衆議院

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第6号 平成17年4月14日(木曜日)

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平成十七年四月十四日(木曜日)

    午前九時五十一分開議

 出席委員

   委員長 西村 真悟君

   理事 佐藤 剛男君 理事 斉藤斗志二君

   理事 福井  照君 理事 三ッ林隆志君

   理事 小平 忠正君 理事 松原  仁君

   理事 石田 祝稔君

      伊藤信太郎君    江藤  拓君

      遠藤 利明君    大野 松茂君

      小坂 憲次君    近藤 基彦君

      左藤  章君    竹下  亘君

      武田 良太君    西村 明宏君

      林  幹雄君    保坂  武君

      三ッ矢憲生君    宮下 一郎君

      森  英介君    山下 貴史君

      山本  拓君    吉野 正芳君

      渡辺 具能君    泉  房穂君

      一川 保夫君    菊田まきこ君

      岸本  健君    古賀 一成君

      下条 みつ君    藤田 一枝君

      前田 雄吉君    村井 宗明君

      和田 隆志君    赤羽 一嘉君

      東  順治君    赤嶺 政賢君

      高橋千鶴子君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       村田 吉隆君

   内閣府副大臣       林田  彪君

   内閣府大臣政務官     江渡 聡徳君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   柴田 高博君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           樋口 修資君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           木谷 雅人君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      大島  寛君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            坂田 東一君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           小島比登志君

   政府参考人

   (水産庁漁港漁場整備部長)            田中 潤兒君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           梶原 景博君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  清治 真人君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  山本繁太郎君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  鬼頭 平三君

   衆議院調査局第三特別調査室長           杉山 博之君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月三十日

 辞任         補欠選任

  石井 郁子君     高橋千鶴子君

四月十四日

 辞任         補欠選任

  竹下  亘君     渡辺 具能君

  原田 令嗣君     遠藤 利明君

  黄川田 徹君     藤田 一枝君

  津川 祥吾君     古賀 一成君

  白保 台一君     東  順治君

  高橋千鶴子君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  遠藤 利明君     武田 良太君

  渡辺 具能君     竹下  亘君

  古賀 一成君     津川 祥吾君

  藤田 一枝君     黄川田 徹君

  東  順治君     白保 台一君

  赤嶺 政賢君     高橋千鶴子君

同日

 辞任         補欠選任

  武田 良太君     山下 貴史君

同日

 辞任         補欠選任

  山下 貴史君     原田 令嗣君

    ―――――――――――――

四月六日

 生活再建支援法に関する請願(小林憲司君紹介)(第七一三号)

同月十三日

 災害被災者の生活と住居・店舗再建の公的支援制度の改善に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第九一五号)

 生活再建支援法に関する請願(石井郁子君紹介)(第九八三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第九八四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第九八五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第九八六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第九八七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(福岡県西方沖を震源とする地震による被害状況等)

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

西村委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 本日は、特に福岡県西方沖を震源とする地震による被害状況等について調査を進めます。

 この際、去る三月三十日、福岡県西方沖を震源とする地震による被害状況等調査のため、福岡県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。

 派遣委員は、自由民主党の佐藤剛男君、斉藤斗志二君、福井照君、三ッ林隆志君、民主党・無所属クラブの小平忠正君、小林憲司君、松原仁君、公明党の石田祝稔君、日本共産党の石井郁子君、そして私、西村真悟の十名であります。

 また、自由民主党の原田義昭君、渡辺具能君、民主党・無所属クラブの古賀一成君、藤田一枝君が現地参加されました。

 今般の地震及び被害の概要でありますが、三月二十日午前十時五十三分ころ、福岡市の北西約四十キロ沖を震源とするマグニチュード七の地震が発生しました。この地震により、福岡市中央区、東区、前原市及び佐賀県みやき町では震度六弱が観測されました。

 このため、福岡県においては、玄界灘の島嶼部及び沿岸部を中心として、家屋、漁港施設、港湾施設等に大きな被害が発生いたしました。

 特に被害の大きかった玄界島では、ほぼ全島民の方々が島を離れ、市内の避難所で避難生活を送っておられます。

 福岡県全体の被害状況は、三月三十日現在で、人的被害が、死者一名、負傷者七百五十四名、住家被害が、全壊四百四十二棟、半壊九百九十九棟、一部損壊三千五百七棟、道路被害六百九十三カ所、水道被害千五百二十カ所、港湾被害四十五カ所、漁港被害十八カ所、林地荒廃十カ所、治山施設被害五カ所となっております。避難者は六百三十名となっております。

 なお、福岡県は、災害救助法を福岡市に適用するとともに、被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援制度を福岡市に適用しております。

 この災害によりとうとい命を失われた方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対して衷心よりお見舞いを申し上げます。

 それでは、調査の内容について御報告申し上げます。

 まず、福岡県庁において、麻生福岡県知事、山野福岡市副市長を初めとする関係者から、被害状況等の説明を聴取した後、災害復旧事業等の早期採択、応急仮設住宅建設、災害廃棄物の処理等に係る財政措置の拡充、被災者生活再建支援制度の拡充等について要望を受けました。

 その後、福岡市中央卸売市場鮮魚市場の被災現場を視察いたしました。コンクリートの床の一部は隆起し、岸壁は海側に一メートルほど突き出ておりました。

 次に、博多埠頭から福岡市営のフェリーに乗船し、玄界島に向かいました。

 島に上陸後、桟橋の岸壁の一部が大きく陥没しているのが目に入りました。また、島には平地が少ないため、多くの家屋が南斜面に密集して建てられており、屋根がわらが崩れ落ちている家屋が多く見られました。細い路地や階段が縫うようにしてつくられており、坂道の両わきには、外壁がはがれ落ち、傾いた家屋が見られたほか、土台ごと崩れ、激しくつぶれた家屋も見られました。ある家屋の軒先には干されたままの洗濯物が残っており、取り込む暇もなく慌ただしく島を離れたことがわかりました。

 自衛隊などによる復旧活動が本格化する中、三月二十九日から、島内において百戸の応急仮設住宅の建設が開始されたとのことでありました。多くの世帯が漁業で生計を立てておられることから、一日も早い漁業の再開が課題となっており、漁港施設の復旧作業を早期に行う必要があると感じました。

 次に、市内の天神地区において、地震により窓ガラス約四百四十枚が割れ路上に飛散したビルを車中から視察いたしました。日曜日の午前中で人通りが少なかったため、負傷者が数人で、大惨事に至らずに済んだとのことでありました。この建物は窓ガラスが建物の窓枠に固定されていたため、振動が直接ガラスに伝わり、破損したと見られております。

 最後に、玄界島の被災者の方々の避難所となっている九州電力記念体育館を訪問いたしました。

 この体育館には約四百四十名の方々が避難されており、私どもは、島を離れ、なれない避難生活を送っておられる被災者の方々にお見舞いを申し上げ、激励をしてまいりました。また、敷地内には、自衛隊により仮設の浴場が設置され、島の医師等により臨時診療所が開設されておりました。

 以上が調査の概要でありますが、私どもは、この調査を通じまして、現地の一日も早い復旧復興がなされるよう力を尽くす決意を新たにしたところでございます。

 最後に、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。

 この際、お諮りいたします。

 福岡県及び福岡市からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔要望事項は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

西村委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官柴田高博君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、文部科学省大臣官房審議官樋口修資君、文部科学省大臣官房審議官木谷雅人君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長大島寛君、文部科学省研究開発局長坂田東一君、厚生労働省社会・援護局長小島比登志君、水産庁漁港漁場整備部長田中潤兒君、国土交通省大臣官房審議官梶原景博君、国土交通省河川局長清治真人君、国土交通省住宅局長山本繁太郎君及び国土交通省港湾局長鬼頭平三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺具能君。

渡辺(具)委員 まず、自民党の代表として渡辺具能から質問させていただきます。

 まず初めに、このたびこういう発言の機会をいただきましたことを、西村委員長さん初め各委員の方々に厚く御礼申し上げます。また、西村委員長よりも御報告がありましたが、現地調査にも参加をお許しいただきましてありがとうございました。心から感謝申し上げます。

 まず、質問をします前に、このたびの地震によりまして被災を受けられました方々に対しまして心からお見舞いを申し上げるものであります。そして、この被災に対しまして、何といっても、これまで経験のあります政府そして与党が中心になりましてこの被災に対する復旧を進められますことを、また、福岡県あるいは福岡市と、あるいは関係市町村と連携されまして、住民の方々に一日も早い安心と安全が取り戻されることを心から願うものであります。

 私は、あの地震がありましたときに保育所の卒園式に参加しておりまして、揺れが始まると同時に、保護者の方が我が子を捜して抱き締めて非常におびえておられる姿を目の当たりにしたわけであります。私は、そのとき政治家であることを思い起こしまして、政治家として今何をやらなきゃいけないかということを感じたわけであります。私がそのときまず最初にしたことは、卒園式の行われている大きな部屋でありましたが、出入り口の戸を、ドアを全部開放いたしました、あけました。まさかの場合にそこがあかなくなったのではいけないので、まず戸をあけて、そしてほかにやることがないかということを考えていたことを思い出すわけであります。

 福岡県の人にとっては地震は未経験のことでありますので、その驚きは、あるいは恐怖は我々の想像を絶するものがあっただろう。私は多少経験しておりますのでそうでもなかったんですが、福岡県の方々は大変な恐怖であったろうというふうに思います。私は、その後すぐ選挙区を回りまして、被災状況を視察いたしました。役場にも参りました。福岡市に被害が集中しておりますが、福岡市に隣接しております私の選挙区の地元の方々のところでも家屋の倒壊等ありまして、かなり大きな被災のあるところもあったわけであります。

 私はそのときに思ったんですけれども、このたびの被災は、一番激しいのは玄界島でありまして、この方々には心からお見舞いを申し上げるわけでありますが、中心地以外でも結構倒壊しているところがあるんですね。ところが、そういう被災地はところどころでありまして、なかなかシステマチックな応援というのがなされておりません。しかし、不安は集中した場所と同じでございまして、大変困っておられました。私が行ったところも二軒半壊しておりましたけれども、調査に来てくれるのが二日後なんですよという話なんですね。すぐ来てくれないんですという話があって、私どもはその間はどうしたらいいか自分で判断しなきゃいけないので困っているんですという話がありました。私は、それを受けてすぐ、これは自民党の中でも対策本部が立ち上がったときにも申し上げたし、県にもお願いして、とにかく早く、この被災を受けた中心地だけではなくて、そういう場所でも困っている人がいるんだから、そこに早く調査に行って対応措置を考えてほしいということをお願いしましたら、もう大変迅速にやっていただいて、大変ありがたかったというふうに思っております。

 また、その後は、私も被災の中心でありました福岡市の被災地も見て回りました。それで、この災害特別委員会のチームにも入れていただきまして回りましたし、九電の体育館にも都合三回ぐらい参りました。ちょうど私が行ったときには、地元の前衆議院議員であります太田先生も来ておられまして、大変心配をしておられて、私にいろいろな要望もされたわけであります。私は、それから漁港の方にも、港の方にも何度か訪れまして、私ももともとは技術屋でありますので、どんな復旧をしたらいいかということも、自分がその仕事をするような気持ちで国土交通省の方々と相談もいたしたわけであります。

 そういう私が実際にこの目で見ました状況だとか、あるいは、避難しておられる方々と私が実際お伺いしたお話ですとか、あるいはいろいろな方々から聞いた要望等も踏まえて、きょうここでお願いといいますか質問をまずさせていただきたいというふうに思います。

