衆議院

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第14号 平成28年2月18日(木曜日)

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平成二十八年二月十八日(木曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 竹下  亘君

   理事 石田 真敏君 理事 金田 勝年君

   理事 菅原 一秀君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 関  芳弘君 理事 平沢 勝栄君

   理事 柿沢 未途君 理事 山井 和則君

   理事 赤羽 一嘉君

      秋元  司君    井上 貴博君

      石原 宏高君    岩屋  毅君

      衛藤征士郎君    小倉 將信君

      越智 隆雄君    奥野 信亮君

      門  博文君    小池百合子君

      小林 鷹之君    佐田玄一郎君

      佐藤ゆかり君    鈴木 俊一君

      瀬戸 隆一君    長坂 康正君

      根本  匠君    野田  毅君

      原田 義昭君    古屋 圭司君

      保岡 興治君    山下 貴司君

      山本 幸三君    山本 有二君

      井坂 信彦君    緒方林太郎君

      大串 博志君    大西 健介君

      神山 洋介君    小山 展弘君

      玉木雄一郎君    西村智奈美君

      福島 伸享君    宮崎 岳志君

      浮島 智子君    濱村  進君

      吉田 宣弘君    高橋千鶴子君

      本村 伸子君    足立 康史君

      井上 英孝君    椎木  保君

      松浪 健太君    重徳 和彦君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣         高市 早苗君

   法務大臣         岩城 光英君

   文部科学大臣       馳   浩君

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   農林水産大臣       森山  裕君

   国土交通大臣       石井 啓一君

   国務大臣         丸川 珠代君

   防衛大臣         中谷  元君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            河野 太郎君

   国務大臣         石原 伸晃君

   国務大臣

   (地方創生担当)     石破  茂君

   財務副大臣        坂井  学君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  池田 唯一君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      佐々木清隆君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  青木 信之君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    佐藤 慎一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           石井 淳子君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  鈴木 俊彦君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         佐藤 速水君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤田 耕三君

   予算委員会専門員     柏  尚志君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十七日

 辞任         補欠選任

  松野 頼久君     升田世喜男君

  浮島 智子君     真山 祐一君

  赤嶺 政賢君     畠山 和也君

  重徳 和彦君     小熊 慎司君

同日

 辞任         補欠選任

  升田世喜男君     松野 頼久君

  真山 祐一君     浮島 智子君

  畠山 和也君     赤嶺 政賢君

  小熊 慎司君     重徳 和彦君

同月十八日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     瀬戸 隆一君

  緒方林太郎君     宮崎 岳志君

  階   猛君     小山 展弘君

  福島 伸享君     神山 洋介君

  松野 頼久君     井坂 信彦君

  赤嶺 政賢君     本村 伸子君

  足立 康史君     椎木  保君

  松浪 健太君     井上 英孝君

同日

 辞任         補欠選任

  瀬戸 隆一君     小田原 潔君

  井坂 信彦君     松野 頼久君

  神山 洋介君     福島 伸享君

  小山 展弘君     泉  健太君

  宮崎 岳志君     緒方林太郎君

  本村 伸子君     赤嶺 政賢君

  井上 英孝君     松浪 健太君

  椎木  保君     足立 康史君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十八年度一般会計予算

 平成二十八年度特別会計予算

 平成二十八年度政府関係機関予算

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

竹下委員長 これより会議を開きます。

 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官澁谷和久君、金融庁総務企画局長池田唯一君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長佐々木清隆君、総務省自治税務局長青木信之君、財務省主税局長佐藤慎一君、厚生労働省社会・援護局長石井淳子君、厚生労働省年金局長鈴木俊彦君、農林水産省大臣官房総括審議官佐藤速水君、国土交通省鉄道局長藤田耕三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

竹下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小山展弘君。

小山委員 民主党の小山展弘でございます。

 早速質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、麻生財務大臣にお伺いをいたします。

 軽減税率、そもそも軽減ではなくて、これは単なる税率の据え置きだと思いますけれども、麻生財務大臣は、昨年の、二〇一五年十月十四日、札幌市内の会合におきまして、軽減税率について、財務省は本当は反対だ、みんな面倒くさいと言っている、社会保障に回る金がそれだけ減る、インボイスの導入には、公明党さん、それはそっちで、それというのは企業の説得のことですけれども、それはそっちでやってくれるんでしょうね、俺たちに押しつけないでくださいよとしつこく言っているんです、こんなふうにお話しになられているわけですけれども、今でもこの軽減税率の導入について面倒くさいとお考えになっているんでしょうか。

麻生国務大臣 よく読まれていて、現場におられたかどうか知りませんけれども。

 申し上げた話は、軽減税率によって、これは財務省ではなくて事業者が、消費者と事業者の話ばかり皆語られますが、この話は事業者間、BツーBの話が一番面倒くさくなりますよという話をして、BツーBの説明もしたというような記憶があります。より大きな事務負担が生じる可能性というのは事業者のところに一番起きますよという趣旨で申し上げたと思っております。

 いずれにしても、政府としては、軽減税率というものの導入に当たりましては、混乱が生じることは避けて通れぬところだと思いますので、そういった意味では万全の準備を行わねばならぬものだと思っております。

 なお、お尋ねの今のインボイスというものにつきましては、これまた複数税率のもとでは、まあ軽減税率、複数、同じことですけれども、適正な課税というものを確保するためには必要な制度なんだ、世界じゅう皆この制度を使っておられますので、その導入に当たりましては、事業者に生じる新たな事務負担というものを考えて、制度を円滑に、混乱なく導入するということが必要だと思いますので、そのために、インボイスの制度につきましては、四年間繰り延べるというか、四年間ちょっとずらして、平成三十三年の四月に導入するということにして準備期間というものを設ける必要があるのではないか、そのように考えております。

 それまでの間はどうするかということなんですが、それは過去の実績というものがありますので、おたくではいろいろなものを売っておられますが、食料品の割合は、調べてみると、大体、三カ月の調査ですけれども、一カ月の調査ですけれども、二割ですねとか三割ですねとかいうようなところがあろうと思います。細かいところはいっぱいありますので、かごの中に照らし合ってぽいぽいやっているところはいっぱい、御地元はどうか知りませんけれども、私どものところにはそういうのがいっぱいあります。そういうのを見ていますので、過去の実績に照らして算出をして、簡易な売り上げまたは仕入れのうちに軽減税率対象分というものの金額を算出することができるように、特例を設けないとやれないだろうと思っております。

 今般国会に提出させていただきました税制改正の附則におきまして、インボイス制度の導入に係る事業者の準備状況等を検証しつつ、必要な対応を行う旨を明記させていただいておりますので、しっかりと事業者への対応を行ってまいりたいと考えております。

小山委員 今の麻生大臣の大変長い御説明も含めて、大変面倒くさいんだなと思われているんじゃないかということが、大変そう思われたんですけれども、麻生大臣も今お話しになったとおり、大変事業者にも負担をかけるし、混乱も避けて通れないと、今答弁にもありましたが、そのとおりだと思います。

 私は、この軽減税率というのは、発想の原点みたいなものは全部否定するつもりはないんですけれども、これは混乱とかコストがかかるというマイナスの方が、デメリットの方が大きいんじゃないか、やはりやめるべきじゃないかなと私は思っているんです。

 この軽減税率をめぐっては、例えば新聞、きょう、余りこれを一つ一つやっていくともう膨大な時間になりますので、幾つか特に関心のあることだけお尋ねしたいと思うんです。

 新聞、再販制度、配達されてくる新聞は軽減税率となって、駅とかコンビニで買う場合には一〇%の税率になるということでございます。例えば、同じ新聞でも、配達されたり郵送されると軽減税率の対象になって、駅やコンビニで買うと一〇%というのは、どうにもこれは納得感がないんじゃないかなと。

 それと、例えば、総理が、きょうはいらっしゃらないですけれども、自民党政権の報道の自由の象徴だと言った日刊ゲンダイなんかは、駅やコンビニで買う率の方が高いわけですから、軽減税率の対象じゃない場合が多くて、経営的に考えると、再販制度でやっているような、特に大新聞さんとか、こういうところは、結果として、売り上げの大宗が駅なんかでやっているこういうスポーツ紙さんとか日刊ゲンダイさんみたいなところが経営には厳しくて、税率が上がって経営には影響があって、大新聞さんのところには経営が甘くなる、こういうようなことにもなるんじゃないか。

 こういった新聞の税率についての根拠は何でしょうか。

麻生国務大臣 いろいろ議論の分かれたところです。新聞というのは、学生新聞から、新聞と名のつくものはいっぱいございますので。

 定期購読される新聞ということにつきましては、日常の生活におけます情報の媒体としては、全国ほぼあまねく均質に情報を提供して、幅広い層に日々読まれているということもありますし、この結果、新聞の購読料というものにかかわります消費税の負担が逆進的になる、これは当然のことで、そういうことになるんですが。そこで、我々としては、総合勘案させていただいて、軽減税率の適用対象とすることとしたわけであります。

 一方、今言われましたように、駅のポスト売り、ああいったもので販売される新聞というのは、消費者が必要だと思われた、見出しがいいから、安倍批判、これはおもしろいとばっと買うわけですから、ああいった、その都度選択して購入されるという点では定期購読とは性格が異なるということで、標準税率を適用するということをしておりますので、不公平という観点からいきますと、定期購読というところに絞ってやらせていただいたというように御理解いただければと存じます。

小山委員 いろいろと議論があったというところで、これはどこかで線引きしなきゃいけないというのは、もちろん、この複数税率を導入するということを前提とすれば、そこはやはりわかるんですけれども、ただ、定期購読で来る情報には価値があって、もちろん同じ新聞でも、駅頭なんかで買う場合には高くなるというのは、やはりちょっと納得感が少ない。

 特に、余り茶化して言うわけじゃないんですけれども、安倍総理が自民党政権の報道の自由の象徴と言った、そういう新聞社のところなんかは店頭販売をメーンにしているところがございまして、そういうところは税率を高くして懲らしめるんだ、そういうことを言われないようにしていかなきゃいけない。

 そういう中で、やはり新聞についても、この軽減税率の線引きというのは、お話はお話でわかるところもあるんですけれども、かなり無理があるんじゃないかな、できればやらない方がいいんじゃないか、私はそう思うんです。

 それと、私の地元なんかでは、軽トラックなんかにいろいろ物産品を積んできて、それで朝市みたいなところで売っている。お祭りの屋台と一緒みたいな。お祭りですと、広場のスペースみたいなところで、テーブルがあって椅子があって、売っているものを食べるというのは余りないんですけれども、軽トラ市という名前もつけて、結構全国でも、大臣の地元でもあるかもしれませんけれども。

 そういう軽トラ市みたいなところでいろいろなものを売っていまして、中にはおいしいものがあって、私も買わせていただくんですけれども、なかなかおいしいものですから、ふだんのところでも買いに行きたいんだけれども、お店はありますかと言うと、いや、ないと言うんですね。軽トラ専門で私はやっていますと。だから、結構プロがいるんですね。事業者なんです。

 広場にテーブルとかが置いてあって、無料の食べるスペースがあって、もちろん最初から食べることを前提に買っているという場合もあるんですけれども、そういう場合は軽減税率は適用になるんでしょうか。

麻生国務大臣 今の屋台の話がよく出てくるところですが、屋台も、一くくりに屋台と言っても、あなた、静岡県かな、静岡県ね、俺のところは福岡県なんだけれども、福岡県の長浜ラーメンなんて、それは間違いなくレストランとほとんど変わらないですよ。でも、屋台という縛りになっていますから。

 これはなかなか難しいところなので、いろいろ私どももやらせていただいたんですが、外食というものを、テーブルや椅子などの飲食設備を設置してあるという場所において飲食させるサービス、フードサービスというように定義をさせていただいております。

 この定義へ具体例を当てはめていくのにつきましては、実際の個別具体例の状況というのは、これはきっといろいろあるので出てくると思います。その都度、個別に判断をしていくべきものなんだと考えているんですが、その上で、一般論で申し上げさせていただければ、通常、お祭りで、焼きそばだ、たこ焼きだというものを販売する出店と言われるようなものは、これは飲食設備があるわけではありませんので、これは単に飲食品を販売するというものであるということから、軽減税率の八%の対象ということに考えておりますが、オープンスペースに設置された飲食設備において、いわゆる飲食することを前提として飲食させるサービスということになりますと、これは外食に該当するので、標準税率の適用対象ということになる。一〇%になる。

 いずれにしても、この具体的な当てはめにつきましては、通達とかQアンドAとかいろいろなことをやっていかねばならぬと思っておりますのですが、これはできるだけわかりやすく説明をしないと、何となく、役所の書いた細かい文章なんて、大体字も小さいし、読む気もありませんし、もうちょっとわかりやすい、絵にしろ、絵にと言って、七十五歳でも読めるような字の大きさにせいと言って、何回も言ってあるんですけれども、事業者からの相談等への対応を丁寧に行っていくということは非常に重要なことだと思っております。

小山委員 今、大臣からの答弁にもありましたけれども、逆に言えば、絵に描いて説明しないとなかなか伝わりにくい。役所が細かい字で読みにくいというような、そういうことで、やはり複雑なんだと思うんですね。きょうの一番最初の麻生大臣の答弁にもあったとおり、複雑で混乱があるということは避けられないということであります。

 ですから、私は、この話でも、事業者の人たちに大きな負担を招く。軽トラックのおっちゃんとかおばちゃんが、どっちなのかななんて余り迷うような、やはり軽減税率になるとこういうマイナスの側面が大きいと思うのですね。

 それと、最後に、この軽減税率の関係では、二月十五日の私どもの古川議員への答弁で、軽減税率の導入で混乱は起きる、中小企業や零細企業の潰れるケースが一つや二つ、百や千は起きるというような答弁がありまして、そのことを維新の柿沢議員から撤回すべきじゃないかということで要求がありましたが、撤回ということではなかった。こういうことですと、だから、自民党さんは中小企業さんの痛みを共有するというような姿勢がないというふうに誤解されるんじゃないでしょうか。

 私は、撤回しろというふうには言いません。麻生さんも安倍さんも頑固ですから。ですけれども、これは何でもちょっと言い過ぎだったんじゃないか。ちょっと言い過ぎがあったんじゃないかとは思わないでしょうか。

麻生国務大臣 お話があった現場も予算委員会だったと思いますが、よく読み直してみましたけれども、中小企業の潰れるケースというのを全く申し上げていないのであって、あれは、その前によく読んでいただくと、出前の話が出てくるんだと思いますが。

 軽減税率の導入による事業者の混乱や過度の負担というものを容認しているということでは全くありませんので、私が古川先生の御質問、またそれに関連する柿沢未途さんの御質問に対して申し上げたのは、軽減税率制度の導入によって事業者の方々には複数の税率に対応することに新たな事務負担が生じるということを想定して、そのような想定のもとで、このときは、たしか、出前をみんな頼むようになるから、出前の方はいわゆる対象になるので、店で食わない、その分だけガソリン代が、トラックに載っけて運んだり、手間がかかるというようなお話もあっておりましたので、そういう場合はどうだとかいうようなお話もありましたので、それはうちにも似たような例がありますけれども、出前料は別に頂戴されておられるというのを……(発言する者あり)よく読み直してみてください。

 政府として緊張感を持って事業者の準備をしっかりと支援していくということが必要なんだ、私どもはそう思っております。

小山委員 それでも、軽減税率の導入で混乱は起きる、中小零細の潰れるケースが一つや二つ、百や千は起きる、こういう内容に十分これは解釈され得ると思いますけれども。

 今、ちょうどそこの議事録のところを開いていますけれども、地方の本当に小さな商店、そういうところをどんどんどんどんと廃業に追い込むということになっていってということもおっしゃっているんですね。やはりこれは配慮に欠けた発言ではないかなと思うんですが、もう一度答弁をお願いします。

麻生国務大臣 誤解を招いたというのであれば本意ではありませんので。

 私どもは、これは出前なら出前でという言葉を使っておりますし、そういった例がないとは言いませんということも申し上げておりますし、一つ、二つという表現は出てくる。いろいろ出てくるとは思いますよと。それは今の段階では私どももわかりません、そういったようなことはと。出前は別に取っておられるところがいっぱいありますので、私どもとしては、そういったことはいろいろあろうとは思いますけれども、少なくとも、いろいろな形で時間がかかることは確かだと思いますが、そういった点に関しては、古川さん、間違いなく、私どもとして、すぐやるという……(発言する者あり)出前って書いてあるじゃないですか。書いてあります。ということを申し上げております。

小山委員 最初、出前の話をされていることはそうなんですけれども、こういうふうにおっしゃっているんですね。

 地方の本当に小さな商店、そういうところをどんどんどんどんと廃業に追い込むということになっていって、地方創生どころか、本当にどんどん免税業者の小さなところが潰れていく、そうしたことを、これはインセンティブをつけるということになるんじゃないんですかという質問に対して、そういった例が一つや二つあったとか、百あったとか、よく聞けって、最後までと。一つや二つあったとか、百あったとか千あったとか、いろいろ例が出てくると思いますよ、こういう答弁になられているんですね。

 せめて、このあたり、言い過ぎだったとか認識に少しそごがあったとか、そういうことは考えられないでしょうか。

麻生国務大臣 この前の文章を見ますと、これは古川先生の御質問の中で、いろいろ出前、おすし屋さんとかそば屋さんとかという出前のあれがずっと書いてあるものに対する答弁ということになっているので、私どもとしてはそう思っておりましたので、それが誤解を招いたというのであれば訂正させていただきます。

小山委員 撤回はされますでしょうか。

麻生国務大臣 誤解を招いたということなのであれば訂正させていただきますと申し上げました。

小山委員 訂正するというのは、この議事録に基づきますと、どの部分をどういうふうに訂正されますか。

麻生国務大臣 私どもとしては、この申し上げた内容で誤解を招いたということなのであれば、そういう誤解を招かないような答弁をさせていただくということで、どういう文章にするかにつきましては、今の段階で、しばし時間をいただいて御返事申し上げます。

小山委員 どのように訂正をするか、明らかにしていただけますでしょうか。(発言する者あり)

麻生国務大臣 静かにしてください。

 柿沢先生でしたかね、今そこにおられますけれども、私が古川委員の御質問に対してでしたが、そういう例が一つや二つあったとか、百あったとか千あったとか、いろいろ出てくると思いますよという発言はどういう趣旨で言ったのかというような御質問だったと思いますが、廃業の例が一つや二つあるとの趣旨で申し上げたとの御指摘をされておりますが、私が古川委員に申し上げましたのは、出前が増加し、出前のコストが負担となる事業者が何社か出てくるかもしれないということを申し上げたのであって、廃業の例が一社や二社などというような表現にはなっていない、私どもはそう思っております。

 したがって、このことは、私がこの言葉の発言に続けて出前についての別料金を取っている例を紹介したところからもおわかりをいただけるものなんだ、私どもはそう思っておりますので、私どもとしては、その点に関しましては、今申し上げたように、誤解を招くような発言があったというのであれば、その点に関して訂正をさせていただきますと申し上げております。

小山委員 関連して伺いますが、免税業者の方はどうなるんですか。議事録の中で、免税業者についての質問と答弁とあるんですけれども、免税業者はどういう扱いになりますか。

 この質問の中で、免税業者の小さなところが潰れていくというような質問に対して、この中で、今大臣からも説明があったんですけれども、一つや二つとかという話があるんですが、この免税業者の小さなところが潰れていくという質問に対しては、もう一度、この当時の、免税業者に対する認識のところを答弁いただけますでしょうか。

麻生国務大臣 免税業者につきましては、先ほどの前半の御質問にお答えをしたと思うんですが、導入時期等々、いわゆる四年間ずらすというようなことを申し上げておりますけれども、いろいろな形で免税業者の方々で、いわゆる中小というか零細企業の方々で、免税、一千万円以下とかいろいろありますので、そういった方々に対する対応というのは、少々これは時間がかかる、そんな、税理士が入っているわけでもないしというようなところがいっぱいありますので。

 そういったところを考えますので、私どもとしては、軽減税率の導入から四年間の間、時間をかけさせて、準備期間を置かせていただくということで、その対応ができるのではないか、そのように思っております。

 この間、それでもというのでやれば、我々としては、いろいろ、地元の方々に、商工会の方にもお目にかかりましたけれども、そういうところはみんな、我々としてはいろいろ指導しますからというお話もいただきましたから、そういった意味では、御指摘のようなインボイス制度というところに行きますまでの間は少々これは時間がかかるんだと思っておりますので、課税事業者からの仕入れじゃないと俺たちはとらないとかいうような、いわゆる零細から買っておられる中小の方に対する対応というものが、BツーB、事業者間の間ではいろいろ問題になろうと思いますので、そういったところを考えて、私どもとしては時間をかけてやらせていただくということで考えておりますので。

 また、免税事業者が、納入しておられる企業先から、短期間のうちに課税事業者への転換をしろということを求められるケースというのがきっとあろうと思いますので、その点に関しましては、三年間で少なくとも八〇%、五年間では五〇%ぐらい、時間をかけてやらせていただくというので、経過措置としては、私どもは、免税事業者からの仕入れにつきましても、一定期間の仕入れ税額控除というようなものを認めるということで対応させていただければと思っております。

小山委員 いろいろ今お話を伺いましたが、大臣のお話にもあったとおり、やはり相当な混乱と手間暇、また、最初に面倒くさいという話もありましたけれども、事務的な煩雑なことが発生すると思われます。やはり、この軽減税率そのものを見直していくように、もう一度考えてもらいたいなと私は思います。

 それで、次の質問に移らせてもらいたいと思いますが、国家戦略特区諮問会議で、これは今非常に、新聞にも、きょうも農業新聞の一面にこれは出ています。農業生産法人の出資・事業要件の緩和、企業の農地所有解禁を検討していると報道されています。

 これについては、耕作放棄とか産廃の物置場になるんじゃないかとか、そういう懸念とか、あるいは、確実な原状回復の手法が確立されていないという声が現場から上がっております。何よりも、企業の五〇%以上の出資を認めれば、農家の農業法人に対する発言力が弱まって、将来的に農家が不利益をこうむるケースというものも懸念されているんです。

 報道によれば、森山大臣も、事実上のこれは企業の農地所有解禁だということで、農業、農村の現場に懸念があると慎重な発言をされています。農業法人の出資・事業要件の緩和というのは、これをやっても農家の所得というのは上がらないんじゃないかな、農家のための政策ではないんじゃないか、そう考えるんですけれども、国家戦略特区会議の答申内容も踏まえて、森山大臣の認識、伺いたいと思います。

森山国務大臣 小山委員にお答えをいたします。

 小山委員御承知のとおり、企業の農業参入は、平成二十一年の農地法改正で、リース方式では完全に自由化されております。したがいまして、法改正前の五倍のペースで企業の参入が進んでいるところであります。

 他方、今御指摘のありましたように、企業の農地所有につきましては、農業から撤退をしたり、あるいは、その農地であったところが産業廃棄物の置き場になるのではないかといった農業、農村の懸念があることも承知をしております。このため、農地を所有できる法人の要件が定められているところであります。

 この要件につきましては、昨年の通常国会で成立をした農協法改正法において、六次産業化等の、経営発展の障害を取り除く等の観点から、役員の農作業従事要件や議決権要件の緩和が行われたところでございます。

 さらなる農業生産法人要件の緩和につきましては、日本再興戦略において、リース方式については、事実上耕作放棄をされたりあるいは産業廃棄物の置き場になったりした場合にリース契約を解除するということで、原状復帰が確実に担保されております。これに匹敵するような確実な原状回復手法の確立を図っていくということが前提になるというふうに思っているところでございます。

 このため、特区において検討する場合におきましても、リース方式の契約解除に匹敵する確実な原状回復手法を確立することができるかどうかという観点から、よく検討をしていきたいと考えております。

小山委員 今の大臣の答弁にもあったとおりかと思います。

 特に農業は、水の管理、水のこと一つとっても、自分のところだけ何か、ほかの産業でもそうですけれども、自分の土地、自分のやっているところだけ、自分さえよければいいやということでは周りにも全部迷惑をかけるわけですね。やはりワーストシナリオということも考えてやっていかなければいけない。

 そういうときに、もともとこのリース方式にしたというときにも、今回のような企業の農地所有というようなことは前提とされていなかったんですね、この議論の経緯でも。ですから、このことは本当に慎重に取り組んでいただきたい。

 それと、国家戦略特区会議の議事録によれば、竹中平蔵委員が、農業生産法人の問題は岩盤中の岩盤、ザ・岩盤だと思います、このザ・岩盤の背後にはザ・抵抗勢力とザ・既得権益者がいて、これを突破できるかが本当にいろいろな意味で象徴になろうかと思っていますなんということを発言しています。

 日本の食料安全保障を担って国土を保全し、真面目に農業に従事して、その観点から懸念を申し上げている農家を小ばかにしたような発言で、まさに小泉郵政改革の時代よろしく、古色蒼然たる発言だと思います。

 言うまでもなく、竹中氏は、オリックスの社外取締役とかパソナの会長も務めています。企業の農地所有の解禁の議論については、兵庫県の養父市が提言しているんですけれども、この養父市に現在農業参入している企業の中にオリックスが入っているんです。これは、パソナが農水省の雇用事業も請け負っているということもありますけれども、竹中氏はまさに農業生産法人の規制の利害関係者じゃないか。

 国家戦略会議で規制することについて発言することは、自社への利益誘導、利益相反を疑われかねないと思うんですね。私は、そう疑われて当然だと思うし、まさにこういう人こそザ・既得権益でザ・政商でザ・癒着じゃないか、改革の対象だと思いますけれども、大臣、いかが認識でしょうか。

石破国務大臣 古色蒼然かどうかは別として、竹中委員にお願いをしておりますところは、すぐれた見識を持たれた方ということで、任命をし御意見を承っているところでございます。

 養父市の議論は今委員から御指摘があったとおりですが、竹中委員としては、経済社会の構造改革の推進の観点から述べているのであって、個別企業についての利益について言及をしてはいないというふうに承知をいたしておるところでございます。ですから、利益誘導ということに当たらないと私としては考えております。

小山委員 そこは使い分けているということの答弁ですけれども、しかし人格というのは一つしかないんですね。それと、そう疑われないように、李下に冠を正さずということが大事じゃないでしょうか。竹中さんという方が、もし、こういう政府に入って国の規制にかかわっていきたいということであれば、やはり民間企業の役職はやめるべきじゃないか、私はそう思います。

 それと、私は、もうこういう審議会政治、臨調政治ということ自体をそろそろ見直していくべきじゃないでしょうか。

 中曽根内閣のころに、あの当時の、これは話していると長くなるのでやりませんけれども、時代が大分変わっています。むしろ、我々議会人が現場の声を聞いてきて、与野党でしっかり議論をしていく、そういうことに少しずつでも、審議会というのは、官僚は試験で選ばれている、我々は選挙で選ばれている、だけれども、すぐれた見識をということだったんですが、これは極端に言えば恣意的に選ばれている部分があると思うんですね。私は、こういう審議会政治自体をもう見直していくべきだと思います。

 それと最後に、金融関係についてお伺いしたいんですが、東芝の粉飾決算事件がございました。これは、オリンパスでは、一千百億円の粉飾で、執行猶予とはいえ、有罪判決となっています。ライブドアのホリエモンも、四十数億で、これは風説の流布との併合罪ですけれども、有罪判決が出ている。

 では、東芝に対して証券取引等監視委員会は告発をする意思があるんでしょうか。これは証券取引等監視委員会に質問します。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 証券取引等監視委員会の行います個別の犯則調査につきましては、刑事告発に関する事柄も含めまして、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 なお、一般論として申し上げますと、証券取引等監視委員会は、証券取引の公正性及び投資者の保護の確保のために厳正に市場監視を行っているところでございまして、金融商品取引法等の法令違反に該当する事実があると疑われる場合には、必要な調査等を行い、厳正に対処することとしております。

小山委員 これほどの巨額な不正会計事件です。本当は、この後、新日本のこともちょっと質問したかったんですけれども、それは別の機会にさせていただきたいと思います。

 無理に事件をでっち上げるということはもちろんこれは慎むべきですけれども、くれぐれも、総理のお友達が東芝の役員出身者が多いということで判断が甘かったなどと後で指弾されるようなことがないように、しっかりとこれは、今調査中ということでございますが、対処をしていただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

竹下委員長 これにて小山君の質疑は終了いたしました。

 次に、神山洋介君。

神山(洋)委員 神山洋介でございます。

 各大臣の皆様、お越しをいただきまして、ありがとうございます。

 きょうは、前段にもお話がありましたが、消費税における軽減税率の導入に関連をして、特に線引きの問題と、今前段でも議論になりましたが、免税事業者からの仕入れ税額控除の廃止の問題、つまり取引排除の問題となりますが、その議論を主にさせていただきたいと思っておりますが、まず前段で二点確認をさせていただいて、本論に入らせていただきます。

 まず、昨日でありますが、参議院の憲法審査会において大変残念な発言がございました。報道もされておるところであります。

 いろいろ個人の思想、信条というところはあるのかもしれません。前段に一つあった、日本が五十一番目のアメリカの州になったら云々という話は、私個人からすれば、先人がこの国の独立のために払ってきた犠牲と努力というところを考えたときに、それは到底口にできる話ではありませんが、百歩譲って、そこは個人の思想、信条でいいかもしれません。ただ、後段のアメリカの大統領に触れた部分、これはもういかようにも抗弁できませんよ。余りにもこれはひどい発言ではないでしょうか。

 動画も見せていただきましたが、これは例える話ではありませんが、例えば今、アメリカは黒人が大統領になっているんですよ、黒人の血を引く、これは奴隷ですよ、はっきり言ってと。何ですかこれはという話なんですよ。

 どう表現をしていいのか、正直よくわかりませんが、仮にも与党の一角から、しかも公式の参議院における憲法審査会という場でこれだけの暴言が出て、撤回をされるとかという話はありますけれども、これは正直、ちょっと許されない話なんじゃないかなというふうに思うわけです。

 官房長官、きょうお越しをいただいております。まず、この発言についてどう受けとめていらっしゃいますでしょうか。

菅国務大臣 今お尋ねの御質問につきましては、参議院の憲法審査会における御発言に関するものであります。政府の立場としては、コメントすることは、ここは控えるべきだというふうに思います。

 その上で申し上げれば、政治家は、与野党問わずに、常にみずからの発言に責任を持って、国民の信頼を得られるよう、説明責任、ここは果たしていく、ここの責任があるというふうに考えております。

神山(洋)委員 後段のところは、それは当然そのとおりだと思うんですが、今、官房長官、政府の立場としてはというお話もされました。

 確かにそれは、与党の一議員でしかない、政府の人間ではないというお話なのかもしれません。しかし、この内容は、もう一度読むのは嫌ですから読みませんが、アメリカの大統領に対してある意味では侮辱とも受け取れる話なわけです。

 人権意識というのは、日本も含めて先進各国、非常に大事なものだと私は思っておりますし、アメリカであり欧州であり、人権というものに対しては極めてシビアな感覚を持っているわけです。アメリカの側から見たときに、日本の政府の、与党の一角からこういう発言が出るということは、ひいてはこの国の外交関係にすら影響しかねないという大変大きな、深刻な問題だと私は思いますし、そう受けとめるべきだと思うんです。

 だとすれば、それなりのきちんとした対応というのは、アメリカにはするつもりはないんでしょうか。いかがですか。

菅国務大臣 今、既に御承知の上で発言されているんだろうと思います。

 丸山議員は、きのうの参議院の憲法審査会においてそのような発言をされて、その直後にみずから記者会見を行って、誤解を与えるような発言をして大変申しわけなかった、こう述べております。その上で、議事録を精査した上で削除及び修正したいと発言をされた。そういうことも事実であります。

 今後とも、しっかりと説明責任を果たす必要があるというふうに考えています。

神山(洋)委員 説明責任もさることですが、こういった発言が、政府内はもちろんでありますが、我々もそうだと思いますが、しないように、ぜひ御尽力いただきたい。このことだけ強くお願いをさせていただきます。

 きょうは法務大臣にもお越しをいただいております。人権を擁護するということを担務とされている大臣として、この発言をどう受けとめていらっしゃるかということをお伺いしたいわけです。

 今、ヘイトスピーチであるとかさまざまな形で、そういう人権意識、また人種の垣根を越えた部分についていろいろな議論があるという大変シビアな時期でもあります。法務大臣としてこの発言をどう受けとめられて、そして、どうこれから対応されますか。

岩城国務大臣 お答えをさせていただきます。

 お尋ねは、国会の場である参議院憲法審査会における委員の御発言に関するものであり、行政府に属する法務大臣としてコメントすることは差し控えたいと存じます。

 そして、その上で、まずもって丸山議員におかれて、みずからの御発言について、国会議員としての、また参議院憲法審査会委員としての説明責任を果たしていかれることと考えております。

神山(洋)委員 個別の政策論の話ではないわけです。もうこれは人権という普遍性の話であって、価値観がどうだとかという次元を超えた話なわけです。

 大臣としては、この国全体の人権意識ということを考えていくという大事な立場にあるわけですから、そこは、政府として云々という話は、それはわからないとは言いませんよ、ですが、ひいては国全体のことだというその意識も持っていただきたいんですよ。

 もう一度、その観点から御答弁いただいてよろしいですか。

岩城国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、法務大臣としてお答えを差し控えさせていただきたいと存じますが、人権擁護一般につきまして申し上げますと、先ほどお話がありましたとおり、ヘイトスピーチあるいは人種差別の点も含め、一人一人の人権が尊重され、人権が侵害されることのない社会を目指して、啓発活動や人権救済活動を推進し、人権擁護に取り組んでまいりたいと考えております。(発言する者あり)

竹下委員長 後ほど理事会で協議をいたします。

神山(洋)委員 不規則発言ではありましたが、言論統制ではないかという話もありました。後ほど理事会でお取り計らいをいただくということであります。ぜひ、そこは真摯なお取り計らいをよろしくお願い申し上げます。

 さて、次のお話で、国土交通大臣にもお越しをいただいております。この委員会でも累次取り上げられてまいりました甘利前大臣元秘書によるUR補償交渉への関与についてということで、一点確認をさせていただきたいと思います。

 大臣による御指示もあって、一月の下旬に、黒塗りの部分がたくさんありますが、交渉経過といいますか、このコンタクトの履歴が公開をされたということで承知をしているところです。

 まず前段、大臣に素朴な質問をさせていただきたいんですが、大臣はこのペーパーは黒塗りの部分も外した形で読まれているんでしょうか。いかがでしょうか。

石井国務大臣 私が読んでいたかどうかにかかわらず、公表範囲につきましては、URにおいて判断をされて提示をしたものというふうに承知をしております。

神山(洋)委員 いやいや、黒塗りの部分を読んでいないんだったら読んでいないとおっしゃっていただいていいんですよ。読んでいるんでしょうか、読んでいないんでしょうか。いかがでしょうか。

石井国務大臣 必要な範囲において読んでおります。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 この黒塗りの部分に何が書かれているのかという一連の議論の中で、個人情報であるとか、あとは交渉の具体的な内容というところがあるのでこの黒塗りの部分は外せないんだというお話をこれまでも、UR側からも御説明をいただいているというところです。

 大前提として、こういう疑惑があるという中で、やはりこの疑惑を払拭するなり事実を解明するということは、私は大事なことであろうというふうにも思うわけですし、恐らく大臣も、そういうふうに思うがゆえに、こういった形で調査をして公表せよということで御指示いただいたものなんだというふうにも思うわけです。だとすれば、黒塗りのところがあってなかなかよくわからないというところで、公開できる部分がもうちょっとあるんじゃないのかというところなわけです。

 例えば、これまでいろいろな議論、確認をさせていただいた中で、秘書さんは特段具体的な交渉内容にはかかわっていないのだということを累次御説明いただいております。だとすれば、秘書さんが発言をされている部分には交渉の具体的な内容はないわけでありますから、そこは、全部は無理なのかもしれませんよ、ただ、秘書さんの発言のところは、幾つか潰されているところがあるんですけれども、これは公開できるんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

石井国務大臣 公表範囲につきましては、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律等に基づいてURにおいて判断をしたものでございまして、本件についてもURが可能な限り開示したものと承知をしております。

 URが公表した資料は、個人情報や法人情報に該当する部分や、補償の考え方に関する部分を不開示としているというふうに承知をしております。

神山(洋)委員 問題ないんだというふうにおっしゃっているわけです。だとすれば、問題ないことをできるだけ早く多くの方々にお伝えして、そして、この問題も含めて収束をさせるというのが筋なんだろうと思うわけです。だとすれば、もう一度そこは再検証いただいてもいいんじゃないかなというふうに思うわけです。

 実は、きょう、添付資料といいますか、参考資料、提出資料の中で、資料五になりますが、これは一枚だけですけれども、公開されている資料を添付させていただいております。これは十月五日ですから、ファーストコンタクトの日のメモになります。

 実は、この日のデータを入手しまして、内容も確認をさせていただきました。詳細なところはまだまだかもしれませんが、URとの面会の中で秘書さんが直接のやりとりをしているということであるとか、ここでS社とされていますが、その会社の事情を秘書の方々が代弁している部分であるとか、後ろ向きだとか前向きだとか、交渉になるのかなという疑念もあるようなところもあるわけです。

 ただ、いずれにしても、こういう形で入手をして確認させていただきましたので、この後、これはこれで公開をさせていただこうというふうに思っております。

 その際に、結局のところ、この内容がそんなに隠すような内容じゃないんじゃないかという話も、わかりませんよ、あるんだとすれば、それは早い段階で外した方が、隠しているんじゃないかみたいに余計な疑念を抱かれないんじゃないかなというふうに思うわけですよ。

 きょう、この後、またこれで確認をさせていただきますけれども、ぜひそういう観点からももう一度再検討していただきたいなというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

石井国務大臣 いずれにいたしましても、公表範囲についてはURにおいて判断されるべき事項でありまして、URが可能な限り開示したものと承知をしております。

神山(洋)委員 URのことなのはわかりますが、しかし、責任所管として大臣の監督権というのは当然あるわけでありますし、事実、最初に公開をされたときにも大臣からの御指示もあったと思います。この問題はまた今後もいろいろな形で、同僚議員からも含めて議論をさせていただきますが、ぜひ真摯な態度で、できるだけ多くの方々に、疑惑を払拭するのであれば、それに必要なことを情報も含めて開示していただくように、ここは改めて強く要請をさせていただきたいと思います。

 それでは、残りの時間がまだ少しございますので、前段にもお話がありました消費税に関連をした議論を幾つかさせていただきたいなというふうに思っております。

 まず、きょうであり、ここ数日の予算委員会であり、また財務金融委員会等も含めて、軽減税率の話、きょうは線引きの問題と仕入れ税額控除の廃止の話を取り上げさせていただきますが、いろいろな議論がありました。

 聞いている方々からすると、個別の各論の中で、こういう場合は八%だとか一〇%だという話は、それはそういうものなのかなというふうにも思うわけですが、どうも腹に落ちないという話をよく聞きます。

 例えば、これは挙げれば切りがありませんけれども、キャビアは八%で電気代は一〇%です。水道水だと一〇%なんですけれども、コンビニでペットボトルの水を買うと八%なんです。新聞は八%なんだけれども、電話やインターネットは一〇%なんです。何でなんですかという話。個別にやるとああだからこうだからこうなんですという話が出てくるわけです。

 なかなか理解が広まらない、かつ、よくわからないというふうに言われている根底にあるものは何かなと考えたときに、私はこれは財務大臣にぜひまずお伺いをしたいんですが、標準税率と軽減税率と区分をするわけです。その区分をする際に、全部に通底をする、一気通貫で通底をする概念なり思想なりというものがないんですよ。だから、個別の各論で、この場合はああです、あの場合はああですといって、一個一個覚えない限りは、なぜそうなのかもわからないという形になるんじゃないかなと思うわけです。

 まず大臣にお伺いをしたいのは、通底をする思想がないんじゃないかということ。ないならないとおっしゃっていただいてもいいんですけれども、あるべきだと思うから伺っています。どういう思想でこれは考えていらっしゃいますでしょうか。

麻生国務大臣 軽減税率の適用対象品目につきましては、これは、消費税率一〇%への引き上げに伴いまして、低所得者への配慮という趣旨を踏まえて、日々の生活の中での消費、利活用の状況とか、消費税の逆進性の緩和とか、また合理的かつ明確な線引き、食料品というような形での線引きとか、いわゆる社会保障というものは、これは税と社会保障の一体改革というのが大前提ですので、社会保障財源であります消費税への影響などなどの諸点を総合勘案して、今申し上げたようなことにいたしたということであります。

 その上で、飲食料品につきましては、少々詳しく申し上げさせていただければ、基本的には飲食料品全般を対象としつつも、酒等々、酒類につきましては、日々の生活の中で幅広い方々が全て消費、利活用されているとは必ずしも言えないということだろうと思いますし、外食につきましては、その消費税負担が逆進的とは言えない、すなわち外食にはいわゆる高級なレストランも含まれておりますので、そういう事情を総合勘案させていただいて、軽減税率というものの適用対象というものから外したということであります。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 申しわけありません、官房長官、国交大臣、法務大臣、もしよろしければ御退席をいただければと思います。ありがとうございました。

 今、麻生大臣から御答弁がありました。私が大臣にお伺いをしたかったのは、標準税率と軽減税率を区分している線にある根底的な概念なり、思想なり、共通点は何ですかというお話を伺ったわけですが、正直言って、今よくわかりませんでした。

 かつて、物品税という税金がありました。物品税のときは、同じように線引きをめぐって毎年毎年同じような議論が繰り返されて、何でこれは五%で何でこれは三〇%なんだという議論がさんざん繰り返されてきて、消費税の導入とともに廃止をされたという歴史がありました。

 あのころは確かに、何でこれが五で三〇なんだという話はあるにせよ、基本的には、物品税がかかるのかかからないのかという話は、ぜいたく品にはかかります、ぜいたく品じゃないものにはかかりませんという一応の線はあったわけです。何となくそれは理解をしていたということでした。今回の軽減税率をめぐる議論の中ではそれすら見当たらないなというところが大変大きな、根底的な問題なんじゃないかなというふうに私は思っております。

 本当に申し上げたいことはたくさんあるんですが、この議論をめぐって、個別の各論についていろいろな議論がなされてきました。先日十五日、この場で、麻生大臣もいらっしゃった場で、予算委員会で、前段にも例示されていましたが、古川議員との議論がなされていたわけです。その議論の後段のところで安倍総理から、それについてどう思いますかということの中で、八%だとか一〇%だとかということについて、しっかり答弁をしていたと思いますよという総理の御答弁がありましたので、改めて議事録を確認してみたんですが、ちょっとこの内容をもう一回深掘りさせていただきたいなと思っております。

