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第7号 平成15年7月23日(水曜日)

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平成十五年七月二十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 上田 清司君
   理事 小野 晋也君 理事 実川 幸夫君
   理事 原田 義昭君 理事 松岡 利勝君
   理事 島   聡君 理事 松原  仁君
   理事 江田 康幸君 理事 一川 保夫君
      荒井 広幸君    今村 雅弘君
      岩崎 忠夫君    岩屋  毅君
      梶山 弘志君    金子 恭之君
      北村 誠吾君    左藤  章君
      砂田 圭佑君    高木  毅君
      谷本 龍哉君    中本 太衛君
      西川 京子君    星野 行男君
      増原 義剛君    山本 明彦君
      吉野 正芳君    小泉 俊明君
      土肥 隆一君    永田 寿康君
      葉山  峻君    伴野  豊君
      前田 雄吉君    松野 頼久君
      赤羽 一嘉君    丸谷 佳織君
      黄川田 徹君    小沢 和秋君
      藤木 洋子君    大島 令子君
      中川 智子君    松浪健四郎君
    …………………………………
   国務大臣
   (防災担当大臣)     鴻池 祥肇君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   尾見 博武君
   政府参考人
   (防衛庁運用局長)    西川 徹矢君
   政府参考人
   (金融庁総務企画局参事官
   )            荒井 晴仁君
   政府参考人
   (消防庁長官)      石井 隆一君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育
   局長)          矢野 重典君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局次
   長)           三沢  孝君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   長)           河村 博江君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部長)    上田  茂君
   政府参考人
   (林野庁森林整備部長)  梶谷 辰哉君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房技術
   審議官)         森下 保壽君
   政府参考人
   (国土交通省都市・地域整
   備局長)         竹歳  誠君
   政府参考人
   (国土交通省河川局長)  清治 真人君
   政府参考人
   (気象庁長官)      北出 武夫君
   衆議院調査局第三特別調査
   室長           石田 俊彦君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月七日
 辞任         補欠選任
  奥谷  通君     原田 義昭君
同月二十三日
 辞任         補欠選任
  原田昇左右君     金子 恭之君
  堀之内久男君     西川 京子君
  山本 明彦君     吉野 正芳君
  津川 祥吾君     松野 頼久君
  細野 豪志君     永田 寿康君
  塩川 鉄也君     小沢 和秋君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 恭之君     原田昇左右君
  西川 京子君     堀之内久男君
  吉野 正芳君     山本 明彦君
  永田 寿康君     細野 豪志君
  松野 頼久君     津川 祥吾君
  小沢 和秋君     塩川 鉄也君
同日
 理事奥谷通君同月七日委員辞任につき、その補欠として原田義昭君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
六月六日
 火山災害に対応できるような被災者生活再建支援法の改正に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二九二六号)
 同(中川智子君紹介)(第三〇〇四号)
 同(阿部知子君紹介)(第三〇七一号)
同月十一日
 火山災害に対応できるような被災者生活再建支援法の改正に関する請願(菅野哲雄君紹介)(第三六三四号)
 同(田並胤明君紹介)(第三六三五号)
 同(高木陽介君紹介)(第三六三六号)
同月十二日
 火山災害に対応できるような被災者生活再建支援法の改正に関する請願(高市早苗君紹介)(第四一五七号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第四一五八号)
七月十五日
 火山災害に対応できるような被災者生活再建支援法の改正に関する請願(武山百合子君紹介)(第四一七四号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四二四四号)
 同(竹本直一君紹介)(第四二六八号)
 同(中津川博郷君紹介)(第四二六九号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四三二七号)
同月十八日
 火山災害に対応できるような被災者生活再建支援法の改正に関する請願(岩屋毅君紹介)(第四四〇六号)
 同(今川正美君紹介)(第四四三〇号)
 同(高木義明君紹介)(第四四三一号)
 同(小野晋也君紹介)(第四四六三号)
 災害被災者の生活と住居・店舗再建の公的支援制度の改善に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第四四四九号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四四五〇号)
同月二十三日
 火山災害に対応できるような被災者生活再建支援法の改正に関する請願(木島日出夫君紹介)(第四五七四号)
 同(佐藤静雄君紹介)(第四六九九号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第四七〇〇号)
 同(中林よし子君紹介)(第四七〇一号)
 災害被災者の生活と住居・店舗再建の公的支援制度の改善に関する請願(木島日出夫君紹介)(第四五七五号)
 同(中川智子君紹介)(第四七〇二号)
 同(中林よし子君紹介)(第四七〇三号)
 同(松原仁君紹介)(第四七〇四号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第四七〇五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 災害対策に関する件(七月梅雨前線豪雨による被害状況等)
 災害対策に関する件


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     ――――◇―――――
上田委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ちまして、謹んで御報告を申し上げます。
 本委員会の理事として御活躍されました奥谷通君が、去る八日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。
 さらに、このたびの七月梅雨前線豪雨災害により、多数の方々がお亡くなりになりました。心から哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、負傷された方々には一日も早い回復を、現在行方不明になっておられる方々には一刻も早い救出をお祈り申し上げます。
 ここに、委員各位とともに故奥谷通君とこのたびの災害によりお亡くなりになられた方々に対し心より御冥福をお祈りするため、謹んで黙祷をささげたいと思います。
 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
上田委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ――――◇―――――
上田委員長 それでは、議事に入ります。
 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
上田委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に原田義昭君を指名いたします。
     ――――◇―――――
上田委員長 次に、災害対策に関する件について調査を進めます。
 去る七月十六日に実施いたしました三宅島噴火災害の復旧状況等調査につきまして、その概要を私から御報告申し上げます。
 当日の視察委員は、自由民主党の実川幸夫理事、民主党・無所属クラブの島聡理事、松原仁理事、公明党の江田康幸理事、自由党の黄川田徹委員、日本共産党の藤木洋子委員、社会民主党・市民連合の中川智子委員、そして私、上田清司であります。
 御承知のように、三宅島の火山活動が活発化してから三年が経過いたしましたが、有害な二酸化硫黄を含む火山ガスの大量放出により避難生活は長期化し、いまだ帰島のめどが立っていない状況であります。
 本委員会は、去年五月にも、同様の視察を行いましたが、今回の視察は、本格帰島後の生活の支援策等について検討するためにも、被災現場に立ち、被害状況や復旧事業の進捗状況について調査することが必要であるとの認識に基づき実施したものであります。
 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。
 視察委員は、市ケ谷の防衛庁からヘリコプターに搭乗し、三宅島空港に到着した後、島を周回する都道二百十二号線に沿って視察を開始いたしました。
 初めに、三池地区において、家屋の被害状況を視察いたしました。この地区は火山ガスによる影響を最も大きく受けた地区で、トタン屋根が腐食し、一部青いビニールシートによる仮補修の様子が見られました。島全体での屋根の被害件数は六百九十九件で、修繕実績は六百五十二件に上っています。
 次に、神着地区において、軒まで泥流に埋もれた家屋を視察いたしました。全島避難に伴い、シロアリが増殖したことによる住宅被害も深刻で、駆除事業が実施されております。
 その次に、川田沢の砂防ダムを視察いたしました。同ダムは昨年三月に完成しましたが、既に泥流が流れ込んでおりました。島内では二十八基の砂防ダムが完成しており、現在、二十三基のダムを建設計画中とのことでありました。
 その後、伊豆地区の高台に位置する島民用のクリーンハウスに到着いたしました。
 ここでは、東京都の中村危機管理監等から、災害復旧状況、避難島民の方の生活状況及び火山ガスの放出状況等について説明があり、視察委員からは、火山ガスの終息の見通し、島民の方の就労状況、クリーンハウスの使用に係る経費負担のあり方及び脱硫装置の稼働状況等について発言があり、東京都、三宅村関係者との間で意見交換を行いました。
 引き続き、クリーンハウスについて説明を聴取した後、施設を視察いたしました。
 クリーンハウスは今年三月末に完成し、三百二人の収容が可能で、施設内には脱硫装置、火山ガス濃度のデジタル表示計等が設置されておりました。
 今年四月からはこの施設を活用した三泊四日の滞在型一時帰宅が開始されており、今後、同施設が帰島準備のための拠点施設として大いに活用されることが期待されております。
 次に、伊ケ谷地区において、泥流被害のあった谷筋を視察いたしました。
 その後、泥流による道路被害により島内に五カ所設置されている仮橋の一つである空栗仮橋を車中から視察した後、雄山の中腹にある村営牧場に向かいました。
 村営牧場のあたりは大量の降灰で埋まった黒い地面が広がり、周囲の樹木は白く立ち枯れており、荒涼とした風景でありました。また、噴石を受けて破れた牛舎の屋根が、噴火の激しさを物語っておりました。
 次に、立根仮橋を車中から視察した後、昨年の台風二十一号で被害を受けた坪田漁港を視察いたしました。
 今回の視察を通じて、本格帰島に向け最大の障害となっているのが、今も雄山山頂から大量に放出されている有害な火山ガスの存在であることを実感いたしました。
 島民の方の早期帰島の願いを受け、道路や砂防ダムなどの復旧工事は着々と進んでいるとの印象を受けましたが、火山ガスが終息する見通しが立ち、帰島のめどがついた場合には、一日も早い帰島を実現するため、今後、村営住宅の建設、学校の復旧や自由に使える電気、水、ガスなどの生活基盤の整備を具体化させることが重要であると認識した次第であります。
 以上が委員会視察の概要であります。
 なお、今回の視察に御協力いただいた東京都、三宅村、航空自衛隊のヘリコプター空輸隊などの関係各位に心からお礼を申し上げ、報告といたします。
    ―――――――――――――
上田委員長 次に、七月梅雨前線豪雨による被害状況等について政府から説明を聴取いたします。鴻池防災担当大臣。
鴻池国務大臣 このたびの七月梅雨前線豪雨災害により、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、行方不明の方の一刻も早い救出をお祈りいたしますとともに、被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
 被害状況につきましては、消防庁の調べによりますと、熊本県等におきまして、土石流等による死者十六名、行方不明者七名、負傷者二十名となっております。また、住家被害につきましては、熊本県、福岡県等におきまして、全壊二十九棟、半壊・一部損壊百八十九棟、床上浸水・床下浸水六千二百六十六棟の被害が発生しております。
 土砂災害につきましては、国土交通省の調べによりますと、土石流が七カ所、がけ崩れが二十八カ所となっております。
 また、農林水産業施設、道路、河川、砂防、水道等の公共施設及び文教施設につきまして、多数の被害が生じております。
 その他の被害の状況等につきましては、別添資料のとおりでございます。
 次に、政府の対応でございますが、災害発生に伴い、現地からの被害情報の収集を行うとともに、自衛隊や警察の広域緊急援助隊を派遣し、現地の消防、警察機関等関係機関と連携して、人命救助、行方不明者の捜索活動や水防活動を実施するなど、総力を挙げて応急対策を行っているところでございます。熊本県水俣市等において土砂災害が発生しました七月二十日午後三時には、災害対策関係省庁連絡会議を開催し、政府として情報を共有するとともに、災害応急対策の実施と速やかな復旧を図ることを確認いたしました。
 さらに、被災現地の状況把握と応急対策の迅速かつ的確な実施に資するため、昨二十二日には、私自身、十一省庁三十四名から成る政府調査団の団長として、熊本県及び鹿児島県の被災現地を調査してまいりました。
 実際に現地の惨状を目の当たりにいたしまして、改めて今回の豪雨災害による被害の大きさ、悲惨さを再認識した次第であります。
 特に、昨日は、被災者の方々の声もお聞きし、地方公共団体からの御意見、御要望も承りましたので、これら生の声を踏まえて、地方公共団体とも連携して、引き続き行方不明者の捜索活動に全力を尽くすとともに、被災者に対する支援、被災地の速やかな復旧につき、政府一体となった対応を行ってまいりたいと考えております。
 なお、要望のありました激甚災害の指定につきましても、復旧事業費の確認作業を速やかに行うよう指示しているところであります。
 また、同時に、今回、被災現地の調査を踏まえて、防災担当大臣として土砂災害対策を初めとした防災対策にも万全を期してまいりたいと考えております。
 以上、報告させていただきます。
    ―――――――――――――
上田委員長 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官尾見博武君、防衛庁運用局長西川徹矢君、金融庁総務企画局参事官荒井晴仁君、消防庁長官石井隆一君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、厚生労働省職業安定局次長三沢孝君、厚生労働省社会・援護局長河村博江君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君、林野庁森林整備部長梶谷辰哉君、国土交通省大臣官房技術審議官森下保壽君、国土交通省都市・地域整備局長竹歳誠君、国土交通省河川局長清治真人君及び気象庁長官北出武夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
上田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
上田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。実川幸夫君。
実川委員 おはようございます。自民党の実川でございます。
 六分間という限られた時間でございますので、早速質問に入らせていただきます。
 先ほど委員長からも報告がございましたように、先週十六日水曜日でしたか、当委員会で三宅島の方に現地視察をしてまいりました。詳しくは委員長からもお話がありましたけれども、約四時間半、東京都の職員また三宅村の職員の皆さんの御案内をいただきまして、クリーンハウス、道路あるいはまた防災関係の現地視察をしてまいりましたが、インフラ整備というものはほとんど順調に進んでいるような感じがいたしております。
 ただ、水曜日でしたので、現地の皆さんとはお会いできないのが少し残念でしたけれども、東京都の皆さんの説明によりますと、やはり三年近く島を離れておりますので、島民の皆さんのお考えというものが、望郷というものがさらに厳しくなってきた、そういうようなことを言われておりました。まだ安全宣言が出ておりませんけれども、さらに政府といたしましても一層の努力をしていただきたい、このように思っております。
 そこで、大臣にお伺いをしたいんです。
 この三宅島の復興はもちろんですけれども、先般、二十日未明に起きました九州の災害、これらを含めた防災対策、さらには、先般行われました全国知事会での住宅再建を含めた被災者支援制度につきましても、大臣からのお考え、そして防災対策に対します決意をお伺いさせていただきたいというふうに思います。
鴻池国務大臣 私も、昨年九月三十日に大臣に就任をいたしまして、十月初旬に三宅島の方に参上いたしました。その後の復旧の経緯につきましても、大変進んでおることに喜びを感じておりますし、また、クリーンハウス等が実用化されて、一時帰島にお役に立っておることも、大変結構なことだと存じております。ただ、問題はガスの終息、これにかかるところであろうかと思いますが、祈るような気持ちで、まさに島民の皆さんが帰島されるその日を心待ちにいたしておるところでございます。
