衆議院

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第12号 平成24年2月20日(月曜日)

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平成二十四年二月二十日(月曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 中井  洽君

   理事 笹木 竜三君 理事 武正 公一君

   理事 西村智奈美君 理事 鉢呂 吉雄君

   理事 若井 康彦君 理事 若泉 征三君

   理事 石破  茂君 理事 小池百合子君

   理事 高木 陽介君

      磯谷香代子君    稲富 修二君

      今井 雅人君    打越あかし君

      江端 貴子君    大西 健介君

      大山 昌宏君    金森  正君

      金子 健一君    岸本 周平君

      櫛渕 万里君    近藤 和也君

      佐々木隆博君    杉本かずみ君

      橘  秀徳君    玉木雄一郎君

      仁木 博文君    橋本 博明君

      初鹿 明博君    花咲 宏基君

      浜本  宏君    馬淵 澄夫君

      皆吉 稲生君    村越 祐民君

      室井 秀子君    本村賢太郎君

      谷田川 元君    山岡 達丸君

      山崎  誠君    山田 良司君

      湯原 俊二君    渡部 恒三君

      赤澤 亮正君    伊東 良孝君

      小里 泰弘君    小野寺五典君

      金子 一義君    金田 勝年君

      佐田玄一郎君    下村 博文君

      菅原 一秀君    橘 慶一郎君

      野田  毅君    馳   浩君

      山本 幸三君    東  順治君

      笠井  亮君    内山  晃君

      小林 正枝君    阿部 知子君

      中島 隆利君    山内 康一君

      中島 正純君   松木けんこう君

    …………………………………

   国務大臣

   (行政改革担当)

   (社会保障・税一体改革担当)           岡田 克也君

   国務大臣

   (地域主権推進担当)   川端 達夫君

   法務大臣         小川 敏夫君

   外務大臣         玄葉光一郎君

   財務大臣         安住  淳君

   文部科学大臣       平野 博文君

   厚生労働大臣       小宮山洋子君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   経済産業大臣       枝野 幸男君

   国土交通大臣       前田 武志君

   環境大臣         細野 豪志君

   防衛大臣         田中 直紀君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     藤村  修君

   国務大臣         平野 達男君

   国務大臣

   (国家戦略担当)

   (経済財政政策担当)   古川 元久君

   内閣官房副長官      齋藤  勁君

   内閣府副大臣

   兼復興副大臣       中塚 一宏君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   防衛副大臣        渡辺  周君

   財務大臣政務官

   兼復興大臣政務官     吉田  泉君

   参考人

   (日本銀行総裁)     白川 方明君

   参考人

   (東京電力株式会社取締役社長)          西澤 俊夫君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十日

 辞任         補欠選任

  石関 貴史君     本村賢太郎君

  今井 雅人君     大山 昌宏君

  岸本 周平君     初鹿 明博君

  佐々木隆博君     皆吉 稲生君

  馬淵 澄夫君     谷田川 元君

  伊東 良孝君     小野寺五典君

  小里 泰弘君     下村 博文君

  内山  晃君     小林 正枝君

  阿部 知子君     中島 隆利君

同日

 辞任         補欠選任

  大山 昌宏君     今井 雅人君

  初鹿 明博君     金子 健一君

  皆吉 稲生君     稲富 修二君

  本村賢太郎君     磯谷香代子君

  谷田川 元君     橘  秀徳君

  小野寺五典君     伊東 良孝君

  下村 博文君     菅原 一秀君

  小林 正枝君     内山  晃君

  中島 隆利君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     石関 貴史君

  稲富 修二君     佐々木隆博君

  金子 健一君     浜本  宏君

  橘  秀徳君     馬淵 澄夫君

  菅原 一秀君     小里 泰弘君

同日

 辞任         補欠選任

  浜本  宏君     岸本 周平君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十四年度一般会計予算

 平成二十四年度特別会計予算

 平成二十四年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

中井委員長 これより会議を開きます。

 平成二十四年度一般会計予算、平成二十四年度特別会計予算、平成二十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、参考人として東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木隆博君。

佐々木(隆)委員 おはようございます。民主党の佐々木でございます。

 きょうは、主に経済連携について、関係閣僚の皆さん方に御質問させていただきたいというふうに思います。

 昨年の十一月に、野田総理が参加に向けて協議を始めるということを表明されました。そして、この七日からは日米の事前協議も始まっております。そうした中で、現場には必ずしも私たちのあるいは政府の思いがしっかりと伝わっていないのではないか、そんな思いからきょうは質問をさせていただきたいというふうに思います。

 こうした思いに我々議員として真面目に向き合って、そして思いを共有させていただきたいというのがきょうの趣旨でありますので、よろしくお願いを申し上げます。

 最初にお伺いをいたします。

 野田総理が十一月十一日の記者会見で発言をされた中身についてでありますが、何人かの皆さん方からも同趣旨の質問あるいは質問主意書もあるというふうに聞いてございます。

 中段以降のところで、野田総理が、世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村、そうしたものは断固守り抜きというふうに決意を述べられているわけでありますが、その真意といいますか決意というか意図というか、そうしたことについて、まず国家戦略担当大臣にお伺いをいたします。

古川国務大臣 おはようございます。お答えいたします。

 今委員からも御指摘がございましたように、昨年十一月に、総理が記者会見で、世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村、そうしたものは断固として守り抜き、そして、分厚い中間層によって支えられる安定した社会の再構築を実現をすると。これは、総理も申し上げましたけれども、私ども政府そして与党も一体としてやっていかなければいけない、そういった決意でございます。

 同時に、日本は、貿易立国として今日まで繁栄を築き上げてきた我が国が、現在の豊かさを次世代に引き継いで、活力ある社会を発展させていく、そのためにはアジア太平洋地域の成長力を取り入れていかなければならないというふうに考えております。

 こうした観点から、まさに、アジア太平洋自由貿易圏、FTAAPという、我が国が目指していくそこへの取り組みの一つの道筋としてAPEC首脳会議でも位置づけられており、そして、実際に交渉が始まっておりますTPP協定につきましては、交渉参加に向けて関係国との協議を進めているところであります。

 したがいまして、委員からもお話があった、やはり日本の、言ってみれば国柄とも言えるような、美しい農村の風景を含め、あるいは高いレベルの安全や安心、そうした私たち日本人が今まで培ってきたもの、そうした価値観というものや、あるいは国柄と言ってもいいかもしれません、そうしたものは与党の皆さんと一緒になってしっかり守り抜いていく、国益を追求する、その中でTPPについても結論を得ていくという考えでございます。

佐々木(隆)委員 野田総理が農業と言わずにあえて農村と表現をされた。私は、ある意味で評価をしています。というのは、農業というか農というのは、なりわい、つまり業と、生活の場としての村というものが一体不可分、切り離せるものではありません。そういう思いも込めて農村と表現をされたのかなというふうに私は思っております。

 唯一、この国の省庁あるいは行政の中で、政治の政という言葉がついているのは農政だけであります。漁政、林政という言葉もあり、一次産業だけであります。それだけ政治がかかわらなければならないという思いなんだろうというふうに思っております。美しい農村と表現されたのは、そうした意味を込められて総理がおっしゃったのだというふうに思っておりまして、そういう意味で、農村集落というものについて、少し政府の考え方を聞いておきたいというふうに思うわけであります。

 資料の一を提出させていただいてございますが、西日本を中心に少し事例を挙げさせていただきました。

 私自身も政務官時代に西日本の何カ所か訪問をさせていただいて、そこで、いわゆる集落営農という仕組みで取り組んでおられる方々を何カ所か訪問させていただいたんですが、ほとんどが六十五歳以上の皆さん方で集落を組まれている。なぜかというと、リタイアをされてから、自分たちの育ったふるさとをしっかり守っていきたい。新規就農者もなかなかいない。そういった中で、自分たちの地域を守っていくためには、集落営農という形の中で新しい人たちを取り入れて担い手を育てたいという思いを非常に強く感じたわけであります。

 そこに幾つか挙げさせていただきましたが、いずれもかなり有名なところばかり取り上げさせていただきました。

 徳島県の上勝町というところでありますが、これはいわゆる葉っぱビジネスで有名になったところであります。概要については資料の方に書いてありますので割愛をさせていただきますけれども、ここの皆さん方は、パソコンのブロードバンドを使って、タッチ式の端末機を持って、おばあちゃん方が自分の売っているものがどのぐらいの成績になっているのかというのを常に見られるようなシステムも開発して取り組んでおられるわけであります。

 それから、高知県の馬路村というところでありますが、ここはエコアスというものを、村が三セクを立てて、これは結構有名なんですが、木製のバッグ、モナッカという名前なんです、もなかに形が似ているからモナッカというんだそうでありますが、そういうものをつくった。そういうもので今非常に売り上げを伸ばしている。

 それから、島根県の、今は合併して雲南市吉田町というふうになっていますが、旧吉田村でありますけれども、ここも村が五百万、村民が一千万を出資した三セクで、食品の製造販売、村営バスの委託、それから簡易水道、これは業者の許可、免許も取ったということでありますが、あとは、たたら製鉄所のあったところでありますので、郷土資料館などを運営しているわけでありますが、何で有名になったかというと、おたまはんという名前の卵かけ御飯のしょうゆでございます。これも、B級グルメどころではなくて、今はA級グルメになっているわけでありますが、そうしたもの。

 それから、島根県の隠岐郡の海士町、これは離島でありますが、厚生労働省の事業や山村事業などを利用して、町が出資した株式会社で経営をしているわけであります。ここは、千葉県のベンチャー企業と提携をして、解凍しても味が落ちないという冷凍技術で非常に有名になっているところであります。

 ただ、このことを紹介したいだけではなくて、この人たちは、例えば一朝一夕に成功したわけではございません。

 上勝町では、一九八一年と八二年に大寒波でミカンが全滅をして、ようやくこの葉っぱビジネスに至ったのは八七年でありますから、五年間大変な御苦労をされて、ここに至っているわけであります。

 それから、馬路村は、七九年、九八年と営林署が次々と廃止をされてございまして、そこで二〇〇〇年に三セクを設立して、このモナッカというバッグに行き着いたのが〇二年でございます。ですから、もう十数年、ここに至るまで日月を要しています。これのもとになったのが、農協がやっているユズ製品の加工品でありまして、これは二十年の歳月があります。

 それから、島根県の例では、たたら製鉄所が二一年に閉鎖をされて、それからこのふるさと村という三セクを立ち上げたのが八八年、そして、おたまはんができ上がったのは〇二年でありますから、ここにも十四、五年の歳月を要してございます。

 それから、海士町でありますが、これは九九年に例の三位一体の改革で財政再建団体の危機になりまして、その後も給与カットなどをどんどん繰り返しながら、公共に頼らないまちづくりということで、〇五年に設立をしてございます。

 こうした皆さん方は、まさに必死の思いで地域づくり、村づくり、そして後継者づくりというものに取り組んでこられた地域であります。外部からの担い手を受け入れない限り地域が存続できない、村を元気にしたい、そんな思いで取り組んできているわけでありまして、中には、公共事業を非常に上手に使って、こうしたものに至っているというようなところもあるわけであります。

 こうした取り組みこそが、私は、ある意味で農村という意味なのではないかというふうに思うんですが、このことについて、戦略大臣、古川大臣のお考えを伺いたいと思います。

古川国務大臣 まさに委員おっしゃるように、私も上勝町に何年か前にお邪魔をさせていただきました。本当に、高齢のおじいちゃんやおばあちゃんたちが、ITの、私なんかでもまだ当時iPadなんか使っていなかったですから、そういうものを駆使して元気よくやっておられる姿を見て、びっくりすると同時に、ある種、やはりこういうところに実は日本の本当は目指していかなきゃいけない部分、姿があるんじゃないかなと。

 行くときにも、かなり山奥の方で、本当に日本のふるさとの、歌に出てくるような、そういう山合いの村が、今委員から御指摘があったようなそういう御苦労をされて、そして新しい時代に合った新たなビジネスを実行されておられる。まさにこれは、私どもが目指していかなきゃいけないことだと思っています。

 実は、昨年年末に国家戦略会議でまとめました日本再生の基本戦略の中でも、日本のこれからのフロンティア、開拓していかなきゃいけないフロンティアは、先ほど申し上げたアジアとか外だけではなくて、今まで、戦後どんどんどんどん都市へ出てきた、あるいは東京に出てきた、そしていわばだんだん人も減って高齢化してきた、今まさに限界集落になっているとか、そういうむしろ地方、田舎、そういったところにこそ、実はこれからの日本を再生させるためのフロンティア、鍵があるんじゃないか、そういうことも日本再生の基本戦略の中に入れさせていただいております。

 そういった意味では、そうした地域の眠っている資源を見つけ出す。そのためには、例えば今の上勝のようなITであるとか、そういう今の新しい技術を導入していくとか、やはりそういったことをうまく組み合わせてそうした地域の再生を図っていくということが必要だと思っています。

 そういった意味では、委員がおっしゃられましたように、総理が守っていくと言った農村というのは、そこでの業としての農業とか林業とか、そういったものはもちろんでありますけれども、それを超えて、そこにいる人たちの暮らしを守っていく、その風景を守っていく、まさにそれこそが総理がおっしゃった美しい農村を守るということの意味だというふうに御理解をいただければと思います。

佐々木(隆)委員 大切なのは本当にそこだと思っております。そういう意味で、思いを共有させていただいたという気持ちであります。

 実は、私は、国会へ来る前、地方で議員をやってございましたが、そのときに、北海道の議会で農業・農村振興条例というのをつくりました。九七年のことであります。基本法ができたのが九九年ですから、二年前であります。そのときに、農業振興条例というのを道庁からは提案されたんですが、何で農村が入っていないんだということで、農村を入れるために二カ月ぐらい道庁と大げんかをして、なぜ入らないかというと、農村という定義がないというふうに言われまして、それでも、与党だったんですが、無理やり入れさせることができて、二年後に食料・農業・農村基本法というのができて、ああ、よかったなと実は思ってございます。

 ことしから本格的に農水省は六次化という政策に取り組むわけでありますが、六次産業化は、産業として見るべきではなくて、農村政策として見るべきだと思うんですね。よく、離農しても離村せずという言葉がありますが、そういう離農した人が地域に残って生活していけるというような仕組みをどうやってつくるかということが大切なんだというふうに私は思っております。

 そうしたことを共有させていただいた上でお伺いをさせていただきたいんですが、経済連携協定に関して閣僚会議というのが開催をされているというふうに承知をしてございますが、この経済連携協定、今が事前協議の最大の山場だというふうに実は私は思っています。

 なぜかというと、アメリカとの事前協議が始まりました。アメリカは、御案内のように、外交は議会の承認を必要といたします。議会に提案するのに、全く日本との協議が詰まっていない中で提案をすることは、私は現実的には不可能だと思うんですね。日本との話し合いが相当進んでいるという状況の中でなければ議会に提案することができないんだろうというふうに思います。

 だとすると、ここ数カ月、アメリカとの事前協議というのは、この事前協議の最大の山場を私は迎えているのではないか。ある意味で、議会にかかったときは、相当意思が固まっているときというふうに見る方がいいのではないか。これは若干類推もありますが。ということを考えると、どうしてもここで思いを共有したい点が何点かあります。

 その一つでありますが、一昨年の十一月でありますが、包括的経済連携の基本方針というのを閣議決定してございます。そこにこう書いてあります。特に、政治的、経済的に重要で、我が国に特に大きな利益をもたらすEPAや広域経済連携については、センシティブ品目について配慮を行いつつ、全ての品目を自由化対象とし、交渉を通じて高いレベルの経済連携を目指す。つまり、ここで三つ言っているんですね。センシティブ品目に配慮をする、全ての品目を交渉の対象とする、高いレベルの経済連携を目指すという三つのことを言っています。

 もう一つは、WTOにおける我が国の主張でありますが、それは多様な農業の共存ということをこの中で訴えています。

 つまり、野田総理の発言も通じて、この三つで貫かれているのは何かというと、多様な農業が共存する、センシティブな品目に配慮をする、美しい農村は断固守るということだというふうに私は思うのでありますが、いかがでしょうか。これは財務大臣と農水大臣にもお伺いをいたします。

古川国務大臣 結論から申し上げまして、WTO交渉に臨む我が国の考え方と、包括的経済連携に関する基本方針の考え方、さらには今委員からも御指摘があった、野田総理が十一月に示した方針、これらはいずれも我が国における農業、農村の重要性を踏まえたもので、一貫しております。

 WTO交渉におきましては、先進国から開発途上国まで世界で約百五十カ国が参加するものでありますから、我が国は、多様な農業の共存を基本理念として、各国の農業が発展できるような貿易ルールの構築を目指して取り組んできております。

 他方、EPAは、二国間または複数国間で実質上全ての貿易について関税を撤廃する取り組みでありますことから、それぞれの交渉相手国ごとの生産、輸出力を考慮しながら、センシティブ品目に配慮しつつ交渉をしてまいりました。

 このような中で、平成二十二年十一月に閣議決定いたしました包括的経済連携に関する基本方針では、今委員からも御指摘があった、全ての品目を自由化交渉対象とし、交渉を通じて高いレベルの経済連携を目指すこととして、その際にはセンシティブ品目について配慮することとし、また、高いレベルの経済連携の推進と我が国の食料自給率の向上や国内農業、農村の振興とを両立させるという方針も掲げたところであります。

 そうした整合的な、一貫した方針のもとに、総理が申し上げた、美しい農村は断固として守り抜く、そうした決意のもと、TPP交渉参加に向けての関係国との協議も進めてまいりたいというふうに考えております。

鹿野国務大臣 基本的には、多様な農業というふうなものにつきましては、やはり、我が国としての考え方でございまして、経済連携というものを進める上におきましても、そのことが生かされるというようなことの中で今後とも話し合いをしていかなきゃならないんじゃないか、こういうふうな考え方に立つところでございます。

安住国務大臣 私も鹿野大臣と全く同じでございます。

 一つ、私も農村集落の出身で、地域がそうでございますので思いますけれども、やはり農村の人口減少、集落維持が本当に難しくて、北海道もそうだと思いますけれども、例えば消防団に入る方なんかもうんと減っていると思うんですね。ですから、農業でのなりわいをというのは、TPPのあるなしにかかわらず、やはり基盤の強化をする。

 ただ、一方で、やはり兼業農家も非常に多いのが実態でございますので、そうした地方で働く環境づくりをしっかりすることによって農村集落を維持していかなければならないということもあると思います。

 ですから、基本戦略にのっとりながら、十分対応していきたいというふうに思っております。

佐々木(隆)委員 そこで、関係閣僚、外務大臣、経産大臣もおられるわけでありますが、加えて、包括経済連携の基本方針の中で、全ての品目、そして高いレベルということも言ってございます。

 そこでお伺いをしたいのでありますが、全ての品目といったときに、これは普通は関税品目のことをいっているというふうに受け取る向きが多いのでありますが、非関税品目も当然ここの中には含まれてくることになるんだろうというふうに思うんですが、その点について一点。

 もう一つ、高いレベルといったときに、これも非常に実は曖昧で、ぜひ国民の皆さん方と共有をすべきだと私は思っているのは、いわゆるタリフラインと言われる品目ですね、品目でいう場合と、輸入額、貿易額といいますか、でいう場合と両方あるんですね。WTOなんかは輸入額でいっております、日本は。そのときに、例えばタリフラインでいうと今現在九割弱だと思うんですが、それから貿易額でいうと九割超だと思うのでありますが、まあ、そういうこともあってそちらを使っているのではないかということもありますけれども。

 この全ての品目、高いレベルというのも、実は若干曖昧なまま今日まで進んできているのではないかという思いがしてございます。そういうことも国民の皆さん方にとって不安の材料になっているんだとすれば、ここについて両大臣からお答えをいただきたいと思います。

玄葉国務大臣 今、佐々木委員から、まず一つは高いレベル、そして全ての品目とは何か、こういうお話でありますけれども、まず、高いレベルというときに、おっしゃるとおり、物品貿易の市場アクセスのみならず、例えば投資、金融、電気通信あるいは政府調達、さらには知的財産などなど、それぞれのレベルで質の高い内容を目指すという意味で、高いレベルという言葉を使っているということが一つございます。

 それと、全ての品目ということでございますけれども、これは通常は、やはり全ての品目という場合は、タリフラインと呼ばれることが普通ではないかと私は考えています。

 全ての品目といったときに、全ての品目を交渉のテーブルにはのせる、ただし、のせるけれども、その場合におきましても、一たび交渉に入れば、先ほど来から出ているもう一つのキーワード、いわゆるセンシティブ品目について配慮を行いつつ交渉を行っていくということになります。

枝野国務大臣 基本的には同じでございますが、あえて申し上げれば、全ての品目は、やはり今申しましたとおり、一般的にはタリフラインのことである。そうしたことの中で、交渉のテーブルにはのせるけれども、その中で、我が国としてはセンシティブ品目について配慮をしっかりと行っていくということです。

 それから、高いレベルといったときには、その中にはいわゆる関税品目以外のことについても含まれますが、これから、もう既に事前協議の中で明らかになっているように、ここには全てがかかるわけではない。つまり、よく健康保険のことが心配をされましたけれども、そうしたものは対象になっていない。これは、全てではなくて、網羅的ではなくて、いろいろなことを議論するけれども、その中で、まさに高いレベルに値するような積極的、前向きな交渉をしていきたい、こういう趣旨でございます。

佐々木(隆)委員 外務、経産、農水の大臣の皆さん方は、お忙しい中、御答弁をいただきました。これで退席いただいても結構でございます。

 国家戦略大臣に引き続きお伺いをしたいと思うんですが、そうした中でTPP事前協議を今進めているわけでありますが、幾つかやはり疑問点といいますか、国民の皆さん方の中には必ずしも理解が広まっていない点が幾つかある。五点ほど整理をさせていただきました。

 一つは、日本の関税率でございます。TPPはゼロ関税を目指すということがどうしても大きく報じられているものですから、そこのところだけが強調されていて、これも不安を広げている材料の一つになっているというふうに思っております。

 税は、文字どおり政治であります。関税といえども税金であります。関税を自分たちで決められなくなるのではないかという不安につながっているわけでありまして、それは、日本の明治のときのあの修好通商条約を見るまでもなく、一たびこの権限を失うと大変な、五十年以上もかかって取り返したという歴史も持っているわけでありますから、ここのところについてのお考えをぜひいただきたい。

 実は、今、国際的な金融不安が広がっている中でギリシャやイタリアのことがよく言われるんですが、結局、あそこはEU域内になったわけで、関税はなくなっちゃったわけですよね。どうしても貿易の弱い国がそのあおりを食ったということも、それだけがもちろん原因ではありませんが、あのギリシャの要因の一つになっているというふうに私は思っているんですが、そうした意味での日本の関税率、ゼロ関税について。

 もう一つは、先ほども大臣から御答弁をいただきましたが、FTAAPへの道だというお話がございました。唯一交渉が進んでいるというふうに言われていますが、資料二の一を見ていただいたらわかりますが、資料二の一にもありますように、我が国とのEPAはいろいろな国ともう既に交渉が成立していたり交渉中だったりしているわけで、EPAも進んでいるしFTAも進んでいるし、別にTPPだけが今進んでいるわけではないというふうに思うのであります。

 もう一つ言うと、TPPの参加国の了承も必要だというのでありますが、同時に必要なことは、FTAAPというのはASEANの話でありますから、ASEANの了解をなしに進めるというのも、これもどうも論理矛盾になるのではないかというふうに思うんですね。

 だから、FTAAPへの道だということになれば、それは当然ASEANと連携をしているわけでありますから、ASEAN、プラス3、プラス6かもしれませんが、そことはどういう関係になっていくのかということについてもぜひお考えをお聞かせいただきたい。

 もう一つは、アジアの成長を取り込むというふうに先ほども答弁されたんですが、これは資料二の二の方に書いてございます。

 表の四というところでありますけれども、既にアジアとの輸出入というのは非常に進んでおりまして、一〇年、一一年では既に五六%がアジアでございます。特に中国との関係が伸びているわけでありますが、アジアの成長を取り込むというよりは、私は、アジアのリーダーとしてアジアに日本がどう貢献するかということなのではないかと思うんですね。それがいい関係をつくっていくことになるわけで、開国とか、アジアの成長を取り込むとか、どうも内向きの話であって、日本はやはり、少なくてもアジアのリーダーとしてもう少し外向きな話が必要なのではないかというふうに思っております。

 それから四つ目が、マクロ経済指標についてでございます。

 いわゆるGTAPモデルというものを使ってやってきたわけでありますが、マクロ経済指標の非常に矛盾している点があるというふうに私は思うんです。それは、前提の置き方がどうかということだけではなくて、例えば、マクロ経済ですから、マクロにしか出てこないんですね。日本という国として指標は出てくるんですが、では地域ごとにどうなるのか、産業ごとにどうなるのかというのは、このマクロ経済指標では出てこないんですね。

 どこかだけが極端に伸びてほかがどんと落ちても、日本全体としては大きくなれば、これはマクロ経済としては伸びたということになるわけで、逆に言うと、格差拡大の悪夢を思い出してしまうわけでありまして、ここのマクロ経済指標だけを頼りにするということについていかがなものかということについて。

 それから五つ目は、非関税品目はネガティブリスト方式というふうに言われているんですが、非関税がネガティブリストということであれば、関税は当然のことながらセンシティブ品目ということになるのではないかというふうに私は思うのであります。

 これらの五点について、この心配にぜひお答えをいただきたいというふうに思います。

古川国務大臣 順番にお答えをさせていただきたいと思います。

 まず関税率の問題でございますけれども、先ほどちょっとWTOの話を申し上げましたが、WTOのルールで、二国間とか複数間でEPAなどを結ぶときには、これは原則、実質上全ての貿易について関税を撤廃する、そういう前提でという、これがWTOのルールになっております。TPPも、そういう意味ではそうした枠内の話の中で、原則これは関税を撤廃する、ゼロにする、そういう中で議論が進んでいるものだというふうに承知をいたします。そういった意味では、WTOのルールの枠内の中でのこれは議論である、そういった認識でございます。

 関税については、御指摘がございましたように、我が国は世界に先駆けて関税を引き下げてきたところでありますが、一方で、高いレベルの経済連携に取り組んで、交渉相手国の方の関税を撤廃させるという視点も重要なんです。例えばベトナムなんかですと、日本のオートバイは一〇〇%の関税がかかっています。これは、ASEANとでEPAが結ばれましたけれども、しかし、ここはまだレベルがそこまで至っていないということで、そういう状況にあります。

 そういった意味では、こうした他国の高い関税が撤廃されることで、日本の輸出競争力を強化して産業の空洞化を回避する、また、国内の雇用を守り、ふやすことができる、そうした効果というものも期待ができる部分ではないかというふうに思っております。

 二点目のFTAAPへの道のところでございますが、これにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、APEC首脳会議、まさにASEANの国々も入っているこの首脳会議におきまして、FTAAPの実現に向けて、ASEANプラス3、ASEANプラス6、こうした取り組みとともに、このTPPも、そこへ向けての一つの道筋として確認をされておるところであります。そういう中でTPPは実際に交渉が進められている唯一の枠組みである。その意味で、TPPの交渉参加に向けて、関係国との協議に今入っておるというところでございます。

 アジアの成長を取り込む点につきましては、今委員からも御指摘があった、内向きでなくて、もう少し前向きにというお話がありました。全く私どももそうした視点を当然持っております。

 特に、今、世界的な二十一世紀型の新しい貿易・投資のルールをつくっていこうという動きが世界のさまざまなところで出ております。こうした新しいルールづくりに日本が先頭に立ってこれをリードしていくということは、アジアの国々の中でも日本がリーダー的な役割を果たすという意味でも、非常に大事なことではないかと思います。

 特に、日本は今や、物品だけではなくて、例えば知的財産の分野などでも相当守るべきものを持っています。逆に、こうした部分が国富を富ませる部分になっております。こうした例えば知的財産などの部分についても、日本にとって、そしてまたこの地域において好ましいルールをつくっていくということは、非常に大事なことではないかと思っています。

 あと、GTAPモデル、マクロ経済指標についての御指摘がございました。

 これは、確かにおっしゃったように、マクロでの視点でございまして、一方で、さまざま、TPPをめぐっては、それこそ、農業のきょうのお話や、公的医療保険制度の関係とか、また、ISDS手続などについて国民の皆様方にさまざまな議論や御意見あるいは懸念があることも承知をしておりますので、こうした懸念につきましては、これからの協議の中でわかってきた情報についてはきちんとお伝えをして、そして、払拭できるものはきちんと払拭をしていくということをきちんとやっていきたいと思っています。

 そして、協議については、これは、協議といいますかTPPについての結論については、そうした情報提供も努めた上で、国民的な議論を経て、あくまで国益の視点に立って考えていきたいというふうに思っております。

 最後に、ネガティブリストのお話がございました。サービス及び投資につきましては、九カ国が追求する高水準の成果を確保するため、ネガティブリスト方式を基礎とする交渉を行っているというふうにされておりますが、物品貿易につきましては、基本的に全ての関税を十年以内に撤廃することが原則になるとされておりますが、最終的に即時撤廃がどの程度になるか、段階的にどれくらいの時間をかけて撤廃するのか、また関税撤廃の例外がどの程度認められるか等については、現時点では明らかでないという状況ではございます。

佐々木(隆)委員 時間が余りなくなりましたので、最後に、これはお答えをいただく時間がないかもしれませんが、野田総理は、あくまでも国益の視点に立ってというふうにおっしゃいました。国益は、先ほども申し上げたように業と村は一体でありますから、その一体的なものが守られなければ国益には私はならないというふうに思っております。

 ルールづくりに参加をすると言ったわけでありますから、私は、今、事前協議の最大の山場を迎えていて、まさにルールづくりに日本がどうしっかりとかかわることができるかというときを今迎えているんだというふうに思うんです。

 そういった意味で、ぜひ、村を守り地域を守るという視点でお取り組みをいただきたいということと、今のお話からすると、TPPはEPA化することこそが私は国益だというふうに思うのでありますが、もしお答えがいただければいただきたいと思います。

古川国務大臣 まさに国益を守るために、そのために日本にとって好ましいルールをつくっていく、やはりそうした姿勢で今後とも協議には臨んでまいりたいというふうに思っております。

佐々木(隆)委員 ありがとうございました。

中井委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。

 次に、花咲(はなさか)宏基君。

花咲委員 民主党の花咲宏基でございます。おはようございます。

 委員長、花咲(はなさか)ではなくて、花咲(はなさき)でございます。

中井委員長 ごめんなさい。

花咲委員 よろしくお願いします。

 本日は……(発言する者あり)そうですね、花咲かじいさんの花咲(はなさき)でございますが、本日は質問の機会をいただきまして、心より感謝を申し上げます。

 私は、五年間の浪人を経て国会で今仕事をさせていただいておりますけれども、五年間で地元で一番訴えてきたことは、国民の皆さんが汗水垂らして納めてくださった税金を国民の皆様の生活を守るために、子供たちの未来のために使う、無駄遣いをなくす、このことを一番訴えてまいりました。現在、党の行政改革調査会で仕事をさせていただいておりまして、まさにこの無駄遣いをなくす仕事をさせていただいており、やりがいある仕事をさせてもらっております。

 そこで、本日は、行政改革を中心に質問をさせていただきたく思います。

 まず、国家公務員宿舎削減についてお聞きをいたします。

 昨年、朝霞宿舎の建設の件で国民的な関心も高まりました。率直に言うと、民主党に対して、また政権に対して、国民の皆さんの御批判をいただいたわけでありますけれども、昨年、それを受けて、財務省の方で国家公務員宿舎削減について新たな方針をつくられたと聞いております。五十嵐財務副大臣、その方針についてお聞かせください。

五十嵐副大臣 お答えいたします。

 委員にも大変御努力をいただきましたけれども、昨年十二月に国家公務員宿舎の削減計画をまとめました。ポイントは三点です。

 一点は、真に公務のために必要な宿舎に限定をし、福利厚生目的のものは認めない。二点目が、今後五年を目途に、宿舎戸数約二十一・八万戸を五・六万戸、二五・五%程度削減をする。その結果として十六・三万戸になる。三点目は、朝霞、方南町などの住宅は建設を中止する。これがポイントでございます。

 この真に必要な職員というのは、緊急時の参集、緊急参集要員、あるいは離島、山間僻地に勤務する職員、あるいは頻度高く転勤を迫られる職員、このような職員に絞りました。かつて、平成十八年から二十年にまとめられた移転・再配置計画というものがありますが、その削減幅は十年間で約一・九万戸、一〇%弱でございましたけれども、格段に強めたということでございます。

 また、平成二十二年十二月八日にまとめられました国有財産行政におけるPRE戦略についても、公務員宿舎については、五年を目途に三・七万戸程度、一五%強の削減でしたけれども、これよりもさらに精査をして、厳しく見積もったということでございます。

 国民の御理解をいただいて、さらに国家公務員宿舎の改革をなし遂げていきたいと考えております。

花咲委員 ありがとうございます。

 確かに、自民党政権時代の一〇%、平成二十二年十二月に作成した方針が一五%でありますから、今回二五・五%でありますから、かなり踏み込んだ削減だ、そう思います。ここは安住財務大臣、政務三役の皆さんに敬意を表したいと思いますが、ただ、一つ首をかしげる問題があります。

 この削減によってどのぐらいの財源が捻出をされるか、五十嵐副大臣、お答えください。

五十嵐副大臣 この計画によりますと、二千三百九十三住宅に上る宿舎の廃止が決定をされております。最近の不動産市況を踏まえたこれら宿舎の売却等の見込み額は、これは逆に、解体等、必要な経費もありますので、それを除きますと、約七百億円を財源として見込めるということになっております。

花咲委員 実は、国家公務員の宿舎の資産というのは一・五兆円あるんですね。その二五・五%というと、単純計算すると三千八百億円なんです。それが七百億円というのは、私は少な過ぎるというふうに思います。その点について、五十嵐副大臣、どうでしょうか。

五十嵐副大臣 これからも、それ以外の住宅について、老朽化して耐震性等に問題があるものがありますので、これは、年内を目途に、耐震改修、長寿命化するか、あるいは集約化して建てかえて、集約化すれば土地がまた出ますから、それを売る、そして捻出する、あるいは廃止をしてしまうというようなこともありますけれども、いずれにしても、細かなコスト比較をして、どっちが安上がりかということをやらなければいけませんので、それをやれば追加をし得るということもあると思いますが、とにかく七百億円から上積みを目指すという考え方は委員と同じだというふうに言えます。

花咲委員 やはり少な過ぎると思います。

 そこで、実は、民主党の行政改革調査会の中で国有資産見直しワーキングチームというものをつくっていただいて、私も事務局長として仕事をさせてもらいました。七百億円では少な過ぎるということで、倍以上、つまりは一千四百億円以上は上積みをするようにということで、党の方でも政府の方に要望したいというふうに思っております。

 さらには、売却可能な国有資産、未利用地が九百二十九億円あるとお聞きをしておりますけれども、これも財源捻出のために速やかに売却していただいて、国民の皆さんにお返しをいただきたいというふうに思います。これは通告していないんですけれども、安住財務大臣に決意を聞かせていただきたいと思います。

安住国務大臣 国民の皆さんに消費税という大変大きな御負担をお願いする以上は、できるだけ納得いただくような身を切る努力というものはしていきたいと思います。

 ただ、やはり持っていなければならないものもあるでしょうから、よく精査をして、できるだけ出せるものは出したいというふうに思います。

花咲委員 よろしくお願いいたします。

 国家公務員の宿舎の削減についてはこういう方針が出ているわけでありますけれども、実は、独立行政法人の職員宿舎についてはこういう方針がないようでありまして、この独立行政法人の職員宿舎についてお話をお伺いしたいというふうに思います。

 実は、事業仕分けで、国際協力機構、JICAの宿舎が問題として取り上げられました。それで、独立行政法人の職員宿舎についての見直しもされたというふうに聞いておりますけれども、政権交代前から現在までの取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。岡田副総理ですかね。

岡田国務大臣 まず、独立行政法人の職員宿舎につきましては、平成二十二年末の閣議決定、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針において、保有する必要性があるのか、必要な場合でも最小限のものになっているか厳しく検証するということになっております。そのことに基づいて、各独法の持つ職員宿舎について、削減すべく努力はしていただいております。

 ただ、どれぐらいなされたのかということは、私が外務大臣のときの経験からいっても、必ずしも十分とは言いがたいということで、もう一度、独法の持つ職員宿舎について全体的に検証する必要があるというふうに考えております。

 そして、その上で、先ほど委員が国家公務員の宿舎について御質問されましたが、副大臣が御答弁のように、国家公務員の宿舎については、より厳しい基準で見直しがなされたところであります。その中で、特に福利厚生、つまり生活支援目的のものは認めないとか、あるいは宿舎の使用料についても、宿舎の建設等に係る支出を賄えるように引き上げを行うとか、いろいろな新たな基準が設けられました。

 私は、したがって、独法についても、公務員と比べれば、より必要性がそもそも一般論として少ないものが多いわけですから、より明確な、あるいは厳しい基準を再度設定する必要があるというふうに考えております。そういった基準を設定して、もう一度、資産の処分について、資産といいますか、この場合宿舎ですが、しっかりやっていく必要があるというふうに考えておりまして、先般設置をいたしました行政改革実行本部においてこの問題を取り上げて、基準の明確化を含めて、しっかり対応していきたいというふうに考えております。

花咲委員 私が思った以上に前向きな御答弁ありがとうございます。

 実を申し上げますと、国家公務員宿舎の入居率というのは九三%なんですね。九三%を二五・五%削減するということでありますから、私は、本当に思い切った削減を国家公務員の宿舎についてはしていただいているというふうに思っております。

 しかしながら、皆様のお手元にあります資料1をごらんいただければありがたいんですけれども、政権交代前から、事業仕分けを受けて独立行政法人の職員宿舎についても見直しをされてまいりました。しかしながら、現時点では、この項目の入居率2の一番下を見ていただきたいんですけれども、入居率は七九・一%なんですね。七九・一%でなかなか削減が進んでいないという状況が独立行政法人にあるということを、ぜひ改めて岡田副総理には知っていただいて、削減に取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 ちなみに、問題として取り上げられたJICAは大変努力をしていただいております。当時の岡田外務大臣の指示もあったんだというふうに思いますけれども、JICAで申し上げますと、JICAの宿舎というのは、実はマンション等を借り上げて職員に利用させる、そういう区分所有というものでありまして、マンションを借り上げるということに国民の皆さんも非常に憤慨をされたわけでありますけれども、実は、平成二十二年度は五十一戸処分をしていただいています。二十三年六月に国庫納付していただいているんですね。つまり、財源を生み出していただいております。さらには、二十三年度には三十八戸を売却していただいていまして、二十四年に三十四戸、二十五年に三十三戸、二十六年に三十三戸を売却して、全ての区分所有の売却をJICAはすると決めていただいております。これが返ってくれば財源が捻出をされるというわけでありまして、これは本当に事業仕分けの成果でもあるというふうに思っています。

 ただ一方で、同じ外務省の所管の国際交流基金は、三十五の区分所有があって、四戸しか処分をしないというような方針であります。ですから、独立行政法人によってばらばらの対応をしているんですね。そこをぜひ今回の行革で、岡田副総理のもと、先ほどおっしゃっていただいた前向きな答弁を、ぜひ実現していただきたいというふうに思っております。

 そこでもう一つ、この資料1の宿舎使用料の項目で、一戸平均宿舎使用料というところがあります。一番下を見ていただきたいんですけれども、独立行政法人の平均の宿舎使用料が一万二千円なんですね。これまた安いんです。国家公務員の宿舎の平均をお聞きすると、二万円であります。ですから、独立行政法人の宿舎の使用料も私は問題があるのではないかというふうに思いますので、ここはぜひ岡田副総理に目を光らせていただきたいなと、あわせてお願いをしたいというふうに思っております。

 次に、独立行政法人の支出についてお聞きをしたいと思います。

 資料2をごらんいただければと思います。

 これは、独立行政法人日本原子力研究開発機構の会費支出でございます。そもそも独立行政法人が、これだけ多くの公益法人に会費を支出していること自体が不透明なものだというふうに思います。平成二十二年の総額は、この日本原子力研究開発機構だけで年間約八千六百万円であります。ごらんいただけばわかるんですけれども、しかも、その会費の支出先に天下りもいるんですね。

