですよね。そこに大きな違いがあるんですよ。だから、ずっとここに違いがあると私どもは言ってきた。それを一緒くたに、共通すると。これは撤回していただけませんか。少なくとも、我々から見ればこれは納得できない。

細川国務大臣 私どもも、子供を親が健やかに育てる、これは法律でも、民法でも子供に対しての監護養育権もありますし、義務もあるわけなんですね、親には。だから、親が子供を健やかに育てなきゃいかぬということは、これはもう当然の前提としているわけです。それは前提として、しかし、子供の育ちに視点を置いて、それで社会全体が子供の育ちを応援するんだ、こういうことであります。

 子ども手当もそれから児童手当も、正直、子供の健やかな育ちそのものを応援するのは、これは視点が違ったとしても、それは共通で同じだということで、私どもは、共通の面もある、こういうことを申し上げているところでございます。

加藤(勝)委員 先ほど申し上げた、高次の話を言えば、それはすべて一緒になってしまうんですけれども、議論しているのは、まさに、おっしゃるところの経済的な負担という面において家族の役割あるいは親の役割、それをどう位置づけているか、そこが違う。それが後ほど二万円の議論につながっていくから、ここを議論しているんですよ。そこを今のように言ってしまったら、一緒くたになっちゃって、結果的に、では、所得制限の話も後でしますけれども、それもオーケーだ、こういうことになるんじゃないんですか。だから、私はそこが違うんじゃないんですかと。何でそれをあえて一緒だと皆さん方が強弁するのか。

 しかも、おっしゃるように、さっき、しかしという言葉を間に置いておられるように、違うんですよ、これは。理念が違うんですよ、基本的に。皆さん、その理念の違いをやはり明確に立てて議論すればいいと私は思いますよ。どっちがいいか悪いかというのは、それは価値観によるわけですから。ただ、違うものを一緒だと言ったら、私は、議論は深まらない、そこのところを指摘させていただきますけれども、いかがですか。

細川国務大臣 何遍も同じような答弁になって申しわけないんですけれども、私どもは、子供一人一人の育ちというものを社会全体で応援しよう、こういうことなんです。だから、家庭の経済的な、そういうところの家庭の生活の安定というのを応援する、それを目的とするというところでは、これは直接的な目的が違うわけですから、そこは理念の違いがあるということはおわかりをいただきたいというふうに思います。

 しかし、子ども手当もそれから児童手当も、健やかな子供の育ちを目的とするという、そういう共通の面もそれはもちろんあるということで、そこは、共通するところと理念の違いということは認めていただきたいというふうに思います。

加藤(勝)委員 育ち、育ち、育ちということでありますけれども。

 先ほどから申し上げているように、先ほど、ある意味では大臣もお認めになられていますよね。家計の部分、家庭という部分を、児童手当は、どちらかといえば、家庭を支援し、そしてその結果として子供の発達につながっていく、成長につながっていく。子ども手当は、そこを飛ばして、この経済的負担に関して言えば、直接子供に行く、そこはそういう考え方だということですよね。それはそれでよろしいですか。大臣、うなずいていただいたから、そういうことでいかせていただきます。

 そうすると、あと、別途、所得制限の議論というのがありますよね。これが私もなかなか、何でつけられないのか、いろいろ議論をしてきているわけであります。ここにも書かれておりますけれども、子供が置かれている状況を勘案して支援を行う、こう書いてありますね。そういうことであれば、子ども手当の支給に所得制限をつけても、つけることに何ら抵抗感はないのではないかというふうに思います。

 それから、資料の一番最後になって恐縮ですが、九に、菅総理大臣の先日の泉委員に対する、あるいは私どもの小泉委員に対する質疑応答の中で、所得制限があるのと同じ効果があるからいいじゃないですか、こういうお話をされているんですけれども、ということは、民主党は所得制限を認めている。だって、効果があるからいいじゃないですかということは、そういうことでもいいよ、こうおっしゃっていると思いますけれども、違いますか。

枝野国務大臣 先ほど来の細川厚生労働大臣のお答えでも何度も申し上げておりますとおり、この子ども手当は、児童手当とある側面を見れば共通しているところもある一方で、まさに一人一人のお子さんを社会全体で支えていく、そのことによってその育ちを支えていくという考え方でございまして、個々のお子さんの具体的に置かれている状況がどうであっても、そのお子さんの育ちに関する最低限のあるベースのところは社会全体で支えていきましょうという考え方に立っているということでございます。

 したがって、親御さんのたまたまその年度の所得が多い少ないということでその支給自体に違いがあるというのは、その理念のところから外れてしまうのではないかと私ども思っております。

 ただ一方で、国民の皆さんの税金を使わせていただく施策でございますので、この制度の導入によって、では、実際に結果として、所得の高い方あるいは所得の低い方、どういう状況になるのかというその効果面を考えたときに、所得の高い皆さんにとっては税の方のところの負担がふえることで実質的な負担軽減ということにはならないという効果が生じてまいりますが、しかし、それでも、そこには、このお金は子供を社会全体で育てるために受け取っている給付なんだなというようなことを明確に意識をしていただくということは、この政策の目的から見て、私はよりよいことだというふうに思っております。

加藤(勝)委員 確認したかったのは、一つは、菅総理の答弁、菅総理の御認識はそういうことなんじゃないですか、本当は所得制限をつけてもいいんだろう、そう思っているけれども、なかなかいろいろな事情でつけることができなかった、けれども、実際は効果があると言っておられる。まさに、この発言から見ると、総理そのものはそういうふうにお考えになっているのではないかと私は受けとめているんですが、どうですかというのが質問でありました。

 それから、今の御指摘の話は、確かに、今の所得控除から、この移行時期についてはそうかもしれません。しかし、これがずっと恒常化してくれば、あるのは一般的な税の負担とこの子ども手当だけになるわけですから、それはまた様子が変わってくるんじゃないか。だから、そういう意味で、その状況ではもはや所得制限というのは全くフラットになってしまう。わかりますか。ということでありますから、では、もう一回確認しますが、最初の菅答弁、菅総理の発言に対してどう認識されているのか、まず御指摘ください。

枝野国務大臣 総理は、私が先ほど答弁をしたような認識をされているものと私は認識しております。

加藤(勝)委員 これ以上やっても同じ答弁になるので、次の、三歳未満について二万円に引き上げる理由のところでお伺いしたいんですが、細川大臣、この逆転現象というのはどういうのを指しておられるんですか。

細川国務大臣 逆転現象というのは、子ども手当の実施と年少扶養控除の廃止によりまして、児童手当のときより実質手取りが減ってしまうというのを逆転現象と呼んでおります。

加藤(勝)委員 それは、子供さん一人一人の単位で見るのか世帯単位で見るのか。例えば、子供さんが一人しかいらっしゃらなかったら一緒でしょうけれども、二人、三人おられれば、例えば三歳未満の子供さんと中学生の子供さんがいれば違ってくるわけですね。そこは大臣、世帯で見ていかれるわけですね。

細川国務大臣 その場合は一応、世帯で見るということでございます。

加藤(勝)委員 その世帯で見たときに、逆転現象が生じるのは年収どのくらいの幅ですか。あるいは、そういう世帯が全世帯に対する、全世帯というのは子ども手当を支給される世帯、あるいは子ども手当を支給される子供さんとの関係で見るとどのくらいなんですか。

細川国務大臣 平成二十三年度では、妻が専業主婦の場合である夫婦子供一人の被用者世帯で、年収五百十三万から八百十七万までのゼロ歳から三歳未満の子供を抱える世帯において逆転現象が生じるということになっております。

加藤(勝)委員 私どもの地元でいうと、年収五百万、正直言ってかなり高い水準になります。東京だったらそうではないのかもしれませんが、どのくらいの割合でいるんですか。

 要するに、ここが、皆さん逆転があるから直すと言っているんですが、どのぐらいの世帯数あるいは子供数、何でもいいですが、どのぐらいのものがあるからそこはどうにかしなきゃいけない、こうおっしゃっているんですか。出してください。

細川国務大臣 具体的な、正確な数字というのはちょっとないんですけれども、大体、ゼロ歳から三歳未満の子供の数が約三百万人というふうに考えられること、それから年収五百万から八百万までの被用者の割合が大体四割程度であるというようなことを考慮いたしますと、大体数十万から百万規模の子供が対象になるのではないかというふうに考えております。

加藤(勝)委員 ただ、その中には、さっき申し上げた、子供一人ならそうですけれども、お兄ちゃんが中学生だということだったらば、その世帯はプラスになりますよね。だから、それは相当、もっと数が少なくなっていく。

 それで、数十万というのは、どのぐらいの数十万でおっしゃっておられたんですか。

細川国務大臣 ちょっと申しわけないんですけれども、そこまで具体的な数はわからないところでございます。

加藤(勝)委員 具体的なといってもなかなか難しいかもしれませんが、ただ、皆さんの根拠が、この逆転現象だということをおっしゃっておられるわけですから、そこのところをはっきりとお示しいただくのは政府の役割だというふうに思いますけれども、これをお示しいただけますか。

 というのは、先日も公明党の富田委員からの御質問がありまして、これは子ども手当ではありませんけれども、高等学校の無償化、そして特定扶養控除の廃止、確かに、一万円の学費がそれによって賄われる世帯はともかくとして、特別支援学校に行っている方というのは、今ほとんど学費がかかっていないわけです。その方々はみんな、この特定扶養控除があれば増税になるんですよ。実質負担増になるんですよ。

 特別支援学校の高等部に行かれている方、何人いるかわかりますか。五万五千人おられるんですよ。それだけのことに対して何ら手当てをせずにして、これだけやるとはどういうことなのか。それを議論するためにも数字を出していただきたいと思いますけれども、委員長、いかがでしょうか。

中井委員長 具体的に何と何の数字を出すかというのを御党の理事を通じて提出していただくことを、委員長としてはお願いいたします。

 なお、この間、泉さんが引用されました数字も少し誤りがあったりもしますから、ここのところのデータ、あれはデータが違ってたんじゃないの。違っているんだろう。だから、そういうことも含めて少し整理を理事会でさせていただきます。

 それから、同時に、厚労省も、できる限り具体的な数値をお出しいただく、このことをお約束いただきたいと思います。

細川国務大臣 加藤委員の要求に対しましては、精いっぱい調べさせていただきたいと思いますが、ちょっと数字の関係で時間も多少かかるかもわかりませんが、できるだけ、しっかり調べさせて報告をいたしたいと思います。

加藤(勝)委員 どのぐらいの時間の幅をおっしゃっているかわかりませんけれども、ここで予算の審議をしているわけでありますから、それを念頭に提出いただけるものというふうに思います。

 当然、その中では、二十三年度だけ見れば、今のお一人の逆転も差額は三千円ぐらいですよね。にもかかわらず、何で七千円なのか、こういう議論もさらにさせていただきたいと思うんですけれども、ちょっときょうは視点を変えて、外国人の海外に居住する子供さんの関係、これを今回の関係では見直しをしているということなんですけれども、資料の八につけさせていただいております。

 これは厚労省の発表された資料に基づくのでありますけれども、六月期においては、二、三月の児童手当と、四月、五月分の子ども手当が支払われているわけであります。そのときに、外国人の海外居住の子供さんに対して支払われた子供さんの数は、一万人おられた、一万六百五十六人。ところが、十月期になったら、四千五百九十六人、六千人減っています。しかも、十月期に新規で二千七百八十九人いるわけでありますから、六月期に支給されたうちの何と八千八百四十九人は対象から除外されている。受給資格がない、こういうことで処理をされた。

 ただ、八千八百四十九人の中には、注で書いたように、その間に海外に行かれた方とか、一回拒否されたけれどもまた申請したら認められた方がいる数字ではありますが、約九千人近い方が、しかも二万六千円ですから、計算したら二億を超えますよね。これだけのお金が不適切に出ていった。

 しかも、申し上げたいのは、子ども手当法においては、明確に「子ども手当の支給要件に該当するとき」と書いてあるんです。にもかかわらず、皆さんの運用の中で、通常の現況届が六月だから六月のときに出せばいいよ、その前は特にチェックしなくても十月以降でやり直せばいいよと指摘をしているんですが、大臣、これだけの二億円ものお金を、しかも不適切に出された。我々は国会審議の中で、こういう問題があるじゃないですかとさんざん指摘をしておきながら、二億円ものこういったお金を出した。責任を感じませんか。

細川国務大臣 この点につきましては、受給資格につきましては子ども手当のときの受給資格で子ども手当も支給をする、こういうことになったわけです。そこで、それでは、その要件につきまして、外国人の要件をどのようにするかということで、厳格な要件を六月の現況届のときにさせていただいたところでございます。

 四月からということになりますと、手続的なものでなかなかそれが困難だということで、それを外国に居住している子供の一人一人にやっておりますと全体の事務も進まないということになるということで、六月支給ができなくなるんではないか、こういうことも心配されて、そこで六月に厳格な要件でということにさせていただいたというところでございますから、そこは御理解をいただきたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 理解できません。皆さん方だって、四月からやろうとしたからこういうことになったんでしょう。だから言っていたじゃないですか、こういうことになりますよと。

 この二億円に対して、結果的に不適切な方に支給をしているわけですから、当然回収をされると思いますけれども、回収されますね。

細川国務大臣 先ほども申し上げましたように、四月からということになりますと、いろいろな形の確認方法とかをやっておりますと事務的に大変な時間もかかり、四月から子ども手当が施行されるということで他の事務もありまして事務全体が進まなくなるということで、これは六月からということにさせていただきたいということをそのときも申し上げたと思いますが、そこは御理解をいただきたいというふうに思います。

加藤(勝)委員 いや、だから、その結果としてこれだけの不適切な支出があったわけですから、当然、それに対しては回収の努力をされる、当然だと思いますけれども。

細川国務大臣 何回も同じ答弁になって申しわけないと思いますが、そういうような手続面でなかなか不可能である、難しい、こういうことの判断の中で六月に厳格な要件で適用させていただいたということで、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

加藤(勝)委員 六月に支給するためにこれだけの、二億円という、ある意味では本来の趣旨にかなわない支出をしてもしようがなかった、こういう発言に聞こえますけれども。

 もう一回確認しますけれども、これは回収できないんですか。

細川国務大臣 それは、六月に厳格な要件でと、こういうことにしたことについての今御理解を求めたわけでありますけれども、これからさかのぼって損害という、賠償請求というのはなかなか難しいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 いやいや、損害賠償を言っているわけじゃなくて、その分に対して返還を求める、法律的にできるかできないか聞いているんですけれども。

細川国務大臣 不利益遡及ということは、なかなか法律的には難しいのではないかというふうに思っておりますが、しかし、不正にその支給を受けていたというようなことがわかれば、そういうところからは返還請求は求めることができると思っております。

加藤(勝)委員 やはりこれだけの問題がありますから、今、難しいのではないかとおっしゃいますけれども、そこはきちんと見解を出してください。よろしいですか、出していただけますね。

細川国務大臣 はい。きちっと調べさせて返事をさせていただきます。

加藤(勝)委員 それでは、この委員会の方へそういう形で出していただけるもの、こういうことで、委員長のまた御差配をお願いしたいと思います。

 時間もかなりなくなってまいりましたので、最後に、年金脱退手当金のことを少し取り上げさせていただきたいと思います。

 民主党の皆さんは、年金記録を一日も早く解消しなきゃいけないということで、いろいろと主張されてこられましたけれども、この脱退手当金、これは、そもそも十九年の十月に民主党の長妻委員、まあ当時は野党の議員ということでありましたけれども、脱退手当金の支給漏れ等があるのではないかという御指摘があって、そして今回、二十二年の九月の六日と十六日に、支給漏れのおそれのある方に対して約十四万通はがきを出して、そして、その結果として、漏れがある方には、年金機構の段階で処理できればそこで処理をする、できなければ第三者委員会に送る、こういう仕組みだったんですね。

 ところが、その後者の、年金記録第三者委員会に持っていかなきゃいけないということで申し立てをしたにもかかわらず、ことしの一月までずっとたなざらしになっていたんですが、まず第三者委員会の方にお伺いしたいんですけれども、年金機構から脱退手当金に関する申し立ての送付をするといったときに拒否をされたんですか。

田中政府参考人 ただいまのお尋ねの、いわゆるまだら事案でございますけれども、今御指摘のとおり、九月に厚労省の方から通知を発出されたわけでございます。その際、私ども総務省といたしましては、この事案の処理に当たりまして、申し立ての件数の大幅な増加が見込まれることから、その時点で、何がしかの審議の円滑化のための措置を講ずる必要があるというふうな方針を出したわけでございます。そこで、その内容につきまして、実務的な相談を厚労省との間で始めたということでございます。

 具体的には、第三者委員会におきます審議が円滑に行えるように、第三者委員会への転送前に年金事務所においてできる限りの資料収集を行うということにつきまして具体的な内容を詰めておったということでございまして、今御指摘のような転送の受け取りを拒否したということではございません。

加藤(勝)委員 いや、それは拒否したということじゃないんですか。転送をしないでくれと言っているわけですから、それは通常、拒否した、こういうことになると思いますけれども。

 年金機構側は、送ろうとしたんだけれども受け取ってもらえなかった、そういうことでいいですか。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来御指摘ございましたように、約十四万人もの方々に対しましてお知らせの通知を送りましたものですから、第三者委員会への申し立て件数が増加することが見込まれましたため、事務処理の円滑化を図る観点から、できる限り年金事務所の段階で調査、資料収集を行うという方針で総務省と実務的な調整を行ってきたという次第でございます。

加藤(勝)委員 そのはがきを発出する段階で、八千人ぐらいの方が第三者委員会に申し立てに行くんだろうということは、ある程度予想されていたんですね。にもかかわらず、第三者委員会は受け取れません、そして年金機構の方はそれを持ってこの一月まで協議をしていたということでありますけれども、じっとしていたわけであります。

 まさに、こういうことが問題だ問題だと民主党政権あるいは民主党の方々は言ってきたにもかかわらず、結果的に役所間の、まあ、これは押しつけ合いなのか何なのかわかりませんけれども、それで、申し立てをした人が確認をしたら、第三者委員会に言ったらまだ自分のは来ていません、機構に言ったら置きっ放しでそれっきり指示がありません、まさにこういうのをたなざらしと言うんですけれども、こういう状況に置かれていた。

 当然、厚労省の政務三役、そして総務省の政務三役、お聞きになっていると思いますけれども、この事情は聞いていたんですか、それに対してどういう指示を出したんですか。

細川国務大臣 この脱退手当金の第三者委員会への申し立ての事務処理、これが円滑に進められるような、この課題につきましては、私自身は昨年の十月に事務方から報告を受けました。そこで、私としましては、これは早く、早急に解決をするようにということで、担当の政務官の指導のもとに、しっかり総務省とも話し合ってやるようにという指示をさせていただきました。

片山国務大臣 経緯については議員からもお話がありましたし、厚労相からもお話がありましたし、事務方からの説明もありましたが、大筋そのとおりだろうと思います。

 本件については、大幅な申し立ての増加が見込まれたことから、その円滑な処理を図る方策について担当の政務官が報告を受けておりました。担当政務官からは、申し立てられた方にできるだけ御迷惑をおかけしないように、他の時期、同時期に申し立てられた他の事案の処理状況に比べて当該事案の処理状況がおくれないよう留意の上、厚労省との間の調整を行うように指示していたということであります。

 一月十四日にこれが報道をされまして、私の方からも改めて、申立人の方には特に丁寧な対応に心がけるとともに、遅滞なく処理に取り組むよう事務方に対し指示を行ったところであります。

加藤(勝)委員 去年の十二月二十一日に、私の地元の山陽新聞に、まさにそのことを投稿された方がおられます。私は、お電話をさせていただきました。丁寧な対応とおっしゃいましたけれども、何の電話もない、全くどうなっているんだ、民主党はあれだけ言ったじゃないかと、大変なお怒りでありました。

 しかも、この間、九月にお出しになっている、当然そういうことがわかっている。当初のときは非常にばたばたでいろいろなことが起きていましたけれども、だんだんだんだん見えてきている中で、しかも、対応ができずにはがきを送るなんというのは言語道断な話だと私は思いますし、そして、それだったら一週間でも二週間でも答えをすぐに出せるのが、四カ月以上たなざらしになっている。

 私は、これは、年金記録を解消しますよ、これを非常に強くおっしゃっておられる民主党政権としては、全く、まさにマニフェストと、言っていることとやっていることが違うじゃないですかという典型例だと思いますけれども、官房長官、このお話を聞かれて、政府としてどうお考えですか。

枝野国務大臣 まだら事案への対応、一方では急がないといけないということで御通知を出したものと思いますが、結果的に、四カ月間、処理の転送までにかかったということで、申し立てた皆さんに御心配をおかけしたことについては大変申しわけなく思っております。

 今後このようなことのないように、できるだけ早く、特にこの場合は両省にまたがる、二つの省にまたがるところの調整でございますので、官房の方にも御相談をいただいて、官房の調整機能の方でできるだけ早期に調整を図ることができるように、できるだけ早く報告をさせるようにさせたいと思っておりますし、また、今回の件についても、お申し立てながらお待ちいただいた方に対する対応は、両省に対して、しっかりとするように指示をしたいと思っております。

加藤(勝)委員 ぜひそういう徹底した、特に申し立ての方は本当にどうなっているのか大変心配しております。ぜひお願いをしたいと思います。

 控除の関係で、財務大臣、ちょっと議論したかったんですが、時間がなくなりました。失礼いたしました。

 ありがとうございました。

中井委員長 これにて加藤君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

中井委員長 この際、三案審査のため、昨十四日、北海道、去る十三日から十四日の二日間、福井県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員からそれぞれ報告を聴取いたします。

 まず、第一班の北海道に派遣された委員を代表いたしまして、私からその概要を御報告いたします。

 派遣委員は、私、中井洽を団長として、理事泉健太君、武正公一君、武部勤君、委員稲見哲男君、小川淳也君、佐々木隆博君、宮島大典君、村越祐民君、金田勝年君、小泉進次郎君、馳浩君、遠山清彦君、高橋千鶴子君、山内康一君の十五名であります。

 このほか、現地参加議員として、伊東良孝君が出席されました。

 昨十四日、現地において、江別市における大雪による被害状況を視察した後、札幌市内のホテルポールスター札幌において会議を開催いたしました。

 会議におきましては、札幌市長上田文雄君、北海道知事高橋はるみ君、北海道奈井江町長北良治君及び北海道農業協同組合中央会会長飛田稔章君の四名から意見を聴取いたしました。

 上田君からは、フードコンプレックス国際戦略総合特区構想の推進、今冬の大雪被害に対する特別交付税措置の必要性などの意見が、

 次に、高橋君からは、景気・経済・雇用対策の推進、高速交通ネットワーク整備の必要性などの意見が、

 次に、北君からは、地方交付税総額の安定的な確保、地域の実情を考慮した地域医療対策などの意見が、

 最後に、飛田君からは、TPP、環太平洋パートナーシップ協定において米等重要品目を関税撤廃の例外扱いとする必要性、TPPによる北海道の農業、経済への影響

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、今冬の大雪被害に対する国の支援のあり方、景気、雇用回復のための公共事業及び農林水産業の役割の重要性、フードコンプレックス国際戦略総合特区構想における国際競争力強化のための取り組み、子ども手当に係る現金給付と現物給付のあり方、道州制のメリット及びデメリットなどについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、今回、会議を通じて、現地ならではの大変貴重な御意見をお伺いすることができました。議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告いたします。

 次に、第二班中川正春君。

中川(正)委員 福井県に派遣された委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、私、中川正春を団長として、理事城井崇君、手塚仁雄君、若泉征三君、塩崎恭久君、富田茂之君、委員打越あかし君、高邑勉君、本多平直君、水野智彦君、小里泰弘君、齋藤健君、菅原一秀君、阿部知子君、下地幹郎君の十五名であります。

 このほか、現地参加議員として、糸川正晃君、稲田朋美君、高木毅君が出席されました。

 昨十四日、現地において、福井県の豪雪への対応状況を視察した後、福井市内の福井パレスホテルにおいて会議を開催いたしました。

 会議におきましては、福井県越前市長奈良俊幸君、福井県池田町長杉本博文君、北陸郵政退職者共助会副会長山本照彦君及び福井県歯科医師会長齊藤愛夫君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、奈良君からは、平成二十三年度予算及び予算関連法案の早期成立、社会保障と税の抜本改革のあり方などの意見が、

 次に、杉本君からは、地域自主戦略交付金のあり方、地方における社会資本整備の重要性などの意見が、

 次に、山本君からは、地方における郵政サービスの現状、郵政改革法案の早期成立の必要性などの意見が、

 最後に、齊藤君からは、子供の医療費の窓口負担軽減策、原子力政策と関連した地域振興策

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、豪雪被害の実情、環太平洋パートナーシップ協定に対する評価、子ども手当に対する評価、北陸新幹線整備のあり方、国民健康保険の現状と問題点、福井県経済の現状などについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

中井委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。

 お諮りいたします。

 ただいま報告のありました第一班及び第二班の現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕

    ―――――――――――――

中井委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 平成二十三年度総予算審査のため、来る十八日金曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十七分休憩

     ――――◇―――――

    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

     ――――◇―――――

  〔本号(その一)参照〕

    ―――――――――――――

   派遣委員の北海道における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十三年二月十四日(月)

二、場所

   ホテルポールスター札幌

三、意見を聴取した問題

   平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算及び平成二十三年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 中井  洽君

       泉  健太君   稲見 哲男君

       小川 淳也君   佐々木隆博君

       武正 公一君   宮島 大典君

       村越 祐民君   金田 勝年君

       小泉進次郎君   武部  勤君

       馳   浩君   遠山 清彦君

       高橋千鶴子君   山内 康一君

 (2) 現地参加議員

       伊東 良孝君

 (3) 意見陳述者

    札幌市長        上田 文雄君

    北海道知事       高橋はるみ君

    北海道奈井江町長    北  良治君

    北海道農業協同組合中央会会長         飛田 稔章君

 (4) その他の出席者

    予算委員会専門員    春日  昇君

    財務省主計局主計官   井上 裕之君

     ――――◇―――――

    午後一時開議

中井座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の中井洽でございます。

 皆様御承知のとおり、当委員会では、平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算及び平成二十三年度政府関係機関予算の審査を行っているところでございます。

 本日は、三案の審査に当たり、国民各界各層の皆様方から御意見を承るため、当札幌市におきましてこのような会議を開催させていただきました。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようよろしくお願いいたします。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明を申し上げます。

 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述人の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、民主党・無所属クラブの武正公一君、泉健太君、稲見哲男君、小川淳也君、佐々木隆博君、宮島大典君、村越祐民君、自由民主党・無所属の会の武部勤君、金田勝年君、小泉進次郎君、馳浩君、公明党の遠山清彦君、日本共産党の高橋千鶴子君、みんなの党の山内康一君、以上でございます。

 なお、現地参加議員といたしまして、自由民主党・無所属の会の伊東良孝君が出席されております。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 札幌市長上田文雄君、北海道知事高橋はるみ君、北海道奈井江町長北良治君、北海道農業協同組合中央会会長飛田稔章君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず上田文雄君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

上田文雄君 札幌市長の上田文雄でございます。御紹介いただきまして、そして意見を述べる機会をいただきましたことを、まずもって感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。

 私は、札幌市長という立場から、平成二十三年度の国家予算案について意見を述べさせていただきたいと存じます。限られた時間でございますので、本当に要点に絞って簡潔にお話をさせていただきたいと思います。

 まず、二十三年度予算の評価についてでございます。

 この予算案でございますが、昨年六月に閣議決定をされました財政運営戦略の、地方の一般財源の総額は二十二年度水準を下回らないように確保するということが述べられておりますが、この趣旨を踏まえまして、地方交付税を初めとする地方の一般財源の総額が確保されたというふうに思います。その意味で、地方を取り巻く大変厳しい財政状況やあるいは経済雇用情勢に配慮いただいたものとして、このことに関しては非常に高く評価をさせていただいているところでございます。

 それから、地方との協議の問題についてお話をしたいというふうに思います。

 子ども手当の地方負担の継続が、地方自治体との十分な調整といったものがなされずに決定をされ、そして国と地方との円滑な意思疎通が不足をしているのではないか、こういう指摘がさまざまな段階でなされているというふうに思います。私もやはりそのように思います。

 昨年末の五大臣合意がございまして、今後の制度設計については、関係府省と地方との会議の場を設けて議論を行うというふうにこの合意ではされておりますが、このこと自体は大変評価をしているところでございます。

 国の財政フレームに異議を唱えて、地方の予算の段階からさまざまな抗議の姿勢を示しているところもございますが、札幌市といたしましては、市民に迷惑がかからないということを大前提にいたしまして、国の財源フレームといったものを前提に予算案を編成したところでございます。しかし、今回の決め方には異議があるということを、はっきり申し上げておきたいというふうに思います。

 国におきましては、地方に影響のある事柄については、必ず国と地方が協議を行う場を確保するということを早急にルール化する必要がある、このように考えておりますし、そのためには、現在継続審議となっております国と地方の協議の場に関する法律を一日も早く成立させていただきたい、このように考えます。