 一つ目。全部取り上げませんが、一つ。例えばマクドナルドとかのハンバーガーショップの例ではありますけれども、セット商品というのがある、ハンバーガーとポテトと飲み物とセットで六百円ですというセットがあります。この前出ていた話は、ジュースは店で飲みます、ハンバーガーとポテトは今食べないから持って帰りますということを言ったときに、では、この六百円のセットを下さいと言ったときにどうすればいいんですかという質問に対して、資料の一の一番上の赤線が引っ張ってあるところの御答弁がありました。

 「飲み物、ジュースなどとそれ以外のハンバーガーがセットになっているものについて、例えば、今の話だと、ジュースのようなものはその場で飲むけれどもそれ以外のものは持ち帰るというようなことで販売時点で意思表示がされるということであれば、」ここからですが、「それは区分して販売するということになりますので、ジュース分については外食という扱いで標準、持ち帰る場合はテークアウトということで八というふうな扱いになるんだろうと思っております。」

 これだけ見ると、六百円のセットなんだけれども、そこで飲むジュースについては一〇パーをかけて、持って帰る二つについては八パーをかける。六百円の内訳なんてそもそもないわけですよ、割引でセットにしているわけですから。これは無理でしょう。

 ただ、その後を見ると、「ただ、恐らく、通常は一体商品として売られているということが通常でございますから、そのものとして判断をしていく」ということであります。

 では、一体どっちなのということがよくわからないわけです。

 あえてこの点を伺ったのは、いろいろな関連事業者の方々、この件にかかわらずですが、かなりこういった議論に着目をしていて、自分の商店なり自分の会社の販売商品は一体どういう取り扱いをすればいいんだろうということで、多くの方が着目をしているわけです。こういうあやふやな答弁をしていると、どっちなんだという話になります。

 まず、この点、事実関係としてはどっちなんでしょうか。

佐藤(慎)政府参考人 お答え申し上げます。

 先日の答弁のときに、ハンバーガーショップのようなところでジュースとそれ以外のものがセットで売られているという前提で、通常はそれを一体として売られるということですけれども、たまたま、売るときに、私は店内で一部を飲みます、ほかのものは持って帰りますというふうな意思確認がなされるというようなことを前提に申し上げれば、分けてそれぞれ適用することになるということです。

 意思確認したときに、一体で求めますということで、それを店内で一体で食べます、一体で持ち帰りますということであれば、それぞれ一〇になり八になる、そういう前提で、お尋ねが、こういうカップをお持ちで、このケースというようなことでございましたので、言葉としては、全部をお話しする中の一部を取り出して申し上げておりますので、先生おっしゃるように、やや不明な点があるんだろうと思いますが、そういう頭の整理で答弁させていただいたということであります。(神山(洋)委員「結論としてはどっちなんですか」と呼ぶ)

 結論としては、今のようなケース、要するに、前提を申し上げますと、今回の軽減税率の適用関係というのは、販売時点でまず一義的に八か一〇かが決まるということで、そのときに販売事業者の責任において決めるということに税法上なりますので、顧客の意思確認をしっかりしていただくということが重要であろうというふうになります。

 そのときに、通常の買い方であれば一体で買われますので、あるいは袋詰めで買われるということであれば、それで持って帰りますよということであれば八、それから、中で食べますよということになると一〇になりますが、その場で、これは私は中で飲みたいんですというようなことであった場合には、セット商品ということにならないので分けてということになるんではないだろうかという前提で申し上げたということでございます。

 それは、あくまで買うときの意思の確認ということを前提に適用関係を考えていただくということです。

神山(洋)委員 済みません。よくわかりませんね。

 六百円のセットで三つついているわけですよ、ジュースとハンバーガーとポテトと。では、たまたまその人が、いや、ジュースだけは飲みたいのでというふうに言っちゃったとしたら、あなたにはセットではお売りできませんというふうに言うということですか。ばらだったら、飲み物は単品でお願いします、ポテト、ハンバーガーも単品でお願いしますとやるということでよろしいですか。

佐藤(慎)政府参考人 お答え申し上げます。

 税法の取り扱いとしてはそういう取り扱いになるんだろうと思います。

 したがいまして、ここは事業者の方にいろいろ工夫をしていただく必要がございますけれども、どういう形で明確に意思確認できるかということをお願いしないといけないという面はございます。その点については、この取り扱いについてしっかりと制度周知を図るということが大切だと思っております。

神山(洋)委員 大臣、これでよろしいんでしょうか。現場は大混乱という言葉は当然よく出てきますし、いろいろな混乱が起きることは想定をされています。今のハンバーガーショップの話はただのほんの一例ではありますが、では、それで本当に現場が回るんでしょうか。

 では、結局どうなるかというと、一〇%を回避するために、逆に言えば、八%で済むためにどうすればいいかという発想の中で、テークアウトに寄っていくとか、ある意味では、テークアウトに誘導するとか、テークアウトだとみなせるようなビジネススタイルにするとかという形に変わっていくことは容易に想定をされるわけです。

 もちろん、それは政策的にそうするという意思があってやっているんだったらまだいいですよ。もうこれからの日本のビジネスはテークアウト全盛期にするんだ、だからこうやってやっているんだというのなら、価値判断はともかくとして、まだ理解はしますよ。でも、そうじゃないですよね。結果としてこうなっちゃう。結局、それがマーケットであり、市場であり、そして事業者と消費者との関係の中でのゆがみということになってしまうんじゃないですか。

 大臣、これは改めた方がいいと思いますけれども、どうですか。

麻生国務大臣 今、主税局長から御答弁をさせていただきましたように、少なくとも、販売をする、レジできちっと対応するその段階で話を決めるというのが一番肝心のところで、意図的に、はなからだますつもりで、テークアウトだと言っておいて、後で中で食っちゃうというのもきっといるかもしれませんよ。

 僕は、おたくの地元は知らぬけれども、うちの地元はいっぱいいそうな気がします、正直なところでは。(発言する者あり)いや、問題にするのはあなただけですよ。私らのところでは、そういった人はいっぱいいるといって、この話はもう既に何回かしましたから、私は地元で。こういった例がありますという地元の話を受けて今申し上げています。その話が問題だと。未途さんのところでは問題かもしれないけれども、私のところでは問題にならぬということだと御理解してください。

 だから、そういった意味では、私どもでは、そういった例というのはいろいろあろうとは思います。だけれども、これは、同時に考えていただかないかぬのは、こういったことはヨーロッパなんかに行ったら、これはちょうど導入したときにヨーロッパにいましたので、私はこの種の話というのは、学生でしたので、いろいろな例やごちゃごちゃした例をずっとその場で見て、こういったごちゃごちゃした例がしばらく、半年ぐらいか一年か。みんな学生でわやわや言い合って、みんな外で食った方がいいとか言って、我々、結構イギリスは寒かったんですけれども、外へ出て食ったりなんかしていました。そういった経験もありますので、そういった例もきっと出てくるんだと思いますが、しばらく時間をかけて何となく落ちついていったというのが例だったと記憶をいたします。

 私どもとしては、今申し上げたように、これはもともとは何かといえば、消費税というものは、社会保障と税の一体改革というものの最大の眼目はこれでしたので、そういった意味では、この点を理由にして取り下げるとかいうようなつもりはないということであります。

神山(洋)委員 申し上げたいことは、要は、制度の欠陥を現場に押しつけるという形はできるだけ回避をするべきじゃないかという原則なわけです。

 もちろん、いかなる制度も利点と欠点があって、その欠点が現場に対してはある意味では負荷になるということはあるでしょう。しかし、余りにもその負荷が大き過ぎるんじゃないですか。ハンバーガーショップで買う人にすらそういうトラブルが起きるということが導入前の現時点から想定をされている、にもかかわらずそのままでいくというのは、私は本来あるべき態度ではないと思うわけです。それが想定されるのであれば、それをいかに解消するべきかということを考えるべきなんじゃないですか。

 私は、この軽減税率制度という複数税率制度の導入の中においては、これは根本的に不可能なことだと思っていますし、だからこそ導入すべきでないというふうに思っていますし、もしかしたら大臣も内心はそう思っていらっしゃるのかもしれませんが、いずれにしても、この状況、この内容でそのまま進んでいった先にあるのは、制度の欠陥を現場に押しつけるというあってはならない形になる。私は、これだけは絶対解消しなきゃいけないというふうに思っているところです。

 最後、少しだけ時間がありますので、資料の二番あたりをごらんいただければと思います。

 前段も少し話が出ていました。少しおさらいの部分もあります。

 一番の写真、これがいわゆるフードコートというものです。大臣、その写真があるかと思います。一番のところ、フードコートと言われている、ショッピングセンター、ショッピングモールの真ん中のところで、幾つか、ラーメン屋さんだったり、うどん屋さんだったり、ピザ屋さんだったりというものがあるところ。家族持ちの家庭にとってはこういった場所は非常にありがたくて、お店ではなかなか、迷惑がかかるから行かれないなというときに、こういうところだと気兼ねなくベビーカーも含めて引いて、ここで御飯が食べられるという意味では、ファミリーでにぎわうところなわけです。

 ちなみに、このフードコートで、来年の消費税の複数税率が導入された後は、これは外食に当たりますので、一〇%の税率ということになります。

 二番の写真は、このフードコートの中の壁に張ってある写真ですが、ここには、他店の持ち込みは御遠慮願いますというふうに書いてあるわけです。なぜかといえば、ここのフードコートはここに出店をされている商店の方々が共同管理をしているがゆえに、ほかのところのは持ってこないでね、これはよくわかるわけです。

 三番の写真、これは一番のフードコートをやや外側から写した写真になります。奥にハンバーガーショップの写真がありますが、ここが先ほど写したフードコート、角度がちょっと違いますが、そこの場所です。この何とかキッチンと書いてある、その手前のところに幾つかテーブルがあります。

 ややこしくなってくるのはこの後からです。来年の四月以降、この手前、男性が座られていて、ちょうどまさにここでジュース等々のセットのようなものを食べていらっしゃるようにも見えますが、ここで食べる方、税率は何%になるでしょうか。

佐藤(慎)政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどから答弁申し上げていますように、適用関係というのは販売時点で決まるということです。そのときに意思確認をいただくということが望ましいわけですが、こちらでお食べになりますかというようなお尋ねになるんだろうと思います。そのときのこちらというのは一体何かと申し上げると、恐らくフードコートなり自分のお店であったりするというような意図だと思います。

 この写真の限りですので、どうかわかりませんけれども、少なくとも、今の先生の御指摘だと、外側にあるということだから、フードコートの中じゃないんじゃないか、あるいはそこはよくわからないんじゃないか、そういうことなんだろうというふうに思いますけれども、これを見る限りは、単なる公共スペースに座っておられるというふうに思いますので、一応意思確認をしていただくというのが前提でございますけれども、通常は八%、お持ち帰りということになるんだろうと思います。

神山(洋)委員 今御答弁いただきましたけれども、このテーブルの上に置いてあるのは、トレーと、その上に少なくとも飲み物があるのはわかりますので、これは恐らくテークアウトではなくてお店でと言って買ってくるわけですよ。

 さっきちょっと説明が漏れましたけれども、この奥の方はさっきのフードコートになるわけですが、手前はいわゆるフリースペースなわけですよ。ここの建物全体が管理をしていて、休憩でも何でも自由に使ってくださいという場所なわけですね。だとすると、奥で食べた場合は、トレーで持ってきた場合ですけれども、それはもう当然一〇パーになりますよね。手前のところはどうなんですかという話です。

佐藤(慎)政府参考人 お答え申し上げます。

 ちょっと写真がわからなかったので、袋で持って帰っておられる前提でお話ししましたけれども、トレーでサーブされているということですから、売る側はこの場所で食べることを前提にサービスを提供しているというふうに見られますので、そこは一〇です。

 おっしゃいますように、八か一〇かが曖昧であると事業者の方も消費者の方も困るということであれば、そこはきちっと意思確認していただく、ここはちょっとお願いをしないといけない世界だろうと思っております。

神山(洋)委員 結局、申し上げたいことは、これは皆さんも御理解をいただけると思うんですが、個々の消費者の方々からしたら、ここはフリースペースなのか、ここはフードコートなのかとか、テークアウトと言ったらどうだとか、もっと言えば、さっきの、ここで飲むと言ったものと持って帰ると言った場合がどうだとかなんということは、わかるわけないわけですよ、こんなことは。これは無理ですよ。個々人の消費生活の中にこれだけ混乱を生み出して、そして、生み出すということがあらかじめ想定をされるという制度を、やはり導入するべきじゃないと思いますよ。

 四番、五番、六番、七番、八番といろいろ写真を入れて、その議論はまた改めてさせていただきますが、結局のところ、冒頭申し上げたように、制度的な欠陥をやはり現場に押しつけるということはあってはならないと思います。

 そして、この質疑を通じてさまざまな懸案がこうした形で提起をされているわけですから、最低限それを潰す努力はしなければいけませんし、もっと言えば、その根本的な原因はやはり制度的欠陥にあるのだとすれば、それは大臣、真摯な思いでいろいろな形でこれは見直しをされるべきだと私は思っております。

 きょうは時間が限られますのでこれで以上とさせていただきますが、これからも同僚議員含めてまた改めて議論させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

竹下委員長 これにて神山君の質疑は終了いたしました。

 次に、宮崎岳志君。

宮崎(岳)委員 民主・維新・無所属クラブの宮崎岳志でございます。

 昨日、福島県の郡山市で本予算委員会の地方公聴会が開かれました。

 公述人の一人、山崎捷子さんという方がホテル経営者でありまして、福島県女性団体連絡協議会の会長を務められた方であります。

 まず、資料にも添付しておりますが、その議事速報を読み上げさせていただきます。

 福井県の原発集中立地地域の高木復興大臣は、御尊父が福井県敦賀市長時代の三十年前の講演ですけれども、原発は金になる、放射能の汚染で五十年、百年後に生まれる子供がみんな障害者になってもやった方がいいと。原発再稼働の思いを持っている大臣に福島県の復興を任せられるのかな、ちょっと不安です。

 そこにもってきて、丸川珠代環境大臣。私たちは長期目標一ミリシーベルトを目指してきたのに、何の根拠もないという発言は県民を傷つけました。その後、撤回するまでに一週間かかりました。女性閣僚がふえるのはいいんです。こういうものはどうなのかと思います。私は、男女共同参画社会づくりを一生懸命やっておりますけれども、女性を応援している私自身が本当に残念です。

 もう一人、申し上げなくてはならない方がいます。経済再生大臣になった石原伸晃氏。忘れもしない、二〇一四年の六月十六日、中間貯蔵施設建設について。みんなと一緒に合唱したいくらいですけれども、最後は金目でしょうと。つらいですよね。どこでどう涙を流せばいいのかなと、本当に思いますね。福島県民をどう見ているのかなというふうに思います。

 私たちは、自分が幸せだと感じる普通の生活をしたいだけなんです。福島県の原発は全基廃炉という、福島県民の統一した意思をしっかり受けとめていただきたいと思います。

 胸に迫る言葉であります。

 高木大臣に質問通告したわけですが、インフルエンザということで欠席となってしまいました。残念ですけれども、この山崎さんの思いを受けとめていただきたいというふうに思っています。

 高木大臣は、問題発言をした高木孝一市長の政治的遺産を受け継いで議員になられ、本人も極端な原発推進派であります。古い原発をリプレースして、新しい原発をつくることも提案されている。

 就任会見では、高木大臣は何と福島第二原発の再稼働もあり得るというふうに発言をしたんです。この福島第二原発は、福島県知事はもちろん、福島県議会も全会一致で廃炉を要求しているものなんです。自民党福島県連も、福島第二原発の廃炉を公約にしているんです。それなのに、その誰よりも被災地に寄り添わなくてはならない復興大臣が、就任会見でいきなり福島第二原発再稼働もあり得るんだという発言をするなど。

 幾ら原発再稼働が持論であったとしても、その持論自体は否定しませんよ、日本全体ということを考えれば、そういう考え方だって、正しいかどうかは別としてあってもいいと思うけれども、復興大臣になった人が福島第二原発の再稼働を検討するような話をするようでは、これは務まらないと私は思います。原子力災害からの復興という役割にそぐわない人選であって、なぜ、この方をそういう方と知っていながら、よりによって復興大臣に選んだのか。私は、安倍総理の真意を疑うところであります。

 さて、今の話に出た石原大臣、丸川大臣、二人に伺いますが、今のこの言葉を聞いてどのように考えられますでしょうか。

丸川国務大臣 福島を初めとする被災者の皆様には、このたびの私の発言に関して御心配をおかけし、まことに申しわけなく思っております。

 被災された皆様のお気持ちをしっかり受けとめ、年間一ミリシーベルトという長期目標を堅持し、引き続きその達成に向けて政府一丸となって除染等の対策を実施し、福島を初めとする被災地の復興のために全力を尽くす覚悟でございます。

石原国務大臣 私の過去の発言に対しまして御批判があることは、真摯に受けとめさせていただいております。

 これからは、政策と予算を総動員して、日本経済の再生と福島の復興に全力で努めてまいりたいと考えております。

宮崎(岳)委員 ことしは震災から五年目の節目の年でありまして、式典も行われます。その式典に今名前の出た三大臣が並んだときに、被災者の皆様はどのようにその姿を見るんでしょうか。

 石原大臣は、自民党幹事長時代の二〇一一年、記者会見で、イタリアの国民投票で原発反対派が多数だったことについて、あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは心情としてはわかると。集団ヒステリー状態。反原発と言うのは簡単だが、生活をどうするのかということに立ち返ったとき、国民投票で九割が原発反対だからやめましょうという簡単な問題ではない。国民投票で、三割とか四割じゃないですよ、九割が反対だと言っても、だからやめるという簡単な問題じゃないと。民主主義の基本をおわかりいただいていないんじゃないかというふうに思います。

 二〇一一年と二〇一二年にはテレビ番組で、福島第一原発のサティアン、福島原発の第一サティアン、オウム真理教の施設になぞらえて、そういう発言を続けてされている。

 環境相時代は、言わずと知れた、今お話にあった、最後は金目でしょうという発言であります。

 先ほど、高木大臣のお父上の発言というのがありました。資料にも当時の新聞記事をつけております。

 原発は金になる。棚ぼた式の金だ。五十年後、百年後に生まれる子供がみんな障害者でも心配する時代ではない。

 原発政策において、いわゆる立地地域の頬を札束でたたくような政策が長年行われてきたわけです。そして、ある意味原発立地地域の方々はそういうお金に対していろいろな思いを持っておられる。事故が起きた後まで金目でしょうと同じやり方をするんですか、こういう怒りなわけです。単なる口が滑ったとかということでお怒りになっているのではないということを御理解いただきたいと思います。

 石原大臣の起用は、私は、被災地にマイナスのメッセージを与えると。復興問題で失言をして更迭されたわけでありますが、その同じ内閣でなぜ石原大臣を起用したのか。これもちょっと、真意が那辺にあるのか理解に苦しむところであります。

 石原大臣、福島県、福島県民からの信頼を取り戻すことはできますか。

石原国務大臣 先ほども御答弁させていただきましたとおり、私の過去の発言について御批判があるということは真摯に受けとめております。

 安倍内閣は、全ての大臣が復興大臣の気持ちで、福島の復興のために全力で取り組んでおります。

宮崎(岳)委員 何かちょっと逆切れっぽいので、私も、どういうことなのかな、真意で言っていらっしゃるのかなというふうに思います。

 丸川大臣の暴言は深刻であります。一ミリシーベルトという長期目標に何の根拠もないということを言われました。

 その当該部分、ちょっと長くなりますが、読み上げます。

 とりわけ私、今福島の仕事をしているから、本当にひどかったんだなと思います。私、何で福島の仕事をしているかというと、環境省の仕事をしていますから、除染の仕事をやっているんですね。今まで環境省というのはエコだ何だと言っていればよかったんですけれども、あの震災から五年間、ずっと除染の仕事をやっています。

 どれだけ除染するかという議論がいつもあるんですね。百ミリシーベルトを下ったところ、年間百ミリシーベルトを下ったところというのは基準がないもので、ずっと国際的にも、二十から百の間のところで、いいところで切ってください、その現場現場で何から線量を受けるかというのは違いますから、森にいるのか、平地にいるのか、岩場にいるのか、海のそばにいるのか、全然違いますから、地域地域に合った線量を決めてくださいというのでやってきたんです。ところが、その一番低い二十ミリシーベルトに合うように除染しましょうねと言っても、反放射能派と言うと変ですけれども、どれだけ下げても心配だという人は世の中にいるんですよ。

 それで、そういう人たちがわあわあわあわあ騒いだ中で何の科学的根拠もなく、そのときの細野さんという環境大臣が一ミリシーベルトまで下げますって急に言ったんです。誰にも相談しないで、何の根拠もなく。そういった結果、帰れるはずのところにいまだに帰れない人が出てきている。

 こういう発言であります。

 当の細野元大臣にこの予算委員会で発言の撤回を求められても、そのときは撤回されなかった。ようやく金曜日になって、宮崎謙介議員が議員辞職を表明する、その騒ぎに隠れるかのように撤回を表明されました。しかし、そういう行動は福島県民の方には見透かされているということだと私は思います。男女共同参画に一生懸命取り組んできた方が、女性を応援している私自身が本当に残念ですと言われているんです。

 丸川大臣はその後も、私には愚にもつかない言いわけを繰り返しているように見えます。細野さんからの質問に対しても、あるいはその後の初鹿議員からの質問に対しても、何というんでしょうか、言い方はまずかったけれども大筋で間違っていないかのような言い方をされているように感じるんですね。

 例えば、二十から一というバンドを決めたかということの科学的根拠については、科学者の皆様方が議論して決めたという点においては科学的でありましょうけれども、一方で、そこにエビデンスが伴って、世界的に唯一絶対無二の見解が得られるようなエビデンスがあるかというと、それはそれ、また別の話であります、そういう言い方をされているんですね。

 先ほどのテープ起こしを見ますと、百から二十と言っているんですね。百から二十があって、その低いところの二十に合わせたのに、騒ぐ人がいたから誰にも相談しないで一に下げた、そうじゃないんですよね。二十から一について検討していて、その一番低いところの一に合わせたわけですよね。資料にも添付しておりますけれども、百から二十という基準と、二十から一という基準があって、これは別のものであります。このときに検討されていたのは二十から一というところなんですね。

 ところが、百から二十のところにしか言及されていないんです、この講演で。明らかに間違いでありますし、あるいは私はこの基準を混同されていたんじゃないかという感じもしているんですが、それはいかがなんですか。

丸川国務大臣 まず、ちょうど先生が今読み上げていただいた部分というのが、私が福島に関連する部分ということで発言を撤回させていただいた部分でございます。

 私が撤回した理由の一つに論旨が飛んでいるということを申し上げましたけれども、まさに百ミリから二十ミリシーベルトにおいても、これは緊急被曝状況でございますし、二十から一については現存被曝状況といって、緊急事態の後、長期的に被曝の線量をそこに住まいながらどうコントロールしていくかという議論でございますが、この二つのことがありますけれども、私はそこで、間にきちんと説明を挟まなければいけないところ、そこの経緯を、論旨がずれてしまっているから、そこにもう一つきちんと、言葉が足りなかったんですが、説明を入れなかったという意味で撤回をしております。

 百ミリから二十というのは、まさに、今避難指示というものを出させていただいて、帰還困難区域というのを二十ミリシーベルトを上回る地点で決めさせていただいているわけでございますが、この地域のことについて申し上げているわけでございます。

 なぜ私がその発言をしたか、そのような発言になったかというのは、再三これまでも申し上げておりますけれども、この二十ミリシーベルトという避難の解除に係ることを検討し始める基準というものと、長期の被曝線量のコントロール目標としている一ミリシーベルトというものが混同されていて、この一ミリシーベルトというものがクリアされなければ帰還できないという誤解を招いているところがあるということについてまず御指摘を申し上げております。

 その上で、この長期目標の一ミリシーベルトというのがICRPの考え方に基づいているわけですが、これはまさに、済みません、ちょっと長くなりますけれども、年間被曝線量で長期的に二十から一の中で、自分たちの政策判断としてその中のどの値を選ぶかということを決めるということをその次に申し上げているわけでございますけれども、これは、長期の避難に伴う生活上の困難あるいはなれない土地でのストレス等によるマイナスの影響と比べると、このレベルの放射線の被曝による健康影響は無視できるほど小さいというICRPの判断に基づくものであるというふうに理解をしております。

宮崎(岳)委員 こういう議論はこれまでもしておりますから、それを踏まえて質問しているわけですので、的確にお願いします。

 今のは説明になっていないんですよね。だって、百から二十で下の二十に合わせたのに一にしたというふうに言っているわけですから、間違いなんですよ、完全な。だから、そんな言いわけは必要ないと思います。

 エビデンスがないというふうに言われていましたよね。先ほどの、初鹿議員の質問に対する答弁ですけれども、とにかく唯一無二のエビデンスがないんだ、そういう言い方もされています。しかし、安全基準というのは、食品添加物にしろ残留農薬にしろ、ほぼほぼそういうものであります。

 例えば、残留農薬とか食品添加物とかで基準を定めるときに、マウス実験などで、最大無毒性量、NOAELとかいいますけれども、そういうものを求めて、そこに通常百分の一か千分の一を掛けて一日摂取許容量、ADIを求めて、さらに何分の一かを掛けて基準を求めるわけです。

 つまり、安全なところ、大臣が言われた例で言えば、百ミリシーベルト以下の世界はよくわからないというんですけれども、百ミリシーベルトというのがいわゆる最大無毒性量というところだと定義すると、そこから百分の一を掛け、あるいは千分の一を掛け、さらに数分の一を掛けて基準を定めるというのは普通の手続ですよね。そこにエビデンスがないとかと言い出したら、現在の環境行政も食品安全行政も全て成り立たないんですよ。全否定になるんです。

 食品安全を所管する厚労省の政務官をやられて、今また環境大臣の職にあって、答弁が言いわけだと思いますよ。言いわけにしても、明確な基準がないからと。ただ口が滑っただけ、あるいは誹謗中傷でしょうと私は言いたいわけですよ。

 先ほどの、一と二十が混同されているんだという話もそうですよ。これはいわゆる民主党なり当該の若林健太参議院議員の対抗馬に対する嫌みというか、批判というか、当てつけというか、そういうことで言っていらっしゃる。しかし、政権に自民党が戻られて三年たって混同があるんだったら、その混同を、誤解を解くのは皆さんの仕事ですよ、三年間の。

 自分が反省するということはあっても、それを民主党政権のせいだみたいな話をこの時点でこの問題に対して言うのは、私は民主党政権に批判はいいと思いますよ、ただ、この問題で所管のことについてこういう言い方は私はおかしいと思うんですよ。今撤回しても、また同じことをやるんじゃないですか。

 先ほどの、厚労政務官をやって今また環境大臣の職にあるということも考えて、そのエビデンスのことについて、本当に一言で端的にお願いしたいんですが、どう思われますか。

丸川国務大臣 唯一絶対無二の見解を得るエビデンスがないというふうに御指摘を申し上げたということは、御理解をいただいていると思います。

 なおかつ、おっしゃるように、十のマイナス六乗か十のマイナス四乗かという論点がありまして、百ミリシーベルト以下は二つの論点があると思います。一つは、百ミリシーベルト以下に直線的な仮説が成り立つかどうかという意味で、これは理論的にはそういうことだという理解が仮に成り立ったとして、一方でどこまでをリスクとして許容できるかという議論がございますが、私はそちらの方の根拠について申し上げたまででございまして、防護は防護の考え方としてそれがあるということはICRPの考え方そのものでございます。

宮崎(岳)委員 しょせん言いわけですよね。私はそう思いますよ、前の説の流れを言えば。関係なくそういう話をされるのならいいですけれども、先ほどの発言に対する、なぜこういう発言をしたかという説明としては、本当に言いわけにしかすぎないと思います。

 昨年七月、丸川大臣、我が党の辻元清美議員に対して、ピースボートに乗っていて海賊が出る海域を通るときに自衛隊に護衛を頼んだという、でたらめのことを自民党の広報番組で述べたということで、発言を撤回して、わざわざ御自分の足で辻元議員のもとまで出向かれて、頭を下げて謝罪されましたよね。そのときに、今の馳浩文科大臣、当時の自民党広報本部長ですけれども、わび状を出しているんですよ、民主党に対して、あるいは辻元議員に対して。

 わずか半年前ですよ。うそ、でたらめをでっち上げ並べ立てて他人を誹謗中傷して、そして、我々だけじゃないですよ、自民党にも政府にも安倍総理にも迷惑をかけたわけでしょう。上役に頭を下げさせて、それでたった半年で同じことをやるというのは、私は自覚が足りないんじゃないかと思いますよ。

 また繰り返しませんか、こういうことを。繰り返さないと言えますか。

丸川国務大臣 引き続き努力してまいります。

宮崎(岳)委員 もう一つの危惧は、メディアに関する発言であります。

 私も地方紙出身なんですね。丸川大臣の出身のテレビ朝日に比べれば、ごくごく弱小無名の地方紙であります。上毛新聞というところです。しかし、命がけで県民の知る権利に奉仕するのだと信じて誇りを持って、弱小無名の新聞社でありますけれどもやってきたつもりであります。

 私の先輩で横山秀夫さんという、今ミステリー作家になられていて、「クライマーズ・ハイ」という小説、映画にもなりました。地方紙の悲哀というのがよく描かれています。

 さて、そのマスコミに対する丸川大臣の発言も引用させていただきます。

 あの批判ばかりの人たちが、自分のやったことをどれだけ反省しているように皆さんごらんになりますか。これは民主党に対してですよ、今のところは民主党に対して。

 その後です。私、自分がメディアから来たから、今、健太さんの、若林健太さんです、相手候補になるだろうという人がどういうメンタリティーで来ているかなというのは何となく想像がつくんです。メディアというのは、自分の身を安全なところに置いて批判していれば商売が成り立つんですね。私自身は本当に嫌だなと、いながら内心思っていたんです。だって、その言葉に何の責任も持たないんですから。

 さかのぼれば、ニュースステーションのとき、さんざん住専の非難をしましたよ、国のお金を入れるのかと、公的資金で助けるのかと。でも、非難して、それで結局公的資金を入れて、もっと早く助けると言えばもっと傷は浅かったかもしれません、あのとき世論の批判があってなかなか入れられなくて、どんどんどんどんどんどん、ずるずるずるずるずるずる負債がふえて、結果的に本当に我々は二十年間の時間を失いました。

 だけれども、あの批判をした久米さんは何か責任をとりましたか。メディアというのは文句は言うけれども、何も責任をとらない。今の、かつて与党だった野党はどうですか。何か責任をとりましたか。

 大臣も、御自分もニュースステーションに出られていましたよね。久米さんも恩人の一人じゃないですか。私はそう思いますよ。失礼じゃないんですか。

 もう一つ、この資料の中に丸川大臣の発言が一個、一番最後、「銀行のツケをこっちに回すな!」という。これは丸川大臣が書かれた本なんですね。

 中ほどに空白、ページが変わるようなところがありますけれども、ここの前段のところですね。「「日銀の銀行株直接買い」だって、「RCCの簿価での土地買い取り」だって、結局のところ、銀行の損失を私たちに付け替えるだけの、裏切り行為ですよね。よしんばこの先、補正予算を編成して」云々。裏切り行為、不良債権処理のための公的資金注入を。

 これはテレビ朝日の仕事じゃないですよ。大臣御自身で書かれた本ですよ。時系列でいうと、住専問題があって、久米宏さんはそのときいろいろ反対したかもしれない。そして、この本が書かれて、その後に先ほどの講演の発言があるんですよ。

 大臣、自分で言っていることと違うじゃないですか。責任をとらないんですか。いかがですか。

丸川国務大臣 今、資料で配付をされた発言というのは、テレビ朝日アナウンサーという肩書で書いていることは御承知のとおりだと思いますが、テレビ朝日の社員という立場で発信をしている言葉でございます。

 これは、二〇〇三年当時、このコラムは二〇〇二年だったかと思いますが……(宮崎(岳)委員「出版は二〇〇三年ですよね」と呼ぶ)そうですね。出版社のPR誌にコラムを連載していて、それをまとめて二〇〇三年に発行したものだと思いますが、この当時は、まさに今おっしゃっていただいた総量規制があって、住専問題があって、住専国会があって、九七年に金融破綻があってということをずっと踏まえてきた上で、恐らく国民の不信がピークに達していた時期だというふうに私も理解しておりますし、私が書いていることは当時の世論をよく反映しているというふうに認識をしております。

宮崎(岳)委員 大臣、久米さんのことをこれだけ批判して、自分は同じことをしているのに人だけ非難して、自分はテレ朝の社員だから仕方ない、そんな言い方はないでしょう。これはテレ朝の監修している本じゃないですよ。上司にチェックしてもらったんですか、原稿を。テレ朝の上司に。

 ちょっと、私、信じられないですね。久米宏さんに対するこの発言、取り消す気はないですか。

丸川国務大臣 私は、マスコミとして発言していたときはマスコミの立場で発言しておりましたが、私の思いがあって、今は国会議員として仕事をしております。今は大臣として、安倍内閣の一員としてしっかり職責を全うしたいと考えております。

宮崎(岳)委員 私、大臣の今の発言、自分も記者出身ですから許せないんですよ。

 それは、社論に合わせるとか、そういうことはありますよ。社論に合わせるとかいうことはあるかもしれない。でも、自分の裁量だって相当程度あるじゃないですか。何もかも上司の言うとおりに書きますか。私はそんなことないですよ。泣きながら上司に抵抗したことだってありますよ。それは当たり前ですよ。今、たくさん記者さんが来ていますが、みんなせめぎ合いの中でやっているんですよ。(発言する者あり)つまらないことを言うなよ。大臣の資質の問題だろう。

 私、高市早苗さんの電波停止の発言もありましたよね。何というんですか、こういうメディアに対するゆがんだ見方、これは安倍政権全体に共通するんじゃないかというふうに感じざるを得ないんですよ。

 続きの部分もちょっと読み上げさせていただきます。

 こういうメンタリティーの人たちとまだ一緒にやろうという人がメディアからいて、このメディアの人は多分、まあごめんなさい、ちょっと私の自慢するみたいで申しわけ、私と違ってというところだけれども、本当にこんなメディアのやり方ではいけないよねと思わなかった人なんだな、私は内心そう思って見ているんです。もしや自分たちが今までやってきたことを恥ずかしいなんて思えば、自民党から出たいと言うと思いますよ。だって、今その責任をとっているんですから、我々は。だけれども、そうじゃない人なんでしょうね。

 これは、夏の参院選に若林健太さんの対抗馬として我が党で元TBSキャスターの杉尾秀哉さんを擁立する、この杉尾さんへの当てつけだと思うんですね。

 真っ当な批判ならいいと思うんです、大臣。ただ、今の話というのは、メディア出身なのに自民党以外から出るのはけしからぬ、こういう話じゃないですか。余りに乱暴過ぎませんか、批判としても。

 例えば、私とか、我が党の代表代行の長妻昭さんとか、国対委員長代理の安住淳さんとか、こういう人はみんなメディア出身なんですね。議運委員会の笠浩史筆頭理事、これは大臣のテレビ朝日の先輩ですよね。こういう人は、結局、安全なところに身を置いて批判したいと思って自民党以外から出馬したんですかね。私はそうじゃないんですけれども。

 あるいは、自民党でいえば小池百合子さんとか茂木敏充さんとかはメディア出身だし、今は自民党にいますけれども、最初は野党出身ですよね。こういう人も安全なところに身を置いて批判したいということで政界に入った、こういうふうに言いたいわけですか。お答えください。

丸川国務大臣 安全なところに身を置いて発言したいので政界に入ったというのは、ちょっと誤解をされておられるように思います。今の発言はそういう意味ではございませんので、御理解を賜れればと思います。

 いずれにせよ、私は、自分が出馬するときに自由民主党から出馬したのは、これは与党であったということを申し上げておりますけれども、まさに一度政権の座から落ちるという、本当に私どももみずからがやってきたことを反省する道のりを経て、与党としての責任のとり方というのはどういうものかというのを、自分たちで繰り返し繰り返し考えながらここにたどり着いてまいりました。恐らく、一度与党を経験された先生方もそういうことを、今まさにいろいろな思いを背負って努力されていることだと思いますけれども、私はまさに与党として責任をとるということの意味を申し上げている次第でございます。

宮崎(岳)委員 与党だから自民党に入ったと今言われましたね。我々も与党を目指しているんですよ。でも、自民党が保守だから入ったというんならまだわかりますよ、与党だから自民党に入ったというのはちょっと違うんじゃないですか。(発言する者あり)そう、民主党が与党だったら民主党に入ったんじゃないかと思われても仕方ないですよ。

 さて、リベラルだといいますけれども、テレ朝時代の発言を見ればどうなんだと。資料としてもおつけしていますけれども、そこまでは、もうきょうは時間がありません。

 高市大臣に聞きます。

 高市大臣、これまでの方針を変えて、放送法に関連して、放送局の放送する番組全てのバランスを見るのではなくて、一番組だけでも政治的公平性を判断するんだ、そして、政治的公平性に欠けている、中立性に欠けているということであれば、最悪の場合ですけれども、ごくごく限られたケースのもとで、電波を停止するということもあり得るという御理解だと思います、そういう主張をされていると思います。

 この問題では、民放労連から公開質問状も出ていますし、日本ジャーナリスト会議あるいは放送を語る会から辞任要求が出ております。連立与党の公明党の井上義久幹事長も、繰り返し法律の建前を担当大臣が発言するのは別の効果をもたらす可能性もあるので慎重であるべきではないかと苦言を呈しています。

 別の効果というのは萎縮ですよね。メディアが萎縮するということだと思います。連立与党だから優しく言っていただいているわけですが、世間からはあえて萎縮させようとしているのではないかと思われても仕方がないような発言に私には思えます。

 一番組だけを見て政治的中立性を判断することもあり得る、こういうことをさらに今後も言い続けるわけですか。大臣、お答えください。

高市国務大臣 私から電波法について積極的に申し上げたことはございません。

 なぜ電波法の議論になったかといいますと、委員も御承知のとおり、二月八日に御党の奥野委員からこういう質問がありました。放送法の百七十四条の業務停止や電波法七十六条についてはこうした四条の、これは放送法です、四条の違反について使わないということで今もう一度明確に御発言いただきたいんですがという御質問をいただきました。

 御承知のとおり、放送法は、平成二十二年、民主党政権のときに……(発言する者あり)つくられました。そして、この業務停止命令、放送のソフト事業者に対して適用されますけれども、これも民主党政権のときに入れられたものでございます。

 私たちは、行政を所管する者として、民主党政権のときに成立した法律も、これは自民党も賛成していますよ、そして今その法律の運用をしなきゃいけない立場にありますよ、やはり継続性を持たせなければなりません。ですから、既にある法律について将来にわたって絶対に絶対に運用されることがあり得ないかと聞かれたら、法律の規定にあることについて、絶対に永久にあり得ませんということは言えませんからね。だから、そういう答弁をしたわけです。

 その後、二月九日にも、その運用がいかに慎重に行われるべきかということ、これは民主党政権のときにも答弁をされているとおり、同じように、二月九日の議事録をごらんください、しっかりと、いかに慎重に運用されるべきかということも答弁しております。さらに、二月十五日にも答弁をいたしております。

 繰り返し聞かれるから繰り返し答弁をしなきゃいけないということでございますので、今後、これまで聞かれた内容、今の委員の御質問もこれまでに聞かれておりますので、そういうことにつきましては、私は、ぜひとも御党の中で質問された方にも御確認いただきたく存じます。議事録を御確認いただきたく存じます。

宮崎(岳)委員 こんな恥ずかしい答弁をして、拍手する人の気がちょっと、私はどうかなと思いますね。

 私は、議事録を読んでいますし、この場にもいましたよ、高市大臣。座っていることもあった、ちらっと見えたかもしれません。私が知っていると知っているのに、そういうことを言わないでください。

 私が何で何度も聞かなきゃならないんですかって、解釈を変えているじゃないですか、民主党時代と。そのときと解釈を変えているのに変えていないと言い張り、そういうことを言っているから、そこを詰めていくために質問しなきゃならないんじゃないですか。そうでしょう。

 一番組で判断するのと……

竹下委員長 宮崎君、申し合わせの時間が過ぎましたので、御協力をお願いします。

宮崎(岳)委員 放送局の流す番組全体で判断するのは違います。(発言する者あり)今交代しますから、民主党の時間内ですから黙っていてください。

 例えば、実績のあるジャーナリストにニュースキャスターを……(発言する者あり)ごめんなさい、終わっていますね。

 でも、高市大臣、これだけは言わせてくださいよ。実績あるニュースキャスターに番組を任せて、独自性の強い編集をして、それが憲法改正反対という色彩が強くても、ほかの番組で逆に憲法改正賛成だというものがあった場合に、そういうときに、放送局全体としてはバランスがとれているということはあり得るでしょう。それなのに、何で……

竹下委員長 宮崎君、時間が過ぎております。御協力をお願いします。

宮崎(岳)委員 はい。

 それなのに、なぜということを言いたいわけであります。

 本当は答えを求めたいんですが、高市大臣の長い答弁の間に時間が来てしまいましたので、最後に一言だけ言わせていただきまして、質問をせずに終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

竹下委員長 これにて宮崎君の質疑は終了いたしました。

 次に、本村伸子さん。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。

 来年度の予算にも盛り込まれておりますF35ステルス戦闘機の関連で伺います。

 このF35ステルス戦闘機は、アメリカを初め九カ国が共同開発をし、ロッキード・マーチン社が中心的につくるものでございます。既に、アメリカが二千四百四十三機の取得を予定し、日本を含め十二カ国で三千百七十機の取得が計画をされています。今後三十年以上にもわたり、主力の戦闘機として使われるものです。

 二〇一七年にアメリカ軍の岩国基地に配備をされることを初め、在日米軍の戦闘機も順次このF35戦闘機にかわっていく予定でございます。自衛隊機も四十二機の取得を予定し、そして、二〇一七年度から青森県の三沢基地に配備をされようとしております。

 そこで、F35戦闘機にかかわって伺います。

 二〇一四年十二月十八日、資料の二枚目にございます、二の資料でございますけれども、「米国政府によるアジア太平洋地域のF―35整備拠点に関する発表について」という防衛省の発表資料が一枚、この一枚が、愛知県から豊山町、そして春日井市、小牧市、名古屋市にファクスで送られてきました。

 私は、二月四日、この全ての自治体を回ってまいりましたけれども、このファクスが一枚送られてきた二〇一四年十二月十八日以降、防衛省からもどこからもこの問題で連絡はその後全くないということでございました。

 愛知県にある三菱重工小牧南工場、東京にあるIHI瑞穂工場に置かれるこのアジア太平洋地域のF35整備拠点とは何なのか、大臣、端的にお示しください。

    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕

中谷国務大臣 平成二十六年の十二月十八日の防衛省の発表資料、これは、前日、十二月十七日に米国政府が、アジア太平洋地域におけるF35の整備拠点、リージョナルデポを日本及びオーストラリアに設置することを決定した旨公表したことをお知らせしたものでございます。

