衆議院

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第12号 平成18年4月18日(火曜日)

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平成十八年四月十八日(火曜日)

    午後一時二十分開議

 出席委員

   委員長 伊吹 文明君

   理事 今津  寛君 理事 園田 博之君

   理事 谷  公一君 理事 谷川 弥一君

   理事 山本 有二君 理事 大島  敦君

   理事 北橋 健治君 理事 桝屋 敬悟君

      秋葉 賢也君    井上 喜一君

      井上 信治君    衛藤征士郎君

      小野寺五典君    大野 功統君

      大前 繁雄君    岡本 芳郎君

      加藤 勝信君    小杉  隆君

      佐藤  錬君    清水鴻一郎君

      菅原 一秀君    杉田 元司君

      鈴木 馨祐君    鈴木 淳司君

      田中 良生君    平  将明君

      とかしきなおみ君    土井  亨君

      土井 真樹君    中森ふくよ君

      永岡 桂子君    長崎幸太郎君

      並木 正芳君    西銘恒三郎君

      西本 勝子君    葉梨 康弘君

      橋本  岳君    広津 素子君

      三ッ矢憲生君    市村浩一郎君

      大串 博志君    近藤 洋介君

      武正 公一君    鉢呂 吉雄君

      馬淵 澄夫君    渡辺  周君

      石井 啓一君    谷口 和史君

      笠井  亮君    菅野 哲雄君

      重野 安正君    滝   実君

    …………………………………

   議員           馬淵 澄夫君

   議員           枝野 幸男君

   議員           渡辺  周君

   議員           大串 博志君

   議員           武正 公一君

   総務大臣         竹中 平蔵君

   財務大臣         谷垣 禎一君

   厚生労働大臣       川崎 二郎君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     安倍 晋三君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      額賀福志郎君

   国務大臣

   (行政改革担当)

   (規制改革担当)     中馬 弘毅君

   内閣府副大臣       山口 泰明君

   防衛庁副長官       木村 太郎君

   法務副大臣        河野 太郎君

   財務副大臣        赤羽 一嘉君

   会計検査院長       大塚 宗春君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中藤  泉君

   政府参考人

   (防衛施設庁長官)    北原 巖男君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 深山 卓也君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 佐々木豊成君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            鈴木 直和君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 太田 俊明君

   衆議院調査局行政改革に関する特別調査室長     大竹 顕一君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  衛藤征士郎君     とかしきなおみ君

  岡本 芳郎君     西銘恒三郎君

  加藤 勝信君     田中 良生君

  小杉  隆君     鈴木 馨祐君

  佐藤  錬君     杉田 元司君

  菅原 一秀君     大前 繁雄君

  葉梨 康弘君     土井 真樹君

  広津 素子君     清水鴻一郎君

  松本 洋平君     平  将明君

  水野 賢一君     土井  亨君

  前田 雄吉君     市村浩一郎君

  塩川 鉄也君     吉井 英勝君

  菅野 哲雄君     重野 安正君

同日

 辞任         補欠選任

  大前 繁雄君     菅原 一秀君

  清水鴻一郎君     広津 素子君

  杉田 元司君     佐藤  錬君

  鈴木 馨祐君     小杉  隆君

  田中 良生君     加藤 勝信君

  平  将明君     中森ふくよ君

  とかしきなおみ君     衛藤征士郎君

  土井  亨君     長崎幸太郎君

  土井 真樹君     橋本  岳君

  西銘恒三郎君     岡本 芳郎君

  市村浩一郎君     前田 雄吉君

  吉井 英勝君     笠井  亮君

  重野 安正君     菅野 哲雄君

同日

 辞任         補欠選任

  中森ふくよ君     永岡 桂子君

  長崎幸太郎君     水野 賢一君

  橋本  岳君     葉梨 康弘君

  笠井  亮君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  永岡 桂子君     松本 洋平君

    ―――――――――――――

四月十八日

 安全・安心な公共サービスの確立を求めることに関する請願(篠原孝君紹介)(第一五〇三号)

 同(仙谷由人君紹介)(第一五〇四号)

 同(阿部知子君紹介)(第一六三〇号)

 同(細野豪志君紹介)(第一六三一号)

 同(古賀一成君紹介)(第一六四二号)

 同(阿部知子君紹介)(第一六八一号)

 同(玄葉光一郎君紹介)(第一六八二号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第一六八三号)

 同(笠浩史君紹介)(第一六八四号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第一六八五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(内閣提出第七四号)

 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案(内閣提出第七一号)

 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案(内閣提出第七二号)

 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七三号)

 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案(内閣提出第三四号)

 国民がゆとりと豊かさを実感しながら安心して暮らせる安全な社会を構築できる効率的で信頼される政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(松本剛明君外五名提出、衆法第二一号)


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     ――――◇―――――

伊吹委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案並びに松本剛明君外五名提出、国民がゆとりと豊かさを実感しながら安心して暮らせる安全な社会を構築できる効率的で信頼される政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案の各案を一括して議題といたします。

 まず、松本剛明君外五名提出の法律案について議事を進めます。

 提出者から趣旨の説明を求めます。馬淵澄夫君。

    ―――――――――――――

 国民がゆとりと豊かさを実感しながら安心して暮らせる安全な社会を構築できる効率的で信頼される政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

馬淵議員 ただいま議題となりました民主党の行政改革推進法案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。

 我が国の政府は明治時代にその骨格を形成し、その後、さきの大戦、復興期、高度経済成長期を経てまいりましたが、基本的構造は大きく変わってはいません。一方、我が国の社会経済構造は急激に変化をしています。冷戦後、経済における競争は東西の分け隔てをなくした上、その後の急速な情報化の進展によってより厳しい競争環境をつくってきました。経済構造の変化などを背景に、家族形態は従来の農村型大家族から都市型核家族へと変化し、社会の基本的な単位であり、基礎的なセーフティーネットである家族の構造が根本的な変化を遂げております。加えて、世界に例を見ない急速な高齢化に直面をしています。

 このような変化の中で、多くの国民が新しい痛みに直面し、また将来に大きな不安を抱いています。多少景気が改善しても、以前のように全員がその恩恵を受けられる構造ではなくなっており、これが巷間言われる格差の拡大につながっているのです。しかし、明治時代に形成した骨格をそのまま維持している現在の政府は、この変化した社会構造、経済構造には対応できていません。

 今、求められている行政改革とは、政府の役割、機能を見直し、国民の抱いている不安、直面する痛みに的確に対応できる政府をつくるための行政改革であります。私たちはそのような観点に立って政府案の審議を進めてまいりました。しかし、政府案にはそのような理念、あるべき政府像、政府の担うべき機能といった観点は全く欠落し、ただひたすらに小さな政府を目指すものであります。加えて、税金の無駄遣いの源泉であり、国民の関心が最も高い官製談合、そしてその背景である天下りに関する規定は欠落しております。これでは現在の社会経済に合った政府はつくれない、国民が信頼できる政府はつくれないと考え、本法案を提出するに至ったわけであります。

 以下、本法案の概要を御説明いたします。ポイントは二つであります。

 一つは、現在政府が行っている事務事業を聖域なく見直し、不要な事業、民間にできる事業は廃止をした上で、補完性の原則に基づいて事務事業の地方移譲を進めることによって国と地方の役割分担を明確化し、国、地方ともに新しい政府をつくることであります。政府案にも、事務事業の分類、整理、このようにありますが、いつまでに、だれが行うのか全く不明で、これではプログラム法とは呼べません。本法案では、この見直しを行う主体、期限ともに明確に規定しており、これこそが本来のプログラム法であると言えます。

 もう一点は、天下りの抑制、官製談合の根絶に向けた厳しい措置を盛り込んでいることです。審議を通じて明らかとなった入札、契約の不透明さ、いいかげんさは目に余るものであり、これでは国民が政府を信頼できるわけがありません。談合の徹底的な根絶、そのための天下りに対する厳しい抑制を通じて、信頼できる政府を本法案は目指すものであります。

 また、政府提案に対する民主党の考え方も盛り込んでおります。政策金融改革については、借り手の立場に立った改革の推進、債務保証、利子補給に絞った政策金融のあり方などを提案し、特別会計改革については、省庁の財布となっている特別会計の原則廃止の立場から、それぞれの特別会計の改革の方向性を明確に示しています。公務員については、地方分権の強力な推進の結果として縮小される国の規模、機能に応じた人件費の削減を規定するとともに、労働基本権の原則回復など公務員制度の抜本改革を提案しております。

 政府案は、格差があるのは当然とするリーダーの理念に基づく弱肉強食の社会を目指すものであり、我々民主党案は、共生の理念に基づき新しい政府をつくろうとするものであります。この両案の違いを明確に御理解いただいた上で、議員の皆様の的確な御判断を期待し、趣旨の説明とさせていただきます。(拍手)

伊吹委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

伊吹委員長 次に、ただいま議題となっております各案について議事を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官中藤泉君、防衛施設庁長官北原巖男君、法務省大臣官房審議官深山卓也君、財務省大臣官房審議官佐々木豊成君、厚生労働省職業安定局長鈴木直和君、厚生労働省政策統括官太田俊明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊吹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伊吹委員長 これより質疑を行いますが、委員長から一言申し上げます。

 政府側の答弁者、衆法提出者相互に、問われたことに簡潔に答えてください。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野功統君。

大野(功)委員 自由民主党の大野功統でございます。

 ただいま趣旨説明のございました民主党御提案の行政改革法案につきまして、提出者の皆様に御質問を申し上げたいと思います。

 まず第一に、私、すばらしいと思いましたのは、こうして政府案が出てくる、内閣法案が出てくる、反対反対とばかり言うんじゃなくて、自分はこう考えているんだ、こういう提案をなさったということでございます。そういうことによって、やはり新しい時代、政党政治が活性化してくる、このことに対しましては大いに敬意を表するものでございます。

 ただ、本当に残念なことがあるんですよ。残念なことは、なぜ今ごろ出してくるんでしょうかということなんです。政府案は、既に去年の十二月二十四日に閣議決定をいたしております。そして、国会には三月に提出している。行政改革特別委員会、この伊吹名委員長のもとに、これまで五十五時間も審議をしてまいりました。もうちょっと早く民主党の皆様が法案を提出してくださっておれば、国民の皆様には、ここが違うんだ、やはり野党の方はここが違うんだな、野党が言いたいのはここだな、こういうことがお互いに対比しながらわかり合っていけるような議論ができたのではないか。残念ですね、この点は。なぜ今ごろお出しになったんでしょうか。

 しかも、この行政改革特別委員会では、きのうまで、もう五十五時間ほどの議論をやっております。昨日は参考人の御意見も伺いました。そして、もはや五十五時間ですからね、何となくゴーゴー採決だという声も聞こえてきそうな感じのこのときに御提案なさったというのは、昔風に言えば採決引き延ばし作戦かなと思いますけれども、そんなことを考えるような民主党さんであるとは私は思っていませんし、残念だな、どうしてこういうふうな遅い時期にお出しになったのか、こういうことを中身に入る前にお尋ねしたいと思います。

枝野議員 お答えをさせていただきます。

 私ども民主党は、政府がお出しになられた法案などに対して賛成をすることもあります。あるいは、よって立つところが全く初めから違っていれば、初めから反対をすることもあります。あるいは時として、大きな方向ではいいけれども部分的に問題があるということで、修正案を出すこともあります。行政改革については、私ども、ある意味では結党の理念の一つでもあり、私ども自身が率先して議論をリードしてきたという自負を持っております。

 今回、政府から行政改革推進法なるものが提出をされるということで、大きな方向性として行政改革の必要性を強く訴えてきた我々としては、その点については期待をして法案の提出を待っておりました。そして、その法案の具体的な中身をしっかりと見せていただいた上で、もし我々が考えていることと一緒であれば賛成をさせていただこうと思いましたし、あるいは、ほんの一部分の手直しによっていいものになるということなら修正案を出すということであります。

 ところが、残念ながら、今法案の審議のプロセスを見てまいりますと、法案が提出されて審議に入る前に、その法案を検討する前提としての具体的な内容や趣旨等を明らかにするために、提案者の、同僚であります馬淵議員からも質問主意書を提出いたしましたが、回答がないどころか、そもそも内閣への送付自体拒否をされまして、私どもが政府案について具体的に知りたいと思う内容をあらかじめ知らせていただくことができませんでした。せめて、法案の国会審議、委員会が開かれましたら、その委員会の中で具体的に御答弁をいただき、それを踏まえて我が党としての対応を検討してまいりましたが、しかし、その答弁は抽象的でありまして、特に、行革の本丸とも言える地方分権や、国民の最も関心の高い談合や天下りについての具体的な御説明あるいは内容を含んでいないということが審議を通じて明らかになってきたと理解をしております。

 したがいまして、行政改革の必要性という大きな方向については一緒でありますが、単に部分的な修正等でこれでいいと言えるような内容ではないということが審議の今のようなプロセスを経て明らかになってまいりましたので、したがって、これは私たちの考え方を明確に対案という形で示す必要があるということが審議のプロセスで明らかになった、したがいまして、この段階で法案を出させていただいた、こういうプロセスでございます。

大野(功)委員 相手の出方を見て、中身を見きわめて出してきた、こういうことでよろしゅうございますね。(発言する者あり)それでは、簡単にイエスかノーかで答えてください。

枝野議員 出方を見たという言い方は少し失礼ではないかというふうに思います。私どもは、皆さんあるいは政府から出てきている法案ごとに、その法案の内容を吟味して、無条件で賛成するケースも、修正案を出すケースも、対案を出すケースも、あるいは反対をするケースもいろいろあるわけでありまして、今回の場合、残念ながら、政府側からの説明が大変おくれた上ではっきりしなかったというプロセスの中で、対案を出さざるを得ないという判断をさせていただきました。

 そういう意味からすれば、例えば与党の側も、私たちのがん対策法案に対して対案を出せ出せと我々は求めているんですが、全然出てきておりませんで、私どものことだけを批判するのは全く筋が違うのではないかと申し上げたいと思います。

大野(功)委員 案を出すに当たりまして、今の政治で必要なのは説明責任ということであります。今、遅く出てきたということにつきましては説明がございました。

 もう一つ、透明性という問題がやはりあると思います。意思決定の透明性であります。

 今日、民主党が法案をお出しになった、その法案を決めるに当たってどういうプロセスを経てこられたのか。自民党では、例えば特会の改革についても、自民党の行政改革本部というのがございまして、そこで随分議論をいたしております。つまり、この議論は、所管の官庁、各省からもヒアリングを行っているし、またマスコミにも出しておりますから、当然、民主党の皆様もその点はおわかりのことだと思っています。つまり、透明性を持って行政改革を進めてきたということであります。そういう意味では、第一のなぜ遅くなったのかという説明のところも、そういうことを十分御観察してこられなかったのが残念でございますけれども、民主党の案は、今日、こういう法案をおつくりになるに当たってどういうプロセスを経てきたのか。

 政府案は、例えば特会につきましては、経済財政諮問会議でもやっておるし、それから財政審でも議論をやっております。そして、閣議へ持っていっている。自民党の中では、党改革本部できちっと議論して、ヒアリングを行ってやっているんです。だから、どういうところで議論をして今日の案が出てきたのか、これを御説明いただきたいと思います。

枝野議員 私どもは、党内の政策意思決定プロセスとして、最終的な意思決定は、党内に次の内閣という組織をつくっておりまして、最終的にはそこで決定をいたしております。

 それに至る経緯といたしまして、例えば、我が党の柱の一つであります公務員制度については公務員制度改革の調査会、あるいは分権については、私が会長を務めさせていただいておりますが、分権調査会などの幾つかの調査会やプロジェクトチームをつくり、そこでの積み上げてきた議論に基づいて、行政改革のこの法案に対するプロジェクトチームをつくりまして、そこで整理したものを最終的に次の内閣で決定しております。

 この間のプロセスは、必要に応じて、報道機関その他に、あるいは党のホームページなどを通じて公表しておりますし、特に国民的な関心も高い公務員制度改革の党内議論などは、マスコミにもフルオープンで議論を積み重ねた上で、そして最終的な決定をいたしておるところであります。

 残念ながら、それが政府や与党の議論などと同じようにテレビや新聞などで報道をしていただいていないということについては、じくじたるものとそれから反省すべき点があると思っておりますが、ぜひ、国民にそうしたプロセスも含めてしっかりと周知をされることが必要であるということであれば、与党の皆さんからもメディアの皆さんに、野党の政策も与党・政府の政策の報道と同じぐらいちゃんとするようにと与党からも促していただければありがたいと思っております。

大野(功)委員 わかったようなわからぬようなことでございますが、我々の目から見ますと、まるでブラックボックスから突然出てきたように聞こえてしまうんです。もうちょっとその辺は透明性を持って、意思決定のプロセスを我々の目に見えるようにしていただければと思います。

 内容に入る前に時間がかかって申しわけないんですけれども、三つ目に私感じますのは、これは後出しじゃんけんですよ。自民党がグーを出したら後でパーを出してくる、こういうようなところがあります。だから、数字の上で非常に美しい数字、見せかけのいい数字になっております。

 例えて言いますと、特別会計の改革で、財政健全化への寄与でございますが、政府案が二十兆円といった途端に三十兆円、こうなっております。それから総人件費改革、これは十一条二項でございますが、政府案は五%、本当にいろいろな角度から検討して、身を切る思いで頑張ったのが五%だと思いますけれども、これを五年でやろう。すごいですね、うらやましいですよ、こんな数字が出せるというのは、三年間で二〇%ですよ。国家公務員だけの話です。

 こういうふうに見せかけは非常にいいんですが、私はここで申し上げたいのは、後出しでやって、本当にきれいな数字、目的の山頂は輝いているんですよ、どうやって登っていくんだろうな、こんな気がしてなりません。

 実現可能性について簡単に。本当に議論して、十分に議論して出してきたのか。これはもう簡単で結構です。

馬淵議員 特別会計のことについて御指摘がございましたので、お答えをさせていただきます。

 まず、特別会計改革に関しましては、昨年の特別国会で我が党の前原代表が、小泉総理との予算委員会での議論の中で、特別会計改革は重要である、我々のワーキングチームで既に一昨年前より詰めてきたこの現状の中で、特別会計の改革になぜ手を入れないのかということを総理にお尋ねして、改革競争に踏み出そうと。これはむしろ、後出しではなく、我々が先に先行してこの改革競争をお伝えしてきたという経緯がございます。

 そして、こうした中で、この特別会計の改革につきましては、当委員会の中でも我が党の大串委員が御質問させていただきました。その政府案の二十兆円というのは余りにも過度に保守的に見積もり過ぎてはいないのかという点でございます。

 この我々が出した三十兆円の財政再建への寄与という部分につきましては、特別会計の中では、これは十分に可能である数値としまして、財政融資資金特別会計、ここには、他の機関に資金を貸し付けて得られる金利収入、これをため込んで、既に約二十四兆円もの資金を抱えております。これは将来の金利変動に当然備えているものなんですが、逆ざやという場合のときの備えでありますが、既に一九八〇年以降、四半世紀以上も毎年黒字を計上しているということで、逆ざやを生じたことはございません。

 また、外為特会、外国為替資金特別会計、これも介入で得たドルで米国債を購入する、その利子収入によるというこの会計の中に積まれたお金、これも一九八〇年より四半世紀以上、黒字を計上している。また、一部は毎年一般会計に繰り入れてはいるんですが、それでもなお十四兆円以上の資金をため込んでいる。

 こうしたことにかんがみて、我々は、これらの特別会計以外にも十分な剰余金あるいは積立金を持つ特会、これらを精査しながら、合わせて三十兆円は十分可能であるということをこの法案の中に盛り込ませていただいております。

伊吹委員長 国家公務員の総人件費の件について、渡辺周君。

渡辺(周)議員 今ございました、三年間で二割削減、国家公務員の総人件費削減が可能かということで、簡潔に答えよということでございます。

 私ども、地方分権を徹底して推進する、強力に推進するということをうたっておりまして、もう既に、二〇〇三年の総選挙の際には一割削減、そして昨年の衆議院選挙のマニフェストでは二割削減を言っているわけでございます。この点につきましては、後出しじゃんけんで与党のいわゆる数値を上回るようなものを出してきたという指摘は当たらないわけでございます。

 この点につきまして、中身で後ほど必要であればもちろん答弁させていただきますが、簡潔にということでございますので、分権を徹底すれば可能であるということを申し上げたいと思います。

大野(功)委員 その点は、後にゆっくりと、じっくりと議論して、どちらが本当に実現可能なのかどうなのかということは議論していきたいと思いますが、我々の目から見ますと、やはり大変な数字だな、こういうふうに思うわけでございます。

 それはそれとして、別問題として……(発言する者あり)

伊吹委員長 静粛にしてください、静粛に。

大野(功)委員 今、昨年の予算委員会の話が出たと思います。前原前代表の発言で、平成十七年九月の予算委員会での発言によりますと、六特別会計以外廃止、これが今、三特別会計になっておりますが、五・九兆円の財政収支改革、五・九兆円になっています。それから、同じ昨年の十二月の中間報告を見ますと、二特別会計以外廃止、二つになっております。それで六兆円の財政収支改善、こういうふうになっております。今回の案では、三特別会計以外廃止、今度は三つになった。しかも、五・九兆円それから六兆円が三十兆円にはね返っているんですよ。

 こういうふうにころころ変わっては、一体どれを信用したらいいのか、何だかちょっと信頼性がなくなるな、お化粧をいっぱいして、その日その日によって見せかけが違ってくるのかな、こんな気がしてなりません。わずかの間にこれだけ五・九兆から三十兆円まで変わるというのは、本当に十分に議論したのかな、実現可能性を本当に考えてやっているのかな、私はこんな気がしてならないわけでございます。

 次の質問は、もう一つ、形式的なことですけれども、民主党案のどこを読んでも地方公務員の削減問題には触れておられません。今も御説明がありました趣旨説明の中で、聖域なき改革、こうおっしゃっているんですよ。聖域なき改革と言いながら、地方公務員については触れておられない。これはどういう趣旨でございましょうか。

馬淵議員 お答えをさせていただきます。

 特別会計についてですが、今委員がおっしゃられました昨年の予算委員会での我が党の前原代表の指摘、これにつきましては、いわゆる歳出削減でございます。そして今回、今三十兆円のお話をさせていただきましたが、これは、政府が提示する財政再建への寄与度、この二十兆円、この部分に相当する金額に対しては、私どもは、政府案というのは余りにも過度に保守的に見積もり過ぎているのではないか。例えば、金利が二%から八%、三%から八%の変動という幅の中で、今政府案は二十兆円という極めて保守的な資金の見積もりをしているわけですが、私どもは、それに対しては、先ほど申し上げたようなまだまだ過大に残っている資金を財政再建に振り向ける、三十兆円の確保は可能である、このように申し上げております。

 歳出削減については、別の、先ほどのお話にある五・九兆円、六兆円といった規模のことも十分想定をしながら、政府案にあります二十兆円に対しては、私どもの徹底改革によって三十兆円の財政再建寄与度が図れるということを申し上げているのであります。

渡辺(周)議員 御指摘のとおり、私どもの法案の中では地方公務員の定数、地方公務員の削減については触れておりません、書いておりません。

 それは、私どもは、やはり地方のことは地方で決めるべきだ、地方に権限が移譲され、財源が移譲される中で、当然、一時的に地方の権限がふえれば業務もふえる、その上で人件費もふえる、しかしそれは、地方自治体の長なり議会が限られた財源の中で当然適正な規模に収れんするような形で人員の管理をするであろうという観点から、我々は触れていないわけでございます。

 まずは、地方に権限を移す、それによって国家がスリムになる。我々この法案の第五条三号で書きました、皇室、外交、安全保障あるいはエネルギー、通貨、こうした国家がやるべきことを限定して、それ以外のことは地方がやる。一時的に確かに地方の業務がふえた場合、しかしそれは、類似の業務があれば、当然そこは整理縮小されていくというふうに考えます。それは地方の裁量の中で判断していくものとして、記載はしておりません。

 以上でございます。

大野(功)委員 今の御説明によりますと、地方のことは地方で決める、それが地方自治の原則だというふうに聞こえましたけれども、行政改革というのは、国も地方もあわせて、みんなでやることじゃないでしょうか。もちろん地方自治の原則というのはあります。だからこそ、例えば内閣提出法案五十五条では、地方に対しては「職員数の厳格な管理を要請する」と書いてあるんです。要請するんですよ。必要な助言、協力を行いましょう、こういうふうに書いてあるんですよ。

 国全体でやろうという気構えがない。私は、それと同時に、何となく地方に気兼ねしているな、自治労の皆さんに気兼ねしているのかな、選挙対策かな、こんなふうにも思えるわけでございます。つまり、聖域を設けてしまった、聖域なしと言いながら聖域を設けている、大変残念な聖域設置法案だと思わざるを得ません。

 それから次に、いよいよ中身の問題。今までは形式的な問題です。いよいよ中身の問題ですが、時間が、一時間というのは随分あるかなと思って見ておりますと、どんどん時計の針が進んでいますので、私も簡潔に質問しますが、どうぞ簡潔にお答えくださいますようお願いいたします。