 また、札幌市は政令市でありますので、一般市と政令市では、都市が抱えている課題などが相当異なっているということがございますので、政令市の意見も十分に反映できるような仕組みにどうかしていただきたい、このように考えているところでございます。

 次は、総合特区についてでございます。

 札幌市では、江別市、帯広市、函館市及び北海道経済連合会とともに、昨年九月の国際戦略総合特区に対する提案募集に対しまして、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区というものを提案させていただきました。この構想は、食料基地としての北海道の優位性を生かして、食に関する付加価値の向上ということを図り、北海道を東アジアに対する食産業の輸出拠点とすることで、我が国全体の食産業の国際競争力を高めていこうというものでございます。

 私は、今後、日本の食料自給率を高め、そして食料安全保障基盤といったものを確固たるものにするためには食に関する国際競争力を高めるということが極めて重要である、このように考えているところであります。

 お隣の韓国では、既にフードポリス計画というものが策定をされまして、総額五百億円程度のお金を、国家財政を投下いたしまして、東アジアの食市場をターゲットに動き始めているというふうに伺っております。この食の分野においても韓国におくれをとるわけにはいかない、このように強い危機感を私どもは持っているところでございます。

 私どもの提案は、必ず日本の食の国際競争力といったものを強化し、そして貢献できる、このように考えております。そしてまた、私どものような提案は、北海道以外の他の日本の地域ではなし得ないもの、このように考えておりますので、御理解をいただきたい、このように思います。

 総合特区の推進に向けまして、二月一日に北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想推進協議会というものを設立させていただきました。協議会には北海道も入っていただいておりまして、北海道が一丸となってこの問題に取り組んでいきたい、こんな姿勢でいることをお示しさせていただきたいと思います。

 北海道は、明治の開拓時代から国家政策の一翼を担いまして、発展を遂げてきた歴史がございます。現在におきましても、北海道の地域特性やあるいは優位性といったものを最大限に活用していくことが、我が国の成長戦略上、非常に重要である、このように考えております。国におきましては、我々の意気込み、また国の成長戦略における私どもの提案の重要性といったものをしんしゃくいただきまして、提案の実現に向けて御理解をいただきたい。

 今回の国の予算案の中で、総合特区推進調整費百五十一億円というものが盛り込まれているところでございます。ぜひとも、この総合特区に関する予算、関連法案といったものも速やかに成立していただきたいというふうに思っております。そして、総合特区の推進に当たっては、地域における柔軟で機動的な予算執行が可能になるように、推進費の使い勝手が地域にとってよりよいものになりますように、提案地域の意見を十分踏まえていただきたい、このように考えるものでございます。

 もう一つは、新幹線についてでございます。北海道新幹線の札幌延伸ということの問題でございます。

 北海道新幹線の札幌延伸は、札幌市、北海道だけではなくて、我が国の発展に大きく貢献するものでございます。一日も早く実現させなければならない国家的なプロジェクトである、このように確信をしているところでございます。道央圏三百万、そして青森、函館、青函圏百万、そして仙台を中心とする東北二百万、この三つの地域を新たな経済の領域、圏域にしていくということが、この札幌延伸によって実現できると確信をいたしているところでございます。

 国においては、北海道新幹線の札幌延伸の早期認可、着工を決断されることを切に願っているというふうに申し上げておきたいと思います。財源論につきましても、多少いろいろあるというふうに思いますけれども、鉄道・運輸機構の利益剰余金なども十分に役立てていただきたいというのが我々の本心でございます。ぜひとも御考慮いただきたいと考えているところでございます。

 次に、生活保護について申し上げたいと存じます。

 平成二十年秋以降の急激な景気の後退、あるいは雇用情勢の悪化によりまして、生活保護受給者が増大をしているのは全国的な状況でございます。札幌市も例に漏れず、生活保護扶助費が大幅に増加しておりまして、平成二十三年度予算案における生活保護扶助費は一千二百三十一億円、一般会計予算の一四・五%を占める状況となっております。大阪、札幌、京都というのが従来の順位でございますが、現在、生活保護受給率三四パーミル、六万五千人というのが札幌市の現状でございます。

 生活保護者の増大と、それに伴います生活扶助費の増加というのは大都市共通の悩みでありますが、指定都市市長会においても、これまで生活保護制度の抜本的改革について国に提案をしてきたところでございます。生活保護制度を時代に即した制度とするために、社会保障全般を含めた幅広い議論を行い、地方の意見を十分に反映させ、中長期的な視点に立った抜本改革を行うことをお願いしたいというふうに思います。

 最後は、全国的にも大きなニュースとして取り上げられております記録的な大雪について申し上げます。

 札幌市でも、一月の積雪量は二十一年度の一・六倍、二十年度の二・二倍となっております。道路の渋滞等、市民生活に大きな影響が出ておりますことから、雪害対策連絡会議を庁内に設置いたしまして、今後の大雪に備えた連絡体制を、全庁挙げて今体制を組んでいるところでございます。

 今年度の除排雪作業はまだスタートしたばかりであるのにかかわらず、札幌市においても、今後の状況によっては補正予算を組まざるを得ない、こういう状況に陥ることも想定されております。国におきましては、雪害が全国的な状況にあるという認識をいただきまして、特別交付税などの御配慮を強くお願いしたい、このように考えております。

 本日は、貴重な時間をいただきまして、意見を述べさせていただきました。ぜひ、地方の事情をしんしゃくいただきまして、国会審議の中で議論を尽くしていただきたいと存じます。また、雇用対策や景気対策などのさまざまな対策に地方自治体が取り組むことができるように、平成二十三年度当初予算と関連法案の早期成立といったことをお願い申し上げて、私の陳述とさせていただきます。

 ありがとうございました。

中井座長 ありがとうございました。

 次に、高橋はるみさんにお願いいたします。

高橋はるみ君 高橋はるみでございます。

 本日は、国の平成二十三年度予算に関し、意見を述べさせていただく機会をいただきましたこと、心から御礼を申し上げる次第であります。

 また、中井委員長を初め委員の皆様方におかれましては、本日、この会議に先立って江別の方に訪問をされ、雪害の現状を御視察いただいたというふうに報告を受けているところであり、心から感謝を申し上げる次第であります。

 ことしは全国的に大雪でございましたが、本道におきましても、昨年の年末、それからことしに入りまして年始と、局地的な大雪に見舞われたところでございます。除雪作業中の人的な事故のほか、農業被害、ビニールハウスなどの被害も多々ございまして、一月末現在で、全道で一千棟余りのビニールハウスに被害が出ているところでございます。

 道といたしましても、奈井江町長を初め、市町村などとも連携を図りながら対応に努めておりますが、市町村長からは私どもに、今回の雪害について大変に苦労しているという声が本当にいろいろ寄せられているところでありまして、国におかれても、支援方、心からお願いを申し上げる次第でございます。

 それでは、早速、二十三年度の予算に関連し、道としての意見あるいは考え方に御説明を移してまいりたいと思います。四点に絞ってお話をしようと思っております。

 一点目は、何よりもまず、国民生活の安定の基本となる景気・経済・雇用対策ということについてであります。

 本道経済は、全国の中において比較いたしますと、一部に持ち直しの動きが見られるという状況ではございますが、公共事業の大幅な減少、これはききました。二十二年度予算が、二十一年度との比較において、いわゆる開発予算が一千億減少いたしまして、とりわけ農業基盤整備事業、これは半減ということになりまして、道内農業者の方々は大変に困ったわけでありますが、こういった公共事業の大幅な減少がございます。それから、生産の持ち直しの動きの鈍化、新規学卒者の内定率の低迷など、景気の先行きに対する懸念は大きいわけでありまして、本道の経済、雇用環境は依然として厳しい状況にある、残念ながら、このように認識せざるを得ない状況だと考えているところであります。

 こういった中で、道におきましても、これまでも国の経済対策に呼応するとともに、単独事業、あるいは単独で新規学卒者対策を推進することを含めて、数次にわたり、私ども道としての緊急総合対策を実施してきたところでございます。

 つい先日、二月九日には、国の新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策に呼応した取り組みに加えまして、若年者、中高年者を初めとする雇用就業対策や、また、本道の豊富な食資源を活用した食クラスター、戦略的な運動、これを本格的に展開するなど、食の総合産業化の推進も行っているところであります。また、地域資源の活用促進、そして外国人観光客の受け入れ体制の整備を通じた北海道観光の振興といった、地域を支える産業の活性化支援などの取り組みを経済・雇用対策として策定し、その実施を行っているところであります。

 今後におきましても、引き続き、セーフティーネットの確保など、当面の経済、雇用の下支えは当然でありますが、加えて、本道経済の中長期的な成長力強化の両面から、切れ目のない対策をスピード感を持って実行に移していく考えでございます。

 国におかれても、こうした景気の回復、あるいは雇用の創出、さらには地域産業の基盤づくりの推進に向けて、一層の取り組みの強化をお願い申し上げたいと考えているところであります。

 それから、今、札幌市長からもお話ございましたが、道におきましては、札幌、江別、帯広、函館、そして経済界の方々と連携をして、食の付加価値向上を図るための北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想ということに取り組んでいるところでありまして、国におかれては、地域の優位性を最大限に、それぞれ個性を生かせるような形の効果的な総合特区の制度設計をよろしくお願い申し上げたいと思う次第であります。

 さて、二番目の点は、農林水産業についてであります。

 TPPを初めとして、この問題の詳細については、JA北海道中央会、飛田会長からあろうかと思います。私からは、簡単に概要だけ触れさせていただきます。

 北海道の食料自給率は二〇〇%を超えております。全国一でございます。我が国最大の食の供給基地として、国民の暮らしの安全、安心の確保に大きく貢献をさせていただいている、このように自負をいたしているところであります。また、本道におきましては、第一次産業がさまざまな産業と密接に結びつき、地域それぞれの経済、社会を支える基幹産業として大変重要な役割を果たしているところでありまして、私ども北海道としても、こういった道の基幹産業の農林水産業の振興に重点的に取り組ませていただいているところであります。

 こうした中、このたびのTPPという政策課題、このことにつきましては、本道はもとより、我が国の将来をも左右する重大な問題であると認識をいたしているところであり、道といたしましては、TPP協定を含めた包括的な経済連携においては、米や小麦、それから主要の水産物など、本道の重要品目を関税撤廃の対象から除外するとともに、道民の合意がないまま、関税撤廃を原則とするTPP協定に参加をしないよう、道内の一次産業関連の方々を初めとする経済界、そして道議会などと連携を図りながら、消費者団体も大変熱心でございますが、オール北海道で国に対し強く要請を行っているところであります。

 また、国におかれては、TPPと並行して検討が進められているという農業強化策についてでありますが、まずは国において具体的な案をお示しいただき、財源手当ても含めて、しっかりと国民的あるいは道民も含めての御議論をいただいた上で国民的な合意形成を図っていただく、このことが不可欠である、このように考えているところであり、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 三点目でございますが、地域医療の問題であります。

 本道におきましては、とにかく広大であります。四十七都道府県のうち、面積の小さい方から並べますと、二十二個の県が入るだけの広大な面積を有するこの北海道において、人口減少あるいは高齢化、これが大変なスピードで進んでおります。そして、こういった中で、地域医療の提供体制の確保ということが大変重要な課題でありますが、私どもは大変に深刻な状況だと認識をいたしているところであります。

 中でも、医師確保につきましては、道内は、札幌、旭川のように、全国平均を上回って医師のいるところもございますが、一方で、地域においては大変な医師不足ということで、地域偏在が著しい現状にございます。

 こういった中で、道といたしましては、道州制特区制度を活用した医大の定員増の実現を図ること、あるいは我々の道財政も投入しながらの奨学金制度の拡充、あるいは地域の病院に若い研修生等のお医者様が行きやすいような形にするための指導医の派遣、あるいは総合内科医の養成など、我々地域で考えられるいろいろな施策を展開いたしているところであります。

 また、先ほど申しました地域偏在の札幌圏等から、お医者様を緊急臨時的に地域に派遣をするという事業につきましても、道の財政を若干投入して展開をいたしているところであります。

 しかしながら、医師確保対策については、都道府県による対策には限界がございます。国において、地域の医療を担う医師の養成や、地域への定着を図るための財源措置の充実、また、臨床研修医制度の抜本的な見直しなど、さまざまな形で、地域が疲弊しております医療対策に対応をしていただきたいと思う次第であります。

 救急医療については、道内はドクターヘリを三機整備いたしまして、広大な北海道における、救える命をお一人でも救っていくということに取り組んでいるところであり、また昨年は、民間の方々の御協力も得て、ドクタージェットの研究運航ということも実行をいたしたところであります。

 ドクターヘリにつきましても、ドクタージェットにつきましても、当然、大変大きな財政負担など必要なわけでありまして、こういったことのさらなる充実のために、国の御支援を心からお願いを申し上げたいと考えているところであります。

 四つ目の点、最後の点でございますが、社会資本整備、交通ネットワークの整備という点でございます。

 先ほど申しました広大な道内におきまして、高規格幹線道路の供用率、全国に比べて大きくおくれております。全国は七二%、本道は五〇%未満の現状にございます。また、広大な道内の中に立地しております人口十万人以上の中核的な都市、これすら高速道路でまだ結ばれていない現状にあります。長大なミッシングリンクが解消されていない現状、ここをしっかりと御理解をいただきたいと思います。

 このため、整備に着手している区間の早期供用はもとより、まだ整備されていない区間についても、必要な事業化について、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 また、新幹線でございます。おかげさまをもちまして、道南までの北海道新幹線の着工自身は決定をいたしていただいておりまして、あと五年後、これが現実のものになるということで、我々は心待ちにしておりますが、道都札幌まではまだ決定をいただいておりません。

 先般も、二月一日、道内の方々と一体となって、六十一万人の道民の方々の署名を国土交通大臣に御提出を申し上げたところであります。一日も早いフル規格での新幹線の札幌延伸についても、実現について御配慮をいただきたい、このように考える次第であります。

 また、空港の問題もございます。新千歳空港の国際線は、現在、東アジアを中心に十一路線が就航しておりまして、チャーター便を含めた国際線利用者数は年間九十四万人を数えております。これは、ビジット・ジャパン・キャンペーン、日本国全体の観光立国の推進にも大きく寄与するもの、このように考えているところであります。

 いまだ、新千歳空港におきましては、中国など一部航空会社を対象とした乗り入れ制限の現状がございます。こういったことのさらなる規制緩和、あるいは冬季間における安定運航の確保など、空港機能の充実についてもよろしくお願いを申し上げます。

 道内には十三の空港がございます。こういった整備にもよろしくお願いをいたします。

 以上、四点についてお話を申し上げましたが、それ以外にも、北方領土問題、北方領土は北海道のエリアでございます。前原大臣が訪問されて交渉を進めておられるということでございますが、四島における共同経済活動の取り扱いを初めとして、地域にもしっかりと御相談をいただきながらお進めいただきたいということを、国会においてもお取り計らいいただきたいと思う次第であります。

 また、アイヌ施策につきましても、今、官邸中心に、全国でこの施策の展開について議論を始めていただいているところでありまして、大変心強く思っておりますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 さらには、地域主権の展開の問題、あるいは地方消費税の拡充の問題など、まだまだお話を申し上げなければならない多くの課題があるわけでありますが、時間の制約上、私からは以上にとどめさせていただきます。

 ありがとうございました。

中井座長 ありがとうございました。

 次に、北良治君にお願いいたします。

北良治君 御紹介いただきました、奈井江町長の北でございます。

 遠路御来道を賜りました中井委員長さんを初めといたしまして各委員の先生方には、日ごろより、私ども市町村に御支援をいただいておることに対して、深く感謝を申し上げる次第であります。

 私は、市町村の立場から、特に地方財政あるいは地域の活性化の課題について申し上げたいと思いますが、今ほど知事からお話ございましたように、まず、北海道、全国的にもそうでございますが、局地的に集中的に豪雪がありました。これによりまして、御案内のとおり、ビニールハウスが多くつぶれたということばかりでなく、牛舎までつぶれる、こういうことがございます。まさに、そういう意味では緊急的な対策を必要とするところでございまして、どうか特別交付税等を含めて御配慮を賜れればと、まずはお願い申し上げるところでございます。

 まず、地方交付税について申し上げますが、今地方におきましては、人口減少、少子高齢化、地域経済の疲弊など、重要な課題に直面している中、何とか地域住民が安心して暮らせるように、地方財政の健全化と地域の活性化を両輪で進めるべく、努力を重ねているところでございます。

 地方自治体においては、かつて、バブル経済の崩壊後に、国と同調しながら公共事業による景気対策を積極的に実施いたしたところでございますが、その後は、三位一体改革によりまして、五・一兆円の地方交付税などの削減に伴いまして、一転して緊縮型予算による徹底した行財政改革を進めております。この改革については、影響を最も受けているのは地域住民であり、地域経済界でもございます。

 私の町におきましても、町民とともに、町の自律プランを策定していくことになりまして、子供からお年寄りまで、多くの町民と議論を交わしながら、話し合いの中から、痛みの伴う改革を進め、一定の成果を上げてきているところでございます。

 行政内部におきましても、福祉、医療の現場の人数は確保しつつ、一般行政職員につきましては自主的に三割削減を行いました。公共事業も、緊急度の高い子育て支援施設の整備や学校の耐震化などに限定して実施しているほか、定住対策にも取り組んでおるところでございます。

 しかしながら、人口減少、地域経済の疲弊には、なかなか歯どめがかからないのが事実でございます。住民サービスを継続しながら完全な健全化に向かうためには、引き続き努力を重ねていかなければというのが実態でございます。

 国においても、こうした状況を御理解いただく中で、平成二十二年度の地方交付税におきましては、別枠の加算といたしまして一兆一千億の増額がなされました。平成二十三年度には、地域活性化、雇用対策を盛り込む中で、総額で五千億の増額が図られるなど、徐々に改善が図られることは評価するところでございます。

 しかしながら、当町の地方交付税、臨時財政対策債の総額におきましては、本年度、ようやく十年前の水準に戻ったというのが現実であります。

 地域が疲弊する中、世界に類を見ない高齢化が進みます。社会保障関連などの義務的経費が増加するとともに、自治体病院の運営を初めといたしまして、地方では官が担わなければならない行政サービスが拡大してまいっております。

 今、奈井江町においても、地域の高齢者の生活を、町民あるいは町内の民間企業、地域コミュニティーなど、町ぐるみで支援していくネットワークづくりができないものか、町民みんなで検討を開始いたしておるところでございます。

 国においても、介護保険法の改正など、孤立化する高齢者の生活支援、あるいは高齢者住宅や地域交通体系を充実すべき議論が行われていることを伺っているところでございます。買い物難民、地域交通、在宅ケア等々、さまざまな角度から高齢者の生活を守る取り組みが進められるには、例えば、町内会や老人クラブなどコミュニティーへの支援強化や、地元JAや商工会との連携によりまして、買い物難民対策など、関連する各施策に行政の目配りが必要となってまいります。

 そのためには、既存の予算構造を見直す中で新たな財源を見出していかなければなりませんし、何よりも、これまで以上に、地方交付税が地方財政の土台としてしっかりと確保されなければなりません。

 市町村は、これまでの住民とともに進めた改革において、いかに無駄を省き、財源を有効に活用するかということを学んできました。我々は、地方分権を受けとめ、重要な責任を担って地域の活性化に取り組もうとしております。地方重視の観点を継続的な政策と位置づけられ、将来にわたり、安定的な地方交付税総額の確保に御配慮をいただきたいと考えております。

 また、通常国会で地方交付税法の改正法案が審議されることになりますが、平成二十二年度中に成立されない場合、四月の交付税の概算交付が一兆五千億減額されると伺っております。景気回復に向けた事業の早期発注を初め、財政運営に大きな影響を与える問題でありますので、予算並びに関連法案の早期成立が必要であることを申し添えておきます。

 次に、補助金等の一括交付金化について申し上げます。

 地方の自由度を拡大する一括交付金化は、平成二十三年度から都道府県において先行実施され、市町村は二十四年度から実施されます。今後、配分基準等の制度設計が検討されることになりますが、我々地方においても、裁量を持つことにより、知恵を出し、創意工夫をすることが必要になってまいります。地方分権への対応、六次産業化の推進など、地方の再生に結びつかなければならないと考えております。

 その意味からも、現場のニーズに合った政策が展開されるように御配慮をいただきたいと思います。地域間の格差が生じないよう、財政力の弱い団体あるいは条件不利地域等への手厚い配分などにも御配慮をいただきたいとお願い申し上げます。

 また、制度設計に乗じて、従来の補助金の総額が削減されることのないようお願い申し上げるところでございます。

 社会保障と税の一体改革でございますが、大変大きな課題であります。

 社会保障と税の一体改革におきましては、私が特に申し上げたいのは、この改革の議論が、国民的視野に立ち、わかりやすい議論をすべきであり、さらには地方自治体への協議も必要だと思います。地方となぜ協議をしてくれないのか、このことは私は強く申し上げておきたいと思います。先ほど申し上げたように、我々市町村には、高齢者対策や低所得者対策にも大きくかかわってくる問題であります。

 これからの社会保障のあり方、地方財政への影響、地域住民の生活など、中長期的な戦略を国民に打ち出し、かつ制度設計の議論を国民目線で行うことによりまして、消費税のあり方も含めた国民的合意の道筋が見えてくるのではないかと思います。

 次に、地域医療です。先ほど、知事からもお話がございました。しかし、市町村は、このことを避けて通るわけにいきません。

 地域医療は、言うまでもなく、国民が住みなれた地域で安心して生活するために不可欠なものであります。しかしながら、現状は、自治体病院における医師不足、経営の悪化など、深刻な状況が続いております。

 地方の医師不足に対する医育大学の定員枠の拡大などが図られておりますが、医師として通常診療するまでに十年はかかることから、直ちに効果があらわれるわけではありません。臨床研修制度については、地方病院における研修の必須化など、即効性ある対応が必要であると思います。また、看護師についても、配置基準七対一の導入によりまして、都市部に集中する現象も出てきております。診療報酬において、これらの地域の実情を考慮した対策が必要であります。

 今回の診療報酬改定では、特に救急、急性期など、中核的な大きな病院にメリットが出ております。これも、中核的な病院は必要なことは事実でございます。しかし、その中核病院でさえ、北海道内においては医師が不足している実態でございます。また、高齢化に伴いまして、療養期を担う地域の病院、診療所に対する配慮をお願い申し上げるところでございます。

 次に、TPP、経済連携協定についてでございます。

 TPP、環太平洋経済連携協定についてお話をさせていただきますが、TPPは、例外品目なく一〇〇%自由化するものであり、食料自給率向上と多面的機能発揮を目指す食料・農業・農村政策に大きな影響を及ぼすことになります。

 しかしながら、現在の議論は、TPP参加ありきのように、唐突に出てきた感がいたします。国民に対して、大切な農業を守る観点として、こうしたビジョン、対策を講じますよとメッセージが出されておりますが、しかし、具体的な裏づけがないということが実態ではないのかと思います。

 我々道内市町村の中で心配されていることは、農業にとどまることなく、地域経済社会そのものに甚大な影響が出てくるということであります。私どもの奈井江町においても、現在の十九億の農業産出額が七億円まで、実に六〇%を超える減少が試算されておりまして、壊滅的という言葉はいかがなものかと思いますが、それに近い影響を受けるものだと申し上げておきたいと思います。

 後継者問題や米価の低迷など、混迷を深める営農環境において、食料供給地域としての自覚と責任を持って、ゆめぴりかなど良食味米の生産に必死に取り組んでいるところであります。

 この実態から、TPPへの先行実施といいますか先行参加ということについては、我々の考えとしては反対せざるを得ないという状況にございます。御理解をいただきたいと思います。

 最後に、地域主権でございます。

 地域主権関係三法案の早期成立でございますが、地域主権は現政権の重要な柱の一つでありますが、我々市町村も、住民に最も近い基礎自治体として、みずからの責任において各種行政基盤の整備に努め、さらには自治体間連携など、高度な行政サービスの提供に努めております。

 地域主権関係三法案については、地域主権改革の第一歩を踏み出すための重要な法案であります。早期の成立に向けて審議をお願いいたしたく、また、先ほども上田市長からもお話ございましたが、成立後において、国と地方の協議を進める場合においても、多様な地域の声が反映されるよう、また、その議論の進展が国民に理解されるように、有効な仕組みを構築していただきたいと存じます。

 以上、大きく六点にわたり申し上げ、意見陳述とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

中井座長 ありがとうございました。

 次に、飛田稔章君にお願いいたします。

飛田稔章君 北海道農協中央会の飛田でございます。

 きょうは、意見陳述の場を与えていただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。

 私は、十勝で農業を現実にやっておりまして、農業者でございます。

 まず、二十三年度の農林予算、総予算が二兆二千七百億ということでございまして、これは七・四%マイナスということで、十一年マイナスなんですね。このことをとらえると、農業に対する予算の組み替えだけではもはや限界があるというようにとらえておりまして、今後は、食料・農業・農村基本計画の早期実現に向けて、食と農林漁業の再生推進本部の中で、ことし六月に政府が取りまとめをされると言われております基本方針を初め、戸別所得補償制度の具体的な制度設計と推進に当たり、特に北海道は主要農業地帯でございます、八割以上の方々が主業農家という状況でございますので、どうぞ我々JA北海道グループの主張反映の実現に向けて、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 さて、きょうは予算に対する意見を聞く場所だというように思っておりますが、もう既にお三方からそれぞれ意見がございますので、私からは、せっかくの機会でございますから、知事あるいは奈井江町長からもTPPの話がございました、今日本を揺るがしておりますTPPについて、ちょっと詳しく話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、北海道は、一八六九年の開拓使の設置以来、品種改良や基盤整備などが計画的に行われておりまして、開墾以来百四十年という短い期間で、経営規模が大きく、高い技術力を持つ主業的な農業経営体が多数形成されております。

 しかし、米国の規模は北海道の十倍、オーストラリアは百七十倍、これは農業者によっては到底太刀打ちできない、そういう状況の中でございまして、生産格差を埋める手段、関税という一つの手段で日本の農業を守っていただいているということ、これはもうよく御存じだと思います。

 JAグループは、WTOやFTA、EPA等の貿易交渉について常に同じ話をしてまいっておりますが、特に、米、小麦、砂糖、乳製品などの重要品目は関税撤廃の例外扱いとすべきであるというように私どもは訴えております。農産物輸出国だったタイとも、重要品目を例外扱いにしてEPAを結んでおります。日豪EPAについても、ぜひ重要品目の例外扱いを条件に交渉していただきたいという方向をお願いしてございます。

 TPPは、原則、重要品目の例外扱いを認めないという協定でございますので、これに対しては、私どもは受け入れるわけにはいかないということでございます。

 御案内のとおり、二十一世紀の世界の食料は不足傾向にあります。世界の人口増加、肉の消費増加に伴う飼料需要の高まり、そしてバイオ燃料に穀物が使われたことも重なって、二〇〇八年には世界的な価格の高騰が起きております。当時、食料の輸出禁止や輸出税をかける国が続出をいたしました。食料の輸出規制が起きれば、日本のような食料輸入国はとんでもないことになるということが現実でございます。

 昨年来、ロシアの穀物禁輸等の影響で、小麦や砂糖、乳製品などの国際価格が上昇しております。FAOによりますと、既に二〇〇八年の価格水準を超えているということでございまして、特に、チュニジア、あるいは先日も大きなデモでマスコミを揺るがしておりましたエジプト、これもやはり食料の高騰が大きな原因であるというように報じられております。二十一世紀は、もはや、お金を出せば食料が確保できるということを進めていく時代ではないというように私どもはとらえております。

 逼迫する世界の食料事情を踏まえ、政府は、新たな食料・農業・農村基本計画で、食料自給率五〇%の目標を掲げられました。ことしから戸別所得補償制度や六次産業化が本格実施され、生産現場の期待も寄せられておりますが、こうした農林水産業を振興しようという大事な時期に、TPPで重要品目の関税撤廃となれば、我が国の食料自給率は、今四〇%ですが、一三%に落ちてしまう、こういうことでございます。

 世界の栄養不足人口がもう十億人を超えるという大変な状況の中で、先進国で類を見ない食料輸入国である日本が、食料を増産し、自給率を向上するのは当然のことであります。今こそ、国内生産を増して食料自給率を高める政策を強力に推進すべきであるというようにとらえております。

 一方、道庁が、農畜産物の七品目を対象に北海道への影響を試算いたしました。農業と関連産業及び地域経済に与える影響は、毎年二兆一千二百億円、こういう状況であります。北海道の食料自給率は二一一%から六四%に下がってしまいますよということも言われております。

 毎年多くの観光客が訪れる北海道各地、特に富良野地区の美瑛の丘の観光の皆さん、毎年非常に多くの方々がお見えになって和んでいただいておりますが、この国土の保全機能も失われてしまうということが心配されます。

 さらに、北海道の多くの町は、一次産業を中心に多くの仕事と人が関連して成り立っておるところでございまして、仮に一次産業が壊滅すると、農業者はもとより、食品工場や農業機械・資材製造工場、運輸、サービスなど、それぞれのところで働く人たちに大きな影響を及ぼすということでございます。