 この表の中で、裏面になりますけれども、五十五番を見ていただきたいんです。この五十五番の公益法人の会費というのが、何と三千百五十万円なんですね。これは、この法人の会費規定でいうと、一口十万円なんです。つまりは、三百十五口の会員なんですね。四十九番を見ていただきたいんですけれども、ここも一口十万円で八百六十万円の会費を支払っておりますから、八十六口の会費を払っている会員であります。

 これ自体、誰が見ても不自然だというふうに思います。しかも、天下りがいるということでありまして、実はこの点、民主党の行政改革調査会の方で日本原子力研究開発機構にも視察に行かせていただいて、指摘をさせていただきました。

 平野文科大臣、その指摘を受けて今どのような議論をされているか、お聞かせください。

平野(博)国務大臣 今、議員が御指摘されましたように、私も、党の調査会からの御指摘を受けまして、現場の状況を今把握いたしているところでございます。特に今、議員から指摘ございました、この辺については、私自身も、御指摘を十分に踏まえて、抜本的な、一旦リセットしようというぐらいの極めて強い決意で今チェックをいたしているところでございます。

 ただ、長い経過がずっとありまして、地元の御要望等々を踏まえて今日まで来ておりますが、改めて党からの指摘を含めて、私は、一旦リセットした上で最低必要限度のものだけを、賛助会員なら賛助会員としてやらせていただこうと思っておりますので、しっかりと御期待に沿えるように改善をいたします。

花咲委員 どうもありがとうございます。党の行政改革調査会にも、視察に行きましたから、その報告という形でまた受けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 この日本原子力研究開発機構の問題がありまして、実は内閣官房行政改革推進室で、全ての独立行政法人の会費支出について調べていただきました。平成二十二年度の全ての独立行政法人の会費支出の総額、これは中塚副大臣、おわかりになりますか。

中塚副大臣 民主党の行政改革調査会の御指摘を踏まえまして、全法人について調査を行いまして、一月に結果を取りまとめました。

 平成二十二年度、延べ千五百五法人でありますが、約二億七千万円の会費の支出があった、そういう結果になっております。

花咲委員 今お話しされたように、多数の法人に約二億七千万円の年会費を払っている。その年会費を払っての効果もよくわからないというところがあると思いますので、これは、この会費というのは、国からの運営交付金から支出されているというふうに思いますけれども、つまり税金であります。ですので、ぜひ中塚内閣府副大臣にも、この会費については全ての法人に対して精査をするようにお願いしたいというふうに思っています。

 次に、日本原子力研究開発機構が行う事業の内容についてお聞きをしたいというふうに思っています。

 ちょっと飛んで、資料の4になるんですけれども、この資料の4というのは、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針に基づいて公表されている契約情報の概要という資料であります。

 これは、総売上高または事業収入に占める独立行政法人との間の取引割合が三分の一以上であり、かつ、独立行政法人の役員経験者が再就職している、または独立行政法人の課長相当職以上の職の経験者が役員として就職しているというものでありまして、この表を見ていただければ、つまりは独立行政法人からの天下りがいて、売り上げの三分の一以上を独立行政法人の仕事に頼っているという事業者との契約であります。

 これは、実は平成二十三年八月から十月までの三カ月間でありますけれども、これだけ契約があって、そして総額でいうと、この日本原子力研究開発機構でいうと約十三億円であります。一者応札と応募が十四件、不落随契が十四件ということでありまして、これも不透明な契約だというふうに思います。この点も日本原子力研究開発機構に指摘をいたしました。その指摘を受けて、今どのような話をされているか、平野文科大臣にお聞きいたします。

平野(博)国務大臣 議員御指摘のとおり、研究開発という特殊な環境の中での入札、こういうことでございますが、今まさに指摘がございましたように、特にOBが出ていっている、そういう企業にもし入札が成るとすれば、国民の目線というのはどういうふうに思うか、こういうことも十分に踏まえながら、今後、電子入札の導入、さらには競争参加資格をもっと拡大する、いわゆる透明性をより高めた仕組みに変えていかなければならないということでございます。したがいまして、競争入札に参加可能な仕組みにどう改善するかということを今現在検討させております。

 また、加えて、先ほど委員の指摘のことがありますから、公認会計士や弁護士など、外部の有識者から構成される契約監視委員会を、今、既に設立いたしまして、より契約の透明性を確保する、公正の観点から評価をする、そういう業者を契約できるような体制整備に今努めているところでございます。

花咲委員 時間も押してきたので、指摘だけさせていただきたいと思うんですけれども、資料の3をごらんいただきたいと思います。

 今の一者応札であるとか不落随契というのも問題なんですけれども、実は競争入札の中でも公正さを欠くようなものがあります。例えば、TASという会社と高速炉技術サービスという会社がここにありますけれども、この二社が競争入札として入って、お互いが仕事を分け合っているという状況が、私が日本原子力研究開発機構さんからいただいた資料、約三カ月間の契約でありますけれども、十三件あるんですね。

 ですから、私は、よく原子力村というふうに言われることがありますけれども、こういった独立行政法人の日本原子力研究開発機構から天下っている先、さらには、こういう株式の持ち合いとか資本関係があるというところで仕事を分け合っているような状況が見受けられるというふうに思っておりますので、ここもぜひ文科大臣にはしっかりと見ていただきたいなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

 時間が押してきましたので、最後になりますけれども、岡田副総理にお聞きします。

 二月七日の記者会見で、行政改革については諮問機関を設置するというふうに発言をされましたけれども、報道では、平成版土光臨調というようなことも報道されておりますけれども、岡田副総理が発言された諮問機関のイメージをお聞かせいただけませんでしょうか。

岡田国務大臣 今、政府の中でいろいろ行革について議論をしておりますけれども、やはり政府の外、第三者の目でしっかりと骨太の議論を行っていただきたいというふうに思っております。

 土光臨調というのは、非常に強烈な一つの成果も出したし、いい形で運営されたというふうに思いますが、平成版の土光臨調のような形で、外部の皆さんに二年間なら二年間という期限限定で集まっていただいて、骨太のいろいろな議論をしていただきたい。

 当面、例えば総人件費の抑制、それから全体の人事管理のあり方とか、そういうことについて、これは役所の、政府の中というよりは、外の目を入れて御議論いただくことが非常にいい結果を招くのではないかというふうに思っております。

花咲委員 今、霞が関の皆さんの人事管理というお話もいただきましたけれども、実は私は、総人件費の削減の中で、やはりいろいろな手当を見直していただきたいなというふうに思っております。

 その中で、超過勤務の手当について、ぜひ見直しをしていただきたいなと思います。例えば、民間の事業者、五人規模以上の超過勤務手当の給与に占める割合というのが五・七九%なんですね。それが、例えば文科省でいうと九・一%、内閣府が八・七%、経産省が八・五%、国土交通省が八・四%ということで、非常に割合が高いんですね。要は超過勤務手当が多いということであります。

 ただ、これは、例えば私も今回質問通告するのに、夜に質問通告をしたりとか、私たちのあり方も変えなきゃいけないということもありまして、ぜひこの諮問機関で、霞が関の皆さんが一生懸命頑張ったら報われるような人事評価もつくっていただいて、しかも超過勤務手当が減るような形で、これは実は一千五百億円の予算なので、お願いをしたいというふうに思います。

 お願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

中井委員長 これにて花咲君の質疑は終了いたしました。

 次に、仁木博文君。

仁木委員 民主党の仁木博文でございます。きょうは、この予算委員会で質問の機会を賜りましたことを本当に光栄に思います。ありがとうございます。

 まず冒頭に、天皇陛下におかれましては、週末、冠動脈バイパス手術を受けられ、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。

 さて、まず岡田副総理に質問をさせていただきます。

 先週末、長野のタウンミーティングにおきまして、行財政改革、特に国家公務員の人件費二割削減明記へということを言われましたけれども、実はそのことに関しましては、私も二〇〇九年マニフェストを思い出しております。三回目の挑戦で、街頭に立って、国家の総予算二百七兆円を総組み替えし、そして天下りと無駄遣いの根絶を目指す、まさにこの思いこそ通じてやりたい。つまり、二月の十七日には社会保障・税一体改革、閣議決定されました。やはり、それを国民に言う前に、まず身を削る。そして、政治改革と相まって行政改革というのは避けて通れないことと考えますが、改めて意気込みというか、お考えを聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

岡田国務大臣 まず、これは目的は違うんですけれども、公務員の給与の引き下げについて三党政調会長間で合意ができたことは一歩前進だということで、ぜひこれを早く実現できるようにしていただきたいというふうに思います。

 そういった個々の給与の水準の話と同時に、数の話がございます。公務員の数をいかに減らしていくかということについて、しっかりと議論しなければならないというふうに思っております。

 ただ、やみくもに実現できないことを議論することも避けなければなりません。そういう意味で、どういった分野でどういう形で減らしていくか。その中には、やはり働き方を変えるということも含まれると思います。そういったことについてしっかり議論を行って、二割削減という目標に向かって、しっかりとその実現に向かって具体的な姿というものを示していきたいというふうに考えております。

仁木委員 ありがとうございます。

 先ほど、国家公務員の働き方という議論が出ました。まさに私のきょうの質問でもございますマイナンバー制度、共通番号制度というのは、これはある種、行政のイノベーションだと思います。つまり、このことを貫いて行政をプラットホーム、これで運営していけば、かなりの効率性、そして気がつくと人件費削減にもつながっているというふうに私は考えます。

 そういうことで、行財政を進めていく上で、このマイナンバー制度のことに関しまして、やはり公平さ、公正さ、そして国民の負担軽減や利便性の向上、あるいは国民の権利が確実に守られるという理念のもとに閣議決定されているというふうに伺っております。

 このことに関しまして、私は負の側面も考えなければいけないと思います。

 一つ、今上がった閣議の内容で気になることがありまして、それは、マニフェストにもうたっていたんですが、特に税の部分、国税庁、そして社会保険庁を統合して歳入庁という考えがありました。ところが、この閣議の内容では、付番に関しましても、法人に関しましては国税庁が当分の間つかさどるという形になっておりますが、このことに関しましてはいかがでしょうか。

 私は、税を、国民の皆さんからお金を集める側と、いろいろな予算をつくっていきますが、財布からお金を出していく側が、同じような省庁であるということはいささか疑問があると思います。そういったことも国民の不信を招いているということもあると思いますので、政治に信頼を取り戻すという意味からいいましても、ある種、この歳入庁の設置というのはかなり大きな意味があると思いますし、ぜひともやっていただきたいことでございますが、この辺は、岡田副総理、いかがでしょうか。

岡田国務大臣 大綱の中でも、歳入庁の検討ということは明記をされております。政府としても、歳入庁をつくる場合の制度設計、それからメリット、デメリット、そういったことを早急に検討を行っていきたいというふうに考えているところです。

仁木委員 ありがとうございます。

 岡田大臣、お忙しいということで、ありがとうございます。

 それでは次に、古川大臣の方に質問させていただきます。

 このマイナンバー制度でございますが、まず、導入に関しまして、国民に具体的にどのようなメリットがあるか、あるいはデメリット。デメリットは、情報の漏えいであるとか、あるいは不正使用、こういったことが、特にハッカーとかの出現等を含めて危惧されるところでございますが、メリットの方を改めて強調していただきたいと思います。よろしくお願いします。

古川国務大臣 番号制度は、より公平な社会保障制度の基盤となるものでありまして、その導入によりまして所得把握の正確性が向上し、これによって、真に手を差し伸べる人に対する社会保障の充実、また、負担、分担の公平性がより一層確保されるというふうに考えております。

 また、さまざまな手続におきまして従来求められていた添付書類が削減されるほか、マイポータルを活用して行政機関から国民へのきめ細かなお知らせサービスが提供されるなど、国民の利便性の向上に資するものでもあります。さらに、行政の効率化が図られて、限られた行政資源を国民サービスの充実のために、より重点的に配分することも可能になるなど、番号制度の導入によりまして、さまざまなメリットを国民に実感していただけるものというふうに考えております。

 一方で、今委員から御指摘のあったような懸念も示されております。こうした懸念に対しましては、制度面とシステムの両面から措置を講じて対応していくことといたしております。

 具体的には、特定個人情報をそれぞれの機関で分散管理するであるとか、利用範囲や情報連携の範囲を法律に規定するであるとか、三条委員会型の独立性を有する個人番号情報保護委員会が監視、監督をするであるとか、情報システムへの適切なアクセス制御や通信暗号化、さらには官民の不正、不当行為を抑止するための罰則等、こうした対応をきちんととってまいりたいというふうに思っております。

仁木委員 ありがとうございます。

 このマイナンバー制度の導入、二〇一五年一月からということでございますが、まず、今、手法としまして、住基ネットからの付番、主に個人にはそういう形で、そしてまた国税庁のもとに、法人への付番ということがあると思います。そして、情報連携ということで、数々の連携を行いましてやるということ。

 そして、先ほどマイポータルという話がございましたが、個人が、例えば将来的に、自分の年金保険料を総額幾ら掛けているのか、そして自分が年金を受給するときに幾らもらえるのか、そういったことが相互に確かめることができて、年金が消えないとか、国民にさまざまなメリットがあるというふうに思っております。

 そこで、一つお聞きしたいのが、この手法でございますが、一種、三条委員会等々を設置してやられるということでございます。そして、今年度の予算等々で、二〇一五年一月に向けての、この付番等々に関する、マイナンバー制度導入に伴う予算等々、具体的に教えていただければと思います。

古川国務大臣 番号制度の導入費用につきましては、一昨年六月に中間取りまとめというものを行って、その中では総額約六千億円という額が出ましたけれども、これは過去のシステム改修費用等を参考としたごく粗い試算でありまして、現在はこのような数字になることはないというふうに考えております。

 現時点におきまして、番号制度の導入に係る共通費用といたしましては、マイナンバー及び法人番号の付番システムの構築に約百億円、情報連携基盤、マイポータル、そして第三者機関の監視システムの構築に約四百億円を見込んでおりますが、システム調達のあり方も含めて、真に必要な費用については引き続き精査をしてまいりたいというふうに考えております。

 平成二十四年度には、実証事業として七億円を計上いたしております。これは、詳細については検討中でございますが、例えば、東日本大震災の被災地など幾つかの地方公共団体において情報の授受が正しくできるかどうかなど、技術面や事務運用面のパイロット的な実証を行う方向で今検討を進めております。

仁木委員 お手元の資料一枚目に、そういった社会保障・税番号制度の導入に向けたロードマップというのがございます。

 先ほど大臣の方から御答弁いただきましたように、こういった法案を提出したり、あるいは第三者機関設置もあるわけでございますが、特に第三者機関設置、このことに関しまして、過去に国民総背番号制等々の議論で、こういった行政の、動かす上でのプラットホームの構築がおくれた経緯があると思います。このことに関しまして、かなり国民の方にもメリットを強調していく必要があると思います。

 そこで、私、お願いしたいのは、このマイナンバー制度の導入、いわゆる共通番号制度の導入によって、行政面でも、先ほど岡田大臣に私がした質問にも関係しますが、かなりの経費削減ができるということも、これから大臣のもとでそういった試算もしていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。

古川国務大臣 おっしゃるように、いろいろな今までかかっていた行政的なコストがかなり削減できる面もあるんじゃないかと思います。

 例えば、現在、地方公共団体が住民税を徴収するための所得情報は税務署から受けておりますが、今これは、紙でもらって、それをまた各市町村でコンピューターに入れ直してという作業をやっております。例えば、番号が入りますと、そうした作業は必要がなくなりますので、そういった意味では、これはかなりの行政コストの削減にもなるんじゃないかと思います。

 そういった意味で、そうした今までかかっていた行政コストがどれくらい削減されるか、こうしたことについても、どこまで試算できるかということはちょっとわかりませんが、できる限り、大体のあらあらのものができないか、今検討を進めているところでございます。

仁木委員 私、政権交代は、ある種、パラダイムシフトだと思います。トリクルダウンとよく言われますが、大企業や富裕者層に対する政策を行ったら、末端の弱者にまでその恩恵が来るというような社会から、ある種変わってくることであったと思います。

 具体的に言うと、厚生労働行政におきましても、控除から手当という形で、より必要な方にそういった給付が、現金給付もあわせて行われるという、このパラダイムシフトが起こったことで、特にそれを具現化して行政でやろうと思えば、やはりこの共通番号制度は非常に必要な制度だというふうに思っております。

 そういう観点で、この応用ですけれども、例えば災害時に、あの震災でも、私は現地に行きましたが、避難所でお年寄りの方々が、自分がどういった薬を医者から処方してもらっているのかわからない、あるいは自分の既往歴がよく説明できない。このことは、意識がなくなって救急で搬送されるときにも、この番号制度の中でもしっかりとした本人確認ということがございます。将来的に、生体認証とかと相まって、かなりの応用ができることによって、医療費の抑制なり、あるいは国民の大きなメリットにつながるというふうに考えるわけでございます。

 そこで、一つ、お願いと質問したいことがあります。それは、この番号制度の延長上、つまり、イノベーションはずっと進化していくわけでございますので、例えば将来的に、この制度と生体認証のあり方とか、つまり、古い今の状態でソフトを導入しても、それが将来使えなくなるとか、そういったことがないように、将来を見据えた、将来のこの共通番号制度の大きな展開、活用を見据えた形での例えばソフトの導入とか、そういうことをお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

古川国務大臣 現状におきましては、この番号につきましては、早期に導入して定着させることが重要でございますので、まずは住基カードの既存のインフラを有効に活用して、現行の住基カードを改良して、新たなICカードを個人番号カードとして交付することといたしております。

 今、個人認証の手段としてさまざまなやり方があるんじゃないかと御指摘がございました。実際にそういう技術が進んでいるということは承知はいたしております。したがいまして、引き続き、認証手段の多様化については検討してまいりたいというふうに思っております。

 なお、生体認証につきましては、これは技術的な課題に加えましてプライバシーの問題というものもございますので、国民感情として許容できるかどうか、そうした面も慎重に見きわめる必要があるのではないかというふうに考えております。

仁木委員 今のこの内容ではなかなか応用の具体例はないわけですけれども、例えば医療の現場で、よくセカンドオピニオンというのがございます。ある医者に診てもらって納得いかない、あるいは、もう少しそのドクター以外の専門のドクターに診てもらって、安心して今のドクターに治療を受けたいということがあるんですけれども、例えば他の病院に行ったときに、その前の病院での検査をまたすぐにリアルタイムで見ることができる、そういったことも将来的な展望として必要ではないかと思いますので、そのことも含めまして、また今後の課題としてお願いしたいと思います。

 今、いろいろな番号で行政が動いております。年金手帳や健康保険、免許証、パスポート、あるいは住基ネットがあります。あと母子手帳もありますが、私も三人子供ができまして、今、母子手帳で重要なのは、ワクチン、例えば予防接種のスケジューリングもかなり、あるいは予防接種したかどうかということも母子手帳で動いているというのは、国民の側からすればそうだと思います。

 そこで、小宮山大臣の方にお尋ねしたいのでございますが、昨年、二十三年の七月に予防接種法の改正がありました。これは新型インフルエンザに伴うものでもあったわけでございますが、やはりこの予防接種法は、ずっと、たびたび改正が行われて、継ぎはぎ状態になった不完全なものだと私は認識しております。

 今、党内でも、この予防接種法抜本改正を目指した小委員会の座長を務めさせていただいておりますが、やはりこの抜本的な改正を行うことによって、国民が予防接種、ワクチンを受けることによって将来その病気にかからない、そして結果として健康な期間も延びるし、医療費の適正化、抑制にもつながるということでございますので、このことに関しまして、改めて確認でございます。

 この通常国会で予防接種法抜本改正に向けて法案提出をお考えということでございますが、そのことはいかがでしょうか。

小宮山国務大臣 今、仁木委員が言われましたように、予防接種について、日本は先進諸国に比べまして公的な予防接種がおくれているというワクチンギャップがどうしてもございますので、今、予防接種部会で、子宮頸がん、Hib、肺炎球菌の三ワクチンに加えて、全体で七ワクチンを公的に予防接種法に位置づけるための検討をしています。そういう意味では、今のこの検討をなるべく早く進めて、予防接種法改正ということに進めていきたいと考えています。

仁木委員 ありがとうございます。

 お手元の資料二枚目にも、現行の日本の予防接種法に基づく予防接種の体制が記載されています。

 ちなみに、今、ポリオというところで、IPVという、他国では不活化ポリオワクチンが使用されておりますが、日本はいまだに経口生ワクチンという形になっていて、このことを見ましても、戦後はある程度この予防接種行政は進んでいたんですけれども、今はもう他の先進諸国におくれをとっているというのが現状でございます。

 このことも先ほど大臣が言われた思いと相通ずることでございますが、三枚目の資料を見ましても、今、定期接種化されていないワクチンを並べております。ちなみに、追加の接種費用というところを足しますと、二千億円以上かかります。ところが、三番目の費用対効果というところを見ますと、マイナス五千億円ぐらいになるんですね。つまり、注射を打つこと、予防接種することによって、これだけ医療費的あるいは経済的な社会的損失が免れるということでして、まさに費用対効果が大きい、そういう事業だというふうに思います。

 そういうことで、私はやはり、国民の健康、そして日本の将来を担う子供さんたちには、いろいろな財源の問題があるわけでございますが、今、年少扶養控除の廃止、あるいは、場合によれば各健康保険の保険者が出すとか、あるいは今後、消費増税の話もありますが、その増税した分の一部を子育て支援に回すということもありますが、その中で、予防接種の方にそういった財源を割いていただきたいということも改めてお願いしたいと思います。

 最後の資料、四枚目の資料でございますが、これも先般、公明党の皆さんから質問があったと思いますが、実は、自公政権のときにできたすばらしいがんクーポンという制度がございます。

 これは、子宮頸がん、乳がん検診に対しまして、対象たる国民が無料で受けられるという形でございます。平成二十一年度に比して二十二年度の予算額はかなり減ったじゃないかというお声があるんですけれども、これは国の補助率を見ていただければわかりますし、こういった事業というのは初期投資、人であるとか事務的な準備であるとかかなりかかりますので、軌道に乗っていく過程においてこのように減ったというふうに思っていまして、現状、現場はそれほどというか、むしろ歓迎する動きがありまして、これはまだ、先般レクを受けましたときでは、結果は出ておりませんが、受診率もかなり、倍増近い形で上がっているということでございます。

 そして、平成二十三年、今年度は大腸がん検診も組み入れました。平成二十四年度の予算にも百五億円という形で、トータル、こういった検診、二次予防医学に特化したような行政が進んでいるということでございます。

 小宮山大臣、今後もこういった予防医学、大いに推進していただくような厚生労働行政を進めていただきたいと思います。そのことに関しましても、今この私の提出させていただきました資料とあわせまして、何かコメントがありましたらよろしくお願いします。

小宮山国務大臣 これも医師でもあります委員がおっしゃるとおり、やはり予防が、いろいろ医療費の削減ですとか、健康、クオリティー・オブ・ライフを上げる上でも非常に必要なことだと思っています。

 今御紹介いただいたように、平成二十一年度から子宮頸がんと乳がんの無料クーポン、そして二十三年度から大腸がん検診の無料クーポンを配付することで、やはり受診率を上げることができていると思っていますので、引き続き、必要な予算額も二十四年度予算にも計上いたしますし、こうしたことを推進していきたいというふうに考えています。

仁木委員 実は、ことし、平成十九年四月一日から施行になりましたがん対策基本法に基づく見直しの年になります。今問題となっていますのは、現場でがん登録の数が進んでいないということでございますが、きょう私のお訴えしたいのは、情報というのはいろいろな意味で国家の大切なことでございます。

 マイポータルに代表されるように、個人の情報も大切なんです。法整備もいろいろ伴うと思います。しかし、個人の情報でもありながら、がんのいろいろな情報、つまり、このがんの、この病気に対してこういう治療をすればこういう結果になった、こういったことを国民全体が共有することによって、国家の、あるいは国民の命と健康、そういったものが、より科学的なエビデンスに基づいて守られていくという、本当に重要なことでございまして、私は、冒頭に申し上げましたように、この共通番号制度を、ぜひとも国民の皆さんの御理解をいただいて導入することによって、大いに国家、日本国の発展のために生かしたいというふうに思っております。

 そういうことを含めまして、やはりこれはPR、デメリットも正直に話さなきゃいけませんが、メリットをしっかりと野田政権のもとで発信していただいて、早期にこの仕組みを導入することをお願い申し上げまして、私、仁木博文の質問を終わらせていただきます。

中井委員長 これにて仁木君の質疑は終了いたしました。

 次に、中島正純君。

中島(正)委員 国民新党の中島正純でございます。

 きょうは、前田大臣に、低炭素まちづくりについてお伺いしたいと思っております。

 今後、日本全体として低炭素社会をつくり上げるためには、産業部門や運輸部門などを含め、さまざまな分野でエネルギーの消費を抑え、二酸化炭素の排出を抑制していくことが重要だと考えております。個々の住宅についても例外ではなく、これからは、エネルギー消費を極力抑えられるような省エネ型住宅の住まいにするだけではなく、太陽光発電などを取り入れて、全体としてほとんどエネルギーを消費しない住み方ができるような住宅に変えていく必要があります。

 このようないわゆるゼロエネルギー住宅の普及に向けて、今回、政府は二十四年度予算に二十三億一千万円の予算をつけておられます。どのような目標を掲げて、どのような施策を実施しようとしておられるのか、お考えをお聞かせください。

前田国務大臣 中島議員にお答えいたします。

 議員が非常にこの面で取り組んでおられることを承知しておりまして、心強く思っている次第でございます。

 大きく、エネルギーの消費分野というのが三つに分かれる。これは炭酸ガスの排出量においても三分野、こう言われておりますが、産業分野、そして運輸交通、それから住宅、建築、都市、まちづくり関係ですね。ドイツの国土交通大臣がこう言われていましたね。自分はドイツではエネルギー消費大臣、こう言うんだと。というのは、確かに、この三分野のうちの二分野までが国土交通関係なんですね。

 現実に調べてみますと、日本も、エネルギーの消費量でいうと、運輸交通あるいは住宅都市関係で、民生で五六、七%になっています。当然、炭酸ガスの排出量もそういったことでありますから、エネルギー問題の厳しい中でこの分野の省エネというのが一番重要でありますが、平成二十二年にも閣議決定をして、二〇二〇年までにゼロエネルギー化、特に公共建物のゼロエネルギー化、二〇三〇年までに既存のものもゼロエネルギー化という方針を出してはいるんですが、なかなか国民一般の理解がそこまで当時はいっていなかったと思うんです。

 三・一一の東日本大震災以降、今までのような住み方、都市のあり方、あるいはエネルギーの消費のあり方では日本の将来がないということを国民の皆さんが意識をされるようになって、この政策も大きく支持されるようになってきたと思うんですね。

 そこで、議員が御指摘のような政策、例えば、まだ制度がしっかりとつくられていないものですから住宅のエコポイント程度になっていますが、去年の七月の末で終了したのを補正予算も含めて今、再度導入をしておりまして、住宅の省エネ改修をやった場合、既存の住宅であっても三十万ポイントつけるといったような政策を取り入れております。

 また、御質問に答えて申し上げたいと思うんですが、制度設計を今盛んに詰めてやっているところでございます。

中島(正)委員 新築の住宅については、このようなゼロエネルギー住宅というのは、これから建てるわけですから、そういう設備をつけて建てるというのは可能であって当然のことだと思うんですけれども、ただ、日本に今五千万戸あると言われている既存の住宅、これの省エネ化を進めなければ効果は少ないのではないかというふうに思っております。

 また、建物、いわゆるハード面に取り組むだけではなく、例えば電気をつけっ放しであるとか、もしくはお湯を流しっ放しであるとかの無駄を省いて節電や節約に取り組む、いわゆる住み方、このソフト面についても対策を進めていく必要があるのではないでしょうか。

 そうした住宅と住み方に関する施策全体についてどのように進めていかれるのか、お考えをお伺いさせてください。

前田国務大臣 二点あるかなと思うんです。

 一つは、今の、新築だけではなしに、既存の住宅であったり既存のビルであったり。

 確かにそのとおりでございまして、新築住宅、このごろ大体八十万戸前後ですね。一方、既存の住宅は五千万戸を超えております。家族数が約五千万近いわけですから、家族数から見ると住宅は十分にサチュレートしているわけですけれども、その既存の住宅に対する省エネというようなことについては、一言で言えば、余り政策的には今まで対象にされていなかったと言っても過言ではない。そこをしっかりやらなければ、五千万戸以上あって、毎年八十万戸の新築だけでは、これはとてもとても全体としては間に合わないわけですから。

 しかし、その既存の住宅の省エネ改修というものに対して、どういうような支援の仕方があるか。

 先ほど申し上げたエコポイントなんかの導入はいたしましたけれども、大体、既存の住宅のリフォーム改修なんというのは、金融面からも相手にしてくれません。それは、平均すると二十五年たつと日本の住宅は産業廃棄物になるというような構造があります。したがって、この既存の住宅の寿命を長寿命化するということが政策の一つの柱になっておりまして、そのためには、耐震もやらなきゃいかぬ、断熱もやらなきゃいかぬ、そして金融面での施策ということもやっていかなければならない。直ちにというわけにはなかなかいかない、総合的な施策になるかと思います。

 どういうふうに判定をするのか。省エネリフォームをやったときに、どの程度の省エネだとどの程度の効果があって、したがって評価としてどういうような支援策があるか。

 目標にしておりますのは、住宅のエネルギー性能というものをきちっと表示できるようにしていきたいと思っているんですね。ドイツなんかでは、エネルギーパスというようなことで、一目見れば誰でも、ああ、これだけこの住宅のエネルギー性能、住宅面積平米当たりのエネルギーの消費量で表示いたしますから、電気代がどれだけ安くなるというようなこともわかる制度になっています。そういったところを目標にしながらやります。

 もう一方で、御指摘のように、集合としての町、これも全体としての省エネ、そして安心、安全なまちづくりにしていかなければなりません。そういった意味で、今国会に低炭素まちづくり法案というものを今用意しておりまして、ぜひこの法案の御審議等を通じて政策をしっかりしたものにしていただきたいな、このように思っている次第であります。

中島(正)委員 ありがとうございます。

 私も、ゼロエネルギー住宅というのは大変すばらしいものだと思っておりまして、早期に進めていかなければならないことだと思っているんですが、一方で、ちょっと懸念の声も聞こえてきておりまして、いわゆる昔ながらの大工さんの建てる伝統的な和風の建物、こういうところで大工さんからは懸念の声が出ているという話もちょっと聞きます。ですから、新と旧が共存していけるような何かお考えをまた新たに打ち立てていただきたいなというふうに思います。

 続きまして、今ちょっと回答をいただいたんですけれども、低炭素のまちづくりについてお伺いしたいと思うんです。

 住宅とともに多くの企業や工場が立地して、自動車交通量も多い我が国の大都市では、都市全体として低炭素型のまちづくりを進めていく必要があると思います。ただ、都市全体を低炭素型に変えていくためには、今後新たに立地する個々の施設を低炭素型にするだけでなく、既存の複数の施設をコンパクトに集約していくことが大切だと思います。また、交通についても、自動車に頼らず都市内を移動できるような総合的な取り組みが重要であります。

 こうした低炭素型のまちづくりを促進するために、政府においてはどのような施策を実施しようと思っておられるのか、お考えをお聞かせください。

前田国務大臣 まず、伝統的な木造住宅のお話がありました。

 日本の住宅というのは、ほとんどがそういう木造住宅なんですね。したがって、この木造住宅をどうするか。しかし、考えようによれば、木造ですからカーボンニュートラルで、CO2排出については、むしろ、木造を大いに振興すればするほどCO2削減には役に立つというところがあります。

 それから、最近のいろいろな技術を用いて、木造であってもかなりの断熱ができるようになってきております。

 考えようによれば、私どもが子供のときには、木造の家で火鉢を囲んで木炭で冬は暖をとっていたわけですから、まさしくゼロエネルギーだったんですね。夏は、木造ですから風通しはいいですから、蚊帳をつってというようなことで。余りにそういう文化が長かったから、住宅については、あえて省エネだ、断熱だと言わなくともというようなことで来ていた面もあったかもわかりません。ということで、木造住宅についても、何も全て断熱でなくてもいいはずです、木造である限り。

 これが、例えば、開口部でほとんどのエネルギーの出入りがありますから、窓を二重ガラスにして輻射熱を遮蔽するようなコーティングを塗るだけで平均すると五割近く断熱になる、こういうんですね。本当にそうなっているか。国会のこの建物の窓ガラスだって、ペアガラスになっているかどうかちょっと疑問ですね。そのぐらい、実は、言われている割には進んでいない分野であります。

 それから二番目の、町全体の断熱、省エネというお話がありました。

 もちろん、こうやって法案を用意はしているんですが、これも、日本の場合に、四、五十年たったビルを撤去して新たにつくる、要するに産業廃棄物にしてしまうわけですね。

 しかし、先見的な試みをしていただいている建築家等も各地におられまして、そういう中で、実際に、撤去しないで、例えば阪神・淡路大震災のときに、建築関係の指導主事からこれは撤去と言われたのを、よく調べた上で躯体を補強して、そして新たに町中のシンボリックな建物として再生したといったようなケースも出て、今やそこは一つのにぎわいの拠点になっているというんですね。

 そういった改築の仕方というもののエネルギー量あるいは炭酸ガス排出量を計算してみると、やはり既存の建物をうまく生かして改築し直すと、炭酸ガスの削減量でいうと、新築に比べると八〇%ぐらい炭酸ガスの排出量が低下したというような結果も出ております。

 したがって、委員がおっしゃるように、むしろ今あるものをいかに長寿命化するか。そうすると、その技術というのは地域における工務店であったり大工さんであったり設計士であったりしますから、むしろその方が、地域の雇用を継続させ、低炭素・循環型のまちづくりを続けることによって継続的に地域の雇用が、あらゆる雇用が出てくる、地域の経済も持続する、こういうふうに一石何鳥かになるか、このように思います。

中島(正)委員 それでは、大臣、済みません、四番目と五番目の質問を飛ばしまして、最後の質問、公共交通の利用促進についてお伺いさせていただきます。

 都市内の自動車から排出される二酸化炭素の削減のためには、電気自動車などの環境対応車を普及させることが必要だと思います。それとともに、自動車の利用から公共交通の利用に手段を変換していくことが重要だと考えております。

 しかしながら、人口が減少している地方では、公共交通機関の存続が困難になるなどの問題が生じてきており、バス路線につきましては、毎年約二千キロずつの勢いで路線が減り続けております。また、鉄道におきましても、平成十二年から平成二十一年までの十年間で、距離にして六百五十二・三キロもの路線が減少しております。これは、東京から八戸間の距離と等しい距離であります。

 また、公共交通機関が減少することは、違った観点からも問題が生じております。それは、少子高齢化の現代におきまして……

中井委員長 中島君、時間が来ていますから、まとめてください。

中島(正)委員 はい、わかりました。済みません。

 今後、さらに人口減少社会が予測されておりますが、我が国において、政府はどのように公共交通の利用を促進していくつもりなのか、お考えをお聞かせください。

中井委員長 いや、答弁はないの。あなたの意見をまとめてください。

中島(正)委員 それでは、この低炭素のまちづくり、本当に前田大臣、思い入れ強く、肝いりの法案だというふうに聞いております。私もすばらしい法案だと思いますので、早期の成立を願っております。

 きょうはありがとうございました。

中井委員長 これにて中島君の質疑は終了いたしました。

 次に、松木けんこう君。

松木委員 今、衆議院選挙制度に関する各党協議会が精力的に行われております。そして、活発な意見が出されているんですけれども、どうしても報道ではやはり大きな政党の意見が中心で報道されるものですから、我々みたいな小さな政党というのは余り注目されません。

 うちの党は、今、ウオーク・アンド・トークといって、東京とか札幌で街角に出まして、もし消費税を上げるならばまずその前にやることがあるじゃないか、では、どんなことをやったらいいんだろう、こういう質問なんかをしたりして歩いているんですね。そこで、結構おもしろい結果なんですけれども、一番多いのは、やはり議員を削減しろという話が多いんですね。よっぽど我々は嫌われているようでございまして、議員を削減したって、金目のことを言ったら大したことはないんですよ。ところが、まあ隗より始めろということだと思います。そのほかに、復興をやはりちゃんとしてくれというのとか、あと、公務員の総人件費の二割カットはどうなったんだ、こんな意見も多いわけでございます。

 そうした声の中で、我々の党は、比例を百八十そのままで、小選挙区を百、思い切って減らしてやっていこうということを提唱しているものですから、これは質問じゃありません、なかなか発表する場がないものですから、ここをちょっと利用させていただきました。

 そしたら、質問させていただきます。

 最近、政府が閣議決定した質問主意書への答弁書について自民党さんから抗議を受けたようでございますけれども、広辞苑の文言をそのまま引用したのは国会に対して失礼だという批判だったというふうに思います。与党の民主党からも、では、答弁書をつくり直そうという申し入れもされているようでございますけれども、政府としては、これは本当につくり直すということでございますか。

齋藤内閣官房副長官 お答えいたします。

 先般の自民党の木村太郎衆議院議員の質問主意書に対する答弁書の件ではないかというふうに思っております。

 私ども、与党の議運の理事から、そういった答弁書に対するあり方について御指摘があったというふうに承知をしているところであります。

松木委員 直すんですか、先生。

齋藤内閣官房副長官 直すということではなくて、答弁書に対しまして御疑問、御異論があれば再度御提出いただければありがたい、そういったことで伺っております。

松木委員 今度からはちょっと気をつけよう、こういうことだと思います。

 これは実は、そもそも今回の一件に限らない。というのは、何も民主党政権になってからこういうことが始まったんじゃなくて、実はもう自民党政権のときからずっとこういうことがあったんですね。ですから、質問するときはちょっと気をつけた方がいいのかなというふうに思います。

 お配りした資料を見ていただければよくわかりますけれども、我が党の鈴木宗男代表が自民党時代に、そして浅野貴博政調会長が菅政権と野田政権時代にそれぞれ提出した質問主意書の答弁で、同様の事例があったことを示す資料でございます。広辞苑、一般的にはなど、おざなりと言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、そういう答弁の一覧表でございます。こんなにあったわけです。もともと自民党時代からもあったということなんですね、実は。

 でも、そうでもない時代も実はありまして、なかなか画期的な答弁も出ているんですよ。民主党が政権交代を果たした後の鳩山内閣のときですね。これも資料にあるとおりでございます。外交機密費のことなんですけれども、自民党政権時代には、官邸への上納は否定していたんですね。ところが、鳩山内閣では存在を認めたということもあります。

 要するに、質問主意書というのは、我々みたいなミニ政党にとっては大変大きな武器にもなる、そして不都合な真実も出てくることもある、非常に大切なアイテムというふうに思われますので、ぜひこれはしっかりこれからも活用していきたいというふうに私は思っているんです。

 実は、民主党は野党時代に、情報公開と透明性の向上を高々と上げていたんですね。ところが、おろしたというつもりではないんでしょうけれども、どうも昔に戻ってきているなというふうに思うわけでございます。

 そういうのは、どうも、今、政党というか政治に対して、全体的に、いや、何やっているんだろうと。だから、民主党もどうも大分嫌われていますよ、本当に。私みたいな人間が外で街頭演説をやっていても、鈴木宗男さんとやっていたら結構人気者になっていますからね。これは困ったものですよ、こんなものじゃ。

 それで、見てください。橋下徹さんとか河村たかしさんとか、すごいじゃないですか。河村さんなんかは、やはり、五%の減税、これは一〇%やるんだと言って頑張って、何とか五%まで持っていったんですけれども、やると言ったことをやる。だから信頼も置いてもらっているんだというふうに私は思います。ぜひ、これは民主党も、そして自民党の皆さんも、少し考えていただきたいなというふうに思っております。

 この質問主意書のきっかけは、ちょっと嫌がらせ的な指摘だったのかなという感じもありますけれども、しかし、これはとてもいい指摘でもあったわけでございますので、ちゃんと答弁していくことになるのなら、これはいいことだというふうに私は思いますので、そこら辺、政府の方はどうでしょうか。

