衆議院

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第9号 平成27年2月26日(木曜日)

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平成二十七年二月二十六日(木曜日)

    午前十一時三十分開議

 出席委員

   委員長 林  幹雄君

   理事 高木  毅君 理事 岸  信夫君

   理事 若宮 健嗣君 理事 大塚 高司君

   理事 木原 誠二君 理事 伊東 良孝君

   理事 笠  浩史君 理事 遠藤  敬君

   理事 竹内  譲君

      大隈 和英君    古賀  篤君

      田野瀬太道君    橘 慶一郎君

      根本 幸典君    橋本 英教君

      藤丸  敏君    牧島かれん君

      宮内 秀樹君    後藤 祐一君

      福島 伸享君    宮崎 岳志君

      太田 和美君    國重  徹君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   議長           町村 信孝君

   副議長          川端 達夫君

   内閣官房副長官      加藤 勝信君

   事務総長         向大野新治君

   衆議院法制局長      鈴木 正典君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十六日

 辞任         補欠選任

  小山 展弘君     後藤 祐一君

同日

 辞任         補欠選任

  後藤 祐一君     小山 展弘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 永年在職議員として表彰された元議員阿部昭吾君逝去につき弔詞贈呈報告の件

 情報監視審査会委員選任の件

 本会議における議案の趣旨説明聴取の件

 高市総務大臣の平成二十七年度地方財政計画についての発言及びこれに対する質疑に関する件

 国会職員の適性評価の実施に関する件の制定の件

 本日の本会議の議事等に関する件


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     ――――◇―――――

林委員長 これより会議を開きます。

 まず、元議員逝去につき弔詞贈呈報告の件についてでありますが、去る一月四日、永年在職議員として表彰された元議員阿部昭吾君が逝去されました。

 ここに謹んで哀悼の意を表します。

 弔詞につきましては、お手元の印刷物のとおりの特別弔詞を、理事各位の御了承を得まして、本日、議長から贈呈していただきましたので、御了承願います。

    ―――――――――――――

 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され さきに環境委員長の要職にあたられた正四位勲一等阿部昭吾君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

    ―――――――――――――

林委員長 また、同君に対する弔詞は、本日の本会議において、議長から贈呈の報告があり、弔詞を朗読されることになります。

 その際、議員の方は御起立願うことになっております。

    ―――――――――――――

林委員長 次に、情報監視審査会委員選任の件についてでありますが、衆議院情報監視審査会規程で定める情報監視審査会委員八人の各会派割り当て数は、自由民主党五人、民主党・無所属クラブ一人、維新の党一人、公明党一人とし、本日の本会議において選任するに賛成の諸君の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

林委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。

 なお、同委員の候補者に、お手元の印刷物にあります諸君を各会派から届け出てまいっております。

    ―――――――――――――

 情報監視審査会委員候補者

            額賀福志郎君(自民)

            岩屋  毅君(自民)

            平沢 勝栄君(自民)

            松本  純君(自民)

            大塚 高司君(自民)

            松本 剛明君(民主)

            井出 庸生君(維新)

            漆原 良夫君(公明)

    ―――――――――――――

林委員長 次に、趣旨説明を聴取する議案等の件についてでありますが、内閣提出の所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨説明、平成二十七年度地方財政計画についての発言及び内閣提出の地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨説明並びにこれに対する質疑は、本日の本会議において行うことに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨説明は、麻生財務大臣が行い、民主党・無所属クラブの鈴木克昌君、維新の党の丸山穂高君、公明党の伊藤渉君、日本共産党の宮本徹君から、それぞれ質疑の通告があります。

 質疑時間は、鈴木克昌君、丸山穂高君はおのおの十五分以内、伊藤渉君、宮本徹君はおのおの十分以内とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、質疑者の要求大臣は、お手元の印刷物のとおりであります。

 また、地方財政計画についての発言及び地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案の両法律案の趣旨説明は、高市総務大臣が行い、地方財政計画についての発言及び両法律案の趣旨説明に対し、自由民主党の坂本哲志君、民主党・無所属クラブの逢坂誠二君、維新の党の水戸将史君、日本共産党の田村貴昭君から、それぞれ質疑の通告があります。

 質疑時間は、坂本哲志君は十分以内、逢坂誠二君、水戸将史君はおのおの十五分以内、田村貴昭君は七分以内とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、質疑者の要求大臣は、お手元の印刷物のとおりであります。

    ―――――――――――――

 一、趣旨説明を聴取する議案等の件

  所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

   趣旨説明 財務大臣 麻生 太郎君

   質疑通告     時間   要求大臣

 鈴木 克昌君(民主) 15分以内 総理、財務、石破国務(地方創生)

