衆議院

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第13号 平成23年2月17日(木曜日)

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平成二十三年二月十七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 中井  洽君

   理事 泉  健太君 理事 城井  崇君

   理事 武正 公一君 理事 手塚 仁雄君

   理事 中川 正春君 理事 若泉 征三君

   理事 塩崎 恭久君 理事 武部  勤君

   理事 富田 茂之君

      石毛えい子君    石山 敬貴君

      磯谷香代子君    稲見 哲男君

      打越あかし君    生方 幸夫君

      小川 淳也君    大串 博志君

      太田 和美君    岡田 康裕君

      金森  正君    金子 健一君

      川村秀三郎君    吉良 州司君

      工藤 仁美君    桑原  功君

      後藤 祐一君    郡  和子君

      佐々木隆博君    斉藤  進君

      阪口 直人君    杉本かずみ君

      空本 誠喜君    高井 崇志君

      高井 美穂君    高邑  勉君

      竹田 光明君    津村 啓介君

      中根 康浩君    中屋 大介君

      仲野 博子君    橋本 博明君

      平山 泰朗君    本多 平直君

      三谷 光男君    三宅 雪子君

      水野 智彦君    宮島 大典君

      村越 祐民君    森本 哲生君

      矢崎 公二君    山口 和之君

      山口  壯君    山田 良司君

      湯原 俊二君    吉田 統彦君

      和嶋 未希君    渡部 恒三君

      小里 泰弘君    金子 一義君

      金田 勝年君    小泉進次郎君

      佐田玄一郎君    齋藤  健君

      菅原 一秀君    橘 慶一郎君

      野田  毅君    馳   浩君

      山本 幸三君    稲津  久君

      遠山 清彦君    古屋 範子君

      笠井  亮君    穀田 恵二君

      阿部 知子君    吉泉 秀男君

      山内 康一君    下地 幹郎君

    …………………………………

   総務大臣

   国務大臣

   (地域主権推進担当)   片山 善博君

   法務大臣         江田 五月君

   外務大臣         前原 誠司君

   財務大臣         野田 佳彦君

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   経済産業大臣       海江田万里君

   国土交通大臣       大畠 章宏君

   国務大臣

   (郵政改革担当)     自見庄三郎君

   国務大臣

   (行政刷新担当)     蓮   舫君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   与謝野 馨君

   国務大臣

   (国家戦略担当)     玄葉光一郎君

   内閣府副大臣       東  祥三君

   外務副大臣        伴野  豊君

   外務副大臣        松本 剛明君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   厚生労働副大臣      小宮山洋子君

   厚生労働副大臣      大塚 耕平君

   国土交通副大臣      三井 辨雄君

   財務大臣政務官      吉田  泉君

   財務大臣政務官      尾立 源幸君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十七日

 辞任         補欠選任

  稲見 哲男君     中屋 大介君

  打越あかし君     矢崎 公二君

  小川 淳也君     三宅 雪子君

  大串 博志君     石山 敬貴君

  吉良 州司君     阪口 直人君

  佐々木隆博君     湯原 俊二君

  城島 光力君     岡田 康裕君

  竹田 光明君     平山 泰朗君

  中根 康浩君     磯谷香代子君

  仲野 博子君     杉本かずみ君

  三谷 光男君     橋本 博明君

  水野 智彦君     金子 健一君

  渡部 恒三君     山口 和之君

  小里 泰弘君     橘 慶一郎君

  遠山 清彦君     古屋 範子君

  富田 茂之君     稲津  久君

  笠井  亮君     穀田 恵二君

  阿部 知子君     吉泉 秀男君

同日

 辞任         補欠選任

  石山 敬貴君     大串 博志君

  磯谷香代子君     吉田 統彦君

  岡田 康裕君     和嶋 未希君

  金子 健一君     後藤 祐一君

  阪口 直人君     高井 崇志君

  杉本かずみ君     仲野 博子君

  中屋 大介君     稲見 哲男君

  橋本 博明君     桑原  功君

  平山 泰朗君     竹田 光明君

  三宅 雪子君     太田 和美君

  矢崎 公二君     斉藤  進君

  山口 和之君     山田 良司君

  湯原 俊二君     森本 哲生君

  橘 慶一郎君     小里 泰弘君

  稲津  久君     富田 茂之君

  古屋 範子君     遠山 清彦君

  穀田 恵二君     笠井  亮君

  吉泉 秀男君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  太田 和美君     小川 淳也君

  桑原  功君     空本 誠喜君

  後藤 祐一君     工藤 仁美君

  斉藤  進君     打越あかし君

  高井 崇志君     吉良 州司君

  森本 哲生君     佐々木隆博君

  山田 良司君     渡部 恒三君

  吉田 統彦君     中根 康浩君

  和嶋 未希君     城島 光力君

同日

 辞任         補欠選任

  工藤 仁美君     水野 智彦君

  空本 誠喜君     三谷 光男君

同日

 理事富田茂之君同日委員辞任につき、その補欠として富田茂之君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 平成二十三年度一般会計予算

 平成二十三年度特別会計予算

 平成二十三年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

中井委員長 これより会議を開きます。

 平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算、平成二十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題として、一般的質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橘慶一郎君。

橘(慶)委員 おはようございます。

 四十五分ちょうだいいたしました。委員長御存じのとおり、私は万葉集を歌って始めるということになっておりまして、東京の残雪を踏み締めながらしっかり四十五分やらせていただくという気持ちを込めて、万葉集巻十九、四千二百二十六番、大伴家持卿の歌であります。

  この雪の消残(けのこ)る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む

 ぜひタチバナの実がなるように、よろしくお願いします。(拍手)ありがとうございます。

 それで、雪の話から始めさせていただきます。災害対策委員会もあるのでお忙しいところ、東副大臣に、たって来ていただきました。

 ことしの冬の雪害、また霧島・新燃岳の噴火、大変御苦労がある皆様方にお見舞いを申し上げながら、雪害については、既に政府において予算措置もされたところでありますが、建設産業の衰退に伴う除雪機械確保の問題、あるいは高齢者、空き家の雪おろしなど、新たな課題の把握と対策の検討についてぜひ善処いただきたいと思いますが、お願いいたします。

東副大臣 おはようございます。

 橘委員の質問に答えさせていただきたいと思いますが、まず初めに、今回の大雪につきましては、昨年の十一月一日から去る二月の十四日までの間に、痛ましいことに百二十二名のとうとい命が失われた、こういう御報告を受けております。お亡くなりになられた方々に心から冥福をお祈りすると同時に、被災された方々に心からお見舞い申し上げる次第でございます。

 さて、御質問でございますが、豪雪対策について、橘委員は高岡の市長を二期やられていますから、多分その重要性についての認識は共有できると思いますけれども、政府としては、国民の安全、安心を確保するために地方自治体の力をどうしてもかりなくちゃいけませんので、地方自治体と一致団結して、連携してこの豪雪対策に取り組んでいくという認識がまず重要なんだろう。

 そういう意味で、二月一日には関係閣僚会議が開催されまして、総理から各閣僚に大雪等に全力で対応するように指示がありまして、ライフラインの確保や各種被害への支援を積極的に行っていくという対応方針を決定させていただきました。そして、それに基づいて、経済産業省、そしてまた農林水産省、総務省においてそれぞれの措置を実施しているところです。

 まず国土交通省においては、除雪費用に充てられる社会資本整備総合交付金の追加配分、そして農林水産省においては、省エネなどにつながる漁船の船外機購入に対する助成措置、特に島根、鳥取等において小型の漁船があの大雪によって大変な被害を受けている、それに対しての措置でございます。また総務省においては、除排雪など地方公共団体が負担する経費に対する特別交付税措置をそれぞれ実施しようとしているところでございます。

 一方で、今回の大雪では、先ほども御指摘がありましたとおり、除雪等の適切な道路管理、あるいは除排雪の人手や機材の確保、除雪作業中の安全対策などの新しい課題が浮かび上がってきていると認識しております。特に豪雪地帯では、高齢化や過疎化、除排雪作業を担う地域の建設業者の減少といった問題が背景にあるものと考えているところです。

 このため、今回の豪雪災害の状況の詳細な分析を行いつつ、国や地方公共団体が果たすべき役割、地域の防災力の向上方策などについて検討する場を早急に設けて、雪害対策の見直しに取り組んでいきたいというところでございます。

 以上です。

橘(慶)委員 ありがとうございました。

 新しい問題に、また新しい対応をぜひよろしくお願い申し上げます。副大臣、これで結構でございます。

 予算の総論的なことを少しお伺いしたいと思います。委員会でいろいろな質疑が十分なされつつあるわけですけれども、しかし、まだまだわかっていない部分もいろいろあるというふうに思っております。

 私の方で若干確認をさせていただくのは、建設国債と赤字国債の違いということを一応総論的に確認させていただきたいと思います。

 会社に例えれば、企業体に例えれば、建設国債というのは設備資金、設備を導入するための資金、それでいろいろなインフラストラクチャーをつくるということであります。赤字国債は言ってみれば運転資金、資金繰りがつらいからそれを借りていくということになるかと思います。

 建設国債でつくられたものについては、それが大きな投資効果を生むかどうかということが基準になっていくと思いますが、やはり、運転資金、赤字国債をどんどん借り込めばいいということではない、これは抑制しなければいけないという意味においてそこには違いがあると思いますが、御所見を伺います。

野田国務大臣 おはようございます。

 万葉集から始まって、大変文化の薫りと厳かな空気で朝のスタートが切れたことを御礼申し上げたいと思います。

 赤字国債と建設国債の違いという御質問と思いますけれども、財政法の第四条のたてつけでいくと、国の歳出というのは基本的には租税等によって賄うという非募債主義と、あえて言うと、公共事業等についての建設国債は基本的にただし書きで認められている、そういう構図の中で、赤字国債、特例公債は、財政法の中には入っておらずに、特例法をつくって発行をしていく、そういう仕組みであるという法律上のたてつけからすると、委員のおっしゃるとおりだというふうに思います。

 ただ、建設国債の中でも、本当に投資効果の高いものに充てていくということだったら、今回の予算でも、例えばミッシングリンクの解消とかそういうことについては、真に必要なものについては建設国債発行はせざるを得ないと思うんですが、一方で、赤字国債も建設国債も、借金としてはやはり積もっていくものでございますから、それが平成二十三年度末には八百九十二兆円に達するという見込みでございますので、いずれにしても、借金としては、積もっては後の世代に大変な負担になるので、できるだけ抑制していかなければいけないのではないか、その思いをしっかり込めながらこれから対応していかなければいけないというふうに思います。

橘(慶)委員 たてつけが違うというところは、しかし大事だと思います。やはり何に充てている借金であるかということを見ていかなければいけない。これは一昨年十一月の内閣委員会で、当時の菅国家戦略相が、両方を分けて考えることは必ずしも建設的な議論にはならないというお話もあったんですが、私はそうは思いません。やはりそれぞれ目的が違う、そして、抑制するものはその目的によって抑制をしていかなければいけない、ここはぜひ指摘をさせていただきたいと思います。

 そして、一つ飛ばしますけれども、建設国債であてがわれていく公共事業の関係費でありますが、与謝野大臣にお伺いいたします。

 公共事業関係費、ことしも五兆五千億円、地域自主戦略交付金への移行分を加えても五兆五千億円ということで、当初比マイナス五・一%と、二十二年、二十三年度、縮減が続いていくわけであります。これはやはり、地方経済、地域の経済ということを考えた場合にはかなり大きな打撃になるのではないかと心配をするわけであります。

 もちろん、今の現政権において、子ども手当というところに財源をある意味でシフトしていかなければいけない、こうおっしゃるわけでありまして、もちろん、それぞれ政策目的が違います。しかし、地域経済に与える経済効果という観点で、国から地域へのお金の移転という考え方からすれば、やはり、この公共投資の削減というのは地方圏の経済にとって二年連続かなり大きなマイナス効果を与えるのではないか、このように思うわけでありますが、これでよろしいのか、与謝野大臣の御見解を伺います。

与謝野国務大臣 二十三年度予算は、公共事業の効率化、重点化を図る一方で、財政規律を維持しつつも、成長と雇用を重視した予算配分が行われております。また、地域自主戦略交付金や総合特区制度を創設するなど、地域活性化にも最大限配慮した内容となっております。

 こうしたことにより、景気が持ち直し、経済成長の好循環に向けた動きが地方にも波及していくものと考えております。

橘(慶)委員 今の御答弁では大変心もとないわけでありまして、実際、今年度、二十二年度現年度でありましても、これは野田財務大臣にお伺いするわけですが、実は最初は高らかに五・八兆円になりましたという話から始まりまして、しかし、それではこれは大変だということになって、ステップワン、ステップツーの経済対策の中で、最終的に二十二年度の公共事業費は補正後六・四兆円まで実は増額をされているわけであります。

 そしてまた、ことしも、経済危機対応・地域活性化予備費ということで八千百億円を昨年の一兆円に続いて計上されているわけであります。そうであれば、本当にここで五・五兆円でやっていけるのかということについては、必ずしも政府も自信があるわけではない。

 それであれば、最初からもうこの八千百億円についてきちっと予算の中に組み入れて執行する方が年度当初からきちっと執行できるんじゃないか、このように思うわけですが、ここは財務大臣の御見解を伺います。

野田国務大臣 委員御指摘のとおり、いわゆる公共事業関係費という意味では、予算としては減額をされています。特に、補正と比べた場合の減額は御指摘のとおりでありますけれども、ただ、中身については、国際戦略的な港湾整備だとか空港のハブ機能強化だとか、国土ミッシングリンクの解消とか、真に必要なところで、そしてその成長に資する分野についてはしっかりと予算の手当てをしたというつもりでございますので、予算の中身としては、私は充実をした内容だと思います。

 その上で、経済予備費のお話がございました。二十二年度は一兆円この経済予備費をつくって、そして昨年の九月に、九千二百億円、緊急経済対策として使わせていただきましたけれども、同じようなことは、基本的には起こらない方がいいと思うんですが、予見しがたいような状況で経済が悪化したり雇用が悪化したときには、今回、二十三年度の予算の中に位置づけられている八千百億円を機動的に使わせていただきたい。

 というのは、予備費というのは、要は国会審議を経ずに使えるところに意義があるわけで、基本的には、二十三年度予算を通させていただくことが景気対策だと思いますけれども、予見しがたい事態のときのためのお金が今回の八千百億円であるというふうに御理解いただきたいと思います。

橘(慶)委員 しかし、八千億円もそういう形で要するに横によけるということになれば、そうすると、今非常に財政も厳しい、国債の発行高も抑制したい、そういう思いでぎりぎりの予算をつくっていく中に最初から八千億円もよかしておかなければ非常に心配だということであれば、当初予算の編成において、本当にそこはぎりぎりきちっとしたものになっているかという問題があるように思うわけです。そうであれば、最初から公共事業費なり充てるところに充て込めばよろしい。

 例えば学校耐震化の予算にいたしましても、去年かなり補正で積まれましたけれども、ことしは発射台としては非常に小さい予算になっているわけであります。もちろん、去年の補正でやったということにはなるんですが、通例、それが後からまた、それでは額が足りないということでふやさなきゃいけなくなる。

 そんなことも考えた場合に、やはり予算をぎりぎりに財政運営戦略の中で抑え込んでいこうという趣旨もある中で、八千百億円という形で空白部分をつくるよりは、きちっとそれは最初にあてがわれた方がより自然じゃないかと思うんですが、さらにもう一度お答えをお願いいたします。

野田国務大臣 いわゆる経済対策としての位置づけでは、三段構えのいわゆるステップスリーが今お願いしている二十三年度の本予算で、これによってかなり成長と雇用については重視をして、そういう観点から予算を組んだという意味で、基本的には、一年間見通してしっかりと経済を支えることができると思っています。

 一方で、さっき申し上げたように、何が起こるかわからないという世界経済の状況の中で、それに対応するための一応予備費としての位置づけが八千百億円で、だから、何が起こるかわからないことへの対応はやはりどこかで持っておかなきゃいけない、しかも機動的に対応できるお金が予備費だ、そういう位置づけで組んでいるということございます。

橘(慶)委員 今のお話は確率論みたいな話になってしまうんですけれども、それはちょっと見解を相違するというところで、そういうふうに指摘をさせていただくことで次へ進みます。

 地域自主戦略交付金の問題について伺います。

 これはかなりこの委員会で議論されてきているわけですが、配分基準ということで議論がありまして、政府側からこの委員会に、客観的指標の検討状況ということで、一つの検討の姿が出てまいりました。しかしこれは、各事業に即してかなり詳細な項目を挙げて、それをまとめて基準をつくるということになってまいりました。

 初めのふれ込みでは、やはり単純な人口や面積割より、客観的、すっきりとした基準というお話から始まっていたわけですが、どうも明快な客観的基準、言葉の上ではきれいな言葉ですけれども、こういうものを本当に見出すということは大変難しいということではないかと思うんです。

 このことについての、地域主権改革担当大臣、片山大臣の現在の御心境をお伺いします。

片山国務大臣 国と地方団体との関係、特に財政の関係でいいますと、できるだけ自治体に自主的な財政運営を可能とするような、そういう仕組みが望ましいと私は基本的に思っております。

 そのことを念頭に置きますと、国から自治体に交付されるこの種のお金というのは、自治体から見て予見性が高い、要するに、個別に恣意的に配られるというのではなくて、自治体みずからも予見できる、そういう制度が望ましいと思います。そこで、このような一括交付金のような、ある種の客観化された指標によってということになるわけです。

 その際に、できるだけシンプルであった方がいいということ、これは一つあるだろうと思います。ただ、これまでの経緯を考えますと、一挙に人口とか面積ということにはなかなかなりがたいという面がありますし、もう一つは、ここが一番難しいんですけれども、四十七の都道府県の中で利害といいますか、決して一様ではないわけであります。都市的な要素を重視するか、それとも地方的な要素を重視するか、財政力をどう勘案するか、この辺が非常に悩ましいところで、御指摘のように難しいことはもうよくわかっております。これを今どういうふうに調整するかということを苦吟しているわけであります。

 いずれにしても、何らかの客観指標を設けなければいけないということで、鋭意、今検討作業を進めておりまして、その途中経過なども随時国会の方に御報告を申し上げるということにしているわけであります。

 いずれにしても、最後は割り切らないといけない部分が出てくると思います。それは割り切りも問題がないわけではありませんけれども、今のように個別の事業ごとに箇所づけをしていくというやり方よりは、やはりある程度割り切ってでも何らかの客観指標がいいだろうというのが私の基本的な考え方であります。

橘(慶)委員 そこで問題は、ぜひ、この後のきょうの話はそういう話をずっとするんですが、こういう理想形を掲げます、その理想形は哲学的にはそれでわかるんですが、しかし、その理想形というものを現実に実行しようと思うと意外と難しい、だけれども、理想を立ててしまったからこれをやり遂げなきゃいけないというのは、私はそれは間違いじゃないかということをいろいろな意味で申し上げたいんです。

 何せ今の話は、客観的な基準というものは何かできそうだけれども、今おっしゃったとおり非常に難しい。地方の自治の現場にいられた大臣だからよくわかる。要するに、四十七都道府県、いろいろなことがあって、そんな人口、面積で区切られたんじゃたまったものじゃない、こういう話であります。

 そこで、この地域自主戦略交付金の組み立てに問題があると思います。なぜなら、かなりパイの大きい補助金を入れたのであれば、箇所の多いものを入れたのであれば客観的基準でできるんですが、例えば職業高校の問題だけでその補助金を持ってきたとか、工業用水道のその補助金だけを持ってきたと。それは額が小さいんです。総務省の方からは消防施設のお金、一千億円ですよ。そういうものをこのどんぶりの中に入れて、済みません、一千億じゃないですね、非常に小さいものをどんぶりの中へ入れても、なかなかこれはうまくいかないんじゃないか。

 要は、客観的な基準を求めれば求めるほど割り切らなきゃいけない、あるいは、これからもしこの交付金をより膨らませていくとすれば、どんどんどんどん基準の指標がふえていくということですよ。そうすると、第二交付税に限りなく近くなるんじゃないですか。これは片山大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 これは、今回のケースは、都道府県分でありますので、ロットも大きいものですから、そんなに御指摘のような心配は多分ないだろうと思います。

 ただ、これが、二十四年度から市町村分もこれを始めようということになりますので、その際には、かなり詳細な検討が必要だろうと私は思っております。御指摘のような消防の補助金でありますとか、それから義務教育の施設の補助金でありますとか、市町村分になりますといろいろなものが入ってきます。その際には、都道府県分のような割り切りは必ずしも妥当しないだろうと思いますので、そういうこともありまして、市町村分については一年検討期間を設けたい、そこで現実的な案を考案したい、そういう考えでおります。

橘(慶)委員 市町村の部分については後からお伺いしようと思ったんですが、そこはそういう認識を持っておられることは大事なことなんですね。

 今、私、一つ単位を間違えました。消防防災施設整備費補助金、これは、今回の五千百二十億円の中では一千万円なんですよ。一千万円のものを五千百二十億円の中に突っ込んで、そこで指標を置いて計算したって、それを四十七都道府県に割ってみたって何の意味があるんですか。それよりは、その一千万円でやらなきゃいけない箇所は多分ブロックで一つとか二つとか、そういうことでしょう。そうしたら、そこへちゃんとつけていけばいいだけなんですよ。

 要は、申し上げたいのは、この五千百二十億円のたてつけですよ。菅総理は胸張って言われるけれども、それは逆に危ないんですよ、胸を張られるということは。二十何億しかないものを、五千百億集めました、それが危ないんですよ。

 だから、もっとここは慎重に、きちっと、何が大事なのか、どの補助金がいいのか、ここになじむものもあるかもしれません。しかし、なじまないものまで入れているのであれば、もう一度再検討されたらどうですか。いかがですか。

片山国務大臣 今回の都道府県分は、いろいろな経緯がありましたけれども、いろいろな要素を考えた上で取りまとめたものでありまして、これでぜひスタートさせていただきたいと思っております。

 二つありまして、一つは、先ほども申しましたように、市町村分についてはもっともっと詳細な、というのは、市町村の場合には、都道府県と違って、大きな横浜市から人口の非常に小さいところまでありますので一律には論じられないという面がありますので、市町村分についてはより詳細な検討が必要だろうと思っております。

 それからもう一つは、都道府県分につきましても、それから市町村分につきましても、これは、スタートをさせてからいろいろな問題点の指摘が恐らく自治体から出てくるだろうと思います。今おっしゃったような問題も出てくるかもしれません。そういう問題は、柔軟に取り入れて改良を加えていきたい。一たん決めたから、これをもう金科玉条、未来永劫ということではなくて、できるだけ改善を加えて進化させていきたいと思っております。そのことについても御理解と御認識をいただきたいと思います。

橘(慶)委員 今後の問題はいいんですけれども、ことしのことについてのお答えとしては今非常に不十分であった、こう思うわけですね。

 それで、私は私なりのある程度の答えを自分なりに持ちながらお話をするわけですが、五千百二十億円の中で大きいのは、国土交通省の社会資本整備総合交付金が三千七百六十億円ですよ、農山漁村地域整備交付金、農林水産省さんが千九十億円ですよ。それぞれそこに道路延長とか農地面積とかいろいろな指標を持ってきて計算するのであれば、それはそれぞれの省で出されてそれぞれ分配したって結局一緒なことじゃないですか。それをなぜ内閣府でやらなきゃいけないんですか。

 もし第二交付税に近づけるなら、総務省の方が、あらゆるそういう指標を集めて計算するのは計算しやすいはずですよ。大臣の御所管の総務省でやったらどうですか。なぜ内閣府に総務省のそういったことにたけた人を集めて、ただでさえ内閣府が肥大化しつつあるのに、内閣府は大事な場所ですよ、皆さんの政策を遂行するための非常にエキスパートだけを集めなきゃいけない内閣府にそういった交付金の計算をするための事務を負わせて、どうしてそんなところに人をたくさん集めなきゃいけないんですか。

 そこの、内閣府がなぜやらなきゃいけないかということの質問にお答えください。

片山国務大臣 今、二つ問題があったと思うんですね。

 一つは、各省でそれぞれ綿密にやったらいいじゃないかということもおっしゃったと思うんですけれども、先ほど来御説明を申し上げましたのは、全体の配分の基準づくりの話であります。基準について各省が今まで所管してきた事業に伴う指標を入れていこうということで、あくまでもこれは基準であります。その基準に基づいて算定をする、計算をして配分をしますと、後、どの事業をやるかというのは、今度は都道府県の方の判断になるわけでありまして、そこまで各省が関与することはないわけであります。

 その配分の作業、計算の作業ですね、計算をして都道府県に幾らですよという通知をする作業を内閣府がやろうということで、それは二つ目の論点で、それは別に内閣府でなくてもいいんじゃないかというのは、これはいろいろな考え方があるだろうと思います。

 一般論で言いますと、私もこの内閣に入りまして一つ印象が深かったのは、内閣府でいろいろな調整の機能を持っている、私が役所にかつておりましたときに比べて内閣府の機能がすごくふえているということは一つの印象であります。本来でありますと、もっと政府機能、政府機構というのはシンプルにした方がいいと私は思いますので、それぞれ所管の省で担当すればいいのになと私、個人的に思うものもあります。それは、例えば財務省でありますとか総務省でありますとかが担当すればいいものがあると思いますが、これは恐らく、過去以来の縦割りの中で、なかなかそういう該当の官庁が客観的で中立的な振る舞いができなかったということも一つ背景にあるのではないかと私は思っておりまして、これはぜひ、これから総務省も含めて各省の信頼を得る、そういう過程を通じて、この政府機能、特に内閣府の機能というのはもっとシンプルにできるのではないかと私は個人的には思っておりますが、今は、今はこのやり方でやらせていただきたいということであります。

橘(慶)委員 少し熟議の国会という感じになってきたかなと思いますね。要は、やはりこの内閣府に非常に問題があるということですよ。だから、ここの部分、一つだけ、これはこぼれ話で一言だけ指摘させていただきます。

 きのう、私、この質問については四時半にレクチャーをしております。ちゃんとレクチャーしております。そのとき政府の皆さん、後ろの方々が何人来たと思いますか。五十人来るんですよ、この質問に。これはぜひ考えておいてください。だから、これは、もしみんながレクチャーを始めたらどういうことが起こるかということです。

 なぜ五十人になると思いますか。内閣府からたくさん来るんですよ。内閣府からこの地域主権担当だけでも何人来たか。十人、十五人いらっしゃるんですよ。みんな分担違うんですよ。今お話しした交付金の問題、それからこの次の直接交付の農林水産省の問題、さらにその次の子ども手当の問題、みんな違うものですから、担当違う人が来るんですよ。(発言する者あり)そうそう、おっしゃるとおり、私が総理大臣やっているようなものです。これじゃだめですよ。