齋藤内閣官房副長官 今回の松木先生の質問に際しまして、今、予算委員会に配付された資料を私も拝見させていただきました。既にいろいろ調べさせていただいていますが、現政権にとりまして、過去の政権がこうであったということを何も引き続きやるということは全く考えておりません。国会議員としての、国会法に基づきます議員の質問権でございますので、慣習にとらわれずに、これからも誠心誠意、丁寧に、質問主意書に対する答弁書も心がけ、そしてまた政務三役としてもしっかり取り組ませていただきたいと思います。ありがとうございます。

松木委員 官房副長官、ぜひこれはよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 今回も、私に与えられた質問時間は十五分ですからね。十五分でも、民主党の皆さんも自民党の皆さんも、みんな私にサービスしてくれてこれだけなんですよね。ミニ政党というのは、もっともっと本当は時間はないわけですから。皆さんにも感謝をしながら今質問をしているんですけれども、やはりそういうことを考えると、この質問主意書というのは実は大切なんです、我々にとって。

 例えば、これから医療の問題や郵政の問題、あるいは八ツ場ダムの問題、あと大阪の郵便局の保存の問題なんというのもあるんですね。こういう幅広い重要課題について、質問主意書をこれからもしっかり使わせていただきたいなというふうに思っておりますので、ぜひいい答弁書をお書きいただくようにお願いをいたしたいなというふうに思っております。

 昔の官僚主義みたいな話に戻ってしまったのなら、またまた政治家全体が、そのうち、四百八十議席で四百議席も切ってもいいやなんて言われないように頑張らなきゃいけないというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 それでは、次に伺うものは、これもやはりある意味で民主党の原点と言われるものなんですけれども、先ほど私が言ったとおり、河村たかしさんとかああいう方が人気がある、あるいは信頼されている。好きじゃない方もいっぱいいると思いますよ。でも、選挙をやれば圧倒的に勝つというのは、やはり言ったことをやるということだと思うんですね。やはり民主党も同じじゃなきゃ私はいけないと思いますよ。いろいろなことをお約束したじゃないですか。それで、その中に可視化法案というのがありましたね。

 私が農水の政務官を二月二十三日、ちょうど一年前です、やめることにしました。それは、この可視化法案みたいなことを何にもやらないで、そして税金がどうのこうの、TPPがどうのこうのなんということを言う、そういう総理大臣がそのときにおりましたので、そんなおっさんにもうとてもじゃないけれども、言葉が悪くて済みません、つき合っていられないということで私はやめました。そのときに、辞表にもそれを全部書いておきました。私は、一身上の都合なんて書きませんでした。しかし、それに対しての答えは全くありません。まあ、あるわけがないんですけれどもね。

 そうであれば、ちょっと質問なんですけれども、先週の金曜日に、小沢一郎さんの公判で、石川代議士の捜査段階での供述調書の証拠採用が却下されました。却下の理由は、取り調べ方法が違法、許容できないという、検察にとって大変厳しいものでありました。でも、明らかになった検察の捜査手法、取り調べのやり方を考えれば、当然の判断だというふうに私は思っております。

 問題は、どうして取り調べの方法が違法ということが明らかになったのか。どうでしょうか。これは、きっかけは何だったか御存じでしょうか。

小川国務大臣 お答えいたします。

 まず、その公判におきまして、裁判所が証拠を採用しない、排除したという、この裁判所の判断につきましては、法務大臣としての見解は差し控えさせていただきたいと思っております。

 ただ、一つの事実といたしまして、検察官が取り調べの状況の報告書を作成した、しかし、これが客観的な事実と異なっているという意味で、内容が異なる報告書が作成されたということは、これはあってはならないことでございまして、あってはならないことがあったということは、これは検察として、このようなことがないようしっかり取り組んでいきたい、重く受けとめて臨んでいきたいと思っております。

松木委員 大臣、これは要するに、石川君が取り調べを受けたときに、テープをとっていたということがきっかけですよね。だから、テープがなかったら、多分これはこんなことになっていなかったんですよね。私は、これは本当に怖いことだと思うんです。

 ですから、可視化法案というのを我々、そのとき民主党に私もいましたので、今は違うところに行っておりますけれども。足利事件とか志布志事件とか、そして村木厚子さんの事件だとか、あるいは、うちの代表の鈴木さんの事件だって、結構、検察が一方的に書いたシナリオがあったんじゃないかといううわさもあるわけですね。

 一度事件の構図を描けば、強引な取り調べで、シナリオに沿った供述を無理やり引き出す、そしてそれを証拠にする、そして追い込んでいくということだと思うんですけれども、こんなことがあっていいのかというふうに私は思いますし、こういうことがあるから冤罪事件が後を絶たないということだと思うんですね。ですから、民主党は、野党のときに可視化法案を二度にわたってお出しになったんじゃないでしょうか。

 その可視化法案、政権をとったら、今度は全然出さない。これじゃやはり、さっき言ったとおり、例えば、五%とはいえ、河村たかしさんというのは恒久減税に成功しました。ああいうふうにして、たたかれても何されても、とにかくやるということをやる、あのところが僕は河村さんというのは好かれていると思うんですけれども、全然違うじゃないですか、民主党。どうでしょう、大臣。

小川国務大臣 結論から先に述べさせていただきますと、取り調べの可視化を導入するという方向でさまざまな協議を進めております。具体的には、法制審議会に諮問いたしまして、その答申を待っておるところでございます。

 野党時代、民主党案を提出いたしましたが、この可視化につきましては、実際にこれを導入するとなると、技術的に検討しなければならない部分が多々ございますので、そうした検討を踏まえて実行したい、このように臨んでおるところでございます。

松木委員 わかりました。それでは、速やかにやはりやってもらいたい。

 というのは、何だかんだ言っても、大臣、もう政権交代してから二年半たつんですよ。これはやはり、途中で参議院で負けちゃったんで、民主党さんが法案を全て通すというのはなかなか難しいかもしれない。しかし、その前にもそのチャンスはあったはずなんです。

 野党のときにはいいかげんなことを法案として出したわけでもないはずですから、なるべく早くこういうことはしっかり、やはり言ったことはやらなきゃいけない。言ったことをやらないから、どんどんどんどん国民が離れていくんです。ぜひ、そういうことを頭に入れて頑張っていただきたいというふうに思います。

 ちょうど時間ですね。これで質問を終了します。ありがとうございました。

中井委員長 これにて松木君の質疑は終了いたしました。

 次に、下村博文君。

下村委員 おはようございます。自民党の下村博文です。

 先週は、高校授業料無償化に係る三党合意の不履行について質問しました。民主党は、非を認めて、三党幹事長による新たな確認書において謝罪をしたわけでございます。

 金曜日には、政策効果の検証を行うための実務者協議が立ち上がっており、我が党としても、実務者協議、きょうから今週毎日開く予定でございます。また予算審議の中で議論を深めていきたいと考えております。

 改めて、委員長に、この高校授業料無償化等、教育における集中審議を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

中井委員長 理事会で協議いたします。

下村委員 前回もお願いしました。あわせて、別に、農家の戸別補償等、三党合意に基づいた集中審議も求めます。委員長、いかがですか。

中井委員長 理事会で協議をいたしております。

下村委員 これも速やかに対応していただきたいというふうに思います。

 本日は、文部科学分野におけるもう一つの民主党の不誠実な対応の例として、私学災害復旧助成法案について質問します。

 現行制度では、災害復旧事業に関し、公私間、学校と専修学校、各種学校との間で差を設けております。しかし、東日本大震災による未曽有の被害が生じている中で、私立学校や専修学校、各種学校にも公立学校と同等の支援が必要です。子供たちにとっては、被災された中で、公私間格差があってはならないわけであります。

 特に、幼稚園、大学、専修学校、各種学校については、私立学校の割合が高く、教育インフラの復旧という観点からも支援の必要性が高いものであります。

 法案の内容を簡潔に紹介すると、私立学校については、災害復旧に要する経費の三分の二を国が補助する。今までは二分の一でありました。さらに、残りの部分についても、私学助成法による助成の特例や私学事業団の援助の努力義務を設けることにより、できる限り公立学校と同等の支援を行う。今回、公立学校は九八%を事実上国が持つことになっております。

 このように、私学もこの東日本大震災の被災については同等にすべきであるというふうに考えています。

 専修学校、各種学校については、災害復旧に要する経費の三分の二までを国が補助することができる制度を新たに設け、私立の専修学校、各種学校については、私立学校と同様に、私学助成法により助成の特例や私学事業団の援助の努力義務が設けられており、従来よりも格段に支援策が向上するということになるわけでございまして、これを求めているわけであります。

 安住財務大臣にまず伺いますが、昨年の八月、民主党の国会対策委員長として、我が党の、野党国対委員長と、二重ローン救済法案、そしてこの私学復旧助成法案、そして原発事故調査委員会法案についての確認書を取り交わしましたね。これはどういう経緯で取り交わしましたか。その後はどうですか。

安住国務大臣 経緯を申し上げますと、私が国会対策委員長当時、会期末を控えて、二重ローンの救済法案と今御指摘の私学復旧助成法案、さらに原子力調査委員会設置法案、この三つが暗礁に乗り上げておりました。

 そこで、当時の自民党の逢沢国会対策委員長と私の間で、これを今後どういうふうな取り扱いをするかについて、ペーパーのやりとりをいたしました。ですから、一枚の合意文書があるわけではなくて、確認という形で交わしたわけです。

 その中で、二重ローンと原子力の話は合意を得ましたから、多分先生も興味はないと思いますので、私学復旧助成法について申し上げますと、私の方から八月の二十五日に、この法案については、「委員会に付託した上で継続審議として取り扱い、今後与野党で協議し成案を得るよう努力する。」というふうな回答をしたことに対して、同日、自民党国会対策委員長からの御返事は、「私学復旧助成法案については、委員会に付託した上で継続審議として取り扱い、」ここまでは一緒なんですが、「今後与野党で協議し、次期臨時国会において速やかに成案を得るものとする。」

 つまり、自民党は、速やかに成案を得るものとするというふうな文言に変えるようにという指摘がありましたが、私の方としては、これはなかなか意見の相違点があるので難しいということで、私の方から後日、八月の二十六日、改めてこの文言について御返答をいたしまして、二重ローン法案とあわせて私学助成法案については、確認書の方針に基づいて対応いたしますが、なお自民党からの御要望を尊重し、努力をいたしますというふうな文言でお返しをいたしました。

 以上でございます。

下村委員 今、安住大臣から読んでいただいた確認書は資料配付をしてございます。

 そのうち、今御指摘ありましたが、私学復旧助成法案以外の二法案は成立をしたんですね。しかし、私学復旧助成法案はなぜ成立をしなかったんですか。

安住国務大臣 それは、財務大臣として答弁するのは非常に難しいことでございまして、合意に至らなかったということだと思います。

 ただ、私は、その二十六日から、八月いっぱいは国会対策委員長でございましたので、その間の経緯だけ、覚えておる範囲で申し上げます。

 私としても、合意を得られればということで財務当局等とお話を、政府側と、当時国対委員長として話をいたしました。しかし、今委員からも御指摘がありましたように、私学だけを三分の二、私学だけをかさ上げするというのは、政府としては、全体の補助率のあり方からいうと整合性がとれないので、被災に遭った私立については、後に文部科学大臣から答弁あるかもしれませんが、さまざまな財政的支援をすることによって対応したい旨の意見がありまして、与党としては、そういう政府の考え方にも合理性があるというふうに判断をしました。

 その後、私としては、立場が変わりましたので、これは一般論でございますが、そうしたことについては、次の国会対策委員長等に引き継ぎをさせていただいて、継続案件の処理について協議をしてもらうようにしたということでございます。

下村委員 相当ごまかしがありまして、これはあなたに問題があるんですよ。

 なぜかというと、これは当時、民主党の筆頭理事は松宮勲さん、そして自民党の筆頭理事は私だったんですよ。当時の、つまり通常国会のとき、八月末まであったわけですけれども、松宮さんは、民主党の文科部門会議、ここで一任を得て、そして私と、通常国会でこの法案については衆議院で通そうということで合意をしていたんですよ、現場は。しかし、当時の国対委員長である安住さん、あなたがストップをかけて、そして、そのために松宮さんは、私と、野党と合意をしたにもかかわらずそれが守れなくなったということで、責任をとって、通常国会の途中、あり得ないことなんですが、筆頭理事を辞任したんですよ、その後。

 国会の途中で理事がみずからやめるなんということはあり得ないですよ。これはまさにあなたが国対委員長としてストップさせたために、民主党の中ではまとまったにもかかわらず、衆議院では法案が提出できなかった。それを見きわめて、私の方で判断して参議院先議に法案を回してもらって、そして、参議院において野党の全部の賛成多数で可決をした。これは昨年の八月の二十二日です。

 この事実をあなたは認めますね。

安住国務大臣 国会対策委員長として党の中でどういうさばき方をするかは他党の側から指摘されるものではないし、当時のことを細かくは申し上げませんが、私の判断として……(下村委員「いや、事実です、事実を言えばいい」と呼ぶ)いやいや、松宮理事がやめる、やめないというのは、正規の手続の中で、私としてそれは問題だったと思ったものですから、それはとめさせました。

 法案の審議についても、この問題というのは政府との間での十分な調整が必要だというふうな判断で、私が決断しました。

下村委員 現場で与野党で合意したにもかかわらず、安住国対委員長がとめた。それを受けて、あなたは八月の二十五日に与野党国対委員長会談において、今お読みになりましたが、この確認書をつくったわけですね。その中で、「私学復旧助成法案については、委員会に付託した上で継続審議として取り扱い、今後与野党で協議し成案を得るよう努力する。」これを確認したわけです。

 その後、どうですか。どんな努力をされましたか。

安住国務大臣 私は当時、逢沢委員長にも、このことについてはほかの原子力や二重ローンの問題と比べて意見の相違はありますということをはっきり申し上げたので、三項目の中でこのことだけは努力目標だということで申し上げているんです。ですから、合意をしなかったのはけしからぬとお叱りがあるかもしれませんが、やはりそれは、政党間の中には見解の相違というのは当然あってしかるべきだと思います。

 その後のことについては、これは一般論として申し上げますが、国対にしっかりこれは引き継ぎをさせていただいておりますので、そこで党として対応したというふうなことを認識しております。

下村委員 いや、引き継ぎされていないんですよ。(安住国務大臣「しています」と呼ぶ)

 じゃ、どんなふうに引き継ぎしたんですか。具体的に言ってください。

安住国務大臣 こういう委員会の中で、私が党でどういう引き継ぎをしたか、細かく党間の話をするというのは私は不適切だと自分では思っております。

 ただし、その後、私の後を引き継いだ国会対策委員長は当時のそちらの国会対策委員長とお話をして、それで会議も設けたということを聞いておりますから、引き継いだことは事実だと思いますよ。

下村委員 当時の国対委員長、ここにおられますね。

 じゃ、当時の平野国対委員長はどんなふうにされたんですか。

平野(博)国務大臣 今、私は政府の立場でありますから、その当時のことについてここで答える立場にありませんが、前任の安住国対から私の方には、そのときの課題についてはこういう問題がある、こういうことでしっかり受けとめるようにという引き継ぎはさせていただきました。

下村委員 いや、ですから、具体的にこの私学の復旧助成法案についてどんなふうに引き継いで、どんなふうに対処されたんですか。

安住国務大臣 経緯と、この紙があるということをそのまま引き継ぎました。

下村委員 いや、だから、その後、平野国対委員長はどういうふうに引き継がれたんですか。

平野(博)国務大臣 ここで国対委員長として答弁する立場にないのでございますから、その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。

 ただ、私に安住国対委員長から引き継がれた点は三点ございました。先ほど来御議論いただいております二重ローン、事故調、私学、こういう三つの国対間での引き継ぎはございましたし、それについては、しっかりと政党間で協議をする環境をどうつくっていくかということで、現場でやらせていただいたところでございます。

下村委員 平野大臣、逃げちゃだめですよ。あなたはこの私学の復旧助成法案については、現在、担当大臣でもあるわけです。担当大臣としての立場がある中で、その前は国対委員長として引き継いだということであれば、どんなふうに与野党間で協議し、成案を得るように努力をしたんですかということを具体的にお聞きしているんですよ。それはきちっとお答えください。

平野(博)国務大臣 委員今御指摘のとおり、私学の被災に対する部分というのは、文部科学省としては一次補正、三次補正を含めてできる限り措置を講ずる、こういうことで取り組んできたところでございますし、また、委員御指摘のように、政党間の部分としてあったわけですから、担当の代理を通じて、具体的に人選をしてやるようにという指示を私はやりましたし、具体的には十一月の十八日だったと思いますが、現場で、人選されてやられている、こういうふうに理解をいたしております。

下村委員 委員長、これは誠実に答弁していただきたいと思うんです。

 何回か再質問して、今初めてお答えになりましたが、昨年の十一月の十八日、野党の申し出によって一度だけあったんですよ。しかし、そのときに、安住国対委員長のときの確認書を交わしたことについて、私学復旧助成法案についてぜひ協議を求めたいということをこちらの方から要請して、そのときに民主党の国対幹部は聞きおいただけで、その後、何の返答も、それからその後の努力過程について、どうするかということも報告もなく、ナシのつぶてで現在まで来ているんですよ。

 つまり、臨時国会がその後二回開かれましたが、臨時国会どころか、ことしに入ってもそうなんですが、この法案はいまだに民主党の反対で、文科委員会でたなざらしになったままになっているんですね。与野党で協議して成案を得るよう努力するとの約束、これは全然守られていない。全くやっていないんですよ。これは高校授業料無償化と全く同じなんですよ。

 安住さん、その結果、最終的な結果、民主党がこのことについてはどうしても法案として乗れないという返事が来るんだったら別ですよ。そもそも、そういう話も来ていないんですよ。ほったらかしで、聞きおきで、その後、全然協議もしていないんですよ。返事も全然来ていないんです。(安住国務大臣「下村さん、いいですか」と呼ぶ)いやいや、よくないですよ。このことについては、あなたは当時は既に国対委員長じゃなかったんだから。

 平野国対委員長が一回協議したということは事実ですよ。でも、協議というのは我々が申し入れをしただけで、それについては何の返答もなく今日に至っている。だから、八月の確認書については何の履行もしていないんですよ。これについてどう思いますか。

平野(博)国務大臣 下村先生、法案については継続審議ですから、国対間で、あるいは政党間でこのことを決めていただくということが原点でございますから、私は、今、そういうことに対してこうだこうだと答える立場にないということは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

下村委員 平野大臣、平野さんは、この法案に関係する担当の文科大臣なわけですよ。文科大臣として、二十四年度の予算の中で、では、これをどう入れるのか。実際は入れていないです。この法案どおりの予算は入れていないです。だからこそ、民主党が誠意を持って対応していないと。

 しかし、政府と民主党というのは一体ですから、当時の国対委員長として、これに誠意を持って対応していない、確認書をそのままほったらかした、これは問題があるんじゃないですか。

安住国務大臣 継続案件になっている法案は、議員立法で自民党が中心にお出しになっている法案で、これが通らないからけしからぬと言われても、それは与党との相違点はあると思います。

 今、衆議院で継続案件ですから、先生、予算案が終了後、この法案の取り扱いをめぐっては、これは普通のルールでいえば、やはり党の理事間で協議をしていただければいいと思います。

 我々は、もともとこのことに関しては、最初の二つの問題よりはかなりハードルが高いということは申し上げております。ですから、そのことの合意点を得られる努力を私どもはしたいとは申し上げましたが、必ず合意を得るということは難しいという認識の上に立っておりました。

 しかし、先生御指摘のようなこともあって、あってというのはどういうことかというと、私も被災地におりまして、私立の幼稚園や何かの被害が非常に大きい、だから、これに対する財政的な支援をしっかりやるようにということは、文部科学委員会の方で、衆参の、自民党、公明党の皆さんを含め、与野党からも指摘を受けたので、これは三次補正等で、かなりの部分、手当てはさせていただいたと思っております。

 詳細については文部科学大臣の方から御報告いただければと思いますが、いずれにしても、三分の二にかさ上げをするというのは、やはりほかの公共施設等の補助制度との整合性という問題からいうと、なかなか、政府としては、これだけをピックアップしてやるというのは難しいという立場で今ありますので、与党としても、そういう認識の中で今後継続審議の中で話し合いをさせていただくということになると思います。

下村委員 安住財務大臣、ごまかさないでください。私が言っているのは、この法案が継続になっていることがけしからぬと言っているんじゃないんですよ。この確認書どおりに民主党が誠意を持って対応していない、高校無償化と同じなんですよ、一回だけ聞きっ放しで終わっているんですよ。

 それから、私学だけ例外にはできないということについては、これは民主党の中でも……(発言する者あり)うるさいよ。ちょっと静かにしろよ。児童福祉施設とか老人ホームとか、あるいは公的な病院とか、こういう部分についても、四分の三とか三分の二とか補助しているんですよ。別に私学だけが例外じゃないですよ、言っておきますけれども。

 その中で、我々は、この法案について、これについては、確認書の中で「今後与野党で協議し成案を得るよう努力する。」ということですから、民主党がきちっと今のような立場を表明されればいいんですよ、それは、実務者協議の中で。

 そもそも、その実務者協議を一度しか、聞きおいて、その後一度も開いていないということについて、安住さん、あなた、当時この確認書を交わしたにもかかわらず、それが守られていない、そのことについてどう責任をとるんですかということを申し上げているんですよ。

 改めて、今の国対委員長、城島国対委員長に、この確認書どおり、これについてもきちっと誠意を持って協議してくださいよ。これについて要請してください。いかがですか。(発言する者あり)

安住国務大臣 いやいや、それは失礼なやじでね、ちゃんと、原子力やローンについては、合意をして、やったんです。そういう文科に専門的な議員だからといって、それだけでやじるのはちょっとだめだと思いますよ。

 私は、下村先生、この問題は非常に相違点があるということはもう何度も申し上げて、それで、しかし、国会を閉じるに当たってそのままもし投げっ放しにしたのでは、まさに廃案になるなり、せっかくこれは参議院でも議論をしていただいてきたので、これは継続にした上で、国対委員長としては、どのレベルで議論をするかというところまで決めていないんです。どのレベルで議論をするかなんて書いていないんです。ただ、これで成案をもし得られれば、この努力をすればいいねということで、私はこの文書をつくって、そのままこれは引き継ぎをしましたので、それはぜひ委員会等で……(下村委員「引き継がれていないんだよ、その後」と呼ぶ)だって先生、今、継続案件になっているわけで、継続している以上は、文部科学委員会の理事同士ででも議論することは、この国対委員長で私がつくった合意とそごはないので、そのことについては私の方からも、それは、要請することは全くやぶさかではございません。

下村委員 安住さん、ここに書いてあることと答弁が違いますよ。答弁の前に書いてあること、「私学復旧助成法案については、委員会に付託した上で継続審議として取り扱い、今後与野党で協議し成案を得るよう努力する。」努力するのはあなたの方ですよ。

 それから、八月の二十六日、さらなる返事、「私学復旧助成法案については、確認書の方針に基づいて対応いたしますが、なお自民党からの要望を尊重し、努力いたします。」これはあなたの言葉ですよ。あなたが努力するんですよ。その後、努力していないから言っているんですよ。

 一回だけで、聞きおいただけで、確認書についての誠実な対応をしてくださいよ。今からでも間に合うんですから、これは。これについてはきちっと、今の国対委員長に改めてこの確認書にのっとって対応するように、安住元国対委員長として要請してください。または今の財務大臣として要請してください。どうですか。

安住国務大臣 これは全く、財務大臣として私はこのことについて答弁する立場にはございませんが、先生からの御指摘もあります、この文書が、こういう存在があるということを城島国対委員長にお伝えいたします。

下村委員 改めて、これはあなたがみずから確認書をつくったわけですから、これは誠意を持って対応してくれないと困りますよ。

 そして、先ほど三次補正の中でこれが入れてあると言っていましたが、実際は、前原政調会長は、この要望どおりに三次補正の中で入れられないと返事しているんですよ。実際、入っていないんですよ。財務大臣として、そんないいかげんな答弁じゃ困りますよ。違いますよ、実態は。

安住国務大臣 三次補正の対応について、さまざまやっていると思います。(下村委員「いや、さまざまじゃない、このことについて」と呼ぶ)いやいや、昨年、三次補正では、私立学校の教育環境整備に向けた取り組みを支援する措置として八十三億円、これは二十四年度も十五億円を継続していますよ。

 それから、復旧事業は、必要な私立学校の約九五%が既に東日本大震災からの復旧復興の工事を完了しているという報告を受けていますから、今の批判は当たらないと思います。

下村委員 では、時間が来ていますから最後にしますけれども、前原政調会長が、我が党が三次補正について、公立学校のみならず、私立学校、専修学校も対象にすべきだという、このことについて、返答で、私立学校災害復旧の補助率のかさ上げは、過去の災害の取り扱いや他の施設の取り扱いとの公平性の点から措置困難ということで、実際は拒否しているんですよ。違うんですよ。私はこのことを言っているんですよ。今、私学復旧かさ上げ法案についてのこの議論ですからね。ほかのことでやっているとごまかされちゃだめですよ。

 やっていないということで、改めて、この確認書をサインした、あるいはこの確認書をみずから出した元国対委員長として、民主党の現国対委員長にこの確認書どおりにしっかりと対応するように引き継ぎをもう一度確認して、私の質問を終わります。

安住国務大臣 文書があることはお伝えします。

中井委員長 これにて下村君の質疑は終了いたしました。

 次に、小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺です。

 初めに、外交、安全保障のことについてお伺いをいたします。

 防衛大臣、土曜日、沖縄視察、御苦労さまでした。沖縄の視察の中で、防衛大臣、これは記者会見で見ますと、知事とお会いをされて、あくまでもやはり普天間の危険性除去、そして辺野古への移転ということを明確にお話をされました。

 まず、大臣に今回の視察についての感想をお伺いしたいと思いますが、今回、キャンプ・シュワブがあります辺野古崎、ここを視察されたと思います。そのときの御感想をお聞かせください。

田中国務大臣 視察をしてまいりました。辺野古崎の視察は午前中に参りましたが、今まで、私は初めての視察でございました。

 長年、この移転の問題につきまして、大変多くの皆さん方が御苦労をされておるという中での視察でございまして、事の重大性といいますか、やはり、地域の皆さん方の御意見をしっかりと受けとめながら、そしてまた、今最善と言われておりますこの辺野古崎への移転というものが、これから本当に重大な、重要な問題であるということを改めて実感したところであります。

 また、計画についても若干認識を深めたところでございます。いろいろ配慮をして、そして計画に至っておるのではないか、そんなことも認識を深めたところでございますし、さらに関係者の皆さん方に御意見を伺いながら、事を慎重に丁寧に進めていかなければいけない、そんなことを感じてきたところでございます。身の引き締まる思いでこの視察をしてきたところでございます。

小野寺委員 御視察をされて、改めて、やはりここへの移設が重要だということをお感じになられたと思います。

 それではもう一つお伺いしますが、恐らくきょうにでも、沖縄の知事の方から、条例に基づく環境影響評価の返答があると思います。従前の返答ではかなり厳しい返答というふうに伺っておりますが、このことについて知事と意見を交わされたか、あるいは、この沖縄の環境影響評価の答申についてどのような対応をされるか、お伺いしたいと思います。

田中国務大臣 環境影響評価書に対する知事意見の内容及びこれを踏まえた対応についての御質問だと思います。

 本日午後に、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書について、沖縄県環境影響評価条例の対象である飛行場の設置に係る知事意見が述べられるものと承知をいたしております。これから知事意見の内容を確認することとなりますが、今後、当該意見を勘案し、必要な場合は評価書の補正をするなど、適切に対応していく所存でございます。

 先般出しました内容につきましては、今公開をいたしておるところでございますし、多くの点につきまして知事の方から御指摘をいただくということになると思いますが、いろいろ心配をする内容もあるというふうに仄聞いたしておりますので、やはり真剣に、この計画に対して防衛省といたしましては最大限の努力をして、そしてこの建設が不安なきようにということでこれから対処をしていくという状況になっております。

 これから具体的な意見書が届くと思いますので、私もしっかり報告を受けて対処していく所存でございます。

中井委員長 防衛大臣、質問者は、もう一つ、知事との会談でその話が出ましたかというお尋ねでしたが。

田中国務大臣 済みません。これから届くと思いますけれども、大変厳しい意見になるということは、お話はございました。

小野寺委員 昨日、防衛省に確認しても、この知事の意見は、あくまでも修正という形で、防衛省としては修正をし、そして当然地元の御意見もありますが、最終的に埋め立ての申請を行う、この手順は変わりないということでよろしいんでしょうか。

田中国務大臣 手順に従って丁寧に進めていくということには変わりはございません。

 しかし、やはりこの意見というものは大変重く受けとめて、実現するためには多くの意見に対処していかなければいけないと思っておりますので、そういう意味では、手順を進める中で、いつ、どういうふうな形で進められるかということは明確な状況ではありませんが、先生のお話のように、手順に従っていくということは間違いございません。

小野寺委員 手順に従うと。この埋立申請の時期については、外務大臣が、秋以降というお話も一部報道では伝わっておりますが、恐らくこれからいろいろな形でしていくんだと思います。

 その中で、防衛大臣にもう一つお伺いしたいのは、実は、従前から国会で議論になっている、例えば対馬あるいは千歳、こういう自衛隊の基地の周辺、防衛上重要な場所を外国人の方が所有をする、こういう問題が一部報道されておりますが、安全保障上、このような外国人の方の日本の基地周辺の土地所有というのは危険だというふうにお考えでしょうか。

田中国務大臣 今のお話は、政府全体で対処していければと思っておりますし、防衛施設の周辺の土地の問題につきましては、さらなる慎重な対応をしていくということで考えております。

小野寺委員 防衛大臣に一つお伺いするのは、自衛隊に隣接するような、あるいは周辺の土地を外国人の方が所有することは、安全保障上、防衛省の立場として、これは適当なことか適当でないことか、そのことをお伺いしたいと思います。

 これは自衛隊の基地の話ですから、防衛省にお伺いをしたいと思います。

田中国務大臣 我が国の安全保障上支障が生じないように、法的な問題につきましても今政府全体で検討をいたしておりますし、党においても問題意識を非常に持っております。対処ができるようにと思っておりますし、防衛省といたしましては、その考え方をしっかりと受けとめて対処をできればと、適切に処理をするということで考えております。

小野寺委員 単純にお答えいただきたいんです。

 自衛隊の周辺のところを外国人の方が所有し、そこがどのような国かはわかりませんが、例えば、日本の安全保障上、さまざま今懸案となっているような国等であれば、当然、これは防衛省として問題である。だから、政府全体で今その規制についても検討しているということだと思うんですが、やはり安全保障上これは懸念があると考えてよろしいんでしょうか。

田中国務大臣 当然、安全保障上懸念があるということであれば、防衛省としては対処をしていくということは間違いございません。

 しかし、今、その点につきましては、政府全体あるいは各関係者で法的な検討も進められていると伺っておりますので、それを見ながら、しかし、安全保障上懸念があるという問題につきましては、防衛省としては断固対処をしていく、毅然な態度で対処していくということに変わりはございません。

小野寺委員 防衛省として断固対処していくということで、一つ安心をしました。

 そこで、防衛大臣にもう一つお伺いしますが、先般、沖縄を視察され、そして辺野古崎に行かれたと思いますが、今、皆様のお手元に辺野古崎の航空写真の資料をお配りしております。

 大臣にお伺いしますが、辺野古の、今回のキャンプ・シュワブの基地移転の予定地、この対岸にありますカヌチャの広大な土地、今、外国資本がここの具体的な購入についての交渉に入っているということを私ども聞いております。こういう情報を知っていらっしゃいましたでしょうか。

田中国務大臣 視察の折に、問題になっておる地域があるということは報告がございましたけれども、最新の状況につきましてはまだ確認をいたしませんが、やはり防衛上問題があるということであれば、いろいろ検討、対処されてきたということまでは聞いておりますが、具体的な話につきましては確認をして、大変支障があるというような事態であれば、防衛省としても適切な対処をしていくということで考えていきたいと思います。

小野寺委員 大臣、辺野古崎のすぐ向かい、ちょっと見てください。辺野古の真ん前にあるこのカヌチャのところが、今、外国資本が具体的に買いに来て、私は、きょうも午前中、ここの経営者の方にお話を伺いました。もう契約のかなり近いところまで来ているということ。

 外国資本とお話ししましたが、今、安全保障上、特に今回の日米の再編の中で、私どもとして懸念しているのは中国の進出です。その中国の資本がもし仮にここを買ってしまった場合、そうなった場合に、今後、基地の移転の問題、そして、何よりも、これは仮定の話ですが、例えば中国の意図でこの基地の工事差しとめ訴訟が行われた場合、これは安全保障上大きな問題になるんじゃないか、そう思いますが、今回、キャンプ・シュワブに行って初めてこの話を伺ったとしたら、どのような認識と危機感をお持ちでしょうか、お伺いいたします。

田中国務大臣 このカヌチャリゾート地区におきましては、現地に行きまして、確かにすぐ目先の土地であるということは確認をいたしてきました。

 先生がおっしゃるような経過であれば、私も、調査をさらに深めまして、本当に安全保障上問題である、あるいは、地権者がかわることによって将来支障が生ずるということであれば、先生からのお話でありますから、真剣にこの問題に対処するということでありますし、実際に契約が近づいておるということであれば、それが将来どういうふうな形で問題が生ずるかということがございますので、関係省庁とよく連携をいたしまして、防衛省としての意見も申し述べ、あるいは、現行法でどう対処できるかということについてまで進めて対応をしていきたいと思います。

小野寺委員 実は、このカヌチャベイの問題というのは、かなり以前から、これは自民党政権下で、この所有者の方と議論をして、ここは安全保障上大事なところだということでさまざまな意見交換をし、一つの方向を模索しておりました。

 ところが、政権がかわって全くその交渉がない。そして、今手元に、その方から資料をいただいたんですが、名護の市長と沖縄の知事に対して、今回の環境影響評価で、実は、これは防衛省の方から問題ないという形で全く自分たちの意見を聞き入れてくれない、ですが、あそこはリゾートです、その真ん前にこれから基地ができて飛行機が飛んでというときに、私たちはここはもうリゾートとしてやっていけない、そして、ここで工事が始まるということになれば恐らく経営も大変だ、当然、ここが欲しいという外国資本があったら売らざるを得ない、そういう血のにじむ声で正式にこうやって要望書を出しているんですよ。

 こんなぎりぎりまで来て、大臣、これは知っていたわけでしょう。知っていて、しかも、政権交代以後二年半何もしていないということは、実は、今の政府は口では辺野古移転と言っていますよ、だけれども何もやっていないじゃないですか。ということは、言っているだけ、ポーズだけ。そして、今でも大臣は全くこのことも認識していない。

 では、もしここが外国資本に買われてしまって、このシュワブへの移転、辺野古への移転、これができるとお思いですか。お答えください。

田中国務大臣 今回の環境影響評価書の提出後、私もこの問題につきまして関心を深めてまいりました。そしてまた、きょう届くと思いますが、最近、時間をかけた割にはこの環境影響評価書の中身はどうも不足している、工夫がない、こういうことも私は耳にしているところでございまして、この問題も、そういう面では御指摘があって私も大変重く受けとめたいと思っておりますし、関心を持って対応してまいりたいと思います。

 カヌチャリゾートの問題についても、今御指摘のように外国資本による所有というような当面の問題があるわけでありますから、防衛省として、具体的に責任を持って対応していくと私は思います。

 ただ、政府全体としてこれは対処していかなきゃいけないのが一つ、それから、現行法でどの程度のものができるか、そしてまた緊急に対策ができるか、こういうことも含めて、先生の御指摘を重く受けとめて検討いたしたいと思います。

小野寺委員 大臣、私の質問は、もしここが外国資本に買われてしまい、そしてその外国資本が例えば我が国と安全保障上さまざまな問題がある場合に、このキャンプ・シュワブへの、辺野古への移転というのはできなくなるんじゃないですかということをお伺いしました。

 もう一度お答えしていただけないでしょうか。

田中国務大臣 御指摘をいただきました、辺野古移転が不可能になるようなことがあってはいけないと私は認識をいたしておりますので、先生の御心配を何とかクリアできるように、今、私の手にあるわけでありますから、防衛大臣として、全力を挙げてその問題にも取り組んでいくことをお約束申し上げたいと思います。

小野寺委員 ちょっと伺いますが、先ほど大臣は、一番初め、今のこの話について、この外国の購入については、今回の沖縄の視察のとき、現地に行ってそういう問題があるということは聞いたというお話を伺いました。大臣は、具体的にこの土地の所有者、経営者と接点を持ち、このことについてお話をしたことはございますか。

田中国務大臣 私が直接接触をしたことはございません。事務方がこの問題については対処してきておるということは聞いておりますが、必要であれば私自身も対処をしていくということにしたいと思います。

小野寺委員 大臣、だまされないでくださいよ。私、きょう午前中、つい三十分前、この経営者の方とずっとお話をしていたんですよ。そして、その方が言うには、全く今の政府は私たちのことを聞いてくれない。そして、環境影響評価についても、ここは影響はありませんということで外されている。そして、全く政府から、ここについての安全保障上の問題、あるいはここについて何らかの協議をしたいということが今来ていない。

 だから、つい三十分前ですよ、この経営者の方が私に言ったのは、こういう政府の対応では、今まで私たちは、この国の安全保障の問題のために、この辺野古崎、ここを日本の安全保障のために守るためにもしっかりと支えていきたい、そういう気持ちでいたけれども、もうここまで来ると心が折れそうだ、この政府の不信ある対応にはもう心が折れていると、さっき私は言われたばかりですよ。

 それが何ですか、大臣。話を聞いたことはない、今回、辺野古に行って初めて聞いた。そして、今事務方からメモをもらって、事務方が何か話している、でも当事者は知らない。これは、残念ながら、今回のこの一連の普天間の危険性除去、辺野古への移転、口ではさんざん言うけれども中身は何にもやっていない。

 玄葉大臣にお伺いします。

 もし仮に、ここが外国資本に土地が購入され、そして日米の中で安全保障上さまざまな問題がある国がここを実質支配するということになった場合、アメリカ側は、この辺野古への移転あるいは今回の2プラス2の問題、ここに対してどのような反応を示すか、お伺いしたいと思います。

玄葉国務大臣 どこまで仮定の話にお答えするかというのが一つございます。

 それと、私も、特定のその方も一定程度、個人的に信頼関係があるとかということではなくて存じ上げておりますけれども、もしそういうことであれば、やはり政府として、内々その方のお考えも含めて、しっかり対応しなきゃいけないだろうというふうには思います。

小野寺委員 私は、これは大変重要で、しかも、もしここが仮に、もう契約の近くまで来ているというんですよ、そこまで行っている中で、外国資本の方がここを所有してしまったらこの話自体が全く水泡に帰してしまうんじゃないかという危険性があるから、わざわざここでこうやってお話をしているんです。何も外交、安全保障の問題で皆さんを問い詰めるとか、そうじゃないんですよ。こういう問題があるからきちっと対応してほしい。(発言する者あり)

 ここで皆さんいろいろ言っていますけれども、申しわけありませんが、大体、皆さんがつくった沖縄ビジョンからこの問題のおかしなところがスタートしている。そして、今回、この移転について、具体的なスケジュールの中でこんな危険性があることを、実は、初めて防衛大臣は現地視察に行って土曜日の日に事務方から説明を受けた。でも、もうここの問題についてはかなり具体的な商談が入っているということなんですよ。

 この問題、もし、きょう私が指摘しないで、皆さんがこんなことに全然耳にふたをして、そして半年過ぎて、この問題がもう既に決着した後、外国人がここを所有してしまった後にここでこの問題を出したら、それこそ日米関係、そして沖縄の皆さんに大変な負担を強いてしまう。だから、私は直前のこの段階で、改めてここで警告させてもらっているんですよ。

 しっかり対応していただきたいと思いますが、防衛大臣、改めてお伺いいたします。

玄葉国務大臣 今の、まず一つは、いわゆるカヌチャベイのところですよね。一キロくらい離れている場所だと。言うまでもないことですが、我が国の国内法令が当然ながらそれには適用されるということは大前提ですね。

