衆議院

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第21号 平成25年4月9日(火曜日)

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平成二十五年四月九日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山本 有二君

   理事 伊藤 達也君 理事 岩屋  毅君

   理事 遠藤 利明君 理事 小此木八郎君

   理事 西銘恒三郎君 理事 萩生田光一君

   理事 長妻  昭君 理事 山田  宏君

   理事 石田 祝稔君

      あかま二郎君    青山 周平君

      秋元  司君    秋本 真利君

      安藤  裕君    井野 俊郎君

      伊藤信太郎君    石崎  徹君

      今枝宗一郎君    今村 雅弘君

      うえの賢一郎君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    大塚 高司君

      大塚  拓君    大野敬太郎君

      奥野 信亮君    金子 一義君

      小池百合子君    関  芳弘君

      渡海紀三朗君    西川 公也君

      野田  毅君    橋本 英教君

      原田 義昭君    船橋 利実君

      細田 健一君    牧島かれん君

      牧原 秀樹君    宮路 和明君

      村井 英樹君    保岡 興治君

      簗  和生君    山田 賢司君

      山本 幸三君    湯川 一行君

      若宮 健嗣君    泉  健太君

      小川 淳也君    大島  敦君

      奥野総一郎君    岸本 周平君

      後藤 祐一君    田嶋  要君

      玉木雄一郎君    津村 啓介君

      辻元 清美君    寺島 義幸君

      坂本祐之輔君    椎木  保君

      重徳 和彦君    中田  宏君

      中山 成彬君    西野 弘一君

      馬場 伸幸君    東国原英夫君

      松浪 健太君    伊藤  渉君

      浮島 智子君    佐藤 英道君

      樋口 尚也君    浅尾慶一郎君

      井坂 信彦君    柿沢 未途君

      佐藤 正夫君    穀田 恵二君

      宮本 岳志君    小宮山泰子君

      村上 史好君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (地方分権改革担当)

   (道州制担当)      新藤 義孝君

   法務大臣         谷垣 禎一君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   経済産業大臣       茂木 敏充君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 山本 一太君

   国務大臣         森 まさこ君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   甘利  明君

   国務大臣

   (行政改革担当)

   (公務員制度改革担当)  稲田 朋美君

   財務副大臣        山口 俊一君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    山本 庸幸君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      原  恒雄君

   会計検査院長       山浦 久司君

   政府参考人

   (人事院事務総局総括審議官)           永長 正士君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  山縣 宣彦君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月九日

 辞任         補欠選任

  塩崎 恭久君     船橋 利実君

  中山 泰秀君     牧島かれん君

  西川 公也君     簗  和生君

  船田  元君     細田 健一君

  牧原 秀樹君     石崎  徹君

  岸本 周平君     大島  敦君

  辻元 清美君     後藤 祐一君

  原口 一博君     奥野総一郎君

  前原 誠司君     泉  健太君

  坂本祐之輔君     松浪 健太君

  重徳 和彦君     馬場 伸幸君

  中田  宏君     西野 弘一君

  中山 成彬君     椎木  保君

  浮島 智子君     樋口 尚也君

  佐藤 英道君     伊藤  渉君

  柿沢 未途君     浅尾慶一郎君

  佐藤 正夫君     井坂 信彦君

  宮本 岳志君     穀田 恵二君

  村上 史好君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     牧原 秀樹君

  船橋 利実君     村井 英樹君

  細田 健一君     湯川 一行君

  牧島かれん君     山田 賢司君

  簗  和生君     井野 俊郎君

  泉  健太君     津村 啓介君

  大島  敦君     岸本 周平君

  奥野総一郎君     寺島 義幸君

  後藤 祐一君     辻元 清美君

  椎木  保君     中山 成彬君

  西野 弘一君     中田  宏君

  馬場 伸幸君     重徳 和彦君

  松浪 健太君     坂本祐之輔君

  伊藤  渉君     佐藤 英道君

  樋口 尚也君     浮島 智子君

  浅尾慶一郎君     柿沢 未途君

  井坂 信彦君     佐藤 正夫君

  穀田 恵二君     宮本 岳志君

  小宮山泰子君     村上 史好君

同日

 辞任         補欠選任

  井野 俊郎君     小倉 將信君

  村井 英樹君     安藤  裕君

  山田 賢司君     青山 周平君

  湯川 一行君     秋本 真利君

  津村 啓介君     田嶋  要君

  寺島 義幸君     原口 一博君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     大野敬太郎君

  秋本 真利君     今枝宗一郎君

  安藤  裕君     橋本 英教君

  小倉 將信君     西川 公也君

  田嶋  要君     小川 淳也君

同日

 辞任         補欠選任

  今枝宗一郎君     船田  元君

  大野敬太郎君     中山 泰秀君

  橋本 英教君     塩崎 恭久君

  小川 淳也君     前原 誠司君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における会計検査院当局者出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十五年度一般会計予算

 平成二十五年度特別会計予算

 平成二十五年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

山本委員長 これより会議を開きます。

 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算、平成二十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局総括審議官永長正士君、国土交通省港湾局長山縣宣彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山本委員長 本日は、統治機構・行政改革・政治改革等についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今村雅弘君。

今村(雅)委員 おはようございます。自民党の今村雅弘でございます。よろしくお願いします。

 ことしもきれいに桜が咲きました。そして、もう散ってしまいましたが、中国の有名な漢詩の一節にこういうのがございます。

 「洛陽城東桃李の花 飛び来たり飛び去って誰が家にか落つ」ということから始まりまして、「古人復た洛城の東に無し 今人還って対する落花の風 年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず」、これは有名な句でございます。

 今、花は咲きましたが、この場には、一年前と違って安倍総理がいらっしゃるわけであります。大変感慨深いものがあるかと思いますが、ぜひまた、国家国民のためにしっかり頑張っていただきたい、よろしくお願いいたします。

 そして、先日は、東京の銀座でありますが、私の地元のJAさがが経営しているレストランにおいでいただきまして、本当にありがとうございました。従業員も大変喜んでおりましたが、それ以上に、実は地元で総理の動静が新聞に出るものですから、ああ、この店に来てくれたんですかということで、大変話題を呼んでおります。

 それで、よく聞かれるのは、総理、胃袋はどうだったですかという話で、いや、もう刺身から佐賀牛のせいろ蒸しから、ぱくぱく食っていましたよ、最後にはホワイトアスパラがもう少しないのかというような話もされまして、大変うまかったと言っていましたよと言ったら、みんなやはり喜んでくれまして、本当によかったと思います。

 とかく今、TPPその他で不安がっていますから、私もそういう意味では大変ありがたかったんですが、一つここでお願いは、佐賀に限らず、全国やはりいろいろなうまいものが、御当地グルメが、東京にも店があると思います。できればそういうところにぜひお出かけいただければというふうに思います。

 やはり、日本食のすばらしいのは、食材がすばらしいからだと思うんですよ。これはもう、南北三千キロ、四千キロある、あるいは高い山もある、そういう中でいろいろなものができていますから、これがある意味では大変日本の農業のハンディキャップでもあるけれども、逆にうまいものをつくれるという要素もあるわけでございますので、そういったことをしっかり評価していただいて、そういう意味では、日本の食材はすばらしいんだ、だから日本の農業はしっかり守るんだということを言っていただければ大変ありがたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 先般、議員にごちそうになったわけでありますが、はやっていないお店に行ってそこをはやらせようということではなくて、あのお店は、既に極めて予約がとりにくいという状況になっておりまして、数週間前から予約をしなければいけない店になっているということで、私も大変驚いたわけでございまして、佐賀牛もおいしくいただかせていただきました。

 そのように、JAさがが努力をしておられる、つまり、地元の食材を銀座という場所において、そこで食材を提供することによって農家の収入増を図っていく、ブランド化する。さらには、やはり農林水産業、生産額だけでは十一兆円ぐらいでありますが、これに外食産業も入れた食品加工を合わせれば九十四兆円になるわけでありまして、農家の所得をふやしていくためには、ブランド化と同時に、付加価値をさらにつけていくということも極めて重要ではないかなと思いました。

 JAさがは、さらにニューヨークにも出店を計画されているというふうに伺いまして、私も今まで、山口県産を出すお店には行ったことがあるんですが、佐賀に負けないように、JA山口にも頑張るように伝えていたところでございます。

 いずれにせよ、このように日本の食材、みんな自信を持ってこれをブランド化して、さらに付加価値をつけて、そして農家の収入を上げていく、その方向に向かって我々も頑張っていきたいと思います。

今村(雅)委員 ありがとうございます。

 佐賀にはノリも、大変うまいノリがありますので、よろしくお願いします。

 こんなことを言っていると委員長から叱られますので、早速本題に入りたいと思います。

 きょうは、先ほど言われた三つのテーマでございますが、今、選挙の制度、特に最近、高等裁判所の判決が十六件続けて出まして、一票の格差問題等々ありますし、また政治の世界でも、〇増五減等をめぐっていろいろな議論が交わされているところでありますし、また抜本改革のこともこれから大きなテーマになってくると思います。そこで、まず、これについて少し質問したいと思います。

 今お手元にお配りしている資料があるわけでございますが、現行のこの制度、大体三つの要素が絡み合って問題を複雑にしているのかなというふうに思っております。

 このパネルにございますが、一つにはやはり現行の衆議院の選挙制度、またもう一つは定数減、そしてもう一つは一票の価値の格差ということではないかと思っております。そして、これらがそれぞれ複雑に絡み合っているところでありますので、今後、こういったところを、頭の整理をしながら、問題解決に取り組んでいかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。

 先ほど言いました〇増五減は、これは緊急措置としてやらなければいけないのは明白でありますけれども、そうはいっても、やはり対象になる地元の方々からすると、なぜだという不満があるわけでございますので、そういったこともしっかり説明をしていく必要があるというふうに思っております。

 まず現行衆議院選挙制度。ここに挙げていますように、これは今までもいろいろ言われてきましたけれども、非常に得票率と議席の獲得率に乖離が大きい。あるいは、それによって一票の価値のひずみがさらに大きくなっていること。それを緩和するために比例の並立ということを挙げておりますけれども、それでもやはり振幅が大きい。政権がかわりやすい、政権交代がしやすいということであったかもしれませんが、余りにも不安定過ぎるじゃないかという問題が出てきている。

 そしてまた、有権者の方からすると、どうしても選ぶ候補が少ないという問題。あるいは、候補者にしてみれば、最大公約数的な公約ですね。とにかく半分以上とらなきゃいけないわけですから、どうしても個性の少ない議員が生まれる。そしてまた、どうしても地域志向が強くなってくる、こういう問題があるというふうに思っております。

 それから定数減。これは、まさに行政改革あるいは増税ということも含めて、もっと議員も痛みを分かち合えということであるかと思いますが、これもやらなければいけないというふうに思っております。しかし、その一方で、外国との比較もすると、意外と知られていないんですが、少ないという面もございます。

 もう一つは、一票の価値の格差であります。ここにちょっといろいろ、根拠となりそうな、そういう判例で示している条文等を書いておりますが、こういったものが複雑に絡んでいる。

 例えば、絡み方でいいますと、定数減の話でございます。

 先ほどちょっと申しましたが、外国と比べるとどうなるのか。いわゆる日本で言う衆参両方、上院下院ということでございますが、これは意外と知られていないんですが、OECD加盟三十四カ国の中では、アメリカ合衆国に次いで実は議員の数は少ない。アメリカ合衆国は連邦制ですから、それぞれの州議会の議員が国会議員みたいなものですからこれは特別だとすると、ある意味では日本は非常に少ないということ、これはやはりある程度知っておく必要があると思います。G8の加盟国、丸印をつけておりますが、その中でも低い方であります。

 しかし、ここで、定数減ということでありますと、先ほどいろいろな影響があると言ったのは、例えば小選挙区を減らそうとなってくると、さらに地方が議席が減るという問題が出てくる。そして、比例区を減らすと、少数意見あるいは少数政党が困るという問題もあるわけですから、この辺はこれからのまた大きな一つの課題じゃないかというふうに思っておりますが、やはり納得のいく定数減ということを議論しなければいけないと思います。

 それから、先ほど申しました衆議院の選挙制度でありますが、先ほどちょっと簡単に申しましたが、総理に感想をお伺いしたいと思いますけれども、現行選挙制度について、総理はどういう問題意識といいますか、あるいは、もう少しこうすべきじゃないかということをお考えになっているか、簡単でよろしいですから、ちょっと感想を述べていただけますか。

安倍内閣総理大臣 私が当選しましたのが平成五年の総選挙でございまして、そのときの大きなテーマは政治改革でありました。そして、その政治改革の中心的なテーマが選挙制度の改革だったんですね。そして、当選してほぼ半年ぐらいは、ずっとこの選挙制度の改革が国会で議論されたわけでございまして、中選挙区を守っていくのか、小選挙区か。つまり、中選挙区ということになりますと、自民党では自民党の議員同士が争うということでありまして、私の選挙区では、例えば、河村建夫さんと、今、安倍内閣の一員の林芳正さんのお父さんと戦っていたわけでございまして、そうした個人間の戦いから、政党間、政策本位の戦いに変えようというのがこの選挙制度改革の大きな主眼であったのではないかと思います。

 当時の私の立場は、そうはいっても、やはり政策と同時に、誰に託すのかということも大切ではないかというのが私の考え方でございまして、むしろ中選挙区制度を守った方がいいというのが私の立場でございまして、守旧派とか言われたわけでございます。

 そして、小選挙区比例代表並立制は、小選挙区では民意の集約を行い、そして比例において民意を反映する、この機能をあわせ持つというのが小選挙区比例代表並立制であるわけでございますが、しかし、今御指摘のように、やはり小選挙区における振れが余りにも多い、過度な集約を、比例においても十分に集約されていないというのが現状だろうと思います。

 その中におきまして、自民党案において、細田案においてその過度の集約を是正していこうというのが、今、自民党で議論されている案なんだろう、このように思いますが、いずれにせよ、まさに選挙制度は民主主義の土俵づくりでありますから、しっかりと国会において、各党各会派において議論をしていただきたいと思います。

今村(雅)委員 ありがとうございました。

 ぜひ、現行制度の問題点、改善等について、しっかり我々も議論を深めていきたいというふうに思っております。

 そうした中で、一票の価値の格差という三点目の課題でございます。

 これについては、先ほど言いましたように、最近、高裁判決も、憲法違反である、違憲状態である、あるいは、中には無効であるということまで言っている高等裁判所もあるわけでございます。さらには、平成二十三年三月、今から二年前には、最高裁も違憲状態にあるということを言っているわけでございますので、これを、格差をどう縮めるかということも大きな課題であるわけでございますが、ただ、この仕組みの問題は、ある意味では民主主義の一番の根幹をなすものでありますから、単に司法の判断だけで全てというわけにもいかないと思います。

 そういう意味で、まずちょっと一つ聞きたいんですが、これは総務大臣なんですかね、高裁で、二つの高裁がこれを無効と言っているんですね。若干その二つはニュアンスが違いますが、これはしかし、無効とまで言うのはちょっと言い過ぎじゃないか。例えば無効とした場合に、もしそれが判決が確定した場合に、どういうことが起きるんでしょうか。ちょっとそれを教えてください。

新藤国務大臣 まず、そういったものは最高裁で最終的に争われることになると思いますが、最高裁において、これまで無効判決というものが出されたことはございません。そして、今後どのような判決が出るかというのはまさに最高裁の判断ということでありまして、これは仮定の話ということですから、お答えしようがありません。

 しかし、一般論で言いますと、公選法の第二百四条による選挙の効力に関する訴訟、これについての一般論で言うと、訴訟が提起された選挙区について選挙が無効とされた場合には、当該選挙区から選出された議員は将来に向かって議員の身分を失うことになる、このようになると思います。

今村(雅)委員 ですから、無効の効果というのは、基本的にはさかのぼってということになるとも思いますし、そうすると、今まで国会が新しい体制になってからやってきたことは一体何だということにもなるわけであります。

 それから、ちょっとミクロの問題ですが、同じ選挙区で、小選挙区と比例復活で受かった二人がいる、そうすると、今のケースの場合は、小選挙区で無効と言われた人がだめとなって、比例で二番、三番目で受かってきた人はそのまま残るということになるわけですね。ですから、これも何かおかしな話でありまして、法理論ではそうかもしれませんが、現実にはなかなかそういったことは合わないよということをやはりもう少し判事の人たちも考えてほしいなという感じはいたしております。

 それはそれで、余り批判するといけないですから、もう次へ行きます。

 もう一つは、さっき言った二十三年三月二十三日の最高裁の判例について、これがある意味では今回の高裁云々の一つの指標になっているんじゃないかなという気もしますが、そこでは何を言っているかというと、要するに、結論は違憲状態でありますね、そしてそれをもたらしているのは、各都道府県別に一つずつ割り当てたことがおかしいというような論になっているわけであります。しかし、その中で言っているのは、やはり最高裁らしく、この選挙制度はすぐれて国民の権利を云々であるから、人口だけじゃなくて、いろいろな要素も勘案して、合理的な範囲内でということは言ってはくれているわけであります。

 そこで、それはそれとして、もう一つここで問題が出てきているのは、都道府県に一つずつ議席をやるという中で、これが憲法四十三条の国民の代表ということを根拠にして言っているところがあります。これはどういうことかというと、大都会の人でも、あるいは地方から出てきた人でも、ある意味では国民の代表なんだから、自分の地域のことばかり考えないで、全国家的な見地からやれ、そういうことでいけば、この問題は、やはり都道府県に一つずつやるのはおかしい、そういう論になっていたかと思います。

 そもそも論として、これはちょっと、むしろ法務大臣、大臣個人の立場というよりも、ある意味では一人の法律家の立場としてでも結構でございますから、答えていただきたいんですが、この一票の価値の格差は、法のもとの平等、憲法十四条が一番根源的なもとじゃないかなというふうに思っておりますが、この憲法十四条というのは、もっと人間としての根源的な権利を高く宣言したものであって、どうも、この一票の価値の云々とかなんとか、そういった細かいことまではここで述べていないんじゃないか、また、そういったところをこの十四条をもとにするというのはちょっとおかしいんじゃないかなという感じもしますが、どうでしょうか、法務大臣。

谷垣国務大臣 憲法十四条というのは、確かに、人権の根本的な平等という近代法思想の根幹を表現した条文だろうと私は思います。それが一票の格差とどういう関係にあるのかというのは大変難しいお問いかけで、ただ、ここに国務大臣として立たせていただきますと、先ほど御指摘の平成二十三年の最高裁判決、さらにその背景にあるのは昭和五十一年の最高裁判決がこの分野のリーディングケースになっておりますが、いずれも、一票の価値というものを判断しますのに憲法十四条を根拠に置いて、憲法十四条を背景にして判断をしている。

 そうしますと、今、行政府におります私としては、なるほど、この一票の格差の問題は、憲法十四条で最高裁は、しかも大法廷判決は判断しているなと申し上げる以外にお答えのしようがないというのが私の今の立場でございます。

今村(雅)委員 それ以上のことは言えないと思います。

 もう一つ、さっきちょっと触れました、ここにも出ていますが、憲法四十三条の関係で、お手元に最高裁判決の抜粋を入れております。その中で、二枚目でちょっとクエスチョンマークをつけています。これが先ほど言った、いずれの地域の選挙区から選出されたかを問わず云々ということであります。

 こういうことなんでしょうが、ある意味では、これを逆説的に読むと、人口の少ない、地方から出た人も、国のことをちゃんと、全国家的な立場で考えればいいじゃないかという逆説的な考え方もこれはできるわけであって、そういうことを考えると、人口だけによって決める要素というのはもっと小さくなってもいいんじゃないか。それは、人口以上に、要するにいろいろな地域の条件、一ページ目に書いてあります面積とか人口密度、住民構成、交通事情、地理的状況云々、こういったものをもっと広くとってもいいんじゃないか、そういったものは許されるんじゃないかということを、この四十三条を逆読みすれば言えるんじゃないかなというふうに思っております。

 例えば、地域事情といえば、私のところも今回、〇増五減で一つ減ります、それから稲田大臣のところも減るわけでありますが、両県とも、一つ共通しているのは、原子力発電所があるということなんですよ。

 ですから、そういった事情も、あるいは、いろいろな、地方から電力とか水とかそういったことを送っている、そしてまた、国土をしっかり厳しい条件の中で守ってくれている、そういったところもやはり要素を入れなきゃいけないんじゃないか。そしてまた、そこに暮らすためのいろいろな条件、そういったものをクリアするために、ある意味では、そういった要素も入れてこれは考えるべきじゃないかというふうに思っております。

 これについては、もう先ほどの答弁よりも、それ以上の答弁は無理かと思いますので、一応そういった問題意識を持っているということで、これから我々もこの問題にしっかり取り組んでいきたいというふうに思っておりますが、総務大臣、何か御意見ありますか。よろしいですか。

 それでは、次に参りますが、いわゆる道州制の問題であります。これは統治機構ということであります。

 この問題は、自民党では、平成十七年から道州制調査会をつくって取り組んでまいりました。

 この問題については、ある意味では、今この日本の国が置かれている状況、まさに、明治維新で中央集権国家をつくってやらないともうだめになるということから始まって今日を築いてきたというふうに思っております。そして、そのモデルは本当に成功したというふうに思っておりますが、さすがにここに来ていろいろなひずみも出てきている。もう小手先のことではなかなかこの国は立ち行かないんじゃないかということで、この問題を今、大きくクローズアップさせようとしているわけであります。

 この「現行統治システムの成果と課題」、ちょっと大げさな題にしていますが、道州制に関連した中で、今の統治システムの問題等について、あるいは、道州制についての取り組みといいますかそういったものにつきまして、総理の御見解を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 この道州制につきましては、委員には、自由民主党の道州制の本部長として、成案を得る上において大変な御尽力をいただいたことに敬意を表したいと思います。

 第一次安倍内閣において開催された道州制ビジョン懇談会において、現行の統治システムについては、今日の豊かな日本をつくる上において大きな成果を上げた、こう評価をしておりますが、しかし同時に、地域間格差の拡大あるいはグローバル社会の中においての地域経済の停滞、こういうものには十分に対応できないでいる、そういう結論を出しているわけでありまして、こうした課題に対応していくためにも、やはり道州制に取り組んでいかなければならない、このように思います。

 やはり、地域が地域の特性を生かして活力を得ていくためには、道州制についてしっかりと議論を前に進めていきたいと思います。

今村(雅)委員 ありがとうございます。

 先ほど明治維新と言いましたが、明治維新はまさに総理のふるさとであります長州藩が主力になってつくったわけでありまして、それと今度は逆のベクトルのことをやるということにもなるわけでありますが、ここで大事なことは、この明治維新がどうしてできたかというその基盤は、やはり、当時の幕藩体制の中で、各藩が、三百諸侯がそれなりに地域できちんとした自立した経済、政治体制をつくってやってきた。そしてまた、そこにいろいろな産業もありましたし、もう一つ大事なことは、非常に教育水準が高かった、これはもうお侍から町人まで。そういった、ある意味では足腰がしっかりしていたから、だから、さあ、いざというときに、こうやって中央集権国家をつくろうということで私はできたというふうに思っております。

 しかし、昨今、先ほど選挙の格差の問題も申しましたが、非常に都市化そして過疎化というのが極端に進んできてしまっている。それが先ほど言った一票の格差の問題の背景にももちろんなっているわけでありますが、このままいったら、東京だけがもうとにかくどんどんどんどん大きくなって、地方が本当にだめになっていく、そういうことはさらに進むわけであります。やはり、それじゃいかぬわけであって、足腰の強い国づくりをしなきゃいけないということであるわけです。特に、最近は大災害ということが心配されておりますし、東京直下型の大きな災害があるというようなこともあったときには、やはりそういったものに対抗して、しっかりとした足腰の強い国づくりをしなきゃいけないというふうに思っております。

 そういう中で、ここに、二番目に「自恃の精神」と書いてあります。これは珍しい、余りないんですけれども、この自恃の「恃」というのは頼むという意味であります。みずからを頼むということでありまして、やはり、自分たちの国は自分たちでしっかり守ろうじゃないか、自分たちのふるさとはしっかり自分たちで打ち立てていこうじゃないか、そういった精神をもう一度呼び起こしてやっていかなきゃいけない。

 総理が先ほど言われましたように、今のこの仕組みというのは、ある意味では、中央集権国家で、楽な面もあります。中央にしがみついてもらえればいいということもありますが、いつまでもそういった余裕はないわけでありますので、まさに喫緊の課題としてこれをやっていかなきゃいけないというふうに思っております。

 そういう中で、私も実はJRの分割のときにタッチして、大変苦労もさせてもらいましたけれども、今JRは、当時ひどかったのが、各社とも本当に頑張っております。私の出身の九州もいろいろな意味で頑張っていまして、収入は倍近く上がっているし、そして、鉄道事業だけでは稼げないということで、いろいろなほかの事業をやって、むしろその利益が鉄道事業の赤字を埋めている、そこまで来ているということであります。

 こういったことは、考えてみますと、やはり日本人が持っている、ある意味でやるぞという気持ちをどう引き出すかということにかかわってくるわけであって、ぜひ今後、道州制の仕組みをつくるときには、切り捨てるとかあるいはしがみつくとか、そういう論理の戦いじゃなくて、それぞれの地域で一つの大きな元気のいい国をつくっていくんだというぐらいの気概が必要だと思いますし、また、そういった仕組みを支えることが大事なことだというふうに思っております。

 その中で、一つ、今申しましたが、今成長戦略ということで言われております。確かにこれは大事なことでありますが、道州制でそういう取り組みをするということは、ある意味では、それぞれの地域が頑張るぞということになってくると、これが一番大きな成長戦略ではないかと思います。

 ぜひ、その成長戦略の大きな柱に位置づけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、総理。

安倍内閣総理大臣 この成長戦略の中においては、各地方が地域の特性を生かして活力を持って成長していくことが極めて重要だろうと思います。その意味におきましても、地方に分権をしていく、当然でありますが、その受け皿となるのはどこかということであるとすると、やはり道州制というしっかりとした母体をつくっていく、そのことが必要ではないだろうか、こう思うわけでありまして、地域が活力を持っていく、そして、道州制という大きな基盤ができることによって、東京を通してではなくて、そこから直接海外とやりとりをしていく、海外に発信をしていくということにもつながっていくわけであります。

 そしてまた、道州制ができて、州の中における新たなインフラも必要になってくるわけでありまして、新しいネットワークも誕生していく中において、日本という国を根本から変えていく力、基盤ともなっていくんだろう、こう思うわけでございまして、その意味におきまして、道州制基本法について早期の制定を目指していきたいと思います。

 委員が本部長を務めていただいております道州制推進本部において精力的に御議論をいただいておりますが、議論が集約され次第、法案が国会に提出されることになる、このように思いまして、今後、政府としても連携を深めて取り組んでいきたいと思います。

今村(雅)委員 我々もしっかり進めてまいります。

 そこで、一つ、これは大事なことだから、ぜひここで述べさせていただきますが、我々はいわゆる三層制ということで考えております。つまり、中央政府と道州政府と、あとは基礎自治体ということであります。ここが、前の政権のときには、どちらかというと二層制に近い、中央政府とそして基礎自治体ということになっておったかと思います。ですから、出先機関を云々という話があったわけでございます。

 大事なことは、例えば具体的に言いますと、九州なら九州で、国土交通省の九州整備局がありますが、これを地方に云々するんじゃなくて、むしろ、九州整備局なら九州整備局を一つの九州の国土交通省にする、そういった、ある意味ではきちんとしたヘッド機能をそこに持たせる、そこが私は大事なことになってくるんじゃないかなというふうに思っております。

 そういったことを基本にしながら、これから早急にこの法案提出に向けてやっていきたいというふうに思っております。

 そこで、一つ、総理にも、それから稲田大臣になるんですか、ちょっとお願いしたいのは、政府の方でも、やはり道州制がいよいよ動き出すぞ、また、やるよということの中で、推進会議なりなんなり、そういった体制をぜひ設置して進めてもらえないでしょうか。

 そうすることによって、今まで、この道州制の話は、浮いては消え、浮いては消え、蜃気楼みたいなものだったんですけれども、いよいよこれを俎上にのせるんだ、本物にするんだぞということになれば、いろいろな人が真剣になっていろいろないい意見を出してくれると思いますから、ぜひそれをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

新藤国務大臣 まず、道州制の推進本部長として御活躍いただいていることには敬意を表したい、このように思いますし、まず党の中で取りまとめをいただくことが極めて重要だと総理からの御答弁ありましたように、そういった方針が取りまとめられた上で、それらについて加速した取り組みをしていきたい、こういうことであります。

 私は今、道州制担当大臣というものを仰せつかっております。結局、この動きは第一次安倍内閣から始まったんですね。そして、道州制をどのようにつくっていくべきか、また検討すべきかというビジョン懇というのがございました。しかし、これは、残念ながら前政権において廃止されたわけであります。そして、前政権の期間は、道州制の担当大臣というものが置かれていなかったという状態がいっときございました。今回、また安倍内閣が、第二次内閣ができて、そして私が今担当をさせていただいているということであります。

 もとより、この国の統治機構を見直す、そして地方の活力を維持しつつ利便性を上げていく、そして、もってして、全体として国家の統治機能が強化される、この中で有効なツールではないかということで、研究してまいりたいというふうに思っています。

 そして、私としては、まず党の方がどのような方針を取りまとめいただくか、こういったものを注視しながら、我々としてもどのような取り組みをしたらいいのか、今一生懸命考えているところでありまして、必ず、しかるべき時期にそれなりの形をつくらなければいけない、このように考えております。

今村(雅)委員 ぜひ、政府の方でもそういった具体的な動きをしてください。

 そして、もう一つ大事なことは、JRのときもそうでしたけれども、中央省庁のお役人さんをぜひ、希望者は九州へ帰す、あるいは北海道へ帰すよというぐらいの準備室の配置をやるといいですよ。そうすると、皆さん、本気になってお役人さんは働きますから。ぜひそういったことも参考にしていただきたいと思います。

 とにかくしっかりやってまいりますので、よろしくお願いします。

 最後に、行政改革についてでございます。

 もう時間もございませんので簡単に申しますが、いろいろな形で行政改革をやっておられる、取り組んでおられるわけであります。しかし、なかなかうまくいかない。ですから、先ほど言った、思い切った、根っこから変えるということで、道州制の話にまで今来ているわけでありますが、それはそれとして、やはり、とにかく今やらなきゃいけないこともいっぱいあるわけであります。

 そういう中で、いろいろなことがございますが、ここに挙げています、今の行政の仕組みあるいは仕事の仕方についてチェックするのに、こういった会計検査院とか総務省あるいは人事院というのがあるわけでありますけれども、どうも、ちまちましたと言ったら失礼ですけれども、そういった取り組みの方が多いんじゃないか。

 例えば、会計検査院は、フランスなんかはまさにエリート集団で、一番優秀な官庁なんですね。今の日本の会計検査院は、私もよく言われますが、田舎に行っても、農協を集めて、担当者を集めて、やれ、これはどうなったこうなった、農機具の購入はああだこうだ、そんなふうな話が多いんですよ。それも大事なことでしょうけれども、やはり国の予算の使い方、それによってどれくらいの効果が上がっているのか、もっと大きな、そういった経営マインドを持った、そしてそれをチェックする仕組み、これはそれぞれの、二つの、総務省と検査院に分かれるのかもしれませんが、そこをもう少し大胆な取り組みということをやっていくことが今必要じゃないかと思います。

 きょうは検査院の院長も呼びましたが、まず稲田大臣の方から、よろしいですか。

稲田国務大臣 行政改革担当大臣として、行革の姿勢についてまずお答えをいたしますけれども、私も、今先生が御指摘になったように、改革のための改革ではなくて、効率性そして効果的な行政になるように取り組んでいきたいと思っております。

 行政事業レビューも前政権から引き継いでおりますが、もちろん無駄の排除は必要でございますが、それだけにとどまらず、事業の効果的な、効率的な見直しという観点も踏まえて取り組んでいきたいと思っております。

今村(雅)委員 総務大臣はよろしいですか。

新藤国務大臣 まさに、政策の無駄をチェックして、そして効率的な施策というのはどのようにすべきかということを不断の見直しをしていかなくてはいけない。我々とすれば、既に法律に基づく政策評価法というのが始まっております。そして、今、稲田大臣の方で、行政事業レビュー、これは前政権が始めていただいて、これについてはきちんと我々も受け継いでいこうじゃないかということであります。個別の事業をチェックしながら、政策目的というものをきちんと打ち立てて、その中で無駄をチェックし、また相互利用、活用によってこの効果をさらに上げていく、こういう視点が必要だ。

 まさに委員がおっしゃるように、大きな視点というのは、一体その仕事が何のためにあるのか、その仕事によってどういう効果を生み出すのかということをきちんと整理した上で過不足をチェックしていかないと、単にどこかがだめだから削れとか、それだけではなかなか政策の効果は上がらない。予算の削減のみで終わってしまっては意味がない。ですから、削減、合理化とあわせて、効率化そして効果的な成果、こういったものを上げられるように取り組んでまいりたい、このように考えています。

今村(雅)委員 ぜひ、国家経営にも企業マインド、いい意味でこれを入れてやっていくということをお願いします。

 一つ、例示ですけれども、私の地元に武雄という町があって、そこの市長さんは、図書館の民営化をやったり、それから最近は、税収がふえなければ、あるいは減れば、それを業績給に、ボーナスに反映させるぐらいの取り組みもやっております。そういったことも含めて、大胆な取り組みをしてください。

 きょうは、両院長、検査院、人事院、申しわけなかったんですが、またの機会にさせていただきます。

 質問を終わります。ありがとうございました。

山本委員長 これにて今村君の質疑は終了いたしました。

 次に、伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。

 まず冒頭、昨日、英国の元首相、サッチャー首相が御逝去をされました。この場をおかりいたしまして心から哀悼の意を表します。

 総理には、今国会初めて質問させていただきます。よろしくお願いをいたします。

 私は、第一次安倍内閣では、厚生労働大臣政務官として一端の任務を与えていただきました。この間、三年三カ月余り、浪人期間を経まして、再びこの場に立たせていただいております。この間も変わらずお支えをいただきました皆様方に、この場をおかりして心からお礼を申し上げたいと思います。

 総理におかれましても、一時、一国のリーダーの立場を辞されまして、大変な御苦労を経て、再びこの国の指揮官を務められる御覚悟をなされた、かように思います。この間の努力が今まさに花を開こうとしているお姿を拝見いたしまして、立法府に身を置く一人として心から敬意を表したいと思います。

 さて、アベノミクスが功を奏しまして、我が国の景気は改善傾向に向かいつつございます。目的はデフレからの脱却であり、庶民の生活の改善につながっていかなければなりません。総理は、財界の皆さんに向かいまして給与の改善を訴えていただき、それに呼応した動きも今広がりつつございます。

 そこで、まず冒頭、もう一つ要請をお願いしたいことがございます。それは、急速な円安に伴いまして、原材料などの高騰を受けて、その価格を転嫁できずに苦しんでみえる中小・小規模企業の皆様のために、ぜひ再び、財界、特に大手企業に向かいまして、適正な価格での取引の設定、こういったことをお訴えいただきたい、かように思いますけれども、安倍総理の御所見をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 今委員が御指摘になられました原油等の輸入原材料の価格につきましては、為替相場の動向に加えまして、地政学的なリスクも、その増大の状況も加味されているわけでございますが、現下の原材料等の価格の上昇による企業や家計への影響については引き続き注視をしていく必要があると思います。

 最近の為替相場の動向については、全体としては景気にプラスの影響がある、これはもう委員も御承知のとおりだと思います。

 また、為替相場の変動による原材料等の上昇による負担が中小企業や小規模事業者に一方的にしわ寄せされることがないように、下請代金支払遅延等防止法に違反する行為が認められた場合には、迅速かつ的確に対処をしてまいります。

 さらに、原材料等の上昇により影響を受ける中小企業や小規模事業者の皆さんが一時的に収益を圧迫されることがあるということを想定しなければならないと思います。そういう場合には、公的金融機関によるセーフティーネット貸し付けによって、しっかりと支援をしていく考えであります。

 いずれにしても、政府としては、三本の矢によって企業の収益機会をふやして雇用や所得の拡大を実現していくことによって、中小企業や小規模事業者や国民生活に経済成長の恩恵が、広く、なるべくスピーディーに行き渡っていくように努力をしていきたい。

 いずれにせよ、今委員が御指摘になった点には十分注視しながら、現在の法制度、さまざまな仕組みを駆使して、そうした悪影響がなるべく強く出ないように努力をしていきたい、このように思っております。

伊藤(渉)委員 またどしどし現場の声を届けてまいりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 次に、政治改革について御質問をいたします。

 現行小選挙区の一票の格差に対して最高裁から違憲状態判決が下されまして、昨年末の臨時国会で、与党民主党、そして野党の自民党、公明党も賛成をして、小選挙区を〇増五減する法律が成立をいたしました。これに基づきまして、衆議院の選挙区画定審議会が三月二十八日、区割り案を政府に勧告いたしました。さきの衆議院選挙も違憲判決が続出をしております。何としてもこの状態を脱していかなければなりません。

