衆議院

メインへスキップ



第14号 平成25年3月14日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十五年三月十四日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山本 有二君

   理事 伊藤 達也君 理事 岩屋  毅君

   理事 遠藤 利明君 理事 小此木八郎君

   理事 西銘恒三郎君 理事 萩生田光一君

   理事 長妻  昭君 理事 山田  宏君

   理事 石田 祝稔君

      あかま二郎君    伊藤信太郎君

      今村 雅弘君   うえの賢一郎君

      衛藤征士郎君    大塚 高司君

      奥野 信亮君    金子 一義君

      金子 恵美君    関  芳弘君

      武村 展英君    渡海紀三朗君

      永山 文雄君    西川 公也君

      野田  毅君    比嘉奈津美君

      福田 達夫君    福山  守君

      藤井比早之君    藤丸  敏君

      細田 健一君    堀内 詔子君

      牧島かれん君    宮崎 謙介君

      宮路 和明君    山本 幸三君

      若宮 健嗣君    大西 健介君

      岸本 周平君    玉木雄一郎君

      辻元 清美君    原口 一博君

      前原 誠司君    若井 康彦君

      井上 英孝君    浦野 靖人君

      坂本祐之輔君    重徳 和彦君

      中田  宏君    中山 成彬君

      東国原英夫君    伊佐 進一君

      浮島 智子君    佐藤 英道君

      柿沢 未途君    柏倉 祐司君

      佐藤 正夫君    宮本 岳志君

      村上 史好君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         新藤 義孝君

   文部科学大臣       下村 博文君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   経済産業大臣       茂木 敏充君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   環境大臣         石原 伸晃君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (防災担当)       古屋 圭司君

   財務副大臣        山口 俊一君

   環境大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    秋野 公造君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  前川 秀和君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  滝口 敬二君

   参考人

   (中日本高速道路株式会社代表取締役社長)    金子 剛一君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十四日

 辞任         補欠選任

  秋元  司君     藤丸  敏君

  伊藤信太郎君     金子 恵美君

  奥野 信亮君     福山  守君

  小池百合子君     比嘉奈津美君

  塩崎 恭久君     福田 達夫君

  中山 泰秀君     藤井比早之君

  船田  元君     武村 展英君

  牧原 秀樹君     永山 文雄君

  玉木雄一郎君     大西 健介君

  原口 一博君     若井 康彦君

  坂本祐之輔君     浦野 靖人君

  東国原英夫君     井上 英孝君

  浮島 智子君     伊佐 進一君

  佐藤 正夫君     柏倉 祐司君

同日

 辞任         補欠選任

  金子 恵美君     伊藤信太郎君

  武村 展英君     船田  元君

  永山 文雄君     堀内 詔子君

  比嘉奈津美君     牧島かれん君

  福田 達夫君     細田 健一君

  福山  守君     奥野 信亮君

  藤井比早之君     宮崎 謙介君

  藤丸  敏君     秋元  司君

  大西 健介君     玉木雄一郎君

  若井 康彦君     原口 一博君

  井上 英孝君     東国原英夫君

  浦野 靖人君     坂本祐之輔君

  伊佐 進一君     浮島 智子君

  柏倉 祐司君     佐藤 正夫君

同日

 辞任         補欠選任

  細田 健一君     塩崎 恭久君

  堀内 詔子君     牧原 秀樹君

  牧島かれん君     小池百合子君

  宮崎 謙介君     中山 泰秀君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十五年度一般会計予算

 平成二十五年度特別会計予算

 平成二十五年度政府関係機関予算


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

山本委員長 これより会議を開きます。

 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省道路局長前川秀和君、国土交通省鉄道局長滝口敬二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関芳弘君。

関委員 私は、自由民主党の関芳弘でございます。

 きょうは、いろいろ、今、日本の大問題と私が受けとめております根幹的な点につきまして、各大臣の方に質問をさせていただきたいと思います。

 我々が今、与党として政権を担わせていただいて、安倍晋三総理が、アベノミクスということで、三本の矢で今経済の復興を図っていただいておるところでございますが、この中で、この日本の経済がしっかりと発展をしていく、その経済の発展について、いささか私も、経済界で十七年ほどおりましたので、いろいろ思うところがありまして、質問させていただきたいと思うんです。

 まず、事を始めるに、敵を知りおのれを知れば百戦危うからずという言葉がありますが、現状認識のところから申し上げたいと思います。

 私の地元は神戸なんですが、その神戸に啓明学院という学校がございまして、そこに、今の学校の状況はどうかなということで伺って、校長先生にお話を聞きに行ってきました。

 そのときに、海外から留学生をたくさん受け入れておりました。三十人ぐらいたしか来ておりましたが、その学生はフィリピンから神戸に来ておりました。そして、私は校長先生に聞きました。フィリピンから日本の学校に来て一緒に授業を受けたら、ついていけないんじゃないですか、そのように聞いたんです。そうしますと、校長先生は笑いながら私に答えました。関君、あのフィリピンから三十人ぐらい来ている留学生、交換学生は、みんな高校一年生です、しかし、日本のこの私の啓明学院の、ここは進学校なんですが、フィリピンの高校一年生が啓明学院の高校三年生のクラスで一緒に授業を受けているんです。

 要は、どういうことかといいますと、フィリピンの優秀な学生は、日本の進学校の三年先を行っているということなんですね。私は逆に、フィリピンの学生は、日本のそんな進学校の三年後かと思っていたんですよ。

 何でこんなにフィリピンの学生は優秀なんですかと聞きましたら、校長先生が言いました、原因は韓国なんですと。なぜ韓国とフィリピンが関係するんでしょうか。

 要は、韓国というのは、もちろん母国語を大事にして韓国語を勉強しますけれども、今後、韓国が世界の戦略をとるときに、優秀な学生は、みずから英語を学ぶためにどんどんと海外に行って英語を学ぶというんですね。そして、物価の高いアメリカとかイギリスとかに行くよりも、非常に韓国に近いフィリピンに行って英語を学んで体得していく。だから、韓国の優秀な学生がフィリピンに行って学びますから、フィリピンの学生がその優秀な学生と一緒に勉強するから、どんどん学力が上がってきているというんですね。驚きました。

 こういうことというのは、大変なことだと思うんです。例えば、日本がこれから世界との競争で勝っていかないといけないときにおきまして、先般は中国の総領事と話をしておりました。そうしたら、総領事は言いました。関さん、日本っていい国やな、子供が伸び伸び暮らしている。中国というのは、日本の十倍の人口がいて、そして、大学を出た学生たちも働き口がなくて、大卒で今無職の人たちがたくさんいる。みんな子供のときから物すごくハングリーだ。食べていくために専門的な一科目だけ徹底的に勉強するんだ。そうしたら、どういうことが起こるかわかりますか、関さん、日本の十倍の学生がハングリーで一科目ばかり勉強する、天才が生まれるんですよと言いましたね。

 こういうふうな中におきまして、この日本がこれから世界と競争して経済で勝っていくときに、どういうふうな体制をとっていかないといけないのか、私は非常に不安を持った次第なんです。

 しかしながら、今、日本は、山中教授がiPS細胞でノーベル賞を受賞されました。こういうふうな世界に勝っていける日本の知力、これを私はどんどんと世界から日本に富を集めることに使っていきたいと思うんです。日本の国際競争力の根幹としていきたいと思うんです。そういうふうな中におきまして、私は、このiPS細胞が第二段階、今度網膜の方の開発に続いておりますが、こういうふうな、日本が世界と競争できる根幹の力をもっともっと日本の国家としてサポートしていく、こういう体制が絶対に必要だと思うんです。

 その中におきまして、このiPS細胞に関しましては、いろいろな分野に影響がありますが、iPSを使った世界戦略、このことに関しまして、今、神戸では、神戸医療産業都市を特区にしていただいてサポートする体制をとっておりますが、こういうふうな国家としてのサポート体制を、文部科学の部門、そして経済産業の部門、厚生労働の部門から、それぞれ大臣から取り組みの内容を聞かせていただきたいと思います。

 そして、きょうは、お忙しいと思いますので、お答えいただきましたら御退席していただいても結構でございます。

下村国務大臣 お答えいたします。

 関委員には、御配慮いただきましてありがとうございます。

 また、韓国、フィリピンのことは私も承知をしておりまして、我が国も、今までのような英語教育では、とても世界の中でグローバル人材は育たない。抜本的な、これから大学、質、量の改革を含めて、日本の教育改革を進めてまいりたいと思います。

 御指摘のありましたiPS細胞等を用いた再生医療、創薬の研究は、今後、健康長寿社会の実現に貢献するだけでなく、御指摘のように、日本を牽引する新たな産業創出にもつながるものであるというふうに思いますし、しっかり対応してまいりたいと思います。

 今回、総理からの指示で、iPS細胞等を用いた再生医療、創薬に関する研究を進めるため、二十四年度補正予算でつけましたが、今後十年間で一千百億円程度の継続的かつ着実な支援を行います。これは、十年間計画は初めてのことでありまして、政府を挙げて、今後、研究者や研究支援者の確保に向けて、切れ目なく研究に専念できる対応をつくってまいり、そして御期待に沿えるような対応を政府としてもバックアップしてまいりたいと思います。

茂木国務大臣 お答え申し上げます。

 我が国のiPS細胞等の研究分野、御指摘のように世界トップレベルであります。特に、iPS細胞の研究や実用化に必要な培養装置等の周辺産業は、高度かつ洗練された技術力を持つ、まさに日本の強みが発揮できる分野である、こんなふうに考えております。

 今後、iPS細胞の実用化を進めていく、この分野における国際競争力を強化していくためには、技術開発の支援とともに、関連する制度の整備、こういったものが極めて重要だと考えております。

 そこで、まず技術開発の関係でありますが、経済産業省といたしましては、平成二十五年度の予算案として、iPS細胞等の自動培養装置などの開発の支援、九・四億円であります。また、iPS細胞を初めとした再生医療製品の特性を踏まえた評価方法の開発、これがちょうど十億円であります。こういった予算を盛り込んでいるところであります。

 iPS細胞の再生医療分野等への実用化を見据えた制度改正については、この後、厚生労働大臣の方から御答弁があると思いますが、経済産業省といたしましても、厚生労働省と連携をいたしまして、細胞培養加工の周辺産業にかかわります技術基準などを策定し、さらにこれを国際標準にしていく、こういう方向で取り組みをしたいと思っております。

 今後、こうした取り組みを通じまして、関係省庁一体となって、iPS細胞研究の早期の実用化を進め、ひいては海外市場の獲得を目指していきたい、このように考えております。

田村国務大臣 関先生、御質問ありがとうございます。

 これは、成長戦略とともに、一方で、今までなかなか治療できなかった疾病に対して非常に希望のある、そういう、iPSを含めたこの再生医療でございます。そういう意味では、日本国内のみならず、世界からも大変期待をいただいておるわけでありますけれども、まず薬事法を改正させていただきまして、条件、それから期限つきで早期承認制度を導入して、とにかく時間がかからずにこれが実用化していけるような制度改正を行いたいというふうに思っております。

 もちろん、安全性、倫理性、これをしっかり担保した上ででありますけれども、同時に、今度、再生医療新法を提出させていただいて、この細胞培養加工施設に関して、そのリスクに応じた安全性を確保しながら、これが外に外注できるような形で制度設計をしてまいりたいな、このように思っております。

 いずれにいたしましても、このすばらしい技術を、より早く、国民の皆様方、世界の皆様方に還元できるように、我々厚生労働省といたしましても努力してまいりたいというふうに思っております。

関委員 ありがとうございました。

 ぜひ、このiPS細胞を、国家戦略のかなめとして、武器として使っていけますように、よろしくお願いしたいと思います。

 しかしながら、まだまだ、世界との競争というのは激しいものがありまして、日本の技術と、また人材というのは、今、情報化社会の中で情報もどんどん世界に流れますし、人材もどんどん世界との中で流通していきます。このような中でも、どうしても日本のこの国家、国力を強くしていきたい。私の政治家としての夢、目標は、世界の富をどんどんと日本に集めることであります。

 今、シンガポールを見ておりますと、シンガポールというのは、IMDが発表します国際競争力では、現在四位、昨年は一位でございました。

 シンガポールというのは、物すごく選択と集中というのを行っております。先般は、ちょっとテレビで特集が組まれておりましたが、このシンガポールの国際競争力の強さ、根幹は何か。これは、こういう政策をとっているようでございました。

 今、科学技術の雑誌で世界のトップレベルを走っておりますサイエンスやニュートン、またネイチャーなど、そのような世界のトップレベルの科学技術、イノベーションの雑誌に年間数回、論文が掲載されるような世界トップレベルの科学者、そういう人たちをどんどんとシンガポールに集めているらしいんですね。そして、特に医療の分野に関しても、そういう人たちをシンガポールに集めているらしいんですが、そのシンガポールの戦略たるや、まさに大胆でございます。

 というのは、どんどんシンガポールに来てください、そういう優秀な人は来てください、そして白紙小切手を渡すんですね、あなたが研究をするときにかかる経費、これは国家が全部保障します、だからシンガポールに来てください。

 それで、この内容を、そのテレビの特集を組んでいたところが、日本の学者に聞いていましたよ。こんな政策をシンガポールでとられていますが、どうですか。いや、それはもう学者から見たら夢のような政策ですね。こんな言葉が出ていました。

 私は、世界の富を日本に集めるこの政治目標を持つ中におきまして、その世界の富を日本に集める前に、世界の知識や科学技術をどんどんとやはり日本が、世界に勝てるような体制をとらないといけないと思うんです。

 我々は、こういうふうな中におきまして、一番大事なその競争の原理、コアになる部分が何か。競争の強さというのは、質のよさであったり、価格の安さであったり、また大きな点でスピードであったり、そして、さらに最も大事な、日本人がなかなか得意ではない分野だと思うんですが、選択と集中ということだと思うんです。選択と集中。二兎を追う者は一兎をも得ずといいますが、何かを得ようと思うと、何かをやはり犠牲にしないといけない。こういうことをしっかりとやらないといけないと思うんです。

 こういうふうな中にありまして、次に国交大臣にお聞きしたいと思うんですが、この選択と集中をやります際に、私の神戸は、もともと、三十年前に世界第四位だったこのコンテナ取扱量の神戸港は、今や、もう見る影もなく、阪神大震災という大きな地震がありましたけれども、今四十九位。この国際コンテナの戦略港湾というのは、もっと選択と集中によって資源を投下していかないといけないと思うんです。

 こういうふうな中にありまして、今、国交大臣としまして、その選択と集中、どのように戦略をとっていかれるか、御意見を聞かせていただきたいと思います。

太田国務大臣 短くお話をさせていただきます。

 おっしゃるとおり、阪神港そして京浜港、二つを国際コンテナ戦略港湾と位置づけて、選択と集中をしっかりやりたいと思います。

 ハード面とソフト面、両面がございますが、ソフト面では、民の視点での港湾運営の効率化、そして広域からの貨物を集約、これへの支援をしたいと思っています。ハード面においては、大型化するコンテナ船に対応した深い水深の大水深コンテナターミナル等の整備、これを着実に進めたいと思います。

 しっかりやります。

関委員 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。

山本委員長 これにて関君の質疑は終了いたしました。

 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)委員 おはようございます。公明党の佐藤英道でございます。

 初めての予算委員会での質問でございますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。

 去る三月十一日、東日本大震災の発生から二年を迎えました。私は北海道の選出でありますけれども、東日本大震災で大きな被害のありました宮城県の出身です。仙台空港や津波で壊滅的な被害を受けた閖上地域がある名取市が私のふるさとであり、あの震災の津波によって多くの友人や知人も失われました。

 改めまして、東日本大震災でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、大切な御家族、御友人を亡くされた方々、困難な避難生活を余儀なくされておられる方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 まず初めに、TPPについてお伺いをさせていただきます。

 安倍総理が訪米され、オバマ大統領との会見の後、聖域なき関税撤廃が前提ではないことが確認されたとの発言がございました。この発言がきっかけとなって、TPP交渉参加に向けて我が国は大きくかじを切るのではないかと見られておるのであります。

 私は、これまで道会議員を務めてきた経験を踏まえまして、本日は、あえて北海道の立場から、農業者の方々の声を代弁させていただきたい。

 北海道は、全国四分の一の農業産出額を誇る日本の食料基地であります。牛乳・乳製品、バレイショ、てん菜など、全国シェアの大半を占める産品が多く、大規模化に努めてきた専業農家が大勢を占めております。

 また、北海道はかつて、土地が恵まれない上に厳しい寒さのゆえに、農作物なんかとれないとか稲なんか育たないとやゆされてきたものを、農業者、そして関係者の方々が血のにじむような努力で気候と闘い、土地と闘って克服してきた歴史があります。お米は無理だと言われても、先人たちは努力をし続け、ゆめぴりか、きらら三九七など、全国に出荷できる銘柄をつくり上げてきた。そういう人たちの努力を、心を踏みにじるようなことだけは絶対にあってはならないと思うのであります。

