衆議院

メインへスキップ



第1号 平成23年9月26日(月曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(平成二十三年九月十三日)(火曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 中井  洽君

   理事 泉  健太君 理事 城井  崇君

   理事 武正 公一君 理事 手塚 仁雄君

   理事 若泉 征三君 理事 塩崎 恭久君

   理事 武部  勤君 理事 富田 茂之君

      稲見 哲男君    打越あかし君

      生方 幸夫君    小川 淳也君

      大串 博志君    海江田万里君

      金森  正君    川村秀三郎君

      吉良 州司君    郡  和子君

      佐々木隆博君    城島 光力君

      高井 美穂君    高邑  勉君

      竹田 光明君    津村 啓介君

      中根 康浩君    仲野 博子君

      畑  浩治君    本多 平直君

      三谷 光男君    宮島 大典君

      村越 祐民君    森本 哲生君

      山口  壯君    渡部 恒三君

      小里 泰弘君    金子 一義君

      金田 勝年君    小泉進次郎君

      佐田玄一郎君    齋藤  健君

      菅原 一秀君    野田  毅君

      馳   浩君    山本 幸三君

      遠山 清彦君    笠井  亮君

      阿部 知子君    山内 康一君

      下地 幹郎君

平成二十三年九月二十六日(月曜日)

    午前八時五十七分開議

 出席委員

   委員長 中井  洽君

   理事 岡田 克也君 理事 笹木 竜三君

   理事 武正 公一君 理事 西村智奈美君

   理事 若井 康彦君 理事 若泉 征三君

   理事 塩崎 恭久君 理事 武部  勤君

   理事 富田 茂之君

      石関 貴史君    今井 雅人君

      打越あかし君    江端 貴子君

      大西 健介君    逢坂 誠二君

      金森  正君    川内 博史君

      岸本 周平君    櫛渕 万里君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      佐々木隆博君    城島 光力君

      竹田 光明君    玉城デニー君

      中野 寛成君    中林美恵子君

      仁木 博文君    橋本 博明君

      花咲 宏基君    馬淵 澄夫君

      前原 誠司君    村越 祐民君

      室井 秀子君    山岡 達丸君

      山崎  誠君    山田 良司君

      横山 北斗君    和田 隆志君

      渡部 恒三君    石原 伸晃君

      稲田 朋美君    小里 泰弘君

      金子 一義君    金田 勝年君

      小泉進次郎君    佐田玄一郎君

      齋藤  健君    菅原 一秀君

      田村 憲久君    橘 慶一郎君

      野田  毅君    馳   浩君

      山本 幸三君    吉野 正芳君

      遠山 清彦君    笠井  亮君

      阿部 知子君    山内 康一君

      下地 幹郎君    田中 康夫君

    …………………………………

   内閣総理大臣       野田 佳彦君

   総務大臣

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (地域主権推進担当)   川端 達夫君

   法務大臣         平岡 秀夫君

   外務大臣         玄葉光一郎君

   財務大臣         安住  淳君

   文部科学大臣       中川 正春君

   厚生労働大臣       小宮山洋子君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   経済産業大臣       枝野 幸男君

   国土交通大臣       前田 武志君

   環境大臣

   国務大臣

   (原発事故の収束及び再発防止担当)

   (原子力損害賠償支援機構担当)          細野 豪志君

   防衛大臣         一川 保夫君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     藤村  修君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (消費者及び食品安全担当)

   (拉致問題担当)     山岡 賢次君

   国務大臣

   (金融担当)       自見庄三郎君

   国務大臣

   (国家戦略担当)

   (経済財政政策担当)

   (科学技術政策担当)   古川 元久君

   国務大臣

   (「新しい公共」担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)

   (行政刷新担当)

   (公務員制度改革担当)  蓮   舫君

   国務大臣

   (防災担当)       平野 達男君

   内閣官房副長官      齋藤  勁君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   財務大臣政務官      三谷 光男君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)     深野 弘行君

   参考人

   (原子力安全委員会委員長)            班目 春樹君

   参考人

   (東京電力株式会社取締役副社長)         山崎 雅男君

   参考人

   (東京電力株式会社取締役社長)          西澤 俊夫君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

九月十三日

 辞任         補欠選任

  泉  健太君     石関 貴史君

  稲見 哲男君     今井 雅人君

  生方 幸夫君     江端 貴子君

  小川 淳也君     大西 健介君

  大串 博志君     逢坂 誠二君

  海江田万里君     岡田 克也君

  川村秀三郎君     川内 博史君

  吉良 州司君     岸本 周平君

  城井  崇君     小山 展弘君

  郡  和子君     近藤 和也君

  城島 光力君     笹木 竜三君

  高井 美穂君     中野 寛成君

  高邑  勉君     仁木 博文君

  竹田 光明君     西村智奈美君

  津村 啓介君     橋本 博明君

  手塚 仁雄君     花咲 宏基君

  中根 康浩君     馬淵 澄夫君

  仲野 博子君     室井 秀子君

  畑  浩治君     山岡 達丸君

  本多 平直君     山崎  誠君

  三谷 光男君     山田 良司君

  宮島 大典君     横山 北斗君

  森本 哲生君     和田 隆志君

  山口  壯君     若井 康彦君

同月二十六日

 辞任         補欠選任

  逢坂 誠二君     玉城デニー君

  仁木 博文君     前原 誠司君

  馬淵 澄夫君     城島 光力君

  小里 泰弘君     石原 伸晃君

  山本 幸三君     橘 慶一郎君

  下地 幹郎君     田中 康夫君

同日

 辞任         補欠選任

  城島 光力君     中林美恵子君

  玉城デニー君     逢坂 誠二君

  前原 誠司君     仁木 博文君

  石原 伸晃君     田村 憲久君

  橘 慶一郎君     吉野 正芳君

  田中 康夫君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  中林美恵子君     竹田 光明君

  田村 憲久君     稲田 朋美君

  吉野 正芳君     山本 幸三君

同日

 辞任         補欠選任

  竹田 光明君     櫛渕 万里君

  稲田 朋美君     小里 泰弘君

同日

 辞任         補欠選任

  櫛渕 万里君     馬淵 澄夫君

同日

 理事中川正春君同月二日委員辞任につき、その補欠として若井康彦君が理事に当選した。

同日

 理事泉健太君、城井崇君及び手塚仁雄君同月十三日委員辞任につき、その補欠として岡田克也君、笹木竜三君及び西村智奈美君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

中井委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が四人欠員となっています。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      岡田 克也君    笹木 竜三君

     西村智奈美さん    若井 康彦君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

中井委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

中井委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として原子力安全委員会委員長班目春樹君、東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として資源エネルギー庁原子力安全・保安院長深野弘行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中井委員長 基本的質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前原誠司君。

前原委員 おはようございます。

 二年半ぶりの予算委員会でございまして、十数年間、野党で、この場でかなり厳しく追及をしてまいりました。与党である自覚をしっかり持って質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、改めて、東日本大震災でお亡くなりになられた皆さん方に心から御冥福を申し上げます。また、被災をされた皆さん方に改めて心からお見舞いを申し上げます。そして、台風十二号あるいは十五号を含めて多くの台風による水害あるいは豪雨による水害によってお亡くなりになられた方にもお悔やみ申し上げ、また、被災をされた方に対してもお見舞いを申し上げたいと思います。

 まず、台風災害でございます。きょうはこの点をまず質問させていただいて、政府としての取り組みをお願いしたいと思います。

 東日本大震災から半年余りたちまして、法律も含めて、また予算も含めてできる限りの努力を政府として行っていただいているところでございますけれども、今回の台風につきまして、十二号については激甚災害の指定をしていただきまして、激甚法に基づく手当てをしていただいております。三月十一日に起こりました東日本大震災のいわゆる財特法というものと比べて、台風災害における取り組みについて、いわゆる国費の補助率のかさ上げというものについて不平等があるんではないか、そういう要望が被災をされた地域から出てきております。

 国土交通大臣の前田先生の御地元の奈良、特に十津川地区も大変な豪雨に見舞われて被害を受けられているわけでありますけれども、例えば、東日本大震災の財特法によって対象になった瓦れき処理あるいは介護老人保健施設などの社会福祉施設、上水道、集落排水施設、こういうものについてはいわば対象になっていない、つまりは東日本大震災の財特法と比べて激甚災害については下がるんではないか、こういう指摘がなされているわけでございます。その点について今回の台風災害を踏まえてしっかりと政府として対応されるべきだと考えますが、その点についての御答弁をいただきたいと思います。

平野国務大臣 今回の台風十二号また十五号、大変大きな被害が生じております。

 御質問の件は、台風十二号に関しまして、東日本大震災財特法のようなかさ上げができないかという御質問でございましたけれども、御案内のとおり、東日本大震災財特法につきましては、東日本大震災という極めて大規模な地震とそれに伴う津波及び原発事故によってまれに見る甚大な被害をもたらした災害に対処するため、例外的措置として特別の財政援助及び助成措置を定めたものでございます。

 今委員御指摘のように、瓦れき処理あるいは社会福祉施設、あるいは上水道、集落排水施設等々については激甚災のかさ上げの対象になっておりません。この対応につきましては、まずは被害の状況を把握するということが大事だというふうに思っておりまして、過去の災害等との比較においてきちんと対応すべきものだというふうに考えております。

 ただ、いずれにせよ、災害復旧につきましては国庫補助と地方財政措置でしっかり対応するという体系になっておりまして、今回の災害あるいは十二号の災害につきましても、自治体がこれから復旧復興に取り組む上で支障が生じないようにしっかり取り組んでまいる所存でございます。

前原委員 九月の下旬、きょうは二十六日でございますが、いよいよ本格的な台風シーズンは十月だと言われているわけであります。しかも、九月の台風で大きな被害が残っている地域があって、二次災害、三次災害の可能性がございます。今、平野防災担当大臣がおっしゃったように、できるだけ早く対応策を打っていただき、そして、来るべき、またいつ来るかわからない台風に備えていただくということで、政府全力を挙げて取り組んでいただくようにお願いを申し上げたいと思います。

 それでは、総理に対して、基本的ないわゆる政治姿勢、また、内閣をどのように運営していくかということについて質問をさせていただきたいと思います。

 一つは、今まで、過去の内閣、これは終わった後に評価をされる面が多いわけでありますけれども、あの内閣は何を一生懸命にやった内閣だった、何内閣だったということがよく言われます。

 例えば、中曽根内閣については、土光臨調を含め行政改革、国鉄の民営化あるいは電電公社の民営化、こういったものが行われた、行革がしっかりやられた。あるいは、竹下総理のときは、これは消費税の導入をしたということが言われています。また、小泉内閣においては、郵政民営化ということが内閣の特徴としてあらわれているわけであります。

 野田総理として、みずからこの内閣において、これだけはしっかりやらなきゃいけないと。後世において野田内閣は何をやったんだというふうに言われるために、それはさまざまな諸課題があります。後で私や同僚の議員を含めて質問させていただきますけれども、さまざまな諸課題がある中で、後世に、野田内閣はこれをやった、これは少なくともしっかりやりたいというようなテーマは総理として何を考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 御質問、どうもありがとうございます。

 私の最大かつ最優先の課題として位置づけているのは、何といっても東日本大震災からの復旧復興、あわせて原発事故の収束、これが当面の最大そして最優先の課題だと思っています。加えて、ちょっと今、世界経済が回復しつつあった過程の中で後退をしてきているのではないか。先行きの不安が相当に今広がっています。もともと日本の経済の再生もしていかなければなりません。という、経済危機への対応を着実に行っていくということが当面の最大の課題だと思います。

 ただし、三月十一日の大震災の前から、我が国は内政においても、外政においてもさまざまな課題がございました。例えば、内政、少子高齢化の問題、今申し上げた経済の問題、それから財政再建の問題等々、それから外政においても普天間の問題等々、さまざまな宿題が残っています。そういうものを一つ一つ着実に解決して、克服をしていくというのが私の使命だというふうに思います。

 したがって、組閣に当たって、特段、キャッチフレーズを聞かれたときに申し上げませんでした。これは後で評価をしていただきたいと申し上げましたけれども、今、中曽根内閣等々、さまざまな内閣の評価のお話がございました。私も後世、後からどういうネーミングをいただけるかということは、これはわかりませんけれども、今申し上げた、一つ一つ丁寧に課題を克服していく、そういう内閣と位置づけています。

前原委員 私は、今の日本の置かれている状況というのは、今までの政治の中で、日本の制約要因と言っていいと思います、先ほど総理もお触れになられましたけれども、私は常々三つの大きな制約要因があるということを申し上げています。

 一つは、人口減少社会に入ったということであります。二〇〇四年がピークで、今どんどん人口減少になってきている。

 資料をお配りしておりますが、一枚目をごらんいただきたい。

 左側をごらんいただきたいと思いますけれども、二〇〇四年が一億二千七百八十万人でありましたけれども、一・三七と合計特殊出生率を置きますと、今一・三九に若干上がっておりますけれども、一・三七と仮置きをした場合、二〇五〇年には約九千五百万人まで人口が減ることになります。ということは、これから先、四十年間で、今の少子化傾向に歯どめがかからないと仮定をすれば、日本は三千二百万人の人口が減るということになります。

 しかも、今は徐々に下がってきている状況。ジェットコースターでいうと、上までカタカタカタカタ上がっていって、そして、まだ勢いよく加速度はついていないけれども、徐々に下がり始めた状況。去年、初めて減少幅が十万人を超えるということでありましたけれども、これを放置しておけば、つるべ落としのように人口が減少してしまう。日本の中で見ると、マーケットが収縮をするということで、私は、この人口減少の問題というのは相当深刻な問題として考えなくてはいけないと思っています。

 二つ目は、一ページの右側の表でありますけれども、これは、少子高齢化が極めて速いスピードで進んでいくということであります。

 働ける人口、これが上の、いわゆる生産年齢人口でありますけれども、これが減っていく。今六五でありますけれども、五一・八まで二〇五〇年までには減る。そして、六十五歳以上の人口比率、今二三ちょっとだと思いますけれども、これが、約四〇%まであと四十年かけて上がっていくということになります。働く人が減って、そして社会保障にお世話になる比率がどんどんふえていく。これが、日本が今後直面する大きな問題です。

 そして三つ目は、資料にはございませんけれども、先ほど総理もおっしゃったような莫大な財政赤字。先進国の中でも最悪の財政赤字をため込んでしまっている。

 この制約要因をいかに克服するかということが、どの党が政権をとっていても、与党として、政府として取り組まなくてはいけないことだというふうに思っております。

 では、この制約要因にどう対処していくのかということを、幾つか根本的な問題として質問をさせていただきたいと思います。

 一つは、この人口減少社会というものを放置しておいていいのかどうかという問題であります。

 我が党のマニフェストに子ども手当、今回、三党合意の中で子供のための手当というものになりましたけれども、子ども手当、我々の掲げたマニフェストの方向性は、私は全く間違っていないと思います。つまりは、この少子化対策をどのようにやるのかということは極めて大切であります。

 月々二万六千円払うのがいいのかどうかという議論はあるにしても、この少子化をとめなければ、今の日本の制約要因についてはもうお先真っ暗である。これをどのように克服していくかということが大変重要な問題であります。

 今までの政治はこれを放置してきました。これをどのように克服していったらいいとお考えなのか、総理の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 少子高齢化は、内政における最大の問題だというふうに思います。

 前原さん御指摘のとおり、この四十年ぐらいで三千二百万人人口が減るようなことは、首都圏が丸々いなくなるような状況です。放置しておくと、これはまさに静かなる有事だと思います。社会保障が成り立ちません。御指摘があったように、マーケットが縮小しますので、経済もこれは成り立たないと思います。

 その歯どめをかけるために、まず少子化対策をしっかりと講じていくということ、それから、就業率をやはり高めていくということ、この二つをあわせて対応していくことが大事だと思っていまして、特に少子化対策の一つは、子供を産み育てられる環境だということを国民が安心してもらえる、そういう状況をつくることだと思います。

 これは、昨年の一月に子ども・子育てビジョンというものを閣議決定させていただいて、総合的な対策に取り組んでいるところでございますけれども、この秋に税制改革等のいろいろな議論も行いますが、あわせて子ども・子育て新システムについても早急に所要の法律案を国会に提出できるようにまずはしていきたいというふうに思います。

 さっきちょっと就業の話も申し上げましたが、人口減少社会において働き手が少なくなってくるということ、いわゆる供給構造の方に変化が出てくるということに対する対応が必要だと思います。その意味では、若者、女性、高齢者、障害者を含めて全員参加型社会を構築しながら、その就業構造の改善をするということもあわせてしていかなければいけないだろう。

 その就業の面では、では外国人の労働者をどうするかという議論もあるかと思います。今、徐々にでありますけれども、人の移動の面で、医療や介護分野で、例えばインドネシア、フィリピンから介護士やあるいは看護師を入れるというような状況になってまいりました。専門職を中心に、必要なセクションには徐々に外国の方にも入っていただきながら対応するということをやっていくことも、あわせて大事ではないかなというふうに思います。

前原委員 次の質問までお答えをいただきまして、ありがとうございます。

 就業の問題、外国人労働者の問題はまた後で聞こうと思っておりましたけれども、少子化対策、例えばフランスという国は、合計特殊出生率が一・八を超えていると思います。これは先進国の中ではかなり高い数字であります。さまざまな形での少子化対策、子供支援をやっているということであります。

 確かに、国家戦略として、何年先にどのぐらいの出生率にするということはなかなか難しいかもしれません。ただし、やはり、ある程度の国家戦略を打ち立てて、数十年後には、例えば出生率がどこまで上がっているというような目標を立てて、そして、それに対して先ほどおっしゃったビジョンをつくっても、それをフォローアップして、どのようにこの日本の制約要因というものを、まあ、二・一か二・二ないと人口は減っていくと言われますので、それはなかなか難しいかもしれない。しかし、この急激に、つるべ落としのように人口が減少することを避けるということがまさに日本の最大の課題だとすると、私は、国家戦略の柱に据えて、どのようにこの少子化対策をフォローアップしていく体制をとるかということが大事だというふうに思います。

 話に伺いますと、国家戦略会議のようなものをつくるというような話がございます。これは古川大臣がお話をされているようでございますけれども、総理として国家戦略会議というものをおつくりになるという御意思があるのかどうなのかということと、今申し上げた、あるいは先ほど先取りして総理が御答弁をされた、少子化対策並びに、生産年齢人口が減って、そして六十五歳以上の、社会保障にお世話になる人たちの、人口が減っていくというこの状況の中でのいわゆる外国人労働者、研修制度のあり方を含めたそういう日本の将来ビジョンをあわせて議論をするおつもりがあるのかどうなのか、その点についてもお聞かせをいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 まだ仮称の段階ですけれども、国家戦略会議という形で産官学が合同で会議体としてつくって、その上で、今御指摘のような日本のボトルネックになっている問題、少子高齢化のようなテーマをどうやって克服していくのか。それは、場合によっては工程表をつくって、数値目標をつくるというのも一つのアイデアだと思います。

 加えて、例えば、フロンティアを開発していくようなテーマ、海洋であるとか宇宙であるとか人材であるとか地方であるとか、こういう問題のテーマであるとか、あるいはもっと広範に経済、財政をどうするかとか、そういう幾つかの分科会をつくりながら、国家戦略会議というものをまさに司令塔的な位置づけの中で、かんかんがくがくの議論をしながら方向性を見出していきたいというふうに思っておりまして、その具体的なスケジュールあるいは中身の問題については、古川大臣あるいは官房長官、お二人に今事務的に詰めていただいているという状況でございます。

前原委員 私はやはり、先ほど、後世に野田内閣というものがどう評価されるかということについて、今、当面の課題をしっかりやられるということでありますが、私の希望としては、野田内閣が一つの転換点となって、国家戦略というものにしっかり取り組んだ、そして、方向性を持って、その羅針盤で政治が動くようになったというふうに評価をされるような内閣になっていただきたい、また、与党としても、その点でバックアップをさせていただきたいというふうに思っております。

 野田総理といえば、財務大臣をされていたということもあって、財政規律あるいは財政再建、こういったものに対して非常に確固とした信念を持っておられる。これは、私は大事なことだと思います。

 ただ、他方で、これは私は決して野田総理は否定をされているとは思いませんけれども、経済成長がなければ、いかに増税をしても財政再建をしても、私は、結局、税収は上がらないということになってしまうと思います。大事なことはやはり経済成長なんだろうと思います。

 では、この経済成長というものをいかに確保していくのかということの中で、何が今の、先ほど日本の制約要因に私は三つ申し上げましたが、経済成長を阻害しているものとしてどういったものが挙げられるというふうに総理は考えておられますか。

野田内閣総理大臣 需要面と供給面と両方あると思うんですね。

 需要面については、先ほど来の、御議論いただいている少子高齢化の問題というのが一番大きな要因になるだろうと思います。それから、最近いろいろ言われている産業空洞化の問題、この辺がまさにボトルネックになりつつあると思います。為替の問題も含めてです、産業空洞化の問題であります。

 それから、供給面については、これは電力不足を中心としたエネルギーの問題、それから労働人口の減少の問題、これが制約要因だというふうに思います。

 これらを乗り越えてどうやって日本の経済成長を果たしていくかということが肝要であって、昨年の六月に新成長戦略を閣議決定いたしましたけれども、大震災の後にいろいろと、ちょっと状況変化がございました。したがって、日本を元気にするための日本再生の戦略を、この年内、新成長戦略のいわゆるバージョンアップという形で、今言ったさまざまなボトルネックを乗り越えながらどういう形で成長を促していくか、そういう戦略をまとめていきたいというふうに考えております。

前原委員 今、総理は幾つかのポイントをおっしゃいました。産業空洞化、為替の問題も含めて。需要と供給の問題、これはデフレギャップの話だと思います。そして、労働人口の減少、電力供給という話をされました。

 これは、当然、総理がおっしゃるとおりでありますけれども、私はそれにつけ加えて、少し日本の成長の制約要因というものをお話ししたいと思います。今総理がおっしゃったことに加えてですね。

 一つは、私はやはり法人税の高さというのが挙げられるだろうと思います。法人税は、国、地方合わせて、日本は大体四〇%ぐらいであります。韓国で約二四%ぐらい、中国で二五%ぐらいということで、同じ輸出型の国と比較をしても、日本の法人税は高いということが一つ挙げられると思います。

 二つ目、資料の五ページをごらんいただきたいと思います。

 よく、日本は開かれた国なのかどうなのかという議論があります。さまざまな観点からその議論はできると思うんですが、全貿易量に占めるFTA、EPAなどの自由貿易のカバー率というものを考えると、日本の比率というのはまだまだ低い。インドと結びました。ただ、これはまだ発効していないということでカウントをしておりませんけれども、日本が一六・五%、先ほど申し上げた韓国が三六%、中国が二二%、ヨーロッパなんかは、EUの域内だったら七六・四%ということで、自由貿易の比率というものが極めて高くなっているわけであります。

 また、次の六枚目をごらんいただきたいと思いますけれども、日本は今EUとEPAの交渉をしています。豪州ともしている。あるいは、さまざまな勉強も含めて、研究も含めて、日中韓などもやっているということがあります。

 これは、EUにおける主な高関税品目、アメリカにおける主な高関税品目ということで比較をしておりますけれども、EUだけ見ていただくと、乗用車は一〇%なんですね、関税が。韓国はEUとFTAを結んでいるということで、これはかかりません。でも、日本はかかる。薄型テレビあるいは液晶ディスプレーモニター、例えばLGとかサムスンのテレビはEUでは関税がかからない。しかし、日本のパナソニック、ソニー、シャープ、そういった液晶テレビについては一四%の関税がかかるということで、輸出のいわゆる競争力という面では、FTA、EPAがカバーされていないというところに大きな制約要因があるわけであります。

 このように、我々としては、日本としては、物をつくって輸出をする。今、為替の問題で海外に企業がどんどん逃げていく、あるいは国内の生産拠点を縮小する、それによって雇用情勢が急速に悪化をしているわけであります。このさまざまな点をどのように克服していくのかということについて、少し個別に私は伺いたいと思います。

 一つは、まず、急速に進む円高についてどう考えるのか。

 確かに、九月二十日に、経済情勢に関する検討会合において、円高への総合的対応策というものが内閣においてまとめられています。これは全部読ませていただきました。もちろん、これはしっかりとやっていかなくてはいけないテーマではございますけれども、私は、これはしかし対症療法的なことが多いのではないかという気がします。つまりは、ヨーロッパの問題もあり、仮に円高がどんどん進んでいくということになったときに、国内産業にどう対応するかということがかなりカバーされていて、円高そのものをどのように阻止していくのかといったところについては、私は若干薄いのではないのかという気がしてしようがないわけであります。

 したがって、根本的な円高対策のためにどのように考えるかということで一つ私の考え方を申し上げたいと思います。

 今、政府と与党の間で第三次補正の議論をさせていただいておりまして、例えば外為特会を使ってのJBICへの貸し付け、これもふやしていただく方向で努力をしていただいている。感謝を申し上げたいと思います。あるいは産業革新機構、これに対しても増資をし、また政府保証枠を拡大する方向で議論していただいている。これも私は感謝を申し上げたいと思います。

 ただ、外為特会というのは、外貨で持っていて、貸し付けて、そしてそれを海外へ投資するということは確かにいいんですが、民間も含めて、やはり大事なことは、円で基金を持っていて、そして、この円高というものを逆手にとって、円を外貨にかえて、そして円高によって比較的安くなっている海外の優良資産を買うということ、これはメリットがあります。それと同時に、この円を外貨にかえるということは、これは為替介入と同じ意味合いを持つわけですね、円売りですから。

 ですから、そういう意味で、対症療法ではなくて何らか抜本的な円高対策というものをとらないと、私は今後のヨーロッパ情勢も含めて不安要因が極めて大きいと思いますが、私の案の評価も含めて、総理として対症療法ではなくて抜本的な円高対策として何をお考えになっているか、その点についてお答えをいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 円高対策、まず当面の対応と、それから今おっしゃったような抜本的な、御提案もございましたけれども、そのことを含めての答弁をさせていただきたいと思います。

 まず当面の対応としては、これは第三次補正予算、復興のための予算ですけれども、一方で円高対策を含む経済対策も講じなければいけないと思います。今、党とも調整をさせていただいておりますけれども、一つは、円高の痛みを和らげるという意味で、中小企業の金融支援等を行っていきたいと思います。加えて、こういうリスクに耐え得る強靱な経済をつくるために、立地補助金の拡充なども行っていきたいというふうに思います。

 もう一点が、海外の企業あるいは資産、権益を、メリットを生かして買収していくというやり方、円高のメリットを生かすというやり方。それは、今一定の御評価をいただきましたけれども、いわゆる外為特会を活用してJBICに貸し付けを行いながらということを、これまで約八兆円の事業規模で対応してまいりました。それを、御提案があったとおり拡充するとともに、それ以外の、いかに企業、権益、資源等を買収していく仕組み、買い取っていく仕組み、いわゆる産業の空洞化で企業が逃げていくことを防止するだけではなくて、海外に雄飛をしていくという視点からの発想は、今いただいた御提案も含めて、これからまさに知恵の出しどころだと思いますので、これからも緊密な意見交換をしていきたいというふうに思います。

前原委員 すぐにできることについて御努力をいただいていることは高く評価をいたしますし、やはり国家ファンドも含めた抜本的な円高対策に日本が備えをしっかり行うということが、意思を示すだけで、私は、またそれに対して、マーケットに対する一つのメッセージになるというふうに思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。

 それと同時に、先ほど申し上げた高い法人税率については、税と社会保障の一体改革の中で、法人税については下げるということが明記をされております。これについては、また政府・与党で議論をさせていただきたいと思います。きょうはこの点については触れません。

 それとやはり同じような、資源を輸入して、物をつくって、そしてその完成品を売っていく、それによって主に成り立ってきた日本の産業構造がこの円高や法人税の高さを含めて競争力を失ってきているということなんですが、その一つの大きなポイントが、先ほど申し上げたFTA、EPAなど、自由貿易のカバー率の低さだと私は思います。

 その中で、APECの二十の国・地域で、これはまだ年限については明確に定まっていませんが、ボゴール目標というのがあるんですね。ボゴール目標というのは、およそ二〇二〇年までにこの二十の国・地域の経済を統合していこうということで、もうこれはAPECの参加国の中で確認がとれていることなんです。ASEANは、ASEANの一体性ということで、ASEANの中でしっかり頑張っている。ASEANとも、日本あるいは韓国、中国なんかは、ASEANプラス3、ASEANプラス6ということでもやっているし、日中韓のものもやっているということがあります。

 ただ、やはり一番大きな市場であるアメリカとどういうふうな形でこのボゴール目標に向けての日本としての考え方を持っていくのかということが大きなポイントになります。

 オバマ政権、民主党政権にかわって、今まではバイの形で、つまり二国間のFTA、EPAでアメリカは韓国ともやったし、ほかのところともやってきた、しかしオバマ政権になって、TPPという枠組みの中で、多国間の枠組みの中でこれから物事を考えていくということで、方針転換したわけです。民主党の総選挙のマニフェストの中でも、日米FTA、つまりは、やはり大きなマーケットとの自由貿易を進めていくと。

 先ほど例は申し上げませんでしたけれども、ヨーロッパの例だけ申し上げましたけれども、アメリカの市場で韓国はこれから関税がなくなる、かからなくなる、日本はかかるということになると、アメリカの市場に対してどうアクセスをするのかということも含め、あるいはどういう道筋を通ってそのボゴール目標という山に登っていくかということも含めて、どう野田内閣として考えられるのかということをお答えいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 九四年につくられたボゴール目標に基づいて、一定の進展はしてきていると思うんです。ただ、ちょっと、諸外国に比べると、日本の貿易に占めるFTAの比率というのは数字としては少ないというふうに思います。基本的な認識はそうです。その上で、特に韓国に比べると周回おくれの感があると思います。

 したがって、高いレベルの経済連携をしていくということが、これは従来の政権からの基本方針になっていますが、その基本方針を私も踏襲していきたいというふうに思っています。現実に、日豪であるとかあるいはEUとの関係、日韓であるとか、さまざまな交渉が進捗しつつあるという中で、これらを着実にこなしていくということが大事だろうというふうに思います。

 その上で、TPPについては、これは二国間ではありませんけれども、いわゆる高いレベルの経済連携を図っていくという視点の中で、広範な論点があるというふうに思います。その広範な論点を踏まえて、まずはしっかりと関係国からの情報収集を行いながら、そしてなるべく早い時期に結論を出すということが基本的な方針でございますので、今申し上げた視点の中で対応していきたいというふうに思います。

前原委員 菅政権では、このTPPに参加するかどうかについては、六月ということが一つの目安になっておりました。あるいは、日豪のFTA、EPAについても、六月ということがめどになっておりました。ただ、三月十一日に起きた大震災の後、その対応に集中をするということで、内政の問題、復旧復興に集中をしてきたということは当然のことだと思います。

 ただ、世界の状況というのは動いておりますし、また、ボゴール目標、あるいは日本の、今、総理のお言葉をおかりすると、韓国と比べても周回おくれと言われるFTA、EPA、自由貿易比率の低さというものを克服するためには、やはりある一定の決断というものを、例えばTPPについては交渉参加をするのかどうかも含めて、私は迫られるときが来るのではないかと思いますが、今総理として何かその点についてお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 現状においては、広範ないろいろな視点がありますので、さまざまな情報収集をしっかりやりながら、しっかりと議論して、できるだけ早期に結論を出すということにしたいと思います。

前原委員 こういう一つ一つの経済成長の制約要因を取っていくということが大事だと思いますので、ぜひ、我々も与党でありますので、政府と一体となって緊密に連携をとりながら、議論をし、そして結論を出していくということで、協力は惜しまずやらせていただきたいというふうに思っております。

 その中で、もう一つ、電力料金の高さというものも海外に企業が出ていく要因になっているということを言われています。

 例えば、韓国との電力料金の比較をすると、韓国は二・五分の一から三分の一ぐらいの電力料金である。やはり非常に日本の電力料金が高い。しかも、今回の三月十一日の地震、津波の影響で原発の問題が起きて、そして節電というようなものを求めるということになっているわけであります。そして、原発に対する安全性、国民全般のいわゆる揺らぎ、そしてしっかりとそれをもう一度構築しなきゃいけない、こういう点があるのも事実でございます。

 例えば関西の事例で一つ申し上げると、今回の台風十二号で、先ほど、国土交通大臣の前田先生の御地元ということを申し上げましたけれども、十津川に揚水発電所というのがあったんです。百二十万キロワットの電力供給ができていた揚水発電所というのがありましたけれども、これは使えなくなりました。百二十万キロワットといったら、原発一個分なんですよ。原発一個分の電力が今回の台風によって、いわゆる供給源として失われてしまったということになります。

 それでなくても、今回の夏は、関西電力エリアというのは節電を求めていて、つい最近まではかなりの節電を呼びかけていた。関東だけではありません。関西もそういう大きな影響を受けていたわけであります。このまま放置すると、やはりことしの冬、そして来年の夏、こういったものに対する経済活動への影響あるいは人々の生活への影響が出かねない状況になってきているということであります。

 野田総理は、所信表明演説の中でも、安全性の確保ということを大前提にとはおっしゃっておりましたけれども、再稼働という言葉を明確におっしゃっております。原発の再稼働というものを明確におっしゃっている。このことについては、私は率直に評価をしたいと思います。他方で、やはり、今回の福島原発の問題が起きて、地域の方々が、今まで協力をしてきたのに、何か安全性の問題について政府がちゃんと説明できなければ不安で仕方がないという思いを持たれているのも事実だろうと思います。

 私は、八月の十七だったと思いますけれども、美浜の原発に行ってきまして、関西電力の社長も来られていて、また、現地の所長にもお話を伺ってまいりました。このときにおっしゃっていたのは、ストレステストというものは何点とればいいテストかわかりませんと。つまりは、六十点とったら合格の試験なのか、八十点とったら合格の試験なのか、よくわかりません、そこの政府の指針というものをしっかりと示していただかなければ、我々としても、どこまで安全対策をやっていいのか、あるいはそれで再稼働の条件が整うかわからないということをおっしゃっていたのが非常に私は印象的でありました。

 大飯三号機あるいは大飯四号機というものについては、再稼働の準備が整っているわけであります。先ほどの十津川の揚水発電の喪失、供給源の喪失ということを考えてみれば、どのように地元に安全性というものを説得して納得していただいて、また、そういう措置もしっかりとって、そして、それを前提に再稼働させるということをどういうタイムスパンで考えておられるのか、そのことについて、総理もしくは経産大臣になるのか、御答弁をいただきたいというふうに思います。

枝野国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、御心配いただいております十津川揚水なんですが、これについては復旧をしたという報告を受けております。ただ、関西を初めとして、電力供給については大変厳しい状況が今後も続いていくことは間違いございません。

 そうしたことの中で、一つには、ストレステストのお話がございましたが、ストレステストについては、御指摘のとおり、何かの線を引いて、それ以上ならマルとかバツとかということを決めているわけではありません。

 ストレステストを導入したことの一つの意味は、電力会社と原子力安全・保安院にとどまらず、原子力安全委員会も関与する形で、もちろん、この全体の構造を大きく抜本的に見直すことは原子力安全庁の設置を初めとして必要なわけですが、現行の仕組みの中では、そうしたダブルチェックをかけていくということが一つの意味でございます。

 それからもう一つは、原子力発電所の再稼働の問題は、安全性をしっかり確保するとともに、この間のさまざまな経緯、特にいわゆるやらせ問題などもございまして、こうした経緯の中で、周辺住民の皆さんの安心というのは、安全とは似て、ちょっと違うところがあります。この観点からは、ストレステストによってどの程度のストレスに耐えられるのかということが数値で示されるわけでありますので、そのことを踏まえて、周辺住民の皆さんにどう御理解がいただけるのかということが重要であるというふうに思っております。

 そのプロセス、ストレステストのプロセス、そして結果をしっかりとお示しして、そのことと、従来の電力会社、あるいは、これからの保安院や安全委員会も、そしてもちろん経産省としても、政府としてもですが、真摯な姿勢を住民の皆さんにお示しすることの中で、あっ、なるほど、これだけの耐久性があるならば安心できるなということを思っていただけるかということが重要なポイントだと思っておりますので、今のところ、一・幾つならばオーケーだとかということの線を政府の側で具体的に引くというよりも、そうしたことの中で総合的な御理解を得られるような努力をしていきたい、こんなふうに思っております。

前原委員 私、西川福井県知事ともお話をいたしましたけれども、今まで協力をされてきて、そして、政府が誠実なる対応を、今まさに枝野大臣がおっしゃったように、安全と、そして地元住民に対する安心感をどう与えるかということ、その条件が整えば、協力という姿勢は全く変わっていないということはおっしゃっていたわけであります。

 そして、大事なのは、私が伺ったことで一つお答えをいただいていないのは、そういうスケジュールを踏みながらも、どのようなタイムスパンでやっていくのかということが極めて大事なんですね。つまりは、この冬の電力の要る時期、夏はよくお昼間にピークが来ると言いますけれども、冬は違う形になってピークがやってきます。

 そういう意味においては、この冬に備えてどういう再稼働をさせていくということを、今の経産大臣の手続の中で、今度はタイムフレームに、スケジュールに落とし込んでいくのかということが私は大事なことだと思うんですが、そのスケジュールについてお示しをいただけますか。

枝野国務大臣 まず、この冬の電力供給について大変厳しい状況が続いていくということの中で、この夏との一つの違いは、この夏も、できるだけきめ細かく節電のお願いを、消費者、消費をどういう方がされるかごとにお願いをいたしましたが、よりきめ細かく、一番は医療だと思いますけれども、それから生産用の電力、これはまさに日本の経済の空洞化につながりますので、こういったところはこの夏と同じような御無理なお願いはできないだろうとか、その一方で、民生用であるとか業務用の部分のところについては、この夏の経験を踏まえてもっと深掘りできないだろうかとか、あるいは一方で、省エネのためのさまざまな支援をこの三次補正に向けてもお願いをしているところでありまして、そういったことがどれぐらい前倒しでできるのか、ここをきめ細かくやっていこうと思っております。

 そうしたことの中でも、電力が不足をする可能性というのは御指摘のとおり十分に考えられるわけでございまして、そうした意味では、安全性と安心の確認ということについてはできるだけ早い方が望ましいというふうに思っておりますが、一方で、周辺住民の皆さんの心情を考えるならば、何かこう、あらかじめ期限が設定されていて、それまでにあけなきゃいけないからというようなことの流れの中では、私は、なかなか本当の意味での信頼と安心をしていただくことは難しいだろうというふうに思っています。

