衆議院

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第9号 平成25年3月7日(木曜日)

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平成二十五年三月七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山本 有二君

   理事 伊藤 達也君 理事 岩屋  毅君

   理事 遠藤 利明君 理事 小此木八郎君

   理事 西銘恒三郎君 理事 萩生田光一君

   理事 長妻  昭君 理事 山田  宏君

   理事 石田 祝稔君

      あかま二郎君    青山 周平君

      秋元  司君    秋本 真利君

      穴見 陽一君    伊藤信太郎君

      石川 昭政君    今村 雅弘君

      うえの賢一郎君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    大塚 高司君

      大塚  拓君    大野敬太郎君

      奥野 信亮君    鬼木  誠君

      金子 一義君    金子 恵美君

      神田 憲次君    菅家 一郎君

      小池百合子君    清水 誠一君

      関  芳弘君    高市 早苗君

      高木 宏壽君    渡海紀三朗君

      中山 泰秀君    野田  毅君

      原田 義昭君    藤井比早之君

      船田  元君    牧原 秀樹君

      宮崎 謙介君    宮路 和明君

      村井 英樹君    保岡 興治君

      山田 賢司君    山田 美樹君

      山本 幸三君    若宮 健嗣君

      岡田 克也君    奥野総一郎君

      海江田万里君    岸本 周平君

      玉木雄一郎君    辻元 清美君

      原口 一博君    細野 豪志君

      前原 誠司君    坂本祐之輔君

      重徳 和彦君    中田  宏君

      中山 成彬君    東国原英夫君

      浮島 智子君    佐藤 英道君

      斉藤 鉄夫君    樋口 尚也君

      柿沢 未途君    佐藤 正夫君

      宮本 岳志君    村上 史好君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)   新藤 義孝君

   法務大臣         谷垣 禎一君

   外務大臣         岸田 文雄君

   文部科学大臣       下村 博文君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   農林水産大臣       林  芳正君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償支援機構担当)          茂木 敏充君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    石原 伸晃君

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       根本  匠君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       古屋 圭司君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     山本 一太君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   森 まさこ君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (経済財政政策担当)   甘利  明君

   国務大臣

   (行政改革担当)

   (規制改革担当)     稲田 朋美君

   財務副大臣        小渕 優子君

   財務副大臣        山口 俊一君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    山本 庸幸君

   参考人

   (日本銀行副総裁)    西村 清彦君

   参考人

   (東京電力株式会社代表執行役社長)        廣瀬 直己君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月七日

 辞任         補欠選任

  うえの賢一郎君    鬼木  誠君

  大塚  拓君     石川 昭政君

  小池百合子君     山田 美樹君

  塩崎 恭久君     村井 英樹君

  中山 泰秀君     山田 賢司君

  西川 公也君     高木 宏壽君

  牧原 秀樹君     秋本 真利君

  若宮 健嗣君     高市 早苗君

  岸本 周平君     奥野総一郎君

  玉木雄一郎君     岡田 克也君

  辻元 清美君     細野 豪志君

  前原 誠司君     海江田万里君

  浮島 智子君     樋口 尚也君

  佐藤 英道君     斉藤 鉄夫君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     牧原 秀樹君

  石川 昭政君     大塚  拓君

  鬼木  誠君     藤井比早之君

  高市 早苗君     若宮 健嗣君

  高木 宏壽君     清水 誠一君

  村井 英樹君     宮崎 謙介君

  山田 賢司君     青山 周平君

  山田 美樹君     穴見 陽一君

  岡田 克也君     玉木雄一郎君

  奥野総一郎君     岸本 周平君

  海江田万里君     前原 誠司君

  細野 豪志君     辻元 清美君

  斉藤 鉄夫君     佐藤 英道君

  樋口 尚也君     浮島 智子君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     神田 憲次君

  穴見 陽一君     金子 恵美君

  清水 誠一君     小倉 將信君

  藤井比早之君     うえの賢一郎君

  宮崎 謙介君     大野敬太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  小倉 將信君     西川 公也君

  大野敬太郎君     菅家 一郎君

  金子 恵美君     小池百合子君

  神田 憲次君     中山 泰秀君

同日

 辞任         補欠選任

  菅家 一郎君     塩崎 恭久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十五年度一般会計予算

 平成二十五年度特別会計予算

 平成二十五年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

山本委員長 これより会議を開きます。

 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高市早苗君。

高市委員 おはようございます。自民党の高市早苗でございます。

 本日は、貴重な質疑時間を賜りました。同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。

 本日の質疑でございますけれども、一部、自民党の政権公約二〇一二、そしてまたJ―ファイル二〇一二の記述を引用させていただきます。

 この小さい方の政権公約二〇一二は、昨年十二月十六日投票でございました総選挙におきまして、自民党本部から中央選挙管理委員会、つまり総務大臣に届け出をいたしました。これは正式な選挙公約でございます。そして、このJ―ファイル二〇一二、かなりボリュームのあるもので、中長期的な政策も含まれておりますが、我が党の総合政策集という位置づけでございます。

 本日は、安倍内閣が発足いたしましてから私にとって初めての質問の機会でございますので、まずは、総理の政治姿勢についてお伺いをいたします。

 第一に、国民との約束に対する姿勢について伺います。

 野党でございました三年三カ月、自民党所属の国会議員そしてまた支部長たちは、全国各地、歯を食いしばって歩き回り、多くの切実な声を伺い、そのお声を党本部に持ち帰って必死で議論を積み重ね、そして、その集大成として、この政権公約二〇一二を作成いたしました。

 まさにこれは、野党でしたから当たり前のことなのですけれども、各省庁の政策のホッチキスどめでもなく、官僚の声が入ったものでもございません。政策担当の国会議員たちが、みずからパソコンに向かい、文章を練り上げたものでございます。

 この政権公約なのでございますけれども、私たちが必死でつくったものでございます。まさに安倍内閣はこの政策を実現してくれる内閣、だからこそ、私たちは期待を持ち、そしてまた、大変厳しい問題もさまざまありますけれども、全党挙げて、一致して、安倍内閣をお支え申し上げている、そういう状況でございます。

 さて、安倍総理は、この公約をつくった当時も、そして今も自民党の総裁でございますけれども、この政権公約二〇一二に私たちが示しました理念、そしてまた各政策について、しっかりと守り抜いていただく覚悟はおありでしょうか。国民との約束についての総理の基本姿勢を伺います。

安倍内閣総理大臣 まず、きょう誕生日を迎えられました高市委員が、自由民主党初の女性の政調会長として立派に職務をこなされておられますことに対しまして、改めて敬意を表したいと思います。

 自由民主党は、自由な議論のできる政党であります。そこで、自民党の政調というのは、時に非常に激しい議論を行います。これはまさに自分の政治信条をそこでぶつけるわけでありますし、地方の現場の切実な声がそこにあらわれてくるわけでありますから、それを取りまとめる政調会長の仕事は大変な御苦労だ、このように思うわけでありますが、昨年、我々が取りまとめた政権公約、そして政策集であるJ―ファイル、こうした我々の進むべき方向を示したものを国民の皆様にお示ししながら、我々は政権を奪回したわけであります。

 自由民主党という政党は、長い経験に裏打ちをされた責任感を持っております。つまり、約束は必ず守るということと同時に、結果を出していくということではないかと思います。そして、その間、まさにかんかんがくがくの議論をしていく、これこそが自民党のエネルギーであり、活力なんだろう、これからもそうしていきたい、こう思っております。

高市委員 いい御答弁を賜りました。

 第二に、今のお話に共通することでございますけれども、政府・与党の一体感というものに対する総理の姿勢を伺わせていただきます。

 この日本の経済、そしてまた外交、しっかりとしたものにしていくためには、私は、政治の安定性、そして信頼性、責任性、これが必要だと考えております。これは、政権公約をつくりましたときに、冒頭文に総理自身がお書きになったことでもございます。

 この数年間で日本から急速に失われてしまったもの、それは、政治の意思決定プロセスの透明性であり、そしてまた法制度執行の安定性、公正性であったと私は思っております。選挙向けのパフォーマンスであったり、そしてまた閣僚や総理の思いつきの発言であったり、そういったものにより大きく政治は混乱した、その点は否めないと思います。

 特に、普天間基地移設問題でありましたり、それからまた復興、そして防災対策に関する姿勢でありましたり、いろいろなものの混乱、これは目に余るものがございました。

 特に、こうした政治の意思決定、国がどちらの方向を向いているのかということがよくわからないですとか、それから、行政執行の現場で何がどう変わるのかわからない、こういった状況が続きますと、日本の企業立地の優位性も損なわれてしまいますし、外交においても他国からの信頼は得られません。

 さて、このような中で、私は自民党の意思決定プロセスには大きな誇りを持っております。

 自民党では、まず、全ての法案についてなのでございますけれども、政調会の中の各部会で徹底的な議論がなされます。そこで反対意見がおおむねなくなるまで議論がされ、場合によっては、閣法でありましても皆が納得できる形に条文が修正されます。その後、政調審議会で審査をされ、さらには党の最高意思決定機関であります総務会で審議をされ、そこで党議決定となったものが、その後さらに、現在でしたら自公で組織されます与党政策責任者会議の場で審議をされ、閣法であっても、そこで初めて閣議決定が可能となるわけでございます。

 私は、こういう厳し過ぎるとも言われる自民党の意思決定プロセスに誇りを持っているからこそ、政調会長となりましてからは、むしろ政府と与党の一体感、ここに心を砕いてまいりました。

 総理にお伺いをいたします。

 さまざま御尽力はいただいているとは思うんですけれども、政府・与党の一体感、そしてまた政府・与党間の政策の整合性、これを確保するために特に心がけておられる点がありましたら、お伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 我々自由民主党は、野党時代の三年間、まさに政調において政策を鍛えて、来るべき戦いに備えてきたわけであります。

 そして、政権をとったらやるべきこと、ずっと、それを込めてきたのがまさに政権公約であったわけでありますが、政権をとった今日、基本的には政府と与党は一体でなければなりません。ただ、一体というのは、政府がやったことを党が唯々諾々とのみ込むということではなくて、それをまさに高市政調会長に期待しているわけではないですし、高市さんもそういうタイプではないというふうに私も認識しているわけであります。そこで大切なことは、最終的に決めたらそれに向かって一丸となっていく、それが自由民主党の、まさに長い歴史に裏打ちをされた伝統、責任感なんだろう、こう思うわけであります。

 しかし、それまでに至る過程においては、政調においては、まさに多くの議員の皆さんが地元で直接有権者からいろいろな声を聞きますね、それを吸い上げて政調で議論をするわけであります。時にはその声の方が、政府が吸い上げる声よりも正しいこともよくあるわけでありますし、そこからつくり上げられた政策こそが地に足がついているということもあるわけでありますから、時には政府といわば政調等との間に緊張感も生まれるし、政府が政調から上げてきたものを生かしていくということが当然あってしかるべきなんだろう、このように思っております。

高市委員 ありがとうございます。

 まさに国民政党であります自民党、全国各地から吸い上げた声を、しっかりと政府にぶつけさせていただきます。

 マスコミで、政高党低、こう書かれている間は、まず、しっかりと自民党の公約を、また公明党も含めた与党の公約を政府が実施してくれている、実現してくれているということを党所属の議員が高く評価しているあかしだと安心していただいて結構なのでございます。反対に、党の声が大きくなっていけば、そこにまた政治の不安定感というものも出てまいりますけれども、政策をしっかりとマッチベターなものにしていくために、私たちも工夫をしてまいります。

 特に、これから出てくる政府提出法案につきましても、まずは党の政策との整合性、そしてまた、それが最も効果的なものであるのか、中長期的に見て国民の利益を最大化するものであるのか、無駄はないのか、こういった視点でしっかりとチェックをさせていただきます。

 第三に、内閣のあり方について伺います。

 私は、政治の安定性を確保するためには、閣内が統一されていることが大変大事だと思っております。

 今話題になっておりますTPPにつきましても、かつては猛烈に反対をされていた閣僚もいらっしゃいますし、そしてまた参加そのものに前向きな発言をされていた閣僚もいらっしゃいます。

 総理が今後どう決断されるかわかりませんけれども、その決断に際しましては、最後まで内閣が一体となって国民に対して責任を持つ、こういった環境は整えておられますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 安倍内閣には、さまざまな能力や才能を持った方々がおられます。個性の強い方もおられますし、主張の強い方もおられますが、しかし、もちろん、最終的に私が判断をすれば、全員が一丸となってその方向に向かっていく、そういう覚悟を持って安倍内閣に参画をしていただいた、このように思います。

高市委員 安倍総理とは、過去約十五年にわたりまして、いろいろな政策について、ともに活動をしてまいりました。

 私自身が安倍内閣につくっていただきたいと考えております国家像、社会像について紹介をしながら、幾つか伺ってまいります。

 第一に、私は、国民の生命、領土と資源、国家の主権と名誉、これをしっかりと守り抜く国をつくっていただきたいと願っております。これは国の究極の使命でございます。

 例えば、日本の安全保障体制の脆弱性につきましては、過去にわたって、リスクに対する備えさえも認めない空気、これに政治がというか日本社会全体が支配されてきた。これが大きな原因でもあります。

 古い話でございますけれども、イラク戦争開戦の直前に政府内で開かれましたある会議で、開戦直後の初動態勢について、各省庁ですり合わせを今のうちにしておくべきではないかということを私が申し上げましたときに、今、平和のための外交努力をぎりぎりまでしているときに、仮に戦争になったらということで発言をされるというのはいかなるものか、そういった御意見もございました。当時、安倍総理は官房副長官で、その場にいらっしゃいました。

 しかしながら、国際政治の基本というのはネバー・セイ・ネバーでございます。むしろ、政府は最悪の事態を想定し、しっかりと準備をしていますと伝える方が、本当の国民の安心につながるんじゃないかと思っております。

 国防のみならず、想定を超えたとされました原発事故の発生、それから社会資本の劣化によります事故を防ぐための防災対策のおくれ、こういったものも、リスクの最小化をする、最悪の事態に備える、こういう信念を持って政府に取り組んでいただかなければなりません。

 安倍内閣では、世界最高水準の安全を担保するということを前提にいたしまして、タブーなき議論を行い、あらゆるリスクの最小化に資する制度設計をしていただきたいと考えますが、この点、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 安倍内閣におきましては、希望を前提としないということであります。つまり、現状の認識についてはしっかりと認識をしながら、そして最悪の事態に備えていかなければならない、このように考えているわけであります。

 全ての面において、今、高市さんが指摘をされましたように、例えば外交、安全保障のように、もちろん、平和で安定した状況というのは誰もが望む状況でありますが、そういう状況を望むからこそ、そうならないように努力をしていく。そして、それが破られたときにはどういう体制を整えて国民の生命と財産を守っていくかということに備えていくことこそが我々の責任であろう、このように思っております。

高市委員 第二には、雇用と所得が拡大する強い経済をつくっていただきたいと切望いたしております。

 私は、絶え間なくイノベーションが起こり、日本列島の隅々まで活発な経済活動が行き渡る国、これをぜひともつくっていただきたいと考えております。

 安倍内閣におかれましては、財政政策、金融政策、そして成長戦略、しっかりと強い意思を持って果敢に行動される、この兆しが見えておりますし、既に、政府、日銀の共同声明、これもすばらしいものでございましたので、この点は安心をいたしております。

 特に、政府、日銀の共同声明の中では、それぞれの役割分担というものが明確になりました。日銀法第四条にのっとりまして、通貨政策も経済政策の一環であること、だからこそ、政府と日銀が連携をしてしっかりと日本の経済を強くしていかなければならないこと、こういったことが定められているということ、これをしっかりと多くの国民の皆様が理解をされたと思います。

 日銀が金融政策をしっかりと担っていく、物価安定目標を達成していく。その手段、何の手段をとるか、これは日銀の独立性に係ることでございますが、また、経済財政諮問会議の方でしっかりと現在の物価の情勢、またこれからの見通しなども検証していただく。そして、政府はしっかりとした財政政策も行い、成長戦略も打ち、しかしながら健全化目標に向かって歩んでいく。この体制をしっかりと維持をしていただきたい、このように考えております。

 さて、第三に、私がつくっていただきたい国なんですが、これは総理に伺います。

 まず、行き過ぎた結果平等というものを排して、機会の平等が保障される社会というものをつくっていただきたいと思います。私は、ジェラシーに立脚した政策というものが余りにもふえ過ぎると、すぐれた人材も企業も育たないと思っております。過去の格差社会論の過熱から分配政策ばかりが歓迎されるようになって、リスクをとって努力をしている人や企業、こういった方々がたたかれて、反対に、伸びるモチベーションを奪い取る政治というものが続いたんじゃないかと思っております。

 むしろ、将来に向けては、教育政策にしても税制などにしても、出るくいを伸ばす発想、それから機会平等を保障する制度設計への移行というものが、日本の競争力を高め、産業空洞化を防ぎ、そしてまた多くの国民の所得をふやすことにつながるのではないかと私は考えております。

 大変理念的なことではございますけれども、今後の政策設計にかかわることでございますので、総理のお考えを伺います。

安倍内閣総理大臣 まさに今、高市委員が指摘をされた、頑張った人が報われる社会。我々は選挙を通じて、頑張った人が報われる、流した汗が報われる真っ当な社会を取り戻す、これが自由民主党の大きなテーマであります。そのことを国民の皆様に御評価をいただいて我々は政権に戻ることができた、こう思っています。

 つまり、まさに誰にでもチャンスがある、そういう社会をつくっていくことがまず大前提であります。男性であろうが女性であろうが、年をとっていようが、あるいはまた障害があっても、誰にでもチャンスがある。

 今、生き方が多様化している中において、その考え方によって差別されることもない、そういう社会をつくっていく必要があるんだろう。そういうダイナミックな社会こそが、将来成長していく、そういう未来を手に入れることができると思います。

 ただ、もちろん、人は時によって、頑張っても、不幸にしてどうしても生活の基盤を失ってしまう場合があります。そういう方々に対しては、しっかりとセーフティーネットを張って、これはみんなで助け合っていく、こういう共助の精神とともに、誰にでもチャンスのある、結果平等ではないという社会をつくっていきたい。自助自立の精神を大切にする社会、頑張った人が報われる真っ当な社会をつくるために我々は全力を挙げていきたいと思っております。

高市委員 今、正直者が報われる社会という方向性を総理から伺いました。まさに私がお願いしたい第四の点でございます。これは、強い経済ですとか社会保障の安定性、継続性にも係る考え方でございます。

 昨年、厚生労働省からいただいた資料によりますと、民主党への政権交代後約一年ほど、平成二十二年度には、生活保護不正受給の告発件数が前年度の倍となっておりました。

 社会保障制度というのは、勤勉に働いて税金や社会保険料を負担してこられた多くの国民の御努力によって成り立っております。一部の方が自分さえ得をすればと考えて行動することによって、ほかの納税者の負担が過大なものになってしまいます。

 過度の依存心をあおるばらまき政策というものを排して、福祉の不正利用をしっかりと排していく、これはもちろん、真に必要な福祉水準の確保を前提としたものでございますけれども、ぜひとも正直者が報われる公正な社会をつくっていただきたいと願っております。

 総理に二点伺います。

 平成二十五年度予算案の中で、公正な社会をつくることに配慮をされた新たな取り組みがあれば、御紹介をいただきたいと思っております。

 二点目は、さらに、前政権が行っていた政策の中で、総理が、過剰な依存心をあおるばらまき政策だと判断されて、廃止や縮小を決めておられる政策があれば御披露ください。

安倍内閣総理大臣 今委員の御指摘のような正直者が報われない社会、これは、社会の根底、基盤を崩していくことにつながっていくと思います。

 そうした考え方も踏まえまして、平成二十五年度予算では、例えば今お話のあった生活保護について、制度の公正さに対する信頼性を確保する観点から、不正受給対策の強化を実施することとしております。

 そして、過度の依存心をあおらない観点から、公助に対する過度な依存が起きないようにするために、例えば子ども手当について、二十四年度から、所得制限を導入した児童手当として制度が見直しをされたわけであります。二十五年度においても、これを踏まえた内容となっております。

 また、縮小することを決めているわけではありませんが、高校無償化について、真に公助が必要な方々のための制度にすべきという自由民主党の主張を踏まえて、二十六年度以降については、所得制限を含めて検討してまいります。

高市委員 今、生活保護制度のお話が総理から出ました。

 生活保護制度というのは、御自身が病気で働けなかったり、また、失業して次の職に恵まれなかったり、そしてまた、病気のお子さんや親御さんを抱えていてとても働きに出られない、本当に困っていらっしゃる方にとって大切な制度でございます。

 でも、勤勉に働いて制度を支えておられる多くの納税者が、何かこれは不公正だとか不公平だ、こういう感じを持ちますと、制度そのものの継続性が保てなくなってしまいます。

 厚生労働大臣にこの後お伺いをしたいんですけれども、これも厚生労働省からいただいた資料によりますと、東京都区内で、仮に、三十歳のお母さんが四歳と二歳のお子さんを育てておられる、こういった母子家庭があったといたします。そして、生活保護を申請された場合に、生活扶助そして住宅扶助を合わせますと、これは最大限の額でございますけれども、二十六万二千七百円、一カ月に受給される可能性があるわけでございます。

 一方で、東京都の最低賃金であります時給八百四十円でアルバイトをされて、一日八時間、そしてまた週に五日働かれる、そうした場合に得られる月収は十三万四千四百円でございます。

 そうしますと、フルタイムで働くよりも生活保護を申請した方が得だといったモラルハザードも起きかねない状態であるかと思います。

 そしてまた、生活保護法というのは、憲法第二十五条、生存権の規定が根拠でございますけれども、憲法二十五条は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利というものを保障いたしております。

 厚生労働大臣に伺いますが、フルタイムでアルバイトをした場合に、今のような状況ですと、憲法に保障された最低限の生活も営めないという解釈にもなってしまいますけれども、この点をどうお考えでしょうか。

田村国務大臣 まずは、政調会長、お誕生日おめでとうございます。これからの御活躍を御期待申し上げます。

 さて、御質問の件でありますけれども、確かに、最低賃金法にも、健康で文化的な最低限度の生活、労働者がこれを営めるように、生活保護の施策と整合性をとる、これに配慮する必要がある、こういうふうになっておりまして、それを踏まえた上で、それぞれの都道府県の、地方の最低賃金審議会、これでいろいろな議論をしていただいて、この最低賃金、生活保障の水準を逆転しているというのがありますから、これを解消できるようにということで御努力をいただいております。この五年間ぐらいで、十一、逆転していたんですけれども、徐々に解消されてまいりまして、今、六都道府県がまだ逆転しておる状況でございまして、これは解消に向かって御努力をいただくということであります。

 いずれにいたしましても、やはり経済状況がよくならないとこれが実現していかないわけでありまして、我々、そういう意味では、アベノミクスと言われておりますけれども、この経済対策、しっかりと実現をして、早期に解消できるように努力してまいりたいというふうに思います。

高市委員 まずは、しっかりとした就労支援、健康で働ける方で就労を希望されている方に対しての御支援をお願いしたいということ、それから、御高齢の方で本当にお仕事もできない状態で、しかも生活保護を申請できずに命を落とされる大変痛ましいこともございますので、しっかりとケアができるようにお願いを申し上げます。体制をつくってください。

 第五に、私が求めております社会像でございますけれども、これは、世界最高水準の教育立国をつくっていただきたいということでございます。

 まさに教育というのは、国家の基本でございます。学校、家庭、社会がそれぞれの責任をしっかりと果たして、毅然と教えるべきことを教える、そしてまた、しっかりとしたしつけを行うことによりまして、日本社会が抱える多くの問題が解決に向かうと確信をいたしております。

 教育については、この後、幾つか具体的な点を下村大臣にお伺いしたいと思っております。

 ここで、東日本大震災復興についてお伺いをしたいのですけれども、四日後の三月十一日、東日本大震災発生から二年を迎えます。改めまして、犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げまして、また、御遺族の皆様にも、そして被災地で困難な生活をされている方々にもお見舞いを申し上げたいと思います。

 自民党の政権公約二〇一二でございますけれども、この中の最初に書いたのは、「まず、復興。ふるさとを、取り戻す。」という、私たちの強い決意でございました。

 自民党が政権に復帰してからまだ二カ月余りでございますけれども、まずは復興予算の増額、そしてその財源となりますフレームの拡大、それから復興関連税制の拡充、そして復興庁の司令塔機能の強化、こういったことに矢継ぎ早に対応してまいりました。しかしながら、被災地ではまだまだ、被災者の生活再建ですとか復興まちづくりを阻む多くの課題が存在いたします。

 そこで、自民党東日本大震災復興加速化本部では、大島理森本部長を中心に、緊急提言を取りまとめ、昨日、総理に対して、また復興大臣に対して申し入れを行ったところでございます。

 この中では、住宅宅地供給の見通しを目標として明示する工程表の早期の作成ですとか、それからまた、所有者が不明になってしまった土地もたくさんございます。こういった土地の権利調整を迅速化するための法整備の必要性なども盛り込まれております。この点については、今週冒頭からの衆議院本会議で前向きなお取り組みの答弁をいただいておりますので割愛をいたしますが、復興大臣、まず、きのう差し上げました与党の緊急提言、最後までお読みをいただいたかどうか、そして、この内容、全面的に御賛同いただける内容であったかどうか、御答弁をお願いいたします。

根本国務大臣 きのういただいた復興加速のための緊急提言、じっくり読ませていただきました。大変幅広い、そして、現状と課題を分析されて、しかも、現地に何度も足を運ばれて、要は、魂のこもった提言だと私は思います。この提言に沿って、私もしっかり取り組んでいきたいと思います。

 特に、この提言で、「震災三年目の冬を希望持って迎えるために」、この副題、私もある種の感動を覚えます。この緊急提言の中で、「生活の再建への希望持って次の新年を迎えて頂く、われわれの復興に対する決意を示す象徴的な目標として、この達成をここに誓う。」私は、このとおりだと思います。

 ただいま高市委員からお話がありましたように、我々、新政権になって、精力的に、司令塔機能の強化あるいは財源フレームの見直し、復興加速策に取り組んでまいりました。

 今、全面的にというお話がありましたので、高市委員の御指摘になった事項について多少触れさせていただきますが、この提言もいただきましたが、具体的な対応策を二つ三つお話をしたいと思います。

 今お話のあった住まいの再建の工程表、これは、ぜひ見える化をしたいと思います。市町村別に、具体的な地区でどれだけの住宅が建っているか、この工程目標をしっかりとお示ししたいと思います。

 そして、土地の権利関係の御指摘もありましたが、いかに全体のプロジェクトをスピードアップするか、用地の問題あるいは土地の権利関係の問題、埋蔵文化財の問題、設計施工、この一連の事業をいかにして短縮するか、この具体策もパッケージでお示しをしたいと思っておりますし、復興交付金の柔軟化や、あるいは福島の早期帰還、定住のためのプラン、これも取りまとめて、本日の復興推進会議でお示しをし、決定をしたいと思います。

 とにかく、政府・与党一丸となって復興加速に取り組んでいきたいと思います。

高市委員 ぜひよろしくお願いをいたします。

 この緊急提言で指摘を申し上げた事項の一つに、被災地のマンパワーの不足という課題がございます。特に、市町村の技術系職員の不足、まちづくりをするにしても、まず計画を立て、そして用地の買収をしたり換地をしたり、そしてまた補償をしていく、そしてまちづくりを進めていく、工事を進めていく、マネジメントも含めて、この一連の仕事にしっかりと取り組める人材の不足でございます。

 こういったことから、独立行政法人都市再生機構、いわゆるURでございますが、震災発生直後の二十三年四月から、被災地にまちづくりのノウハウを持った職員を多数派遣してくださっております。

 ことしの二月一日時点で、東北の十事務所に二百二十一名の支援要員を配置しておられます。また、平成二十五年度は十二事務所に三百名の派遣が必要となっております。そしてまた、平成二十六年度には、恐らく復興まちづくりがピークを迎える状態でございますので、まださらなる人員の派遣が必要になるんじゃないかと思っております。

 ところが、行革の取り組みの中で、このURも人員の大幅削減を続けておられます。そしてまた、民主党政権だった二十四年の一月二十日に、特殊会社化を検討すること、これが閣議決定されております。

 近年は、どうしても、公的な機能を果たしてきた組織について、とにかく人を減らすとか民間組織にするということが何となく世論に受ける、こういった空気もありまして、そういった空気に政治が支配されている部分もあるんです。しかしながら、被災地におけるマンパワー確保のためにはあらゆる手を尽くすこと、これが肝要だと考えております。

 行革大臣にお伺いをしたいのですが、このURの性急な特殊会社化そして大規模な人員削減というのは復興に水を差すことにもなりかねないと感じるんですけれども、安倍内閣においてはどのような検討をされているか、お答えください。

稲田国務大臣 ただいま委員御指摘のように、URが被災地に職員を派遣し、まちづくりの復興の支援をしていただいていることは承知いたしております。一方で、URは、多額の有利子債務の存在、脆弱な財務状況など、やはり改革は必要だと思っております。

 今委員御指摘の昨年一月二十日の閣議決定は、安倍内閣で凍結をいたしております。これは独立法人の改革を凍結するということではなくて、独立行政法人の制度本来の趣旨に立ち戻って、今までの改革の検証、総括、改革の集大成ということで取り組んでおります。

 御指摘のように、被災地の支援、復興に支障がないように取り組むことは当然でございます。一方で、独立行政法人改革の全体状況を踏まえながら、国交省と密接に連携をとりながら、URの具体的な改革の方向性も取り組んでまいりたいと思っております。

高市委員 この復興を進めるということは、政治の大きな責任でございます。そしてまた、首都圏、関西圏も含めまして、また四国地方、九州地方からもさまざまなお声をいただいておりますけれども、大震災発生のリスクを強く感じておられる中で、全ての国民の皆様にとっても人ごとではないことでございます。

 この三月六日に提出をいたしました緊急提言でございますけれども、これらの内容について、実施状況や効果、それから復興関連事業の進捗状況について、定期的に政府から与党に対して御報告をいただきたいのです。これは、与党だけということではなくて、ぜひとも全ての国会議員に対して報告の機会をいただければと思っております。その時点ごとに、新たに解決する課題、解決しなきゃいけない課題というのを把握して、私たち自民党内でも新たな課題への対応方法というものをしっかりと検討してまいります。

 復興大臣には、できましたら、与党に対しては、まずおおむね三カ月ごとに御報告をいただきたいんですけれども、ぜひともよろしくお願いいたします。可能でしょうか。

根本国務大臣 私も、復興を着実に進めて加速していくためには、常に政策の総点検が必要だと思います。私も、その意味で、就任以来まず取り組んだのは、施策の総点検そして施策の再構築であります。

 高市委員御指摘のように、新たな課題、問題もどんどん出てまいりますから、定期的に御報告をして、政府一丸となって復興加速に取り組みたいと思います。

高市委員 先ほど総理には、国民の命を守り抜ける政治、国づくりというものをお願いしたところでございます。

 平成二十四年度の補正予算そして二十五年度予算案では、学校、医療施設などの耐震化が盛り込まれております。

 ところで、現在、全国の自衛隊官舎の約一五%が築四十年を超え、二五%は築三十年から四十年だと聞いております。老朽化による非常に劣悪な住環境に加えまして、耐震構造に問題があるという指摘もあるやに聞いております。

 自然災害などの発生直後から、初動として動いていただかなきゃいけない、国民を守るために活動していただかなきゃいけない自衛官、そしてまた警察官、消防署員などが発災時に負傷して動けないようなリスク、これは最小化しておかなければならないと思いますし、任務に没頭していただくためには御家族の安全確保も必要でございます。

 これも、公務員宿舎など公的な機関の施設の建設や改修というのは厳しい国民世論もございますけれども、しかし、今は冷静に必要な対応を講じておかなければならない、そういう時期に来ているかと思います。

 これは総理になりますか、防衛大臣になりますか、安倍内閣には、緊急時の初動に係る公務員の身体の安全を守るために必要な施策としてこの官舎の耐震化も進めていただきたいんですけれども、今後の方針をお伺いいたします。

小野寺国務大臣 東日本大震災におきましても、自衛隊員、大変な活躍をしていただきました。

 先ほど御指摘ございましたが、実は、防衛省・自衛隊の宿舎については、民間の借り上げ住宅を除く五万三千戸のうち、戦前戦中に建てられたものも含め、約二割に当たる一万二千戸が築四十年を超過するなど、老朽化が進行しております。

 このため、二十三年度より全国の宿舎を対象に耐震調査を行っておりまして、二十五年度の予算要求におきましては、宿舎の新築建設及び既存宿舎の補修、整備等に必要な経費ということで、二百二十八億円を計上させていただいております。

 我が省としましては、しっかりとした使い道を明確にした中で、耐震補修にこれからも努力をしてまいりたいと思います。

高市委員 ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いいたします。

 そして、国民の命を守り抜くために必要な政策といたしまして、防災教育、防犯教育、交通安全教育、これを強化しなければならないと考えておりますけれども、これに対しまして、予算措置も含めて十分な対応をとる御予定がおありかどうか、文部科学大臣に伺います。

下村国務大臣 お答えいたします。

 東日本大震災などの自然災害や登下校中の子供が巻き込まれる交通事故が発生しておりまして、学校における安全の確保が重要な課題になっております。

 このような中、平成二十四年四月には、学校保健安全法に基づき、各学校における安全に係る取り組みを総合的かつ効果的に推進するため、学校安全の推進に関する計画が閣議決定されたところでございます。

 この計画を踏まえまして、二十五年度予算において、学校安全の充実に総合的に取り組む子ども安心プロジェクト、予算案は三億四千万円でございますが、これを措置いたしまして、一つに、東日本大震災の教訓を踏まえた新たな防災教育の指導方法の開発普及、そして二つ目に、教職員や児童生徒等の防災、防犯、交通安全に対する意識の向上を図るため、学校安全教室の講師となる教職員を対象とした講習会の開催、三つ目に、通学路の交通安全を確保するため、専門的な見地から必要な指導助言を行う通学路安全対策アドバイザーの派遣、このような事業を実施することとしております。

 今後とも、子供の安全を確保するため、学校における安全教育に積極的に取り組んでまいります。

高市委員 下村大臣、御就任以降、次々に、我が党の政権公約に書いた事項も含め、そしてまた、これは下村大臣御自身が教育再生本部の本部長としてまとめられたことでございますけれども、しっかりと実行に移していっていただいている。強く期待を申し上げております。ぜひとも安全教育、よろしくお願いをいたします。

 海外に滞在する日本人の命を守り抜く、これも政府の重大な責任でございます。

 ことし一月には、アルジェリアで、本当に昼夜を分かたず働いておられる十名もの日本人が、卑劣なテロによってとうとい命を落とされました。改めまして御冥福をお祈り申し上げます。

 このアルジェリアの事件、これは非常に鮮烈な印象を私たちは受けたんですけれども、平成十六年の四月にも、ボランティアや絵本作成を目的としてイラクに入国された三名の日本人が拘束された事件がありました。このときには、事件発生から八日目に三名の方々は解放されたんですが、同じ年の十月には、ニュージーランドからイスラエル経由でイラクに入国された若者がテロ組織に誘拐され、このときには、殺害されてしまうという、大変つらい、最悪の結果となりました。

 現在、朝鮮半島情勢も必ずしも安定した状況ではない、リスクが高い状況だと考えるのですが、韓国にも約三万二千八百名の日本人が滞在しておられます。今や、在外邦人の安全をいかに確保するか、そして、万が一犯罪に巻き込まれたときにいかに救出をするかということは、避けては通れない問題になっていると思っております。

 私は、政調会長就任後でございますが、自民党の政調の中に、在外邦人の安全確保に関する特命委員会を設置いたしました。また、インテリジェンスに関する特命委員会も設置いたしました。それぞれ、委員長として、中谷元先生、そしてまた岩屋毅先生に御活躍をいただいております。また、自公の与党政策責任者会議にも在外邦人の安全確保に関するプロジェクトチームというものを設置し、これは、政府と連携しながら、今さまざまな対応を取りまとめているところでございます。

 とにかく、早急に、できることから順次実行していく、これが大変重要なことだと考えております。

 まず、在留届の提出義務の周知徹底について伺います。

 旅券法第十六条は、居どころを定めて海外に三カ月以上滞在する日本人については、領事館に届け出なければならないと規定をしております。この届け出は義務ではありますけれども、罰則規定はございません。

 仕事や留学などで海外に滞在される日本人が自分で身を守るためにまず必要なのは、滞在地域の治安情報でございます。この在留届を提出された方は、そこに記載したメールアドレスに在外公館から治安情報や自然災害情報などが送信をされております。

 外務大臣に伺います。

 この在留届の提出義務というものが法律に定められているということについて、御存じない方も多いんじゃないかと思うのですけれども、在外邦人の安全確保のために、まず、この周知徹底をされる御用意がおありかどうか、伺います。

岸田国務大臣 御指摘のように、在留届の提出につきましては、旅券法第十六条によって、三カ月以上海外に滞在する方に義務づけられております。

 この在留届につきましては、海外における事故ですとか事件あるいは災害等緊急事態の発生の場合に、危機情報の提供ですとか安否確認、こうしたことのために、できる限り正確な情報の保持は極めて重要だと認識しております。この広報啓発に努めなければならないという御指摘、そのとおりだと認識をしております。

 そういったことから、より周知徹底を図るために、例えば、インターネットを通じて在留届を提出することができる在留届電子届け出システム、ORRネットの活用促進、さらには、在留届を出された方も、帰国とか転出された際にそのままにされることによって在留届の正確性が低くなってしまう、こういった事態もあります。

 こういった事態の周知徹底、これにまず努めなければいけないと思っていますし、さらには、治安の悪い地域においては三カ月未満の滞在の方の情報把握、これも重要だと思っています。この部分につきましては、検討が必要だということで、今検討を行っている、こうしたことであります。