 一方、平成二十二年度の都道府県別の食料自給率を見ると、東京は一%、神奈川、大阪が二%。そんな中、北海道は一七三%、例年二〇〇%近い自給率を維持してきました。規模拡大や農地集積にも積極的に取り組み、日本の推進する農政に大きく貢献してきました。

 そうしたこれまでの努力を裏切るような結果がもたらされるおそれをTPPは含んでいないのでしょうか。

 北海道の試算によれば、TPPによって北海道にもたらされるものは、農業を中心とする関連産業、地域経済への波及効果としてマイナス二兆一千二百五十四億円、農家戸数はマイナス三万三千戸、雇用は十七万三千人の減、さらには、洪水、土壌の侵食、水資源の涵養などで七千億、景観や生態系の保全などへの影響が四千億、その他、多面的機能全体で一兆二千五百億のマイナスの影響。米は一割になる、麦は壊滅、てん菜も壊滅、でん粉も壊滅、畜産、酪農も大打撃など、余りにも多大な影響が及ぼされるのがTPPだと、多くの北海道民は、農業関係者は、本当に心の底から不安を抱いているのであります。

 国のTPP参加の影響試算の公表は、いつ出していただけるのでしょうか。

 日本が守るべき国益、守るべき農業の品目とその中身についても、政府はどう考えているのか。米、麦、でん粉、甘味作物、牛肉、乳製品は大丈夫か。ほかにも守るべき品目はたくさんあります。

 官房長官、TPPが日本の国益に反し、日本の農業にダメージを与えてしまうものであったら絶対に協定には参加しないと、不安を抱いている多くの方々の懸念を晴らすために、払拭するために、明らかにメッセージを伝えていただきたいと思うのであります。そしてまた、守るべき重要品目を明確に定め、公表できるのかどうか、お伺いします。

 また、交渉参加を決める前に、守るべき国益はこれだ、国民は一致団結して一緒に闘っていこうという機運をつくっていかなければ、いつまでたっても、TPPに反対する農業者は抵抗勢力だという誤ったレッテルのまま、二重の苦しみを受け続けていくことになってしまうのではありませんか。あわせて、官房長官、御答弁をいただきたいと思います。

菅国務大臣 総理が一番気にしておりましたのは、やはり選挙のときの公約です。聖域なき関税撤廃を前提条件とするTPP交渉には参加をしない、このことは総理が一番気にしておりました。

 そして、今委員からお話がありましたように、日米首脳会談の中で、日本、アメリカに一定の慎重に対応すべきものがあるという、その中に農産物ということを共同声明の中にうたわれております。

 委員の出身であります北海道においては、国民への食料供給地として、今委員が言われましたけれども、大変な御努力をされて今日まであるわけであります。このTPP交渉をするそれぞれの国において、守るべきものというのはあるというふうに思っています。特に、農業においては、食料を供給する、さらには、私どもにとっての大事なふるさとや国土を守っていくという多面的な機能もあります。そうしたものはやはり当然維持していかなきゃならないというふうに思っております。

 総理がまだ、参加表明するしないというのは明らかにしておりませんけれども、こうした日米の共同声明、そうしたものを踏まえる中で、総理は、公明党の皆さんとの政権合意にもありますように、国益にかなう最善の道というのを歩んでいく、このように思っております。

 また、その試算公表の時期でありますけれども、そこは、私は、もし総理が参加を表明するということであれば、そうした時期というのは当然その時期になってくるんだろうというふうに思います。

 いずれにしろ、国益をいかなる形で守っていくかということ、そしてまた党内、国民、そうした皆さんのさまざまな思いの中で、総理は最終的に判断をしていくだろうというふうに思っています。

 いずれにしろ、参加をする場合においても、農業のそうした役割というのは維持されるように当然対応していくことには変わりはない、このように思っています。

佐藤(英)委員 官房長官におかれましては、北海道の生の声をぜひ総理にお話をしていただければと思います。

 時間の関係で、二番目と三番目、あわせてお伺いをさせていただきます。

 東日本大震災以降、首都直下地震、東海、東南海、南海の三連動地震の発生確率の見直しが行われた結果を踏まえ、さまざまな防災、減災対策の見直しが行われておりますが、特に、発災時緊急支援の拠点として、私は、北海道に多くの利点があり、大いに日本のお役に立てるのではないかと思っております。

 北海道も、昨年三月にバックアップ拠点構想として発表し、政府にも要請を行っていますが、こうした大規模災害発生時の緊急支援、応急対応の物資拠点について、北海道の利点を十分に生かしていってはどうかと思います。これについては、古屋防災大臣、お願いをしたいと思います。

 それから、あわせてもう一つ、北海道、いわゆる大震災が起きたときに、東日本大震災で、宮城県の開通したばかりの高速道路が、地域の方々を津波から守り、被災地に物資を運ぶための経路となり、今も復興を支えております。何度も報道されておりますけれども、鉄道が地域の復興のシンボルであり、東北新幹線が復興の希望になったという声もあります。命の道という言葉のとおり、道路、鉄道をつなぐのは命であると思います。

 そこで、北海道の高速道路の整備の加速化、さらには北海道新幹線の札幌延伸の早期化について、太田大臣の御所見を伺いたいと思います。

 あわせて、よろしくお願いいたします。

古屋国務大臣 東日本大震災の教訓から、やはり物資をしっかり被災地に間違いなく届けていくという作業は極めて重要でございますので、我々は、首都直下型地震だとか東南海トラフの巨大地震等々を想定して、地震ごとに具体的な計画を今練り上げているところです。

 ですから、被災地以外の地域から例えば物資を政府が調達したり、あるいは関連団体が持っている物資を調達して、そして、いかにしてその地域に速やかに適切に輸送させていくかという計画を立てております。その一環として、支援物資の調達とか輸送とか集積拠点も含めて今見直しを行っておりますので、今委員から御指摘のあった、例えば北海道というものも私は選択肢の一つだというふうに思っています。

 そういったことを客観的に分析して、いざ災害が起きたときにできるだけ速やかに対策ができるようなプランをあらかじめ講じていくということが極めて大切だと思っています。そのときには、やはり各地域の地方公共団体あるいは団体の協力が不可欠だということを申し上げておきたいと思います。

太田国務大臣 雪害、大雪があって大変な状況、お見舞いを申し上げたいと思いますが、なおかつ、大変なので、しっかりした対応をしなくてはいけないというふうに強く思っているところです。

 そうした地震や、あるいはまた大雪というようなことも含めましても、道路の果たす役割というのは極めて重要で、昨今の状況からいきますと、リダンダンシーという選択肢が多くなる道路というものも物の考え方の一つの角度として持たなくてはならないということだと思います。

 また、当然ながら、北海道の物流を支えていくということの上からも極めて大事だというふうに思っておりますし、難所と言われた北海道の日勝峠でも、二十一年の高速道路の開通によって時間短縮がされまして、高度も四百メートルぐらい下がったということで、濃霧による通行障害ということが一気に百日間から七日間に減少するということもございます。

 このような物流や防災、減災という観点からも、私は、北海道を初めとして、高速道路のミッシングリンクの解消ということについては努力をしなくてはいけない。当然、無駄な道路をつくるというつもりはありませんけれども、大事な観点を持ちたいというふうに思っております。

 あわせて、北海道の新幹線は、ビジネス、観光の交流を促進して地域の産業や社会に大きな効果をもたらすために、札幌延伸の早期実現への御要望が強くあり、私も推進をしてきた一人でございます。一方で、昨年新たに着工した三区間、これについては、活用可能な財源を最大限に利用して現在の工期を設定している、もっと短縮されないかという前倒し論が出ていることも承知しています。

 今後、財源や工程の問題を整理しながら検討する必要があるというふうに考えておりまして、与党でも相当議論が行われているというふうに承知しておりますので、その状況も踏まえて対応してまいりたいと思います。

佐藤(英)委員 ありがとうございました。終わります。

山本委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、岸本周平君。

岸本委員 おはようございます。民主党の岸本周平でございます。

 予算委員会で二回目の質問の機会を頂戴いたしました。本当に、委員長初め理事の皆さん、ありがとうございます。

 この前も申し上げましたけれども、日本の財政制度、仕組みも運用も、どうしても財政規律が甘くなるような要素がたくさんあります。高度成長の時代の借金の少ない時代はそれでもよかったのかもしれませんが、千兆の借金を抱えて、国民一人当たり八百万円の負債を負っていただいている中で、財政規律については、これは与野党関係なく、行政も立法府も新たなステージに来ているのではないかと思います。

 それは、私自身、大蔵省主計局で予算編成をやってきたわけでありますけれども、例えば補正予算、これはまさに財政規律を緩める機能を持っております。当初予算のときは徹底的に厳しい査定をしますが、補正予算が一旦ゴーサインが出ますと、当時でいうと、今もそうかもしれませんが、官邸からの御指示で、五兆円積め、各係が、おまえは三千億積め、こういう御指示をいただいて積むわけであります。

 そうすると、当初予算で切ったものが上がってくるわけです。それはそうです。急にそんな新しい、すばらしい、きらきらした要求はありませんので、当初予算で切り捨てられた要求がどんどん上がってきて、それを認めて積み上げていくということになっていく。あるいは、出資金という形で、丸い数字でぽんと五百億積んでみるというようなことがまかり通る。

 同じ主査、同じ主計官、同じ人間が全く違う行動をとらざるを得ない。それは制度の問題なんです。個人の問題じゃありません、制度の問題です。

 あるいは、単年度予算主義。単年度予算主義ももうそろそろやめなきゃいかぬと思うんですけれども、単年度予算主義でその年その年の予算を工面する、その知恵を出すのが、よい主査、よい主計官であったわけであります。

 例えば、年金の支給というのは二月に一遍なんですね。年に六回なんです。予算が苦しいときに、ある物すごい賢い主査は、年金の支給月を一回ずらしたんです。そうすると、年の支払いは五回になりますから、その分の年金の予算が要らない、こういうことになるわけですね。

 これは、とても立派なことだと言われて、評価をされてきた。その結果、本当の日本の財政の苦しい姿をまさに粉飾してきた、国民に示せなかった、これの繰り返しであります。

 あるいは、当初予算で、義務的経費、例えば年金ですとか生活保護の費用をわざと過小見積もりをする。わざと過小見積もりをしますと、年度途中で足りませんから、秋の補正で積むことになりますが、これは、年金も生活保護も大変重要な予算ですから野党も反対しない、すっと通る、こういうことをやってまいります。

 あるいは、ことしも、また別の機会に追及しますけれども、わざと経済成長の見通しを甘くする、二・九%という大変高い経済成長率を置く。一・一の税収弾性値を掛けますから、税収が大きく見える。年度途中で、そうもいかなくなったときに、少な目の補正をする。そういうことの繰り返しを単年度予算主義の中でとってきたわけであります。

 きょう私が質問いたしたい産業投資特別会計につきましても、これも財政規律を緩める方向に働いてきた時期もありました。まあ、今もそうだと思いますが。もともと、昭和二十八年の特別会計であります。米国対日援助見返資金特別会計を引き継ぎました。そして、一般会計から、当時の日本開発銀行、日本輸出入銀行に出しておりました出資金を引き継いで設置をされました。

 ただ、運用ですので大きな金額になりませんので、割と地味な特会でしたが、昭和六十年、NTT株とJT株を特会に持たせて、この運用益で事業を行うようになりました。当時、大変厳しい財政事情ですから、一般会計に要求されるものをこの事業に振るわけです。別のポケット、別の勘定なんですね。

 そうすると、私たちは、一般会計では認められないような事業であっても、いろいろな理屈をつけて、収益性があるだろうとか将来性があるだろうとか、まあ、理屈は後からついてきますので、それをNTT事業と称して産業特会の事業に振っていく、そういうことであるわけです。

 これは、産業投資特別会計、投資特別会計だからいいではないかということでしょうけれども、これまで、大体、産業特会の利益、株の売却あるいは配当収入などで累計で三兆四千億円、収入は上がっております。そのうち、一般会計には一兆三千四百八十億円繰り入れております。

 これは、厳しいやりくりの中で一般会計を助けたわけでありますけれども、本来であるならば、このNTT株とかJT株は国民の財産でありますから、本当はこの収益で国債償還すべきだと私は考えます。そうではなくて、毎年のやりくりの中で無駄に使ってしまっていたということではないかと思います。

 そこで、産業投資特別会計につきまして、いろいろな類型、パターンで分類をされていると思うんです。一般会計の場合は、基本的には、政策金融機関に対して、経営基盤を強化して低利融資をさせるというような形の、経営基盤強化、財務基盤強化というのが主なものだと思いますけれども、財投については、恐らくいろいろな類型があると思うんですけれども、財務副大臣、その類型について少し御説明をお願いしたいと思います。

山口副大臣 御質問ありがとうございます。

 先生の方も、経験を踏まえた大変ありがたいお話をいただいたわけでありますが、今の産投につきましては、これはもう御案内のとおりで、リターンが中長期的に期待できるものの、リスクが高く、民間だけでは十分に資金供給されない分野に長期リスクマネーを供給するというふうなものであります。

 今御質問の、その類型といいますか、事業等の性格に照らして大別をいたしますと、一つは、資本性の高い融資あるいは長期資金の供給、政策的に必要性の高いプロジェクトを支援するため、日本政策投資銀行とか国際協力銀行などの政府系金融機関等や石油天然ガス・金属鉱物資源機構などの独立行政法人等に対して、その財政基盤を強化するために出資等を行う。これが一つでございます。

 もう一つが、研究開発を行っておりますNEDOとかの独立行政法人に対して出資等を行って、将来の研究開発成果によって資金回収を図るもの。これが二つ目であります。

 三つ目が、民間の出資や融資の呼び水効果を期待して、産業革新機構などの機関に出資等を行って、当該機関と民間金融機関等が協調して企業等に長期のリスクマネーの供給を行う。

 おおむねこの三つでございます。

岸本委員 ありがとうございます。

 今、私、一般会計について、財務基盤強化が主なものだというふうに申し上げましたけれども、実際、一般会計の出資額も相当大きい金額が出ておりますが、私が申し上げましたように、全て財務基盤強化型と考えてよろしいんでしょうか。一般会計の場合でも、何か別の分類といいますか、そういう性格の出資はございますのでしょうか。

山口副大臣 お答えいたします。

 おおむねそういったことでありますが、若干、いわゆる民間ファンドに対してリスクマネーを供給というふうな部分もございます。

岸本委員 実は、これは民主党政権のときもそうでして、リスクマネーを国が供給することによって、呼び水という言い方もありますし、民間の活力を利用していくということが言われております。それは美辞麗句としては大変美しい言葉でありますけれども、本当に国がリスクをとるということがいいことなのだろうか、あるいは、お役人さんが、そのリスクをとるところに対して何がしか査定をするとか認可をするとかということが本当にあるべき姿なのだろうかという、私自身は基本的に疑問を持っております。

 その関係でお聞きいたしますが、今、副大臣がおっしゃった三番目の類型、将来の研究開発成果による資金回収を行う、大変なことであります。将来、この分野の研究をやっていればリターンが戻ってくるんだ、リスクはあるけれども国として応援するんだ、こういうことは、本当は民間のベンチャー、起業家が考えて、リスクをとってやるから成功するのでありまして、国がやるとリスクはとりようがないわけでありますし、そういうセンスのある人たちが行政側にいるとも思えないわけであります。

 だって、安い給料なんですから、そういうセンスがある人は民間に行きますよ。私もそうでしたけれども、私だって、投資家として金もうけできれば、役人をやっていたり政治家をやったりはしませんよ。

 だから、そういう意味では、そういうセンスのない方々がやるとどういう結果になるかということで、研究開発成果による資金回収型の四法人、NEDOとか情報通信研究機構など四法人についてのこれまでの出資額の累計と回収額、まさにどれだけ回収されたのかについて、金額だけで結構ですので、副大臣、お答えいただきたいと存じます。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 金額だけということでありますが、これまでの収益、売り上げの納付金の額ということで、新エネルギー・産業技術総合開発機構、これが出資金残高七百二十七億円に対して納付金の額が約四千五百万円、独立行政法人の情報通信研究機構が、出資金残高六百四十三億円に対しまして納付金の額が約二億四千四百万円、また、医薬基盤研究所が、出資金残高六十六億円に対して納付金の金額約七百万円、さらには、農業・食品産業技術総合研究機構、これが出資金残高七十億円に対して納付金の額が約三百万円、おおむねそういうところでございます。