 その上で、どういった支障を来すのかどうかということと、米国からどうなのかという話でありますが、私自身の耳には、米国からそのことについてどう言われるか、どう言われたかと聞かれたときに、率直に言って、強い懸念を私どもに伝えてきているということは、現時点で、ないというふうに思います。

小野寺委員 アメリカから言われているとか言われていないじゃなくて、これは我が国がきちっと……(玄葉国務大臣「いや、おっしゃったから」と呼ぶ)いや、それは違いますよ。米国から言われているじゃなくて、これは、もし実際ここを外国が所有してしまったら、今回の安全保障の問題あるいは日米関係はどうなりますかということなので、米国から言われているとかじゃなくて、どういうふうにお考えですかとお伺いをしているんです。

玄葉国務大臣 ですから、どこまで仮定の話にお答えするかということはありますが、先ほど来から、辺野古崎に移転することについて何もやっていないじゃないか、こういうお話でございますけれども、今回のいわば在日米軍再編の調整についても、普天間の移設、そして在沖縄海兵隊のグアム移転、ともに進めるためにパッケージを外すということで、柔軟性を持って対応しよう、やれるところからやろう、そして、普天間については丁寧に理解を求めながら沖縄の皆さんに説明していこうということで始まっているわけで、今この時点で何もやっていないではないかということは、私は違うのではないかというふうに思います。

小野寺委員 何もやっていないじゃなくて、ずっとやってきたんですよ、自民党はこれを。そして、ここの所有者の方ともさまざまな議論をしていたんですよ。でも、政権がかわって何もない。

 いよいよ、もうその契約をどうしようかというところまで来ている。そして、そのことを危惧して、沖縄県と名護市にまでこうやって二月二日付で文書まで出している。ここまでこの問題は非常に大きな問題になっている中で、何も対応しない。それから、防衛大臣は現地に行って初めて知った。こういうことで、一番の根幹ですよ、沖縄の負担軽減の一番の根幹のところが進むんですかということを心配しています。

 そこで、きょう、法務大臣に来ていただいています。

 これは恐らく今回の辺野古の問題だけじゃない、私どもの安全保障の問題、これを含めた外国人土地法の改正について、改正というよりも、むしろ、ここでは既にさまざまな制限をかけることができるということになっております。ですが、それは政令で行うということになっています。政令の中で、実は、我が国の安全保障上の問題、その場合には、外国人または外国法人の土地に関する権利の取得を禁止する、こういうことができるとなっています。

 今、田中大臣は、政府内で検討しているとお話しになっていますが、ということは、この外国人土地法の中の政令で定めるということについて、政府内で既に検討しているというふうに理解してよろしいんでしょうか。

小川国務大臣 お答えします。

 外国人土地法の第四条では、国防上の必要がある場合には、勅令となっておりますが、これは政令というふうに理解しておりますが、政令で制限することができるとなっておりますが、その政令は、明治時代の法律でございますので、外務大臣と陸海軍大臣が協議してその地区を定めるという内容でございまして、陸海軍がなくなった時点で、昭和二十年の段階でこの勅令は廃止されたわけでございます。以来、今日までこの政令を指定していないという状況でございます。

 法務省という立場からいたしますと、法務省は、例えば所有権の内容を定めるといった、権利の内容を定める、そうした法整備をつかさどる省庁でございまして、所有権を制限する、規制する必要があるということであれば、規制を必要とする各省庁において、あるいは政府においてそれを決めればそれに従うということでございまして、そういう意味で、直接法務省の所管ではないというふうに考えております。

小野寺委員 ちょっと防衛大臣にお伺いしますが、冒頭で防衛大臣は、これは政府内で検討しているとお話しになっていました。でも、今、法務大臣は、これはそれぞれの役所で決めるので、自分たちはあずかり知らないというお話だったと思います。

 もう一度お伺いします。これは自衛隊の基地の話ですから防衛大臣にお伺いしたいんですが、先ほど大臣がお答えしたことですので、どのような形で、どこで、どういうふうに検討されているか、もうちょっと具体的に教えてください。

田中国務大臣 この問題は、私は、政府全体で対処すべき問題であるということでございますから、今の法務大臣の認識はございますが、それは変えていただいて、政府全体で、外国人が取得する土地についてはやはり国防上の問題も当然あるわけであります。そういう面では、政府全体でこれは対処していかなければ安全保障は守れないわけでありますから、私の判断だけでは進まないわけでございますし、私は重く受けとめますから、政府全体で考えてもらうということで至急対処をしていければと思います。

小川国務大臣 申しわけございません。まず、一点訂正でございますが、外国人土地法、明治と言いましたが、大正時代の制定の法律でございますので、訂正させてください。

 それから、私、関係省庁と言いましたが、これは関係する省庁という趣旨でございますが、しかし、それはあくまでもやはり政府全体がという趣旨も含むものでございまして、防衛省でと特定したという趣旨ではございません。

小野寺委員 法務大臣、今、防衛大臣の方から、改めて法務大臣に要請するということがここでございましたので、これを受けて法務省として検討されるかどうか、改めてお伺いしたいと思います。

小川国務大臣 法務省も政府の一員でございますので、政府で協議して、そういうことになれば、それは対応させていただきます。

小野寺委員 きょう午前中の質疑でこの問題を取り上げさせていただいたのは、これは私もまさかと思ったんですが、実は今回、辺野古の周辺のところで外国人が事実上土地を購入したいという申し出があり、そして、その中で具体的に話が進む可能性が出てきた。その中で、もしここが安全保障上問題が出てきた場合に、今回の沖縄の負担の軽減という全ての流れの中で、普天間の危険性の除去、これがやはり一番の本筋だと思います。そして、その本筋の移転先が、これは安全保障上移転できないということになったら、全てこの問題は八方塞がりということになってしまいます。だからこそ、そうならないように、事前にきょうはこういう警告をさせていただきました。

 こういうことが起きないように、しっかり政府全体として対応していただきたい。そして、できればその先、法務大臣もお話ありましたが、今回の外国人の土地の問題、日本の安全保障の問題にかかわる問題でございますので、これについても真剣に検討していただくことを防衛大臣に再度お伺いしたいと思っております。

田中国務大臣 先生御指摘のように、このカヌチャリゾートの問題が大きな問題であるということも認識をさせていただきました。重く受けとめて、防衛省としても、環境影響評価書でどう表現しているか確認をしますが、適切に対処していきたいと思います。

 また、外国人の方々の取得という問題につきましては、何といっても、従来から安全保障上の問題ということで土地の所有の制限の精神は来ているわけでありますから、早く新しい法律のもとで緊急に対処できるというような形を政府全体で考えるということになると思いますし、この問題につきましては、全国的な問題もあるわけでありますから、法務省にも、しっかり前進をするように対処してもらうように述べたいと思っております。

小野寺委員 最後に、法務大臣に改めてお伺いします。

 最終的には、これは外国人土地法の改正になるのか、あるいはどういう形での制限になるかわかりませんが、少なくともこれは、今防衛大臣がお話しされたように安全保障上大変重要な問題ですので、法務省としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。最後に御答弁をいただきます。

小川国務大臣 少しかたいようですが、先ほど申し上げましたように、法務省の所管かどうかという点はございますが、しかし、政府の一員でございますので、政府で協議して、しっかり検討せよということであれば、しっかりそれに参加したいと思います。

小野寺委員 ありがとうございました。

 これで午前中の質疑を終わります。ありがとうございました。

中井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。

 午前中に引き続き協議をさせていただきます。

 きょう、実は、沖縄から環境影響評価に対する答申が届くという日にちの締め切りになっております。きょういらしております外務大臣、防衛大臣、それから法務大臣、この影響評価の話を受けて実は質疑しようと思っておりましたが、まだ届いていらっしゃらないでしょうか。

田中国務大臣 環境影響評価書に対する知事意見について、本日午後一時に確認をいたしましたけれども、沖縄防衛局には届いておりません。

 恐らく、知事意見については本日中に提出いただけるものと考えておりますので、受け取った後に、すぐ内容を十分に検討していきたいと思っております。

小野寺委員 それでは、ぜひ、沖縄の意見、知事の意見を含めてしっかりと対応していただきたい、そのように思っております。

 済みません、質問する内容がまだ届いていないということで、三大臣については御公務に戻っていただいて結構です。ありがとうございました。

 それでは、きょうは東京電力の社長に来ていただいております。冒頭、今回の放射能の被害の対応についてお伺いをしたいと思っております。

 実は、今回の被災した地域、茨城、福島、宮城、岩手等の放射能汚染の問題、特に、農家に対する補償の中で、今、肉牛の問題がずっとこの委員会でも課題になっております。

 この補償が十分でないということになっておりますが、例えば宮城県、これは、十月までの出荷分に対して実は八割から九割の補償しか出ておりません。それ以降、実は東京電力からお金が出ておりません。一番気の毒なのは、今回、汚染稲わらを食べさせて出荷ができない農家の中で最後まで出荷できない農家は、たしか十一月の十五日から二十日ぐらいまで出荷できなくなりました。ようやく今出荷できるようになったんですが、この十一月以降に出荷した、一番被害を受けた農家にはまだ一銭も実は補償が支払われていない。

 この補償はいつ支払われるのか、そしてなぜここまで遅いのか、社長にお伺いしたいと思います。

西澤参考人 お答えいたします。

 JA宮城県の協議会の皆様から、先生今御指摘のように、十一月末までに、肉牛の出荷制限、風評の損害として約二十二億円を御請求いただいております。これに対しましては、十一月末に二億円、それから、十二月半ばまでに合計で十八億円お支払いしております。残り二億円につきましては、ブランド牛への特別の加算の算定の仕方について現在協議をさせていただいております。この協議が調い次第、お支払いさせていただきます。

 その後の新たな御請求でございますけれども、十二月に七億円、それから一月の末に十三億円、御請求いただいております。これも今鋭意協議をさせていただいておりまして、これも、調い次第、お支払いさせていただきたいと思っております。

 以上でございます。

小野寺委員 ちょっと社長に失礼な言い方でお伺いしますが、電力の社員の方は、この震災以降、給料の遅配あるいはボーナスの遅配というのはありましたでしょうか、お伺いいたします。

西澤参考人 お答えいたします。

 社員につきましては今二割カットで続けさせていただいておりますけれども、遅配ということは現時点ではございません。

小野寺委員 電力の方は、多少、二割カットということになっても、給料はきちっきちっと出ていますしボーナスも出ていると伺っております。ですが、被害者である農家の皆さんのこの補償については、なぜか十月分までしか清算をされていない。

 そして、実は農家の皆さんが困っているのは、その補償が入らない十一月分、十二月分、そして恐らく一月分もこれからどんどん申請していくんですが、それが延びれば延びるほど、農家の皆さんは手元に現金、お金がないんですよ。そして、間もなく三月の年度末の決算も迎えます。

 こういう農家の皆さんに本当はしっかり前向きに対応するのが誠意だと私は思うんですが、今までの対応について余りにも誠意がないと私は思います。このことについて、もう一度社長に、誠意がなかったことについてのおわびをしていただきたいと思います。

西澤参考人 お答えいたします。

 肉牛につきましては、JAの皆様にお取りまとめをいただきまして、早急に支払うという形でやってきました。一部お支払いがちょっとおくれていることについては、おわび申し上げます。

 現在、先ほど言いましたように、ブランド牛については特別加算でおくれておりまして、協議させていただいておりまして、その他につきましては、十一月末までの分についてはお支払いをさせていただいております。それ以降の分につきましては、一月末に請求を受けておりますけれども、それについては今協議させていただいて、これもなるべく早くお支払いをさせていただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

小野寺委員 ぜひ誠意ある対応をお願いしたいのと、それから、今からちょっと風評被害のことについても触れさせていただきますので、しっかり聞いていただければと思っております。

 実は、こういう形で汚染稲わらを食べた牛の出荷制限ということ、あるいは既に出荷できないさまざまな農産物、観光被害もございます。いろいろな被害が実被害でございますが、風評被害というのも、実は私たちの知らないところでたくさんございます。

 きのう、地元の農家の皆さんと懇談をしていたときに、こんなことを言われました。宮城の牛乳を、会館にある国会の保育所、多分私たちの、国会議員の子弟が通っている保育所だと思いますが、そこで震災以降使わなくなった。これは当然、測定をしておりますが、基準値以下です。きょう確認しましたら、量は少ないが、今は北海道のものを使っているというお話がございました。

 これは決して保育所の方とかそういう方が問題ではなくて、やはり、少しでも問題があれば、消費者はこのような形で買い控えるとかあるいは避けるとか、こういうことが現実に起きるのが当たり前だと思っております。

 そんな中で、これから心配されるのは、これはぜひ農水大臣にも聞いていただきたいんですが、春になりまして、今、安住財務大臣の地元もそうですが、間もなくワカメの時期とか、海の方もこれからようやく復活の盛漁期になってまいります。ただ、一部の漁師の方、養殖業者の方が心配しているのは、例えば、さまざまな風評被害、特に福島の原子力発電所の水漏れというのが何回も報道されると、直接そういう影響はなくても、やはり印象として三陸は大丈夫なのかということで、杞憂に終わればいいんですが、今後さまざまな心配が考えられる。

 あるいは、これから恐らく農産物がさまざま生産されていくと思いますが、それだって、一体ちゃんと取引していただけるのか、そういうさまざまな心配。

 これは、測定したら大丈夫、だけれども、見えないところの風評被害が浸透しています。この対応について、ぜひ、特に農林水産物に対しての対応について農林水産省にしっかりしていただきたいと思いますが、対応についてお願いいたします。

鹿野国務大臣 今、小野寺先生からの御指摘の点は非常に重要なことでございまして、私どもも、モニタリングの調査の強化等々、そして正確な情報をしっかりと消費者の方々に提供させていただくということも含めて、風評被害の防止のためにできるだけあらゆる努力をしていくべく、私ども政務三役も事務方もこの点は確認をさせていただいておりまして、これからも懸命に取り組んでまいりたいと思います。

小野寺委員 そんな中で、今回、厚生労働省の方から、食品の放射能の基準の厳格化、こういうことが方針を示されたと思います。その方針について、厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。

小宮山国務大臣 食品の規制値につきましては、事故後に決めていました暫定規制値でも、国際的に見ても十分に安全なものではあるんですけれども、今、全体に放射線量が低下をしている中で、これは農水省ともいろいろ協議をさせていただいて、農作物への影響とかそうしたことも考慮する中で、現実的な対応の中で、さらに安心していただける、特にお子さんたちに安心していただける基準ということで新しい規制値を決めさせていただき、四月からそれを実施させていただきたいと考えているところです。

小野寺委員 四月から規制が厳しくなる。例えば、野菜については五百ベクレルが百ベクレル、穀物についても五百ベクレルが百ベクレル、肉、卵、魚も五百が百ベクレル、飲料水は二百が十ベクレル、牛乳・乳製品は二百ベクレルが五十ベクレル、乳幼児用の食品は五十ベクレルを新しい規制値にする、こういうふうに厳しくされる。しかも、四月からということになります。

 私ども心配なのは、例えば肉、この肉を生産する農家の方に、今、さまざま国の方で餌の基準というのを設けています。その餌の基準もこれに合わせて厳しくしているのかどうか、そのことについてお伺いしたいと思います。

鹿野国務大臣 今先生からの御指摘の点につきましては、お話しのとおりに、新基準値の施行が四月一日からということでございますので、その時期を待たずに、牛の飼料というものの暫定許容値を改定いたしました。そして、二月の三日に、その飼料の暫定許容値を改定する通知、すなわち、三百から百ベクレルというふうな形での通知を出させていただきました。

 そして、できるだけ速やかに切りかえをお願いしたい、こういうふうなことで、あらゆる機会を通して周知が徹底するようにしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

小野寺委員 ここで指摘させていただきたいのは、四月に厚生労働省が基準を厳しくすると急に決められて、そして、多分、農水省も慌てて、さまざま餌の基準を厳しくすることに決めたんだと思うんですが、もう既に今、四月以降出荷される牛というのは以前の基準値の餌をずっと食べているわけです。

 そして、基準が急に厳しくなったといっても、餌というのはすぐに手に入らないんですよ。あれは輸入でどんどん入ってきますし、自前で集めた餌を使っていますから、基準値以下の餌とか牧草であればすぐに給餌ができるんですが、二月に急にその指示、二月といっても今月ですよね、今月急に出されて、では、そんな餌どこにあるんだと。今、農家の現場では、餌がどこにあるんだと困っている。そして、今まで買った餌が実は山積みになっています。とりあえずこれを食べさせなきゃいけない。ところが、食べさせた牛は、四月に肉になったときに基準を超えてしまうおそれがある。

 こういう急な対応というのは難しいと思うんですが、ちょっとお願いいたします。

小宮山国務大臣 先ほど四月から実施と申し上げたのは、全体としては四月から実施をいたしますが、今御質問があった牛肉の場合とか米とか、急にはかえられないものについては十月から実施で、経過措置を設けさせていただくことにしております。

 先ほど全体的なお話をいたしましたが、そこのところを申し上げませんでしたので、一応、十月までその経過措置を設けるのが米、牛肉、そして、大豆の場合には来年の一月から新基準ということで、作物によってそういう経過措置を設けているということでございます。

小野寺委員 それでは農水大臣にお伺いしますが、この基準値以下の餌、例えば牧草であったり稲わらであったり、こういうものの手配という、いわば規制ではなくて、むしろ政策の方でどのような対応をされているか、お伺いしたいと思います。

鹿野国務大臣 まず、緊急的には、やはり切りかえが必要でございますので、輸入のいわゆる代替粗飼料の確保というふうなものでやっていかなきゃなりませんので、輸入業者の方に協力を要請いたしておるところです。

 それからもう一つは、牧草が一番のポイントだということになりますので、牧草への移行低減のために反転耕などをやってもらいたいというようなことも指導させていただいているところでございます。

 それも予算措置も含めてさせていただいておりますので、これからも、できるだけ切りかえをしていただくことを理解していただくべく、周知を徹底してまいりたいと思っております。

小野寺委員 まず、新聞には、四月一日から厳しくなる、厳格化という話が出ています。そして今、厚労大臣は、暫定措置で十月までいいんですよというふうにおっしゃいますが、恐らく今、それぞれの流通の過程で、みんな自分ではかっています。自分ではかっていて、もう既に四月から厳しくなりますよとなったときに、肉は十月まで前の基準でいいんですよと言っても、これは四月一日からやはり国の指示と同じように厳しくするのが一般の流通の方の感覚ですよ。

 そうすると、私が心配しているのは、国はそうやって十月までいいですよと言っても、実際、農家の方は、既に前の餌、しかも今大臣おっしゃったように、反転といって、農地、草地をひっくり返して、そしてそれからまた牧草を植えて、その餌を食べさせるわけじゃないですか。それはもう夏、秋までかかってしまいますよ。そうすると、餌の手配がつかない、けれども、肉の規制は恐らく流通関係では四月から厳しくなってしまう。

 そこでまた、私、被害者が出てくると思うんです。その被害者は農家ですよ。農家の方が、出してみたけれども、これは基準値以上ですねと。やはり四月一日以降の、厚労省の例えば肉であれば百ベクレル、もうこれをみんな頭に入れていますよ。その基準で切ってしまいます。そうすると、それを超えた牛というのはだめだということになる。

 では、国は十月までいいと言ったんだから、例えば被害が出ても、流通業者がそれを返品しても、恐らく損害賠償の対象にはなかなかしにくい可能性があります。これは風評被害以上の、やはり政府の急なかじ取り、この問題になるんだと思います。

 もう一つ重要な指摘をさせていただきます。

 今回規制が厳しくなると、測定器の問題。この測定器の問題、よくおわかりだと思いますが、きょう環境大臣に来ていただいております。ゲルマニウムの測定器とシンチレーションの測定器とございます。ゲルマニウムは数千万、シンチレーションは数百万。そして、今まで、できれば流通業者の方は、数が多くてすぐ手に入るシンチレーションの測定器で自主検査をしている、こういう場合がほとんどです。

 今回の厳格化によって、このシンチレーションの測定器がどのように使えるか、あるいは使えなくなるか、お伺いしたいと思います。

細野国務大臣 この測定については、農水省、厚労省、さらには学校、子供関係ですと文部科学省も含めてかなり幅広く、各自治体であるとか各学校であるとか、そういったところに流通をするように、さらには国で補助するようにということで対応してまいりまして、かなりの数がもう被災地には存在をするという状況だというふうに承知をしております。

 小野寺委員御指摘のとおり、どちらかというと簡易型ではかっておられる方が多いというふうに承知をしておりますので、その測定器で百ベクレルというのがしっかりと測定できるかどうか確認が必要かというふうに思います。

 これまで私が見てきたところでは、百ベクレルということであれば、ある程度対応できるところがあるのではないかというふうに承知をしておりますが、やはり正確には、ゲルマニウム半導体検出器というのがはかれる最も正確なものでありまして、これは高価でございますので、その必要性についても再度検討してまいりたいというふうに思います。

小野寺委員 もうちょっと詳しく説明をさせていただくと、実は、基準値の大体十分の一ぐらいまで測定しないと安定した評価できる数字じゃないということらしいんです。そうすると、今まで、五百ベクレルであれば五十ベクレルまで測定できるシンチレーションの簡易型の数百万のもので対応できたけれども、今度、百ベクレルとなると、これは十ベクレルまではかれないとだめ。あるいは、牛乳の五十ベクレルだと五ベクレル、そういうところまでの基準、細目まではかれる基準がないとできない。これが実は、大臣、現場の話なんですよ。

 そして、今どうしてこの話が私に来ているかというと、例えば今回、食肉の話をしました。この食肉を屠畜する食肉の市場、ここで肉を独自にはかります。その独自ではかるときは、やはり数もないし値段も高いので、シンチレーションのような簡易型の測定器がほとんどなんですよ。そうすると、今後、肉を測定するときに器械がないんです。器械がないということはどういうことかというと、消費者に安定したものを提供することができないから扱わないという問題がもう現実に来ているんです。これが実は市場の方から私どもに来ているので、それで心配してお話を聞いております。

 この測定器の問題、特に国とかの基準というのは、それは出すのは簡単です。ですが、流通関係の方は、特に小売の方は、より安全、安心なものを消費者に提供するという義務がある。だから自前ではかっているわけですよ。ところが、そのはかる器械が、事実上今回の規制が厳しくなることによって信頼性がないということになったら、扱わなくなる。これは被災地に二重の苦しみになるかもしれない。

 もちろん、消費者に対しての支援は大事ですよ。安全、安心は大事ですが、ここまで全部、今回のこの基準の改正というのはつながっているということ、そこを認識していただきたいと思いますが、このような安全、安心の確保にどのような対応をされるか、お伺いしたいと思います。

小宮山国務大臣 今委員がおっしゃいました簡易測定器のことからお話しいたしますと、現在は確かにその十分の一までとしていますが、そこまでやるとなかなか検査は難しくなります。そこで、スクリーニング法で定める検査機器の技術要件、どこまではかれるかということについて今見直し作業を行っておりますので、今使っていらっしゃる簡易測定器でかなり使える範囲が広がるような方向で見直しを今図っているというのが一点ございます。

 それから、全体に、食品衛生法上の検査の実施主体となっています都道府県とか保健所設置市、また特別区の検査機器の整備に対して各省で補助をしておりまして、今回、厚生労働省でも補助をすることにしています。それは大きな方の器械のことでございますけれども。

 あと、厚生労働省では、地方自治体への財政支援をするほか、JA等の民間団体を含めた検査機関に対する技術的支援として、今申し上げましたような、スクリーニング法を見直しましてその普及に努めていくということ、それから、食品の安全については、農林水産省、また消費者庁などとも連携をとってやっていくことにしております。

小野寺委員 大臣、順番が逆なんですよ。そういう基準をきちっと決める、どうやって測定できるかわかる、そういうことを決めてから本来規制を厳しくするべきで、規制を厳しくすることを初めに決めておいて、そして、今言ったような問題がわかってきたから、どうやって測定できるんだ、どうやってマニュアルつくるんだと今からばたばたやっても、これはもう遅いことになる。

 それからもう一つ、例えば数千万のゲルマニウムの測定器というのはもう生産が追いつかない。これは去年の発災の時期からずっと、発注しても生産が追いつかない。だから簡易型がどんどん普及していったんですよ。今から頼んでも恐らく間に合わない。そうすると、今回の基準が厳しくなることで、恐らく多くの流通業者の方は測定ができなくなる。この厚労省の基準に合わなくなる。だから、被災地の農産物は初めから扱わない、こういう被害が出るでしょう。この被害に対して、誰がどうやって補償してくれるんでしょうか。

小宮山国務大臣 それは、新しい基準値にしたら当然その測定の方も見直さなきゃいけないということは事前からわかっておりましたので、今ばたばたやっているということではなくて、間もなくその見直しの結論は出ます。それでも遅いとおっしゃるかもしれませんけれども、並行してそこの検討はしてきておりますので、そこはなるべく速やかにその見直しの基準を全国の方に周知したいというふうに思います。

 それから、ゲルマニウムの検査器等につきましては、今、福島県内で五十台ほどありまして、全国では百台ほどなんですけれども、そうしたものを購入する補助もしていきたいというふうに考えています。

小野寺委員 今、皆さんお伺いしましたか。全国で百台しかないんですよ。何万も申請、検査がどんどん来ているわけですよ。例えば安住大臣の地元だって、農家の皆さん、自分のところで生産した、これは自分の意思でこの野菜を食べていいのか、その検査をしないと食べられない、だから、どこで検査したらいいんだと。そのときに、今大臣がおっしゃったのは、全国で百台しかない。今回の件でも……(小宮山国務大臣「ごめんなさい」と呼ぶ)どうぞ。

小宮山国務大臣 失礼いたしました。今の答弁をちょっと修正させていただきたいと思います。

 百台と申し上げたのは、農林水産省が助成をしているのが百台でございまして、そのほか、あと、消費者庁の方で今年度中に百十台程度を貸与するというようなことをやっております。

中井委員長 それはあるんですか。小野寺さんは間に合わないとおっしゃっているけれども、あるんですか。

小宮山国務大臣 今申し上げましたその両方合わせて二百台余りは、既にございます。

小野寺委員 恐らく、全国の農家あるいはさまざまな食品を扱う方は、検査しないと流通できないから、みんな自主的に検査をしているわけですよ。もし全国で二百台しかないとすれば、それで一体どこまで私たちは安全、安心が保てるのか。

 さっき、急にというお話をしましたが、どう考えても、基準を急に決めて、あれ、そういえば測定する器械が足りないな、どうしようかなと。あるいは、農水大臣には恐縮なんですが、餌を食べさせて、四月以降にもう肉に出ちゃうわけですよね。そうすると、家畜の餌に関しては二月に通達を出したというと、急に出されて、慌てて今から急に餌をかえても餌は手配できない。よしんばかわったとしても、今から食べさせても、四月に出荷するものには多分しっかり前の餌のセシウムが入っているんだと思いますよ。そうすると、事実上これは扱われないことになりませんか。

 基準を厳しくするんだったら、全体のことをきちっと考えて、餌の手配はどうする、検査機器はどうする、安全、安心はどうする、全部をホールでやっていただいて、それで消費者のための安心の厳格化ということを考えていただきたいと思うんですが、ちょっと今の答弁では、この先、被災地の農家の方がまた悲惨なことになると私は思うんです。

 農水大臣にお伺いします。これは、私ども、どう対応したらいいんでしょうか。

鹿野国務大臣 餌の件でございますけれども、昨年来から稲わらの問題等々が明らかな事実として問題視されてからは、代替飼料として輸入の確保というところに力を入れてきたわけでありますので、まず当面、そのような措置を講じてきたわけでありますから、私どもとしては、いろいろな実情に応じて、この輸入の代替飼料というふうなものの確保に今日も努めておるところでございます。

小野寺委員 環境大臣にお伺いします。

 実は、稲わらはまだ私たちの地元に山ほど積んであります。八千ベクレル以下の稲わらは、これは田んぼにすき込んでもいいと今でも言われております、畑にすき込んでもいいと言われています。今回の基準が厳しくなること、この稲わらの対応というのは従前と変わらないと考えてよろしいんでしょうか。

細野国務大臣 今回、基準がより厳しくなったことによって、稲わらについても新たな対応が必要になるというふうに考えております。

 現在、農水省の方で、すき込みなどでどういうふうにそれを活用できるのかということを検討していただいておりまして、そこで活用できないものについては、今度は廃棄物になりますので、それ以降についてどのようにするのかということについては、私どもの方でしっかりやらなければならないというふうに考えております。

 八千よりははるかに低いレベル、このレベルのものであれば、そういったものですので通常の処理ができるわけでありますが、場合によっては量が非常に膨大になる……(小野寺委員「いや、通達を変えたかどうかと聞いているんです。八千ベクレル以下のものを通達を変えたかどうか、既に」と呼ぶ)いえ、それ自体は、廃棄物としての基準は変えておりません。

 ですから、八千ベクレル以下については通常の処理をして問題がないということで、変えておりませんが、量が場合によっては膨大になる可能性がありますので、その際にどのように回収して処理をできるのかということについて、今まさに検討しているという状況でございます。

小野寺委員 皆さん、例えば宮城県では、四万六千個でしょうか、まだこんなロールが残っていて、そして、それを何度も国会で聞いても、これは八千ベクレル以下だから田んぼにすき込んでもいい、畑に使ってもいいと。これが今でも基準として残っているわけですよ。

 もし農家がこれをやった場合、厚労大臣にお伺いしますが、今回の基準で、例えばこのすき込んだ稲わらを使う野菜、穀物、あるいはもしかしたら牧草、こういうものの基準、特に野菜や穀物の基準が今回厳しくなっていますよね。そうすると、片方では汚染された稲わらは畑や田んぼに使っていいと言って、片方ではそこからとれたものは厳しくするぞと言って、ここでまたもし基準値以上のものが、厳しいこの基準値以上のものが出てしまったら、これは誰が責任とるんですか。

 ですから、さっきからお話ししているように、消費者のために基準を厳しくするのはいいんだけれども、そのために全体として対応してくれないと、餌だって、厳しくなれば手配は半年、一年かかりますよ。そして、事もあろうにこれから春ですよ、作付するんですよ。そのときの田んぼとか畑にすき込む汚染稲わらは、いまだ同じ、八千ベクレル以下は使っていいという基準が残っている。もう農家は今から始めるわけですよ。

 逆に言えば、国はそれを推奨しています。燃やすと灰になる、灰になると高濃度になるから捨て場が困る、だから、できればこのロールはすき込んでもいいですよ、田んぼに使ってもいいですよ、畑に使ってもいいですよ、こういうふうに言っておきながら、片方で、とれたものに関しては今回基準を厳しくする。この全体の整合性をぜひとっていただきたいと思います。

 どなたか答弁がありましたら。

細野国務大臣 私が基準と申し上げたのは、正確に申し上げた方がいいというふうに思いますので、これは廃棄物として処理をする基準ということでございます。

 ですから、これをどう農地の中で活用するのかということについては、まさに農業としてどう活用するかということでございますので、これは、我々の直接の担当ということではなくて、農水省の方で今いろいろ検討していただいているということであります。これは縦割りではいかぬというふうに思いますので、貴重な御指摘でございますので、しっかり検討しなければならないというふうに思っております。

 繰り返しになりますけれども、誤解があってはいけませんので、八千ベクレルというのは廃棄物として処理をしていい基準ということでございますので、そういった意味で、処理が必要になれば、それは私どもの方で責任を持ってやっていきたいと考えております。

小野寺委員 何度も文章で、八千ベクレル以下の汚染稲わらは田んぼにすき込んでも畑に使ってもいいということになっております。今の環境大臣のお話だと、それはやはり、廃棄物は自分のところの担当だけれども、稲わらなんだから、これは農水省の担当というふうに今伺いました。

 では、農水大臣にお伺いします。

 この八千ベクレル以下の汚染稲わら、これはどのように私どもこれから対応したらいいのか。今のお話ですと、農水省の責任だということに聞けましたが。

鹿野国務大臣 特に宮城県におけるところの汚染稲わら、四万五千個のロールということにつきましては、まず、今どういう取り組みをしているかということにつきまして申させていただきますと、ラッピングがほぼ終わりました。それを今度、やはり場所を、何とか理解していただいてということで、パイプハウスの方に約二割ほど移すことができました。今、場所が決まって、そしてそこに移そうとするのが約四割であります。

 そういう中で、何とかこの汚染稲わらというふうなものが、農業者の方々の実態を踏まえて、隔離されるというような状況に一刻も早くということで取り組ませていただいているということでございます。

小野寺委員 大臣、もう一回お伺いします。

 これは、一応ラッピングしていますが、片方では、農水省の方からの指示でいうと、すき込んでも、田んぼに使ってもいいということになっています。この方針は今でも変わらないんでしょうか。

鹿野国務大臣 基本的にはそのような考え方でありますけれども、しかし、現実、なかなかそういうような状況になりませんので、何とか一刻も早くパイプハウスの方に移管して、とにかく隔離をさせていただくというようなことで力を入れさせていただいております。

小野寺委員 パイプハウスの隔離と言うんですが、隔離はいつまでやっておけば、これは引き取っていただけるんでしょうか。

鹿野国務大臣 今、各市町村と連携をとりながらやっておりまして、とにかくパイプハウスの場所を設定するところまで至ったのが六割でございます。そういう意味で、あとの四割につきましては、何とか場所を確保すべく今取り組ませていただいているところです。

小野寺委員 なぜ場所が決まらないかというと、いつまでこれを置いたらいいのか、そしてこれは将来どうなるのか、全く示していないから、置いたらずっと置きっ放しで何年もこうなるんじゃないかということだから、こういう状況になっています。

 きょうこうやって御指摘させていただいているのは、ぜひお願いしたいのは、基準を消費者のために厳しくする、これはわかります。だけれども、そのために、例えば検査器は十分あるのか、あるいは餌の対応は十全にできているのか、そしてさまざま環境問題ができているのか、全部を考えていただいてこの基準をつくらないと、厚労省だけの形で動いたのではまた第二、第三の被害者が出てしまう、そういう状況になるので改めてこれをきょう御指摘させていただきましたので、しっかり対応していただいて、全体として、これからも安心、安全な生産ができるようお願いをしたい。

 そして、きょう、東京電力の社長においでいただいておりますが、ぜひお願いをしたいのは、こういうさまざまな不安、風評被害も含めてたくさんあります。そして、これはみんな、受けているのは実は被害者です。もう一度お話をすると、大変失礼な言い方ですが、今回の福島の原子力発電所は、これは東北電力じゃないんです。東京電力の事故です。東京電力の事故で一番被災を受けているのは東北の農家の方、こういう思いをぜひしっかり受けとめて、誠心誠意ある対応をお願いしたいと思います。

 きょうはどうもありがとうございました。

中井委員長 これにて小野寺君の質疑は終了いたしました。

 次に、菅原一秀君。

菅原委員 自民党の菅原一秀でございます。

 まず初めに、去る十八日、天皇陛下がバイパスの手術をお受けになられ、無事に終了されました。経過も順調とのことでありまして、まことに喜ばしく、一刻も早い御回復をお祈り申し上げるものであります。

 さて、ことしもこの一月、二月、私は、地元が東京練馬区でございますが、地元の新年会、数百件に出てまいりました。自分の支持者だけではなく、いわば町会や自治会や商店街、いろいろなお考えの方がいらっしゃっていまして、やはりそこに行って国民の声に耳を傾ける、これが大変重要である、そう思って回ってきたところであります。

 中でも多かったのが、消費税。まあ消費税を上げるのは仕方ないな、こういう声がある中において、でも、その前にやることがあるだろう、国会議員の定数削減、給与カット、国家公務員の人件費カット、いわゆる国有資産の売却、徹底した歳出削減、これをやった上で初めて税のお願いをする、この順番を間違えたらいかぬよ、こういう国民の声が多かったわけであります。

 しかし、冷静に考えてみますと、今申し上げた歳出削減やあるいは無駄の削減というのは、民主党の掲げる消費税増税、それをやる前提ではなく、今の国家の財政状況あるいは国家の運営を考えれば、やって当たり前のことであります。

 こうした中で、今の民主党政権に欠けているのは、今後の日本を、どういう形をつくっていくのか、そのために日本の経済をどうやって成長させ、そのためのいわゆる成長戦略を、形をつくっていくのか、そして何といっても、今の、現下の超円高、長引くデフレ、ここからいかにして脱却をするのか、このメッセージが余りにも弱過ぎる。まさに増税一直線という今の野田政権。そしてまた、きょうは日銀総裁にもお運びをいただいておりますが、いま一つ迫力に欠ける今の金融政策。こうしたものについてただしていきたいと思っております。

 これまで、自民党がいろいろな協議に参加をしてこないという御批判がありました。しかし、これから約一時間の御議論を聞いていただければ、その協議の前にやるべきことをやっていない、また、今の民主党政権の社会保障と税の一体改革が、まさに素案を大綱にしてこれを閣議決定してしまったこの暴走、こうしたものについて浮き彫りにしていきたいなと思っております。

 まず、安住大臣。安住大臣に、我が国の経済財政状況を伺いたいと思います。

 安住大臣は私と大学の同窓でありまして、雄弁会の、私が一つ後輩。よもや、二十五年たって、このような場でまた相対してこうした議論をするとは夢にも思っておりませんでした。きょうは、胸をかりるつもりで、ただし一%の私情も挟まずにただしていきたいと思いますので、答弁をお願いいたします。

 まず、現下の経済財政状況について、危機であると思いますか。この点、お伺いします。

安住国務大臣 やはり私どもが、菅原さんも私も大学生活を送っていた昭和五十年代は、まだまだ日本には余力もありましたし、財政的な、そういう点での、特例公債の発行はあったとしても、堅調な、安定した経済状況にあったと思いますが、やはり一九九〇年以降、バブル崩壊後、低迷を続けている中で、なかなかその状況を回復し切れていないということが現実だと思います。

 自民党政権下においても、数次にわたる大規模な財政出動等を積極的に行ってまいりましたけれども、やはり我が国経済の構造的な転換まではなかなか行き着かなかった。不良債権の処理等については、時間のおくれを批判することもありましたけれども、しかし二〇〇〇年代の半ばにはそれを解決しまして、一時期はやはり安定して堅調な経済に戻るのかなと期待をしておりましたけれども、私は、ファンダメンタルズの中に人口の減少や需給ギャップというものをなかなか克服できない状況があって、低迷というものが続いてきてデフレ下にあるというふうな認識に立っております。

 今後、やはり与野党ともに、国民の皆さんの経済活動また生活の水準というものを維持していくためには、やはり、悪化する財政状況を何とか好転させ、また菅原さんの得意な分野であります経済の成長というものを高めていって、新しい日本の国づくりというものをみんなでつくっていかなければ、このままじり貧であってはならないというふうな認識でおります。

菅原委員 いろいろとお答えをいただきました。また後ほどお尋ねをしたいと思います。

 次に、岡田副総理にお尋ねをしたいと思います。

 きょう二十日はユーロ圏の財務相会合がありまして、ギリシャに対する二次支援の決定がされる予定になっております。まだまだデフォルトの懸念がありますが、これが一旦落ちつきますと、当然、世界の目は日本に向けられるわけであります。

 我が党も、こうした厳しい経済財政状況の中で、一昨年の参議院選挙で、消費税を一〇%に上げる、そしてこのことについて勝利をいたしたわけであります。町中の声、昨年、そしてまたことしの頭ぐらいまでは、消費税、大変理解をしていただいているな、こう思ったんですが、ここに来て、どうやら環境がちょっと違うんじゃないか、状況が違うんじゃないか、こういう思いをいたしております。

 とにもかくにも増税、とにかく増税一直線、こういう今の野田政権の姿勢こそが支持率の低下を招き、そしてまた、この資料一にありますように、消費税を上げることには理解を示しているけれども、民主党案には反対だ、きょうの日経新聞にも、六割以上は反対だ、こう国民の意思が示されております。

 このような状況、評価について、岡田副総理、どのようにお感じになっていますか。

岡田国務大臣 まず、消費税を引き上げないと社会保障制度は持続可能でないと多くの方がお答えになっております。そういう意味では、消費税引き上げの必要性というものは正しく認識をしていただいている、多くの国民の皆さんがそれをやむを得ないこととして受けとめていただいているというふうに思います。しかし、今引き上げるということについて聞けば、委員御指摘のように、その数字がかなり落ちるということで、これをどう受けとめるべきか。