 私は、今度の地震で思ったんですけれども、一番大切なのは、この人々の当面の生活をどうするかという問題と、それから、何といっても大切なことは、住宅と仕事じゃないか。住宅をどうしてやるか、そして仕事が、今度被害を受けられた方は漁民の方が多いんですけれども、漁業を早くできるようにしてあげる、仕事をできるようにしてあげるということが大切だなと。まずは当面の生活と、それから次に大切なのは、住宅と仕事をできるようにしてあげようというのが大変大切だということを痛感いたしたわけであります。

 政府には、内閣府に村田防災担当大臣がおられるわけでございます。何といっても、政府で考えることはこの村田大臣のところで一括してお考えいただいて、大いなる指導力を発揮していただいて、復旧が一日も早く成りますことを心から期待し、またお願いするものであります。

 そこで、まず最初にやってもらいたいことは何かといいますと、さっき私は生活ということを申し上げましたが、急ぐべきものを急ぐ、急いでやらなきゃいけないことを急いでやらせるというのが私は大臣にお願いしたいことであります。そういう面において指導力を発揮していただきたいというふうに思います。

 私は、九電体育館で被災者の避難しておられる方々とお話をしたわけですが、とにかくやはり、あそこの共同生活は大変ですね。プライベートはないし、食べ物は特に汁物がないとおっしゃっていましたね。それから、やはり安心して眠れない。みんなが共同でそこに雑魚寝しているわけですから、なかなか眠れないという話がありました。そこのところに少しでも、快適とはいかなくても、配慮してやるのがまず大切なことではないかというふうに思いました。

 聞くところによりますと、最初は、板張りの上に毛布みたいなものを敷いてその上に寝ておられました。それを見た福岡県の自民党で、これは大変だろうと。あれは、もともと九電の体育館というのは高校の柔道の試合もあるところなんですけれども、あのときには畳が入っているじゃないか、何でここに畳が今入れられないんだというような話があって、福岡県自民党が知事さんに申し入れをして、畳を入れてください、すぐ入れてくれないなら自民党でもう入れますよということを言ったら、直ちに畳を入れてくれて、私が第一回目見たときは畳が入っていませんでしたが、畳を入れてくれたんですね。その畳を入れてくれたので大分睡眠もとりやすくなった、生活もしやすくなった、こういう話でございました。

 私がその次に思うのは、医療関係がうまくいっているんだろうかと思いましたら、何かあの体育館の端の方に救急ボックスが置いてあるだけで、そこにお医者さんがいらっしゃるような雰囲気ではなかったですね。私は、ああいう場合は、みんなが共同で生活しているんだから、担当医が交代でお医者さん一人ぐらいは常駐していただいてもいいんじゃないかというようなことも思いました。それから、あそこから子供たちが学校に通うことができるんだろうか、学校はどうしているんだろうかということを思ったわけであります。

 私は、避難生活しておられる方々の声を聞いてとにかく一番大きかったのは、家族で生活したいということなんですね。早く家族で生活をしたいということをおっしゃっていました。あの中で共同生活することの大変さ、苦痛は相当なものである、早く家族で生活したいということをおっしゃっていました。

 私は、この災害特別委員会で福岡県知事さん初めとお話をしたときにも申し上げたんですが、そのときに、仮設住宅の建築といいますか施設が連休前にならないと完成しないということをおっしゃっていたんです。連休前というと、三月二十日ですね、これが起こったのは、一カ月以上かかることになる。私は、あのプレハブ住宅が、住宅とはいいながら、プレハブ住宅が何でそんなに時間がかかるのかこれは理解できない。知事さんにもあの場で申し上げた、あの共同生活をいつまでさせるんですか、早く家族が生活できるようにしてくださいよ、プレハブ住宅じゃないですかと。それはもちろん、水も引かないかぬ、ガスも引かないかぬ、水道も引かないかぬでしょう、しかし、それにしてもちょっとかかり過ぎじゃないか、もっと早くやってほしいということをあの席上で申し上げたわけです。そういうことを急いでやらせるのが、やはり私は村田大臣のところの指導力ではないかというふうに思うんです。

 したがって、まず皆さんが望んでおられるのは、早く仮設住宅に入って家族のプライベートが守れる生活がしたい。これは生理学的にも大変ですよね、二カ月近くもあの共同生活をさせられたのでは。身になって考えてくださいよ。身につまされますよ。

 そういうことを考えると、まず私がお願いしたいのは、プレハブ住宅をとにかく一日でも早くに、私なんか考えたら、その気になれば、総理も激甚災並みの対応をするとこうおっしゃっていただいているわけだから、何といっても、早くプレハブ住宅を提供してやることが私は今一番当面急がれることではないかというふうに思うんです。そういう意味で、急ぐべきことを早くやってほしい、この面で大臣にぜひ指導力を発揮していただきたいということをお願いしたいと思うんです。

 大臣、その点についてはいかがでしょうか。私がさっき申し上げた医療体制のことも含めて、あるいは子供の学校のことも含めてその辺に対する指導そして対応はどうなっているか、その辺についてお伺いしたいと思います。

村田国務大臣 渡辺委員のお地元で大きな地震が起こったわけでございまして、もとより、渡辺委員の御心配は殊さら大きいものがあろうかと私も拝察をいたし、心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 それで、幾つか御指摘あるいは御質問がございましたので、お答えをさせていただきたいと思います。

 今、渡辺委員がおっしゃるように、被災後に一番大事なことは住宅と仕事じゃないかと、これはそのとおりでございまして、私も、いつもその二つ、つまり、もとどおりの生活に戻りたいという被災者の願いは、まず住宅で生活の拠点が安定すること、それからなりわいの方が安定すること、この二つであると私も同感であります。

 それで、住宅の方でございますが、全倒家屋が、たしか、委員長の御報告でもありましたように四百四十二棟であったと思いますが、そのうち既に県営住宅とか市営住宅に入っておられる方、そういうのが大体百十三戸に御入居済みであるということでございました。

 これからさらに努力をしなけりゃいけないのは、玄界島ではほとんど全滅でございますので、あの本当に狭い宅地の中でどこに仮設住宅を建てるかといったところも大変苦労したわけでございますが、とりあえず、二百戸を島と本土とに分けて建てるということでございます。地元をできるだけ督励いたしまして、今、委員が連休前とおっしゃいましたけれども、今月中のできるだけ早いうちにさらに前倒しをするように、改めて私の方から県にも申し伝えたいとこういうふうに思っております。

 新潟の中越では、十月二十三日に発災しまして、仮設住宅を着工いたしましたのが十月の二十七日、四日後のことでございました。ここでは大体締めて三千戸ぐらいの仮設を建てたわけでございますが、あのケースも、大変雪深いところなので冬対応が必要だということで、特殊な構造と強度を持った仮設住宅が必要であったわけでございますが、福岡の場合にも、島で建てる、あるいは港のあのかもめ広場で建てるわけでございますので、防潮対策というそれが必要なようでございます。新潟の場合には、二十七日に着工して、全部入り終えたのが十二月の中ごろだったと思います。この福岡のケースも、二十九日着工でございますが、今月中にはできるだけ早いうちに済ませたいと思っております。

 それから医療体制でございますが、私も行きましたけれども、日赤及び近隣のお医者さんが多分常駐している態勢にあるというふうに思いますので、お調べを願いたいと思います。

 それから学校の方は、小中学校、入学式も、それから始業式も最寄りの小中学校をお借りしまして済ませたということでございますので、被災者の皆さん方のニーズについては少しずつおこたえできているのではないか。

 しかし、急がせたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

渡辺(具)委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 それから、家屋のことについてお尋ねいたします。

 私も島民の方と話したら、漁業をやっている人というのは、家にばかりお金をかけるわけにはいかないんですよね。大きなローンを一番占めているのは船だと言うんですね。幸いにして今度の場合は船は傷んでいないんですけれども、しかし、船のローンを抱えていて、先生、家の壊れたものをどう復旧しようかと思うと頭が痛くて途方に暮れるんですよということをおっしゃっていました。私もそうだろうというふうに思うんです。

 そこでまず、倒壊した個人の家屋に対して何が支援できるのか。時間もなくなって、私、聞きたいこといっぱいありますので、端的に答えていただきたいと思います。

柴田政府参考人 制度についてお答えいたしますが、まず一つは、災害救助法の応急修理制度というのがございます。住宅が半壊した世帯に対しまして応急修理費、五十一万九千円が限度でございます、の支援ができます。それから、被災者生活再建支援法の居住安定支援制度がございます。全壊した世帯に対しましては最大三百万円、大規模半壊した世帯に対しましては最大百万円ができます。それから、住宅を建設、補修する方が、住宅金融公庫の災害復興住宅への融資、一般の公庫融資よりも低い利率でございます、低利の融資でございます。これらの施策を行ってございます。

 これらの施策を積極的に活用しまして、被災者による早期の住宅再建を支援してまいりたいと考えております。

渡辺(具)委員 私が先ほど申し上げたように、非常に急傾斜地に建っているわけで、壊れたものを自分で直そうといったってこれはなかなか大変で、復旧作業については物すごく大変になるんですね。しかも、さっき言いましたように、船のローンも抱えていてなかなかできないということで、私は、今度の場合は、総理も激甚災並みの応援をするとこうおっしゃっていただいているわけで、それは大変我々にとって力強い言葉であります。そういう意味で、この倒壊家屋に対する復旧について特別な配慮、フェーバーを賜りたいというふうに思うんです。

 先ほど、柴田局長の話だと応急修理の基準額が五十一万九千円ですか、とおっしゃっていましたけれども、とてもこんなことでは大変なんですよ、できませんよ。ここに特別な配慮をぜひいただきたい。

 大臣、その応急修理の基準額、少し特別な配慮をしていただけませんでしょうか。

村田国務大臣 新潟県中越地震のときには、豪雪地帯ということで急遽六十万円に引き上げたところであります。

 今、先生が御指摘のように、玄界島という離島の皆さん方が大変な被災を受けたということでございますので、福岡県や市の方から御要望があれば、我々、中越と同じようにできないかどうか真剣に検討してみたいと、こういうふうに考えております。

渡辺(具)委員 ただいまの答弁では、特別の配慮をしていただけるという方向の答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。大変力強いものを感じております。どうぞよろしくお願いいたします。

 それから、今度の被災で一番傷んでいるのはやはり漁港と港湾だろうというふうに思います。この漁港と港湾について質問をさせていただきます。

 私は、役所におりますときに三十九年の新潟地震を体験いたしまして、そのときと比べれば、地震があって災害を受けた方々には申しわけないんですけれども、マグニチュード七の割には構造物の傷みはそれほどでもなかったかな、液状化現象もそんな大きな液状化が起こったとは思えないという意味では、不幸中の幸いだったかなというのが私の技術屋としての正直な思いでありますが、しかしそれでも、法線がはらみだしていたり、どうも我々もよくわかっているんですが、博多港は、地震が少ないところですから設計震度が低いんですよね。設計のときの地震の応力を小さくしか見ていないんですね。そういうこともあって、つんのめっていたり、特に、岸壁の構造が重力式岸壁で矢板になっていないから、後ろに引っ張っていないから、つんのめって壊れていたものが非常に多いなというふうに思ったんです。

 そういう中で私は、一番大切なのは、さっき言いましたように、生活そして家屋と仕事だというふうに申し上げましたが、仕事の関連でいうと、早く漁に出たい、今はヤズ漁の最盛期だというふうにも聞いているんですが、幸いにして船はそのまま傷んでいないので早く漁に出たい、こういうふうにおっしゃっているわけですが、まず、博多漁港の方で今の状況で漁がちゃんとできて水揚げもちゃんとできるのかどうか、それから、港湾の方では物流に対する対応がちゃんとできているかどうか、入りたい船はちゃんと入れるかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。それぞれお答えいただきたいと思います。

田中政府参考人 お答えいたします。

 福岡県西方沖地震により特に被害の大きかった福岡市におきましては、先生がおっしゃいました博多漁港、玄界漁港を初め七漁港でもう既に必要な応急工事が実施されておりまして、玄界島を除きまして漁が行われていると聞いております。