 具体的な方向づけはある程度見えてきております。山の頂は見えるんです。だけれども、どうやって登山していくのか、道筋が見えない。どういうことを検討してこういう山頂の目的地を描いたのか。こういう点が、細かな問題になって恐縮なんですけれども、やはり行政改革というのは、本当に無駄を省いて効率化する行政機能を、行政システムをつくっていこうということですから、まず十分に検討しなきゃいけない、改革を断行しなきゃいけない、そしてまた、その改革が実現可能なものでなければいけない、夢物語であってはいけません。そういう意味で御質問申し上げたいと思います。

 まず、特別会計でございますが、国民年金特別会計、これは公法人に移管して廃止する、こういうふうに書いてありました。これは、強制徴収する保険料をこういう公法人に完全に任せ切っていいんだろうかなというのがちらっと頭にひらめくわけであります。と同時に、皆さんも特にこういうことをおっしゃっています。私もそういう意見に大賛成なんですが、この保険業務にかかる事務費は、やはり国民が払ってくださる保険料の中には手を突っ込みたくない、なるべくなら事務費は一般会計から出してもらいたいな。今そうなっていないところが多いんですけれども、そういう意味からして、公法人に任せるということは、独立して保険料の中から払えよ、こういうにおいがしてくるわけであります。これはちょっと首をかしげるな。

 特別法人、全部言ってしまいます。疑問なところだけ申し上げます。

 例えば、道路整備特別会計でありますけれども、その他でありますが、これも一般会計にしてしまう。そうすると、公共事業というのはやはり地方の負担があるわけですよ。地方の負担、受益と負担をどう考えていくのか、その辺が全く不分明になってしまわないか、こういう点を検討されたのかどうか。

 もう一つ、財政融資資金特別会計でありますが、これも廃止する。これまで財政融資資金特別会計というのはいろいろな仕事をやっています。例えば、国民金融公庫でも総額三兆円ばかりの事業をやっておりますけれども、そのうち二・二兆はこの財政融資資金特別会計から出ているわけです。あるいは医療関係、これも一々言いませんが、医療とか教育とか福祉とか中小企業対策とか、こういうものはすべて財政融資資金が絡んでこの政策をやっているわけでありますが、こういう点、どうお考えになるのか。

 また後で触れますけれども、新しい政府系金融機関をつくって、そこは政府保証とそれから利子補給だけやるんだ。となりますと、デフォルトが起こった場合、どこからその金を持ってくるんだ、こういう問題も出てくるわけですね。今の問題は後でまた質問しますから、今は結構です。

 そういうことを考えていますと、どうも十分に議論されているのかなという気がいたしまして、お尋ねします。簡単にお願いします。

伊吹委員長 それでは、国民年金特会と道路整備特会と財政融資資金特会の三点について答弁をしてください。

枝野議員 まず私から年金特会についてお答えをさせていただきますが、先ほど事実に基づかない誹謗をされましたので、一言だけ申し上げておきたいと思いますが、私どもは私どもの判断で、先ほどのような地方公務員の話は地方の自治に任せるべきであるということを決めたのであって、事実に基づかない誹謗はぜひやめていただきたいというふうに思います。

 そして、これは恐らく国と地方のあり方についての根本的な哲学の違いかなと思っております。どうも今のお話を伺いますと、国が、中央政府が地方自治体を指導するかのような御発言ぶりであったと私は理解をいたしましたが、私どもは、中央政府と地方政府とは基本的には横並び、対等で、その役割が違っているという位置づけでございます。したがって、中央政府の意思決定機関である国会が地方政府の意思決定に対して介入をするというのは、本来の地方自治、分権の姿ではない。こういう位置づけに基づいてこのような整理をさせていただいているということを申し上げさせていただきたいというふうに思っております。

 さて、その上で、年金会計の話でございますが、これはもう先生も我が党の年金改革の考え方というのは十分御存じだと思いますので、わかった上でお聞きになっているのかなと思いますけれども、我が党は、年金の徴収については、一貫して歳入庁という構想を申し上げておりまして、私どもの一元化された所得比例年金の保険料については所得税などと同時に歳入庁で徴収をする、こういう仕組みで考えております。

 ここで申し上げている新たな公法人と申しますのは、年金の納付記録の管理や最低給付について新たな公法人で行うということでございますので、徴収については歳入庁という公権力を持った国家機関が行うということで、問題はないというふうに思っております。

 なお、その納付記録の管理、最低給付についての運用、運営資金等については、これは先生も御指摘になりました、納付された保険料はすべて年金給付へという考え方に基づいて、ここについての運営費は税で負担をするべきである、こういうふうに整理をしております。

馬淵議員 道路と財融につきまして、私の方からお答えをさせていただきます。

 先生御指摘のとおり、確かに、この道路整備特会を廃止して一般会計でということになれば、いわゆる地方の分担、負担分についてはどこに使われるか不明確になりかねない、こういう御質問、御指摘かと思われますが、確かに現行のシステムのままでは、道路整備事業を一般会計に移管すれば地方負担の部分が不明確になるということ、これは十分に考えられます。

 しかし、我が党の法案をぜひしっかりごらんいただきたいと思うんですが、我が党の法案は、行革というものは、まず地方分権の基本理念というものを貫いております。そこで、我々の目指す行革を行う、補完性の原則にのっとって、国から地方へとそれこそ事業を再整理していく、その中で、道路事業というのは原則として地方の事業と位置づけたいというふうに考えております。

 道路は、地域に密着した、あるいは生活圏に密着した、その要不要というものが十分に熟知された場面で判断をされなければなりません。したがいまして、この道路整備ということにつきましては、我々は地方主体で実施することが望ましいというふうに考えておりまして、国が道路を整備して、地方がその財源の一部を負担するという今日までのシステム自体が基本的にはなくなるんだということを御理解賜ればと思います。

 ただし、では国が一切道路整備などは行わないかといえば、そういうわけではございません。本当に必要な高速道路、高規格道路等は、これに関しては、国が整備を行うということも十分考えられるということも我々は理解をしておるつもりでございます。

 また、もう一点、御質問にございました財政融資資金の特別会計、これにつきまして、例えば、さまざまな特殊法人へその融資が行われている、これは十分に必要なものではないか、こういう御指摘だったというふうに思いますが、この財融特会につきましては、我々はそもそも、財投債の発行、これによって得た資金をこうした特殊法人等に貸し付けるということを禁じる、財投のこの改革の趣旨というものを徹底することを第一義的に考えて、今回の財融特会の廃止ということを適切であると考えております。

 ただし、御指摘のように、それぞれの事情によって資金を必要とされるような、こうした部分もございます。これに対しては、我が党案の第十二条二項におきまして、「現行政策金融機関以外の者が担う政策金融の機能については、第四条に定める基本方針のほか、前項各号に掲げる基本方針を踏まえつつ、その在り方を速やかに見直し、継続することが必要とされた機能については、可能な限り新政策金融機関に担わせるものとする。」としております。したがいまして、財融特会の有する機能についても、我が党案にあります行政刷新会議において十分検討を得た上で、基本的には新たな金融機関に担わせるということを想定しております。

 そして、もう一つ重要な点でありますが、先ほども申し上げたように、我々は、この大前提として、財投、この改革というものを、本旨をしっかり踏まえた上での法案の提出をさせていただいております。

 そういう場合、例えば、日本私立学校振興・共済事業団の事業の柱、これは私学助成と私学共済でありますが、我々の基本的な理念に基づいていけば、例えば年金改革については、抜本改革によって一元化をするというふうに考えております。一元化が実現すれば、私学共済の事業というのは不要になります。また、福祉医療機構等、主にこういったものは病院への融資を主たる事業としておりますが、こういったものは逆に民間の事業と位置づけて、必要であれば利子補給や債務保証などというものも、民間金融機関の対応に十分足りない部分についてはまた考えるということを検討したい、このように考えております。

大野(功)委員 御説明を伺っていまして、目的である山頂に登るためには多くの山をまた登っていかなきゃいけないな、まさに山上山あり、山幾層という感じがいたしました。年金問題を考えるにしましても、歳入庁で一元的に保険料を徴収するんだとか、あるいは年金の一元化が前提になっているんだな、非常にいろいろな山があるなということが今わかりました。

 それから、補助金の問題について御質問したいと思います。

 補助金というのは廃止、私も大賛成ですね。東京でつくったメニューを、地方でこのメニューどおりのごちそうを食べないともうお金を払ってあげませんよ、そんなばかなことはない。メニューは自分でつくって自分で食べよう、全国を金太郎あめにしちゃいけない、当たり前のことであります。だけれども、難しいのは、その補助金をなくしていくためにどうやって国と地方の仕事を切り分けていくんだ、それに対してどう財政措置をしていくんだ、これが難しいわけであります。

 そこで、お伺いしたいのは、いわゆる暫定的に一括交付金という記述がございます。この一括交付金の基準は何でしょうか。基準がはっきりしていないと、何だか一括交付金をもらいにまた東京へどんどんどんどん陳情団が押し寄せてくる、あるいはそういうことをてこにして中央集権的な体制がまた出てくる。地方分権といいながら、中央集権に戻ってくるじゃないですか。

 そういうことを考えると、やはり地方財政の節度をどうやって守っていくんだ、基準は何なんだろうか、地方に余りにもこび過ぎていないか、こういう問題が起こってくるわけであります。

 先ほどは、地方の問題だから人件費の問題は置いておくよ、こう言いながら、今度は、何かよくわからない、一括交付金を上げるよと。甘いような気もするしきついような気もするし、よくわからない。この点を簡単に、わかりやすくお願いします。

伊吹委員長 大野君、交付の基準ですね、基準とおっしゃったのは。

大野(功)委員 そうです、一括交付金です。

枝野議員 御指摘のとおり、我々の改革をするためには大変大きな山がたくさんあります。それを乗り越えることがまさに改革なんだと私は思っておりますので、山が大きいからできないということでは改革ではないと思っております。

 そうした観点から一括交付金について御説明させていただきますと、御指摘もそういう趣旨かと思いますが、私どもは、一括交付金も含めて、国から地方に対してのお金の出し方というのは、最終的には、地方の独自の財源と、それに加えて明確なルールに基づいた財政調整、私たちは一人当たり所得とそれから人口密度に着目をして、新たな財政調整、国から地方に対する財政調整を行うという仕組みを軸に考えていきたいと思っていますが……(発言する者あり)今やじがございましたけれども、単純にやった場合に、それぞれの地域によって、現状それぞれの地域が自主ではないにしても国から受けている財源、そして自分たちの財源、余りにも違いが出てきてしまうということになれば、これはふえるところも減るところも、いろいろな意味で大きな問題があります。

 そうした意味では、今のような基本的な考え方に基づいて相当精緻な調査と整理をしなければ、この新たな財政調整制度を実際具体的に組み立てることは現状では不可能だというふうに思っております。ですから、これについては、我々が政権をとりましてきちっと、例えばそれぞれの地域ごとの一人当たり所得の配置であるとか、そういった細かいデータをしっかりと再整理した上で、そして新たな財政調整のルールを決めるということを考えております。

 しかし、それまでの間、今のような補助金財政でいいのかというと、そうではありません。したがいまして、私どもの一括交付金は、御承知かと思いますが、五つの分野で大くくりして地方に交付をいたしますが、この一括交付金をもらうために陳情活動などをするということでは意味がありません。

 したがって、私たちはこう考えています。それぞれの区分ごとの直近五年間における補助金、いろいろな種類の補助金がありますが、我々は、いろいろと過去の補助金というのを整理していますと、特に一部の議員さんたちが、おれの力で補助金を持ってきたと選挙民にうそをついている方がよく見られますけれども、結局、平均値をとれば、それぞれの地域事情に応じて結果的にほぼ平等な補助金が行っている。したがいまして、直近五年間のトータルの補助金、ごく例外的な特殊な補助金については別といたしまして、一般的な補助金についてのトータルの平均額を基準といたしまして、その額については当面、新しい財政調整制度ができ上がるまでの間、国から地方に対して、区分の中における使い方は無条件という形で、地方の自主財源に準じた形で使っていただくということですので、しかも、そのときには補助金を取りに来るという地方の自治体の皆さんに課している余計な仕事が減りますので、その分は行政事務の費用がカットできるということで、現行の補助金の平均額よりも約二割カットさせていただくということで、厳しくもなければ甘くもない中身になっていると思っております。

大野(功)委員 御説明、よくわかりました。まず、民主党が政権をおとりになって、それからいろいろなルールを変えて、そして目的へ達する、その間、難しいことは平均値でやる、従来のことを踏襲していこう、こういう思想であるということはよくわかりました。

 次に、人件費、地方公務員改革の問題ですが、これは、お触れになっていませんので私も取り上げませんが、とにかくこの行政改革というのは、国であろうと地方であろうと、国全体で一致協力してやるべきこと。血税を預かって、それで行政をやるんですよ。だから絶対に、地方であろうと国であろうと、改革は進めるべきだな、こういう気がしておりますが、これはもう御回答は要りません。

 もう一つ、新政策金融機関のことであります。これは、民間金融機関に対して債務保証をする、利子補給をやる、こういうことが骨子になっているようでございます。

 これもいいアイデアだなと一瞬思うんでありますけれども、実はよく考えてみますと、債務保証を貸し付けの一〇〇%にする、こうするとどうしますか。モラルハザードが起きますよ。民間金融機関はだれにでも貸しちゃう、貸した方が得ですからね。たとえ取りはぐれたって全部返ってくるわけであります。モラルハザードが起きます。

 例えば、それでは八〇%政府債務保証をつけるよ、こうなりますと、今度は貸し渋りが起きるんじゃないでしょうか。こういう問題をどういうふうにお考えですか。

 さらに、債務保証をやってお金が取れなかった、デフォルトを起こした場合に、そのお金というのはどこから調達してくるんでしょうか。一般会計からでしょうか、どこからでしょうか。今までは積立金とか余裕金から各政府系金融機関は払っておりましたけれども、それを一体どこから持ってくるか。

 こういう三つの問題点、ごく簡単にお願いいたします。

大串議員 今、大野委員から御質問のありました新政策金融機関に関しましてお答え申し上げます。

 新政策金融機関に関しまして、我が党の案では、基本的には、官でできる分野をできるだけ縮減して、民にできる分野をできるだけ民に持ってもらう、そういう考え方でプログラムしております。ですから、信用供与のあり方についても、直接貸し出しを行うというよりも、できるだけ市場の原理を生かしながら、債務保証もしくは利子補給という形での活動を行うことによってできるだけ官の領域を少なくしていく、そういうことを考えているわけでございます。

 今御指摘のありました債務保証の割合でございますけれども、まさにそこは政策判断の問題でございまして、先ほどお話のありました一〇〇%債務保証によるモラルハザードの問題、まさにこの点は現在の信用保証協会が抱えている問題として取り上げられている問題でございまして、そこは非常に真摯に、真剣に考えていかなきゃならないと思っておりまして、我々の案におきまして、現在、一〇〇%の債務保証率を考えるというところには、そういう考え方は持っておりません。

 他方、今お話のありましたように、低い保証率になると、貸し渋りといいますか、利用されないおそれがあるということだろうと思いますので、具体的な数字の置き方については、そのときの経済状況を見ながら適切なレベルに決めていかなければならないけれども、ただし、一〇〇%保証というような、現在の仕組みが抱えているような問題を繰り返すことがあってはいけないというふうに思っております。

 それから、デフォルトの場合のコストをどういうふうに負担するかですけれども、これはもちろん、一つは保証料を持っていただくというところがあると思います。それから、これは新政策機関の官としての果たすべき分野がそこにはあろうと思いますから、政策的要請を前提にした財政的手当て、これによっても一部抱えられる部分があろうかというふうに考えております。

大野(功)委員 まだまだいろいろな問題を解決していかなきゃいけない。政府案でもそうでございますけれども、これは大変な問題です。

 しかしながら、政府案は道筋がつけられるところはきちっとつけている。例えば、どういうところを事業とか事務で重点的に改革していくか。例えば、政府案の四十六条、農水省の地方支分部局が所掌する統計あるいは食糧の管理、北海道開発局、こういうことが書いてあるし、四十七条には、国の行政機関の地方支分部局と書いてあります。また四十八条には、職業紹介、社会保険料云々と。きちっと分野別に、こういうところは時代の変化とともに事業事務を改革していこうじゃないか、こういうことが書いてあるのであります。

 そういうことになりますと、どうも民主党案、私も一生懸命読ませていただいたんですが、目玉と言われておる行政刷新会議にすべてお任せしている、丸投げしている、こういうふうにも見えるわけであります。例えば、六条の行政機関の定員、機構、これがそうであります。政府案のようにきちっと道筋をつけていない。あるいは十八条一項、二項にあります新政策金融機関のあり方も新しい行政刷新会議にお任せしている。こういうことであります。

 だけれども、第一条を見てもわかるとおり、行政改革というのは我々の喫緊の課題なんですよ。喫緊の課題なら、今道筋がつけられるところは政府案のようにつけておいた方がいいんじゃないか。

 そういう意味で、民主党の皆様は政府案を国会の中で方向性しか決めていないプログラム法であると大批判されております。しかし、私から見ますと、民主党案はプログラム法のプログラム法じゃないかとさえ映るわけでありまして、こういうふうに、行政刷新会議に丸投げ法案、もっともっとこの方向性を政府案のように出してもらえないものだろうか。

 方向性を出しているのは、地方公務員の刷新についてはもう触れません、これは方向性がちゃんと出ている、恐らく地方に気兼ねしたんだなと。これを言うとまた枝野さんから怒られますけれども、そういうふうにしかとられないような問題点があります。

 私から言わせますと、行政刷新会議へ丸投げ法案である、こんなふうにすら言いたくなるのでありますが、何かコメントがありましたらお聞かせください。

枝野議員 私どもは、残念ながら政府案にはプログラムの前提となる具体的な方向性が示されていない、方針が示されていないと考えて、この対案を提出いたしました。今、例えば地方支分局の話、先生から御指摘がありましたが、しょせん今の役所の縦割りの構造を前提に、その枝葉のところをちょこちょこ切りますという話にとどまっているわけでありまして、抜本的な行政改革の方向性、方針が示されているとは私どもは考えておりません。

 私どもは、例えば四条で、公、官がやらなければならない事務というのはどういうものであるのか、そして第五条において国と地方における役割分担を明確にしておりまして、その枝葉のような地方支分局のどこそこを切るという話ではなくて、もう国は、皇室、外交、防衛、通貨等の国家の根幹にかかわる事業事務と、地方が、おれたちではできないから国でやってくださいねと言ってきた事務以外のことはもうやらないということでして、今御指摘になった、地方支分局を地方に移管するのか、なくすのかとか、そういうレベルの話は当然の一部として含んでいる中身になっておりまして、その上で、それではもう枝葉の話で行革の名にも値しない、大きな方向性をきちんと示して、そしてその上での具体的な進め方については行政刷新会議に、詳細はそこで決めていくということでございまして、私どもの方の法律は明確なプログラム法になっていますが、残念ながら政府の法案はプログラムになっていないというのが、私たちが対案を出した一番の理由の一つであります。

大野(功)委員 今の地方支分部局等の問題については、政府案に大賛成であるという隠れた声を聞かせていただきました。ありがとうございます。

 それでは、もう一つ感じますのは、行政改革の的が絞り切れていないような気がするんです。なぜならば、法案を読んでみますと、例えば予算編成の問題でありますが、財務省から内閣へ移していこう、こういうことが一つ書いてあります。もう詳しいことは言いません、大事な議論が残っていますので。それから、国会に行政監視院を置く、こういうことも書いてあります。

 財務省から内閣へ予算編成権を移そうというのは、選択肢の一つではありますが、これも問題点は、例えば、歳入と歳出をばらばらの組織にやらせてもいいのかという問題があります。歳入歳出を一括して改革していこう、お互いに責任を持ってやっていこう、こういう体制をどう考えるかという問題があります。

 それから、国会に行政監視院を置く。これはアメリカのGAOを想像しておられるのではないかと思いますけれども、既に衆議院にも決算行政監視委員会があるんですよ、屋上屋ではないでしょうか。しかも、衆議院の決算行政監視委員会は、民主党の筒井信隆先生が委員長をなさっておられて、もう立派に役割を果たしておられるわけであります。

 こういうことから見ると、何となく屋上屋ではないか、話題を集めているだけの法案になってしまっていないか、こういう感じがします。話題を寄せ集めている法案のようにも見受けられるんですが、もっともっと行政改革の的を絞ろうじゃありませんかということを申し上げまして、ここはもう時間の関係で次に移らせてもらいます。

 もう一つ私が申し上げたいのは、基本理念の一つに、国と地方と企業、NPOの協力によって新しい公共というものを実現していこうじゃないか、本当に目新しい、何となくいい感じがする言葉であります。しかし、その中身をよく読んでみますと、例えば第三条二項あるいは十九条の二項のように、行政改革に関連して、政府と国民、政府と私企業との間に新しい権利義務関係をつくってしまっている。

 このことはどうでしょうか。私はやはり、例えば、行革に関心と理解を深めるために国民に協力するようにという義務を課す、あるいは地域における金融の円滑化を図るために民間金融機関による情報の公開を求める、こういうことは新しい義務であって、こういう義務を課するのは一体どういうことになるんだろうか。

 もちろん、国民の皆様からお預かりした税金を使うわけですから、節約と効率化は当然政府の責任であります。そして、これをやり遂げるのは政治の責任でもあります、改革をやるのは政治の責任でもあります。そして国民の皆様は、行政を効率化させていく、そのためにウオッチしていく、こういう権利があるわけであります。それはもうタックスペイヤーとして当然の権利であります。そういうところに新たな義務を課すという考えがちょっとわかりにくい。

 私から言わせますと、自由社会に対する挑戦じゃないか、国民に対して新しい義務を課するような法案になっていないか。やらなきゃいけない、これは政府であり政治なんですよ。国民の皆様は、タックスペイヤーとして、払った税金が有効に生かされて使われている、このことを監視するのが国民の役割ではないでしょうか。

枝野議員 小泉総理を初め自民党の皆さんは、民間でできることは民間で、官から民へとおっしゃっておられるはずなのに、どうしてそういう御質問が出てくるのか、私には不思議で仕方がないんです。

 行政改革というのは、単に役所の中身をちまちまとどう動かすかという話ではありません。行政改革というのは、特に今の財政赤字の状況を考えたときに、本当に官がやらなければならない仕事は何であるのかということをきちっと絞り込みをしていくこと、それこそが本当の意味での行政改革であると考えています。

 私たちは、まず、自由主義の社会というのは、自分のことは自分でやる、これが一番望ましいことである。そして、自分のことが一人でできないときには、家族あるいは地域社会あるいは企業社会、そうした官ではない社会においてさまざまな問題を解決し、自己実現をしていく。そして、そうした個人あるいは私人、民間人の協力関係の中ではどうしても対応できない問題を解決するために、基礎自治体、市町村がある。そして、その基礎自治体ではどうしても解決できない問題を解決するために、広域自治体、道州なり都道府県なりが存在し、そして私たちが仕事を担わせていただいている中央政府というのは、そこでもどうしても対応できない問題を解決するために私たち中央政府があるというのがこの国のあるべき姿である。

 その私たちの基本的な考え方を示して、まず自分たちでできることは自分たちでやりましょう、そしてそこでどうしてもできないことについては逆にきちっとコストもかけて官がしっかりと担います、こういう考え方を示しているものでありまして、国民に何か義務を課すということではなく、逆に国民の主体的な自由な活動というものを保障するための規定であると考えています。

大野(功)委員 そういたしますと、第三条二の、行政改革の推進に国民の皆様に協力するようにしてもらおうということは義務でないということですね。イエスかノーかでいいんですよ。それから十九条二、これも、情報の開示に係る法制度を速やかにつくる、法律で、情報開示しろ、地域の金融について情報開示しろ、こういう義務を課するような言葉になっていますが、これも義務じゃないんですねという問題です。

 おっしゃる意味は、今おっしゃっている精神論はそのとおりです。私が聞いているのは、そんなことを聞いているんじゃない。今枝野さんがお答えになったことは当たり前のことなんです。私が聞いているのは、それをやるために義務を課するのかどうか、義務を課するように聞こえるけれども、それは一体イエスなんでしょうかノーなんでしょうかという質問なんです。イエスかノーかでお答えください。

伊吹委員長 枝野君、簡潔に。

枝野議員 まず、三条二項については、具体的な中身を伴っていない訓示的な規定でありますので、法的な拘束力を持った義務を国民に課すというものでは全くございません。

 それから、十九条につきましても、情報公開の話につきましても、具体的な義務を課すとすれば別途法律を定めるということでありますが、これは、行政改革を進めるために、そのために義務を課すということではなくて、私たちが行政改革の結果つくり上げる自由な社会をつくり上げるに当たっては、当然のことながら、お互いが自由な判断をするためには、正確な情報をお互い持ち合わないと自由社会における判断はできない、自己決定、自己責任に基づく判断はできないということに基づいて、今回の行政改革の結果としてそうした自己責任と自由な判断という分野が膨らむ以上は、当然のことながら、その前提となるための明確なルールについてもちゃんと手当てしますよということをつけていることでありまして、直接に法的効果をもたらすわけではないので、法的義務ということではありません。

 ただ、そういう法整備は当然のことながらやらなければ、自由にだけしてルールがいいかげんということを、この間小泉改革がやってきた同じ失敗を繰り返すことになりますので、そうした規定を念のため置いているということです。