 やはり一つは、何のために消費税を引き上げるのか、その裏表の関係にある社会保障の持続可能性、そして充実、そういったことについての説明をしっかり行うことが重要であるというふうに思います。同時に、車の両輪として考えております身を切る努力、これは国会の中でさまざま御議論いただくべきものもありますし、そして政府で行政改革ということで進めていかなければならないこともある、そういうことに対する御理解をしっかりといただく、そして実行していくことが重要だと思います。

菅原委員 いろいろお述べになりましたが、国民はそうじゃないんじゃないかな。今の民主党の増税案、閣議決定したものは、二〇一四年、一五年、タイムスケジュールだけが先に数字が入っていて、中身が伴っていない。年金、医療、介護、全く示していないじゃないですか。しかも、経済を成長させ、財政再建をする、この成長戦略が全くない。こうしたことを国民は看破し始めているのではないか、こういったことがこの数字になっている。

 二〇〇七年からこの五年間、一般会計の規模は十四兆膨らんでおります。消費税、あなた方が五%上げる、大体これは十三・五兆円と言われておりますが、いわばこの五年間、特にこの二年半、政権交代した後、民主党政権のばらまきのツケあるいは大盤振る舞いの後始末、これをこの五%でやろうということではないんでしょうか。国民はそう感じていますよ。どうですか。

安住国務大臣 ここでも何度か財政支出がふえたという御指摘、批判がありまして、その都度御説明はしていますけれども、やはりリーマン・ショックの後の経済の落ち込みで税収が極端に減ってしまった。これは麻生政権でも十四兆円近い公共事業をやりまして、そこでかなり、ある意味で税収の落ち込みを補うために国債を発行せざるを得なかった。

 さらに、やはり毎年の社会保障費が、構造改革、社会保障全体の切り込みが足りないと言われれば、それは非常に反省しなきゃいけないところもありますけれども、これは自公政権下から毎年の一兆円の社会保障費の積み上げ等もあります。

 ですから、やはり国債費と社会保障の関係が我々の歳出を非常にふやしてしまったということは事実でございますけれども、その傾向は、決してこの二、三年ではなくて、いわばトレンドとしてはずっと続いてきている傾向であるというふうに思っております。

菅原委員 交付国債についても、いわばこれは禁じ手ですよね。財源担保がなくて、将来の消費税が上がるかどうかもわからない中で、三分の一から二分の一にする財源を国債発行してやるというのは。こうなったら際限がなくなっちゃいますよ。これはまた後で議論したいと思うんですが。

 あわせて、何となく、この二年半、政権交代して感じることがあるんです。それは、例えば生活保護、二年半で、何と、政権交代後、三十四、五万人ふえているんですよ。二百十万人を突破しているんですよ。国民の生活が第一と言って政権をとった民主党。けれども、その生活、所得の再分配機能に偏り過ぎて、ばらまきをやって、何となく、日本人は、自助、共助、公助とありますけれども、自助、共助をしっかりやった上で足らざる部分を公助に求める、こういう発想から、民主党政権になって、何だかこの世の中、公助に頼ろう、そういう流れがあるんじゃないか。働けるのに働かない、例えば国民、いわゆる生活保護の受給者、五%以上ふえているんですよ。

 憲法二十五条において、国民の最低限の生活を保障する。そして、これには附則があって、いわゆる生活保護に関しては、自助、共助をしっかりやった上で、足らざる部分のセーフティーネットとしての保護である。

 確かに、ふえている要因には、いわゆるひとり暮らしの高齢者がふえている、円高倒産、円高不況の中で、いわば経済的事由で、不可抗力で、いたし方なく受給せざるを得ない方もいる。病気や障害のある方々、こういう方々を除いて、いわば働けるのに働かない、これが今、民主党政権になってからふえてきている傾向があるんだと思うんです。

 話は変わりますけれども、独立行政法人改革、鳴り物入りでやっておられますけれども、岡田副総理、今、百二団体から六十五団体、十七の特別会計も十一に減らす、こういうふうに民主党さん、かけ声はいいんですが、これまで三兆円ほど投入されてきた、この点、どれだけの金額が削減されるんですか。

岡田国務大臣 多分御通告いただいていないと思いますので、数字を今手元に持っておりませんが、確かに、来年度予算については、復興のための予算がふえたりしておりますので、その分の投入額がふえておりますが、基本的に独立行政法人に国庫から支出するお金はかなり減っているということでございます。

菅原委員 いやいや、かなり減っていません、ほとんど減っていませんよ。三兆円いっていて、今後、百二から六十五にして、十七の特会を十一にするんだ、そういうあなた方のかけ声の中で、どれだけの削減が見込まれるんですか。あなたは税と社会保障の一体改革の責任者でしょう。この数字も持ち合わせないというのはおかしいですよ。

岡田国務大臣 二つの話がございます。

 一つは、政権交代以降どれだけ減ったかということでございます。それについては、後ほど数字をお知らせしたいと思いますが、確実に減っております。

 その上で、今後、今閣議決定した改革でどれだけ減るかということについては、ガバナンスの強化、主務大臣やあるいは監事からの強化とか、それから統合による中間的な経費の節約、そういったことでかなりのことが見込まれるわけであります。ただし、それは、委員もよくおわかりだと思いますが、事前に定量化することはなかなか難しい。

 確実に減ることは間違いありません。

菅原委員 だから、先ほど申し上げたように、歳出削減の努力がない。そういう、数字も示せないような副総理、これはやはりおかしいと思いますよ。

 もともと、二〇〇九年のマニフェスト、ほら、役人の人が数字を持って、あるじゃないですか。早く出してください。

 この二百兆。答弁ありますか、どうぞ。

岡田国務大臣 私は数字を頭に入れるというのは余り好きでないものですから、学生の時代から、暗記は得意ではございませんので、言っていただければ、数字はちゃんと事前に用意しておくわけでございます。

 二十一年度と比較して、独立行政法人向けの財政支出は合計で三千百十五億円のマイナスでございます。

 ただし、対前年度比で見ますと、復興の関係があるということなどがあり、プラス千二百三十二億でありますが、それでも三千百億のマイナスであるということでございます。

菅原委員 申し上げたいのは、例えば、団体の数は減らす、逆に焼け太りになる、そういうことがないように、ぜひきちっとやっていただきたい。これまた精査をしていきたいなと思っています。

 あわせて、岡田副総理、二十一年度の税制改正関連法案の附則百四条、経済情勢の好転を前提として平成二十三年度には法的措置をとる、この件でありますが、先週、政府・与党は、税と社会保障の一体改革の素案を大綱として閣議決定をして、三月にこの法案をお出しになる、こういうふうに発表されております。

 いわゆるこの経済情勢の好転、何をもって経済情勢の好転とされるおつもりですか。

岡田国務大臣 これは、先般閣議決定した大綱の中にも書かれていることでございますが、「名目・実質成長率、物価動向など、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、引上げの停止を含め所要の措置を講ずるものとする」、こういった規定を置く予定にしております。

菅原委員 今御答弁がありました名目成長率、実質成長率、それぞれ何%ですか。

岡田国務大臣 大綱の中には、そういった数字は入れておりません。

菅原委員 おかしいよね。二〇一四年に三%上げて八パーにする、二〇一五年に五パー上げて一〇パーにする、その消費税の数字を挙げていながら成長率の数字は入っていないというのは、これは極めて無責任な話ですよ。どうですか。

岡田国務大臣 委員もわかった上で御質問されていると思いますが、結局、それはそのときの政府が総合判断するしかないんです。ただし、そのときに、名目、実質成長率や物価動向、そういったことで総合判断するということであります。

 消費税をいざ引き上げるかどうかというときに、あらかじめいろいろな具体的数字を盛り込めば、それは非常に、実際にかえって硬直化することもあるわけで、そこは政府の責任だと私は思っています。

菅原委員 今、岡田副総理から、そのときの政府の判断とありました。

 パーセンテージは今決めておられる。ということは、そのときの政府が判断をして、経済動向の情勢が好転しなければ、消費税を上げないこともあるんですね。

岡田国務大臣 これは法律にどう書くかということでありますが、基本的には消費税は引き上げさせていただく、しかし、そういったことがあった場合にはそうでない場合もあるということです。

菅原委員 答弁になっていないですね。

 こういうことだから、三者協議も何もできないという我々の姿勢。TPPだってそうですよ、そういう議論を全く、あらあらのことも示さない中で今日に至っている。(岡田国務大臣「委員長」と呼ぶ)ちょっと待ってください。

 副総理、副総理の場合は、今度何になるかわかりません、役職が変わったから知らなかったと言わないようにしてくださいね。何か答弁があるなら、どうぞ。

岡田国務大臣 委員もおわかりの上で言っておられると思いますが、だからこそ協議をしてくださいということをお願いしているわけです。

 委員、国会で議論することは非常に有用だと私は思いますが、まさしく法律の一つの肝の部分でありますから、そういうことについて各党間でしっかり協議をして、そして一緒になって法律をつくり上げていく、ぜひそのことに御協力いただきたいと思います。

菅原委員 法案を出して、きちっとオープンな場で議論をすべきだ、こう思っております。

 次に、経済指標の一つである経常収支について伺いたいと思います。

 一月二十五日に財務省、日銀が発表しました国際収支統計によりますと、昨年、二〇一一年は、いわゆる貿易収支が三十一年ぶりに赤字になって、二兆四千九百億円もの赤字となっております。

 御案内のとおり、経常収支とは、外国との物やサービスに対する受け取りの額と支払いの額の差額を示すわけでありますが、この中には、貿易収支、サービス収支、海外から支払われる賃金や配当などの、海外に支払うそれらの額との差額である所得収支、そして資金援助等の経常移転収支、この四つに、大きく構成をされているわけであります。

 この二〇一一年の経常収支は、御案内のとおり、前年度比四三・九%減の九兆六千二百八十九億円の黒字。黒字を保ったものの、何と四四パーも減っている。貿易収支は、今申し上げたとおり、輸出が大幅に減少して一兆六千八十九億の赤字。この輸出の赤字というのは我が国にとって極めて大きな懸念材料でありまして、成長に影響を与えるわけであります。

 私も商社に勤めておりました。いわば高度成長、そして成熟期に入って、輸出は大変目覚ましく伸びたわけであります。より付加価値の高いものをつくって、外に売って、それを国内に還元する。そういう意味では、この貿易収支こそが経常収支の屋台骨の一つであって、黒字化を支えてきた。ところが、これが赤字になってしまった。この赤字を恒常化させてはならぬ、つくづくこのことを申し上げたいわけであります。

 また、先週のきょう、二月十三日に内閣府が発表した昨年の十―十二、GDPの速報、いわゆる一次QEにおきましても顕著にあらわれておりまして、一次QEは年率の換算で二・三%のマイナス成長となっております。日本を代表するパナソニックやシャープ、ソニー、この三月期は軒並み赤字決算でありまして、これは、欧州危機やタイの洪水、いろいろな外的な要因もさることながら、やはり私は、まさに今の民主党政権の円高、デフレに対する無為無策、ここに尽きるんだ、こう思っております。

 この貿易赤字そして経常収支の赤字化、これは本当に深刻な状況でありまして、いわゆるJPモルガンあるいはクレディ・スイス、大和総研、こうした研究所は、早ければ二〇一五年ごろに赤字に転落する、あるいは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、ニッセイ基礎研などは、二〇二〇年半ばまで黒字を保つ、タイムラグがあっても大変厳しい見方をしているわけであります。

 なぜここでこの経常収支の話を申し上げるかというと、いわゆる我が国の財政の持続可能性と極めて密接な関係がある、こういうわけであります。

 資料の二を見ていただきたいと思います。これは、経常収支といわゆる国債の海外投資家の保有比率について、負の相関関係にあるわけですが、経常収支が赤字になれば、海外の投資家からの国債の資金調達を必要とする、その割合が大きくなるわけであります。それはいわば、ギリシャだとかポルトガル、今、欧州危機の元凶である国々のように金利がぐっと上がってしまって、そのために、政府として経常収支のあり方、動向というものを今まで以上にもっとしっかり見詰めなければいけない、こう思うんですね。

 自民党でも、今、甘利会長を中心として調査会で連日、経済、財政、そして金融の論議をいたしております。貿易であれ投資であれ、いわば新たな国家の経済モデル、これをきちっと、いわゆる構造転換を図っていくということがこれから必要なんだと思いますが、この点について、古川大臣、民主党政権はどうですか。

古川国務大臣 委員御指摘がございましたように、二〇一一年の貿易収支は赤字に転じました。この要因としては、原油価格の高どまり等によります輸入価格の上昇や、原発の稼働率低下に伴う鉱物性燃料の輸入量の増加、そして、震災の影響や海外景気の減速などによる輸入量の減少、こうしたことが考えられます。また、こうした貿易赤字によりまして、二〇一一年度の経常収支の黒字幅が、御指摘いただいたように縮小したことも事実であります。

 しかし、来年度につきましては、サプライチェーンの回復や世界経済の緩やかな好転の中で輸出が着実に増加することから、貿易収支はわずかな黒字に転換して、経常収支も増加するものと見込まれております。

 貿易収支は財についての対外収支でありまして、サービスの受け払いや所得収支を合わせた、マクロ経済的に見てより広範な指標であります経常収支は、当分黒字が続くというふうに考えております。

 御指摘ございましたように、今後の貿易収支や経常収支の動向が日本経済の将来に対してどのような意味を持つかについては、これは十分に検討してまいりたいと思っておりますし、成長戦略がないというお話がありましたが、既に二年前に新成長戦略をつくり、そして、昨年の震災を受けて、この新成長戦略をさらに再強化、そして加速する、そのための日本再生の基本戦略、そうしたものも昨年末にまとめております。そうしたことをしっかり行って、日本の成長力強化に努めてまいりたいというふうに考えております。

菅原委員 今お答えがあった去年の新たな成長戦略、それは菅政権のときと、焼き直しというか、ほとんど中身は一緒なんですよね。確かに、復興のための政策、財源はとられております。しかし、本当に目新しさがない。だから、マーケットも反応しない。為替や株価については後で議論したいと思いますが、まさに円高不況と言われる主要因は今の民主党政権にある、こう言わざるを得ません。

 その成長戦略について、枝野経済産業大臣にお尋ねをしたいと思います。

 円高は、今お話があったように経常収支を悪化させるわけでありまして、大和総研の調査、いわゆる日本経済中期予測によりますと、五%の円高・ドル安、例えば八十円が七十六円になったとします。これで、経常収支で、いわゆるGDP比で〇・二%悪化させる、こういう試算が出ているんですね。したがって、円高によって経常収支の悪化が我が国の財政の健全化の阻害要因にもなって、かつまた、国債の暴落や、あるいは悪い金利の上昇、こういったものを招く可能性もある。この点はまさに共有をしたいと思います。

 そこで、枝野大臣に伺いたいと思います。

 この経常収支の黒字化、先ほど古川大臣がおっしゃったように、一〇年は厳しいけれども一一年はというようなお話がありました。この黒字化を何としても継続させていかなければいけない、そのためには、やはり成長戦略をきちっと実効あらしめなければいけない。

 ところが、その成長戦略のいわば責任遂行の責任者という枝野大臣が、御自身の言葉でも言っています。坂の上の雲にたどり着き、もっと先に雲はないかとこの二十年間探してきたけれども、もうなかったと。マスコミではこれをエダノミクスというふうにやゆしていますけれども、坂の上の雲の先に雲はなかった、人口減少下の経済成長はあり得ないと、再三、これは就任のときも言っているんですよ。きょう野田さんがいたら、野田さんに何でこういう大臣を指名したのか聞きたいぐらいなんだけれども。

 このように、成長戦略の旗振り役の人が、人口減少だから、この成長戦略、いわゆる成長がないというように全世界にメッセージを与えている。これは、大臣、今同じ認識ですか、言ったときと。

枝野国務大臣 同じ認識です。

 私が申し上げたのは、明治維新以来のいわゆる近代化プロセスの中において、特に戦後の復興、高度成長の時期などにおいては、まさに新興国が安い労働力を武器にして、規格大量生産によって、大量生産、大量消費で、非常に高い数字の経済成長を実現してきました。これは世界史的に見ても、今そういうプロセスの中に中国や東南アジアの国々などが入っています。そうした意味で、日本は経済成長をなし遂げた先進国の中に、この二十年間、既に十分に入っています。

 こうした状況において、明治維新期や高度成長期に我々がイメージした、あるいは我々の先人がイメージしたような成長というものは、同じような意味で実現されるとは私は全く思っておりません。

 ただ、今ここで御議論をされているような、例えば一%とか二%とか、そういったマクロでの経済成長率がプラスの数字として経済を回していく、このことは、人口減少社会であろうと、高度成長を実現した、近代化をなし遂げた社会においても必要なことだろうというふうに思っておりまして、そのこと自体を否定するつもりはありません。

 ただ、我が国においては、高度経済成長の成功体験、それから明治維新以来の近代化の成功体験が非常に強いものですから、どうしても、そのときの成功、そのときの成長というイメージが余りにもさまざまな社会で大き過ぎる。この二十年間の我が国の経済の停滞の一つの原因は、この成功体験にかなり引っ張られていて、従来の成功モデルによってこの低成長時代における成長がなし遂げられるという誤解が、残念ながらまだまだ残っているのではないだろうか。

 こうした成熟社会において、低成長であっても成長を実現していくためには、従来の成功モデルにとらわれることなく、むしろ、少子高齢化あるいは人口減少社会、そして所得水準の高い、労働対価が結果的にそれによって高い、そうした国にふさわしい高付加価値分野であるとか、あるいは国内においてしっかりと資金を循環させるとか、こうした分野により集中的に構造を変えていかなければならない、そのことを申し上げているものでございます。

菅原委員 そういう説明なしに、大臣は、官房長官をおやめになった後に経産大臣に就任されました。いみじくも、その就任会見で、私は総理から経産大臣をやれと命ぜられた、でも、この人口減少下の日本においては成長はあり得ない、だからこの考え方でいいんですかと総理に言ったら、総理はそれでもいいと言ったそうだ。だから、きょうは総理に本当に聞きたいんですよ。でも、総理はいない。

 つまり、今いろいろと説明されました。今大臣がおっしゃったのは、高度成長のモデル、それは今と当然違いますよ。高度成長から八〇年代、成熟期、九〇年代、横ばい期になって、今、先ほどお話があったように、経常収支が厳しくなる、その屋台骨である貿易収支がこれだけ数字が厳しくなっている。この中において、経済産業大臣、トップのリーダーが、このように、人口減少下だから成長はなかなか難しいと。

 確かに、そこは炯眼だと思います。一面においては炯眼だと思います。ただ、そのようなメッセージを国の内外に発することによって、マーケットはどう見ますか。そういう旗振り役が成長を引っ張っていくとは思えないんじゃないですか。だから、この点を聞いているわけなんですね。

 枝野大臣は、あわせてその中で、法人が経済を成長するよりも、いわゆる雇用の質を高めるべきだ、こういうお話をされていますけれども、この認識は同じですか。

枝野国務大臣 まず、私の就任の折の記者会見なんですけれども、御通告がございませんでしたので、起こしたものを持ってきておりませんが、今おっしゃったような言い方はしていないと私は記憶をしています。

 私は、今申し上げたような話、もちろん今は答弁の時間をいただきましたので丁寧に御説明いたしましたが、話をしているときには、誤解のないように、もちろん短い時間であれば、特に報道などでははしょられる可能性はありますけれども、きちっとお話をしてきているつもりです。

 それから、今お尋ねの件でございますが、もちろん経済ですから、企業が収益を上げることと、その収益の労働分配をきちっとすることによって、一人一人の雇用の質といいますか、一人一人の国民の可処分所得、それは購買力につながるわけで、そちらの方を高めていく。これは鶏と卵のような関係で、どちらか一方だけやればいいというものではありません。

 ただ、残念ながら、私は、特にこのバブル崩壊以降の二十年、政権交代までの期間、特に企業収益を高めることの方のウエートが高過ぎて、どちらかというと、所得の再分配によって購買力を高めて内需をしっかり循環させるということについて注いできたウエートが低かったのではないか、そこのウエートは変えるべきであるというふうに思っています。

菅原委員 今のお話、一部は納得、一部は納得できない。

 つまり、遡及的にこの経過をあなたは分析して、アナリストのような答弁なんですよ。これから日本がどういう成長戦略を持って、経済を、GDPを、あるいは名目成長率や実質成長率を高めていくかということがなく、分析によって答弁を正当化しているような状況ですよね。

 いいですか。何か聞いていると、経産大臣というよりも、派遣村の村長にでもなっている方がいいんじゃないかな、そんな思いがしますね。

 今の低成長路線、言われている低成長路線、円高時においては、いわゆる対日直接投資の減少や輸出減少によって、雇用が生まれてしまう。これは言ってみれば、日本経済がシュリンクすれば雇用そのものが減退をしてしまって、大臣がおっしゃるような雇用の質自体が、どんどんシュリンクして減退をしてしまう、そういう状況にあるんだと思うんですね。

 ここで申し上げたいのは、やはり今、日本が経済構造の大胆なパラダイムシフトをきちっと進めていかなければいけない。

 かつての輸出主導、そしてまた貿易黒字で賄ってきたような体制が、いわば後進国あるいは新興国の成長によって脅かされている。当然労働力も、いろいろな規制の中で厳しい状況になってしまっている。

 しかし、ここはいま一度、この成長を諦めずに、政府が国家プロジェクトとして、その成長戦略をきちっと打ち出してもらう。そうでないと、いろいろなメーカーが苦労して研究開発をして投資をして、それがこの今の円高という状況の中で、本当に、富がこちらに、日本に戻ってきていない状況があるわけですね。

 だからこそ、例えばEV、あるいは医療機器やエレクトロニクス、バイオ、グリーン、そして宇宙、こうした分野のいわば新事業の戦略分野に税財政の支援を集中させて、そして新たなターゲティングポリシーを大胆に遂行していくこと、そして総合特区の、例えば特区の数をふやして大胆に、法人税をゼロにする、あるいは世界最大規模の研究開発減税、あるいは投資減税、こうした大きな政策実現が今こそ必要だと私は思います。

 報道によれば、日本を代表する総合商社七社で、二〇一二年の三月、海外の子会社などから受け取る配当が、何と一兆円を超えています。これは余りいい話じゃないけれども、その総合商社七社の経常利益のトータルに匹敵するくらいの大きな配当が日本に返ってきているわけですね。

 二〇〇八年に、外国子会社のいわゆる配当益金の不算入制度、九五%不算入という制度を自民党政権下で法律をつくって、二〇〇九年から施行されております。これは、ある意味では、投資をする企業、商社を含めて非常に助かっている。これで富がまたこちらにもたらされている。

 しかし一方で、その海外で稼いだお金が、結局は、水漏れ現象と言われるように、海外展開をして、日本にそのマネーが入ってこない。

 こういう問題もある中で、やはりこうした税制面にインセンティブをつけていく、そしてまた投資減税も、先ほど申し上げたように、きちっと大胆に、ある意味では頼みの綱の一つである所得収支をかたく維持していくということが大事なのではないかな、私はこんなふうに思っております。

 また、先般、新聞に出ておりましたが、外資系の企業が昨年、日本からどんどん出ていってしまっております。いわゆる流出が流入を約千八百三十二億円超過している。いわゆる外国系企業の日本離れというものが今起きているわけなんですね。これは言ってみれば、雇用の受け皿、日本人の雇用のいわば悪化というものにもつながってくるわけでありまして、やはりこの点、日本の国内において外国企業が投資しやすい環境、そしてまたそのためのさまざまなインセンティブをつけたアグレッシブな政策ということが今必要だと思います。

 そういう意味では、これまでの貿易立国の形を高度化させて、かつまた投資に関する部分との二頭の馬をきちっと日本は走らせていく、このことが今後のとるべき道の一つだ、こう思っております。

 この点、経産大臣、短目に答弁をお願いいたします。

枝野国務大臣 アナリストのようだという御評価をいただきましたが、御質問にお答えを申し上げておりますので、まさに、我が国としてあるいはこの政権としてどういった成長戦略をしているのかというお尋ねでありませんから、そういうお答えをしたものでございます。

 その上で、まさに今御指摘をいただいたとおり、我が国のこれからの経済成長のためには、一つは、貿易でも一定程度稼がなきゃならない、もう一つは、投資をしたものからしっかりと国内に還流させなければならない、これは両輪だと思います。ただし、私は、やはり軸になるのは、貿易によってしっかりと利益を上げる、つまり、日本の広い意味での物づくりがしっかりと国際的に評価をされる、やはりここが軸にならなければ、投資の分野だけで利益を上げていくということはなかなか難しいだろうというふうに思っております。

 そして、その場合においては、ここは委員も、今の御質問をお聞きしていますと、そんなに違わないのかなと思いますが、従来であれば、日本を引っ張るリーディング産業というのは一つの時代ごとに、今だって、ここまでの間は自動車だったと思いますし、あるときは繊維であったり、あるときは鉄鋼であったりという非常に強力なリードをする産業があって、そこが日本の成長を牽引してくれたわけでありますが、まさにこれから、規格大量生産、大量消費の分野のところではなかなか新興国と戦えないということの中では、高付加価値の分野を非常に多分野にわたって、しかし、戦える部分については集中的に戦うというやり方が必要だろうというふうに思っています。

 そうした観点から、御指摘をいただいた素材の分野であるとかあるいは医療技術、医療機器などという分野、これは、非常に力がありながら、まだその力が発揮されていない部分です。それから、コンテンツ関連の産業は日本には大変潜在力がありますが、なかなか産業という位置づけになされていない部分があったりします。

 こういった高付加価値で高い値段でも戦える分野を中心にして成長戦略をしっかりと組み立てておりますし、また、政府がしっかりと下支えをすることで成長できる分野、これについては、政権交代以来、いわゆるインフラのシステム、パッケージインフラ輸出、こういった形で政府がしっかりと音頭をとって、個別の企業が持っている力をトータルすることによって競争力を高めるというような戦略で、しっかり戦える分野では戦っていく。

 その一方で、投資の分野においても、海外に投資をして稼ぐ、これについては、特に私は今、中小企業の海外投資を積極的に進めようと思っています。実際にこの十年ほどの統計をとってみますと、同様の規模の同業の業種の中小企業では、海外に対して投資をした企業の方が、実は数年たつと国内における雇用がふえています。つまり、国内におけるマネジメントであるとかマザー工場であるとか、こういった部分がしっかりしないと海外での展開になかなか効果が及ばない、そして海外でしっかりと稼ぐことによってそうしたところに投資ができる、こういういい循環というものがしっかりと統計上も出てきておりまして、こうしたところにしっかりと力を入れてまいりたいと思っております。

菅原委員 しっかり力を入れてくださるなら、経常収支も貿易収支もこんな悪化傾向にならないんだと思います。メッセージ性も弱いし、撃つその弾も極めて脆弱である、このことを指摘して、また経済産業委員会でも質疑をしていきたいなと思っています。

 次に、円高、デフレ対策に入ります。

 円高は、今いろいろ御議論があったように、我が国の経済にとってマイナスであります。

 資料三をごらんください。これを見ていただきますと、民主党政権になって二年半、十四円もの円高が進行しております。十四円の円高で、輸出産業は幾らその利益を失ってきたのかな。トヨタ、ホンダ、キヤノンなど大手十社だけでも、一円の円高で七百四十億減収という試算がありますから、機械的に計算すれば、十四円の円高で、この日本を代表する十社だけでも何と一兆円を超える損失が出ているわけですね。日本全体の輸出産業を中心とすれば、数兆円の損失が出ているわけです。

 これだけ円高が続きますと、企業はダメージが大き過ぎて、その状態が固定化をされて、結局、仮に円安に振れたとしても、価格競争が戻ってきた際にも、もう手おくれになってしまう、こういう状況が今出ているわけですね。

 言ってみれば、甲子園に出るのに一生懸命練習した、何試合も予選を勝ち抜いた、でも、甲子園で、出ていったら体力がなくて初戦敗退、こんなような日本企業が今本当に続出している中で、この円高、デフレをいかにして脱却するかという具体的な施策を、きちっと進めていかなければいけないと思います。

 二〇〇七年、安倍政権の最後のときの円は、一ドル百二十円台でした。株価は約一万八千円でありました。わずか四年半で、この間、サブプライムローンやあるいはリーマン・ショック、世界的な景気の後退等々ありましたけれども、この大きな円高の進行というのは、やはり民主党政権の無為無策、ここに私は尽きると思っております。

 そこで、円高対策について、安住大臣に伺います。

 大臣は、十日のこの予算委員会の答弁で、為替介入について、七十五円六十三銭で介入して七十八円二十銭でとめたと、びっくりするような仰天発言をされました。為替にかかわる金融行政、また財政の最高責任者である財務大臣が、まさに国家の機密事項とも言えるこの為替介入の入りとストップを公の場で発信したということ。

 そうなると、今後は、七十五円六十三銭に近づくと、マーケットは、あっ、為替介入するんじゃないかという意識をして、結局それがマーケットの動向に極めて大きな影響が出てくると思うんですね。この声に、まず大臣はどう応えるか。

 そして、きょう午前中、十一時半に見ておりましたらば、一時、七十九円台の後半、九十銭まで円安となっています。これは、あなたが介入をストップした七十八円二十銭を超えてしまっているんですよ。

 言ってみれば、この円高についての野田政権のいわゆる閣議決定した総合対策も非常に脆弱であって、しかも、今申し上げたように、為替介入が唯一の、手段の一つであるとするならば、それ自体が全くマーケットから信認されていない、相手にされていない、こういうことになるんじゃないですか。大臣、どうですか。

安住国務大臣 びっくりするような数字とおっしゃいましたけれども、あのときは、西村さんがボードを示したので、そのボードで読んだだけで、私は違う数字を読んだわけではないんです。それだけはぜひわかっていただきたいと思います。

 今、為替が大きく変動をしていることについて、いろいろ御批判もあるかもしれませんが、やはり、この間の歴史を少し見ると、日本という国は、三百六十円の時代から、本当に大きないわば経済力を背景に、トレンドとしては、円高の傾向というのはどうしたってこれは続いてきたということは事実なんです。だけれども、それは、ある意味で経済の強靱化を示しているということにもなると言えます。

 ただ、このところ財政が非常に厳しい中にありながら、我が国の実体経済を反映しているかどうかということに対しては、さまざまな議論のあるところだと思います。やはり、リーマン・ショック、それからサブプライムの話、それから今の欧州における危機とか、商社にお勤めになってきたんだから、菅原さんが一番御存じのとおりで、やはり為替はそういう意味では相対的なものでもあるということを認識していただければ、単に、ただ政府の無為無策を批判するというだけでは、私は為替政策というものは成り立たないと思っております。

菅原委員 委員会で、ここに出されたボードをお読みになった。でも、NHKがたしか中継していたと思いますし、これはネットで全世界に流れています。何を読もうが、何を見て発言しようが、言った事実がある。これは極めて責任は重いと思いますよ。

 今後の……(発言する者あり)重くないと誰か民主党の方が今やじを飛ばしましたけれども、こんな感覚なんですね、重くないと。

 では、もう一回言いますね。大臣、七十八円二十銭でとめたと。とめたというのはボードに書いてあったのですか。書いていないでしょう。とめたと言った。ところが、きょう、七十九円九十銭ぐらいになっている。つまり、七十八円二十銭を超えて、為替介入の意味は全くない、そう思いませんか。

安住国務大臣 為替介入の意味はあります。

菅原委員 だから、七十八円二十銭、ここで介入をとめたということに関して、この七十九円、さらに円安になっている状況。

 これは後で議論しますけれども、十四日の金融緩和策なのか、アメリカの景気が回復をしてきて、株価も一万三千ドルを超えていますよ。先ほど言ったギリシャの、ヨーロッパの、やや落ちつきを取り戻すであろうという状況、いろいろなことがあって、何もこれは金融緩和策だけで動いたのではないと思いますけれども、いずれにしても、今のマーケットは全く、大臣の発言やら為替介入に関して、ほとんど無反応という状況なのではないかな、こんなふうに思います。

 きょうは日銀総裁にもお越しをいただいておりますが、日銀の金融緩和策についてお尋ねをしたいと思います。

 先週、二月十四日、日銀は、物価上昇率一%をめどとして、資産買い入れ基金を十兆円増額するという金融緩和策を発表したわけです。マーケットからはサプライズという評価もありますが、それは、内容についてのサプライズじゃなくて、あの日銀がようやく動いたという意味のサプライズであったわけでありまして、それも、この予算委員会や財務金融委員会で、再三自民党初め各議員がいろいろな発言をして、それが結果的に総裁、日銀の背中を押した、こういうことが一つの成果になっているんだと私は思うんです。

 だから、財務大臣、総裁、だからこそ、このように開かれた場でオープンな議論を尽くすということが、一見遠回りに見えるかもしれないけれども、やはり国の政策をきちっと動かしている。だから、こそこそ談合みたいな協議をやってくれという話じゃなくて、このようにオープンな場できちっと議論することが一番大事なんだと思うんですよ。

 そこで、きょう、先ほど申し上げたように、七十九円半ばの円安に振れていますけれども、効果は限定的だというマーケットの声もあるんですね。しかも、総裁、これまでの長期国債の買い入れ枠、九兆円ありますね。これは、実際の買い入れ額は三・八兆円にとどまっている。九兆円の中で、全部買い入れしないで、三・八兆円しか買い入れしていないのに、十兆円さらに枠を、基金を積み増しして、その枠をふやす。

 十九兆のうち、見せかけだけの量的緩和というふうに言うアナリストもいますけれども、この点、どう思いますか、白川総裁。

白川参考人 お答えいたします。

 資産買い入れ基金での買い入れは、本年の十二月末までにこの上限の金額に到達するように買い入れを着実に進めております。そういう意味で、今先生御指摘の数字は、我々自身が今計画している線に沿って買い入れを行っているということでございます。

 いずれにせよ、今回、そうした枠に加えて、さらに十兆円の増額を行い、強力な金融緩和政策を推進していくということでございます。

菅原委員 十兆円の枠をふやして、そして進めていくということですが、では総裁、合わせて十九兆あって、三・八兆円買い入れをしているとすると、大体十五・二兆円。これはいつまでにやりますか、買い入れ。

白川参考人 お答えいたします。

 先週発表しましたように、本年十二月末までに買い入れを行っていくということでございます。

菅原委員 末までにきちっとやるんですね。もう一度。末までに十九兆全部買い入れするということですか。

白川参考人 そのとおりでございます。

菅原委員 これは、末まできちっと推移を見なきゃいけませんね。

 でも、今、九兆枠があったところで三・八兆しか買い入れをしていないで、これに基金を五十五兆から六十五兆に積み増しして長期国債買い入れをする、そういう流れですよね。その中で、九兆のうち三・八兆しかしていないのに、あと十五・二兆。

 本年度と言いましたか、ことし、十二月、年度ですね。ということは、来年の三月までということですね。

中井委員長 十二月までと二回お答えになっています。

菅原委員 十二月まで。

 これをきちっと行うことによって一定の金融緩和策になればなと思っています。いわゆる、枠だけで見せかけてマーケットを惑わすようなことがあってはならないと思いますし、民主党には、いろいろと番長がいますよ。言うだけ番長、詭弁番長、素人番長、最近ではコーヒー番長。白川さんも番長の仲間入りしないように、いわゆる枠だけ番長と言われないように、これはきちっと買い入れをお願いしますよ。よろしいですね。

 次に、日銀が繰り返してまいりました中長期の物価安定の理解、そして、当面一%のめどについてですけれども、二月十四日の記者会見で総裁は、めどと理解という言葉の違いだけで、私ども自身の政策が変わるということではありません、こう述べていますね。ところが、安住大臣、安住大臣は十四日、同じ日ですよ、この日銀の決定に対して、実質的にインフレターゲットを決定したものと受けとめています、こう述べているんですね。

 安住大臣は、今回の日銀の金融緩和策、これが実質的にインフレターゲットという認識、言葉のとおり、今、御認識ありますか。

安住国務大臣 このインフレターゲットという言葉そのものが人によって使い方が異なるということは承知をしております。

 日銀は、金融政策運営において、目指す物価上昇率と位置づけ、それが見通せるようになるまで強力に金融緩和を推進していくとしているところでありますから、このように目指す物価上昇率と時間軸を明確化したことは、私は高く評価をしております。

 日本銀行は、当面、消費者物価の前年比上昇率一%を目指して、それが見通せるようになるまで強力に金融緩和を推進していくとしているところなので、そのような意味では、実質的にインフレターゲットを設定されたものと私は受けとめていると申し上げました。

菅原委員 白川総裁、今、実質的なインフレターゲットだと言いましたよ。この点について、どう見解がありますか。

白川参考人 お答えいたします。

 先ほど大臣からも御回答ございましたとおり、インフレーションターゲティングということを人によってさまざまな意味合いで使っておられます。この席でも何回か申し上げましたけれども、FRBのバーナンキ議長は、先般、物価安定のゴールを発表したときに、記者からこれはインフレーションターゲティングですかというふうに聞かれまして、バーナンキ議長は、これはそうではないというふうに否定しています。ただ、エコノミストの中では、これをインフレーションターゲティングと呼んでいるケースもございます。

 ただ、いずれにせよ、日本銀行が今回発表した金融政策運営の枠組みはFRBの枠組みに似ているということを記者会見でも申し上げました。

 いずれにせよ、私どもが今回非常にはっきりさせていることは、当面一%をめどに、これが見通せる状況になるまで強力な金融緩和政策を推進していくということでございます。

 この政策を最終的にどういうふうに呼ぶのかということは、もちろん、諸々の論者によっていろいろな呼び方があるというふうに思っています。ただ、はっきりしていますことは、日本銀行の姿勢、これははっきりしております。

菅原委員 はっきりしていることは、財務大臣が実質的なインフレターゲットだと言った事実、そのことと、その認識が違うと。

 実質的なインフレターゲットでいいんですか。もう一回聞きます。

白川参考人 私は、大臣と、認識されていることは同じだと思います。

 大臣は、実質的なという言葉を使われた意味も、往々、インフレーションターゲティングが機械的な運営であるという誤解があることを前提にしてそういう言葉を使われたということでございまして、実質的に、考えていることについて、大臣と私は同じ認識でございます。

菅原委員 ということは、認識が同じだということは、白川総裁御本人が、これは実質的なインフレターゲットだ、こういう認識だということで理解をしてよろしいですね。

 次の質問に行きます。

 この円高是正のために、先ほどお話があった物価上昇率、これを一%めどと言った。ところが、先般のこの委員会において、古川大臣が、いわゆる二%程度の緩やかなインフレの達成に向けて全力を向けてやっていただきたい、これを日銀に要請をしているわけなんですね。

 この物価上昇率二%を、古川大臣、いつまでに達成するお見通しですか。

中井委員長 菅原さん、非常に大事な質疑をしていただいております。日銀総裁がもう一つつけ足したいということですから。

白川参考人 先ほど私が申し上げた、安住大臣と同じ認識であるということは、これは、金融政策の運営の仕方、これについて認識は同じであるということを申し上げました。

 大臣の御答弁を私がお答えするのは、これは不適切だと思いますけれども、私は、言葉遣いについて申し上げているわけではなくて、金融政策の運営について、御理解は同じであるということを申し上げた次第でございます。

古川国務大臣 私が申し上げた意味というのは、政府として、二〇一一年度から二〇二〇年度までの平均で、名目三%、実質二%程度という政策努力の目標を掲げております。

 この政策努力、これは、経済財政の中長期試算のもとでの成長戦略シナリオで書いておるわけでございますけれども、この成長戦略シナリオが実現をいたしますと、消費者物価上昇率が大体二%近傍という試算結果になっている。そういった意味で、こうした成長戦略を実現する、そのことを目指しているということを申し上げたということでございます。

菅原委員 今の答弁と絡んで、資料の五をごらんいただきたいと思うんですね。これは内閣府がつくった資料であります。慎重シナリオと成長戦略シナリオ、二つあります。

 この中で、二〇一三年の消費者物価上昇率は一・一%になっていますよね。これは古川大臣、政府の物価上昇率の目標として、同じでよろしいんですか。

古川国務大臣 これは目標というわけではなくて、成長戦略シナリオで、世界経済が堅調に推移するもとで、日本再生の基本戦略において示された施策が着実に実行され、生産性や労働参加率が上昇するとの前提のもとで、中長期の経済財政の姿について試算を行った結果、その結果として、二〇一三年度の消費者物価上昇率につきましては一・一%との試算をお示しさせていただいているということでございます。