 あくまでも、安全と安心については、もちろん供給は確保しなきゃならないという課題はあるものの、そのこととは切り離して、本当に安全なのか、そして本当に安心していただけるのかということで進めていかなければならないと思っておりますので、そういった意味では、期限を切るのではなくて、できるだけ早く安全を確認し、できるだけ早く安心をしていただくということでやってまいりたいと思っております。

前原委員 大臣のおっしゃることもわかるんです。わかるんですが、企業経営者からすると、円高そして電力供給の問題を含めて、外に出るかどうかというところを腰を浮かして見ている企業というのがかなりあると私は思うんです。

 したがって、そういう意味においては、あらましはどのぐらい、例えば、年内までに再稼働というものがしっかりとされる。これはどこの原発かということをおっしゃる必要はありません。しかし、年内にはちゃんと再稼働をさせて、順次、安全性の確保されたものについては年内再稼働に向けて努力をするということは内閣として発信しないと、これは私は、経済活動をされている方々を含めて相当心配をされていると思います。

 それは、総理かあるいは経産大臣か、お答えいただけますか。

枝野国務大臣 御趣旨は大変理解をいたしますし、まさに、特にまずこの冬に向けて、特に産業用の電力をどうやって確保し、経済活動、生産について影響を与えるような無理な節電をお願いしないで乗り越えられるようにする。これについては、前内閣のもとにおいても、この冬を何とか乗り越えられないだろうかということでかなり具体的な検討もしてきておりますので、それを踏まえて、先ほど申し上げた節電等の努力等でどこまで御無理をお願いしなきゃならないのかということについて、あるいは無理をお願いしなくて済むのかどうかということについては、できるだけ早くお示しをしたいというふうに思っております。

 その上で、御指摘のような御意見があることは十分理解をいたしますが、その一方で、現に福島で、安全だ安全だと何十年間言われて、そのことで御協力いただいてきた皆さんが避難生活を余儀なくされて、大変厳しい状況であります。周辺住民の少なからぬ皆さんはそのことを見ておられます。やはり、結論ありきというようなことが誤解されるようなやり方をしたら、私は、周辺住民の皆さんの御理解は到底得られず、結果的に再稼働等がなされないことにつながっていくと思っておりまして、そうした意味では、先ほど申しましたとおり、できるだけ早く安全を確認し、安心していただける最大限の努力をするということにとどめさせていただきたいと思っております。

前原委員 私自身は、今の御答弁では少し不十分だと思います。

 なぜかというと、福島の原子炉とあるいは最新型の原子炉は違いますし、福島の事故を受けた後に、電力会社は相当、私も美浜に行って、ここまでやっているのかというような応急措置も含めて、そして二、三年後の恒久措置も含めて、かなりの努力はされておりますよ。

 そういう意味においては、やはりケース・バイ・ケースで物事を、立地条件も含めて、あるいは炉の新しさ、古いものと新しいものではかなり違うということを専門家の方々からも伺ったことがございます。そういう意味では、これで要望にとどめておきますけれども、やはり年内に再稼働をさせるというような意思をせっかく内閣としてしっかり持っていただきたいということは、私は要望しておきたいというふうに思います。

 さて、成長を担保するためのもう一つの施策として、私は、民間の資金をどうやって活用するかということが大事なことだと思います。

 民主党政権になってから、PFI法の改正というものをやりました。使い勝手のいいもので民間資金をより入れるということで、コンセッション方式の導入とか、あるいは民間から自治体や国に対して提案ができるとか、あるいはPFIの対象とされる分野の拡大とか、私はかなりいい法律改正になったんではないかと思っております。

 それと同時に、私は、住宅とか不動産というものが動かないと本当の景気はよくならないんだろうと思います。

 J―REITというのがありますけれども、このJ―REITはリーマン・ショックの後なかなか戻り切っていません。J―REITというのは、不動産を証券化して、そして多くの方々に持っていただくという仕組みであります、簡単に言えば。

 大事なことは、今回大きな地震がありました。耐震性が整っていないビルの建てかえが、民間の資金のないところではなかなか進まないんですね。ですから、この建てかえを進めるために、不動産特定共同事業法というものがありますけれども、これを改正して、倒産隔離を行った上で、証券化をし、そして、要は民間の資金が入る形で、都市の老朽建物だったらリニューアルすると商品価値が出てきて、私はその証券というのは売れると思うんです。

 そのためにはこの不動産特定共同事業法の改正というものが不可欠で、実は私が大臣のときに用意をした法案でございますけれども、これについて、地震の後、やはり、よりやらなきゃいけないという思いを強くしているわけでありますが、前田国交大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

前田国務大臣 お答えいたします。

 前原先生が国交大臣のころに随分と、まちづくり、あるいは建物の改築であったり建てかえであったり、こういったものについて民間の力をいかに導入するかということで、不動産特定共同事業法の改正について検討を始められたと承知をしておりまして、今鋭意準備をしているところなんですね。

 特に、前原先生が御指摘になっていたとおりでありまして、REITはありますけれども、使いやすい、民間の資金と知恵を呼び込むような装置が今ない。もちろん、不動産特定共同事業法なるものは既にあるわけですが、先ほどちょっと言っておられましたが、多分、オフバランスにしろ、こういう話ですよね。

 大体、先進国の例を聞いておりますと、特定の投資家を募って、そして特別目的会社をつくって、そこに不動産関係それから投資家が一緒になって、特定目的会社でそういったまちづくりをやる。そのときには、その不動産関係の会社が持っている当該目的以外のものは遮断をしておくという装置になっているものですから、REITまでいかなくても、この関係の、まちづくりあるいは建物関係の、不動産関係のいわばプロといいますか、そういった方々が寄って非常に使いやすいまちづくりの装置ができている。そこにまだ到達していないという御指摘であろうと思いますので、これは鋭意今取り組んでおりまして、法改正を進めたい、このように思っております。

前原委員 ぜひ御努力いただきたいと思いますし、これは自見先生のところ、金融庁にもかかわる話でございますので、自見先生、これについては協力してやるということを一言だけ御答弁いただけますか。

自見国務大臣 前原先生御存じのように、PFIというのはたしかサッチャー政権のときこれを新たに始めて、日本でも基本は取り入れたわけでございますが、やはり民間資本を公共的な目的のためにできるだけ使うようにするということは基本的に大変正しいことでございますから、しっかり国土交通省とも関連をしながらやっていきたいというふうに思っております。

前原委員 短い御答弁ありがとうございました。ぜひ、金融庁、協力をしていただいて、法改正をすると言っていただきましたので、御努力をいただきたいと思います。

 それでは、時間も短くなってまいりましたので、我々がしっかりと政権交代前に申し上げていた天下りの問題について質問させていただきたいと思います。

 この天下りの問題について、私は二つ質問したいと思います。一つは、我々が天下りと言っていたのは、公益法人で必要のないものはつぶしていくということ、これをなくしていくということが大事だったということ。それと、二つ目には、わたりのような天下りは我々はなくしていくんだということを言っていて、それについては、私はなくしていくということがしっかりできつつあると思います。

 その中で、まず伺いたいんですが、天下りの受け皿になっていて、こんなもの要らない、あるいは民間でできる、こういった公益法人の見直しは、政府全体でこの二年間で何件進みましたか。それについて御答弁をいただきたいと思います。

蓮舫国務大臣 お答えさせていただきます。

 政府系公益法人への人の流れ、まさに天下りであるとかわたりであるというのは、これはどの政権においても、認めては国民の理解というのは得られないと思っております。

 政権交代をして以降、特に、昨年の五月に政府系公益法人を対象にした事業仕分けを行いました。そこで人、物、金の流れの問題点が明らかになりましたので、時間をかけまして各省庁と議論をさせていただきながら、支出の面において、天下りがいるところにお金を流すことは本当に適切なのかどうなのかを徹底的に見直ししていただきまして、本年七月に見直し状況を取りまとめました。

 公益法人への支出三千二百八十四件の見直し、あるいは法令の根拠がなく公益法人に権限付与が行われていた十三件は廃止、あるいは、不要、過大な資産約五百九十億は、国庫納付を行っていただく内容を、いわば個別の、個票でしょうか、このお金がこの法人に流れているという票も含めて、全部明らかにさせていただきました。

 その結果、人の流れ、金の流れ、物の流れは整理されましたので、これから自然と淘汰される公益法人というのは出てくると考えているところでございます。

前原委員 これは、それぞれの所管の大臣が相当ねちこくフォローし続けないと、なかなかなくなりませんよ。

 私は、国交大臣をやらせていただいて、道路保全技術センター、これはなくす、駐車場整備推進機構、これは民営化する、そして、今一番私は前田大臣にぜひ頭の中に入れておいていただきたいのは、各地方整備局にある建設弘済、建設協会、これはなくすということで取りまとめをしましたけれども、今かなり抵抗が出始めています。これについてはしっかり、私は、この仕事は民間で十分できると思います、天下り公益法人でやる必要は全くないと思います。やはりそういう強い意思を持ってそれぞれの大臣がフォローし続けられないと、時間がたって忘れているうちに何か残っていたみたいなことがありますので、ぜひしっかりと、それぞれの大臣が責任を持って取り組んでいただきたいということを私は要望しておきたいと思いますし、その総まとめ、取りまとめとして、蓮舫大臣にはすべての公益法人に対しての厳しい目を向け続けていただきたいと思います。

 最後に、小宮山大臣にお伺いをいたしますけれども、民主党が政権交代前に言っていたことで、できていないじゃないかと言われていることが幾つかあります。それについて、私は二つお答えをいただきたいと思いますが、後期高齢者医療制度を廃止すると言っていたけれども、これができていない、これが一つ。それからもう一つは、年金と、それからいわゆる税、国税を一体化して歳入庁をつくると言っていたと思いますけれども、これについてもできていない。

 これはもちろん、二年だと、先ほどの公益法人ではありませんが、一公益法人をなくすのにも時間がかかりますので、そんな二年間で結論が出ているとは思いませんが、これについて、どういう進捗状況でどの方向に向かって毅然とやろうとしているのか、これを御答弁いただきたいと思います。

小宮山国務大臣 後期高齢者医療制度の見直しにつきましては、昨年の十二月に高齢者医療制度改革会議で検討が取りまとめられました。これに基づきまして、社会保障・税一体改革の成案でも見直しを行うということを盛り込んでおりますので、鋭意検討をして、これはなるべく早く取り組みたいというふうに思っております。

 それから、国税庁と旧社会保険庁の、年金機構の徴収部分の合体を図って歳入庁をつくるということについては、これは二十二年度、二十三年度の税制改革大綱でも設置をする方向でしっかりと検討を進めるということをお約束しておりますので、皆様の観点に立ってしっかりとした徴収体制をつくる必要があると思っておりますので、これもしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。

前原委員 これで終わりますけれども、とにかく、二年前に我々は国民の大きな期待をいただいて政権交代をしたわけです。言ったことについてはやはり責任を持ってやり抜くということが必要だと思いますし、ここは私は踏ん張りどころだと思います。

 さまざまな役人の抵抗、巻き返しもあるかもしれませんけれども、それはまさに、それぞれの大臣がしっかりとした正しい意味での政治主導という気持ちを持って取り組んでいただき、野田内閣として成果を出していただくことを心から期待して、質問を終わります。

中井委員長 この際、城島光力君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。城島光力君。

城島委員 総理、御苦労さまでございます。

 野田総理におかれましては、就任以降、早速、東日本大地震の被災地、あるいは今回の台風十二号の被災地、あるいは原発事故の現場、被災地、さらには、先日は、歴史的な今の円高に苦しむ中小企業の現場ですとか、輸出産業の筆頭である自動車産業の企業訪問、現場の訪問と、現実的な今の大変苦しんでいるいろいろな場面での生活ですとか職場の状況、そういったことを皮膚感覚で把握しようということだと思いますが、精力的に取り組まれていることについては、大変そういう姿勢がよく伝わってきているというふうに思います。

 また、今回、先日までは国連総会に御出席されて、オバマ大統領を含めて各国首脳会談も展開されている。外交、内政ともに全力疾走というんですか、トップギアで展開されているかなというふうに思います。

 そんな中で、昨日は、大相撲の千秋楽で、いわゆる内閣総理大臣賞、内閣総理大臣杯を優勝した白鵬関にお渡しになったんですが、テレビで見ていましたけれども、総理大臣賞を手渡された後、何か白鵬関にお声をかけられていたような感じがありましたけれども、声をかけられたんですか。何とおっしゃったんでしょうか。

野田内閣総理大臣 最後に横綱の矜持を見せていただきました、これからも頑張ってくださいと申し上げました。

城島委員 野田内閣というんでしょうか、あるいは日本全体というんでしょうか、あの重そうな内閣総理大臣杯と同じぐらいの重い荷を今背負っているんだろうというふうに思います。

 原発事故の収束ですとか、あるいは今回の東日本大震災の復旧復興、さらには先ほど申し上げたような異常な円高による空洞化の問題等々、大変山積をしているわけでありますが、その難しい課題に対してもぜひ一定のきちっとした結論を出す。結論を出さないというのは現状維持という選択肢であるわけでありますので、やはり一つ一つきちっと結論を出して、そして成果を出していくということが、政権交代に期待した国民の声あるいは気持ちでもあろうと思います。

 そういう点で、野田内閣に対する、背負っている課題は大変大きいわけですけれども、期待も大きいというふうに思いますので、ぜひそういう思いで頑張っていただきたいなというふうに思います。

 質問させていただきますが、平野大臣にまずお尋ねしたいと思います。

 震災からもう半年以上過ぎました。私も何度も被災地に入りまして、当初は救援あるいは支援物資を運びながら現地に足を運んだわけでありますが、この被災地の復旧さらには復興というのは、ある意味では今最大の政治としての課題であるというふうに思うんです。

 現実的には多くの分野で復旧復興が進んでいるというところがあります。例えばサプライチェーンの復旧などは、経済活動が回復していっている兆しが見えているんだろうというふうに思います。また、仮設住宅、あるいは、先ほどちょっと論議になっていましたけれども、瓦れき処理といったことも進んでいると思いますが、現状、現在の復旧復興の進捗状況、どういう状況なのか、平野大臣からお答えいただきたいと思います。

平野国務大臣 東日本大震災からの復旧復興につきましては、野田内閣が取り組むべき最大かつ最優先の課題でございまして、復興基本方針に基づきまして今一つ一つ具体策を着実に実行している、そういう段階でございます。

 今の状況でございますけれども、委員御指摘のように、経済活動につきましては、事業者グループに対する施設復旧整備の支援、あるいは仮設施設の整備等々によりまして、かなり復旧が進んでおります。

 これは、被災地域、津波、地震がじかに押し寄せた地域というのはまだまだこれからでございますけれども、被災地域全体、例えば県レベルで見ますと、鉱工業指数等々を見ますと、二月比、大体九割ぐらいまでは復旧しております。これからは、被災地そのもの、その地域に対しての経済活動、これが活発になるような支援をしっかりやっていかなければならないと考えております。

 それから、仮設住宅については、九月末で大体完成いたします。これからは、本格的な災害住宅の建設に着手しなければならないと考えておりますし、公共施設についても、ほぼ応急処置が終わりまして、これから本格的な復旧が始まる、そういう段階に入ってきていると思います。

 最も大事なのは市町村の復興計画でございまして、この土地利用計画策定につきまして、今、市町村、全力を挙げて取り組んでおります。さまざまな利害が絡むということがございまして、若干時間はかかりますけれども、時間もかけられない、そういう中で、この復興計画の策定、国も自治体と一緒になって支援をしてまいりたいというふうに考えております。この復興計画ができますと、本格的な復旧が進む、そういう段階に入っていくというふうに思います。

城島委員 その復興計画を、国と自治体、一体となって進めていくということでありますが、一方では、現地では、なかなか国の対応にスピード感がないとか、そういう声も依然として多いことも事実なんですね。だから、スピード感を持って、今、平野大臣がおっしゃったような復興計画も含めてでありますが、あるいは瓦れきの処理とか、あるいは汚染されたと思われるような土壌の処理とか、結構課題も残っているというふうに思いますが、いずれにしてもスピード感が大事だというふうに思いますが、総理、この辺の復旧復興に向けて、さらにスピード感を持った政府への対応ということを望む声が大きいんですけれども、御決意のほどはいかがでしょうか。

野田内閣総理大臣 大震災発災以来、先ほど平野大臣の御説明のとおり、瓦れきの撤去であるとか、あるいは被災者の生活支援であるとか、被災自治体と協力をしながら進捗をさせてきたつもりではありますけれども、城島さん御指摘のとおり、遅いであるとか、あるいは、本当に支援が必要な方に行き届いた支援が届いていないとかという声をお聞きすることは事実でございます。

 そういう声を真摯に受けとめながら、七月に、これから復旧から復興という段階になりますが、復興の基本方針を閣議決定させていただきました。それを踏まえて、一つ一つ着実に、そして、御指摘のあったとおりスピーディーに対応していきたいというふうに思います。

 その前提となるのが第三次補正予算だと思います。これは、今、政府・与党間で最終的な詰めを行っておりますけれども、与野党協議をしっかり行いながら早急に国会に提出をし、一日も早く復興に向けての事業を推進できるように全力を尽くしていきたいと思います。

城島委員 それでは次に、小宮山大臣にお尋ねいたしますが、そんな中で、やはり被災地の雇用情勢、大変厳しいということが続いています。

 例えば、被災地から避難生活をされている皆さんも、被災地、自分の地元に戻りたいという人も、そこでの仕事がなければなかなか戻れないということもあります。やはり仕事をつくらなければいかぬということがあります。また同時に、せんだって雇用保険の百二十日間の延長ということがされましたが……(発言する者あり)再延長がされましたが、一番短いところで九十日間を百二十日に再延長した。それでも、実際、一番短い人でいうと、三月十一日の震災の日からすると、そろそろこれも切れてしまうという状況が近づいていますよね。だから、この雇用保険の問題も含めて、特に被災地における雇用政策、雇用対策、これについて、相当これは緊急を要しますし、重要なテーマだと思いますが、政府の方針はいかがでしょうか。

小宮山国務大臣 おっしゃるように、やはり被災地の復旧復興には何よりも仕事が必要だということだと思っています。

 東日本大震災の被災三県につきまして、七月の有効求職者数が十五万人を超えていまして、依然厳しい状況にあるということは認識をしております。

 そうした中で、日本が一つになって被災地の雇用を支えようということで、「日本はひとつ」しごとプロジェクトというものをつくりまして、当面、最初の復旧の段階では、重点分野雇用創造事業の基金などを使って、避難所での子供の見守りですとか安全パトロールとか、何でも仕事になるような形をつくりました。また、被災された方を雇い入れる企業への助成ですとか出張相談をしたり、あるいは、求人開拓をそれぞれの県につくりました「日本はひとつ」しごと協議会というところでやったり、こういう取り組みをしてまいりました。それからまた、雇用調整助成金の拡充などもしっかりとしてきたところです。

 そして、今後、復興の段階では、これから働き続けられる仕事をつくることが大変重要だと考えておりまして、これは東日本の地域でこれまで行われてきた製造業とか農林水産業それから観光業など、こうした産業のしっかりとした復興、また、新しいエネルギーですとか地域包括ケアとか、そうした新しい部分につきましても、産業政策と一体になった雇用の面での支援に取り組みたいと思っております。

 三次補正では、復興の基本方針に基づきまして、そうした今申し上げた産業政策と一体になった観点から、これもやはり基金事業として雇用面の支援を行いたいと思っておりますし、この地域は非常に高齢化が進んでおりますので、高齢者からしっかり若者にその仕事を伝承していくこととか、あと女性とか障害をお持ちの方も働けるようにということで、これは都道府県の方に基金をつくって、こうした二つの取り組みをあわせて行いたいと思っております。

 先ほど、最後におっしゃいました雇用保険につきましては、十月十四日ごろに早い方は切れるというふうに認識をしておりますので、これについては、しっかりとまたその後をフォローできる仕組みを今検討しておりますので、そこは困られる方が出ないようにしっかりとやっていきたいというふうに思っております。

城島委員 何といっても仕事をつくる、雇用の確保というのは、それがなしには生活できませんから、最大のテーマだと思いますし、今おっしゃいましたように、十月十四日で切れるということであれば、再々延長も含めてですけれども、やはりこれは何らかの手だてをぜひ考えていただきたいと思います。

 次に、国交大臣にお尋ねいたします。

 今回のこの東日本大震災で、改めて首都機能の問題、一極集中でいいのかということがまた大変大きな一つのテーマとして上がってきたんじゃないかと思うんですね。だから、東京に首都機能が一極集中しているんだけれども、この首都機能の、ある面ではバックアップ体制というんでしょうか、そういったことが必須な課題として出てきたのではないかと思いますが、これについて国交大臣の御見解を承りたいと思います。

前田国務大臣 お答えをいたします。

 今、城島先生の御指摘のことを私も共有しておりまして、今まで国会移転、首都機能移転については国会でもずっと議論がされてきたところでございますが、特に今回の三・一一の大震災を契機に、例えば東日本大震災復興構想会議において、「首都直下地震の可能性などを考慮し、各種機能のバックアップのあり方、機能分担・配置のあり方など広域的な国土政策の検討が必要である。」こういうふうに指摘されております。また、こういったことを受けて、国土審議会の防災国土づくり委員会というのがありますが、この七月に、「東京圏の機能をどう分担し、あるいはバックアップしていくかについて検討することが、まずもって必要」というような指摘がなされております。

 こういったことを受けて、国交省におきまして有識者による委員会を今立ち上げようとしているところでございます。しっかり受けとめさせていただきます。

城島委員 ぜひ検討の方をよろしくお願いしたいと思います。

 次に、細野大臣と、それから中川大臣にお尋ねしたいと思います。

 総理の所信表明演説の中にも、福島の再生なくして日本の信用回復はありません、こういうくだりがあります。その中でも、総理自身は所信表明の最初の方で、原発事故とかあるいは被災者支援の最前線で、危険にさらされながら、黙々と収束に向けて、あるいはこうした状況を改善するために作業している人たちに対しての心からの感謝の念も述べられました。全く同感だと思います。

 こうした多くの方々の献身的努力に支えられながら、この福島第一原子力発電所の事故収束に向けて全力で政府が取り組んでこられているというのは認識をしております。

 先日、細野大臣もウィーンでこの収束に向けた報告をされまして、また総理も国連の中で報告をされておりますが、見通しについて改めて御説明いただきたいと思います。

 とりわけ除染に対して国としてどのように取り組んでいくのか、これは最大の課題だと思うんですね。また、中川大臣には、この早急な対応が必要な、とりわけ学校の除染ということについて、大変父兄の皆さんも心配されているわけでありまして、この辺について政府の見解を求めたいと思います。

細野国務大臣 まず、東京電力福島第一原発の収束でございますけれども、四月の十七日に作成をいたしましたロードマップに基づきまして、政府、東電一体となって収束に当たってまいりました。

 第二ステップというのは、放射性物質の放出が管理をされ、放射線量が大幅に抑えられている、そういう定義をしておりまして、そのためには、しっかりと冷却が進み、放出量が測定をされ、管理をされている、そういう状況をつくる必要がございます。

 当初、非常にトラブルが続きまして、国民の皆様にも、そして国会の皆様にも御心配をおかけいたしましたが、その後、随分安定化をしてまいりまして、冷却が進み、放射線量の放出についてもかなり計測ができるようになってまいりました。

 したがいまして、まだ若干越えなければならない壁はございますけれども、年内には第二ステップを終了することができる。サイト内の事象については当面の収束ということのめどが立ってきたと考えておるところであります。それに向けて、関係者一同、懸命に努力をしてまいります。

 今、発電所の中の収束ということで申し上げましたが、発電所の外につきましては、むしろ、放射性物質の拡散というのが三月に非常に大きなものがございましたので、まだ大きな課題を残しておりまして、その最大のものがやはり除染であるというふうに考えております。

 八月二十六日に除染に関する緊急実施基本方針というのを策定しておりまして、予算面でも体制面でも、ここへ来て整ったというふうに考えております。二次補正で二千二百億円、三次補正は今調整をしておりますが、できるだけまとまった予算をとりたいと思っております。

 また、福島には除染対策チームをつくりまして、私が所管をしております環境省、生活支援チーム、さらには文部科学省のもとにあるJAEAが協力をして除染をする体制が整いました。この後、恐らく文部科学大臣の方から答弁があると思いますが、その除染の最大の対象は子供でございまして、子供の放射線量をいかに低くするのかということについては、文部科学省を初め各省としっかりと連携をしながら、最大の、これは努力ではなくて結果を出していきたいというふうに思っております。

中川国務大臣 先ほどから御指摘ありますように、コミュニティーの再生ということを前提にしていけば、子供たちがまず安全で安心な環境で生活ができるということ、これを最優先に取り組んでいくということが第一課題だというふうに思っておりまして、頑張っていきたいというふうに思います。

 現状、八月二十六日に原子力災害対策本部で決定をしました除染に関する緊急実施基本方針に基づいて除染を行ってきております。福島県内の学校の校舎、校庭等において児童生徒等が受ける線量が年間一ミリシーベルト以下としていくということ、これが一つです。それから、校庭、園庭の土壌に関する線量低減策への財政的支援を十分に行う、そして、学校内において局所的に線量が高い場所を把握するための測定の手引の公表など、学校除染の推進をさらに進めていきたいと思います。

 現状、九月二十日現在で、福島県内で土壌除去について国庫補助申請を予定されている学校については、緊急時避難準備区域に指定されている地域等にある約十校を除いて、工事は完了しております。また、緊急時避難準備区域にある南相馬、それから田村市、川内村の公立学校についても、十二月中旬をめどに完了の見込みということになっております。

 学校の環境だけではなくて、通学路、あるいは子供たちが集まっていくスポット等々を含めて、さらに範囲を広めて私たちも最優先で頑張っていきたいというふうに思っております。

城島委員 今、両大臣からお話がありましたが、先ほど細野大臣もおっしゃいましたけれども、これは努力ではなくて結果を出す、全くそのとおりだと思います。ですから、今度の第三次補正も含めて、ここは、財務大臣、ぜひ最優先、お金がないからできないなんということはもう絶対ないように、未来を背負う子供たちのことでありますから、よく言えばお金に糸目をつけずに最優先で学校の除染、除染全体がそうですけれども、とりわけここについては配慮してもらいたいなと強く要請をしておきたいと思います。

 次に、もう一度小宮山大臣に、ちょっと風評被害の部分について、場合によっては経産大臣の補足もあるかもしれませんが、お尋ねをしたいと思うんです。

 この風評被害が一向におさまる気配がないんですね。先日は、愛知県で花火も、福島でつくった花火はだめだ、まき散らすんじゃないかという市民からの不安の声というか、そういうことで福島産の花火は打ち上げなかったというようなところまで来てしまっていると思うんですね。

 やはり今までも、例えばお茶ですね、お茶なんかも、実際はそれをお茶として薄めて飲むわけですから、現実的に考えると、まずきちっとした情報等があればそんなにパニックにならないと思うんですけれども、お茶の問題がありましたし、今も牛肉ですね、焼き肉屋さんは結構閑古鳥が鳴いているんですよね。余りお客が入らないというようなこととか、今度はお米のこととか、依然としてこれは広がる一方であります。

 こういう問題は、当然、科学的な、安全という基準をきちっとするということは前提ですけれども、どうしてもやはり消費者心理からすると、安心という、これは心理的な問題ですから、この安全と安心というのが本当にイコールになれば一番いいわけですけれども、なかなかそこにも大きな課題がある。また、こういった点での暫定基準値という、暫定がついているわけですけれども、こういったものについてきちっとした、それこそ少なくとも科学的な観点からの統一見解、できればというか、一日も早く、市場に出回っているものは、食品が中心ですけれども、基本的にはもう安全なんだという状況をつくらないことには、消費者の皆さんの不安とか不信というのを取り除くことはなかなかできないというのもあると思うんです。

 いずれにしても、こういった、市場に出回っている、お店に出ているようなものについては基本的には安全なものだという状況をいかにしてつくるかということが最優先課題だというふうに思いますが、この点について、いかがでしょうか。

小宮山国務大臣 おっしゃるとおり、やはり、特に食べ物の安心、安全ということは本当に最重要な課題だと思っております。

 牛肉につきましては、八月十九日に、順次、出荷の制限の一部を、四地域に出してありましたものを解除いたしましたが、これも、しっかりとした飼育管理ですとか全頭検査などによって安全管理体制が確立されまして、出荷管理の体制が確保されたことを受けた措置としてやっておりますので、このようにしっかり、基準値のもとに、必要な場合は出荷制限をかけて危ないものは出ないようにしている。

 かなり安全に安全を見越した基準で、国際的な基準のもとに今暫定の基準値をつくっておりますけれども、これにつきましては、御承知のように、食品安全委員会で生涯の規制値というものを出していただいて、パブリックコメントを終了いたしまして、今、放射性物質汚染対策顧問会議で議論をしている最中でございます。この後、食品安全委員会の食品健康影響評価書の確定を受けまして、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で諮問、答申を受けまして、それから放射線審議会、これは文科省ですけれども、ここに諮問をして答申を得た上で、きちんとした、暫定ではない規制値を確定したいというふうに思っております。

 それから、これからお米の問題についても、今おっしゃったようにいろいろ心配があると思いますけれども、福島県が二本松市で実施をいたしました収穫前の米の放射性物質の予備調査で、放射性セシウム五百ベクレルが検出されたというふうに聞いています。

 厚生労働省といたしましては、今後予定されている、収穫された食品として流通することになるお米を対象とした本調査の検査結果など、関連する情報をしっかりと注視いたしまして、原子力災害対策本部、農林水産省など関係省庁と連携をして、皆様に安心していただけるような対応をしっかりとっていきたいというふうに考えております。

城島委員 これは本当に、国民の不安だけでなくて、中小零細企業や生産者も含めて大変な問題ですから、精力的に、一刻も早く進めていただきたいというふうに思います。死活問題になっているところがございます。

 次に、本来は東電に聞いた方がいいのかもしれませんが、総理にちょっとお尋ねしたいんです。

 先日、東電から示された原発の賠償についての賠償用紙を送られた一般の方々、あるいは特に観光業も含めた業者の皆さんから、大変な疑問とか不満の声が多く上げられました。これは、納得感が得にくい部分もあるというふうに聞いています。

 例えば、これは今後またぜひ検討してほしいんですけれども、観光業が受けた被害の扱いについて、減収の二〇%分は地震や津波によるもので、原発以外の影響した点ではないかということで、確かに、すべてが東電の落ち度によるものではないという理屈はそのとおりかもしれませんが、こういった部分についても一律二〇%というような数字が突然出てくるというようなところについては適切かどうか、これはやはり疑問が出てくるのは当然かなというふうに思います。

 それ以上に、十二日から始まった、一般世帯に対して、私もちょっと見させてもらいましたが、百六十ページですよね。私が見ても、ちょっと見ただけで、これは一体どういうことなんだというふうになってしまいますね。戸惑いが非常に広がっているということであります。

 やはり被害状況ですとかあるいは個別の事情をよく聞いて、親切に、十分な説明と柔軟な対応ができるという体制を整えないと、これは不満が出てくるということは当たり前だというふうに思いますので、この辺の、説明書をもうちょっとわかりやすく、そして、今言ったように、体制をきちっと、被害者の皆さんの側に立った体制を整えるということを政府としても指導するとか検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

枝野国務大臣 御指摘のとおり、被害者の皆さんにお送りした書面、書類は、私も弁護士でございますが、多分、弁護士が読んでもなかなかすぐには読み切れないような中身ではないかというふうに思っておりまして、既に事務方を通しては改善を求めておりますが、本日、この予算委員会が終了しましたら、担当の副社長を呼びまして、抜本的に改善をするように求めたいと思っています。

 中身の紙自体を抜本的に変えるか、そうでなければ、マンツーマンで戸別訪問をして御説明をして、やりとりをする中で御理解いただくか、どちらかをやっていただかないと、これではとても被害者の方は納得できないだろうというふうに思っておりますので、強い姿勢で臨みたいと思っております。

城島委員 なかなかいい御答弁をいただいたと思います。ぜひそれを実行するようにしていただきたいと思います。

 次に、農水大臣と環境大臣に御質問いたします。

 とりわけ原発の二十キロ圏内の、前もちょっと私は申し上げましたけれども、動物、家畜及びペットに関する救出問題であります。

 これは、原発事故が起こって間もなく、実は前も本会議で我が党の高邑議員が質問もしましたけれども、彼なんかも率先して現地に入って、懸命に動物の救済活動に当たってきました。あるいは我が党でいけば玉木議員とか私なんかも含めて、当時の枝野官房長官あるいは大臣にも、動物の救済、これはまさにある面でいうと先進国としての対応が問われる問題だ、こういうことで何度か提言をしたり意見書を申し上げてまいりました。

 ただ、この問題は、調べてみますと、やはり原子力災害時における動物の取り扱いという規定がないというところが最初の問題でありまして、だから、どこにどういう責任体制があり、どうするのかというのが全くないという中で、かなり後手後手に回ったことは事実だと思います。現段階でもなかなか十分な対応がとれていないんじゃないか、そういう思いがございます。

 我々党側も一生懸命幾つかのアドバイスをさせていただきながら、あるいは、いろいろなNPO団体あるいは獣医師会、自治体含めて取り組みをさせていただいているわけでありますが、なかなか依然として不十分なところがあるんじゃないかという状況認識を持っております。

 家畜については農水大臣、それから愛玩動物、犬猫等については環境大臣に、現状をどういうふうに把握されているのか、お尋ねしたいと思います。

鹿野国務大臣 警戒区域内におけるところの家畜の取り扱いにつきましては、城島議員初め皆様方からいろいろと御提言をいただいておりまして感謝を申し上げております。

 御承知のとおりに、放射性物質に汚染された水や飼料を摂取しているんじゃないか、そういう可能性が高いということから、警戒区域におけるところの家畜につきましては、五月の十二日に原子力災害対策本部の指示に基づきまして、家畜の所有者の同意を得て安楽死処分をするということが基本であるわけでございまして、そういう中で、御提言をいただく中で、研究あるいは文化、そういうふうな目的でというふうなことであるとするならば、条件を満たすということを前提といたしまして、市町村等、県とも打ち合わせをしながらということで対応もさせてきていただいておるところでございます。

 そういう中で、今日の状況というものは本当に申しわけないと思っておるわけでございますけれども、私ども農林水産省といたしましては、専門職員四名が福島県に常駐をいたしまして、技術的な助言あるいは畜産関係の連絡調整もいたしながら、そして福島県との協力要請に応じまして、安楽死の作業に二十名従事いたしておるところでございまして、これからも福島県と協力しながら措置を講じてまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。

細野国務大臣 ペットの問題につきましては、城島議員を初め皆さんに本当にいろいろ御心配をおかけしている問題だというふうに承知しております。

 土曜日に、そういうペットの問題についていろいろやってこられた団体の皆さんのイベントにも私参加をしてまいりまして、家族同様に考えておられる皆さんの気持ちにしっかりとやはりこたえていく、ここは文化の問題として問われるという御指摘は大変ごもっともだというふうに思っております。

 簡潔に御答弁を申し上げます。

 警戒区域ですけれども、着のみ着のままで出ておられますので、多くのペットが二十キロ圏内に取り残された状態になってしまっております。五月の十日から八月の二十六日までは住民の皆さんが一時立ち入りをされましたので、それに合わせてペットの保護活動を実施いたしました。また、九月以降は、ペットで野放しというか放浪してしまっているのが結構おりますので、その保護に当たっておりまして、これまでのところ、犬三百十頭、猫百九十三頭が保護された、そういう報告を受けております。

 そうした保護されたペットについては、しっかりと、収容施設というのがございますので、そこで収容した上でもとの飼い主に戻していく、そういう活動を現在しているところでございます。

 こうした活動をする上では民間の団体の皆さんが非常に大きな力を与えてくださっておりまして、緊急災害時動物救援本部というのが民間四団体で設置をされておりますので、そうした皆さんが、全国から集められた義援金を有効に活用させていただいたり、活動の中身についていろいろ一緒に協力をさせていただいたり、そういったことをすることによって、城島議員御指摘の、本当にここは皆さんにしっかりと御理解をいただけるような、これも努力をしていかなければならないというふうに思っているところであります。

城島委員 来年は動物愛護法の改正の年でありますので、この面もしっかりと対応していただきたいと思います。

 次に、拉致担当の山岡大臣にお尋ねをしたいと思います。

 ことしの八月で、例の実務者協議で拉致の再調査を北朝鮮が約束してから、もう丸三年以上たちました。その間、全く進展がございません。やはり、対話と圧力という基本方針の中でありますけれども、何とかこの北朝鮮が約束した再調査を履行させるように、あらゆる手段を使ってでもそういうところに持っていってほしいなと思うんですね。

 私の地元には横田御夫妻がいらっしゃいまして、本当に一年一年お年を召されていきます。毎日のように、お嬢さんのめぐみさんが無事に帰国をされることを願って、毎日そういう思いでの活動をされている姿を見ると、ますます一日も早い、少なくとも何とか交渉にならないのかという思いを滋さんはよくおっしゃいますが、ぜひこれは、総理も所信表明でもおっしゃいましたけれども、強い決意で、何度もこういう状況が続いていますから、この野田内閣で何らかの解決への少なくとも糸口でも見出せるように努力をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

山岡国務大臣 城島委員におかれては、胸のバッジにもありますように、拉致問題には非常に関心を持っていただき、また今までも御貢献をいただいていることに敬意を表させていただきたいと思います。

 もう言うまでもないことでございますけれども、この拉致問題は、国の主権の重大な侵害でありますし、また国民の人権を侵害し生命を脅かすという非常に大きな問題でございますから、その解決については、野田総理を先頭にして、内閣、国を挙げて全力で取り組んでいかなきゃならないと思っておりますし、取り組んでおります。

 一刻も早い全員の拉致被害者の解決に向けて日々取り組んでいるところでございますが、一方においては、お話しのとおり、横田さん初め御家族の皆様の心情は察するに余りあるところがあるわけでございます。

 そういう点におきましては、四日に緊急国民会議に、私も就任すぐでございましたが出席をさせていただきましたが、そのときの御要請に沿って、総理には、所信表明の前でもあり、また国連に出席する前という非常に御多忙の時期ではありましたが、非常に重要なことということにかんがみて、御家族の皆様に直接会っていただき、そして決意や、また今後の進め方についていろいろとお話をいただいたところでございます。