 さらに、TPPは、食品の安全基準や金融、保険、医療、公共事業等への海外企業の参入拡大など、幅広い分野の規制廃止を目指す交渉と言われております。

 例えば、アメリカは、日本に牛肉の輸入制限の緩和を求めてくるというように私どもはとらえておりますし、また、残留農薬や食品添加物の基準について、我が国の厳しい基準を緩めるよう求めてくるかもしれません。遺伝子組み換え食品の表示制度を緩める要求も出てくるかもしれません。こうした食の安全にかかわる基準が変わるならば、事は私ども農家だけの問題ではないというようにとらえております。

 さらに、外国からの移住者がふえれば若者の就職難がさらに深刻化して、世界一と言われる日本の医療を支える国民皆保険制度が見直されれば、患者ごとの医療サービスに大きな格差が生じるかもしれません。

 TPPは、我が国の食生活や雇用、医療など、国民生活全体に劇的な変化をもたらす交渉であるというようにとらえております。

 TPPの二十四ある交渉分野のうち、農業などの分野のことだけを取り上げてTPP参加の是非を検討するべきではないというように私どもはとらえております。TPPの二十四ある交渉分野のすべての情報を公開して、国の形のあり方について、十分時間をかけて国民合意を得なければならないと考えます。

 お手元に二つの資料を配付させていただいておりますが、一つは、昨年十一月に札幌で開催させていただいた道民総決起大会の資料でございます。大会の名前を「「この国のかたち」を問う道民総決起大会」とさせていただきました。TPPは農業だけの問題ではないということを広く道民に考えていただきたいということが、この名前を使わせていただいた大きな理由でございます。

 もう一つのチラシでは、この国の形について道民一人一人の問題として考えてほしいと広く呼びかけておるところでございます。

 政府は、食と農林漁業の再生推進本部を設置して、ことしの六月に農業対策の基本方針を決め、十月をめどに中長期的な視野を踏まえた行動計画を策定して早急に実施する、こういう考えだと聞いております。

 仮に関税撤廃となれば、小麦粉あるいは砂糖、でん粉、バターなどは、製品の品質格差がなく、差別化が難しいということでございまして、国産品は需要先を失う可能性が高く、小麦やてん菜などの国内生産の減産、壊滅は避けられないということでございます。

 農林省の試算によりますと、TPPを締結すれば、我が国の農業生産額は単年度で四兆一千億円減少すると言われております。仮にそれを毎年毎年財政負担で埋めると仮定をして、その財源をどこに求めるのか。今議論されております消費税でもしこれを求めるとすれば、現状の生産を維持するだけでも消費税を二%近く上げなければならない、そういうことが必要だというように私ども計算をしております。

 自由化して農家に直接支払いをすればいいという意見がございますが、関税ゼロの国での所得補償は、財政的にも政策として破綻をいたします。

 再生本部が決める農業対策は、自由化の代償措置であってはならないと考えます。そうではなくて、昨年三月に決定した食料・農業・農村基本計画の自給率目標五〇%の早期達成と、日本農業の将来展望を切り開く農業政策でなければなりません。そのために必要な対策についてはしっかり対応を図っていただきたいと思います。

 国産農畜産物への消費者の支持と信頼を得るために、命の維持に不可欠な食料を、その生産過程を含めて、最良の形で消費者にお届けすることを我々はみずからの社会的な使命と考え、しっかりと取り組んでいく考えでございます。また、北海道農業を盤石なものにして、日本の食料自給率向上に最大限貢献をする覚悟でございます。

 国民への安心、安全な食料の安定供給という観点から、貿易交渉に当たっては、重要品目を関税撤廃の例外扱いとする方針をぜひ堅持していただきたいと思います。

 また、今後とも北海道農業に対する御指導と御支援をよろしくお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。

 ありがとうございました。

中井座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述人からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

中井座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮島大典君。

宮島委員 民主党の宮島大典でございます。

 陳述人の皆様方には、大変お忙しい中お出ましをいただき、大変貴重な御意見をいただきましたことに、御礼を申し上げたいと思います。

 また、このたびの道内における局地的大雪におきまして、残念ながらお亡くなりになられた皆様方に心からのお悔やみを申し上げますとともに、さまざまな被害に遭われた皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、陳述人の皆様方を初め、この大雪対策、さまざまな対策に取り組んでいただいておりますその御労苦に、心からおねぎらいを申し上げる次第であります。

 さて、我が民主党におきましても、豪雪被害対策ということから、豪雪対策本部を、鉢呂吉雄党副代表を本部長といたしまして、既に設置をいたしておるところであります。各現地の視察あるいは政府への申し入れというものも行って、この喫緊、緊急の課題に取り組んでまいっておるところであります。

 また、この予算委員会の中でも、菅総理の方からは、除雪費用の追加配分や特別交付税による対応に言及をされましたし、また片山総務大臣からも、三月交付されます特別交付税において、最新のデータというものをとって措置したいというような御発言もあっておるところであります。

 そこで、この際でありますが、きょうはなかなかお時間もなくて、個々の御要望というまでには至らなかったと思いますが、この大雪対策において、何か、それぞれの皆様方からの国会に対する御要望、御意見があればお聞かせをいただきたいというふうに思います。

上田文雄君 私ども、大雪で大変苦労をしておりますが、毎年のことでありますけれども、それでも、備えはしているつもりでも、雪の降り方によってはとんでもないことになる。地域的にかなり偏った、夏ですと集中豪雨というのがございますけれども、それと同じようなことが、今、雪についても、全市的に降るというのではなくて局地的に降るというのがございまして、これまでの対応とは大変違った対応をとらなきゃならないという意味合いで、かなり苦労をしているところでございます。

 それと、やはり景気の低迷というのが一番大変でございまして、除雪をする人員、スタッフを確保するのが非常に大変になっております。

 それから、大都市でありますので、排雪、除雪じゃなくて排雪ですね、堆積場まで運んでいくトラックが必要なわけでありますが、このトラックを確保するのが、経済の見通しが悪い状況の中で、建設業界が疲弊しているというふうなこともございまして、夏に稼いで、冬場何とか、ボランティア的なところでもいいからここで頑張ろうという方がだんだん少なくなってまいりまして、トラックが本州に出稼ぎに行ってしまうというふうなことになっておりまして、大都市機能を維持するために必要な排雪を担当する所要のトラック部隊が非常に心もとなくなってきているという状況でございます。

 そんな意味でも、全般的に除雪は非常に苦労が多い、そして何らかの形でやはり国家的な、財政的な援助をちょうだいするというふうなことがどうしても必要になってくるというふうに考えております。

 特に、除雪の機械の老朽化というようなこともございまして、これを更新するのに大変お金がかかります。要するに、冬しか使えない建設機材というものがございまして、これを維持するのには大変な苦労をするというふうなことがありますので、ぜひ御配慮いただきたいというのが希望でございます。

高橋はるみ君 それでは、私は二点この関係で申します。

 一つは、冒頭の私からのお話の中でも申し上げたのでありますが、やはりビニールハウスを中心として農業被害が相当出てきておりまして、多分これは全国も同じかと思うわけでありますが、私どもとして対策をし、そして国からの御支援をぜひお願いできればというのが一つございます。

 それから、多分これは奈井江町長もおっしゃるかと思うのですが、除雪体制の縦割りの撤廃という点でございます。

 すなわち、国道は国が責任を持ってやる、道道は我々が責任を持ってやる、そして市町村道は市町村が責任を持ってやる、それは当然といえば当然なのでありますが、実は、雪というのは、国道だけ多く降るとか、そういうことはありません、面的に降るわけでありまして、その除雪を効率的に行っていくためには、我々、それぞれの除雪主体が連携をしながらやるということが、だれが考えても効率的なことであります。

 そういった観点から、奈井江町長さん、大変先進的ですので、この地域で先駆的に道道との連携の除雪をやって、我々も一緒にやらせていただいているわけでありますが、国も巻き込む形でこういったことが展開するような、これは一つの地域主権のポイントとして、テーマとしてぜひ御議論を進めていただければと思います。

 以上です。

北良治君 それでは私からも申し述べさせていただきたいと思いますが、まず一つは、国道十二号線を含めて、二割カットされているということを聞いているところでございます、除雪、排雪が、特に排雪。

 私の隣の美唄市などは、四車線ありますけれども、片道二車線といいますけれども、一車線しか通れない。これからもし大きな災害等があったらどうなるんだろう、この懸念をいたしております。

 ですから、いわゆる高速道だけ通ればいいんだということでなく、メーンの道路というのは、ある面で節減しなければいけないんですが、しかし実際問題、生命にかかわる災害が起きたときにどうなるかということが懸念されることの一つでございます。

 いま一つは、先ほど上田市長も少しく話がありましたように、地域の建設業界が非常に疲弊している。したがって、トラックもなければ、スタッフも整理した、こういう中で公共事業が大幅に減った。ある面では正しい面もあるんですが、しかし、地域にその基盤が少しずつなくなってきた。これらについても、やはり緊急的な対応というものについてはぜひ配慮を願いたい、こんなお願いを強く申し上げます。

 今知事から地域主権、地方分権というお話がございましたが、奈井江町はさまざまな取り組みをいたしております。道道と町道が交わっておりますが、これを一体的に除排雪ができないか、除雪ができないか、こういうことで、一体的に奈井江町が引き受けて、道道についてもやらせていただいておるところでございます。

 これは知事の英断もあったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、その一体性ということが地域住民にとりましては非常に大切なことでございます。町道と交差している中において、道道は道道ですよ、町道は町道ですよ、こういうふうになりますと、やはり無駄が多いばかりでなく、しかも、片方を除雪あるいは排雪しますと、大きく盛り上がってしまって二重三重に経費、コストがかかる。

 したがいまして、いかに効率よく除排雪をするかということは、地方分権といいますか、地方に主権を与え、一体的に取り組めるようにぜひしていただきたい、こんなお願いを強く要望しておきます。

 以上でございます。

飛田稔章君 ハウスあるいは牛舎もそうなんですけれども、昨年の暮れから一月いっぱい、二月に入ってもそうなんですが、ハウスでほぼ三百五十件ぐらいの被害を受けている。牛舎では二件ぐらいだというようにお聞きをしてございますが、これは保険制度の充実が非常に大事だと思います。

 ただ、保険は加入をしないと対象にならないということなので、私どもも、組合員の皆さんには保険に加入してくださいという勧めをしております。ですから、やはり加入をして、こういう被害に遭ったときに、どのようにそれを支援に結びつけるかということを大事にしなきゃなりません。

 もう一つは、例えば、ハウスが壊れるということは、中にあります、要するに十二月から一月あたりはもう既に春に収穫する野菜等が栽培されておりますから、それに対する被害が甚大なんですね。これは、それぞれ保険制度もありますけれども、保険の対象にならないものもあるので、これについては、やはりどこかでしっかりと支援をしないと、せっかくの作物が台なしになってしまうということがございますので、その点はぜひ国にもお願いをして、これは道にもお願いしなければなりませんが、いずれにしても、そういう支援対策にしっかり取り組んでいただきたいということ。

 この二点をよろしくお願いします。

宮島委員 ありがとうございました。しかと承らせていただきました。

 それでは、先ほどから話題となっております地域主権についてお尋ねをしたいと思います。

 この地域主権改革は、我が民主党政権の政策の一丁目一番地と位置づけまして、推進をいたしているところであります。その方策として、例えば地方交付税におきましては、平成二十二年度におきまして一・一兆円、また来年度の平成二十三年度には、さらに〇・五兆円の増額を図ろうといたしております。

 また、平成二十二年度の補正予算におきましては、地域のニーズに応じて使えるきめ細かな交付金というものも創設をいたしましたし、また、先ほどもお話のありました地域自主戦略交付金と銘打ちまして、国が人を縛ってきたひもつき補助金というものを改めて、自由度の高い一括交付金というものを創設し、平成二十三年度で〇・五兆円、平成二十四年にはこれを市町村に枠を拡大いたしまして、一兆円規模で目指していくという方針を決めているところであります。

 こうした地域主権改革というものが進みつつあるわけでありますけれども、このことにつきましての御評価なり感想を、上田市長さん並びに高橋知事さんにお聞かせをいただきたいと思います。

上田文雄君 地域主権、我々、地域から主張をずっとしてまいりまして、それを政策として、国策として取り上げていただいているということについては、大変敬意を表したいというふうに思います。

 ただ、その進み方が余り顕著でないところが一番悩みかなというふうに思います。先ほどの国と地方の協議の場を設けるということについても、なかなか法律がうまく固まっていかないというところもありまして、もどかしく思っているところであります。

 ただ、一括交付金につきましては、道府県レベルで来年度からというふうなことでありますし、二十四年からは市町村レベルでもそのようにというお考えでありますので、これは非常に大きな政策転換ということで歓迎をしたいな、こういうふうに思います。

 ただ、それが、総額を抑制するというふうな、地方に負担をかけるというようなことにならないように、もちろん、無駄が省けるということについては当然あり得ることだというふうには思いますけれども、そのことと地方が担っている役割、そしてその仕事量といったものを考えたときに、その総額がしっかり保障されるということが、これは昨年六月の財政運営の方針の中にも、地方に転嫁してはならないということが明確に述べられておりますので、そこはきっかり守っていただけるというふうに我々信じておりますけれども、しかし、それは今ここでも強く、そういう経済的な一括交付金にならないようにぜひお願い申し上げたい、このように思います。

高橋はるみ君 私から二点申し上げたいと思います。

 一つ目は、地域主権改革、こういう表現を使っておられることを大変評価したいということであります。

 我々、道庁、北海道におきましても、実は、民主党政権がこの言葉を使われるずっと前から、道庁のいわゆる分権を進める組織名のネーミングとして地域主権局というものを設けまして、やはり分権というのは中央から降ってくるものではいけない、我々地域から求めて、積極的に、主体的に発信をし、かち取ってくるものであるという、やや精神論的な部分もあるわけでありますが、地域主権局というところが中心となって、この分権の議論あるいは道州制の議論を進めさせていただいてきた経緯がございますので、その意味では、こういった観点から分権の議論をお進めいただくという政府の大方針というのは大変に評価をさせていただいているところであります。それが一点。

 しかしながらということなんでありますが、二点目に申し上げたいのは、我々、これは道に限らず、全国知事会全体の思いとしては、税財源一体としての一般財源化という形で国から地方に移譲をお願いしたいということを前からずっと言ってきております。

 しかしながら、そのことがなかなか進まない中で、一括交付金、今おっしゃった自主戦略交付金というんでしょうか、これの創設をマニフェストにうたわれて、その第一歩がこの二十三年度予算において始まった、政府案の中で計上されているというふうに理解をいたしているところであります。これは、本来の私ども地方からの理想の姿としての一般財源化とはちょっとたがうものでありますが、しかし、一歩前進をしていただいたということで、この一括交付金化ということについても評価をさせていただいているところであります。

 しかしながら、一年目については、公共事業のインフラ整備の一部予算を持ってきて、北海道の場合には、ここまで公共事業予算というのは国土交通省北海道局というところに一括計上しているものでありますが、それを内閣府の方に計上し直されて、また我々からお願いをして国交省の方に戻すということになってしまうわけであります。

 何でそうなるかといえば、このお金というのは、他の、インフラ整備以外のいろいろなことに使えるというふうに政府の方はおっしゃっていただいてはいるわけでありますが、先ほど来るる申し上げておりますとおり、広大な北海道において、国の公共事業予算は足りておりません。そういう中で、自由に使えるよと言われましても、私どもとして、継続事業にこれを充てる以外に、今、充当する余裕は一切ありません。

 その意味では、やはり金額面が少ないというのは私どもとして大変残念でありまして、そのことを申し上げたいと思います。

 以上です。

宮島委員 ありがとうございました。地域主権改革はまだ始まったばかりでありますので、これからも強力に進めていかなければというふうに思っております。

 時間も少なくなりましたけれども、先ほど北町長さんの方からも、今回の予算あるいは予算関連法案の早期成立という御要望がありました。今、予算委員会の中でも熱心に議論を重ねているところでありますが、ねじれ国会ということもあり、いろいろな報道では、この予算並びに関連法案が通らなかった影響というものが取りざたされてくるようになりました。

 そこで、予算関連法案等、特にこの中には地方交付税法の改正法案などもあるわけでありますが、こうしたものが通らなかったときの影響というものについて、また上田市長さん、高橋知事さんにお聞かせをいただきたいと思います。

上田文雄君 先ほど北町長からもお話がありましたけれども、四月交付対象になる一・五兆円がおくれますと、さまざまな形で影響が起きるといいますか、影響は甚大であるということは間違いないというふうに思います。

 例えば、経済・雇用対策、ここら辺が今一番地方が大変な状況にございますので、間断なく雇用政策、経済対策を打ち続けるということが阻害されるということは、これは国民的な利益に反することになるだろう、このように考えます。

宮島委員 ありがとうございました。

中井座長 次に、金田勝年君。

金田委員 自由民主党の金田勝年でございます。

 きょうは、陳述人のお話を伺わせていただいて、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 まず初めに、先ほどもございましたが、豪雪対策本部ということで、私ども自由民主党におきましても、谷垣総裁をヘッドとしまして、その本部で懸命に、皆様の状況を教えていただきながら、しっかりと私どもも、国会の場で、いろいろな形で与党にもまた協力を求めて頑張るということで努力しております。

 私は秋田選出でございますので、きょう皆さんのお話をお聞きしていて、非常に共感するところが多かったのであります。私ども秋田の人間は北海道の皆さんと非常に同じような考えを持っているのじゃないのかなと思ってお聞きをしておりました。

 まず最初に、簡単に一言でお答えいただきたいのです。

 私ども地方に生きる者にとって、新たな産業をつくる、そういう産業政策も非常に重要な側面はあります、将来を見通して。しかしながら、私どもにとっては、景気と雇用がいまいち、非常に地方が疲弊して大変だというこの現状の中で、これをどう打開していくかというふうに考えたときに、やはり景気を回復させ、あるいは雇用を回復させる。

 本当に、大学の卒業生が六八%しか就職内定がない、あるいは本当にぎりぎりのところでみんな都会に出ていく、そういう状況の中で、私どもの地元も、やはり大事なのは、相変わらず、公共事業というもののフローの面の役割、あるいは第一次産業、農林業それから水産業を含めた、伝統的な、日本の文化、そういうものを形づくってきた分野をしっかり元気づけていくということが私は大事だというふうに引き続き思っているのであります。

 この点に関して、一言で、そう思う、そう思わないというのを四人におっしゃっていただければありがたい、こう思っております。どうぞ。

上田文雄君 そう思います。

高橋はるみ君 先生のおっしゃるとおりだと思います。

北良治君 今お話がありましたが、公共事業ばかりでなくてあらゆる景気対策をとるべきだ、こういう見解を持っております。よろしくお願いします。

飛田稔章君 そう思います。

金田委員 公共事業だけではなくと今おっしゃられましたが、北町長さんは、もちろん公共事業も大事だよ、こういうお話ですね。わかりました。私どもも同じ思いなのであります。

 そういう中で、今回の予算を見たときに、私は非常に残念だなと思う点があるのであります。

 それはどういうところかといいますと、公共事業の予算を随分、二十二年度に続いて二十三年度も減らしてきている。そしてまた、コンクリートから人へというメッセージの中でそういうことが行われてきた。しかし、最近はコンクリートから人へと言わない。私は、コンクリートも人もという考え方で地元でも東京でも常に演説をしております。だから、そういう実態というものをやはり真剣に受けとめて、そして対応策を考えていく、マルチに考えていくということが非常に重要だと思うんですね。

 そのときに、公共事業予算が二十二年度はマイナス一八・三%、そして来年度予算は、一括交付金に回した分を戻しても、それをカウントしてもマイナス五・一%という削減になっている。それから、農林予算に至っては、先ほどお話がございました、二兆四千億を下回っている。その中に戸別所得補償の財源も全部入れているにもかかわらず、いろいろな施策を、中長期の視点の施策をつぶしてそれを入れている、入れた結果、三十数年ぶりの減少ということになっているんですね。レベルが三十数年ぶりになっています。

 だから、こういう非常に大切だと皆さんが思っている部分に鋭いメスを入れて、削減してしまえ、この結果、では財源は実現できたのかな、こういう話になるんですが、これは、この二つを比較して受けとめてお考えを簡単に聞きたいのであります。

 政権交代が行われる前にこういう発言がありました。その後総理になった方の発言であります。一般会計、特別会計を合わせて二百七兆円ある、その一割や二割は簡単に無駄の除去で、無駄撲滅で出てくるんだよ、見直しで出てくるんだよ、こういうお話をいただいた。そんなものかなと、私も昔は役人をやっていたんですが、そういうことはないだろうなと思っておりましたが、そう言われた。

 そして、今、一年半後の今日、どういうふうにおっしゃっているか。別の方がおっしゃっているんですけれども、消費税を上げなきゃいけないというのがいろいろなときにぽろっと出てきます。しかし、正式には言わない。言わないで、税制の改革と社会保障の一体改革が必要だ、こういう言い方をしています。もちろん、それは大事でしょう。しかし、この一年半で何がどう変わってそうなったんですかというところの説明がない。この説明がないところを私たちは問題だというふうに考えるのであります。

 一年半前は、十兆でも二十兆でも、例えば、マニフェストで約束した十六・八兆の財源を出すことができるんだということをはっきりと言って政権をとったにもかかわらず、今はそれができていない。見方によっては三兆円という考え方もある。そして、この二十三年度では十二・六兆円財源を用意しなければいけなかったけれども、そのうちの三兆円しか用意することができなかった。

 こういう現状にあるという中で、では、マニフェストに対する国民の信頼感、そして責任というものに対して、はっきりとそこは説明をし、謝罪をし、そしてマニフェストを見直す、その上で税と社会保障の一体改革ということを掲げなければいけないのではないかというふうに私は思うんです。

 それは同時並行してやってもらってもいいですよ。何か必要な部分がいろいろと欠落をしながら進む、これが私は問題だと思うんですが、これに対しては、問題であるかどうか、どういうふうにお考えでございましょうか、ちょっと簡単に教えてください。時間の制約上、申しわけありません。

上田文雄君 先ほど、在来の経済構造といいますか、公共事業も含めて大事にしなきゃならないというふうなことについては、そう思いますというふうにお答えいたしました。

 ただ、日本も、札幌市もそうでありますが、成長期と成熟期というふうな分け方が適当かどうかわかりませんが、高度経済成長時代の物の考え方と、一定程度の社会資本というのが整備をされた段階で、例えば従来の蓄積した財産を保全していくということに重点を置かざるを得ない、置くべきそういう公共事業と、大分、質とかさが違ってくるということはあり得るだろう、こんなふうに思いますので、そこはやはり、財政もそうでありますけれども、しっかりとした見きわめをしていかなきゃいけないだろう、そんなふうに思います。

 ただ、オール北海道として、社会資本全部ほかの他府県と同じレベルになっているかどうかということになると、これはかなり疑問があるということについては申し上げなきゃならないというふうに思います。

 それともう一つは、マニフェストで約束したお金が、無駄が出てこないじゃないかという、これは私もかなりもどかしく思っているところであります。当初、算定を、マニフェストをつくられたときのテレビ討論などを見ておりますと、サンプリングをして、いろいろ無駄が何割かありそうだ、これを全部に広げてみればそのぐらい出るんじゃないかというふうなお話だったようにお聞きしておりましたが、それがなかなか難しかったということかなというふうに、私もそれはそのように思いますので、修正をするのであれば、情報公開といいますか、どうしてこういうことなのかということはしっかり国民にわかるようにしていただくのが正しい方向ではないかな、こんなふうに思います。

高橋はるみ君 今の金田先生の御質問に、なかなか正面切って難しいんですが、三つぐらい申し上げます。

 一つは、無駄の撲滅というのは大変重要な視点でありますが、私もこれで八年間ぐらい地方行政トップとして見ている立場からしますと、なかなか、言うはやすく行うはかたしという一般論はあろうかなというふうに思います。

 それと、マニフェストの関係についても絡めての御質問でございましたので、あと二点申します。

 一つは、かつて財務省、大蔵省の方々が、地方は無駄が多いキャンペーンというのを徹底的にやられました。地方はこんな無駄しているとかあんな無駄しているとかいうことを言われましたが、最近余り聞こえませんですけれども、私ども地方から見て、無駄とは言いませんが、一つ国に申し上げたいことがあります。

 それは何かといえば、我々地方、とりわけ北海道は、人件費の削減ということをやるために、給料の独自縮減というのを、組合の方々の御理解、御協力も得ながらずっとやってきております。こういったことをやりませんと、財政の中でやはり人件費のウエートというのは大きいので、なかなかやり切れない。財政再建というのは難しいところがございますが、国は、これもマニフェストにあったかと思いますけれども、二割でしたか、それを実現される一歩としては、やはりこの独自縮減ということまで踏み込まれる必要があるのかないのか、少なくとも議論はしっかりやっていただく必要があるのかなというのは思います。

 それから三つ目、もう一つだけ。

 マニフェスト全体についてコメントするのはなかなか難しいのでありますが、子ども手当について申し上げれば、これについては、神奈川県さんを初めとして一部の自治体の方々が、支払い拒否というんですか、国の負担でやるべしということを言っておられます。このお気持ちは本当によくわかります。

 ただ、道はそれはやっておりません。というのは、北海道の子供がいる親御さんが、ほかの地域ではもらえる子ども手当がもらえなくなるというのは、これは私どもとしてやってはいけないことだと思うので、神奈川県さんに賛同はして、同じことはやりませんが、ただ、これは明らかに、子ども手当については国がすべての責任を持ってやるとおっしゃっておられたことと約束はたがっておりますので、これは知事会を通じて、約束違反であるということは明確に遺憾の意ということを表させていただいているところであります。

 以上です。

金田委員 事業仕分けで二十二年度出てきた財源というのは七千億、それから二十三年度出てきた財源は三千億であります。ですから、言うはやすく行うはかたい、もう典型みたいな形になっているんですが、そのプロセスを見せるという意味では透明化というのはあったんだとは思いますが、実態はそうなっている。だから、そういう状況の中で先ほどの問題を考えていただかなければいけないなと。

 ここで一つ問題提起を申し上げたいのは、総理は、今、与党の責任者として、所信表明でも施政方針でも常に言っております。三段ロケットで景気の回復と雇用の回復をする、こういうふうに言っております。しかし、この三段ロケットというのは、今回の予算です。予備費が一段、二段が去年の補正、そしてことしの本予算が三段目です。

 さて、この三段目のロケットで景気・雇用回復、きっちりできるというふうに宣言した総理の言葉、これに対してどういうお感じを持っていらっしゃるか、高橋知事、一言でお願いします。

高橋はるみ君 難しい御質問でございますが、私ども地方としては、この三段階の景気・雇用策という政府の御方針に沿う形で、一段目、二段目、しっかりと、それをすぐにスピード感を持って受けて、緊急雇用対策を展開してきているところでございます。しかしながら、今段階でも、持ち直しという動きは出ているものの、まだまだ厳しい現状にあるということは申し上げられるかと思います。

金田委員 ありがとうございます。

 そういうお答えだろうなとは思いました。したがって、本当に三段ロケットで景気の回復を図ると言うならば、この予算がそれに十分に値する内容を持って、そしてスピードを持ってやるということは非常に重要だと思いますが、この予算で十分かというところを引き続き検証しなければいけないということを考えております。

 続いて、北町長さんですが、よろしいでしょうか。

 道に対しても非常に積極的に物を言い、周辺の町とも連携をしながら、本当に、医師不足を解消するために頑張ったりしてこられましたね。大変に頑張っておられるというふうに、私もいろいろな記事で見ておるんです。

 二年前に地域医療再生基金というのがありました。これを、我が自民党が当時、与党のとき、政府のときに三千百億の補正をつくったんですが、政権交代の後、二千三百五十までに減らされたんです、地域医療再生基金というものは。これは、二次医療圏にだけ限って、そして規模を小さくするという考え方で、当時はそこまで必要ないよという判断だったんだと思うんですね。そういう形でやった。しかし、これを今度の予算でもっとでかく復活させているわけであります。二千百億、二十二年度の補正予算で復活させている。

 だから、いろいろ検証するのはいいんですが、要するに、予算に対して、早くやればそれなりの効果があるものを一たん削る、そして一たん御破算にする、そしてまた戻すというような政策のそごが、私は国として非常に問題だと思うんですが、これは前置きでありまして、要するに、医師不足というものに対して取り組んでいる町長さんのお考えを、一つだけ簡単に。

 国に対して望むことは何ですか。

北良治君 地域医療をどう充実していくか。偏在の話も出ました、そして医師の絶対数が少ないという話も出ました。全くそのとおりでございますが、同時に、やはり、医師補充率七〇%以下の病院については、診療報酬が一〇%減額されるんです、これは過疎地域は二%に対して、特に地方における医師不足の現状を考慮して。逆に、医師が不足だからとペナルティーをかけられておるんです。こういうことも含めて総合的に考えていただきたいと一言申し上げます。