 また、さきの衆議院選のきっかけとなった昨年十一月十四日の党首討論を受けての三党合意、これも大変重たいものでございます。一票の格差の是正を速やかになし遂げ、三党合意を履行するための合意形成を急がねばなりません。

 この三党合意では、「定数削減については、選挙制度の抜本的な見直しについて検討を行い、次期通常国会終了までに結論を得た上で必要な法改正を行う」とございます。今国会の会期末は六月二十六日、時間的な制約もございます。道州制を視野に入れつつ、抜本改革はもちろん、さらに追求することは当然ですけれども、三党合意を実現するためには、現行制度のもとでの定数削減もやむを得ないとの意見が我が党内でも大勢を占めました。

 その中で、中小政党優遇とか公明に配慮との批判がございますけれども、自民党の案では、比例定数を三十削減し、百八十議席から百五十議席とした上で、六十議席を第二党以下に配分する。この理由は、先ほど総理も御答弁でおっしゃっていたとおり、小選挙区制度が持つ民意の集約機能を是正、緩和するものでございます。

 例えば、前回の衆議院選の結果を自民党案に当てはめますと、大半の中小政党の獲得議席に変化はなく、比例削減分は主に第一党が負うことになります。これは、比例定数だけの削減によって民意の反映機能が損なわれないようにしたもので、中小政党優遇との批判は当たりません。どこまでも、小選挙区制度が持つ民意の集約機能を是正、緩和するもの、これが目的でございます。

 よって、総理にお伺いをいたします。

 一票の格差の是正と三党合意の履行をなし遂げるためには、双方を分離して速やかに審議を進めることこそ肝要である、このように考えますけれども、安倍総理の御所見をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 今、選挙制度の問題について、錯綜している議論を委員が大変わかりやすく整理していただいた、このように思います。

 選挙制度の問題は、一票の格差の問題と、もう一つ、一方に定数削減の問題があるわけでありますが、一票の格差の問題につきましては、司法において違憲あるいは違憲状態という厳しい判決が下されているわけでありまして、この一票の格差の是正に取り組んでいくことはまさに喫緊の課題であろうと、真摯に受けとめて取り組んでいかなければならないわけであります。

 今、私は立場上、首相の場にいるわけでありますが、国会としては当然それが喫緊の課題なんだろう、こう思うわけでありまして、私も自由民主党の総裁として、これは最優先として対応していかなければならない、こう思うわけであります。

 先般、〇増五減の緊急是正法について選挙区画定審議会から示された区割り案を踏まえて、一刻も早く法制上の措置、公職選挙法の改正を講じることで、速やかに一票の格差是正に取り組んでいかなければならない、このように思います。各党各会派においては、ぜひとも早期成立に御協力をいただきたいと思うところでございます。

 また、もう一方の定数削減についてでありますが、先般、与党において削減案が合意されたわけでありますが、これは、特定の政党に対してそれを有利に扱おうとか配慮しようと考えたものでは当然ないわけでありまして、選挙制度が持つ、小選挙区の行き過ぎた民意の集約を是正して、民意を反映した比例制度とするものと、私は理解をしているわけでございます。

 法案を早期に提出していきたい。三党合意でございますので、これは、まずは与党、衆議院でほぼ三分の二を占める与党においてこの合意ができたわけでございますが、もちろん、これはなるべく多くの党に賛成していただくことが必要でございますから、なるべく多くの党、会派に御同意をいただいて成立を目指していきたい、このように考えております。

伊藤(渉)委員 明確なお考えの表明、大変ありがとうございます。

 また、ここで、歳費の削減ということにも触れておきたいと思います。

 東日本の大震災発災以降、我が党の山口代表の発案もあり、国会議員の歳費を削減し、これは現在も続いております。

 今後、国民の皆様に消費税による負担もお願いをしていくこととなります。そう考えますと、この歳費の削減も、まさに国民の暮らし向きがよくなるその日まで恒久的に継続をしていくことが、我々、国の経営を預かる立法府に身を置く者の姿勢だ、こういうふうに考えます。この点についても、安倍総理のお考えをお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 消費税を来年から引き上げるという法律を通して国民の負担をお願いする以上、私たちも政治家として身を切る決意を示さなければならないわけでありまして、そうした中におきまして、国会議員の定数削減による歳出の削減の状況等を勘案し、別に法律で定める日までの間、歳費を削減するということとしたところでございます。

 今後については、まずは、定数削減を含む選挙制度の抜本的な見直しについて、各党各会派が議論を深めて結論を得ることが第一となる、このように考えております。

伊藤(渉)委員 最後に、行政改革について総理にお伺いをしたいと思います。

 この行政改革、私は、さまざまなアプローチを試みる必要がある、こう考えております。

 一つは、これまで継続してきたような総定員の削減に代表される外形的なアプローチ。この際、重要なのは、公務員の皆さんの現実的な業務量にも目配りをして、ただただ減らせばいい、こういうものではなくて、より効果的に能力を発揮できる環境を整えていく、これが重要だと考えています。

 安倍総理のアベノミクスの最後の決定打となるのは、成長戦略であります。イノベーションの起こりやすい国づくり、そのために総理は、科学技術・イノベーション政策の司令塔機能強化に取り組んでおられます。これも重要な行政改革の一環だと私は思います。

 そこで、一つ御提案を申し上げたいと思います。

 過日、技術士と呼ばれる皆さんと懇談をする機会がございました。技術士とは、技術士法に基づいて与えられた名称独占の資格で、科学技術に関する高等の専門的応用能力を有する者をいいます。

 この技術士の方と眼科の医師、お医者さんですね、その技術士の方は人間工学とか機械工学を専門にする技術士の方が、いわば雑談の中で、手術の話になったそうであります。

 今は違いますけれども、従来、眼科の手術は、丸い目の周りを医師がくるくる動きながら手術をしていた。これは、人間工学をきわめた技術士の方から見ると、余りにも滑稽な姿に見えたそうであります。むしろ、本来、細かな仕事をする医師が一番仕事がしやすい姿勢を維持していただいて、丸い目の方を医師が手術がしやすいように動かすような、そういう仕組みを取り入れていくべきだと。

 こういう、まさに他分野の人の交流の発想の場によって、今は、眼科に行かれる方はわかると思いますが、患者用の手術椅子というものがあって、できるだけお医者さんが施術がしやすい位置に目が固定されるような仕組みになっている、こういうことだそうでございます。

 同様な考え方は脳外科の手術台でも応用されておりまして、一番手先が細かく動く場所で、今、脳外の手術はできるそうで、これもお医者様だけの発想からでは生まれてこなかった知恵だと思います。

 そこで、最後に御提案ですけれども、司令塔の戦略策定機能を強化するために、一つは、公的なシンクタンクとして、大学や公的な研究所を含めた既存の組織の活用について検討すること。

 そしてもう一つ、いわゆる科学技術という言葉に代表される科学技術者のみならず、エンジニアですとか工学者ですとか、今申し上げた技術士の方ですとか、他分野との人材の交流。

 そして、シンクタンクにふさわしい人材の育成、発掘。人はいると思うんです、舞台に上っていないだけで。

 そして、こうしたことを可能にする、人と人とを結びつける場を政府が提供していくべき、このことについて御検討をお願いして、私の質問を終わりたいと思いますので、総理の御所見をお伺いします。

安倍内閣総理大臣 委員の御指摘は、私は極めて重要な指摘だろうと思います。

 総合科学技術会議を、科学技術の司令塔機能を持つ場として、今、山本一太担当大臣でありますが、山本一太担当大臣のもと、しっかりとその機能を果たしていくことが重要だろうと思います。

 その際、シンクタンク等の機能を生かしていくことも当然重要なんだろう、このように思いますし、今御指摘になった工学や技術と医学の融合でございますが、私の地元の山口大学の医学部は、工学部と一緒になっているんですね。

 また、先般、私は東京女子医大を視察に行ったんです。東京女子医大と早稲田の理工学部が同じ棟にあって、境がないわけでございまして、そこで例えば細胞シートをつくっていくというのは、まさに医学と工学の融合なんだろう、このように思います。

 沖縄の科学技術大学院大学も、中に学部のいわば枠をほとんどなくして、人と人が意識的に交流できるような、そういう建物のつくりになっているということでございました。

 今委員が御指摘になった点も踏まえて、今までとはまさに次元の違う形において、いわば結果を生んでいく科学技術あるいは科学でなければならないんだろう、このように考えております。

伊藤(渉)委員 とにかく、一生懸命現場を歩きまして、現場の知恵を総理に届けることによって、安倍政権をしっかり支えていくことをお約束申し上げ、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

山本委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 民主党衆議院議員の大島です。

 きょうは、山本有二委員長のもと、質問をさせていただきます。

 まず、独立行政法人の公募システムについて、大臣にお伺いをしたいと思います。

 独立行政法人の公募システムは、今から三年半ぐらい前から始まった制度だと思います。今の現状がどうなっているかについて御説明をお願いいたします。

稲田国務大臣 お尋ねの独立行政法人の役員の人事につきましては、平成二十一年九月の閣議決定において、公務員OBポストの後任者を選任する場合等については公募することとされたところでございます。

 その後、前政権において、平成二十四年五月に提出した独立行政法人通則法改正案において、役員の任命に当たっては原則公募とするとしたが、同法案は廃案となっております。

 安倍政権になりましてからは、独法改革のこれまでの取り組みを総括、点検して、改革の集大成を行うべく取り組んでいるところでございます。

 なお、平成二十一年九月の閣議決定に基づく公務員OBポストの後任を選任する場合等については、同じ方針で臨んでいるところでございます。

大島(敦)委員 大臣、御答弁ありがとうございました。

 この独法の公募システムというのは、多分、日本で初めての制度だと思います。この場で、平成十八年に行政改革特別委員会が設けられまして、中馬大臣のもとで、さまざまな行政改革の議論をさせていただきました。

 その際に、諸外国の公務員の制度を勉強させていただきました。日本の公務員は新規採用、学卒採用が通例なんですけれども、アングロサクソン系の国、アメリカあるいはイギリスは公募のシステムということで、一つの官職があくと、それが公募対象になります。ですから、アメリカでは、三万に迫る公務員の職が常にホームページ上で募集をされております。

 その制度は大陸ヨーロッパでも徐々に広まっていきまして、公務員として働く多くの人材を、さまざまなリソース、さまざまな市場から採用したい、そういう気持ちが広まってきているかと思います。

 この独立行政法人の公募システムというのは、今は、大臣おっしゃったとおり、公務員のOBの方が独立行政法人で役員をしている、あるいは、そのOBの方も含めて応募をかけたいというときには、この独立行政法人の役員については公募対象になります。

 公募の内容につきましては、総理官邸のホームページから入れると思うんですけれども、各所管の役所のホームページで、ジョブディスクリプション、どういう職務の内容がまずは仕事としてあるのか、どういうスキルの人が応募していいのか、そして、年俸が幾らなのか、一千八百万なのか二千万なのか、しっかり明記をして、今募集がかけられております。

 これまで何人ぐらいの方が応募をされて、何人ぐらいの方が決まっていらっしゃるのか、その点についてお聞かせいただければと思います。

稲田国務大臣 四月一日任命分については、十二法人、十三ポストについての公募が行われたと承知をいたしております。

 公務員OBの就任の状況について申し上げれば、本年四月一日任命分も含め、これまで百三十七法人、百八十五ポストについて公募を実施した結果、公務員OBが就任したのは、実施ポストの三割弱に当たる五十三ポストとなっております。

大島(敦)委員 御答弁いただきました。

 ここにホームページ上からとりました公募の内容が書いてあります。職務がどういう内容で、どういうイメージの人材が求められているのか。これは、独立行政法人の国立公文書館です。業務の内容について書いてあって、国立公文書館の館長のポストを求めていると。職務の内容があり、必要とされる資格、経験、勤務条件、そして年収も、これは一千九百万円、地域手当、特別手当を含む、及び通勤手当、国家公務員共済組合に加入等々が書いてあるわけなんです。

 こうやって、多くの人材を、私は、公務員の皆さん、これは独立行政法人ですから準公務員的な扱いだと思います。多くの方が集うことについて、大臣の御所見をお聞かせください。

稲田国務大臣 先ほど来、委員が御指摘のように、優秀な、そしてやる気のある人材を集めるために、公募も一つの有益な方法だと思っております。

大島(敦)委員 先ほど大臣の答弁の中で、独立行政法人の公募のシステムについては安倍政権においても継続していただくという御答弁をいただきました。

 そうすると、今のポストというのは、公務員のOBの方が退かれるとき、あるいは公務員の方も含めて応募されるときです。私は、このシステムを設計したときに、公務員を排除していません。私は、公務員であっても民間の方であっても、優秀な人がこの独立行政法人という公的な役割を担っていただくことは大切だと思ったからです。

 ただ、当時は、世の中では公務員の皆さんに対して厳しい視線がありました。今もそうかもしれません。したがいまして、応募した後、どうやって選考するのか。選考する過程については、三人から五人の、大臣が任命する選考委員の方、大学の先生あるいは一部上場企業の役員の方、さまざまな団体のトップの方に任命をして、まずは面接をしてもらう。面接をしてもらって、評価をしていただいて、二人、三人、複数名を大臣に上げて、大臣がその中で一番ふさわしい方を任命するということにしております。

 したがいまして、公務員の方であっても、優秀であれば、その役職にふさわしいのであれば、応募をすることは望ましいと思っていまして、その点についての大臣の御所見を伺わせてください。

稲田国務大臣 私も全く、今委員がおっしゃっているとおりだと思います。

 応募の結果、民間人であろうと公務員OBであろうと、そのポストにふさわしい方であれば任用すべきだと思っております。

大島(敦)委員 御答弁いただきました。ありがとうございます。

 また、今後の話です。

 こういうような官職の応募あるいは募集の仕方というのは、多分、戦後の日本の公務員の歴史の中で初めてだったと思います。この制度については、先ほど申し上げましたとおり、アメリカあるいはイギリスの制度をそのまま移植をしております。

 一番この点で気をつけてほしいのは、各大臣が求める人材をしっかり役所の方に伝えてほしいんです。役所の方も、皆さん真面目で、私も仕事をさせていただいて、本当に日本の公務員の方はすばらしいと思っています。ただ、大臣が、どういうような評価基準であるかということについてしっかりと伝えておかないと、なかなか大臣の思いが通じないところもあります。その点については、まずは御留意していただくように、皆さんに周知徹底していただければと思います。

 もう一つは、今後の話なんですけれども、これは、今は、先ほど申し上げましたとおり、ごく一部の方です。中には、本当にこのシステムとしては、先ほどの公文書館の館長の方もありますし、もう一つ、こちらの方は、独立行政法人の、上野にある国立科学博物館の館長の方も応募にかかっているわけです。もうここまで官が開かれていると思っていまして、こういうことは、これから民間、公務員、余り考えないで、多くのポストについて応募をしていただくということが必要だと思うんです。

 この間口を広げることについての大臣の御所見を伺わせてください。

稲田国務大臣 今委員から、最初にどんな人材が必要かということをきちんと公表して、その上で応募をすべきである、全くそのとおりだと思います。また、広く人材を募集して、その中から最も適任者を選んでいくという公募のシステムも非常に有益な方法だと思っております。

 今、独立行政法人改革の中で、有識者の会合等で、公募のあり方や人材の登用のあり方等も含めて検討しているところでございます。

大島(敦)委員 安倍総理、稲田大臣も答弁をいただきまして、多くの優秀な人材、私は公務員を排除するというつもりは全くありません。私も、三年三カ月、仕事をさせていただいて、多くの法案、ほとんど全ての法案を閣議決定し、国会に提出することができました。また、私が国会で引き受けた内閣委員会の筆頭理事あるいは復興特別委員会の筆頭理事としても、同僚あるいは他党の皆さんの協力も得て、法案を通すことができました。それをバックアップしていただいているのは、国家公務員の皆さんです。

 ですから、その国家公務員も含めて、独立行政法人のこういう役員の人事、あるいは、今後議論になると思います、甘利大臣が行革担当、公務員制度改革の担当大臣だったときに、甘利法案を出されております。その中でも、幹部人事ということで、内閣人事局をつくるというお話もございました。その中にも公募のシステムも多分あったかと思います。

 ですから、人材の登用について、今後の公務員あるいは民間も含めて、国のために一生懸命働いていただく人材の登用のあり方につきまして、安倍首相の御所見を伺わせてください。

安倍内閣総理大臣 私も、大島委員のお考えと基本的に同じ考えでございます。当然、公務員の方も排除すべきではなくて、公募において広く人材を求め、そして適切と思われる人物を選ぶべきだろうと思います。その際、やはり委員が御指摘になったように、大臣がどういう人材を求めて、どういう政策をやっていくかということをもっとクリアにすべきだろう、改めてそう認識をしたところでございます。

 そこで、あり方につきましては、過去の廃案となった関係法案の内容も含めて、総括、点検を行い、改革を進めていきたい、このように考えております。

大島(敦)委員 甘利大臣が出された法案に引き続きまして、私も、副大臣のときに、行政改革の事務局の事務局長という立場、そして、事務局次長が、民間から来ていただいた方と、政治では階さんが次長として入りました。私は鉄鋼業あるいは保険業で、十九年間、民間で働いた経験があります。階議員も長銀で、会社がなくなる過程も御経験されて、弁護士の資格を取って、国会に臨まれた方です。ですから、民間と民間、メーカーと金融業がしっかりとグリップしながら、公務員制度改革事務局の皆さんと法案を出させていただきました。

 立場立場がありますから、いろいろとお考えは、自民党さん、公明党さんとは違うかもしれない、あるいは他党の皆さんとは違うかもしれないんですけれども、昨日、私もこれまでの公務員制度改革の歴史をずっと読んでみました。もう十年以上、この話はしているんです。もうそろそろ決着してあげないと、公務員の皆さんの気持ちが落ちつかないと思っています。

 ですから、ぜひ安倍総理、そして担当大臣であります稲田大臣には、この点も踏まえて、多分論点はもうほぼ出尽くしていると思っています。私たちが出した法案は、内閣人事局をつくり、三十万人国家公務員の幹部職員が六百人います、この六百人の人事は、政治主導、首相と官房長官と各大臣が協議をして決めて、その六百人の人材を、今でしたら安倍総理の一番適切な人事配置をするということでつくらせていただいております。

 そして、人事院については、人勧制度というのは一定の役割は終えたと思っておりますので、今、国家公務員の、例えば四月一日に何人採用したかということを調べると、各役所に聞かなくちゃいけない。さまざまな柔軟な制度設計をするためにも、稲田大臣が今お仕事をされている事務局の皆さん、あるいは新藤大臣のもとにおります、定員を決める行管局、そして人事・恩給局も、国を使用者として、一つに集めることによって、柔軟な制度設計をする時代に入っていると思っています。

 ですから、その点も踏まえて、早急に御検討されるということを要望させていただいて、その点について大臣から一言御答弁いただければと思います。

稲田国務大臣 今委員が御指摘になりましたように、この国家公務員改革、私も最後は人だと思っています。幾らいい制度をつくっても、やはりそれに携わっている人が、モラールが高くて、士気が高くて、国家国民のために働く、邁進していただけるという国家公務員改革をしていかなければならないと思っております。基本は、平成二十年の改革基本法だと思っております。

 ただ、改革基本法ができてから現在までの間に三度、政府から法案が提出されて、今委員が御指摘になりました民主党政権下での法案も含めて、全て廃案になっております。それは、今、人事局の問題を指摘されましたが、内閣人事局をつくらなければならないけれども、その中にどれだけの権能を集中させるかという問題、それから十二条の労働協約締結権の問題、費用と便益、国民の理解というさまざまな要件がかかわっております。

 そういったことなども含めて、今委員が御指摘になったように、早く改革案をまとめていかなければならないということで、今、改革の集大成に向けて取り組んでいるところでございます。

大島(敦)委員 国家公務員の改革の法案、私たちが考えたのは、国家戦略局ということも考えました。国の意思決定のスピードを上げるということです。そのためにこのような制度設計をさせていただいておりますので、ぜひ安倍首相も早急の御検討をお願いいたします。

 続きまして、麻生大臣に、金融担当大臣として伺いたいんですけれども、金融円滑化法が、期限が切れることになります。

 私は、ずっと自殺対策について、四年前にも当予算委員会で質問をさせていただきました。本当に費用がかかるので、要は、多くの予算を計上してくれというお話をさせていただいて、野田担当大臣のときに、百億円の基金を前の政権のときに積んでいただいて、それを引き取って、その百億円をそのまま維持して、三十七億円、今の補正では三十億円でしっかりとした自殺対策ができるようになり、三年間で五千人の命を救うことができたと考えています。

 今、金融円滑化法案が切れると、金融庁からいただいた資料では、三十万社から四十万社が金融円滑化法案の対象で、五万社から六万社が事業再生などが必要だということを言われています。この五万社から六万社というのは非常に大きい数字だと思っています。

 茂木経産大臣、御地元は足利だったと思います。私は、九五年から二〇〇〇年まで足利で保険の営業をしておりまして、足利の企業は大体訪問しております。この五万社から六万社という数字は、そんなに少ない数字じゃないと思っています。

 この対象になる企業は、小さな企業ではなくて、比較的皆さんが知っていらっしゃる企業だと思います。ですから、先日は各金融機関に対して強い御発言をしていただいたと思うんですけれども、今後どういう対策をしていくのか。その点につきまして、その対策の前に、五万社から六万社の、麻生大臣は経営者でもありますので、その規模感についてお伺いさせてください。

麻生国務大臣 これは大島先生、母数、もとの数のとり方が一番問題なところなんだと思うんですね。

 多分、何十万社と言われるのは、これは民間のデータ会社の対象になっております企業の数が六十万とか、今は六十九万ぐらいになっていると思いますが、そのうちから見て五万社と言われるような数は一割、一割五分ということになりますので、大きいんだと存じます。基本的に、私ども、五万社というのは結構大きな数だ、私自身がそう思っております。

 一つだけ、今、中小企業実態基本調査というのを、中小企業庁、これは茂木先生のところなんですが、やらせているところで、この数はやはり三百六十五万社ぐらい、いわゆるメーカーというか企業、銀行と取引している企業の数なんですが、そのうち、銀行とちゃんとやっていますかという話に関しては、取引がないと答えておられる数が二百万社というような数からもとにして、五万社というと、今度は、何だ、意外と少ないなということになっちゃうんですけれども、問題は、データにのっかっている結構大きな企業の中で五万社ということになるんだと思いますので、その意味で、ちょっとこの数字のとり方が、感覚の問題で聞かれるのであれば、結構な数なんじゃないかと思います。

大島(敦)委員 五万社から六万社という数字は、私の感覚だと非常に大きい数字だと思っています。

 四―六については、まだ、相当対策をとっていただいているので大丈夫だと思います。七―九以降どうなるかが非常に不安です。そうすると、これまで、森大臣が担当である自殺については、経済的な理由によって多くの自殺をされる方が減ってきたという実績がございます。今後は、経済的な理由による、みずから命を絶たれる方がふえるおそれが多分にあると思うんです。

 ですから、森大臣、麻生大臣、そして茂木大臣、それぞれの御担当の大臣が協力しながら、今後の事業再生、プラス、その事業再生後の話も含めて対応をとっていただきたいと思うんですけれども、茂木大臣、御所見ございますでしょうか。

茂木国務大臣 この三月で金融円滑化法が期限を迎えた。委員御指摘のように、同法の利用者は大体三十万から四十万と言われておりまして、これが、中小企業、そしてまた小規模企業の資金繰りの下支えに寄与したことは間違いないと思っております。

 ただ、その一方で、委員御指摘のように、条件変更だけを繰り返すという形で、事業再生が進んでいない、こういったふうに言われる事業者が五万社から六万社存在する、こういうことになりますと、単なる金融支援だけではなくて、事業環境の変化に対応して、事業自体の再生であったりとか経営改善、これを行っていくことが極めて重要だと思っております。

 そしてまた、五万社、六万社といいましても、委員御指摘のように、かなり規模も違います、資本金であったりとか。大きく分けますと三つぐらいのグループ分けをして、それぞれに合った対策をとっていきたい。

 まず、中堅企業といいますか、売り上げが大体二十億以上の企業に対しては、企業再生支援機構によります支援を行ってまいります。

 それから、売り上げが三億から大体二十億ぐらいの企業、年間数千社に対しまして、再生支援協議会による支援を行っていきたいと考えておりまして、これは二十四年度の補正で四十一億円を計上いたしております。

 それから、認定支援機関、弁護士であったりとか税理士さん、さらには地域の金融機関、今、六千七百四十者に上っておりまして、ここが、二万社を対象にしまして総額三百万円の費用の三分の二を補助する、補正予算に四百五億円を計上しております。

 それから、もちろん資金的な支援というのもきちんとやっていきたいと思っておりまして、セーフティーネット貸し付けであったりとか借りかえ保証、これは大体十兆であります。半分がセーフティーネット貸し付けで、残りの半分が借りかえ保証。

 それから、それだけではなくて、資本性の劣後ローンの活用ということにつきましても、補正予算で約一千億計上しておりまして、これは、どちらかといいますと、冒頭申し上げました二十億円とか三億円、こういった……(大島(敦)委員「決意を伺えればいいので、お願いします」と呼ぶ)しっかりとやっていきます。

大島(敦)委員 ありがとうございます。

 最後に伺いたいんですけれども、解雇法制につきましての議論がここでもたびたびあったかと思います。私は、人を解雇するということは物すごく重いことだと思っています。これは解雇した方じゃないとわかりません。あるいは、安定した職場を奪われた方じゃないとわからない領域だと思っています。

 今、この予算委員会の議論を聞いておりますと、解雇の事前あるいは事後というお話がございます。事前解雇は、これは認められない、検討することは認められない。ただ、事後の解雇については検討することが認められるやの御発言があったかと思います。

 事後の金銭解雇についての議論があったかと思います。その点について、安倍総理からの御所見を伺わせてください。

安倍内閣総理大臣 安倍政権の雇用政策の大方針は、成熟産業から成長産業へ失業なき円滑な労働移動を促進していくことであります。

 このような観点から、雇用支援施策に関して、行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策シフトを行うこと、ハローワークの有する情報を民間に開放して各種の就業支援施策の実施を民間に委任するなど、民間人材紹介サービスを最大限活用することを指示しているわけでございまして、成熟産業から今後の成長産業への円滑な労働移動を失業という形態をとらずに実現することや、一人一人が能力を高めるとともに、意欲のある者が働ける環境をつくっていくことが、日本の競争力を維持向上していくための原動力であるというふうに認識をしています。

 関係省庁と連携をしながら産業競争力会議で議論を深めていきたいと思いますが、御指摘の解雇の金銭解決については、金銭を払えば解雇できるという制度の導入は行わないということは、今まで再三申し上げたとおりでございます。

大島(敦)委員 安倍総理、確認なんですけれども、金銭解雇について、事前は否定し事後は検討するということについても、二つとも検討をしないということでよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 つまり、お金さえ払えば解雇できるような解雇の自由化は行わないということを私は答弁しているわけでございますが、今委員がおっしゃっているのは、裁判等で係争になっていた結果においては、またこれは別の問題であろう、このように思います。

大島(敦)委員 終わります。

山本委員長 この際、泉健太君から関連質疑の申し出があります。大島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 きょうは総理に質問させていただくということで、私は、今、倫理選挙の特別委員会の筆頭理事をさせていただいておりますので、主に定数削減等々について質問したいと思うんですが、前段、ちょっと総理のお顔を拝見しておりましたら、私の地元にも大変ゆかりがありまして、私の地元は京都、これは鳥羽伏見の戦いの地でもあるわけですね。一八六八年に鳥羽伏見の戦いがございまして、近隣には長州墓地というのもございます。

 そういった意味では、こういった機会ですから、私の選挙区でいうと、例えば平安京の前には長岡京というのがございまして、これが七百八十四年から七百九十四年まで、平安京の前の都として存在しておりました。その史跡も数多くあります。また、もう日本人であれば誰しもが知っていることわざというか格言というかフレーズとして、天王山の戦いというのがありますが、その天王山の地も私の選挙区にございます。今言ったような鳥羽伏見ということも含めて、数多くの文化財、史跡があるわけですね。

 ぜひとも日本のよさを末代までしっかりと残していくために、やはり文化財予算の確保ということについてはぜひしっかり取り組んでいただきたいというふうに思いますが、冒頭、お一言いただければと思います。

安倍内閣総理大臣 委員の御地元にも守るべきたくさんの文化財があると思います。安倍政権としても、日本の伝統と文化をしっかりと守っていくという立場でございますから、文化財こそ政府としてしっかりと守っていきたい、このように思っております。

泉委員 ぜひ文化財保護をお願いいたします。

 さて、総理はとてもフェイスブック、ツイッターを活用されているなというふうにお見受けしております。先日もちょっと拝見をさせていただきますと、秘書さんがアップをされたときには秘書アップというふうに断り書きがございますので、それ以外は御本人が書かれているのかなというふうにも思うわけですが、直接文章をお書きになられて、入力されておられるのでしょうか。

安倍内閣総理大臣 私の個人のフェイスブックについては、基本的に私が、長い文は書きませんが、書いているということであります。

泉委員 やはり全ての政治家がこれから情報発信も盛んにしていかなければならないと思っておりますので、大変すばらしいことだと思いますけれども、今、こういったツイッターやフェイスブックも、次の参議院選挙からは、まさに我々候補者だけではなく、政党だけではなく、一般の方々もそれを活用して、例えば、安倍さんお願いしますね、泉さんお願いしますねということを言えるようになってくる。これはいかが思われますか。

安倍内閣総理大臣 基本的には、今、選挙運動においては限定列挙ですから、書いてあることしかできないという中において、電話で依頼はできるわけでございますが、ファクスでは依頼できないという中において、例えば聴覚障害者の方々はファクスを解禁してもらいたいという依頼は随分前からあるわけでございまして、そういう意味においては、ネットを活用していくということは私は有意義であろう、このように思います。

泉委員 フェイスブックやツイッターで、例えば、皆さん、支持をお願いしますというふうに第三者の方が呼びかけることができる、これが今話し合われている。メールでもそれができるということがふさわしいんじゃないかと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これについては、選挙制度でございますから、基本的には国会で議論をしていただくべきだろう、このように思います。

 インターネットの活用について、どう活用していくかというのは、私は基本的に、ある程度自由にやっていいんだろうという考え方でございますが、しかし、成り済まし等の問題、課題もあるんだろうと思いまして、そうした弊害等も含めながら、よく議論をしていただきたいと思います。

泉委員 これも今、倫理選挙の特別委員会で議論は佳境を迎えているわけですけれども、ネット選挙を解禁していきたいという方向性は皆さん一致はしているものの、今我々の出している法案では、一般の方々についてもメールでの呼びかけも解禁する。

 それは、ツイッターやフェイスブックで同じ文章を配信することはオーケーなのに、メールで配信することは、今、実は与党案というか自民党案では、禁止をされているというか解禁されていないというような案が出てきておりまして、そこはやはり不思議だと。なぜフェイスブックで発信できることがメール配信では発信できないのかというところは、多くの疑問がインターネット関係者からも寄せられているというところがございます。

 制度をややこしくしないためにも、やはりそういった一般の有権者の方々のメールについても解禁をしていく。迷惑メールを削除できるシステムも随分進んでおりますので、ぜひその方向性でこれからも検討していきたいと思っておりますが、総理にも後押しをいただきたいと思います。

 もう一点、きょうは行政改革ということでありますので、定数削減の問題に入る前に、お伝えをしておきたいことがあるんですね。

 それは、土地の所有が非常に不明確になってきている、今、この日本の現状は。そういうことを、きょうは指摘だけですが、させていただきたいと思っております。

 例えば、土地の所有が不明確になっていくと、固定資産税の徴収ができなくなるわけです。現在、固定資産税の徴収率というのは九三・五%というふうに言われておりますけれども、これも実は、ある意味、建前の数字なんですね。

 どういうことかというと、不納欠損処理というのがありまして、例えば外国の土地所有者、日本の土地を持っている外国の人にわざわざ徴税をしに行くには余りにコストが高過ぎるので、徴税を諦める、あるいは、外国人の間で土地が転売されると所有者が誰かわからない、郵送物を送ろうにも送れない、だから徴税ができないということで、自治体の側で諦めて、地方税法上、欠損処理をしてしまう。それを除いた形で徴税率というのが出ているんですね。ですから、実際には、本来得られる固定資産税というのはもっと多いけれども、今得られない状態がある。

 これは実は国内でもそうです。余りに相続がどんどんどんどん進んでいくと、関係者も多岐にわたって、一人一人の住所がどこにあるかわからない、こういう状態になってしまっている。その結果、幾ら固定資産税を請求しても、残念ながら答えが返ってこない、こういうケースが実は相次いでおります。

 こういった状態で、今現在、そのほかにも住民税や軽自動車税についても不納欠損処理というのがあって、トータルで何と年間で千百億円、一年で一千百億円ずつ、本来払われるべき税金が納められないまま、欠損処理という形で免責されてしまっているという状態があります。

 いたし方ない部分もあるわけですが、ぜひ総理に、まさに国土強靱化とおっしゃっておられる皆様方にとって、私は、これは本来、公共事業だけのことを指しているものではないというのが皆さんの頭の中にもあると思うんですね。それは、あらゆる国土の危機を救っていくということなんだと思います。

 その観点からいうと、土地の所有が不明確になることの怖さ、これはもう総理も御認識のとおり、例えば、外国人が自衛隊の基地の横を買う、あるいは山林を買収して、いつの間にか開発をされるかもしれない、あるいは水源が確保されて、いざというときに何かが起こるかもしれない、そういう不信も多くの国民が今抱いていることであります。

 そして何より、本来であれば資産をたくさん持っている外国資本にもかかわらず、日本の土地を持ちながら固定資産税を払っていないとすれば、これはやはり何か制度を変えなければいけないんじゃないか、私はそう思うわけです。それがいわゆる税収の増加にもつながってくることになるだろうと思います。

 そういった意味では、例えば問題点を幾つか挙げますと、一つは、測量そのもの、土地登記そのものが全然進んでいないわけですね。ずっとほったらかしとは言いませんが、まだまだ進んでおりません。ぜひここに予算をしっかり投じていただきたいということが一つ。

 そしてもう一つは、制度上ですが、登記そのものが義務ではないということですね。売買で二%、そして相続で〇・四%、税金がかかる、課税される。登記が義務でなければ、よっぽど活用する目的がなければ、場合によっては積極的に登記を行わない可能性がまた出てくるわけです。

 こういうことが土地の所有の不明確化につながっていって、結局のところ、恐らく復興が進んでいない理由の一つにもなっているわけですね。高台に新しい住所地を移転したい、しかし、その高台の所有者が誰かわからない、余りに複雑。だから、それを調べるだけで自治体職員が大勢必要になってくる、そんな手がない。これは本当に今困っているんです。

 そういった意味では、物すごいこんがらがった糸ですので、すぐに解決できる問題ではありませんが、この土地の所有の明確化、透明化ということについて、法務省、外務省、あるいは国土交通省、農水省、いろいろなところがかかわるんですね。余りに問題が大きいものですから、実は手がつけられていないという現状がございます。

 水面下で外国資本によるいろいろな土地売買も進んでいるかもしれない、こういう恐ろしさ。中には、東京財団さんなんかは、重要国土という地を定めて、そこの売買については一定管理すべきだということもおっしゃっていますし、オーストラリアなんかでは、大きな農地がありますので、外国資本による農地の買収については登記を義務づけるということまで検討されているということになっております。ぜひ、総理においては、そういった土地所有の明確化について横断的に検討をしていただきたいというような提言をきょうさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 山林についてそういう登記を進めるという法律については、議員立法で成立をしたというふうに承知をしておりますが、今委員が御指摘になったように、固定資産税がちゃんと徴収されていない、あるいは安全保障上の課題にもなっているということも踏まえて、検討していきたいと思います。

泉委員 今ほど言いましたように、省庁をかなり超えます。実は、この質問をするに当たっても、どの大臣に御答弁いただくかということで、再三再四いろいろな省庁の中でやりとりをしなければいけなかった。結局、どの大臣という、特定の大臣でおさまるものではないということが明確になってまいりましたので、ぜひ総理のリーダーシップでこの土地所有の明確化ということについて取り組んでいただきたいと思います。

 さて、いよいよ私の本題に入ります。

 まず、フリップを出していただきたいと思いますけれども、定数削減についてお伺いをしたいというふうに思います。

 〇増五減については後ほどまた議論しますが、昨年末、三党合意が民主、自民、公明で行われたわけであります。このフリップの一番上に、衆議院定数削減については、選挙制度の抜本的な見直しについて検討を行い、次期通常国会、この国会ですね、この国会終了までに結論を得た上で必要な法改正を行うものとする、こういう合意になっている。

 これは、誰が読んでも、次期通常国会終了までに結論を得た上で必要な法改正を行うものとするという読み方になると思うんですが、どうやら、ちまたで、今国会は検討だけすればいいとか、結論だけ得ればいいというような声まで聞こえてくる。