 さて、具体的な御質問でございますが、内閣府といたしましても、政府全体の見地から、災害対策の企画立案及び総合調整を行うほか、大規模な災害発生時には、私が陣頭指揮をとって、災害応急対策を推進いたすところでございます。防災担当大臣といたしましても、阪神・淡路大震災で実際に私自身も被災をいたしました経験も生かしながら、関係各省庁と連携を図りつつ、災害に強い国づくりを目指していかなければならないと思っておるところでございます。
 次に、被災者支援についてのお尋ねでございますが、現行の被災者生活再建支援法の附則により、住宅再建支援についての検討を行うこととされているほか、同法の制定時に附帯決議によって、施行後五年をめどに総合的な検討を行うとされております。
 それらを踏まえて、全国知事会が、去る七月十七日に、自然災害被災者支援制度の創設等に関する緊急決議を取りまとめられておるわけでございます。これは、現行の生活再建支援制度の見直しを行うこととあわせ、都道府県が新たに資金を拠出して、公的資金、公的支援による住宅再建支援制度を創設することとして、そのための立法措置等を国に求めるものでございます。
 長年の経緯のある課題について、知事会議の場で都道府県の意見集約がなされたことは、国としても真剣に受けとめたいと思っております。今後、内閣として、知事会における要望内容等を十分にお聞きして、安定した居住確保のための支援策も含めた被災者生活再建支援の充実について、平成十六年度予算編成過程を通じまして、関係各機関と調整の上、必要な措置を講じてまいる所存でございます。
実川委員 終わります。
上田委員長 次に、西川京子君。
西川(京)委員 鴻池大臣には、早速現地に視察に行っていただきまして、本当にありがとうございました。お疲れさまでございます。
 私と、後ほど御質問されます金子議員、地元の議員でございます。七月の二十日、その当日に、県の副知事そして市長とともに現地に入りました。つぶさに被害状況を見てまいりました。本当に、大勢の方々が亡くなられ、心から御冥福をお祈りしたいと思います。
 私は、その中に、同じ町内に住む知人が現地に行きましたらおりまして、どうしたのと言いましたら、私の実家なんですというお話を聞きまして、もう本当に自分の身近にこういうことが起こるんだということを実感いたしまして、災害の恐ろしさ、山国の宿命とはいえ、災害の恐ろしさを痛感した次第でございます。
 その中で、私、一つここでぜひ皆さんに御披露したいなと思うことがございます。実は、自衛隊の派遣の問題なんでございますけれども、このとき、たまたま水俣市が港まつりというのをやっておりまして、港に「おおよど」という海上自衛艦が停泊しておりました。その中で、避難勧告が出た後に、自発的にそこの艦員の方三人を水俣市に派遣いたしまして、何かすることはないかということで、艦長の非常に賢明な御判断で、即座に、七時二十分ごろには現地に自衛隊が六十名から七十名ほど入ってくださいました。これは本当に最初の数人の方々の命を救った大きな力になったと思っております。いかに初動出動ということが大事かということを実感いたしました。
 その中で、やはり県を通じての自衛隊の出動のお願いということは、そこに別におくれがあったとは私は申し上げませんが、当たり前の手続をとった中で、実際に皆さんが入られたのが十一時近くだったということを考えますと、いかに迅速に、地方の本当の被害を知っているのはそこの自治体の長です、そこから何とか実際に出動の要請ができないのかという思いを強くいたしました。その中で、防災課長にお聞きいたしましたら、一応そういうシステムは阪神大震災以後できていると、ただし、その要件が、県庁と連絡が通じないとか、非常に幾つもの厳しい要件があるということはお聞きしています。
 その中でぜひ、大きな隊が一挙にだあっと動くのは、全国自治体から要請されるのはとんでもない話でございますけれども、地域の小さな一個師団ぐらい、百人ぐらいが即座に自治体の要請によってある程度動けるというシステム、これは何とかできないのでしょうか。その辺をお聞きしたいと思います。
西川政府参考人 お答えいたします。
 今、先生、水俣の話につきましてでございますが、当方の自衛艦隊の船がたまたまおったということでございます。
 これにつきましては、当日、二十日の日に、午前五時二十分ごろにもう既に熊本の部隊から水俣の方に四名の人間が連絡要員という格好で出ております。たしか、七時二十分か十五分でございますが、災害派遣の要請が参りました。この中で、自衛隊といたしましては、これらの件につきましては、当然、官の方にも実はこの要員が行って、市役所の皆さん方と連絡調整しながら、官の方にも連絡した、こういうふうな体制をとっております。
 先生の御指摘のように、なるべく早く各部隊をと。一つの大きな塊でどっと行くわけにいきませんけれども、それは連絡調整員を通じまして、必要な都度どんどん出せるように、そういう形で運用しておるところでございます。
 特にこれから、市町村の関係の体制というのが非常にうまくできているという話でございますが、実際に我々としてもそれをいかにうまく回すかということで、この連絡要員の運用、それから、常日ごろから各市町村を回りまして、こういうことがある、ああいうことがある、いろいろなことを周知徹底のために資料を持ち回って御連絡しておりますので、ぜひともそのあたりを、常日ごろから連絡を、協調関係をつくっていただいて、我々として一刻も早く出せるような体制をしていきたい、このようには考えております。
西川(京)委員 ありがとうございます。非常に柔軟な運用方法というんでしょうか、ぜひそれを考えていただきたいと思います。
 先ほど鴻池大臣から激甚指定に向かって精いっぱい今調査中ですというお答えをいただきまして、大変心強く思いました。
 これは、もちろん水俣市、大変な人的被害、そしていろいろな被害を受けたのですが、実は私はその隣町に住んでおります。山を境にして反対側が私の津奈木町というところでございます。そしてその隣が芦北町でございます。雨量はほとんど同じくらい降っております。人的被害だけがないという状況の中で、湯浦川では橋が流れました。また、津奈木川では堤防がずたずたに壊れておりまして、農地、林道に至ってはずたずたの状況でございます。ぜひ、水俣市のみならず、水俣、芦北地域全体への激甚被害の御配慮をお願いしたいなと心から御要望申し上げます。
 それとともに、先ほど実川先生の方からのお話もありましたが、今回、個人の家屋の全壊、半壊、流出などについての公的支援ということを全国知事会で申し合わせがあったそうでございますが、ぜひこの住宅再建の問題についても、私からもくれぐれも強く要望したいと思います。
 御答弁、一言お願い申し上げます。
鴻池国務大臣 現地に行ってまいりまして、水俣市長からも強い御要請をちょうだいいたしておるところでございます。
 御存じのとおり、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づきまして、激甚災害の指定につきましては、復旧に要する事業費、被災地方公共団体の財政状況や農業所得推定額等の客観的な推定基準に基づき判断するものでございまして、この作業をとにかく急ぐようにということで、私の方もお願いと指示をいたしたところでございます。
 現在は、御存知のとおり、いまだに行方不明者の救出のことに全力を挙げておるところでございまして、一応、一段落がつきますれば、この件、復旧に関しても十分な対処をしなければならぬ、このように思っております。
西川(京)委員 ありがとうございました。
 改めまして被害者の御冥福を祈り、そして、まだ不明でいらっしゃる方々が一刻も早く御家族のもとにお帰りになられるようにお祈り申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
上田委員長 次に、金子恭之君。
金子(恭)委員 自由民主党の金子恭之でございます。西川委員に引き続きまして、九州を襲いました豪雨災害につきまして質問をさせていただきます。
 西川委員とともに、災害が起きました当日、市長、県議とともに現地を見させていただきました。本当に災害の恐ろしさ、自然の脅威というのを肌で感じたわけであります。それと同時に、現地に行きましたら、被災をされた家族の皆さん方が非常にもう涙ぐんで救出を祈っていらっしゃる姿、そしてまた、自衛隊、警察、消防団、ボランティアの方々が一生懸命もう人海戦術でやっていらっしゃった姿に対しまして本当に敬意を表しますし、また亡くなられた方に、御冥福を申し上げます。まだ不明の方がいらっしゃいますので、一日も早く発見されますことを心よりお祈りしている次第でございます。
 そういう中で、鴻池大臣におきましては、昨日、各省庁の担当者の方を連れていただきまして現地を見ていただきました。多分、もうその悲惨さを肌で感じていただいただろうし、避難所にいらっしゃる被災者の方々とも話をしていただいたわけでございます。
 この対応につきましては、やはり災害の復旧作業と被災者への支援というのが大きな二つの柱ではなかろうかなと思います。今、実川先生、西川先生の方からもお話がございました。この災害復旧につきましては大きな費用と時間がかかるわけであります。今それぞれ頑張っていただいているわけでございます。そういう意味では、激甚災害指定をぜひお願いする次第でございます。
 それと、もう一方で、被災者の方と大臣も面と向かってこられたわけでございますが、今、おかげさまで災害救助法の適用をしていただきました。これはあくまでも一時的に被災者の方を、現物支給といいますか、避難所におかれて毛布とか衣類とか食料、そういったものを支給する制度であると聞いております。そういう意味では、これから生活を支援していく、被災者の人がこれから立ち上がっていくためには、被災者の支援というのが一番重要なことではなかろうかなと思っております。大臣の現地を見られた上での意気込みというものを教えていただければと思います。
鴻池国務大臣 昨日現地に参りまして、被災者の方々ともお話を申し上げる機会をちょうだいいたしました。まさに金子委員のお気持ちと私の気持ちは全く同じところにあると存じております。つらいでしょうけれども、悲しいでしょうけれども、頑張ってくださいと、それしかございませんでした。そして、市、県、国を挙げて、連携をしっかり保ちながら、皆様方が、もとのとおり戻るわけにはまいらぬかもしれぬけれども、もう一度立ち直っていただくように努力をしたい、このように申し上げてまいりました。
 今、具体的に金子委員の方からお話がございましたが、すでに福岡県飯塚市および穂波町、また水俣市に災害救助法が適用されました。避難所の設置、炊き出し等あるいは食品の給与等の支援が実施されているところでございますが、今後は災害援護資金の貸し付け、住宅が全壊または半壊し、やむなく解体した世帯につきましては被災者生活再建支援金の支給など、被災者への施策というものが考えられるところでございますので、現地、県、市と国とさらにいろいろと打ち合わせをしながら、先ほど申し上げた、被災者の皆さん方が一日も早く立ち直っていただけるように努力をしたい、このように思っております。
金子(恭)委員 大臣、ありがとうございました。
 本当に、災害復旧とともに、被災者対策の方、今、大臣からお述べいただきましたように、お取り組みをいただきたいと思います。
 それと、これは大臣の管轄ではないと思いますが、厚生労働省の担当でしょうか、現地に行きまして、ボランティアで頑張っていただいている方には頑張ってくださいということで励ます方法はあるんですが、被災をされた方、特に、御家族を亡くされたり家をなくされたり、そういった方々もいらっしゃいます。それと同時に、辛うじて、運よく自分の家は何とか残った御家庭もあるわけであります。しかし、家族を失い、家をなくした方、それから、そこにこれからも住んでいかなければいけない方々は、やはりそのときのことを考えれば、なかなか夜眠れないこともあるでしょうし、これからこれをずっと引きずっていかれるのではなかろうかなと思うわけであります。
 そういう意味では、被災者に対する心のケアというのがこれから非常に重要ではなかろうかなということを痛切に感じてまいりました。私自身でさえ、何と声をかけていいかわからないんですね、頑張ってくださいと言っていいのか。そういう意味では、これは私たち素人ではなくて、やはり専門家が、国がそういう心のケアができる人できちんと対応していく。これはもう多分、阪神・淡路大震災の時点で対策はとっていらっしゃると思いますけれども、そのことも含めまして、政府側から、そのことに対する対応についてお教えいただきたいと思います。
上田政府参考人 ただいま先生御指摘のように、被災者に対する心のケアは非常に重要であるというふうに認識しております。
 これまで厚生労働省におきましては、平成十三年度より、医師、保健師等に対しまして、PTSD、心的外傷後ストレス障害の専門家の研修事業を実施しておりますし、また、ことしの一月に、災害時地域精神保健医療活動ガイドラインを公表したところでございます。また、保健所や精神保健福祉センターにおける心のケアに関する相談などの施策に取り組んできたところでございます。
 今回の被災者に対しましては、地元の自治体が中心となりまして、心理に関する専門家を被災地に派遣するなど、被災者の心のケアに当たっておられますが、私ども厚生労働省におきましては、地元自治体に対し、被災者の心のケアに関しての情報の提供や助言を適宜行っているところでございまして、今後とも、適切に心のケアが実施されるような体制に努めてまいりたいというふうに考えております。
金子(恭)委員 どうもありがとうございました。
 大臣並びに政府に、改めてまた、この災害に対する対応、そして今後の対応に対しましてお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。
上田委員長 次に、松原仁君。
松原委員 民主党の松原仁であります。
 質問に入る前に、このたびの七月梅雨前線豪雨災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族に対し深く哀悼の意を表します。また、行方不明の方の一刻も早い救出をお祈り申し上げます。
 質問に入らせていただきます。
 私たち委員会は、七月十六日に、三宅島の噴火災害の復旧状況の視察調査ということで、三宅島を訪れたわけであります。私は、災害対策特別委員会にずっと籍を置かせていただきましたので、三宅にこういった形で行くのも三回目になろうかと思っておりますが、行くたびに三宅の表情は変わってきていると思います。
 災害の生々しさというのは最初に行ったときの方が極めて強烈に印象に残っているわけでありますが、ある意味で、最初に行ったときは、被害が少ないところ、また風向きによって、さまざまな、その後の被害も余りないところでは、人の気配を感じるような部分すらあったという印象でありました。
 二度、そして三度目の、この七月の十六日にお伺いした段階においては、ある意味で、落ちついたということは落ちついたわけでありますが、この落ちつくのがいいのかどうかという議論も一方にあろうかと思います。人の気配は最初のときに比べたらやはり少し少なくなっているような気もいたしますし、また、バスに乗りながら島内の一周をした段階では、特に屋根が、最初はそこまで気がつかなかったわけでありますが、トタン屋根等が雨によって腐食し穴だらけになっている。穴だらけになっているどころか、屋根そのものが三分の二ぐらいなくなってしまっているような被災家屋も随分と見たわけでありまして、そういった意味では、時間とともに、徐々に、この災害が今もなお現在進行形で進んでいるというふうな認識を強くしたわけであります。
 ある意味で、この三宅の災害というのは、今も続いている災害であって、通常の災害復旧というのは、その災害が終わった後復旧をするわけでありますが、復旧を一方でしながらも災害もなおかつ続いているという、極めて特異なことであるということをまず認識しながら、質問に入りたいと思います。
 気象庁にお伺いしたいわけでありますが、毎回私も質問しておりますこの火山性ガス、実際、今回、七月十六日に我々が三宅島を訪問した際にも、若干鼻をつくようなガスがありました。一緒に回っていただいた現地の方の話では、このレベルではマスクはしないということでありましたが、ちょっとせき込むような場面もあったわけでありまして、この火山性ガスは今どんな推移になっているのか、そしてまた、いわゆる地震等はどんなふうになっているのか、現状の分析と、それから、できればある程度未来への展望も含めて、御答弁をいただきたいと思います。
北出政府参考人 お答えいたします。
 三宅島では、依然として、山頂火口から二酸化硫黄を含む火山ガスが放出され続けております。二酸化硫黄の放出量につきましては、平成十二年秋以降ゆっくりと減少しておりまして、最近数カ月では、一日当たり三千から一万トン程度と、おおむね横ばい傾向となっております。山ろくでの二酸化硫黄濃度も、平成十三年前半には一〇ppmを超す値がたびたび観測されておりましたけれども、本年四月から六月にかけての最大値は八ppm程度でございました。また、島内のいずれかの観測点で、一般の人に対して注意を呼びかける必要のございます二ppmを超す値を観測した一カ月当たりの日数は、五月は十八日、六月は十七日となっております。三宅島における地震活動につきましては、人が揺れを感じるような地震は一カ月間に数回発生する程度でございまして、低いレベルで推移しております。以上が現状でございます。
 今後の見通しについてでございますが、活動は全体としてゆっくり低下していくものと考えられます。また、火山ガスについても、大局的には低下していくものと考えておりますが、当面は火山ガスの放出が続くものと考えられます。
 以上でございます。
松原委員 結論からいけば、まだまだ、三宅における火山ガスの噴出にいたしましても、また地震においても、この災害以前の通常の時期よりは現在も活発であって、そういった意味では、帰島段階になっていない、こういう認識なんでしょうか。ちょっとお伺いしたいと思います。
北出政府参考人 今、先生がおっしゃいましたように、活動が非常にゆっくり低下しておりまして、まだ住民の方が十分注意をしなくてはいけないという二酸化硫黄の濃度でございますし、帰島には、まだ十分おさまっていないという認識でございます。
松原委員 火山ガスの状況、また地震の状況を考えるときに、従来からこの委員会ではたくさんの委員も質問してきたわけでありますが、火山ガスもしくは災害との、共生と言うと大変に言葉が難しいわけでありますが、島を維持するには、明らかに島は時間とともに人けもなくなっている、また、先ほど申し上げましたように、家屋を見ても、シロアリ被害を含めて、徐々にではありますが、明らかにやはり進んでいる。そういった意味では、どこかでこの状況を何とかしなければいけないわけであります。