高市委員 今問題意識を持っていただいたので、外務大臣におかれましては、ぜひとも早急にその対応をしていただきたいと思います。

 民間のツーリストですとか交通機関関係の会社にも協力を依頼する、そして、海外に展開される企業にもこの内容を徹底していただく。これは経済産業大臣にも御活躍をいただかなければいけない点かもしれませんが、ぜひともよろしくお願いいたします。

 外務省は、各国の渡航情報というものを海外安全ホームページに掲載し、随時更新をしております。例えば危険情報もこの中に入るんですね。

 平成十六年のイラク邦人拘束事件の折にも、外務省は、イラクにおけるテロ攻撃や誘拐の危険についての注意喚起をずっと続けておりました。事件発生前年の二月十四日以降で見ますと、イラクに滞在する全邦人に対して退避勧告、これを継続して発出し、そして、日本からイラクへの渡航については、どのような目的であれ延期と勧告をしておりました。

 当時、本当に危険な状況にある国については、勧告などではなくて、渡航禁止命令ですとか退避命令のような強制的な措置というのはとれないのだろうかと思いまして、外務省に問い合わせたことがございました。しかし、憲法二十二条が保障する海外への移転の自由に抵触するということ、そして、仮に、一般旅行者に対して渡航禁止措置をとれても、邦人保護のために渡航される政府の職員ですとか、それからまた、報道のために出られるマスコミの方々を例外にするということになると、これは、憲法十四条が保障する法のもとの平等に抵触する、こういった理由から、強制的な措置というのは不可能だということでございました。

 仮に憲法を改正してこの制約がなくなったとしても、運用面では、第三国経由で危険地域に入る国民をとめる方法がない、こういった限界もございます。しかしながら、海外で誘拐事件、拘束事件が発生した場合には、邦人を救出する、保護するために莫大なコストもかかり、また人員も要することでございます。私は、日本国憲法が国民に保障している自由や権利というものについて、憲法第十二条では、濫用してはならないこと、常に公共の福祉のために利用する責任というものを求めているわけでございますので、個人の権利に対して一定の制限をかけることは可能なのではないかと考えているものでございます。

 外務大臣に伺いますが、重大な危険が予測される場合でも、政府が渡航禁止命令や退避命令を出すということは、憲法第十二条の規定にのっとってもやはり憲法違反になるんでしょうか。

岸田国務大臣 危険地域への渡航禁止命令、さらには避難命令については、憲法で保障されている渡航の自由との関係もあり、法的な面も含めて、さまざまな視点から慎重に検討する必要があるとは考えています。

 ただ、こうした渡航の自由とて、これは無制限に認められるものではないと思います。合理的な制約が可能なのかどうか、こうした視点で慎重に検討していく必要がある課題だと思っています。

高市委員 慎重に検討していくという言葉がどっちの方向なのかよくわかりませんが、ただ、合理的な制限、これが可能なのかどうか、ぜひとも、大変難しい問題ではございますけれども、岸田大臣の間に検討を進めていただければありがたいと思います。

 それより何よりも、やはり時代に合わなくなった憲法の改正を私たちはしなければならないと思います。

 日本国憲法は、本当に、強い私権、個人の権利を認めております。これはある意味で、私たちにとって恵まれたことでもあるんですけれども、最近起きているさまざまな事象を見ますと、その規定によって、いろいろと対応できない問題が出てきているのも事実であると思います。

 例えば、外国資本が自衛隊または海上保安庁の基地の周辺の民間建物を買っている、場合によっては部隊の展開などが丸見えである、こういった場所もございます。これに対応する議員立法をということで作業を進めてまいりましたけれども、かなりこれは財産権との関係で難しい作業になっております。

 これまでも、森林法の改正案、これも、外資による水源林の買収という問題が進んでおりましたので、議員立法で提出し、何とか、民主党を初め各党の御協力も得て、最後は委員長提案という形で成立をいたしました。

 しかし、これはなかなか難しい問題も多々残されておりますので、ぜひとも、時代に合った憲法、日本の心と、そして日本人の手による、そういった憲法をつくってまいりたい、これは私の決意でもありますし、多くの国会議員がそう考えていることだと思っております。

 さて、自衛隊法の改正について、お答えになりにくいかもしれませんけれども、防衛大臣に伺います。

 現行法では、海外で私たちが危険な状態に巻き込まれたとしても、とにかく現地の空港までは自力で脱出をしなきゃいけない。そこまでは自衛隊機が迎えに来てくれたとしても、やはり陸路の移動というのが大変難しい問題になっております。

 そこで、平成二十二年、これは大臣が代表提出者であり、私自身も提出者の一人でございますけれども、議員立法で自衛隊法改正案を自民党は提出いたしました。野党議員が提出した議員立法であったということもあり、国会の中では、委員会につるされたままそれが続きまして、結局、昨年の解散で廃案となったものでございます。当時は、朝鮮半島情勢の悪化、これを念頭に、一刻も早くということで立法作業を急いだわけでございます。

 自衛隊法を仮に改正したとしても、自衛隊をそのときに海外に本当に派遣するかどうか、これはその時々の政権が的確に判断されるべきものでございます。しかしながら、仮に、当該国、相手の国に日本人を守ってくださる人員がない、能力がない、こういった事態も想定しながら、やはり備えとしての法整備、リスクの最小化、これはしっかりと確立しておかなければなりません。法律に規定がなければ自衛隊もそのための訓練も行えませんから、私たちは大変急いでおります。

 また、これは議員立法で出したんですけれども、しかしながら、実力部隊が場合によっては海外に展開するという性質のものですから、やはり閣法として提出されるのがベストだと私は考えております。

 あすにでも危険な状態が起こる、邦人が危険に巻き込まれるという可能性はゼロではないわけでございますので、今国会に必ず自衛隊法改正案を閣法として提出していただきたい、こう望んでおります。小野寺大臣、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 在外邦人の保護というのは、政府の重要な責務であります。その体制については、不断に検討を行うことが必要だと思っております。

 私も、高市委員もそうですが、三年前に、在外邦人保護の強化のための自衛隊法改正の議員立法を提出したことがございます。

 今御指摘がありました自衛隊法八十四条の三でありますが、これによりますと、邦人の輸送というのはあくまでも航空機もしくは船舶に限られております。ですから、先ほどお話がありましたように、空港まで来てくれれば運べるというような状況になっております。

 今般、アルジェリア事件の検証報告でも述べられておりますように、防衛省としては、派遣先国においてさまざまな輸送ニーズに対応できるよう、陸上輸送も含む現地での自衛隊の運用について研究し、現行法制で十分か検討したいと考えております。

 この際、派遣される隊員が現場で困ることのないように、不測の事態への対処、そして何より、武器使用のあり方についても研究する必要があると認識をしております。現在、与党の中で議論されていると伺っておりますし、省内でも検討させていただいております。

 今後、官邸や与党とも相談をしながら判断していきたい、そのように思っております。

高市委員 今国会での提出をぜひともお願いいたします。全力で、また各党と御相談を申し上げながらサポートいたしますので、強い決意で臨んでいただきたいと思っております。

 先ほど、領土と資源、国家の主権と名誉、これを守り抜ける国をつくってほしいと総理にお願いをいたしました。ここで、教育や啓発活動も大変重要な要素になるかと思います。

 領土教育について伺います。

 第一次安倍内閣によります教育基本法の改正を受けまして、学習指導要領も改訂をされました。この中には、領土、国家主権について、「基本的な事項を踏まえて理解させるように留意すること。」と明記をされております。

 しかしながら、現在使用されております一部の教科書を見ますと、こういう記述がございます。日本海に位置する竹島については、日本と韓国の間にその領有をめぐって主張に相違があり、未解決の問題となっています、また、東シナ海に位置する尖閣諸島については、中国もその領有を主張していますと書かれてありまして、竹島や尖閣諸島が日本国の領土であるということの正統性には触れられておりません。

 かつて北朝鮮が延坪島を攻撃したときに、当時の李明博大統領が、一つになった国民が最強の安全保障である、こう述べられたことが非常に強く印象に残っております。また、韓国の小学校が独島特別授業、竹島に関する特別授業を行っている様子も何度も日本のテレビで紹介をされました。

 とりわけ、領土や資源、こういうものを守り抜くために政府が強い外交力を発揮する、その上では、領有権について正しい知識を持つ国民による世論の後押しというものが大変必要だと考えております。

 下村大臣、日本の領土教育というのは不十分だと私は感じますけれども、教科書の記述内容の検証ですとか教材や教員研修の充実強化につき、御予定があれば教えてください。

下村国務大臣 お答えいたします。

 我が国の将来を担う子供たちが自国の領土を正しく理解することは極めて重要であるというふうに思います。

 学習指導要領では、小学校から高等学校までの各学校段階におきまして、我が国の位置と領土や、北方領土など我が国の領域をめぐる問題などについて指導を行うことが明記されております。これに加えて、竹島については、平成二十年七月の中学校学習指導要領の解説において、新たに記載するなどの充実を図ったところでございます。

 これを受け、教科書については、北方領土の記述に加えて、今年度から使用している全ての中学校地理の教科書において竹島の記述がなされるとともに、来年度以降使用される全ての高等学校地理の教科書において竹島や尖閣諸島の記述がなされるようになったところでございます。

 しかし、中学校における尖閣諸島の取り扱いについては、全ての教科書に記述がされているわけではございません。学習指導要領やその解説の不断の見直しをこれから行っていく中で検討していくことが必要であるというふうに認識しております。

 文部科学省としては、新学習指導要領に基づき、領土に関する教育が各学校で今まで以上にしっかりと進められるよう、関係省庁とも密接に連携協力をしつつ、積極的に取り組んでまいります。

高市委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 下村大臣は、かねてから、教科書の採択現場も改革されるということでお話をされています。日教組の影響を強く受ける採択現場の現状から、不適切な教科書が採択されるというお話でございますけれども、それ以前に、私は文部科学省の責任は大きいと思っております。つまり、検定段階で教科書調査官がしっかりと、教育基本法の理念、学習指導要領に書かれたこと、これと見比べながら、不良品である教科書を排除する、これをもとからやっていただく、ここのところが大事だと思いますので、ぜひともそちらの方もよろしくお願いをいたします。

 さて、自民党のJ―ファイル二〇一二には、政府主催で、二月十一日の建国記念の日、二月二十二日を竹島の日、四月二十八日を主権回復記念日として祝う式典を開催しますと書いております。主権回復記念日につきましては、この後、野田毅委員からも御質問があるかと思いますので割愛をいたしますけれども、総理におかれましては、来年こそ、建国記念の日と竹島の日の式典について、政府主催で開催されるおつもりはおありでしょうか。

安倍内閣総理大臣 建国記念の日については、建国をしのび、国を愛する心を養うという趣旨により設けられた国民の祝日でもあり、政府主催の式典の開催については、こうした趣旨等を踏まえて検討していきたいと思います。

 今回は、なかなか時間的な制約もあり、行うことができなかったわけでありますが、来年以降、主催に向けて検討していきたい、このように思っております。

 そして、竹島の日は、島根県が県の条例により、竹島の領有権の早期確立を目指した運動の推進等を目的として定めているというふうに思います。政府主催の竹島の日の式典開催については、今後適切に検討していきたいと思っております。

高市委員 ことしに関しましては、政権発足後間もなかったことから、会場の手配、さまざまな検討というものが間に合わなかったことと承知をいたしております。J―ファイルに書かせていただきましたので、今後の課題として、ぜひ前向きに検討を進めていただきたいと思っております。

 自民党の政調会では、今、新人議員の研修活動というものを進めておりますけれども、春に北方領土の視察を企画いたしております。実は、これは山本一太北方対策大臣からのリクエストでございます。

 北方領土の返還に関しましては、返還交渉そのものは、総理でありましたり外務大臣でありましたり、上のレベルで検討されるものでございますけれども、北方担当大臣の大きな任務といたしまして、国民世論の啓発活動がございます。

 さて、この際、山本一太カラーを出した新たな啓発活動の企画、お持ちかどうか伺います。

山本国務大臣 高市政調会長、沖縄北方対策担当大臣経験者としていつもアドバイスをいただいて、ありがたいと思っております。

 国内啓発は、まず隗より始めよということで、今お話ございましたが、今回、衆議院選挙で当選した百十九人の自民党議員全員に根室まで足を運んでもらって、そこから、納沙布岬から直接北方領土を見ていただいて、資料館に行っていただいて、元島民の方々と意見交換をしていただく、そういう研修会の開催を政調会長にお願いをして、実現の一歩手前まで参りました。ぜひともこの実現に力をかしていただきたい。北方担当大臣、そして新しく設けられた領土担当大臣としてお願いを申し上げます。

 その上で、山本カラーの話なんですが、御存じのとおり、北方領土問題の重要性というのは国民各層に訴えていかなければいけない。しかし、高市政調会長御存じのとおり、特に若い方々に認知度が低い。二十代の方々に至っては二割しかないということで、インターネット等を通じた発信を強化していきたいということで、今、インターネットテレビGyaOでCMを流し始めました。間もなく、いわゆるソーシャル・ネットワーキング・サービス、SNS、ツイッターやフェイスブックにもアカウントを設けて、双方向の発信というのを始めたいというふうに思っています。

 加えて、経済界、企業と協力してキャンペーンを展開するということを考えていまして、去年、サッポロビールの協力で、あるイベントにブースを出させていただいて、二万人の方が訪れました。ことし、今回の二十五年度予算でつけたんですけれども、二千二百社の上場企業に連絡をとって、北方領土問題のアンケートを実施して、それを踏まえて、協力していただく企業を探す、イベントを打っていただけるのであればそれをカバーする運営費も渡す、こういうこともやっていきたいと思います。

 去年就航した「えとぴりか」という四島交流船がありますので、事業期間以外もぐるぐる日本じゅうを回ってもらって、今のところ六つぐらいの港を考えているんですが、できれば、東京も含めて七つぐらいのところで洋上研修をやる、青少年に対するいろいろなセミナーをやる、展示会をやる。こういうこともやってまいりたいと思いますし、イメージキャラクターでエリカちゃんというのもいるんですけれども、実はエリカちゃんが行くと随分集客の人数が変わるものですから、少しエリカちゃんもふやしていきたいと思っています。

 いずれにせよ、戦後もう六十七年もたって、高市政調会長御存じのとおり、返還要求運動の関係者も随分高齢化をして、元島民の方々もかなり高齢化をしていますので、いろいろ新しい手法も使いながら、粘り強くこのキャンペーンをやっていきたいと思いますので、引き続き、いろいろとアドバイスをいただければと思います。

高市委員 就任後二カ月余りでいろいろなことを検討していただいている、大変うれしく思います。

 ぜひとも、キャラが立っている山本大臣におかれましても、エリカちゃんと一緒にぐるぐる日本じゅうを回っていただき、より効果的な活動を推進していただきたいと思います。

 ぜひとも、文部科学大臣ともしっかり連携をお願いいたします。

 総理には、先ほど、強い経済を取り戻していただく、このお願いもいたしました。一人でも多くの国民が、働く機会に恵まれ、安心して豊かな消費生活を楽しみながら、広く薄く社会のコストを負担できる主体として生活をしていただく、こういうことが経済のパイの拡大にもなり、そしてまた財政健全化を実現する道を開くものでもあると思っております。

 そのためにも、今こそ我々日本人は、日本人の矜持でありました自立と勤勉の倫理を取り戻していかなければなりません。

 この点につきましては、総理の施政方針演説が、一身独立して一国独立する、この言葉から始まったことによりまして安心はしているのですけれども、ただ、予算措置の中で多少気になることがあるので、伺います。

 キャリア教育についてでございます。

 第一次安倍内閣のときには、内閣府、文部科学省、経済産業省、厚生労働省が連携しまして、キャリア教育等推進プランを取りまとめました。今も当時も変わらないのかもしれないのですけれども、せっかく就職をしたのに三年以内に自分からその職場をやめてしまわれる若者の割合、中学校卒業の方で七割、高校卒業の方で五割、大学卒業の方でも三割、こういう状況でございました。

 当時の安倍総理も、福祉から就労へ、この理念を閣僚に伝えておられましたので、私自身は、青少年施策を担当する立場から、これはやはり、子供のころからしっかりとした職業観、勤労観というものを醸成し、そしてまた、インターンシップなどの機会もふやし、できるだけ皆が職業生活にスムーズに入っていける、こういう環境を整えなきゃいけないと思って、政策を構築したものでございます。

 麻生内閣が編成をされた平成二十一年度の当初予算を見ますと、キャリア教育、職業教育に六億四千三百万円が措置されておりました。その後、民主党の事業仕分けによりまして、自治体の判断に委ねる、こう判定されまして、平成二十二年度から二十四年度では国の予算措置がなされておりません。

 昨年、地元で、私立学校から、キャリア教育実施のために職員も採用して準備を進めていたんですけれども、お金が来なくなった、こういう苦情も伺いました。

 自民党のJ―ファイルには職業教育、キャリア教育の強化というものを明記いたしましたので、自民党の政調会では、キャリア教育推進特命委員会というものを新たに設置し、推進に向けての取り組みをしているところでございます。

 文部科学大臣に伺います。

 キャリア教育、職業教育について、国における予算措置の必要性、そしてまた適切な規模についてどうお考えでしょうか。

下村国務大臣 お答えいたします。

 厳しい雇用情勢や若者の無業、早期離職等、これは先ほども委員から御指摘がありましたが、学校を卒業して就職三年以内ですと、今、もっとたくさんの離職者がふえているということで、さらに問題が深刻化しているというふうに思います。社会的、職業的自立に必要な能力や態度を身につけさせるキャリア教育、また、実践的な知識、技術及び技能を身につけさせる職業教育を充実させる、これは極めて重要なことであるというふうに思います。

 このため、平成二十五年度予算案においても、学校、産業界、NPO等幅広い主体が参画し、地域に密着した支援を行う地域キャリア教育支援協議会の設置促進に必要な経費を新しく盛り込むことにいたしました。予算は四千三百万円でございます。

 それ以外に、成長分野などにおける中核的専門人材養成の戦略的推進に必要な経費を大幅に拡充いたしました。二十四年度予算額が四億七千九百万円に対して、二十五年度は十一億三百万円でございます。

 国として、各学校や各地域における先進的な取り組みを促進するために、しっかり対応していきたいと思います。

 また、現在、政府の若者・女性活躍推進フォーラムにおいて、キャリア教育についても議論が行われているところでございまして、文部科学省としては、学校におけるキャリア教育、職業教育の一層の充実に向けて取り組んでまいります。

高市委員 元気な若者がしっかりと働くこと、これも重要でございます。

 しかし、私は、定年退職された方、また子育て中の女性の方々、そしてまた障害を持っておられる方々が、ライフステージごとの生活スタイルに応じて御自宅の近くで働ける場所をふやす、これも大変大切なことだと考えております。

 先ほど、総理には、日本列島の隅々まで活発な経済活動が行き渡る国、これをつくってほしいとお願いを申し上げました。個人的には、テレワークの推進、また、農商工連携、福祉工場、こういったものの推進に力を入れているところでございます。

 その私が大変高く評価していたのが、六十歳以上の方々が、家庭ですとか事業所、官公庁から臨時的、短期的な仕事を有償で請け負っておられるシルバー人材センターの取り組みでございました。

 これは、年金収入を補完して長寿社会における自立した生活を目指せるということ、それからまた、地域社会の一員として生きがいも感じていただけるということ、働くことで健康を維持することによって医療、介護の財政負担軽減に貢献できること、こういった意義もあるかと思いました。

 ところが、このシルバー人材センターの援助事業でございますが、民主党の事業仕分けで、予算要求の縮減と判定されました。麻生内閣が編成された二十一年度の予算では百三十五億九千四百万円計上してくださっておりましたが、野田内閣の二十四年度予算では九十一億四千百万円になり、三二・八%も減額をいたしました。

 自民党のJ―ファイルには、シルバー人材センターの活用ということを書いております。ところが、第二次安倍内閣が編成された平成二十五年度予算では八十九億五千五百万円で、全く重点化されておりません。

 ここは私が実は不満に思っているところでございますが、このシルバー人材センター援助事業の減額の理由は何なのか、そして、安倍内閣においては、高齢者の地域雇用機会をふやす取り組みについて、どういう施策を考えておられるのか、厚生労働大臣にお願いいたします。

田村国務大臣 ありがとうございます。

 シルバー人材センター事業でありますけれども、これは、事業量を減らしたというよりは、不必要な額を適正化したということでございまして、そういう意味では、事業自体、二十四年度並みということでございます。

 あわせて、このシルバー人材センターで働く方々が、労災にも適用されない、それから健康保険も使えないというお話がございましたので、この国会で、実は、それが適用できるような形で法案を提出させていただく予定でございます。

 今、高齢者の方々の働く場というお話がございました。生涯現役社会実現環境整備事業というものをこの国会に、予算の中に提出をさせていただいておるわけでありますけれども、あわせて、シルバーワークプログラムというもの、これは、言うなれば、お年寄りの方々が一回リタイアされて、その後、例えば技能講習でありますとかそれから面接会でありますとか、そういうようないろいろなものに対してのお手伝いをするという事業であります、これを拡充させていただいたりでありますとか、それから、高年齢者の就労総合支援事業、こういうものも今年度、この予算の中に盛り込ませていただいております。

 とにかく、有識者の方々に、高齢者の方々の働く場、活躍する場、こういうものを御検討いただくことも含めて、これからも厚生労働省といたしましてしっかりと御支援をさせていただきたいというふうに思っております。

高市委員 安心をいたしました。

 さて、もういよいよ質問時間も終わりでございます。日本人は、自立と勤勉の倫理を大切にする一方で、困ったときにはお互いさまと助け合える地域のきずなも築いてまいりました。また、子供のしつけ、豊かな教育に心を砕いてきた民族でもございます。そして、高度な技術力、人材力、きめ細やかなサービス心、美しい自然と伝統文化、そしてまた良好な治安、清潔な社会を誇ってまいりました。これは、かつては世界一とされた国際競争力の源でもございました。

 私は、日本と日本人の力を信じております。日本の強みをしっかりと生かしながら力強い未来を切り開いていきたい。政府・与党一丸となって取り組んでまいる、次の選挙よりも次の時代を考えて取り組んでまいる、この思いをお伝えいたしまして、私の質問を終了いたします。

 長時間ありがとうございました。

山本委員長 この際、野田毅君から関連質疑の申し出があります。高市君の持ち時間の範囲内でこれを許します。野田毅君。

野田(毅)委員 引き続いて質問をさせていただきます。

 総理には、御就任以来、超多忙の中で、本当に元気に御活躍をいただいております。どうぞ引き続いて頑張っていただきたいと思います。

 そして、就任されてから、珍しいことだと言われていますけれども、調査のたびに支持率が上がっている、株価も上がってきている、大変喜ばしいことだと思います。今日までの御努力に敬意を表しますと同時に、この後におきましても、スピード感を持って、しなやかに、力強く、そして優しくこの国をリードしていただきたいと思います。まずはどうぞ頑張っていただきたいと思います。

 そこで、きょうは、限られた時間ですので、ある程度ポイントを絞って御質問をさせていただきたいと思います。

 第一点は、主権回復記念日についてでございます。そして第二点は、財政問題、特に公共事業等々、こういった事柄について申し述べたいと思います。時間があれば、その次のいろいろなテーマに入っていきたいと思うんです。

 まず、主権回復記念日についてでありますが、これは先ほど高市さんからもお話がございましたが、昨年の総選挙の際のJ―ファイル、我が党の公約集の中に、四月二十八日を主権回復の日として祝う式典を政府主催で開催します、こう明記してあることでございます。

 約束したことは必ず守るのが安倍内閣の基本方針でございます。そこで、善は急げということもございます。ことしの四月二十八日は、ちょうど連休前でもございますし、日曜日でもございます。そういう点で、もう大分時間的には切迫はしておりますものの、どうぞことしの四月におやりいただくことができますように、まずはよろしくお願いを申し上げたいと思います。いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 一九五二年四月の二十八日にサンフランシスコ平和条約が発効いたしまして、七年にわたる長い占領期間を終えて、我が国は主権を完全に回復いたしました。つまり、独立を手に入れたわけでございます。

 既に六十年を経ているわけでございますが、六十年を経た結果、むしろ若い方々の中には、我々はかつて主権を失っていた、七年という長い占領期間があったんだということも知らない人たちがふえているわけでございまして、その中で、御承知のように、憲法あるいは教育基本法といった、日本を形づくる、そうしたものもその期間にできたわけでございます。

 この四月の二十八日、六十年前の四月二十八日に独立をした、このことをしっかりと認識する、そして新しい歩みがそこから始まったんだということも認識をするいわば節目の日であるわけでございますが、この節目を記念し、我が国による国際社会の平和と繁栄への責任ある貢献の意義を確認するとともに、これまでの経験と教訓を生かし、我が国の未来を切り開く決意を確固としたものとするため、本年の四月二十八日に政府主催の記念式典を実施する方向で検討しております。

 ちょうど連休に入るわけでございますが、実施をするということになりましたら、どうか奮って議員の皆様にも御参加をいただきたい、このように思う次第でございます。

野田(毅)委員 ありがとうございます。大変力強いお話を伺いました。ぜひその方向で進めていただきたいと存じます。

 実は私は、国会議員の議席をいただきまして四十年なんですが、最初に議席をいただいたのは沖縄返還の年、そして日中国交正常化の年なんです。ある意味では、戦後の一区切りがついた年でございます。そのときには田中内閣でありました。私はもちろん中曽根派におったわけですが、あの世代の政治家の皆さんが、早くから、やはり憲法の話だとか、主権をなくした、このことについての複雑な思いを抱いてこられた。

 私は、かねてから、この国の形を考える上で二つのポイントがあると。

 一つは、終戦記念日なんです。八月十五日。これはある意味では、お盆のときとも重なって、戦没者の慰霊、英霊を顕彰する、感謝をする、そして同時に平和を祈るという大事なことでございますが、同時に、この日は残念ながらポツダム宣言を受諾した日でありまして、言うなら、日本みずからの主権を残念ながら行使できない形になることを受け入れたということであります。自来、占領が開始されまして、日本は、国の形としては独立国ではなくなりました。

 そしてもう一つが、その主権を回復した日が、おっしゃるとおり、昭和二十七年の四月二十八日でございまして、主権をなくした日、そして同時に、今度は主権を回復した日、ある意味では、国の形としては二つの不連続点がある。

 これをセットにして、改めて日本人がそのことに思いをいたして、そして、外国から総括されるのではなくて、日本人みずからがこのことに思いをいたして、なぜ主権を喪失するに至ったのか、あるいはその時代、占領下にあるときにはどういう政治が行われてきたのか、そして、主権を回復して独立国ということを取り戻した暁にはどういう心構えで日本の政治、国の形はあるべきなのかということを、改めてしっかりとみずからの考えを、お互いが、右左を超えて、もう一遍冷静にしていくということも大事なことなのではないか。

 特にドイツは、敗戦のときに統治機構が崩壊をしました。ですから、占領軍の直接統治型になりました。それが解除された後は、ドイツは、全国民的な総括をした上で、戦後の独立国としての歩みを、立ち位置を定めて今日に来ていると思いますけれども、日本は、ある意味では間接統治をやったものですから、多くの国民の中には、占領下にあったということさえもう皮膚感覚がなくなってきていて、それを引きずって、ある意味では自虐的な史観になってみたり、ある意味ではそれに対する反動的な思いもあって、国論がなかなかそういった形で総括するに至っていない。

 そろそろ、もう六十年以上たって、今ここでそういったことに思いをいたしていくということが、結果として、私も長年、日中関係の仕事もいたしておりますけれども、私は、そのことがかえって、近隣諸国との冷静なお互いの関係、アメリカをも含めて、日本のこれから先の展望を考えた場合に大事なことではないか、そんな思いを持って今日まで参りました。

 今回、ようやくその思いが総理のおかげで前進しようという運びになっております。私は、ぜひ心を込めてその方針を全面的にバックアップしたい、むしろお願いをしたい、そういう思いでおります。

 このことをまず冒頭私から申し上げるところでございまして、総理、もしそのことについて御感想があれば、なければいいんですけれども、あればどうぞお願いをいたします。

安倍内閣総理大臣 この主権回復の日につきましては、野田議員が長年にわたってずっとこの問題、議連をつくって進めてこられましたことに改めて敬意を表したい、こう思う次第でございます。

 これはまさに、委員が御指摘をされたように、特定の思想に立脚するものではなくて、いわば、日本がかつて主権を失っていたという事実、そして一九五二年の四月二十八日から新しい歩みが始まったんだという事実を捉えて、主権を失うということはどういうことなんだ、あるいはまた、主権を回復して独立をしたということはどういうことなんだ、国際社会に復帰をしたということはどういうことなんだということをもう一度思い直す日にまさになるんだろうと思います。

 そういう意味におきましては、若い人たち、子供たちにとっても極めて有意義な日になるし、していきたい、このように思います。

野田(毅)委員 ありがとうございました。

 それでは、次のテーマに移りたいと思うんですけれども、限られた時間の制約の中ですので、ポイントだけ、ざっとまず申し上げておきたいと思うんです。

 今日まで、特に今世紀に入って長年のたうち回ってきたのは、一つは、大きな借金を抱える中で、どうやって必要な仕事を国としてやっていくことができるのかという問題でございます。そういう中で、よく人口に膾炙されるのは、財政赤字の最大の要因は、無駄な公共事業をばらまいて、その結果、借金の山ができたんだという話がある。

 しかし、本当にそうなのか。むしろ、公共事業よりも、高齢化に伴う社会保障費の大変な急速な増加が大きな原因なのではないか。そして、必要以上にコンクリートバッシングをやってきて、その結果が、ある意味では社会資本の老朽化、劣化につながっていることはなかりしや。

 そして同時に、ここまで劣化した状態を次の時代の国民に借金と一緒に押しつけるというようなことで、本当にこの世代に生きる政治家は許されるんだろうかということを思うと、国土の劣化をどうやって防いでいくのか、その財源をどうやって確保するのかということも考える必要もあるだろう。

 そして同時に、公共事業が一方で無駄と言われる背景には、単にBバイC云々の話だけじゃなくて、実は私の地元の川辺川ダムの問題もそうなんです。これは四十年以上前からの懸案だったんです。これがもし三十年前にできていたら、恐らく無駄とは誰も言わなかったと思う。だけれども、待てど暮らせどやれない。そのうちに、当てにしていた、期待をしていた農民が、待ち切れなくなって減っていく。減っていくことによって、受益者負担が一人当たりでふえてしまう。だからますます減っていく。結果的に、人もいなくなったところでやるのはもう無駄じゃないかという話に実はなってくる。

 そういったことを考えると、完成時期までの期間が長過ぎるということがもう一つ大きなことがある。そうであれば、公共事業について、トータルとして、計画をつくってから完成するまでの期間を何とかしてスピードアップすることこその方が大事なのではないか。

 そういったことを思いますときに、成長戦略の規制緩和ということがあるんだけれども、ただ、ばらっと規制緩和さえすればいいというのではなくて、その戦略的な、本当に成長を高めるようなやり方はどうなのか。あるいは、そういった社会資本整備の中でも、より優先して規制改革をしていくような事柄はないのか。先ほども少し高市さんからもお話がありましたけれども、そういったことを、これは法務大臣も含めて、収用のやり方だとかいろいろなことがあると思います、あるいは私権が強過ぎるとか、用地買収が非常に難しい、そういったことがあるので、ぜひ、規制改革をやる場合にも、この視点を踏まえて臨んでもらいたいということ。

 要するに、つぼを外すと痛いだけですから、規制緩和も。その点を頭に置いた、ターゲットを決めた成長戦略をつくってもらいたい。時間があれば、公共事業の経済効果について少し意見交換をしてみたい。ざっとこんな中で、質問の内容に入っていきたいと思います。

 そこで、冒頭言いましたけれども、財政悪化の原因について、お手元をごらんいただくとおわかりいただけると思うんですが、この数字は全部発表されている数字でありまして、私が見やすくするために申し上げたんですが、見方を言えば、二〇一一年度の国債残高、これは右端に書いてあります。十年ほど前、二〇〇〇年、今世紀の初めの国債の残高は三百六十八兆だった。十年ほどたった残高が六百六十八兆、赤丸で印をしてあります。ことしはどうか。当初ベースでいくと七百五十兆。つまり、残高は今世紀に入って急速にふえているということが見てとれると思います。

 太字で書いてある三段目の数字が、二〇〇〇年から二〇一一年の間にふえた借金の数字であります。これを見ていただくと、建設国債が三十八兆に対して赤字国債が二百六十三兆、合計三百兆。

 ということは、別の言葉で言えば、まさに、コンクリートよりも、人による借金が実は借金をふやした最大の理由である。だから、自民党が何か無駄な公共事業をやって借金の山をつくって、今日、財政が大変なことになっているという、これは私は言いがかりじゃないかと思います。

 数字をしっかり見た上で、どう対応するか。このことは、別段、民主党をどうとか自民党をどうとか言うつもりはありません。そのことがあったから、あえて税と社会保障一体改革ということで、赤字国債をこれ以上ふやさないということでやったことですから、三党合意に基づいてやった、そういう点では、民主党の皆さんにも敬意を表しています。大変な返り血を浴びながらおやりになったことですから、私は大変敬意を表したいと思っています。

 このことを頭に置きますと、これから、さあ、どうやっていくのか。ちなみに、建設国債については、左端の黄色丸、二〇〇九年度と二〇一一年度、赤字国債のふえ方に比べればはるかに低いと思います。

 いずれにしても、このことをごらんになって、麻生大臣、御感想はありますか。

麻生国務大臣 コンクリートから人へというのが一番だったので、たまたま、もとの職業に対する非難かと思ったのは、鳩山内閣の最初の御発言だったので、私の方を見ながら言っておられましたので、そうかなと一瞬思った記憶があるんですが。

 少なくとも、今おっしゃられたのは、この数字の前、九〇年代までは公共事業関係費の増加というのが一番多かったんですが、近年では、これは高齢化の進行に伴う社会保障関係の増加、もうその数字のとおりになってきております。

 ちなみに、公共工事でいえば、決算ベースじゃなくて予算ベースで、少なくとも、一番上が平成九年度の九・七兆だったと思いますが、それが二十四年度では四・六兆まで、約半分以下になってきておりますので、そういった意味では、間違いなく社会保障関係、そういったようなものが大きいのと、加えて、九〇年度以降の、バブルがはじけた後の法人税収が激減しておりますので、そこの二つが重なってきたのが大きいんだ、私どもはそう思っております。

 いずれにしても、今、この五百七十という数字が出てきておりますけれども、これは間違いなく社会保障関係費が猛烈にふえたのが約百九十一兆円、それで、地方交付税等の交付金などの増加が七十四兆、公共事業関係費の増加が五十八兆になっておりますので、その意味では、事業費の増加の額から見たらおっしゃるとおりの数字になっている。加えて、税の減収が百九十五兆、これらのものが重なって、今おっしゃったような形の巨大なものになってきておるというのは事実だろうと思います。

 これは、今御指摘のありましたように、三党合意に基づいてきちんとした体制を整えていただきましたので、こういったことを考えますと、中長期的に持続可能な税制とか財政とか、こういったもののあり方を今後とも真剣に考えねばならぬと思っております。

野田(毅)委員 ありがとうございます。

 そこで、こんなことを聞くのは大変失礼なんですけれども、この数字の中で、黄色丸、青丸、道路についての借金はどっちに入っていると思いますか。これはもう答えを言います。つまり、道路については借金はなかったんです。なかったんです。

 この点は世の中には大変誤解がありまして、無駄な道路をいっぱいつくって借金の山を残したという言い方があるんですが、国は道路のための借金はしておりませんでした。道路特定財源です。道路に使うということで納税者に負担をお願いしたそのお金が、道路に使わないでほかに回っていたから、だったら、その部分は減税しろ、暫定税率をなくせ、あるいは、こんな税目はやめてしまえということにつながってきたことは、そのとおりなんです。

 だから、一般財源にしてからは、今日は、ことしの場合、道路予算の財源はもう道路財源に特定しておりませんので、結果としては、建設国債を財源にして道路をやっておるという理解ができるんですけれども、さて、これは麻生大臣じゃなくて国交大臣の方がわかるかな、同じようなことですけれども、そういうことです。

 ですから、問題は、何を言いたいかというと、これから後、社会資本の劣化が著しく進んでいる、特に、この前もいろいろ報道もなされておりますけれども、今後五十年間で橋梁などの維持、補修、管理、そういったことについて、ざっと五十年間で百九十兆必要であるという試算もある、年平均でいくと四兆円ぐらいになっちゃうよという話もある。

 社会資本の劣化は、道路、橋梁、トンネルだけではなくて、学校の耐震化であったり、ほかのさまざまな公共施設も相当もう耐用年数を過ぎて老朽化が進んでしまっている。

 さて、これらを今後どういう形でカバーしていくかということを考えると、そんな甘い話ではないぞと。その財源をどうやって調達するのかということは真剣に考えておかないと、次の時代に、そんなぼろぼろになった国土を、本当にそれを引き継いでいいのか。

 私は、今日に生きる政治家の怠慢になりかねない、そのことを真剣に思うと、これは真剣に、太田大臣、もう今既にそのことに大変な危機感をお持ちになっていろいろな計画をおつくりになっている、メンテナンス元年ですか、ということを含めて頑張っておられるということですので、ぜひその点について概略御説明をいただきたいと思います。

太田国務大臣 大変重要な御指摘をいただきまして、感謝申し上げます。

 私は大変危機感を持っておりまして、一つは、今御指摘のありました、高度成長時代から、あらゆるインフラ、道路も含めて、これが四十年、五十年たっているということで経年劣化をしていることにどう対応するかということが物すごく大事な問題になっています。