 丸山 穂高君(維新) 15分以内 総理、財務

 伊藤  渉君(公明) 10分以内 総理、財務、経産

 宮本  徹君(共産) 10分以内 総理

  平成二十七年度地方財政計画について

  地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

  地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

   地財計画についての発言及び二法律案の趣旨説明

        総務大臣 高市 早苗君

   質疑通告     時間   要求大臣

 坂本 哲志君(自民) 10分以内 総務

 逢坂 誠二君(民主) 15分以内 総務、石破国務(地方創生)、財務

 水戸 将史君(維新) 15分以内 総務、石破国務(地方創生)

 田村 貴昭君(共産) 7分以内 総務、石破国務(地方創生)、復興

    ―――――――――――――

林委員長 次に、本日の本会議の議事の順序について、事務総長の説明を求めます。

向大野事務総長 まず最初に、議長から、永年在職議員として表彰されました故元議員阿部昭吾先生に対する弔詞贈呈の報告がございまして、議長が弔詞を朗読されます。

 次に、情報監視審査会委員の選任の件についてお諮りいたします。共産党及び社民党が反対でございます。

 次に、所得税法等改正案につきまして、麻生財務大臣から趣旨の説明がございます。これに対しまして、四人の方々からそれぞれ質疑が行われます。

 次に、平成二十七年度地方財政計画についての発言並びに地方税法等改正案及び地方交付税法等改正案についての趣旨の説明が高市総務大臣からございます。これに対しまして、四人の方々からそれぞれ質疑が行われます。

 本日の議事は、以上でございます。

林委員長 それでは、本日の本会議は、午後零時五十分予鈴、午後一時から開会いたします。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

林委員長 速記を起こしてください。

    ―――――――――――――

林委員長 次に、国会職員の適性評価の実施に関する件の制定の件について、事務総長の説明を求めます。

    ―――――――――――――

 国会職員の適性評価の実施に関する件(案)

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

向大野事務総長 国会職員の適性評価の実施に関する件の制定の件につきまして御説明申し上げます。

 これは、各議院に情報監視審査会が設置されるに当たり、国会法及び国会職員法に規定する適性評価の実施に関し、調査事項や手続等の両議院の議長が協議して定める事項について定めようとするものであります。

 よろしく御承認のほど、お願い申し上げます。

林委員長 この際、発言を求められておりますので、順次これを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 民主党の後藤祐一でございます。

 本日は、質疑の機会を賜りまして、ありがとうございます。

 我が党は、特定秘密保護法は第三者機関あるいは罰則のあり方など問題が多いということで、対案を提出させていただきました。ということで、今の特定秘密保護法に必ずしも賛成という立場ではありません、反対でございます。

 また、情報監視審査会、本日立ち上がるということでございますが、その法的権限が不十分であるということについては既にこれまでも審議の中で明らかにさせていただき、これについても反対をさせていただいたわけでございますが、既に現実にある特定秘密保護法、これは施行されておりますので、これに対する国会によるチェックは必要だということで、我々も対案を提出したわけでございますが、国会によるチェックであるこの情報監視審査会がよりよいチェック体制を築いていただくため、本日は質疑で幾つか明らかにさせていただきたいと思います。

 なお、本件、きょうは国会職員の適性評価の実施に関する件のみが議題になっているように見えますが、情報監視審査会の委員がきょう選任されるということで、情報監視審査会が立ち上がるに際して、本来もっと別のことを検討しなきゃいけない部分があるのではないか、そういった点も幾つか明らかにさせていただきたいという観点から、幅広く伺いたいと思います。

 なお、できれば、これは国会法を提案された提出者に伺えれば本当はよりよかったわけでございますが、なかなかそこもかなわないということで、きょうは官房副長官、事務総長、そして衆議院の法制局長にお越しいただいているわけでございます。

 まず、通報に関してお伺いしたいと思います。

 情報監視審査会が立ち上がって、そこに事務局のスタッフがおられます。このスタッフが仮に違法あるいは不適切な事象を発見した場合に通報する制度を設けるべきではないでしょうか。

 本来あってはならないようなものを発見してしまった、あるいは違法な行為を、これは失礼に当たる言い方をして大変申しわけございませんが、情報監視審査会の委員の方が何かそういったことをしておられるといったことを発見した場合に通報する制度を設け、例えば、議長、副議長、情報監視審査会の会長あるいは委員、事務総長、こういった方々、通報先はいろいろあっていいと思います、外部につくることもあり得ると思いますが、政府がつくる通報制度とは別に、この国会の中に情報監視審査会の事務局スタッフを対象とした通報制度をつくるべきというふうに思いますが、これについての御見解を事務総長に伺いたいと思います。

向大野事務総長 今先生おっしゃいましたように、通報制度というのは、基本的に行政府の中で設けられております。今先生おっしゃったのは国会の中に設けるということで、これは新たな制度改正という形になりますので、このことにつきましては、所管が議運でございますが、先生方からそういう御提案をいただいて、それからまた、立ち上がりました情報監視審査会で実際いろいろな実務が行われると思いますので、そういう意見を聴取しながら与野党でお話しいただくということがよろしいかと私は思っております。