 私は、もう現実には、戻って、帰島して住むならば、そろそろ物理的な限界点に一つ達しているのではないかというふうにも認識をいたしております。また、内地、東京のさまざまなところに分散をして暮らしておられる三宅の皆様にとっても、春と夏と秋と冬が三回、四回と過ぎることになれば、精神的にそろそろ限界に達しているのではないかというふうに思うわけであります。したがって、そろそろ、どこかのタイミングで何かをもって決断をする、もちろん、これは三宅島、村が決断をするわけでありますが、決断をする時期に来ているんだろうと思っております。
 それに先立って、火山ガスとの共生も含め、この委員会でもクリーンハウスをつくろうというふうなことになったわけであります。このクリーンハウスが、今回、我々も訪問いたしまして、大変すばらしいものができているわけでありますが、このクリーンハウスに今までどれぐらいの方々が行かれたのか、一巡するのにまだまだ時間がかかるということも言われておりますが、このことにつきまして尾見政策統括官にお伺いしたいと思います。クリーンハウスの今の現状、活用についてであります。
尾見政府参考人 クリーンハウスの利用状況といいますか、そのお尋ねでございます。
 クリーンハウスには工事関係者とか現地の作業の方のクリーンハウスもあるわけでございますが、先生のお尋ねは、この四月以降、三月に完成したクリーンハウスの利用状況ということだと思います。
 それで、今手元に詳細な資料を持っておりませんが、この四月から本格帰島が行われておりますので、毎月大体二百五十人ぐらいの定員で予定をしておりますが、実際には八十人から百人ぐらいの方々が一回に行かれます。そこで、月に大体二交代ぐらいだろうと思いますが、そういうことで合算した数字というようなことになるんではないかと思います。ちょっと手元に正確な数字を持っていなくて恐縮でございますが、そういうことでございます。
松原委員 そうすると、特に全島の皆さんがクリーンハウスを使って一時帰島、ショートステイ型帰島をするというのは、今スタートしているわけでありますが、おおむねあと何カ月ぐらいでこれが一巡するのかをお伺いしたいと思います。
尾見政府参考人 現在のところ、四月から始めまして九月までというふうなことで計画をさせていただいております。
 そこで、先ほどの先生のお尋ねの数字でございますけれども、四月十八日から全体で十二回ほど行われております。それで、全体として、七百七十三世帯、千二百二十二人の方が今まで実績としては利用されております。
 島外に避難されている方が避難時に三千八百人程度だと思いますので、そういう方々のうち、御希望される方、実際に行ける方、そういう方も一応制約があると思いますが、今回の九月までの中で、基本的には、そういう御要望におこたえをして一時帰宅ができることになるんではないかというふうに考えております。
松原委員 九月までで大体一巡するということになれば、そこである種の、村の、島民の皆さんの意識というのは出てくるんではないかと私は思うんですね。実際、自分で自分の家屋を現実に調べてみて、これだったら戻ってやってみようかな。まあ、その日によって火山性ガスの濃度は違うわけで、私も三回三宅に行って、ある意味では今回が一番濃度が強かったような気がしております、中腹の牧場のところで。ですから、行った段階で濃度がどうかというのはそれぞれ議論がありますが、しかし、まあこれだったらおおむね戻れるんじゃないかなとか、そういう意思決定をそれぞれの島民がすることが、恐らく九月一巡でいくんじゃないかなと私は思うんです。
 逆に言えば、そこの段階ぐらいまでで決めないと、先ほどの気象庁の話でも、なかなかこれは終わらないわけですよ、すぱっとこの段階ぐらいで終わるだろうという議論には到底及ばないわけでありますので、そういった意味で、私は、やはり九月までで、島民の意識の中で、これぐらいだったら災害と共生するかというふうな結論が出るのかどうか。私は、それがこのクリーンハウスということの大きな意味になっていると思うのであります。
 仮に、そこでいよいよ火山ガスや地震と共生してやっていこうということを島民の多くの方々が、若干リスクをしょうということになるのかどうかわかりませんが、決定する、村長さんも、よし、やろう、村長だけではなかなか決断できないでしょうから、知事も含めて、さらには鴻池大臣も含め、よし、やろうというふうな、事実上、実態としてはそういう皆さんの意思決定が行われる際に、そうはいっても、先ほどの気象庁の話であれば、火山性ガスにしてもそんな簡単におさまる議論にはなっていないわけであります。
 そこで、一つはクリーンハウス、今、ああいった場所に大変すばらしいものができたわけでありますが、このクリーンハウスをもう少しつくる必要が発生するのではないかと私は思っております。というよりは、もとより三宅島は五つの集落があったわけでありますので、五つの集落に全部クリーンハウスができてもクリーンハウスだけで全員をフォローできるわけではありませんが、クリーンハウスをもう少しつくろうというふうな声が、つくってほしいという声がうつぼつとして九月まで一巡した島民の方々から上がってきたときに、これをつくろうということが意思決定できるのか。
 その場合に、これは予算的なものもありますが、消防庁はいろいろと御援助していただいているわけでありますが、どのような思いでおられるのか、お伺いしたいと思います、消防庁。
石井政府参考人 お答え申し上げます。
 消防庁としては、平成十四年度に、今お話に出ましたクリーンハウスの建設に当たりまして、消防防災等施設整備費補助金により対象経費の二分の一を補助させていただき、七億千四百万でございます。
 今お話に出ましたが、この三月末にともかく竣工したばかりということでありますので、今のところ、追加的につくってほしいというような話はまだお聞きしておりませんけれども、今後の火山活動の状況でありますとか帰島の状況等を踏まえまして、仮に、例えば三宅村から具体的な要望がありました場合には、関係省庁あるいは東京都等の御意見も伺いながら検討させていただきたいと思います。
松原委員 つまり、そういった要望があれば、それは島に十個も二十個もできないわけでありますが、幾つかについては前向きに検討する、こういうふうな理解でよろしゅうございますか。
石井政府参考人 まだ具体的な御要望を何もお聞きしていませんので。ただ、実際にそういうことが島民の非常に強い御要望として出てきた場合には、真剣に検討せざるを得ないんじゃないか。ただ、地方負担とかいろいろなこともございますので、村当局、村民の皆さんの今後の御意向を承りたいと思っております。
松原委員 貴重な答弁と思って理解しております。ありがとうございます。
 そういった中において、現実問題として、では、現実に住もう、九月まで一巡した島民の皆さんが、よし、これはやはり自分のふるさとを捨てるわけにいかない、住もうではないか、こういうふうに思ったときに、やはり大きな障壁になるのが降灰の問題であります。
 降灰の問題については、しかし、従来は、私有財産の敷地内のものはそれを除去できる、できないという議論がありましたが、先般お伺いいたしましたら、堆積土砂排除事業という中の、具体的には第二の「定義」の中の第九項のハで、これは現実には排除できるというふうな認識ということでありますが、このことを国交省にお伺いしたいと思います。
竹歳政府参考人 お答えいたします。
 降灰の除去についての、堆積土砂排除事業についてのお尋ねでございます。
 現在の三宅島の火山噴火に伴います降灰に係る災害は、その後の降雨による影響等もありまして、火山灰と土砂がまじって市街地に流入し、堆積している状況でございます。これらの土砂を排除するため堆積土砂排除事業というのがございまして、この実施について現在、東京都、三宅村と協議を進めているところでございます。
 先生御指摘のとおり、堆積土砂排除事業では、一定の基準量以上の土砂を地方公共団体が排除する場合等、一定の条件に該当する場合には、個人の宅地内の土砂排除も含めまして、その費用の一部を国が助成できる、このような仕組みになっておるわけでございます。
松原委員 そういうことでありますが、現実問題としては、この条文を使えば三宅のそういった降灰は実態としてはかなり除去できるというふうに風聞をしているわけでありますが、あとは行動とスピードであります。そのことについては既に方針等はどういうふうになっているのか、そしてまた、具体的な作業日程等が上がっているならばお伺いしたいと思います。
竹歳政府参考人 現在のところ、具体の作業、現地査定ということまでは実施しておりませんが、当然、我々としてはどれぐらいの土砂が堆積しているかということまでは把握をしておりまして、現在、東京都、三宅村と協議を進めて対応したい、このように考えているわけでございます。
松原委員 やはりそういったものは、いろいろな、ダムをつくって当然、今後の災害に備えるということも大事でありますが、目の前にあって積み残されている災害を除去するということは、ある意味でそれに増して重要なことだろうと思っております。そういった意味では、この都市災害復旧事業国庫補助に関する基本方針の条項を使いながら、ぜひとも前向きに御検討いただきたいと思います。
 そういうことで、九月以降、決断がなされるのではないかという期待、そうしなければいかぬのではないかという思いを込めながらでありますが、逆に言えば、まだまだそれがさらにずれ込む可能性もある中で、被災した皆さんは大変に厳しい生活をしているわけであります。三宅にいれば食べ物もたくさん、野原にあるとは言いませんが、いろいろなところで、海もそこにあるしということでありますが、東京であればそうはいかない、内地であればいかないわけであります。
 そういう中で、やはり被災者の再建というものが非常に問題になってくる。既に一回そういったお金、お金というか、物を買うためでありますが、冷蔵庫等を買うということも含め、支給はされているわけでありますが、従来と違う長期のものについては、一定期間を経て、二年なり三年なりで見直しをし、もう一回検討を加え、ワンクールが終わってツークール目に入ったと思われるところで、もう一回カンフル剤を打つような御配慮というのは実は必要ではないか。
 というのは、特に三宅の場合は海でありますので、簡単に歩いて戻って何かしようということはできない。事実上、自分の財産に関して朽ちるのを外から祈るようにして見ているしかないという状況も考えれば、私は、従来の生活再建支援とは異なって、やはりここら辺でもう一回、さらに議論をし、またそれを出すということも検討俎上に上げるべきだと思います、極めて異例でありますので。
 大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
鴻池国務大臣 松原委員の、まさに理路整然とした御主張を拝聴いたしておりました。
 ただ、三宅島の避難住民についての被災者生活再建支援金の支給というものにつきましては、おおむね支給限度額まで支給されておるということでございまして、再支給ということにつきましてはいささか困難であるというふうに認識をいたしているところでございます。
 しかしながら、被災者生活再建支援法は、法の施行後五年を目途として総合的な検討を行うという旨の附帯決議がなされております。それを踏まえまして、全国知事会が去る七月十七日に取りまとめました自然災害被災者支援制度の創設等に関する緊急決議におきましても、現行の生活再建支援制度の見直しを行うということが盛り込まれておるわけであります。
 今後、内閣府といたしましても、知事会における要望内容等も十分お聞きをいたしまして、被災者生活再建支援の充実について、関係機関との調整の上、検討を前向きに進めてまいるつもりでございます。
松原委員 今、大臣が検討を前向きに進めていくという御決意でありまして、非常に期待していきたいと思います。
 くどいようでありますが、三宅島の災害というのは極めて尋常ではない災害でありまして、ある意味で災害が終わっていない災害であります。通常、災害が終わってから被災者生活の再建ということになるんですが、概念的にも今まで想定していないものであって、これだけ長期に及ぶ、しかも、冒頭申し上げましたように、今も徐々にではあるけれども、シロアリ、イタチ、また硫酸雨等を含め、現在進行形で家屋等も被災しているということを考えるのであれば、極めて異例なものであるという前提の中に立っての御配慮や、一つのモデルをおつくりいただきたいと思っている次第であります。
 最後に、先ほど自民党の実川先生からもお話をいただきましたが、私は、そういう中でさらに一歩、実際にそこに住んでからのことになってまいったときに、やはり被災者の生活、住宅の再建支援という問題が出てくると思うんです。
 三宅の場合はもう起こっているわけで、これをどうするかというのはまた特別に考えなければいけませんが、日本はどこまで行っても地震列島というふうなことを考えれば、いつ災害が起こるかわからない。そのときに、みずから助ける自助、ともに助ける共助、そして公が助ける公助というものがありますが、自助ではなかなか限界がある、しかし、公助ではそれはどうかといういろいろな議論もある。共助という中で、さまざまな議論が勉強会でもなされているわけであります。私は、そういう中で、それぞれの個人が、自分も一定の保険料、地震保険のようなものを払いながらもそういったものを整備して、住宅を持つ全国民が皆保険というんですか、そして地震に備えるということも、またさらには検討するべきだろうと思っております。
 そんなことを申し上げながら、時間が参りましたので、私、松原仁の質疑といたします。どうもありがとうございました。
上田委員長 次に、松野頼久君。
松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。
 先ほど来からお話をしていただいておりますように、ちょうど二十日の未明、私の地元熊本県で大きな土砂災害が発生をいたしました。十三名の方がお亡くなりになり、そしていまだに六名の方の行方が知れない、こういう現実でございます。
 質問に入る前に、お亡くなりになられた方に心から御冥福をお祈りいたしますとともに、御家族の方には心からお悔やみを申し上げる次第でございます。
 早速二十二日に、大臣と政府の調査団、ともに現地に入っていただきました。県選出国会議員といたしまして、まず、心からこの行動に対しまして御礼を申し上げる次第でございます。
 それで、大臣、早速伺いたいんですけれども、現地に入られた様子というのはいかがでしょうか。感想を含めてちょっとお伺いをしたいと思います。
鴻池国務大臣 東京におりまして映像を通じての状況と、現地に入りまして、この目でその場の様子を見、また被災者の皆さん方とお話をしたときとは全く違う状況でございまして、今さらながら、現地のすごい状況というものに思いを新たにして、これを何とかしなきゃいかぬ、また、被災者の嘆き悲しんでおられるお気持ちを十分察知して施策をしなければならない、このような覚悟を新たにしたところでございます。
松野(頼)委員 地元では、熊本県は災害救助法の適用をいたしまして、いまだに不眠不休の状態で、消防の皆さん、また消防団の皆さん、自衛隊の皆さんや県の職員、市の職員の皆さんが救出活動に全力で取り組んでいらっしゃるわけでございます。
 それで、県としても今全力で取り組み、地元の水俣市も全力で取り組んでいるわけでございますが、国としての対応、具体的に今どういう状況なのかということをちょっとお伺いしたいと思います。
鴻池国務大臣 空港で、熊本県知事と副知事がずっと同行していただきました。水俣市長も、同行の上、いろいろ現状、具体的な話も聞かせていただきました。
 委員からただいま御発言がございましたように、既に福岡県飯塚、穂波町、また水俣市におきましては災害救助法が適用されて、これは、避難所の設置、炊き出しその他による食品の給与等の支援策が実施されているところでございます。今後は、災害援護資金の貸し付け、住宅が全壊または半壊し、やむなく解体した世帯につきましては被災者生活再建支援金の支給など、被災者への支援が考えられるところでございます。
松野(頼)委員 自衛隊も第八師団の皆さんが現在二百人程度動いているとか、そういう具体的な各省庁としての取り組み、消防の方はどうなのか、自衛隊の方はどうなのかということを、もう一度、事務方でも結構ですから、ちょっと具体的な数字を示してお答えいただけないでしょうか。
石井政府参考人 お答え申し上げます。
 被災地におきましては、今お話が出ましたけれども、水俣芦北消防本部及び水俣市消防団を中心に、広域応援の消防を含めまして、警察、自衛隊と連携しながら、二十日以来、懸命な捜索救助活動を行っております。
 消防庁としましては、二十日の災害発生を受けまして、その二十日時点で職員三人を熊本県に派遣いたしております。二十一日には、現地の水俣市の災害対策本部におきまして、水俣芦北消防本部及び水俣市の消防団に対しまして、消防防災ヘリコプターの広域応援や、熊本市消防局を初め、県内あるいは県外からの広域応援等について助言をいたしたところであります。
 消防庁としては、今後とも、県、水俣市消防本部と連携を図ってまいりたいと思っております。
西川政府参考人 防衛庁の方からお答え申し上げます。
 防衛庁・自衛隊、現地の方では、当日の二十日五時二十分でございますが、リエゾンオフィサー、連絡要員という形で、自主的にこちらから水俣市役所の方に四名の隊員を派遣いたしまして、そこで調整連絡をする。そして、それから、七時十五分に、これは実は、水俣市役所の方々と御相談、連絡調整した上で、知事に要求していただきまして、知事からの正式要請が七時十五分に来まして、それから当方は第八師団から部隊を出した、こういう経緯でございます。
 二十日から二十二日まで、きのうまでの三日間で、延べ八百八十名、車両百八十両、航空機八機、それから艦艇を一隻、こういう格好で出しておりまして、本日も、給水等を始めまして百五十名を出しておるというところでございます。
 なお、防衛庁の本庁といたしましても、実は、九州地方でこういう災害が起こったということで、二十日の午前八時に防衛庁災害対策連絡室を設置しておりまして、これに基づいて情報収集、連絡調整に当たった。それから、二十二日に、先ほど鴻池大臣等の中央政府調査団が出ましたので、これの方に、当方の運用課長、それから陸上自衛隊及び海上自衛隊の各幕僚監部の方から運用課長計三名を出して随行させていただいて、被害実態等の掌握に当たった、こういうことでございます。
松野(頼)委員 地元から聞きますと、まだ現実に、けさの段階で六名の方の不明、これは依然変わらないようでありますし、また、被害の状況というのが、捜索活動が、被災地はもとより、どうも河川や海上まで及んでいるようなことを聞いております。地元からは、捜索活動が長期化をするのではないかという心配の声が非常に上がっておりまして、大臣、今後、行方不明者の捜索というものが長期化いたしますと、どうしても現地の疲労も非常に大きなものになってまいります。どうか、今後一層、国としての支援活動を拡大していくという、今後の状況についてちょっと伺いたいと思います。
鴻池国務大臣 昨日現地に参りまして、まさに、警察、消防、自衛隊、また、犬を連れてボランティアの方々もお越しになっておりました。まさに不眠不休という御活動に本当に敬意を表しなきゃいけませんし、担当各大臣には、私、直接お礼も申し上げ、今後のこともお願いを申し上げなきゃいかぬと思って帰ってきたところでございます。
