衆議院

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第2号 平成23年2月17日(木曜日)

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平成二十三年二月十七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 吉田おさむ君

   理事 糸川 正晃君 理事 梶原 康弘君

   理事 古賀 敬章君 理事 中根 康浩君

   理事 橋本 清仁君 理事 長島 忠美君

   理事 古川 禎久君 理事 石田 祝稔君

      網屋 信介君    井戸まさえ君

      石山 敬貴君    今井 雅人君

      打越あかし君    小原  舞君

      大西 健介君    大西 孝典君

      大山 昌宏君    川口  博君

      岸本 周平君    工藤 仁美君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      斎藤やすのり君    空本 誠喜君

      高橋 昭一君    橘  秀徳君

      富岡 芳忠君    畑  浩治君

      皆吉 稲生君    森本 和義君

      山本 剛正君    吉川 政重君

      赤澤 亮正君    小里 泰弘君

      梶山 弘志君    竹下  亘君

      谷  公一君    林  幹雄君

      松野 博一君    森山  裕君

      江田 康幸君    赤嶺 政賢君

      高橋千鶴子君    重野 安正君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       松本  龍君

   内閣府副大臣       東  祥三君

   農林水産副大臣      筒井 信隆君

   内閣府大臣政務官     阿久津幸彦君

   内閣府大臣政務官     園田 康博君

   総務大臣政務官      逢坂 誠二君

   総務大臣政務官      森田  高君

   財務大臣政務官      吉田  泉君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   厚生労働大臣政務官    小林 正夫君

   農林水産大臣政務官    田名部匡代君

   国土交通大臣政務官    市村浩一郎君

   国土交通大臣政務官    小泉 俊明君

   国土交通大臣政務官    津川 祥吾君

   環境大臣政務官      樋高  剛君

   防衛大臣政務官      松本 大輔君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           清水美智夫君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  関  克己君

   政府参考人

   (気象庁長官)      羽鳥 光彦君

   衆議院調査局第三特別調査室長           阿部  進君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十八日

 辞任         補欠選任

  佐藤  勉君     小里 泰弘君

二月十五日

 辞任         補欠選任

  重野 安正君     吉泉 秀男君

同日

 辞任         補欠選任

  吉泉 秀男君     重野 安正君

同月十七日

 辞任         補欠選任

  網屋 信介君     橘  秀徳君

  今井 雅人君     大山 昌宏君

  高邑  勉君     工藤 仁美君

  若泉 征三君     井戸まさえ君

  秋葉 賢也君     松野 博一君

  江藤  拓君     赤澤 亮正君

  高橋千鶴子君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  井戸まさえ君     小原  舞君

  大山 昌宏君     今井 雅人君

  工藤 仁美君     川口  博君

  橘  秀徳君     網屋 信介君

  赤澤 亮正君     江藤  拓君

  松野 博一君     秋葉 賢也君

  赤嶺 政賢君     高橋千鶴子君

同日

 辞任         補欠選任

  小原  舞君     若泉 征三君

  川口  博君     高邑  勉君

    ―――――――――――――

二月十六日

 被災者生活再建支援法の抜本改正を求めることに関する請願(長島忠美君紹介)(第八八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(平成二十二年十一月からの大雪及び霧島山(新燃岳)の噴火による被害状況等)


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     ――――◇―――――

吉田委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 このたびの霧島山・新燃岳の噴火による被害により、不安で不自由な生活を余儀なくされておられる被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 また、平成二十二年十一月からの大雪による被害でお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 委員会内の全員の御起立をお願い申し上げます。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

吉田委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

吉田委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、平成二十二年十一月からの大雪及び霧島山(新燃岳)の噴火による被害状況等について、政府から説明を聴取いたします。松本防災担当大臣。

松本国務大臣 平成二十二年十一月からの大雪及び霧島山・新燃岳の噴火の被害状況及びその対応につきまして御報告いたします。

 まず、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。

 初めに、平成二十二年十一月からの大雪等の被害状況につきまして御報告いたします。

 十二月下旬以降、数回にわたって強い冬型の気圧配置となったため、各地で大雪となりました。特に、年末から年始にかけては、西日本を中心に強い寒気が流入し、西日本の日本海側等の一部では記録的な大雪となりました。また、一月半ばと月末にも強い寒気が南下し、北日本から西日本にかけての日本海側で大雪となりました。

 この大雪等により、現在までに把握しているところでは、死者百二十二名、負傷者千三百八十三名、住家被害四百十八棟、非住家被害五百七十二棟のほか、車両の大規模な立ち往生、鉄道の不通、停電や断水、漁船の転覆その他の農林水産業の被害などが生じています。

 続きまして、霧島山・新燃岳の噴火の被害状況につきまして御報告いたします。

 新燃岳では、一月二十六日以降活発な噴火活動が続いており、現在までに爆発的噴火が計十一回発生いたしました。一月二十六日には噴火警戒レベルが二から三に引き上げられましたが、その後の爆発的噴火による大きな噴石の飛散状況などを踏まえ、噴火警戒レベルを維持したまま、入山規制の範囲が、順次、二キロメートルから三キロメートル、また四キロメートルと拡大をされました。

 この噴火に伴い、鹿児島県及び宮崎県では、多量の降灰や空振により、現在までに把握しているところでは、負傷者二十三名のほか、住民生活への支障、農産物の被害、窓ガラスの破損などが生じました。また、降雨時の土石流、泥流の発生も懸念をされています。

 これらの災害に対する政府の対応といたしましては、総理、官房長官、私を中心に、二月一日に大雪等及び新燃岳噴火に関する関係閣僚会議を開催、四日にも霧島山(新燃岳)噴火に関する関係閣僚会議を開催し、政府全体としての情報共有を図るとともに、今後の政府の対応方針を確認しました。

 また、七日からは、新燃岳噴火への対応のため、関係府省庁の職員を要員とする政府支援チームを現地に派遣し、直接、避難計画の策定等の支援に当たらせております。

 私自身も、一月二十九日から三十日及び二月十一日から十二日の二度にわたり鹿児島県及び宮崎県の現地調査を、また二月五日には新潟県の現地調査を行いました。その際、伊藤鹿児島県知事、河野宮崎県知事及び泉田新潟県知事のほか、関係市町長等から御説明をいただくとともに、不便な生活を強いられている住民の方々や、降灰除去や除雪作業を支援しているボランティアの方にもお話を伺い、噴火活動や大雪のすさまじさを実感したところです。

 大雪及び新燃岳の噴火については、今後とも警戒を怠ることはできません。また、被災地の方々の御苦労もいまだ解消されてはおりません。政府としては、地方公共団体と一体となり、全力を挙げて、引き続き、地元の要望等を踏まえたきめ細かな対応に努めてまいる所存であります。

 以上です。

吉田委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

吉田委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省社会・援護局長清水美智夫君、国土交通省河川局長関克己君及び気象庁長官羽鳥光彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。皆吉稲生君。

皆吉委員 民主党・無所属クラブの皆吉稲生でございます。本日は質問の機会をいただき、まことにありがとうございます。

 また、先ほど黙祷をさせていただきましたが、改めて、新燃岳噴火に伴って被害を受けられた皆さん、さらには降雪被害に伴って亡くなられた皆様、被害を受けられた皆様に、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 さて、霧島山系新燃岳が、本年一月二十六日、突然噴火をいたしまして、以後十一回の爆発的噴火を繰り返していることは、今、御報告をいただきました。

 新燃岳を含む霧島山系は、登山好きの私にとりましては、何十回となく訪れまして、五月のミヤマキリシマが咲き誇る時期を初めとして、四季折々の美しい姿を見せる山々でございました。地元だけでなく、全国から登山の愛好家や観光客が訪れる地域でございます。

 このような地域が、今、噴火活動によって一変をいたしました。政府としては、いち早く松本防災担当大臣、さらに大畠国土交通大臣など、現地を視察いただきまして対策を講じていただいておりますことに、心から感謝を申し上げます。

 民主党は、二月の三日に新燃岳噴火対策連絡室を設置いたしまして、また、民主党宮崎・鹿児島県連の合同の新燃岳噴火対策本部を立ち上げさせていただき、現地視察を行い、行政の皆様を初め、農家の皆さん、地域住民の皆さん、ホテル業者の皆様方などさまざまな方々にお声をお聞きしてまいりました。

 そうした中で、新燃岳のこの大量の降灰は、強い西風に乗って、今、宮崎県の都城市や高原町、三股町などへ、また鹿児島県曽於市などに降り積もっております。また、噴石も火口から約四キロの範囲まで飛んできたことが記録をされています。

 大量の降灰が降雨によって土石流になることも今懸念をされているわけでありますし、さらに大規模な噴火によって火砕流の発生も懸念をされております。また、空振によるガラスの破損というのも深刻で、負傷者さえも出ているわけであります。また、降灰による健康被害も懸念をされております。

 宮崎県高原町では、避難勧告で、一月の三十日には、五百十三世帯一千百五十八名の方が避難をするという状況になりました。現時点では解除をされましたが、困難な生活を強いられているわけであります。降灰のひどい地域は、ロードスイーパーでは除去の作業が不可能である、ショベルカーでの除去を行ったり、市民生活に重大な影響を与えております。

 また、農家への影響は甚大な状況でございます。降灰地区の露地物の野菜、飼料作物は壊滅的な被害を受けております。ビニールハウスは光線透過が極端に下がり、生育不良が懸念をされています。約三・八億円の宮崎県側の被害額が計上されておりますし、さらに被害が拡大することが予想されています。

 また、鹿児島県側は、霧島温泉地区において、火山活動に対する風評被害からホテルや旅館への宿泊のキャンセルが相次いで、二万人にも上っております。このままでは経営そのものが危うくなり、従業員の解雇や廃業に追い込まれる業者も出てくることが予想をされております。さらに、タクシーや納入業者、土産物店など関連業者にも厳しい状況が続いているところでございます。

 このように、新燃岳の噴火がもたらす影響は、地域の住民生活全般に及んでおりますし、また、地域の経済活動に大きな影響を及ぼしています。

 そこで、実は大臣が御出席いただけるかどうか昨夜まで不明であったため通告をいたしておりませんが、松本防災大臣にお伺いをいたします。

 大臣は二回視察を行っていただきました。いち早く対応を図っていただいています。大臣の本件に係る現状の御認識と決意をお聞かせいただきたいと存じます。

松本国務大臣 一月二十六日の発災から三日後に新燃岳近辺に行ってまいりました。都城の夏尾というところに行ってまいりまして、それはもうすごい灰の量でありましたし、上から降ってくる灰、それから下から噴き上げられる灰、そういう意味では、前の車両が時々見えなくなるくらいの降灰の状況でありました。そういう意味では、もうこれは何とかしなければという思いで現地を見てきたところであります。

 十一日、十二日も行ってまいりましたけれども、夏尾の地区はそれぞれの皆さんが努力をされて、灰を除かれているお店の高齢者の方とお会いをしました、そして、その前の御夫婦ともお会いをしましたけれども、少し顔が明るくなられたけれども、我々がやらなければならないことはまだまだたくさんあるというふうに思ったところであります。

 そういう意味では、今、土石流、泥流の話が出ましたけれども、今現在も雨が降っております、午後にかけて。先ほど、政府の支援チームのリーダーであります内閣府の越智参事官と連絡をとりましたけれども、万全の体制をとるために努力をしているということでありましたので、これからも私もしっかり頑張ってまいりたいというふうに思います。

皆吉委員 ありがとうございました。

 それでは、次の御質問をさせていただきます。

 今回の噴火は、予知連絡会の見解では、マグマの上昇は現在低下しており、多量の火山灰等を放出するような噴火の可能性は低くなっているというふうに書いてございます。現在の観測地点の状況でもその判断ができる体制なのかどうか、さらには、それらの観測点をふやすなど、観測体制を強化していく予定がおありになるか、お聞きをしたいと思います。

羽鳥政府参考人 お答えします。

 気象庁は、新燃岳周辺に地震計や傾斜計などを設置し、また大学等関係機関の観測データも収集し、火山活動を二十四時間体制で監視しています。

 二月十五日に開催された火山噴火予知連絡会では、その時点で得られた地殻変動等のデータをもとに、新燃岳の活動状況及び今後の見通しについて検討し、見解を発表しました。今後も地殻変動等のデータを注意深く見守っていくこととしています。

 このため、より詳細に地下のマグマの動向を把握すべく、火山噴火予知連絡会に霧島山(新燃岳)総合観測班を設置し、気象庁、大学等の火山観測研究機関が連携して地震計等を設置します。それによって観測体制の強化を図っているところでございます。

 以上です。

皆吉委員 ぜひ、観測地点をふやすなど、予想をされなかった噴火でございますので、そういう意味ではまだ不十分な点がおありになると思いますので、今後の対応をお願い申し上げます。

 次に、活動火山対策特別措置法二条に基づく内閣総理大臣による避難施設緊急整備地域への指定については、鋭意作業を進めておられるとお伺いをいたしておりますが、いつごろの指定となるかお答えいただきたいと存じます。

松本国務大臣 お答えいたします。

 避難施設緊急整備地域の指定につきましては、火山の爆発により住民等の生命及び身体に被害が生じるおそれがある地域であること等が要件となっております。

 今回の新燃岳の噴火につきましては、当面、一月三十日に高原町内で避難勧告が出された区域を念頭に、現在、地元地方公共団体等の関係機関と指定に向けて具体的な調整を進めているところであります。今後、調整が整い次第、来週にも指定してまいりたいというふうに思っております。

 降灰防除地域の指定につきましても、一定量の降灰量があること、近い将来において降灰のやむ兆候が見られないことが要件となっております。

 このことにつきまして、私は、現地で要件を満たしているというふうに思っておりますけれども、今回の噴火に伴う降灰量について調査したところ、都城市や高原町など複数の市町で既に指定の要件を満たしていると判断をしています。現在、指定に向けて関係地方公共団体及び関係省庁と具体的な調整を進めております。これから、降灰防除地域につきましては、関係機関との調整が整い次第、早ければ避難施設緊急整備地域とあわせて指定をしてまいりたいというふうに思っております。

皆吉委員 ぜひ、私の地元でもございます桜島の経験を踏まえて、迅速な対応方をお願い申し上げたいと存じます。

 次に、農業の関係等について質問をいたします。

 農林漁業セーフティーネット資金が、四月から、三百万から六百万にその限度額が引き上げられるとお伺いいたしました。さらに、特認の限度額、年間経営費等の十二分の三でございますが、これらについて、一つは、三百万を六百万、これを四月からではなくて前倒ししての引き上げが実現をできないかどうか、そしてまた、十二分の三の項目を緩和することができないか、御質問をさせていただきます。

 あわせて、被災した農地の降灰除去については農地災害復旧事業を活用することとなると思いますが、営農に支障を来さないような御配慮をいただきたいということであります。

 またさらに、昨年、集中豪雨により被災をした農地に激特の適用がされて今事業が進められているところがございますが、さらに降灰が堆積をした場合、事業の重複で補助率の適用はどのようになっていくのか、お聞かせをいただきたいと存じます。

 もう一つ、農水関係で御質問いたします。

 農水省の管理する治山ダムの除石作業は、降灰地域の何カ所あるうちの何カ所で今作業が行われているのか、そして今後、計画をされているのか、お答えをいただきたいと存じます。

田名部大臣政務官 皆吉先生の御質問にお答えをいたします。

 冒頭、皆吉先生の方から、地域の皆さんの生活の状況であるとか、また農林水産業への被害の状況など、詳しくお話しをいただいたところでございますが、私どもといたしましても、その被害の状況の把握にはさらに全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。

 幾つかまとめて御質問がありましたので、ちょっと答弁が長くなるかもしれませんが、できるだけ簡潔にお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、先生御指摘のように、農林漁業のセーフティーネット資金の限度額でありますけれども、本年の四月より六百万に引き上げることとしております。先生の御指摘のようなさらなる支援に対しては、ぜひともまた、被害状況であるとか、そして被災者、被災した農業者の資金需要の有無等をしっかりと踏まえさせていただきまして、必要な資金の円滑な融通に努めてまいりたいと考えています。

 また、それに加えて、新燃岳噴火による被害を受けた農業者の皆様への資金繰りに関する対応ですけれども、日本公庫等の関係金融機関に対して、必要な資金の円滑な融通や既貸付金の償還猶予等を要請させていただいたところでございますので、そのことをお伝えさせていただきたいと思います。

 またさらに、営農が困難となった農地の降灰除去についてでありますけれども、暫定法に基づく災害復旧事業により実施をしていくということであります。なお、次期作付に間に合わせるために、特別に緊急を要するような復旧についてでありますが、これはいわゆる査定前着工の制度を活用することによって早期に実施することが可能となっています。

 それと、平成二十二年の集中豪雨によって被災をした、土砂の被害、それにさらに降灰が堆積をしてしまった農地に関してでありますけれども、これらの災害復旧事業を一体として行っていくことが可能でございます。ただ、その場合に、それぞれ別の処理方法でありますので、そういった手続を踏まえていただいた上で、復旧工事は一体として実施をしていくことができますので、要望を踏まえて対応を行ってまいりたい、そのように考えています。