 だから、そうであれば、やはり内閣府の中身をもうちょっと精査しなきゃいけない。だから、一言申し上げます。これは内閣委員会ですが、内閣府の設置法を見直すのであれば、先にまず、少しカットするものをカットしたらどうですか。今大臣おっしゃったとおりなんですよ。少し組織を小さくして、どうする、あるいは、ではこの際これは総務省にお願いする、それは一府十二省、皆さんが納得すればできるんですよ。ぜひ、このことをきょうは指摘させていただいて、よく御検討いただきたいと思います。

 なお、この一括交付金、これは簡単です。もし内閣府設置法が通らなかったら、各省に移しかえしてそれぞれ交付してもらえばいいんですよ。各省から出した客観的基準でそれぞれ交付してもらえばいいんですよ。その方が各省も喜ぶんですよ。ぜひこれは御検討いただきたいということで、次の質問に入りたいと思います。

 続きまして、出先機関改革と農林水産省さんの直接交付化との関係についてお伺いいたします。

 直接交付というのが、今度また農林水産省さんの大事な理想形なんですね。これは、戸別所得補償から始まる直接交付は大事だと。農林水産省さんのパンフレットに何回も何回も何回も直接交付という文字が出てまいります。

 最初からこの質問の趣旨を申し上げます。片方で地域主権改革、出先機関は原則廃止とこの内閣はおっしゃっているんです。だから、一面、地方でできることは地方へ任せると言いながら、この戸別所得補償という哲学に基づいて直接交付を貫徹させようとされるんです。でも本当にそうなんだろうか、別に直接交付だからといって農政局の職員を使わなくてもいいんじゃないか、こういうことをきょうは申し上げたいわけであります。

 そこで質問です。

 戸別所得補償交付金は、農林水産省の地域の出先機関、農政事務所等で今、各農家百三十万戸になるそうですが、預金口座を全部把握して、間違いのないように、十アールであれば一万五千円ですから、一ヘクタールで十五万円、これを一生懸命振り込んでおられるはずであります。この業務、今までに比べてこの職員の業務はどうなっているんでしょうか。農林水産大臣、お願いいたします。

鹿野国務大臣 今先生からお話がありましたとおりに、今回の交付につきましては、水田事業を対象としたモデル事業でございますので、百三十三万の農家なりあるいは集落営農に対して農林水産省の地方組織である農政局、農政事務所が交付業務を行っている、こういうことでございます。

 そして、具体的な業務の流れといたしましては、市町村やJAなどの地域の関係機関と連携をしながら、制度の周知というところから始まりまして、農業者から申請書の受け付け、それから書類審査、それから口座等の確認というものを経て、交付金の支払いまでの業務というものを行っていくということでございます。

橘(慶)委員 今の業務はもともと、一部、これの前身の交付金等でも少しは行われていたわけですが、それを百三十万戸に広げていくということで、非常に業務としてはふえているんだと思います。農政局でのお仕事としてはふえていくということであります。

 そこで、片山大臣にお伺いいたします。

 出先機関の見直しが進められている中、こういった戸別所得補償交付金の支払いを農政局あるいは農政事務所、今度農業センターになるようでありますが、直接行うということは、この地域主権改革の立場、アクション・プランの立場から見てどうお考えなのか、お考えをお伺いいたします。

片山国務大臣 一つは、この種の事務を自治体にお願いしてやっていただくという選択肢ももちろん一般論としてはあると思います。もちろん、国が直轄でやるという選択肢もあります。これは選択の問題で、どちらがいいかという問題だろうと思いますが、このたびは国が直轄でやる、そういう選択をして今日に至っているということだろうと思います。これは選択の問題であります。

 それからもう一つは、出先機関改革の問題でいいますと、こうやって直轄でやるということになりましたその出先機関を今度どうするか、こういうことでありまして、これはアクション・プランでは、例えばブロック単位でまとまった地域には農政局も含めて全体として移していこうということになりますから、それが実現をしますと、この事務も含めて自治体ないし自治体の連合体に移管される、こういうことになると思います。

橘(慶)委員 今のお答えではちょっと、本当に十分ではないんですね。実際、こういうものをつくっていったら、どんどん農政局、仕事がふえていきますよ。だんだん農業センターが、アクション・プランで今大臣も御苦労されている、国と地方で大変悩んでいるハローワークというのがありますけれども、これも言ってみれば国の機関が直接国民につながってしまっているから、そこをもう一度地方に持っていこうとすると非常に無理が出てくるわけですよ。

 そういうことを考えたときに、実は、二十三年度予算、農林水産省予算では、新たに経営体育成支援事業、あるいは農地・水保全管理支払交付金の新規制度分、あるいは食と地域の交流促進対策交付金、こういったものをすべて直接交付する、こういうふうになってくるわけです。この哲学というのはどういうことなんですか。

鹿野国務大臣 今、先生からの御指摘の件につきましては、昨年の三月に、いわゆる県や団体というものを経由しているところの補助金につきましては、できるだけ現場へ政策的なメッセージが伝わるように、それから、可能な限り国の施策対象に直接働きかけるという方向に改善した方がいいんじゃないか、このようなことから、今の経営体育成支援事業とか、あるいは農地・水保全管理支払交付金とか、あるいは食と地域の交流促進交付金とかいうふうなもの、食料自給率の向上のために国が責任を果たさなきゃならない、こういうような分野については、国の政策的なメッセージというのを明確に伝える、このようなことから直接交付の手法をとるということにいたしたところでございます。

橘(慶)委員 農林水産省さんの哲学としてはそういうことであります。しかし、内閣府あるいは国全体としての、国と地方の関係、いわゆる内閣が標榜される地域主権改革という哲学ではそうなのかということの、そこの調整の問題がどうなっているかということがこの問題の本質だと思います。

 そこで、農地・水保全管理支払交付金、これについては実は二つの制度に分かれてまいります。既存の制度、いわゆる集落、それぞれの町内会でみんなで共同して農地の用水の江ざらい、要は用水の中の泥を取る、管理をする、そういうものについての既存の交付金があります。これは、全国に百二十八ある地域協議会のところでそれぞれ精査をされて、農林水産省さんから地域協議会にお金を渡して、そこから配分をされるという形になっております。

 今度、農林水産省さんで新しい施策をつくられます。それは、地域の皆さんが、それこそ農業用排水とかあるいは農道を自分たちで、要するに体をかけて直していくんだ、そのための材料費とかそういうものの新しい交付金をつくられたわけです。私は、これは非常に評価しているんです、どうかきょう誤解のないように。それぞれの交付金については非常に評価はしています。

 ただ、この新しい交付金だけは農政局から直接町内会に払うと言われるんですよ。それも、協議会を通じて上げさせるけれども、払いだけは、一応基準として、気持ちとしては国が決めて払うというんですよ。だけれども、今までのものは協議会でやっていたから、今度のものも一応協議会の中で大方選んでいただいて、だけれども農政局から払うと言われるんですよ。

 何で協議会でそのまま払っちゃいけないんですか。その方が簡単じゃないですか。何でそんな事務を農政局がやらなきゃいけないんですか。お答えください。

鹿野国務大臣 今の件につきましては、まず最初に申し上げたいのは、二十三年度だけはどうしても二本立てにならざるを得ない。すなわち、既存の共同活動に対する支援については、平成十九年度から平成二十三年度まで、こういうことでございますので、これは五年間の対策の最終年度であります。今先生がおっしゃった地域協議会というのは百二十八あるんですけれども、そこで積み立てているお金があるわけです。その積み立てている資金を活用しながら対策を推進するというようなことでございますので、ここは引き続き、国から地域協議会を通じて活動組織に交付するということでございまして、これは二十三年度だけの二本立てというようなことから、このような措置を講じていくということにしたところでございます。

橘(慶)委員 そのとおりなんですが、では、もう一年待てばいいのにとか、ですから、さっき言ったとおりなんですよ、理想があるけれども、理想どおりやらなきゃいけないと思っちゃうから面倒なことになるわけですよ。

 そして、どう考えても私はよくわからない。何で町内会の予算に上がるようなものに国が直接お金を払わなきゃいけないんですか。間に市もある、県もありますよ。そこでやったっていいじゃないですか。

 そこで、鳥取県知事もされていた片山大臣にお伺いしたいんですよ。

 県にも農政担当がある、私がいた高岡市にも農政担当がありますよ。そういったところが、地域のいろいろな農業のことを、今まで国と協力しながらいろいろな話をしてきたわけですよ。その実態も把握していなかったら、わからなくなるわけですよ。それを、それこそ、いろいろな中間の、中抜き、中抜きとおっしゃるけれども、県や市といったそういうものを外して、農政局なり農業センターと、ハローワークよろしくつながっちゃったら、地域の農業部門、農政部門はどうなるんですか。

 そんなことを考えた場合に、もう一度お伺いします。

 この農林水産省さんの直接交付の方針、これを地域主権改革担当大臣としてどうお考えなのか。本当にこれでいいのか、もう少し微調整した方がいいんじゃないですか、話をした方がいいんじゃないですか、お考えをお伺いします。

片山国務大臣 私の経験にもかんがみて率直に申し上げますと、国の出先機関とそれから県、市町村の農政部門、農業行政担当部門との間には重複といいますか、重なる部分がかなり多いと思います。一体化できる余地は多いと私は思います。

 そこで、先ほども申し上げましたけれども、この一連の案件というのは、選択の問題として、当初から、自治体で担う、そういう方向づけをすることも選択肢としてはあったと思います。そうではない方向を今たどってきているわけで、例えば今すぐこれを変えようというともう大混乱でありますから、それは私は現実的でないと思います。ですから、これまで進めてきた方向で、今はそれでよしとするか了とするものであります。

 ただ、これが、アクション・プランとの関係で、先ほど広域行政単位のことも申し上げましたけれども、各都道府県単位で、例えば、この事務も含めて農政局でやっている事務について県の方でやりたい、移譲してくれということがあれば、それは地域主権戦略会議の中に設ける委員会でそれを個別に調整して、できるだけ国の事務が地方の事務に移管されるようにする、そういう方針を示しておりますので、その中で個別に処理が可能なものだと思います。

橘(慶)委員 もう一歩踏み込んでほしいなと思います。もしそうだとすれば、今議論すればいいじゃないですか。今だって御苦労されて、二十三年度、お金が残ってたりどうたらこうたらということで、しかし直接交付という金科玉条があるからといって、それをとめるのが、片山大臣、あなたの仕事じゃないですか。そこはもう少し踏み込んでほしい。

 そこにきょうはとどめて、この後また総務委員会でもお会いしますから、また議論させていただくとして、さて、最後の子ども手当のところへ参りましょう。

 子ども手当については、地方の自治体から非常にいろいろな意見が出てきております。神奈川県知事、浦安市長、地方財政法第十三条第二項の規定による意見書が出ております。受け取られたんですから、これは意見を出す権利があるということを是とされたものと理解をいたします。

 ここでの問題ですが、時間の制約の中で、一つ、まずお聞きします。

 神奈川県知事の主張では、平成二十一年度以前の児童手当制度拡充に対応する地方特例交付金について、二十一年度が約三十四億円、二十二年度は約二十八億円で、六億円減額された、六億円も減額されちゃったということが書いてありまして、それについての内閣の答えが余りはっきりしなかったように思うんですが、一応、ここの内閣の御見解を伺います。

片山国務大臣 二十二年度の特例交付金は、おっしゃるように神奈川県で若干の減額になっておりますが、これは実は当該年度に、控除から手当へという趣旨で改正をしました所得税法の改正に伴いまして、所得税がその分増収になっております。

 そうしますと、金額はそんな多くありませんけれども、それが自動的に地方交付税の方の増収ではね返っておりまして、その関係で交付税と特例交付金とを調整しております。交付税がふえた分を、特例交付金をその分見合いで減額するということにしておりまして、したがって、神奈川県も交付団体なものですから、その差額は交付税の方の基準財政需要額の方で措置されているということであります。

橘(慶)委員 そのあたり、やはり丁寧な御回答をされた方がよかったんじゃないかと思います。

 ここで一番問題なのは、この地方特例交付金の算定は、児童手当の対象となるべき児童数というものを根拠に実は算定をされるわけであります。この根拠となる児童数なんですが、もう既に児童手当は、平成二十二年度も、正確には二十二年度の六月からかもしれませんが、払われておりません。だから、この根拠となる児童数というのはなかなかつかみづらいんじゃないかと思うんですが、ここはどう把握されているのか、伺います。

片山国務大臣 これは実績を踏まえてやっているわけでありますけれども、限界があります。正直言って限界があります。ですから、当面はこれで、一年、二年はいいかと思いますけれども、今後ずっとこういうやり方は多分無理だろうと思います。

 したがって、二十四年度からの新しい制度を構築するときには、私、個人的なことも含めて申し上げますと、今の二階建てというのは早く清算をして、ということは具体的には、地方費と国の財源との間の調整をするということが、これからの一つの基本的な考え方だろうと思います。

橘(慶)委員 大変率直な御答弁をいただいて、そうすると熟議になっていくわけです。どうか、お聞き届けください。限界があるんですよ。限界があるということがポイントなんです。そこから確かに考え方は割れるかもしれません。限界があるから、もうことし、もうちょっとその内容を変えたら、見直したらというのが私どもの立場になるわけですが、そこは議論いただきましょう。

 しかし、それにしても、限界があるということの中で、既に、二十三年度の子ども手当法、政府は提出されていますから、本当は去年だけの一年限りの法律、もう一度、ほとんど文言を一緒にして、二十三年度の法案を出されました。そこの附則に書いてある「検討」という条項が、私、非常に残念なんです。それで、厚生労働大臣にお伺いしたいんです。

 「検討」、「政府は、子ども手当の平成二十四年度以降の制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」これじゃ余りにも寂しいじゃないですか。だって、去年一年でやめようと思ったのを、いろいろあったけれども、やはり続けますということですよ。そこに、残念だったとか、申しわけないとか、これじゃいけないんだとか、もうすぐ何とかするんだとか、そういったところのやはり意欲というか意図とか、そのお気持ちを伝えなかったら、どんどんどんどん地方から意見書が上がって、にっちもさっちもいかなくなりますよ。

 厚生労働大臣の率直な御見解をお伺いいたします。

細川国務大臣 二十三年度につきましては、再来年度、二十四年度から地方の増収が六千億を超えるような増収になります。その地方の増収分につきまして、それを子ども手当あるいは子育て支援にどういうふうに使わせていただけるかということ、これを地方と協議して決めていこう、こういうことであります。

 したがって、二十三年度につきましては、これをもう一年暫定的に、この二十二年度のスキームを踏襲させていただきたい、こういうことで、単年度ということで提案をさせていただきました。

橘(慶)委員 きょうの質問は、それぞれ私なりに答えを持って、こうしたらどうですかという提案をいろいろしながら進めているわけですね。ですから、来年はぜひ真剣に考えていただきたいということもありますし、もう少し厚生労働省さんとして、地方に対して、やはりこういうこともちゃんとやるんだというところもないといけないということですよ。

 繰り返しますけれども、ことしのこれがこれでいいと言っているわけじゃないんです。この法案のこの条文で、これでいいかといえば、これはよくないと思うんですよ。やはりここはしっかり見直さないといけないということを申し上げているわけです。

 そこで、では、妊婦の健康診査、十四回までの公費助成について、妊婦健康診査支援、この支払い基金で措置されているわけですが、二十二年度までは補正予算の対応になっておりました。これは現物給付の問題です。こういったものは、やはり現物給付ということでしっかりと手当てされた方がいいと思うんです。

 ここはお答えをお持ちだと思いますから、これを最後にお伺いして、金田先生がいらっしゃいましたので、終わらせていただきます。

細川国務大臣 妊婦健診につきましては、二十二年度の補正予算におきまして、二十三年度も公費助成で継続をする、こういうことにいたしました。

 二十四年度以降につきましては、妊婦健診の重要性にもかんがみまして、市町村におきます妊婦健診の実施状況も踏まえまして今後検討していきたいというふうに思います。

 今、私どもの方で検討いたしております子ども・子育て新システムの基本制度案要綱におきまして、この中で妊婦健診につきましても新システムからの給付が検討事項とされておりまして、この観点からも今後積極的に検討していきたいというふうに考えております。

橘(慶)委員 ぜひ、地方にそういう現物給付の部分でもちゃんと温かい手が伸びるように、そこは子ども手当をよく考えていただいてということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 どうか、きょう申し上げたこと、見直せる部分はおかしくなる前にぜひ見直していただきたい、このことを申し上げて、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

中井委員長 これにて橘君の質疑は終了いたしました。

 次に、金田勝年君。

金田委員 続きまして、幾つかの質問をさせていただきたいと思っております。

 まず初めに、新燃岳の噴火の被災者の皆様、そしてまた豪雪で全国で非常に苦労されました被災者の皆様方に、心からお見舞いを申し上げたいと思っております。

 豪雪の方でまいりますと、私の地元も、きのうまでで死者二十名、負傷者二百二十六人ということで、大変な豪雪被害となっております。こういうこともありまして、本当に、例えばハウスとかリンゴの枝折れとか、自治体の除雪費用が非常にかさんでまいります。

 そういうこともあって、そういうかさむ部分についての対応、総務省、国土交通省、農水省、いろいろありますけれども、ぜひよろしくお願いをしたいなと。代表して総務大臣からお言葉をいただければと思います。

片山国務大臣 年度末に至りましていろいろな災害でありますとかが起こりまして、今ちょうど特別交付税の算定の時期になっているものですから、関係の方々、もちろん地元の方々も含めて、また国会議員の先生方も含めて、いろいろな方からお話を伺いながら資料の収集に努めて、交付の準備をしているところであります。

金田委員 ところで、去る十四日でございますが、地方公聴会があって、北海道の札幌に私は参りました。そして、高橋知事さん、上田市長さんを初め意見陳述人の皆様からいろいろとお話を伺うことができたので、委員長ともども行きましたが、本当に貴重な機会だったなと思っております。

 そのときに共通した意見が、これは全国で見ればかなり地域的には差があるんだと思いますけれども、非常に景気が悪い、雇用も悪いということを問題にされておられました。したがって、私の経験は、地元からなんですけれども、全く同じ思いでおりますものですから、ここからまず入っていきたいなというふうに思っているわけであります。

 景気が悪い、雇用が悪い。一方で、きょうは菅総理がいないのが残念なんですけれども、総理は雇用、雇用、雇用、もう何があっても雇用だというふうにおっしゃる施政方針演説でありました。そういうときに、私たちは非常に大きな期待をするわけであります。

 しかも、この当初予算、思い起こしていただければ、ホップ、ステップ、ジャンプの三段ロケットだと。一段目は予備費で、二段目は補正予算で、そして三段目はこの当初予算だ、こういうふうに言っていただいておったわけであります。という考え方からまいりますと、この当初予算によって景気はよくなるんだろうと、国民の多くが期待していると思うんですよね。だから、そういう中で、どういうふうに具体的にそういうふうな対応がされているかという目で見ますと、私は、残念ながら、GDPに与える影響あるいは景気や雇用に与える影響、本当に大丈夫かな、こういう思いを持つのであります。

 そういうことで、きょうは関係の大臣の方においでいただいたわけでありまして、まずはそこから御質問したい、こう思っております。

 日経NEEDSとかあるいはいろいろな民間調査機関の分析、そういうものを見ますと、本当にこの当初予算というのはほとんどGDPに与える影響はゼロ、プラスマイナスだみたいな記述が、去年の予算ができ上がったときから、そしてまた、この一月、報道がたくさんされているのは御存じだというふうに思います。まず、これについての所感を伺いたいというように思います。

野田国務大臣 御質問ありがとうございます。

 三段構えの経済対策のステップワン、ステップツーについては、GDPの押し上げ効果、予算委員会の理事会にも資料は提出させていただいたと思いますが、それぞれ〇・三%、〇・六%です。

 三段目の予算本体については、それを計測するというのは今までもやったことがございませんし、実は事業量が多いので困難です。民間の機関がどういう形の計算をしているかわかりませんが、恐らく景気対策、経済対策とおぼしきものをピックアップしているというふうに思うんですね。

 したがって、それがいいかどうかというのはちょっと何ともコメントのしようがありませんが、少なくとも予算を作成したその中においては、成長と雇用を重視して、そして元気な日本復活枠という中で、新成長戦略を本格稼働させるという意味で、これはマニフェストの主要事項も含みますけれども、〇・九兆円予算措置をしていることと、法人実効税率の引き下げ、中小の軽減税率の引き下げ等の税制措置をやっていること、加えて、海外投融資を約二兆円規模で実施しよう等々の景気、経済をかなり考えた予算編成をしたつもりでございますし、新成長戦略にどれぐらいそのお金が入っているかというのは、これは本体、非常に計算するのが難しいんです。例えば、新成長戦略の中では人材戦略というのがありますが、では文教予算を入れるかというと、これは違うだろうと。

 これはむしろ国家戦略大臣に聞いていただければいいかもしれませんが、二十一の国家戦略プロジェクトというその新成長戦略の柱の部分では、一般会計ベースで一兆円のお金が入っています。というように、かなり経済対策を意識した、そういう予算にしたということで御理解をいただきたいというふうに思います。

金田委員 私が大臣をお願いしました中では、政権交代前から経済とか予算とかをしっかり民主党さんの立場で考えておられた大臣の皆さんに、いろいろ考えをお聞きしたいものですから、そういう意味で、きょうは大臣の皆さんを御指名申し上げたということをよろしくお願いしたいと思います。

 今、そういうふうにおっしゃられましたね。ところが、第一段、第二段は経済効果は出ているけれども、第三の経済効果というのは出ないとおっしゃいました。これは出せるんじゃないですか。これは菅原一秀委員の質問でもあったと思うんですが、これは出すことになっているんじゃないでしょうか、どうでしょうか。

中井委員長 資料は理事会の中へお出しを申し上げた……(発言する者あり)いやいや、予算のはないけれども、一段、二段のことについては出したと。

金田委員 一段、二段は公に出ております。ところが、三段目が出てこない。三段目こそまさに大事なロケットでございまして……

中井委員長 あなたらが与党のときも出さなかったよ。

金田委員 いや、過去のことを言うべきではありません。麻生さんのときには出しているはずです。

中井委員長 いやいや、出していない。

金田委員 常にこの委員会はいい方に向かって前進すべきであって、委員長からの発言は私は期待しておりません。

中井委員長 はい、済みません。

 野田財務大臣、もう一度お答えください。

野田国務大臣 二月七日の予算理事会で資料配付はさせていただいたというふうに思いますが……(発言する者あり)いや、第三段はないんです。ないという資料を出している。それは、第三段が、麻生政権で出したのは、その三段ロケットの二十年度本予算と二十一年度本予算の一部を合計で実質GDP一%押し上げるという、本予算の一部を計算して出しているんですね。

 ですから、全部、トータルを計算して本予算の経済効果を出したということは、今までも前例はないし、実務的には大変なことだというふうに思います。

金田委員 お言葉を返すようですが、民間調査機関、民間調査機関等ですよ、そういう調査機関からこの予算の効果というものはすぐ計算されて出てくる。どうして出てくるんでしょうかね。これは簡単です。マクロ経済モデルを持っているはずなんです。持っているときに、ほかの変数を一定にしてその部分を変えればいいんですよ。今回の予算に基づいた……(発言する者あり)いやいや、応援ありがたいですね。ちょっとうるさいですけれどもね。その予算に基づいた結果を、マクロモデルがあるんですから、これぞまさしく旧経企庁、今内閣府の皆さんの得意とするところですから、これをやってもらわなきゃいけない、こういうふうに私は思います。

中井委員長 ちょっと時間をとめますから。速記をちょっととめて。

    〔速記中止〕

中井委員長 速記を起こしてください。

 それでは、理事会で協議をいたします。

 続けてください。金田君。

金田委員 ぜひこれは出してもらわなきゃいけない。要するに、一段、二段、三段でこういう効果があるから、皆さん、これを早く通してくれというのならわかりますよ。そういうのも出てこないで、早くだの何だのと言われても、いやいや、ちょっとそれを見ないとまだなということになるわけであります。

 ところで、もう一つ申し上げると……(発言する者あり)では、どうぞ。

野田国務大臣 これは先ほど来申し上げていたのと同じで、特定の政策、予算項目にサーチライトを当ててその効果を出すということは可能だと思いますけれども、本予算自体は事業量が膨大ですから、その全体の効果を計算して出すというのは相当膨大な作業だと思います。

 補正予算とか経済予備費はいわゆる経済対策としての位置づけですから、数十の事業を全部パッケージでどれぐらい効果があるという計算はできると思います。ただ、本予算はそう簡単な話ではない。こちらはもちろん計算するのは内閣府でありますけれども、そう簡単ではないというふうに思います。

金田委員 私はこれはできると思っていますから、理事会で協議してください、では。いいですね。

中井委員長 はい。

金田委員 民間でできて、天下の内閣府にできないはずがない、それが政府の使命だと私は思っております。

 それから、話はちょっと戻りますが、この前、地方公聴会で行ってきた北海道、それから東北、九州、今は地域が疲弊しております、物すごく疲弊している、そして閉塞感が物すごい。大臣の皆さんも、行くと大勢の人が迎えるでしょうから余り感じないかもしれませんが、我々は、そういう悲鳴にも似たいろいろな話を聞いているわけであります。

 そういう状況の、例えば完全失業率も全国平均を上回って、九州は六・一、五・七、五・五というような大変な高い失業率、それからまた有効求人倍率にしても五〇%以下。そういう状態で、もうみんなが悩んで苦しんで閉塞感の真っただ中にいる。そういう状況の中で、この国の景気と雇用に対する政策がどうなっているんだとみんなが叫ぶんですが、これをしっかり受けとめなきゃいけないと私は思うんですね。

 そこで、一つ言いますが、日経NEEDSというのをかりますと、その中には政府支出というのが出ているわけです。政府最終消費支出というのと公的固定資本形成というのと両方ありますね、その二つが一緒になって政府支出です。この公的固定資本形成というのが平成二十三年度はマイナス八・五%と出ているのであります。政府の数字がないから私はこれを使わせていただきました。マイナス八・五%、実質でですよ、そして対前年比です。こういう状態であるならば、この三段目のロケットが胸を張っていい予算だなんてどこで言えるでしょうか。財務大臣、お願いします。

野田国務大臣 公的資本形成がマイナスになっていて、特に予算でいえば公共事業関係費は、確かに、昨年の補正などと合わせたものに比べても当初は減っているということは事実でありますけれども、ただ、公共事業関係費でも、中身としては、ミッシングリンクの解消であるとか、国際コンテナ戦略港湾だとか、あるいは首都圏空港の強化であるとか、首都圏の道路網であるとか、投資効果のあるところ、いわゆる真に必要な公共事業については予算をつけているつもりでございますので、めり張りのめりはきいているかもしれませんけれども、張りの効果は結構あるという予算だというふうに思っています。