 具体的には、機体については平成三十年初期までに三菱重工業の愛知県小牧南工場に、エンジンについては平成三十年初期から三ないし五年後にIHI東京都瑞穂工場に設置をされる予定ということでございます。

 リージョナルデポにつきましては、F35の重整備、すなわち、機体やエンジンについて分解、検査を要する整備作業等を実施することが予定をされておりまして、米国政府としては、今後、F35の全世界的な運用が予定をされる中で、ユーザー国のF35の整備を効果的に実施するために、北米、欧州、アジア太平洋地域において、機体とエンジンを中心とした整備拠点を設ける計画である、そういうことが内容でございます。

本村(伸)委員 アメリカ政府にとってリージョナルデポはどういうものかということですけれども、二〇〇八年四月、アメリカ空軍のデポ整備戦略計画というところに、リージョナルデポというのは戦闘能力を高めるものだというふうに書いてございます。

 こちらのパネルにありますけれども、この資料の三の地図にあるような、アメリカ軍、在日米軍、在韓国の米軍、そしてオーストラリア軍、こういう外国軍もリージョナルデポを使うことになるのか、確認をしたいと思います。

中谷国務大臣 アジア太平洋地域のリージョナルデポにおきましては、この地域に配備される予定のF35の整備を行うことが想定をされております。

 現時点におきましては、日本に設置されるリージョナルデポにおきましては、航空自衛隊が取得を予定しております四十二機、このF35Aの整備をする予定でありますが、ほかのF35の整備につきましては、今後米国政府と調整をしていくということにしておりまして、現時点において具体的な計画は有していないということでございます。

本村(伸)委員 現時点ではないというふうにおっしゃっておりますけれども、二〇一三年三月一日のF35にかかわる内閣官房長官談話にこういうふうに書いてございます。国内に設置される整備基盤により米国に対する支援も可能となると書いてございます。

 この米国の支援ができる国内に設置される整備基盤というのは具体的に何なのか、お示しください。

中谷国務大臣 現時点におきましては、先ほど御説明しましたが、愛知県の小牧南工場におきまして三菱重工業が機体について重整備を実施する、また、その後、三―五年後に、IHIが東京都瑞穂工場においてエンジンにつきまして整備を行うということでございます。

本村(伸)委員 米軍の支援もするという重大な答弁だというふうに思います。

 昨年四月末に発表された日米の新ガイドライン、これで初めて「防衛装備・技術協力」という部分が盛り込まれました。

 この新ガイドラインでは、資料の四でお示ししておりますけれども、日米の「相互の効率性及び即応性のため、共通装備品の修理及び整備の基盤を強化する。」というふうに書かれております。

 リージョナルデポは、この記述の具体化という位置づけでよろしいでしょうか。

中谷国務大臣 資料のとおり、昨年の四月に策定されました新ガイドラインにおきましては、日米二国間の協力の実効性をさらに向上させるための防衛装備、技術協力の一環といたしまして、共通装備品の修理及び整備の基盤、これを強化するということが挙げられているわけでございます。

 F35のリージョナルデポが日本に設置をされるということは、新ガイドラインに挙げる共通装備品の修理及び整備の基盤の強化の実現につながるものでありまして、積極的に推進をしてまいりたいと考えております。

 また、このリージョナルデポにおきましては、F35の重整備、機体やエンジンについて分解、検査を要する整備作業、これを実施することが予定されておりまして、米国政府としては、今後、F35の全世界的な運用が予想される中で、ユーザー国のF35の整備を効果的に実施するために、北米、欧州、アジア太平洋地域において、機体とエンジンを中心とした整備拠点を設ける計画でございますが、現時点において、日本に設置されるリージョナルデポにつきましては、航空自衛隊の取得する四十二機のF35Aの整備を実施する予定でありまして、他のF35の整備につきましては、今後、米国政府等と調整をしていくということにしておりまして、現時点において具体的計画はないということでございます。

本村(伸)委員 先ほどの官房長官の答弁とはちょっと今違う答弁だったんですけれども。

 この新ガイドラインというのは、平時から有事まで切れ目のない、力強い日米の共同対応をグローバルにやっていくということが趣旨だというふうに思いますけれども、このリージョナルデポというのは平時でも有事でも使うことになるのかということを確認したいと思います。

中谷国務大臣 このリージョナルデポといいますと、F35の重整備、すなわち機体やエンジン等を分解して検査をするような整備作業等を実施することが予定されておりまして、米国政府としては、今後、F35、これを全世界的に配備していくわけでありますが、北米、欧州、アジア太平洋地域においてこういった整備拠点を設ける計画を示したものでございます。

 このリージョナルデポにつきましては、定期的な重整備、この時期に使用することなどが考えられますけれども、現時点で、個々の機体の整備の時期等について具体的な計画はございません。

本村(伸)委員 日米の新ガイドラインには、重要影響事態のときに整備を強化するというふうに書いてあります。ガイドラインに基づくリージョナルデポということですから、そういうときにも使われる可能性があるということでございます。

 次に、コストについて議論をしていきたいと思います。

 資料の五を見ていただきたいんですけれども、アメリカの政府監査院というところが、二〇一四年九月、F35に関する報告書というものを出しております。アメリカの国防総省に対して、これまでのF15、F16、AV8、F18という戦闘機、攻撃機と比べても、F35の運用維持のコストは一・八倍で高過ぎる、コストを削減せよというふうに指摘をされております。

 この報告書を防衛大臣は認識されておりますでしょうか。

中谷国務大臣 御指摘の資料でございますが、これは二〇一四年、平成二十六年九月に、米国会計検査院、GAOが、F35の維持に係る報告書、これを公表したということで承知をいたしております。

本村(伸)委員 アメリカは、コスト削減を目的に、これまでアメリカ軍の戦闘機は、アメリカに帰って、機体を解体したり、バージョンアップをするような重整備をやっていたわけですけれども、それをせずに、近くのリージョナルデポで整備、バージョンアップすれば、燃料代も維持管理費も安くなると。しかも、日本にやらせれば、今回の予算案の中にも入っておりますけれども、日本が重整備の拠点の工場のお金まで出してくれる。アメリカ軍やアメリカの軍需産業の下請を日本にやらせて、結局、アメリカ軍のコスト削減を図るものだというふうに思います。

 では、日本の予算でどうなっているかということですけれども、パネルを見ていただきたい。資料は六でございます。これまでのF35の関連予算をまとめたものでございます。五年間で六千百六十五億円。自衛隊は四十二機を取得する予定ですから、二十二機分のものです。

 支払い先は、アメリカ政府、そして、ロッキード・マーチン社の下請工場として最終組み立て工場をやっている三菱重工、そして、プラット・アンド・ホイットニー社の下請としてエンジンをつくるIHI、ロッキード・マーチン社の二次下請としてレーダーをつくる三菱電機でございます。

 F35の取得費用というのを見ていただきますと、二〇一二年度、一機当たり九十六億円だったものが、二〇一六年度予算案では一機当たり百八十一億円と、二倍近くになっております。

 初度費についても巨額のお金がついておりますけれども、その他関連経費というところで、来年度を含めますと五年間で千二百三十七億円。そのほとんどがアメリカ政府に支払われるものでございます。その他関連経費の内訳ですけれども、ALGS整備費用、ALIS整備費用というふうにあります。

 このアメリカに支払われる費用というのはどういうものなのか、大臣、お答えください。

中谷国務大臣 委員のお示しをした表に基づきまして項目を書いておりまして、その中で、ALGS並びにALISという項目がございます。これにつきまして、F35につきまして、従来我が国が取得した戦闘機と異なりまして、全てのユーザー国が世界規模で部品等を融通し合う国際的な後方支援システム、これがALGSでございます。このALGSの整備費用には、補給部品、資材、機材、支援機材の確保のために必要な経費等が含まれておりまして、このためのシステムに伴う費用でございます。

 また、ALISというのは世界規模の後方支援の情報システムでありまして、ALGSにおける情報を提供するためのシステムでありまして、このALISの整備費用は、当該情報システムに必要な端末等を購入する経費として計上しているということでございます。

本村(伸)委員 御答弁がありましたように、ALGSというのは、アメリカの一元管理のもとで、全てのF35戦闘機のユーザー国が世界規模で部品などを融通し合うシステムだと。そのアメリカが一元管理する部品供給のシステムの構築まで日本が負担をさせられると。これが入りますと、エンジンとかレーダーとかそういうものが、結局、世界じゅうのF35戦闘機に使われるということになってまいります。空爆を繰り返すアメリカ軍、イスラエル軍、こういったところの戦闘機も、日本がそれをつくることに加担をするということになってまいります。

 そして、ALISも、F35の情報をアメリカが一元的に管理するものでございます。アメリカの支配下に置かれるものです。支配を強めコストを削減したいアメリカに日本が貢ぐという形になっている予算だというふうに思います。

 もう一つお伺いしたいんですけれども、アメリカ政府に支払われるもので使途不明のものがございます。二〇一三年度百三億円、二〇一四年度百九十一億円、資料の赤い字になっている部分ですけれども、合計二百九十四億円。これは一体何のためにアメリカ政府に支払うのか、そのことをお答えいただきたいと思います。

中谷国務大臣 委員の提示された資料で、黒い部分におきましては、この金額でございます。米国政府との契約金額のこれは一部でありまして、運用支援体制の構築に係る経費でございますが、これ以上の詳細につきましては、米国政府により非公表とされていることから、お答えはできません。

 その上であえて申し上げれば、政府予算案の時点では、防衛省の見積もりとして次のように計上していたところでございます。

 平成二十五年度、教育用器材が約十七億円、ALGS整備費用が約七十九億円、ALISの整備費用が約三億円、そして、データ作成、体制整備等の費用が約百十二億円の合計二百十一億円ということでございます。

 また、平成二十六年度におきましては、教育用器材が約九十二億円、ALGS整備費用が約九十億円、ALIS整備費用が約九億円、データ作成、体制整備等の費用が約百九十二億円ということで、合計約三百八十三億円になっております。

    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕

本村(伸)委員 詳細な資料を後でいただきたいというふうに思います。

 それで、地元の問題なんですけれども、三菱重工小牧南工場がリージョナルデポに位置づけられるということでありますと、そうなると、滑走路はどこを使うのかという問題がございます。隣の県営名古屋空港を使うのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

中谷国務大臣 具体的な計画につきましては、今後、米国政府と調整をして決定していくことになるわけでありますが、三菱重工業でF35の機体を整備する際には、小牧南工場に隣接をいたしております県営名古屋空港、ここを利用することになると考えられます。

 いずれにしましても、防衛省としましては、具体的な計画が見えてきた段階におきまして、空港の利用頻度、また利用開始時期等の具体的な計画につきまして、三菱重工業と連携をいたしまして、愛知県等地元自治体の皆様方に丁寧な説明を行っていく考えでございます。

本村(伸)委員 リージョナルデポ、県営名古屋空港の利用が前提となっているというふうに思いますけれども、この間、愛知県豊山町、小牧市、春日井市、名古屋市にこのリージョナルデポについて説明したのは、いつ、どのようになされたのか、お答えください。

中谷国務大臣 地元の説明につきましては、米国政府からアジア太平洋地域のリージョナルデポに関する発表があった当日の平成二十六年十二月十八日に、三菱重工業を通じて、防衛省が作成した、公表された資料をもちまして、愛知県庁に情報提供をいたしました。また、関係市町村、小牧市、春日井市、名古屋市、豊山町につきましては、同日、十二月十八日に、愛知県庁から同じ資料をもって情報提供がされたわけでございます。

 米国政府から発表の前に、十二月十五日に、防衛省及び三菱重工業の担当レベルにおきまして、愛知県庁に対して事前の説明を行った事実はございます。

 以上のような方法によりまして、関係自治体の方に情報提供をさせていただきました。

本村(伸)委員 豊山町、小牧市、春日井市、名古屋市へは、もう全てが決まってしまってから、愛知県からこの資料二の資料がファクス一枚で通告されただけなんですね。それ以来、今まで何の音沙汰もない。住民の皆さんを無視し、そして地方自治を無視している。住民の皆さんや自治体はこのファクス一枚で従えというんでしょうか。その決め方そのものがおかしいのではないでしょうか。

 この決定を撤回するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

中谷国務大臣 その件につきましては、先ほど御説明いたしましたけれども、十二月十八日にこの発表の決定を受けて行ったところですが、その事前に、十二月十五日、愛知県庁におきまして、防衛省から、旧経理装備局の航空機課及び航空幕僚監部の課長補佐クラスが参りまして、県庁の方には説明をさせていただきました。

 県庁側から、その事後も含めまして、空港の利用に関して、機体の諸元、利用の頻度、利用開始時期等について問われたわけでございますが、その質問に対しましては答えられる範囲で対応しておりまして、その他いまだ決定をしていないことにつきましては、今後決定をし次第説明に行く旨を回答して、御理解を得たものであると考えております。

本村(伸)委員 名古屋空港が県営名古屋空港として残されるときに、周辺自治体である春日井市の市長、そして小牧市の市長、豊山町の町長が連名で、当時の額賀防衛庁長官に要望書を出しております。それが資料の七ですけれども、ごらんいただきたいというふうに思うんです。

 ここにはこう書いてあります。「県営名古屋飛行場において、他基地所属の自衛隊機による定期的業務以外による利用及び米軍機の利用などがないようにされたい。」こういうふうに明確に要望が出されております。そしてまた、同じ要望は、資料の八、二〇〇九年、浜田防衛大臣にも出されております。

 そして、資料の九は中谷防衛大臣に対する要望ですけれども、毎年毎年、春日井市の市議会と行政、そして住民の皆さんが入っている春日井市飛行場周辺対策市民協議会においても、中谷大臣宛てに、ほかの基地所属の自衛隊機の利用や米軍機の利用がないようにという要望書が出されております。

 大臣、こうした地元の声を当然尊重していただけますよね。

中谷国務大臣 このリージョナルデポにつきましては、先ほど御説明させていただきましたが、当該地域に配備される予定のF35の整備、これを行うことでございまして、現時点において、日本に設置されるリージョナルデポにおきましては、航空自衛隊が取得をする四十二機のF35Aの整備をする予定でございます。他のF35の整備につきましては、現時点において具体的な計画はございません。

 これまで御要望をいただいた点につきましては、私も拝見をさせていただきまして、今後とも、こういった地元の皆様方に御理解をいただきながら推進してまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 丁寧に説明すれば済むという話ではないんです。明確に、他基地所属の自衛隊機や米軍機の利用がないようにという地元からの声が上がっている。

 愛知県内には、もともと小牧基地と隣り合わせで国土交通省所管の名古屋空港がございました。それが、二〇〇五年に中部国際空港が開港しまして、もともと名古屋空港があったところは県営名古屋空港として残したわけです。なぜ県営名古屋空港として残したかといえば、こういうふうにしなければ隣接している航空自衛隊小牧基地の滑走路になってしまう、軍事専用の滑走路になってしまう、そういうことを恐れて、県営の名古屋空港として残したわけでございます。

 地元の皆さんには、小牧基地は教育と輸送の役割だから、戦闘の部隊じゃないと言って我慢をさせているわけでございます。そこにF35が、戦闘機が、米軍もあるかもしれない、頻繁に飛来してくるという計画は、こうした経過を全く無視した、住民の皆さんの思いを無視した暴挙だと言わざるを得ないというふうに思います。

 こういう住民合意のないF35戦闘機のリージョナルデポの計画、重整備拠点の計画、白紙に戻し、撤回するべきだと思いますけれども、大臣。

中谷国務大臣 現在、航空自衛隊の小牧基地におきましては、第一輸送航空隊が所在しておりまして、県営の名古屋飛行場を使用して輸送などの任務を行うとともに、任務遂行に必要不可欠な練度の維持のための訓練飛行、これも実施をいたしております。さらに、同飛行場は、全国に配備される自衛隊の戦闘機の定期修理、また小牧基地に所在していない自衛隊機による任務や訓練のために使用することはございます。また、米軍機は燃料補給等の目的で同飛行場を使用しているということを承知いたしております。

 これらの任務、訓練等は我が国の防衛及び安全保障条約の目的達成のために極めて重要でありますが、一方で、地元住民の皆様方に及ぼす影響に十分配慮すべきであるということは申すまでもなく、基地周辺における訓練飛行、航空機のエンジンの試運転を必要最小限の時間で行いまして、騒音を抑制するといった取り組みも実施をいたしております。

 こういった取り組みを継続した上で、任務そして訓練の必要性につきましては地元の皆様方に御理解をいただけるように、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 明確に、地元の皆さんは、他基地所属の戦闘機あるいは米軍の戦闘機、来るなということを言っているわけでございます。ぜひ、その地元の思いを酌んでいただきたいというふうに思います。

 きょうの話をまとめますけれども、結局、F35は、情報と部品、何もかもアメリカが握って、アメリカに一元管理されていくものでございます。

 十二月に、三菱重工小牧南工場、F35戦闘機の最終組み立ての工場が稼働いたしましたけれども、結局、ロッキード・マーチン社の下請、エンジンもレーダーもアメリカの企業の下請なわけでございます。アメリカのコストダウンのため、アメリカ軍にとって戦闘能力を高めるための、そういう重整備拠点を日本に、愛知に、東京につくるという話でございます。

 平和憲法に違反するようなこうしたリージョナルデポの計画、撤回するべきだということを強く求めたいと思いますし、戦後の原点を忘れるべきじゃないというふうに思います。ポツダム宣言第十一項では、戦争のための再軍備を可能とする産業は許されない、こういうふうに書かれております。

 この戦後の原点から大きく逸脱するような方向に進むことをやめ、軍縮のために本気の外交努力をするべきだということを求めて、質問を終わらせていただきます。

竹下委員長 これにて本村さんの質疑は終了いたしました。

 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 おおさか維新の会の井上英孝です。

 非常に限られた時間ですので、早速質疑に入らせていただきます。

 本日は、塩崎厚労大臣にお越しをいただいております。大きく年金と生活保護についてお聞きさせていただこうかなというふうに思っています。

 もちろん、年金、国民年金制度と生活保護制度ということで、根本的に制度が違うということがあるのは重々承知をしておるわけですけれども、一方で、何か比較する基準というのを考えたときに、受給金額というのが大きく取り上げられることがよく、国民の中の、特に高齢者の間で非常に議論がある。恐らく、ここにおられる委員の先生方も、よく地元にお帰りになってこういう話を聞くんじゃないかなと思うんです。

 まずは数字の確認をさせていただきたいんですけれども、六十五歳単身の方で、年金と生活保護の金額の違いについてお答えをいただけますでしょうか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまございました六十五歳の方の単身の場合でありますけれども、支給される基礎年金の額は満額で月額六万五千八円でございます。

石井政府参考人 生活保護についてお答え申し上げます。

 生活保護、生活扶助基準額でございますが、単身で六十五歳の方、東京都区部の金額で申し上げますと、八万八百七十円ということでございます。

井上(英)委員 委員の先生方には資料を配付させていただいております。資料の一、基礎年金月額と生活扶助基準額という、月額がそれぞれ書かれた資料を提供させていただいております。

 今お答えいただいたように、基礎年金月額というのは六万五千円、単身の場合ですね。ですから、年金をもらえるという年で考えたときに、六十五歳で単身で受け取る月額というのは六万五千八円となっています。一方で、生活扶助の基準額で六十五歳の単身の方、これは地域によって区分がありますので、六万五千五百六十円から八万八百七十円ということになっています。ここ、国会があります東京の場合は、一級地の一ということで、八万八百七十円というのが支給金額、受給金額ということになっております。これが、世間ではよく言われています。

 夫婦で考えたときに、基礎年金の場合は、六万五千八円という受給金額がそのまま倍になって、横に書いておりますように、夫婦合計では十三万十六円ということになっております。生活保護の場合は、下の段、夫婦というところを見ていただいて、六十五歳の御夫婦になると、東京の一級地の一であったとしても六万三百六十五円、足すと十二万七百三十円ということになります。少し受給金額が減るんですね。

 これは、生活保護の場合は、費用項目の中の一類費と言われる食費や被服費、個々、個人個人で必要なものに対するお金と、二類費、光熱費などですね、ですから、電気をつけたときに、世帯で、その部屋に一人おろうが二人いてようがそんなに変わらない、そういう費用を多少減らして支給している、受給いただいているというのが、夫婦で少し生活保護の基準額が減っているというところであります。

 この六十五歳の単身という形で注目をさせていただきますと、基礎年金額では東京の方で六万五千円で、生活保護では同じく東京の方で六十五歳単身で八万八百七十円と、約一万五千円ぐらいの差額があります。このことに関して、特に国民年金を受給されている高齢者を初めとした世代の方々がやはり不公平感を感じておられるというのが議論だ、そしてこの制度自体に非常に違和感を感じておられるというのが現状ではないかと思います。

 これから国民年金は、やはり若い方々にもどんどんどんどん積極的に加入をしていただいて、この国民年金制度自体を持続可能なものにしていこうというのが恐らく政府の考え方ですし、我々もそのように思っていますけれども、こういった制度疲労と言われても仕方がないようなそご、このことに関して、塩崎大臣はどのように違和感を感じておられるかどうか、お答えいただけますでしょうか。

塩崎国務大臣 井上委員の今の御指摘でございますが、確かに、私の地元でいろいろミニ集会などをやると、よくこの話が御指摘を受けるわけでございます。したがって、これはいつも説明をせないかぬことの一つになるわけであります。

 まず第一に、やはり生活保護と年金そのものの制度、目的の違いということを踏まえなきゃいけないのかなということであります。

 生活保護というのは、憲法第二十五条に基づいて生活保護法ができて、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を援助することを目的とする、こういうことで生活保護があるわけでありますけれども、そのためには、年金を含めた収入、そして資産も活用した上で、なお最低限度の生活の維持ができないという方に対して、必要に応じて、その程度に応じて支給をするというのが生活保護であるわけであります。

 一方で、老齢基礎年金は、現役時代に構築をした生活基盤とか貯蓄などを合わせて老後に一定の水準の生活を可能にする、そういう考え方で設計されており、特に老齢基礎年金にミーンズテストがあるわけでは決してないわけであります。また、今申し上げたように、原則、収入や資産にかかわらず、保険料の納付実績に応じた給付が権利として保障される。ですから、きちっと払っていれば入ってくる、こういうことでありますが、払っていないと、その分、割り引かれるという格好になるわけで、役割とか、対象者、仕組みが異なるために、給付水準を単純に比較するということだけではなかなか適切な判断が難しいのかなということであります。

 問題は、生活保護基準については国民の信頼を確保するということが大事で、低所得世帯、いわゆる第一・十分位というところの消費実態とのバランスを踏まえて、適切な水準になるようにいつも見直さなきゃいけないので、五年に一遍見直しがあります。今度は、平成三十年からスタートする見直しを再来年度、二十九年度にやりますが、これをしっかりとやるということが大事であり、また、もう一つは、やはり本当に生活保護になる際の入り口の執行に対する信頼感というのもないと、これはおかしいじゃないか、偽装離婚じゃないかとか、いろいろなことが指摘をされます。

 公的年金については、持続可能性を担保しながら給付水準を確保するという難しい課題に取り組んでいるところでございまして、低所得、低年金の高齢者の皆様方には消費税の引き上げの際に年金生活者支援給付金というのを、これは月五千円、年間六万円というので福祉的な給付を創設するということが既に一体改革で決まっているわけでありまして、引き続き社会保障全体を通じてサポートをしていかなければならないというふうに考えているところでございます。

井上(英)委員 答弁いただいたように、もちろん、冒頭にも申し上げたように、国民年金とこの生活保護という制度、それぞれ制度が違うというのもわかっております。

 特に生活保護の場合は、今お答えいただいたように、憲法二十五条、生存権にかかわる考え方。ただ、六十五歳ないし六十五歳以上の高齢者に当てはめたときに、憲法の二十五条で保障されている生活保護の考え方からいう自立というのを促していくという考え方が、六十五歳以上の高齢者の方々に本当に当てはめることができるのかという議論が一方で出てくるんじゃないかなというふうに私は思います。

 今、塩崎大臣も答弁いただいた、年金の場合は、永年にわたってずっと保険料を納めてきていただいて、老後の生活を確保するといいますか、生活を老後にしていただくための制度ですけれども、逆に言うと、永年にわたってずっと納めてきた人が受け取る金額が少ないということになると、今度、やはり世に言うモラルハザードというような形を生んでくるんじゃないかというのを非常に懸念しております。

 来年、二〇一七年の四月から消費税を八%から一〇%に上げるということで今、現状なっているかと思いますけれども、我々、会派としては、決して増税することを否定しているわけではありませんけれども、先日のGDPの速報値なんかも見る限り、やはり二〇一七年の四月に上げるというのは時期尚早じゃないかというふうに我々は考えております。

 ただ、その上げる理由の中で、やはり社会保障制度の充実を図っていくということが増税の大きい理由だと思うんですけれども、そういうことであれば、やはりこういった金額の違いというのに対しての整合性を図っていくということは非常に大事と思うんですけれども、大臣、具体的に何か思いがあれば、お答えをいただければと思います。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、年金と生活保護の目的が異なるということが一番大きなポイントではないかと思っております。

 一方で、基礎年金だけの場合の単身の方のお話と御夫婦の場合とございましたが、これがどういう支出をカバーできているのかということを見ると、夫婦世帯は、さっきお話がちょっとありましたが、衣食住といった基礎的消費支出をカバーするという金額になっているわけであります。単身世帯の場合には、基礎的消費支出をおおむねカバーできるということで、高齢者の生活の支柱となっているけれども、若干、先ほど申し上げたように、低年金の方について一体改革の中で福祉的給付をするということで五千円毎月上乗せをするということをやっているのは、給付と負担で成り立っている年金を上げるためには負担も上げなきゃいけないということを考えてみると、やはりこういうことになるのかなということでございます。

 さっき申し上げたように、大事なことは、第一・十分位の方々の生活とバランスがちゃんととれているかどうかということをよく見ながら、生活保護については適正化を絶えず図っていくということが大事であり、先生が御心配になっている、基礎年金の、本当に真面目に掛けてこられた方が少ないのはどうかということでございますけれども、基礎年金だけで生活が全て賄えるという前提で年金は組み立てられているわけではないということはこれまでも答弁をしてきたところでございます。それがちゃんと生活実態に合った形かどうかは、絶えずよく見ていかなければいけないというふうに思うところでございます。

井上(英)委員 ぜひ、今後も課題として我々もしっかりと取り組んでいきたいと思いますので、大臣、またよろしくお願いをいたします。

 時間が本当に限られていますので、次の質問に行かせていただきます。石井大臣、ありがとうございます。北陸新幹線について質問をさせていただきます。

 北陸新幹線につきましては、整備計画が昭和四十八年の十一月十三日に決定をされておりまして、区間が東京都から大阪市ということになっております。整備計画の中では、主な経過地ということで、長野市、富山市、小浜市付近を通るというもとで東京から大阪市をつなぐというのが北陸新幹線の整備計画になっております。

 資料二枚目、配付をさせていただいておりますけれども、今、現状、金沢まで昨年つながりまして、非常に活気が出て、旅行客、観光客さんも非常にたくさん訪れているということで、東京―金沢間を楽しんでおられることかと思いますけれども、現状は、今度はこの金沢から敦賀までが工事区間として進捗をしていっております。平成三十四年度の末に完成予定となっておりますけれども、これも、当初の計画でいくと平成三十七年だったのが三年前倒しになっております。

 そういう中で、先ほどから申し上げているように、この整備計画自体は大阪市までつながるということが決まっておりますけれども、決まっていないのがルートですね。

 このルート、さまざまなことが言われておりますけれども、我々大阪の者としては、一にも二にも早く事業化をしていただきたい、要は開業できるようにしていただきたい。そのためには、ルートも含めて、もちろん財務的な負担も含めて次のまたハードルはあるかと思いますけれども、まずはルートを早く決めていただくようにお願いをしたいと思うんですけれども、石井大臣、いかがでしょうか。

石井国務大臣 北陸新幹線の未着工の敦賀―大阪間につきましては、今御指摘がございましたとおり、昭和四十八年に決定された整備計画におきましては、主要な経過地が小浜市付近とされておりますけれども、ルートに関して関係者間でさまざまな考え方があるところでございます。

 こうした状況を踏まえまして、北陸新幹線の敦賀―大阪間につきましては、現在、与党におきまして、北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会が設置をされ、関係知事さん、あるいは経済団体、またJR等から意見を聞くなど、議論が行われていると承知をしてございます。

 国土交通省といたしましては、当面、与党における議論を見守りつつ、この議論を踏まえまして、まずはルート選定に係る検討に必要な項目について調査を行った上で検討を進めてまいりたいと考えております。

井上(英)委員 ありがとうございます。

 ルート決定、いつまでと大臣はお答えいただけなかったんですけれども、我々としては、先ほども申し上げたように、早くルートが決まって、財政的なハードルも越えて早く着工されて、そして行く行く事業化に早期になることを望んでおりますので、また与党の皆様方にも、早く開業できるように御理解、御協力をいただけたらと思います。

 また、リニア中央新幹線の方においても、大阪においてはシンポジウムもやったりしておりますので、またぜひともよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

竹下委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。

 次に、椎木保君。

椎木委員 おおさか維新の会の椎木保です。

 本日は、高校生等への就学支援について、このテーマに絞って質問させていただきたいと思います。

 まず初めに、平成二十二年度から始まった高校無償化制度については、平成二十六年度に制度改正を行いました。制度改正をして二年が経過しようとしておりますが、現時点でのその成果について、馳大臣の見解をお伺いします。

馳国務大臣 お答えいたします。

 平成二十二年度から始まった高校無償化制度については、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、教育の機会均等に寄与することを目的として創設されたものであります。

 創設後も、低所得世帯の生徒について高等学校教育に係る経済的負担が十分に軽減されておらず、特に、私立高校等に通う低所得世帯の生徒には、授業料を中心に依然として負担が大きい状況にございました。

 こうしたことから、厳しい財政状況のもと、限られた財源を有効活用する観点から、平成二十六年度に高等学校等就学支援金に所得制限を導入いたしました。そこから捻出された財源を活用し、私立高校生等への就学支援金の加算拡充、授業料以外の教育費を支援するための高校生等奨学給付金制度の創設などを行ったところであります。

 これらの取り組みによって、低所得世帯の生徒に対する一層の支援と、私立高校生等における教育費負担の軽減が図られているものと考えております。

椎木委員 今の大臣の答弁で、まだ二年を経過する段階だと思いますけれども、私も、この見直しの制度、これは成果が上がっていると思います。私も教員経験ですし、同僚の現職で今教壇に立っている先生も数いますけれども、大変好評だという話は聞いています。

 その上で、みずからの過去の教員経験も踏まえて申し上げさせていただきますけれども、全ての子供たちが安心して教育を受けられるためにも、やはり中学校卒業時の進路選択の段階で、国公立高校と同様に私立の高校や高等専修学校についても、家庭の経済事情にかかわらず、自由な学校選択の機会を保障するのがやはり我々の責任であって、重要なテーマだと思います。

 我が党の代表の松井一郎知事の大阪府では、国からの就学支援金に加えて、独自の支援策、私立高等学校等授業料支援補助金というものを実施しています。

 この制度は、私立高等学校等に通う生徒への授業料支援として、平成二十八年度においては、年収二百五十万未満世帯では、国の就学支援金の二十九万七千円に加え二十八万三千円を大阪府独自で支援しています。年収二百五十万円から三百五十万円未満世帯では、国の就学支援金の二十三万七千六百円に加え三十四万二千四百円を支援、さらに、年収三百五十万円から五百九十万円未満世帯では、国の就学支援金の十七万八千二百円に加え四十万一千八百円を支援することで、これは結果的に、年収五百九十万未満では最大で五十八万まで支援していますので、実質、授業料が無償化となっています。

 さらに、大阪では年収五百九十万円から九百十万円未満の世帯でも、一部の保護者の負担はあるものの、これもやはり大阪府は支援しているんですね。

 簡単に申しますと、大阪は大体平均で五十八万円なんです、私立の授業料が。その五十八万円に対して、例えば二百五十万円未満世帯でしたら、国が二十九万七千円を就学支援金で交付している。そこに今度、大阪府が独自で二十八万三千円を支援することで、五十八万円。保護者の負担はゼロ。こういう非常に手厚い、全国に例のない独自の支援策を実施して、国の制度にさらに大阪府独自で子供たちの経済格差が教育格差につながらないように取り組んでいるわけです。

 大阪の今のこの取り組みについて、大臣の見解を伺いたいと思います。

馳国務大臣 御紹介がありました大阪府の私立高校授業料無償化制度は、国の高等学校等就学支援金にあわせて大阪府が行う授業料の減免事業により、授業料負担の軽減を図っているものと承知しております。

 高校生等への就学支援については、国と都道府県の支援策が一体となり教育費負担が軽減されることが重要であり、その観点からも、大阪府の取り組みは各都道府県の参考にもなる意欲的な取り組みと考えております。

 なお、文部科学省においても、低所得世帯への一層の支援を図る観点から、来年度予算案では授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金の拡充を盛り込んでいるところであります。

 こういった取り組みを通じて、今後とも、家庭の経済状況にかかわらず、誰もがいつでも希望する質の高い教育を受けられる社会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

椎木委員 大阪府の支援の事業を決してPRするつもりではないんです。国が頑張っているので、大阪も頑張っているんだということを申し上げたい。そして、結果的に、国と地方がお互いやはり補完し合って、保護者の負担がゼロになるように極力努力していければ本当に子供たちが安心して学校生活が送れる、そういう趣旨で大阪府の事例も紹介しながら質問させていただいて、大臣からも過分な答弁をいただけたと思っています。

 一方で、私がいろいろ全国の今の支援策を調べたところ、やはり大阪は確かに例のない取り組みをしているんですけれども、ほとんどの都道府県が大体三百五十万円未満世帯にしか支援ができない。大阪府の場合は平成二十八年度は大体この事業に二百三億ぐらいの予算案なんですけれども、私が今まで教員で経験してきた都道府県の金額の直近の数字を文科省から聞いたところ、大体三千三百万ぐらい。私立学校の数は違いますけれども、やはりかなり格差が大きいというのが正直なところです。

 ですから、我が党は提案型責任政党ですので、大阪府とまでは言いませんけれども、全国の都道府県に対しましても、政府として、さらなる支援の環境づくりというものをぜひ提案したいと思っているんです。これについては、もう一年、検証期間まで時間もありますので、その際あわせて検討していただければと思うんです。ここでは、私の立場としてはぜひ大臣に提案させていただきたいと思いますけれども、その点について答弁をお願いしたいと思います。

馳国務大臣 この政策については、私、当時、野党時代、まず基本的には、義務教育ではない高校教育において、やはり公的資金の使われ方の公平性という観点から、野党という立場で質疑を展開した記憶もございます。当然、限られた財源をどのように有効に活用していくかということは政府としても考えなければいけませんし、同時に都道府県においても、特に私学への支援ということについては十分な配慮を求めたいと思っています。

 また、大阪府の特別の政策についても、その財源の確保策において、恐らく大阪府当局もいかに財源を確保するかについてのさまざまな議論があったということは承知をしております。

 したがって、政策を推し進めていく上で、恒久政策ですから、恒久的な財源を確保する、その理屈もやはり万人に理解されなければいけないと考えておりますので、そういった観点からも、制度がスタートして三年で見直しをしましょう、その成果を評価して、ではどうしようかと検討することにもなっておりますから、また大阪府の取り組みを参考にしながらも今後とも検討を加えていく必要がある、こういうふうに考えております。

椎木委員 ありがとうございます。

 本当に、大阪府も決して財政的に豊かなわけではないんです。ただ、考え方として、選択と集中、この二つの考え方で、数ある事業の中で教育分野には優先して選択をしよう、さらには、予算の限られた中で教育分野については集中して予算づけをしていこうと。だから、かなり力を入れているという中での結果なんですけれども、これをやはり何とか国の方でも一緒に力を合わせてやっていきたいなと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 次に、今申し上げたように、高校生等への就学支援については、やはり国と地方の支援策が一体となって、高校生等の教育費負担の軽減に努めることが最も重要なことであると思います。

 平成二十五年度の法改正時の附帯決議でも、三年経過した後に政策の効果を検証した上で必要な措置を講じるとされており、地方の取り組み状況等も参考にしながら、なお一層高校生等の就学支援に努めるべきと考えます。

 同時に、今後は、三年経過した段階でですけれども、中間所得層、全体的に大体六割ぐらい中間所得層があります。

 私は、教師の経験で、子供たちの立場に立って、いろいろつらいこともありましたけれども、その中で何がつらいかというと、経済事情で高校を中退しなきゃいけない、これはやはり教師としては非常につらい経験といいますか、こういうことだけは本当に避けて通りたいというのが本音のところで、そういう意味では、保護者が住む場所とか子供が生まれ育った場所によって私立高校の授業料負担に大きな差が生じることがあってはならないと思うんですね。

 だから、そういう意味では、三年を経過した後の政策の効果を検証する際に、中間所得層への対応についてもあわせて大臣に検討していただきたいと思いますけれども、これについて答弁をお願いしたいと思います。

馳国務大臣 私も、私立高校で教員をしておりましたので、椎木委員の御指摘される観点ということについては全く同様の考えであるということをまず申し上げておきたいと思います。

 と同時に、我々、野党時代、そして与党に復帰してからも、この政策については、確かに義務教育ではないけれども高校進学率は九八%を超えているという現状を考えれば、都道府県の格差をできるだけ解消しよう、同時に国公私立の格差をできるだけ改善していこう、そうすると、低所得世帯ばかりでなく中間所得層にもやはりできる限りの支援をすべきではないか、こういう問題意識を持って取り組んできたことは委員御存じのとおりであります。

 と同時に、財政状況が厳しい中でいかに恒久的な財源を確保していくのか、各都道府県のいわゆる私学助成金をどのように活用していくのかという考え方もあります。

 大阪の事例は、私はよい事例だとは思っておりますが、財源の確保策については政府としても十分に検討しなければいけないことは当然であります。そういう観点から、こういった各都道府県の私学に対する支援の取り組みも踏まえて、三年後の見直しに向けての議論を深めていきたいと思います。

椎木委員 ありがとうございます。

 今、馳大臣の方からもお話がありましたけれども、衆議院、今は四百七十三人ですか、その中で教員出身者が十一名、その中の一人が私と馳大臣。そういう意味では、下村前大臣のときも馳大臣とは文部科学委員会で一緒に仕事をさせていただいておりますし、非常に教育観も似た考え方で、一緒に法案もつくってきたなという認識で私はいるんですけれども、やはり大阪は府民の理解のもとで、大阪が本当に先導して次代を担う人材育成のために思い切った投資ができたというのは事実なんですね。

 今もやはり自民党政権はしっかり正しい方向に進んでいると私は思います。特に教育政策については、本当に与野党の垣根は越えているんじゃないかなという意識で私はいます。

 ですから、大阪同様に、今度はやはり馳大臣が先頭に立って、国民の理解のもと、国が主導して、ぜひ、三年経過した後には、可能な限り、最大限、大阪のような取り組みが全国都道府県、あるいは国の方でもさらにその政策を拡充できるように、これは本当に提案したいと思いますけれども、大臣の考えといいますか、思いを最後に聞かせていただければと思います。

馳国務大臣 当初は高校無償化という言い方で民主党政権のときに制度が導入されて、平成二十六年度から、また我々が与党に復帰した後に、所得制限という形で、より低所得世帯や中間層世帯への支援を手厚くしてきたという経緯の中で、経済的事情による中途退学者が減った、これは事実でありますから、政策の方向性としては定着をしてきて、理解をされてきたものと思っています。

 同時に、私も政府の一員でありますので、恒久政策には恒久財源を、そして理屈のつく財源を確保していくということをセットで考えていく必要があると考えております。

 こういうことも含めて、三年後の見直しに対して、できるだけ全都道府県の取り組み状況も勘案しながら前向きに取り組んでいきたいと思います。

 以上です。

椎木委員 ありがとうございました。

 質問を終わらせていただきます。

竹下委員長 これにて椎木君の質疑は終了いたしました。

 次に、重徳和彦君。

重徳委員 改革結集の会、重徳和彦です。

 改革結集の旗印でいいますと、きょうは、三番目の東京一極集中からの脱却、中央集権の打破、これに関連するテーマ、法人住民税の国税化について議論させていただきます。

 各自治体が、長年にわたる企業誘致の活動、産業振興の活動、この努力の上に法人住民税というものが各県、市町村の収入として入ってくるわけなんですが、資料二枚目をごらんいただきたいと思うんです。

 法人住民税、二十六年度改正と二十八年度改正。二度にわたる改正によりまして、数字、ちっちゃいところを見ていただきますと、都道府県分は五%が一%まで引き下げられ、市町村分は一二・三%が六%、半分に引き下げられ、それがその分、国税である地方法人税となり、その国税は一旦国で預かった上で全国の地方自治体に対して地方交付税としてばらまかれる、こういう話なんです。

 これは、事柄の性質上、不交付団体、交付税をもらっていない団体に一番響く問題なので、財政力の強い団体、そして愛知県内の市町村が多い、そういう結果なので、多くの議員の皆さん方にとってはうちは関係ないよというようなことが多いかもしれませんが、少数の意見であるかもしれないですけれども、重要な地方税制の課題であると思いますので、問題提起をさせていただきます。

 まず、今回の見直しによります影響額について、高市大臣、お願いします。

高市国務大臣 今回の地方法人課税の偏在是正、地方消費税の税率の引き上げに対応したものでございまして、地方税収への影響を平年度ベースで試算しますと、地方消費税が約一・四兆円の増、法人住民税が約〇・九兆円の減、地方法人特別税・譲与税制度の廃止及び法人事業税への復元により約一・九兆円の増となり、地方税収全体は増加するものでございます。

 大半の市町村におきまして地方消費税交付金の増収が法人住民税法人税割の減収などを上回りまして、地方税収は増加するものと考えております。

重徳委員 消費税全体を引き上げるわけですから、地方税の税収がふえるのは当然のことでありまして、ただ、今回問題にしたいのは、今大臣がおっしゃいました、法人住民税の国税化によりまして、地方の税収、その部分に関して言えば〇・九兆円減だということでありまして、そこは団体によってはもちろん交付税だとかいろいろな形で補填されるんですが、不交付団体の場合には一方的に召し上げられるのみだということなんです。

 不交付団体についてちょっと、この減収分について、自治体によっては億単位で減収になるんですが、これは補填とかそういうことは何か考えておられるんでしょうか。

高市国務大臣 今回、総務省では、平成二十六年度税制改正大綱の記載を踏まえまして、全国知事会や全国市長会にも御参加いただいた総務大臣と地方六団体会長との会合など、さまざまな機会でもその方向性をお示ししてまいりました。