後藤(祐)委員 ありがとうございます。

 これについて私の方から事務局ともこれまで相談をさせていただいて、情報監視審査会が立ち上がるでしょうから、その中の実務を見ながら、情報監視審査会及び議院運営委員会で引き続き必要であれば検討していくということで確認をさせていただきたいと思います。

 幾つかそういう検討すべき事項というのをこれから積み上げていきますが、議運としての対応ですとか、こういうのは一つ一つ委員長に、今後の検討をお願いしますということをお願いした方がよろしいですか。

林委員長 最後で。

後藤(祐)委員 最後にまとめてでよろしいですね、幾つかあると思いますので。

 続きまして、通報制度は政府の中に既に設けられておりますが、きょうは加藤官房副長官にお越しいただいております、ありがとうございます。

 情報監視審査会の会長あるいは委員、事務総長等を通報先とする政府の通報制度を設けるというか、既にある政府における通報制度というのは政府の中が通報先になっていて、必ずしも、通報しにくい不十分なものだと我々は考えています。

 国会への通報を可能にするという意味において、情報監視審査会のメンバーあるいは事務総長等を通報先に追加することを御検討されるべきではないでしょうか。官房副長官、お願いします。

加藤内閣官房副長官 今の件について、去年の十月に閣議決定をいたしました、ちょっと長いんですが、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準というのを設定いたしまして、その基準におきまして、各行政機関及び独立公文書管理監に通報窓口を設置するなどの規定は設けているところでございます。

 ただ、国会との関係ということでございましたけれども、国会との関係について、特段そうした規定は今持ち合わせてはおりません。

 そこから先についてでありますけれども、私自身が検討すべきかどうかということを述べる立場にはございませんが、今、事務総長のお話、国会側の中でのお話も議論されるということでありますから、そういったものを見ながら対応させていただき、また実際、この制度が始まってまいりますから、そういったことも踏まえながら考えていくべきものだと思います。

後藤(祐)委員 特定秘密は法律で定められた方にしか情報を提供できないわけでございまして、本来は、政府における通報制度は、法律に書かないと安心して通報できないんですね。この運用が始まっていく中で、本来は法律できちっと書いていただいて、その中で国会への通報ということもぜひ御検討いただきたいと思います。

 次に、本日一番テーマとしてかかっております適性評価でございますが、これは国会の職員に対してのみの適性評価になっております。

 情報監視審査会が立ち上がって、議員の方々が実際に委員になります。実際の実務をする上で、例えば委員の秘書ですとか政党の職員、こういった方が特定秘密を知り得ない状態ですと、実際の仕事というのは非常にやりにくいと思うんですね。

 ぜひ、情報監視審査会の委員の仕事をサポートするという限りで結構でございますので、委員の秘書及び政党職員についても適性評価を受ける対象に、きょうはちょっとこの件、今加えるというのはなかなか難しいかもしれませんが、今後の対象追加も含めて見直しを検討すべきではないかと思いますが、事務総長の御見解をいただきたいと思います。

向大野事務総長 後藤先生もう御承知だと思いますが、国会法の百二条の十九、それから議院証言法の第五条の四で、情報監視審査会に提出された特定秘密は、一つは情報監視審査会の委員、それから二つ目は各議院の議決により定める者、それから三つ目として情報監視審査会の事務を行う職員のみが利用し、または知ることができる、こう定められております。

 それから、今の二の、各議院の議決により定める者につきましては、衆議院情報監視審査会規程十八条で、同規程十六条及び十七条の規定によって情報監視審査会に出席、発言できる者、すなわち正副議長と審査の要請をした委員会の委員長等とされており、そういうものには審査会委員の秘書や所属の政党の職員というのは含まれておりません。

 今先生がおっしゃった、そういう人たちを入れるということは、先ほど申し上げました、またこれも制度の改正になりますので、これも先ほどと同じように、やはり情報監視審査会が立ち上がって、その実務を見ながら与野党でお話しをいただくという形がよろしいかというふうに思っております。

 以上です。

後藤(祐)委員 情報監視審査会が立ち上がった後、実際に委員になられる先生方は大変だと思うんですよ。ぜひ、その運用を見ながら対象追加を、これは、する場合は議運でまたやらなきゃいけないでしょうかね、情報監視審査会及び議院運営委員会での御検討をその場合していただきたいというふうに思います。

 続きまして、情報監視審査会の事務局と各委員との関係でございますが、特に野党から、こういったことを情報監視審査会の職員の方に調べていただきたい、サポートしていただきたいということが実務上発生すると思うんですが、事柄の性質上、与党の方に知られると困る、これは与野党逆の場合ももちろんございます、あるいは野党間もございます、他の政党の方に知られると大変困るような状況になることが予想されます。どうやって、他の政党に知られない、あるいは政府側に知られないでそういった仕事をしていただくんでしょうか。