 また、国連に行かれても、総理みずから、アメリカのオバマ大統領初め各国、関係の首脳に訴えられましたし、外務大臣も、それに先立った外相会談でもかなり幅広に訴えていただきました。

 また、御家族のことを思って拉致議連にずっとかかわっている事務局長の松原先生には、特別に、国土交通副大臣にお決まりであったのでございますが、この拉致担当副大臣にも御就任を急遽、総理にお願いをしてなっていただき、松原さんは非常に御家族の信任も厚いですし、知識も豊富でございますので、そういうケアを十分やっていただいているところでございます。

 さはさりながら、実際に進めていくのは、これはもう……

中井委員長 山岡大臣、時間がかなり超えていますので。

山岡国務大臣 はい。各国の協力と、秘密裏にも進めないことがありますので、全力で頑張ってまいります。

城島委員 終わります。

中井委員長 この際、岡田克也君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡田克也君。

岡田(克)委員 野田総理、国連における演説、そして主要国の首脳との会談、御苦労さまでした。

 大変重要な課題を抱えた局面であります。震災復興、そして原発、社会保障・税一体改革、あるいは日本の競争力の底上げ、そういった課題にぜひ全力で取り組んでいただきたいというふうに思います。

 一方で、そういう中で、いろいろなことをどんどん進めていかなければいけない。しかし、残念ながら、参議院において我々は多数がないという、いわゆる衆参ねじれの現状にございます。

 こういう中で、どうやって物事を前に進めていくのか。この衆参ねじれの中での、参議院において多数を持てない中での、野党に理解を得て政権運営を行うその基本姿勢について、総理のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 過去にも国会がねじれたことがありました。そして、今もこのねじれという状況がありますし、当面続くだろうというふうに思います。

 そうした中で、やはり国益を考えて、先ほど御指摘いただいた、震災からの復旧復興を初めとするさまざまな問題について胸襟を開いて与野党が議論をしていくということが大事だと思います。

 そのための前提となるのは、まず政府・与党で意見を集約して、しっかりと考え方をまとめた上で、正心誠意という言葉を所信表明でも使わせていただきましたけれども、その上で与野党協議を正心誠意行わせていただいて、そして結論を出して、政治を前に進めるということが基本中の基本だろうと思います。

 特に昨今は、岡田さんが幹事長のころに三党の合意書、確認書を交わしています。そういうものを踏まえた対応を丁寧にやって履行していくということも肝要である、忘れてはならないというふうに思っております。

岡田(克)委員 やや質問を先取りしてお答えになったわけですが、その八月九日の三党幹事長間の確認書、ここにおいて、復興のための第三次補正予算、平成二十三年度税制改正法案、それから復興債の償還財源の基本的内容や償還ルール、そういったことについて各党で検討を進めるということを確認いたしました。

 この三党合意を基本に据えて、今後、三次補正予算が組まれるべきだというふうに考えておりますが、もう一度総理の基本的なお考え方を聞きたいと思います。

野田内閣総理大臣 御記憶だと思うんですけれども、八月二十九日に民主党の代表選挙がございました。最初の五人の候補者の演説のときには、なぜかちょっとドジョウばかりがピックアップされていますけれども、決選投票の五分間の私のごあいさつは、財政再建に取り組むという、基本的には課題を先送りしないという姿勢と、それから三党合意を明確に守るということ、この二つのことを申し上げて、決選投票で勝たせていただきました。ということは、三党合意を遵守するということは極めて重要であると私は思っています。

 その後、国会の中で首班指名選挙があって、組閣をする前に、自民党の谷垣総裁、そして公明党の山口代表のもとにごあいさつに参りまして、三党合意は守るということ、私を信頼してくださいというお話をさせていただきました。

 ということで、御指摘のあった第三次補正に向けて、税制改正を含めて、あるいはこれからの復興の財源の話を含めて、三党の合意形成をこれからしっかりやっていく、三党合意を踏まえながら対応していくということを基本姿勢として改めて申し上げたいと思います。

岡田(克)委員 この衆参ねじれという状況、これは総理もおっしゃったように、しばらく続く。しばらく続くという意味は、例えば総選挙がやがて行われる、しかし、もし参議院選挙より前に総選挙が行われたとしても、そしてそこで仮に政権交代が再度行われたとしても、ねじれの状況は変わらない。つまり、参議院における議席数というのは、我々民主党会派が百六議席、しかし、自公両党会派で百二議席ということですから、どちらが政権についたとしても参議院において多数は得ていない、そういう状況でございます。

 そういう中で、どうやってこれを乗り切ったらいいか。いろいろそれこそ知恵を出していかないと政治は前に進まない。野党には今まで復旧復興の問題を中心にさまざま御協力をいただいてまいりましたけれども、しかし、やはり根本的なところで、もう少し仕組みとして考えていかなきゃいけないというふうに思っております。

 私は、ことしの一月に幹事長として各党にお願いいたしましたのは、両院協議会のあり方の問題であります。

 これは、総理にというよりは党代表にという立場でお聞きすることになりますが、その両院協議会について、まず三分の二で決めるということになっております。これは国会法九十二条であります。これを、そうではなくて過半数で決めるということにすべきではないか。そしてもう一つは、両院協議会の協議委員の構成の問題であります。現在は、例えば、衆議院であれば全員民主党会派の委員、参議院においては自民党会派の委員ということになっております。そうではなくて、やはりそれは両院において、議席数の配分に応じて構成を考えるべきではないか。

 そういうふうにしたからといって、すべての問題がクリアできるわけではありませんが、そういうふうに両院協議会をいわばきちんと議論して動き得る状況にして、その上で、ある意味では党議拘束も解いて、両院協議会にまさしく見識のある人を選んで、もちろん今の委員が見識がないと言うつもりは全くありませんが、しかし、そこで党をある程度離れて、しっかりと胸襟を開いて議論していく、そういう知恵が議会として出ないものかというふうに思うわけでございます。

 これは各党間で話し合うべき問題ではありますが、総理についても、ぜひこの点についてお考えを聞かせていただければと思います。

野田内閣総理大臣 一月十八日に、当時、岡田幹事長が御尽力をされてまとめられました「今後の国会運営のあり方に関する提案 政策を実現し国民の期待に応える「熟議の国会」のために」というものを、私も文書を拝見させていただいておりますし、その中での両院協議会のあり方の見直しというのは、これは一つのあるべき方向性、国会改革のあるべき一つの方向性だと思います。党の代表として、政党間の協議を進めていただいて、成案を得るように御努力をいただければ大変ありがたいと思います。

 一方で、制度論は制度論としてあると思いますが、当面、例えば第三次補正等々の議論をしていく際には、まず、さっき申し上げたとおり、まさに政府・与党で考え方をまとめた上で、野党の皆さんと真摯な協議をしていって成案を得るということが大事だというふうに思います。

 そのためにも、幹事長、政調会長、国対委員長等で、そのレベルでの対話も必要だと思いますが、何よりもやはり予算委員会というのは大きな舞台であります。筆頭理事につかれた岡田克也筆頭理事におかれましては、こういう予算の現場においても、そういう対話をしっかりやっていただければ大変ありがたいというふうに思います。

岡田(克)委員 それでは、次に参ります。

 ちょっと順番を変えます。マニフェストについて議論したいと思っておりましたが、順番を少し変えさせていただいて、総理、ニューヨークでオバマ大統領と会談をされました。その際、いろいろなことが当然議論になったと思いますが、沖縄基地問題、普天間の問題について、どういう議論がなされたのか、従来と違う議論があったのか、そういったことについてお聞かせをいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 オバマ大統領との会談は、基本的には、震災においてトモダチ作戦を初め大変なアメリカの御協力をいただいたことを感謝を申し上げて、その上で、私自身は日米同盟は日本外交の基軸であるという信念を持っていたけれども、それが揺らぎのないものになったということを申し上げました。そうした日米関係のいわゆる重要性については、これは安全保障、経済あるいは人的交流を含めてしっかり深化をさせていこうということで認識が一致をしたんです。

 具体の問題をいろいろ議論いたしました。その具体の問題の中で、大事なテーマだったのが普天間の問題でございます。普天間の問題、移設も含めての在沖米軍の再編については、昨年の日米合意にのっとってお互いに協力をしながらやっていこうということで、その際には沖縄の負担軽減等々をしっかりやっていかなければいけないということを、そしてそのためには、沖縄の皆様にしっかりと私どもが説明をし、御理解を得ていく努力をしていかなければならない、そういう決意を申し上げました。それに対して、オバマ大統領は、進展を期待するという趣旨の御発言がございましたというのが概要でございます。

岡田(克)委員 私も、当時、外務大臣としてこの普天間の基地の問題にかかわり、責任を感じているわけであります。そして、五月に日米合意を結びました。この日米合意をぜひ前に進めていただきたいというふうに思っております。

 そういう中で、総理も言われたように、やはり沖縄の皆さんの理解を得る努力ということは非常に大事なことだと思います。その一つとして、ことしの二月に、民主党の沖縄協議会として、私は座長を務めさせていただきましたが、当時の前原外務大臣と北澤防衛大臣に対して、負担軽減に関する提言をしております。ここで三つのことを言っているんですが、第一に、航空機の騒音規制の問題であります。

 この航空機の騒音規制につきましては、一九九六年三月の日米合同委員会におきまして、平日夜二十二時から翌朝六時までの飛行活動は、米軍の運用上、所要のため必要なものに制限されるということで合意をしております。しかし、いろいろ沖縄の皆さんの声を聞きますと、なかなかこれが守られていないんじゃないか。つまり、夜の十時から朝の六時までの離発着がかなりあるということでございます。

 もちろん、運用上必要なものについては例外として認めておりますが、制限時間における、つまり、十時から六時までどのぐらいの離発着があるのか、そしてそれは本当に運用上必要なものなのかどうか、そういったことについてもう少し日米間できちんと話をすべきである、こういうふうに思うわけですけれども、この点について、二月に申し入れた以降、政府においてどういう検討をされたのか、今、現状どうなっているのか、お答えいただきたいと思います。

一川国務大臣 では、お答えさせていただきます。

 今ほど岡田委員の方から指摘された問題は、防衛省も昨年の一月から、こういった問題にしっかりと取り組もうということで、現地に航空機のそういう観測の装置を設置しながら飛行の状況を調査してまいりました。

 現時点ではその結果を最終的にしっかりと取りまとめて地元に説明する状況にはまだなっていないということを聞きまして、私は、もう既に昨年からことしの三月にかけての調査を終えておるわけですから、いろいろな分析等は当然あるわけでございますが、早く整理をしてしっかりと地元に説明をする、説明をした中で地元からまたいろいろな要望なり疑問点が出てくれば、それに誠意を持ってこたえていくということで、早急に地元の関係者の皆さん方に説明できるような状況に持ち込みたいということで、今、指示をしておるところでございます。

 以上です。

岡田(克)委員 私は外相時代に嘉手納基地を訪問した際に、基地の責任者からは、嘉手納飛行場に所属する航空機は夜の十時から朝の六時までの間は飛行していない、しかし、外から来るそういった航空機については例外はある、こういうお話でありました。

 外から来るものについて、もちろんやむを得ない場合はあると思いますが、それはまさしく、例えば海外から飛行してくる場合は、出発の時間を調整すればこの時間内に着陸することは可能なはずであります。どうしてもそれができない場合というのは、それは例外を認めることにやぶさかではありませんが、本当にそれが必要なのかどうか、どこまで徹底しているのかということについては、私は疑問が残るように思っております。

 そういうことについても日米間でしっかりと協議をする、そのことを約束していただけますか。

一川国務大臣 沖縄協議会の座長を務められてこられたということで、沖縄の実態は十分御承知なわけでございますが、今ほどのお話は大変大事なことでございますので、調査した結果をしっかりと整理する中で、今ほどのようなことで沖縄の県民、地域の住民に大変心配をかけるということがあるとすれば、それはしっかりとまた米軍側と協議を持ちたいというふうに考えております。

岡田(克)委員 このことに加えて、回転翼機、ヘリコプターの場周経路についても、地元は十分に納得をしていないという問題もあります。

 そして、オスプレーですね。オスプレーの配備について、これが従来のヘリコプターと比べてより安全で、一般的により静かで、相当に能力が高いという説明を米国防省はしておりますが、沖縄の方は、知事初めいろいろな不安感を表明されております。

 こういったことはきちんとデータで説明するということが大事だと思うんですね。騒音とか安全性について、もう少し沖縄の人々が納得できるような説明、客観的な説明をしていただきたいと思いますが、それについていかがでしょうか。

一川国務大臣 お答えさせていただきます。

 今のオスプレーの問題も今大変重要な課題になってきておるわけでございまして、この問題についても、先般、北澤前防衛大臣の折に、沖縄県の方にオスプレーに切りかえていくということについて説明に入った折に、その後、県知事の方から二十九項目にわたってのいろいろな質問が出されてまいりました。これをしっかりと受けとめて、技術的、専門的にそれを整理して、この九月の一日に防衛省の事務次官から沖縄知事の方に説明に参りました。

 ただしかし、その説明の結果については十分まだ納得していただいておりませんので、引き続きその疑問点については十分誠意を持ってやりとりしていきたいというふうに考えて、何とかこの問題も沖縄の皆さん方の心配のない形になるように努力をしてまいりたい、そのように考えております。

岡田(克)委員 沖縄関連で最後ですけれども、一括交付金の話があります。

 一括交付金を沖縄に設けるということについては政府もお認めいただいたというふうに理解をしておりますが、問題は中身であります。本当の意味での一括交付金なのかどうかということが非常に重要で、実は七月八日に協議会から政府に対してこの一括交付金について申し入れをしておりますが、その中では、一つは、沖縄への補助金、交付金を原則廃止して、使途を限定しない自由度の高い交付金として交付するということでございます。

 そこにもう一つ加えてあって、概算要求段階で、各省庁別ではなく内閣府が一括して要求し、予算計上するとともに、交付金の交付に当たっても各省庁への移しかえは行わず、内閣府が直接交付する、こういった意味での非常に完成度の高い一括交付金にすべきである、こういうふうに我々は政府に対して申し入れをしたわけでありますが、概算要求において、まさしくこういうこととして一括交付金が取り扱われることになるんでしょうか。

川端国務大臣 お答えいたします。

 御指摘のように、岡田委員が民主党の沖縄協議会という形で七月八日に、今の御趣旨の、沖縄振興一括交付金と、内閣府において一括して予算要求するべしという御提言をいただきました。同趣旨で、八月十一日に民主党の沖縄政策プロジェクトチームからもいただきました。そういう議論も踏まえながら、そして、沖縄の現地の皆さんともいろいろ意見交換する中で議論を進めてまいりました。

 先日閣議決定した概算要求基準においては、御案内だと思いますが、沖縄振興予算については、一括交付金に関する地元の要望を十分踏まえ、予算編成過程において検討することということであります。概算要求時点では事項要求という形で、額、中身に関しては、今おっしゃったように額の話と中身の話とありますが、そういう形では、これからの引き続きの検討課題ということでは御趣旨のそのままにはなっておりませんが、意向は、この概算要求でも、沖縄の御要望はまさに言っておられるとおりでありますので、それをしっかり踏まえてより具体化をしていきたいということで、実は、けさ八時から、官房長官のもとで、沖縄県知事、それから市長会の那覇市長、町村会の南風原町長においでいただいた振興部会を開きまして、ここで、今言われたような経過を取りまとめた中で基本方針を示させていただきました。

 そこにおいては、より自由度の高い沖縄一括交付金を創設すること、これはお約束をする。そして、具体的な制度設計については、予算編成過程において、全国ベースの制度設計もございますので、これを踏まえながら、国の責務としての沖縄振興のあり方を勘案しつつ検討することということで、地元の御意見もよく伺いつつ真摯に対応してまいりたいと思っております。

岡田(克)委員 この間、内閣がかわりましたので、十分議論する時間がなかったということはわかりますけれども、やはりこれは、沖縄は地続きでほかの県とつながっているわけではないし、まさしく一括交付金をモデルとして前に進めていくために非常にいいのではないか、そういうふうに思います。それから、沖縄の歴史もあります。そういったことを考えれば、ぜひこの問題について積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 それでは、マニフェストについて幾つかお聞きしたいと思います。

 まず、先ほどの民主、自民、公明の三党の確認書において、歳出の見直しについて合意をしております。その中で、高速道路の無料化については平成二十四年度予算概算要求において計上しない。もう一つ、高校無償化及び農業戸別所得補償の平成二十四年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証をもとに、必要な見直しを検討する。ですから、政策効果をまず検証する、その結果、必要性が生ずれば見直しを検討する、こういうことになっているわけで、大事なことは、まず政策効果の検証であります。

 現時点において、この高校無償化、それから農業戸別所得補償制度、政策効果について文科大臣、農水大臣にお聞きしたいと思いますが、現在の検証結果、あるいは今後、来年度に向けてどういう検証を行っていこうとしているのか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。

中川国務大臣 現在、鋭意その検証に入っているところでありますが、第一には、これは言うに及ばず、被災地における家計急変世帯、これが相当出ておりまして、それに対して高校生等の就学機会をこの無償化というのが確保していく、その基本になってきているということ、これはあります。さらに、低所得世帯の私立高校生等に対する就学支援金とそれから授業料減免とを合わせた支援、これが多くの都道府県において高校無償化開始前と同水準よりも相当手厚くなってきておるということ。それから、制度を導入した平成二十二年度の、経済的理由による高等学校の中退者数、これが前年度に比べて三六%減少をしてきております。

 これが今手短にお話ができることでありますが、さらにこの検証を重ねていきまして、その効果に基づいて、どう改革していくかということに入っていきたいというふうに思っております。

鹿野国務大臣 農業者戸別所得補償制度につきましては、今年度の加入件数が、七月末の時点でございますけれども、昨年度を上回る加入数ということになっておりまして、また、いろいろなアンケート調査におきましても、続けてほしい、こういう声が大きいということも調査の結果として出ておるわけでありまして、地方公共団体の方からもこれを継続してほしいという要請が出ておるということも承知をいたしております。

 しかし、そういう中で、今、岡田前幹事長からのお話のとおりに、政策効果を検証する、こういうことでございますので、農林水産省といたしましては、今後の三党協議に際しまして、いわゆる加入状況あるいは支払い実績等の客観的なデータというふうなものをきちっと整理をしてお示しをして、そして三党におきましてもいろいろと御検証していただく、そういうことに対して誠実に対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。

岡田(克)委員 見直しをするべきか、あるいはする必要がないかということの前提になる検証でありますので、各政府の中でもしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 それから、確認書の中で、歳出の見直し全般についても誠実に対処するということを確認いたしました。

 党として、八月二十六日にマニフェストの中間検証というものをいたしまして結果を発表しておりますが、その中でも述べているわけですが、例えば、歳出の見直しの中で、公共事業の大幅削減については、二〇一〇年度、一一年度それぞれ一・五兆円削減という、今までの政権であれば考えられないような実績を残したわけでございます。それから、埋蔵金の活用につきましては、二年間で約九兆円と、これもマニフェストでお約束した額をほぼ満たすような、そういった埋蔵金の活用もしております。

 しかし、率直に申し上げて、補助金や人件費の削減については、この二年間経過する中で、まだまだ不十分であるということが言えると思います。

 人件費につきましては、今法案を提出しておりますが、基本的に八%を削減するということで半分近くまではいくわけですが、やはりこれから給与体系そのものも変えていかないと、一方で、定年延長ということで、たくさんの方が途中退職せずに役所に残るということが想定されますので、給与体系の変更も必要だし、それから全体の人数を減らすという意味では、やはり採用を引き続き抑えていかないと、これは人数としてはふえてしまうということになります。

 こういったことについて基本的にどういうふうにお考えなのか、政府の見解を聞かせていただきたいと思います。

安住国務大臣 今御指摘のありましたように、補助金と人件費の問題、特に補助金につきましては、社会保障関係とそして地方財政関係で八〇%を超えるという非常に硬直した状態にあります。それに文教関係を入れれば、ほぼ一〇〇%の補助金はそれで満たされるわけですから、逆に言えば、聖域なく、そこに対して、補助金の一つ一つを、これは蓮舫大臣と連携をしながらやはり見直していくということが経費の削減になっていくのではないかな、新たな行革の柱というのはここら辺をターゲットにしなければならないだろうと思っております。

 それから、人件費につきましては、岡田幹事長、そして私も国対委員長でございましたが、給与法を出させていただきました。これは、マイナス八%の削減ということで、平年にしますと二千九百億円程度の削減ということになっていきます。非常に公務員の皆さん、大変よく働いてもいただいておりますけれども、しかし、こういう時代の中で、あるべき制度も考えなければならないし、天下り等をやめていく、そういう中で、国民の生活等を総合的に勘案すれば、やはり継続案件となっておりますこの衆議院での法案をまず可決していただいた後に、しっかりした制度設計というものをしていきたいというふうに考えております。

岡田(克)委員 補助金につきましては、今財務大臣からいろいろ御説明がありましたが、それは前からわかっていたことであります。ですから、率直に申し上げて、やはりここは、我々がマニフェストをつくるときに見通しがやや過大であったということは認めざるを得ないというふうに思うわけですね。

 マニフェストの中間検証の中でも、マニフェストができた後の事情の変更、例えば、衆参ねじれになって、野党の賛同がなければ法案一つ通らない、そういう事態になっていることとか、あるいは東日本大震災が起きて予算の再配分を考えなければいけなくなったこと、そういうことと並んで、マニフェスト作成時に政策の必要性や実現可能性について検討、検証が不十分であったものがある、こういうふうに指摘をさせていただきました。

 この点はやはり我々真摯な反省が必要だというふうに考えておりますが、総理、どういうふうにお考えでしょうか。

野田内閣総理大臣 基本的には、マニフェストで国民とお約束したことは誠実に履行していかなければならないと思いますが、御指摘があったとおり、中間検証の中で、さまざまな理由によってそれがストレートに実現できない状況がありました。その上で、いろいろと列挙してありましたけれども、我々の見通しの甘さがあったことは事実であり、例えば財源に関する問題、社会保障の自然増とか入れていなかったですよね、ということも含めて、これは真摯に反省をし、深くおわびしなければいけないというふうに思っております。

岡田(克)委員 いろいろ厳しいことを申し上げましたが、他方で、我々、マニフェストでお約束して、実現していることもたくさんあるんですね。そのことを少し具体的に各大臣にお聞きしたいというふうに思っております。

 例えば、十年ぶりに診療報酬をプラス改定しました。私は、プラスにしたことそのものを評価するというよりも、やはり中身のめり張りをつけたこと、そこは高く評価されるべきではないかというふうに思います。

 例えば、数年前を思い出していただければわかるとおり、医療について、緊急医療あるいは小児科や産婦人科不足の問題ということがメディアでも連日のように報道されておりました。そういう問題がなくなったというわけではありませんが、やはり事態は改善に向かっているのではないか、それはこの診療報酬の改定というのが大きな効果を発揮しているというふうに私は思うわけでございます。

 こういったことについて、厚労大臣に、現状、効果のほどをお話しいただきたいと思います。

小宮山国務大臣 おっしゃるように、平成二十二年度の診療報酬改定で、十年ぶりにプラス改定を行いました。その中で、改定のめり張りといたしまして、救急や手術後の患者への高度な集中治療、リスクの高いお産を行う妊産婦の入院、リスクの高い新生児に対する集中治療、病院で実施している難しい手術、こうしたものを高く評価するなど、救急、産科、小児科、外科に手厚く配慮をいたしました。このことによって、今御質問にありましたように、国民が必要とする医療が受けられる第一歩になったと考えております。

 そして、医療現場からも、重症患者の受け入れを充実させることができたということや医療崩壊に歯どめをかける第一歩となったなどの評価をいただいているところでございます。

岡田(克)委員 雇用保険の適用拡大それから求職者支援制度の創設、こういったことについて、どういうねらいを持って行われたのか、そして具体的な効果をどのように考えておられるか、引き続いてお答えいただきたいと思います。

小宮山国務大臣 雇用保険につきましては、平成二十二年に雇用保険法を改正いたしまして、適用基準を六カ月雇用見込みから三十一日以上雇用見込みに拡大をいたしました。この拡大によりまして、非常に厳しい雇用失業情勢のもとで、非正規労働者に対するセーフティーネット機能をより強化できたというふうに考えています。その効果としては、およそ二百二十一万人の方が新たに雇用保険に加入をしたと試算しております。

 また、求職者支援制度は、雇用保険を受給できない方々が、生活保護に一度に陥ることなく、第二のセーフティーネットとして安定した就職ができるようにするための仕組みでございまして、十月一日から実施をすることにしています。この求職者支援制度を活用することによりまして、今増加を続けている非正規労働者あるいは長期失業者の方を中心に早期の就職を実現できるように、しっかりと第二のセーフティーネットをつくってまいりたいと思っています。

岡田(克)委員 この求職者支援制度も、今までの雇用保険そして生活保護、いわばその間を埋めるものであって、これは大変な制度的な改革だと思うんですね。そういったことをやはり政権交代して実現できたということは、我々はもっともっと語らなければいけないわけですが、政府においてもしっかりPRをしていただきたい。せっかく制度をつくってもそれが周知されなければ意味がありませんから、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 もう一つ厚労大臣にお聞きしたいと思いますが、生活保護における母子加算の復活それから父子家庭の児童扶養手当支給について、その必要性、そして成果についてお聞きしたいと思います。

小宮山国務大臣 生活保護の母子加算につきましては、子供に貧困の連鎖をしないようにしていくためにも、やはり教育の機会をしっかり確保する必要があるということで、三党の連立合意書を踏まえまして、平成二十一年十二月に復活をさせました。

 平成二十二年六月には、全国の被保護母子世帯の世帯主に対しまして、母子加算復活前の平成二十一年六月ごろと比較をした母子加算の使途などについてアンケート調査を実施いたしました。その結果、母子加算の復活によって出費がふえた項目、複数回答ですが、子供の衣服代が五五%、子供の教育費が五〇%、子供の学校行事に関する費用五〇%などの回答がありまして、子供の生活水準を上げるためにこれはかなり役立っているというふうに考えています。

 また、一人親家庭、子育てと生計を一人で担わなきゃいけないという中で、父子家庭に対する支援が非常に足りなかったということもございまして、政権交代後、父子家庭でも母子家庭と同様にしっかり支援をしなければいけないということから、児童扶養手当の支給対象といたしまして、生活の安定、自立を促進して、父子家庭の子供の福祉にも資するようにしたところです。平成二十二年八月から改正法が適用されまして、父子家庭の受給者数が平成二十三年五月末現在でおよそ五万六千人となっています。

 こうした政策をしっかりとこの政権といたしましては実現をして、どういう状況の子供であってもしっかりと支援が行き届くように、さらに力を入れてやっていきたいというふうに思っております。

岡田(克)委員 もう一つ、これは文科大臣ですが、小学校一年生ということではありますが、三十五人学級を決定いたしました。そのねらい、それから今後の拡充についてお話しいただきたいと思います。

中川国務大臣 まず、一年生から三十五人学級が始まったわけですが、これを順次六年生まで、あるいはまた中学校までということで広げていきたいということであります。

 ねらいについては、実はその効果として、全国連合小学校長会がアンケート調査をしておりまして、どういう効果が出てきているかということでありますが、担任の教員は、きめ細かい指導の充実ができている、あるいは学習意欲の向上だとか授業の活性化など、学習指導全般に効果があって、とりわけ、個別指導の充実や提出物の丁寧な添削、評価について効果が大きいと言っております。

 それから、生活指導面での効果もあらわれておりまして、家庭との緊密な連携、問題行動の減少など全般に効果があって、とりわけ、きめ細かい指導の充実や教員と児童の関係緊密化に効果が大きい。

 また、保護者も、先生がきめ細かいことに対応し始めている、あるいは子供がクラスになじむなど、さまざまな評価が出てきております。

 これは、人数を減らすということだけじゃなくて、それをどう活用して教育効果をもたらしていくかということ、これも大事なことだと思いますので、引き続き、これについては充実をさせていきたいというふうに思っています。

岡田(克)委員 いろいろ今、具体的に御説明いただきましたが、こういったものはまさしく、一言で言えば、子供や子育てに対する支援、そこに重点を移していこうということであって、先ほど申し上げましたように、公共事業を毎年一・五兆削減して、その財源をこういったことに振り向けていったということだと思います。それはまさしく民主党がマニフェストの中でお約束した基本的な考え方であって、そういうことについてはしっかりやっているということを、まずテレビを見ている国民の皆さんにも御理解いただきたいと思います。

 もう一つ、NPOの寄附優遇税制の大幅拡充について、これもなかなか、まだPR不足じゃないかというふうに私は思うんですが、そのことについて、政策のねらい、あるいは効果についてお話をいただきたいと思います。

蓮舫国務大臣 御指摘の問いでございますけれども、さきの通常国会におきまして、平成二十三年度分離税制改正法及び改正特定非営利活動促進法が成立をいたしました。

 これによりまして、認定NPO法人等に対する寄附金を税額控除の対象とすることなどの制度改正が行われました。これまでは所得税上の所得控除だけだったんですが、それにかえまして、税額控除を選択することもできるようになりました。税額の軽減率が上がることにつながります。

 寄附税制が拡充をするということは、これまで資金面でなかなか活動が大変だった認定NPO等が、寄附によってその活動が後押しをされますので、結果として認定NPO等の活動が広がり、新しい公共につながっていく、これがねらいだと考えております。

岡田(克)委員 まさしく民主党の考え方、新しい公共の具体的な政策的な裏づけだと思いますが、余りこれも知れ渡っていないという感じがするんですね。だから、もっともっとこれは、我々もPRしなければいけませんが、政府としてのPRもしっかりやってもらいたい。

 我々、まだ野党時代の癖が抜けなくて、何かそういった政策PRは党がするものだと思ったりして、しかし、与党になると政府にお任せするのか、その辺の仕切りもはっきりしないので、遠慮せずにそれぞれが決めたことについてはもっともっと説明をしていく必要があるのではないかというふうに思っております。

 もう一点、これはちょっと辛口になりますが、外交文書の公開について、私、外務大臣のときに新たなルール設定をいたしました。最近ちょっとおくれているように思うんですが、この点について外務大臣の御見解を問いたいと思います。

玄葉国務大臣 ただいまおっしゃった外交文書の公開につきましては、今御自分でもおっしゃっていただきましたが、岡田外務大臣時代に、三十年以上経過した文書について、公開すべき文書について公開をするということを決めたもの、そして、既に約一千五百冊以上の文書が公開をされているというふうに聞きました。

 きのう、私、国連の一連の会議から帰ってきまして、最近進んでいない、そういう話について聞きましたので、どうしてかという話を問うたところ、いろいろなテクニカルな話を言っていました。それは、三・一一の問題あるいはマイクロフィルムの問題、さまざま言っておりましたけれども、私の方からけさ、この問題について、作業を加速化させるようにということで強く指示をしたところでございます。

岡田(克)委員 これは、人がかわるといつの間にかもとに戻ってしまうということにならないように、十分気をつけていただきたいと思います。

 平成二十二年の六月から十二月までの半年間で千五百公開をいたしました。これは、可能なものを公開するというよりも、原則公開なんです。どうしても国益上だめなものについては、それはさらに先送りは可能ですけれども、基本的に公開するということなんですね。そして、半年で千五百やりました。

 当時から、三十年たったもの、公開すべきものについては、これは二万件ありますので、これを三、四年でこの在庫を一掃しようという話をしていたわけです。ということは、四年でやるとしても、年間五千件ずつ公開していかないといけないということになるわけで、最初の半年で千五百というのは、それには満たないわけですが、年間三千件ペースということではあるわけですね。

 しかし、平成二十三年度になってどれだけ公開されましたか。ゼロですよ。それは三・一一大震災があったとかいろいろな理由はつくでしょうけれども、本当にそういったことでいいのかどうかということは、大臣、政務三役を中心にしっかり議論していただいて、こういう情報公開というのは役所が嫌うものですから、ほっておくとなかなか進まなくなってしまいますので、政治的リーダーシップを発揮していただき、まずこの在庫を全部一掃する、それから、毎年毎年また新しく三十年たつものが出てきますから、そういったものについてしっかり公開していくということをお約束いただきたいと思います。

玄葉国務大臣 まさに、おっしゃったところがあると思うんです。本人は言ってほしくないかもしれませんが、これは岡田外務大臣のいわば実績、成果のうちの一つだというふうに思っていまして、これを着実にやっていく。

 確かに、大臣がどんどんかわるとそのままになるという性格というのはあると思うんですね。ですから、先ほど申し上げたように、作業を加速化させるようにということを強く指示をしましたので、しっかり政務三役でリーダーシップをとっていきたいというふうに考えております。

岡田(克)委員 もう一つ、子ども手当。

 これは、いろいろ党がつくったビラなどで誤解を招きかねない表現があったりして申しわけなかったと思いますが、ただ、単に児童手当に戻るということではないんですね。

 つまり、法形式としては児童手当法の改正でやるということは合意をしております。しかし、中身は今までの児童手当とは全く異なるものである。原則五千円から一万円に、そして中学生に対しても支給をする。それからもう一つは、控除をやめて手当へということで、いろいろメディアも報道しますが、児童手当に戻る、こう言われると、単に従来の児童手当に戻るかのような印象を与えかねませんが、そうではなくて、従来の児童手当とは内容的には全く異なるものが今我々が合意している子供に対する手当である、そういうふうに考えております。

 そのことについて、ぜひ厚労大臣のお話を聞かせていただきたいと思います。

小宮山国務大臣 おっしゃるとおりだというふうに思います。

 今いろいろと声が出ていますけれども、三党合意の中にも、恒久法である子ども手当法に乗せる形で、これから三党できちんと検討をするということなので、これまで続いて支給をしてまいりました子ども手当は、額が変わることから事実上これは廃止をされる。ただ、理念を含めて、子供全体を支援するということ、控除から手当ということ、これも検討項目には入っておりますけれども、ここは変わっていないということです。

 所得制限も、一部にいろいろな状況でかけざるを得ないということになっていますが、所得制限をかける世帯に対しても、財政的支援としての、財政的措置としての一定額を支給する、あるいは税制的措置としての税額控除を行うなど、すべての子供にしっかりと対応をするという意味などから、今までの子ども手当ではありませんが、従来の児童手当でもない。

 ですから、子供に対する手当をこれから三党でまたしっかりと御議論をいただくということだというふうに考えております。

岡田(克)委員 このマニフェストについて、もう一つ。

 このマニフェストについて、先ほど言いましたように、状況が変わったことによって中身を変えざるを得ない部分はあるということでありますが、やはり二〇〇九年マニフェストの基本的考え方、これは私はしっかりと維持していく必要がある、それは何ら変えるということではないというふうに思っております。

 例えば、国民の生活が第一、それからチルドレンファースト、つまり子供、子育てを重点的に支援する、人への重点投資、こういう我々の二〇〇九年マニフェストに貫かれた基本的考え方というものは、これはしっかりと維持し前に進めていく、そういう中で、現実との調整の中で変えなきゃいけないものが具体的なものとしては出てくる、こういうふうにマニフェスト検証委員会の報告の中では結論づけさせていただきました。

 基本的にそういう考え方でいいのかどうか、総理の御見解を聞きたいと思います。

野田内閣総理大臣 マニフェスト、まさに国民とのお約束をしたわけでありますので、それを誠実に履行するということが基本中の基本であります。

 その基本中の基本の中で、状況変化はいろいろあります。それは、中間検証に出ているようないろいろな要因があったと思いますが、岡田さん御指摘のとおり、国民の生活が第一、あるいはチルドレンファースト、あるいは人への投資、これは大事な理念だと思いますので、いろいろな現実に向き合いながら対応はあるかと思いますが、その理念がしっかり貫徹できるように、これからもぎりぎりの努力をしていかなければいけないというふうに思います。

岡田(克)委員 これから、少なくとも二年後には総選挙もございます。それに向けて新たなマニフェストもつくらなければいけない。そのときには、今回の基本的理念は維持しながら、しかし、我々は野党であったということもあって、必ずしも十分な検証、検討を行わないまま具体的政策を書いてしまったところもありますから、そういうところについてはもう一度しっかり見直しをして、そしてより信頼度の高いマニフェストをつくっていくべきだ、そのことを申し上げておきたいと思います。

 次に、総理の所信表明に基づいて幾つか、残された問題についてお聞きをしたいと思います。

 政治改革です。政治改革につきましては、総理は、憲法違反の状態となっている一票の格差是正の問題を挙げられました。

 最高裁の判決は、私は二つのことを語っているというふうに思います。一つは、各都道府県に一議席をまず配分するということは、憲法上の合理性が今やないということを言っております。そしてもう一つは、格差を二倍以内にする。

 この二つのことは、憲法解釈についてやはり最高裁がはっきりと考え方を示した以上、この二つは大前提として議論をせざるを得ないというふうに思いますが、そういう理解で同じかどうか、まずお聞きしたいと思います。

野田内閣総理大臣 私は、最高裁の指摘というのは重く受けとめなければいけないというふうに思っておりまして、今、岡田さんから御指摘をいただいた一票の格差の是正の問題、各県一議席別枠配分制度などについての指摘については、これをどうするかということをまさに解決するということが喫緊の課題だというふうに思っております。

岡田(克)委員 ただ、これも党の中で検討した結果ではあるんですが、これをもし機械的に当てはめるということになって、都道府県一議席配分を全部やめて、二倍以内ということでゼロから議論すると、恐らく二十一増二十一減ということになって、かなり多くの都道府県において議席の配分が変わる。したがって、小選挙区ベースになると、さらにそれが広がるということになります。もちろん、それができれば一つの理想かもしれませんが、現実を考えれば、一挙にそこまで、二十一増二十一減にいくのではなくて、やはり激変緩和的な考え方も要るんじゃないか。

 基本的には二回、十年で一回国勢調査をやりますから、二回の国勢調査、二十年ぐらいの中でこの二つの要請を完全に満たすところまで持っていく。しかし、そこに少し猶予を置くべきではないか、そういうふうにも思うわけで、党としてはそういう集約をさせていただいたんですが、基本的にそういう考え方は共通でしょうか。

野田内閣総理大臣 我が党の考え方、石井一先生の案、あるいは平岡秀夫法務大臣の案、こういうものをベースにして我が党の意見を集約されたというふうに承知をしています。

 それを踏まえて、これは選挙制度にかかわることでありますので、各党もさまざまな御意見があると思います。党の意見を踏まえて、そして各党と真摯な協議をしながら成案を得ていく御努力を党としてぜひお願いしたいというふうに思います。

