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第1号 平成13年3月1日(木曜日)

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本分科会は平成十三年二月二十六日(月曜日)委員会において、設置することに決した。

三月一日

 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ

 れた。

      小林 興起君    丹羽 雄哉君

      牧野 隆守君    原口 一博君

      松野 頼久君    鈴木 淑夫君

      井上 喜一君

三月一日

 小林興起君が委員長の指名で、主査に選任された。

平成十三年三月一日(木曜日)

    午後一時一分開議

 出席分科員

   主査 小林 興起君

      大村 秀章君    丹羽 雄哉君

      牧野 隆守君    江崎洋一郎君

      近藤 昭一君    原口 一博君

      松野 頼久君    山田 正彦君

   兼務 松原  仁君 兼務 山田 敏雅君

   兼務 山花 郁夫君 兼務 斉藤 鉄夫君

   兼務 春名 直章君 兼務 藤木 洋子君

   兼務 植田 至紀君

    …………………………………

   経済産業大臣       平沼 赳夫君

   経済産業副大臣      中山 成彬君

   経済産業副大臣      松田 岩夫君

   経済産業大臣政務官    竹本 直一君

   経済産業大臣政務官    西川太一郎君

   会計検査院事務総局第五局

   長            円谷 智彦君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局

   経済取引局取引部長)   楢崎 憲安君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域

   経済産業審議官)     今井 康夫君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務

   流通審議官)       杉山 秀二君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境

   局長)          日下 一正君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長

   )            岡本  巖君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策

   局長)          太田信一郎君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 河野 博文君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    中村 利雄君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術

   審議官)         原田 邦彦君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・

   リサイクル対策部長)   岡澤 和好君

   予算委員会専門員     大西  勉君

    ―――――――――――――

分科員の異動

三月一日

 辞任         補欠選任

  丹羽 雄哉君     大村 秀章君

  牧野 隆守君     西川 京子君

  原口 一博君     山井 和則君

  松野 頼久君     近藤 昭一君

  鈴木 淑夫君     中塚 一宏君

  井上 喜一君     松浪健四郎君

同日

 辞任         補欠選任

  大村 秀章君     丹羽 雄哉君

  西川 京子君     牧野 隆守君

  近藤 昭一君     後藤  斎君

  山井 和則君     細野 豪志君

  中塚 一宏君     山田 正彦君

  松浪健四郎君     井上 喜一君

同日

 辞任         補欠選任

  後藤  斎君     江崎洋一郎君

  細野 豪志君     中村 哲治君

  山田 正彦君     鈴木 淑夫君

同日

 辞任         補欠選任

  江崎洋一郎君     長妻  昭君

  中村 哲治君     原口 一博君

同日

 辞任         補欠選任

  長妻  昭君     松野 頼久君

同日

 第二分科員山花郁夫君、第三分科員斉藤鉄夫君、第六分科員松原仁君、春名直章君、藤木洋子君、植田至紀君及び第八分科員山田敏雅君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成十三年度一般会計予算

 平成十三年度特別会計予算

 平成十三年度政府関係機関予算

 (経済産業省所管)




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     ――――◇―――――

小林主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。

 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願い申し上げます。

 本分科会は、経済産業省所管について審査を行うことになっております。

 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算及び平成十三年度政府関係機関予算中経済産業省所管について審査を進めます。

 政府から説明を聴取いたします。平沼経済産業大臣。

平沼国務大臣 平成十三年度の経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。

 我が国の経済は、企業部門を中心に緩やかな改善を続けておりますけれども、厳しい状況はなお脱しておらず、また、米国経済の動向や株価の状況などの懸念すべき点も見られます。経済を一日も早く民需中心の自律的な回復軌道に乗せるため、昨年十月に決定をいたしました日本新生のための新発展政策を着実に実行に移し、今年度の補正予算の迅速かつ的確な執行を行うとともに、平成十三年度予算成立の暁には、そこに盛り込まれている諸施策の効果的な推進に努めてまいります。

 また、昨年十二月に策定された、新たな経済成長に向けての行動計画に盛り込まれた諸施策を強力に推進し、我が国の中長期的な発展基盤の構築に鋭意邁進してまいります。

 このような認識のもと、経済産業省といたしましては、平成十三年度において、以下の五つの重点項目に沿って、全力を挙げて政策の遂行に取り組む所存であります。

 平成十三年度の経済産業政策の第一の柱は、日本新生プランの推進であります。二十一世紀における我が国の新たな発展基盤を構築していくために、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備の重点四分野を中心とする日本新生プランを強力に推進することが重要であります。

 このうち、IT革命の推進については、国民すべてがITのメリットを享受できるIT社会の創造、ITの活用による産業の生産性の向上等の経済構造改革、我が国と経済相互依存関係の深いアジアにおけるIT革命の推進のための施策を講じてまいります。

 環境問題への対応については、大量生産、大量消費、大量廃棄という経済社会のあり方を抜本的に見直し、効率的な循環型経済システムを構築するとともに、地球温暖化問題、ダイオキシンやいわゆる環境ホルモン等の化学物質問題に対する総合的な対策を講じてまいります。

 高齢化対応については、安心して暮らせる高齢化社会の実現のために、バイオ等の先端科学の医療技術への活用、医療福祉サービスの情報化や高齢者特性データベースの整備を進めるとともに、意欲と能力のある高齢者の雇用や就労の促進等へ向けた取り組みを行ってまいります。

 都市基盤整備については、IT産業等の都市型の新産業の創出や商業活性化のための支援を行うことにより、都市の利便性や競争力を向上させ、都市経済の新生を図ってまいります。

 第二の柱は、技術開発の推進であります。

 科学技術の振興は、新産業の創出を図るとともに、我が国の知的基盤を豊かにするものであり、未来への先行投資と言えるものであります。このため、新たに設置された総合科学技術会議の議を経て決定される科学技術基本計画に基づき、将来の経済や産業の発展を支えるライフサイエンス、情報通信、環境、材料ナノテクノロジー等の技術分野に戦略的に資金、人材等の資源を投入するほか、我が国の研究開発システムをより開かれた効率的なものとすべく、競争的で柔軟な研究環境の整備に取り組んでまいります。

 第三の柱は、中小企業政策であります。

 新たな産業と雇用を創出する担い手である中小企業が、現下の厳しい経済環境を克服し、活力ある成長発展を遂げるよう、IT革命への円滑な対応を初め多様なニーズにきめ細かにこたえるための経営支援体制の充実と経営基盤の強化、創業や経営革新の促進、中心市街地と中小商業の活性化に重点を置き、中小企業政策に全力で取り組んでまいります。

 第四の柱は、エネルギー政策であります。

 国民生活及び産業経済の基盤となるエネルギーの安定供給の確保や、温室効果ガスの排出抑制等の地球環境問題への対応を図ることはもとより、こうした問題を新たな成長要因に転換できる経済社会システムを構築していくことが重要であります。そのため、資源の安定供給の確保、新エネルギーの一層の効率的かつ効果的な導入、安全に万全を期した原子力政策、省エネルギーの推進等、各分野にわたる対策を着実に実施いたします。

 第五の柱は、戦略的な対外経済政策の推進であります。

 近年の経済グローバル化を踏まえ、我が国の経済発展を支える基盤を構築するため、国内政策と一体となった対外経済政策の展開に取り組んでまいります。特に我が国経済と相互依存関係にあるアジア諸国に対し、経済構造改革、IT革命の推進等の支援を実施してまいります。

 以上、申し上げました平成十三年度の経済産業政策を実施していくため、一般会計では総額九千三百五億円を計上しております。また、特別会計については、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に総額七千七百四億円、電源開発促進対策特別会計に総額四千八百六十二億円を計上するなど、四つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。

 さらに、財政投融資計画につきましても、日本新生プランの推進や経済構造改革の加速的推進のため、所要の措置を講じております。

 平成十三年度経済産業省予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますので、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。

 何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。

小林主査 この際、お諮りいたします。

 ただいま平沼経済産業大臣から申し出がありました経済産業省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小林主査 以上をもちまして経済産業省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

小林主査 この際、質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。

 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤昭一君。

近藤(昭)分科員 民主党の近藤昭一でございます。

 今、大臣からもいろいろとお話をいただきました。いよいよ二十一世紀、新しい世紀であります。省庁再編になりまして、新しい世紀を迎えるその初代の経済産業担当の大臣に平沼大臣がつかれましたこと、まずお祝いを申し上げたいと思います。

 今お話の中にもありました。これから日本の未来、多くの困難はあるけれども、それぞれが英知を出し合って頑張っていく。そういう中で、経済産業、経済を育成しながらも、二十一世紀はまた環境の世紀と言われております。私も愛知でございまして、今、大臣に、私はつけてなくて恐縮でございますが、愛知万博のバッジをつけていただきまして、まさしくこれからは、そういった経済産業と環境問題と、どうやってバランスを保ちながら発展をさせていくか、このことが大変重要になってくると思うわけであります。

 そういう中で、私も実は環境委員会に所属をしております。環境とそういった産業、またいろいろなものが関連し合っていると思うんですが、私はきょう質問に立たせていただこうと思いました一番の大きなきっかけは、昨年、九月でありましたが、東海地方を大変な豪雨が襲いました。どちらかというと名古屋の西北の新川とかが注目をされたんですが、私の名古屋市内も、天白区と緑区、あと南区、一部の区が大変な被害を受けたわけでありまして、どういうわけか、私の選挙区、私の事務所のある天白区と私の自宅がある緑区が大変な被害を受けました。

 それで、とにかくこのことについて、地元選出の議員としてしっかりと活動していかなくちゃならない、そういう思いでおったわけでありますが、そんな中で、一つぶち当たったことがございます。

 実は、私の天白区のすぐお隣なんですけれども、愛知県の日進市、ここの東部丘陵地、ここで大変大規模な採掘計画、珪石と耐火粘土、こういったものを採掘する計画が上がっておるわけであります。そして、中部経済産業局にその採掘権設定の出願がなされており、どうも間もなく地元では許可が出るのではないかというような見通しになっておるんです。

 実は、先ほど申し上げました天白区には、天白川というのが流れております。東海豪雨は大変な雨が降った、予想しないような雨が降ったわけでございます。実は九年前にも大雨が降りました。そして、その大雨に対処するべく、地元の天白区のポンプ場を新設いたしました。これは数十億円をかけた大変な事業でございまして、排水ポンプを新設していただいたわけであります。

 ところが、そういう中で雨が降った。地元の皆さんは、九年前の経験があるものですから、大変に心配しておられた。しかしながら、ポンプが新たになっているので大丈夫だろう、これは住民の皆さんだけじゃなくて、どうも地元の区役所にもそんな思いがあったわけであります。ところが、予想を超えるような雨が降って、実は、ポンプ場のモーターに燃料を送る、燃料のもとの機械が置いてあるところの水位を超えてしまった。つまり、燃料を送るポンプさえ水に浸ってしまって、もちろん、それだけの雨でありますから、燃料が送られたとしてもどれだけのポンプが働いたかわからないわけでありますが、残念ながら、そういう状況になってしまって、地元の方は大変な被害を受けた。

 私も災害のときに行きましたけれども、もうここの天井、ここまでではないんですが、ここの七分目ぐらいのところまで水が来ておりました。地元の中小企業の皆さんは、最近の機械は非常に、さっきのITといいましょうか、そういった電子的な機械が多いものですから、一たん水に浸るともう大変でございまして、私が訪れたときも、大変に景気の悪い中で、茫然としておられるような状況だったわけです。

 そのことについては国土交通省の方でも対策をいただいているんですが、私は、これは大きな目で見ますと、やはり川上の問題があると思うんです。先般の田中知事だけではなくて、かなりいろいろなところの自治体の長の方が、もうコンクリートで川を固めたり、あるいはダムをつくって治水あるいは利水をしていくことは、それが全くだめではないけれども、もっと違ういい方法があるのではないか、そういうようなことをよく言われております。大臣はどういうふうにそのことを評価なさっているかわかりませんが、私は、これは大変に重要なことだと思っていまして、そういう中で、この東部丘陵地で採掘が行われますと、この地域の保水力が大変に弱くなるのではないか、これを大変に危惧しておるわけであります。

 大臣、どうでしょうか。そういった森林の保水力、実は先般、農水省の方でも、森林・林業基本法案の中で、コンクリートのダムももちろん重要性はあるけれども、これからはもっと緑のダム、森林の保水能力、そして、森林にはそういった保水能力、あるいは環境、人の心を和ませるいろいろな役割があるんだ、そういう役割を分担して、そしてその中でも、非常にそういった森林の持つ保水力を重要視していこう、こういう考えを打ち出されたんです。

 どうですか。平沼大臣とされても、これからの経済発展というか産業のあり方、あるいは日本の全体のあり方としては、そういった森林の保水機能なんかをどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

松田副大臣 近藤先生のすぐお隣の岐阜県で、今お話のありました東海地方の大水害、大変甚大な被害を引き起こしまして、実は私の身内も被害を受けたわけであります。また、今おっしゃる森林、その水源県の最たるものは我が岐阜県でございますが、そんな意味で、ちょっと答弁に立たせていただきました。

 災害が起きましたこと、本当に極めて残念なこととどなたも思っておられると思う、あるいは私どももそう思っております。

 今の御質問は、それとの関連で、天白川の上流における鉱業権の出願が、今の自然保護とか災害の防止とかいったこととの関連で問題があるのではないかというのが趣旨ではなかったかと存じます。

 本件につきましては、先生も御案内かと思いますが、現在、中部経済産業局に出願申請がなされておりまして、地元の愛知県との間で、まさに鋭意協議が進められているところでございます。愛知県との協議というのは、言うまでもありませんけれども、今おっしゃったような関係市町村も含めまして、自然の保護とか災害防止とか、そういった公益的な見地から御意見を賜っているわけでございます。

 そういう意味で、経済産業省としても、先生おっしゃるように、あらゆる公益、鉱業権あるいは鉱物の採取という、経済の発展、生活の発展のために必要な資源をどう安定的に確保していくかという公益、これも一つの大きな公益でございますが、そういった公益と、今先生御指摘の環境、まさにこれから豊かな日本の社会が最も大きく考えていかなきゃならぬそういう公益とどう調和させていくか、そういう観点から、今まさに協議をいたしております。

 私どもとしては、これは局の権限になっておるわけでございますが、当然、本省としても重大な関心を持って見守っておりまして、適切にこの両者の協議が行われて、局が正しく法を実行してくれるように期待しているところでございます。

平沼国務大臣 委員から私にも、自然を生かした、そして自然の保水力に重点を置いた考え方はどうだ、こういう御質問があったと思います。

 私はやはり、いわゆる森林の持つ保水性というのは大切にしていかなければならないと思います。ですから、そういう意味で、特に二十一世紀は環境の時代ですから、そういうことも担保しつつ、それと同時に、今委員も御指摘のように、やはりコンクリートで固めるようなことの必要性も、またそういうものの機能というのもあるわけでございますから、いかに調和を図っていくか、こういうことに尽きると思います。

 ですから、委員の言われているそういう二十一世紀の環境を守っていく意味での森林の大切さというのは、私も同様の認識を持っております。

近藤(昭)分科員 今お答えいただきましたように、そういったバランス、ゼロ対十ということではなくて、ある場合は十対九十とか二十対八十とかいろいろあるんだと思うのです。それを判断するのはなかなか難しいんだと思います。そういう中で、この鉱業法の中でもそれなりの配慮があるのかなという思いはするわけであります。

 つまり、出願の不許可事由、こういった場合には許可を出しませんよというのがあって、ちょっと簡単に幾つか挙げさせていただきますと、鉱物の採掘が経済的に価値がない、保健衛生上害がある、公共施設等破壊、文化財、公園、温泉資源の保護に支障がある、農業、林業その他の利益を損なう、あるいは公共の福祉に反する、そういう理由が書いてあるのです。

 今回、この採掘を仮に認めるということになりますと、この公共の福祉というものに反するということになるのではないかと私は思うんですが、いかがでありましょうか。

河野政府参考人 今先生御指摘のように、この鉱業法の第三十五条には、保健衛生上の害、あるいは公共の用に供する施設もしくはこれに準ずる施設を破壊し、文化財、公園もしくは温泉資源の保護に支障を生じ等々、不許可にするべき事由、つまりこの出願を許可してはならないという具体的な規定があるわけでございます。

 したがいまして、御指摘のように、仮に公共の福祉に反するような根拠があるということであれば、これは不許可にしなければならないというのが法律を運用する私どもの役割だと思っておりますので、そういう目で個別のケースを審査させていただいている状況にございます。

近藤(昭)分科員 まだ地元の方が結論を出さないうちに、こちらの方である種の推測みたいなのはよくないのかもしれませんが、公共の福祉に反するかどうかというのはどのようにお考えでしょうか。

 それと、先ほど松田副大臣のお答えの中にもあったでしょうか、地元の愛知県と協議をしていると。私の聞き及びますところによりますと、愛知県はたしか、公共の福祉に反するというとらえ方なのかどうかわかりませんが、かなり危険性、問題があるということで反対をしているやに聞いておるんですが、いかがでありましょうか。

河野政府参考人 まず最初に、御質問いただきました結論については、先生もおっしゃいましたように、現在、現場で審査中の状況にございますので、また愛知県とも協議中ということでございますから、結論を私どもから現在時点で申し上げるのは差し控えさせていただきたいと存じます。

 愛知県の方からは、幾つかの点について指摘を受けているのはそのとおりでございます。例えば、井戸との関係ですとか河川との関係、あるいは自然植物等々の関係などでございまして、それについて、現地経済産業局の方でも一つの見解を持っていかがかということを御紹介しながら協議は進んでいる、そういう状況でございます。

近藤(昭)分科員 そういう協議をぜひしっかり進めていただきたい。ただ、この採掘権、今回は許可を出さないような形でぜひやっていただきたい。それは、やはり公共の福祉に反するところが非常に大きいのではないか。

 特に私も、先ほど申し上げましたように、実際に東海豪雨の被害に遭った、また周りの方が大変な被害を受けたことを目の当たりにしています。そういう意味で、やはり一〇〇%災害を防ぐことはできないわけでありますから、それに対してどういう補償をしていくか。あるいは、もう一つは、やはり災害が、雨が降ったときにどれだけそれを弱くしていくか。

 その中で、農水省が、森林・林業基本法もこれからは森林の保水力を考えていくという考え方を出してきたわけですから、そういう意味では、この鉱業法ができたときの考え方から随分と世の中の考え方が変わってきたと思うのです。そういう意味では、この法律はたしか昭和二十五年、大変に古い法律でありますので、こういったことの改正も視野に入れながらやっていかなくちゃいけないのではないかなと私は思うのです。

 それで、公共の福祉に反するという点で、やはりこれは反するのではないかと私が思うのは、御承知のとおり、この日進市の市議会、そしてまた地元の三区ですか、いわゆるそこの区長さん、この鉱業法そのものに地元との協議がない、これが大問題だと思っているのです。愛知県とは協議はあるようですが、地元の市町村とはないというのが大問題だと思っているのです。

 しかしながら、ないものを今つくっているよというわけにはいきませんけれども、ただ、現実の問題としては、日進市も市議会も、いわゆる与野党を問わず、全部が許可を出してもらっては困るという決議を出している。地元の区長さんも出している。そして、たしか一万七千人ぐらいの署名を持って陳情している。こういうことを考えますと、何をもって公共の福祉かととらえるのは非常に漠然としているんですが、事実の積み上げみたいなことで考えると、物すごい反対。その反対もほぼ一〇〇%というか、もちろん賛成をしていらっしゃる方もいらっしゃると思うんですが、そういった地元の声、議会では反対なので、これはかなり公共の福祉に反すると言えるのではないかと思うのです。いかがでありましょうか。

河野政府参考人 繰り返すようになって大変恐縮でございますけれども、先生御承知のように、鉱業権の設定に際しまして、法律の第二十四条に基づきまして、経済産業局長が、この地域の公益を代表する都道府県知事、この場合には愛知県知事と協議をしているわけでございます。また愛知県は、この場合においてもそうでありますし、過去の他の県の知事さんも同様のように思いますけれども、関係の市町村長の御意見もいただきながら、経済産業局長との協議に臨んでおられるというふうに思います。

 具体的な公益との関係の判断につきましては、個々の提起されております問題点についての双方の見解をすり合わせているところでございますので、この協議の結果を見守っていただきたいと存じます。

近藤(昭)分科員 見守るというか、ぜひ不許可になることを願いつつ見守るというか、そんな気持ちでおるのです。

 大臣、いかがでありましょうか。この法律を私、今回見て、昭和二十五年にできた大変古い法律だな、いや、もっと古い法律もいっぱいあると思うんですが、そこに流れているのは、先ほどお答えの中にもあったんですが、狭い日本、資源が大変に少ない日本なので、そういったものを開発する道筋もつくっておかなくちゃいけないということだと思うのです。ただ、それが随分と前に出過ぎているのではないかなというのが私の印象であります。

 所有者の許可がなくても採掘権は設定できる。私は持っていませんけれども、例えば私が山を持っていてそこに資源がある、そうするとだれかがここに採掘権を設定することができる。もちろん、所有者の同意がなくしては掘ることはできないわけですが、採掘権だけはそんなふうに設定ができる。びっくりいたしました。また、そのためにいろいろな調査をすることは所有者の同意がなくしても立ち入ることができる。もちろん、これは採掘権が設定されればそういうことがあり得るのかな、あるいはほかの法律との兼ね合いの中で、全くその所有者の権利を無視するということではないとは思うのですが、ただ、鉱業法だけ見ますと、随分とそのことが強いし、やはりこの許可自体は多分この鉱業法を中心に許可が出ると思うのです。そうすると、いかがなものかなと私は思うわけです。

 実は、これは平沼大臣もよく御存じのように、万博の会場の隣接地でございます。私も愛知で、この万博を何としても成功させたい。今、いろいろ紆余曲折があって、地元もちょっとなえているところもあるんですが、やはりこれは、決めた以上はしっかりと成功に持っていかなくちゃいけない。それは、まさしく環境万博でありますから、環境とどう共生していくか。もちろん、愛知万博をやる隣のところだからここは環境をぜひ重視してくださいよということではないんですが、ただ、この場所だけじゃなくて、今後の日本のあり方、日本の経済産業のあり方ということですと、もう少しこの鉱業法が見直されていいのではないか。それは、決して産業を優先するということではなくて、やはりみんなが一致団結してやるためには、皆さんの合意、いわゆる情報公開をしながら、同意を求めながらやっていくこと、急がば回れじゃないですが、そういうことが結局は産業を振興させていくことにつながると思うんですよ。

 そういう意味で、平沼大臣、この鉱業法も、見直しも含めてもっと環境に配慮すべきだと私は思うんですが、いかがお考えでしょうか。

平沼国務大臣 鉱業法の見直しについてのお尋ねでございますけれども、近藤委員御承知のように、鉱業法は、鉱物資源の合理的開発によって我が国全体の公共の福祉の増進を図る、鉱業に関する基本的制度を定めたものであります。

 先ほどからも出ておりますけれども、鉱業権の設定の出願があった際には、地域の公益を代表する関係都道府県知事との協議を義務づけておりますし、また、先ほど出ましたけれども、第三十五条において、公益性等その他、担保条項もございます。いわゆる不許可条項もあるわけであります。

 鉱物の取得による公益と地域における各種公益とを十分に比較考量する、こういうことになっておりますので、今後とも現行の鉱業法で引き続き適切な運用を進めていくことが私は重要だと思っておりまして、当面、鉱業法の見直しは必要ないのではないか、こういう認識を持っております。

近藤(昭)分科員 ちょっと残念な気がするわけであります。公共の福祉というか、この不許可の事由の中の判断。さっき申し上げましたように、やはり時代が変わってきた。時代が変わってきたからといってどんどん法律を変えてもいいというわけではないと思うんですが、ただ、やはり配慮すべきところが多くなってきたわけですし、省庁を再編した大きな目的は、縦割りではない、横の連携を強くしていく、かといって全部を一つにはできないので、それなりに省庁を再編させた、そういう中で、私は、さっき申し上げましたように、農水省の中ではもう森林の果たす役割は非常に大きいものだという観点が大きくなってきたということを考えれば、やはり経済産業大臣におかれましても、その部分の配慮をぜひしっかりとしていただきたい、そういうお願いをしたいと思います。