 激甚指定を受けた場合でございますけれども、補助率がふえるわけでありますけれども、これは内閣総理大臣が指定をすることとなっておりますので、私たちといたしましても、先ほど申し上げましたけれども、被害の状況というものをしっかりと把握するとともに、県、市町村としっかりと相談をしながら対応をしてまいりたいと考えています。

 もう一つ御質問がございました。霧島山の地域というのは、噴火に伴う影響で大変荒廃をした地域だというふうに伺っています。

 農林水産省では、昭和二十七年からその治山対策を鋭意行ってきたところでありますけれども、今回も二月の二日と三日に独立行政法人森林総合研究所九州支所による現地調査を行わせていただきました。この結果を踏まえまして、宮崎県内の国有林のうち、降灰が多い五渓流のうち特に土石流の発生の危険性が高い三渓流について、既存の治山施設に堆積した土砂の除去であるとか、土石流センサーの設置を実施して、その対策に努めているところであります。

 今後も、天候などを注視しつつ、関係機関としっかりと連携を図って、安全、安心の確保に万全を期してまいりたいと考えています。

 以上です。

皆吉委員 ありがとうございました。

 今御答弁いただきましたように、農業に関しましては、そのまま農業を続けられるか、あるいは耕作放棄地となって荒廃した地域になってしまうのかの瀬戸際に今立たされているというふうに思っています。そういう意味では、ぜひ営農意欲をしっかりと持っていただけるような対策を講じていただきたい、そのことを要望させていただきます。

 次の質問をさせていただきます。

 国土交通の関係ですが、国土交通省及び県の砂防堰堤のうち、新燃岳噴火に土石流の発生のおそれが高まって除石の対策が必要な砂防堰堤の数と、今後の対策をどのように講じていかれるのか、お聞かせをいただきたいと存じます。

 また、活動火山対策特別措置法十一条に基づく降灰除去作業の適用はいつ行われるのか。今これらの作業が進められているというふうにお伺いをいたしておりますが、これらはいつになるのかということと、この間の降灰除去の費用については、遡及をして、さかのぼっての適用となるかをお伺いしたいと思います。

津川大臣政務官 お答えをいたします。

 土石流対策として必要な砂防堰堤の除石等ということの御質問であります。

 まず、対策が必要な砂防堰堤でありますが、灰の降り方を調査いたしまして、その降灰地域にあります、それぞれの渓流にあります、砂防堰堤が対応をしております土石流地域、その流域の中で、約五割以上のところで一センチ以上の灰が積もっているであろうと推定をされる渓流を抽出いたしました。その中で、必要な対策が求められているのではないかという判断をされました砂防堰堤が八カ所ございます。この八カ所の除石等につきましては、二月一日から、順次、除石作業に着手したところでございます。

 今後につきましては、今後さらに、灰の降り方が風向き等で変わる可能性がございますので、市町村あるいは県等としっかりと連携をしながら、警戒避難体制の支援とともに、除石や砂防施設の整備等に必要な対策を速やかに実施してまいりたいと考えているところでございます。

 それから、降灰除去作業についての御質問でございます。

 市町村道の降灰除去作業を支援するために、一月二十六日の噴火の翌日、一月二十七日からでありますが、宮崎県の都城市それから高原町など四市二町の要請に対しまして、国土交通省が保有をしております路面清掃車、散水車等延べ四百九台を貸与し、現在、支援を行っているところでございます。

 この法律に基づく適用がいつ行われるのかという御質問でございますが、適用の基準がございまして、道路については、年間降灰重量が平米当たり千グラム以上になりますと適用がされるということでございまして、現時点におきまして、例えば都城市の市役所屋上の地点におきまして、もう既に基準に到達をしているということでございます。

 どういった地域で基準に到達をしているかどうかということにつきましては、事前に自治体から要請をいただいて指定をしている地域でございまして、それぞれの地点で基準に到達をしているかどうかというところを判断させていただく形になります。

 それから、この適用がされて以降その降灰除去の費用が補助対象になるのかという御質問であろうかと思いますが、そういった計算をいたしているものではございませんでして、一月一日からの一年間の降灰除去費用を適用するものでございますので、今御質問がございましたように、今回の噴火につきましては、当初からの降灰除去費用がすべて適用になるものと判断しているところでございます。

皆吉委員 どうもありがとうございました。

 道路に降り積もった灰を何とか一日も早く除去してほしいというのは、住民の生活にとって大変大事なことでございます。私も桜島で大変経験をいたしておりますので、ぜひ、迅速な対応方をよろしくお願い申し上げます。

 次に、霧島のホテル街の問題等について、各省またがりますけれども、あわせて御質問をさせていただきます。

 一つは、いわゆる霧島温泉のホテル、旅館の風評被害にかかわる問題であります。

 先ほど申し上げましたように、約二万人以上のキャンセルが相次いでいる。ホテルの経営者に言わせると、もうこれからは立ち行かない、二月、三月はもうお客さんがほとんどいない、そういう状況になっています。

 これらの風評被害に対する対策を、どのようなことを行っていただいているのか、お聞きをしたいということ。さらには、マスコミの報道のあり方について、協力を要請するお考えをお持ちかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

 次に、ホテル、旅館等の従業員の雇用の確保の問題が今深刻な状況になっています。霧島の温泉街でも約一千名の雇用が危ぶまれているという状況にございます。そういう意味では、厚生労働省の雇用調整助成金の適用ができるのかどうか、大きな期待を持って今ホテルの関係者は見守っております。ぜひ前向きな御回答をいただきたいと思います。

 最後になりますけれども、ホテル、旅館業者に対するNHKの受信料の減免がいただけるのかどうか。これも、ホテルについては、各部屋にテレビを設置して大変な額の受信料をお支払いいただいているという状況でありますので、これが減免をいただければかなりホテル業者にとっても助かるという状況になりますので、そこのところをお聞かせいただきたいと存じます。

津川大臣政務官 お答えします。

 観光面での風評被害の発生拡大を防止するためには、まず、正確な情報の収集と発信に万全を期すことが重要であると考えているところでございます。

 このため、キャンセルが少なからず発生をいたしました韓国向けに、韓国当局に対しまして正確な情報提供を要請するとともに、噴火の影響が一部地域に限られている旨のメッセージを韓国の大手メディアにも掲載をしたところでございます。

 また、国内旅行につきましては、旅行者、旅行予定者に対しまして、関係機関の最新情報をもとに正確な情報を提供するように、旅行業協会を通じて旅行業者に要請をしたところでございます。また、観光庁や観光関係団体のホームページに正確な情報の掲載を図ったところでございます。

 今後も、自治体と緊密に連携をとりながら、事態の推移を注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

松本国務大臣 つけ加えますけれども、霧島の二軒の旅館に行ってまいりましたけれども、新燃岳に向かって空振が起きてガラスが割れたところは、フィルムを張ったり、あるいはお客さんを泊めないとか、そういう手段を講じておられたということも御報告だけしておきます。

小林大臣政務官 雇用調整助成金についてお答えをいたします。

 雇用調整助成金は、経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた、こういう事業主に対して、休業や教育訓練を実施していって労働者の雇用を維持すること、こういうときに支給する、こういうものでございます。

 本助成金は、噴火被害の拡大に伴って風評被害による影響が生じた場合には経済上の理由による事業活動の縮小になるため雇用調整助成金の利用ができる、こういうことでございます。

 ただし、本助成金は、事業主の皆様が納めた雇用保険料を財源とする雇用保険二事業として運用されている制度であること。したがって、雇用保険の適用事業所が助成の対象になるということ。さらにまた、その利用に当たっては、経済上の理由によって生産量や売り上げが減少している、こういうような要件を満たすことが必要である。このことをつけ加えます。

 どのような場合に本助成金が活用できるかどうか、労働局を通じて各地域に周知してありますので、個別の相談については、ぜひ労働局としていただきたい。また、地域の雇用が確保できますように、今後とも、私たちも精いっぱい努力をしていきたいと思います。

 以上です。

森田大臣政務官 皆吉議員にお答え申し上げます。

 NHKの受信料の免除につきましては、放送法第三十二条第二項におきまして、あらかじめ基準を定めるものとされております。この規定に基づきまして、日本放送協会放送受信料免除基準をNHKが定めているところでございます。

 この受信料免除基準におきましては、災害があった場合については、災害救助法の適用を受けた区域内で、半壊以上の損壊を受けた建物等に設置された受信機について受信料の全額を二カ月間免除するものとしているほか、これ以外に免除すべき範囲及び期間について、あらかじめ総務大臣の承認を受けた場合には受信料の全額を免除することができる旨が定められているところでございます。

 今回の新燃岳の噴火につきましては、NHKの受信料を免除するか否かにつきまして、この受信料免除基準の基準を踏まえ、NHKにおいて免除の必要性、範囲及び期間について検討しまして、必要と認める場合にはNHKから総務大臣に対して承認申請が行われることになることと承知しております。つまり、判断の主体はNHKでありますが、総務省としましては、そのような承認申請がありました場合には、適切かつ迅速に判断してまいりたいと思っております。

 以上であります。

吉田委員長 皆吉稲生君、もう時間が過ぎておりますので。

皆吉委員 はい。最後、まとめさせていただきます。

 どうもありがとうございました。ぜひ、NHKの関係につきましては、実現できるように、またいろいろお知恵をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 突然の災害で、本当に現地の方々は戸惑い、途方に暮れているのが現状でございます。国、地方一体となってしっかり支援をしていく、このことが今大事だと思います。菅総理が唱えておられる最小不幸社会、その実現そのものではないかな、そんなふうに考えておりますので、どうぞ皆様方の積極的な対応をお願い申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

吉田委員長 次に、近藤和也君。

近藤(和)委員 石川三区、能登半島選出の近藤和也と申します。

 きょうの質問に先立ちまして、今回の大雪で多くの方が、特に御高齢の方がお亡くなりになられていますことに心が痛みます。御冥福をお祈りするとともに、被災した方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 私たちの日本には四季があり、それがすばらしい住環境、食環境、景観をもたらしてくれています。

 ただ、それが、時によって姿を変え、生活や生命を脅かす。私も含めた、日本海側や北日本に生活をされる方々にとって、その脅かす存在の一つが雪でもあります。

 三八豪雪のときには私は生まれてはおりませんでしたけれども、五六豪雪、五九豪雪、六一豪雪のときにはランドセルを担いでいました。学校に行くとき、また、帰ってきてから雪すかしをするというのはもう日常生活の一部でしたし、家の屋根が落ちる、また、煙突が折れる。雪すかしをした雪で小さな川があふれ、近所の機場、機場というのは、能登半島では繊維産業が非常に活発でございまして、その工場のことを指しますけれども、その機場に水が入ってしまって弁償をしなければいけなかった、そういった記憶もございます。

 日本海側拠点港に名乗りを上げようとしている金沢港も、三八豪雪の折に、重要港湾の一つであります七尾港から北陸最大の都市である金沢市へのアクセスが困難だ、そういったことからつくられた港でもあります。まさしく、雪が地域の歴史をつくったと言っても言い過ぎではないかもしれません。

 そして、平成に入った中で、全国的に降雪量が減りまして、温暖化の影響じゃないか、そういったことも言われてはいましたけれども、最近では平成の十七年度、そしてことしの豪雪がやってきたといった次第でございます。

 ここで改めて考えなければいけないことは、昭和のころの豪雪と平成に入ってからの豪雪では種類が違うということでございます。あえて種類という言い方をいたしましたのは、雪の種類ではなくて、雪が降る地域の実情が変わってきているということでございます。

 ちょっと、お手元に配らせていただいた資料を見ていただければと思います。

 こちらは、雪害によって亡くなられた方、人的そして住宅の被害を示した表でございます。三八豪雪のときには今までよりも随分と多い方が亡くなられているといったことがわかりますが、三八、五六、五九のころと比べまして、この平成十八、二十三、顕著なところは、住宅被害が三八のころと比べましてもう十分の一、半分、そういった状況であるにもかかわらず、死者の方々が多いという状況でございます。

 そして、下の表でございますが、こちらは、平成十八年、そして今年度の亡くなられた方の状況でございます。やはり、雪おろし、除雪作業の方々、この中でも御高齢者の方が多い、そういったところが、家が頑丈になってきているにもかかわらず、高齢化ということが、また過疎化といった点が、被害者が今でも多いといったことをあらわしているのではないかというふうに思います。

 そこで、この豪雪地帯、今回多くの被害に遭われているこういった地域で共通することは、高齢化、過疎化、そしてその自治体がそもそもが弱い財政基盤であるということ、またその地域の主要産業の一つが建設業である、そういったところは共通するのではないかと思います。

 高齢化が進む地域では、子供や孫が町へ出ていって、屋根の雪おろしや除雪をお年寄りがせざるを得ないという状況ともなってきています。ボランティアの方々が精いっぱい頑張っている、そういった状況ではありますが、限界もあります。こういった点で、幾つかの自治体では、御高齢の方々や体が不自由な方に対して、雪おろし、除雪に関しての費用負担をしてきているといったところもございます。

 また、こういった地域は、財政基盤が非常に苦しいということも共通していますが、高齢化地域でもあり、過疎化が進んできている地域でもあり、財政力が弱い、こういった自治体から、何とかしてほしいといった声が毎日のように私のところに入ってきています。

 また、こういった地域の主要産業である建設業界、ここ十数年にわたる公共事業の削減、また入札制度の変化によって、除雪作業の担い手が疲弊をしてきているということでございます。

 自治体は、こういった状況も考えながら、除雪機械の維持費、固定費をしっかりと自治体で補助していこう、また機械を自治体自身がリースして業者の方々に貸与する、そういった費用負担もしてきているところがありますが、そもそも、財政基盤が弱い自治体がそういったことをせざるを得ないといった状況でございます。

 以上、申し上げてきましたが、昭和期の豪雪とは違う対応が必要になってきているといったことでございます。

 そこで、まずは総務省からお伺いをいたします。

 今回、大雪で困っている自治体は財政基盤の弱い自治体である、そういったことを繰り返し申し上げさせていただきましたが、平成の十年代より随分と削減されてきた地方交付税交付金も、今年度一・一兆円の増額、そして来年度予算案では〇・五兆円の増額が見込まれています。それにあわせて、今年度も、特別交付税、こちらも増額がある。八百二十五億といった数字は伺っていますが、大まかには、その数字の、増額の範囲内で対処ができるかとは何となくは感じることはできますが、ただし、ことしは、先ほど質疑をされました新燃岳の件ですとか鳥インフルエンザ、そして口蹄疫等、さまざまな災害、疫病が発生をしています。その中で、この特別交付税内の配分については、各自治体が極めて関心が高いといった状況でございます。

 今回の大雪で、雪害対策の費用、現時点において三倍から五倍、多いところは八倍、そういったところも私の地域でもありますけれども、総務省としてどういった対応を考えておられるのか、よろしくお願いいたします。

逢坂大臣政務官 お答えいたします。

 まず、今回の豪雪でお亡くなりになった方、被災された方に、心からお見舞い、御冥福をお祈り申し上げたいと思います。

 実は、私自身も雪国の生まれ育ちでありまして、先般も、私の実家の除雪、屋根の雪おろしに、地元から電話がかかってきて、もう家がつぶれるぞという話で、自分で八万円出して、人夫の皆さんにお願いして除雪をしたということもございまして、豪雪の悩みについては、私自身も痛いほど感じているところでございます。

 そこで、お尋ねの件でございますけれども、まず一つ、除雪対策の経費というのは、普通交付税において例年措置をしているところでございます。積雪の度合いに応じて一定額を措置している。当然、この普通交付税の中で賄えない部分については特別交付税で対応してまいろうというふうに思っております。

 今年度の特別交付税につきましては、現在、三月分の算定作業中でございますけれども、特に、豪雪により除排雪経費が多額に上ることが見込まれておりますので、各地の経費を今的確に算定して、地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないようにやってまいりたいと思っております。

 参考までに、平成十七年度、平成十八年の豪雪のときでございますけれども、このときに特別交付税として六百億程度を要しているというふうに聞いておりますので、大体そんなことも頭に置きながら、今後検討してまいりたいというふうに思います。

 以上でございます。

近藤(和)委員 ありがとうございます。

 地方主権を進めて、財源移譲を進めながらも、緊急時にはしっかりと対処するとの答えをいただいたんだというふうにも思います。特別交付税についてもしっかりと対処する、そういった答えをいただきました。ありがとうございます。

 除雪機を確保してほしい、消雪施設の確保や維持をしてほしい、歩道除雪機の助成をしてほしい、独居老人や障害のある方々の住居への除雪等の補助をしてほしい、そういった声が各自治体に毎日のように入ってきています。ただ、お金がなくてはやりたくてもやれません。そういった中で、今の答弁を聞かれまして、地方自治体の方々や地域の方々も安心されたと思います。本当にありがとうございます。

 続いて、国土交通省にお伺いいたします。

 この冬の大雪の被害につきまして、国交省が把握をしている公共土木施設の被害状況と道路除雪などを含めた対応について、答弁をお願いいたします。

津川大臣政務官 お答えをいたします。

 現在までのところ、大雪によります公共土木施設に関する自治体からの被害報告というものは入っていないところでございます。今後、大雪、融雪出水等により、災害復旧事業に該当する公共土木施設の被害が生じた場合には、速やかに適切に対応してまいりたいと考えております。

