衆議院

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第6号 平成24年2月9日(木曜日)

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平成二十四年二月九日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 中井  洽君

   理事 笹木 竜三君 理事 武正 公一君

   理事 西村智奈美君 理事 鉢呂 吉雄君

   理事 若井 康彦君 理事 若泉 征三君

   理事 石破  茂君 理事 小池百合子君

   理事 高木 陽介君

      石関 貴史君    稲富 修二君

      今井 雅人君    打越あかし君

      江端 貴子君    大西 健介君

      岡田 康裕君    金森  正君

      川口  博君    岸本 周平君

      櫛渕 万里君    桑原  功君

      近藤 和也君    佐々木隆博君

      鈴木 克昌君    高井 美穂君

      玉木雄一郎君    中根 康浩君

      仁木 博文君    橋本 博明君

      花咲 宏基君    馬淵 澄夫君

      前原 誠司君    皆吉 稲生君

      村越 祐民君    室井 秀子君

      森本 和義君    山岡 達丸君

      山崎  誠君    山田 良司君

      湯原 俊二君    渡部 恒三君

      赤澤 亮正君    伊東 良孝君

      石原 伸晃君    稲田 朋美君

      小里 泰弘君    加藤 勝信君

      金子 一義君    金田 勝年君

      小泉進次郎君    佐田玄一郎君

      橘 慶一郎君    野田  毅君

      馳   浩君    山本 幸三君

      東  順治君    笠井  亮君

      内山  晃君    阿部 知子君

      山内 康一君    下地 幹郎君

      中島 正純君   松木けんこう君

    …………………………………

   内閣総理大臣       野田 佳彦君

   国務大臣

   (行政改革担当)

   (社会保障・税一体改革担当)

   (「新しい公共」担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)

   (行政刷新担当)     岡田 克也君

   総務大臣

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (地域主権推進担当)   川端 達夫君

   法務大臣         小川 敏夫君

   外務大臣         玄葉光一郎君

   財務大臣         安住  淳君

   文部科学大臣       平野 博文君

   厚生労働大臣       小宮山洋子君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償支援機構担当)          枝野 幸男君

   国土交通大臣       前田 武志君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力行政担当)    細野 豪志君

   防衛大臣         田中 直紀君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     藤村  修君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (消費者及び食品安全担当)            松原  仁君

   国務大臣

   (金融担当)       自見庄三郎君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)

   (科学技術政策担当)   古川 元久君

   国務大臣

   (東日本大震災復興対策担当)

   (防災担当)       平野 達男君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   防衛副大臣        渡辺  周君

   内閣府大臣政務官     大串 博志君

   財務大臣政務官      三谷 光男君

   財務大臣政務官      吉田  泉君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    山本 庸幸君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  榮畑  潤君

   参考人

   (日本銀行総裁)     白川 方明君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月六日

 辞任         補欠選任

  古本伸一郎君     中根 康浩君

同月八日

 辞任         補欠選任

  中野 寛成君     櫛渕 万里君

同月九日

 辞任         補欠選任

  打越あかし君     皆吉 稲生君

  櫛渕 万里君     前原 誠司君

  玉木雄一郎君     高井 美穂君

  馬淵 澄夫君     川口  博君

  室井 秀子君     鈴木 克昌君

  湯原 俊二君     桑原  功君

  伊東 良孝君     加藤 勝信君

  小里 泰弘君     石原 伸晃君

  橘 慶一郎君     小泉進次郎君

  中島 正純君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  川口  博君     稲富 修二君

  桑原  功君     湯原 俊二君

  鈴木 克昌君     室井 秀子君

  高井 美穂君     岡田 康裕君

  前原 誠司君     櫛渕 万里君

  皆吉 稲生君     打越あかし君

  石原 伸晃君     小里 泰弘君

  加藤 勝信君     稲田 朋美君

  小泉進次郎君     橘 慶一郎君

  下地 幹郎君     中島 正純君

同日

 辞任         補欠選任

  稲富 修二君     馬淵 澄夫君

  岡田 康裕君     森本 和義君

  稲田 朋美君     伊東 良孝君

同日

 辞任         補欠選任

  森本 和義君     玉木雄一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十四年度一般会計予算

 平成二十四年度特別会計予算

 平成二十四年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

中井委員長 これより会議を開きます。

 平成二十四年度一般会計予算、平成二十四年度特別会計予算、平成二十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省年金局長榮畑潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前原誠司君。

前原委員 おはようございます。民主党の前原でございます。

 まず、今、日本じゅうで豪雪でございまして、多くの方々が大変御苦労をされております。また、残念にも、多くの方々がお亡くなりになられております。この豪雪被害でお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げたいと思います。また同時に、この雪で大変な御苦労を経験されている方々全てに心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 これの対策につきましては、私の後に質問をされます鈴木克昌幹事長代理から総理初め政府に質問をさせていただきたいと思いますので、私は、野田内閣の最も大事なテーマの一つである被災地の復興について、まず質問をさせていただきたいと思います。

 そのまず一つは、災害廃棄物、いわゆる瓦れき処理、これをどのようにしていくのかということが極めて大事でございます。

 今、仮置き場にはほとんど運ばれたということでありますが、安住財務大臣の石巻では、まだ一万戸の家が取り壊されていないということでございまして、見通しも立っていないということであります。

 また、仮置き場から最終処分が全くめどが立っていない状況であります。岩手県は、毎年の処分量からすると十一年分、また、宮城県は十九年分という膨大な瓦れきがございまして、これをいかに処理していくかということが、すなわち被災地の復興につながっていくということでございます。

 したがいまして、政府におかれましては、全国で災害廃棄物を分かち合っていただき、処分を迅速に進めていくという取り組みで、特別交付税を含めて、資金は全て国が持つので、地方自治体に協力を求めているところでございます。

 しかし、なかなかこれが進んでおりません。東京都を初め、御尽力をいただいている自治体もございますし、また、多くの自治体で前向きに検討いただいておりますけれども、住民の皆さん方の懸念、つまりは放射能に対する懸念というものがございまして、なかなか自治体も前に進めないという状況がございます。

 そこで、政府に一つの提案をいたしたいと思うわけでございますけれども、政府が発表する、あるいは自治体が発表する放射線量について、恐らく国民の皆さん、住民の皆さん方は納得されていないと思うんですね。信用されていないというふうに思います。したがって、出すところなのかあるいは入れるところなのかは別にして、住民の方々にボランティアで参加をしていただいて、第三者が客観的に放射線量をはかるというような仕組みを導入して、一方的な大本営発表ではないということで、災害廃棄物の処理の迅速化を図るというお考えはありませんでしょうか。

細野国務大臣 前向きな御提案をいただきまして、本当にありがとうございます。

 既に前原会長が今御説明いただきましたように、被災地においては災害廃棄物の処理というのが非常に大きな壁になっておりまして、国としても全力で取り組んでおるところでありますが、まだ十分に成果が出てきておりません。

 仮設の焼却施設をかなりの数、今つくっておりまして、稼働してきているところもございます。また、リサイクルで使うというのも、復興ということを考えれば重要でございますので、それもかなり計画を立てております。ただ、それでも、やはり石巻であれば百年分、宮城県全体でもそれこそ二十年分近い廃棄物がありますので、広域処理が必要、そういうことになっているということでございます。

 そこで、御提案でございますが、具体的なそういったことをやっていきたいと思っております。

 一つ事例として出てきておりますのが、私の地元の県でもある静岡県の島田市がこの試験焼却をしようということで、やっていただく予定になっておるんですが、そのときは、はかるのはまずは市がはかるわけでありますが、それを、しばらくの間置いておいて、市民の誰でもはかれるようにするというようなことが今計画をされております。

 もちろん我々は、信頼を皆さんにしていただけるような努力をいたしますので、その責任がございますが、やはり身近な市町村がはかること、さらには、住民の皆さんが直接はかっていただくことが本当の意味で皆さんに安心をしっかりとしていただくことにつながりますので、それは考えていきたいと思っております。

 もう一つ申し上げたいことは、例えば東京都が受け入れていただいた宮古市なんですけれども、宮古市は、東京電力の福島第一原発から二百五十キロ以上離れております。二百五十キロ南に行きますと、今度は横浜市でございます。ですから、どうしても原発事故というのが皆さん頭から離れないわけでありますけれども、現実的には、そことは全く違うところで廃棄物というのが出ておりまして、それを全国で処理していただきたいということでございますので、しっかりと安全を確認した上で、ぜひ被災地に対して皆さんの思いを届けていただきたい、そのように考えております。

前原委員 今、細野環境大臣が答弁をされたように、静岡の島田市の取り組みというのは私はすばらしいことだと思います。いろいろな映像で、各自治体が住民説明会を開いていただいて御協力を求められている中で、なかなか、特に子供を持つ親の立場からすると心配は当然だというふうに思います。そういう意味では、誰もが、行政が発表したことのみを信じさせられるのではなくて、みずからがアクセスできて、納得して、そして広域処理を受け入れていただく、こういう仕組みをぜひ進めていただけるようにお願いをしておきたいというふうに思います。

 震災復興について、もう一つお願いをしたいと思います。

 それは、今、復興需要というものが生まれているわけでございますけれども、この復興需要に伴いまして、入札不調というものが多発をしております。例えば去年の十二月の入札不調発生割合で申し上げますと、岩手でいいますと、全工種で一六%。宮城県は土木一式で四五%が入札不調、つまり、半分近くが落札されていない。福島県も土木一式で五一%、仙台市も土木一式で四九%ということで、半分近くが落札されていないということであります。

 これはどこに問題があるのかということでございまして、一つは、工事量がふえている関係で、今の入札制度、つまりは入札参加要件である技術者の問題であります。技術者が足りないということが一つ。つまり、この技術者の要件を何らかの形で緩和できないかということが一つ提案としてございます。

 それから二つ目は、業者が足りないというところがあります。しかし、やはり地場のところにやっていただくというのは基本でございますので、例えば、地場とあるいはその被災地以外の企業のJVなんかを行うということの中で、地場はもちろん中核にあるんだけれども、ほかの地域のJVを組む形でその仕事をこなせるようにするということも一つのポイントかと思います。

 あとは、年一回の労務単価の基準を策定するわけでありますけれども……(発言する者あり)年二回、失礼しました。年二回の労務単価の設定をするわけでありますけれども、このように、工事量が多くて、そして、その労務単価というのが極めて変動している状況においては、本当に日々刻々と変わっていると言っても過言ではないわけでございまして、実勢価格を反映した労務単価の設定ができるようにすべきではないかということ。

 あとは、急激な物価変動に伴う請負代金額の変更ができるようにするとか、あるいは、発注のロットをふやせば、それだけ技術者の数というものは細切れ発注するよりも不必要になるわけでありますから、そういう発注のロットをふやす。

 あともう一つ、これは前田国交大臣のテリトリーではない面かもしれませんけれども、労働者がたくさん復興地域に入っていきますと、泊まるところが完全に不足をしている、こういう状況でございまして、この宿泊をどういうふうに確保するのか。つまりは、仕事はある、そして、先ほど申し上げたように、例えば他府県からもJVなんかで来てもらうにしても、泊まるところがなくて、それが律速条件になって仕事がはかどらない、こういう状況にあるわけです。

 したがって、何らかの形でこの入札不調の改善策を講じないといけないというふうに思いますが、前田大臣、あるいは、この宿泊の問題についてはどなたになるか、ちょっと私はわかりませんけれども、御答弁をいただければと思います。

前田国務大臣 お答えいたします。

 今、前原先生からの問題意識、そして具体的な解決策等についての御提案がありました。全くそのとおりでございます。

 多少説明させていただきますと、確かに、昨年の秋以降、急激に不調率が、要するに不調がふえてまいりました。今、状況も御説明ありましたけれども、例えば宮城県におきましては、大体、小規模なところほど不調が多いわけでございまして、一般土木で、一千万円以下では不調率が五六%と半数以上が不調。三千万円以下から一千万でも四六%ということですから、非常に大きな問題になっておりまして、昨年十二月末に、関係省庁、地方公共団体、そして関係業界等が参加する復旧・復興事業の施工確保に関する連絡協議会というものを開催しておりまして、その詳細、状況がどうなっているかということを今把握しているところでございます。

 何といっても、大きな要因としては、公共事業そのものが量が相当減ってきております。平成二十一年度に比べて、平成二十四年度の予算案に至るところで、政府の公共事業関係費が既に二兆五千億円削減をしております。

 というようなことで、そもそも、地場の建設業も相当減ってきておりますし、技術者そして職人も減ってきております。

 多少説明をさせていただきますと、こういった状況の中で、本格化する復旧復興事業を円滑にやっていくには、何とかして具体的な対策をやらにゃいかぬということで、この連絡協議会において最終的に協議をした上で、これは来週前半にもこの最終的な協議をやることにしておりますが、二月中には具体的な対策に移していきたいと思います。

 一つは、御指摘の、技術者や技能者を広域的な観点から機動的に確保する復興JV制度の創設であります。そしてまた、二番目には、主任技術者の兼任を可能にする。今までだと、一つの現場に一人の主任技術者ということでございましたが、具体的には、大体、車で十分ぐらいで行ける、五キロメートル範囲内ぐらいの現場があれば、そこは一人の主任技術者で兼任可能ということにいたします。それから、労務単価の御指摘もありましたが、これについても、直近の労務費の実態を反映した労務単価の設定などの対応をしてまいりたいと思います。

 それから、宿舎の問題でございますが、やはり地元からすると、外から入ってくるそういう技術者あるいは職人、そういった方々の対応策というのはちょっとなかなかとりづらい、抵抗感があるというのも事実でありますので、これは、今申し上げた連絡協議会の中で問題を提起して、関係省庁、特に関係地方自治体にも御理解をいただいて、もちろん関係業界も入った上で、いい解決策を見出していきたい、こう思います。

前原委員 今、予算委員会のメンバーである被災地の小野寺議員もおっしゃっておりましたけれども、今、国交大臣がおっしゃっていただいたように、国と、あとは川端総務大臣、少し被災自治体含めて相談していただいて、これはやはりスピードアップをしていかないと、それが早期の復興につながっていくという面がございますので、ぜひ関係省庁と連絡をとりながら、もちろん中核は平野大臣になると思いますけれども、ぜひお取り組みをいただきたいと思いますが、総務大臣、その点について一言御答弁をいただければと思います。

川端国務大臣 お答えいたします。

 大変重要な課題であり、しかも時間的にも早いことが望まれていることでありますので、今おっしゃった関係大臣、いろいろな形で積極的に調整をしてまいりたいというふうに思います。

前原委員 よろしくお願いします。とにかく被災地の方々、もうすぐ、今十一カ月、三月十一日が来ますと一年になりますけれども、まだまだ緒についたばかりということでございまして、早急な取り組みをお願いしたい、また改善をお願いしたいというふうに思います。

 次に、きのう、在日米軍の再編についての共同報道というのが、外務大臣、防衛大臣からございました。これについて、端的にまずお伺いをします。

 きのう発表された内容というものは、二〇〇六年五月に2プラス2でまとめられた再編実施のための日米ロードマップを変更するものなのかどうなのか。その点だけ、まずお答えをいただきたいと思います。

玄葉国務大臣 できるだけ端的にというお話でございましたけれども、二〇〇六年のロードマップ、そして日米合意の基本的な構成要素というものを変えるものではございません。現行計画の調整をしている、その進め方について調整をしているということでございます。

前原委員 基本的な考え方は変わっていないということですが、ただ、これから、与党の議員の質問では、そうですかという話になるのかもしれませんが、恐らく野党の質問ではそうはならないと私は思います。

 どういうことかというと、このロードマップを読みますとどういうことが書いてあるかというと、まず、「約八千名の第三海兵機動展開部隊の要員と、その家族約九千名は、部隊の一体性を維持するような形で二〇一四年までに沖縄からグアムに移転する。」ということで、一体性を維持するということがロードマップに書いてあるんです。

 それから、「普天間飛行場代替施設への移転、普天間飛行場の返還及びグアムへの第三海兵機動展開部隊要員の移転に続いて、沖縄に残る施設・区域が統合され、嘉手納飛行場以南の相当規模の土地の返還が可能となる。」つまりは、嘉手納以南の施設・区域の返還というのは、普天間飛行場の代替施設への移設、そして返還、そしてグアムへの移転に続いてということでパッケージになっている、こういうことなんですね。

 それと同時に、「全体的なパッケージの中で、沖縄に関連する再編案は、相互に結びついている。」ということが書いてあるということは、今回のものは、このロードマップとは違う中身になっているということなんですね。

 つまり、一体性はとりません、パッケージにはしませんということですから、方向性は一緒であっても、ロードマップに書いてあることの変更になっているんじゃないですか。

玄葉国務大臣 今おっしゃいましたように、先ほど私は、基本的な構成要素は変わっていないんだ、調整をしますと。調整をするということは、いわゆる、今おっしゃったことは確かに二〇〇六年のロードマップに書いてございます、三つのパッケージであることも書いてございますから、そういう意味では、その調整の結果、ロードマップの修正についても検討していくということになろうかというふうに思います。

前原委員 私は、今の御答弁が一番適切な答弁だと思うんです。修正について検討していくということで、直ちに修正ではない。だって、きのう話をして、これから細部を詰めていくということですから、私はそれが、今大臣がおっしゃった御答弁というのが最も適切な答弁だと思います。

 それに続いて申し上げると、修正を検討するということになれば、二〇〇九年二月に結ばれているグアム協定、これはお互いの国会で合意をしている協定でありますけれども、この協定のいわゆる見直しにもつながるということになるわけです。

 なぜならば、先ほど修正を前提としてということをおっしゃいましたけれども、このグアム協定、私、全文を今、日本語訳の方を持っていますけれども、この中においては、「ロードマップにおいて、」という箇所が幾つもあるんです。ロードマップに書かれていることを認識しとか確認をしとか、そういう言葉が書かれているわけでございまして、つまりは、ロードマップの合意というものを前提にしてグアム協定というものが結ばれているということでありますので、これは、もちろん今すぐではなくて、これから議論されていくことになりますから、議論をして、修正をしたならば、グアム協定の見直しにもつながる、そういう認識でよろしいですか。

玄葉国務大臣 まさに、おっしゃいましたように、協議は公式にこれから始まるということでございますから、現段階で予断を持ってこの協定についてどうなるかということを申し上げるわけにはいかないというふうに思うんです。

 ただ、基本的に、現時点はグアム協定は生きているということを踏まえた対応をしていく必要があるのではないかと考えております。

前原委員 それは外務大臣のおっしゃるとおりなんです。今あるのは日米間で結ばれているグアム協定という協定であり、これが例えばオーバーライドされるかどうかは別にして、ロードマップの中の見直しをした、そういう作業をした。恐らく、もうちょっとたったら2プラス2をまたやられるんでしょう。2プラス2をやられた後に、内容を確認した。その内容が、きのうの共同報告ではロードマップとは異なることがあるわけですから、それについては見直しをせざるを得ない。しかし、見直しをして、それが批准をされるまでは今の協定が生きているというのは当たり前のことだと思います。

 そういう認識でよろしいですね。

玄葉国務大臣 ただいま前原政調会長がおっしゃったとおりだと思います。

前原委員 きのうは日米両国で方向性を示された。そして、これからトップレベルでも実務レベルでも話をされていく中で、より詰めていかれて、きのう発表されたものはあくまでも事務方の議論の合意であります。やはり、ある段階で2プラス2をやられて、そして、精緻に、その2プラス2で変える中身を決めたときに、どこがグアム協定の見直しなのかというところもお互い確認をし、そして協定の改定というものに行く。しかし、それまでは今のグアム協定というのが当然ながら生きている、私もそういう認識でおりますし、ぜひそういう方向で進めていただければというふうに思います。

 さて、日銀の総裁にもお越しをいただいておりますけれども、きょう私が最も質問したかった中身についてお話をしたいと思います。これは総理にも中心でお伺いをしたいというふうに思っております。

 今、製造業の決算が出始めておりますけれども、電機を中心に惨たんたるものであります。これは円高だけではありません。製品の中身あるいは優位性、こういったものもあると思います。あるいは、他社の買収によって、結果として今のところ赤字が出ているという会社もございます。

 しかし、やはりこの円高というものが極めて大きな足かせになっていて、製造業、物づくり、海外へ輸出をするというところについては大きな赤字を出しているというのは事実であります。

 率直にお伺いしますけれども、総理は、今のいわゆる為替レート、円の水準というのは適正だと思われますか。

野田内閣総理大臣 具体的に水準そのもの、相場そのものを評価するということについてはコメントを控えたいというふうに思いますけれども、昨年の夏以来の円高基調のこの流れは、今、物づくり、製造業への影響が出ておりましたけれども、そういう製造業の下に多くの中小企業もかかわりを持っています。関連する業界もたくさんございます。そういうことも含めて、日本の景気の下振れリスクになっていることは間違いないというふうに認識をしています。

前原委員 その御認識は私も共有しているわけでありますが、だからこそ、去年は、八月二十四日に円高対応緊急パッケージというものが出された。そしてその後、これは野田政権になってからでありますけれども、円高への総合的対応策というものが出されているわけであります。十月二十一日に閣議決定。

 まさに、この後半に申し上げたものは、野田内閣として、円高への対策ということで、やはり円は水準としては高いんだという前提に基づいて総合的対応策をとられているわけであります。

 その中身について言えば、例えば、円高で苦境に陥っている中小企業への金融支援の拡大とか立地補助金とか、こういうものがあるわけでございますが、こういうものはある意味で対症療法であります。

 では、根本的に円高をどうしていくのかということをしっかりとやはり提示できないと、円高が進み、製造業が大変な状況になっている、中小企業も、その下請も含めて大変だ、そしてその後追いで、対症療法として、立地補助金だ、あるいは緊急融資だとやっても、円がどんどん為替レートが上がっていくことを放置しておけば、また対症療法でやらなきゃいけない。つまり、根本のこの円高をどのように是正するかということをやらなきゃいけないわけです。

 その円高対策で、例えば、野田政権になってから出されたもので根本にかかわるということについては、JBICを使ったいわゆる融資枠の拡大、MアンドAをしてくださいよというものとか、あるいは産業革新機構の政府枠の拡大とかですね。

 例えばJBICで申し上げますと、外為特会を通じて、八月には、千億ドルだったんですから大体八兆円、そしてそれに十月には二兆円プラスして大体十兆円のファンドをつくって、MアンドAをやってくださいと。そのことによって、海外の優良な資産をむしろ円高を逆手にとって買ってくださいと。それが進むと、それに対する警戒感から円安に行くのではないかという政策的な配慮があったと思うんです。

 では、まだそれほどたってはおりませんけれども、しかし、十、十一、十二、一、二、まあ四、五カ月たった中で、この十兆円の融資枠というのはどれぐらい一体使われているのかということを検証しました。

 これは、財務大臣、どのぐらいか、お答えいただけますか。

安住国務大臣 いわゆるJBICのファシリティーでございますけれども、残念ながら、今現在で三件の契約で、日本円でいえば六百八十億円程度という額になっております。

 さらに、銀行に対して、邦銀との間でMアンドAのクレジットラインを設定しまして、これは日本円で約三兆二千億円ほど用意をしましたが、まだ成立した案件はないということでございます。

前原委員 クレジットラインというのは枠みたいなものですから、これは余り関係ない。

 つまりは、十兆円の枠がありながら、私が聞いているのは、為替レートのあれかもしれませんけれども、円換算すると六百四十億円ということで、六百八十億であろうが六百四十億であろうが、微々たるものだということなんですね。つまり、十兆円の枠を設けて、円高対策として根本にきくというものをやろうとしてきたにもかかわらず、それが四、五カ月たってまだ六百四十億円にしかなっていないということなんですね。

 これはもちろん時間をかけてじっくり進めていかなくてはいけません。融資ですから、的確な資格審査というものも必要だというふうに思います。

 では、どうやって円高をそもそもとめるんだということについて、私の従来からの、去年の予算委員会でも申し上げましたけれども、発想を申し上げます。それは、やはり円建てのファンドというものをしっかりつくって、そして、円建てのファンドで海外の優良な資産を買う、MアンドAを行うということであります。

 そうなると、例えば円建てで持つということは、円を外貨にかえる、それで一つの為替介入効果と同じ効果が出るわけですね。そして、今円高である。円高であるということは、従来に比べていいものが安くて買える。こういう、円のファンドをどうやって持つのかということが私は大事なことだというふうに思います。

 それについて、総理、方向性は御賛同いただけますか。

野田内閣総理大臣 今私どもの政権が昨年十月にまとめた円高の総合的対策で三つの方向で対応してきていることは、前原政調会長御指摘のとおりで、一つは、これは守りかもしれませんけれども、円高の痛みの緩和ということで、中小企業への金融支援。それからもう一つは、産業空洞化を含めたリスクに強い経済をつくっていくという意味で立地補助金など、これまでの補正で対応してきました。三点目が、御指摘のとおり、去年の秋、これは特に前原政調会長から強い御提案がありました、いわゆる外為特会を使ってJBICへの融資枠を十兆円。さっきのお話を聞いていて、実績はまだ少ないんですね。ここはもっとやっていく余地があると私も思います。円高のメリットも生かしていくという攻めの姿勢も必要だと思います。

 その上でまた、今、これも従来から御主張として御提案いただいておりますけれども、そういうことも含めて、今回というか、我々の新成長戦略で実質二%、名目三%の成長をずっと追い求めていくことになっています。

 これはなかなか大変なんですが、やり遂げなければいけません。そのためには、今いただいた御提起を含めて、よく勉強させていただきたいというふうに思います。

前原委員 では、一つ具体的な提案をさせていただきたいと思います。

 年金の積立金というものが、今全体で百二十二兆円ございます。その中にいわゆる年金積立金管理運用独法というのが、これからGPIFと申し上げますが、このGPIFが運用しているものが百十六兆円あります。

 今このパネルに出させていただいているのがポートフォリオです。百十六兆円のこの基金がどのように運用されているのかということが書いてあるわけでありますが、国内債券が六七%、国内株式が一一%、外国債券八%、外国株式九%、短期資産が五%、こういうことなんです。

 例えば、この国内債券の比率を減らす。つまりは、運用をさらに、例えば外国の株式あるいは外国の債券、こういったものの比率を、ポートフォリオをふやして、そしてこの年金基金の運用というものを、今でもやっているわけですから、外国債券八%、外国株式九%をやっているわけですから、よりこういう外国のものに対してやるということになると大変プラスになるわけです。

 ただ、問題は、この国内債券の八割が国債なんですね。あとは社債とかであります。この国内債券の比率を減らしていくということになると、国債を吐き出すということになります。そうなると、国債の価格が暴落をする、あるいは金利が急上昇するということになって、それでなくても莫大な借金を抱えている我が国にとっては大変な影響が出てくる可能性がある。

 例えば、国内債券を市場に出してすぐ、政府と日銀が共同する中で、出てきた国債を日銀が市場で買う、こういう形を連携してやるということは私は一つの大きな方式だと思うんです。それがまさに政府と日銀の協力した形だと私は思うんですね。

 繰り返し申し上げますけれども、国内の債券の比率を減らし、そして、国債を市場には出すけれども、すぐに日銀がそれを引き受けて、国債市場に影響を与えないような形にして、そして、いわゆる円の資金で外国債券や外国株式をより買うようにしていくことができれば、一つの案ですよ、一つの案として、私は、先ほどの為替介入と同じ効果を生み、そして円安誘導に持っていける一つのツールになるのではないかと思いますが、これについて、総理そして日銀総裁のお考えを聞かせていただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 一つには、年金の積立金というのはまさに年金の将来給付のためにある積立金でございますから、その安定した運用というものがまず求められると思います。その上で、いわゆる海外のものも含めて、リスク資産を運用するということをどういうバランスで考えるかというのは、これはよく検討しなければいけない。あくまで年金給付のための積み立てであるということから、余りリスクを冒せないですね。安定した運用と流動性をどう確保するかということを前提に置きながら、どこまで何ができるかということをよく検討しなければいけないと思います。

 それからもう一つは、これはいわゆる事実上の為替介入になると思うんです。というと、基本的に今は介入というのは財務大臣の専権事項で、各国通貨当局と緊密に連携をしながら対応するということの中での整合性をどうやって説明できるかという観点もあるだろうと思いますので、そういうことも含めた研究が必要だというふうに思います。

白川参考人 お答えいたします。

 まず、年金積立金管理運用独立行政法人が行います年金積立金の運用方針それ自体につきましては、これは日本銀行の立場でコメントすることは差し控えたいと思います。

 それから、為替介入に当たる面があるかどうかという点について先ほど総理から御答弁がございましたけれども、その点についても、これは政府の所管事項ですので、私の方からは専ら国債の部分についてお答えをいたしたいというふうに思います。

 まず、日本銀行が現在行っています長期国債の買い入れについての一般的な運営方針でございますけれども、長期安定的な資金の供給手段として、現在、年間二十一・六兆円のペースで毎年大量の買い入れを行っております。加えまして、資産買い入れ基金というのを一昨年設けまして、現在、このもとで長期国債の買い入れを進めておりまして、本年末までに九兆円までこれを積み上げるという金額で買い入れを行っております。

 こうした国債の買い入れでございますけれども、買い入れに当たりましては、これは金融政策の運営上行うということから、あらかじめ日本銀行で定めました透明性の高い手続に従いまして、まず、金融機関の中から、どの相手先から買うかという一般的な基準を設定して、その上で相手先を決めておりまして、その上で幅広い市場参加者から国債を買い入れるということを行っております。

 したがいまして、幅広い市場参加者の中で特定の市場参加者だけを相手にしているということではなくて、日本銀行は金融機関を通じて幅広い市場参加者から国債を買い入れるということを行っております。

 いずれにせよ、日本銀行の行います国債による資金供給も使って、潤沢に資金の供給を行っているというところでございます。

前原委員 まず、総理の御答弁から申し上げると、年金は将来の給付に回さなくてはいけないので安定的な運用が求められるというのは、そのとおりだと思います。

 ただ、その中で、今、運用委員会というのがあって、これは金融、経済の専門家が入って、こういうポートフォリオを決めているわけです。この中には外国債券も外国株式もあるわけです。そして、国債よりも、今外国の新興国の方が経済成長率が高いわけでありますので、むしろ、外国債券とか外国株式の方が、それは、どこの国にするかということは専門家の精緻な分析というものが必要かもしれませんけれども、そちらのポートフォリオを高めることの方が運用利回りは高くなる可能性があるということが一つ。

 しかも、全くやっていないなら別ですけれども、もう実際にやっている中で、その比率をふやして国債の比率を減らす中で外国への運用をすれば、円のファンドで、外貨にかえて、そして優良な資産を買えるのではないかということを申し上げているということがまず一つです。

 そして、同時に、実際の為替介入になるのではないかということでありますが、では年金を運用するポートフォリオを決めるときに、一々外国の国々に対して導入しますからといって恐らく通達されていないと思うんですね。それは、がばっと大きくポートフォリオを変えるということになると、実質上の為替政策だ、為替介入だというふうに言われるかもしれませんけれども、これはあくまでも自国が行う自国の資金の運用でありますので、言ってみればSWFと言えるかもしれません。

 そういうことでありますので、私はそこまでは、もちろんいろいろな国々との緊密な連携というのは必要ですけれども、余り他国の顔色ばかり気にしていては、これは為替競争の話ですから、今、どうやったら輸出競争力が自分のところが高くなるか。為替が変われば、こちらが損をすれば向こうは輸出競争力がふえる、こちらが輸出競争力がふえれば向こうが減るわけですから、それは起こってきますよ。だけれども、それを余り細かなところまで気にしていたら、私は今の円高というのは根本的に解決できないと思いますよ。いかがですか。

野田内閣総理大臣 ポートフォリオの構成のあり方というのは、これは今までもいろいろな議論があったと思いますし、それはしっかり議論をしていく中で構成を決めていくべきだと思うんです。

 加えて、実質的介入と見られる云々の話は、あくまで私は留意点として申し上げたわけで、そういうさまざまな多角的な議論を踏まえながら一つの方向性を見出していくべきだというふうに思います。

前原委員 日銀総裁の御答弁は、極めて安全運転の答弁だったというふうに思います。

 資産買い入れ等基金については、一二年末までに五十五兆円までふやすということでありまして、今、四十三兆円ですか。四十三兆円まであるということは、残り十二兆円の枠があって、国債については九兆円まで買い増すことが可能だと決めていて、今は三・五兆円ということですから、五・五兆円の枠がある。そしてまた、それとは別個に、月々一・八兆円、年二十一・六兆円の国債を引き受けておられるということでございまして、それなりの努力はされているということで、全く努力をされていないと言うつもりはありません。

 ただ、私は、後で質問させていただきますけれども、先ほどまさに総理がおっしゃった、名目成長率三%、そして実質成長率二%、これをどうやって実現するかということで、財政政策がなかなか、もうこれだけの借金をしている以上はできない中で、しかも世界全体が、リーマン・ショックで財政出動をし、それぞれが借金をふやして、それを今ダウンサイジングしようとしている、その中で金融緩和をしているという中で、やはり私は、金融緩和をすれば全てデフレが脱却できるとか日本の経済がよくなるという考えには全く立ちません。

 あくまでも金融政策というのは時間を稼ぐだけのものであって、やはり日本の経済の質的転換をその稼いだ時間でどうやってやるのかということが私は大事だと思いますけれども、しかし、このデフレ脱却の大きなツールとして金融緩和というのが私は大変必要だというふうに思います。

 その中で、日銀総裁にもう一度お伺いしますけれども、十二月末の五十五兆円という資産買い入れ等基金の規模、こういったことをいろいろまた総理はお考えいただくという御答弁を先ほどいただきましたけれども、さらにこれを拡大するというお気持ちがあるのかどうなのか。これは大事なポイントですので、お答えをいただきたいと思います。

白川参考人 お答えいたします。

 最初に、日本銀行の金融政策に関する基本的な構えを申し上げたいと思います。

 前原先生と同じように、日本の経済の現状につきまして、やはり大変厳しい認識を私どもも持っております。デフレからできるだけ早く脱却し、物価安定のもとでの持続的な経済成長軌道に復帰する、これは大変大事な課題だと思っていまして、日本銀行はそのことを十分に認識しております。

 現在、短期金利がゼロという状況になっておりますもとで、どうやって金融政策面から緩和効果をつくり出していくかということについて、必死になって我々なりに知恵を絞りまして、現在、基金を設けて買い入れを行うということを行っております。基金の金額につきましては、先生御指摘のとおりであります。

 我々自身は、過去、去年につきましていうと、三月それから八月、十月と三度にわたって強化を行ってまいりました。これは、その時々の日本の置かれた経済状況を踏まえて見直しを行ってきたものであります。

 見直しを行う際の原点は、これはあくまでも、先ほどの、デフレからの脱却、物価安定のもとでの持続的な成長軌道の実現という観点に照らして、その都度適切な政策を、これまでもやってきたというふうに思っておりますけれども、これからもそうした構えでやっていきたいというふうに思っております。

前原委員 安全運転の答弁で物足りない面もありますけれども。

 総理、先ほど、名目成長率三%、実質成長率二%、これは何とか実現しなきゃいけないとおっしゃいました。ただ、きょうから二十四年度の予算の実質的な審議が始まったわけでありますが、この予算の閣議決定をするときの政府の見通しというのは、名目成長率が二%、実質成長率が二・二%でありまして、マイナスなんですね。これを、先ほど断固として三、二という数字を達成するんだということをおっしゃいましたけれども、財政状況は、もう財務副大臣、財務大臣、総理をやっておられる総理が一番今の日本の財政状況をわかっておられる。だからこそ、いろいろ批判がありながらも、社会保障、税の一体改革を不退転の気持ちでやられるという気持ちを、私どもの党は全面的にバックアップしていきたいというふうに思っています。

 では、その三と二を実現するということのために、金融政策というのは物すごく大事ですよね。その場合、日銀との政策協定のようなものを結んで、ともに名目成長率三%、実質成長率二%を実現するために頑張ろうという約束を取り交わすということが私は大事なことだというふうに思います。

 今のように、このことは政府ですね、いや、このことは日銀ですねということで、建前は日銀の、中央銀行の独立というのは、それは法律に書いてあるのはそうなんですけれども、何とかこれを不退転の決意でやっていくんだということになれば、私は、政府と日銀の協定を結んで、同じ目標に取り組むんだということでやることが大事だと思いますが、いかがですか。

野田内閣総理大臣 現状は、政調会長の御指摘のとおり、名目と実質の成長率、名実が入れかわっている状況を、名目三%、実質二%に持っていくという作業を加速化していかなければいけないと思います。

 財政状況は厳しいんですが、その中でも、きょうから御審議をいただいている平成二十四年度予算については、党からもさまざまな御提言をいただいて、日本再生重点化枠一兆円という形で光をそちらに当てていこうという努力をしていますので、これは一日も早い成立を目指して頑張っていきたいというふうに思います。

 加えて、我々の取り組むことと、金融政策で専ら日銀にやっていただくこと、これは問題意識を共有しながら進めなければいけないと思います。

 それぞれの政策主体は違いますが、やはり連携をする、問題意識を共有するということ、アコードまでというやり方がいいのかどうかというのはこれは議論があると思いますが、少なくとも、膝突き合わせて、日銀総裁と私と、あるいは関係閣僚とが緊密に連携をとるということは不可欠だと思っていますので、これまでも、月例報告だとか、さまざまな国際会議であるとか、あるいは国家戦略会議とか、さまざまな場面で総裁とお会いすることはあるんですが、もっと腹を割って、膝突き合わせてということをやっていこうということで、この間も一月十六日にお会いしました。この頻度をもっと高めていきたいと思います。

 そういう努力の中から、問題意識をかたく共有しながらのお互いの協力というものを図っていきたいと思います。

前原委員 協定を結ぶということまでいかないにしても、同じ政策目標をしっかり持つということは大事で、緊密に連携をとるということは大事だと思いますので、その点、ぜひ名目成長率三%、実質二%、これは何としてもやり遂げなきゃいけないという総理のお言葉ですので、その一つの大きな鍵を握っている日銀との協調というものをしっかりとこれから、総理のリーダーシップで、今御答弁のとおりやっていただきたい、こういうふうに思います。

 それから、次に、日本の財政状況。言うまでもありません、歳入が九十兆のうち、国債が四十四兆、税収が四十二兆、その他が税外収入ということであります。半分近くを国債発行に依存している、そして、税収は国債発行以下であるということで、ひどい状況であるということであります。

 しかも、九十兆のうち、真水で使えるのは六十八兆円。四十四兆をさらに借り入れるけれども、二十二兆は今度は借金の返済に回すということで、完全な自転車操業になっていると言っても過言ではないというふうに思っております。