岡田(克)委員 所信表明の中で、総理は、選挙制度のあり方について、与野党で真剣な議論がなされることを期待するという表現を使われました。あえて選挙制度という表現をお使いになった意味、つまり、単なる定数是正ではなくて、制度そのものを大きく変えるということも念頭に置いておられるんでしょうか。

野田内閣総理大臣 一票の格差の是正と、そして議員定数の問題を含めて議論をしていくということなんですが、その際に、さっき申し上げた各県一議席別枠配分など、現行制度をどうするかという議論もありますので、そういうことを包含的に含めて選挙制度という言葉を使わせていただいております。

岡田(克)委員 政党によっては、この際、選挙制度を大きく変えることも考えるべきじゃないか、そういう指摘もございます。

 私は、今の小選挙区比例並立制というものを二十年前に一生懸命につくった一人ではあります。しかし、そういったさまざまな提案についても胸襟を開いて議論をしていく。次の選挙に間に合うかどうかというと、これは非常に難しいと思いますが、しかし、もう少し中長期的な視点で議論していくということは、これは一つ大事なことではないかというふうに思いますが、総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 私も九三年初当選でしたので、岡田さんと同じように、現行制度を導入するためには、非常に志を持って、パッションを持って対応した一人でございますが、選挙制度については、その後、いろいろと見直しをしなければいけない点、改善すべき点も出てきていると思います。それらについては、各党が本当に胸襟を開いて、まさに民主主義の根幹にかかわるテーマでございますので、丁寧な議論をしていくべきだろうというふうに思います。

岡田(克)委員 終わります。

中井委員長 これにて前原君、城島君、岡田君の質疑は終了いたしました。

 次に、田中康夫君。

田中(康)委員 衆参合わせて七名、与党統一会派、国民新党・新党日本の田中康夫です。

 私たちは、社会的公正と経済的自由を同時に達成し、混迷する日本に躍動感を取り戻し、成熟した、パステルカラーに彩られた一億総中流社会日本の復権を目指しています。加えて、古今東西、増税で景気浮揚した国家はどこにも存在せず、これも国民新党・新党日本の共通認識です。被災地復興を口実に、被災者を人質にとり、増税を画策する机上の空論な社会主義計画経済のごとき官僚、ノーメンクラツーラの跳梁ばっこを私たちは阻止せねばなりません。

 お手元にお配りいたしましたのは、またこちらのパネルは、民主党代表の野田佳彦さんと国民新党代表の私どもの亀井静香が八月三十日に取り交わした合意書でございます。これは、野田さんが民主党代表として、また政党政治によって立つ日本国の総理大臣として、公党間で交わされた唯一の文書、ドキュメントである、この認識でよろしゅうございますね。

野田内閣総理大臣 これは、八月三十日、国民新党の亀井静香代表とともに、私としては代表になって初めて、最初にこういったサインをした公党間の約束であるというふうに理解をしています。

田中(康)委員 いわゆる三党合意、三党協議ということがメディアで躍っておりますが、それらは前政権時代の確認書でございますし、また公党の党首間でなく幹事長レベルで取り交わした、いわば国家間の講和条約と国際会議での共同声明の違いのようなものではなかろうかと私は認識しております。

 この八月三十日の合意文書には、「大胆な経済政策を実行する。」とございます。対症療法的なその場しのぎの経済対策でなく、亀井が述べる新しい方程式に基づくコペルニクス的抜本的大転換を日本にもたらす経済政策を増税へと逃げ込まずに行う。そのための財源の創出に関しては、後ほど具体的に提言をいたします。

 また、郵政改革法案は、各党修正協議をもって臨時国会で成立を期すとございます。

 そして、政権交代時の二〇〇九年九月九日に合意をした三党連立政権合意書の中身を実現する、これが第一項目めでございます。

 いわゆる二年前の連立政権樹立に当たっての政策合意には、「連立政権は、家計に対する支援を最重点と位置づけ、国民の可処分所得を増やし、消費の拡大につなげる。」「国民からの負託は、税金のムダづかいを一掃し、国民生活を支援することを通じ、我が国の経済社会の安定と成長を促す政策の実施にある。」よって、「今回の選挙において負託された政権担当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引き上げは行わない。」と明記しております。

 すなわち、真の財政再建とは、消費減退、景気低迷、税収落ち込みの負の連鎖をもたらし、財政も悪化する増税ではなく、急がば回れ、論より証拠でありまして、大胆な経済政策で景気浮揚と消費拡大、税収増加をもたらし、結果、財政規律をも好転させる。これが、鶏か卵かの神学論争を超えた新しい方程式だと私は認識しております。

 ところで、野田さんは、ニューヨークで、法人税、所得税だけではバランスが悪い旨の発言をされたと報じられております。この真意はどのような点にあられるのか、お聞かせください。

野田内閣総理大臣 復興の財源について、政府税調で御議論が終わって、今、党税調の方の御議論をいただいているところでございますけれども、その際に、複数の選択肢を復興対策本部に御提示いただくことになっています。それについては基幹税を初めとして検討するということになっていましたので、法人税や所得税というのが一つの選択肢で出てまいりました。それにあわせて、消費税は外すということを私が指示をしましたので、個別間接税という選択肢が出てきているという中で、たばこ税が出てきている。

 だから、選択肢に入れること自体を私は拒むものではない、一つの選択肢であるという意味で理解をしたということで、御説明というか御答弁をしたという次第であります。

田中(康)委員 しかし、バランスという言葉は何か帳じりを合わせるというような、抜本的な解決ではなかろうと私は懸念するわけでございます。

 午後に自由民主党の塩崎恭久さん等も御質問なさるかと思いますが、私どもは、超党派で、日本を根っこから変える保守の会というものを設けました。私も会長代行になっております。民主党の方も多く参加されております。

 恐らく、民主党も自民党も、メーンストリーム、執行部の方々は、増税をしなくてはというお考えかと思います。しかし、私は、民主党にも自民党にも、あるいは他の政党にも、そうではないと。先ほど来私が申し上げておりますような、鶏か卵かを神学論争でなく変更してこそ景気浮揚によって財政が健全化する、これが伏流水のごとく流れているのではないか。そして、このことが、増税、原発、役人、あるいは言葉をかえますと、消費税、放射能、公務員という三つの問題に個々の議員がどの立ち位置に立つかということが国民から問われる社会になっていると思っております。

 ところで、昨日、所得税の増税時期を一年先送りして、二〇一三年一月から実施する方向で調整に入ったというふうに報じられました。所信表明演説では、負担を先送りしないと明言されておりますが、二〇一三年からという先送りは、これは逆に問題を先送りする話なのではないか。すなわち、増税時期に関して柔軟姿勢とおっしゃることは、これは結果として、朝三暮四のような、国民の目をくらませる話になって、政治が信が立たなくなるのではないかと思います。

 産経新聞は社説で、増税がいかに震災後の日本経済に深刻な打撃を与えるかという視点が決定的に欠けているのではないかと述べております。

 私たち国民新党・新党日本は、増税なき景気浮揚、増税なき財政再建、この点で、震災前から、皆様も御存じのように、金融機関の休眠口座、十年間預貯金が動かないものが、金融機関の不労所得になるものが年間一千億円もある、しかも、これは法律に基づいたものではなく、全国銀行協会の内規に基づいて実施されていて、これが農協や労働金庫等もなっている、やはりこれを社会的共通資本のために用いるべきではないかということを述べてまいりました。

 幸いに、財務省の中にも御理解を示す方が徐々にあらわれておりまして、例えば宝くじをとりに来ない方とか、あるいは万馬券でありますとか、こうしたものも社会的共通資本の休眠口座と同様にできないかという建設的な意見も生まれてきております。ぜひこれは、私は、与野党を通じて、超党派でこの法律を議員立法で成立させたく思っております。

 もう一点は、私ども、日銀直接引き受けの国債発行ということを震災直後から申し上げてまいりました。日銀直接引き受けというのは、皆様御存じのように、日銀が、発行いたします。ですので、これは、政府が日銀に利息といいますか利子を払います。しかし、これは、日本銀行でございますので、政府に対して国庫納付金として利子なり利息は戻ってまいります。ですから、元本以外のところはゼロという形でできる。私は、これこそ経世済民の、机上の空論ではない、デリバティブのような商品ではなかろうかと思っております。

 まして、ことしの予算でも、予算総則第五条には、日銀保有国債で今年度償還額の範囲であれば、通貨膨張がないので日銀直接引き受けは認められている。しかも、今年度の償還額は三十兆円となっておりまして、その中で日銀直接引き受けが予定されているのは十二兆円でございますから、差し引き十八兆円の日銀直接引き受けは、新たな国会議決をすることもなく、政府の決断において即日発行できるわけでございます。

 まさに百年に一度、千年に一度の日本の状況である中において、こうした新しい方程式が私は必要なのではなかろうかというふうに思っております。

 もう一点は、無利子非課税国債の発行ということも、これは読売新聞が社説で繰り返し述べてきておりますが、私もこの予算委員会で幾たびも申し上げました。にもかかわらず、今回、相続税を増加しようという。このような形をとれば、国民は皆日本のために協力しようと思っているのに、性善説ならぬ性悪説に立てば、逆にもっと地下に、たんす預金に潜っていってしまうのではないか。私ども、もっとこの日本の国民を信用すべきであると思っております。

 あるいは、八十兆円に上るアメリカの国債を初めとする外国債がございます。私は、これを一割、あるいは、仮に売買しなくてもこの一割を担保に起債するということにおいても財源が生まれてくる。これは、経済学者の野口悠紀雄さんも同様のことを述べております。仮に一割の八兆円外国債を担保にするだけで為替が乱高下するならば、逆に、基軸通貨として世界はどのように対処すべきかということを国際会議で述べるのが私は日本のあるべき姿ではなかろうかというふうに思っております。

 さらには、皆様は国債を発行すると。しかし、その国債は、財政規律のために、当初は五年とおっしゃいました。最近は、十年や二十年で償還するとおっしゃっております。

 私は、では、なぜ日本に建設国債というものがあるのか。脱ダム宣言を出して、公共事業をよりよく地元密着にすると申し上げてきた私でございますが、建設国債がなぜ六十年か。これは、私の認識では、建設国債でつくる道路や建物というものはその年消費するものではない。赤字国債とは違う。五十年、六十年、コンクリートの耐用年数を考えて、未来の方々も用いる公共財をつくることです。すると、今回、震災で、津波で、放射能で灰じんと帰した町を、社会的共通資本を再建するということは、まさにこの建設国債の少なくとも六十年、私は個人的には、百年に一度とおっしゃるならば、百年国債であってもこれは問題先送りではないと思っております。

 この点に関して、野田さんに、なぜ十年や二十年ということで償還せねばならないのか、この点をお聞かせください。

安住国務大臣 まず、誤解があるところがありますので、私の方から簡単に説明しますが、総理が、いわゆる期限について、先送りをするとか、そういう話をしたことは一切ございません。手続上は、私が政府税調として種目を決めたことについて今党税調で議論をしていただいている最中でございますので、その中で、いつからどれぐらいお願いをするのかということが多分新聞に出たことでありまして、総理が何か趣旨を曲げたような話というのは、これは大きな誤解でございますので、撤回をしていただきたいと思います。

 日銀引き受け等については、以前から、財政規律等の問題があって、これについては、日銀の直接の引き受けという選択肢はとらないという基本方針に立っております。

 無利子国債、非課税国債についてというお話は、再三にわたってあります。しかし、これについても、無利子ゆえに失われる利子収入よりも軽減される税額の方が大きい方が、そういう方が購入することが想定され得るということで、むしろ国家財政を悪化するのではないかという説もありますから、これについても慎重である。

 私、最後に申し上げたいんですけれども、先生、償還財源は、建設国債であろうと赤字国債であろうと、私どもの考え方は、若い世代、つまり次の世代に借金を、ツケを回さないで自分たちで払っていこうということで、その財源を担保するということを前提にやっていますので、建設国債というものはいわばオプションではない。

 最後に、私、きのうまでワシントンにおりましたけれども、G20でもG7でも、やはり、財政規律の問題を避けて、一言で言えば、財政支出をどんどんやればそれでいいのだというふうな筋に立っている国家は極めて少なかったです。私も日本の財政の置かれている状況について詳しく説明しましたが、それに対して非常に同調していただいている方々が多かったということもあわせて申し上げたいと思います。

中井委員長 安住さん、アメリカ国債を担保にして金をという話は。

安住国務大臣 これについても、現在のところ、私どもとしては検討に入っておりません。

田中(康)委員 そういたしますと、整合性を合わせるならば、六十年の建設国債というのも、皆さんがおっしゃる財政規律をとおっしゃるならば、これは即時撤廃しなきゃいけないということになります。

 先ほど申し上げたように、今回の復興というのは社会的共通資本をつくることなんです。人件費等の単年度の消費ではありません。

 ですから、私は、ぜひとも天動説から地動説へと移っていただきたい。私どもも与党でございます。しがない与党かもしれません。しかし、夫婦も親子も、相手が歩むべき道を見失っているときには、きちんと助言をしてこそ、これは国家間もそうでございます、私はそれがパートナーと思っております。

 ぜひとも、そのような古い方程式から、事なかれの話ではなく、歩み出す努力、それが国民が一緒に協力する真の政治になろうかと私は思います。

 放射能の問題に関しても、ザ・ウォールストリート・ジャーナルで野田さんがお話しになった内容に関してちょっとお聞きしようと思いましたが、時間が来てしまいました。この点は、この委員会あるいはまた財務金融委員会においても、東京電力を残すことが国民や国家のためになるのか、国民や国家のための政治や再建でなくてはならない、そのことを皆様と一緒に歩む、そのために皆様も心を開いていただければ、私ども国民新党・新党日本は信じられる日本のために御一緒に闘う、そのことをお約束して、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

中井委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として東京電力株式会社取締役副社長山崎雅男君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中井委員長 質疑を続行いたします。石原伸晃君。

石原(伸)委員 自民党の石原伸晃です。

 質問の冒頭、東日本大震災に遭われた皆様方、また今回の大変大きな台風十二号、追い打ちをかけた十五号等々の被害に遭われた方々に心から、亡くなられた方にはお悔やみ、またお見舞いを申し上げたいと思います。

 野田新首相率いられる政府におかれましては、一連の台風被害復興への予算をしっかりと補正予算に盛り込み、素早い対応を本当に心から心からお願い申し上げたいと思います。

 では、フリップをよろしいでしょうか。

 さて、これは財務大臣、総理大臣、もう御存じのことですが、本日の円・ドルレートは七十六円の四十銭台、九月二十一日につけました七十六円の十銭台に迫らんともするような勢いであります。株式市況は先週末に比べて、前場の終わり値ですけれども、百四十円程度低い八千四百十九円。一時は、八千四百円の壁を半年ぶりに下げる、大変予断を許さない状態だと思っております。

 これでもわかるように、また総理の午前中の答弁からもわかるんですけれども、日本経済というのは極めて深刻な場所に今立っているんだと思います。そして、これは実は、安住大臣はマルセイユの方にも行かれてきたようでございますけれども、日本だけの危機ではなくて、国際経済全体の危機であるという認識をぜひ内閣挙げて持っていただきたい。

 アメリカの国債が引き下げられました。リーマン・ショックの後、実は住宅価格も戻っていません。失業統計を見ますと、九%という極めて高い状態であります。このアメリカの景気回復への道筋も見えていませんけれども、もっと問題なのがヨーロッパの経済状況であると思っております。

 ギリシャの財政赤字に端を発した危機、早期の改善策は、G20でも議論があったように、なかなか案が出てこない。欧州のギリシャ以外の金融機関も、市中からお金を集めることが難しくなっている。こんなところは、ECB、欧州の中央銀行が資金を供給して何とか立っているというのが今の現状ではないかと思っております。

 私が危惧しておりますのは、このギリシャ危機が、巷間言われるようなイタリア、スペイン、財政規模、国力、国の大きさも違います。EU経済全体に対するGDPの割合でも、ギリシャは数%、二%ちょっとですけれども、イタリア、スペインは合わせると四分の一ぐらいになってしまう。こんなことを考えると、アジアの日本でありますけれども、欧州発の金融危機というものを絶対に食いとめる協力というものはしていかなければならないと考えております。

 総理は、午前中の答弁の中で、もちろん震災の復旧復興、これが一丁目一番地だということは冒頭おっしゃっていましたけれども、経済危機への対応が最大の課題とおっしゃられた。では、今、この世界経済の現状と日本経済、円高、株安、さらには東日本の復興、こういう状態の中でどのような具体策を考えていらっしゃるのか、また、こんなことをプランとして持っている、こういうお話をまずお聞かせください。

野田内閣総理大臣 まず、石原幹事長が懸念として示された今の世界経済の先行き不安については、これは全く同じ思いでございます。アメリカの債務上限問題がありましたけれども、今一番深刻なのは欧州の債務の問題でありまして、ギリシャの支援について、これはまずはユーロ圏で早急に、迅速に対応をしなければいけないというふうに思います。

 これは、今回訪米をして、オバマ大統領との会談の際にも、あるいは英国のキャメロン首相との会談の際も、EUの首脳と会談したときにも申し上げました。世界経済で一番心配な問題ですが、アメリカがどうする、日本がどうする、あるいは新興国の中国やブラジルがどうかかわるかという以前に、まずユーロ圏内で早くコンセンサスをつくって、迅速な対応をするということを働きかけていかなければいけないということを強く申し上げさせていただいた次第であります。

 その上で、この動きがどうなるかについては緊張感を持って注視していかなければならないと思いますけれども、当面の円高対策については、第三次補正は基本的には本格的な復興のための予算でありますけれども、日本の経済の再生なくして被災地の復興はないというふうに思います。そのために、当面の課題として、円高の痛みを和らげるために中小企業への金融支援を強化するであるとか、あるいはリスクに強い経済とするために立地補助金を拡充する。

 先般、自動車のメーカーの視察に行きました。その際にお聞きしたのは、電気自動車のモーターをつくる際に立地補助金が助かって、我々が踏みとどまる一つのきっかけになったというお話がございましたので、こういうお金については拡充をしていきたいと思います。

 もう一つは、やはり円高のメリットを生かすために、海外の企業であるとか資産であるとか資源をどんどんと買っていく、買収していくためのそういう仕組み等々をあわせて総合的な対策としてまとめていきたいというふうに思っております。

石原(伸)委員 総理、総論としては総理のおっしゃるとおりなんですけれども、では具体的に、今は具体的に中小企業への金融支援、立地補助金の話をされましたけれども、マクロの、ユーロに働きかけるだけではなくて、日本がアジアをまとめる、あるいは中国と連携する、アメリカと連携する形で、ともかくユーロの対応を第一だとするようなことだけでいいのかということまでやはりきめ細かく見ていかないと、この問題はなかなか先には進まないんだと私は思います。

 三次補正の話は後ほどさせていただくといたしまして、まず、総理がどのような政治姿勢をお持ちであるのか、その点からお話を聞かせていただきたいと思います。

 総理は、所信表明演説の中で、政治家の心得を説きました勝海舟の正心誠意、そういう言葉を引用し、正しい心で誠意を持って取り組むと言われました。また、議会制民主主義の要諦は、対話と理解を丁寧に重ねた合意形成にあるとも言われました。しかし、私ども野党の立場から言わせていただきますと、もっともなことを総理は言われているんですけれども、行動は果たしてこの言葉のとおりなのかなと疑わなければならない点が多々ございます。

 そのよい例がこの国会、わずか四日間で国会を閉じようとされた。総理、これはまさか御自身の指示ではありませんよね。もしそうだとするならば、正心誠意という、正しい心で誠意を持って取り組むという言葉とは、対野党、対国民に対して百八十度逆ではないかと私は思っております。そして、各新聞の社説が、これはおかしいと。世論の厳しい批判に遭って、九月末までの会期延長となり、きょうの予算委員会を迎えているわけであります。

 しかし、総理が外国で初外遊で頑張っているときに、国内に残った各大臣の方々はいらっしゃったんですね。しかし連休の、三日間、国会は開店休業であります。これはある意味では、私どもが、会期が延びたんだから、その間に大臣所信を聞いて各大臣が何を考えていらっしゃるかを聞いて、予算委員会をしっかりとやろうということを言っておったんですけれども、残念ながら、国会が開会できませんでした、大臣所信を聞くことができなかった。まさか、これも総理の指示ではないか。二点についてお答えください。

野田内閣総理大臣 まずは、国連総会で一般討論演説をする前に、過去にはいろいろな前例があったようでありましたけれども、私自身は、その前に国会で所信表明演説をして、それに対する質疑を受けたい、それを踏まえての委員会運営等々については国対にお預けをするという形の、そういう指示をしておりました。

石原(伸)委員 国対にお預けと申しますが、私どもは、やりましょうということを国対を通じて申し込んでおりました。そして、国対の委員長代理の方々がやめるとかやめないとかいうごたごたがあって、委員長間同士で話を詰めたんですね。しかし、どうしても三十日までだということをおっしゃった。それは決して正心誠意には映らないということを私は申し述べているわけでございます。

 さらに、復興のための三次補正、先ほど総理もお触れになった。復興財源、民主党の方ではまだごたごたしているようであります。円高対策。課題は山積しておりますけれども、これらをもし閉じて次の臨時国会でやるとするならば、その期間というものはかなり長くとらなければ、山積みの懸案に対して立法府として回答を出していくことはできないのに、総理の女房役であります、後ろにいらっしゃる藤村官房長官は、次の臨時国会はそれほど長くはなりません、こんなふうに述べられております。

 官房長官、これもまた国対に任せているとか、そういう答弁ではなくて、野田内閣の女房役なんですから、野田総理にしっかりと、国会を開きましょう、延長しましょう、十分に審議しましょう、こういうことをおっしゃるのが私は官房長官の務めだと思います。真意をお聞かせください。

藤村国務大臣 まず、今、石原幹事長がおっしゃった次の国会の期間について、私は会見で、一般論としてという冒頭に注釈つきで、過去の例でいいますと、年末に予算編成もあることで、過去の例を引いてみると十二月の中旬ぐらいまで開かれていることが多いということで、次の国会が、もちろん年が明ければいわゆる通常国会が開かれるわけですから、それまでの間ということにはなろうと思いますが、それほど長い期間の国会でない可能性は高い、こんな言い方をしただけで、国会の会期につきましては、私どもは召集権がございますが、会期につきましてはあくまで政党間で協議いただく、このことだと思っております。

石原(伸)委員 今長官は会期末のことには言及されたんですけれども、私どもは、皆さん方の請負じゃないですけれども、通年国会とは申していませんけれども、必要な問題を国会で審議する、必要があるならば国会を開いていこう、そういう意味で七野党が十月十四日までの会期を要求した。現在は九月三十日までということになっています。

 この国会を閉じるであるならば、今おっしゃられたように、内閣に国会の召集権があるわけですから、早急に次の国会を召集して、会期末は常識的に十二月の中旬までにする、そういう理解でよろしいでしょうか。

藤村国務大臣 早急にというのが、今、第三次補正、いわゆる復興予算について、きちんと与野党協議も経た上で国会にお出ししたいというところでございますので、おおむねその辺の時間的な問題というのは想定されるかと思いますが、私ども、必要に応じて国会を召集させていただきたいと存じます。

石原(伸)委員 必要に応じて国会を召集するのは当たり前であって、私どもが言っているのは、閉めるであるならば、さっき言いましたように各大臣の所信も伺っていない、ですから、それをやりましょう、予算が出てくるまでその時間を有効に使っていきましょうという話をしているんです。それなのに、総理は国対にお任せしている、官房長官は常識的な線でと。何か国会をやりたくない、開きたくない、こんなふうに聞こえてなりません。

 今も藤村長官は与野党協議という話をされました。総理も盛んに与野党協議を口にされるわけですけれども、その前提というものは信頼関係であります。立法府に籍を置く人間は、立法府で議論をして、やはりその真価が問われる。そのために約束を果たすこと、これは幼稚園の園児さんでも知っているような当たり前のことであります。

 三党合意とともに、さきの国会では、今財務大臣になられた安住国対委員長が、いわゆる二重ローンの救済法案、私学復旧助成、かさ上げですね、補助率をかさ上げする問題、そして総理の午前中の答弁の中で重要案件の一つに入っている原発事故の事故調査委員会を国会に置くということ、これは民主党の皆さん方も賛成されている、これを、次期臨時国会、つまりこの国会で処理すると約束しているんですね。安住大臣、この約束はどうなっているんですか。総理、なぜ今国会で処理しようとしないんですか。

 臨時国会は、さっき申しましたとおり、もう一回延長することができる。そして、次の国会についても、いつやるということは言わない、終わりだけおっしゃる。そんなことでは国会としての使命を果たせないと私は思う。やはり国会を再延長して、公党間の約束、安住国対委員長がされた約束を、これは与党も野党もなく問題意識を共有しているんですから、私はやるべきだと思います。この約束が守られてこそ次の段階に進んでいく。お答え願いたいと思います。

安住国務大臣 今はもう国対委員長でないので国会のことはとても疎いわけでございますけれども、私の認識で申し上げますと、石原先生、国会の会期は合意をして全会一致で決めたというふうに私は認識をしておりますから、またそれを延長するかどうかというのはひとえに国会の中で話をしていただければいいので、余計な話ですけれども、財務大臣としてというよりは国会対策を経験した者として申し上げれば、ここで官房長官等にさらに延長しろ等の話というのは、ちょっとやはり質問としては、全会一致で決めた会期でございますから、そこはそういう認識であった方がいいと思います。

 なお、私は塩崎先生なんかと、原子力の委員会を例えば国会につくったり、さまざま、二重ローンの問題、まあ私学の問題については多少意見が与野党異なるところもありますけれども、成案を得てやるようにここで努力をしようということで、私と逢沢先生と漆原先生で話をしたというのは事実でございます。

石原(伸)委員 国会のことが疎いということはさておいて、やはり安住さんが政治家として、本当に東北地方で困られている方がいる、住宅ローン、家を建てた、新築の家に入った、流されてしまった、ローンだけ残った、あるいは、建設会社をやっていらっしゃる、何億円もする機械をリースしていた、機械が流されてしまった、商店で新しい設備投資をして冷蔵庫を新しくした、商店ごと流された、ローンだけ残った、こういう方々に対して、今の手だてでは、政府が考えているボリュームでは足りないということは現場で合意しているんです。ですから、この国会でやりましょう、やりますよと約束をしたものを、開店休業状態でやらないで、議論をしないその姿勢がおかしいと言っているのであります。

 幾ら平野国対委員長がおっしゃるとおり野田内閣が不完全内閣であっても、国会で議論すべきであって、ぼろを出すのが嫌で国会を閉じるということであるとするならば、私は本末転倒だと思う。総理、いかがですか。

野田内閣総理大臣 別に、ぼろを出すのを隠すために云々という意識は全くございません。さっき御指摘のあった議員立法については、今実務者の協議が行われているというふうに思います。その推移を見守って対応していきたいというふうに思います。

 不完全内閣云々でありますが、私どもは、仕事を通じて不完全内閣ではないということをお示しするように全力を尽くしていきたいというふうに思います。

石原(伸)委員 総理は民主党の代表でもあられるのですから、今問題が何があるかということもわかったし、与野党で垣根のない話を実務者でしている。これはやはり一日も早くやらなければならない。もし閉じるのであるならば、早期に国会を再召集して今の問題をやるというのが、誠意あるリーダーの姿だと私は思います。もう一度お答えください。

野田内閣総理大臣 まずは、第三次補正予算を早急にまとめて、そして早急に国会を開く。その際には、今、実務者協議の進捗状況を踏まえての話でありますが、御指摘のような議員立法についても、なるべく早い段階で結論を得るようにしたいというふうに思います。

石原(伸)委員 臨時国会、先ほど申しましたように、この臨時国会を私たちは念頭に置いていた。今の総理の答弁を聞く限り、次の臨時国会、約束を破るということだと理解をさせていただきます。

 野田内閣では政治主導、脱官僚依存の影というものが見えないと新聞各紙が書かれている。事務次官会議の復活、法制局長官の国会答弁を認める、まさにこれが官僚依存であります。さらに、与党の関与を強化して、政府が政策決定する前に党の政調会長の了承を得る、これはまさに事前審査であります。

 民主党の看板政策はたしか政策決定の内閣への一元化だったと思いますが、これはどこに行ったんでしょうか。菅内閣と同じように、またもや国民の皆さん方への明確な説明あるいは変更に伴う謝罪、なし崩し的なマニフェストの撤回なんでしょうか。

 マニフェストができなかった理由について、岡田先生が午前中質問されていた震災と衆参のねじれ。私はそうは思いませんが、この政治主導、脱官僚依存、これも変えるということは震災のせいなんですか、衆参のねじれなんですか。

 なぜ、この金看板を取り下げて新しい政策決定のやり方にするのか。代表として、あるいは総理として国民の皆さん方に明確にお示しいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 政治主導の看板をおろしたという事実はございません。政治主導はこれからもしっかりと堅持をしていきたいと思います。

 私の政治主導の考え方でありますけれども、基本的には、政務三役が政策決定に責任を持つということです。その方向性をしっかりと役所の皆さんにも指し示した上で、一方で、役所の皆さんが本当に役に立つところになる、役人の皆さんが役に立つ人になる、存分に仕事をしてもらいながら、政権をサポートしてもらう。結果についての責任は政治がとる。これが私の考えている政治主導で、その基本的な考え方に全く民主党政権としてぶれはないというふうに思います。

石原(伸)委員 総理の答弁というのは至極真っ当に聞こえるんですが、実態は全然違うわけですよ。次官会議はやめる、あるいは官僚答弁はさせない、法制局長官も入れないと言っていたものを、百八十度変わって、やるという事実に対して何のお答えもされていないと思います。

 私の席からこうやって閣僚の方々、大臣の顔ぶれを見ますと、私は決して野田内閣というのは適材適所だとは思いません。派閥均衡内閣です。

 フリップを出してください。

 これは三大紙に載っていたものであります。私がつくったものではありません。三大紙が掲載していたわけであります。党内バランスばかりに対処をして、適材適所になっていない。旧主流派三グループ、旧中間派三グループ、非主流派に至っては、皆さん論功行賞で入っていると書いてあるんです。

 こういう内閣の顔ぶれを見させていただいて、総理は勝海舟の正心誠意というお言葉を使われましたが、私は別の言葉を総理に進呈したい。八方美人主義では国家のために大事業はできない、これは勝海舟が申しております。このような八方美人内閣に国の大事業はできないのではないかという大きな危惧を私は持っております。

 これから私どもの同僚が質問をいたしますから、皆さん心して答えてください。

 みずから素人であることを公言する防衛大臣。マルチ商法への関与が疑われる消費者担当大臣。内閣不一致も気にせず個人の思いを述べられる厚労大臣。部下が機密情報を漏えいする国土交通大臣。残念ながらここにはいらっしゃいませんけれども、わずか九日間で辞任した経済産業大臣。その鉢呂前経済産業大臣に対して、総理は御自分の任命責任について代表質問の中で認められておる。しかし、まるで他人事で、残念だの一言。

 このような閣僚の任命をした責任というものを、総理大臣は今の段階でどのようにお考えでしょうか。

野田内閣総理大臣 内閣が発足した後に辞任をする閣僚が出たことはまことに遺憾であり、それについての任命責任は私にあるというふうに思っております。特に、福島の再生なくして日本の再生なしと私は強く申し上げてまいりました。その信頼が揺らぐような事態だったと思いましたので、これは、辞任ということを本人から申し出がございましたが、受理をしたという次第であります。こうした残念な結果を踏まえて、むしろきちっと内閣として、特に福島、被災地の皆様の信頼回復に全力で努めていきたいというふうに考えております。

 全体の人事のお話がいろいろございましたけれども、私は、基本的には、適材適所という形で人事を組んだつもりでございます。いろいろなバランスのお話もございましたが、少なくとも、民主党が心を一つにして、挙党体制で政策実現をしていくためのそういう人事をしたつもりでございます。

石原(伸)委員 挙党体制ということが、このように各グループ、派閥に配慮をした、そして論功行賞によった人事である。その方々が個々の能力があって問題に対処していただけるなら、私たちは今総理の言葉を信じましょう。しかし、この後どういう問題があるのかという点については、この後の予算委員会あるいは各委員会で、各大臣の所信を一日も早く聞かせていただいて、お話を詰めていきたいと思っております。

 また、政治資金規正法によりまして禁止されている外国人からの献金を総理が受け取った問題についても、総理はたしか誠実に対応すると言いながら、その後、国民の皆さん方に何の説明もございません。総理には国民への説明責任を果たそうという気持ちがないように見られて仕方がない。

 就任以来、いろいろなところにいらっしゃっている。しかし、記者会見あるいはぶら下がり取材、受けられないということであります。総理をテレビで国民の方々は見ることがあっても、総理の肉声、何を考えているのか、あるいはどんなことをしようとしているのかというのは、残念ながら、この予算委員会が開かれるまで余り国民の皆さん方の中には明らかになっていなかったわけであります。就任三週間たった今も、私も国民もさっぱりわかりません。

 説明責任というものは一体どういうことなのか。それは、なぜこんなことを言うかというと、総理が任命をされた総理の内閣参与の成田さんが、こういうものには野田方式をつくってしっかりと応じていく、肉声を国民の皆さん方に発する、こういうことを進言されている。

 菅総理の場合はどうだったか、ふと思い出しますと、都合のよいときだけ言いっ放しの記者会見を開く。しかし、野田総理は、本当のことを何もしゃべらない、具体的なことを何も言われない。積極的に記者会見や取材に対応されたら、私は国民のためあるいは国家のためにわかりやすいと思いますが、この点についての総理の所見をお聞かせください。

野田内閣総理大臣 国民に対してきちっと説明責任を果たしていくというのは、これは政治家の重要な責任だと思います。したがって、いろいろな現場に行ったとき、あるいは海外に行ったときも、きちっと記者の皆様には対応しているつもりであります。

 いわゆるぶら下がりというやり方をとるのかどうかを含めて、いずれにしても、自分としては、きちっと国民と対話をし、そしてメッセージを発信したいと思いますので、今、そのやり方をどうするか、今最終段階でありますけれども、自分なりの判断をしようとしているところでございます。

石原(伸)委員 一日も早く、予算委員会以外の場でも、しっかりとお考えを国民の皆さん方に示されるようにしていただきたいと思います。

 次に、外交についてお話を聞かせていただきたい。日米関係に刺さったとげ、普天間基地の移設問題であります。

 この問題が袋小路に陥っているのは、実は、総理の先輩たちの総理大臣が言葉をもてあそび、そして沖縄県民の心を引き裂き、私どもが本当に永年にわたって積み重ねてきた外交努力をわずか一瞬のうちに水泡のごとくなくしてしまった民主党政治の言葉の政治にあるんじゃないかと私は思います。

 我々が必死の思いで積み上げてきた沖縄県民の皆様方との信頼関係、日米合意をあと一歩のところまで推し進めてきた普天間基地の辺野古沖への移転というもの、これをぶち壊したのは、間違いもなく、野田総理率いられる民主党政権であります。民主党は、そのあげくに、日米合意への先祖返りというものを表明された。

 その後、普天間問題について何らかの前進が本当にあったのだろうか。私は、あったならば、これだけのことをやりましたよ、壊しましたけれども沖縄に足を運びこういう方々と話をしました、あるいはアメリカとこんな話をしましたと、具体的にあるのであるならば、国民の皆さん方にお示ししなければならないんだと思います。

 沖縄政策協議会、けさ開かれて、一括交付金の話が出たそうでございますが、その金額は、すなわち具体的な内容は何も示されない。

 進展が本当にあったのか、そして、これから総理がオバマ大統領にあそこまで約束をしたことに対してどういうふうに物を進めていくのか、各閣僚の取りまとめに当たる藤村長官にお聞かせ願いたいと思います。

藤村国務大臣 今御指摘の沖縄政策協議会振興部会というものを、本日、予算委員会の前に約四十分間ほど開かせていただきました。沖縄振興等についての、沖縄県あるいは那覇市、これは沖縄県内の市長会長さん、それから町村会長さんらが来ていただきまして、野田政権になってから初めての振興部会でございました。

 ここでは、今おっしゃったように、きょうまで懸案であって、あるいは、民主党、党の沖縄協議会なんかからも七月あたりに要請をされておりました一括交付金という形、これは民主党の政策にも掲げておりますが、この一括交付金制度というものを内閣府としては初めて提案させていただいたというところでございます。金額については、今後、年末までの予算編成の中でさまざま詰めが進められていくところでございますが、新たな一歩をきょう朝スタートさせた、こういうことでございました。

石原(伸)委員 今のお答えを聞いていてもわかるように、きょうまで何もしていないんですな。具体的な一歩をまるで歩み出していない。さらに、沖縄側から一体幾らですかという質問があっても答えられない。これでは、私は、迫り来る期限に対して、沖縄の方々の理解を得るということはなかなか進まない。長官、やはり工程表をつくって、しっかりと物事に対処していってもらいたい。お願い申し上げます。

 日米首脳会談ではオバマ大統領は、普天間基地移設問題について、結果を求める時期が近づいていると具体的な成果を求められました。

 総理、これは極めて異例なことなんですよ。日米首脳会談で期限に触れて約束の履行を守れなんということは、日米のこれまでの信頼関係の中にはないんです。それだけアメリカは焦っている。そして、民主党政権を二年間見守っていたけれども、もう待てない。先ほどの長官の答弁にあったように、きょう初めて一歩を出したみたいなタイムスケジュール、時間感覚でいくならば、自分たちのパートナーとしてふさわしくないよという最後通告にも似ているんだと私は思っております。首脳会談で期限切れに触れるということはないということを、ぜひ心にとめておいてください。

 そして、総理は沖縄の人々の理解と言いますけれども、その沖縄の知事である仲井真知事、きょうもいらっしゃっておりましたが、同じ時期ワシントンにいらっしゃっていて、他の都道府県への移設が合理的で早期に課題を解決できる、普天間飛行場の辺野古移設は見直すべきだと講演で述べられているんですね。総理がいらっしゃるちょっと前に沖縄の知事にこんなことを言われてしまったら、総理が何を言おうと、おい、現場と総理の言っていることが違うぞ、このようにアメリカ側から受けとめられてしまっても仕方がないと思います。