 特に、これも大変失礼な言い方になって申しわけないんですが、情報監視審査会の会長、議院運営委員長、あるいは場合によっては議長、副議長も委員とは別の政党に所属している場合が当然あり得るわけですから、そういった役職についている方も含めて、委員の所属する政党からほかの政党に情報が抜けないためにどのような工夫をするのか、そして、情報が抜けないということをお約束いただきたいと思います。これは事務総長にお願いします。

向大野事務総長 基本的に、国会職員というのは、与党のためとか野党のためということでなく、全ての政党、議員の先生方のために、中立公平に一生懸命やらせていただくということをモットーにしております。

 憲法の十五条にも、全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないというふうに書いてあります。

 ですから、私たちは、与党を問わず、野党を問わず、いろいろそういうことについて調査の依頼があれば、それは真剣にやらせていただきます。

 ただ、今先生おっしゃったように、例えば野党の委員の先生から頼まれたことを与党に云々ということは、我々は職務上守秘義務が、例えば、国会職員でありますと、国会職員法の十九条に守秘義務をしっかり守れというふうに書いてありますから、これは当然、守秘義務の範囲内としてしっかり守らせていただくというふうに考えております。

後藤(祐)委員 確認なんですが、情報監視審査会の会長ですとか議院運営委員長ですとか議長にどうしても相談しなきゃいけないような事態が発生することはあり得るんですね。そうしますと、そこを通じて、もちろん公正に運営していただいていると思うんですよ、ですが、やはりなかなか難しい事情が発生することがあり得ると思うんです。

 そういう事情が発生した場合でも、そういう立場にあられる方に情報を提供しないということをお約束いただけますか。

向大野事務総長 そういう会長とかに御相談しなきゃいけない場合ということは、恐らく、事前にその先生に対して、この件はここだけではなかなか進みませんよ、例えば、ここは会長とか、あるいは場合によっては議長、副議長に御相談せざるを得ないということは申し上げて、御了解をいただいてお話しするという形になろうかと思います。

後藤(祐)委員 ぜひ、そういったうまい運営を心がけていただきたいと思います。

 次に、会議録ですが、審査会規程二十九条によれば、会議録は作成されるが公表はされないというふうに伺っておりますけれども、これは、公開すべきでない部分を黒塗りするといった工夫をすることで会議録は公開できないでしょうか。

 少なくとも、情報監視審査会の委員以外の国会議員が会議録を閲覧することを、何らかの措置を講じた上で認めるべきではないでしょうか。

 そして、少なくとも、審査会に参加できる委員本人は、正当な理由があると会長が認めたときに限り閲覧できるということになっていますが、そういったときに限らずに閲覧可能とすべきではないでしょうか。

鈴木法制局長 お答えいたします。

 情報監視審査会は、その調査または審査のため、できる限り政府から特定秘密の提供を受けることができるよう、情報監視審査会規程では、会議録は、傍聴を許した場合を除き公表しないとするように定められているなど、特定秘密の漏えいの防止のため、委員会が特定秘密の提供を求める場合よりも、より厳しい保護措置を定めております。

 御質問にありました一点目の、会議録の中で公開すべきでない部分を黒塗りする形で会議録を公開するという御提案につきましては、今申し上げましたような制度の立て方、趣旨をも含めて、与野党で御検討、御協議いただく事柄というように認識をいたしております。

 二点目の御提案でございます、委員以外の議員が会議録を閲覧することを何らかの措置をした上で認めるべきではないかとの御提案につきましては、特定秘密の審査会への提供は、審査会の調査または審査のために限って行われるものであるという制度の趣旨を踏まえて、与野党間で十分に御検討、御協議いただく必要がある事柄であるというように認識をいたしております。

 それから三点目の御提案の、審査会に参加できる委員本人は、正当な理由があると会長が認めたときに限ることなく閲覧可能とすべきではないかとの点につきましては、今申し上げたような審査会の調査または審査に必要な範囲で利用できるという制度の趣旨を踏まえ、会長の判断を要しなくてもそれが担保できるかどうかを含め、与野党間で十分に御協議、御検討いただく必要がある事柄と認識をいたしております。

 以上でございます。

後藤(祐)委員 幾つか検討していくということでございますから、情報監視審査会が立ち上がってその実務が明らかになってくる中で、今三つに分けて説明いただきましたけれども、ここはぜひ検討いただいた上で、これも議運になる面があるんでしょうか、場合によっては議運で御検討いただきたいと思います。

 続きまして、情報監視審査会と内閣との関係でございますけれども、情報監視審査会から内閣側に、特定秘密を含めた内閣側が保有する情報や文書等について説明要求あるいは資料提出要求等を行う必要があると野党側の委員が求めた場合、どのような手続になるんでしょうか。

 これはちょっと具体的なイメージを申し上げますと、まず、情報監視審査会は開いていただけるんでしょうか。この場合に限らず、各委員からの審査会開催の請求手続というのは具体的にどんな感じになるんでしょうかというのが一つ目。