金田委員 今申し上げた数字は内閣府から出ております経済運営の見通しと基本的態度の数字ですから、もう一歩努力をして、この予算がどういう効果を持つのか、しっかりと我々に説明していただかないと議論を前に進めることができないというふうに思うわけであります。

 そこで、では何でそんなマイナスなんだとなるわけですね。これは、公共事業に対する今の政府の厳しさ、これが前面に出ているというふうに私は感じます。

 それと、やはり農林水産予算。戸別所得補償を入れましたが、それをのみ込んでなお、二十二年度予算は二十一年度に対してマイナス四・二%、二十三年度予算は二十二年度に対してマイナス二・九%。もう信じられない。

 その肩がわりになる部分がいっぱいあるわけです。肩がわりになった部分は全部なくなっているんですよ。なくなった上に、戸別所得補償の部分が五千六百億、そして一般会計からは、二十三年度は五千三百億出ているわけですよ。そして、畑作もあるので特会からも金を使っていますけれどもね。だから、そういうものが入ってきて身がわりになった部分はゼロになったり減っているわけです。こういう農林水産予算。

 例えば土地改良を例に挙げますか。土地改良を例に挙げれば、公共事業で農林予算ですからね、公共事業の土地改良は農業農村整備ではかなめであり、命です。だから、この二十一年度と二十二年度の数字を比較しますと、二十一年度は、僣越ながら私どもの当初予算だったと思います、五千九百二十六億円あったんです、補正後。それが、二十二年度二千五百八十八億になった、四割になった。二十三年度は二千百二十九億であります。こういう状態で、以下同文で、公共事業、農業のほかの漁業とか林業とかを入れると、二十一年度が九千九百五十二億で、二十二年度は六千五百六十三億、二十三年度は五千百九十四億ということになります。

 こういう実態が、私たちは数字だけで頭に入れますが、地元の、日本じゅうの地方の皆さんの受けとめというのは、もう生きるか死ぬかの切実さにつながるんです。そういうことをしっかり受けとめてこの予算の評価というものをしなきゃいけないんじゃないのかな、私は北海道に行って雪の中で本当にそう感じましたよ。だから、これについてコメントしてください。

鹿野国務大臣 今、金田先生から御指摘の点は、まさに数字でございますから、数字が現実的に示しておるということはそのとおりでございます。ただし、この農林水産予算というのは、昭和五十七年度の三兆七千億をピークとしてずっと下がってきておることも先生御承知のとおりであります。

 そういう中でどういうところに予算を配分するかということは、それぞれの考え方がある中で、私どもといたしましては、今説明をいただきましたような考え方に立っておるところでございますが、平成二十三年度におきましては、土地改良等々、すなわち農村の整備事業というのがこれだけ削減されると大変だ、このようなことから十二分にそういう声も聞かなきゃならないということで、昨年、予備費から、そして補正予算でも対応しておるところでございまして、平成二十三年度は、いわゆる整備事業関連一一三%ということで、できるだけ上乗せもさせていただいているところでございます。

金田委員 私は、先ほどの数字は二十一年度、二年度、三年度の比較をしたわけですから、そういう意味では客観的に受けとめていただきたいんですね。

 もう一つ、こういう例を申し上げましょう。

 アメリカのオバマ大統領は一月二十五日の一般教書演説で何と言ったか。これをごらんになっている方もいらっしゃると思いますが、こう言っています。建設分野において良質な雇用の創出をする、より多くのアメリカ国民が道路や橋の工事作業につけるように取り組む。作業につけるようにですよ。要するに、労働者、それから職がなくて困っている皆さん、そういう人たちのために、より多くのアメリカ国民が道路や橋の工事作業につけるように取り組むよ、インフラ分野へのこうした投資によって雇用創出が私にとって最も大事な仕事だ、こういうふうに言っております。

 オバマさんは、大統領になったときにグリーンニューディール政策というのを言いました。ニューディール政策をイメージをよくしながら頑張るということなんですけれども、日本の考え方は、菅総理がいなくて残念なんですけれども、大分考え方が違うと思うんですが、これについてどう思いますか、国土交通大臣。

大畠国務大臣 金田議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 金田議員から、公共事業、あるいはさまざまな形で地域の経済に大きな影響を与える住宅産業、あるいは地域でのさまざまな公共事業等々が地域経済に大きな影響を与えている、そこのところを重点的に再建すべきじゃないかという御指摘を賜りました。

 私自身も、国土交通大臣を拝命いたしまして一カ月でありますけれども、このところは大変大事な点だと思います。いろいろと私も公共事業予算というものについて中身を精査させていただいておりますが、平成二十三年度予算案において、国民にとって真に必要な社会資本整備を見きわめて、将来ビジョンをしっかりと示して、その中で戦略的にやっていこう、こういう決意のもとに、ただ、極めて厳しい財政状況の中でありますけれども、地域自主戦略交付金に移行した分を含めて、二十二年度に比較して九六%という財源は確保させていただきました。

 先ほど、財務大臣からもお話ありましたが、道路というのは一部が欠けていたのでは効果が出ないということで、国土ミッシングリンクの解消や予防的な治水対策の強化、こういうことについても予算を増額しておりまして、国民の安全、安心に関する分野についてはしっかりとやっていきたいと思います。

 特に、先生から御指摘がありました、地域の経済をどう活性化するかでありますが、私は、耐震化というものを進める、いわゆる一般住宅、あるいは公共の建物、役場とか学校とか、あるいは消防署、あるいは警察署等々、大事な建物も大分古くなってきておりますから、そういう意味では、そういう分野の取りかえというものにおいて公共事業は大変大事なものでありますから、そういうことをしっかりと考えてやるべきだろう。いわゆる選択と集中という観点から、地域の経済の再建のために努力をしてまいりたいと考えているところであります。

金田委員 答弁は短くて結構ですから、もう時間が足らないものですから。

 公共事業というのは、やはりストック効果とフロー効果と両方あるわけですね。フロー効果というのは、財政学の本を読めば全部出てきますよ。景気調整機能ですよ。だから、ストック効果に加えた、インフラ整備の、インフラが出る、プラスしてのそのフロー効果を非常にないがしろにしてきているという状況は、数字を見ても明らかなんです。二十二年度、マイナス一八・三%、二十三年度、マイナス一三%。しかし、これを一括交付金にずらした、それを戻しますと、マイナス五・一%。

 ということで、マイナス一八・三のマイナス五で、二年間で往復びんたするようなこういう予算をしておいて、はっきり言って、これでこの国の景気がよくなるとでも思っていらっしゃるのか。オバマさんと、一回、菅総理はアメリカでそのことも相談してきた方がいいんじゃないですか。教わってきた方がいいと思う。

 そこで大事なことは、そういう中で、農林予算も、今の予算の水準というのはいつの水準だと思いますか、戸別所得補償が入っていて。もう時間がないから、私が言いますか。

中井委員長 簡単に、いつの水準だというのだけ言ってください。

鹿野国務大臣 正確を期しますと、昭和五十年以来の三十六年ぶりの水準です。

金田委員 お聞きいただいたとおりでありまして、戸別所得補償の五千六百億を入れ、ことしは五千三百億を一般会計から入れて、その数字を入れても二兆四千億を切った。そして、一括交付金の分も戻して入れても二兆四千億を切った。これは昭和五十年水準であります。

 だから、こういうことを堂々とやっている予算だからこそ、私は、先ほどのデータで、要するに、この国の経済にどれだけの影響があるんだというときに、計算しようにも機械が回らない、そういうことになっちゃうんじゃないですか。どうですか、財務大臣。

野田国務大臣 農水の予算あるいは公共事業関係の予算でそれが削減をされていることのマイナス面を御指摘でございます。

 ただ、総体として、予算配分を変えることによって苦労しながら、いろいろな条件があると思いますけれども、昨年の七月―九月期までのいわゆる四半期ごとの実質GDPは四四半期プラスでございました。そして、月曜日に公表された十月から十二月期は残念ながら年率でマイナス一・一%でありますけれども、ただ、これは当初予想よりは随分と大幅にマイナスが小さいということで、結果的には、トータルに、二十二年度の予算もその後の補正予算等も私は効果があったと思いますし、マイナス一・一%でおさまったのも経済予備費の対応があったればこそだというふうに思いますし、一―三月期、ことしの一―三は補正予算がきいてくると思います。

 そして、春以降については、この二十三年度の本予算、トータルでの効果を出すということは難しいというお話をさっきしましたけれども、必ずその効果が発現をされるものと確信しています。

金田委員 そういう確信を持っておられればなおさらのこと、先ほどの数字をしっかり出してもらいたい、こういうふうに思うわけであります。その上で、その数字を見ながらもう一回議論できることを楽しみにしております。

 話がかわります。

 公共事業と農林予算というのは、地方の地域にとってかなめだということは申し上げました。やはり雇用と景気を考えたときに、これはなくてはならない。しかし、今回削減されている現状も申し上げた。

 これが今のマニフェストとの関係でどうなっているのか。これを見ると、マニフェストの工程表は、二十三年度が二年目ですから、十二・六兆円財源が要る。そして、マニフェストの上では、それだけの財源を使って皆さんが選挙前に約束したことを実現していく、そういうことを考えておられる。ところが、これに対する財源として、実は一番、あの工程表の、二十三年度九・一兆円削減するのが十六・八兆円になるときの二十五年度に向けての工程表がありますね、あの工程表の二十三年度のところで、二十二年度、二十三年度で一番削減されているのは公共事業なのであります。公共事業でその財源を集めた、こういう図式になっているわけです。

 これに対して私は、質問していると時間がなくなりますけれども、やはりもっと全体像の中でしっかりと、そういうことが、もうマニフェストの破綻の話は、社会保障の関係もいろいろ出ました、ですから繰り返しませんが、マニフェストが破綻しているということと、財政の健全化への努力というのが全くあらわれていないということと、それから、社会保障の当然増の一兆円というものに対する対策が何もない、この三点セットをはっきり言ってしっかりと片づけないと、公共事業を切ればいいんだみたいな議論でどんどんどんどんこれからもやっていこうなんということを考えられたのでは、日本国じゅうの人間がたまったものじゃないんです。この部屋にいる人はどう思っているかわかりませんけれども。

 それで、財務大臣、お願いします。

野田国務大臣 マニフェストの主要事項については、三・六兆円の安定財源確保、その内訳は、一・三兆が税制改正、二・三兆が歳出削減でございます。事業仕分け等を通じてこうした歳出削減をしながら安定財源を確保して、そしてマニフェストを着実に実施するという形で進んでいますが、マニフェストどおりに財源確保ができているかというと、委員の御指摘のとおり、特に公共事業関係での見直しは、おっしゃるとおり、そこの部分はかなり進みましたけれども、その他の部分の進捗状況は遅いということは事実でございます。

 これからも引き続き、歳出歳入、それぞれ見直しをしながら、着実に生きたお金の使い方ができるように頑張っていきたいと思います。

金田委員 やはり、このマニフェストについては、八項目、四項目、いろいろなとらえ方があります。それを個別に見ていけば、今までいろいろな議論が出ました。そのとおりだと思っております。そのマニフェストの破綻。

 でも、私は、一番の破綻は何であるかというと、簡単です、政権交代直前、どういう物の言い方をしていたか。一般会計、特別会計合わせて二百七兆円ある、その一割や二割は簡単に無駄の排除で、無駄撲滅で財源は出てくるんだとおっしゃいませんでしたか。それで私たちは選挙の時期を迎えた記憶が鮮明にあります。ですから、そういうふうに言っていたときの言葉。

 それから、去年の一月に副総理であった菅さん、今の菅総理が言った言葉は、間違えるといけないからこれを見ますと、逆立ちして鼻血も出なくなるまで無駄をなくさないと税の議論には入らない、こう言っております。これも何となく似ていますよね。ところが、今は鼻血がどのぐらい出たかどうかわかりませんけれども……(発言する者あり)出ていないでしょう。出ないけれども財源もない。だから、今言っていることは、何と言っているか。税と社会保障とを一体に検討していこうではないかと。

 違いませんか。政権交代前の考え方と去年の一月の考え方は似ているかもしれない。やる気を去年は言ったんでしょう。ことしのその言い方はまるで違う、全く違う。これを国民が聞いたら、いや、民主党政権はいつの間に方針が変わったんだろうと。無駄撲滅でやると言ったにもかかわらず、今言っていることは、消費税とここまで出て、はっきり言いたいんでしょうけれども、消費税の増税を含めた税制の改革と社会保障の一体的検討を進めていきたい、そういう話になっているんじゃないですか。要するに、消費税でやるしかないよ、こう言っているわけでしょう。

 だから、マニフェストですよ、言ってみれば約束ですから、国民との約束ですから。それが今はそうなっている。この前提に立って今は六月だの九月だのと言っているから、ちゃんちゃらおかしい。今、そういう状態でマニフェストの破綻が事実だとするならば、それを受けとめて、そこでしっかりと反省をしてもらわなければいけない。どことどこが悪かったのか、国民はそれを待っていると思います。

 そして、その上で、反省の上に立って謝罪をしてもらわなきゃいけない、謝罪を。そして、その上で日程を考えていく。そのときには、まずマニフェスト破綻を、九月に検証するなんてばかなことを言わないで、もっと早く、今のうちにしなきゃだめなんですよ。違いますか。私はそう思いますが、どうぞ、大臣。

玄葉国務大臣 金田委員から多岐にわたる御指摘をいただいたところでございます。

 先ほど財務大臣からお話をいただきましたように、恒久財源見合いでマニフェストを実施している。三・六兆という話がありましたが、主要事項以外を含めると三・九兆出したかというふうに思います。

 同時に、あのマニフェストを私も政調会長になってよく今分析しておりますけれども、埋蔵金等についても、毎年五兆円出すと確かに言っているんですね。実は二年間で、特例法以外で、いわゆる自然体の上乗せ部分、特例法で九兆出しています。でも、その部分は、先ほど御指摘があったように、例えば社会保障の自然増とか等々に充てているものですから、そういった意味での見通しの甘さというのは、私はあったというふうに申し上げなければならないというふうに思います。

 同時に、だから消費税かということでありますけれども、たしか、あのマニフェストでも、年金の抜本改革は平成二十四年以降だったんじゃなかったかというふうに思います。したがって、消費税の引き上げの、例えば抜本改革があった場合に、その実施時期は総選挙以降ということでありますから、そういった意味では矛盾はしないんですね。

 ただ、政権与党として、これから少子高齢化社会で騎馬戦型から肩車型になっていくときに、社会保障全体の、もっと言えば、人生前半の社会保障も含めた全体の設計図をかいて、それに対して税制抜本改革の姿をあらわすのは本来任務ではないか、このことは必ずしもマニフェストで申し上げてきたことと矛盾はしないというふうに私は思います。

金田委員 反省と謝罪、そしてみずからの政府の案をしっかりと示すこと、それを早急にやらないと議論には入っていけない、こういうふうに私たちは思うわけであります。

 それはそれとしても、例えば、事業仕分けをやっている、蓮舫大臣、マニフェストの庁費とか事務費、幾らかかっているか。だから、すごい政治ショーをやっていますよね。それは御存じでしょうか。

蓮舫国務大臣 間違った答えをしてはいけないと思いますので、マニフェストでお約束をした庁費の総額についての御質問なのか、それとも、事業仕分けにおいて結果的に歳出削減できた部分で庁費が幾らという質問なのか、もう一度お尋ねいただけますでしょうか。申しわけございません。

金田委員 要は、事業仕分けを事業仕分けしてはどうかという観点に立って、庁費や事務費をしっかりと教えてほしい、こういうことです。

蓮舫国務大臣 事業仕分けは、税金で行われている事業の理念、目的を否定するものではなくて、その理念を到達するための手段として、適切な税金の使われ方がなされているかどうかを公開の場所で議論をしました。その結果として、中抜きであったり、あるいは競争性がなかったり、あるいはその使い方がおかしいと国民の皆様方にも理解されない部分の手段を改め、歳出削減効果は出ましたが、その数字の精査は、私のところではなくて財務省でしているところでございます。

金田委員 例えば、壮大な政治ショーなんですけれども、ただ、マニフェストの事業仕分けをしてくれというのが私の要望です。

 ですから、事務費と庁費を、かかる事務費、庁費を後で提出していただきたい、こう思います。

中井委員長 事務費、庁費というのは何の事務費、庁費。

金田委員 マニフェストの、事業仕分けをやっていますよね、今。事業仕分けの事務費、庁費です、事業仕分けにかかる。

蓮舫国務大臣 大変失礼しました。事業仕分けにかかった経費というお尋ねかと思います。

 今、手元に持っておりませんが、先生のお部屋に届けさせていただきます。

中井委員長 すぐ出してください。

蓮舫国務大臣 はい。

金田委員 要は、子ども手当について、上位一割の所得制限を……(発言する者あり)理事会で協議してもらいますね。

 それで、上位一割の所得制限をすればどのぐらいこの子ども手当について節減できるかというと、三千億なんですね。これはもう議論に出ていたと思いますが、これ一件だけでも、ことしの事業仕分けの成果、私は三千億と思っていますから、それに匹敵する数字が出てくるわけですね。ですから、そういうことを広範にやってもらわないといけないというふうに思っております。

 それから、時間がないので、最後にTPPのことなんですけれども、厚生労働大臣にもちょっと質問したいことがあったんですけれども、時間がないので。

 TPPなんですけれども、去年の十月でしたか、外務大臣、一・五%が九八・五%を邪魔しているという発言をされましたね。今はどのようにお考えですか、簡単に教えてください。

 そして、日本の国というのは世界最大の食料の輸入国である、食料の純輸入国であります。ですから、そういうこととか、日本の農地というのは非常に狭い。一戸当たりは物すごく狭い。アメリカの百分の一、オーストラリアの千六百分の一ぐらいだったと思います。

 ですから、そういう状況の中で一生懸命に地域を活性化させるために頑張っている農家の皆さんを、そして、日本の食料の安全保障という見地からやっている皆さんをやはり大切に思う心で、その発言をどのように修正されているか、それをわかるようにおっしゃっていただきたい。

中井委員長 前原外務大臣、時間がありませんので。

前原国務大臣 はい。

 私の発言をぜひ全部お読みいただきたいと思います。そうすれば、農業の必要性、そして、我が党としてあるいは今の政権として、食料自給率を一〇%上げて五〇までにまずは持っていかなきゃいけないんだということについて一致した認識を持っているということはおわかりをいただけると思います。

 他方で、一・五%というのは事実でありますし、日本の貿易量に占めるEPA、FTAのカバー率というのが一六・五%、他の国に比べて極めて低い。韓国は三六、中国でも二二、ほかの国は三〇%を超えて、メキシコは八一%。そういうことを考えると、まさに菅さんがおっしゃっているように、まだまだ閉ざされた部分があり、日本の潜在的な能力というものが生かされていない部分があるのではないかということで、両方のことを言ったということで御理解をいただきたいと思います。

金田委員 TPPについては、私は、食料の安全保障という腹巻きをしっかりと身につけて、下着と言った方がいいですかね、下着をしっかりやって、それからワイシャツを着る、それが自由化だとするならば、そういう順番というものをぜひ間違えないでもらいたい。

 だから、食料の安全保障ということの大切さをとことん農林大臣にも聞きたかったんですが、時間がないのでこれでやめますが、次回をそういうふうにさせていただきたいと思います。

 以上で終わります。

中井委員長 これにて金田君の質疑は終了いたしました。

 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 きょうは、介護とそれからワクチン、この二つをテーマに質問してまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 先日、公明党の高木陽介議員、介護について質問を予算委員会でいたしました。介護従事者の処遇改善ということでございました。民主党のマニフェストでは四万円アップと掲げていらっしゃるわけでありますけれども、私もこの件を実は長妻前大臣にも質問しております。しかし、そのときも結局は、財源の規模、制度設計、また実現の時期等、明確なお答えがございませんでした。今回においてもやはり状況は変わっていないなと思いました。やはり、この四万円につきましても、財源の裏づけのないマニフェストを掲げているのではないか、絵にかいたもちではないかということがはっきりしたと思っております。この絵にかいたもちも多過ぎる、そろそろおもちにカビが生えてきているのではないか、このように言わざるを得ないわけであります。

 この処遇改善につきましても、一つだけ加えさせていただきます。

 私たち、三千人余りの議員で介護総点検を行わせていただきました。それをもとに、昨年、新・介護公明ビジョンを発表したわけなんですが、これは、要介護者、家族、介護従事者、事業者、自治体等十万人の調査をいたしました。その中で七万は、街角アンケートというのを行いました。その中で、介護職として働いてみたいか、こういう質問をしてみました。その中で特筆すべきは、十代の方々が、社会にとって重要な職業なのでチャンスがあればやってみたい、こういう方が五割いらっしゃいました。他の年代に比べて突出して多かったわけであります。今若い人はという言葉も聞きますけれども、このアンケートによれば、高齢者を大切にしたい、あるいは介護という職業に非常に興味を持っている、携わってみたいというその芽があるわけですね。こういう十代の若い人たちのその芽をやはり大事にしていかなければいけない、私はこのように思っております。

 四万円アップすると言ってできない、掲げてできないというのは失望感がさらに増大をするわけであります。ぜひ、こうした若い方々のためにも、処遇改善には今後とも全力を挙げていただきたい、このことを申し上げて質問に入ってまいりたいと思います。

 まず最初に、在宅支援体制の強化についてお伺いをしてまいります。

 私たち、この新しい社会福祉ビジョンというものを十二月に中間取りまとめをいたしました。この中には、従来の年金、介護、医療といった社会保障の拡充とともに、新たな社会の病理現象とも言えるような、うつであるとか虐待、引きこもり、こうした課題に対応する新しい福祉を掲げております。テーマは、孤立から支え合いの社会へということでございます。私は、特にこの中で介護の担当をしておりましたので、在宅支援体制の強化について、まず独居高齢者支援の充実についてお伺いしてまいります。

 今、日本は、人類がかつて経験したことのない超高齢社会に突入をしております。しかし、だれもが長寿を喜んで、また安心して暮らせる社会、これは政治に求められている最重要課題でもございます。この中で、特に介護は高齢者の生活に欠かすことのできないサービスであります。この介護保険制度、施行十年を迎えるわけでございますが、介護の現場では、サービス量の大幅な伸びによります介護保険の総費用の急速な増大、また、いつまでたっても入居できない施設入居待機者が非常に多くいるわけであります。また、老老介護、シングル介護、また介護うつなどの課題も発生をしております。

 この中で、私たちは、二〇二五年を視野に入れて新・介護公明ビジョンをつくったわけなんですが、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けることができる、必要なサービスを、また介護施設をみずからの意思で自由に選択できるこうした体制づくり、また家族の負担が過大になり過ぎないように地域包括ケアの実現を目指しております。

 昨年、高齢者の所在不明問題が非常に話題となりました。百歳の記念品を贈呈する折に所在不明であった、こういう問題が相次いで発覚をしたわけでありますけれども、中でも都市部における独居高齢者の問題が非常に深刻であります。これに伴って、訪問介護サービスの利用者数も増加をしておりまして、在宅に必要な介護、看護サービスを提供する高齢者住宅の計画的な整備、また地域包括ケアシステムの充実が不可欠となっております。

 私、昨年、独居高齢者の問題に直面しましたときに、八月に和光市に行ってまいりました。高齢者専用賃貸住宅、リーシェガーデン和光というところに行ったんですけれども、これは非常に先進的な高齢者施設でもございます。

 そこで、和光市の長寿あんしんプランの説明を受けました。和光市では、高齢者の掌握のためにまずスクリーニングを行っております。その返事が返ってきたところは、一応状況は掌握できる。しかし、スクリーニングが返ってこなかったところに関しては民生委員さんなり市の職員なりが訪問する。家庭としても、受け入れたくないというところもあるんですが、何度も訪問している間に信頼関係ができて、状況が掌握できる。孤独死はゼロに近いということでもありました。

 それとともに、同じ市であっても、その市の中でもさまざまな偏在性があります。そこの地域に合わせて、施設が乱立しないよう福祉計画を立てている。住宅政策も充実していて、高齢者専用賃貸住宅またケアハウスの整備、家賃補助なども市独自で取り組んでいます。高齢者一人一人が必要としている福祉を届けようという和光市の徹底した姿勢を、やはり国としても学ぶべきであると感じました。

 また、ライフスペース研究所というところの安藤和子さんに住宅問題についてお伺いをしたんですが、女性の社会進出を支える社会システムと生活環境の整備が重要だということをおっしゃっていたんですが、高齢者が住み続けられるまちづくりとして、地域密着型で、また往診してくれる開業医を適数、地域に配置することが非常に重要だと強調されておりました。まさに、生産、仕事、それから保育、教育施設、住宅環境、これを、メンタルな面とフィジカルな面、両方あわせて備わった本物のバリアフリー、こうしたまちづくりを目指すべきということも感じました。

 また、戸田市にある有料老人ホームの戸田ケアコミュニティそよ風というところにも行ってきたんですが、やはり、医療と福祉がワンストップでサービスを受けられる、二十四時間安心の支援、介護が受けられる、優良な介護サービスの提供に努力をしている民間会社でありまして、こうした民間の活力を利用し、またそういうところを評価する制度をつくっていかなければいけないということも感じてまいりました。

 こうしたさまざまな専門家また現場の意見を踏まえまして、地域で高齢者が住み続けることができるように、地域包括支援センターの機能強化を進めて、相談支援事業を再構築しながら、二十四時間巡回型訪問介護、訪問看護のサービスを計画的に整備拡充すべき、このように考えますけれども、大臣の御所見をまずお伺いします。

細川国務大臣 お答えをいたします。

 介護を必要といたしております高齢者が住みなれたところで安心して生活ができるような体制をしっかりやっていかなければいけないという古屋委員の認識といいますか、それは私も全く同じでございます。

 そこで、今お話にありました独居高齢者の状況も含めまして、地域や高齢者のニーズをしっかり正確に把握するために、平成二十二年度から、日常生活圏域のニーズ調査を行っている、そういう市町村に対してまず国の方からしっかり支援をしていく、これが今やっているところでございます。

 また、いろいろ御提案がありました地域包括支援センターとかそういう点につきましては、ことしの今国会に介護保険法の改正案を提案することになっております。その中で、地域包括支援センターの機能強化として、総合相談等を効果的に実施するために、民生委員とかあるいはボランティアなどの地域の関係者とのネットワークを構築する、これに関する規定をしっかり盛り込むということにしております。また、先ほどお話のありました二十四時間対応の定期巡回、随時訪問サービスの創設もするということで改正案の内容といたしております。