 また、道路除雪の支援でございますが、今月二月の十日に、道府県に対しまして、保留をしておりました社会資本整備総合交付金百一億円を、各地域におけるこれまでの除雪に要する費用をもとに、この冬の降雪量に応じて追加的に配分したところでございます。

 また、市町村に対しましては、支援の検討に必要な降雪状況、そして、今委員からも御指摘がありました除雪費の執行状況等を把握する調査に、二月十日に着手をしたところでございまして、除雪費の確保につきましては大変重要であるという認識を持ちながら、調査結果を踏まえ、支援について検討してまいりたいと考えておるところでございます。

近藤(和)委員 ありがとうございます。

 社会資本整備総合交付金等で道府県への対応、そして市町村へのさらなる配慮もいただくという答えをいただいたということだと思います。ありがとうございます。

 きょうは時間がありませんので、除雪に実際に携わられておられます建設業界の方々の苦しい現状につきましては質問できませんが、労務単価の大幅な下落に代表される入札制度のあり方についてや、また重機のオペレーターやその資格取得に関しての費用負担等は、今後は国土交通委員会でしっかりと議論をしていただけたらと思いますし、暗い、寒い、また視界が悪い危険な中、地域貢献への責任感を持って作業に当たられた関係者の皆様に改めて敬意を表したいと思います。

 続いて、被害状況とその対応について、今度は農林水産省にお伺いをいたします。よろしくお願いします。

田名部大臣政務官 近藤委員にお答えをいたします。

 農林水産関係の被害状況でありますけれども、二月十六日現在の状況であります。漁船の転覆また沈没等は五百二隻、またパイプハウス等の損壊等は七千二百三十三、額にして、全体で約百四十八億円の被害が生じているという報告を受けているところであります。

 実は、これは、全体的に見ますと、水産関係が六割で、大雪によって船が転覆したという、また強風によっての被害というのがあります。先ほど申し上げたこの漁船でありますけれども、船全体がだめになったというよりは、転覆によってエンジンがだめになってしまったというようなケースが多い、そういう報告を受けています。

 これからも被害状況の迅速な把握にはしっかりと努めてまいりたいと考えていますし、被害を受けられた皆様に対しての対応でございますけれども、共済について、まずは損害評価の迅速な実施を行ってもらうということ、そして保険金の早期支払いに努めていただくということ、これを関係団体に対して指導を行っていきたいと考えていますし、また、被災農林漁業者に対する農林漁業セーフティーネット資金等の資金の円滑な融通であるとか、また既貸付金の償還猶予等について、関係金融機関に対して依頼を行っていきたいと考えています。

 そして、漁船の被害についてでありますけれども、これは体質強化支援事業という事業があるんですが、これまでは具体的には五人以上というグループ要件があったんですけれども、今回その要件を二人以上ということに変えまして、故障した船外機の更新を行うなど、この事業を活用していただけるように弾力的に対応してまいりたいと考えています。

 先ほど申し上げましたが、引き続き被害状況の把握にしっかりと努めてまいりたいと考えています。

近藤(和)委員 ありがとうございます。

 弾力的な対応をされるという答えをいただきまして、本当にありがとうございます。また、金融面でのセーフティーネットも、さらにやはり金融機関にももう一度しっかりとお願いをしていただけたらというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 国土交通省と農林水産省には、今の段階では被害額がわかっていない、雪解けの時期になってからの発生、判明する融雪被害、こちらに対しても御配慮をまたよろしくお願いいたします。

 それでは、次の質問をさせていただきます。

 今回の豪雪では自衛隊の出動もありました。どういった要請があって、どういった活動をされたのか、具体的な事例やそして反省点、今後の対応についてよろしくお願いいたします。

松本大臣政務官 お答えいたします。

 今回のこの冬の災害派遣要請でございますけれども、鳥取、島根、福井、福島、新潟、五県からの、それぞれの知事からの災害派遣要請を受けまして、隊員延べ千百八十名、車両延べ三百三十両を用いまして除雪支援等の活動を実施したところでございます。

 反省点という話がございましたけれども、具体的にこういったところにもう少し取り組んでほしいとか、具体的な要望があれば今後検討させていただきたいというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、引き続き、災害派遣要請があった場合には、自治体側の具体的なニーズを踏まえながら、自衛隊の保持している装備品、組織力を発揮し、住民の安全確保のため、適切、迅速に対応してまいりたいというふうに考えております。

近藤(和)委員 ありがとうございます。

 今回、民主党の豪雪災害対策本部として福井や秋田にも視察に行ったと聞いています。その中でも、自衛隊の除雪活動に対しまして大変感謝をされていた、そういった声も伺いました。国を守る自衛隊、言葉のとおり、雪害においても、今後ともより積極的にその能力を発揮されることを期待いたします。

 それでは、最後になります。

 今まで各省の対応をそれぞれお伺いしてくる中で、より時代の変化に対応した動きがある、柔軟性があるということも聞かせていただきました。改めてお礼を申し上げたいというふうに思います。

 本当に、降る雪は変わっていません。むしろ、昭和の本当に厳しいときよりも、今は実は降っている量は少し少ないといったデータも出てはいますけれども、雪の質は変わっていない、そして降り積もる地域は変わっていません。ただ、雪が降る地域の実情が変わってきている。そういった状況を踏まえまして、防災担当大臣に今後の雪害対策に向けての決意をおっしゃっていただけたらと思います。

松本国務大臣 先ほどお話をされました、高齢化が進んでいるということが一番重要な御指摘だろうというふうに思っております。

 この表でもう一つ読み取れるのは、平成十八年豪雪の前の昭和六十一年豪雪がありますけれども、ここに二十年あるんですね、時間が。ということは、二十年年をとっているということがありまして、そういう問題につきましても、これから私ども、研究、検討を重ねていきたいというふうに思います。

 今回の大雪災害を通じて、特に豪雪地帯では高齢化や過疎化等の問題が背景にあるというふうに思っておりますので、地域の防災力の向上方策などについて検討する場を設けて、雪害対策の見直しに取り組んでまいるというふうに思っております。

 また、防災というよりも、これから減災という、災害を減らしていくということについても研究をしてまいりたいというふうに思っております。

近藤(和)委員 ありがとうございます。

 防災から減災へという言葉をいただきまして、ありがとうございます。

 私たちは、特に豪雪地帯に住む人間は、いかに雪が降ろうとも、いかに苦しい環境であろうとも、この地域で生きていきたい、そう強く願っています。ぜひとも、こういった時代の変化に対応した防災体制、減災体制を今後ともよろしくお願いいたします。

 今国会はねじれ国会でございます。さまざまな困難が想定をされています。ただ、被災者や災害にはそういったものは関係がありません。私たち災害対策特別委員の委員一人一人がしっかりと、国民の生命財産を守るのが国会議員の役割である、そのためには党派を超えた建設的な議論、そしてしっかりと動きをとっていくんだ、その規範を示していけるよう、そしてきょうの議論を聞いていただいた皆様に安心をしていただけるよう今後とも頑張っていく、その決意を皆様と共有させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

吉田委員長 次に、森山裕君。

森山(裕)委員 自民党の森山裕です。

 大臣、私、週末、地元に帰りまして、垂水というのが私の選挙区なものですから、集落を訪ねておりましたら、ちょうどキヌサヤの収穫時期なんですけれども、桜島の降灰がひどいものですから、いろいろな話をいたしました。その中で、最近、新燃岳のニュースだけで、桜島爆発関係の地域は忘れられているのではないかなと思うという話をされました。

 きょうは、大雪による被害も大変なことだ、新燃岳の被害も大変なことだということを私自身十分理解をしながら、桜島のことに絞って少しお尋ねをしてみたいと思います。

 桜島は、御承知のとおり、生成されて今一万三千年ぐらいになる活火山だろうと言われています。活火山の寿命というのは一般的に三百万年と言われておりますから、まさに桜島という活火山は若い活火山であります。我々地域は、まさに桜島と共生をしていくという道しか生きていく道がないわけであります。

 ゆえに、地方自治体も地方議会も、桜島降灰対策事業というものについては随分努力をしてきたと思います。また、国会の先生方にお願いをして、火山関係の基本法については、与野党を問わず火山立法というものについて御努力をいただいてきたと思います。

 ただ、その中で少し最近気にしておることがあります。

 一つは、桜島の東桜島小学校という小学校があるんですけれども、そこの校庭に、大正十三年の一月に桜島爆発記念碑というのが建立されています。

 ちょっとその碑文を読みます。

  大正三年一月十二日、桜島の爆発は安永八年以来の大惨禍にして、全島猛火に包まれ、火石落下し、降灰天地を覆い、光景惨憺を極め、八部落を全滅せしめ、百四十人の死傷者を出せり、その爆発の数日前より、地震頻発し、岳上は多少崩壊を認められ、海岸には熱湯湧沸し、旧噴火口よりは白煙を揚がる等、刻々容易ならざる現象なりしを以って、村長は、数回測候所に判定を求めしも、桜島には噴火なしと答う。故に村長は、残留の住民に、狼狽して避難するに及ばずと論達せしが、間もなく大爆発して測候所を信頼せし、知識階級の人却て災に投じ、漂流中、山下収入役、大山書記の如きは終に悲惨なる殉職の最後を遂ぐるに至れり。

  本島の爆発は古来歴史に照らし、後日復亦免れざるは必然のことなるべし。住民は理論に信頼せず、異変を認知する時は、未然に避難の用意、尤も肝要とし、平素勤倹、産を治め、何時変災に遭うも路頭に迷はざる覚悟なかるべからず。

というふうに碑文に書いてあります。

 私は、当時の測候所の人たちも、当時考えられるベストを尽くされたんだろうと思います。しかし、こういう悲惨なことになってしまったというのが大正爆発の鹿児島の歴史であります。これは、本当に多くのことを我々に教えていただいていると思うんです。

 まず、私は、大臣に伺いたいと思いますことは、この碑文に書いてあることを大臣がどう御理解をいただけるか、今後、行政の中にどう生かしていただけるか、そのことをまずお答えいただければありがたいと思います。

松本国務大臣 今の大正爆発のお話をお伺いして、村役場の方が測候所に噴火の有無を問い合わせたけれども、桜島に噴火なしとの返答で、そういう大きな災害になってしまった、とうとい命がたくさん奪われたということに対して、やはり観測監視体制というのは非常に重要なことだ、そして、それを預かる行政あるいは政府としても、これは大きな責任を持たなければならないというふうに思っております。去年の委員会で、先生も弟さんを二次災害で亡くされたという話をお聞きして、胸が詰まる思いをいたしました。

 桜島も、去年は千回以上噴火があって、爆発も八百九十四回ぐらいあったと思いますけれども、ことしも既に百八十数回の噴火があっております。そういう意味では、本当に御苦労なさって、私も、去年、桜島に行ってまいりました。沈んだ鳥居も見せていただきましたし、ミカン農家の皆さんとお話をして、これだけ火山灰があるとよ、困っとうとよという話を聞きましたけれども、本当に御苦労があるなということを痛感したところであります。

 そういう意味で、今度の新燃の噴火のときも、宮崎県知事が、二十九日の日にお会いしたんですけれども、桜島、鹿児島の方から、ロードスイーパーとか、いろいろな火山の知見を持っておられる方々のお知恵を拝借して本当に助かっているという話をされておりました。そういう意味では、それぞれの地域がそれぞれ助け合いながらこれからやっていかなければならない、そして、観測監視体制についてはしっかりやっていかなければならないという思いを新たにしたところであります。

 ありがとうございます。

森山(裕)委員 先ほども申し上げましたように、活火山というのは大変寿命の長いものでありますから、我々は、そのことをしっかりと認識して、いかに共生を図っていくかという対策を講じなければなりませんし、その基礎となるべきものはやはり観測体制なのだろうと思います。いかに予知をするか、いかに速やかな避難をさせるかということがあって初めて、政策として成就していくものであろうというふうに思っておりますので、今後とも、そのことをよろしくお願い申し上げたいと思います。

 それから、桜島のことについて少し申し上げてみたいと思いますけれども、昨年、一昨年、非常に爆発回数がふえてまいりました。昨年は、今大臣がお話しをいただきましたように、爆発が八百九十六回でした。二十一年が五百四十八回でございますから、かなりふえてきております。また、ことしも、けさ爆発を一回しておりますので、ちょうど百八十四回でございます。また、今まで見られなかったことなんですけれども、一日の爆発回数というのが、二月の十二日は、一日に二十一回という今までにない回数を記録しました。また、昭和火口だけの爆発だったんですが、南岳も一年四カ月ぶりにまた爆発をいたしました。

 我々素人が見ても、桜島の状況が大きく変わりつつあるな、そのことと新燃岳の関係も考えておかなきゃいけないなというふうに思います。

 こういう状況が続くものですから、風向きによって降灰の被害を受ける地域が特定をされてまいります。ちょうど垂水というところは、百八十四回の爆発のうちに百六十一回分の爆発の降灰が、垂水の方に集中的に被害を及ぼすわけであります。今、海潟というところの観測地点で見てみますと、一月一カ月だけで一平米二千二百十七グラムでございますから、かなりの降灰の量でございまして、鹿児島市の大体十倍近くの降灰の量が海潟というところはあるわけでございます。

 こういう地域でどういう農業をやっていくかということが今までの長い課題でした。昭和四十七年に大きな爆発がありまして、農産物に大きな影響を与えました。それ以来、防災営農という考え方を一つの柱として、地方自治体、そして地方議会も一緒になって、県と一緒になって国への陳情を重ねてまいりました。

 おかげさまで、昭和五十年に防災営農の考え方が確立をされまして、防災営農対策事業というものができ上がりました。三つの柱から成っておりまして、一つは、土壌の矯正をどうしていくかというのが一つの柱であります。もう一つは、降灰防止・降灰除去施設等整備、いわゆるビニールハウス等を含めて、営農をしっかりやっていこうという考え方が一つございます。もう一つは、特認事業という形でこの事業は成り立ってきています。

 私は、この事業を国がつくり、補助事業として確実に事業をやってきて、そして、地方自治体、農家の皆さんが一生懸命努力をして、桜島周辺の農業は残ったんだろうと思います。そこでしっかりみんなが頑張ってきたんだと思います。

 ただ、この事業に少し危険信号がともりつつあるのではないか、そういう気がいたします。

 田名部政務官、このところをちょっと御理解いただきたいのでございますが、防災営農施設整備事業というのが、今、十二次まで終わりまして、来年から十三次が始まるわけでございますけれども、十一次のときというのは、事業計画で、三年間で六十二億三千六百万円でした。十二次は四十七億一千九百万円で、十五億円ほど事業費が減りました。

 この間、少し政策が変わりましたのは、ちょうど平成十八年、三位一体改革によって、補助事業から交付税措置をされるということになりました。

 三位一体改革のときに、我々は、桜島爆発という特殊な事情のもとに行う事業だから、これはやはり補助事業として位置づけていただきたいということをお願いしたんですけれども、あのときの三位一体改革というのは、あらしのようなものでございましたから、私も与党の一員でありましたけれども、それを阻止することはできませんでした。

 ただ、そのときに、しっかりやらなきゃいけないと思いましたのは、ミシン目だけはしっかりしておかないといけないということで、交付税措置が八割、二割は公共事業で残していただいて国が関与していただくという仕組みになっていたんですけれども、伺いますところ、来年からは、これがすべて、この二割の部分がまた新たな地域自主戦略交付金に変わるということになってまいりますと、新燃岳の対策はやらなきゃいけない、桜島の対策はやらなきゃいけないという自治体、県にとっては、私は大変無理があるのではないかというふうに思えてならないのであります。

 ここのところの政策を少し補助事業的なものに戻すということをやらないと、私は現実問題としては解決をしないんじゃないかなというふうに思っていますので、そこのところの御答弁をお願いして、私の質問を終わります。

田名部大臣政務官 森山委員の御質問にお答えをいたします。

 御指摘のとおり、これが一括交付金になると。交付金になることでのメリットというのは、まさに、地域の自主性が生かされて、地域にとって優先度の高いものにそのお金が使われていくということでありますけれども、先生が御心配をされているお気持ちは十分理解できます。

 それで、現在、内閣府において、二十三年度の各都道府県の事業見込み額を調査しているところであります。これが適切な配分となるように、私たちも積極的に制度設計に参画をしてまいりたいというふうに考えています。

 以前、私が党の副幹事長だったときに、先生の御地元の皆様が、桜島の爆発の状況など、降灰を持ってお訪ねをいただきました。地域の皆様にとっては、大変大きな被害でありますし、日々の生活にさまざまな支障を来しているということ、私も地域の皆様からよく御事情を聞いたつもりでございますので、これからも、農林水産省としてもしっかりと対応していきたいと考えています。

逢坂大臣政務官 私の立場からも、一括交付金の制度設計をしている立場からもお話しさせていただきます。

 まず最初に、私も、十年ほど前になりますが、北海道で有珠山が噴火をいたしまして、あのとき、地元の町長として、近隣の町村長と一緒に対応に当たらせていただきましたが、それは非常に厳しいものでありました。その意味で、森山先生がおっしゃっている御苦労は、痛いほどよく痛感をいたしているところであります。

 そこで、一括交付金でございますが、予算が非常に厳しい状況であることは、これはもう先生も御承知のとおりだと思いますが、制度設計の基本的な考え方を申し上げますと、これまで各府省で持っていた予算の枠、それにとらわれずに、優先順位の高いところへ、自治体の判断で、予算の枠を超えて使っていけるというのが一括交付金の制度設計の一つの思想でございます。

