衆議院

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第10号 平成27年2月26日(木曜日)

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平成二十七年二月二十六日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大島 理森君

   理事 金田 勝年君 理事 萩生田光一君

   理事 原田 義昭君 理事 平口  洋君

   理事 平沢 勝栄君 理事 森山  裕君

   理事 前原 誠司君 理事 今井 雅人君

   理事 上田  勇君

      石原 宏高君    岩屋  毅君

      衛藤征士郎君    小倉 將信君

      小田原 潔君    大見  正君

      加藤 鮎子君    加藤 寛治君

      勝沼 栄明君    門  博文君

      門山 宏哲君    金子 一義君

      金子万寿夫君    金子めぐみ君

      木内  均君    熊田 裕通君

      小池百合子君    小島 敏文君

      小林 鷹之君    鈴木 俊一君

      鈴木 隼人君    田所 嘉徳君

      土井  亨君    長坂 康正君

      根本  匠君    野田  毅君

      古屋 圭司君    星野 剛士君

      宮崎 謙介君    務台 俊介君

      保岡 興治君    山下 貴司君

      山本 幸三君    山本 有二君

      小川 淳也君    逢坂 誠二君

      黄川田 徹君    黒岩 宇洋君

      後藤 祐一君    階   猛君

      辻元 清美君    福島 伸享君

      馬淵 澄夫君    山井 和則君

      柚木 道義君    井坂 信彦君

      小熊 慎司君    重徳 和彦君

      松木けんこう君    松浪 健太君

      岡本 三成君    中野 洋昌君

      樋口 尚也君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   外務大臣         岸田 文雄君

   文部科学大臣       下村 博文君

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   農林水産大臣       林  芳正君

   経済産業大臣       宮沢 洋一君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国務大臣

   (復興大臣)       竹下  亘君

   国務大臣

   (防災担当)       山谷えり子君

   国務大臣

   (クールジャパン戦略担当)            山口 俊一君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   甘利  明君

   国務大臣

   (少子化対策担当)    有村 治子君

   財務副大臣        菅原 一秀君

   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君

   政府参考人

   (外務省国際協力局長)  石兼 公博君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          富田 健介君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監)    糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  橋本 公博君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十六日

 辞任         補欠選任

  秋元  司君     勝沼 栄明君

  岩屋  毅君     務台 俊介君

  金子 一義君     門山 宏哲君

  小林 鷹之君     木内  均君

  根本  匠君     小島 敏文君

  古屋 圭司君     加藤 寛治君

  保岡 興治君     金子万寿夫君

  山本 幸三君     加藤 鮎子君

  山本 有二君     大見  正君

  小川 淳也君     柚木 道義君

  岸本 周平君     福島 伸享君

  後藤 祐一君     黒岩 宇洋君

  階   猛君     黄川田 徹君

  辻元 清美君     津村 啓介君

  山井 和則君     逢坂 誠二君

  松木けんこう君    吉田 豊史君

  松浪 健太君     小熊 慎司君

  赤嶺 政賢君     堀内 照文君

  高橋千鶴子君     藤野 保史君

同日

 辞任         補欠選任

  大見  正君     山本 有二君

  加藤 鮎子君     山本 幸三君

  加藤 寛治君     古屋 圭司君

  勝沼 栄明君     門  博文君

  門山 宏哲君     金子 一義君

  金子万寿夫君     保岡 興治君

  木内  均君     小林 鷹之君

  小島 敏文君     根本  匠君

  務台 俊介君     岩屋  毅君

  逢坂 誠二君     山井 和則君

  黄川田 徹君     階   猛君

  黒岩 宇洋君     後藤 祐一君

  津村 啓介君     辻元 清美君

  福島 伸享君     岸本 周平君

  柚木 道義君     小川 淳也君

  小熊 慎司君     松浪 健太君

  吉田 豊史君     松木けんこう君

  藤野 保史君     高橋千鶴子君

  堀内 照文君     大平 喜信君

同日

 辞任         補欠選任

  門  博文君     鈴木 隼人君

  大平 喜信君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 隼人君     秋元  司君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 委員派遣承認申請に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十七年度一般会計予算

 平成二十七年度特別会計予算

 平成二十七年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

大島委員長 これより会議を開きます。

 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。

 三案審査の参考に資するため、来る三月四日水曜日、委員を派遣いたしたいと存じます。

 つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、派遣地及び派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として外務省国際協力局長石兼公博君、経済産業省商務情報政策局長富田健介君、資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監糟谷敏秀君、国土交通省住宅局長橋本公博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大島委員長 これより一般的質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。

柚木委員 おはようございます。民主党の柚木道義でございます。

 下村文部科学大臣にきょうは御質問をさせていただきます。

 この質問をさせていただく段階で、きょうの段階でこういう報道が出るというのは私も全く想定外だったわけですが、皆さん、新聞にも大きく見出しが出ております。「子どもには教えられない“裏の顔” 安倍首相ショック! “お友達”下村文科大臣 塾業界から「違法献金」 辞任勧告スクープ」という見出しがついております。

 私は、この報道とは全く関係なく、この二週間ほどですが、下村大臣のこの間の、いわゆる政治団体、資金管理団体、あるいは自民党東京都第十一選挙区支部等のお金の流れについて調べさせていただいてまいりました。

 また、余談ではありますが、資料提出はしていませんが、ちゃんと大臣の御著書、これも定価で買って、ネットじゃないですよ、拝見をして、大変共感できる部分も多々あるわけでございまして、教育者としての大臣のいろいろな思いがつづられているわけでもございます。そういう思いがある一方で、こういった報道も出てくるような部分について、きょうはお尋ねをさせていただかなければならないと思っております。

 資料を、まず一枚目、ごらんいただきますと、これは確認でございますが、二十五年度の収支報告書には訂正が出されているわけです。これは昨年の十一月二十日の朝日の記事です。

 政治資金規正法で、補助金を受けた法人の一年以内の寄附が禁止されているわけですが、その補助金を受けた学校法人二校、これは約千七百万円、この法人からの寄附を受けていたということで、大臣御自身が、代表者に、訂正で、昨年の十一月十八日に申告をされております。

 加えて、私も収支報告を拝見すると、この二校を訂正した際に下村大臣はこう述べられているんですね。詳しくチェックしていなかった、基本の基本のミス、こういうことが二度とないように、私も含めチェックをしていきたいと。

 こういうことで収支報告書を訂正されているわけですが、確認してみますと、さらに五つの学校法人から、二校を合わせますと合計三十八万円分、訂正の申告をされている。これは、大臣、事実でよろしいですか。

下村国務大臣 まず初めに、きょう、週刊誌報道におきまして、事実関係の把握が十分でないまま、違法献金などと一方的に誹謗中傷する記事が出ているということはまことに遺憾でありまして、強い憤りを覚えております。

 そういう意味で、きょう柚木議員がこういう場をつくっていただいたということは、多分そういう関連のことも聞かれると思いますので、いい説明の機会ということで、逆に柚木議員には感謝申し上げたいと思います。

 そして、御指摘の件でありますが、二校訂正したと。いずれの学校が補助金の交付決定を受けていたということについて、存じ上げていませんでした。個人寄附を事務のミスでその方の肩書である法人の寄附と誤解して記載してしまったということですので、その旨、既に訂正をしております。

 他の学校については存じ上げていません。

柚木委員 二校については訂正、他の五つについては存じ上げていませんということなんですが、大臣、二校を訂正したときに、二度とこういうことがないように私も含めチェックをしていきたいと。

 実際に、この二校を訂正したのと同じ日付、昨年の十一月十八日といえば、折しも安倍総理が解散表明された日ですよ。この日に、二校に加えて五つ訂正を出している。それなのに、承知していない。これは、詳しくチェックして、二度とないということを言われているのに、知らなかったということですか。

下村国務大臣 これは、先ほど申しましたように、私自身がチェックしたわけではありませんが、事務方に再度チェックをするように要請をしました。そして、二度とこのようなミスがないようにという指導の中でそういう対処をしたということだと思いますが、私自身がチェックしたわけではなかったということです。

柚木委員 随分、御自分に甘い、今の御答弁ではありませんか。

 私も含めチェックをしていきたいと。私も含めですから、やらせたということではなくて、当然、やらせた結果を御自分でも確認をされる。しかも、別にこれは大変な時間がかかるわけではありません。私も、二十三年分を見れば、すぐわかります、訂正を出されているもの。ましてや自分が、二校について詳しくチェックしていなくて、二度とないようにしていきたいと言われている同じページに、五つの学校法人について、合わせて、合計三十八万円、これは訂正しているわけですよね。

 では、この五つの学校法人については、一年以内に補助金を受けていれば政治資金規正法違反ということになるわけですが、補助金は受けておられるかどうか、わかりますか。

下村国務大臣 わかりません。

柚木委員 受けていれば、まさに政治資金規正法違反ということでの訂正になるわけですから、これは、大臣、やはり疑念を招かないためにも御確認をいただいて、御報告いただけますか。

下村国務大臣 すぐ調べたいと思います。

 報告するかどうかは、理事会で決めていただければ、そのとおりに対応いたします。

柚木委員 今大臣に御答弁いただきましたので、この五つの学校法人について、一年以内に補助金を受けていれば規正法違反ということにもなりますので、理事会で資料の御提出を御検討いただけますか、委員長。

大島委員長 理事会で協議します。

柚木委員 今の御認識自体がもう既に、非常に文部科学大臣としての、所管の大臣でいらっしゃるわけですから、御自分が寄附を受けられている、しかも学校法人名で寄附を受けられている、五校あるわけですね。二校について訂正をしている際に、二度とないように私も含めチェックをしていきたいとおっしゃりながらも、同じ日に訂正を出されている五校についても、全く知らない、補助金を受けているかどうかもわからない、こういうことで本当にガバナンスが機能するのかどうなのか、私は非常に疑問でございます。

 さらに確認をさせていただきますと、昨年の十一月十八日に訂正の申告を出されているもう一つ、確認をさせていただきたいことがございます。

 大阪市内の三つの企業からの献金を、三社それぞれ、六十万、十二万、二十四万、合計九十六万円、これについて返金されていますが、これについては事実ですか。

下村国務大臣 ちょっと、具体名、企業の具体名を言っていただけますでしょうか。

柚木委員 具体名をということでしたので申し上げますが、大阪市内、一社は六十万円、成学社、もう一社は十二万円で、個人名です。二十四万円については市井建設、この三社でございます。

下村国務大臣 これは後でわかったことだったんですけれども、代表者の方が日本人でなかったということがわかりまして、返金させていただきました。

柚木委員 この三社につきましては、暴力団との親密企業という報道もあって、その報道がなされた後、こういう形で返金という訂正の申告を出されているわけです。その時点では知らなかったということでございます。

 先ほどの学校法人からの献金、そして今回の、いわゆる暴力団親密企業という報道がありますが、それぞれの九十六万円の献金を返金していて、そのとき知らなかったと。こういった点についても、非常に私はやはり、ガバナンスの意識を十分お持ちでないのではないかと言わざるを得ないわけです。

 さらに私は問題だと思う点がございます。それは、この、まさに朝日新聞が報道した二校の学校法人から寄附を受けていた収支報告の同じページに、私は、これは本当にチェックをしたのかなというふうに思いたくなるわけですが、資料の二ページ目をごらんいただきますと、こういう報道。

 これは本当に報道の一部ですが、名進研という愛知では有名な進学塾があって、全国的にも非常に、そういう意味では、塾立小学校等もその後つくられて、有名な塾なわけですが、豊川氏が代表を務めておられるわけです。この豊川氏が代表を務める名進研を運営する会社が教育企画というわけですが、暴力団系の風俗グループへ六億円融資をして、しかも、この豊川氏は脱税等で在宅起訴もされており、そういう状況の中で代表を辞任されております。この豊川氏から、朝日新聞が指摘した二件、同じ収支報告書のページに、四万八千円の寄附を、献金を受けられているわけでございます。

 まず、この寄附四万八千円、これは事実でよろしいですか。

下村国務大臣 まず、法人の寄附の訂正。これは、大学の方が六万円。これは、法人ではなくて個人の寄附ということで、先方もそういうふうに認識されていたという確認のもとで六万円。それから、もう一つについても、四万八千円ですが、これも、法人ではなくて個人で寄附していただいた、先方もそういう趣旨であったということで、合計十万八千円を、訂正を個人寄附としてさせていただいたところでございます。

 そして、先ほどの、名古屋の方の例でありますけれども、前から、私も政治家になる前、学習塾をしておりましたので、塾長仲間として存じ上げていました。ただ、報道されるようなことがあったということについては全く存じ上げておりませんでしたので、そういう報道がわかった時点で、これはこちらの方から四万八千円を返金させていただきました。

柚木委員 四万八千円、いつ返金されたんですか。収支報告書上には、返金というのが二十五年度の開示分までは出ておりません。いつ返金されたんですか。

下村国務大臣 これは、私存じ上げていなくて、資料の二ページ目も、これは名古屋本社版ということで、東京では報道されていなかったのではないかと思います。こういうことがあったということを後で気がついたということで、気がついた時点ということで、ことしの一月だったと思いますが、返金させていただきました。

柚木委員 一月のいつですか。

下村国務大臣 一月十三日であります。

柚木委員 これは、名古屋本社版の方がより詳しいからということであえて名古屋本社版をつけているわけでありまして、別に、名古屋本社以外の朝日新聞でも報道されているわけです。

 この豊川氏の報道というのはもう既に二〇一四年三月一日なわけですが、それから一月に、ことしの一月十三日ですね、今の御答弁は。報道された時点で返金をされるという御判断にはならなかったんですか。二十五年三月の寄附ですよ。

下村国務大臣 それは、先ほど申し上げましたように、その方が反社会的勢力との関係があるのではないかとの報道が昨年あったということをことし一月ごろになって私自身は聞きましたので、念のため寄附等を確認させていただいて、ことしの一月十三日に、四万八千円振り込みがあったということを確認したので、返金をさせていただいたということであります。

柚木委員 一月十三日に返金ということでございますが、私も知ったのはつい最近ですが、既にこのころというのは、けさまさに報道があった雑誌の取材が進んでいて、そしてまた、下村大臣の事務所にもいろいろな形で問い合わせが始まっていた、そういう時期なんだと思われます。

 ちなみにこの報道によれば、大臣は、二〇一〇年二月に、この豊川さん、京都の料亭で一晩二百万円使ったと豊川さんはおっしゃっているそうですが、報道によればですよ、下村大臣もこれに御同席されているということですが、これは事実ですか。

下村国務大臣 これは会費制であった、五万円の会費制であったというふうに承知していますが、出席いたしました。

柚木委員 五万円の会費は納められていますか。

下村国務大臣 会費制ということですので、そういうことだと思います。

柚木委員 出席はされた、会費制ということだったので納められた、そういうことだったと思うというのは、納めたかどうかは非常に重要なことですから、確認をいただけますか。

下村国務大臣 うちの事務所がいつもそういう会合は対処して、私が直接現金を出すということは基本的にはいつもありませんので、確認をいたします。

柚木委員 これは大臣規範にも、昨日の予算委員会でもやりとりがありましたように、当然、所管の大臣ですから、この豊川氏の寄附がなされたちょうど一年前に東海地方で初めて塾立の小学校の開校をされていて、所管は文科省でございますが、そういうような方から一年後に献金を受けられていて、しかも、二〇一〇年二月、料亭での会合に、しかも会費が五万円というと相当な会だと思いますが、出席をされている。

 やはり、これだけこの予算委員会でも政治と金の問題、安倍内閣になって、もう既に、一次と含めて七人の閣僚がやめられていて、襟を正していかなきゃいけない、そういった中でこういったことがまた出てくる。私、非常にこれは問題だと思いますよ。

 今回のこの豊川さんとの関係については、博友会、これは報道ベースで、全国、支部合わせて十あるということです。私もいろいろ確認をさせていただいて、いろいろな実態があることもこの後確認させていただくわけですが、博友会、この政治団体の、任意団体で全国に八つある。この中部博友会の会長を豊川さんは務めておられた。御本人は認められているそうですが、これは、大臣、事実ですか。

下村国務大臣 まず、中部博友会としての位置づけをちょっと申し上げたいと思うんですが、今、東京都選管に届け出をしている博友会、これ以外に全国に地方の博友会、六つあります。これは、塾の経営者など民間教育者らの有志の方で構成する懇親のための任意団体であります。

 この地方の博友会は、各地域の有志の皆さんで運営をしていただいておりまして、私の事務所では一切タッチしておりません。私は、財政面も含め、これら団体に係る具体的な運営に関する事柄は一切承知しておりません。

 地方の博友会の皆さんから、年に一度ぐらいは顔を見せて仲間に話をしろというふうに言われておりますので、お話に行き、皆さんと懇親をしております。年に一度程度のこの懇親会はそのような集まりでありまして、今、柚木委員もおっしゃったように、任意団体であります。

 これは政治目的を持った会合ではありませんし、まして政治資金を集めるような集まりでもありません。実際、地方の博友会から寄附を受けたり、パー券の購入をしてもらったことはありません。