岸本委員 そういうことなんです。何百億円と国が国民の財産を使って出資をしたリターンが何百万円。

 事務方に聞きましたけれども、これから先どうなるんですか、それはわかりませんと。恐らくほとんど出てこない。これは国民の財産なんです。このお金で国債を返すべき財産を、事業官庁なりあるいは査定官庁が一緒になって使ってきたわけであります。私は、これは私も含めて反省をしなければならない、そんなふうに考えております。

 さらに、副大臣、これ以外に、既に出資金償却をした団体、いわゆる毀損した団体、上位三つで結構です、十三あるんですけれども、上位三つの団体の損失額をお答えいただきたいと存じます。

山口副大臣 お答えをいたします。

 今の、長期リスクマネーを供給する産投の性格に鑑みて、個々の出資につきましては、当初見込んだ収益が上げられずに、これまで出資金が毀損をして償却をされた法人がある、お話のとおりでございます。

 上位三機関を挙げますと、旧基盤技術研究促進センター、これが二千六百八十四億円、続きまして情報処理推進機構、独法でありますが、三百七十七億円、さらには旧情報処理振興事業協会、これが百四十二億円ということでありまして、いずれも、実用化、製品化に遠い基盤技術とかあるいはソフトウエアの研究開発であったために、思ったようなリターンが上がらなかったというふうなことでございます。

岸本委員 尊敬する副大臣の言葉ではありますが、リターンが返っていないんじゃなくて損失が出ているわけです。数千億円の損失が出ているわけです。このほか十法人三百八十三億円が同じく毀損しているわけであります。

 こういうことをやっていて、それから、さっき申された四つの法人、これにも新たに予算を実は補正などで積んでいるんですね。これは補正予算は通っちゃいましたからしようがないですけれども、こういうことをいつまでやるべきなのだろうか。

 その意味で、次は、まさにファンドを通じたリスクマネー供給について御質問をさせていただきます。

 既存のファンドもございます。これは民主党政権時代につくったものもありますが、例えば農林漁業成長産業化支援機構、これは農業分野に特化したファンドであります、できたばかりであります。

 通常、成功事例もあるんです。例えば、預金保険機構が主な株主でありました産業再生機構あるいは企業再生支援機構、これらは、要すれば、支援した企業を再上場させてそこでリクープするというかリターンをとる。この二つは、実は、再上場することで資金回収できています。民間の方々が、富山さんを初め立派な方が集まってできた成功事例もあります。それは申し上げておきます。

 しかし、この農林漁業成長産業化支援機構は、これは特に農業分野に特化したファンドであります。したがいまして、出口戦略は非常に難しいと思うんですね。農業は地道にこつこつとやっていくわけでありますから、この出口戦略が難しいんだけれども、出資をして、ファンドをつくって、リターンを求める。これは、上場とかMアンドAで利益を回収することをお考えになっているのか、あるいは、配当収入だけでもいいと考えているのか。この辺は、査定された財務省の麻生財務大臣にお聞きをしたいと存じます。

麻生国務大臣 確かに、おっしゃいましたように、ダイエーを丸紅に買収させて成功させたり、最近では、この間も質問が出ましたJALなんというのも、JALは少々、いろいろな問題点がないわけではありませんけれども、一応再上場させたことまでは間違いないと思っておりますので、潰すよりはよかったんじゃないか。これはいろいろ御批判のあるところだと思いますけれども。

 ただいま御指摘のありました農林漁業成長産業化支援機構に関しましては、これは、最終的には、事業体による自社株買いということで資金を回収することを想定はしております。

 しかし、このために、出資したサブファンドも、出資後も適切な経営支援というものを一体的に実施して、支援対象となる事業体の育成に努めますが、企業価値を高めていくというところが一番大事なんだと思っておりますが、これは、配当収入だけに頼っているかというと、私は、配当収入だけではなくて、最終的な株式の売却というのを含めて、十分なリターンを得るということを考えておかないと、配当だけで元金がというほどにはならないのではないか。

 私も、これは正直、そんなに詳しく分析したわけではありませんけれども、勘として、何となく株式売却ということが一番正しい資金の回収方法かなという感じがいたしております。

岸本委員 そのようにうまくいけばよいわけであります。農業を主体とする会社の株が高く売れる、上場する、それはベストだと思いますけれども、なかなかそうはいかないのではないかということを議事録に残させていただいて、五年後、十年後を楽しみに待たせて、楽しくないですね、楽しくないです、これは私の予言は当たらない方がいいわけですけれども、そう簡単なものではないということを申し上げます。

 それで、もう一つ、新規ファンドがございます。コンテンツファンド、いわゆる海外需要開拓支援機構、クール・ジャパン推進機構という名前で呼ばれています。

 実は、私は、二〇〇一年に機構改革がありましたときに、財務省から当時の経済産業省、その前は通産省でありましたが、出向しておりまして、初代のメディア・コンテンツ課長をさせていただきました。そういう意味では、あの秋葉原にもよく通わせていただきまして、クール・ジャパン命でやっておりましたので、このファンドは実は応援をしたいのでありますが、一方で、先ほど言いましたように、国がリスクをとることの疑問点を考えますときに、応援はしたいんですけれども、もろ手を挙げて賛成とはいかないわけであります。

 といいますのは、まず五百億円を国が出すのですけれども、それならば、民間からどれだけ金が集まるんだと。やはり半分ぐらいは民間から集めないと、民間の心意気も感じられないわけです。そういう意味で、これは運用の際のマッチングも当然半々ぐらいにすべきだと私は思いますけれども、まず民間資金がどれだけ集まるのか。

 そもそも、リスクをとろうという人たちが、国にリスクを半分とってもらって、これはモラルハザードになる可能性があるんです。それは麻生さんも経営を御存じだから。自分で全部リスクをとるときの気合いと、半分国が助けてくれるときの気合いと、それは経営者は全然違いますよ。

 そういう中でスタートするわけでありますが、基本的に応援する立場でいうと、人材なんです。この機構に社長さん初め、いい人たちがどれだけ来るのか。つまり、こういうファンドというのは、目ききができる、つまりコンテンツがわかる、その上、経理もわかる、あるいはファンドレージングができる、非常に魅力的な人柄も要るみたいな、アメリカの映画のプロデューサーみたいなスーパーマンが必要なわけでありますから、本当にそういう人たちが来てくださるのかというのが一つ。来てほしいし、それはぜひ経産大臣にお願いしたいんですが。

 その前に、実は民間企業が既に海外へはどんどん進出しておりまして、成功事例がたくさんあるわけであります。とっているんです、既に。海外進出は難しいとおっしゃいますが、成功している事例がたくさんあります。

 一つだけ言いますと、吉本興業さんですけれども、例えば、上海メディアグループ、SMGと提携しまして、既に上海で合弁会社をつくって、放送事業を行っております。あるいは、台湾では衛星放送の東風衛視というのにジョインしまして、既に台湾では衛星放送をやっております。それで成功しております。

 もともと、もっと前から言いますと、十数年前に、ファンダンゴ・コリア、ファンダンゴというのはインターネットの、日本でもやっていますけれども、インターネットテレビで物販をするというので成功しています。ファンダンゴ・チャイナもあります。

 こういうことのほか、まさにこのコンテンツファンドが、モールとか、日本の物販をするようなものまで対象にされているんですが、吉本興業は、ことしの七月から中国の金門島で物産事業、ご当地市場というのをもう既に投資をされています。

 そういう意味では、実はリスクをとって成功している企業がたくさんあるにもかかわらず、この五百億円を狙って、リスクを緩和してもらって何とかしようという人たちが出てくるのをどう蹴散らしていって、いいものを発掘していくのか。これはなかなか難しいと思います。

 それから、吉本の投資額は海外だけで十七億円です。一社で十七億円投資してリスクをとっていらっしゃるわけであります。

 そういう意味で、経産大臣、今いろいろ申し上げましたことにつきまして御意見を賜れればと存じます。

茂木国務大臣 岸本委員は、大蔵省の方から経産省に出向していただいて、初代の課長ということで、このクール・ジャパン、コンテンツも含めて、我が国の可能性それから課題についてもよく御案内の上で御質問いただいたと思うんですが、日本のコンテンツ市場は大体十二兆円です。アメリカが三十兆を超えておりまして、世界で二番目。

 確かに、御指摘いただいたような海外での成功事例もあります。しかし、輸出比率ということでいいますと、アメリカは一五%を超えております。それに対して日本は五%、三分の一ということで、まだまだアジアを含めてこの分野は可能性があるんですけれども、日本の企業にとって、経営のノウハウが十分ではない、海外の拠点がない、こういったことから苦戦をしているのは確かであります。

 これをできるだけ後押ししたいといった形で、今回、五百億のファンドを組成するということになったわけでありますけれども、もちろん、民間の資金、これをできるだけこの分野にも入れていきたい、そんなふうに思っております。

 それから同時に、やはり人材、目ききの人材というのが極めて重要になってくる。役人が出向してもしようがないんですよ、こういう分野に。うまくできるわけないんです。お金を扱ったことがある人間がやらないとだめだ、こんなふうに思っております。

 例えば、プライベート・エクイティー・ファンド、それからベンチャーキャピタルの人間であったりとか、民間の金融機関、さらには商社の人間、こういったものも集めたいと思っておりますし、今回、恐らくショッピングモール的なところもやることになっていくと思います、いろいろな形で。それを、言ってみるとクール・ジャパンの出城にしていく、こういったことを考えますと、百貨店であったりとか流通、こういう専門家も入れた形をつくっていきたい、こんなふうに思っております。

岸本委員 おっしゃるとおりでありますので、ぜひ茂木大臣、頑張っていただいて、本当にいい人材を集めていただく。それから民間資金も、今、民間から聞くと百億円ぐらいしかどうも集まっていないようですので、できれば茂木大臣のパワーで、何とか五百億円に近づける額を民間からも集めていただいて、人材もぜひリクルートしていただきたい。私も応援したいと思いますけれども、このリスクについてだけはよく認識をしていただきたいと思います。

 その意味で、財務大臣にお聞きしたいんですけれども、補正予算もありましたし、今回の新規の新年度予算でも官民ファンドが幾つか立ち上がります。これはいろいろ理由があってつくっていくわけでありますから、批判だけしていても仕方ありません。ぜひ、つくった以上は私どもは応援してまいりたいと思います。

 しかし、さっきも言いましたように、中長期の投資を専門とする産業投資特別会計の出資ですら何百億円のリターンが何百万円ということですから、今つくられた、補正と新規予算でつくられようとしているファンドがもし失敗したら、これは国民の税金であります。当初は建設国債で出資金ということがあるんですけれども、これは国民の財産であります。リスクを供給して失敗した場合、これは誰が責任をとることになるんでしょうか、お聞きいたします。

麻生国務大臣 今御指摘のありましたいわゆる新しいファンド、官民ファンドということにつきましては、これは、民間からの出資を新たに呼び水としたい、政府もちゃんと応援しているんですよというところが一つのポイントなんだと思っております。

 形においてはさまざまな形態がありますが、先ほど茂木大臣も言われましたように、これは岸本さん、役人に漫画がわかるかというと、それはせがれや孫は知っておるかもしらぬけれども、なかなかきょうびの、ワンピースと言われて何かわかると言われて、答えられる方が少ないと思いますね、失礼ですけれども。この辺も大体わかっていないでしょう、全然。わかっているのはポケモンとドラえもんぐらいで、ワンピースなんて言われても、みんなきょとんとしているんじゃないでしょうか。しかし、これが今アジアで受けているわけですから。

 そういったようなものを見たときに、これが将来の物すごく大きな、キャラを売って、ちゃんと物になっていくということを見分けられる目というのは、我々はとてもこれは期待するべきはずもないのであって、我々としては、それをうまくやってくれるような人材をいろいろ探してこられる経産省、そういったところでやろうと思っておるんです。

 これは、出資が極力いわゆる毀損しないようにするためには、担当はいろいろ、このファンドの中には何も今経産だけじゃありませんので、私どもとしては、これは民間主体が損失をこうむるというのは、自分もある程度出資していれば自分も損失すると思うから、やはりそういった意味では、先ほど言われたように民間をなるべく入れて、失敗したらあんたらも損するんだからねという意識を持ってもらわないと今言われたようなことになりますので、基本的には主務大臣ということになるんだと思いますけれども、そういった点は十分に予防線を張っておく、きちんとやっておくということをしないと御懸念のようなことになりかねぬ、我々もそう思っております。

岸本委員 主務大臣とおっしゃいましたが、本当に主務大臣でよいのか。主務大臣はかわります、ころころとかわります。これは短くても五年でリクープするような場合、もう担当者もいなければ、課長もかわっていれば、大臣もかわっているわけで、ここは非常に難しいと思うんですね。

 私は、むしろ、この株式会社の、コンテンツファンドならコンテンツファンドの社長、経営陣こそがやはり責任をとるべきだろうと考えます。そのために委ねるわけですから。もちろん、主務大臣という、何か抽象的に責任をとるということではなくて、その新しいファンドの経営陣にきちんと責任をとらせるような仕組みを持つべきだと思うんです。

 一方で、実は、今回、クール・ジャパン推進機構は、これはかなりよくできていて、もう本当に任せるんです。役所は口を出さないんです。民間でやってくれと。マッチングファンドというのは、実は、韓国のコンテンツ振興院というのがすばらしいところでして、茂木大臣御存じのとおり映画ファンドもそうですけれども、半々なんです。民間が一億持ってきたら一億マッチングで出しましょう、二億持ってきたら二億マッチングで出しましょう、そういう形で民間に責任をとらせる。

 そういう意味では、このファンドの株式会社の社長たちにも責任をとらせるべきだと思いますが、農林漁業成長産業化支援機構というのは、何と、審査のプロセスに農林大臣の認可が入っているんです。新しい農林産業のリスクをとるファンドに、何で農林大臣が認可するんでしょう。しかも株式会社なんですよ。株式会社が自由に目ききにやらせようというのに、農林省だけは認可でグリップしよう、農林省の役人がグリップしようという、非常に低い志を持っておられる。

 経産省は、さすがにそんなことはしない。さすがに経産省の役人はスマートで、経産大臣もスマートですから、リスクをとって任せるよと。

 こういうことでありますので、ここは財務大臣、これは財務省が査定するわけです。同じ財務省が査定して、農林とクール・ジャパンで違うというのはいかがなものかと思いますので、最後に一言、どうでしょうか。

麻生国務大臣 農林大臣がいないのは、なるほど意図的に呼んでおられないのかどうかは別にして、今言われました点は確かにおっしゃるとおりなんだと思うんですが、これは、農林水産大臣の関与を強化する修正案というのが出されているんですよ。これはみんなで賛成している。自民党が賛成した人、民主党等々が受けられて、これを修正しておられるんです、強化しろと。ということがあります。これは生活、社民、大地等々の会派が、早い話、共同提案されておられるんです。

 いずれにしても、今言われたように、産業革新機構と同様に、個別の支援決定に当たっては、経済産業大臣の認可を必要としないという方向で検討が行われると聞いておりますので、我々としても、サブファンドに対しては、支援決定する際には、多分、サブファンドから個別の事業体へ出すときにはいわゆる必要とされていないという形で、そこのところはうまく、大臣許可とかそういった難しいような話にしていないというところで、今のところはかなりカバーされているのかなとは思っております。

岸本委員 終わります。

山本委員長 これにて岸本君の質疑は終了いたしました。

 次に、大西健介君。

大西(健)委員 皆様、おはようございます。民主党の大西健介でございます。

 本日は、アベノミクスの二本目の矢、機動的な財政出動、その柱をなしている公共事業、特に国土強靱化政策について、この場で議論させていただきたいというふうに思っております。

 ただ、その前に、前回、私、この委員会での質問で、いわゆる手抜き除染の問題を取り上げさせていただきましたけれども、これに関連して、これまで、衆参の予算委員会の場で、一月四日の仕事始めの日に石原環境大臣が登庁していなかったという問題が繰り返し質問をされております。

 きょうは、皆様のお手元に、私の方で、これまでの答弁を整理させていただいたものをお配りさせていただいております。

 微妙にちょっと変遷というのはあるんですけれども、まとめて申し上げますと、一月四日には大臣は東京及び神奈川におられた、そして、一時間以内で戻れる場所にいたというふうになっております。

 例えば参議院の予算委員会でも、石井一委員長が、そんなに難しいことを聞いているわけじゃない、記憶の範囲で素直に、ストレートにお答えいただければどうかというふうに促されましたけれども、結局はこの範囲のことであって、これ以上詳しい、詳細の当日の行動については、委員会では御答弁なさっていないということであります。