 その意味におきまして、今回の防災営農対策事業の必要性が地域で高いということであれば、そこへ多く予算を持っていけるということでありますので、その辺も自治体の自主的な判断に基づいて仕事をしていただけるのではないかなというふうに思っているところです。

 以上でございます。

吉田委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社会民主党の重野です。

 質問に入ります前に、私の事情で質問の順序を繰り上げていただきまして、ありがとうございます。理事の皆さんに心から厚く御礼を申し上げます。

 きょうは、二つの脈絡で質問したいと思いますが、まず、新燃岳の噴火についてであります。

 一カ月が経過いたしました。依然として噴火活動は継続しております。予断を許さない状況にあると思います。また、雨によって土石流発生の危険性も高まっているのではないか。

 社民党としては、過日、調査団を現地に派遣いたしまして、現地の方々からいろいろな意見も聞き取りをしたところでもございます。現地では、雨が降るたびに避難が行われる。地域住民の心労は本当に限界に達している、このように私は見ています。

 そこで、まず、総理が指定する避難施設緊急整備地域に至急指定することが必要だと考えますが、この点についてはどうなっているのでしょうか。また、激甚災害の指定も早急に行うべきである、このようにも考えますが、この点についてはどのようになっているか。

松本国務大臣 重野委員にお答えいたします。

 避難施設緊急整備地域の指定につきましては、御承知のとおり、火山の爆発により住民等の生命及び身体に被害が生じるおそれがある地域であることが要件となっております。

 今回の新燃岳の噴火につきましては、当面、一月三十日に高原町内で避難勧告が出された区域を念頭に、現在、地元地方公共団体等の関係機関と、指定に向けて具体的な調整を進めているところであります。今後、調整が整い次第、来週にも指定をしてまいりたいというふうに思っております。

 激甚の話でありますけれども、近年の火山災害での激甚災害指定は、平成六年に雲仙岳、平成十三年に有珠山、平成十五年に三宅島の火山災害が局地激甚災害に指定をされております。

 今般の新燃岳の噴火による被害は、これまでのところ、降灰被害が中心になっております。道路、農地等の降灰除去は、一定の条件を満たせば災害復旧事業により実施することが可能でありますが、近年の激甚災害に指定された火山災害の場合は、降灰被害のみで指定されるには至らず、火砕流や土石流等によって道路、農地等に大きな被害が生じたことにより局地激甚災害に指定されたところであります。

 いずれにしても、激甚災害の指定につきましては、被害状況をしっかり把握することが必要であって、情報収集に努めて、迅速かつ適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

重野委員 次に、降灰対策であります。

 降り積もる灰への対策、道路などの清掃のために降灰除去車両が必要になっている、先ほど来、るるお話がございました。そのとき、車両自体を集めることができても、それを操作するオペレーターの数が不足する、こういう現状があるのではないか。この点についてどのような対策を考えておるかということが一つ。

 また、民家の灰の処理も困難さを増している。雨にぬれて乾いたら、かちかちになるんですよね。そして、灰が重くなる。それが屋根に積もっているわけですよね。これを除去しなきゃならない。そうなると、先ほど雪おろしの話がありましたけれども、同じように、やはり困難な状況が出てくる。特に、地域、高齢者家庭があるわけですね、これは地方に行けば行くほどそうなんですけれども。そういう家庭においては、その処理が間に合わない、処理ができない。これがまた、雨どいなんかにたまって水が流れなくなったとか、さまざまな弊害が生じつつある。

 そこで、降灰被害対策としてどのようなメニューをもって対応しているのか、あるいは対応しようとしているのか、その点について聞きます。

津川大臣政務官 道路の部分について、国交省の方からお答えを申し上げます。

 市町村道の降灰除去を支援するために、一月二十六日の噴火の翌日から、宮崎県都城市それから高原町など四市二町の要請に対し、国土交通省の保有する路面清掃車、散水車等延べ四百九台を貸与し、支援を行ったところでございます。

 また、降灰除去のための事業を円滑に進めるために、二月一日と十日の日に担当官を現地に派遣いたしまして調査を行いまして、技術的支援や必要な手続等について助言を行ったところでございます。

 今先生御指摘のとおり、せっかく車があっても、それを操作するオペレーターが不足をしたのではないかということでございますが、路面清掃車等の車両の操作にふなれなオペレーターのため、宮崎の河川国道事務所によりまして、路面清掃車等の操作講習会というものを二月の二日と十五日、二回にわたり実施をしたところでございます。それぞれ、宮崎県内の建設業者の方々、二十八社四十九名、十五日には二十一社二十八名の方に御参加をいただきました。

 当初ございましたオペレーター不足というものは、現在解消しているというふうに認識をしているところでございます。

松本国務大臣 降灰除去のことに関しましては、多くの住民の皆さんが不便を強いられているというふうに私も思っております。

 この間、二度目に都城の夏尾地区に行きましたけれども、そこのお年寄りが、灰をおろしてもらった、うれしかったという話をされました。これがボランティアなのか公なのか、私はお聞きをしませんでしたけれども、いろいろな意味でボランティアの御協力をいただいてやっておられることに、この場をかりて感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 降灰の集積場からの運搬、処分については、地元自治体で対応しているところでありまして、国として、その費用について、活火山法の降灰除去事業による支援を行うこととしておりますし、今後とも、地方公共団体の要望を踏まえながら一層取り組んでまいりたいというふうに思っております。

重野委員 次に、豪雪対策についてお伺いいたします。

 報道によれば、直轄国道の除雪費がこのままでは底をつく、こういうふうな報道がなされています。その原因が一昨年の事業仕分けにあった、こういうふうな指摘がされているわけです。この指摘をどのように受けとめているかということが一つ。

 それから、一昨年十一月十二日の仕分け第一ワーキンググループでの議論を読み返してみますと、除雪などの維持管理は地方に移管すべきだという指摘が行われているわけですね。しかし、現状では国が行うことになっています。それにもかかわらず、除雪の予算縮減が行われた。これは、事実行われたわけです。これについて、現下の状況と、この事業仕分けに基づくというか、除雪の予算縮減が行われたということを対比して考えると、皮肉な結果だな、このように思うんですが、その点について、二点お伺いいたします。

津川大臣政務官 直轄国道の維持管理につきましては、国の財政が大変厳しい状況にある中で、あらゆる面でコスト縮減を進めていくということは大変重要であるというふうにまず認識をしております。

 維持管理につきまして、今御指摘をいただきました事業仕分けの中でも議題となりました。その中でまず指摘をされたのは、国の維持管理が、例えば同程度の重要な道路等々の地方道と比較をして高いのではないか、こういった御指摘もございました。

 その御指摘をいただき議論をする中で、実は、国の直轄国道の維持管理について、全国統一の基準が必ずしもないということが判明をいたしました。しっかりとやはり維持管理基準を設定して運用する、その中で、維持管理費を縮減していくことができるのではないかということについて今取り組ませていただいているところでございます。

 除雪につきましては、例えば、これまでは、春になりましたら撤去しておりました防雪施設を、そのまま問題がないような形で存置させていただくですとか、あるいは、凍結防止剤を大口調達するというようなことでコスト縮減を実際に図ったところでございます。

 そういったさまざまな工夫によりまして、コスト縮減に現在取り組みながら、事業費では、今年度は百八十七億円を措置しているところでございますが、引き続き、さまざまな工夫、必要な見直し等を行い、安全な道路交通の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。

園田大臣政務官 私から、行政刷新会議、事業仕分けについての受けとめということでお答えをさせていただきたいと存じます。

 事業仕分けの第一弾におきまして、この直轄国道の維持管理に係るワーキンググループの評価結果というものを予算要求の縮減というふうにさせていただいたところでございます。

 これは、事業の重要性につきましては大変重要であるという認識のもとで、今、国土交通省さんからも御説明がありましたけれども、管理基準の設定の必要性、あるいは入札の見直し、あるいは公益法人による中抜き、こういったことが指摘をされて是正を指摘したものであって、事業量の縮減を目的としたものではまずないということでございます。

 したがいまして、この雪害につきましては、今、平年と比較して積雪量が大変多く推移しているというふうに受けとめてはおりますけれども、それの対応策というものは、国土交通省において適切に対応していただくものだというふうに考えております。

 また、この取りまとめにつきまして、地方移管の前提があったのではないかということでございますけれども、この取りまとめの評価結果、コメントといたしましては、発注・入札方法の見直し、そして公益法人の問題、管理水準・基準の見直しをしっかりと行うべきという観点から、仕分けの評価結果として、先ほど申し上げたように、縮減をというふうにされたところでありまして、必ずしも、地方移管を実施するとの結論は、そのワーキンググループの評価結果としては至っていないということでございます。

重野委員 もう一点質問を通告しておったんですけれども、もう時間が来ましたから、それは取りやめます。

 ありがとうございました。

吉田委員長 次に、小里泰弘君。

小里委員 自由民主党の小里泰弘でございます。

 新燃岳対策についてお伺いをしてまいります。

 まず、降灰により農地の土壌が酸性化をしておりまして、使い物にならなくなってしまうわけであります。そこで、pH検査などをしながら、石灰をすき込んでいくとか、そういった土壌改良が必要になってまいります。支援策についてお伺いをいたします。

吉田委員長 ちょっと速記をとめて。

    〔速記中止〕

吉田委員長 それでは、速記を起こしてください。

 質問をもう一度お願いします。

小里委員 降灰によりまして農地の土壌が酸性化をしまして、したがって、石灰をすき込むとか、土壌改良の必要性に迫られております。その対応策をお伺いします。

田名部大臣政務官 小里先生にお答えいたします。大変失礼をいたしました。

 土壌改良の件でございますけれども、営農継続に対する緊急支援の中で、土壌改良資材の投入や土壌分析などを支援しております。今回も、降灰が継続するなどして土壌改良が引き続き必要となった場合につきまして、防災営農対策において取り組むことが可能でありますし、桜島の降灰では、防災営農施設整備計画に基づいた石灰散布であるとか、また、資材の投入による酸度の矯正を従来から実施しているところでございます。

 新燃岳についてでありますけれども、これは内閣総理大臣の地域指定を行ってもらうわけでありますが、農林水産省としても、この地域指定について、内閣府と連携しながら、早期の指定が受けられるように努力をしてまいりたいと考えています。

小里委員 石灰の量の確保がまず大きな問題でありまして、口蹄疫、鳥インフルエンザで多量の石灰をまだ必要としつつあります。まず、その量の確保を含めて、しっかり、よろしくお願いしたいと思います。

 そこで、今お話にありましたように、桜島対策として、従来、今、森山議員からも質問がありましたが、活動火山周辺地域防災営農対策事業というものがあります。この対象地域として新燃岳を加えていく、また地域指定も広げていくということでございます。今後、国と協議して計画をつくっていくということになります。

 その中身として、ビニールハウスとか土壌改良、洗浄施設の整備などが入っていくんだろうと思いますが、その計画作成、スキームに当たっての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

田名部大臣政務官 お答えをいたします。

 新燃岳について、先ほどもお話をしました、また先生からも御指摘ありますように、今後総理大臣のもとで地域指定が行われていくということでありますけれども、まずは、地域、県また関係する市町村、どのようなニーズがあるのかということを私たちもしっかりと把握していきたいと思っておりまして、そのニーズを踏まえた上で、これからまた必要な対策というものも考えていきたいと思っております。

 この火山活動の対策事業、桜島で行われているようなこと、それは、土壌の保全であるとかハウスの施設の整備、こういったことを支援しているわけでございますけれども、新燃岳に関しても、先ほど申し上げたように、早期にこの対策事業を実施したいというのが地域の思いだというふうに承っております。ですから、今申し上げたような早期指定に向けた取り組みを進めるとともに、また、二十二年度においては、新たに打ち出した営農対策に対する緊急支援というのも活用可能でありますので、そういったものも活用をしていただければと考えています。

小里委員 現在、桜島対策としては、事業費十数億の中で、県が八、国が二という負担割合で事業が行われております。しかも、国が二の部分は農山漁村地域整備交付金の中でやっております。したがって、実際、二割をどのように確認するのか、従来指摘をされたところでございます。これが、先ほどの質問にもありましたとおり、今度は一括交付金になっていくということでありまして、さらにどうなっていくのかな、どうやってその予算規模を確認していくのか、大変大きな課題になっていくんだろうと思います。

 そこで、補助事業にするとか、あるいは八対二のスキームを抜本的に見直していく必要もあるだろうと思います。目下の連続する災害によりまして、財政需要というものが自治体において大変な高まりを見せているわけでありまして、そういった点を含めて、旺盛な意欲でこの見直しを行う、その上でしっかりした計画をつくっていくということ、これをお願いしたいわけでありますが、見解をお伺いします。

田名部大臣政務官 今、先生が御指摘のとおり、防災営農対策の支援事業については、二十三年から、地域自主戦略交付金、一括交付金となるわけであります。

 先ほどの御質問にもお答えをいたしましたけれども、一括交付金になることのメリットというのは、まさに、地域の自主性が保たれ、そして、その地域の中で最も重要なこと、その優先順位をつけながら予算を決めていくことができるということでありまして、また、先ほど総務省の方からもお答えがありましたけれども、そういったことを踏まえ、地域の中で、この降灰に対する対策、火山に対する対策ということにしっかりと予算を配分していただきたいと思っておりますし、また、現在、内閣府においては、平成二十三年、各都道府県の事業見込み額を調査しているところでありますので、私どもといたしましても、適切な配分となるよう、しっかりとこの制度設計に参画をしてまいりたいというふうに考えています。

 先生の御指摘されました御心配というのは重々理解をしているつもりでございます。先ほども申し上げましたが、桜島の爆発の地域の皆さんの生活の実態、その被害の影響というものは私も地域の皆さんから直接伺ってきたところでございますので、その現状を踏まえて、またこれからも対応してまいりたいと考えています。

小里委員 ぜひよろしくお願いします。

 前回、予算委員会で質疑をさせていただきまして、火山性ガスによる健康被害に対応するために大気調査をすべきであるという質問に対しまして、災害対策大臣の方から丁寧な御答弁をいただいたところでございます。その後の観測の状況、そして結果、例えば健康に対する被害をどのように分析しておるか、その辺をお伺いいたしたいと思います。

 それとあわせまして、土石流、火山泥流に対するおそれがある。火山灰が降り積もって、やがては流れ落ちるわけであります。折から、噴火以来、きょうあたり、一番大きな雨量になっていくんじゃないか、そういうことも心配をされているわけでございます。ハード、ソフト両面からしっかりやっていくという大臣の御答弁はいただきましたが、その後の進捗状況をお伺いいたします。

松本国務大臣 土石流、火山泥流対策ということでお尋ねになったと思いますけれども、私も、きょうも雨が降っておりますし、あさ、政府の支援チームのリーダーに、しっかりやってくれという督励をいたしたところであります。

 この対策としては、まずは、命を守るための避難が重要でありまして、先般の国土交通省の緊急調査結果を踏まえて、宮崎県が土石流防災区域を、都城市及び高原町が避難基準を定めたと承知しております。

 ハード対策に関しましては、国土交通省において、高原町や都城市で除石など緊急的な土石流対策工事に着手され、先日、現地の状況を確認したところであります。

 現地に二月の十一日、十二日に行ってまいりましたけれども、砂防堰堤の土石除去作業というのはとても過酷な現場でありました。国土交通省九州地方整備局の諸君が、火山灰が降ってくる中で、あるいは土石流が起こるかわからないところでやってくれている。大畠大臣にも報告しましたけれども、恐らく今、ガスが発生したら危ない、カナリアを置きながら、そして避難ごうとか、火山弾が来たら困りますから、そこの逃げ場所をつくりながら仕事をしておられるということも皆さんに御報告をしておきたいというふうに思います。

 大気の問題につきましては政務官に。

樋高大臣政務官 小里先生の方で、今回、この災害対策、熱心に取り組まれていることに心から敬意を申し上げさせていただきたいと思います。

 大気の関係でございますけれども、都道府県におきましては、一般的な大気の汚染状況を把握するということのために、大気汚染防止法に基づきまして、大気の常時監視を行ってきたところでございます。

 宮崎県内の新燃岳付近の三地点、都城高専、日南保健所及び油津小学校における測定におきましては、浮遊粒子状物質に関しまして、SPMと申しますけれども、これまでの間、一月二十六日から二十八日にかけて及び二月の十二日に、環境基準を上回る測定結果が得られたわけでありますけれども、その後はおおむね環境基準を下回っているというところでございます。

 また、鹿児島県内の新燃岳付近、国分中央公園、測定地点でございますけれども、ここにおける測定では、すべての物質に関して、環境基準を上回る測定結果は今のところは得られていないというところでございます。

 なお、宮崎県におきましては、火口から六、七キロ離れた高原町役場で臨時に測定を行っているところでございますが、昨日までのところ、異常値は得られていないと宮崎県からの報告を受けているところでありますけれども、いずれにいたしましても、環境省といたしまして、全力を傾注させていただいて、今回、この災害対策に取り組んでまいりたいと思っております。