 また、私の選挙区は東京十一選挙区でありまして、地方の博友会は選挙区外にもあるので、私の政治活動とは無縁であります。

 そういう任意団体の中部博友会の初代の会長をやっていただいておりました。

 ただ、その後、先ほど指摘のような報道もあったという経緯もあるので、会長をやめていただいたということであります。

柚木委員 会長をやめていただいたのはいつの段階ですか。

下村国務大臣 ちょっとはっきり記憶していませんが、もう五、六年前だと思います。

柚木委員 これは、なぜ確認をさせていただいたかといいますと、まさに献金を受けている時期、報道が出た時期、こういったところとも非常にやはりかかわるわけでありまして、もっと言うと、二、三年前というふうに本人も取材で答えているということですが、六年だと随分開きがあります。

 やめてもらったタイミングというのは、これは、大臣のフェイスブックを見ますと、二〇一三年十一月十六日に御本人のコメントで、ちょうど中部博友会懇親会の写真が、豊川氏も写真に載った形で撮影をされておりまして、中部博友会で名古屋に来ております、たくさんの方にお集まりいただきありがとうございました、ちなみに、私の全国にある後援会の一つですということを冒頭に書かれているわけですね。

 こういう形でありまして、その次の会長も同席をされておられますが、その前の会長ということなのかなと私、今理解しましたが、やめてもらった時期については、これは御自分の後援会の一つであるということを御自分でコメントされているわけですから、確認すればわかると思います。六年、二、三年では随分開きがありますから、御確認いただいて、御報告いただけますか。

下村国務大臣 まず、フェイスブックのお話がありましたが、私のフェイスブック等に後援会と記載したこともありますが、これはいわゆる、今委員が御指摘のような、通常言われている意味での、政治団体としての後援会ということではありません。教育仲間としての、私を囲む有志の懇親的な集まりという意味で使ったものでありまして、年一回程度、顔を見せて話をしろと言われて行く程度のものであります。

 したがって、組織的でもないし、継続的な集まりというものでもないと思っていますが、誤解を招いたとすれば、適切な表現ではなかったというふうに思います。

 さらに、選挙区外の方々の集まりでもありまして、しかも、そもそも政治資金を集めるような団体ではありませんので、いわゆる世上言われている政治活動をする後援会ということとは全く違うというふうに考えております。

 そういう意味で、これは任意ですので、実際のところ、いつ会長をやめられたかどうかということは、これは承知しておりません。

柚木委員 本当に今大臣が御答弁されたような状況なのかどうか、これからさらに質疑を進めてまいりたいと思います。

 三ページ目以降をごらんいただきますと、直近三年の収支報告書。これは、下村大臣が代表を務める自民党東京都第十一選挙区支部。それから、資金管理団体、国会議員関係団体として届け出をされている博文会。そして、政治団体として、全国に十あると報道はありましたが、大臣の御答弁ではその他六の全国支部があるということですが、唯一政治団体として届け出がされている博友会。この三団体について、それぞれ三ページ、四ページ、五ページ目を見ていただくと、収支とそれから純利益を単年度で計上しておりまして、寄附のところを見ていただくと、博友会が自民党の下村大臣の支部並びに博文会に対して継続的な寄附を行っているという実態をおわかりいただけると思います。

 六ページ目をごらんいただきますと、これも三年分のそれぞれの三つの団体の、これは公表されているベースだけでございますが、収入と支出、これを引くと当然純利益ということになるわけですが、累計三年間で八千五百八十万千九百四十三円の純利益が出ているということでございます。

 大臣は先ほど、その他六つの団体は任意団体、そういうお答えでございました。大臣として表に公表されている講演会、セミナー、国政報告会だけで純利益で八千五百八十万というのは相当な純利益だと思いますが、これ以外にも任意団体として、先ほどの中部博友会の事例もそうですが、その他にもいろいろな事例が、この間、ネット検索をしてきても出てまいります。その一例を資料におつけしておりますが、六ページ目以降をごらんください。

 ちなみに、七ページ目、八ページ目というのは、中四国博友会のホームページにちゃんと意志表明、プロフィール、当会規約、資料請求、お問い合わせ先まで御丁寧にアップされていましたが、昨日の週刊誌の報道の早刷りが出て以降、私が確認をした場合に、それまで見られていたページが見られなくなっていました。一応、念のためにとっておいたので資料としてつけております。

 二ページ目をごらんいただきますと、中四国博友会規約第二条、目的、「本会は、下村博文氏の政治活動を支援することを目的とする。」ということで、この中四国博友会も、私が削除される前の段階でいろいろ確認をしたところによれば、二十五年度の五月十一日に一万五千円の会費制の講演会を行っております。

 その次のページは、これは出典が明らかでとれたので掲載をしておりますが、昨年の九月二十七日、江陽グランドホテル、仙台、会費が一万円で、東北博友会の会長さんの名前で、博友会とはということで、まさに今の御答弁にありましたように、六支部があって、そして、こういった形で大臣をお迎えして会費制の講演会、セミナー等を行っていると。ちなみに、次のページはその振り込み先、さらに次のページを見ていただくと、大臣への要望をちゃんと書くことができるわけですね。

 会費制で、要望をちゃんと聞いて、お答えをしますよ、そういうことなんだと思われます。

 これは大臣、任意団体ということをおっしゃるわけですが、そのほかにも、私が確認できただけでも、平成二十四年十二月二十六日の大臣就任以降、収支報告を全く出さなくてもいい任意団体、つまり、どこでどれだけのパーティーを会費制でやって、何人の方が集まって、どれだけの利益が計上されているかどうかが全くわからない形で、平成二十五年の四月二十日は近畿博友会において二万円の会費制での、これは大臣が御出席されてということですが、これは案内もホームページには当時アップされていました。

 それから、今申し上げた中四国博友会が五月十一日で会費が一万五千円。東北博友会において八月二十四日。先ほど指摘をした中部博友会においては十一月十六日。九州・沖縄博友会においては二十五年の十二月七日、さらに二十六年の八月三十日。そして、二十六年九月二十七日においては、今まさにここの資料におつけをしております東北博友会。

 私が確認しただけでも、七つの、全国の支部において、一万円、一万五千円、あるいは二万円といった会費制のパーティーで、私が聞くところによれば、やはり大臣が就任をされて百人は集めなきゃいけない、二百人とか。やはり、そういった二百人、三百人という単位で、大臣に失礼に当たらないように人を集めて、こういった会費制のパーティーをやる。規約にも、下村大臣の活動を支援すると。

 全国ですから、まさに大臣が答弁をされましたように大臣の選挙区以外ですから、この会員の方々は、票は出せないけれども金で応援をするという思いで一生懸命活動されていたということだそうですが、まさに今、それぞれの、表に出ている八千五百八十万の純利益、この三団体だけでもこれだけの収益が上がっていることに加えて、全国の支部でこういう会を行っている。これは政治団体として本来届け出るべきではありませんか。

下村国務大臣 それは、先ほど冒頭、柚木委員もおっしゃっておられましたが、これは任意団体であります。

 もう一度、正確にちょっと申し上げたいと思うんですが、東京都選管に届け出ている博友会以外、全国に、その地域の名前のついた博友会というのは六つあります。これは、塾の経営者など民間教育者らの有志の方で構成する懇親のための任意団体であります。

 地方の博友会は各地域の有志の皆さんで運営をしていただいておりまして、私の事務所は一切タッチしておりません。私は、財政面も含め、これら団体に係る具体的な運営に関する事柄は一切知りません。ですから、そういうふうな、先ほど、ホームページにアップされているということも存じ上げておりません。

 地方の博友会の皆さんからは、年に一度ぐらいはぜひ顔を見せて仲間で話をしろ、そういうふうに言われておりますので、お話しに年に一回行っているということでの懇親であります。年に一回程度の懇親会は、そもそもそのような集まりでありますので、政治的目的を持った会合ではありませんし、ましてや、そもそも政治資金を集めるような集まりではありません。実際、地方の博友会から寄附を受けたり、パー券を購入してもらうということはありません。

 私の選挙区は東京十一選挙区でありまして、地方の博友会は選挙区外にそもそもあるわけですから、私の政治活動とは無関係の任意団体ということであります。

 ただし、その中の一部の有志が、個人的に政党支部に寄附をしていただいたり、あるいは東京で行われる政治資金パーティーにお越しいただいております。個人からいただいた寄附やパー券の購入は、法令に従って適正に収支報告しております。

柚木委員 前半の説明は、私はなかなか納得できない部分がございますが、最後の部分が非常に気になりますので、確認をさせていただきます。

 一部の有志が政党支部に寄附、東京のパーティーには来られているということでありますが、全国に、政治団体の届け出をしていない六つの任意団体、この会員の方々がおられるわけですが、この方々からは会費はいただかれているんですか。

下村国務大臣 先ほど申し上げましたように、これは任意団体で、私の事務所も私も直接タッチしているわけではありません。ですから、そういう仕組みはありません。

 ただ、先ほど言いましたように、その中の個々の方々が政党支部に対して寄附をしていただいている、あるいは東京で開くパーティーに個人的に参加していただいている、そういう関係であります。

柚木委員 先ほど答弁をされたので、これは念のための確認です。

 それぞれ、私が幾つか事例を、大臣就任以降の、七つの全国のそれぞれの支部、つまりは収支報告を上げなくてもいい任意団体における会費制の講演会のことを質問したら、出席をされている、年に一回程度というお答えでした。

 もう一度確認ですが、それぞれの会に大臣は、私は具体的にそれぞれ日付も申し上げましたから、今この場でわからなければ後ほど確認をいただいてもいいんですが、出席をされていて、それから講演料、謝礼ともいいます、これを受け取られておられるか、車代ということにもなるのかもしれませんが。その点について、出席をしたか、謝礼、車代を受け取っているか、御答弁いただけますか。

下村国務大臣 これは任意団体でありますが、私と教育仲間として懇親を開くということでできた会でありますので、当然出席を私自身はしております。

 しかし、講演料とか、それからいわゆるお車代、こういうのは一切いただいておりません。

柚木委員 講演料、そして謝礼を受け取っていないということは、大臣の所得としてはこれは計上されていない、そういうふうに理解しますが、それでよろしいですか。

下村国務大臣 所得計上というか、そもそも受け取っておりませんので、計上するしないの問題じゃないと思います。

柚木委員 所得としては受け取っていないという御答弁でございました。

 先ほど来、大臣あるいは事務所としては、これは任意団体なので関知していないということをおっしゃるわけです。

 資料には、ちょっと枚数が余り多くてもあれですので、おつけをしませんでしたが、中四国の博友会、昨日削除をされているこのホームページが実は一番規約等は詳しく丁寧にアップされていたので、私は資料を提出しているんです。

 お問い合わせ先は、中四国博友会ですから当然事務局はあるわけですが、東京の問い合わせ先は下村大臣の事務所になっているんですよ。下村大臣の事務所に問い合わせをする。しかも、会計の責任者は下村大臣の政策秘書の方がお務めになられている。それなのに、事務所は関与していないと言えるんですか、大臣。

下村国務大臣 そもそも、先ほどから申し上げていますが、下村事務所、私自身ですね、任意団体ですから、そういう団体がホームページにアップしていること自体も承知しておりません。

 いずれにしても、うちの秘書は会計責任者では全くありません。

柚木委員 では、これは実際ホームページにはそういうふうに書かれておられますので、事実でないことが書かれているということは逆に問題ですし、大臣の名誉にもかかわりますから、これは実際にちょっと調査をして、確認をする必要があると思いますよ。

 それから、最後の御答弁で、一部の有志が政党支部に寄附ということなんですが、直近の二十五年分の収支報告の中には、まさに今大臣が言われたような方も含めて、政党支部に寄附をされている方、個人で七百八万八千円ですね、そういう合計、寄附をされているわけですが、この寄附をされた方々のもとに領収書、それから謝礼が届く。

 それは、そういう部分ではどこの事務所もやっているかもしれませんが、ただ、謝礼を送られた方が、何でこれが下村大臣の支部から送られてくるのかわからない、自分は全国にある博友会の地方支部の会員で、年会費として、その方が言われるには、三万円を納めたんだけれども、なぜか自民党の下村大臣の支部から領収書と礼状が送られてきたと。

 大臣、会費で任意団体からいただいたものが、政党支部から領収書が送られる、こういうことは起こり得るんですか。

下村国務大臣 そもそも、それぞれの地方の任意団体である博友会が会費を徴収しているかどうか、それは全く存じ上げていません。

 政党支部に対する寄附をいただけば、これは政党支部から領収書を発行し、収支報告書に適正に報告するということは当然であります。

 地方の博友会の方々などにも、政党支部の方から政党支部に対する寄附のお願いを毎年出しておりますので、さまざまな個人や企業、団体から、私が代表する政党支部に浄財をいただいております。その中には、地方の博友会に所属されている方もいらっしゃいます。

柚木委員 会費については存じ上げていないという御答弁を今されたわけですが、取材への下村事務所の回答によれば、会費は徴収をしていないという回答をされているようなんですが、会費については存じ上げないということは、もらっているかもらっていないかわからないという御認識でよろしいんですか。

下村国務大臣 それは任意団体ですから、そこまで把握しているわけではありません。

柚木委員 任意団体といえども、下村大臣の活動を支援することを規約上も明記している団体のその会員が会費として納めている認識のものが、政党支部から領収書が発行されるということであれば、これはまさに、大臣、個人献金をしやすくするために政治資金規正法を改正して、表に出ている、とりわけ国会議員の関係団体については、情報の透明度を高めるということで、五万円以上の支出の公開、これが五万円から一万円以上に変わり、解散前も皆さん大変だったと思いますけれども、一円以上の領収書の開示請求もあればしなければならない、外部監査の義務化。

 かつて、何とか還元水とかいろいろな問題もあって、不透明な部分を透明化しようじゃないかということで改正をされて、そして、その分個人献金をしやすくするという仕組みにしたわけですが、任意団体で収支報告も出さなくていいような団体に年会費を納めた、その年会費が、寄附控除を受けられるような形で政党支部から領収書が出るということは、これは非常に問題ではないかと思うんですが、大臣、どういう御認識でいらっしゃいますか。

下村国務大臣 そもそも、私の事務所は、これは選挙区、外を問わず、今まで御縁のあった方々に対して、毎年、政党支部に対する寄附のお願いを出しております。さまざまな個人や企業、団体から、私が政党支部の代表をしているその支部に浄財をいただいております。その中には、先ほど申し上げましたように、それぞれの地域の博友会に所属をされている方もいらっしゃるというふうに思います。

 ですから、会費とかそういうことでなく、これはあくまでも政党に対する寄附を事務所としていただいているということであります。

柚木委員 下村大臣を応援されている任意団体の年会費を、これは三万であろうが、当初六万ということだったのを、なかなか六万はこの御時世厳しいということで、各地方支部で自主的に決める、そういうようなことにもなったようですが、なかなかこの御時世簡単な額じゃないという中で、しかし個人的に任意団体の会員として年会費を納めている、そういう方々の思いと、それから、政党支部に対して寄附をして、寄附控除を受けて、そういうことで寄附控除も受けられるし、個人献金をして応援しようという方々の思いを、これは混同して処理をするということにも、今の御説明だとなりますよ。

 毎年の寄附のお願いはしている、しかし当事者は任意団体の年会費として納めている、こういうことで、私は、それが当たり前のように、ほかにもあるのかどうかはわかりませんが、なされているとすれば、これは政治資金規正法の個人寄附を促進するという精神からも逸脱しますし、こういうことがないように、むしろ大臣としても明確に区別をしていただくことが私は必要だと思いますが、そういう御認識はございますか。

下村国務大臣 柚木委員、週刊誌ネタだけで質問しないでいただきたいと思うんです。冒頭申し上げたように、私は、きょうの週刊誌の報道については憤りを持っている。事実と違う虚偽報道をしております。

 その中で、今のことも、まさに週刊誌に書かれたことをそのまま質問されておられますが、先ほど申し上げましたように、任意団体は六つあります。しかし、その任意団体から私のところに政治献金、パー券、一切受けていないんです。ですから、任意団体は任意団体として独自に運営されているわけです。ですから、そういう接点は全くありません。しかし、個人的に、任意団体に所属している人もいますけれども、地方から政党支部に対して個人的に寄附をしていただいている、あるいは東京へ来たときにパーティーに参加していただいているという関係であります。

柚木委員 冒頭申し上げましたように、私もこの報道が出るのを知ったのはおとといでございます。それよりも事前に、大臣の過去三年の収支報告書、それからさまざまなネット上の情報、こういったものを含めて私自身が独自に調べてきた中で、今の報道も含めて御質問申し上げているわけです。

 大臣、今、事実と違う虚偽だということをおっしゃられるのであれば、報道といえども、そういう疑問を国民の皆さんを含めてやはり持たざるを得ない部分について、昨日の予算委員会で安倍総理御自身が答弁されているように、疑問を持たれれば説明責任を果たすべきと昨日総理がここで御答弁をされています。

 ぜひ、文部科学大臣として、全く事実と違う虚偽であるということであれば、表に出ているこの三つの団体でも八千五百八十万円の純利益が上がっているんですよ、大臣。そういうことに加えて、六つの支部でそれぞれ講演会等で収益が上がっているとするならば、これをちゃんとここの場に報告をいただいて、説明責任を果たしていただけませんか。大臣、いかがですか。

下村国務大臣 説明責任は果たしたいと思います。けさの週刊誌に対する事実誤認を含めて、私はきちっと説明責任を果たしたいと思っていますから、きょうもその関連で聞かれていますからお話し申し上げていますし……(柚木委員「収支報告を出していただけるんですか」と呼ぶ)最後まで聞いてください。それから、記者会見等でも、質問に対しては常に正しく報告をしたいと思います。