 その中で、これが債務残高の国際比較ということでございまして、ギリシャ発のということで、ヨーロッパの財政危機が、金融危機、そして世界全体の経済の減速という大きな今危機に立っているわけでありますけれども、イタリアやギリシャよりもさらにひどいのが日本の債務残高であるということであります。

 そのときに、今、岡田副総理が行政刷新担当大臣ということで、無駄を削る努力というものをこれから一生懸命に力を出していただくわけでありますけれども、それはそれでぜひ頑張っていただきたい。これは党としても強調させていただきたい。もともと、党の行政改革調査会の会長を岡田副総理はやっていただいていたわけでありますので、政府と一緒になって我々も協力させていただきたいというふうに思っております。

 私がきょう申し上げたいのは、一般歳出のうち社会保障が五二%なんですね。半分以上を社会保障が占めている。社会保障というと、何だか切りにくいというイメージがあるかもしれませんけれども、実は、この社会保障というのは、言葉をかえて言えば無駄の宝庫、宝庫という言い方はおかしいですね、無駄がたくさんある分野だというふうに私は思っております。

 この社会保障にどうやってこれから切り込んでいくのかということが私は極めて大事なことではないかと思っておりまして、幾つかの点でお話をさせていただきたいと思います。

 厚生労働省も、これは小宮山大臣を先頭に、非効率的な経営の改善に向けた取り組みということをやっていただいております。

 事前に厚生労働省から話を聞いたもので申し上げると、例えば病院の在庫管理。これを外部委託した場合、外部に発注するとお金がかかるんですけれども、それ以上に、在庫管理がうまくいって大きなマイナスになったとかいうことが一つ。

 あるいは、これはちょっと川端大臣にも聞いておいていただきたいんですが、公立病院、実は、民間の病院よりも公立病院の方が経営ははるかに悪いですね。我々が野党のときのイメージは、公立病院は大体赤字が八割ぐらい。今、民主党政権になってから、診療報酬は二回プラス改定だったので、それでも公立病院は半分ぐらい赤字ですね。

 あるところで、これは厚生労働省から資料をいただいたんですが、公立病院であったために単年度主義だった、単年度契約を行っていたのを、この公立病院を独法化して複数年度契約に変えられただけで、それだけで物品調達というものがかなり圧縮をされた、こういうケースがあります。

 つまりは、この一般歳出のうち五二%を占めている社会保障の中で、昔、二千二百億円を五年間というのがありましたけれども、そういう切り方ではなくて、一つ一つの病院、診療所、あるいは後で申し上げますけれども、生活保護の医療扶助、こういったものに対してどういうふうに切り込んでいくのかということが極めて大事なことだと私は思うんですね。

 これをちょっと見ていただきたいんです。これは、私はちょっと驚いたんですね。これも厚生労働省から出してもらいました。

 生活保護受給者が病院にかかっておられる。けがをされたり、あるいは心身に疾患を持っておられるということで、病院にかかられるということがあるということは当然でありますけれども、私が驚いたのは何かというと、生活保護者だけを対象に経営をしている病院が何とこれだけある。ただ、入院でいうと、これは国保は入っていないんですよ、国保が入っていないだけで、一〇〇%入院が、生活保護者だけを相手にしている病院が何と七十二ある。そして、医科の入院外だと十七ある。九〇から九九まで入れるとこれだけあるんですよ、歯科の病院にしても。

 昔、老人保健の無料化をやって、それで物すごく医療費がふえましたよね。つまりは、患者の窓口負担がないわけですよ。生活保護を受けている方々は窓口負担がない。これは全部税金でやるわけです。したがって、うがった見方をすると、病院側は、患者は財布が痛まないから、過剰診療、過剰投薬、こういうものをし放題だと疑われても、これは仕方がない面はありますよね。しかも一〇〇%、つまりは、その病院は生活保護の人しか来ていない、それで経営が成り立っている。あるいは、九〇から九九まで入れると、これだけたくさんの病院がそういった人たちを相手にしている。

 これは、一つ一つしっかりと見て、本当にちゃんとした経営ができているのかどうなのかということを、厚生労働省、これは税金を使ってやっている話ですから、チェックする必要があると私は思います。

 厚生労働大臣、いかがですか。

小宮山国務大臣 今、前原委員が御指摘いただいたように、生活保護の費用の半分が大体医療扶助です。ですから、そこは、御指摘のように、しっかりと適正になるようにしなければいけない。

 そういう意味で、今、電子レセプトのシステムを入れることによって、適正化をされていない部分について抽出をするということ。それから、かなり医薬品に使われているので、ここは後発医薬品、ジェネリックをなるべく勧めるようにということで、ジェネリックにつきましても、薬局から後発医薬品情報の提供を促したり、あるいは医薬品の銘柄を指定しない一般名処方をするとか、あるいは個々の品目ごとに後発医薬品への変更が可能なようにするなど、後発医薬品の使用が非常に日本は少ないので、今、新たなロードマップをつくって、後発医薬品の利用促進ということをしようと思っています。

 そのほか、看護師とか保健師など専門知識を持つ医療扶助相談・指導員、これを各地方自治体に配置するなどしまして、何とかここが適正に効率的に行われるように努力をしたいと思っています。

前原委員 病院経営管理指標というのが平成十六年からやられているということなんですが、これを何かシステム化するということが私は必要だと思うんです。

 私は国交大臣を一年やらせていただいて、入札ボンドとか履行ボンドというのがあるんですね。つまりは、入札に参加する条件として、いわゆる外部に評価させる、そして、その評価で仕事がとり得るというところのみにボンドが発行される、そして応札できる、こういうことがあるんですが、やはり病院も、私は、先ほど物品管理について外部委託をしたら減らすことができたという病院の例を、これは厚生労働省がちゃんと把握をされているわけでありますけれども、それぞれの病院において、こういう何らかの適正化を図るような仕組みをつくらないといけないと思います。これを御答弁いただきたいのが一つ。

 あと、川端大臣、ちょっと急で申しわけないんですけれども、例えば私は京都ですけれども、地域で見ていますと、かなり近接した病院でMRI、CTスキャンを持っているということで、これをお互いに地域で融通し合うという形にしないと、それぞれの病院が高い機材を持って、それを活用するということになれば、それだけ医療費が高くなるわけです。

 各都道府県においては、各都道府県の医療計画をつくるというのが知事に義務づけられているわけでありますけれども、そういう、地域における、特に点数に高くのしかかるような機材についての適正配備のようなものをしっかり指導するということをしないと、隣の病院まで同じものを持っていて、結局、稼働率を上げるために必要でないところまで検査をして結果的に医療費が高くなる、こういうようなこともあるので、ぜひその取り組みをしていただきたいと思いますが、厚生労働大臣、それから総務大臣、簡単に一言ずつ御答弁をいただきたいと思います。

小宮山国務大臣 病院の経営管理の効率化につきましては、経営の専門家の養成など、いろいろな形で今医療機関に情報提供はしていますけれども、今委員御指摘のように、さらに新たな仕組みをつくれるかどうか、そこはしっかりと検討していきたいと思います。

川端国務大臣 より効率的で無駄のない仕組みをつくるということの切り口は、大変大事な視点だというふうに思います。それぞれの役割もありますけれども、地域医療計画の中で、そういう視点でも改めてしっかりと議論をさせていただきたいというふうに思います。

前原委員 終わります。ありがとうございました。

中井委員長 この際、鈴木克昌君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。鈴木克昌君。

鈴木委員 鈴木克昌でございます。

 限られた時間でございますので、早速質問をさせていただきたいと思います。

 まず、総理に、豪雪対策についてお考えをいただきたいと思います。

 我が党は今、陳情対策本部をつくって、全国から皆さん方の本当に切なる御要望を承っておるわけでありますが、年が明けてからは、圧倒的にこの豪雪対策の陳情というか要望が多いわけでありまして、それを踏まえて御質問をさせていただきたいと思います。

 言うまでもありません、昨年の三・一一大発災、そしてまた十二号、十五号の台風被害、本当に自然の猛威の前に、我々人間の力不足といいますか、力のなさを痛感する事件が続出しております。しかし、その自然によって我々は生かされておるという部分もあるわけでありますが、いずれにしましても、年が明けてからは、この豪雪でございます。

 大変厳しい寒波に見舞われておるのは御案内のとおりでありまして、きょうも、いわゆる強い冬型の気圧配置になっておりまして、恐らく、今、豪雪地帯のところでは大変な雪が降っておるのではないかな。

 そんな中で、去年の二倍以上の状況にあるというふうに聞いております。そして、孤立化する地域が出てきているという中でありますが、特に心配なのは、災害弱者と言われます高齢者を中心に、昨日現在で八十二名の方がお亡くなりになっておるということであります。亡くなられた方たちには本当にお悔やみを申し上げたいと思いますし、今大変な難儀をされておる方々にお見舞いをさせていただきたいというふうに思います。

 いずれにしましても、雪の重みで家屋が倒壊したり、日常生活に重大な影響が出ておるということでございます。あわせて、農林漁業、そしてそのほかのところでも被害の拡大が想定されております。

 そういった雪害に対して、各市町村は、本当に地域住民の皆さんの献身的な協力のもとで、道路の確保、そしてまた除雪等々やっていただいておるわけですが、特に高齢者のひとり住まいの住宅等、非常に多くの皆さんの手助けで除雪が進んでおるということであります。

 一方、例えば、排雪のためのダンプカーが少ないとか、それから除雪業者が不足をしておるというような状況も報道されておりまして、これはやはり、東北大震災の方に業者の皆さんがお出かけになっておるとか、それからまた、一方では、公共事業が減ったためにダンプとかそういった機器が少なくなっておるということも聞いております。

 いずれにしましても、平成十八年の豪雪に迫る勢い、場合によってはそれを上回るのではないかということで、ここからが御質問でございますけれども、除雪の予算が本当に底をついてしまった。先日御陳情にお見えになった北海道のある市長さんは、十六億の除雪予算を組んだんだけれども、もうそれは使い切ってしまった、最低でもこれから六億ぐらいは必要なんだ、場合によってはさらにそれを上回る予算が必要だということであります。

 地方の市町村にとってこの除雪費用というのは本当に大変な額になるわけでありまして、それについて、ぜひひとつ国の迅速かつ強力な支援をお願いしたいということであります。

 党としましても、二月二日に豪雪対策本部を設置し、そういった方々の声をしっかりと政府に届けるべく努力をさせていただいております。

 いずれにしましても、そういった状況の中で、総理として、この豪雪災害対策に対する取り組みについてお答えをいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 昨年の十一月以来の大雪によりまして、鈴木委員からも御指摘ありましたけれども、きのうまでのところ、八十二名の方がお亡くなりになっております。改めて、亡くなられた方にお悔やみを申し上げるとともに、本当に厳しい状況の中で生活をされている皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。

 政府としては、今月の二日でありますけれども、大雪対策に関する関係閣僚会議を開催いたしまして、私から各閣僚に対して、政府一丸となり、緊張感を持って応急対策そして生活支援対策等に当たるように指示をいたしました。

 あわせて、委員御指摘の除雪、排雪に関する経費への財政措置については、万全を期すように指示をいたしました。例えば、今年度中に必要と見込まれる所要額を三月分の特別交付税により措置することとしておりますが、各自治体の実情をお伺いして、措置額の一部について繰り上げて交付することも検討しているところでございます。

 また、臨時特例措置としての市町村道の除雪費への補助を行った事例なども念頭に置きつつ、ことしの冬の大雪の状況を踏まえて適切に対処してまいりたいと思います。

 党においても対策本部をつくっていただき、また、法改正についても御検討いただいていると思いますが、そうした党の御要望等もしっかり踏まえた対応を期していきたいというふうに思います。

鈴木委員 ありがとうございます。

 まさに雪国の方々にとっては、本当に、除雪の問題、雪の害、罪のない多くの方々が大変な生活を余儀なくされておるということであります。せめても、市町村に予算がなくて除雪が進まないというような状況は、これは本当にあってはならないし許されない、このように思っておりますので、ぜひひとつその点よろしくお願いをいたします。

 それでは次に、経済産業大臣にお伺いをしたいと思います。通告しております順番がちょっと変わるかもしれませんが、あらかじめ御承知おきいただきたいと思います。

 経産大臣にお伺いしたいのは、中小企業憲章でございます。

 これは、民主党が総力を挙げて中小企業に対してしっかりと応援をしていきますよという、まさにそのあらわれだというふうに思うんですが、なかなかこの中小企業憲章、国民の皆さんには御理解されにくいし、また、当事者である中小企業の皆さんにとっても、本当にその使い勝手というのがよくわからない部分もあるのではないのかなというふうに思います。したがって、私はきょうここで、改めてこの中小企業憲章についてお尋ねをしたいというふうに思います。

 中小企業の必要性は今さら言うまでもありません。本当に地域の経済や雇用を支える、まさに重要な存在であることは言をまちませんが、民主党として、この中小企業対策の基本姿勢を本当にきちっと理解をしていただきながら、また、この中小企業対策をさらに拡充するということが必要だというふうに思っております。

 その一環として、自公政権時代の、例の特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入、オーナー課税もすぐに撤回をされたということで、こういった我々の姿勢は示されておるわけでありますけれども、いずれにしても、そういった中小企業憲章を含めて、この辺の政府のお考えを大臣からお示しいただきたいと思います。

枝野国務大臣 御指摘のとおり、まず、現状でも日本の中小企業は、雇用の面でもあるいは経済そのものにおいても、まさに日本を支えている、経済の中核を担っているというのは中小企業であるというふうに思っています。

 しかも、これから世界的に産業構造が大きく転換しなければならない状況にあります。大きな産業構造の転換期においては、既存の大企業が大企業のまま、より元気になっていく可能性よりも、今はまだ小さな会社が新しい時代に合わせて新しい仕事を生み出していって、そのことによって、まあ、大きくなることがいいかどうかというのはまたいろいろあるかもしれませんが、少なくとも元気になっていく、こういうことがあってこそ、初めて日本の産業の活性化が行われるというふうに思っています。

 そうした意味では、中小企業の重要性というものはますます高まっているというふうに思っておりまして、そうした中、平成二十二年六月に中小企業憲章を閣議決定させていただいたことは、大変大きな意義があったというふうに思っております。

 一方で、中小企業もまさに多種多様。中小といっても相当大きいところがありますし、私自身も、中小とも呼べないような小さな会社の、父親がそうでございましたので、また業種によっても地域によっても大変な多様性がある。それぞれの状況に合ったきめの細かい対応をしていく必要があるというふうに思っています。

 具体的な予算措置等も、例えば二十四年度予算は一千三百八十八億円増の三千三百五十六億円。もともと規模は小さいところでございますが、伸び率としては大変大きく伸ばさせていただいているところでございますし、また、多様な中小企業を支援するという意味から、支援事業の担い手の多様化や活性化をするための法案をこの国会に提出したいということで検討しているところでございます。

 また、中小企業が海外展開、海外進出をするということに向けても、ジェトロの体制を強化するとともに、例えば弁護士会なども、そうした中小企業の海外進出の法制面などの調査等について、特にスタートは安く御協力をいただくというようなことのお申し出もいただいておりまして、多角的に、幅広い分野の中小企業がそれぞれ元気になれる方策を、私としては最優先の課題の一つとして取り組ませていただいているところでございます。

中井委員長 枝野さん、税制。

枝野国務大臣 税制は、御指摘をいただきましたとおり、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入、いわゆるオーナー課税について、平成二十二年四月一日以後に終了する事業年度から適用するということで、廃止という選挙でのお約束を実現させていただいておりまして、こうしたことで、実際の日々の経営と、それから、こうした同族企業が同族企業の持ち味をしっかりと生かしながら、しっかりと活性化できるための対応をとらせていただいているところでございます。

鈴木委員 ありがとうございます。

 中小企業憲章について、ちょっと気になるところだけ申し上げます。御答弁は結構なんですが。

 実は、これはまさに初めての制定で非常に大きいわけですけれども、省庁間の壁が邪魔をして、本当にこれが実効性があるのかどうかというところで、二点ちょっと具体的に申し上げておきたいんです。

 例の「不動産担保や保証人への依存を減らす。」という一文があるわけであります。これは中小企業金融の融資の方針転換ということでは本当に大きな意味があるんですが、果たして、金融庁が本当にこの真意を理解して、そういう施策の転換をやってくれるんだろうかというところ。

 もう一つは、例えば人材が、先ほどのお話ありましたけれども、大企業信仰といいますか、大企業にみんな流れてしまうということで、何とか中小企業に回って、起業家としても頑張っていただくようなチャンスを与えていくということなんです。やはり教育というのは非常に大事なんですが、果たして、そういう意味で、カリキュラムその他、文科省ときちっとやれるのかどうか。

 そういうところがちょっと気になっておりまして、御答弁があればあれですが。

枝野国務大臣 一点目については、自見金融大臣も中小企業金融を大変気にかけていただいておりまして、昨年末でしたか、経済産業省の方においでをいただきまして、金融庁と中小企業庁、経産省がしっかりと連動して進めていきましょうということで、しっかりとタッグを組んでやらせていただいております。

 それから、中小企業に人材が行かないということについて、文部科学省や厚生労働省も頑張っていただいていますし、中小企業庁も頑張ってきておりますが、むしろ、中小企業庁、経済産業省が、中小企業の魅力、潜在的な力、これを若い皆さんにいかにアピールするかということが重要である。そのアピールの場を文科省などに御協力いただいてしっかりつくっていただくべく、今、相談を始めているところでございます。

鈴木委員 ありがとうございました。

 それでは、続いて、総務大臣にお伺いをしたいと思います。

 私ごとで恐縮ですが、私、地方の市長を経験させていただいて、まさに地方自治というのは私の原点だ、このように思っております。地域の声を国政に届けて、そしてその地域の皆さんを守っていく、これが私の原点でありますが、そういう視点で総務大臣にお伺いをしたいんです。

 昨年、私も、総務省で仕事をさせていただいた中で、本当に数多くの首長さんや議会の皆さんにお目にかかりました。その方々が押しなべておっしゃるのは、三位一体改革で要するに地方交付税が大幅に減らされて、もう大変な思いになった、大変なことであった、こういうことであります。

 ただ、民主党政権になって、かなりそれを回復してくれて本当にありがたいということなんですが、なかなか、首長さんたちに、じゃ、それを言ってください、どんどんそれをPRしてくださいと言うと、議会で聞かれもせぬのに要らぬことを言うと叱られるからという私の友人の市長もおりまして、これはちょっと余談ですけれども。

 いずれにしましても、その辺のところをきょうぜひ一度お伺いしたいということと、もう一つは、二十四年度予算で本当に地方がどう変わっていくのか、今申し上げたようなところがどのような予算措置をされていくのか、御答弁をいただきたいと思います。

川端国務大臣 お答えをいたします。

 民主党政権、この国の形として、地方、地域、できるだけ住民の暮らしの身近なことは身近な行政がしっかりときめ細かく対応する仕組みにつくりかえたいということを一番大きな考え方としてやってきましたし、先生におかれましても、前任の総務副大臣ということで御努力をいただきました。本当に身近なということですと、警察も、消防、教育も含めて、住民生活に非常に密着しているのが地方の自治体でございます。

 特に、予算編成において一番強い強い要望でありますのは、二十三年度以上の水準の交付税総額をぜひともに確保してほしい、これが予算編成の一番の地方の強い要望でありまして、それは基本的に、自分たちがきめ細かく要望に沿った予算配置をしたいというあらわれでございました。

 そういう意味で、今回の予算におきましては、地方の一般財源の総額については、平成二十三年度と同水準の五十九・六兆円の総額確保と同時に、特に地方交付税においては、通常収支分の地方交付税総額について十七・五兆円、前年に続いて約一千億増額することにいたしました。

 これで、政権交代前から比べてどうなのかという御質問でありました。総額については、五十九・一兆円から五十九・六兆円ということで、五千億の増ということでありますけれども、地方交付税、いわゆる皆さんが自主的に使える額については、十五・八兆円から十七・五兆円と、一・六兆円の増加ということで、三位一体改革という、いろいろな考え方の中で取り組まれた政策でありますが、大幅に減少した分は回復をして、維持をしているということでありますので、地方の自主性に沿ったきめ細かな施策をやっていただけると期待しております。

 一方で、地域主権戦略ということで、今現在は都道府県単位、広げては政令市においてのいわゆる一括交付金化、自由に使えるお金の枠も拡大するということを含めて、できるだけ地方の皆さんが自立して自由にきめ細かくやっていただけるという手当てを最大限取り組んでいるところでございます。

鈴木委員 ありがとうございました。

 では、続いて行革担当大臣にお伺いをしたいと思います。

 社会保障と税の一体改革の大前提として、いわゆる政治改革そして行政改革を断行すべきだ、私はそのように考えております。政治改革におきましては、小選挙区のゼロ増五減、そしてまた比例の八十削減ということを各党に提示させていただいておるところでありますが、まさに政治家みずからが身を切る覚悟を示す、そしてまた実際に身を切っていく、この姿を国民の皆さんに御理解いただかない限り、この社会保障と税の一体改革が進んでいかないのではないかなというふうに思うんです。

 そこで、前の行革調査会長でもあり、新たに行政改革担当大臣となった岡田さんにお伺いをするんですが、公務員給与の削減そして制度改革、それから独立行政法人の改革、特別会計改革、国有資産の売却等によっての税外収入の確保等、この辺のところを本当にどういう覚悟でと言うと恐縮ですが、お進めになっていくのか、その心意気をぜひお示しいただきたい、これが一点であります。

 それから二点目に、土光臨調の話でございますが、行政改革を推進するために新たな諮問機関を設置するということが報道されました。この辺について、スケジュールとか目標とかテーマとか、そういったものをお示しいただきたいと思います。

岡田国務大臣 委員御指摘のように、国民に負担をお願いするときに、その前に行政改革、そしてその前に国会議員みずから身を正せというのが多くの国民の意見だと思います。

 政治改革については党を中心に御検討いただいておりますので、私は言及をいたしませんが、そこはまさしく委員が党の執行部の中核として重要な役割を果たしておられますので、ぜひ党内あるいは各党との協議で力を発揮していただきたいと期待をしております。

 私、行革担当ということで、先般、行政改革実行本部というものを内閣につくりました。野田総理が本部長で私が代行、各大臣それぞれメンバーになっていただきました。いろいろな提案がなされても、それがいざ実行するときになかなか、官僚の抵抗もございます。政治主導でしっかりとやっていこうということで、この本部をつくらせていただきました。

 今まで、最近閣議決定したものは独立行政法人、特別会計の改革であります。それがそれぞれこれから法律になってまいります。国民の皆さんに御理解いただけるように、しっかりとした法律で、間違いなく前に進めていきたいというふうに考えております。

 そして、公務員の人件費、これは各党間で今、まずは給与の削減について御議論いただいておりますので、ここでは触れませんが、それ以外にも、やはり総人件費全体をどうやって削減していくかということは大きなテーマだと思います。

 先般、この行政改革実行本部の第一回の会合のときに、私、幾つかのテーマを申し上げましたが、具体的なテーマとしては、公務員の計画的な削減、数ですね、削減の推進、それから公務員の人事・給与制度改革の推進、民間と比べて給与体系など問題がないのかというようなことも含めてしっかりした議論が必要だと思います。あるいは政府系情報システムの刷新、集約、あるいは委員御指摘の未利用国有地の資産売却の推進、こういったものを順次これから進めてまいりますが、その中には、例えば先ほどの人事・給与制度改革の推進でありますとか情報システムの刷新、集約でありますとか、少し深い議論が必要だ、第三者の目も含めてしっかりとした議論に基づいてやっていかなければならないこともございます。

 そういったことを進めていくために、外部の有識者の方に入っていただいて、そういう方々にしっかりと御議論いただく中で、国民の理解を得て力強く行革を進めていきたい、そういうふうに考えて、今、党の方にも、土光臨調というのは余りにも有名ですが、新しいそういった組織をつくることについてお願いを申し上げているところでございます。

鈴木委員 まさに、今から我々がやろうとしておる厳しい道のりの、本当にこれが入り口だというふうに思います。この改革が進まなければ、またできなければ、私は、ありとあらゆることがストップしてしまう、このように思っていますので、その責務は非常に大きいし、重いという覚悟で、ひとつぜひ頑張っていただきたいと思います。党としましても私個人としましても、全面的に御協力をさせていただくつもりでございます。

 では、続いて、復興担当大臣にお伺いをしたいと思います。

 大震災からの復旧復興、それから原発事故との戦いといいますか、そして日本経済の再生、野田内閣のいわゆる三つの優先課題を全力を挙げて取り組んでいかなきゃならないということでありますが、実際には、東北の皆さんは、宮城、福島、岩手の三県で、前年より四倍多い四万一千二百二十六人の転出超過があったということでありまして、現実には、本当に人の流れがとまらない、とまっていないという状況であります。

 まさに大震災の復興はこれからが正念場だと思いますが、あす十日に復興庁が発足をするわけであります。村井宮城県知事は、六日の記者会見で、十日付で発足する復興庁について、自治体の考え方をワンストップで吸い上げて、速やかに前向きな答えを返してもらえるような組織になってほしいと期待を寄せられておるわけであります。

 復興庁は、人、物、金を集中的に投入して、現地の要望、要請を丁寧にきめ細かく受け入れて、そして復興事業を加速化させていく、これが責務だ、このように思っておりますが、政府の取り組みについてお考えを聞かせていただきたいと思います。

平野(達)国務大臣 被災地では、委員御指摘がありましたように、人口流出が続いている、あるいは本当に厳しい寒さの中で仮設住宅での生活を余儀なくされているなど、さまざまな厳しい状況が続いております。

 そういった中で、あした十日、復興庁が発足をいたします。復興庁の役割、やはり大きく二つあるだろうというふうに思っています。

 一つは、何といっても津波、地震地域、ここの地域の復旧復興でございます。これにつきましては、この国会の議論等々も踏まえまして、また被災地のさまざまな要望も踏まえまして、復興特区制度、あるいは復興交付金制度、あるいは心のケアに対するさまざまな対応等々を含め、あるいは雇用対策等々も含め、まずおおむねの道具立てはそろったのではないかというふうに思っています。

 もちろん、これで十分ではなくて、まだまだ使い勝手が悪いという要望も出ておりまして、こういった点については真摯に受けとめて、改良すべきはどんどん改良していく、追加すべきは追加する、こういう姿勢で臨んでいくことが大事だというふうに思います。

 そしてまた、先ほど委員から村井知事のお話がございましたけれども、まず被災自治体、特に津波、地震については、私は、復興の主体は地域、特に被災自治体だというふうに思っておりますが、それに寄り添う、できるだけの要望を聞く、それから御用聞きをすると同時にアドバイザーにもなる、そしてまた時に国が主体的に取り組む。そういう意味で、復興局もできますし、支所もできます。こういった体制をフルに活用して、しっかりとした体制を整えて、復興を強く後押ししていきたいというふうに思っております。

 もう一つは、原子力災害からの復旧復興でございまして、これは二つに分けて考えなければならないというふうに思っております。

 一つは、何といっても風評被害。それからあと、福島県が特に影響を受けておりますけれども、産業復興という問題もございます。それからあと、心のケア、健康被害に対する、健康の管理という問題もございます。こういったことをトータルの政策として、しっかり復興庁が調整役として、また後押し役として担っていく必要があると思います。

 もう一つ、原子力災害ではもう一つの大きな問題がございます。これは帰還という問題でございます。除染、賠償、インフラ、それから雇用、こういったことも政策として総合的に講じる必要がございまして、こういった意味における司令塔の役割、復興庁の役割は非常に大きくなるというふうに思っております。このあたりの部分についての体制強化も図りながら、原子力災害からの復興復旧、この司令塔としての役割もしっかり果たしていきたいというふうに思っております。

鈴木委員 これは通告外ですが、もし総理から復興庁に対する何かお考えがあれば、この際、御発言いただけるとありがたいと思います。

野田内閣総理大臣 明日、いよいよ復興庁をスタートさせることになります。復興の大臣、そして専らそれに当たる副大臣等を選任し、そしてスタッフの方も、これまでの対策本部に比べるとはるかに増強した形でスタートいたします。

 これは、まさにやらなければいけない、ワンストップで、しっかりと被災地の御要望を受けとめて、そして即応していくということが大事だと思いますし、復興の歩みを加速させていくという意味においても、この復興庁の役割はとても大事だと思っています。電光石火のいいスタートダッシュができるように頑張っていきたいと思います。

鈴木委員 ありがとうございました。

 それでは、再度、総理にちょっとお伺いをしたいんですが、日本再生への成長戦略ということでございます。

 施政方針演説で総理は、新成長戦略の実行を加速し、新たな成長に向けた具体的な工程表を伴う日本再生戦略をことしの半ばまでに策定して、実行していく、このように述べられたわけでございます。そのまさに工程をどのようなふうにお考えになっているのか。

 例えば、農業、エネルギー・環境、医療・介護、海洋、宇宙などの分野を育てることは当然でありますけれども、それ以外に、伝統文化とハイテク技術が融合した新しい日本をつくり出す挑戦への再生ビジョンを示す、こういうこともおっしゃっておるわけでありまして、ぜひひとつ、この場をおかりして、その辺の総理の熱い思いを語っていただきたいというふうに思います。

 それと、いま一点、フロンティア分科会についても、国家戦略会議のもとにおつくりになったというふうに伺っておるわけでありますが、このフロンティアの具体化に向けた総理の決意をあわせお伺いしたいと思います。

 以上です。

野田内閣総理大臣 日本経済を再生させ、そしてその活力を高めていくことは、これは被災地の復興のためにも、そしてまさに将来に繁栄を引き継いでいくというためにも不可欠であって、全力で取り組んでいきたいというふうに思います。

 特に、中小企業を初めとする企業の競争力と雇用の創出を両立させるために、委員からも御指摘があったとおり、農業、あるいはエネルギー・環境、医療・介護、こういった分野でのイノベーションを推進し、新しい産業の芽を育てていくための環境整備をしていきたいと思います。

 その際、これからの、これは施政方針演説でも若干触れさせていただきましたけれども、日本の潜在力の最たるものである女性が社会のあらゆる場面で能力を発揮していただくことも重要であるというふうに考えております。

 また、古くから伝承される伝統工芸、自然や文化遺産などの豊富な観光資源、国外で高い評価を得ている日本のコンテンツやファッションなど、これまでの日本に蓄積されて高い潜在力を有する文化資源、知識、情報、あるいは成熟社会で生み出された新たな文化などについて、業種を超えた連携を図ることによって、新たな価値が活発に生み出される経済を目指していきたいというふうに思います。

 こうした日本に広がる幾多のフロンティアを具体化していくために、フロンティア分科会という会議体も設置をさせていただきました。年末に取りまとめた日本再生の基本戦略に基づきまして、日本再生戦略を年央までに定めていきたいと思いますし、もう既に議論してある程度の方向性が出てきたものは、その前から実施をしていくようにしていきたいというふうに考えております。

鈴木委員 ありがとうございます。

 まさに、フロンティアを夢から現実に変えてという総理のお言葉もあったわけであります、基本方針の中でですね。これを本当にスケジュール感を持ってきちっと進めていっていただきたい、そして広く国民にアピールをしていただきたい、このように思います。

 それでは、恐らく質問の最後になろうと思いますが、文科大臣にお伺いをしたいと思います。

 要点は、高校の無償化、これは非常に順調に、しかも着実に効果が上がっておるというふうに思うんですね。例えば、高校の中退が減っておるとか、それから再入学がふえておるとか、まさに貧困というものの負の連鎖といいますか、そういったものを断ち切っていくということにおいて、私は、この高校の無償化というのは非常に意義のあった施策である、このように思っておりますが、その辺のところを少しお示しいただきたい。

 それから二つ目でありますけれども、三十五人学級、これも本当に、ある意味では我が党が誇るべき施策だというふうに思っておりますが、ここに一つデータがございまして、国立教育政策研究所というところが、三十三人以下の学級、要するに自治体独自の予算で上乗せをしておるところの調査をしたんですね。

 それは、トラブルを中心に調査をしたら、明らかに人数の少ないクラスの方がトラブルが少なかった、こういうデータが出ておりまして、その辺のことも踏まえて、これから三十五人学級を推進されていくということだと思いますが、その三十五人学級に対する評価といいますか、大臣のお考えを聞かせていただきたい。

 最後に、耐震化でございます。

 これは、まさにこういった災害があるときに地域で一番頼りになるのは学校の施設ということでありますが、その学校の施設が壊れてしまったのでは何にもなりません。したがって、徹底的にこの耐震化を進めていただきたいと思うんですが、現実、今、耐震化がどのように進み、今後どんなふうになっていくのか、その辺のところをお示しいただきたいと思います。

平野(博)国務大臣 鈴木委員にお答えをいたします。

 もう鈴木委員御案内のとおり、また、民主党としても重点的に進めてきた施策でございます。特にこの高校無償化、こういうことについての政策評価、確実に上がっていることも事実でございます。

 一例挙げますと、平成二十二年度におきましては、経済的理由、こういうことに対しての中退者が前年に比べまして三六・七%減っている、こういうことでもございます。また一つは、中退をしたけれども再入学、こういうことで改めて入学した人についても、前年に比べまして一五%ふえているということで、経済的理由という観点からは随分減っている、こういう意味での政策効果がある、こういうことでございます。

 加えていま一つは、低所得者という観点から見ますと、私立高校生に対する経済的支援、こういうことで、一例でございますが、二百五十万円未満の世帯、この世帯についての全額免除相当の県が、今までは少なかったんですが、十三県から四十三県にふえてきている。こういうことから見ますと、多くの都道府県においても、高校無償化開始以来、こういう手厚い制度設計になっている。こういう意味においては、非常にこの政策評価が結果として出ている、私はこういうふうに認識をいたしております。

 いま一点、三十五人学級の点につきましてでございますけれども、おかげさまで、大変財政厳しい中ではありますが、進めてきました。これにつきましても、二十四年度におきまして、小学二年生におきましても実現をすべく、御理解をいただきながら進めていきたい、こういうことでございます。

 いずれにしましても、今後とも、先生御指摘の教育の質の向上を図っていく、こういう観点からこの施策については進めてまいりたい、かように思っております。

 最後に、耐震化、こういうことでございますが、これも、東日本の震災におきまして、学校の施設がやはり子供さんの命を守っている、こういうことでございますので、多くの施設、学校施設が避難所にもなっていることから、学校の耐震化をさらに推し進めていきたい、こういうことでございます。

 平成二十三年度の三次補正予算、二十四年度の予算を含めて、地方公共団体が計画をしているものについて、約五千二百カ所についての耐震化を図る、こういうことでございまして、実質これが終了いたしますと約九〇%の耐震化率になる、こういうことでございますし、これもさらに私どもとしては進めていきたい、かように考えているところでございます。

鈴木委員 以上で終わります。ありがとうございました。

中井委員長 この際、武正公一君から関連質疑の申し出があります。前原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 新年度予算につきまして質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、先ほど来、政府に対しては豪雪対策ということで御要望を申し上げておりますが、今回の豪雪で亡くなられた方、また被害に遭われた方について、心から御冥福をお祈り申し上げ、お見舞いを申し上げたいと思います。政府にあっては速やかなる豪雪対策を進めていただきたいというふうに思っております。

 新年度予算につきましては、総理が既に所信表明演説で述べておりますように、震災からの復興、また原発事故との戦い、そして日本経済の再生、この三つを最優先でということで、所信表明演説を受けた内容になっているものと拝察をいたします。

 この新年度予算の速やかなる成立、そしてこれについては、国会で議論を深めながらも、やはり一日も早い成立が、今言った三つの最優先事項のみならず、今の国難ともいうべき日本の状況においては必要であろうというふうに考え、これはもう与党も野党もなくというか、垣根を越えて、国会としてやはり取り組んでいくべきというふうに考えるわけでございます。ぜひ、一日も早い成立に向けて、この予算委員会の審議をしっかりと充実しつつも進めていければというふうに思っております。

 さて、そうした中、政権交代から二年五カ月を経過したわけでありますが、政権交代直後の九月十六日、初閣議、ここで内閣の基本方針が定められたわけでございます。非常に私自身も印象深くこの基本方針を覚えておりまして、国民主権、そして地域主権、政治主導、これを内閣の基本方針と明確に位置づけたわけでございます。

 これについて、二年五カ月を経過すれば、例えば日米の密約の解明とか、あるいは地域主権ということでいえば一括交付金化とか、あるいはまた政務三役会議あるいは政務三役による国会答弁なども含めて、それぞれ二年五カ月の中でいろいろ工夫を凝らしながらも、この今の三つの基本方針に基づいて進めてきたのではないかというふうに思っております。

 そしてまた、その原点というものはやはり大事にしなければならないわけでありますので、当然、我々が外交文書の三十年公開ルールなども含めて公文書の公開を求める法律をつくってきたわけでありますので、過日の原発災害対応の議事録作成など、こうした点は、ある面、細部に大変大事なものが宿るというふうに申しますので、これは岡田副総理のもとで今検証を進めていただいておりますが、やはり政務三役、政府におかれましては、細部にしっかりと目を届かせて、先ほど言いました国民主権、地域主権、政治主導、これを改めてしっかりとそれぞれの省庁で徹底をお願いしたいというふうに思っております。

 加えて、お手元に資料をお配りしておりますが、何といっても、リーマン・ショック直後の政権交代でございました。過去最悪の経済指標というものが並んだ二〇〇九年でございました。今お手元には、有効求人倍率、これも統計をとり出してから過去最悪の数字。完全失業率はこれを上回るものは過去あったわけでありますが、これ以外には、例えば、GDPについての前年度比の伸び、賃金の前年度比の伸び率、あるいは設備投資、あるいは輸出入の数量なども過去最悪の経済指標。これが二〇〇九年度であったわけでありますので、この二年五カ月も、やはり政権運営の柱はこの日本経済の立て直しにあったものというふうに認識をいたします。

 そうした中、この日本の経済も、お手元の資料のように、有効求人倍率やあるいは完全失業率を見ていただくと、この二年五カ月の間、上向いてきた、改善をしてきたわけでございます。もちろん、昨年三月十一日の地震発災以来の経済の落ち込みがありましたが、これは、先ほど触れましたように、国会で与野党を超えての御協力もいただきながらの一次、二次、三次の補正予算などで、分厚い、手厚い復旧復興、原発事故との戦いの予算が組まれたものと考えるわけでございます。

 こうしたこの二年五カ月を振り返りますと、やはり政権交代の意義というものはしっかりと国民の皆様にお伝えをしていかなければならないだろうというふうに思うわけでありますが、これについて、総理としての御所見を伺いたいと思います。