 そういうことで、今後とも、地域包括ケアの実現に向けましてしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 ニーズ調査を行ったり、地域包括支援センターの強化、こういうことをお考えになっているようでありますけれども、社会の構造が大きく変化をしてきているわけであります。

 単身世帯が急増している。大臣も御認識あられると思いますけれども、女性の場合には、夫と死別をして、それで晩年になって単身となる。これは、平均寿命が長いということと、それから結婚の平均年齢が女性の方が少し若いということもあり、そうした単身の女性は今後ともふえ続けていくだろう。しかし、これは量的な変化である。

 しかし、男性の単身世帯、この問題も、我が国が抱える新たな課題であります。男性の四十代の単身に関しては、やはり雇用。なかなか経済力がなく、持ちたいと思っても家庭が持てなかった、そうした四十代。それから、五十代に至っては、このまま未婚でいってしまう場合と、そして離別ですね。この離別には当然さまざまな理由がありますが、やはりリストラというものも大きな影を落としているのではないかと想像しております。

 そして、六十代にいって未婚、離婚、死別ということでありまして、二〇三〇年には、この五十代、六十代単身の男性の比率が二五%にまでいってしまうだろうということでありまして、西欧諸国、これはひとり暮らしが多いのではないかと思われるかもしれませんけれども、実際にこれほどの単身の男性の世帯が増加をしているというのは、西欧諸国でも類例を見ないわけであります。

 ですので、ここのところは、量的な変化ではなく、社会が大きく質的に変化をしているということでありまして、非常にどの国も未経験であるという社会が到来をしてくるわけであります。こうした時代の変化、時代背景に、介護の問題も当然対応していかなければなりません。

 ということで、私たち、新・介護公明ビジョンにおいても、在宅での支援とそれから家族への支援、この重要性を掲げました。介護アンケートをまとめる中で、特に、自宅介護で困っていること、これは介護する家族の負担が非常に大きいというわけであります。遭遇した方は、皆さん経験があると思います。身体的にも精神的にも、また経済的にも非常に負担が大きい、こう言っていらっしゃる方が五三%、五割を超えております。

 また、昨年の十月、ケアラー連盟という連盟の堀越先生からお伺いしたんですが、介護をしていることで自分が孤立をしてしまった、あるいは体に不調がある、心に不調がある、また、介護のために転職をしたり休職をしたり退職をしなければならない、こうした介護者の厳しい現状というものがあります。実際、親や配偶者のために離職をしなければならなかった、こうした介護離職者が全国で急増しております。

 総務省の就業構造基本調査によりますと、家族の介護や看護のために離職、転職をした人、四十代、五十代の働き盛りで、ここを中心に、平成九年から五年間で約四十五万人、平成十四年からの五年間で約五十万人存在することがわかっております。ここまで介護離職者がふえ続けているという現状なんですね。介護者に対する企業や行政の対応は非常に不十分であると言わざるを得ません。

 そこで、一昨年、育児・介護休業法を改正しました。これは、私もかかわってまいりまして、進めてきた側なんですが、どちらかといえば、今回は子育ての方が改正の中心であったと思います。子が三歳に至るまで、事業者は短時間勤務を義務づけるということでもございました。しかし、介護の家族に関する改正点というのはわずかでございました。要介護状態にある対象家族一人について、申し出れば、常時介護を必要とする状態ごとに、一回の介護休業、通算九十三日取得できるという法律なんですが、前回の改正で介護のための短期の休暇制度を創設しました。要介護状態の対象家族が一人であれば五日、二人以上ならば十日ということで改正をされて、六月三十日に施行となりました。

 厚労省が行った平成二十年の調査によりますと、就業規則にこの制度の適用を掲げている企業、五人以上の事業所で六一・七%、三十人以上の事業所で八五・五%ですから、数字だけ見れば、この法律はある程度浸透していると言えないことはないわけです。しかし、実際の制度の利用者は、平成二十年度で〇・〇七%にとどまっています。ほとんど使われていない状況なんですね。働き盛りの多くは、いざ介護が必要になったとき、どうしていいかわからなくなるということで、結局、離職をしてしまう。

 この介護休業制度がもっと利用されるために、さらなる育児・介護休業法の改正、休業期間、取得回数の見直し、休業中の経済保障などが必要だと思うんですが、この点に関していかがでしょうか。

細川国務大臣 介護をしているその家族、これに対する支援というのをしっかりやっていかなければいけないというふうに思って、これは委員と認識は共通でございます。

 それで、まず、介護休業制度の方でありますけれども、これは、家族介護を行う労働者が就業を継続するために介護に関する長期的な方針を決める、その間、当面家族による介護がやむを得ない期間について休業をする、こういう制度であります。

 そこで、お話がありましたように、対象家族一人につき九十三日間という期間、これは、家族介護の必要性、そういう観点と、もう一つは、やはり雇い主の方の雇用管理の関係から、そういう均衡を保たなきゃいかぬというようなことで定めたものでございまして、介護休業期間を延長するということについては、介護がいつまで必要かなかなか見通せないというようなこともありまして、この法律上の最低期間、期限というのがなかなか定めにくいというような事情があることをぜひお考えいただきたいというふうに思っております。

 そこで、休業期間の延長ではなくて、先ほどお話がありましたような、企業や労働者の状況に応じて柔軟に利用ができるような休暇制度を去年の六月に施行されました改正育児・介護休業法におきまして新たに設けたものでありまして、これは事業主に義務づけたところでございます。

 これは、要介護状態にあります対象家族が一人であれば五日、二人以上であれば年十日というような、そんなところでございますが、周知徹底がしっかりできているかどうか、これが非常に大事なことだというふうに思いますので、私どもとしましては、昨年の六月に施行されましたそういう介護の休暇制度について、周知徹底をしっかりやっていくということに努めてまいりたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 さらなる介護休業、また介護をしていても働き続けられる体制整備、これはもう不可欠でありますので、さらなる努力をお願いしたいと思っております。

 西欧においても、公的な介護サービスで済んでいるのではないかという印象がありますが、実は、イギリスでも、家族や隣人、そういったインフォーマルな介護のみを受けているという高齢者も五三%でありまして、公的な介護だけを受けている九%、意外とこうした家族、インフォーマルなサービスというのが多いわけなんですね。介護している側の権利運動というものも非常に強くなってきておりまして、二〇〇五年には介護者機会均等法というものができまして、介護をしながら仕事また就業ができる、そうした法律さえもできているわけであります。

 ぜひとも、今後とも、この点を進めていただきたい、このように考えております。

 次に、介護関連、介護ロボットについてお伺いをしてまいります。

 超高齢社会、世界の最先端を行っている日本でありますので、こうした介護機器、介護ロボットについても当然世界の先端を行くべきだ、リードしていくべきだと考えております。

 介護ロボット、大臣も当然御存じと思いますが、セラピーロボットですとか、あるいは自律移動搬送ロボットですとか、さまざまな形のロボットスーツなども今ございます。私も、実際見てみまして、こういったもの、人が行わなければいけないものは当然人が行わなければいけない、しかし、こうしたロボット等で代替できるところは、そうした方が介護を行う側にとっても非常に有効であるということを感じました。

 また、介護だけではなく医療の世界においてもロボット、これも進めていかなければいけないと思っております。

 きょう、皆様のお手元に資料を配付しておりますけれども、これは米国で開発されましたダビンチという手術ロボットであります。アメリカでは、日本と少し事情が違っておりまして、軍需産業としてスタートしたということであります。戦場に出て、前線で兵士が負傷する、それを遠隔操作で医師が手術ができるようにということで、軍需産業、それからスタンフォード、ハーバード等でそれぞれのプロジェクトが融合してできたロボットであるそうであります。

 中の方にも、納入実績ですとか、世界で、またアメリカではこれだけの数が既に普及をいたしております。アメリカでも千二百二十八台既に導入されておりまして、これがない病院は普通のレベルではないというふうに見られているそうでもございます。また、ヨーロッパの実績はこのくらい、ドイツ、イタリアで導入が進んでいる。また、アジアにおきましても、韓国が先に多く導入をしておりまして、日本は既に抜かれているという状況でもございます。日本ではこれだけの大学が今導入をいたしております。世界における臨床例、二十万五千というところまで参りました。特に、前立腺、子宮の摘出に有用である。十五センチくらい切らなきゃいけないところが数センチで済んでしまうということでもございます。

 最後の方に、NEDOで行っております、これは資料を提供いただきました東京大学心臓外科の小野稔教授も研究員に入っていらっしゃるんですが、こうした、今世界で主に使われております前立腺とか子宮摘出以外に、日本では、このインテリジェント手術機器研究開発プロジェクトの中で、脳神経外科、胸部外科、また消化器外科、この三部門において今研究を進められているということであります。

 小野先生によりますと、承認の可能性が出てきた、ぜひ実用化に向けてさらに進めていきたいとおっしゃっておりまして、日本のロボット技術、今までありますようなそうした介護ロボット、また産業ロボット、ASIMOのような人の動きをできるロボット、それから中小企業の技術力、そうした日本が蓄積したすべてのノウハウを集大成して、ぜひ世界に見える形で世に出したいとおっしゃっています。ですので、これは実用化に向け十年というスパンが必要だとも先生はおっしゃっていました。

 こうしたロボット技術、ロボット産業の振興について、大臣の御所見を伺いたいと思います。

海江田国務大臣 古屋委員にお答えをいたします。

 古屋委員は本当に介護、医療の方面に多年にわたって御尽力をいただきまして、日ごろから尊敬をしているところでございますが、今ロボットのお話につきましても本当に懇切丁寧にお話をいただきまして、私も大いに勉強になりました。

 言うまでもございませんが、私ども、新成長戦略の中でライフイノベーション、それから、ことしになりまして、ライフイノベーションの中から医療イノベーション本部というのを切り分けをいたしました。ここが中心になりまして、ロボットの問題、介護ロボット、それから医療ロボット、いろいろ検討しているわけでございます。

 今委員からお話がありました介護ロボットにつきましては、これは私なども、残念ながら、ロボットスーツというのを一度着てみたいと思っておるんですが、今テレビなどで放映されておるのを見ておりましたが、やはりあくまでも、まあこれはロボットスーツだけではございませんけれども、介護ロボットの場合は人の体に接着をいたしますので、誤った動作などによって人の体を傷つけてはいけませんので、その面では、つくばの研究学園都市の中に生活支援ロボット安全検証センターというものを立ち上げまして、ここで対人安全技術の開発や安全性の検査手法の確立に取り組んでいるところでございます。

 それから、医療分野につきましても今もう先生からお話ありました。特に、私どもは、医工連携ということで、やはりこの開発に取り組んでいるところでございます。

 それから、やはり普及の面では、今幾つかの事例もお話をいただきましたけれども、これは、いわゆる介護現場それから医療現場と開発をする機関、企業などが緊密に連携をとりながら、そこからの情報をいただきながら、開発、そして販売、普及に努めていくことが大切でございますので、ここは厚生労働省と経済産業省で連携をとりながら、これが本当に一日も早くもっともっと広がっていくように努力をしたい、そのように思っております。

古屋(範)委員 ぜひとも、ロボット産業振興に努めていただきたいと思っております。

 実は、この手術用ロボットに関しましては、自公政権の当時に、二〇〇一年に一度、研究開発を打ちどめにした経緯がございます。なかなか、目標に一部到達していなかったという厳しい評価で、これを一度打ち切ってしまった経緯がございました。これは私も最近認識をしたことなんですが、ぜひ長い、十年というスパンでの、当時のその同じ轍を二度と踏まぬよう、見守りつつ、また育成をしていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。

 次に、ボランティアポイント、またお元気ポイントを公明党が主張いたしております。この件についてお伺いをしてまいりたいと思っております。

 私たちは、この新・介護公明ビジョンの中でも掲げているんですが、支え合い、共助ということで、この中で、孤立から支えの社会、これをある程度仕組みをつくっていく、システムをつくっていくということでありまして、NPOなどのそういった各種グループが行う支援もありますでしょうし、また直接的共助というものも重要であって、放置していてもでき上がってくるものではありませんので、やはりこれを再構築していく、これは国がしっかりと手をかしていかなければいけないと思っております。その中核と位置づけられるNPOへの税制面での支援、あるいは一定の行政権限の委託など、行政の補完にとどまらない、主体者としての社会を担える環境を整えていく必要があると思っております。

 その中で活躍する一人一人にも活動の果実がもたらされるボランティアポイントというものの導入も、促進していく必要があると考えております。介護保険を守り、支えていくために、元気な高齢者が高齢者を支えていく、こうしたことも重要だと思っております。そうした元気な高齢者をふやしていく、またその励みにもなっていくというシステム、そして介護予防、これにインセンティブをつけていくためにも、新たなシステムが必要だと思っております。

 これは、既に私も厚労委員会で質問している点なんですが、ぜひ、お元気ポイント、これは、介護保険を利用しなかった、非常に自助努力で、確かに、もともと体が弱くてどうしても介護が必要な方は当然いらっしゃるでしょう。しかし、努力をして介護保険を受給しなかった、こういう方々はやはり、介護保険料を納めるだけだと。アンケートの中でも非常にこの意見は多かったんですね。私は納付するだけですという方々に、将来の利用料負担軽減に通じるお元気ポイントというような制度を導入すべきではないか。非常にこれは、高齢の方々、熱望していらっしゃいます。

 それから、ボランティアポイントですね、稲城市で行っておりまして、稲城市も非常に苦労して、厚生労働省また法律の上からもこういうことはだめだと非常に言われて、その法律をどうやってかいくぐったらいいかと知恵を出して導入したのがこのボランティアポイント制度でありまして、これを使っている方々も非常に、お金が目的ではないんだ、楽しみ、そして人のためにボランティアを行っている、それが結果としてボランティアポイントにつながっていくということでもございます。

 大臣、ぜひ、このお元気ポイント、そしてボランティアポイント、この導入に関して前向きな御答弁をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

細川国務大臣 お元気ポイント、それからボランティアポイントの二つについて御質問をいただきました。

 まず、お元気ポイントの方でありますけれども、介護保険の制度そのものが、介護が必要となるリスクにかかわらず、国民の皆さんが連帯して支える社会保険方式というのを採用しております。したがって、そのすべての被保険者に保険料を負担していただくというふうな制度の仕組みでございまして、お元気ポイントのような、介護サービスを利用されていないからといって保険料を減額するというのは、制度そのものの仕組みの中ではちょっとなかなか御期待にこたえられないのではないかというふうに思っております。

 一方のボランティアポイントの方でありますけれども、これは、介護保険の財源を使った地域支援事業として市町村の方が、今お話ありましたように、創意工夫によりまして、介護支援ボランティア活動を通じて社会参加あるいは地域貢献を行った場合にメリットを付与するような取り組みも実施されているというところで、委員の方からも御紹介もあったんですが、これにつきまして、さらに、平成二十二年度の補正予算におきまして、地域支え合い体制づくり事業というのをつくりました。そこで、本事業を活用していただいて、このボランティアポイントの制度化などで、地域創意工夫の取り組みに対して国の方から支援をしていく、こういうことにいたしましたので、ぜひ、これは御利用もいただいて、積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 ボランティアポイントの方は、国としても今回予算をつけたということでございますので、しっかりこれが普及していくよう、さらに御努力をお願いしたいと思っております。

 次に、介護人材、看護人材に関しまして、外国人看護師あるいは介護福祉士候補者の試験制度についてお伺いしてまいりたいと思います。

 こうしたEPAに関して日本にいらっしゃっている看護師あるいは介護福祉士の皆様に関して、二十三年度予算ではさらに予算を削っておりますね。七・九億ということで、予算は減額をしております。EPAに基づいてインドネシア、フィリピンから来日をしてこられた方々、約四百二十名ということであります。この看護師希望者の方、今月下旬、今度の日曜日ですか、試験を受けるということになっております。この日本の国家試験というのは専門用語だらけで、例えば褥瘡ですとか仰臥位とか努責など、私たちでもなかなか理解できないような漢字が含まれております。就労という形で実務研修だけでは到底合格できないということが予想されております。

 こんな難解語が並ぶ看護国家試験に、昨年、インドネシアとフィリピンから候補者三人が見事に合格したということでありますけれども、一昨年は、八十四人が受験をして合格者ゼロ。昨年初の合格者が誕生したのは朗報ではありますけれども、受験した二百五十四人に対する合格率がわずか一・二%という状況なんです。日本人の合格率が九〇%以上ということを考えますと、非常にこれは低過ぎる合格率と言わざるを得ません。確かに、医療、介護の現場で、カルテなど読み取り、記入するということは不可欠なのかもしれませんけれども、命に本当にかかわるのかどうかとの指摘もあるわけです。

 当然、インドネシア、フィリピンにおいては既に資格を持っている非常に高学歴な方々が、英語圏ではない日本にわざわざ来てくださった。しかし、これが、難解な漢字が読めなくて、そして試験に合格できなかった。もし、このまま帰国するようなことがあれば、この方々は母国において一体日本を何ととらえるでしょうか。これは非常に大きな問題だと思っております。

 私は、この点、厚労委員会でも指摘をして、国家試験では改善点を盛り込むということで、ルビを振るとか、また日本語の病名に英語を併記するなど、こうした改善点は一応盛り込まれました。しかし、それだけではとても十分とは言えないと思っております。医療、看護専門用語、ルビ以外で、これをもっと平易な表現に言いかえるというようなことは本当にできないのかどうかということを検討していただきたいと思います。

 国家間の協定に基づいて来日をされた前途あるアジアの若い方々が、我が国で看護師また介護福祉士として就労して能力を発揮できるよう、国家試験、在留資格等について見直しを行うこと、これは急務であります。一・二%という極端に低い合格率。これに反して、EPAの製品をどんどん売り込みながら、看護師らの受け入れは日本語という非関税障壁でブロックしてしまっている。これは日本の身勝手さの象徴じゃないか。これはインドネシア、フィリピンからそう映るに決まっております。国家試験の問題をそのまま放置しておくと、両国の外交摩擦にもなりかねない。平成の開国という看板が泣きます。

 ぜひ、外国語による専門試験、日本語検定の組み合わせとか、電子辞書の持ち込み可、あるいは日本語のハンディを考慮した方法、これは改善を考えるべきではないかと思います。滞在期間を一年延長させるという報道もございますけれども、これは抜本的な試験の改善が必要だと思います。大臣、いかがでしょうか。

細川国務大臣 看護師それから介護福祉士という職業、これについてまずしっかりお考えもいただきたいというふうに思っております。

 それは、命と健康に携わる仕事でございます。そういう意味では、医師の指示だとかあるいはチーム医療だとか、そういうときに、日本語がよく理解できていないようなことで指示がしっかり伝わらないような場合には、取り返しのつかないことも起こり得るわけですから、そういう意味では、やはり十分な日本語能力と専門的な知識とか技能が求められるというのは、これはまず前提になるんではないかというふうに思っております。

 しかし、試験の問題文が非常に難解だというようなことで、それを改良すべきだということはもう委員からも何回も御指摘がございましたので、今回からの試験については、難解な一般用語の平易な用語への置きかえとか、あるいは疾病名への英語の併記とかいうようなことで、そういう意味では、今回からの試験にはいろいろと対応をしてきたところでございます。

 ただ、しかしそれでもなかなか合格が少ないというようなことでのいろいろな御指摘がございますので、近々、今度の試験は二月二十日になっておりますけれども、その試験の結果も踏まえまして、必要に応じて、国家試験制度のあり方についてはしっかり検討していかなければというふうに思っております。

中井委員長 私が余分なことをたびたび申し上げて失礼だけれども、予算委員会は非常にいい議論を昨今しておりまして、古屋君の御提案は、僕はまこともっともだと思います。

 細川さんのお人柄は十分承知している。もうちょっと味のある答弁を。それではせっかくの御提案が無になって、みんな厚労省のことを嫌いになるよ。それはだめだよ。もう少し、今のでも、最初に易しくしますぐらいのことを言うてから、最初の難しいのをやる、そういうことを少し考えなきゃだめだ。後ろについている人、注意する。

 それでは、もう一度やってください、答弁。

細川国務大臣 委員長からいろいろな御指摘もございました。

 決して、委員の言われたことに対して消極的にとらえているわけではなくて、申しわけなかったと思います。

 指摘されたことについては十分私どもも承知をいたしておりまして、それについてはしっかり工夫をして、EPAの協定に基づく趣旨もございますので、これは積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 委員長、御配慮ありがとうございました。

 大臣、一生懸命やるというなら、何で今度の予算を減らしているんですか。研修とかそういうものに関する予算もどんどん減らしているわけですね。だったら試験に配慮をするか、どっちかにしなきゃいけないと思うんですね。どっちもやらないというのでは、これは政治姿勢を問われます。大臣、これはしっかり責任を持ってやっていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

 では、次に、ワクチンの問題に移ってまいります。

 Hibワクチン、それから小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンの定期接種化についてお伺いしてまいります。

 昨年の十月六日ですが、予防接種部会におきまして、このHibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンは予防接種法上の定期接種化を進めるべきという意見書が出ました。さらに、本年度の補正予算では関連予算が盛り込まれました。一年限りの予算事業ということで、私は意味がないと思っております。

 平成二十年十二月に自公でワクチン予防議連というのを発足したんですが、私も、この中でさまざまワクチン行政について学んできました。また、子どもたちを守るワクチン勉強会というものも開催をされまして、日赤医療センター小児科顧問の薗部先生などからも多くの御意見をちょうだいしてきました。国立成育医療の齋藤先生からも日本の予防接種の課題などを伺い、精力的にワクチンに関しては今までも取り組んできたつもりであります。

 公明党としても、各自治体では財源がない中で、公費助成を求めて奮闘して実現をしてまいりましたので、昨年十月六日の厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会が発表した意見書に関しましては、やっとここまで来た、そういう思いでおります。前国会で、松副代表の質問に対して、細川大臣も、定期接種化への検討を明言されましたね。関係者は非常に注目をしております。

 そこで、補正予算で、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金として、子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンへの補助が盛り込まれたわけなんですが、これは平成二十三年度までの措置ですね。ですので、大臣は予防接種法の改正について検討するとおっしゃっているわけですから、二十三年度でこの補正が切れて、二十四年度以降どうするかということであります。

 当然、二十三年度中、今国会あるいは遅くともことしじゅうの国会で予防接種法の改正を行って、この三ワクチン定期接種化、このことを実現させてくださるのでしょうか。このことをしっかり明言いただきたいと思います。

細川国務大臣 味のある答弁をしたいのでありますが、ワクチン接種につきましては、古屋委員が前々から本当に熱心に取り組んでこられまして、そこで、平成二十二年度の補正予算で、子宮頸がん予防のワクチン、それからHibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンについて実施をする、これを二十二年度、二十三年度でやるということで、千八十五億円の予算で実施をするということになりまして、古屋委員のこれまでの御要望におこたえをしたつもりでございます。

 そして、では、それが切れた二十四年度からどうするかということにつきましては、もちろん、この三種のワクチンについては継続をしたいというふうに思っております。それはやらなければと思っておりますが、定期接種の方にそれをするのかどうかということについて、これは、私どもとしては、今、予防接種部会の方で検討をさせておりますから、私としては前向きに検討をさせたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 この予防接種部会では、予防接種促進に対する国民の要請も高いことから、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンは、予防接種法上の定期接種に位置づける方向で急ぎ検討すべきである、なお、本部会においては、引き続き、水痘、おたふく風邪、B型肝炎等その他の疾病ワクチンも検討を進めるとともに、予防接種に関する評価、検討組織の設置について議論を行い、今後の予防接種のあり方について提言をまとめることとしたいと言われております。

 二十三年度は補正でつきました、一千八十五億。しかし、その後どうなるのか。その年に当たった方はいい。ではその次、二十四年度からまさか接種できないなんて、こんなことはないと思います。そのために、ぜひ法改正を行っていただきたい、このことを強く申し上げておきます。

 さらに、この三ワクチンの定期接種への法改正とともに、やはり予防接種法を抜本改正する必要があると考えております。ワクチンは、個人の病気を予防するだけではなくて、接種率が上がることで感染症の流行を抑えて、医療費も抑制できるわけであります。しかし、保護者の中には、定期接種ではない任意接種の予防接種は受けなくてもいいんじゃないか、こうとらえている人も数多くいるわけです。ワクチンがなぜ必要なのか保護者にしっかり理解をしてもらうためにも、必要の高いワクチンは任意接種ではなく定期接種にする必要があると思っております。

 そして、今後新しいワクチンが次々に開発をされて使用可能になったとしても、それが任意接種に分類をされてしまう、推奨、公費負担の仕組みがない状況に置かれないよう対応しなければいけないのではないかと思っております。また、一部の自治体で、任意接種であっても、啓発活動や一部公費助成をしているんですが、収入や住む場所による接種格差をなくしていかなければいけない。国としても、世界の状況を判断して、よいものは積極的に推奨していくシステムを早急に確立すべきと考えております。

 そのためにも、予防可能な、疾病の減少を目指して、ワクチンに関する研究、促進、普及を目指す、あるいは、住む場所によらない、また収入によらない公平な接種機会を保障する、効果と安全性情報の収集と提供、健康被害に関する補償制度の充実を図る、そして、これらを総合的に議論、意思決定を行う場、日本版ACIPのようなものをつくる。こうしたものを法律に組み入れて、国民が広く予防接種を受けられる体制整備とともに、国民の生命、健康を守る視点から、十分な予算の確保が必要です。予算と法改正、これは表裏一体のものであります。

 例えば、子ども手当の今回の増額分、三歳まで二万円に増額するとおっしゃっていますけれども、二十三年度で二千百億近く、あるいは、平年度になれば二千五百億という財源が必要になってまいります。例えばそれをこうしたワクチンにしっかり充てる、そうすれば、直接子供の生命、健康を守ることにつながってまいります。

 大臣、ぜひ、予防接種法抜本改正、また十分な予算の確保、この点についての御見解を伺いたいと思います。

細川国務大臣 ワクチンの定期接種、これをどういう病気のワクチンにしていくかということについて、これは今検討させております。

 今検討対象のワクチンは、先ほどの三種類のワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がん予防ワクチン、それから成人用肺炎球菌ワクチンと水痘、これは水ぼうそうワクチン、それからB型肝炎ワクチン、これを定期接種にするかどうか、これを今、予防接種部会で検討をさせていただいております。

 もちろん、これは財源との関係があります。今財務大臣もおられますけれども、私どもとしては、この接種部会の中で、その財源も含めましていろいろと研究等をさせていただいておりまして、これも前向きに検討をさせていただきたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 今大臣も、その他のワクチン、今検討を進めているということでもございました。