大野(功)委員 それではもう結構でございます。なかなか、訓示規定とかその背景にある法律とか、説明しないとわかりにくい条文だなという気がいたします。

 それで、私、最後に一番大事な問題を議論しようと思っていましたら、時間が少なくなりました。それは、行政改革の目的は何かということなんです。

 法案の表題を見てみますと、内閣提出法案は、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革。わかりやすいですね、キーワードはたった二つですよ、簡素で効率的。ところが、民主党御提案の法案を読んでみますと、国民がゆとりと豊かさを実感しながら安心して暮らせる安全な社会を構築できる効率的で信頼される政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案。キーワードが六つあるんですよ。キーワードは、ゆとり、豊かさ、安心、安全、効率的、信頼。的がもう何かよくわからないですね。

 簡素で効率的に絞っている、わかりやすいですよ。簡素で効率的は、ちゃんと一条にも二条にも、例えば、安全保障とか外交、こういうものは配慮しましょう、規制緩和で出てくる国民生活の不安、あの耐震偽装問題なんか、これはきちっとやりましょう、こういう気持ちがちゃんと出ているんです。ところが、どうもこういうふうにいっぱい並べられていますと、何を言いたいのかなと。

 もう一度振り返って考えてください。行政改革というのは、無駄のない効率的な行政システムをつくろう、これは冷徹に考えていかなきゃいけない。今はやりの言葉で言うと、クールヘッドでやらなきゃいけないわけですよ。ところが、ゆとり、豊かさ、安心、安全、信頼となると、これは本来政治が取り組むべき問題です。これは政策として取り組むべき問題です。これはウオームハートの世界です。温かい心でこの格差問題に取り組んでいかなきゃいけない、あるいは弱者の問題に取り組んでいかなきゃいけない、セーフティーネットの構築に努めていかなきゃいけない、これは当然のことなんです。これは構造改革とか行政改革とは別にやっていかなきゃいけない問題だと思います。

 まず、そういう例えば温かい政策、格差是正とか社会保障問題、これをやるために、その仕事が効率的に、十使った税金が十生かされるような構造改革をやりましょう、行政改革をやりましょう、これが本来の行政改革のねらいであります。

 したがって、例えばイギリスのサッチャー元首相が、こんな新しい家をつくるために今住んでいる家は壊そう、こんなことを言っています。だけれども、日本は違うんですよ。その家を新しくつくる前に基盤整備をしなきゃいけない、基礎工事をやらなきゃいけない。電線で漏電しそうなところを直さなきゃいけない、水道管でも、さびがついたらさびを取って、水を流したらすうっと流れていくようにしなきゃいけない。どこかで官製談合があって、流れているのかと思ったらどこか別のところに流れていったりするようなことは絶対避けなきゃいけない。これが構造改革であり行政改革だと思うんです。

 だから、私は、もちろん提案者の皆さんがおっしゃっているように、外交とか安全保障とか、そういう問題は別です。国民の安全とか治安とか消防とか、あるいはBSEの問題とか、そういう問題は別であります。あるけれども、それを念頭に置きながら効率的な行政システムをつくっていく、これが一番じゃないでしょうか。

 行政改革というのは当然のことであります。当然のことに反対するというのは、抵抗勢力と言っても差し支えないと思います。そのきちっとした基盤をつくって、行政という効率的な基盤をつくった上で政策論争をやろうじゃありませんか。格差是正のためにどういう政策をとったらいいんだ、社会保障のために年金はどういうふうにしたらいいんだろうか、この基礎工事をやらない前に新しい家の問題を議論するというのは非常に難しい。基礎工事、構造改革、行政改革という意味では、日本というのは世界に比べて一周も二周もおくれています。だからこそ、この法案に書いているように、行政改革であり構造改革というのは喫緊の課題なんですよ。

 そういう意味で、私はよく眺めてみますと、例えば、ゆとりという言葉を使って、これは二条一項です、引用する時間がありませんので引用しません。二条の二項にも、格差の縮小と行政改革を絡ませているような表現がございますけれども、格差の縮小というのは政策マターです。

 行政改革というのは、要らなくなった仕事はやめていく、こういう問題ですよ。そして、その仕事を効率的にやっていこう。格差の縮小を考えながらという議論こそ、格差の縮小とかあるいは行政改革の推進に伴う弊害とか、こういうことも書いてありますけれども、行政改革の推進に伴う弊害というような議論こそ、私は、行政改革推進の弊害になっていくのではないかな、こんな気もしてならないわけであります。

 しかし、そういう面を除けば、私は、大筋、我々の考えていることは同じ方向なのかな、こういう気もいたします。

 ですから、行政改革というのを整理して、一部特定の人々に余り気兼ねしないで、きれいに見せるためにゆとりとか格差の是正とかそういう花をいっぱいつけないで、本当に冷徹な気持ちで効率的な社会をつくる、無駄のない世界をつくっていく。こういう行政改革をやった上に、格差を是正するために弱者をどうするんだ、勝者と敗者の問題をどうするんだ、こういう議論を政策論争としてやるべきではないか、こういうふうに思います。

 どうぞこの行政改革、政府案、私は、そこに一点に絞っている。もう一度申し上げますと、キーワードはわずか二つしかない、簡素で効率的。いっぱい花がついています、豊かさ、ゆとり、安心、ついていますが、そういう花はお取りいただいて、簡素で効率的な法案に御賛成くださいますようお願いいたします。

伊吹委員長 ちょっと待ってください、議事の整理は委員長の権限です。質問をしているんですか。

大野(功)委員 コメントがあれば一分でお答えいただきます。

枝野議員 やはりここは大事な哲学の違いかなということを、今お話を伺って、感じました。

 私どもは、行政改革というのは、例えば、今御指摘もありましたその格差の是正を政府は何をどういうやり方でするのかということ自体が行政改革の中身そのものではないのか。つまり、行政改革で無駄を削るということだけではなくて、削った結果、何を残すのか。残さなければならないことがはっきりわかった上で、だからこそ絞り込みができるわけでありまして、土台だけつくって、その上に建てる建物を、例えば弱者保護とかという話について考えないで土台をつくってしまったら、結果的に、その上に乗せる部分が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎたり、やはりそこで無駄が生まれる、あるいは不足が出るということになってしまうんじゃないか。

 ですから、私たちは、トータルとして政治がやるべきことについてしっかりと絞り込みをして重点化をするということ全体をもって行政改革だと考えています。

大野(功)委員 いかなる仕事であれ、それを効率的にやるというのが行革の目的でございますということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

伊吹委員長 これにて大野君の質疑は終了いたしました。

 次に、桝屋敬悟君。

桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。

 私も大野委員に引き続きまして、野党、民主党の提案者の皆さんと三十分ほど議論をさせていただきたいと思います。

 まずは、ともあれ、対案をお出しいただいて、敬意を表したいと思います。私は、郵政民営化のときも、最終の舞台では野党の皆さんと議論させていただいたことを懐かしく思い出しておりますが、本当に御苦労さまです。敬意は表しますが、大野委員と同じ思いでありまして、もう少し早く出していただければよかったな、こうつくづく思って、それにしても、きょうの今の委員会の議論を聞いておりまして、やはり緊張感ある議論ができるなということで、改めて敬意を表したいと思います。

 最初に、内容に入る前に、大野委員とのやりとりを聞いておりまして、枝野提案者が、立派なプログラム法だ、こうおっしゃっていただいて、随分私もすっきりしました。

 きのうずっと改めてこの法案を読んでおりまして、枝野さんは、この委員会、めったに顔のない方でありますけれども、私はずっとここに座っておるんですよ。ずっと座って野党の皆さんの審議を聞いておりまして、政府案に対して、やれプログラム法だ、内容がないとか先送りだとか、さんざんぱら言われてきたわけでありまして、立派なプログラム法をおつくりになったという言葉を聞いて、いや、そうかと。ただ、それなら、少しそれは言ってやらなあかんな、言いたいな、こう思って、皮肉の一つ、これは質問でも何でもありません、そんな感じを持ったと。

 ただ、大野委員との議論の中で、方向は同じだとおっしゃって、私も今聞いておりまして、方向は同じだなと。行革を目指す方向は同じ。なおかつ、今プログラム法という話が出たけれども、やはりこれほどのでかい我が国の、あるいは国と地方を合わせた全体の形を変えていこうというわけでありますから、これは簡単に計画がすぐできるわけがない。

 したがって、皆さん方の案も、行政刷新計画、行政刷新会議なるものをつくって、十九年度をめどにもう一回つくっていこう、内容を詰めていこうという。これも私も大いに理解できます。我々もそうでありますし、政府案もそうなので、それでいいじゃないかと僕はずっと思ってきたんです。それじゃだめだ、それじゃだめだと何度も委員会でおっしゃるわけで、ここまで言うと大分すっきりするのでありますが、内容に入っていきたいと思います。

 それで、プログラム法とおっしゃったけれども、プログラム法の中に、いい立派なプログラム法だとおっしゃったけれども、だけれども、この中で入っている数値は、さっきから出ている公務員の三年二割、それから三十兆のところ、これぐらいですよね。プログラム法としては、やはりちゃんとした目標が僕は大事だと。

 きょうは時間がないからもうやりませんが、政府案については、それぞれ重点分野ごとに数値目標がちゃんと入っているということは、どっちが立派なプログラム法かというのは、私は、政府案の方がはるかにすぐれたプログラム法だ、こう申し上げたい。そこはもうやりません。

 そこで、きょうやりたいのは総人件費改革。皆さん方が数値を明確に置かれているのが特別会計とそれから総人件費改革でありますから、総人件費改革のところをやりたいんです。

 例えば、総人件費改革について、これも枝野さんにはぜひ聞いてもらいたいんですが、私は、そこへ座っておりまして、ずっと民主党さんの議論を聞いておりました。それで、政府案に関して民主党さんがおっしゃるのは、何を民にゆだねるのか、何を地方に移すのかが不明確だ、それが不明確だから、五年で五パーと言われても理解できない、この目標設定は一体何だと随分言われていた。あるいは、公務員の身分について大丈夫なのかという議論。皆さんがお呼びになった参考人もそういう議論をされておられました。

 そんなところをずっと聞きながら、きょう提出された法案を見ると、国家公務員に係る人件費の総額を三年で二割削減すると。多分そういうことでしょうね。三年で二割削減をする。これをどうやってやるかというと、国と地方、地方分権を進める、事務事業のあり方をしっかり見直して、地方分権の観点からそこをしっかり仕分けする、あるいは、民間の活力を生かす、民に持っていく、これで三年二割、こういうことかなと理解をさせていただきました。

 そういう法案でありますので、具体的に聞いてみたい。

 まず、数字を確認させていただきたいと思います。三年二割。三年二割というのは、国民の皆さんは、この数字はすぐ頭へ入るんですが、これは総人件費でしょう。具体的に三年二割で幾らになるのか、あるいは、公務員の削減は何人おやりになるのか、当然数値はお持ちだと思いますから、これは通告しておりませんが、当たり前の話でありますから、改めてお示しをいただきたい。

渡辺(周)議員 今、定数と人件費について、民主党が考えている数値はどれぐらいになるのかということで、具体的な数字を示せということでございます。

 我々が、地方分権、この五条三号に書きました国家がすべき分野に特定をして、国家のすべきこと以外を地方にゆだねる、そしてあるいは、民にできることは民に、我々は生活向上テストと言っています、いわゆる仕分けをしていきますと、我々の考え方でいきますと、人件費は四・一兆円、四兆一千億円。これが、政府案では、十七年度ベースで五兆四千億円であります。そして、自衛官を除くと、国防はこれは自衛官がやることでございますので、それを除きますと、政府が三兆五千億円で、民主党案では二兆一千億円。定員でいいますと、中央政府すべてにおいて六十一万五千人の定数が、四十六万人になる、十五万人の削減を見込んでおります。

桝屋委員 わかりました。大変な目標であります。

 私は、この三年二割というものをお出しになった、これさえなきゃ相当いい内容だな、こう思ったのでありますが、ただ、気持ちはわかります。三年二割と、国民にわかりやすい数字を出したい、こういう気持ちはわかるんですが、具体的にこれができるかどうか、こういうことであります。

 先ほど御答弁の中で、後出しじゃんけんではない、我々は三年二割はずっと言ってきた、こうおっしゃっているんですが、実は私の記憶でも、昨年の郵政解散のときにマニフェストでお出しになりましたね、三年があったかどうかですが、二割というものはおっしゃったような気がいたします。あのとき、いみじくも郵政の二十七万人の話があったものですから、皆さん方、マニフェストの中でまさに二割という数字をお出しになった。私は、その内容を聞いて、いやいや、大変な数字だな、本当によく考えておつくりになったのかと。

 内容をちょっと聞きましたけれども、あのときは、採用抑制とそれから手当と合わせて一兆円という数字がありまして、当時は岡田代表が五千億、五千億とおっしゃって、いや、そんなことをしたら政府のパフォーマンス、組織はどうなるんだと私は思ったわけでありますが、あれから、今回バージョンアップしているのかどうなのか。私は、老婆心ながら、民主党の皆さん、この三年二割、二割という数に取りつかれているんじゃないかと。気持ちはわかるけれども、少なくとも国民の皆さんに数字を示すということは、先ほど言った十五万人という数は大変な数字であります。

 そこで、実はもっと聞きたいことがもう一つある。今回、本当に驚いているのは、昨年のマニフェストでは二割、一兆円削減と明確におっしゃっていた。今回は、この法案を見ますと、ちょっとここだけ読みますと、「当該人件費の総額の百分の八十以下」、したがって二割以上ですね。これはバージョンアップされている。二割ではない、二割以上だ、このようにおっしゃっておられる。

 そこはバージョンアップかなと思ったら、その後、「八十以下とすることを当面の目安として、これに留意するものとする。」これは何じゃいと、この法案を読んで思ったわけです。

 いいですか、我々政府案は、目安というのを確かに使っております。ただ、十年の目安、対GDPで半減しよう、こういう長期の目安を持ちながら、当面五年間、大変だけれども五%やろう、こういう段階的な、しかも一つ一つ積み上げた一・五パーと三・五パー、何度もここでやりましたね。そういう積み上げをした上で出してきているわけであります。

 皆さん方は、恐らくこれは刷新計画の中で、三年でしょう、どうなんですか。三年で二〇%以上とすることを目安として、これに留意するというのは、これはやるということですか、やらぬということですか。もちろんやるということでしょうが、やれないこともあるということですか。ここをちょっと説明していただきたいと思います。

渡辺(周)議員 当然のことながら、三年二割というのは、選挙のときに我々はマニフェストの中でも公約したことでございますので、そこは約束事としてそのまま貫いてまいります。

 法案の中でなぜ目安という言葉になっているかと言いますが、これは、そこを目標にするのではなくて、今申し上げたとおり、一兆五千億円という額が出てくると、当然我々の試算の上ではそうなるだろう、ただ現状問題として、行政刷新会議の中で仕分けをする中で、当然おくれてくる問題も出てくる。例えば、地方の受け入れが整わない、あるいは省庁の中には今回のいろいろな政府の削減案の中に抵抗している省庁もありますけれども、当然、すんなりといかない場合もある。ですから、目安という言葉で、ただ、そこを一つの目標としてやるということを書いたわけでございます。

桝屋委員 そうすると、私は何度も言いますけれども、政府案は十年のスパンで目安を設けて、そしてこの五年間の作業、大変な数字でありますが、五年五パー、こう置いた。皆さん方は、それは三年で終わるわけではない、もっとそれ以上行くかもしれない、だけれども、計画はおくれてくるものもある、だから目安だ、こうおっしゃっている。今の説明では、二〇パーというのは見せ金みたいなものですよ。本当にやるのかどうか。

 もう一回聞きますけれども、これはやるつもりなんですか、どうなんですか。皆さん方が政権をとったときの、政権を持っているつもりで答えてもらいたい。

枝野議員 私どもは、先ほどのマニフェストの関連でいいますと、マニフェストが昨年の九月でございまして、その後、党の分権調査会で、国に残すべき業務というのは、かなり精緻に、細かく改めて整理をいたしました。その結果の数字を全部、例えば公務員の数とか、そこにかかっている人件費の予算額などというのを、課単位ぐらいですけれども、ピックアップをいたしました。野党ですので、残念ながらそこまでしかできません。

 そういった数字を積み重ねてみても、国がやるべき仕事として最大限確保しなければならない人件費は四・一兆であろうというような見通しを立てています。したがいまして、これよりも、最終的には、国に残す業務をさらに効率化を図るということの中では小さくできる部分もあるでしょう。

 ただ、地方に完全にお渡しするといっても、例えばシンクタンク的機能を国に残さなきゃならないという部分もあったりして、若干の出入りがあるということは私たちは考えていますが、少なくともトータルとしての二割というのは、この五・四兆と四・一兆の差から考えますと、十分に確保することはできる。

 そして、その進め方として、渡辺議員が申し上げましたとおり、若干のアローアンスはいただきたい。つまり、どういうことかというと、たとえ私どもが政権をとらせていただく選挙の時期が、来年度の予算編成が既にある程度進んでいる九月、十月に政権をとった場合と、あるいは四月、五月にとった場合とでは一年間幅が違ってくるわけでございますので……

伊吹委員長 枝野君、委員長から御注意を申し上げますが、質問のみに答えてください。この委員会は、委員長の仕切りで、そのように今までやってきていますから。

枝野議員 今答弁させていただいているつもりです。政権をとったときのつもりでという質問がございましたので、ですから、政権をとる時期によっては、事実上、一年間近い幅が正直言ってある。これは間違いありません。そのことは否定をするつもりはありません。

 しかし、私たちが単独で政権をとって、予算編成をスタートからやれるところからきちっと考えたら、三年間でこれぐらいは十分にできるということで数字を挙げさせていただいています。

桝屋委員 わかりました。

 したがって、この法文の「当面の目安として、これに留意する」ということは、これは、三年の刷新計画をおつくりになる、そして、三年経過すればここまで行くんだ、やるんだという法文だ、そういう趣旨だというふうに理解して、やるとおっしゃるわけでありますから、実際に三年で二〇%やるとなると、簡単におっしゃったけれども、大変なことで、総人件費ですからね。

 今数字をお示しになったけれども、総人件費というのはP掛けQとよく言われますけれども、まさに定員とそれから単価、これをどうやっていくのかということが、基本理念は書いてあるけれども、基本理念、だれでもわかっているような話でありますから、だれでも議論していることでありますから、そういうことではなくて、具体的に、この三年の刷新計画をつくるということでお聞きしたいと思います。

 例えば、給与で大胆に下げる、二〇%を確保するとなったらば、人事院勧告制度はどうするんだろうかな。これを改廃するつもりか。あるいは、それはなかなか、給与というのは、皆さん方も苦しいでしょうし、うちの党も苦しい、だから、給与じゃなくて定員で削減すると。これはラフに見積もったって、数字はお示しにならなかったけれども、六万人ぐらいになるんだろうと思うんですね。これはまた大変な数字でありまして、これは恐らく皆さん方、ここでしっかり議論されていたけれども、あの隠れみのになっている独法化というのは多分お使いにならないだろう、使わないでしょう。本当にそれでできるのか。

 あるいは配転の仕組み。今回の法案の中に配転の仕組みはないわけでありますから、この配転の仕組みを絶対仕込まなきゃできっこない、私はこう思っていますし、あるいは、新規採用というのは年間九千人ぐらい、これを大胆にゼロにしても、三年間で配転できるのは三万人ぐらいでありますから、そうすると、残りの三万人は分限免職する、生首切るのかということを私は心配するわけでありまして、そういうことを考えますと、どうしてこの二〇%をやるのか、短くて結構ですから、お話をいただきたい。

渡辺(周)議員 今、三万人生首を切るのかというお話がありましたけれども、法案を読んでいただければわかるとおり、生首を切ることは想定しておりません。地方に移す。

 今、地方の方々から、例えば道州制の議論の中でも出てきていますように、国の機能を地方ができる。小泉総理が北海道開発局の六千二百八十三人、二割か三割は移せるじゃないかというようなこともおっしゃっています。今二十一万人いる地方支分部局のうちの二割、三割を考えたら、もう既にそれだけで四万人から六万人になるわけであります。当然、この二重行政と言われている部分を地方に移管することによって国家公務員の身分から地方の仕事をしていただくということで、生首は切らないということを考えております。

桝屋委員 大体見えてまいりました。

 地方に移すということの前にちょっと確認したいんですが、皆さん方は、この二割を確保するために、理念、いろいろ書かれている。そして、と同時に公務員制度改革をやろうということもおっしゃっている。

 皆さん方は以前から、今回の法案でも恐らくそうだと思いますが、見させていただきましたが、労働基本権については原則この制約を取っ払おうというお考えだろう。もちろん原則ですよ、そこは理解しておりますが、これを取っ払うと。公務員制度改革をやって、そして作業しよう、前提としてはまずそこをやろう、こういうスキームかなと。

 三年間の最初には、やはりこの労働基本権、これは多分、皆さん方は、労使協議の世界でちゃんと相談しなきゃいかぬ、いろいろな問題が出てくる、こういうお考えじゃないかと思いますが、そういう理解でいいんですか。

渡辺(周)議員 まさに労働基本権を回復するということは我々常々訴えてきておりますし、当然、その範囲については行政刷新会議の中で検討しますけれども、そのお考えで結構でございます。

桝屋委員 いや、そうしたら、私も公務員制度改革はずっと取り組んできて、多分、野党の皆さんからは、与党がだらしないからこんなことになっているとおっしゃるかもしれないが、しかし、戦後、今日まで、公務員制度についてはいろいろな紆余曲折があり、なかなか改革ができなかった。

 それをやろうというのは結構ですよ。だけれども、やるんだったら、私は、それだけで三年かかっちゃう、こう思っているわけでありますが、皆さん方はそれを前提として十九年に刷新計画をつくる。だって、労使協議を始めたら、現場で、さっきおっしゃったように、国の職員をちゃんと仕分けして、事務事業を見直して、国の職員を地方に移管するとおっしゃった、移すとおっしゃった。これは、まず地方が受けるかどうかの問題もあるが、その前に、公務員そのものが、お一人お一人が、国家公務員が本当に行くということを納得されるかどうか。これは当然ながら同意が前提でしょう。一人一人と同意、この労使協議をするというのは、あなた、大変ですよ。

 これを三年でおやりになるという。だから目安にしたんじゃないか。それならわからぬこともないけれども、そこはどうなんですか、本当に三年でできるんですか。

渡辺(周)議員 これは個々の公務員の方の人生にかかわることですから、当然、そこらのところはそれなりの心の準備の猶予が必要だというふうに思います。

 ただ、今までしてきた仕事はそのままやるわけですね。それは、国土交通大臣が上司であったか、しかし、今度は例えばどこかの知事さんが上司になるか。そういうことについて、下でやってきたことは、権限が移譲されるわけですから変わらないわけであります。そこの点については、我々は、仕事が変わらないということでいえばできるんだろうというふうに思っていますし、当然そこには、その機会に民間に行く方や、あるいは市場化テストによって民間の仕事につく方もいらっしゃる、当然、そこのところはさまざまなことが考えられるわけでございます。

 その点については、大変だとかおっしゃいますけれども、ただ、そういうふうにやっていかないと改革は進まないわけでございまして、ぜひそこは、同じ共通の土俵を持っているということで御理解いただきたいと思います。

桝屋委員 いや、それは理解はしますけれども、実現できるかどうか、実現可能性が今問われているわけでありまして、行革はお遊びじゃありません。着実にやっていかなきゃいかぬ。我々与党はどんな思いで政府と一体となってこの五%の数字をつくり上げてきたか。

 これは本当に、一・五パー、この一・五パーも、皆さん方は去年のマニフェストのときも採用を三分の一ぐらいに削るとおっしゃったけれども、あれだけで僕は大変な、しかも皆さん方は大前提をあのとき誤解されていて、医療職や教員、それも頭に入れておられたと思うんだけれども、その前提というのは大変な勘違いをされていると僕は思いまして、できる数字ではない。

 やはりこの一・五%の採用抑制だって、もちろんやっていくんですよ、政府案も。だけれども、これをやっていくというのは、五百人を純減するのがもう精いっぱいのところを、ことし千五百人やった。そのときに、内定取り消しまではないだろうけれども、それに近いようなことまでやらなきゃできないわけでありまして、そんな簡単なことではない。ましてや、基本権をまず渡して、労使協議を前提としてやっていこうということは、方向性は私も理解できる、議論しなきゃいかぬと思う。だけれども、それこそ、与党の十年の目安ですよ。三年の目安なんというようなことを言っていると、実現可能性を問われてしまいますよということを私は申し上げなきゃならぬ。

 それと、地方の話。地方にゆだねるとおっしゃったけれども、一つ聞きたいのは、地方にゆだねたって、パブリックの公の部分というのは、国から地方へ行っただけで、全体としては同じじゃないですか。国民の負担は変わりゃしませんよ。政府の規模、パブリックの規模が小さくなるんですか。

枝野議員 間違いなく小さくなる。

 それは、一つには、今、地方から国に対して、例えば事業を進めるに当たって、補助金の獲得であるとか、さまざまな事実上の許認可であるとか、こうした国にお伺いを立てなければならないという種類の業務があまたあります。これは、いろいろな地方自治体の方が非公式にいろいろな計算の仕方をしてくださっていますが、少なくとも二けたのパーセントの比率ぐらいではそうした無駄があるではないかと言われています。