 総理、改めて、三党合意、それぞれ各党で確認をしていることでありますので、読み方というのは二つはないはずだというふうに私は思っておりまして、これは、今国会終了までに必要な法改正を行う、そういう解釈で共通しているということでよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 衆議院の定数削減について、さきの三党合意については、今委員が示しておられるように、選挙制度の抜本的な見直しの検討を行い、今般の国会終了までに結論を得て必要な法改正を行うこととしておりまして、私は、自由民主党総裁といたしまして、党に対して、積極的に取りまとめを行うように指示しているところでございます。

泉委員 今、言明はなされませんでしたが、その積極的に指示をしている中身に、明確に、今国会終了までに法改正だぞということは言っていただきたいと思いますが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 先ほどの議論でもお話をさせていただいたんですが、今、喫緊の課題として、〇増五減、一票の格差の問題がありまして、これは違憲判決、違憲状態という厳しい判決が下されておりますので、これを真摯に受けとめて、これに対応していく、この違憲状態を解消していく努力をしなければいけない、まずこれに取り組んでいく。

 この〇増五減につきましては、昨年の法改正において民主党の皆様にも賛成をいただき、先般、区割り審から、結果について、どういう区割りを行っていくかということについて答申が出たわけでございまして、この答申に基づいて法案を提出し、そして成案を得ていきたい、成案を出してこの法案を成立させていきたい、こう思っているところでございます。

 同時に、いわば定数の削減につきましては、来年から消費税を上げていくという中において、我々は、定数を削減していく、その中において抜本的な改革も行っていくということをお約束もしております。それは三党合意にあるとおりでございますので、選挙制度というのはなかなか議論が、これはそれぞれ議員の身分にかかわることでございますから、白熱して難しいところがあるんですが、我が党で案をまとめまして、そしてさらには与党でもまとめたところでございますので、また民主党の皆様の御協力を得ながら成立を目指していきたい、このように思います。

泉委員 よく、各党各会派、皆さんと協議をしてということをおっしゃられるわけです。ただ一方では、ふだんの選挙制度改革なり定数削減であれば私はそれでいいと思うんですが、実は、総理、認識をしておかなければいけないのは、ある意味、三党合意でスタートしているものも、かなりこの定数削減については大きい部分を占めているということですね。

 では、三党合意とは何なのか。これは、消費税を上げることを決めたその政党の枠組みで、消費税を上げ、国民の皆さんに負担をお願いするのであれば、政治家自身も身を切らなければならない、だから三党で定数削減を合意しよう、こうだったんじゃないですか。違いますか。

安倍内閣総理大臣 基本的にはそのとおりでございまして、だからこそ我々の案は、与党の案として、三十削減をしていくということでございます。

 今の与党の案では、この三十のうちほとんど、前回の選挙の結果を引きますと、我が党が一番大幅に減っていくという案でございますが、それを与党として、与党の責任感として自民党においてはのみ込んで、これを公明党の皆さんにお示しをして、事実上、与党としての成案となってきているわけでございますが、この中において、民主党の皆様に賛成をしていただければ、三党の合意が結実するということになるのではないかと思います。

泉委員 では、まず、各党各会派ということについては、これは消費税を上げようとする三党によって合意された定数削減ですから、それは全会派が賛成をするわけがないというような状況が大前提としてあるけれども、消費税を上げるのであれば、今言ったように、必ず定数削減をやらなきゃいけない。

 総理、ですから、決して、経済さえよくすれば消費税を上げていいということじゃないんです、実は。この定数削減だって、三党では合意されて、消費税を上げる上での国民に対する約束としてやらなければいけない。三党が責任を持って、多少の反対があってもやらなければいけないというのが前提だということです。それは絶対忘れちゃいけないということですよ。

 その意味で、定数削減というのは、景気の回復と同様に、消費税を上げる前の大前提であるんだということであります。

 総理、座右の銘というのはございますか。

安倍内閣総理大臣 座右の銘というのは、普通一人一つなんですが、私、いろいろございますが、よく頼まれて書く揮毫は、下手な字で、不動心という揮毫をさせていただいております。

泉委員 いろいろと調べさせていただくと、大体、総理の座右の銘は、至誠にして動かざる者いまだこれあらざるなり、これは吉田松陰さんの言葉だそうですけれども、不動心というのもあるようでありますが、これは、誠意ある行動さえとれば物事は通じるんだということであります。

 私は、三党合意なり、あるいは国民に対する約束、自民党の約束は何だったのかともう一度考えてみますと、二〇一〇年、このフリップの二つ目のところ、自民党政策集J―ファイル二〇一〇、参議院選挙のときですが、「衆議院・参議院の国会議員定数を三年後に七百二十二名から六百五十名に一割削減し、」と。これは、ことし二〇一三年ですから、ことしですね。「一割削減し、」ということが公約集に書かれているわけです。

 参議院で定数を削減する議論が今進んでいるというのは、私は余り伺っておりません。衆議院で主に削減する。そうすると、衆参合わせて一割削減というのは、御党が出されてきた三十減ではおよそ届かない。全く届かない。全くこの公約と反した案が出てきている。

 これは、どうなっているんですか。この二〇一〇年の公約は今あるんですか、ないんですか。撤回されたんですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど指摘をいただきました孟子の言葉でございますか、それも私の座右の銘であることは間違いないわけでございます。

 今例として挙げられました我が党の公約でございますが、これは前回の参議院選挙のときの公約であった、このように思います。さきの衆議院選挙の公約の中には入っていないわけでございますが、そこで、我々としては、つまり、実際に、この選挙制度の改革については、選挙制度を変えていく上においては、これはまさに民主主義の基本でございますし、定数の削減といってもそうなっていくわけでございますので、結果を出していく上においては、これは、我々は三十という結論に達したわけでございます。

 この三十削減においても、大正以来最も少ない議員の数になるわけでございまして、人口もぐっと減っているわけでありますから、人口比では最も少ない議員の数になっていくということであります。

 その中において、確かに、参議院選挙でそういう公約を前回出しております。その公約と違うということについては我々も反省しなければならない、こう思っておりますが、今の段階においては、三十という削減が成立をする可能性のあるベストの案ではないか、このように思っております。

泉委員 マニフェスト、公約違反だなんということを我々はよく指摘されましたが、いとも簡単に総理が参議院選挙の当時の公約を撤回されたので、私も拍子抜けをしてしまっているところがありますが、あれは参議院選挙で言ったし、衆議院選挙では言っていないので、もう我が党の公約ではなくなったというふうに理解をしましたが、そういうことですね。

安倍内閣総理大臣 基本的に、もう一度私が総裁に就任をいたしまして、もう一度公約を見直しして、昨年の総選挙において私たちがお示しをしたのが、まさに現在の我々の公約であるということでございます。

泉委員 さて、その自民党が出されてきた比例定数三十減の案であります。

 これは、今、〇増五減とあわせてということになるわけですが、まず一つ、〇増五減というものが、残念ながら、各地の高等裁判所の判決で、十分ではないというふうに表現されたというか、見解が示されたわけであります。

 総理、〇増五減で十分だというふうにお考えですか、一票の格差是正ということについては。

安倍内閣総理大臣 平成二十三年三月の最高裁判所大法廷判決が、一人別枠方式を廃止し、投票価値の平等の要請にかなう立法的な措置を求めていることを踏まえまして、各党各会派が議論をして、昨年の十一月に〇増五減による緊急是正法を成立させたわけでございまして、その際、一人別枠方式を廃止することとしたものと認識をしています。

 〇増五減の緊急是正法に基づいて、先般、選挙区画定審議会から勧告がされたというのは先ほど答弁したとおりでございますが、これによって、二倍未満とする区割り案を踏まえこの答申が出されたわけでございますが、この〇増五減につきましては、これは昨年の国会において御党にも賛成をしていただき成立をしておりますので、この区割りを、選挙区画定審議会から出された答申に従ってできた法律を、ぜひとも一日も早く成立させていただきたいと思います。

泉委員 ちょっと議論がかみ合っていないと思うんですね。

 〇増五減、これは緊急是正ですよ、総理。しかし、その緊急是正も、高裁から、これは十分なものとは言えないことは明らか、格差是正の措置とは到底言いがたい、そういう見解が出ているわけです。だから、〇増五減だけでは、あくまで緊急是正ですし、これは足らないということが今示されているわけですね。

 では、自民党案さんでは、一票の格差の是正のさらなる対策、検討、何かされておりますか。小選挙区の議席をさらに削ろう、あるいは格差を是正しようという取り組みは何かなされていますか。

安倍内閣総理大臣 高裁の判決においてはさまざまな判決が出ているわけでございまして、そういう意味においては、最終的に最高裁の判決を待つべきなんだろう、このように思うわけでございますが、その中におきまして、二倍未満にするという、少なくともやらなければいけない努力はこの〇増五減について行っているわけでございまして、世論調査におきましても、まず〇増五減を先にやるべきだという世論がかなり多いのも事実なんだろうと思います。

 この民意に応えて、我々は、また裁判所の判決を真摯に受けとめ、まずはこの〇増五減を実施していくことが、法律として成立をさせていくことが、私たちに課せられた使命ではないかと思います。

泉委員 まずは〇増五減といっても、今言ったように、緊急是正でしかないわけです。そして、後ほど同僚議員がさらに追及しますけれども、もう既に二倍を超えている、そういうケースも出てきているわけです。それは一・九九八ですから、当然、住民がちょっと移動すればまた二倍を超えてくるわけですよ。これでは不十分だということなんです。

 そういった意味では、我々は、もっともっとしっかり小選挙区についても変えていかなきゃいけない。

 そして、一人別枠方式も、文言としてはなくなっていますけれども、では、一つの県で一議席というところは今は存在していないですよね、今現在。それは何も変わっていないわけです。

 そういった意味では、各都道府県に一議席ずつ配分をして、そしてさらに人口で上乗せされているような状態がいまだに続いている。本当の意味で、一人別枠方式はやはり廃止をしなければいけないというふうに思います。

 さて、時間もありませんので、自民、公明案というのは、比例だけで三十削減をして、そして、このフリップを見ていただくと、三番目、その比例の百五十を、第一配分枠九十、第二配分枠六十に分けるというふうになっています。

 次のフリップを出していただきたいと思います。

 これがまた不思議な制度でして、自民党、公明党さんの案でちょっと試算をしてみました。比例定数が百五十になるということで、例えば東京ブロックなんかは、比例東京ブロックですね、現在十七議席のものが比例定数十五に減ります。そして、自民、公明案さんでいうと、第一配分枠なるものが九議席、第二配分枠なるものが六議席ということになるわけですね。

 それで、表を当てはめてみて、A党からF党までございます。A党四百十万、B党三百十万、C党二百十万、D党百十万、E党五十一万、F党三十一万の得票を得たという仮定で議席を当てはめてみます。

 そうしますと、現行の比例制度で定数十五だとすると、A党から順番に、獲得議席は、この色で書いたところですね、六議席、五議席、三議席、一議席、ゼロ議席、ゼロ議席。当然といえば当然です。比例の得票が多い順から議席が多いわけでありますので、当然ですね。

 では、自民、公明案さんで、第一枠、第二枠でこれを試算するとどうなるか。特段、恣意的に数字を、得票を打ち込んだわけではありませんが、そうすると、A党からB党、C党、D党まで全部同じ議席数になる、獲得議席が。

 ちなみに、A党は四百十万票獲得しております。そして、D党は百十万票。だけれども、ドント式で第二党以下に重点配分していくと、第一党と第二党はもう筒いっぱい議席をとってしまっていますので、次、いわゆる第二枠というのが第三党以下に配分される。そうすると、第三党も三議席、第四党も三議席、第五党、第六党が、二議席、一議席。

 確かに、これは中小政党への配慮はすばらしいかもしれないですね。しかし、では、比例代表の得票というのは何なのかというふうに言わざるを得ない結果が、私たちの目の前に待ち受けているんじゃないでしょうか。

 これは特にこの下の方の表を見ていただくと、C党は、第二枠で得られる議席は一議席ですね。ちょうど黄色の部分であります。D党は二議席得られる。E党に至っては、第一配分枠では一議席も得られないけれども、中小政党の配慮枠ということだけで、五十一万票しかとっていない政党が二議席も得られる。これはやはりかなりいびつですし、だからこそ、憲法上の疑義も今あるというふうに言われているわけですね。

 小選挙区と比例代表の並立制というのは、小選挙区が公平な制度であって、比例代表が公平な制度であって、両方公平であるからこそ並立である制度だと思います。

 そういった意味では、きょうは、この問題点、かなり大きいぞということを指摘させていただきますけれども、こんな制度、これはやはり、比例に一票を投じた人たちをある意味冒涜する中小政党への配慮にもなりかねないということは重要な論点だということを御認識いただいて、ぜひ、これからさらなるこの選挙制度の議論を進めていきたいというふうに思います。

 そしてまた、最後になりますが、改めて、景気だけをよくしても、これは消費税を上げてよいということではない、あくまで定数削減をしっかりやるということ、そしてそれは、一票の格差是正も含めて、小選挙区に切り込んだ定数削減をしなければ国民との約束は果たせないということ、このことをぜひ総理に認識していただいて、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

山本委員長 この際、玉木雄一郎君から関連質疑の申し出があります。大島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玉木雄一郎君。

玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず冒頭、先週発表されました日銀の金融政策に関して質問をさせていただきたいと思います。

 黒田総裁自身、異次元の緩和だというふうに言っているように、私もこれは大変インパクトのある金融政策だと思っております。しかし、効果の強い薬がその副作用もまた強いように、この強力な金融政策のリスクもまた大きいと思っています。これから、この金融政策、とりわけデフレを脱却し、そして景気を回復していくためには、このリスクをどうやってコントロールして金融政策のいい面を発揮させていくのか、このことが鍵になってくると思っております。

 このリスクについて、まず冒頭、総理にお伺いしたいと思うんです。

 お手元の資料を少し見ていただきたいんですが、これは、日銀の新たな金融緩和策が発表された次の日の四月五日、先週金曜日の日本国債十年物の利回りの推移であります。

 これを見ていただくとわかるんですが、史上最低水準、〇・三一六五%を記録します。金利ですから、逆に、債券価格、国債の価格がここで史上最高値を記録するわけでありますが、この後を見ていただければわかるんですが、金利が最低水準を更新した後、急騰いたしまして、〇・六三九〇%に、三〇ベーシス、倍ぐらいに急騰しているわけであります。

 先週、山本幸三先生との議論の中でもありましたけれども、的確な金融緩和、金融政策をすれば、国債を大量に日銀が引き受けても金利の上昇を抑えることができる。たしか、総理もそういったことに肯定的な答弁をされたと思いますし、麻生財務大臣も同じような趣旨のお答えをされていたと記憶しておりますけれども、その意味で、今回の金融政策の最大のリスクの一つだと思われます長期金利の高騰、このことに関して、金曜日に起こった事象について総理としてどうお考えになっているのか、まず御所見をお聞かせいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 一般論として言えば、量的、質的金融緩和のもと、日本銀行が多額の国債の買い入れを行えば、債券市場に大きな影響が生じ得るのは確かでございます。

 こうした観点から、日本銀行として、市場参加者との間で、金融市場調節や市場取引全般に関して、これまで以上に密接に意見交換を行う場を設けるということとしているわけでございまして、適切に対応していかれることを期待していきたいと思います。

 政府としては、国債の安定消化などの観点から、債券市場の動向に常に注視、注目をしていかなければならないと考えています。

 さらに、財政の持続可能性に対する信認が失われて、長期金利の急激な上昇が起こることとなれば、経済財政、国民生活に重大な影響が及ぶ、これは共通の認識なんだろう、このように思います。このため、共同声明にあるとおり、持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に推進することによって、市場の信認を維持していきたいと思っております。

玉木委員 今回の金利の急騰、特に、黒田総裁になって初めての大胆な金融緩和の、その最初に起こったマーケットからのいわゆるメッセージについては、これは極めて真摯に受け取る必要があると私は思っております。

 さまざまな要因がもちろんあると思うんですけれども、今総理からは、マーケットとの対話が必ずしも十分できていなかった、そういったことも一つの要因ではないかといったことの答弁が少しあったのかなと思いますけれども、それは違いますか。

安倍内閣総理大臣 マーケットとの対話が必要であるというのが黒田総裁のお考えでございまして、それを紹介させていただいたわけでございますが、いわば今までの伝統的な日本銀行の政策、金融緩和の想定の範囲を超えたわけでございますから、一時的にマーケットがそのように反応したかもしれないという評論をする人もいるわけでございます。

 いずれにせよ、黒田総裁のマーケットとの対話能力は極めて高いわけでありますし、国際社会に対する発信力も極めて高いし、また信任も得ているわけでございますから、今後そうした能力を生かして対話を進めていただきたい。密接な対話を行っていくことで安定性を高めていっていただくことになるだろう、このように期待をしております。

玉木委員 私は、今回こういったことが起こった一つの原因は、日銀という極めて巨大なプレーヤーが市場に入ってきて、大量に国債を買いますということを宣言した人が、いわば大きな鯨か、人間でいえば白鵬のような大きな人が小さなプールあるいはお風呂の中に入ってきて、大きな面積を占めてしまって、ある意味、市場の占有力、あるいはプライスリーダーとしての役割を非常に大きな形で果たすように日銀がなってしまったこと、このことが実はマーケット自体の極めて不安定な状況をつくり出しているのではないかなと思っているんです。

 その意味でも、対話は極めて重要だというふうに思っております。

 私は、今回の金融政策によって、国債のマーケット自体が持つ正しく価格をつけていく力、マーケットの価格発見機能とか価格形成機能といいますけれども、こういったものが、日銀が大量に国債を買いますということを始めたことによって失われてしまう、あるいは機能が低下してしまっている、そういう懸念を持っているんですね。

 例えば、これは日銀も言っていると思いますが、これから出てくる国債の七割ぐらいを日銀が買う、あるいは毎月七兆円ぐらい日銀が買うと言っていますが、大体十兆円ぐらいが取引だと思いますけれども、そのうちの七割を一人のお客さんが全部買いますということをあらかじめ宣言してマーケットに入ってくると、残りのプレーヤーの人たちは、それは非常にある種不安定化する。

 かつ、一番の問題は、本来ならたくさんのプレーヤーがいて売りと買いの中で適正な価格がつくのに、市場を占有できる人たちがこの値段で買うと言ってしまうと、本来マーケットが決める価格をゆがめてしまって、金利でいえば、意図的に、本来つく水準より低い水準で金利がついてしまう、価格でいうと、国債価格が本来の価格より高くついてしまうということが今回の金融政策で起こってしまうんじゃないか。

 つまり、国債が本来の価格より高くなっている、金利が本来の水準より低くなっていることによって、それが何かある出来事によってある種はじけてしまったときに、それが急速に修正されて、金利の急変とか、あるいは国債価格の暴落につながっていく可能性があるのではないかと思っているんです。

 その意味で、今回の日銀の政策によって、日本の国債マーケットの価格の発見機能、適正な価格をつける機能が、このことによって落ちていると総理はお考えになりませんか。

安倍内閣総理大臣 今、委員は白鵬を例に挙げられたと思いますが、白鵬であるにもかかわらず、ずっと十年間デフレが続いてきたわけでありますから、十四敗しているんですね。ですから、今度はまさに白鵬としての力を発揮していただいている、このように思います。

 しかし、白鵬のパワーがどれぐらいの筋力であるかということは十分に、黒田総裁以下、皆さん御存じでありますから、それをどう制御していくかというのは、まさにそこが専門家の腕の見せどころだろうと思います。

 ですから、この手段等については、私はその手段についての専門家ではございませんから、あとは日本銀行において適切な手段によってデフレから脱却をしていただきたい、このように思うところでございます。(発言する者あり)

玉木委員 そうなんです。私、今回、金融政策については謙虚じゃなきゃいけないと思っているんです。

 アラン・グリーンスパンを思い出したんですね。彼は、ITバブルの崩壊、また九・一一以降のあの混乱したアメリカの経済を巧みな金融政策で救ったマエストロと言われたぐらい、金融の天才だと実は言われました。しかし、その後の彼がどうなったかというと、住宅バブルを引き起こした張本人だとして、むしろ彼の評価は極めて下がってしまったし、今は批判の対象にさえなっているわけですね。それは、アメリカ経済だけではなくて、世界の経済に対して悪影響を与えてしまったのではないか、今はそういう批判も受けています。

 私が申し上げたいのは、グリーンスパンがどうかではなくて、今正しいと思っている政策についても、五年後、十年後、それが本当に真の意味で正しいかどうかについてはわからないんですね。私は、そのことについては極めて謙虚に向き合っていくことが、今、安倍総理が進められている総合的な経済対策が成功するかどうか、その一番の前提になるし、大きな鍵になると思っているんです。

 地震や津波の影響で原子力発電所は壊れないという安全神話がありました。私は、ある意味での経済的な安全神話にも陥ってはいけないと思っているんです。その意味では、常に慎重な姿勢であらゆるリスクに備えていく、このことをしっかりと肝に銘じてやっていかなければいけないと私は思っています。

 それで、最後にします、金融政策については。

 原則、プロとしての日銀の仕事だというふうに今総理はおっしゃいましたけれども、私が一番心配しているのは、今総理も、そして日銀も思っているように、二%の物価安定水準が達成されたときに、今度はそれを突き抜けないように維持しなければいけませんね。これは山本幸三先生もおっしゃっていました、それがある種の歯どめになると。

 そのときに、実際にこれだけのたくさんの国債を引き受けて、今度は、これを引き締めに転じるときは今の逆のオペレーションですね。国債を売って、そして円を吸収していくというオペレーションをしていかなければなりません。

 そうすると、国債を売ると、当然、国債の値段は下がります、金利は上がります。物価が上昇して経済が安定的な成長軌道に乗ったときには、金利はこれ以上上げてはいけない、あるいは物価はこれ以上上げてはいけないということになります。では、引き締めようとしたときにやるオペレーションは、国債を売ることですね。売るということは、金利が上がり、国債価格を下げるという、とめなきゃいけない方向でしかオペレーションができない可能性があります。

 その意味では、いわゆる出口戦略の難しさということが、まさに達成しようとすることが達成したときから物すごいジレンマに向き合ってしまうというのが、私は、実は今の金融政策の一番のリスクであり問題だと思っているんです。(発言する者あり)とめた後の話をしています。

 最後に総理にお聞きをしたいのが、まさに二%の物価安定の目標を達成したときに、引き締めに転じることができるのか、あるいは、引き締めに転じなくても、今の買い入れのペースを落とすことが日銀として本当にできるのかどうか。そして、国債の発行者たる国として、そのことについて、出口戦略についてどうお考えなのか、今のお考えをお聞かせください。

麻生国務大臣 御心配の点は、みんなそう思っているんだと思いますが、経済がわかっている人は同じような考えをお持ちなんだと思いますが、玉木先生、今一番大事なのはデフレ不況からの脱却、これが優先順位の一番だと我々自由民主党は考えております。

 これは十何年間ずっとそうやってきましたから。しかも、我々は、少なくとも、この間の第二次世界大戦敗戦後、数々の不況をやりましたけれども、全てインフレ不況です。デフレ不況でやったことは一回もありません。したがって、世界じゅう経験者がないところに我々は突入して、それから脱却するためにいろいろ試行錯誤した結果、御党でもいろいろ試行錯誤された結果、結果が出なかったんだから、我々は、この上、断固この方法にということで、今回、三本の矢というのをやらせていただきました。

 問題は出口、おっしゃるとおりです。これは高橋是清がよく例に出ますけれども、高橋是清もこの出口政策のとき、大蔵大臣として、七回目の大蔵大臣を岡田啓介内閣のときに引き受けていると思いますが、このとき、この出口戦略によって当時一番切りましたのは軍備です。結果として二・二六事件ということになったというぐらい、これは厳しいものだと理解しております。

玉木委員 もちろん、デフレから脱却することが今喫緊の課題であることは理解しております。でも、そのことをいつも理由に出口のことを考えないのは、私は間違っていると思います。

 それは、先ほど申し上げたような、ある種の経済の安全神話に陥るべきではないんです。経済は生き物ですから、何が起こるかわからない。そのときの最低限のリスクをきちんと管理することを考えておかなければいけないということは、私は信念を持ってこれは申し上げたいと思います。それは、多く同じ考えの方もいらっしゃると思いますよ。

 政府としてやるべきことを少し話をしたいと思います。

 私は、一番の鍵は財政規律だと思います。財政規律を今どうやって確保するのか。これが、ある意味、アベノミクスの成否を決するとも言っていいと思います。

 そこで、総理にお聞きしたいんですが、いらっしゃらないので、財務大臣にお聞きをしたいと思いますが、安倍政権が発足してから株価は大変堅調で、きょうも株価が上がっておりますけれども、安倍政権が成立してから日本の財政状況は好転しましたか、悪化しましたか。お答えください。

麻生国務大臣 今の段階で、我々たびたび申し上げておりますように、いわゆる後年度負担とか、いろいろな話の中で出てきておりますが、二十四年度補正予算というものにつきましては、これは御存じのように思い切った規模としております。したがいまして、プライマリーバランスにつきましては、その時期だけで見ますと極めて厳しいものになったとは思っております。

 しかし、二十五年度につきましては、我々としては、財政健全化という御心配の点を踏まえて、それなりの対応をさせていただいた結果、少なくとも一歩近づくような方向に行っておるんだと思っております。

 今後も、日銀との共同声明に基づいて、日銀のオペレーションにつきましても、共同声明をきちんとして考えていきたいという黒田総裁の発言もあっておりますので、我々としては、常にそれに心配りしていかねばならぬと思っております。

玉木委員 財政規律の確保、とりわけ国際約束にもなっていますプライマリーバランスの黒字化、二〇一〇年に比べて、赤字を二〇一五年までに半減、二〇二〇年までに黒字化、この目標は必ず守らなきゃいけないと思っています。

 そこで、資料三を見ていただきたいんですが、青の線を見ていただきたいんですが、これは、昨年八月、民主党政権時代ですけれども、この時点で、消費税の増税を織り込んで、二〇一五年までの国際約束であるプライマリーバランスの赤字の半減の道筋を示したものです。内閣府が八月に、経済財政の中長期試算ということで出したのが青の線であります。これに対して、赤を見てください。これが実績であり、今回出た最新の試算が赤のグラフであります。

 これを見ていただくとわかるんですが、これは、テレビをごらんの皆さんも、上に行けば行くほど改善するんですね、下に行けば行くほど悪くなっていくので、そういうふうに見てください。青の線、二〇一〇年、二〇一一年は、微妙ですけれども、予定した青よりちょっと上の方に赤が行っているんです。プライマリーバランスの改善は予定より少しよくできているんですね。民主党政権でした。

 それで、二〇一二年、そして二〇一三年のところを見てください。大型の補正予算と、そして二十五年度、今審議していますけれども、この当初予算を組むことによって、プライマリーバランスの赤字は大幅に悪化しているんです。上にずっと青のグラフが行こうとしていたのが、首が折れるようにぐっと下に折れているんですね。

 これは維新の会の今井議員も指摘をしたと思いますが、国際約束になっているその目標のルールは、難しい言葉で言うとSNAベースといって、国、地方を合わせて、かつ執行ベースでこの目標を実現することになっているんです。そのベースで置いていくと、二十四年度補正予算でも、ほとんど二十四年度では消化できないので、その多くが二十五年度に執行されるということで計算されています。内閣府がやっています。この同じ政府の内閣府がやった試算によると、こういうふうに悪化しているんです。これが私は素直な現実だと思うんですね。

 問題はこれからです。二〇一五年のプライマリーバランスの赤字の半減という、この緑のところにある、ここの目標を達成するまでは、青の線でこつこつ行っていたんですが、一旦ここでぐっと下がりました。そうすると、盛り返すのは相当な努力が必要なんです。できますか、これ。

 総理、二〇一五年のプライマリーバランスの赤字の半減、これを堅持されるおつもりかどうか、お聞かせください。

安倍内閣総理大臣 昨年は、とうとうGDPマイナス三・五%という景気の底割れ状況に直面をしていたわけでありまして、そうなれば税収はがくんと落ちるわけでありますから、そして、当然、ことしの新卒者は、就職の内定すら再び企業の方から破棄をされる危険性に直面をしていたわけでありますから、そうしてはならないということで、我々は補正予算を組んだわけでございます。

 つまり、財政至上主義でいって、財政の帳尻を合わせようとして、結果としては税収がどんと落ち、実体経済が物すごく低迷してしまえば、財政再建は夢の夢となるどころか、多くの人たちは仕事を失い、若い人たちも将来に全く夢を持てないという状況が出てくるわけでありますから、そこで、我々は、その状況を変えるためにデフレから脱却をする、デフレから脱却をするためには、そう簡単なことではないわけでありますから、思い切った金融緩和とともに機動的な財政政策しかない、そう判断をしたわけでございます。

 そして、まだ実際その効果は出てきていないわけでありまして、実施率は相当上がってきてはいるんですが、実際お金が市中に流れていっている状況ではないわけでございまして、早くそういう状況になれば補正予算の効果もぐっと出てくるわけでありますから、それによって、景気を上昇させていくことによって税収もふやしていきたい。

 当然、我々、無駄遣いはしてはいけないという意味においての、無駄の撲滅にも全力を傾けていく決意でございます。

玉木委員 いや、総理、国際公約を守るのか守らないのか。もし可能なら、イエスかノーかでお答えいただければ、大変恐縮ですけれども。

麻生国務大臣 基本的には、我々はその目標に向かってやっているのであって、本気でやっているんですよ。生き物なんだから。

 基本的に、マイナス成長のままやれるわけないんですから。それを我々は脱却するために、こういった思い切った改革をやらざるを得なくなったんですよ。その前の三年間、マイナスにした責任もちょっとは感じた上で言ってもらわないと、我々にしてみれば、この不況を脱却するためにこれだけやったんだ、そう思っております。これが一番、今我々にとって大事なものだと思っております。

 その上で、目的を我々は考えながら、十分にプライマリーバランスを達成していくためにやっていきたいとずっと申し上げております。

玉木委員 いや、景気が悪いから補正を組むのはいいんです。その結果こういうふうになって、そのために二〇一五年の達成目標ができるのかどうかということを聞いているんです。そのことを……(発言する者あり)当たり前なんですね。そのことについて現実性があるか。

 では、もう一つ示します。

 麻生財務大臣が所管しておられる財務省が、後年度影響試算というものを出しておられます。その中には、少し今話をした国、地方を合わせたSNAベースの数字とは少し違っていて、国だけのベースのものなんですけれども、皆さんがおっしゃるような、景気が回復して三%成長したときの試算も出しています。税収も上がります、その三%の前提の中で計算していますから。

 そのときに、財務省が出している数字を、これを見ていただくとわかるんですが、同じように見てください。上に行けば行くほどよくなって、下になるほど悪いんですが、三%の成長をした場合、この赤の線です。二〇一三、二〇一四、二〇一五ときますけれども、国際公約は、国でいうと三・四%、GDPの三・四%分の赤字まで何とか戻すというのが国際公約です。

 繰り返し言います。財務省の出した資料によると、三%成長し、かつ、これは結構行革もやるんです。社会保障の自然増は伸ばしますけれども、それ以外の歳出は抑えるんです。例えば、公共事業の補修とか改修の予算が必要になっても、それも抑える。TPPに入って国内の農業対策があっても、そんなものはやらない。とにかく他の予算を全部抑えて、社会保障の自然増だけ伸ばして、それで三%成長して、赤の線なんです。

 二〇一五年、国際公約は達成できないということを財務省自身が出しておられますけれども、大臣、どうですか。

麻生国務大臣 何回も、経済は生き物と知っておられる上で聞いておられるんだろうと思いますので、その前提で言わせていただきますけれども、今のは平成二十五年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算というもので出された四ケースのうちの話をしておられるんだと存じます。

 これは、今言われたように、歳出据え置き型、経済成長三%という部分で、下から二番目の部分だと思いますが、これにおいてのみ……(発言する者あり)いや、それは上がったときの話ね。今、財務省が出しました四ケースのうちの上から三番目という意味で申し上げております。歳出据え置き型、経済成長三%のケースにおいてのみ半減できるという話になっておるというお話なので、それはそれなりに確かであります。

 ただし、本試算というものは、これは国単独会計、単独かつ一般会計のみを対象としておりますので、本試算の会計をもって、国と地方の合計かつSNAベースで設定をされております財政健全化目標の達成の可否について直ちに結論が出るものでないというのは、もう御存じの上で聞いておられるんだと思いますが。

 いわゆる財政健全化という目標達成のためには、我々、今やっております経済政策によって、経済成長による税収の増加とかさらなる歳出の合理化とか、そういった双方が必要であることは、これははっきりしておるのであって、今後とも我々はその方向によって努力をして、本来の目標達成のために努力をしていきたいというように考えておるのは、基本的政策は変わっておらず、中期の財政計画につきましては年央をめどに作成をしてまいりたいと考えております。

玉木委員 大臣、では何のために出しておられるんですか、後年度影響試算は。

 毎年の、二十五年度、ことしはそうです、今審議していますね。この予算を組んだら、それが後年度に対して、特に、こういうプライマリーバランスとか中長期の財政再建の道筋に対してどういう影響を与えるかの参考資料として出しているんじゃないんですか。

 このことが不十分だから、国、地方を合わせたSNAベースでないからだめだと言うんだったら、そっちを出したらいいじゃないですか。

 今まで、我々も政権交代をした直後は出せませんでしたけれども、一月、八月、必ず内閣府が、おっしゃった国、地方を合わせたSNAベースで、二〇二三年ぐらいまでの長期の財政見通しを出しているんですよ。例えばこういうグラフ、お手元にも配っておりますけれども、こういうものを出しているんです。

 今、多分、大臣がおっしゃったのはこういう話でしょう。上側ですね。でも、今回は二〇一二年、一三年しか出していないんです。

 その意味では、私、委員長にお願いしたいのは、今大臣もおっしゃいましたから、国、地方を合わせたSNAベースで、少なくとも二〇一五年、最初のプライマリーバランスの達成目標の、あと二年分、このSNAベースで国、地方を合わせた数字を予算の採決までに出していただきたいと思います。

 委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。

山本委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

玉木委員 私、何かいじめようと思ってやっているのではなくて、冒頭に申し上げたとおり……(発言する者あり)いや、麻生大臣、そうなんですよ。ちょっと言い方が失礼だったら謝りますけれども。

 ただ、金融政策としてこれだけ大胆なことをやっていて、リスクも大きくなっているんですよ。そのリスクを最も政府側でコントロールできるのは、財政規律をきちんと守ることですよ、命がけで。(発言する者あり)もう民主党政権は終わっているんですよ。そんな過去のことがどうこうではなくて、今、我々はこれからに向かって、我が国をどうやってよくしていくのか。デフレを脱却し、我が国の経済を再生していくために、与野党が力を合わせてやらないとできないんですよ、これは。

 その国を思う気持ちでそれぞれ何ができるかを考えているのであって、私は何と言われても、辛気臭いと言われても、縮小均衡だと言われても、財政規律は絶対守らなきゃいけないんですよ。そのことを国会議員が言わなくて、誰が言うんですか。(発言する者あり)財務省なんかに任せちゃだめなんですよ。だって、財務省がもし完璧だったら何で一千兆円も借金をつくっているんですか。全部、我々政治家の責任ですよ。そのことを、私も三年三カ月しか与党の経験はありませんけれども、その責任の一端があると思って今質問をしているんです。

 とにかく、財政の再建について、財政規律の維持について特段の配慮を、財務大臣、ぜひお願いしたいと思うんです。

 そのときに、今申し上げたように、結局、消費税を上げることを決めていますから、あとは歳出のカット、見直し、このことをやはりどれだけできるのかということが勝負だと思いますし、歳入の確保策についてもいろいろな知恵を絞っていかなければいけないと思っています。

 実は、けさ報道があったので、あす四月十日は、二十五年前、私の地元の瀬戸大橋が通った日なんです。二十五年前、瀬戸大橋をつくったとき、皆さん、あれは百年もつと思ってつくったんですね。きょうの報道によると、予期せぬ亀裂が十一カ所見つかったという報道がされていました。

 どういうことかというと、そういう補修とか、大臣がおっしゃった笹子トンネルとか、トンネルや橋やいろいろなものを直していかなきゃいけない追加のお金もこれからかかってくるでしょう。そういうものも全部捻出し、その上で今言った財政規律をきちっと守っていくのは神わざに近いんですよ、大臣。でも、そのことをやり遂げない限り、日本の本当の経済の再生はないと私は思っている。

 その意味では、これは我々も反省しますけれども、例えば高速道路、あれは我々は無料化の政策が批判されましたけれども、でも、高速道路は無料になるんですよね、皆さん。(発言する者あり)違うんですよ。実は、全国のテレビをごらんの皆さんもそうなんですが、高速道路は全部借金でつくって、料金収入で返し終わって、いわゆる償還が終わったら全部無料の前提でやっているんです、今も。

 ちなみに、瀬戸大橋は昭和六十三年にできましたけれども、そのときの償還計画は三十三年。予定どおりいけば、二〇一六年、三年後に無料になっているんです。無料になるわけないんですよ、今。

 ですから、こういうことを、例えば永久有料にする、その収入からメンテナンスコストは賄う、あるいは利便増進事業のかわりに一定程度料金収入を回していく、いろいろな知恵を絞らなきゃいけないんです。こういうことも全部いろいろ知恵を絞ってやらないと、我が国の再生はできない。