 ただ、これは任意団体ですから、任意団体に対しては報告の義務はありません。

柚木委員 後ろの方のやじがさっきからずっとうるさくて、答弁が冒頭聞こえませんでした。ちょっと静かに、委員長、御指摘をいただきたいんです。総理もやじは控えると言っているわけですから。

 冒頭に、ごめんなさい、収支報告を出されるつもりがあるないの言及をされたんですか。ちょっともう一遍答弁をいただけますか。ここに報告をしてくださいということを私は質問したわけですが。

下村国務大臣 明確に申し上げましたが、政治資金規正法にのっとって出している政治団体は全て、必要があれば報告をいたします。しかし、任意団体については報告の義務はないと思います。

柚木委員 先ほどから、任意団体は報告の義務はない、そういう御答弁を大臣は繰り返されています。

 法律上、仮にそのような御認識であったとしても、大臣、私は、本当にこの二冊の著作、すばらしいことが書いてあると正直思いましたよ。九歳でお父様を事故で亡くされて、苦学をされ、そして奨学金を受けられて、アルバイトをしながら大学を出られて。私も実は同じです。大臣は二十種類のバイトと言われていましたが、私も三十種類のバイトを学生時代しながら、学費と生活費を工面しました。非常に私は、安倍内閣の中では異色の大臣でいらっしゃると常々思っておりました。

 しかし、今回質問に当たって調査を進めていく中で、任意団体といえども、塾の方や、あるいは個人が何万円というお金を拠出する。

 その原資は、私、先日、先週金曜日、この博友会が届け出をされている中野区の事務所に行ってきましたよ。そこには事務所はありませんでした。塾がありました。代表の方が毎年十二万円献金されています。そして、私が訪問した時間帯は夕方ですよ。学校が終わった子供たちが次から次へと塾に来ています。私の子供も通っていますよ。親御さんたちは、特に都内はそうですよね、大臣、競争が激しい、だから一生懸命働いて、身を削って、子供たちの教育のためなら、未来のためならといって授業料を払っている。楽じゃないですよ。それが原資になって献金されているわけですよ。そういう浄財が使われている。

 そういう団体から支援を受けられるのは結構ですよ。しかし、公表されているだけで純利益は八千五百八十万。プラス、六支部の団体はどれだけの収益を上げているかもわからない。報告の義務などないと言われますが、これでは、大臣、大臣のこの志が当初から随分かけ離れてきているんじゃないですか。原資は親御さんたちのなけなしのお金ですよ。

 では、これは報告の義務がないからこういうことをやるのは全く問題ないんだ、そういう認識で私は本当に、大臣、私も含めてですけれども、正直、内々、非常にすばらしい大臣だなという思いがあったんですよ、この調査をするまで。しかし、こういうような実情を知ったら、これは、ともすれば教育を食い物にしていると思われかねませんよ、大臣、本当に。

 そういうことが思われかねませんよということを、私は本当に防ぐ意味でも、やはり、いや、収支報告問題ない、いや、とんとんだというような回答もされているみたいじゃないですか。だったら、そのことを明確に国会の場で説明をされて、御自分の志に何らうそ偽りはないんだということをむしろ説明されたらいかがですか、大臣。どうですか。

下村国務大臣 まず、非常に失礼なことをあなた言いましたね。教育を食い物にする、それは訂正してください。私は認められません。

 それから、ここは立法府の場ですから、法律にのっとった話をぜひしていただきたいと思うんですね。

 先ほどから申し上げているように、この任意団体は、それぞれの団体がそれぞれ、実際の政治資金規正法にのっとっている後援会とは違うんですけれども、任意的な組織としてあります。独自につくっていただいています。私の事務所も私も直接タッチはしておりません。ですから、もしそういうことであれば、それぞれの任意団体の代表の方々に言ってください。私が、ぜひ国会に出すべき、そういうことを言う立場でもないというふうに思いますから、柚木委員が直接任意団体の方々に話をしていただきたいと思います。

 それから、先ほど、東京博友会の事務所の問題であたかも不正があるような言い方をおっしゃっていましたが、これは、この同博友会の主たる事務所の所在地は、御指摘のような会社所在地となっておりますが、ここの代表者が博友会の事務局長を務めていただいていることから、この方の会社事務所の住所を主たる事務所として届け出をしているわけであります。

 そして、家賃を支払っていないというのは、これは、事務所の物理的使用がない以上当然のことであります。

 つまり、博友会がこの学習塾運営会社から事務所の無償提供を受けた事実ということはなくて、これは政治資金規正法に違反していないというのは明確でありまして、これはよくしっかり勉強していただきたいと思います。

 先ほどの言葉はぜひ訂正していただきたいと思います。

大島委員長 柚木君、委員長から……(柚木委員「終わります、終わりますが」と呼ぶ)いや、ちょっと待ちなさい。

 前回のときも申し上げましたが、やはり……(発言する者あり)静かに。

 断定しているかしていないかは、議事録を見ながら理事会でこの問題を取り上げますが、委員の皆様方に、言葉の使い方というものについて、あたかも国民の前でイメージづけるような言葉は、私は品位に欠けるものだと思う。あなたも議員なんだから。

 したがって……(発言する者あり)それはわかっている。今、だから、議事録を精査した上で理事会で協議する。

 時間が来ておりますから。

柚木委員 終わりますし、多少はお許しをいただいていますので、国対の方から。

 委員長、確かに、私も断定を申し上げていないのと、安倍総理は断定的なやじを何度も飛ばしていますよ。総理大臣として……(発言する者あり)私は、委員長、確かに、もうこれで終わりますが、事実関係が、議事録も精査いただいて、この後最後に申し上げることも含めて、大臣、よく、逆に、お考えいただいて、最後、終わりますけれども、大臣、これは非常に、さらに問題は、疑念はきょうの質疑で深まりました。さらにきょう、時間がなくてやり切れないんですよ。

 例えば、全国博友会の会長と言われている近畿博友会の会長の森本さん、この方は、大臣が文部科学大臣政務官のときに特区の申請を受けられた会社の社長ですよね。

 あるいは、博友会の届け出をされている代表を務められている方、この方は、脱税の容疑で弁護士の資格も失われているような方が代表を務められていますね。

 あるいは、フリースクールからも大臣は献金をもらわれていますよ。これは私も収支報告で確認していますが、つい先日、フリースクールの保護者に補助案、教育バウチャー、文科省検討へとなっています。保護者とか子供のために私はいいと思いますよ。しかし、そういうところからの献金をいただいて、私、さっき、教育を食い物にするという言い方がどうだったかということをぜひ精査いただきたいんですが、結果的に、そういう制度を導入することがいいことでも、大臣、広く浅くとおっしゃっていますが、広く浅く多く集めているわけですよ。大臣、広く浅く多く。

 これが違法でなかったとしても、こういういわば錬金術のような形になっているということが、私は、それは人によって感じ方は違いますからね。なけなしの塾の授業料を納めている保護者、その家庭の方から見てどう見えるかということを申し上げたわけであります。

 私も、一人の子供を、そういう通わせている親ですよ。そんな楽な思いで払っている親御さんはいらっしゃらないと思いますよ。そういう方のお金が原資になって、そして、別に、私、不正だと言っていませんよ。表に出ているだけでも八千五百八十万の純利益が上がっている。そして、その他の六団体の収支報告は出さないということであれば、これが本当にどれだけの利益が上がっているのかどうなのかもわからないわけでありますから、今、発言を撤回ということであれば、逆に大臣の方からしっかり説明責任を果たしていただいて。

 これは本当に、江渡大臣は任意団体からの献金で辞職、辞任されましたけれども、あるいは西川大臣は認識をしていなかったということですが、下村大臣は全国の後援会があること自体は認識されているわけですから、私は、ともすれば、より悪質だと思いますよ。

 そういうことも含めて、しっかり、今後の委員会の中でも、これは質疑を通じて明らかにさせていただく必要があることを申し上げまして、質疑を終わります。

 以上です。

下村国務大臣 非常に、錬金術とか失礼なことを繰り返し言っておられますけれども、私は別に開き直っているわけじゃありません。これは法的ルールにのっとって誠心誠意やっているつもりでありますし、また、今まで何のやましいこともしているというつもりは全くありませんし、それは正々堂々と。

 しかし、感情論じゃなくて、法に触れていないことをあたかも触れているかのような言い方をするのは、これは撤回していただきたいと思います。

 任意団体ですから、これは国会に報告する義務はそもそもありません。

柚木委員 終わります。

大島委員長 これにて柚木君の質疑は終了いたしました。

 次に、黒岩宇洋君。

黒岩委員 おはようございます。民主党の黒岩宇洋でございます。

 麻生副総理、久しぶりに副総理に質問させていただきますね。参議院の予算委員会等で当時の外務大臣の麻生副総理と何度もやりとりさせていただきましたが、副総理の国民にしっかりと訴えかけるあの答弁には、私、感服しておりますので、きょう、意義ある議論をしたいと思っております。

 そして、林農水大臣、当初は、私、おととい、西川前農水大臣と議論する予定だったんですが、新任おめでとうございます。そして、農政通の林大臣とまたしっかりとした議論ができるということを、私はきょう楽しみにしております。

 今、お二人のことをこれだけ持ち上げましたから、ぜひ、私に対して意に沿う答弁をしていただきますよう、冒頭お願いさせていただきます。

 それでは、麻生副総理にお聞きいたします。

 私は、二年前に落選をいたしまして、昨年の暮れの選挙、秋の解散で、何とか戻ってきました。その間、つらいことというのは山ほどありますので、ここで全ては申しませんけれども、端的に三つ言いましょう。

 一つは、政治活動費が乏しくなりますよね。それに起因して、人手が少なくなる。これは現職の相手候補との大きなハンディキャップですね。そして三つ目。去年の秋の時点でも、自民党の支持率が、政権の支持率が四十数%。残念ながら、我が党は、その六分の一とか八分の一とか、五、六%ですよ。

 これだけのハンディキャップをしょいながらも、私は、ありがたくも新潟三区から当選させていただいた。

 そこで、大臣に質問です。なぜ私が当選することができたと御推察されるか、お答えいただけますか。

麻生国務大臣 私も落選した経験がありますので、そのときに何が原因だったかといえば、ひとえに自分の問題点以外には、人のせいにはしないことにしていますので、そういったことに関しましては自分の責任だと思ってきました。

 ちょっと今、黒岩先生の場合、落選されていた間、約三年ぐらいあったんだと思いますが……(黒岩委員「二年間」と呼ぶ)二年か。

 確かに、あのときは金もなくなりましたし、資金も入ってこなくなるのは事実です。人もいなくなりますし、応援してくれる人も、ざあっと何となく離れていく、それは間違いありませんよ。これは、落選された経験者なら、みんなそれぞれ経験がおありのことだと思いますから、それはもう間違いない。

 そこで勝ち上がってくるんですが、何で勝ち上がってこれたかといえば、それは黒岩先生の態度、またそれまでの二年間の間に、選挙に臨まれていた間の姿勢、多分そういったものが評価をされたというぐあいに考えるべきなんじゃないんですかね。

 ちょっと相手が悪かったとか、民主党がそんなよかったわけはないから、だから、そういった意味では、民主党の風で上がったわけではないということになれば、間違いなく御自分の努力とか姿勢とか、そういったものが大きな理由だったんじゃないでしょうか。

黒岩委員 副総理、大変ありがたい御答弁をいただいたんですけれども、正解か不正解かというと、残念ながら正解ではございません。私一人の頑張りというのはちっぽけなものでして、私を押し上げていただいたその最大の理由は、アベノミクスの是非を問うとして総理は解散をされました、しかし、現実には、アベノミクスの光を浴びている方もいるでしょうけれども、なかなか光の当たりづらい方たちが私を押し上げてくれた。

 例えば、きょうは林農水大臣とも議論をしますが、農家の方とか、年金で暮らしている高齢者の方とか、中小企業、零細の方とかこういう方。よくわかりますよね、青年会議所の会頭もされているわけですから。そのほか、子育てしながら勤めている勤労者とか、ともすれば、地方そのものと言ってもいい、なかなかアベノミクスの光の当たりづらい人たちが私を押し上げてくれたんですよ。

 そして、そういう方たちが全国津々浦々にたくさんいらっしゃるということを、安倍総理は、あたかもアベノミクスで我が国全体が本当によくなっている、そのようにおっしゃっていますけれども、その豊かさを実感していない人がたくさんいるということを、ぜひ副総理、御認識をいただきたいと思います。

 それでは、きょうは経済全体の質問をしたいんですが、まずは農業政策に移らせていただきましょう。

 では、林農水大臣、質問いたします。

 何点か質問をさせていただこうと思っているんですが、まず、去年の秋、米価が下がって、そして、私どもが昔申し上げていた所得補償の固定部分、今でいうところの米の直接支払交付金が半額になった。これは追い打ちをかけて、農家のまさに悲鳴につながったわけですよ。ですから、今後、この直接交付金やナラシ制度という農業政策をどうやっていくのか。

 この前提条件として、一つ数字をお聞きしたい。これは直近で結構ですから、農家所得に占める国からの直接支払い額の割合が今何%になっているのか、農水大臣、おわかりだったらお答えください。

林国務大臣 ちょっと御通告がなかったものですから、詳細な数字は持っておりませんので、どういう形で出せるか、米だけをやっていらっしゃる方や米以外のことをやっていらっしゃる方、いろいろなことがありますので、どういう出し方ができるかわかりませんが、検討させていただきたいと思います。

黒岩委員 大臣、これは今後の農業政策を考える上で、マクロ的な非常に重要な数字なんですよ。

 私、農水省に求めたところ、前政権の〇六年に、これはWTO基準で数値を出したところ、直接支払い額は、農家所得に占める割合が、我が国は二八%、ちなみに農業大国を抱えるEUでは七八%でした。そして、私が聞く限り、直近の数字というのが二〇一〇年だというんですね。これは、民主党政権、所得補償制度が始まって、二八%から四五%に上がりました。ちなみにEUは八二%ですから、相変わらず八割という高水準を維持している。

 ですから、今後、農家の所得を国がどうやって手当てをしていくのかということを考えたときに、今申し上げたとおり、所得補償制度によって二八%から四五%に上がっている、今現在、一体どういう数字になっているのか、この数字を把握しなければ、これから約三年間の農政、特に今申し上げた直接支払いに関する政策が、これは立法事実として積み上げられないんじゃないんですか。林農水大臣、お答えください。

林国務大臣 今おっしゃっていただいた数字は二〇一〇年で、日本が四五%、EUが八二%、アメリカは二二%、こういう数字がございます。

 これは、各国が、WTO通報をもとに農林水産省で試算をした数字でございますので、それをもとに数字を出していくということでございます。したがって、何年のものまで今出ているかというのは手元にございませんが、直近の数字、なるべく近いところまで我が国の数字を出せる、こういうふうに思いますので、また御報告したいと思います。

黒岩委員 農水大臣、今もう二〇一五年ですよ。去年半減させることはとっくの前から決まっている。だったら、直接支払い額は一体どうなっていくのか、そしてこれからどう推移していくのか、これは農水省として把握していてしかるべきでしょう。それが、五年前、しかも前政権のときの数字しか持っていない。

 それで、農家のための、農業のための、そして、農業を強くする、農家の所得を上げる、これは安倍政権の大改革の一丁目一番地だと言っている、その根本たるデータ、これが民主党政権の時代のときしかないというのは、これで本当にしっかりとした今後の歩みを農政としてたどれるんですか。再度お答えください。

林国務大臣 この一万五千円の制度につきましては、御案内のように、平成二十五年末の経営所得安定対策の中で、米については、麦、大豆と違いまして国境措置があるわけでございます。したがって、諸外国との生産条件の格差から生じる不利がない、この辺がEUと違ってくるということだと思いますが、そういう理由や、全ての販売農家を対象としておられましたので、農地の流動化のペースをおくらせる面がある、米については潜在的生産力が需要を上回っている状況、こういう議論をしまして、当時もそういう御指摘がありました。結果として、単価を削減して半額ということにいたしまして、二十九年までの時限措置にして、三十年から廃止する。

 したがって、全体の農業の中の直接というマクロの数字ではなくて、今御質問のあった米の直接支払いということでいいますと、一万五千円が七千五百円になって、そして廃止になる、こういうことでございます。

黒岩委員 大臣、私の聞いたことに答えてもらいたいんですよ。

 バックデータがなくてどうやって政策を立案できていけるのかということを再度聞いている。数字がないということ自体が大問題だということで指摘して、何せ民主党政権のときの数字しかないと、それを今ここでお答えしたわけですから、大臣が。自民党政権の農水大臣が民主党政権時代の数字しか出せないというこの異常な状況について、これはおかしいので……(林国務大臣「いや」と呼ぶ)いや、もう結構です。

 それで、質問をさらに進めさせていただきますよ。

 さっき農水大臣がおっしゃいました米の直接支払交付金制度についてお聞きしますけれども、まず、その前に、では、去年の秋にどれだけ農家の所得が減ったのか。いいです、これは私が答えますのでね。