 それから、もう一つございます。それは、現状では、地方の自治体からすれば、国が金を出してやってくれるんだったらということで、かなりラフに事業が進められている部分がある。それは、私は地方の首長さんとしては当然だと思います。たとえそれが無駄な事業であったとしても、国の金でやってくれるんであるならば、例えば、その地域において雇用が発生するということだけでもその自治体にとってはプラスですから、そういった事業が、残念ながら、この間、大変大きな比率で行われてきているということがあります。

 そうしたことが、事業の仕切りをしっかりとすることによって、地方自治体がその金を無駄に使ったら自分たち自身の自治体が損をするんだという構造になることによって、その無駄が大きく削られるということになっていく。

 この二つの効果だけでも、少なくとも官がやるべきことというのは、国と地方を通じて、トータルとしては小さくなるというふうに思っています。

桝屋委員 今の説明は全く理解できないんですが。僕の頭が悪いのかもしれないけれども。

 いいですか。国の事務事業を仕分けをする、見直しをすると。皆さん方は、余り仕分けは使ってくださらないけれども、見直しとおっしゃっているけれども、まあ見直しで結構です。見直しをして、これを思い切って地方分権の観点で地方に回していこう、移していこうと。枝野さんは、その過程において必ずスリムになるだろうとおっしゃるけれども、それは単なる期待であって、いいですか、もう基本権も渡しているんですよ。本当にそんなことがこの三年ぐらいのスパンでできるのか、私は甚だ疑わしいと思いますが、まずは、国、地方、幾ら移してもパイは変わりませんよということについては、変わるとおっしゃるわけですね。

枝野議員 それは人件費に限っての話をされているんでしょうか。(桝屋委員「総人件費改革の議論をしているんだ」と呼ぶ)いやいや、つまり予算という話については、今言ったようなことで減ります。

 それから人件費についても、たとえ同じ仕事を結果として行う、例えば道路工事の量とか、そういう量がトータル一緒であったとしても、地方分権をしっかりやれば、地方から国に補助金を申請するためにどれぐらいの行政コストがかかっていたのか、あるいは国の方も、補助金を出すという業務のためにどれぐらい行政コストがかかっていたのか。当然そこに人がいるわけですから、その分の人は少なくできるということを申し上げています。

 ですから、私たちは二割削減をするということを、もちろん、その一部分については、給与そのものについてもいろいろな見直しがあるかもしれない、それは団体交渉の話の結果としてあるかもしれないことを否定していません。それから、民間に行かれる方も否定をしていません。それから、自然減の部分も否定はしていません。それから、地方自治体でも、国家公務員でもなくて、公務員の身分ではないけれども公にかかわる仕事がしたいということで、そういった職をあっせんするということもあるかもしれない。そうしたトータルのことで、国の方は二割の人件費を削減する。だからといって、そっくりその分の人件費を、地方自治体の負担を膨らますということは全く考えていません。

桝屋委員 それはよく理解できないんだけれども、その前に、それだったら、何で国家公務員だけじゃなくて地方公務員の人件費の問題についてこの中に触れられていないんですか。

枝野議員 先ほどの御質問にもお答えしましたが、地方自治体がどれぐらいの人を雇ってどれぐらいの行政規模で行うのかということは、本当に地方分権がなされたら、それは地方の自己責任でやっていただくことだと思います。

 つまり、今、自民党の皆さん、公明党の皆さんはどうなのかわかりませんけれども、小さな政府で小さな福祉でやむを得ないということで走っておられるんだと思います。国のベースのところについては、まさに国会議員の選挙において、国民の皆さんは、国がやることについては小さな政府で小さな福祉をやむを得ないと考えるならそういうことになるかもしれないけれども、それぞれの自治体ごとにまさに独自の予算によって独自の責任で行うという範囲によっては、例えば、うちの町は小さな政府で小さな予算でそのかわりサービスも少ないという町があってもいいし、うちは行政がしっかりと身近なところは十分なサービスをする、そのかわりほかの自治体よりも少し税金が高いですよという自治体があってもいい。それこそがまさに多様な地方自治体を認めるという地方分権の趣旨なんであって、そのことについて国が、全国一律みんな小さな地方自治体ですということを強制する必要はない。

 問題は、地方自治体の自己責任でやっていただけるようにするかどうか。つまり、うちの町は非常に大きな行政コストをかけて大きな行政サービスをやっていて、財政が破綻したから国助けてくださいね、こういうことを許しちゃいけない。それは自己責任でやっていただくということさえ確保できれば、私は、それはまさに地方の責任判断だと思っています。

桝屋委員 何度も言いますけれども、行革はすぐれて具体的でなきゃならぬと思うんです。確かにプログラム法だけれども、それを実際に仕込むについては精緻な計画をきちっと立てていかなきゃならぬ。今の枝野委員のお答えは、国から地方へ事務事業を移し人を移せば必ず公の部分は減るだろうと。こういうのは単なる期待であって、もちろん私も期待したいよ、期待したいその気持ちは理解できなくもないけれども、それほど甘くはないというふうに私は思っているわけで、なおかつ三年のスパンでそれをやろうという。いや、僕は三年は無理だと言っているんですよ。それを皆さん方が三年でやろうと言うから、それは目安かと聞いたら、いや、これはやるんだとおっしゃるから、それは無理じゃないですかと申し上げているわけであります。

 時間もなくなりましたけれども、もう一つ。

 今、枝野提案者は、国から地方へ移しても人件費がふえるわけはない、こうおっしゃったけれども、実際に移行する過程においては、私はそんな話ではないだろうと。人件費も含めて行政経費、これはやはり国から地方へ財源を移していかなきゃいかぬだろうと。これは、これだけで我々、三位一体改革で大変な苦労をいたしました。本当に国と地方の理解と、ここからが一番大事な話になりますが、皆さん方の案だと、地方が同意して協力をして一緒にやろう、こういうことにならなければ絵にかいたもちになる、こういうふうに思うわけでありまして、その具体的な、人件費も含めた地方への財源移行をどうするのか。これをどういうふうにお考えなのか。三年でどういうプランでいくのか。お答えいただきたいと思います。

伊吹委員長 枝野君、申し合わせの時間が来ておりますから簡潔にお願いします。

枝野議員 今お話しのとおり、我々は地方にまず仕事の仕分けをします。そうすると、国でその仕事がなくなる人たちが出てきて、新たに地方の方にその仕事をする人が必要になります。ただ、そこから先はやはり地方の自主的な判断だと思います。今の人員で新たにふえる仕事のこともこなせますという自治体がもしいれば、それはそこに国家公務員の人を引き取ってくださいということにはできないでしょう。しかし、ある部分については今よりは少しふやさないといけないということはそれぞれの自治体などは考えるでしょう。当然、それに応じてそのための財源部分も地方に移管をされるわけですから、つまり当該事業にかかわる予算自体、財源自体が移管をされるわけですから、それは地方自治体の独自の自主的な判断によって、うちはふやすというところもあるし、うちはそれほどふやさないというところもある。

 そうした地方の自主的な申し出と、それから、自分が国家公務員で居続けても自分が長年やってきた事務はもう国にはないんだという当事者の皆さんの生きがい、意欲ということを考えたら、恐らく多くの方は地方への移籍などをみずから希望していただけると思っていますので、ここのプロセスはそれほど難しいことではないと思っています。

桝屋委員 もうこれで終わりますが、突然枝野提案者がこの委員会にあらわれて長々と説明をされて、聞けば聞くほどわからなくなる。目標は理解できなくもありませんが、御説明を聞けば聞くほど実行に至る具体性には乏しい、こういうことを申し上げなきゃならぬ。実現可能性がない、こういうことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

伊吹委員長 これにて桝屋君の質疑は終了いたしました。

 次に、菅野哲雄君。

菅野委員 社民党の菅野哲雄であります。

 私の都合により質問の順番を変えていただきましたことに、委員長初め理事の方々に心から感謝申し上げる次第でございます。ありがとうございます。

 最初に、川崎労働大臣にお尋ねいたします。

 厚生労働省は、四月十三日に、自民党の厚生労働部会でことしの労働経済白書の骨子案を示したと報道されております。

 この骨子案では、二十歳代の雇用者の所得格差が拡大傾向にあり、今後の格差の固定化が懸念される、パートや派遣、請負労働者など、非正規労働者と正社員の格差に触れ、非正規では正社員のように年齢が上がっても賃金が上昇しない、三十代から四十代の正社員でも成果主義賃金の導入で格差が広がっている、非正社員の男性は正社員の男性に比べて結婚しにくいなどと指摘されております。

 厚生労働省に骨子案の照会を求めたところ、マスコミ先行で、資料を提出できる段階にはないとのことだったが、しかし、マスコミ各紙に報道されている以上、そういう報告はしていないということではないだろう、何か問題があって資料提出を拒んでいるのかと勘ぐってしまうところでございます。

 この骨子案の内容は、報道されたとおり事実なんですか。事実だとすれば、格差の定着を懸念と報道された骨子案の内容について、川崎厚生労働大臣はどのような認識をお持ちか、お伺いいたします。

川崎国務大臣 まず、夏に向けて与党内で議論されている課題についてこの委員会の場で私から申し上げるわけにはいかない、これはお許しを賜りたい。政党の中できちっとした議論をしているものを、私が、こういうことを今御議論いただいていますということをこの公の委員会の場で。でき上がりましたら直ちに御報告はさせていただくということでございます。

菅野委員 今の大臣の答弁で、政党の中で議論されていることはこの場で答弁することはできない、それはわかります。しかし、このような方向で厚生労働省としては考えているというのが、私は、新聞報道の中身だというふうに理解しております。

 この新聞報道というのは、国民に多くの情報を提供しながら国民的な議論というものを行っていく、そういう役割を持っているものだというふうに思っています。大臣としてそういう認識であるということであれば、私は遺憾なことだというふうに思うんですが、それはそれとして、それでは官房長官に、この新聞報道についてどう考えているのか、お尋ねしたいというふうに思っています。

 社民党は、小泉内閣の構造改革が格差拡大に拍車をかけると、早い時期から指摘してきました。報道された労働経済白書の骨子案は、就業構造、雇用の現状から見た格差拡大の事実を端的に示したものと考えるものであります。

 ところで、この通常国会、予算委員会でも格差問題が焦点の一つとされてきましたが、内閣府は、世間で言われる格差拡大は確認できないとの分析を一月の関係閣僚会議で示しております。

 小泉総理大臣に至っては、予算案の審議において、二月一日の参議院予算委員会で我が党の福島党首への答弁として、「言われているような日本は格差社会ではない」、「成功者をねたむ風潮とか、能力のある者の足を引っ張るとか、そういう風潮は厳に慎んでいかないとこの社会の発展はないんじゃないか」、「私は格差が出るのは別に悪いこととは思っておりません。」などと、総理の御認識は、格差はないとするばかりでなく、格差社会を指摘することが成功者をねたんでいるようでよくないと言っているようにさえ聞こえる。

 本日は、総理がいないので、安倍官房長官、労働経済白書の骨子案の深刻な事実関係の指摘と内閣府の分析、小泉総理の認識との間に随分と大きな開きがあると感じておりますが、この点について認識をお示し願いたいと思います。

安倍国務大臣 ただいま委員が御指摘になられました白書につきましては、ただいま党において議論がなされているというふうに承知をしております。また、新聞記事等についても私も承知をしておりますが、まだ党内で議論がなされているところでございますので、それを前提にここでその白書について論評することは差し控えさせていただきたいというふうに思うわけであります。

 ただいま委員が御指摘になられた格差、これは格差が全くない社会はないということでございます。その点について総理が恐らく言及をされたんだろうというふうに思うわけであります。

 要は、格差が拡大をしているか、あるいは許容限度を上回る格差になっているか、あるいは、それはそもそもその格差が出てくる基盤が公平公正ではないということなのかということも含めて考えなければならないのではないか、このように思うわけであります。

 近年、この格差が広がっているとの指摘があるわけでありますが、年金などによる所得再配分の効果や高齢者世帯の増加等の影響を考慮いたしますと、統計データからは所得格差の拡大は確認されていないとの報告を受けているところであります。

 格差についてはさまざまな見方がある、このように考えられますが、将来の格差拡大につながるおそれのあるフリーター、ニート等、若年層の非正規化や未就業の増加といった最近の動きには注意をしていかなければいけない、このように考えております。

 私といたしましては、要は、公平公正な競争が行われる中において活力が生まれ、そしてその活力が経済を押し上げ、日本の力を押し上げていくことになる、このように思うわけであります。頑張った人が、汗を流した人が報われる社会をつくっていかなければならないわけでありますが、要は、それによって、勝った人たち、負けた人たちという形で固定化されてはならないわけでありまして、だれにでも何回もチャンスのある社会をつくっていく、多様な機会が与えられる社会をつくっていかなければならない、こう考えております。

 そこで、私のもとに、再チャレンジ推進会議を設置いたしまして、具体策の検討に着手をしたところでございます。

菅野委員 再び川崎厚生大臣にお伺いしたいんですが、今官房長官も触れていましたけれども、やはりパートや派遣など非正規雇用が拡大していることに注意を払わなければならないと申されていました。ニートと呼ばれる若者の数もふえております。さらに、成果主義の導入で中堅層の正社員でも賃金格差の拡大が見られ、これらが少子化要因にもなろうとしています。

 このようなもとで、雇用行政は今後どのような役割を果たしていかなければならないか、お考えを示していただきたいと思います。また、特に、同一価値労働同一賃金の原則に基づき、非正規の方々に法制度として均等待遇を実現することは喫緊の課題だと考えておりますが、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

川崎国務大臣 まず、雇用の認識でございますけれども、失業率が今四・一%、改善が進んできたという認識をいたしております。また、どの都道府県をとりましても全部改善をされてきております。しかし、そのスピードが遅い地域がある。したがって、地方によってはおくれている地域があるという認識をいたしております。北海道、青森、また高知、鹿児島、長崎、こうした地域に副大臣や政務官が直接入りながら、知事と話しながら、地域の雇用の具体策をまず検討させていただいております。

 二番目に、ことしの高校生、大学生の就職率でございますけれども、三%、四%改善をいたしました。そういう意味では、ことしの新卒者にとりましてはだんだんだんだんよくなってきた、こういう認識をいたしております。

 一方で、この十年間どうでしたかと考えますと、これは、私、もう三、四回委員会でお話し申し上げましたので、例えば松下とか日産とか、こういうところは大量解雇した時代でございます。二万人ぐらいの解雇をした。そういう意味では、大変厳しい時代が特に企業にあり、その結果が若者の雇用という形であらわれてしまっている。一時期一〇%を超しました。よかったときは、十五年ぐらい前は二%ぐらいでしたけれども、一〇%まで超えた。今約八%。先ほど言いましたように、だんだんだんだんよくなってきたというものの、若者の雇用だけはおくれている。

 全体が四・一、五十五歳から六十四歳の方々も大体四%ぐらいの数字になってきましたので、そういった意味では、今課題は何ですかといいますと、十五から二十四、また、実は二十五から三十四というところもだんだん悪くなってくる。何ですかといえば、自分が就職にチャレンジしたときに、先ほど官房長官のお答えのとおり、チャレンジしたときに極めて企業が厳しい時代、その氷河期に当たった人たちにやはりしっかりとした光を与えてもらわなければならないということで、副大臣に経団連、日商、日本商工会議所に行ってもらいまして、実はお願いをいたしております。

 いずれにせよ、若者の雇用という面では、しっかり目配り、気配りをしなきゃならぬ、先ほど官房長官の言うとおり。また、総理も、そういった意味では、全体的によくなってきたけれども、若者の正規雇用というものだけはしっかりしてもらわなきゃならない、こういう指示を受けているところでございます。

菅野委員 今答弁がなかったんですけれども、非正規の方々に法制度として均等待遇を実現するような、そういう厚生労働省としての、大臣としてのしっかりとした取り組みを要望して、次に移りたいと思います。

 行革推進法案の雇用行政部分に関連して質問いたします。

 雇用構造が著しく不安定になっている現状、雇用行政の果たす役割は以前にも増して重要である。このとき、雇用のセーフティーネットと位置づけられるハローワークを市場原理にゆだねることは、雇用行政が本来果たすべき役割を放置するということになりかねない。

 ハローワークの事業は国が責任を持って運営すべきと考えるのでありますが、大臣の見解をお聞きしておきます。

川崎国務大臣 雇用のセーフティーネット、すなわち、雇用保険を徴収し失業保険を給付する、そして職業紹介を無料で行う、これはまさに国の責務、雇用セーフティーネットであると思っております。そういう意味では、一階部分というのはきちっと私どもでしていかなければならない。

 しかしながら、二階部分で民間の活力を利用した部分があっていいだろうという中で、一部の部分を民間の力をおかりしながら、ノウハウをおかりしながらやらせていただいているということでありますので、土台を崩すという話ではございませんので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

菅野委員 大臣、行政減量・効率化有識者会議の委員の方々からは、ハローワークの統廃合や民間委託を積極的に推進すべしという意見が出されております。今大臣は二階建て部分はと言いましたけれども、一階の部分すらも統廃合という形で進んでいっているというふうに私は理解しております。ハローワークの事業は、憲法二十七条で保障された勤労権を最低限のレベルで保障するセーフティーネットにほかならず、ハローワークの数は半分でいいなどとする意見には賛同しがたい。六月の具体案の取りまとめに向け、どのような姿勢で臨んでいくのか、再度答弁願いたいと思います。

川崎国務大臣 これは、今御支援いただいたんだろうと思っているんですけれども、私の基本姿勢は変わりません。

 基本的なセーフティーネット、雇用のセーフティーネット、これはどの国を見てもそうでありますし、かつてイギリスのように、切り離して、結果としてまた一緒にしたというような例もございますから、先ほど申し上げました雇用保険というものと無料の職業紹介、これをセットにしながら、セーフティーネットは全国しっかり引いていかなければならない、こう思っております。

菅野委員 次に、労働保険特別会計の見直しについて伺います。

 行革推進法案二十三条では、労災保険法の労働福祉事業並びに雇用保険三事業の廃止を含めた見直しが盛り込まれております。本来は厚生労働委員会で丁寧に審議する中身であり、行革推進法案の中で一くくりに方向性を打ち出すのは随分と乱暴な話だと私は思います。

 労働福祉事業と雇用保険三事業については、確かに見直しを必要とする事業が含まれているのは事実だと思います。しかし、これらの中には、労働災害の防止事業や遺児の方々への就学費用の支給だとか、大切な事業も含まれている。廃止を前提とするのではなくて、個々の事業についての点検、評価から始めるべきではないのかなというふうに思うんですが、大臣の御意見をお伺いいたします。

川崎国務大臣 まず、雇用保険三事業は、企業の上乗せ負担によってでき上がっております。一つは、障害者、高齢者の雇い入れの助成や若年者のトライアル雇用の奨励、雇用安定事業でございます。それから、公共職業能力開発施設の設置運営や技能検定の実施、能力開発事業。マザーズハローワークやジョブカフェの設置、インターネットを使った求職者に対する情報提供、雇用福祉事業。三事業から成っております。

 今委員のお触れになりましたように、全体的に見直しをしなきゃならぬぞ、無駄もある、しかし、もう少し、若者の雇用とか女性の雇用とか積極的にやる部分があるんじゃないか、こういう御指摘もいただいておりますので、この三事業の再編というものを視野に、今議論を進めております。一方で、やはり負担をしていただいている事業主側の意見もしっかり聞きながらやっていかなきゃならないということで、話し合いを進めさせていただいております。

菅野委員 大臣、廃止を含めた検討の中で、雇用保険の国庫負担分についてもこの二十三条で一方的に廃止という文字が盛り込まれていることも、私は大きな問題だというふうに思います。失業給付の水準を切り下げておいて、積立金の水準が高いからといって廃止の方向性を打ち出すことは、国の責任で勤労権を保障することに反し、今後の保険料率のあり方にも多大な影響を及ぼしかねないと考えるものであります。

 雇用保険の国庫負担のあり方について、これからどのような見直しを図るのか、お聞きいたします。

川崎国務大臣 もともとの議論の発端は、日本は、まさに雇用保険について、国とそれから労働者側と使用者側、三者で負担をしている、このような制度構成になっているのはドイツだけじゃないか、イギリス、フランス、アメリカ等違うのではないか、こういう議論から出てきているんですけれども、雇用保険も、いろいろな国を見ますと二階建てになっている。一階建てになっているのは日本だけでして、ほかは二階建てになっております。すなわち、雇用保険と失業扶助。要は、長期化した場合、これは全部国が一〇〇%責任を負うというシステムで今申し上げたような国は成り立っている。したがって、雇用保険全体に援助をしていないという国は、基本的にない。

 したがって、雇用保険という一階建ての部分だけとらえまして、ドイツしか出していないんだから日本も削減したらどうだという議論があることは事実でございますけれども、諸外国並んで考えてみますと、やはり三者でお互いに話し合いながらやっている。したがって、私どもは、やはり三者の話し合いというものを大事に議論はしていかなきゃならぬ、こう思っております。

菅野委員 大臣の決意はわかりました。ただ、今進んでいる方向は、大臣の答弁とは違う方向で進んでいるということですから、しっかりとした対応をしていただきたいと思います。

 労働基準監督署の統廃合について、関連してお聞きしますけれども、地方では、現在、本当に統廃合の動きが進んでおります。今行革推進法で議論している公務員の五%削減を先取りして進んでいると言わなければならないと思います。統廃合のあり方については、地域の実情を勘案して、慎重に行うべきものと考えるのでありますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

川崎国務大臣 雇用のハローワークと若干違いますのは、労働基準監督署の費用、七割ぐらいはやはり国の税金でさせていただいている。したがって、厳しい財政事情でございますので、私どもの労働基準監督署も組織の効率化を求められていることは事実でございます。したがって、さまざまな地域の御意見をお聞きしながら再編を実施いたしております。

 しかし、一方、そうしたものが進む中で、御不便がかかったりしないように、いろいろな仕組みも考えながらやらせていただこうと思っております。また、個々の事案については一つ一つの対応になろうかと思いますけれども、全体の対応としては効率化が進んでいるということについては、どうぞ御理解をお願い申し上げます。

菅野委員 効率化を求めていくということは理解できるわけでございますけれども、そのことによって、地域に住んでいる人、労働者にとって警察署とも言える労働基準監督署が地域からなくなることによって起こる弊害というものもあわせて考えなければならないだろうし、地域実情というものをしっかりと勘案した対応をとっていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。

 最後になりました。

 民主党案に質問通告しておりましたけれども、先ほどから、桝屋委員の議論で、大体民主党の考えている方向は披瀝されたものというふうに思っております。深くは追及しませんが、ただし、この二〇%削減という状況の中で、一方では労働基本権を与えて二〇%削減していくんだ、そのことによって想定される労働争議というものも一方では想定しなけりゃならない。そこまでは先ほど桝屋さんはにおわせたんですけれども、そういう中でこの行革を進めていくということは、私は大変なことだというふうに思っていますし、私は、政府案にも言いました、最初に数値目標があって、数値目標達成のためのプロセスというものをつくったんじゃないか、そのことを言ってまいりました。そうじゃなくて、不要不急の事務事業というものをしっかりと見直した上に数字が出てくるべきだというふうに私はこれまで主張をしておるんですけれども、この考えに対して、民主党の考え方をお聞きしておきたいと思います。

渡辺(周)議員 今御指摘ありました、あるいは先ほど来の質疑の中でも申し上げました。我々は、まず仕分けをして、国がやるべき仕事と地方がやるべき仕事、そして地方がやることによって住民にとって最もいいサービスを提供できる、その上で、我々は、当然、国家公務員の人件費の見直しが生まれるというふうに、この法案に趣旨を反映させてきたわけであります。

 また、労働基本権の点につきましては、昭和二十三年、マッカーサーが政令二〇一によってこれを停止して以来、回復をするということは、当然我々としても訴えてまいりますが、ただ、争議権につきましては、当然これから議論のあるところでありまして、そこの点については、また今後議論をしていきたいな、検討していきたいなというふうに考えております。

 以上です。

菅野委員 時間ですので、これで終わります。ありがとうございました。

伊吹委員長 菅野君の質疑は以上をもって終了いたしました。

 次に、市村浩一郎君。

市村委員 民主党の市村でございます。

 きょうは、これから二十分いただきまして議論をさせていただきたいと思います。私の議論は二点でございます。まず一点は、民法改正に対する修正について、一方、一点は、今回の公益法人改革に関する税制についての議論でございます。

 まず、きょうは法務副大臣にお見えいただいていると思うんです。先日、内閣委員会でも議論をさせていただいておりますので、それからの続きということでさせていただきたいと思いますが、先日、前々回ですか、私が質問させていただいたときに、伊吹委員長からも、これは国会で決めることだからというふうな力強いお言葉をいただきましたので、私としては、あの後、民法の今回の三十三条二項に関する修正に関する私なりの考えをまとめた条文というのをつくってみました。

 第三十三条二項というものを、「学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益を目的とする法人を含め、非営利事業又は営利事業を営むことを目的とする法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。」ということにしました。本当は、きょうお手元にこの資料をお届けしたかったのですが、なぜかできないということでありますので、ちょっときょうは読み上げるしかないんですが。