 ありがとうございます。

小里委員 引き続き、よろしくお願いします。

 最後に、ホテル、旅館の関係についてお伺いします。

 大分キャンセルが相次いでおりまして、六、七割減になっておるというような状況が連休明けまで続く見通しである、そんな状況でございます。

 まず、雇用機会が失われつつあります。緊急雇用対策は新規雇用が前提でありますが、要件を緩和して、雇用の継続についても対応をしていただきたいと思います。

 また、観光客回復のために地域でイベントを計画していこうということでございまして、その支援策をお願いしたいと思います。

 また、空振によりまして、旅館、ホテルの窓ガラスが割れるなどの被害が出ております。県においても、今、支援策を講じつつありますが、これに対する国の支援方、よろしくお願いしたいと思います。

 なおまた、このキャンセルにつきましては、風評被害によるところが非常に大きいんじゃないかという指摘でございまして、要するに、報道等によりまして危機感だけが発信をされまして、要らぬ被害をこうむっているわけであります。そういった対応策も必要になると思いますが、あわせて見解をお伺いしたいと思います。

岡本大臣政務官 今御指摘がありました雇用創出のための基金事業につきましては、地域の雇用情勢が厳しい中で、失業された方の新たな雇用の場を創出することを目的としているということでありまして、そういった中、議員が御指摘の、雇用の継続をということの支援事業といたしましては、雇用調整助成金というものを用意させていただいています。

 雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が休業や教育訓練を実施して労働者の雇用を維持していくことを支援する制度でありまして、本助成金は、噴火を直接的な理由とした事業活動の縮小については、経済上の理由には当たらないということで助成の対象となりませんが、御指摘の風評被害による影響については、噴火の被害の拡大に伴う経済上の理由による事業の活動の縮小になるため、雇用保険の適用事業所が売り上げ等が減少しているといった要件を満たせば、雇用調整助成金が利用できます。

 厚生労働省におきましては、どのような場合に本助成金が活用可能かについて、労働局を通じ周知をしているところでありますが、事業主の皆様におかれましては、本助成金を積極的に活用して、労働者の雇用の維持に努めていただきたいというふうに考えております。

小泉大臣政務官 お答えさせていただきます。

 まず、お尋ねのイベントの支援についてでございますが、現段階で地元からの御要望はいただいておりませんが、今後、観光客の回復に向けて、地元自治体や関係者からの御要望につきまして相談に応じるとともに、関係機関とも連携を図りながら、適切に対応してまいります。

 また、空振被害に対する対策でございますが、まず、鹿児島県、宮崎県両県とは連絡を密にとらせていただいておりますが、今のところ、地元のホテル、旅館から、窓ガラスの損壊など空振による被害についての対応策を求める具体的な要望はまだ伺っておりません。

 ただ、空振の被害は、ホテル、旅館以外にも広く生じているところでありまして、今後そうした要望が出てきた場合には、関係省庁ともよく相談して対処してまいりたいと考えております。

 最後に、風評被害におけるキャンセル等が相次いでいる点でございますが、観光面での風評被害の発生、拡大を防止するためには、何よりも、正確な情報の収集と発信に万全を期すことが重要であると認識しております。このため、キャンセルが少なからず発生いたしました韓国向けに、韓国当局に対して正確な情報提供を要請するとともに、噴火の影響が一部地域に限られている旨のメッセージを韓国の大手新聞に掲載させていただいたところであります。

 また、国内旅行につきましては、旅行者や旅行予定者に対して正確な情報を提供するよう、旅行業協会を通じて旅行業者に要請しているところでありますし、さらに、関係団体ホームページ等を通じまして正確な情報の提供を図っているところであります。

 観光庁におきましては、鹿児島県、宮崎県両県と緊密に連携をとり合いながら、現地の状況や意向を把握しながら今後も対応してまいりたいと思っております。

小里委員 どうもありがとうございました。

吉田委員長 次に、谷公一君。

谷委員 自由民主党の谷公一でございます。

 本当に、雪害また火山等々、災害が続きます。お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。

 きょうは、限られた時間でございますので、主に雪害、そして鳥インフルエンザについて、松本大臣などにいろいろお尋ねしたいと思います。

 それにしても、いろいろな、私は三Kと言っているんですけれども、寒波、また感染、そして火山、これが続きます。どうか、大臣、昨年の口蹄疫を他山の石として、しっかり緊張感を持ってぜひ取り組んでいただきたいと思います。

 まず、豪雪の問題をお尋ねしたいと思います。

 除雪が大変です。国土交通省の方で、全国でどれぐらい今年度除雪費用がかかりそうだ、国直轄だけではないですよ、全国、国、自治体合わせて、その見込み、また、見込みがなければ、過去どれぐらい道路の除雪に要しているのか、まずお尋ねします。

津川大臣政務官 お答えをいたします。

 今年度の除雪費の予算といたしましては、直轄事業で事業費二百八十七億円を予算措置しているところでございます。

 また、地方公共団体につきましては、社会資本整備総合交付金を活用することが可能となっておりまして、二月十日の日に、保留をしておりました予算の一部の百一億円を道府県に対し追加配賦いたしたところでございます。

 また、市町村の支援に必要な降雪状況や除雪費の執行状況等を把握する調査に現在着手しているところでございまして、この調査結果等を踏まえまして、支援について今後検討してまいるところでございます。

 なお、委員御指摘の過去との比較でございますが、平成十八年の豪雪時について申し上げますと、直轄事業において事業費二百九十一億円を除雪費として執行いたしており、道府県においては国費二百十九億円、市町村において国費九十八億円の除雪費を支援しているところでございます。

 以上でございます。

谷委員 国全体でどれぐらい道路の除雪費用をかけているのかというのが、要はわからないという御答弁だったんですかね、今のは。真正面から答えておられないから、わからないならわからないではっきり言ってください、別に、それをどうのこうのと言うつもりはないですから。

 私が聞きたかったのは、全国で道路の除雪費用がどれぐらいかかっていますか、国土交通省はつかんでいますかということをお聞きしたかったわけで、そういう決算というのか、実績というのがわかるのかわからないのか、簡潔でいいですから、答弁をお願いします。

津川大臣政務官 もちろん、過去の分につきましては集計をすればわかるところでありますが、国土交通省として現在把握をしておりますのは、国費として援助をしている部分というところについて今把握をしているところでございます。

 それから、社会資本整備交付金につきましても、交付をさせていただく部分として、除雪費用として交付をさせていただいている金額については、十二月時点で八十五億円でございますが、これは交付後も事業間の流用により変更が可能なところでございまして、現在のところ、正確な金額については把握をしていないというのがお答えになろうかと思います。

谷委員 大変厳しい公共事業の縮減の中で、大変だろうと同情はいたしますけれども、国直轄はもちろんですけれども、自治体に対する支援も交付金の方でしっかりと行っていただきたいと思います。

 まだ、社会資本整備交付金は残っているんですか。百億ぐらいは残っていますか。支援をするというても、金がなければ支援できないわけですから、二兆二千億の社会資本整備交付金の中で、まだ配当残というのがありますか。

津川大臣政務官 社会資本整備総合交付金の一部を今回出させていただいておりますので、全額ではございませんが、残額につきましては、財務省とも協議をさせていただきながら、何とか必要額を確保してまいりたいと考えているところでございます。(発言する者あり)

谷委員 残りが二十六億という声を聞きましたけれども、私がこの前お聞きしたときは百二十七億と言うていましたから、それを解除して二十六億しかないということですから、もし今後また豪雪になれば手当てできるよう、万全を期していただきたいと思います。

 それに、津川政務官に要望しておきます。

 社会資本を維持するために、除雪も維持ですから、今まで国直轄とか、自分のところは金出すだけ、出すものだけではなくて、全国で大体どれぐらいの金を要しているかということを、道路を所管する国土交通省としては、そういうことぐらいは知っていてほしいです。過去がどうで今年度がどうで、そしてそういう費用の手当てをどうするかということを国土交通省が責任を持って、中心的に考えていただかなければならないわけですから、ぜひその点を要望しておきます。

 あわせて、よく言われることですけれども、地域の体制というのが大変弱くなっているんですね。私も兵庫県の北部の豪雪地帯でありますけれども、業者の数は減る、従業員の数も大幅に減っている、資機材ももう持つことができないから、地域における防災力が大変弱っている。そういうことをしっかり踏まえて、今後、こういう豪雪時の体制をどうするかということをしっかり検討していただきたいと思います。御要望をしておきます。

 さて、こういう豪雪時は、現場は大変です。国も大変ですけれども、都道府県、市町村、特に市町村は大変です。きょうは逢坂政務官にも来ていただいていますけれども、こういうときにしっかりと手当てをしていただきたいのは、現場の感覚としては特別交付税なんだと思います。

 先ほどの近藤委員の質問で、平成十七年度は六百億程度、正確には六百八億支援したということでございますが、今年度はどれぐらいになりそうですか、政務官。感覚で、大体、特別交付税の支援の予定額は七百、八百ぐらいいきそうですか。

 それをお尋ねしたいということと、もう一つは、北海道の政務官の地元もそうだと思うんですが、私の地元でも高齢者が大変ふえていますから、屋根の雪おろしについても助成せざるを得ないんですね、市とか町は。除雪だけではなくて、そういったことも特別交付税の中に要素として当然入っていると思いますけれども、その確認。

 以上、二点お願いします。

逢坂大臣政務官 お答えいたします。

 谷先生から、六百か何ぼかという話がありましたけれども、なかなか魚の競り売りのように簡単にすぐ言えるような額ではないのでありますけれども、御案内のとおり、除排雪経費については普通交付税の中で基準財政需要額に算入している、その基準財政需要額に算入したものを超える場合については、その額を差し引いた額を特別交付税で計上しようということになっているわけでございます。

 まず、ことしの場合、普通交付税措置額が一千四百七億円でございます。一方、先ほど谷先生から御案内のありました十七年当時の普通交付税措置額が一千百七十四億、加えて特別交付税が六百億強でございますので、こうしたところから勘案すると、今の時点でどの程度の額かというのは、なかなかにわかには言いがたいんですが、現在算定中でございますので、いずれにいたしましても、各自治体の財政運営に支障のないように措置をしてまいりたいというふうに思っております。

 それから、もう一点でございますけれども、自治体がそれぞれ個別の住宅などの除排雪を支援するようなケースもあろうかと思っております。これも、除排雪経費として算入できるように、現在調整中でございます。

谷委員 ありがとうございます。

 ぜひしっかりとした特別交付税の手当てを、先ほど冒頭にお話しさせていただきました三K、寒波、感染、そして火山、これについて特によろしくお願いしたいと思います。

 鳥インフルエンザについて、少し御質問をさせていただきたいと思います。

 先週、私は、農林水産委員会の理事もしていますので、鹿児島、宮崎に鳥インフルエンザと火山の現地調査に行ってまいりました。

 鹿児島の出水市で、世界のナベヅルの九割、マナヅルの四割が越冬するとされている大変有名なところでございますけれども、昨年十二月二十一日に、残念ながら感染が確認された。地元は神経質なほど万全の体制で頑張ったんですけれども、残念なことに、一月下旬に、その周辺にたくさんあるんですけれども、養鶏農家の鳥が感染したことが判明した。

 大臣も現地に行かれたから、いろいろ行かれましたので、出水市長の方から御要望も聞いていると思うんですけれども、こういう野鳥の鳥とか、あるいは、私の選挙区は兵庫県の北部の豊岡のコウノトリなんですけれども、ああいう天然記念物については、農林水産省が所管しているいわゆる家伝法、家畜伝染病予防法の対象外なんですね。対象外ですから、そういう関係の職員は自分のところじゃないということになっている。

 では、出水の場合、そういうナベヅルが発生した、周辺に養鶏農家がたくさんある、もうみんなぴりぴりしている、そのときに、市長なり知事の方はいろいろ相談をして立ち入り規制などをやったんですけれども、実は、これは、法的な根拠が何もない、単なる、ぎりぎり言えば指導要請だということです。

 こういう事態について、大臣も直接お聞きになられたかと思うんですけれども、何とか法整備、もっときちんとした整備をしてほしいという声が大変強い。

 私の地元の兵庫県でもそうだ。兵庫県でも、コウノトリは幸い大丈夫ですけれども、たしか加東市というところでハクチョウが感染しました。国の方に聞いても、正直な話、なかなか要領を得ない。確定検査はどこで受けるのかと環境省に聞いたら、いや、自分のところで判断してください。

 家伝法の場合は、確定検査をどこで受けるかということはしっかりしているんですね。ただ、野鳥とか天然記念物などは、要は地元任せです。そういうことはいかがなものかなと思いますけれども、環境大臣としての立場になるのか、これは、インフルエンザから人とか動物とかあるいは地域を守るという、広い意味の危機担当大臣として、松本大臣の所見をお尋ねします。

松本国務大臣 私も、先月、出水に行ってまいりまして、渋谷市長からいろいろなお話をお伺いしました。幸い、出水は去年の事例で、今、増加する傾向はありませんけれども、そういう意味では、さまざまな問題が、谷先生御指摘のようにあろうかというふうに思っております。

 出水市におけるナベヅルの鳥インフルエンザ感染については、私どもも監視の強化、ふん便調査、専門家に現地での対応、指導を依頼しております。文化庁、鹿児島県、出水市等と連携をして対応し、この間、意見交換を私自身も行ってまいりました。

 御指摘の、家禽以外の収容された動物で発生した場合の隔離等の対応については、これまでマニュアルや指針がなかったというところの御指摘でございます。

 このため、今後、地方自治体及び関係機関と連携をして、現状調査、国際的な指針等の調査を行い、各施設が取り組むべき事項についてできるだけ早く取りまとめて公表し、周知を徹底してまいりたいというふうに思っております。

 また、立ち入り規制につきましては、現時点では、野鳥も家禽も法制度では措置をされていないものと承知をしております。地方自治体や専門家の意見もしっかり聞きながら、マニュアル類の改定も含め、どのように対応することが適切であるかどうか、検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

谷委員 どうもありがとうございました。

 そうしたら、大臣、今のマニュアルとか指針だけでは、私は十分ではないと思います。マニュアルで、立ち入り規制というのは、これは国民の権利を制限することですから、そういうことが実際にできるのかといったら、それはいかがなものかな。それで、実際、自治体の方では、国の動きを、このままではもう条例でも制定しなきゃならないんじゃないかというような動きもあります。

 そういう動きなり現地の声からすると、いろいろ課題はあろうかと思いますけれども、今度の国会で、家畜伝染病予防法は法改正ということで、我々自民党としての案は固めましたし、政府にも申し入れて、また与党の方でも法改正の方向で今動かれていますので、そういうことから考えると、法改正も含めて、ぜひ前向きに検討していただきたいと思いますけれども、再度答弁をお願いします。

松本国務大臣 大変重要な御指摘だというふうに思っております。家畜伝染病予防法等々、マニュアルなのか、それともそれ以上進めてまいるのか、さまざま、関係省庁とも連絡をとりながら、私どもも検討して取り組んでまいりたいというふうに思っております。

谷委員 ありがとうございます。

 ぜひ前向きに、現場の声をよく聞いていただいて、お願いしたいと思います。

 正直なところ、国土交通省なり農林水産省に比べれば、地方ブロック機関がないでしょう。ないから、現地の感覚では、非常に遠いというふうに思っているんです。必要なときにすぐ職員が来てくれるわけではない。何といったって東京の方ですから、常日ごろのコミュニケーションがあるわけではないですので、そういうことも踏まえた上で、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、少し話が豪雪に戻りますけれども、基幹道路の確保ということで、政務官御承知のように、大みそかから正月にかけて、私の隣の鳥取県西部の方で、一千台、車が立ち往生するというようなこともあり、その後、こういった似たような事態は福井でもあったし、またほかの地域でもあったかと思います。

 さて、そういうときに、いろいろ交通規制をするとか、あるいは大型トラックのみをしてはどうかといろいろ検討をしているようには聞いているんですけれども、実際問題、地域の実情から考えたときに、これはなかなか難しいと思うんです。高速道路とか専用道路であれば、入り口が限られていますけれども、一般の主要幹線であれば、どこからでも入れる。迂回道路といっても、豪雪時の迂回道路の難しさというのは、豪雪ということをじかに知っている政務官であれば、どんなに難しいかということはよくおわかりになろうかと思います。

 そういう難しさもあろうかと思いますが、どういうふうに基幹道路確保のための方策を今検討されているのか、お尋ねしたいと思います。

津川大臣政務官 時間が限られているかと思いますので、簡潔に申し上げますと、特にこの年末年始の鳥取、国道九号におきましては、大変大きな反省点を残した対応があったかと思っております。

 一番大きなことは、私どもの地域の担当と自治体との間の意思疎通、連携に非常に問題があったということでございまして、大変なおしかりを地方自治体からもいただいたところでございます。

 今委員御指摘のように、豪雪の中でも特に異常な豪雪というものにつきましては、ある程度マニュアルを準備するということが必要だろうということで、その検討を既に始めさせていただいているところでありますが、恐らく、それ以上に、マニュアルにはない、現場現場での判断というものが相当重要になってくると思っているところでございます。