 不交付団体に対する影響というものでございます。

 恐らく、議員のお地元の愛知県のことで、特に豊田市、大変大きいということでの問題意識であるかと思いますけれども、一つは、今回、減収額が増収額及び法人事業税交付金の創設による増収額の合算額を超える場合、普通交付税の交付団体及び不交付団体を問わず、地方財政法第五条の特例としまして、資金手当ての地方債を起こすことができるということになっております。そしてまた、一定の経過措置をとらせていただいたということにつきましても委員御承知のとおりであるかと思います。

 例えば、個別の団体で当然地方税としての税収が減収となる場合もあり得るんですが、交付団体にあっては、必要な財源が措置されるものですから、財政運営上支障は生じません。不交付団体につきましても、超過財源があるということで、財政運営に特段の支障は生じないと考えております。

 市町村の法人住民税法人税割の税率引き下げ分のうち二%分については、法人事業税の一部を従業者の数に応じて市町村に交付する事業税交付金によって補填するということにしておりますので、その際、数年間はその交付基準に法人税割税収のシェアを用いるなど、これが激変緩和措置ということで、何とか御理解を賜りたいと思っております。

重徳委員 財政運営に特段支障はないというようなことをおっしゃいましたけれども、やはり各団体は先々まで見通して税収を見積もってやりくりしながらやっているわけですから、国として最低限の自治体のサービスを行う上では支障がないという意味なのかもしれませんが、各自治体の創意工夫、独自性を発揮するための歳出というのは各団体においてそれぞれなわけですから、国において支障がないという言い方は、それは少し無責任な言い方ではないかと私は思います。

 それから、穴埋めで起債とおっしゃいますが、普通は交付団体であれば交付税で起債の償還についても手当てすると思うんですが、不交付団体の場合はそれが全くないわけですから、要するに借金しろということでありますので、そのあたりも、国が制度を改正しておきながら、その補填は十分ではないと言わざるを得ないと思います。

 それから、何でこれを特に取り上げるかといいますと、私も総務省におりましたので雰囲気はわかるんですが、大体、国で国、地方の財源のことを話すときは、国全体、地方全体というふうに見て、地方全体の財源はちゃんと確保できていますということを言われるんです。しかし、各自治体から見ると、あるいは各自治体にお住まいの方から見れば、うちの町が問題なわけであります。

 そういう意味で、今回、自治体に住んでいる住民あるいは企業が我が町のために納税をしているんだというつもりで納めた法人住民税が国税化されてしまって、それが交付税になるわけですから、我が町には配られずによその町に配られていくということになるわけです。国税として例えば外交、防衛に使われるのであればまだ自分の町も関係ある話なんですが、よその町に交付税の原資としてまかれちゃうわけです。完全に我が町からよその町へお金が行ってしまうということでありますから、そういう意味での納得感というものはなおさら乏しい。

 地方交付税の原資になってしまうということはなおさら、国から見ると同じ地方の財源だろうということになるのかもしれませんが、各自治体にお住まいの方からすれば納得感がより乏しいのではないか、こんなふうにも感じるわけですが、そのあたり、いかがお考えでしょうか。

高市国務大臣 自治体の皆様に関しましては、全国知事会、全国市長会などにおいて、私からもさまざまな機会を捉えて御説明申し上げてまいりました。さらに、地方財政審議会の地方法人課税のあり方に関する検討会におきましても、市長会を含む地方三団体などからヒアリングを行い、関係者からの意見聴取に努めてまいりました。市町村における安定的で偏在性の少ない地方税体系の構築に資するものであると考えております。

 また、企業の方の納得感ということもあるかと存じます。これも、日本経済団体連合会は、地方の法人所得に対する課税部分について国税の法人税に統合して、また交付税などによって適切に配分するという提言をしておられますので、交付税の原資化については前向きであられると思います。

 今回の措置によって、全国各地において必要な行政サービスが確実に提供されるための安定財源が確保されるということ、それから地域経済の好循環を拡大していくための取り組みも進むということで、立地自治体、どの自治体に企業が立地しているかにもよりますけれども、また地方での消費もその企業にとってふえていく、そういった形の好循環を期待いたしております。

重徳委員 今、大臣は幾つか鍵となるコメントを述べられたと思います。

 各自治体は、企業誘致だとか産業振興ということについて、この先の税収の確保という面でも先行きを見通しながらそういった施策を進めているわけなんですね。

 だけれども、ここ二、三年の間に、市町村分では地方法人税は半分になってしまう、一二%から六%に減る。県としても五%が一%に減るということですから、一生懸命努力して企業誘致、産業振興を実現したころには大幅に、税収が見込んだよりもよっぽど減ってしまう。これは本当に、国がその制度を決めているわけですから、裏切りといいましょうか、はしごを外された、こういうことになりかねないというか、なっているんです、今。

 それから、今大臣がおっしゃいました、法人税については国税に統合していくべきだという意見が出ている、あるいは偏在性というものが問題だというようなことがいろいろなところから言われているということなんですが、将来にわたって、偏在性がある、あるいは年度によって変動があるという法人関連税と、偏在性が少ない、つまりあまねく割と平等に近い消費税、この法人税と消費税のあり方について、簡単に言えば、法人税は国税に、そして消費税は地方税にという方向性が一つあるのではないかと思われるんです。

 このあたりについて、麻生財務大臣と高市総務大臣、それぞれの御見解をお願いいたします。

麻生国務大臣 今、全国で、重徳さん、六十でしたっけね、不交付団体は。自治省を離れているから忘れちゃったね。六十ぐらいあると思うんですね。

 おたくの愛知県は一番多い。たしか十四、五あったと思いますよ。そういった意味では、この不交付団体の中の一番問題点が多いのは愛知県だと思っているんです。これは、全国一千七百六十団体あります中で、ここだけでかれこれ四十ですから。それはもう圧倒的にお金をもらえるところの方が多いから、この声は、よっぽどしっかり言わぬと。ほかのところではもらう方ばかり、そこは出すばかりというところの、もらう方が圧倒的に多いんですから、それはなかなか、声としては上がりにくいのを代表して言っておられるのはよくわかるんですが。

 今、地方法人税、いわゆる住民税と事業税というものと消費税というものの交換というお話でしたけれども、これは社会保障と税の一体化の話と直接関係してきますので、社会保障財源化することにしてこの消費税というのは始まっていますので、引き上げた分について、年金とか医療とか介護とか保険とかいろいろありますけれども、そういった子育て等々含めまして役割分担において国と地方にそれぞれ分配することにしているんですが、今のような御提案で消費税を地方に移譲するということになりますと、他方で、社会保障に関しては大きな責任は地方で全部やっていただくということになる。理屈としてはそういうことになります。

 その場合、社会保障については大きな地域間格差が生じるということになりかねませんから、そういった意味では、この点に関しては、御提案として言っておられることはわからぬことはありませんけれども、ちょっとなかなか慎重な検討が必要なのではないか、私はそう思います。

高市国務大臣 消費税につきましては、地方消費税収一%分を除いて、その全額は社会保障財源化されているところですから、消費税全体をということになりますと、今、麻生大臣が答弁されたとおりでございます。

 ただ、国、地方間でこの消費税と地方法人課税を税源交換するという今御指摘のことも一つの方法ではあるかと考えますが、一方で、平成二十四年の八月二十二日に税制抜本改革法が成立しておりまして、ここで、地方消費税の引き上げ分の全額を社会保障財源化するということとともに、その充実とあわせて、地方法人課税のあり方を見直すことによって税源の偏在性を是正する方策を講ずることとされております。今回の改革におきましては、この法の規定を踏まえまして取り組んでおります。

 ただ、これは地方税における地方消費税の比率を高める内容にもなっておりますので、方向性は委員の御提案と同じ方向性になってきていると考えております。

重徳委員 本当に地方の自立性、自主性というものを強化していくということであれば、本来、不交付団体をふやしていかなくちゃいけないと思うんですね。ところが、不交付団体になったら損ばかり、こんなことでは、しかもそれを国が主導しているということでは、国への信頼というものは失われてしまうと思います。

 それから、消費税財源は社会保障目的に使うんだということも、あくまで、国税分が今非常に消費税は多いわけですから、それを前提に言われていると思うんですが、税制体系そのものを変えていけば、法人税、所得税といったもので社会保障は賄っていくんだということにおのずとなりますし、消費税財源を使って地方は地方のサービスを行っていくんだ、こういう意味で、根本的なところから議論しなければ、社会保障目的に使うんだから、消費税が地方に行ったら地方が全部社会保障をやらなきゃいけなくなるなんというのは、本末転倒な議論だと思いますよ。

 そういう意味で、今回、若干小手先の改正だと思いますけれども、こういった骨太な議論をしっかりとこれからも我々としても提案し、また批判すべきは批判をしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

竹下委員長 これにて重徳君の質疑は終了いたしました。

 各大臣は御退席いただいて結構でございます。

    ―――――――――――――

竹下委員長 この際、三案審査のため、昨十七日、第一班福島県、第二班香川県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員からそれぞれ報告を聴取いたします。第一班平沢勝栄君。

平沢委員 福島県に派遣された委員を代表いたしまして、団長にかわり私からその概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、竹下亘委員長を団長として、理事石田真敏君、山井和則君、赤羽一嘉君、委員石原宏高君、小倉將信君、小林鷹之君、長坂康正君、西村智奈美君、福島伸享君、升田世喜男君、真山祐一君、高橋千鶴子君、小熊慎司君、私、平沢勝栄の十五名であります。

 このほか、現地参加議員として金子恵美君が出席されました。

 昨十七日、現地において、福島相双復興官民合同チームとの意見交換及び子供たちが安心して遊べる屋内遊び場として整備されたすかがわキッズパークの視察を行った後、郡山市において会議を開催いたしました。

 会議におきましては、福島県商工会議所連合会会長渡邊博美君、株式会社ホテルニューパレス会長山崎捷子君、原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長山名元君及びふくしま復興共同センター代表委員斎藤富春君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、渡邊君からは、風評被害対策及び原子力損害賠償への対応、県内産業の復興に向けた取り組みなどの意見が、

 次に、山崎君からは、福島県内の全原発廃炉という県民の意思、男女共同参画社会の構築などの意見が、

 次に、山名君からは、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策、イノベーション・コースト構想の推進などの意見が、

 最後に、斎藤君から、避難指示解除における課題、震災後の国のエネルギー政策のあり方

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、震災復興に対する政府及び福島県の認識の差異、震災後の福島県の観光産業、原発の再稼働問題、廃炉作業・汚染水対策の現状及び今後の見通し、廃炉作業従事者の労働実態、風評被害の賠償における問題点などについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

竹下委員長 次に、第二班関芳弘君。

関委員 香川県に派遣された委員を代表いたしまして、団長にかわり私からその概要を御報告申し上げます。

 派遣委員は、理事金田勝年君を団長として、理事菅原一秀君、鈴木馨祐君、柿沢未途君、委員井上貴博君、小田原潔君、山下貴司君、緒方林太郎君、大西健介君、玉木雄一郎君、濱村進君、吉田宣弘君、畠山和也君、足立康史君、私、関芳弘の十五名であります。

 このほか、現地参加議員として瀬戸隆一君が出席されました。

 昨十七日、綾川町において、醸造発酵という伝統技術と現代の科学を活用した化粧品・健康食品などの研究開発の視察を行った後、高松市において会議を開催いたしました。

 会議におきましては、四国地区信用金庫協会会長蓮井明博君、さぬき市商工会会長尾崎勝君、高松丸亀町商店街振興組合理事長古川康造君及び株式会社オールインワン代表取締役社長三谷廣君の四名から意見を聴取いたしました。

 まず、蓮井君からは、地方の中小企業等に対する振興策を実施する必要性、地方創生の取り組みへの支援の必要性などの意見が、

 次に、尾崎君からは、供給側に向けた予算を見直す必要性、開発補助金への課税見直しの必要性などの意見が、

 次に、古川君からは、商店街に対する振興策のあり方、商業床への課税見直しの必要性などの意見が、

 最後に、三谷君からは、TPPの我が国の農林水産業への影響、農業における水資源活用の重要性

などの意見が述べられました。

 次いで、各委員から意見陳述人に対し、地域経済活性化策のあり方、供給側への経済政策の有効性、商店街活性化のための人材育成の方策、消費税率引き上げの地方個人消費への影響、軽減税率導入の賛否などについて質疑が行われました。

 以上が会議の概要でありますが、議事の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じます。

 なお、今回の会議の開催につきましては、地元関係者を初め多数の方々の御協力をいただき、極めて円滑に行うことができました。ここに深く感謝の意を表する次第であります。

 以上、御報告申し上げます。

竹下委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。

 お諮りいたします。

 ただいま報告のありました第一班及び第二班の現地における会議の記録は、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕

    ―――――――――――――

竹下委員長 次回は、明十九日午前八時五十五分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十六分散会

     ――――◇―――――

  〔本号(その一)参照〕

    ―――――――――――――

   派遣委員の福島県における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十八年二月十七日(水)

二、場所

   ホテルハマツ

三、意見を聴取した問題

   平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算及び平成二十八年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 竹下  亘君

       石田 真敏君   石原 宏高君

       小倉 將信君   小林 鷹之君

       長坂 康正君   平沢 勝栄君

       西村智奈美君   福島 伸享君

       升田世喜男君   山井 和則君

       赤羽 一嘉君   真山 祐一君

       高橋千鶴子君   小熊 慎司君

 (2) 現地参加議員

       金子 恵美君

 (3) 意見陳述者

    福島県商工会議所連合会会長          渡邊 博美君

    株式会社ホテルニューパレス会長        山崎 捷子君

    原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長     山名  元君

    ふくしま復興共同センター代表委員       斎藤 富春君

 (4) その他の出席者

    予算委員会専門員    柏  尚志君

    財務省主計局主計官   冨安泰一郎君

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

竹下座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の竹下亘でございます。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。

 東日本の大震災から間もなく五年目を迎えようといたしております。改めて、震災によりお亡くなりになられた皆さん方に心からの御冥福をお祈り申し上げるとともに、今なお避難生活を続けていらっしゃる皆さん方に対しまして、心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。

 皆様方御承知のとおり、予算委員会では、平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算及び平成二十八年度政府関係機関予算の審査を行っているところでございます。

 本日は、三案の審査に当たりまして、国民各界各層の皆さん方の意見を賜るために、この郡山市におきましてこのような会議を開催させていただいているところでございます。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわりませず御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。どうぞ忌憚のない御意見をお述べいただきますようよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。

 会議の議事は、全て衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、自由民主党の平沢勝栄君、石田真敏君、石原宏高君、小倉將信君、小林鷹之君、長坂康正君、民主・維新・無所属クラブの山井和則君、西村智奈美君、福島伸享君、升田世喜男君、公明党の赤羽一嘉君、真山祐一君、日本共産党の高橋千鶴子君、改革結集の会の小熊慎司君、以上でございます。

 なお、現地参加議員といたしまして、民主・維新・無所属クラブの金子恵美君が出席されております。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 福島県商工会議所連合会会長渡邊博美君、株式会社ホテルニューパレス会長山崎捷子君、原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長山名元君、ふくしま復興共同センター代表委員斎藤富春君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず渡邊博美君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

渡邊博美君 福島県商工会議所連合会会長の渡邊博美です。

 本日は、衆議院予算委員会の地方公聴会で意見陳述をさせていただく機会を設けていただき、まことにありがとうございます。

 東日本大震災の発生より五年を経過しようとしておりますが、この間、国におかれましては、集中復興期間として、復興のための交付金や税制措置、人的支援等さまざまな施策を集中的に実施いただきました結果、県内の多くの企業、地域が復興の途につくことができております。まず、地元の経済団体として深く感謝を申し上げます。

 これから復興・創生期間を迎え、我々被災地は自立に向けた新たなステージに立つわけでございますが、私からは、産業復興に向けて四点について意見を申し上げたいと存じます。

 まず一つ目は、風評被害対策並びに原子力損害賠償への対応でございます。

 本県では、全県を通して、福島第一原発事故による風評被害の影響を訴える声がいまだ根強く、しかも、農林水産物や観光業などだけでなく、あらゆる産業でその被害は継続し、東京電力の原子力損害賠償も続いている状況でございます。

 県内の商工会議所におきましては、震災以降、継続して風評払拭活動を実施しており、国内各地だけでなく、台湾、韓国などの経済団体等へも何度も訪問し、福島県の実情を直接伝えるなどの取り組みを行っておりますが、親日と言われる台湾ですら、県産品の輸入には規制がかかっているのが現実でありまして、風評被害の根強さを改めて感じているところでございます。

 風評被害の払拭には、正確かつ効果的な情報発信を国内外で地道に行うしかないと考えており、地元として今後も風評払拭に向けた活動は行ってまいりますが、国としても、これからも引き続き積極的な対応をお願いしたいと思います。

 さらに、避難地区の事業者はもとより、原子力災害による影響を受けている事業者は県内全域に及んでおりまして、東京電力の原子力損害賠償が確実に実施されるようお願いいたします。

 二つ目は、産業振興についてでございます。

 復興・創生期間を迎え、いかに県内企業が自立的な経済再生をなし遂げるかが、我々経済団体に与えられた責務であると認識しております。

 商工会議所は、今後も、事業者の実情を踏まえ、具体的かつきめ細やかな支援を行っていく所存ですが、国におかれましては、そうした実情を勘案いただき、復興支援員配置事業を継続いただいたことに対しまして、厚く感謝を申し上げます。

 また、県内企業への商工会議所、商工会の役割はますます増大することが予想されますので、今後も十分な予算措置をお願いいたします。

 現在、相双地区では、福島相双復興官民合同チームによる被災者へのきめ細やかな自立支援事業を実施いただいておりますが、今後、さらにその重要性は高まるものと思います。本事業のさらなる強化、実情に基づいた自立支援策の展開、さらには、商工会議所、商工会との連携強化を進めていただくことをお願いいたします。

 あわせて、今後は、地域における産業集積の拡大や既存企業の生産拡大も大きな課題でございます。国におかれましては、平成二十八年度イノベーション・コースト構想の実現に百四十三億円を超える予算を計上いただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。

 今後も、雇用創出に向けた立地補助金や、福島復興再生特別措置法に基づく税制優遇の継続など、地域再生を牽引するための取り組みをお願いしたいというふうに思います。

 三つ目が、交通インフラの整備についてであります。

 昨年三月に常磐自動車道が全線開通し、相双地区と東京が直接つながることにより物流や人の移動が急速に進み、それ以降、被災地の復興の動きが加速しております。

 また、現在、復興道路、支援道路として整備が進められております東北中央自動車道福島―相馬間については、相双地域の命の道路としての役割のみならず、開通によって県内の観光や産業、流通などさまざまな分野での連携が進み、産業復興に対する期待も高まっております。

 県内における道路整備は、復興の大きな力となるものでありまして、さらに一層の推進が求められております。

 東北中央自動車道の米沢市までの全線の早期開通や、県内の医療拠点である福島県立医科大学と相双地域を連結する福島西部環状道路の南伸、県内各地の高規格幹線道路の四車線化整備など、県内から整備促進に向けた要請がたくさん上がっております。

 国におかれましては、ぜひ、本県復興の大きな原動力となります幹線道路の整備推進を図っていただきますようお願いしたいと思います。

 さらに、交通インフラとしては、常磐線や只見線など、現在不通となっている鉄道の復旧整備も、住民の暮らしや経済活動にとっては重要な課題でございますので、あわせて早急な整備をお願いしたいと思います。

 最後に、四つ目ですけれども、地方創生、そして一億総活躍社会の実現についてでございます。

 二〇一五年国勢調査の速報値によりますと、福島県の人口は約百九十一万人で、二〇一〇年、五年前の前回の二百二万人から十一万人、率にして五・七%のマイナスとなり、過去最大の減少幅を記録、実数でも戦後最少となっております。

 五・七%マイナスという数字は、被災三県でも特に高い数字でございまして、特に人手不足は深刻で、若者、女性が活躍できる環境をいかに整備するかが喫緊の課題となっております。

 本県が著しい人口減少にある中で、地域創生、一億総活躍社会の実現は、復興にとって最も重要な課題であります。

 国におかれましては、本県の実情を御理解いただき、一層の支援をお願いしたいというふうに思います。

 以上、四点について意見を述べさせていただきました。

 最後に、福島県はいまだ、五年たっておりますけれども、まさに復興道半ば、その感を強くしておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。

 以上で意見の陳述を終わります。ありがとうございました。(拍手)

竹下座長 ありがとうございました。

 次に、山崎捷子さんにお願いいたします。

山崎捷子君 会津若松から参りました山崎捷子と申します。職業はホテル業です。中小企業で、部屋が七十もないという小さなホテルを経営しております。

 三点について意見を述べさせていただきたいと思います。震災、観光、男女平等についてです。

 震災後の復興について。会津若松市は、震災時、放射線量は低く、避難者の受け入れ地となりました。概数ですが、会津若松市への避難者は、平成二十四年一月時点で五千二百人、平成二十七年一月時点で二千七百人です。さらに、教育旅行というものがありますけれども、これも現在五七・二%ぐらいしか来ておりません。放射線量は、会津若松市は東京の新宿と同じぐらいの線量です。ですから、安全なんですね。

 震災直後は、東京の女性団体が何度も下着類をいっぱい送ってくださいました。それを避難所となっている七カ所の体育館に女性たちで配りました。

 私たちの商店街には、避難している方々が今でも買い物に来ます。お茶、椅子、トイレをどうぞお使いくださいと表示して活動をしている商店なので、心の安らぎを求めてくるのです。椅子に座り、お茶を飲み、雑談することでストレスを解消しているのです。家族を亡くされた方、出産した方、離婚した方など、会津若松市におります。本音が言える心安らぐ場を提供して私たちは商売をしております。このような声が届いているでしょうか。

 東京電力福島第一原子力発電所事故は人災ですよね。

 福島県の原発事故がいまだに収束していないのに、安易に再稼働が始まりました。福島から何を学んだのでしょうか。

 福井県の原発集中立地地域の高木復興大臣は、御尊父が福井県敦賀市長時代の三十年前の講演ですけれども、原発は金になる、放射線の汚染で五十年、百年後に生まれる子供がみんな障害者になってもやった方がいいと。原発再稼働の思いを持っている大臣に福島県の復興を任せられるのかな、ちょっと不安です。

 そこにもってきて、丸川珠代環境大臣。私たちは長期目標一ミリシーベルトを目指してきたのに、「何の根拠もない」発言は県民を傷つけました。その後、撤回をするまでに一週間かかりました。女性閣僚がふえるのはいいんです。こういうものはどうなのかなと思います。私は、男女共同参画社会づくりを一生懸命やっておりますけれども、女性を応援している私自身が本当に残念です。

 もう一人、申し上げなくてはならない方がいます。経済再生大臣になった石原伸晃氏。忘れもしない、二〇一四年の六月十六日、中間貯蔵施設建設について。みんなと一緒に合唱したいぐらいですけれども、最後は金目でしょうと。つらいですよね。どこでどう涙を流せばいいのかなと、本当に思いますね。福島県民をどう見ているのかなというふうに思います。

 私たちは、自分が幸せだと感じる普通の生活をしたいだけなんです。福島県の原発は全基廃炉という、福島県民の統一した意思をしっかり受けとめていただきたいと思います。

 観光業に移ります。

 県の旅館組合で、女性たちも何度も何度も中央の方に陳情に参らせていただいております。

 風評被害。風評被害は観光全体に影響しており、生産物は全部検査して出荷しているのに、ほかの地方の農産物に比べ値段が半分、今は三分の二ぐらいでしょうか、になっております。消費者も、安全と言われても、同じ種類のものがあればほかのを買っていきますよね。

 また、宿泊についても、お客様は放射線量が心配なところにわざわざ行かないでしょう。放射線は目に見えない、においもないのですから、なおさら風評によるマイナスイメージが広がるのです。

 閣僚の発言から見て、今の内閣は既に被災地から心が離れている、わけではないですよね。でも、寄り添っていない、そう感じました。

 単なるパフォーマンスではなくて、風評被害対策に本腰を入れて取り組んでいただきたいと思います。原発事故の収束と福島の原発全基廃炉に向けて、国が前面に立って取り組んでいただきたい。

 平成二十八年からは復興・創生期間が始まります。福島の復興はまだまだ時間がかかるため、自治体の負担をできるだけ抑えて、集中して復興に向かっていける仕組みを残していただきたいと思います。

 三番目の男女共同参画づくりについて申し上げます。

 一九四六年四月十日、婦人参政権を認めた戦後初の衆議院選挙で三十九名の女性議員が誕生したのは、皆さん御存じだと思います。それを、二〇一四年の衆議院選挙で女性は四十五名になりました。喜びたいんですけれども、四百七十五人中四十五人ですから、九・五%。女性議員は一割も満たしていません。

 ポジティブアクションを取り入れて、女性を優先して男女交互の名簿ができると、ことしの選挙でやっと二五%になります。これは別に、何の党、どこの党じゃないんです。やはり半分女性がいるわけですから、そういうことを考えていただきたいなと思います。

 今、日本のクオータ制の実施が叫ばれています。超党派で議員団を結成して動き始めているのは期待できます。フランスのオランド大統領は、法律まで変えて、男女半数の内閣、パリテを実現しました。やればできるのです。私はそう思います。地球上の人間は男女半々です。決定の場にフィフティー・フィフティーでいこうではありませんか。

 今回、女性活躍推進法ができ、平成二十八年四月より、労働者三百一人以上の大企業に実施されますが、全体の何と〇・三%ですね。残り九九・六二%は、私の会社と同じように中小企業です。従業員の数からすると、大企業が三七・六七%、中小企業は六二・三三%。アベノミクスの効果は、残念ながら地方には及んでいません。実感として何も感じません。

 国連の女子差別撤廃条約を一九八五年に日本は批准し、男女同一労働同一賃金とうたっていますが、そのようにはなっておりません。

 一九九五年九月、北京で開催された世界女性会議には、日本女性が約五千人参加して、世界で一番多かったんですね。そして、日本における男女平等の加速を促すと期待しました。

 しかし、二十年たった今、女性が活躍する場はまだまだ広がっていません。ジェンダーギャップ指数は、二〇一四年は百四十二カ国中百四位、二〇一五年では百四十五カ国中百一位です。

 ニッポン一億総活躍プラン。少子高齢化を改善するためにつくられたと思いますけれども、三世代同居を対象にしており、今、三世代同居をしている方がこの中で何人いらっしゃるでしょうか、実情に全然そぐわないと思います。ぜひそれは皆さんにお願いしておきたいなというように思います。

 仕事と子育てを両立させるには、職場でも子育てを支える仕組みが必要です。正規雇用、非正規雇用、そちらの両方の待遇を同じ条件にして、男女問わず育児休暇なども取得できる環境づくりが重要です。そして、家庭内での男女平等を徹底していく意識改革も必要と思います。

 社会的整備。これは、保育所はもちろんのこと、教育に予算を使い、そして、今どこかでもてはやされているイクメン、ちょっと違うイメージが出ちゃいましたけれども、パートナーとともに育てる環境が必要なんですね。そこに予算をふやしていかないと、希望出生率一・八は期待できないと思います。

 最後に、風評被害が払拭されていません。アベノミクスの効果は地方に及んでいません。国会の方では本当にいろいろな支援を福島県にしていただいて、感謝しておりますけれども。

 私の意見に皆さん耳を傾けていただいて、ありがとうございました。(拍手)

竹下座長 ありがとうございました。

 次に、山名元君にお願いいたします。

山名元君 初めまして。原子力損害賠償・廃炉等支援機構の理事長を務めております山名元と申します。

 本日は、こうした大切な場において意見陳述の機会をいただきましたことに、心から御礼申し上げます。

 私は、京都大学奉職中の平成二十五年に技術研究組合国際廃炉研究開発機構の理事長に就任して以来、平成二十六年からは当機構の副理事長、それから、昨年からは同機構の理事長として、一貫して福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策に携わってまいりました。

 また、一昨年のイノベーション・コースト構想研究会と、また、これに続く推進会議、昨年の国際産学連携拠点に関する検討会及び福島十二市町村の将来像に関する有識者検討会の委員として、継続的に浜通りの復興にかかわってまいりました。

 このような背景を踏まえて、本日は、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策とイノベーション・コースト構想の推進について、意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、廃炉・汚染水対策について申し上げさせていただきます。

 私は、福島第一原子力発電所への対応には二つの側面があると受けとめております。

 一つ目は緊急的なリスク低減の側面であり、もう一つは、中長期廃炉による、さらなるリスク低減の側面であります。

 前者は、事故の影響下で水や大気を介した放射性物質の周辺環境への漏えいを、急ぎ、防止、低減するという緊急性の高い対応であり、後者は、中長期的な廃炉作業により、サイト全体のリスクを広く許容されるような十分に低いレベルに持ち込むという、中長期的な対応であります。

 汚染水対策は、この前者の最も重要な課題であり、原子力災害対策本部と東京電力とが緊密な連携を保ちながらこの五年間取り組んできたところであります。

 当初は、汚染水漏れや不適切な情報開示等を通じて、地域や国民の皆様方に大きな不安を与えたと思っておりますが、東京電力廃炉推進カンパニーの体制も強化され、海側トレンチの処理、タンク内汚染水の浄化処理、海側遮水壁の稼働など、一つ一つ進められてきました。これらにより、状況はかなり改善されてきたとポジティブに受けとめているところでございますが、今後も遺漏なきよう万全を期していく必要があると考えております。

 後者の中長期廃炉につきましては、原賠・廃炉支援機構が責任を果たすべき領域であり、国の定める中長期ロードマップに沿って取り組みを進めているところであります。

 特に、原子炉内で溶け落ちて固まった燃料である燃料デブリについては、位置や性状がわからないまま内部にとどまっていることから、これをできるだけ早く取り出して安定な状態に持ち込むことが最も重要な課題と考えております。

 燃料デブリの取り出しは、世界的に見ても極めて難しい取り組みではありますが、国、東京電力及び原賠・廃炉支援機構を中心に我が国の総力を結集して取り組むことで、技術的には十分に克服できるものであると考えております。安全確保などに周到な準備を尽くした上で、できるだけ早く取り出しを進めるべく、工法の選定や技術開発など、技術戦略を策定していく所存でございます。

 また、放射性廃棄物への対策についても慎重に戦略を考えていく所存でございます。

 このような廃炉・汚染水に向けた取り組みについて、ぜひ国会においても御理解をお願いしたいと思う次第でございます。

 なお、廃炉への取り組みに関して、地元の理解の重要性について一言触れさせていただきます。

 廃炉作業は数十年にわたることが予想され、地域の皆さんとの信頼関係が不可欠な取り組みであります。

 放射能については、正しく恐れることが必要と言われますが、たくさんの情報が行き来する中で、何が正しいのかを判断することは専門家にも容易なことではありません。一般の方々に専門知識を理解いただけるよう努力することも当然でございますが、まずは、一般の方々の不安や恐れを専門家の側がきちんと理解することから始めるべきであると考えております。

 その意味では、国、東京電力及び原賠・廃炉支援機構が、廃炉に関する十分な情報提供を行うことはもちろん、そこからもう一歩踏み込んで、地域の皆さんの声に耳を澄ますことを胸に刻みたい、こう考えております。国におかれましても御高配をお願いしたいと思っております。

 次に、イノベーション・コースト構想の推進について申し上げたいと思います。

 浜通りの復興を支援することは、国としての責務であります。そして、イノベーション・コースト構想は、復興加速に向けた国の強い姿勢を示す事業であると理解しております。

 復興の基盤としては、まずは生活環境の整備、そして産業の振興が重要でありますが、イノベーション・コースト構想はこの中で産業振興の中核を担うべき取り組みであります。その意味で、この計画が単なる施設整備にとどまることなく、その施設を活用して継続的な事業活動が進み、新しい社会的価値の創造が継続することが大切であります。すなわち、現在整備が検討されているさまざまな施設について、ハードの整備をきっかけにどれだけ多くの方々によるどのような継続的活動が開始されるのかという、ソフトの視点が不可欠だと考えます。

 既に多くの関係者の皆さんの御努力でイノベーション・コースト構想の具体化が進んでおり、こうした視点は盛り込まれているものと承知しておりますが、赤羽先生が立ち上げられた当初からかかわった一人として、初心を忘れないという意味で、ソフト、つまり中身の継続性の重要について、あえて申し上げる次第でございます。

 そういう観点では、この事業が継続的に真の成果を上げて進むように、予算上の配慮や、また政府としての全体的な支援について御高配を賜りたいとお願い申し上げます。

 続いて、継続的な活動の具体案の一つとして、福島復興に向けた研究活動について私の私見を申し上げたいと思います。

 私は、このイノベーション構想の審議の段階から、被災地における伝統や慣習などの文化的価値の継承、あるいは新しい文化的価値の創造が復興にとって大切であるということを繰り返し申し上げてきました。ここでお話しする研究活動にかかわる考えもこの範疇に入るものでございます。

 福島第一原子力発電所の事故とそこからの復興は人類にとって未曽有の活動であり、事故について冷静に検証を行い、中長期的影響を評価し、被災地の修復を科学的に進め、廃炉を加速して進め、事故にかかわる情報を集約して次世代にきちんとつなぐ、こういった活動は事故発生国の責務でもあり、福島を復興させる上でも必要な活動であると考えております。

 例えば、事故炉の廃炉に向けた研究開発、事故原因の究明などの事故検証研究、植物や動物に対する放射性物質の移行などの環境動態や環境修復のための研究、被災地の皆さんの健康をフォローする医療研究あるいは放射線影響研究、そして、中長期的な人口動態や共同体への影響に関する社会学的な研究、こういったものを挙げることができますが、これらは、あえて言えば、福島復興研究ともいうべき包括的な研究であります。

 これらは、福島でこそ取り組むべきものであり、世界的な、また世代を超えた資産とすべき取り組みであると考えます。チェルノブイリ原子力発電所の事故後に現地に国際的研究機関が設置された例に倣う考え方でありますが、国内外の研究者がこの福島の地に集まり、彼らの知的活動が集約され、世界に向けた発信が継続されることで、浜通りの活性化が進むと期待されるところであります。

 イノベーション・コースト構想においては、このような発想は、国際産学連携拠点というテーマで活動として位置づけられておるところであります。この具体化が強く期待されるところであります。既に日本原子力研究開発機構による廃炉国際共同研究センターの活動が先行しておるところであり、この構想はイノベーション構想の核として重要でありますが、規模としても分野としても、さらに発展的に拡充することが必要と考えております。イノベーション・コースト構想の中核としてこの福島復興研究を位置づけて、その推進拠点として国際産学連携拠点を具体化いただきたいと考えているところでございます。

 最後に、イノベーション・コースト構想の地域産業への波及について申し上げたいと思います。

 世界最先端の産業活動や研究活動が現地に根づくことになれば、それ自体が地域の活力になるところでありますが、現に存在する地場産業、地域産業が取り残されることなく、イノベーション・コースト構想の推進に伴って発展していくような仕組みを考えることが重要であります。地場産業や地域産業にも扉が開かれ、そこに参画するチャンスがあることが、地域産業に大きなプラスの影響を与えるものと考えます。現在、官民合同チームが被災十二市町村の約八千の事業者の方々に対して訪問、支援の活動を展開していると伺っておりますが、こうした取り組みをさらに拡充強化することで、イノベーション・コースト構想に基づく先端産業活動や高度な研究活動が、地域の経済活動に裾野を広げていくような仕組みを構築することが必要であると考えております。

 以上が私の意見陳述でございます。こうした機会を頂戴したことに、改めて感謝申し上げます。

 今後とも、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の理事長として、引き続き、中長期廃炉と賠償支援に取り組んでいく所存でございます。

 以上で私の意見陳述を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)

竹下座長 ありがとうございました。

 次に、斎藤富春君にお願いいたします。

斎藤富春君 ふくしま復興共同センターの斎藤と申します。

 ふくしま復興共同センターは、震災直後の三月二十四日に立ち上げた被災者支援組織で、労働組合や医療機関、女性団体など二十六団体で構成しております。二十六団体のうち五団体が、県の原子力損害対策協議会にオール福島の一員として参加しております。

 私は、この五年間、被災者支援にかかわってきた者として、また、原発事故を体験した県民の一人として陳述させていただきます。

 最初に、国勢調査が発表されましたが、浪江、大熊、双葉、富岡の四町が人口ゼロ、飯舘村四十一人、葛尾村十八人ということです。大正九年に始まった国勢調査の歴史の中でこのようなことがあったでしょうか。ここに、原発が持つ根本的な危険性の一面を見る思いをしております。

 三点述べさせていただきます。

 一点目は、昨年六月、福島復興加速化指針が改定されましたが、福島県民にとって、この改定の最大の問題は、帰還困難区域を除き全ての避難指示を来年三月までに解除するという点にあります。

 国が示す避難解除の三要件、第一が年間二十ミリシーベルト以下、第二がインフラ、生活関連サービスの復旧と十分な除染、第三が住民との十分な協議ですけれども、これに照らしても、実情はクリアしているのか、避難している住民は大きな不安を持っています。

 実際、この解除を先行する形で、昨年九月、福島第二原発がある楢葉町の避難指示が解除されましたが、解除から四カ月が経過した一月の時点で、帰還した住民はわずか四百二十一名、全体の五・七%と発表されています。ちなみに、週四日以上滞在すれば帰還住民としてカウントされます。

 さらに、もう一つの不安は、この避難解除と連動して、精神的賠償、営業損害賠償、そして避難者に対する支援の打ち切りが進んでいることです。

 例えば、営業損害賠償についてですが、福島復興加速化指針の改定によって、考え方そのものが変わりました。避難指示区域内と区域外で取り扱いが異なりますが、基本的には、昨年三月末で従来の賠償は終了し、その後については、将来にわたる損害を年間逸失利益の二倍相当額とみなし一括賠償するというものです。被災した事業者からは、損害の二年分を手切れ金に賠償の一切を終了するものという声が上がっています。

 さらに、避難指示区域外のいわゆる風評被害については、加害者である東電が改めて原発事故との相当因果関係を確認するとしていますが、実際、因果関係がないとして賠償が打ち切られたり、二分の一または四分の一に値切られるケースが相次いでいます。

 東電の対応にしても、県外産の大豆を使用ししょうゆをつくっている業者に対して、県外産の場合は風評被害はないと賠償請求にクレームをつけたり、逆に、県内産を販売している食肉業者に対しては、損害回避の努力が足りないとして県外産の販売を強要する、また、直売所に野菜を出している農家に対して、これまで売り上げの減少分を賠償していたものを、突然、単価差が賠償の基準だとし、事実上賠償請求を拒否するなど、理不尽な対応が目立っています。

 この福島復興加速化指針の改定に当たって、福島県中小企業団体中央会は、県原子力損害対策協議会において、風評被害はその原因物質、福島第一原発の溶融核燃料や汚染水が撤収されない限りおさまらないと考える、したがって風評被害に対する営業補償は福島第一原発が更地になるまで続けるべきであると、強く主張していることも紹介しておきたいと思います。

 二点目ですが、国は、昨年七月、長期エネルギー需給見通しを決定しています。この計画は、二〇三〇年の電源構成の原発比率を二〇から二二%とするものですけれども、仮に今ある四十三基全てを再稼働させても一五%と言われています。したがって、四十年超えの老朽原発を再稼働するか新増設しない限り成り立たない枠組みとなっており、原発を永久に使い続けることになります。県民の一人として、福島の教訓は何だったのかと残念でなりません。

 特に、福島県民にとって重大なのは、この需給見通しが福島第二原発四基も含んだ計画となっているのではないかということです。

 昨年六月に、経済産業省への要請で、福島第二原発四基がこの計画に含まれていますかとの私たちの質問に対して、担当の方は、第二原発は入っているともいないとも申し上げられないという答弁でした。対象にしないと明言しませんでした。

 福島第二原発の扱いについては、東電は国のエネルギー政策に従いますと言い、一方、経産省は、廃炉については電気事業者が決めることというのがこの間の姿勢です。

 御承知のとおり、福島県を初め県内五十九市町村全ての議会で県内全原発廃炉の決議を採択しております。県民から見れば、これだけの事故を引き起こしておきながら廃炉を決断しない東電の姿勢が理解できませんが、そうであるならば、なおさら国の役割は大きいのではないでしょうか。オール福島の声を受けとめ、国には直ちに福島第二原発の廃炉を決断していただく、これが福島県民の切実な願いであります。

 さらにつけ加えるならば、日本全体でも、二〇一三年から二〇一五年の二年間は原発ゼロ、そして、この五年間もほぼ原発ゼロで推移しました。この事実は、原発に頼らなくとも、国民の努力によって社会生活が成り立つことを立派に証明しています。福島県で、危険で、もう要らないと言っている原発は、ほかの県でも要らないはずです。日本は、原発ゼロを決断すべきではないでしょうか。

 最後の三点目は、二月十日、原子力規制委員会は、避難区域以外のモニタリングポストの撤去や再配置の検討を明らかにしました。

 帰還困難区域での測定を強化するという理由の一方で、新設する場合は約百万円かかるが、移設する場合は約二十万円に費用が抑えられると、予算の問題が強調されていることは残念でなりません。モニタリングポストの撤去は、国が進めているリスクコミュニケーション強化の方針とも矛盾するもので、子育て世代に大きな不安をもたらすものです。

 どうか、この県民の思いと福島県の実態を踏まえた平成二十八年度予算となりますよう要望し、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

竹下座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

竹下座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平沢勝栄君。

平沢委員 自由民主党の平沢勝栄でございます。

 四人の陳述人の皆さん方には、大変貴重な御意見をありがとうございました。

 私は、福島で育ちまして、二本松の油井小学校、二本松中学校、それから福島高校に通いました。当時は、もちろん、高速道路もありませんでしたし、それから新幹線もありませんで、東北本線は単線で蒸気機関車でございました。その蒸気機関車で二本松から福島まで片道大体五十分かけて通ったわけでございます。

 当時から見ると福島は大きく発展したなと思っていたところに、五年前に三・一一が起こりまして、そのダメージに今なお福島の皆さん方が大変に苦しんでおられるということで、本当に残念で残念で、一日も早い復興を私たちも全力で応援していかなければならないなと思っております。

 そこで、先ほど渡邊さんの方からもありましたけれども、集中復興期間の問題なんです。この大震災が起こった後に、政府は、東日本大震災からの復興の基本方針というのを策定しまして、最初の五年間を集中復興期間ということに名づけまして、さまざまな取り組みをしてきたわけでございます。これは先ほど渡邊さんの方からお話があったとおりでございます。