野田内閣総理大臣 今委員御指摘のような経緯をこの二年半たどってまいりました。

 お示しをいただいた雇用、失業にかかわる部分はそういう数値でございますし、特に、私どもが政権を預かるようになったときの状況というのは、リーマン・ショックの後の影響が極めて甚大であって、例えば、税収を四十六兆見込んでいたものが三十兆円台後半に陥るという状況の中で、今は、新規の国債四十四兆で、それに近い税収にようやくなりつつある等々、厳しい財政運営の中でもその立て直しも図ってきているということは、改めて私からも強調させていただきたいと思います。

 その上で、先ほど来挙げられた成果のほかに、この後多分マニフェストのお話もあると思うんですけれども、高校授業料の無償化であるとか、農家の戸別所得補償であるとか、あるいは求職者支援制度であるとか、あるいは新しい公共という観点からのNPOの優遇税制の実現など、そういう取り組みを懸命に行ってまいりました。それは、鳩山政権、菅政権、そしてそれを引き継いでの私ども政府・与党一丸となって全議員で取り組んできたというふうに承知をしていますし、しかも、まだこの取り組みは強めていかなければなりません。

 今国会においても、公務員制度の抜本改革法案、あるいは出先機関の廃止、これは地域主権という考え方からは大事であります、マニフェストに書いてあります。それから郵政改革法案。お約束したことをきっちりとこの国会でもやり遂げていきたいというふうに考えていますし、議員定数の削減については、これは今各党間の協議中でございますが、これについても成案を得るように我が党も大いに努力していくべきだろうというふうに思います。

 ただし、残念ながら、成果が上がっているものもありますけれども、暫定税率の廃止など、やはり政策の優先順位を考えて、できていないもの、できないものも出てまいりました。そういうことを、やったこととできていないことをきちっと国民の皆様に御説明していくということが、政権交代して政権をいただいた私どもの大きな責任だというふうに考えております。

武正委員 ありがとうございます。

 しっかりとこの二年五カ月を振り返りながらも、しかし、反省もし、検証もし、その上で、政権運営の責任の重さ、これはやはり、この二年五カ月、政府に入ったそれぞれの議員も、また与党としての議員もそれを重く自覚しているものと思いますが、改めて、そうした原点に立ち返って、国民主権ということでありますので、国民の皆様にわかりやすく政権運営の実を説明をお願いしたいというふうに思っております。

 そこで、次に、マニフェスト選挙の意義について伺いたいというふうに思うんですが、私、ちょっと各党のホームページを調べさせていただきまして、政権公約、これをマニフェストという言葉を使っておられるかどうかというのを、ざっと見させていただきました。

 民主党はもう二〇〇三年から使っておりまして、民主党の公式ホームページでも、二〇〇三年以降のマニフェストは検証できるようになっております。自民党さんは、私が調べるところでは二〇一〇年からマニフェストという言葉を使われたということでありまして……(発言する者あり)はい、括弧つきで。確かに、表紙に括弧で小さくマニフェストというふうに書かれておりました。公明党さんは二〇〇三年からというふうに承知をしておりまして、また社民党さんもということでありますが、その他の政党の皆さんについては、使っていたけれども最近使わなくなったり、あるいは使っていなかったりということだと思います。

 私は何を言いたいかというと、今回、私どもが政権を運営する中で、このマニフェストの進捗度、実行度、実現度、大変国民の皆さんから、有権者から、厳しくそれぞれの議員は問われている、政府はもちろんでありますが、これがやはり私どもが一つ目指してきた形ではなかったのかなと。

 すなわち、選挙が終わったらその選挙公約がどこかへ行ってしまう、冗談かもしれませんが、公約は、ここに張るこう薬のような形で、選挙が終わればどこかに行ってしまうというようなことを言われたわけであります。今回のマニフェストの実現度、大変厳しく問われるわけですが、それはそれとしてしっかりと受けとめて、しかし、マニフェスト選挙というものはそれこそ工夫をしながら進化をさせていく必要があろうかというふうに思いますが、このマニフェスト選挙の意義について、総理としての御所見を伺いたいと思います。

野田内閣総理大臣 マニフェストの選挙というのは、我が国では地方自治体の長の選挙から始まったと思いますけれども、〇三年の総選挙から我が党も主導してマニフェストを訴えて、そして、印刷物等も配布、作成ができるようになりました。その後に、〇四年の参議院選挙、〇五年総選挙、〇七年参議院選挙、〇九年総選挙と、既に五回のマニフェスト選挙をやってきたというふうに思います。

 マニフェスト選挙の意義というのは、マニフェストと称するか従来の公約と称するかは別としても、政権をとったら我々は何をやるんですということを明確に国民にお示しをしながら、選挙という場で競争を行うことが大事であるということと、政権をとった暁には、そのマニフェストを極力、できる限り実現をしていく。

 もちろん、その状況状況によって優先順位が変わることがあります。我々は高速道路の無料化を社会実験として導入しましたけれども、例えばことしの第一次補正予算で復興財源に充てるというようなことをしたりとか、優先順位が変わったときに対応はしなければいけませんが、基本的にはマニフェストに沿って政権を運営するということが二つ目の大事な点だと思うんです。

 もう一つ大事なことは、これから、もう既に二年半たちましたけれども、途中で、去年、中間検証をやりましたけれども、しっかりと次の総選挙の暁には、マニフェストをどこまで実現したのか、できなかったことは何なのか、それはなぜできなかったかということを、真摯に、一つの我が政権の業績としてお示しをするということによって、マニフェスト選挙というのは完結するのではないかと思います。

 本当は一〇〇%できればいいと思います。だけれども、さっき申し上げたように、優先順位を考えたり、政治状況を考えて、できないものも出てきます。なぜできなくなったかということをきちっと説明できることによって、初めてマニフェストの選挙というのは完結するのではないかと私は思いますので、そうしたことをしっかり秘めながら、胸に刻みながら、対応していきたいというふうに思います。

武正委員 ありがとうございます。

 当然、我々もイギリスを参考にマニフェストの導入などもしてきたわけでありますが、その本家のイギリスでもやはり経済状況とか、今回日本でいえば大震災とか、そういったいろいろな不確定要素というか、いろいろ変数が存在するわけですので、そういったところもしっかりと踏まえながら、しかし、国民に対する説明責任、国民主権という視点からは、やはりマニフェスト選挙をさらに進化させていく必要があろうというふうに思います。

 そこで、この実現度でございますが、岡田副総理にお伺いをしたいんです。

 実は、昨年七月二十一日に、当時の岡田幹事長としては、マニフェストの検証を前に国民の皆さんに率直におわびしたい、これは報道からの引用ですが、政策の必要性と実現の見通しについて検討が不十分だった、見通しの甘さを国民に率直におわびしたいということで、謝罪をされたわけでございます。

 これについて、今、立場は副総理ということになっておられるわけですが、その後、八月二十六日には党としての検証、これでは、やはり幾つかのそうした、マニフェストの実現がまだというところでその検証をしております。

 お手元に資料がございますが、国民の皆様にもこのパネルをごらんいただきたいんですが、昨年八月二十六日現在、マニフェストの合計件数百八十項目を検証しましたところ、実施、一部実施が五六%、着手済み、実施前の段階にあるものを含むということでありますが、七九%、未評価一五%、未着手六%ということで、その検証結果も発表しております。

 なぜ実施、一部実施が五六%であるかということの理由とすれば、やはり先ほどの、過去最悪の、二〇〇九年の税収が九・二兆円落ち込んだことや、やはり、どうしても国会の状況というもの、衆参がねじれているというようなこと、あるいはまた昨年の大震災発災、こういったことを理由にも述べて検証されたわけでありますが、副総理に、このとき国民の皆さんに何を伝えたかったのか、そしてまた、党の検証を経てどういったことを国民の皆様に説明しなければならなかったのか、改めてお伺いをできればと思います。

岡田国務大臣 このマニフェストの中間見直し、確かに私が幹事長として中心になって行ったものでございます。ただ、これは党としてのものになっておりますので、今、私、内閣の中にいる者がお話をすることが果たして適切かどうかという感じはいたしますが、せっかくの御質問でございます。

 できたものとできないものがあるということがまずございます。できなかったことについて、幾つかの理由がある。一つは、やはり状況が変わった。その最たるものは、やはり大震災でございます。

 そこで、例えば高速道路の無料化。高速道路無料化について、私は幹事長として、無料化実験は来年度は計上しない、それは被災地の港湾や道路の復旧に充てるべきだという判断をして、そういうふうに変えさせていただきました。無料化を期待していた皆さんには大変申しわけなかったと思いますが、私は判断が間違っていたとは思っておりません。大事なことはきちっと説明することだというふうに思います。

 そういった後々の事情の変更というのは一つございますが、同時に、先ほど委員も御指摘のように、やはり我々の見通しが甘かったというものがあることは否めません。そのことについては、国民の皆さんに率直におわびをすべきだというふうに思いますし、そういう観点で私は記者会見でも述べさせていただきました。

 しかし、いろいろメディアを通じて、マニフェストが全然できていないという印象がかなりございますが、それは間違いです。先ほど委員も言われましたが、例えば高校授業料の無償化や農家の戸別所得補償、こういうものについては、我々、大きな実績だと思っておりますが、違う見方からすれば、これはばらまきだ。

 ここは、考え方が違うんですね。我々は、それは、やはり直接国民にそういったお金が行くという、いろいろな団体とかそういうところに配るのではなくて、国民に対して直接お配りをする、直接支払いという考え方に基づいてこういう制度を実現しているわけでございます。効果は非常に上がっているというふうに思います。

 そのほか、失業保険が切れてしまった方が、セーフティーネットなく、例えば生活保護などにすぐに行かなくていいように、求職者支援制度の創設でありますとか、あるいは診療報酬の改定も、緊急医療とか小児科医療とかそういうところに重点配分することで、もちろん今、全部問題が解決したと言うつもりはございませんが、一時期と比べれば、救急車がなかなか来ないとか、地方において小児科あるいは婦人科に問題があるということは、今も言われてはおりますが、以前と比べれば大分声は小さくなったんじゃないかというふうに思っております。

 あるいは、生活保護母子加算。これは非常に弱い立場にある母子家庭に対して厳しい措置であったということで、我々は復活をいたしました。同時に、父子家庭の児童扶養手当の支給。それから、雇用保険そのものも、大幅に拡充して適用範囲を広げました。

 それから、ちょっと分野は違いますが、経済連携協定、これは残念ながら、私は外務大臣として直接担当いたしましたが、日韓、日・EUを初め、いろいろなものが停滞しておりました。ほとんど交渉はなくなっていたと言ってもいいと思います。そういう中で、そういったものを再協議に向けて立ち上げるとともに、ペルー、インドとは協定の締結に至りました。これは大きな成果だと私は思っております。

 それから、NPO寄附優遇税制の大幅拡充。これは、今までの考え方を大きく転換するもので、日本の社会のあり方を根底から変えていくものだ、そういうふうに思っております。そういったさまざまなマニフェストに書かれたことを実現。

 外交ということでございますが、例えば新成長戦略の中で、パッケージ型インフラの輸出、そして観光ビザの要件緩和。日本に今、アジアからたくさんの観光客が来られるようになりましたが、これは、政治主導で観光ビザの要件を大幅に緩和したこと、そのことによって観光客がふえたわけでございます。

 あるいは、マニフェストには書いてございませんが、外交密約の調査、解明。これも、先般も参議院の予算委員会で申し上げましたが、今までの歴代の総理大臣、外務大臣、特に私は九〇年代初めまでというふうに申し上げておきますが、明確にそのときの外務次官が密約の存在を、大臣がかわったとき、総理大臣がかわったときにレクをしながら、国会においては、そういうものはありませんというふうに言い続けてきたということは、やはり私は、議会政治の中で非常に残念なことだったというふうに思います。そういうことも政権交代したから初めて明らかにできたのかな、そんなふうに思っているところでございます。

 さまざまなことができております。しかし、同時に、できていないものもあるということもあわせて申し上げておきたいと思います。

武正委員 ありがとうございます。

 今はもう立場は政府の立場に変わられたわけですが、幹事長当時の国民の皆さんへの説明ということを、今この場、国民の皆様にもその思いが伝わった。そしてまた、しかしながらやはり我々も謙虚に、しっかりと政権運営の責任の重さを感じながら進めなければならないということだと思います。(発言する者あり)

 財源財源という不規則発言が出ているものですから、ちょっとこの検証についても御紹介をいたしますと、二〇一〇年度、二〇一一年度において公共事業の大幅な削減、〇九年度に比べて一・五兆円減や、事業仕分けなどを通じたいわゆる埋蔵金の活用、両年度で九兆円については、マニフェストに定めた金額をほぼ確保した。これらは、今までの政権ではなし得なかった極めて大きな成果である。しかし一方で、補助金や人件費の削減、租税特別措置の見直しについては、財源確保に全力を挙げたものの、マニフェストで予定しただけの金額を確保するには至っていないということでございます。

 今、二年五カ月でございますので、引き続き、このマニフェストの実現のために、政府としてもそれぞれ全力を挙げてお取り組みをお願いしたいというふうに思っておりますし、この中では、未実施例ということで、着手または未着手として、地位協定の改定や米軍再編の見直し、あるいは国の出先機関原則廃止あるいは郵政改革、労働者派遣法改正、こういったものも含まれております。これについては、今それぞれ実施に向けまして全力を挙げて取り組んでいるわけでありますので、この実施率を上げていくという取り組みをお願いしたいと思いますが、総理、今のやりとりを聞いていただいて、御所見を伺いたいと思います。

野田内閣総理大臣 任期中にお約束したことをできるだけやり抜いていくという基本姿勢、そして、その暁に、できたことはきちっと整理して御報告するとともに、できなかったことはきちっと御説明をするという姿勢を堅持していきたいと思います。

武正委員 ありがとうございます。

 それでは、そのマニフェストの一つで、先ほどからも、鈴木委員も取り上げました高校授業料無償化について伺いたいと思います。

 この高校授業料無償化につきましては、私ども民主党は野党時代から、OECDの三十カ国の中で日本が文教関係の予算が一番少ないというような指摘の中で、特に高校あるいは大学、ここの予算の拡充を求めてきたわけでございます。

 高校授業料無償化については新年度予算で三年目を迎えることになりますし、大学生の奨学金などの拡充も、新年度予算では千二百六十七億円、二十六億円増、事業費ベースでいいますと一兆一千二百六十三億円ということで四百八十二億円の増、対象者も六万七千人、大学生の無利子、有利子含めた奨学金の対象者がふえることになります。

 そういった意味では、国際人権規約の高等教育無償化条項の留保、これを撤回するタイミングに来ているのではないのかというふうに考えるわけであります。正確に言いますと、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約A規約、この中での、中等教育と高等教育についての漸進的な導入の努力を図るということについて、百六十カ国締約国が、これについてはやりましょうということで、それぞれの国で批准なり署名なり取り組んでいる中で、唯一日本とマダガスカルだけが留保をしているということでございます。

 以前ルワンダもその一カ国でありましたが、たしか二年前でしょうか、ルワンダは留保を撤回したということでありまして、やはりもう留保の撤回のタイミングにあるのではないかというふうに思いますが、外務大臣、御所見を伺います。

玄葉国務大臣 この間、武正委員はこの問題に大変熱心に取り組んできていただいている、このことにまず敬意を表したいというふうに思います。

 今おっしゃったように、基本的人権の国際法上の条約ということで、いわゆる社会権規約と自由権規約とある。今、高校の実質無償化というものが始まって三年目になってきた。したがって、この問題との関係について精査をしてきています。また、大学教育も、今経済的な負担軽減策というものをふやしておりますから、その関係について精査をしてきました。

 結論は、今、武正委員がおっしゃったように、留保については撤回するという方向で調整するように事務方に今般指示をしたところでございます。

武正委員 高校授業料の無償化についてはさまざま御議論があることは承知をしておりますが、こうした国際条約でやはり高校授業料の無償化、さらに大学の奨学金の拡充などが求められているということは、ぜひ、これは与党、野党、そういう垣根を越えて、あるいはしっかりと認識をしていく必要があるのではないかというふうに思いますし、ぜひ政府には、日本、マダガスカル、唯一二カ国だけの留保を一日も早く撤回していただけるよう御努力をお願いしたいと思います。

 そこで、今度は、先ほど三つ、政権交代直後、内閣運営の基本方針で決められた国民主権、地域主権、そして政治主導、その二番目の地域主権について伺いたいと思います。

 時間の関係もありまして、本当は川端大臣に伺いたかった義務づけ、枠づけの廃止の状況や、あるいは一括交付金五千百二十億円が新年度八千三百二十九億円に拡充することや、国の出先機関原則廃止についても、九州そして関西に限定をいたしますが、地方整備局、地方経産局、地方環境事務所について、これを広域連合である九州、関西に委ねていく、その法律を今通常国会に提出する準備を進めていくことなど承知をいたしておりますので、ちょっと厚労大臣に絞って答弁をお願いしたいと思います。

 地域主権戦略会議の中で、ハローワークを地方自治体に移譲すべきである、こういうようなことが戦略会議の委員から出されておりまして、我が党でも、おととしからこの議論を重ねまして、そしてまた、政府が当時進めていこうということでの一体的施設、これについて、まずはそれをしっかり充実したものにしていくべきであるということを政府にも申し上げたわけです。国と地方の一体的施設、職業紹介、職業相談は国が、そして職業訓練、住宅提供あるいは福祉相談などは地方自治体がというこの一体的施設がどのように今実を上げているのか。

 そして、これまで厚生労働省が地方自治体に提供を拒んでいた求職情報。例えば、何々県のAさんがどういう仕事につきたいか、これが求職情報であって、何々県のA企業がどういう人を求めているかという求人情報についてはこれまで国は地方自治体に提供していたんですが、求職情報、何々県のAさんがどういう仕事につきたい、どういう企業を求めている、これについて、地方自治体への提供を始めている、あるいは始めようとしているということも含めて、お伺いをしたいと思います。

小宮山国務大臣 ハローワークにつきましては、おととし閣議決定されたアクション・プランに基づいて、今委員がおっしゃいましたように、国が行う職業紹介など、それから地方が行う福祉など、ここを一体的に進める取り組みを行っています。既に、二月六日現在で、四道県十四市区で事業を開始しています。また、実施に向けて準備中のものを含めますと、地方からの提案は合計で二十二道府県四十六市町村となっています。このように、アクション・プランに基づいて着実に今取り組みを進めていると考えています。

 また、二点目の、ハローワークの求職者の情報の自治体への提供についてですが、ハローワークから二十八の地方自治体に対しまして求職者の情報を提供しています。これによりまして、地方自治体と連携をした就職支援、また求職者の就職、これが促進をされています。また、アクション・プランに基づく一体的実施の中でも、自治体の要望に基づいて国が持っている情報の提供に向けて調整中のものもありますので、これからもしっかりと取り組んでいきたいと思います。

武正委員 特に、一体的実施における求職者情報の提供については、北海道からは、求職者情報と経営相談内容を活用して、雇用施策と産業施策の両面から現状、課題等について分析し、経営相談を行う際に雇用面にも配慮した取り組みとなるよう、より効果的な一体的実施事業としたいというようなこと。あるいは、福岡市からも、福岡市の雇用施策を検討する統計資料となるために、市内のデータの情報提供を希望している。市内在住の求職者の動向を把握する目的で、性別、年齢、住所、希望する仕事、就業、不就業の実態等の情報を活用したい、こういう要望。札幌市からもそういった要望が出ておりますので、ぜひ厚労省には、この求職情報、個人名はプライバシーの関係があると思いますので、そこをちょっと隠した形ででも、今の福岡市のような形で積極的に御提供をお願いしたい。

 これもやはり、先ほど触れました地域主権、地方分権、これが進んでいることも、ぜひ国民の皆様にもお伝えをさせていただきたいというふうに思っております。

 それで、この後幾つか質問を用意してまいりました。

 例えば、災害救助法。これは厚労省所管でありますが、二条で都道府県が主体というふうにしているわけなんですけれども、六月三日現在で、二千五百十四億円のうち、八百二十三億円義援金が被災県には届いたけれども、市町村には三百七十億円しか届いていないこと。

 あるいはまた、仮設住宅。今凍結ということで大変いろいろ心配をされているところもあって、政府もそして自治体も全力で取り組んでいただいておりますが、これについては、土地の手当てとかきめ細やかな対応ということで、一般社団法人の全国木造建設事業協会のように地元の工務店、大工さんが大型プロジェクトを請け負う仕組みのような、そういったきめ細やかな対応をしていくためには、やはり当初から災害救助法の対象を、二条を都道府県及び市町村というような形で、復興基本法について市町村を主体というふうにしたように、法改正が必要ではないかと考えるわけで、これは指摘にとどめさせていただきたいというふうに思っております。

 それで、防衛大臣、お伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、先週、たしか石破委員の質問に答える形で、大臣から自衛官増員の発言があったというふうに思います。たしか今国会には、二十三年度末から二十四年度末にかけて、防衛省設置法改正案で定数を減ずる、そういった法律を出されるというふうに思いますので、ちょっとこの発言の真意を伺わせていただければと思います。

田中国務大臣 さきの予算委員会での答弁は、厳しい財政事情の中でも有効な防衛力を整備するため、自衛官の実際の配置する人数であります実員を確保し、充足を向上させていくことが必要であるという認識を述べたものでございます。

 二十四年度予算案につきましては、陸自の定員については、防衛大綱、中期防に基づき効率化、合理化を図る一方、陸自の実員は削減せず、人員の配置転換により第一線部隊の人員を確保していきます。

 今後とも実効性のある防衛力を整備していきたいと思います。

武正委員 定員と実員の差が二万人ぐらいあるという中で、大臣の趣旨は実員をふやしていきたいということで承りました。

 それでは、最後の質問ということで、お手元に資料を配付させていただきましたが、ちょうど平成二十二年の六月二十五日に、防衛省の省内規定である訓令の見直しを施行されて、与那国島の防空識別圏の見直しが行われております。

 領空から二海里西側までということでありますが、昨年の七月十八日でしょうか、当時幹事長であった岡田幹事長を会長とする民主党の沖縄協議会、沖縄の声をしっかりと聞こうということを柱に、九月まで岡田幹事長が会長、今は輿石幹事長にバトンタッチをしておりますが、そのときにも、与那国島の町長さんからも、あるいは防衛協会の会長さんからも、この見直しを大変評価いただいたわけです。

 時間も限られておりますが、副大臣にこの点について御説明をいただければと思います。

渡辺副大臣 今御指摘のございました防空識別圏とは、航空自衛隊がスクランブル発進をする目安としてのラインでございまして、本来、領空の外側に設けられるものであります。

 我が国の場合は、戦後アメリカ軍が設定したものを自衛隊が引き継いだという形になっております。そして、与那国島の本来外側になければいけないはずのこの識別圏が与那国島を遮る形であった。そういうことを、非常に不自然な事態でございましたので、これは地元の要望も踏まえて、沖縄返還後初めて見直した。これも政権がかわって着手できた一つの事例ではないかなというふうに我々としては確認をしているところでございます。

 以上です。

武正委員 領土、領海を守る、国民の生命財産を守る、このことを基本に、政権の運営をお願いしたいと思います。

 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

中井委員長 これにて前原君、鈴木君、武正君の質疑は終了いたしました。

 次に、下地幹郎君。

下地委員 きょうは、普天間の問題について質問をさせていただきたいと思っていますけれども、昨夜発表されました再編の見直し、六年ぶりに行われることになったわけであります。

 二〇〇六年に決まったロードマップはパッケージ、嘉手納以南、普天間の辺野古移設、そしてグアムへの八千人移設、これがパッケージだったんですけれども、今度のことでこの縛りが解けるということになりました。嘉手納以南の土地も先行して返す、グアムにも四千七百人と言われていますけれども、それをやられる。

 この六年間、このパッケージの縛りがあったことが沖縄の負担軽減を進めない最大の要因だったんです。だから、このパッケージが取れたということは本当に大きな意味のある、私は、外交交渉はすばらしい成果を上げたのではないかなというふうに思いますね。何をやっても、辺野古ができなかったら、土地も返さない、そしてグアムにも行かない。これが縛りが解けたということは、沖縄にとってはもう最大の私は負担軽減の第一歩になったというふうに思います。

 それで、総理、これまではいいんですね。あとは、この文書の中に辺野古堅持と書いてあるんですよ。これを私は何とかしなければならないというふうに思っているんです。

 橋本・モンデール会談からもう十六年間、普天間は辺野古移設と言って一つも動かない、これを固定化というんですよね。今後も普天間の辺野古移設は不透明で、これがなかなか、できると思われている方々は少ないと思うんです。だから、これまでの十六年間と、これにも書いてありますけれども、これからの不透明な時間をこのまま続けることは、私は沖縄にとってはまさにこれこそが現実的な固定化になると思うんです。

 だから、よくマスコミの皆さんの中でも辺野古をやめると固定化するのではないかというようなことをおっしゃる方がいますけれども、違います。まずは辺野古をやめて、リセットして、総理が沖縄と向き合って、どうやったら普天間の危険の除去をやれるか、こういう新たな交渉に入っていくことが、私はこれからの野田内閣のやらなければいけないことだと思うんです。

 そして、こういうふうに先ほど申し上げた歴史的なパッケージの縛りが取れたということを、何で起こったかを考えてみないといけないと思うんです。

 一つ、それは、米国が財政再建でグアムの予算がつかなくなった、そして沖縄の政治状況からしてもなかなか辺野古は難しいですねという環境になったことをお互いが認識したというのも一点あるかもしれない。

 二点目には、レビンさんとか、ウェッブさんとか、マケインさんとか、イノウエさんとか、こういうふうな上院議員が、今まではキャンベルさんを初めとして政府間交渉だけでやってきたものに、私の経験からすると、議員が普天間の問題で発言をしてきたのは私は初めてだと思いますから、これも大きな今回の見直しの要因になっているのが二点目にあると思うんです。

 三点目には、野田政権の外交、一つはF35の購入を決断したこと、そして牛肉の問題を解決したこと、武器輸出三原則の緩和を行ったこと、南スーダンのPKOの自衛隊の派遣を決めたこと、私は反対ですけれどもTPPの決断をしたこと、これはアメリカにとっては、チーム野田とは組めるぞ、この内閣と話をしていって沖縄問題も解決していける、そういうふうな思いになったから、私は今回のアメリカ側の柔軟な決断はあったと思うんですね。

 そして四つ目には、国内問題ですけれども、自衛隊のF15の那覇基地への配備だとか、陸上自衛隊が旅団化されるとか、防衛大綱で島嶼防衛が行われるとか、こういうふうな安全保障問題に関してもしっかりと日本政府で取り組む姿勢が見えたというのは四点目に大きなことです。

 五点目には、沖縄振興開発計画、あした閣議決定されるはずですけれども、税制も予算も私は非常にすばらしい振興開発計画ができたというふうに思うんです。

 こういうふうに、今までの、沖縄側と駆け引きをするんじゃなくて、もう先に沖縄側の思いを酌んで振興策もやる、こういうふうな五点が重なり合って、今回のアメリカの柔軟な普天間の対応を私は野田政権が引き出したというふうに思うんです。オバマ大統領と野田総理の信頼関係が着実にでき上がってきた。だから、こういうふうな外交の変化が出てきたというふうに私は思うんです。

 それで、野田総理、僕は一つだけ、こういう信頼関係を深化させながら、お願いしたいのが、オバマ大統領に対して提案をしてもらいたい。

 一つは、もう十六年間、普天間は動かないんですけれども、辺野古移設は動かないんですけれども、先ほどから申し上げたように、辺野古を断念することが普天間の固定化を解除する、その大きな要因になるので、一回普天間を断念して、新たな協議を始めて、どうしたら普天間の危険の除去をできるか、野田総理からそういうふうな提案をして、新しい仕組みをつくる。(発言する者あり)辺野古を断念するんです。そのことから新しい仕組みをつくるということを未来に向かってやってもらいたいというのが一点。

 それと二点目には、この米軍基地の過重な負担、それと一緒に日米地位協定、沖縄にとっては非常に差別感のあるこの条件である。これは、五十二年間、日米安保が一九六〇年に結ばれてから五十二年間、この日米地位協定が運用のみで解決を図るというのは私は限界があると思うんです。だから、そういう意味でも、この日米地位協定に関しても、運用ではなくて、沖縄の復帰四十周年、それに合わせて、私は、日米間でもう一回抜本的に日米地位協定の協議を行う、一年かけてもいいですよ、二年かけてもいいです、とにかく協議を行うということを、野田総理、ぜひこれをオバマ大統領に提案してやってもらえないだろうか。

 私は、十六年間の辺野古問題に決着をつけることと、断念をして新たな道筋をつけることと、日米地位協定に対して、両国で協議機関をつくって、一方的に押しつけられた日米地位協定から両方で合意した日米地位協定に変えていく、そういうふうなことを総理がおやりになると、今までの総理大臣、一番、沖縄からすれば、復帰をやった佐藤栄作先生、それに、この普天間の移設を考えた橋本総理、そして沖縄にサミットを持ってきた小渕総理、多くの決断が必要だったと思います。そして、沖縄の振興の神様だと言われております山中貞則先生。こういうふうに、沖縄に心血を注いで沖縄問題をやってきた。しかし、この二つはなかなかできなかった。

 野田総理、これに日本の総理大臣が本気で取り組んでいる、その姿を私は沖縄県民に見せてもらいたい。できるかできないかは、それは交渉だからやってみなきゃいけない。今は、やることが大事だと思いますから、そのことを野田総理、野田総理からお願いします。だめだめ、野田総理。時間がないから。

中井委員長 お座りください。野田総理の前に、パッケージ云々の問題……(下地委員「いや、だめだめ、時間がないからいい、委員長」と呼ぶ)パッケージ云々の……(下地委員「だめです、私は野田総理と言っているんです」と呼ぶ)だめです、座ってください。(下地委員「だめです。だめだめ。野田総理から」と呼ぶ)だめ、下地さん。パッケージの問題だけは大事です。(下地委員「だめだめ。パッケージは聞かなくていい」と呼ぶ)だめです、座ってください。座ってください。(下地委員「だめです。だめですと言っているのに。いや、それだったら、僕やめますよ」と呼ぶ)パッケージの問題だけはやはり外務大臣に。(下地委員「いやいや、総理にお願いしたいと僕は言っているんだ、質問者が」と呼ぶ)あなたのパッケージの問題はちょっと……(下地委員「いいから、パッケージはおろしましたから」と呼ぶ)さっきの質疑だとちょっと違うんだ。(下地委員「もうだめです、もういいから。とにかく、野田総理と言っているんですから」と呼ぶ)

 それでは、まあせっかく。

 あなた、委員長の指示に従わないというのはだめですよ。時間配分も全部対応しているんですから。

 野田総理。

野田内閣総理大臣 全体的に非常に肯定的に評価をしていただいていること、大変感謝を申し上げます。大変ありがとうございます。

 その上で、ポイントとして、辺野古を諦めろという御指摘がございました。ただし、きのうも日米で共同で合意文書というか基本方針を声明として発表いたしましたけれども、日米が、辺野古移設を唯一実行可能な案という形で現行計画を評価して、それを踏まえながらの今回の今後の協議であるということは、ぜひちょっと御理解をいただきたいと思うんです。

 その上で、普天間の固定化はもちろんこれは避けなければなりません。普天間の固定化を避けるためにも、沖縄の早期の負担軽減に向けた具体的な取り組みが今回いろいろと出てまいりました。そのことをもって固定化にならないように、そういう環境整備をしていきたいというふうに思いますので、この姿勢はぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

 それから、日米地位協定の見直しについて協議機関を設けたらどうか、これはかねてから私は下地さんからそういう御提起をいただいております。沖縄の実情をよくわかって、地位協定の中身も一番おわかりの方からの御提起なので、よく検討させていただきたいと思います。ただし、これまでも地位協定の運用改善は、外務大臣を中心に、軍属の問題を含めて前進があることもぜひ御評価をいただきながら、全体的な結果がどうなるかは別として、協議機関をつくることが大事だということが下地幹事長の御提起だと思いますので、よく検討させていただきたいというふうに思います。

中井委員長 あなたはきちっと人の指示に従わなきゃだめですよ。それだけ申し上げておきます。

下地委員 この沖縄の基地問題を考えるときに、沖縄の基地の負担軽減だけでやってもバランスは整いませんね。間違いなく、これは安全保障のバランスがなきゃだめなんです。だから、今パネルに示していますように、アメリカ側の考え方というのは、大規模な基地を沖縄に置いて抑止力を高めるというような考え方から、動的抑止力みたいに、フィリピンを使う、グアムを使う、そして韓国で訓練をする、日本国内においても訓練をする、こういうふうなことをしっかりとやりながら、動的抑止力、巡回型の訓練を共同でやっていくことによって抑止力を高める、そういう方向にアメリカ側も変わっているんです。

 二〇〇一年に私がグアムに行ったときに知事に会いましたら、ギテレスという知事、二千五百人受け入れてもいい。アロヨ大統領も、一人の兵隊が六カ月だったらこれは駐留と認めないから、沖縄でやっている訓練を受け入れてもいい。

 私が今こういうふうに辺野古を諦めたらどうですかと言うことで本当に抑止力が落ちるんだったら、私は言いません。しかし、こういう方向に日米の、海兵隊の動きが変わってくれば、沖縄で大規模な基地を持つことは、決してもう、抑止力をつくる、そういうふうなものにはなっていないんです。

 だから、そういうふうな観点も踏まえて、私は、堂々とアメリカと交渉して提案できる、先ほど総理に申し上げたように、この抑止力というのを新たなシステムによって構築できるような、そういう状況になっているということを、ぜひ総理、御理解いただきたいと思います。

 私の今の説明を踏まえて、もう一度、辺野古の問題についてお話をしていただきたいと思います。

玄葉国務大臣 まず、沖縄のことを十分御存じの下地委員から、三つのパッケージを切り離すということについて大変御評価をいただいたことについて、大変心強く思っています。沖縄の負担軽減を先行させていくという考え方で進めていきたいというふうに考えております。その上で、おっしゃるとおり、抑止力というものを維持、できれば向上させながら、沖縄の負担を軽減させていくということが大切だと思います。

 今おっしゃったのは、米海兵隊の太平洋プレゼンスというこの資料などを見ても、新しい国防戦略指針をまた見ても、いわばアメリカは、アジア太平洋重視、しかし一方で、規模は全体としては縮小して、装備品のいわば性能を向上させることなどによって補っていく、こういうことだろうというふうに思います。その中で、前方展開して、ローテーションをする。

 私は、今回沖縄に海兵隊一万人をきちっと残すというのは、やはり抑止力の観点から必要だというふうに考えています。それは、もう釈迦に説法なので余り長々とは言いませんけれども、やはり沖縄の地理的な優位性、東アジアにほぼ近い、まさに等しい地域にある。そして、これももう釈迦に説法ですけれども、普天間ヘリ部隊ですけれども、飛行場だけ移せばいいという問題じゃない。シュワブの陸上部隊、そしてロジの部隊、全て統合運用で成り立っているということを考え、また、海兵隊の機動性、即応性、そういったものを考えると、適正な規模が沖縄に存在をしているというのは、やはり抑止力の観点から私は必要だというふうに考えております。

下地委員 外務大臣、私は、一万人の兵力を沖縄から削減しろとは言っていないんです。一万人は残して結構です、兵舎もあります、キャンプ瑞慶覧、キャンプ桑江、全部あるんです。そういうふうに、一万人の兵力はあったにしても、こういうふうな巡回型の訓練、動的な抑止力を使えば、大規模な基地は沖縄に存在しなくてもアジアにおける抑止力は高められるのではないですか、そのことについてしっかりと外交交渉してくださいというふうに言っているんです。

玄葉国務大臣 いわば、今、部隊のローテーションなどがこれまでよりも頻繁に行われるような、そういう形式になってきているので、もっと柔軟に考えろ、こういうお話だというふうに思います。

 私は、抑止力というのは、まさに、部隊がどこにどれだけ配置されるかということがまず一つあると思います。これは、アメリカが戦略的合理性を持って検討し、かつ我が国も我が国の安全保障に資するように協議をしていくということが大切であると同時に、ローテーションあるいは配置だけではなくて、私は、これから申し上げることが大変大きいと思うんですけれども、今回のパッケージの切り離しで、日米同盟の中で、いわば宇宙とかサイバーとか計画検討とかRMC、ロールズ、ミッションズ、ケーパビリティーズとか、あるいは情報の保全、ミサイル防衛、こういったものを本格的に日米でしっかり責任の共有というものができるようになってくる。自衛隊と米軍の役割分担も含めて、より本格的な協議ができるようになってくるということは、実はこの三つのパッケージの切り離しの本質だというふうに私は考えていまして、そういう議論が非常にしやすくなる。

 そういう意味で、ぜひ、先ほど私が申し上げたことには御理解をいただきながら、またさまざまな御提案をいただければというふうに考えております。

下地委員 これは、もう一度申し上げますけれども、もうこれ以上論議しませんけれども、新たなシステムをつくる、しっかりとそれはできます。それと同時に、日本の自衛隊が、政権がかわってから島嶼防衛を大綱で決めた、そういうふうな日本の自主防衛に対する考え方がアメリカの中にもしっかりと理解をされている。

 こういうふうなことを考えて外交交渉すれば、沖縄の負担軽減もできるし、今大臣がおっしゃったような新たなサイバーテロとその他の情報管理、そういうふうなものを全部認識して入れていけば、十二分に交渉の舞台の中で、私は、辺野古をつくらなくても抑止力ができるという考え方を持っている、そのことを申し上げて、ぜひ交渉してもらいたいということを申し上げたいと思います。

 三点目ですけれども、昨年の九月に総理が所信表明したときに、国民の安全を確保すべく、平時からいかなる危機にも迅速に対応する体制をつくることは、国として当然果たすべき責務である、こういうふうな就任のときの挨拶をなされましたけれども、そのときの大綱の中にも、平素からこういう体制をしっかりと行う、こういうことをやっていかなければいけない、各事態に合ったシミュレーションをやることが、総合演習することが私は非常に大事だというふうに思うんです。

 このパネルを見ておわかりのように、総理大臣が決めなければいけない自衛隊の行動、防衛出動とか治安出動とか、これは非常に国家の危機の段階で総理みずからが最終的に決断をしなければいけない要因なんです。これは、防衛大臣が言おうと、官房長官が言おうと、最後の決断は総理自身が決断をすることになっているんです。

 そういうふうなことを考えると、今の総合防災訓練は総理大臣が出てやっておりますけれども、この中でこういうふうなシミュレーションを行う。そして、各省庁が全部参加しての、総理が決断するに当たってのさまざまなシミュレーションを、各省庁が出て、年に一回、防衛大綱に載っているように訓練をする、総理の判断の訓練をする、状況の客観的な判断をする訓練を行うようなことを、総理、行うべきじゃないかと私は思うんですけれども、そのことについて総理の御見解をお聞きしたい。