菅原委員 先ほど言った二%と違うじゃないですか。これはどっちを信じればいいんですか。

古川国務大臣 先ほど申し上げましたように、成長戦略、成長シナリオ、二〇一一年度から二〇二〇年度までの平均、名目で三%、そして実質で二%、その成長が実現をした場合には、それをならしていくと、消費者物価上昇率でいけば二%近傍になるということを示しているということでございます。

菅原委員 ということは、この試算で平均値をとったということなんだと思いますけれども、白川総裁に再度聞きます。

 総裁は、二月十四日の記者会見で、二〇一三年度の物価上昇率の見通しについて、〇・五%と答えているんですね。これは、この表で見ると、こうなると、政府は成長シナリオで一・一%、日銀は慎重シナリオで〇・五%、こういうふうに、政府、日銀が目標を全く共有していない。この見通しに開きがあるのは何でですか。日銀そのものが金融政策を誤ってしまうじゃないですか。

白川参考人 お答えいたします。

 まず、先生の御指摘のあった日本銀行の数字でございますけれども、これは展望レポートにおける政策委員会の見通しの数字でございます。これは中央値〇・五でございます。これは、現時点における我が国経済を取り巻く環境を前提として、先行きの経済、物価情勢を見通したものでございます。

 政府も、先ほど御答弁も、関連する資料にございましたけれども、ことし一月に公表しました経済財政の中長期試算の中で、二〇一三年度の消費者物価の上昇に関しまして、現在の経済、物価情勢を前提にしますと、〇・五%という試算結果を示しております。

 一・一%という先ほどの数字でございますけれども、これは、成長戦略シナリオのもとでさまざまな成長戦略が着実に実施された場合、その場合の経済の姿、物価の姿を書いたものだというふうに認識しております。

 いずれにせよ、日本銀行は、これから三カ月ごとに経済情勢を点検してまいります。日本銀行と政府との間で、認識の差はないというふうに認識しております。

菅原委員 古川大臣にお尋ねします。

 名目GDPが変われば、当然税収がふえて影響が出てくるわけですけれども、この中長期試算を見ていただくと、二〇一四年度の消費者物価上昇率を、慎重シナリオでも三・一%、成長の方で三・八%。これは、一四年、一五年ということは、消費税を上げたと仮定して、これが乗っかっているわけですよね。そうすると、この消費税の増税分は何%に計算していますか。

古川国務大臣 ちょっと、そこの部分の御通告を事前にいただいておりませんでしたので、具体的な数字は申し上げられませんが、これは、消費税を今、大綱で、そしてこの前閣議決定したもので示しておりますように、二〇一四年度に八%、そして二〇一五年度に一〇%に上げることを前提にして計算をしているというものでございます。

菅原委員 これは、どこかの私的な研究所の数字じゃないんですよ。内閣府で出している政府の数字なんですよ。これで三・一パー、三・八パー、消費税増税分が乗っかっている。そこの部分の試算がなくて、何でこういう数字を出すんですか。大臣、おかしいでしょう。

古川国務大臣 それは、ぜひ事前にちゃんと御通告いただければ御用意しましたけれども、そこはよろしくお願いいたします。

菅原委員 いや、事前じゃなくて、消費税が乗っかると言ったじゃない、自分で。

 どれぐらいの数字なのか。例えば、五%消費税を上げた場合に物価上昇率が一%という試算もあるわけですよ。そうすると、一パーで〇・二%の上昇率がある。そうすると、この政府試算で、三%上げた場合に成長シナリオで三・八だとすると、二〇一三年が一・一パー。聞いていますか。

 ということは、三%消費税分、仮に〇・二掛けますと〇・六パーふえる。これは、一・一と〇・六を足したって一・七にしかならないんですよ。なのに、三・一という数字、三・八という数字、これはおかしいでしょう。

 今申し上げたとおりの数字であるとするならば、全くもってこれはとんでもない資料ですよ。こんなものを主にして議論できませんよ、大臣。

古川国務大臣 ぜひ、次回またしっかり議論させていただきたいと思っていますが、私どもは、この消費税の引き上げの影響も含めて試算をさせていただいているというものでございます。

菅原委員 これは、言ってみれば、物価上昇率を水増しして、名目GDPをかさ上げして、かさ上げされたこの税収分をもとに見通しを立てているわけですよ。財政政策、そして経済政策、金融政策の前提となる大事な試算なわけですよ。それなのに数字もわからない。

 これは、もっと言うと、白川総裁の方は、当面、来年一%というふうに。再来年、これが三パーになりますか。

中井委員長 菅原さん、時間が来ていますから、まとめに入ってください。

菅原委員 三%と言っていて、あなたは来年一パー。一が三になりますか、あるいは三・八になりますか。あなたは当面一%を目標とする、政府の方は三・八と言っている。この二パーの差は何ですか。

 ということは、逆に言えば、三%、本来は税収が上がって、物価上昇率が上がって景気も回復するかもしれない、そのときにあなたが一パーと言っていることは、二%分、景気を悪化させるというメッセージを発しているにすぎないんですよ。総裁、答えてください。

中井委員長 時間が来ていますが、白川日銀総裁。

 これに対する再質問はありません。

白川参考人 日本銀行としましては、毎回の金融政策決定会合で先行きの経済、物価情勢はしっかり点検していきたい、そのときには、さまざまな、その後判明します情報も使って、しっかりとした判断を行っていきたいと思っております。

菅原委員 必ず自民党として日銀法の改正を目指してまいりますので、よろしくお願いいたします。

中井委員長 これにて菅原君の質疑は終了いたしました。

 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 きょうは、岡田行革担当大臣ということで質問させていただきたいと思います。

 まず、独立行政法人の見直し。これらに関しまして、この基本方針を一月の二十日に閣議決定いたしました。この独法の見直しの改革の目的、これはどういうことなのかをまずお伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 今回の独法改革は、現行の制度、組織を抜本的に見直しをし、法人のガバナンスの強化、政策実施機能の強化を主な目的として、新たな制度、組織を構築しようとするものであります。

 まず、制度面の見直しとしては、法人の事務事業の特性を踏まえた類型化を行い、機能の最適化を行うこととしております。あわせて、監事の権限の強化、財政規律の向上、取引や支出にかかわる情報公開の拡充などを通じて、事業仕分けなどを通じて明らかとなった無駄な支出の発生、非効率な組織体制の温存、実効性に乏しい評価といった問題を生じさせない仕組みを構築することとしております。

 組織面では、全ての法人についてあり方を見直し、廃止、民営化、統合等によって法人数を四割弱削減することとしたところであり、これらの取り組みによって、我が国の経済成長、国民生活の向上に努めることとしております。

 このような今回の改革は、制度、組織を一体として抜本的に見直すものであって、関連法を今後国会に提出し、平成二十六年四月から、新たな制度、組織に移行することを目指しております。

高木(陽)委員 目的を今いろいろと述べていただきました。その中で、今四割というお話も出ました。百二あるこの法人が、六十五になっていくということで四割の削減と。ただ、これもメディア等によっては、統廃合しながら衣がえをしたんじゃないか、そういった批判もある。

 ここで、まず、民主党のマニフェスト、二〇〇九年の衆議院選のときに独法改革についてこのように述べているんですね。独立行政法人等は、原則廃止を前提に全てゼロベースで見直し、民間として存続すべきものは民営化し、国としてどうしても必要なものは国が直接行いますと。直接行うと。だから、変えるということじゃないですね、統廃合するとかそういうことじゃなくて、ゼロベースで原則廃止、さらに、機能として存続しなきゃいけないものは民営化か国が直接と、こういうふうにマニフェストでは書いている。

 これまでもこの委員会等でマニフェストについてどうなんだということがありましたけれども、このマニフェストとの整合性はどのようになっているんですか。

岡田国務大臣 今委員御指摘の二〇〇九年のマニフェストにおいては、「独立行政法人の実施する事業について、不要な事業や民間で可能な事業は廃止し、国が責任を負うべき事業は国が直接実施することとして、法人のあり方は全廃を含めて抜本的な見直しを進める。」というふうに書かれております。

 そういった全体的な見直しを行うということでありますが、基本的に、もちろん民間でできることは民間でということではありますが、国が直接行うよりは独立行政法人あるいはそういった特別な行政組織によって行うべきものが残るということも事実でございます。

 例えば今、災害、東日本大震災の折に、独法に対して、よりしっかり役割を果たすようにという、そういったお話はあちこちからいただいているところでございまして、国が直接やるべきもの、そして民間がやるべきもの、その中間体として、国から独立した形で、しかし公的な機関がやるべきもの、そういうふうにきちんと仕分けをなさることが重要だというふうに思っております。

高木(陽)委員 そもそもこの独法改革、民主党の考え方も、また、これまで私たちが与党でやってきたときの自公政権の考え方も、やはり無駄を省かなきゃいけない、これはもう国民が、誰もが求めていることだと思うんですね。

 無駄を省く、これが大切な一方で、そこで恩恵をこうむっている、例えば天下りの恩恵を受けている人は、これはもう排除してもいいと思うんですが、そうじゃなくて、実質的にそこで生活をしている等々、利用者ですね。例えばURですとか、住んでいる人がいるわけですからね。そういった利便を損なわないこと、これは重要だと思うんですね。この考え方はどうですか。

岡田国務大臣 今委員御指摘の、例えばURで、特に所得の少ない弱い立場の方がそこで生活をしておられる、そういった場合に、その生活の安定が損なわれることのないようにしっかりとそのことを守る、そういう視点は重要だというふうに思います。

 ただ、そうではなくて、一般の居住者で民間と変わらない、そういった場合に果たしてそれを公的にやるべきかどうか、そういう議論というのは、私は議論が残されていると。だから、そこのところを、やはり国でなければ、あるいは公でなければできない機能と、そうでないものをきちんと分けて考えていかなければいけないというふうに思っております。

高木(陽)委員 今の岡田さんの言われた話、本当に弱い立場の人は守る、これは大切だ、そうじゃない一般の人たちが、果たして公の部分が手を携えていいのかどうか、これはそうだと思います。ただ、今、この発言でもあったように、そういう弱い立場の人たち、そういった利用者の利便、これを守っていかなきゃいけないという、この考え方はよろしいですよね。

 その上で、もう一回確認をしますけれども、大切なことは無駄を省くことですから、要は、政府の支出、税金の支出をどうやって減らしていくのか、これが一番大きなポイントだと思うんですね。そうなってきますと、今回は、いろいろと類型化をしたり、機能の面を重視しながらとか、いろいろと先ほど目的で言われましたけれども、これまでの独法への支出と、今回の改革でその経費がどれぐらい削減されるのか、または税金が投入されるのがどれだけ減るのか、国民負担が減るのか、これはどういうふうになっているんでしょうか。

岡田国務大臣 先ほど、同様の趣旨の御質問をいただいたわけですが、まず、独立行政法人に係る予算の削減などにつきましては、全法人の全事務事業を徹底的に見直した結果、現在までのところ、平成二十二年から約二兆円の不要資産が国庫納付されることになっております。これは実績でございます。

 それに加えて、国からの財政支出でありますが、例えば平成二十一年度は三兆四千億円でした。二十四年度には三兆一千億円ということで、約三千億円、つまり一割の削減がなされているところでございます。

 それから、先ほどちょっと申し上げたんですが、実は、その約三千億円の削減ということですが、今年度と比べると来年度はややふえるということになります。それは、例えば復興特別会計における防災対策、中小企業対策の予算の計上で千二百五十一億円とか、それから、これは災害ではございませんが、天然ガスの権益確保、あるいは石油備蓄基地復旧など、これで千六百億円とか、こういうものが一時的にのっておりますが、もしそういうものがないとすると、平成二十二年度と比べて六千億円削減したということになります。これは二割に当たるものでございます。

高木(陽)委員 一割減らした、二割減らしたと今出ました。

 これは政権交代の前、二年半前ですね、このときにそれぞれ、選挙前もありましたけれども、双方がいろいろとテレビの討論番組等でぶつかり合うというのがありました、私もその場面に何度も出ましたし。そのときによく言われたのは、天下り先、独法が一番大きい、それ以外にも公益法人にも天下り先がいっぱいある、三千もの天下り先がある、そこに税金が十二兆円投入されているんだ、これを省けばいいんだというふうに言って、私たちは当時与党で、いやいや、それは無駄は省かなきゃいけないんですけれども、やはり必要なものがありますねと。

 例えば、国立大学が国立大学法人になった。そうなると、それまでは国立でしたから国営でしたね、ところが法人になったことによって、そこに文科省の人が行っているとそこは天下り先だと。でも、このお金は必要ですね。また、いわゆる政府系金融機関の中で、中小企業等、政策融資等が必要ですね。そういう中で、特にリーマン以降もそうでしたけれども、いろいろと手を打ちました。こういうお金が必要ですねというふうに一つ一つ機能の部分で説明しても、まあ選挙前でしたから、その十二兆円は無駄なんだ、こういう言い方をされて、そういう一つのネガティブキャンペーンの中で私たちは下野をした、こういう歴史もあるんですね。

 そういうような中で、三兆四千億が三兆一千億、もちろん三千億減らしたことはいいことです。ただ、今回の場合は四割削減というのが見出しに載った、または会見でも述べられたりして、結局、数合わせなんじゃないか、こういう批判がかなりメディア側からも出ている。

 ここら辺のところを、やはりその実質的な部分、先ほど申し上げた幾ら減らしていくのか、これが無駄だったんだということを明確にしながらやっていかないと、結局、何か数だけでそうやって走っていってしまうのではないかなという危惧があるので、その点、もう一度お願いいたします。

岡田国務大臣 まず、委員が前半で御指摘の、独法がやっていること、これが全て無駄、あるいは民間がやるべきというのは、これは明らかに誇張であるというふうに思います。

 同様のことは、実は小泉改革のときにもあったんですね。小泉政権は、例えば政府系金融機関を民営化する、あるいは一つにする、いろいろやられました。まあ、一つにはかなりなったわけではありますが、やはり重要なことは、そういった政府系の金融機関でも中小企業に対して、あるいはいろいろなところで民間ではできない役割も果たしているわけであります。そこは冷静に見ていかないと、あるときは全部やめろ、金融危機などが起きるとどんどんやれ、こういう振れの大きさというのは余りいいことではないので、果たしている役割についての正当なる評価ということは当然行うべきだと私は思います。

 しかし、だからといって、無駄とか、本来民間でやればできることまでは容認されるものではない。重要なことは、そこをきちんと見分けていく、そういったことだというふうに思っております。

 そこで、数合わせではないかと。四割減ったということで、そのことによる効果というのは確かにございます。例えば、間接経費はやはり二割ぐらいは少なくとも減らせるだろう、これは経験的に言えることでございます。それから、例えばトップのポストは確実にその分減るわけでありまして、そういったことは、例えば理事長の数でいうと三十七減るはずでございます。そういう効果は見込める。

 それ以上のことになりますと、今回埋め込んだそういうガバナンスの強化、あるいは情報公開によって、不透明であった関係、取引先とかいろいろなところへのお金の流れが明らかになる、そういった効果がこれから出てまいりますので、もちろん、それ以上の無駄の排除、あるいは将来無駄が出てくることの予防、そういったところには非常に大きな効果が期待できるのではないかというふうに思っております。

高木(陽)委員 岡田さんはすごく冷静な方ですから、一概に全部がだめなんだ、そういうことじゃないんだと言われました。ところが、なかなかほかの民主党の方々は、特にテレビに出ると、決めつける方々が今までは多くて、例えば社会保障と税の一体改革等でも、岡田大臣はマクロ経済スライドはなかなかいいものだと、ようやくそこを修正していただいたり。ですから、やはり議論というのは、相手の言い分をしっかり聞いた上で、その上で冷静にお互いに話し合っていくことが必要だと思うんですね。

 そういうような中で、ちょっとやはりこれはどうなんだろうかなと思うことをこれから質問していきたいと思うんですが、まずは住宅支援機構でございますが、自公政権時代に、特殊法人というものを今の独法という形にしました。そのときの改革の流れの中で、資金調達方式、これを住宅支援機構、変えまして、政府の財政負担を減らしていこう、こういうふうにしたわけですね。平成十二年のときは四千四百七十五億円が投入されていたのが、平成二十一年、二千二百四十億円になり、平成二十四年が一千百四十六億円ですね、合計で。交付金はゼロになっていますね、平成二十四年は。

 さらに、岡田大臣が会見でこういうふうに言われているんです。「住宅のほうは、私は改革では成功事例だと、一般会計からの最大、確か四千億ぐらいですか年間、の投入が現時点では基本的にゼロになっているわけですから、そういう意味では改革は成功した事例だと思います」、こういうふうに言われている。だから、成功したこの改革を、さらに何をするんだろうなというのが素朴な疑問で、何をこれからさらに成果を求めるのか、こういうことなんですが。

岡田国務大臣 委員御指摘のように、住宅金融支援機構については、私は成功事例だというふうに思っております。四千四百億円の一般会計からの投入がゼロになったということであります。やり方を変えたということもありますが、それから、まず、何と高い財投金利を払っていたのかということではありますが、同じ機能を、そういった一般会計からの投入ゼロでやることになったということは、私は大変高く評価できることだと思っております。

 その上で、今後のことについて、一つ非常に重要なことは、この機構の調達金利が上がってしまっては元も子もないということであります。何といいますか、政府に準ずる、そういった組織としての、国並みのあるいはそれに準ずるような低利でお金を調達できるという、その機能は非常に重要であります。しかし、他方で、今の形でいくのか、もう少し、何といいますか、組織としてガバナンスがきく形、つまり、独法という形ではなくて、会社に近い形にしてガバナンスがきくようにすべきなのではないか、あるいは、将来の可能性として、民間資本を入れるというようなことも可能なのかどうか、そういったことについて議論してみる必要があると思っております。

 ただ、最初に申し上げた、安く調達できるということが大前提ですので、その上で民営化するとかそういうことはかなり難しいことだと思いますが、しかし、民間のガバナンスを入れるということは可能なのではないか、そういうふうに思っております。

 今までも何度か国土交通省でも議論されてきたことですが、私は、でき得れば、中途半端な形じゃなくて、最終的な、きちんとした形に着地できるようにしっかり議論してまいりたいというふうに思っています。

高木(陽)委員 そこで、行政刷新会議の独立行政法人分科会第三ワーキンググループというんですね、この方々が考え方の骨子というか方針、中間報告を出してまいりましてやっていくんですけれども、その委員六人、この委員の職業、肩書というのはどういう方々なんでしょうか。

岡田国務大臣 第三ワーキンググループ、これは既に検討を行った組織でございます。(高木(陽)委員「終わりましたね」と呼ぶ)はい。

 六人の方、では会社の名前を読み上げますと、株式会社ボストンコンサルティンググループ、ライフネット生命保険株式会社、弁護士、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、慶応義塾大学商学部、東京大学先端科学技術研究センター教授、以上でございます。

高木(陽)委員 今のメンバー、いわゆる金融関係がちょっと多いかなという気がするんですね。

 行政刷新会議、この独立行政法人分科会の第三ワーキンググループというのは、平成二十三年、昨年の十月十四日に中間報告を出しているんです。

 この中間報告では、住宅金融支援機構について、「機構の証券化支援業務により裨益している企業から出資を募る形で民間企業が本業務を担う可能性につき議論。」こういうふうに書かれている。

 一方で、全国銀行協会の、長期固定ローンの供給支援のあり方に関する検討会というところで、こういう意見表明がされておりまして、「長期固定ローンを自ら提供している銀行等もあり、フラット35と営業上の競合が生じている実態に配慮が必要である。」その前に中小金融機関の問題として、「金融機関にも様々な立場がある。長期固定ローンの提供について機構のサポートが必要である銀行については、引き続き機構が提供するフラット35への期待がある。」

 つまり、裨益している、利益を得ているその企業から出資する形でやったらどうかという、ある意味でいうと、銀行業界の、都銀の主張、これと結構似ているんじゃないかと思うんですけれども、それはどうでしょうか。

岡田国務大臣 まず、この第三ワーキンググループにおける議論ですけれども、広くマスコミの傍聴も可能な形で、透明性、中立性、公平性を確保しつつ行われたものでございます。

 それから、これは別に、この住宅機構のみを議論しているわけではなくて、さまざまな問題を議論されたということでございます。これは、ここではなくて、国交省の検討に際して全銀協からの意見を聴取したというふうに聞いております。

 そこで委員も御指摘のような議論も出たかと思いますが、むしろ、長期固定ローン商品の品ぞろえは必要だとか、それから、今後とも機構には民間の補完の役割を期待しているとか、そういう意見も出ておりまして、必ずしも、最終的な我々の結論と同じ方向での議論が全銀協から出ているわけではない、むしろ、役割分担をちゃんとしてもらいたい、こういう議論ではなかったかと思います。

高木(陽)委員 この住宅支援機構については最終結論が出ていない、これから出すということですから、今後の検討における検討会、これはメンバーも決められたように伺っていますけれども、やはり選任の公正性、これが重要だと思うんですね。

 もちろん、金融機関、銀行関係、都銀だとか中小の金融機関、それぞれの意見があってもいいと思うんです。でも、片方に偏るのではなくて、それぞれの意見がいろいろな角度からあった上で、最終的に、また話は戻りまして、利用している人たちにとっての利便性というものを考えてもらいたい。

 特に、このフラット35を初め住宅のローンについては、本当に、サラリーマンの人たちが戸建てまたはマンション等を買うときに長期のローンを組む、そのときにやはりこの支援機構の果たしてきた役割というのはかなり大きいと思うんですね。もちろん、銀行は銀行でやってきたんですけれども、では銀行で全てできるのかどうか、こういうこともしっかりと議論を深めていってもらいたい。これも要望で、よろしくお願いしたいと思います。

 もう一つは、先ほどちらっと出ましたUR、都市再生機構についてちょっと議論を深めていきたいと思うんです。

 まず、行政刷新会議の、蓮舫さんの時代でしたか、二番じゃだめなんですかと有名になった、あれ以降、平成二十二年四月、これは独法について事業仕分けをやられまして、そのURの改革について一つ結論を出したと思うんです。これについての内容、その後の対応はどうなっているのか、これを伺いたいと思います。

岡田国務大臣 平成二十二年四月に、事業仕分け第二弾として、URの賃貸住宅事業について、高齢者・低所得者向け住宅供給は自治体または国に移行し、市場家賃部分は民間に移行する方向で整理することが提言をされております。

高木(陽)委員 あのとき、実はその結論というか報告があった後、決算行政監視委員会で私は質問したんですね。当時、枝野さんが大臣でした。

 たった一、二時間の議論、その前に何時間か事前の調査もされたようには伺いましたけれども、やはりここで大きな問題だったのは、七十万戸、そして二百万人が住んでいる、そのうち高齢者がかなり割合を占め始めたこのURの賃貸住宅において、低所得者またはそういった弱者、では、その人たちは公営住宅にしていく、一方で、そうじゃない人たちは民間にしていくというんですが、大臣もURの住宅を見られたことがあると思うんですけれども、いわゆる団地なわけですね。

 では、そうすると、階段両脇に一戸ずつある、一階の一〇一号室は高齢者、一〇二号室は普通のサラリーマン、二〇一号室はまた低所得者の方、こうなった場合にどうやって分けるんだ、こういう話を一つ一つ確認をしたら枝野さんは、それは丁寧にやっていかなきゃいけない、そんな簡単なものじゃないということで、あのときテレビで中継されて、ばっと報道されたURの改革の流れが、ちょっと待て、やはり住んでいる人のところを中心にして考えましょうねというふうに、一旦ちょっととまってもらったんですね。

 さあその上で、今回、分割・再編という話が出てまいりまして、第三ワーキンググループの中間報告そして独法の分科会報告、それぞれ資料をもらいまして読みました。そして、報告翌日に閣議決定をするんですね。そのワーキンググループの中間報告や独法分科会の報告書では、分割・再編という言葉はないんです。ところが、閣議決定のときに急に分割・再編が出てきた。

 この経緯というのはどうなんでしょうか、また、その分割・再編の目的というのはどういうものなのか、これをちょっと教えてください。

岡田国務大臣 この事業仕分けのときも、例えば賃貸住宅事業についても、先ほど申し上げましたように、自治体または国に移行する、あるいは市場家賃部分については民間に移行するということで、一定の分割ということを念頭に置いた答申であるというふうに私は思います。

 委員おっしゃるように、一つの建物の中にそういったものがまざっていたりして簡単でない部分はあるということは承知をしております。しかし、民間の賃貸住宅と実態はほとんど変わらないというようなものもございます。そういうものはやはり、非常に大きなこのURという組織ですから、それを少しでもスリム化するために資産売却していくという方向性は、私は重要なことではないかというふうに思っております。

 それからもう一つ、このURを考えるときに、やはりこのURの借入金の大きさですね、十四兆円の負債という問題がある。こういう問題をどう考えていくか。単なる先送りではなくて、やはり将来的にきちんと青写真の描ける形というものを考えていかなければいけない。そういう問題意識を持っているところでございます。

高木(陽)委員 十四兆の負債の話が出ましたので、それはまたちょっともう一回聞きたいと思うんですが、もう一つ、民主党政権にかわってからも、このUR問題というのはなかなか苦労されているなと思うんですね。

 その中で、平成二十二年の十月、有識者検討会の提言を受けた当時の馬淵国交大臣、馬淵さんはいらっしゃいますかね、いないか。まずは新しい法人に移行と表明された。この判断の評価と、分割再編、民営化の検討、ここら辺の整合性、これは国交大臣の方ですかね、ここら辺はどういうふうにお考えなのか。

前田国務大臣 まずは、二十二年十月の報告書の件ですが、先ほど高木先生と岡田大臣とのやりとりの中で出てきたことを受けまして、国土交通省に外部有識者による検討会を設置して検討を進めて、二十二年十月に報告書を取りまとめた。その中は、国民負担の発生を、十四兆等を抱えているものですから、これを避ける観点から、業務の見直し、大体四つになっております。

 一つは、賃貸住宅については、需要に対応し、資産、負債の圧縮を図ることにして、都心の高額家賃物件については、機構の財務にマイナスとならないことを条件に民間へ譲渡を進める。二番目に、既存団地のストックを活用し、PPP手法などを活用して、民間の資金、ノウハウを活用したサービスつき住宅、要するに、ニュータウン、オールドタウンの問題をもう一度、高齢者なんかにも優しい地域包括ケアなんかも想定しながら、新しいサービスつきの住宅の供給等を促進する。三番目に、都市再生事業については必要最低限のものに限るということ。さらには、関係法人の利益剰余金の返納あるいは法人の整理合理化等を推進するということになっておりました。

 そこで、馬淵大臣が、まず新しいタイプの公的法人に移行し、その次にと、こういうふうに言っておられるわけでございますが、これは、機構が抱えている欠損金や、平成三十年度までに処理する予定のニュータウン事業の用地売却による損失などを考えると、直ちに特殊会社化するのはなかなか難しい、無理があるねということを考えられての御発言ということで、まずは新しいタイプの公的法人に移行し、その次に特殊会社へというふうに言われたのだろうと推測をしております。

高木(陽)委員 今、国交大臣の方からは経緯等も説明いただきましたけれども、いわゆる形から入っていくと、なかなかこういった問題というのは難しいんだろうと思うんです。特に、先ほど岡田大臣の方からも出た十四兆の負債ですね。十四兆の負債を抱えて、では分割をしたときに、どっちがそれを受け取るんだと。昔、国鉄が分割・民営化をしたときに、清算事業団をつくって、そういう形をとりました。しかし、ここには税金投入したわけですね。

 そういうことを考えると、この十四兆の負債をどのように分割していくのかというのは、すごく大きな問題だと思うんです。ですから、形から入っていくと、結局、この十四兆問題というのは結構迷路に入っていくんじゃないかなと思うんですが、その点どうでしょう。

岡田国務大臣 形から入るというよりは、しかし、この十四兆の問題が単なる先送りになってはいけない、そういう問題意識は持っているわけであります。もちろん、この十四兆が国民負担に安易につながるようなことがあってはなりません。

 したがって、自己努力で全体のやりくりができるような、そういう仕組みを考えていかなくてはならないんですが、しかし、ともすると、先送りということでいろいろな自己努力というものが鈍ってもいけないわけでありまして、そういったこと全体を含めて、どういった形がいいか、しっかり議論していかなければならないと思います。

 もちろん、先ほど来委員御主張の、本当に弱い立場にある住居者の皆さんがしっかりと安定した生活が送れるようにする、そういったことはまず配慮した上で、全体の絵を描いていかなければいけないというふうに考えております。

高木(陽)委員 どういう形になっていくかはこれからの議論なんですが、例えば、賃貸住宅を経営する法人というのができた場合に、この経営が苦しくなったといって安易な税金投入、これは許されないと思うんですね。そこら辺はどうでしょう。

岡田国務大臣 これは賃貸住宅だけではなくて、その他も含めて、安易に税投入をして解決するということは、基本的にはそれは考えられないということでございます。今ある中で、どうやってやりくりしながらその借入金を減らしていくかということが基本になるかと思います。

高木(陽)委員 なかなか悩ましいことなんですが、一方で経営を安定させる、例えば民営化された場合、これは利益を出さなきゃいけないわけですね。今のURの家賃というのは、民間と比べた場合には安いわけです。そうなってくると、なるべく近傍同種ということで平準化しているのは事実なんですけれども、そんな中で、実は一番私が問題視しているというか気になっているのが高齢化の問題なんです。

 特に、URの住宅というのは都市部にしかありません。ですから、この予算委員会の委員の皆さん方の地元には、URだとか昔の公団住宅といっても、ぴんとこない方々がたくさんいらっしゃると思うんです。例えば、首都圏で三十八万三千四百四十六戸、近畿圏で十八万七千三百八戸、中部圏五万一千四百五十戸ですが、岡田さんの三重県では千八百戸しかないですね。一方、東京は十五万三千あるんです。全体で七十万戸賃貸がある、それに二百万人が住んでいる。

 問題は、この二百万人の方々の人口構成が、世帯主がいわゆる六十五歳以上の高齢者の方々、今、割合が、高齢化がどんどん進んで二〇%を超え、二五%。五人に一人から四人に一人になっていく、いよいよ三人に一人になっていくかという時代の中にあって、このURの場合は、首都圏の場合は三六・三%が高齢なんです。近畿圏が三五・八、中部圏でも三一・一。高いんですね。ある意味では、年金生活、これ以上収入が今後ふえていく予定もない、こういう方々ですね。こういう方々がやはり不安になっているのは、いつも家賃問題なんです。

 そこで、例えば、公団の自治協、全国公団住宅自治会協議会という、住まわれている方々、これはいつも議員会館内を陳情等に回られていますけれども、先日、一月の二十四日に緊急集会を開いて、決議をしました。こんなことを決議したんですね。

  一、機構賃貸住宅の役割やあり方については、単に「行政改革」「独立行政法人廃止」などからだけで検討することはまちがっています。今後のわが国の住宅政策と、そのなかでの公共住宅政策の位置づけ等を明確にし、機構賃貸住宅の現在および将来にわたっての存在意義と役割をあきらかにすることが必要です。

  二、賃貸住宅事業の「全額政府出資の特殊会社化」は住宅の民営化に踏み出すことであり、公共住宅としての性格を大きく損ねてしまうことになります。特殊会社化・民営化には強く反対します。機構賃貸住宅は民営化でなくあくまで公共住宅として継続すべきです。

  三、検討を進めるにあたっては、居住者の居住の安定を確保する施策を、居住者の実態と居住の安定確保に関する国会決議等を踏まえて具体的に示すことが先決です。

とあるんですね。

 これまで何度か国会での決議もしてまいりました。さらには、平成十九年に、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、いわゆる住宅セーフティネット法というのを議員立法で全会一致でつくりました。

 この骨子を実は私つくりまして、その中に、与野党で議論をする中で、公的賃貸住宅という位置づけをしたんですね、これは何ぞやと。その中で、一つ目は、公営住宅法に規定されている賃貸住宅、いわゆる都営住宅ですとか県営住宅または市営住宅等々ですね。もう一つは、独立行政法人都市再生機構または地方住宅供給公社が整備する賃貸住宅。公的な住宅という、法律的にも位置づけたわけです。

 そこで、セーフティーネットとして考えていきましょうということがあるんですが、このセーフティーネットは、もし分割・民営化された場合どうなるのか。さっきから何度か確認はしているんですけれども、もう一度お願いいたします。

岡田国務大臣 住宅というのは生活の最も基盤となるべきもので、ここについて十分な配慮をしていかなければいけないということは、議員御指摘のとおりでございます。特に、所得の少ない方、高齢者あるいは母子家庭など、弱い立場にある方々に対する配慮は非常に大事なことだというふうに思います。

 他方で、そうではない、そういった特に弱い立場ということではない方々も入居しておられることも事実であります。あるいは、高齢者でも、資産あるいは収入のある方も中にはいらっしゃる、例外的かもしれませんが。そういったことを全体どう考えていくのかということだと思います。

 このURの賃貸住宅事業が全体として安定しているならいいと思いますが、もしそれが、何といいますか、最終的には、最悪、税投入でもしないとやっていけないような、そういう現実がもしあるとすると、それは全体の納税者の負担で支えるということになるわけですから、そこの実態もよく確認をし、そして、負担能力のある方にはやはり一定の御負担をお願いすることになるかと思いますが、それが本来保護されるべき弱い立場の方々に及ぶことのないように、しっかりと議論してまいりたいというふうに思います。

高木(陽)委員 これは、公営住宅に皆さん入れればいいんですよ、弱い方々は公営住宅に。ところが、公営住宅は足りないんです。

 例えば、東京都でいいますと、東京都の都営住宅の倍率は十倍なんですよ、十倍。十倍ということは、十人に九人は入れない。入れない人はどうしているかというと、民間の賃貸住宅で、収入は少ないですよ、だから、ほかの生活を切り詰めている。厳しい生活を強いられている。本当は公営住宅をふやしてあげたいけれども、今の財政事情では難しいわけですね。

 さあ、そうなりまして、このURに住んでいるいわゆる二百万人の方々、そのうちの四割近くが高齢者の人たち、低所得者の人たち。中には、厚生年金で余裕で生活されている方もいらっしゃるかもしれません。でも、大半の方々は大変なんです。そういう方々が、もし民営化され、家賃が上がり、そうなった場合に、では、その人たちはそこを出ていく、いかざるを得ない場合にはどこに行ったらいいか、こういう現実問題があるわけです。

 だから、ここは検討会、いわゆる第三者の方々で議論してもらうんですけれども、机の上の議論だけじゃなくて、やはりそういう方々の生の声も聞いてもらいたいと思うんですね。

 そうしないと、理論的には、十四兆の借金を抱えて、長年いて天下りしているそういう組織で、これはもう、いろいろとメスを入れなきゃいけない。入れなきゃいけないんですよ。入れた方がいい。私も入れた方がいいと思う。ただ、この住んでいる人の生活の部分をどうするかという視点を絶対に忘れないでもらいたいというふうに思うんです。やはり今住んでいる弱い方々、高齢者の人たち、こういう方々のその不安がどんどん今増しているという現実なんですね、今回の独法改革の問題。

 そういうような中で、これは質問通告していないんですけれども、そういう現場の、住まわれている方々の意見を聞く機会を、検討会なり、または大臣なり、持ってもらいたいと思いますが、それはどうですか。

岡田国務大臣 委員御指摘のように、そういった弱い立場にある方々の意見をきちんと聞くということは大事なことで、そういったことを、十分委員の御指摘も踏まえて、そういう機会はぜひつくりたいというふうに考えているところでございます。

高木(陽)委員 ありがとうございます。

 これは、本当は与党の方々が、政府と与党ですから、与党は全国に議員がいらっしゃるので、その方々が現場の声をしっかりとつかんで、それでどんどん伝えてもらいたいなと思うんですが、やっている方もいらっしゃると思う、でも、なかなかそれが大きなうねりになっていないんですよ。だから、野党の方からこういうような提案をさせていただきたいと思います。

 そういうような中で、もう一つ、高齢社会が進む中で、これは国交大臣ですか、大都市近郊は今高齢者がどんどん急増している。まさに先ほどの答弁の中にもありましたサービスつきの住宅等々、この間、野田総理も千葉の方で視察に行かれたと思うんですけれども、こういうような高齢者住宅の供給をされたり住宅用地に福祉拠点として再生する、この考え方についてどういうふうに考えておられますか。

前田国務大臣 御指摘のとおり、高齢化が進んでいるわけですが、やはりURの賃貸住宅のあるニュータウン、オールドタウン化しておりますが、このニュータウンというのは、やはり相当の基盤整備もやっておりますし、コミュニティーもあり、かつては子育てもやり、ワンセットあらゆるものがそろっていたんですね。したがって、ある意味、非常にストックの厚いところでございますから、オールドタウン化したかつてのニュータウンをもう一度再生させるという視点が必要だということで、国交省においても、そういうビジネスモデル、ビジネスモデルというよりも、要するに、賃貸のUR住宅も空室が随分と目立ってきているんですね。

 私も泉北ニュータウンに行ってまいりましたけれども、駅前の非常にいいところがUR住宅で、しかし相当の空室率になっております。こういうところを中心に再生を図れば、もちろん家賃はそのままにして、むしろ、福祉、医療、我々は医職住接近というふうに、医療の医と職業と住が接近した町に再生させようということで、そういうモデルを今研究しておりまして、必ずその方向に行き得る、そのぐらいの非常にポテンシャルを持っている地域だと思います。

 逆に言うと、かつてそういうUR住宅なんかを中心にして住宅都市として発展してきたその地元が、このままでは先が見えないわけです。逆に、そこを再生させることによって、世代間循環も起こり、そして高齢者もそこでずっと住まいしながらサービスも受けられるというような町になるように努めてまいりたい、こう思っております。

高木(陽)委員 今の前田大臣のお話を聞きますと、そういう今後の高齢社会においての住宅問題、その中での大都市近郊部、その中でURの位置づけも考えてもらいたいなと思うんですが、きょう、行革担当なんですけれども、社会保障と税の一体改革の担当でもある岡田大臣に、少子高齢化における住宅についての考え方、これをちょっとお伺いしたいと思うんです。

 どういうことかというと、今、社会保障の議論をするときに、よく言われる年金、介護、医療、大体これが大きな三つの柱になっている。これが不安ですね。だから、これはこれで、セーフティーネットとしてどこまで国がかかわってやるのか、これを決めなきゃいけない。ところが、住宅問題というのは結構大きな話なんです。

 例えば、年金で、厚生年金をもらう、例えば持ち家の方だったら余裕ですね。ところが、賃貸の方だったら、例えば十数万円もしくは二十万円前後年金をいただいても、家賃で結構、都心部ですと、もう十万前後、もっといっちゃう場合もある、恐らくとられちゃう。そうなると、生活費は半分以下になる。国民年金の方々はもっと大変ですね。

 こうなりますと、もちろん、持ち家を持つのか賃貸でいくのかはその人の生き方だよ、こういうふうに割り切っちゃえば、それはそれまでなんですけれども、これだけ高齢者がふえてきて、しかも住宅の問題、さっき言ったように、公営住宅は入れないんです。そうなると、民間の賃貸の中でどうしていくのか。

 だから、本来でいえば、社会保障といったときに、これは財務省は嫌がると思うんですよ、お金がいっぱいかかる話になってきそうだな、副大臣も主計局長も、何かそういうのにはさわりたくないなみたいなイメージなんですけれども、年金、介護、医療、そして住宅というのが、これは重要な位置づけ。

 今回の一体改革では、この問題というのは余り議論にならない。でも、これをちゃんとやっておかないと、今後のいわゆる十年、二十年、三十年後のときに、これは大変な問題になる。もちろん、人口が減ってきますから、ストックはあるんです。今でさえ住宅の方が住む人より多い。だから、ミスマッチになっている。

 こういうことも考えながら、住宅政策、これは国交省なんです、いつも住宅政策というのは。ところが、ようやく国交省と厚生労働省が、福祉と住宅を一つの考え方として法律もつくり始めた。でも、やはりここのところは、今回これを社会保障と税の一体改革の議論に入れちゃうとまた大変になるんですけれども、ただ、これも必要ではないかなと思うんですが、その点、どう考えますか。