 二つ目に、現在の議席配分ですと、野党委員は二名ということで先ほども提示されましたけれども、一名あるいは二名が求めた場合、どういう対応になるんでしょうか。与党が、よほどのことがない限りは認めていただけないというような運用になってしまうんでしょうか。

 三つ目ですが、もし仮に淡々と与党が否決するというような運用になるとしたならば、どういった場合は、やはりたとえ一名、二名の開催要求であっても開催しなきゃいけない、逆に言うと、どういった場合に開催要求を否決できるのか、そういった要件みたいなものを定めるべきではないでしょうか。

 以上、まとめてお願いします。これは法制局長ですね。

鈴木法制局長 お答えいたします。

 情報監視審査会規程では、審査会の開会は会長が定めることとされております。また、委員の三分の一以上の要求があれば、会長は審査会を開会しなければならないこととされております。

 三分の一未満の、一名ないし二名の委員から審査会の開会の要求があった場合には、開会を認めるか認めないかにつきましては、個々のケースごとに、審査会の会長、委員の先生方において御協議いただく事柄と認識をいたしております。

 なお、平成二十六年六月十一日の衆議院議院運営委員会の審議におきまして、情報監視審査会規程案の提出者は、情報監視審査会は、政局の対立を持ち込むのではなく、立法府として行政をチェックしていこうということで、会長のもとに立法府の機能を発揮する運営になると期待している旨答弁されていると承知をいたしております。

 それから、どのような場合に開会の要求を拒否できるかということを、あらかじめその理由を挙げるということは難しいのではないかというように認識をいたしております。どうぞ御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。

後藤(祐)委員 ぜひこれも、運用する中でルールというのがある程度できていくものだと思います、明文化されたものかどうかはともかく、できていくと思いますので、今の二十六年六月十一日の答弁にもありました、政局の対立を持ち込むことなくというところをしっかり実務上運営していただきたいというふうに思います。

 今の話にもあるように、与党、野党両方ともの意向を踏まえた、政局の対立を持ち込まない審査会運営をしていただく必要があるというふうに思うんですけれども、通常、この議院運営委員会もそうですが、委員会の運営というのは、与野党の理事間、特に筆頭理事間において丁寧な合意形成を図りながら、今までもほかの委員会なんかを運営されていると思うんですが、この情報監視審査会についても、そういった与党、野党両方の意向をすり合わせていく丁寧な運営が必要だと思いますが、具体的にどういう形で与野党のこの運営に関する合意形成を図っていくのか。

 例えば、この委員会でもそうですが、筆頭理事間の協議みたいなものを行っていく、そんなイメージでよろしいんでしょうか。法制局長に伺いたいと思います。

鈴木法制局長 お答えいたします。

 情報監視審査会規程では、情報監視審査会は、委員数が少人数のため、理事を置くこととはされておりません。

 審査会の運営における与野党間の合意形成のあり方については、情報監視審査会の委員の選任、会長の互選がなされた後、審査会の会長、委員の先生方において御協議、御決定いただく事柄であるというように認識をいたしております。

 以上でございます。

後藤(祐)委員 これは、理事がおられないということなので、実質的な与党側の筆頭、野党側の筆頭みたいなものを、形式上決めるかどうかはともかく、決めていただいて、その間で御議論いただくですとか、そういった実務が事実上必要になってくると思うんですね。そこも情報監視審査会の運営の中で決めていっていただくことだと思いますが、ぜひ、そこはよく考えて、丁寧な運営を心がけていただきたいというふうに思います。

 次に、内閣側からの情報提供のあり方に行きたいと思います。

 今、三百八十二件の特定秘密の、いわゆる束であるところの情報という単位、そして、その中に恐らくあるであろう約四十七万件にわたる文書等という単位のものがございます。これは情報監視審査会に提示していただけるんでしょうか。

 特に、これは、出す出さないという話になりますと、最後の最後は、国会法百四条三項の国家の重大な利益に悪影響を及ぼすかどうかというところが最後の規定になるわけですけれども、国家の重大な利益に悪影響を及ぼすものを除いて、黒塗りすることなく、情報監視審査会にそれぞれ提示していただけるというふうに考えてよろしいでしょうか。

 逆に、もし国家の重大な利益に悪影響を及ぼすものでないのに提示いただけないという場合は、なぜ提示できないのでしょうか。

 情報公開請求に応える場合に比べて当然情報量としては多いものだというふうに理解していますけれども、この情報提供のあり方について、官房副長官に伺いたいと思います。

加藤内閣官房副長官 今のお話、結果的には個々の具体的な事例に即して議論させていただくということになろうかと思いますので、抽象的な、一つの一般論ではなかなかお答えできない部分があるのではないかと思います。

 その上で、政府としては、情報監視審査会からの資料の提出の求めに対しては、国会法の規定等がございますから、それに基づいて適切に、あるいはその手続に従って対応していきたいと思います。