 総理、このような状態の中で、リーダーシップを発揮されて、一体いつまでに結論を出されるのか。APECのこの秋までなのか、それとも来年の春までなのか、来年の夏までなのか、具体的にお答えいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 オバマ大統領との会談の中での普天間についての議論でございますけれども、私の方からは、日米合意にのっとって日米が協力しながら進めていく、その際には普天間に固定化することなく沖縄の負担軽減を図っていく、そういう御説明をしっかり沖縄県民の皆様にさせていただきながら、誠心誠意お伝えをして御理解をいただく、そういう基本的姿勢を申し上げました。

 時期が云々というのは多分、大統領御本人というよりも、ブリーフをした方の個人的な思いの中で出たのではないかと思います。オバマ大統領のお話は、その進展に期待をするという言い方でございました。

 そういう基本姿勢のもとに、いつまでにというのはなかなか明示することは困難でありますけれども、誠心誠意御説明をしながら、御理解をなるべく早い段階で得られるように努力をしていきたいというふうに思います。

石原(伸)委員 総理、民主党政権も、野田総理が初めて政権交代をされて今日を迎えているならば、今の答弁で私はいいんだと思います。しかし、二人の総理がひっくり返して、それをまた日米合意に戻して、そして、初めてお会いになる野田総理に対してオバマ大統領がこの問題をイの一番に言われたということの重みというものは、やはり外交を預かる者として、しっかりと肝に銘じていただきたいと私は思います。

 誠心誠意あるいはできるだけ早くということでは、必ず破綻をいたします。私はもうその時期に来ていると思う。やはり総理が、民主党政権で起こした問題に終止符を打つ、そういう強い決意を持って、言葉をかえるならば、政治生命をかけてでもこの問題は来年の春までになし遂げる、このぐらいの気持ちがなければ、私は物は進まないと思います。いかがですか。

野田内閣総理大臣 野田政権の最大かつ最優先の課題は、東日本大震災からの復旧復興と原発の事故収束、そして日本経済の再生ということを申し上げてまいりましたが、大震災の前からあるいわゆる課題、宿題、内政については少子高齢化とか財政の問題とかがあります。外政については、今まで御議論いただいた普天間の問題も含めて、いろいろあろうかと思います。それを一つずつ、しっかりと結論を出していくというのが私どもの課題というか使命だというふうに思っておりますので、そのことを重く受けとめながら対応していきたいというふうに思います。

石原(伸)委員 政治使命という言い方をされましたが、政治生命をかけてこの問題に当たられる、そして、その期限は永久に先送りすることができないということを申し述べさせていただきたいと思います。

 ちょっと話題がかわるんですが、今、NHKのニュース速報で、小沢元代表の秘書、大久保秘書、石川知裕衆議院議員、池田元秘書に対する判決が下されました。三人とも政治資金規正法違反で有罪判決ということであります。

 秘書全員が政治資金規正法違反で有罪となった事実は重く、その親たる政治家、すなわち小沢一郎元代表の政治責任というものは極めて重いと認識しております。総理はこの事実をどのように受けとめ、現在民主党で党員資格停止中の小沢元代表に対し、責任をとり、速やかに議員辞職を求めるなど、民主党代表として指示をされたらいかがでしょうか。お答え願います。

野田内閣総理大臣 政府の立場として、司法の判断についてコメントすることは差し控えたいと思いますし、その司法の判断の内容も詳しくは承知していませんので、なおさらコメントすることはできません。

石原(伸)委員 私はそういうことを聞いているのではなくて、いろいろな事案というものはあります。しかし、その事案に対して政治家が最終的に責任をとるということは、これは与野党関係なく、みんな共通な思いなわけですね。こういう判決が出た、それに対して民主党の代表として厳しく対処する。私は何にも知りません、司法のことですということでは、私は通らないと思います。

 それでは、有罪判決を受けた石川知裕議員、もちろん今民主党には入っておりませんけれども、議員辞職、当然すべきですよね。民主党として、私どもが議員辞職勧告決議案を出したら、賛成されますか。それとも、いやいやいや、これは司法の決めたことだから、元民主党の議員だから私は知らない。どういうふうにお答えになりますか。

野田内閣総理大臣 石川議員は今党籍を持っていません。いませんし、加えて、今有罪判決の第一報ということでございますが、判決の中身をよく承知しないで、それ以上のコメントをすることはできません。

石原(伸)委員 それでは、ぜひ、判決の内容をしっかりと吟味されて、ぶら下がり取材あるいは記者会見等々で結構でございますが、総理として、民主党の代表としての御見解というものをお示しいただき、あしたまた委員会で議論をさせていただきたいと思っております。

 外交と個々の案件はこのぐらいにいたしまして、内政問題に移らせていただきたいと思います。

 野田内閣については、各紙が、危機感が不足している、スピード感がない。これは総理も先ほどの答弁等々でお認めになって、まだ被災地の方々で不十分だ、スピードがないと言う方がいらっしゃる、そういうことをおっしゃっておりました。そして、本当に具体的に何をやるのか。やります、やります、できるだけ早くにと、具体的なものがないから、やる気というものが伝わってこないんだと思います。菅総理の居座りで、実は三カ月、六月二日にやめますよと言ってやめるまで時間がかかりましたので、浪費された時間があります。もう余裕はないんですね。

 第三次補正の話をさせていただきたいんですが、私たちが第三次補正に必要なものを取りまとめたのは七月です。この表のように、必要な補正予算のメニューを提示しました。財源もまとめました。もちろん菅政権に持っていったんですね。

 今、三次補正についていろいろやっている作業の最中だと言いますけれども、きょうこの段階で民主党としての財源問題についての結論が出ていないということは、私も残念でなりません。被災者の方々が待ち望む三次補正の編成作業は一体どの段階にあるのか。そして、先ほど来、次期臨時国会について私は言及しましたけれども、いつやるということを明確に示されない、できるだけ早く、三次補正がまとまったら。その前にやることがあるのに、やろうという言葉がない。一体いつ三次補正を提出されるのか、財務大臣、お答えください。

安住国務大臣 今、三党合意に本当に忠実に従って、復興の財源を含めて党内で協議をしております。報道で御承知だと思います。政府税調としては、次の世代に借金を残さないで、自分たちの世代でこれをしっかり返していこうということで、できるだけ税外収入をふやして、その上でも足りないときには、大変国民の皆様には心苦しいのでございますが、直接、法人税や所得税でお願いをするという案を出させていただきました。

 今、目下、本当に、政府として出した案について、党税調として、もうきょうあすじゅうには意見の取りまとめをさせていただくということで努力をしていただいております。

 なお、歳出の面につきましても、石原幹事長が一番御存じでございますけれども、国庫負担分の二分の一の部分、さらにB型肝炎の対策を織り込んで、円高でございますから、先ほど冒頭に大変見識のあるお話をいただきましたが、私も全く、実はガイトナー長官等々と話をして、石原幹事長と同じような話をガイトナー長官もなさっておりました。そうした対策を含めて、おおむねのところはまとまってはきましたが、最終的には政調会長のところで一本化をさせていただいて、自民党また公明党の皆さんを含めてぜひ協議をさせていただいて、その上で印刷等の編成に入っていきたいというふうに私としては思っております。(石原(伸)委員「いつ出すんですか、いつ」と呼ぶ)いつというのは、国会にということでございますか。

 できるだけ早く出したいとは思っておりますが、幹事長一番御存じですが、正式に決まってから、印刷をかけて、三週間程度どうしてもかかります。ですから、自民党、公明党との話し合いというものを、これは私の立場で言うことではないかもしれませんが、歳出の面等については合意できるところは多々ございますから、そこに掲げて御提案をいただいた、地方に対するお金やさまざまな点については合意できるところがありますので、できれば今週ぐらいからぜひ協議をいただければ、早ければ早いほど提出も早くなるのではないかなと私は思っております。

石原(伸)委員 財務大臣、やはりもう少し当事者意識、野党との協議が取りまとまれば早く国会に提出できるんじゃなくて、財務大臣がイニシアチブをとって、党内に、きょうあすじゅうにまとめるじゃなくて、きょうじゅうにまとめてもらわなきゃ困る、そういうイニシアチブをとらないと、増税に反対している方がいる限り、ずるずるずるずる行きますよ。それを私はさっきから言っているんです。

 当事者意識とスピード感が足りない。それを認められているじゃないですか、総理大臣も。きょうこの段階に至っても補正予算の財源について民主党の合意が得られていないというのは、皆さん方が考えた当初のものより、もう一週間おくれなんです。総理、予算が執行されなければ、被災された方々は雪の中で執行される予算を待つことになるんですよ。そんなに待たせるつもりなんですか。だって、私たちは七月にまとめていて、このまま使ってくださいと言っていて、協力すると言っているんですよ。

 与野党協議じゃなくて、与党の皆さん方が、まず民主党を固める、その次には、連立を組んでいるんだから、国民新党の方々と固める、そして協議しましょう、これが国会のルールなんです。国会は閉めちゃいます、早く協力してくれれば早く予算が出せますというのは、当事者意識がないということだと思います。一日も早く予算編成を終えて国会に提出するように、総理、指示してください。

野田内閣総理大臣 若干事実誤認があると思うんですけれども、一週間ほどおくれているということではございません。政府税調の議論を踏まえて、党税調の御議論をいただいて、でき得れば先週末までに結論を出せればなと思っておりましたけれども、きょうまで来ているということは事実であります。

 ただ、これは大詰めの段階でございます。大詰めの段階できちっと結論が出るように、私自身も、財務大臣だけではなくて、私自身がリーダーシップを振るっていきたいというふうに思っております。その上で、一日も早く国会に御提出できるように努力をしていきたいというふうに思います。

石原(伸)委員 雪の中で被災者の方々を待たせることのないように、総理の強いリーダーシップを期待いたします。

 さて、おたくでもめております復興財源。総理は、復興財源については、次の世代に負担を先送りすることなく、今生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うと述べられておりますが、その考え方に変わりはございませんか。

野田内閣総理大臣 七月に復興の基本方針をまとめております。その際に、将来世代に先送りするのではなくて、今を生きる世代で連帯して負担を分かち合うということがその方針に明記をされています。それを踏まえて対応していきたいというふうに思います。

石原(伸)委員 考え方としてそれはあるんですね。しかし、私は、必ずしも総理の考え方に賛成はできない。

 それは、復興策の中にはいろいろなものがあると思います。次の世代も使用するインフラ、特に、インフラが徹底的に壊されてしまった。道路、鉄道、港湾、防波堤、防潮堤等々であります。インフラの建設費用すべてを、総理、本当に現役世代だけで負担すべきなんですか。

 受益と負担の関係を考えますと、瓦れきの処理、こういうものは現役世代が利益を得るものですから、現役世代が負担をする。先ほど申しましたように、それに対して、これは我が党の鈴木俊一議員が鈴木善幸先生と二人で岩手県の防波堤をずっとつくられてきた、安住大臣も御存じのことだと思いますけれども。六十年間かかって、トータル一千三百億でやったものが、一瞬にしてすべて壊れた。こういうものを、これから権益として使用する、そういうものをすべて本当に今生きる人たちに負担させていいんでしょうか。方法はいろいろあると思うんです。長期の債券、債券の償還期限を長くしたものをつくって、受益も負担も世代間で分かち合う。私はその方がある意味では公平だと思います。

 そして、インフラ部分の費用、これは地域の方々が一番心配しているのは、今はいいんだけれども、政権がまた変わった、あるいは財政事情が悪くなった、経済危機が起こった、その分、財政事情に左右されるようなことがあったら困ります、こういう切実な声があるんです。これは被災された方々のところを歩かれている方々はみんな聞いております。こういうものにもやはり工夫していかなければならない。

 さらに、政府・与党の財源論を聞きますと、実は、昨年からほっぽらかしになっておりました、ほこりをかぶっちゃっている平成二十三年度の税制改正大綱、もう皆さん忘れちゃったと思うんですけれども、これがすべて盛り込まれているんですね。

 昨年度の税制改正の中には、我が党が絶対賛成できないものがたくさん入っています。給与所得控除の上限の設定、成年扶養控除の対象の見直し、相続税の増税、これら増税策を復興を口実に現役世代にすべて押しつけるということは、私たちは断固反対させていただきます。

 また、法人税については減税分を増税するだけで実質的な負担増にならないのに対しまして、個人、これは実質増税のオンパレードですよね。総理はその一方で、中間層を重視する政策をこれからとっていきたい。というのであるならば、中間層に負担を押しつけているこの政策というものは言行不一致じゃないでしょうか。言っていることとやっていることが全く違う。

 ちょっとフリップを出してください。

 これは、私、びっくりしたんだけれども、私がつくったものじゃありません。これは東日本の復興対策本部に九月二十日に配られた資料ですけれども、何と書いてあるか。

 復興対策本部の資料に、政府みずからが税外収入について、先ほど安住大臣が税外収入をやってそれでも足りない部分は法人税あるいは所得税の増税という言い方をされましたけれども、この税外収入について、「「基本方針」で仮置きした係数」と書いてあるんです。そして、下の方に至っては、「この中からできるもので、二兆円程度」。一体、歳入項目について、できるものというのは何ですか。私は、とてもきっちりとした財源とは言えないと思います。すべて、要するに、一時期前にありましたよね、政権交代したときに。(発言する者あり)腰だめの数字。武部さんに言われちゃった。これと同じことを言っているんです。

 だから、これは絵にかいたもちで、東京メトロの株式がすぐ売れるか。売れませんよ、株式市況の話を最初に言いましたけれども。では、三年後大丈夫か、わかりませんよ。私が国土交通大臣のときにJR東海の株の売却、残った部分を売るとき、どれだけどきどきびくびくしたか。市況に対する影響が大き過ぎるんです、こういう大型株というものは。右肩上がりのときはできるけれども。

 基本方針で仮置きした係数、この中からできるもの、こんなことを言っているようでは、私は納得ができません。もっとしっかり考えてください、財務大臣。

安住国務大臣 仮置きであるということは事実でございます。東京メトロ株の売却等については、本当に幾らになるかは、幹事長の御尊父のお気持ちもあると思いますので、そういうことも含めて考えれば、確かにそれぞれ交渉があります。

 ただ、例えば財投特会の剰余金につきましては、これは確かに、自民党政権下のときに高い金利で貸していた部分についての財源は計算できますから、大きな〇・八兆については何とかなるだろう。JT株の売却の部分についても、これは確定はできません、売買の問題ですから。ただしかし、これについても、三分の一にすればおおむね〇・五になることも多分事実であるというふうに思います。もっと高く売れる可能性もありますので、そういう点では大筋こういうところを出させていただいた。

 ただ、公務員の人件費の削減につきましては、これは法律が通らなければなかなかこの財源は捻出できませんので、ぜひ与野党での協議というものをしていただいて、そして、自民党、公明党の皆さんの案をぜひ取り入れた形で財源の、税外収入の捻出をしたいというのが私どもの考えでございます。

石原(伸)委員 財務大臣、私が言ったのは、素直にお答えになられているんですけれども、まじめに、真剣に考えてくれということをお願いしているんです。

 例えばJTの株式の売却。さらに、皆さん方はB型肝炎の補償の財源にたばこを考えていらっしゃる。これも我々は反対です。たばこの税金は上げる、JT株は売却する。そんな中で、これから日本の葉たばこ農家の全量買い付けというものが守られるのか。特に東北地方には、たばこ農家が多いんですよ。そういうできもしないことを載せているということが問題だということを私は言っているわけであります。また、それをやろうとしたならば、そこに大きな問題があるということを私は申しております。

 総理は、国会が始まります前の党首会談、これは極めて異例だったと思いますが、私も陪席させていただきました。与野党協議の申し入れ、特に、円高とか予想しなかったものについて協議をお願いしたい、税についてもお願いしたい。もちろん、野田政権が予測できなかったこういう緊急事態、きょうの議論の中で冒頭お話をしたものについての協議というものには私は参加をさせていただきたいと思っています。しかし、その前に、何度も言いますように、野党に頼るんじゃなくて与党の中で、こんな中でこんなものはだめですよね、だめですよね、絵にかいたもちですね、これをはっきりして、民主党の全員で意識を共有してもらいたいんです。

 きょうの午前中の質疑で、私はびっくりしたんですけれども、今までの子ども手当ではありませんが児童手当でもない、まだこんなことを言っているんですからね。マニフェストの破綻を認め、その見直しを行い、その結果を今後の予算に反映していくというのが実は三党合意のポイントなんですね。

 この点については政調会長がお話をさせていただきますけれども、総理が、私が約束したんだから信頼してください。総理のことは信用したいけれども、民主党の皆さん方全員、政党として信用できるかというと、この歳出削減、税外収入一つ見てもクエスチョンマークがつくわけであります。

 だれかがおっしゃった、トラスト・ミーと言うと語弊がありますけれども、それだけでは物事の話というものは進んでいかない。やはり国会はしっかりと開いて、大臣の所信を聞いて、本当に適材適所であるのかということを国民の方に示して、そして予算を指示してくださいましたから早くまとめて議論をする、国会の中で野党とも協議をする。そういうことを、総理、改めて国民の皆さん方に約束してください。

野田内閣総理大臣 三党合意については、それは先ほど御指摘いただいたとおり、首班指名選挙が終わった後、組閣の前に御党の谷垣総裁と石原幹事長とお目にかかったときに、自分は守っていきます、信じてくださいと申し上げました。公明党との会談でも同じことを申し上げました。基本的にはその姿勢は堅持をしていきたいというふうに思います。

 その上で、与野党の協議を真摯に行うとともに、国民の皆様にきちっとわかりやすくいろいろな説明をしていくことは、あらゆる機会をとらえてやっていきたいというふうに思います。

石原(伸)委員 総理のその時々の言葉だけを聞きますと、おお、この人は信じるに値するのかなと思うんですけれども、いろいろな話がいろいろなところから出てくると、トータルとしては本当にガバナンスが行き届いているのか。

 きょうの答弁を聞いていた印象を申させていただくと、これもきょうの三大紙の中に書いてありましたけれども、野田内閣の三原則。余計なことは言わない、工程表も示さないですよね。やります、早急にやりますばかり。派手なことはしない、何かこういう目玉みたいなこともない。突出しない、皆さん方も非常にジェントルマンである。きょうの三原則というのが事実だったような気がいたします。

 総理はまた、所信表明の中でも、年内に日本再生の戦略をまとめる、こんなことも述べられております。増税が中心になる税と社会保障の部分については私たちも賛成するところはあります。しかし、成長戦略というものをやはり示さなきゃいけない。

 日本はどうしても外需に依存する国家なんですね。加工、組み立てで、この一円の円高が一企業の収益を十億円も二十億円も、十円円高になったら大きい企業だったら一千億円も、これは企業の努力を超えているんですよ。こういうものに対して、こういう政策を立てる。

 きょうは時間がなくて議論できませんでしたけれども、財務大臣としての野田さんの経歴、あるいは総理大臣に就任されてからの野田さんの経歴の中で、円高は進んでいるんです。介入もされていますけれども、今ヨーロッパがこういう状態になったら、協調介入してくれと言ってもなかなかイエスとは言いませんよ。それに対してどういう手を打っていくかということを示すことが私は非常に重要なんだと思っております。

 再生戦略、もし三次補正がまとまったら、一番効果的な日本経済戦略は、民主党政権、一回下野されたらどうですか、そろそろ。この国難を乗り切るためにどの政党が本当にふさわしいのか、三次補正を早く仕上げて信を問う。もちろん、約束されていますよね。税と社会保障の改革をまとめたら、その前に解散すると言っているんだから、その時期は我々と大して違わない。そういう強い勇気、そして断行するリーダーシップ、こういうものを総理に求め、時間が参りましたので、次の質問者にかわりたいと思います。

 ありがとうございました。

中井委員長 この際、塩崎恭久君から関連質疑の申し出があります。石原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。塩崎恭久君。

塩崎委員 自由民主党の塩崎恭久でございます。石原幹事長に続いて質問をさせていただきたいと思います。

 野田内閣が発足した当初、鳩山、菅、このお二人のパフォーマンスに終始した、言ってみれば悪政を正すという意味で多少期待をした部分もあったと思います。しかしながら、この期待が約一カ月たってだんだん失望に変わって、そしてまた、恐らくそれは多くの国民も同様に感じているんではないかというふうに思うわけであります。

 私は、かつて野田総理とは一回ラジオで御一緒したことが、もう大分前ですけれどもありましたが、きょうは、いろいろ議論させていただきたいと思います。

 この失望はどうして来ているんだろうか。それは、聞けば聞くほど政権の中から聞こえてくる声は、やはり霞が関の論理と、そして増税増税の声しか聞こえてこないからだと思うんです。つまり、霞が関の既得権益を守る、その一方で国民の暮らしは後回しになる、負担が回ってくる、こういうところがだんだんとわかってきたということなんです。

 一言で言えば、官高民低とでもいいましょうか、官が高くて民が低い。官高民低というのを本当はパネルで配ろうと思ったら、委員長がだめだとおっしゃったのできょう配りませんでしたが、つまり、官僚には手厚く、そして国民には厳しい、そして、官が偉くて国民生活は二の次、そういう思いをだんだんみんなが持ちつつあるんじゃないかというふうに思うんです。

 野田総理は、どちらかというとこういう傾向かなという気はしましたが、いよいよ本格的に霞が関の言ってみれば言いなりになってしまうんじゃないか、取り込まれてしまったんじゃないかという心配を強めているわけであります。国民の利益よりも官僚との関係修復を大事にしているんじゃないか、そういう思いを持っているのは私一人じゃないというふうに思います。

 経済のパネルを出してください。

 先ほど来、経済が深刻だというお話を総理はされています。しかし、本当にわかっておられるのかなと。先ほどの安住大臣の御説明でもそうですけれども、今、世界の経済は、ヨーロッパから来るかもわからない第二のリーマン・ショック、これに戦々恐々としている。日本は、大震災、そして電力の危機、超円高、空洞化、大変な危機でぜいぜい息が乱れている。そういう状況だと私は思っていまして、これを見ていただくとわかるように、アメリカ、韓国、日本、この三カ国で、失業率を除けば、日本だけがリーマン・ショック前に戻っていないんです。

 この深刻さをわかっていれば、先ほど来、軽々しく増税増税とおっしゃいますけれども、今の世代で全部賄っちゃおうなんて言っているけれども、そんな状況なのかと。言葉では経済は大変だとおっしゃっているけれども、全くこの深刻の度合いがわかっていないんではないのかということを私は大変心配しております。ですから、この安易な増税増税、そしてまた、よく安易な負担の増というものを議論されるものだなというふうに思っています。

 そこで、こうした問題意識から、きょうは、野田政権が本当に霞が関の論理に操られていないかどうか、一つ一つ具体例をもってただしていきたいというふうに思います。

 まずは公務員宿舎であります。

 総理、九月一日に、財務大臣最後の日ですよね、一度仕分けで凍結された朝霞宿舎の建設にゴーサインを出した、これはあなただということでよろしいですね。

 総理、総理がゴーサインを出したんですねと聞いているんです。

野田内閣総理大臣 今の御質問の前に、今の全体的な、冒頭のお話に反論してよろしいですか。(塩崎委員「いや、質問に答えてください」と呼ぶ)

 では、後で機会があれば答えますが、安易な増税をしようとは全く思っておりません。財政再建は必要だと思います。そのための道は、歳出削減の道と成長への道と歳入改革の道、この三つを組み合わせながらやっていくというのが私どもの姿勢ですので、安易な増税は考えていないということは、まず前提として置いていただきたいというふうに思います。

 その上で、今、朝霞の公務員宿舎の件でございますけれども、これは……(塩崎委員「イエスかノーかで結構ですから」と呼ぶ)ちょっと待ってください。(塩崎委員「ゴーサインを出したのはあなたですねという質問ですから」と呼ぶ)私を含めて政務三役で決定をさせていただいたのは事実でございます。

塩崎委員 総理、宿舎には空き室というのがありますよね。全体の空き室の数と率というのを御存じですか。

野田内閣総理大臣 当時、検討したときにはその資料を見ていたと思いますが、今は資料を持っておりません。

塩崎委員 全国で一万五千室、七・七%あります。東京管内でも三%が……

中井委員長 公務員だろう。

塩崎委員 公務員ですよ、もちろん。公務員の宿舎であきがあります。

 そこで、今回の朝霞の宿舎は八百五十戸、八百五十室であります。一万五千室ものあきがあるのに、八百五十をわざわざつくる、そんな必要が本当にあるのだろうか。ゴーサインを出した総理として、国民にその理由を説明できますか。

安住国務大臣 これは私の所管でございますから、私も先生から質問があるというので調べましたけれども、要するに、空き室というのは、全国にある宿舎、二十一万のうちですから、例えば宮城県のどこかの宿舎で二戸あいているとか、そういうのを全部積算したものであって、それが全部あるから、一万あいているから朝霞がだめだという話は、ちょっと僕は乱暴だと思うんです。そうですよね。乱暴だと思いますよ。だって、北海道のところでも例えば何十とあいているのがあるわけで、平均加入が全部そうかといったらそうではないということだけはぜひ申し上げたいというふうに思います。

 それから、八百五十戸の中身でございますが、そのうちの五百五十戸というのは、実は独身者、そして若い世代を中心としたアパートなわけですね。自分のことを言って恐縮ですけれども、私もNHKに入って、社宅を借りて住みました。とても給料では生活できなかったからです。そんなに豊かな家ばかりじゃないですから、地方から出てきて国家公務員になられて、それは私は多少宿舎の便宜供与等もあってしかるべきだと思っています。

 ただし、それを加味したとしても、蓮舫大臣のところで、指摘をしておきますが、全体の公務員の宿舎の数というのは一五%削っているんです。ですから、朝霞をふやすから何か全部けしからぬというんじゃなくて、すべてにわたってトータルコストで一五%を削っていますけれども、あそこだけは、埼玉にある十二カ所を縮小して一カ所に集約をした。あそこの映像だけ映して、だから公務員はぜいたくをしてけしからぬというのには、私は、くみしない方がいいんではないかな、自分ではそう思っています。

塩崎委員 この首都圏内でも三%はあいているんです。全国の、北海道だとか九州の話をしているんじゃないんですね。ですから、そういうふうにあきはちゃんとある。

 そして、順番を物事にはつけなきゃいけないのが政治なんですよね。それをきょう言っているのであって、そもそもこの仕分け、パネルにありますが、このときの説明も、そして今回スタートするときの説明も、約一千戸ほどつぶすから、それでおつりが来るぐらい財源はあるんだ、こういう説明なんです。今回それで踏み切っているわけですね、財源的には。実は、仕分けのときにも同じ説明を財務省の人たちはしていたはずですよ。だけれども、今回それをやっている。おまけに、聞けば聞くほど空き室はいっぱいあると。これはどう説明をつけるんですか。

安住国務大臣 これは後で資料をお渡しさせていただいてもいいんですが、十二カ所、戸数千六十七、これを全部あけるということで、これは出しますので、その上で精査をしていただければいいというふうに思います。

塩崎委員 いや、精査じゃない。これは、要するに千戸つぶして、八百戸つくってもおつりが来るからいいんだと言っているわけですよね。ここのところを言っているんです。おまけに、空き室が全国で一万五千、この首都圏でも三%はあいているという話を言っているのであって、そういう中で本当につくる必要があるのかということです。

 枝野さんは、この仕分けのときにワーキンググループのメンバーでしたよね。そのときに、公務員に宿舎を提供しなければならない合理性はないとおっしゃっているんです。それから、公務員が住む場所をつくるために国費で自然豊かな場所をつぶすことがあってはならない、こう述べているんです。これは今もあなたの認識ということで間違いありませんか。

枝野国務大臣 事前の御通告がありませんでしたので、仕分けのときに私がどういう表現をしたかということは、正確には記憶をいたしておりません。しかしながら、そうした意見があることも踏まえた中で、公務員宿舎の問題については検討した方がいいということについては一貫して思っております。

塩崎委員 先ほど安住さんがNHKにいたときの話をされました。今、社宅というのはどんどん減っているんです。

 それで、先進国で公務員が宿舎を与えられ、国会議員が宿舎を与えられているところは、この間G7に行ってこられたけれども、G7の中で一カ国もないですよ、日本だけですから。財務省の事務方に聞いてごらんなさい。私はそういうふうに事務方から聞いたんだから。国会議員は、実はG8でいくとロシアと日本だけ議員宿舎がある。少なくともG7ではないですよ。

 だから、あの赤坂が問題になって、民主党の皆さん方は、できたときは入らなかったですよね。私は官房長官で、入ったらいろいろ批判される。民主党はずっと入らなかった。今は、もう民主党の方でいっぱいです。これも税金で入っている。先ほどの、若い人たちのためにとかなんとかいう話じゃないところでも、我々はいっぱいお金を使っていることを考えると、私は国会議員には宿舎は要らないと思っている。手当があればいいですよ、住宅手当が、そういうことを思っています。

 ちょっと話はかわりますが、被災地の仮設住宅ですけれども、ここは今もう一〇〇%入居が達成されたんでしょうか。まだ入れていない方々が何千人かいるんじゃないかなと思うんですけれども、いかがですか。

平野国務大臣 一〇〇%ではないというふうに理解をしております。今、市町村、県ができるだけ入居率を高めるべく努力をしている最中でございます。

塩崎委員 私が直近で得たデータでいくと、これはネットで調べましたけれども、二千四百世帯がまだ入れていない、こうなっているんです。その一方で、公務員宿舎はつくると。

 そして、この間、台風十五号、東北にも随分被害がありましたね。これは、特に福島の須賀川、それから宮城の気仙沼、南三陸、岩手の大槌町などで仮設住宅が床上浸水。おまけに、宮城県の女川では入居前日に仮設住宅が浸水するということがありましたよね。安住大臣の選挙区だ。

 こういうところにおられる方々に対して、公務員宿舎をつくるお金があって、もしそんなお金があるんだったらば、仮設住宅も足りていない、それから、先ほど来復旧復興と言っているわけだけれども、そもそも復興住宅、つまり本格的な家をつくる、そういうお金が要るはずじゃないですか。第三次補正予算には、多分そういうものも入ってくるんだろうと思うんです。

 そうなったら、安住さんはさっき宿舎をつくることはいいことだというようなことに等しいことをおっしゃっているけれども、本当に、次の日、仮設住宅に入れると思ったら水浸しになっちゃって入れなかった、そういう人たちに対して、この宿舎の建設を続けていくということをあなたは説明できますか。

安住国務大臣 ちょっと、冷静にやはり議論した方がいいと思いますよ。

 例えば、先生、港区内の宿舎なんかは、もうほとんど廃止をしていくという方向でやっているんです。これは、自民党時代から徐々にやめていって、ほとんどもうこの東京の近傍についてはやめて、郊外に、そういうふうに自宅のない、また、それは例えば先生のように御資産のある方ならいいですけれども、私のような者は大変なんですから。

 それと、もう一つだけ申し上げますと、私の地元の仮設住宅につきましては、ほとんどもう完成はしていますが、場所がちょっと不便で、そこから通うのが、なかなかお子さんの通学とかが大変だから、仮設ができていないから入っていないんじゃなくて、ミスマッチが多少あるんです。ただ、最近は、そういうところに配慮をして、八百屋さんや例えば生協の方が車で行って、お買い物や何かもそこにいればできるようなふうになってきたから、徐々にそのミスマッチが解消されつつあるんです。来ていただければ私が御案内しますから。

 だから、だんだんそういうふうに出てきましたので、実態をぜひ見ていただきたいと思います。

塩崎委員 私が冒頭申し上げたのは、まさにこういう発想になってしまうところが大問題だということを言っているのであって、野田総理、それは何かというと、さっき申し上げたように、もともと公務員の宿舎がある国は、日本は珍しいんですよ。もうこんなに豊かになっているのにこういうことをやって、おまけに、一般の会社の社員の皆さん方だって、新入社員の人たちは、では全部社宅がありますか。ないですよ、そんなものは。民と官の間の差をあなたはもう忘れちゃったんだよ、野党時代にあれだけやっていた批判を。

 それで、さっき後ろの方でも声が聞こえたけれども、今回の震災は、まさに千年に一遍と言われているわけだ。そういうときに、こんなに豊かになっている日本が宿舎をずっと公務員に税金でもって割り引いて提供しているわけだから、これをやり続けることを本当にやっていいのかという姿勢の問題。今回、たった百五億ですよ、この朝霞は。しかし、百五億を、別に、お給料の中から自分でアパートに入って、補助さえもらったらまあまあやっていけるような人たちのために、立派な、四万円で三LDKを提供する必要があるのか。ここは冷静に考えて、何を優先してなけなしのお金を使っていくのかということが大事なんじゃないですか。私は野田総理だったらわかると思いますよ。

 考えてみれば、先ほど来、何を売却して今回の復興財源にするかの話がありましたけれども、実質的には、この公務員宿舎は、言ってみれば復興財源でつくっているようなものなんですよ。なぜか。それは、資産売却をして、その収入をもって今回の財源に充てるというのが、先ほどのいろいろな、株とかなんとかあったわけですから。先ほど、千戸つぶして、そして八百五十つくります、おつりが来ますと言っているけれども、千戸つぶしてそれを被災地に送ったらいいじゃないですか。

 何で公務員の宿舎に優遇してやらなきゃいけないのか、私には理解できないんですよ。それも、今なぜやらなきゃいけないのか。普通だったらば、これはちょっと待とうというふうに考えるのが私は当たり前だと思うんですよ。復興増税でこんな宿舎をつくるというのは、私はやめた方がいいと思う。凍結をして、だから、これは蓮舫さんも一緒になってやったのかな。それを、再開したのは二つだけですよ、朝霞と方南町。私はこれをすぐとめることを勧めますけれども、どうですか、総理。

野田内閣総理大臣 国有財産全体、公務員宿舎全体の見直しは、これはやってきたんです、全体は。それを踏まえて、宿舎は一五%強削減で三・七万戸削減をするという方針を定めて、それを含めて今準備を進めていますし、不用宿舎の跡地を売却することなどで、これを復興財源にしていきたいというふうに思います。ということで、復興に資するようにはしていきます。

 加えて、さっき、あいている部屋のお話なんかがございました。あいている国家公務員の宿舎は、被災地に情報提供して、ぜひ入ってくださいということもやってまいりました。だから、宿舎の問題と復旧復興の話は連携してこれまでやってきているので、全く無視してかけ離れた世界でやっているんではないということはぜひ御理解をいただきたいと思います。

塩崎委員 いや、とめろと言ったのにそれに答えていないけれども、私がこの間財務省から話を聞いたときに、今の被災地の方に提供するとかいうミクロの正解をたくさん言ってきました。例えばこの朝霞にも、児童館をつくります、女性センターをつくります、夜間診療所をつくります、もしこれをやらなかったらPFIの違約金がかかります、だからやるんです、こういう話で、ううん、なるほど、児童館も女性センターも夜間診療所も要るかもわからない。しかし、今そういう状況かと。さっき安住さんが言っていたように、G7でもG20でも財政の再建が大変だと言っている。そのときに先に使うようなお金なのかということを言っているんですよ。

 野田総理、もう一回。とめるべきだと思うけれども、とめるべきじゃないということを、もしそう思うのならはっきり言ってください。それだけでいいです。

野田内閣総理大臣 朝霞市の事情であるとか全体的な公務員宿舎の事情とかを含めての判断をしたことでございますので、今、特段、変更するつもりはございません。

塩崎委員 要は基本的な姿勢が問題だということを申し置いて、次に行きたいと思います。

 言ってみれば、朝霞問題は、さっき言った官高民低、官が高くて民が低いという、これの象徴なんですけれども、野田政権の公務員制度改革、次に天下りのものを見せてもらいたいんですけれども、官僚重視、国民軽視というものの象徴が公務員制度改革ではないかなと思うんです。

 これは、野党時代に民主党の皆さん方が、五代続けて同じ役所から同じポストに行っている天下りというので、上に挙げました。次は、五代は必ずしも行っていない。ほかの役所の人を一人入れたりして、五代続かないようにしているんですよ。そうやっているけれども、事実上、特定の役所が管理しているようなところでありますけれども、このひどい天下りが、実は民主党政権、これは去年ですけれども、去年のこういう状況、つまり民主党政権になっても、皆さんがあれだけ野党のときに批判した、五代連続のものはおかしいと言っていた、それが引き続き六代目、七代目が行くということになっていることについて、野田総理はいかがお考えですか。

蓮舫国務大臣 お答えさせていただきます。

 済みません、この資料、初見ですので、細かくぜひ見させていただいて、その調査報告はまた塩崎委員にお渡しをさせていただきたいと思いますが、五代続いているということは、自民党時代から続いている。民主党政権になってから、私たちは、公益法人の人、金の流れ、権限の流れはこれを洗ってきています。ですから、この細かいところを見たときに、人だけ行っているときに、それが公募が行われているのか、競争性があるのか、その部分まで見直しをさせていただきまして、ことしの七月にはそのすべて詳細については公表させていただいております。

 人だけが行っているという表であれば、それは天下りを私たちが野党時代に批判していたことと反するのではないかという見方は、私は当てはまらないと思っております。

塩崎委員 公募はたしか特殊法人とか独法に対してやっているんじゃないですか。社団法人にもやっているんですか。まあいい、構わない、構わない。私は野田総理に聞いているんですよ。同じように五代続けて、これは私が初めてじゃないですから、以前にもう出たことがありますから、野田総理のお考えを。

野田内閣総理大臣 いわゆるあっせんによるというか、天下りについては厳しく政権発足からやってきたつもりなんです。ただ、時折こういう形で御指摘いただくように、ある程度一つのポストを一つの省庁が固定化してとっていくという傾向は、残念ながら、あるように思うんです。なぜそれが起こるのかを含めて、そういうことにならないように、今まで制度論としていろいろやってまいりましたけれども、そこをかいくぐった形の慣例みたいなものが認められているという状況が多分あるんではないかと思います。その辺も含めて、目を光らせていかなければならないとは思います。

塩崎委員 総理が代表選で、呼び寄せ型を禁止するとか、いろいろ言っていますけれども、そもそも、本当にあっせんがあったかどうかを見抜くのは、我々が安倍内閣のときに国家公務員法の改正でもってつくった再就職等監視委員会、これでチェックするんですね。これがなければなかなかチェックできないんですけれども、二年間、皆さん方が政権をとってから、この法律があるにもかかわらず違法状態を放置してきて、この監視委員会をつくってこなかったんですね。今もつくっていない。

 この間、本会議でやりますと言っていましたけれども、この二年間放置してきて、ここで今からやるということでよろしいんですか。本当にそれをやっていけば、私は、とりあえずは本当にあるのかどうかというのはわかりますよ、あっせんが。どうですか。いやいや、総理にしてください。