 ただいまのお話につきましては、今申し上げたそれぞれの実動部隊が動きが大変迅速であったというふうに評価をいたしているところでございます。しかし、行方不明者の救出というもの、きのうも参りまして、全員が泥の中に腰までつかるような状況で、竹の棒で本当に十センチずつ捜索をされているという涙ぐましい御努力を見ました。
 ただ、今、委員おっしゃいましたように、あの直接の現場ではなかなか捜索というか結論として、もうそこでの救出というのは難しいのではないかということで、川からだんだん海の方に向かっておるようでございまして、まず、人も、今後の捜索も力を入れていただきたいということをお願いしてまいったところでございます。
松野(頼)委員 現場は、今気候状況も非常に厳しく、天候状況も決してよくありませんので、確かに二次災害とかのおそれもあるんですけれども、なるべく、本当に今おっしゃったように不眠不休の状態、そして、県の皆さんも、もう本当に目の下にくまをつくりながら、ぶっ倒れる寸前の状況で活動に当たっていらっしゃいますので、どうか、ある意味では物量作戦というのもこれからお考えをいただいて、もちろん、今も十分な体制をしいていただいているのは聞いていますが、より多くの支援というものを、再度この場をおかりいたしましてお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、今、結構被災されている方がたくさんいらっしゃる現状なわけですけれども、この被災者に対する支援というのは国としてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
鴻池国務大臣 先ほど来と同じ答弁で恐縮でございますが、既に、福岡県飯塚市、穂波町、熊本県の水俣市に災害救助法が適用されておりまして、今のところ、避難所の設置、炊き出しその他によります食品の給与等の支援策が実施されておるところでございますが、今後は、災害援護資金の貸し付け、住宅が全壊または半壊し、やむなく解体した世帯については被災者生活再建支援金の支給など、こういった被災者への支援策が考えられているところでございます。
松野(頼)委員 きのうちょこっと内閣府の皆さんから、今回の質問に当たりましていろいろ伺ったんですけれども、ちょっとシステム的に、確かに縦割りの各省庁が集まって非常に難しい分担があると思うんですが、ただ、こういう状況の中で、非常に緊急事態ですから、ちょうどきのう私が質問するのにいろいろ事前に打ち合わせをした段階でも、事務方の皆さんから、一体どこにどういう資金があるのか各省庁の中でばらけていてよくわかりません、もう一回今調べて全部まとめて御報告いたしますというお話だったんですね。
 やはり現場というのは非常に混乱もしていますし、そして被災者の皆さんにとりましては、これから一体どういう生活になっていくんだろうかということは、非常に不安だと思うんです。
 例えば、あなたは農業者だからこういう支援ができます、まず目の前の生活にはこういう状況で対応しますからという、やはり安心感を与えられるような仕組みというものをどうかもう一度つくっていただきたいと思います。そしてまた、現場の本当に水際で働いている自治体の皆さん、市役所の皆さんに関しましても、やはり目の前で被災者と面と向かってお話をするときに、こういうふうになりますよという見通しを立てていく、そして、それをしっかりとお話しできるような状況というのが、きのう伺った段階ではまだちょっと制度的に甘いのかなということを非常に感じたわけなんです。
 今、大臣からおっしゃっていただきましたように、融資制度があったり、家屋の倒壊に対しては補助の制度があったりというお話でありますけれども、もうちょっと具体的に、幾らまでこうです、まず目の前の支給金はどれぐらい出ますから、当面の生活はこれで安泰ですとか、そして仮設住宅はいつ建ちますとかいう具体的な説明のできるような制度をどうかつくっていただきたいと思います。今回の災害を機に、まだ今進行中でありますけれども、今から早急に取りかかっていただいて、一刻も早く、もっとわかりやすい、逆に被災者の皆さんや現地の皆さんの立場に立った、そこから見たようなマニュアルというものをぜひもう一度再構築していただきたいというふうに思います。
 それと、やはり今自治体として非常に気にしていますことは、激甚災害の指定を何とか早くしていただきたいということであります。特に今、国は三位一体の改革だということで、地方自治体のこれからの財政状況というものは不安が非常にたくさんございます。その中で、やはり人命救助ということもありまして自治体は最大限努力をしているわけでありますが、けさの地元の朝刊を見ますと、大臣も空港で記者会見をされて、早急に激甚災害の指定をしなければいけないというような内容のことをおっしゃっていただいています。
 今回、激甚災害の指定までの調査の期間が一カ月あり、そして最終的に二カ月間の猶予がまだ期間的にとられているんですが、やはりこういうときですから、特に地元の皆さんを安心させるためにも、どうか早急に、一カ月調査とかいう役所的なことを排除していただいて、目の前で、わかりました、激甚災害に指定しますという、安心感を与える意味でも、どうか大臣、この場をかりて前向きな答弁をひとつお願いしたいと思います。
鴻池国務大臣 先ほどの委員の、那辺に防災、災害に対しての指導力があるや、こういうことでございました。
 私も、約一年近くこの任についておりますけれども、まさに委員がおっしゃいましたように、責任の範囲あるいは金の範囲といったものが、国民から見て、あるいは被災地から見てわかりにくいことは確かでございますので、ただいまお話がございましたある意味でのマニュアルのようなものをつくらなければならない、これの検討を至急にさせていただきたいと思います。
 なお、激甚災害につきましては、現地報道機関、大変希望的観測で私の発言が載っておるようでございますが、気持ちとすればそういう気持ちでございます。しかし、法律に基づいての手続が大切でございますので、これにつきましては、委員が御指摘のように、できるだけスピードアップをするように各関係に指示と申しますか、お願いをいたしているところでございますので、どうぞそのあたりも御理解をちょうだいしたいと思います。
松野(頼)委員 地元の新聞では、知事も、災害復旧事業を早期採択してもらうのと同時に、特段の財政措置をお願いしたいということを多分依頼されたかというふうに思います。そこには特に激甚の中でもどうか一番重い激甚災害の指定というものをお願いしたいと思うんですが、大臣、やはり大臣ですから、地元の安心もありますし、地元の記者の皆さんも来ていらっしゃいますので、ここの場で一言、地元を安心させる意味でも前向きな答弁をもう一回お願いしたいと思います。
鴻池国務大臣 法律に基づく一定のルールというものがございまして、先ほど御指摘がございましたように、多忙に任せる、あるいは他に重要案件等がありますと、徐々にこの調査がおくれがちとの御指摘もございます。しかし、熊本県あるいは鹿児島県、一連の九州の七月梅雨前線の被害に関しましてはスピードアップをしっかりするように、こういうことで強調もいたしましたし、現地の記者会見また知事あるいは市長にもそのようにするということを申し上げておりますので、できるだけ早く前向きの答えが出るように私も努力をしたいと思っております。
松野(頼)委員 それで、今回のシステムなんですけれども、大臣が今回の第一報をお聞きになった時間というのは何時でいらっしゃいますか。
鴻池国務大臣 日曜日に私は七時三十分からフジテレビの「報道二〇〇一」に出演をさせていただいておりました。私の出番が八時からでございまして、いよいよ出番といったときに、ちょっとニュースが入っておりますということで、それが流れました。
 それが流れたすぐ直後に私がカメラの前に入ったものですから、その折に、被害に遭われた方々、ひとつ頑張ってほしい、行方不明者の数も、そのとき正確ではなかったと思いますが、相当数出ているという報道を報道番組の中で聞いたものでありますから、一刻も早い救出をということを、いわゆるテレビカメラに向かってフジテレビのスタジオで申し上げました。
 でありますから、第一報が私に入りましたのは、二十日の午前七時五十分ぐらいでしょうか、そういうことであります。
松野(頼)委員 それは役所から入ったんですか。どの役所から、どういう連絡経路ができているのか、ちょっとこの場をおかりして伺いたいと思います。
鴻池国務大臣 私がテレビの中へ入っておりましたので、後に聞いたことでありますが、七時三十分に防災担当の内閣府から連絡が入った、こういうことであります。
松野(頼)委員 先ほどシステムの問題を言いましたけれども、五時二十分には自衛隊の方に要請が入っております。そこから二時間、防災担当大臣に対してその状況の的確な情報が伝わらないというのは、やはり問題ではないかなというふうに思います。
 どうかもっとシステムを精査していただいて、一体、内閣府が取りまとめるのか、どこが取りまとめるのかということが非常に役所の縦割りの状況で、私も、きのう質問のときに聞いて本当にわかりづらかったんですね。内閣府に聞いても、いや、これは消防庁に言ってくれとか、これは警察だからとかいう縦割りの弊害が非常に強い。
 そういう中で、やはり地元の皆さんは不眠不休の中で作業をされ、そしてまた、被災者の皆さんもその中にいらっしゃって、被災者の、行方不明者の救助もしなければいけない、被災者の支援もしなければいけない。今後の復旧作業もしていかなければいけないという、非常に現場とシステムがまだまだアンバランスだというふうに私は思います。
 選挙区で言うと、先ほど質問に立たれた金子先生の選挙区でもあり、また西川先生の選挙区でもあり、非常にお二人にとっては断腸の思いで今いらっしゃると思いますし、こうしている間にも一体どうなっているんだろうかという、非常に心配事がたくさんあると思います。私も、県選出国会議員として、どうか大臣に、何とぞ前向きな、激甚災害の指定と今後のこの制度の整備というものを最後にお願い申し上げまして、また今回、いろいろ地元のことで、大臣にも現地に運んでいただいたり、現地調査団を派遣していただいたりということに対して、心から御礼を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 どうか大臣、よろしくお願い申し上げます。
上田委員長 次に、江田康幸君。
江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。
 幾つか質問を用意しておりますが、二十分という短い時間ですので、早速に質問に入らせていただきたいと思っております。
 まず、七月十六日に、私も三宅島の噴火災害の復旧状況等について委員会で視察をさせていただきました。したがって、三宅島の関連についてまずは質問をさせていただきたいと思っております。
 今回の視察は、委員長も申されましたように、今後の本格帰島後の生活の支援等について検討するためでもございました。私、全島を視察させていただきまして、特に目立つのは、あそこはトタン屋根を使っていらっしゃいますが、その屋根が腐食して、かなりな住宅の被害が出ている、補修が根本的に必要である。また、シロアリ等でも住宅がやられております。さらには、土石流また土砂等の流入によって、そういうものが撤去されてこそ初めて住めるような家、全壊、半壊、さまざまな状況でございました。
 したがって、きょう三宅島についてお話をさせていただきますのは、今後の本格帰島に向けての住宅再建ということについて質問をさせていただきたいのです。
 まず、住宅再建支援について大臣にお聞きしたいのですが、被災者生活再建支援法の一つの改正案として、今般は見直しに当たっておりますので、全国知事会が検討しております住宅再建支援を盛り込む案に対する政府の見解をまずはお聞きしたい。よろしくお願いします。
鴻池国務大臣 江田委員のただいまのお話のとおり、全国知事会は去る七月十七日に自然災害被災者支援制度の創設等に関する緊急決議を取りまとめられました。これは、現行の被災者生活再建支援制度の見直しを行うこととあわせ、都道府県が新たに資金を拠出して公的支援による住宅再建支援制度を創設することとして、そのための立法措置を国に求める、こういうものでございます。
 三宅島噴火災害の被災者も含めて、安定した居住を確保することは被災者の生活再建を支援する上で最重要課題の一つ、このように認識をいたしております。この問題につきましても、知事会の場での都道府県の意見集約がなされたことは、国としても真剣に受けとめていきたいと思っておるところであります。
 今後、内閣といたしましても、知事会における要望内容等を十分お聞きいたしまして、安定した居住確保のための支援策も含めた被災者生活再建支援の充実について、平成十六年度予算編成過程を通じまして、関係機関と調整の上、必要な措置を講じてまいりたい、このように思っております。
江田(康)委員 一方で、この被災者生活再建支援法は生活再建ということで、住宅支援は現在入っておりませんので、今後の本格帰島に向けて、これは本当に重要な課題であるかと思いますので、重々に、平成十六年度予算も含めて、とにかく早急に対応を、また住宅再建案を盛り込むようによろしくお願いしたいのです。当面の課題としまして、法の改正というものも根本的にございますが、火災保険の適用についてちょっと質問をさせていただきます。
 かなりの方々が総合保険の加入者でございまして、千八十九件というのが火災保険の加入者です。ところが、今住宅の補修が本当に重要なんですけれども、住民がこの補修費用に期待されておりました住宅総合保険などの火災保険につきましては、平成十二年九月の避難勧告以来、損保会社による損害調査ができないということを理由に保険金が支払われていない状況なんですね。修繕に要する費用は住民の方々個々で負担をしている、そういうような状況なんです。
 ですから、法改正、そういう論議が非常に大事なんですが、しかし当面、今苦しんでおられる方々、この火災保険を柔軟に適用するということで助かる方がいっぱいいらっしゃる。この加入者は千八十九件なんです。一般火災保険加入者は五十五件です。住民の皆さんの数からいって、かなりの方々がこれに加入されております。
 そこで、地震保険というのは、法律に基づいた公共性の高い保険ということでありまして、被災者が一時帰島の際に撮影した写真とか一時帰島事業に審査担当者が同行する、こういうような形で損害調査を行って保険金が支払われております。ところが、住宅総合保険等につきましては、なぜ、写真とか一時帰島時に同行することによって調査を行えば認定ができるんだけれども、それが実施されていない、がゆえに、認定されずに、保険金の支払いは行われておりません。
 もう一つ、平成三年の雲仙・普賢岳の場合は、土石流被害につきましては、損害保険会社の住宅総合保険などはほぼ通常の保険金の支払いがございました。三宅島の場合には、各損保会社によって被害確認が可能となれば、雲仙・普賢岳と同様に、土石流や泥流による被害に対しても保険金が支払われると思っていいと私は思うのですけれども、そこのところはどうでしょうか。
荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
 先生お尋ねの住宅総合保険でございますけれども、これは、噴火による被害については担保されていないという契約が一般的でございます。ただ、住宅総合保険におきましても、例えばということで申し上げますと、地震、これは噴火も含むわけでございますけれども、これによる火災に係る損害に関しましては、地震火災費用保険金が支払われるという仕組みになってございます。
 お尋ねの三宅島の件でございますけれども、損害保険会社におきましては、保険契約者から要望がありました場合には、通例とは異なる現地事情を勘案いたしまして、先生御指摘の、地震保険についてそういうことをしているということでございましたけれども、住宅総合保険につきましても、一時帰島時に撮影された写真あるいは一時帰島に同行しての調査に基づく認定を行いまして、被害確認が可能なものについては保険金を支払うこととしているというふうに理解をしてございます。ただ、保険のカバレッジとしまして、それがどういう被害なのかによって、カバーされているものとカバーされていないものがあるということは、御理解をいただきたいと思います。
 それから、雲仙・普賢岳に関しまして、土石流被害については、住宅総合保険においても通常どおり保険金の支払いが行われているという御指摘がございました。三宅島の場合も、この住宅総合保険に関しましては、水災害につきましてはカバーされておりますので、土石流ということでありましたら、あるいは泥流、こういうものによる被害と認められる場合には、保険の約款に基づいて保険金の支払いがなされる場合が、これも個々のケースごとにもちろん認定を行うわけでございますけれども、そういう場合があるというふうに承知をいたしております。
江田(康)委員 今、二つ私も質問しまして二つの答えがあったんですけれども、住宅総合、火災の方もきちんと調査が行われれば認定されるんだ、保険の支払いが可能となるんだ、結局そういうことなんですよね。ですから、それについて、国として損保会社に対して、なぜ調査を行えないのか、そういうところを指導していただきたいわけですよ。そのところについてはどうなんですか。
荒井政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、三宅島の場合も現地事情を勘案しまして、一時帰島時に撮影された写真や同行しての調査に基づく認定を行うということにしておりますので、そのような申し出がございましたならば、保険会社の方において適切に対応させたいというふうに考えております。
江田(康)委員 きょうはなかなか時間がございませんので、そういう御回答でございますので、今後、そういう具体的なところの詰めを損保会社とも行っていきたいと思いますので、どうぞ御協力をよろしくお願いいたします。そうすれば、住宅再建等に皆さん大きく助かると思っておりますので、よろしくお願いします。
 次は、この一週間の中で災害がいっぱい起こりましたので、私が実際に遭遇した災害でございますが、この件もひとつお聞きしておかないといけない。これは、七月の十八日の夜にJR長崎線で起きました、特急かもめ四六号に、私、一両目に乗車しておりまして、その事故に遭って、無事帰還いたしました。
 それで、きょうの質問でございますが、幸い私は、一両目のデッキで電話中にその事故に遭っておりますので、かなり全身をたたきつけられて、全身打撲の状況でもございますが、このように元気でございます。幸い死者がございませんでした。それは、スピードが、前の駅で下りの列車を待っているから九十キロぐらいで、最高スピードになっていない、そして、周りが田んぼとかぬかるみの土ということで、衝撃が吸収された、それで死者がないんですね。でも、一歩間違えば、それこそコンクリートであればかなりな死者、また二十メーター先には民家がございますから、住宅がいっぱいあるんです。そこに突っ込めば多くの死者、こういうような状況でございました。