 まずは、現場の各自治体担当者の方々とのしっかりとしたふだんからの連絡体制の強化と、異常時に対するしっかりとした体制の事前の確認というものを今検討させて、そしてさらに、福井等々ではそういった対応を既にスタートさせていただいたところでございますが、また、大畠大臣からは、いざというときには自衛隊に対する要請も含めて迅速に判断ができるような形で、日ごろからしっかりと連絡調整をしていく方向で今調整をさせていただいているところでございます。

谷委員 どうもありがとうございました。

吉田委員長 次に、長島忠美君。

長島(忠)委員 自由民主党の長島忠美でございます。

 まずもって、質問に入る前に、今冬の豪雪によってとうとい命を犠牲にされた皆さんの御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、豪雪あるいは火山によって被災を受けられて、今失意の中におられる皆さんに心からお見舞いを申し上げたい、そう思います。

 私は、時間も限られておることでございますし、災害対策あるいは防災のことについては、常日ごろから、防災大臣のもとで関係省庁間会議等を開催して、防災大臣がその先頭に当たられることが望ましいと考えておりますので、きょうは、防災大臣に少しだけ質問あるいは意見をお伺いさせていただきたいなと思います。

 先ほどからの質疑をずっとお聞かせいただいて、今冬の豪雪について、除雪の体制について少しお伺いをさせていただきたいなと思っております。

 私も雪国育ちですから、雪国の現状を話しますと、昭和六十二年から約二十年間、暖冬が続きました。その間、除雪に対する体制と市町村の体制が少し緩くなってきたことも事実だと思います。ところが、平成十七年度からまた雪が多目になったときに、少し行政も住民も慌てる状況が出てきたということも紛れもない事実だと思うんです。

 その中で、先ほどから議論を聞かせていただいて、事業仕分けの中で除雪費を見直すんだ、あるいは経費節減の中で見直すんだという話をされておりました。私は、それが誤ったメッセージとして地方の自治体なり住民に伝わると、除雪費を倹約するんだ、我々の命と財産を守ってくれないのかということに、間違えて伝わってしまうと思うんですね。

 除雪費の計上は、前年の執行額を基準にして予算立てをするものですから、予算だけを見たらそういう誤ったメッセージが事実として伝わるのかもわかりません。私は、この際、先ほど交付税あるいは特別交付税の議論がありましたけれども、ぜひ、三月、まだ続くわけですから、きちんと今冬の豪雪に関しては、防災大臣として、除雪費は遺漏のないように地方自治体に配分をしていくんだという方向をはっきりと明示していただきたいということ。

 そして、先ほど国交省の政務官から、節減をする中で、全国一律の基準をつくっているんだというようなお話が少しありましたけれども、全国の道路は実は一律ではなくて、雪の状況も一律ではなくて、ロータリーが必要でない除雪で済むところ、あるいは、ロータリーにしても、軽い雪、乾燥雪を飛ばすためのロータリーが適しているところ、湿雪を飛ばすためのロータリーが適しているところ、それは値段が違うんですよね。メーター当たりで単価を換算すると、違って当然なところがあると思うので、余り一律一律で締めてしまうと、本当に、雪の特性によっては誤ったメッセージとしてとられてしまうところがあると思いますので、その辺のお考えを少しお聞かせいただきたい。

松本国務大臣 除雪のことにつきましては、まず冒頭、しっかり、誤ったメッセージが伝わらないように、努力を自分自身やってまいりたいと思います。

 二月五日に、先生の御地元の魚沼市に入りまして、それから入広瀬というところに参りました。私は、九州の育ちなので、ああいう雪は初めて見ました。今先生がおっしゃるように、地域によって違うんだ、雪とか道路も全部違うんだという話もあって、いろいろな意味で、これは新たに取り組んでいかなければならない課題も山積しているなということを思いました。

 先ほど近藤委員も言われましたけれども、平成十七年から十八年にかけての豪雪、百五十二人亡くなられました。その二十年前の豪雪のときから、今おっしゃったように暖冬がありましたので、二十年間、ある意味では高齢化している、過疎化している。そして、中越地震も先生御体験なされて、大変な御苦労があったと私も思っておりますけれども、孤立集落等々の問題、中山間地域の問題、こういう状況になっている、いわゆる高齢化社会になれば災害に弱い社会になっているということをもう一回とらえ直していきながら、我々、国土交通省、関係省庁とこれからの対策を講じていくために、研究とかさまざまな問題にこれから私ども改めて取り組んでいかなければならないなと、この間、二月の五日に新潟に視察に行きましたときに思った次第であります。

 これからもまた、先生の方からもいろいろなお知恵をいただきますようにお願いをしたいと思います。

長島(忠)委員 防災大臣、ぜひ、除雪費について誤ったメッセージが伝わらないように御配慮いただきたいなと思います。

 つい先日新潟にお入りをいただいて、冒頭お礼を言うのを忘れておりまして、大変御苦労さまでございました。ありがとうございました。

 私は入広瀬の隣に住んでおります。ことしの最高積雪四メートル四十センチ。もちろん、二月に少しいい状態が続いていますから、今三メートル七十ぐらいに落ちついていると思いますけれども、四メートル四十センチの雪。

 今一番、高齢化した、あるいは市町村にとって課題なのは、高齢者のいわゆる雪おろし。うちの方は雪おろしと言わないんですね、雪掘りと言うんです、掘り上げるというイメージですから。雪おろしに対することの対策が一番急がれるんじゃないかなと。

 自衛隊を入れていただいて、公共施設等については除雪をしていただいた。ただ、助けの必要な個人資産について、なかなかそこのところは踏み込めないという枠があって、では、本当に助けの必要な人たちはどうするのか。

 もちろん、市町村は、高齢者世帯の雪おろし、二回分、多分ほとんどの市町村が見ておられて、災害救助法の適用によってさらに一回分、多分三回分、雪おろしの費用を見られるんだと思うんですけれども、問題は、屋根の雪おろしだけではなくて、おろした後の片づけ、あるいは場合によっては、高齢者世帯に灯油を上げている、灯油に対する費用の補助とかいうところがなかなか見てもらえないということだと思うんです。

 私は、ことしも百数十人犠牲になっているということを考えて、例えば、緊急に命を救うためだったら、七十歳以上の世帯は市町村がきちんと雪おろしの面倒を見ましょうというメッセージを発信することができたらと。

 やはり雪が降ると、頼みたくても頼む人がいない、慌てる。慌てるから自分が上がってしまう。危険を承知で上がってしまうために、落下して命を落としてしまうという例があるんだと思うんです。

 だから、市町村が、三回の費用補助ではなくて、雪おろしをしてくれる人も見つけて、きちんと手当てをしてあげるから心配するなということになったら、同じお金をかけるにしても、もっともっと犠牲者は少なくなるんだ、私はそう思うんですけれども、そんな形で少しメッセージを変えて出してあげることができれば、高齢者は少し安心できるんじゃないかなと私は思うんです。

 もう一つは、行政のあり方だと思うんですね。

 私が村長をしていたときは、十月二十九日に四十センチ降って除雪を出したことがあります。四月七日に五十センチ降って除雪を出したことがあります。それでも高齢者は慌ててしまうんですね。それを慌てないようにするためには、私は、緊急手段として、頼めない、業者がもう枯渇をして、いない、近隣に若い人がいないために、役場の職員にお願いをして屋根に上がってもらって、高齢者の世帯の雪おろしをやってあげた。そういったことも少し行政ができるようにしてあげたら、高齢者世帯は少しは安心できて、とうとい命をなくす人たちが少なくなっていくのではないかなと私は思います。

 実際に、私は、冬、地元を回るというか、あいさつじゃないですよ、状況を見て回るのがあるんですが、私の秘書がことし回っていたときに、どうしても留守でいないからと思ったら、玄関のわきに穴があって、おっこっていた。雪の中に埋もれて出ることができない、しかも骨折をしていた。うちの秘書が行かなかったら、多分その方は命を落としていた。

 そういう状況がいっぱいありますから、見回りの体制と、やはり行政がきちんと雪おろしのことを面倒を見てあげたら、この百二十数人の命、例えば半分になっただけでも大きな価値はあると私は思うんです。その辺の考え方を。

松本国務大臣 百二十二名、今亡くなられているということで、大半が雪おろし、そして高齢者が多いという御指摘だと思います。

 私も、さっきの七十歳以上のお話は、町が面倒を見てやるという話は大変いい話だと思いますけれども、これからまた、そういったことも含めて検討していきたいし、研究をしていきたいと思います。

 十月二十九日とか四月七日の話をされました。私も、そういう時期に雪というのは余り経験がありませんので、ぜひ、まだだれにも言っていませんけれども、これからの高齢社会における災害がどうあるべきかということについて、私も昨年から防災を預かるようになりまして、ずっと投げかけております。

 中越地震、中越沖地震、そして十八年豪雪等々ずっと見ていきながら、何が大事かということを一回一回の災害に学んでいって、防災、そして私は大臣になったときに減災という言葉を使いましたけれども、災害を減らしていくということについても、新しい概念ではありません、昔からある概念ですから、このことについても勉強させていただきたい。

 ぜひ、先生の今おっしゃったいろいろな知恵も私たちにいただきたいし、御助言もいただきたいというふうに思っております。

 ありがとうございます。

長島(忠)委員 一つでも多くの命を救っていただきたいと申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

吉田委員長 次に、石田祝稔君。

石田(祝)委員 公明党の石田祝稔です。

 お時間をいただきましたので、私は、きょうは豪雪につきまして少々お伺いをいたしたいと思います。

 冒頭、亡くなられました皆様に心から御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、また、被災に遭われた方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 私は、現地にも参りましたので、現地でお聞きした要望等を中心にお伺いをいたしたいと思います。時間が限られておりますので、簡潔かつ明瞭な御答弁をお願い申し上げたいと思います。

 まず、現地で一番お聞きをしたこと、これは特に行政の方でありますけれども、一つは財政の問題であります。

 この問題につきましては、やはりどうしてもいろいろな事業をやるのにはお金がかかる、特別交付税の増額、こういうことの御要望もございました。この点についての総務省のお考えと、そしてもう一点、特別交付税は枠が限られておりますので、増額ということになりますと、当然他の地域にも影響が及ぶ。私は、こういう場合はやはり予備費の活用も積極的に考えるべきだ、このように思っておりますので、総務省及び財務省より一歩踏み込んだ御答弁をお願い申し上げます。

逢坂大臣政務官 お答えいたします。

 今年度の特別交付税につきましては、現在、三月分の算定作業中でございまして、各地方公共団体の除排雪対策等の実態をできるだけ正確に反映できるよう、今取り組んでいるところでございます。

 特に、今年度、御指摘のとおり、豪雪により除排雪経費が多額に上ることが見込まれておりますので、各地の経費を的確に把握し、公共団体の財政運営に支障のないように対応してまいる所存でございます。

 以上です。

吉田大臣政務官 予備費についてのお問い合わせでございます。

 御承知のように、予備費というのは、予見しがたい予算の不足に充てるため計上されているわけでございます。

 したがって、今般の被害への対応につきましては、まずは各省庁において、いろいろな現行制度、そしていろいろな既定予算を最大限有効かつ適切に活用していただくということが最初でございます。そして、今後、被害の状況それから予算の執行状況等をよく見きわめながら所要額を精査し、そして、既定予算ではどうしても不足だという場合については予備費の使用を検討したいというふうに思います。

 いずれにしましても、国民生活の安全、安心を確保するため万全を期していくつもりでございます。

石田(祝)委員 私が一歩踏み込んでとお願いしたのは、そのお話は以前聞いておりますので、さらに現状を踏まえてどうかということをお聞きいたしました。

 予備費も、ことしは当初予算から補正予算を組んで約三千億という中で、もう既に約一千億は予備費が支出されているんですね。そういう中で、ちょっと項目を見ますと、当然必要な額だとは思いますけれども、今回のようないわゆる災害、予期せぬ事態、当然災害はそういうことでありますから、本来はそこに使うのが筋ではないのか、こういうふうに私は思います。

 ですから、この点は、予算がなくなったらだとかいろいろなことをおっしゃらずに、予備費はあるわけですから、二千億円、あと今年度はもう一月半しかありません。そういう意味では、ほかの自治体にも影響を及ぼさないように、災害対策には十二分に配慮するけれども、予備費をしっかり使っていく、こういうことでぜひ御検討をお願いいたしたいと思います。

 続きましてお伺いをいたしますのは、道路の除排雪の費用であります。

 これにつきましては、先ほど、二月十日に百一億円配賦をした、配った、こういうことでございます。

 それで、いろいろとその前にお聞きをいたしますと、社会資本整備総合交付金、二兆二千億のうちの、あと残っているのが二十六億しかない、こういうふうにお伺いをいたしております。

 ですから、これは、今後、除排雪の費用が増嵩した場合に一体どうするのか、このことを国土交通省から御答弁をお願いします。

市村大臣政務官 お答えいたします。

 委員おっしゃいましたように、二月十日に百一億円を配賦しました。残金二十六億でございますが、過去の豪雪時の対応等も踏まえまして、今後も、各地の降雪状況を踏まえて適切に対処していく方針でございます。

石田(祝)委員 私が言っているのはそういうことじゃなくて、足りなくなったらどうするんですかということを言っているわけです。その点をちょっと答えてください。

市村大臣政務官 これも、社会資本整備総合交付金等をまた生かしまして対処するものだというふうに理解をしております。

石田(祝)委員 これで時間がかかりますけれども、社会資本整備総合交付金というのは四本の柱があるわけですね。そのうち、活力創出基盤整備事業の中で除排雪費用を出しているんでしょう。この残りが二十六億しかない。そのほかの三本の柱は、配って、もう全部ないじゃないですか。ないものを出せないでしょう。だから、これをどうするんですかということを聞いているわけですよ。ちゃんと答えてください。

市村大臣政務官 どうも、今また改めて確認しましたら、今のところ二十六億円ということでありますから、先ほど先生が御議論されているようなことも含めて、要するに予備費等も含めて考えないといけないと思いますが、今、二十六億円残っている分をどう使っていくということ、私の立場ではそういう答弁になります。

石田(祝)委員 そうしたら、財務省、申しわけないんですけれども、そういう答弁ですよ。予備費については言えないと言うから、足らなかったら予備費を出してくださいよ。答弁してください。

吉田大臣政務官 二十六億円というのは道路除雪費の予算の残額だと思いますが、それが尽きた場合には、道路事業費の目間流用というようなことが考えられると思います。それが尽きた場合に、いよいよ予備費の出番だと思います。

石田(祝)委員 時間をとりたくないんですけれども、だから私は申し上げたんですよ。この交付金の二兆二千億は、もう二十六億しか残っていないんですよ。ないものを目間流用も何もないじゃないですか。だから、なくなったら予備費を出してくださいね、こういうことを言っているわけです。お金がなくなっているんですから。

吉田大臣政務官 使用状況をよく確認した上、予備費の使用について検討したいと思います。

石田(祝)委員 もう時間がありませんからこれ以上言いませんが、質問の通告もしておりますから、時間がかからないように私が数字を申し上げているんだから、ちゃんと答弁をしてください。それだけちゃんと万全の体制で御答弁いただけないんだったら、ほかの人がこれから答弁してください。

 続きまして、厚生労働省に、災害救助法についてお聞きをしたいと思います。これも、大変現地では御要望が多かったことでありますが、まとめてお伺いをいたしますので、順次、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

 一つは、要援護世帯の除雪費補助。これは基準が決まっているようでありますけれども、この限度額を上げてほしい、こういう御要望がありました。また、除雪援助の対象拡大。これは、道路や隣家等、隣家というのは家とか倉庫もあります、こういう被害が懸念されるものについての対象拡大。それから、災害救助法の適用期間の延長。また、要援護世帯の考え方でありますけれども、現地では、要援護世帯に均等割の課税世帯を加える、こういう対象要件の拡大をお願いしたいという御要望がありました。

 これらにつきまして、御答弁をお願いします。

清水政府参考人 災害救助法によります障害物の除去、除雪の費用の限度額でございますけれども、現行、一世帯当たり十三万四千二百円ということになってございます。

 ただ、これは法適用された各市町村ごとの平均の費用ということになりますので、例えば世帯Aが十五万、世帯Bが十万ということになると十二・五万になりますので、十分範囲内になろうかと思います。実態を調べましても、市町村ごとで十万円いっておりませんので、現状でございますと限度額の範囲内におさまるかなということで、適用をしっかりやってまいりたいと考えてございます。

 また、道路沿いですとか、そういうところの車庫、作業所等の除雪でございますけれども、これは、隣接している住家に被害が及ぶおそれがあるなど、住民の生命または身体に危害が及ぶおそれがあるときは、障害物の除去として除雪の対象に含めることは可能でございます。

 三点目の除雪の期間でございますけれども、まず十日の間に除雪するようにということで法適用したわけでございますが、その後、地元から十日間の延長協議が来ておりまして、現在二十日間という範囲になってございます。現状では、それで可能なようなお話でございます。県からはこれ以上の延長協議は現時点では受けてございませんけれども、もし延長協議等あれば十分相談に応じてまいりたいというふうに考えてございます。

 四点目、要援護世帯の範囲でございますけれども、みずから除雪を行えない世帯を対象として除雪をするというのが災害救助法の考え方でございますが、その具体的な範囲につきましては、都道府県の方が考え方を定めまして、市町村の実情に応じて適用されているところでございます。実情を踏まえた責任ある御判断であれば、私どもとしても、それを受けとめる方向で取り扱ってまいりたいというふうに考えてございます。