 一九三〇年代アメリカ、いわゆるニューディール政策ということで世界恐慌脱皮の闘いをしたんですが、そこでつくった構造物が、五十年たったときに、一九八〇年代に劣化をしまして、橋梁が落ちたり道路が崩れたりということで、荒廃するアメリカ、こういうことが言われました。これをどうするかということがアメリカにとっても大事なことだったんですが、その後の経済成長というものがあったものですから、今かなりの投資ができるということになっているんですね。

 ところが、ちょうど経済成長の時代につくったさまざまな構造物が四十年、五十年たって劣化をしているんですが、その間、日本は、そうした防災、減災、老朽化対策ということを施してこなかった。

 例えば橋をとってみますと、七〇年代に毎年一万ぐらいの橋ができていた、それがずっと減って、最近は新しい橋が百あるいは二百という単位になってきているということで、非常に山があって、ずっと谷のままあって、この老朽化対策ということでまた一気に山が来るというようなことがありますから、これは平準化していかなくてはいけない。単に今食いとめるというだけではなくて、どうするかというような財政措置についても平準化していくというようなことを、長寿命化ということや、あるいは直ちに対応するというようなことも含めてやっていかなくてはいけないということにもなります。

 日本の特殊性もありまして、道路をとりましても、世界からいきますと、高速道路で二四・六%がトンネルそして橋である、こんな国はないんです。アメリカでは七%ぐらい、そしてフランスに至っては三%というようなことで、相当ここの劣化ということに対応しなくてはいけないということで、これを平準化し、そして修繕というようなことも含めてどう対応するかということについて、技術的な点検ということをまずやらなくてはいけない。

 点検ということに一気に力を入れて、メンテナンス元年と私は言っておりますが、そこに手を入れて、さらにそれを大きな山にしないで平準化していきながら、そして、できるだけそう高コストではないという形で修繕、老朽化対策というものを今直ちにやっていくということが、後世の若者に届けるには重要なことだというふうに思っております。

 莫大なお金がかかるということをおどかしのように言うのではなくて、技術水準の進歩、研究、そうしたこととあわせてこれについての対応をして、日本が、安全と安心が得られる構造物ということで、今こそまさに、今までの公共事業という観念をもう一度改めて、防災、減災、安全、そして老朽化対策、耐震化、こういうことに進まなくてはいけないというふうに強く思っております。

野田(毅)委員 ありがとうございました。丁寧にお答えをいただきました。

 今、劣化、老朽化ということに力点を置いて私も申し上げたんですが、この安倍内閣においても、自公両党においても、強靱化という言葉を使っております。この強靱化の中には、劣化対策、老朽化対策ということも含めて、まさに事前の防災をも含めて、あるいは、場合によっては地域の活性化をいかに引き出すかということを含めて、公共事業の有効性については、ぜひ先入観を持たないで真摯に対応していかなきゃいけない課題だと思いますので、当然のこととはいえ、念のために申し上げておきたいと思うんです。

 そこで、さっきちょっと触れたんですが、公共事業が無駄かどうかという、なかなか難しいと思います。BバイCの計算の仕方がどうだとかということもあるだろうし、そして同時に、先ほど言及しましたが、計画をして事業認定する前までに時間がかかるんですね。周りの地権者の同意をもらわなきゃいけない。

 そういう中で、私どもの耳に入っているのは、これは東北の方でも、相続人が随分数がふえてしまって判こをとるのが大変なんだと。特に、戦後、憲法改正と同時に民法も改正されて家督相続から均分相続になっちゃったものだから、今はすごく相続人の数がふえちゃって、国際結婚もふえていますから、とてもじゃないが、判こをとりになんかなかなか行けない。これをどうやってできるだけ早期に対応していくかというのは大変頭の痛い問題で、今、御努力をいただいていると聞いております。

 これは何も東北だけの話じゃなくて、我々の地域の中で、例えば土地改良なんかも、やろうと思うとその地域の九割の判こをもらわなきゃいけないんです。その中には共有地がいっぱいある。そうすると、その共有地をどうするか。これは河川改修でもみんな絡んでくる。それで時間がたって、計画してから実施に入る前に三十年ぐらいかかる。これを何とかしないと、日本は、計画はしても計画倒れで、そのうち、そのあたりから人がいないということになってくる。これはやはり放置するわけにいかぬと思うんですよ。

 事業認定してから、後は収用手続の話になります。今のは事業認定する前の話です。事業認定してから、収用をどうするかという話になってくる。今の時点では、土地収用法、なかなかできていないですね。極端に言うと、成田なんか、世界じゅうで日本だけですよ、一体何十年。昭和五十三年に成田空港は一部開港したんですよ、福田内閣で。それがまだ、あそこに地主さんがいますよね。本当に、これで平然としている日本人の神経というのはどこにあるんだと。中国みたいになれとは言いませんけれども、少しひど過ぎるんじゃないですか。

 だから、本当にどんなに立派なナショナルプロジェクトでも、イデオロギッシュな方々からすれば、そういう国家的に大事なナショナルプロジェクトだからこそ反対したいという人たちもいるわけですよ。それにはまっちゃったら何もできない。韓国の仁川にしても中国のあれにしても、みんな日本を素通りになって、かなめはみんな大陸に移ってきている。これを、一生懸命、成長戦略、グローバル戦略と言っているんだけれども、この部分のスピードアップができなければ動けない。

 そういう点で、私は先ほど少し、的を絞った言い方はしていませんが、収用手続のあり方などについては法務省も関係すると思いますし、国交省も関係すると思いますし、成長戦略でいえば、甘利大臣、稲田大臣、みんな各省関係するんですが、日本の事柄を早くスピードアップさせるということが成長戦略であり、それこそが改革なんだろうということを思うと、ぜひここは、総理、きょうは急なことなんですが、そういう問題意識をお持ちいただいて、総理が一遍本部長に座るぐらいの気持ちでこの辺を統合して推進するような、そんな思いを持っていただければいいんですけれども、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今、野田委員が御指摘された問題意識というのは、恐らく、多くの議員が共有していながら、なかなかそれを前に進めることができなかった問題点だろうと思います。

 国民の福祉全体を考える中において、いわば国家プロジェクトとして進めなければいけない。しかし、国家という名前がついているから、かえって反発する人がいて、いわばたった一人の反対で物事が進まないということが起こっているわけでございまして、かつて、東京都知事の美濃部さんという人が橋の論理というものを振り回して、一人が反対すれば橋はつくらないんだということで、実際、大切なものはほとんどできなかったという反省もございます。

 そうした問題意識も持って、何をやるべきかということを考えていきたいと思います。

野田(毅)委員 ありがとうございます。

 もうそれぞれの大臣から答弁をもらうことは、一言言いたいという人があれば、手を挙げてみてください。いいですか。

 復興大臣、いいですか。今の状況のままで、自信を持って大丈夫とやれますか。そうでないなら、こういうふうに改善することを考えていますか。何かあれば、どうぞ。今のままでは、相当復興に時間がかかるんじゃないかと思います。

根本国務大臣 野田委員の問題意識は私も共有しております。

 先ほども申し上げましたが、全体のプロジェクトをいかに短縮するか。そこは、用地取得から権利関係を解きほぐす問題、そして埋蔵文化財、一連の流れがありますから、そこをいかにして短縮するかということを今タスクフォースで検討しておりまして、財産管理人制度、ボリュームとしてたくさんの必要な方が出てきますから、それにいかにして対応するか。

 収用手続についても、審査期間を短縮するとか、具体的な制度の運用改善、これは今、具体的に検討して、一定のアウトプットを出しました。

 さらに、その上に立って、野田委員の問題意識、私もしっかりと共有しながら頑張っていきたいと思います。

野田(毅)委員 ありがとうございます。しっかり頑張ってください。みんなでバックアップ、応援していきますから、よろしくお願いしたいと思います。

 そろそろ時間になってきているんですが、甘利大臣、今、くどく成長戦略と規制改革の話をしたんですけれども、やはり、ざくっと規制緩和とか規制改革というと、何でもかんでも、みそもくそも一緒と言うといけませんけれども、そういうことになりがちなので、戦略的にぜひ見てほしいな。

 特に我々が力を入れなければいかぬのは、例えば医薬品の分野なんかもそうなんですが、臨床の分野、ここの規制をどう改革していくかということが大事なので、率直に言って、末端の、薬局で自由に販売することができるかどうかということと成長とは余り関係ないような気がする。例えば、タクシーの規制を緩和して、では成長にどういう役に立ったのか、よくわからない。

 あるいは、大店法をなくして、いっぱい大型店が出てきたけれども、それが日本経済の成長の中でどれだけ役に立ったのかというよりは、むしろ、各地区の商店街が疲弊してしまっている。いつも言うんですが、酒屋さんも、規制緩和、事実上、免許制度をなくしたような形になっているから、今世紀に入って二百五十人ぐらいの方々がみずから命を絶つような悲惨な状況になっている。では、誰がその恩恵を受けているんですか、成長にどういうプラスがあるんですか。

 そういったことを考えると、私は、必ずしも、競争を激化させることが成長だということとは違うと思う。もう少しターゲットを絞って、研究開発の分野であったり、特に医薬品だとか、今申し上げたような、公共事業をスピードアップする、周りの同意を不必要に求めないというようなこととか、そういったターゲットを絞った規制改革を少し前面に出していただいた方がいいんじゃないか、戦略的規制改革ということを少し念頭に置いていただくといいと思うんだけれども、いかがでしょうか。

甘利国務大臣 先生御指摘の点はもっともだと思います。

 いたずらに過当競争をあおるだけの規制緩和ではなくて、そこから、その規制があるために伸びていく芽が伸びないというようなところ、技術はあるのに製品化できないというところ、あるいは製品化できたとしてもスピードがかかり過ぎるというようなところ、そういう点にしっかりとフォーカスを絞って、全ての国民のためになる規制緩和であり、それが成長戦略につながるようにしていきたいというふうに思っております。

野田(毅)委員 せっかくですから、担当大臣、稲田大臣も規制改革の担当でしょうから、一言どうぞ。

稲田国務大臣 今先生から御指摘があったように、ターゲットを絞って、そして総理からも、改革のための改革に陥ることなく、日本の経済再生に資する改革をと指示を受けております。

 私も、よきものは残しながら、伝統を守りながら不断の創造を続けていく真の意味での改革を、ひるまず、大胆に、迅速に取り組んでまいりたいと思っております。

野田(毅)委員 ありがとうございます。しっかり頑張ってください。

 持ち時間が参りましたので、これで私の質問を終えます。ありがとうございました。

山本委員長 この際、小此木八郎君から関連質疑の申し出があります。高市君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小此木八郎君。

小此木委員 おはようございます。総理、お疲れさまでございます。私は、自民党の小此木八郎です。

 総理とは、平成五年に初めて当選をさせていただいて、もう二十年になります。野田先生が今四十年といいますから、すごいなと思いながら質問を聞かせていただきましたが、安倍総理は、そういう意味で私たち同期の中では出世頭なんですね。だから、本当に頑張ってもらおう、こういうふうに思っています。

 一方で、私は、みずからの力不足、不徳で落選を経験しまして、この三年余り、いろいろな勉強をさせていただきました。(発言する者あり)まあ、大きくなったかどうかは別として。

 総理の先日の施政方針演説。「強い日本、それをつくるのは、ほかの誰でもありません。私たち自身です。」福沢諭吉翁の言葉を引用されて、「一身独立して一国独立する。」という言葉。「私たち自身が、誰かに寄りかかる心を捨て、それぞれの持ち場で、みずから運命を切り開こうという意思を持たない限り、私たちの未来は開けません。」こう施政方針演説で冒頭に述べられて、私はみずからのこととして、この言葉を大事にして頑張らなきゃいかぬなと改めて思ったんですね。

 そこで、きょうは、地方分権ということが、我々は機会を捉えてさまざまお話をいたしますし、地方からもそういった声が聞かれます。

 浪人中、日本維新の会の、私は橋下徹さんという方とお会いしたことはないんですが、橋下さんが、地方分権というのは、地方のためにやるんじゃないんだ、国のためにやるんだということをおっしゃった言葉を聞いて、すごく理解のできる言葉として、すとんと心に落ちたんですね。

 地方分権、地方分権と本当に口では言うんですけれども、やはり分権をするなら、その権限は地方に委ねられる、あるいは権限を地方が使って自分たちのまちづくりというものを自分たちの力で行っていくということを実現するためには、地方自治体そのものがやはりそれなりの用意をしておかなきゃいけない、力を持っていなきゃいけない、鍛えられていかなきゃいけないという気持ちが私にはあります。

 きょうは地方分権等、あるいは補助金、交付金ということについて、国会でもさまざまな議論がありましたけれども、安倍内閣として、この地方分権というのをどういうふうに進めていくのか、総理の基本的な考えについて、まずお聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ただいま小此木議員から平成五年の話をされましたので、私も思い出していたわけでありますが、同期として当選し、小此木議員は最年少だったと記憶をしております。二十代だったんです、私と大体十歳ぐらい違って。ですから、三年、大変御苦労されたと思いますが、まだまだ、四十代なんだろうと思いますので、見た目はちょっと、貫禄と、この三年間風雪に耐えた小此木八郎ということになったんだろうと思いますが、まだまだ若いので、ぜひまた自民党のホープとして頑張っていただきたいと思います。

 その上で、質問に答えさせていただきたいと思いますが、まさに地方分権、これは、本来地方が決めるべきことを国があれこれ口出しするのは間違っている、つまり、そこに住んでいる人たちがその地域のことは一番よく知っているわけでありますから、基本的にはその地域の人たちが決めていく、これがまさに地方自治の本旨、わかりやすく言えばそういうことなんだろう、このように思います。

 ですから、その中において、なるべく権限の移譲を進めていく。その際、財源等も勘案しながら、そしてまた、権限を移譲していく以上、責任もちゃんと持ってください。これは当たり前のことでございますが、責任と権限は一体であります。同時に、税源においてもよく議論を進めながら、この地方分権については安倍内閣としてはしっかりと進めていきたい、このように考えております。

小此木委員 ありがとうございました。

 毛並みの話は別といたしましても、やはり、今おっしゃったように、地方に権限を委ねる以上は、地方もしっかりと構えておく、用意しておく、不備のないように備えておくということが私は大事だという意味で、今の総理の答えを基本的な考えといたしまして、総務大臣、その方向性を踏まえて、これから実際に具体的にどのように地方分権改革というものを進めていくおつもりなのか、あわせてお答えいただきたいと思います。

新藤国務大臣 地方分権の改革を進めていくこと、それは結局のところ、国全体の統治機能の強化につながっていくものでなければならない、このように思っています。

 それぞれの町にはそれぞれの歴史があり、それぞれの個性があります。ですから、町の独自性、自立性、こういったものを高めながら、そして、その町の住民サービスが向上できる、そのために必要な規制の改革があるならば、それは行っていかなくてはならないだろう、このように思いますし、権限や枠づけ、そういったものの移譲が必要なものは積極的に移譲していこうではないか、こういうようなことを考えているわけであります。

 そして、そういう中で、町の自治を、できるだけ自由度を上げる。これに加えて、全国どこの町でもそれぞれ事業ができるように、そういう形をつくらなければいけない、そこに国の役目があるんだ、このように思っています。

 ですから、まさに地方自治の本旨は、住民自治そして団体自治であります。これをさらにやりやすくできるように、そのための地方分権改革を進めてまいりたい、このように思っております。

小此木委員 問題意識は、安倍内閣は日本経済の再生というものについて本当に大きな責任を負っている、こういうふうに思います。三本の矢、金融政策、財政出動政策、そしてその後につながるように成長戦略というものをしっかりと考えて、それを行っていかなきゃいけないということであります。

 例えば、地方に補助金や交付金を配分する、分配をするというだけでは、やはり先ほどの野田先生の、無駄であるか無駄でないかという議論が起こってくるわけでありますけれども、それはやはり、最初から無駄であるかどうかというのはなかなかわかりにくいけれども、ある程度は、先ほどから申し上げているように、用意をしておかなきゃいけない、備えをしておかなきゃいけないということによって、それが無駄につながるのかそうでないのかということは予想ができるわけであります。

 ただ、総理も先ほどおっしゃったように、もともと、残念ながら自分の力で生きていくことのできない方々がいる、そういった方々には手を差し伸べていかなきゃいけない。

 きのうの麻生財務大臣・副総理の趣旨説明の中にも、例えば、生活保護の見直しの中に言及されましたけれども、生活困窮者の自立・就労支援、こういったことを推進していくんだというお話がございました。

 本当に自分の力で生きていけない方々には手を差し伸べるけれども、生活保護政策の柱となっている大事なところは、そういった方々を支援して、そのままではいさせないよ、そういったところから抜け出してもらおうということ、そして、生活困窮者がこれ以上多くならないような政策を打っていこうというところに意味があると思うんですが、私は、地方分権ということについても、やはり同じような考えが言えるのではないかと思っているんです。

 今までの自民党の長い政権の中で、三年数カ月前に政権交代させられてしまった中に、やはりそれは、多くの国民から見たらば間違いがあった、それを認めなければならないということは総理もお認めになっておられる。閣僚の皆さんも、あるいは、ここにおられる、自民党として公認をもらって選挙に臨んできた人たちは、皆さん、そういう思いも根底にあって、厳しい選挙でありましたが戦って、今ここにいることができるということを忘れてはならないと思うんですね。

 そういった中で、我々が野党にいた三年間の中で、民主党政権の中で、地域自主戦略交付金というものができました。これは、今まで、この二年ほどの国会の議論を見ますと、民主党の皆さんから言わせると、こんなに必要なものはなかったんだというような話で、何で今回廃止したのかという話があって、いろいろな議事録を見た中で、何で廃止したかということについて安倍総理が何度か答えられていて、この地域自主戦略交付金の廃止については、地方から、窓口の一元化や手続の簡素化、総額の確保などの課題が指摘されていました、これらの課題を解消するため、本交付金を廃止し、各省庁の交付金等に移行することといたしましたと。

 結局、説明をいろいろ聞いていますと、今までの補助金、地方が欲しかった補助金等を、内閣府が間に入って、同じように地方に配っていた、補助をしていたという話で、これが非常に申請に当たっての複雑化を呼んで、かえって使い勝手が悪いものにしてしまったというお答えがあったというふうに思うんですけれども、もうちょっとわかりやすく説明していただくと、これはどういうことになりましょうか。

新藤国務大臣 まず、この地域自主戦略交付金でございますが、制度としては廃止をして、新しい形にするわけであります。しかし私は、精神として発展的改善をするんだ、このように御理解いただきたいと思うんです。

 そして、地域自主戦略交付金について、地方の方からのいろいろな改善事項がありましたのは、窓口の一元化や手続の簡素化ということでございます。

 これは何を意味するかというと、実は、内閣府で一括して受けるんですけれども、しかし、その受けた後、それぞれの担当省庁にもう一度執行委託をするんですね。ですから、もう一回、各省に移換をした段階で、申請し直しがあるんですよ。

 ですから、地方自治体は、まず内閣府とやりとりをしながら、一方で各省ともやりとりをしているんです。申請をすると決まります、内閣府で配分が決まると、そこから各省に、はい、この仕事はそっちでやってねということになって、そこでまた申請し直すんです。ですから、こういう窓口を一元化しなくてはいけない。また、手続はそのたびにかかるわけであります。

 それから、そもそも地域自主戦略交付金のもとは、社会資本整備総合交付金といいまして、もとの事業があったんです。社会資本整備総合交付金の中から切り分けて、地域自主戦略交付金というのを出しました。ですから、これを今回は一つにまとめて、もともとの社会資本整備総合交付金の方も事務の簡素化をして、使いやすくするという形で改善を図ったわけであります。

 それから、総額を確保してほしい、事業の継続性というのがありました。ですから、これは私どもは、二十四年度の当初が六千七百五十四億円でありますが、それに加えて今回補正で三千百億、そして二十五年度には六千五百億、今回提案しておりますから、結果的には九千七百億円の予算を確保して、そして事業の継続性を保ちつつ、手続の簡素化を図り、使い勝手をよくさせていただいて、これまでの精神を踏まえながら実施していきたい、このようにさせていただいたということでございます。

小此木委員 そこで、使い勝手が悪い、あるいは複雑になってしまったということだけで済ませてはならないのかなということも思っていました。

 経済政策、財政出動によって民間需要の不足を補う、これは経済の成長、今からスタートとして必要なことだというふうに思いますが、一方で、地方自治体の間には、財政力だけじゃなくて、マンパワーを初めとして大きな格差があるということも事実で、国から地方へと、今問題となっている交付金等、財源不足を補っても、残念ながら効果的に交付金などの利用ができていないところもある、先ほどから申し上げているとおりであります。厳しい言葉で言えば、そのお金をなかなか使いこなせていないところもあるということがあるんですね。

 だから、一括交付金がいいのか、あるいはそれを廃止した方がいいのか、新しい施策をした方がいいのかというのは、たびたび申し上げるように、地方にも問題があるとすればそれを解消していかなきゃいけないということであって、地方の自主性、地方の自立という観点からいえば、やはり足腰を鍛えていく、これは人間でも自治体でも同じだなということを思っています。

 そして、そういう交付金、補助金がほかの省庁と比べれば比較的多いとされる国交省や農林省ということでありますが、国土交通大臣、太田大臣は学生時代、相撲部の主将をされていたということでありまして、いろいろなものを調べていたら、毎日の練習を終えるとタオルを絞れない、自分の手が上がらない、そんな生活が随分続いたと。

 相撲の主将というのは大変な御苦労があったと思いますが、その中に、鍛える、自分を鍛える、あるいはしごく、自分をしごく。私も野球をやっていまして、相当厳しい練習もありました。自分をいじめる。いじめる、しごく、鍛えるというとなかなか難しい問題にもなろうかと思いますが、しかし、やはり自分をいじめてきた、自分をしごいてきたというのは、その青春時代はいろいろあったと思うんです。

 太田大臣よりも一回り大きい人を担いで階段を何階か上った、本当にそのときは涙が出てくるほどつらかったけれども、そんなような思いを、みずからのエッセーでしょうか、書かれている太田大臣の文章を読みました。この努力が、「平凡な感想だが、あのころの努力、完全燃焼の青春の日々が何ごとにも前向きに戦う心を養ってくれたような気がする。」こうおっしゃっています。

 私は、これをこのまま地方分権とか教育、下村文部大臣、人間の教育もそうだと思うんですが、そのまま当てはめるというのは、わかりやすそうなんだろうけれども、随分これは無理があったり難しいことがあると思いますが、しかし重要なことだと思うんです。

 国交大臣は、補助金の政策、こういったものを使うところが比較的多いとされる省庁の責任者とされて、この地域自主戦略交付金というものが廃止されて、これから国土交通省として、地域を鍛える、本当に元気なまちづくりをやるという観点から、どのようなお考えをお持ちなのか、聞かせていただきたいと思います。

太田国務大臣 余りにも難しい質問だというふうに思います。

 私は、地域主権型道州制ということをずっと主張してきました。それは、日本という国が、東京あるいは霞が関、こうしたところで引っ張っていくというのではなく、それぞれの地域にエンジンがついてそれぞれが走る、そこのエンジンがそれぞれつく主体というものになるためには、権限、財源そして人間、三つのゲンというふうによく言われるんですが、そこをしっかりやるということが大事だ。その環境をつくった上で、やはり地方自治体の強みというのは、私は、そこの、人の集積、そして意思ということの共同体としての一致した力をどういうふうにつくっていくかということだと思っています。

 私のクラブ時代のそんな話は何にも役立たないと思いますけれども、そこの一体性というものをどういうふうにしていくのか。いわゆるナショナリズムではなくてパトリオティズム、そういう中での鍛えというか一体性という中で、この町を、この村を、我が市をどのようにするかという意思の結束、知恵の集積、それをなし遂げるという、人をしっかりバックアップしていくということが私は非常に大事なポイントではないかというふうに思っています。

 またもう一方、我が省は地方整備局等を持っておりまして、現場に一番近いところで、最後は自分の判断でこれを遂行する。東北の今回の地震につきましても、地方整備局が先頭に立って、我が身を捨てて道路の啓開作業をし、あらゆることをやらせていただいたという現場力の強さというものは、そのまま、現場に接するということの中でまた人は鍛えられていくのではないか、私はそのように思っております。

小此木委員 ぜひ、そういう思いで頑張っていただきたいと思います。

 震災から二年がたちまして、多くの方々が本当に今、一生懸命いろいろなところで力を尽くしておられます。

 一つ、震災があった直後、やはり地域からいろいろな支援物資が送られまして、小野寺大臣も御地元ですからうなずいておられますけれども、全国からいろいろな支援物資が送られた。それも人々からの気持ちなんですけれども、結局、その支援物資を、拠点としてどういうふうに納めようか、あるいは納めることができなかった、あるいはそれを物流としていろいろなところに結果的に配分できなかったという反省点もあろうかと思います。

 そういったことも、それを用意するのが、日ごろの鍛え方や、訓練をする、あるいは勉強して、そういった思い当たらないところに不備の災害が起きてしまったときに対応する用意として、国交大臣にはリーダーシップを発揮していただきたい、こういうふうに思います。

 農林水産大臣、林大臣にはやはり長いおつき合いをいただいていて、安倍総理と同じ山口県でして、実は、私はこうやってしゃべったり演説するのは本来苦手なんですけれども、林さんは、ギターを弾いたりピアノを弾いたり、作詞作曲もするんですね。議員として音楽活動もやっていて、正直なところ、そういったところで表現をして皆さんにわかっていただける機会をもっと多くつくりたいなと思っておるんですが、そういう音楽活動の中で、本当に作詞作曲をして、「東京卒業」という曲をつくりました。山本一太さんも一緒にかつてやっていましたけれども、これは実は地方分権を思ってつくった曲だというんだけれども、ちょっと正直なところを話してみていただけますか。

林国務大臣 お答え申し上げます。

 まずは小此木先生、当選本当におめでとうございました。ずっと待ちわびていた先生の当選でございます。

 今御指摘をいただきましたように、「東京卒業」という歌は、私がまだ議員になる前に、三十代の最初のころに、今御指摘いただきました地元の山口県の高校の同窓会の幹事というのを引き受けることになっておりました。三十一のときだったと思いますが、卒業時、大体二百三十から四十名卒業しているんですが、その同窓会の幹事をやるということで、みんな集まれということでかき集めても、三十名弱しか集まらなかった。ほかのところに就職、進学されて、地元にはおられないというのがその実態であった。

 したがって、今マンパワーというお話がありましたけれども、やはり、その地元でずっと育って卒業した皆さんが、東京やいろいろな都会に出ていかれて、どこかの時点で卒業していただいて、Uターン、奥様がよその方であればIターンということにもなりましょうけれども、そうやって帰っていただいて、みんなでふるさとの再生に向けて頑張ってもらいたい、そういう意味を込めて作詞作曲をしていただいたのが「東京卒業」という歌でございます。

小此木委員 この話は、私はよく知っているんですけれども、委員各位やテレビをごらんの皆様にはまだ伝えられていないところも多いかと思って、あえてお聞きをいたしました。

 とにかく、人口の減少というものがこれから始まっていく中で、山口県で久しぶりに同窓会を開くと年々人が減っていくということが現実としてある、もうちょっと、自分たちの生まれた国を自分たちの力で、しっかりといいまちづくりをしていこうじゃないかというメッセージを送っている歌だと思うんですけれども、これは本当にそういうところが地方分権のかなめになってくることだと思うんですね。

 つまり、制度というものは、人の気持ち、人間の力を超えるものではないと私は思っていまして、やはり、総理が、それは私たち自身の力ですと施政方針演説でおっしゃったところが心に残ります。しかしまた一方で、多くの皆さんがその力を保つことができずに、あるいはもともとそういったところに恵まれずにおられる方々もおられるから、今、閣僚席に総理を初め閣僚の皆さんが座っておられる、この予算委員会の部屋に私たちがいるということが言える、こういうふうに思うんです。

 これからも長い予算委員会が続くかと思うんですが、頑張っていただきたいと思うけれども、私たち与党として、政府を支える与党としては、やはりこれは余り長い時間をかけるわけにもいかない、一刻も早い予算の成立を期して、執行される人や場所にそれを届けることが仕事であります。

 きょうは、おちゃらけたような質問だったかもしれませんけれども、しかし、私は、それぞれがしっかりと力を尽くそうという意味で質問させていただきました。

 最後に、総理に、これからの思いを、地方分権ということに限って、やはり人間の体を鍛える、地方を鍛えるという意味で、もう一度お話をお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 まさに、今、小此木議員が指摘されたことが、日本の未来にとっても、とても大切だろうと思います。

 この東京という大都市だけが栄えてしまっても、これはとても、美しい日本と私は言えないと思うんですね。それぞれの地域のよさがあります。

 大切なことは、金太郎あめみたいな町をつくっていくのではなくて、地域のよさを引き出していくことだろうと思いますし、その場所で生活をしている人たちがその地域で生まれ育ったことに誇りを持てる地域をそれぞれの人たちがつくっていく、それを応援をしていく、また、そういう人たちが頑張れる環境をつくっていくことこそが我々の大きな責任なんだろうな、このように思います。

小此木委員 終わります。ありがとうございました。

山本委員長 この際、萩生田光一君から関連質疑の申し出があります。高市君の持ち時間の範囲内でこれを許します。萩生田光一君。

萩生田委員 自由民主党の萩生田光一です。

 三年三カ月の浪人生活を経て、この場に戻ってまいりました。みずからの力不足を反省しながらも、政治を志したその原点に戻って、もう一度ふるさとの皆さんの声を聞き、そして現場感覚を磨き直してきた、そんな自負がございます。この間、総理にも、何度となく激励をいただきましたこと、この場をかりて御礼を申し上げたいと思います。

 さて、その間、外から見た日本の政治は、進まない被災地の復興、長引くデフレ、そして我が国固有の領土、領海が他国から挑発を受ける、まさに、主権が脅かされ、日一日と国益が失われていく、そんな危機を感じておりました。一日も早く戦列に戻って、この国を守るために皆さんと一緒にもう一度汗を流させていただきたい、そんな思いで努力をした三年余でありました。

 総理も、あえて批判を覚悟で二度目の総裁を目指すに至ったその思いは、多分この危機感だったろうと察します。政権発足からわずか二カ月ですが、結果を出す政治をモットーに、ロケットスタートで政権運営に挑む総理の政治姿勢に、国民は大きな期待を寄せております。市場も大きく反応し、昨日は、四年五カ月ぶりに高値を更新した。だからこそ、私たちは、結果を出さなくてはならないというふうに思います。

 そこで、一度挫折を経験した総理が、この第二次政権で何をしなくてはならないのか、前回との大きな政権運営の姿勢の違いは何かをお尋ねしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 萩生田議員にとっても、この三年三カ月は本当に大変な苦労の連続だったと思います。

 私のおやじも、三回目の選挙で落選をしました、ちょうど萩生田さんと同じだと思いますが。そのときは三年八カ月ございました。私はまだ小さかったんですが、結構家の中も暗くて、本当に大変だったんですね。おやじも歯がみする思いでその三年八カ月を過ごしている、横で見ていて、本当にそう感じたわけでございます。

 私自身、前々回の総選挙の自民党の大敗に大きな責任がある、こういうふうに思っていました。私が一年で首相の座を引くことによって、自民党に対する信頼が大きく失われたわけであります。

 何としてもこの信頼を取り戻さなければならない、この思いでこの六年間過ごしてきたところでございますが、今、萩生田議員が指摘をされましたように、震災からなかなか、遅々として復興が進まない、そして、日本をめぐる安全保障環境が極めて厳しい状況になっている中において、経済もずっとデフレの中に沈んでいる。今こそこれは前面に出て立ち上がらなければならない、こう決意をしたところでございますが、そこはやはり、一度挫折を経験しておりますので、少しは自分自身を冷静に見ることができるようになったのかなということと、前は、やはり大分若く、気負い過ぎていたところもあって、自分の思いは必ず通じる、このように信じていたところもあったわけであります。

 しかし、そこはやはり、国民の皆様が望むものは本当は何なのかということもしっかりと考えながら、そこで優先順位をつけていく。基本的な理念、考え方は全く変わっていないわけでありますが、そうした優先順位をつけていくということで、前回とは違うという状況になっているのかな、こんなように思っております。

萩生田委員 ぜひその姿勢で頑張っていただきたいと思いますし、我々も支えていきたいと思います。

 私は、新聞ですとか週刊誌の記事をもとに質疑をすることは本意ではないんですが、また、今さら民主党政権下の非をあげつらうつもりは全くございませんけれども、事安全保障の問題ですので、あえて触れておきたいと思います。

 一昨日、産経新聞の一面に驚くべき記事が載りました。

 昨年九月の尖閣諸島の国有化後、挑発を繰り返す中国海軍の艦船に、一つ目、海自は十五海里、約二十八キロの距離を置いて近づかないようにというふうに求められた。二つ目、他国軍の艦船の領海侵犯に備えるためには先回りして領海内で待ち構えるのが常套手段なんですが、それも自制をせよ、こう言われた。そして三つ目、海洋監視船はヘリを搭載可能で、ヘリが飛び立てば即領空侵犯になるので空自のスクランブルの必要性がある、こういう議論をしていたんだけれども、当時の岡田副総理は、軽微な領海侵犯だから中国を刺激するな、海上保安庁に任せればいいと準備を認めなかったという記述であります。

 先日、レーダー照射の事案で、民主党の委員は、政府の対応を遅いと断じ、中国海軍の解説までしていただき、問題意識をもっと高く持つようにと促しておりましたけれども、もしこの記事が事実とすれば、民主党政権時代の間違ったメッセージがもたらした当然の結果と言えます。

 政府は、本件について事実を確認しているのでしょうか。また、安倍内閣にかわり、これらの対応は具体的にどのように変わったのか。お尋ねいたします。

安倍内閣総理大臣 尖閣諸島周辺海域において中国公船による領海侵入が繰り返されている等、我が国を取り巻く情勢は厳しさを増しています。

 このため、海上保安庁において、大型巡視船の新規建造や海上保安官の大幅な増員などにより専従の警備体制を確立し、その体制を強化するとともに、自衛隊の艦艇、航空機等を用いた警戒監視と適切に連携するなどして、その警戒警備に、現在、万全を期しているところであります。

 そして、今委員が御指摘になられたこの警戒警備の状況については、前政権のこととはいえ、我が方の手のうちにかかわることでございますので、詳細について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、あえて一言申し上げさせていただければ、前政権下においては、過度にあつれきを恐れる余り、我が国の領土、領海、領空を侵す行為に対し当然行うべき警戒警備についても、その手法に極度の縛りがかけられていたというふうに私は承知をしております。

 このことは、相手方に対して誤ったメッセージを送ることにもなり、かえって不測の事態を招く結果になることすらある、私はそう判断をしたわけでございまして、安倍内閣を発足させた直後から、この危機的な状況を突破するために、前政権の方針を根本から見直しを行いました。そして、冷静かつ毅然とした対応を行う方針を示したところでございます。

 今後とも、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くという決意のもとに、引き続きしっかりと警備、警戒を行っていく考えであります。

萩生田委員 いたずらに緊張を高めることを望んでいるわけではありません。我が国が毅然とした安全保障の姿勢を示し続けるということが必要だと思いますので、ぜひ総理にはそのことをお願いしたいと思います。

 中小企業の支援策についてお尋ねをします。

 前回在任中、私は、党の経済産業や金融の部会の議論に参加をして、高い見識や専門性のある皆さんが、ヨーロッパの金融情勢、アジアの政治情勢、日本の経済はどうあるべきかという議論をしていたそのど真ん中にいて、ある意味では頼もしさも感じました。

 しかし、落選をして、それぞれ地元に帰りまして、あの議論の経済というのはどこを指して言っていたのかなと思い出しますと、相手は経団連であったり、大企業であったり、あるいはメガバンクであったり、日銀であったり、IMFの金融の議論だったような気がしてならないんです。もちろん、中小企業や零細企業のさまざまな政策もつくっておりましたけれども、その分野の政策が希薄だったという点は、私は反省しなくてはならないというふうに思っているんです。

 そして、在野に身を置いて地域の皆さんのお話を聞く中で、特に中小企業の皆さんの苦労というのを目の当たりにしてまいりました。

 小泉改革で、私たちは政府系金融機関を一つに統合しました。国金や中小企業金融公庫、これらを一つにして、結局、支店の統廃合もしました。

 今、現場でどういうことが起こっているかというと、本来、政策銀行として、こういった中小企業の皆さんのセーフティーネットとして、あるいは中小企業を育てるという役割を担わなくてはならないんですが、見事に民間金融機関と同じようなスキームを踏襲するようになっております。すなわち、今までは、企業の企画に貸す、現場の頑張りに貸す、あるいは人に貸していたそのお金が、決算書の提出を求められて、その数字に対して貸すか貸さないかの判断を求められる、こういう事態になっております。

 かつて、中小企業の皆さんは、メガバンクの返済は滞納したとしても、国金だけはこつこつと返して借りかえを求めたい、そういう努力をしてきたんですが、残念ながら、今そのスキームは壊れようとしています。

 今回、第二次安倍内閣で、中小企業の支援策というものが大きくクローズアップをされております。これはまさしく、落選をし、現場を見た多くの皆さんの声を聞いて政策に反映をし、予算に反映をしていただいているんだと思います。

 私は、ぜひ、今、政府でやろうと思っている経済政策が地方にしみ渡るまで、中小企業にいい影響を与えるまでのタイムラグをしっかり埋めていくためにも、やはり政策的な金融というものを同時に制度として後押ししてさしあげたいというふうに思っております。政府系の金融機関、あるいは地元の信金、信組の皆さんに、ぜひ国の思いというものを正しく伝えて、しっかりと中小企業に元気や勇気を与えることができるような政策につくり上げていただきたいと思いますが、担当大臣の御所見を賜りたいと思います。