 済みません、最後に一つ。

 行革が大事だと思うんです。行革大臣にお聞きしたいと思いますが、行政事業レビューというものを民主党政権でもやりましたけれども、これを維持していただくということで、大変感謝しております。

 ただ、官僚主導に戻るんじゃないか、外部性、公開性というメリットが少し薄らぐんじゃないか、こういう懸念がありますけれども、そういうことはありませんか。

稲田国務大臣 今、玉木委員の熱い思いを聞かせていただきました。

 行政事業レビュー、いいものは引き継いで、そしてそれを改善したものでやっていきます。決して後退することはございません。

玉木委員 とにかく我々は、今さえよければいいという政治から脱却して、本当に次の世代に、我が国の永続性、継続性に対する心からのリスペクトを持って政治に臨んでいくことが必要だ、このことを訴えて、質問を終わりたいと思います。

山本委員長 この際、後藤祐一君から関連質疑の申し出があります。大島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 民主党の後藤祐一でございます。

 まず、憲法について、特に憲法改正について議論をさせていただきたいと思いますが、安倍総理は、二月二十八日の施政方針演説において、「憲法改正に向けた国民的な議論を深めようではありませんか。」というように発言をされておられます。そして、三月十二日のこの予算委員会で、憲法九十六条を変えていく、これはいわば、憲法に対して国民の皆さんが自分の意思表示をする機会を、事実上ずっと奪われていたんですねと答弁されておられます。そして、自民党の中でも九十六条改正の議論、きのう、おとといなんかは、官房長官も非常に積極的に発言をされておられます。

 この憲法九十六条、つまり憲法改正を、衆議院、参議院の三分の二ではなく過半数で通し、その後国民投票に付して過半数という形に変えるべきだという御議論、これについてはいろいろな議論があると思いますが、安倍総理、これは自民党総裁としての見解でも結構です、憲法九十六条を改正すべきだと思いますか。

安倍内閣総理大臣 憲法が成立をしてこの方、なかなか憲法改正の議論が盛り上がってこなかった。自由民主党についても、綱領として憲法改正を掲げていたわけであります。しかしながら、党内においてもなかなか盛り上がってこなかった。

 それはなぜかといえば、これはやはり無理なんだろうと、頭からみんなそう考えざるを得ない状況があったんですね。いわば、衆参でともに三分の二をとった政党はないわけでございますし、事実上これはもう不可能であろうということになると、国民の皆さんも、そもそも自分たちが投票するチャンスはないだろう、こう思ってしまったところにあるんだろう、こう思うわけであります。

 そこで、やはり憲法について国民みんなで考えて、今の憲法のままでいいという投票をしようということでもいいわけでありますが、今、世論調査の結果、何らかの形で憲法について自分の意思表示をしたいという人は八割近くいるわけでありますから、そうであるのであれば、国民投票をする機会を国会の中で閉じ込めてしまってはいけないというのが我々自由民主党の考え方でありまして、まさに憲法を国民の手に取り戻すという意味において、憲法九十六条を改正して、三分の二から二分の一にする。

 しかし、その後国民投票があるわけでありますから、国民投票で二分の一の国民が賛成しなければ憲法改正ができないということになるわけでありまして、二分の一以上の国民が変えたいと思っていても、三分の一をちょっと超える国会議員が反対すればできないのはおかしいと考える方が常識ではないのか、私はこのように考えるところでございます。

後藤(祐)委員 九十六条改正をするという意思だというふうに承りました。

 実は私も、憲法九十六条は改正すべきだという立場なんです。憲法は改正すべき点が幾つかございます。特に、先ほど財政の話がありました。財政については単年度主義というのがあって、年を越えて使ってはいけないという非常に現代に合わないような規定があったり、あるいは地方自治に関する九十二条なんというのは、非常におかしな規定になっていたりします。

 幾つか直さなきゃいけないところがあるんですが、九十六条を改正した後どこを改正するのかというのが、国民からすると、非常に関心があるところなわけでございます。

 前回もこの議論はさせていただいたんですけれども、九十六条を改正した後どこを改正するのかということについてある程度のイメージがないと、国民としても、国民投票に付されたときに判断のしようがないと思うんですね。どこを改正しようというふうに総理はお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 自由民主党としては、憲法改正草案について、昨年の四月の二十八日に党で取りまとめを行いました。これは前文から全てで、まさに改正の九十六条も含めて、全面的な改正、改正をしていない条項もありますが、基本的に全てを見直ししていこうということで、自由民主党において八年がかりぐらいで大議論を行いました。

 しかし、これにたどり着くのにも、私が幹事長のときに憲法改正草案を出すべきだという発議をいたしまして、それが八年ぐらい前でございますから、約七、八年の長い長い議論を経てやっと憲法草案をつくったわけでありまして、決して拙速な議論ではなかったということは申し上げておきたいと思うわけであります。

 どこをということについては、まずは、我々は憲法について九十六条から変えていって、その中においては、これは国民的な議論が盛り上がらなければ、そう簡単ではないわけでございます。

 例えば、自民党の石破幹事長は前文をぜひとも変えたいというふうに言っておりますし、我が党の中では、いや、むしろこういうところを変えていきたい、官房長官は、環境権というものについての認識を加憲的に持つべきだという議論をしておられたわけでございまして、まずは、そういう議論が、九十六条を改正することによって身近になった憲法をまさに改正するという可能性が出てきて、国民の手によって本当に変えていく、あるいは新しい憲法をつくっていくことが可能になることによって議論が活発になっていくんだろう、このように思います。

後藤(祐)委員 まさに国民の間で議論を活発にすべきだと私も思いますし、そのことについて御答弁いただいたことはありがたいと思います。

 今総理がお触れになられた自民党の憲法改正草案、私も拝見をさせていただきました。なるほど、これは賛同できるなという部分もあります。先ほどの財政のところなんかは賛同できる部分もあります。ですが、これはちょっといかがなものかという部分もあります。

 きょうは、まず憲法の一番大事なところを議論したいと思うんですが、日本国憲法の三つの柱というのは何か御存じでしょうか。お答えください。

安倍内閣総理大臣 主権在民、平和主義、そして基本的人権なんだろうと思います。

後藤(祐)委員 この三つについてはやはり大変大事なところであって、憲法を改正するときに少し慎重な配慮が必要じゃないかと思うんです。

 これは、現行の十三条、基本的人権を定めた規定と自民党の憲法改正草案、そして、基本的人権のうちの一つである表現の自由、二十一条についての現行憲法と自民党の憲法改正草案、これを並べたものでございます。

 十三条の中で、現行の憲法においては、公共の福祉に反しない限り尊重されるということになっておりまして、これについては、これまでたくさんの判例、学説が積み重ねられてまいりました。どういった場合であれば基本的人権が制約されるのかということについても、ある程度固まった考え方がございます。

 この「公共の福祉に反しない限り、」という制約要因を、今回の自民党憲法改正草案では、「公益及び公の秩序に反しない限り、」というふうに変えるわけでございます。これは大変広く解釈し得る表現でありまして、場合によっては、公益に反するからこういうことは言わないでくださいねとか、いろいろなことができてしまうんですね。

 まず、ちょっとこれは法制局長官、きょうお越しになられていると思いますけれども、この公益及び公の秩序に反しない限りという言葉は非常に抽象的な言葉でございます。国民としては、公共の福祉が公益及び公の秩序に変わることで何が変わるのかを知りたいわけです。

 現行の憲法との関係でここの違いを教えてほしいんですけれども、少なくとも、公の秩序という言葉は憲法八十二条の中にあります。これは、裁判の公開に関する規定ですけれども、「裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、口頭弁論及び公判手続は、公開しないで行うことができる。」というふうにされておられます。すなわち、現行憲法下でも公の秩序という言葉は使われておるわけでございますが、この公共の福祉と公の秩序、どういう関係にあるんでしょうか。

 特に、公共の福祉には含まれないけれども公の秩序には含まれる、つまり、現行の公共の福祉に反しない限りという理由では制約できないけれども、公の秩序を理由に制約することはできるような場合がこれから発生するのかどうかということが、国民としては大変懸念されるところでございますので、ここがわかりやすくなるように、公共の福祉という言葉と公の秩序という言葉の違い、これを御説明いただけますでしょうか。

山本政府特別補佐人 まず、自民党の憲法改正草案につきましては、これは私ども申し上げる立場にないわけでございますけれども、現行憲法の解釈ということで、特に公の福祉についてはどういう意味かということを御説明したいと思います。

 一般に、憲法が保障する基本的人権であっても、これは無制限ではございませんで、他人の人権との関係で制約を受けることがあるというのは当然でございます。そのために、必要な場合には、合理的な限度において国民の基本的人権に対する制約を加えることがあり得るというわけでございまして、その場合における公共の福祉の内容、制約の可能な範囲等につきましては、これはその立法の目的等に応じて具体的に判断するほかないわけでございます。

 そこで、お尋ねの公の秩序というのは、確かに憲法の八十二条に書かれております。これはおっしゃるとおり、裁判の公開の原則の例外を認める場合の要件の一つとして規定されているわけでありまして、訴訟の目的、審理を公開することによってかえって適正な裁判が行われなくなるおそれがあるなど、具体的に考慮して、裁判官によって判断されるものでございます。

 他方、先ほど申し上げました十三条の公共の福祉ということは、そういうことで、憲法が保障する基本的人権であっても制約されることがあるという文脈で規定されております。

 ということで、一般に、両者が、どちらが広いあるいは狭いということは、なかなか言うことは困難であろうと思っております。

後藤(祐)委員 公の秩序というのは非常に広く解釈されるんです。そして、戦前の大日本帝国憲法下における治安維持法というものがあって、これが日本の暗い歴史をずっとつくってきたわけです。あれはまさに公の秩序を目的として、いろいろな言論弾圧が行われたり、結社の自由が損なわれたりしたわけです。

 しかも、今回は公益という言葉まで加わっている。公益という言葉というのは、もう何でも解釈できるわけです。

 安倍総理、この公益及び公の秩序という言葉は、公共の福祉に比べて広がっていませんか。つまり、現行よりも基本権を制約する場合がより広がっているのではありませんか。

安倍内閣総理大臣 ただいま法制局長官も答えましたが、憲法第八十二条第二項本文に言う公の秩序は、社会の安寧秩序、社会公共の秩序、そして社会公共の一般的利益との意味で用いられていると一般に解されているわけであります。

 憲法第八十二条第二項本文の公の秩序は、裁判の公開の原則の例外を認める場合の要件の一つとして規定されているものであり、他方、憲法第十三条の公共の福祉は、憲法が保障する基本的人権であっても制約されることがあるという文脈で規定されているものであって、一概に両者の広狭について論じることは困難である、こういうことであります。

後藤(祐)委員 全く答えていただいていないんですが、もう少し具体的な話にしましょう。

 二十一条の表現の自由で議論したいと思いますが、表現の自由の条文にも、自民党の憲法改正草案には、「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」という条文が新たに加わっております。

 これは、読みようによっては、先ほど申し上げたような治安維持法みたいな法律だってつくれてしまうんです。国民から見るとそういった可能性があるような条文改正をなぜするのかということを、これは自民党に説明していただく必要があるんです。

 つまり、今の条文で、二十一条は特段、制約要因は書いてなくて、十三条の一般論のところが規定されて、「公共の福祉に反しない限り、」ということになるわけですけれども、なぜそれを特段変えなきゃいけないんですか。

 つまり、変えることによって新たに可能となる立法を考えているからこそ、憲法改正案をつくったんじゃないんですか。この差分は何ですか。この二十一条の二項によって新たに可能となる法制としてどのようなことをお考えですか。

安倍内閣総理大臣 私は今、内閣総理大臣でございますので、まだ成立してもいない自民党の憲法案について議論する立場にはございませんが、そのときにどういう議論が行われていたかというと、表現の自由等に関していいますと、自民党としては、かつてオウム真理教事件があった、あれだけの大量殺人を行うことを未然に防ぐことができなかったという反省点があります。

 そしてその後、結社の自由、言論の自由との間でどうするか、どう対応するかという観点から、例えば殺人を奨励するという考え方、教義のもとに、それが果たして本当に表現の自由なのかどうかということも含めて真剣に議論するべきではないか。これは、こういうときには殺人も許されるんだということで、例えば青少年にどんどん布教していって、そういう団体が存続していていいのかどうか。これはやはり明らかに公の秩序に反するのではないかという議論もあったわけでございます。

後藤(祐)委員 それは現行憲法でも可能なんじゃないんですか。

 例えば、国税犯則取締法二十二条一項というのがございます。これは、国民の皆さん、税金を納めるのをやめませんか、みんなでその義務を果たすのはやめましょうよというようなことを扇動した場合には罰せられるんです、現行法によって。つまり、今の現行憲法においても、公共の福祉に反しない限りという解釈の中で、今おっしゃったようなことは私は十分立法として可能だと思うんです。

 法制局長官、今総理がおっしゃったような立法は現行憲法上可能ですか。

山本政府特別補佐人 具体的にどのようなお考えかはちょっと私は今つまびらかではございませんけれども、例えば破壊活動防止法というのがございまして、それに扇動罪というのがあります。これは平成二年九月二十八日、最高裁第二小法廷において判決が行われたわけですけれども、これを読ませていただきますと、「せん動は、公共の安全を脅かす現住建造物等放火罪、騒擾罪等の重大犯罪をひき起こす可能性のある社会的に危険な行為であるから、公共の福祉に反し、表現の自由の保護を受けるに値しないものとして、制限を受けるのはやむを得ない」というものもございまして、不可能ではないと思います。

後藤(祐)委員 できるんです。破壊活動防止法がまさにその典型であるように、現行憲法上できるんですよ、今総理がおっしゃったようなことは。とすると、この改正をしなければいけない理由は何ですか。もう一度、述べてください。

安倍内閣総理大臣 考え方として、今まで、しかし結果としてそれは防ぐことはできなかったわけですよ。極めて慎重だったんですから、そういうものに対しては。ですから、その中において、これを明確にしていこうということにしかすぎないと言ってもいいのではないかと思います。

後藤(祐)委員 それは立法論なんです。それは、自民党政権のときにそういう法律をつくらなかった。あらかじめつくっておけばよかったんです。それは、憲法が制約していたんじゃないということは法制局長官が答弁しているじゃないですか。できるんですよ、現行憲法上。

 つまり、この憲法改正は、およそ今考えられるような、私も今総理がおっしゃったような法律が必要な場合はあり得ると思いますよ。でも、現行憲法でもできると思うんです、それは。むしろ、慎重だというのであれば、この憲法改正によって何が可能になってしまうかということに関して慎重であってほしいんです。

 治安維持法は、もしかしたらこの新しい自民党改正草案の十三条においては可能なんじゃないんですか。このことはあえて申し上げておきたい。笑っておられますが、国民がこれから憲法改正を議論していくときに、こういったところが大事になってくるんです。今笑いましたけれども、では、この十三条改正案で治安維持法的な立法はできないということは条文上どこでわかるんですか。それは答弁は求めません。わかりません。だって、条文だけ見ると可能なようにも見えるんですよ。だから、それだけ危ない案だということを申し上げたいと思います。

 続きまして、九条の話に行きたいと思いますが、これは大変な話になるんですね。自民党の憲法改正草案の九条の二というところでは、三項において国防軍が規定されているわけですけれども、国防軍は、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動ができるというふうに規定をしておられます。

 私も、自衛権をどういうふうに解釈するかというようなことについては、こういった議論を大いにするべきだと思うんですけれども、これが、制裁を目的として多国籍軍を組むような場合、例えば、第一次湾岸戦争のようなケースで多国籍軍がイラクに対して攻撃をしました、これに日本の自衛隊が加わって武力を行使するというようなことを認めている条文だというふうに思いますが、この九条の二の三項はそう解釈してよろしいんでしょうか、総理。

安倍内閣総理大臣 いずれにしても、まだこれは自民党として世に問うている段階において、総理大臣の私が、それを一々この場で、行政府の長として議論するのはどうかというふうに本当に思いますが、現行憲法の解釈についてまず先にお話をさせていただきますと、これについては、政府としては、従来から今日に至るまで、国連安保理決議が存在する場合を含め、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に、これを排除するための必要最小限度の実力の行使、すなわち個別的自衛権の行使以外の武力行使は禁じられている、こう解釈をしているわけでございますが、安全保障環境が大きく変わっている中において、今現在、安保法制懇の中におきまして、果たして今の解釈の中において我が国をしっかりと守ることができるのかどうか、今までの解釈でいいのかどうかということを検討しているわけでございます。

 今委員が御指摘になったのは、九条の二の三の「国防軍は、」のところですか。「国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。」こう書いてあるわけでありまして、つまり、いわば国際社会の平和と安定のために、集団的自衛権とは別に、集団安全保障という観点の中からも、自衛隊が、これでは国防軍でありますが、国防軍がその責任を果たしていくことができるように、これは明示的に定めたものでございます。

後藤(祐)委員 集団安全保障に参加する、武力の行使を含めて参加するということを定めたものだというふうに受けとめさせていただきました。

 そうしますと、一つわからないのが九条一項なんです。

 現行の憲法九条一項では、今のような多国籍軍に、制裁するために日本の自衛隊が参加することはできない。これは、もう答弁を聞くまでもなくできないんですね。

 ところが、自民党憲法改正草案の九条一項、これは、現行の九条一項とすごく似ているんですが、ちょっとだけ違うんですね。「武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。」となっています。現行は、ちなみに、「永久にこれを放棄する。」となっているんです。この自民党の憲法改正草案の九条の一項というのは、今おっしゃった集団安全保障に自衛隊が参画する、武力の行使を含めて参画するということを、この新自民党の九条一項においては認めているというふうに解釈してよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 あのときの議論を今思い出しているわけでありますが、一項については基本的に変えないということになったんですね。その後、読みやすくするために文言を基本的には整理したということであります。英文を訳したものでありますから、なかなか読みづらいというところがありましたので、基本的にはそういう文言の整理をした、こういうことであったと思います。

 いずれにせよ、今、例として挙げた三項において明示的に書かれているわけでありますが、そこで規定されているというふうに考えてもいいんだろう。この一項においては、そういうことを、全体を含めて文言の整理を行ったんだろうというふうに考えております。

後藤(祐)委員 午前中の時間はこれで終わったので、午後、続けたいと思いますが、現行九条一項においては禁止されています。でも、自民党のこの九条一項においては、今、非常に曖昧な答弁がございました。午後、また続けたいと思います。

山本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 それでは、午前中に引き続きまして、憲法改正論について少し触れていきたいと思いますが、最後、テレビが切れてしまっていたと思いますので、国防軍の話があったということをお伝えしておきたいと思います。

 新しい自民党の憲法改正案九条の二第三項において、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動が国防軍はできるという規定があって、これは現行の憲法九条一項上はできないことをできるようにするということについて議論をさせていただきました。また、その前には基本的人権の話も議論させていただきましたが、このように、九十六条の議論をするに際しては、その先に何があるのかということを、ぜひ議論を深めていきたいと思います。

 一つ提案なんですけれども、このように、財政に関する規定ですとか国会に関する規定ですとか統治機構に関する規定というのは、私は、九十六条を変えて、過半数でやってもいいと思うんです。つまり、衆議院、参議院は過半数、その後国民投票で過半数で改正できるという形にしてもいいと思うんですが、先ほど総理に答弁していただきましたけれども、憲法の三つの柱であるところの基本的人権、戦争放棄そして国民主権、これらに関連する部分については、やはり三分の二のまま残すべきではないかというのが私の九十六条改正案でございます。ぜひ、これから各党で議論を深めていっていただきたいというふうに思います。

 それでは次に、三つ目の柱であるところの国民主権にかかわる選挙制度について幾つか触れていきたいと思います。

 先ほど同僚の泉議員も触れておりましたけれども、昨年の十一月に、確かに三党合意で、早く、一票の格差是正そして定数削減、抜本改革を含めてやろうということで、三党合意はなされました。そして、〇増五減法案を通しました。そして、今、区割り審が出て、四月十二日にも新しい区割りを画定するための公職選挙法改正案を提出されるというふうに伺っておりますが、これは三月の高裁判決で事情が変わったというふうに考えております。

 こちらに資料を用意させていただきましたけれども、平成二十五年三月二十六日、広島高裁岡山支部判決では、緊急是正法、つまり〇増五減ですね、この〇増五減の法律というのは、都道府県単位で最小選挙区数を二としており、二十三年大法廷判決が違憲であると判断した一人別枠方式による定数配分を基礎としたものにすぎず、投票価値の格差是正のための立法措置を行ったとは言いがたい、このように判示しているわけでございます。これによって、一つ、随分事情が変わったんですね。

 もう一つ、これは〇増五減で直した後の各小選挙区について、では今どうなっているかという人口を、三月一日現在の人口推計として、各地方公共団体がホームページで示しているものを総務省が取りまとめて、きのう出してもらったものでございます。これによりますと、三月一日現在で、〇増五減が通った後の小選挙区の区割りで、既に二倍を超えております。

 確かに、五年に一度行われる国勢調査の人口に基づいて区割りを決めるということは私も理解をしますが、ただ、実際に、次の解散があって衆議院選挙が仮に行われた場合に、また訴訟が起こされます。そのときには、選挙が行われた時点での人口で訴訟を起こされるわけですね。ですから、逆に言うと、これから後、いつ解散して衆議院選挙をやったとしても、もう確実に憲法違反になってしまっている状態なんです。ということを知りながらこの〇増五減をやるというのは、逆に言うと意味が重くて、この次の違憲訴訟を起こされたときには、無効判決が出る可能性がより高まってしまうんじゃないかと思うんですね。

 まず、総務大臣に事実関係を確認しますが、このように、三月一日現在で、少なくとも六カ所、〇増五減の区割りをした後の区割りであっても既に二倍を超えているところがあるというこの事実関係について、これは事実であるかどうかをお答えください。これは総務省の資料です。

新藤国務大臣 それはそのとおりでございます。

後藤(祐)委員 そうしますと、次の衆議院選挙を行う時点において二倍を超えることは確実だと思いますが、これについての御見解を、総務大臣、お述べください。

新藤国務大臣 二倍を超えるかどうかは、そのときの状況でなければならないということだと思います。

 私たちは、今回の〇増五減は、主要政党三党で決めていただいたこの法律にのっとって、この区割り法案ができ、そしてそれを区割り審にお諮りして、区割り審が、こういった中で人口が二倍未満となるように、そういった区割りを設定していただいて、その中で定めた選挙区をきちんと区割りとして定める、こういうことでございます。

後藤(祐)委員 それはこの高裁判決でもう覆っちゃったんですよ。一人別枠方式は、やったとしても、今回の〇増五減は一人別枠方式を残しちゃっているというふうに少なくとも二つの高裁は判示しているわけです。

 この後、最高裁判決が夏にも行われると言われています。最高裁判決でそういう、ここにある、一人別枠方式は残っちゃっているという判決がなされる可能性ももちろんありますよね。その最高裁判決を待ってからやるべきじゃないですか。〇増五減法案をなぜすぐ、急ぐ必要があるんですか。

 あるいは、もう今の時点で二倍を超えちゃっているわけですから、これは、一・九九八倍という非常にすれすれのところのやり方をしているからなんです。もう少し大胆に組みかえて、例えば一・八倍とか一・七倍ぐらいのところまでしておいて、次の解散のときまでは何とか二倍までは到達しないような見込みが立ちやすい区割りに本来すべきだと思うんです。

 我々民主党は、小選挙区で三十減、比例で五十減、合計八十減という案を出していますが、この三十減というのをやると、当然、二倍からかなり下のところの数字にすることができます。

 ぜひ、この〇増五減案はもう既に違憲の可能性があるわけですから、最高裁判決を待つつもりはございませんか。これは総理に聞きたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今委員は岡山支部の判決の例を出されましたが、東京高裁は、平成二十三年大法廷判決の判示に従って選挙区割りを是正する対応を示しており、つまりこれは〇増五減のことを指しているわけでありますが、今後、選挙区割り規定を投票価値の平等にかなったものに是正していくことが期待できること、緊急是正法のもとで、選挙区間における議員一人当たりの人口の格差が二倍未満に是正されることが予定されていること等、本件にあらわれた諸般の事情をあわせて考察すると無効とせずという冷静な判断がなされているわけでございます。

 つまり、東京高裁ではこのような判決がなされているわけでありまして、これはまさに〇増五減について緊急に国会においてそれを成立させよという判決でございます。

 つまり、そういう中から、我々はまさに〇増五減について、これは御党も賛成されたんですから、それが今ごろになって事情が変わったというのは、それは政治的な事情が変わったというふうに思われますよ。

 ですから、そこはまず〇増五減、少なくとも結果を出していくことが大切ですから。これは過半数を超えないと法律は成立をしませんから、まず私たちは与党でまとめて、そして御党にお願いをしたい、こういうことでございます。

後藤(祐)委員 どっちの高裁判決が最高裁で選ばれるかわからない状態なんですよ。だからこそ、少し慎重にしたらどうですかということを申し上げているわけでございます。

 さて、残り五分ぐらいになりましたので、最後に行政改革について触れたいと思います。

 行政改革については、我が党も三年数カ月、いろいろな形で取り組んでまいりました。それを一つ一つ聞くことは、もうこれまで予算委員会、内閣委員会等でしてきましたのでしませんが、稲田大臣、行政改革担当大臣として、さまざまな行革のテーマ、今取り組んでおられると思いますけれども、今、稲田大臣のもとで行政改革に取り組む職員、稲田大臣が人事権を持って、稲田大臣を支える職員は何人ぐらいおられますか。

稲田国務大臣 質問通告がなかったので、何人とまではお答えすることはできません。

後藤(祐)委員 正確な数でなくても結構です。何十人ぐらいとか、そんなので結構です。百人ぐらいとか、三十人ぐらいとか、五百人ぐらいとかで結構です。

稲田国務大臣 人事権は官房長官がお持ちですので、今の委員へのお答えに関しては、人事権を持っている職員はいないということになるのではないかと思います。

後藤(祐)委員 それが正解なんです。今秘書官からアドバイスがあってようやくわかったということがわかりました。つまり、このことをあらかじめ知っていれば、稲田大臣は最初からゼロと答えられるはずなんですよ。

 これは非常に大事なところで、なぜかというと、行革担当大臣は内閣府なんです。我々民主党のときは、行政刷新会議というのを内閣府に設けて、内閣府の行革担当大臣が、特命担当大臣として勧告権も持って、反対する各省に対して、いざとなったら勧告権でやるぞというような姿勢でやる。だからこそ、大臣のもとの内閣府の職員も、いざとなったら各省に対して大臣が闘えるんだというつもりで仕える。しかも、サボっていたら、大臣に、おまえ、そんなにサボっていたらどうなのかと、そういう、やはり人事権がある人とない人を見ていますから、役所も。ですから、人事権がない行革担当大臣で本当に行革が進むのかということは、大変重要な事実として申し上げておきたいというふうに思います。

 さて、具体的な話に幾つか入っていきたいと思いますが、ここに、民主党政権と自民党政権の行革に関する姿勢の違いというものを幾つか挙げさせていただきました。

 午前中、同僚の玉木議員から、事業レビューについて、例えば、民主党政権のときは廃止という判定がありましたけれども、自民党政権では廃止という選択肢はなくなってしまいました。

 国家公務員の定数については、我々は苦しい中で採用を大幅に減らしてまいりました。五六%減というような苦しいこともやりましたが、残念ながら、新藤総務大臣は二十六年度採用は増加させるという方向を示しておられます。

 公益法人改革についても、今までるる、前の中塚担当大臣のときに、政府からたくさんお金をもらっている公益法人ですとかあるいは特別な権限があるような公益法人については役員を公募制にするですとか、厳しいルールを適用すべきだということを大臣私案としてまとめていたので、これをぜひ使われたらいかがですか、公益法人改革はどうされるんですかとお伺いしたところ、もともと決まっている透明性確保策を続けてやってまいりますということしかお答えにならない。抜本的な公益法人改革はやるつもりはないということも既に確認をされております。

 さらに、独立行政法人については、我々の政権のときに、百二の独立行政法人を六十四法人に減らす独法通則法改正案というものを提出させていただきましたが、残念ながらこれは成立をしておりません。独法改革はどうされるんですかと、これもいろいろな委員会で聞いてまいりましたが、結局出てきたのは、廃止が決まっている、ある独法の個別の廃止法案がぽろっと一個出てくる予定らしいんですね。独法全体のルールをどうするかということについては検討中、こういうことでございます。大変残念です。

 ただ、一方で、続けていただいているものもございます。午前中、大島議員の質疑の中でありましたけれども、独立行政法人への再就職、独立行政法人の役員に対する再就職については公募制を維持されて、公務員OB比率というのが、実はこれは、民主党政権になる前、平成二十年の段階では三三・五%の方が公務員OBだったんですけれども、この公募制を導入することによって、二十四年の十月では六・五%まで減ったんです。公募制については継続されるというお答えをいただいております。

 また、国有資産の売却については、五千億円売却するという方針を我々の行革実行本部の段階で決めていて、これについては維持されるという方向を伺っております。

 このように、行政改革については、政権がかわっても積み上げていかなきゃいけないことだと思うんですね。公務員制度についても長い経緯がございました。行政改革それぞれのテーマについて、二〇〇九年より前の自公政権で積み上げていただいたもの、我々はそれを受け継ぎながら、否定したものはそれほどないと自覚しています。こうやって進めてきました。

 そして、今度、自公政権になりましたので、我々が積み重ねてきたもの、我々は百点やると言って七十点しかできなかったかもしれません、あるいは六十点かもしれません。そして、それをマイナス三十点だ、マイナス四十点だと批判されました。でも、積み上げてきたものはこうやってあるんです。これを下げないでいただきたいんです。我々が築いてきた七十点なり六十点なりの土台の上に、ぜひ自公政権としての行政改革を積み重ねていただきたいんですね。

 これから、ほかの中小政党の方も含めて、いろいろな党が政権をとることがあると思いますけれども、どの政党が政権をとっても、行政改革は永遠の営みです。会社において経営改革は永遠の営みであるのと同じでございます。ぜひ、この行政改革の営みを続けることを期待いたしまして、私の質疑を終わりとさせていただきたいと思います。

 本日はありがとうございました。

山本委員長 これにて大島君、泉君、玉木君、後藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、松浪健太君。

松浪委員 日本維新の会の松浪健太であります。

 本日は、維新の会の要望により、統治機構の集中審議をお開きいただきましたことに、御礼を申し上げます。

 統治機構といいますと、ついつい我々も、道州制とか、大きな行政組織の改革にばかり目が行くわけでありますけれども、統治機構と規定されますものは、当然、行政だけではなくて、裁判所、そして、この国会であります。今回は、この国会改革について、まず取り上げさせていただきたいと思います。

 余りに方々から賛成の声が既に上がっておりますけれども、この国会、本当に総理もずっと議論をされていて、そして、大臣の皆さんもこちらにお座りになっていて、そして、特に議員の皆さん、私も国対の委員長代理をやっております。国対の委員長、委員長代理の皆さん、各党ともに、この前近代的な、そして日程闘争、不毛だな、やめたいな、みんなおっしゃいますよ。しかし、やめたいけれども、やめられない。この理由はどこにあるのか。

 そして、今まで、自民党の皆さん、民主党の皆さんとお話ししますと、いや、自民党が野党のときはこれだけ抵抗した、いや、民主党のときにはこんなにひどかったと。この悪循環が、怨念の悪循環が続いているわけであります。

 そろそろ、これを断ち切る。幸い、我が党は新党でありますので、この因習をしっかりと断ち切って、そして、新しい国会の姿を、提案型野党として、今回は皆さんにお示しをしていきたいと思います。

 そして、特に総理の、本当に我が国における国会の出席日数は多大なものがあります。

 先日、有識者でつくられる日本アカデメイアの皆さんが平成二十三年におまとめになった総理の一年間の国会出席日数、これが百二十七日、平成二十三年で。各国は十数日とか三十何日とか、そういう国もある中で、非常に、総理にとっては、体力的に日本国は多大な負荷をかける国家であります。

 この中で、私は、前回の基本的質疑では、施政方針の一本化というものをまず提案しました。これはもともと、小泉総理の時代、平成十四年に、小泉総理はこれができないかと言って、当時は野党の反対でできなかったという形になっておりましたけれども、今回、我々は、野党の立場からそれを提案したいと思います。そして、それだけではなくて、国会全体のあり方を変えていきたいと思います。

 そして、これは無駄だらけだなということで、まず「国会審議 五つのムダ」というものを、今、皆さんの前に出しました。

 施政方針演説だけではなくて、所信表明で、まず同じ原稿を読むわけでありますけれども、これについて、かつて自民党の幹事長であった村上正邦先生はこう書かれています。

 私は、二番煎じの最たる現行の施政方針演説等は、参議院本会議場においては、これを行わないことを提言している。新聞、テレビでも放映されているほか、一言一句をおくれて演説を行うには気迫も薄れる。このような問題が指摘されているわけであります。

 現在、与党は、この衆議院では三分の二をお持ちであります。しかし、参議院では今どうなっているかといいますと、与野党は一応ねじれた格好になっているわけでありますから、私は、この際、衆議院は、謙譲の美徳で、国会の開会式と同じように参議院に譲るなり、そしてまた、それができないのであれば、当時、憲法の問題というのもあったそうであります。イギリスでは、こういうものは傍聴席まで使うという例もありますし、議員が必ずしも座る必要はない。そして、イタリアでは、演説を行わない方の議院では、どちらか片方ずつでやるんですけれども、それについては原稿の提出をもってかえる形で行われるということであります。

 総理、この一元化について、一緒に進めるお気持ち、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 さまざまな御指摘をいただきました。

 自由民主党も、野党時代にやっておけばよかったなというものが幾つかあるわけでありまして、今、野党である松浪委員にそういう提案をしていただいたことは極めて有意義だろう、私はこのように思います。

 施政方針、所信表明、これは極めて重要な演説ではありますが、しかし、全く同じ演説を二つの院でする。既に演説をする相手はその中身を知っているわけでありますから、それが果たしてどうなのかということはあるんだろうと思います。演説の時間も、大体、参議院では衆議院のときよりも必ず短くなるんですね。これはどうしてなのかというと、やはり読みなれたということもあるかもしれませんが、必ずそういうふうになるんですね。

 ですから、それは、一回で緊張感を持って演説をするということも一つの考え方かもしれませんが、しかし、いずれにせよ、これは院のことでございますから、私が余りずらずら言うべきことではないだろう、このように思いますので、ぜひまた政党間で建設的な議論をしていただきたいと思います。

松浪委員 それでは、本日は、安倍総理はまさに大与党の総裁でありますので、この大与党の総裁として党の方にも指示をいただいて、与野党で協議の場をつくらせていただければありがたいというふうに思います。

 そして、今回、最初に予算委員会の基本的質疑、四日間あったわけでありますけれども、全閣僚が……(発言する者あり)済みません、間違えました。三日間でありました、昨年が四日でありまして。

 その間、全ての閣僚が入るわけでありますけれども、ことしも、調べますと、古屋大臣ともう一方、どなただったか、済みません、ちょっと今失念しましたけれども、森大臣ですか、お二人の大臣が答弁をされなかった。

 閣僚の皆さんも大変お忙しいと思いますので、こうした基本的質疑で全閣僚を並べるということについて、やはりこれは、儀礼的な問題もあるでしょうけれども、やっても最初の一日でいいんじゃないかなと私は思いますし、こうしたことをともにやっていければというふうに思います。

 そしてまた、特に深刻なのは、我々、この予算委員会を開くにしても、これが決まったのも金曜日だったと思いますけれども、各国を見ますと、一カ月前に日程が決まっている、そしてどういう質疑が行われるかも決まっているという国々も多くあります。そして、我が党の場合は、地方議員の皆さんが十数人、大変多く、新しく入ってこられたわけですけれども、この皆さん、地方議会では、いついつにどういう委員会があって、どういう日程で行われると、もう随分前から決まっているわけであります。

 我が国も、こうした日程闘争の常態化というものをやめていく。会社でいえば、本当に先ほどの総理の所信表明、東京本社で読んだのに、大阪本社でももう一回社長が行って訓示をするんやでというぐらいの非合理さでありますし、この日程闘争については、我々、ふだん無駄だなと思うのは、一時間質問を延ばすのに、時には一日の議論、二日の議論、三日の議論になってしまう。

 そして、この予算委員会の場合ですけれども、昨年の質疑時間合計は八十八・四時間、平成二十三年は八十三・四五時間、平成二十二年は短いんですが六十九時間でありまして、もしこれを最初からしっかりとおおむね固定化することができれば、我々質疑者にとっても、このことについては、質疑者もいつ質問があるかわからない、これは深くよく準備をすることができないという問題もあります。

 そして、特に問題なのは、私、思いますのは、答弁をする側であります。特に、一応、質問通告は二開庁日前、四十八時間前ということが決まっていたけれども、最近はそれがなし崩しになっている。前日の五時までならまだいい方だ。ひどい例は、十二時を超えてもう一問追加されたというような例も私は聞いたことがあります。そして、役所の皆さんもこれで待機をしなければならないというのは、私はこれは壮大な無駄であると思います。