金田委員 わかりました。ありがとうございます。

 それでは、飛田さん、よろしいでしょうか。TPPの話ですが、私はこう思っております。

 TPPというのは、食料の安全保障というものを考える。これは、将来の世界の需給構造がどうなるかというときに非常に心配だとおっしゃられた。そのとおりだと思います。ですから、主要国である以上、責任を持ってみずからの主食あるいは大事な食料を、しっかりとまず将来への計画を立てる、そしてそれが確保できる前提に立って必要な自由化も考えるという、物には順番があると思います。

 私は、下着とワイシャツの関係じゃないかと思っております。下着が食料の安全保障であって、それを肌に身につけずに、ワイシャツを着てから農業対策を同時に考えればいい、ワイシャツと下着を一緒に着るようなことをしてはいけない、私はこういうふうに思うんですが、それが一点。

 それからもう一点は、このTPPは二十四品目の話がある。中に、郵政の事業の民営化に対する強い要求もある。そういうふうな問題、あるいは医療の問題、いろいろあります。だから、そういう分野とよく手をつなぎながら、連携しながらこの問題をイエスだノーだということを言っていらっしゃるのかどうか。そこのところを二点。

飛田稔章君 今お話がありましたように、食料、いわゆる命を携える、これは安全保障ですから。

 私ども今、日本全国でほぼ四百万ヘクタールの農地があるというふうに認識をしてございますが、この四百万ヘクタールで一億二千万の人口を養うことはできないんですね。ですが、今四割の自給率をどのように高めるか。今先生からお話があったように、今世界では非常に、先ほども私も申し上げましたように、食料の需給バランスが崩れる、もうお金を出しても分けてもらえないよという時代が必ず来ると私どもはとらえておりますから、そのことをまず大事にしていきたいということ。

 それと、二点目は何でしたか。(金田委員「要するに、二十四品目、ほかの品目でも規制緩和でどんどんいく、その影響を受ける皆さんと連携をとっておられるかということです」と呼ぶ)

 北海道は特に、道経連も、慎重に扱うべきだという考えをもらっております。商工会もそうです。六十五ぐらいの団体、組織が私どもと同じような認識を持って取り組んでいただいておりますから、今先生がおっしゃるような内容でしっかり取り組んでいこうということでやっております。

金田委員 この問題は、生産者が目に見えるところにいらっしゃるところの皆さんの考え方と、生産者よりも消費者の皆さんだけの皆さんとで意見が大分違ってくると思います。ですから、そういう意味で、消費者も巻き込んでやっておられるというお話でしたから、そういうところを大事にしながら皆さんの意見の集約を図っていくというのが大事だというふうに思うんです。

中井座長 次に、遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 四名の意見陳述人の皆様、きょうは冒頭に大変予算審議の参考になります貴重な御意見を賜りましたこと、まず心から御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。

 また、公明党といたしましても、北海道、東北、あるいは北陸も、今九州も降っておりますが、ことしの豪雪対策につきましては、党本部で先般、対策を具体的に策定いたしまして、申し入れたところでございます。豪雪対策につきましては、これは与野党関係ないと思っておりまして、公明党としても他の政党の皆様と一緒に万全を期してまいりたいということを、まず冒頭申し上げさせていただきます。

 それでは、時間に限りもございますので、幾つか具体的に御意見を聞かせていただきたい点を申し上げたいと思います。

 まず一点目でございますが、子ども手当法案、国会ではこれから審議をされてまいりますけれども、既に新聞等で具体的に報道されておりますとおり、子ども手当法案が廃案になった場合は、自公政権時代に私ども公明党が特に力を入れてつくりました児童手当法が有効になりまして、そちらに戻るという法律構造になっております。

 ところが、厚生労働省から出てきている情報といたしまして、もし子ども手当法案が廃止になった場合は、児童手当法に基づいた児童手当の支給を各市町村がしなければならない。ところが、約千八百ある市町村のうち千六百六十九自治体におきまして、昨年度、システムの改修をしているため、また児童手当には子ども手当と違って所得制限がかかっているため、支給が非常に困難であるという指摘がございます。

 私は、これはちょっと政府の側、厚生労働省の側の論理に問題があるというふうに考えております。

 なぜかといいますと、現在の子ども手当法の法律構成は、従来の児童手当法を廃止しないでそのまま維持して、その結果として、国の負担以外に地方負担と事業主負担が温存されているわけですね、財源として。そして、民主党政権になりましてから、加算分のところにつきましては全額国費で見るという二重構造になっているわけです。

 そうしますと、厳密に言いますと、児童手当法を廃止して子ども手当法をつくっていれば問題はないわけですが、児童手当法を残しているわけでございますから、法律上、まだ有効な法律に基づいた児童手当の支給システムを自治体に対して改修させるという行為自体が、やや矛盾をはらんでいる。私は、行政手続のあり方としては、問題があるやり方だったのではないかと思っております。

 そこで、きょうは上田市長と北町長が市町村代表の首長さんでございますので、まずお二人から、子ども手当法案が廃止になった場合、市として町としてどういう対応を考えておられるのか、何が課題なのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。

上田文雄君 私は、システムについては改修したという話は聞いておりますけれども、もし廃止になった場合に、そのシステムを、既存のものと、それにプラスした部分が直ちに分離できるシステムになっているかどうかについては承知しておりませんので、どのぐらい手間がかかるのか、時間がどのぐらいかかるのかというふうなことについては、今すぐはお答えできません。

 ただ、相当混乱することは間違いない、開始したときも混乱をしましたので、廃止するときにもまた混乱することは避けられないだろうというふうに思います。

北良治君 今のお話でございますが、電算システムの再構築が必要になってまいります。相当の時間がかかる、こういう思いを強くしております。業者との打ち合わせだとかが必要であるかどうか、そういったスケジュール的に厳しいものがあることも、これまた事実でございます。

 今先生がおっしゃるように、支給システム改修については、前段で児童手当というのがあったじゃないか、これを継続すれば何ら、それに上積みしたのが今回のいわゆる子ども手当ではないか、こういう御指摘がありますが、ただ、そういう方向で作業が進んでいることも市町村として否めない事実であるということは申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。

遠山委員 率直なお答えをありがとうございました。

 私ども公明党としましても、子育て支援は大変重要な柱の政策でございますので、国会での審議とは別次元で、国民生活に余り大きな混乱を生じてはいけないという思いは当然ございます。一方で、今私が申し上げたのは行政の電子システムの技術的なお話でございますので、今のお話も参考に、またいろいろ調査研究をして、国会で審議を進めたいと思っております。

 続きまして、これは上田市長か高橋知事か、どちらがお答えになるのに適切かちょっと私はわからないんですが、先ほどの陳述で出ましたフード・コンプレックス国際戦略総合特区構想についてお伺いをしたいと思っております。恐らく上田市長でいいかと思いますが。

 市長のお話の中で、北海道の食産業の国際競争力を強化したいというお話の一つの具現化したシステムとしてこの特区構想があったわけでございますが、もう少し具体的に、この総合特区構想が仮に実現をされた場合にはどういうことをされるのか、最大の目標というのは何なのか。例えば、農産物とか水産物あるいは加工物、あるいは北海道ですからいろいろなお菓子、そういったものを海外に輸出する。国際競争力を高めたいというわけですから、当然、海外に輸出をして外貨を稼ぐ、こういうことを目標とされているのか。

 例えば、私は今、九州、沖縄が地元ですけれども、沖縄なんかは、県知事が香港とか上海に行っていろいろなものを売っていますが、例えば水産物でいうと、モズクを売り込んだりしております。それから、福岡は、イチゴの「あまおう」というブランドを今から八年前から香港に持っていきまして、たった七年間で一・四トンから七十トン以上の出荷まで伸びまして、今や二けた億の外貨を稼ぐブランド、製品になっているわけですけれども、そういうことを目指されているのか。

 この目標と、それから、地元北海道に対して見込んでいる経済効果、経済的メリット、そういうものも、もし試算があるのでしたら簡単にお答えいただければと思います。

上田文雄君 私どもが考えておりますのは、今、高付加価値化ということが一つございます。それから、北海道の優秀な食品からとれる、その要素を使いまして薬品をつくっておる、創薬ですね。あるいは、バイオ技術を使ってそういうものをつくっていくということが既に取り組みはされているわけなんですが、それをもっと組織的に、もっと集団的にやっていきたいというのが一つございます。それが高付加価値化というふうなことで言うわけであります。

 それから、ほかの生産物、例えば帯広などでは長芋などは非常に優秀なものがとれます。それが台湾だとかいうところに大変いい成績で売られているわけでありますが、例えばひげのない、つるつるした長芋がとれるとか、こういったものも非常に技術が集積をして、そういう産物をつくっているわけなんですね。

 ほかの、例えば豆だとかあるいは芋だとかジャガイモ、バレイショだとか、こういったものも、北海道のブランド力を上げるためには、そういう優秀なものがあるんだということを海外に対してちゃんと販路を見つけるというのも、これも一つあります。

 ですから、高付加価値化ということと、そういうIT、バイオを使った製品をつくっていくというふうなこと、それから、機能性食品と言っておりますけれども、そういったものを今一生懸命、北海道大学あるいは情報大学、酪農学園大学、帯広畜産大学、こういったところが取り組んでいるものを集約いたしまして、国からバックアップをいま一度いただきたいというふうな考え方でいるわけでございます。

遠山委員 ありがとうございます。

 今の話の延長で、知事とそれから飛田JA会長にお伺いしたいんですが、実は、今のような、日本の食産業、あるいは農産物、水産物、加工物の国際競争力を高めて海外の販路を拡大しようという構想を掲げますと、今の日本政府内のTPP参加推進派の方々はある意味喜ぶんですね。つまり、まさにTPPに参加をすることによって、国際競争力や付加価値を高めた日本の製品をより多く海外で売ることができる、だからTPP参加はいいことだ、こういう論理構成もあるし、実際に、皆様方も一部御承知かと思いますが、そういう主張を既に公にされている大学の研究者は結構多うございます。

 そうしますと、北海道として、一方では食料自給率のお話を先ほど飛田陳述人がされた、私もそれは非常に大事な視点だと思いますし、今の政府の表明されている内容ではなかなか私個人としてはTPP参加を容認できないなと思っている思いは一緒なんです。ただ、今のような先進的な食産業を国際化していく構想を進める延長線上に、実はTPP参加はいいことではないかという議論も出てくるという点につきまして、知事と飛田さんからそれぞれ率直な御意見をいただきたいと思います。

高橋はるみ君 まず、フード・コンプレックスの効果について、市長からもございましたが、ちょっと加えますと、私どもは輸出ばかりをねらっているわけではありません。北海道と北海道以外の国内との取引、移出入という、この移出入の中には当然外国との輸出入も含む概念でございますが、この移出入の中で移出をいかにふやしていくのかということ、別の言葉で言えば域際収支をいかに改善していくのか、こういった観点から、やはり道内、戦略的に、産学官、それに金融機関も一緒になって、食の資源をいろいろな形で高付加価値化して頑張っていこう、北海道の活性化を目指していこうということをやっております。それが一つであります。

 もちろん、その中に国際競争力の強化ということもございまして、現に、ここ五、六年ぐらいのタームでとりますと、道内も輸出品、これは国外への輸出品、三倍ぐらいに伸びております。五、六年前が一〇〇だとすれば、三〇〇、四〇〇ぐらいまで伸びてきているという実績はございます。多くが水産関係であるのは、数字でいえばそういうことでございます。

 では、一方で、TPPをもっとやればいいじゃないかというお話でございますが、輸出の面は確かにいいかもしれませんけれども、輸入ということをどう考えるのか、関税ゼロというのは双方向でございますので。

 そこで、飛田会長からもお話があろうかと思いますけれども、先ほど申しました経営規模というのが、北海道の農業というのは、府県の農業との比較において最も規模も大きいです。一けた違います、府県農業と北海道との農業は。それから、兼業率も専業性がとても高いですし、また、高齢化と言われておりましても、でも若い人たちが北海道は農業をやっていただいている現状。そういう意味では、北海道の農業は日本国内では最も国際競争力ある形と思いますが、その北海道の農業でも、オーストラリアそれからアメリカと比べますと、十倍、百倍の経営規模の違いがあります。

 こういった中で、その製品自身の、商品自身の差別化のできるものはいいんです。高付加価値だ、安全、安心だということを売っていくことはできると思いますが、ただ、例えばバターとか砂糖とか、どう差別化をするか。できません。そういったものについて、圧倒的なスケールメリットで輸入品がどんどん入ってくる状況を想定すると、まさに農水省さんが発表された、プラスよりもマイナスの影響の方が大きいという数字になるのかなというふうに私自身思っているわけでありまして、いいとこ取りだけにはならないというのがTPPだと思っております。

飛田稔章君 先ほど上田市長からもお話がありましたように、長芋が輸出されているというお話をしていただきました。これは、日本で流通しないものに対して台湾に輸出している。これは基本ですから。例えば2Lまでは日本で流通するんです。3L、4Lというのは日本では敬遠されるんですね。

 いわゆる日本で消費されないものをどうやってお金にするかということを、我々も農業も産業としてしっかり位置づけをしてほしいという話をしてございますが、いずれにしても、経営が成り立たないとどうしようもありませんので、少しでもお金にするために、例えば北海道の中でも輸出に特化している組合員もいらっしゃいます。そういう方々はTPPもいいじゃないかという話もされておりますが、相対的には、やはり日本で消費されるものについてはきちっと日本で消費をして、余るものについては輸出せざるを得ないだろうという基本的な考えに変わりありません。

遠山委員 残念ながら、時間がもうほとんどありませんので、一問だけ北町長にお伺いをいたしたいと思います。

 先ほど金田委員からもありましたが、北町長は、一市五町の広域の連合体をつくられて、そして介護と医療保険を運営されているということなんですが、特に国保の件につきましては、これは北海道に限らず、多くの自治体から非常に財政が厳しいという声が上がっておりまして、できれば都道府県単位でやってほしいとか、あるいは、国が直轄で国民健康保険の運営をやってもらいたい、もう市町村財政は非常に火の車だという声があちこちで強いわけでございます。

 広域化されて、いろいろな効率化を図られてきた御経験もおありだと思いますので、現時点で、この国保、政府・与党の方ではこれから抜本改革を後期高齢者医療制度を含めて考えておるようですけれども、率直に、町長としてはどういう改革を望まれるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

北良治君 簡潔といいますから簡潔に申し上げたいと思いますが、私ども、介護保険だとか国保だとか、こういったことを総体的に一市五町で広域的に取り組んでいることは事実でございます。それによりまして事務量はぐっと圧縮されておりますし、あわせて言えることは、財政基盤が安定化するということも一つの方法です。

 ただ、問題点は、個々の町で身近な例が、さまざまな面が出てきた、特に国保会計については負担が非常に厳しさを増してきておりますから、そういう意味で、都道府県に一本化するということは極めてハードルが高いなと。これは、御存じのとおり、医療費が都市地域と地方とは相当格差がございます。それによって国保税が変わってまいりますから、その格差を一本化するということは極めてハードルが高い。

 これは知事会も反対しておりますが、ただ、知事会も反対しているその財政負担を国がどういうふうに補てんしていくか。このことをしっかりと目標を持って定めながら、これは、この点は心配ありませんよ、都道府県に集約して大丈夫ですよという後押しがなければ、住民負担がむしろ多くなる可能性も出てまいりますので、この点を十分気をつけなければなりません。

 ただ、はっきり申し上げますと、都道府県民の健康と命を守るという責任ある立場ですから、高橋知事さんも含めて、ぜひ一緒のテーブルで協議をするということだけはお願いを申し上げたいと思います。市町村だけの責任でないということだけ申し上げておきたいと思います。

 以上でございます。

遠山委員 ありがとうございました。終わります。

中井座長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、四人の陳述人の皆様、大変お忙しい中、参加をいただきましてありがとうございました。先ほど来お話を聞いていますと大変興味深くて、本当はいろいろなことを聞いてみたいなと思ったわけですけれども、きょうは大変時間が厳しいと厳守をされておりますので、早速伺いたいと思います。

 まず、今冬の大雪対策についてでありますけれども、先ほど四人の方それぞれのお考えの開陳があったかと思います。

 そこで、高橋はるみ知事に伺いたいと思うんですけれども、今年度から除排雪の経費については社会資本整備総合交付金の中で手当てできるようになりました。国土交通省は、除雪機械の更新費用や高齢者宅の屋根の雪おろしなど使える範囲を広げ、自由度を高めたと言っております。

 先ほど北町長のお話も大変なるほどと聞いておりましたし、非常に裁量があるということはいいことだと思うんですね。ただ、例年より多い雪であるということし、全体の枠を広げないで自由に使えるといっても無理な話ではないのかと思うんです。社会資本整備の中に住宅から何から全部入っているわけで、既存の事業で置きかえているという話もかなり聞いております。

 このたび、北海道には二十四億六千万円の追加配分があったと聞いておりますけれども、正直、全然足りないのではないか、市町村道に対する補助も必要かと思っておりますけれども、このような交付金による対応について、要望も含めて知事の考えを伺いたいと思います。

高橋はるみ君 ことしは北海道に限らず豪雪ということでございまして、北海道だけの自然の被害ではないというふうには認識をいたしているところであります。

 今おっしゃられたとおり、交付金での対応、そして地域主権ということを意識した上での自由裁量の枠を広げていただいたという御高配は、大変ありがたく思っているところでございます。しかしながら、もう梅が咲いて暖かくなってきている地域もあるわけでありますが、北海道はまだまだ雪が解けるのは四月上旬以降ぐらいの状況でございますので、これからまたどれぐらい雪が降るかということは今段階で見通すことはできません。

 そういった中で、今は御支援をいただいております範囲でできる限りの対策をさせていただいていく所存でありますが、これで十分かということについては、いましばらく私どもとして推移を見守った上で、また必要に応じ要請をさせていただくということになるのではないかというふうに思っております。

高橋(千)委員 ありがとうございました。

 実は私も東北の出身でございますので、毎年豪雪対策で申し入れをしたりしている中で、やはり、交付金が使えるよという答弁があるんですけれども、しかし、枠がふえないことにはなかなか難しいというのが現場の声だったということで伺ってみたところであります。引き続いて頑張っていきたいと思います。

 それで、もう一点、知事にぜひお伺いしたいことがあるんですけれども、B型肝炎の訴訟の札幌地裁での和解協議がいよいよ大詰めを迎えております。国、原告とも裁判所の所見を受け入れると表明はしているものの、既に発症してから二十年の除斥期間を過ぎてしまった慢性肝炎患者の扱いなどが争点となり、まだハードルは高いと言わなければならないと思います。

 ただ、政府が、国民の理解が必要であるとして、一兆一千億円の基金が必要だ、最大で三兆円もの財源がかかり、増税がそのために必要であるということがまことしやかに言われていること、私は、このことは、国の責任が何か財源次第で割り引かれるような、あるいは、国民にそうしたことを呼びかけることによって原告の皆さんが非常に責められているような、そういうことで非常に問題があるのではないかと思っております。

 原告は全国で七百名を超えて、肝がんなど重篤な方も含まれているために、早く解決をしたいと思っておりますが、これらの原告にすべて補償金を払ったとしても百億円程度にしかすぎない、どう見積もっても一兆円は高いと私は思っております。増税なかりせば補償金は払えない、そういうことではないような解決が必要だと。

 北海道では先行裁判もありましたし、B型、C型、合わせて十万人もの肝炎感染者がいるということを聞いております。全員救済を目指して、私たちも頑張りますけれども、ぜひ道の方からも御支援をいただきたいなと思っておりますが、お考えをぜひ一言伺いたいと思います。

高橋はるみ君 今、高橋議員から御指摘のとおり、B型肝炎の問題について、札幌の場で一定の方向性が出るということで全国にも報道されている状況にある、そういった現状にございます。

 私は、原告、被告とも受け入れの方向になっているこの和解の中身を実現するためにどれぐらいの財政資金が必要かということについて、今手元にその関係の資料がないので、その部分については先生にお答えをすることはできないわけでありますが、しかしながら、双方ともそういう方向で議論をされるということであれば、一日も早いB型肝炎の患者さんの救済ができるように、やはり地元としても重要なことだというふうに考える次第であります。

 そして、そのことの財源ということにつきましては、これはどれぐらいの所要額なんでしょうか、政府の方でしっかり計算をし、その手当てをし、対処をしていただきたい、このように思う次第であります。

高橋(千)委員 ありがとうございました。

 これ以上はなかなかお答えにくいことであるかと思いますので、ぜひ全員救済に向けて力を合わせていきたいなと思っております。

 次に、先ほど来、子ども手当について意見交換がされているかと思うんですけれども、先ほど上田市長の方に、子ども手当がもし廃案になればというような議論がございました。

 私は、もう一つの視点で、今回、子ども手当法案で新しい仕組みが提案をされておりまして、保育料はいわゆる天引きという形になる。もちろん保育料は、たとえ二万円もらっている子供さんであってもそれより高い場合もございますけれども、その場合は子ども手当が手元に来ない、プラス、保育料はさらに徴収をするという格好になるかと思います。幼稚園の保育料ですとか、学校給食費、教材費、あるいは修学旅行費などということも言われております。必要なものについて保護者の要望があれば天引きできるということが今言われていると思いますし、その点について自治体の要望もあったということも承知をしております。

 私がちょっと思っているのは、限りなく現物給付になっていくのではないかということなんです。子ども手当の議論が最初にあったときに、現金は国が支給をする、現物給付は市町村がと明確に分けて、いろいろあっても現金を給付するということに民主党政権はこだわりを持っていたのではないかと思うんです。ところが、何かこう現物給付に限りなく近くなっていって、一万三千円でも二万円でも、額には余り関係がなくなってしまうのではないかという危惧もちょっと持っているんですね。そういうことについてどうお考えでしょうか。

上田文雄君 原則が現金給付で、例外的に、地方にとりましては、学校での給食費が滞るということ、そして保護者の方々に取り立てるということがどれだけ教育現場で難しいことなのかということについては、やはりさまざまな現場から声が上がっております。教育の場で債権債務の話をすることは、信頼関係を損なうということにもなります。そういう意味合いで、よりスムーズに、過去の分じゃなくて、これからの分、同意をいただいてそこから天引きできるというのは、例外的な措置としてそれはやむを得ないことだというふうに思いますし、現場の意見を酌んでいただいたんだろう、こんなふうに私は思います。

 そういう意味で、子育ての社会化というふうな意味合いにおいての本質は変わらないのではないか、今のところ、私はそういうふうに思っているところでございます。

高橋(千)委員 ありがとうございました。

 同じ趣旨で北町長にもぜひ伺いたいと思うんです。

 住民投票に小学校の子供たちの参加をさせることや子どもの権利条例を制定されるなど、子供を本当に主役にした行政ということに心がけていらっしゃると思うんですけれども、今の子ども手当の問題、やはり現金給付と現物給付双方で支援をしていくということにこだわってきたのではなかったかなと思っているんですけれども、どのようにあるべきかということについてぜひ伺いたいと思います。

北良治君 社会全体で子供を育てる、あるいははぐくむ、これは時代として大変大切なことだろう、こういうふうに思います。

 同時に、やはり現金給付ばかりでなく、現物的なものも多々ございます。例えば保育所が狭いだとか、あるいは入れない、これは都市部に非常に集中しておりますけれども、こういったことについても幅広くやらなければいけない。特に夫婦共稼ぎが多くなっておりますから、こういったことから、保育所の設置、教育の充実など、子育て支援を充実させるという意味では両輪でやらなければいけないだろう、こういうふうに思います。

 ただ、今のお話でございますが、例えば学校給食だとか、そういったことを含めて、払う義務があることもこれまた事実でございます。父母の皆さん方に同意をとらなければいけないことになっておりますから、同意を得るという中でできるだけ徴収を完全にしていく、その中で低所得者に対してどういう手当てがあるかということも考えながらやらなければいけないだろう、こういうふうに思っております。

 以上でございます。

高橋(千)委員 ありがとうございます。現場の苦労もお聞かせいただいたかと思います。低所得者対策をしっかりやっていくこと、子供の貧困の問題もございます。

 と同時に、私が言いたかったのは、何か現物給付と近いものになっていって、全体の、子供を支援すると言っていたのがどんどん縮小していく、保育所もそっちでやればいいんじゃないかとか、そういう形になってしまうのは残念だと思っているので、今の、まさに両輪ということが大事かなということでお話をさせていただきました。ありがとうございました。

 それでは、飛田会長にTPP問題について伺いたいと思います。

 まさに北海道を挙げて反対をしているという状況が生まれていると思います。先ほど、昨年十一月十二日の決起大会のチラシや資料などもいただきましたけれども、この国のあり方を問う、このタイトルがまさにそのとおり、そういう重大な問題だと私も思っております。

 政府は、開国と農業再生を両立させると言っており、そのための対策本部も立ち上げました。ただ、この間、農水大臣のコメントなども報道されているとおり、その決め手が何か規模拡大ということになっているのではないか。そうすると、これまでやってきた構造改革の路線と余り変わりがないと思うんですね。

 とりわけ北海道は、既にお話があったように、専業農家が圧倒的に多いこと、耕作放棄地もほとんどないということ、農家一戸当たり十九・三ヘクタールぐらいですか、規模が全然違う。その北海道でも立ち行かないというのであれば、日本じゅうやれるところはないのだ。つまり、国境措置がないままに規模拡大したからといって輸出大国に勝てるはずはないという点では、もう答えは出ているのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

飛田稔章君 今、高橋先生おっしゃるように、私ども北海道においても今ほぼ二十二町ぐらいになりました。府県は大体二町ぐらいですから、府県から比べると北海道は十倍の保有面積を持っておりますが、先ほど申し上げたように、アメリカにしても十倍、オーストラリアにすると百七十倍の面積の中で、面積一つとっても、やはり日本で農業をやる、生産をするという条件は非常に厳しいものがあって、ただ単に面積を拡大すればいいという、その拡大する条件が全く違うんですね、欧米とは。ですから、まずそれに太刀打ちできないということが基本にあります。

 もう一つは、北海道の中ですら、これからいろいろなコストの面を見ても、あるいは例えば世界的な食料需給のアンバランスを見ても、北海道が今二一一%の自給率を持っておりますが、やはり日本の食料自給率を高めるための責任を果たさざるを得ない、果たしていくんだという気持ちはしっかり持っておりますから、そのことをやはり国は、開国といっても、農業の関税は現在一二%です。重要品目が二〇〇%、米は七〇〇%ぐらいの関税がかかっております。いずれにしても、重要品目の関税を撤廃するということになれば、北海道の農業がほとんどいなくなる、農業ができなくなるということは間違いないことなので、これを国の制度の上でどうやってカバーしてくれるか。

 その財源が、先ほど申し上げたように、とんでもない財源がかかる。それが本当に実現できるんですかということを我々は申し上げておるので、実現できるとすれば、恐らく三兆、四兆、今でも二兆円以上の予算を投じておりますから、十兆円以上の農業予算が必要だよということができるんですかということを私どもは申し上げて、できないのであれば、やはり参加をすることは危険ですよということを申し上げております。

 以上です。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 私は、TPPに参加する、今協議をしている九カ国の力関係からいきますと、結局、日米のFTAあるいは日豪EPAということがその中心になってくるのではないかと思っているんです。しかも、今、日豪はもう既に協議をやっているわけで、今回、十日までの協議では何か実りがなかったかのような報道だけがされているわけですけれども、しかし、ここで日本がどういう協議を進めていくかというのが今後非常に大きな意味があると思っているんです。

 特に、オーストラリアの関心事である乳製品、牛肉、小麦など、どれをとっても北海道と競合が非常に大きく、影響ははかり知れないと思うんですけれども、この点についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。

飛田稔章君 今お話あるように、北海道は、牛乳も今、全国で五割以上の生産をしております。小麦も大半が北海道で生産されております。ビートは当然北海道で生産をされておりまして、沖縄はサトウキビで砂糖を生産しております。でん原バレイショも北海道なんです。

 ですから、今もお話がありましたように、北海道が重要品目を非常に多く作付をしているということは事実でございますし、その北海道が日本の食料基地としての責任を果たしているということも事実でございますから、そのことを十分認識していただいて、このTPPについては、あるいは日豪のEPAもそうでございますけれども、この撤廃、いわゆる関税撤廃することの例外として認めていただくのであれば、交渉にきちっと参加をしてやってもらってもいいですけれども、これができないとなれば、やはり日本もだめよと言っていただきたいということが私どもの考え方です。

中井座長 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一と申します。

 きょうは、意見陳述人の皆様には大変貴重な御意見を承りまして、ありがとうございました。

 最初に、高橋知事にお尋ねします。

 私どものみんなの党では、地域主権型道州制ということをずっと政策の柱にしてまいりました。せっかく北海道に参りましたのでぜひ知事のお考えをお聞きしたいんですけれども、仮に、道州制ということで今よりももっと国の権限や予算を新しくできる道州に移していく、あるいは、今県がやっている仕事をもっと基礎自治体に移していく、そういった道州制ができた場合にはどのようなメリットが考えられるか。それから、もちろんデメリットもあるかもしれません。デメリットはどういったものが考えられるか。そして、今の制度から将来道州制に移行させていくために、どのようなステップをとればいいのか。