 なお、玄界島におきましては、被災した漁港施設の応急工事を急いでおりまして、漁業の再開に向けて万全を期しているところでございます。

 いずれにいたしましても、水産庁といたしましても、担当者を随時派遣して、被害の把握と早期の災害復旧に向けた協議を行っているところでありまして、引き続き、県、市町村と密接に連絡をとりながら、準備が整い次第、災害査定を実施して本格的な災害復旧に努めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

鬼頭政府参考人 博多港の被災あるいはそれに伴う物流への影響についてのお尋ねでございますが、博多港につきましては、既に整備されておりました岸壁五十五のうち、被害の大小はございますが、全体の約九割に当たる四十九の施設が被災を受けております。このうち、現時点でも五つの岸壁が利用できないという状況になってございます。

 定期航路が発着する岸壁につきましては、クラックとか段差とかそういうものが発生をしておりますが、甚大な被害には至らなかったということもございまして、外貿の定期コンテナ航路あるいは韓国とのフェリー航路、離島航路などは、通常のスケジュールどおり運航が確保されているという状況にございます。

 ただ、今申し上げました利用が困難になっている五つの岸壁についてでございますが、これについてはほかの岸壁を利用するということをやむを得ずしております。それによってやや効率は落ちてございますが、物流がそれによって完全に停滞するという状況には至っておらない、そういうことでございます。

渡辺(具)委員 ただいまの話で少しは安心いたしました。

 しかし、何とか仕事はできているということであるんでしょうけれども、いろいろ効率が悪かったり不便をかこっておられるんじゃないかと思いますので、とにかく、一日も早い復旧をお願いいたします。恒久的な復旧事業というのは、三年ですか、三年以内にやらなきゃいけないということなんでしょうけれども、そんな悠長なことではなくて、とにかく、一日でも一カ月でも早く復旧していただきたいというふうに思うんです。

 そして、やや専門的になりますが、これを復旧する際、博多港の設計の震度は、昔から比べれば少しずつ上がってきていい設計になっているわけですけれども、今度壊れたものはかなり古い時代につくったものが壊れているというふうに思うんですね。そういうものを復旧するときに、そのときにつくった、古い時代につくった設計震度の復旧ではなくて、最近の、新しい考え方の地震に対する応力を考えていただく復旧作業をしていただきたいと思うんです。

 これは、私もやったことがあるんですけれども、それをやるとなかなか採択をとれにくいところがあったりして、そういう経験があるんですけれども、今度復旧するときは、やはり、新しい基準の地震外力のもとでちゃんと壊れないものをまずつくっていただきたいというふうに思うんですけれども、その辺はどうですか。それぞれお答えいただきたいと思います。

田中政府参考人 お答えいたします。

 今回の地震で被災した漁港の岸壁の災害復旧に当たりまして、福岡県及び福岡市は、岸壁の耐震性の強化を含めた災害復旧を検討していると聞いております。したがいまして、こういったものにつきまして、個別案件ごとに適切な施設の復旧方法を検討してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

鬼頭政府参考人 先ほどお答えをいたしました、博多港におきまして被災の程度の大きい施設につきましては、昭和三十年代の後半から四十年代前半に整備された施設が多うございまして、今御指摘のように、旧技術基準による設計震度による設計が行われたものでございます。

 再度災害を防止するという観点から、復旧に当たりましては、現行の技術基準に基づく設計震度の適用につきましても、御指摘の点を踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。

渡辺(具)委員 時間がなくなったそうでございますので、最後の質問にさせていただきます。

 あの福岡地域は地震が少ないということで、ほかの地域では特に地震に強い耐震強化岸壁というのが整備されているわけですが、福岡ではそういうものは整備されていないんですね。

 したがって、私は、こういう地震もあったことだし、新聞にも出ていたんですけれども、今度被災を受けたのは警固断層の上なんですけれども、そのほかにも海の中道断層だとか石堂断層が今度の地震で活断層化したのではないか、そういうおそれもあるというようなことも書いてありました。本当はこの辺についても専門的な知見を伺いたいところでありますけれども、時間がありませんので割愛いたしますが、あの漁港あるいは港湾において、耐震強化岸壁、今度の災害の復旧だけの話ではなくて、そのほかに、日本の他の地域においては整備されている耐震強化岸壁を整備する必要があるんではないかというふうに私は思うんです。特にあの博多港は、今整備にかかろうとしている十五メートル岸壁がどうもその耐震強化岸壁になっているそうですが、これをそういう意味でも早く急いで整備していただきたいということと、それから、十五メートルという非常に大きな岸壁だけではなくて、生活物資の運びやすい中型の岸壁、例えば七半とか、そしてしかも中心市街地に近いところ、被災地に物を運びやすいようにそういう岸壁が今後必要になるんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

 これをもって私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。よろしくお願いします。

鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。

 今委員御指摘のとおり、博多港における緊急物資輸送に対応した耐震強化岸壁につきましては、現在のところ、残念ながら未整備の状況にございます。ただ、港湾計画で位置づけられた施設もございますし、今委員の御指摘の、新しい、水深マイナス十五メーターの岸壁も耐震化を入れた形で今後整備をしていくという予定にしてございます。

 さらに、市街地に近接した耐震強化岸壁のお話がございました。背後のアクセスなどの状況も考慮する必要がございますが、災害時の緊急物資の輸送の観点からは、市街地の近接性、大変重要なポイントでございます。今後、そういった観点も考慮して耐震強化岸壁の計画あるいは整備に努めてまいりたい、かように考えているところでございます。

渡辺(具)委員 それでは、一日も早い被災地の復旧を心からお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、古賀一成君。

古賀(一)委員 おはようございます。民主党の古賀一成でございます。

 本日は、災害対策特別委員会委員ではないんでありますけれども、被災地に大変近い地元ということをもって、こうやって視察ともども発言の時間をいただきまして、本当にありがとうございます。

 きょうは、民主党、私とともに藤田一枝議員、二人質問に立ちますけれども、私は、どちらかといえば、防災行政あるいは震災復旧、総括的な点についてぜひ問いただしたいと思っております。

 冒頭、簡単ではございますけれども、福岡で被災を受けられまして依然苦しんでおられる皆さん、そしてまた、この災害を機に、新潟の人は本当に大変だなとさらに思いをいたしたところでございまして、全国で苦しんでおられるそういう皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 それでは大臣、どうも。きょうは、横にまた座っておられる林田副大臣、防災の専門家でございまして、ぜひとも最後に所感を聞かせていただきたいと思っております。

 実は、私が当選しましたのが平成二年でございまして、十五年前、その年にも地元で大水害がございました。翌年は九州を中心に台風十七号、十九号、もう何十万という家がかわらを飛ばされるという本当に大きい災害もありまして、その後阪神大震災、その間、今日に至るまで変わったところは、いわゆる防災担当大臣というのが誕生したわけでありまして、本当に対策あるいは政策の総合性あるいは緊急性というものが一番求められるのはこの防災行政ではなかろうかと、かように常日ごろから思っておりますけれども、きょうは、防災担当大臣という制度ができて今日に至るまで果たしてうまく機能しているだろうか、今後機能していただきたいと思うそういう思いを込めまして、私は、どちらかというと総括的な点についてたださせていただきたいと思っております。

 今度の地震、私も地震には大変なれておりまして、東京も地震が多い、静岡に赴任したときには伊豆沖の大地震がありまして、大被害もあった、そういう経験があるわけですが、今度、福岡の地震は、本当に福岡は地震が東京の十分の一ぐらいしかないとこうみんな思っていたんですけれども、あの縦揺れを経験したときは、私はビルの十三階におったんですけれども、このビル倒れるんじゃないか、生まれて初めてビルが倒れるんじゃないかという予感がしたんです。そういう激しい動きであったんですけれども、私の筑後の方は震度五を数えましたけれども、本当に軽微なる被害で済んだ。しかし、福岡の玄界島を中心とします市街地はまだ依然大変なものでありまして、こうなりますと、あの地震の少ない福岡であれだけの地震とまた余震が起こったということは、その後の、関東でも地震がありました、新潟の地震、それから世界的にはスマトラ沖、こういうことで、本当に大丈夫だろうかと。関東大震災が三十年に起こる確率は八〇%というのがテレビでこの前放映されておりましたけれども、恐らく今後、テレビを通じて地震の問題というのは年々クローズアップされてくる、国民の負担は高まってくる、こういう構図に私はなってくると思うんですが、東海地震については、気象庁が中心となって、予知体制そして予知警報というものを出すシステムが徐々につくられております。しかしながら今回は、長期予測ではほとんど地震が起こらないというか、一番安全だと思われた福岡及び佐賀、こういうところにこれだけの地震が起こったので、大変今後心配が募ると思うんですね。

 この点、実は最近の地震の頻発状況、どういう意味を持つのでしょうか。それから、今後、巨大地震というのは本当に迫りつつあるのか。そこら辺の科学的分析と評価というものを、今担当しておられますのは文部省研究開発局だそうでありますが、現時点における最近の地震の頻発状況と巨大地震の発生というものに対しての御見解を御披露いただきたいと思います。

坂田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生今御指摘のとおり、最近は、新潟の中越地震あるいは福岡県西方沖の地震、こういったものが起こっておりますし、今週月曜日にも千葉県の北西部におきまして地震が発生いたしました。

 例えば新潟の中越地震あるいは福岡の西方沖の地震でございますけれども、これらは陸のプレート内の断層の活動によって起きたものでございます。また、千葉県の北西部の地震につきましては、これは、フィリピン海プレートと太平洋プレートの沈み込み、こういうことに伴って起きたものでございます。

 先生がお話しのとおり、去る三月の二十三日に地震調査研究推進本部の地震調査委員会が、これから我が国で発生をいたしますと考えられます主な地震につきまして、将来の発生規模あるいは発生確率を予測いたしました長期評価、こういったことをまとめて地震動予測地図というものを公表いたしました。この地震動予測地図に用いました予測結果によりますと、我が国におきまして将来大規模な地震の発生することが高い確率で予測されるものが幾つか存在してございます。

 例といたしましては、先生もおっしゃいましたけれども、まず東海地震でございますけれども、これは、マグニチュード八程度で、向こう三十年以内の発生確率は八六%程度というぐあいに評価されております。また、東南海地震につきましては、マグニチュードが八・一前後で、三十年以内の発生確率は六〇%程度でございます。南海地震につきましては、マグニチュード八・四前後で、三十年以内の発生確率は五〇%程度というぐあいに予測されているところでございます。

 関東に関連して申し上げますと、相模トラフのところでフィリピン海プレートが陸のプレートの下に沈み込むということなどに伴いまして海溝型地震というものが発生する可能性がございますけれども、これにつきましては、南関東のいずれかの地域におきまして、マグニチュードが六・七から七・二程度の地震が向こう三十年以内に七〇%の確率で発生するということが予測されております。

 以上が、今回発表されました地震動予測地図におきます大きな地震の例ということでございます。

古賀(一)委員 大臣、今のように、差し迫ってくる巨大地震というか、こういうのがもう現実になりつつあるし、今のデータがそれを示しておるわけです。

 それで、せんだってもらいました確率論的地震動予測地図というのがございまして、これを見ますと、今お話が出ました東南海あるいは南海、東海、あるいは関東、ここら辺のところは、確率二六%以上という大変赤いあるいはだいだい色で塗られているんですね、小さい絵でございますけれども。

 今回起こりました福岡、これは、やや高いという範疇に入りまして〇・一から三%、その隣の佐賀県、長崎にかけましては一番低い〇・一%、こういう実は評価になっているんですね。ここでもこれだけの地震が起こったということで、本当に私は、災害対策、もちろん、土木工事的な対応を幾らやったって、これはもう全土にわたる話ですから、金が幾らあっても足りません。そこでやはり、防災行政の総合性あるいは連携といいますか、そういう分野のシステムを早急に高めていただきたい、こういう思いを込めまして以下の質問をさせていただきたいと思います。