石田(祝)委員 明確な御答弁、ありがとうございました。

 そういうことが、実は、現場には正確に伝わっておらない。ですから、これは要援護世帯として認めていいのかどうか、そこで客観的に住民税の非課税世帯だけを対象にするとか、こういうことになりがちでありますけれども、本来の趣旨は、困っている方がいたら、まず一番先に動くのが災害救助法ですから、この点、極力被災者の立場に立ってこれは適用していくんだ、それはもうしっかり責任を持ってやってください、それについては認めていくんだ、こういうことは再度地元にもお伝えをいただいて、誤りなきようにお願いをいたしたいと思います。

 続きまして、現地でお伺いをいたしますと、降雪の状況を見たときに、私も行きますと、雪おろしがなされていない、そういう家がありまして、どうしてですかとお聞きをすると、人がいないとか、または所在不明、所在がわかっておってもいろいろな問題があって、抵当権がいろいろなところでついているとか、なかなかさわれないんだと。しかし、お隣の家の方に向かって傾いているというところも現実にあるわけですね。

 こういうものについて、これは実際できるのかどうか、やはりちゅうちょするわけですね、私有財産ですから。その辺のところ、現場の御判断でしっかり取り組めるのかどうか。これは、判断を任されると、任された方は困ってしまいますから、ある一定の基準というんでしょうか、法律の制度もこうあるよ、こういうことも含めて御答弁をお願いいたしたいと思います。これは内閣府に、私、通告しておりましたけれどもきょう丸がついておりませんが、内閣府から御答弁いただけますでしょうか。

 そして、住環境という観点で、そういう空き家についての整備も日ごろからやっておく必要があるんじゃないか、この二点をお願いいたしたいと思います。最後は国土交通省です。

清水政府参考人 災害救助法の適用の考え方を御説明いたします。

 空き家などの管理者が除雪を行わないということで隣の家に被害が及ぶとか、そういう住民の生命身体に危害が及ぶという場合には、災害救助法に基づく障害物の除去ということで除雪の対象に含めること、これは可能でございますので、地元にもこの旨よく伝達したいというふうに考えてございます。

市村大臣政務官 お答えします。

 一般的な空き家対策につきましては、空き家再生等推進事業というのがございまして、ここにおきまして、いわゆる所有者の同意が得られれば二分の一まで国庫負担をするという制度もあるようでございます。そういうものを生かしていただく方法もございます。

石田(祝)委員 最後になりますが、松本防災大臣の防災に対する決意をお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。

松本国務大臣 先ほど来ずっと答弁をしておりますけれども、一人の命を大切にしていくということは腹の中に入れていきながら、今、大雪、新燃岳、さまざま、去年は奄美大島で三人亡くなられました。何とか、防災、そしてしっかりこれから減災をしていく、予知をしながらこれを防いでいくということにしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。

 ありがとうございます。

石田(祝)委員 ありがとうございました。

吉田委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 冒頭でございますけれども、まず、今回の大雪また噴火災害において、お亡くなりになられた方々に心からの御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対しても深く哀悼の意を表させていただきます。また、多くの被災された方々に対して心よりお見舞いを申し上げるものでございます。

 本日は、私の方からは、新燃岳の噴火災害について質問をさせていただきます。

 新燃岳の噴火活動が続く中でございますが、私たちは、公明党の災害対策本部として、二月の六日に、降灰や農作物被害に苦しむ霧島市、都城市そして高原町を訪問して、噴火被害の状況を視察させていただくとともに、県知事や市長の自治体の代表の皆さんからも要望を受けてまいりました。これらをもとに、公明党は、二月の九日、政府に対して噴火災害に関する提言を行ったところでございます。

 現在は、噴火の状況もある程度の落ちつきを見せておりますけれども、やはり断続的に降灰が続いており、雨による土石流の発生や、また噴火活動の長期化も懸念されているところでございます。地域住民の皆さんの心労の負担も、もう限界に達しているというような実感を持ちました。

 まず、喫緊の最重要課題である降灰除去と土石流対策についてお聞きをさせていただきたいと思います。

 私たちが視察しました都城市や高原町は、火口の南東部に位置しております。噴石や降灰による小中学校の休校、そしてまた農作物の壊滅的な打撃、噴火による空振の不安などなど、市民生活に深刻な影響をもたらしておるわけであります。

 中でも、多量の降灰による被害は尋常ではありません。町じゅうが一面灰色です。車が道路を行き交うたびに灰が舞っている、そういう状況でありますが、都城市の御池地区に入りました。

 先ほど松本大臣がおっしゃっておりました夏尾小学校、また御池小学校のグラウンド、そして道路には、十センチ以上、手ですくってもすくい切れないぐらいの降灰が一面覆っているわけであります。一部除去された降灰が至るところに山積みされておりまして、当面の処分場を町は指定して、トラックで収集をしておりますけれども、この降灰の多さに除去が追いついていない、そして処分場が不足するという状況でございました。

 また、地域では高齢化が進んでおりまして、民家の降灰除去も人手が不足しています。私たち公明党の青年局など多くの災害復旧ボランティアと我々が合流しまして、私たちもその除去作業を手伝いましたけれども、一軒の家で優に軽トラック一台から二台分の降灰があるという状況でございました。この降灰除去は喫緊の最重要課題であります。

 そこで、質問をいたしますけれども、この降灰除去事業については、国土交通大臣による認定を急ぐとともに、認定までの期間に要する除去事業について補助の対象とするべきであるという、これは市長、町長の皆さんからの強い申し入れでもございました。これについて正確にお答えをしていただきたいんです。

 また、路面清掃車、これが、国も支援して配備がなされておるんですけれども、操作できるオペレーターがいない、こういうような状況で、政府は、後日、講習会を開催したと聞きますけれども、早急にこの現場の需要にこたえるようにすべきであります。どうですか。政府の対応についてしっかりとお答えをいただきたい。

津川大臣政務官 お答えをいたします。

 まずもって、委員みずから現場に入っていただき、降灰除去作業につきましても御協力をいただいたということにつきまして、心から敬意と、また感謝を申し上げる次第でございます。

 降灰除去作業が大変現場で求められているというのは、まさにそのとおりでございます。委員からも御指摘いただきましたように、国土交通省といたしましては、機材の提供、そしてオペレーター不足への対応ということで、講習等々も進めさせていただいたところでございます。

 また、国土交通大臣、大畠大臣みずから現場に入りまして、現場の町長様ともいろいろお話をさせていただき、御要望もいただいてきたところでございます。

 降灰除去事業についての補助のお話でございますが、降灰除去費用の補助には基準がございまして、市町村道の降灰除去作業につきましては、年間の降灰重量、重さでございますが、平米当たり千グラム以上の場合、その費用の補助二分の一、年間降灰重量二千五百グラムパー平米以上の場合は補助率三分の二、それから、都市排水路、それから公園、宅地などでは、年間の降灰重量が千グラムパー平米以上の場合、補助率二分の一、下水道については、千グラムパー平米以上の場合、補助率三分の二と定めているところでございます。

 年間というのは一月から十二月までという仕切りでございまして、今回御要望がありました一月二十六日分につきましても、当然これに含まれるというところであろうかと判断をしております。

 ちなみに、一月の降灰量を申し上げますと、都城市……(江田(康)委員「もういいです」と呼ぶ)よろしいですか。

江田(康)委員 今明確に答弁いただきましたので、補助の対象となるということでございます。

 もう一つの最重要課題、また住民の皆さんが最も心配をなされているのは、やはり土石流対策でございます。

 広範囲に堆積した多量の火山灰に雨が降れば、泥流やさらに激しい土石流が起きるわけでありまして、これは、可能性ではなくて、雨が降れば必ず起こる、そうとらえた方がいいわけであります。

 都城では、十日と十三日、土石流の発生があるとして、高齢者や障害者の避難を呼びかける避難準備情報を発令されました。降灰が多い都城市と高原町の計三十五カ所の渓流で土石流が発生するおそれがあるとされております。こういう避難対象の地域には、高齢化が進んで、高齢者が多いんですね。この避難体制の準備は非常に急務であります。

 そこで、幾つか質問をさせていただきますが、まとめてお答えしていただきたいんですが、特に土石流の発生に備えて、例えば、満砂状態の砂防堰堤の工事それから除石工事など、万全の対策を講じるべきであると思いますが、政府の対応はどのようになっておりますか。

 また、土石流対策や避難計画の重要な指標となるのがハザードマップでございます。霧島火山防災検討委員会が作成した平成十九年度のものはありますけれども、さらに詳細なハザードマップというのはこれまでなかったと聞いております。今回の国の調査をもとに早急にこれをつくって、周辺自治体に情報提供をして、今後の土石流対策や避難計画に資すべきであると思いますが、政府の対応はどうでしょうか。

津川大臣政務官 まず、土石流対策としての砂防堰堤の除石につきましてお答えを申し上げますが、現在、緊急に対応が必要だと考えられる部分が八カ所ございまして、既に、二月一日から順次その除石作業に着手をしたところでございます。

 それから、土石流につきましては、委員も御案内のとおり、降灰のこともさることながら、雨の量によりましてもその危険性は大きく変わってくるところでございますが、この山につきましては、過去の土石流の実績のデータがございません。過去のその他の山の実績データを参考に、専門家の方々から御指摘をいただきまして、降雨一時間当たり四ミリ以上の雨が降った際には土石流の危険性があるという判断を今しているところでございまして、自治体の皆様方に、その状況につきましては随時御報告をさせていただいているところでございます。

 なおまた、ハザードマップ等、さらに詳細な調査、あるいは雨につきましても、今後の土石流の発生状況等々、実績に応じまして見直しを行っていく予定でございます。

江田(康)委員 しっかり対応していただきたいと思います。

 次に、時間はせっておりますけれども、農作物の被害についてお聞きをさせていただきます。

 先ほど来からありますけれども、農作物の被害、これもまた甚大でございます。宮崎県の三股町や宮崎市高岡町の農家を私も視察してまいりました。三月に収穫予定のホウレンソウやお茶、そしてゴボウ、キャベツ、白菜などの露地栽培は、降灰により出荷はできません。壊滅的な打撃であります。また、キュウリやイチゴ、マンゴーなどのハウス栽培も、降灰による日照不足やハウスの降灰除去で、被害は大変に深刻であります。

 農業共済保険の迅速な損害評価と共済金の支払いを急ぐべきであると思いますが、一方で、共済保険の対象でない農作物も多く、加入率も低いことがその問題でもあります。このような農家に対しても総合的な支援措置を図るべきと思いますが、政府はいかがですか。

 また、今後の営農再開に向けて防災営農対策が大変に重要になると思います。避難施設緊急整備地域の指定を急ぐとともに、土壌改良や新たに投資する種子代や肥料代、農産資材など、必要経費に対する支援に万全を期していただきたい。政府の対応についてお伺いをいたします。

田名部大臣政務官 お答えいたします。

 冒頭、私の方からも、二月六日、先生みずから、また公明党の皆様方が現地を御視察されたということで、感謝を申し上げますとともに、また現場の状況など、先生方の方からも私たちにもいろいろお知らせをいただければと思っております。

 今の先生の御指摘のとおり、農産物に対する被害というものは大変大きいものであって、まさにそれが地域の皆さんの生活にも、また経済にも大きくかかわってくる重要な問題だと思っています。

 先生おっしゃっておられましたように、共済の損害の迅速な評価とまた支払いということについて円滑に行われるように、私たちもしっかりと対応していきたいと思っておりますし、また、農林漁業のセーフティーネットの資金等の長期、低利の資金の円滑な融資であるとか、既貸付金の償還猶予等について、関係金融機関とも連携をして、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

 それと、これらに加えて、被害の現場や県の要望というものもしっかり受けていかなければならないと思っています。

 それで、降灰被害農家への緊急支援として、土壌改良資材等の営農継続に必要な資材の導入等の支援、これは補助率が三分の二以内となっています。これを実施していきたいということで、二月の八日から公募を開始したところでございます。これらの事業が円滑に実施をされるよう、県とも強く連携をしてまいりたいと思います。

江田(康)委員 最後に、大変申しわけございませんが、これは、長期化するということを想定して災害の影響・対策シミュレーションを行って、関係自治体との連携を密にとることが重要であるかと思います。

 松本大臣にお聞きいたしますが、これに対して十分な回答が、この提言についてはなかったわけでありますけれども、大臣の決意とともに、最後に大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

松本国務大臣 委員御指摘のとおり、長期化する可能性があるというふうに思っております。くれぐれも現地の皆さんに心を強く持っていただきたいと私は思いますし、高原町も避難を一月三十日の夜中に出されました。そして、都城も、避難準備情報を出されたりあるいは解除されたり、物すごくきつい決断をずっとされてきて、心身ともに御苦労されていると思いますので、これからしっかり、ハザードマップ、それに基づく避難計画、そして避難場所等々、政府の支援チームも二月の七日から一カ月間、もう派遣をして、一カ月いる予定ですから、しっかり支えていきながら、関係市町村等と連携をとりながら取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございます。

江田(康)委員 ありがとうございました。

吉田委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 まず冒頭に、今回の豪雪被害で亡くなられた皆様方に心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、新燃岳噴火災害において被災された皆様方にお見舞いを申し上げたいと思います。

 私たち日本共産党も、新燃岳の噴火災害対策本部をつくりまして、政府に申し入れを行うとともに、現場には、私と高橋千鶴子議員を含め、調査活動をしてまいりました。さらに、今も、被害の状況、そして立ち直るのに何が必要かということでの調査活動を地元で継続して進めているところであります。

 私、最初に松本大臣にお伺いしたいんですが、今度の新燃岳の噴火災害というのは三つの特徴があるんじゃないか、このように実感いたしました。

 一つは、降灰の量が、コウカイと政府はおっしゃっているようですが、地元はコウハイと言う。その降灰の量が、桜島の活動が活発であった昨年一年分の百倍と言われるほどに膨大な量になっており、その結果、雨の予報があるたびに避難が繰り返され、高齢者はもちろん、住民や自治体職員も疲労こんぱいの状態にあるという点です。

 もう一つは、宮崎は、去年の口蹄疫そして豪雨災害から再建に向けて取り組み始めたやさきに、鳥インフルエンザの発生とあわせて今度の火山と、これらが同時進行で被害が拡大しているということですね。その結果、地域の基幹産業である農業や畜産などの産業に被害が集中し、産業の今後の方向が、ある意味、地域の存亡にかかわってくる深刻な事態が生まれているんじゃないかと思うんです。

 こういう状況の被災地に対して政府がとるべき姿勢として、私は、確かに今ある、使える制度はすべて活用し尽くすこと、同時に、実際に求められているのは、実際の被害や立ち直ることについての支援のあり方について、仮に現行の制度になかった場合であっても知恵を尽くして実現に努力する、こういうことが求められているのではないかと思いますが、松本大臣の御意見を聞かせてください。

松本国務大臣 お答えをいたします。

 今、三つの特徴と言われました。そういう意味では、降灰の量が、私は桜島の百倍とは知りませんでした。

 行ってみてびっくりしましたけれども、すごい量であって、もう次の次の日に東京に帰ってまいりまして、鳥フルの問題も知事から訴えられましたし、去年の口蹄疫、さまざま、いろいろな意味で宮崎はきつい思いをされているということも、今あわせておっしゃったとおりだと思います。

 高原町の方が、牛にマスクはかけられないというふうに言われましたけれども、まさに牛や豚や鶏のことも気になりながら避難をしていかなければならない。あわせて、そういういろいろなことが重なっていることに対して、私たちも、できること、できないことがありますけれども、しっかり対策をとっていきたいというふうに思っております。

 今おっしゃったように、新しい知恵を出せということがありましたら、私どもも、皆さんのお力、お知恵をいただいて考えてまいりたいし、いずれにしても、火山噴火予知連絡会が、これからまだまだ予断を許さないということを言われました。そういう意味では、そういったことも含めながら、関係省庁としっかり連絡をとっていきながら万全を尽くして取り組んでまいりたいというふうに思っております。

赤嶺委員 それでは、ちょっと具体的な課題について伺いますが、災害救助法の問題であります。

 御承知のように、避難先から自宅に戻ったと思ったら、また避難しなければならない、ついこの間、避難騒ぎがあったばかりなのにとか、家族を、車いすを押して避難させなければならない。あるいは、私たちが高原の避難所に行ったときも、避難場所の体育館ではずっと座っていないといけないので腰が痛い、ベッドがあれば横になれるのにと。たしか奄美の豪雨のときは、避難所にベッドも用意され、そして診療のドクターもおられたんですけれども、そういう声ですね。あと、避難所に行けといっても、自分の父親はもう高齢で、とても避難所暮らしはできない。避難所に行けと言われたら、もう入院する以外にないんだとかという悲痛な声も聞かれました。介護が必要なので、安心しておられる介護施設に避難させてほしいという切実な訴えもありました。

 今、自治体が避難を促しているということは、住民の安全を守るため、避難することが必要だということであるわけですね。放置すれば多数の住民が危険にさらされることになるという認識があるから、大変無理していただいているけれども、やはり避難していただこうという判断に立っていると思うんですね。