 さて、法務副大臣、この間、一度これについての御見解をいただきました。きょう改めてこの場で、この行革特別委員会の場でもう一度、この私の修正案につきまして御見解をいただきたいと思います。

河野副大臣 たびたびお声をかけていただきまして、ありがとうございます。

 委員の作成をされた民法三十三条第二項の修正案を拝見させていただいております。委員の案は、「非営利事業又は営利事業を営むことを目的とする法人」、つまり、A及びAでないものという、全体を分類されております。それに対しまして、我々の提出をしております三十三条第二項は、A、B及びその他という例示をしております。民法が基本的な法律で、国民の皆様にわかりやすい法律にしなければならないというときに、この民法三十三条第二項を読めば、法人というものにどういうものがあるんだろうか、こう見てわかりやすいのがいいのではないかと思います。

 そういう意味で、三十三条の第二項の、公益を目的とする法人、それと、株式会社に代表される営利事業を営むことを目的とする法人、そしてそのほかの法人という、代表的なものを例示している方が、私は国民にとってわかりやすいんだろうというふうに思います。「非営利事業又は営利事業を営むことを目的とする法人」というと、ひょっとしてそれ以外にも何かあるのかもしれないという誤解を与えることになってはいけないと思います。

 そういう意味で、私は、政府から出しました三十三条第二項がよりわかりやすいのではないかという立場をとるものでございますが、委員が大変熱心にこの問題を取り上げていらっしゃるのを私はよく承知しておりますので、委員のお考えを反映された案が国会に出てきて、この特別委員会の場で審議をされ、決するということになるならば、それは国会のお決めになることでございます。

市村委員 本当に国会で議論をしていただきたいと、私は本当に心から思っておりますが、なぜか国会に出せないというような状況があるようでございまして、なぜかわかりません。

 いずれにしましても、もうちょっと議論を続けます。

 わかりやすいということで、今、副大臣おっしゃっていただいたんですが、今の御答弁は何か原稿を読まれながらおっしゃいましたけれども、副大臣が一国民として読んでいただいたときに、本当に今の政府の改正案の方がわかりやすいと思われますでしょうか。

伊吹委員長 その前に委員長から申し上げますが、国会に出す出さないは、国会法に基づくすべての手続が規定されておりますから、市村委員の所属されておられる会派の御賛同を得て、それだけの人数をおそろえになれば、当然出せます。

河野副大臣 先ほど来私が見ておりますのは、これは多分市村委員が出されたものだと思いますが、これを見て答弁をさせていただいておりますが、私としては政府案の方がわかりやすいと思っております。

市村委員 わかりやすさというのもさることながら、私は個人的にはこれは自分たちの方がわかりやすいと思ってはいますが、そこのわかりやすい、わかりにくいという議論は、ここはおくとしまして、前からここでも申し上げておりますけれども、明治二十九年のときの時代と今の時代というのと、時代状況を考えた上で、やはり今の国会ではこの平成十八年の御代にふさわしい議論をしなくちゃならないと思います。

 特に、この非営利という言葉について、確かに、非何とかというのは個人的には好まない言葉であるのは私も同じでございます。ただ、この十年ぐらい、いろいろな意味で非営利という言葉が新聞や本とかテレビでも紹介されるようになってきている、また、それを英語に訳した頭文字であるNPO、これは私がNPOと言い始めて皆さん使っていただくようになったんですが、このNPOという言葉も、皆さん人口に膾炙する言葉というふうになってきました。であれば、このNPOという言葉がわかりにくいということではないと思います。つまり、この現代において、この平成十八年においては、明治二十九年とは違いまして、非営利という言葉も一定の市民権を得ていると思います。

 今の時代、そして今後の流れを考えたときに、せっかく明治二十九年来の大改正をここで政府も考えておられるということであれば、この非営利という言葉をこの三十三条二項の改正の中に盛り込むということはそんなにおかしなことではない、私はこのように思っていますが、この点について、公益法人改革全般を見ていらっしゃる安倍官房長官の御意見を賜りたいと思います。

安倍国務大臣 委員の対案についてでございますが、例えば法律的な観点から、非営利事業という言葉は営利事業という言葉と比べて法令用語としてまだ一般的ではなくて未成熟である、こういう指摘もあるわけでございます。そういう意味において、我々は政府案としてこの委員会にお示しをしている案を提示させていただいた次第でございます。

市村委員 今官房長官の方から、やはり非営利事業という言葉が法律になじまないというお話がありました。

 これまで、非営利という言葉が法律に含まれたことというのは、例の特定非営利活動法人を含め、多分それぐらいかな、もう一個ぐらいあったというようなことも聞いていますが、確かにないかもしれません。だからこそ、逆に、先ほどから申し上げているように、今の平成十八年において、非営利という言葉がこれだけ新聞やテレビ、雑誌、いろいろなところにも出ている、NPOという言葉も躍っている。であれば、ある意味では民法というのは基本法ですから、土台づくりですから、民法にしっかりと非営利という言葉を配置する、置くことによりまして、そして、新しい時代の中でこの非営利が持つ、非営利組織の持つ意味、まさに民の公を担うという立場の非営利組織というもの、非営利法人というものをしっかりと民法に位置づけていくということがあっていい、いや、あるべきではないかと私は思っています。

 ですから、今までないから、だからなくていいんだという発想ではなくて、むしろ、民法にそれを書くことによって、これからの一般法の流れもここでもう一遍しっかりと整理していくんだという流れが私は必要ではないかと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。

安倍国務大臣 この問題につきましては、先ほど法務副大臣から答弁をいたしましたように、民法第三十三条第二項の条文表現としてどのようなものが最も適切かという問題であるというふうに認識をしております。

 委員は、営利事業を営むことを目的とする法人と対立するものは非営利事業を営むことを目的とする法人であるとして、非営利という言葉を明示することの必要性を強調しておられますが、一方、政府案は、あらゆる法人に民法第三十三条第二項の適用があることを示すために、タイプが異なるけれども典型的な法人類型として、「営利事業を営むことを目的とする法人」と「公益を目的とする法人」を例示として掲げているわけでございます。

 委員の案と政府案とは、あらゆる法人に民法第三十三条第二項の規定が適用されるという実際の結果には違いがないというふうに私は認識をしております。結局は、どのような条文が適切かという点においては、これはずっと何回も委員と政府側とで議論をしているわけでありますが、これは見解の相違ではないか、このように思うわけでございまして、要は、実際にどういう結果になっていくかということをやはり重視していくべきではないか、このように思う次第でございます。

市村委員 まさに、どういうふうになってくるかということを重視するという意味で、私は非営利という言葉を入れた方がいいという思いで申し上げております。

 政府改正案の中で例示として挙げていらっしゃる中で、「公益を目的とする法人」と「営利事業を営むことを目的とする法人」というふうになっていますが、実は、営利事業を営むことを目的とする法人の中にも公益を目的とする法人というのはあるんですね。だから、実は例示としても、私は、公益を目的とするということがダブっている意味で、余りこれは適切ではないかもしれない。

 なぜこうなっているかというと、やはり民法三十四条がそうだったからということなんですね。でも、先ほどからこの場でも何回も繰り返しておりますように、やはり明治二十九年のとき、あのときは、どこか大陸民法か何かを持ってきて、それを学んだ、当時の欧州に学んだ、大陸欧州に学んだということだとは思いますが、今はまさに、日本は平成十八年のこのときに、二〇〇六年のときに、今日本がどういう状況にあるのかということを、また日本でどういうことが語られているのかということを重視して、やはり私はせっかくの大改正だからつくった方がいいと思うし、次のことも含めて私は非営利という言葉は使った方がいいと思います。

 これについては、見解の相違と言われればもう議論にはなりませんので、もうこれ以上議論ができないのかなと思いますが、ただ、将来、ひょっとしたら総理大臣になられるのじゃないかということで皆さんが期待されているお一人である安倍官房長官には、やはり御自分が総理大臣になられたときに、どういう世の中を、日本をつくっていくのかというビジョンを描かれたときに、やはり私は、民の公であるこのNPOなり非営利組織というものの存在、重要性というのは十分御認識いただいていると思いたい、思っておりますので、その点ちょっといかがでしょうか、その辺についての御見解だけこの議論については最後にいただきたいと思います。

伊吹委員長 安倍官房長官、認識を述べてください。

安倍国務大臣 今委員が御指摘になられたような認識を我々も持っているからこそ、明治二十九年以来の大改正を行って、公益を担うものについてはすべて官が取り仕切るという考え方を改めたということではないか、このように思っています。

市村委員 きょうは、中馬大臣、済みません。そもそも行革特でこの公益法人をやること自体、ちょっと私は問題意識を持っていますので、きょうはちょっと中馬大臣にはお聞きできないことは申しわけございません。

 では、もう一人、将来の総理大臣候補とされている谷垣さんに、最後にちょっと、五分だけ税制の議論をさせていただきたいと思います。

 何回もここで申し上げているように、一番重要なのは税なんです。実はこうした公益法人改革等で一番重要なのは税でありまして、これまでは、法人格に漏れなく税がついてくるから、いかにも法人格が重要かのように思わされてきましたけれども、今回の法人格と税が分かれてくるということになると、むき出しの税が出てくるわけであります。実はこのむき出しの税の部分というのが重要でありまして、そうなってくると、ああ、どうも法人格というのはそれほど意味がなかったんだなということに、恐らく皆さん、これからお気づきになられてくると思います。やはり重要なのは税だということになってきます。

 私が懸念していますのは、今回の公益法人改革の法案が通った後、この秋から税制が議論されるときに、ここでまた高いハードルを税制でかけられたとしたら、結局同じなんです。そもそも法人格じゃなかったわけですから。法人格に漏れなく税がついてきたことによって法人格が何か重要かのように思われてきたわけでありまして、そもそも税なんですね。法人格に漏れなくついてきた税の方をみんな見て法人格を取りにいったわけですから、結局、この秋口からの議論で税の議論をするときに、ここでまた高いハードルをかけられて、税の優遇措置が行き渡らない、増大しないということになると、結局また同じ。また官の都合のいいところばかりが税制上の優遇措置を得て、同じような天下り先になっていく可能性だってあるんです。

 そういった意味で、私はこの間から、税がつくる社会もあると。基本的には公平、中立、簡素が税であるけれども、税がつくっていく社会もあると私は思ってこの間から議論させていただいておりますが、もう一度この辺の認識について、谷垣財務大臣、また将来の総理大臣候補のお一人から、私はぜひとも御見解をお伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 私も委員と同じように、今議論をされている問題で税が果たす役割が大きいという認識は、委員と共通にしているわけでございます。

 それで、今までもいろいろなこういう関係の税制は少しずつ整備をしてまいりまして、ことしの税制でもまた改正をお願いしている。それから、これも委員と議論をさせていただいたことでございますが、既に基本的考え方というのも発表させていただきまして、今回の公益法人制度の改革の方向に沿った税制改革もやっていくということも方向を示させていただいているわけであります。

 したがいまして、重要性ということはよく認識しておりますし、制度設計、今後の法人制度の制度設計に合わせまして、かなり、具体的なところは政省令にゆだねられているところが多うございます。残余財産の帰属はどうなるかとか、あるいは、実際に寄附を受けたものが本来の目的に使われず、内部留保なんかで余りしまい込まれてしまうようじゃ本来の目的は果たせないじゃないかと、そのあたりの制度設計とよくボールをやりとりしながら、きちっと制度設計をさせていただきたい、このように思っております。

市村委員 やはり、明治二十九年来でき上がったこの今の体制というのは、なかなかのものがあります。これを変えていくというのは、もちろんこれで終わりではなくて、これからまた不断の努力が必要になってくると思います。そのときに、今、財務大臣、強い御決意を述べていただいたと私は思いますが、やはりここで、税の部分でしっかりとした制度設計がされない限り、先ほどからも申し上げておりますが、結局もとのもくあみ、同じことになると私は思います。

 ですから、この秋口からの税の議論におかれましては、やはり税がつくっていく社会がある、税が引っ張っていく仕組みがあるんだということを私は何度も申し上げておりますが、ぜひともアメリカの制度、またヨーロッパの制度も参考にしていっていただきながら、民間の公を担う存在であるNPO、これは公益法人を含む概念としてのNPOでございますけれども、大きな意味でのNPOでございますが、日本においては、例えば学校法人や社会福祉法人、医療法人とかを含む概念として考えられるべきだと思いますが、こうしたものがやはり一つの民の公を担う存在として認識され、かつ大切なものだということで認識された上で税制がしっかりつくられていくということが必要だと思います。

 だから、そのことを強く私からも御検討することをお願いしまして、最後に、財務大臣それから官房長官からも一言これにつきましての御答弁をいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

伊吹委員長 それじゃ、財務大臣、官房長官の順に簡潔に答えてください。

谷垣国務大臣 今回の公益法人制度改革の精神をきちっと踏まえて税制の設計もしていきたいと考えております。

安倍国務大臣 まさに今財務大臣が答弁をいたしましたように、今回の改革は、民間が担う公益を我が国の社会経済の仕組みの中にしっかりと位置づけていくことであろう、このように思うわけであります。その中で、まず仕組みをしっかりとつくった上で、税によって寄附の文化をつくっていく、そういうインセンティブを与えていくということも当然考えていかなければいけないんだろう、このように思っております。

市村委員 終わります。

伊吹委員長 市村君の質疑は以上をもって終了いたしました。

 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 民主党衆議院議員の大島です。質問をさせていただきます。

 まず、前回の我が党の長妻委員からの質問で、会計検査院の院長に対して検査対象団体への再就職状況について知らせてほしいという要求をさせていただいております。このことにつきまして、課長相当職未満と、あと課長以上の方と二つに分けて、どうなっているのか、御説明をしていただければ幸いでございます。

大塚会計検査院長 先般、四月十三日の当委員会におきまして、長妻委員から、幹部以外の者、つまり企画官を含む課長相当職未満の者で会計検査院の検査対象に再就職した者の人数を提出してほしいという御要請がありました。

 国家公務員の退職後における再就職の状況は、公務を離れた個人に関する情報であり、課長相当職未満については公表を予定していない情報でありますが、本院が把握している範囲で調査したところでは、十三年度分で一人一団体、十四年度分で二人二団体、十五年度分で一人一団体、十六年度分はありません、十七年度分で二人二団体となっており、十三年度分から十七年度分まで計六人、延べ六団体となっております。

 なお、課長相当職以上の者については、前回資料をお示ししましたように、総計十五名となっております。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 次に、前回の十三日木曜日の審議の中で、総理大臣から、随意契約でなくても、競争入札できるのに随意契約したのはおかしいということでしょう、だから、よく点検して、競争入札できるものは競争入札するという答弁がございまして、今回の当委員会での議論は、随意契約についての不信感というんですか、それがまだぬぐい切れていないという点が委員の審議でわかってきたと考えておりまして、そうしますと、随意契約について、本省あるいは地方支分部局、独立行政法人など、会計検査院にそれぞれの随意契約を一度すべて検査をしてもらう必要があるかと考えております。そのことによって各省庁、地方支分部局あるいは独立行政法人等の契約の信頼感が高まってくると考えております。

 つきましては、会計検査院として、今後、その首相の答弁も踏まえて、契約内容について、特に随意契約について総ざらいするおつもりがあるかどうか、御答弁いただければ幸いです。

大塚会計検査院長 会計検査院では、契約の競争性、透明性が確保されているか、競争に付することができるものまで随意契約に付されているものがないかについてはこれまでも検査をしてきておりまして、不適切な事態が発見された場合には、指摘したり改善を促したりし、その結果を決算検査報告に掲記し、国会に御報告してきたところであります。

 会計検査院は、現在、法律に基づき、多数の国の機関や国の出資法人が実施しているさまざまな事業について、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性等のさまざまな観点から検査を実施しております。

 その中で、すべての随意契約について悉皆的に綿密な検査を行うことは、その対象が膨大になると思料されますことで非常な困難な面があると考えられ、何らかの抽出が必要となると考えられるところではありますが、契約の競争性、透明性が確保されているか、競争に付することができるものまで随意契約に付されているものがないかについて、特に国会等におきまして御議論がなされていることは承知しており、ただいまの先生の御指摘も踏まえまして、会計検査院としても検査を行っていく必要があると考えております。

大島(敦)委員 この随意契約につきまして、当委員会でも、きょう、各省庁にお願いしまして契約の実態について膨大な資料を提出していただきました。私たち議員が一件一件チェックするというのも、私たちの本来業務とは思うんですけれども、そこまで膨大な時間を使うには物理的な制約もございますので。会計検査院には、我が国の契約の実態の全体観があり、その中で随意契約の割合があり、この何%はしっかりと今まではチェック、検査をしてきたと。ですから、全体観がわからないと、どうしても安心して国の契約がどうか判断できないものですから、まことに申しわけないんですけれども、もう一度会計検査院の院長から、期限を区切って、例えば来年の秋とか一年間とか区切って、国の契約の実態について調査をして報告すべきであるという内容の答弁というんですか、決意がいただければ幸いです。

大塚会計検査院長 省庁等の随意契約につきましては国民の関心も非常に高いものと考えておりまして、それに対する検査の状況につきましては、ある程度まとまった段階で報告する必要がある、こんなふうには考えております。

 先ほど申し上げましたように、この随意契約、非常に数が多いわけですね。これを我々の今までやってきました検査のやり方で一つ一つそれがおかしくないかどうかということを見ていくとなると、本当に何十年とかかるかもしれませんので、言ってみれば、ある一定の抽出をさせていただいて、そして、どういう範囲内でどれだけやって、その中でどういう問題があったかということを、委員御指摘もございましたので、一年ぐらいかけましてしっかり検査をしていきたい、こんなふうに考えます。また、場合によりましてはその進捗度合いについて御報告したい、こんなふうに考えております。

大島(敦)委員 ありがとうございます。

 続きまして、前回の質疑の中で、我が党の松野委員から内閣府の発注について質問がありまして、その結果について御答弁をいただければ幸いです。

山口副大臣 政府広報も担当する副大臣としてお答えをいたします。

 四月十三日の本委員会の質疑におきまして、松野議員の質問に答弁したとおり、政府広報ウエブサイトの運営等に関する日本広報協会との随意契約については、平成十七年十二月から一般競争入札への見直しを行ったところでございます。

 見直しを行う前においては、日本広報協会が広報の手法その他の政府広報全体に関する専門的な知識経験を有していることのほか、ウエブサイトの開設当初から日本広報協会にウエブサイトのデザイン作成も含めて運営等の業務を行わせており、同協会がウエブサイトのデザイン等に関する著作権を有していた、これを随意契約の理由としていたところでございます。

 そして、この契約につきましては、他の事業者も含めて競争性を高める観点から、一般競争入札変更に当たり、日本広報協会が有していた政府広報ウエブサイトに関する著作権については同協会との協議を経まして内閣府が譲渡を受け、平成十七年十二月以降の契約の仕様書においては、著作権は政府広報室に帰属する旨を明記したところでございます。

大島(敦)委員 これまで随意契約を行っていた理由というのは、これは政令の中で特許権等の排他的な権利ということで随意契約に該当するという理解のもとに随意契約だったと思います。この特許権等の中には著作権も入るということになりますから、これを根拠として随意契約をしてきたかと思うんですけれども、予算委員会等での松野委員からの指摘もありまして、この著作権の発生を、発注時に発注者が著作権を持つというような契約に変えることによって随意契約から競争入札にできるようにしたかと思うんですけれども、その理解でよろしいでしょうか。

山口副大臣 委員のおっしゃるとおりでございます。

大島(敦)委員 そうしますと、会計検査院の院長にもう一度答弁願いたいんですけれども、随意契約の理由については、踏み込んで随意契約の理由について検査していかないと漏れが出てくるかと思うんです。これも各委員会で相当松野議員が求めたことによってようやく変わったと私は理解をしておりまして、ですから、会計検査院では、ただ単に排他的な理由だから等々、その理由を信じるのではなくて、それがどうしてできないのか、あるいは競争入札にできる可能性があるかどうかも含めて検査をしていただけると助かるんですけれども、その点につきまして院長の答弁を求めます。

大塚会計検査院長 著作権等の排他的権利の保護を含め、契約の性質または目的が競争を許さないとして随意契約に付されているものについて、競争に付する余地はないか、あるいは改善点がないかについて、これまでも検査してきたところであります。

 ただいまの先生の御指摘も踏まえまして、そういった点に常に留意してこれからも検査してまいりたい、こんなふうに考えております。

大島(敦)委員 ぜひこの点についても踏まえて会計検査院の職員の皆さんが検査をされることを望みます。

 そしてもう一つ、先ほどの一般競争入札に十八年度から内閣府はしたと言うんですけれども、それでは、十八年度はどこの会社が契約をしたかについて教えていただければ助かるんですけれども。

山口副大臣 応札したのは日本広報協会一社でございます。

大島(敦)委員 ウエブサイトの作成というのは、それほど技術的に高いレベルが求められるとは考えにくいと思うんです。したがいまして、競争入札にかけたとしても、今まで随契をしていた日本広報協会が再び契約をするというのは、正しく競争入札が行われていたかもしれないんですけれども、疑わしいと思うのが一般的な気持ちというのか解釈なのかなと思うんですけれども、そこのところにつきまして、もう一度、これは内閣府の副大臣から、どうなっているのか、御答弁いただければ幸いでございます。

伊吹委員長 山口内閣府副大臣、経過を明確に説明するように。

山口副大臣 委員のおっしゃるのは、私ももっともだと思います。

 一応、ことしのは、急だったということもあるのかもしれませんけれども、今までの、各省庁の緊密な連携のもとでタイムリーにそういったことを作成し配信する等の高度な運用能力が求められたために、他の参加するものが現在のところではなかったと考えるわけでありますけれども、しかし、こういう方向に来たからには、もっと幅広く、広報等も含めてしっかりと一般競争入札を踏まえてやらせたい、こう思っております。

大島(敦)委員 この問題につきまして、最後なんですけれども、会計検査院の大塚院長に再度御答弁願いたい。

 事ほどさように、随意契約について、一般競争入札をしたとしても、その相手方が、今山口副大臣の御答弁もありましたとおり、一般的にはその疑念を払拭できないわけですよ。ですから、会計検査院の皆さんの仕事の精度というのが求められるものですから、再び会計検査院としてこの随意契約についてしっかりと精査をして、国会の審議でこういう問題が審議されることが私は好ましくないと思っていまして、ほかにも政策的な課題がたくさんあるものですから、この審議を今後続けさせないためにも、ぜひ会計検査院の方でしっかりと検査をして報告を願えるということについての、再び求めたことに対しての御答弁をお願いいたします。

大塚会計検査院長 今、お話を伺っていまして、随意契約から一般競争入札に変更しても実態は変わっていないということでございました。

 本院は、一般競争入札に変更した後で内閣府に対する検査についてはまだ行っておりませんから、その契約内容や契約の履行状況についてはこれから検査する予定であります。と同時に、先ほど委員から御指摘のありましたように、随意契約について、一定の範囲を検査院として随意契約を抽出いたしましてこれに取り組みたい、こんなふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

大島(敦)委員 抽出ということだったんですけれども、やはり全件につき一応お目通しいただいて、私たちが安心して、随意契約について、国会で行政監視の仕事から随意契約が外れることを願うというのかお願いをしまして、次の話題に移らせていただきます。

 院長はもうお帰りいただいて結構でございます。

伊吹委員長 それでは、大塚会計検査院長、お引き取りいただいて結構です。

大島(敦)委員 それでは、先ほどの随意契約、そして随意契約から競争入札になっても同じような公益法人が受注するということで、もともと今回の公益法人改革は、一つには民が担う公ということと、もう一つは委託業務型の公益法人改革という二つの目的があっての公益法人改革だと考えております。私も、これまでNPO法人の方を初め、関係団体の方といろいろと意見を交換させていただきました。

 まず、中馬大臣に、今回の公益法人改革の目的が何であるのか、手短に御答弁していただければ助かります。

中馬国務大臣 もう仕組みは十分御存じでしょうから目的だけ申しますと、今回の改革は、これまで主務官庁というのがありました、この主務官庁の直接の関与を外しまして、行政部門や民間営利部門では満たすことのできない社会のニーズに対しまして多様なサービスを提供し得る民間非営利部門の活動の健全な発展を促進することを重要な目的としておりまして、民が公を担うための環境整備を行うものだ、このように御認識いただきたいと思います。

大島(敦)委員 続きまして、今回の質問をさせていただいている内容なんですけれども、その事務局は委員会に報告する資料の中立性が求められていると思います。また、法人の業務内容について税務的な観点での検討も必要であると考えています。

 したがいまして、事務局は役所出身者を排除して、民間からの派遣や税務に精通した公認会計士や税理士で構成すべきと考えますけれども、大臣の御所見を伺わせてください。

中馬国務大臣 おっしゃるとおり、事務局の役割が大事だと思いますが、この委員会の委員が独立性、中立性を保ちつつ、財務、税務その他の各分野における専門的な知見にも欠けることがなく適切に判断できるように所要の体制を整備する必要があると考えておりまして、そのあり方については、公認会計士、税理士といった資格を有する者の民間からの登用も含めて幅広く検討してまいりたい。しかし、公務員を排除するとか、そういったことじゃなくて、幅広い国民の方々の意見を公正に代表される方を委任させていただきたいと思います。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 特に、今回の委員会、公益性を認定する委員会は七人、そして常勤が四人の小さな委員会なものですから、その事務局の中立性と公平性が求められていると思いますので、その点につきましても留意をお願いいたします。