野田内閣総理大臣 政府では、緊急事態の発生時における意思決定のあり方を確認するとともに、地方公共団体とかあるいは関係機関との連携確保などを図るため、毎年度、各種事態を想定した訓練を実施しています。

 例えば、ことしの一月に長崎県において実施した国民保護共同実動訓練では、政府、そして地元県、市、実施機関などが参加をして、空港におけるテロを想定した訓練を実施いたしました。同じく一月には、防衛省・自衛隊が米軍と主催した日米共同統合演習に内閣官房や外務省等の関係機関も初めて参加をしたところでございます。

 今後も、今後といいますか、防衛大綱にそもそも「各種事態のシミュレーションや総合的な訓練・演習を平素から実施する」とされていることも踏まえまして、しっかりと実勢に即した訓練、演習を精力的に行っていきたいと思います。

 そこで、例えば一月の長崎における訓練でありますが、これは官房長官が参加をしたほか、現地対策本部には官房副長官も派遣するなどしました。私が出るかどうかということでございますが、各種訓練にこういう形で政務三役が参加をしておりますけれども、訓練内容の充実に、私の参加も含めて、鋭意努めていきたいというふうに考えております。

下地委員 官房長官が出られる、副長官が現場に行かれると聞かせていただきましたけれども、最終的にこういうふうなものは、横の方から合議制であるという話がありますけれども、合議制でありますけれども最終的な印鑑を押すのは総理大臣であります。そういうふうに内閣総理大臣が印鑑を押す以上は、さまざまなシミュレーションに対応できるような、防災訓練と同じような、私は、現場に総理大臣がいて、さまざまに意見を聞く、こういうふうなことをやることが必要だというふうに思っておりますから、そのことについては、ぜひ総理の方で、みずからその会に出て、指令をするというようなことをやっていただきたいというふうに思っております。

 最後になりますけれども、この前、一月の十九日から一月の二十日まで、サンディエゴに行ってオスプレーに乗ってきました。オスプレーは沖縄においては非常に厳しい評価をいただいているんです。しかし、米軍は、ことしの十二月末にはオスプレーを配備したいというようなことであります。もう米軍がこういう配備をするということを決めている以上は、私は、こうやって疑問や不信がいっぱいある中で、このオスプレーというものはどういうふうな飛行機なのか、どういうふうな問題点があるのか、言っているような批判が正しいのか、全部を見てみる必要があると思って、行ってまいりました。

 この十年間、オスプレーの人身事故はないというような説明でありました。二月いっぱいでオスプレーが環境に及ぼす影響についてしっかりとアメリカ側も資料を出すということでありました。そういうふうに理解を得るための努力を進めていかれるということについては、私は、アメリカ側の説明は十分に理解はさせていただきます。

 ただ、それだけでは、この配備をそのまますぐに沖縄側にやるというのはなかなか感情的に難しい部分があるな。オバマ大統領もオスプレーに乗られた、国防大臣も乗られたという話でありますけれども、このオスプレーを十月か十二月か配備するに当たって、今そのままに、環境評価や技術的なものだけで沖縄に持っていって配備するというのには、私は無理がある。

 そういう意味でも、一回、広大な敷地を持つ本土の施設の中でオスプレーの訓練をして、総理もお乗りになる、防衛大臣もお乗りになる、外務大臣もお乗りになる、そういうふうにして、やはり信頼、そういうふうなものを高めてから沖縄の配備をするという、さまざまな段取りをしていかないと、そのまま普天間に配備というのでは、少し、私は沖縄側の理解は得られないんではないかと思うんです。

 そういうところはぜひ丁寧にやってもらいたいと思いますので、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

玄葉国務大臣 オスプレーMV22については、本年遅くにという米国側の状況であるということはおっしゃったとおり、つまりは、昨年六月に、本年遅くから配備をするんだという計画を発表している。ただ、配備のスケジュールそのものについては、これは米軍の運用にかかわる事項でありますので、米側において決定されるものと承知しておりますが、今おっしゃったことは私は検討していかなければならないのではないかという思いがございます。

 つまりは、いろいろな方々が、今試乗するというふうにおっしゃいましたけれども、そういったことも含めて、そして当然、丁寧に情報提供しながら、沖縄の皆様の不安を払拭するための取り組みというものを行っていくということは大切な提案であるというふうに考えております。

下地委員 そういう意味でも、こういうふうに沖縄側が疑問を持っていること、先ほど申し上げた普天間の問題、そして地位協定の問題、今のオスプレーの問題、丁寧にやっていくことが大事だと思いますから、そのことをお願いして、質問を終わらせていただきます。

 委員長、ありがとうございました。

中井委員長 これにて下地君の質疑は終了いたしました。

 次に、松木けんこう君。

松木委員 新党大地・真民主の松木けんこうと申します。

 小さな政党で衆議院に三人しかいないんですけれども、きょうは、初めて、十分の時間をいただきました。そして、下地さんが今三分ぐらい早く終わっていただいて、本当にありがたいな、きょうは五十四分でNHKの放送が終了だそうでございますので、本当にありがとうございます。そして、委員長さん、本当にありがとうございました。そして、与野党の理事の皆さん、委員の皆さん、皆さんにお礼を申し上げたいというふうに思います。

 それでは、質問させていただきたいと思います。

 二〇〇九年のマニフェストに、「「戸別所得補償制度」の創設により、農業を再生し、食料自給率を向上させます。」こういうふうに実は明記してあるんですね。そして、二〇一〇年の三月三十日に食料・農業・農村基本計画というものを閣議決定されているわけですね。そして、ここで、四一%の自給率を十年ぐらいかけて五〇%に上げていこう、こういうこともうたっておりまして、もう一つは、大きな問題として、経済力さえあれば自由に食料が輸入できるという気持ちはもう捨てようじゃないか、こういうことがこの基本計画の中に書いてあります。

 要するに、世界の人口も七十億を超えてきた、そして、地球温暖化の問題だとかあるいは天候不順だとかいろいろな問題がある中で、国際マーケットに食というものをそのまま預けていいのか、そうじゃないよね、こういう気持ちもあったと思いますね。その中で、せめてまずは半分ぐらい、自分たちで食べるものを確保していこうじゃないかということがこの政策の中には思想として入っているというふうに私は思っているわけでございまして、食の安全保障というふうにも言えるかと思っております。

 それでは、非常に私はこれはいい政策だというふうに思っておりますけれども、もちろんこれがいわゆる農業再生の一丁目一番地だというふうに思っておりますけれども、これからも、これはいい政策ですので、推し進めていこうというふうに総理はお考えなんでしょうか。

野田内閣総理大臣 基本的には、マニフェストの中で打ち出した柱の一つであり、むしろこれは農業者の皆様を含めて基本的には評価をしていただいているものと承知をしておりますので、後で農水大臣から補足があるかもしれませんけれども、食と農林漁業再生に向けて、基本方針と行動計画を実現していく中でも、やはりこれはしっかりと位置づけていくべきものだというふうに思っております。

松木委員 であれば、今総理が、TPPという一つの政策というか、そういうことを推し進めようというお考えがどうもあるようでございますけれども、TPPを導入するというか、そういうことをするとしたら、何も国内政策を打たなかったら四〇%の自給率は多分一三%ぐらいに落ちてしまうだろう、そういう指標もあります。もちろん何もやらないということは私はないと思いますね。

 ですから、ここまで落ちることはないにしても、どちらにしても、自給率を向上させるというのが一つの目標のはずだったですよね、戸別所得補償制度というのは。それから考えると、どうもこのTPPということを、もちろんTPPというのはいいこともあるんだと思います、いろいろなことがあると思います。ただ、農業のことに関して言えば、どうも民主党さんの政策と反対の結果を生むんじゃないかというふうに私は考えているんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。

鹿野国務大臣 基本的には、TPPにつきましてどうするかということについては、これから情報をしっかりと把握して、そして国民の皆さん方にも提示をして、そして議論をしていただいて判断するということでございます。

 基本的に、この食料自給率というふうな問題は、長年の間にわたっても取り組んでいかなきゃならない大変重要なテーマでございます。そういう中で、戸別所得補償制度というものをこれからも維持していく、それから、六次産業化をこれからもさらに地域社会に定着させていく等々、複合的な一つの施策によって、何とか五〇%の自給率に持っていきたいというのが基本的な考え方でございます。

松木委員 よくわかりました。

 ただ、どこをどう考えても、関税をなくしてやっていくということになれば、土地利用型の農業なんかは特に厳しいことになると思うんです。これはやはり何らかのことも考えていただかなきゃいけないし、それと、やはりどう考えても我々の、まあ私はその当時民主党だったですからね。今は除名されちゃって、はぐれ鳥みたくなっていますけれども。

 いずれにしましても、どうもやはり違うんですよね、方向性が。上げようと思ったんですよね、自給率も。そうですよね。民主党は、戸別所得補償政策を使って自給率も上げようよ、半分は何とかしようよ、こういうふうに思ったんですよね。であれば、どうしてもTPPというのは、誰にどう聞いても、自給率は上がるという話にはならないと思いますね、こういう話が多いんです。

 お考えを変えた方がいいと思うんですよね。どうでしょう、総理。

古川国務大臣 マニフェストの中で、委員おっしゃったように、農業を再生していかなきゃいけない、自給率を上げる、同時に、やはり高いレベルの経済連携を目指していこう、アジアの成長を取り込んでいかなきゃいけない、そうしたことは、これも一緒になってマニフェストでも述べていることであります。

 そういった意味で、高いレベルの経済連携を目指していく、もちろん、それと、食と農林水産業の再生、これは両立して両方やっていかなければいけない問題だというふうに考えております。

松木委員 言葉で言えば両立ということになるのかもしれませんけれども、なかなかそれは厳しいと私は思いますね。

 であれば、他産業、いろいろな産業がありますけれども、食というのはかなり安全保障的なものもありますよね。そして、食べるということはやめることはできないんですよ。そこをもうちょっと重く考えていただきたいなというふうに思いますけれども、どうでしょうか。

野田内閣総理大臣 そういう課題があることも含めて、党内において、ちょうどお隣にいる鉢呂筆頭がこのプロジェクトチームの座長でございました。何十回と議論し、何十時間と議論をしながら、そして、最終的に私に判断を預けていただきましたけれども、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るという結論を出しました。

 入ってくる情報についてはきちっと国民の皆様に御説明をし、あくまで国益の視点に立って結論を出すというプロセスをたどっているということでございます。

松木委員 最後は国益というお話をされました。国益に従って、特に農業分野というのは国益に直結しているものだと私は思っていますので、ぜひ大切にしていただきたいというふうに思います。

 そして、二〇〇九年の夏の選挙のときかその前に、総理が街頭演説をやっているのがユーチューブか何かに流れていまして、そこでマニフェスト以外はやらないとまで言われているんですけれども、これはマニフェストは守る、やるんだという意味に私は理解しています。

 そうであれば、例えば八ツ場ダムというのがありますよね。マニフェストを見ると、中止すると書いてあるんですよね。しかも、名指しなんですよ、八ツ場ダムといって。

 これは、私思うんですけれども、立場によっていい悪いはいろいろとあると思うんです。でも、政治家が決断するしかないというふうに私は思います。これは何でこんなふうになっちゃったのかな。やはりもう一度マニフェストの原点に僕は戻っていただきたい、そして、いろいろなことをどんどんどんどん推し進めていただきたいというふうに思いますけれども、総理はいかがですか。

前田国務大臣 総理もお答えになると思いますが、担務としてお答え申し上げます。

 マニフェストとの関係でいいますと、八ツ場ダムは、あのときに、なるべくコンクリートから人へという一つのシンボルになっていまして、公共事業を削減しております。既に政府全体で、公共事業費、来年度、二十四年度予算まで含めますと二・五兆円の削減をしております。そういう意味では、その方向性。そして、ダムに頼らない治水ということについても、それを希求してやっているところでございます。

 ただし、首都圏の安全ということについては、一言で言えば、タイのようなことにしてはならないという、その一点でございます。

中井委員長 これにて松木君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。石原伸晃君。

石原(伸)委員 自民党の石原伸晃です。無所属の会とあわせて、代表して質問をさせていただきたいと思います。

 冒頭、総理、昨日から大変、北日本、日本海側が豪雪で、これまでにもかなりの雪が降りまして、多くの方々が亡くなられる。多分、これは二〇〇六年の大豪雪以来だと思います。雪国の方々にお見舞いを申し上げるとともに、ぜひ、雪おろしあるいは排除で市、町、村の予算も枯渇してきておりますので、万全の体制で臨むようにお願いを申し上げます。決意をお願いいたします。

野田内閣総理大臣 石原委員御指摘のとおり、きのうまでの段階で、既に大雪によって八十三名の方がとうとい命を失われております。改めて御冥福をお祈りするとともに、被災をされている皆さん、御苦労されている皆様にお見舞い申し上げたいと思います。

 その上で、御指摘のとおり、政府としての対策が必要だと思います。二月の初めに、大雪に対する、雪害に対する関係閣僚の会議を行って、関係閣僚が本当に緊張感を持って対応するように指示をいたしました。特に、御指摘の財政面の、それが支障になって雪害対策ができないということはあってはならないと思いますので、特別交付税の措置であるとか、場合によっては予備費の対応を含めて万全を期していく決意でございます。

石原(伸)委員 総理も触れられたように、亡くなられた方もかなり多くなってきておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 さて、きょうの株式市場、前場の終わり値は八千九百六十五円。これも、ちょうど総理が八月三十日に就任されたときより十円ぐらい高い数字でございます。円相場の方は七十七円十五銭程度。これは大体二十銭ぐらい円安に振れております。野田総理が就任された水準とほぼ同じわけであります。これは何も変わっていないということですよね。

 総理は、午前中の質疑の中で、名目三%の経済成長を目指す、こういうことを言われているわけですけれども、すなわち、これまでは経済対策も、あるいは円高対策も大きな成果が出ていないことだと思います。

 あわせて、同じように遅々として進んでいないのは、私は復興だと思います。三月十一日の発災以来十一カ月、一年近くたとうとしているんですけれども、復興のスピードというものは大変遅いような気がします。

 今週になりまして、私の東北の友人であります鈴木俊一さんや根本匠さんから何度も電話があって、自分たちにも、何とかしてくれ、いろいろな方から言われる。何も進んじゃいないんではないか。これは、地元の生活している方々にとっては悲鳴だ、こんな電話をいただきました。

 もちろん、瓦れきは町からは消えましたけれども、仮置き場に山積みになっています。最終処分は本当にまだまだ先であります。新しい町の建設も当然進んでいません。あるいは、被害を受けた防波堤、防潮堤も全く進んでいない。

 ちょっとパネルを見ていただきたいんですが、これは、宮城県の稲わらのロールであります。栗原市です。これは記憶に新しいと思うんですけれども、表にあって、その周りで子供さんが遊んでいて、測定したらかなりの放射性物質を含んでいたと。こういうものが、まだ県内だけでも四万八千ロール放置されている。

 これは放射性物質でありますが、瓦れきの問題は、きょう午前中、前原委員からいろいろ議論があったところであります。東京都でも、宮古ですか、こちらの瓦れきの処理に協力をさせていただいておりますが、前原委員の指摘のとおり、まだまだ各自治体の協力というのは滞っているんじゃないでしょうか。政府がやはり各自治体に、防災大臣が、きょうはまだ就任されていないんですか、これからですか、就任されるわけですから、出歩いて、どうするのか、しっかりとやっていただきたいと思います。

 そして問題は、燃やせば高濃度の放射性物質を含んだ灰が出る、これを一体どこに当面置くか。中間処理を行う場所をどこにつくるかということをやはり決めなきゃいけませんよ、時の政府が一日も早く。

 そこで、総理にお聞かせ願いたいんですけれども、視察は大切です。視察に行って話を聞く。いい意見がきょう午前中も出ていた。それをやるか、やらないか。結果責任。どう現実が変わったかということを、今、被災された方々は政府に求めております。複合的な要因だと思いますけれども、なぜこういうものが進まないのか、その原因について総理の見解をただしたいと思います。

野田内閣総理大臣 昨年の三月十一日の東日本大震災発災以来、きのう御協力をいただいて成立させていただいた四次補正予算まで、過去四回の補正予算において復旧復興に向けての取り組みを強めてまいりました。ライフラインの復旧、仮設住宅の建設、瓦れきの撤去等々さまざまな取り組みを行い、そして、政府挙げてまさに復旧復興に力を尽くしているところでございますが、石原委員も御指摘ございましたけれども、なお遅い、あるいはまた行き届いていないという声を頂戴していることも、これは真摯に受けとめなければいけないというふうに思います。

 そのためにも、今般、復興交付金であるとか復興特区、さらにはあしたから復興庁が発足をいたします。こういうものを制度としてつくりましたので、それらをフル回転して復興に向けての作業というものを加速していきたいというふうに考えております。

平野(達)国務大臣 今総理からお答えしたとおりですが、若干補足させていただきますと、例えば、先ほど委員からの御指摘があったように、海岸の堤防の復旧はまだだという御指摘も受けました。

 実は、本格復旧、先週から始まっております。しかし、その間に至るまで、今回の復旧は普通の復旧と違います。災害復旧というのは、もとの、壊れた以前の状況に戻すものを復旧といいますが、今回の場合は、大きな津波が来て、例えば堤防が壊れている。次の災害を想定してどのような堤防をつくるべきか。これは専門家の意見も聞いて、ある程度の時間をかけて議論しました。その議論を踏まえた上での構造決定をして、高さも決定して、これから本格的な復旧に入るということであります。

 原子力災害、これは細野大臣が今先頭に立ってさまざま苦労されておりますが、今までの未体験分野がたくさんあります。そういったことに対して、専門家の意見も聞きながら必要な対策を立てている。

 これからまだまだ解決しなければならない問題がございますけれども、先ほど総理がおっしゃいましたけれども、復興庁もできました、現地の体制もしっかりします。それから、専門家の意見等々も聞きながら、一日も早い復旧に全力を尽くしたいというふうに思います。

石原(伸)委員 言葉は非常にいいんですよ。私が申しているのは、さっき言ったように、中間施設をどこにつくるということを決める、決断する。政治の決断がないからおくれている部分がある。

 私たちはこれまで、震災に対しては、菅内閣、そして野田内閣、全面的に協力してきましたし、これからも全面的に協力いたします。しかし、それ以外の政策は、きょうは二十四年度予算案の審議ですから、全て皆さん方と一緒というわけじゃありません。

 平野大臣が今度就任される、初代の長官、この法律も私たちがつくった法律ですよ。基本法も私たちの案ですよ。議員立法も十一本主導した。これからもこの点はやりますけれども、そうでないところ、きょうは、後で話そうと思っていたんだけれども、総理が不退転の決意だと。前原さんが聞いて、もう少し議論があるのかなと思ったら、税と社会保障の一体改革、与党の皆さん方は余り議論しませんな。ほとんど議論がなかった。在日米軍の再編、これは下地さんが一つおもしろい提案をしていた。私は、こういう大きなテーマを進めるにはやはり安定した政治体制というのは必要だと思いますよ。

 総理も半年近くやっていて、大変だったと思います。党内も大変だ、野党もいろいろなことを言う。総理、こういうものを本当に腹を割って、実現していくためにはどうしたらいいと思いますか。

野田内閣総理大臣 あの震災からの復旧復興あるいは原発事故の対応を含めて、御党も含めてさまざまな御提言をいただきながら、去年からずっと、まさに国益を考えて、一緒に知恵を出して、そして結果を出そうと努力をしてまいりました。

 同じように、やはりこの国の将来を考えたときに避けて通れないテーマについては、今御指摘のあったとおり、腹を割って話し合って、まさに大局に立った議論をお互いに行っていく、そして結論を出して、先送りをしないという姿勢をお互いに共有することが大事ではないか。そのための環境整備は、政府・与党でしっかりとしていかなければいけないというふうに思います。

石原(伸)委員 今、大局に立って、腹を割って、そういうお話があった。やはり信頼関係ですよね。

 私と、前内閣のとき、岡田さんが幹事長のときには、震災という大きなものがありましたから、両方泥をかぶって、進めなきゃいけないことを進めてきました。しかし、これからは、二十四年度予算案という野田総理になって初めて政策を実現する、我々と対峙するところがたくさんあるわけです。そこで一番のネックは、皆さん方のマニフェストですよ。

 マニフェストでいろいろなことを約束して、最低保障年金、私もテレビで長妻さんとやったけれども、さも来年、すぐにでも全員七万円、高速道路も無料化、暫定税率もなくなって油も安くなりますよ、そういうことを言って政権をとられたということは事実だと思います。だから、きょうこの中にはいないのかな、小沢さんたちのグループは、約束したんだからやはりマニフェストのとおりやっていこうよ、そういう人たちは多分この中にもいらっしゃるんじゃないですか。やはりマニフェストの言うとおりだ、約束したんだから、今の議席があるからと。

 しかし、私たちはマニフェストには賛成できないわけですよ、違うことを言っていたわけだから。だが、皆さん方は、約束どおり、国民との契約だといって、そのとおりの政治を行う。これは一つの道でしょう。否定できない。しかし、そうすると、私たちの主張は永遠に交わりませんから、総理がおっしゃるとおり、腹を割って話しても、いや、政策が違いますな、そこで終わってしまう。

 であるならば、こういうことはできた、しかし、最低保障年金、四十年後か五十年後かわからないけれども、消費税も一七%か何十%になっちゃうから、医療とか介護とか少子化対策とか、そういうものを考えたら、これは当面できませんなと。抜本改革をやるからといって現行制度の修正というものに対して反対してきたけれども、これも間違いだった。はっきり間違いを認めて、間違いの部分を撤回する。つまり、けじめをしっかりつける、これが第二の道だと思いますが、総理はどっちの道を歩もうとされているんですか。

 一は、マニフェストを堅持、二は、非たるところを認め、撤回して、けじめをつける。どっちですか。

野田内閣総理大臣 午前中の審議でも申し上げたんですけれども、マニフェスト、政権をとったら何をやりたいということを具体的に示してお互いが戦うということは、私はこれからも必要だと思うんです。

 政権を預かる立場になったら、やはりそれを実現するために最大限努力をする。ただし、事故が起こったりとか、あるいは景気の動向でいろいろなことが起こったり、あと税収が落ち込んだり、いろいろなことが起こります。そんな中で優先順位を決めていくということがまず大事だ。ただし、マニフェストに書いてあることはできるだけ実行するという姿勢を持っていかなければいけませんし、任期中はこの姿勢を最後まで堅持していきたいと思います。

 その上で、マニフェストの選挙をまさに最終的に貫くものというのは、では、どれぐらいできたのか。それはもう検証の問題だと思います。一〇〇%できることはなかなか困難な状況です。では、やったものはどういうものができたのか、何を実施したのか、できなかったことはどういうことなのか、それはなぜなのかということを国民の皆様にお示ししながら、総合的に判断をしていただくというプロセスはたどらなければいけないと思っております。

石原(伸)委員 総合的に判断するというと、何を総合的に判断するかわからない。

 私が言っているのは基幹政策ですよ。個々のところで、これができた、これが至らなかった、それはいいですよ。検証もしましたよ。検証するということを岡田さんと私は約束した。しかし、かわっちゃったら、検証結果は何も報告ありませんな、野党の側に。

 私が申したいのは、そういう状態の中で、党内が一つにまとまらない。税と社会保障の一体改革、まとまっていない。こういうものに我々野党を利用して、野党をてこにして党内をまとめる。言葉をかえると、政府と野党で政策が一緒のところがあるから一緒にやるといったら、民主主義は終わりですよ。政府・与党ですよ。あなた方だよ。政府・与党でしっかりとやっていただきたいというのが、私の根本的な意見であります。皆さん方とは全く違っている。

 それでは、具体的に何が違うかということをこれから明らかにさせていただきたいと思います。

 在日米軍の再編について。

 昨日、日米両政府の基本方針というのが発表されました。このような我が国の防衛に関する重大な合意ですから、一度の協議で決まったとは誰も考えていない。玄葉大臣、どうせ議事録はないんでしょうけれども、一体、誰が、どの権限で、どういうことに基づいて協議して、こういう結果に至った、もちろんこれは途中経過だと思いますけれども、今後も含めて、ちょっとプロセスを国民の皆さん方に明らかにしてください。

玄葉国務大臣 プロセスを話し合ってくれということでございます。

 まず、現状は、公式な議論をこれから開始する、きのうは方向性について発表したということでございます。

 その方向性の議論はいつから誰がしていたのか、こういう問いだと思いますけれども、まず、もう御案内のとおり、不断に、日米間は緊密に協議をしています。その中で、私とクリントン国務長官も、いわば現状認識というところで一定の共有というものをさせていただきました。

 それはどういう現状認識かといえば、お互い事情というものを抱えている、めぐる状況というものがある。それは、日本は沖縄に対して、米国は米国議会に対して。そういう中で、この日米合意の基本的な構成要素というものを変えずに、進め方について知恵を出していこうではないかという議論になっていったということでございます。

 ただ、そのときは、まさに非公式な話でございます。まさに日米合意というものを全て前提にそのときは進めていましたが、さはさりながらということで、そういう議論を始めていった、こういう経緯でございます。

 もちろん、そういった議論をさせていただくときには野田総理の指示を仰いで、また節目節目において判断を仰ぎながら協議を進めてきた、こういうことでございます。

中井委員長 今後どうするのかという御質問。今後どういう話し合いをするのかと。

玄葉国務大臣 今後は、まさにきのうは方向性というものを出したということでございますから、これから公式の議論を精力的に行って、例えば部隊の構成の問題、部隊の構成というのは、つまりはいわゆる海兵隊の部隊展開のありようなども含めて、あるいは、そういったことにいわば比例してというか応じて、今後いろいろ我々も見直しを検討しなきゃいけないものが幾つか出てきますから、そういったことについてしっかり協議をしていくということでございます。

石原(伸)委員 せっかく委員長がこれからどうするかと質問してくれたのに、これから協議しますと答えられたら、何のことだかわかりませんな。

 今、私が非常に気になったのは、基本方針を決めたのは非公式な協議だった、それでこれから公式な協議をすると。何かTPPのときと似ていますよね。TPPに参加するということを決めたのかと思ったら、TPPに参加するための協議に参加することを決めたんだと。何か詭弁のように聞かれてならない。

 もちろん、それは総理が入っていなければ、こんな重大なこと、決められませんよ。しかも、日本の安全保障、これまでやってきた安全保障の方向を少し変えるわけですよ、我々がやってきたものと。大きく方向転換するのを、非公式にやっていた、これから公式だというのでは、国民の皆さん方も、沖縄の皆さん方も、私は納得しないと思う。

 それでは、具体的に聞きましょう。

 今回の合意によって、二〇〇九年、麻生政権ですな、在沖縄海兵隊のグアム移転に対する協定、これは当然修正されるんですよね。だとするならば、いつ新しい協定が結ばれて、国会にはいつ承認が諮られるのか。タイムスケジュールぐらいは聞かなきゃ、普天間の辺野古への移転が煮詰まっちゃって、どうしようもないからちょっと得点稼ぎをしようというふうに国民の方々からあらぬ疑念を持たれてもなりませんので、玄葉さん、そこをはっきり言ってください。

玄葉国務大臣 先ほど方向性を出したということを申し上げました。それは、抑止力を維持して沖縄の負担を軽減するという観点から、一定の柔軟性を持って議論をしてきました。結果として、沖縄の負担軽減を先行させる、三つのパッケージを外すという結論を出して、それが我々にとっては方向性だということでございます。

 今の御質問は、協定についてどうするんだ、こういうことでありますけれども、まさに、そういったことについてはこれから議論を当然いたします。つまり、先ほど前原政調会長からもお話がありましたけれども、公式な議論というのはそういう意味で使っているわけで、最終的にはどういう形になるかわかりませんが、2プラス2のような形になるんでしょう、恐らくは。つまりは、協議の結果、ロードマップというものの構成要素が部分的に変わってくるということになれば、そうすると、そのロードマップというのがきちっとできて、そしてそれに基づいて協定ということですから、これはどうしても数カ月間はかかるということできのうも申し上げたということでございます。

石原(伸)委員 ということは、数カ月ですから、今国会の終了あるいは秋になるかもしれないけれども、グアム協定の修正というものが国会に示され、私たちがその是非を判断するときが来る。そして、2プラス2、玄葉大臣と田中大臣が先方に赴くか、どこか途中のところで会って、防衛長官と、そして国務省の長官、ヒラリーさんですか、2プラス2をやって正式に調印をする、そういうタイムスケジュールで流れていくというふうに御理解をさせていただきました。

 では、具体的に聞きます。

 玄葉大臣、今回の合意によって、嘉手納以南、大きな五つの施設がありますね。桑江のところのあのタンクのあるタンク・ファームというんですか、それとキャンプ桑江。あるいは瑞慶覧、普天間基地のすぐ横のところですよね。それと、これが大きいと思うんだけれども、牧港のあの港のところ、それと那覇港の奥のところですね。これは全て返還されると考えてよろしいんですか。

玄葉国務大臣 石原幹事長が言われましたように、沖縄の負担軽減を先行させる、三つのパッケージを外したということは、いわば、嘉手納以南の土地の返還というものについても、結論だけ申し上げれば、可能なものから実施をしたいというふうに考えています。

 つまりは、例えば、今いる海兵隊の部隊、一万人を沖縄に残して、どのくらいの人数がどこに行くかということがこれからまさに決まってくるわけでございます。実際に、何が、どんな部隊が行くかということも、部隊構成の見直しも含めて協議されますので、そのことによって、どこがまさに返還対象になっていくのか。

 今おっしゃったとおり、牧港、キャンプ・キンザーなのか、瑞慶覧の一部のところなのか、あるいはキャンプ桑江なのか、陸軍貯油施設なのかとか、それぞれ決まってきますので、そこは今まだ明示的に申し上げることはできませんが、可能な限り、できるだけこの嘉手納の返還というものができるように協議をしたいというふうに考えております。

石原(伸)委員 玄葉さんは、さっきから割と正直に話してくれていますよね。やはりできるところからなんですよ。全部は一遍になんかできないんだ。なぜかといえば、普天間が移設しなかったら普天間への補給はそのまま残るわけだから。

 ただ、私が指摘しておきたいのは、長期にわたって普天間が固定して、全部返ってくると思っている沖縄の方も大勢いらっしゃる、そういうことにならないように、沖縄の方々の怒りをこれ以上増長することのないようにしっかりと交渉していただかないと全部返ってこない、そのことは言わせていただきます。

 それと、もう一点。これも前の質問で、どの部隊がどこに、どんな人たちが移るかも決まっていない。これは重要ですね。それによって抑止力が、抑止力は数じゃないから、あそこの南西諸島、我々の一番の中国との最前線ですな、そこに対しての抑止力が残るかというのは、どの部隊が残るかによって決まってくるわけですよ。ですから、抑止力がそのまま、安全だ、安全じゃないんだという議論はまだできないわけですな、そこが決まっていないから。

 ですから、そのことはこれからもう少し話を詰めていただいて、どういう海兵隊の部隊が、今いろいろな話が言われていますよね。司令部の機能といったって、何種類もあるわけですよ。全部が岩国にというオーダーが来ているわけじゃない。グアムにも司令機能を持っていく。病院もある、学校もある、いろいろな附帯施設があるわけですよ、海兵隊というのは家族と一緒にあそこにいますからね。そういうもの全体のパッケージで沖縄の皆さん方の負担を軽減する、そういう形にしていただかなければ沖縄の方が大変失望される、このことだけは言わせていただきます。

 さて、田中大臣、きのうも官邸に行かれていたようですけれども、重要な合意を結ぶプロセス、過程ですね、これは。防衛大臣としてどのようにかかわっていたのか、教えてください。

田中国務大臣 一月の十三日に防衛相に着任をいたしました。そのときには政策局長の西政策局長がアメリカに行っておりました。帰国いたしまして、引き続きの協議があるという話を報告を受けたところでございます。

 そして、今回、次長であります黒江政策局次長が渡米をいたしまして、そして外務省と一緒に今回の協議を、静かな協議から実際にはこの方針をスタートさせよう、こういうことが合意をされまして、帰国をし、我々に報告をし、そして昨日を迎えたところでございます。

 内容につきましては、昨日発表いたしました内容でございます。

石原(伸)委員 現場には、ワシントンでの協議には次長が行って、着任したときはもう局長から話を聞いていたと。これまでの国会の答弁でも、しっかりそういうふうに言われた方がいいと思いますよ。聞いていなかったとか、いろいろな行き違いがあったんだとは思いますけれども、防衛大臣、これから出番ですよ。

 なぜか。今回の合意を受けて、普天間基地の移設は防衛施設庁の主な仕事になるわけですよ。大臣の所管ですよ、あなたの仕事。そして、今度の基本方針の中に入っているでしょう、普天間を辺野古に移設するという方針は変わらないんだ、これは日米とも変わらないんだと。

 それは当然ですね。そもそも、この移転というのは、世界で一番危険な軍事施設と言われる普天間基地を、浦添、もう那覇のすぐ横ですよ、あの飛行場の現場を見に行けばわかる、あの高地に私も上がって見た、ヘリコプターでも周りを飛んだ、それを移設する。それにあわせて在日米軍の再編、そして嘉手納基地以南の基地を返してもらう、パッケージで。これを切ったわけだ、一と二と三を。

 だから、沖縄の人たちは、また各メディアも懸念しているのは、そうはいっても、鳩山さんが何か新聞で謝っている記事を見ましたよ、私が悪かったと。二年半前に、最低でも県外、そして菅政権になって、やっぱり自民党当時の二〇〇六年合意だ、辺野古だと言ったわけでしょう。固定化させないためにも、環境アセスを、大臣になられる前だったけれども、前の大臣が宅急便で防衛局に、那覇の県庁に送り届けた。これが終了したら、直ちに辺野古の埋立申請を当然行うんですよね、普天間の固定化は避けるわけだから。大臣、どうですか。

田中国務大臣 現在は、沖縄知事から環境評価書の回答をいただくことになっておりまして、仲井真知事の方から意見書が提出をされるところでございますので、それを受理いたしましたら次の手順に入っていくという状況でございます。

石原(伸)委員 県側の意見書というのは、意見書であります。日米の基本方針で辺野古に普天間を移すというものがある以上は、そのプロセスが終わったら埋立申請を行うというふうに理解をいたしましたが、それでいいですか。

田中国務大臣 そういう手順にはなっておりますが、残念ながら、沖縄県民の皆さん方の御理解、そしてまたこの問題に対する大変不安な御意見も、反対の意見もあるわけでございます。知事とは先般お目にかかりまして、これからしっかりと意見交換をし、先生が言われますように、この二年間大変迷走したと言われておるこの問題でありますが、何といっても、十六年の歳月を経てこの大きな問題が前進しない、こういうことについては、私は、何とか理解を得て解決の糸口をまず見つけたい、そんな思いで沖縄に伺って知事にお目にかかったわけでありますが、まだまだ理解を得ているということはございません。

 したがいまして、そう簡単に先に進められるということではありませんが、日米合意が大前提でございます。しっかりとこれを実行していかなければ世界の信頼は失墜するわけでありますので、私は、大事な問題として一歩一歩前進を図っていきたい、そんな思いで今いるところでございます。

石原(伸)委員 一歩一歩前進していってもらいたい。

 埋立申請しないということがどういうことかというのは、大臣、おわかりだと思いますけれども、普天間がそのまま残るということなんですよ。一歩一歩前進させるということは、辺野古に普天間基地を、日米の基本方針でもうたっているんだから、動かすということでしょう。そのために理解を得て埋立申請を行うと理解していいんですね、くどいようですけれども。

田中国務大臣 普天間飛行場の危険性が除去をされないまま固定化することは、絶対に避けなければいけないと思っております。当然、日米両政府は、普天間飛行場を辺野古に移設するとの方針は引き続き最善だと考えておるわけでありますから、この方針には変わりはございません。

 したがいまして、引き続き手続は進めるということは、間違いございません。

石原(伸)委員 あえて時間軸は詰めませんよ。埋立申請をすると理解をさせていただきました。

 するというと、玄葉大臣の答弁とも若干違うけれども、ぜひ、委員長、これは非常に重要な問題ですから、この問題に関して、集中審議で細かいところを詰めて、決まったことの報告を受けて、沖縄の皆さんの安心、これを獲得していこうではありませんか。委員長の御差配を願います。

中井委員長 理事会で十分協議いたします。

石原(伸)委員 そうすると、埋立申請は、時期が来たら行う。それによって、あそこが埋め立てられて、普天間が出ていく。どれだけかかるか、これはわからない。大臣は、一歩一歩と。一歩一歩がどのぐらいのスピードかによっても違ってくる。

 そうすると、今あそこの普天間飛行場を見に行けばわかるように、ランウエーのところが非常に波打っていたりするところがありますね。こういうものの修整、すなわち修理してくださいと。しかも、米軍の軍事予算、これから十年間で四千九百億ドル削減する。こんな決断、米軍史上初めてですね、オバマ政権に入って。した以上は、当然日本に、当面の間かもしれませんけれども、補修、日本の政府でやってくださいよと。来ていますか、そんな話は。

田中国務大臣 普天間の補修の話については一切来ておりません。

石原(伸)委員 それでは、これから議論の中でそのような要請が来たら、直ちに私たちにその事実を伝えてください。一歩一歩辺野古への移転を進めるということは、当面は普天間基地はそこにある。そして、そこを米海兵隊が使うという以上は、そこの安全性を高めなければならない。その要請というものは私は来ると思いますので、これだけはお願いを申し上げます。

 総理、ここに、きょうの毎日新聞の社説があります。今回の合意によってロードマップもグアム協定も大きく変貌する。これからの合意の詳細を詰めて新たな協定を結ぶ、極めて繊細で重要な作業が待っている。さらには、沖縄海兵隊のグアム移転と普天間の移設、さらに嘉手納以南の施設の返還というパッケージをやめた以上は、普天間が固定化する懸念が高まっているということは誰にも否定できない。そんなことが書いてあります。そんなこんなの状況の中で、普天間の移設を着実に進めるには、非常に困難な仕事だ。

 我々は、二〇一四年には普天間から辺野古に移設する、要するに普天間を返還する、そういうロードマップを二〇〇六年のときにつくって、一四年を長いと言うかもしれませんけれども、一歩一歩進んできた。実現が目の前に迫ったときに政権交代があった。そして、受け入れを容認していた名護の市長選挙、民主党の皆さん方は、移設反対派の方を応援しました。我々は、この二〇〇六年のロードマップに沿って、普天間の危険を除去するというのが最大の今回のテーマであるから、これを実現すべく、そちらの候補を応援したけれども、残念ながら、その方は落選をしてしまいました。