 今回の事故の原因は落石です。そう断定されました。直径五十センチの百三十キロぐらいのものが線路上に落ちてきた。したがって、今回の事故は災害と私は思っております。ほかにも、これは十分、いつでもどこでも起こり得るのではないかという実感をしております。
 質問でございますが、恒久的な対策をどう考えておられるか。今般、JR九州は、管内七千二百六十五カ所の線路沿いの斜面すべてを緊急点検する、このように決めましたけれども、全国のJRでも、その斜面、のり面、そういうところもしっかりと今回を機に点検すべきではないか、僕はそのように提案したい。また、重点警備箇所というのが決まっておりますけれども、今回の斜面は、重点警備箇所に入ってないがゆえに、目測で確認なんですね。ですから、今回、雨が厳しくなってくると落ちてきたということなんですが、重点警備箇所のあり方の見直しも含めて、これを国としてどう指導、また実施されていくのか、お伺いしたいんですが、よろしくお願いします。
森下政府参考人 お答えします。
 まず、事故の概要でございますが、さきの七月十八日に二十一時四十五分ごろ、長崎線の肥前長田―小江駅間において、走行中の特急列車、これはかもめ四六号でございますが、長崎発博多行きが脱線し、約三百メーター走行して、先頭車及び二両目が列車分離して線路外に転落、三両目は線路内で脱線というような事故になりました。
 我々、国土交通省としましては、事故後、事故対策本部を設置し、また航空・鉄道事故調査委員会において、直ちに事故原因の調査を開始しております。
 詳細な原因につきましては、現在調査中の航空・鉄道事故調査委員会の報告を待つことになりますが、脱線箇所と推定される現場付近には切り取りのり面に落石の痕跡がありまして、また、その近くには落下したと推定される石が発見されております。私どもとしましては、この石に列車が衝突したことによって脱線した可能性が高いと考えています。
 今後、この事故後のことでございますが、国土交通省としましては、事故直後にJR九州に対し、輸送の安全確保に万全を期するための警告書を発出してございます。また、JRを含めた全国の鉄軌道事業者に対し、今回の事故の状況等を周知徹底するとともに、改めてのり面の安全確保を行うよう指示したところでございます。
 今後とも、このような事故の再発防止のため、警備及び点検のあり方を含めて、事故調査委員会の調査結果等を踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。
江田(康)委員 恒久対策ということに関しては、JRが今回、緊急点検するということ以上のことはなかったように思うんですが、努力するということでございますが、やはりこういう梅雨時期においては、どこでもあり得ることだと私は思います。あってから対応を考えるという従来の考え方はやめて、治療から予防、そういう予防の時代に入っておりますから、安全管理、危機管理体制をしっかりとられてやっていただきたいと思うんです。
 ぜひ、全国の箇所も点検していただきたいと私は再度申しまして、被災者七十六人を代表して、私、国会質疑しているわけですから、重く受けとめていただきたいと思います。
 もう最後になってしまいましたけれども、その事故に遭いまして、入院後、熊本に帰ってくると、今度は水俣市の土石流の災害でございました。私も、体がなかなか動けない中で、公明党の熊本県本部としましても、即刻、対策本部を立てて、被災者の救助と支援ということで動かせていただいたわけでございますが、きょうは時間がありませんので、一つだけ聞かせていただきます。
 死者十三人、行方不明六人、ここまで出した被害は、私は、やはり拡大したのではないかと。その原因と今後の災害対策ということでお聞きしたいんです。
 これは一つには、県が水俣川の水位情報を一切水俣市に伝えてなかった、そこの意思疎通ができてなかったということも伝わってきております。すなわち、それによる避難勧告のおくれ、もし避難勧告がもう少し早く出ておれば、基準を上回っている段階で出ておれば、かなり被害は防げたのではないかという気がいたしますし、また、県の土石流危険渓流に指定されてはいるわけです。いながらも、工事がなかなか進んでいないというようなことも重なったわけでございます。
 こういうようなことで被害が拡大しているということ、これから国としてもどのような対策を立てていくことができるか、お聞きしたいと思います。
清治政府参考人 県から市への情報伝達に関する事実関係につきましてお尋ねがございました。
 熊本県の水防計画書によりますと、原則として雨が、雨量の強度でありますが、時間雨量二十ミリを超えた場合、それから、水位が通報水位あるいは警戒水位を超えた場合において、関係の機関に連絡することが定められております。
 今回は、そういう中で芦北地域振興局で水防待機を行っておりましたが、地元住民からの通報への対応でありますとか、関係機関等への情報伝達、それからまた、道路の交通規制等に忙殺された状況にございまして、これらの関係のデータを関係市に配信できなかったというふうに聞いております。現在、県におきましてさらに詳しい調査をしていると聞いておりまして、事実関係の詳細につきましては、調査結果を待つ必要があると思っております。
 それから、土石流危険渓流への対応の話でございますが、県の調査によりますと、十五年三月現在で、全県で三千八百三十の渓流がこの土石流危険渓流になってございます。今回、大きい災害のありました集川もそのうちの一つでございます。これらにつきましては、砂防堰堤等の土石流対策が県によりまして鋭意進められているところでございますが、残念ながら手が回らないというところが実情でございます。
 土石流被害のありました集川におきましては、他省庁の所管の施設でございますが、三基入っていたということで認識しております。今後、この地域の生活再建が図られるに当たりましては、砂防堰堤等による再度災害防止に向けた対策に万全を期す必要があるというふうに思っておりますので、国土交通省といたしましても、関係機関と調整を図りつつ、県に対して今後できるだけの支援をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
江田(康)委員 時間が参りましたが、とにかく的確な対応をよろしくお願いしたいということと、この被災者の方々、先ほどから委員の先生方も皆さんおっしゃっておられますとおり、一番大変な状況でございます。災害救助法も適用されましたけれども、激甚災害の指定を本当に早くして、住宅、それから生活再建と応援をしていっていただきたい。私も全力で皆さんの応援をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。ありがとうございました。
上田委員長 次に、黄川田徹君。
黄川田委員 自由党の黄川田徹であります。
 通告に従い、順次質問していきたいと思います。そしてまた、これまでの質疑でちょっと重複するところがあるかもしれませんけれども、改めて御質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 まず、今回の九州豪雨における本当に大変な災害で亡くなられた皆様方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、行方不明者の一日も早い救出をお願いいたしたいと思います。そしてまた、災害復旧に当たられている関係者の御尽力には、本当に敬意を表する次第であります。
 さて、三宅島の火山活動が活発化してから、先月の六月二十六日で丸三年を迎えたところであります。そして、我が委員会といたしましても三宅島の視察を行い、噴火災害の復旧状況等の調査も七月十六日に行いました。私も現地をこの目で見させていただきまして、本格帰島のめどはまだ立っておりませんけれども、帰島に向けた準備は着実に進んでいるということを実感いたしました。まずは、三宅島の島民の方々が一日も早く帰島できることを心から願い、その上で、帰島した後の三宅島の復興対策を進めていく、それが最も大事だと思っております。
 そこで、最初の質問であります。去る六月二十五日に都庁で開かれた村議会で、長谷川村長さんは、諸条件の整備を考えると年内の帰島は難しいとの見通しを示しておりますが、三宅村の方々の本格的な帰島時期について、その見通しはどうなのか、改めて鴻池大臣にお尋ねいたします。
    〔委員長退席、島委員長代理着席〕
鴻池国務大臣 三宅島のガスにつきましては、長期的には減少の方向にあると報告を聞いておりますけれども、現在でも一日三千トンから一万トンの火山ガスの放出が続いておるようでございまして、今後、ガスの放出量やガス濃度がどのように変化していくのかということも不明のところでございます。
 このような現状のもとに、火山ガスが放出し続ける中で島民の皆さんが帰島し生活するためには、火山ガスに関する情報提供や避難計画の策定などの安全確保対策が不可欠でございます。このために、三宅村では、村長を会長とする三宅村火山ガス安全対策検討会を設置して、ガス濃度の監視・観測体制、情報伝達体制の安全確保対策等を国や東京都も交えて検討しておるところであります。今後、検討結果を踏まえた必要な施設や体制の整備計画や、火山噴火予知連絡会等による火山活動の見通し、さらには滞在型一時帰島を実施した住民の本格的な帰島についての意向などを踏まえながら、東京都と相談しつつ、三宅村において帰島の可能性も含めた検討がなされるもの、このように承知をいたしております。
黄川田委員 御案内のとおり、災害における避難勧告、避難命令あるいは避難解除、これは市町村長、首長の決断なんであります。ですから、しっかりとしたそういう決断ができるように、その環境の整備はやはり国家がしっかりやっていかなきゃならないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、視察の中で、道路とか橋とか砂防ダム、基幹的な社会資本、インフラは整備されておりますけれども、本格的な帰島となれば、村営住宅の建設であるとか、学校もちょうど建設中の中で災害に遭ったみたいでありまして、その復旧とかさまざまな帰島における諸準備、まだまだ必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。村に生まれて育ち、そして骨を埋めたいというのが島の方々の本当の気持ちでしょうから、その意も体していただきたいと思います。
 三宅島では平成十二年の九月から全島民の島外避難を継続しておりまして、それから二年と十カ月が経過しております。この間、各関係省庁、さまざま事業を展開しまして、復旧が進み、昨年四月からは定期的な島民の日帰り一時帰宅等が実施されました。しかしながら、なお有害な火山ガスが放出されるということでありまして、夜間滞在は認められておらなかったわけであります。
 このような中にあって、ことしの四月、高濃度の火山ガスを除去する脱硫装置を備えたクリーンハウスが完成しました。私も見てまいりました。三泊四日の短期宿泊を伴う島民の帰島が始まったところであります。しかしながら、火山噴火予知連絡会でも、お話のとおり、帰島時期の結論は出ていないわけであります。
 そこで、本年三月の三宅島火山ガスに関する検討会の報告でも、島民の皆様方とのコミュニケーションといいますか、島で暮らすリスクについて意見交換するリスクコミュニケーションの促進が重要であると思っております。火山とともにこれからも生活していかなきゃならない、そういう中でありますので、危険と同居しても生活ができるような支援策、あるいはまた、帰島に当たっての島民の安全確保策について、鴻池大臣からその点についてお尋ねいたしたいと思います。
鴻池国務大臣 本格的な帰島に当たっては、三宅島火山ガスに関する検討会報告でも提言されておりますように、個々の島民が自分の感受性やそれに応じたリスクを十分理解し、健康影響を最小限にするための生活を送る必要があるわけでございまして、このため、行政においては、帰島前、帰島後のさまざまな段階で住民の理解を促進するためのリスクコミュニケーションを行うとともに、具体的かつきめ細かな安全確保対策を実施する必要があると考えております。
 現在、この検討会報告に基づいて、三宅村を中心に検討を行っておるところでございまして、国といたしましても東京都と連携して必要な支援をしてまいりたい、このように思っております。
黄川田委員 いずれ、生まれ育ったところに暮らす、そしてまた、火山とともに歩まなきゃいけないということでありますから、リスクを共有するということも大事だと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それから一方、昨年の十二月に、京都大学の林教授を委員長といたしまして、三宅島関係者の参加のもとに、約百ページにも及ぶ立派な、第四次三宅村総合計画がまとめられたところであります。その結びの中で、三宅島の復興を担っていく主役は、島で生活する島民であり、そのため、各復興事業の優先順位づけの決定に当たっては、島民参加が不可欠であり、行政と島民とのパートナーシップを築き合意形成を図っていくこととしている、これが最も大事だ、こういうふうにお話しされております。本の中にも書いてあります。
 そこで、この火山ガスの問題に加えて、やはり三宅島は、これまでたびたび噴火しておりますし、そしてまた今後、帰島が実現した後、島での暮らし、三宅島の方々の自立した生活をどのようにして営むことができるか。これは大事なところなのでありますけれども、この点について、生活できる、自立できるための方策といいますか、内閣府の見解を求めておきたいと思います。
尾見政府参考人 ただいま先生が御指摘になりましたように、三宅村では、第四次三宅村総合計画を策定されております。復興ということを、復興に向けてのビジョン、そういうものを明確にすることが全島帰島への大きな道筋だ、こういう御認識で計画がつくられているというふうに認識をしております。
 計画の中身は、まず、全島民の方の生活再建をきっちりしないといけない、恵まれた自然を生かした観光産業、そういうことを基軸とする地域振興、それから、災害に強い防災島づくり、これを三本柱として復興を進めていこうということだと承知しております。
 今後、当該の計画に基づきまして、三宅村は、火山と共生をして、市民が自立した生活を営むことができるよう復興施策を講じていくというふうに考えております。内閣府といたしましても、関係省庁、東京都及び三宅村との連携を図りながら、その復興施策について支援してまいりたい、こういうふうに考えております。
黄川田委員 基本的な復興ができて、かつての第一次産業、あるいはまた観光産業をしっかりとできるようにお願いいたしたいと思います。
 これは重複する質問でありますけれども、現在、三宅島から避難されている村民の皆さんは、都内各所で避難生活を送られており、大変な御労苦の中にあります。こうした方々への支援も重要でありますし、この中にあって、多くの島民の皆さんは、有珠山あるいはまた雲仙・普賢岳の被害者とともに署名を集めまして、去る五月に衆議院議長に提出されたところであります。求めているのは、長期避難中の支援金の継続支給と避難解除後の生活再建に必要な資金であります。
 そこで、去る五月に、三宅村の村長さんから小泉総理あてに、被災者生活再建支援法の支援策の強化について要望書が提出されたと聞いております。特に、先ほど来言われているとおり、本年は、同支援法施行後五年を迎えまして、当特別委員会の附帯決議にあるとおり、同法見直しの時期でもありますので、この点について、内閣府はどう対応していくのか、お尋ねいたしたいと思います。
尾見政府参考人 三宅村の長谷川村長から支援の強化についての御要望書が出ているということは、私ども十分承知しております。ただ、三宅島の避難住民の方々について、被災者生活再建支援金を支給することは、先ほど大臣も御答弁させていただきましたが、支給限度まで支給されておりますので、これ以上支援を行うということは、現行制度では困難だというふうに認識しております。
 しかしながら、今、先生も御指摘なされましたように、ことしの十一月で施行五年目ということになります。そこを目途として総合的な検討を行うという附帯決議がなされておりますので、それを踏まえて、全国の知事会議でこの十七日に、自然災害被災者支援制度の創設等に関する緊急決議がなされました。この決議においても、現行の生活再建支援制度の見直しを行うということもあわせて盛り込まれております。
 今後、内閣府としても、知事会における要望等を十分伺って、被災者生活再建支援の充実について、関係機関と調整の上検討を進めていきたい、こう思っております。
黄川田委員 現行法では限度があるということ、ちょうど見直しの時期だということ、そしてまた、全国知事会等々で、案がなければうちから出すぞというふうな形で頑張っておりますので、それとの連携をよろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、私、災害といえばいつも津波の話をするんですが、三陸沿岸の人間でありますので、ちょっと津波対策についてお尋ねいたしたいと思います。
 去る五月二十六日の三陸南地震発生直後の岩手、宮城両県の沿岸部住民の避難に関する東北大学の今村教授の調査結果がありますので、ちょっと紹介させていただきたいと思います。実際に即座に高台等に避難した住民は約一割であります。そして避難しなかった住民は約九割で、そのうちの約六割は、うちで地震情報を求めてテレビを見ていたという答えであります。
 十年前のことを思い出しますと、北海道南西沖地震では、地震発生から数分、五分後ですか、奥尻島に大津波が来襲し、逃げおくれた住民が犠牲になりました。多分、島に生活していた人、百歳近くの人も、かつて経験のないことだと思っております。今回は、地震発生の午後六時二十四分から十二分後の同三十六分に、気象庁が津波の心配なしと発表したところであります。しかしながら、津波というのは本当にいろいろなバリエーションがありまして、特に、宮城県沖地震は震源が浅く、長周期の揺れを起こすことも予想されますので、数分でまた津波が押し寄せるという事態が想定されないとも限らないわけであります。
 そこで、質問であります。
 沿岸部の住民でありますが、かつては、地震があったらすぐに高台だというのが鉄則でありまして、石碑といいますか、災害のためにいろいろな石があるんですが、地震があったらすぐ高いところに上れというふうな形で、海岸地区にはそういう石がたくさんあるわけなのであります。ただ、今は、マスコミ、テレビでも文字情報等、IT関係、高度情報化といういろいろな形の中で、防災行政は進んでおるわけでありますけれども、しかしながら、また一方で、気象庁の発表では間に合わないというふうな現実もあるわけであります。
 そこで、県の防災計画なり、あるいはまた市町村の防災マニュアル等、さまざまあるわけなんですが、ごく一部でありますけれども、防災マニュアルに、発表になる前に、ある程度の大きな地震が来たらすぐに、沿岸部の人間は、海に近いところの人間は避難せよ、その避難場所もきっちり用意するんだ、そういう基本的なマニュアルの規定があるわけなのでありますが、現状、されていないところが多いようでありますので、その趣旨の徹底等を考えるべきではないかと思っております。これについて消防庁の見解をちょっとお尋ねいたしたいと思います。