 ですから、予算委員会の答弁のためなどといって役所の皆さんが徹夜対応などをする、こういう徹夜とかがなくなった場合は、経費削減効果は幾らぐらいになるのか、また、金銭的な面以外のメリットはどういうふうにあるとお考えになるのか、伺います。

安倍内閣総理大臣 幾らぐらいのコスト削減になるかということは、何日間減らすかということもございますので、一概には言えないわけでございます。

 御承知のように、答弁に立つ、例えば総理大臣の私が答弁に立つ場合は、質問が来る場合は全省庁かかわりますので、全省庁の多くの職員が、待機がかかります。これは、十二時になれば、当然十二時から作成するわけですから、作成し終わるのが一時、二時、そしてそこで局長等のいわば裁可を得て、そこから秘書官のところに来るわけでありまして、そして秘書官がもう一度それを見直しをして、いわば応答要領ができ上がって、そして最終的に私が見るのが七時とかそれぐらいになってくるわけでありますから、かかわる人数は相当の人数がかかわり、待機をしているということも、これはぜひ考えなければいけない課題であろう、こう思うわけであります。

 同時に、日程が決まっていないということにおいての一つの大きな問題としては、一年間に多くの首脳の訪問が決定をしておりまして、こちらが招待をして、公式訪問等がございます。そして、国賓であれば陛下の行事もかかわってくるわけでございますが、これにかかわる首脳会談とか晩さん会も含めて、その日程がなかなか立たないというのが、これが一番大きな問題、課題でございまして、つまり、そうしたものがあらかじめ日程が決まっていれば、そういう日程もするするっと入ってくるわけでございまして、外交上は極めて有意義ではないか、こんなように思います。

 と同時に、多くの職員は待機をさせられますので、これは相当、体調的にも多くの職員は、これはなかなか、体調の維持管理も大変な人たちも結構おりますし、また、若い子育ての親である人たちにとってはそういう問題もありますので、ワーク・ライフ・バランス上も、それが是正されれば、相当、彼らの仕事、普通の仕事にも集中する力も入ってくるのではないか、このように思います。

松浪委員 総理に対する負担、そしてまた非常に不安定な日程が、外務大臣の外遊、また総理の外遊を非常に妨げている。我が党の場合は、公約に、やはり、総理にも百日ぐらい外国に行っていただけるような、リーダーシップを発揮していただくというのが本旨であります。

 そのかわりに、やはり、イギリスの場合は、総理が、クエスチョンタイム、これは平成二十年から二十一年のデータでありますけれども、クエスチョンタイムに年間二十六日、一時間程度でありますけれども、毎週やっている。ですから、こうした開かれた状況をつくる一方で、総理の御負担を軽減していくというようなことを、我々議会人としてもやっていくべきではないかというふうに思います。

 そして、今の国会の仕組みの中で、我々がどうしてこのようになかなか法案審議が進まないかということについて、二枚目のパネルをお願いします。いわゆるつるしの問題があります。

 一般国民の皆さんは、つるしと言われても、何をつるすのかなということでありますけれども、我々国会議員にとっては、つるしは大変な問題であります。いわゆる本会議での登壇、趣旨説明、質疑を求めるということが本旨なんですけれども、これが全ての法律、今国会であれば六十五本出ています、通常国会、もし長い場合は百本以上の法律にこれを全部かけてしまうというのが現状であります。

 どうしてこれが始まったか。さすが自由民主党であります。平成五年に政権交代が起きたときに、自民党の国対の皆さん、さすがに与党が嫌がることをよく知っていらした。そのときに、全ての法案につるしをかけてしまえばストップできるじゃないか、野党の抵抗手段としてはこれは最高だな、こういう理由で編み出されて、二十年間、つるしが全部の法案にかかるという仕組みになっているわけであります。

 これを図にしたのが、私がいわゆる「吊るしのカベ」と名づけましたけれども、この趣旨説明要求の壁であります。

 しかし、それ以前の国会はどうなっていたのかといいますと、いわゆる趣旨説明、質疑をするものは事前に割としっかりと決めて、それだけに趣旨説明をかけるということだったわけであります。

 これは、我々野党にとっても実は厳しい問題であります。我々がつるしをかける。すると、野党提出の議員立法にも当然、与党はつるしをかけてくる。双方が自縄自縛に陥って、結局、法案が審議されない。これは「さみだれに付託」というふうにしてここに書きましたけれども、なかなか各委員会におりていかないわけであります。

 そこで、今回、改革後の案であります。

 先ほど挙げた五つの無駄を排しても、これで得するのは与党なんですね。ですから、せめて、五つ譲ったら一つぐらいは野党に何かいいことがないか。これはもう私は、議員立法しかないと思うんですね。

 ですから、今回、表に、委員の皆さんにはお配りをしていますけれども、現状の野党提出法案はどうなっているかといいますと、ほとんど議論されない。そして、野党から対案が出されても、与党はそれに質問もしないというようなのが委員会での姿ですよ。そして、ほとんどが審査未了になる。結論がつかない。

 それであれば、これだけ、国会の姿を本当に議論する姿に変えて、その先に、野党の提出法案を委員会に即座に付託をして、そして各委員会では内閣提出法案、そして一般質疑が繰り返されます。こうしたときに、これは提案でありますけれども、一般質疑のかわりに野党提出法案をしっかりと議論していただく、そのときには当然、与党の皆さんも五分五分の質疑時間を持つ、こうすることによって問題点を明らかにしていく。この最後の点さえ、本当に議論する国会をつくるんだと与野党で合意ができれば、私は、物事は大きく動いていくのではないかというふうに思います。

 総理、これから国対委員会、これも本当に時代おくれのものだと思います。私が国対にいてこう言うのも本当に矛盾というか、自己矛盾をはらみながら言うわけでありますけれども、これをどうか与野党でともに変えていく努力をしたいと思いますけれども、自由民主党の総裁として、一言いただきます。

安倍内閣総理大臣 もちろんこれは、基本的には各党各会派で相談して決める、院のことでございますから。しかし、今、松浪委員の出された御提案というのは、私から見れば極めて合理的な提案だろう、このように思いますし、野党の皆さんにとっても議員立法という大切な道が開かれるわけでございますから、そういう観点からぜひ御議論をいただきたい、こう思うわけであります。

 一方、国対と議運、もともとは議運でやっていたわけでありますが、田中角栄幹事長時代に国会対策委員会というのをつくって、幹事長と国会対策委員長が動かしていくという今の仕組みができ上がったわけでありまして、ちょうど二十年前、私が初めて当選したときの国会において、我々野党になった段階で、小沢さんが国対をなくすということでやったわけでございますが、これは議運だけではなかなかうまくいかなかったということもございました。

 いずれにせよ、知恵を出しながら、よりよい方向に進んでいっていただきたい、このように思います。

松浪委員 小沢さんは小沢さんでも、我が党の国対委員長は小沢鋭仁さんでありますけれども、小沢委員長が、形式国会から実質国会にするという方針を出されまして、それに基づいて我々はこの方針を今進めているわけであります。

 そして、国対政治というのも、もう時代おくれだと思います。よく先輩方からいろいろ話を伺いますのは、昔は、自民党と社会党しかなかったという時代に、野党対策がいろいろ行われたと。お仕立て券がたくさんもらえたということも聞いたことがありますけれども、幸い、我々はそういうものもいただいたことはありませんので、もうこうした国対政治というものは、もはや過去の無用の長物に私はなっていると思います。

 ぜひともこれを一歩でも進めていくことが、もう国会ほど、これほど今、時代おくれの仕組みで動いているところはないわけでありますから、どうかこの機会に、新たな建設的な国会をともにつくっていただきたいと思います。そのために、国会対策委員会縮減協議会みたいなものを与野党でつくったらいいと私は思います。

 それでは、次の質問に移ります。

 統治機構についてでありますけれども、地方自治法を今回、私は取り上げたいと思います。

 前回、統治機構で、基本的質疑では非常に大きく道州制の問題を取り上げましたけれども、はたと地方自治法というものを考えますと、将来、道州制が導入されたときには、この地方自治法も大部分は道州にブレークダウンされるんじゃないかなと思います。

 今議論をされております教育委員会の問題もありますけれども、この必置基準も実は地方自治法に書かれておりますし、道州制であれば、教育委員会のあり方等も、かなり各道州で切磋琢磨して、いろいろな仕組みもできるでありましょうし、そして、いろいろなもの、今自治体はすごく努力していますよ。苦しいから努力をする。市営地下鉄を民営化する、市バスを民営化したり、さまざまな努力をしているわけでありますけれども、これがなかなか難しいわけであります。

 私が今回取り上げますのが、地方自治法における特別多数議決であります。つまり、三分の二以上、四分の三以上が必要であるという項目、総務省の方に出していただきますと、八項目ありました。

 そのうち六項目は、首長に対する不信任の議決であるとか、議会の秘密会の開会とか、副知事、副市町村長の解職請求があった場合の解職に関する決議、つまり、議会とかそれから政治家の身分にかかわることが六件。

 そして、あとの二件が、実は、地方公共団体の事務所の位置の決定または変更、つまり、役所の場所をどこにするのかということ、これが三分の二かかる。そしてもう一つが、条例で定める特に重要な公の施設の廃止または条例で定める長期かつ独占的な利用というものでありますけれども、これについて、私は、本当に三分の二が必要であるのかなということについて疑問に思っております。

 そこで、特に重要な公の資産の廃止に関する特別決議、三分の二を付した理由、これは昭和三十八年の地方自治法改正時なんですけれども、新藤大臣に伺います。

新藤国務大臣 御指摘のように、昭和三十八年の地方自治法改正、これにおきまして、条例で定める特に重要な公の施設を廃止または長期かつ独占的に利用させる場合には、特に重要な公の施設の利用者である住民の利用権を尊重するため、このために、議会において出席議員の三分の二以上の同意が必要となったということなのであります。

 しかし、昭和二十二年の地方自治法、そのころには、逆に、逆にというか、さらに住民投票で過半数の同意が必要だったんです。ですから、昭和三十八年のときには、それでもまだ緩和した、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。

 そして、この公の施設のうちのどの施設を特に重要なものとするかは、これは各地方自治体が条例で定めている、こういうことであります。要するに、今おっしゃったような水道事業だとか交通事業、そういったような施設を条例で定めている自治体があるということでございます。

松浪委員 大臣、これは二分の一でいいんじゃないですかね。

新藤国務大臣 特別多数議決の制度、これは、利用者である住民の権利を尊重している、こういうことであります。そして、昭和二十二年の自治法、それから昭和三十八年の改正、こういうステップを踏んできているわけであります。

 いろいろな御意見があると思います。議論はしていただいていいと思いますが、これは、しかも条例で、それぞれ地方自治体が定めているわけであります。ですから、これは極めて慎重に検討を加えていかなくてはいけない、このように考えます。

松浪委員 今、昭和二十二年そして三十八年とおっしゃいましたけれども、昭和三十八年からももはや五十年でありまして、昭和二十二年、ちょうど女性に参政権が付されたころの住民、そして、まだ戦後間もなく、二十年たっていないときの住民、そして、戦後これだけたった現在の住民、それぞれに住民も成熟をしてきていると思いますし、政治家も成熟してきていると思います。

 そして、これは、重要な公の資産の廃止と書いているんですけれども、今問題になっているのは、民営化とか経営譲渡とか、完全に単純廃止を、この法律は全てを含んでしまっているという問題点があります。

 当時、経営譲渡とか民営化という概念が、この重要な公の資産の廃止に含まれていたとお考えですか。

新藤国務大臣 当時、民営化ですとか、そういったことというのはなかなか想像ができなかったのではないかな、このように推測されます。

松浪委員 つまり、私が申し上げたいのは、ここで、単純廃止の中に民営化そして経営譲渡を含んでいるのにはもう無理が出ているというふうに私は認識しておりますけれども、大臣、そう認識はされませんか。

新藤国務大臣 これは、いろいろな時代の状況の変化というのがございます。それは民意にあらわさなければなりません。そして、それは議会の条例で定められており、また、その制度を活用するに当たっては、議会での議決が必要になるというのがある。それがまさに時代の状況を反映して、議員の議決がそのようになれば、そのように行われるわけであります。

 ただ、制度そのものを見直すことに関しては、これは慎重にいろいろな観点から検討をしていく必要がある、私はそのように考えています。

松浪委員 国鉄というのは、かつて民営化されたんですね。国鉄の民営化、三分の二が必要かというと、必要じゃありませんね、二分の一でいい。

 国が昭和三十八年に、重要な公の施設といえば、普通、地下鉄とか市バスを絶対に含まざるを得ないですよね、指定せざるを得ない。そのことに三分の二を課している。これは自由だといっても、では重要じゃないのかといったら、やはり重要なんですよ。

 ですから、はっきり言って、この条項、経営譲渡もそして民営化も想定していなかったけれども、単純廃止の中に含んでいる。はっきり言って、今、民営化とか経営譲渡を目指す地方公共団体にとっては余計なお世話になっているということは私はあると思います。大臣もうなずかれておりますけれども、これはもはや三分の二で縛る意味が非常に薄れているという御認識はありますか。

新藤国務大臣 これはまさに、住民の意思、それからその住民の代表である議員、そういったものがいろいろな議論をしていただきたいと思いますし、また、そのために、国民の代表で国会議員というのが構成されているわけであります。ですから、今委員がおっしゃっていることも、これは時代の状況においてあり得ることだな、このように思います。ですから、積極的な御議論をいただくことは結構なことじゃないか、このように思います。

松浪委員 非常に、この三分の二をかける、国鉄の民営化でも二分の一でいいのに、国が、市バスとか市営地下鉄とか、そういったものの民営化に三分の二をかけるということについて、私はこれはもう無理があると思います。

 通告はしておりませんけれども、麻生大臣、どう思われますでしょうか。

麻生国務大臣 国鉄を例に引かれましたけれども、この場合は、県営はちょっと知りませんけれども、市営とかいろいろありましょうけれども、それをやるときには、ある程度市民の理解を得るのには結構慎重にやらぬといかぬのじゃないかなという感じはしますけれども、今おっしゃる趣旨はわかります。

松浪委員 おっしゃる趣旨はわかりますと言っていただきましたので、私は、これは地方の声があれば、もう十分、二分の一にしていただいて結構なことだ、国の諮る特別決議というものについては、議員の身分とか、そうしたものに限るべきだというのが新しい地方分権の姿だと思います。

 そしてもう一点、この特別決議の問題で、事務所の位置の移動に三分の二を課しております。これは昭和二十二年から変わっておりませんけれども、この三分の二についても、現在ではさまざまなあり方があると思うので、これも要らないと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

新藤国務大臣 まず、特に重要な公の施設の廃止、この三年間でどんなことがあったかというと、大阪府で上水道の廃止、それから広島県では県立高校の廃止、高知県も県立大学の廃止、それから病院の廃止、そして大分でも県立病院の廃止、県立高校の廃止、こういったことで、これは極めて住民生活に密接かつ重要な問題であります。

 ですから、こんなもの要らないじゃないかというお気持ちは、それはあったとしても、やはりきちんと住民の意思の反映というものがなされなきゃならないという意味においては、私は何度も申し上げますが、制度としてはこれは慎重に考えていかなきゃいけないということであります。

 そして、あわせて、今のこの地方公共団体の事務所の位置、例えば市町村合併したときに、市役所をどこにするか、これはいろいろな議論が出ます。これについても、そういったものについて三分の二の出席議員の同意が必要とされているわけでありまして、例えばこれを緩和したときに、後からまたそのことをめぐっての混乱が起きてはならない、こういうようなこともあるわけです。

 住民の非常に重要な意思の決定において、このような制度になっているということは、趣旨を受けとめた上で、いろいろな議論をしていかなくてはならない、このように思います。

松浪委員 役所というものは昭和二十二年と随分変わっているわけですね。今、大きな市町村ですと、支所を置いている。支所の廃止とかいうものに三分の二をかけるか、そういうことはない。そしてまた、電子申請、オンライン申請、どんどんどんどん変わっている中で、役所というものの住民への近さというものも変わっているし、代替手段も多くあるということであります。

 そして、例えば、これもまた国の問題になりますけれども、首都機能移転の議論がかつてありました。首都機能移転というものは、これも法律で二分の一で変えるものでありまして、これは三分の二、かかりませんよね。

 こういうものを、本当に国がいつまでも三分の二をかけ続ける。昭和二十二年の、女性が初めて投票し出したころの状況と一緒に三分の二をやっていくというのが私は正しくないというふうに思いますけれども、こういう声が地方からあって、当然我々も、先ほどから申し上げている、また議員立法というのを、これから国会の形を変える中で野党の方から出していくということでありますので、私はこれは十分いけると思いますけれども、首都機能移転と市役所の位置の変更、どっちの方が、大臣、影響が大きいと思いますか。

新藤国務大臣 これは、どちらが大きいとか比較するようなものではないということだと思います。

 そして、いろいろな議論をいただくことは結構で、今委員がこうやっていろいろなお話をされていること、これはいいと私は思いますよ。

 だけれども、今の制度でずっとそれぞれ使ってきて、そして重要な決定を行ってきた、そういう経緯があるわけであります。ですから、今、私は行政の側にいて、こういったものは、まず地域の声、それから議会の声、そしてそれは最終的にはこの国会に、国会議員の声となって、それが各党間の議論になっていって、そういう慎重な議論の中で検討されていくべきものだと先ほどから申し上げているわけであります。

松浪委員 ありがとうございました。それでは、こういう議論を今後さらに大きく展開させていただこうと思います。

 そして、前回、道州制の議論をいたしましたときに、医療、農政、そして河川行政というものも入れたんですけれども、河川というのは線でありますけれども、今回、港湾行政について伺いたいと思います。

 例えば、大阪湾があるんですけれども、大阪湾の中では、大阪港、神戸港とか堺泉北港とか、それぞれに港があります。そして、それぞれの港に、兵庫県、神戸市、大阪市、大阪府と、管理者がそれぞれ存在する。なかなか一元性が難しい。

 当然、これは道州制になれば一つの管理というものが今の港湾法のもとでも行われるわけでありますけれども、関西の場合を見て、太田大臣、港湾管理者というのは一つになって一元管理した方が私はよいと思うんですけれども、いかがお考えですか。

太田国務大臣 広域的な視点から港湾を一元的に管理運営するという考え方、我が国にとって今大事なのは国際競争力を高めるということですから、そうした観点から私は意義のあることだというふうに思っています。

 全体的にこの国際競争力を高めるということで、国交省としまして、阪神港、そしてもう一つは京浜港、この二つを国際コンテナ戦略港湾に指定いたしまして、ハード、ソフト両面にわたっての強化というものを講じているところでございます。

 また、その一環として、大阪、神戸両港では株式会社ということでの港湾運営というのを既に行っているところでありまして、こうした両者の統合によって、阪神港の一体運営に向けた取り組みが行われていく。そうしたことから、大阪府と市が提案している港湾の一元管理についても、これらの施策との整合性に留意していく必要がある、このように思っております。

松浪委員 ありがとうございました。

 神戸港も阪神大震災以前は世界でも指折りの港湾だったのに、今は二十位を遠く超えて三十位近い低迷ぶりでありますので、遅きに失したとはいえ、喫緊の課題であります。

 そして、現行法制でありますけれども、例えば、大阪都構想ができれば、確かに、大臣がおっしゃる大阪港とそして大阪府が管轄している港、新しく港務局というものをつくってこれをくっつけることはできるんですけれども、現行、これは非常にさまざまな障害がある。

 そして、やはり我々が目指すのは、公明党さんも大変道州制を進めておられますけれども、神戸港とか、この一帯の、大阪湾における港を、新たな港務局のようなもので一体的に管理していく、一元管理をしていくべきだと思います。

 その中で、今、港湾法で言いますと、「従来当該港湾において港湾の施設の設置若しくは維持管理の費用を負担した地方公共団体又は予定港湾区域を地先水面とする地域を区域とする地方公共団体」でなければならないということになっておりますので、現行法では、関西一体の、たとえ兵庫県と大阪府が合意をしたとしても、一体経営はできないと思うんですけれども、これについて、しっかりとこうした未来像を実現するための法改正というようなものを、今後は大臣、お考えいただけますでしょうか。

太田国務大臣 大阪都とするというようなことが決定するということであれば、それなりのまた対応ということになると思いますし、また、一気にそれをその前に、兵庫、神戸も含めてやっていこうということになりますと、これは法改正でなし遂げるということにもなります。

 ただし、今委員がおっしゃった、どうすればそうした港務局構想ということができるのかということについては、法を、具体的には、今先生がおっしゃった要件を満たしていくということが大事であるということはまず一つ言えると思います。ただし、現在のところにおきましても、府、市の調整次第で、先ほど御指摘のありました要件を満たす余地もあるというふうに私は思っておりますので、府、市からの具体的な相談があれば必要な検討をしてまいりたい、このように思います。

松浪委員 ありがとうございます。

 それでは、これから地方の時代、地方の声にもしっかりと耳を傾けて、今、法改正いただける旨の御答弁をいただきましたことに感謝を申し上げます。

 それでは次の問題に移りますが、統治機構において、首相公選制についてなんですけれども、自民党、公明党それぞれのお考えについて、それぞれ総理、国交大臣に、手短に首相公選制についての党の、自民党、公明党の考え方を伺います。

安倍内閣総理大臣 自民党案でございますから党総裁としてお答えを申し上げますが、現行の制度においては、憲法の規定に基づいて、国会議員の中から国会の議決により指名され、天皇陛下により任命されることとされておりまして、いわゆる間接民主制がとられております。自由民主党は、昨年四月に改正憲法草案を発表いたしまして、二十一世紀にふさわしい、あるべき憲法の姿をお示ししています。

 統治機構に関することは、それぞれ個別の課題でございまして、さらに議論を尽くす必要がある、このように思います。

 御指摘の、統治機構の根幹にかかわる非常に大きな問題でございますので、各党各会派におきまして御議論をいただきたい、こう思うわけでございますが、我々自由民主党の案におきましては首相公選制はとっていないわけでございまして、まさに今のこの制度と同じ形において、先ほど申し上げましたように、国会議員の中から選出をして、陛下によって任命される、これがいわば自由民主党としては、日本の長い伝統と歴史の中における民主主義にふさわしいのではないか、こう衆議が一致したところでございます。

太田国務大臣 私が党を代表して憲法論に答えられるというところじゃありません。私にとっても残念でありますけれども、十分お答えができません。

 ただし、憲法調査会に私、ずっと長く籍を置きまして、そこが我が党の、まだ決まっていないんですけれども、論議ということに影響を与えているということは事実です。

 イスラエルに憲法調査会が行きまして、厳密な意味でも、元首によって任命されるという首相公選制ということについて、世界では当時イスラエルしかなかった。三回これをやりまして、結果的にはこれはやめようということになったというような現場の状況も、憲法調査会では視察をしてきたところなんです。

 なかなか、大統領制と首相公選制というのをごっちゃにしている方もいらっしゃいますし、首相公選制という中で、内閣の構成という、大臣任命を初めとする、そうしたことの構成、そして議会との関係、そしてまた衆愚政治になるのではないか、さまざまな論議というものがあって、どちらかというと、私が所属していた時代の我が党にとっては否定的であったと思います。

松浪委員 ありがとうございました。

 首相公選制について、日本型のありようがあろうかと思います。我が党の場合は、憲法第一条を改正して天皇陛下を元首と明記した上で首相公選制を入れると。これは小泉内閣のもとでありました首相公選制に関する諮問会議等でも出された意見でありますので、目新しいものではありません。

 ただ、自民、公明党ともに今道州制を議論される中で、新しく四十七人の知事が十人の知事になる、そして国の出先機関がそこに移るとなると、正統性という意味では、石原慎太郎東京都知事時代ですけれども、パワフルだったのは、やはり一千万人から選ばれて、東京市長も兼ねている。大阪都構想ができれば、関西二千万人の中で関西州というものの州知事が生まれかねないということでありますので、やはりバランスの点から、レジティマシー、正統性の問題から、これについてはやはり首相公選制でないとバランスがなかなかとれない。

 私、先週、公明党の遠山議員と道州制のフォーラムに出ましたけれども、まさに遠山先生がおっしゃったのは、道州の知事が外国とやりとりをすると首相がかすんでしまうんじゃないかという懸念をおっしゃいましたけれども、まさにそのとおりでありまして、首相公選制ぐらいにしないと正統性というものはなかなかバランスをしないのではないかという課題を一つここで挙げておこうと思います。

 そして、もう時間もなくなってまいりました。

 そのフォーラムで、礒崎陽輔首相補佐官が、今国会中に与野党の協力を得て道州制基本法案を提出したいと発言しておりますけれども、総理も同じ御見解か、伺います。

安倍内閣総理大臣 礒崎補佐官は道州制を担当しておりますが、これは、議論が集約され次第、国会に提出をしたい、このように考えているわけでございまして、党の中でも精力的に議論が進んでいることでございます。

松浪委員 自民党と公明党のワーキングチームもつくられて久しいわけでありますけれども、我が方もみんなの党さんと日本維新の会のワーキングチームという共同ワーキングチームの発足が内定をしております。できれば、もうそんなに考えの違いがないことは明らかなので、与野党におけるこの基本法のワーキングチームを一刻も早くつくっていただかないと、今国会の提出は間に合わないというふうに思いますけれども、最後に総理、与野党のワーキングチームについて、このスケジュール感、どう思われますか。

安倍内閣総理大臣 我が党は今村さんが推進本部長をしておりますので、ぜひまた御党とこの議論を深めていただきたい、それは大変有意義だろう、私はこのように思います。

松浪委員 ありがとうございました。終わります。

山本委員長 この際、東国原英夫君から関連質疑の申し出があります。松浪君の持ち時間の範囲内でこれを許します。東国原英夫君。

東国原委員 日本維新の会の東国原でございます。

 本日は、質問の機会を頂戴いたしまして、委員長初め関係各位の方たちに御礼申し上げたいと思います。

 冒頭、通告はしていなかったんですが、少々気になる出来事、データがございましたので、ちょっと、総理初め皆さんに御所見を伺いたいと思っているところであります。

 土曜日に、ある民放の番組がございまして、夜のニュース番組です、生放送だったんですが、総理もインタビューでお出になっていた番組です。「Nキャス」という、「ニュースキャスター」という番組なんですけれども、その中で、子供を対象にして調査をした、子供が将来なりたい仕事、憧れる仕事というより目標といいますか、その仕事のランキングは、政治家が全体の百四十一位だったんです。百四十一位ですよ。公表されているのは百位なんですね。百四十一位は圏外なんです。これは私びっくりしまして、私はそういう職業を選んだのかと。

 皆さん、どうお思いですか。いいですか、子供たちが将来なりたいという仕事は、百四十一位なんです。(発言する者あり)ベストテンに入っていました、芸能人ということで。それはおいておいて、子供というのは、中高生が六割、あとは小学生なんですね。これについて、総理、いかがお考えか、ちょっと所感をお聞かせ願えればと思います。

安倍内閣総理大臣 ちょうど、TBSの質問で、私はその質問を受けたわけでございます。政治家が百四十一位でありまして、子供たちに聞いたという質問だったんですが、ちらっと見たんですが、百四十位が入れ墨師だったんですね。子供で入れ墨師と答える人がいるのかと思って私は非常に驚いたんですが、その次が政治家だったということでございます。

 そこで、私が子供のころも、私自身も含めて、政治家と普通子供はなかなか答えないんですが、クラスで一番頭のよかった生徒が政治家とか総理大臣とか答えていましたけれども、政治家のイメージが残念ながら余りよくないのかもしれないという気がするんですね。さまざまなテレビドラマにおいても、政治家というと大体悪役なんですよ。悪役が多くて、政治家の息子というのはとんでもない息子、そういう設定というのが多いんですよ。私も学校で結構そのことをやゆされたことを今でも覚えております。ですから、そういう影響もあるのかなと思います。

 それと、そもそも、小学生は別でありますが、ある程度長じてどう考えるかといえば、政治家というのは選挙が毎たびあるわけでありますから、そこで毎回毎回、皆さん、人生をかけられるわけですね。選挙で落選をすれば、自分の秘書も含めて、生活の基盤を全部、住むところも含めて失うわけでありまして、それはかなり非日常的な職業ということになるのかもしれないな、こんなように思います。

 しかし、それでもなおやろうという気概が大切ではないかな、私はこのように思います。

東国原委員 そういうことだと思うんですが、イメージが悪いというのはデフォルメされている部分もあると思うんですけれども、実を言うと、私は、子供はやはり大人の所作等々をつぶさに見ていると思うんですね。国会のありようだとか政治活動のありようだとか、国政に携わる政治家だけじゃなくて地方議員も含めて、どこか子供たちが、あるいはこれから未来を担う宝が、この辺をちょっともう見放しているんじゃないかなと思うんですね。

 例えば、政治が決まらない、決める政治ができない、先送りする、マニフェスト等の公約を守らない。それで国会を見れば、何かだらだらしている、やじは飛んでいる。

 大体、あのやじというのが、私が小さいころは、人の話はよく聞きなさいという教育を受けたんですよ。ああいうのを子供が見たら、何だろうと思いますよ。子供の親御さんたちも見ているんだと思う。保護者が興味を示さない、関心を示さない、リスペクトしないものを、子供はリスペクトしないと思いますね。逆に、子供が関心を示さない、リスペクトしないものを、その親御さんたちも影響で尊敬しないと思うんですね。ここだと思うんですよ。

 私は国会に入ってもう数カ月なんですけれども、本当にやじがうるさい。せっかく総理とか大臣が答弁をされているのに、全然聞こえないんですよ。特に長妻さん。本当に何回も総理とか閣僚から言われて、聞こえないんですよ。こういうのをやめませんか。

 実際、先ほど国会審議の五つの無駄と松浪さんはおっしゃいましたけれども、これも無駄ですけれども、人の話は聞きましょう、とりあえず。質問するときは手を挙げて、質問時間を確保してやりましょうよ。

 このやじをやめるというのをちょっと議会で議論しませんか。どうですか、総理。

安倍内閣総理大臣 答弁する際は、やじは確かに気になるんですよ。長妻理事のやじも気になりますが、しかし、やじにもいろいろありまして、これは議場の華とも言われる場合もありますし、正直、私も若いころは結構やじった方でございます。

 のべつ幕なしにやじるのはどうかなと思いますが、確かに、答弁していても、こちらもどうも切れの悪い答弁のときにやじられる場合がありますが、これはしようがないなと思いながらのやじもございますし、一概に全部やじが悪いとも言えないのかなと。しかし、ただ単に発言を妨害するやじはどうかなとは思います。

東国原委員 あと、本会議で、動議で「ギチョーー」と言うじゃないですか、あれも無駄ですね。普通に、動議だったら議長と言えばいいじゃないですか。何で「ギチョーー」と伸ばさなきゃいけないんですか。あれは何か、マイクがなかったり音響施設が充実していなかった時代の名残らしいんですが、今はもうマイクがありますからね。また、越智さんが長過ぎますよ。

 そういうのも、旧態依然としたああいうことを子供たちは見ていると思うんですよ。それは歴史、伝統かもしれませんよ。でも、それは時代とともに変えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。

 それだけじゃないですよ。例えば、午前中に質問が出たように、身を切る覚悟ですね。消費税と社会保障の一体改革をやるためにみずから身を削ろうよと言ったにもかかわらず、なかなかそれが進まない。こういったところもやはり見ていますよ、子供たちは。

 ぜひこういったところの改革を、今、政権交代して非常にイメージがいいですし、改革に邁進されておられますので、この国会の基本的なところ、国民の皆さんの目線に一番触れるところを改革していっていただきたい。ちょっとこれは余談でございますが、冒頭、お願い申し上げたいと思っているところであります。

 それにまつわることなんですけれども、三月五日の本会議で、安倍総理が、施政方針演説、政府四演説に対する代表質問で、生活の党の青木議員から待機児童の問題を問われました。それで、総理がお答えになっておられた。私はこれに少々違和感を感じたんですね。きょうは地方分権、統治機構等々の集中審議ですので、地方分権という視点でこれはおかしいと思ったんです。

 なぜなら、この待機児童という問題は極めて重要な問題ですよ。でも、これは国家一律の問題ではないんですね。待機児童というのは地方地方によって問題が違うんですよ。都市部は待機児童は多いかもしれないが、地方部はゼロのところが多いんですよ。少子化で施設が余っているところも多いんです。ですから、それを施政方針演説、代表質問で、一国の総理が待機児童について答弁をしているという姿に私は違和感を感じたんですね。これは地方分権化の、これからの社会では地方が解決する課題なんですね。

 地方分権というのは国と地方の役割を分担することなんです、一言で言うとそうだと思うんですけれども、だから、国はやはり国の役割、防衛とか外交とかマクロ経済だとか、国際、グローバルな中で、国が一律に国全体の課題を解決するためにやるべきことに特化するべきだと思うんです。地方分権というのはそういうことだと思うんですよね。ですから、諸課題というのは、それ以外の行政サービスとか住民サービスは地方に全部任す。まずこれをしっかりやりませんか。

 もう二重行政とか二元行政とかをやっている余裕はないですよ。ですから、この地方分権、国と地方の役割を分担していく国家体制にしていこうと私は強く思っているんですけれども、総理の御見解をお願いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 確かに、待機児童、保育所の整備状況等は大きく異なるわけでございますし、私の地元では基本的に待機児童はゼロという状況になっておりますが、日本全体では、都市部ではそういう状況ではない。という中で、これは全て基本的にそれぞれの地域で対応していくということがふさわしいのだろう、こう思うわけでございますが、現段階においては、つまり、これは国の基本的な方針として、女性が子供を産み育てやすい社会をつくっていくという国の大きな方針を示して、今まではそうではなかったわけでございますから、国の大きな方向転換をしなければいけない状況であろうと思います。

 ですから、この問題については、今は国が積極的に取り組みながら、その先には、今委員がおっしゃったように、基本的にはそういうサービスは、地域のことを一番よく知っているのは地域の皆さんですから、サービスにおいては地域の皆さんが責任を持って決めていただけるという地方分権の姿が私は望ましいのではないかと思います。

東国原委員 少子高齢化というのは国の課題だと思うんですね、人口減というのは。だから、少子高齢化を解決しますよ、細かいことは地方にお任せしますよ、こういう体制だと思うんですね。日銀と政府の関係と同じですよ。二%のインフレ目標をして、細かいことは日銀がやってください、大きな目標は立てます、こういう役割分担をこれからはしていく時代じゃないかなと思っているんです。

 もう一つ、自治の本旨であります。

 自治の本旨というのは、御案内のように団体自治と住民自治ということであるんですが、これが憲法とか地方自治法に定義されていないんですね。明文化されていない。これが私はどうも、地域に暮らす人たちが地域を自分から経営していく、治めていくという気持ち、情熱、エネルギーに欠ける一因ではないかなと思っているところがあるんです。

 団体自治の定義づけ、これは法律用語辞典に載っているんですけれども、一定の地域を基礎とする国から独立した団体を設け、この団体の権限と責任において地域の行政を処理する原則のこと。これは、今総理が答弁されました責任なんですね。権限と責任なんですよ。それで、住民自治は、地方における行政を行う場合にその地方の住民の意思と責任に基づいて処理する原則のこと。これも住民の意思と責任なんです。責任という言葉が必ず出てくるんです。

 これを、憲法を改正されますよね、そのときに、九条も大切でしょうが、やはり九十二条からの地方自治、九十四条の上書き権等々もそうなんですけれども、ここに入れていただきたいと私は思うんです。

 憲法論議は、内閣としてはここではできないということがあるかもしれませんが、自民党さんとしてもずっとこの憲法議論をされておられました。ちなみに、二〇一二年の自民党のJ―ファイルの日本国憲法改正草案の中に、「第八章 地方自治 地方自治の本旨を明らかにするとともに、国及び地方自治体の協力関係を規定。」とあるんです。これはJ―ファイルにあるんですね。

 自民党の憲法草案には、九十二条、地方自治ですね、「地方自治は、住民の参画を基本とし、住民に身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施することを旨として行う。」こう書いてあるんです。今後、憲法改正、そういうことになろうかと思いますけれども、地方自治の中にこれを明文化するお考えはないか。

 まずは総理、これを明文化するお考えがあるかどうか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。

新藤国務大臣 今既に委員が、いろいろと研究していただいて自民党の憲法草案の方まで言っていただきましたから、まさに我々そういう考えを、地方自治の本旨というものを明確にさせる、そしてその中で、地方がまずみずから治める、そういった地域運営、そしてそれを可能とする国家の統治システム、こういったものを、必要なものを改善していかなくてはいけない、こういう思いがあるということであります。

 それから、ちょっと先ほどからの質疑を聞いていて、我々は、直すものは大胆に直すべきだと思います。しかし、それはしょせん全てが主観によって成り立っています、人の意見というのは。ですから、自己中になっていないか、自分の都合のいいところだけ言っていないか、こういったことを不断に自問自答しなくてはいけない。

 我々は、国家を運営するという大きな責任を持っていて、その中で、変えるべきことは変えようじゃないか、そしていろいろな議論はしていただく。しかし一方で、何があっても揺るがないものがあって国家というものが今まで築き上げられてきたわけであります。そこはしっかりと重みを持って議論をすべきではないかと思うんです。