 まず第一点でありますけれども、先ほど渡辺議員の方からもございましたけれども、何といっても、起こった後の最大の問題は応急仮設住宅でございます。これについては、従来より、地震が落ちつき、自治体が動き、政府に陳情し、政府の、これは国と県がやるんでしょうけれども、そこら辺の見通しがついて工事が始まり、その間は被災者というものは、大変悪環境の中であるいは余震の恐怖の中で、集団生活、プライバシーのない生活を強いられる、こういうことがずうっと続いているんですね。私は、これはもっと知恵を出せばいろいろな対応ができるんじゃないかと。

 今までは各省ばらばらであったんだけれども、防災担当大臣が誕生したわけでありますから、この際、先ほどのお話のように、リーダーシップを発揮されて各省庁を引っ張っていく、あるいは、各省庁のはざまにあるようないわゆる防災の知恵といいますか、そういうものを一回しっかり見直して、迅速で効率的で、そして被災者に優しい防災行政の体系をつくってもらいたい、私はかように思います。

 それでお伺いしたいんですけれども、現状としての仮設住宅、福岡を例にとれば、大体どのぐらいの時間がかかり、予算は単価として大体どういうものなのか。仮設住宅に整備すべき設備といいますか、水道、ガスいろいろあるんでしょうけれども、そこら辺はどう推移しておるんでしょうか。これは厚生労働省の方が御担当だと思いますけれども、ひとつ、山古志村及び福岡を例にとって例示をお願いしたいと思います。

小島政府参考人 お答え申し上げます。

 応急仮設住宅の建設についてでございますが、現在は、玄界島の島民の方々に対する応急仮設住宅の設置に関する建設計画は、玄界島に百戸、福岡市中央区かもめ広場に百戸ということでございまして、工事期間は、三月二十九日に着工いたしまして四月三十日竣工予定と聞いております。

 設置に要する費用は、正式には協議を受けておりませんが、福岡市の発表によりますと、一戸当たり約四百万円から五百万円を見込んでいるというふうに聞いております。

 新潟の地震の場合にも、やはり着工から竣工まで約一カ月、それから、費用も一戸当たり五百万弱ぐらいだったと記憶しております。決して少ない金額ではないと思います。

 以上です。

古賀(一)委員 仮設住宅を建てた後、いわゆる集団移転が起こる、あるいはもとの家に各個人が家を建てられた場合は、当然この仮設住宅の処分というのはどういうふうになるんですか。

小島政府参考人 被災者の方々が生活再建によって応急仮設住宅を出られた後ということでございますが、基本的には撤去いたします。撤去した後の鉄骨、壁、床等は、汚れていない、曲がっていない場合には再度使用をいたします。トイレ、キッチン、ユニットバス、畳、カーテン等は廃棄をいたします。

 阪神・淡路大震災の場合には四万八千戸余りの建設をしたわけでございますが、そのうち一万七千戸は海外で再利用をしているところでございます。

古賀(一)委員 私は、今のような流れで来たし、福岡もその流れでやらざるを得ないというのはわかりますが、やはり今後の問題として言えば、ぜひ抜本的に仮設住宅のあり方を検討していただきたい、こう思うんです。

 では、どうすればいいかと。きょうもお見えになるんですけれども、モンゴル議員連盟の私は幹事長をやっておりまして、モンゴルへも行くし、モンゴルに泊まってきました。御承知のとおり、あそこはゲルと言うんですね。中国はパオ。去年八月に一週間ぐらい泊まりました。ホテルに泊まるよりも快適な空間なんですよ、ゲルというのは。それで、冗談半分で、半分本気だったかもしれませんが、新潟で起こったときにモンゴル通の人が、ゲルを輸入しましょうかということを言った人がおるんですけれども、あれは大変湿気に弱い。日本の風土に合わないと思うんですね。合わないんですけれども、ただ、あのゲルというのは、本当に氷点下四十度、五十度でも、中でまきをくべれば、もうこれはコンクリートのホテルよりも、のどは痛くならないし快適なんですね、暖かいし。

 例えば、今の例を、一つゲルの話をしましたけれども、朝青龍とか旭鷲山とか白鵬さんはああいうゲルの中で住んであれだけ強い人間になっておるわけですけれども、例えばの話ですけれども、こういった新しい技術開発か何かは別として、私はできると思うんですよ。

 そして私は、実は元役人をやっていたころから、これからのレジャーのあり方として、オートキャンプをもっとつくればいいじゃないかとずうっと今でも思っているんですけれども、特にこんな不況になってくれば。キャンピングトレーラー、これなんかを、今、被災者生活再建支援基金、六百億ありますよね。基金を増資しているわけです。都道府県が拠出をして、いざとなったらこれで被災者を助けようというもう基金ができているわけですよね。こういうものであるとか、国が持つのがいいのか。こういう被災者生活再建支援基金、今全国四十七の都道府県が加入しておるんですけれども、これでやるかは別として、やはりキャンピングトレーラーというものをブロックごとに配置をして、いざとなれば全部高速道路で引っ張っていけば、もう一日で全部着くわけですから、そしてそれは再利用できる、災害のないときは何らかの知恵を出して活用する、やはり、こういうことをやることによってみんなが安心できるわけですね。玄界島はだめになった、では、福岡のどこそこ公園に例えば今鹿児島に置いてあるキャンピングトレーラー五百台がやってくる、翌日には住める。それは物すごく快適な空間です。実はキャンピングトレーラー、百万円台からございます。

 私は、そういう被災者にとっても、あるいは廃棄物を出さない、あるいは、大げさに言えば地球温暖化にも関係するのかもしれませんけれども、そして財政問題という面から見てそういうことを検討すべきだし、それは今までの厚生労働省とか国土交通省とかいうのはなかなか苦手とする分野で、まさに防災担当の内閣府の方で各省庁に検討させ、フィージビリティーを検討し、本当に導入していく、私は、こういうことを、これはわずか一つの例ですけれども、ぜひこの際研究して、これから、災害に強い、災害が起こった後も強い、そういうことをぜひ御検討をいただきたいと、かように思います。

 この点、質問通告はしておりませんでしたけれども、大臣、ひとつ御感想を。

小島政府参考人 現状だけちょっとお答えいたします。

 先ほど申し上げましたように、応急仮設住宅の建設には時間と費用がかかるということでございまして、私どもといたしましては、一つには、民間賃貸住宅の借り上げ、それから公営住宅等の活用もこれは災害救助法で可能であること、そのために、これら住宅が災害発生時に優先的に確保できるよう、あらかじめ関係者と協議、協力依頼を行っていくことにつきまして、再三にわたり、都道府県部長会議や課長会議を通じて、応急仮設住宅の建設にかわるものの確保をお願いしてきたところでございます。

 今回の地震におきましても、福岡県や福岡市で、県営住宅、市営住宅、この四月十二日の時点で公営住宅等に百十三戸に被災者の方が入居済みであるというふうに聞いております。民間住宅の借り上げについては聞いておりませんが、新潟の地震の場合には、百七十世帯余りが民間住宅を借り上げて入居されたというふうに聞いているところでございます。

 以上です。

村田国務大臣 今、政府参考人の方から御答弁申し上げたように、既存のいろいろな公営住宅とか県営住宅とか市営住宅、あるいは民間の住宅、それからホテルとかあるいは旅館も駆使しまして、大変長い間ああいう応急避難所に生活するのは大変でございますので、そういうところも避難所として位置づけて対応するという体制は今御紹介したとおりでございます。

 そのほかに、被災者生活再建支援法では、今古賀委員がおっしゃるように、キャンピングカーなどを借りたという場合にはあの支援制度からお金が出る、こういう形にもなっているようでございます。

 これはどうしてそういうことかというと、やはり今古賀先生が御指摘なさいましたように、とにかくより快適なところに早くお住まいになっていただく、そういう必要があるというそこから出ている、こういうふうに思いますので、先生の御指摘も踏まえまして、幅広い観点から、今後とも継続して、よりよい住環境を早く提供するという観点から考えていきたい、こういうふうに思っております。

古賀(一)委員 まさに災害の国日本、それが年々ひどくなる。そこに防災担当大臣、いわゆる各省庁を防災に関しては統合する形で誕生されたんだと思いますので、ぜひその使命感を持って前向きにいろいろなことを検討していただきたいと思います。

 二番目もその手の話になるんですが、実は今度は、玄界島の長期的に見た復旧はどうなるんだろうというのを、この前皆さんと一緒に視察に行ってつくづく感じました。着きまして、漁協とかあるいは警察とか、本当にわずかな人が島の治安を守るために残っておられまして、その方々の意見も聞きました。基礎はもういわばがたがたですね。それで、漁村の常としまして大変敷地が狭い、道路もくねくねと狭い。しかもあそこは、急斜面に家が建っておる。これで現場で復旧できるかなと。私はできないだろうと、こう思ったんです。あえてやろうとすれば長期間かかり、コストも膨大なものだろうと。

 そのときに、漁民の皆さんがもとに戻ってもとの場所に住めると思いますかと私聞いたんですね。そうしたら、たまたまその人だけかもしれませんが、もう我々は、あれだけの地震に遭って砕けたあの斜面を見たときに、戻れぬだろう、一刻も早く、集合住宅でもいいから我々の住めるところをつくってほしいとおっしゃったんですね。だから、農家だともとの家に、非常に土地にこだわるんですが、やはりさすがに漁業の町だなと思って、さほど前の土地にはこだわっていないような印象を受けたんです。そうなりますと、私はぱっとそのときに、では、この復興はこうしたらいいんじゃないかと思ったんです。

 それは、まず、あの山の中腹に中学校が建っているんですね。高い、かなり斜面のきつい島なんですけれども、中腹に、恐らく山を削って更地をつくり、そこに中学校が建っている。私は、あそこの被災地を一回基礎をやり直すのはもう相当時間がかかるゆえに、もうどこかでまた山を削って大型ブルでどんどん海に落として、一ヘクタールぐらいの、津波にも強いというか、波にも強い五メーターぐらいの一つの島を造設するのは、私は土木工事的にいうと簡単そうなものだと思うんですよ。そういういわゆる代替地の土地造成を早急に、市になるんでしょうけれども、やって、そしてそこに、漁民の方も一部言われました、集合住宅でもいいと、一戸建てもできてもいいのかもしれませんが、そういうのを早急につくる。その間は、本当、先ほど言ったように、ほとんど金のかからないキャンピングカー、キャンピングトレーラーみたいなのでしのぎながら、もう早急にそういう代替地を整備する。

 壊れた家がまだ残っているあそこは、いわば第三セクターが買い取るあるいは市が買い取るというようなことで、十段ぐらいのがたがたになったところを三段、五段ぐらいに再編成して、将来は、博多港の夜景が見える、いわゆる都市近郊型マリンスポーツというか釣りスポーツの一つの拠点にする、こういうのが私は一番、災い転じて福となすというわけではないんですけれども、そういう前向きの付加価値をつけていく、そういうのが必要じゃないかとこう思っておるんです。それは私の個人的考え。それは市長さんにも申し上げましたけれども、それは市が考えることであろうかと思いますけれども、いわばそういう知恵といいますかアドバイスというか、それが可能だというようなところもしっかりと市長の意見を聞いて、防災担当大臣があるいはそのセクションが、そして各省庁に、こういう現地の状況だ、こういう要望がある、各省庁のメニューでひとつこれを総合して政府としてこれをバックアップ、急傾斜地の事業もあるしいろいろな事業が絡むんですけれども、そういうのを総括していくのが、窓口になっていくのが私は防災担当大臣ではないかと、あるいは内閣府の仕事ではないかと、こういうふうに強く思いました。