 余りにもそのことの繰り返しなものですから、私は、はっきり言われないから、逆にマスコミもあることないことを書かれるんだというふうに思います。

 私が読んだ範囲では、例えば、葉山の別荘にいらっしゃったんじゃないかとか、あるいはゴルフをしていたんじゃないか、こういうことまで書かれてしまっている。これは根も葉もないことならば、しっかりと御否定をされて、そして場合によっては抗議をされるべきだというふうに思いますけれども、まさか葉山でゴルフをしていたんじゃないか、これについては、ゴルフなんかしていないということを、一言、この場ではっきりと言っていただきたいと思います。

石原国務大臣 この問題は、何度も当予算委員会並びに参議院の予算委員会でお話しになられていますが、私の遂行する業務と全く関係ないことでありますし、ただいまの委員の質問は、国民が見ている前で、私が一体何をしていたのか、それだけのことを委員が言われるには、それなりの根拠を持って言われているのであるならば私もお話をさせていただきますけれども、福島の除染についても、あるいは復興についても、何もこの……(発言する者あり)質問者ですか。質問者はどなたなんですか。

 そんな話をこの場で延々と繰り返しても、全く生産性がゼロであるということはお話をさせていただきたいと思っております。

大西(健)委員 私も全く生産性がないと思っているんです。だけれども、みんなの党の浅尾議員、小野議員、そして我が党からも櫻井議員、田中議員、繰り返し、こんなことに時間を割くんじゃなくて、一言、ゴルフなんか行っていない、そうおっしゃっていただければそれで済む話じゃないでしょうか。

 しかし、これはもうこれ以上言われないということであれば、私は、きょうは、これ以上非生産的なことはやるなということでありますから、ここでとどめておきたいというふうに思いますけれども。

 大臣、一言、もしあれば。

石原国務大臣 私がいつどこで何をしていたかということがそんなに重要であるのか、また、ゴルフという特定のスポーツの名前を出されるということの意味については、私、全くわかりませんし、生産性がない議論であるということを委員がお認めになっている以上、私はそんなことを何で委員がここで言われるのかわかりませんが、私はそういうことは全く記憶にございません。

大西(健)委員 私が先ほども言いましたように、はっきりお答えにならないから、いろいろなことを書かれてしまっているわけですよ。実際に日刊ゲンダイにもそういうふうに書かれていますけれども、私は、きょうはこれ以上申し上げません。はっきりお答えにならなかったということがこの場ではっきりしたということでありますから、一言、単に、ゴルフなんか行っていませんと言えばそれで済むことだと思いますけれども、私は、これできょうはとどめておきたいというふうに思います。

 本題に入らせていただきたいと思います。

 きょうは、老朽化した国道インフラの維持管理について質問……

山本委員長 大西君、再度答弁を求めていますが、よろしいですか。

大西(健)委員 いや、結構です、繰り返しになりますから。

 昨年末に中央道の笹子トンネル事故というのがありました。これは社会に大変大きな衝撃を与え、そして、二度とこういう惨事を起こしてはいけないということで、国土強靱化政策、この背景の一つになっているというふうに思います。

 そこで、まず、きょうはこの笹子トンネル事故について質問していきたいというふうに思っていますけれども、この事故では九名ものとうとい命が失われました。まずもって、私からも心からお悔やみを申し上げたいというふうに思います。

 冒頭、太田大臣にお聞きをしたいというふうに思います。

 大臣は、この事故、もし適切な維持管理をしっかりやっていれば防げた事故だというふうにお思いになるかどうか、端的にお答えいただきたいと思います。

太田国務大臣 まず、今回の笹子トンネルの事故によって犠牲になられた九名の方々に対し哀悼の意をささげるとともに、負傷、被害を受けた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。

 この天井板落下の原因究明につきましては、事故発生直後より、省内に調査・検討委員会を設けました。点検のみならず、設計、施工段階も含めて、技術的知見に基づいて今議論をしていただいているところでございます。

 点検について、結果として、天井板の落下があった、そうしたことについての詳細な点検が二〇〇〇年以降行われていなかったという事実は、私は大変残念なことだと思っています。

大西(健)委員 今、大臣からも、省内に調査・検討委員会が設けられ、そして、結果としては点検が行われていなかったことは残念だという御発言がありましたけれども、きょう、中日本高速道路株式会社の社長にも本委員会に御出席をお願いしております。

 皆さんのお手元には、その省内に設けられた調査・検討委員会に配付をされた資料、「点検の経緯と計画の変更経緯」というものをお配りさせていただいておりますので、これをごらんいただきながらこれ以降の質問を聞いていただければと思うんです。

 中日本高速道路の方に順次御確認をさせていただきたいんですけれども、まず、二〇〇八年、定期詳細点検を臨時点検に変更されています。この変更された経緯と点検の内容について、時間がありませんので簡潔に御説明をいただければと思います。

金子参考人 中日本高速道路株式会社社長の金子でございます。

 ただいまの大西議員の御質問にお答え申し上げます。

 お答えをさせていただく前に、昨年十二月の二日、当社の管理いたします中央自動車道笹子トンネル上り線で発生した天井板落下事故により、九名もの方々のとうとい命が奪われ、多くの方々が被害に遭われました。謹んで、お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に対しまして深くおわび申し上げます。

 また、事故によっておけがをされた方や御迷惑をおかけした皆様に心からおわび申し上げますとともに、事故による通行どめや渋滞によって地域の社会、経済に多大な影響を与え、多くのお客様に御迷惑をおかけしたことにつきまして、改めておわび申し上げます。

 当社といたしましては、今回の事故を、極めて公共性の高い高速道路事業を担う企業として、厳粛かつ深刻に受けとめ、深い反省のもと、御遺族の皆様、被害に遭われた皆様に真摯に対応してまいるとともに、徹底した再発防止に取り組んでまいりたい、このように思っております。

 ただいまの御質問、二〇〇八年に、天井板に上った点検を行わなかった理由はいかんという御質問にお答え申し上げます。

 平成十九年度から平成二十年度にかけて、道路構造物からトンネルタイル、コンクリート片、あるいはさび片などの落下により、第三者への被害のおそれがある事故が連続して発生したため、老朽化により危険な兆候が出ていると思われる全箇所について、緊急安全点検を実施いたしました。

 笹子トンネルでは、平成二十年の当初は天井板の上の詳細な点検を計画しておりましたが、トンネルタイルなどの落下事故が連続して発生している状況を考慮し、トンネルタイルを点検対象として、路面からの詳細点検を行うことに変更いたしました。

 以上です。

大西(健)委員 今、二〇〇八年は、トンネルからタイルが剥落する事故が全国で多発していたので、タイルの方に集中したということでありました。

 済みません、ちょっと時間がないのでまとめてお聞きをいたしますけれども、実は、二〇〇九年には、笹子トンネルリフレッシュ計画というのがあって、それでは天井板の一部を撤去する、そういう計画も当初はあった。それからもう一回は、事故が起こった直前ですけれども、二〇一二年の九月、このときにも、上まで上って、そして足場を組んで近接目視点検をする予定だったけれども、これも計画が変更になっている。この二つの計画変更の経緯。

 それから、あわせて申し上げると、二〇一二年、事故の直前ですけれども、このときには、アンカーボルトの緩みとか、つり金具のボルトの脱落とか、問題箇所が五十一カ所見つかっていますけれども、このときは、この五十一カ所の部分については何も対応、修繕等を行っておられないというふうに思いますけれども、なぜ行わなかったのか。

 あわせて、時間がないので簡潔にお願いいたします。

金子参考人 まず、一番目の御質問の件でございます。

 笹子トンネルについては、換気設備の老朽化が進んでいるため、換気方式の変更、これは横流式から縦流式でございますが、これを含め、平成二十一年より、設備の更新方法を検討してまいりました。

 この際、近年の自動車排出ガス規制の強化に伴い、天井板が不要な換気方式への変更が可能となり、天井板を撤去する前提で換気設備の更新の検討を進めたことから、結果的には、平成二十四年九月まで、天井板上部に上る詳細な点検は実施しておりませんでした。

 一方、この検討を進めた結果、天井板の撤去を実施しようとした場合、通行どめや長時間の対面通行を余儀なくされるなど、社会的影響が大きくなることを考慮し、平成二十三年に、天井板を撤去せずに存置したまま、ジェットファンを設置することによる換気方式、縦流式へ計画を変更いたしました。

 天井板を撤去しない方針に変更となったため、平成二十四年から点検を再開することとし、同年九月、十月に詳細な点検を実施した次第でございます。

 また、足場を使わなかった点検の理由いかんという御質問の件でございます。

 昨年の一月、東名高速道路、これは用宗高架橋からでございますが、JR東海道本線の架線上へ道路構造物の一部が垂れ下がる事故が発生しました。その後も、橋梁のコンクリート片の剥落、さび片の落下による通行車両への損傷等、第三者に御迷惑をかける事故が連続して発生いたしました。

 鉄道の交差箇所において同様な事案が発生した場合、鉄道事故の発生、運休など、第三者への重大な影響が生じることから、それを防止するとともに、高速道路本線外の第三者への被害を防止するため、昨年七月に、急遽、安全確認作業を点検することといたしました。

 このため、当初予定していた笹子トンネルでの足場を使った点検については、点検に要する時間を短縮するため、天井板上部に上り、徒歩による点検を実施したものであります。

 以上でございます。

大西(健)委員 済みません、今お答えがなかった五十一カ所の部分をなぜ補修しなかったのかということと、それからもう一つ私が指摘しておきたいのは、事故後の十二月に緊急点検というのをやっていますけれども、そのときには、六百五十二カ所も実は補修跡というのが見つかっています。その補修跡というのは、まさに事故が起こったところの近くに集中をしていた。

 これについても、ちょっと時間がないので報道の方を先取りして申し上げますけれども、報道等で中日本高速道路株式会社等にお聞きされて、これはもとから知っていたんじゃないか、こういう事故が起こったところの近くにこれだけの補修箇所があるということは、中日本高速道路株式会社や、あるいはその補修に当たった業者は、何かふぐあいがあるということは認識していたんじゃないかということを聞かれています。ところが、中日本高速道路株式会社さんは、それについては記録が残っていないので、いつ行われた補修かわからないとおっしゃっているんです。

 先ほどの、五十一カ所なぜやらなかったかということと、それから、記録が残っていない、そんなことがあるのか。六百五十二カ所も補修しているのに、その記録が残っていないから、いつ行われたのかわからない、そんないいかげんなことでいいのかというふうに思うんですけれども、ちょっと時間がないので、本当に簡潔にお答えをいただきたいと思います。

金子参考人 平成二十四年九月、十月の笹子トンネル上りでの詳細点検の件でございますが、点検の結果、速やかな対策が必要な、ダブルAでございますが、こういった結果、あるいは、安全な交通または第三者に対し支障となるおそれがあるため対策が必要と判断される場合、これはEでございますが、これに該当するふぐあいは発見されず、点検結果の取りまとめ後に補修などの対応を行うことを予定しておりました。

 それから、もう一つの件でございます。六百五十二カ所のアンカーボルトの補修の記録がないという御指摘の件でございます。

 確かに、この六百五十二カ所については、現場においては補修の形跡を確認いたしましたが、私どもが持っている補修記録にはこれが載っていないということでございます。

 その後、私どもは、平成十七年十月から、点検データ管理システム、電子化によるシステムでございます、これを導入しております。今後、補修及び点検履歴の管理をより徹底し、維持管理に活用してまいりたい、このように考えております。

大西(健)委員 いや、本当に、あり得ないという声が飛んでいますけれども、私もあり得ないことだと思います。

 今までのやりとりを聞いていただいて、少なくとも三度、点検するチャンスがあったにもかかわらず、見逃しているんです。それから、記録が残っていないことも含めて、ふぐあいというのを事前に認識されていたんじゃないかというふうに私は思います。そういう意味では、本当に適切な維持管理をやっていれば、この事故というのは防げたんじゃないかなと私は個人的には思っております。

 改めて、私は、先ほど中日本高速道路株式会社からは謝罪の言葉もありましたけれども、事故原因の徹底究明と真摯な反省、そして再発防止に向けた取り組みというのを、この場でまた強く求めておきたいというふうに思います。

 ただし、先ほどの過去の経緯を聞いていくと、それぞれの時々の判断においては、例えばタイルの剥落事故が多発していたのでタイルに集中しましたとか、では、その判断が全くもって信じられないものかというと、私は、そうとも言えない部分もあるんじゃないかなというふうに思っているんです。

 もし点検が法令等で義務づけられていたら、中日本さんもさすがに点検したと思うんですよね。そういう意味では、次の論点である、トンネルを初めとする国道インフラの維持管理の国の責任や関与、また法律上の位置づけというものについて、これから議論を進めていきたいと思うんです。

 中日本高速道路さん、ありがとうございました。ここで結構です。

 まず、現状、道路の維持管理がどのような法的根拠に基づいて行われているのかということを確認していきたいんですが、ちょっと時間がないので、皆さんのお手元に資料をお配りしているんですが、道路法のコピーをつけさせていただいています。

 道路法の四十二条には何と書いてあるかというと、四十二条の二項ですけれども、「道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、政令で定める。」というふうに書いてあるんです。ところが、昭和二十七年にこの道路法という法律ができて以来、実は、この政令というのはいまだ未制定のままなんです。

 この点については、過去、何度も国会で質疑が行われています。

 最初は昭和四十五年の九月、参議院の交通安全対策特別委員会では、政令がないという変則的な状態を早くなくするとの答弁が行われている。また、昭和五十七年、衆議院の建設委員会でも、政令については引き続き検討を続けてまいりたいと答弁しています。一番直近では平成十九年の十月、こういう過去の答弁もちゃんと踏まえた上で、公明党の西田委員が参議院災害対策特別委員会でこの点について質問をされて、このときも、政令レベルで画一的に定めるのはなかなか難しいんだけれども、未制定になっている状態というのはよくない、引き続きしっかり検討すると答弁されているんです。

 前回の西田委員の質問から、もう五年以上たっている。昭和四十五年から数えたら四十年以上たっているのに、いまだ政令が未制定のまま、いつも、検討します、検討しますと答弁されている。これは、国権の最高機関である国会の指摘を軽視していると私は言わざるを得ないというふうに思います。

 何を言いたいかというと、道路の維持管理に関する法令上の根拠が整備されないままに国土強靱化政策を唱えるというのは、私は順序が間違っているんじゃないかというふうに思っています。

 太田国土交通大臣、御党の西田委員への答弁がサボタージュされている、これは私はゆゆしきことだというふうに思いますけれども、今の、政令が未制定のことについて御答弁をいただきたいと思います。

太田国務大臣 二十七年から、そうした基準である政令が定められていない、しかも何回も指摘をされてきたということについて、私はこれを変えなくてはいけないと思っています。

 とにかく、構造物の安全性ということで、今の政令のことも含めてでありますが、総点検を実施するという、ことしはメンテナンス元年だと私は言っておりまして、そうしたことに努めたいと思っておりますし、また、道路構造物につきましては、総点検実施要領を作成しまして、二月二十七日に自治体に通知をいたしました。

 また、あわせて、何を今やっているかということを御報告しているわけですが、社会資本整備審議会道路分科会において小委員会を設けておりまして、ここで、戦略的な維持修繕サイクルの構築に向けた技術基準等のあり方について調査検討をしていただいているところです。

 さらに加えて、現在、道路法の改正によって、道路の点検について法令上も明確化することを検討しておりまして、今国会に道路法の改正、これまでは維持修繕だけが書いてありますが、点検ということも加えた道路法の改正ということの準備を今していて、提出をする予定でございます。

 御指摘の政令の制定を初めとして、道路の点検に関する基準を含む維持修繕の基準について、早期に定めるように努めたい、このように思います。

大西(健)委員 早期にと。今度こそぜひやっていただきたいと思いますけれども、現状どうなっているかというと、政令が未制定なので、今お話の中にも出てきましたけれども、各種の通達とか点検要領みたいなものを指針にして、それぞれの道路管理者が管理を行っているというのが実態なんです。

 ただ、先ほどの道路法と一緒に載せてあります鉄道法を見ていただきたいんですけれども、鉄道法では、九十条に「定期検査に関する事項は、国土交通大臣が告示で定めたときは、これに従って行わなければならない。」と、鉄道事業者に義務づけされているんです。それで、告示を見ますと、トンネルは何年に一回点検しなさいとか、ちゃんと周期まで書いてあるんです。

 ですから、鉄道ではちゃんと義務づけされているんですね。道路におけるトンネルについては政令さえない。

 米国等では、道路構造物の点検から補修に至る一連の管理は、法令に基づいて実施をされている。我が国においても、点検等が法令上位置づけられていれば、先ほど申し上げたように、中日本高速道路は三回チャンスを見逃しているわけですけれども、法令で義務づけられていれば点検したと私は思うんです。そういう意味では、私は法令で義務づけるべきだというふうに思っております。