 WHOでは、さまざまなその他のワクチンの推奨を行っております。小児への基本的な予防接種プログラムに組み込むよう勧告をしてきたB型肝炎ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、いまだに一類疾病の定期接種として実施されていないということは、やはり国としても不作為を問われても仕方がないんじゃないか、このように思うわけであります。

 また、これらのワクチン、WHOは、どんな貧しい国でも国の定期接種に入れて無料で接種すべきだということを指示しております。またWHOでは、インフルエンザ、ロタウイルス、おたふく風邪、水ぼうそうなどのワクチンについても、先進国では無料化するよう、このことが望ましいとも勧告をしているわけであります。

 また、今大臣触れられましたけれども、成人用の肺炎球菌ワクチン、今インフルエンザの流行のピークは過ぎたようでありますけれども、二月三日、茨城県内の高齢者介護施設でインフルエンザの集団感染がありました。入所者二人が死亡した、ほかにも約二十人が感染して治療を受けているということです。

 高齢者は、季節性インフルエンザワクチン接種に合わせてこの成人用の肺炎球菌ワクチンを接種すれば、重症化を予防できると言われております。肺炎は死因の四位となっていまして、年間十万人以上の方が亡くなっている。この九五%が六十五歳以上の高齢者である。これを予防する肺炎球菌ワクチンについても定期接種化が必要だと考えております。

 四月に開かれました第八十四回日本感染症学会総会で、国立病院機構三重病院呼吸器内科の丸山先生が、二十三価肺炎球菌ワクチンの接種は高齢者施設の入所者の肺炎の発症を抑制する、死亡率を低下させるという研究成果を発表されております。この研究、複数の高齢者施設入所者千六人を対象に約三年間追跡したものなんですが、ワクチン接種によって肺炎球菌性肺炎の発症を六三・八%、全肺炎においても四四・八%抑制した結果に、全症例を評価したわけではないが、肺炎の発症とともに重症化を抑制している可能性があると指摘をしております。

 現在、多くの自治体がそれぞれの方法で成人用肺炎球菌ワクチンの接種費用を補助している。要するに、こちらではしている、こちらではしていないという状況であります。また、それを知らない方が非常に多い。公費助成とともに、普及啓発が接種率向上の重要な手段であります。

 一昨年大流行いたしました新型インフルエンザ、二次感染症としての肺炎球菌感染症のリスクが指摘をされました。そこで、今後、インフルエンザ対策としても重要である成人用の肺炎球菌ワクチンについても、ぜひ定期接種化に位置づけるよう前向きにお考えいただきたいと思いますが、重ねてお伺いしたいんです。いかがでしょうか。

細川国務大臣 成人の肺炎球菌による肺炎というのは、肺炎全体の四分の一ないし三分の一を占めております。また、七十五歳以上の方では、肺炎によります死亡率が増加の傾向にありまして、その対策が必要だという指摘がもちろんございます。ただ一方で、ワクチンの効果が個人の発病や重症化を防止することを目的としており、定期接種に位置づけるべきかどうかということについて関係者の間でも議論がございまして、十分な検討が必要だというふうに認識をいたしております。

 そのため、予防接種部会に設置をいたしておりますワクチン評価に関する小委員会におきまして、医学的、科学的観点から専門的な評価や検討を今進めている最中でございます。

 引き続き、この予防接種部会による議論を深めまして、ほかのワクチンのあり方ともあわせまして、鋭意検討を進めていきたいというふうに考えております。

古屋(範)委員 ぜひ早急に検討を進めていただきたいと思っております。

 最後の質問に移ります。日本版ACIPの創設についてお伺いしてまいります。

 ワクチン行政に関して中長期の戦略を立てるそうした機関、ここには専門家、医療関係者、報道関係者、研究者、学識者等々、また患者団体なども入って、中長期にわたる日本のワクチン行政の戦略を立てる、こういう組織、いわば日本版ACIP、このようなものがぜひ必要であると考えております。

 長妻大臣も前向きでいらしたんですが、大臣、この件に関して、最後、お伺いいたします。

細川国務大臣 今御指摘がありました日本版のACIPというようなものをつくったらどうか、こういうことでございますが、私も、予防接種施策につきましては、総合的かつ恒常的に評価、検討する仕組みというのは、これはつくらなければというふうに思っておりまして、今、予防接種部会におきまして検討をしている最中でございまして、審議会におきます議論を含めまして、予防接種施策の適正な実施というところで、この日本版ACIPについても検討をしていきたいというふうに思っております。

古屋(範)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

中井委員長 これにて古屋さんの質疑は終了いたしました。

 次に、稲津久君。

稲津委員 公明党の稲津久でございます。

 私は、大要二点伺ってまいりたいと思っていますけれども、まず一つ目が我が国における石炭政策について、そしてもう一点が豪雪被害についてということで、順次、関係各大臣に伺ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず、我が国における石炭政策について伺ってまいりますが、第一点目は電源構成の現状についてでございます。

 我が国のエネルギー政策の基本、これはもう御案内のとおりですけれども、まず一点目がエネルギーの安定供給の確保、二点目が経済効率性、そして三点目が環境への適合ということで、この三点である、このように認識をいたしております。

 そういった意味で、では石炭はどうなのかということでございますけれども、石炭は他の化石燃料に比べて可採年数が長いということ、埋蔵地域も分散されていて安定的に供給されるということ、それから、価格が比較的低位で安定していて、なおかつ、クリーン利用の促進で実際にはCO2もかなり抑制できるということ、そういう意味では、またとない鉱物資源の一つである、このように思っております。

 その上で、資源のライフサイクル、あるいはグローバルな視点での考察、技術開発の進展を含めた中長期的な視点が大事である、このように認識をしております。

 そこで、まずお伺いしたいのですけれども、日本の電源構成について、特にエネルギー需給に占める石炭の役割についてお伺いしたいと思います。

海江田国務大臣 稲津委員にお答えをいたします。

 我が国の発電の電力量ベースでの電源構成でございますが、一位が、もうこれは御存じだろうと思いますが、LNGとそれから原子力発電で二九%、そしてそれに次いで石炭火力発電が二五%という形になっております。

 これを一次エネルギー供給構成で見ますと、一位はやはり石油でございまして四一%でございますが、二位が石炭で、そのおよそ半分の二一%、以下、天然ガスが一九%、そして原子力が一二%と続きますから、これらのデータから見ておわかりのように、エネルギー源としての石炭は大変重要な役割を占めているということでございます。

稲津委員 石炭の重要性について今認識をいただきました。

 そこで、世界の方に目を向けたときに、世界の一次エネルギーの消費の中で石炭は四分の一を占めているということ、二〇三〇年に向けては現在の一・五倍ぐらいになるだろう、こう言われております。さらに、世界の石炭火力発電について申し上げますと、発電電力量の四〇%を占めていて、二〇三〇年に向けてはその量としては倍増する見通しである、このように言われております。

 そこで伺いたいんですけれども、実際にはやはり九九%以上ぐらい日本の石炭というのは輸入に頼っているということ。そこで、石炭の輸入状況と現在の主な輸入先、また今後の方向性についてお示しいただきたいと思います。

海江田国務大臣 今委員御指摘のように、我が国はそのほとんどを輸入しておりまして、平成二十一年度で一・六億トン、一億六千万トン、これが輸入でございます。その八割がオーストラリアとインドネシアでございます。オーストラリアが六三%、インドネシアが一九%。以下、カナダ、ロシア、中国、米国、ベトナムなどと続きます。

 そして、今後の見通しでございますが、中国とそれからインドなどが実は石炭のかなり大きな輸入国になっております。石炭の輸入上位十カ国で調べますと、日本が第一位でございますが、それにすぐ次いで中国が第二位、第三位が韓国、そしてインドが第四番目、こういう順番になっておりますから、世界的な石炭の需要はこれからも拡大をするだろうということでございますから、やはり、これまでの豪州あるいはインドネシアだけでありませんで、例えばモンゴルやロシアなどの新たな供給源を考えなければいけないというふうに考えております。

稲津委員 やはりほとんどすべてを海外に依存していかなきゃならない。オーストラリアについては、先般いろいろ水の被害があったりして大変な状況でしたけれども、しかし、スポットである程度ほかの国からもいただいているという状況で、何とか安定的な供給が今できているということでございます。

 それで、今後の方向性ということで今お示しいただきましたけれども、例えばモンゴルとか、こういった新たな石炭の輸入先ということは本当に真剣に考えていかなきゃならない。そのことを思っているわけでございますけれども、では、その輸入ということを前提にした上でこれまでの取り組みや今後の取り組みを考えていくということで、もう一点伺いたいと思います。

 平成二十三年度予算案には石炭関連予算が百十五億九千万と、今年度に比べて十三・三億円ふえております。これは大変評価をすべきことだと思います。この中には、ゼロエミッションとかクリーンコール事業とか、日本の持つ世界最高水準の技術でCO2の排出量を削減して高い効率性を持たせる。海外の貢献も期待されているわけでございますけれども、さらにその技術を石炭埋蔵国に移転することによって日本国内への石炭の安定供給に資するという、これはまさに画期的な事業である、私はこのように評価をしております。

 技術移転といいますと、もう一つは北海道の産炭国石炭高度化事業、これがございます。前身の、平成十四年から始まった炭鉱技術海外移転事業とあわせて、先ほどお話もありました中国、インドネシア、特に中国、ベトナムの研修生の受け入れ事業では延べ千五百四十四人、中国、ベトナム、インドネシアの派遣研修では延べ一千百三十八名が平成二十一年度までに研修を行っております。

 中国、ベトナムの両国の石炭生産量というのは着実に増加をしています。なおかつ保安実績も前進した。特に、中国では百万トン当たりの死亡率が一・〇以下のレベルに達したという結果の報告もされているわけでございまして、中国、ベトナム両国からもこの事業に対する評価は非常に高いものがあります。

 先日、我が党として、北海道釧路市の、この事業を行っていますコールマインを訪問させていただきました。地元の大変大事な基幹産業であると同時に、雇用の受け皿になっていることは事実ですけれども、何よりも関係各国からの評価が非常に高い。まさに国際貢献にかなっている事業だということを改めて私は認識したわけでございますけれども、大臣は、この事業についてこれまでの実績をどのように評価されているか、この点について伺いたいと思います。

海江田国務大臣 今お尋ねがありましたのは産炭国石炭産業高度化事業でございますが、その前に、一つだけちょっとつけ加えさせていただきますが、モンゴルの石炭をこれから日本がふやしていこうということ、その場合でも、やはりモンゴルは内陸地でございますので、積み出し港のところまで鉄道を引いてくれという要求が非常に強いわけでございます。

 私が先日行ってまいりました豪州でも、やはり奥地で石炭をとりまして、それをどうやって積み出し港まで持ってくるかということで鉄道建設などのインフラの整備と密接な関連がございますので、私どもは、インフラシステムの輸出ということも考えておりますので、それと関連づけて石炭の問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。

 その上で、産炭国石炭産業高度化事業でございますが、委員は昭和三十三年のお生まれだというふうに承りましたが、私は昭和二十年代、二十四年でございますが、私の子供のころの記憶というのは、ラジオを聞いておりますと、また炭鉱の落盤事故ということで、幼い子供心を大変傷つけられた思いがありました。ところが、日本はそうした幾多の落盤事故などを通じて、本当に世界に誇れる炭鉱の保安技術、こういうものを開発したと思います。

 そういう技術が、やはり今まさに、中国などでは、これまでは露天掘りが中心でありましたけれども、新たな需要が起きてきて供給が少なくなってくる。どんどんどんどん深いところへ入っていって掘らなければいけない。当然のことながら落盤事故などもございますから、そういうところにやはり日本がこれまでの幾多の犠牲の上に成り立った高度な技術をしっかりと移転していく、そして、そういう人々に日本の培った技術を学んでもらう、そういうことは大変大切なことだと思っております。

 ちょっと長くなりましたが、御勘弁ください。

稲津委員 大臣、申しわけないんですけれども、私、この高度化事業の実績に対してどのように評価するかという御質問をさせていただいたんですけれども、そこのところを明確にちょっと御答弁いただけますか。

海江田国務大臣 実は、この事業は二十三年度までということになっておりますので、その意味では、これまでの成果というものは大いにあったというふうに私は思っております。

稲津委員 これまでの取り組みに対して大臣も評価をしているというお話をいただきましたので、このことは非常に重く受けとめていきたいというふうに私も思います。

 結局、中国も、それから、間もなくベトナムも輸入国になってくるだろう。だから、新しく供給を図っていく、輸入をするということは、先ほどのモンゴルの話もありましたけれども、非常に大事な話で、それは、そのときに日本の持っている高い技術や生きた技術をどのように移転をして、見返りと言ったら言葉はおかしいですけれども、そのことによって今度は石炭を安定的に輸入をするという、これはもう日本がずっとこれからも、冒頭のエネルギー事情の話も聞きましたけれども、しばらくやっていかなきゃならない事業である、まさに国益にかなった事業であるということを私は強く申し上げたいと思います。

 けさ、北海道釧路市からファクスいただきまして、昨日、中国のこの研修事業の中国の担当者十二人が釧路市を訪れまして、安全監察局の局長が訪問されてこのようなコメントを残してこられました。研修のおかげで、技術向上だけではなく、保安技術の考え方も中国では普及した、炭鉱事故や死亡率が減って大変ありがたいとこの事業を高く評価した。この記事が送ってこられました。

 こうしたことも踏まえて、ぜひ、今後の検討も望まれているところでございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 さて次は、豪雪被害について順次質問させていただきたいと思います。

 まず、全国各地で大雪による被害が出ているということで、現地の状況はかなり深刻であると思います。我が党としましても、先般、山口代表が新潟の魚沼市を視察されました。私も二月十二日に地元北海道の岩見沢市を訪問しまして、現状を見させていただきました。我が党としては、この対策本部を設置してありとあらゆる施策を講じていくべきと、このように今主張させていただいているところでございます。

 私が訪問した岩見沢市の現況だけ簡単に申し上げますと、一月六日から二週間で一カ月分の降雪量を記録した。道路の除排雪は追いつかない。屋根の雪おろしで亡くなった方が二名、けが人が二十七名。一月十日からの二週間の間に、屋根の雪おろし、この事故で救急車の出動は二十七回。ちなみに昨年は、この期間たった一回でございました。さらに、農業用のビニールハウスの倒壊が百三十四棟。岩見沢市は、市として、排雪強化それから農家への施設復旧支援など緊急対策として一億六千二百万円の補正予算を組んで対応をしているところでございます。

 そこで、まず要望として、局地的な豪雪によって除排雪に要する財政負担が生じた自治体に対しては、やはり特別交付税による財政支援を速やかに実施していただきたい、これをまず一番最初に要望させていただきます。

 その上で、具体的にお伺いしたいと思いますけれども、まず農業被害について伺います。

 この豪雪により被害を受けた農業施設の中でも、ビニールハウスの倒壊はもう大変規模が大きくなりました。(発言する者あり)一月末現在で、北海道内の豪雪によるビニールハウス倒壊、今一千棟というお話もありましたけれども、三百十五棟まず出てまいりました。これは一月末ですからね。今お話があったのはその後の分。そのうち岩見沢市は、半数近くの百三十四棟倒壊。私が訪問した花卉栽培を営む被害農家は、二十一棟のハウスのうち五棟が一夜にして倒壊してしまった。お聞きしますところ、ハウスの再建だけで七百万円かかるという。

 そこで伺いますけれども、これらの被害に遭った農家に対する支援についてお示しいただきたいと思います。

鹿野国務大臣 今先生御指摘のとおりに、考えられないような大雪に見舞われておりまして、大変その影響は大きいわけであります。特に、北海道、東北、西日本の日本海側、九州などでパイプハウス等の損壊等の被害が発生しているということも、私ども、今先生がおっしゃるとおりに報告を受けているところでございます。

 そこで農林水産省といたしましては、パイプハウスなどの農業施設の復旧に当たりましては、まず、農業共済による支払いということ、それから、農業の関係者の農林漁業セーフティーネット資金というものの低利の資金の融資の活用、こういうふうなことで、まず支援をいたしてまいりたいと思っております。

 そして、被災ハウス等を新しく再建するということに当たりましては、平成二十三年度の予算案に計上しているところでございますけれども、農業の六次産業化や経営面積の拡大等の目標設定を要件といたしまして、総事業費の十分の三を上限に補助する、こういうことが一つでございます。

 それから、被災を機に、販売や生産技術の強化など、産地の収益力の向上に向けた取り組みといたしまして、新たに雪や風に強いハウスをリース導入する場合に、物件購入相当の二分の一を補助する農畜産機械等リース支援事業というふうなものを盛り込んで、これを活用していただくというようなことを考えておるところでございます。

 今後、これからどのような大雪に見舞われるか、また雪が解けた後にどういうような被害状況になってくるか、はっきりとした中で、また、現地の人たちとの、あるいは都道府県との連携の中で対処をしてまいりたいと思っておるところでございます。

稲津委員 今、共済の話と低利の融資の話、それからその他の事業についても御説明がありました。

 大臣、私は、現地に入って、これは大変だなと思ったのはどういうことかというと、例えば共済保険金をいただく、減価償却を計算していくと、五十メーターハウスでは一棟十五万円ぐらいしかいただけない。再建にはやはり、少なくとも五十メーターハウスだったら、一棟当たり百四十万ぐらいかかると言っていました。ということは、十五万ということは、そのビニールハウスのビニール分も出るか出ないか、そういう状況です。だから、それでなくても大変厳しい農業経営を強いられている中で今回のこの豪雪被害を受けている。

 そこで、その上で、この経営体育成交付金の活用についてということで、これに絞って伺いたいと思うんですけれども、岩見沢市では、被害農家のうち、農業経営の発展、改善を目的とした施設整備を行う国の経営体育成交付金の活用を取りまとめて、十七件三十六棟分を申請しました。さらに、この交付金の対象とならない農家に対しては、市単独事業で、ハウス資材購入費の一〇%を補助するということで出しました。

 この経営体育成交付金というのは、言ってみれば、災害に対する支援措置では決してないわけなんですね。しかしながら、今私が申し上げましたように、共済それから融資だけでは到底再建できないような農家にとって、この交付金というのは、ある意味では一縷の望みに等しい。ところが、災害だけに限らず広くとらえてみても、二十二年度は八十一億円の予算を計上しておいたのに、このニーズの高い事業を二十三年度では七十一億円に削減されています。理由は一体何なのか、ここはぜひ伺いたいと思います。御答弁いただきたいと思います。

鹿野国務大臣 今先生からの御指摘の前段の件でございますけれども、この経営体の育成交付金というのは、新規の就農者あるいは意欲のある経営者あるいは集落営農、そういう組織といった、いろいろな多様な経営体の育成というふうなものを確保するために、農業用の機械なりあるいは施設の整備を総合的に支援する、こういう考え方に立っておるわけであります。

 そういう意味からいたしますと、この今御指摘の被災農家の方はどうなのか、こういうようなことになるわけでありますが、この経営体の育成交付金の採択要件である、農産物の品質向上なりあるいは生産コストの縮減というふうなものの各種の経営改善目標というふうなものを満たす場合には幅広く活用していただく、こういうふうなことが可能な仕組みになっているところでございます。そういう意味で、これからも活用していただければな、こんなふうに思っております。

 それから、予算が削減されているんじゃないか、こういうことでございますけれども、今日の午前中もいろいろ農林水産省の予算につきましても質疑等がなされたわけでありますが、そういう厳しい財政事情のもとではありますけれども、この交付金というもの、平成二十三年度におきましても、経営体の育成支援事業として国が直接採択方式による、その考え方によって実施しているところでございまして、これからも、今申し上げたような多様な経営体の育成というふうなものに、予算の的確なる効率的な執行というふうなものに努めてまいりたいと思っております。

稲津委員 大臣、聞いていまして、本当に苦しい答弁ですね。この事業についての評価は、大臣みずから、ニーズが高い、ウイングも広いということもお話をされました。なぜ、こういうところの予算を削っていくのか。私は、やはり現場の認識がないんじゃないかなということを思わざるを得ない。ここはぜひ再考いただきたい、このことを強く申し上げたいと思います。

 時間の関係上、最後の質問の中に入っていきますけれども、もう一点は、除雪の予算と直轄道路の除排雪対策についてお伺いします。

 まず最初に申し上げたいことがあります。

 ここ最近の報道でも見受けられますけれども、公共事業が削減されたことによりまして建設業者の倒産、廃業が相次ぎ、業者の数が減って除雪が進まない事態が発生しているということでございます。自治体などにも除雪用の重機はありますが、多くは建設業者が保有する除雪用重機が活躍をしていた。しかし、公共事業が減ったことにより業者数が減少し、機材やオペレーターも少なくなった。この年末年始、豪雪で大渋滞した鳥取県の国道九号もこのような原因があったとの指摘もあります。

 ここから少し伺いたいんですけれども、そこで、特に国の直轄道路である国道について、かねてから公共事業予算の縮減で道路維持管理費までも削減をされている。国直轄道路の除雪費用は、平成二十一年度から比べて二十二年度は一四%も削減をされている。なぜ一四%も削減をしたのか。

 また、今年度、特に除排雪の方法について変更した、このような報告を受けております。何が変更になったのか、その理由も含めてお伺いしたいと思います。

大畠国務大臣 稲津議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 ただいま御指摘のように、平成二十一年度に比べて、道路、直轄国道の維持管理予算というのは削減をされております。また、雪を除くという予算についても御指摘のように削減をされております。この背景には、いわゆる事業仕分けの中で、入札方法の見直しや管理水準の見直し等で最低一〇%程度は縮減されるんじゃないか、こういう御指摘をいただきました。

 これを受けていろいろと見直しをしたところでありますが、特に除雪問題でございますけれども、従来、車線と車線の間に二台の除雪車を並べて同時並行的に移動して、車幅いっぱいを除雪するという方式をしておりましたが、これを一台の除雪車で運行するということで費用の削減を図ったり、あるいは、凍結防止剤というものの購入については従来事業所単位でやっておりましたけれども、それを県単位あるいはブロック単位で購入するということで、量を確保して購入するということで、できるだけ単価を安くしようということの努力をしたり、あるいはまた、幅広い道路の場合には、今までは道路の横の部分まで全部除雪をしておりましたけれども、そこは残して、自動車が通るところだけを除雪するとか、あるいは、凍結防止剤というものもまくわけでありますが、どのような基準でまくかという基準がございませんでしたので、ある基準を設けて、そういう形でまくようにと。

 こういう努力を重ねて、実際には支障がないように原価低減を進めたところでありますが、今回のいわゆる豪雪によりまして国民の皆さんには大変な御迷惑をかけたことは申しわけなく思います。そういうことで、各地域の実情に応じて適切に対応できるように、今、予算措置を行い、さらに地域のお話を伺いながら、さらに検討を重ねているところであります。

稲津委員 大臣、今、地域の実情に合わせてというお話がございましたけれども、全然地域の実情に合っていない。そして、今説明がいろいろありましたけれども、例えば除雪、排雪の方法としてはカット方式というのを導入した。残っているんですよ、雪が実際に。向こうが見えないんですよ。例えば、もう一つ、今、融雪剤の話があった。一平米当たり三十グラム、塩化ナトリウムをまく。これを二十グラムにした。これは非常に現場から怒りの声が来ていますよ。

 それで、ここに一つの資料があります。国土交通省からいただいた北海道開発局の、ことしの冬の除雪の基本方針について、これを読みますと、要約しますと、今年度の除雪作業は全国統一基準とより一層の工夫によるコスト縮減に取り組みますと書いているんですよ。予算を削って、こんな塩化ナトリウムの量まで削って、人の命が削られたら、たまったものじゃない。このことを私は強く申し上げたい。

 実際に、例えば小樽市とか仁木町からも除雪の強化の申し入れが来ていますよ。こういう現実を見据えたときに、何が全国一律ですか。北海道の、あるいは今回豪雪に見舞われている地域と、そうでない地域と、一緒にするんですか。こんなことがあっちゃいけないですよ。私は、このことを強く申し上げたい。

 そして、最後のお話になりますけれども、ことしは、この豪雪で、本当に自治体は財政状況が厳しい中で、なおかつ、また予算を出さなきゃいけない。だから、冒頭申し上げましたような特交の措置をしていただきたいということと、もう一つは、社会資本整備交付金ですよ。これを我が党も主張させていただいて、配分するというお話もいただきました。しかし、あとどのくらい残っているんですかね。甚だ疑問ですよ。ですから、この豪雪被害対策については、社会資本整備交付金を速やかに出していただく。それと同時に、それでも見合わなければ、きょうは財務大臣も来ていらっしゃいますので一言申し上げたいですけれども、ぜひ予備費の速やかな活用も早急に検討していただきたい。このことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。

中井委員長 いや、ちょっと答弁を。

 大畠国交大臣、簡単に。

大畠国務大臣 はい。

 御指摘を賜りまして、特に現地を視察して、その現地の状況を踏まえての御質問を賜りまして、まことにありがとうございました。

 御指摘のように、二月十日に社会資本整備総合交付金百一億円を、各地域におけるこれまでの除雪に要する費用をもとに、この冬の降雪量に応じて追加配分をさせていただきました。

 さらに今後とも、地域の実情に応じて、降雪状況を踏まえ、支援ができるように努力してまいりたいと思います。

稲津委員 終わります。

中井委員長 これにて稲津君の質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

中井委員長 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に富田茂之君を指名いたします。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時五十九分開議

中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。穀田恵二君。

穀田委員 私は、JAL、日本航空の問題で、大畠国土交通大臣に聞きます。

 予算委員会の基本的質疑で、私どもの志位委員長が質問し、日航の再生に当たって安全性が大前提であるのかということを質問しました。首相は、安全性が大前提でなければならないと答弁し、大畠大臣も、航空という乗り物でも、安全第一ということが大前提であると答弁しました。その機会に、私どもは、日本航空の会社に対しても、きちんとただす必要があるということを言いましたし、それに答えて、実行する旨を答弁されました。

 日航の会長の稲盛和夫氏に、日航の再生に当たって、安全性が大前提であるということを確認しましたか。

大畠国務大臣 穀田議員の御質問にお答えを申し上げます。

 先ほど御指摘をいただきましたが、二月二日の予算委員会で志位委員長からその件について御質問があり、私も、航空行政の原点は安全第一、これが原点であるということを回答申し上げた次第であります。さらに、日本航空に対してその点を確認するのか、こういうことでありましたので、確認をさせていただきますということを申し上げさせていただきました。

 そういうことで、日程上のいろいろないきさつがありましたが、明日、私は、日本航空の社長を呼びまして、そして、御指摘をいただいた航空行政の安全についての確認をさせていただきたいと考えております。