 各省庁の施策を、福岡市の市役所の担当が各省庁の担当に行って、これはできますか、どうでしょうか、一人の別の担当は別の役所に行ってまた頼む、そういうことではない、いわゆる地域の総合的な現状の報告あるいは復旧の希望というものを聞いてき、まとめて、それを各省におろし、それを総括していくのが私は防災担当の大臣あるいは内閣府の重要な役割じゃないかと思います。

 この点について、もう時間がなくなりそうなので概略で結構でございますけれども、御感想、御意見、あるいはやる気を御表明いただければと思います。

村田国務大臣 この委員会でも、個人住宅に対する被災者再建支援法をもっと拡充しろというそういう御意見が大変強い中で、古賀委員は、もっと幅広い観点からも議論をしろと、こういう話でございました。

 それで、私もかねてから、この被災者を支援する方法としては、個人の住宅に対するものと同時に、場合によっては災害公営住宅という制度もある、あるいは小規模住宅地区改良事業というのもありまして、よりよい住宅を求めてそういうところに移転をしていくというそういう事業もありますよと。それから、災害が起こった場合に防災集団移転事業というのもございまして、そういうことになればもとの住宅も買収するというような措置もできるわけでございまして、いろいろな被災者の立場に立ったメニューというものを提供して、それで住民の皆さん方と相談しながら、より安全で快適な居住空間をつくっていくというのが政府に課せられた役目でもある、こういうふうに考えておりますので、これから、地元から共同住宅でもいいからという御意見が出ているということは我々も承知しているわけでございまして、そういう意味でどういう方法がいいのか、とりあえずは仮設住宅をつくりますけれども、その後においても、引き続き、本当にあの稠密な住宅地、急峻ながけ地にあって、それをつくり直す、あるいはどうしていったらいいのかということも考え合わせながら、一番よりよいメニューを我々も提供していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

古賀(一)委員 もう質問ではございませんけれども、今大臣がおっしゃったように、私は、阪神大震災のときに比べて大分防災行政も体制ができてきたとは思います。でもあのときは、私は、惨たんたるものだったと思うんですよ。ただ地域防災計画、その上に立つ都道府県防災計画、そして中央防災計画、読んだら、何だとこれは、もう単なる作文じゃないかと、地域防災計画なんて本当ですよ。だから、そういう中央集権型の単なる作文ということじゃなくて、やはり一つ一つの現場の現状を見て、新しい知恵も聞いてマニュアル化していく、制度化していく、あるいは、各省まとめてやっていくというような新しいそういう対応がやはり日本の防災機能を高めていくまさに発端だと思います。

 最後に、もうこれはお願いだけですけれども、実はもう一点だけ質問しようと思っていたのは、私の地元は、日本最大の家具産地の大川というのがございます。不況で大変疲弊し切った、かわいそうなと言ってもいい町なんですけれども、これなんかも、日本全国に老朽家屋があるんですね。独居老人はもう家を買えませんよ。独居老人は金もない、年金も少ないと。そうしたときに、やはり古い家を補強する、耐震性を高める家具というのも家具屋さんに聞くとあり得ると言うんですよ。こんな五センチぐらいの強い木で枠をつくり、かすがいを入れ、本箱にしていく、そういうので相当強い家に古い家をよみがえらせることもできる。こういった要望もありまして、いろいろな知恵が今後皆様のところに寄せられると思いますけれども、積極的にひとつ窓口になって取り上げていただきたいとかようにお願いを申し上げまして、終わります。

西村委員長 次に、藤田一枝君。

藤田(一)委員 民主党の藤田一枝でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして大変ありがとうございました。そしてまた、三月三十日には、西村委員長を初め委員の皆様方、現地視察をいただきまして本当にありがとうございました。また、大臣、副大臣におかれても、直ちに現地にお入りをいただきましてさまざまな対応をしていただいていることを感謝申し上げたいと思っております。

 今回の地震、マグニチュード七・〇、震度六弱という大変大きな揺れを私自身も感じまして、思わず立っていられないような状況で柱につかまった、そんな経験でございましたけれども、その後の被害の状況というのを目の当たりにいたしまして、改めて、阪神・淡路大震災あるいは新潟の中越地震で被災された皆様方の御苦労というものがいかに大変であったかということを実感したところでございます。

 きょうは、地元という立場で幾つか質問をさせていただきたいというふうに思っておりますけれども、地震発生後既に三週間余が経過いたしましたけれども、けさも実は震度三の余震がございまして、まだずっと震度四とか三とかという余震が続いている状況でございます。復旧活動ということには着手をされましたけれども、余震のたびにさらに亀裂が深まるようなこともございまして、玄界島の皆さんはもちろんでありますけれども、被災された皆様方、大変不安な日々を送っていらっしゃる、それが今日の実情でございます。そしてまた、被害の実態というものも日がたつにつれて続々と明らかになっている、こういう状況も一方ではございます。

 そこで一番問題になってまいりますのが、災害復旧事業における何といいましても財政支援措置の問題でございます。これは、発生当初、地元では激甚災害の指定ということを望む声が大変強うございました。それぞれいろいろな立場から、激甚災害の指定ということで政府の方にも御要請をさせていただいてきたわけでございますけれども、しかし、自治体の財政規模であるとかあるいは被害総額などから、なかなか難しいのではないかという御判断も示されてまいりました。

 それはそれで仕方ない部分もあろうかと思いますけれども、そういう状況の折に、総理御自身が、現地の方にお入りになられまして、激甚災害級の支援を行っていくんだということを表明されたわけでございます。私ども地元としては、そうした総理の御発言に大変期待を持っているわけでございますけれども、この激甚災害級というのはどういう内容を意味するのかということであります。

 これは具体的な質問通告させてはいただいておりませんけれども、ぜひ、決意を含めてまずお答えを、御見解をお聞かせいただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。

村田国務大臣 お答えをいたします。

 藤田委員も御存じのとおり、これからもちろん県の方で被害の規模については評価をしていくわけでございますが、福岡市という大きな町の財政規模とかそういうことから考えますと、なかなか激甚災そのものを適用するということは難しいだろうなというのが、とっさの我々の判断でございます。

 しかしそうはいっても、我々としては、まず第一に、災害救助法の適用を福岡市全域に適用する、それによって応急的ないろいろな支援ができるようになるということでございますし、かつまた、被災者生活再建支援法も適用することができるようになる、こういうことでございまして、そういう意味でそれは大変よかったなと私ども思っておるわけでございますが、要は、一番その災害被害がひどかったあの玄界島についてどういう手だてを公共事業等の面でできるかということになったときに、次に考えられたのが離島振興法という枠組みでございまして、離島振興法の枠組みで公共施設とか学校等の施設について補助率のかさ上げができる、こういうことでございますので、そういう法律を前提にしたいろいろな枠組み、補助率のかさ上げ等の支援措置に加えてできる限りのことはしてさしあげたいという気持ちから、総理も、激甚災並みの支援をする、こういうことをおっしゃったんだろうというふうに思います。

 我々も、総理のそういう言葉を踏まえまして、被災者の皆さん方が早く災害から立ち上がっていただくように、いろいろなメニューを駆使したりいたしまして支援を考えていきたい、こういうふうに考えているわけであります。

藤田(一)委員 ありがとうございました。玄界島の問題というのは、先ほどからお話も出ていましたけれども、大変深刻な状況でありまして、この復興に当たってはさまざまな知恵を出さなければいけないというふうに思っています。

 そういった意味で、離島振興法を適用し、さらに補助率のかさ上げをいろいろとその中で検討するということについては大変心強い限りではありますけれども、この玄界島の問題は、あらゆるメニューも含めて、制度を使いながらこれからの復興の検討に入っていくわけですので、御支援をお願いしたいと思いますが、この玄界島だけではなくて、つまり、離島振興法ではないほかの地域も相当の被害を受けているわけであります。そういう意味で、その地域の災害復旧工事が大変急がれている、先ほど言いましたように、余震で亀裂がさらに深まっているのは玄界島だけではなくて、ほかの地域も同じようなことがございますし、マンション等々でもひび割れがますますひどくなっていてというようなこともやはりあるわけです。

 既に、被害状況の確認であるとか査定であるとかということについて取り組んでいただいているというふうに思っておりますけれども、ぜひ、早期にこの災害復旧事業の採択ということをお願いしていきたいというふうに思っているわけでございます。その点の見通しについてお聞かせをいただければと思いますが、いかがでしょうか。

清治政府参考人 公共土木施設の災害復旧につきましては、その事業主体でございます地方公共団体の申請に基づき行われていくわけでございますが、国土交通省といたしましても、早期の災害査定が行われるように積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

 特に、二次災害を防止する観点、あるいは緊急に交通を確保しなければならないような箇所につきましては、査定を待つことなく応急復旧にかかることができますので、そのような観点からも地方公共団体に対して助言等を行っているところでございます。

 また、本復旧に際しましては、再度災害の防止というような観点が重要になってまいりますので、どのような工法をとるかというようなことにつきましても、地方公共団体と十分打ち合わせをしまして早期の復旧に全力を尽くしてまいりたい、このように考えております。

藤田(一)委員 ぜひ、速やかな対応をお願いしたいというふうに思っております。

 その上で、きょうは時間が限られておりまして、何点かどうしてもお尋ねしたいことがありますので、少しまとめてお願いをしたいというか申し上げたいというふうに思っておりますけれども、先ほど、離島振興法の適用の話の中で、あるいは、激甚災害並みにということではいろいろな形での補助率のかさ上げということもというお話もございましたけれども、実際には、やはりその財政支援ということが非常に重要になってきて、いろいろな形での特別支援、補助率のかさ上げはもちろんでありますけれども、国庫補助の採択基準の緩和等々についてもぜひ検討をお願いしていきたいというふうに思いますし、そういった意味での柔軟な対応をお願いしたいと思います。

 さらに、いわゆる地方単独事業への起債であるとか、あるいは特別交付税の算定の問題であるとかということについてもぜひ十分な御配慮をお願いしたいというふうに思います。特に、一般財源からの持ち出しというのがどうしても多くなってくるわけでありまして、しかも、国庫補助の基準外のいわゆる単費でいろいろと措置しなければいけないことというのも非常にたくさん出てきております。福岡市ももちろんでありますけれども、被害を受けたのは福岡市だけではなくて、近隣の市や町もありまして、小さな町になりますとなかなか財政的に苦しいというのが率直なところであります。そういう意味での起債の充当であるとか、あるいは特交の問題であるとかということについてもぜひ十分な配慮を検討いただきたいと思いますが、この点についてもお答えをいただきたいと思います。

瀧野政府参考人 被災団体に対します地方財政措置についてのお尋ねでございます。

 今般の地震によりまして被災した地方団体におきましては、御指摘のように、応急対策とかあるいは復旧対策につきましてさまざまな財政負担が生じるというふうに見込まれているところでございます。

 そんな中で、当面、福岡市の方からは、緊急的な要望といたしまして普通交付税の繰り上げ交付という要望もございまして、これに対しましては、四月四日に六月分の普通交付税についてその一部を繰り上げて交付するということで当面の資金需要に対応してまいったところでございます。

 また、御指摘のございました特別交付税につきましては、基本的に、一月一日から十月三十一日までの災害につきましては十二月分の特別交付税で対応するということとしておりますので、今般の地震につきまして、罹災世帯数でありますとかあるいは被害面積、こういったものを十分把握した上で十二月分の特別交付税で対応してまいりたいというふうに考えております。

 そのほか、御指摘の災害復旧事業に対します起債につきましても、普通交付税による裏打ちを考えながら対応していきたいと思っておりますので、こういったいろいろな措置を通じまして、地方公共団体の財政運営に支障がないように対応してまいりたいというふうに考えております。