茂木国務大臣 萩生田委員、さすがに、市議そして都議を経験されて、国会で本当に現場感覚を大切にされる、こういう観点からの御質問だなと思いました。

 バーゼル2とかの議論も必要でありますけれども、本当に地場に根差した中小企業そして小規模事業者に対する資金繰りの支援であったりとか経営改善、こういったことをどう図っていくか、極めて重要な問題だと思っております。

 平成二十年に、御指摘のように、政府系の金融機関統合ということで、株式会社の日本政策金融公庫が設立をされた。これは、経営に対する責任を持たせる、効率的な運営を持っていく、しかし、その一方で、国が全株式を保有することによりまして、きちんと政策上必要な業務を実行してもらうんだ、こういう思いでやってまいりました。雨のときこそやはり政府系が頑張らなけりゃいけない、こういった思いで、リーマン・ショックの後も五十七兆円の支援、そしてまた、東日本大震災の後は二十兆円等々の支援も行ってまいりました。

 実は、昨日なんですが、経産省に、私を本部長といたしまして、中小企業・小規模事業者経営改善支援対策本部、そういったものをつくりまして、そこには、政策金融公庫の代表、それから地方の金融機関の代表の皆さんにも集まっていただいて、この年度末、そして年度明けの資金繰りの問題、さらに、経営改善についてもっと親身になって取り組んでほしい、こういうお話もしました。

 率直に申し上げて、私は、例えば支店長さんによっても変わってくる部分もあると思います。もっとやはり中小企業の側に立った運営ができるように、さらにしっかりした要請、指導もしてまいりたいと思っております。

萩生田委員 ぜひ中小企業の現場に出向いてさしあげて、そして現場をしっかり見るような、目ききのきく融資担当者というものをこれからもしっかり育てていく、そういう政府系金融機関であってほしいということを要望しておきたいと思います。

 さて、私も、地方政治家の出身として分権は大いに賛成ではございますし、また、将来の目指す方向として道州制も視野に入れながら、しっかり議論をしていきたいと思っています。

 一方、権限も財源も地方にさえ移せば全てバラ色かのような幻想には違和感を覚えておりまして、確かに、ひもつき補助金といいますとネガティブに聞こえますけれども、ひもをつけていないと正しく使わない自治体が存在するのも否めない現実であります。

 政府に身を置いた経験から、一口に地方と言っても、こんなにも経営力や創造力、ひいては行政力の違いがあるものかとたびたび感じさせていただきました。全国から陳情に来る教育長さんたちは、小学校の理科室の荒廃ぶりや備品の不足、図書館の蔵書の数の少なさを訴えるのですが、そもそも交付税で措置したはずのものがないのはなぜなのかと、逆に尋ねる場面もございました。

 地方によって、そのときの優先順位の違いはありましょうが、子供たちの教育関連費でさえほかに使う実態もあるとするならば、果たして財源を移すだけで本当に地方の豊かさは求めることができるのか、私は疑問に感じます。

 平成の大合併のとき、小さな村の、町の文化が消え、隣やその隣と一緒になることで本当に住民の幸福度は上がるのかと懐疑的に思ったこともありましたが、震災後、被災地に出向く中で、やはり行政の一定のスケールメリットというのは、いざというときに市民を守る上で必要だということを痛切に感じてまいりました。

 医師や看護師の有資格者はいるのか、瓦れきを除く重機を持っているのか、オペレーターはいるのか、分断されたシステムを復旧できるシステムエンジニアはいるのかなど、単に役所の職員が何人いるかではなく、どのような機能を持つべきかの指針を示す必要があるのではないかと考えるようになりました。

 交付税措置によって財政力の標準化はできます。しかし、行革の努力をする自治体としない自治体、さまざまなサービス向上を試みる自治体と努力をしない自治体が存在することは、紛れもない現実であります。自助の精神は自治体こそが持たなくてはならない、真の分権はあり得ません。その過程を飛ばして道州制へ突き進むことは、やがて格差を生むことにもなりかねないと私は危惧をしております。

 私は、この際、地方自治体のスタンダードを高めるためにも、国が、例えば人口規模で、このくらいの人口のこういった市だったら、あるいは町だったら、このくらいのことはできる、ここまでのことはできる、こういう人たちがいるということを明確に指針を示す必要があるのではないかと思いますが、総務大臣の御所見を賜りたいと存じます。

新藤国務大臣 まさに地方自治、これは自立性を高めること、それから信頼性を持ってやっていただく、これが原点だというふうに思っておりますから、今のような御指摘はレアケースだ、このように思いますし、通常の団体はそのようなことをやっているとは私は思っておりません。

 それから、今のお尋ねの、結局のところ、地方交付税が自治体の行革努力だとかそういったものを、逆に自助努力を弱めているのではないか、こういう御指摘だと思いますけれども、基本的な制度として、地方交付税は、標準的な行政水準を行うために必要な財源を保障する、こういう制度です。

 ですから、実収入や実際の事業費を算定しているんじゃないんですね。標準的な自治体運営を行うために必要な、基準となる財政需要や財政収入を定めています。したがって、それを超える、またはそれを下回る、行革努力や税収確保、これを行うことで、それは自治体の自分たちの自主努力の余地を残している、こういう制度だと御理解いただきたいと思います。

 その上で、特に、標準的な地方税収入、本来の収入の七五%を基準財政収入額としているわけであります。ですから、税収を自分たちの努力で、地域活性化するなりなんなりしてふやした場合には、その分が自分たちの手取りとしてふえる、こういう構造になっているということであります。

 とにかく地方自治の基本、これをまず、つまり自立性、そして、みずからの町がみずからの個性を生かし、地域の活性化を行っていく、こういう中で、我々も適切な御支援をさせていただきますし、また、適切な運営がなされることを期待しているということでございます。

萩生田委員 誤解なく、私も地方の力は信じていきたいと思っております。

 ただ、今、交付税制度の詳細の制度設計のお話をされました。おっしゃるとおりなんです。ところが、努力をした翌年は確かに裁量権は広がるんですが、やがてそれが標準化をされれば、その努力は評価点にならなくなるというのも制度上の大きな盲点だと私は思いますので、またの機会にしっかり議論したいと思います。

 最後に、保育行政と女性の働き方についてお尋ねをしたいと思います。

 待機児ゼロをここ数年間目指してまいりました。新設の保育園で対応するとすれば、厚労大臣、一体幾らあれば、この待機児ゼロは実現できるんでしょうか。

 それから、平成十年、厚労白書で、三つ子の魂百までの三歳神話は単なる神話にすぎないという位置づけをされました。それ以後、子育て中も就労を続けることを結果として後押ししてきたと感じますけれども、今でもその考えに厚労省は変わりがないのか、お尋ねしたいと思います。

田村国務大臣 現在、二〇一九年を目指すというような形で新しい計画をつくる予定でございまして、そこで、大体、ゼロ、一、二歳児の四四%が保育所に入れる、そういう計算で出しております。御通告をいただいていなかったものでありますから、金額の方は、また後ほどお知らせをさせていただきたいと思います。

 それから、三歳児神話のお話でございますが、これは、合理的根拠があるかどうかというと、私自身、これに対する合理的根拠は確認はいたしておりません。

 幼いときに母親と一緒にいる方がいいではないかという御意見があるのは私も存じておりますが、日本の国の今までの子育てを見ておりますと、昔の農業中心の社会の中においては、多分、家族全体で子供たちを、例えば、田んぼに行っているときに背負ったりだとか、あぜに置いて子供たちを育てる、こういうことでありますから、お母さんだけじゃなくて、お父さんもおじいちゃんもおばあちゃんも子育てをしてきたんであろうなというふうに思います。

 ただ一方で、乳児の間は、確かに、母乳を飲ませますので、生まれてすぐは二時間置きぐらいに飲ませていくわけでありますから、母親に一定の、やはり子供としての成長段階における距離感というものは必要なんだろうというふうに思います。

 そういうことを考えながら、一方で、多様な人たちと会っていくということも重要でございますから、保育所という意味では、いろいろな世代の子供たち、それから大人、こういう方々と接するという意味では、人間の成長過程においては必要な部分もあるのではないか、このように思っております。

萩生田委員 三歳、四歳、五歳は、言うならば、異年齢や組織や集団で行動することで私はいいんだと思うんです。三歳神話はどうかということをお尋ねしました。

 ちなみに、今の待機児を、新設で試算をしますと、国費ベースで三千五百億、地方も合わせると七千億あれば、とりあえずの解消はできるんだそうです。厚労省の試算でございます。

 そこで、文科大臣に私はお尋ねしたいと思うんですが、自我の形成や自立心が芽生える以前に親子を引き離すということが、子供の発達段階にマイナスの影響を与える危険性はないのか。脳科学の分野でさまざまな科学的知見が既に寄せられているというふうに思いますけれども、文科省、文科大臣の見解をお尋ねしたいと思います。

 あわせて、第一次安倍内閣のときに教育基本法の改正をしました。神話の位置づけについてどのような見解を持っているか、お尋ねしたいと思います。

下村国務大臣 お答えいたします。

 まず、三歳児神話でございますけれども、これは、これまでの脳科学の知見からは、脳の発達は遺伝的要素と外部からの刺激に影響を受けることがわかっているということでございますが、その詳細な仕組みは必ずしも解明されていないというところが今の実情でございます。

 ただ、委員御指摘のように、新しく教育基本法を制定した中で、家庭教育というのが入りました。自民党は、子供は社会で育てる、その前に、第一義的には親が、保護者が子育てについて責任を持つということの中で、特に乳幼児については、できるだけ親が寄り添ってもらうような環境づくりについてフォローアップをしていくということが大切なことであるというふうに思います。

 それから、日本神話でございますが、これは平成十八年に改正された教育基本法、新しい教育基本法で、委員おっしゃるとおり、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」これが、教育目標の一つとして新たに規定されたところでございます。

 この趣旨である、みずからの国の伝統や文化について理解をし、尊重する態度を身につけ、日本人としての自覚を育む上で、我が国の神話について学ぶこと、これは極めて重要なことであります。

 このことから、平成二十年の学習指導要領の改訂におきまして、小学校の国語科の第一学年、第二学年において新たに神話を追加したところでございます。

 文部科学省としては、学習指導要領に基づき、神話に関する内容も含めて、伝統文化に関する教育を引き続きしっかりと行ってまいりたいと思います。

萩生田委員 私、神話というのは、日本人が古くから、経験に基づいてさまざまな知識や知恵を詰め込み、後世に伝えるためにつくってきたものだと思います。

 この三歳の話題につきましても、何ら根拠のないものじゃなくて、長い年月の中で肌感覚で感じてきたものだと思っていまして、科学的知見があるかないかというよりも、やはりここは、今、現実問題、世の中でこれだけいじめ問題やあるいは児童虐待や子供が親を殺すというような事態が起こっている以上、さかのぼって、何が影響しているのか、こういう世の中をつくっている原因は何なのかというものも、いろいろな角度から精査をしてみる必要があるのではないかなと思っております。

 そこで、私、総理にお尋ねしたいんですけれども、施政方針演説の中で、休日、夜間の保育というものに触れました。

 確かに、働く方から見れば、これは便利な施設だと思います。他方、やはり、子供たちにとって、夜、知らないところで、あるいは自分の家でないところで寝るということがどういう影響を与えるのかというのを考えると、心から賛成をできる政策ではないと私は思っているんです。

 そして、確かに、待機児は今どんどんふえています。

 私、自分自身反省があるんですけれども、都議会の時代、石原知事とともに認証保育所制度というのをつくって、入所基準を緩和して待機児を何とかなくそうと思って、もう既に都内で六百六十つくってきました。待機児は減りません。

 なぜかといえば、私は、子育ての外注化を促してしまったのではないかというふうに感じているんです。本当は育児休暇のとれるお母さんたちも、今申し込まないと保育園の席がなくなる、今入園すれば一歳でも保育園に預けられるけれども、育児休業を早目に切り上げないと結果として子供を預けられないという、この世の中のミスマッチを解消していかなければ、私は、この問題の解決ができないというふうに思うんです。

 私は、安倍総理には、ゼロ歳の赤ちゃんを十三時間以上保育所に預けて、そして女性の皆さんが働く社会をつくるのではなくて、子育てのほんのひととき、親子がともに時間を共有することができる豊かな日本というのをつくり直してほしいと思うんです。

 そのためにも、もちろん、対処法として、保育所の開設をしなきゃならない問題はあります。しかし、同時に、もう一度世の中の仕組みをしっかり見直して、育児休業制度、確かに法律はありますけれども、地方の中小企業では、これはなかなか堂々ととれませんよ。出産の祝い金をもらってやめていく、そういう女性の方たちはいっぱいいます。法律をつくっても制度設計をしても、なかなか運用ができていないとするならば、やはり、中小企業であっても、育児休業制度でちゃんと、会社に帰ってくるのを待ってくれる間、保険料を払ってくれる企業の皆さんを応援する仕組みをつくっていかなきゃいけないんじゃないか。

 ぜひ、ゼロ歳の待機児を解消するということも大事なんですけれども、同時に、もう一度申し上げます、子供と親が、子育てのほんのひととき、あえて申し上げれば、私がこういう議論をしますと、党内で、萩生田さんや安倍さんはすぐに女性に子育てを押しつけようとしていると言われるんですが、誤解を恐れず申し上げますが、私、乳児のときには、お父さんはお母さんに絶対かなわないと思っています。ですから、女性に負担が行くことを前提とした制度設計というものをもう一度つくり直していく必要があるんじゃないかと思っていまして、安倍内閣ならそのことをやってくれると、多くの国民が期待をしていると私は思います。

 その思いを総理から聞かせていただき、質問を終わりたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今、萩生田議員が指摘をされた点は、重要な御指摘かと思います。

 我々は待機児童のゼロを目指しておりますし、そしてまた、就労形態が随分変わってきておりますから、それに対応した、子育てをしやすい体制をつくっていくことは当然でございますが、一方、今、萩生田さんがおっしゃったように、ゼロ歳、一歳、二歳、この乳幼児の段階において、やはり、お母さん、お父さん、子育てをしっかりと専念してやっていきたいという方々にとって、育児休業制度をもう少し充実させていく。そして、企業側もそれに対する理解を進めていく、あるいは、中小・小規模事業者等においてそうしたことが可能になるように我々も努力を進めていきたい、税制上の措置や助成等をこれからさらに充実をさせていきたい、このように思っております。

萩生田委員 野党席から、目指す社会像が全然違うなとやじが飛んだんですけれども、違うからこそ、我々自民党は頑張らなきゃいけないんだと思うんです。

 家族を大切にする政党として、しっかり政策を前に進めていくこと、内閣と一致しながら頑張っていくことを改めてお誓い申し上げて、質問を終わりたいと思います。

山本委員長 これにて高市君、野田君、小此木君、萩生田君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山本委員長 質疑を続行いたします。斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。

 いよいよきょうから、予算委員会におきまして来年度当初予算案の審議が始まります。できるだけ早い成立を期して今の日本経済をより強化していくということを、我々与党としても決意を持ってこの審議に臨みたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 来年度予算案の特徴の一つは、私は、昨年の社会保障と税の一体改革を受けた抜本的な税制改革、その基礎の上に立った予算案であるということだと思います。

 昨年六月十五日に、社会保障と税の一体改革、三党合意をいたしました。この合意に基づいて与党税制大綱をまとめたわけでございますけれども、この与党税制大綱そのものは自民党と公明党二党で議論をいたしましたけれども、この与党税制大綱に基づいて、今度国会に提出されます来年度の税制改正法案、この議論の中には民主党さんにも入っていただいて、三党で議論をいたしました。これは、昨年六月十五日の三党の社会保障と税の一体改革を受けて、その精神を引き継いで、来年度の税制改正法案を取りまとめたということでございます。

 その最終的な結論といたしまして、三党の税制調査会長、税調会長で合意をしたわけでございますけれども、この文書をちょっと紹介させていただきたいと思いますが、「所得税の最高税率の見直し、相続税・贈与税の見直し、住宅取得に係る税制措置について、」云々とありまして、この与党の税制改正大綱に決定された内容を来年度の税制改正法案に盛り込む。

 つまり、これに民主党さんがサインをされているということは、この所得税、相続税、贈与税及び住宅取得に係る税制措置については三党で協議をして、その内容も合意をしたという意味でございます。

 そして、その次に、民主党さんがいろいろ御主張された、しかしなかなか具体的な中身に入らなかった内容、例えば大学に対する寄附金とか給与所得者の特定支出の控除など四点あるんですけれども、これらについては附則の中に今回書き込みました。

 そして最後の項目に、「国会において十分な審議時間の確保及び国民生活等に影響を及ぼさないために年度内成立が必要であることを確認し、そのために誠実に対処する。」ということで、三党署名をし、また幹事長レベルでも同じ内容で署名をしていただいたわけでございます。

 総理にお伺いいたしますが、今回の税制改正が、昨年の社会保障と税の一体改革三党合意を受けた税制改正の基礎に立った予算案であること、そして今回の税制改正が、ある意味では十数年ぶりの抜本改革であること、そのことについてどのようにお考えか、お伺いします。

安倍内閣総理大臣 昨年、自民党と民主党とそして公明党で、税と社会保障に関する一体改革については、この三党で合意をして進めていくということが決まりました。当時の谷垣総裁は、野党の立場にあってそういう決断をするというのはなかなか難しいんですが、まさに御党とともに、野党ではありながらそういう大きな決断をしたからこそ、現在もこの三党合意があるんだろうと思います。当然、我々は、今回も、今野党である民主党の皆さんの御協力もいただいているわけでありますから、そのことを頭にしっかりと据えていかなければいけない、私はこのように思っている次第でございます。

 その精神を受け継ぎながら、二十五年度の税制改正についても、三党間で、斉藤税調会長を初め、真摯に御協議を進めていただき、所得税、資産課税の見直しなどの具体案や年度内成立の必要性について合意をいただいたことは、私はまことに画期的な出来事であったというふうに認識をしております。

 税制改正法案の年度内成立に向けて努力をするとともに、税制抜本改革の実現に向けて、低所得者対策を初め、残された諸課題について、税制抜本改革法の規定に沿って引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思います。

斉藤(鉄)委員 その精神で我々も進んでいきたいと思っております。

 それでは、今回の税制改正の中身についてちょっと触れさせていただきたいと思います。

 まず、自動車関係諸税ですが、これにつきましては、簡素化、そして軽減ということを我々も長く主張してまいりました。

 今回の大綱では、自動車取得税の廃止に道筋をつけた。消費税が一〇%に上がる段階で、取得税については廃止をする。また、重量税についても一層のグリーン化を進め、エコカーについては実質重量税もなくなるというようなところまで道筋をつけることができました。

 今後、地方財源は今までどおり確保しながら、より一層のグリーン化と簡素化、軽減に向けて議論を進めていかなくてはならないと思っております。

 それから次に、住宅ローン減税でございます。

 消費税が上がる、その前の住宅の駆け込み、そしてその後の反動減、これを日本の経済を成長させるためにもどうしても防がなくてはならないということで、今回、この住宅ローン減税につきましては大幅な拡充をいたしました。八%段階に上がる時点におきまして、これまで年間二十万円の減税でしたが、これを四十万円、認定住宅については五十万円に拡大するということにしたわけでございます。中低所得者でこの減税枠を使い切れない方に対しては、給付措置を行うということも今回決めているわけでございます。

 次に、所得税ですが、消費税を上げる、一年後でございますけれども、この消費税、逆進性ということが言われているわけでございまして、この逆進性とのバランスという意味で、平成二十一年の所得税法附則百四条では、格差の是正及び所得再配分機能の回復ということがうたわれておりました。その理念を今回の改正で実現をしたわけですが、課税所得四千万円超の給与所得者の所得税率を五%引き上げることとしたものでございます。

 それから、相続税。相続税につきましては、世代間格差の固定化を防止するという観点から、基礎控除の引き下げ、それから最高税率、これは六億円以上の方でございますが、最高税率の五五%への引き上げなどを行ったところです。

 このほか、民間投資や雇用を促進する、また給料を上げる会社に対してそれを促進する、こういう措置や、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置などの創設を行ったところでございます。

 前回行いました法人税の改革とあわせて、法人、所得、資産、そして消費と、これが今回の一体抜本改革、このように位置づけているわけでございます。

 ここまでは、今回の税制改正、自民党、民主党、公明党三党で合意した税制改正についてお話をさせていただいたわけでございますが、今回の与党税制改正大綱で初めて登場しました軽減税率についてお聞きをしたいと思います。

 消費税には逆進性があると言われております。低所得の人ほど負担感が強い。実際、所得に占める払った消費税の割合は、低所得者の方ほど比率が高くなっているわけでございます。これに対して何らかの施策をしなくてはいけない、これが消費税の低所得者対策と言われているものでございます。

 昨年六月の社会保障と税の一体改革、三党協議、当初は、この低所得者対策のメニューとして、簡素な給付措置、それから給付つき税額控除、この二つがメニューとして挙げられておりましたけれども、我が党が主張をいたしまして、そのメニューに一つ加えてほしいということで、軽減税率ということが加わりました。これは昨年六月の三党合意でございます。

 軽減税率というのは、食料品などの生活必需品に対して、一般の消費税の税率より低い税率を設定するというものでございます。例えば、消費税は一〇%だけれども、食料品については五%、これが、軽く減じているから軽減税率というわけでございまして、ヨーロッパ、アメリカ、欧米やアジアの多くの国で今この方式が取り入れられております。

 低所得者対策としてメニューが三つあって、どれを選ぶかということについては三党合意で決めていなかったわけでございますけれども、今回の与党税制改正大綱の議論におきまして、公明党と自民党で議論をいたしまして、最終的な結論をこのパネルに出させていただきましたけれども、消費税率の一〇%引き上げ時に軽減税率制度を導入することを目指すということを自公で決めさせていただきました。

 そのために、ことしの年末の与党税制改正決定時までに、関係者の理解を得た上で結論を得る、与党税制協議会で議論をして結論を得るということ、それから、この与党税制協議会の中に軽減税率制度調査委員会を設置して検討を行っていく、このようなことも決定いたしました。この軽減税率制度調査委員会は先日発足しまして、自民党の野田毅税調会長が委員長になられたところでございます。

 この軽減税率につきまして、与党で一〇%引き上げ時に導入を目指すということが決まったこと、このことについて、総理も総裁選の公約で軽減税率の導入に触れられておりますが、どのようにお感じになっているか、総理の率直な御決意を伺います。

安倍内閣総理大臣 消費税を引き上げていく際には、まさに委員の御指摘のように、逆進性について配慮していく必要もあります。低所得者の方々に対してどのような配慮がなされるべきかということは、我が党の中でもさまざまな議論がございました。

 そこで、その中で、御党の主張もございまして、二十五年度与党税制大綱において、「消費税の一〇%引き上げ時に、軽減税率制度を導入することをめざす。」このように記されているわけでございます。

 軽減税率については、確かにいろいろな議論がございまして、財源の問題のほか、区分経理に伴う中小事業者の事務負担、対象となる品目をどう線引きするか、そんな課題があるわけでございますが、既に、与党におかれても、今委員が御指摘になられた調査委員会を設置して議論を開始しているというふうに伺っております。

 政府としては、その議論の状況を踏まえて、関係者の方々の意見にも十分に耳を傾けて検討を行っていく必要がある、このように認識をしております。

斉藤(鉄)委員 今総理がおっしゃったように、さまざまな課題がございます。この与党税制改正大綱の中にも、協議すべき課題、乗り越えるべき課題ということで挙げさせていただきました。

 まず、何を対象とするか、どういう品目を対象とするか。それから、軽減する消費税率。一〇%からの導入ということですから、その前に消費税は八%になっている。一旦八%になったものを、例えば食品についてはもう一度五%なり六%に戻す。こういう可能性も含めて、軽減する消費税率をどこにするのか。

 それから、財源の確保と書いてございますが、当然、軽減すればその分税収が落ちるわけで、その財源をどこに求めるのか。

 それから、インボイス制度など区分経理のための制度の整備ということで、税率が複数になりますので、インボイス、これは納品書とか送り状、このように呼んでおりますけれども、この制度も整えなくてはならない。それから、そういうことによって、中小事業者の事務負担が増加する、また、免税事業者が課税選択を余儀なくされる問題への理解等、こういう課題があるわけでございます。

 私どもも、これらの課題、そう簡単に乗り越えられる課題だとは思っておりません。しかしながら、私どもも有権者の方といろいろ議論をする中で、今後の消費税、八%から一〇%に上がっていくそういう中で、社会保障財源として消費税を支えていかなくてはならない、この国民の理解を得る上で、軽減税率というのは非常に重要な、大きな働きをするなということを感じております。

 単なる低所得者対策というよりも、消費税そのものを国民が理解する、そして支えていくことの根底にこの軽減税率というのはあり得るのではないか。だからこそ、ヨーロッパやアメリカやアジアの諸国で、問題があるけれども、この制度が導入されている、このように感じるわけです。

 国民の消費税への理解と納得、そして、ひいては将来の社会保障財源の持続可能性を担保する、そのために国民の理解を得るということで、自民党と公明党で目指す。目指すというのは、本当に実現に向けて努力していこうという意味でございます。その意味で、もう一度、総理にその御決意をお伺いするものです。

安倍内閣総理大臣 斉藤委員が御指摘のポイントというのは、今私も伺っていて、そのとおりだなというふうに思いました。

 国民の皆様に消費税とは何かということもよく理解をしていただく上において、軽減税率というのは、軽減税率ではそれぞれの品目を考えていくわけでありますから、それぞれの品目を考えていくということにおいて、消費税が果たす意味、そして、それは生活必需品であったり、さまざまなものであったりするわけでありますが、そういう品目について議論を深めていくことによって、消費税の意義、意味についても御理解をいただくという意味もあるんだなというふうに、今お話を伺っていて、そんなように思った次第でございます。

 ここに、御党の御主張もございまして、我々は、目指すということを書いたわけでございます。目指すというのは、まさに、それは、そうした困難を乗り越えていって、議論を進めながら、そういう課題に向かって進んでいくということであることは間違いない、このように思います。

斉藤(鉄)委員 我々も、来週、この軽減税率の与党の委員会を持つわけですけれども、両党で力を合わせて頑張っていきたいとも思っておりますし、低所得者対策全般につきましては三党で協議をするということにもなっておりますので、民主党さんも含んでこの消費税についての議論を深めていきたい、このように思っております。

 次に、生活保護の問題について質問させていただきます。

 現在、政府において生活保護基準の見直しが予定されておりまして、来年度予算案、今回の予算案の中にもそれが盛り込まれているわけでございます。

 今回の生活保護基準の見直し自体は、この五年間における物価下落分、これを考慮する、ここが一番大きいわけですけれども、この物価下落分の考慮や、それから、大家族に有利で単身の方にちょっと不利というようなことも見えてきたということで、そのバランスの是正ということで、基準の適正化を図るものであって、やむを得ない措置だと我々考えております。

 しかしながら、この実施に当たっては、かねてより我が党が指摘している必要な激変緩和措置を講ずるとともに、これから申し上げる二点をぜひ注文したい、このように思っております。

 第一点は、貧困の連鎖を断ち切るために、子供の貧困の防止、ここに全力を挙げていただきたいということ。それから二点目は、生活保護に至るまでの施策をしっかりして、生活保護受給者を本当に真に必要な人だけに限るようにする。この二点でございます。

 まず第一点の、子供の貧困防止についてでございます。

 子供の貧困、貧困の連鎖につきましては、生活保護受給世帯のうち約二五%の世帯は、自分が子供のころも生活保護だったということでございます。つまり、貧困がつながっているということでございます。そして、この貧困の連鎖を断ち切るポイントは何かといいますと、これは教育です。

 これは、一般世帯の高校進学率を比較してみました。一般世帯の高校進学率は九八・二%、しかし、生活保護世帯におきましては八九・五%、一〇ポイントの差がございます。他方、学歴の差が収入の差になっているという別の研究成果もございまして、したがって、この貧困の連鎖が、教育を受けられない、収入が得られない、そして再び生活保護を受ける、こういう連鎖が続いているということが問題でございます。

 これをどう断ち切るか。

 先月の二十五日に我々公明党で、埼玉県の生活保護受給者チャレンジ支援事業、アスポートの現場を視察してまいりました。ここはいろいろなことがされているんですけれども、生活保護受給世帯の全ての中学三年生に、学生ボランティアなども活用して学習支援を実施しているわけでございます。その実績を見ますと、平成二十三年度ですけれども、中学三年生の参加者三百五人のうち二百九十六人が高校に進学した。進学率九七%ということで、ほぼ一般世帯と変わらないということになってきております。

 この貧困の連鎖を防ぐために、生活保護受給世帯などの子供に学習支援をしっかりするということも大事ではないかということで、厚労大臣と文科大臣にお聞きしますが、教育再生というのは、経済再生と並ぶ安倍内閣の最も重要課題でございます。その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有するという憲法の理念の実現に向け、強力に推進すべきだと思いますが、お考えをお伺いします。

田村国務大臣 先般、生活困窮者の対策の要望ということで、公明党の渡辺部会長と、それから代理の古屋先生、さらには生活支援プロジェクトチームというのをおつくりのようでございまして、山本先生にお越しをいただきまして、いろいろと御意見をお聞かせいただいた次第であります。

 今、斉藤委員がおっしゃられました学習支援でありますけれども、おっしゃられますとおり、いろいろな方々がここで勉強を子供たちに教えるということで、中学三年生、高校受験に向かってということで、全国で九十四自治体が実施をしていただいております。

 これをさらに進めていくために、制度化をしていって、自治体の数ももっとふやしてまいりたいと思っておりますし、さらには、今、中学校三年生だけなんですけれども、これを中学生、一年生から全般に向けて広げてまいりたいなということでただいま検討をしておる最中でございます。大変重要な点でございますので、頑張ってまいりたいと思います。

下村国務大臣 お答えいたします。

 御指摘の点は大変重要なことであるというふうに思います。

 貧困の連鎖を断ち切るためには、教育によって断ち切るしかないというふうに思いますし、生活保護家庭を含め、低所得者の家庭の子供に対してチャンス、可能性を広げていく、そのためには教育機会をきちんと保障するということが必要なことであるというふうに思います。

 教育再生実行会議におきましても、今は、いじめ、体罰問題、それから教育委員会の抜本的な見直し、また、その後、大学の質、量ともに見直すということが当面テーマになっておりますが、委員御指摘の本質的なテーマだと思いますし、しっかりと対応してまいりたいと思います。

 現在、文部科学省としては、市町村による義務教育の就学支援の実施、大学等の奨学金事業や授業料減免の充実を通じて、家庭の教育費負担の軽減に努めるようにしております。

 また、今回の生活保護の見直しに伴い、文部科学省関係で影響が生じ得る就学援助の施策については、平成二十五年度予算案において、従来ベースの事業実施に必要な予算措置をしているところでございまして、子供たちの教育を受ける機会が妨げられることのないように適切に対応してまいりたいと思いますが、さらに、貧困が貧困を生む環境をぜひ是正するために、教育力をしっかりつけていくように努力してまいりたいと思います。

斉藤(鉄)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に二点目、私が申し上げた、生活保護に至るまでに、できれば社会が支えて生活保護に陥らないようにする、自立をしていただく、そのための施策について質問をさせていただきます。

 我々、二点主張させていただいております。

 一つは、現在の生活保護制度の見直し。いろいろあるんですけれども、例えば勤労控除というものがございます。働いて収入を得れば、その分生活保護費は減額されるということでございますので、ある意味で働くインセンティブを抑えている面がございます。このあたりを何らか、もっと働こう、自立していこうというインセンティブが生じるような制度にできないか。これは現在の生活保護法の見直し。

 それからもう一つ、現在、法制度としてありませんが、生活困窮者、生活保護に陥る手前の人に対して、しっかりと支援をして自立していっていただく方向に頑張る。実は日本にはこの手前の支援策がないんです。諸外国に比べて大変劣っている、このように言われております。

 この二つにしっかり対処することによって、いわゆる何度でもチャレンジできる社会、そして、一旦失敗してもまたはい上がっていける社会、そういうものをつくるという総理のお考えにもまさに適合した考え方なのではないかと思いますが、総理のお考えをお聞きします。

安倍内閣総理大臣 まさに委員が御指摘になったように、安倍内閣としては、自立自助を基本に、そして共助、公助、社会の助け合いもしっかりと構築をしていく中においてすばらしい社会をつくっていきたいと思うわけであります。

 頑張った人が報われる社会ではありますが、しかし、人は不幸にして生活の基盤を失う場合もございます。そうなったときに、やはりしっかりとセーフティーネット、生活保護制度というのが構築をされていることは極めて重要なことでありますが、同時に、一日も早くまた就労に戻れるようにしていくということも重要なんだろうと思います。

 そこで、今委員が御指摘になった二つのポイントが重要な点でございまして、まず、制度としての信頼性がなければ、これは国民の税金を使うわけでありますから、不正な受給対策や受給者への自立・就労支援を強化していく、そういう見直しを行うことが急務であると思います。

 同時に、もう一つの点でございまして、これはまさに斉藤委員が、また御党が強く御主張をしておられました、生活保護受給に至る前の段階からの支援を強化することによって、生活保護に行く前に生活を立て直して、しっかりと就労していく、自立に向かっていくということ、これも極めて重要なポイントであろう。

 つまり、そのことによって、何回でもチャンスのある社会になっていくんだろう、このように私は思います。このため、今通常国会に関連法案が提出できるように努力をしてまいりたい、こう考えております。

 また同時に、生活扶助基準の見直しに伴う他制度への影響については、就学援助を含め、それぞれの制度の趣旨や目的等を踏まえて、できる限り影響が及ばないように対応することが政府の基本方針である、こう考えているところでございます。

斉藤(鉄)委員 今総理が御答弁の第二点目、他制度への影響の波及、これを防ぐということも大変重要な観点ですので、よろしくお願いをいたします。

 今回、予算案では、この一番下に書いてあります生活保護基準の見直しということが決まっているわけですが、先ほど申し上げました生活保護制度の見直し、そして、新たな試みですが、新しい生活困窮者支援制度を構築していく、このことが重要だと思います。

 しかし、この上の二つにはお金がかかります。このお金を、今回、生活保護基準を見直した、このことによって三年間で七百四十億円の財源が生まれる、このように言われておりますが、このような形で再チャレンジできる社会をつくっていくということに使うというのは非常に大事ではないかと思いますが、厚労大臣、どのようにお考えですか。

田村国務大臣 先ほど斉藤委員がおっしゃられました、一つは生活保護を脱却していただくのに、働いたインセンティブということがございました。今も勤労控除というような形で、働いたら全てそれは持っていかれるわけではないわけでありますけれども、その枠をまずふやそうというのが一つ。

 それから、今度は、いよいよ生活保護から脱却をしようというときに、仮想的に、積立金のような形で、生活保護から自立されたときの支度金みたいな形がとれるようなことも今回考えておりますので、ぜひとも実行してまいりたいなというふうに思っております。

 そんな中で、今お話がございました生活困窮者の方々の対策、一つは、就労、自立支援等々で生活訓練や社会訓練等々もやらなきゃなりませんし、それから、やはり、家が失われた中で、もうどうしようもなくて路頭に迷われる方が多いものでありますから、そういう方々に対しての家賃の手当てみたいなことも考えていかなければならないと思います。

 そもそも、総合的な窓口といいますか相談事業をやらなければいけないわけでありまして、そんなことも含めてやはりこれは財源が要るわけでございます。これをしていけば生活保護になられない方々、手前でとめるわけでありますし、一方で、生活保護も、これからいろいろな改革をしていく中で、生活保護から脱却をされる方々もおられる。全体として、生活保護費全体が減ってくるわけでございますから、そんなことも考えて、やはりここにしっかりと予算をつけるべく、財務大臣にもお願いをいたしたいと思います。

 以上です。

斉藤(鉄)委員 その点については我々もしっかりバックアップをしていきたい、このように思っております。

 次のテーマに移ります。TPPでございます。

 TPP、これは今回、総理がオバマ大統領との共同声明で、聖域なき関税撤廃ということでは必ずしもないということを確認した意味は非常に大きい、このように思います。多面的な戦略的意義を総理が見出されているなということを感じた次第でございます。

 我が党は、国際協定への交渉参加ということについては政府の専権事項ですので総理に対応をお任せすることにいたしましたけれども、ただし、仮に交渉参加を決断するのであれば、守るべきものは守る、かち取るものはかち取って国益を増進させる、国民生活を豊かにする、こういうことが大前提でございます。

 しかしながら、まだ国民の間には、食の安全、食料自給率、また、本当に日本にとって大切な農業が、この国土と環境を守ってくれている農業が守られるのか、また、医療保険、世界に冠たる日本の公的保険制度、これが崩されるのではないかというような心配があることも事実でございます。

 まず、TPPの持つ戦略的な意義、そして、仮に参加を決断した場合、我が国にとってどのようなメリット、デメリットが生ずる可能性があるのか。改めて、総理の口からわかりやすく簡潔に説明をしていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 TPPでございますが、基本的に、自由貿易の推進は、我が国にとって自由な貿易環境ができていくわけでありますから、日本にとっては国益だろう、このように思いますし、また、自由な貿易環境をつくっていくことが我が国の対外通商政策の基本なんだろう、このように思います。

 残念ながら、日本には資源がありません。ですから、どうしてもこれは多くの資源を海外に頼るわけでありますが、そのためには、輸入したものを加工して付加価値をつけて、輸出をすることによって利益を得て、そして資源を買う力を持つわけでございます。