後藤(祐)委員 特に、三百八十二件の情報と四十七万件にわたる文書等の題名というのは、抽象的な話じゃなくて具体的な話です、この題名についてはいかがですか。

加藤内閣官房副長官 それぞれ、まず三百八十二件の特定秘密の情報について、これは今鋭意議論しているところだというふうに承知しておりますので、その中で、今申し上げた国会法の規定に基づいて適切に対応したいと思います。

 それから、四十七万件の文書等についても、その文書等の題名とおっしゃいましたけれども、その辺、具体的にどういう形になっていくのか、それぞれごとに違ってくるんだろうと思いますので、それも踏まえながら検討させていただきたいと思います。

後藤(祐)委員 そうすると、三百八十二件の情報の題名もお出しいただけない場合があるということですか。国家の重大な利益に悪影響を及ぼすもの以外でお出しいただけない場合があるということですか、副長官。

加藤内閣官房副長官 私が承知している範囲では、今、中で精査されているということでございますので、今の段階で、あるとかないとか申し上げられる状況にはないというふうに承知しております。

後藤(祐)委員 大変残念です。

 三百八十二件というのは、言ってみれば、このファイルの題名みたいなものなんですね。この中に何万件という文書が入っているというイメージで、この題名も出せないかもしれないというのは、世の中に対する、情報公開請求に応えるということと意味が違うんですよ。

 国会がチェックする情報監視審査会の八人が、まずどんな三百八十二件があるんですか、その題名を教えてくださいという入り口のところで、出せないかもしれないといったら、一体、中をどうやってチェックするんですか。どういう情報があるかもわからない中で、どうやってチェックするんですか。

 国家の重大な利益に悪影響を及ぼすものは、仕方がない面があると思います。ですが、そうでないものも出せないとすると、これは大変、国会に対しての内閣の姿勢としては、いかがなものかという気がいたします。

 それと、四十七万件の特定秘密を含む文書等については、今、内閣の中で取りまとめ作業をしているというふうに伺っておりますが、この取りまとめというのは、例えば、複数の文書を一つにして、題名をアバウトなものにしちゃうとか、いろいろなことをしている可能性があるわけですね。

 今の段階で特定秘密というのは既にあるわけです、施行されていますから。ですから、今の段階での特定秘密を出していただけませんか。これは情報監視審査会が考えることだと思います。私がやることではありません、私は委員ではありませんから。

 情報監視審査会が立ち上がって、情報監視審査会に四十七万件に及ぶ文書等を、今取りまとめ作業だから出せませんと言うんでしょうか。それとも、情報監視審査会が求めた場合は、現段階で既に存在するわけですから、この存在する文書等を提供していただけるんでしょうか。

加藤内閣官房副長官 まず、最初の件ですけれども、出す出さないというより、今精査させていただいているということですので、今のところでその有無を申し上げる状況にはないということを申し上げただけであります。

 それから、今の、情報監視審査会ということであれば、それはまた情報監視審査会ができてからということで、我々としては、法にのっとって適切に対応させていただきたいと思います。

後藤(祐)委員 これはぜひ、情報監視審査会が立ち上がってから、委員になられた方が。

 この取りまとめというのは、三月では間に合わないぐらいのイメージで、四月とかそのぐらいになってしまうような感じの答弁をたしか大臣はされていたと思いますけれども、そうしたら、それまでの間、情報監視審査会は何をするんですか。

 これは、指定するときが、ある程度勝負なところがあるんですよ。今までの情報管理のあり方と、この特定秘密ができ上がった後の情報管理のあり方で、より、これはまずいと思って、これを機にもうちょっとわかりにくくしようとか、役所の中、私もいたからわかるんですが、いろいろなことをやる可能性があるんです。

 ぜひ、これは、情報監視審査会が立ち上がったところで、情報監視審査会から求められた場合は今の状態のものをきちっと提供していただく、少なくとも、文書等の題名についてきちっと提供していただくことをお願いしたいというふうに思います。

 残り二分程度なので、取りまとめに行きたいと思います。

 きょう、御検討いただくことが幾つか明らかになりました。全部網羅的に残していませんが、最初の通報制度に関する検討ですとか、適性評価の対象拡大に関する御検討、会議録に関する御検討、あるいは、これは運用の話かもしれませんが、実際にどういう形で情報監視審査会を開いていただけるのかというお話ですとか、こういったものについて、情報監視審査会の中で解決できるものもあるかもしれませんが、場合によっては、議院運営委員会で議論しなければいけないものもあると思います。

 議院運営委員長にお願いしたいんですけれども、議院運営委員会で議論すべきことがあった場合には、ぜひ検討の場を設けていただいて、できればきょうのような質疑の場を設けていただきたいということと、あと、きょうここの質疑で、この後、塩川議員も質疑をされますが、この場で明らかになったことを、まだ立ち上がっていない情報監視審査会にきちんと、こういった議論があった、こういったことが検討事項として指摘されたということを申し伝えていただいて、情報監視審査会の会長さんが決まります、その差配の中で、きちんと情報監視審査会の中で御検討いただくということを議院運営委員長からお伝えいただきたいと思いますが、議院運営委員長の御見解をいただきたいと思います。