 これは先ほどおっしゃられた直接支払交付金、私たちが言うところの固定部分が一万五千円から七千五百円になることによって、全国平均で一農家当たり収入が七万五千円減りました。これは、大体一・二ヘクタールぐらいの農家ですね、稲作農家。これが新潟県になると、新潟県が詳細のデータを出していますので私が申し上げますけれども、新潟県になりますと若干面積がふえて二ヘクタールぐらいが平均になりますから、そうなると、面積がふえると当然減額もふえる。新潟県ですと、この直接支払交付金だけで約十一万五千円の減収になるんですね、一農家当たり。副総理もこうやって聞いていますけれども。

 さらに恐ろしいのが、やはり昨年、米価が六十キロ当たり大体二千円ぐらい下がったわけですよ。これに対して、ナラシ対策というのをやっていますよね。これは私たち民主党時代は変動部分と言っていましたけれども、変動部分だと満額出ますけれども、ナラシ対策ですと、今下がった分の九割が国から補填される。ですから、今申し上げた額でいうと、ナラシ対策に入っていないと、十アール当たり一万八千八百円下がるんだそうですね。そうすると、一ヘクタールだと十八万八千円ですから、新潟県みたいに平均二ヘクタールだと、米の価格が下がって、ナラシに入っていなければ、それだけで三十七万円だ。合わせて五十万円ですよ。

 では、ナラシ対策に入っている、これは基本的には四ヘクタール以上、もっと細かく言えば農業生産法人、集落営農とありますけれども、まあ余り細かいことを言うのはやめましょう。四ヘクタール以上の農家ですから、これは最低でも今言った掛け算、一万八千円掛ける四だと七万二千円だ。そうすると、十一万五千円足しても、やはり約二十万円減収になるわけですね。

 実は、ナラシに入っている人と入っていない間の移行期間という人が九割いて、この移行期間はナラシ対策の半分交付金が出る。それでも、一ヘクタール当たり十二万五千円の減収ですから、二ヘクタールの農家だったら二十五万円。でも、これも合わせると、幾つになるかな、三十六、七万だということで、今申し上げたとおり、各パターンがありますけれども、現金収入で二十万円から五十万円減っているんですよ。

 そして、先ほど、最低で四ヘクタールと言いましたけれども、これはきのうの議論にも出ていました、共産党さんの議論でも出ていましたけれども、二十ヘクタール、三十ヘクタールの農家になると、この減収は三百万円、四百万円になるわけですね。なるんですよ。これだけの現金収入が減るわけですよ。それが去年の秋、悲鳴となって聞こえてきた。御理解ください。

 そこで、質問なんですけれども、先ほど農水大臣、これから三年後には、一万五千円から七千五百円に半額になったものが、二十九年産米、すなわち三十年から、これから三年後にこれがゼロになるという、これが今、方針として決められていますよね。

 大臣、農水大臣ですから、当然、大臣は農家の味方、農業の味方、農業地域の味方だと思って私は質問しますけれども、今これだけ、半額でも悲鳴を上げている状況の農家、農業、農業地域の皆さんに対して、三年後にゼロにするということ、これを胸を張ってすばらしい政策だと言えるのかどうか、これは端的にイエスかノーかで答えてください。

    〔委員長退席、平沢委員長代理着席〕

林国務大臣 これは予定どおりやりたいと思っておりますが、まず申し上げたいのは、民主党政権で一万五千円が導入される前は、そもそもこれはなかったということでございます。

 それからもう一つは、多面的機能支払いというのを創設いたしまして、農地を農地として維持していくためにこれを創設しまして、規模拡大に取り組んでいきやすいようにこれを入れております。

 また、非主食用米等への支援の充実ということで……(黒岩委員「大臣、聞いたことだけ答えてください。もうゼロにするんでしょう」と呼ぶ)はい。予定どおりやる方向で、今、努力を傾けようということでございます。

 それは、今申し上げましたように、皆様方がこれをつくられる前はそうであったということと、それから、ことし、来年、一万五千円もらえば、それは大変に御評価が高い政策だと思いますけれども、そのことをずっと続けていって本当に農村のためになるのか、主食用の米をおつくりになっている方のためになるのかということをちゃんと考えて、五年、十年先まできちっとやっていける仕組みというのをつくっていかないと、やはり若い方が後に入ってくるということも少なくなってしまうのではないか。そういう大激論をした上で、これは二十五年末に決めさせていただいた政策であるということを申し上げておきたいと思います。

黒岩委員 ですから、前段で申し上げましたよね、三年、五年、十年を見据えるためにも、バックデータが必要ですよねと。そのバックデータが民主党政権の時代のものでしかない。しかも、多くの農家は所得補償で自分らの実入りがふえて喜んでいる、その状況のバックデータしかない。にもかかわらず、各議論で、急に三年後に直接支払交付金がゼロになると。

 大臣、これはもう本当にお願いですけれども、方針はそうですけれども、私は所得補償制度の復活を夢見ていますよ。夢じゃない、私はそれを目指しています。そこまでは言わないにしても、今の七千五百円の交付金額、これが少しでも減らないように、ましてやゼロにはならないように、何とか方策を講じられませんか、していただけませんか。お答えください。

林国務大臣 先ほどからバックデータがないという御指摘があるんですが、ないと申し上げているわけではなくて、御質問がなかったので、今、私のこの手元には用意をしておりませんというふうに申し上げているだけで、これは国際的な統計でございますので少し時差があるのは御理解いただいていると思いますが、我が国のところは、しっかりとどういう形で出せるかは検討させていただきたい、こういうふうに思っております。

 後段の質問に関しては、先ほど申し上げたとおり、中長期的にも成り立つ仕組みというものをしっかり考え、また、需要に合った生産ということが大事でございます。したがって、八百万トンの主食用の米の需要が残念ながら毎年一%ずつ減っていく、このことに対して、需要と供給のバランスのとれた仕組みというものを考えながら水田をフル活用しなきゃいけない、こういうことも考えて、しっかりとやっていきたいと思っております。

黒岩委員 逆でしょう。需要と供給が崩れてくれば米価が下がるわけですから、その分、何らかの形で、今申し上げたとおり、EUとかは手当てをしているわけですよ。一次産業というのは他の産業に比べれば利益率が低い。それを、少なくとも食料を担ってくださる農家の皆さんに、全国民の税金である程度補償しようという考え方が世界の趨勢なわけですよ。その趨勢をゼロにすることが本当に農業にとっていいのかどうか。こういった観点で私は再考していただきたい。

 答弁はもう求めません。所得補償というものを、それほど重要であるということは、大臣、御理解しているはずだと思いますよ。(林国務大臣「ちょっといいですか」と呼ぶ)では。

    〔平沢委員長代理退席、委員長着席〕

林国務大臣 せっかく議論をしようということでございますので、ここは本当に本質的な大事な議論だと思っております。

 主食用の米に固定的に補償するか、農家の所得を補償するか。このことをやはりちゃんと議論すべきだ、こういうふうに思っております。

 収入保険というのも検討しておりますし、水田でつくれるものは主食用の米以外のものもございますので、需要のあるものをなるべくつくっていただく中で、どうやって農家の所得をふやしていくか。これはやはりしっかり考える必要があると考えております。

黒岩委員 私どもは、米だけじゃなく、その他畑作だの含めて所得補償を広げていこうという途上だったんですけれども、なかなかそこまでいきませんでした。

 今の農水大臣の答弁を聞いて、農業地域の方、これは直接の農家だけじゃない、やはり今申し上げたように、農業地域にとってはその地域の経済を支える基盤にもなるわけですから、それを聞いた人たちはがっかりしていると思いますね、失望していると思いますね。大変残念だということをまず指摘しておきますが、これからもどんどんこのことについては大臣にお願いをしていくつもりです。

 それでは、質問の柱をかえましょう。

 では、これも安倍総理が施政方針演説の最初に持ってきた農協改革です。

 これは安倍総理も、農協改革の目的は農家の所得を上げることだと明言しましたね。そして、農協法の一部改正案、その骨子案の目的の最初に、農家の所得を向上させるとあるわけですよ。

 そこで、大臣にお聞きします。

 大改革、大プロジェクトと言ってもいい、その目的が、農家の所得を上げるという目的を示した。示したからには、今、農業者の所得は平均して百三十二万円です、これは二〇一三年の値ですけれども。では、いつまでに、幾らこの額を上げるんですか、この農協改革で。そして、その積算根拠を示してください。この三点について、端的に答えてください。

林国務大臣 農協改革というのは、実は、それだけで改革ということではなくて、安倍内閣においては、一昨年になりますが、十二月に、農林水産業・地域の活力創造プランというのをつくらせていただきました。実は、この一部でございます。(黒岩委員「端的です、端的で」と呼ぶ)端的になかなか御説明できないものですから。

 そこに六次産業化ですとかいろいろなことが書いてあります。四本柱を立てました。需要サイドと供給サイド、そしてそれをつなぐバリューチェーン、それから多面的機能。

 その中で、これを進めていくために、それぞれの主体もきちっとこれに対応していただかなければならない。したがって、農協にしても、それから農業委員会にしても、生産法人にしても、このプランに合ったようにさらにいい形にしていこうということで、農協改革が位置づけられております。

 したがって、この農協改革を、全体の主体である三つの主体の改革に位置づけて、そして、それをまたこの十二月のプランにきちっと位置づけて、全体として農家の所得をふやすこと、そして、よってもって地域の活力を創造していこう、こういうことになっているわけでございます。

黒岩委員 大臣も民間企業にいらっしゃったからおわかりだと思いますけれども、では、一つの大きなプロジェクトがあった、それは農政改革だとしましょう。そのうちの一つの柱、これは農協改革ですよね。そして、法的裏づけは農協法の一部改正ですよ。私はこの柱について聞いている。

 これは、民間だったら、今言った一つの柱ごとに、売り上げを上げるということが目標だとすれば、一体いつまでに、幾ら上げる、そして、上げるための積算根拠、プロセス、これについて説明しなかったら、こんなもの、改革でもプロジェクトでもないでしょう。大臣、お答えください。

林国務大臣 これは、農林水産業・地域の活力創造プランというものにそれぞれ目標等は書かれております。KPIというちょっと耳なれない言葉でございますが、キー・パフォーマンス・インデックスというそうでございますけれども、例えば担い手が占めている土地の利用の割合、現在五割でございますが、サプライサイドの目玉である農地中間管理機構を活用して、これを、たしか十年だったと思いますが、八割に引き上げる等々のKPIを掲げてこのプランをやっていこうということになっております。

 また、御指摘のあった農業、農村の所得の倍増は、これは、そういう方向を目指していこう、こういうことで書いてあるところでございます。(黒岩委員「倍増は言っていません。倍増は農業・農村基本計画でしょう。今私が言ったのは農協法の一部改正」と呼ぶ)

大島委員長 黒岩君、勝手にべらべらしゃべることはやめなさい。

 黒岩君。

黒岩委員 失礼しました。では、一つ一つ手を挙げてしっかりと質問をさせていただきます。

 では、大臣、今言ったように、農協法の一部改正によって、結局、大きな柱は、中央会の監査権限の廃止、そして中央会の一般社団化だと。確かに組織変更でしょう。

 くどいようですけれども、ただ、目的は、農家の所得を上げると言っているわけですよ、農家の所得を上げると。では、今言った組織変更で、どうやって所得が上がるんですか。

林国務大臣 これは、先ほど申し上げましたように、まず、需要政策として、海外に輸出をするですとか、それから国内でも、例えば漢方薬の原料をつくってみるとか介護食品に進出してみるとか、いろいろなプランをつくっております。それから、サプライサイド、供給の現場の方でも、農地中間管理機構等を活用して集積していく、こういうことを通じて所得をふやしていこうと。

 この中で、JAさんがこういう改革をすることによって、よりそういうことを地域の実情に応じてしっかりと取り組んでいただけるような仕組みをやっていこうと。

 したがって、今回の仕組みを、今御指摘のあったように変えることによって、地域の農協、これが一番地域の実情をよくわかっておられるわけでございますので、自由な経済活動をより地域の農協が行っていただける、中央組織がこれをサポートする、こういう形に変えていこう、こういうことでございます。

黒岩委員 今の大臣の御答弁をお聞きして、要は、単協を自由にさせるということは、逆に言うと、今時点で全中の縛りが単協にかかっている、そういう御認識ですか。お答えください。

林国務大臣 必ずしも縛りつけていた、こういうふうに申し上げるつもりはございませんが、毎年、全中は、これは全中の中に監査機構がございまして、ちょっと専門的で恐縮ですが、いわゆる信用事業をやっておりますので、会計監査をやっている。これは信用組合や信用金庫にも義務づけられている類いのものですが、それにあわせて事業監査というものも毎年行う……(黒岩委員「業務監査」と呼ぶ)失礼しました、業務監査。ですから、毎年毎年こういうことをやっているというのを、通常の会社では業務監査というのはございませんから、それもやっている。

 したがって、もう少し地域の農協が主体性を持っていろいろなことに取り組めるようにするために、業務監査は任意、それから会計監査も選択制、こういうことにしたところでございます。

黒岩委員 業務監査にせよ会計監査にせよ、そのことによって経営の自由度が奪われる、ないしは縛られているかという問いに対して、七百の全国の単協のうち九五%は全く縛られていないと答えているんですね。答えているんです、九五%が。大半ですよ。受ける側が全く縛られていないと。

 大臣、単協の総代会とかをごらんになったことがありますか。私はありますよ。五百人以上の組合員、これはまさに農家ですよ、農家の皆様が、まさにかんかんがくがくと積み上げて、そして、その積み上げたものが徐々に徐々にボトムアップされて農協としてのさまざまな方針を決めていく、こういう民主的な運営で協同組合というのは成り立っている。私は、その現場を見ているし、現場の声を聞いてきました。

 大臣、この民主主義に基づく、今言った自由闊達な現場の声を反映しているという今の協同組合の状況を御認識されているんですか。それを御答弁ください。

林国務大臣 この改革案をまとめるに当たって、私はまだ党におりましたので、JAの皆さん、これは中央組織の皆さん、それから県段階の皆さん、単協の皆さん、それから何よりも現場で農業をやっておられる農業者の皆さん、こういう皆さんからそれぞれヒアリングをいたしました。

 今委員がおっしゃっている九五%というのは、どこでどういうふうにとられた数字かちょっとわかりませんが、あるいは農業新聞のアンケートかもしれませんけれども、そういう数字もあるし、また農業者のアンケートをとると別途の数字が出てくる場合もあるということでございますので、いろいろな立場の方の話を聞いております。

 今、全国の単協が本当に縛りつけられていて大変だということが大半であったということを申しているわけではなくて、さらに自由なことをもっとやっていただくためにしていこうというためにこの今の仕組みにした、こういうことでございます。

黒岩委員 さらにと言おうが、要は、縛りがあるからじゃなくて、全くなければ、さらにも何もつけ加える必要はないわけですよ。そうですよね、大臣。

 それで、大臣、もう議論を先に進めますけれども、今回の、今申し上げた二つの組織変更の柱がありましたけれども、もう一つ大きな注目する柱がありますね。これが、准組合員の利用制限、五年後の検討条項が入りました。五年後の検討条項が入りましたね、准組合員。

 今、正組合員が四百六十一万人、准組合員が五百三十六万人、一一六%で准組合員の方が多いからいかがなものかというのが政府からの指摘でありますが、まず私の疑問点は、今回、改革だと言っている、岩盤規制に穴をあけると言っている。となると、一般的にはこれは規制緩和だとみんな思うわけですよ、規制緩和だと。先ほどの、中央会の縛りをなくすとか一般社団化するというのは、よしあしは抜きにして、これは規制緩和の流れなんですよね。ですけれども、今度は准組合員の利用制限をする、これは明らかに規制強化じゃありませんか。大変矛盾すると思いますし、一体この整合性についてどうお考えなのか、我々にもわかるようにお答えください。

林国務大臣 まず、言葉の使い方が先生と私は違うかもしれませんが、一般に、規制緩和、ディレギュレーションというのは、官が規制をしているものを緩めていくという意味で使われているんだと私は承知しておりまして、そういう意味では、今回のJAの内部組織のガバナンスの変更というのは、いわゆる規制緩和というものとはちょっと違うのではないか、こういうふうにまず思っております。

 だから、JAが、中央とそれから県段階と単位農協、この三段階でどういうガバナンスをそれぞれやるのか、このことについて、先ほど申し上げたような方向で改革をしていこうというのがまず一点でございます。

 それから、准組合員につきましては、いろいろ御議論がありましたけれども、まさに両様、今先生がおっしゃっていたことも含めてあるという御議論が我が党内でもあったわけでございます。

 やはり農業者の協同組織でございますから、正組合員である農業者のメリットを拡大するためにそもそもつくったのであろう、こういうことでありますので、准組合員のサービスに主眼を置いて、正組合員たる農業者への取り組み、資材を安く購入してより高く農産物を販売するという、これがおろそかになってはならないという原則がまずあるわけでございます。

 一方で、過疎化、高齢化等が進行して、農村社会にそういうものが進んでおりますので、例えば、先ほど多面的機能の支払いというのを申し上げましたけれども、担い手の農家をみんなでサポートするために集落でいろいろな作業をしますと、それは多面的機能の支払いの対象になりますが、こういう方は准組合員として本当に意味があるのではないか、こういうふうに思いますので、やはり准組合員といってもいろいろな方がいらっしゃるので、しっかりと実態を把握するということがまず必要であろうということで、五年間実態調査をするということにしたところでございます。