 よって、基本的には、やはり自由な貿易環境というのは日本にとってプラスになるわけでございますし、そしてまた、戦略的には、アジア太平洋地域、このダイナミズムを日本が吸収していく、取り入れていくということが日本の成長にもつながっていくわけであります。

 米国そしてアジア太平洋地域がともに発展をしていく中に日本が入っていく。そして、まさに経済規模では、TPPの中では日本は圧倒的な二番目というか、アメリカに次いで二番目で、それは他の国々と比して極めて大きな経済体でございまして、日本が入っていくことによって、事実上日米でTPPを引っ張っていくことにもつながっていくわけでありますし、そして、その後、RCEPにもつながっていく、FTAAPにもつながっていく。

 APECに入っている国々も含めた経済連携協定や、またASEANプラス3、6でもいいんですが、そういうものにもつながっていくわけでありますが、もとのルールは、もしかしたらこのTPPにおけるルールがそこに発展していく可能性もあるわけでございまして、そういうことを考える中においては、戦略的に日米がしっかりタッグを組んで、そうした自由貿易圏、世界に広がっていく自由貿易圏のルールづくりを行っていくという意義、意味、またメリットはあるんだろうと思います。

 もちろん、日本にとって得意な工業製品等々ございます。同時に、日本の知的財産がちゃんとそういう国々において保護もされていくし、これを世界に日本が出していくことによって、日本は利益を得ていくということにもなるんだろう。また、投資を行うことによって得る利益もございます。

 一方、今、斉藤委員が御指摘になった、守るべきもの、農業について果たして守ることができるかどうかという課題があります。日本の農業においては決して、ある意味、生産性が悪いとは私は思っていないんですね。立派なものをつくっています。おいしいし安全なもの、安心して食べられるものをつくっています、一生懸命、真面目に。しかし、コストがどうしても高いという問題があって、そこでの競争力の問題であります。

 とはいっても、世界じゅう、どこの国も農業は守っている。なぜ守っているかといえば、これはお金で買えない可能性もある、戦略的な分野である。だからこそ、これは食料安全保障という考え方もあって、当然、我々はその点で守るべきものは守っていかなければならない。

 また、今御指摘されました国民皆保険制度、日本の皆保険制度は世界に冠たる皆保険制度であって、保険証一枚で誰でもどこでもしっかりとした水準の医療サービスを受けることができる。私は、この制度は断固として守っていかなければいけないし、これが揺るがされるようなことがあっては決してならないし、それを揺るがさせないということをはっきりと申し上げておきたいと思います。

斉藤(鉄)委員 守るべきものについての基本的な考え方をお伺いいたしました。

 先日、農業の方とお話をしておりまして、センシティビティー、一定の農産品、どのようなものを想定しているのか早く知りたいと。JAの方は、米、麦、乳製品、甘味資源、牛肉、この五項目を具体的に挙げておられましたけれども、ここについて何かお考えはございますでしょうか。

林国務大臣 一定の農産品につきましては、今総理からもお話がありましたが、日米首脳会談において個別品目にかかわる議論は行っていないというふうに聞いております。

 どのような農産品を国益として守るべきかについては、まだ今の段階では、交渉参加するか否かを決めていない段階でございますので、具体的に決めているというものはございません。

 なお、これは自民党の中の話で恐縮でございますが、二月二十七日に自民党外交・経済連携調査会で決議というのもなされておりまして、ここでは、TPPに関して守り抜くべき国益として、米、麦、牛肉、乳製品、砂糖等の農林水産物の重要品目を除外または再協議するとされておるということは承知しておるところでございます。

斉藤(鉄)委員 いずれにしましても、国民に対して、こういうメリットがある、こういうデメリットも心配されるということを情報開示していただく。その際、数値が出るものについては数値で示していただくと非常に理解をしやすい。

 これまで政府が出してきた資料、このお役所が出してきたメリット、デメリットと、こちらのお役所が出してきたメリット、デメリット、数値が違ったりしまして、一体どちらを信用すればいいんだというようなこともございました。そういうことのないように、政府としてきちっと責任ある説明をしていただきたいということを申し上げさせていただきます。

 次に、金融円滑化法、中小企業金融についてお伺いをいたします。

 この三月三十一日で、金融円滑化法、平成の徳政令とも言われたものでございますが、これはいつかはやめなきゃいけないというのは誰もが思っていることでございますけれども、しかし、いざ三月三十一日に終わるとなると、かなり現場で心配が大きくなってきております。

 今、せっかく三本の矢、次々に打って経済が上り調子になってきた。例えばあと半年持ちこたえれば何とかこの景気上昇の波に乗っていけるぞ、しかし、この半年がなかなか乗り越えられないというような方もたくさん中小企業経営者の方にいらっしゃいました。

 そういうときにこの金融円滑化法が切れるということに対して、非常に大きな心配が現場で起きている。柔軟な対応ができないのか、このような声を聞いているんですが、これに対して、金融担当大臣。

麻生国務大臣 この金融円滑化法は、御存じのように、いろいろな経緯がございましたけれども、この三月末、これは再々延長ということになりますので、この段階では、今のところ再々延長を考えているわけではありません。

 ただ、金融機関として、そもそもの貸し付け条件というものの変更や円滑な資金供給に努めるべきだということは、金融業を営む者にとりましても、これは金融円滑化法が切れようと何だろうと基本的にはその姿勢は変わるものではないと思いますが、この趣旨は、少なくとも、さきに成立いたしました地域経済活性化支援機構法第六十四条においても既に明記をしてあるところだと思います。

 金融業界におきましても、何回となくお目にかかりましたが、円滑化法の期限到来後も貸し付け条件の変更などに努めていく旨を、既に金融業界、これは地銀も第二地銀も信用金庫も全部含めまして、個々の借り手への説明というものを徹底させるように、周知をさせるようにということを申し合わせておりますし、私どもも直接その話をさせていただいております。

 さらに、金融検査マニュアルなどにも貸し付け条件の変更に努めるようにきちんと明記をしてございまして、検査監督をさらに徹底させていかなければならぬと思っております。

 加えて、今後は中小企業とか零細企業などが真の経営改善を図ることが重要なんですが、借り手が置かれております状況は、あと半年というのもあれば、ちょっとちょっとというのもいろいろ、こんなのは霞が関でわかるはずがありませんので、こういったものは、個々の借り手の状況に沿ったきめ細かい話や現場の視点とか、信金とか信用組合とかいろいろございますが、そういったきめ細かい支援策を個々に見た上でやらないとどうにもならぬのだと思っております。

 したがいまして、経営改善の支援に関しましては、積極的に金融機関として取り組むように指示をいたしております。いわゆる引き揚げようとか貸し剥がすのではなくて、とにかくこれをたらたら生き延びさせるだけではまた手形のジャンプとかなんとかということにしかなりませんので、そういったことではなくて、きちんとした、一種のコンサルみたいな形になりましょうか、そういったような形で引き続き促しているところでもありまして、今さまざまな支援に全力を尽くしているところです。

 いずれにいたしましても、これは私どもとしても既に、金融庁のいわゆる副大臣、政務官はもちろんのこと、各局長等々、全都道府県下にこの説明に回らせるようにして、金融庁の考え方として、政府の考え方としてきちんとした対策というものを指示したところでもありますので、御指摘のありました点、いろいろ我々も配慮して今後とも対応してまいりたいと考えております。

斉藤(鉄)委員 今のお話を総合すると、法律は切れるけれども、しっかりとそこは金融庁を先頭に対応していく、どうか心配なところは相談に来てくれ、こういう理解でよろしいでしょうか。

麻生国務大臣 各都道府県に対しましても、また商工会議所、商工会、中小企業金融公庫等々いろいろございますけれども、そういったところにこの問題についての窓口をきちんとあけておりまして、そういった形で、そういった問題、個々の問題があった場合はそこに行くようにということを、斉藤先生のところにもあれば、そこに直接指示していただければよろしいかと存じます。

斉藤(鉄)委員 出口戦略は万全であるということでございました。

 金融円滑化法が一定の使命を終えて出口戦略も整えたということであれば、強固な金融支援や中小企業支援の体制が整っているんだというメッセージをもっと積極的に行って、国民、中小企業の方を中心として今広がっている心配、マイナスイメージを払拭していただきたい。これは、今、日本の経済が元気になっている、中小企業も、よし、これで頑張ろうという状況になっておりますので、安倍総理を先頭に、この出口戦略は万全だということをぜひメッセージを発していただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ただいま財務大臣が答弁いたしましたように、まさに全国の中小零細、小規模事業者の皆さんが頑張ってもらえる、そういう状況をつくっていくことこそが日本の経済の再生につながっていきます。

 どうしてもそういう皆さんに景気の回復が伝わっていくのは時間がかかりますから、そこで頑張っている皆さんが、三月に切れるがために残念ながら会社を続けていくことができないとなれば、いわばそこで仕事を失う人たちもたくさん出てきてしまう。これは、やっと景気に弾みがつくところが、ことんと腰折れになってしまうわけでありますから、そうならないように我々は万全を期していきたいし、しっかりと目配りをしていかなければいけない、このように考えております。

斉藤(鉄)委員 その点、どうかよろしくお願いします。

 次に、復興及びそれに関係する公共事業について質問をいたします。

 先日、朝日新聞のアンケートを見てちょっとびっくりしたんですけれども、これは被災地の自治体へのアンケートなんですが、全国で防災・減災対策がスタートすることに強い懸念がある、こういうアンケート結果でした。被災自治体四十二市町村のうち十二市町村が、全国の防災・減災対策を否定的に捉えているというアンケート結果でございました。

 その理由は、被災地での資材不足、それから資材、人件費の値上がり、そして技術者などの人材不足で、全国で防災・減災事業がスタートすれば、いよいよ人が足らなくなる、資材が値上がりする、資材が足らなくなる、こういう心配からということでございました。

 まず資材不足ですけれども、現在、生コン、それからコンクリートに使う骨材、砕石が非常に値上がりをしております。そのほかのものについては余り、そうでもないんですけれども、やはり生コンは近所でつくらなきゃいけない、それから砕石、骨材については運搬費の割合が非常に大きいということでございまして、この二つの項目が資材不足と言われております。

 特に生コンの需給逼迫のおそれが高い地域として、宮古、大船渡、気仙沼、石巻、仙台、それから相双、いわゆる相馬と双葉郡ですね、相双地域が挙げられておりますが、国土交通大臣、太田大臣は、公設の生コンプラントをつくって生コンの供給に踏み切るという考えを示されておりますが、供給実現までの道筋をお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 資材不足そして職人等の不足ということが解決しないと、復興がなかなか順調にいかないんじゃないかということが懸念をされていることは事実です。

 私も直接、先日、行って調整に入ってきましたが、今御指摘の生コンにつきましては、九十分以内のところでないと実際使えない。それから、砕石等は広範囲から集めなくてはならない。それで、海岸をずっと見ますと、砂が不足をしているところ、生コン自体が大変不足というところ、それからヤードが不足しているので大変だというところ、ミキサー車が最初のころは大変だったからというように、それぞれの地域で何が足りないかということの中で、そしてそれが合流して生コンの不足という形になっているということがよくわかりました。

 そして、手をしっかり打つということが大事なので、まず調整会議を県に置いて、発注側、受注側、行う。そして、会議体をしっかり持って常に調整をする。そして、それぞれの不足ということに対してしっかり、ヤードが不足するならヤードをつくる。そして、プラントはなかなかできませんので、私の方から、三陸の道路建設というのが二十六年度から本格的に始まりますから、それまでの間にプラントを公的につくるということを言ってまいりましたので、何とかこれで順調にいくような方向に進むということを思っております。

斉藤(鉄)委員 次に、人材の不足です。

 これは午前中の質疑でも取り上げられておりましたけれども、一つは技能者の不足、これは、建設産業そのものがずっとこれまで縮小してきましたので、技能者が全国的にも絶対数が不足しているということ。それからもう一つはいわゆる技術者の不足、そういう一連のプロジェクトを立案し、企画し、実行する専門技術者が不足しているということも、この復興が進まない大きな原因だということでございますが、この点についてはいかがでしょうか。

太田国務大臣 できるだけ人材を効率的に使うということで、発注のロットを大型化していく、あるいは、技術者が併用して見られるというような体制もとっていく。あるいは復興JVという形で、合同して全国からの、全国といいますか近隣も含めた、そうしたことで人材不足を解消していく。さまざまな手を打っているところでありますし、また、遠隔地から人材を調達した場合には追加コストが払えるようにということをさせていただいております。

 なお、最近新聞で出ておりますように、職員の発注側の方が足りないということについては、URにも、また全国の自治体にもお願いをして、そうした発注側の体制も応援体制をとらなくてはいけないということで進んでいる状況にございます。

斉藤(鉄)委員 ですから、入札不調も大変多くなっております。

 二十四年度の実績として、仙台市では四九%、宮城県で三八%、その原因のほとんどはやはり値段が折り合わないということ、また人材がいないということのようでございますが、入札不調に対する手だてとして、資材価格や労務費の市場価格を積算価格にタイムリーに反映させる、設計変更等も比較的できやすくするということが求められますが、その導入の可能性についてお伺いします。

太田国務大臣 資材については、上昇分を発注者が支払う、いわゆるインフレスライド、これを採用します。

 そして、設計労務単価につきましては、従来、年一回の改定でありましたが、昨年から三カ月ごとということで、六月、九月、十二月とやってきましたけれども、このところやはり大変労務単価の問題が出てきておりますので、再度、ここは三月ということをめどにして労務単価ということについても検討させていただいているところでございます。

斉藤(鉄)委員 復興の加速化、きのうも官邸に申し入れに行かせていただきましたけれども、非常に大きなポイントですので、ぜひお願いをいたします。

 時間はあと一分しかありませんが、総理に最後に。

 総理、二〇〇七年のドイツのハイリゲンダム・サミットでクールアース50ということを提唱されました。私は、非常に大きな印象として残っております。

 これは、地球温暖化対策として、二〇五〇年までに二酸化炭素排出量を半減しようと。半減すると、ちょうど地球の吸収量と一緒になって、それ以上二酸化炭素はふえないという量になります。この長期目標というのは非常に大切。したがって、先進国は八〇%削減しようということを、これは麻生総理のときにラクイラ・サミットで決めたことでございますけれども、このクールアース50について、地球温暖化対策への総理のあの熱意について、もう一度、最後にお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 この地球温暖化、気候変動については、地球全体において取り組んでいかなければいけない課題でありますし、今を生きる私たちが、子孫に美しい地球を残していかなければいけないという責任を果たしていくという意味においても、しっかりと取り組んでいかなければいけない、このように決意をしております。

斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。終わります。

山本委員長 これにて斉藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、海江田万里君。

海江田委員 民主党の海江田万里であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日、午前中から、平成二十五年度の本予算に関する当委員会での質疑が始まりました。もうこれは改めて言うまでもないことでございますが、予算は、まさに国民からお預かりをした税金の使い道を決めることであります。その意味では、本委員会での議論というのは国民生活に大変大きな影響のある議論でございますので、私もできるだけわかりやすく質問をさせていただくつもりでございますが、総理初め閣僚各位も、できるだけわかりやすく、しかも丁寧に御答弁をお願いしたいと思います。

 まず、こちらのパネルをごらんいただきたいと思います。これは、民主党の政権時代と自民党の時代の税金の使い方の違い、つまり予算がどういう構造になっているかということでございます。

 まず、一番下の平成二十一年度当初予算、これは言うまでもございません、自民党の麻生政権のときの予算でございます。この中で、赤い色、どちらかというとワインレッドですね、この色、これは公共事業費でございます。それからブルーの色、これは文教及び科学技術振興費でございます。

 この二つの割合を調べていただきますと、平成二十一年度の当初予算、自民党の麻生政権のときは、赤の公共事業費が一三・七%、そして青の文教及び科学技術振興費が一〇・三%。これが、民主党の政権になりまして、赤の公共事業費が八・八%、そして文教及び科学技術振興費が一〇・四%になりました。そして、平成二十五年度の当初予算、これは、赤の公共事業費が九・八、そして文教科学が九・九でございますが、ただ、この平成二十五年度の当初予算につきましては、これは総理自身が標榜しておりますように、補正予算を含めて十五カ月の予算であるということでございますので、その十五カ月の予算でとってみますと、公共事業費は一二・〇%、文教及び科学技術の振興費は九・八%となっています。公共事業費と文教及び科学技術の振興費が逆転をしているわけであります。

 私は、この表は、まさに民主党がこれまで進めてきた、人に厚く投資をするということ、これがまさに安倍政権になってまた再びもとに戻った、平成二十一年度の麻生政権のときと同じようになった、言ってみると自民党の先祖返りではないかという見方ができるかと思いますが、安倍総理の見解はいかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 この公共事業費がふえているのは、今般の本予算そしてまた補正予算の中に組み込んでおりますように、防災・減災対策、国民の安全と安心を守るための予算、しっかりとそれを入れ込んでいるわけでございますし、また、さらに我々は、被災地の復興のために、十九兆円という枠を取り払って、一日も早く普通の生活に戻れるように、復興の加速化を図るために、そこは大胆に予算をつけているところでございます。

 そして、大切なことは、その中でさらにそれをブレークダウンしていって、個々の予算を見ていて、これがどれぐらいの効果をあらわすか、結果を出していくかということもちゃんと見ていくことが大切であろうと。そこまで見ていただければ、ああ、なるほど、自民党、公明党はいい予算を組んだな、こういうふうに思っていただけるのではないか、こう確信をいたしております。

海江田委員 これは、これから結果を見ていくと、恐らく、総理が今おっしゃったことと逆のことになるのではないだろうかというふうに私は思っております。

 今、震災対策。もちろん、震災対策はこれとは別に特別会計もございます。それから、老朽化対策、防災、減災というお話がございましたけれども、例えば老朽化対策について言っても、これは公共事業費の四分の一である、残りの四分の三は別な目的に使われている。防災対策ということがございましたけれども、これは、道をつくっても、防災対策ということは幾らでも言えるわけであります。事実、幾らもそういう具体例はございます。

 私が自治体の長の方にお聞きをしましたら、特に補正予算、大変大きく公共事業費の積み増しをいたしましたけれども、結局、補正予算でやるものについては、まず年度のうちに、この三月三十一日までの間に着手をしなければいけない、そして実際に完成するのは二十五年度の末までにやらなければいけないということになりますと、どうなりますかね、これは。要するに、本当に必要なところに公共事業を行うのではなくて、やはりできるところ、しかも時間が限定されてできるところに工事をやるしかないわけでありますよ。その結果、やはりそれが膨大な無駄につながっていく。最初から無駄だと思ってやる人はいないと思いますけれども、結果的にそれが大きな無駄になる。

 しかも、この公共事業費というのは、これはまさに建設公債が財源になるわけであります。赤字公債につきましては、これまで、それこそ特例法案を出してそれを審議しなければいけない、それがいろいろな意味で国会の審議の上で大きな妨げになるということもありまして、それをもう少し合理的にする手法は、これは与党と野党の間で話し合いをしまして、そういうことはできました。

 しかし、建設公債というのは、これはまさに予算書の中に、ことし幾ら幾ら公共事業をやりまして、その財源として建設公債を発行しますよ。補正予算も同じであります。本予算も同じであります。予算が通れば自動的に通るということになっておりますから、やはり私は、ここに大きな税金の使い道の無駄があり、しかも、その借金というのは、建設公債は六十年で償還をすることになりますから、次の世代への大きなツケ回しになると考えるわけでございますが、この点について、もう一度総理の御答弁をお願いしたいと思います。

太田国務大臣 ちょっと誤解があるようなので私の方から申し上げます。

 補正予算で国土交通省関係の公共事業予算は一・八兆円です。そのうち一・二兆円、約六五%になるんですけれども、これが防災、減災、老朽化対策です。また、その中には、昨年の笹子トンネルの事故等もありまして、そこのところの全国の調査、点検も含めてそういうことをやっているということで、四分の一が老朽化対策、あとは新規というのは、これはちょっと誤解であるので、申し上げておきます。

海江田委員 私は、こういう答弁が恐らく出てくるであろうと思いまして、総理にお尋ねをするということでございます。

 公共事業は今度の十五カ月の予算で七・七兆円でありますから、その一部がまさに国土交通省であり、そのほかに農水省もあれば、いろいろな各省にまたがっているわけですよ。

 ですから、私は、それらを全部含めて、総理に対して、こういう状況になっている、しかも、また借金が次の世代にツケ回しされるということに対して、総理はどういう見解をお持ちかということをお尋ねしているわけであります。

安倍内閣総理大臣 我々は補正予算を組んだ、これはまさに、安倍政権が掲げる経済政策、三本の矢のうちの二本目の矢であります。

 大胆な金融政策と機動的な財政政策と、そしてさらに成長戦略によって、長引くデフレから脱却をしなければいけない。つまり、ずっと十五年近くデフレが続いてきているんですから、ずっと続いてきているデフレ、これは、残念ながら民主党時代にも脱却はできなかった、また自民党時代にも脱却できなかったんですよ。ここから脱却をするためには思い切った次元の違う政策を打っていかなければいけないという中において、まずは……(発言する者あり)済みません、静かに聞いていただけますか。せっかく今、一生懸命説明しているんですから。

 そこで、まずは金融政策を、大胆な金融緩和、金融政策を行っていくということにおいて、新しい総裁もぜひ御承認をいただきたい、こう思っているところでございますが、その中において、デフレから脱却をしていき、さらに経済を成長させていく上において、二%の物価安定目標をつくって、それに向かって進んでいく中において、地方まで、隅々までこの恩恵を皆さんに享受していただけるようにしていくためにも、そして……(発言する者あり)済みません、長妻さん、何回もそうやって話の腰を折られると、またもとに戻らないと説明できなくなるんですよ。

 では、最初からまたもとに……(発言する者あり)これは本当に答弁しにくいので、ちょっと目の前でいろいろ言うのはやめていただけますか。後ろから注意されていますよ。

 そこで、そうした経済政策を進めていく上において、機動的な財政政策を進めていくことによって、地域まで、隅々までそうした新しい波を享受してもらえるような、そのスピードを速くしていくという意味において、大胆な、いわば機動的な財政政策をとったわけでございます。

 そのことにおいて、今大きな変化を感じ取っていただいているわけでありまして、大切なことは、その上において税収をふやしていく。デフレから脱却をして税収をふやしていかなければ、これは絶対に財政再建はできないんですよ。ずっと税収も減ってきたじゃありませんか。

 そこで我々は、税収をふやしていくために、補正予算も、そういう意味で、マクロ政策から実行していく、同時に安心、安全を確保するという個々のメニューになっているわけでありますが、こういうものも全て込めた上での補正予算と今度の本予算になっているわけであります。

 いずれにせよ、二〇一五年度までに、二〇一〇年比、GDP比のプライマリーバランスの赤字を半減していく、そして二〇年には黒字化していくという目標に向かって進んでいきたい。そのために大切なことは、やはり経済を成長させていくことなんですよ。いよいよ今、経済は成長していくな、こういう実感を持ちつつある、そういう状況に至っているのではないか、このように思います。

海江田委員 私は総理の御答弁を黙って聞いておりましたけれども、はっきり申し上げまして、私の質問したことに答えていないということ。

 それから、経済政策についてはこの後もう少し詳しくお尋ねをしようと思っておりますが、今のは財政政策。とりわけ、やはり国債を発行するということは、六十年間の償還でありますから、増税だとかそういうことならば今の世代でこれは返すことができるわけですけれども、六十年の借金ということになると、安倍総理と私も、大体、年はそんなに違いません、私の方が少し上ですけれども、この借金につき合えるのはせいぜいあと二十年ぐらいですよ、はっきり申し上げまして。まあ三十年でもよろしゅうございますが。

 ところが、今、選挙の投票権もない子供たちというのは、これからまさに六十年にわたって、私たちがやった借金をしょい続けていかなきゃいけないわけですよ。しかも、これまでにおよそ一千兆円の借金も積み重なっているわけですから、そこはよほど経済回復に効果のある、そしてできるだけ額を少なくしなければいけないというのが私どもの考え方であって、これは安倍総理もそんなに違わないと私は思った。だから、そういう意味での、これはよくよく、しっかりその使い道について精査をしていかなければいけない、そういう答えが返ってくるかと思っていたら、全然そうじゃないんですね。

 改めて、今の私の話を聞いてどうお考えになるか、お答えください。

安倍内閣総理大臣 建設国債については、これは足が長くなっているわけですね。では、なぜ足が長くなっているかといえば、耐用年数の関係等、例えば、さまざまな道路なり、そういういわば公共投資を行うことによって、その利益は、私たちだけではなくて次の世代も、利用することによって享受できるんですよ。

 そこが大切なところであって、例えば高速道路をつくったとしますよ。それは私たちが使うだけではなくて、次の世代も使っていくんですよ。そして、その道路をつくったことによって、そこに新たな工場ができたり働く場所ができれば、次の世代の雇用の場も出てくるんですね。それがまさに大切なことであって、そういうものを我々は厳選しながら、地域にとっても、地域の成長力、生産性の向上につながっていくもの、そういうものを厳選しながら今回の予算は組んできた、こういうことでございます。

海江田委員 それは、私たちが二十であったころ、あるいは子供であったころ、まさにそのころの話であるわけですよ。そこから人口がどんどん減少していって、そして高齢化をしていく中で、それから、先ほどもお話をしましたけれども、この補正予算というのはとりわけすぐに着手をしなければいけない、すぐに完成させなければいけないということになると、やはりつくりやすいところからつくっていくんですよ。

 本当に、生活道路を拡幅しようと思う。だけれども、本当に生活道路ですから、そこにはお住まいになっている方たちがいる。ただ、この方たちにどいてもらって、移動してもらって、引っ越しをしてもらって、そこに新しいところをつくろうと思ったら、一度になんかできるはずがないですよ。そうであれば、そういう人通りの余りないところ、人家が余りないところに道をつくるということにどうしてもなっちゃうんですよ。

 それからあと、地域の復興ということについても大分様子が違ってきていますよ。この間のまさにデフレの中で、地域の建設業というのはどんどん少なくなっているわけですから。それから、人手だって昔ほどたくさん雇用しないわけですよ。そういうような変化も考えなければいけないということをもう一度言いますけれども、ただ、もう総理の答弁、これには結構でございます、また同じことを繰り返されますので。

 それから、今、私の前に斉藤委員からも指摘がありました。やはりこの復興の問題であります。特に、きょうは三月七日でございますが、もう間もなく三月十一日ということになります。そして、安倍総理も何度か被災地に足を運んで、安倍総理が被災県に足を運んでいたころから、実はもう既に、それこそコンクリがないとかセメントが足りないとか、あるいは建設資材がないとか人手が足りないとか、こういう話はあったんじゃないですか。そういう話はお聞きになってこなかったですか。

安倍内閣総理大臣 そういう問題があったのは、やはりそういう問題が起こる原因があったんですね。なぜそういうものが足りなくなったのか。先ほど答弁で太田大臣も答えたように、セメントをつくる上においては、九十分の圏内にそういうセメントをつくる施設がなければならない。それがなかなかつくりにくい状況があったんですね。我々は、その原因を全て、今明らかにしてきました。

 ここは、自民党・公明政権というのはプロがいっぱいいますから、問題点をちゃんと、こことこことここというのがわかりましたから、それを除けばかなりこれは前進していけるということになったわけでございまして、詳細については復興大臣からお答えさせていただきたいと思います。

海江田委員 そうおっしゃいますけれども、これはまさに、これからあと半年たって一年たって、では、この補正予算がやはり妨げにならなかったか、とりわけ、補正予算の中でもやはり公共事業を、先ほどもお話をしましたけれども、全国に過大に積み増しをしたことが妨げにならなかったかということは、これは必ず結果が出ますからね。

 先ほど来のこの成約率のことでも、これが本当に改善をされればいい。生コンの工場を一つつくる、大きな工場をつくるということですけれども、それだけでは全然足らないということ、これは改めて指摘をしておきますから。よっぽど力を入れて、復旧復興のためのこの施策、これは先ほど国土交通大臣から答弁がありましたけれども、あれでもまだまだやはり不足ですよ、足りませんよ。それから、国土交通大臣だけじゃいけません、これは。やはり各省庁全部挙げて、それから復興庁が統一的に横串を刺して、そしてそれをやる。

 そして、ゆめ、この補正予算をつくったことによって、私たちの復旧復興がおくれたねということを、いずれまた現地に行かれると思いますけれども、そういう声が出ないように、これはしっかりしてもらわなければいけない。それはよっぽど本当に手だてを講じてやっていただかなければいけない。だけれども、それがだめだったときは、それこそ本当に潔く、誤っていたということをやはりおわびするということぐらい考えてもいいんじゃないですか。どうですか。

安倍内閣総理大臣 確かに、海江田委員が御指摘になった点というのは問題点であることは事実でありますし、我々、補正予算、大きな予算を組みましたから、そういうことがあってはならない、我々もそういう問題意識を持っておりました。

 ですから、そういう問題意識の中において、私も、復興大臣を初め全大臣に対して、そういうことにならないように、万が一にも、この予算を執行していく上において、このことによって復興がおくれるということは絶対ないように、むしろ逆に、それで加速されたという結果を出していかなければならないという指示をいたしました。

 その中において、では何が今、人手の問題もありました、資材の問題もありました、そういう問題に対してどう対応していくかということについて、具体的に、個々の具体的な課題と対処策について、既にもう今、復興大臣のもとでまとめさせておりまして、今、海江田委員がおっしゃったように、これはまさに横串を刺して進めていくことが大切なことであって、安倍政権においてはそれを重視して、そして、根本大臣が司令塔としてしっかりと前に進めていくように、こうしたものも各省庁縦割りではなくて、総合的に対応するようになっております。

 個々のことについては根本大臣からお答えをさせていただきたいと思います。

海江田委員 時間も限られておりますので、それは委員長の指示に従います。ありがとうございます。

 もう一つ、三・一一で、これは私にとりまして忘れることができないのが、やはり原子力発電所の事故でございました。

 本当に大変厳しい対応に追われたわけでありますが、この原子力の発電所の事故、これは民主党政権のとき、これは一昨年になりますが、一昨年の十二月に原子力事故収束宣言を行いました。

 この原子力事故の収束宣言というのは、それは、たしか一昨年の四月の十七日ですが、東京電力と政府の統合本部が事故の収束に向けたロードマップをつくりまして、そのロードマップの中の第二ステップですね。この事故が起きてから大体三カ月で第一ステップ、それから三カ月から六カ月以内に第二ステップということで、いわゆる冷温停止状態を第二ステップの目標にしていたわけですが、その第二ステップの目標とする冷温停止状態が一応これは完成されたということで、収束宣言を発したわけであります。

 しかし、そのときの民主党政権、私どもとすれば、まだまだやはりこの原子力発電所の事故というのは、その意味では、第二ステップは終わったけれども、新たな問題もまた出てきている、これは継続的にずっとやはりウオッチしていかなければいけないということで、原子力の担当大臣は残したんですよ。

 今、この原子力の事故収束の担当大臣というのはどなたですか。

茂木国務大臣 原子力の廃炉、これは大変重要な問題であります、今進める中で。それの担当は私がやっております。

 海江田大臣も、手に忍の字を書かれたり、涙を流されたり、随分苦労されたと思いますけれども、私も、先日も現地視察をしてまいりまして、実際に四号機の中にも入ってまいりました。

 これから相当大変な作業がある、こういった中で、事業者だけに任せるのではなくて、特に研究開発の部分、国が前面に出て、しっかりした廃炉を進めていきたい。

 同時に、お決めいただいた廃炉までのロードマップ、三十年から四十年ということですけれども、委員も御案内のとおり、一号機から四号機、それぞれ炉の状況も違ってまいります。今後、炉の状況によってどんなロードマップが描けるか、そこの中でどこまで廃炉を前倒しできるか、しっかり取り組んでいきたいと思っております。

海江田委員 廃炉の責任は自分が負うということは、今、経産大臣からお話がありました。

 経産大臣は東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議の議長であるということは、私も承っております。しかし、その廃炉のまだまだもっと手前のところで、例えば、具体的な問題で今一番問題になっているのは、やはり汚染水の問題ですよ。

 これは総理も現地に行かれてごらんになったと思いますけれども、福島第一発電所の敷地内が、巨大なタンクがずっとあって、そして、それがもう本当に、敷地の中、まさに満杯という状況になっているわけですよ。

 それと同時に、今、それこそ本当に地下水が、あそこは水位の関係もありまして、地下水の方から建屋の方に水が入り込むわけでありますが、これをやはり何とかしないと、建屋に入り込んだ水が汚染をされて、その汚染水がどんどんどんどんふえていく。もちろん、それを除去する、除染をする装置というのはつくってございますが、これもなかなか難しいというようなこともあって、それで、やはりこの汚染水の問題、処理一つをとってみても、私は、これは政府がもっともっと前に出る必要があると思うわけでございます。そういうことを誰が責任を持ってやるのか。

 せんだって、東京電力福島第一発電所の廃炉推進体制の強化についてということで、原子力災害対策本部、これはまだもちろん残っていますよね。これは残っていますけれども、二月八日のこの会議では、政府・東京電力中長期対策会議は廃止をしているわけです。

 それを廃止して、今お話をした東京電力福島第一原子力発電所の廃炉対策推進会議に置きかえをしたということでありますが、その会議の中で、例えば、今言っている、喫緊の課題であります、その汚染水をどうするかということは話し合われたんですか。

茂木国務大臣 海江田委員もよく御存じの上でお聞きになられているんだと思いますけれども、国としてやるべきこと、それから電気事業者としてやるべきこと、さまざまな作業を協力してやっていかなきゃなりません。そういった汚染水の問題、原子力事業者としてやる分野について、その原子力事業者を所管しておりますのは、私です。

海江田委員 まさにそこに問題があるわけですよ。今、私の質問に対して、この汚染水の問題が話し合われたということはお答えがありませんでしたから、なかったものと解釈しますが、やはり、これは大きな問題であって、まさにここにこそ、政府と東京電力が密接に関連性を持ちながら、連関をとりながら処理をしていかなきゃいけないんですよ。

 東京電力は井戸を掘ると言っているんですよ、汚染水が入ってこないように。だけれども、井戸を掘ったら、余りたくさんくみ出しますと、今度は水圧が低くなって、まさにこの建屋の方の汚染された水が地下水の方に流れ込んでしまうおそれがあるんですよ。これは大変危ないことなんです。そういうことをやってはいけないんですよ。

 ですから、私どものときは、これはまさに統合対策室でずっと議論が、これは秘書官もいらっしゃいますからよく御存じだろうと思いますけれども、東京電力と私ども政府の側の立場が違ったのは、やはり地下水と施設との間に遮水壁を設けなきゃいけないんじゃないだろうかと。バウンダリー工事といって、土の中に固形剤を入れるわけですよ。固形剤を入れて土を壁にする、これはスラリー連壁というんですけれども。それをつくって、そこの上に鋼管矢板という、よく海の埋め立てなんかで使うような鋼の矢板を入れて遮断をしよう。そして、海の側もそういう形で遮断をしよう。海に流れ込むことがあってはいけない、それから地下水に流れ込むことがあってはいけない。

 ただ、これは、東京電力だけに任せていたのではやらないんですよ、やり切れないんですよ。お金がないからです、資金がないからなんですよ。これは、もちろん設計にもよりますけれども、五百億だとか一千億だとか、それくらいのお金もかかる可能性があるんですよ。だから、そういうときに政府が前に出て、それについては、では、経済的にはこういう負担をしようと、よく東京電力と相談をしてそういうことをやらなきゃいけないんですよ。今まさにやらなきゃいけないんですよ。全然やっていないじゃないですか、議論していないじゃないですか。どうですか。

茂木国務大臣 福島第一原発についてはさまざまな問題を抱えております。ですから、我々は、収束したとは言えない、こういうお話を申し上げました。そこのところは、言葉の使い方というのは違うんだと思います。

 汚染水の問題を含めて、国としてやるべきことはやってまいります。海江田委員も大臣をやられました。相当長い期間の中で、いろいろなことを取り組みをされたと思います。我々は、まだ二カ月です。しかし、研究開発については既に八百五十億円、予算をつけたのは我々なんですよ。そういった廃炉に向けて、具体的な予算づけであったり対応は、しっかりやっていきます。

海江田委員 今やはり福島の方々が心配をしているのは、さっきもお話をしましたけれども、特に、これからまた春が来て梅雨の季節にもなるでしょうし、やはり地下水の問題なんですよ。だから、これについて、やはりそこはちゃんと、東京電力だけに任せ切ってしまうんじゃなくて、先ほど、国が前に出てと言ったわけですから、それをやらなきゃいけない。

 だから、原子力災害対策本部は、もちろんまだ閉じていませんけれども、これも、安倍政権になってから一度だけですからね、開かれたのは。もう少しやはり頻繁に開いて、こういう問題に対するしっかりとした議論をやる。国がどこまでできるのか。東京電力だけでやることじゃないということをおっしゃったんですから、ぜひやってください。よろしゅうございますか。

 次は、原発の方向性の問題であります。

 自民党政権は、さきの総選挙のマニフェストで、十年以内に新たな安定供給構造を確立するということでございました。そして、私の国会での代表質問に対しても、民主党政権時代の方針をゼロベースで見直すということはお答えがありました。

 ゼロベースで見直すということも私は甚だ不満でございますけれども、百歩譲ってゼロベースで見直すとしても、では、いつまでにその方向性を出していくのかということ。これは、マニフェストを見ますと、それから安倍総理の答弁を聞いていますと、このまま、十年ぐらい先にならないと方針が決まらないというふうに受け取れるんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 既に自由民主党は選挙に当たって我々の政策としてお話をしている、国民の皆様にも説明をしてきているところでございますが、今まさに規制委員会において厳格な基準を定めているわけでありまして、これにのっとって、規制委員会が安全と認めるものについては再稼働をしていくことにしております。そして、その中において、三年間において、再生可能エネルギーもあります、そうしたもののいわばイノベーションを期して、国家資源を投入していくわけでございます。