穀田委員 その際に、私は改めて申しておきたいと思うんですけれども、あの質問で明らかにしたのは、やはり整理解雇に伴うさまざまなやり方、特にベテランの機長などを首にするやり方や、さらには、体調不良による欠勤や乗務離脱を理由にした人選基準を振りかざしての整理解雇を行うことが安全を脅かすことになると指摘したわけです。そのことを初め、きょう、今からただしますが、諸点を踏まえてきちんと対処されたいと思います。

 ところで、では、あす会われる稲盛日航会長は、一月十九日に新たな企業理念を打ち出しています、それはどのようなものであるか、報告されたい。

大畠国務大臣 お答えを申し上げます。

 一月十九日に、これからの新しい日本航空を創造するために、新たな企業理念というものを策定し、発表いたしました。日本航空のその発表内容は、「JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、一、お客さまに最高のサービスを提供します。一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。」ということになっております。

穀田委員 そこで、皆さんにお配りしている資料を見ていただきたいと思います。一―一、今大臣からお答えがあったように、JALグループの企業理念です。この企業理念からは、安全の文字が消えています。あれっと思ってびっくりしているのは私だけじゃないと思います。こういう企業理念はよしとして認めるのかどうか、聞いておきたいと思います。

大畠国務大臣 御指摘の点でございますが、JALの再生に当たっての基本的な視点の、「お客さまに最高のサービスを提供します。」というところのくだりの下に、「「お客さまに最高のサービスを提供する」とありますが、これは、お客さまに世界一の安全性、定時性、快適性、利便性を提供するということを意味しています。」というものがございまして、もちろん、御指摘のように、この最高のサービスの第一番目には、安全第一というものがなければならないと考えております。

穀田委員 なければならないというのはそちらの大臣の話であって、わざわざここの説明の欄にしか書かざるを得ないというところに、ここの今の会長の考えがあらわれていると私は思います。それから、あえて記述しないというところに問題を感じます。

 そうだとしたら、航空法の第一条の目的にも、それから航空運送事業等の許可基準にも、航行の安全並びに輸送の安全性の確保と重ねて記述しているわけです。少なくとも、これまでのJALグループの企業理念には、第一に、安全とサービスの徹底した追求を掲げていました。この発端は何か。安全第一、これは、一九八五年のJAL機の御巣鷹山事故の教訓から導き出されたものであります。御巣鷹山事件直後、国会では、航空運送事業者に対して、「安全確保体制を抜本的に見直すよう厳重に指導監督を行うこと。」と全会一致決議したことを忘れてはならないと思います。

 そこで、資料の二を見ていただきたいと思います。八五年の事件後、JALは新体制を発足させ、会長の最高経営会議通知第一号を発しています。これが、それです。その中には、「航空機の安全運航が原点」として、第一に掲げたのは、「絶対安全の確立」という方針です。文書を見たらわかりますように、「五百二十人の犠牲者の霊に応える最も必要なことは、「日本航空絶対安全の確立」にあります。絶対という極限に挑戦」する、ここまで述べています。

 つまり、こういう状況のもとで今日存在しているのが日航じゃないのか。企業理念から抜いていること自体が問題だと私は言わざるを得ないと思います。

 私は、同じように、ここに日航の広報誌を持ってきました。「おおぞら」といいます。その中には、八六年冬号、これは一九八六年一月一日に発行していますが、「特集・安全への誓い」ということで始まっています。それを見ますと、

    安全への誓い

  私ども日本航空全社員はこころを一つにして「絶対安全」の確立を誓います。

 一 「絶対安全」の極限に挑戦する

  いま私どもにとって最大の課題は、二度とふたたび重大事故を起こさない「絶対安全」の確立をおいてほかにありません。絶対というのは、まさに極限であり、そこに至る道程はたとえ峻厳であっても、極限への到達をめざし、総力をあげて挑戦します。

このように書かれてあるわけであります。

 ですから、そういうものから比べると、先ほどのことが説明文書に書かれている程度でやっているようなことでは話にならぬと私は思います。

 そこで、安全第一が大前提だということは共通しているとするならば、これを実行するために重要なことは、現場のモチベーションの向上とコミュニケーションの醸成が大切だ。これは、これまでも各方面から何度も指摘されてきたものであります。そして安全を支えるのは現場のモチベーションの高さ、つまり働く労働者のモチベーションが高いということで安全運航は支えられるということだが、大臣はどう考えていますか。

大畠国務大臣 御指摘の点でございますが、私も、物づくりの世界で製造現場あるいは建設現場というものを経験しております。どんなに社長がそういう意識を持ったとしても、現場にそのような意識がみなぎっていなければ、安全な対策というのがとられるということにはならないわけでありまして、御指摘のとおり、働く人がモチベーション、そういう、気持ちを一つにして、絶対安全というものを貫くんだという気概に満ちた形で仕事についてもらうことが大変大事だと思っております。

穀田委員 そこまで言われるんだったら、先ほど述べた企業理念の第一のところにそういうのが入ってへんというのが、ほんまにひどいなと思うということですわな。どう考えたって、そうですわな。

 ところが、この現場の労働者のモチベーションが低下し、コミュニケーション不足で安全性を危うくする事態が起こっています。

 この間、志位さんが指摘したように、ベテランパイロットや客室乗務員が不当に解雇され、経験の蓄積、継承、先ほども大臣からありましたこの問題、こういうのが事実上危うくされ安全の層を薄くしている、あるいは、先ほど述べたように、体調不良を自主申告しにくくなっている、人権侵害の退職強要や、さらには労働組合のスト権に介入する不当労働行為などがJALインターナショナル本体だけではなく子会社まで横行しています。そして、更生計画の確実な実行という名前で、急速な人減らし、それも人減らし先にありきというのが強行されていることで、現場は深刻な状態にあります。

 パイロットの現場については、先日の委員会で議論がありました。それ以外はどうなっているか。きょうは、客室乗務員の現場、整備の現場、地上業務の現場、それぞれ起こっている問題について聞きます。

 まず、整備の現場について聞きます。

 飛行機というのは、機体の整備なしに動きません。飛行機の整備は複雑で、飛行機の機種ごとに、例えば747―400、A300―600、MD90、MD81というぐあいに、整備士も事業場もそれぞれ個別に整備の免許認定が必要です。

 JALの整備部門を担ってきた日東航空整備という会社があります。もともと旧JASの事業部門だった会社で、JALのA300とMD90、MD81の飛行機の重整備を中心に行ってきた会社です。重整備とは、法律上義務づけられているものであって、定期的に飛行機の内部を分解して整備する、徹底した整備のことであります。

 JALの再生計画で、A300を退役させ、今後もMD90も退役させるという計画をJAL本社は決めました。この結果、JALは、仕事がなくなるとして、日東航空整備を解散させ、三月末で職員約百五十人を全員解雇せざるを得なくしています。もともとJALの整備部門だった子会社に仕事を与えずに会社ごとつぶして労働者を全員解雇する、こんなやり方はあるか、余りにもひどいと私は思います。

 国土交通副大臣は、経営者でもありますし、こういう問題について、次の就職先もまともに紹介せずにつぶしていくやり方がひどいと思いませんか。ちょっと聞いてみたいと思います。

三井副大臣 御質問ありがとうございます。

 今委員の御指摘のとおり、私も小さいながらも経営者でありますけれども、しかしながら、これは、一方で私ももちろん経営者でありますから、そこに雇用される人たちの再就職というのは、当然相談に乗りながら、当然やはり経営者の最大の責任だと思っております。ですから、これまでやはり、この日東航空につきましても、相当御努力されていると私は認識しております。

 いずれにしましても、これから、まだ百四十数名の中の一部しか再就職が決まっておりませんので、さらに再就職については最大限努力するように私たちも監視していきたいと思っております。

穀田委員 再就職もさせずにやるのはひどいなというのはだれも思う。厚生労働大臣はいかがですか。

細川国務大臣 会社が清算するということで解雇、こういうことになりますれば、それは会社として再就職の確保ということに努めることだ、それは当然そういうふうにしなければならないというふうに思っています。

穀田委員 だれもが普通そう思うわけですよ。ところが、三井副大臣もおっしゃったように、まだほんの一部しか決まっていない。

 問題はそこなんですけれども、JALは、親会社として、他の整備会社と合併、統合するとか、さらには、従業員を吸収する手だてを講じるなどの責任を果たすのは当たり前なんですよ、当然なんですよ。ところが、そういう余裕の期間だとか時間はあったにもかかわらず、ばっさり切り捨てる。親会社の責任放棄にとどまらず、意図的なものを感じる。絶対許されるものではないと私は思います。

 さらに、安全運航にも問題があります。

 JALでは、このMD90という飛行機を現在十二機飛ばしています。退役の予定は二〇一二年末です。計画では、あと十回重整備をしなければならないという。これまでMD90の重整備をしてきた日東航空整備をつぶして整備はできるのかとお尋ねしたい。

三井副大臣 今御指摘のとおり、ダグラス式MD90、そしてJALエンジニアリングという会社が、MD90初めすべて経験されている方がいらっしゃいますので、ここですべて整備についてはお受けするということでございます。

穀田委員 今経験があるから大丈夫だということを言って、JALエンジニアリング、やっているわけですよね。

 では、整備の実績はどれだけあって、本当にできるのかということを改めて確かめておきたいと思います。

三井副大臣 お答えいたします。

 先ほど御指摘のとおり、日東航空整備会社は本年の三月三十一日をもって廃止するわけですから、ダグラスMDでしたか、それからエアバス機A300についてはまだ退役しておりませんので、当然この整備については、安全という意味からも、何度も申し上げますけれども、JALエンジニアリングの方できちっと整備するということで承っております。

穀田委員 だから、実績はあるのかと聞いているんですよ。

 私は、現場の意見を聞きました。確かに、JALエンジニアリングの整備士もMD90の重整備の免許を持っています。しかし、ずっと以前に取得した資格で、世に言うペーパードライバー状態なんですね。JALエンジニアリングという事業場として見ても、MD90の重整備ができる認定を受けているけれども、実際には、認定を維持するために年一回整備するだけなんですよ。このときも、自分たちでは整備できないということで、MD90の重整備のスキルを持つ日東航空整備の力をかりているということを私は聞いているわけです。

 しかも、JALEC、つまりJALエンジニアリングが大変な人減らしをしています。それは皆さんのところに資料でお配りした内容を見ていただければわかりますが、五枚目の資料三にあります。

 二〇〇九年十月以前で、概数、五千九百八十人だけれども、一〇年十一月末には四千四百六十人に減らされている。ここでも、退職したのはほとんどがベテランのJALからの出向社員。三千七百三十名が特別早期退職と希望退職で千四百七十名、四割も減らされているんですよ。だから、急速な人員減で仕事が回らない。退役するという話が先ほどありましたように、売却するんですね、A300というのは。そうすると、退役すると同時に売却するものだから、そのための整備をせんならぬということで手がいっぱいというのが現実なんですね。だから、現場では、MD90の重整備というのは技術的にも人的にもできないと言っているんですよ。

 MD90の重整備ができるのか、こういうことを突きつけているのに、そういうことで大丈夫だと。大丈夫でないという実態を私は突きつけているんですよ。だから、それがわからぬとか、私の聞いたことがまだようわからぬというんだったら、現場に調査に入ったらどうですか。

大畠国務大臣 ただいまのJALエンジニアリングにつきましては、平成二十一年十月に立ち入り実施あるいはその内容について検査を行いまして、MD90型機の整備の能力については国土交通省としても認定を行っているところであります。その後も、平成二十二年七月に立入検査を行い、同社が引き続きMD90型機の整備能力を有することを確認しているところであります。

 加えて、同社は、前身の日本エアシステムでの平成八年のMD90型機導入以降、同型機の整備事業を実施しており、同社の整備能力に私どもとしては問題ないと認識しておりますが、重ねての御質問でありますから、明日、改めて私はこの件についても指摘をさせていただきたいと思います。

穀田委員 私は、現場からの報告を聞いて指摘しているんですよ。これは安全にかかわる問題なんですよ。整備がまずくて、人は切って、その人はいてへんわ、その飛行機は、簡単に言えば整備士もいないのに、整備もないのに飛行機を飛ばすということがもしあったりしたら大変なことになると言っているんですよ。

 だから、社長に言うのも結構やけれども、きちんと調査に入って、しかも私が言っているのは、先ほど十月に入ったとか能力を確かめたと、そのときももしかしたら日東航空の人たちが助けているかもしれないわけです、そのことを指摘しているわけだからね。そんなの社長に聞いたってわかるはずない。それこそ、多分、もちろん大臣だって、きょう私が質問すると聞いているから事務方に聞いて、事務方の報告を聞いている程度の話ですやんか、そっちは。こっちは現場を聞いているんだから、こっちは現場の人たちがそういう話をしているということをもとにしてやっているわけだから。

 しかも、大臣はこう言うわけですやんか、経験を積み、いろいろな場合に対応できるのは経験者だと言っているわけですよ。まさに日東航空整備の整備士は重要かつ貴重な経験者なんです。しかも、団体交渉なんかで、JALの方もこの日東航空の整備士のスキルは極めて高いということを評価して打ち合わせしているぐらいなんですよ。それをほうり出してしまうなどというのは全く許せないし、そういう日東航空整備の整備士を子会社などで雇い入れるよう指導してもらう必要があるんじゃないですか。あした会長に会うというんだったら、それぐらいのことを言ったらどうですか。

大畠国務大臣 重ねての御質問でございます。

 確かに、実際にその現場に入って改めてそういうことを確認すべきじゃないか、こういう御質問でございますが、私も、先ほどの御指摘のような状況ということであれば、これはきちっとしなければなりませんので、改めて立入検査をして、そのような状況なのかどうか、実態を立入検査したいと思います。

穀田委員 わかりました。立入検査はしてもらうと。

 同時に、私が言っているのは、大臣は物づくりという話をしているわけでしょう。そのときに必ず経験が大事だと言っているわけでしょう。これは、整備も含めてそうなんだけれども、もちろん物づくりのすべてが命にかかわるなんて言いませんよ、物づくりが命にかかわっていることはありますよ。しかし、整備というのも、航空業界の一つ一つが命にかかわっているだけに、その人たちのスキルを生かすというぐらい指導せいというぐらい言ってもらわな困りまっせ。

 続いて、グランドハンドリングと言われる地上支援の業務にかかわって聞きます。

 グランドハンドリングというのは、飛行機に乗せる貨物コンテナの積みおろし、貨物や手荷物の取り扱い、飛行機を誘導牽引、搭乗橋の操作、航空機に燃料を給油する仕事などの総称であります。

 貨物コンテナの積みおろしの業務というのは、飛行機の中でバランスをとって配置すること、飛行中に荷物が動かないようにラッチ、これはとめ金なんですけれども、ラッチで固定するなど、安全にかかわる極めて重要な部門です。ここでも、このところ急速な人減らしで、積み荷ラッチのかけ忘れ運航などの事故が起きているというけれども、つかんでいますか。

三井副大臣 お答えいたします。

 航空法の規定によりまして、航空機の正常な運航に支障を及ぼす事態に至った場合は国への報告を義務づけているということが一点でございます。

 それからもう一点、日本航空からは、コンテナを固定するとめ金をかけ忘れたことによりそのような事態に至った事実の報告がない。報告制度が創設されました平成十八年十月以降、日本航空からは、コンテナを固定するとめ金をかけ忘れたことによる航空機の正常な運航に支障を及ぼす事態に至ったという事案の報告は受けておりません。

 以上です。

穀田委員 それはなかなか文章が見事で、そういう、正常な運航ができないような、こう言っているわけだよね。それは運航したんでしょう、運航して最終的には事故がなかったから大丈夫だというような話ですやんか。そういうものを簡単に信じちゃあかんのですよ。そこの現場がどうなっているかということをほんまに聞かなんだら、国土交通省あきまへんで、これは本当に。

 相手の言っていることを信用するんじゃなくて、これだけ事故が起きている、いろいろなことが起きている、見ようと思ったら、労働組合のニュースもある、いろいろな報道もある。それを確かめて、これはどうなっているんだということを本格的にやらなきゃ、命の安全にかかわって、命の安全に責任を持っている国土交通省が、言われてから、いや、聞いたらどうやとか言って、正常な形では大丈夫だというような話をしているようじゃだめですよ。

 そこで、私は、積みつけの不備だとかあるいは飛行機周辺での作業中に機体を傷つけるような事故なんかは、安全運航に直結する重大問題だと思うんですよ。JALのグランドハンドリングの業務を行う子会社の一つJGS、JALグランドサービスの現場の話を聞きました。

 昨年十二月開催された、JGS東京支社安全・衛生・品質会議における安全・業務情報室長の報告は、災害事故の発生件数は、四月から五月、事故もなくグラフは平行に保ったが、五月以降は右肩上がりになって上昇している。イレギュラーの件数では、十、十一月と急激な件数増となっている。品質も、同時に平行線をたどったのは四月、五月のみであった。しかしながら、現段階では急激な上昇をしている。こうやって報告しているんですね。だから、報告書さえちゃんと見れば、これは大変だなとわかるんですよ。

 例えばどんな事故か。十一月四日付の東京支社長の社員への通達では、乗客が搭乗する固定橋に作業車が激突し損傷する事故が九月二十日に発生した。十月に入り、人身事故、さらに、六台連結ドーリー、これはコンテナなどを載せる台車のことをいうらしいですが、外れて暴走。新国際ターミナルでの固定橋損傷事故など、次々に発生している事態について、この東京支社長の社員への通達のところで指摘をし、警告を鳴らしているんです。

 では、こういうイレギュラーが増加、急増している実態を国交省は報告を受けていないということですか。ないしは、我々だってつかめるのにあなた方はつかんでもいないということですか。

三井副大臣 お答えいたします。

 先ほどの委員の御質問でございますけれども、今委員がおっしゃるとおり、私も医療を自分で経営してきましたけれども、やはり同じく安全という意味では非常に重要な面もございます。当然、今の御指摘ありましたイレギュラー自体については、私も全部報告を受けているとは正直申し上げません。いずれにしましても、これから、私は現場第一主義で、大臣とともに、再度この事態につきましては検査あるいは立入検査等をしっかりしてまいりたいと思っております。

穀田委員 では、こういう問題についても立入検査を行うということを確認しました。

 そこで、私どもだって、こういう問題の事態がどういうことが起きているかということで調べれば、先ほど述べたように、安全・衛生・品質会議、これはその議事録ですけれども、こういう議事録は手に入るわけですよ。それから、この東京支社長の通達だって、これは手に入るわけですよ。そこにちゃんと書いてんねやからね。それは重大な、いわばどうしようもない事故というのじゃないんだけれども、しかし、先ほど述べたように結構大変な事故でしょう。そういったものが報告されない。それやったら報告制度自体が問題だという角度でやってもらわなんだら、入りました、いや少しちょっと忘れていましたというようなことでは済むわけにいかぬ。

 こういう問題が、いわば指摘されていて、大変なことになっている。だから、わざわざこの支社長の通達は、組織を挙げて解決していくために意見をしてくれとまで言っているんですよね。こんな、支社長が意見を寄せてくれと言っている事態まで起こっているというのに、それは正常な事態になっているなんということで、安穏としてのんきに構えてもらっちゃ困る。現場ではそういうことが起こっている、その現場が安全に直結しているということを見ていただきたいと思うんです。

 そこで、そういう実態の中で、労働者からはどういう声が出ているか。地上から安全が崩壊する怖さ。要するに、整備だけじゃない。客室、そこからだけじゃない。整備の現場だけじゃなくて、地上のところからも起きるんだということで、地上から安全が崩壊する怖さというものをJAL経営者は自覚すべきだという声が上がっているぐらいなんですね。

 そして、JALグランドサービスは、先ほどお渡しした資料三―三にありますように、一年間で二千名以上、三分の一を減らす急激な人減らし計画であります。この間既に特別早期退職などで昨年五月までに約五百名がやめている。そして、その多くは比較的年齢の高いベテランクラス。その影響が安全品質の低下となって顕在化していると言われています。会社も、特別早期退職の影響を受けスキルダウンしているということなので、残念ながら、事故、IRR関係が増加傾向にあると認めています。これも実は東京支社の昨年八月の安全・衛生・品質会議での報告であります。

 だから、今言いましたように、こういった内容をつかまなければだめだ。ましてや、細かいところでも、事故につながるヒヤリ・ハットが多数起きている。これはハインリッヒの法則からしても極めて危険だ。だから、再建の過程でこんなことが起きているということですから、先ほど述べた個別の、ここは大臣にお聞きしておきたいんですけれども、一つずつ私が例を挙げますと、そこは入る、そこは入ると言うんだけれども、こういう点じゃなくて本当に違った角度から、冷静な、冷徹な目で、やはりJAL関連の会社の調査、特別監査をこの機会に全部やるというぐらいのことをやるべきではありませんか。いかがですか。

大畠国務大臣 二月二日に志位委員長からもこの件について、安全性というものの確立というものについて国土交通省としてきちっと検証すべきだろうという御指摘を賜りました。そしてまた、きょう穀田議員からもこの件についてお話をいただいておりまして、私も、ちょうど十年ほど前、JALのジャンボジェット機の点検といいますか検査しているところを見てまいりました。エンジンをすべて点検し、そして飛行機の内部についても、座席等も取り外したりなんかしていたと思いますが、かなり詳細に点検をしておられるところを見てまいりました。その作業があってこそ初めて飛行機の安全運航というのができるんだ、こういうことを実感した次第であります。

 そして今、関連するところでさまざまな事象が起きているのではないか、こういうことでありまして、特にヒヤリ・ハットという話がありましたが、ヒヤリ・ハットというのは大きな事故につながる要素でもございますので、ヒヤリ・ハットをいかにしてなくしていくかというのが安全第一の原点になっていると私も考えております。

 したがいまして、こういう課題、関連する会社等々も含めて、ヒヤリ・ハットをいかにしてなくすかということが大変大事でありまして、企業の再生というのも大変大事かもしれませんが、その前に、穀田委員からお話がありましたように、一九八五年のあの御巣鷹山の墜落事故というものを一つの教訓として、絶対安全、そういうものを原点として、起点として動いているわけでありますから、そういうことがきちっと検証といいますか、確固な基盤として確立されているかどうかを私自身も関心を持って調べさせていただきたいと思います。

穀田委員 関心を持ってきちんと監視し、これをやはり多くの国民に、こうなっているんだということで安心できるような指導と公表をしていただきたいと思います。

 そこで、今度はもう一つ、客室乗務員のところの現場はどうなっているかということについて議論したいと思います。

 コスト削減のための人減らしというのは、搭乗ゲート業務でも行われています。産経新聞の二〇一一年一月十八日付は次のように報じています。「徹底した収益改善の取り組みが進んでいる。搭乗口での案内は従来、地上係員だけで行ってきたが、今は客室乗務員も参加している。搭乗案内の要員配置を少なくすることだけで、年二億円強のコスト圧縮につながるという。」ということを報じています。つまり、人減らし、コスト削減のために搭乗ゲートの人を少なくするということなんですね。

 では、ゲート業務とは何かと。これは、搭乗券や搭乗者のチェックなどを行う仕事で、地上業務の子会社が担っています。チェックをきちんとしないと、空港によっては乗客が間違えて同時刻に出発する他社の便に乗る可能性もある。航空上の保安、安全の上でも大事な業務です。だから、当然、一人一人間違いないようチェックするために、専門職として複数で対応してきたわけであります。それを、コスト削減を優先して一名減らすという、先に人減らしありきというやり方です。安全低下、保安低下につながる問題ではないのかということについて、いかがでしょうか。

三井副大臣 お答えいたします。

 今委員がおっしゃるとおり、特に客室乗務員が搭乗する前に行っている業務といたしましては……(穀田委員「それは違うよ、それではないよ、それは後の話。今言っているのは、ゲート業務の中で安全低下につながらぬかと言っているんです、人減らしは」と呼ぶ)

 失礼しました。人減らしにつきましては、むしろ、JALの機構におきましても、安全運航上の観点からも、ゲートにつきましては、しっかりと対応できるように今当然配置をしていると私どもは確認しております。

穀田委員 確認できないと思いますよ、減らしているんだから。ちょっと質問をよく聞いていてくれなあきまへんで。

 そこで、ゲート業務というのは一人でできないから、JALは結局その穴埋めのために客室乗務員を持ってくる。そうすると、今度は客室乗務員の保安要員としての仕事に支障が出る。客室乗務員は、乗客が搭乗して飛び立つまでの間、安全運航を確保するためにさまざまな仕事をこなさないといけない。搭乗前、搭乗中、どういう仕事をやるのか、マニュアルにはどう書いてあるのか、言ってください。

中井委員長 三井副大臣。あなたは毎週、北海道へ飛行機で帰っておるんやろう。

三井副大臣 私はいつも全日空を利用しておりまして、済みません、余計なことですけれども。今度から、立場上、JALも乗るようにいたしますので、よろしくお願いします。

 それで、お答えします。

 今の御質問でございますけれども、搭乗する前には、一点目は、救急用具の装備の状況ですとかあるいは機能を点検している。二番目には、非常口の扉の点検をしている。それから三番目に、不審物が残されていないかの確認をされているところでございます。

 また、搭乗している最中には、挙動不審者や不審な手荷物がないかの確認。二番目には、手荷物の適切な収納状況について確認。それから三番目といたしましては、乗客の適切な着席状況の確認等をしているということでございます。

穀田委員 余り飛行機会社の話をするというのは適切でないと思いますね。それは注意してもらわなあきまへんで、委員長。安全の話をしているのやから、ちょっと不謹慎だと私ははっきり言って思います。

 私は、この搭乗前、搭乗中という仕事は、非常に簡単におっしゃいましたけれども、物すごい仕事量なんですね。マニュアルというのは、私も見させていただいたけれども、物すごいんですね。分厚いもので、その項目項目ごとに一々チェックせんならぬということなんかもあるような状況なんですね。泥酔者だとか重病人がいた場合には、本人のためにも、安全運航のためにもおりてもらう場合もある。そして、できるだけ早く状態を確認し、ドアが閉まる前に判断しなければならない。

 それから、日常の安全業務のマニュアルの中には、出発前だけでも今言ったようなことをしなくちゃならないし、こうした仕事というのはこれまた機種によって違うんですね。

 客乗の人たちが人数が決まっているから、その人数に応じて航空機内を区切って、それぞれの区画を一人一人が分担して責任を負う。だから、ゲート業務に一人抜けると、その残った人でカバーするということになって、短時間では十分カバーできない。ベテランなら乗客それぞれに対応しながら全体の目配りができるが、経験が浅いとなかなか難しいということもある。

 結局、ゲート業務に行った客室乗務員は、自分の担当区画の事前チェックの状況が十分わからないまま飛び立つことになる。したがって、ゲート業務も当然ふなれですわね、そして十分なチェックができない。この間、こういう業務が導入された中で、他社の乗客が間違って乗り込んだりした客数不一致の事例が複数発生していると聞きます。