 質問通告をさせていただいたほかのところはできませんで、申しわけございませんでしたが、どうもありがとうございました。

小林主査 これにて近藤昭一君の質疑は終了いたしました。

 次に、藤木洋子君。

藤木分科員 日本共産党の藤木洋子でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。

 きょう、私は、播州織の保護と育成の問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 私の出身地の兵庫県に、播州織という織物があるわけです。これは先染め織物と申しまして、糸を先に染色して、それで織るというものでして、実際に現物を少しここへ持ってきているんですけれども、このような布なんですね。特に、ギンガムだとか平織りだとかいうようなことで、一般的に大変重宝がられて使われている、そういう織物です。

 この播州織というのは、北播磨と呼ばれる地域で、西脇市、加西市など二市六町にまたがっていて、兵庫県は言うまでもなく全国有数の織物産地になっております。綿織物の生産量で見ますと、全国一の産地となっております。

 実際に、寛政年間からもう二百年も続いているという歴史のある産地でもあるわけですが、この地域に参りますと、播州織の仕事に携わっている人の中には難聴になっているという人が珍しくないというぐらい、毎日、がちゃがちゃという音が響き渡っていたものでございました。産地では、染色、それから織布、産元など播州織の仕事に携わる人がかつては地域の八割を超えるという状況でございまして、現在でも地域経済を支える重要な産業になっているわけです。

 私は、このように地域にとって重要な地場産業である播州織を何としてでも保護育成しなければならない、そのようにかたく決意をしているわけですけれども、経済産業大臣の播州織についての御認識をまず伺いたいし、播州織の保護と育成の必要性についての御認識も伺っておきたいと思います。

平沼国務大臣 私も実は日東紡績という紡績会社に十一年勤務しておりまして、綿紡を主体にやっていた会社でございます。先生の選挙区内にも昔は工場があったわけでございます。

 今御指摘のように、海外からの繊維製品の輸入急増に伴う国内織物需要の減少によりまして、繊維産地の中小企業が非常に深刻な打撃を受けている、このことはよく承知をしております。

 播州地区について見ますと、昨年一年の綿織物の生産量が前年比約一五%の減少、大変厳しい落ち込みになって、御指摘のとおりでございます。しかし一方、最近になって、綿ストレッチ織物の受注の増加によりまして、昨年十二月の綿織物生産量は前年比約一四%増となるなど、一部には明るい兆しが見えてきていることも事実だと思っています。

 こういう明るい動きが定着するかどうか、当省としても引き続き注意をしてまいりたいと思っておりますし、播州産地というのは、二百年の歴史がある、そして今、綿織物の日本の最大の産地で、二〇%の比重を占めている大変重要な地域だと思っています。

 そういうことで、伝統あるこういう産業というものをやはり守っていかなければならない、このことは私は必要だと思っておりますし、業界の自助努力と政府の適切な支援によって再生への展望を見出す、こういうことも私は十分可能だと思っておりますので、いろいろな面で経済産業省といたしましてもお手助けをしていきたい、こういうふうに思います。

藤木分科員 御認識としては、非常に厳しいということもきちんと見ていらっしゃるし、それが輸入によって影響されているということも御認識のようですけれども、去年の暮れから入った仕事もあって少し上向いているということは、決して先が明るいということではないんですね。その辺はもっと厳しく認識を改めていただきたいというふうに思うわけです。

 現時点では、ある社から一時的に仕事が来たという受注がありまして、ほっと一息ついているのは確かなんですけれども、先の見通しというのは全くないということでございますから、特に去年はひど過ぎたわけですから、そのパーセンテージが一気に上がったように見えますけれども、それは決して当たり前になったということではないということを見ていただきたいというふうに思うわけですね。実際に資料なんかを見ましても、一九八七年がピークで、それから後は毎年減り続けるという状況になっているわけです。

 この業界の責任ある方の言葉によりますと、今度の受注がなかったら、今ごろ播州織産地は悲惨な事態になっていただろう、しかし、これから先どうなるかと聞かれたら、怖くて口に出すことができない、もう不安でいっぱいだ、このように語っておられました。ある機屋さんは、必死の思いで借金をして購入した革新織機というのがあるのです。十二台持っていらっしゃるのですけれども、実際私たちが伺ったときには、七台しか動いていないというような状況でございます。

 その革新織機というのは、革新と名前がついているだけにスピードが大変速いので、機屋さんは苦労をしてでも、借金をしてでもそれを手に入れるということで、みんな営業努力、自己努力と言われましたけれども、そういう自己努力をしてこられたわけです。しかし、借金して導入したけれども、去年の今ごろは全く静かなものだった、一台も動いていなかった、四月から先また仕事がなくなれば、借金が返せるのか心配で仕方がない、三年もつかどうかわからないと本当に不安な胸のうちを聞かされてまいりました。

 大臣のおっしゃったような実態認識ではまだ甘いというふうに言わなければなりません。ですから、リアルな実態を把握しなければ、適切な保護育成はできないんじゃないかと私は思うのです。数字上のデータだけを見て判断するのではなくて、産地の人たちの生の声、そういった実態をリアルに調査すべきだというふうに思うのですけれども、どうでしょうか。

松田副大臣 先生おっしゃるとおりだと存じます。

 産地の現状をしっかり把握する、播州産地に限りませず、各地に産地がございますが、私の選挙区も繊維県ということであるわけでございますが、そういう意味では、経済産業省といたしましても、担当職員が、本省の職員も含めまして、できるだけ産地を訪ねるようにということで奨励いたしておりまして、繊維産業に実は限ってはいないわけでございますけれども、とりわけ繊維産業については、現に今も担当課長が、実は播州ではないのでございますけれども、広島の方に行って現地を一生懸命今勉強しております。

 先生がおっしゃる方向で今後とも努めてまいりまして、間違いのない現状把握の上に立ったしっかりとした政策をやっていきたい、同じ思いでございます。

藤木分科員 正確な実態把握こそが保護育成の出発点になる、その手だてを何を選ぶかということの出発点になるわけですから。

 昨日、繊維ニュースを拝見させていただきますと、播州織休業、矢印がしてありまして、廃業の流れ続く、こういう見出しで深刻な実態が報じられていました。播州織四組合の加盟企業数は、昨年四月で五百二十三社、その後、廃業が毎月一ないしは十一件発生をして、ことし一月末現在で四百七十四社、このうち完全休業工場は五十社あり、さらに完全休業工場が漸次廃業していくと見られるとしています。

 実際操業している機屋さんでも機械の稼働率は五割前後ですから、まさに産地崩壊という状態になっているのが全国有数の織物産地の播州織産地の実態だということでございます。

 そこで、全国でも有数の織物産地である播州織がどうしてこんなに深刻な事態になったか。先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、それは確かに輸入です。政府が織物について輸入の規制をしなかった、このことがやはりひどい仕打ちであったんじゃないかというふうに私は思うわけです。そして、織物産地を守るための保護育成、その手だてや施策も本当に真剣に尽くしてきたのか、そのことも問われるであろう、その責任の結果ではないか、こんなふうに思えるわけですが、これは大臣にお答えをいただきたいと思います。

平沼国務大臣 政府といたしましても、これまで繊維産業の発展のためにさまざまな措置を講じてきたところでございます。それらは一定の成果を上げてきたものだ、このようにも考えております。

 しかし、御指摘のように、近年、海外からの繊維製品の輸入急増によりまして、繊維産業の事業環境が激変をいたしました。繊維産業、とりわけ繊維産地の中小企業が深刻な影響を受けているものと私は認識しております。

 このため、繊維セーフガードの国内規則について、国際ルールを踏まえまして迅速な対応を図っていかなければならない、このような観点から、去る一月に改定を行いました。発動要請時に構造改善見通しの策定を求めない、こういうことにして、要件緩和を行ったわけであります。

 また、こうした取り組みとともに、昨年末の繊維産業審議会の答申も得まして、繊維産地の競争力を強化する総合対策を打ち出したところでもございまして、具体的には、むだの多い生産、流通構造の改革や、不透明な商慣行の是正、アジアなど海外消費市場への展開の支援、物づくりと消費者のニーズの双方に目配りのできる人材の育成などを推進することにいたしております。

 これからも若い後継者の方々もたくさんいらっしゃいますので、夢を持って繊維産業を支えていただけるような環境をつくるために、経済産業省としても全力を尽くしていきたいと思っています。

 また、委員御指摘のように、そういう規制というものを放置したその結果ではないか、こういう御指摘がございました。

 しかし、そういう中で、世界のWTO体制とか自由貿易体制の中でなかなかそういうことができにくい面もございましたけれども、セーフガードというのは、御承知のように、WTOの繊維協定の中でも認められていることでございます。そういう形で、我々としてはこういったセーフガードも一つの手だてとしてこれからも考えていきたい、こういうふうに思います。

藤木分科員 これほどの有数の産地が崩壊状態に瀕しているというのは、やはり年々増大する輸入であることはもう間違いないわけです。ですから、綿工連の資料を拝見いたしておりましても、九四年に七四・七%であったものが、一昨年の九九年には八五・九%というふうに輸入の占める比率が上がってきているわけです。

 「洪水的な輸入を阻止せよ!」これは播州織産地の人たちの血のにじむような声なんです。このスローガンは、実は去年、十月の五日の日に国会周辺で一大集会を行いまして、全国織物産地危機突破大会というので第一のスローガンに掲げた問題でした。この集会には、全国三十八の織物産地から三千人、実に切実な思いを胸に集まったわけですけれども、そのうち播州織の産地からは六百人来ております。

 二市六町にまたがる織物、染色、産元、縫製業関係者のほかに、西脇市を初め各自治体の市長、町長、議会の議長、そして議員、さらには商工会議所の方たち、立場の違いを超えて播州織を守れ、産地を守れ、地域経済を守れ、地域雇用を守れと文字どおり播州織産地の生き残りをかけて駆けつけてこられたわけです。輸入をこのまま放置しておけば三年以内に国内の織物産地は崩壊する、播州織を守るために欧米並みの輸入規制をせよ、これは播州織産地の人たちの命をかけた叫びでもあるわけです。

 今から約十五年ほど前には、播州織産地にやはり危機が見舞っておりまして、みずから命を絶つ人がもう続々と出た、ちょうど革新織機を仕入れた直後ぐらいですね。こういったことがございました。二度とこういったことを招いてはならないというのが私の思いでございます。

 これだけ輸入がふえて、産地崩壊の危機に瀕しているわけですから、播州織についていろいろ難しいとおっしゃいましたけれども、大臣、セーフガードをぜひ発動していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

平沼国務大臣 中国からの輸入の急増によって多くの繊維産地が大変厳しい状況に陥っている、そのことは御指摘のとおりです。対策の着手に一刻の猶予も許されないことは十分承知をいたしております。こうした状況に対応するため、輸入対策と産地活性化のための国内対策をうまく組み合わせ、総合的に推進することによって繊維産地の再生を図っていく、このことも必要だと思っています。

 輸入対策である繊維セーフガードは、今申し上げましたように、WTOの繊維協定でも認められている措置であり、経済産業省としましては、同協定に対応して国内規則を今申し上げたように整備をしてきました。

 具体的には、輸入の急増、我が国の産業への重大な損害について検討するとともに、消費者、ユーザーへの影響も総合的に勘案して繊維セーフガードの発動の是非を判断する、こういう仕組みになっています。

 国内規制については、先ほどちょっと触れましたけれども、発動要請時には構造改善見通しの策定は求めない、こういうことで、しやすくしました。

 こうした中で、業界の皆様方も、繊維のセーフガードを発動すべしということで相当検討をされているところもたくさんございますし、また、二月二十六日には、これも藤木委員御承知だと思いますけれども、日本タオル工業組合連合会が、我が省に対しまして繊維セーフガードの発動要請を行いました。業界からの要請につきましては、国内ルール上、要請の日から二カ月以内に経済産業省による調査決定の是非を決定し、調査開始後六カ月以内に措置の発動の是非を決定することになっている。

 私としましては、タオル工業会のそういう御要請を受けて、事務方に、二カ月以内に調査をするかどうかというようなことがあるけれども、産地の方々は大変皆さん困っておられるんだから、可及的速やかに、迅速に、的確に対応すべきだ、こういうことで指示を出したところでございます。

 したがいまして、そういう業界がまとまった形でセーフガードの発動要請がありましたときには、我々はそれに真摯に取り組んで、そして迅速かつ的確に対処するようにいたしていきたい、このように思っています。

藤木分科員 大臣が可及的速やかに、迅速にと言われますけれども、今仕組みを伺っていますと、その号令が本当に通るような仕組みそのものではないなという思いがするわけですね。

 現場では、この大会では、とにかく輸入を規制してくれ、こう言っているわけですから、セーフガードをやってくれと言っているわけですよね。それが文書として出てこないとか書類として出てこないというのは、地元では、あなたのところは布を織っているんだ、布で外国から入ってくるわけじゃないんだ、布では負けているわけではないんだ、こういうことを言われて、それが対象にならないかのようなことが支配するというような風潮になっているんですね。

 私は、やはり、その現場の実情がセーフガードの要件を満たしてないというのではなくて、セーフガードが実態に合っていない、そういう側面があるということを、ぜひ大臣、それを変えていくような努力をしていただきたいと思うんですね。

 迅速にと言われても、この仕組みのままではそうはいくまいなということを私は感じるわけですから、そういったものを取っ払って、播州織について直ちにセーフガードの発動が行えるようにぜひお考えをいただきたい。もう一回、これは大臣にお願いしたいと思います。

松田副大臣 繊維セーフガードの国際ルールについてのお尋ねでございますが、先生御案内のように、特定の産品の輸入増加が同種のまたは直接に競合する産品を生産する国内産業に重大な損害を与え、または与える現実のおそれがある場合にということになっております。

 したがいまして、当然のことながら、直接競合しない産品に対する損害を原因としてセーフガード措置を発動することは、国際ルール上、今認められていない、こういうことでございまして、この点は、自由貿易主義という大きな公益と、国内産業保護、これもまた大きな公益でございますが、その両者のバランスを考慮して国際的に決められていることでございまして、制度としては合理的なものではないかなと私ども思っております。

 なお、御指摘の点がございますので、国際ルールはそうだけれども、従来から、関連業界と御一緒に御相談いただいて、今の場合ですと、織物、そしてアパレル製品。アパレルの方々が影響を受けておられるというのであれば、その川上の織物業界の方々と実際上、御一緒にお願いになって、そして、この国際ルールに合う、例えばアパレルの部門で、タオルなどの部門でとか、そういう形で実際に運用できるように国内ルールは整備いたしておりますので、御理解をいただきたいと思います。

藤木分科員 いや、そうじゃないんです。そこが間違っているということを私、申し上げているんですよ。そこが違っていると。

 今言ったことによったら、生地は対象にならないんですよ、生地で入ってきているわけじゃないんですから。しかし、実際に入ってきているのは衣類という製品でしょう。生地を使わずに縫えるはずないんですよ。その生地はどこでつくっていますか。播州でつくっているんじゃないんですよ。国外でつくった生地でつくった製品が入ってきているんですよ。結局、生地が入ってきているんですよ、製品という形になって。その実態に合わせたルールづくりをするべきだということを申し上げているんです。

 もちろん、国際ルールですから、国際的な交渉が必要なことは私もわかっております。そこで、その交渉のときに、大臣、どれだけ日本の立場をはっきりと、真剣に訴えていただくことができるかどうか、もうそのことにかかっていると思うんです。

 地元はそれを本当に熱いまなざしで見詰めているわけですね。熱いまなざしといいますけれども、ここで本当にやるという決意を示していただかなければ、もう先のことを語るのは口に出す気もできないほど恐ろしい、こう言っているわけですから、皆さんの期待にこたえることはできないというふうに思いますが、努力をするということはしていただけますよね。いかがですか。

平沼国務大臣 日本は、ある意味では自由貿易体制を選択し、そして貿易立国、そういう国の立場があります。そういう中で、WTOを推進している国として、そのルールに従って行動しなければならない、こういうことは委員も御理解をいただけると思います。

 したがいまして、今、向こうで生地で生産をして、それが衣類で入ってきて、それが実際で、こちらで織物を織っている方々と競合になって、そこが非常に厳しい状況になっている、そういう御指摘があります。そういった事情というものも、これからそういう国際会議の場等を通じて、機会があれば私どもから、日本のそういう事情は説明をし理解を得るよう、そういう努力は惜しまないつもりでございます。

藤木分科員 必ずそういったことを反映させるというお気持ちをお持ちのようですが、機会があればではなくて、機会をつくってぜひやっていただきたいということを強く求めておきたいと思います。

 セーフガードの発動は当然必要ですけれども、その発動以前にも、国内での織物産地の保護、支援のためにできることはたくさんあるだろうというふうに思うんですね。それさえも本当にやってこなかったのではないかという気がするほどですが、昨年の全国織物産地危機突破大会では、織物産地の崩壊を防ぐ思い切った施策を要望するという決議を上げております。

 播州織産地の保護、支援のための施策を直ちに実施する必要があるわけですが、来年度予算の繊維関係の目玉というふうに言われておりますのに、地場産業等活性化補助金というのがございまして、これまで一般施策だったらしいんですけれども、今度からは繊維産業だけに活用できるということで、地元でも大変期待をされているところなんです。しかし、予算は三億円にすぎませんし、自由に使えるというのですけれども、やはり規制があるんですね。その枠が破れませんと、本当に役立つために使いたいと思っていらっしゃる方の活用ができないということになるわけです。

 ですから、私は、産地の声を実際にお聞きになって、実情に合うような、よりよい事業にしていくことをぜひやっていただきたいと思うのですけれども、大臣、使い勝手のよいものになるように御努力をしていただけるかどうか、はっきりとお述べをいただきたいと思うのです。

岡本政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の産地の活性化補助金、国の方で三億でございますが、地元の県、市町村に同額負担していただいて六億の事業でやるということで、御案内のように、事業者の方々の負担なしで、前向きのいろいろな取り組みに対して応援していくというものでございます。極力使い勝手のいいということで、私どもも、そういう意味の弾力性というものは、補助金の当初から設計に当たって織り込んでいるところでございます。

 例えて申しますと、新商品の開発というものを応援していこうと思っておりますが、原材料のほかに、試作品の開発に必要な機械装置等も対象にするということで、極力地元の事業者の方々のニーズというものにこたえるべく努力をしてまいりたいと考えております。

藤木分科員 ぜひそれは産地、現場の声を十分お聞きいただいた上で、皆さんの使い勝手のいいものにしていただきたいというふうに思います。

 保護育成も大事なんですけれども、それを怠ってきただけではないかという以上に驚くべきことがございまして、実際には、織物の現場では弱い者いじめが横行しているわけです。不公正な取引慣行が行われておりまして、直ちに改めるように指導していただきたいと思うわけです。

 例えば、A反、これは一番高級品といいますか、一番よくできた品だよというお墨つきですね、そういう生地が、検査をし合格をして納品されますね。その後、裁断をされて縫製をされて市場に出るわけですが、それが売れ残った場合に、生地が不良品だったと難癖をつけて返してくる難引きというような取引が平気でやられております。不良品扱いをされるだけではありません。歩引きといって、頭から五%引きとか七%引きというようなことで、お金を払わないというようなこともあります。

 まさに不当返品、長期手形など不公正な取引慣行が繊維業界全体に横行しているんですけれども、この実情をよくつかんで、現在の播州織の深刻な実態に拍車をかけるような弱い者いじめの不公正取引の問題を直ちに是正していただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

松田副大臣 御案内の問題も我々もよく了解しておりまして、下請の問題あるいは今おっしゃったような問題を含めまして、不透明な商慣行とか不公正な商慣行といったものについて早急に是正したいということで、公正取引委員会、我が経済産業省、中小企業庁並びに繊維業界の間で検討会を設けまして、今問題点を整理中でございます。法改正も視野に入れまして、できるだけ早い時期に結論を得たいと思って頑張っております。

藤木分科員 公正取引委員会にゆだねるのもさることながら、担当の官庁としてやはりそこに目配りをきちんとしていって、その問題の解決に率先して当たるということをぜひしていただきたいと思います。

 公取委の方、来てくださっていますか。

 では、公取委は何をしていたのかと思うわけですね。公取委員会は、こうした不正な取引慣行を放置しておいていいと思っているのか、このような案件の実態調査を行って事実関係をきちんとつかんでいるのか。速やかに是正すべきだと思いますが、どうですか。

楢崎政府参考人 先生御指摘のありましたように、繊維産業における下請取引につきましては、いろいろな問題があるということは我々承知しているところでございます。

 ただし、下請事業者の方からなかなかこういう問題があるという情報が上がってこないということで、我々といたしましては、親事業者に対して書面調査をして、それからさらに反面調査として下請事業者の方にも書面を出して、どんな問題がありますかといった調査をして、そこで下請保護上の問題がありますれば改善指導、例えば支払い代金の遅延がありますと、遅延利息等の返還、あるいは先ほどおっしゃいました五%の値引き、減額行為がございましたら、減額分の返還等の指導を行ってきているところでございますし、また、今後とも中小企業庁等とも連携をして、繊維取引における実態を把握して不公正な取引方法の改善に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

藤木分科員 もう時間なんですけれども、私、それではだめだと思いますよ。指導してきたと言いますけれども、いまだにどれだけそれの苦情を聞くことか。是正されていないんですよ。是正が行われるまでぜひしていただきたいというふうに思います。

 最後に、もう時間がありませんから提案だけさせていただきたいんですけれども、地元の生地を使った地元消費ということをぜひ大臣、奨励していただきたいんですよ。少なくとも官公需を、今の枠を取っ払って、すべての施設の、カーテンにしても布団にしても制服にしても作業服にしても、それを使うというようなことをやっていただいたら、本当に困難なときに乗り切る土台を築くことができるのではないかと思いますので、ぜひ御検討くださるよう申し上げて、質問を終わらせていただきます。

小林主査 これにて藤木洋子君の質疑は終了いたしました。

 次に、山田敏雅君。

山田(敏)分科員 本日は、エネルギー政策の非常に大事な部分である原子力発電所の立地に関することを取り上げたいと思います。電源立地促進対策交付金のことについてでございます。

 既に大臣御存じだと思います。去年の六月に、新潟県刈羽村の生涯学習センターラピカというところで思わぬことが次々と出てまいりました。

 その中に、高級な、最高級の茶室がございますが、一畳十三万円、京間の特注品が設計に書かれておりました。見てみますと、それはベニヤにござをホッチキスで張りつけたもの、土台は発泡スチロールと厚紙でできたスタイロ畳という、一般の家庭よりももっと悪いものでございます。かわらが、一枚一枚手焼きの高級品のかわらであるということでございます。見ましたら、これは一般の普及品のかわらであった。さらに、その内部に柱が使われております。ヒノキの柱、ヒノキの内装材ということでございます。すべてこれは集成材でございました。さらに、庭園がございます。御影石を使うと書いてございます。その御影石は一つもありません。すべてそこらに転がっている安い石でございました。

 住民の方あるいは国民の方が、私たちの大事な国民の税金が非常に不透明に使われたことに対して憤りを持ちました。国会議員の、公共事業をチェックする議員の会ということでも現地をたびたび視察いたしました。その中で、通産省、去年でございますので通産省のかかわりというのが次第にはっきりしてまいりました。

 まず、この設計と実際に行われたことがこんなに違うということは、だれの責任だろうか。これは、設計監理をする会社の責任でございます。それはどのように決まったのだろうか。設計のコンペを行いました。約八社でございます。このコンペを決定された方が、通産省が村に薦めたコンサルタント、古宮さんという方でございます。この方が深くかかわって、だれの設計会社にするかということを決定されました。

 そのさらに前の段階では、通産省出身の吉野さんという方が、古宮さん初め深くこの事業にかかわりを持たれました。ところが、このコンペを決めた古宮さんが実はその決定した石原・山口研究所という会社の元役員でございますので、いわば身内の人が身内を無理やりに持ってきたということでございます。

 去年、衆議院調査局に依頼しまして、このような報告書ができました。この中に、吉野さんが、この設計会社が決まったことについては奇異な、不思議なということですね、奇異な感触を覚えたというふうに言っておられます。まあどういう意味で言っておられるのかわからないのですが。

 そういうことで、住民の方は、これは通産省のかかわりが非常に深い、しかも電源立地促進対策交付金がこういう形で払われたということについて、通産省としての責任はどうなんだろうかと。