黒岩委員 済みません、何か物を言おうとすると委員長からにらまれるので、言えずにぐっとあれしているんですけれども……

大島委員長 遠慮しないでやりなさい。

黒岩委員 はい、わかりました。

 大臣、余り横文字とかを入れずにわかりやすく説明していただきたいですし、言葉の定義を申し上げているのではないんですよ。やはり実質的な議論をしたいんですね。

 さっき、組織変更、中央会の監査権限を廃止するということで、少なくとも自由度を高めると言っているわけですから、これが規制緩和に当たるかどうかという議論じゃなくて、単協からすれば、自由度を高めるよと言っていながら、准組合員については利用制限をしますよと。そうすると、何かやはり国からの、最初は自由にしますと言いながら、五年後には、おまえ、厳しくするぞ、こういうアクセルとブレーキが同じように組み込まれた農協法一部改正案になっているということに対して、これは多くの皆さんから、非常にわかりづらい、要は、一体何を目指しているのかわからないということになるわけですよ。

 それで、先ほど大臣がおっしゃられた、これは骨子の中にもありますけれども、この五年後見直しについては、組合員及び准組合員の利用実態を調査して検討するとあります。これも非常に抽象的でわからない。

 今言った利用実態が一体どうなれば制限をかけるのか、そして、どうなればかけないのか、この目安、具体的に説明していただけませんか。

林国務大臣 まさに先ほど申し上げたことですが、准組合員の規制というのは今までなかったわけですね。したがって、どういう方が准組合員になっておられるか、それが地域地域でどういう形になっておられるかということも、実態が何も調査をされていないわけでございますので、ある人は、民業圧迫だ、こういうふうに言って批判をする人もいるし、ある人は、いやいや、これは、なくてはならないインフラを支えるために、リタイアされた農家の方がいろいろな思いでちゃんと准組合員になって払っておられるんだ、こう言う方もいらっしゃって、多分、それぞれ正しいことをおっしゃっておられるのかもしれない、そういう地域もあるし、また、前者のような御指摘が当てはまるようなこともあるかもしれない。

 ですから、それが全国的に、どういうところはどういう実態になっているのかというのをきちっと把握しないと、なかなか把握をしないままに議論はできない、先ほど先生がおっしゃったように、バックデータなしにいろいろな議論はできない、こういうことを考えまして、まさに、五年間かけてしっかりと実態調査した上で議論をしていこう、こういうことにしたところでございます。

黒岩委員 だから、その実態、では具体的に、三項目とか、この部分、例えば、准組合員と正組合員の比率だとか、准組合員と正組合員の利用の購買の額だとか、何か目安がなかったら、利用実態の調査といったって、それではさっぱり、一体、農協だって、自己改革でするにしたって、何をどう改革するのかがいま一歩読めないわけですよ。

 ですから、今言ったように、利用実態といいますが、一体どうなったら制限をかけ、どうなったら制限をかけないのか、具体的にわかる項目を何点か教えてください。

林国務大臣 まず、利用実態を調査しようということを決めましたので、これから、今先生がおっしゃったようなことは当然決めて、調査をしていこうということになろうかと思います。

 法律を今から通して、法律が施行されたら政府はそれに基づいて仕事をするということでございます。それは当然のことだと思いますので、まだ法律も、今から文案をつくるという段階でございます。

 したがって、我々が政府・与党の取りまとめとして骨格を決めた中に書いてあるのは、利用実態の調査をするということですから、今先生がおっしゃったような、利用量はどれぐらいかとか、何人いらっしゃるのかとか、そういうことは当然入ってくると思いますが、詳細はきちっと、どういう調査をするかは決めていこうということになろうかと思います。

黒岩委員 今のは、私、驚きましたよ。もう骨子案もできていて、でも、利用実態の調査は一体何をするかはこれから議論する。これは本当に、単なる改革ありきだという話になっちゃうんですよ。

 最後に御指摘させていただきますけれども、私がこの利用実態の調査という書きぶりが怖いのは、これはどうとでも読めるんですよ。

 例えば、この五年間で准組合員がどんどんふえたとなったら、ああ、だったら、経営も安定するから株式会社に移行でいいじゃないかという結論にもなり得る。逆に、准組合員の比率がどんどん下がった、使わなくなった、そうすると、何だ、経営効率が悪いから、だったら株式会社に移行すればいいじゃないかと。

 ですから、どういう実態が出ても結論は同じ方向に持っていける。裏を返せば、五年後にいつだって、単協にとってはまさに命のきずなである准組合員の利用制限をちらつかせることができるというふうにまさに捉えられかねないわけですね。

 そして、現場の声では、ちょっとこれもあれですけれども、今言ったように、喉元に突きつけられたこの条件によって、TPPに対しても物が言いづらくなったとか。

 そう考えると、安倍総理の言う大改革というのは、TPPに関して条件づけするというかなり矮小化したことが目的なのか、大看板の大改革と言っているけれども、これこそまさに看板倒れの改革なのか、私は、こういう指摘を多くの国民が持ち始めているということを指摘させていただきます。

 それでは、TPPまで聞きたかったんですけれども、もう時間がないし、時間を過ぎると、多分、委員長から怒られちゃうから。

大島委員長 もう一回聞いたらいい。もう一回、今のことを。(発言する者あり)

黒岩委員 ええ、わかりました。

 先ほど、アベノミクスの光が当たりづらい方々という中で農家の方をきょう特出ししましたけれども、やはり、安倍総理は、選挙のときも、農業についてはと聞かれたら、新たな農業ビジョンを構築する、こうおっしゃっていたんですね。確かに、ビジョンは大事です、大事です、大事です。ただ、今言ったように、年末に現金収入が減っていく、年金所得者だって、給料所得者だって、やはり現金収入で生きている、こういう実態感、生活感、そして声がなかなか届かないんじゃないかということを指摘しておきたいです。

 そして、安倍総理は、今回、比例票で自民党は一七%の得票、裏を返せば、八三%は安倍総理に白紙委任したわけではないわけですから……

大島委員長 黒岩君、時間、時間。

黒岩委員 このことを謙虚に受けとめて政権運営していただく、このことを切に副総理そして農水大臣にお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて黒岩君の質疑は終了いたしました。

 次に、小熊慎司君。

小熊委員 維新の党の小熊慎司です。

 この一週間、西川前農水大臣、また、きょうの下村大臣、政治と金ということでは、我が党は、文書通信交通滞在費の公開ですとか、またいろいろ内規の中でさまざまな取り組みをしているところであります。

 この政治と金というのはしっかりと、国民の納得の中で、透明度を図り、そして政治活動もしっかりやっていくということを、これは党派を超えて取り組まなければいけない課題であります。

 先週の木曜日、私が二十六年前にその門をたたいて師と仰いだ新井将敬さんの命日でもありました。ある意味では、この新井先生も、政治と金の中で、そうした問題に巻き込まれていったということを墓前でしばし私自身も考えたところでありますけれども。

 やはり、いろいろな、公人ですから、いわれのない疑いや、また誹謗中傷といったものも寄せられるというのも、これは世の常でもあります。そこで政治家としては、やはり、逃げないで、しっかり説明責任を果たしていく、誤解を理解に変えていくということが、やっていかなければいけないことだというふうに思っています。

 そこで、下村大臣に確認をさせていただきますが、先ほどの民主党の柚木議員の質疑も拝見していましたけれども、全国にある博友会というのは、これは任意の団体ということでよろしいでしょうか。

下村国務大臣 ありがとうございます。

 けさ、週刊誌報道において、事実関係の把握が十分でないまま、違法献金など、一方的に誹謗中傷するような記事が出たということで、まことに遺憾に思っておりまして、強い憤りを持っておりますので、こういう機会をつくっていただいたことを感謝申し上げたいと思います。

 それで、私の後援会でありますが、今、東京に都選管届け出団体としての博友会という政治団体がございます。このほかにも、博友会と名のつく団体が全国にございます。

 しかし、ほかのところは、地方の博友会ですが、これは、塾の経営者など民間教育者らの有志の方で構成していただいている懇親のための任意団体であります。地方の博友会は、各地域の有志の皆さんで運営をしておりまして、私の事務所は一切タッチしておりません。私も、財政面を含め、これらの団体に係る具体的な運営に関する事柄は一切存じ上げません。

 地方の博友会の皆さんからは、年に一度ぐらい顔を見せて、仲間と一緒に話をしろというふうに言われておりまして、お話に行き、皆さんと懇親をしているという関係であります。

 年に一度程度のこの懇親会は、そのような集まりでありますので、政治目的を持った会合ではありませんし、まして、政治資金を集めるような集まりでもありません。実際、全ての地方の博友会から、寄附を受けたり、それからパー券の購入をしてもらっているということはございません。

小熊委員 ちょっともう一つ単純な疑問があって、東京の博友会は登録をしていて、地方の方は任意の団体で、活動も、年何回かの講演をしている、その中の人によっては、会としてではなくて、任意でパー券を買ってもらっている。

 私もじっくり調べたわけじゃないんですけれども、ぱっと取り寄せた資料でいうと、東京の博友会と地方の博友会の差がないんじゃないかな。何でこっちは政治団体でこっちは任意の団体なのかというのが、東京博友会と地方の博友会のこういう違いがあるから、こっちは任意で、政治団体ですという説明はできますでしょうか。

下村国務大臣 東京の博友会は、年に六回ぐらい会合を開き、私自身が講師になることもありますし、外部から著名な方に講師になっていただいて講演会を開いております。

 地方の博友会と名前のつく任意団体は、これは年に一回、私自身が行って、昔の教育関係の仲間と一緒に懇談をするということで、本来は二、三十人ぐらいの集まりだったんですが、私が大臣になってから、もうちょっと、百人から二百人ぐらいの集まりということで、それぞれ年一回ずつやっていただきましたが、そういう違いがあります。

小熊委員 回数の違い。でも、活動内容は余り差がないような気もするんですけれども。

 例えば、私は福島県ですから、私の地元近くでいうと仙台の江陽グランドホテル、仙台でもいいホテルですから、そこで場所を借りて飲み食いしたら一万円ぐらいいくんだろうなというのは、自分の印象ですけれども。

 柚木委員も言われていた、中四国博友会の規約まで載せていたホームページが削除されてしまっている。いや、これは大丈夫、任意で、そうやって説明がつくのであれば、まあ、これは大臣の事務所で指示したわけではないとは思いますけれども、別に正々堂々やっていればいい話で。

 この規約とかを見ると、逆に私はうらやましいなと思って。さすが大臣になるだけあって、全国に、こういう支援していただく、大臣の志に賛同していただく人がいて、こうやって立派な規約まであって、ホームページまであるのであれば、私は、これは悪質というより、最初の私の印象は、ずさんというか、うっかり登録しなかった、私も秘書経験者ですから、私が秘書だったら、これはやっておく案件かなというふうに思って。

 ところが、私自身もいろいろな、地元で何々町後援会とかがありますけれども、登録しているもの、していないもの、これはちょっと週末に帰って整理をして、しっかり、年間活動しているところは、年会費とかは取らなくても、その都度会費を集める、そういうのはもう一回見直して、任意団体じゃなくて政治団体として登録をちょっと考えようかなというふうに思っています。

 やはり、大臣が説明しても、任意団体は報告義務もないので、ホテルで集まったお金とホテルに支払ったお金、これを見れば一発でとんとんだというのはわかるんですけれども、報告義務がないから報告されません。

 私としては、大臣、説明責任をこの後、議会とかまたマスコミを通じてされていくんでしょうけれども、ぜひ、できるのであれば、何月何日のホテルの支払いはこれで、会費はこれだけ集まったからとんとんで、寄附はいただいていませんというのを出すべきだと思いますし、また、これだけ立派な博友会、義務がないといっても、私は説明責任としてやっていくということが政治家として必要だと思います。

 私自身、地元でも、いわれのないいろいろな誹謗中傷があったとしても、それは言われるおまえが甘い、脇が甘いから、言った人が悪いんじゃないんだ、そう思うと何も解決しないんだ、自分が変わって相手を変えろという指導をずっと受け続けてきました、非常に厳しい指導だと思いますけれども。

 そういう意味では、この誤解を解くには、大臣は、義務はないかもしれないけれども、やはり、国民に広くしっかり説明責任を果たすという意味では、報告義務のない部分もしっかり、別にやましくないわけですから、出していくべきだと思います。

 この際、これだけ立派な全国の博友会、任意団体ではなくて政治団体として正々堂々やって、年一回のことですけれども、しっかり収支をやっていくといった方が私はいいと思うんですけれども、そういったこれからの対応について、大臣、お願いします。

下村国務大臣 基本的にはおっしゃるとおりだというふうに思います。

 地方の博友会は、任意団体で存在しておりますから、うちの事務所も私も直接タッチしておりませんので、内容については、規約等があるということが、ホームページにされたということも実は知らなかったんです。詳細全く知りませんが、関係としては、その地方の博友会から、当然、ですから、政治資金とかそれからパー券とかということが出ているわけでは全くないということであります。

 ただ、昨年、東北で、仙台でパーティーを開いたときに、年会費一万円なんですが、これはいわゆる資金集めパーティーじゃありませんから、来ていただく方に、一万円でパーティーする。政治家であればもうよく御存じだと思いますが、ホテルで一万円だったら利益なんか出るはずがないんですね。幹部の方が多分かぶっていただいているのではないかと思いますが、収支報告は出ているのか出ていないのかも、見ていませんからわかりませんが。

 そういう経緯があって、一方で写真週刊誌に、何かそのことによって下村に政治献金しているという報道を書かれたことがあるんですね。これはその方々にとっても不本意であるし、私自身も、全く事実と違うわけですから、そういう経緯があったので、政治団体として届け出ようかということを任意団体の皆さんが話し合っていただいているようですので、もしそういう方向であれば、そういうふうな方向で協力できればと思っております。

 それから、任意団体ですから、これが政治資金団体であれば、要求があれば予算委員会に出しますけれども、これは私の権限を超えている部分ですので、それは直接任意団体にお問い合わせしていただきたいと思いますが、私の方からぜひ出せと言う立場ではございませんので、御理解いただきたいと思います。

小熊委員 これは見解の違いですから。

 どういう経緯で領収書が出ているかわからないんですが、地方の博友会の方々に、東京第十一支部の三万円の領収書は年会費と書いてあるんですね。支部で年会費というのも私もちょっと初めて聞いたんですけれども、そういうことが起きているわけですよ。東京の人ではなくて、地方の方、博友会のメンバーの人に、十一支部の年会費三万円という領収書が出されているんですね。

 そういうところをどう説明していくのかというのもあわせて、これは任意の団体だから、これからちゃんとやっていきます、何もやましいことはありませんではなくて、十一支部のこの関係性というのは、十一支部は責任は大臣にあるわけですから、ここの説明をどうしていくかということなんです。

 私は、任意の団体であっても、それは、博友会という本当にすばらしい名前がついている団体ですから、これは大臣自身が、皆さん、ぜひこれは政治団体にして公明正大にやっていきましょうよと言えば、皆、そうだねとなるんですよ。皆さんに任せますよじゃなくて。そういうのを国民は望んでいると思いますよ。そういうことをやることによって、ああ、大臣は本当に身の潔白、全然そんなやましいところはないんだなというのが示せると思うんですよ。

 そこについて、任意の団体というのは、もうこれ以上は水かけ論みたいになりますから、その人たちに十一支部の年会費という領収書が出たのはどういう経緯でなっているのか、そこだけ最後にお聞かせください。

下村国務大臣 選挙区以外の全国の方々、私の縁のある方々に、うちの事務所から、自民党東京第十一選挙区支部として、寄附のお願い、個人、それから企業、団体に対してしております。その中には、それぞれの任意の博友会に入っておられる方々のところにも御案内は行っております。

 その中で、今御指摘の、年会費として領収書にただし書きであったということで、任意の博友会と一緒になっているのではないかという御指摘だと思いますが、これは事務所に確認したところ、過去にそのようなただし書きをした領収書があったということは事実だということだそうです。経緯はわかりませんが、相手の御要望に応じて、そういうふうに年会費と記載したことがあったということであります。

 しかし、いずれにしてもこれは適切ではありませんので、そのようなただし書きは現在は応じていないということであります。

小熊委員 これは多分単純な事務所のミスだったのかもしれません。だから今はやっていないということですけれども。

 そういう積み重ねがこういう疑念になってきていますから、だから、これは義務としてではなくて、必要以上に説明責任を果たさないとこの疑念は晴れないというふうに思いますので、そういう方向で、今後、いろいろな委員会等も通じて、またマスコミ等も通じて、二倍、三倍説明しなきゃいけないというふうに思いますし、本当にこれで正しいのであれば、本当に立派な会だと思いますから、ぜひ政治団体にして正々堂々活動された方がいいと思います。

 私も、この際、自分自身の後援会組織を見直して、ほとんど休眠状態のものでも、年一回ぐらいやっているものであれば、任意団体ではなくて政治団体としてこれはやっていかなきゃいけない。

 これは全議員そうだと思います。自分の支援団体の中で、ちっちゃい何々町後援会が、規約も何も、役員もいるけれども、選管に届けていないなんというのもざらにあると思いますよ。ちゃんとやっている人もいるけれども。

 だから、この際、これをきっかけに、我々自身も襟を正す。そういう意味では、大臣が、まさに今回、疑念を晴らさなきゃいけない対象者になったわけですから、より以上努力をしていただくことを求めて、下村大臣に対する質問は終わりますので、委員長、下村大臣は結構です。