 なりたい職業の、政治家が百四十一番になった。これはまことにまず政治家自身が恥ずかしいことだと思いますが、一方で、私だったら、そういう答えを出した子供を叱りますね。おまえは何を言っているんだ、どうして人のために働いていることがおかしい、そういうことになりたいと思わないんだと。子供のうちからきちんとそういうことを言われて育った子供は、恐らくそんなふうに、職業を、公のために働いている人を後回しにするようなことにはならないと思います。

 委員がお子様をお持ちかどうかは私はわかりませんが、結局、親がきちんとそういうことを教えられるかどうか。学校の教育もそうでありますが、やはり家の中で、何になりたいんだ、何になってもいいけれども、誰かのために頑張れ、ずるをするな、自分のことばかりやるな、そういったものをきちんと植えつけていくことが重要ではないのか。

 だから、みんな今、軽く、そういった大切な職業について下がったことを笑うのは、私は絶対よくないと思います。こんなことはけしからぬ。ただ、言われてしまう我々も反省しよう、こういうことだと思います。

東国原委員 子供がいるかどうかとお問い合わせなので、います。でも、手元にはいません。

 それはそれでいいんですが、今、叱るとおっしゃいましたね。理解を示さない人間に叱る。私も叱ることはいいと思いますけれども、完全に否定はしませんけれども、それよりも、政治家の背中を見て憧れるような政治家になれよという話なんですよ。黙っていても、この政治家に、お父さん、お母さんでもいいです、いつかは社会のため、国家国民のために役立ちたいと思うようなそういう人間像が政治家なんですよね。それにならなきゃいけないんですよ。叱る前に、では自分が範を示せ、背中を見せろという話なんです。

 ちなみに、ベストテンの七位は公務員なんです。ベストテンの七位が公務員ですよ。私は公務員を否定は全然しません。地方自治の中にもいまして、私は公務員の中にいましたから。一生懸命働いている人は働きます。あの方たちは、子供たちがなぜベストテンの七位かというと、安定している、身分が保障されている、潰れない、そういう理由が、地域のため、国家のために公僕として働きたいというモチベーションより、そっちの方がどうも多いらしいんです。それは親御さんのお勧めでもあるらしいんです。

 それはおいておいて、さっきの意思と責任なんですけれども、これは責任なんですよ。やはり、自主自立というのは責任が伴うものなんです。権限と責任というのはパックなんですね、セットなんですよ。ですから、自民党さんの憲法草案に、「自主的、自立的かつ総合的に実施すること」というのが入っているんです。自主的、自立的なんですよ。ここに、先ほど総理もおっしゃったように、意思と責任に基づいて、責任という言葉をやはり入れるべきだと私は思うんですね。大臣、どう思われますか。

新藤国務大臣 気持ちは共有できると思います。文言については、これは、我々もこの憲法草案をつくるときに、けんけんがくがくの議論をしました。そして、その言葉遣いを使うのは何を意味するかということをきっちりやっていかなきゃなりません。

 ですから、思いとして今の話は受けとめさせていただきたいと思いますし、これからみんなで憲法の成案というのはつくっていかなければいけないし、そういった作業に着手しようじゃありませんかというのが我々の提案でありまして、これはそのたたきであります。

 ですから、ぜひそういった思いを含めて検討していくべきではないか、このように思います。

東国原委員 ありがとうございます。

 一九九五年ぐらいから地方分権というのが叫ばれ始めまして、地方分権が言われるということは、どちらかというとこの国が中央集権ということなんですね。中央集権だから地方分権化しようじゃないかということだと思うんですね。

 自民党さんのJ―ファイルにも書いてあるんですけれども、首都機能等の維持強化及び分散化を図る、首都機能の分散化を図るとともに、日本海国土軸など多軸型の国土の形成、これがまさに分権化ということですね。東京一極集中を是正して、いろいろなところに大きな山をつくって、そこを中心にして地域を栄えさせていく、活性化させていく、そういう構想だと思います。

 確かに、この首都圏に人、物、金、権限等々が一極集中しているのは、リスク管理、災害のリスクの視点からいってもやはり危険が伴います。これは分散化するべき、そして多軸的になるべきだと思うんですね。

 大臣、地方分権と地方の自立です。この関係性について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

新藤国務大臣 地方分権と地方自立、これは密接不可分のものである、このように思います。まさに、自立するために必要なものとして、地方が得られるべき権利、権限、これをつくっていかなくてはいけない、こういう意味であります。

 それから今の、分散、多極の多軸型国家にするというのは、これは分権の考えもあります。あわせて、やはり安全保障の考え、そういったものも我々は考えていかなくてはいけないんじゃないか、こういういろいろな側面があると思います。

東国原委員 二〇一二年十一月十五日、国の特定地方行政機関の事務等の移譲に関する法律案、いわゆる出先機関改革法案が閣議決定されました。去年の十一月十五日です。

 出先機関に事務、権限を移譲する目的というのは、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体に委ねることを基本とし、国の特定地方行政機関の事務等の特定広域連合等への移譲を推進し、国及び地方公共団体を通じた行政の効率化を図るとともに、住民福祉の向上に寄与する。これはもう地方分権化の流れ、このセンターピンと言ってもいいぐらいの話。

 その後、国会が解散されまして、このときに九州地方知事会は、国の出先機関原則廃止の方針に呼応して、九州広域行政機構を構想しました。出先機関改革法案が閣議決定されて、まあ、解散して廃案になるんですけれども、それに対して、九州広域連合ですね、こういう機構なんですけれども、上から二行目です、国のブロック単位の出先機関を丸ごと移譲ということなんですね。丸ごと移譲なんです。細かい事務、権限の仕分け作業に時間を費やし、改革が停滞することを、これは、事務、権限の移譲というのは重要なんですが、もう丸ごとくれと。それぐらいの地方の覚悟がありますよということを示しているんですよ、九州広域行政機構。

 この機構が、その当時にできた九州広域行政機構と関西広域連合なんです。これは両方とも同じような感じなんですけれども、関西広域連合よりはちょっと九州広域連合の方が、出先機関の全ての事務事業について丸ごと移譲ということで、非常に覚悟を示しているんですね。いつでも来てください、うちは広域連合でやりますよという覚悟を示している。つまり、責任を持ちますよということを今メッセージを出しているんですね。

 それに対して、この出先機関改革法案が閣議決定されて廃案になった後に、九州広域行政機構も、会長の大分県知事の広瀬さんがこういうメッセージを出しております。この色で塗ったところですね。「国の出先機関の地方移管は、平成十九年に当時の安倍政権のもと設置された地方分権改革推進委員会において審議されてきたものであり、また、自民党が掲げる道州制の本格的な検討に向けたステップの一つともなるものである。 また、自民党が同じく公約に掲げている多軸型国土の形成や広域災害対応力の一層の強化については、九州地方知事会としても共鳴するものであり、これら国土強靱化に向けた取組と、特定広域連合への移管は、両立し得るものと考える。」なんですね。でも、これが廃案になったんですよ。

 そしてまた、関西広域連合のコメントもあります。同じようなコメントなんですが、もう覚悟を決めた広域連合としての地方はこういうふうに思っているんですよ。この色の部分ですね。「地方分権を進める見地に立てば、これは中央集権的行政に固執する勢力を容認することとなり、ようやく一歩を踏み出そうとしている分権改革の流れを断ち切るだけでなく、中央集権の強化につながり、極めて遺憾である。」関西広域連合はこう出しているわけですよ。

 これについて、どう思われますか。

新藤国務大臣 いろいろな意見があるわけです。

 そもそも、十一月に出されたとおっしゃいましたけれども、国会提出されたのが十一月十五日です。失礼、国会には未提出でございますが、閣議決定したのが十一月十五日。その前にもう解散すると宣言されていましたから、十六日に解散するのがわかっている前の日に出したということです。

 そういったこの閣議決定されたものに関しては、これは全国市長会から、国と地方の役割分担のあり方、大規模災害発生時の危機管理体制等について丁寧な議論が必要であるにもかかわらず、衆議院が解散されるという慌ただしいときに法律案の閣議決定を行ったことは、基礎自治体を重視した地域主権改革の推進を標榜する政府の姿勢に反するものであり、まことに遺憾。もう重ねませんが、町村会からは、極めて遺憾。こういう声も出てきているんです。一方で、御案内のように、九州や関西の方からは、推進すべしというのもありました。

 ですから、いろいろな意見を踏まえて、我々とすれば、そういったものも捉まえて、その上でどのように進めていったらいいか。自民党の案もございます。いろいろな案があります。今のところ、まだ進んでいません。だとするならば、これから私はこの地方分権の改革を進めていく上で、今までのことも含めた上でどのようにしたらいいかということで、地方分権の改革本部というのを整理いたしました、組織をつくり直しました。それから、地方分権の有識者会議というものをつくって、その中で、これからのことも含めてきちんとした議論をやろうと。

 もう一回ではありません。今までのものを踏まえて、どうしたら前に進めるかを議論しましょうというような体制を今つくったところでございます。

東国原委員 先日、東北に地方公聴会に行ったときに、仙台であったんですけれども、復興庁は東北に置くべきだという地元の経済界の方たちの強い要望もあったみたいですね。私もそう思いますよ。東北が東北のことで、権限、財源を東北に移譲して、細かい復興のメニューだとかプロセスとかいうのはもう東北にお任せする、こういう形じゃないかなと思うんですね。これがメガリージョン化というか、広域連合、広域行政のあり方だと思うんです。

 第一次安倍内閣で、平成二十年八月、地方分権改革推進委員会の勧告で、国の出先機関の見直しに関する中間報告もされまして、審議されてきました。今大臣がおっしゃったように、今後、この出先機関あるいは地方分権等々をどうやって進めていかれるおつもりか、お聞かせ願いたいと思います。

新藤国務大臣 私は、地方分権の改革を推進する担当大臣であります。そして、事務、権限の移譲、こういったものをしっかりと進めなければいけないと思います。

 ですから、まずは、できるところの義務づけ、枠づけ、分権の今できることは一まとめにいたしまして、今までの積み残しのものも含めて、今回、一括法にして国会に出します。できることはまずやります。

 それから懸案の、広域へのそういった権限移譲にするのか、それとも国の出先機関を統合したらいいのか、いろいろな議論があります。ですから、そういったものについては、まず、それを審議する本部を、総理が本部長でありますが、全閣僚から成る本部をつくりました。そしてその中で、どのように進めていったらいいか、どうすれば進められるか、このための調査機能を持った有識者会議を設定して、私とすれば、これは精力的に前に進めていきたい、このように考えています。

東国原委員 出先機関というのは、道州制への、あるいは広域行政化への、分権化への第一歩だと考えるんですよ。まあ、ばたばたの中で閣議決定されてというのはわかります。ただ、その方向性、考え方というのは私は間違っていないと思うんですね。

 ですから、この出先機関の機能を、大臣がおっしゃったように、義務づけ、枠づけという細かい事務、権限を移譲するのも大切でしょう。でも、九州広域行政機構とか関西は、丸ごと移譲してくれということを言っているわけですよね。これに向かってやはりドラスチックな、大胆な改革をやっていくべきだと思うんですけれども、いかがですか。

新藤国務大臣 これは、そういう体制の整った、またはやる気になっている、そういうお気持ちというのは大事にしなきゃいけない、このように思うんですね。

 しかし一方で、全国市長会や町村会、そういったところからは、それでは、そうやって広域の枠組みができたところと、そこに委ねるところとそうでないところが出てしまう、これは今度は国全体として不安がある、また、そういったことで本当の災害時に防災機能が果たせるのかとか、そういういろいろな問題があるわけであります。

 ですから、せっかく熱意を持ってやりたいと言っている人たちの気持ちはきちんと受けとめたい、このように思いますが、一方で、それに対しての不安があるというのも事実であります。

 我々は、国家全体を今担当していただいている行政の、しかもそこの所管をする大臣としては、いろいろな声を聞きながら、とにかく私としても前に進めていきたい、このように思っているわけであります。

東国原委員 それは、不安といえば、インフレ対策だって不安ですよ。懸念はありますよ。でも、チャレンジしているわけでしょう。そうですよね。今、日本に一番大切なのはチャレンジだと思うんですよ。

 それで、総務大臣、自民党さんが、民主党が進める国の出先機関の特定広域連合への移管は断固反対とおっしゃっているんですよ。民主党が進める国の出先機関の特定広域連合への移管は断固反対と。これは分権化というより、もう民主党さんに対して感情論ですよ、恐らく。民主党が進めることだから嫌だと、何か毛嫌いしているような感じが見えるんですよ。

 方向性はいいですよ、出先機関を移管するというのは。いかがですか、これは。

新藤国務大臣 私はそう思っていません。

 そして、私はもちろん自民党の所属の国会議員でありますが、今、政府の中におります。行政の長であります。

 ですから、私がやるべきは、これはあらゆる議論をいただいて、そういった声に耳を傾けながら、私としては最適の対策を打っていこう、このように考えていますから、何々党が言っているからやらないということは考えません。それは、いろいろなところで私は、民主党さん、またその他の政党に対しても、いい意見はきちんと取り入れたい、その姿勢は示しているつもりでありますが、そういったことで進めていきたい、このように思います。

東国原委員 私にはどうもそうは思えないですね。一括交付金とか出先機関、今までいいことも民主党さんはやっていらっしゃるんですよ。それは評価は厳しいかもしれませんけれども、いいこともやっていらっしゃる。そのいいことをやはり後押しするような、それが政権与党といいますか政権政党ですよ。ぜひこの分権というのを進めていっていただきたいと思うんです。

 先ほど、関西広域と九州行政機構が言っていましたけれども、この出先機関の移管断固反対、出先機関を進めていかないというのは、中央集権にまた先祖返りするんじゃないか。これは一括交付金もそうですよ。中央集権化の強化じゃないかとどうも映るんですね。いかがですか。

新藤国務大臣 そもそも、中央集権がけしからぬ、分権が望ましい、でも、先ほどから委員がおっしゃっているように、分権したところで国は国なんです。ですから、国の権限、それから国の統治というものがきちんとなし遂げられなければ地方というのは存在できないわけですよね。ですから、私は対立概念として中央集権と地方分権というのは考えたくないなというふうに思っています。先祖返りするつもりなんか毛頭ありませんし、何事も前進しなくてはならないわけでありますから。

 それは、民主党の案のいいところは取り入れたい、このように思いますよ。だけれども、本当にいいことだったらばやはり進むんですね。いろいろな問題があるから結局進まないわけであります。どんなに邪魔されたって、いいものは必ずできますよ。そう思いませんか。

 ですから、それを何か我々の思惑でどうかではなくて、本当に実現できるようなふうに中身を詰めていくことが重要で、私は何度も言っていますけれども、それは、今までの議論をきちんと受け入れた中でその先を考えなければいけないのではないかということであります。国は、中央集権でも分権でも、どっちでもありません。両方なければ、国として、国と地方はうまくいかないと思います。

東国原委員 大臣も、総務委員会でも何回も問わせていただいているんですけれども、どうも中央の権限を保ったまま地方分権をしていこうというような、そういう気持ちが何か伝わってくるんですよ。(新藤国務大臣「違うよ」と呼ぶ)いやいや、総務大臣、そうですよ。個人がばらばらに、地方がばらばらになっていくとばらばら感になってしまうから、そこは、統治はきちんとしながら分権化をしていくんだというような答弁が多いですよ。

 分権が国をばらばらにしませんよ。諸外国の、先進国の例を見てくださいよ。そんなのしませんよ。強い地方の連続体が国なんですから。国は、一律の、国全体にかかわる行政とか課題をやるべきであって、地方の個性とか自主、自立性とかいうのは最大限尊重していかなきゃいけないんですよね。

 だから、別に国と地方が対立しようとは思っていません。私も全然思っていません。むしろ思っているのは国ですよ。国が地方を信用しないんですよ、どうせ地方にはできないだろうと。

 後から言いますけれども、税源移譲なんかして、地方で財政調整してくれと。国は絶対に渡しませんよ、そんなことは。地方なんかで絶対できるわけがないと。あるいは、できなくしますから、国は。そうなんですよ。何かありますか。

新藤国務大臣 これは、県民でない国民はいないんですよ。そうでしょう。国、県、市町村というのは、同じ、その地域にあるわけですよ。ですから、分類すること自体が私はおかしいというふうに思いますよ。

 そして、別に国に権限を残しておいてやろうなんて思っているわけじゃありませんよ。だけれども、それでは、地域に勝手に任せてくれと言われて、住んでいる町によって教育のレベルや社会保障のレベルや、そして公共施設の水準が変わってしまっていいんですか。これはきちんとやらなきゃならないでしょう。ですから、一つのものの中には両方の面があるということです。

 そして、地方のことばかりを言うのでなく、国と地方、両方考えるべきではないんですか。委員は地域のことをおっしゃるけれども、あなたは国会議員でもあるわけであります。

 ですから、両方のことを考えながら、最適なミックスをどうしたらいいかというのを考えていく。それを私はやらせていただきたいと思っているのであって、何か、皆さんの言うことを聞くならばいいけれども、総合的に考えなきゃいけないのではないかと私は思って、それをやらせていただきたい、このように言っているのでございます。

東国原委員 お言葉を返すようですけれども、私は今は国会議員です。ですから、国のことを考えているんです。国会議員は、一地域のことを考える国会議員じゃないんです。国会議員は国の代表なんですよ。国の代表なんです。一地域の代表ではないんです。一地域の代弁者じゃないんです。国全体のことを考えること、そうなんです、それが僕は分権化だと思うんですね。

 それで、今、都道府県とおっしゃいましたけれども、今、道州制の、広域行政の話をしているんです。都道府県をやめて道州制にしましょうという話なんです。大きな自治体にしましょうよ、そこに権限とか財源を移譲しましょうよ。

 国が、先ほど冒頭言ったように、待機児童のことを、一国の総理が本会議の代表質問の答弁で、待機児童は大切ですよ、重要ですよ、それを言うようなことがあってはならないんじゃないか。私は、地方分権化に逆行しているんじゃないかと思うんですよね。いいですよ、少子高齢化のことは言いましょうよ、人口増にしましょうよと。でも、細かい政策は地方がやってくださいじゃないですか。

 道州制について、都道府県の枠組みが非常に狭くなって、これからやはり広域行政化、そのために市町村合併もしたんじゃないかと思うんですけれども、第一次安倍内閣で道州制の担当大臣が設置されまして、これは佐田さん、渡辺さん、増田さんですね。渡辺大臣のときに、道州制ビジョン懇談会が設置されました。

 ちなみに、麻生内閣では、道州制担当大臣というのが任命されなかったんですね。されましたか。麻生大臣は、その当時は道州制に後ろ向きだったんですか。お願いします。(麻生国務大臣「質問ですか、今のは」と呼ぶ)

山本委員長 質問だそうです。

麻生国務大臣 だそうですと、何か自信なさそうにお答えでしたけれども。

 今のことに言わせていただきますけれども、おっしゃるとおりに、これは、平成十九年の一月に道州制ビジョン懇談会というのが設置をされております。その後、平成二十年の三月にこの懇談会で中間報告が取りまとめられて、いわゆる道州制の流れができたというのがその当時の流れですよ、大体。そのときに流れができ上がったんですよ。九州広域連合も、あのころ、県会議員のあれやら何かで話をして、ああやってまとめられたでしょう、九州の。内容もよく知っておりますので。

 こういった議論の進展があったものですから、私どもとしては、これは流れができたんだからということで、私のところにおいては地方分権改革担当内閣府特命担当大臣というのを置かせていただいた。道州制はもう流れはできたから、あえて言うことはないということでさせていただいたと記憶します。

東国原委員 時間がないので、ちょっと質問を飛ばさせていただきまして、道州制について、先ほど松浪委員から質問がありました、どういう工程でこれから進めていくのかということなんですね。

 自民党の公約集、政策パンフレットには、道州制基本法の早期成立を図り、その制定後五年以内の道州制導入を目指しますとはっきり書いてありますね。早期成立を図りというのは、ずばりいつでしょうか。道州制大臣でも、総理でも。

安倍内閣総理大臣 現在、自民党の道州制推進本部で議論が進んでまいりまして、いよいよ党の機関における最終審査の段階に入っているというふうに承知をしております。

 当然、この国会というのを目指していくわけでございますが、この国会は、七月にも参議院選挙が予定をされておりますので延長ができないという中で、大変窮屈な国会になっておりますので、全体の流れを見る中において党として判断をするということになります。

 しかし、いずれにせよ、我々はJ―ファイルでもお約束をしておりますので、できる限りこの国会で成立をするように努力をしてまいりますが、ただ、時間的には大変、状況としては厳しい状況にもなっているということではないかと思います。

東国原委員 済みません、自民党さんはもう案はでき上がっているんですよね。でき上がっているんですよ、基本法案は。もう提出するだけなんですね。そうなんですよ。だから、早期というのはいつなんだと。去年、何か、近いうちにという言葉がはやりましたけれども、早期とか近いうちにといえば数カ月以内というようなイメージですよ。

 法案はできているんですよ。みんなの党さんもでき上がっています。ただ、自民党案とみんなの党さんの案を読み比べてみましたが、やはりみんなの党さんの方が踏み込んでいますね。税制の問題だとか、出先機関を廃止するとか、そういうので踏み込んでいますよ。

 でも、基本法案は自民党さんはでき上がっているんです。今国会で出しましょうよ。修正もできますよ。これは歩み寄れる範囲内ですよ、私が判断して。出しましょう。どうですか。

安倍内閣総理大臣 今、党でどの段階かというのは、恐らく政審、政調の……(発言する者あり)そこまで行っていないの。今、我々、党の方は党の方に任せているという仕組みになっているわけでございますが、案が大体できているのは事実であります。そのできた案を最終的に本部で決めて、本部で決めた後、政審で決めて、そして総務会で決めて、党議決定をするという段取りになっていると思いますが、いずれにせよ、党としては、精力的にそれは進めていこうということにはなっているというふうに承知をしております。

東国原委員 本当にスピード感を持ってやっていただきたいと思うんですね。

 五年以内というと、例えば総理が総裁を二期六年やるとします。そうしたら、自民党総裁をやられる中、六年ですから、今国会に出されて、その後の五年以内、ちょうどこれは時間が合うんですよ。ですから、総理である、二期目の総理の最後に、仕上げの段階でこれを導入するというような工程表を私は勝手に頭の中に入れているんですけれども、どうですか。

安倍内閣総理大臣 そこまで先のことを私も計算しているわけではございませんが、いずれにせよ、党の約束でございますから、これは私だけではなくて自民党全体としての約束でございますから、誰が総理であろうとこの法案を成立させて、御承知のように、これは基本法でございまして、言ってみればスケジュール法案で、そのスケジュールの中において道州制が進んでいくように党として努力をしていきたいと思います。

東国原委員 もう時間が来ましたのであれですけれども、地方分権というのは最高の規制緩和だと僕は思っているんですよ。一銭も予算が要らない規制緩和だと思っているんですね。

 ちなみに、最後、データを紹介して終わらせていただきますけれども、道州制にした場合、平成十四年の自民党の国家戦略本部国家ビジョン策定委員会が出したデータによりますと、道州制の導入により、経常経費、投資的経費合わせて毎年十兆円程度の財政削減効果が期待できると発表されています。また、日本経団連のシンクタンクであります二十一世紀政策研究所の研究によれば、二〇〇八年試算で、道州制導入によって、全国の地方公務員総人件費は一兆五千億、公共投資等の効率化により四兆三千億、合わせて毎年五兆八千億円の財源を生み出すことが可能ということなんです。TPPに参加して実質GDPが毎年三・二兆円の押し上げ、それを上回る歳出削減ができるんですね。

 こういったことも頭に入れて、ぜひ分権、そしてまた広域行政による統治機構、統治システムを変えるという改革をこの政権はできると思うんですね。我々も、この道州制に関しては、地方分権に関しては一生懸命後押しさせてもらいますので、ぜひ進めていっていただきたいことを心からお願い申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。

 ありがとうございました。

山本委員長 この際、馬場伸幸君から関連質疑の申し出があります。松浪君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馬場伸幸君。

馬場委員 皆さん、お疲れさまです。日本維新の会、馬場伸幸でございます。

 私は、二十年間、大阪の堺市というところで地方議員をさせていただいてまいりました。当時からとにかく念頭に置いておりましたのは、わかりやすい政治を有権者の方々にお伝えしていくということを考えておりまして、きょうの議論も、カメラを通じて、国民の皆様方がどういう議論をしているのかということを熱心に見ておられると思いますので、御答弁の方もできるだけわかりやすい御答弁をお願い申し上げたいと思います。

 きょう、我々日本維新の会、三本の矢ということで、統治機構について三人が続けて質問をさせていただきました。とにかく、今の日本、統治機構を変えていかなければならないということは万人が認めているところだと思いますが、国から始まって都道府県、市町村と、今の議論の中にも、そういう統治機構の改革というのがありました。

 こういうお役所だけではなしに、私は、家庭によっては、家庭の統治機構を改革していかなければいけないところもあるんじゃないかなというふうに考えておりまして、新藤大臣、私が出てくると、大体おわかりいただいておると思いますが、質問に絡む川柳をいつも冒頭に申し上げることにしております。

 きょうの川柳は、各家庭で、統治機構を改革しなければいけない家庭がある、そういう家庭では、奥さんが旦那さんのことを川柳で詠むんですね、粗大ごみ朝出したのに夜帰る。笑っておられる方は、多分心当たりがあるんじゃないかなと思いますが、詠まれた方の旦那さんも、やり返しに奥さんのことをこう詠んでいます、まだ寝てる帰ってきたらもう寝てる。今笑われた御家庭も多分心当たりがあるんじゃないかなと思います。こういう川柳がはやるぐらい、そんな御家庭もあるということでございますが、とにかくそういった状態をグレートリセットしていくというのが我々日本維新の会の考え方でございます。

 きょうの質問、私の方からは、公務員制度の改革ということに焦点を当てて質問させていただきたいと思います。ちょっと川柳とは違うかもわかりませんけれども、公務員制度の改革ということで質問をさせていただきます。

 先ほど、我が党の東国原議員の方から、子供たちがなりたい職業七位が公務員だという話がありましたが、一方では、多くの国民は公務員さんのことを余りいい印象を持っていない。そういう国民の方が割と多く私の周りでもいらっしゃるような気がいたしますが、国民が公務員さんを見て、どこが問題だというふうに思われていると認識されておられるか、どなたかお答えをいただきたいと思います。

稲田国務大臣 国家公務員担当大臣としてお答えをいたします。

 私も、政治家になるまで、国家公務員というか官僚という職業の人に会ったことがなかったです。そして、先ほど政治家のイメージが悪いという話もありましたが、政治家になる直前まで、選挙に出る直前まで政治家にお会いしたことがありませんでした。やはりイメージがマスコミでつくられているということもあるのではないかと思っております。

 そして、やはり人が大事だということも午前中の答弁でも申しましたけれども、国の統治機構、そして行政にかかわる国家公務員が、誇りを持って、そして責任を自覚して、憲法に、全体の奉仕者である、一部の奉仕者ではなく全体の奉仕者であると規定をされている、その本来の姿で職務に邁進していただけるよう改革を進めていかなければならないと思っております。

馬場委員 国家公務員の方は約二十七万人ですか、地方公務員が今二百七十万人おるというふうに言われております。

 後ほど申し上げますが、これだけの人数がおれば、いろいろな公務員の方がいらっしゃると思いますが、我々政治家においても、公務員さんにおいても、やはり一部の心ない人間のせいで全体が低い評価を受けているんじゃないかというふうな思いもいたしますが、我々日本維新の会は、この公務員制度を変えることによって本当に国民からの信頼を取り戻す、そういう制度づくりを行っていきたいというふうに考えております。

 我々、公務員制度のことを考えるときの基本的な考え方を申し上げますと、身分から職業へ。公務員さんというのは、一度試験を受けて就職しますと、よっぽどのことがない限り、また、自分でもう早くやめたいなと思わない限りは、定年退職まで勤めることができるという制度が長く続いてきております。しかし、もう時代は非常に変わってきておりまして、身分から職業へという時代になってきているのではなかろうかというふうに思います。

 そして、もう一点は、人材の多様性と移動性。人材がやはり硬直化してきているということも言われておりますし、また片方では、霞が関では、一つの役所に入りますと、いろいろ人材交流もしていただいておりますが、多くの職員さんは、農水省に入れば最後まで農水省、国土交通省に入れば最後まで国土交通省という方がほとんどでございますが、これがやはり政治とのかかわりをゆがんだものにしているのではないかというような発想のもとで、この二点をベースに、この公務員制度改革を考えていきたいというふうに思っております。

 そういう前置きをさせていただいた上で、それでは、公務員改革の具体的な点についてお聞きをさせていただきたいと思います。

 まず、この公務員制度改革、国の方でも、いろいろ法律の動きもあります。そして、国会でも多くの政治家の皆さんが議論をしてきております。今日までの公務員改革の経緯についてお伺いをいたします。

稲田国務大臣 公務員制度改革については、橋本行革以来の議論を踏まえて、平成十九年に国家公務員法を改正して、採用試験の種類や年次にとらわれない能力・実績主義の徹底や、各府省によるあっせんを全面禁止する等の再就職に関する規制の見直しを行いました。

 また、第一次安倍政権下では、国家公務員改革が戦後レジームからの脱却の中核であるという位置づけをして、平成二十年には改革基本法をつくりまして、その改革基本法に基づいて改革を進めているところでございます。

 なお、基本法に基づく改革の成果としては、従来の1種、2種、3種等の試験区分を、総合職、一般職、専門職等に改変するなど、試験制度の見直しを行ったこと、また、年金支給開始年齢の引き上げに伴う無収入期間が生ずることのないよう、国家公務員の雇用と年金の接続を図ったこと、これらが基本法に基づく改革であると認識をいたしております。

 でありますけれども、まだまだ、その基本法に書かれているさまざまな改革が道半ばでございますし、自民党政権下、民主党政権下でこの改革の法案が三度提出されて、それが廃案になったという経過もございます。私のもとで、今、改革の集大成ということで、検証、総括を行っているところでございます。

馬場委員 稲田大臣のもとで、国家公務員制度改革基本法をいかに具現化していくかという、いろいろ勉強会等もしていただいているやに聞いておりますが、先ほどおっしゃっていただきましたように、国家公務員制度改革基本法は平成二十年に成立をいたしております。以来五年がたっているわけでございますが、この間のいろいろな改革の影響もありまして、私は、この改革基本法、中身を見せていただくと、ちょっと今の現状に合わないんじゃないかというような部分であるとか、もうちょっとブラッシュアップするべきではないだろうかというような思いを持ちますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

稲田国務大臣 私は、その改革基本法一条に書かれている、職員の一人一人が、みずからの能力を向上させて、国民の立場に立って、自分の仕事に自覚と誇りを持って職務に邁進するという、その基本理念は大変すばらしいものだと思っております。また、その基本法の中に書かれている、縦割り行政を廃止して内閣人事局をつくる、また、国家戦略スタッフ、政務スタッフなどを置いて政治主導を確立させるなど、私は、やはり改革の基本はこの二十年の基本法にあるのではないか、あると思っております。

馬場委員 それでは、この基本法はこのままでいいというお考えなのでしょうか。

稲田国務大臣 先ほど委員が御指摘になりましたように、では、なぜ五年たとうとしてできなかったのか、また十二条の労働基本権ですね、憲法で保障されているところの労働基本権と、そして人事院勧告の問題、内閣人事局にどれだけの権能を持たせるか、非常に議論もあるし、それぞれ出された法案が全て同じものではなく、それぞれの考え方があり、議論もあることも事実でございます。

 ただ、行政府にある国家公務員改革担当大臣としては、この二十年の改革基本法に基づいて改革を進めるべきだと考えております。

馬場委員 それでは、先ほど大臣の答弁の中にもありましたが、この改革基本法をもとに国家公務員法の改正というものを行おうと、既に三度、法案が提案をされております。

 全ておっしゃっていただくと時間がかかりますので、直近の、平成二十三年に提案をされた国家公務員法の改正案、これについては、主な内容はどういったものだったでしょうか。

稲田国務大臣 二十三年度の法案は、同時に二十年の改革基本法も改正をして、公務員庁を新たにつくって、そして公務員に労働基本権を与えて、人事院を廃止するというようなのが主な内容であったと承知をいたしております。

馬場委員 ちょっと通告がきちっとできておりませんので、大臣には答えにくい質問だったかもわかりませんが、このときの主な内容は、幹部人事の一元管理その他の人事制度の改革、二つ目が退職管理の一層の適正化、三つ目が自律的労使関係制度の措置という、この三点であったように聞いております。

 そこでお伺いをしたいのですが、この三点目の自律的労使関係制度の措置というものについては、ちょっと御説明いただくと、どういうような中身でしょうか。

稲田国務大臣 労働組合また労働者の方、公務員に労働基本権、労働協約締結権を与えて、そして人事院を廃止するという内容であったと承知をいたしております。

馬場委員 大臣は当時は内閣の一員ではなかったと思います、平成二十三年ですからね。今大臣になられて、直近のこの法案、特に今おっしゃっていただきました自律的労使関係制度の措置というものについては、御答弁にありましたように、労働組合に労働基本権を与えるということがスタートになっておりまして、その辺が我々日本維新の会では少し考え方が違うんじゃないかなというふうに思うんですが、大臣は、この自律的労使関係制度の措置というものについてどうお考えでしょうか。

稲田国務大臣 今委員が御指摘になりました自律的労使関係の条文は、「政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとする。」という、非常にたくさんの要素が書かれております。

 そして、では国民の理解が得られたのかどうか、これは大変疑問な点もあるのではないかと思っております。特に、国は破産はしないわけですから、労働協約締結権を与えてどれほどのコストというか弊害が出るかということなどもきちんと見きわめなければならないと思っております。

馬場委員 ただいま担当大臣がそのようにお答えになられました。

 総理、今の御答弁、前回の提案された法律の中の部分、公務員さんの労働組合に労働基本権を与えるということについては、やや慎重に考えた方がいいんじゃないかな、国民的議論がまだそこまで成熟されていないんじゃないでしょうかというような意味合いだったと思いますが、総理のお考えはいかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 これは現在、党においてもさまざまな議論がなされているところでございまして、今委員が御指摘あったような答弁ではなかったとは思うんですが、いずれにせよ、この議論においては、公務員の組合に、労働基本権についてどういう権利があるかどうかということについては、これは基本的には慎重に議論していくべきなんだろう、このように思います。

馬場委員 今の総理の答弁はよくわからないですし、ちょっとおかしいと思います。

 私の手元に、去年の衆議院選挙のときに自民党さんが出されたJ―ファイル二〇一二というのがあります。安倍総裁の顔が写っておられる「日本を、取り戻す。」というパンフレットですけれども、この中の三百十六番には「人事院勧告制度の尊重」という項目がありまして、ちょっと読ませていただきます。

  人事院勧告は、国家公務員において憲法上の人権である労働基本権が制約されていることの代償措置として、国家公務員に対し、適正な給与を確保するという重要な機能を有するものであり、政府として人事院勧告を尊重すべきことは当然のことです。

  しかし民主党内閣は、公務員の労働組合に団体交渉権、団体協約の締結権を付与しようとして、人事院勧告を尊重していません。

これはもう明らかに、自民党が、公務員の労働組合に団体交渉権、団体協約の締結権を付与すべきではないというふうに読み取れますが、総理、どうですか。

稲田国務大臣 私が先ほど答弁をいたしましたのは、十二条というのは、先ほど読み上げましたように、費用と便益、国民に全体像を示す、そして、国民の理解のもとにと、非常にたくさんの要件があります。そして、国は破産をしない中で、労働協約締結権、交渉権を、争議権もあるかもわかりませんが、与えていくということになると一体どういうことになるのかということもきちんと検証しなければいけないということを申し上げたわけであります。

 また、今、党の方で、この国家公務員改革に関して議論もなされておりますし、与党でも議論をなされているところでございますから、その方向性なども見きわめながら、改革というか検討してまいりたいと思っております。

馬場委員 総理にお答えをいただきたかったわけでございますが、今の大臣の御答弁にもありますが、一般的には、労働基本権が制約されているから、要は団体交渉とかストができない、だから人事院でいろいろな労働条件の管理をしていこうという考えであるというふうに言われております。

 大臣もおっしゃったように、会社ではありませんので、倒産がありません。行政には倒産というものがありません。したがって、会社のように、利益が出たから、その利益配分の一環として給料を渡す、ボーナスを渡すという考え方ではありません。したがって、第三者機関による賃金決定が必要になってくるということで、労働基本権は与えることができないという考え方に立てるというふうに思いますが、この方向性ですね、国民的な議論をされるとかおっしゃっておりましたが、今後の大臣のこの問題に対する進め方というのは、どういう方向でお進めになられるおつもりか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

稲田国務大臣 今、この問題に関するとおっしゃって、自律的労使関係のことをおっしゃっているのかと思いますが、この二十年の改革基本法の中には、自律的労使関係だけでなくて、人事局の問題だとか幹部人事の一元化の問題、政務スタッフ、国家戦略スタッフなど、さまざまな要素が書かれておりまして、その全体として、先ほど私が申しました一条の改革の目的に合った、国家国民のために機能する公務員制度改革という視点から、今まで出された法律も含め、検証、総括、改革の集大成を進めているところでございます。