 そこで、伺いたいんですが、県が、多数の住民が避難を必要としていると判断し、災害救助法の適用を決めれば適用できるんですかということと、災害救助法が適用されれば、介護施設などの社会福祉施設や温泉施設を災害救助法に基づく避難場所として活用できるか。この二点について伺いたいと思います。

清水政府参考人 御指摘のとおり、災害救助法は、現に被害が出た場合、あるいは多数の方が生命身体の危害を受けるおそれがあって応急救助を要するような場合に、都道府県知事が適用を決定するものでございます。都道府県知事の判断で行っていただくものでございます。

 現状、私ども、どういうふうにしているかということでございますけれども、災害情報連絡室を設置しまして、情報収集、地元との連絡をしているところでございまして、現在は、お聞きしておりますところ、宮崎県庁では、今後、噴火警戒レベルがレベル四あるいは五に引き上げられた場合でございますとか、土石流が発生して人家に被害が発生するおそれが生ずるといった場合には、災害救助法の適用を検討する考えであるというふうに伺ってございます。その点につきまして、今後とも連絡を密にし、情報収集に努め、適切な助言を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

 それから、避難所の件でございますけれども、避難所は空きスペースのある公共建築物をお使いになるというのが一般的でございます。ただ、これは、いずれにしても、現に避難所を設置されます地元自治体の御判断ということになるわけでございます。

 さまざまな例がございます。一時的に、特に要介護で、在宅で療養されている方を特別養護老人ホーム等で受け入れるといったような例も過去あったかと思います。

 いずれにしましても、日ごろより情報収集に努めた上で市町村が適切に御判断いただく、私どもは、それを支援していくという形かなというふうに思ってございます。

赤嶺委員 次に、ちょっと時間がありませんので、農業の問題で伺いたいんです。

 これは、委員長、理事の皆さんの御理解を得まして、原木シイタケ、灰がかぶりまして、洗った後のシイタケなんですが、洗っても洗っても原木の灰も完全に落ちないし、シイタケも、もう灰が中にしみついていて、絶対に食べてはいけないよと言って、シイタケ農家から渡されたものですが、もう壊滅的な被害ですね。この農家は、これで収穫ができなくなって、被害額で一千万、こう言っておりました。ほっておけば再起不能、そういうような深刻な表情でありました。

 キャベツ農家の話を聞いたんですが、二月から四月に出荷予定がほぼ壊滅です。被災前には三百ケースから五百ケース出荷していたけれども、現在は五ケースから十ケース。融資を受けようにも、保証協会に当座預金の保証をしてもらっているので、二重の保証はできないと農協に言われたと。

 それから、高原の町長にお会いしましたら、高原町は、十一戸、三百五頭の牛を避難させておりました。避難所、小林市の競り市場に九十二頭だったんですが、町長は、高原町には五千頭の牛が肥育されている、その牛の避難場所の確保に懸命だ、町の存亡にかかわる、日本の食料基地を守るために手厚い補償と支援をというのを強く訴えておられました。

 口蹄疫でもそうだったんですが、すべての牛を殺処分して、殺処分してゼロからのスタートじゃない、支援がないとマイナスからのスタートになると。

 今度の農業も、これだけの壊滅的な被害を受けているわけですから、農家に新たな負担をさせることなく、やはり農業と地域が、あの食料供給基地が守られるようにするためには、私は、これは都城市からも高原町からも強く訴えられたことなんですが、農業の被害に対する補償、これをぜひ国として検討していただきたいということでありました。この点について、どうですか。

田名部大臣政務官 まず、赤嶺先生そして高橋先生、現場に行って実態調査をされてこられたということで、敬意を表したいと思います。

 先生がお話しされているとおり、地域の農業が大打撃を受けているということで、さらに私たちも実態把握にしっかりと努めていかなければならないと考えています。さらには、先ほど来申し上げてきましたけれども、降灰被害農家への支援ということで、まさに現場の、現地の要望というものもしっかり受けていかなければならないというふうに考えています。

 現場の要望というものも踏まえつつ、活動火山対策特別措置法に基づく防災営農対策への対応等とともに、国の既存の対策を活用した営農継続に対する緊急支援というものを実施することにいたしました。これについては、二月の八日、公募をいたしまして、直ちに翌日から説明会で周知をしているところであります。

 できるだけ既存の事業も、しっかりと農家の皆さんにどういう支援があるのかということも知っていただきながら、大いに活用していただきたいと思いますし、この緊急支援の補助率でありますけれども、できるだけ農家の負担にならないよう、軽減を図るため、補助率は三分の二といたしましたところです。ぜひ御理解をいただきたいと思います。

赤嶺委員 既存の制度をフルに活用することはもちろん必要なことでありますが、この制度を活用したらあの地域が再建できるだろうか、農業が本当にこれからもやっていけるだろうか。現に、私たちが町長とお会いしているときに、町長のところに二軒、畜産農家がもう廃業したいということで、顔が真っ青になっていたんですね。

 だから、既存の制度や特措法の制度だけでは十分ではない、先ほどおっしゃいましたけれども、現場の農家が何を必要としているかというところから対策をとっていただくことを強く要望いたしまして、時間が来ましたので、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

吉田委員長 次に、古川禎久君。

古川(禎)委員 まず、豪雪被害で亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表します。

 私は、新燃岳噴火について、きょうは二、三質問させていただきます。

 御案内のとおり、宮崎県は、昨年の口蹄疫、そしてこの同じ霧島の豪雨災害、そして今般の鳥インフルエンザ、実に次から次へと厄災続きでございます。ここに来て、新燃岳の先の見通しのきかない噴火、まさに県民の心は今ふさぎ込んでいる、打ちひしがれているというふうに言っていいと思います。

 しかし一方で、口蹄疫のときもそうだったわけですが、やはり地元のみんなで力を合わせて、結束してこの危機を乗り越えよう、そういうとうとい人の心と申しますか、こういうものも大いに発揮されているのもまた事実でございます。大臣から御報告もいただきましたとおり、ボランティアの皆さんによる灰おろしのお手伝い、もちろん、これは公民館長や民生委員、消防団、それから地元の建設業者、ありとあらゆる地元のみんなの気持ちが一緒になって乗り越えようという状況にございます。

 ありがたいことに、県外からも多くのボランティアの皆様、あるいは義援金、そして温かいお励ましの言葉を賜っておりますことを、まず、この場をおかりして、心から御礼を申し上げたいと思っております。

 大臣も、噴火直後、そしてその後、再度にわたって現地に入り、現場でつらい思いをしております皆様に対して、慰めまた励ましのお言葉をかけていただきました。心から感謝を申し上げます。

 やはり防災の最高責任者が、不安に打ちひしがれている人の前に立って、その姿を見せる、声を聞かせるということは、何よりも大事なその御任務の一つであろうと思います。

 そしてまた一方で、大臣御自身がその現場に立たれることによって、大臣御自身がその五感でお感じになること、今ここで起きていることは、その本質は一体何なのか、それを指揮官である大臣御自身が感じ取っていただく、これがまた一つ大きな意味があることだと思います。

 大臣、現地に入っていただきまして、実感としてお感じになったことを教えていただきたいと思います。

松本国務大臣 一月二十六日の発災から三日後に宮崎県、鹿児島県に行ってまいりました。

 まさに、委員御地元の都城の夏尾に行ったときは、テレビの報道ではわからないような肌感覚といいますか、前の車が一瞬消えてなくなるとか、灰がすごいとか、取材をされている記者たちも、余り長くここにいたくないなというふうな思いのときでありました。それが一月二十九日。

 そして、二月の十一日に行きましたとき、夏尾地区に行ったら、御夫婦が、あのとき大変でしたねと言ったら、少しだけ、ちょっとほっとした表情をされる。その間には、この二週間の御努力があったんだろうというふうに思いました。

 今、一番大事なことは、委員御心配だと思いますけれども、土石流、泥流の問題であります。これに万全な措置をとらなければならないということを政府の支援チームに指示をしまして、しかも、高原町等々、都城もそうですけれども、地域の人たちが一番地理を知っています。ですから、ここの沢が危ないとか、ここの山が危ないとかということをしっかり情報交換をしていきながら、ハザードマップ、避難計画、そして避難場所の選定等々もやっていただきたいというふうに思います。

 もう一点。住民がやはり避難準備情報、あるいはそれが解除される、それが何回も繰り返されるときの疲労こんぱいは、私は想像にかたくないというふうに思っております。そういうケアもこれから大事だな、少し長期戦の構えもしていきながら、短期の危険を除去していくということにも万全を期してまいりたいというふうに思います。

古川(禎)委員 ありがとうございます。

 まさに今、大臣、長期戦あるいは疲労こんぱいというキーワードを言っていただきましたが、まさしくこれはいつまで続くかわからない異常な事態でございます。これは火山災害の特殊性だと思うんですね。しかも、これはやはり現地にいなければわからない。

 飛行機の上から見ますと、噴火口から噴煙がずっと風に乗って、一直線に海に流れております。そして、その噴煙の下は茶色い煙幕です、真っ暗な。その中に我が郷土はあるわけですね。そこに我々は暮らしております。

 そして、こういう事態になってみなければわからなかったこと、まさか、えっ、そんなことが起こるんだ、起こるのというような、経験してみないとわからないような不都合、不安というものがさまざまありまして、これはもう農業ばかりではありません。地域経済も滞り、住民生活も滞り、将来への健康不安等々、これはまさに、今起きていることは郷土の存亡の危機ではないかというぐらいに私は思っておるわけですね。

 大臣にも、高原町のほほえみ館を慰問いただきました。直観的に私が感じましたのは、これは長期化する、そして、避難の繰り返しということに対する疲労、ストレス、大変だと思うんですね。災害救助法あるいは被災者生活再建支援法、こういうスキームではできない、例えば避難中の、いつまで続くかわからないわけですから、こういうところに対する法制度であるとか、あるいは、雲仙・普賢岳のときは長崎県は基金をおつくりになって対策に当たられましたけれども、こういう災害基金というものを制度化するなどして、既存のスキームにとらわれない、今起きている非常事態に、できることはあらゆる可能性を含めて検討して実行していく、こういう姿勢が求められているのではないかと思います。

 河川局長にお尋ねいたします。

 土石流であります。大臣もおっしゃいました。今まさに一番警戒すべきは土石流。今現在、雨も降っております。十一時過ぎに都城市で避難勧告が発令されました。六地区、千百四十八世帯でございます。

 このように、地元は非常に緊張感に満ちておるわけですけれども、三十五のエリアで土石流の危険を啓発いただいて、そしてどの範囲まで被害が及ぶかということをシミュレートしていただいた地図を拝見いたしました。ありとあらゆるデータを駆使して、そのときそのときの危険性を常に見ながら監視体制をとっていただきたいと思います。

 火山は、噴火が続いているわけですから、火山灰の量も刻一刻と変わるわけで、また、この地域は、申し上げるまでもなく、半年前は千八百ミリの雨が降ったところです。必ず土石流はあるわけですから、多少、強目強目であったとしても、とにかく一人の犠牲者も出しちゃならぬということのために、ぜひ御尽力を賜りたいと思います。

 一言、任せておけという御答弁をお願いします。

関政府参考人 今、先生の方から御指摘がありました。まさに土石流の危険性をどうとらえ、避難に役立てるかということが極めて重要であるというふうに思っております。私ども、緊急的に降灰調査を実施し、これをさらに解析いたしまして、さらに雨の基準となる量も設定いたしまして、地域に提供させていただいております。

 今後とも、大規模な噴火等、状況の変化が確認された場合には、速やかに、さらなる調査、あるいはこういった基準の見直し等を的確に行ってまいりたいというふうに考えております。

古川(禎)委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

 気象庁長官、いわゆる警戒レベルですけれども、これは、科学的な分析評価をきちんとされたものであるということを大変信頼を私はしております。ただ、その科学的分析の評価というそこの枠内にとどまるのではなくて、それを聞く、それを受ける側の住民の心理に与える影響力というのが大変大きいわけですから、住民に対する警戒を呼びかけるという視点もまた必要ではないかなということを今回感じました。

 一月三十日の夜でしたか、高原町で避難勧告をやったわけですけれども、勧告をするのは市町村長です。ところが、その根拠となるところの気象庁の警戒レベルとちょっとそごが生じるという事態があったわけです。やはり住民に対して呼びかけるような視点もまた必要ではないかなということを、感想として一つ申し上げておきます。

 森山委員が、先ほど桜島の大正噴火の碑文を引かれまして、当時の測候所の方々も全力を挙げたと。だけれども、やはり科学というものと住民との対話、これも大事であるということを先人が経験に基づいて教えているという話を御披露いただきましたので、私も本当にそのとおりだと思ってお聞きしておりました。ぜひ、またそのような心がけを常にお持ちいただいて、御努力をいただきたいと思っております。御答弁は求めません。済みません。

 筒井農林水産副大臣、まさに農業は存亡の危機にあると私は思っています。

 テレビを見ますと、施設園芸、ビニールハウスの上に上って、ブロワーで、積もった灰をばっと吹き飛ばしております。なるほど、ああいうふうにして灰を飛ばさなきゃ、ビニールハウスも困るよなと。テレビで見ていれば、そういうところまでしかわからないわけなんです。しかし、現場に行くと、さまざまな不都合があって、やはり難しいということは実感として思うわけですね。これは、将来、営農ができるのかどうか、土壌の矯正という話も先ほどありましたけれども、とにかく、農業そのものができるのかどうかというような瀬戸際に立たされている状況であります。

 この重大な危機に農林水産省としてどのような覚悟でお臨みになるか、簡単に、この場でお知らせください。

筒井副大臣 新燃岳の噴火被害について、先生の認識、気持ちと全く同じであるというふうに思っております。

 そのために、農水省としても、できるものはすべてやるという決意で既に取り組んでおりますし、政務三役の方では、松木政務官に現地に行ってもらいました。森林総合研究所の九州支所の方での調査もやっているところでございます。いろいろな事業を既に始めておりますが、その中身の説明はよろしいですか。(古川(禎)委員「結構です」と呼ぶ)いいですか。はい。

 いろいろな事業、先生も御存じだと思いますけれども、それらにこれからも全力を挙げて取り組んでいく、こういうふうに農水省全体として決意をしております。

古川(禎)委員 全力を挙げてお願いしたいと思います。

 これは本当に、申し上げたように、被害の補償というような範疇を超えて、農業そのものが存続できるかどうかという非常に難しいところにあります。

 実際、例えばメロンの農家が、苗はもう購入しないと。これは離農に即つながるわけですね。そういう事態が多々散見されております。非常事態です。ですから、既存の制度をフル活用することはもちろんですけれども、一歩踏み越えて、できることはやるんだという姿勢をぜひ形にしていただくようにお願いいたします。

 きょうの委員会の質疑の中で、森山委員が防災営農について触れられました。

 これは、桜島の噴火災害、経緯的に見ると、鹿児島の努力がいろいろ実った形でこの防災営農という制度が充実をしてきたわけですけれども、小泉内閣のときの三位一体、交付金化、あるいは今回の一括交付金、先ほど逢坂総務政務官の御答弁をいただきましたけれども、それだけ自由度が高まるからいいじゃないかというような御説明でありましたけれども、実際問題、財政力が厳しい自治体にとって、これはそう簡単なものではありませんよね。

 ですから、交付金化の流れということもありますけれども、今回のような非常事態、噴火災害に対処するために、防災営農、これは補助金的な、困っているところに重点的に行くような形での使い方ができるように、いろいろな工夫を真剣にちょっとお願いしておきたいと思います。お願いします。

筒井副大臣 おっしゃるとおりなので、営農継続に対する緊急支援事業、これも既に始めておりますし、その中では、先ほど先生言われました降灰の除去が必要なものですから、ブロワーとか洗浄機とか、これらの購入も必要だろう。そして、家畜が避難することも必要だろう。その場合に、簡易畜舎の建設も必要だろう。さらには土壌改良も必要だろう。そのためには、土壌分析の機材とか土壌改良資材が必要だろう。さらには、品目の変更、転換も必要になってくるだろう。それらについての資材も必要だろう。

 これらのものに関して、約十一億円でございますが、予算をその事業に立てまして、三分の二の補助をする、それを決定して既に始めているところでございます。特に、最初の降灰の除去や、あるいは簡易畜舎の建設に関しましては、遡及しまして、一月二十六日以降に買ったものについても支援の対象にする、これも今始めているところでございます。

 農地に降灰がありますが、その降灰を除去しなければいけない、これに関しても災害復旧事業で対象にする、これも決定して発表をしているところでございますし、先ほど国交省の方から土石流対策が言われましたが、農水省としても、土石流に対する対策をとる。既存の施設についての対策、あるいは土石流センサーの設置、さらには新たな治山ダム、これも早急に設置をしなければいけないだろうというふうにも今決めているところでございます。

 さらには、これからのこととして、今、先生言われましたが、活火山特別措置法をここに適用する、これは内閣全体の問題でございますが、これの手続も既に農水省としても一緒になって始めているところでございます。

古川(禎)委員 どうもありがとうございました。

 緊急支援、今、声を聞いていただいておりまして、感謝申し上げます。ただ、いろいろ聞くと、もうちょっと声を聞いてほしいということもあるようですから、ぜひ柔軟にお願いいたします。

 そして最後に、防災営農、ぜひ手厚くよろしくお願いいたします。

 終わります。ありがとうございました。

吉田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十七分散会


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