 本来的な通告をした部分に入りたいんだけれども、時間がなくなってきたんですけれども。

 私は外務委員会に所属していますから、ずっと岸田大臣とは議論をしてまいりましたが、今回、新しいODA大綱、名称も変わって開発協力大綱というふうになりました。

 本当に端的に、一言二言で、今までのと今回の、どこが肝なのか、どういう点が変わって、これからこういうふうにやっていくというのを、本当に端的にお願いします。

岸田国務大臣 ODA大綱の改定は十二年ぶりです。その間、国際社会は変化し、そしてODAに求められる役割、これも多様化しました。こうした変化を受けて、我が国の開発協力の基本的なあり方を見直し、そして内外に示す、こういった必要性があるという問題意識のもとに、今回、改定に着手をいたしました。

 端的に申し上げますと、名称自体がODA大綱から開発協力大綱に変わった、これに象徴的に今回の改定のありようが示されていると思っています。

 政府だけではなくして、官民連携も含めてオール・ジャパンで取り組まなければならないということ。

 それから、ODAということでありますと、国民一人当たりの所得によってODA卒業国と扱われている国の中にも、小島嶼国等、脆弱性を持っている国がある、こういった国にも協力をすべきであるのではないか、こういった問題意識。

 さらには、単なる支援ではなくして、相手とのパートナーシップ、協力が重要である、こういった内容を今回の新しい大綱の中に盛り込ませていただいた、これがポイントであると考えております。

小熊委員 ちょっと長かったんですが、名前が変わった、それはまあ表紙が変わるのも大事、中身も大事ですから。

 ここで私、もう一点いいなと思ったのは、特にアジア諸国の中で、被ドナー国からドナー国に変わっていく国もいっぱいあります。その国との日本の、日本ならではというのも出していかなきゃいけないという意味では、今回の大綱の中には質の高い成長という哲学を入れています。単に援助するんじゃないんだと。

 質の高いというのは、まさに持続可能性であるとか、今言われたCARICOMや南太平洋諸国の、卒業国になっちゃうけれども脆弱性を伴っているところをしっかり持続可能な発展ができるように支えていくということもその一つですから、まさに、ほかの国と違う、日本ならではなんだ、それはすごく世界では評価されて、今でもしていますけれども、さらに、いろいろなドナー国との違いの中、別に過当競争する必要はないんですけれども、まさに日本が世界のODAのトップランナーとしてしっかりやっていくという意味では、質の高い援助、質の高い成長を援助の中に根差していくということが私はこの大綱の一番の肝だというふうに思いますから、それをしっかり今後、大臣に取り組んでいただきたいんです。

 では、実際、どうするんだというと、私は常々外務委員会で、ODAは選択と集中というような言葉を外務省は使っていましたが、いや違うんだ、選択と集中と拡大だという話をさせていただいていて、大臣も最近、外務委員会の答弁でも拡大という言葉を使っていただきました。

 ISILの事件とかはまだ検証しなければいけませんが、ODAの予算に関して、総理も拡充という言葉を、今まではスクラップ・アンド・ビルドですから、いろいろな新しい取り組みをしながらも削っていくから総枠がだんだん絞られてきていましたが、拡充。

 大臣も拡大という言葉を最近使い始めていただいたんですが、お手元に配付させていただいた資料のとおり、二十六年度の当初予算と二十七年度の政府予算案でいうと、無償資金協力やJICAの運営交付金は百億マイナスなんですね。今回の補正で少し盛ってはいるんですけれども、本予算がこれでは、せっかく大綱を見直して打ち出していくというときに、これでは全然、かけ声倒れになってしまうんです。

 外務省の方々としゃべると、これはどこの省庁もそうですけれども、予算をとれないと、財務省がというのが常套句でありますので、ここは財務大臣にお聞きしたいんです。

 ODAというのは、国内においても、国民の皆さんはチャリティーだと思っています。東日本大震災のときにも、私は超党派で、亡くなられましたけれども中村博彦さん、そのときODAの委員長でしたけれども、有志で、減らすなという申し入れを当時の政権にしたら、めちゃくちゃ批判の意見をいただきました。

 これがチャリティーであれば日本が大変なときに出すことはないんですが、チャリティーではありませんから、ODAというのは。でも、国民の皆さんはそういうふうに思っちゃっている。

 世界に対しても、ちゃんとした日本のODAの活動が本当に伝わっているかどうかわからない。しっかりこれを国家戦略として位置づけていかなければならない。でも、これは今財政が厳しいから減らすという話ではなくて、イギリスも財政が厳しいときにODA予算だけはふやしたという例もあります。

 それで、このODA、国家戦略として、これは麻生大臣も総理をやられたことがあるからそういう認識であると思いますけれども、それを形でぜひ示していただきたいんです。

 なぜ、このODA、日本の大事さの中で、国際的にも、世界の中でも大事さの中で、これを減らしちゃうんですかね。これから攻めていく、日本は開かれた国にしていく、世界にいろいろ情報発信をしていくという中で、これを減らすということは、結局、縮んでいく国になってしまうんじゃないんですか。財務大臣の観点からも、何でこれを減らしたかをちょっとお願いします。

麻生国務大臣 この資料は外務省だけの予算なので、ODAというのはほかの役所の分もありますので、ちょっと丁寧に説明しておかぬといかぬと思いますが、開発協力大綱におきまして、国際社会の平和と安定及び繁栄に資するさまざまな取り組みを推進するための原動力ということになりました。

 このため、二十七年度予算では、厳しい状況の中ではありますけれども、ODA予算というものは、前年比で微減の八十億、この予算だと百億になっていますけれども、全体で八十億ということにしておりますが、平成二十六年度の補正予算と、それから円借款を含みます政府全体としてのODAの事業量といたしましては、プラス百八十三億の増額ということになっておりますので、この外務省の資料だけでだまされぬことを、ちょっとよろしくお願いします。

 当然ながら、ODAとしては、その量だけではなくて、いわゆるチャリティーとかいう話では全然ありませんで、ここで鉄道が敷かれると、それによって輸送量がふえ、経済が発展し、それによって日本の輸出やらいろいろ関係してきますので、戦略的な活用をすることによって資金というものを存分に生かすことが重要なのではないかということで外務省としてこの名前を変えられたんだと思いますけれども、今後とも、こういったものを可能な限り有効に活用していくというのは、日本の国益に資すると存じます。

小熊委員 まあまあ、大臣のでそのとおりなんですよ。ここだけ見ると減っていたんですけれども、全体で見ると微増はしているんですけれども、微増じゃだめなんですよ、国家戦略でやっていかなければ。まして日本は、GDPで考えたら世界的には少ないんですよ。

 まして今、世界が変化している。日本も世界の中で役割を果たすという、私は、日本のODAというのはすばらしい事業だと思っています、海外で活動をしている人たちも含め、あと、いろいろな投資も含めですね。これは、ほかの国がめちゃくちゃな開発をやるよりは、日本がしっかりやった方が、世界の、その国のためになるということですから。

 これは、増額よりも、私は倍増と言っているんですけれども、無理くりですね、そのくらいのことをしてやっていくことが、まさに日本が世界に果たす役割、それによって日本も発展をしていくということになりますので、ちょっとの額ふえただけで、大臣、鬼の首をとったような感じじゃなくて、これは、二倍とは言わないけれども、何割増しです。何%じゃない、何割増しです。これが日本の国家戦略です、これが積極的平和外交ですと言えるようなことを、ぜひ大臣のリーダーシップのもとに、外務省の職員も、財務省がというような文句が出ないように、今後しっかりと、選択と集中で質を上げていくことも大事ですけれども、世界も今、いろいろ複雑な状況になってきますから、拡大も、量も必要です、質も必要ですけれども。

 ですから、財務大臣におかれましても、ODAについては、選択と集中プラス拡大という哲学をぜひ御理解いただいて今後対応していただきたいというふうにお願い申し上げ、次の質問に移ります。外務大臣はもう結構です。

 ちょっと時間がないので、原発事故の後、これもお手元に資料がありますけれども、いろいろな輸入規制がかかったままです。外務省も努力してどんどん外れていっていますが、とりわけアジア地域の方がまだ規制がかかっている状況でありますし、私の地元の福島空港なんかも、中国の飛行機会社が飛びたいと言っているんですけれども中国が今とめているという状況で、科学的根拠のない規制がかかっています。

 そういう中で、攻めの農業と言っていながらも、福島県だけではなく、国によっては隣県も含みますけれども、規制がかかっている中で、ハンディを背負っている中で攻めの農業と言っても、ほかの、規制のかかっていない県とは違うわけですよ。

 攻めの農業、これはいいと思います。我々もTPPに賛成ですし、余り議論されませんけれども、まさにアジア地域ではRCEPというのもありますから、これはどんどんやっていったらいいんです。

 ただ、足かせがかかっているということの中で、どう攻めの農業。足かせをかけられている県に関しては、そういう政策というのはちょっと見当たらないんですね。外務省の中で、被災地の農産物輸出なんていうのは、ちょろっとした支援の事業もありますけれども、農水省の中で、攻めの農業と言っていながら、ここを前提とした対策というのが見受けられないんです。

 参議院時代も大変お世話になって、尊敬している林大臣、よろしくお願いします。

林国務大臣 まさに、原発事故に伴って、多くの国や地域で、農林水産物、食品に対しての規制が行われましたが、総理を先頭に、我々、私自身も閣僚時代にいろいろな国に行きましたが、まずやはり、モニタリングをして、科学的データを示して、安全性を説明して、これを撤廃、緩和してくれということをやってきております。政策の中身、柱ということではございません、これはもう当然やるべきことということで、常に努力をするということでございます。

 その結果、オーストラリア等十三カ国で規制措置はもう完全撤廃されました。EU、シンガポール、タイ等で規制も緩和されておりますが、今先生がおっしゃったように、十二カ国・地域、香港、台湾等ですが、一部の都道府県を対象に輸入停止、二十一カ国で一部または全ての都道府県を対象に検査証明書の要求と、規制が行われておりますので、粘り強く働きかけを続けていきたいと思います。

 ちょうどきのうの三時に公表させていただきましたが、ブルネイについては、福島県産の多くの品目が輸入停止となっておりましたが、野菜や果物、芋、海藻、緑茶製品、これは検査証明の提出をやって輸出を可能とするということになりました。

 なかなか進みが緩慢であるということはあるかと思いますが、諦めずにしっかりと努力を続けてまいりたいと思っております。

小熊委員 何かいつもの林大臣じゃないなと。経緯はわかっている、今までの経緯、努力して外していく、これからも外していく努力はするんですけれども、外れない状況の中で攻めの農業をやらなきゃいけないときに、どう支援していくんだという話の政策をつくらなきゃいけないでしょうということなんですね。今、ないんです。農水省の中にはありませんから。

 これは、ちょっと時間がないので、ほかの質問もしますから、ぜひ大臣、手元で早急に、それを外していく努力もしながらも、外れない状況の中でそういう県の攻めの農業をどう展開していくかというのは早急に対策をとっていただきたいということを御要望申し上げ、次の質問です。

 汚染水のニュースがまた出ているんですけれども、東電はいつも、丁寧に説明しようと思ったからしていませんでしたというのは、十年前からそうなんです、福島県においては。十年前に不祥事があったときに、どんな細かいことでも、報告しないことも罪だという意識でやっていきますとなっていないんですね。こんな状況ですから。

 それで今、震災の瓦れきの、放射性物質の瓦れきの中間貯蔵施設の問題もありますけれども、実際、溶けた炉心がよくわからない。これは見てみないとどう処理するかはわからないというのは、もちろん当然、早く状況を把握しなきゃいけない。でも、これも十年、二十年かかる。でも、四号機のものは、今、取り出して燃料プールにおさめられているんですが、この状況を把握して、二〇二〇年にはこれを再処理に回せるのか回せないのかが決まるんですけれども、再処理に回せないといった場合はあそこに置くしかないんですね、今のところ。それか、青森県のキャスクに持っていくかという話もあります。

 選択肢はもう二つか三つしかないんです。でも、それは全然経産省としては地元に説明していません。除染して、帰れ、帰れです。

 でも、これは前提が違います、帰る場合に。除染したところで、その使用済み核燃料がどこに行くのか、何十年もそこに置いておくのか。処理するといった場合も、私が聞いたら、六ケ所の処理施設で、やはり事故の起きた燃料棒だから、四十年間動かすうちの最後に回すと言っているんですよ。再処理するとしたとしても、福島県内のあそこの、原発事故のあったところにずっと四十年間置くのか、青森県のキャスクの方に持っていくのか、この二つに一つなんです。

 それも、選択肢は二つですから、もうこの選択肢二つのどっちかですよということを説明すればいいんですよ。三百六十度、いろいろな選択肢があるわけじゃないですから。でも、説明していない。

 そういう状況の中で皆さん帰りますかと言わなければ、これは、説明が足りていなくて、行ってみたら、何だ、ずっと四十年も置いてあるじゃない、では帰らなきゃよかったみたいなことになりかねませんから。

 この二〇二〇年を待たずして、今、もう幾つかの選択肢に絞られていますから、これをしっかり説明すべきだというふうに思いますけれども、大臣、どうでしょう。

宮沢国務大臣 委員のお話にありましたように、四号機の使用済み燃料については、昨年十二月に取り出し作業が完了いたしました。そして、これは、これまでの使用済み燃料と違って、海水等の影響を大きく受けているというようなことで、当面の間は敷地内の共用プールで保管をしております。その後につきましては、今おっしゃいましたけれども、これから技術をいろいろ、どういう技術があるかということをかなり検証した上で、二〇二〇年度までに決定をするということにしております。

 一方で、今の段階でありますと、例えば再処理につきましても、再処理工場について、今、規制委員会で審査をしていただいておりますけれども、まだ結論が出ていないという状況等々を踏まえまして、しっかり対応していきます。

 地元の説明ができていないという点につきまして、まだなかなかできていないのであれば大変恐縮だと思いますけれども、廃炉・汚染水対策福島評議会というのがございまして、我が省の高木副大臣が議長をやっておりますけれども、これらの機会を通じてしっかりと説明していきたいと思っております。

小熊委員 ですから、これは選択肢が幾つかに限られていて、先行きが見えない話ではなくて、それを前提にこの地域を返すか返さないかというのも、これは判断が住民は変わってきますから、それはしっかりと説明をして、被災者の人たちにまさに寄り添って丁寧な説明をしていく。

 二〇二〇年になってから、ある日突然、これは四十年置かれますよと聞くのと、今のうちに、四十年置かれる可能性とか、持っていく可能性とか、いろいろあると。持っていかれる青森のところだって説明していないわけです。福島の方のキャスクを青森のキャスクに持っていく、むつのキャスクに持っていくというのも青森には説明していないと私は確認しましたが、これもだからよくないんです。

 しっかりとこれは丁寧に説明していくということをお願いいたしまして、もう一問だけ、最後、端的に山口大臣。

 クール・ジャパン、五年たちました。一言では難しいと思いますが、総括と、とりわけ映像コンテンツが日本は売りにくくなっています。ほかの国に負けています。アニメと言っていますけれども、アニメは麻生大臣の方が詳しいでしょうけれども、これは、九〇年代にピークを迎えて、少子化でアニメのコンテンツは国内でさえつくられなくなっていて、今、ゴールデンタイムに放映されなくて、夜中にやっていて、大人のアニメというのはなかなか海外では売れていかない。

 権利とかはTPPとかRCEPにもかかわってきますけれども、権利がいろいろ複雑で売りにくいという状況も日本の制度としてありますし、とりわけ、NHKの番組は放送法のいろいろな縛りで出しにくいというのも実際あります。

 そうした権利と、NHKであれば放送法等をしっかり整理して、映像コンテンツを外に出していくという戦略を持たないと、これでは伸び悩みというか負けてしまいます。

 やはり映像の持つ力というのは大きくて、私もいろいろな海外、特にアジアへ行くと、ブータンも委員会で行ったんですけれども、ブータンの子供たちが、ペンケースに韓流スターのシールが張ってあって、若い男の子たちもみんな韓流スターのヘアカットにしているんですね。

 それだって、逆に、映像が行くことによっていろいろな裾野が広がっていくという意味では、戦略的に映像を出していく。でも、その足かせがいろいろな法律であるということですから、それをきちっとこれから取り組んでいくということと総括を含めて、一言でお願いします。

山口国務大臣 ありがとうございます。

 一言と言われるとかなり厳しいんですが、せっかくの機会ですからいろいろ申し上げていこうと思ったんですが、とりわけコンテンツに関しても、今先生御指摘のとおりなんだろうと思います。

 J―LOPといって、ローカライズとかプロモーション等で、さまざまな形での補助はしておりますが、おっしゃるとおり、やはり韓国あたりは相当強烈にやっています。結果として、かつては日本の化粧品というのが東南アジアで圧倒的だったんですが、結構韓国のドラマの影響で雰囲気が変わってきているんですね。やはりそういったこともしっかり踏まえながら、いろいろな方法があるんだろうと思います。

 そして、私、就任させていただいて、これまでのクール・ジャパンをさらに深化させていきたいということで、実は戦略推進会議というのをこしらえて、きのうも会議をやらせていただきました。これは、コンテンツの関係者から音楽関係、いろいろな皆さん方に活発な御議論をいただいておりまして、その中に、お話しの例えば著作権の話とか放送法の話も出てきておりますので、そこら辺をしっかり整理して、さらに展開をしていきたいと思っております。