 大臣、通産省の責任ということについて一言お願い申し上げます。

中山副大臣 刈羽村生涯学習センターラピカにつきましては、平成七年度から十年度まで、電源立地促進対策交付金として、総事業費約六十二億円のうち五十七億円を交付しております。

 また、当該施設につきましては、設計に見合わない工事が行われたおそれがある等の観点から、刈羽村において、村当局による調査及び村議会の百条委員会において調査が行われているというふうに承知しております。

 また、衆議院の調査局におきましても、衆議院規則第五十六条の三に基づく予備的調査が実施されたところであります。

 経済産業省としても、これまで、本省及び東北経済局から担当者を現地に派遣するなどしまして調査を行っております。

 現在、本件に関する交付決定の内容と、今話がありましたけれども、実際に行われた事業内容との差異等につきまして、補助金等適正化法に基づく報告徴求等を通じ、各工事内容、金額等を含め詳細な調査検討を行っているところであります。

 今後、村及び村議会の調査、衆議院調査局の予備的調査等を十分に踏まえ、当省としてもさらに調査検討を進めまして、必要な施設の補修や交付金の返還などにより本件について適正に対処していきたい、このように考えているところでございます。

山田(敏)分科員 全然私の質問の意味を考えて答弁していただかなかったようですが、今、そういう状況ではございません。

 今申し上げましたように、ことしの二月にこの調査局の報告書が出ました。さらに、百条委員会、村議会の最終報告書も出ました。そしてさらに、これはつい一週間前でございます。行政としての村の最終報告書が出ました。この中で、年度内に最終決着をしたい、年度内というのは三月末でございますが、これでもう決着をしましょうということを言っております。

 今おっしゃったような、私は調査しました、これから検討しますと。もう既に去年の六月からたびたび通産省に対して、慎重な、そして国民の期待を裏切らない調査をするように申し上げました。今この段階になって、調査結果もありません、報告書もありません、それからというような状況ではないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

中山副大臣 委員御指摘のように、この設計コンペは平成七年の七月に刈羽村が実施したものであると認識しております。他方、当該設計コンペには、電源地域振興センターの当時の理事が学識経験者の選考委員の一人として参加していたことは承知しております。

 また、当時、刈羽村において、電源地域振興センターがその専門家派遣事業によりまして派遣した専門家が、当該設計コンペの実施方法等について村に対して専門的な見地から助言を行っていたということも認識しております。また、当該専門家が、設計コンペにより選定された設計業者の非常勤役員を設計コンペ実施以前の平成四年から約二年間にわたって務めていたということも明らかになっております。

 今のところ、当該専門家やコンペに選考委員として参加していたセンター理事が特定の業者の便宜を図っていたという事実は確認できておりませんが、現在、事実関係の詳細について引き続き調査検討を行っているところであります。

山田(敏)分科員 今おっしゃったように、通産省が非常に深くこの事業にかかわっていたということをお認めになったわけです。

 ところで、会計検査院ですが、これを去年私どもも再度いろいろ申し上げました。会計検査院は、調査結果が出てからやるんだということをいろいろ申されましたが、きょうこの段階ではほぼ関係者の調査結果はすべて出ました。会計検査院としてどういう責任があるのか、一言お願いいたします。

円谷会計検査院当局者 お答えいたします。

 昨年の七月に現地に赴きまして会計実地検査を行い、その際、建物の一部につきまして設計と出来形が相違しているという事実を確認してきております。そこで、事業主体であります村から、その後の状況につきまして逐次報告を求めてきております。それから、交付主体であります資源エネルギー庁に対しましても、逐次その事実関係その他につきましての報告を求めております。

 先生御指摘のように、その後、衆議院の調査局の報告書、あるいは村が委託しました新潟県の建設技術センターからの報告書等も提出されてきておりますけれども、現在のところ、最終的な出来形不足の状況であるとか、それから開差額の状況であるとか、そこまでまだ詰め切っていないというのが現状でありまして、会計検査院といたしましては、こういった事実関係を確認できましたならば、補助金適正化法等の規定に基づきまして適正に処理をしたいというふうに考えております。

 以上であります。

山田(敏)分科員 会計検査院のお答えは、この損害額がはっきりした段階で返還請求を行うんだということでよろしゅうございますか。

円谷会計検査院当局者 この交付金の性格等もございますので、その額がどのくらいになるか、こういったことをちょっと詰めなければいけない点もありますので、そういった点も念頭に置きながら、今後その結果を踏まえて判断したいということでございます。(山田(敏)分科員「ちょっとはっきりしてよ。額がはっきりしたら返還させるんですか」と呼ぶ)ですから、事業費と交付金の額の差もございますので、通常の補助金のようなわけにはいきませんけれども、そういった点も当然念頭に置いております。そういった上で検討をしたいということです。

山田(敏)分科員 今冒頭に申し上げましたように、次から次へともうとんでもないことが発見される。これは、普通の市民が見て、玄人でなくてもわかるような話だけでもこれだけございました。

 六月二十二日に、この設計の方と大成建設、事業者の方にどれだけ設計と実際にやったことが違うのかということを聞きましたら、六月二十二日には、慌てて、設計者の方は、四十八カ所違います、建設された大成建設の方は、六十八カ所設計と違うことをやりましたという報告がございました。さらにもう一度聞きましたら、八月十日には、合計して今度は百九十七カ所が設計と実際は違いますと。そこだけでもう大変な違いなんですね。

 そして、二月十五日に村がこれを、業者と適切に協議しましたと書いてありますが、三百四十カ所、設計と実際にやったことは違いますと。この経緯を見ただけでも、この電源立地促進対策交付金がいかにいいかげんに使われたか、そして国民の税金が明らかにならないかという声が地元でも大変上がっております。

 ここで、この交付金そのものの事業をちょっと見てみたいと思うんですが、このラピカの八十億円の事業をやりますというその前に、このわずか人口五千人の刈羽村に体育館が既に五つ建設されました。これは、百数十億円の交付金が交付されたからです。五千人の町に既に体育館が五つある。さらにラピカに体育館をつくったわけですね。下水道普及率はもちろん一〇〇%近い。そして、公民館のような集会所が既に三カ所あります。その上に、ラピカにこの文化ホールというのをつくった、同じものを。さらに、児童遊園地、保育所は六カ所つくられました。全部で六十七の事業がもう既に行われた、このわずか人口五千人の町に。さらに、この村には百億円の剰余金があります。返還することができるお金が十分あります。

 一体全体、この五千人の村にこれは何が起こったのでしょう。電源立地促進対策交付金というのは、確かにエネルギー政策の上で大事なことですが、私は広島の出身でございますが、その田舎に今下水道がないので大変苦労しております。その村は下水道普及率は一〇%、水洗化率は五%、ちょっと山に行くとみんなそういうところでございます。

 ここに来ると、五千人の村ですから、もう既に五つ体育館があるんですから、恐らくだれも利用していないですよね。もちろん道路は、これは数えると切りがありませんが、道路、通信施設、それから環境衛生施設、消防に関する施設、それも全部あります。それで、さらに八十億円のラピカを持っていったわけですから、もうそろそろ村にとって、何でこんなことをするんだろう、どうやっていいのかもちろんわからない。そこに、この通産省の外郭団体であります財団法人電源地域振興センターがアドバイスをしてこれをつくれということをやったわけです。当然、そんなものは要らないお金ですから、五十億かかろうが、二十億かかろうが、三十億かかろうが、ほとんど村は関心ありませんし、そういう能力の人たちもありません。こういう実態でございます。

 これは大臣にお答えいただきたいのですが、原子力行政の根幹をなす、こういう国民の血税を使ってこのようなことが行われているということについてどういうふうにお考えになりますか。お答えください。

平沼国務大臣 今委員、いろいろ具体例を挙げて御説明をいただきました。私もかねがね聞いていたところでございますけれども、なお詳細な御報告を聞きまして、若干私としてもびっくりいたしております。

 特に、今回のそのラピカの建設に当たって、建設会社が精査したところ、三百カ所を超える設計と違う状況があったということは、非常にずさんであったな、そういう率直な感じを持たせていただいています。

 これは御指摘のように、国民の皆様方の血税で、そして将来的に日本の電力エネルギーの安定供給、こういう形で本当に国策としてやっていることに関してこういうずさんなことが行われているということは、甚だ残念なことだと思っています。

 さはさりながら、やはりエネルギー資源の乏しい我が国にとって、環境保全や効率化の要請に対応しつつ安定的なエネルギーの供給を図る、このことは、どうしても原子力発電ということは避けて通れないことだ、このことは委員もよく御認識いただいていることと思います。したがいまして、今後とも相当程度原子力発電に依存せざるを得ません。

 そうなりますと、電源三法に基づいたこういった一つの措置も行われるわけでございまして、御指摘のように、国民の大変大切な税金がそれに当たる、こういうことでございますから、やはりこれを一つの教訓として、公明正大に行われるように、国民の皆様方がだれしもが納得できるようなそういう形にしていかなければいけない。そういう意味でも、行政の透明かつ公平な遂行をしていかなければならない、つくづく感じさせていただきました。

山田(敏)分科員 ありがとうございました。

 国民にとっては、これは一つ刈羽村の問題ではなくて、全国に行われている電源三法交付金についてこのようなことが行われているんじゃないかという意識を当然持たれたと思います。エネルギー政策の非常に大事なかなめでございますので、やはり相当思い切った措置を経済産業省がこの場において示していかないと、国民は納得できないと思います。

 このままいきますと、今申し上げましたように、村の行政としての最終結論、ここに書いてございます。損害賠償をやるということが書いてございます。どういうふうにやるかというと、村と業者が相談して適切な賠償額を確定しますよと書いてあります。こんなことは、もうおよそ公平な、公正な行政の立場からいうと、だれも納得できないやり方ですよね。

 これはもともと通産省が所管する、そして事業を終了した計画ですから、通産省が村に対して返還請求の法的措置をとらないと、このような形で、今現在伝え聞いております、恐らく僕は何十億というお金がこれはなくなっていると思うんですが、一千万とか二千万で、相談して賠償額を決めて、それで終わりです、こういうふうにしようということになりますと、これはやはり国民は黙っていられないということだと思います。

 そこで大臣に、この返還請求について法的措置をとれば、これは村として対応しなきゃいけないということでございますので、いかがでしょうか。

平沼国務大臣 今、金額的な問題は調査中でございます。そういう結果が出ましたら、我々としては、今御指摘の点も含めて検討していきたい、こういうふうに思っています。

山田(敏)分科員 この場で、まだたくさん詳細なことを私ども聞いてまいりました。非常に不透明なことがございましたので、いろいろなうわさというか、政治家が絡んでいる、業者の後ろにはいたとか、そういう話がたくさん出ております。

 住民が、一昨日、七名の方が監査請求を裁判所に提訴いたしました。すなわち、たびたび会計検査院、通産省、村に対して、これだけ不透明なことが起こっているのに、それを明らかにしてくれと幾ら言ってもやらない。先ほど会計検査院、私ども去年ヒアリングしました、調査結果を待ってやりますと。もう去年の六月からずっと何も進まない。通産省は、この事業を主体的に進めていって、しかも責任持って、そういう財団法人があるわけですから、これについても何らやらない。ついに住民の方々はみずからの費用で立ち上がられまして、一昨日、そういうことを出されました。

 経済産業省としても、この監査請求に対してぜひ全面的な協力をするということ、それから真相の解明、それから不透明性をなくす、情報の開示について全力を挙げることを大臣からひとつお願いいたします。

中山副大臣 今委員から御指摘がありました件でございますが、まさに私どもも、そういった方向で最大限の協力をして適正な措置をしていきたい、このように考えております。

山田(敏)分科員 そこで、最後の質問でございます。

 これは今問題をずっと見てみますと、非常に至るところでなれ合いというか、通産省のOBの方が来られて、その身内の人を指名して、その人が指導をして、そしてその人が設計を決めて、そして設計者と業者がなれ合いをしていいかげんなものを全部やってしまう、それでそのお金がどこかに消えてしまうということが、これはたまたま明らかになりました。余りにもひどい、素人の目で見てわかるような、私も見ました、御影石かどうか、だれでもわかりますから。

 そういう極端なことでございますので、これは恐らく、全国で今までやって、数字はちょっとございませんが、相当の金額がこの電源地域振興センターの手によって交付されたと思いますので、改めまして内部調査をしていただいて、そして早急にそれを国民の前に明らかにする。

 これがないと、国民の行政に対する信頼ももちろんなくなりますが、原子力発電所に対する余りにも極端な税金のむだ遣いというか、今説明しましたように、ほかの市町村に比べて、百億円の剰余金を持っているわけですから。しかもそれは、五つも体育館があって、その上にさらに体育館をつくる。

 こういうことは、余りにも事務的に、これだけあるから、この刈羽村、人口五千人だろうが百万人だろうが関係ない、全部上げますと。五千人の村に二百数十億のお金は必要ありません。一億円使うのも大変です。事務的に処理すると国民の税金が物すごいむだ遣いになりますので、二百億あるけれども、村が要求していないんだったら一億でもいいじゃないかというルールの変更をぜひ検討していただきたいのですが。

平沼国務大臣 非常に残念な事例でございますけれども、山田委員、実は、私の選挙区も人形峠というのがありまして、そこに今原子力関係施設があります。そこも小さな村でございまして、上齋原村という村ですけれども、そこは電源三法に基づいていろいろな施設がございます。私が見たところ、そういう今御指摘のような不正はない、非常にうまくいっております。

 ですから、全部が全部そういう形にはなっていないと私は思っておりますけれども、しかし、現実にこういう事例が出てきております。そういうことで、私どもとしては、やはり監督官庁として、こういった問題をよく全国的に調査して、そしておっしゃるとおり、今情報開示の時代でございますから、そういう方向で調査を進めていきたい、こういうふうに思っております。

山田(敏)分科員 最後になりましたが、ちょっと確認したいことが一点ございます。

 三百四十カ所の設計と実際にやったことと違うという、ここに私はリストを持っております。これについて、実態上、村でこれを、一体金額は幾らなのかという能力はございません、やると言っておりますけれども。

 これは、実態上、今申し上げましたように、通産省の補助金がほとんどのお金でございますので、言ってみたら、通産省が責任を持って、この金額は一体十億なのか、二十億なのか、三十億なのか、本当に適正に金額を出していただきたい。それが第一歩だと思うのですが、それを最後に約束していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

平沼国務大臣 今、東北経済局を中心に、その実際の差異の金額等について調査をいたしております。その調査の結果を見ながら、我々としては、さらにその調査の精査をするように努めていきたい、このように思っています。

山田(敏)分科員 ちょっと今、私の質問に答えていただけないのですが、調査しておりますというのはずっと聞いておりますので、今この場であれなんですが、具体的にこの三百四十カ所というのは出ておりますので、これについて通産省として、今は経済産業省として、金額の特定をしていただけませんかと。これは、今言いましたように、村でもうできないというのはわかっていますから、結論として。とにかく適当に協議して決めましょう、こういうことになっていますので、これは村民にとっても国民にとっても不幸でございますので、これは経済産業省としての責任であると思いますが、いかがでしょうか。

平沼国務大臣 今、そういう形で東北経済産業局で調査をしております。ですから、そういう御指摘の点についても、しっかりと調査をさせていただきたいと思います。

山田(敏)分科員 どうもありがとうございました。

 質問を終わります。

小林主査 これにて山田敏雅君の質疑は終了いたしました。

 次に、春名直章君。

春名分科員 日本共産党の春名直章でございます。

 二月二十六日ですが、日本タオル工業組合が、緊急輸入制限、セーフガードの発動申請を行いました。私も、その日、平沼大臣に会いに行きまして、調査を急いで、直ちに発動してほしいという要請をさせていただきました。この際改めて、この機会を使って、大臣自身が、この要請にこたえて、発動させるという確固とした立場で臨んでいただきたいと考えております。その決意について、まずお伺いをさせていただきます。

平沼国務大臣 日本タオル工業組合連合会の代表の皆様方が二月二十六日に当省に来られまして、繊維のセーフガードについての正式の発動要請がございました。これを受けまして、私ども、今ルールにのっとって作業を進めております。

 春名先生にもお越しをいただきました。私は、その後、事務方に、これはやはりスピードが必要だ、したがって、迅速的確に対処すべきだ、こういうことで指示を出させていただきました。そういう形で、これから、迅速な形で、調査開始決定をするかどうか、そして、それに基づいて私どもは、国内ルール、国際ルールにのっとってぴしっとやらせていただきたい、このように思っています。

春名分科員 そこで、念のために、大臣に一つ確かめておきたいことがございます。

 きのう、読売新聞にインタビューが出まして、御存じのとおりですが、そこの中で、「過去に中国が自粛してセーフガード発動に至らなかったケースもあるので話し合いの基調を大切にしていく」という表現が出てまいります。これが事実かどうかも含めてなんですが、もしこのことをおっしゃっているのであれば、ポプリン・ブロードのことだと思うのですね。この結末をどう総括されているのかも含めて、この発言の意味合いについてお聞きをしておきたいと思います。

平沼国務大臣 これはもう釈迦に説法で恐縮ですけれども、繊維のセーフガードというのは、一つは、輸入の急増によって甚大な被害が出る、それが国内産業にとって壊滅的な大きな影響が出る。それからもう一つは、やはり消費者ですとかあるいはユーザー、こういった方々の立場も考えて総合的に勘案する、これがルールになっております。

 総合勘案というのはそういう意味でありますし、また、私は、そういう新聞でインタビューを受けたときに、やはり消費者の立場に立ってその辺はどういうふうに考えられるのか、こういう御設問でございましたから、当然それはルールの中にあるので、消費者の立場も考えなければいかぬし、また、中国に対して、過去、そういうことで発動例はなかったじゃないか、そういう背景もありまして、ですから、中国との関係でそれはありましたけれども、それは調査を開始するかどうかを決めて、作業を始めたときに、あちらが譲歩をして、そしてそれによって事実としては一応セーフガードの発動がなかった、そういう事例を申し上げました。

 したがって、ポプリンに関してその後はどうだということでありますけれども、やはり状況としては依然厳しい状況はあると思いますけれども、しかし、あのときにはそういう形で一応お互いの了解ができた、そういう事例として申し上げたところでございます。

春名分科員 消費者とユーザーのことを考えるという点について、きょうは後で少し議論をさせていただきたい。

 ポプリン業界の問題なんですが、九五年の二月に申請したときに輸入浸透率は五八・一%でした。九六年の七月に六五%になり、現在八〇%です。つまり、自主規制をしたということが言われるわけだけれども、何の歯どめにもならなかったというのが冷厳たる事実です。したがって、その経験から、TSGの発動しかないという決断をタオル工業組合はしているわけなんです。ですから、よもや二国間交渉でお任せするというふうにはならないだろうということを私は念のために聞いておいたわけでありまして、その点を改めて強調しておきたい。

 そこで、今大臣がおっしゃいましたけれども、問題はスピードだと思うんですね。痛くてたまらない、大けがをして病院に駆け込んできた患者さんに、では今から検査を始めます、こうはなりません。命にかかわる問題ですから、直ちに手術をする、あるいは治療を施すというのが当然の医者としての使命であります。今、繊維業界、とりわけ発動を要請したタオル業界は、そういう認識でこの問題を提案しているわけだと思うんですね。ですから、スピードの問題が非常に大事なわけです。

 手続でいいますと、発動決定までに最長八カ月かかるわけです。しかし、調査開始の是非、それを二カ月議論する必要はもうないんじゃないかと私は思います。ルールはちゃんと守ってやっていただければいいんだが、実態はもうわかっていると思うんですね。と同時に、調査期間も六カ月以内となっているんですが、既に業界からの申請の段階で、政府自身も親身な御援助をされて、深刻な実態もおつかみになり、貿易統計ももう明確に出ているわけでありますから、六カ月かかるような、そんな必要はないのではないかということも私は感じるわけなんです。

 したがって、一刻も早くスピードをもって発動する、その点を改めて認識として確認をさせていただきたいと思います。

平沼国務大臣 春名委員も御承知のとおり、輸入浸透率というのは、タオル業界では六四%になっています。ですから、そういうことも踏まえて、私は迅速にやるべきだと。

 ですから、二カ月、六カ月ということがありますけれども、それにとらわれないで、しかし、やはりルールにのっとって、調査開始をするかどうかということは、今患者さんの話を例えて出されましたけれども、患者さんが来たときに、やはり病院でも必要最小限の検査をして方向を決めるわけですから、そういう意味で、だらだら検査を延ばす、そういうことじゃなくて、ぴちっと迅速をもって的確に対処する、そういう意味で私は申し上げました。

春名分科員 九五年から九九年までの発動要請数と発動件数、もう大臣御存じのとおりなんですが、アメリカは二十八回発動要請している、ブラジルは七回している、コロンビアは九回している、アルゼンチンは九回している。要請数だけで五十三回。発動件数二十四回。とりわけアメリカなどは、乱発とは言いませんけれども、業界の要請を受けたらすぐ発動申請に入るということを平然とやっているわけです。

 国内の産業を守るという意味では、そういう取り組みをしている面があるわけなので、したがって、もうこの期に及んでは本当にできるだけ早く発動要請にこたえていく、発動させるということを改めて要請しておきたいと私は思うのです。

 そこで、調査を開始することに最小限の検査が必要ということですので、調査の開始に当たって、業界から私はお話を少し聞いてきたのですが、一点だけ確認をしたいのです。

 利害関係者からの証拠の提出または証言、これを行うことになっております。その中身は、輸入の急増、重大な損害、両者の因果関係、本邦の産業の維持発展の中期的見通し、雇用問題の回避、消費者、ユーザーへの影響、通商産業上の影響等々について、証拠の提出あるいは証言もしてもらい、総合的に勘案をする、こういうことが六カ月間の調査の中身として定められているということをお聞きしております。

 タオル業界は、御存じのとおり零細な業者が多いわけなんです。したがって、もしなればいろいろ細かい調査票がこれからばんと零細な業者にどんどん行く、そのことになじみがないわけですから、なかなか書けないかもしれないということも心配をなさっておりました。そのことをもって業界の意思統一が十分できていないんじゃないかというふうに判断をされるようなことになるとまずい。ですから、きちっと意思統一をすると言っておられましたけれども、そういう点での配慮ある調査ということも頭に入れておいていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょう。

岡本政府参考人 お答え申し上げます。

 先生、今御指摘のような諸点について調査をするということとあわせまして、もう一点、タオルの場合も、業界自身もそういう考えなんですけれども、やはり先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、国内のユーザーあるいは広く国民の方々の御理解をいただくということが最終製品を供給する産業ですので非常に大事でございます。

 したがって、セーフガードの発動ということに至った場合に、業界自身が先々しっかりした展望のある構造改善をやっていくという姿を、しかとユーザーの方々に御納得、御理解いただけるようなものを準備するということで、業界は既に作業に入っているわけですが、そういう点も含めて、私どもも業界の取り組みということについて可能な限りの支援はしてまいりたいと考えているところでございます。

春名分科員 構造改善の努力についても、少し後で議論をさせてもらいたいと思います。

 ユーザーの理解が大事だという点について、次に入っていきたいと思うのです。

 タオル業界がセーフガードの発動ということを考え、申請をするのに前後して、かなりいろいろな論調が出始めました。その一つは、おっしゃるように、「輸入が制限されれば消費者にも大きな影響が出そうです。」これは読売新聞の二月二日付などにも出ていますし、国内業界団体が要請した、価格高騰の心配があるというような報道もあります。これは大きな記事です。東京新聞の二面を使って出ているもので、コピーですが、価格高騰の心配もある、消費者にとっては、多くの品ぞろえの中から選んで買えることが理想的なのですが、買いたいときに買いたい品物がない状態になることもあり得ます、こういうちょっと極端な報道もあります。

 そこで、私、基本的認識を大臣にお聞きしたいと思うのです。業界の利益、もちろんセーフガードという問題でいえば、緊急輸入で輸入制限をして産地の崩壊を防ぐ、その意味での利益は当然あるわけですが、同時に、そのことは消費者の利益と相反すると私は思いません。業界保護か消費者保護かの二者択一というのは、私にとっては非常に意図的な宣伝だなというふうに感ぜざるを得ません。いわんや、消費者利益に反するというようなことには私はならないと考えております。大臣は、この点はどういう御認識でしょうか。