蓮舫国務大臣 委員長の御指名でございます。答弁させていただきます。

 御指摘の再就職等監視委員会の同意人事は、さきの通常国会で私どもは同意人事案を提出させていただきました。ただ、残念ながら採決が行われず廃案となったところでございますので、今後改めて人事案を国会に再度提出させて、ぜひお認めをいただきたいと思っております。

 また、今、現段階で私どもの提出させていただいております国家公務員法改正四法案の中におきましては、新たに、監視機能の強化等を行うという委員会の立ち上げも盛り込ませていただいておりますので、ぜひ御議論いただき、早くお認めいただければとお願い申し上げます。

塩崎委員 最後に、この間やっと出したというだけですよ。やっと出したんだよ。約二年間ほったらかしていたのは民主党ですからね。今度つくるものも、我々がつくった、以前、官民人材交流センターは天下りバンクだと言って、だけれども、ほとんど同じものをつくって、結局全部同じことをやるのが民主党の皆さんですよ。

 それで、公務員制度というのは、改革をすれば本当にすごい抵抗がある。私も官房長官で、渡辺喜美さんと一緒にやってみて、いやこれはもう霞が関じゅうが敵かなと思った。それを乗り切ってでも法律を通していかなきゃいけなかった。野田総理、それだけの覚悟をお持ちですか。

野田内閣総理大臣 民主党政権になってから、あっせんを禁止したということは大きいと思います。

 なおいろいろと工夫をしながら、残念ながら残るようなことは、こういうことはあると思うんですね。一層目を光らせながら、覚悟を持って臨んでいきたいというふうに思います。

塩崎委員 余り決意のほどは、これが時々あるぐらいなことだと思っていると大間違いですよ。もう静かに、水面下では大きな流れとしてこれは続いていますから。あなたが気がついていないだけですよ。

 そこで次に、経産省の古賀茂明さんの問題であります。

 枝野さんですが、この古賀さんはずっと、仕事を与えてくれなければやめるしかないという悲痛な叫びを上げてまいりました。枝野さんは、構わない、仕事は与えないということで、結局これを、実はきょう多分、正式に退職をすることになると思います。仕事を与えないということで退職に追い込んだ責任とこの判断は御自身のものだということでよろしいですか。

枝野国務大臣 個別の職員について、特に人事について本来申し上げるべきではないと思っておりますが、国会でのお尋ねですのでお答え申し上げますが、当該職員については、海江田大臣、鉢呂大臣のもとにおいて積み重ねられた判断のもと手続が進められており、私としては、これまでの判断を引き継ぎ、これを了とし、後の手続は事務方に任せることとしたものでございます。

 なお、御指摘の職員については本人から辞職願の提出があり、本日付で退職をいたしました。

塩崎委員 海江田、鉢呂両大臣の方針を引き継いでとおっしゃいましたが、海江田さんは、私がここの場で、予算委員会でお話をして、そして彼は古賀さんに会ったんですね。それで、また会おうと言って別れたままなんですよ。鉢呂さんは、メールを打っても何の返答もなかった。だから、どういう方針なのかさっぱりわからなかった。ですから、古賀さんから見れば、大臣の方針というのは、海江田さんがまた会おうと言ったことなんですよ。あなたは会わなかったですよね。

 その質問が一つと、もう一つは、これは明らかにパワーハラスメントだと私は思うんですよ。それも、役所によるパワーハラスメント。つまり、閑職に追いやって約二年間、一つの出張だけ命令して、あとは全部何もなくて、毎日毎日何もなしで来たんですよ。虐待でも、ネグレクトというのがあるんですね。ネグレクトというのは無視して何もしない、ほとんどこれと同じなんですよ。こういう中でパワーハラスメントをやる。弁護士であった枝野大臣ですから、これは明らかなパワーハラスメントじゃないんですか。政府が率先してこんなことをやっていていいんですか。

枝野国務大臣 当該職員については、海江田大臣のもとで、本来、大臣が直接するような仕事ではないと思いますが、大臣みずからもお話をされて、いわゆる退職勧奨を行って、それに御本人が一たん応じられたということで、私が大臣に就任した折に引き継ぎを受けております。

塩崎委員 それは大分違うので。また、多分渡辺喜美さんもこれやられるんじゃないかと思うので余り言いませんが、要は、枝野さん、あなたがやったことというのは、やはり相当重大なことをやったんです。私たちが聞いている限り、海江田さんは、そんな、やめることを勧奨したというんじゃない。一番最初に、このような優秀な人には適切な仕事があるはずだということをおっしゃって、そして会うと言って、また会おうと言っているんですから。今のような話であるわけがない。

 そこで、私が重大だと言っているのは、こういうことをやれば、要するに、霞が関の論理に反した役人は末路はこうなるんだよという霞が関流の報復人事を、言ってみれば、追認したどころか加担を積極的にしてしまったということだということにあなたはお気づきになっているんでしょうか。

 私は、こういうことをやっていけば、彼のような改革官僚、今三十万部のベストセラーですよね、本が。それは中身がいいからでしょう、やはり傾聴に値することが書いてあるからでしょう。そういう、やはり幅広い人を私は霞が関は持っていた方がいいと思う。みんな同じ金太郎あめじゃなくて、いろいろな人がいて。この発送電分離の話だって枝野さんは賛成のはずですよ。だったら一緒に議論する相手だったはずなんですね。ところが、役所の論理でこういう人はいてもらっちゃ困るということで、結局やめるようになってしまって、こんなことをやっていると、次官や官房長に逆らってまで日本のためにこうすべきなんだという改革官僚は私は出てこなくなると思うんですよね。どうですか。

枝野国務大臣 まず、海江田大臣のもとで退職勧奨したということについては、経産大臣の引き継ぎにおいても私は報告を受けておりますし、当時、私は内閣官房長官として、経産省においてそういった対応をするということをその時点でも報告を受けておりますので、事実関係としては間違いないと思っております。

 その上で、御指摘の件については、ある意味で一理あるとは思っております。私は当該職員の主張の詳細について存じ上げておりませんが、漏れ伝え聞く、報道等で聞くところによると、彼の主張していることのかなりの部分は、私も個人的には同意見であるところが少なくございません。

 ただ、そのことと、官僚システムというシステムの中でどういった仕事をしていただくのか。官僚の皆さんには、それぞれ個人の意見とは異なっていても、政治が決定したことについては自分の意見と異なったことについても、官僚としてのそのポジション、ポジションで決められたことについて従っていただかなければいけません。

 実際に、私が内閣官房長官として仕事をさせていただいた折には、私がある判断、あるいは私を含めて判断をした政務の判断に対して、意見の異なっている方は少なからずいらっしゃったと思います。決まるまでの間、それぞれのつかさつかさの担当として御意見は十分に聞かせていただいたつもりでおりますが、決めた以上はその判断に従っていただく、それが私はあるべき官僚の姿だと思っておりまして、それに対してしっかりとした政治としての責任を持った判断ができるかどうかということが政治に問われているというふうに思っております。

 そうしたことも総合的に判断いたしまして、今回の判断は間違っていないと思っております。

塩崎委員 パワハラにしても余り明確なことを言っていただけなかったし、今の、言ってみれば霞が関流の報復人事についても、結局あなたは、今言ったことは、役人の論理に乗っかって言っておられるということを私は指摘しておきたいと思います。

 天下りといえば、きのうの毎日新聞に、東電に五十人以上の経産省からの天下りが今も行っている。時々おられるなんて野田総理はおっしゃったけれども、甘いですよ、それ。きのうの毎日新聞には五十人以上が行っているということが書いてあったじゃないですか。こういう甘い体質が私は東電の賠償スキームの決定に当たっても影響したのではないかなというふうに思いますので、ここで聞きたいと思います。

 まず、三回目このパネルを使います。要は、経営難に陥ったときの企業はどうするかという責任のとり方の順番であります。

 これでいくと、今回は特に賠償スキームで、とてもお金が足りないから公的資金も使ってやるということでありますけれども、だれが負担をするのかといったら、東電関係者と国民しかいないんですよ。上の四層は東電関係者、一番下に一番多い国民というのがあります。この二つの固まりしか負担をする人はいないんですね。

 そこで、きょうは、清水社長が来れないというので、副社長さんが東電から来ていただいていますけれども……(発言する者あり)清水さんじゃない、西澤さんだな。

 清水社長が退職をされましたが、風評では約五億円の退職金をもらったと聞いていますが、これは本当なのか。当然、全額を返上したんでしょうねというのが二番目の質問。

 もし顧問とかになっているんだったらば、顧問料は幾ら受け取っているのかということをお話しいただきたいと思います。

山崎参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。

 私どもの会社では、役員の退職慰労金制度というものについては、十七年の六月の総会にて廃止いたしましたが、それ以前より取締役であった者に対しては、退職慰労金を退職時に打ち切り支給するということを総会で御承認いただいてございます。

 この六月の株主総会で退任いたしました清水前社長は退職慰労金の打ち切り支給の対象となっております。その額は四千万円強ということでありまして、五億ということはございません。

 それから、その後、退職いたしまして……(塩崎委員「返上されたかどうか」と呼ぶ)返上はしておりません。

 これは、総会後の取締役会で支給の決議をいたしたのでございますが、こういう現在の経営状況から支給はしないとそのときには決めておりますけれども、今回はしない、こういうふうになっております。(塩崎委員「四千万払ったんだろう」と呼ぶ)払っておりません。

 払う権利は持っておるんですけれども、取締役会でそういうことを決議して、支払うかどうかということを決めることになるんですが、その決議はしておりません。したがって、払っておりません。(塩崎委員「顧問料」と呼ぶ)顧問料は、現在はお金を払っておりません。無給で顧問として働いております。

中井委員長 副社長さん、経産省から五十人ぐらいまだ天下りがいるというのはどうなんですか。

山崎参考人 委員長から御質問いただきましたので、お答えさせていただきますけれども、これは電気事業上、必要ないろいろな仕事がございまして、例えば一番大きい……

中井委員長 それは時間が長くなるから。

 いることはいるんですね。何人ぐらいいるの。

山崎参考人 はい。おりますけれども、全部で五十人というのは間違いではございません。ただし、国家公務員だけではございません。

塩崎委員 五十人以上いるということですね。わかりました。

 ですから、野田総理、そういうことですから、時々いるなんていう話ではないということを言っていただきたいと思います。(発言する者あり)風評ですから。

 次に、枝野大臣にちょっとお尋ねをいたしますが、九月十三日付の記者会見で、結果的に、本来、政府が関与しない民間の市場のルールのもとでの結論を超えて、他のステークホルダーが利益を受け取ることになってはいけないと述べて、改めて銀行などに債権放棄を求めたというふうに報道されております。私も全く同様の意見でありますが、これが単なるパフォーマンスじゃないならば、私は、枝野大臣は、株主の権利とかあるいは銀行などの債権の放棄がなければ、賠償支援スキームを凍結する覚悟を本当は示していただかなきゃいけないんじゃないか、そういう覚悟があるかどうかということを枝野さんにお聞きをしたいというふうに思います。

枝野国務大臣 まず、東電に経産省から五十人天下っているということについては、私も昨日の報道で初めて知りまして、きょう早速、調査を指示しております。しっかりと事実関係を調べた上で、国会にも御報告をし、適切に対処したいと思っております。

 それから、今の御指摘でございますが、法律にもステークホルダー、利害関係者に適切な協力を求めるということになっております。そうしたことの中で、具体的にどういった協力のお願いをするのかということについては、現時点では、形式的に東京電力は民間企業でありますので、民間企業である東京電力と利害関係者の間でまずはお決めをいただくことでございますが、そこででき上がったものが法律の趣旨にかんがみて適切なものでなければ、当然それについて承認することはあり得ません。

塩崎委員 いずれにしても、さっきあったように、株主とかあるいは債権者、つまり銀行とか、そしてまた社債権者が責任をとらないという中で、今支援スキームが進んでいるんですよね。

 私も東電の、少数でありますけれども、株主ですよ。しかし、私は、これは紙くずになったってしようがないと思う。何でかといったら、さっきあったように、東電関係者と国民しかなくて、東電関係者が負担をしなかったら、全部国民に行っちゃうんですから。それは電気料金に行くんです。

 これを見てわかるように、我が国の電気料金は、もう皆さん御存じのように、産業用だったらもう先進国で一番高い。ドイツを除けば、家庭用だって二番目に高いんですよ。もう既に高い。これで賠償スキームでまた上がる。そういうことがあっては私はならない、つまりそれを、ツケ回しを国民に回してはいけないということを言っているのであって、私は、枝野さんの本会議での答弁を聞けば、一〇〇%賠償が行われるように法律をつくって、それから、福島で協力会社が今一生懸命頑張ってくれていますけれども、ああいう人たちの債権が守られさえすれば、さっきの上から順番にちゃんと、今のたまたま、五億円じゃない、おまけに退職金はもらっていないということになっていますけれども、しかし、まだまだそれはわかりませんよね、中を見てみないと、第三者委員会でやっていたって。私は、法的な手続がなければやはり本当の真実はわからないと思う。

 だから、そういうことを、この二つの条件、賠償を一〇〇%面倒見る、そして、この協力会社もちゃんと損をしないようにする。そうすれば、法的手続をして、電気料金に安易に行く必要は私はないんじゃないかと思うし、この間のあの機構法の修正でもって、附則の第六条二項で国民負担の最小化という言葉が初めて入ったんですね。あれはまさにさっきの国民負担の最小化ということは、あの順番でいかない限りは最小化はできないんですから。これをどうやるかといったら、やはり私は、法的手続しかないんだろうと思うんです。

 そして、東電の皆さんにとっても、いつまでもずっとゾンビ企業でいくよりはチャンスが生まれてくると私は思っているんですけれども、枝野さん、どうですか。

枝野国務大臣 済みません、まず、先ほどの再就職五十人という話は、どうも経産省以外が多いということでございますので、調べられる範囲で最大限調べたいと思います。

 今御指摘いただいた基本的な物の考え方は、私、塩崎委員と一緒でございます。ただ、気をつけなければいけないのは、もう一つ。

 つまり、賠償を一〇〇%やることと、それから関連会社、今収束に向けて頑張っていただいている方の債権と、もう一つは、やはり電力供給というものは継続的に行っていかなければならない。それが従来の東電の形であるかどうかというのは今後の議論でありますが、そこは何らかの形でしっかりとつないでいかなきゃならない。その三つは必要だと思っています。

 そうしたことの中で、経営者や資産等、そして株主が優先的に負担をされるべきである。これは当然のことだろうと思っておりますし、だからこそ、ステークホルダーに対する協力を求める条項が入っております。

 ただ、法的な処理をすることが一番いいのかどうかということについては、例えば法的な処理をすれば、普通にいけば、先ほどの「負担・責任の順位」の表で見ますと、債権者ということで銀行等と賠償権者が横並びになっておりますが、例えば銀行や一般債権者の少なからずは担保権を持っていますので、担保権を持っている方々は賠償権者よりも優先になってしまって、それよりも賠償権者は劣後してしまいます。

 そうしたことについて、ではそういったところで法律で事後的に変えることがいいのか、それとも、法的には現在の東京電力の法形式を維持する枠組みの中で、例えばステークホルダーの皆さんに御協力をいただいて実質的な効果を上げるのとどちらがいいのか、かなり迷うところでございましたが、今のところ、法的な形式は維持したままで、ステークホルダーに適切な協力を求める中で、実質的な考え方として塩崎委員の考え方のような処理を進めてまいりたいと思っております。

塩崎委員 私は、今のスキームは、やはり基本的に東電ペースでいっていると思います。私は、今回は被災地のことを考え、それで賠償を受ける人たちのことを考えたら、私は国ペースでいくべきだと思っていますので、企業再生支援機構、JALのときと同じような形の枠の中で今の法的手続をきちっと、法的処理も手当てもしながらやるべきだと私は思っています。

 そこで、次のことでありますが、今の東電の天下りの問題にしても、まあ、退職金だって今聞いたからわかったので、こういう、どちらかというと隠そうとする体質のように見えるところもありますので、その典型がこれですね。

 これは、衆議院の科学・イノベーション推進特別委員会に東電が提出してきた、保安院を通じて出してきたもので、これはもう枝野さんも大分質問を受けているのでわかっていると思いますけれども、委員長にまず、本物の、実はこれ、要するに東電しか持っていないということで、保安院は持っていないということになっているんです、このマニュアルですね、アクシデントが起きたときのマニュアル。ところが、東電から保安院は二〇〇二年にもらっているはずなんです。そのもらっているやつを委員会に出していただきたいということを委員長にお願いをしたいと思います。

中井委員長 理事会で協議をいたします。

塩崎委員 東電の副社長さん、どうぞお引き取りください。ありがとうございました。

 それで、この東電の、ごめんなさい、いる間であちらには聞きませんから。

 その東電の隠ぺい体質ですよ。これは原子力のプロから見たらとんでもないという話なんですね。だから総理、この隠ぺい体質についてどう思われますか。

中井委員長 枝野経済産業大臣。この資料について説明してください。

枝野国務大臣 私も、衆議院の特別委員会からの要請で提出されたこの黒塗りの状況を報告といいますか、説明を受けまして唖然といたしたところでございます。

 保安院が二〇〇二年に入手しているはずだということについては戻りまして確認をしたいというふうに思っておりますが、私のところには保安院、経産省では直接持っていないものだという報告を受けておりますが、少なくとも、現時点で私が報告を受けている黒塗りにしなきゃならない理由については、全く納得しておりません。

 したがいまして、まずは法律に基づいて速やかに東京電力から報告徴収を行う予定でございます。

 できれば今週中にも東京電力から法律に基づいた報告徴収を行って、最終的には私自身が、そこに書いてある、黒塗りされている部分についてどういう中身であるのか確認をして、出せるものは最大限出すように、これは、東京電力を促すという形になるのか、法律に基づいて提出させて出す形になるのか、ちょっと法律的な手続を確認しなきゃいけないと思っておりますが、いずれにしろ、こういった状況を改善したいと思っております。

塩崎委員 これはそもそも、法律的に保安院が持っていない、経産省が持っていないというところが問題なので、これからは法体系を全部見直すでしょうから、これはしっかりやっていかないと、要するに、事業者に任せっきりにやってきた安全規制だったということですよ。だから、これは我々も大いに反省をしないといけないというふうに思っています。

 次に、そういう反省も含め、そして東電の隠ぺい体質や、あるいは保安院だって隠ぺい体質が激しいので、これはたしか一万四千通のファクスが東電から来たやつを出しましたけれども、プロに言わすと、いや、実は四万ページとかあると言われているけれども、出してこないんですね。こんなのが世界からいろいろ批判が私のところにも来ています。

 そこで、私は、政府に事故調査委員会を置くのではなくて、政府ではない国会に事故調査委員会を置くべきだということをずっと議員立法としてやってきました。公明党とそしてたちあがれ日本と三党で、八月に入って法律をもう既に出しています。

 その前に民主党とも実務者協議をやってきましたけれども、ところが、突然また実務者のメンバーがかわって、八月の終わりに結局継続審議になってしまいましたけれども、ポイントは、今回の事故は、多くはやはり政府の側にいろいろ問題があった。その政府が、当事者である政府が政府の中に調査委員会を置いたって、世界はだれも信用しないんですね。信用しないんです。だから国会に置こうと。

 アメリカのスリーマイルアイランドが起きたときには、NRCは議会がつくったものです。それに対して行政府が、大統領がトップですけれども、ここがケメニー委員会というのをすぐつくって、それで調査をした。もちろん、NRCはNRCでまたやっているんですよ。だから、両方やっているわけであります。

 ところが、日本で私たちが提案しても、国会にはつくろうとしなかった。今、実務者やっていますけれども、これをつくった方が、政府の委員会も、もし一つしかなくてずっと行ったら最後まで信用されないということで、世界に対する責任を果たさないということになってしまうんですね。だから、国会に置くということでやってきました。

 それで、実は安住さんの、さっき石原さんのときに出ましたが、この確認書というのを、総理、これを初めてごらんになりますか。

野田内閣総理大臣 三つの法案、議員立法について……(塩崎委員「初めて見ますか」と呼ぶ)だから、今申し上げます。確認書が存在することは知っていましたけれども、中身は初めて見ました。

塩崎委員 だから、先ほどみたいに、次の臨時国会でやればいいじゃないかなんという寝ぼけたことをおっしゃるんですよね、総理。

 いいですか。民主党という公党の国対委員長の安住さんが書いたもので取り決めしたんですよ、これ。それで、「次期臨時国会において成案を得るようにする。」と書いてある。これはこの国会ですよ。だから、あなたは四日で閉じることを一度決めたんだ。この確認書すらも見ずに四日で閉じることを決めたということは、公党の約束を破るということをあなたが決めたんですよ。そんなことをやっていて、一体この民主党という党はどうなっているんだと私は思っているんですね。

 だから、総理、あなたは今民主党の党首ですから。今は財務大臣になったといえども、この八月二十五日に国対委員長として堂々と確認書で、「次期臨時国会において成案を得るようにする。」と。「努力」というのは上に入っているんですよ、さっき出てきた私学の話は「努力」。しかし、事故調査委員会には努力なんか入っていませんから、これはこの金曜までに成案を得なきゃいけないと思いますが、その努力を民主党の党首としてやっていただけますか。民主党の党首としての野田総理にお聞きをいたします。

中井委員長 その前に安住淳君から話を聞きます。

 安住君。

安住国務大臣 財務大臣というよりも前国対委員長として事実関係を申し上げますと……(塩崎委員「もういい、あなたの決意を聞いたってしようがないんだから」と呼ぶ)いえいえ、塩崎さんからはもう再三私も呼んでいただいて教えをいただきましたけれども、しかし、これは三党で、国会を閉じるに当たって継続案件についてどういうふうな扱いをしようかということで協議をしたわけであって、私が証文を出したわけじゃないんです。

 これは国対委員長間で、いいですか、二重ローン法案のことについては、震災復興特別委員会で修正協議をちゃんとやって、その上で臨時会において成案を得るようにしましょうと。

 私学のことは、おっしゃるとおりで、一次の補正で出したものとそれはちょっと差があるものですから、そこは今言ったように努力というのを入れた。

 最後のところは、議院運営委員会で理事を中心に協議をしましょうということでこういう書きぶりになったということは、もう重々御存じだと思います。

塩崎委員 いや、総理に答えてもらう前に、国民の皆さんは初めて、国会の中でこういう紙を取り交わしてやっているんだということがわかったと思うので、だれが読んだって、次期臨時国会において成案を得るようにすると。努力じゃなくて得ると言っているんだから、これはやるというのは約束だということですよ、何かわけのわからないことをおっしゃったけれども。

 それで、ちょっと僕は次に行きたいので、総理、最後に、ですから、この金曜日までに、この臨時国会は終わっちゃうんだから、この間にぜひこれで御努力をいただきたいので、それについてのお考えだけお願いいたします。

野田内閣総理大臣 特に三つ目の、国会の中に調査委員会をつくるという法案については、実務者として塩崎委員が積極的にかかわられて、もう何回も議論してきたと承知をしています。そういう協議の進展を踏まえての対応をさせていただきたいと思うし、それぞれの委員会、議運等で御議論をいただければというふうに思います。

塩崎委員 いや、代表としては、国対委員長は自分のときじゃないにしても、公党間でこういう約束をして確認をしているんだから、やはりちゃんとこれをやってもらわなきゃ私はおかしいと思います。

 そこで、次の、原発についての基本方針について、野田総理はこういうように変わってきました。

 パネルをぜひごらんいただいて、御自分の発言を思い出してもらいたいと思いますが、就任の日の二日の記者会見では、言ってみれば脱原発を宣言されているというふうに世界は受けとめました。そういうことでよろしいですか。

野田内閣総理大臣 私は一貫して、脱原発依存で、極力原発への依存度を低減させていくということを申し上げています。

塩崎委員 しかし、これをお読みになればだれが見ても、新しいものはつくらない、つくれない。それから、寿命が来たら廃炉にする、更新もしない。そうしたら、寿命が来たらそれぞれなくなっていきますから、今言われたように、二〇五〇年までには一基もなくなるという論理的な帰結は脱原発以外ないんですね。幾ら脱原発依存と言っても、これはあなたは脱原発を言ったんです。

 そして、しかし、所信表明ではぐっと後退したんですね。変わったんです、脱原発と推進という二項対立ではだめだと。

 今度、国連に行ったときには、そうじゃなくて、しっかりと原発輸出も続けていこうと。しかし、どんどん廃炉にしていくようなところから輸入しようと思う人はいませんよ。アメリカだって、スリーマイルアイランドから三十年間、一基もつくらなかった。だから、原発をつくる技術はどっとおっこちて、今できるのは日本とフランスとロシアになっている。それで、さあ行こうということで、ベトナムなんかでもやってきたわけですけれども。

 だから、あなたは、九月二日にこれだけの脱原発をおっしゃったのに、こういうことで百八十度変わったんです、基本方針が。これは直近の御発言が正しいということであるならば、私は二日の発言は撤回しないといけないと思いますが、どうですか。

野田内閣総理大臣 基本的な考え方は変わっておりません。

 新たにつくることは困難だと申し上げました。ただ、そこはかなり着工しているものもあるので、個別の判断は必要ですが、基本的には困難だという認識を持っています。基本的には、寿命が来たら廃炉をしていくということが基本だと思います。これが脱原発依存です。

 その上で、では、新エネルギーをどう開発していくか、省エネ型社会にどうやって持っていくかという中長期的なエネルギーのベストミックス、国民が納得できる、安心できる戦略を来年の夏までにつくっていくということであって、言い方、切り取り方だけでありますけれども、基本的な考え方は変わっておりません。

 加えて、原発の輸出を今アプリオリに認めるという話は、国際社会で言っていません。厳しい事故検証、さっき事故検証の話がございましたが、その検証を踏まえて今後の対応を考えるということを言っているということでございます。

塩崎委員 新しくつくることはもう現実的に困難だというのはつくれないという意味じゃないということは、つくるということをおっしゃったというふうに今は世界の人は理解したということだと思います。

 そこで、もう時間がなくなって、最後にちょっとだけ原子力安全庁の絵だけ見せてもらいたいんですが、その前に、要は、総理は国連で、規制の一元化と安全文化の徹底を図り、原発の安全性を世界最高水準に高めます、こうおっしゃったんですね。高らかに宣言をしてこられた。それはそれでいいと思います。

 しかし、政府の原子力安全庁構想は、実はIAEAの安全基準の基本的なルールも破っているし、いろいろな観点から見て、世界最高水準どころか世界最低水準だと私は思っているんです。

 そのことを言いたかったんですけれども、大分時間がないので申し上げますが、一つは、まず第一に、IAEAのここのルールでいきますと、ここから読み込むのはなかなか難しいんですけれども、原子力安全庁は、予算、人事、定員管理、それは政治や他の行政から独立をしていないといけないんですね。ですけれども、それはそうなっていないと私は思います。なぜかといったら、これは環境省の大臣官房で全部やるはずですよ。

 もう一つ問題は、原発の許認可を、今は経産大臣ですけれども、これは環境大臣に行くというふうに、今、うんと細野さんがおっしゃった。ということは、安全庁は許認可権限を持っていないということですから、何も一元化なんかされていないんですね。NRCだったらNRCに免許権があって、その上の大臣とかなんとかいうことはないんです。つまり、IAEAのルールは、政治からも、それから他の行政からも独立でないといけないということを言っている。そういうふうに独立性の問題がある。

 もう一つは、一元化をすると言ったけれども、実は文科省の中に、放射線の規制は残るし、保障の措置も残るし、原賠制度も残るし、SPEEDIの研究開発なんかも残ると言われています。ですから、こんなことでは、結局、今の原発の許認可権も環境大臣が持つということであれば、安全庁に全部一元化したということには全くなっていなくて、結局、今までのように、だれが決めるのか、菅総理みたいな人がまた来たら、もうめちゃくちゃやるわけですよ。そういうことが幾らでも起きる組織だということを私は申し添えておきたいと思います。

 もう時間がないので、細野さんと本当はやりたかったわけでありますが、最後に、結局、さっきの天下りにしても宿舎にしても、全部聞いてみれば、やはり私が思っていた、言ってみれば霞が関に操られているんじゃないか、その論理に乗っかっているんじゃないかと。

 さっきの宿舎の問題でも、安住さんのおっしゃっているのは、まさにミクロの正解、マクロの大間違いをやっているんですね。そういうことをやっているというのは、やはり霞が関の既得権を守るというのに実は乗っかっちゃって、国民の利益を失わせしめているということが問題です。

 ですから、仮設住宅はできていないのに無駄な宿舎をつくる。天下りを黙認しながら改革官僚は首にする。そして、東電の経営陣や株主の責任は問わないけれども電力料金は上がる。それから原子力政策については、役人のブレーンストームがきいたんでしょう、百八十度転換する。そして、増税ですよ。結局、復興増税ということでやってきている。さっき言ったように、野田さん、あなたは二〇〇九年の一月に夕刊フジで、不況下で増税を行う国など一つもないと明確に書いていますよ、覚えていらっしゃると思うけれども。

 総理、まだ間に合いますから、官僚の方ばかり向かないでいただきたいと思うんです。やはり国民の方にしっかりと向いて、そして政治をやり直してもらわなければ、今、たった一カ月でありますけれども、スタートしたところで、私たち、国民も多くが感じているのは、どうも霞が関との融和を大事にして、国民のことは後回し。ですから、官高民低ですよ。官が高く、民が低い。こんなことで、国民は増税にも私はついてこないと思います。いかがですか、最後に。

野田内閣総理大臣 例えば税と社会保障の成案でも、経済の好転を条件にと書いておりますので、当然、経済動向を勘案しながら対応していきたいというふうに思っております。

塩崎委員 いや、今の一体改革も、結局、党内まとまらなくて、閣内もまとまらなくて、閣議決定ができないで、閣議報告をしただけじゃないですか。ちゃんと閣議決定をして、我々と勝負をしようじゃないですか。

 終わります。

中井委員長 この際、田村憲久君から関連質疑の申し出があります。石原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。田村憲久君。

田村(憲)委員 自民党の田村です。

 こうやって野田総理と質問、質疑ができる。民主党政権にかわりまして、もう二年ですか。これで三人目だということでございまして、一々かわった総理にまたマニフェストの話を聞かなきゃならない、嫌ですね、これ本当に。同じ総理なら大体わかるんです、この人はもうマニフェストを守らないなとか、それがわかるんですが、新しい総理、ましてや見た感じは非常にそれこそ誠意のある方かなというようなイメージもありますから、もしかしたらマニフェストを守るということをはっきり言われるかもわからない。そういうことも含めてちょっときょうは質疑をさせていただきたいというふうに思うんです。

 その前に、今もいろいろと議論はありましたが、ことしは、三月十一日、東日本の大震災、大変な災害が起こりました。今なお被災者の方々は大変御不自由な生活をされておられます。

 そういう意味で、今回というか前回の国会でありますが、マスコミはいろいろなことを言いましたけれども、しかし、実際は、私は、国会は非常に協力をした、そんな国会であったというふうに思っているんです。

 厚生労働委員会、私は野党の筆頭理事をやっておりましたが、何と十三本、三月十一日から法律が通りました。これは記録です。しかも、与党が強行したわけでもない、どの法律も必ず野党が賛成した、そんな状況だったんですね。ですから、実は国会は機能していたんだと思います。ただ、政府が機能していなかった、だから震災の復興が進んでいかなかったんだろう、こんなふうに思っております。

 そんな中で、これが東日本の大震災だけではなくて、日本じゅうどこで災害が起こってもおかしくないなというのが昨今の状況であります。台風十二号、大変な被害、そして十五号も大変な被害が起こりました。十二号は、和歌山県、我々の三重県、そして奈良県を中心に大きな被害がございました。百名近い方々がお亡くなりになられたり行方不明になられた。これは、台風としては大変大きな災害であります。

 いろいろと話を聞きますと、いろいろな要望を我々もいただきます。例えば、特別交付税を積み増ししてほしいでありますとか、それから廃棄物ですね、いろいろなごみが出てまいります、そういうものの処理を一〇〇%国庫負担でやってもらいたい、こういう声もある。二重ローン、震災の方も二重ローンの話が今出ておりましたけれども、こちらも、もう二重ローンがあってはやれないという方々もおられる、そんなものに対しても対応してほしい、こんな声もあります。

 もちろん、震災は震災で、これはしっかり我々は対応していかなきゃなりませんが、一方で、台風被害というものも、被災をされた方々にしてみれば同じ状況なんです。ですから、私は、これに対しても政府はしっかりと対応いただきたいと思います。

 今度の三次補正の中に台風等々の被害、十二号台風も含めてでありますけれども、こういうものに対して予算を組んでいただけますか。

平野国務大臣 東日本大震災の後に新潟・福島豪雨、これも大きな被害が出ました。そして台風十二号被害、これも大きな被害が出ております。十五号もそうでございまして、直近では奄美で記録的な豪雨が今観測されておりまして、これも今、被害状況は定かではございませんが、大きな被害が出ているものと思います。

 こうした被害に対して、まず被災者に対する支援をしっかりやる。それからあと、復旧復興につきましても、基本的にはこういった自然災害、台風等々については、当初予算と、足りなければ予備費でございますが、それでもなお足りない分については、当然のことながら三次補正に計上されるということになると思います。今、災害の額等々についての、特に十二号それから十五号については全体像を把握している最中でございますので、そういったことを踏まえて、三次補正についてもしっかり対応していきたいというふうに思っております。

田村(憲)委員 安住大臣が就任直後テレビに出られて、震災、そして当時は十二号台風の後でございました、非常に理不尽なこういう災害に対してはしっかりと対応するんだ、こうやっておっしゃられた。ですから、我々は、ある意味、大震災と同じような対応を、災害の規模によってもそうでありますけれども、対応していただけるものだというふうに確信しておりますが、安住大臣、御答弁を。

安住国務大臣 おっしゃるとおりで、必要であれば予備費もございますので、災害に分け隔てはありませんので、理不尽な災害等に遭った方々に対しては、どういう地域であってもしっかりと対応していきたいと思っております。

    ―――――――――――――

中井委員長 議事の途中ではありますが、ただいま、後ろにブータン王国ナムギェ・ペンジョール上院議長御一行が傍聴にお見えになっています。御紹介申し上げます。

    〔起立、拍手〕

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

中井委員長 それでは、続けてください。田村君。

田村(憲)委員 よろしくお願いをいたしたいと思います。

 それでは、マニフェストについて議論をさせていただきたいというふうに思います。(パネルを示す)

 今回挙げさせていただいたのは厚生労働関係だけなんですよ。それだけでも多くのマニフェストをお掲げいただき、それが実際問題守られていない部分がいっぱいある。これがまず一枚目ですね。それと、もう一枚あるんですね。これですべてじゃありません。まだ厚生労働関係はほかにもあります。ただ、とりあえず重立ったものをきょうは挙げさせていただきました。

 多分、きょう、すべてこれに対して明確な御返答をいただけないと思います、時間の関係で。ですから、本当を言うと、国会を再延長していただいて、委員会で小宮山大臣からしっかりとした御説明をいただきたいなと思っておりますが、それはまた後でお願いをさせていただきたいと思います。

 まずは、きょうの午前中もお話がございました子ども手当でございますが、子ども手当に関しては、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援するといたしまして、すべての子供に一人当たり年間三十一万二千円、月に二万六千円を支給するというのがあなた方のマニフェストでございました、〇九年。そして、三党合意でこのスキームが変わった、こういう話ですね。

 ということは、まず、二〇〇九年のマニフェスト、年間三十一万二千円を子供たちに支給するというマニフェスト、これは誤っていたということで、撤回をされるということでいいですね。

小宮山国務大臣 月額二万六千円の子ども手当はまだ実現できていない、これはなかなかいろいろな財政事情からも難しいということは、国民の皆様におわびを申し上げないといけないと思っています。

 それで、子ども手当としてこれまで一万三千円ずつ支給をしてまいりましたけれども、これから、三党合意に基づいてまた四月以降のものについても御協議をいただけるものと思っております。

田村(憲)委員 いや、私、マニフェストの話をしていますので。四年間でやるという話だったんですよね。もう二年来ました。もう来年度は違うということは決まりました。もしやるとすれば、再来年度にやらないと守れないという話になるんですね。再来年度までにやれるのか、それとも、それは無理だと思われているのか、そこをお聞きしているんです。どちらですか。

小宮山国務大臣 三党で御協議をいただいて、今、これは先ほど岡田委員の質問に私違うことをちょっとお答えしたようなので一つ訂正をさせていただきたいんですが、恒久法である児童手当の制度に乗せる形で御協議をいただくということになっております。

 そうした中で、一人一人の子供を支援するという仕組みがつくられるものだと考えておりますが、二万六千円はなかなか難しいということは事実だと思っております。

田村(憲)委員 ですから、二〇〇九年のこの部分はマニフェストが実現できなかったということだと思います。つまり、三十一万二千円は無理だった、こういうふうに今おっしゃったということで理解しました。

 さて、きょうの午前中いろいろな議論が出て、我々は納得し切れないなと思いました。

 なぜかというと、何か、子ども手当の理念は残っているだとか、それから、控除から手当ということ、これも検討項目に入っていますけれども、ここは変わっていないということですと。さらには、所得制限をかける世帯に対しても財政的措置としての一定額を支給する、あるいは、税制的措置としての税額控除を行うなどと、こうやっておっしゃられましたが、財政的な支援といったって、一定額を支給するなんということは三党合意では何も決めていないんです。これは御承知ですか、大臣。そんなことが書いてありますか、三党合意に。

小宮山国務大臣 今、三党合意のペーパーを手元に持っておりますけれども、「子どもに対する手当の制度のあり方について」というのが三党で合意をされたペーパーです。この中で、所要額二・二から二・三兆円程度ということが合意をされております。

 これでいきますと、所得制限をかけた世帯にも九千円ずつという計算になっておりますので、これを、支給という形で財政上の措置をとるか、あるいは税額控除の形をとるかは、これから御協議をいただくことだと思っております。

田村(憲)委員 だから、支給するかどうかは決めていないんですよ。支給するとは書いていないんです、現金で。財政上の措置というのは、ほかにもいろいろなことをやれるんですね。例えば、保育料を免除するというのも一つかもわかりません。それも財政的措置でありましょう。