林委員長 今回議論となりました事項につきましては、今御指摘がありましたけれども、私から情報監視審査会会長に御報告をいたしたいと存じます。

 また、いろいろとお話がございまして、その中で、与野党の協議を踏まえて、必要があれば理事会でも協議をしたいというふうに思っております。

後藤(祐)委員 あと一分足らずなので終わりますが、ちょっと残念だったのは、やはり内閣側の姿勢でございます。これについては、内閣委員会あるいは予算委員会等、ほかのところでも議論する場があると思いますが。

 情報監視審査会の委員になられる方、この中にもおられます。先ほど、政局を持ち込まないという話もありましたが、これは立法府が内閣をチェックしているんだ、国民の知る権利と政府の秘密保護、このバランスをどうとるのかは、情報監視審査会の委員の先生方にかかっています。きょうの副長官の答弁は大変不十分だというふうに思いますので、ぜひ、国民の代表として、情報監視審査会を適切に運営していただくことを期待して、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

林委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 極めて短時間な時間でありますので、最初に、国会の秘密保全体制、情報監視審査会の始動についての意見表明を行います。

 安倍政権が成立を強行し、昨年十二月十日に施行した秘密保護法は、国民の知る権利を侵害し、日本国憲法の基本原則を根底から覆すものであり、国民の多くが不安や疑問を抱き続けています。秘密保護法は廃止すべきです。

 ところが、本日、自民、公明の政権与党は、国会を政府の秘密保全体制に組み込むため、秘密国会法に従って、国会職員に人権侵害の適性評価を行う基準を決定し、常設の秘密会、情報監視審査会を始動させようとしています。これは、政府を監視するという国会の第一義的任務を投げ捨てる、国会の自殺行為であり、断じて認められません。

 秘密国会法というべき法改定は、昨年六月、第百八十六通常国会の会期末、自民、公明両党が、当委員会でわずか七時間の質疑で採決を強行し、さらに法案の問題点が噴出する中で、参院でも七時間で質疑を打ち切り、結局、自公両党のみの賛成で強行成立させたものであります。

 本日の国会職員の適性評価の実施基準の審議も、極めて短時間で、責任ある答弁が十分に担保されないものであり、こうしたやり方で国会の秘密体制を始動することは到底許されません。

 なぜ、国会の委員会や国会議員などが秘密を漏らさない厳格な仕組みをつくらなければならないのか。

 秘密保護法第十条には、政府、行政機関は、国会が秘密保全の措置をとらなければ特定秘密を提供しないと定められており、国会に厳格な秘密保全体制をつくる国会法改定は、この十条の規定に従ったものであります。

 常設の秘密会である情報監視審査会は、委員八人で構成され、審議内容も会議録も全て非公開です。担当国会職員に適性評価、身辺調査を義務づけ、電波傍受を遮断する、防護された特別の会議室まで設ける等の体制をとろうというのであります。

 自民、公明両党は、こうした国会の秘密体制は、政府から特定秘密の提供を受け、その運用を監視するためだと言い、国会に提出された特定秘密が万が一にも漏れることのないよう、さまざまな措置を講じると説明してきました。

 しかし、もともと、何を特定秘密にするかは秘密であり、国会がどんなに厳格な秘密保全の仕組みをつくっても、政府が特定秘密を国会に提出するかどうかは政府の判断次第というのが秘密保護法であります。

 たとえ政府から秘密が開示されても、情報監視審査会の審査は秘密会で、会議録は公開されず、委員ですら許可なく閲覧できない。秘密の開示を受けた議員は、その内容を国会の外で漏らせば刑罰に処され、国会質問で取り上げたら懲罰の対象となり、除名処分まで受けかねないのであります。憲法五十一条が保障する、議員の発言、質問、討論の自由を奪うものであります。

 仮に、予算委員会が、議院証言法、国会法に基づき、政府に対して資料提出を求め、政府が特定秘密が含まれるとして提出拒否を疎明した場合、情報監視審査会は、その疎明を審査し、受諾し、提出しなくてもよいとの決定を行う場合があるとされています。五十人の委員で構成する予算委員会の決定を、八人の委員で構成する情報監視審査会が、その理由も明らかにせず覆すことになるのであります。常任委員会による国政調査権の行使を制約するものにほかなりません。

 情報監視審査会は、政府が拒否した特定秘密の提出の勧告を行うことも規定していますが、その勧告には強制力はありません。

 不十分であっても国会の監視機関が必要だという議論がありますが、今進められようとしている体制は、特定秘密体制にお墨つきを与えるだけでなく、国会が政府の秘密体制にみずから取り込まれ、政府の秘密を国民の目から隠す、秘密の共犯者にしてしまうものです。政府監視とは全く逆で、国会議員を監視するものにほかなりません。