岡田国務大臣 この点は、私はなかなか難しい議論じゃないかというふうに思っております。例えば、公営住宅になかなか入れる方が少ない、それはそのとおりであります。そうであれば、やはり本当に困っている方が優先的に入れるようにすべきという議論もできると思うんですね。

 それから、年金生活者で、持ち家を持っている方とそうでない方の差があるというお話がございましたが、しかしそれは、持ち家を持っておられる方は、若いころローンを組んで、生活を切り詰めて、そしてそのローンをようやく返し終えたところかもしれません。そういうことも考えますと、一概に年金と例えば住宅を持っているか持っていないかをリンクさせるというのは、なかなか私は難しい議論かなと。

 大事なことは、やはり本当に困っている方がきちんと安定した住生活が営めるようにするということで、一応、年金とは切り離して考えることではないかなというふうには思っております。

高木(陽)委員 一緒に話せということじゃなくて、それは大きな問題点ですという、こういう問題なんですね。

 今、岡田さんが指摘されたように、若いときに本当に頑張って、生活を切り詰めてローンを組んで、ようやく持ち家になった。一方で、若いときはそういうこともせずに、その日暮らしで生きてきて、それで年金生活になって、住む家もない。では、どっちがどうなんだといいますけれども、やはり大切なことは、高齢社会の中にあっての住宅の位置づけというのは大きいですよということで、これは国交省だけに任せるんじゃなくて、やはり政府の大きな課題として考えていただきたいなということで要望しておきます。

 もう一つ、これは先ほど申し上げた、意見を聞いてくださいねというふうに言って、それはしっかりやりますというふうに言っていただいたんですけれども、誰に聞くかということが大事ですね。できれば岡田大臣も視察も行ってもらいたいと思うんです、現場を見てもらいたい。どういう生活をしているか。

 私は多摩地域に住んでおりますので、オールドタウンとなった多摩ニュータウン、ここはもう大変です。ところが、まだ自公時代、渡辺喜美さん、みんなの党の党首が行革担当で、ちょうどこのUR問題がクローズアップされたときに、現場を見に行ってくださいと渡辺さんに申し上げたら、ああ、見に行こうと言って、行ったところが江東区の東雲の、最新のURを見たわけですね。それでマスコミがついていくわけですね。これはすごいな、こんなのは売っ払った方がいいよね、こういう話になって、それが大きく報道されて、イメージとしてそういうところもあるんです、そういうところもある。

 そういうところと、そうじゃない、もう築四十年、昭和四十年代からできている多摩ニュータウンですから、もうぼろぼろになっていて、子供がいなくて、店舗はもう全部空き店舗ばっかり、そして買い物難民になっている。こういうようなところを見ていただきたいんですね。そういう方々の声を聞いていただきたいということを申し上げておきます。

 時間も大分来ました。きょう、総務大臣も来ていただいて、地方の支分局の問題、これをちょっとお伺いしたいと思います。

 地方分権は必要だ、これはどの党もやった方がいいと言うんですね、総論賛成。ただ、ではどうやってやるか。大阪都構想だとか出てまいりまして、特に国の出先機関を地方に渡せ、地方の方からよこせと、いろいろな意見が出てまいります。この地方の支分局というんですかね、各省の地方局が今後どのように変更していくか、ちょっと教えていただきたいと思います。

川端国務大臣 お答えいたします。地域主権としてお答えさせていただきます。

 地方でできることはできるだけ地方でする、補完性の原則ということで、国の地方の出先機関も、可能な部分は地方でやっていただいた方がいいのではないかという議論は、おっしゃるとおり、ずっと各党共通の部分の議論であり、政権交代前の政権も含めていろいろ議論がされてきたことは御案内のとおりであります。

 それをより具体化していこうということで、平成二十二年の十二月二十八日に、閣議決定でアクション・プランというのを決めさせていただきました。これはまさに、地方のことは地方でということを、原則的に考えれば、出先機関を移してほしいと言うか言わないかも地方の意思が大きく影響する、これが原則でありますので、「全国一律・一斉の実施にこだわらず、広域で意思統一が図られた地域からの発意に基づき移譲する」ということを大原則として確認をいたしました。

 それに基づいて、関西と九州の両地域と協議、調整を進めてきたんですけれども、昨年三月十一日の発災で、政府全体で震災対応をするということ等を踏まえまして、関西、九州両地域が、それぞれ別々だったんですけれども、一緒に御議論をいただいて調整をいただきまして、五月末に、当面の移譲を希望する機関として、経済産業局、地方整備局、地方環境事務所の三機関を国に対して提示されました。

 それを受けまして、アクション・プラン推進委員会の場を中心に検討を進めまして、いろいろな議論がございましたが、昨年末に、広域的実施体制の枠組み、方向性において、経済産業局、地方整備局、地方環境事務所を当面の移譲対象候補として具体的な検討を進めることとされまして、現在、具体的な検討、すなわち受け皿の、いわゆる組織的な仕組みや権限のあり方あるいは個別事務、権限の整理を今中心に議論しているところでございます。

高木(陽)委員 今、九州、関西、それで経産局、整備局、環境事務所等々ということが出てきました。これからの議論なんでしょうけれども、第四次補正予算の締めくくり総括質疑で、ここで質問をさせていただきました。ちょっと東北の地方整備局の例を挙げさせていただきましたね。

 三月の十一日、あのときに震災が起きて、もう大変な混乱、各県が、県も混乱している、市町村はもちろん被災をしている。そういった中で、まずは道路を開いていこう、啓開という活動をやろうということで、十二日には、横、いわゆる東西に流れているくしの歯をあけるために、十五本のうち十一本があいたというようなことをやっていただきました。

 実際問題、自衛隊がその啓開活動によって現地まで素早く行けたわけですね。全員がヘリで行くわけでもない、船で行くわけでもない、ほとんど陸路で行くわけですね。そのときに、啓開活動を整備局がやったことによってかなり自衛隊の活動が展開できたということで、自衛隊の責任者の方々は、あの啓開活動、道路を開いてくれた活動があったから助かったというか、そういうようなことも言われているというような事例がまず一つある。

 問題は、広域の行政。例えば九州で、整備局を各知事の連合体でお任せをする。平時のときは話し合いをして、では道路はこっちを優先してやろうね、河川はこっちを優先してやろうね、または港湾はこっちだね、これは話し合いで、平時であればいい。

 ところが、いざというときに、まず県庁は被災をするわけですよ。被災をする中で、県知事がいろいろ指揮をとる。そのときに、自分の県のことは最大限やりますよ、責任のもとで。ところが、隣の県のことまで考えられるか、そんな余裕はないと思いますね。ところがそれを、全体を俯瞰して、さあ、そこで、ここの道路を優先的にあけた方がいいだとか、そういう判断をその知事会でできるのかどうかというのが一番の不安なんです。誰が権限を持つかじゃなくて、こういう災害のときは、最もその救済を素早くできるかどうか、命を救えるかどうか、これが一番重要ですからね。

 そういった点の問題点について、大臣、どういうふうにお考えか。

川端国務大臣 出先の改革、原則廃止に向けての議論は時間的な経過の途中で、発災をいたしました。私も、この前の議論はしっかり聞かせていただいておりました。

 そういう中で、一つは、今回の関西あるいは九州、ブロック単位でというときには、例えば近畿地方整備局は丸ごと移管をする。組織、機能、人員は丸ごと移管をするという部分でありますから、何かばらばらに、機能がなくなるわけではありません。これが一つです。

 それからもう一つは、それを誰が指揮命令するのかということでありまして、このブロック単位の、一体のものがそのまま移るという意味では、広域的な行政の組織、先ほど組織の問題を引きましたけれども、この組織の指揮命令下にあるということでいえば、ここには、その移管した部分の組織の長として専任の執行役というのを置くということを今想定しておりますので、要するに、いわば今の整備局長に当たる責任者はいます。その上に指揮監督者がいるということでは、その広域の範囲内においては、私は、今の機能は確保されていると思っています。

 ただ、今回のような、全国に緊急災害対策本部をつくらなければならないというふうな大災害のときには、全部で一緒に動かなければいけないというときに、例えば、国交大臣のもとにそれぞれの出先の整備局が動くけれども、ここはちょっとワンランク違うということをどうしたらいいのか、そういうふうなものと、圏内、域内における災害と、いろいろな災害のケースがあるんだろうということを念頭にしながら、どういう組織体制、そして命令系統があるべきかというのは、真剣に議論を今しているところであります。またいろいろお聞かせいただきたい。

高木(陽)委員 時間が参りましたけれども、これは今後の検討なので一言申し上げたいのは、道州制になったらいいと思うんです。州で、例えば九州の責任者がいる、関西の責任者がいる、そして、その指揮のもとで整備局長がいればいいんです。この間のときは、大畠国交大臣が、おまえに任せると整備局長に球を投げてくれたから。ところが、それぞれの知事の合議体の中でのスタートを切ってしまうと、それは指揮が、では、九州でいえば福岡の知事の命令に従うのか、熊本の知事の命令に従うのか。いわゆる整備局長という機能はあったとしても、これは働かないということ、この点をしっかりと認識した上でこれから検討していただきたいということを要望して、質問を終わります。

 以上です。

中井委員長 これにて高木君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 TPP問題について質問いたします。

 米国との間で行われました二月七日の協議の結果についてでありますが、政府の発表文書というのがございますが、これによりますと、まず冒頭に、日本国内における検討状況について日本側から説明したのに対して、米側から二つの質問が出されております。

 その一つは、日本がTPP交渉に参加すれば、全ての品目を自由化交渉の対象とする用意があるのか、こういうことについて質問してきているわけであります。

 私は、これを見て、どうしてこういう質問をしたのかなと。米側は、菅内閣における二〇一〇年十一月の閣議決定、包括的経済連携に関する基本方針及び昨年十一月のAPECでの野田総理の表明をよく知っているはずだと思います。にもかかわらず、その上で、今回なぜ、そういう用意があるのかと質問してきたんでしょうか。

古川国務大臣 これは米国に聞いていただかないとわからないことでございますが、我が国としては、従来、今委員からも御指摘があった包括的経済連携に関する基本方針に基づいて、仮にTPP交渉に参加する場合には、センシティブ品目について配慮を行いつつ、全ての品目を自由化交渉の対象とし、交渉を通じて高いレベルの経済連携を目指す、ただし、全ての品目を自由化交渉の対象とした場合にどのような自由化が求められるのか、しっかりと理解する必要があるので、情報提供願いたい、そのように答えたということでございます。

笠井委員 米国に聞かなきゃ、なぜそういう質問をしたかわからないと言うんですが、大体やりとりですから、アメリカとやっているわけですから、もうアメリカはよく御案内でしょう、何でそんなことをあえて聞いてくるんですかと、普通はやはりこう聞き返すと思うんですよ。ところが、そういうふうなことが経過として書かれていないんですね。

 振り返ってみますと、昨年十一月の日米首脳会談での発言をめぐって、やりとりに食い違いがありました。両国政府の発表が食い違ったという一幕があった。ホワイトハウスは、野田首相が、全ての物品及びサービスを貿易自由化交渉のテーブルにのせると語ったと発表した。それに対して、日本政府は、そのような発言を今回の会談で行った事実はない、こういうふうに言われて、米側からは、いろいろやりとりがあって、発言が行われなかったという回答があったということでありました。

 要するに、そういういきさつもあって、あえて今回、この事前の協議の中で、アメリカからはっきりとそういう用意があるのかと念押しをされたということじゃないんですか。

古川国務大臣 委員、そういうふうに余り決めつけない方が……。

 これはまさに、この場合は、交渉の初めての協議の場であります。そういった意味では、最初の協議の場でそうしたお互いの基本的な考え方について確認をしていくということについては、これは私は通常あることだというふうに思います。

笠井委員 では、そういう用意があるとする一方で、先ほど大臣も言われました、どのような自由化が求められるのか、しっかりと理解する必要があるので、情報提供願いたいと米側に要請したということでありますが、その要請に対して、米側からは、しっかりと情報提供しますという回答が明確にその場であったんでしょうか。

古川国務大臣 こちらから要請をして、また今度、協議もされることになっております。そういう中で、また米側から何らかの回答があるものというふうに承知をいたしております。

笠井委員 七日の協議であったのかどうか、そのことについて答えてください。

古川国務大臣 私はその場にいたわけではございませんので、逐一、一言一言、どういう回答をしたかというところまで承知はいたしておりませんけれども、こっちから要請をして、当然、それはまた協議の中で米側の方から何らかの回答があるものというふうに承知をいたしております。

笠井委員 これは政府としてちゃんと出した文書でしょう、結果について。大臣だって、この問題について、私だって読んでいろいろな疑問点が出てきますよ。国会でも問題になるわけですから、ちゃんと読んで、このことについてはどうだったのかと確認するのが当たり前だと思うんですよ。

 それで、今もありました、これから、次のときに回答があるかもしれないというような話だったんだけれども、結局、この協議の中では、この文書に書いてあるのを読む限り、必要な情報提供については、回答があったらあったと書けばいいんだけれども、それもないままに、全ての品目を自由化交渉の対象とすることだけははっきりと答えて約束をしたということにしかならないと思います。

 もう一つ、米側からの質問はこういうものがあります。サービス貿易や労働、環境といったTPPの対象となる二十一分野に対応する用意があるのか、米側は、この協議の場でこういう質問を日本側に投げかけてきているわけであります。

 これも、何でそういう用意があるかと改めて聞くのかなと私は思いました。野田総理は、対象となる二十一分野があることを十二分に承知した上で、交渉参加に向けて関係国と協議に入ると表明したはずであります。だったら、こんなことは聞くまでもないという話なので、質問されたって、それは聞くまでもありませんよ、問い合わせされるまでもありませんよ、問われるまでもありませんよというふうにやるはずなのに、なぜこういう質問をされたのかという問題。これは大臣はおかしいと思いませんか。

古川国務大臣 私は全くおかしいと思いません。

 先ほども申し上げましたけれども、これは、正式的な政府と政府との協議を開始する、その段階で、お互いの今の現状の考え方、立場について説明をする、意見交換をする、これは全くおかしいことじゃないと思います。

笠井委員 あえて、こういうことを用意があるかと問われて確認をするということ自体に、私は、一歩一歩重大な問題点が出てくるというふうに思います。

 サービス貿易や労働、環境といったTPPの対象となる二十一分野に対応する用意があるのか、こういう質問があって、日本側からは以下のとおり説明したとあります。

 TPP交渉で対象となっている関税以外の全ての分野においても、高いレベルの経済連携を目指し、規制、非関税措置を含む抜本的国内改革を推進する方針であるが、TPPでの対応については、どこまでの自由化が、どのような措置で求められるか、貴国、つまり米国を含む参加各国からしっかり情報収集する必要があると回答しながら述べたというわけでありますが、これに対して、米側からは何らかの回答なり言明があったんでしょうか。

古川国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、前回は最初の協議で、お互いのいわば立ち位置といいますか検討状況、そうしたものを意見交換したということでございますので、また今後の協議の中で、そうしたものは相手側の方からもさまざまな形で回答が来るものというふうに承知をいたしております。

笠井委員 悠長なことを言っている印象になるんですね。時間がない、もう交渉を一方でやられているという中で、そして九十日という期限がアメリカとの関係でもあるわけでしょう。そういう中で、一日一日大事だということで日本政府はやっているんじゃないんですか。

 今度、二十一、二十二と、またありますよね、実務者のものが。一回一回の協議というのが政府にとっても大事だと思うんですけれども、こちらからは用意があると日本側の政府として言いながら、同時に、アメリカを含む各国からその点でのしっかりした情報収集をする必要があるということを言っておきながら、その場で、アメリカさん、情報収集するという点でちゃんとやってくれますよね、なぜそういうことを確認して言明をとらないんですか。

 これでは、結局、米側からは用意があるかと二つのことについて聞かれながら、何も具体的に、そのときにあえて言った情報提供だとかあるいは情報の収集という問題についても、やりますよとか、前向きにとか、ちゃんと必要なことは日本にやっていきたいとかいうことも確約をとらずに、ただ、今回の協議では、日本側が全ての品目を自由化交渉の対象にして規制、非関税措置を含む国内改革を進めるという言質だけ一方的にとられた、これにすぎないじゃないかというふうになると思うんです。重大だと思います。

 二月七日の日米協議では、次に、日本の交渉参加に関する米国国内における検討状況について米側から説明があったというふうに書かれております。

 そこで、先般米国政府が実施をしましたこの問題に関する意見募集、パブリックコメントについてでありますけれども、これは相当膨大なものになっているということで、外務省がまとめられたんだと思いますが、ここに、TPP協定に関する日本との協議に関する米国政府意見募集の結果概要、主要団体の意見詳細ということで、平成二十四年二月ということでのペーパーにまとめられております。

 この概要を見ますと、パブリックコメント、百十五件、意見が出されている。そのうち九割方は、日本のTPP参加を肯定的に歓迎しつつ、食料から知的財産、医薬品、医療機器、金融、投資、サービスに至るまで、あらゆる分野にわたって自由化、市場開放を要求するというものになっております。

 例えば、この中で、全米商工会議所でありますが、規制の一貫性ということについてコメントをしていて、こうあります。日本は、法令制定過程における透明性の水準を高め、公式、非公式の諮問過程において外国の利害関係者に有意義なアクセスを与え、また、公示及び意見募集の手続を改善するべきだ、こう要求していると記述されています。

 また、全米サービス産業連盟はこう言っています。規制の透明性に関し、USTRは日本政府に対し、パブリックコメント手続の改善、実質的な影響を与える規制等が取り扱われる審議会への参加等を通じた利害関係者の法律形成初期段階における参画機会の拡大などを要請せよ、こう言っているわけであります。

 平たく言えば、規制や規格、法律の制定を日本がやる場合に、それを議論する日本政府、省庁の審議会などにアメリカの利害関係者を議論の初期段階から正式メンバーとして自国民並みに関与させよ。要するに、アメリカ企業、利害関係者のところが日本の規制問題を議論する審議会に正式メンバーとして入って議論できるように、法律をつくる初期段階から、そして自国民並みに扱えというあけすけな要求にほかなりません。

 今回の協議で、米国国内における検討状況の説明が先方からあったのに対して、日本側は、当然、こんな前代未聞、法外な要求は受け入れられないとはっきり言ったんでしょうね。

古川国務大臣 まず、先ほど委員が、何か言質をとられたというふうにおっしゃいましたけれども、そもそも委員は、そんなことはもう前から言っていて確認するまでもないことを、何でわざわざここで言うんだというお話をされました。

 まさにここは、私どもは、従来から包括的経済連携に関する、私どもが決めてきたこと、その立場をきちんといつも説明しているわけでございます。そういった意味では、別に言質をとられたとかそういうことではなくて、従来からの日本の政府の立場をきちんと御説明してきているということだということをまず御理解いただきたいと思います。

 その上で、今お話ありました、米国側でパブリックコメント等でいろいろ示された、そうしたことについては、アメリカの側から、政府によって精査を行い、米国政府としての懸念を特定した上で、今後、日米で協力して効果的な対応を協議していきたい、そういう発言がございました。

 ですから、別にパブリックコメントがそのまま米国政府の要請というわけではなくて、こういうものがあったけれども、そういうものを精査した上で、米国政府としての懸念をこれから特定した上で、こちらの方にまた反応があるということでございますから、そういった意味では、米国政府としての見解というものを踏まえた上で、私どもとして、提起された事項があれば、これまでも二国間で議論したものも多く含まれているので、今後とも議論していきたい、その意味でこちらの方から発言をしたということでございます。

笠井委員 言質をとられたというのが実際なんですよ。形で見る限り、協議の中で、そのことだけは答えているわけですから。しかも、去年は言った言わないが問題になっていたのに、あえてそこでちゃんと確認して、そのかわり情報提供してちょうだいねということについては何の担保もないということなんですよ。

 今の問題でいいますと、審議会に利害関係者を、最初からアメリカの関係者を入れろという問題については、今回が初めてじゃありません。アメリカの業界あるいは財界の方から、累次にわたって言ってきている問題ですよね。例えば二〇〇九年に、在日米国商工会議所もこのことを正面から掲げて言っている、繰り返し言ってきていることです。昨年十一月の外務省資料でも、慎重な検討を要する可能性がある点ということで、この問題に触れているはずであります。

 今、古川大臣は、米側がこれから精査して、正当だとなったら言ってくるから、そのとき言うんだというふうに言われましたが、正式に要求してきたらそれこそ大変になるわけでしょう。その事前にやっている段階で協議しているわけですから、まさかこんなことは米国政府として正面から必要だなんて言ってきませんよね、こうやらなかったら、正式に言ったらもっと大変になりますよ。今のうちにくぎを刺すのが当たり前じゃないですか。なぜそれをやらないんですか。

古川国務大臣 委員、逆に考えていただいたら、我が国でもさまざまな団体がいろいろなことをおっしゃっています。それに対して、では米国政府から、あそこの言っていることはけしからぬとか、こうだということで、政府に対して言われるかといえば、それは政府と政府との間で協議をしているわけでございますから、政府として言ってくるものについてはこちらも政府としてきちんと対応させていただきますけれども、それ以外の、パブリックコメントでさまざまな団体が言っていることについて随時政府が反応するということは、通常の外交交渉で、これはあり得ないことだというふうに思っております。

笠井委員 パブリックコメントについて、ただアメリカの中で集約しているだけだったらいいんですよ。今回の協議の中でわざわざ米側から説明があったんでしょう。パブリックコメントに出されている意見について、例示もしながら、向こう側からはこういう要求が出ていますよということをわざわざ言っているわけですよ。

 その上で、それぞれの正当性については、検討した上で精査して、必要なものは正式に言いますよと言っているけれども、この問題、向こうからわざわざパブリックコメントを話題にしているんですよ、テーマにのせているわけですよ。そのときに、この問題は絶対に正式にやってくれたら困りますよと言うぐらい、当たり前じゃないですか。

 私、ちょっと伺いたいんですけれども、古川大臣、向こうが、米国の産業界が要求している、規制に関連する審議会に法案作成の当初の段階から正式メンバーで入れろという要求は正当と思いますか。これについての大臣の見解を伺いたい。

古川国務大臣 これはアメリカの方がどういうふうに考えるかということでございますので、日本の政府の立場でどうのこうのということを申し上げることは差し控えさせていただきます。

笠井委員 日本の政府の立場じゃなくて、日本の規制に関する法律をつくる日本の問題です。

 そして、日本の審議会に外国の利害関係者を入れろと要求しているけれども、これはまずい問題だ、これまでもそんなことはやっていない、これをやることは、これまでからしても大変なことになる、そういう認識はないんですか。アメリカの問題じゃないでしょう、日本の法律をつくる上で、審議会にアメリカの利害関係者を入れろと言っているんだから。それは正当か正当でないかぐらいは言えるでしょう。

古川国務大臣 従来から日本政府においては、当然、そうしたさまざまな規制やそういうものを検討するときには利害関係者の意見は聞きますけれども、しかし、そこでちゃんと決めていくについては、やはり公正中立な、そうした形で決めていかなければいけないというふうに考えております。

笠井委員 私の質問に答えていただいていません。

 外国の、つまりアメリカの利害関係者を最初からこの審議会に入れろ、そして自国民並みに扱えということについては、これは日本としては認められないと。

 では、ちょっと言い方を変えますが、例えば、そのことが、アメリカ政府として正当性を精査して必要だと正式に要求してきたら、それは困りますと言いますか。

古川国務大臣 仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきますが、繰り返しになりますけれども、我が国においてそうしたものを決めるときは、それは我が国においてちゃんと、誰が見ても公正中立と考えられるような形でやはり決めていかなければいけないというふうに考えております。

笠井委員 私は、こういう政府の姿勢で交渉あるいは事前の協議をやっていたら、大変なことになると思います。

 周知のように、アメリカは、相手国の市場アクセスの障害とか政策形成過程を問題にするときに、しばしば透明性、英語で言えばトランスペアレンシーですけれども、そういう用語を使いながら、改善という名目で要求してきております。透明性確保というのは、アメリカが重要視するFTA戦略の一つであります。

 TPPの条約文で相手国の審議会にアメリカの利害関係者が正式に入ることを規定してしまえば、アメリカの多国籍企業に圧倒的に有利な政策をいわばコストと手間をかけずに実現できるということになる。国の政策形成の内部に入って、米国に有利、好き勝手の政策をとられたらたまらないと思うんですよ。それこそ、国益かどうかという根本問題だと思います。

 もう一つ伺います。

 食の安全に関するパブリックコメントの内容も重大であります。例えば、米国米連合会は、残留農薬の検査はリスクに比べて高くつくので、不必要な検査を減らすべきだとしております。ウォルマートは、米国産リンゴの厳格な検疫手続が店頭における保存期間を縮め、輸出を著しく阻害していると主張しております。これらについても、今回の協議でこちらからはコメントしなかったということですかね。

 米国政府から残留農薬検査や検疫手続を今より緩めよという要求が正式に出てきた場合、日本はどう対応するつもりですか。

小宮山国務大臣 今委員が御指摘の食品の安全に関しましては、個別の食品安全基準の緩和ということは議論されていない模様です。

 ただ、食品の安全というのは国民の食の安全のために非常に重要なことですので、もしも万が一それが議論された場合には、国民の生命、健康が損なわれないようにしっかりと対応したいというふうに思っています。

笠井委員 アメリカンポテト貿易連合というのがありますが、アメリカで使用している添加物、エチレンオキシド、エトキシン、ペルオキシ酢酸を日本でも使用できるようにせよということで要求してきております。こういうことについても、このパブリックコメントにあるんですが、向こうが発表している後ですから、はっきりノーと言ったのか。日本で使用禁止の添加物を使用できるようにする要求は今後一層問題になると思いますけれども、日本の政策転換はあり得ない、こういう点でははっきり言ったんでしょうか。

玄葉国務大臣 笠井委員御存じでお聞きになっておられると思いますけれども、まず、パブコメは、先ほどこれは古川大臣も言われましたけれども、これから米国政府として評価、分析を行う、その上で政府として何を言ってくるかということでございます。それが一つです。

 今問いのあったいわゆる残留農薬等々の話というのは、小宮山大臣も言われましたけれども、基本的に、以前も答弁したと思いますけれども、SPS協定などで認められている権利の行使を妨げるというようなことを日本政府は考える必要はないのではないかと私自身は考えているんです。

 御存じのように、例えばオーストラリアとかニュージーランドなどではかなり厳しい基準を持っているわけですよね。今回、議論になる、ならない、可能性としてはあるかもしれませんけれども、ただ、豪州とかニュージーランドがその後そういった基準を変更したというふうには私は承知しておりません。

笠井委員 事前協議の段階だからということで、今もいろいろ言われましたけれども、ここが肝心なんですよね。そこで緩めるということを認めたら、共通交渉に持ち込まれるということになってくる。そして、日本は緩めることを認めたよということで、オーストラリアやニュージーランドにまたアメリカは言うという形になるわけですから、そういう問題としてあると思います。

 まだまだ挙げれば切りがないんですが、政府の発表文書によりますと、先ほど言いましたが、今回の協議で米側の方は、パブリックコメント等で出されている意見の中から、あえて農業、自動車、保険・急送便、分野横断的事項の四分野について紹介があり、パブリックコメント等にて示されたさまざまな事項に関し、米国政府による精査を行い、米国政府としての懸念を特定した上で、今後日米間で協議していきたいと言われて、日本も同意しているわけです。

 他方で、日本側は、出されたパブリックコメントに関する意見や質問も言っていなければ、日本国内のさまざまな懸念事項を紹介したという記述もどこにもありません。要するに、言われっ放しじゃないんですか。

古川国務大臣 こちらの方からも、日本側の方からアメリカに対して、国内で出されておりますさまざまな懸念等も踏まえた質問リストというものを出しております。そういった意味では、日本側からアメリカに対して、我々の方の持っているそうした懸念についても、きちんとお伝えはいたしております。

笠井委員 質問リストはいつ出しましたか。

古川国務大臣 質問リストにつきましては、在米国大使館経由で二月十六日にUSTRに提供いたしております。

笠井委員 それは公表されていますか。

古川国務大臣 公表はいたしておりません。

笠井委員 なぜですか。

古川国務大臣 このリストにつきましては、相手国との信頼関係に配慮する必要もありましたので、そのままの形で公開することは困難であるというふうに考えております。

笠井委員 これは、今大臣から言われましたが、要するに、日本国内のさまざまな懸念事項というか、頻繁に提起される事項に関して質問リストにしたわけでしょう。なぜ出せないんですか。だって、総理は十分な国民的議論のためにと言っているわけじゃないですか。アメリカとの信頼関係と国民との信頼関係と、どっちが大事なんですか。

玄葉国務大臣 これはやはり国民的な議論に資する必要がございますので、この質問リストについて適宜整理をして、これは今、政府の中で幹事会がございますので、幹事会でも整理をしていただいて、これは国家戦略担当大臣がトップであるわけでありますけれども、やはり国民の皆様の議論に資するように提供していくということで考えていきたいというふうに考えております。

笠井委員 アメリカにはもう渡していて、そして、またさらに協議があした、あさって、あるわけですよね。一回一回、大事なんでしょう。先ほど私が提起したような質問や疑問点もあるわけですよ。なぜそんなことを即時に国民に対して出せないんですか。だって、交渉の話じゃなくて、日本の側から出ている問題、頻繁に提起される事項に対してまとめたものなんでしょう。どれぐらいの分量なんですか。どういう項目が書いてあるんですか。出してくださいよ。

古川国務大臣 このリストの中には、例えば、我が国国内で関心、懸念が示されております輸入食品の安全基準の緩和であるとか、外国人専門家の資格、免許の承認の受け入れ等、そうした状況についての交渉の現状に関する項目などを盛り込んでおります。

 いずれにいたしましても、今外務大臣からも御答弁させていただきましたけれども、どういう形でお示しをできるかということがございますが、国民の皆様方にできる限り情報は提供してまいりたいというふうに考えております。

笠井委員 今大臣が言われた項目は、秘密でも何でもないでしょう。だって、日本の国会や、あるいは与党の中や、国民の中や、これに対する異論、反対もいっぱいある中で、実際に頻繁に提起される事項について書いたリストを、何で出せないんですか。

 だって、アメリカはパブリックコメントを全部公表しているんですよ。日本の側は、質問事項がいっぱいあるということでまとめたんだったら、それを公表して、どうするのかということについては、ちゃんとそれは交渉をやったらいいでしょう、話し合いをしたらいいですけれども、日本側から何を出したかも国民に言えないんですか。しかるべきときに出すなんというんじゃだめでしょう。

古川国務大臣 整理をした上で、随時情報は提供してまいりたいというふうに考えております。

笠井委員 済みません、整理をした上でというのは私は理解できないんですが、整理したものが質問リストじゃないんですか。

玄葉国務大臣 これは結局、例えば米国と日本がどういう文書を、やりとりを行ったかということを全て出すというわけにはいかないのはもう御存じのとおりだと思いますので、先ほど私が申し上げたように、きちっと整理して質問リストについて提供をさせていただきたいというふうに思っています。

笠井委員 質問のリストの中で、国民に明らかにするとまずい問題があるんですか。では、整理するというのは何ですか。

古川国務大臣 これはまさに外交文書のところでございますので、どういう形かということはありますけれども、きちんと情報提供はしてまいりたいというふうに考えています。

笠井委員 きちんと情報提供していきたいと言って、やっていないじゃないですか。

 では、いつまでにやりますか。

古川国務大臣 ちゃんと、できる限り早急にやりたいというふうに考えております。

笠井委員 またあした、あさって、実務者協議があるんですよ。それが終わってからだったら、また次の段階になりますよ。これに向けて、今、あした、あさって、それがまたテーマになってやるわけでしょう。

 これは、だから七日のときには出さなかったわけですよね、パブコメを向こうは出していたのに、準備していなかったわけだ。十六日にようやく出したわけですよね。大使館を通じて出したわけだけれども。あした、あさって、また話し合いがあるわけでしょう、協議があるわけでしょう。国会と国民は、ただ知らないまま指をくわえて待っていろということになるんですか。

 いつまでに整理して、速やかにやると、いつまでと言ってくださいよ。あした、あさって、交渉なんだから、協議なんだから。

古川国務大臣 さっきから申し上げておりますように、できるだけ早く整理をして出させていただきたいと思っております。

笠井委員 済みません、何を整理しなきゃいけないということで時間がかかるんでしょうか。

古川国務大臣 外交文書でありますので、そのまま出せるかどうかということがありますから、そこは整理をさせていただいて、できるだけ早く出させていただきたいと思っております。

笠井委員 今のを聞く限りは、要するに、そのまま全部ということではなくて、外交文書なので、それを料理するのに若干時間がかかるという程度だから、玄葉大臣、これはもう速やかに出せますね。

玄葉国務大臣 これはもう先ほど申し上げていますけれども、できるだけ早く提供いたします。

笠井委員 この資料について、委員長、理事会で提出をきちっと求めていただきたいと思います。協議をお願いします。

中井委員長 はい、理事会でお諮りいたします。

笠井委員 これに対して、米側の回答というのがここに書かれておりますが、日本側の質問に関する要請に対して、米側はできる限り回答をしたい、こういうふうに発言したというふうにこの記録にありますけれども、できるだけというのは、米側が、回答しない、あるいはできない項目があるという認識を示したいということなのか。それはどうでしょうか。

古川国務大臣 これは、こちらが質問すれば、では、それはできる限り回答しましょうと答えるのは普通の答え方じゃないかと思うんですね。ですから、余りそれを、言葉尻を捉えて、できる限りというのは回答しないことかというふうに解釈するというのは、ちょっとこれは行き過ぎではないかなというふうに思います。

笠井委員 わざわざここに、できる限り回答したいと書いてあるから私は聞いたんです、この政府の文書の四ページ。

 では、日本側は、そういうふうにできる限りと言ったときに、やはり日本で懸念もある、反対もある、いろいろな意見があるので全ての質問に回答してもらいたいということは言ったんでしょうね。

古川国務大臣 こちらとしては、質問事項について答えをもらいたいというふうにこちらからはお願いをしているということは、当然でございます。

笠井委員 では、できる限りというのは、できないものもあるということで、それに対してあったということですか。

中井委員長 もう質問時間が終わっていますので、手短に。

古川国務大臣 それは、向こうも努力をするということ、そういう回答だというふうに認識をいたしております。

笠井委員 終わりますけれども、こういう協議の姿勢では、とても国益を守れない。やはり国民の懸念を正面からぶつける、その質問事項は国民に明らかにする、アメリカがどう言ったかについてもちゃんと明らかにしなかったら、こんなのはだめですよ。そのことだけ申し上げて、また引き続きやらせてもらいます。

 終わります。

中井委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一です。

 外務大臣に質問をさせていただきます。

 近年、外交の世界では、パブリックディプロマシーということがよく言われるようになってまいりました。外務省でもどういうふうにお考えなのか、まずお聞きしたいと思います。

 外務省の中で、最近の予算を見ていると、こういったパブリックディプロマシーに関係する予算、人員、どちらも余り優遇されているとは言いがたい状況があります。

 特に、その担い手である国際交流基金といえば、大体、事業仕分けでも一番たたかれていた部類ですけれども、毎年予算が減っている。我が国の交流基金のスタッフはわずか二百三十名ですけれども、イギリスの同様の機関であるブリティッシュカウンシルは五千七百名スタッフがおります。ドイツのゲーテ・インスティトゥートは三千人近くスタッフがおります。予算も人も全然桁違い。ドイツやイギリスのこういった機関は百カ所以上海外拠点がありますが、日本の交流基金は今十数カ所しか拠点もありません。

 そういった意味では、これから本当は伸ばしていくべき分野ではないかと私は思いますが、外務大臣、どのようにお考えでしょうか。

玄葉国務大臣 山内委員とそこは私は問題意識を共有します。

 仕分けの中で、こういったことで指摘を受けました。ただ、指摘を受けた以上は、できるだけ効率的、効果的にしていくということで、こういった予算になっているというふうにお考えいただければと思います。

 ただ、やはりソフトパワーというのは、まさに文化の発信ということも含めて、極めてこれから日本にとっては大事になるというふうに思います。ソフトパワー、文化あるいは技術などが日本にとってはやはり武器になるというふうに考えていますので、今みたいな御指摘を踏まえながら、どうすれば少ない予算の中でもより効果的かつ戦略的な広報、パブリックディプロマシーができるのかということを、私も、外相になってからいろいろな指示をしているところでございます。

山内委員 パブリックディプロマシーの中で非常に重要なのが文化と外交ということで、外交青書にも文化外交という項目がありますけれども、文部科学省の役割というのは非常に重要だと思います。

 私も最近知ったんですけれども、日中韓文化大臣会合とかASEAN文化大臣会合、文化大臣で集まって話し合いをしている。日本では文化大臣というよりも文部科学大臣ということになろうかと思いますけれども、文部科学省の役割は非常に大きい。あるいは、ユネスコの国内委員会も、事務局は文科省に置かれているわけです。

 そういった意味では、外務省と文科省の連携、あるいは共通の目的意識とか調整がないと、こういった文化外交というのはなかなかうまくいかないのじゃないかと思うんですが、今、外務省と文科省、どういったそういう調整メカニズムがあるのか、あるいは、お二人の大臣の間で、そういう文化大臣会合について何か意見交換とかやられているのか、その点について、両大臣にお尋ねをしたいと思います。

玄葉国務大臣 御存じのように、国際交流基金は、事実上、いわば外務省の中の交付金等で運営をされている。今、文化庁は、実は近藤長官は、外務省から、もともと出身であるということもあって、私の方からは、国際交流基金の安藤理事長には、よく近藤文化庁長官と連携をしていくようにという指示は直接実は出させていただいているところでございます。

 現実に、細かいところを言うと、おっしゃるとおり、文科省や文化庁と密接に連携していくということが大事だし、もっと言えば、オール・ジャパンで発信をしていくということが大事なんだろうというふうに考えています。

 先ほど申し上げた文化庁との連携という意味では、文化交流使事業というのがあって、御存じかもしれませんけれども、そういった事業、あるいは、昨年八月に開催された横浜トリエンナーレでは両省庁が協力して効果の高い文化事業を行って、国際的にも評価をされているというふうに考えているところでありますけれども、もっと具体的に、さまざまなことを考えていかなければならないのではないか。

 実は、まだ公表しておりませんけれども、私の方から古川国家戦略担当大臣には、このパブリックディプロマシー、特に精神性も含めた日本の文化の発信ということについてオール・ジャパンで考えていく、いわばそういう体制をつくってほしい、そういう要請を今しているところでございます。

平野(博)国務大臣 今、玄葉外務大臣が連携ということで御報告いたしましたが、委員はもうJICAで専門的にそういう地域でやっておられるからよく御存じだと思いますが、特に文科省としましては、文化交流使事業、こういうところで、我が国の文化的イメージの向上と、諸外国との文化人や芸術家間のネットワーク形成を強化するということで、芸術家、文化人等文化にかかわる方々を一定期間、文化交流使として指名をしている、こういうことでございますし、その情報がどこに一番いいかということにつきましては、外務省と十分連携をとりながら強化をいたしているところでございます。

山内委員 今、外務大臣から国家戦略大臣の方にオール・ジャパンの戦略づくりをということでお話をされているということですが、大変重要なことだと思います。例えばイギリスの場合は、パブリックディプロマシー戦略会議という事務次官レベルの各省の連絡会議みたいなものもあります。そういった、日本全体で統一した戦略をつくる場というのは必要だと思います。関係省庁の調整が余りうまくいっていない。

 私、例えば日本語教育だと、日本国内の日本語教育は文化庁、海外は交流基金、JICAも日本語教育をやっています。経産省のAOTSという財団も日本語教育をやっています。いろいろなところで日本語教育をやっているわけですけれども、こういうものをきちんとやっていけば、同じ予算でより大きな仕事ができると思いますので、フォーマルなそういった戦略づくりをやれる省庁間のメカニズムというのをぜひつくっていただきたいと思います。

 次に、国費留学生のスキームについて外務大臣と文科大臣、両方にお尋ねをしたいと思います。

 国費留学生のスキームというのは、うまく使えば、外務省、外交的にも非常に役に立つスキームだと思います。特にパブリックディプロマシー、二十年、三十年先の相手国のリーダーになる人を日本が育てることができれば、外交的にも非常にプラスになると思います。