 続きまして、今回、国での公益性を認定する委員会を支える事務局なんですけれども、七千の、公益、国管轄の財団、社団があるものですから、大人数の組織となることが予想されております。

 政府は、五年間で国の行政機関の定員を五%以上純減させることとしておりますけれども、それとの関連性をどう考えたらいいのか、御答弁をお願いいたします。

中馬国務大臣 今回の公務員改革は、何か一律に減らすわけじゃありません、めり張りをきかしていこうということでございます。

 その中で、この事務局はかなり事務量も大変だと思いますね。二万六千の公益法人をずっと見直すことになります。ある程度の人数は必要だと思いますけれども、その人数につきましても今決まっているわけじゃございませんが、ともかく、今回の趣旨を踏まえまして、行政改革推進法にあります行政組織のスリム化の観点も十分に踏まえて対応してまいりたいと思います。

大島(敦)委員 これは一つ提案なんですけれども、公務員の方を事務局としてお願いすると、組織が大きくなることが懸念をされます。これから法施行後五年間のうちに七千の財団、社団の組みかえをしていくわけですから、ピーク的な事務の処理が必要だと考えておりまして、そのためにも先ほど申し上げました税務に精通した公認会計士や税理士で構成するような民間の活用が重要だと思うんですけれども、その点についての大臣の御所見を伺わせてください。

中馬国務大臣 先ほど申し上げましたように、公認会計士、税理士を含めた資格を有する者の民間からの登用、これも幅広く検討してまいります。

大島(敦)委員 もう一つは、財団法人、社団法人の関係者であっても――大きな財団法人、社団法人の方ですと、今回の改正につきまして大きな関心を持っていらっしゃいます。しかしながら、なかなか今回の新制度について理解が深まっていないかと思いますので、その周知徹底、国民に対しての今回の制度の周知徹底を図る必要があると思いますけれども、その点につきましての大臣の御所見を伺わせてください。

中馬国務大臣 おっしゃるとおりまだまだ理解されていないと思いますが、これは、新制度の着実、円滑な実施に向けまして、国民一般及び公益法人の関係者に対しまして新制度の周知徹底を図っていくことが極めて重要であることは認識をいたしております。このため、法律の施行を公布の日から二年六カ月以内と少し延ばしておりますので、十分な周知、準備期間を置くこととしております。

 と同時に、法案が国会で成立を見た場合には、政省令等の整備も進めつつ、わかりやすいパンフレット等を作成し、また、広く国民一般に広報するとともに、各府省庁、各都道府県の実務担当者、全国の公益法人の関係者に対しまして説明会や研修を積極的に行い、新制度の周知徹底に努めてまいる所存であります。

    〔委員長退席、今津委員長代理着席〕

大島(敦)委員 続きまして、政省令で今後対応するものが多いかと思います。答弁でも、政省令で対応していくという答弁が多かったと思います。つきましては、今後、国民の意見を聞くことも必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

中馬国務大臣 おっしゃるとおり、かなりの細部にわたって政省令にゆだねるところが多いと思いますが、政令、府省令を定めるに当たりましては、行政手続法に基づく意見公募手続等によりまして、パブリックコメントですね、国民の意見を幅広く聞いた上で、適切な内容を策定してまいりたいと考えております。

大島(敦)委員 続きまして、新制度は、これまで議論がありました、まだ確定をしているわけでもなく、多分、法施行後、さまざまな問題点あるいは不都合な点があるかもしれません。したがいまして、必要に応じて制度を見直すことが考えられますけれども、その点についての大臣の御所見を伺わせてください。

中馬国務大臣 これは、かなり画期的な制度改正でございますから、その点は、これを実施に移した場合にいろいろ問題が出てくるかもしれません。

 そういうことで、今回の法案には、法律の施行後適当な時期に、法律の施行状況等を勘案し、必要があると認めるときは、法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の見直し規定を設けているところでありまして、その趣旨に沿って適切に対応してまいりたいと考えております。

大島(敦)委員 続きまして、公益性の概念につきましての質問なんですけれども、公益社団法人、公益財団法人となるための公益性につきまして、具体的な例示を示していただけると助かります。

山口副大臣 お答えいたします。

 今質問の公益法人認定法案では、公益認定の申請を行う法人の予見可能性を高めること等を目的として、公益となるものと考えられる事業の種類を公益目的事業として別表に、二十三なんですけれども、掲げて列挙しております。これに加えまして、法律において認定基準として、公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること、そして、この公益目的事業の規模の割合がすべての活動の規模の五〇%以上を占めていることが客観的な基準と定めております。

 これらの認定基準については、今回の公益法人制度改革の趣旨を踏まえまして、申請者が法令に基づき公益性を満たしているかどうかの判断をできる限り客観的に行いやすいものとするとともに、民間の有識者から成る国及び都道府県の合議制の機関においても、客観的、中立的に公益性の判断ができるものと考えております。

大島(敦)委員 この公益性の判断というのが非常に難しい判断だと思います。主観的な判断ですし、国民の常識的な判断でもあるかと思います。それを認定委員会が多分決めるのかなと思っておりまして、例えばアムネスティ・インターナショナルだと、直観的には公益性があるのかなと。ほかの業界団体の財団、社団ですと、公益性があるかどうかというのは、これはちょっと精査しなくちゃいけないかなと思いまして、この点につきましても公正中立的な判断をしていただきたいと考えております。

 続きまして、現在、寄附金の損金算入が認められている特定公益増進法人は千弱と聞いております。改正後、公益性の認められる法人数はどのくらいになるのかなというところについて質問させてください。

山口副大臣 認定の基準は、現行の公益法人の設立許可及び指導監督基準、これは平成八年九月の閣議決定なんですけれども、この考え方を基本としております。

 現在、指導監督基準をすべて満たしていない現行の公益法人も相当数あるのかなというのが実情であります。これらの法人においても、事業や組織運営等を見直し、公益認定の基準に合致するよう改善した上で公益認定の申請ができるように、移行期間が五年あるわけでありますから、こういうことで設定いたしました。

 また一方、現行公益法人の中には、実質的にはもう公益性が薄れてしまって公益認定の基準に適合しないところも出てくるわけでありまして、みずからの意思で通常の一般社団法人、一般財団法人に移行することを選択することも想定されるわけでありまして、今おっしゃられた、法人数幾つということは、ちょっと困難でございます。

大島(敦)委員 次に、業界団体について、公益性の認定をどうするかにつきまして御所見を伺わせてください。

山口副大臣 ある特定の団体が公益認定を受けるか否かについては、現時点において判断を申し上げることは差し控えたいのでありますけれども、ただし、御質問のいわゆる業界団体については、平成十六年の十一月に取りまとめられました公益法人制度改革に関する有識者会議の報告書の中で、構成員が同種の業を営む者等の特定の者に限られていることのみをもって公益性のない法人とみなすのではなく、法人の本来的目的が公益であって、その目的に応じた事業を行うなど必要な要件を満たしていれば、公益性を有すると判断することが適当である旨が指摘をされております。

 これを踏まえれば、公益認定の申請を行った法人の事業や組織、財務の実態等を踏まえまして、国及び都道府県の合議制の機関が法令に定められた認定基準に適合しているかどうかを判断しまして、これに基づいて内閣総理大臣または都道府県知事が認定することが適当であると考えております。

大島(敦)委員 現行の社団法人、財団法人の中には、本省や地方支分部局、独立行政法人などと取引の割合が大きい法人があります。内容が委託あるいは請負、または物品購入である場合でもそれらの法人に公益性を認定するのか、お聞かせください。

山口副大臣 新制度のもとでは、公益認定を申請した法人について、その取引の大部分が国の機関等を相手としているか否かといった取引形態のみをもって一義的にその法人の公益性を判断することはできないと考えております。

 実際に公益認定をするに当たっては、個々の申請ごとにケース・バイ・ケースで判断が行われることとなりますが、その中で、申請をした法人が行う事業が不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものであるかどうかや、その法人の組織、財務等の実態が法令の定める基準に適合するか否かといったことについて、個別具体的な事実関係を踏まえて判断されるべきと考えております。

大島(敦)委員 続きまして、都道府県での公益性の認定に当たって、基準と判断に関して都道府県ごとの地域差が出てくると思います。委員会の認定に当たっては統一的な基準が必要と考えますが、いかがでしょうか。

山口副大臣 今回、新たに公益認定制度を創設する趣旨は、公益性を、現在の主務官庁の裁量による縦割りでなく、統一的に判断する透明性の高い仕組みをつくる。この趣旨を徹底して、公益認定を、専門的知見を有する合議制の機関をもって、もう何度も言ったことなんでありますけれども、このため、公益法人認定法案では、公益認定の基準等を法令で明確に定めるとともに、公益認定や監督処分等にかかわる判断に当たり、都道府県においても国と同様の合議制の機関を関与させることとしておりまして、全国を通じて一律の基準等にのっとって適切な公益認定が行われると考えております。

 なお、仮に内閣総理大臣または都道府県知事の間で制度の運用にばらつきが生じた場合には、内閣総理大臣は地方自治法に基づき技術的な助言、勧告、是正の要求等の措置を講じることができ、特に必要がある場合には、公益法人認定法案に基づき、内閣総理大臣から都道府県知事に対し、公益社団法人、公益財団法人への勧告、命令、認定の取り消し等の措置を講ずるよう指示することができます。

大島(敦)委員 続きまして、現行の公益法人の正味財産は全部で十九兆円あります。十九兆円。今回の公益法人改革によって、一般社団になるのか、あるいは公益社団・財団になるのかによって、十九兆円の行方は大きく変わってくるわけです。

 公益社団、公益財団になった場合には、十九兆円はすべてそのままその社団、財団の財産として継続をするわけです。これが一般社団、一般財団の場合には、その帰属について、例えば、その一般社団、一般財団が、認定の委員会が認められた公益事業をすれば、その財産については使用が可能であるとしておりますけれども、もしもその一般社団、一般財団が公益性のある事業を営まない場合には、その財産というのは寄附ということが求められているかと思います。それは、同種の財団、社団に対する寄附、あるいは学校法人、社会福祉法人、そして国も入ると思うんですけれども、十九兆円ですから、今の財団、社団すべてが公益社団、公益財団になるとは考えられませんので、大きな正味財産が宙に浮いてしまうおそれがありまして、この財産の行方につきまして、どのような規制があるのか、御説明をしていただければ助かります。

山口副大臣 この点については、内閣総理大臣または都道府県知事の認可を受けて一般社団法人、一般財団法人に移行する法人についても、正味財産相当額については、移行後、公益の目的のための支出がなされることとなっております。

 このため、公益法人制度改革関連整備法案におきましては、通常の一般社団法人、一般財団法人に移行した後も公益目的のための支出を継続することを、移行に当たっての認可の要件としております。さらに、この公益目的のための支出が計画的に行われるよう、内閣総理大臣または都道府県知事が監督する制度も設けております。

 この公益の目的のための支出としては、国や地方公共団体、公益社団法人、公益財団法人等への寄附のほか、移行した法人みずからが行う公益を目的とする事業のための支出も含むことといたしました。

 これは、現行の公益法人が保有していた財産は、その法人が行う公益のための事業に使用されることを期待して寄附されたり、会費などで納められたりしたものでありまして、可能な限り、これら寄附者などの意思に沿った使い道になることが適切であることから、国や地方公共団体への寄附だけでなく、移行した法人が実施する公益を目的とする事業をも認めております。

 このような取り扱いは、今般の行政改革の趣旨である、民でできることは民でということや、公益法人制度改革の趣旨である、民による公益の担い手を拡大することにもかなうものであると考えております。

大島(敦)委員 金額が、十九兆円という非常に高額な金額です。そして、ただいま山口副大臣から御答弁ありましたとおり、その出資というのか、その財団に財産を寄贈した人の意思に従うべきというところもわかるんですけれども、国直轄の社団法人、財団法人は、やはり国の事業の委託を受けて営んできたケースが多いかと思うんです。

 これまでの社団、財団は、その利益、剰余金については非課税であったかと考えておりまして、非常に長い歴史のある社団、財団の積み上がった財産というのは、一義的には国家、国民に帰属すべきであると私は考えるんですけれども、その点につきましての政府の御所見を伺わせてください。

山口副大臣 現行の公益法人が、通常の一般社団法人、一般財団法人に移行する場合には、移行後、公益的な事業の実施や公益的な法人への寄附を計画的に行うという仕組みにはなっております。

 このような仕組みの中で、行政から事務の委託を受けている法人についてのみ一律に財産を国に寄附させるという取り扱いは、事業や財産について多種多様な実態に応じた法人の自主性、自律性を損なうものであります。

 また、国への寄附の強制は、法人がこれまで行っていた公益的な事業の継続にも支障となり、民間非営利部門における公益的活動の促進という改革の趣旨にも反することになりかねず、適当ではないと考えております。

大島(敦)委員 今の御答弁も、法律的にはそうだとは思うんですけれども、実態として、今の国認可の公益の社団、財団の、今のこの瞬間いた理事の皆さんが、これまでの何十年間の経緯も踏まえて、その瞬間いた理事の方が出される結論が、どこに財産を寄附するかということについて、それは慎重に扱わなければいけないと思いますので、その点につきましても留意をお願いいたします。

 最後になりますけれども、今回の公益法人改革というのは、民法の三十四条を廃止することによって、民が公を担うという大きな国の改革であると考えております。

 制度としては、これまでの議論を踏まえても、たびたび議論がありましたとおり、税の問題がなかなかクリアになっていないという点はございます。しかしながら、一定の前進であるとは認識をしておりまして、今後とも、この新しい、特に我が国において、ドネーション、寄附による文化を育てること、そして、そのことによって民間が公を担うということは大きな前進であると考えておりまして、私どもの、例えば岩國哲人さんは、市役所には第一市役所と第二市役所がある、第二市役所というのは、NPO法人だったり、一般社団、一般財団、公益社団、公益財団だったり、官ではない、民が担う市役所があってもいいのかということを言ってもいらっしゃいます。

 したがいまして、今回の改革は、国の大きな制度の運営の上で期待を持てる見直しであるとも考えておりまして、その点につきまして、ぜひ、税制も含め、そして公平な、先ほどの十九兆円の積み上がった大きな財産の行方も踏まえまして、慎重に今後も対応していただければと思い、私からの質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今津委員長代理 これにて大島君の質疑は終了いたしました。

 次に、渡辺周君。

渡辺(周)委員 引き続き質問をさせていただきます。ほかの委員会の都合で、出席いただく防衛庁長官並びに国土交通大臣が少々おくれるということでございますので、まず初めに総務大臣に質問をさせていただきたいと思います。

 先週のこの委員会で、我が党の長妻委員が、会計検査院の天下りということで指摘をしました。その点について、それはなかなかプライバシーの問題もあって出せないというような院長からの答えがありまして、総理に見解を求めたところ、常識的に考えれば、どこのだれとは言わないまでも人数ぐらいは出せるんじゃないかというような議論があったことは恐らく御存じかと思います。また、その場に居合わせた方々は御存じのとおりだと思います。

 会計検査院と並んで、我が国のいわゆる監視機関といいますか、やはり決算あるいは行政の適正という意味においては、総務省の行政評価局、かつての行政監察局ですね。

 私も、かつて諫早湾の干拓事業を十年、当選して間もないころに旧民主党でかかわった際に、行政監察局が、干拓事業、これは諫早ではありませんでしたけれども、たしか愛知県の知多半島あるいは熊本県の方のダムの事業が滞っていて、これはもう余り事業としてやる意味がないんじゃないか、見直せというようなことをたしか勧告をして、一つそれを我々としてのよりどころにして、この点についての公共事業のあり方について質疑を深めたことがございました。

 その現在の行政評価局なんですけれども、この行政評価局というところも、国民の関心のあるテーマについては当然調べ、そして是正すべき部分は勧告をするというような役割を担っているわけでありますけれども、この行政評価局についてお尋ねするのは、この行政評価局の方々が他の省庁の関連団体等々に天下りをしている実態というのはあるのかどうか。その点について、まず総務大臣、お答えいただけますか。

竹中国務大臣 渡辺委員御指摘のように、総務省の行政評価局、これは政府内部でのチェック機能として大変重要な役割を果たしているというふうに私も認識をしております。

 お尋ねの件でございますけれども、当省において把握をしている平成十三年から十七年までの課長相当職以上の再就職状況について申し上げますと、本省の行政評価局、そして管区の行政評価局、これはブロックでございます、及び行政評価事務所、県等々の事務所の幹部の退職者数は、この期間で八十七名でございますけれども、このうち、社会保険庁の社会保険事務局そして社会保険事務所に再就職した方が十一名いらっしゃるということでございます。その割合は一二・六%でございます。

 再就職は、みずからの経験、知見を生かせる職場として再就職先を決定されたというふうに承知をしております。

渡辺(周)委員 今ございました十三年から十七年の間にこれだけの方々がほかの省庁に行っていらっしゃるということでございます。

 実は、今、八十七名のうち、社会保険庁社会保険事務所に十一名行っているということでございます。それ以外の、実は私もちょっと幾つかの資料を見て、これは私の調べた数でございますが、幾つか見ますと、厚生労働省が所管をする独立行政法人あるいは公益法人に行っているケースが非常に多いんですね。

 これは、そういう事実は認識していらっしゃいますか。ちょっとその辺の数を御存じでしたら、ぜひ御答弁ください。

竹中国務大臣 改めて私の方でも数字を見てみたのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、申し上げた期間で退職した分母が八十七名、そして再就職した者が七十一名。その内訳は、学校法人、財団法人、社団法人等の公益法人、そして独法もございますし、民間企業等々、これはちょっと統一性を見つけることができるのかどうか、なかなか区々だなというふうに思うんですけれども。今、社会保険庁はまとまった数がございましたので十一名というふうに申し上げましたけれども、複数の者、こういう目立った形で複数の者が再就職している団体としては、ほかに、七名再就職しているのでございますけれども、独立行政法人雇用・能力開発機構がございます。

渡辺(周)委員 今ございます雇用・能力開発機構、これは旧労働省のかの有名な私のしごと館の所管をしている法人でございます。

 ぜひここでちょっと御認識を持っていただきたいなというふうに思うんですが、これは総務省が平成十六年十月八日に出しました行政評価・監視というような報告がございます。評価・監視結果に基づく勧告ということで、国民年金業務を中心として「年金に関する行政評価・監視」というのを出されていますね。

 この年、平成十六年というのは、年金のいわゆる未納問題が国民的な大変な問題になりました。これは、我々政治家もそうでございましたし、最終的には、いわゆる著名なニュースキャスターの方まで年金を払っているか払っていないかというようなことで、大きな社会問題にもなったわけでございます。

 この年ですから、当然、年金の未納の問題あるいはそのシステムの問題も議論になりましたけれども、もう一つ問題になったのは、これは当時我が党も再三追及をしてまいりました、いわゆる社会保険庁の施設で年金が流用されて、あのときはもう随分取り上げられましたから何度も言うまでのことはありませんけれども、例えば長官の黒塗りの車になっていたとか職員の官舎になっていたとか、あるいはゴルフボールになっていたとか同窓会費になっていたとか、次から次へと出てきたのは記憶に新しいところでございます。

 例えばそういうことは、全然この「年金に関する行政評価・監視」の勧告の中には出てこないんですね。出てくるのは、年金に関する問題として、適用業務等の的確な実施だとか、保険料徴収業務の的確かつ効果的な実施とか、社会保険事務局等の定員配置の見直しとか、どちらかというと年金の徴収の問題に絞って評価がされているわけです。これは、十月に出された第一次勧告、十二月に出された第二次勧告もそうなんですが、結果として、この点については年金の問題のみに終始している。

 この十二月に出されました第二次の勧告の中にありますのは、「経緯」として、「年金法案の国会審議やマスコミの報道を通じて、社会保険庁の年金業務の問題点が顕在化。特に国民年金の未加入問題や未納問題について、世論の厳しい批判 五月十四日の麻生総務大臣の指示を受け、国民年金業務を中心として行政評価・監視の実施に着手」ということで、総務省の方に聞きましたら、国民的に関心のあること、あるいは社会通念上これはやはり問題ではないかと思うことについて着手をするというような慣例を聞きましたけれども、この中には、そうした、例えば社会保険庁の中にある、年金の問題じゃなくて年金の流用の問題、公私混同と言われるような問題が、実はこの行政評価・監視の勧告の中には全然出てこないんですね。

 それを考えますと、これはもしかしたら、天下りを引き受けていただいている関係上、やはり引け目があってここら辺については実は言えなかったんじゃないのか。つまり、天下りをしているから、この間、会計検査院の話にもあるんですが、手心を加えたと言っちゃなんですが、あれだけの関心事があったにもかかわらず、総務省の行政評価局としてはその点については一切勧告をしていない。

 その点については、当時の総務大臣の指示ですから、今ここで大臣に聞くのも、そんなこと言ったって、おれは当時の人間じゃないというふうなお立場かもしれませんけれども、やはりこういうアンフェアな部分があるんではないかというふうな疑念を持たざるを得ないんですけれども、いかがですか、総務大臣。

竹中国務大臣 お答え申し上げます。

 総務大臣に就任させていただきまして半年近くになるわけでございますが、私自身、総務省全体を見る立場におりますけれども、この行政評価の皆さんは、非常に地味な仕事なんですけれども、私は本当に一生懸命やってくれているというふうに思っております。

 そうした担当の皆さんの名誉のためにもぜひ二点申し上げさせていただきたいのでございますけれども、まず再就職の件でございますけれども、再就職に関しましては、これは再就職をされる皆さんが、それまでの経験、知見を生かしていろいろな形で従事をしておられる。しっかりと、その意味では、本人の面接を終えて、その面接の結果、採用の可否が判断されているものでございまして、組織として、つまり総務省として、相手省庁とか団体への要請、あっせんは行っているものではございませんので、そういう意味では、皆さんのまさに実力で、今までの経験を買われて再就職の機会を見出しているというふうに承知をしております。

 そして二点目として、平成十六年の年金に関する社会保険庁に対する行政評価・監視のお話がございましたけれども、当時の十六年のこの評価といいますのは、まさに今委員御指摘のように、国民年金の未加入、未納問題という非常に大きな問題が発生して、それを受けて、そうした問題意識のもとに緊急に国民年金業務を対象とした行政の評価・監視を行ったもの、そして、十六年の十月、十二月に勧告を行ったものでございます。

 その中に流用問題が余り含まれていないではないかという御指摘なんでございますが、実は、その一つ前の行政評価・監視が平成十年の六月及び九月に行われておりますけれども、その中では、まさに福祉施設について、累積赤字施設の解消、収支改善の見込みのない施設の廃止を検討することという勧告を例えば出して、そして年金福祉事業団の管理しているグリーンピアについて、道県への早急な譲渡条件の提示による処分の実施、民間等への売却を検討することという厳しい勧告を行っているわけでございます。

 この十六年の当時には、そうした勧告に基づいて、既に社会保険庁において、例えば、職員宿舎の建てかえ、公用車購入の経費を、保険料財源ではなく税財源にするという方針を固めていた、グリーンピア、厚生年金会館等すべての福祉施設の売却を決定していたという、もうそういう状況でございましたので、また、先ほど言いましたように、特に未加入問題について厳しい批判の中での緊急の勧告であったものですから、そのような内容になっているわけでございます。

 彼らは非常にフェアな立場で行政の評価を行っているというふうに認識をしておりますので、当時の事情について何とぞ御理解をいただきたいと存じます。

渡辺(周)委員 今お話あったのはグリーンピアですが、当時問題になったのは、そうした年金による保養施設のみならず、社会保険庁のいわゆる付随機関として、これはまだあのときは福祉業務ということで還元すると。ところが、それが、もう人が来ないようなところに建ててしまった、そこが全然どうにもならなくなったと、これはありましたけれども、そうじゃなくて、いわゆる社会保険庁の長官なりあるいは職員のためにも使われていたということが、随分あのときは、あなた方の生活のために我々は年金を払っているんじゃなくて自分の老後のためを考えて年金を払っているんだ、何事だということが起きた。

 そのところを、私の言っている意味と今大臣がお答えになった認識がちょっと違うんじゃないかと思いますが、次へ急がなきゃいけませんのでこの問題は最後に申し上げますけれども。

 今お話があった七名の方が、例えば独立行政法人雇用・能力開発機構に行っていらっしゃる。今、この雇用・能力開発機構というのは、いろいろな意味で、果たして本当にここのやっていることが適切なんだろうか、あるいは本当に経営的感覚を持ってやっているんだろうかというような問題があるわけでございます。

 その点につきましては、先ほど指摘のあったグリーンピア等と同じように考えれば、何らかの形で、もう少し、これは行政評価という意味で、こういう独立行政法人や公益法人に対しても、どこに対しても、フェアな形で、立場で当然勧告なり是正すべきだと思いますけれども、その辺は総務省としていかがお考えですか。