 先ほども言いましたけれども、繰り返して申し上げますけれども、私は順序がおかしいと思っているんです。本来は、根拠になる法令があって、それに従って点検をやって、点検をやって補修しなきゃいけないところが見つかって、それの補修の基本計画があって、そこに予算措置が行われるというのが本来の順序だというふうに思うんです。

 ところが、今は、国土強靱化というお題目だけが先行しているから、笹子トンネルみたいな事故が起こっちゃいけないから国土を強靱化しなきゃいけないんだとお題目だけで予算をとっているから、補正予算の審議で明らかになったように、結果としては、四分の一だけが維持管理に使われている、そして、四分の三はほかの不要不急の公共事業に回っちゃっているんじゃないかというふうに私は思っております。

 ちょっと時間がないので、最後に、その一つの例というのを皆さんのお手元の資料に配付をさせていただいております。

 この記事の表題は、安倍総理の地元の下関で、「「お膝元」山口県で大型事業が続々 安倍首相が地元で大盤振る舞い」という見出しの記事です。例えば、左の下の写真を見ていただきたいんですけれども、安倍総裁の顔写真が載った自民党のポスターが看板に張られています。この下関北バイパス、補正予算でも七億円予算がついているんです。全体総事業費約七百二十億円、総延長六・八キロです。単純計算すると、一キロ百億円、こういう事業が一方では行われているんじゃないか。

 ですから、私は何を申し上げたいかというと、せっかく、ああいう笹子トンネルみたいな事故を起こしちゃいけない、だから一定の公共事業も仕方がないんだと多くの国民の皆さんは理解をしていただいているんです。ところが、実際には、補正でも四分の一しか維持管理に充てられないで、一方ではこういう事業が全国でやられているということを見たときに、国民の皆さんがどうお思いになるかということなんです。

 国土基盤のストックの維持管理、更新の費用、これが今後、二〇三〇年ごろには現在の二倍になってくるというふうに指摘をされています。笹子トンネル事故のような惨事を二度と起こさないという意味での、国土強靱化政策そのものは私も賛同しているんです。賛同しているけれども、ただ、法令も整備されていない、そして、実際にはこういうことが起きているということであると、やはり国民の理解というのは得られないんじゃないかというふうに思います。

 だからこそ、私は、今後の公共事業というのは、まさにこうした維持管理にこそ軸足を置くべきであって、新規の事業というのは、やはり費用対効果を厳格に見て、真に必要なものに限ってやるべきだというふうに思っております。

 今私が申し上げたことに関して、大臣の方から何か御見解があれば、御感想があれば、お願いいたします。

太田国務大臣 全く、私は、メンテナンス元年と言ったように、防災、減災、そして老朽化対策、あるいは耐震化、こうしたことに力を入れるということがことしから大事であるというふうに思っています。

 実は、そういうことも含めまして、補正予算ということについても、その考え方を入れました。四分の一が老朽化等の対策で四分の三が新規というのは、実は間違いでございます。国交省としまして、公共事業は、補正では一・八兆円。そのうち、防災、減災、そして老朽化対策に一・二兆、六五%なんです。公共事業の大宗を占めるのが国交省の予算でありますけれども、そのことは申し上げておきたいと思います。

 先生がおっしゃるとおり、そうしたメンテナンス、老朽化対策、そういうことに力を入れたいというふうに思っているところでございます。

 また、一部報道に出ました数値等については誤りがありまして、山口県のことについては誤りがありましたけれども、時間の関係上、私はその内容については申し上げませんが、そのことだけは指摘をしておきます。

大西(健)委員 国土交通大臣から前向きな、私はしっかりした答弁をいただいたと思いますが、まさに、国民の皆さんは、きょう私が前半でやったように、あの笹子トンネルの事故を見て、ああいう事故を起こしちゃいけない、だから、維持管理にお金を使うんだったら仕方がないなと思われているわけです。

 それをしっかり大臣も受けとめていただいて、真に国土の維持管理に使う、不要不急の公共事業にはばらまきをしないということをぜひこれからも肝に銘じて行っていただきたいことを申し上げて、私の質問を終わります。

山本委員長 これにて大西君の質疑は終了いたしました。

 次に、浦野靖人君。

浦野委員 初めて質問をさせていただきます。日本維新の会、大阪十五区選出の浦野靖人でございます。よろしくお願いをいたします。

 本日は、保育制度、保育に関するさまざまな質問をさせていただきたいと思います。

 保育の問題になりますと必ず出てくるのは、待機児童の解消という大きな、現在は国家を挙げて取り組んでいる政策であります。

 この待機児童の問題といいますのは、地方によって非常にばらつきがあって、実は、既に都市部だけの問題となっております。地方に行けば、待機児童どころか定員割れを起こしている保育園、さらに幼稚園なども、子供の数が減少して全く定員を満たせないところがたくさんございます。

 そこで、我々日本維新の会は、地方分権を強力に進めていくという理念の中で、この保育政策についても、その地域地域、地方に合った政策、対策というものをしていかなければいけない、国が画一的にそういう対策をとっていくのではなくて、地方が頑張れるように地方分権をしていかないといけないという思いで、この子育て支援に関する財源を国から地方に移してはどうかというふうに考えております。

 今、子育て対策で、安心こども基金というものが創設をされております。これは、ずっと基金の積み増しを政府が行っております。二十四年度の補正予算でも、この基金の拡充、そして延長を行いました。

 ただ、この基金が、市町村、都道府県からは、非常に使い勝手が悪い、もちろん、使い道に制限をされておりますので、例えば知恵を、こういう保育対策はどうだろうかというふうなことを考えても使えないということが非常に多い基金であるという声が地方からは上がっております。

 そういった声に応えるべく、その地域の実態に合った子育て支援を地方が自主的にできるように、財源を地方に移してはどうか。こういった質問は今まででもたくさんあったとは思いますが、大臣の御意見をお伺いいたします。

田村国務大臣 ありがとうございます。御質問をいただきました。

 おっしゃられますとおり、都心部、都会では待機児童が非常に多いということで、今も、四月の時点になると二万五千人近くになってくるわけでありますけれども、一方で、地方では定員割れしているところもあるのは事実でございます。

 今度、子育て三法の改正で、短時間の保育というようなものに対しても間口を広げてまいりますので、そういう意味では、地方でもニーズは起こってくるのであろうなというふうには思いますけれども、いずれにいたしましても、それぞれの問題が都会と地方であるということは認識いたしております。

 その上で、保育にかかわる予算を地方に移譲すればどうかという御意見でございましたけれども、安心こども基金は、基金といたしまして、比較的、まだこれは使い勝手がいい方だと思います。基金でありますから、いろいろなものに使える、それぞれの費途はありますけれども。いいんですが、運営費に関して、地方に移譲したらどうかという意見は以前からあったわけであります。

 一方で、これは一定の最低基準というものを国は求めておるわけでありまして、御承知のとおり、例えば、乳児室ならば一・六五平米、匍匐室ならば三・三平米等々というような一定の基準を設けておるわけでありますし、また、人員配置も三対一、六対一、二十対一、三十対一というふうに決まっておるわけでございまして、一定のものを担保していこうとすると、やはり国がその部分に関してはしっかりと国庫で補助していくということの方がより合理的であろうと思っております。

 ちなみに、やはり、それぞれの地域で今それぞれの、東京なら認証保育というのがあるわけでありますけれども、どうしても、そちらの方が基準よりも緩い、そういうような基準をつくられるものでありますから、先般から御承知のとおり、住民の方々から、国の基準でやってほしい、もうちょっとしっかりした基準でやってほしいというようないろいろな異議申し立てが起こっておるところでもございます。

 そこのところは、我々といたしましては、必要なものは国庫でしっかりと担保していくということをこれからも進めてまいりたいというふうに思っております。

浦野委員 今大臣のおっしゃったことを私も理解はしているんですけれども、最低基準というのは、ナショナルミニマムとしてそれは守っていく。これは、果たして最低基準が本当に適切なのかどうかという議論も一方ではありながら、言葉のとおり最低基準であって、本来はこれを上回る基準を求めていくのが実は保育の質を高める部分にも寄与していくというふうに私も思ってはいるんですけれども、なかなか、都市部におきまして、例えば先ほどおっしゃった、匍匐室の面積だとかをクリアするとなると、人口が集中して、そういった土地が全く確保できないというのが都市部の現状ですので、最低基準を守れないのが当然といったような、都市独特の問題に今はもうなっている。

 認可保育園の皆さんも、できればそれをクリアしたいけれども、認可保育園をつくろうと思えばその最低基準をクリアしないといけませんので、認可保育園をつくれないというのが現状です。

 そしてさらに、保育士の確保。実は、今は保育士の確保の方が非常に大きな問題になっております。

 保育士の確保についてはきょうは質問はいたしませんけれども、保育士を確保できなくなってから、もう既に恐らく五年ほど経過をしております。保育士を目指して勉強される方はたくさんいらっしゃるんですけれども、そのうちのたしか六割ぐらいしか就職をしないというデータが、私は大阪ですけれども、大阪ではあったりします。全員が目指してくればそういった人材不足も起こらないんですけれども、それはいろいろな原因があって、待遇が低いというのも一つの原因でしょうけれども、そういったこともあるので、なかなか保育士を確保できない。

 いろいろな問題がありまして、認可保育園をふやしていくというのには非常に苦労されている。それでも、ずっと認可保育園をふやし続けております。

 では、待機児童の解消のために認可保育園をいつからふやしているかといいますと、数字上は、戦後始まってすぐに待機児童の解消を目指して、もう既に六十年以上同じことをやっているんですね。六十年かけてやっても解消できていないのが、待機児童の解消であります。

 待機児童の解消をするために、過剰供給をしていかなければいけないんじゃないかという論もあります。認可保育園を過剰供給するとどうなるかといいますと、もちろん、潰れる保育園が出てきます。保育園が潰れた場合、今、社会福祉法人立の保育園でありますと、全て国庫に没収ということになりますので、そういった制度上の問題も絡みまして、認可保育園を思い切ってふやすということは恐らくできないだろう。

 しかも、待機児童、保育のニーズは高いにもかかわらず、子供の数はもう既に減少を始めております。ということは、いつか保育園の数と子供の数のピークが重なって、どんどん下降していくという時代がすぐそこにやってまいります。そのときに国としてどういった対策をとるのかというのは、これから厚生労働としては考えておいていただかなければいけないかなというふうに思います。

 地方に財源を移譲する中で、先ほど大臣がおっしゃったように、国で一定の歯どめをかける、それはわかるんですけれども、ただ、我々は、国がそこまでしなくても、地方は地方で、やはり自分たちの市町村の、住んでいる子供たちを守るために努力をしております。

 我々は、地方に財源を移すに当たって、バウチャー制度を導入してはどうかというふうに思っております。

 このバウチャー制度は、もちろんこれも賛否があるのは重々わかっておりますけれども、待機児童を解消するというのが目的であるならば、認可保育園に固執するというのはなかなか難しいと思います。東京のように認証保育園をつくって、これは、東京都は自主財源をたくさんお持ちになっておられるのでそういうことができるだけで、堺市もちょっとやっていますけれども、ほとんどの市町村はそんなことはできないんですね。

 このバウチャー制度というのは、施設にお金を打つんじゃなくて、お母さんたち、保護者の方々にバウチャー制度の利用券を発給して、行くところは保護者に選んでもらう。そうすることによって、認可保育園がニーズが一番高いのは知っていますけれども、幼稚園、あと例えば認可外保育園なども選べる。そういったことをしないと、事待機児童解消に関してはクリアできないんじゃないかと思っているんですけれども、バウチャー制度については大臣はどう思われますか。

田村国務大臣 幾つかの論点があろうと思うんですけれども、まず幼稚園は、もう委員御承知のとおり、基本的には三歳以上ということでございますから、待機児童は、ゼロ、一、二歳、これで八〇%以上でございますので、なかなか幼稚園が受け皿になりづらいというのは、去年八月に三党で協議をした子育て三法でも議論をされたところであります。

 バウチャーなんですけれども、直接契約が前提になろうかというふうに思いますが、問題は、今も認可の方がニーズは高いという話がございました。そうなってきますと、我々が八月でも議論をしたのは、直接契約でやりますと、保育が本当に必要な家庭に保育が提供されない可能性が出てくるのではないか。つまり、非常に生活がお厳しい、逆に言えば、施設側からすれば取りっぱぐれがある。

 今、バウチャーのお話をされましたけれども、バウチャーといっても、例えば延長保育の部分はどうするんだ、いろいろな議論がありますし、保育所は保育所で、実費を徴収する部分もあるわけですね。そういう部分が払えるか払えないかというのは当然所得にかかわってくる部分でございますので、なかなかそれが、排除されてしまう。応諾義務があるとしても、同じように定員枠にわあっと殺到してきますと、そこでやはりいろいろな選別が行われますので、される可能性があるのではないか。

 今、現状は、実施義務は自治体にあるわけでありまして、それぞれ、あそこに入りたいという声はありますけれども、それをいろいろと勘案しながら、ここを差配するといいますか、うまく配分するのが自治体の役割でございまして、必要な家庭にはしっかりと保育を提供できるようにするという部分でございますから、なかなか直接契約というのは難しいのかなというふうに思います。

 一方で、今の制度は、所得認定して、その上で幾ら負担をするかということが決まっておりますけれども、バウチャーにするとそこがどういう仕組みになるのかというのも、なかなか我々、知恵が出ないところでございまして、今のところ、バウチャーというようなことを考えているような状況ではございません。

浦野委員 今、御答弁の中に、ゼロ―二歳の子供が八〇%ということをおっしゃっていました、大臣。

 それに関連することですけれども、与党で、三歳から五歳の子供を無償化する話が出ております。これは三歳から五歳ですね。財源等の問題はもちろんありますし、これから議論がされていくということですけれども、三歳から五歳にそれだけお金をかける前に、本来は、ゼロ歳から二歳にお金をかけるべきだと思うんですね。その点についてはどう思われますか。

田村国務大臣 ゼロ、一、二歳の待機児童解消、これは三党合意の中でも大きな眼目として挙げられたものでございまして、当時これに対して、消費税分から七千億円、さらにあと三千億円は消費税以外からもというような議論の中で、一兆円を確保していこうというのが当時の三党の共通の認識であったというふうに思います。これはもちろん待機児童解消だけではないんですけれども。

 一方で、幼児教育というのは、当時、たしか私の記憶では、三党の合意書の中にも入っていたと思いますし、一方で附帯決議の中でも入れたんだと思いますけれども、財源をしっかり確保した上でこれを進めていこうということでございますので、財源をまずしっかりと確保するということが大前提になろうと思います。

 その上で、今、各担当大臣と与党との間で実務者連絡会議を開催しようということでございまして、そもそも、三歳以上なのか、ゼロ、一、二歳の幼児教育というものをどう考えるのかということも含めて、さらには、どこを見るのだと。

 つまり、幼稚園だけ考えれば、幼児教育というのは四時間がコアでございます。保育の場合は八時間が前提になるということを考えますと、その間どうするんだということも含めて、これはまだ全く白紙でございますので、これからこの連絡会議の中で議論を進めていくということになろうというふうに思います。

浦野委員 実は、私の弟が幼稚園を経営しているんです。幼稚園の方々には非常に失礼な言い方ですけれども、幼稚園というのは、行かす義務が全くないところなんですね。自分たちが好きで、好き勝手と言ったら言い過ぎですけれども、子供を幼稚園に連れていく、これが今の幼稚園なんです。その部分に関して、さらに公費を投入する結果になる。これが義務教育であれば、別に僕は、それはそれで構わないと思うんです。でも、義務教育でも何でもないという部分もありますし、今私が言ったように、ゼロ歳から二歳にまずお金をかけるべき。

 といいますのも、三つ子の魂百までという言葉は、本当に、昔の人はうまいことを言ったというよりは、実践として感じていることを言葉にしただけだと思うんですね。

 このゼロ歳から二歳の幼児期というのは、人の成長において非常に重要な時期です。私も保育園を経営する人間の一人として、この時期に保育園で子供を預かることによって、子供にとって果たして本当の意味でいいことなのか悪いことなのかというのは、絶えず保育士たちは自問自答しているわけですね。

 実際に子供を育てるのは、やはり親が一番いいんですね。子供にとって一番いいのは、親が育ててくれることなんです。

 その親から、仕事があるから保育園で預かってはおりますけれども、果たしてそのことがいいことなのかというのは、非常に保育業界の中でも議論がありますし、これから、親の都合で保育園が預かれる環境をどんどん整えていくことによって、子供たちに与える影響というのがどれぐらいになるかということも実はまだ余りわかっておりませんので、その部分も含めて、保育の世界に一定の競争原理を働かすために規制緩和をしていくというのは、もうやむを得ないと私は思っています。競争がなければ、やはり切磋琢磨をして保育の質を上げる、保育園の、幼稚園の質を上げていくということはありませんので、そういう観点からは、規制緩和をして競争するというのは間違いではないと思います。