 こういうことを進めていく上で、責任者が、大臣、申しわけないんだけれども、田中防衛大臣で大丈夫かと社説が言っておるんです。私、こんな社説は余り見たことない。これから国の安全保障を、骨幹を大きく変えていく可能性のあることに対して、基本方針が合意された翌日に、大新聞の社説で、大臣、大丈夫ですか、こういうことを言われているわけですよ。

 急に就任されたから勉強の時間も短かったとは思いますけれども、ここで、テレビカメラに向かって、私が責任を持って環境アセスを推し進め、これが終わったら埋立申請を行って、一日も早く普天間は辺野古に移設しますと言ってください。

中井委員長 大丈夫かという点に関しては、藤村官房長官、答えてください。(石原(伸)委員「いやいや、決意をと言っているんです。決意を聞いている」と呼ぶ)決意は聞きますが、大丈夫かと言われたんですから。(石原(伸)委員「違う。これに書いてあると言っているだけ」と呼ぶ)藤村官房長官。(石原(伸)委員「何でだ。それじゃ、総理だろう。総理じゃないか」と呼ぶ)いや、ちゃんと答弁させます。

藤村国務大臣 委員長の御指名でございますので。

 田中防衛大臣には、全力を尽くしてこの問題に取り組んでいただけると考えております。

田中国務大臣 先ほど申し上げましたように、この普天間の移設の問題は本当に長年多くの諸先輩が御苦労をされたものでございます。また、ここ二年間、大変迷走をいたしました。しかし、我が国が約束をしたこの普天間問題でございますので、私は、何としてでも私の責任で、今言いましたように、一歩一歩、必ず何とか解決の糸口を見つけて、そしてまた、先般知事にもお目にかかりました。これからは沖縄の皆さん方にも接触をして、そして、この苦労を何とか私の手で少しでも解決の糸口を、当初から申し上げておりますから、何とか探し当てたい、こういう決意で臨んでおりますので、私に任せていただければ頑張ってまいることを、よろしくお願い申し上げます。

石原(伸)委員 総理、状況は日に日に変化をしておりますし、きのうの基本方針の決定で大きく変わったと思います。

 これまでの議論を通じて、嘉手納以南の基地も、普天間基地がそこにある限りは、全て、全部は返ってこない。そして、野田内閣として、田中大臣も、一歩一歩かもしれませんけれども、埋立申請も理解を得てやるし、そして基地を固定化させないというお話だったと思います。しかし、議論の中で、やはりすぐにはこれは無理だな、辺野古に行くのも無理だな、理解を得るのにも時間がかかるな、ある意味では、中期で見れば固定化されるんじゃないか、そんな懸念を沖縄の方は持たれたんだと私は思います。

 そこで、総理、やはりみずから沖縄に行かれて、これから集中審議も、中井委員長の御差配でやってもらえるでしょう。また、いろいろな動きもあるでしょう。こういうことを説明して、田中大臣とともども沖縄の方々の理解を得られる。これは民主党政権の責任ですよ、鳩山さんが非を認めたんだから。そして、田中大臣も、二年半迷走したと明確に言ったんだから。

 今、為政者は野田総理なのでありますから、環境が整えば行くよなんて言っているんじゃなくて、環境を整えるためにも、御自身で行かれて、御自身の言葉で直接説明すべきではないでしょうか。

野田内閣総理大臣 基本的には委員の御指摘のとおりだと思います。

 一つには、政権交代以降、県外移転を、その可能性を探っていろいろ時間を費やしました。この間に沖縄の皆様に御迷惑をかけたこと、あるいは、沖縄防衛局における、去年における局長の発言と沖縄県民の心を傷つけたこと等々、まず私が現地に行っておわびをしっかりしなければいけないと思います。

 加えて、今進展しつつある日米の協議、これは普天間の固定化につながってはいけないということは御指摘のとおりでございます。抑止力を維持しながら早期に沖縄の負担軽減を図っていくことが、むしろ固定化につながらないことに資するような交渉をしていかなければなりません。そういう決意と見通しも含めて、あるいは沖縄振興についての二法案についても、あした閣議決定する予定でございます。そういうことも全て含めて知事も含めて沖縄の皆様に御説明をする機会を早急につくりたいというふうに考えております。

石原(伸)委員 早急に、やはり春になる前に、これだけ大きな変化があったんだから、やるというふうに理解をさせていただきました。

 しかし、総理もお認めになったように、最低でも県外と言っていた方が、いつの間にか、現行案しかないな、ごめんなさいと謝って、それによって沖縄県民の皆さん方の心を踏みにじった。これを癒やすことができるのは総理の言葉、総理の誠意だけだと思います。

 そして、今回の基本方針にしても、行き詰まったので、こそこそ事態を打開するためにアメリカで協議していて、今、田中大臣の答弁を聞いていてわかったように、埋立申請、いつできるかもわからない。理解を得る。それによって、確固たる見通しもないままロードマップを変更して、普天間基地はしばらくの間は普天間基地で存在する。そういうことでは、総理が行かれても、沖縄の方々はなかなか、はい、わかりましたと言ってもらえませんので、その環境整備は、外務大臣と防衛大臣、しっかりとやっていただきたい。

 このことばかり質問していても時間がありませんので、次の問題に移らせていただきたいんですが、午前中の当委員会の質疑で、先ほど冒頭も言いましたように、政府と与党の議員の方々の間で、一体改革、消費税を上げる、最低保障年金を導入する、どこが問題なんだ、どこがセールスポイントなのか、こんな議論はありませんでした。

 総理は、一体改革に不退転の決意で臨む。与党の皆さんがこの問題で、前原さんは全面的に党を挙げて協力すると一言あったけれども、追及されちゃうと、答えられないとまずいと遠慮されたのかな、こんなうがった見方も出てくると思うんです。

 私から見ますと、今回の民主党の素案、実は税制改革の名に値しない粗雑なものだと思います。消費税の税率、八%、一〇%、いつ上げますよ。本来なら、消費税を上げるならば、既存の税制との調整、低所得者層の人に対して、すなわち逆進性は高い、しかし広く多くの人から薄く取る、そういうものが、語られているようで語られていない。やります、やります、対策はやります、やりますと。

 私たちが消費税を導入するとき、そのときは私は記者でした。三%から五%に上げるときの税制改革特別委員会の理事をやっていました。税率を上げたときも、あるいはその前のときも、実施する二年半前、ちょうど今ごろですね、詳細な設計を行って、国民の皆さん方にこうやって御懸念を払拭しますよとやっていたんですね。ぜひ、安住大臣、責任を持ってやっていただきたい。

 中身に入ります。

 安住大臣は、経団連との会合の中で、自動車諸税、所有、買うときですよね、持っているとき、走るとき、税を払っていますわね。消費税まで入れたら九つだ。自動車関係諸税と消費税の関係を整理すると述べられている。

 お近くの仙台の説明会へも行かれましたよね。住宅取得にかかる消費税、これを減免されると言った。それはそうですね。仙台でも、建物は一千万とか二千万するでしょう。一〇%では百万だ。二千万だったら二百万。本当に実施するんですか。

 仮に今の二つ、どのぐらい調整に費用がかかるのか。まだこれから詰めるんだったら詳細は聞きませんけれども、詰まっているんだったら、しっかりと説明してください。

安住国務大臣 素案の段階で、詳細な設計をしているわけではございません。

 ただ、検討事項の中で、取得税それから重量税にかかわる国税、地方税分については、これは過去から、私どもの党の中でも、消費税とのいわば二重課税ではないかという指摘があるので、今回出す素案では一五年に一〇%ということになるわけでございますけれども、それまでの間に制度設計をぜひしたいということでございます。

 それから、住宅につきましても、これは国民の皆さんから見れば、やはり一生涯で最も大きなお買い物というのは住宅であろうというふうに考えております。ですから、そういう点でいえば、住宅を取得した場合、何らかのいわば対策というものはやはり必要であろう。しかし、これについても、具体的な制度設計というものはこれからやらせていただくということになりますので、今回出させていただく法律ではなくて、一五年までの間に制度設計をしっかりやるということになると思います。

石原(伸)委員 これも余り率直に答えられちゃってびっくりしたんだけれども、一五年の制度設計まで示さないんですか。これは国民の皆さんに対して大いなる不安を惹起しましたよ。だって、幾らかかるかもわからないから、制度設計もこれからやるから、実はわかりませんと言っているだけだ。

 さらに、素案では、低所得者対策、給付つき税額控除、簡素な給付措置。でも、納番制の導入に対しての過程、工程、示されていないですよね。ということは、一五年までにその必要なインフラが整備されるとは到底思えないんですよ。だって、周知期間も要るわけだから、こっちの方は。これは国民的な大議論を呼びますよ、グリーン税制で我々も失敗しているから。本当に実施できるんですか。

 さらに、軽減税率を導入するのであれば、これは相当な規模になりますよね。多分、これも試算されていないんでしょう。さらには、細かいことだけれども、賃料、これもやはり非課税のままいくんでしょう。まだまだあるんですよ。

 もう少し、一五年までにはやるじゃなくて、こういう形で大綱を、大綱をつくられるわけなんだから、だって素案は閣議決定していないんだから。今タックス・オン・タックスの話もされたけれども、こんなことを言ったら広がりますよ。お酒だってタックス・オン・タックスだ、酒税があるから。そうしたら、減税額はぶわあ、調整額はぶわあっと広がっていく。おお、それだったら安心だと思う人もいれば、財政事情が厳しいから、これはタックス・オン・タックスのところも、軽減税率の方も、住宅の方も、やはり七、八%取られちゃうのかな、こんな思いを持たれますよ。もう少し丁寧に、大臣の権限でできるんだから、大綱ではこれとこれだけは、今言われた三、四項目のことは示します、そういう前向きな答弁をお願いします。

安住国務大臣 マイナンバー制度は古川大臣が担当でございますからお話しさせていただければと思いますけれども、ことしのこの国会に法案を提出して、早い段階で導入をして、これは幹事長が一番御存じのように、逆進性対策に最も有効ないわば資料、情報ということになるわけです。これが導入されないと、いわば逆進性対策の給付つき税額控除等の本格実施ができないということは事実でございます。

 例えば平成九年に導入した際には、弱者対策として臨時給付金を約一千億円、あの当時は一年間に限ってという形でやらせていただきましたよね。つまり、八%、それから一〇%になる時点では、何らかの逆進性対策としてはそうしたことを参考にしながら、私は額のこととかは一切言っているわけじゃないんです、方向としてはそうでありますけれども、それは全く制度設計が精緻にできていないのではないかという御指摘があれば、細部にわたっては全くそのとおりでございますけれども、賃料等についても、問題点というのは我々としても十分理解をしておりますので、早い段階で、そういう制度設計ができたら、順次、法律改正をしていきたいというふうに思っております。

中井委員長 安住さん、与野党協議はやらないんですか。あなたの話を聞いていると、与野党協議が抜けているように思うがな。

安住国務大臣 それは財務大臣の仕事でないので、これは政党間協議なので、石原幹事長にひたすらお願いさせていただきたいと思います。

石原(伸)委員 古川さん、納番の話は別途財務委員会とかそういうところでねっちり二人でやりたいと思います。

 安住さんは正直だよね、すごくアバウト。要するに、いつ上げるしか決めていませんとはっきり言われちゃうと、こっちも、ああ、そうですかと言わざるを得なくなっちゃう。

 これは、政府作成の一体改革・広報に関する基本方針から抜粋して作成した表です。岡田大臣もテレビ等々で使われていたと思います。

 御存じのとおり、五%の増税分の使途の中に、今、安住大臣と議論をしてきました自動車や住宅に関する調整措置の財源というのは入っていないんですね。私がざっくり試算して、自動車の消費税でおよそ五千億円、住宅で六千億円、それをネット増税にならないように調整して、さらに、先ほど給付金の話をされましたけれども、かつ低所得者対策一千億、単純に足しても一兆円を超えちゃうわけですよね。

 方向として、この中から出すのか、また得意の無駄を省いて出すのか、それとも他の税を増税してそこを平らにするのか、方向性が決まっていたら教えてもらえませんか。

岡田国務大臣 先ほど、その表にありますように、五%部分は社会保障のために使うということでございます。したがって、そこからは出てこないということは少なくとも言えます。

石原(伸)委員 では、どこからという話は後段。これもやはり、委員長、少し税制改正議論は深めないと。大綱までにぜひ委員長からも、今言ったぐらいの方向性、先ほどの普天間の基本方針みたいなざっくりしたものでもいいから、やはりそれは大綱の中でうたっていただきたいと思います。

 少し視点を変えて、違う話題に移らせていただきたいと思います。(岡田国務大臣「石原さん、ちょっと訂正」と呼ぶ)訂正だそうです、私が言うのもおかしいけれども。

岡田国務大臣 今申し上げましたのは社会保障に使うということですから、先ほどの税制、自動車税制とか、そういうことにはその五%分は使わないという意味でございます。

石原(伸)委員 岡田さん、私もそういうふうに理解しました。外に財源を探すというふうに理解をさせていただきました。

 これまでの税制論議を聞かれている国民の皆さん方は、やはり話が詰まっていないということは御理解されたと思います。こういうことは、安住大臣、やはり開かれたところでどんどん、我々はこう考える、政府はこう考えると議論していきましょう。これは約束します。しかし、今のままでは、私が冒頭言ったように、非常に粗雑なものであるということははっきりしたと思います。

 日本の経済、ポジティブな考え方とネガティブな考え方というのは、多分、正規分布しているんだと思います。言葉をかえるなら、バラ色の日本の経済、不幸な日本経済。多分、これまで日本は、こういう両極端が正規分布している。こっちの悪い方は、テールリスクというんですか、これは非常にちっちゃかったと思うんですよね。

 しかし、最近の海外からの報道や、日本の論調や出来事、急激な円安が始まる、株価は、さっき冒頭お話しさせていただいたように、総理が就任されたときとほぼ一緒。国債金利が暴騰する、それによって暴落。日本売りの可能性が高まっていますよね。余りいい感じじゃないけれども、そういう記事が多く見られます。

 これまで日本が国際社会の中で信認を得てきたのは、やはり一九九〇年代までは一五%ぐらいの貯蓄率があった。これが二〇〇〇年に入って、二〇〇五年で人口が減少に転じて、今、二%ぐらいになっちゃった。その一方、企業活動によって内部留保をためた企業がたくさんあった。しかし、日本の基幹産業である電機三社の赤字が、三社合わせて一兆円。

 きょうも昼のニュースでやっていましたけれども、円高がとまらないので、トヨタが九州の工場から、SUV、アメリカ人の好きな多目的自動車ですよね、これをインディアナの工場に生産を移す。トヨタさえ輸出の拠点をアメリカに移す。こういう事実が、高まっている。

 それと、やはり大臣も一番気にとめられたと思いますけれども、私も一番ショックだったのは、震災ということを考慮しても、貿易黒字、三十一年ぶりに赤字。

 お示ししているのは、ちょっとカラーじゃなくて申しわけない、ロンドン・エコノミストの一こま漫画なんですね。これはおもしろいので、私、いつも見ているんですけれども、日の丸、こっちの方を見ていただきたいんですが、赤い顔をしているのが、白黒なので黒い顔になっちゃっているんですけれども、日本なんですね。シーイング・レッドと書いてある、赤字を見ているよと。貿易黒字ですよ、これが赤字に転じた。先ほど正規分布の話をしましたけれども、海外からテールリスクが高まってきて、これまでどおりいかなくなってきたという話をさせていただきましたけれども、漫画でもこんなものが出てきました。

 そこで伺わせていただきたいんですけれども、私は、日本の財政、欧州各国に比べていいわけでもないし、震災復興のために大量の国債が発行された。基礎年金の、三分の一から二分の一にするところのあの国債の出し方は私、よくないと思いますけれども、国債発行額をさも抑えるためにああいうことをするのはよくないと思いますけれども、需給にこれから悪影響を与えてくると思います。国債の消化も今のところは順調です。価格も金利も安定していますけれども、この主な理由、こういうふうにシーイング・レッド、アメリカ、ヨーロッパ、あるいはエマージングカントリーの見方が日本に対して厳しくなりつつあるのに、いまだに大きなクラッシュを迎えていない理由は、大臣、何だと思いますか。所見で結構ですよ。

安住国務大臣 国債の金利の安定をもし指すのであれば、やはりそれは国内保有や、もっと言えば財政再建の余地、可能性というものはまだ日本にはあるんであろうというふうに思っておられる方は多いと思いますが、今、そこの漫画というかで見てのとおり、やはり貿易収支の三十一年ぶりの赤字というのは、去年いろいろなことがあったとしても、ちょっとショッキングな話ではあったろうなと。

 ですから、そういう点では、今幹事長がおっしゃいましたように、今まで主力と言われていた家電も大きな赤字になって、それから自動車も大変苦戦をしている。かわりになり得る、牽引役になれるような産業が世界の中で、一言で言えば、リーディングカンパニーというのがだんだん少なくなってきたということに対する構造的な危機感をやはり持たなければならないというふうに思っております。

石原(伸)委員 ここは、私、大臣の認識と全く一緒で、大部分が日本国内で国債を保有されているということと、財政再建余力、野田総理が頑張っているから、安住大臣が頑張っているから、そういうものがあると見ている。しかし、大臣も私も指摘したとおり、貿易黒字が赤字に転じた、このトレンドは多分変わらないんですよ。だから、国内で消化されているから大丈夫だよ、この意識は捨てなきゃいけない。あぐらをかいていちゃいけない。

 きょう、ちょっと時間がないので、質問を出しておいてちょっと話を聞こうかと思ったんだけれども、市場は現物だけじゃ動いていませんよね、デリバティブという取引がある。商品を売買するんじゃなくて、その商品が将来上がりますか、リスクがどのぐらいありますかといって売買する。国債でもあるわけですよね。円金利スワップ、有名ですよね、クレジット・デフォルト・スワップ。そういうものの指標が、きょう大臣にお聞きしようと思ったけれども、私の調べた限り、やはり若干上昇傾向にある。さらに、スプレッドが拡大している。これをやはりしっかりと我々は認識していきましょう。

 海外の投資家が、日本売りをしかけようかな、もうかるんだったらしかけようかなと虎視たんたんと狙っている。これまでは、日本の国債は日本が九五%現物保有をしているからはねつけてきた。しかし、そうじゃない。そういう事態であるということを、一々市場に対して介入することはないんですよ、そういう危機意識を持って見ているということが、実は、今言った正規分布しているバッドシナリオの方のテールリスクを小さくする一つの方法だと私は思いますので、そこの点はよろしくお願い申し上げたいと思います。

 大分時間がたってしまいましたので、通知している質問をちょっとはしょりまして、次に年金に移らせていただきたいと思います。

 年金制度というのは、私もまだ年金を掛けている最中でありますが、極めて長期にわたる制度。時代の変遷とともに、やはり現行制度といえども手を加えていかなければなりません。

 私たち自民党の考え方は、現行の制度を基本として、それを改良して、その時代に合ったものにしていくというのが考えられる最善策だと主張してきました。これに対して民主党の皆さんは、何言っているんだ、もう今の制度は破綻している、もらえなくなるぞ、抜本改革をすべきだとおっしゃってきました。ですから、当然、私たちがその都度出す修正案には反対してきました。

 しかし、私、びっくりしたんだけれども、今国会に提出される法案を見ますと、厚生年金と共済年金の一元化。あれあれ、民主党の皆さんは、これに国民年金も加えて一本化、一元化と言っていたんじゃないかな。低所得者の方の年金の増加。給付資格、すなわち、保険料を納めていた期間が、二十五年ですけれども、これを短くしようと、公明党の皆さん方も私たちも熱心に主張してきた。パート雇用者への年金の拡大。あれっ、私たちが主張したことを今度は出されて、修正しようとされている。

 そこで伺いたいんですけれども、心変わりしたんですか。それとも、現行制度で、四十年後、五十年後のことは、民主党もあるかわからない、自民党もあるかわからない、わからないからこんなことをするのは嫌だな、またちょっと野党の力をかりて、神棚にでもおっぽっちゃおうかなと。大臣、本当はどこにあるんですか、真意は。

小宮山国務大臣 年金については、やはりどの政党が政権をとっても長続きしなければいけないので、基本的にはぜひ超党派で、基本的なところから話をするべきだというふうに思っております。

 そういう意味では、民主党は、低年金、無年金をなくす、今、働き方も変わってきましたし、そういう形で、低い年金の方々のところに手当てをしようという考え方を持っています。自民党、公明党の皆さんは、今のままを手直しすればいいと思っていらっしゃる。そういう基本的なところは、ぜひ話し合っていっていただければと思っているんですね。

 来年に、別に志を捨てたわけではなくて、今民主党の方で検討をされていて、二十五年には抜本改革の一元化の法案を出すことにしています。ただ、移行期間を含めますと、ずっとその移行期間の間はやはり今の制度も続いていくわけですので、今の制度の中で改善すべき点はしっかりと改善していきたいということで、この国会には、その改善の、今挙げていただいたような点を出させていただいているというところでございます。(発言する者あり)

石原(伸)委員 これは、よしじゃないんですよね。わかっていない。よしじゃないんですよ。心変わりしたということを今認めたんですよ。だって、そうでしょう。野党の時代は修正には反対しておいて、抜本改革でやらなきゃだめだと言っていたけれども、心変わりしたから移行期間のところは修正を行う、こういうことを言っていると、国民の方は絶対に、最低保障年金やりましょうとなりません。

 これは、参議院の審議でも明らかになったように、一元化されればどういうことになるか。自営業の四百万円の収入の方、保険料は月額五万円、年六十万円。現在の負担は一万五千二十円。それだけ払う余裕のある人っていますかね。これに、健康保険料も三万円、四万円かかっているんですよ。

 さらに、最低保障と比例報酬部分、これも、制度を公にしませんからよくわかりませんけれども、公表はされていないけれども、入手した資料を読むと、現在よりも給付が下がる人もいるし、最低保障年金の七万円部分は、所得によって減額されるので、全員もらえないんですよ。全員もらえない。だから、言っていたことはうそなの。

 それに、現在、きちんと年金を納めていた人とそうでない人が混在している。ですから、その状態で最低保障年金を導入すればどういうことが起こるかというと、きちっと払ってきた人は給付が減って、さらに消費税が上がって、そのお金で年金を納めていない人に最低保障年金を配付するという、究極の不公平の仕組みである。

 小宮山大臣は、出して損をするということはないから大丈夫だと言っていますけれども、本当に、四十年後ですか五十年後ですか、この制度になれば国民が喜ぶ、そして心変わりした民主党を許してもらえると思っているんですか。

岡田国務大臣 年金の問題はとても難しくて、国民から見たらこれは深刻な問題ですから、私はぜひ、我々も過去において、当時の与党の出された案に対して、私、前に申し上げたんですが、マクロ経済スライドなどは評価すべき点も私はあったと思いますが、マイナスの面をより強調した、そういう嫌いがなきにしもあらずで、やはりこれは国民の立場に立って、冷静な、しっかりとした議論が必要であるというふうに思います。

 そういう観点から見ると、今委員いろいろおっしゃいましたが、例えば、旧制度に基づいて今まで保険料を払っていた人は、しばらく新制度、旧制度が並立するわけですが、旧制度で払った分が、本来もらうべき年金の額が新しい制度を入れたことによって減っちゃうということはないんです。新しい制度は新しい制度の保険料で、古い制度は古い制度の保険料ですから、減るということはないんですね。

 我々が申し上げているのは、今の年金というのは修正賦課方式、世代間の助け合いということですから、人口がふえているときは非常によかったけれども、人口が減る時代にあってはなかなか厳しいところがある。それを乗り越えるためにマクロ経済スライドとかいろいろなことを工夫しておられるんだと思いますが、もう少し、人口の減ったりふえたりということに対して耐久性のある制度をつくっていくべきではないか。

 しかも、今のままいけば、保険料がほとんど払えていなくて年金がほとんど受け取れない、そういう方が非常にふえているわけですね。過去には、国民年金というのはある程度裕福な自営業者、そういう概念があって国民年金があったけれども、今は自営業者そのものもそんなに余裕があるわけではないし、ましてや、自営業者以外の非正規の働き方の方がたくさん国民年金に入っておられる。

 そういう中で、やはり最低限必要な最低保障年金と払った保険料に応じてもらえる所得比例年金、その組み合わせでいくべきではないかという我々の基本的考え方、それに対してもぜひ耳を傾けていただいて、別に我々の制度がバラ色だと言っているつもりはなくて、おっしゃるように給付が、今の制度のままいった場合と比べて、新しい制度にすっかり変わったときには、同じ所得で減っちゃう人が出てくるんです、所得の多い人は。そのことも我々は率直に申し上げて、一体どちらの制度がいいか、これは各党間でしっかり協議をしていただきたい、そういうふうにお願いしているところでございます。

石原(伸)委員 マクロ経済スライドを評価していただいて、ありがとうございます。私たちも、ここは誤算が一つあるんですね。デフレ下でこのマクロ経済スライドがうまく作用できない、そしてデフレがこんなに長期化するということは念頭にはなかった。ただ、このマクロ経済スライドをデフレ下でもどうやって導入することができるか、こういう話はこういう開かれたところで議論をしていきましょう。

 大分時間がなくなったので、一つだけ聞かせてください。それで終わりますけれども、子ども手当、今回の改正で、名称は何というんですか、岡田さん。

小宮山国務大臣 今回出させていただいたのは、子どものための手当というふうになっています。ただ、これは去年の夏に各党間でお話し合いをいただいて、今つなぎ法案ができています。ですから、これはぜひ各党で御協議をいただいて、名称も含めて御協議をいただきたいと思っています。

 それが、聞くところによりますと、与党の側からの協議を申し込んでいますけれども、その協議が進展をしなかったということで、時間的な制限があり、やむなく今回出しましたので、これは各党で御協議をいただいて修正をしていただければ、皆さんが納得いく形にしていただければいいと考えています。

石原(伸)委員 せっかく年金でこういう場で議論をしようという機運に、今の話は水を差すというんですよ。

 子供に対する手当ですか。子ども手当じゃないか、短くしたら。そして、これの法律の根拠法は何かといったら、児童手当の拡充なんですよ。それを三党合意で決めたならば、児童手当の拡充案という仮称にしておけばいいんですよ。それをまた子ども手当を復活するような、選挙が近くなったからかもしれませんけれども、そういうことを言うから議論ができない。すなわち、信頼関係を醸成すれば水をかけて壊すのは民主党の皆さん方なんですよ。

 そして、これまでの議論の中で、政府・民主党と我々の外交、安全保障に対する考え方あるいは政策には大きな大きな溝があることが明らかになったと思います。

 総理、冒頭私が申し上げましたとおり、総理のとられる道というのは二つしかないんです。マニフェストを堅持して日本を果てしない漂流の道へ導くか、あるいはマニフェストの至らざるところを撤回して新しい公約を掲げてけじめをつけるか、私は、二つに一つなんだと思います。

 私たちは決して、政権を失ったから、権力を奪回するために単に解散・総選挙を求める、そんなことはしていませんよ。こうして年金の議論も行いました。外交、安全保障の議論も行いました。これを議論と言わないで何と言うんですか。これだけ国民の皆さん方に違いがわかった。そして、安全保障の問題でもさまざまな問題がある。税制に至っては、ずぼらで、税制法案の体をなしていないということも明らかになった。それを大綱の段階にはしっかりやってくださいという、しっかりと私は塩まで送っているつもりであります。

 総理、ぜひ、うそのない政治、言ったことを実現する政治、うそで議論を塗り固めた形骸した国会論戦ではなくて、民主主義が機能する、そういう国をつくるために、先ほど大局的なというお言葉を使われましたが、大局的な判断をされることを期待して、質問を終わらせていただきます。

中井委員長 この際、加藤勝信君から関連質疑の申し出があります。石原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。加藤勝信君。

加藤(勝)委員 自由民主党の加藤勝信でございます。

 今、石原幹事長からも御質問がございましたけれども、社会保障と税の問題を中心に議論をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、野田総理の所信表明演説の中にも官の肥大化という言葉が使われておりますし、政府・与党の文書にも官の肥大化というのはよく出てくるんですが、私どもよく、大きな政府か小さな政府という議論をさせていただきます。その意味の政府と、野田総理のおっしゃっている官の肥大化の官と、一体どこが違うのかな。

 所信表明演説で、引き上げ後の消費税収は、現行分の地方消費税を除く全額を社会保障の費用に充て、全て国民の皆様に還元します、そして官の肥大化には決して使いません、こういう言われ方をしておるので、どうも私どもの政府と総理のおっしゃる官は違うのかなというふうに私は受けとめたんですが、そこをぜひ御説明いただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 今回、消費税の引き上げをお願いするに当たりまして、使途はどういうことかということは、これはもう社会保障であることを明確にしようと。そこは、社会保障の安定化のためのもの、充実をさせるものとありますが、内訳はさっきも石原幹事長からお示しをしていただいたとおりなんですが、あくまでその使途を明確にしていく。その際に、御負担をお願いする分を、例えば公務員の給料であるとか定数をふやすとか、そういうことには使わないという意思を述べたということで御理解をいただきたいというふうに思います。

加藤(勝)委員 要するに、公務員を減らすという意味、そういう意味ですか。要するに、直接、消費税を何に使うかによっては、例えば社会保障であったとしても、それは公務員が必要な場合がありますね。例えば雇用問題、ハローワークの職員をどうする、その辺、何かすごく切り分けが私は悪いような気がするんですよね。そこははっきりと、いずれにしても、保険料であれ特に税であれ、国民の所得からその分をいただいて、そしてそれを使うわけですから、やはりそれは基本的には肥大なんだ、官そのものが大きくなっているんだという認識で考えていかないと。

 なぜこれをやらせていただくかというと、社会保障とまさにこれから税の議論をするときに、やはり全体像を、社会保障といえどもしっかり抑制をしていかなければ、私は、今のままではうまくいかなくなる、そう思うので。いや、社会保障は違うんだという言い方をし始めると、今、最大の財政問題の原点というのは、社会保障がどんどんどんどん広がってきている、こういうところもあるわけですから、私はやはり、そこの認識、やや官の肥大化という言葉にとらわれ過ぎているのではないのかなということをまず申し上げておきたいと思います。

 続きまして、社会保障と税の一体改革についてお話をさせていただきたいと思うんです。

 前回の予算委員会でも私申し上げたんですけれども、今回、成案、そして素案という形になっておりますが、成案の段階、昨年の段階でありました、六月の段階でも、出てきている数字というのは公費負担がどうなるかという数字ばかりなんですね。

 今、やはり私どもは、その問題も確かにあります、財政赤字、健全化するという問題もあります。しかし、保険料が、御承知のように、協会けんぽはこの間どれだけ上がってきているのか。二十一年度八・二%の料率が、今日もう一〇%を超えようとしております。介護保険料でいえば、一般の方の負担が五千円、一つの限度と言われるものを超えようとしているわけであります。保険料そのものもかなりもう危機的な状況に来ているわけでありますから、これから議論していく、まず当面、もう少し先があるかもしれませんが、やはり十年、十五年ぐらい先に出して、やはり保険料そのものもどうなっていくのかということをしっかり示す中で、そしてトータルとしてやるべき、それならこのぐらいまで社会保障をやりましょうという議論を私はしっかりすべきじゃないかな。

 そして、前回お願いしたんですが、そうした保険料率の動向、どのぐらいの費用負担になるかというのは出しておられますよね。それを個人に落としていって保険料率にしていくことによって、国民はより実感できるんです。ぜひその数字を出していただきたいと思うんですが、いかがですか。

岡田国務大臣 委員のその御要請にそのまま応えることになるかどうかはともかくとして、昨年六月に、社会保障改革の議論の参考として、社会保障に係る費用の将来推計というのをお示ししております。

 その推計によりますと、二〇一五年には社会保障の負担全体は百十四・四兆円でありますが、そのうち保険料は六十七・九兆円、公費は四十六・五兆円でございます。二〇二〇年度には百三十二・四兆円の中で保険料が七十九・〇兆円、公費は五十三・四兆円でございます。ちなみに二〇一一年度は保険料が五十九・六兆円で、公費が四十兆円でございました。

加藤(勝)委員 いや、その数字が出ていることは承知をしている上で、その数字を今国民の皆さんが聞かれても、実感ないんですよ、わからないんですよ、何兆円と言われても。そうではなくて、今ある保険料率、例えば協会けんぽの一〇%という料率が一二%になりますよ、一三%になりますよということで初めて国民の皆さんが実感できるわけであります。やはりそういうことをしっかりと皆さん方にお示しをした中でこういう議論をしていかないと、本当の意味での理解そして納得、それに基づくこうした推進というのは私はできないんじゃないか。

 だから、再三再四申し上げているんですけれども、そこまでの数字があるんですから、それをもう少し加工すれば、保険料率という形で出すことは私は不可能ではないと思います。いかがですか。

岡田国務大臣 今は総計を申し上げたわけですが、個々の数字になりますと、それはまだ議論が全部煮詰まっているわけではなくて、まさしくこれから与野党でも社会保障のその内訳についてどうすべきかという御議論もいただくわけでございます。そういったことによって、詳細な設計をすることによって金額が決まってくるということでございます。

加藤(勝)委員 ですから、今、将来の給付費の数字が出ておられるわけですから、それを、現行の制度を前提にで結構なんですよ、だって、まずそこから議論するしかないわけですから。それをお出しになることは私は簡単なことだと思いますので、これはぜひ出していただきたい。そうでないと議論が深まらないし、国民の皆さんも何十兆という単位で言われてもわからないんです。それはぜひお願いしておきたいと思います。

岡田国務大臣 現行制度でいいというお話でございましたので、一定の仮定を置いて、現行制度を基準に計算すればこうなるということはお出しできると思います。

加藤(勝)委員 ぜひお願いいたしますし、来年とかいうんじゃなくて、数日内にお出しをいただけるものと、よろしくお願いしたいと思います。

 その上で、先ほどちょっと申し上げましたけれども、社会保障と税の一体改革、成案が昨年の六月三十日、そして素案がことしの一月六日、それぞれ出しておられるわけでございます。ちょっとこの二つの関係をまず教えていただきたいと思います。

 素案を読みますと、成案の内容を具体化したものが素案である、こういうふうに書かれていますね。そうすると、一応、素案を読めば、これはこれで完結しているものだというふうに我々は考えてよろしいんですか。それとも、この二つをあわせてこうやって読まないと実態が見えないのか。どちらで考えていけばいいんですか。

岡田国務大臣 成案が出ましてから、それをもとに議論を重ねました。党内でもけんけんがくがく議論がありまして、ほぼ一週間にわたって、連日四時間、五時間、あるいは九時間、十時間という議論をいたしまして、まとまったのが素案でございます。

 したがって、素案を基本にお考えいただければ結構かと思います。

加藤(勝)委員 パネルにはなっていないんですが、お手元に配付した資料の一ページ目から四ページ目、これは成案に載っていた数字であります。

 成案では、例えば五%をどういうふうに使いますか。例の、消費税の引き上げに伴う社会保障支出の増に一%、機能強化が三%、機能維持が一%、こういうのが入っておりました。それからさらに、その機能強化の中の制度改革、高齢化、年金二分の一についても大体一%ずつですよというのが書いてございました。それから、三ページ目、四ページ目は、一部省略してございますけれども、大体どのぐらいのお金がかかりますよという数字があったんですね。

 ところが、素案の段階には、私の見方が悪いのかどうかわかりませんが、かかるような数字が一切ないんですね。これはどういうことなんでございましょう。

岡田国務大臣 今回、消費税が五%上がるについて、その内訳について、一%は制度の充実、残りの四%が現在の制度を持続可能にするというか維持するために必要な経費である、そういう整理をさせていただきました。

 この委員お示しの最初のページに一%、三%、一%というふうに整理されておりますが、わかりやすさからいうと、やはり、一%がその充実である、維持が四%と言う方がより正確であるということで、そういう説明をさせていただいているところでございます。

加藤(勝)委員 その今言った一%と四%というのは素案の中に書いたんですか。

岡田国務大臣 これは説明の仕方でありますから、素案の中には書いてございません。素案を踏まえて、考え方として、国民の皆さんにわかりやすく説明するためにそういった資料を作成しているところでございます。

加藤(勝)委員 いや、一番大事なところじゃないんですか。増収分の五%をどう使うか、だから一体改革でしょう。どう使うか何にもないんですよ。おかしいじゃないですか。その程度のものなんですか。

 そうじゃなくて、この五%は大ぐくりでこういうふうに使いますよ、そこが肝の肝じゃないんですか。

岡田国務大臣 ですから、一%、四%の内訳について説明をしているわけでございます。素案に書いていないからといって、中身が変わったわけではございません。

加藤(勝)委員 だから、さっき最初にお伺いしたんですよ。素案は素案で完結したものだ、そして、皆さんおっしゃるように、素案は政府・与党社会保障改革検討本部で決定されたんでしょう。今の岡田担当大臣の御説明は決定の中に入っていないじゃないですか。

岡田国務大臣 決定の中に書いてあることをわかりやすく説明したということでございます。全く矛盾はございません。

加藤(勝)委員 いや、素案の中に入っていないじゃないですか、五%をどう使うかという話は。どこに書いてあるんですか、示してください。

岡田国務大臣 この素案の中に書いてあることをわかりやすく説明して、一%、四%という説明をしているわけでございます。

加藤(勝)委員 委員長、申しわけないんですけれども、この中には一%、四%、入っていません。ちょっと答弁違いますので、訂正してもらってください。

岡田国務大臣 この素案は、いろいろな具体的数字が確かに入っていないんですね。そういう意味で、入っていないと言われればそのとおりですが、しかし、じゃ違う数字が入っているかといえば、そういうこともないわけです。

加藤(勝)委員 冗談じゃないですよ。五%上げようという中身を示さないで、何で案なんですか。しかも、成案の中には書いてあったんですよ。素案の中に書いてない。

 しかも、確かに今、岡田大臣がおっしゃった話は、一月二十日ぐらいに五大臣で決めたと。百歩譲って、成案のときには本部決定で一、三、一を決めた。しかし、それを、本部の決定じゃなくて、五大臣が来たら別の形になってしまう。

 これは、色がついたのは、後で説明するために色がついておりますけれども、ちょっとそれは余りにひどいんじゃないですか。一番の根幹中の根幹なんじゃないんですか、五%をどう使うというのは。それを皆さん方、我々は閣議決定していないということを問題にしましたけれども、本部決定もしていないんですよ。