竹中国務大臣 これは当然我々としてはフェアな形で、まさに三百六十度いろいろな方面、方角から見た評価をしなければいけないというふうに思っております。

 ちょっと先ほどの答弁とダブるかもしれませんけれども、当時の十六年のは未納問題を受けて緊急に行ったという、その性格づけがあったということと、それ以前の評価におきまして、そうしたことについて既に勧告がなされていたということ、その事情を何とぞ御理解いただきたいということ。しかしながら、方向としているといいますか、全体の姿勢として、まさにこれは渡辺委員が御指摘になられたように、これは非常に、全方位的にしっかりとした評価をしなければならない、私たちはそういう強い役割を担っているというふうに認識をしております。

渡辺(周)委員 これは、会計検査院に対して長妻委員が言ったとおりでもありますし、私から今申し上げたとおりなんですが、申し上げるように、結果的に天下りを受け入れているから、そこが少し手心を加えて会計検査や行政評価の網から逃れられるんじゃないか。そういうようなことが疑念として持たれないように。天下りがいようが、本当はいなくなるのが一番いいんですけれども、本来そうして評価する対象のところに行くことはあってはならないと思いますけれども、今いらっしゃる方々に対しても、そこのところはぜひはっきり方針を示していただきたいなというふうに思います。

 この質問はこれで終わりまして、次のテーマで、防衛庁長官に駆けつけていただきました。

 防衛庁長官に、今回の委員会で、実は、この点については余り質問がなかったんですけれども、先日、木村太郎副長官が答弁をされました。その中に、これは四月の十日の委員会でございまして、自民党の委員の質問に答えて、ちょっと引用させていただきます。

 私どもも、自衛官につきましては、その人的勢力そのものが防衛力であり、また定数自体が、他国に対する日本国国家としての防衛の意思あるいは能力を示すものであるというふうに考えておりますし、また、艦艇や航空機などの装備品の運用にも人員が連動していくのはだれもが御承知のとおりでありまして、行政機関の一般の職員とは異なる特殊性を有しているというふうに防衛庁としては考えている、こういうような答弁をされました。

 その上で、そういう答弁があったというのは、この法律の中にございます、これは今回の法案の第四節「総人件費改革」の中の第四十四条の二項のところにございます、平成十八年云々として、自衛官の人員数については、自衛隊の隊員に対する教育及び食事の支給並びに防衛庁設置法第五条に規定する装備品等の整備に係る業務その他の業務の民間への委託その他の方法によりということで、準じて純減をさせるものとするというふうにありますが、現実問題として、ここでお尋ねをしたいんですが、この今回の行革推進法の中で自衛官の削減までも踏み込んでいるということについて防衛庁長官はどのようにお考えなのか。

 つまり、ここにあるように、木村副長官が言われたように、その人的勢力そのものが防衛力であるという反面で、行政改革というテーマで民間に装備品の整備を委託してでもやる、準拠してやれということについて、これは防衛庁と今回の行革推進本部と話がちゃんとできていることなのかどうなのか、その点について御見解を伺います。

額賀国務大臣 渡辺周先生にお答えをいたします。

 私、新聞記者時代、朗先生に御取材をしていたこともありまして、感慨深いものがあるわけでございます。

 今の御指摘の点は、安全保障の問題でありますから、これは譲れない一線があるというふうに思っております。しかし、政府全体として行革に取り組もうということも、これもまた国民的な一つの視点でもあると思っておりますので、この行革法の趣旨に準じてという形で、我々も政府の中で理解を得ているものと思っております。

 したがって、定数や装備のことにつきましても、基本的な大綱、中期防の考え方に基づいてしっかりと安全保障、防衛体制は構築していかなければならないと思っております。しかし、できる限り合理化を図っていくこともまた国民の期待にこたえることでございますから、ここに書いてあるように、民間への委託等々についていろいろと検討をしてみようということで、この問題に取り組んでいるところであります。

渡辺(周)委員 いや、今おっしゃることは当然総論としてそうなんですけれども、例えば、ここに書いてある、装備品の整備に係る業務その他の業務の民間への委託と。ある防衛庁長官経験者の方とお話をしていましたら、装備品というのは例えば何であろうか。例えば、民間に委託をするということが果たして可能なのかどうなのか。これは当然のことながら、セキュリティー上非常に、防衛機密の問題もあります、防衛能力の問題もあります。その点について、果たして民間に委託をするなどということができるのかどうなのか。そこはどういうことをイメージしていらっしゃいますか。

額賀国務大臣 お答えをいたします。

 今まさに検討中なんでありますけれども、例えば教育とか給食とか整備関連の業務について、民間委託ができないかどうか検討中でございます。例えば、装備品という形でいえば、航空機の、これはよく機体の定期検査とか、あるいはまた飛行前後の点検というのがあるのでありますけれども、航空機の機体の定期検査というのはほとんど民間に委託しているわけで、あるいはまた製造機メーカーに委託をしたりしているわけであります。そういう定期的に何年かに一遍ずつ検査をするものを民間に委託できるかどうか、そういったことも考えてみようかというふうに思っておるところであります。

 これは特に戦闘機というものではなくて、輸送機とか、機体も限定されていくものと思っておりますけれども、そういうことを研究してみようというふうに考えているところであります。

渡辺(周)委員 この問題については、また改めて安全保障委員会等でもやりたいと思いますが、その際によく出てくるのが、またこの委員会でずっと言ってきた、例えば随意契約の問題なんかが出てくるんですね、ここのメーカーしかできないと。例えば、製造したのはここだからここでしかできないとか、防衛機密を要するからということで、では実際なぜという話になると必ず出てくるのが、当然、この周辺にありますいろいろなところが、これはもう今回、随意契約の書類を防衛庁からも防衛施設庁からもいっぱいいただきました。見ますと、大変専門的なところの契約なんかもかなりしていらっしゃるということを披瀝するだけでも時間が今ありませんけれども、そこのところは、ぜひこれから検討する中で、またさらに天下り先に随意契約による発注がふえるということがないように、実際、本当に民間でできるというなら、国家のまさに機密、防衛機密、国防という観点をやはり最優先で念頭に置いていただきながらも、本当にどこができるのかということはやっていただきたいなというふうに思います。

 ただしかし、私自身としては、我々民主党も先ほど対案を提出いたしました。その中で、やはり国防ということは国がやるという中で、そこには防衛庁のいわゆる自衛官の定員については、我々、定員削減の中には、人件費の中にも入れませんでした。つまり、これは入れてしまうと、行政改革をやる上において、果たして、まさにここにありますように、国の、日本国家としての防衛の意思あるいは能力というものをその理由で本当に削減に踏み込んでいいのだろうか、そこはやはり別の問題だろうというふうに我々としては考えるからでございまして、その点につきまして、先ほど長官からも御答弁いただきましたけれども、あえてここで、せっかくですから官房長官、政府を代表して、その点につきまして何か御見解、お考えがございましたら答弁いただけますか。

安倍国務大臣 総人件費の改革につきましては、簡素で効率的な政府を実現するために、公的部門全体で取り組んでいかなければいけない課題である。まさに、聖域を設けないということが大切だろうというふうに考えております。

 自衛官の人員数につきましては、主として後方分野の業務について、民間委託等により、行政機関の職員の定員の純減の例に準じて純減を行うということでございまして、この純減は、防衛計画の大綱等に示された防衛力の考え方を維持しつつ、我が国の平和と独立、そして国民の安全の確保に支障を来すことのないように取り組みが進められていくものというふうに考えているわけでございます。ただいま委員が御指摘になられたように、国の安全保障という認識の上において常にこれは考えていかなければいけませんが、他方、もし無駄があるのであれば常にそれは見直していくという努力もしていく、こういうことではないか、このように思います。

渡辺(周)委員 それでは、今、無駄ということが官房長官の口から出ました。この問題の最後に、防衛庁長官、今回の防衛施設庁のいわゆる談合問題、先般発表されました、談合がなくなった案件では、一〇%、額にして百三十億円ものコスト削減が見られた。そういう意味では、これは、今、長官になられて始まったことじゃないということは百も承知ですが、やはり国民の税金を、ある意味ではもっとコストダウンできたのに浪費し続けたじゃないかということについて一言いただきまして、この問題の質問は終わらせていただきます。

額賀国務大臣 渡辺委員御指摘のとおり、十七年度末の未発注工事について、先般三月に発注をさせていただいたわけでございますけれども、その際には、談合事件等々に絡んだ企業それから施設庁のOBが就職している企業等々約百八十社余りを入札の対象にしませんでした。したがって、新しい企業、参入者がほとんどだったのでありますけれども、そういう意味では競争原理が働いたといういい点があったと思います。したがって、おっしゃるように、従来の平均落札率九五・九%が八六・五%と、九・四ポイント落札率が低かったということであります。

 しかし、これは低いからすべて喜んでいいということではなくて、逆に、低入札価格というか、非常に安い価格で入札されている案件もあります。そういう意味では、仕事がしっかりと当初の見込みどおりなされていくかどうかというようなこともよく監視をしていかなければならないという面もあります。ただ、はっきり言うように、透明性を持って、競争原理を導入しながら、入札制度の公正性はきっちりと図っていきたいというふうに思っております。

渡辺(周)委員 これはまた別の委員会でやりますけれども、せめてもう少し、反省というかおわびの弁があるのかなと思いましたが、そうではなかったんですが。

 当たり前のことなんですけれども、やはり安かろう悪かろうであります。こういうものは、これは自治体の入札でも何でもそうですけれども、余り安いと、手抜き工事をして、後でとんでもないことになる。これはまさに鉄骨材が少なかった一連の事件なんかと全く同じですから、そこのところは私どもももちろん承知しているところでございます。

 防衛庁に関する質問はこれで終わります。

 国土交通大臣に最後にお尋ねをしたいと思います。

 これまでも、国土交通省の地方整備局関連のいわゆる随意契約については質問をしてまいりました。きょう、実は、民主党で資料要求していました、全省庁のこの三年分の、まだどこか十七年度分は来ていなかったと思いますけれども、段ボール一箱分の随意契約の資料が来ました。とてもこのブツ読みを全部できるような状況じゃありませんけれども、質問時間までの間ずっとできるだけ見ておりまして、随意契約の理由でちょっとびっくりするようなのがあるんですね。

 それは、随意契約とした理由を読みますと、このような業務を行っているのは○○法人しかないからということであります。これだけなんですね。例えば、なぜこの冊子を随意契約で購入しているのかといったら、そこしか発行していないからだと、当たり前のことなんですけれども。はっきり言って、理由がないですね、理由にもならない理由なんですよ。この間もちょっと申し上げましたが、こういう書籍の購入なんというのが果たして本当に適正な数なのかどうなのか、この辺については、多分、見られたら驚くかと思います。

 その中で、一つだけ例を挙げます。これは関東建設弘済会がいわゆる随契で購入している本でございまして、これは、昨日いただいた資料の中にありました。この本は、要は、地方整備局が通達を出すんですね、業者さんたちに。その出した通達をまとめた通達集というものを弘済会が束ねて本にして、それをまた、通達を出していた整備局が今度は買うわけですよ、何百万も出して。つまり、自分たちが出したものを束ねて一冊の冊子にしたものを、またお金を出して買っているんですね。そんなのは通達を出した側がフロッピーに残しておいたものを束ねれば済む話じゃないかと思うんです。

 この点についてはもう時間もないから言いませんが、まさにこういう、お金をとにかく使う、生き金、死に金といったらまさに死に金を使うような、こんなことをいっぱいやっている。こういうのが随意契約でいっぱい出てきました。この点についてはもう御答弁はいいですが、ぜひまたこの点についての御認識、随契の中身を見ていったらこういうものがあまたあったということを冒頭申し上げて、質問に移らせていただきたいと思います。

 今申し上げました関東の建設弘済会。あるいは、先般の読売新聞の大阪版に出ました。近畿建設協会が道路の高架下を占用して、そこで近畿建設協会が駐車場として占用契約を結んで、それを要は近隣に貸していたと。それによって大体三億円ぐらいの料金収入があって、しかも、近畿建設協会は、三億四百万円の料金収入、占用料は三千七百万円、諸経費を差し引いた利益は明らかになっていないけれども、まあ、ほとんど何もない。

 つまり、自分たちの持っているいわゆる公共物をこの天下り団体にだけは占用で使わせて、しかも駐車場という、早い話が利益事業をやっているということなんですね。こういう例というのはほかにもあるんですか。どれぐらいありますか。その辺は把握していますか、大臣。

北側国務大臣 平成十七年度末現在でございますけれども、全国の直轄国道の高架下の自動車駐車場の占用については、全体で、この弘済会等に許可しているものは百二十三件ございます。

渡辺(周)委員 今のお話、十七年度では百二十三件。これは全部駐車場でいいんですか。駐車場以外にも、例えばテニスコートだとか、何か別のものにも利用させているというようなことはあるんでしょうか。それからまた、これで大体占用料は幾らぐらいになるんでしょうか、金額はわかりますか。

北側国務大臣 百二十三件はすべて駐車場でございます。

 それと、全体の数字はちょっと今調べさせますけれども、近畿建設協会の例で申し上げますと、これは平成十六年度の例でございますけれども、駐車場料金収入は約三億五百万円でございます。

渡辺(周)委員 今数字がわかったら、あと質疑は十分ほどですけれども、金額的なものをぜひ教えていただきたいと思うんですね。

 つまり、近畿建設協会だけで、これを一件と数えれば、これだけでも三億円、うち占用料というのは、ほとんど無人のところにあるわけで諸経費というのはかからないだろう、そうするとこの建設協会だけで常識的に考えれば二億五千万か六千万円ぐらいの利益があるんだろうなというふうに思うわけです。

 この間の委員会でも私言いました。いわゆる弘済会とか建設協会と呼ばれる天下り団体、従業員、正規職員はふえない。正規職員はふえないし、会員数だって年々、年間、OBの方が入ったって数人の話です。ところが、資産だけは毎年億単位でふえているんですね。これは一体どういうことかというふうに言ったら、いや、事業の受託がふえているからだとか、ではその中身はと言うと、まだわからない。しかし、こういうのを見ていくと、よくわかったのが、やはり毎年毎年こういう収益事業をやって資産がふえているんじゃないのかなというふうに思わざるを得ないわけであります。

 先般、私が質問したことが、たまたま読売新聞の社会面でちょっと翌日取り上げられました。それは、コンサルタント会社から膨大な数が出向している、この出向している方々にしてみると、天下りを受け入れるだけの大きな規模の会社ではないから、出向させることによって仕事をもらうんだ、そうしないと我々のような小さな会社はやっていけないというような発言が新聞で紹介されていました。

 こういうことを考えますと、果たして、この間も申し上げまして、重ねて伺いたいんですが、やはりこういうコンサルタント業界から社員の大方を出向させるなんという、この間長妻さんは、談合の積算業務まで補助をさせているではないか、それが、ある意味ではアンフェアじゃないか、談合につながっているではないかという指摘もしました。当然だれもがそう考えるわけでありまして、現場の中で一緒に仕事をしている、しかも出向元の会社が、そうした公益法人あるいはその親元の地方整備局の仕事も当然期待をしているだろうというふうに思うわけであります。

 ここで二つお尋ねしたいのは、一つはまず、先般から申し上げておりますこうしたコンサルタント業界からの出向、もうこれは本当に見直した方がいいと思うんです。もうやめた方がいい、適正な規模にした方がいいということについてどうお考えか、大臣の御決意を伺いたいということ。

 それから、先ほどの駐車場業務のようなこと、これこそ官から民というのであれば市場で競わせたらいかがですか。民間にも開放をして、どちらが占用料として高く契約してくれるかということで、適するんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがお考えですか。

北側国務大臣 民間コンサルのお話につきましては、前回も議論させていただき、答弁もさせていただいていると思いますが、まず弘済会の業務自体をできるだけ効率化していくという場合に、特にさまざまな非常に不定期な公共事業であるだとか、地域が非常にさまざまだとかということもございますので、そういうときに、ある民間コンサルタントから人を出してもらう、これをすべてだめだということでは多分ないんだろうと思うんです。それが効率的であれば、それはそれでいいんだろうと思うんです。

 問題は、今委員がおっしゃっているとおり、会社の何か半分以上も弘済会の方に出向してきてやっている、こういうのはやはりおかしいわけでございまして、そもそもそういう業務については、最初から、整備局から、弘済会ではなくて直接民間の方に委託をしていくというふうなことも十分考えられるのではないかと思うんです。

 その辺の実態については、よく点検をさせていただいて、しっかり見直しをさせていただきたいと考えております。(渡辺(周)委員「もう一つ、駐車場の話です」と呼ぶ)

 駐車場の件は、これは、一つ難しい問題があります。

 確かに、民間に競争してもらえばいいというのもよく理解できるんですけれども、問題は、国道である、だから、橋もあれば日常の管理もしなければならない、時には整備もしていく必要がある、こういう問題点、特殊性があるわけでございまして、例えば、高架の道路の改修等道路管理上の必要が生じた場合に当該場所について迅速かつ確実に撤去されることが担保される必要があるだとか、また、道路構造物の日常的な点検が当然行いにくくなりますので、当該占用主体において橋脚等の日常的な点検を実施してもらう必要があるだとか、こうした特殊性があります。

 そういう中でこうした公益法人にやってもらっているということでございますが、ただ、公益法人だけではなくて、地方公共団体や他の、例えば高速道路株式会社もあります、そうしたほかのところもあるわけでございまして、道路管理者と同じような管理能力を有するというようなところについては、この公益法人だけではなくてしっかりとやってもらえるように、選択肢はあるというふうに思っているところでございます。

渡辺(周)委員 時間も五分を切りましたので、余りたくさん申し上げる時間はなくなりました。しかし、一貫して申し上げてきたのがこの不透明な実態なんですね。コンサルタント業界からまさに社員の半分、半分どころかもう八割ぐらいが出向しているという会社もあって、この仕事がなくなったらもう成り立たないというふうに悲鳴を上げている会社もあるのは新聞でも紹介されました。

 今ありましたように、公共物を占用して、非常に安い値段で占用料を受け取っている、ところがそこは莫大な利益を得ているということについて、まさにこの公益法人のみならず、では自治体はどうなのか、あるいは今民間会社化した、例えば道路公団等は一体どうなのかということで競い合わせて、たくさん占用料を払ってくれるところと契約をしたらいいんじゃないかというふうに思ったりもするわけです。ですから、一貫して言われてきたのは、官から民へあるいは国から地方へと言われながら、官から民へというのがちっとも、よく調べてみると、もっとやることはあるのに、そこのところは何か指摘するまで全然出てこないということでございます。

 最後にちょっと持論を言わせていただくと、今回の質問に立つに当たりまして大勢の役所の方々が来られました。きのうも十一時半ごろまでいらっしゃいました。今から行きますと言って、国土交通省の方が、タクシーに乗って十一時半ごろ、はあはあいいながら、もうこっちは眠たくてふらふらしているのに、飛んできた人たちがいるんですね。

 大方の人たちはみんな、まじめに、本当に職務に忠実に、誠実に仕事をしている方々ばかりだと思います。この方々が悪いんじゃなくて、役人や官僚が悪いんじゃなくて、あっちこっちに壊れた蛇口があって、それがちっとも締まっていないから、とにかく、どこに一体この税金の漏れているところがあるかわからない。だから、目につく官僚や役人がもうみんな悪いんだと、とにかくそういうことでバッシングされている。

 やはり私たちがやるべきことは、今申し上げたような、指摘して追及してきたから出てきたようなたくさんの壊れた蛇口、ふさがないといけない穴、ここのところをぜひ、随意契約、これは本当に段ボール一箱あります。これをぜひ全部見ていただいて、これはぜひ指示を出していただいて、ここだけでも見直すことができたら、これは本当に公務員の方が何百人や何千人生首を切られたってかなわないぐらいの金額なんですね。とんでもない金額なんです。その点について、これは我々もそうですが、建設的な提案をしてまいりますので、ぜひ政府として取り組んでいただきたいなということにつきまして、行革担当大臣並びに官房長官、最後に意見を伺って終わりたいと思います。

中馬国務大臣 先般からのそうしたお話もありまして、この間閣議でも、総理が、原則として一般競争入札のところは、いろいろな事情があるだろうけれども、それに極力取り組むようにといったような御指示もいただきました。

 また、今回のこの行革法案の中でも、公務員制度改革、根本のところをやはり正さなければいけない問題があります、早期退職慣行ですね。こういったこともこれからの課題として今一生懸命取り組んでおりますが、また、この公益法人制度改革につきましても、本来の形は官から民へという、その大きな目的ではございますけれども、副次的にこうした、主務官庁から外れますから、そうした意味での天下りの弊害の是正にも資するところがある、このように認識いたしております。

安倍国務大臣 ただいま委員が御指摘になられましたように、ほとんどの公務員の方々はまじめに汗を流して一生懸命国民のために日夜仕事をしているわけでありますが、他方、今委員がいろいろと御指摘になられました。もし無駄があるのであればしっかりとそれは是正をしていく。このために我々はたゆまない改革をしなければいけないし、またたゆまない見直しをしていきたい、このように思っております。

 また、委員からもいろいろと建設的な御指摘をいただきました。そうした御指摘も我々もしっかりと検証しながら、直すべき点はしっかりと直していきたい、このように考えております。

渡辺(周)委員 終わります。

伊吹委員長 渡辺君の質疑は以上をもって終了いたしました。

 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 本日の委員会、閣法、衆法、六本がかかっております。それぞれについてたくさん伺いたいんですけれども、まず、政府提出の公益法人制度改革関連三法案に関連して伺いたいと思います。

 今回の法案は、私も参議院議員時代に追及をする機会がありましたが、二〇〇〇年の財団法人KSD汚職事件を機に、現行法人の不祥事の防止と民間非営利活動の促進の観点から検討が開始され、提案されたというものであります。だが、本当にそういうものになっているかどうかということであります。

 そこで、まず、天下りとリンクした権益構造がなくなるかという問題であります。

 あの防衛施設庁の官製談合の中で大問題になったのが、財団法人防衛施設技術協会でありました。今国会の予算委員会でも私も取り上げましたが、改めて実態を調べてみました。

 配付資料をごらんいただきたいと思います。

 防衛施設庁から防衛施設技術協会がすべて随意契約で受注した総額、これは二〇〇〇年度から二〇〇四年度の五年間の合計で五十七億二千四百二十四万三千円。施設庁によりますと、このうち三十九億五千万円は協会職員がみずからの手で業務を行ったという説明であります。みずからが行わない、残りの十七億七千七百七十五万五千円の業務の中の七億三千二百八十六万三千円を民間コンサルタント等に再委託しているというわけであります。つまり、差額の十億四千四百八十九万二千円は、いわゆるピンはね分であります。

 額賀長官は、去る三月三十日の参議院外交防衛委員会で、このことについて今実態をよく調べているところだと答弁されましたが、この十億円は一体何に使われたのか、実態はわかりましたでしょうか、伺いたいと思います。

額賀国務大臣 お答えをいたします。

 笠井委員のおっしゃるとおり、今、防衛施設庁の、金額的なことはほとんど合っているわけでございます。ただ、十七億七千七百七十五万五千円という金額については、再委託を行っている九十三件の業務の合計額は十七億八千五百十万五千円であります。(笠井委員「そうですか。もっと多かったんですね」と呼ぶ)まあ、若干そういう計算になりますね。

 おっしゃるように、我々、今防衛庁に関する公益法人について全部点検をしておるところでございますけれども、防衛施設庁のことにつきましては、御指摘のとおり、平成十八年三月一日現在で、技術業務については協会の人たちがほとんど仕事をしております。ただ、調査部門においては御指摘のようなことがあったというふうに思って……(笠井委員「十億円ですよ、十億円」と呼ぶ)十億円について、御指摘のとおり、この金額がどういうふうに使われていたかについては、まだきっちりと把握はしておるわけではありません。

 笠井委員はピンはねという言葉でございましたけれども、言ってみれば、この施設協会において、民間のコンサルタントに安く委託して自由に使える金を確保したという点は事実かと思います。

笠井委員 安く委託して自由に使える、これはとんでもない話だと思うんです。まだ十分につかめていないというのも、これは大分たっていますからね。

 私、施設庁に伺ったら、協会職員の人件費もこの十億円の中に含まれているという話がありました。しかし、この協会の収支計算書を見ますと、支出の部で事業費と管理費それぞれに本来人件費が計上されているのに、事業費のうち、運営費の中から賄われている再委託費の中にも人件費が隠れている、こういう話になるわけでありまして、今長官が、自由に使えるお金だという話で言われて、まさにそういう大変な実態があったということだと思います。

 この十億円余りの経費は、専門業者に必要とか調査のために必要ということなら、防衛施設庁が協会を通さずに直接発注すれば、これは全く要らなかったんじゃないでしょうか。長官、いかがですか。

額賀国務大臣 今、こういう事件が起こってから、防衛庁が施設協会等々に発注する仕事が民間にできる仕事であったのかどうか、そういうことをほかの法人について点検をしているところであります。

 もちろん、施設協会は解体をすることになっておりますので、この残された仕事の中で、これが防衛庁で仕事を引き受けていくことにするのか、民間でやらせていくことにするのかということについては、きっちりと透明性を持って、国民の目線で、疑いのないような形をぜひつくっていきたいというふうに思います。