石井政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、津波につきましては、直ちに避難することが大切でございます。また、津波は第二波、第三波と、先生御承知のように何度も襲来する。その終息には数時間から十数時間を要するということでありまして、一たん避難した後も、波が去ってまたすぐ戻ったりするのは非常に危険でございます。そこで、消防庁では、平成十三年度に津波対策推進マニュアル検討報告書というものをつくっておりまして、全国の自治体にその旨を徹底しております。
 また、昨年度、十四年度には、津波の発生が予測される地域の、全国の中から五地区を対象としまして、個々の集落ごとに、地域ごとの津波避難計画策定モデル事業というものを実施しておりまして、この報告書につきましても、既に全国の海岸線を有する市町村に送付しております。
 また、各地でシンポジウム等も行いまして、私も参加したりしておりますが、できるだけ国民の皆さんに、津波が来たらすぐ逃げる、この点を徹底してまいりたい、今後ともしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
黄川田委員 津波対策のインフラというか、防潮堤とか防波堤の整備なんというのは、財政的に厳しい中ではなかなか進み得ないというようなところもあると思いますので、何といっても、やはり避難行動をとりやすくする環境、それから意識づけですか、これは大事でありますので、その件、消防庁も、どうも災害というのは自分が体験しないと、次の世代に通じないんですね、風化してしまうというのが常々ありますので、これは、くどいようでも、何度でも、例えば災害等の、住民とのコミュニケーションをとれるような施策もしっかりとやっていただきたいと思います。
 先般の三陸南地震に関する災特でちょっと聞きかねたところがありますので、もう一点お尋ねいたしたいと思います。防災行政無線のことであります。これは三宅島にも共通した課題であると思いますので、ここで、通信技術の進歩を踏まえてお尋ねいたしたいと思います。
 現在、防災行政無線は、まだアナログ方式が主体で、設備が、早く整備したところにあっては老朽化しているところも多く見られるところであります。三陸南地震の際、三陸沿岸の一部の地域では、地震発生直後の津波情報等、重要な行政上の放送が、ちょっとした故障で伝達できない事態が発生したところもあるわけであります。そしてまた、現状のアナログ無線は、現在、全国三千二百の市町村の六六・八%に設置されておりますけれども、残りの三分の一にはまだそういう施設も設置されていないというのが現状であるようであります。
 また一方、総務省は、ことしの四月ですか、IT時代に対応した市町村デジタル同報通信システムの推進に向けて、同報通信システムのデジタル化を図る際の奨励規格を公表したところであります。しかしながら、一口にデジタル化と言っても、財政事情の厳しい小規模町村、小規模自治体にあっては、この施設の切りかえは大きな財政負担となるわけであります。
 そこで、質問でありますけれども、市町村の防災行政無線の設置率を高めていただくとともに、従来のアナログ方式からデジタル方式に施設を切りかえるため、自治体に多額の費用負担が生じることでもありますので、国はどの程度助成することになるのか、消防庁にお尋ねいたしたいと思います。
 あわせて、関連して、武力攻撃事態対処法が成立いたしましたけれども、国民保護法制は今後一年の課題とされておるところであります。これは残された課題であります。とりわけ、自然災害以外で、地方自治体が有事に際し地域住民をどう守るかが重要な課題でありまして、その手段の一つとして、地域に定着しつつある防災行政無線の存在があると私は思っております。
 したがって、このような観点からも、この施設をデジタル化するに必要な経費の地方負担を、むしろ地方負担ではなくて、これはもう積極的に国の負担で整備するべきではないかと私は思っておりますけれども、これについても消防庁の見解を求めておきたいと思います。
    〔島委員長代理退席、委員長着席〕
石井政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、防災行政無線、従来から、大規模災害の際に住民等に災害情報を一斉に伝達するための有効な手法ということでございまして、私どもも、消防防災等設備整備補助金といったような補助金を計上しまして、進めておるわけでございます。
 おっしゃいますように、今、整備率六六・八%まで来ております。今後、お話に出ましたように、大規模災害だけではなくて、例えば、有事の際の国民保護を考えましても、やはり、国民お一人お一人のところまで、できるだけ災害情報が届きますように、防災行政無線を進めるというのは、国全体として非常に重要なことではないかと思っておりますので、今お話に出ました文字表示でありますとか、テレメーター等のためのデジタル化の推進とあわせまして、できるだけ積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
黄川田委員 それでは、三宅島の話にまた戻していきたいと思います。
 三宅島の噴火ですが、昭和五十八年あるいは昭和三十七年、昭和十五年と噴火しておりまして、ほぼ二十年周期で噴火しておるわけであります。その防災対策ということで、国や都、また三宅村役場、それぞれ役割分担を果たしておるわけでありますけれども、やはり初期対応といいますか、その中で最も大事なのは消防団であり、あるいは自主防災組織だと思います。特に、少子化、高齢化社会で最も痛手をこうむるのは小さな市町村でありまして、その部分が一番大事だと思っております。
 そこで、改めて、地震、津波等の大規模災害に対して、消防団や自主防災組織の充実について、消防庁、これからどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたしたいと思います。
石井政府参考人 先生御指摘のように、津波等の大規模災害時におきましては、できるだけ住民の皆さんに身近なところで、例えば消防団等が対応するということが非常に重要だと考えております。
 今、消防団九十三万人ぐらいまでに、ちょっと最近減りぎみなものですから、あれなんですけれども、私どもとしては、何とか百万人程度の団員確保ができないものかと考えております。従来から、消防団の拠点施設あるいは整備についての国庫補助金でありますとか、特に若い方、女性の団員等について、例えば、意見発表会を設けて士気の高揚を図るとか、あるいは、どうしても団員確保が難しいところは、公務員の方、農協、漁協、森林組合といったような公共的団体の職員の方の入団の推奨をいたしております。
 また、お話に出ました自主防災組織、これは全国で、町内会単位などで約十万組織ございまして、今は全世帯の六割を統計上はカバーしていることになっているんですが、まだまだ活動が不十分だとか、組織率をもっと上げるべきだという御意見もございますので、この点もしっかり頑張っていきたいと思っています。
 また、消防団員ですとか自主防災組織のメンバー等を対象にしまして、昨年来準備しておるんですが、インターネットを活用した防災教育というものも準備しておりまして、来年早々から実施していきたい。それで、常備消防のみでなく、消防団あるいは自主防災組織の充実、活性化を図りまして、地域防災体制の強化に努めてまいりたいと思っております。
黄川田委員 残り時間が少ないので、最後に、ハザードマップについてお尋ねいたしたいと思います。
 平成十二年の有珠山の噴火災害では、事前にハザードマップが住民に配布されたことによりまして、噴火前の段階からの避難が円滑に実施され、ハザードマップの重要性が再認識されたところであります。今後、三宅島の復興対策あるいは防災対策を進めていく中でも、ハザードマップの作成は重要と思いますけれども、消防庁として、ハザードマップの関係について、現在、どのぐらい取り組んでおるのか、お尋ねいたしたいと思います。
石井政府参考人 お答え申し上げます。
 ハザードマップにつきましては、今、先生御指摘のとおり、有珠山の噴火の際も大変役に立つ、重要だということが認識されたわけでございまして、以来、消防庁としてもいろいろ取り組みをいたしております。
 三宅村におかれましては、三宅島の火山防災ハザードマップというものを平成六年につくっていらっしゃいますけれども、さらに、本年四月には、泥流防災マップを作成されまして、各避難世帯に配布するなど、帰島後をにらんだ安全対策にも取り組んでいらっしゃるところであります。
 現在、全国的に見ますと、火山のハザードマップの整備、必要とされる二十九火山のうち、二十六火山で作成されているということになっております。
 私どもとしては、火山災害関係の都道府県で連絡協議会もつくっておりまして、こういった連絡協議会での場を通じながら、できるだけ未整備のところを初めとしましてハザードマップの作成、それから、今までつくってあったところも改めて改定するといったようなことで、その充実に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
黄川田委員 三宅島の皆様方の早い時期での帰島ができるよう心からお祈り申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
上田委員長 次に、小沢和秋君。
小沢(和)委員 日本共産党の小沢和秋でございます。
 私も、去る十九、二十日両日の集中豪雨で発生した九州各地の被害に関連して、幾つかの点を緊急にお尋ねをさせていただきます。
 私自身は、災害発生直後の二十、二十一両日、すべてのスケジュールをキャンセルにして、地元の福岡市博多駅周辺、太宰府三条地区、熊本県水俣市宝川内集地区などを調査して回りました。また、別に、鹿児島県菱刈町にも行ってもらいました。
 どこでもまだ行方不明者の捜索などに追われて、じっくり話を聞けるような状況ではありませんでしたが、各市の担当者から出た要望の第一は、災害救助法の適用でありました。災害救助法は、災害が一定の規模以上でないと適用されないことは私も承知しておりますが、その規模以下であっても、その自治体にとっては救援のため多大な負担となることが多い。既に、水俣市には適用をすることが県知事の発言で明らかになっておりますけれども、鹿児島県の菱刈町などにも災害救助法の適用を、それができない場合も実質的に負担の軽減となるよう国の援助をというのが地元の要望であります。
 これについてどうお考えか、まずお尋ねします。
河村政府参考人 災害救助法の適用についてのお尋ねでございますが、災害救助法は、法定受託事務として都道府県知事が行うことになっておりまして、国は法令によりましてその基準を定めておるところでございます。
 今回の災害につきましては、先生御指摘になりましたように、水俣のケースについてでありますが、熊本県は、災害救助法施行令あるいは厚生労働省令の規定にある、多数の者が生命または身体に危害を受けて、かつ、避難して継続的に救助を必要とする状況に該当するものとして、水俣市に対して適用を決めたということでございます。
 福岡県につきましては、きょう現在、福岡市に対して被害状況の詳細を確認中であるというふうに聞いておりまして、被害状況に対応しまして、福岡県において災害救助法の適用も含め適切に対応するものと考えております。
 また、鹿児島県からは、菱刈町の被害状況から判断して適用する予定はないというふうにお聞きをしておるところでございまして、こういった災害救助法の適用がない場合に何か方法はあるかないかということでございますが、災害救助法の適用に基づく財政負担については、私ども、当然のことながら、その基準に基づいて適用いたしておりますが、それ以外についてはないということでございます。
小沢(和)委員 特に災害の規模が大きく、深刻だったのは、水俣市宝川内集地区の土石流災害であります。二十日未明の一時間八十一ミリという集中豪雨で発生した土石流は、時速四十キロに達したと言われ、一瞬のうちに十三戸を押しつぶしました。現在までに十三人の死亡が確認されましたが、今なお六人が行方不明となっております。
 土石流がどんなにすさまじかったかは、犠牲者の一人が、発生して半日後に八代海のはるか沖合で発見されたということだけでもよくわかります。関係者からは、復旧促進のためには、ぜひ激甚災害として指定し、地方交付税や災害復旧の補助率の引き上げなどをしてもらいたいとの強い要望があります。
 この問題はぜひ大臣にお答えいただきたいんですが、昨日は、大臣みずから現地を調査し、激甚災害の指定に前向きの発言をされたと聞いておりますし、先ほどからの答弁でも、前向きだと確信しておりますが、この問題についての考え方を改めてお尋ねしておきます。
鴻池国務大臣 先ほど来、同じ答弁になろうかと思いますけれども、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づきまして、激甚災害の指定というものにつきましては、復旧に要する事業費、被災地方公共団体の財政状況、あるいは農業所得推定額等の客観的な指定基準というものがございまして、これに基づいて判断しなければならないと思っております。
 このため、指定に際しては、地方公共団体からの被害報告を受け、関係省庁で指定の基準となる復旧事業費の確認作業を行うことが必要でございます。この確認作業がなかなか進まないという御批判もかつてあったようでございますので、これに関しましては、至急にこの確定作業というものをまずしなければならない、このようなことを現地で私は申し上げました。
 現在、被災者の救出に全力を尽くしておるところでございますが、これが一段落いたしますれば、復旧事業費の確認作業を鋭意進めるように、指定基準を満たす場合には、指定の手続もスピードアップしてやるつもりでございます。
小沢(和)委員 私の方から重ねて、確認作業を急いで、そして早く激甚災として指定していただきたいということを申し上げておきます。
 私は、水俣市宝川内では、地域のセンターに避難している約五十名の被災者の方をお見舞いし、その声も直接聞きました。着のみ着のままで逃げたので取りかえる下着がない、後片づけで汗と泥にまみれたがふろもないなどと、こもごも訴えられました。
 一番切実な要求は、仮設住宅を一日も早くつくってもらいたいということでありました。宝川内での仮設住宅建設について、今現在どういうお考えかということを一つはお尋ねしたい。
 それから、この人々は当然、住居を本格的に再建しなければなりませんが、その援助がどうなるか。この問題は、水俣だけでなく太宰府でも全く同じであります。
 かつて、一九九一年、雲仙・普賢岳災害が発生したときも、私はこの問題を取り上げたことがあります。当時は、全国から集まった寄附も含めて基金をつくり、被災者にある程度まとまったお金が配分されたと記憶しておりますが、その後、阪神大震災などもありましたが、今回はどういうお考えか、承りたいと思います。
河村政府参考人 先生のお尋ねのうち、応急仮設住宅についてお答え申し上げたいと思います。
 災害救助法による応急仮設住宅というのは、住宅が全壊、全焼または流失して、居住する住宅がない人であって、みずからの資力で住宅を得ることができないものを対象に県が建設をするということでございます。
 今現在、避難所に十八名の方がおられるというふうに聞いておりますけれども、今回、水俣市におきまして、住宅の全壊等によりまして居住することが不可能となった方々を対象とする応急仮設住宅の建設につきましては、熊本県からは、市営住宅の活用あるいは企業社宅等の借り上げ等も含めて検討中であるというふうに聞いておるところでございます。
 いずれにいたしましても、応急仮設住宅の設置につきましては、熊本県とよく連携を図りながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
尾見政府参考人 災害復旧後の住宅再建対策についてのお尋ねでございますので、お答えさせていただきます。
 今回のような豪雨災害に関して、住宅対策として一般的に考えられますことは、ただいまお話がありました仮設住宅の提供、それから公営住宅のあっせん、さらには住宅金融公庫による災害復興住宅融資、そういうようなものが考えられるというふうに思っております。
 先生が御指摘になりました雲仙・普賢岳に関しましては、やはり基金というようなものを県の方でおつくりになって、通常とは違う特別ないろいろな事業をされたというふうに承知しておりまして、その中で、住宅に関しても、一般的なものとは違う取り扱いというものがあったのではないか、こういうふうに考えております。
小沢(和)委員 今回の集中豪雨は太宰府市で一時間百四ミリ、水俣市で八十一ミリなど、観測史上最悪の集中豪雨だったと言われますが、だから、これらの被害はやむを得ない天災だったと言って済ませるわけにはいかないと思います。
 福岡市博多駅周辺の冠水は、四年前の集中豪雨のときの被害とそっくりでした。近くを流れる御笠川の水があふれて駅前に押し寄せてきた点でも全く同じであります。この四年間に御笠川は、河川激甚災害特別事業として今年度末までに完成予定で改修されてまいりました。しかし、工事が予定より二年おくれ、完成は二〇〇五年末といいます。このおくれが今回の災害を大きくする一つの原因になったのではないかと思います。
 さらに重大なのは、既に改修が終わった部分からも水があふれておったということであります。そうなると、今の改修が完成しても、今回程度の雨量だったら対応できないことになると思います。計画そのものを見直す必要が出ているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
清治政府参考人 議員御指摘のように、御笠川におきましては、平成十一年六月二十九日に同じような集中豪雨がございまして、この対策として河川激甚災害対策特別緊急事業を行っておるところでございますが、何分にも都市部で関係者が非常に多いということで、用地取得等に難航しておりまして、今お話がございましたように、二年程度おくれるというのが実態でございます。
 また、今回の出水につきましては、雨量の記録としましては、前回を時間雨量、それから日雨量とも上回っておりまして、大きい規模の降雨であったわけでありますが、なお、その洪水の、実際に出水の規模でありますとか詳細な被害の状況、それからその原因等につきましては、現在、福岡市において調査中でございます。御笠川の激特事業の今後の進め方につきましても、現在、福岡県と検討を開始したところでございます。
小沢(和)委員 私自身が太宰府や水俣の被害地を見て考えさせられたのは、土石流の発生地域がいずれも杉の造林地帯であったということです。輸入材に押されて杉を植えたきりで放置されているところがふえているが、こういう荒廃した杉林は集中豪雨で土石流を起こしやすいということではないでしょうか。しかも、土石流で押し流された杉は、家屋を壊す凶器ともなるだけでなく、水俣市では橋にひっかかって水位を引き上げ、そこから水をあふれさせ、橋も使用不能に陥れました。その近くに洪水も引き起こしたわけであります。