 それから、税制的な措置も、税額控除かどうかわからないんですよ。所得控除もこれは税制的な措置ですね。事実、この三党合意の中には、五番目に書いてあるんですね。「所得制限世帯も含めた扶養控除のあり方について、平成二十四年度税制改正までに総合的に検討する。」これは年少扶養控除のことですよね。これも入っているんですよ。なのに、言われているのは、控除から給付だみたいなことを言われる。

 いや、約束は違うんですよ、大臣。ごまかしてもらっては困る。きょうここに岡田当時幹事長、三党合意をされた御本人がおられますよ、聞けませんから聞きませんけれども。どうですか、私が言っていることは間違っていますか、大臣。

小宮山国務大臣 合意にあるとおりのことを申し上げているので、ここの中にも、言われたように、控除のあり方についても検討をするということにしておりますので、控除を、控除から手当にするかどうか、あるいはそうしないかどうか、そのことも御協議をいただくということだというふうに私は申し上げたので、控除を、民主党の主張のままずっといくかどうかというのは、それは協議次第。ただ、しないということを決めたわけでもございませんので、協議項目にあるということを午前中お話をしたところです。

田村(憲)委員 それはおっしゃられなかったんですね、この部分は。所得控除の部分はおっしゃられておられません。税制上の措置を検討する方は言われましたよね。でも、この五番目の所得控除のことは何もおっしゃられなかった、言いたくないのかもわかりませんが。それはちゃんと記録に残っておりますので、後で確認してください。

 そして一方で、財政上の措置も検討するのであって、現金を給付するとは書いていないんです、これも。どういう形での財政的な措置かはわかりません。これもこれから検討するんです。

 しかし、あなたは答弁の中で、給付をしますとお答えになられておられる。それはしっかりと御自身の書かれたことを確認をしていただければいい。

 あなたのお気持ちはよくわかりますよ。でも、これから三党で決めることですから、大臣が決まってもいないことをお答えになられるのは、やはりおかしい。それは党の中でおっしゃればいい話だ。大臣は決まったことをおっしゃっていただければ結構だと思います。もういいです、答弁。

 それで、なぜ二万六千円、年間三十一万二千円を配れなくなったのかということに対して、先ほどいろいろとお話がございました。あの中で、岡田先生が御質問をされておられました中で、いろいろなことを民主党はやった、しかし、衆議院には三分の二あるけれども、参議院は過半数はない、ねじれている、だからこれも一つの原因だ、それから震災が起こった、これによって財政的に厳しくなったから、これも原因だ、こういう話でありましたけれども、これだけですか。ほかに何かありませんか、大臣。

小宮山国務大臣 先ほど岡田委員の方からも、その二点のほかに、やはり財政的ないろいろの計算、試算が甘かったということも言われております。そういう中に、私も、この子ども手当についても積み上げ方が甘かったという認識は持っております。

田村(憲)委員 その中がまた問題で、要は、補助金だとかそういう部分には、人件費ですよね、踏み込みが甘かった、こう岡田先生はおっしゃられたんですね。しかし、公共事業はやったんです、それから、ある意味での埋蔵金もやった、こういうようなお話であったと思います。

 問題は、公共事業を、一・三兆円目標のところを一・六兆円やったんですね。一方で、それが今回の災害にも影響も出ているんだと私は思いますけれどもね。例えば私なんかの地元でも、ここの治山事業をもっとやってほしかった、しかし、公共事業は厳しいからやってもらえていない、結果的にやはりここは抜けた、こんなことをおっしゃられる方はおられました。そういう意味で、実際問題、一・六兆円切るというのは、かなり大きなインパクトがあったのも事実ですよ。

 私は無駄な公共事業をやる必要はないと思いますよ。ただし、災害の問題だとか命の道。今回、私どもの地元の方も、やはり命の道がありました。いろいろなところで途切れましたよ。高速道路がなければやはりだめだという話になっている。病院に行けないという話になっちゃうんですね。こういうものはやはりしっかりやらなきゃならない。

 だから、そういう意味で、この一・六兆円というのはいささか問題もあると思いますが、ただ、財源的には、一・三兆円のところを一・六兆円出したんですから、ここは、あなた方としては胸を張りたいところだと思いますよね。

 しかし、もう一方で言われたこの埋蔵金等々のところ、これは以前の予算委員会で、当時財務大臣だった野田総理と私、議論をさせていただきましたが、こういうものは一時的なもので恒久的には続かないとあなたがおっしゃった部分ですよね。毎年五兆円出さなきゃいけないんですよ、この民主党の試算でいくと。今回は二・七兆円でございました、今年度予算ですよ。二・七兆円、覚えてみられると思いますよ。その中でもやはり、鉄運機構、こういうところから金を出してきたりしたわけですよ。それは毎年出せませんよね、出せない。外為特会も、前借りまでして予算に入れちゃったですよね。今年度多分出てくる収益に対してまで予算に一部入れちゃった。これはむちゃをやっているんですよ。

 ですから、この毎年五兆円出す、今年度二・七兆円出た、この部分も毎年出るとは限らない。こんなものは永続しない。それは、財務大臣当時、野田総理がお答えになられた答弁であります。

 そして、もう一つ大きいのは一・三兆円。これは増税ですよね。結果的に見ますと、十六・八兆円、まだ四年目じゃありませんから、すべてとは言いませんけれども、十六・八兆円出すといった中で、事実上できているのは、毎年出せるのは、一・六兆円の公共事業と、それから、補助金や人件費削減は、うまくはやれなかったけれども、そこそこやったねと言われた〇・七兆円ですよ、つまり七千億円。あとは増税の一・三兆円ですかね。これは増税ですから、国民の皆さんはこれをよしとは思っていないと思いますけれども。

 これでは、どう考えたって、全額国費で五・四兆円かかりますと言っている子ども手当なんてやれるはずがないじゃないですか。そもそも、全くもって財源はどこからでも出てくるんだとおっしゃられたあなた方の論理が壊れているんですけれども、総理、これに対してどう思われますか。

野田内閣総理大臣 マニフェストの主要事項、子ども手当とか高校無償化、これらを実現するためには、恒久財源を確保しながら実現をしてまいりました。その額は、今御指摘のような歳出削減の部分と税制改正の部分とを合わせたもので、これは三兆円台に乗っています。三兆円台の範囲でマニフェストの主要事項はこれまで推進してきたということです。

 それで、委員御指摘のとおり、ワンショットのお金はつくってきました。つくってきましたけれども、こういう恒久的な制度を裏づけるものではございませんので、それは支えにはなりません。ということは、これは事実関係としてはおっしゃるとおりであります。その意味では、マニフェスト全般を実現する上で、いろいろな意味で、見通し、あるいは財源確保というところに甘さがあったことは事実であり、それは中間検証にも明記されてございますので、そのことは深くおわびしなければいけないと思います。

 ただし、子ども手当を含めて、あるいは高校無償化を含めて、私どもが訴えたかった、マニフェストで実現したかった理念というものは、例えばチルドレンファーストであるとか、国民の生活が第一、こういうものは、これからもぎりぎりの努力をしながら、できるだけ実現をしていきたいというふうに思っております。

田村(憲)委員 そんなことは我々も言っていますので。言っていない政党ってないんじゃないですかね、多分。だから、そんな理念は、別に当たり前の話なんですよね。

 それで、この十六・八兆円、素直にもう集められないというふうに今お認めになられたということでよろしゅうございますね。十六・八兆円というマニフェストの財源の根拠というものは、あれは絵そらごとであったと。

 といいますのは、十六・八兆円できると言われたのは、もともとどなたが言われたんですかね、こういうことを民主党の中で言われたのは。総理、覚えありますか。

野田内閣総理大臣 どなたかというよりは、党としてマニフェストを決めて、みんなで共有をしたという意味では、すべての人に責任があるというふうに思います。

田村(憲)委員 いや、これはあなたがやられた、決められた。

 これは、きょう資料につけていますけれども、「俺がやらねば」とかいう日刊紙のあなたの特集ですね。これは、平成十七年八月十一日号。覚えがあられるかどうかわかりませんが、下の方の波線のところ、「民主党案は私がまとめた。三年間で実質十七兆円の歳出削減、現時点で約十六兆円にものぼるプライマリーバランスの半減、小泉政権がいとも簡単にあきらめた国債発行三十兆円枠などを実現するという内容だ。」と書いてあるんですよね、これ。

 このときにマニフェストの財源として使うとは書いていませんが、実際問題、こうやってあなたがこのときにもうおっしゃられておるんですよ。つまり、このときにもう既に、十七兆円の財源をあなたはつくれるというふうにおまとめになられたんですか。覚えてみえますか、これ。

野田内閣総理大臣 これは、民主党のマニフェストをつくる前に、私は次の内閣の財務大臣をやっていました。そのときに、財政健全化のプランをつくることになりまして、これは八年計画なんですが、その八年計画の財政健全化プランの中間報告でまとめた内容をここで書いているということでございます。

田村(憲)委員 いや、だから十七兆円出せるということですよね。そういうことでしょう。そのときに、あなたは民主党の案をまとめたんでしょう。(発言する者あり)いや、まとめたのはあなたでしょう、これ。あなたが言っているんでしょう。

 いや、これ、うそだと言うならいいですよ、うそだと言うなら。この記事がうそだ、捏造だと言うなら、そうやってお答えください。

野田内閣総理大臣 八年間の財政健全化計画、前半が歳出改革中心、後半が歳入という流れの中で、特別会計改革も含めて、中間報告をこの時点で私が次の内閣の大臣のときにまとめた責任者であります。それが中間報告からどういう形で最終決定に至ってマニフェストになったか、これはちょっと、その後は離れていてわかりませんが、土台をこういう形でつくったということは事実であります。

田村(憲)委員 だから、こうやってあなたも、実際問題やれるということをあなた自身が責任者となってまとめてきたわけですよね。なのに、今できないと。これ自体がやはり私は、一体どういうことを今まで民主党がやってこられているんだろうと。

 その方が財務大臣であり、そして、その方が今総理になっているんですよね。それでなぜ実現できないんですか。あなたが与党になって、それがやれる立場になったにもかかわらず、なぜやってこられなかったんですか。

野田内閣総理大臣 私どもが政権をお預かりするようになったのは、平成二十一年の秋からであります。このときはリーマン・ショックの直後であって、四十六兆円と見込まれていた税収が三十兆円台で落ち込む。そして結局、財政運営は、要は国家財政の半分以上を借金で賄わなきゃいけないという、明治以来、財政の統計をとっていますが、かつて経験したことは、昭和二十一年、日本が敗戦で廃墟から立ち上がる状況と平成二十一年は同じ財政状況になったということは、私は決定的に大きな差があったというふうに思っております。

田村(憲)委員 ということは、税収が戻ればマニフェストは全部実現できる、こういう話ですか。税収が戻ればマニフェストは全部実現できるという話ですか。今、そう聞こえましたよ。どうですか。

野田内閣総理大臣 全部だとか、そういう断定的なことを申し上げるつもりはございませんが、環境としては、実現しやすい環境にはなり得るというふうには思います。

田村(憲)委員 相変わらずマニフェストをあきらめていないという話でございましたので、話を進めていきたいのですが、こうやって、あなた方の言っていることが、実際問題、やっていることと違うというのは、はっきり言って信用問題にかかわる問題でありまして、実は、またぞろ出てきたんですよ、この城島さん。

 今、城島さんと言われれば、党の役員ですよね、以前も政調会長代理であられた方。また「新しい子ども手当が恒久法へ」と、こんなのを配られた。表は、野田内閣が発足と書いてありますけれども。こういうことを……(発言する者あり)そのとおり、ネタが古いらしくて、何かもう差しかえて配り直しているみたいですけれども、多分、悪いというふうに認められたという話だと思うんですが。

 私は、一陣がさ議員がやるのなら何も言わないんです。でも、党の役員をやっている方が、一回我々がクレームをつけて、とにかく前向きに話をしましょうよと、岡田幹事長まで当時おわびになられて、また同じようなことをされるということが信頼関係にかかわってくるんです。

 これに対してはしっかりとおわびをしていただきたいと思いますが、どうですか。

小宮山国務大臣 これは、ここにありますように、八月十一日現在のところで民主党神奈川県第十区総支部、城島事務所がつくったものでございますが、子ども手当の部分の内容が不適切であったため、城島議員が指示をし、修正版を作成し、そちらを配布したというふうに聞いております。

田村(憲)委員 いや、すると、八月十一日、野田総理は誕生したんですね。そのころ、大変でしたけれどもね。そのころは、菅さんがやめる、やめないで大変でしたけれども、そのよくわけがわからないようなお話の資料なので、こちらがもしミスだったらそれはおわび申し上げますが、事の真相を調べて、もしこういうものが本当にあったとしたら、それは今のお話は、大臣、違ったという話になりますけれども、それでいいですか、答弁。

中井委員長 官房長官に答弁をさせます。

 藤村内閣官房長官、調べて。

藤村国務大臣 私も、今聞いたところでは、「新しい子ども手当」という言葉は不適切であるということで、これは「子どものための現金給付」と書くべきであったと、城島事務所は本ビラを回収し、刷り直しをいたしましたが、細部、さらに調べます。

田村(憲)委員 とにかく、お願いしますよ。こちらも前向きに議論できるところはやっていきたいと思っていますから、一々こうやって、何かあるたびにやられたのでは、こちらもやはり立ちどまらざるを得ない、迷惑な話です。よく気をつけていただきたいというふうに思います。

 さて、年金の方に移りますが、すべての人が同じ年金制度に加入する、所得が同じなら同じ保険料を負担し、納めた保険料をもとに受給額を計算する所得比例年金を創設する、すべての人が七万円受け取れる最低保障年金を創設する、こういうマニフェストでございました。要するに、これを実現するんだと。これは、実際問題、生きているかどうか。

 いや、これは何を聞きたいかというと、やはりこの四年間の間に法案を出すまでが、その実行はいつかはわかりませんよ、でも、法案を出すまでは、これはマニフェストの約束ですよね。ですから、もうあと二年しかありません。いや、法案を出すといいますか、法案が通るまででしょうね、多分。通らなかったら別ですよ、国会の状況で。そういうような、国会に提出されるまで、そして審議が進むまで、もう時間はないんですね。

 ところが、税と社会保障の一体改革、出てまいりましたよね。あの中には何と、見ると、確かに書いてはあるんですが、現実的な対応というので、あなた方が反対をした被用者年金の一元化、こういうものが入っている。そして、非正規雇用、こういう方々を保険の世界、年金だけじゃありませんけれども、健康保険も含めて対象にしていこうと。我々の対象よりも広くなっちゃいました。四百万人ぐらいが対象になるというんですけれども、こういうことが書いてある。

 しかし、年金の、二十五年度までに法律を出して審議して成案を得る、こういうのは書いていないんです。後退しているんです。この部分は、マニフェストが、もう破っちゃう、もう間に合わない、そういうことでお認めになられますか。

小宮山国務大臣 これは、新しい一元化の年金制度につきましては、やはり国民的ないろいろな議論が必要ですし、与野党で協議をしていただかないとこの国会の情勢の中では通りません。

 そういう中で、決してあきらめたわけではございません。二十五年までにはまだ時間がございますので、ぜひ国会に提出に向けまして与野党で御協議をいただきたいというふうに考えております。

 ただ、その前に、現実的な対応としてやらなければいけないところということで、共済と厚生を一元化すること、それから、あとは短時間労働者に範囲を広げること、こうした現実的な対応と長期的なことと両方を今手がけているということだと御理解ください。

田村(憲)委員 いや、具体的なものができていないから、我々は議論もできないからつくってくださいと言っているんでしょう。

 保険料率は大体一五%ぐらいだということは書いてありますよ。しかし、所得代替率がどれぐらいになるかなんて書いていない。だから、さっぱりわからないんです。そういうものを具体的に出してください。そうしたら議論をしなきゃいけないんです、我々も。

 だけれども、このままいったら、二十五年度に成案を得るなんて無理ですよね。もうこれは半分来ちゃいました。あと半分でやれるか、事実上無理だと思いますが、どうしてもやるとおっしゃられるんですから、これも、やれないことを最後までマニフェストは撤回できないという、あなた方のインチキ性と言ったら怒られるかもわかりませんけれども、ごまかし性というのが非常に出ていると思いますよ。

 これは、二年たったら議論をしましょうよ。できていたら、私は本当に、よくできましたと大臣の前で頭を下げますよ。まずできないと思う。

 さて次に、公的年金控除、百四十万円の最低補償額に戻す、老年者控除は五十万円復活、こうやってあなた方は高齢者のところを回って、我々がやったら減税になりますよ、政権とったら減税になりますよと、選挙で勝ったんですよ。これは、今戻していますか。いかがですか、大臣。

小宮山国務大臣 この公的年金控除の最低額を戻すということについては、控除から手当へという全体の流れの中で、また年金改革との関係も総合的に勘案をして検討していきたい。

 現在はできていないことは事実でございます。

田村(憲)委員 私、驚いたのが、社会保障と税の一体改革を読んでいましたら、何と、逆に公的年金控除等の縮減も検討すると書いてあるんですよ。これは、大臣、知っていますか。マニフェストではもとへ戻すと書いておいて、社会保障と税の一体改革ではこれを縮減すると書いてあるんですよ。正反対のことがよく書けるなと。これは、大臣、どうなっているんですか。

小宮山国務大臣 それは、今申し上げた中で、全体の設計の中で、年金の改革の中での整合性も含めて検討をするという意味でございます。

田村(憲)委員 検討してもらっちゃ困るんです。マニフェストで書いたものですよ、あなた方が。あなた方のマニフェストというのは、実行するものじゃなくて検討するものなんですかね。これからすると、マニフェストというのは性格が変わっちゃいますね。ちょっとひど過ぎるんじゃないですか。

 まだまだあるので先に進みますけれども、年金の通帳という話をずっとされてこられました、あなた方。

 年金通帳、あなた方は、どういう話だったかといいますと、通帳をつくりまして、その通帳を、要は、これですね、これ。覚えてみえますか。裏は、各選挙区の方々の顔写真を入れて、これは民主党の要するに新聞がわりですね、号外と書いてありますから。こういうのをつくられたんですよね。こういうものをつくるとおっしゃった。でも、実際問題、今できていません。予算もばんばん削られております。

 これは何のためにやるかというと、国民の皆さんが、それこそこれを持っていって、郵便局のATMだとか、あれに入れれば、印字して、今あなたの年金はどうなっているか、そして、今の納め方からすればこれから幾らぐらいもらえるか、こんなことがわかるものをつくるとおっしゃった。

 ところが、それはない。今やっているのは、インターネット上でそれがわかるようなシステムをつくろう、こういう話なんです。ところが、それは自民党が既に年金個人情報提供システムというものをやっているんですよ。それを改良してもっとわかりやすい情報を流そうということをずっとやってきたんですね。それと変わらないんです。

 ということは、あなた方はこの年金通帳のマニフェストもおやめになられたんですかという話でありますけれども、いかがですか。

小宮山国務大臣 今委員がおっしゃいましたように、現在行っているのは、毎年誕生月に郵送しているねんきん定期便とインターネットを活用したねんきんネット、これを実施しています。

 年金通帳のあり方につきましては、こうした取り組みのあり方とあわせた検討が必要であることから、現在、ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会で検討をしております。十一月を目途に報告書をまとめる予定ですので、この検討結果を踏まえて対応していきたいと考えています。

田村(憲)委員 もう予算がばんばん切られている。しかも、もう時間がないからこれはやりませんが、例の年金記録の紙台帳との全件照合、コンピューター記録との。これも、当初の予想でいけば六割ぐらい済んでいなきゃいけないんですね、今年度で。全然進んでいない。逆に三、四割ですよ、三、四割。予算がどんどん消えちゃっているんですよね。しかも、コストパフォーマンスも悪いという話で、やめたがっているんじゃないのかなといううわさまであるんですよ。全くもってひどい話でありますが……(発言する者あり)ですから、うわさだと言っているんです。

 それをやっていますと時間がないので、次に進みます。

 これは介護の方々が大変気になされていることでありまして、例の、我々が介護の処遇改善交付金というのをやってまいりました。これに関しても、後、続けなきゃいけないという問題はあるんですが、そもそも民主党の皆さんは、我々は二万円引き上げということで、ほぼ二万円、これを実行してまいりました。しかし、四万円引き上げるというふうにマニフェストではおっしゃっているんです。

 しかも、来年度が、ちょうど四月が介護報酬改定。そこで報酬改定をしないともう間に合いませんよね、それは。これは、任期満了までといったって、介護報酬改定はもう間に合わないんですから。ということは、今度の介護報酬改定で四万円分引き上げなきゃならないという話になります。さあ、どれぐらい国費が必要でございましょうか。

小宮山国務大臣 介護職員の処遇改善につきましては、平成二十一年度に介護報酬三%引き上げ、これは月額九千円相当です。さらに、介護職員一人当たり平均月額一・五万円に相当する介護職員処遇改善交付金、これを平成二十一年十月から交付しまして、合わせて月額およそ二万四千円の効果が出ています。このことによりまして、介護分野の有効求人倍率が低下をしたり入職率が増加をする、こうしたことから、介護労働者の逼迫した需給状況が改善をしていると考えています。

 介護サービスを安定的に供給するためにはこうした効果を維持することが重要ですが、現在のこの給付の引き上げの半数が一時金の支給によるもので、継続性が弱いということ、さらに、依然として離職率が高い事業所も多いこと、これを踏まえまして検討をする必要があると考えています。

 現在の介護職員処遇改善交付金は平成二十三年度末が期限となっているため、平成二十四年度以降どうするかにつきましては、この交付金をさらに積み増すのか、今お話のあった平成二十四年、来年の介護の報酬改定で行うのか、これを平成二十四年度の予算編成過程でしっかりと検討をしていきたい。介護職員の処遇改善についてはしっかり取り組みたいと考えています。

田村(憲)委員 もう言っている場合じゃないので、これはもう来年度予算でやらなきゃいけないという話ですよ。そして今、処遇改善が行われたというふうにお褒めいただきましたが、それは、我々自公政権のときにやったことでございますので、そこもよく御理解をいただいて、もしこれが途中で途切れるなんということになった場合には、介護の現場は本当に大変な状況になると思います。

 そして、倍、四万円上げるということをマニフェストでお約束されたわけでありますから、来年の四月の、言うならば、介護報酬改定でそれが実現できなければ、このマニフェストもうそだということになりますから、そこは御覚悟をいただきながら、大変な金額ですよ、一千億円規模だと思いますけれども、頑張ってこれはやっていただかなきゃ困ります。

 財務大臣、何かありますか、できますか。財務大臣、かかわるわけですから。

安住国務大臣 厚労大臣とよく協議をして、頑張りたいと思います。

田村(憲)委員 余り軽いことを言われると、大変なことになりますよ。まあ、総理にはあえて聞きませんけれどもね。

 さあ、ほかにもいろいろあって困っちゃうんですが、大臣が、診療報酬を上げられるという話がございます。これはマニフェスト、絡んできています。皆さんのマニフェストでは、診療報酬を上げると書いてあります。ちょうど来年が、介護報酬と同じで改定時期であります。これは上げるということで、御本人、御決心をいただいて覚悟を持っておられるということでいいんですね。

小宮山国務大臣 それは就任の会見のときにも従来方針どおりと申し上げましたので、わずかずつであってもプラスの改定をしたいというふうに考えております。

田村(憲)委員 一%アップで九百億円でありますから、これもかなりのインパクトだと思います。

 ただ、前回のような本当に〇・何%というようなのでは、実際、医療はよくなりませんので、しっかりここは対応いただきたいというふうに思います。

 続きまして、たばこ税の話。

 七百円にするという話と、同時に、財務省が所管なのはこれは納得がいかない、健康のことを考えれば厚労省が持てるようになればいいと。これは朝日新聞のインタビューでの記事であります。こういうようなお話がありましたが、この二つの話は本当ですか。

小宮山国務大臣 お話をする機会をいただいてありがとうございます。

 これは、就任会見のときに質問を受けまして、私が七百円に上げると言ったわけではなく、昨年、副大臣として税調のメンバーとして出席をしておりました。そのときに厚生科学研究のデータをお示しして税調で議論した中身をお話しいたしました。諸外国が六百円から七百円であるということ、それから、その厚生科学研究の結果、七百円台までは税収も落ちないというデータがございましたので、それをもとにして議論したということを御説明いたしました。そのことが、その七百円がひとり歩きをしたということでございます。

 それから、あと、所管を厚労省にということは民主党の政策集にも書いてございまして、これはFCTC、たばこ規制枠組み条約の中でも、所管はやはり健康を預かるところが所管すべきだというのが国際的な流れでございまして、そういうことから、将来的にはたばこ事業法を廃止して、厚生労働省に健康としての法律としてするということは、政策集で民主党がお約束をしていることでございます。

田村(憲)委員 健康を所管する厚労省が所管しちゃうと、もうたばこはやめなきゃいけないという話になりますよ、これ。もうたばこを売らないという話になりますよ。もしそれで売って何らかの病気になった場合には、訴えられますよ、今度。そこまで覚悟をしてそういうことをおっしゃっていただかないと、まあ、いろいろと安住大臣は言いたいこともあるんでしょうけれども。言いたい。では、どうぞ。

安住国務大臣 たばこは貴重な財源でございます。

田村(憲)委員 そういうこともありますので、閣内でしっかりとまとめてください。

 さらに幾つか質問があるんですが、出産一時金、これも、四十二万まで上げたんですけれども、五十五万円まで引き上げるとマニフェストに書いてあります。これはあきらめましたか、どうですか。上げるおつもりはありますか。

小宮山国務大臣 これは、やはり出産にお金がかかり過ぎるというところから、野党の時代からこの出産一時金を上げていくということをやってきたのですが、五十五万円まで上げるとなると、そこに上限が張りつくというような皆様の御意見もございまして、しっかりと検討をさせていただきたい。

 ただ、これは、十四回の妊婦健診も加えた額でございますので、それは確実にそこの近くまで今上がってきているということは申し上げておきたいというふうに思います。

田村(憲)委員 検討するというのが民主党のマニフェストだと、改めて今の御返答で感じさせていただきました。

 もう時間が来ましたのでやめますが、総理、ドジョウ内閣というふうに言われました。相田さんの詩が好きで多分そんなことを言われたんだと思います。輿石さんに気を使ったというような新聞報道も、これは報道ですから本当かどうかはわかりませんが。

 ドジョウで泥臭くなんて言われていますけれども、泥の中に隠れて表に出てこなきゃ、これはキジも鳴かずば撃たれまいというのと同じで、たたかれないだろうと。そんなお考えなら、これは大間違いですよ。ドジョウすくいというのは、砂や泥をさらってドジョウを上げるんです。そんなことをしても、必ずや、あなた、幾ら逃げたって、国民の目の前にあなたの実態というものが出てくるわけでありまして、まだまだ、きょう、厚生労働関係だけでも、私はマニフェストを質問し切れていないんですよ。ですから、国会の延長をもう一回お願いいたしたい。

 最後にお聞きしますが、これは国会が決めることですからというような逃げはだめです。民主党の代表なんですから、党の責任者として、野田内閣はこういうような姿なんだ、ドジョウだと言ったけれども、いや、メダカだと。ドジョウは土の中に埋もれている。確かに、それは、外国人の献金だとか、それから一方で、脱税企業の献金なんというような、そんな話もありました。しかし、メダカはきれいなところにすんでいるんですから、おれはきれいなので、メダカ内閣のように国民の皆さんに姿をあらわすということで、今国会の延長をしていただくということを言明いただいて、私の質問を終わりたいと思いますが、いかがですか。

野田内閣総理大臣 基本的にはドジョウはきれい好きでありますので、そこは間違えないでいただきたいというふうに思います。

 その上で、国会の延長の話でございましたけれども、これはもう各党間で合意をしていただいて期間は決まっているというふうに思いますので、それを重視していきたいというふうに思います。

田村(憲)委員 ありがとうございました。

中井委員長 この際、吉野正芳君から関連質疑の申し出があります。石原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。吉野正芳君。

吉野委員 自由民主党の吉野正芳でございます。

 私は、福島県です。福島県はまだ災害が続いている、このことをきちんと御認識を願いたいと思います。

 さて、福島県に対して、全国から多くの御支援をいただきました。本当にありがとうございます。特に、ことしの夏休み、子供たちは表に出て遊ぶことができませんので、愛知県の豊橋市の方々が福島県の子供三十名、三泊四日で御招待していただきました。そして、本当に温かいもてなしを受けました。

 一番この事業で受けたのは、子供たちです。困っている人がいたら手を差し伸べるという、人間として一番大事な思いやりの心、そして感謝の心、これを持ったということがこの事業の一番の成果かな、このように思います。本当に豊橋市の皆様方にはお世話になりました。ありがとうございました。

 さて、総理にお伺いいたします。

 総理は、原発の収束は国家の挑戦です、そして、福島の再生なくして日本の信頼回復はありません、こう述べられております。

 原発事故の収拾は国家の挑戦。原発事故の収拾、私は大きく分けて二つあると思います。いわゆる発電所の中の、廃炉への道の収束。もう一つは、原発の外、放射能に汚染されてしまった地域、ここの収束。まず除染、そしていかに帰すか、このことだと思います。そう理解いたしますけれども、総理はどういうふうに理解をしておりますか。

野田内閣総理大臣 議員の御指摘のとおり、私は、所信表明演説でもあるいは記者会見等でも、福島の再生なくして国家の信用回復なし、日本の再生なしと申し上げてまいりました。それは、まさに心からの思いでございます。

 その上で、まずやるべきことというのは、炉の安定だと思います。これについては、ロードマップに基づいて、ステップ1は大体七月に安定的冷却にいったと思いますが、次はステップ2の冷温停止に向けての取り組みでありますけれども、これは、十月から一月までに達成というところを、年内に達成すべく全力で取り組む。

 このように、着実に炉の安定に向かっての取り組みを進めると同時に、もう一つは一回外に出た放射能に対する対策であって、今最も取り組むべきは除染だというふうに思っています。特にお子さんたちの生活空間、そして、もっと生活圏を広げて、やはり国が責任を持って除染を進めていくということ。先般、予備費で二千二百億円の対応をしましたけれども、これだけではもちろん足りないと思いますので、これからの第三次補正も含めて、しっかり対応していきたいというふうに考えております。

吉野委員 福島の再生、これもうたっております。簡単に福島の再生という言葉を使っていますけれども、まず農地の再生とか商工業の再生、教育もあるんです。子供たちの教育、これもやはりレベルが下がってしまいます。これを再生していく。いろいろな意味が再生という言葉の中には含まれていると思います。すなわち、内閣全員、ここにおられる閣僚全員が福島の再生に向けて全力を挙げていくことだというふうに私は理解をしているわけです。

 福島県で行われる、ある意味で、私たちは政治家ですから、政治はきちんと事業をつくって予算をつけていく、福島県のためには最優先で事業を行い予算をつけていく、こういうことでよろしいでしょうか。

安住国務大臣 今、吉野先生からお話がありましたように、福島県の大変さというのは本当に、知事さん初めいろいろお話を聞いておりますので、第三次補正においても、基金等の創設を含めて、しっかりと福島県の御要望にこたえられるよう努力をしていきたいと思っております。

吉野委員 実は、そこまで総理が福島県のことを思ってくださる、本当にありがたいことです。でも、我々福島県選出の、自民党、四人の国会議員がおります。この四人の国会議員が中心となって、東京電力は仮払いしていました、でも、足りないんです、狭いんです、ですから、国による仮払いをすべきだということで、言い出しっぺになりまして、そして野党の協力を得て、七月の二十九日、衆議院で通過し、成立しました。

 このときに、総理は財務大臣として、七月二十六日の復興特の私の質問に対して、原子力事故被害緊急措置法、いわゆる仮払い・基金法案なんです、私たちはこの基金にかなり重点的に期待をしてつくったわけなんですが、これが成立をした暁には、予備費の使用や、今後編成をする三次補正での計上も視野に入れて、適切に対応していくという答弁を、財務大臣、七月二十六日の私の質問でこの場でしております。

 そこまで福島県についての思いで、再生をする、国家の挑戦だと言っているそういう中で、まだ基金がつくられていないんです。この法律に基づく基金がまだつくられていません。県の担当者にも聞きました、何の相談もないと。もう法律ができて二カ月過ぎているんです。言葉とやることが全く違う、こう思います。御答弁、お願いします。

野田内閣総理大臣 七月に答弁で、予備費も含めてというふうに申し上げましたけれども、予備費はちょっと除いて、第三次補正で対応できるように今準備をさせていただいているところでございます。

吉野委員 予備費の使用も含めてという答弁なんです。なぜ、今すぐ予備費から、一千億でも二千億でも、この法律に基づいた基金をつくれないんですか。八千億あるでしょう。二千二百億は除染で使っていただいて、そのうち一千八百億は県に対する基金ですけれども、なぜ予備費は使えないんですか。

平野国務大臣 まず、基金ということに関しましては、仮払い法に基づく基金ということについては、現在、どうするかということについての検討を具体的にやっているわけではなくて、基本的には、まず東電が一義的に対応するものだというふうに理解をしております。

 一方、福島県からは、福島独自の復興基金を設立していただきたいという強い要望を受けております。

 もう委員御案内のとおり、福島は津波、地震の自然災害とは違うさまざまな被害が出ておりまして、こうしたものの被害にきっちり対応するためには、福島に特化した基金をつくっていただきたいということで、目下、今、その中身については福島県と鋭意調整中でございまして、先ほど財務大臣からも御答弁がありましたけれども、その福島県の意向をきちっと踏まえて、三次補正で対応していきたいというふうに考えております。

吉野委員 緊急措置法、法律があるんですよ。つくったんですよ。この法律に基づいた基金をなぜ予備費でできないんですか。私が言っているのは、法律に基づいた、緊急措置法に基づく基金をなぜつくれないんですか、ここを聞いているんです。

野田内閣総理大臣 今、平野大臣が御答弁されたように、その仮払いのことも含めて、この間、八日に私も佐藤知事とお会いしましたけれども、復興のために使える基金をしっかりつくってほしいという中での対応を今させていただいているということでございます。

吉野委員 内閣は、法律ができたら、その法律を執行するのが内閣の仕事です。ここは立法府です。我々は立法したんです。それを執行するのはあなた方なんです。

 なぜこの法律に基づいた基金を、それも予備費を使うという答弁があったにもかかわらず、できないのか、これを検討してほしいと思います。もう一回。

中井委員長 平野防災担当大臣。福島県のだれと相談してやっているのかも答弁してください。

平野国務大臣 ちょっと整理をさせていただきたいと思いますけれども、まず、基金ということにつきましては、今現在、福島県から要望を受けている基金については、例えば医療拠点の整備をするための基金あるいは企業立地。これは大分、福島県の場合は外に出ている企業もございます。そういった企業の流出を防ぐためのさまざまな企業立地に向けての基金、こういったことについての要望は受けております。

 今、いわゆる仮払いということにつきましては、私の理解では、それは東電が一義的に対応するものだという理解でございます。

吉野委員 平野大臣、この法の趣旨がわかっていないですね。一義的に東電が対応しても、国がきちんと仮払いをしていくということなんです。そして、そこの足らず前を、基金をつくって、そこのいわゆる原賠法で対象にならない部分は福島県の判断でつくっていくという、いわゆる足らない、狭い、ここを補ったのがこの緊急措置法なんです。きちんと法を理解してください。

 我々は立法府です。立法府の我々がつくったものをなぜ執行しないんですか。総理、もう一回答弁してください。

野田内閣総理大臣 予備費の活用も視野にとは言いましたけれども、予備費で使うとは言っていないんですね。それで、第三次補正も含めてということは申し上げていますので。それは正確に申し上げておきたいというふうに思います。

吉野委員 そういうごまかしで、本当に福島県のことを思っているんですか。福島県のことを本当に思っていれば、そんな言葉のごまかしは通用しません。もういいです。

 私は、二〇〇〇年に当選しました。そのときに雪印乳業が集団食中毒事件を起こしたんです。私の初質問、衆議院一年生です。二〇〇〇年八月八日、厚生労働委員会で初質問をしました。それは、雪印乳業の社長に対しての参考人質問です。

 私の質問の内容は、今度の事故で、事件で、いろいろ再発防止のために雪印として金をかけてノウハウをつくるでしょう、これはある意味で雪印独自の知的財産、企業秘密に当たるかもしれないけれども、日本国で、世界で二度と食中毒事件を起こさないためにすべての情報を公開してください、こうお願いをしました。これが、二〇〇〇年、初質問の中身です。

 それから二年くらい経過しました。最後に雪印が、もうだめだ、会社としてだめだというそのときに、我々、厚生労働委員会で締めくくりの質疑をしたわけです。そのときに、同じ西社長さん、おいでになりました。二年前に私と約束した情報公開、もう自分の会社がつぶれそうだ、こういうときにもかかわらず、食品安全研究所をつくります。自分の会社のことよりも、社会の安心、安全、こちらの方を優先したんです。私は、国会議員になって、ある意味で感動しました。企業人たるもの、何を優先とすべきなのか。自分の会社を守ること、これは当たり前です。それ以上に価値のあるものがあるんだ、こういうことをこの雪印食中毒事件で教えていただきました。

 さて、東電の社長、いらしています。これを見てください。これは損害賠償の個人の請求書です。これがマニュアルです、手引本です。百六十ページあります。午前中、枝野大臣、弁護士として、これはなかなか難しい、城島議員の質問で言っております。私もこれを書くのに一週間かかるかもしれません。そして、これが請求書です。六十ページあります。もうマスコミ等々で、新聞報道、テレビ報道でもされております。冷たいです。一言で言って、冷たい。我々被災地のこと、被災者の立場になってこれをつくったとは到底思えない。

 ですから、東電の社長に伺います。

 この請求書をつくるに当たって、どういう過程でつくっていったのか。いわゆる請求書作成チームをつくって、弁護士が中心となっていると思いますけれども、どういう過程でこの請求書がつくられたんですか。

西澤参考人 御送付しました、今先生お示しされました資料が大変分厚い、わかりにくいということに対しましては、大変申しわけなく、心からおわび申し上げます。

 今この作成過程のお尋ねでございますけれども、あらゆるケースが想定されるという形で、いろいろなケースを想定しまして、一つ一つわかりやすく説明しなければという形で、そのような大部になってしまったという形でございます。

 作成の過程では、弁護士、それから損害保険の関係者等いろいろな専門の方、それから賠償の基準等は国の関係機関ともよく御相談させていただいて作成いたしましたけれども、大変分厚いものになってしまったことは先生のおっしゃるとおりでございまして、今、改善すべく検討してございます。