馬場委員 いや、その方向性はわかっておりますが、そういう中で、公務員の労働組合に労働基本権を与えるということについての大臣のお考えはいかがですか。

稲田国務大臣 最高裁の判決で、労働基本権は公務員にもあって、それを制約するために人事院は措置されているというふうに判決の中で書かれております。

 そして、先ほど、労働基本権については、十二条でさまざまな要件が書かれておりますので、その点についての検証をして方向性を決めていきたいと思っております。

馬場委員 きょうは、人事院の方、お見えになられているのでしょうか。要請をしていないので、お見えになられていないかもわかりませんが。(発言する者あり)要請しないとお見えにならない。

 人事院が平成二十四年に勧告を出したときに、二十三年に提案されている政府提出法案について、協約締結権付与の問題点というのを指摘しているんですが、これにお答えできる方、どなたかいらっしゃいますか。

 そうしたら、通告しておりませんので、この問題は次へ譲るといたしますが、大臣、ほっと一息つかれましたか。

 この辺は、私は、安倍総理、第一次の内閣のころから戦後レジームからの脱却というふうにおっしゃっておられるわけでございまして、この公務員制度改革の根幹の部分であると思います。したがいまして、きちっとした方向性を出していただきたいと思いますし、総理の思いを十分大臣にもお伝えいただいて、方向性は、やはり総理がぴしっとしたラインを出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 ただいま稲田大臣から答弁をさせていただきましたが、基本的に、労働基本権の問題については、この基本権において、争議権等について、これは行使をできないことにしているかわりに人事院が存在をしている。それに対する、いわばそれは最高裁の判例を引いてきているわけでございまして、当然、それは重たいものであるわけでございます。

 その中において、この公務員制度をどう改革していくかという議論を行ってきたところでございまして、ただいま大臣から答弁をしたような趣旨の留意すべき課題について議論をしながら公務員制度改革を進めていきたい、こう思っております。

馬場委員 最近歯切れのいい安倍総理でしたが、きょうのこの問題はなかなかはっきりしたことをおっしゃらないなというふうに思いますが、次のときにまたこの議論はさせていただきたいと思います。

 時間の関係がありますので、次の問題に移らせていただきます。

 次は、人事評価システムについてであります。

 人事評価システムは平成二十一年に始まりまして、いろいろな試行錯誤を今現在重ねておられるというふうに聞いております。

 この人事評価システムを議論するときには必ず出てくる話があります。俗に言うアリの法則という話ですが、新藤大臣、このアリの法則という話、御存じでしょうか。この法則を御存じでしょうか。

新藤国務大臣 私、知らなかったんですけれども、麻生大臣から教えていただきまして、常に三割は働いていない、こういうことですか。(馬場委員「そうですね」と呼ぶ)はい、では、そういうことでございます。

馬場委員 簡便な答弁をありがとうございます。

 もう少しちょっと詳しく説明させていただきますと、いろいろ数字はあるんですが、三割、四割、三割、アリはその分類に分けられる。初めの三割が、すごく働くアリなんです。人一倍働く、いや、アリだからアリ一倍ですね、アリ一倍働くアリが三割。四割ぐらいは、与えられたことを与えられたとおりぐらいにこなす。最後の三割は、ろくでもないアリだ、人の餌をとって食べたり、全然働かないアリ。大体、組織は、この分類で分かれるらしいんです。

 この働かないアリを、ずばんと三割切って巣から追い出してしまったら、そこそこ働くアリとよく働くアリになってすごく巣の中がよくなるんじゃないかというふうに考えますが、これは実は、実際実験をやってみると、この三割、四割のアリがまた三割、四割、三割になるということで、労務管理とか人事管理の難しさを例えて言うのがこのアリの法則というものでございまして、古来から、行政でも民間でも、この労務管理であるとか人事管理、人材の育成とか、非常に皆さん苦労されてこられまして、なかなか今まで完成形というのはございません。

 今現在、国の方でこの人事評価システムが行われておりますが、この中身について、簡単に御説明いただきたいと思います。

新藤国務大臣 これは、やはり第一次安倍内閣なんですね。第一次安倍内閣、平成十九年の国家公務員法の改正によって導入されました今の人事評価制度であります。そしてそれは、平成二十一年の十月から全府省で実施、さらに、二十四年の一月から昇給等についての全面的な活用を始めたところであります。

 その人事評価は、まず、各官職に求められる能力、標準職務遂行能力が実際に発揮されたか否かを年一回評価する能力評価、そして、半期に一度の面談を通じて定められる業績目標に対する達成状況を評価する業績評価、この二つから構成されておりまして、それを、一般の職員については五段階に評価するということであります。そして、その人事評価の結果は、人事院が定める基準に従いまして任免、給与等に活用されている、こういうことでございます。

馬場委員 皆様方のお手元にも、この人事評価のシステムについての説明資料をお配りさせていただいております。

 この人事評価のシステムについては、昨年でしたですか、一昨年でしたですか、大阪の方で職員基本条例というものが成立をいたしまして、マスコミ等でも随分話題になりましたが、この大阪で成立した職員基本条例、主な点で結構なんですが、中身を把握されておられましたら、御答弁いただきたいと思います。

新藤国務大臣 私、詳細には承知しておりませんが、しかし、この人事評価を厳しくして、そして客観的な評価のもとにそれらを給与等に反映させる、そういう仕組みにしたというふうに聞いております。

馬場委員 さすが大臣、的を得た御答弁をいただきましたが、この大阪の職員基本条例の特徴というのは、今まで大体、行政の人事評価というのは絶対評価で行っております。その人がどのランクに評価されるかというやり方であります。大阪の職員基本条例は、この絶対評価から相対評価に変える、五ランクあれば、五つのランクにどの程度の配分があるかということを事前に数値として決めるということでございます。したがいまして、必ず、一番いい評価から一番悪い評価まで数字が出てくるということになります。そして、一番低い評価が二回続きますと研修等の措置に入る、それでも職務の改善が認められない場合は免職処分になるということになっております。

 この制度について、国の方では今どういう評価の仕方になっておりますでしょうか。

新藤国務大臣 人事評価、これは、国家公務員法上に、給与のみならず、適材適所の人材配置、それから的確な昇進管理、そして職員の人材育成、自己啓発促進や勤務意欲の向上、人事管理のあらゆる側面で活用する能力・実績主義の人事管理を行う基礎、このように位置づけているわけであります。

 そして、その人事管理の基礎というのは、職員一人一人の職務遂行能力、勤務実績をできる限り客観的な基準に基づいて把握する。これは、いわば、その人にとっての、どのように頑張っていらっしゃるか、こういうようなこと、また、その目的とするところを達成したかどうか、こういう絶対評価というようなことにしております。

 一方で、昇給だとか勤勉手当の成績率、こういった人事評価の結果は、活用する段階においては、人事院の定めるところによって、必要な相対化が行われているということでございます。

馬場委員 その資料も皆様方のお手元に配らせていただいております。「評語等の解説」という見出しがついておりますが、国の場合は、能力評価、業績評価、二つの系列に分かれておりまして、それぞれを絶対評価しているということでございます。

 そこで、大臣にお聞きしたいんですが、先ほどおっしゃられました全体評語、全体的な評価というのが能力評価、業績評価、両方にあるんですが、一番いい評価がSになっています。その後、A、B、C、Dと五段階になっているんですが、これのそれぞれの評価の数字はどうなっているか、大臣、把握されておられますか。

新藤国務大臣 これは、私の方も問題意識を持っています。

 結論からいうと、各府省は、データを合算したり、そういった統計をとっていないんですね。

 それは、まず、平成二十一年から始めました。そして、給与については、本省職員については三年やりましたが、地方機関の職員については二年やっているということで、段階的に実施してきました。

 ですから、現状においては、それが結局どうなっているかというのはまだ取りまとめをしていない、こういうような状況がございます。

馬場委員 これを私が資料請求させていただいたら、総理、そういう資料はないというんですね。これほど優秀な方がそろわれておられる霞が関で、S、A、B、C、D、それぞれ何人の職員さんがその評価になっているかという資料はないということなんです。今の大臣のお答えもそういうお答えでした。

 私は、ちょっとうがった見方をさせていただきますと、その資料を出すと大変なことになるんじゃないかな、そういう懸念があって資料が出てこないんじゃないかなと思います。

 それはなぜかと申しますと、これも皆様方のお手元に配らせていただいております、私がかつて所属しておりました大阪府堺市でこの人事評価の議論をしたときの資料でございますが、「人事評価の実態」という資料があります。

 これを見ていただきますと、一番上、堺市の場合は、管理職が六百六十人おりまして、絶対評価で評価をしておりました。百点から九十点というのが、いわゆるSです。その後、A、B、C、Dと分かれておるわけですが、何とSはゼロ%、ゼロ人なんですね。そして、一番下の評価であるDはゼロ%、ゼロ人なんですね。要は、AとBとC、ほぼBに、九〇%の職員が属しているんです。

 私は、冒頭申し上げましたように、アリの法則から考えますと、こういうことは絶対あり得ないと思います。

 これは参考までに、真ん中の段ですね、学校の職員さん、教職員の方の評価を出していただきました。これも一目瞭然であります。AとBに九六%の評価が集中している。

 私は、恐らく、今の国の評価システムのものを出していただいたら同じような傾向になっているんじゃないか、だから出していただけないんじゃないかなというふうに思うんですが、どうですか。

新藤国務大臣 それはちょっと違います。ちゃんとやっているんです。

 人事評価の中で、能力評価というのがございます。この能力評価と実績評価というのがありまして、能力評価は年一回、実績評価は年二回やっているんです。

 まず、昇給に関しては、能力評価と実績評価の組み合わせによって、上位の者、A、B、C、D、Eと五段階に分かれておりまして、そのうちのAが五%、Bが二〇%、そしてCが平均、標準でありますが、以下、あとD、Eと含めて七五%、こういう中になっています。

 それからボーナスの方も、勤勉手当、これは年二回、実績評価に基づいて行います。

 これは、上位の者から、特に優秀な者五%、それから優秀な人二五%、これで大体全体の三割です。その残りの七割の中で、標準と、それからさらに標準よりも下がる、こういうところを分類してやっているということでありまして、それぞれがきちんとやっております。

 ですから、全体的な網羅がなされていないということは、私も今、問題意識を持っているところでございます。

馬場委員 時間が参りました。

 大臣、自信満々にお答えいただきましたので、それでは、できるだけ早い段階で、同じような表をお渡しいただきたいというふうに思います。

 公務員さんは、私の経験でいいましても、一生懸命やっておられる方がほとんどです。ただ、片方では、いろいろな制度、休暇制度を使って、数日出勤しただけで三年間ぐらい休んでいる、そういった怠慢な公務員さんもいらっしゃいます。

 きちっと、我々政治家、そして公務員に信頼を寄せていただけるように、我々も頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

山本委員長 これにて松浪君、東国原君、馬場君の質疑は終了いたしました。

 次に、浅尾慶一郎君。

浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。

 きょうは、統治機構、そして行政改革、政治改革ということでありまして、冒頭、質疑通告をいたしておりませんが、私は、統治機構の一番の根本はやはり国の安全保障にかかわることだろうというふうに、あるいは安全保障にかかわる法、あるいは法に基づく政府の対応だというふうに思っております。

 その中で、もう既に報じられておりますが、市ケ谷あるいは朝霞、習志野といったところにPAC3のミサイルが展開をされておりますけれども、これは、現在は、破壊措置命令というものに基づいた展開なのか、あるいは訓練名目の展開なのかということが明らかになっておりません。

 破壊措置命令ということであれば、法的には、閣議決定が必要でありますし、閣議決定の前には安全保障会議に対して諮問をしなければいけないというのが今の法律の状況でありますけれども、現在展開されているものが、これは総理に伺いますけれども、どういう法的根拠に基づいて、訓練なのか、それとも今申し上げました破壊措置命令なのか、まず、その点について伺わせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 たび重なる北朝鮮の挑発的な言辞に対して、日本としては、国際社会と連携をしながら対応していくこととしておりますが、政府としては、国民の生命と安全を守るために万全の態勢をとっております。

 そして、個別の対応につきましては、まさに政府のというか日本国の戦術にかかわることでございますから、つまびらかにはできないのでございますが、今御質問の破壊命令、実際に飛んできたミサイルが日本人の生命、安全を脅かす場合に破壊をするということについては、それは事前に既に閣議決定がなされておりますので、防衛大臣の命令、防衛大臣の命令は基本的に総理の指示に従っての命令でございますが、それで可能となるということでございます。

浅尾委員 私がこのことを質問させていただいたのは、どことは言いませんが、我が国の周辺においては、安全保障上の活動あるいは軍事的な活動について透明性に欠けるところがあるというのが我々の認識しているところ、これは多分、安倍総理もそういう認識だと思います。

 であるとするならば、今申し上げました事前の閣議決定も含めて、むしろこういう形で、今はそういうふうにおっしゃっていただいたから結構なんですけれども、政府としては、我が国の対応としては、しっかりと透明性に基づいた行動をしている、これはあくまでも国民の生命と財産を守るためだということを公表された方がよかったのではないかと思いますが、その点について、もし御認識があれば、伺えればと思います。

安倍内閣総理大臣 今回、北朝鮮はまだミサイルを具体的に発射すると、昨年のミサイル発射のように、指定の海域、時間を既に通告して発射するというスタイルではないものでございますから、いつ発射するかどうかというのは極めて不明確でございます。

 その中において、どういう対応をとるかということについては、これは韓国とかまた米国とも相談をしながら、北朝鮮に対する、これはある意味の、場合によってはメッセージになっていくわけでございますが、我々も不断の、国民の生命、安全、もちろん財産も守っていくという対応をしていくという中にあって、具体的に今どういう命令を出したかということは、今回においては、むしろそれは明らかにするよりも、しっかりと実態として対応していくべきだろう、このように判断をしたわけでございます。

 いずれにしても、どこでどう対応をとったかということを今の段階で相手に知らしめてしまうことにもなるということもございまして、イージス艦あるいはPAC3の配備状況等も、これはまさにこちらの手のうちになるということでございまして、前回は既に場所も決めておりますので、どこからどういうふうに飛んでいくという中においての配備であったということでございますが、今回はそれが全くわからない状況の中での対応になっておりますので、我々としては、今どういう対応をとっているかということは、むしろ言わない方がいいだろうという判断に至ったところでございます。

浅尾委員 幾つか論点があると思いますが、一番の根本は、破壊措置命令を出すということと、どこにPAC3を配備するということは、破壊措置命令を出したことの公表は当然のことながらしていただいた上で、どこにあるかというのは非公表という方が、むしろ透明性が高いのではないかなというふうに思います。

 あわせて、どこにPAC3が配備されているかというのはテレビでもうさんざん報じられてしまっていますので、その点について指摘をさせていただいて、通告させていただいた質問に移らせていただきたいと思います。

 まず、きょうは行政改革ということが大きなテーマでありますけれども、行政改革ということを考えた場合に、全てを官が行うのか、あるいは、公のことに対して民間が関与するのかという、要するに、公的なことですけれども、民間の活力を使うことによって、大きな政府でなく対応していくということも十分考えられるのではないかなというふうに思います。

 そういう意味では、私は、新しい公共という考え方、この考え方自体は引き続き推進していくべきなのではないか、NPOやさまざまな非営利団体が公に関与するという考え方自体は推進していくべきだというふうに思いますが、まず総理に、新しい公共ということについての基本認識を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 いわゆる公共という概念において、これは、公共は必ずしも国が担うものだけではないという考え方なんだろう、このように思うわけでございます。

 そこで、新しい公共という考え方ですと、若干違和感を感じるのは、まさに新しくいきなりそういう考え方が出てきて、そういうNPOであれ、さまざまな団体が出てきたかといえば、そもそも日本には地域地域にそういう助け合いの組織があったわけでございまして、その地域地域の助け合いがまさに公共を担っているということではないだろうか、こう思うわけでございます。例えば消防団一つとっても、これはまさに地域の若者が、本来であれば、東京であれば考えられないわけでございますが、消防署がやる仕事を地域の若者たちがやっているということでございますから、それはそもそもあったんだろうと。

 ですから、そういう地域地域のきずなを生かして、人間同士のきずなを生かして、そういう公の役割を担っていく、これは当然あるべきであろうと思うわけでございまして、そこを強くしていくということも極めて重要な観点だろう、このように思います。

浅尾委員 もちろん、今おっしゃったような消防団とか従来あったものも含めて、本業がほかにある方が公のために活動する、それを支援していくということは、その形態が何であれ、私はどんどん進めていくべきだろうというふうに思います。

 この新しい公共ということを考えた場合に、推進会議というものが存在するというふうに思いますが、その推進会議の開催の状況についてお伺いしたいと思います。

甘利国務大臣 前政権下で、「新しい公共」推進会議というのが開催をされております。最後に開催をされたのが、平成二十四年の十月の十六日と承知をいたしております。

浅尾委員 今後、安倍政権においては、先ほどもおっしゃった、例えば消防団も含めて、もちろんNPOも含めてだと思いますけれども、こういった概念を推進していくつもりがあるのかないのか、そして、あるとするならば推進会議を開催する予定があるのかないのか、あわせて伺いたいと思います。

甘利国務大臣 委員から御指摘がありましたとおり、全てを公共が、つまり行政がやるとなると、これはもう大変なコストがかかる、税金がかかるわけでありますし、みんなで助け合うという共助の精神というのは、社会を支えていく上で、コスト面だけじゃなくて、その精神が極めて大事だと思っております。でありますので、安倍内閣といたしましても、この共助をしっかり高揚していくような、そういう仕組みはつくっていきたいと思っております。

 ただ、新しい公共という名前をそのまま使うということは実は考えておりませんで、新しい公共は、鳩山総理のときの話ですよね。鳩山さんの専売特許であると思いますし、だから使いたくないということではないんですけれども、新しい名前というか、共助社会づくりというようなことで、共助社会づくり懇談会というような仮称でスタートさせたいと思っておりまして、今、副大臣を中心に、開催に向けて下段取りをしているところでございます。

新藤国務大臣 所管外で出てきて申しわけないんですが、ぜひこれは御認識いただきたいと思います。

 この新しい公共の概念は、その前に、自民党福田内閣のとき、これをソーシャルビジネス、コミュニティービジネスといって、社会的課題を解決するための新しい仕事の仕組み、こういったものをこの国の中につくっていこうではないか、こういう研究会を始めました。私が当時副大臣のときに自分でやったものですから、そういう概念がございます。

 それは、例えば子供が病気になったときにお医者さんに連れていってあげる仕事、もう既に成立していますね。それから、ベビーシッターも、預かりではなく、個人的なベビーシッターをやってくれる仕事もあります。それから、農地を借りて、都会から若い人を呼んで、そして耕しながら、農家の皆さんと一緒に農業をやっていくとか、いろいろな仕組みがもうできているけれども、財政基盤が弱いものですから、こういったものへの活動支援のための税制措置だとか、それから、そもそも活動資金を、基金をつくってやっていこうじゃないか、こういうCB、SBというんです、この仕事を進めておりました。

 名前は、政権がかわって、新しい公共というふうにしていただきましたが、精神としてはもともとから始まっているものであって、これは、いわばNPOとかNGOとか、アメリカでは十年間で一千万人以上の雇用が創出されています。こういった新しい仕組みというのは取り入れるべきだ、こういうことでございます。

浅尾委員 私は、名前よりも、今まさにおっしゃっていただいたように、共助というか、公に属するようなことについて、民間も入って、よりよいサービスを、肥大化しない政府でもってやっていくという発想は、ぜひとも進めていただきたいというふうに思います。

 今、新藤総務大臣が所管外だけれども応援を言っていただいて、別に何党の手柄ということじゃなくて、ぜひ進めていただきたいと思いますが、その点について、総理のお考えを伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今の議論を聞いておりまして、私もよく整理ができたんです。

 まさに公の役割を国なり地方公共団体が全て担うことはできませんし、むしろそうではない方がいいだろうということでありますから、今、新藤大臣が答えたように、社会的な課題を解決していくために、そうしたNPO、NGO等々を設立して、税制上の措置で支援をしていくという形がいいのだろうと思います。

 また、シンクタンク等についてもそうなんだろうと思いますが、そういうものが社会的な役割を担っていくことによって活力を得ていくことができるだろう、このように思います。

浅尾委員 今おっしゃいましたNPOについても、NPOに限らずかもしれませんが、寄附税制ということがその活動を拡充していく上では非常に重要だろうというふうに思っておりまして、私は、個人的には寄附税制、もっと寄附をしやすくするべきだというふうに思っておりますので、安倍政権のその点についてのお考えをぜひ伺えればと思います。

甘利国務大臣 重要性はよく認識しておるつもりでございますけれども、委員御案内のとおり、二十三年度税制改正においてかなり使いやすくしたつもりでございます。従来の所得控除の制度に加えて、税額控除というのを導入いたしました。それから、寄附、優遇の対象となる認定NPO法人の要件の緩和もいたしております。要件緩和が徹底すれば、かなり裾野が広がっていくというふうに承知をいたしております。

 まずは、この二十三年度税制改正の定着ぐあい、それをしっかり見きわめたいと思っております。

浅尾委員 もう一点、先ほど総理からもシンクタンクという言葉がありましたけれども、新しい公共というか、民間に属するところ、特にNPO、シンクタンクと霞が関との人事交流というものについては、民間企業との人事交流というのは現在制度としてかなり実施に移されておりますけれども、NPOとの人事交流あるいはシンクタンクとの人事交流というのももう少し、ないわけではないと思いますけれども、実施をしていったらいいのではないかと思いますが、その点について、もし総理のお考えがあれば伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 特にシンクタンクとの間において、国の公務員が人事交流をしながら政策立案能力を磨いていく、いわば武者修行をしながら、民間のもとにおいて新しい発想で政策立案能力をもっとダイナミックに磨いていくということも大切でしょうし、同時に、シンクタンクの人たちが実際に行政を行う現場に行って、今まで自分たちがつくってきた政策が果たして実行可能かどうかということを経験していく、また、それによって刺激になり、新しい動きにつながっていくんだろう、このように思います。

浅尾委員 それでは、行政改革の方の話に移らせていただきたいと思いますが、何回か実は予算委員会で、政府の統計でありますこのSNA、国民経済計算確報というものに基づいた産業別の雇用者報酬というのを取り上げさせていただきました。

 私、今回、この数字を取り上げてみて、今回で三回目なんですけれども、取り上げるたびに、今でも高いんですよ、比較すると、全国平均よりも公務が倍近いんですが、取り上げるたびに数字の計算根拠が変わって、少しずつ数字が変わっていくというのもなかなか不思議だなと、これはちょっと指摘だけさせていただきたいと思います。

 平成二十三年で、全国の平均が四百四十一万円、公務が八百十八万円という、産業別では一番、正確に言うと、この数字でいうと石油・石炭製品というところが若干ことしの数字では高くなっていますけれども、ことしというか、今度計算方式を変えた数字では高くなっていますけれども、去年段階では公務が一番高かったんです。

 そういうことも含めて、素朴な、数字をごらんになってのまず安倍総理の感想を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 この公務員の八百十八万というのは、これは全部足し込んでいるんですか。(浅尾委員「地方公務員も含まれます」と呼ぶ)

 これが高いか安いかということなんですが、公務員の場合は身分が保障されているということを勘案すると、国民的にはこれは高いという印象を受けるかもしれない。しかし、多くの公務員は非常に真面目に、無私の思いで仕事に熱中をしているわけでございますし、また同時に、公務員のいわば腐敗を、こうした形で保障することによって一掃してきたという歴史もあるわけでございまして、そういうことを総合的に勘案しながら評価をしていくべきだろうとは思います。

浅尾委員 実は、これは私が出した数字じゃなくて、政府の統計に基づいている数字であります。

 先ほど申し上げましたように、きょう気づいたんですが、去年予算委員会で出した、同じ、直近は平成二十三年まででありますから、平成二十二年、ここでは七百九十八万円となっていますが、去年政府が出していたのが九百三十二万円。ちょっと統計を変えて少し数字が下がるようになっているんです。それは、説明では、非常勤の人も入れて割るとそういう数字になるという説明でありました。

 それはそれとして、いずれにしても、全国平均よりもかなり金額が大きくなっているというのは事実だということは指摘をさせていただきたいと思います。

 特に、もう一つの数字の方を見ていただければと思いますけれども、都道府県別で平均報酬月額。これはちょっと数字が細かくて、テレビをごらんになっておられる方は大変見にくいかもしれませんが、平均報酬月額、平均給与ですね。平均給与を、民間企業の平均給与を地方公務員の平均給与を分母にして割ってみますと、大きく差があるところでは民間が官の六八%とか六〇%なんというところもありますけれども、非常に差が大きくなっています。

 たまたま、これは私、ことしの一月に、石川県から来られたある方とお会いしたら、やはり地域に行けば行くほど、民間と官との格差が大きいということに対して、いろいろな思いがあるというようなことを聞かされました。

 では、何でこんなに差が出てしまうんだろうということで、これはるる指摘をさせていただいておりますけれども、きょうは人事院の総裁も来ていただいておりますが、まず、必ずしも給与そのものというよりか、ここに出ておりますのは給与ですけれども、給与以外の部分でも、退職金というものの調査の対象が、非常に、一番大きくなるような調査対象をとっている。

 これは人事院に言わせれば、そういうふうに細かくレクをしておりませんので新藤総務大臣には聞きませんが、多分人事院は把握していると思いますが、調査対象を決めるのは総務省で、人事院は単に調査をしているだけだということでありますけれども、例えば退職金といったときに、いわゆる退職一時金と企業年金と両方を、企業年金と一括でもらうこともできるんですが、その両方を調査対象にしています。

 そうすると、当然ながら、額が大きくなる。額がどれぐらい大きくなるかというと、企業年金を一時金でもらうのと、いわゆる一時金の退職金がほぼ同額なので、あらあらで言うと千二百五十万、千二百五十万ぐらいで二千五百万、これはちょっと大ざっぱな数字で言っていますけれども、というような計算になります。

 では実際に、人事院の方がすぐ数字を持っておられればお答えいただきたいと思いますが、民間企業で両方の制度が存在する、つまり、企業年金もあって退職金もある会社というのは、全体の何%ですか。

原政府特別補佐人 お答えをいたします。

 直接御指示がいただけませんでしたので、手元に資料をきちんと支度してございません。

 御指摘のように、退職金の調査は、総務省の方から御指示をいただいて、要請いただいて、私どもで調査をする。それを報告した上で、総務省、財務省で御方針を出されるという仕組みになってございます。

 それで、民間の退職金でございますけれども、企業年金と退職金というのはほぼ同等の性格のものになってございまして、歴史的には、もともと退職金であったものを一部企業年金に振りかえるということで、民間におけるいわゆる退職金は、企業年金と退職金両方を合わせたものというのが世の中の実態でございます。

 公務員につきましては、そういった企業年金の制度というのは基本的にはございませんので、退職金を比較する際には、公務員の退職金と民間の退職一時金並びに企業年金を足して議論するという形になってございます。

 御質問に十分答えられるかどうか、あれでございますけれども、企業年金制度を有する企業の割合は、調査対象企業全体のうち五六%でございます。退職給付制度を有する企業、これのうち企業年金、ほとんど同じになりますが、約六割という形になります。

 したがいまして、過半の企業は両方の制度を持っているという形になりますので、それを合わせて退職金という形をとっているところでございます。

浅尾委員 私の手元にあります数字で申し上げさせていただいた方が早いかと思いますので申し上げさせていただきますと、まず、何らかの形で退職制度があるのは全体の九二%。これは企業規模の加重平均で、大企業の方が当然あります。中小企業ではなかなか退職制度というのがあるところは少ないんでしょうけれども、加重平均をすると九二%です。この九二%を一〇〇とした場合に、企業年金と退職一時金の両方あるというのは四四%しかないんですね。退職一時金のみというのが四一・五%で、企業年金のみが一四・五%ということなので、両方あるというのは全体の半分以下。

 半分以下のところで、その数字を分母に考えて、片っ方が千二百五十万でもう一つが大体千二百五十万だとすると二千五百万というような今の制度の考え方自体がおかしいのではないか。

 特に、確かに、この間の法改正で、公務員には、いわゆる企業年金に相当する職域加算というものが廃止になりましたから、多少は企業年金的なものがあってもいいという主張はあるのかもしれませんが、その廃止になった法案の中に、廃止にするかわりに公務員用の企業年金というのを設計するというのも入っているわけでありまして、もしそうだとすると、退職金のところはいわゆる退職一時金だけにしないと、民間とイコールフッティングにならないんじゃないかというふうに思います。

 制度の細かいことはともかくとして、今申し上げましたように民間とイコールフッティングにするということについて、これは御担当が行革大臣なのか総務大臣なのかわかりませんが、どのようにお考えになるか、ちょっと伺いたいと思います。

新藤国務大臣 私の方で把握している部分で申し上げます。

 まず、各都道府県の民間企業と公務員の給与比較であります賃金構造基本統計調査、賃金センサス、こういったものに対しては、これは公務員の方が高くなっております。その部分は、やや数字のとり方の状況が違います。そして、賃金センサスについては、例えば、十人以上の、職種について、現場作業員さんだとか販売員さんとかそういった方も含めての、いわば公務には類似しない職種の方々も全て入っている、こういうことが一つあります。それから、給与決定要素である年齢や学歴、こういったものの違いも考慮されていない、こういうところがございまして、その上での結果だということ、御承知おきだと思いますが、そういう状態であります。

 それから、国家公務員の退職給付につきましては、これは、五年に一度官民比較の調査を行って、民間水準に均衡させているというところであります。

 そして、二十四年三月には、人事院が公表した官民比較調査結果により、支給形態によらず、退職後にもとの使用者から受ける給付の一切を比較するため、民間については退職一時金と企業年金、それから官については退職手当と共済年金の職域部分、この合計を比較いたしました。そして、その比較によって、この調査結果に基づきまして、臨時国会において、国家公務員の退職手当を約一五%、四百万、これは引き下げたのであります。

 こういった官民格差の解消は今後も続けていきたい、このように考えています。

浅尾委員 私のそもそもの問題意識は、いわゆる退職一時金だけを調査対象にすべきだということは指摘をさせていただきたいと思います。

 加えて、今私の方から申し上げました職域加算というものがなくなりますが、その代償措置として、新たな、いわゆる年金の、公務員の共済年金の三階建て部分をつくることを検討というのが、たしか解散前の国会で通った法案の中に入っていたと思いますが、この新たな職域加算にかわる制度について、安倍政権においてはどういう考え方なのかを伺いたいと思います。

 私はレクでは申し上げたんですが、簡単に申し上げますと、職域加算というものをなくすということになったというふうに理解しております。そのかわりに新たな制度をつくるというのがたしか入っていたと思いますが、どういう制度設計で考えておられるかということについて、もしレクのときに把握されていなければ結構ですけれども。

新藤国務大臣 ちょっと連絡が悪かったようで、今、そのあたりの詳細がございません。

 もちろん、検討して結論を出さなきゃいけない部分でありますし、研究もしておりますが、今、正確なことを申し上げられませんから、後ほど御報告させていただきたい、このように思います。

浅尾委員 それではもう一つ、公務員の人件費が高くなる要素として、これは累次、人事院の原総裁には申し上げております。先ほど日本維新の会の馬場議員からも人事評価というのがございましたけれども、実は、人事評価は絶対評価でやる、しかし、絶対評価でやったものをその後に相対評価に切りかえるというのが今の人事制度だというふうに思います。

 原総裁はよくそこを御存じだと思いますけれども、まず、その点の事実関係を伺いたいと思います。

原政府特別補佐人 御質問にございましたように、評価そのものは絶対評価でさせていただいております。その上で、その評価をベースに、それを、任免、人事考課、いろいろと反映するわけでございますが、特に、以前の御質問でもございましたように、成績の下位にあった人間をどうするかという点については、相対的な枠を決めるというやり方はとっておりません。

 この辺は、組織によってどういうやり方をするかはいろいろだと思います。相対評価をして、枠を決めて評価そのものも当てはめ、そして、例えば給与の査定等についてもそのままそういう枠を使うというやり方をしている組織もございますし、必ずしもそうでない、私どもと同じような絶対評価をして、当然、成績の悪い人間をしかるべく下位に評価するのは当然でございます。ただ、それを、枠をはめて、あるパーセントを必ず付するというやり方はしておりません。

 私どもが、全数はとても調べられませんが、しかるべく昇給の仕組みといったものを勉強させていただいた限りにおきましては、むしろ相対的な枠を決めてやるというのは必ずしも主流ではないというふうに思います。中にもそういうのはございますけれども、制度としてはそう決めてあっても実際の運用は必ずしもその枠にはなっていないという形で、やはり下位の人間については、当然下位の者は下位にするという原則は同じでございますけれども、枠を決めるというやり方はしていないのがかなり多いように認識をしてございます。

浅尾委員 多分、聞いておられる方は総裁が何をおっしゃっているのかよくわからないんだと思いますが、私の方から簡単に説明させていただきますと、絶対評価というのは、先ほどの馬場委員の言葉でいえば、S、A、B、C、Dという五段階なんです。これは絶対評価ですから、比率は決まっていません。

 一方で、昇給は、Sというのは従来の昇給幅の倍昇給する、Aは一・五倍、Bが従来どおり、そしてCは昇給は半分、Dはしないというのが反映された後の形なんですけれども、絶対評価を相対評価にするのはどこかというと、倍昇給するところには全体の五%の人を割り振るために相対評価にしているんです。それから、一・五倍昇給するAのところには二〇%割り振るためにやっているわけでありまして、残ったところ、従来どおり昇給するところは、大体、五足す二〇で七五ですから、七二%ぐらいが実績値でいうと割り振られている、そういう理解でよろしいですね。

原政府特別補佐人 数字的には、今御指摘があったとおりでございます。

浅尾委員 私がおかしいなと常々、予算委員会でも申し上げているのは、絶対評価はいいんです、絶対評価で。しかし、絶対評価で評価したものを相対評価にするときに、上がる方だけは割り振り、配分があって、従来どおりの人は残りほとんどというのは制度としておかしいんじゃないかと思いますし、それは統計の正規分布にも反しているんじゃないかというふうに思います。

 こういうところにメスを入れていくのが行政改革だというふうに思いますので、もし絶対評価というものを相対的にするなら、きれいに五、二〇、五〇、二〇、五にするべきだというふうに思いますけれども、その点についての総理のお考えを伺えればと思います。

安倍内閣総理大臣 今の議論を聞いておりまして、確かに上げる方だけ相対評価で上げるのは、やはり何らか国民的にも納得できないだろう、相対評価にするのであればそうした分布にしていくべきだろう、このように思いました。

浅尾委員 これはぜひやっていただきたいと思います。

 ごらんになっておられる国民の皆さんも、何でそんなふうになっているのかというのを御存じない方も多いと思いますので、これも私の方から、こういうことが理由でしょうということを確認させていただきますので、原人事院総裁に確認していただければと思います。

 従来は特別昇給という仕組みがありました。大体、全職員の一五%が通常の昇給幅の倍昇給する。特別昇給というのは全職員の一五%ですから、大体六年に一回。六分の一が一六・六七%ですので、通常の昇給が五千円とか八千円だとすると、大体六年に一回、倍昇給する特別昇給というのが全職員に対してあった。これは幾ら何でもやり過ぎだろうということで、特別昇給をやめました。やめたら一五%の昇給の原資が余るので、上に行く部分だけ、お金の出どころは、言いたくありませんけれども、税金だから使っているということなんだというふうに思いますが、まず、そもそもの原資はこの特別昇給をやめたことだという理解で間違いありませんよね。

原政府特別補佐人 かつて、今先生から御指摘のありましたような運用がされていた実態はあったやに伺っております。私が人事院に参ったころにはかなりそういった形のものは変わりつつありましたけれども、そういった流れが公務員の人事考課にあったことはどうも事実のようでございます。

 御指摘のように制度を直しましたので、そういった、いわば悪慣行的な、持ち回り的なものは今はないものと私は承知しておりますが、やはり人事考課を厳正に行い、それをきちんと評価するというのは全ての基本でございますので、今後とも、どういうふうに運用していくか、私どもとしてもきちんと注視をしていかなければいけないと思います。

 特に、下位の評価につきましてどうするかということについては、やはり人事考課というのは、一人一人の業績を評価すると同時に、組織全体のパフォーマンスをどうするか、あるいは該当の職員を今後どのように育成していくかといったいろいろな観点でするわけでございまして、今御意見にございましたように、正規分布の形でかなりの数の人間を機械的に低評価にするということをやるのが公務のような組織にとって適切なものであるかということに関しては、私は先生と見解を異にしてございます。

浅尾委員 正規分布にするのは考え方が違うという御意見であるとするならば、なぜ、特に、普通の人より倍上がる人は自動的に五%、一・五倍上がる人は二〇%なんですか。

原政府特別補佐人 きちんとした考課をする、先ほど申しましたように、成績に応じて評価をしなければいけないということで、それまで必ずしもそういう形がなされておりませんでしたので、やはり誘導的にそういったものをしなければいけないということで、大分前の制度改正でございますが、そのときに、もともとあった、そういった一五に対する原資をベースにして、新しい制度の中でも、特別昇給といいますか、抜てき昇給の数字を決めたことは事実でございます。