藤田(一)委員 ありがとうございます。ぜひ、財政支援については特段の御配慮をお願いしておきたいというふうに思います。

 次に、被災者生活再建支援法の関係についてお尋ねを申し上げたいと思っています。

 これは、御承知のように私ども民主党は、住宅本体にこの制度が使えるようにすべきであるという改正案を今国会にも提出をさせていただいているわけでありますけれども、その議論に入る前に、少し、この現行法の適用要件についてお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。

 実は、今回の地震というのは、大変大規模な地震の割には被害が少なかったというふうに言われています。不幸中の幸いであったというふうに思っていますけれども、個人の住宅被害というものは大変深刻なものがございまして、やはり、これから地域のコミュニティーの再生ということを考えたときに、この個人の住宅の再建ということを抜きにそのことは考えられないというところに至っているわけです。

 そういう意味で、まず、現行法のこの被災者生活再建支援法への期待というものもやはり当然高いものがあるわけですけれども、先ほど大臣もちょっとおっしゃられたのですが、災害救助法の適用をしたということで災害救助法が適用をされた地域、具体的には福岡市でありますけれども、その災害救助法が適用された福岡市にはこの現行法の支援法というのが適用をされるということに当然なるわけでございますけれども、もう一つ今ちょっとわからなくなってしまっているのが、この救助法が適用されなかった地域はどうなるのかという問題でございます。

 それで、いろいろと資料を拝見いたしますと、概要を見ますと、施行令の第一条の二号、三号、四号に該当すれば、どこかに該当すればこの被災者生活再建支援法というのは適用されるというふうに当然読めるわけでございますけれども、そういうことでいいのか。つまり、一条三号には百世帯以上の住宅全壊被害が発生した都道府県というふうに書いてあるわけです。災害救助法は福岡市にしか適用されませんでしたけれども、住家の全壊戸数が都道府県において百戸以上、百世帯以上ということであれば、これは福岡県としてこの法が適用されるというふうに解釈をしていいということであろうかというふうに思いますが、今回、福岡県全体では、四月八日現在で全壊が四百五十三、半壊が千二十九という数字に上っています。そういう意味で、福岡市以外の県内市町村にも適用できるというふうに私は理解をしたのですが、それでいいのか確認をさせていただきたいと思います。

村田国務大臣 今、藤田委員がおっしゃったように、施行令の適用で、中心は災害救助法が適用された市町村、こういう形で、それに付加して戸数要件等があって、だんだん広げられていくということでございます。

 先ほど委員長も、委員会の視察の報告として四百四十二戸が全壊戸数だ、こういうことでございましたけれども、この戸数について、実際問題として百戸ということでございますから、それはもちろん大丈夫だと思いますが、この四百四十二戸が、直ちに、厳格に言えば、この百戸の算定のときの判断になるその戸数ではないということでございまして、この法律に基づきまして、応急判定とかそういうのじゃなくて、消防庁等がきちんと判断した数字に基づいてこの法律の適用関係が決まってくるということでございます。

藤田(一)委員 非常にこれは微妙なところでございまして、もちろん、単なる応急判定ではなくて、きちっとした全壊、半壊基準というのがありますから、それに基づいての判定であるということは当然理解をするわけでありますけれども、そのときにも、半壊は二軒で一軒カウントするというような話もちょっと伺いましたし、半壊が四月八日現在で千二十九ですから、やはり相当の被害が出ているので、私は、当然都道府県という単位においてこの支援法が適用されるというふうに、多分できるであろうと実は思っているんですが、そういった意味で、非常にそこはこれからのもちろん判断があるんであろうと思うんですけれども、一つ問題なのは、実は、後で内容を申し上げますけれども、今回この支援法が住宅本体に使えないということであって、県であるとか市であるとかがそれぞれ独自の制度を創設いたしました。それで、その独自の制度については後で申し上げますけれども、四月十一日に、福岡県が被災者住宅復旧支援制度というのを創設したんですね。そのときにこの県の制度は、「被災者生活再建支援法の適用を受けない市町村」というふうに限定をしているわけであります。そして、しかもその文書の中には、災害救助法の適用がされたけれども、その災害救助法が適用されない市町村においても多数の住宅被害が出ていてということで、それにかんがみこういう制度を創設するんだというふうに県が判断をしているんです。

 それで、ここのところが私は、これから厳密な精査をされてということはあるかと思うんですけれども、この法の適用の問題というのが、もしこういう形で法の適用さえもされないということであれば非常にやはりこれは問題なのではないかな、それからまた、県の方の解釈も、私も最初に説明を聞いたときには、これは災害救助法の適用がなければだめだという話がすぐに返ってきたということもありまして、そういった意味での解釈、理解の問題としても非常に問題があるんではないかなというふうに実は感じたところであります。

 特に、いろいろな被災者支援であるとか復旧事業についての周知徹底の問題として、先ほど古賀議員の方から仮設住宅の話でいろいろ出ていまして、そのときの御答弁で民間賃貸住宅入居支援の問題も出ておりましたけれども、あるいは避難所のあり方もそうなんですけれども、いろいろともう政府としては、ちゃんと仮設住宅でなくても民間の賃貸住宅の借り上げをしてもよろしいというふうに考えていらっしゃる、あるいは避難所についても、あらゆるメニューを使って、プライバシーを確保するであるとかいろいろな形の措置をとっていいというふうに言っている。ところが、それがなかなか現場の方では理解をされていないという問題がやはりあるんですね。一日、二日は混乱をするかもしれませんけれども、しかしその後においては、やはりきちっとした、あらゆるそういった今まで国がいろいろな形で蓄積してきたノウハウというものが、それぞれの自治体で活用されなければやはり意味がないというふうに私は思うんです。

 今回、せっかく県がこういう制度を創設して、それが非常にあいまいな形で国の制度との関係がどうなるのか、もちろん県の方は本体に使うということでありますけれども、被災者の生活再建という意味からいけば、国の制度の活用の部分も十分必要な部分があるわけですから、そういうものを複合的に使っていくということが大事であるにもかかわらず、もしそれがそうならないとしたら、これは大変なことだと私はやはり思うんです。

 そういう意味で、ぜひ、そういった本当に細かいことも含めてですけれども、基本的な制度の問題について、きちっと都道府県、市町村、自治体への周知徹底であるとか連携であるとか、いろいろな形での指導であるとかということをやっていただきたい。既にこれは新聞発表をされまして、災害救助法が適用されないから福岡市以外の市町村に適用するんだといって新聞にもでかでかと出てしまっているわけです。非常に誤解を与える部分がある。ちゃんと、今の戸数からいけば私は当然都道府県として適用されると思うわけでありまして、非常にここは誤解が生じてしまっていますので、ぜひ、そういった意味でのきちっとした周知徹底、体制整備ということをやっていただきたい。

 国は、阪神・淡路大震災の後に、これは当時の国土庁ですけれども、復興施策検討調査報告書というのが出されておりますね。非常にここに事細かくいろいろなことが書いてあって、こういうものは十分活用できるようになっているわけですので、ぜひその辺の指導をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

柴田政府参考人 基準の話でございますので私の方から御説明いたしますが、被災者生活再建支援法の該当の市町村等でございますが、まず、災害救助法の適用されたところでございますが、災害救助法すべてが適用されたものがいいということではございませんで、災害救助法に基づきまして、倒壊家屋等がある一定以上、それによって災害救助法が適用されたというようなところについては、被災者生活再建支援法も適用されることになっております。

 それから、十世帯以上の住宅の全壊被害が発生した市町村でございますが、これにつきましても、県が告示をすることにいたしてございますので、県の告示があればその市町村は適用ということになります。それから、先ほど御議論がございましたが、百世帯以上の住宅の全壊被害が発生した都道府県、これも、県がみずからそういうことであるということで発表するわけでございますが、そういう都道府県、あるいは五世帯以上の住宅が発生した市町村でございますが、十世帯までいかないんですけれども、先ほどの市町村に隣接している市町村、人口十万人未満に限るということになってございまして、基準は、非常に明確なわかりやすい基準になってございます。

 我々も、災害発生後直ちに県の方には、被災者再建支援法の適用ということについて、こういう制度であるので、基準に該当すれば直ちに告示をして対処するようにということで指導をきっちりやっております。

 ただ、県の方が、先ほど言われましたけれども、四百数十戸等々の全壊というのは、あくまでも現段階で消防等が把握して上がってきたものでございまして、これらの十世帯、百世帯という基準というのは、罹災証明等によりまして市町村が調査をして、一つの基準に基づいて、これが全壊、そういうものも上がってきたものがその基準になるわけでございまして、多分、県の方はそれらを待っているのではないかというぐあいに推察いたします。

 基準自身は非常に明確でございます。

藤田(一)委員 基準は明確だというふうにおっしゃっていただいていますので、ここはもうちょっといろいろな調整の問題が、多分判断の問題なりがあるんだろうと思いますが、一つの例としてこのことを取り上げさせていただきました。いろいろなことについてきちっとやはり周知徹底を図っていただきたいということを強くお願いしておきたいと思います。

 もう一点お尋ねをいたしますが、この支援法の問題で、一つは所得要件の問題でございます。

 年収と年齢という要件がかかっていまして、四十五歳以上が五百万から七百万、六十歳以上で五百万から八百万という話になっていますけれども、では、四十四歳だったらだめなのかという話がやはり出てくるわけでありまして、この年齢と年収との関係ということについて具体的に根拠をお示しいただきたいというふうに思うんですが、時間が余りありませんので、ぜひ、この部分についてはやはり見直しをしていただきたいと思うんです。

 実際に、もちろん、地域によってもその賃金の水準というのは違いがあっていろいろありますけれども、三十代後半から四十代前半というのは、子育てであるとか教育費であるとか、あるいは住宅ローンを抱えているとかといって、非常に支出の多い、出費の多い世代であります。そういった意味では、ここの部分が適用されないということになりますと、本当にその世代、ダブルローンを抱えて苦しまなければいけないという状況になるわけでして、ぜひ、この所得要件についての見直しというものを今回しっかりとやっていただきたいと思いますけれども、この辺はいかがでしょうか。

村田国務大臣 被災者生活支援法には、真に支援が必要な者というそういう規定があるわけでございまして、災害によりまして生活基盤に著しい被害を受けたということだけではなくて、経済的な理由とか高齢であるとか、そういう理由で自力により生活を再建することが特に住宅の面で困難である者を、法律が言う真に支援が必要な者、そういうふうに解釈をして所得制限というものを設けている、こういうことでございます。

 ちなみに、福岡市でつくっている「地震被災住宅再建支援金について」というものを見ますと、やはり国と同様の所得制限を設けているわけでございまして、中身は、国の支援に上乗せをしてと書いてありますけれども、これも、真に支援を必要とする者、つまり、私有財産に対して側面的な支援をするわけでございますので、お金の、税金の使い方として、そういう人の所得制限を設けて本当に支援が必要な人というものを選ぶ、こういうことが必要だ、こういう判断に基づくのではないかと私どもは考えておるわけでございます。

藤田(一)委員 真に支援が必要な人ということで要件を定めているんじゃないんですかね、ここに出ている要件というのは。ですから、この要件からさらに真に支援が必要な人を選び出すわけではないわけで、真に支援が必要というのは、被災された方々それぞれの事情があって、本当に非常に生活に困窮されている方とかいうふうに限定しているということではないわけじゃないですか、一定の所得ランクをとっているわけですから。

 問題はやはり、本当に実情を見ていただきたいと思うんですね。実際に、要するに、これから都市部における災害被害の発生ということも当然想定されてくるということを考えたときに、都市住民というのがどのぐらいの年齢層でいるのかとか、いろいろな角度からやはり見ていかなければいけないんだと思うんです。これはもちろん、大臣がおっしゃったように、個人の財産についてというようなお話も政府のお立場としてはあるかもしれません。しかし、せっかくある制度だったらば、少しでも多くの人々にそれをやはり適用して救済していくということの姿勢も、視点も持っていいはずであるというふうに私は思うんですね。