 国会が政府を監視するとはどういうことでしょうか。

 国会は、主権者国民を代表する唯一の立法機関であり、国権の最高機関です。憲法は、国会に国政調査権を保障し、国会の公開原則、議員の発言権保障を明記しています。

 このもとで、国会は、国政のあらゆる分野で国政調査権を行使し、とりわけ日米安保の秘密を初め政府、行政の実態に迫り、国民に明らかにする役割を担っているのであります。

 国会の資料要求に対し政府が提出を拒否するなら、その理由を内閣声明として明らかにせよというのが、従来の国会法の規定です。政府が内閣声明で、国家の重大な利益に悪影響を及ぼすと拒否すれば、それが拒否に値するかどうかが国民の前で問われることになります。提出拒否が国民に公開されることが大事であります。

 国民に知られない秘密会で政府の説明を審査し、何を議論をしたかも国民に明らかにしないで、どうして政府監視の役割が果たせるでしょうか。

 国会の資料提出要求に対して政府が内閣声明で拒否した事例は、一九五四年、造船疑獄事件をめぐり吉田内閣の法務大臣が検察当局に指揮権発動した問題での証言拒否の一件だけです。それ以外では、政府が国会の要求に応じてきたわけではありません。

 現実の国会は、国政調査権を行使する主体である委員会が政府に資料要求することを委員会の多数を占める政府・与党が阻むため、委員会の正式な要求にならない場合がほとんどです。内閣声明を要求するところまでいかないのが実態です。

 国会が本来の権限を行使できていない現実の上に、秘密保全のハードルをつくれば、国会は一層無力化されてしまいます。

 今、国会に問われているのは、国会に秘密保全体制をつくって特定秘密を提供してもらうことではありません。国民の目と耳、口を塞ぎ、国民の言論、表現を抑圧し、日本国憲法の基本原則を根底から覆す希代の悪法である秘密保護法を廃止することこそ求められているのであります。

 以上、申し述べるものです。

 その上で、最初に官房副長官にお尋ねいたします。

 職員への適性評価についてでありますけれども、国会への特定秘密の提供というのは、秘密法十条の公益上の必要による特定秘密の提供に基づいております。

 お尋ねするのは、事前の質問要旨にありました2ポツの2、3にかかわってのことでお尋ねしたいと思うんですが、十条一項一号は、国会以外の業務での提供においては、政令で定める措置を講ずることを求めていますが、政府は、その措置の中で適性評価を求めておりません。

 そうしますと、政府の監視機関とされる独立公文書管理監、情報保全監察室への特定秘密の提供も、公益上の必要による特定秘密の提供に基づいています。独立公文書管理監、情報保全監察室の職員は適性評価を受けるんでしょうか。

 また、十条一項一号は、国会以外の業務での提供においては、政令で定める措置に適性評価を含めていない。その理由は何かについてお答えください。

加藤内閣官房副長官 幾つかの御質問があったんですけれども、まず、特定秘密保護法第十条第一項第一号に基づく特定秘密の提供に関しては、適性評価についての規定は、政令にもないものというふうに承知をしております。

 それから、今おっしゃった独立公文書管理監等々の部分についても同様に、適性評価についての規定は、政令においてもないというふうに承知をしているところであります。

 私自身が法律の解釈をする立場ではないので、それについてお答えすることはできませんが、やはりそこに政令も含めて規定がないということを申し上げるにとどめさせていただきたいと思います。

塩川委員 第十条の公益の必要での提供というのは、特定秘密の取り扱いの業務ではないというところだと思います。

 法律上も政令上も、十条に基づく特定秘密の提供については適性評価を必要としておりません。それなのに、なぜ国会は適性評価をするんでしょうか。

鈴木法制局長 国会職員に適性評価を行う理由についてのお尋ねでございますけれども、国会法等改正案の国会における御審議におきまして、提出者は、情報監視審査会は、職員に適性評価を実施するなど、一般の委員会よりも手厚い保護措置を講ずる旨、そして、その結果、情報監視審査会は、一般の委員会に対して提出できないような特定秘密についても提出を受けることができるようになる旨答弁されているものと承知をいたしております。

 以上の提出者の考え方によって、国会職員にも適性評価を行うこととされているものと認識をいたしております。

塩川委員 手厚い保護措置を講じるといいますけれども、そもそも、特定秘密を出すか出さないかは政府の判断で決まるものです。法案提出者が、適性評価は行政機関の職員に対するものと同程度のものを想定していると答弁しておりましたけれども、政府の監視機関の職員には義務づけられていないにもかかわらず、国会職員に適性評価を課すのは矛盾するということを言わざるを得ません。

 こういった情報監視審査会の設置そのものに反対だということを改めて申し上げて、終わります。

林委員長 これにて発言は終わりました。

 それでは、国会職員の適性評価の実施に関する件の制定の件につきましては、お手元に配付の案のとおり決定すべきものと議長に答申するに賛成の諸君の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

林委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

林委員長 次に、次回の本会議及び委員会は、追って公報をもってお知らせいたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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