中山副大臣 業界の保護それから消費者利益の保護の二者択一というお話でございますけれども、委員御承知のように、繊維セーフガードは業界が構造改善を行うための猶予期間を与えるということでございまして、個別品目ごとに最長でも三年という一定の期間、しかも輸入の伸びを一定のレベルに抑制するというものでございまして、繊維製品全体の輸入が規制の対象になる、あるいは輸入を減らさなければいかぬというものじゃないということは御承知のとおりだと思っています。

 また、政府の調査の中で消費者団体等からの意見の表明が可能ということになっておりまして、今後、政府による調査が開始される場合、消費者のいろいろな利益ということも当然検討していくことになると思います。

 いずれにしましても、繊維セーフガードの発動の検討に当たりましては、輸入増加の事実とかあるいは本邦の産業に与える重大な損害等の事実、その因果関係等について検討しますとともに、消費者への影響等も総合的に判断していくということになります。

 セーフガードにつきましては、このような制度の内容及び発動に至るまでの手続に関しまして、マスコミを含め国民の皆様方に御理解いただけるよう、より一層御説明する必要があるのじゃないか、このように認識しております。

春名分科員 今、副大臣がおっしゃったとおり、TSGというのは、規制一年目は前年と同水準の輸入を認めるわけです。そして、二年目、三年目は六%以上の輸入増を認めなきゃいけないとなっているのですから、輸入がストップするわけでもないですし、減るわけでもないわけなんで、急増の急、激増の激、これを抑えるというのがTSGですから、その点では品物がなくなるなんということはあり得ぬわけです。ですから、こういうことが流布されると非常に消費者はびっくりするわけでして、それはきちっと正していただかないと私はまずいと思うのです。

 そこで、もう一点聞いておきますけれども、繊維製品が今洪水のように輸入されているわけです。一体、年間どれぐらい売れて、どの程度売れ残っているのか、これはなかなか調査するのは難しいかもしれませんが、どの辺の感じでしょうか。

岡本政府参考人 お答え申し上げます。

 国内で販売されている衣類のうち、どの程度売れ残りが生じているかということについては、先生今御指摘のように、統計が存在しませんものですから、私ども正確にお答えするということは難しゅうございます。

 御参考までに十二年の衣類の輸出なり国内の生産数量を申しますと、輸入が約三十億枚、輸出が一千万枚程度でございますが、国内の生産が五億五千万枚ということで、合わせますと三十五億四千万枚の供給ということになっておりまして、国民一人当たり、全部実際に使用されているというのは三十枚という大変な数字になるということで、売れ残りという点の正確な数字はお答えしようがございませんが、大変大量な供給に至っているという今の状況かと考えております。

春名分科員 興味深い数字を教えていただきました。一人当たり大体三十点ぐらいになるということなんです、一年間に。これはなかなかの数です。繊維ニュースにもこれは出ていましたけれども、大体バブルの名残を残す九二年の段階でも、国民一人当たりの外衣と下着を買う量は十九点ぐらいだという調査が出ている。ところが、一年間に三十点ぐらいの輸入が入ってくる。もう推して知るべしであって、どれだけ余っているのかという状況で、売れ残り在庫で処分をする、これが四分の一ぐらいになるんじゃないかという話もされているわけです。

 したがって、余っているわけですから、それで輸入を減らすわけじゃないのですから、TSGで価格が高騰するなんという非常に乱暴な意見があります。便乗して高騰させるということがもしかしてあるかもしれないが、品物がなくなって品不足によって高騰になるなどということは私は絶対ないと思います。大臣、そう思いませんか。

平沼国務大臣 その心配は私もないと思います。

春名分科員 ですから、安い品物が入らなくなってしまうとか、物がなくなってしまうというような根拠のないことが言われて、それが足かせになってTSGの発動に逡巡するような事態になると、これは私は正しくないと思うのです。消費者とのお話し合いも調査の間にあるということもありますけれども、経済産業省自身が、事実を事実として正確に消費者にもきちっとお伝えするということをぜひ私はお願いしておきたいと思うんです。そのことを述べて、次の問題に進みたいと思います。

 消費者の利益にかなうという点で、もう一点議論してほしいのは、セーフガードの発動で産地の崩壊を食いとめるということは、まさに地域の経済を守ることだと思うんです。そして、もちろん不況打開の力にもなります。そういう視点が極めて大事だと私は思います。

 御承知のとおり、繊維産業というのは産地を形成しています。その地域全体の浮沈がかかっていると言ってもいいと思うんです。その火が消えたら、壊滅的な影響を、業界だけじゃなくて、地域や住民生活、他産業にも及ぼすことになります。

 特にタオルの場合ですけれども、私、今治に何度も行っているものですから、お話を申し上げたいんですが、タオルというのは、綿糸を織ってまず出発点をつくります。商品として出荷するまでには、まずデザイン関係の意匠がある、それから紋織がある、糸そのものの加工である撚糸がある、染色がある、プリントがある、刺しゅうがある、縫製がある。実にさまざまな工程が、今言っただけでも七工程、八工程あるわけなんですね。

 今治というのは、人口十二万人の中堅都市なんです。ピークのときには、タオル関係で、内職を含めて二万人以上の方が直接働いていらっしゃる。今は一万四千六百人という報告になっています。

 大臣、済みません。ちょっとこれを、もう持っておられると思いますけれども。

 四国タオル工業組合がシミュレーションを行いました。私も大変驚きまして、これで私も火がついたというのが正直なところです。

 二年後の二〇〇三年には輸入浸透率が八〇%になるだろう。そうすると、九九年二百三十社あるその会社が、これもピークのときと比べて、五百四社あったんですが、四割強なんですが、半分以下の九十五社に激減をし、従業員数も、関連加工所も含めて、一万四千六百人から六千人に激減するだろう、八千六百人も従業員、労働者が減少していく、こういうショッキングな数字でありました。

 ですから、この事態をそのままもし放置していたら、地域の経済全体が崩壊をしていくということにならざるを得ないと私は思いました。それから、産地を形成している方々自身が、見方を変えれば、別の側面では消費者そのものですから、そういう点で、セーフガードも発動しないで産地を崩壊させるということは、まさに消費者利益そのものを損なうことになってしまう。私は、そういう認識でこの問題に当たっています。大臣はどう思われますか。

中山副大臣 産地の産業が、今お話にありましたように、その地域で非常に大きなシェアを占めている、ウエートがあるというところはたくさんあるわけでございまして、そういう意味で、地域経済に対して大きな役割を果たしてきたということは十分認識しております。

 そしてまた、輸入の急増によりまして、特定の産地の雇用の悪化が生じまして、それがまた消費の低迷につながって、先ほど言われたとおりでございますが、地域経済への悪影響ということで、スパイラル的に悪循環が生じる可能性は認識する必要がある、このように考えております。

 セーフガードの発動の検討に当たりましては、輸入増加の事実とかあるいは本邦の産業に与える重大な損害等の事実、及びその因果関係について検討しますとともに、今委員がおっしゃいましたように、特定地域における雇用問題等も総合的に勘案して判断することになります。

春名分科員 大臣、改めてその点の認識をお聞きしておきたいと思います。

 要するに、産地の崩壊ということは消費者利益そのものに反してしまうことになる。ですから、それを食いとめるのはまさに消費者利益を守ることそのものにつながるという面。それから、副大臣がおっしゃいましたけれども、今、不況克服の一番のネックは、個人消費の回復にあるわけです。もう間違いなく、だれが見てもそうなんです。自律回復に向かうかどうかの大事なときに来ているわけです。そのときに、失業者がふえ続ける、そういう事態を放置していて、消費者マインドが温まるはずがありません。

 この両面、不況克服という面から見ても、消費者利益を守る、むしろそういう積極的な意味がセーフガード発動にはあるんだということを、私は大臣の口からぜひ聞きたいと思います。

平沼国務大臣 委員御指摘のように、今、経済の中で、GDPの六〇%を占めているのは個人消費です、おっしゃるとおり。ですから、この個人消費が本格化しなければ日本の経済の持続的、安定的成長がない、このことは事実です。

 ですから、そういう意味では、今、春名委員のおっしゃった考え方というのは一つの御見識だ、私はこういうふうに思っています。

春名分科員 今治の市役所の市民課の人にいろいろお話を聞いてみますと、昨年の暮れは毎日のように、タオル会社を首になって、社会保険を持ってきて国民健康保険に加入する人がどんどん来た。五十五歳ぐらいの男性は、これからどうやって生きていけばよいのかわからない、こんなのは初めてだ、五十代の女性は、昨日私は社会保険から国保に変えたけれども、国保税を払いたくない、やめさせてくれ、私のせいで仕事がなくなったんやない、外国の安いものが入ってきて首になったんだ、毎日こういう状況だというんですね。

 こういう事態を放置していて景気回復に向かうはずがないのであって、もうおっしゃるとおりですけれども、私は全く認識は一致していると思います。雇用崩壊に歯どめをかけて、景気回復に向けて、セーフガードの発動で、それだけで景気回復するというふうに私は言いませんけれども、その足がかりをつくるという立場をぜひ共有したいと思います。

 最後に、セーフガード発動があたかも業界の構造改革をおくらせるかのような議論もあるわけです。これも私は、何をか言わんやという感じがするんです。業界の自己努力が足りないという論調を大臣自身が先頭に打ち砕いていただきたいといいますか、私はそういう思いを持っています。

 そこで、申しわけありません、先ほどお渡しした資料の二ページ目、三ページ目を、ちょっと大臣、見ていただきたいんです。ラインマーカーをつけております。

 タオルを含めた繊維産業というのは、効率が最も悪いですよね。先ほど言いましたように、いろいろな工程を通るわけですから、内職の人も要りますし。ですから、そもそも効率が悪いと言われる職種なんだけれども、この間、構造改革に精力的に取り組んできたと思うんです。

 四国タオル工業組合のこの資料でも、そのことが裏づけられております。従業員数のピークを見ていただきたいんです。一番右ですけれども、一九六六年が一万一千四十八名でした。そこから一貫して従業員数は減り続けて、二〇〇〇年はついに、欄外に書いてある四千二百三十七人という数に落ち込んで、少なくなっています。ところが、三枚目の資料を見ていただきたいんですが、左から三段落目の「今治生産量」というところになると思うんですけれども、生産高の方は、従業員がピークだった六六年からずっと伸び続けて、一九九一年まで伸び続けて、五万四百五十六トンが生産高のピークになっているわけなんです。

 このことは一体何を示しているかといいますと、業界自身が構造改革を一生懸命進めながら、それは不十分と言われればそうかもしれないけれども、しかし、努力を進めながら、人員も減らしながら、機械の大型化などにも取り組んできた、そのことの何よりもの証左だと思うんですよ。ところが、御存じのとおり、昨今の輸入激増が、はっきり言いまして、この努力を水泡に帰している。

 生産高を見てください。九一年から激減しているじゃありませんか。五万四百五十六トンから毎年毎年下がり続けて、九年連続前年割れになって、とうとう現在二万七千トンまで落ち込んでしまいました。ついに昨年の輸入量が国産タオルの年間生産量を追い抜くという事態に、逆転現象になってしまいました。九〇年代に入ってからの輸入の激増が、構造改革を一生懸命進めてきたその努力を完全に水泡に帰すようなことをやってきたというのが実態なんですよ、この数字を見ればおわかりのとおり。

 ですから、私は大臣にお聞きしたい。構造改革がおくれているのではなくて、構造改革の努力すら踏みつぶしているのが輸入の洪水なんだ。だから、この認識を持って、もちろんTSGの発動の後、それが発動されたらすべて解決なんて甘いものじゃありません。そんなことはだれもわかっております。しかし、その努力すら水泡に帰すような輸入の洪水に、今歯どめをかけなければつぶれるんだ、こういう剣が峰の認識で立ち向かっているんです。その認識を私はともにしていただきたい。この点をお伺いしたいと思います。

中山副大臣 今委員が具体的に数字を挙げて御説明いただきましたが、まさにその数字にあらわれていますように、業界が構造改革とそして生産性を高めるためにいかに努力してきたかということがよくわかるわけでございまして、それにもかかわらず生産量が減っている、輸入がふえているというこの事実はしっかり認識しなきゃならぬ、こう思っております。

平沼国務大臣 今の具体的な数字を見せていただいて、相当構造改革あるいは生産性の高い織機を入れて、機械を入れて対処された、それに対しては随分お金もかけられた、こういうふうに思っています。

 そういう意味で、繊維のセーフガードというのは三年間の猶予期間の中で構造改革を進める、そういうこともありますので、本当に業界の皆様方が今まで努力をしてこられたということは私は評価をしますし、さらに、その中でもう既に具体的に作業も工業会で進めていただいているようでございますけれども、私どももそういう今までの努力は十分承知をしながら、さらなる努力もお願いをして、そしてこの難局に対処していきたい、こういうふうに思っています。

春名分科員 時間が参りましたので、最後に一言申し上げて終わりたいと思います。

 私たち、ことしの一月二十八日に、工業組合の方にも来ていただいて、共同でタオル産業のシンポジウムというのを開いたんです。そのときに、四国タオル工業組合の集積活性化委員長をされている宮崎さんという、みずから社長をなさっている方が発言されまして、タオルだけではなくて、タオル的な商品も次々開発している努力を非常に詳しくお話しになりました。そして、二十一世紀の循環型社会の中で、綿一〇〇%、豊かな水と技術から生まれる安全素材のタオルに何ができるか、夢を持って真剣にこれからも頑張っていく、今も頑張っている、こういう感動的な発言でみんなを勇気づけてくれました。本当に努力をされていると思いますし、また集積活性化法もその意味で役立っていると思います。副理事長さんが同じく来られまして、発動について、今回が最後のチャンスだと思っている、産地が生き残れるかどうかの最後のチャンスだと思っている、壊滅してからでは遅いと思っている、こういうふうにおっしゃっています。

 今まで構造改革などのいろいろな申請要件があって、申請自身ができないような状況を率直に言って経済産業省自身がおつくりになってきたという面があるわけですから、それを取っ払ってこれから真剣な努力をやろうという立場に立っていただいたことを評価します。それを本当に実らせるということが今問われていると思います。今議論しましたように、業界を守るだけではありません。消費者の利益を守り、産地を守り、そして経済を立て直すという意味でもこのことはどうしてもやらなければなりません。そのことを改めて強く私要請をしまして、質問にかえさせていただきます。よろしくお願いします。

小林主査 これにて春名直章君の質疑は終了いたしました。

 次に、松原仁君。

松原分科員 私は、民主党・無所属クラブの松原仁であります。

 私の選挙区は品川区、大田区という場所でございまして、従来から町工場が、京浜工業地帯と言われる中で大変にうごめいていたところであります。そういった地域でずっと東京都議会議員から積み重ねてきたその立場から、きょうは、特に経済産業省については私、初めての質問でありますので、全体の、中小企業についての概観的な部分を述べながら御質問をいたしたいと思います。

 御承知のとおり、日本という国は、天然資源に大変に乏しいわけでございます。天然資源に乏しい国でありますから、人材立国をしていかなければいけない。今日であれば、さまざまな、ソフトとかそういったものもあるわけでありますけれども、当初はやはり加工貿易というのが日本の繁栄の原点にあったというふうに私は思っております。

 つまり、原料を輸入して付加価値をつける。輸入したときは非常に、例えばトン幾らという安い鉄が、薄板もしくは自動車の板にすれば極めて、はるかに高い比率の付加価値を持つようになる、そういうふうな加工貿易が今日の私たちの繁栄を築いてきた、こんなふうに私は思っているわけであります。

 しかしながら、現実においては、大変に不景気の中で厳しい状況になっております。もちろん、今後の日本経済が活性化していく上で、こういった、物をつくる、付加価値を加工貿易を通してつけるという手法、それだけで日本の経済が立ち直るだろうという議論にはならないわけであります。

 しかし、私はやはり、日本が将来国際金融市場の中で大きな地歩を占めるとしても、その一番根幹にはこの製造業の力強さというものがなければ日本は繁栄を維持できないだろうというふうに思っておりまして、言葉をかえて言えば、日本が金融においても世界の中で大きな役割を占めるとしても、それを担保するものはそういった中小企業、特に製造業、中小製造企業の力だろうというふうに思っております。

 今申し上げましたように、そういう中で大変に現在、不景気であります。また、産業も変わっておりまして、従来とは全く異なる産業が今生まれようとしているわけでありまして、そういう産業構造の変化の中に多くの中小企業は取り残されたり、また、国際的に分業体制が行われる中で多くの企業が海外に流出をする、その結果として日本の国内においては産業の空洞化が進む、こういうことも相次いでいるわけであります。

 しかし、ここで翻って冒頭言ったように、私たちは、私たちの日本の中小製造業の強みは一体何なのか、使命は何なのか、そういったものをもう一回この機会に振り返ってみる必要があるだろうというふうに思っております。

 私は、日本の中小企業、中小製造業でありますが、二つの分類が可能ではないかというふうに思っております。一つは、いわゆる生産するということそのものであります。つまり、マスプロ的な生産を行っていく、アセンブリーラインと言われるような流れ作業の中で物をつくっていくという大量生産の力であります。

 従来、日本の中小企業をここまで世界的なものにしてきた大きな背景としては、人件費が安かったということもあって、この部分に大変に力点があったわけであります。しかしながら、今日においてはこの部分ではなかなか、人件費の高騰もあるし、また土地の値段が上がって工場操業のメリットがなくなるとか、いろいろなことの中でこのマスプロ的な生産、大量生産をするという部分における日本の中小製造業の強みというのは幾ばくか失われてきたのではないかなというふうに考えるわけであります。

 そこで、私が考えるべきと思うことは、もう一つの日本の中小製造業の持つ特質でありまして、二種類あると言った前者がマスプロ生産を主とする中小製造業の姿であるとするならば、もう一方は、言葉をかえて言うならば、いわゆる試作品開発、新しい製品をつくるときの技術力、そして新しい製品をラインに乗せるその全体のありよう、全体のスキームをつくり上げる、まあこういう言葉が定着しているかどうかわかりませんが、ある種の母工場機能、母なる工場、工場を生み出す工場機能、これは大変にクリエーティブな部分になるわけであります。

 唐津一さんという方がおられます。日本のクオリティーコントロールの大家であります。私も大変親しくさせていただいておりますが、唐津さんがよく言う言葉で、設計図一枚あれば日本ではその設計図どおりの大変精巧な製品を、しかも極めて短い時間でつくることができる、こういうことを唐津一さんは言っているわけであります。

 例えばそれをほかのどこかの国でつくろうとする場合に、結果として時間が、これは一カ月でつくりたいというのが、二カ月、三カ月かかるということがあったり、精巧な、設計図どおりの部品ができないということがあったり、そういうことがあるわけであります。

 そういった意味では、日本の、特に試作品開発技能を持つ、母工場機能を持つ中小企業の世界におけるそういった部分での地歩というのは、今日においてもまだまだ揺るがないものがあるというふうに思っているわけであります。

 先ほど私は空洞化ということを申し上げましたが、空洞化について言うならば、これも現実に進んでおります。ただ、空洞化が進むのは、部分として考えれば第一の部分でありまして、マスプロの部分に関しては空洞化が進んでいるというふうに思っております。

 しかしながら、私が、大田区のある製造の分野に属する会社でありますが、その上場企業の社長とも話をしたときに、彼の出身地は中国地方のある都市であります。そこの首長は、その会社がその都市にやってくれば、いわゆる法人事業税とかいろいろと地方税も入るし、しかも雇用の安定にもつながるということで、彼は出身地の首長さんから、社長、うちの方に本店を移動してもらえませんか、こういうふうなことをしばしば言われる。しかしながら、彼は、いろいろなマスプロ的な機構についてはそこに戻すことはあっても、本店研究開発部門は大田区から移すことはできないというふうに言っていたわけであります。

 それはどういうことかといえば、新しい試作品をつくる、その新しい製品をつくるためのいわゆるひな形をつくる母工場機能は、大田区を離れては成立しない、新製品をつくる場合の誤差が、例えて言えば〇・〇一ミリの誤差と〇・一ミリの誤差ぐらいの誤差が発生するんだ、やはり現実にはそれだけの違いがあるというふうな話でありまして、唐津さんの話を裏づける議論であります。

 私が言いたいことは、そういう部門は、逆に言えば海外にも空洞化しないのです。試作品開発技能や母工場機能というのは、基本的に空洞化するものではないわけであります。

 かつては、機械が四〇%、人が六〇%と技術は言われました。機械が大変に今、コンピューター等の制御も含めて高度になってきている。しかし、それを扱う上でも熟練というものは必要でありまして、今では機械が過半数を制して、機械の技能は六〇パー、人間が四〇パーというふうな議論もあるわけであります。しかし、私は、そういった日本における母工場機能を守るということは極めて重要なことだろうと思っております。そして、日本における中小企業、製造業における母工場機能は集積によって維持されている。

 例えば、そこに優秀なメッキ屋がいる、優秀な板金屋がいる、プレス屋がいる、金型屋さんがいる、そういう人たちが相互に依存し合って、まさにホロニックな中で、そういった日本における唐津さんが言うような物すごい試作品開発拠点、関満博さんという一橋大学の教授が言うところのナショナルテクノポリス構想というのがありますが、そういったものを構築しているわけであります。

 私は、日本におけるこの母工場機能、試作品開発機能というのは、東アジア全体における母工場機能になり得ると思っておりまして、そういった意味では、特に首都圏の母工場機能、試作品開発機能を有するこのナショナルテクノポリスは、戦略産業としての位置づけを持つものだろうというふうに思っております。

 こんな認識の中で、以下、質問をいたしていきたいと思いますが、今申し上げましたように、都市部に見られるこのような高い技術力を持った中小企業、試作品開発拠点としての機能、母工場機能についての御認識をお伺いいたします。

平沼国務大臣 私も松原先生と全く同じ認識を持つものでございます。私も唐津一先生の意見は何回にもわたって聞かせていただきまして、非常に感銘を受けました。もう一つ、東京都知事である石原さんも大変同じような認識を持っている人でございまして、そういう中で、特に松原先生の地元である大田区にはそのような本当に貴重な、別の言葉でいえば国宝的なそういう中小企業が存在している、そのことは大変私どもとしては大切にしていかなければならない、こういうふうに思っています。

 そして、母工場的な機能が今、松原委員御指摘のとおり、日本のこれから大きな一つの競争力の原点になる、私もそのとおりだと思っておりまして、経済産業省といたしましても、そういう集積地を大切にして、そして集積地のパワーが出るような施策をこれからやっていくことがやはり日本の今後にとっても非常に必要なことだ、こういうふうに思っています。

 我が国製造業の競争力を高めるものとして、地域活性化創造技術研究開発補助金といったものも用意をしておりまして、中小企業の試作品開発を支援するなど、中小企業のこのような役割、取り組みを支援しているところでございまして、私どもとしても精いっぱい応援をしていきたい、同じような認識を持っているものであります。

松原分科員 平沼大臣の御認識が一致したというのは大変に力強く思っているわけでありまして、ぜひとも、そういう認識の中で、中小企業の、特に製造業というのはすべて大事ですけれども、格別にこの母工場機能を持つ部分というのは大事だということで、その維持をしていただきたいと思っております。

 こういったホロニックな集積ネットワークに対する評価、そしてこうした国際的に評価されるべき工場の集積を国としてどのように整備していくべきか、この件についてお伺いをいたしたいと思います。

今井政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の大田区のような産業集積地域におきましては、それぞれの中小企業が得意な技術を持っておりまして、それを生かしながらそれぞれが共同受注をしましたり、工程間を分業いたしましたり、共同仕入れをいたしましたり、また市場とか技術開発動向に関する情報交換、それから多くの関連事業者によります共同研究、こういうことが進んでおりまして、これが先生がおっしゃられました水平的な分業ネットワークだというふうに理解しております。

 これにつきまして、この地域におきまして、大企業とか他地域の製造業では対応できないような我が国の製造業の発展を支える機能を果たしてきているというふうに思っております。

 また、大田区を一つのモデルといたしまして、平成九年三月に、特定産業集積の活性化に関する臨時措置法というものがございまして、これで全国二十五地域につきまして基盤的な技術産業集積活性化計画というものをつくってもらって、これに大臣から同意をする、そして支援をするという形になってございます。