笠井委員 施設庁が直接専門のそういう調査機関にやればできた話を、わざわざ協会を通してやってそこで十億円という話ですから、まだつかんでいないというお話もありましたけれども、私、もうこれは大分前の話だと思うんですよ。今国会、冒頭からもう既になっていましたから。米軍再編の方はどんどん話を進められていますが、こういう実態についてはまだ解明が進んでいない、そして、協会をなくしちゃって臭い物にふたというふうになったら、これは大変な話です。

 しかも、この資料にありますように、五年間に二百三十一件、平均九九・四%の高落札率で、うち、一〇〇%、落札率一というのが八十七件もあります。こうやって協会が防衛施設庁から受注をして再委託をしている。協会の収入も八割が防衛施設庁からの委託費、支出も過半が人件費。

 協会の役員は十七人、うち十二人が防衛庁出身者。全職員百六十七人のうち百三十六人が防衛庁出身者。実に役員の七一%、全職員の八一%もが防衛庁出身者であります。要するに、これは、天下りOBの人件費を捻出するために仕事をもらって、さらに下請もさせているようなものだと思うんです。

 そもそも、協会が防衛施設庁から受注している事業内容というのはどういうものでしょうか。これは施設庁長官で結構ですが、いかがですか。

北原政府参考人 御答弁申し上げます。

 私どもが防衛施設技術協会に委託しております業務、大きく分けまして二つに分かれるかと思います。

 一つは、防衛施設の建設工事現場における技術業務。これは、具体的に申しますと、建設工事の適正そして円滑な実施を確保しようということで、工事監督官業務の支援などを業務とするものでございます。もう一つが、防衛施設に係る建設技術の調査研究といったものでございまして、例えば、自衛隊駐屯地等におきます施設計画の策定などを目的に、いろいろな施設の現況等の調査を行うといったものでございます。

 なお、これらの取り扱いにつきましては、先ほど大臣が御答弁申されたとおりでございます。

笠井委員 今、業務の中身、委託の状況が言われました。私、伺っていて、本来、防衛施設庁自身が業務として、必要なら専門業者や調査機関も使ってやるべきことだと思うんです。それを官製談合もやって、五年間の間に六十億円近くもの膨大な委託費を払って、天下りOBを送り込んで、専門業者に再委託、下請もして、先ほどピンはねと、いわゆる世間で言っている言い方をしましたが、そういう形もした上で、さらに協会の方がゼネコンなどに再就職していくといういわゆるトンネル機関になっていたわけであります。

 今度は、問題だったからと、協会を防衛施設庁も解散するという話ですけれども、そのこと自体が、この協会がなくてもこういう業務はやれたということだと思うんです。そして、談合を初め不透明な権益構造の証明だと私思います。

 しかも、私、予算委員会でも取り上げましたけれども、防衛庁の「所管公益法人に対する立入検査の実施状況について」という報告書がありました。平成十四年から十六年度の三年間の立入検査で、改善すべき点があった六法人というのがありましたよね。その中に防衛施設技術協会は入っていなかった。つまり、防衛庁が立入検査して調べたけれども、この協会は問題なかったということでお墨つきを与えてしまった。その点でも防衛庁の責任は重大だと私は思います。そのことを厳しく指摘しておきたいと思います。

 そこで、中馬行革担当大臣に伺います。防衛庁長官は結構です。

 今申し上げている問題というのは、私は氷山の一角だと思うんです。防衛庁所管の公益法人二十二で、その中に防衛庁出身者が千百二十九人もいる。同じように、官主導で設立されて天下り先となっている公益法人というのはほかにもたくさんある。しかも、莫大な補助金、委託費を払っていて、それが食い物にされているという話があちこちにあるわけです。

 これまでの公益法人の不祥事が、まさにそういう点でも天下り官僚と一体だった。官業癒着、不祥事根絶には天下り規制の抜本的強化が必要だと思います。多くの国民もそれを求めていると思うんです。しかし、今回の法案を拝見しますと、肝心の公益法人にかかわる天下りの規制が強化されていないんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

中馬国務大臣 今回の改革は、先ほど渡辺委員に申しましたように、今までのお役所仕事を極力民間に移して、民間にも責任を持ってもらう、そういう改革でございまして、この公益法人にしましても、直接に天下りを防止するための法案ではないことだけは御理解いただきたいと思います。

 ただ、そういうことで、副次的に、主務官庁が外れるわけでございますから、明治二十九年でしたか、それからずっとそれぞれ主務官庁が許可をし、そしてまた、そうしたことの指導だけではなくて、今、ごく一部だとは思いますけれども、こうした事例も紹介されているわけでございまして、こうしたことを防いでいくためにも、副次的な意味で、目的はそうじゃないんですけれども、主務官庁が外れることによっていわゆる天下り的なことも防いでいける、そのようなことに資する大きな改革だと私は思っています。

笠井委員 今、主務官庁から外れるという話でしたけれども、法案では、主務官庁の直接の許可制がなくなる点では、これは影響力が小さくなると思います。しかし、天下りとリンクした補助金や委託費の権益構造が変わるかというと、それはすぐにはならない。しかも、公益法人認定に関係省庁が関与する、事前認定ではないかというふうな指摘もありますが、関係省庁の意見を付してということもあって、そういう関係がある。そういう点では極めて不十分な点があると思うんです。

 しかも、今回の法案を見ますと、むしろ、政府は、不十分ながら設けてきた公益法人自身への天下り官僚の制限を撤廃しようとしているというふうに私は読みました。これまで、一九九六年九月に閣議決定された指導監督基準で、同一親族、特定企業関係者、所管官庁出身者は三分の一以下、同一業界の関係者は二分の一以下と制限してきた。ところが、法案には、同一親族と同一団体関係者の規制についてはいわゆる三分の一ルールというのが取り込まれておりますけれども、所管官庁出身者などの規制というのが入っていない。その理由は何でしょうか。

中馬国務大臣 先ほど申しましたように、これを認定しますのもこの委員会等でございまして、こうしたことに対して幅広く一般の民間の有識者の方々が認定されたりするわけでございますから、いわゆる主務官庁、今お話がありましたようなこれまでの主務官庁は外れるわけですね。そうすることによって、今までのそうした弊害の方が除去されると私は認識いたしております。

笠井委員 私、申しましたけれども、外れるとおっしゃいますが、関係省庁が認定に当たって関与する仕組みが残っているわけです。私、結局、きちんと規制をやるというふうになっていない今回の法案が、現行法人の不祥事防止や天下り規制にこたえるどころか、むしろ形を変えて温存、強化するおそれがあるということを指摘したいと思います。

 他方で、今回の法案がうたう民間の非営利法人活動を促進する、このこと自体は、私、今日ますます重要になっていると思うんです。そのことは、本来二つのこと、一つは法人格の取得、もう一つは税制上の支援ということで、二つをもって促進されるということになるというふうに思います。

 ところが、今回の法案で、直接は別だということでありますけれども、税制については、公益社団・財団法案の五十八条で、活動が果たす役割の重要性にかんがみて、適正な課税の確保を図るため、必要な税制の措置を講ずるものとするということを述べているだけで、具体的な税制策を打ち出していないということになっている。

 谷垣大臣に伺いたいんですが、なぜあわせて今回税制についても提案をされないんでしょうか。

谷垣国務大臣 一緒にやらないのはおかしいじゃないかという御趣旨だったと思いますが、私どもの考え方は、やはり制度、どういう公益法人をつくっていくかという制度があって、そういう制度がきちっと機能を果たしていくように税制をつくっていくということでございますから、まだ制度設計等々政省令にゆだねられている部分がかなりございますので、今の段階で大きな方向は基本的考え方というようなものを税調でお示しさせていただいておりますが、今後、具体的な制度設計にあわせまして、民間が公益を担っていくという機能が果たせるような税制設計をして、実際にこの制度が施行されるときには税法も間に合うように、一緒に動き出せるようにしたい、このように考えております。

笠井委員 民間非営利法人への支援策というのは、私は、法人法制の枠組みだけじゃなくて、税制支援と一元的に検討しなければ正確な評価ができないというふうに思うんです。今、税制は後から、施行までに間に合うというふうにおっしゃいましたが、私はその辺は問題だというふうに思います。

 もう一つ、その中で、法人格の取得の問題です。今回の公益法人の認定基準は、官庁からの天下りや不要不急の補助金や委託費を受けている法人、それから、自動車教習所、ゴルフ場などの営利企業と見まがう法人を規制する上では当然の措置だと思います。大体、こういう法人を認定すること自体が問題なわけですから、そういうことだと思うんですが、他方で、官庁から何の権益も受けない民間非営利法人では逆の問題が起きかねないんじゃないかと。

 中馬大臣に伺いますが、例えばナショナルトラストというのがあります。自然環境や由緒ある土地などを国民から寄せられたお金で買い上げて保全している、こういうところは資産の購入それ自体が目的と言えると思うんです。また、小規模法人では、国民の需要にこたえて、施設の補修や事業の拡充、災害援助への備えなどに資金を留保することもあります。

 ところが、今回の基準によれば、こういう資金を吐き出させて公益事業に使わなければ公益法人として認定しないこともあるんではないか、こういうことなんですけれども、いかがでしょうか。

中馬国務大臣 今回の公益法人制度改革は、設立許可及び監督が主務官庁の裁量により行われていた現行の制度を抜本的に改めるわけでして、法令によりまして客観的かつ明確に公益性の認定基準を定め、民間の有識者から成る国及び都道府県の合議制の機関の意見に基づき公益認定を行うことといたしております。

 また、法令で定める認定基準等は、現行の公益法人に対する指導監督の基準等を踏まえて定めることとしておるものでありますが、このように、公益認定基準や遵守していただくべき事項を法令で明確に定めることによりまして、申請をする法人にとっては、予見可能性が高まって、安心して活動に取り組んでいただける効果も逆にあると考えております。

 いずれにしましても、今回の公益法人制度改革は、民間非営利部門の健全な発展を促進することを重要な目的としておりまして、各法人においては、定められた事項を守っていただきつつ、存分に工夫を凝らした活動をしていただくことで、民間非営利部門による公益を目的とする事業の実施の促進が図られるものと期待をいたしております。

笠井委員 当委員会の委員に対しても、例えばアムネスティ・インターナショナルから危惧の声ということで意見が寄せられておりました。

 私、今伺っていて、認定基準、客観的にということもありましたが、例えば、基準の中で何をもって遊休財産とするか、一定額は何かということも、実際にはいろいろ問題になってくると思います。認定委員会、八条委員会にしても、公取、三条委員会のように自己完結する機関でないために中立性とか独立性が弱い。最近のBSE問題でも、食品安全委員会の問題がいろいろ言われました。さらに、具体的な問題はこれから政省令ということで、二百カ所以上もあるという点でいうと、これは本当に成るのかという問題があると思うんです。

 活動実態に合わない基準によって税制の優遇措置がとられる公益社団、財団法人の認定が限定をされて、まじめに活動する民間非営利法人の税制優遇がなくなって負担が増す仕組みになるようでは、これは活動を促進することにならない。そこは本当にきちっとやってもらわなきゃいけない問題だと思います。

 他方で、今後二〇〇八年までに措置するという税制ですが、これも白紙ということじゃなくて、先ほど谷垣大臣言われましたが、既に課税強化の方向が出されているんじゃないか。先ほどの、昨年六月の政府税調の非営利法人ワーキンググループの基本的考え方ですが、非営利法人への原則非課税から原則課税への実質的な転換、一般社団、財団法人は営利企業並みの課税、共益法人も課税強化して、それから、法人格を持たない人格なき社団等の任意団体も法人格の取得の道が開かれるということで原則課税の方向で見直すということが書かれていると私、読んだのです。

 これでは、同窓会や地縁団体のほか、マンション管理組合とかさまざまな市民団体にまで増税ということになりかねない、活動促進といいながら負担を重くするということでは逆行じゃないかと思うんですけれども、大臣、端的にどうでしょう。

谷垣国務大臣 委員が何を目して課税強化の方向とおっしゃっておられるのか、私よくわかりませんが、今回、公益法人に関して税制をつくっていこうとしておりますのは、今までのいわゆる民法三十四条の法人と中間法人は新しい制度にします。ですから、その私法的位置づけに合わせて税制をつくろうと。

 それ以外のいわゆる非営利法人については、民法上といいますか私法上の位置づけが変わりませんから、これについて、では税制を変えていくかどうかということになりますと、変えていくとなると相当慎重な検討が必要でございますから、私どもが今考えておりますのは、私法上の位置づけが変わるものについては、それに相ふさわしい税制をつくっていこうということを考えているわけでございます。

 それから、人格のない社団等についても御懸念をおっしゃったわけですが、昨年六月に政府税調が発表しました基本的考え方、この中で、人格のない社団等に対する課税については、その実態に配意しつつ、そのあり方の見直しを行う必要があるというふうに指摘されているわけですが、その趣旨については、事業体の選択に対して税制がゆがみをもたらすことのないようにするためである、こういうふうに説明されているわけですね。

 つまり、政府税調の指摘は、あくまで課税の公平や中立性確保という観点からの指摘であって、課税強化という観点からの趣旨のものではないと理解しておりますが、いずれにせよ、そういう御指摘も踏まえながら、人格のない社団等に対する課税のあり方については、今後、公益法人制度改革に対する税制全般について具体化を図る中でよくよく検討していきたいと思っております。

笠井委員 きちっとそこは検討してもらいたいと思います。

 最後に一問だけ、市場化テスト法案にかかわって厚生労働省に聞いておきたいと思います。

 今、民間の方が効率的とか、民間にサービスを任せれば大いに成果が出るなどと、官より民がすぐれているということを前提にした議論が盛んにあります。

 そういう中で、政府は、官から民へと民間開放を進めていく目的で、構造改革特区を設けて大幅な規制緩和を実験的に行ってきました。その一環として、地方自治体の施設によるハローワークの窓口と民間企業の窓口を組み合わせた官民共同窓口方式による職業紹介事業が実施されました。実際に東京の足立区での話を聞きましたが、区役所の中に、足立の職安とリクルートの官民共同窓口が、平成十五年十一月からことし三月末まで設置されました。

 そこで、職安局長に伺いたいんですけれども、この足立区で実施された官民共同窓口方式による職業紹介活動の実績ですけれども、実際にどうだったか、端的にお願いしたいと思います。

伊吹委員長 厚生労働省鈴木職業安定局長、申し合わせの時間が過ぎておりますから、要点だけ答えてください。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる官民共同窓口、足立区で行われている官民共同窓口の実績というお尋ねでございますが、平成十五年十一月の事業開始から平成十八年三月までの実績として、ハローワークの窓口については、延べの来所者が約十五万五千人、就職件数が約四千六百人、それから、足立区が委託している民間の窓口については、延べ来所者が約五千五百人、就職件数が六十人と把握しております。

笠井委員 終わります。

伊吹委員長 これにて笠井君の質疑は終了いたしました。

 次に、滝実君。

滝委員 国民新党・日本・無所属の会の滝実でございます。

 きょうは、民主党の行政改革法案につきまして質問をさせていただきたいと存じます。

 この法案につきましては、当委員会で自民党と公明党から大変厳しい批判がございましたけれども、私は、この民主党の考え方については基本的に賛成でございます。

 我が国は、国も地方団体も公務員の数は諸外国に比べて非常に少ない。そういう中で、これからの財政再建を念頭に置きつつ行政改革を進めようとすれば、今のような、国があり、都道府県があり、市町村があるという国内行政の三層構造を基本的に維持しながら行政改革を進めるということには限界があるだろうと思うんです。

 そういう意味で、この民主党の改革法案が、基本的に、国の事務を限定し、その上で市町村の事務というものを優先的に取り上げ、都道府県がその後の補完をする、こういうようなことを考えているということは、恐らく、私が考えておりますこの国内行政の三層構造というものを何とか変えていこう、こういうようなことにとれるわけでございますけれども、この辺の基本的な考え方をまず簡単に御答弁をいただきたいと思います。

渡辺(周)議員 滝委員には高く評価をしていただきましてありがとうございます。

 今、同じ認識だというふうな御意見がございました。我々としましては、これは、地方分権、国ができることのみを国がやる、そして自己完結型、自己統治能力を持った地方がその責任において地方の仕事をするというふうな基本的な考え方でこの法案をつくりました。

 これは、行政改革というだけでなく、国のグランドデザインを変えるような思いで我々としてはつくった法案でございまして、まさにこの五条第一項で書いてございますように、国は、外交、防衛、通貨、そして国でしか行えない事務、大規模災害でありますとか最低限の生活の保障でありますとか、あるいは司法に関する部分もそうでありますけれども、限りなく限定をしまして、それ以外の部分、例えば公共事業でありますとか、産業の育成とか中山間地の活性化とか、いわゆるもう地方がやっていることは地方に任せようという思いで、国家の大きな変革をもたらすべく法案をつくったところでございます。

 ぜひ本案に御賛同いただきますようにお願い申し上げたいと思います。

滝委員 そこで、これは質問通告はしてありませんけれども、この委員会で問題になりました総人件費改革について意見を確認しておきたいと思うのでございます。

 ここでは、とにかく三年という期間が大変短い。そして恐らくは、私が考えるには、地方団体との意見集約もできていない、そういう中でこの法案が出てきたということについての意外性というか、突然性というのはあるんだろうと思うんです。

 ただ、考えようによりましては、これから団塊の世代が大量に退職する、この時期に基本的な大改革をするというのは、最後のチャンスだろうという感じがいたします。先ほども、現実に在職する職員を首切りするのか、こういうようなことがあったぐらいでございますから、とにかく自然退職の大きく出るときに改革を進めなければ進められない。そういう意味で、私は、三年というのは大変意味のある数字だろうと思う。ただし、短い。短いから、十一条の表現の仕方も、百分の八十以下とすることを目安としてこれに留意するものとするというような、非常に気を使った表現にしているんじゃなかろうかな。

 先ほどの民主党側の答弁では、大変胸を張ったような答弁でございましたけれども、私は、むしろ、そういうような表現をしているということは、大変気を使ったような表現だろうというふうに受け取っているのでございますけれども、三年ということの意味というものはそういうふうに受け取るべきではないだろうか。

 したがって、むしろそういう意欲的なことに問題を投げかけているという点で私は評価をしたいと思うのでございますけれども、その辺の表現の仕方、三年ということの意味の問題、これについて御意見を伺いたいと思います。

枝野議員 ありがとうございます。

 今先生から御指摘をいただきましたように、私どもとしても、なかなか大変困難なことがたくさんあるということは十分理解をしているつもりでございます。

 ただ、先生からの御指摘のとおり、自然退職者の多い時期というのは非常にやりやすいということ。それから、これは改革の進め方の根本的な考え方だと思いますけれども、ゆっくりやっていけば、時間がたてば物事が進むのかといいますと、例えば、現に、今定数の削減についてちょっとずつやっていこうということになれば、各役所の中でも、それならうちの課じゃなくて隣の課を減らせとかということで、いろいろな大きな抵抗が生じているというのは、もう周知のことだというふうに思います。

 国の役割というのをゴールはここだということで明確に示し、そうすると、これぐらいの人は実は国ではないところで仕事をしていただくんですねということを思い切ってやることによって、むしろみんなが、新しいところで自分の力を発揮しよう、あるいは、自分たちの今までやってきた仕事が新しい部局で行われるんだということで、そこに異動しようとかという積極的なさまざまな意欲も出てくるというふうに思っておりまして、先生の御指摘の厳しさということを踏まえながら、しかし、何とか短い期間で物事を進めていきたい、こんなふうに決意をしているところであります。

滝委員 ありがとうございます。

 次の点に移りたいと思います。

 民主党の法案では、補助金改革ということで、個別補助金をやめて一括交付金ですか、そういうようなことを考えているというふうに理解をいたしておるわけでございますけれども、残念ながら、今回の三位一体改革でも、地方が一番喜んでいるのは、交付税とかそういう問題じゃなくて、例えば道路の一括交付金、そういうものを事務事業の合理化ということでむしろ歓迎している節があるのでございますけれども、この一括交付金、補助金、こういうようなことを考えていらっしゃるのかどうか、その辺のところを確認しておきたいと思います。

渡辺(周)議員 今、補助金の点につきまして質問がございました。

 いわゆる先般の政府の三位一体改革のように、国庫補助の負担金改革と言いながら補助金の国の負担率を引き下げるというような手法を多用していたのでは、結果として地方の自由度は高まらないわけでございまして、我々のは、渡すけれども口は出さない、しかし、最終的には自己完結をしていただくということで成熟した国と地方の関係になるだろうと。先ほど与党の方から質問がございましたが、国の下部に地方があるのではなく、中央政府と地方政府は独立した関係という形で当然考えていく。ただ、そこまでの間には、当然、我々として、補助金やその他地方を縛る法律、国と地方の関係そのものを抜本的に、そういう今の関係を抜本的に見直すということをうたっているわけでございます。

滝委員 次の点に移りたいと思います。

 この民主党の改革法案では、政策金融機関の整理統合につきましては、大体政府の案と似たり寄ったりの考え方をとっているのではなかろうかというふうに受け取っているのでございますけれども、特にその中で公営企業金融公庫が、これから恐らく地方団体との地方債の共同発行という格好に変わっていくんだろうと思うのでございますけれども、その際にも、外資を導入する、こういうことで外債の発行をするということになりますと、今までのブランド、銘柄がやはり大事だというふうに思うわけでございます。

 そういった点について、民主党の皆さん方はどういうふうにお考えになっているのかを確認しておきたいと思います。

大串議員 滝委員から今御指摘のありました政策金融機関の信用、ブランドの問題でございますけれども、これまで公営企業金融公庫におきまして外債が発行され、それがブランドの信用力というものによって比較的低廉な資金調達を可能にしていたという点がございます。その点に関しまして、我々の案におきましては、共同出資により新たに設立する法人を公営企業金融公庫の後身としていくわけでございますけれども、その際におきましても、今御指摘のありましたような信用力、ブランド、これが資金調達のコストを下げるという点で非常に効果を持っていたという、この点に配意しまして具体的な制度設計をしていかなければならないだろうというふうに考えている次第でございます。

滝委員 ありがとうございました。

 次に、特別会計の整理統合、これは政府案よりももっと民主党の方は激しく圧縮する、こういうことでございますけれども、公共事業特会とかあるいは社会福祉事業特会、あるいは場合によって財政融資特会ですね、特会は貸借対照表もついておりますし、損益計算書もついているし、素人が見ると、それなりに何となくわかったような感じがするぐらいよく整理されているんじゃなかろうかな。これが一般会計に溶け込んだ場合に、そういうことが理解できにくいんじゃないかという感じもするんですけれども、整理統合するその基本姿勢は大切ですけれども、何か三特会に限定するのはいかがなものだろうかという感じがするんですけれども、御意見をいただきたいと思います。

馬淵議員 滝委員の御指摘は非常に重要な観点でございまして、私どもも本案成立の暁には十分な配慮が必要であるというふうに考えております。

 ただ、しかしながら、現時点における特別会計、区分経理の名のもとに行われている現実の会計経理の実態は、例えば一般会計で見るべき庁費やあるいは旅費、交通費といった部分が、特定財源が振り向けられたりと、実際には区分経理がなされていない部分も多々見られます。

 今回、私どもの特別会計の整理統合、一般会計化という中に関しましては、例えば公共事業等に関しては、それこそ地方の負担分というのは地方にということで分権を推し進めるという形で、地方の負担部分というのは地方が見るのではなく地方にそのまま財源を移していくということから、しっかりとした公共事業等のその区分の仕方というのはなされるというふうに考えております。

 そもそも、私どもの特別会計の考え方というのはゼロベースというものが基準でございまして、特別会計制度そのものが悪いというのではなく、現行が非常に見えなくなってしまった、離れの地下室になってしまわないような特別会計というものをしっかりとつくっていく、こういう思想で先生の御指摘の部分というのも十分配慮しながら対応を考えていきたいと思っております。

滝委員 最後に、時間が多少ありますので、官製談合と一般競争入札の関係につきまして確認をさせていただきたいと思います。

 私は、官製談合の温床は、当然のことながら、今までここで議論になっておりますように、一般競争入札が原則であるべきなのが行われてきていないというところにあるんだろうと思います。そういう意味では、前回も財務省の松元次長から各省に呼びかけてこの辺の基本原則の作業をやっているということでございますけれども、これについての民主党の意見を伺っておきたいと思います。

枝野議員 先生も御指摘のとおり、現行法のもとでも一般競争入札が原則であるにもかかわらず、残念ながらそれが徹底をしていないということでございます。もちろん、その背景には天下り、談合の構造といったものがありますので、そういったところから手を打つ。同時に、この一般競争入札の原則について例外を認める場合についても、もっと厳格に明確な基準自体を会計関連法令の中でつくっておかなければならないというふうに考えておりまして、私どもの法案でも四十条でその趣旨を明確にしているところでございますので、ぜひ御支援をお願い申し上げます。

滝委員 大変個別の問題を拾い上げて確認をさせていただきました。ありがとうございました。

 いずれにいたしましても、民主党の改革法案は大きな今までの問題を特に課題として投げかけた意欲的な考え方が前提にあると思っておりまして、ここら辺のところについて、短い期間でこの国会審議が終わるということが残念ではございますけれども、その意味をやはり私どもは受け取っていってもらいたい、こういう感じがいたします。

 ありがとうございました。

伊吹委員長 これにて滝君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十九日水曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時二分散会


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