 ただ、やはり行き過ぎた競争というのは何を生むかというのは、今まで歴史の中でいろいろと教訓がありますので、もし、これからまだまだ保育政策、考える余地があるのであれば、保育とは誰のために行うものなのかということを、もう一度原点に立ち返って、保育政策全般について、このまま進んでいいのかどうかというのは、一度お考えをいただけたらと思っております。

 それで、児童虐待について、少しお願いといいますか、質問をさせていただきます。

 その前に、保育園の役割に、女性労働力の確保という観点もあります。女性の社会進出を応援するという意味でも、そういう取り組みは私は必要だと思います。

 そこで、本会議場で小池代議士が質問をされました。女性議員、女性の数が少ないとおっしゃっていました。

 私はちょっと調べました。自民党所属の都道府県、市町村議員の数を調べました。そうすると、都道府県議員は、全体の二・九%が女性です、自民党さんは。市町村は五・五%、国会は約一〇・二%。

 ということで、何を言いたいかといいますと、女性の社会進出を目指す御党であるならば、女性議員も、自分たちをまず自分たちでふやすべきだと。それを、三〇%を超える努力もしながらいろいろと、私は、女性が社会に出ていくことについては賛成で、私の妻も仕事をしておりますし、そういったところ、まずお膝元からやっていただいて、これを大臣に言うのもなんですけれども、ちょっと思いましたので、指摘をさせていただきます。

 児童虐待についてです。

 大阪では、非常に残念ながら、児童虐待の重篤な事件がたくさん起こっております。記憶に新しいと思いますけれども、子供二人が餓死をしてしまう状態まで放置をされて、非常に残念な結果になってしまったという痛ましい事件がつい最近もありました。

 そこで、児童虐待の通知ナンバーですね。この通知ナンバーは、今この委員会の中ですぐに言える人が何人いるかなというふうに思うんですけれども、恐らく誰もいてないんですね。知っている人がいらっしゃったら手を挙げていただいたらいいんですけれども、恐らく誰も言えないんですよ。

 これは必ず言うんですけれども、厚生労働省は、通知の取り組みをいろいろしていますと言うんですけれども、取り組みをしていて誰も知らないような通知番号を、一体いつまで通知の努力をしているんやろうと思うんですね。

 これは、虐待の通知番号ではなくて、地域の児童相談所への直通の番号なんですね。しかも、これはインターネットで調べても、一発では出てこないんです。児童虐待の通知番号というふうに検索をしても、一回では絶対出てこないんです。やはり二回、三回ページを飛ばないと、その通知のナンバーまでは届かないんです。

 この通知ナンバーは、以前から、三桁にするべきだという話は、今までもたくさんあったと思います。今、この虐待通知番号を皆さんが知らない以上、皆さんが覚えられる三桁にしてはどうかと思うんですけれども、どうでしょうか。

田村国務大臣 まず、先ほど幼児教育の点で、三党合意に書いたと申し上げましたけれども、これはちょっと間違いでございまして、三党合意の方ではなくて附帯決議の方でございましたので、訂正をさせていただきたいと思います。申しわけありません。

 それはそれといたしまして、幼児教育の方も重要だということは申し添えさせていただきたいというふうに思います。

 あわせて、先ほど保育の規制改革の話が出ました。

 先ほど言いました子育て三法、このときに、株式会社は今までも入れたんですが、認可の裁量性の中でなかなか参入しづらいという話がございましたので、これは児童福祉法三十五条を改正しまして、認可するものとするというふうに書きかえました。

 結果的に認可の適正化を進めまして、ただ、何でも入っていいというものではございませんので、例えば、財政基盤の安定でありますとか、社会的信望のある方が運営をしていただく、さらには、やはり社会福祉法人等々を経験された方々が中の運営に加わっていただくというような要件を加えた上で、株式会社も参入をしやすくしたということでございまして、委員おっしゃられますとおり、一定の歯どめを持ちながら、いろいろな方々が保育に参入していただけるような、そんな制度にさせていただいたということであります。

 さて、今、児童虐待のダイヤルの問題、誰も知らないだろう、〇五七〇―〇六四―〇〇〇ということでございますので、どうか皆様方も御認識をいただければと思うんですが、長過ぎるという話でございます。三桁にして、一一〇番や一一九番にした方がわかりやすい、それはそのとおりだというふうに思います。

 ただ一方で、やはりこれをやろうと思いますと、通信事業者の方々に、新たに設備の改修費等々、結構かかるわけでございまして、お願いをしてもなかなか御理解をして、そこまでというわけにはいかぬわけでございます。もうちょっとこの番号が普及するようにいろいろな努力をさせていただきたいというふうに思いますが、また何かお知恵がございましたら、よろしく御指導いただきますようにお願いをいたしたいと思います。

浦野委員 実際は、皆さん、番号がわからないから、大体の人は一一〇番するんですね。それで警察に通報が行くんですね。それであるならば、私は、一一〇番でもう統一、統一というか、それでいってしまって、そのかわり、警察署に相談員を常駐させるという手を使ったらどうかなというふうにも思っています。まあ、それも予算がかかることですので。

 しかも、この児童相談所の相談員の国基準の定数というのが非常に少なくて、各都道府県が自主努力をして、たくさんふやしているのが現状です。もともと、この国基準自体がかなり甘い基準だと言わざるを得ない。

 といいますのも、相談員一人につき平均百件以上のケースを抱えて、相談員自体が参ってしまっているというのが、どの市町村からも聞こえてくる実態です。このことも含めて、私は、もっと児童相談所の相談員の予算は、これからふやすべきだと思います。

 児童虐待の通知番号も、三桁が無理であるならば、先ほど私が言ったように、警察にお任せをして、そのかわり相談員を必ず常駐させていくような政策をとることも必要だと思いますので、答弁は要らないです、よろしくお願いをいたします。

 最後に、ちょっと時間がありますね。

 この衆議院の、古い歴史と伝統のある建物であるからこその問題なんですけれども、実は、電話回線、ネット回線がいまだにADSLだということで、私、ちょっと衝撃を受けたんです。

 たしかIT立国を目指していた我が国の国会がまだADSLを使っていて、光回線が、使われているところも一部あるらしいですけれども、使われていないということで、これは非常にゆゆしき問題だと思っております。

 これは、では誰に言ったらいいのかというたら、衆議院事務総長にお願いをするんだと思うんですけれども、その事務総長も、予算がなければそういうこともできないということで、財務大臣、この件は財務大臣にお願いしたらいいのかどうか、ぜひ予算をとっていただけたらと思います。

麻生国務大臣 大蔵省の方から、どうぞ、おつけになられたらどうですかなんということはないんですよ。そんなに人はよくないから、ここは。

 だから、衆議院の方から、皆さん方で言われて、これをぜひやるべきだ、おかしいじゃないかといって野党で共同提案されたら、検討させていただきます。

浦野委員 御指導ありがとうございました。そのようにさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

山本委員長 これにて浦野君の質疑は終了いたしました。

 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 日本維新の会の井上英孝でございます。

 昨年十二月の衆議院選挙で当選をさせていただきまして、今回初めての予算委員会での質問となりますので、ふなれなものですけれども、どうか、麻生大臣、田村大臣、新藤大臣、よろしくお願いいたします。

 財務大臣、多分、突然聞くことはないと思いますので、私の質疑を少し聞いておいていただけたら結構かと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 また、初めてということで、数字が出てくるような質疑もさせていただくんですけれども、今回ちょっと間に合わなかったということで資料を配付もできておりません。少し数字が並んでお聞き苦しい点もあるかと思いますけれども、メモをとっていただくなりしていただいて、御容赦いただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 まずは、田村厚労大臣にお聞きをさせていただきたいと思いますけれども、社会保障費というのが増大する、それもまたかなり急激に大幅に増大していくというような現状の中で、社会保障費の抑制というのはやはり喫緊の課題じゃないかなというふうに私も思っていますし、我々の会派も思っていますし、恐らく多くの先生方が思われていることかと思います。

 そういった中で、きょうは、通告では社会保障制度全般についてという通告をさせていただいているんですけれども、その中でも、とりわけ生活保護について少しお話をさせていただけたらと思います。

 まずは、昨日、生活保護の十二月の速報値が出たかと思います。その現状をお聞きさせていただきたいと思います。どれぐらいの数でという、世帯数、人数で結構ですのでおっしゃっていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

田村国務大臣 生活保護の実人数でありますけれども、出ました数字は、平成二十四年の十二月分でありますが、総数が二百十五万一千百六十五人、それから、被保護世帯数でありますけれども百五十七万八百二十三世帯ということでございます。

井上(英)委員 出た速報値を御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。

 この生活保護に平成二十五年度の当初予算では幾らぐらい計上されているのか、お答えいただけますでしょうか。

田村国務大臣 当初予算案でありますけれども、二兆八千二百二十四億円となっております。

井上(英)委員 国費負担ベースがそれだけで、地方負担分を入れますと、生活保護費全体で三兆七千六百三十二億円という規模になっております。

 やはり生活保護は、我々としても、社会生活において急に不都合が発生をして、その不都合が生じた際の緊急避難的なセーフティーネットという意味では、もう絶対に必要であるというふうに我々も思っていますし、絶対存在すべき制度であるというふうには理解をしております。

 ただ、やはり、三兆七千億という規模になってくると、非常に財政が逼迫するんじゃないか。

 そういった中で、抑制を考えていく中で、今、現状、その三兆七千億の中で、高齢者世帯の方々が四二・六%、障害者世帯、傷病者世帯が三七・八%、母子世帯が七・六%、その他世帯が一七%ということで構成をされています。

 また、扶助費の内訳でいいますと、医療扶助費というのが四六・九%と約半数を占めております。生活扶助費が三四・五%、住宅扶助費が一五・四%、その他が三・二%というふうになっております。

 そういった中で、やはり、先ほども申し上げましたように、緊急避難的なセーフティーネットとしての状況は非常に大事なんですけれども、一方で不正受給というのもございます。

 ちょっと比較のしようがありませんので、先ほど大臣が御答弁いただいた世帯数それから受給をされている人数から、単純には比較できないんですけれども、平成十九年から不正受給の調査をしていて、十九年時点では一万五千九百七十九件という不正受給がありました。下三桁を切らせていただいて、二十年では一万八千件、二十一年では一万九千件、二十二年では二万五千件。そして、これが二十三年になると、一挙に一万件ふえて三万五千件というふうになるんですね。

 先ほども申し上げたように、世帯、人数に対してどういう比較ができるかというのはちょっと別問題にして、やはりこの不正受給の件数の伸びというのがここ最近になって如実にあらわれているというのが現状であります。

 そういった中で、誤解のないように改めて申し上げておきますけれども、生活保護を受給されている方々がみんな不正で受給をされているということはありませんので、そこは誤解のないようにお考えをいただきたいんです。でも、これは公費で負担されているというか賄われておりますので、やはりこういう不正受給があることによって生活保護制度の信頼というのが根本的に揺らいでしまうという大きい問題があります。

 悪質な事例が明らかになる、また、地域コミュニティーでよく言われるのは、あの人、生活保護を受けているのに、パチンコなんかの遊興費として使っているやないかというような風評なんかも本当によく聞きます。

 一方で、そういう方からすると、生活保護の水準が高いんじゃないかとか恵まれ過ぎているんじゃないかというような意見も、ちまたではやはり出てきています。

 そこで、先ほども申し上げたように、受給者の約半分、四二・六%が高齢者なんですね。今回取り上げたいのはこの高齢者と、そしてまた、後ほど、若年者、若い現役の稼働世代についてちょっと触れたいんです。

 まず、高齢者の場合は、今世間で言われる、ちょっとモラルハザード的な問題が出てきています。

 それは、例えば国民年金を受給されている方が基礎年金で約六万六千円を受給されているというのに対して、生活保護を受けている高齢者、これはもちろん級地別ですので地域にもよるんですけれども、例えば私の出身の大阪市なんかでいいますと、月額、生活扶助費が約八万円、それプラス住宅扶助が四万円から五万円加算されますので、実際十二万円から十三万円受給されているという現状があります。

 単純に、資産のない国民年金、当然、これは二十のころから六十歳まで四十年間満期の状態で保険料を払っていって受給される金額が六万六千円ということになっています。片や、生活保護で受給されている方は、十二万円から十三万円、月額でもらっているんですね。ということは、単純に倍額の差額がある。

 もちろん、生活保護と年金という制度の趣旨の違いというのは言わずもがなで、恐らく大臣もよくわかっておられると思いますし、我々もわかっているつもりですけれども、やはり、いつも安倍総理は、頑張っている方が報われるというか、もちろん生活保護を受給されている方でも一生懸命頑張って生活されておられる方がたくさんおられますので、誤解のないようにしていただきたいんですけれども、少なくとも四十年間、保険料をずっと納めてきて、頑張ったか頑張っていないかは別にして、一定、国のルールに沿って健全に生活を送ってこられた方が今リタイアして年金生活を迎えて、一方で生活保護を受給されている方と支給額が違うということは、これは制度が違うという一言ではなくて、やはり根本的な解決というのが必要なんじゃないかなと思っております。

 年金の受給金額と生活保護の受給金額との違いについて、大臣の所見をちょっとお伺いしたいと思います。

田村国務大臣 よく私なんかが地元で政治活動をやっておりましても、そのような御意見をいただきます。

 もう委員御承知のとおりだと思いますけれども、生活保護と基礎年金とは全く違う趣旨のものでありまして、今もお話ございましたが、現状は基礎年金が六万五千五百四十一円ですかね。生活保護も、大阪では八万ぐらいだという話でありますが、三級地の二では六万二千六百四十円でありますから、当然、比べるべきものじゃない。

 基礎年金は全国一律でございますし、保険料を満額納めている方もおられれば、納めておられない方もおられますから、当然、支給金額は違ってくるわけでありまして、言うなれば、基礎年金、国民年金というものは、他のいろいろな蓄えでありますとか資産もあります、そういうものに対して、やはり老後の生活をする上でのフローでの収入として、将来の蓄えといいますか、備えて保険料を納めていただく。生活の中で、全般的な収入のうちの一部であるというふうにお考えをいただきたいなと思います。

 ちなみに、生活保護を受けるためには、ミーンズテスト、資力調査をしなければなりませんから、貯金があったら生活保護は受けられない。さらば、生活扶助だけではなくて住宅扶助はどうかというお話もありますが、家があれば住宅扶助は受けられないわけでありますから、必ず住宅扶助がもらえるわけでもありませんし、医療扶助は病気にならなければ受けないわけであります。

 そして、さらに申し上げれば、もし基礎年金六万五千何がしかで、家もなくて、ほかに収入も何もない、どうしようという場合には生活保護という形になるのであろう。収入認定をやりますけども、基礎年金は。

 ですから、そこの意味での、一番最後のセーフティーネットという部分でございますので、生活扶助の基準額はいろいろと御意見もありました。今回は適正化をさせていただく中で、それはひどいじゃないかというお声もあれば、まだ高いじゃないかという、いろいろな御意見もあろうと思いますけれども、今回はこのような適正化をさせていただくということでございます。

井上(英)委員 大臣、ありがとうございます。

 制度ももちろん根本的に違いますし、本当にさまざまな観点で御議論をいただいているというのは重々承知しているつもりであります。

 そういった中で、先ほど言われたように、年金一本で、資産もなくて、住むところもなくてという方がどれだけおられるのかというのは確かにあるんです。

 ただ、実際にそういう方もおられるのも事実ですし、生活する上において、やはり負担割合といいますか、約六万六千円の中から、家賃も納め、そしてまた、後ほど触れますけれども、自分で、年金の受給金額の中から、当然、家を持っていたからといってすぐに現金化するわけではありませんから、生活するための現金として手元に持っているということになりますと、やはり病院へ行くのにも制約がかかりますし、高齢者になれば、介護保険の、介護費の扶助にも本来でしたら使うということになります。

 そういう意味で、少しお話しさせていただくのは、今度は医療扶助についてでありますけれども、私は、生活保護の受給者といえども、やはりそれなりの医療費を負担すべきじゃないかというふうに考えています。

 もちろん受診抑制というのにならないように細心の注意を払うことが当然であるのは前提でありますけれども、先ほど申し上げたように、どんどんと雪だるま式に社会保障費用がふえていっているという現状の中で、この医療扶助費、保護費のうちの約半分を占めている、それの適正化というとあれですけれども、抑制というのがやはり大事だと思うので、医療費に対する窓口での自己負担について大臣の所見をお伺いできたらと思うんですけれども、お願いいたします。