 大田区につきましても、これは東京都、神奈川県におきまして策定されました広域京浜地域基盤的技術産業集積活性化計画というものでございますが、これを平成十年二月六日に同意いたしまして、新規企業の立地の促進を目的といたしました大田区の賃貸工場アパート整備事業でございますとか、地元の中小企業によります技術開発研究、こうしたものに対する支援をいたしておるところでございます。

 今後とも、地元の自治体の各種の事業と連携を図りながら進めてまいりたいと思います。

松原分科員 そういった形で、ぜひこういった集積の束を大事にしていただきたい。やはり商店街の議論も同じになるわけですが、結局、そこで優秀なプレス屋さんがなくなるだけでほかのメッキ屋さんも成り立たなくなるような全体の構図があるわけですので、ぜひお願いしたいと思うのです。

 ちょっと通告した質問には入っていないんですが、今の局長で結構です。結局、なぜその集積が今現実に崩れつつあるか。それはいろいろな理由がありますが、そのいろいろとある理由の一端というんですか、集積が現実に今崩れているのは事実なんですよ。その原因というのは一体何だろうということについてちょっとお伺いします。

今井政府参考人 平成九年のときにも国会で御議論がございました。やはり製造業全体の、先生おっしゃいました最初の空洞化、大量生産部門の空洞化が進むということに伴いまして、それが母工場を支えてきた集積に影響を与えてきている、そういう面もあると思います。

 それから、今環境が非常に激変しておりますので、それぞれの企業がそれぞれの環境に対応できなくなっているという部門もあるかもしれないということでございますので、先ほど申しました集積法を国会で制定していただきまして、これに対して支援をしているというふうに理解しております。

松原分科員 集積法は非常に結構でありますが、分析はもうちょっと現地を見ながらしていただいた方がいいのではないかと思うんです。

 いろいろな理由があると思うんです。それは、従来の工場三法は、やはりどっちかというと、集積に対してプラスではなく作用したという認識を地域の人は持っておりますし、かつては。あとは、今西川政務官もいらっしゃったわけでありますが、我々東京都議会のときに、いわゆる事業承継税の軽減というものを訴えたわけであります。

 これは、職業に貴賤がないというのは昔から言われているわけでありますが、農業というのは日本において極めて重要な、これは飯を食わなきゃしようがない。農業は物すごく相続、事業承継で守られているわけであります。これは五百分の一とか、かつては何百分の一という数字でありまして、しかも、そうやっていながら、カロリーベースの食料自給率は今四〇%台に落ち込んでいるというふうな話も聞いております。私は、農業は農業でいいんですよ。ただ、職業に貴賤がないんだから、農業はそういうことで相続できると。

 集積がなくなった一つの理由というのは、恐らく事業承継税が高い。株を別に公開しているわけじゃないですから、結局土地を売らなきゃいかぬ。敷地の三分の一を売る場合に、結果として、ではマンションに全部かえるか、こういうふうなことがあるのではないかと思っているわけです。

 こういった事業承継税について、特に職業に貴賤なしということも含め、実際どういうふうに、都議会でも、西川先生も私も一緒になって、全会一致で出したんですよ。あれは何年ぐらい前でしたか、十何年か前ですよね。あれがどこに行って、どういう扱いになったのかというのもちょっと私はわからないんですが、ちょっとその辺をお伺いしたいと思います。

中山副大臣 中小企業の承継税制につきましては、実は私も自民党の税制調査会でずっとやってきたものでございますけれども、委員が農業、農地との関連で言われました。

 農地というのは、細分化しちゃいかぬというような観点から、かなり手厚い措置がとられているなということも念頭に置きながら、事業承継税制については取り組んできたということでございまして、もう既に、これは委員御承知のとおりだと思うんですけれども、いろいろなことをやってきたな、こういう感じを持っているところでございます。

 具体的には、平成十一年度には、特定小規模宅地の特例の拡充をやりましたし、また、去年でございましたか、取引相場のない株式の評価方法を見直したとか、あるいはまた、ことしもさらに事業用宅地について三百三十平米から四百平米に引き上げるとか、あるいは、これも御承知だと思いますけれども、本当に二十五年ぶりに贈与税の基礎控除について、これを六十万から百十万まで上げるとか、いろいろなことをやりまして、とにかく何とか、先ほど言われましたけれども、空洞化の問題、商店主が本当に抜けていくぞということにつきましていろいろな手当てをしてきたというふうなことを申し上げたいと思います。

中村政府参考人 先生御指摘の東京都議会の意見書でございますが、確かに平成二年にいただいております。

 相続税の軽減につきましては、毎年数十の意見をいただいておりますけれども、大変関心の高いものでございまして、これらの要望を踏まえまして、先ほど副大臣からお話ございましたように、平成に入ってからでも、二年、四年、六年、十年、十一年、十二年、十三年と順次負担軽減が図られているわけでございます。

松原分科員 努力を評価しながら、道なお遠しという感があるわけでありまして、農業まではいかないまでも、その半分ぐらいまで、半分くらいというのはおかしな言い方だな。とにかく、もっと充実してこのことについては扱っていただきたいというふうに思っております。

 時間もあと限られてまいりましたので、次に金の部分、金の流れというんですか、これをちょっと話したいと思うんです。

 今の経済が悪いというのは、やはりお金が回っていないからでありまして、金というのは、動けば金でありますが、とまっていればあれは紙切れでありまして、やはりこれを動かさなければいけない。

 でも、これがなかなか動いていないところに、そんな公定歩合下げても、実際金が動いていないじゃないかという議論もなかなかあって、ここに問題があるわけでありますが、特別保証制度に関して、ちょっとこれはあれかもしれませんが、旧債振りかえというものが起こっているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

中村政府参考人 御指摘の、民間金融機関が信用保証つき融資をもって自行の既往の債権の返済に充当するいわゆる旧債振りかえについては、原則認めず、代位弁済を行わないという方針で対応しております。

 確かに、平成十年の特別保証が発足しました直後に、一部の金融機関において、保証つき融資に関しまして不適切な表現を含む内部文書を支店に対して通知するなどの事実が確認されまして、政府としては、幅広い広報活動に努めますとともに、当時の金融監督庁から業務改善命令を発出しました。また、あわせまして当省からも、金融機関に対し、制度の趣旨に沿った運用を徹底するよう申し渡したところでございます。

 こうした対応の成果もございまして、最近二年間程度の間は旧債振りかえにまつわる問題は特に生じていないものと認識しておりますが、今後とも信用保証制度の適正な運営に万全を期してまいりたいと考えております。

松原分科員 そのことも大いに絡むわけでありますが、今中小製造業を含むこういった中は、貸し渋りから貸しはがしという状況、大変に厳しい状況になっているわけであります。今、倒産が大変ふえていて、その原因として貸し渋り、貸しはがしがある現状、この貸し渋り、貸しはがしという言葉もみんな使っているわけでありますが、大臣、その言葉を御存じかどうかも含め、御答弁をお願いいたします。

平沼国務大臣 その言葉は存じております。今中小企業庁長官からも、一部金融機関がそういうことで特別保証制度というものを悪用するという事例もありますし、また、非常に貸し渋り、貸しはがしというのも、言葉として通用しているような形で行われているという事実も私は承知しております。

 しかし、その貸し渋りというものが非常に顕著になりましたので、特に当時の通産省が音頭をとりまして特別保証制度というのをつくりまして、これは委員も御承知のように、十兆円、さらに一年延長して三十兆の規模にして、それは倒産防止やあるいは雇用の維持、こういうことで私は大変効果があったと思っています。

 いずれにいたしましても、今厳しい状況の中で、貸し渋りあるいは貸しはがし、こういうものが事例としてございますので、そういうことが起きないように、私も、政府金融機関に厳重に、そういうことがないようにということで指示を出したところでございまして、これからもその辺をよく留意して対処していきたい、こういうふうに思っています。

松原分科員 結局、なぜ貸し渋り、貸しはがしが起こるかという議論になるわけでありますが、それは担保の問題であります。中小企業が資金調達が今できないというのは、担保がないわけでありまして、担保がないから貸し渋りをするし、担保の価値が下がるから貸しはがしをするわけであります。

 もちろん十兆円の特別保証制度というものは、私はそれは極めて意味があったとは思います。しかし、その意味はあくまでもカンフル剤的なものであって、根本的に中小企業の力をよみがえらせるものにはなっていないというふうに思っております。

 重要なことは、現在の日本の金融機関、金融機関は民間でありますけれども、実際は、きょうはこれは経済産業省でありますが、昔の大蔵省の指導というんですか、そういう中において土地担保主義でずっとやってきているわけでありまして、この土地担保主義の限界というのがやはりここに一つ露呈している。

 土地担保主義を踏襲する限りにおいて、それは、銀行員がまじめにやろうとすれば、また保証協会の人間がまじめにやろうとすれば、貸し渋りから貸しはがしというのは、むしろ誠実であればそういうことになってくるわけでありまして、私は、この土地担保至上主義をもう廃していかなければいけないというふうに思っているわけであります。

 重要なことは、土地担保ではない、ほかの方式でお金を回すようにする、貸すようにするということだと思いますが、土地担保方式以外の担保のあり方というのがアメリカやほかの国で何か散見されれば、御紹介をいただきたいと思います。

中村政府参考人 私どもといたしましても先生御指摘のような認識でございまして、従来の金融機関の融資態度というものが、土地等の物的担保を重視するということで、中小企業者の有する新規性の高い技術でございますとか、企業の将来性でございますとか、信用リスク等の的確な評価に基づく融資等が十分行われてこなかった。

 そのために、担保となる資産を十分有していない中小企業者は、必要な資金を容易に調達できないというのが実態であったと認識いたしているところでございます。とりわけ、バブル崩壊後、担保価値が一貫して下落しているという現在の状況下で、中小企業者の資金繰りが困難になっている、このように認識いたしているわけでございます。

 このために、多様な中小企業者の資金調達ニーズにこたえるために、政府としましても、担保に乏しくとも高い技術力等を有しており、成長が見込まれる中小企業者に対する例えば新株引受権つき社債の引き受けでございますとか、公的信用補完制度も活用した中小企業の私募債発行の促進など、資金供給の円滑化を図るための施策を昨年来、抜本的に拡充いたしております。

 さらに、昨年秋の臨時国会におきましては、信用保証協会の一般無担保保証の限度額を五千万円から八千万円へ引き上げるというような施策を講じまして、中小企業の無担保による資金調達需要にこたえることといたしております。

 さらに加えまして、民間金融機関が中小企業の信用リスク評価に基づき担保によらない資金供給を行う際の一つのよりどころとしまして、信用保証協会や政府系金融機関の有する取引先企業データを活用するためのデータベースの構築をいたしております。

 これによって、リスクに応じた資金供給をしていくというための枠組みをつくりたいというふうに考えておりまして、そのような方向で今動いているわけでございます。

松原分科員 実は私は、ある金融機関に都議会議員時代に聞いたことがあるんですが、結局、どうしてできないんだと。もう既にバブルが崩壊して、土地が下落を始めたころであります。

 理由は簡単でして、金融機関としても、大学を出た人間にいきなり、お金を貸す場合に土地担保だったら楽だというんですね。それは、この坪が幾らだ、掛ける〇・八だ、それだけ融資できますよという話になる。そういうことでは、恐らくバブル崩壊後、お金を貸すことが逆にできなくなるだろう、現実に今そうなっているわけであります。

 そうしたら、かなり偉い立場の人でありますが、彼が言った言葉は、しかし松原さん、そのためには今の三倍の人手が必要ですと。実際、調査をかけて、土地担保だったら一瞬でわかる。それは謄本をとって、何かとってやれば一瞬でわかる、ここはこれだけの土地評価だと。しかし、経営者の資質や新商品の将来性まで見るとなると、極めてそれは人手がかかるし、時間もかかる。

 ただ、逆に言えば、それをやらなければ、本当に中小企業の活性化というのは出てこないだろうというふうに思っているわけです。これは、従来からあった中小企業だけの問題ではない。従来からあった中小企業、中小製造業は、そのまま日本の将来を担っていくかどうかも、それはわかりません、頑張ると思いますけれども。しかし、新しく入ってきたところも、そういう尺度をきっちりと確立し、やっていかなければ、実際お金を持って行動することはできないと思うわけであります。

 私は、結局、そういう形でお金が融資されるというのが、一つの常識というんですか、当たり前のものにきちっとなれば、そのことが中小企業にとって、私が言っているのは特に中小製造業ですが、そのために創意工夫して、土地がなくったって、創意工夫、将来性があれば金を貸してくれるんだというのが期待になって、それが一番の私はカンフル剤だと思うんです。とりあえずカンフル剤で注射をするような、もちろん特別保証制度も大事ですよ、しかしそれは延命措置であって、リハビリをして治すという措置には必ずしもならない。

 そういった意味では、これは経済産業省だけの課題ではないかもしれませんが、民間において経営者の資質や新商品というものに対してお金を出すという気風をぜひともつくっていただき、それがひいては中小企業がやる気を出す一番現実的な導火線になるだろうと思っておりまして、これについての大臣の御認識をお伺いし、私の質問を終わります。大臣、お願いします。

平沼国務大臣 お答えいたします。

 大変重要な御指摘だと思っています。かつて、住友の総理事をして、住友銀行の中興の祖と言われております小倉正恒という人が、やはり若い銀行家のころ、担保ではなくて人物を見て貸した、こういう事例もあります。

 したがいまして、やはり、技術力に着目したり、その企業の将来性ですとかあるいは経営評価、そういったことに力点を置いて、そして融資をする、そういう体制をつくっていく、そのことは私は必要だと思っておりまして、現に、先ほども中小企業庁長官から一部話がございましたけれども、政府系の金融機関においては、そういう観点からやはり力点を置いて融資をしろ、こういうことで指示も出しているところでございまして、松原委員のそういう考え方は私は基本的に賛成でございます。

松原分科員 以上で終わります。

小林主査 これにて松原仁君の質疑は終了いたしました。

 次に、江崎洋一郎君。

江崎分科員 民主党の江崎洋一郎でございます。

 世の中このところ、IT、ITということで大変騒がしいわけでございますが、本日は、経済産業省さんにIT社会についての御見解をお伺いしたいと考えております。

 昨年は、政府とされても、IT元年という位置づけで、積極的にこのITに取り組んでいくということで決意を表明され、また熱心に運営されているということであろうかと思いますが、IT社会の発展という観点から、技術的にもまた制度的にもさまざまな基盤整備が必要な状況になってきていると思います。例えば電子商取引、あるいは行政機関、電子政府等と言われておりますが、電子手続を行うということに際して、また新しい技術が出てきているということではないかと思います。

 その点から、とりわけ、IT、ITというとやや難しいなと思われている世代の方、あるいは障害をお持ちの方等々も自由に参入できるという、いわばデジタルデバイドの解消といったこともこれら技術には必要になってこようと思いますし、また、いわゆる盗難とか偽造によって心配されます個人情報の漏えいということについてもこれからは十分に配慮をされて、だれもがこのIT社会に参入できる、そういった環境整備が必要かと思われます。

 大臣は、現在もIT戦略本部の副本部長をお務めと伺っております。この問題に関しまして大臣は大変御見識が高いと思われますので、ぜひとも大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。

 私は、江崎委員御指摘のように、昨年の七月に発足をいたしましたIT戦略本部、そしてIT戦略会議、この担当副大臣として、七回にわたるかんかんがくがくの議論に参画をしてまいりました。

 御指摘のとおり、このIT社会を実現していくに当たっては、今デバイドの問題も御指摘になられましたけれども、やはりだれしもが、ひとしく、スピードを持って、そして安く参画できる、そして格差のないそういう社会を構築していくことが一番大切なことであります。

 IT戦略本部で、ソニーの出井最高責任者が議長になっていただきまして、戦略の基本方針がまとまりました。それはもう江崎委員も御承知のとおりだと思いますけれども。

 二〇〇五年までに、確かに失われた九〇年代といって日本はある意味ではおくれをとったことは事実ですけれども、例えば家電のITですとか、iモードに代表される携帯電話の利用でありますとか、あるいは、まだ末端まではつながっておりませんけれども、光ファイバー網の敷設の普及度、こういった面からいうと、日本は世界の中でも大変高いレベルにある。ですから、これからやるべきことをぴしっとやっていけば、必ず二〇〇五年までにはアメリカに追いつけるんじゃないか、そういう目標で一連のことをやっていく、こういうことでございます。

 電子商取引や行政機関への各種の電子的な申請手続等に際しましては、ネットワーク上での当事者間の本人確認、これは認証が必要でございます。この確認においては電子的な暗号キー、こういうものを用いることが一般的になってきております。

 ICカードのことにお触れになられましたけれども、今後は、国民がこれらのキーを安全かつ簡単に保存、利用できる環境を整備すること、このための新しい道具として、今御指摘のありましたICカード、これは経済産業省でその利用度に着目をいたしまして今準備を進めているところでございます。

 ICカードは、カードに記録される個人の情報がICのチップ内のコンピューターによって守られておりますので、複写や偽造等、従来のカードに比しまして大変その辺は安全性を確保できる、こういう形になり、かつ記憶容量が非常に大きいわけでございまして、一枚のこういうカードに全部収録ができます。そういうことになってくると、いろいろな方がひとしく利用できる、こういう形でございまして、当省といたしましても、そういったIT社会に対応するICカードの普及に努めていきたい、こういうふうに思っております。

江崎分科員 大臣のIT社会推進におけるかたい決意と受けとめさせていただきまして、ぜひとも世界におくれをとることなく、さらに先端的な技術国家を目指して推進していただくことをお願い申し上げたいと思います。

 さて、今大臣からも御答弁ございましたICカードでございますが、このICカードにつきまして具体的な施策というものを、経済産業省さんとしてどのような見解をお持ちか、伺っておきたいと思います。

太田政府参考人 お答えいたします。

 ICカードにつきましては、今大臣が御答弁申し上げましたように、私ども大変重要な手段と思っております。国民がIT社会へ、何といいますか、パスポートというようなことで考えておるところでございます。

 従来からいろいろな勉強をしておりまして、特に平成十二年度の補正予算で百七十億円を用意いたしまして、ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業というものを開始したところでございます。

 具体的には、ICカードを用いていただきまして、行政、民間の各種サービスの利用を想定いたしまして、全国複数地域を公募、選定いたしまして、二十一地域、延べ五十五市町村、恐らく百五十万枚から二百万枚のICカードを実証試験として使っていただくことになるかと思いますが、ことし暮れまでにいろいろな形で、いろいろな場所で実証試験を行っていきたいというふうに考えているところでございます。

江崎分科員 実は、私の選挙区でもございます神奈川県の藤沢市、私どもにおきましても、今おっしゃられましたIT装備都市研究事業の候補ということで、さきの二月二十六日に御決定をいただいたばかりでございます。

 このIT装備都市研究事業につきまして、その具体的な目的あるいは内容についても経済産業省さんの御見解を伺いたいと思います。

太田政府参考人 ICカードは、個人の情報を安全確実に管理、利用することを可能とする非常に重要な役割を担っているわけでございます。

 先ほど申し上げました装備都市事業でございますが、利用者の利便をまず最大限考慮しなければいかぬ。一枚のカードで行政分野、公的分野及び民間分野において複数のサービス提供を可能とするICカードを広く普及して、その効果を、あるいは問題点等があればそれを広範に検証したいと考えておるところでございます。

 例えば、カードとかカードリーダー相互の互換性があるかどうかといった技術的側面も見なければなりません。それから、一枚のカードでどうしても相乗りするわけです。そうした場合に、例えば住民情報とか保険証の情報だとか、あるいは商店街のポイントサービスだとか、あるいは診察券とか利用券とか、相乗りする人たちの間の費用分担をどうするか、そういういろいろな課題を抽出して解決の方向を見出しまして、今後の行政機関等による本格的な導入が近々あるかと思います。そういうときに役に立たせていきたいというふうに考えているところでございます。

江崎分科員 今、一枚のカードにいろいろな機能を盛り込むというようなお話もございました。この点につきまして少し言及してお伺いしたいわけでございます。

 ここに新聞記事等もございますが、経済産業省さんの今のお話のほかにも、今例にもございましたが、総務省さんにおける住民票等の行政サービス、また厚生労働省さんの健康保険証、あるいは今回、経済産業省さんの中のこのプロジェクトにも入っておる介護保険等々、個人データを組み込んでいくというような報道もあるわけでございますし、今御見解ではございました。

 いわゆる行政の電子化というものを目指すことによって、結果、行政サービスというものが効率化していくという観点から考えると、どうしても一枚でなければいかぬというふうに私たち利用者から考えた場合にはなってくるわけでございます。

 しかし、いろいろ仄聞するに当たってまだまだそこら辺の足並みが一体そろっているのかどうかという不安もあるやに聞いておりまして、今後の展望として具体的に省庁間でどのように連携をされていくのか、また、利用者の利便性を考えた場合にもそこはぜひとも達成していただきたい大きな課題だとは思うのですが、その点についていかがお考えかをお伺いしたいと思います。

西川(太)大臣政務官 ただいま江崎先生御指摘のとおりでございまして、省庁間の調整といいますか連携といいますか、このことを推進していかなければ、国民の利便性の向上でありますとか、また一方、行政機関側も経費の負担の軽減ということもこれございますので、大変重要なことだろうというふうに思います。

 一枚のICカードでさまざまな行政サービスが受けられるような体制を早くつくってまいりたいと思いますが、政府といたしましても、現在の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の前身のIT戦略本部の場におきまして、関係省庁連絡会議というものを開催しまして、ただいま御指摘のようなことにつきまして、本格的な導入が始まります前に、技術面でございますとか、これは一枚のカードに記憶の容量をふやすわけであります。したがって、この技術的な開発、また制度の問題など、そうしたさまざまな側面から検討していくことといたしております。

 当省といたしましても、関係省庁と積極的に連絡をとって、ただいまの先生の御指摘のような方向に向かって努力をしたいと思っております。

江崎分科員 御答弁にもございましたが、本当に私ども利用者にとりましてはこの各種機能が一枚になるということが大事なことでございます。どうか御推進のほど、よろしくお願い申し上げます。

 また、このICカードというものの特性を考えましても、いわゆる今までのクレジットカードの裏についているような、磁気カードの約千倍ぐらいの情報量が載るわけでございます。そういった意味でも、可能な限り一枚のカードに載せていくということでお願いを申し上げたいというふうに考えます。

 さて、先ほど来IT装備都市等々の議論もございますが、それを乗り越えた上で、さらに国民一人一人がこのICカードを用いてIT社会に参加するという意味で、先々また地方公共団体への支援というものが重要かと思われます。

 その前のハードルとしても、例えば、果たしてこのICカードに載せる標準的なあるいは共通のソフトをどうやって開発するのか、それに対する支援をどうするか、あるいはカードを発行するという手続もあるわけでございますが、この組織母体に対して財政的支援が必要なのではないか、あるいは自治体に対しても支援がなければなかなか普及させることもないかというふうに考えられるわけでございますが、今後の施策についてお聞かせ願いたいと思います。

西川(太)大臣政務官 これまた、先生の問題意識と当省の考え方は一致してございます。現に、例えば、北海道の滝川市ではげんきカードなんというのを出しておりますし、また、岐阜県の益田郡では湯遊カードとか、島根県出雲市では市民カード、また、熊本県八代市では医療保険カードというものを出してございまして、先ほど先生がお触れになりましたいわゆる介護保険の分野でございますとか健康保険でございますとか、また印鑑証明の発行のサービスでございますとか、そういう御努力、商店街のポイントサービスでありますとか地域振興、または住民のための行政サービスに地方自治体の皆さんも非常に御努力をしていただいております。

 したがいまして、私どもといたしましては、ICカードの普及にとどまらず、経済産業省として、地域の情報化の促進につきまして積極的に取り組んでまいりたいと存じておりまして、先生今お触れになりました技術開発やそれらを踏まえた実証的な研究をしっかりやってまいりたいと思っております。

江崎分科員 財政的支援についてはどのような御関係か、また、展望がございましたら教えていただけないかと思います。

太田政府参考人 私ども、地域の情報化に関しましては、先ほどICカードの御説明をさせていただきましたけれども、別途現在、医療の情報化ということで、例えば、医師会あるいは大学の病院等が中心にカルテの電子化等を実証的にやろうということを、これもまた支援をさせていただいております。

 実際、具体的に、ICカードの件でいえば、本当に本格的に配られることになれば、それは地方自治体が御負担いただくのが本筋だと思いますが、その前の段階でいろいろな実験をするということは非常に重要なことだと思います。