 この集中復興期間というのは五年間で、ことしの三月に終わるわけでございまして、四月からは、先ほどありましたように、復興・創生期間という形で、新しい五年間がスタートするわけですけれども、渡邊さんが地元紙の福島民報で受けられたインタビューを読んでみますと、前半の集中復興期間が終わることで県内と中央の温度差が広がるようでは心配だというようなことを書かれています。これは、具体的には、例えば前半の五年間が終わったことで、政府、東京の方の関心が薄れることを心配しておられる、こういう意味でございましょうか。

渡邊博美君 今、平沢先生からお話ありました、集中復興期間が五年で終わる、そして中央と我々被災地の温度差を感じるかということなんですけれども、それはそのとおりでございます。

 実は、具体的に、私も立場上、国会、経産省とか文部科学省とか、あるいはそれぞれの、自民党、民主党、公明党、いろいろなところに、陳情といいますか、実情をお話しするときに、たまたま、昨年、安保の法案が非常に国会で討議されていた時期とも重なったということもあるんですけれども、どの党に行っても、正直言って我々の地元と温度差を感じてしまったということでございます。

 震災があった当時民主党さんが政権を持っておりましたけれども、そのときの本当に重要な立場にいた方にお話ししたときに、国会で福島再生という言葉が全く今出てこないし、やっていらっしゃることが、福島というのはもう終わったことのように感じるんですけれども、これはいかがなものですか。野党の先生方も、やはりもうちょっとそういうことに関して国会で、まだまだ終わっていないということを常にやっていただかないと。あのニュースがあったときには、我々福島県にいる人間は、非常にやはり、がっかりするという言葉に当たるんですが、そう感じたのでそのようなインタビューに答えたということでございます。

 以上です。

平沢委員 私は、選挙区は東京ですけれども、育ったのは福島ですから、福島の国会議員と思って、これからしっかり応援させていただきたいと思います。

 そこで、渡邊さんがまた別なところで言っておられるのは、若者が地元に定住する福島にしなければならない、そのために、再生可能エネルギーや医療機器、ロボット、航空宇宙といった新しい産業を芽生えさせ、そして育てていかなければならないということを言っておられます。

 新規立地とか雇用を創出するふくしま産業復興企業立地補助金、それから中小企業や小規模事業者の事業再生を応援する中小企業等グループ補助金、こういったものもあるわけでございますけれども、こうした補助金の使われ方、こういったものが中小企業、小規模事業者の復旧にどの程度役に立っているのか、この辺について教えていただけますか。

渡邊博美君 ありがとうございます。

 これは、間違いなく役に立っております。そして、先ほど皆様からもお話ありましたように、例えば、新しい高度医療の拠点とか、あとはいわゆる再生エネルギー、そしてイノベーション・コーストという、非常に夢のあるといいますか、福島県にとっては希望の星になるようないろいろな産業がもうスタートはしているというのも我々は感じているんです。

 ただ、問題は、こういう新しい産業というのは、即効性はあるわけではなくて、何年か先に効果を示すだろう。そうしますと、実は我々地元にいる人間というのは、風評被害とかというのが、その日その日の自分たちの仕事にかなり影響を受けている。特に観光とかホテル業とか、そういう方々のお話を聞きますと、それが現実なんですね。

 そして、地元の雇用を支えているのはほとんど中小企業でございますので、今お話ありましたいろいろな制度は物すごく役に立っておりますけれども、やはり、地元で今まで福島らしさを支えてきた観光とか農業とかあるいは製造業が元気にならないと、若い人の定着とか人口減少にはなかなか歯どめがかけられないのではないかということで、私としては、長い目で見る希望的なものと、今、足元で起こっていることの両方を、きちんと対応していかなければならないのではないかなと思います。

 そういう意味で、補助金とかいろいろなものは、集中復興期間を終わっても、やはり必要なものは継続していただきたいというのが私のお願いです。

 以上です。

平沢委員 ありがとうございました。

 そこで、次に、福島県は、再生可能エネルギー関連産業、それから医療関連産業の集積を目指しているということで承知しておりまして、そういう中で、先ほど来いろいろな方から出ておられました、こちらにおられる赤羽前経済産業副大臣が熱心に取り組んでこられましたイノベーション・コースト構想、これも新たな産業集積を目指すものということで理解しております。

 こういった先端分野の産業集積を図っていく過程では、もちろん雇用の創出とかいろいろ起こりますけれども、こういった産業に地元の中小企業とかそういったものを関与させていくというか、できるだけ共同でやっていくようなことが地域にとっては極めて重要になってくると思いますけれども、これについてはいかがでしょうか。

渡邊博美君 おっしゃるように、最先端の産業というのは、先ほど申し上げましたように、非常に夢のある、そして、将来、我々にとって、福島にとって本当に重要なものだと思っておりますけれども、先ほど申し上げましたように、福島県に住んでいる人あるいは働いている人というのは、やはりそれだけの、その仕事に、こなすというと言葉は悪いんですが、直接取り組むことができるような人材なのかどうか。

 これは、いろいろな新しい、ふたば未来学園とか、あるいはいろいろな、今、それに伴って教育に力を入れて、そういうことに対応できる人材を育てようという機運はありますけれども、これもやはり少し時間がかかるということで、私はやはり、今現在の中小企業で働いている方とかそういう人たちが、先ほど言いました新しい産業にどういうふうにかかわることができるか。そして、そういう仕組みとか、あるいはそういう人づくりを、我々も含めて全体的にしないと、実感としての効果はなかなか持てないのではないかな、そういう心配もしております。

 以上でございます。

平沢委員 次に、山名さんにお聞きしたいんですけれども、山名さんは、ちょっと読ませていただきますと、廃炉産業ということを言っておられます。

 この廃炉産業というのは、確かに、一部では成長産業の一翼として位置づけろという声もあるわけですけれども、こうした先端分野の産業と廃炉産業とではどういう関係になるんでしょうか。先端産業を活用して、廃炉産業をもっと振興させるということはできるものかどうか。これはいかがでしょうか。

山名元君 御質問の趣旨は、恐らく、福島第一で取り組んでいる、廃炉のさまざまな技術の発展とかソフトの発展があるわけですが、それが大きな日本全体の廃炉産業にどう発展するかということ……(平沢委員「あるいは海外のですね」と呼ぶ)はい、わかりました。

 福島第一というのは事故炉でありまして、実は、かなり特殊なケースではあるんです。しかし、この極めて特殊なケースに今取り組んで開発している技術というのは、非常に先端的といいますか、トップクラスの技術に育つべきものである、逆にそれを育てないとだめだ、こう思っているわけですね。

 直接、この事故炉の廃炉がほかの健全な原子炉の廃炉にどう関係するかというスコープは今全くないんですが、当然ながら、この福島第一に集積してくる国の総力を挙げた技術陣がつくった技術は、必ず一般の廃炉にも展開できるはずですし、ひょっとすると、世界の廃炉のマーケットに出していくぐらいのレベルになる可能性があります。

 そういう意味で、この事故炉に対する取り組みの技術を単なるここだけの取り組みにするというよりは、もちろん福島第一のために全力を尽くすんですが、そこから派生的にできてくるものをしっかりと日本の原子力発電所の廃炉に生かしていくというようなことを考えるべきであると考えております。

平沢委員 ありがとうございました。

 もう一つ、渡邊さんにお聞きしたいんです。

 こちらで、オールふくしま中小企業・小規模事業者経営支援連絡協議会、こういったものが結成されたということで聞いておりますけれども、関係団体がこうやって一緒になって取り組むというのは全国的にも極めて珍しいことだなと思っております。この協議会の取り組み方針といいますか、今後の課題等について、もし何かコメントがありましたら。

渡邊博美君 結局、今回の東日本大震災にかかわる原子力災害というのは、やはり、そういう党派とか価値観とか考え方とか、それを超えた対応がなければ克服できないというのが、我々当事者としての意識なんですね。

 ですから、例えば国会議員の先生方も、選挙ですからいろいろな党派の方がいらっしゃいますけれども、実際、国会議員の先生、そして首長の皆さん、特に知事、そして県会とか市会の人たちも、福島県の場合は、私は何党だからどうとかそういうことじゃなくて、もうとにかくオール福島で対応しなければこれは乗り切っていけない、そのぐらいの大変なことだという認識が今非常に強うございます。

 これは、商工業の団体でも同じでございまして、商工会議所、商工会、それからいろいろな、中央会とか、全てが今、そういう立場を超えて、やはりやるべきことはみんな一緒にやるとか、そういう考えでやっておりますので、課題というのは、やはり、この災害が、あるいは避難者がたくさんいるような現状が続く限りは、それを超えて、みんなで一点に集中して、とにかく復興を目指していきたいということでございます。

 以上です。

平沢委員 次に、山崎さんにお聞きしたいんです。

 ホテル業をやっておられるということでお聞きしていますけれども、観光客が全体的に風評被害もあって減っている。確かに驚くほど減っていまして、ちょっと数字を聞きましたら、とりわけ外国人なんかは一時のまだ半分くらいですか、震災前の。

 ともかく、外国人は二千万人来た、来たと言っているんですけれども、都道府県別に見ますと、統計がある四十三の都道府県のうち、福島県は四十一番目なんですよ。もう本当の最後の最後なんです。たしか島根か鳥取、委員長に申しわけないけれども、あっちの方と同じような数なんですね。ですから、ともかく、東京に近い福島がこんなに少ないというのは、まさに風評被害以外の何物でもないわけです。

 それから、教育旅行もかなり減っているんです、修学旅行とか合宿とか。これも大きく減っていますので、こういった中で、福島県ではバス代を補助する教育旅行復興事業を創設したということも聞いていますけれども、これだけ大きく落ち込んでいて、観光産業に携わっている方は大変だろうと思います。

 福島は、魅力的なものがいっぱいありますし、また産出物もいろいろと魅力的、果物とかいろいろあるわけですから、こうしたものをもっともっとPRしていかなきゃならないと思うんですけれども、観光産業の落ち込みについてどうされたらいいと思われるか、お聞かせください。

山崎捷子君 教育旅行の学校数で申し上げますと、平成二十二年のときは八百四十一校来ていたんですね。ところが、平成二十六年ですと四百二十一、五七・二%ぐらいになっております。

 これでもまだ少し来たかなという感じで、震災直後は本当に、大型バスがとまっているようなところが全てがらがらで、どうなっていくのかなというように感じましたし、それでホテル、旅館業はやめられた方も随分おります。幸い、先ほどおっしゃっていました震災のための補助金が出て、それでちょっと息がつけたというか。

 私も、震災の次の日から、どうやって借金してここを直そうかというように。電気は切れるわ、給湯器はひっくり返るわ、そういう中で、そっちはほっぽっといて支援をしていたわけですから。それと、借金をどうするか。そんなことを私は考えておりました。皆さんもそうではないかなと思います。

 数的にはこういうものです。もうちょっと数を出した方がいいですか。(平沢委員「いや、いいですよ」と呼ぶ)大体半分ぐらいなんです。

平沢委員 観光の関係で、デスティネーションキャンペーン、これが去年四月から六月まで行われて、ことしはアフターデスティネーションキャンペーンですか、これが行われると思うんですけれども、これについて、渡邊さんはマスコミのインタビューで、地域や業種によりかなりばらつきが起こっているというようなお話がありましたけれども、具体的にはどういうことでしょうか。

渡邊博美君 昨年の四月から六月が本番のデスティネーションキャンペーンでした。福島県は大変広うございますので、非常ににぎわった、あるいはそのデスティネーションキャンペーンによって活性化されたという地区もかなりございます。

 例えば二本松市とかあるいは白河とか、そういうところは、例えば地元に伝統的にあるいろいろな地域ごとのお祭りを一堂に会して人を呼ぶとか、あるいは歴史的なそういうものを使ってと。

 それはかなり効果があったんですけれども、例えば福島市とかは、花見山という観光資源があるんですけれども、昨年はちょっと暖か過ぎてデスティネーションキャンペーンに花の時期がずれてしまったとか、あるいは、磐梯吾妻スカイラインというのがございますが、火山の影響でスカイラインが通れなかったとか、ちょうどそれに重なったためにデスティネーションキャンペーンでは人を呼べなかったところもある。

 あともう一つは、やはり、これはいい悪いは別にして、北陸新幹線がちょうどあのときオープンしたということで、その勢いにのまれてしまったというのも福島県の場合はあると思います。

 ただ、ことしは、アフターの方が我々は期待していて、あといろいろな企画もたくさんありますので、何とか挽回したいというふうに思っています。

 以上です。

平沢委員 時間が来たから終わりますけれども、先ほど皆さん方から厳しい御意見もいただきましたので、こういった御意見については謙虚に受けとめて、私たちは福島の復興のために全力で頑張りたいと思います。

 ありがとうございました。

竹下座長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 民主・維新・無所属クラブの西村智奈美と申します。

 きょうは、四名の意見陳述人の皆様方、本当に貴重な御意見を聞かせていただきまして、まことにありがとうございました。

 やはり、現場に伺って、こうやって福島で皆様からじかにお話を伺うということは大変参考になりますし、私ども日ごろ、きょうお見えになっている金子恵美議員を初め福島選出の同僚議員からも直接お話は伺っているのですけれども、やはりこうやって直接お話を伺うということがいかに大事なことか、貴重なことかということを改めて学ばせていただきました。どうもありがとうございます。

 平沢委員が福島育ちだということを私も初めて伺ったんですが、私はお隣の新潟県でございます。修学旅行では会津若松に伺いまして、新潟からは随分教育旅行も会津若松にお世話になっております。歴史的な経緯からですが。

 そんな中で、今回、教育旅行が非常に減少しているということを伺って、その中で新潟県からの状況はどうだろうかなということは気になりますけれども、ぜひこの風評被害をみんなで乗り越えて、一日も早く、本当の意味での復興がなし遂げられるように私たちも頑張っていかなければいけないと改めて考えております。

 それで、きょうは主に山崎さんに御意見を伺ってまいりたいと思います。

 この間、国会の中で、いろいろな大臣、閣僚の問題発言と申しましょうか問題行動が、残念ながら議論になっております。山崎さんも言及しておられました。

 一つには、丸川環境大臣の発言。一ミリシーベルトという、何の根拠もない数字であるということを発言されたり、それから、反放射能派と言ったらおかしいですけれども、わあわあ言っている方がいたりというようなことを、まさに環境大臣みずからがおっしゃるというのは一体どういうことだろうかというふうに私も思いましたし、また、石原大臣が環境大臣であった当時に、最後は金目でしょうという、これはもう本当にあってはならない発言がありまして、これを福島の皆さんがどういうふうに受けとめられたのだろうかと考えると、本当に胸の痛くなる思いでありますけれども、山崎さんに、改めて、この発言についてどのようにお感じになっておられるか伺いたいと思います。

山崎捷子君 丸川大臣の福島県に対する発言、それから石原大臣もそうですけれども、本当は名前なんか出したくないんですけれども、余りにも身近過ぎて、覚えちゃいますよね。みんな覚えちゃいますよ、福島県の人は。金目なんというような言葉も、みんな覚えちゃっていますよ。

 やはり、そういうことを大臣になる方が言うのは余りにも悲しいし、それをまた選んできちゃったというのもどうなんだろうなと思います。本当に、平沢先生あたりから、若い人たちをもうちょっと育てるというか、そんなふうにしていただきたいなというように私は思います。

 口に出して怒りをぶつけるわけにはいかないので、ここで我慢します。

西村(智)委員 ありがとうございます。

 石原大臣は、環境大臣であったときにその金目発言をされて、今回は経済再生担当大臣として再登板されたんですね。非常に、任命責任そのものも、私は、総理にやはり重く問われるべきことだったのではないかというふうに思っております。

 それで、先ほど私も新潟の出身の議員ですと申し上げたんですけれども、我が県にも世界最大規模とされる原子力発電所がございます。この間、川内原発に続いて高浜原発というふうに再稼働がされていっているということなんですけれども、先ほど山崎さんもおっしゃいましたし、それから斎藤さんも恐らくおっしゃったかと思いますけれども、やはり福島県民の思いとして、再稼働はせずに、福島県内の原発については廃炉にしていくということ、そして、福島でも再稼働できないものは、日本国内でもやはり廃炉、再稼働しないという道を選択すべきだ、そういうお考えが示されたかというふうに思うんですけれども、福島県民のお一人として、この再稼働が進んでいるということについてはどのように感じておられますか。

山崎捷子君 五年たって、福島県の、きょう視察にいらした先生方もいらっしゃるんでしょうか、ごらんのとおりで、手つかずというところがいっぱいありますね。本当にしっかり現状を見ていただきたいんですよ。

 原発に依存しないエネルギー、再生可能なエネルギー、そういう仕組みなどを本当につくっていかなくてはならないなというように思っています。それは山名先生がおっしゃったような、私は専門家じゃないんですけれども、先生方がそういうことをいっぱい考えてくださっている。それを現実にしていただかないと、やはりまた戻ってしまう。もう戻り始まっているわけですから。

 そして、経済政策の方も、そういうところにしっかりとかじを切っていただきたいんですよ。いつまでもぐじゅぐじゅしないで、ここはもうやめようというように。

 ドイツは十年でやめるというふうに、福島原発があってすぐ宣言しましたよね。私もその年にドイツに行ってきましたけれども、州の知事や何かにお会いすると、みんなそれを口で言っています。きちっと宣言しています。

 やはりそういうふうに宣言することによって実行しなきゃという気持ちがまた湧くのではないかなと思いますので。どうぞ、産業を構築するにしても、自然的なものを使うとか、そういうところにばちっとかじを切っていただきたいなというように思います。

西村(智)委員 ありがとうございます。

 まさに、経済政策に絡むところですので、そこはやはり政府がこういう方向を目指すんだと言うことによって、進んでいくスピードも大きな違いが出てくることは間違いないと私も思いますので、今の山崎さんの意見には全くそのとおりだというふうに思わせていただきました。

 さて、それで、山崎さんは、男女共同参画についても非常に造詣も深く、内閣総理大臣表彰を受けておられたり、また、先ほどもお話にありましたとおり、東日本大震災のときも、女性の、たまり場と言ったらあれでしょうか、いろいろな交流の場をつくられて、まさに被災した皆さんのお声を生で伺って、そして心を少しほぐすという活動をやられたりということをやってこられていると思いますけれども、東日本大震災から五年を迎えようとしております。

 私も、あの当時のことを考えると、本当に背筋の寒くなる思いがまたよみがえってきますけれども。やはり被災者の半分も女性であることは間違いなかったと思うんですね。あのころに、例えば避難所で生活しておられる女性の方などは、あるいは小さい子供を持っているお母さんたちはどういう暮らしだったのだろうか、そして、復旧から復興へというプロセスを経ていくにつれて、女性の声がどのように反映されていったのだろうかということは、やはりこれは非常に重要なテーマだと思います。

 その時々で私たちも、例えば、復興計画をつくるときには女性の参画を必ず入れてくださいということを政府として求めてきたり、また、新潟も中越地震とかいろいろありましたので、その経験からしても、避難所が女性にとっても安心して暮らせるところであるように配慮をしてほしいということは要望したりしていたんですけれども、振り返ってみて、例えば発災直後、それから復旧復興という段階に向けて歩いてこられている中で、もう少し女性の視点から改善すべき点があったのではないかというふうに思うんです。その点については、実際に寄り添ってこられた山崎さんとしてはどのように感じておられますか。

山崎捷子君 福島県の地震と原発の事故のときは、最初に動いた、男性はもちろん動いたと思うんですけれども、どこに行っても女性、団体じゃないんです、個人ですよ、個人が何かやらなくちゃといって、避難した場所に、すぐにおにぎりをつくって持っていったり、それから着がえを持っていったり、そういうことを個人が積極的に動きました。

 それで、まず命を助けるという人権教育ができていたんですね。人権教育というのは、男女平等教育を私たちは受けています、男女共同参画社会づくりでいろいろと学んでおります、やはり大事なのは人の命、命です。それが一番に頭にぱっときたんだと思うんですね。それで、どこどこの団体とか何かそういうことを言わずに、私に何ができるかしらということで、皆さんあちこちに駆けつけたわけです。

 着がえをするところの目隠しなんかも女性のアイデアでしたし、最初におにぎりをつくるときも、みんなのところから米を持ってきてとか言って、まだシステムもできていませんから、私も市役所の秘書課の方たちに何回どなったかわかりませんけれども。今必要なんだからやってよと言う、やはりそれが大事だと思うんですね。

 それで、現在、復興基本方針の見直しが進められていると聞きますけれども、そこに男女共同参画の視点をぜひ入れていただきたいんですよ。それは入っていないですよね、入っていないと思います。男女共同参画の視点、男女平等の視点というのが、やはり人権教育につながるんですよ。だから、ぜひそれを入れていただければ、今後の震災復興や何かにはいいのではないかなというように思います。

 以上です。

西村(智)委員 ありがとうございます。

 それで、山崎さんからの陳述では、同一労働同一賃金等についても言及をいただきました。北京女性会議のあの二十年前の熱気は、私は国内におりましたけれども、私も北京から伝わってくる熱気を肌で感じていて、あそこから日本社会が変わってきたのではないかというふうに思うんですけれども、相変わらずILOやCEDAWから、同一労働同一賃金を日本は実現していない、ちゃんと法制化をして実現しなさいと何度も勧告を受けていますし、IMFもOECDも日本政府に対してリコメンドしているという状況の中で、やはり今こそもっとドライブをかけてやっていく必要があるというふうに思います。

 ただ、やはり依然として家庭の中での根強い性別役割分業意識があるということ、そして、せっかく女性活躍推進法も成立をしましたけれども、大企業先行で、日本の企業の中で多くを占める中小企業がその対象になっていないということでは、なかなかおぼつかないのではないかというふうに思います。

 山崎さん、この分野についてはどのように対応していってほしいというふうにお考えですか。

山崎捷子君 世帯単位になっていますよね、戸主が誰でとか、それから、働いている方の収入がどうのこうのでというようなこと。これをやはり個人、人間は個人ですよね、ですから、世帯単位から個人単位へ移行するのが一番私は大事なことではないかと。それが個人を大事にすること、一人一人を大切にすることだと思います。

 それから、制度整備ですけれども、家族法、今改正についてちょっと申し上げましたけれども、税制、社会保障改革などについても変えていくべきだと思います。女性のいろいろな可能性につながる税制にきちっと変えていくこと。

 それから、生まれながらにしての男女平等教育。これは、家庭であり学校であり社会であり、そういうところできちっと意識改革をしないと、今、男女平等がいいかどうかなんというアンケートをとっても、まだまだ、五〇%、五〇%、やっとなんですね。ですから、まだまだ女性の地位向上というのにはつながっていかないんです。

 本当に、一九九五年の北京会議のあの熱気、そして、二〇〇〇年のニューヨーク会議のときも大分日本から行きました。その後がやはり、日本でレポートを審議されても、申しわけないんだけれども、何度も何度も、二〇〇三年にも注意されたでしょう、二〇〇九年にも注意されたでしょう。同じことを、やります、努力していますと、それだけだったんですね。

 今度、ジュネーブでこれから審議が行われると思いますので、そこのところで政府の方々もいらっしゃると思うので、ぜひぜひ本当に男女共同参画、男女平等を正面から見据えていただきたいなというように思います。

西村(智)委員 これは山崎さんも御指摘されておられました。三世代同居は、今回、ニッポン一億総活躍プランの中で言及されているんですけれども、私もこれは、子育てや介護の問題を解消するというためには全く逆行しているというふうに思います。

 ただでさえ日本は、子育てや介護を家族負担、家庭での負担にしているということで、世界的に比較しても明らかになっています中で、またもう一度その方へと向けるというのは、せっかくこれまで、待機児童をなくそうとか、介護保険で介護の社会化を進めようと言われていたことと全く逆行してくる話だと思いますので、そこのところはこれからもよくよく注意をして見ていかなければいけないなと改めて思います。

 そこで、大変申しわけありません、ちょっと時間がなくなってきましたので、最後に一点。アベノミクスの効果が地方に及んでいないと山崎さんは断言をされておられました。そのことについて、内実をもう少しお話しいただけますか。

山崎捷子君 先ほど申し上げましたように、九十何%が中小企業ですね。それで、震災後特に、会津若松市に住んでおりますけれども、先ほど旅館ホテル組合のことが出ましたけれども、女性たちはやはり、これは大変だ、これは大変だ、陳情に行こう、陳情に行こうと言って、旅館ホテル組合の人たちが自民党本部にも伺ったり、それから復興大臣のところに伺ったり、何度もしております。

 でも、そこが本当にわかってくださっているのか。女性たちが着物を着て、ちゃらちゃらして行っているのかなんというふうには思っていないと思っているんですけれども、具体的なことをびしっと言えないじゃないですか、お上や何かだと。だから、そこをきちっとわかっていただきたいなというように私は思っています。

 それと、アベノミクス、経済効果。とてもとても、私の会社でも従業員の給料なんて全然上げられないし、それどころか私たち役員はじゃんじゃん給料を下げて、厨房の板前よりもずっとずっと給料は安く、二分の一になっても、それでもまだまだ足りません。自分たちができることはいいですけれども、それはできません。

 アベノミクスは本当に地方には、中央はわかりませんよ、だから〇・何%の大企業はそうだと思うんですけれども、全然アベノミクスの効果はないと思います。商工会議所の渡邊さんも、そういうふうにおっしゃっていましたけれども。

西村(智)委員 ほかの三名の意見陳述人の方々には、時間がなくて申しわけございません、質問できませんでしたが、本当に貴重な時間をいただいて、ありがとうございました。

 終わります。

竹下座長 次に、真山祐一君。

真山委員 公明党の真山祐一と申します。

 意見陳述人の皆様におかれましては、お忙しい中、貴重な御意見をいただきましたことに心から感謝を申し上げる次第でございます。

 また、本予算委員会をこの福島県郡山市の地で開催いただきましたことを、座長、また理事、委員の皆様に心から感謝を申し上げる次第でございます。

 私は現在、まさに郡山市に在住をさせていただいておりまして、東日本大震災発災以前から福島に居住をさせていただいておりました。そういう中で、五年になろうとしておりますけれども、この間の福島復興の歩みを私自身の目で見てきた一人として、このような質問の機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げる次第でございます。

 それでは、早速質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、原子力発電所の廃炉について、山名陳述人にお聞きをさせていただきたいと思います。

 東日本大震災、発災から五年になろうとしてございますけれども、事故炉の廃炉というのは人類史上経験したことのない事業でございまして、大変困難をきわめるということは、これは言うまでもない事実でございます。

    〔座長退席、平沢座長代理着席〕

 特に、汚染水の問題に関しましては、発災直後からさまざまな形で福島県の復興の妨げになってきた、これも事実であるというふうに思ってございます。汚染水問題が起きるたびに、むしろ報道が先行し、またそれが新たな不信を生むという、非常に負の連鎖が続いていくような状況が、復興集中期間の前半部分ではなかったかなというふうに思ってございます。

 私自身もそうですし、また公明党としても、一Fの方には何度も視察に行かせていただいて、そのたびに、作業が進捗している、廃炉に向けて環境が整いつつある、そういった事実は見てまいりました。また、そういった状況がなかなかうまく伝わっていない、そんな事実もあろうかというふうに考えているところでございます。

 そういう中で、自公政権になって、原発の廃炉は国が前面に立って進めるという、方針の大転換がなされたわけでございまして、特に、山名陳述人もインタビューの中でお話しされていたようでございますけれども、それこそ平成二十五年の夏ごろ、非常にこの汚染水の問題でどたばたしていた、そんな御発言もされているインタビューを拝見させていただきましたけれども、その当時は、まさにあの汚染水漏れの問題で大きく騒がれていたところでございました。

 そういう中にありまして、国が前面に立つという自公政権の方針のもと、廃炉・汚染水対策の現地調整会議というのが二十五年の九月からスタートしたわけでございます。

 当時、隣にいらっしゃいますけれども、赤羽一嘉前経済産業副大臣が座長になられてこの現地調整会議を開催されました。これは、東電、政府、また規制委員会、これが一堂に会してさまざまな問題を議論する、またはこの問題の解決策を見出していく、そういった場所として開催がされて、以来、今も毎月開催がされている、そんな状況でございまして、私は、こうした取り組みから本格的な廃炉・汚染水対策というのが始まったのではないかというふうに思ってございます。

 そして、この間、四号機の使用済み核燃料、また使用していない核燃料も含めて、これの取り出しも、予定の平成二十六年末前に完了することができたわけでございますし、海側遮水壁、また地下水バイパス、その他さまざまな汚染水・廃炉対策の取り組みが加速して、そして今に至るという認識でございます。

 こういった中で、今時点でもさまざま課題はあろうかと思いますけれども、責任者として廃炉作業に携わってこられた山名陳述人の現時点での廃炉作業の評価、そして今後の見通しについて、御所見をお伺いしたいと思います。

    〔平沢座長代理退席、座長着席〕

山名元君 今おっしゃいましたように、一年、二年前はどたばた感があったんですね。

 その何が問題であったかというと、事故直後に起こっている汚染水の発生とか、そういった高いリスクがどうなっているかの掌握がまだ東京電力の中でも十分できていなかった、それに対する取り組みの体制も東京電力の中でまだ不十分であったように思うんです。

 そういう意味で、起こる事象が新しいものばかりといいますか、毎日違う事象に対応していくような状況が続いていたというのが一、二年前だったというふうに思うんですね。

 しかし、先ほど私の意見陳述で申し上げましたように、その後、東京電力も体制を強化いたしましたし、そういった汚染水に対応できるようなエンジニアを体制の中に入れるというような体制の変化もやってまいりましたし、さらに国の方でも、汚染水委員会が前面に出て全体に指導する、また、私どもの機構も、廃炉のことをきちんと見ているという体制ができてきまして、そういった危機的な、危機的といいますか、緊急的な汚染水対応に対する国全体としての対応というのは物すごく強化されたわけであります。

 そういう意味で、あれからまた二年ぐらいたちまして、先ほどおっしゃいましたように、汚染水、トレンチにたまっていたものの問題とか、さまざまな問題が、汚染水にかかわる三つの原則に従ってだんだん解決していった状態に今来ているわけです。

 そういう意味では、当初のかなりどたばた感があったときよりも、今は相当改善に至っている、こう理解しております。

 ただ、これで安心してはいけない。やはり、相手が非常に難しいですから、何が起こっても対応できるような体制をつくっておかねばならないということで、そういう意味で、東京電力には強い体制で臨むようにお願いしておりますし、国の方でも強いリーダーシップをとってそのマネージをしているということなんです。

 そういう意味で、緊急的対応のところについては相当改善された、しかし、手を抜かずに今後も頑張らねばならないというのが私の評価でございます。

 ただ、一点申し上げますと、その緊急的なことが解決したから喉元過ぎたという話では全くなくて、実は、これから長い廃炉の闘いが進んでいく。それが、燃料デブリの取り出しですとか、放射性廃棄物に対する長期的な管理の方策をつくっていくことなんです。

 こういうことをきちんとやって、次世代に対して変な負債を残さないような努力を私たちはきちんとやらないかぬ。そういう中長期的取り組みを既に始める段階になっていて、私たちもそこの戦略を考えています。そういった緊急時対応の最後の仕上げと、中長期的取り組みへの加速が今重なって動いているような状態になっております。

 そういう意味で、私、中長期の問題も、確かに技術的には難しい問題ですが、難しいからできないということでは決してありません。難しいものでも解決できる。技術的に我々見ておりますが、これは対応できると私自身が考えておりますし、そのためのベストな戦略を考えているところであります。できるだけリスクがしっかり下がるように、その取り出しにおけるリスクも絶対高まらないような方策を考えていけば、絶対にこれは解決できる問題というふうな認識でおります。

 そういう意味で、今、私の認識について御質問になりましたが、私は、これはきちんとやってできるレベルにどんどん近づいている、こう考えております。

真山委員 ありがとうございました。

 廃炉については、御指摘のとおり、さまざまな課題はこれからも中長期的な部分も含めてあろうかと思いますけれども、着実に進捗をしてきているというふうに私も実感をしているところでございます。

 一方で、やはり、先ほど来風評の問題もございます。つまり、いわゆる事故炉のニュースというのは、特に最初の方は非常に風評にも直結することがあったわけでございまして、そういう意味でも、この緊急的な措置、そして中長期的な部分でリスクを回避しながら着実に廃炉作業を進めていくということが、まず、風評対策の非常に基盤であるということは我々も自覚をしているところでございまして、先ほど御指摘いただきましたとおり、国としてもしっかり今後の対策も取り組んでいきたい、そんな思いでございます。

 そして、廃炉の技術に関する御指摘もございました。

 それに関連いたしまして、イノベーション・コースト構想にも少し触れさせていただきたいと思います。

 イノベーション・コースト構想は、言うまでもなく、福島県の産業復興のまさに夢と希望の柱として構想されまして、イノベーション・コースト構想の書類には、まさに、一番御苦労された地域が一番幸せになる権利があるとのかたい信念のもと、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催時に、世界じゅうの人々が浜通りの力強い再生の姿に瞠目する地域再生を目指して、このイノベーション・コーストを実現するということが記載されているところでございます。

 そして、昨年は、楢葉町の遠隔技術開発センター、モックアップ施設が開所いたしました。そしてまた、来年度の平成二十八年度予算の中にも、ロボットテストフィールド、また、国際産学官共同利用施設の整備、運営等々のイノベーション・コースト構想関連の予算が計上されているところでございます。

 公明党の中にも、イノベーション・コースト構想プロジェクトチームがございまして、福島県ともさまざま意見交換をさせていただいて、昨年末、十二月十八日には、政府、官邸に申し入れをさせていただきました。

 その内容というのは、このロボットテストフィールド、国際産学官共同利用施設の整備、運営に関する、先ほどもお話があった予算の関係はもとより、国と県がしっかりと協定を結んで、国も主体的に取り組んでいくことが必要である、そして、ロボットの認証、認定制度の創設、また、ロボットオリンピックの開催、国家戦略特区の活用、こういったこともこの要望書の中では盛り込ませていただいたところでございます。

 これは、イノベーション・コースト構想を、やはり、絵に描いた餅ではなくて実現させる、実現させるために必要な施策を打っていくということが重要であるという考えの中で要望させていただきました。

 早速、本年の一月には、国と県がこの協定を結ばれたということが報道でも出ておりまして、我々としても大変喜んでいるところでございます。

 これも山名陳述人にお聞きをさせていただきたいと思いますけれども、このイノベーション・コースト構想に関して当初からかかわってこられましたけれども、これに関しても、現状の評価、また見通し、特に、先ほども少しお話がございましたけれども、地域産業との融合という観点、また、これからさらに加速させていくという観点で御意見を頂戴できればと思います。

山名元君 御指摘のように、イノベーション・コーストは産業復興の中核的なプロジェクトとして検討されてきたわけです。

 ここ二年、三年議論してまいりましたけれども、評価している部分は、ロボットテストフィールドの話、それから、日本原子力研究開発機構が幾つかの研究所を浜通りにつくって、研究の拠点といいますか橋頭堡をつくったというところまで現に来ている。そして、既にお話がありましたように、ロボットについては、地元の皆さんの、ロボットの技術をやっている皆さんの要望を受け入れて、ロボットの認証の場をつくるとかさまざまなアイデアが実現されていきつつある段階にあるわけです。

 そういう意味では、こういった牽引役となるプロジェクトに地元のアイデアが入り、さらに、廃炉を応援しようとする国の研究機関がここに力をかけてこようとシフトしてきているという活動が現に起こりつつあって、まさにこれが今、スタートして、始まろうとしている段階にあるわけです。

 先ほど言いましたように、そういう意味で私は非常に高く評価しておりますが、先ほども申し上げましたが、何よりも大事なことは、このスタートして上がっていったのを絶やさずに発展させていくこと。そのためには何が要るかというと、四つぐらい要ると思っています。

 一つは、国の強いイニシアチブです。これは、当然そういった事業を国が応援するという予算措置も含めて、ソフトが継続的に人を集めて、雇用をつくって、成果を上げて、それが地域の活性化につながるような、持続的な活動を支えるようなイニシアチブを国が発揮していただくというのが一つ。

 もう一つは、先生おっしゃったように、地元の皆さんが何をやりたいか。地元の皆さんが、地場産業や技術をどう反映したらこの地域が復興に向かうかというアイデアを、積極的に高いモチベーションで出していただくことだと思います。

 そういう意味では、国のイニシアチブと、地元の意欲とモチベーション、それからポテンシャル、これが合わさってこそ初めてこのプロジェクトは成功すると思っていますので、そういう意味で、国と地元の両者にしっかりとした御努力をお願いしたいというふうに思っています。

 そういう意味で、私は、このプロジェクトはしっかり立ち上がったと思っている。あとは、それを軌道に乗せるためのたゆまない努力を、国も地元も私のような関係者も、尽くすことが一番大事であるというふうに考えております。

真山委員 ありがとうございました。

 今、地元と国とイニシアチブというお話がございました。

 次の質問は、渡邊陳述人にお聞きさせていただきたいと思うんですけれども、地元の経済人という立場でお答えいただければ幸いでございます。

 先ほどもお話ありましたように、官民合同チームが双葉郡の事業再開を念頭に各事業者を訪問活動してございまして、午前中も視察をさせていただいてまいりました。そういう中で、イノベーション・コーストを含めて、そうした事業者の皆様がこれから事業を再開していく中にあって、この官民合同チームが一事業所、一事業所を回っているということは非常に意義があるというふうに私は思っているところでございます。

 そういう中で、こういったイノベーション・コースト構想を含めて、これからどういうふうに事業を再開していこうかという、まあ、さまざまな悩みはあろうかと思うんですけれども、そういう中で、この官民合同チームの取り組み、そして、浜通り復興の象徴であるこのイノベーション・コースト構想、こういった取り組みに対して、地元経済人としてどのように評価されているか、お聞かせ願いたいと思います。

渡邊博美君 今、官民合同チームは八千の事業所に対していろいろな活動をしておりますけれども、責任者の福井さんに時々お会いしていろいろな実情、そして悩みも聞いたりしますけれども、最初の段階では、とにかく八千の事業所にこういう活動をしますというお知らせをして、その知らせが届いたのが二千だけだったというお話なんですね。

 ですから、六千の人たちは、いろいろな場所で避難したり、あるいは、国あるいは官民合同チームがやろうとしているそういうことに対してすぐには反応しなかった、それが現実のような気がします。そのぐらいやはりダメージを受けていたということなんですね。

 ただ、今、約半分ぐらいのところに訪問なされて、それには商工会議所とか商工会がかなりいろいろな場づくりとかやっておりまして、そのために、実は、復興支援員とか、きめ細かな仕事をやるためにどうしても人が必要なので、それを実は竹下復興大臣時に我々は強烈にお願いをしまして、その予算をぜひやってほしいということで、それを認めていただいて大変ありがたいと思っているんですけれども。

 これが今、これから力を発揮するというんでしょうか、そしてそこには、私、思いますのは、いろいろな事例がもう本当にございますので、金融機関がかなりそこに入っていくとか、結局、事業継続をする、あるいは、やめるといっても借金をどうするのかとか、再開するためにどういうふうに金融的な応援をするのかというのは切実な悩みだということはよく聞いておりますので、これからそういう官民合同チームのところに具体的な専門的な方々がかかわって、そして、一つ一つ丁寧にやはりやっていかなくちゃならないんじゃないかなと思っています。

 あと、イノベーション・コーストがそこにかかわる中では、先ほど申し上げましたように、どういうふうにそれが八千の中小企業の方につながるのかというのはまだちょっと見えない部分でありまして、でも、それがやはり非常に大切な部分だというふうに思っておりますので、経済団体としてもそこに焦点を合わせて、いろいろなセミナーをやったり、そういうサポートする体制をつくれればなというふうに思っております。

 以上です。

真山委員 それでは、時間となりましたので、質疑を終了させていただきますけれども、皆様の御意見を踏まえてしっかりと復興に取り組んでまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

竹下座長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 本日は、四人の意見陳述人の皆さん、貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。

 私は、比例東北ブロックの選出でございますので、福島も地元と思っております。また、青森県の出身でありますので、福島第一原発とは切っても切れない関係であるということで、きょうは大変貴重な機会をいただいたと思っております。

 最初に伺いたいのは、私は、二月十五日の予算委員会で、大震災と原発事故から五年ということで取り上げさせていただきました。

 その中で一番言いたかったことは、さっき話題にもなっております福島復興指針によって、帰還困難区域以外は来年の三月までに避難指示を解除し、そのための集中支援を行うのだということについて、やはり目標を持つことや、集中してそのために取り組むのはもちろん大事なことなんですけれども、ただ、それが、期限を区切って支援とか賠償が打ち切りということでは違うので、被害の実態ある限り必要なことを続けるべきではないか、このように指摘をいたしました。

 安倍総理も、期限を切って行うものではないとお答えいただいたし、また、賠償についても、東電に対してやはり公平公正かつ迅速に対応するよう指導していくという明確な答弁をいただいたと思っております。

 そこで、渡邊陳述人と斎藤陳述人に、この区切りの問題と損害賠償などの問題について、率直な御意見をいただきたいと思います。

渡邊博美君 今お話ありましたように、五年という区切り、そしてこれが、先ほど申し上げましたように、まだまだ避難している方が十万人近くいらっしゃる。そして、先ほど申し上げましたように、相双地区だけで八千の事業所が事業を再開できない、これからどうしようかと悩んでいる。そして、実は、相双地区だけではなくて、福島県の中通り地区、そして会津地区にもそれぞれの地元を支える産業がありますけれども、それらも全て、かなりの風評被害あるいは人手不足とか、いろいろな影響を受けております。

 あとは、一番は、人口減少というのは、実は、一人の人が消費する金額というのはそれぞれ、たくさんお金を使う人もいればいろいろありますけれども、おおよそ年間百万円というふうに我々は考えております、そうしますと、一万人が減るというのは、もうそれだけで大変な消費金額が下がるということで、そういう中で地元はいろいろな中小企業が仕事をやっておりますので、それでなくても影響は受けるんですね。

 ですから、おっしゃるように、私も、期限を切るということは、一つの目標としてやるのは結構ですけれども、それがありきという形は、地元を非常に混乱させ、あるいは地元で仕事をやる人も住んでいる方も、やはり非常に精神的に追い詰めることになるのではないかなというふうに思っています。

 我々商工会議所も、ほとんどが中小企業の団体ですので、それは我々もそうですし、日本商工会議所の三村会頭も、絶対サポートするということで、いろいろな現場に来ていただいていろいろなことを今やっておりますので、そういう意味で、期限ありきということはやはり考えないで進めていきたいというふうに我々は思っています。

 以上です。

斎藤富春君 先生がおっしゃったとおり、目標や集中というのは当然必要なものと、私も理解をしています。

 ただ、一律に期限を切ってとなると、県の立場、各自治体の立場、それから住民の立場からいって、これはちょっと無理がある話なので、先ほど私述べましたが、県知事を会長にした県の損害対策協議会というのがあって、もちろんそこに国も、今回の指針の改定についての説明会を何度か行ったんですが、出された意見は、今、渡邊さんがおっしゃったとおり、一律の期限を設定するということについては、多くの意見というか不安というか、そういうものが出されていました。ですから、やはり実態に基づいた対策というのは必要になってくるというふうに思います。