 非常に大きなテーマですので簡潔にとは申しませんので、知事のお考えを承りたいと思います。

高橋はるみ君 道州制について、北海道で先行的に議論を進めさせていただいております。最近は必ずしも十分に全国的にこの議論が展開をしていない中で、こういったことに御関心をお示しいただき、御質問をいただいたこと、心からまず感謝を申し上げたいと思います。

 メリット、デメリットということでございますが、私どもは、この道州制になった暁に、北海道ですから道州制になっても道のままだと思うんですけれども、道が権限を多く国から譲り受け、そのままでいるということは考えておりません。あくまでも、地域に対して、住民に対して行政サービスを提供する主体は市町村であるべきというのが私どもの立場でございます。ですから、我々自身、広域自治体たる道もスリム化をしながら、市町村の方々にできる限りの権限と財源を背負っていただくということがまず大きな私どもの考え方でございますので、そこをまず御理解いただければと思います。

 その上で、やはり国直轄でいろいろなことをやっておられるときと違いまして、平たい言葉で言えば、近くにいればそれだけかゆいところに手が届くというか、行政のニーズというものを最も早く知り得るのが地域、市町村、そして広域自治体でございますので、よりきめ細やかな、そして、コストを、先ほども無駄削減の話が出ておりましたが、無駄を省くような形での行政サービスの提供というものが可能になってくるのではないか、このように思っているところでありまして、住民サービスの質が向上すると同時に無駄の削減にも資するのではないか、こんなようなことを思っているところであります。

 そして、何よりも、この日本国という国が一律の形で経済なり社会なりが展開するということではなくて、それぞれの地域がそれぞれの特徴を生かした形での地域づくりを模索することができる、そういった日本国の姿というのが実現されて足腰の強い日本国というものができてくるのではないか、こんなようなことを念頭に置いているところであります。

 デメリットというのはなかなか難しい御質問でございますが、今、道以外の地域でこの道州制についての議論を見ますと、まず、都府県合併という、東京都はちょっと特別という渡辺代表が大臣であらせられたときの取りまとめもあるわけでありますけれども、いずれにしろ、府県の合併ということを伴って初めて道であるとか州であるということの形成ができてまいりますので、そこに向けての大きな抵抗というものは、今もあるし、これからもあり続けるだろうなというふうに思っているところでございます。

 例えば、関西の方で広域連合をそれぞれの議会の御了解も得る形でスタートされたということでございますが、その場合にも道州制を前提としないということで、一部強硬な、兵庫県さんを初めとした御反対もおありになるようで、そういった議論も出てきておりますし、その意味では、デメリットというか、全国を道州制に持っていくためには相当の道のりというものが必要なのかなということを実感いたすところでございます。

 そして、もう一つの御質問はステップということでございますけれども、今申し上げたような意味では、全国用意ドンで道州制に持っていくというのが理想ではございますが、そのことを実現しようとする場合にはなかなか困難があろうかなとも思うわけであります。ですから、一つの考え方としては、環境が整ったところから道州制に順次移行していくというような、そういった考え方もあろうかなというふうに思っているところでございます。

 しかしながら、その場合の最も大きな抵抗勢力は霞が関の各省庁でいらっしゃると思いますので、そこをどのように抑えていくのか、そういった大きな問題は、私どもとして、地方として、実感をいたしているところでございます。

 と申しますのは、道州制特区法を御成立いただいた後、私どもいろいろな、先ほど医大の定員増もこの制度で実現をしていただいたということを申し上げたところでありますが、それ以外にも、この道州制特区法の中で、一部道路、国道、一部河川、こういったものの移譲というものも含まれておりまして、それを実行いたしたところでありますが、これは単に一つの自治体である道と国という巨大な組織との間の調整だったということもあるんでしょうか、私どもとしてはこの結果については大変不満を持っております。財源は十分ではございませんでした。

 相当言いましたけれども、ただ、そうやって平行線をたどっている中で、そういったインフラ整備を求めている地域住民の方々に御不便をかけるというのは私どもの望むところではございませんでしたので、ちょっと譲歩をした経緯はありますが、大変に不満を持ちながら道州制特区法に基づく移譲をしたという経験も持っておりますので、やはり、ここはしっかりとした制度設計で、財源、権限の一括移譲ということの制度設計をやっていただいた上での道州制への移行であるということは、ぜひ私どもから申し上げさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

山内委員 今の高橋知事の御意見に全く賛成でございますが、上田市長と北町長にお尋ねします。

 仮に、今知事がおっしゃったような道州制になったときに、基礎自治体の皆さんの立場からするとどのように受けとられるか、お一人ずつ御意見をちょうだいしたいと思います。

上田文雄君 札幌市は今、政令市でございまして、ほぼ道と同じ仕事のレベルのことはやっているというふうに思っております。そういう中で、北海道と政令市の関係といったものが、これからもっともっと北海道のために政令市である札幌市が活用されるべきだというふうに私は今考えて、さまざまな施策を立てているわけでありますが、やはり道州制ということになりますと、権限と財源というものが一体的に道の方に国から移行するということがダイナミックにやられなければ、余り意味がないんじゃないかというふうに思います。

 単なる役所の行政改革的な道州制ということで、そこで無駄を省くんだというようなことではなくて、やはり地域、北海道はどうあるべきなのかということについて、一番身近にいる者がしっかりと議論ができるという形にしていかなければならない。そんなふうに思いますので、知事がおっしゃるように、ここに抵抗勢力が一番大きいのは省庁だろうというふうにおっしゃるのは、全くそのとおりだと思うんですね。

 省庁が事細かに地方の行政サービスをコントロールする、それを解放していくというところに妙があるというふうに思いますので、まさに制度設計の段階で、道なり州というものが広域自治体としてしっかりとその地域に見合う、適した行政執行ができる、財源をしっかり確保して、そしてそこが地域のために使えるという状況をつくっていくということが最も大事なことだろう、こんなふうに考えております。

北良治君 今の道州制の話ですが、知事の先ほどの中で、行政サービスの主体が市町村に行かなければいけない、こういう前提の中でお話があったと思うわけでございます。

 今お話がございましたように、権限、財源をきちっと地方に位置づけていく、そして地方の裁量性を高めていく。そのためには、従来の合併等を含めて、市町村がそういうことを言われる可能性もありますから、今の時点として、今後の方向といたしましては、やはり広域行政をいかに進めるか、あるいは広域連携をいかに進めるか、そういう視点の中に立って市町村に対する分権をしっかり行い、そして、市町村も広域連携の強化や住民参加によるコミュニティーの役割を明らかにしていく。こういう基礎自治体の強化、自立を目指すものでなければだめだということを私は前段でお願いをしておきたいと思います。

 以上でございます。

山内委員 ありがとうございました。

 それでは、飛田会長にお尋ねしたいと思います。

 TPPというのは大変人気のない、特に北海道では人気のない政策でございますが、正直に申し上げますと、我が党はTPP参加賛成の立場でおります。ただ、参加するまでには、競争力のある農業をつくるための政策をきちんとやった上でTPPに加入すべきだという立場です。

 飛田会長のお考え、お立場はよくわかったんですけれども、仮に日本全体でTPPに入りますという方向に動いたときには、どういった農業政策、どういった農業を強くするあるいは守るための政策が必要になってくるでしょうか。先ほど、大変膨大な予算がかかるというお話がありました。どういったことにどれぐらいかかるか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

飛田稔章君 中身については今ちょっと資料を持ち合わせておりませんが、例えば、ニュージーランドの牛乳は、ほぼ二十五円あるいは三十円ぐらいで組合員から買っているという話を聞いております。北海道は、加工乳で大体八十円以上の手取りがないと経営ができません。

 これだけの差があるということを十分認識していただいて、例えば、北海道が三十円あるいは二十五円で生産ができますよという体制をつくってくれるのであれば、我々は競争ができるんですよ。ところが、さっきも申し上げたように、農地の状況も違いますよ、あるいは日本における生産資材の状況も違いますよ、いろいろな違いがあって、それをどうやって国がきちっとカバーをしてくれるか。

 これがしっかりできれば、競争ができれば、私たちも、例えば日本の食料というのは安心、安全が世界一だと言われておりますし、そういうことに対する自負心も持っておりますから、いわゆるコストをどうやって負担をしていただくかということが解決できれば、それはできるんだろうというように思いますが、それにはお金がかかりますよということを申し上げているんです。

山内委員 具体的な、これぐらいの金額とか、これぐらいのこういう政策が必要だというのは、もう少しありますでしょうか。

飛田稔章君 申しわけございませんが、今例に挙げた例えば牛乳の関係、あるいは小麦でいえば、アメリカあるいはオーストラリアから入ってくるのが二千二、三百円で、私どもが生産をして単価をいただいているのが九千三百円、四百円ですから、それだけの差があるということをまず認識していただくということが大事ではなかろうかというように思います。

 中身については、例えば、小麦が二千五百円でその差が六千三百円ぐらいありますよということは単純にわかるんですが、それでどれだけの国の予算が必要だとか、そういうことについては、きょうはちょっと持ってきておりませんので、済みません。

山内委員 事前に通告していないのに細かい数字を聞いて、失礼いたしました。

 上田市長にお尋ねします。

 先ほど、フード・コンプレックス国際戦略総合特区のお話がありました。遠山委員からもお話がありましたが、非常にすばらしいアイデアだと思いますし、ぜひこういったものを成功に導いていただきたいと思うんですけれども、これは基本的には、国際競争力を高める、付加価値を高める、海外向け輸出だけじゃないというお話ですけれども、大きな柱の一つは海外への輸出ではないか、アジアへの輸出だと理解しております。

 そうすると、アジアには輸出をする、だけれども輸入は反対というと、どうしても原理原則の面で、ちぐはぐ感というか、ちょっとすんなりとは理解できないところがあるんですけれども、そこはどうお考えなんでしょうか。

 我々の考え方としては、そういう国際競争力を高めて、こういう特区のような制度をつくって日本の農業を強くする、その上でTPPに入っていくということを考えておりまして、そういった意味では、輸出を振興するのと自由化を防ぐのと、逆のことを同じ方が主張されているような印象を受けるんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。

上田文雄君 TPPを論ずる際には、日本の農業をどうするかという農業政策がしっかりしていないとだめだというのが大方の意見だというふうに思います。

 ですから、あしたからすぐTPPが解除されて包括的な貿易が自由になるんだというふうなことは、だれも想定していないんじゃないかなというふうに思います。やはり、今までの農政が、日本の農業をどうやって育てていくのかということについてのきっちりとした政策がどうも見えていなかったということが非常に大きな問題だろうというふうに思います。

 そういう過程で、例えば十年ぐらいの間隔を置いて、日本の農業をどうするのかというふうな議論も今され始めたというふうに私は思っておりますので、今、イエス・オア・ノーというふうな形でTPPを論じると、少し片手落ちになるのかなというふうな感じがいたします。

 フード・コンプレックスというのは、まさに、これからの北海道の可能性というのをどうするかという大きなテーマで考えていきたい。それは食を中心に考えて、一番得意分野でありますので、この食の分野をどれだけ競争力のある、あるいはみんなが豊かになれる、そういうものに変えていくかということ、そしてそれがオール日本にどう役に立つのか、そういう構想として考えているところでありますので、TPPとこの問題を必ずしも連携して考える必要はないだろう、こんなふうに私は考えております。

山内委員 大変貴重な意見、ありがとうございました。

 以上で質疑を終わります。

中井座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 一言ごあいさつを申し上げます。

 意見陳述者の四人の方々におかれましては、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見を熱心にお述べいただき、まことにありがとうございました。

 本日拝聴させていただきました御意見は、当委員会の審査に資するところ極めて大なるものがあると思います。ここに厚く御礼を申し上げます。

 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係者各位に対しまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午後三時三十分散会

    ―――――――――――――

   派遣委員の福井県における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十三年二月十四日(月)

二、場所

   福井パレスホテル

三、意見を聴取した問題

   平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算及び平成二十三年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 中川 正春君

       打越あかし君   城井  崇君

       高邑  勉君   手塚 仁雄君

       本多 平直君   水野 智彦君

       若泉 征三君   小里 泰弘君

       齋藤  健君   塩崎 恭久君

       菅原 一秀君   富田 茂之君

       阿部 知子君   下地 幹郎君

 (2) 現地参加議員

       糸川 正晃君   稲田 朋美君

       高木  毅君

 (3) 意見陳述者

    福井県越前市長     奈良 俊幸君

    福井県池田町長     杉本 博文君

    北陸郵政退職者共助会副会長          山本 照彦君

    福井県歯科医師会長   齊藤 愛夫君

 (4) その他の出席者

    財務省主計局主計官   松尾 元信君

     ――――◇―――――

    午後零時四十分開議

中川座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の中川正春でございます。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 この際、派遣委員団を代表しまして一言ごあいさつを申し上げたいと思います。

 皆様御承知のとおり、当委員会では、平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算及び平成二十三年度政府関係機関予算の審査を行っているところであります。

 本日は、三案の審査に当たり、国民各界各層の皆様方から御意見を承るため、当福井市におきましてこのような会議を催しているところであります。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。どうかきょうは忌憚のない御意見をお述べいただきますようよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。

 会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述人の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、民主党・無所属クラブの城井崇君、手塚仁雄君、若泉征三君、打越あかし君、高邑勉君、本多平直君、水野智彦君、自由民主党・無所属の会の塩崎恭久君、小里泰弘君、齋藤健君、菅原一秀君、公明党の富田茂之君、社会民主党・市民連合の阿部知子君、国民新党・新党日本の下地幹郎君、以上でございます。

 なお、現地参加議員といたしまして、民主党・無所属クラブの糸川正晃君、自由民主党・無所属の会の稲田朋美君、高木毅君が出席されております。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 福井県越前市長奈良俊幸君、福井県池田町長杉本博文君、北陸郵政退職者共助会副会長山本照彦君、福井県歯科医師会長齊藤愛夫君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず奈良俊幸君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

奈良俊幸君 越前市長の奈良俊幸でございます。

 本日の地方公聴会で陳述人として意見を申し述べる機会をいただき、まことにありがとうございます。地方行政に携わる市長の立場から、率直な意見を述べさせていただきます。

 まず、国会において、現在、新年度予算案及び関連法案が審議されていますが、予算が成立をしても、特例公債法案など予算関連法案が成立をしない場合、約九十二兆円の予算のうち、四割強に当たる四十兆円余りが執行できなくなります。また、地方交付税法の改正案が成立をしなければ、交付税総額が十七・四兆円から十一兆円に減少すると言われています。

 仮にそのような事態になると、財源の担保が不明確なことから、地方自治体は予算の執行に慎重にならざるを得ず、経済、雇用対策におくれが生じるだけではなく、場合によっては各自治体の予算の見直しも必要となり、住民の生活に密着する教育や福祉といった基礎的な行政サービスの提供にも支障を来し、市民生活や地方経済に多大な影響が出てくることを強く懸念しております。

 また、子ども手当をめぐる今日までの経緯や地方の負担については強い不満を抱いていますが、今年度より子ども手当の支給が始まっている中、仮に法案が成立をせず来年度は児童手当に戻るということになれば、支給事務を担う市町村の混乱は必至であり、何よりも、受給者である住民に多大な迷惑をかけることになってしまいます。

 一括交付金についても、関連法案が成立をせず、都道府県への交付金で約五千億円、事業費ベースで約一兆円もの事業が執行できなくなると、地方経済に与える影響は甚大であります。

 市民福祉に責任を負う地方自治体の長としては、国会において、大局的な立場から真摯に議論を深めていただき、与野党の接点を見出す中で、予算案及び関連法案の年度内の成立を強く望むものであり、地方に、ひいては国民にツケが回ることのないよう、国の責任ある対応をお願いいたします。

 次に、社会保障と税の抜本改革について申し上げます。

 私は、現在の日本を覆っている閉塞感は、近年、日本人が余りにも近視眼的な物の見方に陥り、目先の利益に踊らされ、短期的な成果を追い求め過ぎた結果によるものと考えています。

 私の恩師である松下幸之助先生は、人間が行き詰まるときはどういうときかわかるかと問われ、自分さえよければよい、目先さえよければよいと考え始めたときだ、自分のことしか考えられなくなったら人間は必ず行き詰まるんだと述べられました。

 この教えに基づき、越前市においては、国府の伝統文化を大切に継承し、福井県第一の物づくり技術に磨きをかけ、コウノトリが舞う越前市を目指して、環境調和型農業の推進や里地里山の保全、再生に取り組むとともに、学校施設等の計画的な耐震化を図り、夢をはぐくむ子供たちの育成を目標に、日本サッカー協会との協定に基づき、市内の全小中学校で一流のスポーツ選手を招いて夢の教室を開催するなど、長期的な視点に立って人づくり、物づくり、まちづくりに取り組んでいます。

 しかも、その財源を生み出すために、越前市は、合併以来、この五年余りに、職員数を一一・四%、八十四人削減し、議員の数は四十二人から二十二人に半減するなど、人件費等の削減や事務事業の見直しで五十億円近い行財政改革の成果を上げてきました。また、受益者負担の原則に基づき、水道料金を平均四一%引き上げるなど、市民に負担増のお願いもしてきました。

 一方、我が国の現状は、巨額な財政赤字や社会保障の破綻、雇用を取り巻く厳しい環境など難問山積であり、国を憂える政治家が、子供たちの将来を案じ、国家国民にとって必要な、しかし、みずからの選挙基盤を崩しかねない大改革に超党派で取り組むべきときを迎えていると考えています。

 その中心となる社会保障と税の抜本改革については、党利党略や来るべき総選挙をにらんだ駆け引きではなく、歴史の評価にたえ得る見事な知恵と決断によって早期の与野党合意が形成されることを期待するものです。

 その際、地方の立場からお願いしたいのは、社会保障において地方自治体が担っている役割を十分踏まえた議論をしていただきたいとの要望です。

 さきの予算委員会で地方消費税の拡充について与謝野大臣が否定的な答弁をされたと報じられていますが、子育て支援を初め、医療、介護など社会保障給付のほとんどは地方が実施している現実を踏まえ、サービスを受給する国民の立場に立って、地方財源の拡充も含めた総合的な財源論議をお願いしたいと考えております。

 いずれにしても、社会保障と税の抜本改革は、日本の将来を真剣に考え、だれかがやがては決断しなければならない国家的課題であります。日本を覆う閉塞感を払拭するため、ぜひとも長期的な視点に立って、党派を超え、御出席の先生方がそのだれかとなっていただき、まさに今このときに、歴史に評価される決断をお願い申し上げます。

 次に、子ども手当について申し上げます。

 越前市は、厳しい財政状況の中にあっても、市民と直接向き合う基礎自治体として、子育て世帯の切実な要望を踏まえ、保育サービスを中心とする子育て支援策の充実に積極的に取り組んできたと自負しています。

 同様な思いを共有する多くの自治体は、子ども手当制度の創設に当たり、保育所のようなサービス給付についてはそれぞれの自治体の創意工夫により地方が担当する一方、子ども手当のような全国一律の現金給付については国が担当し、全額を負担すべきであると主張してまいりました。

 しかし、総合的な子育てビジョンが示されないまま、今年度と同様に来年度も子ども手当の地方負担が継続されたことは、まことに遺憾であります。

 全国市長会では、事務返上も視野に対応を協議しましたが、平成二十四年度以降の子ども手当の制度設計に当たっては、厚生労働省など関係府省と地方自治体の代表者による協議の場を設け、子ども手当及び関連するサービス給付に係る国と地方の役割分担、経費負担等のあり方について幅広く検討することが提案されたことから、この一年間に地方の意見を十分に反映した総合的な子育て施策を構築することを目指し、政府の提案を受け入れた次第であります。

 したがって、国と地方の協議の場を早急に立ち上げ、真に実効ある協議が開始されることを要望いたします。

 次に、昨年末に新規着工が見送られた北陸新幹線について申し上げます。

 北陸新幹線の整備は、国土軸を形成する重要な国家プロジェクトであり、沿線市のまちづくりや福井県の活性化に大きく寄与する事業であります。

 一月三十日から三十一日にかけて、福井県内は二十五年ぶりの記録的な大雪に見舞われ、北陸と関西、中京をつなぐ大動脈の北陸自動車道や国道八号、JR北陸本線が南越前町と敦賀市間で全面的に麻痺し、県民生活や経済活動に大きな影響を与えました。しかし、積雪が二メーター四十センチに達した上越新幹線では、新幹線がストップすることなく、通常運行されたとのことであります。

 新幹線は、災害時における代替交通手段としての機能も有しており、この点も考慮に入れ、整備新幹線の中で最も投資効果の高い北陸新幹線の金沢―敦賀間を、予算案に盛り込まれた留保財源を活用して着工するよう要望いたします。

 今回の大雪の際に、越前市では、通行どめとなった国道八号で開通を待つドライバーに市の職員が食料品や飲料水を配付しましたが、この十年間に北陸自動車道や国道八号が通行どめとなったのは三度目と記憶をしております。ぜひとも、両路線の構造的な課題を早急に検証の上、抜本的な対策を講じるよう要望いたします。

 あわせて、本市においても除雪費が二億円となるなど、県内の自治体は、除排雪や農林水産業の災害被害復旧等に多額の経費を要していることから、十分な財政支援をお願いいたします。

 以上をもって、私の意見陳述とさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

中川座長 ありがとうございました。

 次に、杉本博文君にお願いをいたします。

杉本博文君 福井県池田町長の杉本でございます。よろしくお願いいたします。

 本日は、貴重な機会をいただきましたことにお礼を申し上げたいと存じますし、平素の町村行政に対します御指導、御支援に心からお礼を申し上げたいと思います。

 それでは、時間が限られておりますので、早速意見を申し上げたいと思います。

 初めに、今ほど奈良市長もおっしゃいましたけれども、この冬の大雪の災害についてお願いをしておきたいと思います。

 大変、記録的な大雪になってございまして、人的にも物的にも被害が出ております。また、道路の除雪あるいは農林業への被害、こういったものを救済しなければなりませんので、何とぞ特別交付税等々につきましての御配慮をいただきたいと思っております。

 また、今私ども大変心配いたしておりますのは、これだけの雪が、春一番あるいは三月の天候においては、かなり、融雪災害を引き起こす可能性が極めて高い、こういうことでございまして、河川の増水あるいは泥流、こういったものが起こり得る可能性が高うございます。こういったことにつきましても、後々御配慮をいただきますようにお願いをいたしたいと思います。

 それでは、地方交付税につきまして意見を申し上げたいと思います。

 総額は二十二年度と同水準を確保したというふうに伺っております。御配慮いただきましたことにお礼を申し上げたいと思います。

 同水準を確保されたからよしと私どもは思っておりませんで、国においてもそうだと思いますけれども、それぞれの自治体におきまして、医療費等の自然増もあるわけでございまして、それに対応する、していこうとなりますと、やはり、失われた財源の復活、あるいは交付税の確保、こういったものが大きな課題になろうかと思いますので、今後とも、地方の財政への交付税の確保を何とぞよろしくお願いいたしたいと思います。

 そして、聞きますと、どうも、これからの配分の算定については二十二年の国調の速報値を使う、こういうふうにお伺いをいたしております。こうなりますと、二十二年の国調の状況、全国の町村を見ましてもそうでございますけれども、一〇%前後の、かなり激減している人口の市町村がございます。これに合わせて交付税を算定されるということになりますと、交付税が激減される可能性が高い町村がかなり出てくるのではないかと思っておりまして、どうか激減緩和の措置は十分実行していただきますようにお願いをいたしたいと思います。

 それから、鳴り物入りで今されております地域自主戦略交付金、いわゆる一括交付金の件について申し上げたいと思います。

 政府の方では大変御苦労をいただいてこのような交付金制度ができたということでございますけれども、段階的に進めるということでございまして、二十三年度は県に、そして二十四年度は市町村に、こういうことになっております。

 我々市町村といたしましては、心配いたしておりますのは、県に対する配分の基準、ルールあるいは範囲、こういったものがまだ示されていないというふうに聞いております。大変心配いたしておりますし、このようなことは問題だと思っております。二十四年度に我々市町村に与えられるということでございますけれども、この点、早目に知らせていただきたいと思います。

 特に、町村の事業につきましては、年度ごとに凹凸があるという状況でございまして、早目にお知らせをいただかなければ、我々といたしましては、議会にも御報告してまいらなければなりませんけれども、どのような形でこの交付金事業を利用していこうか思案をするのに時間がかかるわけでございますので、この件は十分お願いをいたしたいと思います。

 そして、中身的なものも大変自治体の自由度を拡大するというふうに聞いているわけでありますけれども、失礼な物の言い方になろうかと思いますが、事業の中身を見ると、交付事業の中でのめり張りはあるようでございますけれども、やはりそのほかへの切り口はないというようなことで、私は、自由の拡大というよりは選択の拡大が行われた、こういうような感じでございまして、嫌らしく言えば、名ばかり交付金にならないように、今後のさまざまな制度設計につきましてはお願いをいたしたいと思います。

 それから、次に、子ども手当、高校無償化あるいは米の戸別所得補償、このことについて、まとめて意見的に申し上げたいと思うんです。

 地方と国の負担の問題もありますけれども、私どもといたしましては、これだけ地方に工夫をしろ、知恵を生かせとおっしゃっている割には、これらの事業は、個別に、あるいは個別の現場へ直接、直線的に流れるお金でございまして、市町村の工夫が入らない、こういう事業になっていると思っております。

 特に、高校無償化の件につきましても、学校へ直接入るというようなことで、我々はなかなか工夫ができないような状況であります。

 と申しますのは、高校の授業料の負担が大きな課題というだけではございませんで、地方におきましては、学生たちが通学するというのにも大変苦悩があって、問題もあるわけでございます。少しなりとも我々の自治体へ来るならば、例えば定期を無料にして路線バスに乗せる、そうすれば路線バスの乗車率も上がる、伴って公共交通への補助金も下げられるのではないか。

 こういうふうに、一つのお金を曲線的に使うことで一つのお金が体積を増すというような工夫も単純に考えてできるわけでございますので、子育てを社会で助け合うということ、これは当然わかっていることでございますけれども、同じようなお金を少し工夫することで体積を増すというようなこともあるので、ぜひともこの件につきましては御議論いただければありがたいかな、このように思っております。

 次に、社会資本整備の関係について申し上げたいと思います。特に私どもは道路のことについて申し上げたいと思います。

 このたびの二十三年度の国交省の基本方針は、国の成長力あるいは競争力を確保、増進するために大都市に対して重点的投資をするんだというような基本方針がうたわれておりまして、私どもといたしましては、大変心配をいたしております。

 地域のさまざまな活動や暮らしを支えるのは道路でございまして、道路の持つ力というのはかなりなものがございます。そういった中で、正当な競争を地方にもしろということになりますと、やはり社会資本のハンディキャップというのはかなりあるものでございますので、どうかこの点はよく御理解をいただきたいと思いますし、一般財源化となってしまった道路諸税、こういったものに見合うような形で、地方の道路あるいは高速道路、こういったものの整備は、何とぞ、地方のハンディキャップを埋めるというような考え方からも、ぜひお願いをいたしたいと思っております。

 また、伴いまして、高速道路の無料化のこともございます。

 これも、私が思いますのは、一体何を目的に、何を社会実験したかということが余り私には理解できませんし、それをやった結果の分析なりはどこまで国民に報告をされているのか、そういうことが疑問でございます。大変高額な予算を使うわけでございますので、もう少し工夫をいただきたいと思っております。

 ETCというのもやっと普及のベースで、かなり高まってまいりました。少しこのETCのソフトを改良して、エコカーあるいはハイブリッドカーは割引するとか、あるいは夜間のトラック、そういったものは割引するんだという、それもやはり全国、全線、一度にやられた方が社会実験としては国民にわかりやすい説明になるのではないかと思っております。そういった知恵もいかがなものかな、このように今思っているところでございます。

 また、これも今ほど奈良市長もおっしゃいましたけれども、鉄道網の整備について、少し悔しさと怒りがございますので、申し上げたいと思います。

 最新技術のリニアを敷設しようではないかという事業が片方ではきっちり進んでいながら、一方では、数十年来から計画をしているのに延伸がとめられている地域がある。こんな片手落ちの国政があるのかと私は思っております。格差解消に向けましても、北陸新幹線の問題などは十分御議論をいただきたいと思っておりますし、片手落ちのないような交通網の整備に何としてもお願いを申し上げていきたいと思っております。

 それから、この社会資本整備にかかわりまして、ダムの事業がございます。八十三事業の見直しの中の一つに、我が町にございます足羽川ダムも検証の対象になってございます。

 何を申し上げたいかといいますと、実は、足羽川ダムにつきましては、とめられましたときには、一カ月後に住民に対する補償基準を提示するところまで来ておりました。しかし、我々の事情や状況を調査、聴取もしない中で一方的にとめられてございます。このダムの件については、いろいろな言い方があろうかと思いますけれども、これを引き受けていった地元住民の苦悩というのは、恐らく国会議員の先生方には何らおわかりにならないのではないかと思っております。