 先生言われましたように、むだを省いて、効率的なカードあるいは電子カルテの普及というのはやはり国民経済的にも必要でございますので、そういう段階においては、私ども、しっかり支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。

江崎分科員 ちょっと話は前後しますが、IT装備都市の研究事業、ぜひとも成功いただくためにもさらなる御推進をお願いしたいと思いますし、また、今後の事業展開という意味でも、財源措置等々を踏まえて、今後とも大いに御検討をお願い申し上げたいというふうに考えております。

 さて、次の質問に移らせていただきますが、ICカード利用に際しまして、民間との相互利用、これらの導入についてお伺いをしたいと思います。

 冒頭ございましたが、やはり今のところ公のサービス中心にということでございますが、将来的に、住民の利便性を考えますと、やはり民間との相互利用も図って、カード経費をさらにコストダウンさせていくとか、普及に備えて準備を必要とすることも重要かと思われます。

 またさらに、全国に普及をさせていくということになりますと、カードの認定基準、例えばカードリーダーの問題、ライターの認定基準ですとかあるいはアプリケーションの認定基準、またカード発行者やサービス提供者の認定基準等々、認定基準をだれが認定するのかということで、登録機関の設置というものも早期に必要なのではないかというふうに考えられます。

 これらの問題につきましてはいかが見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。

西川(太)大臣政務官 民間事業者の方々も非常にこの問題につきましては関心をお持ちでございまして、主要ICカードメーカー等約百団体が参加をして、例えば定期券のように接触型という、カードをがちゃっと入れて通過させる、それから、かざして読み取らせる非接触型、特にこういう非接触型カードの利用に関する詳細な研究を実施しております次世代ICカードシステム研究会というようなことがございます。この研究会には、当省を初め関係官庁がオブザーバーとして参加をいたしております。

 また、先ほど政府参考人からも申し上げましたが、平成十二年度補正予算において百七十億円の予算を投じて実施をいたしますIT装備都市研究事業でございますが、これの中にもこの研究会の成果を活用してまいりたいというふうに思っておりまして、民間事業者とともに連携しつつ、ICカードの普及拡大にぜひ努めていきたい、このように思っているところでございます。

江崎分科員 ぜひともこの技術開発の面で、恐らくこれは民間主導にならざるを得ない部分もあるかと思います。しかし、基準が一致しないと、もちろんなかなか全国に普及しないということもございます。行政のサービスだけなら統一規格というものが比較的簡単につくれるとは思いますが、ここに民間が乗っかってくるということで、その辺での十分な御指導をお願いしたいというふうに考えている次第でございます。

 また、これら設定基準を設けるに当たっては、新しい高度技術を持った、いわばベンチャー企業のような企業、これらの企業が門戸を開放されて積極的に参入できれば、そういった意味ではまたベンチャーの育成にもつながると思いますし、結果として我が国経済のパイを大きくしていく、さらに活性化していくという重要な一つの入り口にもなろうかと思います。ぜひとも、この自由な参入というものについても御留意をいただきたいというふうに考えております。

 さて、先ほど民間の技術提供ということがございましたが、今度は、サービスの提供者につきましてお伺いしたいと思います。

 冒頭申し上げた新聞記事等によりますと、電鉄会社の定期あるいは金融機関のキャッシュカード、あるいは映画会社等々のサービス等々についてもこの機能を盛り込んだらさらに利便性が高まるんじゃないかというふうにも報道されておりますが、まず、その辺の展望をひとつお伺いしたいと思います。

太田政府参考人 私ども、ICカードをできるだけ、せっかく大容量の安全性が確保されたものでございますから、公的分野、民間分野の情報が載るようにしていただきたい。ただ、本当に一枚ですべて載り得るのかということは、これはやはりいろいろ試してみないとわからないところがあるということで今回の研究事業になったわけでございます。

 そういう意味で、標準化とか仕様の統一化とか、そういうことは極力やっていきたいと思いますが、あと、どういうサービスがどういう形で載るかというのは、今回の研究事業を含めて、これからの課題かと思っています。

 ただ、公募をした先ほどの二十一地域の中には、金融の決済システムを載せるというアイデアも入っております。当然のことながら、住民情報、それから保険証の情報、商店街のポイントカード、あるいは診察券とか各種利用券とか、さまざまなものがアイデアとして盛り込まれておりますので、よくその研究の、あるいは実証試験の結果を見据えながら、どういう形ならば利用者にとって満足のいくものなのか、あるいはサービス側からして不都合がないのかどうかということを見きわめていきたいというふうに考えております。

江崎分科員 ぜひともこの多機能型ICカードの実現を目指して、実験の成功をお願い申し上げたいと思います。

 さて、民間サービスを載せるということではございましたが、行政サービスと民間サービスを一枚のカードに組み込んでしまうということについて、現実の問題として何か障害があるのかどうか、この点について最後にお伺いしたいと思います。

太田政府参考人 基本的には障害がないかと思いますが、ただ、例えば金融のカードを、従来からヨーロッパなんかは接触型が非常に一般的でございまして、そういう意味では、金融機関としては、住民情報等と一緒にするかどうかというところについては、かなり今のところはネガティブな反応をされているというふうに聞いております。ほかの分野もそれぞれ、従来からの経緯等もあるかと思います。そういうことにはよく耳を傾けながら対応していきたいと思います。

 いずれにしても、国が行政以外の分野に、これを必ず入れなさいという強制をするわけにいきませんものですから、その辺はぜひとも御理解をいただいた上で、極力国民の皆様が便利と感ずるようなICカードを普及させていきたいというふうに考えているところでございます。

江崎分科員 そうしますと、一応、民間サービス、どのようなものを選んで載せるか、これは自治体個々の判断ということになるんでしょうか。

太田政府参考人 おっしゃるとおりだと思っております。

江崎分科員 ICカードによるIT社会の発展というのは、一つの技術の面からも、また、パソコン等を含めて日本社会は欧米社会に比べてまだまだなじみが若干薄いようにも思います。こういった身近なところから入っていくことがこのIT社会を実現していくためのやはり重要な側面だと思いますし、また、技術的な意味では、これからの産業づくりという意味でも起爆剤になっていく可能性があるわけでございまして、ぜひとも経済産業省さんのさらなる推進、後押しをお願い申し上げまして、私からの質問、以上で終了させていただきます。

小林主査 これにて江崎洋一郎君の質疑は終了いたしました。

 次に、山花郁夫君。

山花分科員 民主党の山花郁夫でございます。しばらくの間、おつき合いを願いたいと思います。

 昨年の秋のことであります。日付で申しますと十月の十六日の朝なのでありますけれども、私の自宅の方に、「直訴状」と書かれた、こういうものがポストに入っておりました。切手も張っていないわけであります。この世界に身を置いていますといろいろなものが来ますので、最初は何事かと思ったわけでありますが、ちょっとお時間をいただいて、中身を読ませていただきます。御近所に住む宮本さんという方なんですが、途中から読ませていただきます。

 平成十二年九月二十一日、私の娘(小学一年生、六歳)が、自宅風呂で入浴中、浴槽(「ノーリツ」社のジェットバス)のお湯吸入口に髪の毛を引き込まれ、溺死しました。

翌日には警察にて現場検証などが行われたということ。

 引き込まれた髪の毛は、大人の力でも引きぬくことが出来ないほどで、事実、私の娘の場合も、ハサミで髪の毛を切断、救出、救急車にて病院に運びましたが、手遅れでした。

 こんな危険な構造になっているとは、まったく、情報(知る由も)が無く、浴槽、取扱説明書中の注意書きにも、一文も触れられておりません。

ということから始まる、陳情と言うにはちょっと重いお話が書いてありました。

 近所のとありますけれども、私ごとで恐縮ですが、私の家から歩いて六十秒ぐらいのところに住んでおられる方なので、早速会いに行ってお話を聞いてまいりました。

 このときの模様なんですが、九月の二十一日二十一時三十分、午後の九時半ごろ、その亡くなった娘さんと二歳になる弟さんが一緒に、子供だけで入浴をされていました。二十二時ごろ、三十分後ですね、二歳の弟さんは浴室から出てきました。その後、九歳になる長男の方、三人きょうだいなんですけれども、どうも妹がおふろから出てくるのが遅いということで、浴室に様子を見に行きました。そうすると、どうも様子が変だということで、お母様に報告をしました。二十二時二十三分ごろ、母親が発見。前頭部を吸入口、ジェットバスですから泡が出るところに、お湯を吸い込んで循環する、泡を出す装置のところ、そこのところに頭をつけるようにしてうつ伏せの状態で入っていたということです。二十二時四十五分、一一九番の通報をしました。二十三時三十四分、搬入先の杏林病院で死亡の確認がされた。翌二十二日、慈恵医大病院にて検視を行いました。診断は溺死、おぼれて亡くなったということであります。

 警察の方で現場検証もされたようでありますが、その製造したものを見ますと、ノーリツ社製のジェットバスで、昭和六十二年から平成三年の間に製造されたものです。吸入口とは、内壁、内側の壁の下から八センチのところにあるものであります。ですので、大人であればそこで髪の毛が引き込まれてということはないと思うんですが、お子様だったということですね。

 宮本さんの話を聞くと、その年の夏、去年の夏になりますけれども、きょうだい三人で海水浴に行った。お兄ちゃんは泳げるようになったんだけれども、娘さんは泳げない、顔に水がつけられない。なんだけれども、その夏に行ったとき、やっと顔に水がつけられるようになったそうです。帰ってきてからしばらく、おふろ場でそうやって潜って遊ぶなんということをよくやっていたらしいんですね。私も小さいころ、おふろ場で潜るなんということはやった記憶がございますので、何となくわかる気がするんですが、こんな事件があったわけですね。

 その宮本さんと話をしているうちに、ちょっと気になる話を聞きました。大変嘆き悲しんでおられたのですが、ただ、宮本さんの知り合いの方、たまたま、本当に偶然なんですが、知り合いの方の話で、同じような事故というのは続くものですねというような話を聞かされたということです。その時点での宮本さんの話によりますと、福島県でどうも九月の十日前後に同様の事故があったらしいということを耳に挟んだと。宮本さんの一件が九月の二十一日ですから、その時点では約十日前か二週間ぐらい前にそういうことがあったらしいという情報をもらったというような話を聞いたわけです。

 当時の通産省の方にちょっと御協力いただいたりとか私も個人的には動いていたわけでありますが、この機会ですからぜひ大臣の方にもこういったお話をさせていただきたいと思いましてさせていただいているんですが、そういった話を聞いたものですから、ちょっと警察の方に照会をいたしました。いたしましたところ、福島県の事件というのはその時点では承知していないという話でありました。

 今手元にあるんですが、ジェットバスに係る事故で何か過去にあるかという話をしたら、その前の時点でちょっといろいろ資料を調べていたので、九二年にも同様の事故が起きていたということはわかっていたんですが、九二年の事故と今回の調布市での事件、その二件しか警察としては把握しておりませんという話だったんです。

 後日、この調布市の事件が新聞などで報じられたこともあり、後からいろいろ伺いますと、福島県の方もどうも即死ではなかった、お湯に潜っておぼれた状態で病院に運ばれて数日生きていたようであります。これはその宮本さんのルートを通じていろいろ聞いたんです。ちょっとそれは伝聞になるのでありますけれども、そちらの方もかなり悲惨な話でありまして、おぼれた状態で、しかも同じように吸入口に髪の毛を引き込まれ、どこかぶつけたらしく、かなり血が大量に出ている状態で発見され、数日病院で生きていたんですが、最後には息を引き取られた、そういう事件だったようであります。

 すべからくお子様が亡くなられたというのは気の毒な話なんですけれども、ついちょっと前まで生きていてというケースですから、御遺族の心情はいかばかりかと思うわけであります。

 こういった事件があり、それが報道されたこともあって、後日、会津の馬場さんという方なんですけれども、警察の方に恐らく連絡したんだと思われます。そこで警察が発表したかどうかということなんですが、十一月十二日に、たまたま私ケーブルテレビを見ていたら、読売の文字ニュースで、会津若松でもジェットバスで事故というのが流れたものですから、翌十一月十三日に警察にまた改めて照会した結果、本年九月五日、福島県会津若松市の一般住宅において七歳の女の子が六歳と三歳の弟と入浴中ということで、そういう事件がありました。正確には、病院に搬送するも三日後に死亡したという回答をいただきました。

 そこでお伺いしますが、平沼大臣はこの件を御存じでしたでしょうか。また、今お話をさせていただきましたけれども、どんな御感想をお持ちか、聞かせていただきたいと思います。

平沼国務大臣 現時点では、調布ともう一つの件は私は存じております。ただ、後者の方は、私は、調布の事故のときには同時には知っておりませんで、後から認識をした、こういうことでございます。

 お話を伺って、大変痛ましい事故である、こういう感想を持たせていただきましたし、私もたまたまテレビを見ておりまして、これを主題として番組があったように記憶しています。そのときに会津若松のこともドキュメントふうにあったような気がしていますので、そういう意味では認識をしております。

 こういう事故が二度と起きないように、昨年の十一月に、原因の究明と改善方を私どもの方から強く業者に対して指示をしたところでございます。

山花分科員 そこで、過去の話になるわけでございますけれども、九二年にも同じように小学校の子が亡くなられている事件がございました。当時、新聞でも多少取り上げられておりまして、今手元に、気泡浴槽で小一水死、これは当時の読売の記事です。あと、毎日などでも、人気のバブル浴槽、髪吸い込まれ水死、日経の記事でいうと、気泡ぶろで七歳の女の子が亡くなったということが書いてあるわけであります。

 今から昔の話をしてどうなるということにもなるのかもしれないですが、しかし、それにしても、九二年当時、やはり似た事件があったわけです。

 先ほども申し上げましたけれども、確かに、下から八センチぐらいのところでということになれば、我々ぐらいの人が頭をつけて巻き込まれるということもないでしょうし、また、例えば髪の長い大人の女性であれば、巻き込まれても引っ張って抜くなり切るなりして、何かひどい目に遭ったわで済んじゃうような話だったのかもしれません。そういうことで、潜在的にあったというだけで顕在化してなかっただけではないのかなというような印象も持っております。

 しかし、九二年当時にもこういうことが起きていたわけでありますから、結果的に見れば、それ以降、昨年に至るまで同様の事件は起きなかったんですが、九二年当時に何らかの業界に対する指導なりそういうものは行われていなかったのでしょうか。どうしても、ちょっと後になれば人間は賢くなりますから、このときにという思いがあるんですけれども、このときに何か対応しておけば今回のケースもなかったのではないかという思いがあるものですから、そのときに、当時は通産省だったと思いますが、通産省として何らかの対応をとられたのかどうか。また、とらなかったのであるとすると、何でとられなかったのかということについてお話を聞かせていただきたいと思います。

岡本政府参考人 お答え申し上げます。

 九二年の事故につきましては、当時の担当部局において新聞等を通じて情報を入手し、知るに至りましたけれども、先ほどの先生の御指摘の、特段の対策をとったかという点に関して言えば、業界に対する指導等は行わなかった次第でございます。

 これは、同種の製品というのが市場に出回りましてから当時で約五年ぐらいたっていたわけでございますが、その間は特段の事故なく、九二年の事故がいわば初めてということで事故に至ったわけでございます。当該事業者において問題の製品の改良あるいは部品の交換というのを自主的にやるということがございまして、同じような事故が再発するということの蓋然性について当時として判断をすることが難しかったという事情もございまして、当時の担当部局において特段の措置というのはとらなかった次第でございます。

山花分科員 当時としては類似の事故が起こる蓋然性がそれほどではなかったということ、そういう認識だったということなんですけれども、やはり後にこういう事件が起きているわけでありますし、こうやって後から振り返ってみると、まだPL法の制定以前だったりいたしまして、多少企業の危機管理意識というのがちょっと甘かったのかなというような印象も持っております。

 ですが、ちょっと気になる話がございまして、この事件が起きて報道などで報じられた後の話なんですが、九七年の十月にも、これは死亡事故ではないんですが、東京の足立区で子供の頭皮がはれるという、要するに救出されたんですが、そういう事故があった。この点については、こういう騒ぎがあった後に会社の側が、実はこんなことがありましたなんという形で出してきたりしているわけであります。

 また、ここは別に個別の会社を糾弾するところではないので余り多くは申し上げませんが、この宮本さんのところのケースでいいますと、ノーリツ社は、最初、話を宮本さんが会社の方に言ったときには、いや、事故かもしれませんしね、よくわかりませんと、宮本さんの言葉をかりて言えば、何か木で鼻をくくったような態度だったということなわけです。

 ですので、こういうことを見るにつけ、そしてこればかりは私自身が動いたからわからないところもあるんですが、もし宮本さんという方が私の近所じゃなくてということであると、最近、三菱自動車のクレーム隠しというのが問題になりましたが、どうもそれに近いようなものを感じるわけであります、それはちょっと私の感想なわけでありますけれども。

 先ほど平沼大臣の方から、今回の事故があって業界に指示を出したというお話がございましたけれども、ちょっともう少しその指示の具体的な中身と、あと現状で業界は何らかの対応をとっているのか、どんな形で再発防止に努めておられるのかということをお聞かせ願いたいと思います。

岡本政府参考人 先ほど大臣から御答弁申し上げました業界に対する指示でございますが、まず第一に、過去の事故をすべて報告すべしということでございます。

 それから二番目に、旧型の部品、吸い込み口に起因して事故に至っているということでございましたので、旧型の部品を設置しているユーザー、消費者の方々の把握、これをぜひやってもらいたい。

 それから三番目に、部品の無料交換をやってもらいたい。その実施状況を私どもに報告していただきたい、これをまず十一月に業界に指示いたしました。

 さらに、翌十二月には、部品交換をできるだけ加速してやってもらいたいということ。それから使用上の注意事項というものを周知徹底すること。それから改良型部品の安全性、改良型についても、一部でなお危険の指摘がございましたので、改良型の部品についてもその再確認をする。それから事故を把握した場合に、遅滞なく私どもに報告をしていただくということの指示をいたした次第でございます。

 それを受けまして、関係事業者においては、ジェット噴流バス協議会を設置いたしまして、厳しい安全基準を業界として設定し、それから交換する部品の対象範囲も拡大をする。それから私どもへの過去の事故の報告なんかもこれまでいただいているということで、一連の取り組みをし、さらに、何よりも消費者の方々にこれについての情報を正確に提供するということが肝要でございますので、一月十一日付で共同社告を発表して、業界としての、先ほど申しましたような取り組みの状況、あるいは、部品交換をする用意がある、ぜひ来てください、そういった一連の取り組みを広く周知するような取り組みをいたしているところでございます。

山花分科員 いろいろと取り組んでいただいておりますことに感謝を申し上げますとともに、今後ともぜひとも頑張っていただきたいわけであります。

 役所の方にも御協力いただいて、中間報告のようなものは個人的にはいただいたりしているわけでありますけれども、ちょっと気になりますのは、業界の自主的な取り組みの一覧のようなものをいただいたんですが、交換率を見てみると、会社によってばらつきがあるんです。まだ一一%超ぐらいのところもある。

 お話を伺いますと、その当時にジェットバスを備えつけているところというのは、個人宅というよりも風俗関係のところが結構多かったりするので、交換率が一〇〇にいくということは恐らくあり得ないということは承知いたしているのですが、ただ、ちょっとそれにしてもまだ低いのではないのかなというような所感を持っております。

 言ってみれば、当時はまだわからなかったかもしれませんけれども、今となってみればかなり危ない、旧型の部品のものは危ないというふうな気がするわけであります。本当に一刻も早く安全なものに取りかえていただきたいと思っておりますが、その一〇%前後という数字が大変気になるんです。どれぐらいまでパーセンテージがいけば、およそ一般家庭については大丈夫だという見通しをお持ちなのか。それが一点。

 もう一点ですが、今回のケースでもそうなんですけれども、ジェットバスの協会などが今まで二回新聞記事を出している、社告を出していると思うんですが、それを出したりとかテレビとかでちょっと取り上げられると、それでわっと来るようなんですが、どうもその後、しりすぼみになってしまうような印象を持っております。一般家庭でも新聞をとっていない方もいらっしゃったりしますので、そうであるとすると、今後、役所として何らかの取り組みをしていただく御用意があるのかということ。

 二点についてお伺いしたいと思います。

岡本政府参考人 これまで、ジェットバス、一九八一年から市場に出回って、累計で約五十三万台が販売されております。

 そのうち、いわゆる部品の交換が必要のないもの、今回のような事故に至らない、そういう設計仕様の部品でやっているようなものが三十万台ございまして、したがって、残り二十三万台が部品交換が必要なものということになってまいります。

 このうちで、業界に、結構流通の段階が多段階で複雑というところはあるんですけれども、そういう中において、ユーザーの方々を把握すべく最大限の努力をしていただいて、これまで約十万の消費者が確認できて、そこに対しては、それぞれ関係の業界から、注意喚起をすると同時に、交換をする用意がありますからしませんかというお問い合わせを申し上げて、そのうち、実際にこれまで部品を交換しているのが、現在のところ、二月二十三日時点でございますが、約四万ということでございます。

 先ほどの先生の一〇%、これは企業によってばらつきがございますけれども、十万、把握できたところに、それぞれ、部品交換の用意がありますのでやりませんかというお問い合わせをして、先方の側で、もう古くなっているとか、それからもう使っていないとか、そういったことで交換不要という御返事をなさるところもあったりしますものですから、そういうことで、ただいまのところ、約四万について部品交換が終わっているというところでございます。

 先ほどの大臣の指示に基づきまして、私ども、昨年十一月あるいは十二月と立て続けに業界に対して非常に毅然たる指導をしてまいったわけでございますが、それに基づいて、業界は今引き続き、各社懸命に消費者の方々への連絡、それから先方の側でここをかえてくださいという場合には速やかに交換するという対応をしておりますので、これをいささかも手を緩めることなくやっていただくということが、まず何よりも肝要ではないかと考えている次第でございます。

山花分科員 その点、ぜひともよろしくお願い申し上げたいと思います。

 さて、その被害者の方、調布の件では、私、家が近いということもあって、昨日もちょっとお話を伺ってまいりました。

 そういたしましたところ、その宮本さんのお宅で、二週間ぐらい前に国民生活センターの方がいらっしゃって実験して帰られた。三月上旬に何か記者発表をするというような話をしていたということなんです。ただ、別の時期に経済産業省の方でも御自宅に行って実験をされているようなんですが、来ている方お互いの調査の連携がとれているのかどうかということがちょっと気にかかりました。

 また、今回のケースなんかでも、例えば、たまたま宮本さんというのは割とパソコンをよくされる方で、今回、自分でこういう思いをして、私のところに先ほどのような書面を持ってきたりとか、それとは別に、いろいろ検索して、国民生活センターというところがこういうものの受け付け、対応をしているんだとか、そういうことをやられたからということもあるんですが、これは、一般のユーザーの方で、そういう関心のある人でないと、例えば自分のところで、ジェットバスに限らず、何らかの生活用品で欠陥があるような場合であっても、なかなか例えば国民生活センターに行ったりとか、あるいは、これが経済産業省の所轄だということを知らなかったりとかがあると思うんですよ。

 ですので、ちょっと最後の点は要望ということになるんですが、こういった製品の安全性に何らかの問題があると思われるようなケースについて、やはり国民生活センターなりあるいは経済産業省がそういうことについて受け付けていますよということについてのPR活動というのをぜひともよろしくお願い申し上げたいと思います。それは要望です。

 ですので、国民生活センターと経済産業省との間でうまく連携がとれているのかどうかということをお願いいたします。

岡本政府参考人 本件のジェットバスの場合には、私どもの製品評価センターというのがございまして、昔の通商産業検査所でございますが、そこで検査をしました。

 家庭で使われておりますような製品の多くについて、実際に事故があった、あるいは危険の指摘があったというような場合に、製品評価センターでこれまでも随分とそういった検査をして、その結果を公表して情報を提供するということをやってまいっております。

 お話しの国民生活センターは、消費者行政全般の窓口ということで、安全問題を含めて広く国民の方々が接近をしやすい機関の一つということかと思いますが、さらに言えば、各都道府県、市町村の消費者行政担当部局で、こういった事故の例でありますとかあるいは危険についての疑問点などありましたら、私ども、各省の間では連携をとり合っていますので、そういった情報を寄せていただいて、その上で、検査が必要なものの場合にはそれこそ製品評価センターでもってしっかりした検査をして、国民の方々の疑念にお答えしていく、そういう連携のもとでの安全行政ということにこれからも引き続き努力をしてまいりたいと考えております。