田村国務大臣 窓口負担、これも議論をいろいろなところでさせていただきました。そういう御意見もたくさんいただきました。

 ただ一方で、やはり命のかかわってくる部分でもございますので、受診抑制がかかって本当に命を落とされる方々が出てきた場合どうするんだというような御指摘もございまして、今回は一部負担というところまでは踏み込んでいないというところでございます。

 ただ、やはり医療扶助を適正化していかなきゃいけないというのは、おっしゃられるとおりでございます。

 一つは、指定医療機関自体がいろいろな悪さをしているという場合もあるということでございますから、ここの指定要件でありますとか取り消し要件を明確化しまして、一方で、更新制を取り入れていこうと。今までは一回指定するとずっと続くんですけれども、一定期間でもう一度見直そうということも取り入れさせていただいておりますし、やはり受診のレセプトというものも、本当に無駄な医療を受けていないかどうか、これもしっかりとチェックをしていく上で、おっしゃられますとおり、変な医療扶助の部分がありますと、これは信頼性を問われる問題になってまいりますので、適正な医療扶助というものを実現していくためにこれからもしっかりと対応してまいりたいというふうに思っております。

井上(英)委員 大臣、ありがとうございます。

 本当に医療扶助、今回の見直しの中では後発医薬品の法制化、できれば義務化とか、やはりやれることというのをきっちりとやっていただきたいと思います。

 そういう中で、医療扶助。何度も申し上げますけれども、本当に受診抑制だけは発生しないような方法で、社会保障の増大の費用を抑制していくという方法を一方で考えるのも、これは政の仕事だと思います。

 私なりに一つ考えがあるんです。

 先ほども申し上げましたように、年金を六万五千円、六万六千円でもらっておられる方々は、一定、それで一カ月、生活をされているんですね。だから、その方々が、では、六万六千円の範囲の中で、自分の中で、極端に言ったら受診抑制が実際かかっていないかどうかというのを改めて考えたときに、やはり年金の生活者の方は、風邪を引いたからというてすぐに病院に行っているかというと、私の知る限りでは、決してそんなことはないんですね。よっぽどひどくなって、また、先ほど申し上げたように、命とかかわる話も高齢者の場合はありますので、その辺は臨機応変にとは言いたいんですけれども、でも、やはり財布と相談をする話になりますから、行きたいからといってばんばん行っているというふうには我々は思っていないんですね。

 でも、窓口負担がないということで、やはり際限なく医療扶助費に、まあ当然、先ほども申し上げているように、保護費の半分ぐらいを医療扶助費が占めていますから、キャップをかけるという表現は適正なのかどうかは別にしても、そういった抑制を考えるのに、私が考えるのは、今のように、医療扶助、それから生活扶助、住宅扶助等を扶助別に渡すのではなくて、一定、医療費、もちろん、これは厚生労働省が各家庭の消費水準も含めてどれぐらいの医療費がかかっているのかというようなことも勘案して、やはり全体を一つの金額で、それで生活も、極端に言ったら住宅の家賃も、そしてまた医療費も、自分のやりくりの中でやっていただくというような、ワンバスケット方式と名づけさせていただいているんです。

 要は、この扶助で何ぼ、この扶助で何ぼ、この扶助で何ぼ、トータル何ぼというのではなくて、一定額を決めて、その中で全てをやってくださいというような考え方があってもいいんじゃないか。それによって、一定、社会保障費における医療扶助の抑制という面では効果があるんじゃないかというふうに思うんです。

 補正予算の予算委員会の審議のころから、与党の小泉先生もおっしゃっておられましたけれども、高齢者の国民健康保険、七十歳から七十四歳の方々が今一割、二割にするべきじゃないかとおっしゃっておられて、厚労大臣も、そのような議論もあるけれども今回はという御答弁をしておられたと思うんですね。

 結局は、その七十歳から七十四歳の方々も、ずっと保険料を納めてこられていて、今になって、恐らく現役を退いている方がたくさんおられる中で一割の負担か二割の負担かというのは、もちろん、三割から二割に減るという前提がありますので決してあれなんですけれども、当然、窓口の負担だけを考えると、一割でおられた方が二割になるというのはやはり負担がふえるという考え方が一方であるわけですね。でも、そういった負担をされていることを考えると、まずはこの窓口の負担がないということに対して、やはり負担を設けるというのは私は必要じゃないかなというふうに思っておりますので、これは答弁を求めませんので、ちょっと考えていただけたらと思います。

 また、時間がありませんので進ませていただきますけれども、先ほどもう一つ言わせていただいたのは、若年者、要は現役稼働世代の固定化、生活保護を受給することの固定化というのをやはり防いでいかなければならない。それに対して、やはり働いてもらう、その働く場を見つけていくということが大事であります。

 先ほどから申し述べておりますように、我々のこの国においての生活保護というのは、僕は非常にしっかりしたものであると思っています。そういう意味では、今度、そこから自立して就労していただく、また自立していただくということを考えたときに、今、求職者支援制度を初め、あるんですけれども、かなりのインセンティブを働かさないと、しっかりとした生活保護からなかなか自立していただけないというふうに私自身は思っています。

 ですから、先ほど申し上げた求職者支援制度を初めさまざまな施策を打っていただいておりますけれども、やはりそれが効果的に自立支援につながっていく雇用政策、そういった求職者支援をしっかりとやっていただくというのを、ちょっと時間もありませんのでお願いをして、田村大臣に対する質疑は終わらせていただきたいと思います。

 次に、新藤総務大臣にお聞きをさせていただきます。

 国家公務員の人件費についてということで出させていただいているんですけれども、当然これは、七・八%のカット、また、それに準じて必要な措置を講ずるよう要請するというのが、本年の一月二十四日、閣議決定されているかと思います。

 まず、改めて、その要請は、何度も聞かれていると思いますけれども、強制じゃないのか、お答えいただけますでしょうか。

新藤国務大臣 これは私の方でとにかく丁寧に皆さんに説明をさせていただきたい、このように思っております。

 地方公務員の給与の削減の要請、これは強制ではありません。そして、国が今、国家公務員が、復興の財源に充てるために給与の削減をしております。私たちも、国会議員も閣僚も、これまた給与削減、これは二割カットしているわけであります。その中で、地方公務員の皆さんにも、ぜひ日本の再生に向けて協力をしていただけないか、国並みの給与の削減をしていただく中で、それを日本の再生のために一緒に協力していただけないか、こういうことでお願いしているわけであります。

 この要請は、結局、各団体において、各議会が審議をされて、そして条例となって地方自治体がみずから定めた中で措置される、このようにしております。我々とすれば、この趣旨をしっかりと誠意を持って説明をさせていただきたい、このように思っています。

井上(英)委員 今、総務大臣のお答えで、誠意を持ってということで御理解いただくということなんですけれども、ただ、全国知事会長の山田知事なんかの反応も見ていましたら、まだまだ御理解は得られていないんじゃないかなというふうに思うんですね。

 そういうことを考えると、今改めて、要請だというふうにおっしゃっていたんですけれども、先般、うちの会派の東国原議員からも、補正予算の予算委員会の際には、要請じゃなくて強制だというような話もありました。

 私も、やはり若干そういう感は否めないのかなと。やはりそれは、地方公務員の給与費の削減額ということで予算計上もされているわけですから、それがあって当然だというふうに解釈されても仕方がないと思うんですね。当然、それの積算根拠である単位費用も下げて、前年度の地方公務員から考えますと、一般財源で七千八百五十四億円、約八千億というふうに言わせていただきますけれども、その八千億の中から三千億の地域の元気づくり推進費というのがあって、私の考え方でいきますと、差し引きすれば五千億、交付税は減ってきているというふうに私は言わせていただきたいと思います。

 恐らく大臣も、いや、でも、八千減っているけれども、歳出を含めて特別枠を考えたら計上額はふえているんじゃないかというふうに多分おっしゃるんじゃないかというふうに思うんですけれども、全国防災事業費、また緊急防災・減災事業費というのは、これは地方債ですから、全国知事会の会長の山田知事の言葉をかりたら、地方公務員からしたら給料は切られて借金はさせられるというような表現になっていくと、どうしても思うんですね。

 やはりそういうことから考えて、また、その五千億、では、それがどこに行ったのか。これは地方債で起債する分ですから、どこに行ったのかというと、やはり国に拠出したことになって、国の借金返済に充てられるんじゃないか。またそうなると、さらに地方公務員にとってはやりきれない気持ちになるんじゃないかなと思います。

 防災、減災事業、そして地域の活性化等の緊急課題へ対応するということ自体は、我々会派としても否定することはありません。ただ、それに対応するためとはいえ、先ほど申し上げたように、強制的に地方公務員給与費を削減するということになりますと、やはり地方公務員の給与というのに関しては、地方の自主性、つまり、それぞれの人事委員会制度で勧告を受けているわけですから、それさえも否定するんじゃないか、地方分権の逆行になるんじゃないかというふうにも我々としては思っています。

 また、地域の元気づくり推進費の算定根拠も、これは先ほども申し上げた、資料配付していませんのであれですけれども、三千億積まれている中で、都道府県には一千九百五十億、市町村には千五十。それが、基礎額、そしてまたラスパイレス指数による加算、職員数の削減努力による加算という、ちょっと数字がない方にはわかりにくいと思いますけれども、そういった制約が非常にあります。

 その中で、ラスパイレス指数だけをとると、やはり人件費に対して努力をしていなく、まだ一〇〇を超えているようだったら、これは割り増しはないんですね、大臣。だから、一〇〇以上のラスパイレスになっていたら割り増しはゼロですから、結果的には落とせということになるんですね、人件費を。それはやはり、僕は、先ほど言われたように、要請ではなくて強制に、完全になっているんじゃないかと。

 だから、これは予算計上されていなくて、地方の自主性に委ねて、地方が判断して補正予算を組みますという議論でしたら、それは地方の判断ですからいいんですけれども、強制的に人件費をカットするという議論になってくると、先ほど申し上げたように、地方で今までは給与が認められていて、その給与の説明責任は人事院勧告なりその自治体に説明責任があるというふうに総務省はたしかおっしゃっていたような記憶があります。そういう意味でも逆行しているんじゃないか。

 また、ラスパイレスも、いろいろな意味で、行政職俸給表のみですから、課長級以下ということになります。だから、国家公務員の給与と地方公務員の給与とを完全に比べるんだったら、やはり課長級以上も含めるような、そういう指数。ただ、これも一定の比較の参考数値だと私は思っていますので、参考数値を前提に推進費を算定するというのには、私自身はちょっとおかしいんじゃないかというふうに言いたいと思います。

 時間もありませんので、大臣の出番はちょっと減っているんですけれども、地方はやはり不断の努力で職員数の削減それから総人件費のカットというのをやってきています。そういう中で、やはり地方自治体の頑張りに水を差すような形、頑張っても、指数が一〇〇を超えていれば加算はゼロです。その推進費分の加算が欲しければカットせい、落としてこいというのが恐らく総務省の意見かなというふうに思います。ですから、やはりそういう面で、全国知事会初め、市長会もそうですし、政令市長会もそうですし、みんな怒っているんじゃないかというふうに思うわけであります。

 ただ、今回このような措置をとられたんですけれども、大臣にお伺いしたいのは、結局これで誰が得をするのか。あるマスコミのチェックでは、知事、政令市長の八割がやはりこれに反対しているという記事も出ています。そういう中で、誰が得するのか。

 要は、先ほども申し上げたように、八千億減らしても、この平成二十五年度末見込みでは十三・三兆円の財源不足というのが発生しているので、への突っ張りにもなっていない金額なので、ぜひとも、なぜこういうふうになったのかということをちょっとお聞きさせていただいてよろしいでしょうか。済みません、最後によろしくお願いいたします。

新藤国務大臣 まず、今回のことは、日本の再生のために頑張るんだという意味があります。それには、地域を活性化させなきゃいけないということがございます。一方で、財政の健全化、歳出削減、この努力もしていかなければいけない。こういうことを両立させるためにどうしたらいいかということで、いろいろと工夫させていただいたわけであります。

 ですから、まず、歳出削減として給与の削減にはぜひ協力をし、国としては標準を定めるから、それに合わせて自治体の方で検討していただけないかということでお願いをいたしました。一方で、それはただ歳出削減で削るのみではなくて、歳出削減に見合った額を、今度は行革努力に沿った形で、町の元気づくりという形で地域活性化のために使ってくださいと。

 それは、まず均等配分した上で、行革努力に応じて、人を減らしたり、それから給与を削減した、その削減分に見合ったもので配分を変えるという形で、行革努力に沿った中での地域活力をふやすためのお手伝いを我々はさせていただきたい、こういう趣旨で設計させていただいたということでございます。

井上(英)委員 時間をオーバーして、済みません。終了させていただきます。どうもありがとうございました。

山本委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。

 次に、柏倉祐司君。

柏倉委員 みんなの党の柏倉祐司でございます。

 昨年末の衆議院選挙で初めて当選をさせていただきました。今回初めての質問でございます。どうか御指導のほどよろしくお願い申し上げます。

 私、地元栃木県で心臓内科を担当しておりました医師でございまして、栃木県でも、日光、鹿沼というような比較的高齢化が進んだ地区で医者をやっておりました。そこで直面する問題というのは、医療そのもの、いい医療をどうやって提供していくかということと同時に、ふえていくお年寄りにどのように血の通った介護またはおみとりを提供していくかということが非常に差し迫った問題でございます。

 しかし、特別養護老人ホームに入ってゆっくりと最期まで過ごしたいという方、多いにもかかわらず、やはり入所待ちというのは相変わらず多い状況でございます。かといって、いわゆる老健と言われている介護老人保健施設、これは、いろいろな規定があって、すぐに出されてしまうような状況もある。では、在宅でゆっくりと老後を最期まで過ごせるかというと、なかなか、都市部と同様に地方でも核家族化も進んでいて、細やかなケアが十分に行き届かない。どうしても施設介護というものを望むお年寄りが多いというのが現状でございます。

 そこで、在宅で医療、介護を提供していこうといった政府の基本方針、おありかと思いますが、それはそれで非常にいいことだというふうに思いますが、過渡的にといいますか、現実的にはまだまだ介護施設、特養ですとか老健の果たす役割というのは非常に大きいものがあると思います。

 そこで、現在の特別養護老人ホーム、老健の実態というものを正確に把握して、ぜひ次の介護報酬制度でも反映させていただきたいという思いもありまして質問させていただくわけではございますけれども、特養の入所待ちの問題と絡めまして質問させていただきたいと思います。

 まず、厚生労働大臣にお伺いしたいんですが、年間三十万人の方が病院外でお亡くなりになります。当然、介護施設でお亡くなりになる方、在宅でお亡くなりになる方、いらっしゃると思いますが、将来的に、在宅でお亡くなりになる方と施設でお亡くなりになる方、どのぐらいの比率でというようなことは難しいとは思いますが、在宅を推進していく中で、介護施設、特養や老健も、ついの住みか、おみとりの場としてやはり重要であるかどうかというところのお考えをまずお伺いさせていただきたいんです。

田村国務大臣 昔は大体御自宅で、医師が来られてみとられていたという状況が、今、もうほとんど、在宅では一割あるかないかという状況になってきておる状況でございます。

 そんな中で、百二十数万人がお亡くなりになられておられる現状でありますけれども、二〇三〇年には二百六十数万人と、四十万人がどこで最期をみとられるのかという大きな問題がある中で、一つは、在宅でという流れをやはり広げていかなきゃならぬなと。一つには、在宅療養支援診療所等々、有床診も含めてでありますけれども、そういうところを利用しながら、みとり加算、ターミナルケア加算等々含めて、今、診療報酬改定でそちらの方に何とか広げていこうというような努力をいたしておる最中でございます。

 一方で、委員おっしゃられますとおり、特養等々もその大きな役割を担っていくのであろうということでございまして、そこでは、配置医の先生方でありますとか看護師それから介護員、こういう方々が協力してみとられた場合にはみとり加算というものをつける。もちろん、在宅療養支援診療所の先生方が来られた場合にも加算をつけるという形で、二十四年度診療報酬改定の中においてこういうものをふやしたりしながら、そちらの方もしっかりと対応していくようにというような努力をしておるところであります。

柏倉委員 ありがとうございます。

 地域の医療計画というのは都道府県が主体となって作成するものでございますけれども、都道府県も、今後どれぐらい施設をつくっていくか、認可していくかというところを、頭を悩ませているところではないかというふうに思います。

 そこで、問題となっている、特別養護老人ホームに入りたい、いわゆる待機者の方々を優先して、これは介護を提供していかなきゃいけないかとは思うんですが、都道府県の医療計画を策定する上でも、ぜひ、国はどういった人を、やはりこういった人は優先的に入所していただいた方がいいだろうというように考えるのか、ありていに言えばその定義、しかるべき特養入居待機者という方の定義をお伺いしたいのと、実際にこれが全国で今どれぐらいいらっしゃるのかという実数を教えていただきたいと思います。