小熊委員 ぜひよろしくお願いします。きょうは、多分、夜は任意の団体の勉強会で大臣と一緒になりますから、そこでもまた議論したいと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

大島委員長 これにて小熊君の質疑は終了いたしました。

 次に、重徳和彦君。

重徳委員 維新の党の重徳和彦です。

 今、世論調査でも、景気回復の実感がない、相変わらず八割方の皆さんが実感できていないという状況です。そこで、前回の国会から、地方の景気回復のための地方創生が必要だということが言われ始めました。

 また、格差が問題だという指摘もなされ始めました。格差は、もちろん問題は問題ですけれども、完全平等ということはあり得ないわけですから、どこかで折り合いをつけていくというんですか、どこまでの格差なら許容できるか、こういう話なんだと思います。

 ただ、私、これから当面の日本が絶対に正さなきゃいけない問題、これが、国の存立そのものの危機を招いている人口の問題だと思っております。生産年齢人口が減少しております。少子化対策という、ちょっと寂しい言葉なものですから、私、子供がふえるということで、増子化社会を目指そうということを勝手に申し上げておりますが、こういう増子化を進めていくという観点から、きょうは経済政策を論じてまいりたいと思っております。

 資料二枚目をごらんいただきたいんですが、生産年齢人口の全体に占める比率が、実は不動産のバブルとリンクしているという分析があります。

 左側が日本で、赤いラインが生産年齢人口比率、これがピークが一九九〇年なんですね。まさに日本の不動産バブルはピークが一九九〇年でありました。また、アメリカは、生産年齢人口のピークが二〇〇五年なんですが、サブプライムのバブルもピークが二〇〇七年。ほぼ一致するじゃないか、こういう話でありまして、アイルランドとかスペインなどでも同様の数字が出ているところであります。

 こういうことが資産インフレの大きな要因なんだとすれば、その後、バランスシートの問題が解決された後もデフレが長く続いている、これは人口の構造的な要因が大きいのではないかという分析もできるわけであります。

 甘利大臣にお尋ねいたしますが、この長らく続いているデフレの問題、これを人口の問題と捉えてお考えになったことはございますでしょうか。

甘利国務大臣 全く人口減が関与していないとまでは言い切れませんけれども、それが本当に主要因かということについては、必ずしもそうではないというふうに思います。

 デフレと人口減少、これが継続的に今のグラフですと来ていると。しかし、雇用者数自身は、少なくとも今の内閣ではふえているわけですね。それは、労働市場に参加していない人たち、つまり、お年寄りとか女性をどんどん参加させることによって人口減少下でも労働人口をふやしていく、それから、生産性を上げること等々で量と質をふやしていくことによって労働寄与度も上がってくるということ等々を考えますと、デフレの原因は人口減少であるとは必ずしも言い切れないのかなというふうに思います。

重徳委員 この問題そのものも深掘りしていきたいところなんですが、きょうはちょっと問題提起をしていきたいと思います。

 実は、この人口の問題は一つ大きな要因だと私は考えております。特に、高齢者の消費者がふえておりますし、そういう方々が車や土地をどんどんどんどん買うかというと、これまたそのような傾向は薄いと思いますし、それから、そもそもこの日本という国がかなり成熟段階を迎えているということで、資料三をごらんいただきたいんですが、主要耐久消費財の世帯普及率の推移なんですね。

 これは、戦後間もない時期、一九五五年から直近の二〇一三年までのグラフになっておりますが、いわゆる戦後の三種の神器、誰もが欲しがっていたテレビとか冷蔵庫とか電気洗濯機、こういったものは発売が始まったら急速な勢いで、つまり、お金を手にした国民はみんな必ず買いたがった。これが高度成長期の発展の原動力でもあった、消費意欲の原動力でもあった。

 ということで、カラーテレビ、乗用車、エアコンという三Cというものもありますし、こういったものが急速な勢いで、高度成長期、あるいは物によっては八〇年代ぐらいまでは普及をしているわけでありますが、この一番右端に至りますと、主要なものはほぼ八割以上の普及をしておりまして、これ以上は、新製品、新商品が出てきても、お金がちょっと手に入ったからといって、百万円あったら何に使うかと今どきの若い人に聞いても、とりあえず貯金しておくかとかいう方も結構多いと私は思っております。

 その意味で、こういう時期に金融緩和をして、需要を前倒すというようなことをやっても、なかなか効果が出ないんじゃないかということ、あるいは、財政出動をどんどんしても、かえってこれは財政悪化を招くんじゃないかなんという将来不安もまた増長する、こういう影響もあると思います。

 さらに言うと、次の資料四をごらんいただきますと、これは最近の日経新聞の「経済教室」に引用されたデータですが、貨幣の量はぐんぐんと右肩上がりにふえておりますけれども、貨幣の流通速度、お金が実際に回っているか、このスピードは逆にどんどん下がっている、こういう数字もあるわけでございます。

 こういったデータをごらんいただいて、経済が成熟段階、人口減少で将来不安もある、こんな日本で、貨幣の量がふえてもなかなか消費がふえない、こういった、金融緩和、財政出動によります消費刺激効果というものが以前と比べて弱まっているんじゃないかな、こう思われるわけですが、甘利大臣、いかがでしょうか。

甘利国務大臣 先生の御指摘は、いわゆる貨幣流通の方程式でいうと、超長期をとるとこういう図式になるということはよく言われていますけれども、必ずしもそれが全てに当てはまるわけではない。

 先ほど、消費のグラフでも、事実、これに示されているとおり、カラーテレビが満杯になったときに薄型テレビというのが出てくる、薄型が行き渡ったときには今度は4Kが出てくるとか、つまり、消費というのはイノベーションと関係してくるわけです。その市場にないものが出たときに新たな需要が生まれる。

 ですから、スマホがないときにはスマホの需要はないですね。電話は行き渡ったけれども、携帯電話という便利なものができて、それが新しい需要をつくる。これが行き渡ったら、今度はスマホが来て、情報端末になる。つまり、市場にどうやって新しい需要を喚起していくかということは、イノベーションとかかわってくるわけであります。

 でありますから、日本としては、常に需要を生み出すようなイノベーションに取り組んでいかなければならないというふうに思っております。

 一般論として先生の議論があるということはよく承知の上で、必ずしもそれが一〇〇%、例外なくあることではないという点から、我々は、確かに人口が減っていく、そういうときには労働力人口をふやす努力をする、そして、もちろん中長期的には人口をふやすための施策を徹底的に打っていく、それから、イノベーションを起こして国内外に新しい需要をどんどん生み出していくということに取り組んでいっているところでございます。

重徳委員 ありがとうございます。

 もちろん、イノベーションで新しいものを生産、開発していくというのは、物づくり企業にとっても非常に大きな命題でありますので、日本国内の数ある物づくり企業に頑張っていただく必要ももちろんあろうかと思っております。

 ただ、人口問題とここで絡めますと、高齢者の方々が新しい商品が出たからどんどん買っていくかというと、やはり相対的には若い人たちの方がそういった消費意欲はあります。

 それから、とりわけ今子供の数が減っていると、もちろん一人当たりの子供にかかるお金は昔よりふえているとは言われておりますが、それにしても、絶対数が減っているわけですから、そういった子供の数がふえることによる消費の量というものは、以前と比べてどうしても縮小しているのではないか、こう思われます。

 ということは、そこの部分に、子育て世代にもっともっとお金が手に入ること、そして将来を見通せるような社会にしていくことが、若い人たちの、結婚したいな、あるいは子供が欲しいな、もっと欲しいな、こう思えるところに結びついていくんだと思います。

 ここで、今進んでいるアベノミクスがどうかといっても、まだこれからだというような議論もありますので、二〇〇〇年代前半にちょっと立ち返ってみたいと思うんです。

 二〇〇〇年代前半も、実は、リーマン・ショックの前の時期は、世界的なバブリーな状態で、そして日本でも、イザナギ景気を超えたなんて言われております、好景気だと言われていた時期であります。そして、金融緩和も量的緩和が空前の規模で当時行われていたということで、今と似たような状況だなというふうに捉えることもできると思うんです。

 そのころの経済財政白書を見ますと、二〇〇二年から二〇〇五年の平均で見ると、キャピタルゲイン、いわゆる資産の所得というもの、金融所得というものが十四兆円余りと非常に大きな規模になっているということなんですが、金融資産がふえた割には消費の弾力性が低い、つまり消費に結びついていない、こんな分析がありました。

 これは、私は推測するに、こうした金融所得をたくさん手にしたのは高齢層、富裕層であると思うんですが、この金融所得というものは消費に回らずに一体どこに行ってしまったのか。このあたり、どのように分析をされていますでしょうか。

甘利国務大臣 バブルが崩壊して、若干それ以降の時期も入っていますよね、それは。

 確かに、その時期に金融資産価格が十四兆円、今も同様な状況になっている。当時は確かに消費が伸びておりません。実は今は消費が伸びております、GDP統計でいうと伸びております。

 その違いは何かといいますと、企業が、企業ももちろん金融資産を持っていますから、それが賃金改善に向かっていないんですね。つまり、バブルの崩壊がもう始まっていますから、そこでバランスシートを改善するということに明け暮れていて、賃金改善に向かっていないわけです。

 今との違いは、バランスシートが非常に健全になっていて、いわゆる内部留保が三百二十八兆、そのうちの設備投資に回っている分野、長期、つまりMアンドAで他の会社を買収しているというような方に向かっているものを除くと、一年以内に処分予定の金融資産と現預金を合わせると、二百一兆円になります。

 これをどうやって賃金改善に向かわせるか、下請代金改善に向かわせるか、それが今取り組んでいる課題で、それが動きつつありますので、消費は、いわゆる小売でいくと、委員の御指摘は余り伸びていないと。しかしサービス消費がありますから、それまで入れたGDP統計でいくと、伸びているのは間違いないということで、要は、賃金そして下請代金の改善にしっかり取り組んでいくということが鍵になっているんじゃないかというふうに思っております。

重徳委員 今大臣言われたとおり、まさに賃金、若い人たちの雇用者所得というもの、雇用者報酬というものにつながるかどうか、ここが本当に鍵だと思います。

 五枚目の資料をごらんいただきますと、これは前回もお出しした資料でありますが、株価がここ二年間、物すごい勢いで上がっておりますが、小売販売額が伸び悩んでいる。大臣は、サービスの方は伸びているんだということをおっしゃいましたので、実際にはトータルしなくちゃいけないとは思いますけれども、問題はここの点にあるんですね。

 子育て世代にお金がもっと回れば、子供が一人ふえたら、それはチャイルドシートに子供を乗せなきゃいけないわけだから、ちょっと大き目の車を買おうかとか、あるいは子育て環境にいい家を買おうかとか、そういう消費にすぐ結びつきますし、それから中長期的には、もちろん生産年齢人口の減少にもブレーキがかかるわけですから、内需の拡大にもつながるであろうということで、今、政府が一生懸命賃金アップを経済界、労働界に働きかけているというのは、これは筋としては正しいと思うんですが、働きかければ賃金が上がるなら、そんな簡単なことはないわけであります。

 したがって、今、税制でも、所得拡大促進税制というものを設けていろいろなことをやっているんですが、ひいては、もう配当にお金を回すよりも賃金の方にお金を回す、こういう傾向をもっと、昔の日本型資本主義と言われて、それはいい悪いはいろいろあると思いますが、日本が直面している課題というのは本当にグローバルな、株主資本主義と言われるものに対応してばかりいると、かえって日本にとっては不都合だ、こういう面もあるわけですから、こういった意味からも、日本としてはかなり思い切った経済政策をとるべきだと思っております。

 少子化担当の有村大臣にきょうはお越しいただいておりますが、経済政策を、こういった増子、私が勝手に言っております増子化という観点からも立案していくべきではないか。それも含めて、少子化大臣、有村大臣の御担当となっていなくちゃいけないんじゃないかな、こう思うんですが、いかがでしょうか。

有村国務大臣 大事な御指摘をいただきました。お答えいたします。

 正規雇用労働者と非正規雇用労働者には、婚姻割合に大きな違いがあります。例えば、三十代前半の男性の婚姻環境を見ますと、正規雇用では六割近くの方々が結婚しているにもかかわらず、その一方で、非正規雇用の就労形態の方々では、その半分に満たない約二五%に結婚がとどまっているという調査もございます。

 まさに委員御指摘のとおり、経済的な安定が、結婚をしやすくて子供を育みやすい、そういう上で重要な要素であることが含意として読み取れます。そういう意味では、少子化対策の推進に当たっても、若い世代の結婚、妊娠、出産、子育ての希望が実現できる環境の整備が大事であり、その主軸として、まさに若者の雇用の安定や経済的な安定が極めて重要な要素だと少子化担当としても認識をしております。

 政府としては、昨年十二月閣議決定をいたしましたまち・ひと・しごと創生総合戦略においても、若い世代の経済的安定に向けて、若者雇用対策の推進、正社員実現加速プロジェクトの推進等を掲げ、取り組みを進めています。

 先ほどからお答えされています甘利大臣御担当の政労使会議における合意文書でも、賃金体系のあり方について、まさに委員御指摘のように、「子育て世代への配分を高める方向へ賃金体系を見直すことが一案」と、政労使の合意によって明記をされています。少子化対策担当としては大変ありがたい表明だと認識をいたしておりまして、また、このデータを活用させていただきたいと思っています。

 従来の少子化対策の枠組みにとらわれず、まさに雇用や産業政策を含めて、あらゆる分野の制度、仕組みが、子育てしやすい環境になっているか、持続可能な社会の活性化に資するかどうかという観点から見詰め直して、実効性のある少子化対策を関係省庁、大臣とも連携して進めていきたいと考えております。

重徳委員 きょう、黒田総裁にもお忙しい中お越しいただいておりますが、時間がなくなってしまったものですから、大変申しわけありません、ちょっとコメントだけさせていただきます。

 こういった、今申し上げましたような構造的な改革を進めるということを前提に、今、金融緩和政策をとっておるわけですから、二〇〇〇年代、そういった資産、金融所得がふえたけれども、それは実質賃金につながっていない、こういう状況が今も続いておりまして、恐らく、日銀としては、金融緩和をずっとこれからも続けていきたいとばかり思っているわけではないと思います。

 一刻も早く政治がきちんとした覚悟を決めて構造改革に取り組んで、そして、ひいては子供がふえる社会をつくっていかなくちゃいけないというふうに考えております。この議論はまたさせていただきたいと思っております。

 本日はありがとうございました。

大島委員長 これにて重徳君の質疑は終了いたしました。

 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文でございます。

 六千四百三十四人の方々が犠牲になりました阪神・淡路大震災から、ことしで二十年となりました。私も、神戸在住で、被災者の一人であります。

 戦後史上初めて都市を襲った大規模災害だっただけに、阪神・淡路大震災からのこの二十年を検証することが、間もなく四年を迎える東日本大震災からの今後の復興のためにも、また、災害列島日本で被災者、国民に対して政治があるべき姿を示す上でも大事だと考え、以下、関係大臣に質問をいたします。

 まず、前提の問題として伺いたいんですが、二〇一三年六月に、大規模災害からの復興に関する法律が成立し、災害対策基本法が改正をされております。その審議の際、基本理念について、我が党の高橋千鶴子議員の質問に、当時の古屋防災担当大臣が、被災地域における生活の再建とは、大規模災害から地域住民の生活を立て直し、被災者一人一人の生活再建を図ることを意味していると答えておられます。

 阪神・淡路大震災や東日本大震災はもちろん、災害被災者に対する支援は、この一人一人の生活再建を図る、これを基本にすることが当然求められていると思いますが、この点、防災大臣、いかがか。あわせて、復興大臣にも、今後の東日本の復興に当たってということで、それぞれお聞きしたいと思っています。いかがでしょうか。

山谷国務大臣 古屋前大臣が答弁されましたとおりに、被災者の生活再建、一人一人の心に寄り添いながら、そうした視点を大事にしながら図っていくことが大事だと思っております。

 古屋前大臣は、平成二十五年の災害対策基本法の改正及び大規模災害からの復興に関する法律案の審議において、基本理念について、大規模災害からの復興に関する法律案の被災地域における生活の再建とは、大規模災害から地域住民の生活を立て直し、安定させることであり、被災者一人一人の生活再建を図ることを意味しており、一方、災害対策基本法においても、基本理念規定の一つとして、一人一人の生活再建を図ることを含めて、被災者の援護を図り、災害からの復興を図る旨を規定した等を答弁しました。

 私も、古屋前大臣が答弁したとおりだと考えております。阪神・淡路大震災の被災者についても同様と考えております。

竹下国務大臣 おっしゃるとおり、住宅を建てるだけでは復興になりませんので、なりわいが成り立つようにする。しかも、健康で、心のケアもしなければならない。そういったことを含めて、帰りたいという思いをお持ちの方には、温かい家庭と温かいふるさとをしっかりと取り戻してもらう、そのことを復興の目標に置いてやっております。

 しかし、残念ながら、まだまだ、仮設住宅にいらっしゃる方、もう四年が間もなくやってまいりますが、いらっしゃいまして、そういった意味で、なおかつ、あのエリアは高齢化地域が多いものですから、そういった方たちの健康、心のケアといったような問題にも当然気を配らなければなりません。