 その中において、この三年間において、再稼働させるものは再稼働させながら、いわば現実のエネルギー需要にどう対応していくかということも極めて重要な私たちの責任でありますから、低廉で安定的な電力をしっかりと得ていく、それが経済の成長につながっていく、安心できる生活にもつながっていくわけでございます。

 その中において、十年間において、いわばエネルギーのベストミックスを目指していく、これが我が党の基本的な政策であります。

 今からゼロというのは、代替エネルギーを今の段階では獲得していないわけでありますから、もちろん、私たちも、原子力発電比率を低減させていく、これは当然目指すべき方向ではありますが、今申し上げましたように、三年間の中において、できる限り、再生可能エネルギー、新しいイノベーションを促すために国家資源を投入していきます。そして、その中において、新しいいわばイノベーションが起こってくれば、どんどんどんどん、具体的に新しいものが出てくれば、これは原子力の代替エネルギーにしていくわけでございます。そして、十年間でベストミックスをつくっていく、これが我々の責任ある答えであろう、このように思っております。

海江田委員 ということは、やはり十年間かかるということですね。ベストミックスで、原発の比率をどれくらいにするのか。

 私どもは、三〇年代でゼロを目指すということ、これを決めました。

 事故の当初にも、もう、すぐゼロにしろとかいう議論もあったんですけれども、まさに事故が現に起きている段階ですから、四号機なんかにまだ水を入れている最中ですから、それは私は、はっきり申し上げまして無理だ、もう少し時間をかけてということで、これは国会でも答弁をしました。

 そして、民主党は、これは一年三カ月かけて、だから、民主党が決めましたのは去年の九月ですよ。去年の九月に、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入するということを決めたわけですよ。

 それからまたさらに一年ぐらいたって、まだ一年たっていませんが、九カ月ぐらいたって、安倍政権に引き継がれて、今のお話ですと、これから十年ぐらいやはりかかるんですよというお話ですけれども、これでは遅過ぎますよ、本当に。

 はっきり申し上げて、例えば、本当に原発をゼロにする、あるいは限りなくゼロに近づけていく、そのためには、やはり原子力エネルギーにかわる代替エネルギーというものが必要になってくるわけですよ。

 例えばですけれども、アメリカはシェールガスを今一生懸命やっている。残念ながら、日本は、この間少し見つかりましたけれども、例えば、将来性のあるところでいうとメタンハイドレートですね。このメタンハイドレートについて、海の底にたくさんありますから。

 だけれども、これを本当に商品化するためには、やはり研究開発、商品化するための大変な時間と投資がかかるわけですよ。それを一刻も早く方向性を出しておいて、そういう開発のところにお金をつぎ込んでいくということは当然やらなきゃいけない。だけれども、その方向性が決まらなければ、やはりそういう開発にだって、それこそ本当に重点的にお金が配れなくて、何のことはない、何をやっているのか、現状維持で十年続くということになってしまうんじゃないですか。

 改めて、いつごろまでに、十年たたないとわからないというのでは、きょうテレビをごらんの方々だって、それは納得できないですよ。もうそろそろ決める時期が来ていると思いますが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 海江田委員のお話を伺っていますと、若干やり方の手法が、民主党と現政権は違うのかなと。

 二〇三〇年代原発ゼロを目指す、そこを、まずゴールを決める。結構なんですけれども、その手段も、私が拝見しますと、はっきりしていない。どれくらい現実性があるかはっきりしていない。

 それに対して、我々は、具体的に政策も決めて実行していきます。例えば、原発につきましても、新しい規制委員会のもとで安全性が確認されないものはもちろん動かさない、安全性が確認されたものについては再稼働を始める。恐らくことしの七月に安全基準が出てまいります。

 そして、再生可能エネルギー、先ほど総理の方からも答弁がありましたように、最大限、これから三年間、導入の促進を図っていく。それだけではありません。高効率の火力、こういったものを、技術開発も含めて進めていきたい、そんなふうに考えております。

 こういったエネルギー源の多様化を進めなくちゃならない。同時に、多角化も進めなくちゃならないです。お話しになったシェールガス、これで、今、国際的な天然ガスの市場は変わっています。できるだけ安く、できるだけ多方面から調達できるようにする。さらには、日本の近海におきまして、メタンハイドレート等々、そういった資源の探索も進めてまいります。これが調達面なんですよ。

 それから、これから必要なのは需要なんです。今までのエネルギー政策というのは、需要は所与だ、決まっているということでしたけれども、この需要についても、ディマンドコントロール、こういったものをきちんとやっていく。さらには、全体を貫きます電力システム改革、こういったものをしっかり進めていきます。そして、この電力システム改革……(海江田委員「ちょっと長い。時間が限られているんですから」と呼ぶ)二〇二〇年までに終わるようにいたします。

山本委員長 答弁していますから、邪魔しないで。

茂木国務大臣 そういった中で、きちんとした、責任も持てる、そして根拠もあるようなエネルギーのベストミックスを決めていきたいと思っております。

海江田委員 私は総理にお尋ねをしているわけですけれども、経産大臣が手を挙げてこの答弁席に来たんですから、経産大臣の答弁を聞いてもいいなと思っておりましたけれども、余り長くやって時間を費やされますと、私も我慢にも限度がありますから、そこは御理解をいただきたい。

 総理、もう一回、重ねて総理に短く答えていただきたいですが、この原子力の問題で言うと、やはり原発の事故収束の担当大臣を置いた方がいいですよ。それは、申しわけないけれども、経産大臣ではないんですよ。私どもは、環境大臣、石原さん、どこにいらっしゃいますか。やはり今度規制庁が環境省のところに置かれるわけでありますから、これはやるとすれば石原大臣なんです。

 それは総理の専権事項でありますが、担務からいえば私はこれは環境大臣のところに置くべきだと思いますが、それも含めて、まず原子力の事故収束の担当大臣を置くのか置かないのか。

 それからもう一つが、先ほど来議論になっておりますけれども、やはりある程度のところでめどを決めなければいけない、こういう目標に向かって進むんだということをはっきりさせなければいけないということで、いつごろにそういうめどを置くのかということ。

 この二つ、短くお答えください。

安倍内閣総理大臣 まず、置くか置かないかということについて言えば、やはりこれは結果が出るか出ないかということなんだろうと思います。

 姿勢を示すということも必要ですよ。しかし、結果が出るか出ないかということからいえば、廃炉に向けては、まさに東電を所管しているのは経済産業省ですから、経済産業大臣が責任を持ってやった方が、どちらにしろ、担当大臣を設けたとしても合い議をしなければいけないという状況になっていきますから、そうならないように、まさに茂木大臣にやっていただく。汚染水の問題もそうです。

 一方、当然、ここと規制委員会は別でなければならないわけでありますから、規制委員会を所管するのは石原大臣、こういう体制でやっていきたい、このように思います。

 あと、めどというのは……(海江田委員「ベストミックスを考える」と呼ぶ)ベストミックスについては、経産大臣をやっておられますから専門家であるわけでありますが、まさに、このエネルギーの分野においては、委員もおっしゃったように、お金もかかりますし、場合によっては時間もかかるんですよね。核融合なんかはずっとやっているわけでありますが、これがうまくいけば画期的なエネルギーになっていくわけでありますが、だからこそ、お金がかかるから、なかなか、時間がもっとかかってきた。

 そこで、この三年間で集中的な投資を行うことによってなるべく短くしていきますが、そうはいっても、今、ではそれを、十年を五年、三年にしていくというわけにはなかなかいかないわけであります。そんなに一度に大量のお金を投資もできないし。

 しかし、そこはしっかりとやっていきますが、メタンハイドレートもちゃんとやっていきますよ、しかし、そのめどがつくのはもう少し時間がかかるかもしれない。ですから、三年間でやれることはやっていく上において、そして、十年間の中でベストミックスを構成できるように努力をしていきたい、こう思っているところでございます。

海江田委員 十年間でやるということは、当然、これは安倍政権も十年はなかなか難しかろうと思いますから、私どもは次の総選挙で当然のことながら政権奪取を目指すわけでございますから、それはやらないということと同じであります。私はそういうふうに理解をします。

 もう時間も限られておりますので、経済の問題に行きます。

 私は、安倍総理の国会での演説、これは一月二十八日が所信表明演説、そして施政方針演説が二月二十八日でございました。本会議場で、もちろんよくお話を聞かせていただきましたし、改めて活字になったのも見せていただきました。

 ちょうどこのころ、実はアメリカで、オバマ大統領が、これは一月二十二日が就任演説、そして二月十三日が一般教書の演説、大変重要な演説を二回やりました。

 このオバマ大統領の演説と安倍総理の演説を読み比べてみました。そうしましたら、一つ大きな違いがあったんですね。それぞれ、強い日本をつくる、強い経済をつくる、アメリカも、強いアメリカをつくる、強いアメリカの経済をつくる、これは同じでありますけれども、やはり、その手法、それから、何のための強い経済なのかということについて、大きく違っていた。

 アメリカのオバマ大統領の演説を御紹介いたしますが、一月二十二日ですね、就任演説。これは、米国の繁栄は、台頭する中間層の広い双肩にかかっている。一握りの少数派しか豊かな生活を享受できずに、辛うじて生活する人がどんどんふえる状態で、米国が成功するということはあり得ない。これが二十二日の就任演説です。

 それから、二月十三日の一般教書演説では、中間所得層は米国の経済成長の真のエンジンであり、それに再点火するのは我々の世代の責務だということをうたっているわけです。

 つまり、中間層ですね、ミドルクラス。ここをしっかり分厚い中間層にするということが実は強い経済の目的でもあるんですよ、そして、この分厚い中間層を育てていくことが強い経済をつくっていくプロセスなんですよ、こういうふうに明確にうたっているんですね。

 安倍総理のをいろいろ読んでみましたけれども、もちろん、分厚い中間層とか、中間層を復活させるとか、そういうことは全く出てきません。

 私は、今の日本にまさに必要なのは、この分厚い中間層をつくることではないだろうかと思うわけでございますが、まずその意見に対して、そうである、そうでない。もし、そうであるという賛成をいただけるなら、何で入れなかったのかということをお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 日本はアメリカではありませんし、私はオバマ大統領ではありませんから、違って当然なんですが、なぜ違うかといえば、考え方としては、今海江田委員が述べたお考えと、私は全く同じであります。

 しかし、アメリカは、いわば、そういうことを大統領が率先して述べなければいけないという状況になっているということなんだろうと思います。日本においては、そもそも、それが大切だということはもうほとんどみんなに共有されている常識であって、そもそも国柄が、もしかしたら違うのかもしれない。

 つまり、アメリカにおいては、アメリカンドリームということで、いわば、頑張って一気に大変な富を築く、これがある種、許容されているところもありますが、日本とはそこが違うんだろう、こんな感じがしながら、今お伺いをしておりました。

海江田委員 まさに、今の日本にこの中間層を復活させるという言い方で私はいいと思いますけれどもね。分厚い中間層を復活させる、ミドルクラスを復活させるということが一番大事なんですよ。そこの認識をやはりお持ちいただかなければいけないと私は思っています。

 それから、私は、安倍総理の中でこれにかわる言葉はないかなと思って、一生懸命探しました。そうしましたところ、頑張る人は報われる社会を目指す、こういう表現はございました。これは安倍総理自身が演説をされたわけですから、覚えていらっしゃいますね。これはどちらにも、施政方針演説でも所信表明演説でもありました。

 ですから、私は、その意味では、頑張る人は報われる社会を目指すというのがそういうことかなと思っているんですが、ただ、この二つの間にはやはり大きな考え方の違いがあるわけでありますね。

 頑張る人が報われる社会を目指すということをおっしゃっていますけれども、これは具体的にどういうことをおっしゃりたかったわけですか。

安倍内閣総理大臣 つけ加えさせていただきますと、では、日本では中間層が本当にそんなに薄くなってしまったかといえば、私はそんなことはないと思いますよ、基本的にね。

 そして同時に、そもそも、日本の国柄として、そうした中間層が圧倒的に分厚くなった方がいいと、これは大体みんな思っているんですよ。みんな思っていますから、あえて私がわざわざそれを強調する必要はないと思います。

 加えまして、今、頑張る人が報われる社会はどういう社会か、こういうふうに質問が出ました。

 まさに、頑張る人が報われる社会というのは、朝早く起きて、汗を流して、一生懸命知恵も出して、頑張っていけば、それに対応する対価が得られる社会をつくっていくということでございまして、この十五年間、どういうことが起こっていたかといえば、ずっとデフレが続いてきましたから、頑張ってもなかなか成果が出てこないんですよ。その中において、やはり頑張っている人が報われる社会にしていく、そういう経済状況をつくっていくことは、これは政治の責任としてちゃんとやっていくということではないか。

 そこで、今、海江田さんが、もしかしたら、それは再分配機能を強化することによってということであるとすると、これはまさに、分配を中心ということではないんですね。我々は、頑張る人が芽を伸ばしていくことができるということに重点を置いているわけでありまして、日本の場合は、今の制度においても、アメリカのように、あんなとんでもない大金持ちが出てくる、あんなに大きな差が出てくるということには、そもそも、なかなかなりにくい社会であるわけでございまして、そこを十分に認識していく必要があるんだろう。

 自由民主党という政党は、そもそも、そういう基盤に軸足を置いている政党なんですよ。真面目に毎日、額に汗して働き、そして家族を愛して、さらには地域をよくしたいと願っている、日本の未来を信じる人々によって支えられているのが自由民主党ですから、あえて今私たちは強調する必要はない、このように思ったところでございます。

海江田委員 それは自由民主党と民主党の立場の違いということだけじゃない。

 我々は政治家ですから、政治家がやるということは、頑張る人が報われる社会をつくる、そういうスローガンを叫ぶことじゃなくて、具体的な制度や仕組みをつくって、どうやって、頑張っている人たちがなかなか報われない状況があるかということをやはりしっかり議論する場じゃないですか。法律をつくる場じゃないですか。それが政治家の役割ですよ。これは別に自民党も民主党も関係ありませんよ。その認識をまず持っていただきたいということ。

 それから、さっきのお話を聞いていまして、今の日本のデフレの本当の原因というのはどこにあるんだろうということと、それまでの分厚い中間層が失われてしまったということと、実は密接な関係があるんですよ。そこのことがわからないと、本当の意味での、やはりデフレの克服に対する正しい経済政策というのはとれませんよ。

 中間層が失われたこととデフレとは関係ないということを言い切れるんですか。答弁をお願いします。

安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、長い間ずっと続いてきたデフレ、と同時に、行き過ぎた円高というのもあったんですよ。それを変えていく。まさに今変わりつつあるじゃないですか。変わりつつあるんですよ。それは、一つはやはり金融政策なんですね。

 ですから、そこは、日本銀行に二%という物価安定目標を持ってもらった、そこは大切なことなんですよ。

 政治は結果ですから。民主党政権、残念だけれども、三年間やって、できなかったじゃないですか。我々は今二カ月なんだけれども、これは変わりつつありますよ。いいですか、二カ月で変わりつつあるんですよ。

 その中において、賃金も上げようという会社も出てきましたね。もうちょっとやらせていただければ、これはどんどん変わってきますよ。まさに日本の経済は変わろうとしています。国民の多くの方々も今そう思っているんですよ。

 海江田さんも経産大臣として頑張ってこられたのは、私、知っていますよ。困難な内閣だったと思いますよ。その中で、私は海江田さんは頑張ったと思いますよ。

 しかし、だからといって、私は民主党がやっていたことを全て否定するわけでも全て肯定するわけでもありませんが、要は、私たちは次々と結果を出していきたい、このように思っております。

海江田委員 きょうも株が最高値を更新しましたね。前場ですから、午後どうなったかわかりませんけれども。それから、為替も円安に向かっています。

 ただ、これが結果だというふうに考え違いしない方が私はいいと思いますよ。これはまさに市場なんですよ。市場で、実体経済じゃないんですから。市場の動きが実体経済に影響を及ぼすまでは、まだまだ時間がありますから。

 それは、安倍総理、前におっしゃっていたんじゃないですか。為替や株の話で政治家は一喜一憂しないということを、私、たしか、安倍総理がおっしゃっていたように聞いているんですね。

 今の話を聞いていると、それが何か自分の手柄だみたいなことで、それはおかしいですよ。そうでしょう。一喜一憂しないんでしょう。今、一喜していたじゃないですか。どうですか。

安倍内閣総理大臣 私は、株価の水準についても、為替の水準についても、一回もお話をしたことはありません。

 要は、金融政策あるいは財政政策においてどういう変化が出てくるかということにおいては、大胆な金融政策を進めていくことによって、まずは為替とそして株価に変化が出てきますよ。その中において、インフレ期待が進んできますね。インフレ期待が進む中で、企業は投資をして、そして収益が上がってくることによって、従業員がそういう景気の変化を享受できるような社会ができてくる。今、まさにその第一段階に入ったじゃありませんかということを申し上げているわけであります。

 そしてそれは、今、海江田代表もいろいろなお話をされていますが、これはだんだんみんながそういう実感をし始めているんですよ、幾ら否定されても。ですから、それはやはり、みんなが大切にしていこうということなんじゃないかなと思います。

 我々も野党時代、民主党が組んだ予算に反対はしましたけれども、でも、これはうまくいけばいいと思っていましたよ。やはり政治家というのはそういうものじゃないのかなと本当は思いますよ。

海江田委員 だから、まだ結果は出ていないんですよ。まだ結果が出ていないのを、もう結果が出たかに話をしているから、そこは違いますよ。結果は出ていないんですよ。結果はこれからですから。

 それから、もう一つだけ。

 ここで、円安の問題だとか、一番大切な問題は、やはり働く人たちの賃金が上がるかどうかですよ。この働く人の賃金が上がるかどうかについて、総理は幾つかの企業にお願いをしています。そして、幾つかの企業が応えてくれたと。この企業の経営者は、大抵、審議会のメンバーに入っているわけですから。同じ日の新聞に、いや、とてもじゃないけれども上げる可能性がないということを言っていた、こういう経営者もいるわけですよ。まだ出ていないんですよ。

 あともう一つだけお話をしておきます。

 政府は税制でもって後押しをしているということを言いますね。確かに、今度の税制改正の中には幾つかの条件があって、その条件をクリアして、そして賃金がふえたら、その一〇%、一割を税額控除しようじゃないか、これがその意味では賃金を上げることの後押しの税制であるわけですよ。

 ただ、冷静になって考えますと、まずやはり税金を、法人税の世界ですから、法人税を払いたいけれども残念ながら払えない、収益が上がらないから払えないという人たちの方が、例えば資本金一億円以下の中小企業については、これは七三%がそうなんです、七割。大企業でも、五割しか法人税、この法人税の税額はいろいろありますけれども、やっと払えるのは半分なんですよ。

 そうすると、日本の企業の八割ぐらい、あるいは日本の働く人たちの七割ぐらいの人たちは、この法人税の減税なんか何の関係もないんですよ。

 ですから、私たちは、やはり、企業にやるだけじゃなくて、そこで働く人たちにも負担が軽くなって手取りが大きくなるような手だてを講じなければいけないということで、これは先ほど、自民党の野田政調会長が質問で、民主党と自民党との間、あるいは公明党も入った……(発言する者あり)高市さんですか。野田さんもそんなことをちょっとお話ししたように私は承っておりますが……(発言する者あり)野田毅さんですよ、もちろん。間違っていませんよ、野田税調会長ですから。そうおっしゃったじゃないですか。

 それで、その民主党と自民党と公明党との間で、所得税のことについては話がまとまりました。ただ、私どもは、その中で幾つか、附則の中に入りましたけれども、これから具体的な提案をさせてもらいますよということを言ったんですね。

 これはやはり、企業で働く人たちの手取りが少しでも多くなるように、個人の所得に関係した、例えば、いろいろな交際費なんかありますけれども、そういうものを何らかの形で認めるとかいう形で特定支出控除の中を充実させるとか、いろいろなやり方があります。

 これから出しますから。私どもはいいものだと思っています、そういう意味では、個人の手取りをふやすことに資すると思いますから。ぜひそれに対してはまた議論をいただいて、前向きに検討していただきたいと思っております。

 残念ながら時間が来ましたので、最後に一言お話をいただいて、この問題をまた質問したいと思いますが、私以降、ほかにも有力な民主党の質問者がおりますので、その人たちに質問を譲ります。最後に一言。

安倍内閣総理大臣 税制については、海江田委員を初め、民主党の皆様から建設的な御提案をいただければ、我々も前向きに、前向きには当たり前なんですが、いいものはどんどん取り入れていきたい、このように考えておりますので、よろしくお願いします。

海江田委員 ありがとうございました。

山本委員長 この際、細野豪志君から関連質疑の申し出があります。海江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。細野豪志君。

細野委員 民主党の幹事長の細野豪志でございます。

 海江田代表に続きまして、民主党を代表して質問させていただきます。

 間もなく三月十一日がやってまいります。あれだけの大災害、多くの方がお亡くなりになりました。そして今も、さまざまな生活に対する不安を抱えながら、多くの被災者の皆さんが生活をされています。

 私ども、政権をお預かりしている間、全力でこの被災地の問題、被災者の問題に取り組んでまいりました。できたこともありますけれども、できなかったこともあります。率直に、さまざまな問題を今の政権に残した中で、皆さんに頑張っていただいているということも事実としてございます。

 したがいまして、この後、施政方針演説に基づいていろいろ聞いてまいりたいと思いますが、この演説の中で、安倍総理が一番初めのところでこの復興の問題について触れられたことは、私は評価をしたいというふうに思います。そして、ぜひ政権としてしっかりと被災地に寄り添って頑張っていただきたいというふうに思います。

 被災地の問題の中でも私が一番心残りとしてございますのが、福島の問題でございます。

 特に石原大臣には、環境大臣として引き継いでいただいて、福島の最も深刻な問題の一つである除染の問題、そして、その除染がなかなか進まなかった最大の原因である中間貯蔵の問題にも取り組んでいただいています。

 この点については、石原大臣に率直に、これからも頑張っていただきたい。皆さんの頑張りに敬意を表しつつ、今問題としてお感じになっていることがあれば、せっかくの機会でございますので、これからしっかりと中間貯蔵施設を誕生させる、平成二十七年の当初には供用開始をしたいという方針も伺っております。その方針に向けて課題があれば、ぜひお話をいただきたいというふうに思います。

石原国務大臣 中間貯蔵施設については、専門家である細野委員に私が申すまでもありませんけれども、除染の関係とコインの裏表だと私は考えております。そして、多くの方々が、一日も早く中間貯蔵施設をつくってくれない限り、仮置き場もいっぱいになってきた、仮置き場がいっぱいになってまいりますと除染も進まない、そういうことであるのだと思っております。

 そんな中、民主党政権下で、細野委員も御努力をいただき、前大臣の長浜議員も御努力をいただいて、知事の方から昨年の十一月に、中間貯蔵施設の調査をやっていいですよ、こういうお答えをいただき、先週の金曜日ですけれども、調査を行う業者と契約が終わりましたので、速やかに調査に入らせていただきたいと思っております。

 そんな中で、調査の結果を踏まえまして、やはりこれはお地元あってのことでございますので、安全性を十分に配慮したものができるんですよということをしっかりと具体的に御説明させていただいて、設置についての地元の皆様方の御理解というものを得ていきたいと思っております。

 そして、今、細野委員が御指摘されましたとおり、これも前政権下で決めていただいた二十七年当初の搬入、中間貯蔵施設の供用、こういうものに私どもも最大限の努力をしていきたいと考えております。

細野委員 幾つかの重い課題に我々は向き合いましたが、私がかかわった課題の中でこの中間貯蔵施設が一番重たい課題でございました。お願いをしなければならない国の側も率直に言って非常につらい課題でございますけれども、それ以上に、それを受け入れていただくことを検討していただく地元の皆さんが一番つらい立場におられるのは、これは言うまでもありません。

 私も福島とずっとかかわってまいりましたので、もし何か、野党ではありますが、これは党派は関係ありませんので、人間関係の中で協力ができることがあれば何でもやりたいというふうに思っておりますので、ぜひ、大臣そして閣僚の皆さんに、そうした点については福島に寄り添って頑張っていただきたいというふうに思います。

 さて、それにかかわって、これは安倍総理にお伺いをしたいと思います。

 この復興の問題を初めとして、やはり国益のために、さまざまな問題について建設的な議論をして決めていかなければならないところが私もあると思います。その意味で、安倍総理が施政方針演説の最後に、みんなが、我々は何のために国会議員を志したのか思い出して、そして、「建設的な議論を行い、結果を出していくことが、私たち国会議員に課せられた使命であります。」こう呼びかけられました。私もこれは大賛成です。そうしたいと思います。

 ただ、それをするためには、やや皆さんの認識を確認しておかなければならないところがあるのも事実。皆さんは野党時代、本当に建設的な議論に参加をして、物事を決めることに協力をしましたか。協力したところもあったでしょう。被災地の問題についてはそういった面はあると思いますよ。

 しかし、例えば一例を挙げますね、特例公債法。これはずっと歴史をひもといてみても、特例公債法は予算と一緒に通ってきたか、若干時期をずらして通してきたんですよ。我々、野党の時代もそうだった。

 去年、どうでしたか。私は政調会長をやっていましたから、今でもよく覚えていますよ。三党で確認事項をしたのは十一月の十三日ですよ。解散直前で、解散してもうこれで追い込めそうになってから、ようやく合意をしたんじゃないですか。

 これは関係ないから言っているんじゃないですよ。我々は補正予算を組めれば組みたかったんですよ、被災地のために。やりたいことはいっぱいあったんだ。しかし、当初予算ですら財源がないんだから、新たな政策ができるわけないじゃないですか。

 安倍総理、建設的な議論をやりましょう。そういう国会をつくっていきたいと思いますよ。しかし、皆さんが三年三カ月の間でやってきたことの中で建設的でなかった部分については、これは一定の反省があって初めてこういう呼びかけは通用するというものではないですか。答弁していただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今、細野委員は随分大きな声で居丈高におっしゃっていたんですが、私が総裁に就任をしたのは九月の二十六日でございます。そして、余り時間をかけずに、実は、この特例公債法案については基本的に協力をしていくということはお示しをしております。しかし、そういう過去のことを言い合いになったら、余り生産的ではないんですよね。こちらにも言いたいことはたくさんありますよ、そんなことを言えば。

 あのときに、例えば、幹事長会談をやって、そこで速やかに、いわば近いうち解散という問題がありましたよね。あれは八月に約束をされて、なかなかずっと解散をしなかったんですから、今さらそんなことを私も持ち出すつもりはありませんけれども、世の中一般の常識でいえば、近いうちといったら大体一カ月以内ですよね。しかし、その約束をそもそも果たされなかったわけですよ。

 そこで、やはりまず約束を果たしてくださいねということになって、幹事長会談になったら、速やかに決めていくということになって、その約束を果たしていく上において、党首会談をやったら、実は全然そんなことにはなっていなかったということになってしまったんですね。

 ですから、大切なことは、与野党で協力をしていくためには両者の信頼関係を構築していくということが、これは人間関係の基本ですから、残念ながら、あのとき、民主党の態度はそういう態度ではなかったということは申し上げさせていただきたい、このように思います。

細野委員 確かに、安倍総裁が就任をされたのは九月ですね。しかし、特例公債法というのは、本来は予算と同時に通すんです。野党が予算に反対をするのは、これは立場が違いますからやむを得ないですよ。しかし、やはり特例公債法は大事な財源だから、そこは野党もきちっと協力して通そうという、言うならばそこは暗黙のやりとりがあって、大体夏から秋ごろには我々も通していたんですよ。

 ですから、そこも含めて、本当に総裁は、確かに九月に就任をされましたけれども、その前も、自民党がやってきたことはどうですかということについて、答える責任はあると思いますよ。

 ほかに、一々このことで例を挙げたくはありませんけれども、我々が野田政権の通常国会で出した法律の中で、成立した法律は五七・五%です。そして、安倍総理がついておられたときに通した法律のパーセンテージは九〇%ですよ。それはその時々の国会の状況もありますけれども、皆さんの法律に対する、それこそ審議に応じて通すということについては、極めて非協力的であったというのが私どもの認識です。

 もう一つだけ例を挙げます。税制改正について合意が成立をしました。我々も、我々の言い分を入れていただきましたので、これは理解をします。しかし、例えば相続税の問題。今回、消費税を皆さんにお願いするわけだから、所得の高い人たちにも一定の負担をしていただこうというのが相続税ですね。これは、今回の合意の中に入っていたものと同じものを、我々も当初予算で昨年度、まあ今年度ですが、出していたんですよ。それをほとんど理解されることなく、党内で議論もせずに先送りしたのが自民党ですよ。

 ですから、私も居丈高に言うつもりはありません。それはもう率直に申し上げます。我々は、建設的にこれから議論をしていく上で、野党時代の自民党で反省すべきは反省をして、信頼関係をつくるべきところはつくって建設的に議論をする、これが総理として示すべき態度ではないですか。これについて総理はどうお考えになりますか。

安倍内閣総理大臣 それはおっしゃるとおり、反省すべき点は、我々も、野党時代のことも含めて、反省しなければいけないと思います。その中において、皆さんと建設的な関係をつくっていければいいという姿勢でいきたいと思っております。

 事実、税と社会保障の一体改革においては、自公民の三党の合意の中で今協議が進んでいるわけでありますし、税制関連においては、年度内に成立をするということは画期的なことだと思っております。また、復興についても御協力をいただいているということは、大変、皆さんの知見も活用させていただきたいという中においてはありがたいと思っておりますし、また、古屋大臣のもとでつくった拉致問題に対する会議においては、初めて、これは与野党を超えて知見のある方々に参加をしていただいて、オール・ジャパンで取り組んでいきたい、こう思っております。

 もちろん、与野党ですから緊張感を持った議論を進めていくことが求められていますが、時には、そのようにお互いが協力をしていく。我々は与党でありますから、当然、お願いをしていく立場であろう、このように自覚をしております。

細野委員 次に、原発の問題に移りたいと思います。

 先ほど海江田代表から、原発の政策について、十年先延ばしというのは余りに無責任ではないかという発言がございました。私もそう思います。

 確かに、二〇三〇年代ゼロに向けてあらゆる政策資源を投入する、この判断は難しかったです。私もエネルギー政策をやっていましたし、まさに原発の問題をずっと、特にこの二年間やってきましたから、いかにそれが困難を伴うものであるかということはわかっていました。しかし、やはり大きな方向性としてゼロを目指して、国としてその目標に向かって、民間の皆さんにも呼びかけてやっていかなければならないというふうに思ったんです。考えた。

 なぜそう考えたかなんですが、それは、我々は一昨年の三月十一日の原発事故に大きな責任を負っているから、その責任を全うする上でも、やはりその方向性を示して努力をしていかなければならないだろう、そこが出発点としてあったんですね。

 私、自民党の政策の議論を見ていまして、一般論としては責任があるという話をされますよ、自民党も。しかし、本当にこの原子力の事故についてどれぐらいの責任を皆さんが負っておられるのかということについての自覚は足りないと思います。きょう閣僚席に座っている中にも、そういう責任を負っていらっしゃる方が何人かいらっしゃいます。

 甘利大臣は、私は個人的には大変すばらしい人格の方だと思うし、お慕いも申し上げております。政策的にもすばらしいものを持っていらっしゃると思う。しかし、甘利大臣が経産大臣に就任をしておられた二〇〇六年の九月二十六日、これは安倍政権が成立をした日でもあります。このときから二年間の間にさまざまな転換点はあったんですよ。転換点があったのを曲がらずにここまで来たということをまず指摘して、御認識を伺いたいと思います。

 三点、指摘をします。

 三月十二日のあの一号機の水素爆発は忘れられません。夕方でした。そして、あの水素爆発の後、十キロ避難をしていただいた。十キロが上限だったんです。しかし、十キロではおさまらなかった。何度も専門家に聞きましたよ、十キロ以上はあり得るのか、いや、そんなことはないはずなんです。しかし、現実には、目の前で爆発が起こっていて、十キロではおさまらないかもしれない、そういう認識が共有をされた。二十キロにしたんです。

 では、これは世界で非常識なことだったんでしょうか。そうじゃないんです。

 二〇〇五年に、IAEAでは原子力防災の検討がなされていて、いわゆるこのEPZ、緊急時計画区域を八キロ―十キロから三十キロに拡大する議論が始まっている。そしてその後、二〇〇六年の三月には、原子力安全委員会が防災指針の見直しの作業チームを立ち上げています。これは公表もされています。一部のメディアにも出ています。小泉政権のときです。

 しかし、その検討をとめたのは経済産業省だった。このときの経済産業大臣は甘利さんではありません。前任者の二階さんです。ただ、甘利大臣、これをしっかり、四カ月後になった大臣がまともに受けとめて、範囲を拡大していれば、スムーズに避難ができて、亡くならなくて済んだ人がいたかもしれませんよ。

 私どもは、自分たちが免責できるとは思っていない。しかし、皆さんにもその責任があるということをしっかり自覚してもらいたい。

 それだけではありません。二〇〇六年の九月、これは甘利大臣のときです。新耐震指針ができています。地震についての新しい取り組みが出た。しかし、その後の原子力安全・保安院の動きは極めて緩慢だった。バックフィットと称して、ずうっと先延ばしをして、やってこなかった。

 我々も一年数カ月の責任はありますよ。しかし、この指針ができたときに、甘利大臣がこれをすぐにやれと言っていれば、指針が出たのはそのときですからね、対応した可能性はあるんじゃないですか。

 最後にもう一つだけ申し上げます。

 IAEAが二〇〇七年の六月に総合規制評価サービスというのを出しています。二〇〇七年の六月に日本に出しています。そして、日本は受け入れをした。これも甘利大臣のときです。その評価報告書が私の目の前にあります。ここに何が書かれているか。

 原子力安全・保安院が、資源エネルギー庁からの独立について、より明確に法令に反映させ得るものである。国際機関ですからやや控え目に書いていますが、はっきり独立させなさいということを提言してきているんですよ。そして、原子力安全・保安院と原子力安全委員会の役割が不明確であるという、より厳しい勧告も出ているんですよ。

 これは甘利大臣のときですよ。このときに本当に皆さんがそれを真面目に受けとめて、アクセルとブレーキを分けて、資源エネルギー庁はエネルギー政策を推進する、ブレーキ役である原子力の規制機関を独立させていたら、さっきのEPZの拡大であるとか、さらには新耐震指針であるとか、さまざまな取り組みが変わった可能性はあるんじゃないですか。その責任をどれぐらい甘利大臣は自覚されていますか。

甘利国務大臣 細野大臣が懸命に対応に取り組んでおられたのを、私は、あの痛々しいくらいの姿で、心から応援をしておりました。

 私ども、過去の原子力政策を振り返ってみて、至らない点は多々あったと思います。それは率直に反省をいたしております。

 一番最初の、あれは緊急避難区域ですか、その拡大は、確かに前任の大臣のときでありました。その数カ月後に安倍政権ができました。私がもっとそういう問題に目配り、気配りをして、報告がなくても、聴取をしていれば把握はできたと思います。しかし、残念ながら、その問題の報告は私の記憶にありませんでした。それが至らないといえばそのとおり、甘受しなければならないと思っております。

 それから、耐震指針の話であります。

 私は、これは本音の話なんですけれども、ずっと地震に対して非常にナーバスになっておりました。就任して一年くらいたって、中越沖地震がありました。あのときに、ちょうど選挙戦の最中でして、私は四国に行っておりました。決起大会に来賓で出る寸前だったんです。

 テレビで、煙が出ておりました。本省に電話をかけて、どうだと言いましたら、あの煙は変圧器の油が燃えているので本体とは無関係ですと。本体にどうだと言いましたら、火が燃え移る危険性はないから大丈夫ですと言われましたけれども、画像で煙が出ている以上は、申しわけないけれどもと言いまして決起大会を直前でキャンセルして、飛行機で帰りました。総理とすぐ現場に入ったわけであります。

 その際に、耐震指針を超えるような揺れでありました。私は、もう徹底的にやってくれと。そのときに私は、今も指示したのを覚えているんですけれども、世界で一番強固な建物にしてくれ、地震が起きたら原発に逃げ込めと言われるぐらいにしてくれということを指示したのは覚えております。ただ、その指示はともかく、その後がしっかりできていなかったというのは、大臣として反省しなければならないと思っております。

 それから、分離の話であります。

 これも、実は当時は、日本はダブルチェックが売りでありました。つまり、つくるときにもチェックしてやる。それから、別な組織。こっちは、保安院というのは経産省の外局であります。つくるときにもチェックする。そしてそれを、その外側の内閣府の原子力安全委員会、これは別な大臣が所管します、ここが大所高所から、こことは別にチェックするというダブルチェックが売りでありました。

 私どもも、日本はよそと違ってダブルチェックが売りなんだということを教え込まれていたわけであります。でありますから、きちんとやってくれる、なおかつ、至らないところは、今度は経産大臣の及ばないところで別な担当大臣がやってくれるということを、ある種、信じ込んでおりました。そういう点が甘いといえば甘かったと思います。

 そこで、先ほどの、IAEAからの指摘はどうだったんだっけということを、ちょっと記憶が定かでありませんでしたので、経産省から取り寄せてもらいました。

 そのときはどういうことだったんだと。このときには、IAEAの報告では、原子力安全・保安院は実効的に資源エネルギー庁から独立をしており、IAEAの国際基準に一致しているとした上で、将来、より明確に法令に反映させることができるとの助言がされている。つまり、将来への助言という取り組みだったという報告でありました。それが甘いということを私が指摘しなければいけなかったのだと思います。