山花分科員 時間が参りましたので最後にいたしますけれども、ただ、やはり実際に検査に来られた方の側からすると、どうも何か縦割り行政の弊害じゃないかみたいな感触を受けるところがあるようですので、ぜひそこの連携のところは本当によろしく御配慮いただきたいと思いますとともに、今回お話しさせていただきましたけれども、大臣の方も、ぜひともこの点、いろいろな課題がございますので、これだけ一生懸命やれとはなかなか申し上げにくいですけれども、こういった事件がございましたので、ぜひイニシアチブをとって取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

小林主査 これにて山花郁夫君の質疑は終了いたしました。

 次に、植田至紀君。

植田分科員 社会民主党・市民連合の植田至紀でございます。

 きょう、私も経済産業省のこういうところで質問するのは初めてなんですけれども、実は私の生まれ故郷の奈良というのは繊維産業がもともと盛んなところでございまして、特にそういう地域の皆さん方からそうした地域での地場産業の窮状等々をいろいろな形でお伺いする中で、今回、特にこの間の輸入急増に伴う繊維産業の振興対策というところに一点絞りまして、それぞれ御所見をお伺いしたい、そういう気持ちできょう参ったところでございます。

 実際、この間、やはり繊維産業というのをめぐる環境というのはかなり激変しつつある。それは、例えば情報技術の進歩、定着による産業構造の変革、また経済のグローバル化の一層の進展、国内経済の成熟化、少子高齢化などに伴う消費者の行動の変化等々、そうしたことが要因になりまして、産業を取り巻く条件というものはかなり激変をしているわけです。

 もともと繊維産業というのは、いわば生活文化産業としても位置づけることができるだろうと思いますし、また、現在もやはり二百万近い雇用を抱えて、特に中小企業が多いわけですから、地域の地場産業として地域経済、地域社会の活性化また安定に貢献をしてきたわけでございます。そういう意味で、我が国の中での基幹産業の一つということで位置づけられると言っても過言ではなかろうというふうに思うわけです。

 しかし、この間、特に中国物が多いんですけれども、輸入の増大によって、御承知のように非常に危機的な状況に立ち至っていると言われているわけです。情報化、グローバル化等々の革新的な方向を目指す企業努力というのが不断には行われているわけですけれども、やはりそれがなかなかうまくいかない。

 それはやはり、大企業というよりは、ほとんど地域の地場の町工場みたいなところで繊維産業が息づいているがゆえに、いろいろな努力は行われているんだけれども、なかなか困難であるというふうなところもあろうかと思うんです。実際、品質であるとか供給、在庫数量にかかわれない、その意味では、今の輸入のあり方というのはやはりかなり無秩序な輸入になっているんじゃないか。そうなると、コストの安い海外製品に対抗できないまま、そういう地場の産業でしこしこと一生懸命つくったものが売れなくなってしまっている、大幅に売り場を失っている。特に、廉価で販売する衣類等々の店もかなり最近はあちこち進出しておりますので、本当に地場産業は大変なわけでございます。

 そういう意味で、先ほど冒頭も申し上げましたけれども、私の生まれ故郷の奈良県、いろいろな地場産業があるんですけれども、繊維産業というのが最も有力な産業でございます。全国の約三割のシェアを占めるのが、奈良でいうと靴下でございます。

 例えば靴下であるとかニット、縫製業、染色業など、非常にすそ野が広い産業が奈良ではあるわけでございます。そして、奈良県でも、この間ずっと重要な基幹産業として、地域の経済の活性化なり、また雇用などに大きく貢献してきた。奈良県内においてはそういう基幹産業であったがゆえに、輸入急増に伴う繊維産業をめぐる環境の急変というのは非常に深刻な問題になっているということをまず御承知おきいただきたいと思うんです。

 私が今住んでおるのが奈良県の大和高田市というところでございまして、戦前戦後を通じて商都としても知られた小さな町なんですけれども、私が小学校五、六年のころまでユニチカの工場がございまして、七七年ですか、それが撤退していくわけです。それは、全般的に繊維産業というのが落ち込んでいく中でやはり撤退せざるを得なくなった。今そこはマンションが林立しておりますけれども。

 当時の大和高田の町といいますと、言ってみれば、ユニチカの小さな企業城下町でした。でも、その市内にある商店街なりなんなりというのは、私がそれこそまだこれぐらいのころというのは、本当にこんな町が奈良にもあるんかというぐらい、商店街のにぎわいを見せていました。飲み屋、焼き鳥屋なんというのもあっちこっちにあった。それが二十数年前の奈良盆地の中和と言われる地域なんですけれども、小さな町でしたけれども、やはりその地域の、言ってみれば地域経済の一番基盤となっていた、そういう地域だったわけでございます。

 それが、それ以降、一つ大きな企業が撤退してしまいますと、やはりそうした下請、孫請も宙に浮いてしまいますし、今や商店街も閑散としている。確かに、道はでき、駅はきれいになり、昔のごそごそとした雰囲気はなくなりましたけれども、逆に、人の息吹が感じられないような、そういう側面もある。

 ですから、地域でいろいろな形で地場産業を振興しよう、いろいろな形で都市計画をやろう、町づくりを進めていこうという不断の努力は、これは何も行政だけではなくて、地域でいろいろな皆さん方がやっておられるんだけれども、なかなかそれが十分に活性化につながっていない、そういう側面があろうかと思います。

 奈良の場合、そういう意味では高田、そうした地域の繊維産業というのは基幹産業でしたから、それが地場産業としての地位を持ちながらも、そこで大変な状況に陥っているがゆえに地域経済全体が地盤沈下している。何もこれは、奈良における地場産業としての繊維産業が落ち込んだから、それだけの問題ではなくて、地域の経済自体がそのことによって沈滞化している、そういう現実はまず踏まえなければならないと思うんです。そういう意味では、逆に、繊維産業が中小であるがゆえにこそ、やはり地域経済全体の中でそうした地場産業というものをどう位置づけて育成していくかという観点が必要だと思うんです。

 例えば、観光資源があって、観光地を開発する、リゾート開発をする、地域にお金が落ちるかというとそうじゃない。ゴルフ場をつくるのもホテルをつくるのも、首都圏の大資本がつくっちゃう、そしてそこに観光客がばあっと行って、遊んで帰っていく。でも、そこで落ちたお金というのが、地元の人たちに落ちる、地元の金融機関に落ちるのではなくて、それら進出した大企業が取引している、言ってみれば有力都市銀行に行ってしまう。結局、お金がぐるっと回って東京に戻ってしまうような構造というのがあるかと思います。

 そういう意味で、これからの経済対策、また景気対策の中で地域経済をどう元気にするかというのは、やはり一番大きな課題だろうと思うんです。

 そういう意味では、繊維産業に限らず、いろいろな地域の地場産業、中小企業に対する支援措置、例えば、中小企業にとって一番弱いのは、やはり技術開発であるとかそうした商品開発、市場調査、また人材の確保。

 だれだって、大学出れば大企業、一部上場企業に行きたいわけですけれども、やはり中小企業で、手がたい仕事をやっているなというところに人材が入っていくような、そんな魅力ある中小企業の育成というのを全般としてしていくこと。また、当然ながら貸し渋りをなくして、そうしたいろいろな融資制度なりも拡充していくこと。

 そういうすそ野を広げていくことが、実は地域の経済の活性化を誘因して、これが全体としての日本経済の改めての再建というところにつながっていくんじゃないのかなと私なんかは思っております。

 だから、今申し上げたような、そうしたさまざまな支援をしながら、それは何も特定の産業に対してプッシュするということではなしに、そのことを通じて地域経済そのものをもう一度再建していくという観点から、総合的にそうした施策をやはり進めていただきたいなという思いでいっぱいなんでございます。

 私も、毎週地元へ帰りますといろいろなところにあいさつ回りいたします。私、社民党ですけれども、実はほとんど労働組合の支援というのがありませんで、大体が、今ちょうど深刻でひいひい言うてはる中小企業の経営者の方々が多いんです。

 そしてまた、奈良の場合、いわゆる繊維産業でも、伝統工芸品というよりは靴下産業というのが多いわけですね。靴下というメニューで差別化をして勝負を張るというのは、なかなか難しいと思うんです。ファッションデザイナーというのはいいかもしれへんけれども、靴下デザイナーといってもなかなかはやらないなと。でも、生活には絶対要るわけでございます、私たちも、靴を履くと必ず靴下をはくわけですから。

 そういう意味では、なかなか大変な状況の中で、やはりいろいろな問題ございますけれども、昨年も、そういう奈良県の繊維団体の皆さん方が東京で集会を催されたというふうに聞いています。繊維産地危機突破大会というものだそうでございます。

 その中では、やはり輸入品の急増によって、操業はピークから比べるともう六割ぐらいまで落ちているとか、組合員自体が最盛期の三分の一にまでなっているとか、本当、自殺者や倒産する会社がぼこぼこと出てこぬことには国は動いてくれへんのやろか、そういういろいろな声が続出したと聞いています。ここには旧通産省の方も御出席されていたようですので、そうした切実な声というのは直接聞かれたことと思います。

 私もちょっと勉強してみたんですけれども、現実にソックスの輸入数量を見ると、昨年の一月から十一月までで、何か十足で一デカというそうですが、六千八百万デカに達しているそうです。年間では大体七千万デカに達するのは確実だろうということが言われているそうなんですね。そして、昨年の国内生産が大体四千五百万デカというそうですから、大体それで一億二千万デカぐらいになるわけですが、実際の国内消費というのは九千万デカ程度と言われているわけですから、実際は、これはもう二五パーぐらいの過剰な状況になっている。

 そしてまた安い製品が入ってきますから、特に国内産品というものがどんどん片隅に追いやられている。そういう厳しい状況がある。それも、何せいろいろな工夫をしながらももっている、そういう産業が、例えば靴下に特化すれば靴下というのもなかなか大変で、最近はタオルの話も出ていますけれども、タオルデザイナーというのもなかなかいらっしゃらないわけですから。

 だから、やはりその辺のところで、もうどうすることもできへん、自助努力でなかなか対応し切れないような状況が地域の中で生まれている。おれたちは本当に一生懸命やっているんだと。確かに競争社会です、市場社会ですけれども、やはり地域の一番末端で日本の経済を一番たくましく支えている人たちにどんなまなざしを向けるのかというのが、やはり政府の施策としてあってしかるべきだろうというふうに思うわけです。

 そういう意味では、繊維産業においてもそうした企業なり産業の置かれている状況というものを踏まえながら、コスト競争力の改善であるとか、非価格競争力の強化、グローバル化への対応というものを総合的施策として進めていかなければならないなというふうに私は感じているんです。

 そこで、まずお伺いしたいのは、そうした、今踏まえた繊維産業の現状認識について、まず大臣の方からお伺いしたいと思います。

    〔主査退席、牧野(隆)主査代理着席〕

平沼国務大臣 今委員御指摘の、繊維産業が置かれている立場というのは大変厳しいということは、担当大臣として、十分認識しております。私ごとになりますけれども、実は私も政治家になる前十一年間、日東紡績という紡績会社で営業マンをしておりました。そういう形で、かつての同僚等から厳しい状況もよく聞いているところであります。

 我が国の繊維産業は、先ほども御指摘がございましたけれども、製造業の中で見ると、雇用の一〇%を受け持ってくださっている。繊維卸、小売を合計すれば、関連雇用者数は約百九十万人。依然として、我が国の産業にとっては重要な地位を占めているわけであります。

 また、御当地奈良を初めとして、全国には約百六十の産地がございまして、製造業従事者に占める繊維製造業の雇用者数の比率が三割を超える、そういった地域も存在するなど、雇用面等においても地域経済を支える重要な役割を担っている産業、こういうことが言えると思います。

 近年の繊維の国内需要は、家計消費に占める被服費等の支出が、これも委員御承知だと思うんですけれども、九年連続で低下をしておりまして、衣料品分野を中心に低迷をしていることは事実であります。平成十二年度の生産も、前年同月比マイナスという形で、これから見ても非常に厳しい環境に置かれている、こういうことだと思っております。

 こうした状況の中で、我が国の消費者が価格を重視してきている、そのことも一つのファクターとしてありますし、繊維産業の技術水準の向上ということで、中国から洪水のように、向こうからの輸出が急増している。これが、我が国にとっては、地場の繊維中小企業の経営に大変大きな深刻な打撃を与えている。こういうことも十分認識をしておりまして、我々といたしましては、こういう状況の中で、今御指摘の地場産業の育成あるいは人材、そういった面で、でき得る限りの支援をしていかなければならない、このように思っております。

植田分科員 その辺のところ、大臣の方も非常に今の窮状というものをまず十分御認識されているということで、非常にありがたく思っております。

 そこで、私もいろいろな方々からいろいろ教えてもらいながら、実は繊維セーフガード措置というものがありまして、まだほとんど発動されていない、二件ほどしかなかったと伺っているんですけれども、やはりこういう中で、緊急避難的な対応というものが、中長期的な視点から競争力を強化する、そういう二つの観点からも、こういう機動的に活用できる体制というのは求められると思うんです。

 そういう意味では、今あるのは、この繊維にかかわっては繊維セーフガード措置だと思うんですけれども、なかなか、これは制度を見てみますと、実際、調査開始の是非を調べるのが大体二カ月以内となっております。そして、調査自体が六カ月以内。だから、最長で八カ月ぐらいかかって、そして発動が適当か不適当かというのを決めるということでございます。もちろん、その中で実際、産業の維持発展の中期的な見通しというものについてもある程度調べていかなければならないわけですから、きょう言うてあしたということにはならないかと思いますが、先ほどの奈良の繊維業界の皆さん方も、これ、もしおれたちが言えばちゃんと発動してくれるんか、そういう声もあるわけでございます。

 ですから、業界が本当に切実に求めた個別的品目については、そうしてまず積極的に対応をしていただくだけやのうて、そのときにできるだけそうした、特に地域の状況をしっかりと見据えて、市場実態調査も綿密にやりながら、やはりこういう要望がもし出てきたときは、実際、手順としては最長では八カ月もかかるわけですけれども、できれば、できるだけ短期間の間にそうしたものを処理していただくように、ぜひお願いしたいなと。また、そういうのが要請があるかどうかは別ですけれども、もしあれば、迅速にまず対応していただく。

 置かれている状況は、今御答弁いただいた中で、もう十分御承知いただいていると思いますので、もしそうしたことの発動要請があれば、できるだけ速やかに短期間に発動できるように、まあ万が一、不適当という場合もあるかもしれませんが、真摯に、しかし迅速に、そうしたことをお願いしたいなと思うんですけれども、その点についての大臣の御決意なり御見解なりをお伺いしたいと思うんです。

平沼国務大臣 繊維製品のいわゆるセーフガードということは、これは、委員御承知のとおり、WTOの繊維協定の中で認められているルールであります。我が国も、国内の規則を整備してまいりました。

 そういうことで、もう御承知だと思いますけれども、二月の二十六日に日本タオル工業組合連合会から正式に当省に対しましてセーフガードの発動要請がございました。今御指摘のように、最長で八カ月かかる、タオル業界の輸入浸透率が六四%、こういうようなことでございますので、いわゆる要請をお受けした後、私も事務方に、これは迅速に、的確に対処すべきだ、スピードを旨として対処すべきだ、こういうことで督励をいたしました。

 ですから、そういう中で御要請があれば、これはスピードが大切ですから、そういう形で我々はやらせていただきたい、こういうふうに思っております。

植田分科員 奈良の話に戻りますと、いろいろな繊維産業がありますけれども、確かに例えばタオルもそうだと思いますけれども、そういう置かれている条件では靴下も同じだろうなと思うんです。というのは、見ればわかるように、差別化戦略で靴下に特化させて頑張ってもなかなか難しい。

 例えば、私もそんな高い靴下はいてませんけれども、ユニクロとかに行って五足千円ぐらいの靴下を買っちゃうわけです。そうなると、どんどん、品質がよくても国内産品としてはなかなか駆逐されてしまう。しかも、全般的に家計消費の中に占める衣料の出費というのが減っている傾向、今も御説明ありましたけれども、そうした置かれている状況というものを踏まえながら、的確な対応、適切な対応というものを迅速にやっていただきたい。

 既にそういう御決意、御見解もお示しいただいたところでございますので、万が一の場合、そうした対応方についてはできるだけ早くということを改めて強く申しておきたいと思います。

 さて、全般的な、靴下にかかわる、繊維産業にかかわってのさまざまないわゆる支援措置についてお伺いしたいんですけれども、今申し上げたように、繊維産業自体、特に、どっちかというと先進国と途上国との間でずっと競争している、そういう産業なわけですけれども、日本の場合、技術力とか製品開発力では大きな強みがあるんだけれども、いろいろな条件、エネルギーなり、物流なり、社会資本、税金、社会保障の負担や労働、さまざまなことが要因になりまして、国内の高コスト構造の負担というのは重くのしかかっている。

 これは地域の地場の町工場のおっちゃん、おばちゃんが何ぼ頑張ったかてなかなか解決できないわけで、おれたちはこれだけいいのつくってるんやという切実な話を聞いても、どうにかしてくれと言っても、そうした問題を全部解決するというのは並大抵のことじゃないと思うんです。

 だからこそ、そういう意味では、潜在的な力を持ちながらそれを発揮できない状況にある中小の、地場のそうした産業に対する手当てをどうするんだということは、応急措置といいますか、緊急の措置としてやはり必要になってくるんじゃないかと思います。

 そういう意味で、一つは、そうした高コスト構造の是正を図って事業の環境を整備する、そうした施策を講じる必要もあると思いますし、また、特に新たな市場開拓とか新商品の開発というのも大きな課題だろうと思うんです。現実に大幅な輸入超過にあるわけですから、競争力は圧倒的に弱い。これはいかんともしがたい。だから、強くなれと言っても、自助努力でやれと言っても、それはなかなかしんどい相談やというのが切実なところだと思うんです。

 ですから、例えば、そうした中小企業、地場の人たちにとってはなかなかしんどいなという分野、先ほども、冒頭も申し上げましたけれども、いろいろな市場の開拓の情報であるとかまた新商品の開発、技術の開発、人材の確保なども含めて、そうしたさまざまな情報発信であるとかそうした基盤、それを進めていく基盤の整備、強化の中で、海外市場の拡大等も含めていろいろな支援があるだろうというふうに思いますし、また、業界としての販売促進の強化であるとか、産業資材分野への進出による多用途開発等々も進めていく。

 でも、さあ進めようといっても、一つの町場の工場でそれはできないわけですね。ある程度、どこへ行ってもそうした靴下業界なら靴下業界の組合なりなんなりがあるわけです。奈良では三分の一にも減ったと言われていますけれども、そうした一つの寄り合いの中でそうしたことを一緒にやろうじゃないかというときに、やはり行政としていろいろな形での多方面からの支援措置なりなんなりというものが必要になってくると思うんですけれども、その辺の支援措置のあり方について、現段階でどうした方策をとられているかということについてお伺いしたいと思います。

中山副大臣 今委員が、地元大和高田市ですか、私もお伺いしたことがありますけれども、ずっと述べられまして、地場産業の経営者の方々が本当に苦労してやってこられたんだ、しかし、今ああいうふうになっているんだということを、歴史をかいま見るような解説をいただいたんですけれども、経済産業省としましても、そういった地域の地場産業の支援ということは極めて重要な政策課題である、こういうふうに認識しておりまして、従来より、地場産業等活性化補助金というのを活用いたしまして、例えば技術開発支援とか販路開拓支援、人材育成といった施策を積極的に展開してきておるところでございます。

 そしてまた、委員が言われましたけれども、特に繊維産業等、市場開拓とか新商品の開発、こういったことにつきましても、我が国の繊維産業の現状を見ますと、デザイナーレベルでは世界のトップレベルにあるわけですけれども、繊維産業のレベルという意味では大幅な輸入超過であるというようなことで、競争力は必ずしも十分であるとは考えられない。

 こういったことから、海外市場の展開とかそういったことにつきましては、テキスタイルメーカー等によるニューヨーク、パリ、香港といった海外の展示会への出展を支援したりとか、そういうようなこともやっているわけでございます。

 さらに、今言われましたような高コスト構造の是正ということにつきましても、これはやはり日本経済の全体を底上げするという意味もございますけれども、昨年の末に取りまとめました経済構造改革のための新たな行動計画におきましても、エネルギーとか物流とかあるいは情報通信等の産業基盤分野での高コスト構造の是正を大きな柱ということで取り上げて、例えば具体的には、電力市場のさらなる競争条件の整備とか、石油業法の需給調整規制の廃止とか、総合物流大綱の改定といった施策を通じまして高コスト構造の是正に努めている。そしてまた、それが日本経済全体あるいは地場産業の振興にも役立つように、そういうような方向でいろいろと施策を推進しているところでございます。

植田分科員 いろいろな形で施策を講じられているということは非常によくわかりました。これがやはり、いろいろな形で地域の地場でやっておられる町工場のおっちゃん、おばちゃんたちに、そんな活用できるものがあるんだよとか、また使い勝手があるんだよということを周知するという努力もまた必要だろうと思います。恐らく、例えば公的融資がこんなにいろいろあるんだよというのも、なかなか日々の生活の中で実は知らない方々が圧倒的に多いんです。たまさか何かの相談で、実はこういう融資が受けられるんだよとかいうことを知って初めて、ああそうなのかという方々が非常に多いわけです。

 これは、繊維産業に限らず、奈良の場合、非常に家内制のそうした産業が多うございます。私の大和高田市周辺でも、例えば紙やすりの金剛砂、これもほとんど今はわずかになってしまいましたけれども、いわゆるやすりの金剛砂というのが出ますので、そうした町工場もありましたし、またグローブとか靴とか、いわゆる皮革産業というのも非常に地域の地場産業で、言ってみれば基幹産業ともいうべき産業として存立しているんですけれども、すべてに言えることは、やはり技術力はある。例えば、グローブ、ミットであるとかいわゆる毛皮とか、そういう皮革産業も一子相伝で非常に営々と受け継がれている高度な技術力はある。でも、やはりコストは高くなりますし、海外からの産品に押されている。そういう意味で、全般的に地域のそうした産業の地盤沈下というのは続いていると思うんです。

 例えば繊維産業でも、今も何度も申し上げましたけれども、なかなか差別化が難しい靴下であるとかそうしたものになってきますと、同じいとへんでも、西陣の伝統産業と、靴下が伝統産業とはなかなか言いづらいかと思いますけれども、やはりそこは全然視点を変えた施策の措置が必要だと思いますし、また、繊維産業全般といっても、特にそうした中小でやられている、実際、規模で言ったら大体六人ぐらいですね、平均すると。それぐらいの規模でございますから、例えば、タオルならタオル、靴下なら靴下、染色なら染色、繊維産業全体の中でもそれぞれのそうした製造の分野にそれぞれ着目して、やはりいろいろな調査なりなんなりというものを進めていただきたいなというのが一つ要望でございます。

 それともう一点、今もお答えいただきましたけれども、そうした直接プッシュする支援措置もなかなか大切だと思うんですが、繊維産業全体の底上げというものも必要になってくると思います。

 そういう意味で、例えば今は、いわゆるファッションデザインとか衣料デザインとか、そうした水準が日本は非常に高いということもお伺いいたしました。そうしたところにどんどん支援措置なりまた具体的な人材の確保、育成というものを進めていくということは、地場の産業に直接つながらないかもしれないけれども、繊維産業全体の底上げにやはりつながっていく。

 そうなると、繊維産業の持っているいわゆる特性、地域に根差している産業であるという特性をかんがみれば、ややそういう面でのそうした施策というものもこれから推進していただきたいと思うんです。特に、個々のそうした製造産品等々にかかわって、やはりそれなりに、それぞれの特性に応じた施策なりなんなり、また状況なりというものをこれからちょっといろいろな形で調査なりまた検討なりというものをしていただければなと思っているんですが、その辺について、最後になりますけれども、御所見をお伺いできますでしょうか。