 そこまでの受け入れをして、我が家へ調査だと言って入ってきて、このサッシはアルミか、この木は何を使っているのか、あるいは、自分の地面に入ってきてポールを立てて巻き尺を引かれてまで自分たちの土地を見ていかれる。そして、協力する中で、今我々はどういうふうな形でこの交渉に備えていこうかというふうなところへ来て、全く一方的にとめていくというやり方は、国の強権ではないかと思っておりまして、この後始末については、国はしっかり対応されるように強く要請をいたしておきたいと思っております。

 それから、最後になろうかと思いますけれども、TPPの件について、これもちょっと憤りがございまして、抗議をしておきたいと思っております。

 総理大臣あるいは国務大臣の方が、日本を二流国家にしていいのか、国を開国するのだ、あるいは、九八・五%は一・五%の犠牲になってもいいのか、こういうような御発言は、大変私は遺憾だと思っております。こういうことになりますと、農業、第一次産業、農村が国のお荷物あるいは国の国益を損なう阻害要因だと言わんばかりのことでございまして、国民の中に対立構造をつくって物を進めるというやり方は成熟した政治がやることではないというふうに私は思っております。こういった取り組み、ぜひともお考えをいただきたいと思います。

 時間が長くなって大変失礼でございましたけれども、最後になりますが、どの政権も地方への分権だ、地域の主権だとおっしゃっておりますけれども、どうも、地方は我慢をするだろう、地方は黙ってついてくるだろうというふうな形の政策が進められているような気がいたしてなりません。大変残念に思っております。

 どうか片手落ちのないような国政の推進に御尽力いただきますようにお願いを申し上げまして、大変無礼を申し上げましたけれども、私の意見とさせていただきます。どうも失礼いたしました。(拍手)

中川座長 ありがとうございました。

 次に、山本照彦君にお願いをいたします。

山本照彦君 私は山本照彦と申します。現在、郵政OBで組織する郵政退職者共助会という任意団体で副会長を務めております。

 本日は、郵政OBの一人として、また郵便局利用者の一人として、郵政民営化後における郵便局の実情、課題の一部を申し述べまして、本通常国会における郵政改革法案の一日も早い成立を要望する次第でございます。

 さて、全国には山間僻地に至るまで多数の小学校がありまして、我が国の国力の源泉となっていることはだれでも承知しているところでございますが、一方で、小学校の数と郵便局の数がほぼ同数であるということは意外と知られていないと思います。ちなみに、福井市内では七十一の公立小学校と六十八の郵便局がありまして、金沢市内などでも同様の状況にあります。これらは空気や水のように余りにも身近過ぎて、その有用性とかありがたさということに気がついていないのが実情ではないかと思います。国の基本インフラの一つである郵便局が、今過疎地では崩壊の危機に陥っていることを実感しておられる国会議員の先生方は意外と少ないのではないかと思います。

 そこで、本日は、過疎地、私どもは、車がなければ用が足せない地域、地下鉄のないような地域を過疎地というふうに認識しておりますが、その過疎地で起こっている郵政サービスの現状と問題点につきましてお訴えをし、先生方の御理解を賜りたいと願っているところでございます。

 では、今地方でどのような問題現象が起こっているのでしょうか。その一つは、郵便局の利用が不便になったということでございます。私は、かつて、福井県の京都府境の小浜郵便局というところで課長、局長として通算三年間勤務をしたことがありますので、一例として、過疎地における郵便局の現状の一端を述べてみたいと思います。

 まずは、当地での今のお客様の生の声を御紹介いたします。お手元のペーパーの緑色で記した部分がその声でございます。一つ、二つ拾ってみますと、新米を子供のところへ送りたいので、持っていってくれぬかのうというお年寄りに対して、郵便局では集荷できないのですがという返事。何であかんのやろう、サービス悪うなったのう、郵便局はと戸惑っているお年寄り。それから、配達の人に貯金のことを頼んでもあかんようになって不便やわといった、こんな調子でございます。

 以上のような声は小浜地域だけではなく、全国至るところで聞かれる声のようでございますが、その核心を整理いたしますと、次のような問題点が浮かび上がってまいります。

 一つには、同じ地域、拠点に郵便局と郵便事業会社という二つの会社が存在するようになったからということでございます。お客様の声を直接受ける郵便局にしてみれば、気心の知れたお客様のところへすぐにでも集荷や苦情を賜りに飛んでいきたいのはやまやまでありますが、今の実情では、法制上も、運用上も、郵便事業会社の案件に郵便局が直接手を出すことはできないということでございます。これをよしとしない親切な郵便局員は、あれこれお客様に方法を教えたり、郵便事業会社へ手配をしたり、努力をするわけでございますが、時間もかかる上に、昔の便利さを知っているお客様にしてみれば、煩わしさに耐えかねまして、もういいわとなって、郵便局から少しずつ離れていってしまうような次第でございます。

 もう一つは、郵便配達に来た人に貯金や年金の取り扱いを頼んでも応じてもらえなくなったということでございます。これも、郵便事業会社とゆうちょ銀行、その受託者である郵便局という三つの会社に分断された上に、田舎には不似合いな銀行法という法律を押しつけられて、庶民生活上の便利さを奪い取られたという実態でございます。おかげで、バスも通らない、車も運転できないといった年金生活者にしてみれば、どこへ不満をぶつければよいのか、想像に余りある現状でございます。

 小泉元総理大臣や竹中元大臣がこのようなことを予期していなかったのか、あるいは、そうなることを意図しながら分割民営化を断行したのか、そのいずれにしても、地方の衰退を招いているのは厳然たる事実でございます。

 次に、地方で起こっている二つ目の問題現象は、多くの無駄が生じているということでございます。その最たるものは、地方でも労務、人事、経理、資材などといったいわゆる共通部門を各会社ごとに持たざるを得なくなったということでございます。また、旧普通局と呼ばれる比較的大きな郵便局があった地域では、郵便事業会社と郵便局が併存するために、それぞれに支店長とか局長が必要になりまして、本来なら一人で済むところを二人配置せざるを得ないというような無駄も生じております。

 さらに、営業面では、例えば年賀はがきの販売を郵便局と郵便事業会社がそれぞれに行うため、無駄な競合や足の引っ張り合いが発生しております。また、これはお客様から見れば、およそ民営化には似つかわしくない奇異な対応に映るわけでございます。このほか、ゆうちょ銀行直営店のある地域では、貯金や投資信託の販売についても郵便局とゆうちょ銀行間で同様な競合が発生しているところでございます。

 さらに、地方で起こっているその他の問題現象としましては、従来、行政との協定で実施していた独居老人への声かけサービスとか道路状況通報サービスなどといった行政サービスがすべて解除されたこと、それから、これまで申し述べてきたような内外の状況と先行きの不透明感から、郵便局社員や郵便事業会社における社員の意欲が著しく低下してきたこと、さらに、各会社の現役社員相互間の交流遮断、現役とOB間のつながり遮断など、人的なつながりが低下したことなどが挙げられます。

 以上のとおり、平成十九年十月からの郵政民営化が地方にもたらしたものは、バラ色の世界ではなく、お客様サービスの低下、混乱とコストの増大などであったことが御承知いただけたかと思います。そして、これら一つ一つの問題現象をよく眺めたとき、その原因の大半が四分社化にあることも御理解いただけるのではないかと思う次第でございます。

 では、これらを是正するにはどうすればよいのでしょうか。経営の自由度増大が期待できる民営化は推進しながらも、お客様の利便性、経営の効率性を追求できる道はないものか。このことについて、私は、分割ロスの除去が不可欠だと考えております。言いかえれば、四分社化体制を見直しまして、郵政事業を一体的に運営できるシステムへの再編を強く訴えるものでございます。

 国会の先生方にも、どうか庶民の声なき声に耳を傾けていただきまして、郵政民営化改革法案の一日も早い成立を心からお願い申し上げる次第でございます。

 つたない説明を御清聴くださいまして、まことにありがとうございました。(拍手)

中川座長 ありがとうございました。

 それでは次に、齊藤愛夫君にお願いをいたします。

齊藤愛夫君 今回このような機会をいただき、関係各位に深く感謝申し上げます。

 本題に入る前に、一点お願いがあります。

 福井県は、先月末、十数年ぶりの豪雪により、一般生活において顕著な被害が出ました。福井を初め北陸地方は全国有数の豪雪地帯であります。今後もこのような雪害が起こる可能性は非常に高いと考えられます。奈良市長、杉本町長からもございましたが、今後とも、雪害に対する国からの支援策が適切かつ迅速に遂行されますよう、この場をおかりしてお願い申し上げます。

 では、本題に入ります。

 最近、私の周りの知人、友人、患者さんたちが、民主党は全く期待外れだったですねとよく言います。私は、違うよ、予想どおりだよと答えております。

 一年半前の総選挙の折、九州地方の民主党の候補者が、あろうことか、国旗を破り、つなぎ合わせて党旗に仕立て上げて集会をやっておりました。この方の当落は知りませんが、愕然としました。民主党は綱領がない政党であるとのことでしたから、党旗がないのは仕方がないかもしれませんが、余りにもひど過ぎる。先週、北方領土の日、ロシア大使館から日本政府に、ロシア国旗に落書きされたと強い抗議がありました。どこの国でも、自国の国旗を大切にするのは当たり前のことなのです。菅さんは国旗・国歌法に反対した最初の総理大臣ですが、日本人として理解できません。

 また、北朝鮮拉致実行犯の辛光洙釈放嘆願署名の件ですが、社会党の土井たか子さんだって署名していたと言って、菅総理は人のせいにしています。内容把握に疎かったのでしょうが、福井県においては、北朝鮮拉致被害者もおりますし、大変身近な問題として県民すべてが憂慮していることなのであります。

 そもそも、政権を担う、一国の宰相になるというのは、何年もかけて品性を磨き、心技体すべての準備をしてからやってもらいたいものだとつくづく思います。初心者マークではいけません。

 外国人参政権、夫婦別姓法案、人権侵害救済法など、日本の国を壊しかねない法案が多々ありますが、高校授業料無料化、子ども手当について申し上げますと、福井の心ある人たちは皆、自分の子供は自分で育てる、歯を食いしばってでも育てると言っております。現金給付という名のばらまきは、大相撲の八百長問題と似ているのではないでしょうか。不道徳です。そして、これは大いなる選挙違反なのではとさえ思ってしまいます。

 以上の点を踏まえて、三点意見陳述させていただきます。

 一点目は、医療費の窓口負担についてです。

 ゼロ歳児から中学生までの子供については、医療費の窓口負担割合をゼロにすべきであると考えます。理由としては、その施策を実行することにより、家計の負担を減らし、子ども手当等の効果が疑わしい政策と比較しても、直接的で意味のある子育て支援になると考えます。それにかかる費用は、約五千五百億円の財政措置と推計できます。子ども手当には五兆円以上要るそうですが、その十分の一で済みます。昨年、越前市が調査しました、現に支給を受けている人たちに対するアンケート結果によれば、約二割の人が、子ども手当の一部を子供の医療費の助成に使うべきだと答えております。

 さらに、働いている人本人、すなわち家計を担っている人の窓口負担、これは三割でなく、せめて一割負担で済むよう検討していただきたい。ちなみに、日本医療政策機構が二〇〇七年に実施した世論調査によりますと、費用がかかるという理由で医療を受けることを控えている低中所得者層が多いという結果が出ております。人口減少に突入している我が国にとって、元気で健康な納税者いなくして、国家の土台は著しく疲弊していくと考えられます。

 二点目は、北陸新幹線についてです。

 東日本と西日本の中間に位置する北陸新幹線は、地震大国である我が国にとって、代替輸送機関としての役割が他の新幹線と比較しても非常に高いものであると考えられます。新幹線は、財政問題、経済効果等のみで語られるものではありません。まさに、国家の危機管理という側面から考慮し議論される問題であると考えますし、均衡のとれた地域社会の発展という観点からも必要不可欠なものであります。

 ことしの予算では、福井への延伸には一銭も計上されませんでしたが、鉄道・運輸機構利益剰余金を年金の国庫負担金に入れるのは間違っております。宮崎県の新燃岳の噴火を見れば、いつ天変地異が起こっても不思議ではなく、極めて不確実性の高い時代に突入しております。福井県の代表として、早期着工を強く主張させていただきたい。

 三点目は、原子力政策です。

 本年、我が県においても、福井県立病院に陽子線がんセンターが開設され、三月より陽子線治療が本格的に開始されます。我が県には、国内で最多の原子力発電所が稼働しております。地球温暖化防止やクリーンエネルギーへの転換が早急な課題として大きく取り上げられる中で、長年にわたり、政府の原子力政策に対して、県民の理解や協力を得ながら最大限努力してきた我が県に対しての地域振興策がまだまだ不十分だと思われます。

 単なる電力供給県としてではなく、教育機関も含めて、新世代原子力研究開発の拠点として、さらには、化石燃料以外のあらゆる資源の研究開発、利用促進にかかわる機関や企業が立地する特区として発展していくためのしっかりとした位置づけが必要だと思います。これには法制面、財政面でのさらなる整備と支援が必要ですが、地域との共生を深め、永続的な地域振興を図る観点からも、国の責任において速やかに実施すべき政策だと思います。

 最後に申し上げます。

 憲政の父である尾崎行雄は、人生の本舞台は将来にありという言葉を残されております。現在なし得ることはすべて将来に備えてのことである。まさに現代にも通じる言葉ではないでしょうか。予算委員の先生方にお願いしたいのは、現在に生きる私たちの生活のことのみではなく、将来の子供たちのこと、自分の国のあり方、これを考えて国会で真摯な議論を行っていただきたいということです。

 本日のこの場が日本国の将来にとってよい方向へ進んでいくことを切に願いまして、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

中川座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述人からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

中川座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若泉征三君。

若泉委員 私は質疑の立場でございますので、ただいま陳述人の皆様から、本当に厳しく、全くそのとおりだと思うような御意見をたくさんいただきました。これだけのお考えをお持ちの方が福井県の地元だと思いますと、私は今後もまたいろいろとお教えいただきたい、このように思っております。

 きょうは、私は、その質疑ではございませんので、私なりに奈良陳述人に、市長にお聞きしたいと思っておりますが、その前に、予算委員の皆さんが、そしてまた役所の方、そして傍聴席の方、たくさんの方がこのようにして遠方の福井においでいただきましてこのような形をとれたということは、私は、地元といたしまして全くうれしく、また感謝を申し上げる次第でございます。

 この図一、図二というのを皆さんに出してありますのは、これは話しますと長くなりますが、なぜ出したかということを申し上げます。

 今回、予算委員会の理事会におきまして、一日北海道、もう一カ所が福井ですが、二日もかかるのかということを皆さん言われました。二日がかりで福井は行かなきゃいかぬのかと。今、この地図のように、高速道路網やら、または新幹線のいわゆる非連続性、ミッシングリンクとよく言われておりますが、これがそのままあらわすと思います。太平洋側と日本海側の差というのはこんなに大きいんですね。

 ですから、私は思いますが、これからも皆さんがいろいろな御要望をされることに関しましては全く異議がないわけでございますが、こういう状況を少しでも、日本海側の防災、私は防衛とも言っておりますが、そして生活、経済に悪影響を及ぼさないような、そういうことをしっかり考えていかなければいけない、このように思っております。

 なお、きょうは、午前中は、八時から午前中いっぱい、委員の皆さんの御視察がございまして、敦賀から南越前、越前市、そしてこの福井と、つぶさに視察をしてまいりました。大変な豪雪の被害ということでございまして、現場で直接皆様の御意見をお聞きしまして、特別交付税をふやしてくださいとか、直接そのようなしっかりした皆さんの御意見をお聞きしまして、きょういらっしゃいます委員さん方も、いろいろとその御意見をお聞きし、国としての考え方をしなきゃいかぬなというお考えをお持ちだ、私はこのように思っております。

 一つ、ここで奈良市長にお尋ねしたいと思います。

 先ほどからいろいろなお話がありますが、私も五六、五八の豪雪は経験がありますが、以前よりは、いわゆる機械力、つまり機動力がしっかりしておりまして、皆さんの生活に関しては大きな支障はなかったかとも思いますが、奈良市長の今回の雪害に対する感想と、また御意見をちょっとお聞きしたい、このように思います。

奈良俊幸君 越前市におきましては、人的な被害が九名、けがをされたということでありますし、建物被害が九棟、それから農業ハウスの倒壊が八棟、こういったような被害が発生しております。

 先ほど申しましたとおり、除雪費が二億円ということで、当初予算には六千万円しか計上しておりませんので、これは三月の補正予算で残りを増額補正ということになるわけでございますが、御案内のとおり、年度末の一番最後にこれだけ多額の補正を組まなければならないというのは、自治体の財政上、大変厳しいものがございます。

 それから、もう一点申し述べさせていただきたいのは、本県の場合は、関西、中京との接続ということが非常に重要なポイントでありまして、しかも福井県の場合は、製造業が非常に盛んな地でございまして、この製造業によって、今、日本で一番高い有効求人倍率、雇用がしっかり守られているという現状がございます。

 私どもは、しっかりと企業の活動を支えながら、今後もぜひ国内に企業がとどまっていただいて、若い人の就職先を確保したいという強い思いを持っておりますけれども、今、いずれの企業もそんなにたくさん部品等を在庫として確保しているわけではないんですね。もうほとんど数日分しかなくて、北陸自動車道とか国道八号が数日間とまってしまいますと、企業の操業に大変大きな支障を来す。そういうことになってしまいますと、本県への企業の誘致とか既存企業の事業の拡張ということは大変困難になってまいります。そのことは福井県のこれからの発展に大変大きな影響を及ぼしますので、ぜひ中京、関西方面との大動脈をしっかりと確保していただきたい、こういうようなことを強く感じたところであります。

若泉委員 ありがとうございます。

 このたびの大変な豪雪に関しましては、政府は、関係閣僚会議を二月一日に行いまして、現地調査を実施し、また、自衛隊を派遣し、除雪支援や給油支援を一月三十一日から二月一日まで、特に敦賀市、越前市を中心に行いました。また、特別交付税の措置は、今おっしゃいましたように大体三月中旬の交付の予定であります。できる限り私たちも頑張って被害に対して対応していかなければいけない、このように思っております。

 ここで、地方自治に関する問題についてちょっと話してみたい、このように思っております。

 歴史をひもときますと、明治二年の版籍奉還で、当時の二百七十四の藩主が知藩事となりました。その後、明治四年に廃藩置県が行われまして、中央政府から任命された知事が着任いたしました。統合が進められまして、明治二十三年には四十七都道府県となりまして、現在の姿になった。明治から二十三年かかってこの都道府県ができているわけであります。一方、市町村も、明治の大合併や昭和の大合併を経まして、七万余の自治体から三千余の統合が進みました。そして、さらなる改革として平成の大合併が行われたのですね。

 その結果が思いどおりの効果を生んだのかどうかということでございますが、ちょうどその当時、北海道から九州まで、合併をしたいけれどもどうしたらいいかとか、合併した後のまちづくりはどうすべきなのだろうかとか、合併して果たしてやっていけるのだろうかとか、また、特例債を出してやる、または交付金を出してやるけれども、合併しなかったらそれはちょっと遠慮せよという結構厳しい意見を中央政府から来られて聞いたということを私は直接お聞きしております。私も全国を歩いたときに、本当に大変な思いで皆さん合併の準備をされたと思います。

 そして、一九九八年に閣議決定されました地方分権推進計画に七つの大項目があったわけでございますが、その一つに「地方公共団体の行政体制の整備・確立」が掲げられました。その中で、「行政改革等の推進」、「市町村の合併等の推進」、「地方議会の活性化」、「住民参加の拡大・多様化」、「公正の確保と透明性の向上」、また「首長の多選の見直し」というものが定められました。その計画に従いまして合併が進められたわけですが、市町村数は平成十一年三月のときに三千二百三十二ありまして、平成二十二年三月時点におきまして千七百三十にまで絞られました。

 ただし、この件も、私、個人的に考えますと、もともと、自治体は、三十万人の基礎自治体をつくるのが、また、それを四百つくるのが最も理想だと言われておりましたが、越県で合併したり、本当に無理やり合併したり、いろいろなものがありましたね。そういうことで、相当無理があったんじゃないかということで、少し拙速じゃなかったかと、このような感想を私は持っております。

 それから、合併特例債というものが市町村合併推進法で施行されまして、起債見込み額が最終年度の平成二十七年度までで約七兆円となっておりまして、市町村財政に暗い影を落としている。私もあちこちで市町村長さんにお聞きしますと、ここに特例債で道路をつくってやると言われたけれども、また、これをつくってやると言われたのに何もできないじゃないかということを私はよく直接お聞きしますが、そういったことです。

 そしてまた、この時期に、いわゆる三位一体改革。平成十六年から平成十八年に三兆円が税源移譲されるとともに、四兆円の補助金削減、五兆円の地方交付税削減がなされまして、結果としては、地方自治体は年間六兆円の減収となった。財政が非常に逼迫した自治体は、中には、これは越前市さんでもあると思いますが、指定管理者制度の名のもとに、施設を二束三文で売った自治体もある、このように聞いております。

 また、自治体経営を効率化し、市民サービスの向上を目指した市町村合併が、期待された効果を上げられていないばかりか、他の要因も相まって、負の効果が出ているという現状があります。

 また、これも大変なことなんですが、平成十八年の調査でございますが、全国で七千九百の限界集落の問題です。中山間地域の崩壊により、山林、農地が荒れ放題になっていることなど、地方は非常に深刻な問題を抱えております。こういった問題をしっかり考えなければ、日本の農林漁業、また自給率を高めようと思いましても、なかなかできるものではありません。

 このような中で、全国の市町村の財政実態は、財政力指数は平均〇・五五、これは平成二十一年度に調べたものです。また、経常収支比率は平均九一・八、これも平成二十一年度。また、四番目の図を見ていただくとおり、地方自治体の現在の借入金の残高は、これは平成二十二年度末の見込みで二百兆円まで達しております。内訳は、交付税特別会計借入金残高が三十四兆円、公営企業債残高が二十五兆円、地方債残高が百四十一兆円と膨らんでおります。

 このような現状を打開するために、政府・民主党政権といたしましては地域主権を掲げました。地域主権の確立のために、権限、いわゆる裁量権と財源を地方自治体に移すことが非常に大切である、そのような考え方から、政府は、補助金を廃止しまして地域自主戦略交付金を創設いたしました。平成二十三年度予算は都道府県に対する投資的な補助金が五千百二十億円、また平成二十四年度予算では市町村分として五千億円として、一兆円強の一括交付金化を目指しております。

 しかしながら、さっき奈良市長からお話がありましたように、特例公債のこの法案を初めとする日切れ法案の年度内成立がなければ一般会計予算の四十・七兆円の特例公債が発行できなくなるということになると、自治体においても大変なことでございますが、このようなことを申し上げまして、奈良陳述人におかれましては、合併後のいろいろな諸問題と、また、我々が考えているこの一括交付金、こういったものがいいか悪いかというよりも、むしろ、これに対してどのようなお考えを持っていらっしゃるか、ちょっとお聞きしたい、このように思います。

奈良俊幸君 私ども越前市は、平成十七年の十月に、私が生まれました武生市と、若泉先生が町長をされた今立町が合併をして誕生しております。五年半が経過したところでありますけれども、私は、課題ということでは、やはり旧市町民の融和とか一体的なまちづくりということが一つありますし、他方では、十年間で地方交付税が段階的に減らされていくということになりますので、財政的にどう自立を図るか、この二つが大きな課題だというふうに思っています。

 その一体的なまちづくりとか融和という意味では、合併特例債などを活用して、必要な道路網、市、町を結ぶ道路網であったり、あるいはそれぞれの課題である事業の促進などを図って進めておりますし、特に、武生も今立も、武生は国府が置かれていて、大化の改新のころから千四百年近い歴史がありますし、今立は千五百年の和紙、あるいは継体大王にまつわるさまざまな伝統文化もございますので、こういったものを融和しながらまちづくりを進めています。

 そういう中で、最も私どもの取り組みだけでは何ともしがたい課題だというふうに考えておりますのは、扶助費とか医療とかあるいは介護関係の繰り出し金も加えたいわゆる社会保障全般の負担の問題であります。

 十年ぐらい前と比べますと、例えば扶助費でいいますと一・五倍にふえています。繰り出し金なども加えますと一・六倍ということで、四十億円ぐらいであった十年前の負担が、今六十一億ということで、この間、社会保障関係の負担が非常にふえています。マクロの話でも、たしか〇・七兆円、地方の社会保障関係費が自然増だというふうに聞いております。そういうことなどをしっかり国として支えていただきませんと、幾ら私どもがまちづくりを精いっぱい頑張っても、財政的な課題が大きい。

 そういう意味でも、先ほどお願い申し上げましたが、ぜひ、社会保障と税の一体的な改革の中では地方消費税の拡充も含めて御論議いただきたい。あと、一括交付金など、私ども十分活用させていただいて、地域主権の観点でまちづくりを行いますが、そこの社会保障関係の負担を国としてもどう支えていただけるかが非常に大きな課題だというふうに思っております。

若泉委員 ありがとうございます。

 今おっしゃったとおり、私も十六年間そういう町の行政を預かったことがありますが、私のときは、意外とまだ財政的には楽だったんですね。だから、皆さん大変な御苦労をいただいておりますが、しっかりこれは考えていかにゃいかぬと思っています。

 もう時間が余りありませんので、私の提案なんですけれども、きょうも電源交付金が少し減少するというようなことが出ておりましたが、福井県は原子力発電所を十五基抱えております。私は、町長のときにこれは知事に提案したことがあります。

 ということは、この福井県の十五基は世界一密集しているんですが、この原子力発電所から出される電気は、関西方面と、関東に二割ぐらいですか、出されています。福井県はその恩恵を受けていないんですね。福井県に限らず、この原子力発電所十五基の周りに関しまして、近県のところには、私は、電気料を今現在の電気料の一〇%にした方がいいんじゃないか、そして、地域経済の活性化と、それこそ私は地域主権ということが言えるんじゃないかと思います。そんな提案をしますが、市長も、そういうことをお考えいただいて、よし、いいだろうということであれば、そういう要望もしていただける、このように思っております。

 これからもいろいろなことがありますが、私がちょうど町長のときに、政府に対する二つの提案をしました。逆提案と言われましたのですが、一つは、和紙の里通りという通りをつくりまして、道路というのは人と車の通う道だということで、それで平成三年に完成しました。これは当時、自治省と建設省から八五%お金をもらいまして四億円の仕事をやったわけですが、それが平成六年度に事業認定で道の駅になりました。今、九百二十カ所か三十カ所あると思います。

 そしてもう一つは、下水道事業というのは、日本全国的に下水道事業が行われまして、その住民の負担と、また行政の、毎年毎年出てくるものはだんだん赤字もあるんじゃないかというふうに私は懸念いたしますが、私の場合には、今立方式下水道事業というのをそのときにやりました。それは官庁速報に全部出ましたが、連檐地域だけはコンパクトな終末処理場、あとは合併浄化槽で対応する、それによって三百億円かかるところが百億円で済んだというようなこともあります。

 今、基準財政需要額というのはそれぞれの市町村でありますが、基準財政需要額というのが間違いなく正しくそのように使われているんですが、それによって交付税が決められていくということは、もう少し基準財政需要額というのを厳しく見る点もあるんじゃないか、私はこのように思っておりますが、奈良市長はどのようにお考えですか。

奈良俊幸君 そういったところはやはり実態をよくごらんいただいて、しっかり精査していただくことが課題だというふうに思っております。

 今、総務大臣も随分現場を御存じの方でございますので、いろいろな従来からの規制については大胆に見直しを進めていただいておりますので、ぜひ、現場をよく知っていただいております若泉先生初め関係者の皆様方が、そういった硬直的なところを改善していただければ、私どもも大変使い勝手がよいことになると思っております。

中川座長 若泉君、大体時間が来ていますので、よろしく頼みます。

若泉委員 はい。

 先ほどおっしゃったように、地域主権ということでは、国と地方の協議機関をつくるということは非常にいいことだと思います。そういう中で、もっとお互いに議論していく必要があると思います。

 ありがとうございます。よろしくお願いします。

中川座長 次に、齋藤健君。

齋藤(健)委員 自由民主党の齋藤健でございます。

 きょうは貴重な御意見を拝聴させていただきまして、まことにありがとうございました。

 ここ福井は、松平春嶽公の政治顧問でありました横井小楠先生が寄留されていた場所でありまして、横井小楠先生は、皆さん御案内のように、混迷する幕末にありまして日本の将来を的確に見通し、どうあるべきかをきちんと指摘された幕末の巨人であると思います。今、日本も混迷し始めていると私は思っておりますので、横井小楠先生に恥じない地方公聴会になればいいなと切望しているところであります。

 まず初めに、奈良市長と杉本町長にお伺いをしたいんですが、今、地域経済が疲弊をしていると言われて久しくなっておりますし、特にリーマン以降は大変厳しい状況にあるのではないかと拝察をいたしておりますが、国が行う景気対策といたしまして、地域の経済に最も即効性があって最も有効な対策はどういう対策だというふうにお考えになっておられるか、それぞれ御教示いただけたらと思います。

奈良俊幸君 私ども越前市は、県内で最も製造品出荷額の多い自治体でございまして、実は平成十九年度の法人市民税は三十八億、過去最高でございました。それが今年度は多分十四億ぐらい、決算見込みでは減少しそうな勢いでございます。それだけ企業を取り巻く環境が厳しいということであります。