 ただ、その中身を見ていくと、若干、もうちょっとバランスが要るんじゃないかなと思うところがあります。

 例えば、中国人の国費留学生というのは非常に多いんですね。約千七百人、国費留学生が中国から来ております。割合でいうと、二割にちょっといかないぐらいですけれども、年間四十二億円、中国人の国費留学生の受け入れにお金をかけています。中国は日本以上の経済大国で豊かな国になりましたし、その十倍以上、何万人と私費留学生も来ております。そういう国の留学生を二千人近く、四十億円以上かけて受け入れるんだったら、せめて半分ぐらいを、アフリカの留学生とか、中近東とか中欧等、そういう余り日本とこれまで交流のない国の留学生に充てていったら、外交的にも非常にプラスになるんじゃないかと思います。

 正直言って、学力だけで選ぶと、中国人の留学生は優秀で、漢字文化圏で日本語も適応力があって、多分、受け入れ大学としては、中国人の留学生はウエルカムなんだと思うんですけれども、国民の税金を使ってやっている、外務省、外交的な配慮も考えると、ぜひ、アフリカ、中近東、そういう日本との関係をこれから強化したい国の留学生をどんどん受け入れてほしいと思うんです。

 そういった戦略、あるいは受け入れの国別の配分、地域別の配分、これは文科省だけで決めていいものじゃなくて、もっと外務省あるいはオール・ジャパンで考えていく必要があるんじゃないかと思いますが、この点について両大臣にお尋ねします。

玄葉国務大臣 御質問ありがとうございます。

 その前に、先ほどの問題意識を全く共有するので、ある意味、危機感を共有していただきたいのであえて申し上げますけれども、日本語の学ぶ拠点というのが、日本の場合、二十四カ所しかない、おっしゃったとおり、国際交流基金で三百八十人の職員だ、イギリスはブリティッシュカウンシルで七千人の職員だという話がありました。中国が最近、孔子学院というのをあちこちにつくっていって、六百九十一カ所の拠点を海外に設けている、三十六万人の人が習っている。日本の場合は九千五百人だというのが実態なものですから、確かにここは力を入れていかなきゃいけないと思います。

 問いでございますけれども、外務省では、国別に採用枠を設定している大使館推薦研究留学生ということで、おっしゃったとおり、その多様化に努めているところでありまして、平成二十三年度も、コソボとかモーリタニアといったところから採用しています。

 結論から申し上げれば、これも山内委員の言うとおりだと思います。文科省とよく連携をして、戦略的に、外交的観点も含めて、この国別の国費留学生、数というものを考えていかなければならないというふうに考えています。

平野(博)国務大臣 山内先生はもうよくわかっておられるわけでありますが、先ほどの日本語の指導支援ということで、これにつきましても文科省としては、留学された方々が向こうで日本語を教えるということについてはしっかりと支援をしよう、こういうプログラムを今つくっているところでございます。

 また、国費留学生については、全体では、留学生につきましては、私費を合わせて大体十三万八千人ぐらいおられるわけで、その中の国費留学生、まさに九千三百九十六人、こういう中で中国の人数が多い、こういう御指摘はそのとおりだと思っております。

 したがいまして、国費留学生の枠という意味では、大使館から御推薦をいただく枠と大学から推薦をいただく枠、こういうことがございます。そういう中では、外務省と十分連携して、先生御指摘の、アフリカとかいろいろな国々から日本を十分理解していただく、また、日本から向こうへ出ていく、こういう連携が、非常にこれからの部分において必要であろうというふうに思いますし、ヤング・リーダーズ・プログラム等々も含めて実施をし、先生の御指摘を十分踏まえながら今後対応していきたい、かように考えています。

山内委員 ぜひ、国別の割合と、それと、きょうは質問はいたしませんが、分野別の割合を見ると、日本は六割ぐらい理系の学生を受け入れているんですね。理系、科学技術は日本の得意分野だから、それはそれで意味があるんですが、ただ、将来その国のリーダーになる、オピニオンリーダーになる、政策形成の立場に立つ、あるいは政治家になる、そういう人たちは余り理系には多くないと思います、平均的に。

 ですから、将来の行政官とか政治家として有望な人たちを受け入れようとすると、社会科学系の留学生とかをもうちょっとふやしていくということも必要ではないかと思いますので、国別のバランスと分野別のバランス、もう一度検討して、日本として、どういう分野の、どういう国の人たちを受け入れるか、ぜひ考えていただきたいと思います。

 ちょっと時間がないので次の質問で、四番は時間がないので飛ばして、五番の、お配りした資料に基づいて説明をさせていただきたいと思います。

 在外公館の人員配置ということで、外務省の中でも今、在外公館タスクフォースというのをつくって、在外公館の人員配置を見直しているところだと思います。

 中身を見ると、日本の在外公館は非常にバランスが悪いように感じるんですね。世界じゅう見渡すと、ざっくばらんに言うと、居心地のいい先進国に多い傾向があるんじゃないか。アメリカに十五カ所領事館があります。カナダにも四カ所。オーストラリアも四カ所。オーストラリアは在留邦人が多いんですけれども、人口二千万人ぐらいの国に四カ所も領事館を置いているというようなことがあります。

 下の表は行政刷新会議の資料から写させてもらったんですけれども、アメリカに領事館を置いている数でいうと、日本が圧倒的に多いですね。十五カ所もある。イギリスは九カ所しかない。フランス、ドイツも、十、八。これを見ても、日本はやたらとアメリカに領事館を置きたがる傾向があるように思います。

 あるいは、オーストラリアも、日本との関係を考えると多くてもいいんですけれども、イギリスみたいな国でさえ二つしか置いていない。そこで日本は四つもある。駐在官事務所というのを入れると五カ所拠点があるわけですけれども、これは余りにも英語圏の先進国に偏っているんじゃないか。

 やはり、領事館の業務として、邦人保護とか日本企業のサポートということもありますけれども、法治国家で英語が通じる国というのは比較的サポートしやすいんじゃないかと思います。むしろ大変なのは、アフリカとかあるいは中国とか、法治国家だけれども、ちょっと法がいいかげんな途上国とか、言葉でも、英語じゃない国に行けば行くほど、日本大使館の領事部のサポートというのは重要になると思います。そう考えると、アメリカの十五カ所、余りにも多いように思いますし、本当に、管轄の邦人数とか考えて、こんなにたくさん要るのかな。

 しかも、日本は、イギリス、フランス、ドイツに比べると、全世界的に見ると在外公館の数は少ないんですね。外務省の職員の数も少ない。毎年毎年外務省は、在外公館が少ないんです、外務省の職員が少ないんです、もっとふやしてくださいと予算要求していますけれども、英語圏に余りにも多く置いている分、その分、アフリカとか、ヨーロッパとか、中近東とか、中央アジアの国が手薄になっているという側面もあるように思います。

 これを何とか見直していく。アメリカ軍のトランスフォーメーションじゃないですけれども、在外公館のトランスフォーメーション、もうちょっと必要なところをめり張りつけてやっていくということが必要ではないかと思いますが、外務大臣のお考えをお聞きします。

玄葉国務大臣 今のお話も、かなり建設的なお話だというふうに理解いたします。

 国連加盟国、百九十三カ国ございますけれども、日本のいわゆる大使館というのは、たしか百三十強くらいだったと思います。この数は、私は、やはりもう少しふやしていかないといけないというふうに思うんですね。特にアフリカなんかは、おっしゃったとおり少ないです。ですから、そういったことをどういうふうに財政事情が厳しい中でやっていくかということになると、今のようなお話は、私は大変参考になるというふうに思います。

 それで、もう既に御存じのように、平成二十二年度から、三年から五年をかけて、先進国から新興国等に約百名を再配置していくということで今やっています。

 ただ、念のためですが、例えば、アメリカと貿易パートナーとして非常に大きいのはメキシコですね、アメリカにとっては。もっと言うと、メキシコにとって、アメリカは非常に大きいわけですけれども、ちなみに、メキシコなんかは五十置いている。カナダは十九置いている。日本は十五。だから、これが多いのか少ないのかというのは、率直に言うと、あろうかというふうに思うんです。

 ただ、私も、優先順位を考えたときに、つまりは、優先順位というのは、やはりもっと在外公館の数を、特に各国に置く大使館の数をふやしていくということの方がより優先されるべきだろう、こういうふうに考えております。

山内委員 メキシコがアメリカに領事館をいっぱい置いているのはスパニッシュが何千万人もいるからだから、余り比較の対象にはならないと思いますが、ぜひ、外務省の事務方の説明の口車に乗らず、しっかりと政治主導でバランスをとっていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

中井委員長 これにて山内君の質疑は終了いたしました。

 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 最初に、八ツ場ダム建設問題の決定と民主党のマニフェストの関連について、官房長官と国土交通大臣にお尋ねいたします。

 二〇〇九年総選挙の民主党のマニフェストにおきまして、「川辺川ダム、八ツ場ダムは中止。時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直す。」と明記されています。私ども社民党も、総選挙後の政権に参加させていただき、この考え方には強く共感をしておりました。

 私自身も長く地元の川辺川ダムの建設中止に携わってきただけに、今回の八ツ場ダムの建設再開問題については落胆せざるを得ません。

 そこで、建設再開とマニフェストの関係についてお尋ねをいたします。

 先日の本会議で野田総理は、八ツ場ダムの建設再開について、マニフェストと異なる結論に至ったことは、真摯に反省し、おわびをしたいと述べておられます。再開決定がマニフェストと異なっていることを認めました。

 これに対して、また、建設再開を決める途中の段階ですが、藤村官房長官は、八十幾つものダムの見直しを行ったことがマニフェストに従ったことだと十二月八日に述べて、報道されております。これは、再開決定は必ずしもマニフェスト違反ではないと言っているように聞こえてきます。

 また、前田国土交通大臣は、十二月十六日、報道に対しまして、ダムができれば約千トンの洪水を受けとめることができる、つくらないのは無責任だ、こう語っておられます。こういう報道があっております。これだと、最初から建設ありきで、再検証も不要だったととられかねない発言であります。

 八ツ場ダム中止は、民主党マニフェストの一丁目一番地ぐらいの重さを持っていると思います。建設再開とマニフェストの関係、改めて官房長官と前田大臣から御認識をお伺いしたいと思います。

藤村国務大臣 中島委員にお答え申し上げます。

 八ツ場ダムにつきましては、今おっしゃっていただいたとおり、〇九年、平成二十一年の衆議院選挙マニフェストにおいて中止とされ、その後、平成二十二年の参議院選挙マニフェストでは、中止の方針を表明している八ツ場ダムを初め、全国のダム事業について、予断を持たずに検証を行うと、若干の修正が行われたことは事実でございました。

 こうした中で、政権交代以降、四代にわたる国土交通大臣のもとで、予断を持たずに検証を行ってきたのは事実でございます。国土交通大臣がその結果に沿って、首都圏における治水対策の即効性などの観点から、熟慮を重ねられた上で事業継続との判断を行われた、このように理解しております。

 結果として、〇九年、平成二十一年、御指摘のマニフェストと異なる結論に至ったことは、総理も申し上げましたとおり、真摯に反省し、これはおわびをしたいと考えております。

 今後とも、できるだけダムに頼らない治水を希求することを政策の基本として、ダム事業の検証を進めてまいりたいと思います。

前田国務大臣 中島委員の御指摘についてでございますが、今官房長官がお答えになったことと同じ受けとめ方でございます。

 私自身は、政権交代後、四代目の国土交通大臣として、既に八ツ場ダムの予断なき検証というスキームがございまして、そのスキームにのっとってずっと続けてきたわけですね。

 最終的には、十二月に入って、やってきた検証の結果について、有識者会議というのがございますが、そこで、その検証に瑕疵はない、八ツ場続行妥当であるという結論を出されたわけでございます。

 私自身は、実はそのスキームに忠実にのっとってやってきておりますが、最終的には担務の大臣として決断をせにゃいかぬわけでございます。必ずしも、その検証の結果、有識者会議で継続妥当と出たからそうしましたということではございません。

 何といっても、首都圏を流域に抱える利根川の特性なんですね。私自身も、ある程度は現場も熟知はしているんです。その特性を調べれば調べるほど、この利根川というのは人工河川でありまして、もともと東京湾に流れていたこの利根川を、家康が幕府をつくって以来、無理やり太平洋につけかえていったという経緯があります。したがって、非常に洪水に対して脆弱な構造であるということがわかってきたわけですね。調べれば調べるほど、これが身にしみてわかる。

 一方で、高度成長期に地下水を随分くみ上げて、都市部においては相当地盤沈下もしている。しかも、首都のこの東京を中心とする首都圏を抱えているわけでございますから、今や世界の中でこういう戦略都市間の競争と言われているような時代に、東京に万一のことがあってはならない、タイのようになってはならないという思い。

 そういう中で、八ツ場ダムというのがもう八〇%ぐらい工事は既に来ているわけでございまして、あとは本体だけできれば、七年ぐらいで御指摘のような基準地点で平均千トンぐらいのピークカットができるという確証が得られたものですから、苦渋の決断をさせていただいた、こういうことであります。

中島(隆)委員 マニフェスト、約束したことが必ずしもそのとおりいかない場合があるわけでありまして、しかし、そういう場合は、異なった結論に至った過程をやはり明確にすべきだというふうに思います。今回の再開決定については、十分な説明責任が果たされているというふうには思えません。

 そこで、多くの専門家の方々が疑問に思っておられる二点について、国土交通大臣にお尋ねいたします。

 一つは、目標洪水流量の設定であります。

 再検証で、関東地方整備局は、目標流量を毎秒一万七千立米と設定しました。しかし、二〇〇六年に関東整備局が河川整備計画の策定作業で出した数字は、毎秒一万五千立米にすぎません。毎秒二千立米分上乗せされています。また、ダムによる洪水調整量も、毎秒二千立米から毎秒三千立米へと引き上げられているように、いかにダムの治水効果が、高める方向に数字をいじっているように見えます。

 もう一つは、水需要予測であります。

 首都圏の水道の一日最大給水量は減り続けています。今後は、首都圏であっても、人口は二〇一五年をピークにして減少傾向に入ります。ところで、国土交通省の計画では、首都圏の一日最大給水量が〇四年から一五年度までに一・二倍にふえると予想していますが、これは余りにも非現実的な過大予測であると思います。

 これら二点については、いまだに多くの方が疑問を持っています。再検証の最終判断を下すのは国土交通大臣でありますけれども、大臣は、再開決定に当たりまして、この二点について、問題なしとした理由を簡単にお聞かせいただきたいと思います。

前田国務大臣 基本的には、この検討のプロセスというのが、枠組みというのが設定されておりまして、予断なき検証というのを続けてきたわけです。しかも、その最終的な場面で、何度かやったわけなんですが、有識者会議という客観的な、各分野の非常に見識の高い先生方による会議が、この決定のプロセスというのをきっちりと見ていただいた上で、瑕疵がないというふうに結論づけていただいたということが基本的にございます。

 その上に加えて、先生の御指摘の五十分の一のお話がありましたが、十八年当時、利根川の整備の基本方針というのは出ているわけなんですが、整備計画というのは、いよいよやろうということになったときに、どうしても、何らかの形で、大体どの程度の安全度を確保すべきか、現実の一番考えられるところというようなところで、五十分の一ぐらいが、現実の河道整備も含めて、最低限はこのぐらいだろうということで仮置きをしたというふうには聞いているんですね。

 しかし、実際には、過去の最大洪水のカスリーン台風というのが確率的に言うと平均的に二百分の一に近いということがあって、実際に目標流量を設定してこの八ツ場ダムの計画等を練るときに、ぎりぎり何とか七十分の一から八十分の一ぐらい、全国でも、一番重要な直轄河川についてはそのぐらいの安全度の確保はすべきだという体制に大体なっていて、そういう意味で、七、八十分の一というもので設定をしたというふうに聞いております。

 さらに、利水のお話がありました。

 これも、有識者会議で、その検証の過程で瑕疵はない、こう評価はされているんですが、基本的にはこれは自治体のお決めになることなんですね。既に利水負担も相当出しておられる。そういう中で、各自治体が利水の見積もりをどういうふうにやってきたかということもかなり分析して、検証をされております。それを見ておりますと、一応、手法においても考え方においても瑕疵はないというふうに受けとめた次第でございます。

中島(隆)委員 有識者の方が検証して瑕疵がないということでありますが、利水の問題もそうでありますが、それぞれの自治体がそれぞれ目標を立てた利水計画のもとにこれが計画されているということはわかるんです。しかし、治水も利水もそうですが、やはり、その基礎になる根拠はどうなのかという検証を国として明確にやる必要があると思うんですね。

 それもされていると思うんですが、特に今回の有識者の中間取りまとめ、最大の問題は、再検証の検証主体がダム建設当事者によってなされる。ですから、非常に建設に結論が誘導される、ありきの形の誘導ではないか。これはいろいろな形で出ています。そういうことが一つあるということです。

 そこで、官房長官に端的にお聞きしたいと思うんですが、来年度の予算で、八ツ場ダムの本体工事費が計上されています。利根川河川整備計画の早急な策定で、まず本体工事関連費約十八億円がされているんですが、整備計画が策定されていない限り、この予算の執行というのはどういうふうになされるのか、そこをお尋ねいたします。

藤村国務大臣 八ツ場ダムの予算の執行ということで、今お問い合わせがございました。

 私の名のもとで、昨年十二月二十二日に官房長官裁定という形で、今言っていただいた実は二項目、細かく読み上げませんが、八ツ場ダム本体工事については、この二点を踏まえ判断する、こんなことでの裁定ではございました。

 そこで、御指摘の河川整備計画の策定との関係につきましては、今の裁定において、現在作業中の利根川水系にかかわる河川整備計画を早急に策定し、これに基づいて基準点、八斗島ですが、における河川整備計画相当目標量を検討するとしておりますので、八ツ場ダム本体予算は、これに対応した上で、国土交通大臣が担務の大臣ということで適切に対処される、このように考えております。

中島(隆)委員 それでは次に、この河川整備計画が二〇〇八年の五月をもって中断をしているわけですが、中断をされているその理由について、どこにあるのかをお尋ねしたいと思いますし、もう時間がありませんので、次の質問も含めて質問をさせていただきます。

 生活再建法案の作成がおくれた理由ですね。今回、提案される予定でありますけれども、特に生活再建法、これは、二〇〇九年の九月二十六日に、川辺川ダム建設の中止を前原国土大臣が五木村に行かれまして意見を述べられたときに、これを約束されました。二〇一〇年の通常国会への法案提出を約束したわけですが、それ以来、提案がおくれてきたわけであります。

 しかし、今回、突然提案をされるということになったわけでありますが、昨年の六月に、五木村生活再建問題については、国、県、村の三者の一定の意思統一がなされました。

 そこで、これまでも私も再三質問してきたんですが、これまで、協議が調わなかった、こういうことでおくれているんだという説明だったんですね。それも、昨年六月には、この三者が意思統一をされて地域振興についても協議が調った、そういう状況になって、これまでおくれてきたわけでありますが、この再建法案がおくれた理由も含めて御答弁を願いたいと思います。

前田国務大臣 一つは、整備計画がおくれたではないかということでございますね。

 これについては、確かに、委員御指摘のように、二十年の五月まで、毎年、整備計画について、あの流域の利根川・江戸川有識者会議というのを開いて報告しているんですね。二十一年度は、ちょうど政権交代をしたということで、その年は開かれなかったというふうに承知をしております。

 整備計画というのは、利根川全体の計画、その中で八ツ場ダムを位置づけていくわけですから、基本的にそれはつくっていかなければなりません。

 しかし、あの政権交代とともに、マニフェストに沿って、川辺川ダム、八ツ場ダム、委員言われたように、余り急がない公共事業を削減して、それをもっと人へ回すという趣旨だったと思うんですけれども、そういう中で、政権交代後、検証のスキームというのができて拍車がかかってきたということです。

 特に私が大臣になったころは、いよいよ、これはお約束で、ゴーであろうとストップであろうと、とにかく二十四年度予算に反映させるという約束をしておりましたものですから、去年の九月以降、そちらに注力をしていたということはあります。

 しかし、その上で、六月に川辺川ダムについて地元の協議が調ってきたということもお受けして、今、官房長官裁定に従って、それを参考にさせていただきながら生活再建の法案を鋭意詰めているところでございまして、もうすぐ国会に出させていただきますので、どうかよろしく御審議のほどお願いします。

中島(隆)委員 これは、会計検査院が大規模な治水ダム関係の検査をした結果が一月に報告をされております。その中でも大変な指摘がしてあります。河川法が見直されて河川整備計画を平成二十二年の末までにはやるとなっていたのが十三年も放置されている、早く整備計画を立てて、それに基づく洪水調整対策も、あるいは河道も含めて十分やるべきだと、九事業を全部挙げて指摘しているんです、検査院の報告も。

 ですから、そういうことで河川整備計画を急いでやらないと、このダム建設そのものも基本的には進められないわけですから、ぜひそういうことでお願いしたい。

 時間が来ましたので、最後に、生活再建法、五木の問題について、地域住民への何らかの補償が不可欠でありますが、法案に盛り込まれる予定であるのかどうか、それから、熊本県あるいは五木村と事前協議があったのかどうか、お願いいたします。

中井委員長 中島さん、時間が来ていますから、そんなにたくさん質問しないで。盛り込まれるのかどうかだけ、前田国交大臣。

前田国務大臣 地元との協議といいますか、いろいろお知恵もいただかなければいかぬので、時期を見て県とも協議をさせていただきたい、このように思っております。

中島(隆)委員 ありがとうございました。

中井委員長 これにて中島君の質疑は終了いたしました。

 次に、小林正枝さん。

小林(正)委員 新党きづなの小林正枝でございます。

 私の質問時間に御配慮いただきました中井委員長並びに与野党の理事の先生方に御礼申し上げます。ありがとうございます。

 この冬は例年にない大雪と大寒波で、被災地の方々のみならず、豪雪地帯にお住まいの多くの方々が大変な御苦労をされております。雪おろしで命を落とされた人々や仮設住宅で寒さに耐え忍んでいる方々のニュースを見るとき、何ともやりきれない思いがいたします。被害を受けられた方々に謹んでお見舞いを申し上げる次第です。

 私からは、震災の復興に関する問題に絞って質問させていただきたいと思います。

 三・一一の東日本大震災と原発事故に直面してから、私たちの生活と価値観は大きく変わったように思います。何よりも家族のきずなを大切にするようになりましたし、また、少しぐらいの不自由があっても節電に努めるようになり、さらには、日本のエネルギーの将来も考えるようになったと思います。子供を持つ親御さんたちは、学校の校庭や通学路の除染対策は大丈夫だろうか、給食やお弁当の食材から内部被曝をすることはないだろうか、そんな心配でたまらない不安な毎日を過ごしておられることと思います。

 野田総理は、先般の施政方針演説の中で、野田内閣がやらなければならない優先課題として、大震災からの復旧復興、原発事故との戦い、日本経済の再生という三つを挙げられました。

 私は、その三つは非常に重要だと思いますし、野田総理のお考えについても賛同いたします。しかし、肝心なのは、具体的にどうやってその三つの課題に取り組んでいくかという中身なのではないでしょうか。

 先日、私の手元に野田総理から一通の御案内状が届きました。そこには、「平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災において犠牲となられた方々への追悼の誠を捧げるため、東日本大震災一周年追悼式を左記により挙行いたします」と書かれていました。その左には、日時は来月十一日の午後二時三十分、場所は国立劇場大劇場と書かれていました。

 正直申し上げますと、私は、総理からいただいたこの御案内を見て本当に驚きました。頂戴した立場で失礼ではありますが、少し腹立たしくさえ感じました。

 野田総理は、施政方針演説の中でも、政治・行政改革を断行する決意として、まず隗より始めよと言われましたので、恐らく総理は、できるところから手をつけなければならないのだという決意でそうおっしゃられたのだと思います。そうだとするならば、震災の復旧復興についても、まず隗より始めるべきです。

 東京で中央集権的な発想で式典をやるのではなく、岩手県、宮城県、福島の各県でとり行うべきだと私は思います。野田総理を初め閣僚の方々や私たち国会議員が被災地まで出向いて、また、国民の方々に被災地に足を運んでもらって、現地の皆様とともに、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表するべきだと私は思うのです。

 平野復興大臣、なぜ東京でやろうということになったのでしょうか。政府の中で、被災地でやろうという声はなかったのですか。東京でやることになった経緯についてお伺いいたします。

平野(達)国務大臣 間もなく三月十一日を迎えまして、昨年の三月十一日、東日本大震災の発災の日から間もなく一周年ということになります。それを踏まえまして、先般一月二十日、「東日本大震災一周年追悼式の実施について」ということで閣議決定をさせていただきました。

 場所につきましては、委員から御指摘がございましたように、さまざまな内部での議論がございました。当初は、地元ということで考えた経緯もございます。その候補地の被災自治体にも内々にいろいろな形で打診をいたしました。そのときに、ぜひやりたい、しかし、いろいろなセキュリティーの問題もある、それからもう一つは、地域だけでしめやかにやりたいという、いろいろな思いがあったようです。

 そういったものをやりとりしている中で、さまざまな意見がある中で、やはり、広域な場所に今回の災害が及んだ、これは長野県も入っております、そういう被災地域が広いということで、開催地を一地域に絞り込むことは困難であるということ。それから、先ほど申しましたように、地方でやる場合に、非常にいろいろな思いがあって、やってもいいんだけれどもさまざまな問題もある、それから、身内でしめやかにやりたいという気持ちもある。

 そういうことも踏まえまして、やはり最後は東京ということに落ちつきまして、その過程の中で被災県の知事等々に御意見を確認したところ、それが最もいいということで、東京に落ちついたという経過がございます。

小林(正)委員 ありがとうございます。

 おっしゃられることはよく理解できます。しかしながら、被災地に適切な施設がないというのであれば、私は、広い場所にテントを張っただけの会場でもよかったと思います。被災された方々というのは、体育館や公民館などの避難所で、寒さに耐えながら、暖房もないところで長い間暮らしておられました。また、津波で犠牲になられた方々はどんなに冷たい思いをして亡くなられたことか、考えただけでも涙が出てくる思いです。たとえ寒い外の会場であっても、被災地で犠牲者に哀悼の意を表することが私は大切だと思いました。

 できることなら、全国から多くの人々が被災地の式典に参加をして、地元の経済に少しでも貢献することが、まず隗より始めよという、復興を目指す野田総理のお考えに合うのではないかと思ったわけです。

 さて、被災地から選出されている安住財務大臣、所管は違いますけれども、安住先生として、一議員としてのお立場でどのようにお考えでしょうか。

安住国務大臣 追悼式の件でございますか。(小林(正)委員「はい」と呼ぶ)

 私の地元でも、私のふるさとの石巻市や女川町、東松島、ほぼ同じ時刻に大体数千人の方々が集まってやりますけれども、やはりまだ外は寒いものですから、そういう点では、例えば石巻市であれば、町村合併をした旧町の施設をお借りしてやるというような状態でございます。

 被災地でやるようにすべきではないかという大変温かい御指摘でございまして、それはそれで本当にありがたいと思いますが、地域が非常に広範囲にわたっておりますし、被災地域だけで六十自治体もあるということでありますので、これはこれで、東京で皆さんにおいでをいただいて被災地を思ってもらうということも一つのやり方ではないかなと思いますし、私の地元では、国立劇場で行う東京での式典と石巻市をたしか中継でつなぎたいということでございましたので、そういうやり方を工夫しながらやっていただければ、十分追悼の思いというのは伝わるような気がいたしております。

小林(正)委員 ありがとうございます。

 玄葉外務大臣にも同様の質問を行いたいと思います。福島県という被災地の御出身で、追悼式典を迎えるに当たり、どのようなお気持ちをお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。

玄葉国務大臣 追悼式典に当たりましては、私としては、被災地、被災者の方々に思いをいたして、犠牲になられた方々に対して心から哀悼の意をささげたいというふうに思っています。

 被災地でやったらどうかというのは、私みたいな福島の出身の人間にとってはありがたい提案でもあるんですけれども、ただ、では、どこでやるのか、福島、岩手、宮城とかですね。

 あるいは、実は、私の方にも個別にいろいろ連絡があります。例えば福島県の中でも、しめやかにやりたいという市町村と、ある市は、当然哀悼の意をまず表するんだけれども、その後、祭りをやるという大きな町もあるんですね、むしろ。そして人をたくさん呼びたい、芸能人もたくさん呼んで大変なイベントにしたい、こういうふうに張り切って実行委員会をつくってやっている方々もいらっしゃるんですよ。

 ですから、それぞれ市町村ごとに対応したりもするものですから、私は、結論としては、大変ありがたいお話でありますけれども、平野担当大臣が冒頭おっしゃったように、今回は東京で、天皇皇后両陛下も御臨席いただける可能性もあるわけでございまして、お体のことがございますけれども、そういった中で追悼式をしめやかに行うというのは、政府としては賢明な判断ではないかというふうに考えております。

小林(正)委員 ありがとうございます。

 少し視点を変えてみたいと思います。

 復興庁、こちらは本局が東京にあります。私たち新党きづなでは、東北による東北のための復興であるべきだということを当初から申し上げてまいりました。そういう意味で、もし今後追悼式典を行う場合には、ぜひとも各東北地方で式典を行い、そこにまた全国各地からの多くの方々が集まっていただきたいと思うのですが、この追悼式典にはどういう方々が招待されているのでしょうか。一般の方々が献花をしたりすることはできるのでしょうか。平野大臣、お答えください。

平野(達)国務大臣 まず、東京で行う国主催の追悼式でございますけれども、これは、東北三県から推薦していただいた御遺族、御遺族の代表という形になると思います、それから各府省庁の推薦による被災者支援に尽力した民間関係者の方々、外交関係者、報道関係者、それに行政機関、司法機関、地方公共団体の関係者、約千五百名に案内状を出させていただいております。

 そのほかに、東北三県を中心に、現段階で私どもが把握している限りでは、約六十カ所の地方公共団体でそれぞれの考え方で追悼式が行われるというふうに承知しておりまして、これらの各地方公共団体の会場と国の会場を画像中継で結ぶことによりまして、発災時刻である十四時四十六分の黙祷前後の時間を共有し、連携、共存を図ることとしております。

小林(正)委員 ありがとうございます。大変よく理解できました。

 さて、来年、震災二周年の追悼式典、あるいは再来年に三周年の式典をもし行うとした場合、その際には、被災地で開催していただくこともぜひそのときには検討課題にしていただきたいのですが、官房長官、ぜひ被災地でやることも検討課題に挙げたいとおっしゃっていただけませんでしょうか。

藤村国務大臣 小林委員のお気持ちというのは、非常に大切なお話を今いただいたというふうに伺っております。

 平野復興担当大臣が申しましたように、ことしの追悼式について、それぞれの理由を述べて、そういうことになりましたということでありますが、この現時点で申し上げますと、来年の式典云々ということはまだ言える状況ではないんですが、今回も、平野復興大臣お話しのとおり、どこでやるべきかというのはさまざま考慮しておりますので、当然いろいろなことを考えながらまた来年のことを考えていく、こういうことにはなろうかと思います。

小林(正)委員 ありがとうございます。

 次に、被災地に取り残された動物たちの現状と対策についてお伺いしたいと思います。

 野田総理は、就任以来、三回にわたり福島を訪問されました。その中で、美しい山々、生い茂る木々、清らかな川、どこへ行っても懐かしい郷愁を感じるとおっしゃられました。残念ながら、そうした美しい故郷が放射性物質に汚染され、人間のみならず、動物たちも今また大変な悲惨な目に遭っているのです。

 私は、きょうここに一冊の本を持ってまいりました。太田康介さんというフリーの報道カメラマンが書かれた「のこされた動物たち」という写真集です。

 御存じの方もおられるかもしれませんが、太田さんは、東日本大震災が起きた直後から、避難区域となった二十キロ圏内で、人影のない町を徘回する多くの動物たちを追って写真集をつくられました。人間の都合で罪のない動物たちを死なせてはいけない、たとえ一匹でも救うことができないものかと、ボランティアの方々と一緒に救助活動をしながらシャッターを切られたということです。

 こちらの写真集の中には、飼い主を待ち続ける犬や、持っていったドッグフードを差し出すと、食べることよりも人恋しくてスキンシップを求めてくる犬。缶詰を与えればむしゃぶりつく痩せこけた猫。牛舎の中でふん尿にまみれて、仲間の死体を眺めながら息絶えようとしている牛。おなかをすかせて、ビニールまでも食べてしまう牛。そこに見えてくるものは、まさしく生き地獄だと思いました。

 太田さんは、ごめんよ、ごめんよと繰り返しながらも写真を撮り続けたといいます。みずからの無力さに、悔しくて、ちくしょう、ちくしょうと叫びましたが、畜生は動物でなく人間だと強く言っておられます。

 人間のせいで罪のない動物たちがこのような過酷な環境に置かれていること、また、これまで飼われていたペットがこのような状況にあることを、細野環境大臣は把握されていますでしょうか。また、助けを待っている動物たちのために今やらなければならないことは何だと思われますか。

細野国務大臣 被災地に取り残されたペットをしっかり保護するということをやっていかなければならないと思っております。

 既に、環境省と福島県とが協力をいたしまして、住民の一時立ち入りと連動した保護の活動をしておりまして、これまで、犬が四百七頭、猫が二百二十八頭、保護をしております。また、民間にも非常に熱心に取り組んでいただいておる団体の方がたくさんおられまして、私も幾つかの団体とお話をしましたけれども、保護をして、飼い主が見つかった場合はお返しをする、見つからない場合には引き取り手を探していくというような活動をしていただいている民間団体の方もたくさんいらっしゃいます。

 依然としてかなりの数のペットが取り残されている可能性があるというふうに思っておりまして、一月三十日から二月十日まで調査をいたしました。現在取りまとめをしておりますが、さらに、実態がわかりましたら、保護に努めてまいりたいと思っております。

小林(正)委員 関連した質問になりますけれども、保護したペットの飼い主がわかった場合、仮設住宅ではペットが不可となっているようです。犬や猫たちを捕まえるとき、道具は全て被災者が用意するしかないということも聞いております。また、動物愛護団体の立ち入りが認められましたが、今もその活動が定期的に継続して行われているわけではないと聞いております。

 そのあたりのことをもう少し詳しく細野環境大臣に、そして仮設住宅のことに関連しては前田国土大臣にお伺いしたいと思います。

細野国務大臣 特に、民間の皆さんの場合は善意に基づいて非常に熱心に活動をしておられるので、できるだけ環境省とさらには福島県とも協力をして、しっかりとやってまいりたいというふうに思っております。

 その一方で、入る方については、事前にしっかりと確認をした上で入っていただかないと、警備の問題というのもありますので、常にいつでも入っていただくということにもなかなかなりにくい面があるわけですね。ですから、その両立をしっかりしていくということで取り組んでまいりたいと考えております。

前田国務大臣 仮設住宅については直接の担当ではないんですが、今の御趣旨ということはよくわかります。

 復興のまちづくりの段階に入ってきておりますけれども、自治体等のまちづくりの支援に国土交通省はまちづくりの専門家等も随分派遣しておりますし、そういう中で、自治体と一緒になって、少しでも委員の指摘されるようなことについて進むようなことも考えてみたい、こう思います。

中井委員長 仮設住宅でペットを飼えるか、許可の担当は誰。(発言する者あり)厚労大臣だそうです。

小林(正)委員 はい。

 さて、被災地の中に当てもなくさまよっている動物たちが、こちらの写真集にも多数出てきました。二十キロ圏内の家畜の状況は、恐らく、野生化した動物たちや、あるいは適正な処分がまだなされていない家畜等もいると聞いています。感染症対策も危惧されますし、動物たちがかわいそうでたまりませんけれども、鹿野農水大臣に御所見をお伺いしたいと思います。

鹿野国務大臣 まさしく先生のおっしゃられること、心が本当に痛む思いでございます。

 そういう中で、警戒区域内で死亡した家畜の処理につきましては、感染症等々これは当然防止をしなきゃなりませんので、その処理につきましては、消石灰の散布、あるいはブルーシートを覆いかぶせて応急措置をとってまいりましたが、七月六日以降は一時埋却というのが可能になってまいりましたので、そういう中で、衛生上問題が生じないようにということで、消毒と埋却によるところの処理をいたしているところでございます。

 また、今触れられました警戒区域内の家畜につきましては、御承知のとおりに、原子力災害対策本部長の指示がございまして、そういう中で、警戒区域内の空間線量の低い地域を中心といたしまして、約一千二百頭の捕獲、処分を実施いたしているところでございます。

 そして、今現在、農林水産省では、職員を三名県庁の方に常駐させまして、そして家畜改良センター職員十六名を県の家畜保健衛生所に派遣しまして、県と協力をしながら捕獲等の作業を行っているところでございます。

小林(正)委員 今、それぞれの大臣から御答弁をいただきました。

 福島の原発事故を境に動物たちの生活は一変しました。動物たちの立場にもなってみてください。彼らは何が起こったのか全く理解できずに、空腹の中、帰らぬ主人の帰りをただ待っていると思います。細野環境大臣以下、この本を後ほどお届けに伺いますので、ぜひ実情を御理解願いたいと思います。

 次の質問は世界遺産について伺いたいと思いますので、文部科学大臣とそれから国土交通大臣にお答え願いたいと思います。日本経済の再生ということで、観光政策、とりわけ世界文化遺産の登録について伺わせていただきます。

 人類全体の世界の遺産として登録されているものは、文化遺産が七百二十五件、自然遺産は百八十三件ございますが、日本国内では、文化遺産が十二件、自然遺産は四件しかありません。昨年は小笠原と平泉が世界遺産に登録され、とりわけ小笠原は、観光で注目され、よい効果が出ていると伺っております。

 今、富士山と鎌倉を世界遺産にしようという動き、特に、富士山に関連して静岡、山梨両県の積極的な動きがございます。そして、超党派でそれを推進する議員連盟も近々発足する予定であります。

 そこで、平野文科大臣にお伺いいたします。

 原発事故によって国際的に傷ついてしまった日本の観光事業を活性化させるため、ぜひ富士山の文化遺産登録実現のための後押しをお願いしたいと思います。現状と今後についてお伺いいたします。

平野(博)国務大臣 小林さん御案内のとおり、小林さんの出身県でもございますが、富士山に関する世界遺産登録に関しての現状と今後の課題についてということでございます。

 特に富士山につきましては、ことし一月に世界文化遺産として推薦することを決定し、ユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出いたしました。今後、ことしの夏から秋にかけまして、ユネスコの諮問機関でございます国際記念物遺跡会議、いわゆるICOMOSによる現地調査を受けて、来年夏の世界遺産委員会において審議をされる、こういう予定になっております。

 文部科学省としては、ICOMOSによる調査に向けた視察場所の検討、さらには視察時の説明の工夫等々を準備していかなければなりませんし、富士山を今後もしっかり保全できる体制の充実等の課題に対して、地元の自治体の皆さんを初め、環境省、林野庁等々の関係機関と連携をして、我が国が一体となって富士山が世界遺産となるように最大限の努力をしていきたいと思いますし、先生におかれても、ぜひ御支援のほどをよろしくお願いしたいと思います。

中井委員長 小林さん、時間が迫っておるから短く。

小林(正)委員 はい。

 力強い御発言、ありがとうございました。

 時間も押してまいりましたので、同じ質問で恐縮ですが、観光振興の観点から、前田交通大臣にも御決意を聞かせていただきたいと思います。

前田国務大臣 世界遺産の登録推薦書がユネスコに提出されたというのは本当に喜ばしいことでございます。私も、列車で行き来するときも、たまに西の方、九州等へ飛行機で行くときも、富士山が見えたらもうそれだけで、きょうは何かいいことあるなというような感じになるぐらいで、日本人にとっては本当に信仰のシンボルと言ってもいいぐらいかなと思います。

 この富士山のすばらしさというものを世界に大いに知らしめるというようなことで、インターネットのウエブサイトや海外の旅行会社のパンフレットへの掲載など、海外メディア等を活用して積極的なPRに取り組んでまいりたい、こう思っております。

小林(正)委員 時間が参りましたので、私の質問を終わりにします。

 本日は、ありがとうございました。

中井委員長 これにて小林さんの質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十一日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三十二分散会


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