 以上でございます。

吉野委員 これだけのものをつくるに当たって、今、社長さん答弁しました、国の関係者と相談した、こうお話しになりました。

 枝野大臣、あなたは唖然としたという言葉を使いましたね。唖然とした。政府とお話しして、これをつくったんです。今、社長さんのお話聞いたでしょう。これをつくるために政府ともいろいろ相談した。ところが、枝野大臣は、唖然とした。唖然としたのは私たちなんです。政府が関与しないで、これはできるはずないんです。でも、大臣たるもの、これが出てくるまで、特に枝野大臣は担当大臣です、原子力の経済被害に対する担当大臣です。その大臣が、これを見て唖然とした。何も今までやっていなかったのか。唖然としたのは私たちですよ。答弁をお願いします。

枝野国務大臣 少なくとも、私がこの請求についての手続の書類等を拝見しましたのは、これが送付を始められていたか、その前日ぐらいのところでございます。

 私が、これはあるところから、これ自体が大変問題だと思っておりますが、その今配られているところにも書いてあろうかと思いますが、合意書、示談書の中に、一切の異議、追加の請求を申し立てないという文言が書いてあって、それに署名をさせようとしている、あるいは署名をさせているという情報が入りましたので、これはとんでもない話だということで、そんな文言は削れという指示というか、これは命令ではありませんので、東電に対する申し入れをしろと事務方に指示をいたしました。

 それに対する答えの中で、こういう書類で配っている、もう印刷して配っているんですという話の報告がありまして、唖然といたしたところでございまして、その段階で、少なくとも、この一切の異議、追加の請求を申し立てないという文言なんかに署名をさせるなということを指示した上で、対応をさせるべく、きょう副社長をこの後呼んでいるという状況でございます。

吉野委員 枝野さん個人に聞いているんじゃないんです。私は、政府の責任者として知らなかったでは、こちらが唖然なんですよ。これだけの、被災者を思わない、被災者の視点に立っていない請求書を、東電はきちんと政府と相談してつくったと今お話ししているんです。

 東電の社長、もう一回お願いします。

西澤参考人 私の発言で先生にちょっと誤解を与えていたら申しわけございません。

 私、先ほど、政府といろいろ御相談したというのは、御説明のときの、算定の基準についてはいろいろ御相談申し上げましたけれども、今回の資料作成については、これは一切、私どもが責任で作成させていただいております。

 そういうことでございますので、先生、事実はそういうことでございます。

吉野委員 だったら、東電が勝手につくった、政府は知らなかった、びっくりした、唖然とした、これでいいんですか。逆でしょうよ。政府が我々被災者のことを思うような請求書づくりに関与しなきゃだめなんですよ。どうして関与しないんですか。そこを私は唖然とするんです、被災者として。

 謝ってくださいよ、政府の不作為ですよ。不作為責任、何もしなかった。この請求書づくりに何ら一切関係してこなかったという、これは我々被災者のことをこれっぽっちも考えていない、こういうことにつながると思うんです。どうですか。

枝野国務大臣 委員の御指摘をされるお気持ちは重々御理解をさせていただきます。

 これは、もともとの制度の問題として、原子力発電とか電力供給とか、こういったものを国から独立した民間企業がやっている。したがって、民間企業に対して、国として、行政としてやれることは、法律に基づく、もちろん強制権限に基づくものもありますが、基本的には行政指導の範囲であります。

 私、就任をした段階で、危惧はございましたが、東京電力においては、今回の原子力発電所事故についての少なくとも社会的責任については、政府と同様に感じていただいているものと思っておりましたが、残念ながらそうではないということが今回のこうした経緯でわかりました。

 したがいまして、形式的に民間企業でございますから、国が手とり足とり全部やるというのは本来この制度の中では想定されておりませんので、本来は抜本的な……(発言する者あり)いいですか、最後まで聞いてください。本来は抜本的な制度改革の中で、そもそも原子力を民間企業でやらせる、あるいは電力供給を今のような形態でやらせることがいいのかどうかということの中で結論を出すべきだと思っておりますが、少なくとも、現行法上最大限できる範囲内で、直接的に東京電力のさまざまな行動について監視してまいりたいと思っております。

吉野委員 私は、前の予算委員会で、東電と国は連帯責任がある、そして菅総理は、連帯して責任があることを認めたんです。連帯責任です。被災者は、東電に請求してもいいし、国にも請求していいんです、連帯責任ですから。

 そういう意味で、国が、一義的には東電が請求書をつくる、こんな思いやりのない請求書をつくることに関して、全く政府として認知していなかった。言語道断です。

 さて、東電の社長に伺います。

 いわゆる合意書、示談書であります。合意書、示談書、このマニュアルの百四十七ページにあります。私、眼鏡を外します。読めません、何て書いてあるか。こんなちっちゃな字で書いてあるんです、「一切の異議・追加の請求を申し立てることはありません。」今、枝野大臣もおっしゃいました。この文章を削除してください。いかがですか。

西澤参考人 今、先生御指摘の百四十七ページの文書でございますけれども、非常にこれは誤解を招くという形もございますので、削除の方向で今見直しをさせていただきます。

 以上でございます。

吉野委員 当然です。これは、こんな小さな字で、私、まだ六十三です、眼鏡を外したら見えないんです。もっともっとお年寄りの方々がいるんです。今、削除するという明快な答弁がありましたので、ぜひ削除をお願いします。

 もう一つ、この賠償の最大の欠陥と言っていいと思います。今回は三月十一日から八月三十一日まで六カ月です。その後、九、十、十一月分、三カ月まとめて十二月に請求するんです。そして、請求をしたら、東電で審査します、これはいい、これはだめだ。三週間かかるんです。

 そして、この合意書に判こをもらってから支払いまでに二週間かかるんです。九月の分は、九、十、十一、十二に請求です。支払いは一月です。五カ月間、どうして食べるんですか。特に、営業をやっている事業主です。法人も個人事業主も、五カ月間、どうしてお金を工面するんですか。企業家としては、資金繰り、これが一番大事なんです。

 だったら、五カ月間は五カ月分だけ、間をとってもいいですよ、四カ月分前払いしてください。そして、被災者にお金の苦労をさせないでください。いかがですか。

西澤参考人 現在、社員三千名を含めて、最大六千五百名程度で十月からやろうという形で今体制を整えております。

 先生おっしゃるとおりに、最初の本格的な賠償でございますので、多くの方々が、何十万件という方々が御請求なさると思いますので、そこをまずしっかりやって、その状況を見て、先生おっしゃるとおり、なるべく早く次の期間のところはスピーディーに対応させていただこうと思って、まずは最初のところをしっかり対応させて、その状況を見ながら、なるべく早く対応させていただければと思います。よろしく御理解のほどをお願いします。

吉野委員 枝野大臣、今の答弁を聞いてどう思いますか。九月の損害額ですよ。あしたの御飯、食べられません。

枝野国務大臣 御指摘のとおり、特に事業者について、九月の損害が十二月とか一月になるということでは、これでは事業が成り立ちません。

 そういったことを踏まえて仮払いということをやってきたつもりでおりますので、例えば、最初の本請求のときに仮払いのものを精算して、相殺してだなんということになると、そこから以降については先払い分がなくなるわけですから、そういうことはしないように指導していきたい。

 少なくとも、御指摘のとおり、アバウトな概算によってあらかじめ先に仮払いをしておいて、そして後から実際の損害額で本請求で精算をするけれども、損害がその後も継続している場合には、やはり仮払い分については前渡しをされているという状況が続いていかないと、企業にとっては成り立たなくなると思っております。

 それに加えて、政府としては、事実上の無利子でのつなぎ資金等については、さらにしっかりとやってまいりたいと思っております。

吉野委員 仮払いといっても、中小企業はたった二百五十万ですよ。二百五十万、これで六カ月もたせられるんですか。実態をよく把握してから、仮払い法があるというのは、結構です、結構です。

 続いて、時間がありませんので、除染。これは本当に大事なんです。除染が成功するか否かに福島県が再生できるか否かがかかっています。

 特にモデル事業です。先ほど総理は、予備費二千二百億使って除染をすると。私も、ああ、すごい金だ、モデル事業に二千二百億入るのかなと思って喜んでいました。違うんです。たった百億なんです。

 この間、大熊町に行ってきました。総務課長。うちは立地町だから、二百ミリシーベルト・パー・年以上の本当に汚れている地域をモデル事業として、国から、いわゆる除染チームから言われている。これから場所を探す。三百メーター掛ける三百メーターは九万平米だ。でも、二カ所から三カ所に分けてやるかもしれない。

 特に線量の多いところ、例えば土を除染します。土を取ります。取って、地べたではかって、一メーターではかって、二メーターではかって、同じ数字、これはそこの地面にもう放射性物質はない。ところが、外からの線量が全部影響してくるんです。ですから、大きな面積を除染しないと、本当に帰宅できるかできないか、ここが問われるんです。大熊町、九万平米、三百メーター四方で、中心部、本当にどのくらい線量が下がるのか。

 皆さんは、このモデル事業でデータを集めたいという心が大きいと思うんです。でも、私たちは違うんです。初めてモデル事業で本格除染に手をつけるわけなんです。大いに期待しているんです。どれだけ下がるか、本当に帰れるのか、この辺はこのモデル事業にかかっているんです。

 ですから、二千二百億で私は喜んだんですけれども、たった百億、そして面積も小さい。この辺、いかがなんでしょうか。

細野国務大臣 除染の重要性につきましては、福島の皆さんが一番よくわかっておられるわけですし、我々も、そのことは本当に厳しい認識を持ってやっていかなければならないと思っておりますので、しっかりやります。

 二千二百億円なんですが、吉野委員御指摘のとおり、そのうちの約千八百億円は、二十ミリシーベルトよりも放射線量の低いところ、すなわち、今人が住んでおられるところについて各市町村が取り組まれるものについて全面的に技術的、人的、また財政的な後押しをする、そういう枠組みになっております。

 一方で、二十ミリシーベルトを超える、今人が住んでいないところなんですが、これも二次補正の予備費のついております百数十億円というものでは十分ではないんですが、まずここからやらせていただきたい。

 なぜここからかというと、放射線量の高いところは、実際に作業される方もいろいろなリスクがありますので、どういうふうにすればいいのかということについては、まずはやってみなければわからないというところがかなりございます。また、除染のやり方、これもかなりいろいろな可能性を探っていかなければならないという事情がございますので、そこもやはり、まずやってみたいと思っております。

 したがいまして、関係する市町村が十二ございますので、それぞれの市町村、大熊町も含めて、ほぼモデル事業の地域を特定していただきましたので、まずそこでやらせていただいて、一刻も早くその結果を皆さんにお示しをしたい。そして、それを受けて、三次補正がありますので、三次補正の方の予算については、できれば国が直接やる放射線量の高い方の予算をたくさんとって、点で始めて面に広げる、そういう取り組みをできるだけ早くやりたいというふうに思っておりますので、ぜひ御理解をいただけますようにお願い申し上げます。

吉野委員 データ集めで政府はやろうとしているのはわかるんですけれども、私たちは違うんです。これが最初です。

 こんな意見も聞くんです。モデル事業をやって、やっぱり下がらなかったから、ここはもう何十年住めないよという地域にするのか、そういううがった見方をしている方々も大勢いますので、ぜひ、もっと予備費を使って、百億を一千億くらいにしてください、モデル事業。十分な面積をモデル事業で除染してください。お願いします。

 先ほど、双葉郡の若者の中には、もう細野大臣も御存じだと思いますけれども、あきらめの気持ちがかなり芽生えています、もう帰れないと。特に、アンケート調査で、中学生以下の子供のいる若い方々は、五一%、県外に住みたいという朝日新聞のアンケート調査の結果が出ていますけれども、私もそういう声をいっぱい聞きます。

 でも、私は、除染して、そして戻るんだ、除染するまではあきらめないでくれ、私は政治家ですから、そういうふうに若い方々にお話ししているんです。でも、かなりの方々が、ある意味であきらめの気持ちがあるんです。

 この方々に対してどういう支援ができるのか。もう第二の人生を歩みたいからここで決着させてくれ、自分の住んでいる家屋敷を国で買い取ってくれ、私はそれも、残念だけれども、ありなのかなというふうに思うようになりました。今、本当に悩んでいます。

 私は、二地域居住、これを双葉郡の方々には認めていくべきだ。新天地で新しい生活をする、でも、除染した暁にはふるさとにも住む、行ったり来たりする。こういう形の二地域居住をするためにはどういう支援策が国としてあるのか。例えば、二地域居住支援交付金、支援金です、月十万くらいな制度も必要なのかな、私はこんな思いでいるので、大臣、どういうふうに考えているか、お伺いします。

細野国務大臣 私も、被災地の、特に双葉郡の若い方とは随分話をしてまいりましたので、吉野委員おっしゃるような、新天地でスタートしたいということをおっしゃる方が非常にまたたくさんいらっしゃるということもよく承知をしております。一方で、特に年配の方々で、多少のリスクがあっても一刻も早く帰りたいということで、切願をされている方、本当に願っておられる方、そういう方々にもたくさん出会っておりまして、非常にこの対応は難しい面があるなと思っております。

 そこで、今やっておりますのは、双葉郡の各町村長さんと復興計画を国が一緒につくろうということで、作業を始めております。そういう町村長さんの中には、例えば、一気に帰ってくるということではなくて、まずはある程度中間的な場所で再スタートをして、そしてまた除染が進んだら順次帰ってくるというようなことを計画されている方もいらっしゃるんですね。

 そういったことを考えたときに、二重生活ということが、どういう形が適切か、表現がわかりませんけれども、少なくとも、今のような仮設住宅でそれこそ時間がかなりかかるであろう除染を待っていただくということではなくて、もう少し違う形で生活をしていただいて、除染ができたところから帰ってきていただく。そういう方法は、ぜひ私は、市町村といろいろな協議をする中で実現に向けて努力をしていきたいと思っております。

 その上で、最終的に、例えば放射線量が少しずつ明らかになった時点で、それぞれの皆さんが人生の選択をされる可能性があるわけですね。それに対しては、どうしても個別の、それぞれの皆さんの判断というのが出てくる可能性ももちろんあると思っておりまして、そこはできる限り丁寧に、皆さんの思いにこたえられるようにやってまいりたいと思っております。

吉野委員 最後に、私たちの地域は原発だけではありません。津波、そして大地震による地すべり、特に民間の住宅が困っているんです。

 震災直後から、私も含めて、すべての人が質問しています。大規模盛土造成地滑動崩落防止事業や防災集団移転促進事業、これを何とか使い勝手のいい形に直してくれと何回も何回も私は言っているんですけれども、まだ政府の方針が出ていない。だから、町や市は、住民説明会を幾ら開いても示すことができないんです。

 今、津波で、高台移転したい方ともとのところに住みたい方でかなりトラブっているんです。これも全部、政府が何にも示さないから末端の被災者が迷惑をこうむっている、こういう状態なんです。きょう現在でいいですから、予算は三次補正で積むとしても、きちんとした方針を出してください。いかがですか。

平野国務大臣 今委員御指摘の制度につきましては、前田国交大臣を先頭に、財務省等々でも、事務方でも鋭意検討を進めております。三次補正の段階できちっとお示しできると思います。

 ただ、その一方で、こういう高台移転という問題につきましては、もう委員重々御承知のとおりかと思いますが、今まで住んでいるところから別なところに移転するというのは、大変大きな決断でもあります。制度の問題ということもさることながら、こういった計画自体に住民合意を得るということが非常に大変なんだということも、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

 そういった困難を克服すべく、今、被災市町村は一生懸命になって復興計画をつくっております。その中心は土地利用計画でございますけれども、そういった計画の策定については、国も自治体と一緒になってしっかり支えていきたいというふうに思っております。

吉野委員 今、検討という言葉を聞きました。もう聞き飽きました。検討はもういいです。実行してください。お願いします。

 以上で質問を終わらせていただきます。

中井委員長 この際、稲田朋美君から関連質疑の申し出があります。石原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。稲田朋美君。

稲田委員 自由民主党の稲田朋美です。

 先ほど小沢一郎氏の元秘書らの判決がございました。検察の主張をほぼ認める形での有罪判決でした。

 この有罪判決を受けて、小沢氏は陸山会の土地売買、ゼネコンからの裏金の疑惑について、国会の場で説明責任を果たすべきだと思いますが、いかがですか、総理。

野田内閣総理大臣 先ほど申し上げたとおり、有罪判決が流れたという報告は受けていますけれども、その詳細については把握をしておりませんので、それを踏まえてコメントしたいというふうに思います。

稲田委員 検察の主張をほぼ認めた事実認定に基づく有罪判決です。しかも、司法の場の判断とこの国会の場の説明責任とは別物です。

 私は、小沢元代表が御自分の疑惑についてこの国会の場で説明責任を果たさなければ、政治家としての説明責任を果たしたことにはならないと思います。しかも、元秘書三名が逮捕され、有罪判決を受けた。本来であれば、政治責任を感じて議員辞職をされるべきだと思います。

 委員長、小沢元代表の当委員会への証人喚問を求めます。

中井委員長 前国会から既に自民党を含めて御要求がございまして、与野党で協議をいたしております。今後も理事会で協議をいたします。

稲田委員 野田総理、次に総理御自身の外国人からの献金問題についてお伺いをいたします。

 総理に献金をした人が外国人であるということを御存じでしたか。また、外国人の一人は、総理の選挙を応援された、御地元の在日韓国人の団体である民団の役員ですか。また、そのことを総理は御存じだったでしょうか。

野田内閣総理大臣 外国人籍のある方から私が献金をいただいたという報道がございました。それを踏まえて、今、詳細の調査をしておりますので、まとめ次第御報告をさせていただきたいというふうに思います。

稲田委員 報道がされたのは九月三日ですよ、総理。それから約一カ月間、一体何を調査しているんですか。

 外国人から献金を受けたのが事実かどうか、また、外国人と知っていたかどうか、民団の役員と知っていたかどうか、民団の役員だったかどうか、このことぐらい今すぐお答えになれると思います。お答えになってください。

野田内閣総理大臣 今申し上げたことも含めて、すべて政治資金についての調査をさせていただいて御報告をさせていただきたいというふうに思いますが、外国の方だということの認識を持って献金をいただいたということはありません。

稲田委員 不誠実な答弁ですね。

 しかも、前原さん、菅さん、総理、外国人から献金を受けた。知っているか知らないか、そんなこと以上に、知らず知らずのうちに外国人から献金を受けている民主党そのものに国民は不安を感じているんです。そのことも含めて、きちんと説明責任を果たしていただきたいと思います。

 あきれたことに、民主党四代にわたって政治と金の問題があるんです。あなたがこの御著書の「民主の敵」で批判してやまないザ・自民党、田中角栄氏直伝の金権政治家、脱税していた苦労知らずの自称宇宙人、外国人からお金をもらっていた迷惑な市民運動家、そしてあなた。一体どこがクリーンでオープンな民主党ですか。総理がおっしゃる丸洗いが必要なのは民主党だと思います。

 総理、きょうの産経新聞の一面で、内閣官房参与であった松本健一氏が、昨年九月の尖閣事件における中国人船長釈放が那覇地検の判断ではなく、菅総理、仙谷官房長官の政治判断であり、刑事訴訟法を適用して釈放したと説明して答弁したことが虚偽だという証言をされております。もし松本氏の証言が真実なら、重大な外交問題について虚偽答弁、国民を欺き続けたことになります。

 総理、どちらが正しいんでしょうか。

野田内閣総理大臣 まず前提として、産経新聞、見出しは見ましたけれども中身を読んでいないので、そこは逐次コメントはできないと思いますけれども、中国漁船長の釈放は、これは検察の判断でした、それを踏まえたその後の外交課題については政治主導で行ってきたというのがこれまでの経緯だというふうに理解をしています。

稲田委員 菅政権下の内閣官房参与であった松本健一氏が証言をされております。真実を明らかにするために、菅前総理、仙谷官房長官、そして松本内閣官房参与の証人喚問を求めます。

中井委員長 求めますとおっしゃられても、僕に聞くとかなんとか、ちゃんと言ってくれたらお答えできますが、僕にお尋ねですか。(稲田委員「はい」と呼ぶ)はい。

 それでは、理事会で後刻協議をいたします。

稲田委員 さて、総理。総理はかつて質問主意書を出しておられます。

 パネルを示します。

  「A級戦犯」と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない

  内閣総理大臣の靖国参拝が国際的に非難される根拠がない

  「平和に対する罪」「人道に対する罪」に該当する「A級戦犯」とは、極東国際軍事裁判当局が事後的に考えた戦争犯罪の分類であり、法の不遡及や罪刑法定主義が保証されず、法学的な根拠を持たないものであると解釈できる

これはすべて、総理の質問主意書の中の、総理のお言葉を抜き書きしたものです。私は、このすべてに賛同いたします。

 もう一枚パネルを示します。同じく質問主意書の中の一節。

  すべての「A級戦犯」の名誉が国内的にも国際的にも回復されているとすれば、東條英機以下十四名の「A級戦犯」を靖国神社が合祀していることにいかなる問題があるのか。また、靖国神社に内閣総理大臣が参拝することにいかなる問題があるか。

これは当時、一野党議員であった総理が内閣総理大臣小泉純一郎氏に対して出した質問です。

 今、私が同じ質問を総理にいたします。お答えください。

野田内閣総理大臣 これは平成十七年に出した私の質問主意書でございます。これを出したのは、たしか十月だったと思うんですけれども、小泉総理が靖国に社頭参拝をされたときです。多分その同じ日にこの主意書を出したと思います。

 背景にあるのは、その前の夏の予算委員会で、当時の小泉総理が……(発言する者あり)党首討論だったですか。失礼しました。ちょっと記憶違いでございますけれども、A級戦犯は戦争犯罪人であると認識をしているという御答弁をされていました。それは、私は従来の政府の答弁と少し違っているのではないかと思いました。したがって、法的な立場を確認するために、その十月の社頭参拝の折に私はこの質問主意書を提出させていただいた。一人の政治家としての自分なりの解釈から出したということでございます。

 今は政府の立場であります。政府の立場としては、そこから出てきた答弁書を踏まえて対応するということだというふうに理解をしています。

稲田委員 総理、お答えになっていませんね。

 総理は官僚ではなくて政治家ですよ。しかも、日本の政治家のトップにおられるわけです。あなたは、今御自身が答弁なさったように、A級戦犯は戦争犯罪人であると言った小泉総理を批判し、保守の堕落とまで言われたんですよ。今、総理になられて、政権交代して、野田政権のトップにおられて、いわゆるA級戦犯、東京裁判について、総理の立場を国民に対して語るべきだと思います。語ってください。

野田内閣総理大臣 私の立場は、別に小泉総理を批判するという立場で出したものではありません。むしろ、なぜ与党からこういう質問が出てこなかったのかと思っていました。むしろ、国際社会に御自身の立場を説明する上の助け船を出したつもりでやったつもりでございます。という背景は、御理解がちょっと違うというふうに思いますが。

 今、私の内閣は、最優先の課題は復旧と復興と原発事故の収束です。この対応をしっかりやっていくということであって、今私の、いろいろな歴史的な認識とかを含めてとうとうと語る場では私はないと思いますし、さっき申し上げたとおり、政府でありますので、その答弁書を踏まえて対応するということが基本でございます。

稲田委員 情けない御答弁ですね。

 あなたは質問主意書の中で、A級戦犯は人権の問題であり、国家の名誉の問題だとまで書かれているんですよ。今のようなお答えしかできないとすれば、何のために総理大臣になったんですか。国会議員であり続けることすら意味がないんじゃないんですか。信念を曲げてまでその座に座り続けたいのであれば、菅総理と同じじゃありませんか。

 しかも、あなたは靖国神社に参拝しない。この質問主意書で、靖国神社に内閣総理大臣が参拝することに問題はない、そういう問題意識で書かれていますが、あなたは靖国神社に参拝しない、閣僚にもさせないと明言しておられます。なぜですか。

野田内閣総理大臣 国際政治を含めて総合的な判断をすると、自分はしない方がいいだろうという判断。閣僚に云々と言いますが、これは前政権からの踏襲で、すべての閣僚についても同じことを望んでいるということでございます。

稲田委員 何回も申し上げているように、前政権から踏襲するのであれば、あなたが総理大臣になる、その意味はありませんよということを申し上げているわけであります。

 また、国際政治とおっしゃいましたけれども、靖国参拝に反対をしている中国、韓国、A級戦犯が合祀されていることを理由に反対をしているんです。総理は、A級戦犯は戦争犯罪人ではない、靖国神社に合祀することに問題はない。では、なぜ靖国参拝に行かないんですか。おかしいじゃありませんか。

 また、歴代総理は、どうしたら靖国に行って、そして英霊に感謝と敬意を表することができるか、苦心してきたんです。小泉総理は私的参拝だと言い、麻生総理は宗教法人を外すと、それぞれ努力をしてきました。あの小沢氏ですら、間違ってはいますけれども、A級戦犯を分祀して靖国に行くと言っています。

 ところが、総理は正しい認識で、行けない理由がないのに行かない。今までのどの総理よりも、どの政治家よりも忘恩の徒ですよ。

 さて、外国人地方参政権についてお伺いをいたします。

 たった二カ月前、財務金融委員会で当時財務大臣だった総理に、もし総理になられたらという前提で、外国人地方参政権について質問をいたしました。総理は明確に、反対ですとお答えになったんです。

 では、民主党の党是である外国人地方参政権の早期実現という政策目的は撤回されますね。

野田内閣総理大臣 永住外国人の参政権について、民主党が党是にしているということはございません。民主党内の中でもさまざまな議論がございます。多様な議論があって、その議論をしているプロセスの中にあったというふうに私は理解をしています。

 その中で、いろいろな意見のある中で、財務金融委員会では私の立場を申し上げさせていただきましたけれども、決して党是ではございません。各党でもいろいろな御意見があると思いますので、そういう各党会派の御議論、その推移を見守っていきたいというふうに考えております。

稲田委員 党是と言っていいんですよ。総理は、代表質問に対するお答えで、平成十年に結党時の基本理念があると。それについている基本政策の中に、結党時の基本政策の中に外国人の地方参政権の早期実現が書いてあるんです。まさしく自民党の憲法改正と同じように、結党時の基本政策、これを党是と言ってどこがおかしいんですか。それをお変えになりますかという質問です。

 また、総理は外国人地方参政権付与に反対ということでよろしいですね。

野田内閣総理大臣 基本理念の中に項目として位置づけられていることは承知をしていますけれども、その後の例えばマニフェストであるとかあるいはインデックス、いろいろな意見の集約状況の中で明確にその方向性を打ち出しているわけではございませんので、時代によって今変化をしてきていて、党内でもいろいろな意見が出てきているというのが率直な私なりのとらえ方、感触でございます。

 先ほど申し上げたとおり、私の立場としては慎重な立場であるということでございます。

稲田委員 結党時の基本理念に含まれていることを党是と言うのだと思います。

 さて、総理、総理は結論は既に出しておられます。二カ月前、重要閣僚として国会の場で、外国人地方参政権付与に反対だと結論を出されております。しかも、その理由として、総理は憲法上の疑義があるとおっしゃいました。

 総理のおっしゃる憲法上の疑義とは具体的に何を指しますか。

野田内閣総理大臣 憲法十五条にのっとると、そこに疑問があるのではないかというふうに思います。

稲田委員 私も同感です。憲法十五条に違反をする、日本が主権国家であることに違反する違憲の政策なので、これは絶対にやっていただきたくないと思います。

 次に、朝鮮学校無償化について質問をいたします。

 菅前総理がおやめになるその日、誤った政治主導で審査手続を再開いたしました。その理由は、国際的、国内的な状況が北朝鮮の砲撃以前の状況に戻ったと判断したということです。

 総理にお伺いをいたします。そもそも、他国に砲撃して、死者も出て、砲撃以前の状況に戻るなんということがあるんですか。

野田内閣総理大臣 たしか昨年の十一月だったでしょうか、砲撃があったのは。それ以来、砲撃のような事態が生まれていないし、むしろ南北の対話であるとか米朝の対話とかが生まれているということを判断されたのではないかというふうに思います。

稲田委員 私の質問は、他国に砲撃して、死者まで出して、そして砲撃以前の状況に戻るなどということがあるのですかという質問です。

中川国務大臣 以前の菅総理の判断の基準というのが、一つは、不測の事態に備えて、国民の生命と財産を守るために万全の体制を整えるということ、これを基準にしておりました。

 その後、北朝鮮からの砲撃は、約九カ月経過しましたが、その間に北朝鮮が昨年十一月の砲撃に匹敵するような、同様の軍事力を用いた行動をとってはいない、そしてまた、七月に南北対話が行われて、さらに米朝対話が行われるということなどで、北朝鮮と各国との対話の動きが生じてきているということ、こういうことから、緊張が緩和されて、不測の事態に備えるということについてはもとに戻った、こういうことであります。

稲田委員 八月十日に新たな砲撃をして、十一日に潘基文事務総長が朝鮮半島はまだ安定していないとおっしゃっているんですよ、北朝鮮は謝ってもいないし。

 しかも、私の質問は、そもそも、他国に砲撃して死者まで出して、砲撃以前に戻るなんということがあるんですかという質問です。今の総理の答弁、そしてまた文科大臣の答弁を聞いておりますと、本当にもうおめでたい政権としか言いようがありませんよ。国民はだれも納得しないと思いますよ。そんなことでは、北朝鮮は、日本は何をやっても時間が経過すれば許してくれる便利な国と、誤った発信を国際社会に発信することになるんですよ。

 また、そもそも朝鮮学校無償化自体が間違っていると思います。朝鮮学校では、拉致問題は日本当局のプロパガンダだとか、大韓航空機事件はでっち上げだなどと教えています。このような教育をしている学校に、財源もないのに日本の国民の税金をつぎ込む必要は全くないし、つぎ込んではいけないと思います。拉致被害者及びその家族の心情を踏みにじる不正義です。私は、日本国民としても、拉致被害者がいる福井県民としても、福井県出身の国会議員としても、断じて許すことはできません。

 中野前大臣、そして、現在当委員会の委員長でいらっしゃいます中井元大臣は、拉致問題が進展のない中で審査手続を再開することは極めて遺憾であると強く抗議しておられます。日本の政治家として当然の正しい抗議だと思います。

 山岡拉致担当大臣、あなたはなぜ明確に抗議なさらないんですか。

山岡国務大臣 お答えを申し上げます。

 委員、もう百も御承知と思いますけれども、朝鮮学校の無償化の問題につきましては、最終的に文部科学大臣が、総理とあるいは関係閣僚といろいろと相談をしつつ諸般の事情を勘案して最終的な決定を下していく、こういうことになっているわけで、御承知のとおりでございます。

 ただ、私、拉致担当大臣といたしましては、きょうの午前中も、拉致被害の家族の心情をおもんぱかると本当に察して余りありますと申し上げましたから、その気持ち、また、どうお考えになっているかということにつきましては、文部科学大臣あるいは総理、関係閣僚の皆様に強く訴えてまいりたいと思っております。

稲田委員 何を他人事みたいな、しかもメッセンジャーボーイみたいなことを言っているんですか。拉致担当大臣でしょう。拉致担当大臣として強く抗議する、そう言った委員長初め前大臣のその姿の方が私は正しいと思いますよ。

 しかも、総理、三党合意は一体どうなったんですか。財源がないから高校授業料無償化自体も見直すんでしょう。政権交代すれば出てくると言っていらっしゃった財源十六・八兆円が結局なかったから、子ども手当ほかばらまき四Kは廃止もしくは見直しになったんです。なぜこの時期に朝鮮学校無償化ですか。不誠実ではありませんか。

野田内閣総理大臣 いわゆる高等学校の無償化の話と、それを踏まえて政策の効果を検証する、そしてそれを踏まえてそのあり方を見直すというのが三党合意だったと思います。直すかどうかです、正確には。

 その上で、朝鮮学校の話はまだ実施しているわけではありませんので、これは政策効果の検証には当たらないというふうに私は思います。

稲田委員 そんなことを言っているんじゃないんですよ。三党合意で高校授業料無償化自体も見直すときに、なぜ朝鮮学校無償化を再開しなきゃいけないんですかという質問です。

野田内閣総理大臣 無償化を再開しなきゃいけないか、朝鮮学校の審査を開始しなければいけないかですが、これは私は、文科省に厳正な対処、厳正な調査をしていただきたいというふうに思います。それと三党合意の高校授業料無償化の政策効果の見直しとは、これは直接関係はないというふうに思います。

稲田委員 そして、なぜ菅総理が退任のどさくさに紛れて手続の再開を決めたのか。市民の党への献金との間に関係があるのではありませんか。

 総理、この予算委員会でも問題になりましたが、菅総理の政治団体から、よど号ハイジャック犯と拉致実行犯との間にできた息子を三鷹市議選の公認候補として擁立した市民の党関連団体に六千二百五十万もの寄附がなされました。この疑惑について、党の代表として究明すべきではありませんか。

野田内閣総理大臣 菅前総理と市民の党との関係、そして政治資金のあり方については、これは衆参それぞれで御質疑があったというふうに思いますし、それを踏まえて、菅総理からは御答弁、説明責任を果たされてきているというふうに思いますので、党としてどうのということは考えておりません。

稲田委員 この市民の党と菅総理との関係は、単に菅総理個人の問題ではありません。政権政党たる民主党の正統性にかかわる問題です。国会の場で説明をすべきだと思いますけれども、総理、いかがですか。

野田内閣総理大臣 菅総理の政治資金団体の問題、また党との関連についても、その当時の党代表としての御説明を菅さんがやられてきたというふうに理解をしています。

稲田委員 全く納得できる説明はなされていないんですよ。

 しかも、菅総理の献金は民主党のお金が原資と言われております。民主党と市民の党、ひいては北朝鮮とただならぬ関係にあると疑惑が持たれています。菅さん自身が、民主党と市民の党との連携のために寄附したとおっしゃっているわけです。

 総理、この疑惑について、党の代表として究明し、明らかにすべきではありませんか。

野田内閣総理大臣 それについては、通常国会の折に、ずっと菅さんが衆参ともに説明をされてきたというふうに理解をしています。

稲田委員 全く説明はなされていないと思います。

 また、政権交代の三年間の間に、菅さんの政治団体、そして民主党都連、民主党の国会議員、地方議員、合わせて二億以上のお金が市民の党関連団体に流れております。その市民の党の力をかりて政権交代したとすれば、私は民主党の正統性自体にかかわる問題だと思います。党として究明されるべきではありませんか。

野田内閣総理大臣 重ねて申し上げますけれども、そういう視点も含めての御質問に菅当時の総理がお答えをこれまでしてきているというように思います。

稲田委員 不誠実な御答弁ですね。

 しかも、献金がなされた平成十九年の民主党財務委員長は、そこにおられる山岡国家公安委員長です。疑惑の献金当時の民主党の金庫番に国家公安委員長や拉致担当大臣が務まるはずはないと思いますが、総理、いかがですか。

山岡国務大臣 御質問の御趣旨がよく理解できませんが、私は財務委員長として、法令にすべてのっとって、適正、的確にその職務を遂行してまいりました。

稲田委員 ですから、民主党のお金を、菅さんの政治団体から、北朝鮮とただならぬ関係があり、拉致実行犯の息子を公認候補にするような市民の党に流すこと自体が国民の疑惑を招いている、私はそのように申し上げているわけです。

 さて、総理、総理は先週、日米首脳会談でオバマ大統領に日米同盟の重要性を説かれました。テレビで拝見している限り、オバマ大統領は白けておられるように見えました。それもそのはず、長年議論し結論を出した普天間移転を、最低でも県外なんて言う日本の総理大臣があらわれ、その後、二回も総理がかわって、野田総理は二年間で三人目の総理ですから。日米安保六十年目です。日米同盟は日本外交の基軸だとおっしゃるのであれば、それを言葉だけに終わらせてはならないと思います。

 二カ月前の同じく財務金融委員会で、私は総理に集団的自衛権の行使について質問をいたしましたが、総理のお答えは、個人的には認めるべきだというお答えでした。今、総理になられたのですから、政府見解を、集団的自衛権の行使を認めると解釈変更なさいますね。

野田内閣総理大臣 まず、日米首脳会談のオバマ大統領の印象を、白けたという表現をされましたけれども、私は、各般の議論をさせていただきながら、個人的な信頼関係は結べたというふうに思っていますので、それは印象は、どういう印象を持たれるかこれは自由でありますけれども、私の得た感触とはこれは違うということは、まず明確に申し上げておきたいというふうに思います。

 その上で、この間の財務金融委員会での稲田委員の御質問、それから、私が書いたかつての著書でも集団的自衛権については触れていることは事実でありますが、従来から、これは国家としては、集団的自衛権あるいは個別的自衛権関係なく、これは固有の権利としてあるということでありますけれども、我が国の場合は、憲法上許されないという解釈をしてきたものと承知をしています。承知をしているということであります。

稲田委員 いや、お答えになっていませんよ。

 総理は、本でも、また二カ月前の財務金融委員会で財務大臣としても、集団的自衛権の行使は個人的には認めるべきだとおっしゃったわけですから、今総理になられて、政府の、集団的自衛権の行使は、持っているけれども行使できないというその解釈を、持っているし行使できるというふうにお変えになりますねという質問なんです。

野田内閣総理大臣 憲法上許されないという解釈をずっと政府はとってきました。歴代政権はそうでございました。ということで、現時点でその解釈を変えるということはございません。

稲田委員 どうしてですか。集団的自衛権の行使は認めるべきだという個人的な見解をずっと持っておられて、本にも書かれて、私はその考え方に賛成しているんです。

 なぜなら、日米関係は、平等な同盟関係になるためには、アメリカが攻撃されているのに日本は黙って見ているだけ、日本が攻撃されたときはアメリカに守ってもらう、そんな都合のよい同盟関係というのはあり得ないからです。そして、集団的自衛権の行使を認めると言って初めて、同盟関係は緊密なものになるし、そして抑止力にもなるわけです。

 個人的な見解だから、そして、自民党政権下の答弁ずっとですけれども、政府の答弁を引き継ぐんだったら、あなたが総理になられる意味は一体どこにあるんですか。きょうまでの個人的な見解を総理になって実現するために総理になるんじゃないんですか。私たちは、一議員として、この国のために正しいと思うことを主張し、そして、総理になってそれを実現するためにみんな総理を目指しているんじゃないんですか。

 それができないんだったら、あなたが総理でいらっしゃることがこの国にとっての私は不幸だと思います。言葉よりも行動なんです。

 そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

中井委員長 次回は、明二十七日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.