 全体として山間部がこのように荒廃しているため、今回も、宝川内のような大災害だけでなく、中小災害が近くで多数発生しているのを私は目撃いたしました。
 ところが、私が驚いたのは、土石流対策を含む国の砂防、地すべり対策予算が年々減少していることであります。土石流危険渓流での砂防など、整備率はまだ全国的には二〇%程度にすぎないというのに、今年度予算は昨年度より四%も減っていると聞いております。国土交通省と気象庁が昨年度から一部の県で始めた土砂災害警戒情報の提供も、熊本県ではようやく今年秋からの見込みと聞いております。
 こういう姿勢を根本的に改める必要があるのではないかということを最後にお尋ねします。
梶谷政府参考人 まず、杉林等の荒廃が進んでいるから今回の土石流が発生したという点でございますが、今回の土石流災害につきましては、詳細については現在、調査中でありますけれども、主たる原因につきましては、活性化した梅雨前線の影響によりまして局地的に森林の保水力や土石の保持力を超える記録的な大雨が降ったことによるというふうには考えているところであります。
 しかしながら、一方、急峻な国土を有しまして、梅雨前線や台風等による山地災害が発生しやすい我が国におきましては、国土の七割を占める森林、これは非常に重要な役割を果たしているというふうに考えております。そういう意味で、健全な森林の整備及び保全というものが必要不可欠だというふうに思っております。
 しかしながら、委員御指摘のとおり、現在、林業をめぐる状況は非常に厳しい状況にありまして、なかなか必要な森林の整備が十分に行われがたい状況にあるということは事実であります。こうした状況を踏まえまして、林野庁といたしましては、平成十二年度から緊急間伐五カ年対策というものを実施しまして、間伐の推進を図るとともに、国土保全上重要な森林につきましては複層林の育成などにも取り組んでいるところであります。
 いずれにいたしましても、今後とも森林整備事業あるいは治山事業、こういうものを推進いたしまして、健全な森林の整備、それから、その育成の基盤となる林地を維持するための治山施設の整備等に努めてまいりたいというふうに思っております。
清治政府参考人 土石流危険渓流につきましては、全国で今約九万の渓流がございまして、これにつきましては着実に安全度を高めていくための予算確保が必要というふうに考えておりますが、今お話がございましたように、二〇%程度にとどまっているというのが現状でございます。
 そういう中で、情報、これらを地域の方々にしっかりと迅速に伝えていくということが極めて重要でございますので、これらの点につきましても、また土地利用等々の調整につきましても、検討それから対策を進めていきたいと思います。また、治山との連携も非常に重要だと思っておりまして、これからも土砂害対策に努めてまいりたいというふうに思っております。
小沢(和)委員 ありがとうございました。
上田委員長 次に、藤木洋子君。
藤木委員 日本共産党の藤木洋子でございます。
 三宅島の現地視察がやっと実現いたしまして、前回の委員会視察から一年二カ月ぶりに直接、この目で島の様子を見てまいりました。
 全島避難から間もなく三年になります。この間、当委員会では、数次にわたる現地への視察、避難先への視察、二回に及ぶ参考人質疑と毎回の委員会での質疑を重ねまして、三宅島噴火災害対策に関する委員会決議も上げてまいりました。政府として、この間の委員会での議論、委員会決議について、どのように受けとめ、どのように対応してきたか、そのことが問われております。
 大臣は、決議は重く受けとめていると答弁されておりますけれども、その言葉を実際に、ではどうしてきたのかということが問題だと思います。
 この間、クリーンハウスの完成で宿泊型帰島が実現いたしましたけれども、本格帰島できるときに一人でも多くの避難されている方たちが帰れるのかどうか、その前提になる現在の日々の生活への支援、住宅の補修、再建支援など切実な要求については、残念ながら実現できておりません。
 この間の質疑で村、都から相談があればと答弁されておりますけれども、これまで繰り返し、きょうもお見えになっていらっしゃいますけれども、村会議員の皆さんや村長さん、また被災者団体の人たちから、首相や内閣官房長官、鴻池大臣に対して、切実な要望が直接寄せられております。そこで、そのことに対してどうこたえていくのかが政治の責任だということをまず最初に指摘して、具体的な問題を伺ってまいります。
 待望の宿泊型帰島が実施されるようになりましたけれども、予想していたよりも利用者が少ないと聞いております。毎回二百五十人の予定で、この間、九回実施されましたが、総利用者数は九百六十五人です。待ち望んでいたはずなのに、なぜこんなに少ないのか。肉体的に困難な人以外に、四泊五日ではとても仕事が休めない、日程が合わないという人がいらっしゃるそうです。また、本人が帰島できずに代理を頼んだ場合、船賃は自己負担で大変だという財政的な問題も伺っております。
 一人でも多くの人が帰島できるように、三宅島へ寄港する船便をふやすこと、代理人の船賃への支援など、村と相談をして早急に実現できるように、国の支援が求められております。現時点で、一度も島に帰っていないという人がどのぐらいいるのか。三宅村役場に聞いてもわかりませんけれども、一定数残されていることだけは確かであります。
 四月二十三日の参議院災害対策特別委員会では、我が党の大門議員の質問に対して、まず、宿泊型帰島の際に御自分で見ていただいて、また、住民に最も身近なところで仕事をしておられる三宅村が被害状況の掌握をされていくと答弁をされました。
 しかし、現在のやり方では、そもそも、被害実態がわかってもとても直せないとあきらめていらっしゃる方を含めまして、一度も島に帰れない人の家屋に対する対策はとられておりません。このまま今の状態で推移するならば、何らかの理由で帰島できない人であるとか財政的に困難な人の家屋については、手当てをされないまま放置されるということになってしまいます。
 国は、こうした人たちの家屋について、何も対策がとられないまま放置され続けてもよいと考えておられるのか、個人資産だから個人の責任でやってもらうしかないという立場をとられるのか、これは大臣にお答えをいただきたいと思います。
鴻池国務大臣 三宅村の方々の本格帰島時に生活再建を行うためには居住確保対策が極めて重要であることは、認識をいたしておるところであります。
 本年四月から、ただいま委員お話しのように、三月末に完成をいたしましたクリーンハウスを活用いたしまして、村民の方々の滞在型一時帰宅が実施されております。この滞在型一時帰宅等により被害状況等の把握ができるようになったことを通じて、東京都及び三宅村において必要な居住確保対策が検討されておるものと認識をしておるわけでありまして、政府といたしましても、これらを踏まえまして、必要な支援について検討してまいる所存であります。
藤木委員 しかし、今のままでしたら、自力でできないという弱者は結局、取り残されることになってしまうわけです。しかも、時間が経過すればするだけ、取り残される人たちがふえるということになってまいります。だからこそ、今もお話がありましたけれども、要望があれば相談に乗るという、そんな受け身の姿勢ではなくて、国の方から村に働きかけて、調査方法だとか財政的問題についても相談に乗って、現実の障害になっている問題を取り除くということが必要であろうと思いますね。
 さらに、宿泊型帰島で自分で家屋の状況を確認した上で、これなら直せるという人もいらっしゃいますけれども、とても被害がひどくて唖然とされて手も出ないという方もいらっしゃるわけです。何人かの感想を伺いますと、外見は大したことはないと思っていたけれども、畳がふわふわしておかしいと思ったら床が腐っていた、もう少し念入りに点検しないと、本当の被害状況はわからないなどのお話もございます。
 大門議員の質問に対して、大臣は、調査方法の相談などあったら、放置することなく協力して調査すると答弁されました。被害実態について正確に把握し、的確な補修を行い、安全な住まいの確保をするためには、個人の判断だけでは不十分で、専門家による調査は欠かすことができないことは明らかだと思います。素人判断で修理をしていて、もし倒壊が起こるというようなことになりますと、それこそ二次災害になってしまうのではないでしょうか。安全な住まいの確保という点からいっても、家屋被害について、専門家を入れて、正確に、かつ全容の把握を行うように、これは村ができないというのであれば国が直接行う必要があろうと思いますが、いかがですか。
尾見政府参考人 お答えさせていただきます。
 私も、当委員会の視察に同行させていただきまして、実際に被害に遭われた家屋等を見させていただきました。
 そこで、お尋ねでございますけれども、私どもは、今回の災害に起因して、一つの範疇としては、屋根被害というのがございましたね、それからシロアリの被害、ネズミの被害、そういうものを、広い意味で、災害に起因して生じているというふうに思っております。
 このうち、屋根被害につきましては、以前から、島民の方の日帰り帰宅を利用するということで、住民の方にも大工さんとか専門の方がいらっしゃいますので、そういう方々のお力を活用して、三宅島商工組合というものをつくって、そこで調査をされて、必要な対策を講じたというふうに承知しております。御希望のあるところについては、たしか八割近くの数字だと思いますが、屋根の修繕というようなものがされたというふうに伺っております。
 床の腐食というようなものについても、あるいは畳も含めて、やはりいろいろな職域の方もいらっしゃいます。日帰りから、三泊四日というような滞在期間の長い滞在も出てきておりますので、そういうことを効果的に組み合わせていけば、専門家の方で対応できるというふうにも考えられるんじゃないか、村の協力を得ながら対応するということは可能なんではないかというふうに考えております。そういう道を追求したらどうかというふうな感じを抱いております。
藤木委員 その問題では、職工組合の窓口一本化でない方がやりやすいという御意見もありますので、ぜひそのことは頭に入れていただきたいというふうに思いますね。
 都と相談される、村と相談するというのはいいことでございますけれども、国自身が、島民の皆さん方がどういう気持ちで全島避難の生活を送っているか、そこに心を寄せて、本格帰島まで希望を持って避難生活が続けられるように、いかに知恵を絞るのかということが大切であろうと思っております。
 そこで、帰島されて出てきた要望でございますけれども、家の周りがカヤやハンノキで覆われていて、一応除草はしてきたけれども、成長が早いから、風通しが悪くなることが心配だという懸念もございますし、島は湿気が多いので、夏場は家が蒸れて立ち枯れ状態になるのが心配との声も出されております。それというのも、八月の間はこの一時帰島はお休みでございまして、帰ることができないんですね。御本人にその作業ができないわけです。
 そこで、島ではハードの整備にかなり人数が働いておりますけれども、生い茂った木や草の除去などで住居を保護する、そのことがコミュニティーの維持に寄与するわけですから、公共性の高い事業として、例えば緊急地域雇用対策事業の一つとして行うことができるのではなかろうかと思いますが、厚生労働省、いかがでございますか。
三沢政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の緊急地域雇用創出特別交付金事業でございますけれども、これは厳しい雇用情勢を反映して設けられた事業でございまして、建設と土木事業以外の事業につきまして、地方公共団体が、地域のニーズを踏まえ、創意工夫に基づくさまざまな事業を企画、実施して、緊急かつ臨時的な雇用就業機会の創出を図る、こういうものでございます。
 東京都におきましても、これまで、本交付金を活用して、三宅島災害被災者に対しまして、雇用機会の創出を行っております。ちなみに、平成十四年度におきましては、三億一千六百万円、二百九十五人の新規雇用を生み出しております。十五年度、これは予定でございますけれども、五億一千百万円で、九百五十五人の新規雇用を予定している、こういうふうに聞いております。
 御指摘の事業でございますけれども、これにつきましては、まず、事業実施主体でございます東京都においてその適否を十分検討されるべき問題だと考えておりますけれども、今後、東京都から事業計画あるいは実施について相談がありました場合には、私どもも、交付金事業の趣旨を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
藤木委員 あわせて、屋根の修理だとか家屋の補修についても、やはり公共性が高いと位置づけて、今ある制度も活用して実施することを御提案申し上げたいと思います。
 きょうは、宿泊型帰島が一定期間実施されて出された島民の皆さん方の御要望を中心に取り上げてまいりましたけれども、帰宅された方の感想では、屋根が溶けて雨漏りがすごかったので一応屋根はふき直したけれども、柱や床板はもう腐り始めているので住める状況ではないとか、雨漏りが進み畳にキノコが生えていてとても住めないなど、深刻な被害状況も出されております。
 先ほど、ある程度の活用もできるのではないかということで提案もしてきたところですけれども、このままでは、体力や財政力などの差によって、これまで長年愛着を持って暮らしてこられた島の住まいをあきらめざるを得ないというような状況になることも懸念されます。やはり自助努力だけでは限界がありまして、解決できない問題でございます。
 これまで議論を重ねてきたように、全島避難という特殊性によって、自助努力をしようにもできない状態に強制的に追い込まれてきたこと、このまま放置するならばコミュニティーそのものの崩壊につながるという重大な位置づけから、政治の責任で、国がイニシアティブをとり、知恵を絞って、住まいの被害調査、補修、再建に支援を行う決断をしなければならないときではないかと思います。
 また、避難中の生活支援も同様でございまして、一年半前は、第二回島民実態調査を行っておりますが、暮らし向きが苦しいという人は五十歳以上では約四割、あとどのぐらいの期間今の生活が続けられるかとの問いに対して、約半数の人が一年を限界と答えておりました。あれから一年半以上経過して、何とか踏みとどまっているものの、時間が経過している分、生活実態は苦しくなっていることは明らかでございまして、阪神・淡路の被災地のように自殺者が出ていないのは救いですけれども、我慢もいつまでも続くという保証はございません。
 この間の質疑を踏まえまして、柔軟な対応として決定された災害保護事業も、適用は六月末現在で二十九世帯、四十二人だけで、これまでよりふえたことは確かですけれども、抜本的な対策にはなっておりません。この間、政府に対して出された要望、私たち議員に託された請願署名や要請項目などを見ても、日々の生活支援は切実な要求でございます。
 本格帰島に向けて希望を持って暮らせるように、現在の日々の生活での負担を軽減していくこと、選択肢やメニューをいろいろ用意することなど、創意工夫を尽くして実現すべきでありますし、また、住宅の補修、再建支援も同様に政治の責任で解決が求められている問題でございます。
 最後に大臣の御決意を述べていただきたいと思います。
鴻池国務大臣 三宅島噴火災害のように避難生活が長期にわたる場合、被災者の生活再建に十分配慮する必要があると存じております。その中でも、安定した居住の確保にかかわる支援をすることは、最重要課題の一つであると認識をいたしております。
 現行の被災者生活再建支援法の附則によりまして、住宅再建支援についての検討を行うこととされておりますほか、同法制定時の附帯決議によりまして、施行後五年を目途に総合的な検討を行うとされております。これらを踏まえつつ、必要な支援について検討してまいる所存であります。
藤木委員 ありがとうございます。
 ぜひそれを実現していただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
上田委員長 次に、中川智子君。
中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 まず初めに、今回九州を襲いました豪雨災害で亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたします。また、被災者の方々に対しましてお見舞いを申し上げたいと思います。
 鴻池大臣におかれましては、すぐに被災地に飛ばれまして現状を視察され、大変お疲れのところ、きょうの委員会でさまざまなリアルなお話を聞かせていただき、決意も新たに取り組まれるということに対して、心から敬意を表したいと思いますし、被災者の皆様が、大臣のさまざまなお話、お顔を見られてどんなに勇気づけられたかと思います。心からお礼を申し上げたいと思います。
 私、きょう質問を、まず生活再建支援法の見直しや住宅再建の問題から入らせていただきたいと思いましたが、かなり重複する部分がございますので、順番を入れかえまして、まず、七月十六日にこの委員会で視察をしてまいりました三宅村のことから質問を始めたいと思います。
 私、七月十六日に、ヘリコプターに生まれて初めて乗りまして三宅に行きました。初めての三宅村の視察で、本当にもう隅から隅までしっかりと目にとどめてきたいという思いで参加をさせていただきました。
 まず最初に空港から入りました三池地区の状況は、本当に死の島になってしまったんではないか、三宅は本当にこれで皆さんが帰れるんだろうか、死の島のような感じがすると思いました。と申しますのは、雲仙・島原の後、私は、二年、もう少したった後ですけれども、ずっとあの火砕流の跡を歩きまして、そのときに、木が人間の骨のように真っ白になって立ち枯れていまして、もうまるで再生ができない、そのような自然の壊滅状況というのを目の当たりにいたしまして、いかに火山災害というのが深刻なものかということを痛感いたしました。
 三池地区ではそのような印象を受けまして、とても打ちのめされた状態で心が沈みながらバスで移動しましたら、徐々に、次の地区とかどんどん参りますと、ウグイスの声がひっきりなしに聞こえてきました。本当に美しい声で、ホーホケキョというのが絶え間なく聞こえてきて、また、緑が、夏の緑が生き生きと繁茂しているという状態で、島の地区地区で随分違うんだなということを感じたのでございます。
 まず最初に、私は、今、三宅の方々がいろいろなところに避難していらして、もう三年を迎えるというこのときの、生活を、今の暮らしをどう帰るときまでつなぎとめていけるか、本当に健康な状態でまた島に帰っても頑張るんだというのが限界に来ているということで、幾つか質問をしていきたいと思います。
 まず最初に、これは、島民の方々のアンケートとかいろいろ拝見いたしましたが、特に一人の方を象徴的な深刻な状況として、文章をいただきました。この方は五十歳で、中学一年生と高校二年生のお子さんがいらして奥様がいらっしゃるということで、三宅では民宿業を営んでいて、開業四年目で被災をして避難をしている状況で、地区は、一番ひどいと言われます三池の地区の方でございます。