 もろもろのことを含めて、安全面で経済産業大臣が果たすべき責任は大きいと思っております。

細野委員 確かに甘利大臣は、あの中越沖地震のときに、バックチェックを急ぐように指示をしているんです。しかし、なされていないんです。確かに行動はされたんだと思います。しかし、そのフォローはなかった。そして、事故がありました。

 IAEAのこの総合評価サービスですが、責任者であるフランスのラコスト氏に私は何度も会いました。すばらしい能力の方で、今、原子力規制委員会のアドバイザーもやっていただいています。ラコスト氏ははっきり言っていました、分けるべきだと。助言という形になっていますよ。国際機関だから、内政に干渉しないようにえんきょく的な表現になっているけれども、明らかにそれを示唆している。今、甘利大臣がおっしゃったダブルチェックも、保安院と安全委員会の役割分担が不明確だと書いている。それをやはり我々が謙虚に受けとめて変えていれば、ブレーキは機能したかもしれないんですよ。

 安倍総理にお伺いします。

 細かいことを総理に聞いてもしようがないと思います。今の経緯も含めて、自民党は、あの東京電力の福島第一原発について本当に反省していますか。真摯に受けとめて、そして何が悪かったかと検証して、その上でエネルギー政策を決めていますか。政権の外にいて、私はその反省は不十分だと思っています。総理のお考えはいかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これは、お互いに政権について、政権を担うことの重たさを細野さんも経験したと思いますよ。その上でのお言葉だとは思いますが、我々も、いわばあの過酷事故を経験して、自由民主党が安全神話に寄りかかり過ぎていたということについては、深刻に反省をしております。

 その上に立って、先ほど申し上げましたようなエネルギー政策について、党の方針を決めているところであります。そして、そのことは、我々、選挙に入る前も何回も申し上げているわけでありますが、しかし、そうしたことも含めて、選挙において、民主党は退場せよ、そして自民党は今度は政権を担えという国民の声があった。そして、その声は私たちは大変重たいと思っております。

 二度とああしたことが起こらないように、しっかりとした体制、そして、これからしっかりとしたエネルギー政策をつくっていかなければならない、こう決意をしているところでございます。

細野委員 率直に言って、総理、事故を担当者として経験した立場からすると、総理の言葉は非常に軽く思います。本当に、あれだけの事故が起こって、その責任が自由民主党にあって、その反省に立った上でエネルギー政策をやるという重みは、私には感じられませんでした。それは残念です。

 この話をこれ以上しても仕方がないでしょうから、ぜひ検証していただきたい、そのことだけは申し上げます。

 さて、施政方針演説に戻りたいと思います。

 施政方針演説の中で、私は全体を読んでいて、経済について安倍政権が言いたいことはこういうことなんだということはおおよそわかりました。そして、その中身については、私どもとはやや違いがありますから、海江田代表が今、質問でそれを問うてくれました。

 私が安倍総理にお伺いしたいのは、あの施政方針演説を見ていて、この中に、何かを変えよう、改革しよう、そういう姿勢がほとんど見られない、これが残念だった。

 まず、具体的に、やはり政治改革について聞かなければなりません。定数です。定数削減については、安倍総理は、あの党首討論の当事者ですから、約束をしたまさに御本人ですね、その責任がまずあります。ですから、定数削減については、通常国会中にしっかりやり切るということについて確約をいただきたい。これが一つ。

 そして同時に、もう一つ、我々が取り組まなければならない課題があります。それは、昨日出ました東京高裁の判決、一票の格差について違憲と断ぜられました。これは立法府の怠慢と言われても仕方がないと思います。これは党派、会派は関係なく、本当にこの格差の問題について取り組まなければならない、そう思います。

 そこで、総理にお伺いします。これは逃げないでください。立法府ということで逃げないでいただきたい。

 〇増五減というのがありますね。これは選挙の間際に、それこそ一つの急場しのぎとして出てきた案。しかし、〇増五減は定数削減の名には値しません。自民党の中にやや見えてきているのは、この〇増五減だけ通せばいいのではないかというような声が、間接的ですが、私のところに届いてきています。これは話になりません。

 〇増五減については、もちろん、これは一つの判断ですから、一つの大きな決定ですけれども、それ以上に、定数削減もして、それも並行してやり切る、こういう覚悟を当然、総裁としても総理としても持っていらっしゃるというふうに思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 まず、逃げないでくださいという言いぶりは極めて失礼だと思いますよ。

 まず、〇増五減については、我が党はかなり早く出していましたよ。これをもっと早くやっていれば、区割りも終わっているんですよ。ああいう判決にはなっていない。それをやらなかったのは、当時多数を持っていた民主党じゃありませんか。このことは、国民の皆様に私ははっきりと申し上げておきたいと思いますよ。

 そして、この〇増五減についてはもう法律は通りました。あとは、今、区割り審において区割りを進めているところであります。これは一日も早く、この区割り審の結果が出れば、それを法案にして、我々も国会に提出をしたい。その際には、野党の皆様にも速やかに成立に御協力をいただきたいと思います。

 そして同時に、定数削減については、党首討論で私はお約束をしました。ですから、今、まずは与党で議論を進めて、成案を得るべく努力をしています。

 ですから、細野さんもそこまでおっしゃったんですから、我々が成案を出せば、そこで細野さんが賛成すれば、直ちに成立をしますよ。協力していただけますか。

細野委員 総理、我々は、もうとっくに協議できる状態になっているんです。党内で政治改革本部を開いて、我が党の考え方は二割削減ですよ。二割削減で、このことには強いこだわりがあります。

 我々は、〇増五減のあの議論の中で、定数削減を呼びかけて、我々が本意でない考え方も含めて何度も案を提示して、それにほとんど自民党は反応しなかったから、こうなってしまったんですよ。我々も当然やらなければならないと思っていましたよ。我々はいつでも、自民党のアイデアも一回聞かせていただいて、それが満足できるものかどうかというのはしっかり見なければなりませんよ、それをやる準備はできていますよ。

 むしろ、安倍総裁がちゃんとやらなければならないのは、石破幹事長が三月中旬までに案をまとめてくると言っているんですから、逆にお伺いしますよ、三月の半ばまでには、総裁として責任を持って党の案をまとめて持ってきてくださいよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 またまた随分居丈高におっしゃっていますが、私は、何回言われても、行政府の長ですから、この問題については国会で議論することなんですね。

 基本的に、あの党首討論でも申し上げたわけでありますが、本来、小さな党も入れてちゃんと審議をしていくべきでありますが、しかし、今、ここで、石破幹事長に党の方はお任せをしていて、そこで公明党と議論をしながら、成案をつくるべく努力をしているわけであります。そこで成案を得たときに、御党が賛成をすれば、これは直ちに成立することになるわけであります。だからこそ、そこは、皆さんが賛成すれば前進をしていくんですから。

 ここは、党のことを、党利、どうしても自分の党のいわば行く末がみんな頭にありますから、どうなるんだろうということになっていくんでしょう。そうすると、なかなか決まらないんですよね。ですから、そこは、今、細野さんもここまでおっしゃったんですから、思い切って、与党案ができて、それを皆さんがのみ込めば成立をするということであります。

 期限については、それは石破幹事長がおっしゃったわけでありますが、当然、党の方で、党の方に対しては、この国会において成案を得るように努力をしていくように指示をしているわけであります。

 我々は、自由民主党は、長い歴史と伝統の上に裏打ちをされた責任感を持っています。先ほど、法案の成立した率をおっしゃった。これが結果なんですよ、皆さん。どうやって結果を出すことができるか、それを私たちは知っているんですね。皆さんは、申しわけないんですけれども、それを知らなかったんですよ。それが成案率になってあらわれているということは、皆さんも、選挙の結果も謙虚に受け入れた方がいいですよ。

 そういうことも含めて、我々も謙虚に受けとめたんですよ。だから、今回、選挙で勝つことができたんだろう、こう思っていますよ。ですから、そのことは、私も少し先輩でありますから、申し上げさせていただきたい、こんなように思います。

細野委員 私のことを何度も、若造ということでおっしゃっているんでしょうか、居丈高とおっしゃいますが、総理の今の表現は、私は若輩ですからこの表現は控えますが、控え目の表現で申し上げますが、やや傲慢だと思いますよ。

 だって、そうでしょう。与党案が出てきたら、おまえたち、のめと。選挙制度なんだから、それぞれ考え方はあるわけですよ。我々はとっくに考え方を出しているんだから、それは、出てきたら協議をしようというのが、当然、一番大きい政党の総裁たる人が言うべきことじゃないですか。そこはちょっと勘違いしていただいてはいけないと思いますよ。

 二つ確認します。

 三月中旬に自民党として案をまとめるということは、総裁として約束しますね。これは、行政府の長だから立法機関のことにかかわらないというのをはるかに超えた、信義、約束の問題なんですよ。だって、安倍総裁自身が約束をして、そして国民に信を問うたんですから。これはまずしっかりと確約をしてください。

 その上で、もう一つ。また話が少し戻りますが、〇増五減を先行させるだけではなくて、セットでやる、しっかりやるということについて、もう一度確認をしたいと思います。

 この二点、お答えください。

安倍内閣総理大臣 〇増五減については、もう法律が通っているわけですから、セットも何も、この法律は通っているわけですね。その上において、今、区割り審において、区割りについて協議をしているわけですね。そして、そこで成案を得たら、それは当然、別途法律が必要ですから、この区割りについては法律を出します。これは、違憲状態を解消しなければいけないということですから、直ちにやらなければいけないことであろうと思いますよ。これはセットとかそういうことではなくて、立法府の責任ですから、そこはちゃんと果たしていく。

 ということと同時に、今、細野さんがおっしゃった、そこがまさにポイントなんですね。党と党、それぞれ考え方が違いますから、そこで我々は強引に進めていけばいいというふうには考えていない。

 だからこそ、私は、あの党首討論でもこう申し上げたんですよ、野田さんに。今ここで私と野田さんが決めていいんですか、そういうことではないでしょうと。ですから、ほかの小さな政党もありますね、そういうところも入れなければ、本来、約束できないんじゃないですか。だから、次の国会で私は努力をしますよ、成案を得るように次の国会で努力をしていきますよということはお約束をしました。

 そこで、当然、約束をしたところですから、今、党を預かっていただいている石破幹事長に対して、この定数削減の問題についてはしっかりと進めていくようにという指示をしたわけであります。

細野委員 三月中旬という約束を総裁としてもしっかり守っていただけますね。

安倍内閣総理大臣 いや、これは私が約束したわけではありませんから、それは幹事長がそこで努力をしていくということを約束したんだろう、このように思います。

細野委員 今の御答弁は、聞いておられる国民の皆さんもびっくりしたと思いますね。「日曜討論」の場所で公党の幹事長が、私がいつまでですかと聞いたわけではありませんよ、みずから、三月の中旬という発言をされたんですよ。それは幹事長がやったから総裁は知りませんなんという話が通用するわけないじゃないですか。

 総裁が約束をしてきて、幹事長がやっているんでしょう。上司たる総裁としては、その約束は幹事長がしてきたわけだから、総裁自身もちゃんとそれについては認めるというのが当然じゃないですか。どうですか。

安倍内閣総理大臣 申しわけないんですが、私もそこの場にいたわけではありませんから、つまびらかなやりとりは私も承知をしておりませんが、いずれにせよ、私が野田さんと約束をしたのは、今国会において成案を得るように努力をしていくということを私は野田さんに約束をしたわけであります。

 その中において、私は石破さんに対して、努力をしていくように指示をしたわけであります。

細野委員 その場にいなかったから私は知りませんと。

 石破幹事長とどういう個人的な人間関係におありなのか私は知りませんが、今の総裁の姿勢だと、自民党の皆さんの中で、内心は余り定数削減をしたくないと思っている方がおられる、そして、そういう皆さんの思惑としては、〇増五減だけやって、本格的なこの改革については先延ばしをするという動きすら出てきかねないと思いますよ。私どもは、そんなことは絶対許さないということを申し上げておきたいと思います。

 では、時間が少なくなってまいりましたので、次の議題に移ります。

 施政方針演説を聞いておりましてもう一つ驚きましたのは、社会保障についての記述が極めて短かった。そして、持続可能な社会保障制度をつくらねばなりません、三党協議はやりましょうというふうに書いてあるんですが、年金については記述すらなかった。

 総理は余り思い出したくないかもしれませんが、私は、その施政方針演説を聞きながら、第一次安倍内閣のときのことを思い出しておりました。この第一次安倍内閣のときに出てきたのが、消えた年金問題でしたね。そして、我々が代表質問をしようとした直前で総理が辞任をされた。あの所信表明演説で課題として最優先で掲げていたのが、消えた年金問題だったんですよ。しかし、今回は、消えた年金問題はもちろん、年金のネの字も出てこなかったですよ。

 これは、もう一度私、安倍総理に聞かなきゃならないと思うんです。なぜ政権交代が起こったんですか、我々のときですよ。二〇〇九年、政権交代が起こったのは、皆さんが消えた年金問題への対応を十分にできず、医療崩壊を招き社会保障がぼろぼろになったから、国民の皆さんは、自民党に一旦下野しろという判断をしたんじゃないですか。その反省はほとんどこの施政方針演説から見えてきません。

 総理に具体的にお伺いします。

 消えた年金問題について、総理御自身は、御自身のときに発生した問題なんですが、当然責任を感じておられると思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 先ほども、細野大臣は原発の担当大臣でありましたね、御自身のことも反省されながら、しかし、その前の政権のことにも言及をされた。そのときがあったから自分はあんなに苦労されたということですね。

 消えた年金問題については、私のときに発生したんじゃないんです。私のときにわかったわけですよ、問題があるということがわかったんですよ。申しわけないけれども、それは相当前のことですよ。それはそうですよね、今、長妻さんが違うようなことを言っていますが。それはそのとおりなんですよ。

 しかし、そこで……(発言する者あり)今、事実関係を述べているんですがね。そこで、しかしそれに対応しなければいけないというのは、私は対応していく責任者であったのは事実であります。そして、私はそのときに、やるべき手は全て打ったというふうに考えているわけであります。

細野委員 長く自民党政権が続いていますから、安倍総理が、前の自民党の時代も含めて、この消えた年金問題に対応しなければならなかった立場におありになったと私は思いますよ。

 そして、残念ながら、総理としては、所信表明演説で、消えた年金問題を一番重視してやります、そういうことを一番初めにおっしゃっているにもかかわらず、それをやることなく総理の座をおりたんでしょう。ならば、消えた年金問題をきっちりやってください。

 なぜこのことを私が強調するかというと、安倍二次政権が誕生した後に、私どもからすると信じがたいことを行ったからなんです。我々がつくった年金記録回復委員会、これを一月十七日に廃止した。

 総理、これは長妻大臣がつくった組織ですけれども、この年金記録回復委員会というのは、この三年三カ月の間で何回やったか御存じですか。総理、わかりますか。おわかりにならないでしょう。四十回やったんですよ。三年少しで四十回ですからね。月一回以上のペースでやって、十一月にもやっているんです。そして、十一月にやって、次は一月十七日にやろうと決めていたんですよ。一月十七日にやろうと決めていたその会議を、その日に安倍総理はなくしているんですよ。

 消えた年金問題について真面目に対応するつもりがあるならば、当然、そこでしっかりやるという判断をすべきだったのではないですか。これは総理にお伺いします。だめです、だめです、総理にお伺いします。

山本委員長 田村厚生労働大臣。短く御答弁お願いします。

田村国務大臣 大分勘違いがあるようでございますね。

 確かに、そのようなお話で、現行の年金記録回復委員会は、これは一応、一旦閉じます。ただ、そうはいいましても、十二月、一月ともに、実は意見交換会をやっていただいております、月一回ということで。解散をした後もやっていただいたという話なのかもわかりません、ちょっとそこまでは我々確認しておりませんが。

 しかし、いずれにいたしましても、このもとに、もともとはこれは大臣の、長妻大臣がおつくりになられたんですが、伺い定めの中でつくられた、そういう会であります。伺い定めというのは法的根拠がございません。

 ちょうど、もともとは安倍内閣、一次内閣のときに、年金記録問題のいろいろなプランをつくりました、計画を。そしてその後、長妻大臣、政権交代して、それを若干中身を変えられて、この二十五年度、ここで突合をとりあえず終わらせようということで進めてまいりましたよね。

 二十五年度で突合が終わるものでありますから、そこに向けて、いよいよ法的根拠のある委員会にこれを変えて、メンバーは以前の方々も五名ほど入っていただいております、その中で議論をして、しかも、二十五年度以内に報告書も出していただこう、こういうような方向でございますので、よりパワーアップして、法的根拠のもとに委員会を開設するということでございます。

細野委員 厚生労働大臣をしてこの程度の認識というのは残念ですね。

 我々のときは、この年金回復委員会に大臣を含めて三役が出て、直接やっていたんですよ。皆さんがつくろうとしている、つくったんですか、社会保障審議会の日本年金機構評価部会の、そのさらに下の年金記録問題に関する特別委員会で審議をする。これは、大臣が直接出て議論するようなたてつけになっていませんよ。

 我々は政治主導でこの問題を解決しようとした。しかし、安倍総理は、この問題が発生したときの総理大臣であるにもかかわらず、それを積極的にやろうとするどころか、そのやり方自体も大きくレベルを下げている、このことを指摘しなければならないと思います。

 最後にもう一つだけ。

 先ほど、教育費が下がっているということを海江田代表が指摘しました。私は、三十五人学級のことについて、最後に、これは総理にお伺いしたいと思います。

 三十五人学級については検討するというふうに本会議でも答弁を、委員長ですか、答弁をされています。総理は本会議では答弁していないかもしれません。いろいろなところで文科大臣も答弁をされている。

 しかし、この三十五人学級、我々は、五年間をかけて中学校までやろうとした。予算を確保してスタートした。それを白紙にして検討しようというのが今の安倍政権なんですね。その最終的な合意ができた文書を見て、私は唖然としました。三十五人学級については、「教職員の人事管理を含めた教職員定数の在り方全般について検討する。」その前に書いてあるのが、「平成二十五年度全国学力・学習状況調査等を活用し十分な検証を行い」、やると書いてある。

 少人数学級、三十五人以下学級を実現するのは学力を上げるためだけですか。違うでしょう。私は、教育というのはそんなものじゃないと思いますよ。今の自民党政権が、学力の問題を判断基準に三十五人学級をやるかやらないか判断しようとしていること自体、私は大変残念です。

 安倍総理は、施政方針演説で、福沢諭吉翁の一身独立して一国独立するという言葉を書きました。福沢諭吉翁というのは、最も教育に力を入れ、そしてその中で、個性を大事にしよう、このことを言い続けているんですよ。

 我々は、単に学力を高めるだけのために三十五人学級をやったんじゃないんです。一人一人の個性を大事にして、人生でみんなが自分の生き方ができる、そういう教育をやろうとして、そういう予算を組んだんですよ。それを皆さんはとめたんだ。

 総理、もう一度考えてください。子供は国の宝です。ならば、しっかりと、それについて予算を確保して、個性を伸ばすために、学力ももちろん上がるにこしたことはないですよ、しかし、あえて私、言うならば、それは副次的な要因だと思う。

 子供の一人一人の個性を伸ばすために教育の問題にしっかり取り組んでもらいたい、そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

山本委員長 この際、岡田克也君から関連質疑の申し出があります。海江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡田克也君。

岡田委員 岡田克也です。

 まず、きょう午前中の質疑について一言申し上げたいと思います。

 一昨日の産経新聞の記事を取り上げて、私の発言について質問された方がいらっしゃいました。この記事については、事実に反するということで、私は産経新聞社に既に抗議文を出しております。何らかのプラスアルファの根拠があったのであればともかく、そういったことがないのであれば、こういった場で取り上げることは私は適切ではないというふうに考えております。そのことをまず申し上げておきたいと思います。

 その上で、例えば、この記事の中にありました、民主党政権下で、海上自衛隊の艦船と中国軍艦との間に十五海里、二十八キロの距離を置くことを決めていた、そういう事実が民主党政権下であったというふうに御認識ですか、総理は。

安倍内閣総理大臣 今の岡田委員の御質問は、いわばこちらの態勢の詳細にかかわることでありますから、前政権のこととはいえ、今ここでつまびらかにすることは控えさせていただきたいと思います。

 しかし、安倍政権ができたときに、それまでの対応を全体的に見直した結果、中国に対して過度な配慮をした結果、十分な対応ができていないと私が判断したことは事実であります。

岡田委員 私の承知している限り、民主党政権下で、十五海里距離をあけるべきだというようなことはなかったというふうに承知をしています。もしあるというのなら、そのことを堂々と言っていただきたいと思います。

 そのことは、総理、きちんと確認したらわかるはずです、事務方に。防衛省の事務方に確認してください。そういうことはなかったわけであります。何かありますか。

安倍内閣総理大臣 私は、総理になって、まさに事務方から態勢について聞いた結果、今、個々のことについてはあえて申し上げませんよ、それは。これは、いわばこちらの手のうちを明かすことになりますから、過去のこととはいえ申し上げませんが、私は事務方から態勢について聞きました。防衛省と海上保安庁から聞きました。この態勢は明らかに過度な配慮をした結果であろうと思って、全面的に見直しをいたしました。

岡田委員 私は具体的なことを聞いているわけです。それは確認されれば、すぐ、総理であれば知ることができるはずであります。

 そして、きょう、総理の答弁の中で、過度にあつれきを恐れる余りという表現がありました。政権がかわって、いろいろなことの取り扱いが変わるということは理解できます。しかし、民主党政権下において過度にあつれきを恐れる余りというのは、何を根拠にそういうふうにおっしゃっているんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これは、実際、私が確信しているからこの場で述べているんですよ。しかし、それは、今、あえて個々のことについては、手のうちにかかわることですから申し上げませんよ。

 ただ、これは別に民主党を非難するためだけに申し上げているのではありません。いわば対応については、幾つかの対応、これは海上における対応もそうですし、領空あるいは防空識別圏における対応もそうですが、これも含めて全面的に対応を見直しをし、そして、しかるべき対応に変えたわけであります。

岡田委員 個々のことについてはこれは言えないと言いながら、前政権のことをこういった表現を使って批判するというのは、私はフェアじゃないというふうに思いますよ。総理大臣としてはもう少し公平に物事を言われたらいかがでしょうか。

 もちろん、中国の軍と日本の自衛隊が必要以上に対峙することになれば、それはいろいろなことが起こり得るということは考えて、我々、一つ一つの判断をしてきたことは事実です。しかし、そのことは、私は恐らく安倍政権だって同じだと思うんです。具体的な対応についていろいろ違うところはあるかもしれませんが、そのことを、民主党政権が過度にあつれきを恐れる余りとか、そういう感情的な表現は私は使うべきではないというふうに思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これは、感情的ではなくて、申しわけないんですが、事実を、ファクトを述べているわけであります。

 個別について申し上げることはできますよ。しかし、それは、いわば中国に対して、かつての政権がやっていたこととはいえ、これは手のうちを明かすことになりますから、あえて申し上げていないわけでありまして、何も私がここでそんなものを引き出してきて皆さんを非難する必要なんというのはないわけでありますから、質問に答えて、私は、むしろファクトについて申し上げたわけであります。

岡田委員 総理、過度にあつれきを恐れる余りというのはファクトじゃないですよ、それは。だから私は申し上げているんですよ。

 大体、総理のパターンは一つあるんですよ。民主党のことを根拠なく批判して、そして、私はそれを変えましたと言って誇る、そういったことを時々やられるんですね。しかし、それは内閣総理大臣として私はとるべきことじゃないと思うんですよ。

 私は、言わないでおこうかと思ったが、では一つ、日米首脳会談について申し上げたいと思います。

 安倍総理は、日米首脳会談後の記者会見で、この三年間で著しく損なわれた日米のきずなと信頼を取り戻し、緊密な日米同盟が完全に復活したと宣言されました。何を根拠にそういうふうに言われたんですか。

安倍内閣総理大臣 それは、民主党政権の三年において、普天間の移設問題について、最低でも県外、こう言ったわけですね。そして、その間において、大統領に対して、トラスト・ミー、こう言ったわけですよ。でも、結局それは実行できなかったじゃありませんか。これはかなり私は致命的なことであったと思いますよ。失われた信頼というのを回復するのはそう簡単なことではないのだろう、このように思います。

岡田委員 もちろん、普天間の問題は私も責任を感じております。

 しかし、にもかかわらず、日米間、それぞれの首脳間で、あるいは外務大臣を初め閣僚間で、あるいは事務方で、さまざまな問題について取り組んで、そして信頼関係を育んできたということも事実じゃないですか。そのことをあなたが一方的に否定するということは、私は理解できません。

 例えば、クリントン長官が退任に当たって、日米両国間は、北朝鮮、ASEANといった地域間問題や、アフガン、イランといった国際的課題に取り組んできた、日米同盟を継続して強化してきた、日本国民及び日本国の指導者の皆さんに対して日米同盟への協力と献身を感謝したい、お礼を申し上げたい、こういうふうに最後の会見で言われました。岸田大臣はそのとき同席しておられたから、事実だということは御理解いただけると思います。

 例えばこういう発言と総理の発言の間に、余りにも乖離があるわけですね。これはいかがですか。

安倍内閣総理大臣 それは、アメリカの国務長官が辞任会見において、日米関係は大変なことになった、そんな発言をしたら、これは大変なことになるというのは誰が考えてもわかることでありますから、当然、外交の責任者としては、責任ある立場で発言をされるんだろう、このように思います。

岡田委員 クリントン長官の発言が責任ある発言だということであれば、最初に紹介した安倍総理の発言は無責任そのものじゃないですか。日米同盟を、お互い努力をして、さまざまなレベルでこれは育てていかなきゃいけない。

 例えば、キャンベル国務次官補が朝日新聞の記者会見でこう言っていますよね。日米関係の維持、深化は、党派を超え、政権交代を超えた共通の取り組みでなければならない。私はそのとおりだと思うんですよ。

 あなたの言い方は、前の政権はでたらめをやっていた、俺が全部ちゃんとやってやる、そういうふうに聞こえかねない。それはまさしく、日本だけではなくて、米国のこの同盟関係に携わってきたそういう人々に対しても、これは侮辱だというふうに受け取られても仕方がないですよ。

 総理大臣であれば、もう少し国益を考えて、日米同盟をいかに育てていくか、そういう観点でお話しになるべきだと思いますが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 日米間においては、むしろ、例えば事務方、それを担ってきた国務省、外務省、ありますよ。そして例えば、アメリカの国防省と日本の防衛省、あるいはアメリカの三軍と日本の自衛隊、ここにおいて私は必死に頑張ってきたんだと思いますよ。それは、政治がなかなかちゃんとやっていなかったからなんですね。しかし、それによって守られていたのは事実です。

 そして同時に、国民の中に、日米同盟のきずなはやはり大切だな、そういう思いが強くあった。これが日米同盟を下支えしていたんだと思いますよ。

 しかし、民主党政権において、岡田さんが胸を張って言えるような状況だったんですか。私は、そうではなかった、そうではなかったからこそ、選挙の結果において、こういう政党には残念ながら政権を任せるわけにはいかないという結果になったんだろう、このように思います。

岡田委員 これ以上あなたに何か言っても無駄かもしれませんが、私は、やはり総理大臣というものは常に国益を考えて、そして行動しなければならないというふうに思います。あなたのその物の言い方というのは、私は、日米同盟にとって決してプラスではない、アメリカにも戸惑いはかなりあると思いますよ。そのことを申し上げておきたいと思います。

 さて、政治改革について、先ほど幹事長がいろいろお話しになりましたので、私は二点に限って申し上げたいと思います。

 まず、今、自民党で検討中の比例の削減案について、伝えられるところでは、比例を二つに分けて、一つは通常の比例、もう一つは第一党を除いた比例、こういうふうに二段階に分けて対応するという案が報道されております。きょうの新聞には、伊吹衆議院議長が、それは憲法上の問題があるのではないかと指摘をしたという報道もあります。

 私は、少なくとも、これは、一票の価値というもの、第一党に投票した人のその投票権というものをきちんと評価しないことになって、大きな問題があるというふうに考えますが、総理のお考えはいかがですか。

安倍内閣総理大臣 私は、まだその案について見ておりませんので、論評する立場にはございません。

 いずれにせよ、当時の野田総理大臣と党首討論において、定数削減についてこの国会において成案を得るように努力をしていくということをお約束しておりますので、そのような方向において迅速に進めていくように石破幹事長に指示をしたところであります。

岡田委員 我々、選挙制度を変えるときは、やはり、憲法上の問題、あるいは投票する国民から見てわかりやすい、つまり、各党が自分たちの利害で制度を複雑にいじっている、そういう印象を与えない方がいいと思うんですね。

 きょう、前回の選挙における二つ目の判決が出ました。札幌高裁です。まだ総理は御存じないかもしれませんが、この札幌高裁の判決の中で、我々が法律として成立をさせた五減案について、これは最高裁が既に判決を出した一人別枠方式を廃止するということになっていないという判示、判断が下されております。

 確かにこれは、一人別枠方式を廃止したら、鳥取は一つになるはずなんですね。それを二つを維持する。鳥取の二つを維持し、真っ二つに割ったそこの二倍以内に抑えるということで五減案ができているわけであります。

 その結果として、例えば東京などは、人口比例でやれば少なくとも五つぐらいはふえるはずなんですね。それが、ふえないまま、変わらない。神奈川も、三つふえるべきが変わらない。鳥取は、一つにならなければいけないところが二つ。こういう形で、かなり異質の区割りになってしまっているということであります。

 もちろん、この五減案がこれから最高裁も含めてどういう判決が出てくるかということは、これは待たなければいけませんが、既に札幌ではそういう判断が下された。やはり、わかりやすい、きちんとした人口割りのそういうものを目指していかなければいけない。

 当面の問題として、我々はこの法案を通しました。それは緊急避難的には認められたことだと思いますが、やはり、より根本的には、きちんと人口比例で考えていくということでなければならないのではないかと思いますが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 まずは、この違憲状態を一日も早く脱しなければいけないわけでありまして、この〇増五減については、既に法律が通っておりますので、区割り審において審議を進めていただいて、成案を得たら我々は直ちに提出をしたいと思っております。

 同時に、新たな、削減に含めて選挙制度をどうしていくかということについて、今、与党において御議論をいただいているわけでありますが、私としても、なるべくこの国会において間に合うように審議をしてもらいたい、このように思っているわけでございますが、今、岡田委員が御指摘されたことも含めて、さまざまな議論がなされていると思います。

岡田委員 札幌高裁は、平成二十三年大法廷判決の説示に沿った改正とは質的に異なるものであると、この五減案について判断をしているわけであります。したがって、本当に五減案を、既に法律は通っておりますが、これでずっといくのかどうかということは、これまたしっかりとした議論が必要であるということを申し上げておきたいと思います。

 それから、インターネットの選挙について一言申し上げたいと思います。

 我々、みんなの党と一緒に、公選法の改正案を出しております。与党案との最大の違いは、電子メールの扱いであります。電子メールについて、我々はこれを一般有権者も選挙運動として認めることができる、自公案はそれは認めない、こういうことになっているわけであります。

 この電子メール、つまり、ホームページとかその他のウエブサイトについては認めることにしながら、電子メールはだめだということにする与党のお考えなんですが、総裁として、なぜそういうふうにお考えになったのか、御説明いただけますか。

安倍内閣総理大臣 選挙制度については、これはまさに国会で議論をしていただくことでございますから、まさに各党各会派において審議を進めてもらいたい、このように思っております。つまり、選挙の仕組みでございますから、私は行政府の長でありますから、これについてコメントをするのは差し控えさせていただきたいと思います。

 いずれにせよ、インターネットというツールを使いやすくしていく、選挙においても使いやすくしていくということは、やはりこれは正しい方向であろうと基本的には考えております。

岡田委員 総理も随分インターネット解禁ということで言われたわけですから、そこはぜひお考えいただきたいと思います。

 例えば、今、選挙期間中に電話で、この人に投票しようということを一般に言うことは、これは公選法違反でも何でもないわけであります。それがメールになっちゃうと違法だということだと、それはやはり常識から見ると非常に違和感がある。今ももちろん違法なんです、ぎりぎり言えば。だけれども、メールで、この人いいから投票しようということを通知したらこれはアウトで、電話で言ったらセーフだというのも非常にわかりにくいので、ここはよく、各党間で議論することですけれども、総理もぜひ主導権を発揮していただきたいというふうに思います。

 次に、社会保障・税一体改革について。

 私は、総理の施政方針演説、それから国民会議における、政権交代後初めて、つまり第三回の、総理出席のもとでの御挨拶を見て、総理は社会保障制度改革で何をやりたいのか、何をやろうとしているのかということが全くわからないわけであります。

 具体的に、社会保障制度の何を議論し、どうしたいというふうにお考えなんですか。

安倍内閣総理大臣 この税と社会保障制度の一体改革において、社会保障というのは、いわば生きていく上においてお互いが助け合っていく、自助自立を基本として、共助そして公助によって社会を成り立たせていくということであります。いわば、生活を営んでいく上においても、人生においても、つまり、この社会保障制度がしっかりと持続可能な制度であることによって、安心して一歩を踏み出していくことができるわけであります。

 また同時に、社会保障というのは給付と負担のバランスがあるわけでありまして、給付を確保するためには、負担をしていただく方々にとってこれは納得していただける水準でなければならないわけでありまして、そこで給付と負担の調整も必要であろうということであります。

 そこで、例えば年金、医療、介護、それぞれありますが、年金について言えば、既に累次の改正を行ってきている中において、さらに低所得者、低年金者に対する手当ても進めてきているわけでありまして、そういう中においては安定性は確保されているということで、民主党政権の内閣においても、当時の岡田大臣も安定性についてはそう答弁をしておられる、こう記憶をしているわけでありますが、さらには、この改革、不断の改革が必要であって、基本的には、持続可能なものにしていくという不断の努力が必要なんだろう、このように思います。

岡田委員 抽象的なことをお聞きしているのではなくて、これは一年以内、つまり八月二十一日までに、国民会議できちんと結論を出して、そして法的な措置を講じなきゃいけない。一年以内に、社会保障制度改革国民会議における審議の結果等を踏まえて、社会保障制度改革を講じるということになっているわけであります。

 もう残された時間は余りないので、そういう一般的なお話ではなくて、総理として、今の社会保障制度改革の中で、特にこの国民会議を通じて議論をして、そしてしっかり実現しなければいけないものは一体何なのかということについてお答えください。

甘利国務大臣 社会保障と税の一体改革、社会保障は、まさかのときの安心、将来の安心を培うものでありまして、総理から答弁がありましたとおり、この持続可能性をしっかり図っていく、効率化と重点化をしっかりとっていくということであります。

 八月の二十一日までに、推進法で決められている国民会議の有識者のメンバーによって、法的措置につなげることができることの中身、年金、医療、介護、そして子育て、その大きな四項目につきまして、方向性、結論を出していただく、その中身を政府としては閣議決定するということになろうかと思っております。

岡田委員 手続を聞いたんじゃないんですね。それから、手続については多分認識が違うと思うんです。この条文の読み方として、我々は、これは、国民会議が審議を行う、その審議を踏まえて政府は法制上の措置を講じる、施行後一年、つまり八月二十一日までに法律上の措置を講じるというふうに考えているわけです。ここは水かけ論になってもいけませんから、ここでは議論しませんが、私たちはそう考えているということです。

 問題は、一体何を議論するのかということです。そのことについて、もちろん具体的な細かい議論はありますよ。だけれども、今、国民会議を見ていても、ヒアリングを繰り返しているばかりで、大きな議論になかなか至っていないというふうに思うんですね。

 ですから、まず総理がきちんと国民会議に対してこういうことを議論すべきだという方向性を出さない限り、国民会議としても非常に困ってしまっているというのが現状じゃないかと思います。社会保障制度改革として、一体何を議論すべきだというふうにお考えですか、総理は。

田村国務大臣 昨年の八月の三党協議の中において、御承知のとおり、年金に関してはいろいろな部分がございましたけれども、これは対応をしたわけですよね、一定の。それから、子育て三法、これも実務者で成立をさせていきました。

 国民会議の方では、やはり、医療とそれから介護、この部分がまずは早急にやらないといけない部分だということで議論をしていただいて、今現状、ヒアリングをしておる最中でございます。

岡田委員 担当大臣としてはそういうお考えかもしれませんが、基本的に、公的年金制度、高齢者医療制度については法律で明記されているわけであります。

 いろいろ具体的なことは、年金の受給、二十五年を十年にするとか、そして共済と厚生年金を一つにするとか、そういう改革は確かにやりました。しかし、大きな議論として、まだ公的年金制度について問題があるんじゃないかというふうに我々は考えているわけで、そういったことについて、きちんと各党間、三党間でも議論しなければいけないし、それを踏まえつつ国民会議でもきちんと議論する、そのことが求められているんじゃありませんか。

 国民から見たときに、やはり今の年金制度についていろいろな議論があります。

 この社会保障・税一体改革の中でも、当時の自民党や公明党さんは、百年安心プラン、今の案で基本的には大丈夫だとおっしゃった。我々は、それは今の制度に加入している人だけ見れば百年いけるかもしれないけれども、加入していない人、加入できない人もたくさんいる中で、やはり制度を根本的に変えなきゃいけないということを申し上げた。

 もちろん、我々の制度もバラ色では決してありません。いろいろな問題があります。だけれども、お互いどちらがいいかということをきちんと国民にわかるように説明し、最終的にそろそろこれは合意していかなきゃいけないんですよ。

 それからもう一つは、積み立て方式がいい、これはみんなの党が主張しているわけですけれども、そういう議論もあります。若い人にはそういう意見は多いです。

 それだけ国民世論も分かれている中で、きちんと議論して、これがベストではないけれどもベターであるということについて国民にきちんと理解していただく、そういう場としてもこの国民会議というのは位置づけられると思うんです。総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 年金制度については、先ほど答弁をさせていただきましたように、既に累次の改革が行われて、改正も行われてきたわけでありますが、既に持続的に運営していくことのできる仕組みになっているというふうに我々は認識をしております。