 先ほど私が言ったとおり、帰りたいという方はもちろんいらっしゃって、その方の希望を受けとめるということも必要なんですけれども、帰れないという方もいらっしゃいますので、そういうさまざまな思いの方、判断をされている方にひとしく国は寄り添うべきだというふうに私は思っています。

 一番問題なのは、解除と賠償の問題がリンクするという問題ですね。なので、精神的損害賠償については一年長く賠償、補償するということですけれども、やはりリンクしているということが住民にとっては非常に不安な材料になっているということ。

 あとは、きょうのために、先週土曜日、私は、広野町から楢葉町、富岡、大熊、双葉、浪江と、いわゆる六号線をずっと北上しましたけれども、本当に来年解除するんでしょうかというぐらいの状況でした。双葉、大熊というのは帰還困難区域なので、六号線の両側はバリケードが張ってあるんです。信号でとまる必要はないんですよ。黄色点滅ですから、ずっと高速道路のように真っすぐ走れるんです。

 そういう状況を、やはり現地も見ながら、期限については柔軟な対応というのが必要だと思います。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 営業損害の問題ですとか、もう少し賠償のことは聞きたいんですけれども、ちょっと時間の関係で、もし時間があればもう一度伺いたいと思います。

 次に、斎藤陳述人に、労働者の問題で、除染作業の労働者ですとか、あるいは原発サイトで収束作業に当たっている労働者の相談を受けたり、そういう活動をされていると思うんですけれども、少し実態とか要望とかをお聞かせいただければと思います。

斎藤富春君 福島の復興にとって、安全な事故収束と除染というのは大前提になると思っています。そういう点で、原発で働く作業員、除染に携わる作業員という方々の努力が絶対必要なわけです。

 ところが、私たちの相談に寄せられた状況を見ますと、まず、原発労働者の場合には、第一原発、七千人の方々が日々奮闘されているんですけれども、御承知のとおり、多重下請構造という仕組みがあります。東電は、積算労務単価をもちろん持っています、そして危険手当ももちろん払っているということですが、その内訳は一切明らかにしていないんですね。

 私たちが現場の労働者や下請の社長から聞いた話だと、例えば、積算労務単価は一日五万から十万を東電は設定をしています。しかし、私たちのところに相談に来る、例えば七次下請の作業員などは、一日六千円という方もいらっしゃいました。多い方で一万二千円です。ですから、五万円だとすれば六千円、十万円だとすれば一万二千円。八割、九割がピンはねされる、こういう仕組みの中で命がけで働いているというのが原発労働者。

 除染労働者も、これは環境省管轄の公共事業であります、一万円の危険手当がついていますので、国交省の基準でいうと一万六千三百円というのが除染作業員の日当になります。それに危険手当がプラスされる。

 ところが、私たちのところに相談に来る労働者は、大体一万五千五百円から一万六千円の手取りなんですね。要するに、その中身を見ると、一万円の危険手当というのは間違いなく作業員に届けなくちゃいけないので、それは来ている。しかし、残りの五千五百円から六千円というのが日当になるわけです。

 この根拠は、福島県の最低賃金なんですね。福島は、七百五円というのが時給、最低賃金です。これに八を掛けていただけるとわかります。これにべったり張りついているという状況。

 これが除染という公共事業の末端で作業する作業員の実態だということで、やはりきちんとした処遇と、それから、要するに、作業すればするほど被曝をするという特殊な作業になりますので、そこの安全管理、健康管理というのが重要な課題になっているというふうに思っています。

高橋(千)委員 貴重な御意見、ありがとうございました。

 次に、山名陳述人に伺いたいと思うんですが、廃炉のキーマンと呼ばれているということで、緊急時対応と中長期の対応について今お話をいただきました。

 それで、先に汚染水の問題なんですけれども、先ほど、緊急時、最初は大変どたばたしていたけれども改善されてきているとお話がありました。とにかく出だしがどたばたしていたことと、初めてのことばかりなのでいきなりうまくいかないのは当然であろう、それは私も理解をしているところなんです。

 ただ、現状認識の問題で、例えば海側遮水壁が汚染濃度が意外に高くて、結局建屋にバックをしている。そのバックをしていることによって、汚染水が、当初は一日四百トンと言われていて、それが百五十トンまで減るんですよ、原子炉に行く前に海に戻すんです、そうした説明がされていたわけですけれども、結局振り出しに戻っちゃった、今そういう状態なわけですね。

 また、十五日に規制委員会の検討会が開かれておりますけれども、凍土壁の問題。結局、全部きかせてしまうと、やはりきき過ぎて、むしろ建屋の中の汚染水が漏れ出すのではないかという規制委員会の指摘もあり、今海側だけをとりあえずすることにしたというふうな報道もございました。

 こうした現状を見ると、なかなかまだ改善とは言えないのではないかと思いますが、伺います。

山名元君 汚染水の問題について御質問なんですが、まず、私の機構は、実はこの汚染水問題については直に関与していない立場におります。国の汚染水処理委員会が管轄している事項であります。

 したがって、これから私が申し上げますことは、我々も汚染水というのは非常に重要に考えておりまして、独自にしっかりウオッチしておるわけですが、先生の御指摘について言いますと、結局、凍土壁というのは、地下水を汚染した原子炉に近づけないための遮断措置なんですね。それによって地下水が建屋の中に入らないようにして、汚染水の蓄積、増加量を防止、低減しようという発想でやっているわけです。

 規制庁の方から、凍土壁の運用に関して、地下水の水位のコントロールにおいて慎重にいきなさいという指示を受けてきた、これが現実でございます。

 確かにその指摘も当たるところがあるわけで、したがって、十五日の監視・評価検討会の方で、海側からまず壁をつくっていこうという一つの結論に向かっているわけですが、これはあくまで、地下水の水位のコントロールを慎重に見きわめた上で、凍土壁については完成に持ち込むという指導なんですね、慎重に。

 したがって、この問題は決して解決していないというのではなくて、むしろ地下水のコントロールを慎重にやって、汚染水がもう外に出ないような慎重な対応をとりながら、海側とそれに続いて陸側の凍土壁を閉じていこうという方向を向いているということです。

 したがって、ある意味で、リスクを避けるために慎重にとっていることであって、これは凍土壁が、もし、そういう、慎重に見ながら、特に地下水コントロールに問題ないという結論が見えてきましたら、全体を閉じれば地下水の流入量は間違いなく減るということになります。したがって、地下水を近づけないという当初の目標を達成することができるようになるということになるんです。

 したがって、この問題は、慎重にやっているという観点で、もうしばらく慎重に見ていただけないでしょうか。その経緯を見た上で、凍土壁をきちんと閉じたときに流入量をどれぐらい減らせるか、それがうまくいけば一日百トン以下に下げられるということで今計画しているわけですが、そういうポジションにあるということを、まず御理解いただきたいと思います。

高橋(千)委員 東電から説明を受けているんですが、たくさんのポンプで水位との関係、上げたりはしないのだという説明をされていました。

 ただ、それ自体が深刻なことだなという受けとめをしておりまして、もちろん慎重に見ていくという立場だというのはよくわかっておりますけれども、なかなか、今現状が改善に向かっていると言い切れるかなという疑問点を述べさせていただきました。

 もう一つ、第二原発の廃炉についてどのようにお考えか、ぜひ伺いたいと思うんです。

 山名陳述人がいろいろな場所で、産経新聞などにも意見を述べておりますけれども、やはり、そうした原発の、要するに廃炉について、福島県議会でも決議をしているし、全体の意見としては全基廃炉となっていると思うんです。だけれども、そのことがいつまでも決定されない。そのことについて、先生の知見でさまざまな指摘があると思うんです。

 例えば、会計の問題ですとか、あるいはエネルギー需給計画との関係でベストミックスでは必要なことであると。つまり、再稼働がやはり計算上も必要だと思っていらっしゃるのか、あるいは東電の救済という点でも必要なことだと思っていらっしゃるのか。そうしたことを、もし問題意識がおありでしたら伺いたいと思っております。

 また、同じ質問を斎藤陳述人に、県内の意見をよく聞いている立場で、もう一度伺いたいと思います。お願いします。

山名元君 そうですね。非常に難しい問題なんですが、私自身は、国全体のエネルギー計画の問題と福島第二の問題は全く分けて考えるというスタンスで考えております。

 国全体の話は極めて長期であり、また、CO2、COP21の問題とか、エネルギー依存の国がどう生きていくかという非常に大きな話というふうに伺っておりまして、その中で、政府としてはあるエネルギー基本計画を決めておられる、こういう理解でございます。

 しかし、福島第二の話は、福島県民にとって、この事故をして、原子力じゃないという気持ちは当然わかりますよね。大変なお気持ちの問題でありますから、国全体のエネルギー基本計画と福島第二の問題を直にリンクさせて考えることはそもそも無理な話であると思います。

 そういう意味で、東京電力自身がそれをどう扱うかということはまだ時間が要るとは考えておりますが、いずれにせよ、福島県民の皆さんの心情をやはり尊重する必要があると思っておりまして、非常に特殊な位置づけにあるものを、県民の感情、皆様の感情もしっかりと考えながら、東京電力と福島県でしっかり議論されるべき問題だというふうに思っております。

 そういう意味で、私自身は、今この機構の代表でございますが、それについて実は論評する立場にないと言った方がよろしゅうございますね。そういう意味で、私自身としては、国のエネルギー計画と福島第二という極めて特殊なケースの問題はしっかり分けて考えるべきだというふうに考えております。

斎藤富春君 第二原発の廃炉については、ここで私がコメントできないぐらいというか、言う必要もないぐらい、さっき私が言いましたのは、県議会、それから五十九の市町村の議会全てが、もう福島には原発は要らないという決議を上げていますので、これ以上のものはないと思います。

 そして、先ほど私、現地に行きましたというふうに話しましたけれども、現地の方の話を聞くと、帰れない理由がいっぱいあるわけですけれども、その大きな理由の一つに第二原発があると。楢葉は立地自治体ですから、そういうことも当然出てくるわけですね。

 ですから、本当に私、コメントする必要がないぐらい、このことははっきりしているということを申し上げたいと思います。

高橋(千)委員 ありがとうございました。

 今、山名陳述人が、県でしっかり議論云々とおっしゃって、心情を尊重させるべきだとおっしゃった。でも、本当、県では今、斎藤陳述人がおっしゃったように、既に結論は出ているわけなので、国と東電に決断していただきたいということを重ねて発言して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

竹下座長 次に、小熊慎司君。

小熊委員 改革結集の会の小熊慎司です。

 きょうは、お忙しい中、四名の意見陳述者の皆様には、本当にありがとうございます、御礼を申し上げる次第であります。

 この福島のこととなると、私も地元でありますし、よくよく考えると、ちょうど県議会にいたときに、山崎さんも選管の委員として県議会におられましたが、十年前、東電の福島県内の原発がデータ改ざんで不祥事を起こして原発がとまっていたときに、県議会としては、安全を確保しながら再稼働に判こを押したんですけれども、その当時のことを振り返ると、先ほど人災という言葉がありましたが、私自身もどれだけやれたかはわかりませんけれども、その後ちゃんと検証していなかった、国際的な機関からも外部電源の危険性は指摘されているにもかかわらず、その警鐘を鳴らさなかったということに関しては、私もこの事故の加担をしてしまった一人として、これは万死に値するというふうに自分自身は思っています。

 この福島のことを語るときには、本当にやるせない気持ちで、大きな怒りが伴うんですけれども、それは、一方で自分自身にも向けてやっていかなきゃいけないなというふうに思っています。これからいろいろお話ししていく上で、興奮するんですけれども、失礼があったらお許しいただきたいと思いますし、それは、今ほどお話しさせていただいたとおり、自分自身に対しての反省、怒りということもまた伴っていますので、御容赦いただきたいと思います。

 まず初めに、山名さんにお聞きしたいんですけれども。この廃炉のことは、デブリがどういう状況になっているかということがわからなければ明確な工程表が描けないのは事実ではあるんですけれども、今はっきりとはわかっていない状況ではありますが、取り出した後、そのものがどういう状況かによってその保管の仕方というのは変わってきますが、今、一応、想定される想像の範囲内で、取り出し方ではなくて、取り出した後、これはどこに持っていくべきなのか、どこで保管すべきなのかというものの幾つかの選択肢ぐらいは想定していると思うんですけれども、そこをまずお聞きしたいと思います。

山名元君 非常に難しい点を御質問いただいているんですが、私たちとしては、その取り出し工法をしっかりと見きわめるのに、あと二年ぐらい必要と考えておるんです。

 それは、内部の点検をやったり、さまざまな技術戦略、あるいは並行して行っている研究開発の成果を見ながら、取り出し方の方針や方法を決定していくというプロセスを、あと二年ぐらい考えておるんですが、まずは今、壊れた原子炉の中にそういうものがあるということでリスクが高い状態ですから、まずこれを安全な状態に一度確保するということを最優先の課題、目標として我々は置いているんです。

 これは、取り出して、それを収納缶といいますか、ある容器に入れまして、例えばドライキャスクとかいろいろな考え方があるんですが、とにかく、まずは安定で安全な状態に持ち込むということを最優先の目標として置いておるわけです。それをまず達成すること、今はっきりと明確に言えることはそこなんですね。

 では、御質問のように、それを長期的にどうするかということは、アメリカのスリーマイルアイランドの事故でも、回収したデブリというのはまだアイダホにキャスクに入って保管されておるんですが、長期的にやるには、それをどう扱うかという、場所の選定とか、そのままドライキャスクでいいのかという技術的な問題とか、取り出したものが本当にどういう物性を持っているのか、さまざまなことがわからないとまだ何とも言えないという状態です。

 そういう長期的な戦略をこれから我々はじっくり立てていくという段階にありまして、少なくとも、そういうことについて論評できるのが、やはりデブリ取り出しの端緒について、その状況を見て、まずは保管、確保した状態からどう持っていけるかということを考えられる状態にならないと、今の時点では何も論評できないという段階です。

 とにかく、まずは安全な状態を確保して、福島の皆さんにこれ以上御心配をかけない状態をまずつくるということを目指して、今全力で取り組んでいるところなので、今のことについては、もうしばらくお時間をいただきたいということでございます。

小熊委員 これは、実は風評被害の話にもつながってきます。先日、ちょっと地域の新年会で、若い人が地域の新年会に出ていて、実家に戻ってきたのと聞いたら、大熊町の避難者で、もう帰らないから会津若松に永住しますと。それは何でと聞いたら、線量の話ではなくて、くすぶった原発が近くにあるのに、除染をして空間線量が大丈夫だといっても帰れませんよという話をしていました。

 斎藤陳述人にお聞きいたしますけれども、私も先週の予算委員会の中でこの風評被害をやって、これがいつまで続くかといえば更地になるまでという言葉もありましたが、デブリがどこに行くかわからない、もしかすると福島県内で安全管理をしていく可能性も拭い切れない、どうなるかわからないという状況では、恐らくその風評被害というのは、我々が生きている間にも永続的に続くものだと思いますし、過去さかのぼってみれば、さまざまな公害や不幸な事故が起きた地域において、その風評被害が起きた地域は、その災害とか環境被害とか公害が終わった後でも、それは続いているわけですよ。そう考えると、この福島県の風評被害も長く続くというふうに思います。それなりの対策もとらなければいけません。

 しかしながら、一方で、この東電の補償の打ち切りに関しては本当に憤りがありますし、もちろん、自立を目指した復興が必要なんですけれども、ここで私も省庁の担当者と常に議論して、これは詮ないことを言うなという話をするんですけれども、相当の因果関係があると補償します、こう言うんですよね。でも、やはり、白黒で分けられないものもありますし、先ほど山崎さんの話で、修学旅行が会津に来ないのも、それは営業努力が足りないのか風評被害なのか明確に証明してくださいといったって、できないわけですよ。

 斎藤さんから見て、この風評被害、定量的にどこまで証明をできるのか。私はこれは、その風評被害を受けている人に証明してくださいというのも一つの筋ではあるんですが、やはりそれは、国とか東電がしっかりそれを見ていくというのが、被災者、被災地に寄り添うということにもなると思いますので、その風評被害の評価の仕方と、あと、時間的にやはり続くと私は思っているんですけれども、その辺についてもう一度お伺いしたいと思います。

斎藤富春君 この間、ADRも含めて、いわゆる相当因果関係に基づいて賠償されるというか、類型化されたものが積み上がっているので、それに基づいて対応するというのが、まず一つあると思うんですね。

 それから、基本的には、今、日本の場合は、被害を受けた者がその被害を証明しなくてはいけないという法体系なんですけれども、逆に、東電が、要するに、東電の事故によって損害を与えていませんという証明ができるのであれば、それはありだと思います。ただ、住民が被害をこうむったということを否定できないのであれば、私はそれは賠償すべきだというふうに、そういう意味で、広く損害、被害を捉えるということは県知事も強く申し入れていると思いますので、そういう立場で対応していただきたいと思います。

小熊委員 ありがとうございます。

 類型化も、私からいうと受けているのに類型から外れるのもあって、震災以降、売り上げが上がっている会社が幾つかありました、私の地元でも、知っている方で。県外はめちゃくちゃ売れなくなって、県内で頑張って売ったら、震災前の売り上げを超えたからもう補償の対象にならないという。では、これが風評被害じゃないのかといえば、数字上は会社の経営が上がっていますから、風評被害じゃないとなっちゃうんですけれども、類型にはまらないんですけれども、原発事故の影響は受けているわけです。

 そういう意味では、今ほどおっしゃった、東電の側に、風評被害を受けていませんよという証明をさせるという方向性は非常にいいというふうに思います。

 ありがとうございます。

 渡邊会長に。

 私も商工会議所青年部のメンバーで、当時、全国のYEGから物資が送られてきた会津若松市と岩手県の水沢で拠点をつくって、そこから被災地に物資輸送、私も手伝わせていただきました。

 先ほど風化の問題を言われました。私も国会で質問して、先週もやりましたけれども、そのときもちょっと一言言いましたが、確かに、もうこの東電の原発事故の話は福島県内の局地的な話だというふうに捉えられているなという雰囲気を少し感じています。

 二年前に、やはり予算委員会で、オリンピックはオール・ジャパンでやるべきなんですけれども、復興の象徴として、被災三県、とりわけこの原発事故の福島県にオリンピックの光を当ててほしいという質問をしたら。私、国会ではやじはやらないんです。山崎さん初め会津の人たちは、会津人として恥ずかしいという武士道として、我々にとって言葉は刀ですから、武器ですから、やたらめったら必要のないところで抜くというのは武士として恥ずかしいからやらないので、逆にやられますけれども、気にしないでいたんですが、二年前のそのオリンピックの話をしたときは、福島県議会の質問をするなと言われたんですよ。もう二年前からそんな感覚なのかなというのが一方であります。

 もちろん、県外の国会議員の皆さんでもこの問題にしっかりと取り組んでいただいている皆さんもいますが、そういう意味では、我々県民が、屈せずに、ポジティブな情報発信をしていかなければならないんですけれども、とりわけ福島県は全国的にも珍しい分散県、人口が分散している、それぞれの地域に張りついている県です。浜、中、会津と言いますけれども、県の中で七つの生活圏、ざっくり言っても七つに分かれているわけです。そういう中で、今、復興の予算、竹下委員長が大臣のときも格段の確保をしていただきましたが、でも、この復興のための予算というのは、やはり、それぞれの地域で使われ方が違って、お金の回りも違います、地域のばらつきがある、業種によっても違うというのがありますけれども、そうした中で、やはり県内の連携がこうした部分で必要だというふうに思います。

 そうした点において、地域の産業の復活、復興といった意味でも、商工業者だけじゃなくて、農商工連携という言葉もありますから、県内の連携についてちょっとお伺いをしたいと思います。

渡邊博美君 今お話ありましたように、福島県は、確かに、最盛期は二百十二万の県民がいました。そして、会津、中通り、浜通り。先ほどありましたように、会津でも、喜多方と若松とかは若干違う。中通りは、完全に福島、郡山、白河は違います。いわき、相馬も違いますね。

 これは、歴史的に三つの県が一つになったというのが福島県ですから、それはそういう歴史的なものがあるわけなんですけれども、まさに、おっしゃったように、震災が起こった当初は、結局、それは限定的な、いわゆる浜通り地区の津波と原発という意識が我々にもあったんです。ということは、飯舘とか、あるいは川俣というところは、私も仕事をやっておりますけれども、避難地域でいたわけですね。ところが、ああいう状況で、実際の放射能のレベルが、隠されたと言うと変ですけれども、ちょっと、オープンになっていなかったということで、後でびっくりするようなことが起こって、それが今度は風評とかいろいろなものがどんどん広がって、放射能については一番安全だと思われた会津に、実は、観光という、会津を支えている産業に、もう本当に大きな影響を今も与え続けている。

 ですから、今申し上げましたように、県内は広いんですけれども、我々商工業者としては、商工会それから商工会議所、組織は別なんですけれども、本当に今は一緒に、そして福島県のために、ちょっと言い方はきざですけれども、覚悟を決めているということです。そうしないとやはり乗り切れないだろうし、あと、これから、今、若い人と言うとおかしいですけれども、今の高校生とかは地元に就職する人が非常に多いんですけれども、この人たちの意識は物すごく高い。そして地域のために何とかしたいという人がふえているのも事実なので、そういう若い人たちにやはり、恥ずかしくないというんでしょうか、そういうふうなことで、商工関係とかの人たちも今はお互いを尊敬し、感謝しながら一緒に連携する。非常に連携が、本当に大切だと思っております。

 以上です。

小熊委員 ありがとうございました。

 震災が起きて、福島はこの原発事故も抱えていますからまた特別な部分もありますが、ほかの宮城、岩手を見てみても、もともと地方での人口減少があったんですが、災害によって、震災によって人口流出が加速化したという側面があります。

 少子化について山崎さんからも御意見がありました。確かに、三世代同居を支援して女性の育児の負担をなくすというのは、一つの方策ですが、違うという話も山崎さんから指摘があったとおり。厚労省でも、結婚された方が多子化している一番のポイントは、男性の育児参加が多い家庭、それは収入が多い家庭も多子化になっていたり、三世代同居とか近居、親が近所に住んでいるとかでも要因の一つではあるんですけれども、やはり男の育児参加が多い家庭こそ多子化になっているというふうに思いますから、山崎さんの、その三世代同居に焦点が当たっているのはちょっと違うんじゃないかというのは正しいことで。

 さはさりながら、先ほど中小企業が多い国という話も出ましたけれども、中小企業ですと男女ともに育児で休むとかというのはなかなか厳しい、御自身も経営者としてそう体験されていると思いますけれども、逆に、育休までいかなくても、私もイクメン議連に入っているんですけれども、育休までいかなくても時短とかということをやっていって育児参加を促すというのは、これは経営者として、まず、従業員にそういうことを推奨できるかどうか、また、男性の問題として逆に少子化があるという点について、ちょっと御意見をいただければ。

山崎捷子君 まず、世界の情勢を見てみますと、先ほどジェンダーギャップ指数ということをお話ししましたけれども、スウェーデン、ノルウェーは上位を占めています。一位、二位、三位ぐらいやっていますね。そこの国に行くと、男性が子供を連れて買い物に行って、話してみると、妻は今働いている、僕が今休暇をとっているんだよと。フィフティー・フィフティー。それこそ、同じく育児休暇をとっているんですね、それでお互いに仕事もきちっとやりながら。そういうところが高いんですね。

 我が日本は百。百って三桁ですよ。国があれだけあるうち、百一位、百四位なんていっているわけですから。イケメン運動を小熊さんがなさっているというので、とても私はうれしく思っているんですね。イケメンって、こっちのイケメンじゃないですよ。(小熊委員「イクメン」と呼ぶ)イクメンですね、イクメン。

 育児をする男性たちがふえるようにというようなことで、私、それは方法はいろいろあると思うんですけれども、やはり男性も女性も育休をとるには、男女ともに、育休をとりなさいよ、とりますよと義務づける、そういう必要があるのではないかなというように思っています。それができなければなかなか、せっかくのあれができないのではないかと思います。日本に課されていることはそういうことが一番ではないかと思います。

 それから一つ、さっきの質問と関係ないんですけれども、いいですか。

 前の佐藤雄平知事が、会津、それから、中通り、浜通り、ありますね、原発事故が起きたとき、福島県は一つだから、会津が大丈夫だって俺は絶対言わない、そうは言えない、福島県は一つなんだよ、福島県全部が一緒に復興しなきゃだめなんだよということをおっしゃっていたことを、ちょっと思い出しました。

 以上です。

小熊委員 時間ですので。

 どうもありがとうございました。

竹下座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 本日、意見を陳述していただきました皆さん方におかれましては、お忙しい中、長時間にわたり本当に貴重な意見をお述べいただきましたことに心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

 本日拝聴させていただきました皆さん方の御意見は、これからの予算委員会の質疑に必ずや大いに役立つものと確信をいたしております。本当に心からお礼を申し上げます。

 また、この会議開催のために格段の御協力をいただきました関係各位に対しましても、心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午後四時散会

    ―――――――――――――

   派遣委員の香川県における意見聴取に関する記録

一、期日

   平成二十八年二月十七日(水)

二、場所

   高松国際ホテル

三、意見を聴取した問題

   平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算及び平成二十八年度政府関係機関予算について

四、出席者

 (1) 派遣委員

    座長 金田 勝年君

       井上 貴博君   小田原 潔君

       菅原 一秀君   鈴木 馨祐君

       関  芳弘君   山下 貴司君

       緒方林太郎君   大西 健介君

       柿沢 未途君   玉木雄一郎君

       濱村  進君   吉田 宣弘君

       畠山 和也君   足立 康史君

 (2) 現地参加議員

       瀬戸 隆一君

 (3) 意見陳述者

    四国地区信用金庫協会会長           蓮井 明博君

    さぬき市商工会会長   尾崎  勝君

    高松丸亀町商店街振興組合理事長        古川 康造君

    株式会社オールインワン代表取締役社長     三谷  廣君

 (4) その他の出席者

    財務省主計局主計官   阿久澤 孝君

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

金田座長 これより会議を開きます。

 私は、衆議院予算委員会派遣委員団団長の金田勝年でございます。

 私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 この際、派遣委員団を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。

 皆様御承知のとおり、当委員会では、平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算及び平成二十八年度政府関係機関予算の審査を行っているところでございます。

 本日は、三案の審査に当たり、国民各界の皆様方、各層の皆様方から御意見を承るため、当高松市におきましてこのような会議を開催しているところでございます。

 御意見をお述べいただく皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようよろしくお願いいたします。

 それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。

 会議の議事は、全て衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

 なお、御意見をお述べいただく皆様方から委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、意見陳述者の皆様方からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答え願いたいと存じます。

 なお、御発言は着席のままで結構でございます。

 それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

 まず、派遣委員は、自由民主党の菅原一秀君、関芳弘君、鈴木馨祐君、井上貴博君、小田原潔君、山下貴司君、民主・維新・無所属クラブの柿沢未途君、緒方林太郎君、大西健介君、玉木雄一郎君、公明党の濱村進君、吉田宣弘君、日本共産党の畠山和也君、おおさか維新の会の足立康史君、以上でございます。

 なお、現地参加議員といたしまして、自由民主党の瀬戸隆一君が出席されております。

 次に、本日御意見をお述べいただく方々を御紹介いたします。

 四国地区信用金庫協会会長蓮井明博君、さぬき市商工会会長尾崎勝君、高松丸亀町商店街振興組合理事長古川康造君、株式会社オールインワン代表取締役社長三谷廣君、以上四名の方々でございます。

 それでは、まず蓮井明博君に御意見をお述べいただきたいと存じます。

蓮井明博君 ただいま御紹介いただきました一般社団法人四国地区信用金庫協会会長の蓮井明博と申します。

 本日は、衆議院予算委員会の十五名の先生方にわざわざ高松までお越しいただきました。その上で、このような貴重な機会を設けていただきましたことに深く感謝申し上げたいと思います。

 早速ですけれども、私からは、当地におけます景気情勢や中小企業等の現状、さらには地方創生への取り組みについて簡単に申し上げたいと思います。そして、御審議の参考に供することができればありがたいというふうに考えております。

 まず、当地の景気情勢でございます。

 香川県内の景気も、緩やかな回復基調をたどっています。すなわち、個人消費や住宅投資は持ち直し傾向にあるほか、設備投資は底がたく推移しています。

 こうした中で、とりわけ労働需給は着実な改善を続けております。有効求人倍率を見ますと、昨年の九月に一・五〇倍と、一九九三年以来二十二年ぶりに一・五〇倍台の水準となりました。その後も改善を続けておりまして、昨年の十二月には一・五四倍と、全国は一・二七倍でありますので、それを上回る水準となっているという状況でございます。

 こうした労働需給の改善は、堅調な公共投資や企業の設備投資を背景とした建設、運輸業、製造業等での求人増に加えまして、個人消費の持ち直しや外国人観光客の増加などを映じましたサービス業の求人増などが主な要因となっております。

 さらに、小売業等における構造変化も、その部分を映じた部分も少なくないと思われます。例えば、香川県では県外からの大型小売店の進出が目立っておりまして、人口十万人当たりの大型小売店舗数、これは平成二十五年の調査ですけれども、六・三カ店ということで全国第五位のレベルであります。また、コンビニエンスストアの出店競争も加速している状況であります。こうした動きを映じまして、パート等を中心に小売業等の求人数が高水準で推移しているという状況でございます。

 次に、当地の中小企業等の現状でございます。

 今申し上げた状況下、企業の生産動向は横ばい圏内の動きとなっています。企業収益面でも、輸出関連など高操業が続いている一部の企業では比較的好調な水準を維持しています。

 その一方で、地場の中小零細企業においては、原材料価格の高どまりに加えまして、今申し上げた人手不足感の強まりもありまして、引き続き収益性の厳しい状況が続いているという状況です。

 ちなみに、若干データは古くなりますけれども、民間の調査会社東京商工リサーチが国税庁統計を用いてまとめたものによりますと、平成二十五年度の香川県の赤字法人比率は七五・一七%と全国五位の高い水準となっています。これは四国の他県も同じような傾向でありまして、徳島県は七八・九一%と全国第一位、愛媛県も七四・四四%と同七位の位置にあります。こうした点を見ていただきますと、地場の中小零細企業におけます収益力の脆弱性というものがうかがわれるのではないかというふうに考えております。

 こうした中、御承知のとおり、平成二十六年の六月には小規模企業振興基本法が成立いたしました。私ども信用金庫を含めまして地域金融機関というものは、従来から、地域の経済や雇用を支える重要な存在であります中小零細企業に対しまして、経営改善や事業再生などで支援申し上げ、地域経済の発展に努めてきたところでございます。今後は、地方創生の観点からも、創業促進、さらには事業承継、販路開拓支援等によりまして一段とこういった点に注力し、地域経済の活性化にさらに貢献していく必要があるというふうに考えております。

 この点、当地においても、創業や農商工連携、六次産業化支援、ABL等新たな金融手法の導入において、政府系の金融機関などと連携する動きが見られています。

 ちなみに、十金庫あります四国地区の信用金庫においても、日本政策金融公庫と創業支援等で連携を強めているほか、独立行政法人中小企業基盤整備機構とも連携して、小規模企業共済制度を活用しながら、事業者の経営相談に積極的に応じる、そして、さらなる成長を支援するための融資制度の創設、推進に取り組む、そういった動きも見られているところでございます。

 中小企業、小規模事業者は、何といっても日本経済あるいは地域経済の裾野を形成する極めて重要なセクターでございます。今後とも、国を挙げての振興策の実施をぜひともお願いしたいと思います。

 第三は、地方創生への取り組みについてです。

 香川県が昨年策定したかがわ人口ビジョンとかがわ創生総合戦略では、現状のまま対策を講じなかった場合は、二〇六〇年の県の人口、ちなみに現在は約九十八万人でありますけれども、これが約六十万人まで減少するとした上で、これに対処するための戦略、すなわち、「1人口の社会増減をプラスに転換する。」、移住の促進、産業の育成等による雇用の創出、「2人口の自然減を抑制する。」安心して出産、子育てができる環境づくり、「3人口減少社会に適応する。」地域の資源を生かした観光、交流の拡大、安心して暮らせるための防災対策の充実等々を挙げておりまして、二〇六〇年に人口約七十六万人を維持するように努めるということで、今、施策が展開されているところであります。

 私ども地域金融機関も、関係機関等と連携しまして地方創生への取り組みを一段と強化していく必要があると認識しておりますけれども、国におかれましても、頑張っている地域に対しましては強力な御支援をお願い申し上げたいと思います。

 以下では、地方創生につながると思われる取り組みにつきまして、現状既に動き始めているものを中心に、若干の事例を御紹介したいと思います。

 一つ目は、二〇一〇年に始まって三年ごとに開催されます瀬戸内国際芸術祭です。

 瀬戸内の島々を舞台に、現代アートや建築を手がかりに地域の再生を目指す試みでありまして、三回目となることしも、春、夏、秋の合わせて百八日間、海の復権をテーマに、瀬戸内海の十二の島と二つの港、高松港と宇野港周辺を会場にして開催されます。

 ちなみに、前回の二〇一三年は、予想を超える約百七万人の来場者でにぎわい、また昨年の九月には、瀬戸内国際芸術祭実行委員会が第一回ジャパン・ツーリズム・アワードで、地域固有のコンテンツを通じた広域連携への可能性と地域活性化への挑戦が高く評価され、はえある大賞を受賞いたしました。

 こうした瀬戸内国際芸術祭の盛り上がりもありまして、平成二十六年に県外から香川県を訪れた観光客入り込み数は約九百六万人となりまして、瀬戸大橋が開通しました昭和六十三年の一千三十五万人、それから二回目の瀬戸内国際芸術祭が開かれました平成二十五年の九百十八万人に次ぐ過去三番目の高い数字となっております。つれて、外国人の宿泊者数も、平成二十五年は前年比二・二一倍、二十六年は一・五二倍、ともに全国でも高い伸びを示しているところでございます。

 二つ目は、瀬戸内地域の観光産業育成に向けた動きであります。

 平成二十五年の四月に、瀬戸内を共有する七県、兵庫、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛の各県が、瀬戸内ブランドを確立し、交流人口の拡大による地域経済の活性化と豊かな地域社会の実現を図る目的で、瀬戸内ブランド推進連合を立ち上げています。

 目下、瀬戸内地域におけます観光関連事業者や地域金融機関、地銀さん、第二地銀、信用金庫、それに日本政策投資銀行などとも連携を図りながら、より強力な推進体制、いわゆる日本版DMOを構築する計画が進んでいるところでございます。

 三つ目は、四国八十八カ所霊場と遍路道の世界遺産登録に向けた動きであります。

 弘法大師空海上人により開創された四国八十八カ所霊場は、平成二十六年に開創千二百年を迎えたところでありまして、内外の注目を集めました。昨年の四月には、文化庁の日本遺産にも選ばれております。こうした中、四国の産学官によります四国八十八箇所霊場と遍路道世界遺産登録推進協議会が、二〇二〇年までの世界遺産登録に向けまして、一六年度の暫定リスト入りを目指し、さまざまな取り組みを進めております。

 最後になりましたけれども、四国への新幹線導入に向けた要望活動について付言させていただきます。

 昨年の春、北陸新幹線が金沢に延伸し、ことしの春は北海道新幹線の開業が予定されております。御高承のとおり、四国では新幹線は基本計画にとどまっておりまして、このままでは四国だけが新幹線空白地域になりかねないという状況でございます。

 このため、四国四県や経済団体で構成します四国鉄道活性化促進期成会などが関係先に要望活動を行っているところであります。改めてここで申し上げさせていただきますと、産業競争力の強化あるいは観光振興はもとより、災害に強い鉄道網の形成に貢献するという新幹線の導入につきましては、真剣に議論しておくべき時期に来ているのではないかというのが地元の声でございます。

 以上で私の意見陳述を終えさせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)

金田座長 ありがとうございました。

 次に、尾崎勝君にお願いいたします。

尾崎勝君 失礼をいたします。さぬき市商工会の会長を務めております尾崎と申します。きょうは、こういう場をいただきまして、大変ありがとうございます。

 三点ほど、意見として述べさせていただければと思います。

 一つ目は、議員定数の削減ということです。

 当時、民主党政権下、野田総理と安倍総裁の党首討論で、議員定数の削減についてのやりとりがなされたと記憶をしてございます。当時、安倍総裁は、通常国会において、削減については約束しますよという御発言をされたように思います。

 昨今、一票の格差の解消に向けての衆院選挙制度に関する調査会の答申というのもなされたわけですが、聞いてみますと、平成三十二年以降の見直し、そういうニュース報道も聞いておるところでございます。

 そもそも、選挙区定数の問題ということではなく、消費税も絡めて、国民だけが痛みをこうむるのではなく、議員も身を切る覚悟でという話で、数はわかりませんが、三十とか五十とかという議論と解釈をしておりましたが、比例区の削減も含めて、政党おのおのの思惑もあり、一向に前向きな議論になっているように見受けられません。有権者の一人として、大変不信感を抱いておるところでございます。

 二点目は国の借金についてでございます。

 二〇一四年度末で一千五十三兆円強、二〇一五年度末、今年度末一千八十七兆円ほどになるという予測があるというふうに聞いてございます。年々借金はふえ続けておるわけです。平成二十八年度の予算を見せていただいても、やはり借金というのはふえていくように見受けます。社会保障費の増大で財政を圧迫しているということは理解をいたしますが、長年自民党政権下で借金が膨らみ続けてきた、そのツケも今来ているように感じます。

 一貫して、需要を創出していくということの中で、需給のタイト感を創出し、経済を発展させるということに徹してこられたというふうに感じます。また、企業を救済するということにも多くの予算を割いてこられたというふうに見受けます。今後、人口減少時代に向けて、供給側のスムーズな減少ということによる需給のタイト感をつくっていくべきではないかなというふうに感じておるところでございます。あわせて、それに伴う労働力の移行、介護、農業、林業等に労働力が移管できるようなところに厚く財源を振り向けるべきではないかと考えておるところでございます。

 近年、ここ十年、さぬき市商工会も、千四百会員が今年度千会員に減少をしております。ほとんどの理由が廃業ということでございます。ただ、やむなく廃業ということで、余裕を持って廃業に至るということではなく、行き着くところまで行って最後に廃業ということになってございます。

 そういう意味では、早く事業整理をするというところにも財源を振り向けていただければ、もっと余裕を持ったところで事業整理をすることもできるのではないかと思いますし、中小企業の場合、大手と違いまして、合従連衡するとか業務提携をするとかということは非常に難易度が高うございます。そういう部分にも少し財源を振り向けていただければ、もう少し供給側の整理というものも進むのではないかなというふうに感じておるところでございます。

 経済の大原則として、やはりタイト感がなければなかなか価格というのは上がりません。私は電線メーカーを営んでおるわけですが、昨今の人手の問題等々ございますが、実は、公示価格、我々メーカーとして出す上においての価格というのはほとんど上がっておりません。非常に厳しい経営を強いられておるところでございます。何をさておいても、やはり需給感をタイトにするということがまず緊急の課題ではないかなというふうに感じておるところでございます。

 それから三点目は、開発等々の補助金についてでございます。

 経済産業省、文科省、各省庁、あるいは地方自治体、民間団体等々より、各種開発補助金というのが出されております。おおむねその使途は、人件費、材料費、諸経費等には使えないという制限を受け、機械であるとか検査機器等々の固定資産へ使うということで限定をされているケースが非常に多いわけで、結果、国税当局が審査に来られまして、そもそも、開発事業自体は赤字であっても、本体事業が黒字で推移をしているということの中では、通常償却資産とみなされ、補助金は雑収入として処理をさせられます。

 結果、例えば三千万の機械、装置を購入する中で、当該年度の償却を除いた額に対して納税が発生をいたします。償却年数累計で考えますと、経費で処理をされるということで、ほぼほぼ帳尻は合うんですが、補助金を受けた年度だけを捉えますと、受けた補助金は全て固定資産に置きかえておりますので、納税原資は別のところから準備をしないといけないというのが現状でございます。

 補助金の額が大きい場合は、中小企業を含めまして、今の補助金のあり方というのは大変利用がしづらいというふうに考えております。ある意味では使途制限を設けない、人件費、材料費等にも利用することを可とするということであれば、もっと補助金の申請というのは膨らむのではないかなというふうに考えています。

 現状では、税金で補助されたものにさらに税金が課せられるということで、本来あるべき趣旨は、新たに事業を創出するということが大義であると思うわけですが、考えようによっては、補助金で出たお金をさらにまた税金で還流する、ただ何かお金を回しているだけというふうにも見受けられる今の制度になっておるのではないかなというふうに感じます。

 ぜひ、大義に基づいて、より開発補助金が新たな事業創生に結びつくように御配慮をいただければと思うところでございます。

 私見といいますか個人的な意見も含めての陳述になりましたが、以上三点でございます。(拍手)

金田座長 ありがとうございました。

 次に、古川康造君にお願いいたします。

古川康造君 御紹介をいただきました高松丸亀町商店街振興組合の古川と申します。

 本日は、お招きをいただきまして、大変ありがとうございます。

 では、まず冒頭に、少し私どもの取り組みの説明だけさせていただきまして、その後、その計画を遂行する中でのさまざまな意見を少し述べさせていただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。

 お手元に資料を少しお配りさせていただいております。これに基づいて少し御説明の方をさせていただきます。

 ページを一枚めくっていただきまして、私どもの計画の概要を少し述べておりますけれども、中心市街地の活性化という中で、たまたまそこに商店街があるということで、現在、このような計画が遂行されています。

 そもそも、この町の衰退の一番大きな要因はやはりバブルでございました。バブルで地価が高騰いたしまして、例えば、この商店街近辺は、月決めの駐車場が月額一台五万五千円ぐらいまではね上がったんですね。もうとても人の住めるような状況ではなくなって、人々は大きく郊外に展開を始め、見事な空洞化が起こったということです。

 それに合わせて、お役所は郊外開発をどんどん進めまして、都市は爆発的に大きく郊外に展開をしてしまった。ところが、あらかた予想ができたことですけれども、急速に人口減が始まった。全体を支える行政コストはもう明らかに出ない。いかにこの市の中心部にもう一度昔のようにたくさんの人々を集積させるかというのがこの計画の骨子でございます。

 ページを一枚めくりまして、それを具現化させるために私どもが取り組んだのがまさに土地問題の解決でございました。

 これは、定期借地権を用いた土地の所有権と利用権の分離。結局、個人が持っている土地の権利が余りに強くて、なかなか再生はできなかった。したがって、定期借地権をもって土地の所有権と利用権の分離を図り、この仕組みの中で今回のような計画が遂行されているわけでございます。