 この、所得だけではなくて年齢をかけているというところに非常にいろいろな問題が出てしまっていて、先日、党首討論で使い勝手の話がちょっと出ていましたけれども、総理がおっしゃったまさに使い勝手の問題で、所得制限だけならまだわかるんです。年齢制限をそこにかけているということの意味が私はなかなか理解できない。ぜひ、この点については再検討を私はお願いしたいというふうに思います。今ここで御答弁いただけないかもしれませんけれども、これでは絵にかいたもちになってしまいます。

 そして、今回福岡市は、まさにおっしゃられたように、この国の制度の上乗せでやったものですから、どうしてもそこを同じにせざるを得なかったんですね。もう一つの農村、漁村コミュニティーの再生の方は年齢も所得制限も何もかけずに全部やるんですけれども、都市、それ以外の地域については、国の制度の上乗せということで同じにせざるを得なかったということで、そうなりますと、まさにそこのところは絵にかいたもちになってしまうということなんです。ぜひ検討をお願い申し上げたいと思っています。

 それと、民主党が提唱していますやはり住宅本体の問題ですけれども、もう各自治体がそうせざるを得ないということで踏み切っている。そのことについても十分認識をしていただきたいと思うんです。国だけが、国はそれは関係ないんだ、国の立場はこうなんだということで言い続けるというところではないと思います。私は、やはり制度の枠組みを変えていくという決断をぜひ今回のこの地震を機にしていただきたいということを強く要望いたしまして、時間が来てしまいましたので、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(発言する者あり)

 答弁していただけるならありがたいです。

村田国務大臣 機会があれば何回でも議論をさせていただきますが、かわいそうな人はもう本当に被災者に限らずいっぱいいるわけでございまして、これは、議会での御審議も得て、本当に税金をどういう方に支出するのが一番適当か、こういう考量のもとに設けられている制度でございますので、この法律にも四年後の見直しという規定もございますので、皆さんで今後そうしたことも踏まえて御議論をしていただいたらいいと思います。

 なお、地方がやっているから国がそれに従わなきゃならないというそういう原則はありませんので、地方は地方が、例えば、コミュニティーを維持することが必要という観点から設けている制度であるということならば、それはそれでそういう制度があるということでございまして、国がそれに合わせなければいけないということは全くないと私は考えているわけでございます。(藤田(一)委員「一言だけ。よりよい制度をつくるということでございまして、その点を十分認識していただきたいと思います。ありがとうございました」と呼ぶ)

西村委員長 発言者は指名しますから。

藤田(一)委員 済みません。失礼いたしました。

西村委員長 次に、東順治君。

東委員 公明党の東順治でございます。

 村田大臣、林田副大臣初め、あるいは柴田統括官、関係者の皆様、連日大変御苦労さまでございます。私は、まさにこの福岡西方沖地震の被災民の一人でございます。そういうことから、先日はまたこの災害対策特別委員会、西村委員長を初め委員の皆様、現地を御視察いただきましてまことにありがとうございました。

 私が今しみじみ思いますのは、この災害というのは過去形にしちゃいけないなということです。つまり、過去のものではないな、アイ・エヌ・ジーだなと。と申しますのは、余震という名のもとに、ずうっと震度四だ三だとこう続いている。けさも七時過ぎに震度三、これがまた玄界島。このけさの状況を見ますと、私が住んでいる福岡県の新宮町というのは、これは震度一だったんですが、つまり連日のようにこうやって起こってくるということは、これはいつ何どきまたあのでかいのが来るかわからないぞ、非常に粘着性のあるこの今回の地震、それに対する住民の不安、これはもう大変なものがございます。

 玄界島一つとってみても、それこそ五百十名の島民の方で島に残っておられる方が十名、五百人の方が今外へ出て避難されているという非常に厳しい状況があるわけでございます。私も、玄界島のみならず、西浦だとか、あるいはあの金印で有名な志賀島等々行ってみましたけれども、やはり大変な被害でございました。

 そこで、私の持ち時間はたったの十五分で大変残念ですけれども、端的にお伺いをさせていただきますので、極めて具体的な答弁をよろしくお願い申し上げます。

 最初は、災害救助法適用による応急修理制度という問題でございます。

 私は、現地に入って、まずこれがどうなっているのかなということに対して大変な関心を持ちました。というのは、あの新潟の中越地震のときに、五十一万九千円、ことしはこの応急修理制度を適用できる。現金なものですから、これは非常に大事な制度だというふうに聞いて、これはもっと弾力的に運用できないのか、いろいろ調べてみました。そうしたらば、その年の物価の変動率というものを加味してその年々にこれに上乗せできる金額が決まっていくということがわかりまして、これはぜひやるべきだということで、私も大変大きな声で新潟の中越のときには主張させていただいた。ありがたいことに、豪雪地帯であるというようなことで、この五十一万九千円が六十万円というところにぐっと弾力的に運用していただいた。それで、それぞれの住宅の応急修理ですから、業者が見積もれば、そしてその金額が決まれば、もう即現金が入っていく、こういうことですから、これは大変喜ばれるぞということで、私どもも声を大にして叫んだかいがあったなというふうに思ったんです。

 それが今回どうされているかということで、関心を持って私は玄界島に入った。残念ながら、これは地元の県が声を上げればそれに対する対応の可能性ありと、こういうことだったんですけれども、五十一万九千円というこの額面どおりの対応ということになっておった。新潟は豪雪地帯ですけれども、あの玄界島というのは、これは島ですから、やはり日常の生活も、船で通ったり、買い物も船に乗って出ていったり、あるいは風が強くて、あるいは塩害というようなこともあり、あるいはまた、皆さん漁業を営んでおられますから、高いローンを払っての漁船というようなことがさまざまありますので、これはぜひ、今回の災害救助法適用に応じて五十一万九千円というところに限定するのではなくて、ここは六十万円でもあるいはそれ以上でも、とにかくきちっと国として対応をするべきではなかろうか、こう思うんですが、まずこの点いかがでしょうか。

村田国務大臣 先生がおっしゃるように、この災害救助法に基づく応急修理の基準額でございますが、五十一万九千円で非常に半端な数字になっております。これを、中越地震のときに六十万円に引き上げる、こういう措置をとったわけでございますが、これは、豪雪地帯だからいろいろなしっかりしたものをつくらなければだめだということもありましてそういうふうに引き上げたわけでございまして、今回の場合もいろいろ議論をしてまいりましたんですが、仮に福岡県とか福岡市から、玄界島は、今先生がおっしゃるように、離島であっていろいろ物入りだ、こういうことであって御相談をいただければ、我々も内部でもう一度検討させる用意はあるということなので、ぜひとも先生からも地元にお伝え願って、我々と早速に議論を始めるようにと、こういうことをお伝え願いたい、こういうふうに思います。

東委員 大変前向きというか、極めて具体的な答弁をいただきましてありがとうございました。私の方からももちろん地元の県にはそのように申し上げますが、やはりここは大臣からも、どうなの、大変じゃないのという声を副大臣からでもおかけになっていただいて、まずこのことの対応をしていただければなと思います。

 それからもう一点でございます。大変気になったことがありました。これも玄界島でございますけれども、確かに被災民の皆様は、十人を残して、皆さん避難生活を大変難渋されて今過ごしておられる。やがて急ピッチでプレハブも仮設住宅もつくられるというようなことで、あるいはまた恒常的な公営住宅という構想もあるようでございます。帰ってこられます。これは当然のこと。そして漁業も、それこそ物揚げ場なんかがきちっともとに復旧されて営まれるんでしょう。

 そこで、その上でお伺いしたいんですが、私が行ったときに島民の皆様が大変心配しておられたのは、ここには小学校と中学校があります。これは本当にまた、小学校はもう全く使えませんから、中学校に至っては、校舎は辛うじて使えるかもしれないけれども、校庭にひび割れが入ってこれは厳しいというような話になっている。また小学校、中学校が復旧されるんでしょうか、ひょっとして、福岡市が近いものだから、船でわずかなところだから、子供たちは本土の方の学校に下宿生活とかそういうようなことを強いられるようなことになるんではなかろうかな、そういうふうな素朴な心配がございました。

 まず文科省に伺いたいんですが、小学校、中学校をきちんと復旧するかどうか、この点、端的にお伺いしたい。

大島政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように非常に大きな被害を受けたということで、その小学校、中学校の復旧については私ども非常に大事な仕事、こう認識しているところでございます。

 その復旧についてでございますが、現在、福岡市におきまして、玄界島全体の復旧計画とあわせて検討がなされていると聞いているところでございます。

 文部科学省といたしましては、引き続き、福岡市の教育委員会等々こういった関係機関と密接に連絡をとりまして、さらに、被災地域の要望も十分に踏まえて、被災した学校施設の復旧事業が円滑に実施されるよう努力してまいりたいと考えております。

東委員 要するに、復旧されますね。

大島政府参考人 福岡市の教育委員会の方の検討の意向を受けて、復旧について鋭意努力を進めてまいりたいと思います。

東委員 わかりました。

 そこで、少し心配なことがございます。要するに、ああいう震災みたいなことが勃発をしますと人々はまずどこに避難先を求めるかということなんです。一つは、やはり公共施設なんですね。つまり小学校や中学校あるいは公民館、こういったところにだあっと人はやはり逃げるんです、敷地も広いですから。

 そうすると、この学校の耐震度というのはどうなっているんだろうかな、こうやって調べてみますと、学校施設の耐震化の推進というのが随分やはりおくれているんですね。公立小中学校施設の実態ということで、公立小中学校施設全十三万棟のうち約八万五千棟というんですから、六四・二%、これが現行の耐震基準が定められた昭和五十六年以前に建築というんですから。要するに、震災が起こったら危ないよという話なんですね。これは大変厳しい話だなと。震災が起こったら皆さんが目がけていくところが実は耐震化が一番おくれている。

 そして、これは皮肉なことに、公立学校施設の耐震化状況という消防庁の調べを見ますと、今回の新潟中越、そしてこの福岡の西方沖、いずれもこの耐震化状況がすごい低いんですね。一〇%にも満たされていない、全国でも極めて低いところにあるというこういう実態があるんです。

 そこで、この小中学校が復旧されるのは当たり前、やはり親と離れて生活するなんていうことはもうこういうことは考えられないんですから、復旧するとともに、やはり、きっちり耐震化が施されたそういう小学校、中学校にしていかなきゃならぬと思います。大臣、この辺はいかがでしょうか。

村田国務大臣 確かに、新潟も福岡県も、学校だけ見ても耐震化率は大変低い、そういう状況にございます。せんだって中央防災会議で発表いたしました地震防災戦略でも、今後、そうした地震対策として一番重要なものは耐震化なんですね。

 その意味で、各役所、関係するところに、耐震化を高めるように目標値をつくってやってもらうようにお願いをしたわけでございますが、まだこういう状況でもなかなか各省動かないところがありまして、先生にもお願いして、ぜひとも、真っ先に避難所になるそういう学校の施設、子供たちがいる、あるいは病院等の施設、社会福祉施設等については、一生懸命その耐震化を各自治体が進めていただく、その音頭を各役所が先頭をとってもらいたいということをむしろ私からも先生にお願いをいたしたい。私どもも、同様の気持ちで耐震化は進めてもらいたいというそういう気持ちでいっぱいでございます。

東委員 まさに問題共有でございます。私もしっかり頑張りたいと思います。

 それから、現地に行って喜びの声もございました。それはどういうことかといいますと、自衛隊なんですね。もう即ヘリで入ってくれた。そして、当初は百人だあっと入ってきてくれて的確に動いてくれた。これは大変大きな喜びの声でございました。