 そういったさまざまな思いを込めて、これからも復興に全力を挙げていこう、こう思っております。

堀内(照)委員 阪神・淡路では、インフラの復旧整備はいち早く行われましたが、今ある被災者生活再建支援法がありませんでしたので、被災者の生活再建は困難をきわめてきました。多くの方々が、住宅再建や生活資金のための借金に頼るしかありませんでした。二重ローンなど、その返済は今なお重くのしかかっております。

 また、災害公営住宅などでの孤独死もついに千人を超え、今も年間四十人から六十人が亡くなっております。せっかく震災で助かった命が失われる、深刻な事態がなお続いているわけであります。

 防災大臣に伺いたいと思います。

 被災者一人一人の生活再建を進める上で、なお困難な現実が阪神・淡路の被災地に残されている、こういう認識はございますでしょうか。

山谷国務大臣 阪神・淡路大震災では、六千四百名を超えるとうとい命が奪われました。また、住宅の全壊だけでも十万棟を超える甚大な被害が生じましたが、阪神・淡路地域では、この間、目覚ましい復興が図られてきました。ここに至るまでは本当に多くの関係者の方々の御尽力がありまして、決して容易ではなかったというふうに考えております。

 一方で、心のケア、また高齢者の自立支援、町のにぎわいづくり、そして震災の経験と教訓の継承などの課題もまだまだ残されているというふうに認識しております。

 被災者の生活支援につきましては、引き続き、関係自治体や関係省庁と連携をしながら、しっかりと取り組んでまいらなければならないと考えております。

堀内(照)委員 なお厳しい現実があるんだということで、きょうは幾つか具体的にお聞きをしたいと思っております。

 一つは、借り上げ公営住宅の問題であります。

 今、阪神・淡路の被災地では、二十年の借り上げ期限が来る、こういうことで、被災者がついの住みかから追い出されようとしております。

 入居したときには期限があることすら知らされていなかった方も多いわけです。また、知らされていても、当時説明に来た職員から、いや、二十年が来ても続けて住めますよとか、悪いようにはしない、こう言われた方もおられるわけです。

 まさに寝耳に水でありまして、今さら出ていけとはと、被災者には驚きと不安が広がって、心労から実際に体調を崩された、健康を害した人も少なくありません。

 もともとこれは、借り上げとはいえ、復興の大きな過程、流れで見れば、応急仮設住宅から恒久住宅へ、この一環だったはずであります。なぜ今になって退去を迫られるのか、この点、国交大臣、よろしくお願いします。

太田国務大臣 この借り上げ災害公営住宅ということにつきましては、九六年、こうした制度が阪神・淡路大震災を受けましてスタートを切りました。建物の所有者から地方公共団体が建物を借り上げる、そうした契約において期限が設定をされる。

 阪神・淡路大震災当時は、民法第六百四条によりまして、賃貸借の契約は最長二十年、こうされていたことを踏まえまして、建物所有者と兵庫県や各市、こうしたところとの間で借り上げ期間は二十年ということにされました。その上で、入居者に対して、入居制限は建物所有者からの借り上げ期限と同じ日に設定された、このように聞いています。

 災害から二十年が経過しまして、最も早いもので、ことしの九月から入居制限を迎えるものが出てくるということで、不安を持っていらっしゃったり、また、御指摘ありましたように、そのときは聞いていなかったなとか、そうした声があるということは、私も本を読みまして、最近出ている本がありますが、知っていたところでございますけれども、兵庫県や各市が入居者に対して退去をお願いしているものがある、こういう状況だと思います。

 なお、建物の所有者と地方公共団体の契約で借り上げの期限を延長した場合には入居期限の延長も行われることになるというのが二十年ということでございます。

堀内(照)委員 期限はあっても、個々の被災者の状況や、またオーナーの実情に応じて再契約、延長、継続もできるということだと思うんです。

 資料では、兵庫県内の一覧を継続入居の要件なども含めてお配りさせていただいておりますけれども、現地で実際どういうことが起こっているのかということであります。

 西宮市は全員に退去を求めています。この西宮市の中に、今大臣がおっしゃいました、県内で一番早く期限の来る住宅も含まれるわけです。

 先日、西宮市からその住宅の入居者に、「市営住宅の明渡しについて」という通知書が配達証明で送りつけられています。これは資料二枚目以降であります。下線も引いていますけれども、かいつまんで読み上げますと、借り上げ期間満了日までに返還手続を行い物件一を明け渡すよう請求します、借り上げ期間満了日までに明け渡しがない場合は市がこうむった損害の賠償等を求めて法的手続をとりますと。これを受け取った被災者、入居者がどんな不安に陥っているか。

 また、神戸市では、私はいろいろ入居者の方に直接お伺いしましたが、まるで借金取りが来たかのように、職員が夜討ち朝駆けでやってきて退去を迫られる、ベルを鳴らし続け、ドアをたたく、玄関先で大声で名前を呼ばれる、もう追い出しとしか言えないような状況だといいます。

 公営住宅法第一条では、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸などすることにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするとしていますけれども、国交大臣、こうした退去を迫るやり方は、この目的と余りにもかけ離れた対応ではないかと思うんですが、いかがでしょう。

太田国務大臣 この二十年ということを、神戸などの場合は、二〇二〇年ごろですから、今から、ある程度そうしたことについて通知をしているというところもあれば、各市町村で、一番最初の二十年前、そういうことを知らなかったというまま来ている方もいらっしゃるというふうに思います。

 そこで、ドアをどうたたくとかということについては、これは印象の問題で違うかもしれませんけれども、いずれにしても、二十年ということで出ていただくということの方針のもとで現地では動いているのではないかというふうに思っています。

 ただ、借り上げ災害公営住宅に入居している高齢者、高齢者がもう多くなってきている、それで介護が必要な方々の居住の安定確保ということについて、心配だと思いますが、第一義的には、これは地方公共団体において対応すべきものだと考えているところです。

 実際、兵庫県、県もありますし各市があるわけですが、借り上げ災害公営住宅の入居者に対しまして、入居期限以降の住みかえ先等について個別の事情を踏まえて対応しているということを聞いています。

 例えば、神戸市におきましても、高齢者の方や手厚い介護が必要な方に対しまして、入居制限を延長したり、あるいは継続入居を認めることとしています。また、その他の方についても、住みかえ希望先の市営住宅に入居決定するまで最長五年の延長を行うということとしているようです。

 また、今ありました西宮市におきましては、介護の必要な方や障害をお持ちの方に対しまして、住みかえ希望先の市営住宅に入居決定するまで最長五年の延長を行うということとしているところです。

 いずれにしましても、入居者の居住の安定の確保は非常に大事なことです。高齢者にもなっている。そして私も、URやいろいろな方あるいは都営住宅とかいう方と現場で非常によく接するわけですが、なかなか長年住んだところから動くということは、ここがあるからということだけではない、心情とかいろいろな部分があるというふうに思います。

 これらのことも、今各市を見ますと、いろいろ配慮しながら苦慮しているという状況だと聞いておりますが、借り上げ災害公営住宅を運営する地方公共団体がここは丁寧に対応して、判断して対応すべきものだ、このように考えているところです。

堀内(照)委員 ぜひ丁寧に対応していただきたいんですが、居住の安定の確保ということを大臣はおっしゃいました。それがこの住みかえによって確保されるのかということであります。

 神戸市の借り上げ住宅に住んでおられるある女性は、入居期限が来るときには八十四歳十一カ月、表をごらんになったらわかりますように、神戸市が定める継続入居要件の八十五歳まであと一カ月足りないんです。

 この方は、年金五万円で生活をし、節約のため、下着は十年前に亡くなった夫のものを縫い直して仕立てています。震災の後遺症で重い物が持てず、買い物に出かけても、牛乳と豆腐で一回、大根で一回、白菜四分の一とホウレンソウで一回と、分けて何回も行かなければなりません。病院も五カ所に通っておられます。スーパーも病院も近いからまだ何とか暮らせる。こういう人に住みかえを迫ること自体が、生活基盤を破壊するということになるのではないかと思います。

 この方は、自分は退去期限までには死んでいます、それが私の願いと言っているんです。震災で助かった被災者を政治が絶望のふちに追いやっていいのかということが問われていると思います。

 被災者一人一人の生活再建を図るというこの災害対策の基本から見て余りにも逆行するのではないかと思うんですが、防災大臣、いかがでしょうか。

山谷国務大臣 この御提出の資料、継続入居の条件、また、自治体のさまざまな考え方、いろいろあると思いますけれども、やはり、年齢、暮らしぶり、一人一人さまざまだというふうに思っております。

 借り上げ公営住宅については、国土交通省からこれまでも、個々の被災者の事情を踏まえながら、地元自治体において住みかえ先の確保等の対応を行っていると伺っております。引き続き、高齢者や介護が必要な方々などを初めとして、被災者一人一人の生活再建を図ることが重要であります。

 地元自治体において個々の被災者の事情を踏まえた丁寧な対応に努めていただいているものと考えておりますけれども、この一人一人の心に寄り添う、暮らしぶりに寄り添うという視点から、被災自治体、丁寧な対応をしていただきたいと思っております。

堀内(照)委員 住民の運動もありまして一部継続入居もあるわけですが、しかし、継続入居が一部の人に認められても、このままでは、借り上げ住宅には高齢者や障害者が残されるということにもなります。

 一般的に言いましても、障害者や高齢者が健常者や元気な世代と地域でともに暮らしていくというのが今求められている姿だと思うんですが、この点、厚生労働大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 先生今おっしゃったように、一般的に、障害者など社会的に弱い立場の方々が、地域の、社会の一員として安心して暮らせる、一人一人が持てる力をちゃんと出せるということが基本でありまして、災害の復興においても、やはり、同じような扱いを受けて、一人一人がそれぞれの力で生きていけるようにということでいくのが基本ではないかというふうに思います。

堀内(照)委員 この借り上げ住宅から既に転居をした方の中からも深刻な事態も生まれています。

 脊髄小脳変性症という難病で車椅子で生活しておられる男性は、これまでは借り上げ、障害者用の一階の住宅に住んでいたんですが、家族で住んでおられて、迫られて、該当する住みかえ先が一つしかないよ、これがなくなったらもう終わりだよと言われて、ついに二〇一二年十一月に転居をしました。

 ところが、そのわずか三カ月後、二〇一三年三月に神戸市は、この表にありますように、障害者は継続入居ができるというふうに決定をしたわけです。さらに二〇一四年一月には、もといたその借り上げ住宅を丸々神戸市が買い取るということになりましたので、慌てて引っ越さなければ、もといた場所にずっと住み続けることができたのにと。それで、引っ越し先が十四階でありまして、車椅子ではとてもこれは生活できない、戻りたいけれどもそれもかなわないということであります。

 政治によって新たな、まさに苦難を強いるということになっているわけで、復興災害と言わざるを得ません。

 戦後未曽有の大災害、大震災で九死に一生を得た被災者に対してこんな仕打ちをするのが日本の政治であっていいのかということが問われています。

 借り上げ住宅制度導入以来、期限が来るのは初めてのケースであります。それだけに、国交大臣、事業主体である自治体任せにせず、国としても責任を果たすべきではないかと思いますが、いかがでしょう。

太田国務大臣 復旧という段階があって、そして復興という段階になって、その後、孤独であるとか仕事がないとか高齢ということになって、身近なところで仲間が必要だということで、五年、十年たっていったときの対応ということは、私は、全ての災害に丁寧にやらなくてはいけないし、よく見ていかなくてはいけない、このように思っています。

 二十年ということが決められて、そこでばしっと今切られているわけではなくて、兵庫県も神戸市も、また尼崎、西宮、芦屋を初めとしてそれぞれのところも、そこで追い出しというよりも、どうすればこの方たちに安心して住んでいただけるかということで、試行錯誤をしながらこの数年来ていて、今御指摘の方は、まずそこに行って、その後また制度が変わったということで、私は、ここは、そうした個別の例ということも具体的に市当局に言っていただいて、対応できるということが大事ではないか、こういうふうに思っています。

 そうしたきょうのやりとりも恐らく現場で聞かれていると思いますが、私としては、兵庫県や各市に対しまして、入居期限後の支援策全般について、きょう出た例等も出しまして、丁寧な対処をしていただければ、このように思っているところでございます。

堀内(照)委員 公営住宅法、先ほど読み上げました第一条の目的の冒頭には国と地方公共団体が協力してということもありますので、ぜひ国の責任を果たすということを強く求めたいと思うんです。

 仮設住宅で自治会長を務め、現在は借り上げ住宅に住んでおられる方はこう言っておられます。震災後、高齢者は弱者と呼ばれた、弱者は震災で死に、避難所で死に、仮設住宅で死に、復興住宅でも死んだ、四度の危機を乗り越えた被災者に五度目の危機が迫っているというんです。

 行政が持ち込んだ基準で線引きするのではなくて、一人一人の生活実態やコミュニティーの全体を考慮して、希望者全員の継続入居へぜひ国の責任を果たしていただきたいと強く求めたいと思います。

 続いて、もう一つただしたいのは災害援護資金の問題です。

 当時、被災者生活再建支援法がなかったもとで、多くの被災者が生活再建のためにこの制度に頼らざるを得ませんでした。この返済でも、なお多くの被災者が苦しんでいます。免除に向けて新しい政府方針が示されましたが、どういう枠組みかということを、時間がありませんので、ぜひ簡潔に御説明いただきたいと思います。防災大臣。

山谷国務大臣 災害援護資金貸し付けの免除要件についてでございますけれども、貸付金の当初の履行期限から十年が経過することとなるため、地方自治法施行令等の関係法令に基づき、債務者が無資力またはこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができることとなる見込みがないと認められる場合に、市町村は償還を免除することができるとされています。

 今般、関係省庁と協議の上、免除の整理をしたわけでございますが、借り受け人自身が破産法及び民事再生法の関係規定により当該債権につきその責任を免れた場合、生活保護法に基づく生活保護を受給している場合等貸付金を弁済することができることとなる見込みがない場合であって、かつ、当該借り受け人の保証人が破産法及び民事再生法の関係規定により当該債権につきその責任を免れた場合のほか、死亡した、もしくは精神的、身体的に著しい障害を受けている場合、生活保護法に基づく生活保護を受給している場合等の貸付金を弁済することができることとなる見込みのない場合に免除することができると整理したところでございます。

堀内(照)委員 地元紙では、少額返済で返しておられる方は月千円から返しておられるわけですが、月千円、完済まで百四十七年と報道されました。

 いつまでも被災者に重い荷物を背負わせるわけにいかないと思っております。これは自治体からも要望があると思います。少額返済者や保証人の扱いについて、ぜひ、自治体の判断を尊重して、弾力的な運用を認めていただくように強く求めたいと思っております。

 最後に、こういった借り上げの問題にせよ、援護資金の返済問題にせよ、二十年たってなおこういう厳しい現状が残されているのは、被災者の生活再建、立ち上がりに思い切った支援がなかったからであります。

 より根本的には、被災者生活再建支援法をさらに実効あるものにすることが求められていると思います。今、東日本の被災者からも切実な声として上がっています住宅本体への支援、三百万から五百万円に引き上げることなど、抜本拡充を求めるものでありますけれども、防災大臣、いかがでしょう。

山谷国務大臣 被災者生活再建支援金、今三百万円でございますが、五百万円にということでございます。

 被災者の生活再建については、保険や共済等の自助、共助が基本であり、公助でそれを側面的に支援するということが適当であると考えております。

 基礎支援金については、全壊等の場合は百万円、そして加算支援金については、建設、購入の場合は二百万円、合わせて最大三百万円というのが今の現状でございますけれども、他の制度とのバランス、国、地方の財政負担などを勘案する必要があり、慎重な検討が必要だと考えております。

 ただ、被災者の生活再建につきましては、引き続き、被災地方公共団体や各府省など関係機関と連携して、しっかりと対応していくことが大事だと考えております。

堀内(照)委員 被災者生活再建支援法は、阪神・淡路の被災者にとっても悲願でありました。私も、そのことを求めて、震災以来、被災者の皆さんとともに一貫して運動してまいりました。ついにその法律ができて、阪神・淡路大震災のときはなかった支援が行き渡りましたけれども、その際、阪神・淡路の被災者から、自分たちのときとバランスを欠いているというような声が上がったでしょうか。ありませんでした。もちろん自分たちにも適用はしてほしいけれども、何よりも、自分たちのようなこの苦しみを今後同じ被災者に味わわすまいと、制度の実現を喜んだわけであります。

 二十三日、この予算委員会でも、竹下復興大臣は、阪神・淡路のときにどうだったのか、そのこととの比較を無視して積み増すということはやはりなかなか厳しいとお答えになっていますけれども、これは本末転倒だと思います。

 阪神・淡路の二十年の苦しみを、また東北の被災者にも味わわせようというのでしょうか。バランスなどという理屈を言っている限りは、新しい制度はできません。それは、この二十年、支援法をつくり拡充させてきた、その政治の歩みをも否定する、通用しない議論だと厳しく指摘したいと思います。

 きょう冒頭確認しましたように、一人一人の生活再建を図る、この基本に立って、何よりも被災者の置かれている実態から出発して、切実に求められているこの支援法の抜本拡充も重ねて求めまして、質問を終わります。

大島委員長 これにて堀内君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十七日午前八時五十五分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三分散会


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