 ただ、その数字というのは、仮に、昨年そういう処置をしてことしの給与が決まっているとしますと、そういった織り込まれた給与をもとに民間と給与を比較して、新たな年の公務員の水準を決めるということになりますから、それをすることによって公務員の給与が上振れするという形にはなりません。

 昨年処置をしました昇給なりそういったものを全て含んだ、その次の年の四月に、それが公務員の給与としてでき上がる、それに対して民間の給与を調べまして、そこで高い低いということで較差を決めるわけでございますので、その年についてはそういった五%なり二〇%の方がほかの方より高い部分はございますが、トータルの水準としてはそういった形で是正いたしますので、公務員の給与がそれによって上振れしているということはございません。

浅尾委員 いや、それは算数の世界で言うと、おかしな話なんですよ。

 要するに、もともと原資として、一五%は通常の倍昇給する原資があった、これをやめましょうと。やめて、それを、税金ですから返還する、人件費の中から返還するといえば、その分だけ人件費が下がる、昇給の中で下がるというのは、これは誰が計算してもそうなんです。返還しないで、それをS、Aの方に五%、二〇%と割り振っているということなので、もし、そういうことでおっしゃるようにするならば、正規分布にした上で、公務員の中の非正規の方にそのお金を回す、人件費を回すということなら多少は理屈は通るかもしれませんが、今の御説明ではなかなか、私は少なくとも理解できませんし、聞いておられる国民の皆さんも理解ができないんじゃないか。

 きょうは行政改革ということですから、制度としておかしいことはやはり直していただきたいということなので、先ほど正規分布にするべきだというふうにおっしゃいましたし、その原資はこういうものだということを今指摘させていただきましたので、ぜひ安倍政権としての考え方を伺いたいと思います。

新藤国務大臣 今さまざまな御議論をいただきました。人事院からのお話もさせていただきました。いろいろな状況を踏まえて、私どもとすれば、それは不断の見直しが必要だと思います。まずはそれぞれの根拠、こういったものをしっかり調べながら研究してまいりたい、このように思います。

浅尾委員 私がこういうことを申し上げるのは、公務員の人数でいうと、国家公務員は地方公務員の大体四分の一ぐらいですので、一方で、基準財政需要というのを考えたときには、国家公務員の人事制度がそのまま基準財政需要に基本的には、単価としては国家公務員の単価として反映される仕組みになっておりますので、この国家公務員の人事制度を変えるということは、基準財政需要の支出の方を変えていくことにもつながるんじゃないかというふうに思います。

 税源が本来はいろいろな形で移譲されて、各自治体が自由にその税源の中で人件費を払っていく仕組みが一番理想だと思いますが、今の交付税という制度を前提にすればそうした計算になるわけでありますが、国をいじることによって基準財政需要に反映させることの是非についても伺いたいと思います。

新藤国務大臣 これは、人件費の抑制、また適正な給与体系、こういうことをやっていかなきゃいけないわけでありますから、取り組みが必要だ、このように思います。

 今のお尋ねでございますが、これは少し修正をいたしました。それで、地方交付税における地方団体の給与費は地域の民間給与をより反映させるということで、平成二十三年度から、人件費の単価を変えました。それは、要するに、今の最も民間賃金の低い地域の給料を考慮して、それを俸給水準といたします。そこにいろいろな地域手当だとかそういうものを加味したようにいたしまして、ですから、高いままで設定をしないように、こういったことで、各団体ごとの地域手当の支給割合、こういったものに応じて補正をして積み上げていくという形に変更したわけでありまして、各地域の給与水準をより適正に反映できるように工夫をさせていただいているところでございます。

浅尾委員 ぜひ、制度としておかしい人件費のありようについては不断の見直しをしていただきたいというふうに思います。

 次の質問に移らせていただきたいと思いますが、今回の解散・総選挙の前に、自民党総裁として安倍総理は、議員定数の削減ということについても、当時の野田総理との間で、国会の場ではありましたけれども、合意をされたというふうに認識をしております。あわせて、高等裁判所の一票の格差についてのさまざまな判決も出ておりますが、議員定数の削減と一票の格差について、高裁レベルの判決でありますけれども、そういうのを踏まえて、当時の自民党総裁として国民の前でも約束をされたことについてどのように今お考えになっておられるか、意見を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 昨年の十一月の十四日の党首討論において、野田党首から、定数削減、そして議員定数の是正について提案がございました。議員定数の是正については、〇増五減についてさきの国会で成立をさせる、そして定数削減は、抜本的な改革を含めて、この通常国会において成案を得るようにという提案がございました。その中で自分は解散をするということでございました。

 私の方からは、〇増五減というのは、私たちは、昨年の三月ぐらいの段階ですかね、既に出していて、これは先行処理をしようということになっていたものでございますから、当然やっていくべきですねという話をしまして、そして、抜本改革については、基本的には、私と、当時の野田総理と、そして公明党と、与党、三党でやっていくということはやぶさかではありませんが、ただ、これは民主主義の土俵をつくるものでありますから、ここを私と野田さんだけでやっていいんですか、これは共産党や社民党のような党も含めて協議をしていくべきではないですかという話もさせていただきました。その中において成案を得るように努力をしていきます、こういうことになったわけでございます。

 現在、高裁において違憲、違憲状態という判決が下される中において、〇増五減については既に成立をしておりますが、区割り審から既に答申が出されております。この法案をこの国会で、当然、最優先事項で通すべきだろうと思います。

 その上において、自由民主党として、三十減の法案が与党としてまとまったわけでございますので、これをもとに与野党で協議を進め、そしてこの国会で成立を目指していきたい、このように思っております。

浅尾委員 我々自身も身を切る改革をしていかなければいけないと、私自身もそう思っております。

 その中で、大変重要なことは、やはり一票の格差というものについても違憲だというようなさまざまな高裁レベルの判決が出ていますので、引き続きそういった判決が出ないような、そういうことを条件にしながら、定数の削減ということもしっかりと取り組んでいかないといけないということを申し上げて、これ以上質問すると次の方に御迷惑をおかけしますので、茂木大臣にはお越しいただきましたけれども、茂木大臣宛ての質問は割愛させていただきまして、私の質問を終えさせていただきたいと思います。

山本委員長 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 きょうは、政治改革、政治のあり方について議論したいと思います。

 一九九三年、細川政権時代のいわゆる政治改革から二十年になります。このとき決めたことが今日どうなっているか、検証すべき時期に来ています。

 政治改革で決めたことは、政党助成金制度の創設と小選挙区並立制の選挙制度を導入したことです。政党助成金は、赤ちゃんからお年寄りまで国民一人当たり二百五十円の負担、約三百二十億円の税金を毎年政党に助成する仕組みであります。

 総務大臣、政党助成金制度を創設した一九九五年から二〇一二年末まで、累計で幾ら支払われたか、各党にどれくらい配られたか、御報告願います。

新藤国務大臣 政党助成制度が創設された一九九五年、平成七年分から二〇一二年までの政党交付金の交付総額は、五千六百七十七億円余りであります。

 そして、そのうち、自由民主党に二千五百六十五億円、民主党に千七百十二億円、公明党に四百十九億円、社会民主党に三百三十七億円、みんなの党に三十億円、国民新党に二十六億円、新党改革に四億円、その他で五百七十九億円、こういう状態になっております。

穀田委員 私たち日本共産党は、思想、信条の自由を侵す憲法違反だとして創設に反対し、廃止を主張してきたので、一円も受け取っていません。

 パネルにしました。五千六百七十七億円という巨額な税金を各党が山分けしてきた。

 当時、リクルート疑獄などで金権腐敗政治の横行に国民的批判が高まり、企業・団体献金を禁止しようというのが国民の要求でした。ところが、政治改革を推進した各党は、企業・団体献金は禁止するかわりに、国民の税金で政党の政治資金を賄う助成金制度をつくり出すということを言い出しました。そして、実際には、企業・団体献金は、政治家個人に禁止はしたが、政党、政党支部には認めるとされ、いまだになくなっていません。

 この政党助成金の導入をめぐって、そもそも政党が税金に依存していいのかという議論が、導入を進めた側からもありました。政党は、憲法に保障された結社の自由であり、政策の上でも自前、お金の上でも自前、自立してこそ成り立つものであります。政党助成金を入れるとしても、税金なのだから過度に依存しないようにしよう、上限を決めようという議論があり、細川総理と河野自民党総裁の合意では、上限は四割とすることになりました。

 その後成立した法律では三分の二を上限とすると書き込まれましたが、政党が税金に依存していいのか、抑制的にしなければならないという議論、九三年当選の安倍総理は御存じですね。

安倍内閣総理大臣 ちょうど私が当選した平成五年に、今委員の御指摘になった政治改革法案が出たわけでございまして、選挙制度の改革とともに、政治資金規正法の大きな改革が行われまして、我が党でも大きな議論がございました。

 あのときはちょうど我が党の金丸副総裁の問題があった中において、政治を浄化するべきである、つまり、企業・団体献金の比率を減らす中において、税金ではありますが、一人コーヒー一杯ということが言われていたわけでございますが、これを政党を支援するお金として御寄附をいただいた、税金という形で御寄附をいただいて、政党の運営を賄っていこうと。

 ただ、この比率については、過度に国家に依存するべきではないという議論があったのはよく覚えているところでございます。

穀田委員 今ありましたように、過度に依存してはならないという議論があったことは明らかであります。

 ところが、今どうなっているかということで、各党が総務省に届け出ている報告に基づいて、各党の財政に占める政党助成金の割合をパネルにしました。見てください。皆さんにはお配りしています。

 自民党は、政党助成金がつくられた一九九五年、最初の依存率は五六・七%でした。今日では七二・五%になっています。これは、谷垣大臣が自民党の総裁の時期だが、事実ですね。

谷垣国務大臣 法務大臣としてはお答えすべきことではないんですが、せっかくの穀田委員のお尋ねですので。

 私も、総務省の平成二十三年度分の政治資金収支報告書の概要というのを見てまいりました。おっしゃるとおり、七二・五%というふうに記載されておりました。

穀田委員 年を追うごとに助成金への依存度が高まる。税金なしには政党運営が成り立たない状況になっている。七割、八割を占めるのは当たり前になっている。政党とはどうあるべきかが問われています。お金があれば活動する、なければ活動しないなどというものではないはずであります。

 自立しないで政党と言えるのか。官営政党ともいうべき状況を改めて、政党は国民に依拠して活動する、自立するのが当然ではないか。政党助成金を続けてよいのかが問われていますが、総理はそう思いませんか。

安倍内閣総理大臣 この政党助成制度は、政治改革について議論を積み重ねた結果、政党の政治活動の経費を国民全体で負担していただくこととしたところでございますが、民主主義の発展に重要な意義を持つ制度であると考えております。

 一方、政党の運営の当否は、最終的には選挙を通じた国民の審判に委ねるべきところであることから、政党がその運営においてどの程度政党交付金に依存するかの選択については、政党の自主性に委ねるのが適当であろう、このように思います。

 政党助成制度のあり方については、政党の政治活動の自由と密接に関連していることから、各党各会派で御議論をいただくことになると思いますが、自由民主党としては、特に、野党時代に企業・団体献金が大変縮小したという経緯もございまして、そういう中において政党助成金の割合がふえてきたということもあるのではないかと思います。

穀田委員 それは、政党助成金はもらうわ、企業献金はもらうわという、両方もらっているということ自体が問題だということを言わなきゃなりませんよ。問題は、税金漬けの政党でいいのかということが問われているということを改めて言わなければならないと思います。

 政治改革の当事者で、当時の自民党の総裁だった前衆院議長の河野洋平さんは、政党の堕落、政治家の資質の劣化が制度によって起きたと、最近繰り返し指摘しています。政党が堕落しているのは制度が原因だと指摘していることが私は大事だと思います。

 今は引退されていますが、政治改革を進めた中心的人物が異口同音に、これは失敗だったと言っていることがあります。森喜朗元首相は、小選挙区制度は間違いだった、渡部恒三氏は、小選挙区制に賛成したのは政治人生の最大の失敗、加藤紘一元自民党幹事長は、政治の劣化、本物の政治家は育たない制度だ、こう述べています。

 諸先輩の、この小選挙区制が失敗だったと言っている発言は極めて重いと私は感じていますが、これらの指摘を総理はどう思いますか。

安倍内閣総理大臣 当時、私は、小選挙区制度については強く反対をいたしておりまして、今名前を出された当時の森幹事長から説得をされまして、安倍君、君、反対したらだめだ、当時総裁の河野洋平総裁からも、みんなで決めたことは賛成すべきだ、こういうことでございました。

 しかし、そもそも、選挙制度においては、どちらがいいかというのは議論があるところだろうと思いますし、政治資金の問題についても、税金にどこまで依存していいのかどうかということについても、これは委員の御指摘も全く間違っているわけではないと思います。

 これはやはり政党間で、どこまで依存して、御党の場合は全く依存しておられないという考え方を貫いておられるわけでございますが、その中で、どこまで依存していいかどうか。かつては三分の二を超えないということになっていたんだろうと思うんですが、そうしたことを政党間でやはり真剣に議論していくべきであろうとは私も思うところでございます。

穀田委員 だから、導入者の反省の声というのは私は重いと思うし、総理大臣が、当時、小選挙区制に反対されておられたということも存じております。その意味では、この小選挙区制度がいかなるものであったかということも検証すべき時期に来ていると思います。

 そこで、現行の選挙制度についてただしたいと思います。

 私たちは、選挙制度というのは、憲法の前文にあるように、「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」と書いています。ですから、選挙はその土台であって、国民の民意を鏡のごとく議席に反映させる制度であるべきだと私どもは考えています。

 現行の小選挙区制は、三百の選挙区で一位になった政党の候補者が当選する仕組みです。最近の三回の選挙結果をパネルにしてまいりました。見てほしいと思うんですね。

 〇五年の選挙では、小泉内閣の選挙です、自民党が四七・八%の得票で七三・〇%の議席を占めた。二〇〇九年の選挙で、第一党の民主党は、四七・四%の得票率で七三・七の議席を占めた。そして、二〇一二年、昨年の総選挙でその乖離は一層広がりました。すなわち、自民党は、四三・〇%の得票率で議席の七九%を占めるに至りました。

 小選挙区制は、第一党に、四割台の得票率で七から八割台の議席を与える制度である。このことが、当時、安倍さんも、これはまずいんじゃないかと反対された理由ではありませんか。

安倍内閣総理大臣 私も、その論点で反対もいたしておりました。

 それと、当時は、例えば自由民主党においては、現職優先という形にしていくという話だったんですが、それであると、極めて閉鎖的になっていくだろうと。中選挙区制度でありますと、自由民主党の場合は、出たい人は基本的にみんな出るんですね。その中で公認する人もいるんですが、そこで勝った人が最終的に公認になる。非公認の人も、勝てば公認。そういう中でお互いに切磋琢磨していくということになるんです。しかし一方、小選挙区で現職優先になれば、これは新陳代謝が極めて悪くなるという大きな問題があるのではないかということも指摘して、私は反対したんです。

 どの政党に任せるかということと同時に、やはり誰に任せるかということも重要な要素であろうと考えたわけでございますし、同時にまた、当時の、共産党を初め少数意見の方も、五人区であれば一名は当選するという中において、死に票が非常に少ないということも論点であったというふうに記憶をいたしております。

穀田委員 だから、これはそういう制度の側面があったということはお認めになったということになると思うんですね。

 得票率と議席に乖離がある。第一党が得票率以上に議席を獲得する。そのことは、今総理のお話にありましたけれども、裏返しで言えば、二位以下の候補者に寄せられた票は、過半数を超えていても議席には結びつかず、切り捨てられる制度でもある。つまり、議席に結びつかず切り捨てられる得票、すなわち死に票がたくさん出る。

 総務省の提出の資料によって、パネルにしてみました。昨年の総選挙での全国集計で、投票数の五三%が死に票。三百の小選挙区のうち、死に票が過半数を超える選挙区は何と百八十八選挙区になります。さらに、六割の選挙区で死票が多数になっている、こういう事実ですから、極めて重大と言わなければなりませんし、七割が死に票になるところもある。

 だから、当時、いろいろ議論はありましたけれども、民意を切り捨てて民意の集約などという意見もありました。しかし、まさに民意を切り捨てて民意の集約などと言えるかということが明らかだと思うんです。

 そこで、得票と議席の乖離が大きい、死に票がたくさん出る、小選挙区制が民意をゆがめるという根本問題についてどう考えるのか、公明党の前代表であった太田大臣に聞きたい。

太田国務大臣 死に票ということでいえば、それは純粋小選挙区制、そしてまた小選挙区部分については死に票が多いということは事実だと思います。

 したがって、現行の制度は、そういうこともありまして、小選挙区比例代表並立制ということで、一番最初に提起されたのは二百五十と二百五十ということから始まって、三百と二百になり、そして百八十というふうに、比例部分が削られてくる。

 民意の集約ということと民意の反映ということのバランスの上で現在の選挙制度はできておりますが、死に票ということについて言えば、小選挙区部分については当然、死に票は多いということは言えると思います。

穀田委員 死に票が多いということは、簡単に言えば、民意の多数が切り捨てられている、すなわち民意がゆがめられているということだと思うんですね。だから当時も、皆さん、多くの方々が御意見を持っておられて、これはあかんのと違うかという意見があったわけであります。

 ですから、私は、この機会に小選挙区制というものを廃止すべきじゃないのかというふうに思うんですが、総理大臣、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 抜本改革の中で、実態として、これは成案を得る上においては過半数以上の賛成を得なければならないという中において、さまざまな議論がなされております。

 自由民主党の中においても、中選挙区制度、大体三人を基本とした中選挙区制度を主張する人たちもいるわけでございますが、そういう中におきまして、今回、三十議席を削減する中において、いわば民意の集約が過度になることを是正する新たな制度として今提出をしようとしている法案があるわけでございまして、自由民主党としては、それが今の段階では現実的な成立し得るベストの案だ、このように考えているところでございます。

穀田委員 選挙制度の話をしますと、必ず、今お話があったように、私は今言いましたように、民意をゆがめるということについて正すべきじゃないか、こう言いますと、民意の集約と民意の反映という話をして、そして必ず今度は、その話がきっちりどういう論理があるのかということが詰まっていかないままに、定数削減、今、三十削減する提案を出しているんだという話がありましたよね。

 そこで私は、定数問題について議論を進めたいと思うんです。

 私は、定数という問題について議論する場合、議員とは何ぞや、それから議員の役割とは何ぞやということについて考えなければならぬと思うんですね。

 議員の仕事というのは国民の声を届けることであって、憲法にあるように政府の暴走をチェックするということにあるわけで、とにかく少なければいいというわけじゃないんです。絶対これはないんです。

 そして、日本の衆議院議員の定数は、世界的にも、それから歴史的にも、決して多くないということなんです。

 これをパネルにしてみました。大体何人の声を代表しているのか、議員一人当たりの人口はどのくらいかを基準にして比較しました。見たらわかりますように、先進国の主なところは、大体十万人を基準に一人の議員を選ぶ。アメリカは、合衆国で、連邦制であるので全然参考にならぬわけですけれども。

 歴史的に見たらどうか。これは一番端っこに書きましたように、一九二五年、普通選挙制度が始まったときは、人口十二万八千人に一人として四百六十六人の議員定数を決め、出発しました。以来、人口は当時の倍になっておるのに、現在では人口二十六万七千人に一人の議員となっている。

 だから、日本の議員数はむしろ少ない方だと思うけれども、いかが思いますか。

安倍内閣総理大臣 先ほど、我が党の今村議員からも、今村議員は我が党でも保守派に属する議員でありますが、今村議員からも同じ指摘がございました。ということは、かなりこれは幅広くそういう疑問を持っておられる方がおられるんだろうと思います。

 また、行政府の長である私が、議員が御指摘のように、議員の削減の話をするというのは、本来、私も抵抗を感じているわけでございます。いわば行政府の長としては、それをチェックする皆さんの数を減らすということについて、それは積極的にどんどん減らした方がいいということを言うべきではない、私はそう感じているわけでございますが、他方、消費税を導入するという中において、国会議員は身を削るべきだという考えの中から、我々は昨年、三十人削減という道を野党として選んだわけでございまして、この案でお願いをしたい。

 しかし、確かに今委員御指摘のように、OECDの中においても、最も国民の一人当たりの議員の数としては少ないというのは事実でございますし、民意の反映としてどれぐらいの数がいいのかどうかというのは冷静な議論も必要だろう、このように思います。

穀田委員 今私が比べたこれはG7ですけれども、8と言ってもいいんですが、OECDの中でも一番低いんですよね。それは総理もおっしゃった。

 そこで、今お話ありましたけれども、行政府の長として、どちらかといえば抑制的でなきゃならないということですわな、考え方は。しかし、自民党の選挙制度改革の方針では、三十人の比例代表を削減して、議員定数を四百四十五にするとしているわけですね。これは、自民党の方針が説明しているように、総定数四百四十五は、人口が現在の半分以下であった大正八年、一九一九年当時の総定数四百六十四も下回るものなのです。つまり、百年も前の定数に戻すということなわけでして、議員定数を減らす根拠は全くないと言わなければなりません。

 そこで、先ほど、総理大臣は三党合意の話をされていましたよね。結局のところ、みずからの身を切ることによってという話を、多分消費税との関係でなすったと思うんです。当時の三党合意というのはまさにそのことだと思います。

 しかし、この問題というのは、本当に全く国民に対する裏切り的行為だと私は思うんです。というのは、消費税の大増税という公約違反、そして民意を全く無視した政治を押しつけるためにやった話でありまして、私は逆だと思うんですね。

 ですから、自民党、公明党の合意で、逆に、先ほど大臣がおっしゃっていましたように、現行選挙制度の持つ、これは太田さんも言っておられました、小選挙区制の行き過ぎた民意の集約機能を是正し、より民意の反映を重視した制度に見直さなければならないとしています。ところが、民意を反映する制度とかつて推進した方々が、政治改革の際にその民意を反映する部分として言っていた比例代表を削るというのは、全く論外と言わなければならないと思っています。

 私どもは、今、選挙制度を本当に変えて、小選挙区制度を改めて、そして全国十一ブロックの比例代表制に改革するということが大事だと。総定数四百八十議席を維持し、全ての定数を現行の比例十一ブロックの人口で比例配分する。こうすれば、ブロック間の格差も最大一・〇三になり、民意を正確に議席に反映し、投票価値の平等の点でも解決できる。

 こういうことを実現するために私どもは頑張りたい。そのことを述べて、質問を終わります。

山本委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。

 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。本日最後の質疑者となりましたので、よろしくお願いいたします。

 私自身は、国会議員となる前、埼玉県会議員をさせていただきました。県議の経験から、いわゆる三割自治とやゆされるような地方自治体の現実を見てまいりましたし、その中で、地域のことは地域で決定し、実行できるようにしたい、そういう思いで国会議員を目指した。今、二〇〇三年に初当選をさせていただいて以来、続けさせていただいているところであります。

 また、それぞれの地域というものは大変魅力があり、そして可能性もある、これが日本を形成している。そういう中で、本日、集中審議であります統治機構改革、行政改革、政治改革、これに対しては、多くの議員また国民もそれぞれの思いはあるんだと思っております。

 しかし、その議論の中というのは、地方分権、地域主権という言葉をとっても、一概に同じではない。方向としては恐らく同じでも、さまざまな意見があり見解がある。その点を踏まえまして、基本的なことからまた質問させていただきたいと思います。

 平成二十二年のころより日本は人口減少の時代に入っております。既に、限界集落、空き家の増加など、人口構成の変化によって地方自治体の財政は厳しい運営を強いられている、これが現実だと思っております。

 また、県会議員のときに、米国の視察もさせていただいたときに大変びっくりしましたのは、州の直轄の管理エリアがあったりという意味では、私自身、新藤大臣もですけれども、埼玉でありますと、本当に、市町村、町がずっと続いて人口がいるというところで育ちましたので、そういうエリアがあって、またそういった統治のあり方があるということに非常に大きな感銘も受けましたし、今まで自分が考えていたこと以外にもさまざまな方法があるのではないかというふうなことを気づかせてもらいました。

 その中で、先ほども出ましたけれども、さまざまな統治機構の仕組みというのは、どこに権限を持たせてどのように国民主権を守るかなど、国の理念があらわれるものだと思います。これは、政権とかどの内閣だからとかではなく、日本国として、ここはしっかりとやはり確認をしなければならないと思っております。

 また、ここ数十年、道州制への移行というものも議論されておりますが、推進する方々の御意見を伺っても、なぜか一致をしない。それぞれの思いがあり、制度上で具体論に行くと少しずつ違う、だからこそまとまっていないというのも現実だと思います。

 そこで、基本的認識として、まず、国と地方の役割分担を見直し、地方分権を進めていく必要性、その意義について、総理のお考えを具体的にお聞かせいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 国は、例えば外交とか安全保障を中心に、国家の本来的な任務を重点的に担うこととして、地方は、身近な行政、住民サービスを中心に、身近な行政についてはできる限り地方自治体が担っていく。それが国と地方の役割分担に関する基本的な考え方ではないか、私はこのように思います。

 適切な役割分担によって、国と地方のそれぞれの機能を強化していくことが極めて私は重要であると思います。地方がみずからの発想で特色を持った地域づくりができるようにするためにも、これは国が余計なおせっかいはせずに、なるべく地域づくりについては地域に任せていくということが重要ではないか、このように思います。

小宮山委員 私自身も、まずは基礎自治体を基本とした国づくり、そして国が責任を持ってやる、そういった制度を確立しなければならないと思っております。

 そこで、四月五日の閣議によって、地方分権改革有識者会議を開催することが決定されました。同会議の目的は何か、また、どのような議論を期待して設置されたのか、お答えください。

新藤国務大臣 私は今、地方分権改革担当の大臣を拝命しております。そのもとで、地方分権を進めていく上で整理をしたのであります。

 地域主権戦略本部でしたか、こういったものが前政権でございましたが、これは結局、政策検討機能と調査審議機能が混在するような形で一緒になって進んでいたんですね。しかも、それは法律に基づくものではございませんでした。

 ですから、私は、地方分権を進めるという意味において、まず分権改革推進本部というものを設置して、そこで内閣としての政策検討機能を特化するという形にしました。一方で、今度は私のもとに有識者会議というものを設けて、ここで、いわば調査審議機能、これを強化しようということにしたわけであります。

 そして、今までの積み残しの部分をどのように処理するかということが一つ。それから、そもそも、地方分権改革の意義というものを今までの議論を踏まえて再度総括し、その将来の展望を考えようではないか、こういうようなことを考えました。

 それとあわせて、大切なことは、これまで地方分権が進んできた、そのことを国民に実感していただく。どれだけ伝わっているんだろうか、ここの部分もきちんと検証して、どうやって伝えたらいいか、こういったことも議論してみたい、このように考えています。

小宮山委員 ありがとうございます。

 大臣は五日の大臣会見で、有識者会議の立ち上げについて、これまで実現していない事務、権限の移譲を確実に実施していくための方策を議論したいとか、いろいろ発言をされているわけですけれども、思い返しますと、私も民主党の時代がございますけれども、独法改革を随分調べさせていただいたときに、公務員改革、その人数が減って見えるようなということで、そこが目的なのではないかと思う部分もございました。

 今回のも権限を移譲することが目的化してしまわないのか、ここが非常に心配なところでもありますので、何を実現するために移譲するのか、どの機関、権限や、義務づけや枠づけを移譲すべきかの議論は尽くされたとの認識を持っているのか、この点をお聞かせください。

新藤国務大臣 私がやると申しておりますのは、大体において、前政権において第三次一括というのでまとめたものは法制化できませんでした。ですから、それが積み残しになっているんです。それからあわせて、その第三次の見直しのときも実現できなかったものを、私どもになってまたさらに各省間の調整をいたしまして、さらに権限移譲のできる部分がふえております。ですから、今できるものはまず確実に、もう一度、今までできなかった積み残しになっているものも含めて、新たなものも加えて一括法で出す。その手続を進める、それで実現をするということであります。

 そして、それ以外に、今まで進んでいなかったものがありますから、それを進める。また、その進め方について総括をしながら議論をしよう、こういうことをやりたいというふうに思ったわけであります。

小宮山委員 この議論の発端となりますのが、移管などを行う範囲として麻生政権時代の出先機関改革に係る工程表で示された、いわゆる八府省十五系統と言われるものが検討のベースにあるかと思っております。

 その中では、行政評価局の行政評価事務所は含まれておりません。これは、ちょっと特異なものとしては、ホームページを見ると、行政評価事務所での成果として、ゆうパックの過剰請求についての相談事例や、通勤時の交通事故により前歯が折れた方の労災申請の相談事案とかが挙げられています。

 こういうものを見ますと、これがここでやるべきものなのかという疑問もございますし、市町村あるいは都道府県でも同じような相談業務はもちろんしておりますので、総務省の出先機関でなければその役割が十分に果たせないという業務内容ではないという感じを持ってしまいます。

 この点に関しては率先して移管の候補に挙がってもよかったのではないかなという気は今でもしておりますので、四十七都道府県に移管しないのは、自民党さんの政策にも挙げていますが、道州制になることを見越して総務省の地方の機関というのを残されているのかとも思ってしまうときがございます。

 そもそも論になりますけれども、麻生大臣は、総務大臣や外務大臣などさまざまなものを歴任されまして、現在は財務大臣として国と地方の財政をごらんになっていらっしゃいます。日本の統治機構のあり方に対し広い見地をお持ちだと思いますが、この方向性について、ぜひ、当時の総理としてどのように考えられて提案されたのか、この理念の原点を教えていただきたいと思います。

麻生国務大臣 出先機関のいわゆる改革の話は、これは新藤先生の担当なので。

 先ほど言われましたように、私のときの、出先機関改革に係る工程表というのを出させていただいたときには、これは地方分権改革推進委員会の第二次勧告というのが出されておりまして、それを踏まえて、時の政府、政府に限らず、他のいろいろな改革と整合性を図らにゃいかぬということで、八府省十五系統だったと記憶しますけれども、それでやらせていただいたと思っております。

 今言われたものを含めまして、いろいろな権限について、これは全国的な規模に立った視点で行わなきゃならぬということやら何やら、いろいろあろうと思いますので、この間、四月五日にできました地方分権有識者会議において、精力的な議論をさらに進められてしかるべきだと存じます。

小宮山委員 出先機関のことに大変こだわるわけですけれども、やはりそこが、先ほども質問したとおり目的化されないこと、大きな意味で国の統治のあり方というのは考えなければならない。

 特に三・一一の東日本大震災、このときには本当に、災害を受けた地方の県、それ自体も被災を受けて対応が十分にできなかったりということがございました。こういった中において、私自身も、もっともっと移管できるものがあると考えていたところもありますが、こういった大規模災害のときには必ずしもそれだけではいけないんだと。やはりもう一旦、国の統治のあり方というものは見直して、大きな意味での改革をしなければならないし、どこが権限を持ち、どこが、誰が責任を持つのかというのは大変重要だと思っております。

 総理、当然、被災地には毎月行っていらっしゃると聞いておりますけれども、東日本大震災を経験し、その後、国の出先機関の地方移管について、震災前と後で考え方はお変わりになられたのか、そのことをぜひお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 国の出先機関の移管については、民主党政権下で閣議決定された出先機関の機能を広域連合に移譲する法案に対して、発災後、市町村から、これは都道府県と市町村で意見の違うところでありますけれども、市町村からは、これは全てではないんでしょうけれども、私が会った例えば相馬市の市長もそうだったんですが、広域連合という形の中において出先機関をそこに移譲するというのは非常に不安であるという声もあったわけでございます。

 そうした声もやはり勘案しながら、もちろん、今まで、なるべく権限を移譲していくという中において出先機関も考えてきたところでございますが、そういう観点も踏まえながら、あり方を検討していきたいと思っております。

新藤国務大臣 今まさに総理からもお話がございましたから、重ねないようにいたしますが、震災前と後ではやはり考え方は変わったと思います。

 それから、本当に危機対応する上でどのような取り組みをしなきゃいけないのかということ。これは、本当にたくさんの方が犠牲になった、そういう中で、我々はそういった無念を受け継いで次に備えなければいけない、こういう意味において、やはり今までの議論に加えた議論が必要だ、このように考えています。

 それから、先ほど行政評価局のお話をいただきました。これは、そもそもこのときは、経済財政諮問会議の民間議員のペーパーの中でも、「国の出先機関の大胆な見直し」、ここで八府省十五系統の出先機関の統合というのがあったわけでありますが、その中においても、全国的な規模や全国的視点に立って行わなければいけない事務として整理されているのであります。決してお手盛りでやっているのではございません。

 これは、全国の行政評価局、それから相談委員の業務というのは、たくさんのことを扱っておりますし、これは国であって初めてできることもございますから、そういった機能を生かすという意味で、このようなことで今展開しているわけでございます。

小宮山委員 最後の点は、意見はちょっと違うかと思いますが。

 出先機関、私自身も、地方を守る会の首長さんたちのお話を伺い、大規模災害のときの国のあり方や、また被災地域の自治体が大変御苦労されたことを伺いまして、一般的に地方分権といったときに、国と基礎自治体の二層や、国、道州、そして基礎自治体という三層になる、しかし、広域連合という形だと、それにプラスになって二・五層になってしまうのか、三・五層なのか、さまざまな問題がまだあるかと思っております。

 この点に関しては、しっかりと実態を見て、また議論もさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

 さて、時間がございますので、選挙制度改革と憲法裁判所について御質問させていただきたいと思います。

 先般の〇増五減の選挙区割り案が成立すれば、違憲判決の対応として十分だと考えているか、この点を伺わせていただきたいと思います。

 インターネット選挙の解禁等、さまざまな議論が今、国会では行われております。今回、公選法改正の後には、いわゆる〇増五減の選挙区割り変更の問題が控えております。

 私たち生活の党は、その前身である国民の生活が第一のときに、〇増五減案には反対をいたしました。また、第四十六回衆議院総選挙後に各地高裁に提訴された裁判では、〇増五減案では不十分であることを示す判決が出されております。

 そのもとで、今後ですけれども、五年ごとに、国勢調査の結果に応じて、また区割りの審議会の答申に沿って、自動的に定数配分が見直されることを法律に明記すべきであるという立場もとっております。

 国政選挙には多額の費用、六百億円、七百億円ほどが一回の国政選挙をするとかかる。小泉改革と言われるあの郵政解散のときは、二年間のうちに大体千五百億円の国費が使われました。当時、私、障害者自立支援法の反対をしておりました。これも憲法違反となったものでもございますが、その分があれば支援費が出せたじゃないかという大変悔しい思いもしておりました。

 この中で私自身思うのは、国会ではなく、第三者機関なりきちんと別のところで、自動的に区割りを変更するという制度が必要だというふうに思っておりますし、〇増五減、数だけの問題、二十一増二十一減とかさまざまな議論はありますけれども、自動的にされる方が、この最高裁の判決、その本旨に見合うものだと思っております。

 さて、そうなってきますと、今、障害者自立支援法にも触れましたけれども、現在、憲法九十六条だけの改正が取り上げられておりますけれども、憲法を改正しやすくなることだけが目的ではないはずです。ここだけの議論には、私自身、違和感を感じるところでもございます。

 違憲判決、今までもさまざま出ております。改正されたとしても、そのときの憲法を守るためにも、三権分立の中、憲法裁判所の必要性があるのではないか、このことを考えておりますが、この点に関しまして、総理、ぜひ御所見をお述べいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 憲法裁判所についてでございますが、一般的に憲法裁判所とは、具体的な争訟を法的判断により解決する国家機関である通常の司法裁判所と異なり、具体的な争訟を必ずしも前提とせず、一般的に抽象的に憲法問題の裁判を行うことをその権能とする独立した国家機関をいうものと解されているわけでありまして、現行の最高裁判所は、憲法により、具体的な事件の解決に必要な限度で違憲立法審査権を認められておりまして、個別事件の適切な解決を通じ法の支配を実現するという司法の役割を適切に果たしていると考えております。

 我が国に憲法裁判所を設けるべきであるという御提言は非常に大きな問題でございますので、これはまさに各党各会派において御議論をいただきたいと思います。

小宮山委員 ありがとうございます。

 ぜひ、三権分立の中で、きちんと国会が司法、行政をチェックし、そして、お互いが国民の生活を守る、命を守る、そのための国づくりができることを願い、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山本委員長 これにて小宮山君の質疑は終了いたしました。

 各大臣は御退席いただいて結構でございます。

    ―――――――――――――

山本委員長 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。

 平成二十五年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、防衛省所管及び他の分科会の所管以外の事項

 第二分科会は、総務省所管

 第三分科会は、法務省、外務省、財務省所管

 第四分科会は、文部科学省所管

 第五分科会は、厚生労働省所管

 第六分科会は、農林水産省、環境省所管

 第七分科会は、経済産業省所管

 第八分科会は、国土交通省所管

以上のとおりとし、来る四月十二日及び十五日の両日分科会審査を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人及び会計検査院当局の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、明十日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会


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