 ところが、時間がないので余り語りませんが、青いビニールシートを各家屋にかけていく、だあっとかけてもらったはいいんだけれども、島だから風でどんどんめくれる、そうすると、このシートをまた押さえなきゃいけない、押さえるのに有明海のあのノリの網を使って押さえているんだけれども、いかんせん、自衛隊の皆さんが初期の動きが終わってだんだん人数が減ってきています、何とかふやしてくれませんか、こういう話が実は僕が行ったときはあったんですよ。

 これはきょう伺おうと思っていて、きのう調べてもらったら、もう全部終わっているんですね。網は全部かけ終わった。残された四十名の自衛官の人たちが必死になってやった。これは大変大きな感謝の声がございましたので、こういったことも大臣にはお伝えしなきゃいけないと思って、お伝えをさせていただきました。

 以上、大変短い質問でございますが、ありがとうございました。

西村委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。

 私は、まず、三月二十日の福岡西方沖地震でお亡くなりになられました方への御冥福と、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。

 私も、地震のその日に被災地に入りました。玄界島にも行ってきまして、その足ですぐ、九電体育館に避難をしている地元玄界島の方々とも、要望その他、調査をしてまいりました。

 九電体育館で非常に今でも印象に残っているのは、避難をしている玄界島の小学校の生徒さんたちが私に学校の様子を聞くんです。建物はどうだったか、教室はどうだったか、自分たちが毎日飼育をしていた校庭に飼っているウサギは元気だったかどうかということで、大変島の様子を心配しておられました。島に入ってすぐに、コミュニティー全体が崩壊をしている、胸の張り裂ける思いでその現場を調査してきましたけれども、玄界島の中でも、本当に島を離れて暮らさざるを得ない人たちの気持ち、自分がもしそういう被害に遭ったならばという思いで本当にこの取り組みを進めなければいけないと思います。

 島でお会いをいたしました伊藤和義漁協支所運営委員会の会長さんは、島民はみんな島に戻りたいと思っている、分散して住まざるを得ないのは苦渋の選択だ、このように言っておりました。これは、仮設住宅が島と本土側に分かれて建つという問題もあるわけですが、島の方々の合意によって住宅再建がどのような形になるにせよ、仮設住宅を出た後、島民全員が島に戻れる、こういうことを確実に保証する住宅建設計画とでもいうのでしょうか、そういう島民全員が島に戻れる計画をつくるべきだと思いますが、この点、大臣、いかがですか。

村田国務大臣 特に、私の選挙区にも島がございまして、島の住民の結束力というのは非常に強いものがありまして、今先生がおっしゃるように、玄界島の皆さん方がみんなで一緒にもとどおりにあの島に帰りたいという気持ちは私もよくわかります。

 それで、仮設住宅は、残念ながら建設する場所が十分なくて、一部、本土の方でかもめ広場というところに建設せざるを得ないことになりましたし、だれがどっちに住むかということについても、区長さんあるいは市長さんの方でも、大変な、離れ離れにならなければいけないという苦渋の選択を迫られているということもよく私はわかります。

 だからこそ住民の皆さん方が、共同住宅でもいいからとにかく島につくってくれ、こういうお話が上がってきたこともよくわかるわけでございまして、聞いておりますのが、県と市が玄界島災害復旧対策連絡会議というのを設けたそうでございますので、そこでもちろん島民の御意向も十分お伺いをして、住民の皆さん方の御意向に沿うような形で、仮設住宅から、今度はもっと将来を考えた住まいのあり方ということが検討されるのではないかと私は考えておるわけでございます。

赤嶺委員 島民全体がやはり島に戻らなければこの問題は解決しない、この問題の解決はそこにあるということを私も強調しておきたいと思います。

 そこで、次に漁業の再開ですが、そこでも島に残っている島の指導者十名の方々が口々におっしゃっていたのが、今が一番ハマチがとれる時期だ、今の数カ月で、夏までの漁で漁獲高一年分の三分の二を水揚げする一番大事な時期にこういう地震が起きたわけですが、再開の時期については島の方々のいろいろな思いもあるかと思います。しかし、避難所の生活上の不安、島の方々の被災状況、それぞれの事情、複雑な思いもあるわけですが、島の方々の意向を踏まえて漁業の再開に向け努力していただきたいと思うんです。

 また、漁民は、そういう漁業ができないために、生活を維持するための収入の糧を失っています。生活の維持、確保ということについての支援をどう考えているのか。

 さらに、漁民からは、漁業被害についての補償という要望も出されています。このことについても簡潔なお答えをいただきたいと思います。

田中政府参考人 まず、玄界島の漁業の再開についてお答えいたしたいと思います。

 漁業の基本的な施設であります漁港の災害復旧につきましては、県、市と連携を図りつつ早期に査定を実施して、被災した施設の迅速かつ適切な復旧に努めてまいりたいと思っているところでございますが、特に、玄界島の本格的な漁業の再開を見据え、被災した漁港施設の応急工事を急いでいるところでございまして、漁業の再開に向けて万全を期してまいりたいと思っております。

 また、被害を受けた漁業者の皆さんに対しましては、各種の長期低利の制度資金を活用していただくほか、水産庁といたしましても、資金の円滑な融通及び既貸付金の償還猶予等について関係機関へ要請しているところでございまして、また、出漁できずに漁業生産額が減少した場合の漁業共済による損失補てんなどを含めて、適切な経営支援を行ってまいりたいと思っているところでございます。

 以上でございます。

赤嶺委員 次に、玄界島の復旧復興についてでありますけれども、先ほども、島民全体が島に戻るコミュニティーを取り戻す、この問題についてお話を伺ったわけですが、福岡市は、玄界島については、区画整理や再開発の手法を取り入れて集落の姿を抜本的に変える復興計画、これを策定する方向だと、これは報道なんですが、そのような報道があります。

 島の復旧復興計画というのは、やはり島民が島に戻るということだと思うんです。その上で、島の将来を見据えて地域のコミュニティーを維持するということが基本になるだろうと思います。そのためには、復興計画の策定や実施段階においても、被災者の意向を尊重するとともに、島の方々が参画する形で進めていくべきであります。それで、住宅再建はどのような形が考えられるのか、宅地はどのようにするのか、学校など公共施設はどうするのか、こういう島の復興の全体像とともに具体的な道筋はどう考えられるのか、こうしたことについて島民の希望や意見を十分聞く機会をつくる、話し合いを重ねながら島の復興を進めていくことが大事であると思います。

 また、島の復旧復興に当たっては、市や県にとどまらず、国が全省庁を挙げて支援すべきであると思います。この点でも村田担当大臣の御意見、伺いたいと思います。

村田国務大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、県と市が玄界島災害復旧対策連絡会議というものを設けてございまして、その中で島民の意向も十分聞かれて復旧復興プランというものを練られる、こういうふうに思います。

 政府としても、そうした地元の意向というものを尊重いたしまして我々も必要な支援というものをやっていきたい、こういうふうに思っております。

赤嶺委員 次に、被災者生活再建支援法の問題についてであります。

 先ほどからるる、使い勝手が悪い、このような御指摘がありました。特に現行の支援法は、家屋の建築費、補修費への直接支援ができないということと、適用条件が非常に厳しい。先ほどの議論もありました。極めて限定をされている。ですから、新潟の中越地震の場合には、実際に支給された世帯数は二月二十八日現在で十五件ということになっているわけですね。この数字にも、あれほどの震災でこの法律が適用されたのは十五件ということにも見られるように、本当に、これからふえるとはいっても、使い勝手の悪さというのはそこにもあらわれていると思います。

 住宅支援というのは、被災者の切実な要求であるということはもうはっきりしていると思います。この声にこたえるために、家屋の建築、補修、これを支援の対象にすべきだと考えますが、この点、いかがですか。

村田国務大臣 中越の被害者に対する支援法の適用例が少ないというお話でありましたけれども、まだ雪をかぶっておりますから、これから私どもも、申請がふえて適用になる例がふえてくるとこういうふうに思っております。

 それから、もし、使い勝手が悪くてそういう申請がなかなか難しいということが今の運用上の問題としてあるならば、それを改善できるところは改善をいたしますということは私も既に各種委員会で申し上げているところでもございますし、総理からもそういう御指摘をいただいているところでございますので、実情を把握しながら研究をしたいと、こういうふうに考えているわけであります。

 先生の御質問の核心的な部分の住宅本体にとかその他の問題につきましては、この法律の建前が、公助と自助をどうやって結びつけていくのか、本当に再建が自力では困難である人に対して、ぎりぎりの支援として、公助として支援する場合にどういうやり方があるだろうかというそういう長い議論の過程でもって対象も広がり、あるいは金額も広がってきたとこういうわけでありますので、私どもは引き続き議論をさせていただくことにはやぶさかではありませんけれども――新潟は三月末で百五十七件の申請があるようでございます。そこは議論をすることはやぶさかではありませんけれども、やはり、税金を投じてまでだれが本当に必要としているのか、つまり、私有財産に税金を投じてまで支援する場合にどういうやり方があるかということは真剣に議論しなければいけないことだろうというふうに思います。

 先ほど、民主党の古賀先生が御提案ありましたけれども、今度の玄界島のケースでも、やはり、被災した低額所得者に対する公営住宅を提供するということが一つありますね。おばあちゃんなんかで、もう自分で幾らお金をもらっても、一〇〇%もらえばともかくとして、それができないという人には公営住宅を提供していかなきゃいけないというふうに思うし、それから、危ないところに住宅が密集しているようなケースでは公営の改良住宅を建設するというメニューがありまして、これは、小規模住宅地区改良事業というそういうメニューがございます。それから三つ目は、災害が発生した地域からみんなで集団で移転しようというそういうケースでは、防災集団移転促進事業というのがありまして、そういう意味では、古い住宅を買い取ったりなんかする、あるいは国の支援もより手厚いというケースもございますので、生活再建支援法というそういうメニューもあわせて一番被災者に好ましいのはどうかということを全体として考えていく必要が我々はあるのではないか、それが、国民からいただいた税金の一番効率的で適切な使い方になるのではないかと私は考えている次第でございます。

赤嶺委員 最後の質問になりますけれども、今の生活再建支援法の問題、特に家屋の建築費、補修費への直接支援の問題でいえば、税金の使い方からいっても、全国知事会がそれを要望し、それから十七の県が実際にもうそれを具体的に実行している。そして、最近の災害の連続で、国民の七割から八割はこれらの支援制度に切りかえることに賛成をしているわけです。国民の合意はでき上がっているんです。それをやはり見直ししていない、四年に一遍とかといって先送りしていることはもう許されないということで、ぜひその点の政府の努力をお願いしたいことと、最後に、やはり、一つのコミュニティーが崩壊をされたその現場を見るということは想像以上なショックを私持ちました。この島の再建、そして西方沖地震の被災者の再建に当たって、村田大臣は、その担当大臣でもありますが、災害を前にしての一人の政治家としても、ぜひ最後まで責任を持って取り組むという大臣の決意も最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

村田国務大臣 不幸にいたしまして、私の在任中にたくさんの災害が起きました。口の悪い人は、私のことを防災担当大臣と言わないで災害大臣と言う人もあるくらいでありますが、私としましては、今、赤嶺先生がおっしゃるように、被災者の本当に苦しい今置かれた状況というものに考えをいたしまして、今後とも、玄界島あるいは中越だけではなくて、水害あるいは台風での災害に大変な被害を受けた方々、あるいは、お帰りになりつつありますが、三宅島の四年間という災害に苦しんでおられる、なおこれからも苦しんでおられるそういう方々のことを考えて、国として必要な支援というものをできる限り続けていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。

赤嶺委員 終わります。

西村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十分散会


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