岡田国務大臣 加藤委員は十分わかって言っておられると思いますが、この社会保障・税一体改革の素案には、基本的にいろいろな細かい予算の数字は入っていないんです。ですから、ここから一、三、一とか一、四ということは出てこないんです。しかし、これをもとにして我々としては五%の内訳はこういうことであるということを責任を持って御説明しているわけです。

加藤(勝)委員 いや、申しわけないけれども、その細かい、こういう施策をしたら幾ら必要ですとかということを私は申し上げているんじゃないんですよ。

 一番大事な五%を、おっしゃるように、機能、何か名前も途中で変わりますけれども、大きくどう分けるか、これは根本中の根本じゃないんですか。そのことも出さずにして、それが細かいんですか、大臣。

岡田国務大臣 先ほど委員が言われた、従来説明をしておりました一%、三%、一%、この中身を変えずに、くくり方を変えただけなんです。ですから、中身は変わっていないんです。個々のパーツは変わっていないんです。説明の仕方として、一、三、一でくくるよりも、本当の意味での充実というのはやはり一%だと。だから、それはそれできちっと書いた方がいい。

 それから、消費税引き上げに伴う社会保障支出は一%相当と以前は書いていたけれども、実はその中に、社会保障以外の、物価が上がることによっていろいろな政府調達などで社会保障と関係のないことの歳出もふえるものも入っていた。だから、それはやはりおかしいので、社会保障費に限ってきちっと整理をし直した、こういうことでございます。

加藤(勝)委員 それは変えようがいいですよ。しかし、一番大事なところじゃないですか。何でそれを素案の中に堂々とお書きにならないんですか。

 そして、我々も、もし議論、協議になるときに、いろいろなテーマがありますけれども、一つは、五%の中身を大ぐくりにどう使うのか、議論の最初じゃないんですか。何でそれが入っていないんですか。

 しかも、最初に申し上げたように、成案と素案をこうやって見なきゃだめですか。違います、素案はそれだけで完結していますと大臣おっしゃったから私は聞いているんですよ。それならば、きちんともう一度、皆さん方、本部決定で、こっちが今大臣のおっしゃっている説明だと思います、右側ですね。一%、四%というのであれば、それをきちんとお決めになられて、しかるべき手続を踏んで、そして素案の別紙で出されるのが私は筋だと思いますよ。

岡田国務大臣 何度も言っておりますように、素案の中に具体的数字は入っていないんです。それをくくれば一%と四%ということで、委員いろいろおっしゃっていただきますが、ぜひ協議に参加していただきたい。幾らでも御説明をさせていただきたいと思います。

加藤(勝)委員 いやいや、冗談じゃないですよ。細かい数字を入れろなんてことは私は一言も言っていない。しかも、成案のときに入れておられたわけですからね。成案のときにも入っていないんなら、それはまあそうかもしれません。しかし、成案を具体化したのが素案だとおっしゃったときに、何で一番大事なところを入れられないんですか。

 そして、それを入れずにして協議しましょうといったって、そういうわけにはいかないでしょう。だって、皆さん方のどこで決定しているんですか、こっちの案は。どこで決定しているんですか。

岡田国務大臣 一%、四%というものは関係五大臣会合で決定をしたものでございます。素案に基づいてそういった説明をするということを確認したところでございます。この数字がたまたま素案に入っていないからといって、それが大きなことであるというふうには思っておりません。素案にはそういった具体的数字は入っていないわけでございます。

加藤(勝)委員 これはもう幾らやっても水かけ論であります。余りにも認識が違い過ぎる。

 国民にとって一番、五%消費税が上がるものをどう使うか、その中身をあらあらでも示されない。大したことではない、これが大臣の認識だ。私は本当に驚きましたし、本当にこれ以上議論をしていて何の意義があるのかなという気すらするわけでありますけれども。

 それはぜひ、今申し上げたように、きちんと手続を踏んで、少なくとも本部決定をされてくださいよ。だって、単に言い方を変えているだけじゃなくて中身が変わっているじゃないですか、誰が見たって。私どもがわからない、国民の方はもっとわかりませんよ、それは。だから、我々はこうするんだとお出しいただくことを私は強く求めておきたいと思います。

岡田国務大臣 五大臣で決定して、説明をさせていただいております。もう既に、その五%の内訳については各所で説明をさせていただいているということでございます。

加藤(勝)委員 いや、申しわけないですけれども、そういう対応ではとても、議論してくれと言われても無理ですよ。一番大事なところを、しかも、きちんとした決定すら踏まないんですから。そのことはやはり強く申し上げて、これからそこはぜひ考え直してくださいよ。

 総理、ちょっと考えていただけませんか。きちんと決定してお出しくださいよ。そうしたら、はっきりするじゃないですか。

野田内閣総理大臣 素案は政府・与党として決定をしました。本部として決定をしました。その決定したものをよりわかりやすく説明するための方針が今御指摘いただいている点でございまして、中身のパーツは変わっておりませんので、そこは何のそごもないというふうに思います。

加藤(勝)委員 ちょっと今の答弁はよくわからなかった。素案は決定しました、しかし、その素案の中には何にも書いていないわけだから、それをどうやって説明するのか、私は全くよくわかりません。

 だって一番大事なところじゃないですか。我々だって一〇%については参議院のマニフェストに載せている。本当に私は、これは大変大事なことだ、むしろ日本の財政は危機的な状況ですから、ここで一歩間違えたらえらいことになる、だからしっかり説明していかなきゃいけない。それを何で逃げるんですか。きっちりと決めればいいじゃないですか、皆さん方の手続で。そのことは強く申し上げておきたいと思います。

 それでは、消費税の引き上げの関係について入らせていただきたいと思います。

 お手元の方に、資料六ページというところで、野田総理大臣が私どもの田村委員に先般の予算委員会で御答弁いただいたその中身を、抜粋でございますけれども、載せさせていただいております。

 そもそも消費税の引き上げについては、ここの場でもさんざん議論がありました。マニフェストには書いてないではないか、あるいは、総理大臣を初めとして、マスコミのインタビューにどう答えていたんですか、そういう議論の中で、そもそも、そうした選挙のときに言った話と百八十度違う話をするということは、やはり民主主義のルールとしておかしいんじゃないか、こういうことは私もそうだと思います。しかし、それをずっと続けていても先に進みませんから、あえて質問させていただきたいと思うんです。

 この答弁の中で、こういうふうに野田総理はおっしゃっているんですね。最近のこういう状況の中で、待ったなしの状況になったから、この任期中には上げませんけれども、法案を出して、その方向を決めるという政治判断をした、こういうふうにおっしゃっておられるんです。思い出していただけると思いますが。

 まず、最近のこういう状況の中というのはどういう御認識なんですか。

野田内閣総理大臣 社会保障が、まさに国民生活の暮らしあるいは経済を守る上では欠かすことのできないということは間違いないと思うんです。それを支えていかなければなりませんけれども、いわゆる自然増だけでも、今の制度を維持する上でも、高齢化が進んでいって毎年一兆円の自然増が出る。その自然増を支えるために、では、科学技術をもっと伸ばしたいんだけれどもと言いながらも抑えたり、公共事業を抑えたり、結局、ほかの分野を抑えながら、私の実感としては予算編成をしてまいりました。

 加えて、ますます窮屈な状況が今生まれているということであります。基礎年金の国庫負担も三分の一から二分の一へ上げることにはなっているんだけれども、これはいつもワンショットのお金、埋蔵金を集めて苦労しながらつくってきましたけれども、いよいよそういうことも困難になってきて、今回、交付国債の発行でありますけれども、まさに消費税を含む税制の抜本改革によって安定財源を確保していかないととか、予算編成をこの二年、そして今三年目を迎えましたけれども、多くの皆さんと一生懸命やってきている中で、社会保障は維持しなければいけない。

 だけれども、維持するためにも、そうすると財政的な手当てをしなければいけないという意味、もうぎりぎり感が出ていることを待ったなしというふうに表現した次第で、もちろん、これは唐突に出したことではありません。あのマニフェストには書いていなかったんですが、一昨年の参議院選挙で菅さんが言い出し、そして、それを踏まえて社会保障と税の一体改革の議論をずっと政府・与党でやってきて、六月に成案を得て、さらに、私も代表選挙でその必要性を訴えて、素案をつくるというプロセスをやってきたわけで、そこは、国民の皆様にもその過程は御存じをいただいているというふうに思います。

加藤(勝)委員 今の総理の御説明を聞きながら、何か前、違う総理が、勉強したからわかりましたというのがありましたけれども、今の御指摘は、もともとあった話なんですよね。我々が政権時代、まさにそうでした。そして、社会保障も二千二百ずつ毎年削るようなことで相当御批判もいただいたのは事実でございます。

 したがって、別に新しい、最近の事情ではなくて、今総理がおっしゃった、もともと我が財政が、我が経済が抱えていた事情をおっしゃっているにすぎないんですね。だから、改めて何か最近のとおっしゃるような中身は何にもなかった。あえて一点言えば、ということを最近理解するようになりました、私はそうとしか思えない、こういうふうに思うわけであります。

 続きまして、待ったなしの状況。待ったなしとおっしゃるほど切迫感があるということだと思いますね。

 ところが、民主党の皆さんが最初、今のこれからお出しになる法案から比べれば、半年前におやりになろうというものをいろいろお考えになって、半年実施時期を後ろに下げていますよね。私、待ったなしだったらとてもそんなことはできない、むしろ当初の案どおりやっていく、それが待ったなしの状況だと思うんですけれども、総理の待ったなしの状況というのはどのぐらい切迫感を持っているんですか。

野田内閣総理大臣 待ったなしの状況というのは、ちょっと今認識で、我々が政権与党になってきたから見えてきた風景ももちろんあると思うんですね、もちろん。野党じゃなかったらわからなかったこともあったと思いますが、でも、より待ったなしになったのは、やはり、この問題を御党も含めてやろうとしたけれどもずっと延ばしてきた、その結果がもっと待ったなしになっているという危機感を持っているということで、それは共通に、問題意識を共有できるのではないかというふうに思います。

 どっちが悪いじゃなくて、問題はずっと引き続きあったわけです。もう解決しないといけないということは、これは当然御党もよくおわかりいただけると思うので、この国会での議論もそうでありますが、与野党の協議もぜひしていただきたいというふうに思っていることでございます。

加藤(勝)委員 いや、そこまでおっしゃるんなら、もっとあっさり認められた方がいいんじゃないんですか。マニフェストをお出しになったときの認識が明らかに間違っていた、もともとあった問題なんだけれども、そういうふうにすっきり言っていただいた方が私は国民の皆さんもわかりやすいと思うんですよ。

 そのときの認識も、どうしても与党にならなきゃいけないからつい滑った、やはりそういうところは正直に言われるべき、むしろこういうところでどうだああだということを議論すべきじゃない。私は、むしろそれは総理がすっかり認めた方がもう一歩先に議論が進められるんじゃないかな、こういうふうに思います。

 それから、続いて、よく、任期中は引き上げません、引き上げはその先です、こういうお話があります。

 このパネルに、素案の中に、引き上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応できるように引き上げ停止を含め所要の措置を講ずるものとする、こういうふうに書いてあるんですね。これを読む限り、経済状況の判断、経済財政状況の激変にも柔軟に対応としか書いていない。

 しかし、皆さん方がよく言うのは、国民の皆さん方の御判断を得てと必ずおっしゃるんですが、そういう文章が何にもないんですけれども、これはどういう関係になるんですか。

安住国務大臣 これは、選挙は関係ございません。経済の状況についての停止をするときの留保する条件を書いたものであるというふうに思っていただければと思います。

加藤(勝)委員 そうすると、国民の皆さん方の判断を得てといろいろなところで皆さん方がそれぞれおっしゃっていますが、それはどこに書いてあるんですか、素案の中に。

安住国務大臣 それは、法律が成立をして、その結果、法律どおりにいけば一四年の四月ですから、これは今の任期が切れるその後ですから、いずれの時期かにその成立をした法律をもって選挙に臨むというふうなお考えだと思います、総理は。

加藤(勝)委員 いや、今のお話だと、というのもまた入っていない。素案の中にも書いていません。そこのところはやはりはっきりさせるべきじゃないかな。

 そして、私が思うのは、ちょっと違う角度で質問させていただきたいと思うんですけれども、もし国民の皆さん方の判断を仰ぐという話を聞く中で、やはり、なるほど、骨格、中身は今回出します、実施の時期も書きます、しかし実施するという部分だけは決めません、次の政権の中でその実施するという法案を出して、そして実施します、多分こういうふうに一般の方は受けとめられるんじゃないかと思うんですけれども、そういう理解でよろしいんですか。

安住国務大臣 加藤さん、そうではございません。

 これは、施行日をきちっと決めて、しかし、この法律をいわば予定どおり施行するか、そうでない条件があるということを、例えば経済のことについて激変にも柔軟に対応というふうに書くということは、例えばリーマン・ショックや大震災のような、これはなかなか法律に書き込むことは難しいわけですけれども、そうした急激な変動があった場合には、いわばこれは、施行をやはりその時点で延期するというか、そういうことを政治的に時の政権が判断できるという内容であって、プログラム法的な意味合いではないということでございます。

加藤(勝)委員 いや、それは別にここに書かなくたって、法律の中にそんなのなくたって、時の政権が判断すればできるということですよね。そういうことだと思いますね。

 やはり大事なことは、今のお話でいえば、今回これからお出しになる法律、まだ出ていませんから、我々、残念ながら条文そのものは見ておりませんけれども、ということになれば、要するにこの法律が出れば、しかるべき時期に消費税がそれぞれ上がっていく、こういうことになる、そういうことですね。

安住国務大臣 これは、法案が成立をして、多分、施行する何カ月か前に正式に閣議決定をし、その時点で総理は、例えば法案は、最初、一四年の四月ですか、これの何カ月か前に閣議決定をする、その時点でこの条件をクリアしておればそのままスタートをするということになると思います。

加藤(勝)委員 ちょっと残念ながら私ども条文を持っていないので、それ以上突っ込めた議論はできませんが、閣議決定をすると、そのときは……(発言する者あり)ちょっと今のやじには答えたくないんですが、閣議決定するというのは、何を閣議決定するんですか。そして、その閣議決定というのが具体的にどう法律の実施と結びつくんですか。

安住国務大臣 これは、およそ半年ないし三カ月ぐらいを目途にその法律を予定どおり執行する、そのスタートをする時点を確定するというふうな意味合いだと私は捉えています。

加藤(勝)委員 ちょっと待ってください。スタートの時点を勝手に決められるんですか、皆さん方が。

安住国務大臣 私の認識は、経済の条件、これで、いわば延長をするかしないかということを含めてその場で閣議決定で決めればいいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 いやいや、その閣議決定がすぐ法律に影響するんじゃなくて、おっしゃる趣旨は、閣議決定をすることによって停止をするとかしないかに対する意思を表示するだけであって、法律上の効果は私はないと思いますよ。そこをちょっと間違えていませんか。

安住国務大臣 私の間違いかどうかわかりませんが、橋本内閣のときは、たしか三カ月前に正式に閣議決定で五%にするのを決めた、その同じ手順を踏むというふうに思っております。

加藤(勝)委員 だから、それはあくまでも政権としての意思を確認するだけの話であって、法律の執行には全く関係ないんですよ、閣議決定だけはですよ。

 ただ、通常、閣議決定すればそれに従って法案をお出しになりますから、当然中身は変わってくるだろう。しかし、そんなものは、いろいろな法律、その規定を今度新しく出される税法に書こうが書かなくても、それはするんですよね。そういうことでよろしいでしょう。

安住国務大臣 そうでございますが、経済状況を総合的に勘案した上で、そこの部分の御質問だったものですから、引き上げの停止を含め所要の措置を講ずるものという旨の設定を設けているので、そこを要するに考慮するというふうなことを私は申し上げたわけで、法手続上は、それは先生のおっしゃるとおりでございます。

加藤(勝)委員 いずれにしても、非常にこれは肝のところなんですね。だから、そこをもうちょっときちんと、申しわけないけれども、大臣、整理していただかないと、非常に、ちょっと私も今、答弁を聞きながら私自身がわからなくなるわけですから、聞いている国民の皆さんはもっとわからなくなる。もう一回そこはきちんと説明をしていただきたいと思います。

 続いて、私が二十四年度予算の一番大きな問題と思っております基礎年金の国庫負担の二分の一について、取り上げさせていただきたいと思います。

 このパネルは、二十四年度予算、財務省からいただいた資料を中心に私がつくらせていただいた表でございます。

 今回のこの基礎年金二分の一、トータルで約二・六兆円の財源をどうするか、これは大変大きな問題であると思います。

 私は、ここには二つの道、選択肢があったというふうに思っております。この上に書いておりますのが、皆さんがとられた選択肢であります。年金積立金を取り崩して、そのかわり交付国債を充当して、やる。それから次の道は、歳出削減を基本に。しかし、私は、二・六兆円全部無駄でやれなんて、そんなような荒唐無稽なことをどちらかの政党のように言うつもりはございません。とても難しいと思います。しかし、幾ばくかでも削減して、足らずは赤字国債でやる。この二つの道があったと私は思います。

 にもかかわらず、この下に書かせていただきましたけれども、上の道をとれば、二十四年度の国債発行額は四十四・二兆円になります。下の道をとれば、四十四・二兆円と引き上げ分の二・六兆円を足した四十六・八兆円から幾ばくかでも歳出削減をする。例えば、子ども手当の高齢者の分を少しやめるとか、生活保護についてもっといろいろ見直しをしていくとか、いろいろな血のにじむ努力はしていく。それでも、しかし残念ながら、多分四十四兆を超えると思います。

 その下に書きましたけれども、中期財政フレームでは、二十四年度の国債発行額は四十四兆円を上回らない水準、こういうふうに一応皆さん方が決められて、この水準だけを守ろうとして上の道をとられたのではないか。しかし、実態は下なんです。我が国の実際の国債発行額は四十四兆をはるかに超えている。

 私は、皆さん方が財政運営戦略の中に、「財政健全化への取組は正直であることを第一とし、国の会計間の資金移転、赤字の付け替え等に安易に依存した財政運営は厳に慎む。」こういうふうに、これは皆さん方が決められた財政運営戦略ですよね。何でこの本旨に立ち返っておやりにならないのか。

 今回のようなやり方をとると、ああ、それじゃ、ことしも大丈夫だ、多分来年もこういう形になるんでしょう、ことしそれを認めれば。いやいや、それだったらしばらくできるじゃないか、積立金にはもっと残金あるじゃないかと、国民の皆さんに間違ったメッセージを発してしまう。

 やはり一番大事なのは危機感の共有じゃないんですか。何で安易な道を選んだんですか。

安住国務大臣 私も、できればこれは恒久的な財源を出して、その中で、今、加藤先生からも御指摘ありましたけれども、それは一般会計の中でやれれば一番よかったわけでございますが、これはもう本当に率直に申し上げて、なかなか、これだけ大きなお金を捻出するというのはやはり本当に厳しいことでございました。

 また、今、削る、何点かの御指摘がありましたが、これも国民に痛みを伴うものでございます。これは自民党政権下でも、やはりそうした点からいえば、消費税およそ一%分のこの賄いについては、年来ずっと、消費税一%分を相当すべきであるというふうな御指摘があったと思います。

 この三年間は、麻生内閣、鳩山内閣、菅内閣と、何とかいわば埋蔵金やへそくりと言われるようなものでやりくりをしてまいりましたが、先ほど総理が御指摘あったように、今回、率直に言って、東日本大震災によりまして、そうした財源の確保というものはこちらまでなかなかいかなかったので、本当に心苦しいところは率直にございますが、交付国債の発行により何とかこの財源を賄いたいと思っております。

加藤(勝)委員 いや、私は、赤字国債を全くゼロにして二・六兆円、さっき申し上げた、全部歳出削減だ、それは難しいと思いますよ、正直言って。

 実は、手元に、十ページ目に、これは去年十一月の参議院の予算委員会で、我が党の宮沢委員に対して、安住大臣、こうおっしゃっておられるんですね。基礎年金の国庫負担二分の一の引き上げをどうするか。当時はまだ決まっていませんでしたけれども、歳入の中から歳出分を何とかやりくりして確保するというのがやはり一番大きな基本線だと。基本は歳出削減でやります、こうおっしゃっておきながら、私、何を問題にしているかというと、二・六兆円を幾ばくかでも減らしてやろうとする努力が何にも見えていないということなんですよ。

 大臣、これだけの答弁をされて、何で二・六兆円、全部をそのままやるんですか。一部だけでも歳出削減で捻出して、足らずは、これはこらえてくれ、これが大臣の答弁に沿った対応だと思いますけれども。

安住国務大臣 実は、このときは本当に私も宮沢先生にぎりぎり怒られまして、これは実は一時間ほど質疑をいたしました。その最後のところで、私、こういう話をしたんです。

 実は、八月の閣議決定におけるフレームを決めた後、私は九月に就任をしまして、それからずっとこの大きな財源をどう確保するかということは日々悩んでおりまして、当時の議論では、やはり、つなぎ国債を出すという意見もありましたし、それから、別のやり方が何かないのかということでいろいろあったんですけれども、私が申し上げたのは、この時点ではまだ交付国債については、検討段階ではございましたが決めたという話では全くなくて、何とかまだ、十一月の半ばぐらいの話でございますから、歳出を削って出せないものであろうかということを素直に、私、宮沢先生に申し上げたということでございます。

加藤(勝)委員 ですから、足らずを、百歩譲ってですよ、交付国債にするか赤字国債にするかの前に、二・六兆を丸々棚上げすることはないじゃないですか。大臣は、歳出削減する、百億でも一千億でも減らしておやりになるのが大臣の姿勢なんじゃないんですか。それをそのままどんとやって、二・六兆こっちに回したから、財源がむしろ、財政削減に対する姿勢が緩んじゃっているんじゃないですか。むしろこれを出すことによって、少しでも減らしましょう、こういうふうになるんじゃないですかということを申し上げているんです。そこが思考停止になっちゃっているんじゃないですか。そこに対する反省の弁を求めているんですよ。

安住国務大臣 反省もございます。

 ただ一方で、私も、実は十二月の予算編成の段階で、税と社会保障の一体改革の議論が同時並行でありました。その中で五%の話があって、それと並行して考えると、以前からやはり消費税でということはお互いの認識としてはあったと思うんですね。

 ですから、そういう点では、まだ決まってもいない財源をというふうなお叱りを受けることはあるとは思いますけれども、恒久財源を充てていくというコンセンサスに立てば、やはり今回のような交付国債を充当するというのも一つの方法としてあるんではないかと私は思うんです。むしろこうすれば、やり方、ルールとしては国民の皆さんに非常にわかりやすい交付国債の制度ではないかと私は思っております。

加藤(勝)委員 大臣、歳出削減で捻出した財源だって恒久財源でしょう。だから、消費税に何でもかんでも持っていく、そういう姿勢になったら、やはり消費税を入れたら歳出が緩むんじゃないかな。今の大臣の答弁を聞いていると私は本当にそういうふうに心配しますよ。そうじゃなくて、少しでも歳出削減をし、足りないところは交付国債あるいは赤字国債、そしてそれは将来の、こういうことだと思います。

 そして、赤字国債だって、あの復興債のように、この分についてはこれで財源を出せますよというふうにお見せすれば、私はそれの方が本当に正直な姿を示している、こういうふうに思うんです。

 これは、これから国民年金法の改正で出てくるんだと思います。残念ながら、予算委員会、今大事な二十四年度予算を議論するときに、その法案がなくて私は質問しなきゃいけないんですが、その法案がどういう法案なのか、そしてそれが、去年のときにも例えば特例公債法案がなかなか通らなかった、こういうことがございました。仮にその法案が通らなければ、どういうことになるんですか。

安住国務大臣 これは年金法の改正になりますので、その法律に基づいて発行することになりますので、厚労大臣から御説明を申し上げさせていただきます。(加藤(勝)委員「別に財務大臣に聞いていないから。私は厚労大臣に聞いた」と呼ぶ)済みません、委員長の御指名でもありましたので出てまいりましたけれども、そういうことでございます。

小宮山国務大臣 今委員がおっしゃいましたように、国民年金法の一部改正の中に、特例水準の解消と一緒にこの交付国債のものを入れようと思っております。

 その中では、二十四年度の国庫負担分であります二分の一と三六・五%の差額を国庫負担する、当該負担は交付国債の発行、交付によるということと、交付国債の発行としまして、政府は、二十四年度の二分の一と三六・五%の差額負担のため、次の合算額の国債を発行し、GPIFに交付する、運用収入相当額として、政令で決める額、これを入れるということにしています。

 この交付国債の償還につきましては、上記の国債の償還に係る事項は別に法律で決めると。これは消費税収を充てますので、消費税の法案とあわせて、そちらの方は厚生年金の方の改正の中に入れたいというふうに考えています。

加藤(勝)委員 今の話だと、今度出てくる法案の中には完結できていないわけですね。一部が入って一部が後になる。しかし、今、二十四年度予算を議論して、非常に関連する法案なんですから、今言った一番目の法案だけじゃなくて、二番目の法案もこの審議中に出していただけますね。

小宮山国務大臣 国民年金法の改正につきましては、今年度中にしっかりと出させていただきたいと思っています。

加藤(勝)委員 ちょっと待ってください。今年度中というのはどういう意味ですか。三月末日に国民年金法の改正案を出すんですか。ちょっと、もう一回きちんと答弁してくださいよ。

小宮山国務大臣 失礼いたしました。訂正をさせていただきます。

 国民年金法改正案は、間もなく出させていただきます。厚生年金法の方の改正は、三月末の消費税法と一緒に出します。

加藤(勝)委員 それでは審議できないじゃないですか。だって、交付国債と絡めておられる、そして交付国債を何ぼ発行するのかというのも出てこないわけじゃないですか、その厚生年金の改正法案。

 これは委員長、ぜひこの予算委員会で、まさに私は、一丁目、二十四年度予算で非常に大きい話だと思いますから、両方一遍に出していただくことをお願いしたいと思います。

中井委員長 理事会で十分協議いたします。

加藤(勝)委員 総理、お約束していただけませんか、それを。だって、議論できないじゃないですか。

野田内閣総理大臣 今、予算委員長のお取り計らいで理事会で御協議いただくということでございますので、それを踏まえて対応したいと思います。

加藤(勝)委員 政府は、だって、二十四年度予算を早く通してほしい、そしてそのために大事な法案を成立してほしいというお立場だからお聞きをしているんですよ。にもかかわらず、委員会に全部お任せするんですか。そんな対応なんですか、総理は。

小宮山国務大臣 この交付国債の償還について別に法律で定めるとしているのは、これは消費税収を償還財源としていますので、消費税収の法案を出すときでないとこれは出せないということで、御理解をいただきたいと思います。

加藤(勝)委員 それはそちら側の事情なんですよ。我々は、交付国債の議論をここでやりましょうと。出してください。出さなきゃできませんよ。

安住国務大臣 それは加藤先生、中身はもう既に発表しておって、ただ、法案が出ないと審議ができないといっても、消費税の法案と一緒にしかこれは出せないと厚労大臣はおっしゃっているわけですから、だからそれは、議論に資する資料は十分出しますので、ぜひ議論をしていただきたいと思います。

加藤(勝)委員 説明しているというのは、またどこのレベルで決めてどうなったかという話でありますから、やはりきちんと出してくださいよ。そして、それでなければ、だって、これは私は一番大きい話だと思いますよ。これ以上進められない。少なくとも、この話についてはこれ以上議論できない。

安住国務大臣 これは、だけれども、先生、例えば、私の国会対策委員長としての経験でいえば、何か重要法案を出せば、その委員会ではその委員会の議論をしていただければいいのであって、それを出さないと予算委員会が開けないというふうな論理はないと思うんですが、いかがでしょうか。それはそれでやっていただいて、出すと言っているわけだから、そこで当該委員会でやっていただければと思っております。

加藤(勝)委員 いや、だって、それは関連法案かどうかの定義かもしれません。関連法案を何できょうまで出してくれないんですかというのは、国会で議論するから関連法案というのはこの時期まで出してくださいと言っているわけでしょう。各関連法案は、もちろんそれぞれの委員会で審議しますよ。しかし、それはそうだけれども、ここで、予算委員会でまさに当年度予算の議論をし、当然、その背景にある法律案が一緒に出てくるから、この時期まで、通常の法案と比べて提出期限も設定されて出しておられる。関連法案として出してくださいよ。

安住国務大臣 野党から予算関連法案を早く出せという御主張というのは珍しいわけですけれども、しかし、消費税に関連する法案なんです。ですから、消費税関連の法案と一緒に出すということで手続を今からやるということですから、その法案がなくても、決定は私と小宮山大臣できちっとサインをして予算編成時に決めておりますから、その説明は幾らでもこの場でさせていただきますので、それはぜひ、出した段階では、当該所管委員会がいつになるかわかりませんけれども、御議論いただければと思います。

加藤(勝)委員 きょう、今出す出さないじゃないです。それが審議の前提ですよ。それが出ない限りはできませんよ。

小宮山国務大臣 法案については、今御説明したように、消費税法案と一緒でないと出せませんが、審議をしていただく際に必要な資料は可能な限り提出をさせていただきたいと思いますので、御協議いただきたいと思います。

加藤(勝)委員 それでは、大臣、お伺いいたしますけれども、大臣、交付国債の償還は何年でおやりになって、発行差額分についても発行総額を交付国債としてその分だけ上積みされる。幾らですか。

小宮山国務大臣 償還につきましては、なるべく、今を生きる世代でやっていくということと、それから、社会保障全体の充実、安定化を図るために、平成二十六年度、消費税八%の施行後、二十年程度かけてやりたいと考えています。

 その運用収益の計算の仕方につきましては、発行されている国債の一年物から二十年物など、それの平均を掛けていきますので、現段階ではおよそ〇・四兆円分と見込んでいますので、年金差額分の二・六兆円と合わせて、およそ三兆円になると考えています。ただ、〇・四兆というのは、現在の金利で考えていますので、それは発行時に確定をするものと考えています。

加藤(勝)委員 という話は、だから厚生年金法の中に出てくる話ですよね。

 ということなんですよ、委員長。だから、それは全部つながっているんです、この話は。だから、ぜひ、先ほど言っていただいたように理事会でしっかり諮っていただいて、それぞれの法案の出方をしっかり協議していただきたいと思います。

中井委員長 承ります。

加藤(勝)委員 この二分の一の国庫負担の関係で、予算書を見ていると、総則の中に、国民年金、それから国家公務員の共済、そして私学共済については積立金をいわば使って交付国債を、こういうふうに書いてあるんですが、一つ、ずっと見ていてふっと思ったのは、地方公務員共済の話が書いていないんですが、これはどういうふうになっているんですか。

川端国務大臣 地方公務員共済年金の基礎年金拠出金に対する公費負担でございますが、昭和六十年に基礎年金制度を創設して以来、地方公共団体が負担することとされております。平成二十四年についても、他の公的年金制度と共通した措置として、公費負担割合を二分の一とするということとしております。このための所要の財源を地方財政計画に計上しております。

加藤(勝)委員 今の大臣の御答弁からすると、地方公務員だけは、地方自治体の自前もあるでしょう、そして多くの自治体においては地方交付税の形で、いわば一般で言う国庫負担二分の一への引き上げ相当分、これは賄われる。そうすると、地方公務員の皆さん方は年金の積立金は取り崩されない、民間の皆さん方は取り崩しをされる、これが政府の判断ですね。

安住国務大臣 本当に、それはずっと長期にわたってではなくて、一時的な取り崩し分というのは一千八百五十億円だったと私は思いますけれども、そういうことで地財で賄うという話になっております。

加藤(勝)委員 いや、だから、おかしくないですか。おかしいでしょう、どう考えても。

 だって、ほかのところはみんな積立金を削って、一つのリスクですよ、積立金を削るというのは、交付国債だけれども。そして、結果的に、谷垣総裁が質問されましたけれども、いわば年金を人質にされて、消費税の話。しかし、地方公務員だけはちゃんと払われているから別の世界ですね。うがった見方はしたくないですけれども、皆さん方がどういう方に応援されているか、どこに基盤を置いているか、そこにあらわれているんじゃないかと私は思いますよ。

 それだったらば、二分の一に上げるということも、全部国に合わせてやっているんだったら、同じようにやればいいじゃないですか。何でそれができないんですか。

 しかも、地財ということで、さっき申し上げたように地方交付税。地方交付税というのは、皆さんから、国民からいただいた税金ですよ。そして、払っている一般の国民の皆さん方は、悪いけれども年金を使いますよ、積立金を崩しますよ、地方公務員の方だけはそうじゃないですよ。そんなばかなことはないでしょう。

小宮山国務大臣 交付国債というのは、年金の積立金の取り崩しではございません。これは小切手のようなもので、ちゃんと運用利回り相当額もつけて、政府が保証をしてちゃんとやるわけですから、そこは、現金化を一時的にいたしますけれども、年金の積立金は目減りをいたしませんので、これは取り崩しとは違います。

加藤(勝)委員 いや、私、今の答弁で、本当に小宮山厚生労働大臣は年金を守るというつもりがあるんですか。

 交付国債と国債、根本的に違うのは、今持っておられる国債であれば何かあったら売ることができますよ、すぐに、あしたにでも。交付国債は売れますか、売れないじゃないですか。そして、そのことが皆さん方の、財務大臣との合意の文書の中に、万が一の話を書いたでしょう。

 しかし、実際は、万が一が起きたときには対応できませんよ。だって、政府側が国債も売れないような状況だから、一体政府がどこからお金を持ってくるんですか。そういう状況になるということが、通常の積立金よりも、交付国債が入る、このことはやはり一段悪い方向に向かっているんだ、そういう認識を持たないと、我々の年金を守る厚生大臣としての仕事は果たせないと私は思いますよ。

小宮山国務大臣 ですから、その年金の国庫負担二分の一というのは必ず必要だと自民党、公明党もおっしゃっていたわけですから、それは税の抜本改革でそれに充てるということもおっしゃってきた、その方向で私たちもやっているわけですから、抜本改革をすればそれがしっかりと返ってきますので、そういう意味では、別に年金の積立金を守らないという考えでやっているわけではもちろんございません。

 いい形でしっかり守って、次の世代にどう引き渡すかということで、全力を挙げてやっているところです。

加藤(勝)委員 いや、だから、私どもは、交付国債じゃなくて最初に申し上げた赤字国債にすれば、きっちりと皆さんの年金は全然減らずに済むじゃないですか。何で厚労大臣は体を張ってそういうことを主張しないんですか。何の問題もないですよ、それだって。

 あえてそれを、一番自分たちの都合のいい方をとって、しかもどっちでも大丈夫ですというようなことをやはり言っちゃだめですよ、大臣。我々の年金を預けているんですから、大臣に。それをしっかり守るという姿勢をしっかり示してもらいたいと思いますけれども。

小宮山国務大臣 二十四年度につきましては、厚労省としても、もちろん、いろいろな形の主張をいたしました。政府としてこういう形で決定をいたしました。

 二十五年度については、まだこれから話し合うことにしておりますので、少しでも安定する形になるように、年金を預かる大臣としては全力を挙げたいと思います。

加藤(勝)委員 いや、ことしがそうなれば来年も多分そうならざるを得ない、そういうふうになっていくんですよ。そうしたら、国民年金の積立金に占める割合も一割近くになっちゃうんですよ、交付国債が。だから私は心配して物を申し上げているんですよ。

 そして、そういう心配を国民の一般の年金にはしながら、地方公務員の方にはそれとは関係なくするというのは、私には納得いかない、そのことを強く申し上げておきたいと思います。

安住国務大臣 年金のそういう不安を解消するためにも、ぜひ御協力いただいて消費税を引き上げさせていただいて、やはりこれをしっかり返済していく、こういうことをやりたいと思いますし、地方のことについては、これは法律のたてつけ上も地方は地方で負担をするというふうになっておりますので、そういう対応をしたということでございます。

加藤(勝)委員 まだまだ議論もさせていただきたいし、今の答弁に対しても全く納得できませんが、これからの方に後を譲りまして、私の質問は終わらせていただきます。

中井委員長 この際、赤澤亮正君から関連質疑の申し出があります。石原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。赤澤亮正君。

赤澤委員 自由民主党の赤澤亮正です。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今の加藤委員の質疑に絡んでですけれども、交付国債は手形のようなものという話がありましたが、これは年金法の改正案が成立をしなければ要は不渡りということになるわけでありまして、私どもとしては、やはり交付国債は戦後の一時期しか当初予算で発行したことはないはずなので、そういう事実を踏まえて。

 そしてまた、特別会計、復興特会にどうもツケ回したように見えるところもある。これは粉飾まがいと言うと失礼になりますけれども、かなり苦しい予算になっている。

 そこも踏まえて、これはもう恐らく全野党の委員の総意じゃないかと思うんですが、いつまでも年金法改正案が出てこないまま質疑を続けることはやはり難しいと思うんです。そのことは、私もそう思っているということを委員長に強く申し上げておきたいと思います。いろいろな機会に理事会で諮っていただきたいと思います。

 本日は、最初に、東日本大震災からの復興の問題、次に、首都直下地震や東海・東南海・南海地震への備えを含む全国防災の問題について質問をさせていただきたいと思います。

 質問の意図は、東日本大震災からの復旧復興についても、全国防災についても、今の政府の取り組み、特に必要な予算の確保が極めて不十分であることを御理解いただいて、本日提案する内容を受け入れて、政府の取り組みを万全なものに改めていただきたい、こういう思いであります。批判のための批判ではなく、問題点をどう解決するかの提案を同時に必ず行ってまいりますので、きちっと受けとめて対応いただきたい、このように思います。

 まず、東日本大震災からの復旧復興についてお尋ねします。

 明日、いよいよ復興庁が設置されます。東日本大震災から一年近くたって、ようやく設置にこぎつけたわけです。ほとんどの国民が遅過ぎると感じていると思います。

 午前中の答弁の中で野田総理が、与党議員の質問に対して、復興庁、電光石火のスタートダッシュといきたいものだという趣旨の御発言をされました。私は、一年近くたってからようやく復興庁ができて、電光石火、スタートダッシュと言われても、被災者からすれば、何を今さらとまでは言いませんけれども、やはり遅いんじゃないかというのが実感じゃないかと思います。

 総理は、もっと早く復興庁を設置すべきであったとお考えではないでしょうか。

野田内閣総理大臣 復興庁の問題も含めて、何かにつけ遅いという御批判をいただくことはこれはもう十分承知をしておりますが、ようやくあしたスタートすることができましたので、復興事業を加速化するという意味において、特にワンストップで被災地の御要望を承って、そして機敏に対応するということでしっかりと期待に応えていくように頑張っていきたいというふうに思います。