 ページを一枚めくっていただきまして、今回の私どもの取り組みは、商店街という商業地の再生以前に、いかにもう一度人々を集積させるかということで、ライフインフラの再整備を行っているということなんですね。要は、年をとればこの町で生活してみたいよねと言われるような、もう一切車に依存をしなくても全て、特に社会的弱者、これは高齢者、障害者、それから若い人のうちでも独身の皆さんですね、こういう人たちが快適に生活のできる町をつくりましょうということで、現在、粛々と事業の方が遂行をされております。

 この計画を遂行する中で、私どもの少し思った意見をこれから以後述べさせていただきます。

 ページをめくっていただきまして次の資料でありますけれども、まず、左上のグラフの資料であります。これは県の商業統計の推移でございますけれども、一番上のラインが県下の売り場の面積ですね。二番目が県全体の売り上げ。それから、従業員数と、一番下のラインが地域の事業所数の推移でございます。

 過去の経済成長期は、売り場の面積がどんどん広がっていくと当然売り上げも上っていっていたんですけれども、これが見事に反転いたしまして、つまり、売り場ばかりが広がって、全体の売り上げも、実は従業員数も、地域の事業所に至ってはもう限りなくゼロに近づきかけている。

 このグラフから読める実は最も興味深い点は、全て税金の県外流出を意味しております。郊外に展開する大型店さんのビジネスモデルは、いかに税金を払わずにもうけるかというビジネスモデルですね。したがって、固定資産税がほとんど発生しない安い敷地に巨大な商業集積を行います。地域の人たちがこつこつ稼いだお金がどんどんここで消費されてしまうと、本来地域に落ちるべき商業に係る税金が全て県外に流出をしてしまう。つまり、本社決算ということでございます。

 その下の棒グラフでございますけれども、政府の方も、どうもこの傾向はよろしくないということで、実は二〇〇〇年に大型店の規制が始まりました。私どもの商店街も、一九九七年以前はもう全くの無風状態でございまして、小さな商店も含めて地域の経済循環がしっかりと保たれていたわけでありますけれども、その後、ごらんのような推移でございます。二〇〇〇年に大型店の進出は一応国の規制でとまりましたけれども、しかし、現実には、一万平米以下の中型のショッピングセンターの進出は全く歯どめがきかない。実際に、規制後も、現在、十二万平米の商業床がふえているわけであります。

 香川県は、皆さん御存じのように、全国で一番小さな、人口わずか百万人の県です。この人口百万人の県に百五十五万平米の売り場を維持するには、やはり百四十三万人の人口が必要だということなんですね。しかも、急速に人口減が始まりました。まさに失笑を買うようなオーバーストアの中で、しかも、地域の人たちの全く目に見えないところで地域の経済循環は極端に疲弊をしてしまったというのが実は地方の実体経済のところでございまして、このように、強い者だけが勝ち残って生きていくような世の中で本当にいいのかなというのが私どもの素直な意見でございます。

 現実に、商売人、商売をしている人たちは、夫婦汗水流して朝早くから夜遅くまでこつこつと御商売をして、真面目に商売に取り組んでいっていたところからどんどん廃業に追い込まれているというのがまさに地方の実体経済のところでございます。

 では、ページをめくっていただきまして、もう一つの私どもの主張は、こちらは高松市ダウンタウンの商業床の図でございますけれども、ちょうど私どもの商店街は市の中心部にございます。私どもの商店街から南四キロ、まさに歩いて行ける商圏ですけれども、広島資本の大きなショッピングセンターさんがございます。それから、西四キロにも大きなショッピングセンターさんが、ある日突然ぱかっとできるわけですね。そうすると、まさにあぐらをかいていた商店街なんて、もうほぼ瞬間に通行量と売り上げを奪い去られてしまいました。

 ところが、中心部の商店街がどんどん衰退をして郊外のショッピングセンターさんが大にぎわいになるにもかかわらず、実は、敷地面積当たりの固定資産税の評価を比較しますと四倍の格差がございます。つまり、隆盛を誇っているところの税金が安くて、それこそ衰退をしてしまった市の中心部には相変わらず高い税金がかかっているということなんですね。

 これは、決して私どもの税金を安くしろとは申しませんけれども、やはり隆盛を誇っているところに新たに課税をしていただきたい。商業は基本的に自由競争でございます。であれば、やはり同じ土俵で勝負をさせていただきたいというのがまさに私ども商店街の主張でございまして、このような非常に厳しい商環境の中で現在計画が遂行されているわけでございますけれども、まさに地方創生というのは日本の国の根幹を担う大きな事業だと思います。ところが、このような商業床の増加の中で地方の商店街は非常に苦しい状況に追い込まれているというのが実態のところでございました。

 行く行く恐らく共倒れになろうかと思いますけれども、まさにこのようなことにそろそろ歯どめをかけていただきたく、商業床の総量規制ですね、そろそろ政府の方にも考えていただきたいなというのが私どもの意見でございます。

 大変早口でちょっと上っ面の御説明でしたので、おわかりにくかった点もあろうかと思いますけれども、私の方の意見は以上とさせていただきます。

 どうもありがとうございます。(拍手)

金田座長 ありがとうございました。

 次に、三谷廣君にお願いいたします。

三谷廣君 今御紹介を受けました株式会社オールインワンの三谷といいます。よろしくお願いいたします。

 私どもの会社は、皆さん方とちょっと違いまして、農家を相手にしている企業なものですから、今回ちょっと違った話になるかと思いますけれども、お許しください。

 昨夜、農家と会っておりまして、家に帰ってきましたのが約九時前。そうしたら、お役所の方から二十五センチぐらいの厚さの書類が家に届いておりました。これはあした用の書類だと思って急いで見ていますと、難しいんですけれども、その中で、財務省の主計局と理財局がつくった資料の中に「平成二十八年度予算及び財政投融資計画の説明」というものがございました。それをちょっと見せていただいて、その中に、聖域なき徹底とか、TPPが日本経済の再生あるいは地方創生の喫緊の重要課題、これを優先的にというようなことがあります。

 私、ちょっと不安がございます。互恵的自由貿易は非常に美しく聞こえますけれども、これは不可能だと私は思うんです。あくまでも農業の立場で物を言っていますから、よろしくお願いしますよ。ですから、TPPについて、時間が限られていますから、ちょっと話をいたします。

 実は、昨日の朝、アメリカ・ミネアポリスのカーギルという会社からの連絡で、おもしろい話、非常に残念な話を聞きました。

 アメリカの穀倉地帯は、トウモロコシ、大豆、小麦などをつくっている地帯ですね、大体三十六万平方キロぐらいあるんですけれども、日本の国土が三十七万平方キロですから、ほぼ同じぐらいの広さ。そこの作物は、実は地下水を利用しているんです。そこの地下水がかれる傾向にある、だから生産調整をやらなきゃいけないような状態になるよという話。

 これは恐ろしいことなんです。実は、そこから日本は七五%から九五%の必需品を買っているんです。みそもしょうゆも飼料もパンのもとも、そこからほとんど買っているんです。だから、必需品なんです。

 ところが、多くの学者や政治家の方、一部の政治家の方ですけれども、日本は物すごくおいしい肉牛をつくります、あるいは物すごくおいしいリンゴをつくります、ですから、TPPがどういうふうになろうとも、高品質でおいしいから輸出したら絶対勝てるんだというようなことで、一部そういうような報道もありますが、私の考えでは、これは間違っているんです。これは高品質だから売れないんです。

 なぜかといいますと、我々は高品質と自慢しておりますけれども、これは実は、買う側にとってはぜいたく品なんです。ぜいたく品というのは必需品ではないんです。どちらを優先するか。考えてみてください。水がないときにどっちが必要でしょうか。必需品に決まっているじゃないですか。そうしたら、後回しになります。ですから、互恵的な自由貿易なんて不可能なんです。仲よくなれるはずがないんです。

 その上、もうちょっと話をしますと、我々の産業は、御存じと思います、BSE、一時狂牛病と言われたときもあります、それから口蹄疫、鳥インフルエンザ、さらに東日本大震災、農業的には福島県を失ったまま、まだ復興途中です。皆さんはどうお思いかわかりませんけれども、私は大勢の農家の友達が福島にいました。その人たちはいろいろな県に今住んでいますけれども、まだ帰れていません。したがって、まだ福島は農業的には失ったままなんです。

 ですから、政治家の皆さんにお願いしたいんです。TPPを強引に進める前に、帰れない元福島の友人たちを戻す工夫をしてください。顔がわかっているばかりに、今、彼らの顔を思い出しても涙が出ます。帰りたいんです。帰れないんです。

 そういう状態の中でTPPを強引に進めても、そんなにうまくいくようには思えませんし、私は考えます、農家をいじめる国に先進国はないと思います。先進国は全部農家を大事にしているんです。なぜか日本だけが農家をいじめているんです。

 その一つの例を言います。酪農について話をします。

 酪農というのは、乳牛からミルクをとる仕事です。年がいったり病気をしたり、あるいは環境が変わったりすると牛乳が濁ります。体細胞ということをいいます。これは基準がありまして、日本は一ミリリットルの中に三十万という基準がありました。三十万以上のものは余りいい牛乳ではありませんよ、少しペナルティーをとりますよと。

 しかし、これは大変なことだなと。日本全国百七十万ぐらいの乳牛を全部三十万以下にするにはどうしたらいいか。実は三年ぐらいかかりました。

 私どもは、牛の飼料を専門につくっております、全国四十七都道府県に行っております唯一のメーカーです。ですから、必死になってやりました。世界じゅうを駆けめぐりました。そういうことを薬を使わずにやっているところはないだろうかということで、頭を下げて行きました。学校へも行きました。そして、やっと三年後、三十万以下にすることに成功しました。

 そうしたら、どうでしょうか、政治家の皆さん。ニュージーランドは四十万なんです。ニュージーランドは、日本がそれを輸入できるように、このハードルを四十万に下げちゃったんです。四十万であっても大丈夫だよと。

 これはつらいですよ。一生懸命努力して三十万にしたのに、もう三十万にする必要はありません、四十万のいいかげんな牛乳でいいですよ、そうしないと向こうからの輸入に差し支えるからというように聞こえます。

 これは農家いじめです。さっき言ったように、こういうふうに農家を余りいじめないでほしいんです。一生懸命やっているんですよ。そういうものを評価してほしい。何か農家だけ置いていかれております。

 ただし、皆さん御存じのとおり、インドだって干ばつで大勢の方が亡くなっている、犠牲になっています。隣の中国でも砂漠化が進んでおります。PM二・五などと言っておりますけれども、都会のそういうものだけではなくて、砂漠のいろいろなものも飛んできております。皆さん御存じだと思います。それによる病気さえ発生しております。それが何とアメリカで起きようとしているんです。

 日本はアメリカに依存しているんです。アメリカの余剰穀物で成り立っているんです。アメリカというのは強力な消費力を持っています。ですから、自分の国がうまくいけば、輸出なんかしなくたって食っていけるんです。ですから、輸出というのは調整品なんです。要するに、我々は、調整品でなくて、それが必需品なんですよ。必需品とぜいたく品とは交換できないんですよ。これをわかってほしいと思います。

 ただ、後ろ向きだけではなくて、一つだけいいアイデアがあります。

 日本は水資源大国です。一つの情報によると、世界三位とも言われております。雪も降ります、台風も来ます、梅雨もあります、その水を有効に使えれば幾らでもまだまだ農業はふやせるんです。農業の自給率が四〇%を切っていますけれども、もしこの水をうまく使って自給率が一〇〇%になったとき、それ以上にできるものはもはやぜいたく品ではありません。幾らで売ったっていいです。自分の国をきちっと食べさせるようにして、そして農家を豊かにして、どうぞ先進国の仲間入りにさせてください。そうしたら、我々は農家を応援しながら毎日のように訪問しておりますけれども、次の後継者が生まれると思います。

 この状態であれば、皆さん方が農家の後継者をつくらないようにしているんです。さっき言った、体細胞なんかをそういうふうにして、努力したことは無駄ですよなんて言ったら、皆さんはどう考えますか。農家の人も嫌になりますよ。そんな産業にはもう携わりたくないですよ。みんなでもって、あなたのやっていることは立派な仕事ですよ、あなたの努力というのはすばらしいんですよと言われて初めてモチベーションが上がるのではないですか、どんな仕事も。

 そういうことで、ちょっと何か情けない話になっちゃいましたけれども、エネルギーは工夫していろいろな形で代替することができました。しかし、水は代替がありません。せっかく日本は水資源大国なんです。それを生かして農家を豊かにして、そして私の言う先進国に入れるようにどうぞお手伝いしていただけませんか。そして、この日本は農業大国がどこから攻めてきても大丈夫と思って、堂々とそのときにTPPに参加していただきたい、こう思います。これが私の願いです。

 大変失礼いたしました。(拍手)

金田座長 ありがとうございました。

 以上で意見陳述者からの御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

金田座長 これより委員からの質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関芳弘君。

関委員 自民党の関芳弘と申します。本日はどうもありがとうございます。

 先ほど、東京から参りました国会議員全員で、地元の讃岐うどんをおいしく食べさせていただきました。本当においしい、地元のすばらしい地場産業だなと思いました。私は二杯食べさせていただきました。本当にありがとうございます。

 きょうは、皆様方に本当に地元の大切な御意見を先ほど聞かせていただきまして、ありがとうございます。

 お一人一問ずつちょっと聞かせていただきたいと思いますので、お時間の中で、お一人二、三分ずつになって恐縮でございますが、お答えいただけたらと思います。

 まず、蓮井四国地区信用金庫協会会長にお伺いしたいんです。

 地域の経済ということで、販路の開拓にもお力を入れていらっしゃるということでございまして、その点について、ビジネスマッチングをされていらっしゃるということを伺っておるんですが、そこにおけます成功のポイントがあれば聞かせていただけたらと思います。それがまず一点。

 では、先に連続で質問させていただきたいと思います。

 さぬき市商工会会長の尾崎様、商工会の会長ということで、本当に各企業全体を見ていただいて、大変な重責を担っていただいて、ありがとうございます。

 そこで、先ほど、企業数におけます需要と供給の関係をお話ししていただきました。供給過多じゃないか、そこのところがもう少し数が減ると、いわゆる価格の部分が調整できて、適正な価格になっていくんじゃないかというお話をお伺いしました。

 私もその点を詳しくちょっと研究したいと思っておりまして、供給過多の場合、企業数が多くて、そこがもう少し淘汰されたら、これも国会でもいろいろな議論がされておりますが、その際に、減っていった企業があるとしますと、そこで働いていらっしゃった労働者の方々が職を失うわけでございます。

 我々自民党の方は、失業率をどんどんと減らしてまいりたい、労働者みんながにこにこして働ける社会をつくりたいという希望を持って政策をつくろうとしているわけですが、その供給過多を整理する際に、あぶれてきた労働者に対していかに手を差し伸べていったらいいか、その点をお伺いさせていただきたいと思います。

 三番目、古川様、高松丸亀町商店街振興組合理事長様。

 先ほどのお話で、商店街の活性化、再構築をする際に、土地の所有権と利用権の分離をやっていったんですということをお伺いさせていただきまして、これは本当にすばらしい発想だと思います。しかし、その発想を実行する際に、これは本当に難しい話だと思っていまして、私の地元は神戸なんですが、神戸でもこのような商店街を活性化する案件がたくさんあるんですが、所有権のところと利用権を分けるというのはなかなか進まない。これをうまく進めていかれたポイントをもう少し詳しく教えていただきたいと思います。

 そして、最後に三谷様、株式会社オールインワン代表取締役社長様でございます。

 私、先ほど申しましたように神戸出身でございまして、神戸にはブランド牛の神戸牛がございまして、今、神戸牛の取り扱いをされております神戸の会社が、この神戸牛が世界的に有名になりましたので、今度ニューヨークに店を出していきたいということを申しておりまして、我々も応援したいと思っております。そして、このような神戸牛もきっと、三谷社長のところのいわゆるトウモロコシをフレーク状にするという世界初の技術の飼料を使わせていただいているんだろうな。

 ただ、そういうふうなことをお伺いしておりまして、いろいろ資料を読ませていただきますと、餌につきましては、鳥、豚、牛とあって、鳥と豚が最も産業としての比重がかかって、牛が一番比重が少ない分野だと聞いておりますが、その中で差別化が実際にはできるからこそ、この牛の餌のところに社長は進出したということを伺いました。そこのところのポイントを詳しくもう少し聞かせていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

 以上です。

蓮井明博君 ビジネスマッチングを成功に導くポイントはという御質問でありまして、一言で申し上げれば、やはり連携ということではないかなと思っております。

 単独でビジネスマッチングフェアを一回限り大々的にやるというのも一つの手かもわかりませんけれども、それはやはりお祭り騒ぎに終わってしまいかねない。もちろんそれも大事なことは否定しませんけれども、ビジネスマッチングだけでは何とも力不足。その点、複数の金融機関、複数の人たちが寄り集まって大きくやっていく、しかもそれを継続性を持ってやっていくということと、民だけではなくて、官民あるいは産学官、いろいろなところが連携して知恵を持ち合って広げていく、そういう面での連携ですね。継続性と連携ということがキーワードではないかなと思っておりまして、そういう面では、地域金融機関はいずれも、いろいろなところでそういうことでやっているということでございます。御理解いただければありがたいと思います。

尾崎勝君 御質問の件でございますが、まず、全体の労働市場の失業率がという考察と、個別マーケットで例えば介護市場であるとか、あるいは職種もそうなんですね、営業職あるいは工場の労働者は大変不足をしています。ところが、事務職というのは非常に余っている状況です。

 当地の高松短期大学という大学がございます。先般もここの秘書科の女性を面接したんですが、ほとんどの教科が優で大変優秀な学生さんなんですが、工場労働者としてということで面接に来られました。多分それぐらい事務職というのは就職が難しいという状況にあるようです。

 先ほど私が申し上げさせていただいたのは、需給をタイトにする。今までの経済政策として、おっしゃるとおり、労働者が雇用を失うということを前提にその企業を存続させるためにいろいろな予算、税金を使ってきた。これからは人口減少社会になるわけですから、供給プレーヤーを減らして、労働者に関しては、もう少し手厚く保護する中で、では介護マーケットにスムーズに移行できるとか、あるいは農業の方に移行できるとか、要するに、そこに移行しても十分生活ができるということが担保できれば、実はメーカーの数が減ってもそんなに大きな問題は生じない。

 ただ、今は、片方で予算を使って需要をつくるということをやりながら、供給側が例えば倒産ということになっても、実は、例えば民事再生法というようなものでまたゾンビのごとくその企業が復活をする。これなんかは、民間で事業をやっているどなたに聞いても、民事再生法なんというのは天下の悪法だということを皆さんおっしゃるわけですが、これも供給側を減らさないということにほかならないわけです。

 ですから、事業を継続することに向けて使う同じお金を、実はそのプレーヤーは減らすけれども、そこの労働者が労働マーケットを移動することに対して、例えば介護で一人十万でも十五万でも補助を出すことで普通の生活が営めるということであるとすれば、多分大きな問題にはならないというふうに思っております。

 ここがバランスを欠いているがゆえに、事業が正当に営めるように販売価格を、プライスをということで需要をつくっているんですが、予算を投下したときは需要が喚起されますので一部経済環境というのはよくなるわけですが、では継続をするかというと、そこらが息が切れてくるとまた同じことが繰り返される。

 人口がどんどん減っていくと、消費を喚起するといっても、人口がもし一億二、三千万が八千万になったときに、お子さんも含めて、今の需要とイコールにするために一・五倍消費してくださいといっても、これは多分理屈として無理なんだろうというふうに思うんですね。

 そういう意味では、労働人口をどういうふうなところについていただくか、これは多分、長期ビジョンで国策としてやはり取り組んでいただく必要があるのではないかなというふうに思います。

 以上でございます。

古川康造君 土地の所有と利用の分離について御質問をいただきました。

 日本人には概念としては少しわかりにくい概念かもわかりませんけれども、皆さんは恐らく、はた目に見ると、地権者合意にかなりの労力を要したんだろうなというふうに思われると思います。

 実は地権者合意は物すごく早くできまして、というのは、地権者の皆さんは一刻も早くこの計画をやりたかったんですね。

 その原因は、先ほども少し述べましたバブルでございます。バブルで地価が高騰して、その後、バブル崩壊後、わずか十年で土地の値段が十一分の一までどすんと下落したんですね。優良経営をしていたお店まで含めて、全員が一斉に債務超過です。老舗の大だなからばたばた倒産、競売が始まったというような背景で、地権者の皆さんはもうやらざるを得なかったという背景がございました。

 商店街にとって本当に一番頭の痛い問題は、衰退を続ける商店街には一切投資が起きなくなってしまったということなんですね。これが一番大きな問題でございまして、その原因は、やはりバブルのツケ、つまり従前債務でございました。この負の鎖をどこかでぱちんと切り離さない限り、次の投資は起きなかった。

 したがって、私どもは、現行法の中で、法律に基づく再開発事業を選択肢に入れまして、補償費が当然払われたりするわけですけれども、その中で彼らの従前債務の解消を図った。したがって、皆さんが土地についていた担保を一旦外して、その上に新たに定期借地権の設定をして、町ぐるみ、一体的に運営管理をする新しい仕組みをつくったということなんですね。

 したがって、先ほども尾崎さんのお話にも少しありましたけれども、もう廃業したくても廃業すらできないような状況にやはり追い込まれていったわけであります。当然、郊外店に対抗するために設備投資、業種転換それから商品開発をやろうとしましたけれども、一切できなくなってしまった。これは、投資が起きなくなってしまったということなんですね。

 その中で、私どもは、現行法の仕組みの中で町ぐるみで廃業支援の仕組みをつくって、御商売が継続できなくなってしまった人たちを限定六十年だけ一旦廃業させてあげて、その中で商店街の新陳代謝の機能を取り返したというのが今回の計画でありますので、実は地権者合意はそれほど難しい話ではなくて、皆さんは一刻も早くやりたかった背景があったわけであります。

 これは商売外のところの問題でございまして、まさに国の土地政策の失策のあおりを食ったとしか思えないような、恐らくひ孫の代までかかっても返済は無理のようなバブルのツケをいまだにやはり引きずっているのが、地方の実体経済のところでございます。

三谷廣君 先ほど神戸牛という話がありました。神戸には、神戸牛と神戸ビーフという名前もございます。もともと神戸には牛はいなかったんです。これは全て近江の牛です。近江は、神戸の港から横浜へ運ぶときに、外国人が多かったものですから、神戸だけが神戸ビーフという外国語を使っております。

 これの特徴を申し上げます。神戸ビーフというのはランクがありまして、A4の六以上を神戸ビーフといいます。それ以下は神戸ビーフにはなりません。

 ちなみに、ちょっとお話ししますと、神戸ビーフも近江牛も松阪牛も飛騨牛も米沢牛も前沢牛も、全部当社の餌でございます。これをつくるのにどういうことをするか。これはちょっと概念が違っておりまして、実は難しいんです。

 昔、皆さん御存じかどうか、かいばでやるときは、一生懸命、ぬかをやったりいろいろなことを、何回にも分けて牛に餌をやっていたんですね。これではとても多頭飼育はできないんです。したがって、トウモロコシという濃厚飼料と粗飼料というものとミネラル、ビタミンというもの、三つを一遍にやれないか、こういう比重の違うものを一つにして給与をすると一回の労力でおさまるという飼料の開発をしたわけです。

 そういうことによって、先に食べた牛も後から食べた牛も、同じような栄養のものを食べられるんですね。分離給与をしますと、濃厚飼料を先にやりますと、力のある、あるいは近場にいた牛が先にそれを食べてしまって、後から行った牛は粗飼料しか食べられなかった。全部は減るんだけれども中身が全部違うというようなことで、なかなか多頭飼育できなかったのを、やり方を変えたのがうちで、そして、それで安定した牛を育てることができたというのが一つのコツです。

 それともう一つ、今、健康志向がございまして、グレードの高い牛は、昔はサシという脂肪交雑、白い脂ですね、それがたくさんある牛の方が高級品と言われましたけれども、それを私の個人的な考えで少し変えまして、神戸ビーフのグレードになるんだけれども、脂肪交雑の少ない、赤身のおいしい肉ができないかということで、脂の融点を下げまして、その飼料を開発しまして、そして今では、サシがばんばんに入っていない赤い肉、それでもA4の六以上という牛肉の開発に成功しております。

 そんなことで、牛の餌しかつくっていないからそんなことをやるのは当たり前ですけれども、アメリカのようにホルモンをやって調節するということは日本では法律で禁止されております。これからTPPでアメリカの牛が入ってくるかもわかりませんけれども、ホルモンをいっぱい食べさせた、あるいは給与した牛、牛肉が入ってきます。

 これはせんだってカーギルと話をしましたけれども、そういうことで悉皆検査できるかという話もいろいろしたんですが、カーギル社は不可能と言っておりました。世界の穀物の半分以上を持っておる会社が不可能と言いました。それは多分、お役所とか、非常に失礼ですけれども政治家の皆さん方は、いや、ちゃんとやればできるんだと言っているけれども、現実、できないという話です。ヨーロッパはそういうことはないんですよ、そういうホルモンなどは禁止されておりますから。

 それで、我々はヨーロッパ型、すなわちイタリア政府とスペイン政府と一緒になってホルモンを使っていない飼料開発ということに取り組みまして、そして現在、皆さんに喜んでもらえるブランド牛、ブランドがつけば日本というのはなぜか農家の人の収入がふえるというようなこともありますので、できるだけ農家を豊かにさせてあげたい、そして、末永く、おまえのところの肉はおいしいし安全である、だから絶対に必要な農家なんだというような農家をつくっていきたい、そういうのが仕事の一つでございます。

 以上でよろしいでしょうか。

関委員 皆さん、どうもありがとうございました。

 地方創生といいましても、本当に現場の皆様方の御努力と、いろいろな課題があると。よく勉強になりました。しっかりとまた国会でも議論を重ねてまいりたいと思います。

 本日は、どうもありがとうございました。

金田座長 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。

 きょうは、皆さんありがとうございます。きょうは大変貴重な御意見を聞かせていただきまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 ある意味、私は、共通の話があったと思うんですね。その共通の話というのは、オーバーキャパシティーです。つまり過剰供給。このことを、バブル崩壊以降、改善するどころか、むしろそれを助長してきた側面が、今の人口減少、特に地方においてそのマイナス面が非常に出てきているのではないのかな、そう思います。

 その上で、まず尾崎社長、そして古川理事長、三谷社長にお伺いした上で、最後に蓮井理事長にお伺いしたいんです。

 尾崎社長にまずお伺いしたいのは、いわゆるアベノミクスという政策はどちらかというと供給面、サプライサイドを支援する。例えば、もっともっと設備投資をしてくださいというような政策もたくさんありますけれども、いわゆるアベノミクスが地方の経済、特に中小企業に対して効果を上げているのかどうかという点です。これが一点。

 その中でも、今、国会でも議論がなされます、安倍総理も大事だとおっしゃっている賃金なんですけれども、円安になってコストが上がる一方で、先ほどあったようになかなか商品に転嫁できないという中で、では、地方で、中小企業で賃金をどんどん上げられるのかというところは、これは各企業さんも悩んでおられると思うんですね。

 アベノミクスの浸透と、特に賃金を上げられる環境にあるのかないのか、この点をまず尾崎社長にお伺いしたいと思います。

 次に、古川理事長ですけれども、毎日のように数多くの視察を全国から受けられて、もう全国的な有名人だという古川さんであります。

 まちづくり三法ができて、一定程度の大規模商業施設というのは規制がかかるようになったんですが、先ほどあったように、一万平米以下の、中小と言っていいのか、そういったショッピングセンターが進出をしてきています。固定資産税についてのある種の不平等感、このことは是正してほしいということをいただきましたけれども、改めて原点に返って、規制の側でももう少し、中心市街地で頑張っているのに、外でどんどんどんどんまた競合するようなものをつくられたのでは結局その努力が無に帰してしまうというところもあるので、規制緩和ということは一般的にビジネスを活性化することにはなりますけれども、適度な規制を、店舗規制といったことをまちづくり三法以降余りやっていないんですが、コンパクトシティーということを実現するためにも考えた方がいいのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。

 三谷社長には、これもオーバーキャパシティーに関係するんですけれども、今農業は、認定農業者、認定新規就農者、法人化を前提とした集落営農組織、この三形態しか応援しなくなっています。

 畜産、酪農に関して言うと、畜産クラスターということでこれから推進していくんですが、はっきり言って、大規模過剰施設助長制度になっています。大規模で効率化するのは一つの側面だと私は思うんですが、規模を追う、特に畜産、酪農、これで本当に日本の農業が再生するのか、あるいはそれが本当に唯一の道なのか。大規模化ということについての三谷社長の御意見を伺いたいと思っています。

 最後に、蓮井理事長にお伺いしたいのは、マイナス金利の影響であります。

 私、これは予算委員会でも取り上げましたけれども、はっきり言って、マイナス金利は、特に地方金融機関、地銀、第二地銀そして信金さんにとっては死活問題として、私は厳しいと思うんですね。そのことが、ひいては地方に対する円滑な金融提供業務、金融仲介機能ということを害してしまうのではないのかと思っているので、その点について御意見をいただきたい。

 あわせて、先ほど三人の方にお伺いをしましたけれども、マネタリーベースをふやして、そこから先どんどん融資して設備投資をという、そこは理論的にはそうだと思うんですが、ただ、特にきょう、今聞いたような地域の現状を考えると、どんどんどんどん供給側をふやしていく、サプライサイドを刺激していくということが本当に地域経済の再生につながるのかどうか。まさにリレーションシップバンキングで地方の企業と常に向き合っておられる信金さんの立場としての御意見を最後にお伺いしたいと思います。

 以上です。

尾崎勝君 御質問にお答えをさせていただきたいと思います。

 先ほど労働者のところでもお話をしたわけですが、全体経済の指標値、要するにマクロの指標とミクロで考えると、これは少し思惑が変わります。例えば、アベノミクスで為替が振りました、トヨタが一千億営業利益を上げましたと。片や、我々が所在しますさぬき市。さぬき市に本店所在を置いている事業者の全部の売り上げを足しても、多分一千億にはいきません。

 国策としてどちらが正しいかという議論ではなくて、どちらも大事なんですが、トータルの指標値として、トヨタの、個別企業の名前を挙げて申しわけないですが、大企業が一社で営業利益を持ち上げて、足し算引き算の中で数字が残ったから日本経済は緩やかによくなっているというふうに論じられるのも、少し違うのではないかなという気がします。

 例えば、経済産業省が生産性向上設備投資促進税制というものをやっています。今年度の三月で一区切りということなんですが、これは、設備投資をしたところが即時償却もしくは五%の税額控除という制度です。設備投資に対して補助金を出すという制度ではございません。ですから、潤沢に自己資金を持っているか、金融機関からお金を貸していただけるか、そういう事業所が、設備投資をしたことに対して一括償却ができるということで、恩恵にあずかるというものです。

 そうしますと、中小企業が、需要がなかなか厳しい、マーケットが厳しい中でこの生産性向上設備投資促進税制を使えるかというと、実は使えません。使える企業は少ないです。ところが、大手はどんどんこれを使います。どんどん設備を導入して、一括償却をして、生産性が二割も三割も上がった設備で、マーケットが縮まっているのに、それだけ生産性の高い設備を償却コストゼロで物をつくってまたマーケットに出してきます。

 僕が地元で商工会の例えば製造の事業所によく言っているのは、これを利用しないから我々は全く関係ないんだと思ってはいけませんよ、これを使った企業と皆さん方はマーケットで競合しないといけないんです、そういう中でどういうことが起きるかということを推測した上でやはり事業運営を考察してくださいということを申し上げているところです。

 ですから、国の施策というのはマクロで、例えば世界的な視点で企業がどうあるべきか、あるいは、大手が数字をどんと営業利益ベースで上げるということに貢献をするであろうというところに少し厚く施策を打ち過ぎているのではないのかな。その結果として、結果論として、中小企業がやはり競争の中ではもう立ち行かないということになっていっているように思います。

 ですから、もう少し中小企業が利用しやすいような、先ほどの開発補助金に至ってもそうですが、もう少し中小企業が使いやすいようなものとしてのスキームをつくって予算をつけていただくということがあれば、もう少しスムーズにいくのではないか。

 ですから、中小企業の賃金が上がるかという御質問でございますが、そういう環境下の中で収益を上げるというのは非常に困難をきわめておりますので、中小企業が給与を上げられるかといいますと、答えは上げられないということかと思います。

 ただ、リーマン・ショック直後のような激変と比較しますと今は少しよくなっているというのは事実ですが、いろいろな指標で緩やかに回復という表現は非常にわかりづらくて、我々の事業でいいますと、全くそういう実感は実はございません。

 ある大手ゼネコンの方とお話をしていますと、二〇一四年と二〇一五年を対比して、二〇一五年の施工床面積はどういう推移をしているかというと、二〇一四年と二〇一五年ではほぼほぼ変わっていないようです。マーケットで人手が足らないということで皆さんが論じておられることと大手ゼネコンが施工量を対比したときに、実は二〇一四年と一五年ではほとんど差がない。

 それで、二〇一四年度に人手がいないということでいろいろ論じられていたかというと、二〇一四年はそこまでは論じられていなかった。にもかかわらず、直近でいうと人手、人手という話になって、我々も実際にビジネスをやっている中で、これは非常にギャップを感じています。なぜそういうふうになっているのか。一部聞くと、今後、オリンピック需要に向けて少し人を温存しているというふうなこともあるようです。

 実はこれは何を言いたいかといいますと、大手は、とりたいビジネスはとります、とりたくないものはスルーをいたします。とすると、中小企業がとれるものは、大手がスルーしたものを中小企業が群がってとりに行く、こういう構図はやはり否めないのではないかなというふうに思っております。

 これをどうするかという施策はなかなか思い当たらないわけですが、少しミクロのところにスポットを当てた、要するに、こういう制度を設けて、あまねく利用できるんですよということを言われるんですが、実のところはあまねく使えない制度になっているということを御検証いただければ、同じ制度の中でもA、B、Cとかいう形で少し制限を分けて制度化していただくと、もっと利用しやすいものになるのではないかなということを感想としては持っています。

 以上でございます。

古川康造君 規制緩和とそれの保護というふうなことで御質問をいただきました。

 私どものここに至った実感としては、全国の商店街、非常にたくさんございますけれども、これの衰退の一番大きな要因はやはり大店法の撤廃であったような気がします。

 ちょうど平成元年ごろでしたと思いますけれども、私どもも国の、当時は通産ですけれども、官僚の人たちともいろいろ議論を行いました。

 私どもが訴え出たのは、規制緩和は大いに結構です、もちろん外圧もあるでしょう、保護をするところと緩和をするところの使い分けをやらないと、これから恐らく地方都市は大変なことになりますよというふうなことを訴え出たんですね。

 当時の経済産業省の若手の官僚の方も実は私どもと全く同じことを考えておりまして、まさにあれは外圧による撤廃でありまして、政府としてもやりたくはなかったと思うんですね。でも、やらざるを得なかった。そうすると、地方都市は十年か十五年で間違いなく衰退するというのを、当時、もう彼らは予想しておりました。現にそのとおりのことが起こったわけであります。

 ちょっと言葉は悪いですけれども、商売人を横一列に並べて、一切の負荷をかけずに、さあどうぞと競争させると、行く先では必ず殺し合いが起こるんですね。

 したがって、やはりこれは政府としてある程度、商業調整はしないというのが今までの大前提でありますけれども、その大前提を言うのであれば、人口減、高齢化社会なんて有史以来誰も経験したことない大地殻変動ですから、前例ではなくて、これから迎える新しい時代に合わせた新しい規制の方向も少し御検討していただきたいというのが、今回の私どもの意見でございました。

 以上でございます。

三谷廣君 玉木先生の、大規模にすれば生き残れるかということについて、私なりの考えをちょっと述べたいと思います。

 全て、農業にかかわらず、規模を変えるときに大きな決断が要りますよね。その決断は何かといったら、その努力に見合うだけ希望があるかないかということではないでしょうか。私どもの仲間たちで規模を拡大した人はいっぱいいます。ただし、今ちゅうちょをしておる人もいます。

 これは流通側にも非常に問題がありまして、例えば酪農の話にしましょう。

 今、高松に三越というデパートがあります。そのデパートの地下には、どこのデパートも同じでしょうけれども、食品売り場があります。その食品売り場の中で、例えば牛乳が売られております。その牛乳をちょっと見てみました。どこの牛乳が売られているかというのを、ずっと推移を見ておりました。今、主力に売られておるのは実は町村牛乳、北海道、サツラクグループです。それから、よつ葉乳業、これは帯広、十勝です。小岩井牛乳、これは岩手県です。そして、高知も愛媛も、四国の牛乳がなくなりました。

 牛乳というものは、鮮度を非常に要求する、たんぱく質の高い、完全に近い食品なんです。そういうものをそんなところから運んでくる。彼らが悪いんじゃないんですよ。二日もかかって、高松の三越で売らなきゃいけない理由はどこにあるんだろうというのが私にはわからない。地元に酪農家が一軒もないのであれば、それは仕方ない。しかし、酪農家がいっぱいあって、どうやって売ろうかなと皆が困っている、それなのに地元の牛乳を排してそれを売るという流通システム、これなどは非常に夢がない。

 それと、少しお客さんをばかにしているんじゃないかという気もいたしますし、そして、北海道あるいは岩手の人たちが果たして、高松の三越に行っているからといって、そこの消費者になり得るだろうか。多分ならないですよ。牛乳が行っているからと、北海道の人が高松の三越に買い物に来ませんよ。しかし、地元の牛乳をもし売っていたら、その人たちは高松のもの、三越のものを買うかもしれませんよ。だから、みずから消費をちょっとおかしくしているという面もあります。

 それから、TPP。これは大きく、今、どうなるだろうということで、実は地元の農家の人たちとも話をしておりますけれども、おやじは息子が後を継ぐのを反対ですね。もうサラリーマンにでもなれと。逆に、自分たちは苦労してハウスまでつくって、これは絶対いけるからといって、農協の推薦を受けて一町歩にも近いような大きなハウスで電照菊をつくった。しかし、ベトナムその他から安い花がすぐ羽田まで届くということで、競争力がなくなって、そのとき農協はすっと引いてしまった。さてそのハウスでどうしようか、こういうことが起きております。それも、何らか大きな間違いがそこにあるような感じがします。

 そして、彼らがつくれる製品というのは、香川県の西の方に三豊郡というのがありますけれども、三豊郡の方の製品ですけれども、これはすばらしいものなんです。実は、三越でついでに見ました。そうしたら、生鮮がさっぱりです。もう古いんです。そして、よく見たら、神奈川県とか栃木県とか千葉県の野菜を売っています。地元の野菜ではないんです。これは不思議です。

 玉木委員も御存じかと思いますけれども、ヨーロッパへ行きますと、私が親しくしているスイスの政府も、あるいはオランダもそうでしょうけれども、農業を小作のような、昔でいう百姓、そういうふうにしかまだ見ていないんじゃないか、この日本は。だけれども、スイスやオランダは農林水産省なんてないんです。日本でいう農協みたいなものはないんです。全部、経済産業省みたいなところの農業の部門が担当しているんです。したがって、農家を、そんな百姓じゃなくて、農業という産業に見ているんです。産業として捉えているから、農林水産省のような、あるいは営農指導ができないような農協なんかはつくっていないんです。その違いです。

 どうか、これを産業として見てあげれば、物理的にも大規模にしてやっていけるんじゃないか、こう思います。

 そして、農機具ばかり、一軒一軒、同じものを同じ時期に使うからといって、新しい製品が出たらすぐ買うという、農機具代の支払いに追われて収入がほとんどないような農家をつくるのではなくて、ちょっと規模を拡大して、農機具は一台でいい、しかし、それゆえのスケールメリットを出して、さっき言った流通を少し整備してやればまだまだいける余地は十分にあると思います。

 以上です。

金田座長 時間が参りましたが、玉木君の質問に、あと蓮井明博君の説明を一言でお願いをしたいと思います。

蓮井明博君 それでは、マイナス金利の影響ということに集約されると思いますが、確かに影響はないわけではないし、あると思います。ただし、その影響度合いがどのぐらいの大きさか、いわゆるマグニチュードを持っているかという点に関しては、今の段階ではなかなか見通しがたいというのが正直なところであります。

 それから、業態によっても影響度合いは違うんじゃないかという問題提起もありますけれども、それはそうかもわからないし、そうではないかもわからない。そこはもう少し推移を見ながら、慎重に皆さんが見ていただかないといけないというふうに思います。

 我々自身は当然ながらそこは努力しますし、資金需要にできるだけ対応して金融仲介機能については万全を期していく、これは当然のことであります。そのためにも、やはり個別の金融機関としてはリスク管理をしっかりとやっていく、それに尽きると思います。

 最後に、信用金庫の立場からというふうに言っていただいたので、非常にありがたいと思います。同じ地域金融機関といっても、地銀さんと信用金庫ではやはり違うところがあります。我々は、地域限定で、営業エリアが限定されているという、ある種ハンディであるかもわからないし、ある種強みかもわからない。これを強みにして、とにかく徹底的に地域密着をしていく、これが一つの有力な我々に与えられた使命だというふうに認識しています。

玉木委員 ありがとうございました。

金田座長 次に、吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 きょうは、四人の意見陳述人の皆様、本当に貴重な御意見を賜っておりますことに、まず心から御礼を申し上げたいと思います。

 私からも、蓮井会長、尾崎会長、また古川理事長、三谷社長、順次お一人ずつ御質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 まず、蓮井会長にお聞きしたいことがございます。

 まず一点目には、端的に、今のアベノミクス経済政策、玉木先生とも少しかぶるかもしれませんけれども、これに対する率直な御評価と、アベノミクスは国政でございますので、国レベルで経済の好循環をつくっていくというふうなメカニズムでございますが、同じようなことは地方においても考え得ることだと思うんです。

 やはり、香川県内、この中で一つの経済の好循環というものをつくる。私は、実は地元は福岡県なんです。福岡は福岡です。このようにして、国も好循環、地方も好循環ということが上手にかみ合ったときに、この経済政策というのはいい方向につながっていくのではないかな、そういうふうに思っております。

 その点に関する地方の経済の好循環について、地元の市民の皆様それから中小企業の皆様に一番近い立場からお世話をしてくださっている金融機関の視点から、地方における経済の好循環に関して重要なポイントがあれば、何かお聞かせいただきたいということが一つでございます。

 それから、とはいえ地方だけではこれはどうしようもないという、例えば税制の問題で先ほども少し固定資産税等々のお話もありました。そういったものは我々が担っていかなければいけないんですけれども、地方でやはりどうにもならないそういった課題について、特に国政について何か御要望があれば、ぜひお聞かせいただければと思います。