 国交省に聞きますけれども、こういう客数不一致事例は保安にとって重大問題であるなということと、あわせて、このような事例の報告は受けていますか。

三井副大臣 失礼しました。

 お答えいたします。

 当然、航空機の出発前の確認といたしまして、搭乗しなかった乗客、旅客の手荷物の確認と、それから、当然、安全運航上、実際に搭乗した旅客数の搭乗ゲートにおいての確認作業をしております。また、当然ながら、今申し上げましたように、安全運航上、この確認というのは必ずすることを義務づけられておりますので、ということが国の基準だということをお答えしておきます。

中井委員長 人数不一致の届けが今まであるかどうかについて。

三井副大臣 今までにおいてはございません、人数の不一致については。そうしなければ飛び立てないという基準になっております。

穀田委員 安全基準に書いているぐらい重大問題だということはいいですな。

 今言ったように、聞いていない。ところが、私は聞いているんですよ。要するに今の話は、よく聞かなあかんで。最終、一致しているから飛んでいるんですよ。ところが、途中の中で、間に人数が合わないことがある。合わないことがあるということは、そういう人が入っているということなんですよ。それで、出ていっているということなんですよ。だから、保安上大事なんですよ。そういう、最終、飛んでいるときには数が合うているなんという話を、これまた安易によっしゃなんて言ったらあきまへんのや、それは絶対に。だから、結局、この問題では保安上の重大問題が生じるとなりますよね。

 ゲート業務については、客室乗務員からとても無理だという意見が出されているんです。先ほど、ことしの二月十四日にそういう事例があったということは、実は客室乗務員の中では広まっているんですよ。ニュースはずっと伝播しているんですね。そういう客数不一致があったという話は広がっているんですね。

 ところが、会社は、それをつかんでいながら、従業員に知らせもしない。ましてや、原因究明や再発防止などの対応もしないまま、翌日の二月十五日から本格実施を強行する。二月十四日にそういう事例があるのに、何の反省もなく、確かめることなく二月十五日にやっちゃう。こんなやり方は私は全く許せないと思うんですね。

 だから、国交省として、そういう問題がないなどというふうに言わずに、現場では起こっているということを私は告発しているわけだから、これまたきちんと安全の観点から至急調査し、改善するべきではないですか、大臣。

大畠国務大臣 穀田議員から客室乗務員に関しての御質問をいただいております。

 先ほど三井副大臣からも御答弁させていただいておりますが、現在の航空法第百四条に基づく認可という意味では、運航中、要するに扉を閉めて飛び立つときには、この人数がいなければならないというものは規定をしておりますが、飛び立つ前の、乗客の乗ったりおりたりする最中については、法的なものは規定しておりませんが、社内規定で行っているというのが実態でございます。

 しかし、そのときに、飛行機で飛び立つときの係員がゲートといいますか改札業務を行うということで、飛行機の中での点検業務が手薄になっているんじゃないかという御指摘をいただきました。

 確かに、先ほど三井副大臣からお話ありましたように、飛び立つときにはそういう乗客人数と実際の人数が合っているというんですが、誤って、別の飛行機に乗る人が、そうじゃない飛行機に乗り込んでしまったという事例を私も聞いております。

 それで、私が聞いておりますのは先生とは違うかもしれませんが、一月二十八日に熊本空港において、他社便の搭乗券を持った乗客が誤ってゲートを通過した事案が発生した。しかし、違うんじゃないですかということを指摘して、その方にはちゃんと別な、正しいところに入ってもらったわけでありますが、いずれにしても、こういう事態が起こりました。

 実は私も、北京から日本に帰るときに、たまたまですが、日本の飛行機会社じゃないんですが、私が乗ろうとしたビジネスクラスにはもう既に別な人が座っておりまして、おかしいじゃないかということを申し上げましたら、いわゆる切符が二枚発行されていて、私はエコノミークラスにどうぞと言われたわけであります。

 こういうことは日本の飛行機会社ではないと思いますが、しかしながら、今御指摘のように、予定した人員じゃない方が入る、あるいはそういう人数にミスマッチがあるということは安全運航上も大変懸念されるわけでありますから、ここについてはしっかりと、私もこの問題について、どういう実態にあるのか、よく関心を持って注視していきたいと思います。

穀田委員 熊本の例は同じ例です。報告されたのが二月十四日だと私は聞いています。

 今見てきましたように、再建を目指す日航の各分野で、安全が脅かされている事態が続出している。しかも、それは急速な人減らしによって起こっている。ここが大問題なんですよ。まだ事故が起きていないことが幸いですけれども、このような状況を知るにつけ、私は、再建そのものができるのかと。安全性を抜いて、そんなことをやっていたらあかんという危惧を感じざるを得ないんです。ですから、きょうは、整備の現場や地上業務の現場や客室乗務員の現場を見てきまして、そこで起こっている問題点について明らかにしたわけです。

 さきに触れたJGSの労働組合は、安全品質管理の低下に危機感を持ち、年末にアンケートを行っています。それによりますと、特別早期退職でJGSグループの安全品質はという問いに対して、八四・五%が以前より低下したと答えています。また、働く上でのモチベーションをどう感じているか、この問いに対して、九一・二%が働く意欲が低下したと答えています。

 このように安全の一番大事な、私、一番最初に触れましたよね、大臣もそのことを認めました、その一番大事な労働者のモチベーションが低下している深刻な実態があります。みんながそう感じているんですよ。人減らし先にありきがここまで安全を脅かしていることを認識せねば、えらいことになると私は考えます。

 そこで、最後に、今度は厚生労働大臣に少し聞いておきたいと思います。

 整理解雇四要件の第一番目の要件は何ですか。

細川国務大臣 整理解雇の四要件の第一は、人員整理の必要性ということを言われております。

穀田委員 ちょっと、もう少し丁寧に言ってほしいね。必要性。まあ、いいですよ。要するに、企業の維持存続ができないほど差し迫った必要があることということですな。うなずいておられるから、そうだと。

 では、日航のグループの昨年の四月から十二月の連結営業利益は幾らか。

三井副大臣 日本航空におけます平成二十二年四月から十二月までの連結営業利益は、一千五百八十六億六百万円となっております。

穀田委員 一千五百八十六億円何がしのもうけを上げていると。

 JALインターナショナル本体の人員削減の現状は、資料三―一の上の表を見てください。三月から十二月の期間に五千七百人も減らしています。本体だけでもおよそ三分の一の人員が減っています。これは裁判所に提出した日航の月間報告より作成しました。下の表は九月以降の削減計画です。十二月二十七日までの実績は千七百三十三名で、計画を上回っている。これだけでも削減数は達成しているのだが、さらにはっきりしている数字があります。

 上の表は実際にJALインターナショナルに残っている人数だが、九月以降、十一月末時点で、全体で二千百人が減っている。運航乗務員も八百名、客室乗務員も九百名が減っています。下の表の削減計画と比べると、運航乗務員の計画三百七十一名に対して八百名、客室乗務員の六百六十二名に対して九百名、いずれも大幅に計画を上回って実行されている。利益も更生計画案の予定より大幅に増益している。人員削減も既に超過達成している。

 稲盛和夫日航会長は、二月八日に日本記者クラブの講演で何と言っているか。整理解雇の百六十人を残すことが経営上不可能かといえば、そうではないのは皆さんもおわかりになると思います、私もそう思います、こう言っているんですよ。皆さんもおわかりになると思いますと、だれでもわかるということだと念を押しているんです。

 つまり、これは、整理解雇の必要性はない、正当性がないということを当事者みずからが認めた発言以外の何物でもありません。大臣はどう思いますか。

大畠国務大臣 ただいまの御指摘については御本人からも私も確認をさせていただきますが、いずれにしても、飛行機会社の再生ということは、先ほどのお話のように、絶対安全というのが原点になっておりますから、そういう意味では、志位委員長からも御指摘いただきましたように、ベテランのパイロットですとか、あるいはベテランの整備関係の方々のところまで及んでいて、安全性というのがどうやって担保できるのか。こういうことからも、ぜひきちっとした形で私自身も確認をしたいと思います。

穀田委員 今お話があった安全性の問題についてはそうなんですけれども、問題は、そういう安全性を、実は整理解雇という形で、急速な人減らしによって起こっているんですよ。そこの点が肝心なんですよ。そして、そのことは理由がないと。日航の会長自身がどう言っているか。さっき言いましたように、残すことが経営上不可能かといえば、そうではない、それは皆さんもわかる、私もそう思います、だれでもわかるという話をしているのに、そんなことをやって平気で首を切っていること自体が問題だ。

 ですから、今問わなければならない最大の問題は、こんな理不尽な正当性のない不当解雇を許していいのか。そして、労働者、国民の権利を侵害し、航空の安全を脅かしている実態を政治家としてどう考えるかということが問われているんですよ。

 私は、最後に、どうしても整理解雇自身を直ちに撤回させるように日航みずから指導すべきだと考えますが、いかがですか。

中井委員長 時間が来ていますが、答弁は要りますか。

穀田委員 はい。

大畠国務大臣 穀田議員からのきょうの質疑というものを踏まえて、明日、社長からもこの件についてもお話をお伺いするし、また会長からもお話を伺いたいと思います。

穀田委員 終わります。

中井委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。

 次に、吉泉秀男君。

吉泉委員 社会民主党の吉泉秀男です。

 記録的な豪雪によって百二十二名の方々が亡くなられたことに対しまして、心から御冥福をお祈り申し上げ、質問に入らせていただきます。

 私の地元山形、東北は、八割以上が豪雪地帯であり、かつ三割以上が特別豪雪地帯であります。平成十八年も大変な豪雪でありましたけれども、ことしはまさに、今八メートル以上の雪の壁の中で住民が不自由な生活を強いられておりますし、そしてまた、屋根から雪をおろしても、もう家の周りそのものが捨てる場所がない、雪で埋もれる、そういう住宅も今出てきているのでございます。そんな中で、まさにじっと雪解けを待つ、こういう今不自由な生活。このことを思うときに、何とか私たち政治の力で対策を講じなきゃならない、こういうふうにも思う一人でもございます。

 ましてや、自治体の除雪費用もはね上がり、補正を組んでもさらに追加の補正を組まざるを得ない、こういう自治体もふえてきております。十八年の豪雪時には、国交省で、道府県に対して三百二十八億円、市町村に対して百九十五億円、合わせて五百二十三億円の措置を行っております。今回は、先日、社会資本整備総合交付金の中から二十二道府県に対して百一億円が配分されました。非常に少ない、そういうふうには自分自身思っております。暫定措置ではあるだろうというふうに思います。しかし、五年前のこの豪雪、そしてそれを上回ることしの豪雪、そして悲鳴、こういう状況のときに、今回のこの百一億円、配分されたこの基準、このことがどういう内容の中で配分をされたのか、まずお伺いをさせていただきたい、こう思っております。

 そしてまた同時に、市町村に対してどうなのか。市町村に対して、今国交省は、降雪状況や除雪費の執行状況をこれから把握してその調査をやるんだ、そしてその配分等を含めて対応を決めたい、こういう内容でお伺いをしております。しかし、悲鳴を上げている各自治体からは、対応が遅い、こういう声が上がっております。それぞれ公共事業が少なくなっている中で建設業の人方に対してお願いをしている、しかし作業員が集まらない、こういう現状も今あるわけでございます。

 住民が安心して暮らせる環境を維持していくために、各自治体は一生懸命に汗をかいているのでございます。そんな面からいって、除雪対策に対する、市町村に対する負担、さらには道府県に対する追加支援、こういった部分を今後どのように準備をなされ、進めようとしているのか、大臣にまずお伺いさせていただきます。

大畠国務大臣 吉泉議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 先生の御地元も雪で大変だというお話を聞いているところでありますが、国土交通省として、今回のことしの雪、これほどの豪雪になるとは予想をしていなかったわけでありますが、現在の状況については、平成十七年の豪雪に次ぐ形で推移をしておりまして、先生御指摘のように、除雪費というのが各地で不足をしている。こういう状況を踏まえて、先ほど御指摘をいただきましたように、追加の支援を行うということをしたわけであります。

 特に、過去五年間の平均に対して一・三倍、こういう状況でありますから、二月十日に、先ほど御指摘いただきましたように、道府県に対して保留していた社会資本整備総合交付金というものを百一億円、先生からは少ない、こういう御指摘もいただいたところでありますが、これを各地域におけるこれまでの除雪に要する費用をもとに、この冬の降雪量に応じて配分額を決定させていただいたところであります。

 さらに、市町村道の除雪に対しても非常に市町村が困っている、こういう御指摘をいただいておりまして、追加的な対策をとるべきだということで、二月十日に各市町村の降雪状況や除雪費の執行状況を把握する調査に着手したところでありまして、今後、その結果を踏まえて支援についても検討してまいりたいと考えております。

吉泉委員 大臣、自分自身思うのは、確かに今百一億円、これが追加配分された。しかし、十七年から十八年にかけて、あの記録的な大雪の中では、今お話ししましたとおり、五百二十三億円、これが国から各県市に対応されているわけです。そうすると、今百一億というのは県に対して、こういう状況でございますから、十七年から十八年に対しては道府県に対して三百二十八億円、これが対策されているわけです。そうすると、いわゆる一括交付金にはいろいろな部分があるというふうに思うわけでございますけれども、国として、今の現状からいって、トータル的に見てどうなのか、こういうことなんです。

 ですから、全体的な数字から見れば三分の一、こういうふうに見ざるを得ないわけでございますけれども、私はそうではないというふうに思っています。しかし、今回の措置については暫定措置だ、私はこういうふうに思っています。ですから、今後、市町村のところ、さらには県に対するそういう一つの追加はまたあるのか、そういうことも含めて、どういうふうに考えているのかということをお聞きしたいわけでございます。

大畠国務大臣 御指摘のように、平成十七年度のときには、市町村道に臨時特別措置として事業費百九十五億円、国費九十八億円、補助率二分の一ということをやったことは先生の御指摘のとおりであります。

 今回も、それに次ぐといいますか、それと同等の豪雪ということを踏まえまして、私たちも今準備しているところでありますが、いずれにしても、霧島の噴火にしろ、この豪雪にしろ、市町村が必死になって住民の生活を守ろうとしているわけでありますから、そのときに国が最大限の、できる限りの対策をとるのは当然でありますので、私たちは今、その準備に入っているということだけ申し上げさせていただきたいと思います。

吉泉委員 県なり市町村は今、三月議会に向けて、それぞれ議員の全員集会とかいろいろな部分の中で、豪雪地帯の中における除雪、この部分についていろいろな議論がなされているわけです。

 今現在の段階では、道府県、この部分をやったわけですけれども、今現在の段階で議会を前にしながら、市町村に対しては、何ら対応はまだメッセージがなされていない、こういう状況なんです。だからこそ悲鳴を上げているんです。遅いと言われているわけです。

 ですから、そういう一つ一つの手順、そういうものはあるんだろうというふうに思っておりますけれども、ぜひ、これから雪が降らないということも祈りたい、そういう気持ちでいっぱいではございますけれども、的確な対応をお願いしたい、このことを要望して、この質問を終わらせていただきたい、こう思います。

 次に、財務大臣の方にお伺いをしたいと存じます。

 先日、川村委員の質問に対する大臣の答弁、このことに対して、生産者を含めて、いろいろな人方から問い合わせが来ていることになっております。私は、今の現状の中で、初動の対応を徹底する、このことが大変重要だし、そして、それぞれ、今発生をしている各県、市町村、一生懸命そのことに取り組んでいる、こういうふうにも、私たち、調査も含めて、大変敬意と感謝を申し上げたいというふうにも思っております。

 そして、先日、鹿児島県の出水市の方にお邪魔をさせていただいたときに、感染が出てから埋却処分までするうちに、九時間で終わった、こういった報告もなされてきた。すごいなというふうに思っております。このことについては、昨年の口蹄疫等々を含めたいろいろな部分の中のそれぞれの危機管理、そういった部分の手順の、各県、自治体の準備がなされて、九時間で終わった、このことが出た、こういうふうにも思っております。

 そうした中で、今、この疑似患畜を殺処分する際の補償額、これを五分の四から五分の五に引き上げた家伝法の改正、このことについて、私たち、党首も含めて、要望をしているわけでございます。農林水産大臣も、十五日、前向きな考え方を示しているというふうに思っています。そして、全体的に迅速な初動対応ができれば、結果としては、トータル的に、財政負担、この部分は小さくなるんだろうというふうにも私は思っております。

 大臣は、十五日の予算委員会で、川村委員の質問に対し、手当金は早期届け出の奨励措置であり損失補てんとは位置づけられていない、こういうふうに答弁されています。私も、まさにそのとおりであるというふうに思っております。しかし、私たち、そういう損失補てんをするために五分の五、全額補償すべき、こういうふうに言っているのではございません。早期の届け出を徹底し、初期の対応に万全を期すために、そのために五分の五が必要だ、こういうふうに言っているのでございます。

 世界的に見ても、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、ニュージーランド、韓国等々は、すべて全額を補てんしている現状にございます。家伝法のこの五分の五、このことについて、趣旨をゆがめるものではないというふうに私は思っております。そして、私たち自体、大臣の答弁にあったような内容と相入れない、こういうものでは決してないというふうに思っております。

 今、生産者からは、朝、鶏舎に行くのが怖い、死んでいるのか、こういうふうな形で生産者がおびえているのも事実でございます。そしてまた、野鳥、渡り鳥、こういうところが一つ大きな感染のルート、こういう一つの疑いが大きく広がっていく中で、大変な状況にあります。

 私の出身地山形は、ハクチョウの飛来地でございます。そして、その中においても、やはり死んだカモとか出てきています。しかし、それはまだ陰性ということで、今大変ほっとしているわけでございますけれども、やはりこれから、こういう不安、そういうものを含めて、私は、家伝法の改正、そのことを一日も早くやらなきゃならない、こういうふうに思っておりますし、ぜひ大臣としての考え方をもう一度お聞かせ願えればというふうに思います。

野田国務大臣 吉泉委員の御指摘のとおりというところは、基本的には、迅速な初動対応をすればトータルでは財政負担は小さくなるということは、それは間違いなくそうだろうと思うんです。現実に、現在発生している鳥インフルエンザに対する対応については、早期通報、そして早期殺処分が現実に今行われているというふうに思います。いろいろ、今までの教訓も踏まえながらそういう対応が今なされているというふうに思いますが、ただ、初動対応と、手当金を例えば全額国庫負担することとの関係は一体どういうことなのかということは、これはよく整理して考えた方がいいだろうと。

 初動自体は早い方がいい、それは財政負担は小さくなる、それは間違いないと思います。でも、手当金を五分の四から五分の五に上げることと、初期初動との、スピード感との話が連動するかどうかということは、これはよく議論しなければいけないと思いますし、今の法律のたてつけ自体が、この間川村委員に御答弁させていただいたように、損失補てんではなくて、いわゆる早期の対応を促す、そういう法のたてつけになっていて、加えて、国と地方の役割分担をどうするかとか、あるいは激甚災害の災害復旧でも国庫負担は最大で補助率九割とか、そういういろいろなバランスの問題もあると思いますので、そういう意味での検討を要するということを申し上げたということでございます。

吉泉委員 農林の委員会等の中でこの議論は相当なされるというふうに思っていますし、自分自身もそこのメンバーでもございます。その中で、なるべく早い段階で家伝法の改正の部分を提案されるような、そういう閣内での対応についてお願いをしたいし、大変やはり今、全国的にそれぞれ生産者が不安を抱えている、こういう状況もございますので、その辺について、ひとつよろしく御指導の方をお願い申し上げまして、大臣に対する質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

中井委員長 吉泉さん、ちょっと口を挟んで申しわけありません。

 先ほどの雪害対策のお話はそのとおりでございます。五百八億円という数値は、調べましたところ、前回予備費で出ているのは百二十億。地方交付税も入っての五百八億だというお話でしょうか。

吉泉委員 そのところ……

中井委員長 いや、ちょっと僕、今答えるのがおりませんので。

 地方交付税が入っているということなら、この間片山総務大臣がここで、もうじき地方交付税の算定があるので、雪害は必ず入れます、こういう約束をしていますので、場合によっては総務大臣に説明に行かせます。それでいいですか。

吉泉委員 はい、ありがとうございます。

中井委員長 それでは、そういうことで。

 総務省、済みませんが、ちょっと説明に行くように、だれか手配してください。

 時間、ごめんなさい。

吉泉委員 三十分しかないんですけれども。

 次に、TPP問題について、国家戦略担当大臣にお伺いをさせていただきます。本当に時間がないものですから、相当はしょります。

 私は、一つのところの中で、農業問題ということについて、開国に合わせた、いわゆる一番大きな影響を受ける農業というものに対してどうしていくのか、こういったところはよく総理も言っているわけでございます。

 その中で、これまでの私方のとらえ方、それは、日本がとってきた、貿易に対して、相手国に対してやってきたことについては、多様な農業の共存の基本理念、そして、守るべきものは守る、こういうことで農業団体なり生産者に言ってきたわけでございますけれども、このことが、EPAの問題なんかも含めて、この基本的な日本の政府の考え方、この姿勢、これをずっと堅持をするのか変わるのか、こういったところについてまずはお伺いさせていただきます。

玄葉国務大臣 吉泉委員の、多様な農業を、特に民主党農政になって守ると言ってきたのに、そこは変わるのか、多分こういう御趣旨だと思いますけれども、今、御存じのように、二百六十万の農家です。私が初めて国会に出たときは倍いらっしゃいました。ですから、選別の余地がないという思いがあって、基本的に下支えをする、多様な農業は守りたいという思いがございます。

 同時に、では、それだけでいいのかといったらば、十年後、恐らく百万人くらい減るだろうというふうに言われているわけです。したがって、今回の経済連携あるなしにかかわらず、農業の問題は根本的に考えなきゃいけないところがありますが、この経済連携を契機として、攻めの部分、例えば輸出、ブランド化、六次産業化、こういったことに対しての方向性を出していこうじゃないか。

 例えば、わかりやすいので輸出のことを申し上げれば、現在、四千五百億です。水産物を入れてです。水産物を入れないとたしか二千六百億ぐらいしかありません。例えばヨーロッパの同じような地形のドイツとかオランダは、水産物を入れずに六兆あるんですね。ドイツは恐らく、ドイツの自給率を保っている、そのうちの三割は輸出なんですね。

 ですから、私は、日本の農業経営者というのは、私の見解ですけれども、世界一優秀じゃないかと思っている。そう考えると、その潜在力が十分引き出せていないんじゃないか。その潜在力を引き出すことをあわせてやらなきゃいけないというのが私の認識でございます。

吉泉委員 しかし、そのことについては、農業の生産者団体、生産者も常にやはり考えている、こういうふうに思っています。特に輸出額が、ずっと自民党時代から一兆円、こういうふうに言われながらも半分にも満たない、こういう状況。そしてまた、それぞれ輸出そのものに一生懸命になっている生産者、さらには生産者団体、こういうものがございます。

 しかし、トータル的に、全体的に見たときに、開国というふうな中において、これからの自由貿易、このことに対して、今の判断、交渉を求めていく際の判断というものについて、大臣としての、今現時点で抱えている課題とか、そういった、もっともっと進めていく上で、進められない、そういう障害、こういった部分、率直に言ってどういう点について考えているのか。農業だけではなくて、全体的な部分で。

玄葉国務大臣 ただいまの御指摘は、かなりある意味広範な意味を含んでいるように思います。

 十分開国しているんじゃないか、こういう議論があるんですね。ですけれども、私は、やはり一つは、FTAのカバー率というのが、例えばお隣の韓国と比べると半分なんですね。あるいは、例えば日本は、EPAを結んでいる国、今度インドと結びましたけれども、十三あるんですけれども、実は自由化率が非常に低いんです。例えば、韓国とアメリカなんかはもう九〇%後半でやっていますけれども、この間一つの例を出したんですけれども、ベトナムと結んでいるんですけれども、何と、自由貿易、FTA、EPAを結んでいるんですよ、結んでいるにもかかわらず、実はバイクを輸出しようと思うと九割の関税がかかっているんです。

 ですから、そういったことを、当然、山形県だって私の出身の福島県だって工場があるわけですね。このままじゃ工場が海外にどんどん出ていっちゃうということをあわせて考えなきゃいけない。

 同時に、先ほど輸出という話がありましたけれども、輸出も恐らく、おっしゃるとおり、努力してこなかったとは私も言いません。ただ、では、例えば中国に輸出するときに何が問題なんだといったら、一番は検疫なんですね。今、ボトルネック何やるかというのは詳しく調査中でございますけれども、そういったことも含めて、実は、開国とあわせて共通のルールをつくれれば、いつも私は申し上げているんですけれども、アジアの富裕層の胃袋は日本の食材で満たすという戦略をつくり得ると思うんです。

 ですから、そういったことも含めて、あわせて同時並行でやっていくというのが、私は先生と同じような農村地域に住む人間として、何とか、工場もなくなる、農業もだめになるということを、そうならないように、むしろ両方とも攻めていくということで解決をさせ、両立をさせたい、そう考えているわけでございます。

吉泉委員 今、NHKの世論調査なり、各社、このTPPの問題についてそれぞれ報道を載せているわけでございますけれども、しかし、全体的に見れば、これだけ働く人たちなり住んでいる人たちが厳しい状況、そしてまた二百万以下で働かざるを得ない、こういう状況の中において、TPPというのは一体どうなの、どういうふうに関係するの、こういう状況の中では半分以上の人たちがなかなかそこに加われない、こういう状況が率直にあるというふうに思っています。

 それと同時に、非常に中国から抜かれて日本そのものの地位が下がってきたな、こういうことに対する危機感もやはり国民は持っているというふうに思っています。そういう面からいえば、もう時間もない、そういう状況の中において、やはりもっともっときちっとそれぞれの情報というものについては開示をしていかなきゃならない、そういうふうに思います。

 しかし、交渉事ですから、そういう面の中では相手と相手があるわけでございますから、その交渉の、言ってみれば一番小さなところまで、何もそこまで求めるものではない、そういうふうに思います。しかし、情報を、ずっとこの間、約半年、それぞれを集める、こういうふうに言いながら、ほとんど、今のホームページを見ましても、なかなかそのところについて議論されるような素材、そういう部分が少ないんですよ。

 ですから、もっともっと国民全体の合意を得る、こういった部分はやはり最低条件でございますから、そんな面においての一つの情報開示の問題、そのところについて、最後でございますけれども、質問させていただきます。

玄葉国務大臣 全くおっしゃった問題意識はよくわかります。超少子高齢化社会を世界に先駆けてやってきている日本です。その中で一定の成長をしなきゃいけない。その有力な一手段として、アジア太平洋四十億人の内需は日本の内需だ、こう考えてこの開国の議論があるということですね。