赤澤委員 もう一目瞭然のパネルを用意させていただいたんですけれども、関東大震災のときは、帝都復興院、発災二十六日後に設置をされているということであります。東日本大震災、二〇一二年、復興庁が発災三百三十六日後にようやく設置をされたということです。

 昨年末の日本版ニューズウィーク誌も、「変われない日本、一年の物語」という記事の中で、「唖然とする事実がある。復興庁の設立は三・一一の一周年を前にした来年二月をめどにするという。

 職員が二百人を超える程度の組織を立ち上げるのに、信じ難いほどの月日を要している。「未曽有の国難」に対処する組織をつくるのに、なぜ一年もかけられたのか。国難と言う割には緩慢に過ぎる。」こういう指摘をしています。

 復興庁の設置自体は、これは自民党の提案によるものでありますし、ただ、我々がそもそも提案したのは、被災者の皆様のニーズにその場で全て応える、総理はワンストップという言葉を使われていますけれども、本当にワンストップで、真に被災者のためになるスーパー官庁を迅速に設置していただきたい、こういうことでありました。ところが、非常に残念なことに、迅速な設置も行われませんでしたし、スーパー官庁にもなっていないということを私は感じております。時間ばかりかけて、あす設置される復興庁であるが、中身もまた問題が多いというふうに感じます。

 これも簡潔にまいりますが、復興庁の二百五十人の常勤職員のうち、東京の本庁に約百六十人、現地の復興局などに約九十名が置かれるとされています。一言で言って、いかにも頭でっかちではないですか。全体の六割強の職員が本庁に勤務する必要性は本当にあるのか、大いに疑問だと思います。

 ワンストップできめ細かな対応などとおっしゃっていますけれども、本当にそのとおりうまくいくか、こういう疑念を拭うことができません。これでは、被災三県にせっかくそれぞれ復興局を置いていただきますけれども、地方公共団体などの関係者は、結局、復興のために、要望を責任ある人に聞いてもらうには上京しなきゃいけない。現地にも顔を出す。要は、二度手間ではないかということを感じるわけであります。

 自民党としては、必ずしも被災者の希望に応えられない事態というのをある程度想定せざるを得ません。これは、言うまでもなく、我々が決して足を引っ張ったからではありません。我々の提案をそのまま受け入れてもらえなかったために起こっている、こういうことであります。

 一つ声を紹介すれば、宮城県女川町の須田善明町長の声が、今、隣でサポートしてくれている小泉進次郎議員経由で伝わってきています。規模の大きな市や町の復興に予算、機械、資材やマンパワーが集中し、規模の小さな女川町などが復興から取り残されるのではないかと大いに心配している、こういうことであります。

 政府は、まだまだたくさんあると考えられる被災地でしかなかなかわからないニーズ、これをしっかり酌み上げる必要があると思います。

 そこで、提案ですが、この図を見ればおわかりのとおり、被災三県に復興局を置くとされていますけれども、副大臣、政務官、さらには事務方である事務次官、統括官、審議官、参事官、そういった幹部はそれぞれ分かれて、岩手県、宮城県、福島県の復興局なり支所なりに常駐すべきではないですか。

平野(達)国務大臣 まず、冒頭、帝都復興院と復興庁の資料を示されてお話がございましたけれども、それに若干触れさせていただきたいと思います。

 まず、復興は政府一体で、政府を挙げて取り組んできたということであります。それから、被災者の支援、仮設住宅、さまざまな問題が今提起されておりますけれども、応急復旧、それからあと次の復旧に向けてのいろいろな工程表、こういったものをつくってきました。さらに、これは自民党さんからもいろいろな御提案をいただきましたけれども、復興特区制度、交付金制度、こういったものをつくって、私どもの考え方では、少なくとも津波、地震対策についてはおおむねの道具立てはそろったな、そういう思いをしております。その上で、復興庁が今回できてきたということであります。

 御質問の趣旨は、現地にもっと人をということでありますが、まず……(赤澤委員「幹部ですよ、幹部。責任者が行くということです」と呼ぶ)はい、わかりました。責任者については、もちろん、復興局のところには政務官が一人張りつきますし、担当の副大臣がしょっちゅうそちらに行くという形になると思います。

 それから、ちなみに、今、現地の常駐は二十七人ですが、これから常駐を約九十人にふやします。

 それから、本省の職員は、これは本庁にいるわけではありません。今、大体、毎週毎週と言っていいくらい、各市町村をぐるぐるぐるぐる回りながら、復興計画の策定支援、それから復興交付金計画の策定支援、こういったものの巡回指導をやっております。ですから、復興庁の職員が東京にいるというよりは、むしろ地元をぐるぐるぐるぐる回りながら、そこでいただいてきた宿題を東京に持ち帰ってきて、議論しながらそれに対応してきているということであります。

 責任者については、現地に置くようにしたいというふうに思います。

赤澤委員 今の平野大臣の答弁には、私はうそがあると思います。政務官というのは専任の方は置かれませんよね。他省と併任の政務官が置かれるだけですよ、この復興庁の政務官を務めることができる。併任の方が本当に常駐されて張りつくんですか。今あなたはそうおっしゃいましたよ。間違っているなら訂正してください。

平野(達)国務大臣 もともと、復興局には専任の政務を置きたいという発想はございました。しかし、さまざまな協議の結果として、一閣僚増、そして二副大臣の増という形になりました。

 ちなみに、復興局については併任の政務官になりますが、これまでも、岩手県でも、宮城県でも、それから福島県においても、できるだけ現地に置く。それで、国会等々の都合においてこちらに来なくちゃならないときは来られましたけれども、まず現地に足を置いて、現地を歩いていただく、そういうことで仕事をしていただいたというふうに思っておりますし、これからもその形は維持したいというふうに思っております。

赤澤委員 要するに、常駐でなければ、自分がもともといる役所の仕事が忙しくなったら足が向かなくなるんですよ。あるいは、つるし上げを食ったら行けなくなる、行きたくなくなることもあるかもしれない。だから、常駐にしてくれと言っているんです。

 では、少なくとも事務方の幹部だけは常駐にさせてくださいよ。

平野(達)国務大臣 まず、つるし上げるから、嫌になったから行かないなんということは、まずこういう人はいませんよ。

 それからあと、事務方の幹部については、これは常駐を原則としております。常駐にします。

赤澤委員 今、新しいあれがありましたよ。説明資料、配られているものでは、事務方の幹部は必ずしも常駐という説明になっておりませんけれども、常駐にするという発言が今大臣からありました。そこは私は評価をいたします。

 政務三役や事務方の責任ある立場の幹部が現場に常駐すれば、職員も仕事がやりやすくなるんですよ。それは間違いがありません。私は役人だから、よくわかります。その場に幹部がいることと……(発言する者あり)今は役人じゃないです、役人出身だから、よくわかります。ちょっと言葉尻を捉えないようにお願いいたします。役人出身だから、よくわかります。その経験に照らせば、本当に幹部がいるほど仕事がやりやすい。それから、被災地の関係者にとっても、地元で復興庁の責任者と直接話ができることのメリットは大きいです。

 それで、二〇二〇年までの時限の組織ですけれども、三年後の見直し規定もあります。自民党がかねてから指摘したふぐあい、例えば、縦割り行政、それから二度手間、余り細かくはやりませんけれども、もしそれが確認され次第、三年を待たずに即時改善を行っていただきたい、このことを強く、重ねて提案しておきます。

 次に、私は、自公政権当時、自民党議員六名、公明党議員五名から成る与党被爆者対策プロジェクトチームの事務局長を務めていました。その経験に照らしまして、被爆者の皆様のための対策を規律する法律の考え方と、国費による福島県の子供さんたちの医療費無料化を認めない今の政府の考え方は、私はどうも合っていないんではないかと思うんです。

 そこで、これは小宮山大臣ですか、改めて伺います。福島県の子供の医療費無料化を国費で行わなかった理由は何ですか。

小宮山国務大臣 福島県だけ十八歳以下の全員の子供の医療費の無料化をするということは、今の制度上、熟議を重ねましたけれども、無理だということです。というのは、例えば今回の放射線の被曝線量は、福島県下だけではなくて、宮城県とか茨城県とか、いろいろなところで高い線量のお子さんもいらっしゃいます。ですから、福島ということでやるのはなかなか難しい。

 それで、今回、福島が基金でこれに対応されることになりましたので、これまで国としてもそこにお金を入れてまいりましたし、今度東電の賠償金もそこに入るというふうに聞いています。それで、先日、総理も、そこの基金が足りなくならないようにしっかりと手当てをするとおっしゃっているので、そういう形でやりたいと思っています。

 厚労省としては、また、第四次補正予算で措置した安心こども基金で子供の遊び場を確保するとか被災した子供たちの相談支援など、できることはしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

赤澤委員 これは被爆者援護法の前文です。法律全体は大部ですので、考え方がわかるところを引用させていただきます。

 要は、これは米軍が投下した原子爆弾でありますから、私は責任は米軍にあると思っていますけれども、国の責任において、我が国の責任においてということです、原爆投下の結果の被害、これは他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることに鑑みて、高齢化の進行している被爆者に対して、医療にわたる総合的な援護対策を講じる。それで、同法の十条で医療を給付するということを書いて、そして、被爆者健康手帳を持っている方たちは医療費が無料になっています。

 小宮山大臣のおっしゃったことは、どれも私は反論になっていないと思うんです。というのは、同じベースで考えれば、今回の東京電力の福島原発事故については、これは我が国の政府の責任が明らかに大きいと私は思いますよ。しかも、その国が進めてきたエネルギー政策、原子力政策と、何百年に一度の地震という特殊なものが組み合わさって起きた被害なんです。被害の特殊性も私はあると思っています。

 加えて、福島のお子さんたちだけじゃないと。だから国が出てくるんですよ。きちっと、どれぐらいの放射線量がということは決めることができるわけですから、手帳の制度をつくるなりして、そのときに放射線量を浴びた可能性があるお子さんたちについて、きちっと経過観察ができるように医療費を無料にするというのは十分あり得ることだし、親御さんたちはそれを心配しているんでしょう。若いころに、平均余命が長いうちに放射線を浴びると影響が出やすいという説もあるから大変心配なんだ。私も親だから、よくわかります。それに応える意味で、今の考え方でできない理由は私はないんだと思うんですよ。

 そこで、伺いたいのは、これは総理に伺いたいんですけれども、東京電力福島原発事故について、国の責任も被害の特殊性も認めないというお考えですか。

平野(達)国務大臣 まず、ちょっと一つ誤解を解きたいと思いまして、コメントさせてください。

 まず、福島県が十八歳以下の子供に対しての医療の無料化を訴えてきたのは、この放射線に起因する健康被害、異なる特殊な被害という、いわゆる被曝という意味で捉えていないというふうに私は思っています。

 福島県が言ってきたのは、子供たちがどういうふうな状況に置かれているか。例えば、自分が被曝すると怖いから外に出られない。それで、出ないことによる精神ストレスがあって、ある子供は肥満になる、ある子供は生育障害みたいなのが出てくる。女の子に至っては、私は将来子供が産めないかもしれないということで悩んで精神ストレスになる。

 つまり、放射線というダイレクトな問題じゃなくて、これから起因するさまざまなストレスといったことが福島全域の中で広がっているので、何とか無料化をお願いできないかということなんです。放射線そのものではないということで、この問題との中で、議論の混同はぜひ避けていただきたい。それは福島県の県民が、県が最も気を使っていることなんです。

 そういう中で、だから、私も、十八歳未満の医療の無料化については、何とかできないかというふうに考えましたけれども、先ほど小宮山大臣も言われたような形の結果になりましたが、いずれにせよ、福島県は、健康基金を活用してということでございますから、その活用をして子供たちの十八歳以下の医療については無料化をするということについて、その具体化に今着手をしているということでございます。

野田内閣総理大臣 基本的には、賠償を含めて第一義的責任は事業者の東電にある。そうはいいながらも、原子力政策を国が推し進めてきたわけでございますので、そういうことも含めて、しっかりとその賠償を果たせるように万全を期していくのが国の役割というふうに捉えております。

赤澤委員 ありがとうございます。

 今の答弁も、私は満足をしません。平野さん、被爆者援護法をきちっと勉強してください。今は、被爆者の方、被爆者健康手帳を持っている方たちは、放射線に関係のない医療でも基本的に全部無料です。福島県の方たちは、放射線を浴びた影響の可能性がある、そういうことですね。その点はおっしゃるとおりだと思います。しかしながら、考え方は同じなんですよ、これは。別に、医療について、放射線に起因するものだけ無料化されているわけじゃないんですよ、原爆の被爆者の方たち、被爆者健康手帳を持っておられる方たちは。ということなので、その考え方をしっかりと一回きちっと整理をしていただきたいと思うんです。

 私は、この点は、両方をよく比べて物の考え方を見ると、やはり福島県の佐藤雄平知事が決断をされたのは英断であるし、そして、彼の要望には応えられない、要望はあったけれども応えられないということですから、国の責任において、一義的に東電が責任を負うのは私わかりますが、東電の賠償も単発でしょう、これは。被害について、二百五十億だったか払いましたけれども、あとどれだけ払うかわからないが、ずっと続くものではないですね。そして、国の基金も限りがあるものです。

 しかしながら、放射線を浴びたかもしれない、親御さんたちはずっとお子さんの健康を心配するんです。続くんです。だから、真剣にもう一度、今の議論を踏まえてきちっと考え方を整理していただきたい。私は、ぜひ福島県のお子さんたちの医療費の無料化を実現していただきたいと思っています。

平野(達)国務大臣 委員の御趣旨、よくわかりました。

 ちなみに、私どもも、特に子供のそういう精神ケアというのが大事だということで、平野文科大臣の指導のもとで、特に新潟県の児童の心のケアは今どういうふうな状況になっているか、こういったものをまずしっかり調査するという準備も進めていまして、そういった面でのサポートもやっていかなくてはならないというふうに思っています。

 あと、何とか無料化しなくてはならないという委員の気持ちはきっちり受けとめたいというふうに思います。

赤澤委員 前向きに検討していただけると理解をいたします。この辺は、我が党の地元の吉野衆議院議員あるいは岩城、森参議院議員からも強く要望が出ておりますので、ぜひしっかり検討いただきたいと思います。

 次に、復興と、あわせて進められている全国防災の予算も含めて、その確保の問題について伺いたいと思います。

 東日本大震災からの復興と、これから発生することが予想される大地震、津波への備えを含む全国防災の予算の確保、これは非常に重要な問題ですね。

 五年の集中復興期間の被災地の復旧復興、それから全国防災の対策規模と呼んでいいのかと思いますが、十九兆円。そのうちの約十八兆円が復旧復興、約一兆円が全国防災の対策規模ということになっていたかと思います。

 私の理解するところ、図を見ていただけばわかるように、平成二十三年度の一次補正予算から始まって二十四年度当初予算をきちっと消化すると、ほとんど残らない、一兆円を切ってしまう、こういうことだと思います。この五年間の集中復興期間は平成二十七年度末まで残っているはずであります。私の計算だと残り四千億ということになりますけれども、被災者の皆様や国民の皆様の求めに応える復旧復興、全国防災を行うことは不可能だと思います。

 現に、例えば被災地陸前高田では、防潮堤、完全なものができていませんよね。五年かけてつくると言っていますよ。その予算をちゃんと確保できるのか、被災地の関係者は物すごく不安になっていると思います。

 この対策規模については、一定期間後に、それまでの実績を踏まえて、その後の復旧復興対策規模と財源スキーム等を見直すこととするとされていましたけれども、いつ見直すんですか。新たにどの程度の対策規模の予算を用意するんですか。さらにはその財源、その関係を教えていただきたいと思います。

平野(達)国務大臣 御答弁する前に、先ほど私、福島県を新潟県というふうに言い間違えたようで、大変失礼いたしました。福島県の話でございます。

 それから、この予算規模でございますけれども、公共物の災害査定もおおむね終了しつつあります。そういった災害査定が終わりますと、特に公共施設の、これから災害復旧にどれだけかかるかといった姿も明らかになってくると思います。その一方で、この十八・六兆というのは、とりあえず当面必要な予算ということで、そしてできるだけ年度内消化をするというのは基本でございますけれども、必要な予算を積み上げたということでございまして、今年度それから来年度等々において必要な予算は一応確保したというつもりでございます。

 あと、繰り返しになって恐縮ですけれども、災害復旧等々の全貌が見えてきますと、全体の予算の十九兆程度で本当に足りるのかどうかということも明らかになってきますので、その段階できちっと議論して、また国会の方でも説明することになるというふうに思います。

赤澤委員 答弁は長かったですけれども、全く答えになっていないんですよ。

 だって、さっき私、例を挙げたでしょう。陸前高田では五年間かからないと防潮堤が復旧しない。国道沿い、本当に海沿いを走っている国道なんですよ。白波立つと、私が現地に行ったときも、津波を連想するんですよ。私でも怖い。もうトラウマになっている方たちは海沿いなんか通れませんよ。そういうところを直すのに五年かかると言っているんですよ。予算がもうほとんどなくなっているんです、用意した対策規模は。

 今の答弁じゃ全然だめですよ。それはいつまでにどれぐらいの規模をどういう財源でと、ちゃんと説明してください。

平野(達)国務大臣 災害査定の全貌がまだ私の方にも、今届いておりません。今、鋭意進めております。それで、実際に、この全体の予算増は、それを踏まえた上で。

 それから、あともう一つは、市町村ごとの復興計画の中での高台移転、これについても、今、全体像がまだ必ずしも明らかになっていません。これもできるだけ早くということで、私どもも、現地に行って、計画の策定の後押しをすると同時に、みずから計画の策定に参画もしておりますけれども、こういったことを踏まえて、全体像を明らかにしたいというふうに思います。

 いましばらく時間をいただきたいというふうに思います。

赤澤委員 少なくとも、いつまでに数字を出す。災害査定だって、大体いつまでかかるか、わかっておられるでしょう。いつまでに数字を出すんだと、それだけでもちゃんと答えください。

平野(達)国務大臣 今の段階で何月までというところまでは、ちょっと十分詰め切っておりません。いずれ、委員の問題意識も、私も非常に強い問題意識を持っておりますので、できるだけ早く出すようにしなければならないというふうに考えております。

赤澤委員 これだからみんな不安になるんですよ。要は、後手後手に回っているということなんです。豊富に予算を用意して、被災地の人たちには心配をかけないようにやらないと、やはり、先ほどおっしゃっていたきめの細かいニーズとか、そういった話に全然応えていないと私は思います。その点を強く申し上げておきたいと思います。

 次に、被災地の復旧復興も問題なんですけれども、私がそれよりもお粗末だと思うのは、正直言って、これから人を襲うかもしれない、あるいは東海、東南海、南海を襲うかもしれない、その地震に対する備えです。きょうは、残りの時間でその話をさせていただきたいと思います。

 これも総理に伺います。私はクイズをやる気はないので、細かい数字なんかはいいんです。首都直下地震と東海、東南海、南海の三連動地震が同時に発生した場合の人的、物的被害、東日本大震災と比べても、どういうふうに認識をしておられますか。

平野(達)国務大臣 東南海の三連動については、今、モデルを特定しまして、これから被害想定額等々の検討に入ります。

 今の御質問は、首都直下型と三連動が同時に起こった場合ですね。これはちょっと大変な数字になるというふうに思います。日本の経済が本当に大きく揺らぎかねない大震災になると想定されますけれども、そういうことが起こらないように祈りたいというふうに思います。

赤澤委員 何か今のを聞いていると、ちょっとダチョウを思い出すんですよ。怖いことについては見えないふりをしておけばいいとブッシュに頭を突っ込んで。被災地の復旧復興で忙しいのは認めます。前にも申し上げたとおり、私は平野大臣を政治家として尊敬していますから。だけれども、手が回っていないんです、正直言って。

 簡単に言って、二百兆円でしょう。少なくとも、中央防災会議ですか、あるいは地震調査委員会だったか、どちらか忘れましたが、東京湾北部地震という一番広域に被害が生じる十八パターンのうちの一つが起きた場合、百十二兆円の経済的被害です。人的被害は、死亡者一万一千人と言われています。これはマグニチュード七・三の理解だったと思います。それから、東海、東南海、三連動については、マグニチュード八・七の想定だったですか、八十一兆円の被害で、古い推計で二万五千人が亡くなる。

 三万六千人の方が亡くなって二百兆円の被害が出る、これの備えもやらなきゃだめなんですよ。いや、もう平野さんに聞くよりは、やはり総理がきちっと指示を出さないとだめなんだと思うんです。

 それで、総理にこれを伺います。被害についての先ほどの話も交えて結構ですけれども、この首都直下地震と東海、東南海、南海の三連動地震、発生確率をどの程度というふうに認識されていますか。細かい数字は要りません。総理としてどう感じておられるかです。

野田内閣総理大臣 首都直下については、この四年で七〇%という大変ショッキングな予測が出ておりました。そのほかも、それぞれ、近い将来には起こり得るという数値が出ているというふうに思っております。

赤澤委員 四年で七〇%というのを聞かれたのであれば、十分危機意識を持たれたと思うので、その前提で議論をしたいんですが、実はあれは、地震研がその後、五〇%以下に改めたんですね。これはちょっとお騒がせだったニュースだなと私も感じました。

 一般的に言われているのは、地震調査委員会のあれで、首都直下が七〇%、三十年以内だったと思います。東海地震が高くて、一%昨年より上がりました、八八%。そして、東南海が七〇、南海が六〇%だったですか。いずれも大変高い確率ですよね。三十年以内には起こる方が確率が高い。そして、統計に詳しい人なら、もういつ起きてもおかしくない、こういう判断をされるんだと思います。

 その上で、ただ、三十年以内にと言われると、人間はやはり、三十年先、まだ先だな、こういう感覚なんですが、「大地震・津波の連動」というパネルを用意させていただきました。

 東日本大震災と同じように、いわゆる三陸沖、あるいは東北地方太平洋側という言い方もあるかと思いますが、マグニチュード八クラスの、八以上の地震が起きたのは、もちろん数え方にもよって一個ぐらい違いはあるかもしれませんが、二千年間に四回しかなかったと私は認識をしております。それで、真ん中を見ていただくと、首都直下地震と、どれも例外なく十年以内に連動しているんですよ、ということです。

 首都直下地震が前のこともあるけれども、後ろであろうと、とにかく前後十年には入ってきている。前には起きませんでしたから、今後十年でどうだろうと、はてなをつけてあります。

 それから、西日本、これは東海、東南海、南海に限って調べてみたつもりですけれども、一つを除いて、四分の三で、十八年以内に連動している、こういうことです。

 これを見る限り、そこに何年、何年と入れたわけでありますけれども、我が国の場合、百年に一度の地震が起こると連動する、そういうことなんじゃないでしょうか。

 マグニチュードについては、これはごちゃごちゃと字が多くなると見づらいので省きましたが、慶長江戸地震、これだけマグニチュード六・一だと思います。それを除けば全部七以上。巨大地震と言っていいものです。

 ということで、これを見ると、歴史に照らせば、まとめれば、サンプル数は少ないけれども、東日本大震災が起きれば、その後十年以内に首都直下地震が連動する確率が非常に高い、そして、東海・東南海・南海地震も十八年以内に連動してくる、こういうことです。あの東日本大震災をはるかに上回る人的、物的被害が予想される大地震、津波、これの発生確率を、かなり厳しく受けとめないといけないんだと思うんですよ。

 あす起きてもおかしくないということはずっと言われているけれども、私は、このパネルにある情報を得たときに、やはり真剣にこれは取り組まぬとだめだなと思います。

 危機管理の要諦は、事が起こるまでは最悪に備えよ、備えておいて、事が起こってからは楽観的に対処せよということがよく言われます。事が起こるまでは悲観的に、それが想定外という言いわけを後でしなくていい大事な備えだということだと思います。総理もこれに御異存はないですよね。うなずいておられます。

 ということで、今後十年以内に首都直下地震と東海、東南海、南海の三連動地震が同時に発生したり、東日本大震災の何倍もの人的、物的被害が生じるということは想定して備えなきゃならない、このことには異論はないだろうと思います。

 ちょっと長くなりますけれども、十年以内に大地震、津波が連発した我が国の歴史について、平野大臣。

平野(達)国務大臣 今回の東日本大震災でも、南北五百キロ、東西二百キロのプレートが動いたということでありまして、専門家が一様に言うのは、プレートの要するに応力構造が変わっている、応力構造が変わりますと、地震の発生メカニズムも変わってきて、要するに、不安定から安定化に戻ろうとする過程でさまざまな地震がある、あるいは火山が爆発するということが一般的に言われております。

 例えば、八六九年に貞観地震がございまして、これは規模が東日本大震災とほぼ同じでございました。このときは群発地震が前後各四十年、五十年にわたって頻繁に起こっています。マグニチュード七クラスの余震だと思います。富士山の噴火もたしか前後で起こりました。

 それから、二千年の中で、日本の火山活動で最も大きい火山爆発が、この貞観地震の六十年後でしたか、ちょっと今その暦年は忘れましたが、起きています。それは、私も意外だったんですが、十和田カルデラの大爆発です。

 これは、そういう意味で、地震、それから火山、まさに委員がおっしゃられたとおりです。これだけのマグニチュード八以上の地震がありますと、余りこれを大げさに言いたくもないんですけれども、ただ、我々は真剣に捉えています。

 日本の経済の、日本の国土の要するに基盤、特にプレートテクトニクスというか、それがやや不安定になっているということは相当頭に入れてやらなくちゃならないことだというふうに思っています。

赤澤委員 十年以内ぐらいに地震が連発したことが歴史上あるかというので有名なのは、やはり安政年間だと思うんですよね。これが理由で幕府が割とたやすく薩長にやられたという説もあるぐらい、そのときはもう地震が連発しています。

 それは、改めて今、認識をかなり厳しく持っておられるようなので、事実を繰り返すことはしませんけれども、結局こういうことなんですよ。我が国においては、大きな地震が来たら決して、では、しばらくもう来ないだろうと思っちゃいけないんですよ。来たら、この十年に連発するぞと思わないといけないんですよ。そのことは、きょう、ぜひ確認をさせていただきたいし、その意味でいうと、これからまた繰り返しますけれども、今の政府、備えが全然十分でないと私は思っています。

 そのことを今から議論させていただく前に、もう一つ、閣僚の資質をちょっと聞いておきたいんですね。

 田中大臣、きょうは何か後ろの列に座っておられて、ちょっとお顔が見えなくて残念なんですが、これから大地震、津波に国民国家を挙げて備えなきゃいけないということです。自衛隊の災害派遣ということも当然ありました。物すごく自衛隊に対する国民の尊敬と愛着が増しましたよね。本当に大活躍でした。

 ところで、田中大臣は、東日本大震災の被災地について視察に行かれたことがありますでしょうか。いつどこに行かれたかを教えてください。

田中国務大臣 防衛大臣になりまして郡山駐屯地にすぐ行ってまいりました。それから、それ以前はバス議連で、震災の後、仙台を中心として視察をいたしました。その後、民主党の国会議員の研修がございまして、視察をしたところでございます。

赤澤委員 郡山とおっしゃいましたけれども、たしか大臣の出身地はいわき市ですよね。その辺が……(発言する者あり)相馬ですか、わかりました。勝手が、あの辺は割とよくわかっておられるのかなというふうに思いますけれども。

 そこで、では、バス議連のときには見に行ったこともある、民主党でも行った、大臣になってからも郡山の駐屯地に行った。被災地を実際に見られたんですか、そしてそこからどういう教訓を得られたんですか。

田中国務大臣 当然、地震の被害が大変甚大であったということでありますが、津波の被害で海岸沿いが全て家屋が流され、また港湾が跡形もなく流されてしまっておる地域もございました。そういう面では、一次産業、二次、三次産業の生活再建というものが大変重要な状況ではないかというふうに思いますし、特に海岸沿いは生活が成り立たない方々が非常に多いわけでございます。

 その中で、生産基盤あるいは経済基盤というものをやはり早く確立していくということが大事だと思っております。特に、国道から海岸沿いにおいては大変甚大な被害が起きておるということを拝見して、大変心が痛む思いでございました。

赤澤委員 私は、余り申し上げたくもないんですけれども、今伺ったのは、最高指揮官である総理のもとで、その指揮を受けながら部隊を統括する防衛大臣の立場でどういう教訓を受けられたんですか、こう聞いたんです。もういいです。ちょっと申しわけない、本当にそういう質問をしたんですよ。何か、経済基盤、皆さん、壊れてと。それは、ほかの政治家の方がいろいろな立場で見てきて、経済基盤が壊れていた、生活再建ならわかるけれども、私は、部隊をどうやって統括するんだ、そこでどういう教訓を得たんだとあなたに聞いたんですよ。簡潔にお願いしますよ。(発言する者あり)これは本当に笑い事じゃないですよ、大臣。さっきの質問、私はそう言いましたからね、部隊を統括するあなたはどういう教訓を得たんだと。

田中国務大臣 大変どうも失礼をいたしました。

 郡山駐屯地に参りまして、この十万人の態勢の状況をお伺いいたしました。

 三月十一日以降十二月まで十カ月の勤務の中で、少なくとも延べ五カ月か六カ月、隊員の皆さん方が本当に寝食を忘れてやっていただいたという報告を受けたわけでございます。

 防衛省・自衛隊としましては、東日本大震災に際してのこの貢献を生かしながら、私もしっかり肌に感じながら、今後の震災に対して自衛隊の皆さん方が本当に救援ができるような、そういうことをこれから踏まえてやっていければと思う次第でございます。

赤澤委員 今のを聞いておられた国民の皆様は不安になったと私は思うんですよ。

 というのは、まず、私の質問は部隊を統括する立場での教訓と言っていなかったというつまらぬやじがあったけれども、あなたに、防衛大臣に聞いているんだから、教訓と言ったときは職責にかかわるものに、当然それを聞いているはずなんですよ。

 しかも、今のお話を聞くと、報告を受けたとかしっかりやってもらったとかその類いのことを、そんなものは視察しなくたってわかるじゃないですか。あなたが現場を見て、本当に、防衛大臣としてこれから部隊を統括する、指揮するときに、どういう教訓があったんだということを言葉で語ってほしかったんです。文書を見てもらう必要はないので。

 私は、ちょっとむなしいので、これ以上田中大臣の答弁をいただくことはしませんけれども、結局、私からすると、これは、朝鮮半島の有事とかいうようなことであれば、御本業の方の防衛の関係で何かお仕事があるかもしれないし、さっきも言ったように、十年以内に首都防衛ということを本気でやらなきゃいけないと思うときに、災害派遣されるときというのは、自衛隊が本当に決定的な役割を果たします。私からすると、職業人としての田中大臣の適格性、これに本当に国民の生命が即左右される事態というのがあるんですよ。

 私は、そのことを踏まえて総理によくもう一回考えてほしいと思うんです。防衛だけでなく災害対応についても、私は、今のやりとりを聞いていても、田中大臣に適格性があるととても思えないんです。国民の皆様全てにとって明らかなことだと私は思っています。

 こういう状態で、野田総理に伺いたいんですけれども、総理はこういう答弁をされています。適格性を聞かれたときに、政務三役そのほかのメンバーも安全保障の問題に強い関心を持っているメンバーを配置していますので、こういう答弁ですよ。二月三日の衆議院の予算委員会締めくくり質疑、中谷委員の質問ですね。それは、田中直紀防衛大臣の知識経験が不十分である、こういうことを承知して任命したという趣旨ですか。

野田内閣総理大臣 まず、自衛隊の今般の災害派遣における活動、十万人を超える態勢で、これはまさに勇気と真心を示して、被災者の皆さんに高く評価をされています。私は、それは大いに誇るべきことだと思っております。

 そして、まさに、防衛大臣はかわりましたけれども、そういう隊員たちの心をしっかり掌握して、この国をしっかり守っていくための職責を果たしていただきたいと思いますが、田中大臣を選んだのは、これまでの政治的な経験あるいは蓄積、そういうものを踏まえまして総合的に判断をして、適任として判断をしたということでございます。

赤澤委員 総理は、既に交代された一川防衛大臣の人選については、適材適所とおっしゃいました。このたびの田中防衛大臣の人選については、最強最善と。何か、適格性がどんどんなくなっていくに従って言葉ばかり強くなっている感じが私は率直に言ってします。

 それで、士気高くとおっしゃったけれども、それは無理でしょう。防衛大臣が防衛の基本方針を聞かれたときに、一生懸命防衛白書を読んだんですよ。どうやって隊員が士気高く持つことができるんですか。私が部隊にいたら、まあ自分は違う役所で働いていましたけれども、士気なんか上がりません。そのことを重く受けとめていただきたい。

 総理はこういうこともおっしゃっています。今週月曜日の参議院予算委員会。閣僚の人選は私の責任だ、批判はいろいろあり、甘んじて受ける、こうおっしゃいました。田中大臣の人選が誤っていた可能性を認めたということですか。

野田内閣総理大臣 閣僚は私の責任で選んでいる、いろいろなお立場からいろいろな御批判は私が受ける、そういう意味でお答えしました。

赤澤委員 しかし、批判を甘んじて受けるということは、何かそこに過誤があったんでしょう。

 このやりとりをずっとやっていても、ほかの野党の委員も皆やっておられることですけれども、私はなかなか、詮ないなと思っています。

 総理に、田中大臣の交代を強く求めておきます。このことは、もう繰り返し繰り返し我が党から出てくる話だと思っていただきたいと思います。

 そして、これから発生することが予想される首都直下地震、それから東海、東南海、南海の三連動地震について、人的、物的被害を最小化したい。そういった事態に対して、国全体、国土全体として、あるいは国家国民を挙げてと言っていいと思います、バックアップ機能を最大化して、それらが発生した直後から救助、復旧復興を最速化する、この取り組みに万全を期したい、こういう思いです。

 私は、今の政府には、本日以降、総力を挙げて真剣に取り組んでほしいと思うんですね。この取り組みを私は国土強靱化というふうに呼んでおります。

 総理にお伺いをしたいのは、東日本大震災の教訓を取りまとめて、そして、閣議などで、これから来る地震について、こういう取り組みをしてくれというような御指示をされたことがありますか。

野田内閣総理大臣 中央防災会議であるとか、そのもとにつくられました防災対策推進検討会議、これは閣僚や有識者が入っておりますけれども、もう想定外のことが起こったというような言いわけをするのはやめよう、想定外のことも考え尽くして万全を期すのが危機管理だということでございます。

 特に、先ほど委員から資料の御提示があったように、一つ大きな地震があると続くという傾向がございますので、いつ起こってもおかしくない、そういう意味から、災害の基本的な法制あるいは体制を含めて、抜本的な見直しを今指示しているところでございます。

赤澤委員 これは、国土強靱化の取り組みということでパネルをつくってみたんですが、見てもらえば、端的に言うと、復旧復興のためにやった取り組みですよ。それと同じようなことが書いてあります。今から簡単にさっといきます。

 私は、事前復旧みたいな考え方が大事だと思うんですよ。二百兆円かかる被害、だけれども、例えば二十兆、あるいは、場合によっては百兆、お金をかけて減災に努める、その結果、被害が半分になれば、経済的な損はないですよ。

 これは財源の議論をしていちゃだめなんですよ。二百兆円の被害、これは、ほっておけば、起きたらそれだけの被害が出る、政府はそう言っているんです。それだけの財源を用意しなきゃいけないんです。どうせ二百兆円を用意しなきゃいけないんです。それを、賢明な投資を計画的にやって、いかに少ない被害で抑えるか、これは我々の英知が問われているんですよ。

 そういう取り組みをきちっとしてほしいんだが、そうなっているかというと、先ほど申し上げました、予算はもうない、枠が残っていませんよ、こういう話です。

 そして、復旧復興については、ここにあるように、基本法をつくり、担当庁を我々の提案で置き、大臣もあした決まる、対策本部の設置がされている、迅速な計画を策定し、これは迅速でなかったかもしれませんし、十分な予算の確保も今できていませんが、少なくとも復旧復興ではこういった枠で目指していますね。それを迅速かつ着実な計画を実施していくと。

 このことで、さっき言ったことですよ、マグニチュード七・三の首都直下、八・七の三連動地震でも二百兆円、予想を超えれば三百兆になるかもしれない、それをどうやって減災するんだ。本気でやるんだったら、こういうことはもうできているはずなんですよ。どうしても、平野大臣がお忙しい、片手間でやっているので、十分できないんじゃないか。

 総理に伺いたいのは、復興担当大臣とは別に、この仕事をする、我々は国土強靱化と呼んでいますけれども、その大臣をきちっと置くべきではありませんか。

野田内閣総理大臣 今回、復興庁の設置に伴いまして、新たに閣僚の増員枠が一つふえます。そういう中で、防災を中心としてしっかりその職責を果たす、そういう大臣の選任をこれから考えていきたいというふうに思っております。

赤澤委員 ありがとうございます。

 それで、国土強靱化基本法を制定し、担当大臣を置いて対策本部を立ち上げる。私は計画が本当に肝だと思うんですよ。十年間に地震が起こるなら、その前にやらないと意味がないんです。

 基本的に、十年計画を、国土強靱化計画を例えばつくって、その中に五年間の集中取り組み期間、三年間の特別集中取り組み期間、総理もおっしゃったように、四年以内に七割なんという話が出たぐらいですから、あれを見たときに、ああ、自分の考えていることは正しかった。三年以内の計画もつくる、その中で効果を上げられる、ここまではいけるというものを選んで徹底的にやる、計画的かつ集中的な取り組みが要ると思っているんです。

 その点について、総理はどう考えられますか。

平野(達)国務大臣 大変重要な御提案をいただいているというふうに思います。

 その前に、今私どもが何をやっているかということについて、若干、短くお話しさせていただきます。

 総理から指示いただいております東日本大震災からの復旧復興、そしてあわせて、東日本大震災の検証であります。これについても、さまざまなテーマを設けて、まだまだこれはやらなくちゃならないことがありますが、これを並行的に進めています。

 そしてさらに、首都直下型、東南海に備えてのさまざまな準備、これもまだまだやらなくちゃならないことがありますけれども、今鋭意進めております。

 具体的に言いますと、首都直下型で、いろいろなことを想定しなくちゃなりませんが、例えば、真夜中に、平日に地震が起こったときにどうなるか、霞が関に人が集まるんだろうか、そんなことからまず議論しなくちゃならないというふうに思っています。

 そういった意味で、テーマはたくさんございますけれども、担当大臣がどうなるかわかりませんが、絶えずきちっとした詰めは、ぜひ赤澤委員からもさまざまな御提案をいただきながら、やっていく必要があると思います。