田村国務大臣 済みません、先ほど、二百六十と言ったようでございます。大体百六十万人が二〇三〇年にお亡くなりになられるということでございます。訂正いたしたいと思います。

 それから、今、特養の話が出ました。待機者四十二万人と今言われておりますけれども、これも、正確に把握しますと、要介護度四だとか五の方々がどれぐらいおられるかと見ますと、大体六万七千人ぐらいが、これは平成二十一年度の調査のようでありますけれども、待機の中に含まれるということでございまして、やはり重い方々が優先されるという基準が一つございます。

 ですから、実際、今、六万七千人、まあ七万人ぐらいの方々が足元必要な方であろうなというふうには思いますが、四十二万人という数字は、これから悪くなるという中において、やはり早く申請しておいた方が入りやすいだろうという中において出てきておる数字だというふうに思います。

 ちなみに、平成二十二年度でありますけれども、全国の特養の五百七十施設、これにいろいろと確認をしましたところ、真に入所が必要な方々というのは申込者のうちの大体一割ぐらいだということでございますので、それぐらいのところが、今、実際問題足らないという状況でございますから、それも含めて、これから計画的に整備をしてまいるということになろうと思います。

柏倉委員 どうもありがとうございます。

 特養のニーズが、六万七千人お待ちになっているとしても、やはり多いということだと思います。

 そこで、いかに特養を御希望されている方に入っていただくかということを考えなければいけないと思うんですが、まず一つは、特養は、個室ユニットを今中心に建てているわけですけれども、やはり、キャパシティーということを考えると、大部屋、多床ユニットへの、先祖返りというわけじゃありませんが、そういった方針の見直しも必要なんじゃないかというところをちょっとお伺いさせていただきます。

田村国務大臣 個室ユニットケアをずっと進めてまいってきております。もちろん、多床室をつくっちゃいけないというわけではございませんでして、それぞれ、必要に応じて都道府県で御決定をされておつくりをいただくことはできるわけでありますけれども、これは、入所される方々にしてみれば、プライバシーというものを重んじれば、やはり個室の方がいいであろうという流れであったんだろうと思います。

 ただ、委員おっしゃられますとおり、当然のごとく、個室の方が経費もかかりますし、御本人の負担も多いわけでございます。補足給付があるとはいえども、やはり多床室から比べれば負担が重いという中において、国民年金だけでお暮らし、しかも満額国民年金をおもらいになられていない方々から見れば、負担感があってなかなか厳しいというお声もお聞きします。

 これからいろいろな議論をさせていただかなきゃならぬと思いますけれども、例えば、プライバシーをある程度保護するために、簡易な間仕切り等々で個室化をしながらの多床室みたいなものも中には知恵としてはあるのではないか。いろいろな御議論がございますから、そこのところを踏まえながら検討させていただきたいというふうに思います。

柏倉委員 どうもありがとうございます。

 もう一つ、私が今いろいろな声を集めますと、話題に上るのが老健施設。やはり、老健施設の中に特養待ちの方が入所されているという方がかなり多いわけでございます。老健施設というのは基本的に居宅復帰、リハビリの場という位置づけではございますが、なかなか、そういった方だけが入るということではなくて、特養待ちの方も実際多い。実際に、特養と同じケアを受けている方もかなり多いという実感がございます。

 そこで、老健自体を、一部はもう特養化してしまう、一部をきっちりと本来の目的である居宅、リハビリの場としてすみ分けを図っていく、そういったお考えはどうでしょうか。現場の声としても、その方がケアもしやすい、わかりやすい、そういった声もございます。ぜひお考えをお願いします。

田村国務大臣 老人保健施設の場合は、やはり基本的には、リハビリテーションをして自宅に戻っていただくということが前提でございます。

 そういう意味からいたしまして、今、大体、ついの住みかになっている率が、全くないとは言いませんけれども、特養と比べて十分の一ぐらいだというふうにお伺いいたしておりますので、中で、老健なのに特養の役割を果たすということになると、やはり若干問題が、本来、本当にリハビリで在宅に戻っていただくような、そういう枠が減っていくんじゃないのかなという心配がございますので、その点はやはり、特養の整備をする中で、そういう方々は特養に移っていただく方がよろしいのではないかというふうに考えております。

柏倉委員 確かに、老健でお亡くなりになられる方は特養に比べて圧倒的に少ないというふうに思います。さりながら、この十年間で三倍近くになっているというようなデータもございまして、やはり、時代的なニーズとしては、老健がついの住みかとして位置づけられているのかなという実感もございます。老健を活用するという意味でも、ぜひお考えになっていただきたいと思います。地方に行きますと、特養は満床なんですが、まだまだ稼働率が低い老健が実際あることも事実でございます。そこのところの有効活用を図れることをぜひ一考していただければと思います。

 では、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 次は、科学研究費についてお伺いいたします。

 私は、医者と申しましたけれども、実際に基礎研究の方も従事しておりました。今、iPSが非常に花盛りでございますが、このiPS、オール・ジャパンで支援しなければいけないということは、私も共通の認識として持っております。

 そこで、せっかく国からお金をもらって研究をするわけですから、もっと使いやすい研究費のあり方というのを突き詰めてお考えになっていただく、これが今、非常に必要になっているんじゃないかなというふうに思います。

 まずそこで、使い切りの問題を言わせていただきたいんですが、例えば三年物の研究をするにしても、毎年毎年予算というものを使っていかなきゃいけない、単年度会計の仕組みになっているわけでございます。一部の科研費、日本学術振興会さんの基盤研究ですとか萌芽研究では基金化されて随分使いやすくなったというふうに私の同僚からも言われております。これを、それ以外の、JST、科学技術振興機構ですとか厚労省の科研費にもぜひ応用していただきたいと思うんですが、そこのところのお考えを文科大臣と厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。

下村国務大臣 お答えいたします。

 研究活動において、未知なる世界を切り開くという性格上、当初予定した年度ごとの研究計画が変更を迫られるということは多くあるわけでございます。研究の進展に合わせて柔軟に研究費を使用できるようにするということは、委員御指摘のように、大変重要なことであるというふうに思います。

 このため、科研費については、平成二十三年度、そして平成二十四年度に、一部研究種目において研究費の複数年度使用を可能とする基金化を導入したところでございます。御指摘のとおりでございます。

 さらに、平成二十五年度予算案において、基金化していない種目においても、研究費の前倒し使用や次年度使用を可能にする調整金を導入するなどの改善を図るところでございます。

 iPS細胞等を用いた再生医療、創薬の実用化に向けた研究について、柔軟な予算執行が可能となるよう、科学技術振興機構の運営費交付金事業とするとともに、政府として、十年間の継続的かつ着実な支援を決定しているところでもございます。

 今後とも、研究費の効果的、効率的な使用のための取り組みについて推進し、我が国の科学技術のさらなる振興に取り組んでまいります。

田村国務大臣 厚生労働省も科学技術研究費補助金を持っております。基本的には三年間は継続できるということでございまして、そういう意味では繰り越しができるようにはなっておるんですけれども、使い勝手が非常に悪いというような御指摘もいただいております。

 申請書類等々、簡素化に努めておるわけでありますけれども、なかなかそれでもというようなお声の中で、基金化、今、文科大臣おっしゃられましたけれども、文科省のように基金化を進めればどうだというような、そんな御指摘であったというふうに思います。

 いろいろと検討しなきゃなりませんが、これは受け皿をつくらなきゃいけない問題でございますので、我が省だけでなかなか単独ではできない、法改正も含めての話でございますから、関係省庁と協議をさせていただきながら検討をさせていただきたいと思います。

柏倉委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次は、研究と雇用に関する問題。iPSの山中教授が記念講演でくしくもおっしゃっておりました。

 有期契約、五年の有期契約以上になると、これから新労働契約法によって、それ以上は無期雇用にしなければいけないという定めができております。これは、研究していた私の立場から言わせていただくと非常にありがたいんですが、ただ、山中教授のように研究統括者になると、やはり残念ながら、いい研究者、そしてなかなか結果を出せない研究者、これはもう競争の原理で取捨選択していかなきゃいけないというのも事実でございます。こういったところが科学の厳しい世界、プロフェッショナルの世界でございます。

 そこで、具体的に、新労働契約法と有期雇用の問題、端的に言えば、六年以上の有期雇用の方、現場は、六年目が終わったところで評価したい、七年目が終わったところで評価したいという声もこれから上がってくるとは思うんですが、そこの兼ね合いをぜひお考えをお聞かせいただきたいと思います。

田村国務大臣 昨年、法律改正をいたしまして、正確には、五年を超える有期契約をしたその時点で五年を超えて無期化になる、そういう内容でございます。

 研究の場合は、おっしゃられますとおり、期間を定めたプロジェクトでございますから、仮にプロジェクトの主体がなくなれば、それは継続雇用も何も、もう雇用できないわけでありますから、その時点で解雇といいますか労働契約が終わるわけでありますが、よくあるのが、プロジェクトはプロジェクトであるんだけれども、雇い主が例えば大学であるという場合には、プロジェクトがなくなっても大学は続くわけでございますので、当然、雇い主は、五年を超えた後は無期で雇わなきゃいけない。

 そうなってきますと、その研究がなくなったのに、その人を雇い続けられるかどうか。場合によっては雇えるような場合もあるんだと思うんですよね。それに近いような研究があって、人が足らない場合には、そこで雇おうという話になるのでありましょうが、そもそもそのプロジェクトがなくなっちゃうと、どうしようもなくなっちゃって、どうするんだ、研究者の方は安定していいのかもわからないというお話がございましたけれども、なかなか雇う方の側からしてみれば困るというお話であろうと思います。

 でありますから、初め、プロジェクトのときに、例えば就業規則を結んで、その中に、プロジェクトの期間が言うなれば雇用期間でありますよ、有期で重ねていきますけれども、その期間までしか雇いませんよというようなことを書いておけば、解雇する相当理由ということで、これはある程度、言うなれば相当性が高まるというふうには思うんですが、それでも心配だ、それで本当に大丈夫かというお声もあろうと思います。

 どういう方法がいいのか、この法律との兼ね合いになりますけれども、ちょっと関係省庁、文科省とも御議論をさせていただいて、御心配の点がしっかりと解消できるような方向性を検討してまいりたいというふうに思います。

下村国務大臣 今御指摘をいただいたことは大変重要なことだというふうに思います。

 この改正労働契約法で、このことによって逆に、非正規の有期雇用を繰り返す労働者の雇用を安定させるという視点でございますけれども、今御指摘のように、五年以上の雇用が困難になり、必要な人材の確保が逆に難しくなっているという指摘もございます。

 また、一般的に、若手の研究者は有期のプロジェクト雇用を繰り返しながらキャリアアップを図るという方も多くて、キャリア形成の面からも、一定の流動性を確保する必要性も指摘されているところでありますし、こういうことも担保していく必要があると思います。

 文部科学省としては、優秀な人材を確保しながら研究開発プロジェクトを推進するという観点から、研究者や大学等の意見を十分に把握しつつ、今、田村厚労大臣からお話がありましたが、これは我が省としてはぜひ前向きに検討させていただきたいと思っております。

柏倉委員 ぜひよろしくお願い申し上げます。

 次に、時間の関係で、教育の問題に少し移らせていただきたいと思います。

 前のトニー・ブレア英国首相は、国の優先課題はとにかく教育、教育、教育だということをおっしゃったということでございますが、日本においてもしかりだというふうに私は考えております。

 そこで、今後、子供の学力に関して考えたときに、読み書きそろばんということは当然大事なわけなんですけれども、それだけではなくて、今は、創造力、そして問題解決能力、コミュニケーション能力、こういったものが非常に大きい。世界で伍していくためにはこういった能力を子供が身につけなければいけないんだ、これが世界の潮流になっているかと思います。

 ワークショップに行ってこういう創造力を涵養するというような取り組みをしっかりとされているとは思いますけれども、二〇二〇年の目標として、以前の知財計画で、子供創作ワークショップ、年間三十五万人をうたっておられるかとは思うんですが、どんどんこのプロジェクトは進めていっていただきたいと思います。

 この表現力、創造力をどうやって涵養していくか、今後の政府の具体的な取り組みについて、ぜひ教えていただきたいといます。

下村国務大臣 御指摘のように、今までの日本の教育は、一方的に教師が生徒に対して講義をする、教育をするということだけで、生徒、子供たちの方から表現力や創造力を育むという視点が十分でなかったというふうに思います。

 改正教育基本法においても、教育の目標として、個人の能力を伸ばし、創造性を培うことが新たに掲げられたところでありまして、次代を担う子供たちに表現力や創造力を育む、これは極めて、これからの時代、さらに重要なことであるというふうに思います。

 このような認識のもとで、新学習指導要領においては、子供たちの思考力、判断力、表現力等を育むことを特に重視しておりまして、そのため、国語科だけでなく、全ての教育活動において、説明、論述、討論などの言語活動の充実を図ることを示しております。

 文部科学省としては、言語活動の充実に関する指導事例集の作成などを通じて、各学校における思考力、判断力、表現力等の育成を支援しているところでございます。

 さらに、平成二十五年度予算案において、外部講師を活用し、ワークショップ形式による対話、創作、表現活動等を通じて児童生徒の思考力、人間関係形成能力等を育成する取り組みの充実、このための予算を計上しているところでございます。

 委員から御指摘がございましたが、今後とも、この表現力や創造力を育む教育の充実を図ることは大変重要なことであるというふうに思いますし、しっかり取り組んでまいります。

柏倉委員 ぜひよろしくお願い申し上げます。

 あと、これからは情報リテラシーという問題も出てまいります。情報をいかに取捨選択するか、そして自分で組み立てていくか、こういったところ。iPadですとかいろいろなタブレットを使った小学校、中学校での授業が、今、全国的に展開されているようでございます。そういったところ、いろいろなマイナスもございますが、それをクリアして、これはデジタル教育、情報リテラシー教育も含めて、ぜひ推進をしていただければと思います。ぜひよろしくお願い申し上げます。

 時間の関係で最後になりますけれども、私、地元の栃木県にも関係しております指定廃棄物最終処分場選定に関する問題を、石原環境大臣にお伺いしたいと思います。

 現政権も、北関東三県と千葉、宮城、それぞれに最終処分場をつくるという前政権の方針を踏襲なされるということでございます。

 ただ、我々当該地としましては、非常に疑問が多いこのプロセス、一連のプロセスでございます。そもそも、この基本方針が出てきた、その唐突感というものが我々ございます。この環境汚染への対処に関する特措法第七条に基づく基本方針でございますが、法律、政令、省令、どこにも書いてない内容がここに出てきている。果たしてこれが正しいものなのか、そして、法律根拠が果たしてこれにあるのかということに関して、ぜひ大臣のお考えを伺いたいと思います。

 そして、とにかく、我々は風評被害に、必ず最前線に立たされるわけでございます。もし万が一そういったところに処分場をつくる場合、風評被害対策というのをあらかじめお考えになられているのかどうかも含めまして、ぜひ答弁をお願い申し上げます。

石原国務大臣 柏倉委員のお地元の栃木県並びに候補地とされた地元の皆様方には、大変な御心配もおかけし、また御迷惑をおかけしているんだと思っております。

 第二次安倍政権になりまして、私どもは、改めるべきところはやはり改めていかなければならないんじゃないかという基本姿勢に立ちまして、これまで、なぜこれだけの反発をお招きしてしまったのかというような検証を行いまして、これからはやはり自治体の皆様との意見交換を重視した選定プロセスに大幅に見直すという方針を、先月、発表もさせていただいたところでございます。

 きょうは秋野政務官もおいででございますが、井上副大臣、政務官、もう既に各県の知事さんとお会いいただきまして、これまでの検証結果、あるいは今後どういう形でこの問題に取り組んでいくのかというような報告を行わせていただきまして、一定の評価というものはいただいたところでございます。

 今、風評被害について委員の方から御言及がありましたが、やはり、どこにつくるにいたしましても、安全性というものの御理解がない限りは風評被害を招いてしまう。

 ですから、選考過程あるいは建設過程の中で、安全性というものをしっかりと、第三者が見ても大丈夫であるということを示させていただきたいと考えており、今後とも、各県の御協力を得て、市町村長との意見交換を重ねて共通の理解というものを醸成してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。

柏倉委員 どうもありがとうございます。

 ぜひ、透明性のある議論、候補地選定ですね、それを行っていただいて、土木的観点だけではなくて環境保全の観点からもこの放射能行政をしっかりとやっていただければと思います。

 本日は、どうもありがとうございました。

山本委員長 これにて柏倉君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る十八日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    正午散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.