 一方で、私たちの農業は、これは私から言わせれば戦略物資です。この予算委員会でも議論が出ていますが、GDPに占める割合は一・五%ですが、あのアメリカでさえ一・一%です。EUだって一・六%です。ですから、やはり国民全体で支える農業というのを、攻めの部分も含めて、守りの部分も含めてつくり上げていくということだと思います。

 それで、情報提供を適時適切にやっていきます。今度フォーラムを開催していきますし、そのときに、きちっと資料を当然すべてオープンにいたします。

 ただ、TPPに関しては、TPPそのものについてはまだ交渉に参加していないものですから限りがあります。それと、日豪は今交渉中なものですから、これは相手国との関係で、出せるもの、出せないものがございますので、先ほど吉泉委員がおっしゃったとおり、そこは配慮が必要なんですけれども、出し得る資料についてはでき得る限り御指摘のとおり出させていただいて、有意義な議論、しかも、フォーラムも多様な方々にパネリストに参加をしていただいて、有意義な議論を展開したいな、そう考えているところでございます。

吉泉委員 もう時間がありません。

 このTPPに対して、参考人、そういう場所も何か用意をされている、そういうふうに思っております。ただ、今、私自身、もっともっと議論させていただきたいというふうに思っていますけれども、昨年の段階で、農業については六次化産業と戸別所得補償、この二本でまず頑張ろう、農業の再建をやっていこう、こういうふうに確認をしたわけです。それで、今の状況の中で生産者が何を言っているかといったらば、戸別所得補償制度そのものの法案がない、予算措置である、だから、それに加えてまた今のTPP問題、どうなっていくのか。そういう意味の中で、この所得補償制度も財政によって左右されるんじゃないか、こういう不安も持っているのも事実でございます。

 そんな面で、ひとつよろしくお願いをしながら、答弁を求めてもいいんですか。時間がないところ、大変申しわけないです。

玄葉国務大臣 今のお話は、農林水産大臣がお答えになるのが最も適切だというふうに思います。

 戸別所得補償制度が、おっしゃるとおり、予算措置であるというのは、これは私の承知している限りでは、結局、田植え前には、国会情勢にかかわらず、やはりある程度わかっていなきゃいけないという状況とか、あるいは畑作物の拡大とか、そういった状況があるんだろうというふうに私自身は鹿野大臣から聞いているということだけは申し上げたい。

 ただ、そういった下支えというか、戸別所得補償制度そのものは攻めという部分も当然、加算措置とか今始めましたので、あるんですけれども、そういったことはそういったことでやります。プラスアルファでどうするかということについて、これからしっかり答えを出していきたい、そう考えております。

中井委員長 これにて吉泉君の質疑は終了いたしました。

 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一です。

 きょうも地味なテーマを中心に質問させていただきます。

 最初に、行政刷新担当大臣にお尋ねします。公益法人制度改革について御質問します。

 民主党政権になってから、新しい公共というキーワードのもとで、NPOに対する寄附金優遇税制の拡充、こういったことが行われております。この点に関しては私は大変高く評価しておりますが、同時に、NPOだけが新しい公共の担い手ではありませんで、昔からある公益法人制度に関して、ぜひ、今進んでいる公益法人制度改革の問題点を改めていただきたい、そういう問題意識で質問させていただきます。

 公益法人制度改革というのは、平成十八年の国会で法案が通りました。私も当時賛成したんですけれども、今実際、法律が通った後、現場の声を聞くと、大変評判が悪い制度です。私も賛成してしまったので、当時勉強不足で、今不明を恥じておりますが、ぜひ前向きな方向で改善していただきたい。民主党政権の前の法律ですから、何の遠慮もなく改革できるはずですから、蓮舫大臣にはぜひ前向きにやってほしい。

 特に、規制仕分けをこれからやられると聞いていますが、その中で、公益法人制度の認定のあり方、非常に大きな問題がありますので変えていただきたい、そういう思いのもとに質問させていただきます。

 公益法人というと、大変印象が悪いです。NPOはどちらかというと好印象ですけれども、公益法人というと、漢字検定協会であったり、あるいは今話題の相撲協会であったり、どちらかというと、役所にぶら下がっている何かうさん臭い団体というイメージが持たれておりますが、実際は、公益法人の過半数、七割ぐらいは真っ当な、地道な活動をやっている公益法人であります。

 朝日新聞の記者さん、辻陽明さんという方の調査によると、三割はだめな公益法人だ、役所にぶら下がっている、役所主導の法人、これが三割ぐらいはあるだろう、これは問題であると。ただし、残りの七割ぐらいはまじめな公益法人が多いというふうにこの辻陽明さんという方はおっしゃっております。

 七割が真っ当な活動をやっている公益法人であるにもかかわらず、十把一からげに公益法人イコール悪、そういう印象を持たれているせいで、この公益法人制度改革、大変厳しい制度になってしまっております。

 まじめな公益法人、例えばサントリー文化財団とか日本野鳥の会とか日本国際交流センター、ボーイスカウトもそうですね。そういうまともな公益法人、まじめな公益法人がたくさんあるにもかかわらず、そしてまた、公益法人の多くは、実は職員数は十人に満たない、事業費でいうと一億円以下、そういう小さくて、まじめな公益法人が恐らく七割ぐらいだと思います。それにもかかわらず、非常に厳しい縛りをかけているのが今度の新しい公益法人改革の認定制度であります。

 どちらかというと、役所の天下りの公益法人には甘いのに、本当の純粋な民間の公益法人には厳しい今の改革を何とかしてほしい、そういう声が大変多いわけであります。にもかかわらず、今の公益法人制度のままで、五年以内に新しい法人制度に変わらなきゃいけない、そういう状況にあるんですけれども、今、政府関係者が地方に行って公益法人の説明会をやると、新しい公益法人はハードルが高いです、事務処理が大変です、だったら一般法人を目指しなさいと本音で指導している役所の人もいるそうです。本当にけしからぬことだと思います。

 そういった公益法人認定の事務負担が多過ぎてあきらめてしまっている団体も非常に多いということも言われております。こういう現状について、大臣、どのようにお考えでしょうか。

蓮舫国務大臣 お答えをいたします。

 私ども、新しい公共を掲げて、民間による公益の増進を図っていきたいと努力をしているところでございます。NPOであろうと新しい公益法人であろうと、その役割、その存在というのは極めて重いと私たちは考えています。

 確かに、例えば、昨今ですと日本相撲協会ですとか、一つの不祥事あるいは事件が起きますと、全体的にイメージが悪くなるという傾向はありますが、私は、委員が指摘されたように、公益法人が全体的にうさん臭いとは決して思っていない。まじめに取り組んでくださる法人もたくさんいると思っております。

 その上で、新しい公益法人制度が施行されて以来、委員御指摘のように、手続が複雑であるとか、あるいは、ちょっとわかりづらいであるとか申請が難しいというような声もいただいておりますので、何とか地方に私どもがしっかりと出かけていって、相談会を催したりですとか、あるいはさまざまな相談を受け付ける形、私の方からは、去年の七月、ことしの一月、メールにて、未申請の法人すべてに対して、早期の申請をしていただきたいと促しているなど、さまざまな発信をさせていただいておるところでございます。

山内委員 その早期の申請を促すということに関しても非常に、今の制度のままで早期に提出してもらうよりも、むしろ、制度を改革して、さらに、申請期間を五年じゃなくて、変えた上でもうちょっと延ばすとか、そういった措置が必要ではないかと思っております。

 三つポイントがあります。特に評判の悪い三点に絞ってお尋ねします。

 まず一つが、認定の基準の一つ、役所でつくっている冊子にも書いてありますが、公益目的事業比が五〇%以上じゃなきゃいけないということ。

 これは何が問題かというと、行政の補助金に依存している団体は、このハードルは何ともなく簡単にクリアできるんですね。ところが、民間の公益法人で、自己資金で頑張ってやろうとしているところ、税金の補助をもらわずに何とかやろうとしている団体ほど、この公益目的事業比五〇%規定というのは非常に厳しいハードルになっております。

 例えば、六本木に国際文化会館という組織がありまして、日本文化を海外に発信したり、あるいは、日米交流に一生懸命頑張ってきた、国会議員の皆さん、結構使われているんじゃないかと思います。こういう団体というのは、宿泊事業とかで収益を上げて、その収益をもとにして文化事業とかに回しているわけですね。その方がより持続可能ですし、税金に頼るよりよっぽど健全だと思うんですね。

 しかし、この五十分の百規定、公益事業が五〇%以上じゃないといけないということになると、そういう収益事業を頑張れば頑張るほど公益認定されなくなってしまう。要するに、補助金に頼らないで頑張っている民間法人がひっかかって、補助金頼りでやっている団体の方は結構簡単にクリアできてしまうという非常に矛盾に満ちた規定です。これは何とかすべきではないかと思うんですが、大臣のお考えをお聞きします。

蓮舫国務大臣 公益目的事業、百分の五十以上についてのお尋ねでございましたが、まずもって公益認定法の基準の最初に掲げられているものが、「公益目的事業を行うことを主たる目的」、つまり、主たる目的で公益事業をしてください、それが基準の最初のハードルなんですね。それがすなわち、公益目的事業の財源とするために収益事業を行うこと自体を否定しているものではない。それは収益事業も認められているんですが、少なくとも、法人のすべての活動の中で、公益目的事業の規模の割合は、費用ベースでは五〇%以上というのが適切ではないかというのが、この法の基準が定められた根拠になっているわけです。

 ただ、公益目的事業比率の計算に際しましては、実際に費用として計上されない、ただ、公益を発信していると見られることが可能なものについては、みなし費用の計上が認められています。例えば、公益目的事業を行うときにボランティアの方に働いていただいた。それは人件費はかかっていないけれども、これは公益事業目的ですから、計算の上では、費用は発生していないけれども発生したとみなして算入することができるというふうにもなっておりますので、ぜひこの趣旨を御理解いただければと思います。

山内委員 いろいろな例外規定をつくっていただくのは結構なんですけれども、そもそも論として、百分の五十ですね、この数字がいいのかということ、これ自体をもう一回考えていただきたいと思います。ぜひ規制仕分けなどの場でもう一度現場の声を聞いて、変えていただいた方がいいんじゃないかなと思いますので、頑張っていただきたいと思います。例えば、ユニセフカードの売り上げが異常に伸びたりすると、ユニセフ協会認定取り消しみたいなことになるのはばかばかしいわけでありまして、最初につくったときの趣旨をもう一度見直した上で、ぜひ再検討をお願いしたいと思います。

 二番目に、公益認定基準の一つとして、遊休財産の制限というのがあります。具体的な使い道が決まっていない財産が一年間の公益目的事業費を超えてはいけないという規定です。

 これも非常に、健全な運営をしようとすればするほど、この規定が足かせになります。例えば、三年間途上国で農業プロジェクトをやりたいなと思ったら、ある程度お金を積んでおこうと思うのが健全な経営感覚だと思うんですけれども、そうやって積んじゃうと、遊休財産が多過ぎるからだめだといって認定されないんですね。要するに、公益法人は宵越しの金は持っちゃいけないよというような規定をつくってしまっています。

 これは多分、つくった人が役所の単年度主義の発想にとらわれていたんだと思うんですね。こういう単年度発想で財団とかを運営するのはなかなか難しくて、例えばお金持ちの方が百億円ぽんと寄附してくれた、小さな財団だと百億円を一年で使うのは大変ですから、十年、一年に十億ずつ使っていった方がよっぽど計画的で健全な使い道ができると思うんです。そういうことをやると、もう公益法人になれないんですね。

 こんなおかしな制度は、やはりこんな規定はやめちゃった方がいいんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

蓮舫国務大臣 お答えをいたします。

 今御指摘の遊休財産規制ですが、公益法人が国民の皆様方の寄附あるいは税制上の優遇措置を受けて公益目的事業を行う存在であることを考えますと、公益目的事業と無関係にその法人の内部に過大に財産を持ってはいけないということからつくらせていただいている制度なんですが、今委員御指摘の、長期のプロジェクトのための資金、あるいは公益目的事業のために受け入れた寄附金などについては、目的が定まっている財産と考えられ、遊休財産額の計算に当たっては当該財産は控除されることになる。つまり、公益事業に充てる積み立てとして区分会計をした場合には、これは遊休財産額には当たらない。除外される。

 実は、山内委員のこの御指摘が、大変多い私どもへの問い合わせにもなっていますので、ぜひこれは誤解がないように私どももこれから積極的に発信をさせていただきたいと思いますが、区分会計で、公益目的で長期にわたって使うんだと処理をしていただければ、それは遊休財産とは我々はみなしません。

山内委員 ぜひ蓮舫大臣には、役所のメモそのままのような説明で納得されるのではなくて、もうちょっと使い勝手のいい制度をつくるようにお願いしたいんです。

 役所の言う、細かい使い道を決めて、プロジェクトの実施計画を十年先まで出せとか、これは何か、新しい法人に認定されるまで、百年先までつくってもいいとかいうおかしな規定があるそうなんですけれども、そんな百年先のニーズなんかわからないし、例えば一年先のニーズだってなかなかわかりません。難民援助にどこかアフリカに行ってみました、食糧援助をやろうと思って行ったら本当は水の方が大事だったとか、その場のニーズに応じて新しい事業をやろうとか柔軟に対応しようと思うと、役所みたいに五年先、十年先まで変な計画をつくっていると、ソ連の社会主義じゃないんですから、なかなかうまい、いいプロジェクトはできないんですね。

 そういった意味では、役所的発想で、何か細かい数値をいっぱい入れた分厚い書類をつくれば許してやるというその発想自体、変えていかなくちゃいけないんじゃないかなというふうに思っておりますので、ぜひユーザーの立場に立って、やたらと事務負担が多いと言われているこういう規定は改めていただきたいというふうに思います。

 それと、三つ目の改めてほしい要件があります。公益法人認定条件の一つとして収支相償というのがあります。以上三つを、堀田さん、さわやか福祉財団の方は、公益法人改革の三悪人と呼んでおります。

 この収支相償というのは、公益目的事業の収入の額が適正な費用を超えてはいけないという規定です。だれが適正と決めるかどうか。これも役人的発想なんですけれども、コストと収入が一緒じゃなきゃいけない、利益を上げちゃいけないという発想ですね。

 しかし、事業をやっていくと、拡大再生産をやりたいなと思ったら、ちょっとぐらい利益を留保したいと思うのが普通ですし、全部うまく売り切れるとは限りませんから、在庫になって捨てなきゃいけないかもしれない。そういうことを考えると、この収支相償みたいな発想は、民間企業だったらなかなかできない、役所的な発想だと思うんです。

 この変な規定、変な縛りを減らして、その方がチェックする役所も楽だと思うんですけれども、もう少し使い勝手のいい、民間主導のまじめな公益法人ほど困ってしまうこういう規定は変えなきゃいけないと思うんですが、この収支相償についてどのようにお考えでしょうか。

蓮舫国務大臣 御指摘、全くそのとおりだと私も思っておりまして、実はこれは相当事務方とも話をしたんですけれども、これも若干誤解が広がっている部分がありますので、ぜひ山内委員にも広く発信をしていただきたいと思いますが、もともと、公益法人というのは公益の増進のために事業を行うわけであって、その法人のもとに剰余金がたまるという発想がないわけですね、その公益に使うわけですから。

 ただ、予想外にたくさんの会費、寄附が集まったとか、あるいはさまざまな剰余が生じてしまったという場合がある。収支を全くゼロにするというのは難しいわけで、結果として剰余が集まる場合もありますので、その剰余が公益目的に使われるためであれば、それは我々は、収支相償は満たされていると判断をしています。

山内委員 一応そういう例外規定みたいなものはいっぱいつくっていただいているんですけれども、実際にはなかなか使い勝手が悪い。私、前に勤めていたNPOで、マツタケを大量に途上国から輸入して、余って腐りそうになったので必死で食べたことがあるんですけれども、そういう失敗は必ず起きるわけで、そういうときに、値つけのときに収支相償をやらないといけないと言われると、非常に厳しくなってしまいます。

 そういうところでも、今度やられる規制仕分けのメンバーの皆さんで現場の声を聞いていただいて、変えられるところは変えてほしいと思いますし、五年間、短いという声も結構聞きます。全体二万五千ある公益法人のうち一割ぐらいしかまだ申請が来ていないんじゃないかと思うんですけれども、ぜひ、まず条件を変えること、そして、変えた上で、五年間じゃなくてもうちょっと、七年とか八年とか時間をかけて移行していけるようにしていただきたいと思います。

 公益法人のほとんどは、事務員さんが何人かしかいない、公益法人認定を受けるために二人専従スタッフをべた張りにしないといけない、そういう声も聞いています。新しい公共を支える柱としては、実はNPOと同じかそれ以上に公益法人というのは重要だと思います。事業費ベースでいうとNPOの何十倍も公益法人は事業をやっていますので、そういう真っ当な公益法人、後でちょっと真っ当じゃない公益法人についてお尋ねしますけれども、真っ当な公益法人については助けるような仕組みをぜひつくっていただきたいというふうに思っております。

 以上で蓮舫大臣への質問は終わりますので、もしお帰りになるのであれば、どうぞ。

 続きまして、外国人看護師、介護福祉士の受け入れについてお尋ねしたいと思います。

 午前中に公明党の古屋委員からも同様の質問がありまして、重なる部分はありますが、改めて質問させていただきたいと思いますので、味のある答弁をお願いしたいと思っております。

 今回、EPAの取り決めによって、フィリピン、インドネシアの看護師が日本に来て働いております。三年間のうちに看護師の国家試験に合格しないと帰国しないといけない。この点に関しては、一年延長していただいたようなので、違いましたっけ、制度を変更して、大分前よりは緩くなったというふうに報道されておりましたが、そういった意味では多少は改善されていると思うんですが、平成二十二年度は二百五十四名受験者がいて、わずか三名しか通らない、合格率一・二%。この一・二というのは、私、見たときに、衝撃的な低さじゃないかなと。こんな非人道的な制度をつくって、人の、ある意味、もしかしたらフィリピンやインドネシアの看護師や介護士さんの人生を狂わせているかもしれません。こんな制度、本当にいいんでしょうか。

 その点について、経産大臣と厚労大臣と、お二人にお考えをお聞きします。

海江田国務大臣 山内委員にお答えをいたします。

 私ども経産省では、フィリピンなりインドネシアなり、来日されましたその直後に、六カ月間でございますが語学研修をやることになっております。恐らく、この語学研修の中身が、本当にそれこそ、この試験に合格をするようなものになっているのかどうなのかというような問題意識でお尋ねがあったんだろうと思いますので、私も、その意味において、この日本語研修のカリキュラムを点検してみました。

 まず、基礎日本語と看護、介護の専門用語ということで六百七十五時間費やすことになっておりますが、そこで、この看護、介護の専門用語は、語彙にして八百五十語、漢字にして二百字を習得するようにということになっております。基礎日本語は、語彙にして二千七百語、漢字にして五百字ということでございますから、例えば、まずこの枠内で考えるとすれば、やはりこの看護、介護の専門用語の時間をもう少したっぷりととるとか、こんなような改善も考えられます。

 ただ、これだけやったからといって、すぐにこの一・二%が格段に上がるとも限りませんので、ここは私どものところを離れてでございますが、来日前の研修でありますとか、これは外務省になろうかと思います。あるいは厚生労働省、この後、答弁があろうかと思いますが、病院や介護施設での研修の合間を縫ってのこの教育、改めての追加的な教育、ここを充実させるとか、とにかくおっしゃるような一・二%というのは、せっかくお招きをしておいて、これは本当に恥ずかしい数字でございますから、私どものできる範囲で改善に努めていきたい、このように思っております。

細川国務大臣 厚労省といたしましても、できるだけ多くの研修生の皆さんが、予定者の皆さんが合格をしてほしい、こういうことでありますけれども、余りにも合格率が悪いということで、私自身も大変ショックも受けたところでございます。

 そこで、どうしてそういう合格率が悪いのかということで、一つは日本語の問題も今経産大臣の方からお話がありましたけれども、そのほかにも、試験問題が非常に難解ではないか、こういうことも言われておりまして、そこでまず、試験問題についての難解な一般用語の平易な用語への置きかえとか、あるいは疾病名の英語の併記とか、こういうことで今度の試験については用語の平易化をさせたところでございます。

 また、できるだけ懇切丁寧に研修ができるという条件も整えなければということで、平成二十二年度は、その前の予算の十倍を確保いたしまして、巡回指導を活用した学習の支援とか、あるいは学習教材や翻訳した国家試験問題の提供、あるいは模擬試験をやったり集合研修をやるとか、いろいろな研修の助けをしているところでございまして、今度、二月の二十日に試験がありますけれども、その結果について、いい結果が出るようにということを望んでいるところでございます。

山内委員 時間がないので、一方的にお願いだけさせていただきたいと思います。

 途上国、フィリピンやインドネシアから来た看護婦さん、言葉の壁があるというマイナス面もありますが、例えばフィリピンの看護婦さんは英語で看護教育を受けていますから、もしかすると、外国人の患者さんの介護という意味でかなりプラス面もあるんじゃないか。

 あるいは、看護、介護、これから発展途上国でも高齢化が進みますから、恐らく、日本で進んだ技術を学んで母国に帰ったら、ある意味、プラスの技術移転という意味でもポジティブな影響があると思いますので、とにかく言葉のハードル、特に無意味に難しい漢字を使うとか、そういうことはもうそろそろ厚労省の試験問題をつくるときに変えていただいた方がいいんじゃないか。

 例えば、床ずれのことを褥瘡という、これは古屋さんもおっしゃっていました。それから、あおむけのことを仰臥位という。こんなことは普通の日本人でも知りませんから、こういう変な日本語でつくるんじゃなくて、普通の言葉で、医学的なレベルは下げなくていいんですけれども、日本語のレベルは下げることはできると思いますので、それはほかの日本人のためにもプラスになると思いますので、ぜひ改善をお願いしたいというふうに思います。

 続きまして、ちょっと時間がないので、難民の受け入れについてお尋ねをしたいと思います。

 最初に、外務大臣にお尋ねします。

 日本は、かつてインドシナ難民を大量に受け入れていた時期がありました。そのころのプログラム、数十年前のプログラムに関して、外務省でもフォローアップの調査を何度かやっているはずですね。

 ところが、今度の新しく始まる第三国定住プログラムの内容を見ると、余り数十年前から進歩が見られないという印象を受けます。余り評判がよくなかった部分は当然改善しなきゃいけない、改善されるものと期待しておりましたが、そうでもないという指摘がありますが、その受け入れ事業について大臣の御所見を伺います。

前原国務大臣 インドシナ難民につきましては、一九七八年から二〇〇五年末まで、合計で一万一千三百十九名であります。

 ただ、今回は、先ほど山内委員がおっしゃったように、一年間約三十名で三年間ということで、今は第一陣は二十七名が来ております。

 同じところで申し上げますと、百八十日間の定住支援プログラム、これは日本語教育、職業相談、就職先のあっせんなどの支援ということ、そして、その後は自立生活ということであります。

 これは一緒なんですが、今回違うところといえば、入国前のタイの難民キャンプにおいての三、四週間の出国前研修及び健康診断。そして、出国前研修では、基本的な生活習慣に関するガイダンスや日本語教育を行っているということでありますし、また、二十七名という少ない五家族でございますので、就職支援等をきめ細かく行っているということであります。

 ただ、どなたか同僚委員の、いや、あれは記者会見でしたね、御要望があったんですが、どういったところを直した方がいいんじゃないかという建設的な御要望があれば、我々は真摯に承りたいと考えております。

山内委員 今度、ぜひ時間のあるときに具体的な提案をさせていただきたいと思いますが、きょうは法務大臣にお越しいただいていますので、難民申請の手続についてお尋ねしたいと思います。

 以前よりは改善されましたが、いまだに難民申請、認定申請をしてから結果が出るまで十一カ月とか十二カ月という期間がかかります。ところが、この申請をして待っている間の十一カ月、十二カ月、就労資格がないので働けません。働けなくて収入源がない難民はどうしようもないわけで、不法就労するか飢えるしかないということになると、どうしても不法就労に行ってしまう、あるいは、場合によっては犯罪に行かざるを得ない状況に追い込まれてしまう。

 こういうことを考えると、申請してから申請がおりるまでの期間をもっと短くするか、さもなくば就労する許可を与える必要があろうかと思いますが、その点について大臣のお考えをお聞きします。

江田国務大臣 難民のことについて関心を持っていただいて、大変感謝を申し上げます。

 難民の認定を申請する場合に二つのパターンがありまして、一つは、在留許可、本邦の在留資格を持っている場合ですね。これは、今はもう半数以上の人がこの資格を持っている場合で、その場合でしかも就労の資格を持っている場合には、これは問題ありません。

 就労の資格がないが、しかし在留の資格はあるという場合で難民申請した場合には、一定の期間を経過しましたら、今度は、難民認定活動をやるためにということで就労の資格が認められるというのが今は実情になっております。

 ただ、半数いかないとはいいましても、不法滞在者とか在留資格を有していない者が難民認定申請をしてくるということは当然ありまして、その場合に、難民認定申請すればすぐ就労資格を与えるとなりますと、ちょっといろいろ濫用のおそれが出てくるので、ここはなかなか難しい。

 ただ、おっしゃるとおり、期間を短くする、これは非常に重要なことで、去年、そういう期間を短くするという目標を立てまして、ことしの三月までには何とか六カ月でちゃんとその答えが出るように努力をするというのが今の現状でございます。

山内委員 時間が参りましたので、最後に外務大臣と法務大臣にお願いだけさせていただきたいと思います。

 難民というのは正式名称で言うと政治的庇護希望者でありまして、例えば、ビルマの軍事政権に弾圧された民主化運動のリーダーなんかが日本にも結構来ておられます。こういう人たちは、今、世界各地で独裁政権が終わって民主化運動が盛んになっている地域がありますけれども、もし例えばミャンマーで政権が倒れて民主化になった暁には、突然、日本にいる難民が母国に帰って大臣になっちゃうというケースは容易に想像できるんですね。

 そういった意味では、こういう難民の人たちに対する扱いというのは、日本の国益、アウン・サン・スー・チーの側近と言われている人も日本で難民申請しています。こういう人がもしかすると急に母国に帰って外務大臣になるかもしれない。そういった意味では、政治的亡命者に対する扱いというのは、日本の国としての姿勢を問われますので、もう少し前向きな改善をお願いしたいと思います。

 以上です。

中井委員長 これにて山内君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十八日午前九時から委員会を開会し、参考人の意見陳述及び参考人に対する質疑を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三分散会


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