 私は委員の認識と全く同じでありまして、かなり、危機感を持ってと言い過ぎるとちょっと余計な心配も与えかねませんけれども、我々の政務の政治家のレベルの中では、危機感を持ってやらなくちゃならないというふうに思っています。

 それからもう一つ。こういった中でさまざまな想定をして、では、それにどういう備えをするかということについても、あわせてしっかりとした検討が必要だと思います。

 これは復興予算とは別に、これだけの損害が想定される中で、どういう対策をとれば減災されるか、これは極めて大きな想定も想定されますので、それをどうするかということについても、まず我々の中で詰めて、財源の問題等々もありますから、難しい問題もございますけれども、危機感を持ってやる必要があるというふうに思っております。

赤澤委員 東日本大震災は、非常に大規模な、我々からすれば希望の太陽が隠れたぐらいのインパクトでしたけれども、これから起きるものも、被害はもっと大きいかもしれないということですよ。

 だから、私は総理に繰り返し、本当に、復旧復興で多忙な平野さん以外に、きちっとこれに取り組める大臣を置いてほしいんです。現に、十年計画、五年計画、三年計画なんて考え方をしていませんし。

 もう一つ例を挙げておきます。

 十年以内に耐震化ができなきゃ何の意味もない。地震が起きてしまってから耐震化したって意味がない。だとすれば、今は例えば、民間の企業が自分の社屋や工場を耐震化する、私の理解するところ、融資とか税制ぐらいしかないですよ。だけれども、この十年に限っては、勝負の十年なんですよ。だから、国が一歩も二歩も前に出て、場合によってはもう本当に直接的に真水を入れるというぐらいのことをこの十年はやる、そういう発想でやらないと、我々政治家は仕事をしたことにならないと私は思うんです。

 そのことについて、では、総理のお考えを伺います。

野田内閣総理大臣 先ほど平野大臣が御答弁をしたように、あらゆる想定のもとで、しっかり準備をしなければいけないと思います。

 加えて、今できることとしても、評価はいろいろあるかもしれませんが、補正予算や今御審議をいただいている本予算の中でも、全国のまさに耐震化の予算措置も講じています。

 学校や病院等について、まずはやれるところから全力を挙げていくことと、今おっしゃったところまで広範にどうやるかについては、引き続き研究をさせていただきたいというふうに思います。

中井委員長 前田大臣、手を挙げていらっしゃるが、時間がありませんから、ちょっと引っ込んでください。前田さん、指名していない。手を挙げておるけれども、時間がないと言っておるの。

赤澤委員 ありがとうございました。前田大臣、もう気持ちはわかっていますから。ということで、別の機会にまたやらせていただきたいと思います。

 それで、もう一つ指摘しておきます。これは情けないことだと私は思っているんです。

 十九兆円の中で一兆円が全国防災に割り振られた。根拠を聞いたんです。聞いたところが、何と言われたか。阪神・淡路大震災の後も一兆円やりましたからと。それ以外の根拠がないんですよ。

 地震が迫っているんですよ。東日本大震災を上回る、場合によっては桁外れな、そういう地震が迫っているんですよ。そのときに、全国防災の予算は、阪神・淡路大震災、一九九五年に起きた地震、そのときの後にやった予算と同じ額でいいやと。

 これは、前例主義に倣った官僚の方たちが一生懸命考えたことなんですよ。それをそのまま認めて、それ以上に積み増していない状態で、政治主導だなんて私は言えないと思うんですよ。これは、最も情けないと思ったことです、今回これについて質問するに当たっていろいろ調べて。

 だから、もっときちっと、総理、官僚が前例にとらわれて適切に対応できないときに、より広い視野で政治主導が発揮されなければならない。その点についてどう思われますか。

安住国務大臣 額は、二十三年の三次と二十四年度本予算で一兆五百七十九億円ではございますけれども、最初に一兆ありきではございません。

 この予算については、例えばこの委員会でも、自民党や公明党の皆さんからも、例えば学校の施設の耐震化等は急いでやるようにという御指示もありましたし、そういうもので積み上げて、それは二千億円三次補正で積み、今回は一千二百億円積んだりですね。

 ですから、いろいろなお話を聞きながら積算をやってきたものでありますから、阪神大震災のような、一兆だから今回も一兆という御批判は当たらないと思います。

赤澤委員 今のは成り立たないと思います。というのは、もう足りないですよ、全然足りていません。しかも、やっていることが、地震に備えて国家国民を挙げて備えよう、三年、五年、十年以内にやれることをやろうという感じの取り組みに全然なっていないですもの。

 今のお話については、何か積み上げがあったというなら、それを紙で出してくださいよ。きちっと出してください。(発言する者あり)いや、それは積み上げじゃないですよ。事実上予算が結果的にそうなったというだけであって、必要なものを全部洗い出して、三年以内にできるものが全部でこれです、これについては措置しましたなんて、説明に全然なっていないですよ。そこをきちっとやってくださいということを私は申し上げているんです。

 この点は総理にお願いしたい。最優先の課題として、この十年、特に本気で国土強靱化に取り組むということを一言いただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 前田大臣も多分お話ししたかったということは、今回の大震災も踏まえながら、また次に対する備えも含めて、災害に強い国土づくりをしていかなければいけないということを多分おっしゃりたかったんだと思います。

 政府としても、委員の御指摘は非常に共感する部分が多いと思いますので、いろいろ財政の問題がありますが、その中でも次なる対策を有効に講じていけるように頑張っていきたいというふうに思います。

赤澤委員 国民の生命を守るためですよ。首都防衛ということでいえば、国家を守ることでもあるんですよ。これは本気でやっていただきたいと思います。

 きょう私が申し上げた提案を基本的に全部受け入れて、実現していただきたい。強く申し上げておきます。

 あわせて、最後に一つ聞きたいのは、政府広報ですよ。

 昨年十二月とことし一月、二回、政府広報が行われました。これは一体幾らかかったのか。岡田副総理でいいですか。

岡田国務大臣 昨年十二月四日の新聞広報二・九億円、一月二十八日の新聞広報二・八億円のほか、昨年行った雑誌広報、啓発パンフレットを合わせまして六千万円程度でございます。

赤澤委員 そうすると、合わせて六億を超えているということですね。私は、これは無駄遣いだと思うんですよ。内容が薄いということ以上に申し上げたいのは、これは閣議決定もしていないでしょう。閣議決定もしていないし、法律も成立していない素案のPRになぜこんな大金を費やすんだ。

 岡田副総理は行政改革も担当されていますけれども、これは無駄だとはお考えになりませんか。

岡田国務大臣 これは、野田総理も常々おっしゃっているように、内閣にとって極めて重要なテーマであり、かつ、国民生活、将来の社会保障あるいは増税ということですから、極めて影響が大きい。そういう意味で、幅広く広報が必要だというふうに考えております。

 まだ法案もというお話がありましたが、例えば郵政民営化法案の際には、私の記憶では、パンフレットがほぼ全国に配布になったような気がするんですね。そういうことで、先例はございます。

中井委員長 岡田さん、あのときは二十五億使った。

岡田国務大臣 二十五億だそうです。

赤澤委員 こんなことなら政府広報を事業仕分けの対象にしたらいいと私は思うんですよ。というのは、民主党や野党の理解も十分得られていないし、政府広報に億単位の金を使うのは私は早いと思っています。

 これは総理に申し上げたいんですけれども、総理がメディアから逃げずに、記者会見で積極的に広報すれば、私はよっぽど効果が大きいと思うんですよ。ぶら下がりはされないし、記者会見も、私の理解するところ、定例的なものというよりは、自分がお話しされたいことがあるときに行われている。何億円もの税金をかけるんだったら、そして、反論ができない、そういう場で自分たちの都合のいいPRをするぐらいだったら、これは、しっかりと記者からの質問もある場で総理がきちっと説明されれば、国民の理解は深まるものだと思います。

 TPPでも何でも一緒なんですよ。総理が国民に、本当に命がけで、わかってくれ、俺はこれをやらなきゃだめだと思っているんだというのがどうも伝わらないんです。私はそう感じています。これもそのあらわれじゃないかというふうに思っています。要するに、何億円もの金をかけて、閣議決定がない、法律も成立していないものをやるけれども、年金試算の公開、これについて言えば、税金は一円もかからないのに公開をしない。

 我々から見ると、都合のいいところ、こればかり税金をかけて宣伝して、都合の悪いところになると一転、隠蔽しているように思います。これは民主党の体質を改めるべきだと思いますけれども、最後に総理に伺いたいと思います。

野田内閣総理大臣 私、記者会見は歴代の総理の中で過去最高のハイペースでやっています。ぶら下がりをやっていませんが。都合のいいときだけじゃありません。問責を受けているときとかを含めて、必要なときにはきちっとやっていますので、そういうことも含めて、国民に対する説明責任を果たしていきたいと思います。

 政府広報は、決められた予算の中で、必要なことについて予算をつけて広報させていただいておりますので、それは無駄ではありません。しっかりとPRをしていきたいと思いますし、あらゆる機会を捉えてお訴えをしていきたいというふうに思っております。

赤澤委員 そうは言うけれども、六億です。

 終わります。ありがとうございました。

中井委員長 この際、稲田朋美君から関連質疑の申し出があります。石原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。稲田朋美さん。

稲田委員 自由民主党の稲田朋美です。

 午後の質疑に関連をいたしまして、二、三質問いたしたいと思います。

 まず、最低保障年金七万円ですけれども、例の年金の試算は紆余曲折の上お出しになるそうですけれども、お出しにならない理由をあれこれ答弁される総理初め閣僚の姿が、私は民主党の隠蔽体質そのものだなと見ております。しかし、私は、その試算を出す出さないの以前に、この最低保障年金七万円に大変な問題があると思います。

 小宮山大臣にお伺いをいたします。そもそも、この最低保障年金七万円ですけれども、六万でも八万でもなく、なぜ七万円ですか。

小宮山国務大臣 七万円というのは、今基礎年金が六万六千円ですけれども、それよりも少し上の段階ということだと思います。これは民主党の中で考えたことでございます。

稲田委員 そうなんですよ。基礎年金六・六万円を上に丸めて七万円にしただけの、そういう数字なんです。

 毎月その七万円の年金を六十五歳以上の高齢者全員に配ったら、毎年一体何兆円かかるんですか、小宮山大臣。

小宮山国務大臣 具体的制度設計は、来年の法案提出に向けて民主党内で今検討されていると承知をしていますが、全員に配るということを言っているわけではありません。

 低所得者の方々に、所得比例年金をベースにいたしまして、その上に、どこまでの年収にかけるか、どこから減らしていってどこからなくすか、その制度設計によってかかる財源は違います。その制度設計について、今具体的な詰めをされているというふうに聞いています。

稲田委員 二〇〇九年のマニフェストでは、全ての人に七万円配ると書いてあるんですよ。そして、どれだけかかるか。約二十五兆円なんです。そんなの、月額七万円を年額八十四万円にして、六十五歳以上の人口三千万人を掛けるとすぐ出てくる、そういう数字なんです。二十五兆円なんですよ。

 では、今の基礎年金の国庫負担金は幾らですか。

小宮山国務大臣 今委員がおっしゃったことは違います。

 それは、どういう人でも最低七万円になるということなので、所得に比例をして保険料を払っていただきますから、高額な方にはその七万円は行きませんし、そこをあわせてやるということなので、七万円を全ての人に配るというのではなくて、最低保障を七万円にするから、全ての人が七万円以上の年金を受け取ることができるという意味です。

稲田委員 所得制限することぐらい、私はわかっていますよ。でも、単純に掛ければ二十五兆円なんです。

 そして、所得制限するにしても、民主党がおっしゃる、多くの人に最低保障年金七万円を配ろうとすれば、大増税が必要になるんですよ。二十五兆円と、今の基礎年金の国庫負担金は十兆円ですから、天文学的に違うんですよ。

 では、今の基礎年金六・六万円を満額もらえる条件は何ですか。

小宮山国務大臣 委員の御質問の意味がよくわからないんですが、先ほどの、おっしゃるような金額にはなりません。

 今ちょっとここに図を持っておりますけれども、全ての方が所得に比例をして保険料を納めるわけです。それで、七万円に達しない無年金や低年金の方に、どういう形でか最低保障を、一定の金額から入れて一定の金額でやめる。その制度設計の仕方によって金額は変わりますが、全員にこの最低保障をするわけではございませんから、今委員がおっしゃった数字は間違っています。

中井委員長 小宮山さん、議員の質問は、今、国民年金を満額もらえる条件は何ですか、こう言っている。

小宮山国務大臣 現在の六万六千円ですか。それは、フルに全部、掛金を四十年間払った人です。

稲田委員 そうなんです。フルに六万六千円をもらおうと思えば、四十年間、真面目に保険料を払ってきて初めてもらえるんです。ところが、民主党のマニフェストでは、最低保障年金七万円、全ての人にただで配ると書いてあるんですよ。そんなうまい話はないんです。

 そして、それを大増税しないでおこうと思えば、所得制限を厳しくして、増税をしなきゃいけない。そして、試算の中にあるように、年収四百二十万円以上の中堅の真面目に働いたサラリーマンは、増税をして、しかも年金は減る、そういう話になっているわけです。試算を見たら明らかなんですよ。

 ですから、そんな無理な最低保障年金を私は撤回されるべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。

小宮山国務大臣 ですから、その移行期間が四十年ぐらいと今考えていますが、それを何も払わない人に全部やるということではなくて、二十になった人が掛け出して六十五歳までの間に四十年間掛ける、そのとき所得がゼロの人はゼロということで申告をしていただく、それで、先ほどのような形で所得比例で、一定の低いところまでを最低保障を入れるということなので、決して無理なものではございません。

稲田委員 マニフェストによれば、全ての人がただで最低保障年金七万円をもらえると、みんな誤解しているんですよ。ですから、そういう絵そらごとを言うので、私は、無理なことを無理だと言わないことがこの問題の根本だと思います。

岡田国務大臣 きょうはNHKテレビも入っておりますので、国民の皆さんに正しく伝わる必要があるというふうに思います。

 我々は、最低保障年金七万円を全員に配るなどということはマニフェストのどこにも書いてございませんし、それは何を根拠に言っておられるのか。我々は、月額七万円の最低保障年金を実現しますということを言っているだけです。

 そして……(発言する者あり)いやいや、最低保障年金七万円を全員に配るのではなくて、結果的に、最低七万円、全ての人が年金をもらえるようにする、それは所得比例年金と組み合わせでそういった形をとるということを言っているわけで、全く委員の言っておられることは事実に反します。

稲田委員 そんなことないんですよ。マニフェストを読めば、無年金をなくして、掛金を払っていない人も、全ての人に最低保障年金七万円を保障すると書いてあるんですよ、二〇〇九年のマニフェストに。ですから、それを、そういう無理なことを私は撤回されるべきだということを言っているんです。

 そして、全ての人が最低保障年金七万円をもらえると思って民主党に投票して、そういう偽りの選挙で、どこまでこの最低保障年金七万円のうその上塗りをされるのか、その点を指摘したいと思います。

中井委員長 質疑者に申し上げますが、私は、質疑者は、書かれているように、どんな質問をしても何も申し上げるつもりはありません。しかし、うそという言葉はお使いにならぬ方が僕はいいと思います。

岡田国務大臣 我々が二〇〇九年のマニフェストなどで使っている絵はこういう絵です。どこに最低保障年金、全員にもらえる絵になっていますか。全くそうなっていないじゃないですか。訂正してください。

稲田委員 二〇〇九年のマニフェストの十八ページには、全ての人が七万円以上の年金を受け取れる最低保障年金を創設すると書いてあるんです。それで、いつから七万円もらえますかという問い合わせが殺到したと聞いております。

 ですから、国民は、最低保障年金、全ての人が掛金を何も掛けていなくてももらえるということで誤解をして、皆さん方に投票したということを指摘いたしております。

岡田国務大臣 我々が二〇〇九年のマニフェストで書いておりますのは、「消費税を財源とする「最低保障年金」を創設し、全ての人が七万円以上の年金を受け取れるようにする。「所得比例年金」を一定額以上受給できる人には、「最低保障年金」を減額する。」と書いてあるんです。

稲田委員 ですから、全ての人が七万円以上年金を受け取れるようにするということで、私は、最低保障年金七万円を受け取れるというふうに誤解をして投票した人がいる、いつまでそういうごまかしをされるのかということを申し上げているわけです。

 次の質問に移ります。

 総理……(発言する者あり)

中井委員長 静粛に願います。

 どうぞ次の質疑に入ってください。

稲田委員 もう一問、赤澤議員の質問に関連をいたしまして総理に質問いたします。

 首都直下型の地震、それから東海地震に備えまして、私は東海道新幹線の代替機能としての北陸新幹線の延伸の重要性が増したと思いますが、その点についての総理の御見解をお伺いいたします。

前田国務大臣 福井の新幹線については、ぜひこの年度内には決めたいというふうに思っておりますが、今、有識者の中でこの採算性等について、事業性について最終的な詰め、評価を行っていただいているところでございます。

稲田委員 総理、北陸新幹線の延伸の重要性についての認識をお伺いいたします。

野田内閣総理大臣 今、前田大臣がお話をされたとおりの検討をしているというふうに承知をしています。

稲田委員 総理、不断の改革は必要ですけれども、変えるべきものと変えてはいけないものがあると思います。

 我が国の象徴である天皇陛下、そして皇位の承継の原則は、変えてはいけないものの代表だと思います。二千年以上に及ぶ男系維持の原則、今の天皇陛下から、お父さん、お父さん、お父さんとさかのぼって神武天皇まで続くこの伝統は、圧倒的に美しい、世界に例を見ない伝統だと思います。これは変えるべきではないと思います。

 皇室典範第一条の皇統、そして憲法二条の世襲は、日本の有史以来、一つの例外もなく守られてきた伝統である男系維持を前提としていると解釈すべきだと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。

野田内閣総理大臣 御認識は私もそのとおりだと思います。憲法二条、それから皇室典範の一条でこれは男系というふうに明記をしています。

 古来、ずっと長くそういう形で続いてきたことの歴史的な重みというものをしっかり受けとめながら、一方で、皇室活動の安定性をどうするかという観点で、これは皇位継承の問題ではなくて、今、女性宮家の問題は有識者含めて議論をさせていただきますが、問題認識は私は同じでございます。

稲田委員 皇室典範ができる前から男系維持の伝統、圧倒的に美しい、世界に例を見ない伝統は続いてきているわけですから、軽々しくこの皇室典範の改正の議論はしていただきたくない、このように思います。

 さて、現在、永田町、そしてマスコミの中で話題になっております「野田総理訪中をめぐって起きた官邸内の内部紛争」という文書がございます。

 私は、これを読みまして、そして、農水省それから関係者に確認をいたしましたが、中に見過ごせない問題があることがわかりました。農水省を舞台にして、対中輸出政策の混乱に乗じた危なっかしい事業が展開をしていることが明らかになりました。しかも、今や、一般企業を巻き込み、中国の日本に対する信頼、そして農水省に対する信頼をも揺るがしかねない事態に発展をいたしております。

 まず、この疑惑の舞台となっております農水省の対中モデル事業を説明いたします。

 まず、一昨年の十二月に、筒井農水副大臣と中国の企業である中農集団との間で覚書を締結いたしました。その内容は、北京に農林水産物を展示即売する展示館をつくって、そこに日本側から農林水産物を輸出して、展示館で展示即売するというものです。昨年の七月に、日本側の窓口の一般社団法人農林水産物等中国輸出促進協議会が設立をされ、高額の入会金と会費を支払わせて会員を集めていますが、いまだ展示館はオープンいたしておりません。

 このモデル事業の中心的な人物が、農林水産省顧問の田中公男氏です。この田中公男氏が、このような名刺を持って、農林水産省顧問田中公男という名刺を持って中国と行き来をして、この事業を立ち上げたのです。

 質問通告をいたしておりますので、鹿野大臣、簡潔にお答えをいただきたいのですが、あなたは、平成二十二年十二月八日、田中公男氏を農水省顧問に任命をされましたが、そのときの田中氏の職業は何ですか。

鹿野国務大臣 まず冒頭に、今先生から危なっかしいという言葉がございましたけれども、これはぜひ撤回をしていただきたいと思うんです。今、事業が継続中のものであります。それに対して、主観でそういうふうなことを申されるというのは、私はぜひひとつ慎重であっていただきたいと思います。

 そして、十二月の件での、顧問就任時、どういうふうな立場であったか。これは、国会議員の公設秘書でございます。

稲田委員 ここが私は全く理解ができません。

 民主党の衆議院議員の公設第一秘書を、公設第一秘書の身分のままで農水省の顧問に任命をされるということは、前代未聞のことだと思います。

 私は、五年間の農水省の顧問の就任状況を調べました。そうしますと、全て農水省OB、もしくは外務省OBです、農水省の事務次官、審議官、そして元大使など。現職の公設の第一秘書をその身分のままで農水省の顧問にしたことは、これが初めてです。

 しかも、農林水産省組織規則五百八十三条によりますと、どのような場合に農林省の顧問を置けるかといいますと、重要な施策に参加するために顧問を置くとなっております。

 大臣、なぜ、衆議院議員の一公設秘書を、その身分のままで前代未聞の任命をして、農水省顧問にされたのですか。

鹿野国務大臣 今、我が国にとりまして、農産物の輸出の問題が大変重要なテーマでございます。そういう意味で、私どもといたしましては、田中氏の基本的な知見そして人脈、そういうふうなものを活用して、そして中国に対する輸出の拡大につながっていくなら、このようなことで私どもとしては顧問をしていただいたということでございます。

 同時に、申させていただきますと、いわゆる国会におけるところの議員の公設秘書というのは、兼職というものにおきましては議長に届け出をすることになっております。これは、六カ月未満というような規定が決められております。四カ月後に辞任をいたしておりますので、これは何ら問題がないものと思っております。

稲田委員 この田中顧問は、農水省顧問という肩書で、農水省の経費で中国に三回、国内に二回出張をして、中国側と交渉して、このモデル事業を立ち上げました。

 ところが、七月に農水省顧問をやめています。どうしてやめたんですか。

鹿野国務大臣 実は、顧問に就任していただきましてから、中国の中農集団という八万人の雇用をしておる企業がございます。その企業が日本の農産物を受け入れる、こういうようなことから、いろいろと御尽力をいただきまして、震災の後の三月の二十日前後に、私自身も、この関係の団体の方と一緒に、その中農集団に対して日本の農産物を輸出するというようなことで参る予定をいたしておりました。そういうような尽力をしてくれたというふうなことも先生にも御理解をいただきたいと思います。

 そして、やはり農林水産省は、基本的に農産物の輸出というものを何とか一兆円くらいにしたいという、これは我々の政権にとっての大きな目標があるわけです。そういうものを考えたときに、ただ単に机の上で一兆円をといったって、これは動かないわけでありますから、やはり民間の動きがレールに乗るというふうなことまでは農林水産省としていろいろな形で支援をしていく。そういうふうな基本的な考え方に立って、田中氏は、中国側の中農集団とそれからこちらの受け皿づくりというふうなもので協議会が設置された、こういうようなことを受けて顧問を退いていただいた、こういうことでございます。

中井委員長 ちょっと待って。

 議論の中身に干渉するつもりはありませんが、先ほど大臣は、この顧問が四カ月後に辞任をしたから問題がないという御発言をなさいました。稲田議員は、十二月に就任をして七月辞任だ、顧問を七月までやったと。要するに、だから七カ月やっておったとおっしゃっておるんです。ここの数字的な勘定をきちっとしてください。

鹿野国務大臣 前段の件は、公設秘書を辞任したということです。

中井委員長 秘書を。はい、承りました。これは失礼しました。

稲田委員 質問に端的にお答えをいただきたいと思うんですが、私の質問は、どうして顧問をやめられたのですかという質問なんです。それに対するお答えは、民間の協議会を立ち上げてやめたとおっしゃるわけです。そして、今の御答弁を大臣がおかしなことだと思われないことに非常に違和感を覚えるんですね。

 この田中顧問は、昨年の七月八日金曜日に顧問をやめられて、そして、土日を挟んでその三日後にこの協議会の代表理事におさまっておられるんですよ。ということは、田中顧問は、このモデル事業を立ち上げて、日本側の窓口になる民間団体をつくって、その代表におさまっているんです。自作自演の天下りみたいなものなんですよ。

 農水省の顧問が、自分で天下り先の民間の協議会をつくって、自分で天下る。しかも、この民間の協議会は、会員から多額の会費、入会金を徴収し、そして商標利用料として一%のマージンをもらう、そういう民間の協議会です。その代表理事に農水顧問が天下って、自作自演の天下りに、まさしく農水省の顧問という地位を利用したんです。

 しかも、筒井副大臣の一月の会見によりますと、田中さんの方から対中貿易をしたいという話があって、勉強会を立ち上げて、そこに大臣も参加をされて、中国輸出するのに農水省が支援、協力することになったとおっしゃっているんです。結局、田中さんの対中貿易を農水省が支援するために田中さんを顧問にしたということなんです。

 大臣、こんな私的なことに農水省顧問という発令をしていいんですか。人事権の濫用ではありませんか。

鹿野国務大臣 先生、一人の方の人格にもかかわることですから、ぜひ慎重に発言していただきたいと思いますが、私が先ほど申し上げましたとおりに、人脈と知見によって、そして、中国との農産物の輸出ということについて前進を実質的にするというような可能性が大きかったんです。ですから、三月の二十日、それで私も、中国に渡るというようなこと、そこまで彼は努力をしてくれておったということなんです。

 それが震災において、まさしく途中で頓挫した、こういうことでございますから、ただ単に田中氏を、利用してというようなことは、先ほど先生が自作自演と申されましたけれども、私どもとしては、決してそのような偏った形で顧問就任を要請したということではございません。

稲田委員 今、震災が起きて頓挫したとおっしゃいましたけれども、この民間の協議会を立ち上げたのは、震災の後の七月のことなんです。ですから、この農水省の顧問という地位を利用して対中ビジネスを立ち上げて、そこに自作自演の天下りをし、それに加担をしたのが農水大臣、そして農水省ということになると思います。

 そして、大臣、何よりも問題なのは、私は、このモデル事業自体が大変危なっかしい、しかも、多額の入会金と会費を支払って入られた会員企業は、検疫は要らないのだとだまされて、そういう誤解をして入会された可能性があると思います。

 大臣、田中氏は、このモデル事業では中国の検疫を通さずに輸出できるというふれ込みで会員を募集しているんですけれども、このモデル事業で中国に対して輸出するのに検疫は要らないんですか。

鹿野国務大臣 検疫が要らないというような形で会員を募集したというような事実は、私どもは把握いたしておりません。まず、それを一点申し上げたいと思います。

 それから、なぜ顧問をやめられたかということは、先ほど申し上げましたとおりに、農林水産省としてはある程度、どこの政府もそうですけれども、貿易に関して支援をしていくという場合は政府としても応援するわけですよ。しかし、協議会という窓口ができたというようなことになりましたらば、当然、それは退いていただくというふうなことになったわけでございます。それが七月ということでございますから、決して、危なっかしいというようなこと、偏った形で私どもがこの顧問の要請をしたというふうなことではないということを御理解いただきたいと思います。

稲田委員 大臣、どう言いわけされようと、異例の、前代未聞の、一衆議院議員の公設第一秘書を農水省顧問に任命して、そして、民間の協議会ができたら、その顧問が代表理事におさまっている、これは私は、絶対理解のできない、農水省の私物化のような問題だと思います。

 また、先ほど大臣は検疫が要らないなどということを言って会員集めをしたことはないと承知をしているとおっしゃいましたけれども、昨年の八月の協議会の案内では、検疫条件、衛生条件が整っていないため輸出できない品目については、特別に通関できるよう働きかけをしておりますと書いてあるんです。ですから、この会員の企業は、検疫について特別な条件で輸出できると信じて入っているんですよ。

 大臣、検疫は要らないんですか。

鹿野国務大臣 先生御承知のとおりに、検疫については、いろいろと輸出のことについては、各県もそれぞれ規制緩和してもらいたいというようなこと等々で努力しているとおりに、田中氏におきましても、検疫については何とかしてほしいというようなことの働きかけをするのは、民間の活動としては当然のことじゃないでしょうか。

 ですから、私どもとして、それはそのとおりになりますよなんというふうなことを申し上げた者はございませんし、また、田中氏が、検疫は大丈夫なんですよというようなことで会員を募集したというふうな事実はないものと私どもは思うわけでございます。

稲田委員 思うわけでございますじゃなくて、特別な、通関できるようにしますといって協議会が案内を出して、そして会員を募集されているわけであります。

 質問通告をいたしておりますので、次の質問をいたしますが……(鹿野国務大臣「委員長、ちょっと一言だけ。非常に大事なことですから」と呼ぶ)

中井委員長 ちょっと待ってください、チャンスを与えますから。まだ立って質問を続けていますから。

 稲田さん、続けてください。

稲田委員 質問通告をいたしておりますのでお聞きをいたしますが、この協議会に何社会員が集まって、幾ら会費が集まったのか。また、基金はどれぐらい集まって、そのうち中国に幾ら支払い、未払いに陥っているものがあるのか。また、中国側との関係で今後どれだけの経費がかかるのか。また、この展示館は、昨年の九月にオープンの予定でしたけれども、いまだにオープンされておりませんが、一体いつになったらオープンされるのか。お伺いいたします。

鹿野国務大臣 まず、オープンが九月に予定というふうな話は、私は聞いたことございません。三月くらいを目指して準備をしているというふうな話を聞いておるところでございます。

 それから、もう一つは何でしたか。

中井委員長 お金やら、出資金やら。

鹿野国務大臣 これは先生、先生も弁護士ですからおわかりのとおりに、今、いろいろと中農集団と協議会の間で事業を継続してやっているわけですよ。そういう中で、政府の立場の私が民間の立場になっていろいろなことを申し上げるというのは、そういうふうな立場にないものと、私もそういう性格のものではないと思っております。

中井委員長 鹿野さん、さっきどうしても答えたいということは何だったの。答えて。

鹿野国務大臣 まだ続けられるだろうから……

中井委員長 いや、いいから、先に答えて。

鹿野国務大臣 よろしいですか、先生。

 いろいろ、危なっかしいとか、いろいろなことを、自作自演だとか、こういうふうなことを先生は申されたわけですけれども、これは全国の人たちがテレビでいろいろと見ておられるわけですよ。そういうことを考えたときに、どうしてもやはり、誤解を生んでしまうというようなことについては、私としても一言申し上げさせていただきたいんです。

 それは、あの原発事故というふうなことにおいて、その後、いろいろな形で、高いハードルを何とか越えるべく、輸出をふやそうというようなことで民間の間でも努力していただいておるんです。

 そこで、昨日、筒井副大臣が中国の駐日大使、程大使とお会いになられたんです。そして、程大使から、この事業について支援を引き続いてやっていく、そういう意向が示された、こういうふうなことにおける報告が私にあったんです。このことは中国の政府としてもきちっと支援をしていく、そういう明確な意思が示された。こういうふうなことだということだけは申させていただきたいと思います。

稲田委員 大臣、質問にお答えになっていないんです。

 私、昨日、質問通告をいたしております。一体、ここに何人会員の企業が集まって、幾ら会費が集まって、基金が集まって、そして、そのうち中国側に幾ら支払い、それがどんなお金で、未払いに陥っているのは幾らあって、将来の条件は何ですかという、そういう質問通告をいたしておりますので、それについてお答えください。

鹿野国務大臣 私、答えさせていただいております。

 結局、これは今継続している民間の仕事なんですよ。それに、政府の私の立場の者がその中身について申し上げるというのは、そういう性格のものではありませんということを申させていただきます。

稲田委員 民間の企業と都合が悪くなったらおっしゃるのはおかしいんじゃないですか。

 しかも、これは、協議会が立ち上がるまでは、農林水産省がみずから中農集団から代表を呼んで説明会を開き、そして参加の企業を募集して、後日、ファクスで参加する企業を募っているのは、農水省がやられたんですよ。

 一般協議会が立ったから、民間のことだから言えないとおっしゃいますけれども、農水副大臣は、この協議会の通帳二通を見たと記者会見でもおっしゃっていますし、昨日、質問通告もいたしております。

鹿野国務大臣 基本的に、何遍も申し上げますけれども、私どもの立場として民間の経済行為のことについて云々ということは申し上げる性格ではない、こういうふうに思っております。

 それから、農林水産省がいろいろ働きかけたということ、これは、昨年の一月に、程大使も参加をしていただいて、私も参加をして、そして中農集団の劉会長がお越しになられて、そこで日本の国からの農産物の輸出について促進をしていこうというようなことの話し合いがなされて、まだ協議会が立ち上がっていなかったんです。ですから、協議会が立ち上がっていないから、こういうようなことで、中国側としては受け入れるというような考え方でやりますよというお知らせを申し上げたということでございます。

 そして、協議会が誕生してからは、農林水産省からはそのような行動は行っておりません。

中井委員長 答弁と質疑が少しすれ違っておりますので、この出資金であるとか会費であるとか、中国にどれぐらいお金を払っているかの件につきましては、理事会で協議をいたしますので、そういうことを前提に御質問ください。

稲田委員 はい。

 昨日、事務方はある程度答えたんですよ。でも、きちんとしたことをきょう答えるとおっしゃいましたが、大臣がお答えにならないのであれば、しかも、それを、この点についてだけ民民の、民間のことだということでお答えにならないのであればそれでいいですけれども、それについては理事会でぜひ協議をいただいて、資料請求をしたいと思います。

中井委員長 はい。

稲田委員 総理、お伺いをいたします。

 今質問をしただけでも、本当に問題があって、どうしてこんな方を農水省顧問にし、しかも協議会が立ち上がったのか非常に疑問ですが、総理は昨年の中国訪問で、タイトな日程の中で急遽、わざわざこの展示館に行かれて、しかも、日中首脳会談に筒井副大臣を同席されて、日中首脳会談の中でこの問題を出されたんですね。

 私は、そういうことを軽々しく日本の総理大臣がやられることによって、今全容のわからない危なっかしいこの事業を、総理が裏書きして保証されることになるのではないかと思っておりますが、いかがですか。

中井委員長 農水大臣、ちょっと待ってください。総理大臣の御答弁で、今のことが事実かどうかの確認を願います。

野田内閣総理大臣 訪中をする直前に筒井副大臣から、この常設館の視察をしてほしいという要請をいただきました。それを踏まえて、空港におりて、いわゆる首脳会議が始まる前の道すがらだったものですから、途中でおりて、十分ほど、つくっている様子を見てきました。

 そのことをもって首脳会談に何か私が言ったということはありません。農産物の輸入輸出、いわゆる農水省が推し進めていることについての理解は求めていますが、この常設の云々という話は、個別の話は全くやっておりません。

稲田委員 筒井副大臣の記者会見では、首脳会談でこのことを総理が持ち出されて、この展示会の事業のキックオフになったと答えられているんですよ。私は、総理の今のお答えを聞きながら、余りにも危機感がない。日本国の代表である総理大臣は、視察をしたことの影響をきちんと考えて行動していただきたいと思います。

 結局、国家という公のものを、この農水顧問の問題もそうですけれども、私物化している、このように私は思います。民主党政権になってから、落選議員を総務省の顧問にしたり、民主党の党職員を国家公務員にしたり、同じことなんですよ。私は……

中井委員長 ちょっと、誰ですか、国家公安委員って。僕は国家公安委員長ですが。

稲田委員 いや、国家公務員として採用していると。同じように、私物化の例だと思います。

 委員長、この問題はまだまだ闇が深いんです。農林水産物の輸出の名をかりて、サプリメント業界のつながりなど、疑惑は深まっております。

 このモデル事業の中心人物である田中公男氏の当委員会への参考人招致を求めます。

中井委員長 理事会で協議をいたします。

 以上のような御質疑に対して、鹿野農水大臣。

鹿野国務大臣 重ねて申し上げますけれども、先生、危なっかしいとかなんとかという言葉をよく使われますけれども、今、中国側と日本側で、民間同士で、何とか輸出を拡大していこうというようなことで懸命になって努力がなされている継続中のことでございますから、ぜひこの点は、言葉そのものを、表現も慎重であっていただきたい。

 そして、中国側も、先ほど申し上げますとおりに、程大使も支援をしていきたいという意向を示しているわけでありますから、これは日中間の関係においても、私どもは、きちっと今後、この輸出拡大について農林水産省として、いわゆる手続に沿った形で、この事業だけではなしに、いろいろな輸出拡大につながっていくものに対していろいろと後押しをしていきたい、こう思っております。

稲田委員 慎重にしていただきたいのは、鹿野大臣、あなたの方です。公設秘書を農水顧問にし、そしてそれが協議会の代表におさまる。自作自演の天下りのようなことに農水省を使わないでいただきたい。また、総理も、軽々しく展示館を視察するというような、御自分が行かれたことの影響を考えていただきたいと思います。

 最後に、総理にお伺いをいたします。

 ことしは、サンフランシスコ平和条約発効から六十年目の節目の年を迎えております。私は、やはり外交というのは発信が大事だと思います。尖閣問題もそうです。あの中国人船長を圧力に負けて釈放したということで、世界じゅうから日本の弱腰外交を笑われていると思います。民主党政権になってから、韓国に、そしてロシアに、竹島、北方領土を不法占拠していると言えなくなっているんです。

 総理にお伺いをいたします。竹島は韓国によって不法占拠されていますか。

玄葉国務大臣 ロシア、北方領土も、そして竹島も、我が国の固有の領土であります。法的根拠のない占拠が行われている。

 今の表現は、自民党の中でも、自民党政権時代もさまざまな表現が使われているということは、よく御承知おきいただきたいと思います。

稲田委員 こういう国家の威信にかかわる領土問題については、民主党も自民党もないんですよ。自民党がどう言っているからとか、そういうことではなくて、民主党政権になってから不法占拠という言葉を使えなくなっている。

 法的根拠なくという言葉は、不法占拠と同じじゃないんですか。総理、お伺いをいたします。

中井委員長 あと一分ですので。

野田内閣総理大臣 法的根拠のない形での占拠と、今、私どもは使っています。また、不法占拠という言葉は、今御指摘でございましたけれども、竹島が置かれている状況については日本の法的な評価は一貫している、その表現の仕方はその政権それぞれの判断であるということでございます。

稲田委員 法的根拠がないということを不法占拠と言うんですよ。しかし、不法占拠ということを口が裂けても言えないあなた方の政権が領土を守る覚悟はないと私は思います。政治の役割は国民の生命、身体、財産、領土、そして名誉を守ることですから、不法占拠とすら言えない総理、外務大臣にこの国は守れないと私は思います。

 私の質問を終わります。

中井委員長 次回は、明十日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十九分散会


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