 率直に申し上げまして、私ども、いろいろな経済対策のあり方はあるのでしょうが、直接的に地方自治体が執行する型の対策の方が早く効果が出てくる、このことは確実に感じております。やはり貯蓄に回るということなども考えますと、ぜひ、今厳しい財政状況にある地方自治体の現状をかんがみていただいて、地域が活用しながらしっかり経済対策を行える、こういうふうなタイプの経済対策をぜひ推進していただきたいと考えております。

杉本博文君 端的に申し上げまして、地域地域、自治体によって経済の構造が違います。私どもの町等で例をとれば、やはり私は公共投資だと思っております。

 公共投資でも、農林漁業もあれば土木事業もございます。先ほども除雪の話が出ましたけれども、今公共事業がもう半分以下、国、県の事業がそれくらいになっておりまして、我が町でも建設業者は半減いたしております。となりますと、そこで雇用していた人夫さんがいなくなるんですね。うちの場合では、除雪作業につきましては、重機を借り上げたり、あるいは役場の重機を貸し出したりしてしておりますけれども、それを運転する人夫さんがいない。あるいは、若い人がいましても、技術がすぐ身につけられるものではありません、ああいう重機を得て、道路を除雪するには。

 そういうことになってまいりますと、それが後手後手へ回って、除雪がおくれる、雪が降るというようなことで行き当たってしまうということでございますので、言っちゃなんですけれども、コンクリートも人もという考え方を持っていただいて、何もかも公共事業が悪ではありませんし、地域によってはかなり大きな経済効果を生むということでございますので、ぜひとも御理解をいただきたいと思います。

齋藤(健)委員 ありがとうございます。

 奈良市長に引き続きお伺いしたいんですが、自治体が執行できるものというふうに今お答えいただいたと思うんですが、具体的にはどのようなものでございましょうか。

奈良俊幸君 先生も御案内のとおり、経済学的に考えれば、支出をすれば必ず一定の需要というのが満たされるわけでして、今の需給ギャップを埋めるという意味では、どのような財政出動であっても、私どもが速やかに行うということはまず効果が高い、それは必ず言えるというふうに思っております。その中で、今これだけ財政的に厳しい状況をかんがみれば、できる限り、国民の皆さんあるいは市民の皆さんが将来不安を払拭できるようなところをやはり手厚く予算化するということが一番効果的だろうというふうに思っています。

 それぞれ地域性がありますので、状況は違うかもしれませんが、越前市におきましては、実は最も力を入れておりますのが学校施設の耐震化でありまして、これは住民の皆さんも最も理解を得やすいですし、学校にお金を使うというのは、逆に言いますと、それにまつわる、地域の皆さんが図書関係の応援をしてやろうとか、さまざまな支援もしていただいて、実に活動の輪が、コミュニティーを維持するという意味でも高いものがございます。本市におきましては、そのことを最大の経済対策と位置づけて今執行を図っている次第でございます。

齋藤(健)委員 今政府が提出している二十三年度予算案というものは、昨年、公共事業は御案内のように一八%削減をし、さらにことしも削減をするという予算案になっておりますが、本当にそういう予算で皆さん方は大丈夫ですか。公共事業がまた減りますよ。大丈夫でしょうか。御意見を伺えたらと思います。

奈良俊幸君 一番大事なことは、財源の裏づけのないまま、例えば公共事業だけふやしていっても、国民はさらに将来に不安を持って、財布のひもがかたくなる一方だと思っております。

 私は、民主党政権が打ち出されたコンクリートから人へというのは、理念的には大変共鳴するものがありまして、その意図するところは、先ほども触れましたが、扶助費等、社会保障関係費がどんどんふえるんだから、そこのところをしっかり手当てしないと国民の不安は払拭できないだろう、ここにあったと思うんですね。ところが、地域性、それぞれありますから、当然、公共事業も大事であります。また、社会保障がふえていくところは抜本的な税制改正で手を打っていただかないと、継ぎはぎと言ったら大変失礼かもしれませんが、ここのところは何ともしようがないというのが私の現状認識でございます。

 そういう意味では、社会保障と税のあり方について与野党でしっかりとした議論をしていただいて、その間は仕方ない、こんな形で我慢を求めるけれども必ずその後にこういう形で裏づけを持って対策を打っていくということを打ち出していただければ、消費も伸びるし、当面、私どもも財政的な面は我慢しながらも、公共事業を確実に推進できる。そういう意味では、五年後、十年後の財政ビジョンをしっかりお示しいただくことが一番の経済対策だと私は考えております。

杉本博文君 大変心配いたしております。

 ですから、補助事業あるいは交付金事業、そして我々とがどういうふうにうまく相まってこういう事業を進めていくかということが今問われているのであると思っておりますので、ぜひとも我々の方へ資金をいただければ、ちゃんと工夫をしてやっていくことができると思いますので、そのようにお願いしたいと思います。

齋藤(健)委員 野党なのでなかなか難しいんですが。

 自民党が今回の予算についてどう評価しているかと一言で言いますと、国税収入は、かつて六十兆円ありましたが今は四十兆そこそこまで落ち込んでおります。大変大幅な落ち込みです。民主党政権になってからも九兆円落ち込みまして、今度の予算では少し戻しているようでありますが。通常であれば、これだけ税収が落ち込めば、当然のことながら、ばらまきは停止をして、わきを固めた財政運営をし、さらには景気効果の高いものに集中投下するというのが常識でありますが、残念ながら、今度の予算はそれに反しておりまして、これだけ税収が落ち込んでいるのに、ばらまきをやめるどころか拡大をする、その一方で、大量に国債を増発する、そして景気拡大効果は、民間のシンクタンクの試算によれば、ほとんどない、場合によってはマイナスだという。これは戦後最悪の予算編成なんじゃないかと我々は考えておりまして、これからきっちりとした、我々としての対案を示しながら、国会の方では議論していきたいと思っておるんです。

 その中で、一番大きな金食い虫が子ども手当ということになっております。奈良市長のところで行われましたアンケート調査を、私、同僚議員の稲田朋美議員からいただいているんですが、これを見ましても、これは、市民といったらいいのかもしれませんが、市民の皆さんは大変健全な反応を示されておりまして、例えば、子ども手当月額一万三千円の主な使い道についていいますと、子供のために使うというのも六割ぐらいあるんですが、残りの四割は、貯金と単に家計の一部として使いますという方が四割もおられるということであります。

 この子ども手当は、民主党のマニフェストどおりにやるとすると、毎月二万六千円、一人子供がいればもらえるということで、年間五兆円以上の予算が必要だ、これは民主党のマニフェストによればでありますが。この五兆円がもし四年たてば二十兆円という金額になるわけでありますが、そんな余力がこの国にあるのかどうか、私は大変疑問に思っております。

 いずれにしても、この大きな子ども手当というのは、今地方が負担するしないでもめておりますけれども、仮に全額国が負担をしたところで、将来、中長期的には必ず地方にはね返ってくる話でありますので、お金がどこかからわいて出るわけじゃないので、結局、最終的には国と地方で帳じりを合わせざるを得ない話になってくるわけでありますから、仮に全額国が負担したとしても、大変大きなはね返りが地方にもある。

 そういうふうに考えたときに、素直な御感想を聞きたいんですけれども、年間五兆円以上、四年間やれば二十兆円、お金持ちにまで毎月二万六千円配付をするという政策について、素直な感想をお聞かせいただけたらと思うんですが、お二人の首長さん、そして齊藤会長にもお伺いできたらと思うんです。

杉本博文君 私は余りいい政策じゃないと思うんです。

 先ほども申しましたけれども、どうしても、子育ては大事なことですし、社会全体で持っていくというのは当然大事なことだと思っております。しかし、今先生がおっしゃるように、国の財政あるいは地方自治の財政、逼迫している状態の中で、果たして今おっしゃられたような金を入れることが適策なのかというと、私は少し考えを改めた方がいいのではないか。

 そして、先ほども申しましたけれども、直線的な財を個人に入れるだけが子育て環境を充実させることではないわけでございますので、やはり国、県、市町村とうまく相まって、何兆円も金をかけなくても、あるいは一兆円でも曲線的に動かすことで数兆円に化けるということもあるわけですので、事を急がず、もう少しやはりじっくり構えていただいて、御議論、御検討いただくのが私としてはいいのではないかと思っております。

奈良俊幸君 この問題に対して二点思いがあるわけですけれども、まず、当初、民主党がこの子ども手当を打ち出されたときには、控除から給付へということが基本にありました。これは一つの哲学だと私も考えています。そうであるならば、配偶者控除とか扶養控除とかを廃止したときに、子供の数で割り算しますと、たしか一万六千円ぐらいであったと思うんですね。それが二万六千円にふえた背景というのが全く財源的によくわからない、そこが一つ大きな問題だと思っております。

 それからもう一点は、現場を預かる立場から、やはり子育て中のお父さん、お母さんから伺う意見というのは、子供の医療にかかわることとか、あるいは放課後の子供の安全のこととか、保育園への入園のこととか、そういった課題がもう圧倒的に多い。そういうことをかんがみますと、まず、地方が担っている子育て支援策も十分踏まえた上で、国全体の子育て支援ということの体系を持っていただいて、その上で、国と地方がどう役割分担して財源的なことも確認するか、この手順を、私ども、特に市長会としては強く求めております。そのことを少なくとも二十三年度中にやっていただくということが、今回、市長会は、曲がりなりにもこの子ども手当については振り上げたこぶしをおろしましたが、その理由でございまして、そのことをよく詰めていただきたいと主張いたしているところであります。

齊藤愛夫君 先ほども申し上げましたが、子ども手当には全く反対でございます。

 議員の先生方は、それぞれの先生方の支持者に対して年賀状を出すというのも、これは選挙違反になるということで、出していないわけです。現金給付というのは、だれがどう見たって、最初そういう話が来たとき、これはおかしいなと思いました。

 子育てをしているお母さん方も、一番気になっているのは、やはり将来へ向けての国民としての安心や安全なわけですね。社会保障政策の中でセーフティーネットをつくっていくんだというぐあいにおっしゃっているわけでございますので、私たち医療関係者といたしますと、現在の国民皆保険制度、どこでも、だれでも、いつでもという、こういう三つのフリーアクセス、ここのところをやはりしっかりとできませんと、子育てをしている、あるいはこれから結婚をして子供を産んでいこうという方々は安心が本当にできないと思うんです。

 福井県は、幸いにも三世代で住んでいる家庭が非常に多いです。ですから、いわゆる大都会に生活されている若いお母さん方とはちょっと感覚が違うかもしれませんが、いずれにしても、我が子たちが将来負うべき負債といいますか、そういうことも考えながら、今現金給付でもらうというのはどうかということを皆さん本当に心配をしておられます。それよりも、お金の使い方ですね。これだけ政府が用意してくださるのですと、もっともっと賢い使い方があるのではないかなと思います。

齋藤(健)委員 時間もなくなってきましたので、奈良市長と杉本町長に最後に一問お伺いしたいんですが、杉本町長さんの方からさっきお話ありましたけれども、重複するかもしれませんが、TPPとそれから農家戸別所得補償について、市長、町長さんの御見解を伺えればと思います。

杉本博文君 先ほども申しましたけれども、どうしてこういうふうに対立構造をつくって、悪者をつくって議論をするのかというのが私にはどうしてもわかりません。

 そして、先ほども、これも申しましたけれども、あの議論、論調というのは、農村側、農業側がお荷物だと言っているんです。そして、国益を阻害しているのが農村側であり、農業、第一次産業だと言わんばかりに聞こえてしようがない。このようなことをやっていては、恐らく、今現実でも、これからのことでも、都市と農村の交流だ、対流だ、共生だと言っていることをこれが阻害してしまうので、現実、今、国が改革案を取りまとめなくても、農村側、農山村では一生懸命やっています。それはなかなか全国的には聞こえないのかもしれませんけれども、頑張っているんです。

 そして、高齢化がどうのこうのと言われておりますけれども、うちも福井市内に店を持っていてやっているんですけれども、六十五歳以上百数人で、年間一億四千万ぐらい売り上げるということですね。六十五歳以上、これで平均しますと、大体百万円ぐらいなんですね。これだけの所得を得る場所がありますか、ほかの工業の中で。そういうことがないわけなので。

 そして、今、都市と農村の交流につきましても、お年寄りが培ってきた食文化なり技術なり、そういったものに触れに都会から来るわけですね。そして、いやされて帰る。こういう役割を持っているわけなので、どこの経済に我々は邪魔をしているのかあれなのかわかりませんけれども、九八・五でくくるというのは全く私には理解できませんし、九八・五は一体何なのか、一体一・五%はだれの阻害をしているのかということをもうちょっと説明していただかなければいけないのではないかと思っております。非常に抗議をしたいような気持ちになって、成熟した政治ではないと私は思っております。

奈良俊幸君 まずTPPでありますけれども、本県の農業は兼業農家が圧倒的に多くて、稲作に特化しているというのが大変大きな特徴になっています。

 きょう、たまたま金曜日の福井新聞を持ってきたわけですけれども、一面に、オーストラリアが米除外容認ということで、EPAの関税撤廃交渉の動きが今報道されております。その関税撤廃における米の取り扱いがTPPの中でどうなるかどうか、これが福井県にとって最大の注目点の一つだと。もう一点は、兼業農家の多くが工場労働者であることを考えたときに、本県の製造業とか雇用動態にどう影響を及ぼしてくるのか。この二点を見きわめる中で、このTPPのあり方については慎重に考える必要があると思っております。

 それから、戸別所得補償については、担い手の育成とか農地の拡大に本当につながっているかどうか、やはりこの一年間の実態を踏まえて十分御確認をいただく中で、担い手を育てる、それから農業の競争力を高める、こういう観点で、十分国のお立場で精査をしていただきたいと思っております。

 以上であります。

中川座長 齋藤君。締めてください。

齊藤愛夫君 座長、いいですか。今のTPPのことについて、ちょっと私も。

中川座長 質疑者から求められていないので、済みません。ちょっと時間の関係もありまして。

齋藤(健)委員 ありがとうございました。

 雪害で本当に大変な思いを持たれておりますが、心からお悔やみ申し上げますが、二十三年度予算では予備費が大幅に削減されているということと、それから、原子力については、今政府が出してきた地球温暖化対策基本法案の中で原子力の位置づけが大きく後退をしているということだけ申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

中川座長 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之でございます。

 陳述人の先生方、きょうは本当に貴重な御意見ありがとうございます。

 昨日こちらに来させていただきまして、きょうは午前中、本当に豪雪の被害、また豪雪対策の現場をしっかり見学させていただきました。

 私は、千葉県の銚子の生まれでして、今公明党千葉県本部の代表をしておりますから、ずっと千葉です。こういう豪雪の状況を見たのは本当に生まれて初めてでございます。本当に大変な中で皆様御苦労されていますし、先ほども、現場で、自民党の高木先生に食ってかかっていた女性の姿を見まして、今ごろ何しに来たんだ、何も持ってこないで、スコップぐらい持ってこいというような、本当に現場は大変だなという思いをいたしましたし、与野党挙げて、特別交付税とかいろいろな対策に、しっかり皆さんの御意見を受けとめて取り組んでいきたいというふうに思います。

 まず、齊藤先生にちょっとお伺いしたいんですが、先ほど、子供たちの医療費の窓口負担をゼロにしろと。これは、子ども手当のように現金給付も現金給付で大事だとは私は思うんですが、やはり現物給付の中心になっていくのではないか。特に、先ほど先生の方から、福井県は三世代同居が多いので、都市部で言う子供たちの安全、安心のための現物給付というところよりも、やはり子供の病気とかそういうものに対する親御さんたちとか御家族の思いが大変だと思いますし、お金がないということで子供たちに医療を受けさせないみたいなことがないようにという思いで先生は言われたと思うんですが、特に窓口負担をゼロというのを多分中心の思いでおっしゃられたと思うんですね。

 その際に、五千五百億の財政措置でできるんだからというふうな具体的な数字もお示しになりました。数字の根拠も含めて、子供たちの医療の窓口負担ゼロというものに対する先生の思いをもう少し詳しく教えていただければと思います。

齊藤愛夫君 数字の根拠は、厚生労働省から出ている医療費の統計のところに出ております。

 現在、地方自治体でも、それぞれの市なんかでの財力によりましては、小学校はもとより中学校まで窓口負担ゼロにするというようなことがございます。

 ただ、私どもで申し上げたいのは、それが、患者さん、あるいは子供たちについてきた親御さんが窓口で一たんお金を支払って、それの領収書を集めて、トータル、小児科、内科、皮膚科、歯科、こういうようなものが合わさったものを請求して、地方自治体はその中から、市によって違いますが、負担金ゼロとするところもありますし、五百円だけ引いた残りを支払うとか、福井県でも非常にややこしい制度になっております。

 全国的に見ますと、その辺のところが、きちっとやっている県もございますが、福井県については、中学までの窓口負担のものをきれいにゼロにしたら幾らぐらいかかるんだということを県に相談をいたしましたら、約二億ちょっとでできるんだということですね。各市町村の窓口、公務員の人たちの手を煩わすことなく、法律をちょっと変えればそこのところはできるということ。

 あと、これはぜひ国の方にお願いをしたいんですが、窓口負担を徴収しないと受診者が非常にふえるんだ、そうすれば医療費がふえるので、そういうことをやる自治体については国民健康保険の地方交付税等を減らすんだというようなことを言っているらしいんですね。そういうことでは全く我々が意図するところとは違うものですから、せめてそういうところをきちっとしてほしい。

 それと、私の専門でございます歯科のことでお話をさせていただきますと、小学校の高学年ぐらいになりますと、自立心といいますか、一人で受診をしなさいということを勧めております。親御さんあるいはじいさん、ばあさんについてきてもらわなくても診療所に通うということで自立心がやはり芽生えますので。そういった一人で来るお子さんについては、本日の治療はこういうことをしました、お金については幾らです、おつりはこれだけですというようなものを小さい袋に入れて実際渡すわけなんですが、やはり親御さんにしてみますと、二千円、三千円、子供さんに持たせて診療所へ行かせるというのが不安だという方もいらっしゃいます、現金でございますので。そういうようなこともありまして、先ほどお願いをしたわけでございます。

富田委員 ありがとうございました。

 子ども手当がずっと今話題になっておりますが、奈良市長と杉本町長にちょっとお尋ねしたいんです。

 私は、二月三日と十日、予算委員会で子ども手当についてかなり突っ込んだ質問をしました。先ほど奈良市長が言われていた、一万六千円までは財源の手当てがあったはずだが、二万六千円ではない、どうなっているんだかわからないというところも、実は調べてみましたら、扶養控除と配偶者控除、当時民主党が言われたのは二〇〇五年でしたけれども、それでは三兆円それで出るんだという計算でしたが、財務省の資料では二兆四千億しかありませんでした。ほかにいろいろかき集めれば何とか三兆円、そこまでは財源の手当てができていたんですが、やはり、二万六千円月額支給というところは、財源の手当てなしに民主党の中でも決まったようだということが政府税調の資料の中に出ておりました。その点も指摘させていただいて、やはり恒久財源を持って恒久法をつくるべきだというふうに私自身も公明党も考えています。

 そういうことができるのであれば、子ども手当の精神というのは、先ほど市長も言われたようにいいことだと思うんですが、なかなかそこがない、そこができていない中で、児童手当法の中に書かれている地方負担をそのまま残したということで、今回、先ほど市長は、全国市長会は振り上げたこぶしをおろしたというふうに言われていましたが、全国の自治体、四十九の自治体が今反対している。私は千葉県ですが、千葉は三十六市ありますが、三十六の市長会も反対の意見表明をしました。やはり地方に負担が来るというのはおかしいんじゃないか。

 一律の現金給付ですから、地方の判断が入らない。児童手当はもともと地方自治体から始まった政策ですので、地方負担をお願いするというのは筋はあるんだと思うんですが、民主党の子ども手当は国が決めた政策ですから、地方負担を求めるならそれなりの根拠がなきゃだめだと私は思うんですね。

 そういう意味で、ちょっと今の状況はおかしいんじゃないかと思うんですが、先ほど市長は、きちんと二十四年度に向けて協議をしてくれるのであれば、そしてその協議自体を早く始めてもらいたいというふうにおっしゃられました。

 それを伺っていて、実は、予算委員会の質疑の中で感じたんですが、地方財政審議会が毎年度意見をきちんと出しますよね、この意見で、二十一年、二十二年の意見の中では、やはり国が全額負担しろと書いているんですね。意見書が出た後に四大臣合意、五大臣合意があって、地方に負担させると決めて、その後、単年度限りの子ども手当法案が出てきている。こういう状況を見ると、地方と協議すると言っていても、意見聞きおくで終わってしまうのではないかと思うんですが、その点、お二人はどのように感じられていますか。

奈良俊幸君 今回の子ども手当だけでなくて、例えば、妊婦健診の支援にしても子宮頸がんのワクチンの補助にしても、国がやられることは全部期限つきなんですね。私どもは住民と身近に接しているんですよ。そうしますと、例えば国の支援がなくなっても私どもはやめられないんですね。ですから、今回、子宮頸がんのワクチン等も、越前市は二十四年度以降も実施をするという表明をしています。それは、国がどうあれ、一たん始めたことは必ずやります。

 そのために、実は、私どもは一割負担は市民の皆さんにお願いし、それから、国の施策などはたしか高一までとあったんですが、なぜ高二、高三はだめなんですかとか、十九歳はだめなんですかというのを、現場を預かる立場だと説明がつかないんですね。私どもは独自の施策で、市の単独負担で、十七から十九歳も子宮頸がんワクチンの対象にしました。二十以上はがん検診で受けてくださいと。そこで年齢に差別なく、全体を見る制度をつくりました。

 一番申し上げたいのは、子ども手当も、私ども喜んで二十四年度まで待つと言ったわけじゃなくて、現場を預かる私どもは、万が一この子ども手当が支給されなくなれば、先ほど高木先生の話をおっしゃられましたけれども、窓口で怒られるのは私どもなんですよ。私どもはそれだけの責任感を持って行政運営しているんですね。

 ですから、いろいろな形の中で、意見は申し上げるけれども最大公約数の中でまとめざるを得ないというのが苦しいところで、ぜひ、そういうことをかんがみますと、しっかりとした裏づけを持ってやっていただくべき、それはもう富田先生のおっしゃるとおりでありますけれども、やはり現場を預かる立場からしますと、一定の集約ということが必要だ、そんなことで、全国市長会とすれば、先ほど申しましたようなまとめをいたした次第であります。

杉本博文君 子ども手当、この議論がテレビやいろいろなところで出てまいりますでしょう。私は、子供もかわいそうだなと思うし、両親はかわいそうだなと思います。やはり社会的に、子は宝というんですから、社会みんなで育てるというのは当然だと思います。それでこういうふうにもめているということがかわいそうに映ってしまうんですから、政治というのが軌道を修正するとか事業を見直すとかということを早くされた方がいいと私は思います。

 社会で子育てをするというのも、子育て手当なんて今は中学校卒業まででしたか、そこまで必要なのか。あるいは、今、子供を産んでから育児休暇をされます。そういうときに所得がないわけですね。その期間、あるいは三年間ぐらいにどんと入れてやろうではないかといういろいろな修正ができて、その後は、今おっしゃったような、扶養手当じゃないですけれども、そういうものと合わせるとかという、何か講じていただかなければ、これだけの財が個人にすべて行ってしまって、子育てを社会がしているんだというのは、果たしていいのかなというふうに私は思っております。

 そして、さっきの国と地方との協議の場所も、これもやはり国の考え方が、地方の話を聞いてやれば、あとは決めてしまえばうんと言うやろというのがそこらじゅうに見えるんですね。何が一体地方への分権だ、地域の主権だなんとおっしゃっているのか、本当に詐欺もいいかげんにしなさいというような、そういう感じをいたしております。

富田委員 厳しい御意見、しっかり受けとめさせていただきたいと思いますが、地方負担の関係で、実は委員会の質疑の中で、菅総理も片山総務大臣も、地方が増収分が来年度以降出てくるんだから負担してもらってもいいんだみたいな言いぶりをちょっと言われたんですね。私は、それはおかしいんじゃないかということで質問したんです。

 二十二年度税制改正で年少扶養控除、ことしの二十三年度税制改正で成年扶養控除の分が出てきて、来年度から地方もその分ちゃんと増収になるんだと、控除が廃止されますから。増収になるんだから、地方負担があってもいいんだというような言い方を菅総理も片山総務大臣も言われたんですが、実際は、その増収分も地方負担分までいかないんですね。地方負担は今五千五百億ぐらいありますが、仮に全額増収になったとしても、財務省や総務省の試算を見ましたら四千八百億ぐらいですから、地方は逆に損するというような形だと思うんです。

 そういう議論の立て方というのは、地方自治の現場を預かるお二人から見たらどうですか。

奈良俊幸君 今、政府が主張されておられますような地域主権というのは、それぞれの自治体の自主決定権というのを重んじられる、そういうお考えだというふうに思っております。決してあってはならないのは、人の懐に勝手に手を突っ込んでいって召し上げるというような上下関係のもとで国と地方が成り立ってしまったら、これはもう地域主権はあり得ません。

 ですから、先生がおっしゃられたところについては、私は全くの同感でございます。

杉本博文君 私も市長と同感でございますし、我々地方の増収分は、また交付税で、おまえら財源、あれが上がったんだからと削られるんですよ。だから、幾ら税が上がってきても、地方交付税の算定をするときには、おまえら上がったんやといって削ってきて、これも国の詐欺なんですよ、言い方が。全く都合のいいように地方を言い込めようとするやり方というのは憤りを感じますね。

富田委員 ありがとうございました。

 豪雪の対策のいろいろな御意見の中で、新幹線は危機管理だというお話もありましたし、現実にいろいろな方のお話を聞きましたら、高木先生からも教えてもらったんですが、「サンダーバード」がとまって二日間閉じ込められた。ホテル「サンダーバード」だというようなお話が地元ではあったようですが、私たちのように関東地域にいる人間から見ると、なかなか整備新幹線の必要性というのは理解できない部分があります。きょう、現場を見させていただいて、先ほど、同じような豪雪被害なのに上越新幹線はとまらなかったじゃないか、やはり新幹線というのは大事なんだという御意見もいただきましたので、その点はなるほどなというふうに思いました。

 この豪雪地帯に住む四人の陳述人の皆さんの新幹線に対する思いを一言ずついただければと思います。

齊藤愛夫君 私は、福井県と石川県の境にございます芦原温泉というところに住んでおります。北陸新幹線の話が出まして、芦原温泉駅にも新幹線の駅ができるんだという話になりましたのが昭和六十年の一月のことでございます。ちょうどそのとき、私の父が地元の芦原町長をやっておりました。私も一緒に、親ともども、これはありがたいことだ、うれしいな、早くできないかなと思っております。何年待っているんですかね。

 その間に、先ほど申し上げましたが、東と西とをつなぐ線です。人間の体でいいましても、大事な動脈というのは二本ちゃんとあるわけですね。一本とまっても、必ず、あと、それが補充できるように、生命体を守るということ。

 それと、阪神・淡路大地震がございました。あのときに、直接神戸方面に、トラック輸送でございましたが、表日本側といいますか太平洋側からは行けないので、日本海側をずっと通ってきたんですね。国道八号線、二十七号線、ここの混雑ぶりはすごいものがございました。このときに私はつくづく思ったんです、表日本を通れない、この道路があるおかげでこれができるんだな。

 ですから、高速輸送、新幹線も全く同じことだろう。それで、先ほど申し上げました国家の危機管理だ、そういう方向でぜひともやっていただきたいということでございます。

山本照彦君 私は、小学校が武生の近郊でございまして、毎年クラス会をやっております。それから高校も武生でございまして、何年かに一遍、同窓会があります。そういう場で出るざっくばらんなクラスメートの声は、新幹線は本当に要るのかな、こういう声でございます。

 この場の雰囲気とちょっと違うようなことを申し上げて申しわけないんですが、大阪まで現在の「サンダーバード」で行ってもそんなに時間がかかることはない。東京へ行くのなら、米原まで行けば東海道新幹線があるし、急ぐのなら小松に空港があるから、大阪まで無理して新幹線をつくる必要がないんじゃないか。もしつくれば、従来の在来線が第三セクターに移されて、行く行くは高い運賃を払うことになる。そして、末は廃止、バスへの切りかえ、こういうことになるんじゃないか。こんなような素朴な感想でございまして、私もこの福井県にかつて住んでいた身からすれば、要らないんじゃないかなというのが率直な感想でございます。

杉本博文君 県都福井市、東京、全国四十七都道府県の中で、恐らく東京から県都までの時間の遠さでいうと福井県はトップクラスになると思います。それで、中部縦貫自動車道の課題もございます。ですから、福井県は飛行機も飛ばない、新幹線も来ない、道もない、これで同じ土俵で競争しろということが私は大変苦痛なことがあるかと思います。