 この方が今一番深刻なのは、民宿を開業するに当たって、いわゆる開業資金として民宿購入の資金を借りたんだけれども、民宿業は全く今できないわけですから、借金だけが残っていて、避難している最中で借金の返済を持続してやらなければいけないという状況になっています。仕事は幸い正規雇用で得たわけですけれども、やはり月収は手取り二十三万円ぐらいということです。その中で、現在も元利ともの返済は月十万ぐらいしなければいけない。ですから、正規のお仕事以外にアルバイトとかいろいろ苦労をしていらっしゃるわけですが、ローンの返済や生活費のためには預金の取り崩し、生命保険の解約で何とかしのいでいますが、あと一年ぐらいがもうぎりぎりの限度だと思っていますと。
 このような長期避難という事態の中での住宅ローンの返済、元金そのものは猶予可能だということなんですが、利息部分に対しても何らかの補助などを行政として考えていただきたいというのが深刻な一つのお願いです。これは人それぞれさまざまな要望がございますが、やはりきめ細かな援助をしていく。それが、三宅に戻るときに避難された方がみんな元気でもとの島を復興させるといいますか、そのようなもともとのスタートになると思いますが、まず、この利子の補給などに関しましてどのようにお考えかという御答弁をお願いいたします。これは尾見統括官ですね。
尾見政府参考人 三宅島からの長期避難者の方々に対しては、現在、住宅金融公庫の既往債務に対する利子の引き下げが行われているというふうに承知しております。そのほかの対策としましては、都営住宅に無償で入っていただくということのほかに、今後、住宅の被害を受けた島民の方が住宅金融公庫の災害復興住宅融資を借りて住宅を建設、購入、または補修する場合に、都の方から当初十年間について利子補給を実施するなどの支援策を創設したというふうに承知しております。
中川(智)委員 私が今伺いましたのは冒頭のその一点でございまして、このような住宅ローンが非常に厳しくかぶっている人たちに対して、きめ細かな施策として利子の補給というのを考えているかどうかということで、これは、阪神・淡路大震災のときも兵庫県が積み立てた基金ということで柔軟な対応をいたしました。そのようなことを今都が考えていないならば、国として考えたらどうかという質問です。明確にお答えください。
尾見政府参考人 今、先生、阪神・淡路大震災の例を出されましたけれども、先ほどの雲仙の場合もそうでございますけれども、やはり都道府県等が中心になって基金を造成して、その基金においていろいろな諸事業をやられるという場合に、住宅に関してもいろいろな枠組み、利子補給だとかそういう枠組みがあるということは承知しております。
 ただ、この三宅島の災害に関して、今そういうことで具体的な動きがあるというふうには思っておりません。
中川(智)委員 そのような形で傍観者的に言われたら大変困るわけなんですね。もう三年になんなんとしている今の状況の中で、今の暮らしを支えていくのが大変だと。これは、もう島に帰らないで、あきらめてこっちでどうにかやっていくという選択をしていく人がこれからどんどんふえるということですから、都がそのようなことをやっていないならば国としてちゃんとやってほしい。このようなきめ細かな施策で、避難している島民をしっかり支えていくということで取り組んでいただきたい。
 取り組んでいただきたいということに対してどう考えるかということを言っているわけで、お答えになっていませんから、一言で結構ですから、そのようなことも考えていくかどうか、答えてください。
尾見政府参考人 三宅島の長期避難の方々につきましては、先ほど来お話がございますように、基本的には、現在、三宅島の方のガスの状況もございますが、そういう中で何とか安全確保対策を行う中で、早期、全員、全島帰還といいますか、そういうものを進めていくことが必要なのではないかと思っております。
 一方、そういうことをしている中で避難がますます長期化するというような事態になる中では、先生の御指摘されたような問題がもし発生するといたしますならば、そういう問題についても考えていく必要があろうか、こう思います。
中川(智)委員 もう発生しているからこのような質問になっているわけで、もう三年なんです。そこをしっかり考えていただきたいし、ガスの状況を見てとおっしゃいますけれども、これは自然相手のことです。そうやってじっと待っていて、先ほど藤木さんが話されたように、自殺者が出て人が死んでいったら、では、こういうこともやらなきゃいけないというのは、いつもそういう状況です。阪神・淡路ではいまだに自殺者が出ています。それは、天災を人災にしてしまった責任というのが国にあるからです。そのようなことを繰り返さないために取りかからねばいけないことですから、都と話してください。お願いいたします。
 続きまして、この方は高校二年生と中学一年生のお子さんがいらっしゃるんですが、中学、いわゆる義務教育であるならば、低所得者世帯として給食費などの免除、また教科書なども無料なんですが、高校生については何らの免除がありません。これはまた阪神・淡路の場合は、高校生、私立なども対象に免除制度というのがとられました。三宅に関しましては、免除制度が小中以外は一切ございません。
 これは文部科学省、きょう来ていただいていますが、何らかの対策を講じる必要があると思います、その時期に来ていると思いますが、いかがでしょう。
矢野政府参考人 公立学校の例えば授業料、入学金につきましては、基本的には、設置管理者であるそれぞれの都道府県教育委員会において判断するものでございますけれども、私どもとして承知しておりますのは、すべての都道府県で、災害等によって授業料等の納入が困難となった生徒に対する減免措置の制度が設けられているというふうに、私どもは承知いたしております。
 東京都について言いますと、東京都の教育委員会によりますと、三宅島から長期避難している生徒で授業料等の納入が困難になった生徒に対しましては、その減免が行われているというふうに東京都からは聞いているところでございます。また、東京都立学校におきましては、年度初めに授業料等の減免制度につきまして保護者に周知を図りまして、この制度が適切に利用されるようにしている、そういう配慮もいたしているということでございます。
中川(智)委員 それは文科の方で教育現場にしっかりと確認したことでしょうか。また、三宅の避難している島民の方々で、そのような学校に現在、在学中で、いわゆる義務教育じゃない方たちに直接、そのようなことをちゃんと対象としてやっているかどうかというのを、やはり国としても一人一人、そんなにたくさんの世帯じゃないわけですが、確認していただきたいと思います。
 そのようにやっているという報告だけではなくて、しっかりそれが実施されているかどうか、皆さんにそのことが周知徹底されているかどうか、そのようなことに対してはどうでしょう。
矢野政府参考人 国と都道府県、それぞれ役割があるわけでございますが、そういう意味で、先ほど申し上げましたことにつきましては、都立学校については東京都の教育委員会がきちんと管理しているわけでございます。そして、そういう状況の中で、今私が御報告申し上げましたのは、東京都教育委員会からきちんと報告を受けて、この場で御説明しているわけでございますので、私どもとしては、先ほど御報告申し上げたような形で適切に対応がなされているというふうに理解をいたしております。
中川(智)委員 わかりました。そのような制度がきっちりある、皆さんがそれをしっかりと申請してということでのお話をまた島民の方ともしていきたいと思っております。
 続きまして、先ほども最初に話しましたけれども、三池、そして沖ケ平地区でございましたが、そこは、上田委員長を初め皆さん、本当に非常に悲惨な状況だということ、この目に焼きつけたわけなんですけれども、あの地区は、ずっと年間を通して風の通り道になっていまして、ガスが常にたまりやすい状況であるということは事実です。また、この地区は地盤沈下もございまして、高波の被害、そして山の木々が枯れることによる泥流の被害というのも、これから予想されます。本当にそのような一触即発の自然状況、非常に災害が起きやすい状況にあるなということを感じました。
 火山ガスの被害が、先ほど気象庁からもるるお話がありましたが、やはり今の状態では無理だという見解だと思います。御答弁を聞いていますと、地域によって、やはりまだガスの濃度が人体に与える影響が深刻だということで、これはずっと横に推移していて、どんどん減るという状況じゃなくて、これは極めて、帰島の安全宣言が出される時期は、もしかしたらば、皆さんはことしの秋ぐらいかもしれないと期待していたわけですが、延びるかもしれない。こういう状態が続きますと、あと十年たっても三宅には、一部有毒ガスの発生が懸念されるからといって帰れないという最悪の状況が生まれる可能性があります。
 私は、非常に現実的に考えまして、三池地区、その横のガスの通り道、風のたまりどころではない地域は本当に青々としていて、もう島が生き返っているというのを実感したんです。現実的な方策としては、集団移転。ある意味では、もう安心な地域に対して住民の方々を、国の政策としてそこに住居をつくって、そして、危ないところに対してはもう人々が一定程度住めないというふうな決断をする時期が迫っているのではないかと思います。
 地域ごとに移転することが現実的であって、早い解決に結びつくと思うし、また、そのことを検討していく時期に今はなっているのではないかということを思いますが、気象庁、そして国土交通省の御答弁をお願いします。
北出政府参考人 三宅島におきまして、二酸化硫黄の濃度が島内で均一に高いということではなくて、地域差があるというのは、先生の御指摘のとおりでございます。
 三宅島の各所で二酸化硫黄の濃度をかなり長期間観測してまいりまして、そういった結果を見ますと、風の影響を非常に強く受けるということで、三宅島では、一年を通しまして西寄りの風が吹くことが多いということで、特に島の東部に噴煙が流れることが多い。この地域では、一時間値で五ppmを超えるような高濃度の二酸化硫黄が観測される頻度が他の地域と比べて高くなっております。
 しかしながら、季節によりまして、また日々の気象条件によりまして風向きが変わりますので、他の地域でも局所的に高い二酸化硫黄濃度が観測される場合がございますので、どの場所が安全かということは一概に言えないわけでございまして、引き続き火山ガスに対する警戒が必要であるというふうに考えております。
竹歳政府参考人 お答え申し上げます。
 先生の、島内の安全な地域に集団移転を考える時期に来ておるのではないかという御質問についてでございますが、まず、一般論として申し上げれば、最近の事例では、有珠山とか雲仙・普賢岳とか適用したように、被災した現地での再建では住民の生命、身体、財産が守れないという問題がある場合には、市町村それから都道府県において安全な地域に新たな団地を造成して住居の集団的移転を促進する事業として、防災集団移転促進事業というのがございます。
 今、気象庁長官の方から答弁がございましたように、どこが安全かと一概には今の段階で言えないということを踏まえつつ、もし仮に、島内に火山ガスの濃度が薄くて生活に適した地域がある、そして、そこに皆さんが集団で移転するというようなことが決定されれば、それは、先ほど申し上げました事業を活用することは可能であると考えます。
 三宅島につきましては、先ほど松原先生の御質問のときにお答えいたしましたが、今の家に戻られるということを念頭に、東京都と三宅村と、そこに降った降灰を片づけるのをどうしようかということを、現在いろいろ協議をしている段階でございますが、この集団移転につきまして東京都と三宅村から相談があれば、それは適切に対応していきたいと考えております。
中川(智)委員 わかりました。
 さまざまな島民の方々のお話を私も継続的に伺っているわけですが、大臣、今、島民連絡会議という組織を三宅の方々がつくられて、やはり月に一回元気な顔を見せ合ったり、この八月には、お祭りというか、一カ所に集まって皆さんで励まし合うということをしていらっしゃいます。
 今、その島民連絡会議が、きめ細かなアンケートを作成して、島民の方々に書いていただいているらしくて、それが大体八月半ばに回収されるということだそうです。そこでわかりやすくやはり皆様が望んでいることがつまびらかになったときには、ぜひとも、三宅に帰られるために、今の生活のきめ細かな皆様の訴えというのに耳をかしていただきたいと思いますが、これに対して、一言、大臣、御答弁をお願いいたします。
鴻池国務大臣 私も、就任早々、昨年の十月初旬に島に渡らせていただきました。中川委員が目にされた風景、まさにそのとおり私も感じました。立ち枯れておる真っ白な枯れた大きな木のもとに、ただ青々とヤブツバキが咲いているのも印象的でありました。これが我々訪問した者の一縷の希望につながっておりますし、また、島民の皆さんがこぞって島に帰れる日、これを御支援申し上げるのが国の仕事の重要なところであるということは、認識しておるところでございます。
 しかし、主体はあくまでも島民の皆さん、村の皆さん、そして、それを直接支援されるのは東京都でございますので、十分そのあたりのお互いの役割を認識しながら御支援を申し上げたいということには変わりはございません。
 ただいまの、八月のお祭りを含めたいろいろな連絡会議の御様子等につきましては、担当大臣といたしまして興味を持って拝見させていただきたい、このように思っております。
中川(智)委員 それでは、生活再建支援法関係の質問に移らせていただきたいと思います。
 全国知事会、七月十七日に緊急決議ということで、大臣のもとにも御報告があったと思います。やはりこの知事会の議論というのはもう大変な議論だったそうですが、本当に温度差がすごくある、日本全国、ほとんど災害のないところと、災害に見舞われるところと、温度差がある中で決定を見た。その温度差を克服して全国知事会としてこのような決議を出したということは、非常に重い。また、それは国民総体、すべての希望でもある、要望でもあるというふうに認識いたしております。
 この御答弁、先ほどと重複いたしましたが、大臣、この知事会の案を受けてやっていくというお返事を再び、私にも賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
鴻池国務大臣 全国知事会が七月の十七日に自然災害被災者支援制度の創設等に関する緊急決議を取りまとめられました。これは、現行の被災者生活再建支援制度の見直しを行うこととあわせ、都道府県が新たに資金を拠出して公的支援による住宅再建支援制度を創設することとし、そのための立法措置等を国に求めておるものと承知をいたしております。長年の経緯のある課題について知事会議の場で都道府県の意見集約がなされたことは、国としても真剣に受けとめさせていただきたいと思っております。
 今後、内閣府といたしましても、知事会における要望内容等を十分お聞きし、安定した居住確保の支援策も含めた被災者生活再建支援の充実について、平成十六年度の予算編成過程を通じて関係機関と協議の上、必要な措置を講じてまいりたい、このように思っております。
中川(智)委員 相沢英之会長を先頭にいたしまして、超党派の、今現在各党で八名のワーキングチームのメンバーで昨日から作業を開始いたしました。私もワーキングチームのメンバーになっておりまして、被災地出身議員として、鴻池大臣も被災地出身議員でありまして、当初のさまざまな施策に対して本当に力を尽くされたということはよく存じておりますが、この議員連盟のワーキングチーム、法制局と法案の準備にかかろうということになっております。これまでも活発に活動してきた議員連盟でありますが、生活再建支援法そのものは議員立法で出しました。
 大臣の御答弁を伺っておりますと、生活再建支援法の見直しなり住宅再建支援法に関しては、閣法で出していくという理解でよろしいでしょうか。
鴻池国務大臣 一言で申し上げれば、予算とその裏づけとなる法律ということでありますので、その整合性が確保されることが望ましいと存じております。
 これを閣法にいたしますのか、議員立法にいたしますのかということにつきましては、今私の方から申し上げるということは時期尚早ではないかと存じておりますので、控えさせていただきたいと思います。
中川(智)委員 まだ本当にこれからのことだと思います。私は、法としていいものができるならば、議員立法の部分で皆さんに御協力いただくということも一つの選択肢ですが、ぜひとも内閣として、前の支援法のときには皆さんこぞって反対されまして大変な目に遭いましたので、ぜひともしっかりと内閣の方からつくっていただくという作業は開始していただきたいと思います。(鴻池国務大臣「はい」と呼ぶ)
 もう時間ですが、生活再建支援法、お金の問題だけではなくて、対象戸数の問題などもいろいろございまして、今回の水害でも熊本と福岡は生活再建支援法の対象となります一県当たり百戸以上になると思いますが、鹿児島の方は十戸に満たないという実態がございまして、これはやはり一戸からでも対象にすべきだということを議員立法作成のときには強調しましたが、それがなされませんでしたので、対象戸数の見直しも考えていただきたい。
 また、大臣御存じのとおり、住宅再建は所得制限が非常に厳しいもので、五百万円以上とありました。一世帯当たりですから、対象になる被災者の方が非常に少ないという、法律はできたものの恩恵にあずかる方が極めて少なかったということがございます。
 そしてまた、支援金の百万円に関しましても、三十万円に関してはちいちゃな、ちょっとしたレシート、領収書を出せということで、被災地の行政は本当に事務経費でまたばかにならないお金を使うという、そのようなばかげた中身もございます。
 ぜひとも被災者が喜ぶような生活再建支援法の見直しでありますとか住宅再建の法律をしっかりと確立していただきたいということをお願いいたしまして、最後に今の私に対する御答弁を大臣に一言いただいて、質問を終わりたいと思います。
鴻池国務大臣 全国知事会議の緊急決議につきましては、今、中川委員もお含みの御発言がございましたように、現行の生活再建支援制度について適用条件の緩和等の見直しを行うことも盛り込んでおるものと承知をいたしております。生活再建支援法施行後、五年をめどに総合的な検討を行うとの附帯決議もございますので、安定した居住確保のための支援策とあわせ、被災者生活再建支援の充実についても検討を進めてまいる所存でございます。
 また、昨日、第一回ワーキング会合をされました。自然災害から国民を守る国会議員の会、これにつきましては、私がこの任が解かれましたら恐らくそちらの方に入って皆さんと一緒に努力をする立場になろうかと思いますこともあわせて申し上げまして、答弁とさせていただきたいと思います。
中川(智)委員 ありがとうございました。
上田委員長 三宅村議会の皆様方、終始傍聴いただきましてありがとうございます。連帯を持って皆さんの努力に報いたいと思っております。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十七分散会


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