 続きまして、尾崎会長にもお聞きをしたいと思います。

 先日、我が党の経済再生調査会というところに、日本商工会議所、全国商工会連合会、それから全国中小企業団体中央会の代表の方にお越しいただきまして、いろいろ御意見を賜ったところでございます。

 その中で、まさにお越しいただいている香川県さぬき市商工会の御意見として、これはちょっと読み上げさせていただきますが、建設機材や特殊車両の輸出が好調なため、下請関連企業は順調であるが、ここからがちょっと問題なんですが、企業間格差がある、材料費の上昇や人手不足により収益は思ったより伸びていないというふうな御指摘をいただいたところでございます。

 この点に関連して、事業間、同種、同業種ということであれば、普通だったらライバル関係にあるのかもしれないんですけれども、ある地方によっては、そこがうまいこと連携して収益性を上げるような取り組みもしております。

 例えばタクシーの業界ですけれども、小規模のタクシー会社の事業者さんが、連携組織といって、無線タクシーの関係を一つ共有して、携帯端末のGPSを活用して、受注の平準化、だから、平等にお客さんを紹介するみたいな。稼働率の上昇ですね。GPSはどこにいるかわかりますから、連絡を受けたら、タクシーはどこが一番近いか、そういったものも連絡をしたり。こういうふうにして、受注の標準化それから稼働率の向上によって賃上げを達成したとか。

 あと、水産加工業者で事業者が共同して最新鋭の生産設備を設置して、それを共有することによって、単体じゃできないということですね、一つ一つの零細企業がそういった最新の設備はなかなか持ち得ない。これを共同して設置することによって生産性の向上を図り、結果、賃上げを実現している。そういった取り組み事例もお聞かせいただいたところでございます。

 そういった横の連携の中から何か生み出されるものがあるのではないか、そういった点について会長から御指南を賜れればというふうに思います。

 続きまして、古川理事長にお聞きしたいと思います。

 私も、今回、先輩議員である石田政調会長及び山本参議院議員の方からも、しっかり勉強して臨むようにということで、事前にたくさん調べさせていただいて専ら私が感動したのは、古川理事長のパッションといいますか情熱、それから未来に向けた商店街への思いがくしくも私が思い描く商店街像とまさに一致をしたところでございました。

 どういう点かというと、会長がある雑誌で、お孫さんがおできになった、お孫さんと一緒に商店街に住んで、そこで暮らしていきたい、お年寄りになっても商店街を暮らしの場にしていきたい、そういうふうなことをおっしゃっている場面がありました。

 私も熊本の田舎で、母親を実家にひとり暮らしさせてしまっているんですけれども、やはり商店街というのが、田舎なのでそこはもうほとんど壊滅状態なんですが、商店街がきちっと存在することによって、そこの地域に住むお年寄りのまさに憩いの場になり、コミュニケーションの場になり、生き生きと生活するための大切な暮らしの場にそのままなっていくというふうに思っております。

 今、残念ながら、衰退している商店街が、もうお年寄りどころか、シャッターが閉まって誰も歩いていないというふうな非常に寂しい思いをするわけでございますが、会長がくしくも、コミュニティーさえ残っていれば必ず商店街は再生するというふうなお言葉もおっしゃっておられますけれども、これまでの御苦労、それから、決してお一人でやってきたことではないのかなという気がしております。やはり多くの仲間、脇師的な方がいらっしゃったかもしれませんけれども、そういった方も一緒にやってきたんだと思うんです。

 ちょっと長くなって申しわけないですけれども、何が言いたいかというと、会長みたいな方が全国にたくさん商店街ごとにいれば、全国の商店街がどれだけ活性化するだろうなと私は思うんです。済みません、端的にお聞きしたいのは、そういった人材育成ですね。商店街を活性化させるためにイニシアチブをとって、先頭に立って旗を振って、汗水流して働いてくれるような人材の方をどう育成していくのか、そういったことについてお教えいただければと思います。

 それから三谷社長、ありがとうございます。先ほど来、大変に貴重な御意見を賜っていると思っております。私からも、TPPの関連で一点だけですけれども、お聞かせいただきたいんです。

 TPPの合意を受けて、やはり現場の生産者の皆様が大変に心配をされているというふうなことを我々お聞きして、先ほどちょっと申し上げましたが、石田政調会長を先頭に全国の国会議員がそれぞれ散らばって、現地の生産者のもとに足を運んで御意見をお聞きしてまいりました。私もそのうちの一人でございます。TPPの合意直後だったので、大変に厳しい叱責をいただきました。私も事の重大さにそのとき初めて気づいたものでございます。

 とはいえ、現実にTPPは大筋合意してしまっている、この現実を見据えて我々はやはりきちっと前に進んでいかなきゃいけない。そういった思いから、現場の方がどのような国策をお望みなのか、そういったものを御要望としてお聞きして、党の政策提言にまとめて政府に提出し、政府もそれを採用するような形で政府の大綱がまとめられております。

 私は、常々、食料安全保障の観点からも、やはり農業というものが極めて大切であって、TPPを迎えるに当たっても、まずは守りを固める、これが肝要だろうというふうに私自身は思っております。その守りが十分かどうかというような評価のところにかかわりますけれども、御意見の中でお示しいただければと思いますが、その上で、やはり攻めていく農業も考えていかないと、未来の後継者に来手がないんじゃないかというふうなことを思っております。

 ただ、現地に行ってお話をお聞きすると、三百六十五日全く休みがないんだというふうな、本当にとうとい生産者の方にもお会いをいたしました。そういった方が次におっしゃることは、すなわち、自分にはたまたま後継者がいるけれども、例えば三百六十五日休みがない畜産、酪農、そういったところに人が来るんだろうかということについて極めて心配をされておりました。私も同じ思いでおります。

 そこで、古川理事長にお聞きしたことと実は話が全く同じなんですけれども、若い方に就農をしていただくために、何か社長から御意見を賜れればと思う次第でございます。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

金田座長 それでは、お一人二分から三分の間で時間の制約がございますので、お願いを申し上げたいと思います。

 まず、蓮井明博君からお願いいたします。よろしくお願いします。

蓮井明博君 地方において好循環を展開していくには何がポイントかという御質問だったと思いますけれども、一言で言えば地産地消。地域で生まれたものは地域で消費して付加価値をつけていく、みんなが豊かになっていくという理念を大事にしたいと思います。

 そういう面では、先ほど玉木先生が御質問いただいた信用金庫ということになって恐縮なんですけれども、やはり営業エリアが限定されていますから、地域でお預かりした資金は必ず地域にお返しするというのが我が信用金庫の理念であります。そういうところに力を入れていくというのが一つ大きなポイントではないかな、これは私見ですけれども、そう思っております。もちろん、ほかの地域金融機関さんも役割分担がありますから、それぞれに地域貢献をしていくということが非常に重要になってくるのではないかなと思います。

 いずれにしても、地域の好循環をつくっていくということのためには、やはり地域の中小零細企業が元気になっていく。日本経済、地域経済の大半は中小企業でありますので、中小企業施策のところを本当によろしくお願いしたい。

 もう一点。では、地方だけでなかなか解決できない問題に対して何かあるかという御質問に対しては、いろいろありますけれども、一言で言えば、やはり、東京一極集中に対して何らかの是正、あの流れをマイルドにしていくという施策を総動員していただきたいというふうに思います。

 もちろん、東京が繁栄するということは日本人としてもハッピーでありますが、やはり地方が栄えてその上で東京も栄えるという共存共栄でないと、東京だけが栄えてしまって地方が疲弊してしまうというのは本末転倒ではないかな。そのための国策を、いろいろな議論が今あると思いますけれども、道州制の議論、そこら辺が今どうなっているのかよくわかりませんけれども、それも含めて、何とかこの東京一極集中のスピードをマイルドにしていく、こういう点をぜひよろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

    〔座長退席、菅原座長代理着席〕

尾崎勝君 御質問の件でございますが、仰せのとおり、今地元にあります大型機械設備メーカーが、ここはもうグローバルに展開をされていますので、大変、近年好業績を継続されています。その会社を中心に六十社ほどの鉄の加工メーカーが連携をしていまして、部材を供給してという枠組みができています。ですから、そういうジャンルの企業さんというのは非常に好調が継続されているということでございます。

 当然、そういう中での、マーケットごとというかどういうジャンルでお仕事をされているかによっての格差というのは生じているんです。非常にこれは難しい問題なんですが、先ほど新幹線なんというお話もありましたが、インフラをよくするために国策としていろいろなことをやるわけです。これは、実は地元企業にとっても、県外もしくは日本全体を対象にビジネスするという企業にとっては、インフラがよくなるというのは非常に喜ばしいことです。

 ただし、エリアマーケットでビジネスをやっておられる方は、インフラがよくないという前提で、例えば三十キロ圏内あるいは四十キロ圏内でビジネスをやっておられたルーチンが、実はインフラがよくなることで百キロ、二百キロが経済圏になる。その大きくなった経済圏に県外資本の大手が乗り込んでくる。物流の迅速化であるとか、そういうことが実現できることによって、実は対峙する相手が変わってくるんですね。

 さりとてインフラは置き去りでいいかというと、これは非常に難しい議論になるわけですが、先生御指摘のとおり、私も地元の商工会の中でいかに共同するか、要するにコラボレーションを図るか。これは地元の商工会の中に限らず、商工会連合会、全国連もございます。そういうところとの情報交換も含めて、例えば廃業する酒屋さんがあれば、そういう酒屋さんの設備を譲り受けて設備投資をするとか事業を拡大する、こういうやりとりも含めて、今後の地方の中小企業が生き残るための一つの方策として、今幾つか事例をお挙げいただきましたけれども、まさにそれが地方中小企業の生き残る唯一の道ではないかな、それをいろいろお話ししています。

 ただ、小さくても一国一城のあるじでございまして、なかなか、どっちに集約をするんだとか、これは非常に難しゅうございます。大手の方が、敵の敵は味方ということで結びつきやすいんですが、中小の場合はなかなかそこが難しゅうございます。そこに、冒頭の意見でも述べさせていただいたように、少し支援の手を差し伸べていただく、もしくは税制上の恩典があるとか、あるいは補助制度があるとかいうことの中で企業と企業が結びついていくような何か施策があれば、もう少し政策としては進むんではないかなというふうに思います。

 今はそれぞれのオーナーが決断をしないと前に進まないというのが実情で、やはり何十年と営んできた家業をどうするかというのは、その方にとっては非常に重大なテーマでございまして、御指摘の部分についてはもうおっしゃるとおり、我々もそこに向けてどういうふうに会員企業さんに指導していくかということはテーマに持ってやっているところでございます。

 以上でございます。

    〔菅原座長代理退席、座長着席〕

古川康造君 リーダー論で御質問をいただきました。

 実は私、正直なところ、余りリーダー論は好きではなくて、なぜかというと、あの町はあのリーダーがいたからできた、でも俺たちはリーダーがいないからできないというふうに、できない理由に使われてしまうんですね。

 したがって、余りリーダー論は好きではないんですけれども、例えば、私どもも、地権者、商店主の皆さんからちょくちょく御相談がありまして、うちの商売は四代続いた老舗なのに、うちのばか息子は商売を放棄してサラリーマンになりやがって、おまえたちちょっと説教してくれなんて御相談をいただくんですけれども、いえいえ、息子さんの選択は正しかったと思いますよ、こんな借金だらけの先の見えない商売を継ぐばかな息子はいませんというお答えをさせていただいたりするんですね。

 これと同じで、その町が必ず死なない、それからこの町で商売をやると必ず生き延びていけるという証明ができない限り、リーダーなんて絶対にあらわれないんですね。これは裏返して言うと、それさえ証明できるとリーダーなんて幾らでもあらわれますので、僕たちはそれを期待して、この町は絶対に死なないという証明をするために今頑張っているということでございます。

 とはいえ、実際にかじ取りをする連中は必要でありまして、ここにやはり必要なのが制度かなというふうに僕はちょっと思っております。建物を建てたりするとお小遣いをくれるし、イベントをやったりするとお小遣いをくれるんですけれども、この人件費を支える制度が全くなくて、これはむしろ政府というよりは自治体が、地域のリーダーを育成するためにそこに単費でやはりそういう制度を育成するべきだというふうに思います。

 その大前提になるのが、やはり地域のコミュニティーでございます。これはどういうことかというと、俺もやるからおまえもやれよという情緒的なところが実は非常に重要なポイントでございまして、これの調整をディベロッパーもコンサルも役所も誰もできないんですね。それから、これがしっかりと維持されているところに投資をしてやると、それは必ずリターンがあるということでありますので、私どももできるだけコミュニティーを崩壊させずに町を再生させるという意味で、あえてハードルの高い全員同意、一人の判こがそろわなくてもこの計画はやらないという大前提で、町ぐるみで一蓮託生の仕組みをつくってきたということでございます。

金田座長 質疑時間が過ぎておりますので、大変恐縮ではございますが、続きましての三谷廣君の御発言はできるだけ簡潔にお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

三谷廣君 それでは、急いでやります。

 三百六十日、父母が働いている後ろ姿を見ていて、あんなしんどい仕事なんかやるかという息子、それはわかります。私も同感です。

 一つ例があります。私どもの関連に、北軽井沢に実は十八頭しか飼っていなかった農家があります。それを何とか産業にしようということで、解決すべく、今五、六百頭の搾乳牛がいます。乳牛というのは八時間置きにミルクを出します。しかし、家族労働だと、夜に寝なきゃいけないですから、夕方と朝しか搾乳できません。一回ロスします。これは牛の生理のためによくありません。ミルクを出しながら待っています。

 ですから、三回搾乳にして交代制にしまして、そして都会で遊んでいる人たちをそこに呼んでサラリーマン化しまして、一緒に会社にしてやろうじゃないかということにしましたら、皆さんが生き生きと、大勢の雇用がそこで起きて、交代でやっておりますから三回搾乳できております。牛にもロスがございません。ミルクの量も合計が違います。

 ちなみに、ニュージーランドなんかは一回搾乳です。そのようないいかげんなところのものを輸入しないでください。

 実は、三回搾乳することによってロスがなく、規模が十八頭が六百頭になっております。そして、皆さん休みが月に何回もあります。ですから、東京でぶらぶらしていた人間が生き生きと北軽井沢に戻って仕事をしているという例があります。そこは東京に近うございますから、もし見たいとおっしゃる方があったらいつでも御案内いたします。それが至近な例でございます。ですから、可能でございます。

 以上です。

金田座長 次に、畠山和也君。

畠山委員 日本共産党の畠山和也です。どうぞよろしくお願いいたします。比例北海道の選出です。

 時間に限りがありますので、早速質問をさせていただきます。

 私からお一人ずつ伺って、まず蓮井会長さんからよろしくお願いいたします。

 先ほどの景気情勢の中で、個人消費の持ち直しという表現がございました。きのう総務省が発表した総世帯の二〇一五年家計調査によれば、物価変動を除く実質ベースで前年比二・七%減になったということであります。先ほどからあるように、マクロと地域ごとのさまざまなことはあるでしょうけれども、現状、この家計消費、一般的には消費の落ち込みや停滞がかなり景気の足を引っ張っているのではないかというふうに思います。

 その上でお聞きしたいのは、来年四月に消費税の一〇%が計画をされています。先ほどの景気情勢の判断と、この消費税一〇%との関連で御見解があれば、お聞きいたします。

蓮井明博君 先ほどの家計調査は前年比でマイナスだという話は、マクロの全国の話ですけれども、恐らく、比較するその前の年が、前回の消費税引き上げ前の駆け込みもあった時期を含んでいますので、そこと比較するとそういった部分の要因もあるのではないかなと見ていますが、いずれにしても、私はそういう分析をする立場じゃありませんので、この地域の消費動向を申し上げますと、やはり二極化しているように思います。厳しいところは厳しい、大分よくなっているところはよくなっている。特に、やはりインバウンドで、外国人観光客に来ていただいているような先は比較的余裕ができ始めてきている、そういうことだろうなと思っております。

 したがいまして、これからはやはりそういう消費に対する後押しができるような政策、あるいは、将来不安を解消できるというか、県民の方々が将来不安を持たないようにできるだけ将来が見通せるような施策、この辺を打っていただくというのがいいのではないかな。そこが、消費税の問題がどう絡んでくるかということだろうと思いますけれども、それはもう少しいろいろな多角的な検討が必要かなと思っております。

 ただし、一般論からいえば、将来不安をなくしていくというのが本当にやはり大事だろうなというふうに思います。

 以上です。

畠山委員 ありがとうございました。

 続けて、尾崎会長さんにお伺いいたします。

 同じく消費税なんですが、中小企業などにとっても、価格への転嫁やさまざまな問題で御苦労はこの間もされてきたと思います。同じく来年のこの一〇%引き上げに対する御所見とともに、もう一つ尾崎会長さんにお伺いしたいのは、先ほどの陳述の中で、使い勝手のいいいわば補助金、交付金のお話がありました。

 それで、二〇一四年度の予算だったと思うんですが、地域住民生活等緊急支援のための交付金というのに国が二千五百億円つけまして、これはかなり自由度の高い交付金だったと思います。それぞれで、福祉事業の方に振り向けた自治体もありましたし、住宅リフォームなどの助成に活用した例もあるというふうに伺っています。

 このように、それぞれの地域が自由度の高い補助金、交付金の必要性は実績としてもあると思いますし、先ほど来尾崎会長さんから出されていることかと思うんですが、もう少し具体的な中身で、御要望などがあればお聞かせください。

尾崎勝君 消費税の転嫁、これもやはり事業者によって異なってくるかと思います。ほぼほぼ、製造業あるいは建設業という形でやっておられる事業者の方で、当管内で見ても、消費税の転嫁がままならないというのはそんなに多く見受けるものではないというふうに思っています。

 ただ、では、小売あるいはサービス業というか、そういうところの実態というのは、私も管内の数字をきちっと把握はでき得ていないんですが、従前の五パーになったとき、あるいはそれ以前のときほどの転嫁ができないというものではなくなってきているのではないかなという気はしています。

 ただ、消費税が導入されることにおいて、経済に影響ということなんですが、どうしてもやはり駆け込みが発生し得るんですね。これは、リーマン・ショック後の、家電製品に補助金を出すようなことから始まって、あるいはエコカー減税もそうなんですが、ここ数年来の経済の運営の中で相当先取りをしていく経済の導きなんですね。そのときに何か潤っているようなことになるんですが、それが一巡してしまうと、需要をどんと先取りしていますので、その後の景気はどんと落ちる。

 これもある先生なりにお聞きしたことがあるんですが、いや、そのときの施策としてはやむを得なかった、そういう施策を打っていなければもっと経済は落ち込んでいたということにおいて、正当化されておられたやにそのときお話を聞いたんですが、もう少し平準化するというか。

 ですから、消費税は一つの国策として、社会保障費云々ということにおいてこれはもうやむを得ない議論だろうというふうに思いますので、まだ私どもなんかは、逆に軽減税率ということの中で、少しまた方向性が変わってしまっているみたいなところは一体どうなんだろう、もともとの大義は何だったのかと。せっかく国民は痛みを享受してそこに協力しようという姿勢になっているにもかかわらず、ちょっとまたお小遣いが出ますよみたいなことを言われると、それはいただけるものはいただきますよという話になってしまうので、何かこの辺も行ったり来たりの非常に曖昧なものになっているのではないかなというふうに思います。

 先ほどの補助金に関連してですが、これは端的な内容でいいますと、要するに、どういう事業に対して補助金を出すか、ここのスクリーニングは相当厳しくしていただいたらいいと思うんです。この事業は補助金に値するという事業に対しての補助金は、もうその補助事業者に対して全て任す。どこかに補助金を悪用するやからがいるかもわからない、がゆえに、固定資産に置きかえてくださいと。要するに、人件費に流用というと、通常、運転資金に入れてしまう事業者もいるかもわからないし、材料費でいくと後の検証ができないということになるわけですね。ですから、実はスクリーニングのところをもっとやはり厳密にすることで、選択された事業に対しては、用途についてはもう事業者に任す。

 ですから、詳しくは知りませんが、山中教授がiPS細胞を使っていろいろな事業をするということに相当な額の補助を出すわけですが、では、あれが実はまた税金として還流させるようなことになっているのかというと、あの事業自体がやはり国として推進していく事業だということにおいて、事業体の方にお任せということに多分なっているのではないかと思うんですね。

 ですから、例えば経済産業省なんかでいうと、予算をつけたから、その予算は全部補助金として出し尽くすということに一生懸命頑張られるんです。ですから、ある年度で、お電話がかかってきまして、ちょっと予算が余っているので手を挙げていただけませんか、ほぼほぼ通しますのでと。手を挙げて、後に税務当局が来たときに、これは税金として徴収させていただきます、もういいかげんにしてくださいという。

 ですから、もう少し入りのところ、ありようを変えることで、実は使途についても余り制限を構えるのではなくフリーにしていただく。要は、満遍なくやろうとするがゆえに今の制度にやはりなってしまっている。もう少し労力をかけるんだったら、入りのところでもっと労力をかけていただいて制度化していただければ、もっと使いやすいものになるのではないかなというふうに思います。

 以上でございます。

畠山委員 ありがとうございました。

 続いて、古川理事長さんにお伺いいたします。

 商店街の活性化や人口減少に対応したまちづくりというのは、どこでも御苦労をされているというふうに思います。先ほど私は比例北海道選出と述べましたが、北海道でも同様に、大型店等の出店などにより、駅前商店街などが御苦労されているという事例をたくさんお聞きもしてきました。

 その中で、やはり総量規制などの話は必ず出てくるんですが、先ほど印象的だったのは、古川理事長さんのお言葉で、このままだと出店した側も地元も共倒れになってしまうということがすごく本質を言い当てているんだろうなというふうに思いました。いわば、私風に言えば、共存共栄のための規制ということに政治の側が知恵を発揮しなければいけないのかなというふうに思って伺いました。

 改めて、この規制にかかわって、先ほど言い足りなかったこともあろうかと思いますので、もう少し御所見をお伺いしてよろしいでしょうか。

古川康造君 ありがとうございます。

 今の共倒れというお話ですけれども、実は、商店街というのは本当に社会の縮図みたいなところでありまして、基本的に、商店街の商売人の人たちは全員仲が悪いんですね。全員が商売がたきです。しかも、先祖伝来の恨みを抱えている人たちなんです。

 今回私どもがやった土地の共有化というのはまさにそういう話でありまして、要は、一軒一軒自分たちの権利を一生懸命主張してこのまま座して死を待つばかりがいいのか、それとも、皆さんで共有して利益をシェアした方がいいのかということに皆さん気づいたわけであります。したがって、土地を共有して、その上にもう一度商業を活性化させた利益を配当させようというふうな新しい町の仕組みをつくったわけであります。

 まず、大型店との関係でいうと、地域経済は、今は地域の経済循環は極端に疲弊していますので、恐らくこれは表に出ていないんですね。それから、郊外店で地域の人たちは快適にお買い物をしています。ところが、ふと気がつくと亭主の職がなくなっていたというのが地方の実体経済なんです。

 このように、地方の経済循環が非常に薄れた中で、地方の人たちはどんどん利益を失っていって、郊外店でお買い物をしているうちに、ふと気がつくと亭主の職がなくなっていた。そうするとお買い物はできなくなる、大型店も売り上げは上がらなくなる、そうすると撤退してしまうというのが大体の構図なんですね。そのときに、出店のときにかなりの数の小売店を彼らは痛めてきましたから、撤退したときに何にも残っていないというのがまさに私どもの主張した焼き畑商業というものでございまして、稼ぐだけ稼いで、稼ぎ代がなくなると次に移転していく。

 やはり、こういう社会の構図にどこかで歯どめをきかせていかないと、明らかに人口は減っていくわけですから、一年間に食べる量も限界がありますし買う量も限界がある中で、この有限の需要に無限の供給、売り場がついて回るなんという社会は、誰が考えてもあり得ないですね。先に待っているのはまさに破綻しか僕たちの目には見えないわけです。

 したがって、やはり、こういう社会の仕組みにどこかで歯どめをかけて、できるだけ地域で経済循環がされるような新しい社会の仕組みにつくり変えていかないと、今までの前例はもう通用しない時代がやってきているということですね。これはまさに、人口減、高齢化社会、しかも経済マイナス成長という大地殻変動の中で、新しい仕組みが望まれているということだと思います。

 以上でございます。

金田座長 時間が迫っていますから、どうぞ簡単に。

畠山委員 どうもありがとうございました。

 最後に、三谷社長さんに一言お伺いいたします。

 TPPとかかわって食料自給率の低下などが懸念されますが、政府の試算では、国による対策で自給率は変わらないということで発表されています。

 実は私、妻、酪農を営んでいたところの娘と結婚いたしまして、酪農家の苦労を目にしてきた者として、先ほどの三谷社長さんの話は胸を痛めながら伺わせていただきました。

 酪農家の一つの経験として、ガット・ウルグアイ・ラウンドのときがあるかと思います。一九八〇年に社長さんは入社されたというふうに経歴で拝見いたしましたが、当時も、国の政策として、規模の集約ですとか、今と通ずるような中身があったかと思います。しかし、あのときも同じように自給率は低下をいたしました。

 当時と比べて今回のTPPをどのように考えて、我が党としてはTPPについて反対の立場をずっととってきたんですが、当時と比べての御所見があれば、お伺いしたいと思います。

三谷廣君 TPPは非常にいろいろな意見があると思います。これはどちらから見るかによって大きく違うんですが、私から見ますと、まず、この中にアメリカや日本が入ってきたことそのものが間違っておるんですけれども、今さらそれを言ってもしようがないから、では、一番影響力を持っているのはどこだろうということは、アメリカでしょう。

 アメリカのカーギルという世界最大の穀物商社があります。ここへ、二十数年前から、ある縁があって私は出入りすることができております。非常にプライベートな会社ゆえ、なかなか情報を出さないんですけれども、そこは基本的に、TPPに賛成ではないんです。世界最大の穀物商社が賛成ではないんです。彼らは、穀物は穀物としてやはり大事にしたいんです。エタノールなんかにしたくないんです、本当は。だけれども、前の大統領がそれを決めてしまったからしようがないですね。

 そういうことで、本当は日本とアメリカというのはうまくいけるはずだったんだけれども、実はそこに、どうしてもこれを売らなきゃやっていけないという国が出てきたんですね、ニュージーランド。このニュージーランドという国は、人口が少なくて内需がない。これは、サウジアラビアその他の油屋さんと一緒です。自分のところでも使用ができない、輸出しかできないという国です。

 ところが、アメリカのカーギルという会社は、世界じゅうにネットワークを持っております。その会社いわく、穀物というのはTPPというものにのせたらいかぬと。これはなぜかというと、自由というのは、その国が自主的に意思で決めて、そして、これはやろう、これはやったらいかぬといって、いいものを出してくる。それで、国同士が自由であって初めて成立するので、ある団体とかあるいは政治団体とかその他が無理やり強制的に決めるものではないというふうに、今の会長は言っております。これは新しいニュースでございます。

 そんな中で、先ほど言ったように、中西部で水が枯渇しようとしております。御存じのとおり、ちょっと西の方にはオガララ水系といって、アメリカに日本に近いぐらいの地底湖があります。その東側の大穀倉地帯には水が豊富だと言っていたんです。それが枯渇しているというのがきのうの朝の話なんです。したがって、これは穀物が、今、三ドル六十セントとか八十セントとかいうトウモロコシがどういう価格にはね上がるかわかりません。そうなったら、これはTPPそのものも大変な状況になって、そんな簡単な話ではおさまらないと思います。

 これは私、何度も言いますけれども、ウルグアイ・ラウンドはいいんです。ドーハ・ラウンドは困るんです。その中で、皆さん御存じのとおりTPPに含まれていますよ。だけれども、黙って言わないですよね。農家に対する補助は徐々に減らして最後ゼロにしましょうというのが含まれておることをなぜ言わないか。だから、私はTPPは嫌いなんです。

 以上です。

畠山委員 貴重な御意見をありがとうございました。終わります。

金田座長 次に、足立康史君。

足立委員 おおさか維新の会の足立康史と申します。

 いつも国会では立って質問しておりますので、座ってということで、調子がいつものように出るかわかりませんが、御協力のほどよろしくお願いをいたします。

 今、おおさか維新の会とちょっと自己紹介しましたが、決して大阪のためにある政党ではありませんので、例えばサッポロビールという会社がありますが、札幌の方だけが飲んでいるビールではありませんので、ぜひ皆さん、おおさか維新の会、四国の方にもまた御支援をいただきたいと思っております。

 きょう、四人の参考人の方々からお話を伺って、時折役所の名前が出てまいりました。その中で経済産業省という名前が出ましたが、私、実は平成二年に経済産業省に入りまして二十年ほど勤務をしまして、五年前の東日本大震災で原発が大変な事故を起こしてしまったことを機に政治を志した経緯がございます。

 そうした立場から申し上げれば、日本の戦後七十年、いろいろお話がありましたが、その前半は国土の均衡ある発展ということで頑張ってきたわけですが、私が入省したころには、もう国土の均衡ある発展はみんな諦めていました。私の個人的印象としては、東京防衛で手いっぱい。世界的なグローバル競争から東京を守るためにどうするかと、東京防衛で手いっぱいであったという印象を個人的には持っています。

 ただ、今、日本はどうなっているかといえば、東京防衛ではもう日本を支えられない、東京一本足打法では日本の成長を維持していくことができないので、日本じゅうで総力を挙げて頑張ってほしいというのが地方創生だと理解をしておりまして、そういう中で大阪でのろしを上げたということをぜひ御理解いただきたいと思います。

 きょうは、これまでの質疑の中で、参考人の皆様は大変高い御見識をお持ちでありますので、私、幾つかお聞きしたいと思っていることもあるんですが、ちょっと内容を変えまして、皆様に共通してお答えいただきたいことを三点申し上げます。加えて、それぞれの方にお聞きしたいことが一つずつあるので、短い限られた時間ですので、できれば簡潔にお答えいただければ幸いです。

 まず、共通に伺いたいことは、一つは軽減税率の賛否ですね。

 それから二つ目が、いろいろ経営されている方もいらっしゃいますし、いろいろなお立場がきょうあられますが、労働法制。特に今国会では、さきの国会から労働基準法改正案というのが上程をされていまして、継続審議になっています。そこで一番焦点になっているのが、いわゆるホワイトカラーエグゼンプションということで、労働時間規制をある種の労働者の方についてはもうやめようという議論が国会に上がっているわけですね。ある党の方はいわゆる残業代ゼロ法案、こうおっしゃっていますが、こういう労働法制の改革について、その規制改革、安倍政権が今やっている改革の、私は賛成ですが、賛否も教えていただきたい。

 それから三つ目が、これは余り議論になることはないと思いますが、移民制度ですね。

 今申し上げた軽減税率と、労働法制、特に労働時間規制の緩和、それから移民、この三つについて賛否を簡潔に教えていただきたいのと、順番にちょっとやりとりをさせていただきたいんですが、まず蓮井会長に、三つの御質問に加えて、今、新幹線の話をおっしゃっていただきました。一方で、今、JR東海はリニアを引くんだということでフィーバーをしておりますが、どんなふうに東京―名古屋間のリニアについて見ていらっしゃるか。この四点。本当に簡潔におっしゃっていただかないと四点は入りませんが、前の三つは賛否だけでも結構でございますので、ぜひよろしくお願いします。

 まず蓮井会長、よろしくお願いします。

金田座長 各陳述人の方に申し上げておきたいと思います。

 質疑時間に限りがございますので、発言は四点含めてお一人二分以内で終わっていただくように、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、蓮井明博君、お願いします。

蓮井明博君 軽減税率の話は、極めて具体的な御質問でありまして、なかなか難しい問題をはらんでいるなというふうに私は個人的に認識していますが、いずれにしても、私の考えは、とにかく国民の方にわかりやすく、特に社会保障制度も含めて、将来の不安をなくしていくために何をすべきかという観点で議論していただければ、それは財政規律もそうですけれども、そういった点から、幅広い議論が必要だというふうに考えています。

 それから、労働法制の規制緩和ということであります。これまた非常に難しい御質問で、本当に答えに窮してしまうんですけれども、でも、私の基本的な考え方は、やはりある程度の自由度を持った中で、個人が一番いい働き方、あるいは経営が自由度を持ちながら一番いい職場環境をつくっていく、そのためにどうするかということをまず議論していかないと、ブラック企業ばかりできても困りますし、またそうじゃないところがあっても窮屈でありますので、いかに職場環境、みんなが生き生きと働ける職場をつくっていくかという観点で議論されたらいかがかなというふうに思っています。

 それから、三つ目の移民政策。これまた難しい問題でありますけれども、当地でも人手不足が非常に深刻でありますので、東南アジア地域から人手をお願いして働いていただいている企業はいっぱいあります。その中で、そうはいっても、うまくいっているところと、やはり賃金だけにつられて、経営者の方から見たら、一晩でいなくなってしまって、その会社の経営が継続できなかったという事例もないわけではありませんので、移民自体の問題は私もよくわかりませんけれども、でも、外国人労働者というときには、もう少しトータルな政策、トータルな考え方で議論していく必要があるのではないかなというふうに思います。

 それから、四番目。リニアというのは東京―名古屋間が四十分ということで、非常に利便性が高まるということで、ますます都市は発展していくなというのが私の率直な感想でありまして、それ自体、うらやましいなとは思いますけれども、是非についてはなかなか評価しにくいんですが、その分、申し上げた、四国がこのままでいいんだろうかというのを今こそやはり国民的な議論にしていただきたい。

 結論として、予断を持っているわけではありませんけれども、本当にトータルとして、今そういったところは高速鉄道網あるいは高速の移動手段がどんどんできている、一方で、災害的にもなかなか難しい、あるいは非常に陳腐化している、老朽化が進んでいるというインフラがあるときに、今後どうやっていくかということを考えたら、新幹線導入のタイミングの問題があるかもわかりませんけれども、やはりそこは、四国もしっかりそれをみんなで議論していくべき時期に来ているのではないかということを申し上げた次第であります。

足立委員 ありがとうございます。

 最初の三点は、これは答えにくいということはスキップしていただいて結構ですし、場合によっては賛否だけで結構です。むしろ、ぜひそれぞれの参考人の方に伺いたいメーンは四点目でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、尾崎会長。今申し上げた軽減税率、労働法制、移民、加えて、尾崎会長には、先ほど補助金とか租税特別措置の話がありました。私、尾崎会長の御意見を敷衍すると、そういう個別の補助金とか租税特別措置と言われている税制の細かい特別措置はもう全部やめて、フラットというかシンプルな税でいいんじゃないか、そういう政策的な観点からの個別の補助金とかは手間もかかるし、縛りもあるし、使いにくいし、使う人だけが得するし、私はもうなくていいんじゃないかと思いますが、そういう意見についてはどうお感じになるか。お願いできればと思います。

尾崎勝君 前半の三点ですが、軽減税率については、先ほどもちょっと触れましたが、相当な国民のコンセンサスを得て、社会保障費に振り向けるということにおいて覚悟ができつつある中で突然軽減税率というものが持ち上がってきて、要は税の負担を軽減される制度ですから、それをノーと言うことはないわけで、それは受け入れるということではあるわけですが、大義は何だったのかというのをちょっと疑問に感じています。

 それから、労働法制については、それを適用できる事業所とできない事業所、もっと言うと、大手で、あるいはIT産業でというジャンルと、本当に地方の三十人、五十人の事業所あるいはメーカーというふうに区分すると、適用できるできないというのはおのずと御推察いただけるのではないかなというふうに思います。

 それから、移民については、人口を確保するということにおいては、どこかでジャッジメントを入れなければいけないのではないかという個人的な意見は持っています。

 私も商工会で、外国人技能実習生の受け入れ事業をもう十五年ほどやっています。ほぼほぼ問題なく推移をしておりますので、完全に否定から入るというものでなくてもいいのではないかという個人的な意見は持っています。

 それから、先ほどの補助金については、足立先生おっしゃるように、もうフラットでもいいのではないかと思います。逆に、そこで余ってくる予算を実は先ほどの労働力の移管であるとかそういうところに割り当てて、たとえ一万でも三万でも介護の職につく労働者に対する支援に回す、経済は経済の原理原則に任せていただくということで実はいいのではないかなという気はしています。

 以上でございます。

足立委員 ありがとうございました。

 尾崎会長の最後の御意見、きょうおっしゃっていること、大体私も会長の御意見と同じような意見を持っております。ありがとうございます。

 次に、古川理事長です。時間の関係で、全員の方、すなわち三谷社長のところまで行かないかもしれませんが、どうか御理解をいただきたいと思います。

 その上で、古川理事長には、その三点、軽減税率、労働法制、移民、ふだん御関心事項かどうかちょっとわかりませんので、場合によってはスキップしていただいて結構ですが、加えて、私、中小企業庁で商店街の政策をやっていたこともありまして、丸亀の取り組みは大変敬意を持って拝見してきました。

 先ほどの三点はさらっと賛否だけ教えていただいて、二点ぜひ教えていただきたいのは、もともとテナントミックスとかを商店街全体としてやることによって、事実上、大型店舗と競い合えるような、そういう付加価値をつくっていこうというのが、要は個店の単なる集まりでばらばらじゃなくて、それを経営体として統合していこうということで動かれてきたと思っていますので、御質問は、郊外の大型店舗とやはり競争になっていないのか、再開発をすることによって競争にはなっているのか、そこのところです。競争になっていないんだけれども、地権者の方はもともとお金持ちが多いから何とか今の世代は食いつないでいるという状況なのか、戦いになっているのかなっていないのかということをちょっと教えていただきたい。

 それから、景気変動の中でいろいろなリスクを商店街全体として負っていらっしゃいますが、最終的にはそのしわは誰に寄ることに契約上なっているのか。地権者に行くのか、テナントに行くのか。その辺のしわの寄り方がどうなっているのか。定期借地権というのを使われている。私は当時、信託というのを、信託も使われているんだと思いますけれども、その辺のスキームとの関係で大変関心がありまして、これはちょっと一時間ぐらいかかるんですが、二、三分でお答えいただかなあかんのですが、お願いをできればと思います。

古川康造君 では、最初の三点。

 軽減税率については否でございます。理由は一つ。現場はもう大混乱で、大変なんですね。

 それから、労働法制ですけれども、これも、私どもとしては、大前提のところで、仕事がしたいのを法律で取り上げられるのはいかがなものかというのは当初からございました。もちろん、これからまだまだ仕事をやりたいと思っているのにできないというようなことが起こってくるのは、少しいかがなものかなというふうなことを思っております。

 移民制度については、ふだん余り真剣に考えたことがありませんので、きょうはちょっとパスさせていただきたいと思います。

 御質問ですけれども、まずテナントミックス。これがよく誤解されているのは、実は私どもは商業のテナントミックスをやっているのではなくて、居住者を取り返すためのテナントミックスをやっている。したがって、住宅を整備して、病院を開設して、介護施設をつくって、市場を開いて、これをもって居住者を取り返しさえすれば、商店街なんてほっておいても勝手に再生します。これは商売の大原則でありますけれども、需要があるところに必ず供給は後からついて回るということなんですね。

 ここがまず前提の、少し皆さんが誤解をされているところでございまして、当然、郊外の大型店に商業で打ちかつなんということは、はなから考えておりません。彼らはやはりそれだけの資本と経営ノウハウと経営努力をしているんですね。それに現状の商店街が打ちかつなんて、どなたが見ても基本的にはあり得ない。

 したがって、僕たちは、郊外の大型店さんと明らかに違うモデルは、ここに居住者を取り返すことによって、最終、商業を再生に結びつけようとしているということでございます。

 それから、もう一点のリスクでありますけれども、今回の私どもの仕組みは、よくごらんになっていただくと、仕組み自体、全員、リスクを負っている者だけで構成をされております。

 全国にまちづくり会社さんもたくさん設立されているようでありますけれども、ほとんどが第三セクターで、役所から五一%以上の出資をしてもらって、社長さんは地元の商工会議所の会頭もしくは百貨店の社長さんにお願いをして、地域に影響力が及びの方を取締役としてずらっとそろえて、さあまちづくりをやりましょうなんという議論をしていますけれども、恐らく百年たってもまとまらないです。なぜかというと、全員、リスクを負っていない人たちで構成されているということです。

 これは会社経営の大基本でありますけれども、リスクを負っていない者を会社経営に参加させないというのが実は丸亀町の流儀でございまして、では、そのリスクを誰が負っているか。これはまさに地権者でございます。全てビルの配当は最劣後ということでありまして、ビルがどんどん空きビルになっていくと、実は配当がどんどん減っていく仕組みになっているんですね。これが実は画期的な仕組みでございまして、過去の三セクの失敗例はほとんど、配当を優先するばかりに運営経費が出なくなって破綻に向かっているということですので、私どもは、全てのリスクを地権者が負うということでスキームが組み立てられたわけでございます。

 以上でございます。

金田座長 足立康史君、あと二分残っています。

足立委員 あと二分あるということですので、三谷社長、恐縮ですが、TPPも本当は議論したいんですが、もう二分ではいかんともしがたいので、先ほどの三点の中で御意見がある部分がもしございましたら、おっしゃっていただければと思います。よろしくお願いします。

三谷廣君 時間がないので、では、先に軽減税率の話。

 実は私、アメリカインディアンのナバホ族の酋長が友達で、彼に牛の飼い方と、それから牧草購入のために、ニューメキシコなんですけれども、そこへ行きましたら三十度でした。それから、カーギルに会うためにミネアポリスへ行きました。そうしたら、マイナスの十八度ぐらいでした。

 したがって、ミネアポリスではコートを買い、それからニューメキシコでは半袖を買ったんですけれども、実はそこで、四十年ぐらい前の話ですけれども、そのときに消費税というものの違い、私のミネアポリスで買ったときのコートには消費税は要りませんと。何でだろうと思った。そういう不思議な、それが初めての出会いでございます。

 これは簡単なんです。複雑にしないことです。これにはかかる、これにはかからないということが、どんな勉強もしていない、どんなことも知らない、年がいった方、若い人でもちゃんとわかるようにしてあげることが大事なことだと思います、これについては。

 それから、ちょっと質問とは違いますけれども、実は私、古川さんに褒めていただかなきゃいけないことがあるのと、畠山さんにちょっと謝らないかぬことがあります。北海道の牛乳のことを決して悪いように言ったわけではございませんので。済みません。それから、古川さんの方には、私は実は丸亀商店街にマンションを三つ買いました。そこに私は住んでいます。ですから、どうぞ褒めてください。

 以上でございます。

足立委員 ありがとうございます。

金田座長 以上で委員からの質疑は終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 意見陳述者の皆様方におかれましては、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。

 本日拝聴させていただいた御意見は、当委員会の審査に資するところ極めて大なるものがあると存じます。ここに厚く御礼を申し上げます。

 また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 これにて散会いたします。

    午後三時五十五分散会


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