 私はこれは、知事は頑張っていらっしゃいますけれども、福井県の要望事項ではなく国家プロジェクトだ、そういうふうに思っておりまして、なぜ国がしゃきんとしたことをできないのか。そして、片や、さっき申し上げましたけれども、リニア走らせろ、リニア走らせろとやっている。こっちの日本海側はぴたりととまっている。こんな片手落ちの政策があっていいのかと思って憤りを感じております。

奈良俊幸君 私は、福井県が一番好きな人間ですし、越前市が一番好きな人間でありますから、新幹線に対する思いというのは、実は危機感なんですね。

 平成二十六年度に、山本先生がお住まいの金沢まで新幹線は来るんですよ。そのときに、東京―富山間は二時間七分、東京―金沢間は二時間二十二分、金沢と富山は十五分でつながるんですね。十五分ですよ。福井県だけが三時間三十二分。一時間十分以上金沢より長いんですね。ましてや中部の中で新幹線が来ないのは福井県だけなんですよ。

 そうなったときに、どうやって私ども頑張って企業を振興して観光を振興して、交流人口を拡大しながら子供たちの生活の場をつくっていくんだ、これは圧倒的に、私どもがやれる努力で補えないぐらいの地域間格差が石川、富山と開いてしまう、それが私どもの危機感なんですね。

 ですから、今後福井は、金沢の先で金沢から乗りかえて行くところ、そこからまた一時間かけて行くところ、そういうふうになってしまう、それが今福井県の危機感だ。ぜひわかっていただきたいと思います。

富田委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、実は、私的なことになりますが、私の家内の両親は小松市に住んでおります。飛行機で便利なものですから新幹線の必要性をよくわからなかったのですが、今のお話で身にしみて感じるところがあります。

 市長が先ほど、学校耐震化が一番市民の理解が得られる公共事業だとおっしゃいましたが、実は、去年の予算委員会でずっとそれを取り上げまして、野党でしたけれども、予備費で八百十八億、全党の協力を得て出すようなことができました。皆さんの思いを与野党の垣根を越えてしっかり受けとめて、今年度の予算、また税制改正への議論に生かしていきたいと思います。

 きょうは本当にありがとうございました。

中川座長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 きょうは、理事の皆様の御尽力、そして四名の皆様の貴重な御意見を承ることができて、本当に福井県に来てよかったなと思います。実は、恥ずかしながら私は、日本四十七都道府県あるうち唯一来たことがないのが福井県でありまして、さっきの、ああそうか、東京から県都までの距離の遠さと言われたことをずきんとして拝聴いたしました。

 今、テレビではちょうど、お市の方と柴田城主、福井県のお城の城主のお話なども出てくるので、これからもっと観光の皆さんも来てくださるといいなと思いながら、そしてまた、雪にもめげず、皆さんがこの福井を本当に愛してもっと発展させようと思っておられる熱意を、私もきょうのこの公聴会で聞かせていただきました。

 これまでの皆さんがお取り上げでなかった部分で私はちょっと聞かせていただきたいのですが、この間、特にきょうは医療の分野で齊藤先生もおいでですが、地方自治体にとって社会保障費のもろもろの負担増が、例えば生活保護に対する扶助費などもありますが、やはり医療保険の国民健康保険の負担増というものが、国民の生活の実感からも、また首長である皆さんにとっても極めて重いものではないかなと私も考え、せんだっても予算委員会で質疑の中で取り上げさせていただきました。

 まず、奈良市長にお伺いいたしますが、いろいろな製造業の発展も含めて、あるいは阪神への活路を求めてと、いろいろなお取り組みをしておられますが、その一方で、日々の市民の健康を守る国民健康保険、ここについては今どのような問題を一番抱えておられるか、これについてお伺いいたします。

奈良俊幸君 実は、昨年の五月まで、私は福井県の国民健康保険団体連合会の理事長を務めていました。杉本町長が副理事長ということで、コンビで担当していたわけでございます。

 国保財政は、今、市町村財政の中でも大変重荷といいましょうか、厳しい状況に置かれておりまして、ましてリーマン・ショック以降、非常に厳しい環境に置かれた方の加入がまたふえていくんですね。ですから、加入者はふえるけれども、当然、納付率といいましょうか、下がる一方で、これをどう継続的に安定的に維持できるかというのは実に大きな課題でございます。

 今、国の方では、都道府県を保険者にというような話も出てございまして、私どもは率直に、都道府県単位で再編していただかないことには、今後立ち行かなくなる市や町や村がどんどん出てくるというふうに大変危機感を募らせているというのが現状認識であります。

阿部委員 今御指摘のように、いろいろな繰り出し金も含めて社会保障分野が多く、生活保護が一つ、あとは国民健康保険の分野が多いと思います。日本全体で見ても、三千六百億余りをいわゆる法定外で市町村が一般会計からお出しになっているということで、この額の大きさも本当に御負担なことと思います。

 そこで、杉本町長にお伺いいたしますが、都道府県単位というのは、原則的にはこれから保険者機能をもう少し大きくして安定させるという意味では前向きにとらえられる部分もあると私も思うのですが、その一方で、例えば池田町などでは、恐らくさまざまな工夫によって町の医療費の抑制のために御尽力されている。きょういただきました資料からもそれをうかがい知ることができるわけです。

 そうすると、非常に努力する市町村と、そうではなくて、放漫でとは申しませんけれども、医療費のある種の無駄遣いになってしまうようなところとの不公平感がそこで生じてきはしまいか、あるいは、小さな自治体にとっては、標準化することで保険料が上がったりする負担はどうかということですが、会長と副会長であられたという点で、そうした自治体間格差が、あるいは努力がどのように反映される方策が例えば県単位にした場合あるのか。

 私は、それは保険者機能というのを市町村が持っている、特に小さな町や村は一生懸命いろいろな活動をして、元気にお年寄りに過ごしてほしいという思いが伝わった中でやっておられるんだと思いますね。そこの部分はどうなるのかということについて、もしお考えがあればお願いいたします。

杉本博文君 我が町、三千人ほどしかおりませんけれども、国保も、ここも診療所も持っております、いずれも黒字で経営ができておりますし、基金も積めております。

 ただ、先ほどの御質問の中にあったように、小さい人口で回しておりますから、例えば心臓病だとか糖尿の病気だとか、治療費がかかる患者さんが出た途端に会計というのは大変厳しくなってきます。ですから、国も今推進をされていらっしゃいますけれども、健康診断、こういったものをきちんとやっていって、早期発見して早期に治療させるという心構えでやらないと、あれよあれよといってしまうことがありますので、そういう健診活動を充実させる。そのおかげで交付金みたいなお金がいただけるのでなお一層よく回る、こういうふうに今なっておりまして、大変目が離せない、緊張感のある事業内容となっております。

 そして、今ほどのお尋ねは、国保の広域化についてということだと思います。

 今申しましたように、我々はこうやって努力をいたしておりまして、基金もある程度できましたものですから、保険料率、保険料を下げろという国保運営委員さんなどの御指導もありまして、それなら、順調に移行しているようだから少し下げてみよう、こういうことにいたしました。余り例を出しては失礼ですが、国保の料金、年当たり、福井市の料金から二万七千円ぐらい池田町の方が安うございます。

 それを今、国保の財政的なもので広域化しようと言っておりますけれども、全国の自治体の中で七割が赤字というか厳しい経営をされていらっしゃって、三割はまずまずよき経営をされている、こういうふうに聞いております。私どもは三割の方に入っているんだと思いますけれども、これを一律一本化されることで、今先生のおっしゃるように、保険料率はどうなるのか。

 何か段階をつくってとか言っておりますけれども、我々の保険料を納めるというのは、医療に携わる機会が均等にあるのか、そういったこともよく勘案していただかなければ、こういう都市に住んでいる方は、はしご受診もできれば、いろいろな受診機会が高いわけでございます。それを受診機会のないところのものと標準化するということになれば、我々のところは、機会が均等に与えられないのに保険料だけが上がるというようなことになりかねない状況でございますので、私としては、国保の財政は大変厳しゅうございますけれども、一まとめに広域化という足取りというのはいかがなものかな、少し注意をしていただきたいなと思っております。

阿部委員 私も、今御指摘の点は全くそのとおりだと思います。

 恐らく大変な運営の中でも国保診療所を維持してこられて、そのことが健康を増進して医療費を下げていると。各地でそういう取り組みが真剣にできるのであれば、それはイコールフッティングでもいいと思いますけれども、医療提供体制が余りに瓦解して、何も受けられない中で保険料だけが高くなるというようなことは絶対にあってはならないし、今、国の方では、社会保障制度の一体改革ということをやっておられますが、なかなか私は、今町長がおっしゃってくださったような具体的、リアルな像がない中で論議だけが進められているということは大変懸念をしておりますので、きょうのお話は、また私も伺ったことを生かしてやっていきたいと思います。

 齊藤さんにお願いをいたします。

 同じような論点ですが、先ほど、子供たちの医療費を、窓口をゼロに。私は小児科医ですし、これは大変に大事なこと。特に、一方で国民健康保険においても、保険証を持たない子供たちが中学生以下で三万人強、そして高校生でも一万人あったと。子供は自分で働いていませんから保険料を納めていないわけですが、御家庭が納められないゆえに子供にとばっちりが行くということなどを考えると、今、子供の貧困ということも大きな問題ですので、この窓口負担ゼロというのは、一つの考え得る大事な政策と思って私は伺いました。

 また、資料でいただきましたいろいろを見ますと、例えば医療費の財源構成の変化というのを齊藤先生がお出しいただいていますが、ここで見ても、お二方の市長、町長がおっしゃったように、地方分の負担が大変強くなっております。患者さんの窓口負担も高くなっているし、地方の負担も高いという中で、さて、本来、この医療という日本の宝、国民皆保険を守っていくために国として何をすべきか、このことをお願いいたします。

齊藤愛夫君 まず最初に、国民の安心、安全を守るんだというそこの信念と申しますか、国の施策方針、これが揺るぎないものであることがまずは必要だろうと思います。

 我々、医療の中でも歯科医師会は、国民の生きる力を支える生活の医療というぐあいに銘打ちまして、現在歯科医療施策をやっているところなんですね。こういう中で、従来の医療のやり方と違った、先ほど杉本町長もおっしゃっておりましたが、早期発見、早期治療というのは、従来から言われている、これは当たり前のことでございますが、最近のEBMを中心とした医療の中でよくわかってきましたのは、先日のNHKでも、「ためしてガッテン」という番組があるんですね。それは先生方はお忙しいでしょうからごらんになったことはないと思いますが、食べ物をよくかんで栄養とする、食べるということが、単に我々の歯だけ丈夫にするとか、そういうことでなしに、もちろん栄養としても十分行き渡るんですが、あのときもございましたが、これから高齢社会の中で非常にお金のかかる後期高齢者の方を中心としたいわゆる老人病と申しますか、アルツハイマーの問題もございます、そういうようなものが、データ的に見ていきますと、八〇二〇運動を推進していきますと、三分の一以上そういう医療費が下がるというデータが出ておるわけです。我々もいろいろな場で、こういうEBMに基づいた医療ということをお願い申し上げているところでございます。

 また、今、市町村国保の話が出ましたが、国保組合でも同じようなことなんですね。国の補助金を削減していく。むちゃくちゃしていた国保組合がございましたから、当然それは国会で論議になるのもしようがないんですが、何で国保組合がいいかといいますと、先ほど先生もおっしゃられました保険者機能、これを非常にとりやすい。

 それで、患者さんも、ただ湯水のごとくいつでも使われるかというその辺の意識を、自分たちで納めた保険料なんだから無駄遣いをやめようというようなことをわからしめるのがやはり保険者機能だと思いますので、そういうような点をきっちりと施策をとっていかれますと、やはり限られた財源でございますので、有効にみんなが使って長寿世界を享受していく、こういった国にしていければ一番いいなと常々思っているところです。

阿部委員 健康で長寿を達成するためにも、今歯科の先生方がやってくださっている八十歳で二十本という取り組みは、私も大変重要だと思いますし、日本の国がもし世界に誇るモデルをつくれるとすれば、この日本という国は、思いやりがあって、そして本当に穏やかに健康をみずからの中ではぐくんでいける国だというふうに思いますので、先生にはきょう、政権交代後の民主党政権の皆さんへの御批判も強うございましたが、受けとめまして、私ども今野党ですから受けとめなくてもいいんですけれども、でも、歯科医療に対しての配分もまだまだこれからですが、ぜひ健康政策の中に取り入れたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 最後に、山本さんにお伺いいたしますが、先ほどお話の中で、御高齢者のお宅をお訪ねして、その方の、ある種健康ですね、お訪ねしてお声をかけるだけでも、非常に孤立しがちな御高齢者の皆さんに対して、これまで郵便局の職員の皆さんのなさってきたことは、ある種の縁を結ぶような重要なお仕事であったと私も思っております。

 いただきましたレジュメの中に、これからの見直しの中で、「一体的に運営できるシステムへの再編」というところで、「「民営化」を推進しながら、「利便性と効率性」を回復するのが目的。」となっておりましたが、プラス私は、これからの新たな公共性というものもこの郵便事業にはあるのではないか。本当に、人が声をかける、その一つが随分に違いますから、そこについても御意見をお願いいたします。

山本照彦君 今ほど先生がおっしゃったとおりでございます。

 現在はこういったことは全くできておりませんけれども、今後の方向といたしましては、特に山間僻地に住んでおられる方々に対して、郵便局ネットワークをうまく使って、住みよい地域にできるようにやっていける余地は十分あるかと思いますので、今後の見直し、検討の際には、そういった要素も取り入れていただいたらありがたい、こんなふうに思っております。

阿部委員 私ども社民党でも、三党連立の当初から、郵政民営化の見直し、今の時代に本当に必要な機能をもう一度考え直そうということでやってまいりましたし、これからもやっていきますので、また御指導をお願いしたいと思います。

 最後に数分残りましたので、先ほど齊藤先生がTPPに一言とおっしゃっていたので、このお時間を御利用いただきまして、どうか陳述をよろしくお願いいたします。

齊藤愛夫君 TPPに関しましては、広くまだ情報が到達していないので、最終的なことは申し上げられませんが、私の今知り得ている中で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、医療保険というのは、日本の現在の国民皆保険制度、これは非常に、世界に冠たるものだと思います。

 TPPをやりますと、一番恐れられますのが、いわゆる私的保険、民間保険でございますね。これが入ってきますと、恐らく採算性の悪い部門についての医療は保険の支払いをしないというようなことに民間保険は必ずなりますから、そうしますと、我々が今まで三十年、四十年と堅持をしてまいりました国民皆保険制度、これが崩れていく可能性が非常にある。国の方にしましても、ある一定の部分は民間で、あんたらやればいいじゃないか、基礎の部分だけしか国は税金を払わないよというようなことになりかねない状況だろうと今思います。

 現に、今、医療ツーリズムという言葉すら出てまいりました。これは、全く日本の国の人ではありませんが、お金のある人はどうぞ日本へ来なさいよ、今、世界に冠たる日本の進んだ医療を、あなた方、お金を出して受けなさいというそもそもですから、これが日本国民の中でも同じ制度でいきますと、格差がはっきり出る。そういう可能性があるということと、あとはクロスライセンスの問題です。ここのところをやはりきっちりと詰めておきませんと、TPP、いいなということは言えない、そういう気持ちでございます。

阿部委員 貴重な御意見を四名の方からいただきました。これからの審議に生かさせていただきます。

 ありがとうございました。

中川座長 下地幹郎君。

下地委員 もう最後になりますから、また皆様お疲れだと思いますけれども、御協力をよろしくお願いしたいというふうに思います。

 きょうの意見陳述、そして質問と聞かせていただいておりますけれども、本当に予算委員会よりもいい質問であるし、答弁だなという思いをさせていただいております。本当に地方の声がはっきりわかる、そういうふうなことを感じさせていただきました。今回は大雪の状況でありますから、また皆さん頑張って、住民の皆さんの除雪作業、またそれに対する国の役割を、与野党を超えて一生懸命に頑張っていきたいというふうに思っております。

 先ほどお話を伺っていまして、近視眼的に政治を見てはならないというお話がありまして、そのとおりだというふうに思っておりました。しかしながら、私ちょっと、近視眼的に余りにも見過ぎているのかな、奈良市長と国会議員をかわった方がいいんじゃないかなというようなことを思わせていただいたんです。

 それはなぜかということを申し上げますと、今この国の状況がどうなのかというのを私たちがしっかりと認識をした上で将来像を描いていかなければいけないと思うんです。

 将来像を描くのは大事なことです。しかしながら、今の状況もちゃんと改善をしていかなくて将来像を描いても、私は、住民に対して説得力がなかなかないのではないか、そういうふうな思いをしているわけなんです。

 今の、失業率が高どまりをして、この福井においても、高校生の就職率、大学生の内定率というのは決して高い数字が出ていない。これは全国的にもそうであります。

 また、私どもの亀井代表がつくりました中小企業の金融活性化法案というのも、あの当時、つくられるとき、こんな、銀行にちょっと資金繰りが厳しいから待ってくれという法案なんかつくったら自由経済だめだぞと言いましたけれども、一年もたたないうちに、百十万件のこういうふうな状況があって、今九十九万の債権がそれをやっておって、そのお願いをしている、今資金繰りが厳しいからというのは五十万社を超えていると言われているのであります。

 そして、一社当たり大体六人と言っていますから、あの資金繰りの対策がなければ、その三百万人の方々が間違えば倒産という目に遭って、失業率が今の五・一%とか四・九の数字じゃなくて、七%、八%を超えたんじゃないか、こういうふうなことも言われているわけなんです。

 今度も、高校生が大学に入るんですけれども、その奨学金の活用制度というのは、今、大学に入る子供の四五%が奨学金がなければなかなか大学に入れない、親の支援だけではなかなか難しい、こういうふうな状況も言われております。

 また、今年度の予算も、生活保護世帯というのは三兆円を超えました。これはもう非常に経済が厳しい環境の中で生活保護世帯がふえているという現実もあるんです。

 こういうふうな現状は、政権がかわって一、二年でできるような状況じゃなくて、今までの政権の中でも、自公政権の中でも、いろいろな厳しい状況の中から今があるわけでありまして、どっちに責任があるとかないとかという話じゃなくて、今の現状の認識論は非常に厳しい経済環境にあるという事実は私は認めなければいけないと。

 そうしたときに、今、企業が、支援をして、生き延びて、社員の給料を上げる、待遇を改善するというようなものが難しい状況にある。農家においても、自給率がこれだけ、五〇%を切って、三〇%近くまで下がってきた、そういうふうなさまざまな現象の中に、一つの試しとして農家戸別補償があっても、私は、政策としてチャレンジする価値があるし、そして、今言っているように、生活保護世帯がこれだけ超えている中で、子ども手当というのが、ある意味、その厳しい所得環境の中で子供が進学する意欲をつくる一つの要素になることもあり得ると。高校生の授業料の無料化もしかりであります。

 というように、直接支給をするということが、永久にそういう状況が続くということじゃなくても、今の現状としては、政策として私はそんなに否定される間違いではないというふうに思っています。

 このマニフェストは民主党のマニフェストで、国民新党のマニフェストじゃないんです。しかしながら、私の認識論は、厳しい環境の中では間接的な支援というよりも直接的な支援が今の現状の中で必要だという認識論を持っていて、小泉改革以来、特に地方との格差というのは広がってきた。私の沖縄は、平均所得百九十万で、子供の数は一番多い。東京は五百四十万ですから、三百万を超えています。

 そういう状況の中で、福井も地方経済の中でそういい数字が出ているわけではないというふうに私は思っていますから、私としては、今の福井の経済の状況を四人の方々はどういうふうに見ていらっしゃるのか、そのことをまずお伺いさせていただきたいと思います。

奈良俊幸君 私どもの市は、先ほども申し上げましたけれども、福井県で一番製造業が盛んなところでありまして、多分、日本全体の自治体を見ても、三次産業に従事している市民よりも二次産業に従事している市民の方が多い、非常に典型的な工業都市でございます。

 その中で、非常に端的に感じている問題が二点ございます。

 一つは、国内に今後とも本当に工場が残るのかどうか、このことが今最も大きな私の悩みであります。都会と違って、どうしても、地方で製造業以外の、特にサービス産業が大きく発展をして雇用の受け皿になるとは思いません。やはり地方の場合は、製造業がしっかり残ってこそ発展がある、若い人の定住があるというふうに思っておりますので、いかに国内に製造業が残ってもらえるような支援をしていただけるのかどうか、ここを強くお願い申し上げたいと思っております。

 もう一点は、ちょっと言葉を選びながら率直に申し上げるんですが、市内の特に大手企業は、今非常に業績がよくなって忙しいんです。労働組合と話もしながら休日出勤もして操業を何とかしているんですけれども、他方で、有効求人倍率が思ったほど上がらないんですね。ようやく、私どもの地域で一・〇六まで上がってきました。ようやく上がってきました。感じは、リーマン・ショック以前は一・四、それと同様なぐらい大手企業の操業は忙しいんですけれども、上がらない。

 それはなぜかというと、各企業が派遣労働に対する恐怖感を大変持っているんですね。確かに、リーマン・ショックの、景気の下降局面では派遣というのは実に問題があって、私も、あそこは絶対にしっかりとした制度改正が必要だと強い問題意識を今も持っていますが、他方で、景気が上昇局面でありますと、まず人が欲しいという企業がたくさんいるんですけれども、そこで企業が手を打てない。その結果、実に、需給のギャップがあるというのが今の現場でございまして、このあたりを上手に国の方でお考えいただければもっと地方の雇用問題がスムーズに回復できるのにな、そんなことを感じているところであります。

杉本博文君 大変難しい御質問で、ど素人でなかなか申し上げられませんけれども、福井は、もともと、繊維、眼鏡、建設業、こういったものが中心だったと思います。そして、それを支えてきたのが第二種兼業農家。家で農業や林業を営みながらそういう製造業とかに仕えて全体的な裕福度を増していったということですけれども、今はもう農林業は全然、全然と言ったらあれですけれども、余り芳しくございませんし、一部製造業で気を吐いているというんでしょうか、調子のいいところもあるようですけれども、そのほかは余り、聞き及ぶのでは、そう調子のいいという声は聞いておりません。

 それぐらいしか、私にはお答えできる力はございません。

山本照彦君 私は金沢に住んでおりまして、こちらの新聞とかテレビを見ないので、余り具体的なことは申し上げられませんが、一般的に、北陸三県は似たような状況じゃないかなと思っておりますので、福井県も中小企業が大変たくさんありますし、一般的に見れば、大変苦しいのではないかと思います。

 福井県の県民性というのは、非常に勤勉で、よく働く、そういうことを加味いたしましても、今福井県では大変苦しさがあるんじゃないか、こんなふうに感じているわけでございます。

 そんな程度でございます。

齊藤愛夫君 福井県が出しております月例統計指標、これを見ますと、景気がいいかどうかというのはやはり消費だろうと思いますのでそこを注目してみますと、消費者物価指数の動きで見ますと、くしくも平成二十一年の九月から福井はずっと下がりっ放しなんですね。政権交代があったからこうなったと言うわけではございませんが、データ的に見ますと、全くそういうことでございます。

 それから、私、先ほど申し上げましたが、現在、芦原温泉という温泉街で診療所を開設いたしておりますが、ここ三年間だけででも一割入湯客が減っております。ぜひここのところは、我々のところの地域振興でもお願いをしたいのが建物の固定資産税の問題です。

 従来、バブルのときに、旅館は、それぞれ大きい集客人員を図って旅館の大型化をいたしました。入湯客がどんどん減ってきたものですから、もう現実に使わない建物があるわけなんですが、これも今は、壊しますと非常に高額のお金がかかる、その建物については固定資産税も払わないといけない。

 ですから、例えば、国に届けをすることによって、この建物のこの部屋はもう使わないんだというようなことであったならば、また景気が回復すればよろしいんですが、その間は、では、固定資産税は建物については免除してやるよとか、そういうような施策をぜひお願いしたいなと。

 別にあわら市長に頼まれてきたわけではございませんが、たまたまいい御質問をいただきましたので、よろしくお願いを申し上げます。

下地委員 今、齊藤先生からお話がありましたけれども、本当に政策というのは現実的にやっていかなければ私はだめだと思っていますから、売り上げが伸びないのに固定資産税が変わらない、そういうふうなものの対策なども私たちは考えていかなければいけない。本当に御意見ありがとうございました。

 奈良市長にもう一つだけ。

 今度の予算の中で、法人税を五%下げる、この政策は、今市長がおっしゃったように、企業が海外に流出しない、国内で頑張っていただくというようなことで五%、一兆五千億円の減免措置をするわけですけれども、私は、連立与党だけれども余り賛成じゃなかったんですよ。この一兆五千億円、財政が厳しい段階で本当にこれが、企業が流出をしないとか新たな投資をしてくれる、そういうふうになるのかどうか、なかなか難しいと。

 菅総理が経済界に行ってお話をしても、資本主義社会の中でそういうことは約束はできませんみたいなお話だったわけですけれども、この五%下げるということは、今、二次産業が活発な市で効果が出てくるというふうにお考えになりますか。

奈良俊幸君 御質問の点でありますけれども、大企業の経営者の方に伺いますと、五%では少な過ぎるという意見があります。それから、中小企業の経営者の方にお尋ねしますと、そもそも今赤字で税を納めていないから全く効果がないと言われます。

 私は、下げないよりは五%は絶対大きな一歩だと思うんですけれども、やはり税の抜本改革の中で法人税全体を大きく引き下げていただいて競争力を高める、そのための全体設計をしっかりしていただくことがかぎだ、あくまでも今回は一歩前に進んだだけだ、そういうふうな理解をしております。

下地委員 ちょっと私の考え方と違うかもしれませんね。

 もう一つ、奈良市長にお願いしたいんです。

 先ほど負担の話がありました。近視眼的ではだめだという政治と、厳しいけれども市民に負担もお願いするんだと。社会保障制度の話だったというふうに思うんです。

 私は、この社会保障制度と税というお話の中では、無駄の削減をして、それで経済が回復をしてから、そして、消費税の話は順番がありますよというのが私どもの考え方なんですけれども、今の経済状況も厳しい、まだまだ国民が無駄の削減というものをやったというような認識論には立っていないというふうに思っておりますが、市長が見て、今、社会保障の制度が明確に、安心できるようなものであれば今のタイミングでも消費税の話をしていい、そのことは経済にも余り影響しないし、国民の理解も得られる、そういうふうにお考えになりますか。

奈良俊幸君 率直な受けとめとして、国民の多くは消費税の引き上げについて十分な理解をされていると思っています。しかしながら、今のタイミングではないということも率直に理解をされておりますから、要は、決めるけれども、いつ実施をするのか、その辺の全体設計をしっかり確認していただければ結構かと思っています。

 もう一点だけお願いを申し上げたいと思いますのは、私は、無駄の削減で生み出せるという意見は大変魅力的だと思っておりますけれども、くしくも、政権交代される中で、やはりここは難しいということをようやく自公政権、それから民主党、国民新党の政権の中でおわかりになられたと思うんですね。

 一番心配するのはブーメランなんですよ。何で民主党が今苦労されているか。やはり野党時代に発言された、言葉は悪いですけれども、無責任な発言に苦しめられている。今、自民党や公明党を中心とする先生方も、総選挙のことをにらまれるのは結構ですけれども、やはり発言が、し過ぎると、政権交代しても同じようにそのことでまた苦しまれる。国民のためにならないんですよ。

 だからこそ、リーダーに私どもがお願いしたいのは、しっかりと、国家国民が幸せになる、選挙とか株価のことを心配するばかりじゃなくて、国家国民を考えていただきたい、そういうことばかりでございます。

下地委員 質問しにくくなってしまいましたけれども。

 最後になりますけれども、郵政民営化改革法案、もう十二分に私どもも理解をしているつもりですけれども、もう一言だけ。なぜ今これだけサービスが悪くなったのか、時間があと二、三分ありますから、十二分にお話しして結構ですから、やってください。

山本照彦君 サービスが悪くなった、先ほど申し上げたとおりでございます。

 従来は、いわゆる三事業一体ということで、郵便、貯金、保険、お互いに融通をきかせて庶民のためにサービスをすることができたわけなんですが、今は別々の会社になっておりまして、やろうと思ってもできない、こういう壁がありまして、それが結局、庶民のところへしわ寄せとなって行っているんじゃないかなと私は思っております。

下地委員 最後になりますけれども、齊藤先生が夫婦別姓、そして外国人参政権の問題を厳しく指摘しましたけれども、私はそのとおりだというふうに思っておりまして、その指摘は、これからも政治の場で私たちもしっかりと守っていきたいというふうに思っています。

 これで終わります。ありがとうございました。

中川座長 今から盛り上がってくるような雰囲気でありますけれども、以上で委員からの質疑は終了いたしました。時間配分に御協力をいただきまして、ありがとうございました。

 この際、一言ごあいさつを申し上げたいというふうに思います。

 意見陳述人の皆様方におかれましては、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。

 真実はいつも現場にありという話がありますが、本日拝聴させていただいた御意見は、当委員会の審査に資するところ極めて大きいものがあります。ここに厚く、改めてお礼を申し上げたいというふうに思います。

 また、この会議開催のために格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午後三時十一分散会


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