 このことについては、社会保障・税一体改革の審議の中において、当時の野田総理と岡田副総理も御答弁をいただいているわけでありまして、認識を共有しているというふうに我々は理解をしているわけでございます。

 その際、最低保障機能の強化については、昨年の社会保障・税一体改革の三党協議において、年金制度の枠外で対応することで合意をして、そして、低所得、低年金の高齢者に対する給付金制度を創設することとなった、そういう経緯があるわけであります。したがって、年金制度においては、最初から抜本的な改革が必要と決めてかかるということは間違っているんだろう、このように思うわけであります。

 いずれにせよ、年金制度、そしてまた医療制度、介護制度もそうなんですが、そうした社会保障の改革について三党での協議を進めていただきたい、このように思っております。

岡田委員 先ほども申し上げたように、これは各党間で意見が異なっているんですよ。ですから、それをきちんと国民の前で議論して、最終的に一つの答えを見出さなければだめだということを申し上げているわけです。

 総理は、今のお話を聞いても、この社会保障制度改革を何が何でもやり遂げる、そういう熱意というのは感じられないんですよね。我々は消費税の引き上げをお願いしました。国民の皆さんに社会保障制度の抜本改革をきちんとやるということとセットでこれをお願いしているわけですから、これは何が何でも社会保障制度改革をやらなきゃいけないんですよ。それは当然の政治家としての責任だと思いますよ。しかし、残念ながら、総理の今の御発言も含めて、社会保障制度について大きな議論をしよう、そういう意欲が感じられないということは残念です。

 総理、この国民会議の主管大臣は誰ですか。

甘利国務大臣 国民会議は、御案内のとおり、推進法の中で位置づけられました。そこで、四項目についてそれぞれ基本的な考え方、基本方針が、もう釈迦に説法ですけれども、法律に書いてありますね。(岡田委員「そんなことは聞いていない。担当大臣は誰か」と呼ぶ)担当大臣。私が担当するように言われております。

岡田委員 私が今質問したのは、国民会議の担当大臣は誰ですかというふうに申し上げたわけです。

 これは十四条にはっきり書いてあります。国民会議の責任大臣は内閣総理大臣とすると書いてありますよ。ですから、総理がこれは責任者なんです。社会保障・税一体改革の担当は甘利大臣かもしれません。しかし、この国民会議については、内閣総理大臣が直接責任を負うという非常に重い会議なわけですよ。そういう認識も総理にはないことが今はっきりしましたけれども、もう少し自覚を持って、しっかりとやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 我々、この社会保障・税一体改革を議論する中で、五%をどう使うかということをさんざん議論してきました。一%は、新しいこと、つまり充実のために使います、四%は、今の制度の安定化のために使いますと。具体的には、基礎年金の国庫負担二分の一とか、それから後代への負担のツケ回しの軽減というようなことを説明してきました。

 この後代への負担のツケ回し軽減というのは、これは毎年毎年、税ベースで、社会保障経費が何もしなければ一兆円ずつふえていきますね。それから、今、かなりのものを赤字国債を発行してそれで賄っている。そういうものを置きかえていきますということで説明してきたわけです。全部新しいものでできたらいいけれども、今の財政状況を考えたら、それは無理。だから、こういう苦渋の決断をして、国民の皆さんにも正直にそのことを説明してきました。

 そこで私は、今の総理の、きょうの答弁もそうなんですけれども、余りにも公共事業をふやそうと。例えば、当初ベースで見ても、補正は横に置いても、二十五年度は七千百億円のプラスですよね。そういったことを見てくると、結局、我々は消費税を上げるのは社会保障のためだと説明してきましたが、現実には、消費税を上げて公共事業をやっているというふうに国民からは受け取られかねないんじゃないかと。

 何か反論はありますか。

安倍内閣総理大臣 それは岡田委員がそうおっしゃっているのであって、それは違うということは岡田委員も御承知のとおりだと思いますよ。つまり、社会保障費のために、介護、年金、医療、そして子育てのために消費税増税分は充てるということになっているわけであります。

 今回、公共事業、公共投資を行いました。そのための大型の補正予算を組んだわけでございますが、これは、繰り返しになりますが、まさに国民の安全と安心を守るために、そして被災地の復興を図るために組んだ予算であります。同時に、機動的な財政政策として、デフレから脱却して経済を成長させていくために組んだ予算でもあります。

 そのことによって経済が成長していくことによって、デフレから脱却をしていくことによって税収増を図っていくことができるわけでございますし、そして結果として最終的には国民の収入もふえていけば、社会保障費というのは、これはもちろん税金もありますが、保険料からも賄われているわけでありまして、当然、保険料もふえていくということになって、より財政的な基盤は安定的なものになっていくということも申し上げておきたいと思います。

岡田委員 それは総理の楽観的な見通しですけれども、少なくとも私たちは、私たちというのは民主党だけではなくて三党、自民党も公明党も含めて、消費税の引き上げは、これは社会保障のために使いますということを説明してきました。

 お金に色はついていませんから、結局、消費税を引き上げることで出た余力を使って公共事業をやっているというふうに、そう言われても仕方がないじゃないですか。それは私が勝手に言っているんじゃないですよ、多くの国民の声ですよ。そのことについてどう説明しますかということを申し上げているわけです。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 そもそも、まだ消費税は引き上げていないんですから。引き上げたと同時にそういういわば公共投資をぐんとふやしたんだったら別ですよ。そうではない段階で、笹子トンネルの事故もありましたね、ああいうことが二度と起こってはいけませんよ。ですから、老朽化した施設はしっかりと補強していく、改修をしていくということはとても大切なことです。

 国民の命を守っていくことも私たちの責任ですから、その中において、やるべき公共投資、公共事業は行っていくということと同時に、先ほど申し上げましたように、いわばデフレから脱却をしていく上において、そして安定的に経済を成長させていく上において、さらにはその恩恵を日本の隅々まで広げていく上においては機動的な財政政策が必要であって、その役割を担っているのがあの補正予算であった、まさに二本目の矢であったわけであります。

 そして、そのことによって、楽観的とおっしゃったけれども、しかし、私は株価の上昇に一喜一憂するつもりはありませんが、例えば御党から我々に政権がかわっただけで、年金の運用は五兆円プラスになりました。これは短期的に考えるわけではなくて、二十年、三十年のタームで考えるべきだとは思っていますよ。しかし、大切なことは、経済が上昇していくということは社会保障にとってもとても大切なことになっていくんだということは申し上げておきたいと思います。

岡田委員 私はいつも気になるんですが、笹子トンネルの話をよくされますが、あれは株式会社の責任ですよね、笹子トンネルをきちんとメンテナンスするということは。国じゃないですよね。ですから、そこは何か、こういうところで話が出るのはよくわからないわけですね。高速道路株式会社の責任。

 そこで、総理のお話の中で、例えば施政方針演説を見たときに、財政健全化について、財政健全化目標の実現を目指しますという一言しかないんですね。行政改革に至っては全く触れられていない。そういうことを見ると、本当に大丈夫なのか、財政の再建、健全化についてどこまで総理が熱意を持っておられるのかということは、私は大変疑問に思うわけです。

 そういう中で、総理は、財政健全化のための立法措置の可能性について、藤井孝男議員の代表質問に対して言及されましたね。具体的に説明していただけますか。

安倍内閣総理大臣 藤井議員からは、いわば立法の必要性があるかないかについて質問をいただいたわけでございまして、政府としては、今後、経済財政諮問会議において、財政健全化と経済再生の双方を実現する道筋について検討を進め、年央の骨太方針の取りまとめに向けた検討状況も踏まえつつ、財政健全化目標を実現するための中期財政計画の具体化の検討を進めていくこととしております。その上で、財政健全化の実効性をどのように確保していくかについても検討をしてまいります。

 さきの答弁についてでございますが、その一例として述べたものでありまして、現時点において、法制化等々に、立法をしていくということについては具体的な検討は行っていない、こういうことであります。

 施政方針演説においても、私は、プライマリーバランスについて、GDP比について二〇一五年に半減し、そして二〇年に黒字化していくということについて申し上げているわけでございますし、第一次安倍政権においては、プライマリーバランスについては、かつてマイナス三十兆円近かったものを六兆円まで縮めたという実績はあるわけでございます。

 今回も、あのときと同じように、しっかりと税収を上げて無駄遣いをなくすことによってプライマリーバランスを黒字化していくことを目指していきたい、このように思っております。

岡田委員 確かに、国会答弁の中で総理は、財政健全化を、立法を含め、どのような形式と仕組みで確保していくかについて検討してまいりたい、こうおっしゃったわけですね。立法を含めということをおっしゃったわけです。

 私は、財政再建、健全化のために立法するかしないかというのは、それは例示で言うか言わないかの話じゃなくて、立法するということは非常に大きなことだと思うんですね。そういうことについてまだお決めになっていないということであれば、単なる例示としてでも私は言うべきじゃないと思うんですよ。

 ですから、そういうことを聞いていると、本当に総理が財政健全化ということをどのぐらい真剣に考えておられるのかということについて、ますます疑問が深まるわけであります。何かありますか。

安倍内閣総理大臣 これは、こちらが例示として挙げたというよりも、質問者が例として挙げたものですから、それも含めて考えていく、そういう答弁をしたところであります。

岡田委員 財務大臣は、その直後の記者会見で否定されておりますけれども。

 では、もう一つ、二%の物価目標についてお聞きしたいんですが、総理は、この二%の物価目標について、日本銀行において責任を持って実現していただくというふうに、これは二月七日、石井委員に対して答弁されています。

 他方で、麻生財務大臣は、日銀だけに押しつければ甚だ偏る、共同責任を負っていると思って頑張っているというふうに答弁されました。

 これは一見して考え方が違うというふうに思えるんですが、いかがですか。

麻生国務大臣 一義的には日本銀行にあるというのは、それは法律で決まっていますから、もう御存じのとおりです。

 しかし、これまで、日本銀行がお金をたらたら刷って市中銀行に渡しても、市中銀行から先に全然お金が散らなかったという例があるでしょうがと。我々はそういう経験をしていますから、したがって、きちんと上げていくためには、日本銀行だけに押しつけるのではなく、この際、政府もやるべきことがあるのではないかといって、三本のうちの残り、二本、三本目は政府としてもやらなければならぬ。

 しかし、一義的には日本銀行にあるというのは、はっきりしております。

岡田委員 一義的か二義的かというのは非常に抽象的な話ですが、もちろん、日本銀行がまず責任を負うということは私は否定いたしません。

 しかし、政府みずから三本の矢と言っておられるわけです。つまり、金融だけでこういったデフレ脱却とかあるいは二%の消費者物価上昇ということが確実にできるかといえば、やはりそれは、三本の矢が合わさって初めてそういうことが可能になる。

 そういう意味では、これはやはり、日銀だけの責任だ、こういうふうに言い切ってしまうのは、私はむしろ政府の責任逃れだというふうに思いますが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 これは、どの責任が誰にあるかということをはっきりしておく必要があると思うんですね。

 そこで、二%のインフレターゲットを設けたからには、これはしかし、ターゲットを設けたのに、全部あなたの責任ではありませんよ、こっちにも責任がありますよと言ったら、それは責任がどこにあるかわからなくなってしまうんですよ。

 これは日本銀行の責任なんですよ、基本的に。そこで、やはり日本銀行はその責任を、責任というのは、まさに、これを果たさなければいけないという強烈な責任が彼らそれぞれに生じるわけですね。まさに、総裁においても副総裁においても、新たに任命していただきたいと思っておりますが、黒田さんにしても二人の副総裁の方々においても、そういう使命感、強烈な使命感を持ってちゃんとこれを達成していくということをおっしゃっているわけであります。

 そして、政府としては政府としてやるべきことがあります。それは、いわばこの二%の物価安定目標に向けて進んでいく中において、デフレ脱却の波が地方に隅々まで早く伝わるように、そして雇用にも収入にもあらわれてくるように、このスピードを上げていくためにも私は財政政策を進めていくべきだろうと。

 国が率先して需要をつくっていくということが必要ですから、その期間を短くしていくためにも財政政策を行い、同時に、これは何回も財政政策を行うわけにはいきませんから、まさに三本目の矢である、一般の民間企業の投資を喚起する成長戦略を行っていく、これが極めて重要であろう、このように思っているわけであります。

岡田委員 総理は、デフレというのは貨幣現象だというふうにも言っておられますよね。そういう考え方は、一つ、学者の中にもあります。ですから、全て金融で解決できる、そういう立場に立っておられるようにも聞こえる。しかし、三本の矢と言っておられるところから見ると、そうではないようにも聞こえる。

 やはり、私は、もちろん日銀に第一義的な責任というのはわかりますけれども、同時に政府も責任を持っているということをはっきりしないと、何か全て日銀に押しつけて、そして、実際に、二%まで消費者物価が上がらなければ何でもやれということになったときに、いろいろな弊害も出てき得るわけでしょう。

 例えば、前回のバブルのとき、どうでしたか。消費者物価が上がるより先に、不動産の価格が高騰したじゃないですか。そういうことを繰り返してはいけないわけでしょう。ですから、そこは全体的に考えてやっていかなきゃいけない、その責任は日銀だけにあるんじゃないということを私は申し上げたいわけですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 先ほどから申し上げておりますように、私がここで答弁したように、デフレというのは貨幣現象ですから、まずは日本銀行がしっかりと大胆な金融緩和を行って、二%という物価安定目標を設けたんですから、この物価安定目標に向かって、ちゃんとしっかりと金融政策を展開してくださいねということであります。

 その上において、今まさに岡田委員が指摘されたように、これはさまざまな弊害もあるかもしれませんし、そして同時に、その恩恵をみんなが享受できるように、これが均てんされるようにしていくためには、その期間も短くしていくために、金融政策だけでは、インフレ期待が起こってから企業が投資をするまで、あるいは給料が上がるまで相当な時間がかかる場合がありますから、その期間を短くしなければいけませんし、そして、投資で起こるだけの現象にしてはいけませんから、これを全国に均てんさせるためにも、我々は財政政策をしていく。何回も財政政策をしていくわけにはいきませんから、成長戦略において企業が投資をするという分野をつくっていく。これがまさに三本の矢であります。

 我々は、この三本の矢をいわば同時に射込んでいくことによって、デフレから脱却をし、そして、間違いなく経済を成長させていくことができる、このように確信をしています。

岡田委員 総理の御答弁をお聞きしていると、果たして総理御自身が責任というものをどう考えておられるのか、よくわからないんですね。やはりそれは、もちろん日銀は一義的責任がある、しかし、政府全体も責任を負っているということを明確にして、そしてしっかりとやっていただきたいと思います。

 終わります。

山本委員長 この際、原口一博君から関連質疑の申し出があります。海江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 きょうは、東電の廣瀬社長もお見えいただいておりますので、まず、廣瀬社長には、一刻も早いこの事故の補償、それを被災者の方々に届ける、その責任を果たしていただきたい。その上で、ちょっと総理がおられませんけれども、何点か基本的な質問をしたいと思います。

 やはり、何といっても、原発事故の原因というものがきっちりと解明される。政府事故調と国会事故調の間でやや見方が違っている。それは、津波で福島第一原発の事故が起きたのか、それとも地震で起きたのか。廣瀬社長はこの原因をどっちだと考えておられますか。

廣瀬参考人 東京電力の廣瀬でございます。

 ただいまの御質問についてお答え申し上げます。

 私ども、政府の事故調査委員会、それから国会事故調査委員会、それぞれの調査に対しまして、私どもとしてできる限り御協力をさせていただいて、それぞれの報告書をしっかり踏まえて今後の対応を今まさに進めているところでございます。

 政府の事故調では、御存じと思いますけれども、各号機ごとに判断をされて、地震から津波の間にはそれぞれの機器が作動していたというような報告をされておりますし、国会事故調では、その間に安全上重要な機器が地震による損傷はないと確定的には言えないというお答えをされております。

 私ども、しっかりそれらを踏まえておりますけれども、私どものパラメーターの中では、やはり政府の事故調と同じ見解で、地震から津波の間までにそれぞれしっかり動いていたというデータを把握しておりますので、私どもも、その間しっかりと機器は動いていたというふうに考えております。

原口委員 果たしてそうなのか。

 皆さん、国会事故調、これは画期的なことです。国会が、与野党を問わず力を合わせて、そして、この中の作業員の証言を見ても、どう見ても、今の廣瀬社長の御答弁どおりなんだろうかということを疑わざるを得ない。

 実際に、ここできょう御質問するのは、その中の非常用復水器、つまり、電源喪失した後もそれが動いていれば、あの一号機の爆発はなかったのではないかというふうに思います。

 そうおっしゃるのであれば、非常用の、こういうシビアアクシデントが起きたときに記録する装置があるはずです。アラームタイパーというのか何なのかわかりませんが、そのアラームタイパーが紙詰まりで記録がないというけれども、本当ですか。

 私は、大飯原発へ参りました。もう二十年も前に電子記録がとられるようになっています。それが普通の原発じゃないんですか。福島第一原発の一号機は、紙詰まりがあればシビアアクシデントの記録がとられないという原発だったんですか。お答えください。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 私どもの福島第一原子力発電所の一号機のアラームタイパーというのは、御存じのとおり、タイプライターのような機器で、紙がどんどんどんどん出てきて、そこに打っていくということでございますが、何らかの原因で紙が詰まって、同じ部分を何度も何度も打ってしまったという現象から、その後のデータがとれないという事態が発生しておりました。これについては本当に申しわけなく思っております。

 私どもの原子力発電所の中で、そうした電子的なデータが残らない機能になってしまってそのままの状態のものが、福島第一の一号機と三号機と四号機と六号機でございます。これらについては、まさに直そうという計画を立てておりまして、実際に、地震があった時点で、四号機についてはまさにその仕組みを改善すべく工事をやっているというところでございましたが、本当に申しわけなく、一号機についてはそうしたことでデータがとれておりません。

原口委員 総理が戻られましたので、ぜひお聞きをいただきたいのは、この原因究明、これは日本だけじゃないです、世界に対して原発の信頼性を確保するためにも、何で壊れたのか。

 この報告書を詳細に読んでいきますと、どう考えても津波だけで壊れているんじゃないんじゃないかという疑いが非常に強いです。しかも、今、そうやって工事をしている最中だったと。まさに安全神話なんです。

 そこで、私は、二〇一一年の四月三日、東電本社に、いわゆる冷却系を確保するためにどうすればいいんだという話に参りました。そのときに、冷却を安定的にやるためには、外づけの熱交換器をつくって、そして一刻も早く水が循環するシステムをつくる。ところが、放射能が高過ぎて、あるいは破損があって、どこにつけていいかわからないという状態だったんです。

 それが、長い間、熱交換器がつかなかった理由だというふうに考えていますが、もう一度社長の御答弁をいただきたいのと、その後、放射線の数値はそんなに下がっていないにもかかわらず、ついていますね。たしかアレバ製なのかもわかりません。何でそんなに時間がかかったのか、お答えください。

廣瀬参考人 お答えいたします。

 原子炉の冷却と、それから使用済み燃料プールの水の冷却というのがございます。

 原子炉の冷却につきましては、結果として、熱交換器はつけずに、いわゆる大循環ループといって、ぐるっと水を長く回して、その間で水が冷えて、その水をもとに戻すというやり方で今やらせていただいております。

 一方、使用済み燃料プールの方につきましては、熱交換器を設置して、それによって冷却をして水をもとに戻すという仕組みをやっております。

 これの工事が、確かに時間がかかっております。五月、六月、七月、八月と一つずつ、一号、二号、三号、四号と一つずつができてきたという状態でございましたが、これはなかなか、線量が高いところもあって、線量のないところで工事をやる、なるべく作業員の被曝を少なくするというような工夫をやるために、場所を見つけたり遮蔽をしたりというようなことで時間がかかってしまったということでございます。

原口委員 総理に伺います。

 前半おられなかったから、あれですけれども、何で福島第一原発の事故が起きたかというのは、その後のこの国会事故調を通して見ても、正直、私たちもまだ確証を得ていないというのが事実だと思います。

 そこで、ぜひ御答弁いただきたいのは、三〇年代原発ゼロの見直しについて私たちは研究しました。自民党さんは別の考え方です。しかし、新たな安全神話にあぐらをかいて、再び同様の事故が起きることは絶対にあってはならない、そう思うんですね。その意味でも、きょうここに出しているような、こういう事故を、妨害したかのようなことが起きたら絶対にだめだと思います。

 東電に対しては、さまざまな資本の支援というのもあります。総理として、事故の徹底解明についての決意を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 我々は、あの過酷事故を起こして、こうした事故は二度と起こしてはならない、そう強く決意をした。これは皆さんと同じでございますが、我々自由民主党も、安全神話の中にいわば寄っていたということを深刻に反省しているわけでございます。

 その中で、この事故の原因をきっちりと究明していくことは極めて重要でありますが、国会の事故調においてそうした成果が得られています。そうしたことをしっかりとこれから踏まえていくことが重要ではないかというふうに思っております。

原口委員 私はこの事故が今も継続しているという認識ですけれども、しかも、安全神話が払拭されたかというと、そうじゃないと思いますよ。調べれば調べるほど、まだその神話は根強く残っていて、だから私たちは一刻も早い原発ゼロを確認していかなきゃいけないということを言っているので、ぜひ総理、御理解をいただきたいと思います。

 東電社長はもう結構です。

 さて、きょうは日銀の副総裁にもお見えいただいています。

 日本銀行の現在のバランスシートはどうなっているのか、国債の保有額と、日銀の資産の何割になるのか。

 デフレを脱却して成長アクセルをふかす、名目成長率に着目をしていく、好循環をつくる、私はそれは大事だと思います。しかし一方で、では日銀が金融緩和をしてきたときに、バランスシートがどうなり、そして、長期金利が上がっていくとどういう影響があるか。

 きょうは日銀の政策決定会合なので、政策的な話はここでできません。ですから、本来であれば政策的な話にまで踏み込みたいんですが、そういう機微な日なので、事実だけ副総裁からいただければと思います。

西村参考人 お答え申し上げます。

 日本銀行のバランスシートですが、二十五年二月末、ことしの二月の末の時点ですが、総資産残高は百六十四兆円です。それから、国債の保有残高は百二十二兆円、国債が総資産に占める割合は七五%に上っております。

 比較のために、二十年前の平成四年の時点では、総資産残高は四十六兆円、国債の保有残高は二十一兆円、国債が総資産に占める割合は四七%でありました。

 したがって、当時と比較しますと、総資産残高は三・六倍、国債保有残高は五・七倍になっております。

 それからもう一点、長期金利が上昇した場合の影響ということですが、まず、日本銀行における国債の評価方法について申し上げますと、これは保有実態を踏まえて、いわゆる償却原価法と……(原口委員「それはわかっていますから、聞いたことだけ答えてください」と呼ぶ)わかりました。含み損益の話ですね。

 したがって、このために、決算上の期間損益や自己資本には影響を与えません。

 ただ、含み損益のことについてですが、これは十年物金利が一%上昇し、ほかの期間も年限に応じて同じ比率で上昇する場合には、二十四年の九月時点の推計で、時価総額が二・三兆円減少するという計算になっております。

 以上です。

原口委員 総理、今お聞きになったとおりです。

 ちょうど十年前のきょうですか、この予算委員会で速水総裁と、今と同じ議論をしたんです。あのときは、一%長期金利が上がると約一兆円の含み損が生まれるということでした。今、それが、お話のように、物すごく膨れているわけです。

 私は、今すぐ長期金利が上がるというリスクを言っているんじゃないんです。将来、完全雇用が実施をされ、経済が上がっていって、長期金利上昇リスクにどのように耐え得るかという議論は、やはりここでやっておかなきゃいけないと思って言っているわけです。

 そこで、私たちが国会として、あるいは政府として必要なことは、国債の信認を上げていくことだと思うんです。つまり、思い切った財政改革、そして行政改革、これが必要だ。財政規律を、これほどバランスシートが大きく変わっていますから、私、それが悪いと言っているんじゃないんですよ、それはやるべきだと思う。だけれども、一方で、これだけ大きくなったとするのであれば、私たちは財政規律を徹底的に追求しなきゃいけない、そう思うんですが、総理の御意見を伺いたい。

安倍内閣総理大臣 今回、安倍政権また日本銀行との共同声明において、デフレ脱却に向けて、二%の物価安定目標の実現を目指して、日本銀行が責任を持って大胆な金融政策を進めることを強く期待しておりますが、他方、仮に、財政の持続可能性への信頼が失われるなどの理由により国債価格が下落をし、金利が高騰するようなことがあれば、企業の資金調達を妨げ、そして、景気回復の足を引っ張るだけではなくて、住宅ローンの返済負担増などを通じて、経済、財政、国民生活に重大な影響が及ぶ、こういうふうに認識をしております。

 このため、政府としては、そのような事態を決して招くことがないよう、中長期的な財政健全化の取り組みを継続して、財政運営に対する信認を確保していかなければならないと思います。

 来年度予算においても、国債発行をできる限り抑制することとし、歳出の必要性等について内容を十分に精査することにおいて、四年ぶりに税収が公債金を上回る状態を回復したところであります。

 同時に、社会保障・税一体改革を引き続き具体化して、中長期的に持続可能な財政と社会保障の実現を図っていく考えでございます。

 今後、経済財政諮問会議において、財政の健全化と経済再生の双方を実現する道筋についての検討を進め、財政健全化目標の実現を目指していきたい、このように考えております。

原口委員 そこで伺いたいのは、幾つかの改革です。

 先ほど、地域主権改革というか、そちらは地方分権改革とおっしゃっていますが、一括交付金を、聞いていると、さも簡素化して、そして理念は残すということをおっしゃっています。

 総理、一括交付金で私たちが目指したものは何かというと、いわゆるひもつき補助金をやめて、省庁の枠を超えて、そして地域がそれを選べるということなんです。それを省庁の枠の中に入れてしまえば全く意味がないということを指摘しておきます。

 そして、二つ目は、出先機関の原則廃止です。

 自民党さんの中には、私たちが公務員に寄っているということを言う人がいらっしゃいますが、出先に十八万人、地方支分部局を中心におられます。国家公務員の中でも大きな数です。私は、その出先をそのまま残して道州制というのはあり得ないと思っているんです。

 例えば、関西で広域連合があります。そして九州も、これは自民党の県会議長さんですけれども、鹿児島に金子さんというすばらしい県会議長会の会長がいらっしゃいました。あの方々が主導して九州広域機構というのをつくられたんです。そして、私が担当のときに、議長会もこれまでは、要求するだけじゃない、減らすところもいっぱいやっていきますよ、広域機構ができたら思い切った行財政改革もやりますよ、交付税だって今までみたいに、いいというふうには言いませんよというのを積極的に提案していただいたんです。

 出先機関の原則廃止は、私たち、こういう戦略を持ってずっとやってきました。これは、安倍総理の第一次内閣で決められたことからも引き継いでいるんです。

 覚えておられますか。まだ皆さんが政権を失われる前に、東京で陳情政治はもうやめようと。あれは中川幹事長のときだったんじゃないですか。

 放っておくと、どんどんどんどん財政拡大圧力になるんです。だから、私たちは、こうやって地域の自主性をふやし、そして地域みずからが行財政改革をやっていただけるようにしているわけです。

 出先機関改革、それから一括交付金の理念、省庁を超えたそういう仕組みをこれからもつくるんだとぜひおっしゃってください。名前は消していただいて結構ですよ。どうぞ、総理。

新藤国務大臣 まず、一括交付金、地域自主戦略交付金、これの廃止についてはぜひ御理解をいただきたい。私は、発展的改善だ、こういうことであります。

 委員がお話しのように、省庁を超えて横串にするんだということなんですが、それは窓口を確かにそのようにしたんですが、結局、予算の執行は各省庁に戻しているわけであります。ですから、民主党においてもそれはできなかったわけでありまして、一括交付金の制度にはなっていないということなんです。

 ただ、あくまで地方の自由度を上げて、できるだけ使いやすいようにしよう、そういう意味ではしっかりとやっていきたい、このように思っています。

原口委員 総理、この大臣はいい大臣ですよ。だけれども、今のは間違っています。執行と、いわゆる決めるときと、ごちゃまぜにしているんですよ。これは、これ以上は言いません。

 だけれども、一括交付金のように省庁の枠を超えたもの、これは必要でしょう。太田大臣と一緒の政党のときに、太田大臣や皆さんと一緒につくったんですよ。これは行財政改革なんです。地方分権改革なんです。

 そして、出先もなくすとおっしゃらないですか。出先のままやるんですか。九州広域機構とか、あるいは関西広域連合、応援してくださいよ。御答弁をお願いします。

安倍内閣総理大臣 出先機関の廃止については、私も、出先機関というのはない方が基本的にいいのかな、こう思っていたんです。しかし、これは県と市町村で大分感じが違いまして、市町村、例えば福島県の相馬市長から、大きな災害等の危機管理の対応ということに鑑みれば、これは出先機関がちゃんとあった方がいいという考え方なんですね。いわば、広域連合的なものは、常にそういうものに備えて常設的なものとしてあるわけではないので、極めて不安だという声もございました。

 そういうことも考えながら検討していくことが必要だろう、このように思います。

原口委員 これは総理、私たちも、緊急事態庁をつくって、そして各地域に、国の出先を全部なくせ、その機能を全部なくせと言っているんじゃないんですよ。でも、十八万人は多過ぎるでしょう。しかも、二重行政も多過ぎるじゃないですか。そんな税金をたくさん使える状況ですか。

 もう一つ、これは先ほど、総理それから斉藤税調会長がお話しになりました。今、自民党さん、公明党さんと私たち、社会保障と税の一体改革で、ここまで進みました。いわゆる民主党政権時から主張していた内容、さっき斉藤さんが詳しく言ってくださったので、もう説明しません。それから、これも附則に追加をされて、大綱で入れていただいた、新しい公共の視点、サラリーマンの視点、あるいは経済活性化の視点、若年層対策の視点です。

 ただ、ここで入らなかったものがあるんです。それは何かというと、消費税の逆進性対策、これは待ったなしです。八に上げたときに、もう一回、いわゆる税のやり方を変えるのか。そんな無駄なことはやっちゃいけませんし、住宅取得や自動車取得税の廃止、こういったことは、私たち、協議が調いませんでした。

 ですから、さっきおっしゃいました、議員立法で出そうと思うんです。これはもう待ったなしなんです。来年の四月から、一定の要件を満たせば消費税は上がるわけです。逆進性対策はもう待ったなしだし、それから、中小企業に対して価格転嫁をさせないようにするというのも待ったなしなんです。

 ぜひ、総理、私たちの提案にも耳を傾けていただいて、さらに進めようじゃありませんか。いかがですか。

麻生国務大臣 今、原口先生のお話をいただいたところで、三党協議で積み残しの部分については、これは正直、政府としては、三党間の協議をしていただかなければどうにもならぬのでありまして、税制抜本改革法の規定に沿って検討してまいりたい、私どもとしては基本的にそう考えております。

 附則で全部一応といって、四つ以外にまだあるというお話でしたので、そのとおりなんですが、この内容についてはちょっと、現段階では議員立法の内容については、まだ未提出の段階で、その内容の詳細を承知しておりませんので、正直なところコメントはできませんけれども、基本的に考えたいと思っております。

原口委員 ありがとうございます。総理も御認識を持っていただければ、きょうのところはそれで結構です。

 さて、残った時間でTPPについて。

 私は、まとめてちょっと幾つか質問しますが、聖域なき関税撤廃を前提にしないということが本当に確認できたのかどうか。これはオバマ大統領との間で確認をされたと言われていますけれども、アメリカの議会の確認はとったわけではない。あるいは、豪州、ニュージーランドとの間での確認はできているのかどうか。そのことがまず第一点。

 二点目に、これはとても大事なことなんですが、もう既に参加している国があります。参加している国と後から参加する国との間で条件が違うんじゃないか。つまり、後から参加する国が不利になるんじゃないか。後から参加した国が、前に参加した国が合意したことを、リオープンといいますけれども、できるのか。

 それから、もう自民党さんの中にはタリフラインの攻防に入っておられる方がおられますが、関税のいわゆる今までのEPAの例外、これは内閣がつくったものですけれども、今、TPPというのは、高い自由化、高い水準の関税の撤廃を求めているわけです。そうしたときに、あの日米首脳会談の文書を見ると、最低でも九五%以上を確保しないと高いレベルの関税自由化とは言えないんじゃないか、私はそう思うんですね。これが三点目の質問です。

 そして四点目。これはアメリカの議会報告からとったものです。英語そのままですけれども、何て書いてあるかというと、このTPPで日米のさまざまな懸案事項を後押しする、日本参加を後押しする。そのためには、デトロイトでつくられている車、そして保険の扱いについて、特にこれはジャパン・ポストと書いてありますね、この赤いところ。日本郵政のこれまでの規制を撤廃する、そのことで後押しをするんだというのをアメリカは明確に言ったんだと。

 これだけだったら、アメリカですから、ああ、おっしゃっているんですねで済むんです。ところが、今回の共同声明の中で、日本政府もTPPに参加するのであれば、まさにこの保険と自動車についてはちゃんと宿題を片づけてきますよともとれる共同声明になるわけですね。私はそれがどうか、悪いと言っていません。ある意味、総理が決断をされたことです。

 しかし、だとすると、簡保や郵貯については、これも民自公三党で十年間のさまざまな経営形態の議論も含めて決着させました。しかし、TPPに入るというのであれば、もう一回、簡保についても見直さなきゃいけない。これは入るという前提ですけれども、総理は見直しをされるのか。

 そして最後。TPPは何も関税だけじゃないです。ISD条項、このISD条項というのは私は非常に危険だと思っている。それは、国家主権を総理は強くおっしゃいますけれども、国家主権を超えた、さらに大きな権限を投資家に与える条項ではないかと思うからです。

 かねては、これはいわゆる発展途上国に対して、やはり投資家を守る、そのために入れられていました。しかし、今回は、アメリカと日本の間でISD条項が入ったときには、私たちの国家主権、ここで議論している、あるいは法律をつくるものを超えた権限を投資家に与えるのではないか。それは自民党さんも懸念されて、そこはたしか五項目の中の一つに入っていたと思う。

 五つ、ちょっと質問して申しわけないですけれども、お答えいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 まず、オバマ大統領との間で、これは会談においても、そしてまた共同声明においても、聖域なき関税撤廃を前提としていないという確信を私はしたところであります。

 そして、まず議会についてでありますが、米国議会については一義的に米国政府が対処するものと理解をしております。我が国政府として米国議会の確認をとるという立場ではないというふうに考えております。

 他のTPP交渉参加国との協議においては、日本の参加について基本的な支持または歓迎の意の表明があったところでありますが、TPPが聖域なき関税撤廃を前提にしないということは、これらの関係国とのこれまでの協議等を通じて得られた情報とも基本的に合致するものである、こう認識をしています。

 いずれにせよ、交渉に参加するかどうかということについて、党内や、また米国の状況等も踏まえて、最終的に私が判断をしていきたいと思います。

 続きまして、参加後の交渉についてでありますが、参加国で合意済みのルールについてリオープンできるか、再協議ですね、再協議できるか否か、後から参加した国ともとから参加している国との間で意見が異なるような場合に協議が途中で打ち切られるかなど、御指摘の諸点については、種々の情報や報道もありますが、判然としない部分もございまして、いずれにせよ、我が国は参加表明をしているわけではないものでありますから、十分に情報がとれていないというもどかしさもありますが、引き続き情報収集をしていきたい、このように思っております。

 いずれにせよ、交渉に参加するかどうかというのは、まだ現時点では決めていないわけでありますから、最終的には判断をしていきたいと思います。

 そして、高い水準の自由化についてでありますが、日米共同声明では、二〇一一年十一月にTPP首脳によって表明されたTPPの輪郭において示された包括的で高い水準の協議を達成していくことになる点が、これは確認をされています。

 これまで得られた情報においては、TPP協定については、基本的に全ての関税を撤廃することが原則となるとされていますが、最終的に即時撤廃がどの程度となるか、段階的にどれぐらいの時間をかけて撤廃するのか、また、関税撤廃の例外はどの程度認められているのかなどについては現時点では明らかではない、こういうふうに承知をしております。そして、日米の共同声明においても、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものということを確認しているところでございます。

 そして、TPP交渉における保険そして自動車等についてでございますが、今般の日米共同声明における第三段落目に関して、自動車部門や保険部門といったこれまでも米国側が関心を表明してきた事項等について、引き続き、これは今までも交渉が続けられてきたところでありますが、日米協議を継続していくことを日米間で確認をしたということであります。

 そして、貯金や保険を含めた郵政事業については、郵政民営化の成果を国民に実感していただけるよう、ユニバーサルサービスを初めとした公益性を確保するとともに、経営の効率化やサービスの向上を進めていくことが重要と認識をしております。政府として、民自公三党で合意、成立をした改正郵政民営化法にのっとって対応していくことになります。

 そして、ISDS条項でございますが、我が国がこれまで締結をした同条項を含む投資関連協定にも規定されているとおり、締約国が必要かつ合理的な規制を行うことを妨げるものではございません。

 これまで得られた情報では、TPP交渉においては、投資の保護と国家の規制権限の確保との間の公平なバランスを保つことで、ISD手続の濫用を防ぐための規定が検討されているというふうに承知をしております。

 自民党のJ―ファイルで掲げた、国の主権を損なうようなISD条項には合意しないことを含む五項目については、交渉参加の条件ということではなくて、交渉の中で必ずこれは守らなければいけないことであるというふうに念頭に入れておかなければいけない、このように思っております。

原口委員 終わります。

山本委員長 次回は、明八日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会


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