中山副大臣 今委員御指摘のように、地場産業、地場産業は繊維だけには限りませんけれども、そういったものを振興していくためにはやはり技術あるいは市場開拓、そして人材、そして資金供給といろいろな面があるわけでございまして、経済産業省としても、いろいろな施策を総動員いたしましてそういったものを何とか支援して、中小企業がこれからも日本の経済の活力として活躍できるような、そういう地盤をつくっていきたい、このように考えているところでございます。

植田分科員 もう持ち時間が終わりましたので、最後に一言だけ申し上げて終えたいと思います。

 私も東京と奈良とを往復いたしております。生まれ故郷でございますので、地元に帰って、これはいわゆる利益誘導とかそういうものではなくて、帰るたびに、地域で有権者がにこにこしている、町工場もよう動いているな、元気だなと思えるのは、これはやはり、こうした場で仕事をさせていただく者にとってみれば非常にうれしいことです。

 でも、なかなかまだまだそういう笑顔というものが見られない状況にあるという実態を十分踏まえられて、経済産業省といたしましてもこれから、今回も六億ぐらいの施策が積まれておるわけですけれども、ほんまにこれで実際使い勝手がいいのかどうなのか。それをもうちょっと工夫を加えて、来年度はもうちょっと、みんなもっと使いやすいような制度にしようとかということで、これからより積極的にその辺のところも検討していただきたいと思いますし、冒頭申し上げましたように、そうした発動なりなんなりの要請等もございましたら、改めて迅速に対応していただきますことをお願い申し上げまして、私の質疑を終えたいと思います。ありがとうございました。

牧野(隆)主査代理 これにて植田至紀君の質疑は終了いたしました。

 次に、山田正彦君。

山田(正)分科員 自由党の山田正彦です。

 先ほどから繊維業界のタオルについてのセーフガードのお話があったようですので、私の方では、一つ、同じ中小地場産業といたしまして日本の陶磁器、いわゆる台所とか食卓用品、この業界ですが、調べてみましたら、十年前、一九九〇年に生産量が四十一万四千トン、ところが一九九九年、二十二万一千トン、半分に減っております。販売量も当然減っておりますが、輸入量はかなりふえてきております。

 ちなみに、今大変困っているのが中国なんですが、十年前、一九九〇年に中国から二億四千四百万円輸入されておったものが、今現在、昨年、一九九九年ですが、四十六億五千四百万円これは輸入されてきておる。その中で、実は地場の陶磁器産業というのはばたばたと倒産が続いておる。

 私は弁護士もやってきておりますが、いわゆる民事再生とか破産とか随分手がけてまいりました。そのほとんどは大変悲惨で、自殺したりとかそういったことが相次いでいる、そう思われていいと思うんですが、この際、いわゆるセーフガードの適用を大臣として考える意図はないかどうか。

平沼国務大臣 お答えをいたします。

 陶磁器に係るセーフガードの適用についてのお尋ねでございます。

 山田委員御指摘のとおり、陶磁器、特に御地で生産をされている台所、食卓用品に関しましては、他の日用品と同様、国内景気の低迷の中、一般家庭用、業務用ともに生産、販売が、先ほど御指摘のとおり減少をしてきております。二〇〇〇年の生産・出荷は、九〇年に比べて、金額ベースでは四三%、数量ベースでは約五〇%、先ほど御指摘のとおり減少してきております。

 輸入については、これも御指摘がございましたけれども、金額ベースでは、金額ではおおむね横ばいでございますけれども、数量ベースでは、特にここ数年、御指摘のとおり、中国からの低価格品の輸入品が大変増大してきておりまして、その結果、輸入浸透率は二〇〇〇年現在で二〇%を超えている、こういうことを私どもは承知しております。

 そこで、陶磁器に対するセーフガードの適用について一部産地で議論がなされているとは聞いておりますけれども、今のところ、当省に対する業界からの正式な御要望がない、相談も特段まだ来ておりません。しかし、仮に今後、業界から要請があれば、私どもとしては、関係省庁と連携を密にして、WTOのルールにのっとって、また、国内法令に基づいて厳正迅速に対処していきたい、このように思っています。

山田(正)分科員 陶磁器業界は、小さい、本当に小さな家内工業的な業界、さらにその下に生地屋さんとか、そういう大変家族工業的というか、なかなか団体としてそこまで至っていないだろうとは思うんですが、ぜひその実情を掌握していただきたいと思っております。

 もう一つ、この中国との問題ですが、今、百円ショップ等で大変大量に安い物が出回っております。実は、これは地元の新聞なんですが、百円ショップで類似品撤去へと。いわゆるグッドデザインマーク、これは国内産業ですけれども、そういったものが、大創という百円ショップで売られていた。そこで私も調べてみたのですが、百万個、二百万個という単位で、しかもこれは法律的に言ったら、デザインが全くの極類似品ですから不正競争防止法に当たるんじゃないかと思うんですが、そういったことが平然と行われている。

 何で法的手続をとらないか、そう言いますと、弁護士さんに頼んでも費用が高いし、とてもそういう余裕もない、それで泣き寝入りしている、そういう状況なので、そういう不正、不当な競争、こういったものが平然と行われているという実態、それを大臣として掌握しておられるかどうか、お聞きしたいと思います。

平沼国務大臣 今委員御指摘のとおり、そういう意味では、百円ショップ等でグッドデザインのものがそのまま百円で売られている、こういう実情は、私どもとしてはある程度把握をいたしております。

 しかし、そういう中で、WTO上のルールの中で、そういうことを我々として正式に言う状況にはまだなっておりませんし、中国が自主規制をすべきではないかという考え方もあると私は思うのですけれども、中国は現時点でWTOには加盟しておりません。現在、そういう加盟交渉が行われている段階でございまして、WTO協定に違反する事項を求めることは困難でございますけれども、そういう実態を我々としては把握はしておりまして、何とかいろいろな形で支援をしなければならない、そういうことは思っております。

山田(正)分科員 WTOに加盟していない、確かにそうですが、であれば、例えばそういう不当に、中国の安い人件費でやられると競争になりませんから、そういった場合には関税を高くするとかいった措置をすぐにとれる、そういったことはできないものでしょうか。

平沼国務大臣 WTOの協定上、協定に根拠を有するもの以外には新たな貿易制限措置を導入してはならない、こういうことはそういう決めになっております。また、輸出自主規制のための取り決めを行うことも一応禁止をされているところであります。

 日中二国間で具体的にどのような事項を協議するかにもよるわけでございますけれども、このような規制を目的として日中間で二国間協議を行うことは現状ではまだ非常に困難だ、こういう認識を持っています。

 特に、陶磁器に関しましては、先ほど申し上げましたように、まだ業界からも具体的な要望が上がってきておりません。そのような段階の中で、現時点で中国側と自主規制について話し合いを検討する段階にはないわけでございまして、そういう非常に厳しい状況ということを業界の方々から私どもにじかに御要望があった場合には、そういう形で中国側とも話し合う場はあると思います。

山田(正)分科員 ぜひそういう方向で取り組んでいただきたいと思います。

 こういう陶磁器業界に限らず、繊維業界でも、あらゆる中小企業関係でそうだと思うんですが、陶磁器業界で申し上げますと、日本のODA予算でもって技術援助、例えば私の地元であります長崎県の窯業試験場でも、技術指導員がタイに行って、たしかODA予算で行ったというお話でありましたが、それで技術援助をしている。そこの工場は日本の東通とかそういったメーカーの窯が並べてあって、これは調べてないからはっきりしたことは言えませんが、それもODAの補助金で助成されているんじゃないか、そういった事情をいろいろお聞きしております。これは私が調べ上げたわけじゃありませんで、間違いだったらお許しいただきたいと思います。

 そうしますと、ODAの目的で、技術開発援助とかいろいろな形で、その目的はいいと思うんですが、今日本がもうどんどんどんどん景気がここまで落ち込み、御承知のとおり、きのう発表のあった一月の経済指数では、鉱工業生産指数が三・九%前月比マイナスという状況下で、そういうODA予算のあり方は経済産業省としては大いに検討する余地があるのではないか。それは、副大臣、いかがでございましょう。

中山副大臣 今委員御指摘の点でございますけれども、御承知のように、日本のODA援助というのは、政府開発援助大綱を踏まえて、関係省庁とも連携をしつつやってきているわけでございますが、今委員が御指摘のようなことがいろいろと言われています。最近聞きましたのでは、ウナギもそうじゃないかとかいろいろな話がありまして、我が国の経済協力というのが果たして日本の国益にかなう形で行われているのかどうか、あるいはそのあり方等について厳しいいろいろな議論が出ているということは承知しております。

 そういう意味で、今後とも、開発途上国のニーズのみならず、我が国の産業への影響といった日本の国益ということも配慮しながら援助をやっていかなきゃいかぬなということでございまして、そういう意味で、経済協力に関しましても、国民の理解と支持が得られるような方針でやっていかなきゃいかぬということを思っているところでございます。

山田(正)分科員 ぜひそういう姿勢で厳しく対処していただきたい、そう思っております。

 また中国のことでございますが、中国はWTOに加盟していないとなれば、例えば二国間の間で、WTOでは確かに関税障壁を設けることは禁止されておりますが、できないのかどうかという問題が一つと、今、野菜等の問題について、実は私ももう五年前から野菜のセーフガードを委員会で主張してまいっておりますが、先般、農水省は、課長を中国に派遣していろいろと話したようです。

 そうすると、経済産業省としても、タオルにしても陶磁器にしても、先ほどだれか委員が話しておりました靴下の問題にしても、あらゆる問題で中国との間で話し合いをする気持ちやそういう用意はないのかどうか、いかがでしょうか。

平沼国務大臣 WTOに今加盟をしていないし、我が国は、WTOの世界自由貿易体制、これの新ラウンドを立ち上げるという形で旗幟を鮮明にしているところです。ですから、そういうWTOにのっとってやるということは、先ほど申し上げたように困難でございます。

 タオルに関する話し合いについては、山田委員も御承知のように、去る二月二十六日に工業会から正式の要請がございました。受け取ったばかりでございますので、まだこの検討はしておりませんけれども、今後、中国側からそういう申し入れがありましたら、その時点で私どもは対応していきたい、今そういうスタンスでございます。

 中国からの将来想定される申し入れを有効に活用するためにも、当方として余りスタンスを明らかにしない方がいいんじゃないか、こういうことも思っておりますし、実際に話がつけば、それをセーフガードによる輸出国規制措置の発動と位置づけることもあり得るわけでございます。

 だから、そういうことで、私どもとしては、タオルに関しましては今受け取ったばかりでございますので、中国からアクションがあればそれは受けて立つ、今こういう考え方でおります。

山田(正)分科員 アメリカなんですが、アメリカは私に言わせると非常に横暴である。いわゆるスーパー三〇一条を振り上げてどんどん日本の貿易を規制している。一方では、中国との間で、実は二国間のバイ交渉というんですか、今度WTO加盟を条件にして、特別のセーフガードと言っていいのかどうか、いわゆる関税を何百%にするとか、あらゆる商品について十何年間輸入を、その間、関税を何百%にして規制するとか、そういう話し合いが中国とアメリカとの間でできたやに聞いておりますが、その実情はいかがでしょうか。

中山副大臣 アメリカが、中国のWTO加盟に伴う特別セーフガードについて交渉しているんじゃないかというお話でございました。

 これにつきましては、一九九九年の十一月に米中間で合意された特別セーフガードでございますけれども、これは二種類ございまして、一つは、中国を原産地とする貨物一般に適用されるものと、中国製繊維を対象とするセーフガードの二つがあるわけでございまして、貨物一般を対象とする特別セーフガードは、中国のWTO加盟交渉の当初からすべてのWTO加盟国が発動できるということで、当然我が国も発動できるということになるわけでございます。

 他方、繊維特別セーフガードにつきましては、米中合意におきまして、かつて国際繊維取極に基づいて中国と繊維協定を締結していた国のみが発動できるということになっておりまして、我が国としては、これを何とか是正したいということで全力で交渉に当たってきたわけでございますが、その結果、ジュネーブにおきまして、現時点で議論されている案によりますと、我が国を含むすべてのWTO加盟国に発動権を認めることになりつつあるということでございます。

 いずれにしても、我が国としても、今度中国がWTOに加盟するということに際しまして、我が国の立場が不利にならないようにということで、全力で取り組んでいくということが基本方針だろうと考えております。

山田(正)分科員 情けないのは、アメリカはそういう二国間交渉でそれができ、日本はその間中国と何の交渉もしていない。ただ、アメリカと交渉ができたらその利益を日本は分けてほしいと。そんなばかなことで、日本は今そういう余裕があるのかと。今、むしろもうどんどんどんどん落ち込んで、アジアのそれこそ三流国にならんとしているときに、余りにも経済産業省としてものんびりとしているんじゃないか。大変腹立たしい気持ちですが、産業政策として大事な問題であります、ぜひひとつ十分真剣に御検討のほどをお願いしたいと思います。

 次に、実は風力発電のことでお聞きしたいのですが、御承知のとおり、チェルノブイリとか、世界において原子力発電がいろいろと取りざたされております。日本でもいろいろ問題がありました。そんな中、環境問題、いわゆるクリーンエネルギーという意味でこれから風力発電は大変大事になってくる。採算のとれる発電じゃないかと思うんですが、今、日本において、幾らで風力発電から買って、そしてそれをキロ何円という単位で、幾らで家庭に売っているか、大臣、御承知であれば教えていただきたい。

平沼国務大臣 後で正確にお知らせをすることといたしまして、今手元にある資料でございますと、風力発電の発電コストについては、大規模設備におきましては、十二円から二十五円キロワットアワーでございます。水力発電や地熱発電の発電コストは十三円から十六円。ですからこれは、大規模設備では水力や地熱と大体同じようなレベルまで低減をしております。それから、中規模設備におきましては、キロワットアワー約二十円でございまして、依然として割高である。

 あと、これを幾らで買っているかというのは、すぐ調べて後で御連絡をさせていただきます。

山田(正)分科員 先ほど打ち合わせのときに聞いたのでは、風力発電で八円から十円の範囲で買っているとお聞きしております。そうすると、今大臣が話した火力発電とかそういったものの半分以下で買っている。

 実際に家庭に売電しているのは幾らか、大臣、御承知でしょうか。

平沼国務大臣 申しわけありません、ちょっと調べます。

山田(正)分科員 そうしますと、先ほどそういうお話で、二十五円とかその他で地熱とかその他、買っているということですが、実際に家庭に一体幾らで売電しているか。あるいは、工業用地とか工業所、いわゆる工場とかそういった大量に消費するところに幾らで売っているのか。それをぜひ調べて教えていただきたいと思っております。

 そんな中、大臣にもう一度お伺いしたいのですが、なぜ風力発電のそれは一般の火力発電の半分以下でしか買えないのか、それを教えていただきたい。

平沼国務大臣 大変申しわけございませんけれども、今の御質問に対して、ちょっと今資料を持っておりませんので、今早急に連絡をとってお答えをさせていただきたいと思います。

山田(正)分科員 ドイツでは、風力発電が五百万キロワットを超えている。法律でもって、いわゆる買い取り法というんですかね、それをつくっておると。日本の場合にはそれがない。したがって電力会社が、自分の思うような、自分のところでかかっているコストの半分以下でしか買っていない、こういう状況はおかしいんじゃないのか。

 そうすると、日本においても、風力発電についての買い取り法、そういった法律を検討する必要があるのではないのか、そう考えますが、大臣いかがでしょうか。

平沼国務大臣 風力発電などの新エネルギーは、エネルギー安定供給の確保、地球環境問題への対応を図る観点から、その開発導入を積極的に推進することは重要だと考えています。

 新エネルギーは、現時点において経済性、安定性の面で課題があることから、国として技術開発に対する支援や設備の導入補助を行ってきており、電力会社による優遇価格での購入制度と相まって、一定の導入が進展してきているところでございます。

 委員御指摘のように、これまでドイツなどの欧米諸国においては、風力発電電力の購入義務づけを実施していますが、一方で、電力会社に自然エネルギーの最低導入割合を義務づけて、クレジットシステムにより取引を可能とする新たな制度についても検討が進みつつあるところであります。

 我が国にとって望ましい今後の新エネルギー政策のあり方については、現在、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会において、こうした海外の導入政策の動向も調査しつつ、さまざまな論点について御審議をいただいているところでありまして、政府といたしましては、その審議の結果を踏まえて、今御指摘のようなそういった対応の仕方も検討をしてまいりたい、このように思っています。

山田(正)分科員 いろいろな審議会等でいろいろ検討している、あらゆる場合に、いつも審議会でいろいろ検討していると。そして、いつまでたっても結果が出ない。そして、ぐずぐずしているうちに日本はだめになる。大臣によくそこを考えていただきたいのですが、エネルギー問題一つにしてもそうである。そういったことの繰り返しでまさに日本はだめになってきたんじゃないのか、そういう気がしてならないんですが、そういう意味では、ぜひ早急に結論を出して、発電についてはこういう形にしたいということをやっていただきたい、そう考えております。

 ちなみに、きのうの新聞によりますと、経済産業省は、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会でもって、二〇一〇年度の風力発電の導入目標について、現行目標の十倍に当たる三百万キロワットとすると。実際に、ヨーロッパ各国はかなりの勢いでやっている。ドイツは既に五百万キロワットから一千万キロワットに進むかもしれない。その中、日本はわずかに八万キロワットでしたか、そういう現況なんですが、そういう意味で、この新聞記事がまたまた絵にかいたもちになる、そういうことにならないようにぜひお願いしたいと思います。

 時間も来たようでございますが、私の方で、一つ大臣に、特別にちょっと考えていただきたいと思うのは、風力発電でございますが、この立地というのは過疎地帯とか離島。今、離島にしてみても過疎地の山間部にしても、何といいますか、非常に農業も漁業も疲弊して、食べられなくなって、人口が激減していっている。そういう状況の中にあって、ひとつそういうところにどんどん風力発電を、助成金を出していくのも大事ですが、今の火力発電並みに買い取るというだけで十分採算がとれるのではないか。だから、そういった法律をぜひつくっていただいて、ひとつ離島の振興という意味も含めて考えていただきたい、それについて、大臣、いかがでございましょうか。

平沼国務大臣 山田委員から非常に重要な御指摘をいただいたと思っています。

 そういう意味で、二〇一〇年に三百万キロワットを確保する、そして、やはりクリーンなエネルギーで、そして過疎対策にもなるし、あるいは離島対策にもなる、こういうことでございますので、今の山田委員の御提言を重く受けとめて、この検討を力強くやっていきたい、こう思っています。

山田(正)分科員 きょう、私の方で随分勝手な申し出をいたしました。しかし、そんな中で、風力発電一つにしましても、また、いわゆる日本の地場産業、中小企業にしましても、ひとえに経済産業大臣並びに副大臣の肩にかかっている。いわゆる政治主導でどうしてもやっていただかなければ、審議会、官僚任せでは一歩も進まない、そういう意味で、大臣、副大臣に大変期待しております。どうか、ぜひよろしくお願いします。

平沼国務大臣 本当に御激励をありがとうございました。

 今データが参りましたので、もう山田委員御承知かと思うのですけれども、大規模な事業用は電力会社が十一円キロワットアワーあたりで長期契約で購入をしている。発電コストは十二円から二十五円キロワットアワーですけれども、風力事業者に補助をして、八円から十円キロワットアワーで買い取られればペイする状況になっているわけであります。これを今申し上げましたように十一円で買っている、今こういう状況になっております。

山田(正)分科員 大臣、御丁寧に教えていただきました。ただ、一つ最後に大臣に言っておきます。

 ドイツの場合に、いわゆる売電価格の九割、家庭に売る価格の九割で風力発電を購入している、買い取り義務を生じている。たしか、私の記憶では十三円だと思うのですが。それを念頭に、ぜひひとつそれぐらい思い切ってやらなければ、とてもじゃないが、いつまでも環境温暖化の問題、そして、いわゆるクリーンエネルギーというのは解決できないのだと。

 そういうことで、時間も参りました。先ほどお話ししましたように、両大臣にぜひとも本気で取り組んでいただければ、そう思います。

 質問を終わります。

牧野(隆)主査代理 これにて山田正彦君の質疑は終了いたしました。

 次に、斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)分科員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 一時からずっと、大変御苦労さまでございます。この枠から与党の質問になりますので、どうかよろしくお願いいたします。

 私は、きょう、二つテーマを持ってまいりました。一つはエコタウン事業でございます。二つ目がプルサーマルの問題でございます。最初に、エコタウン事業についてお伺いをします。

 昨年十二月、当時通産省でございましたが、通産省によりまして、広島備後地域、福山を中心とする地域でございますが、この備後地域がエコタウン事業の承認を受けました。なぜこの備後地域がエコタウン事業の承認を受けたのかということにつきまして、どういうところに特徴があったのかということをまずお伺いします。

    〔牧野(隆)主査代理退席、丹羽主査代理着席〕

日下政府参考人 お答え申し上げます。

 びんごエコタウンは、広島県東部の中核的な工業拠点として発展してきました備後地域を対象地域とし、先進的なリサイクル施設を集積させ、地域産業、地方自治体、地域住民が連携して環境負荷の低減に努める地域づくりを推進するものだと理解しております。

 具体的には、備後地域から発生する一般廃棄物を固形燃料化して高効率な発電を行うとともに、焼却灰を溶融して道路の路盤材として再利用するRDF発電・灰溶融施設の整備があります。また、廃プラスチックを高炉で利用する施設やフロンの破壊や再利用する施設などを整備するものであります。

 びんごエコタウン計画は、このような先進的なリサイクル事業を中心としたものでありますことから、昨年十二月十三日付で承認したものでございます。

斉藤(鉄)分科員 その承認は、備後地域、いわゆる重厚長大産業地域でございますので、大変景気の落ち込みも激しいところでございますが、新しい環境産業を起こしていこうという意味で大変地域が元気づいたところでございます。

 私も、先日、日本鋼管の高炉を見てまいりました。非常に広域から集められたペットボトルとか、そういうプラスチック廃材がいわゆる還元剤として高炉に直接入れられる、これまではコールが還元剤として使われていたわけですが、我々が使うこういうプラスチックが還元剤として高炉で非常に多量に使われているという姿を見て、また出てくる鉄が決して品質が劣っているわけではないという姿を見て大変感動を覚えたわけでございます。

 それから、先ほど御説明ありました路盤材、灰を溶融したものを使う、それからRDF発電ということで、大変その地域でいろいろな業種が、またいろいろな地域全体の人たちが、地域コミュニティーが一緒になってゼロエミッションを達成していこう、こういうエコタウン事業、大変すばらしい事業だと私思っております。

 ところが、大臣、このエコタウン事業は平成十三年度で終了するということでございまして、この備後地域は昨年十二月に指定されたばかりでございますが、わずか一年で終わるのか、これでは何にもできないということで、広島県を挙げて大変心配をしているわけでございます。ぜひこの十三年度で終わらせないで、実質的な効果が出るようにこの事業の期間を延ばしてほしいという強い地元の要望がございますけれども、いかがでございましょうか。

平沼国務大臣 お答えいたします。

 廃棄物の発生を抑制するとともに、リサイクルの推進を図りまして循環型社会を構築していくためには、地域の独自性を踏まえた対策を推進する必要があります。このような観点から、エコタウン事業は、地域における循環型社会の形成を目的として、地方自治体がエコタウンプランを策定し、国がこれを承認した上でリサイクル事業を支援するものであります。

 平成九年度にエコタウン事業を創設して以来、これまで北九州市、札幌市、そして御当地の広島県の備後地域など、十三地域のエコタウンプランを承認いたしたところです。各地域では家電や自動車などの先進的なリサイクル事業が展開され、高い評価を得ているところでございます。

 承認された地域以外でも、エコタウンの承認を目指して取り組んでいる地方自治体も実は数多くございます。また、承認地域においても、さらなるリサイクル事業の展開を検討していると私ども承知をしております。エコタウン事業に対する地域からの期待は、今委員がおっしゃったように非常に大きなものがございます。

 同時に、御指摘のように、本事業は五年間の期限を設定し、この間に集中的な支援を行うことにより制度設立当初の目的を着実に達成してきたところでございます。

 当省といたしましては、このような点を総合的に評価した上で、平成十四年度以降の対応、私どもとしてはぜひ継続したい、こういうことで努力をしてまいりたいと思っております。

斉藤(鉄)分科員 大変力強い、ぜひ継続をしたいということで、私も大変力強く感じたところでございます。我々も地域を挙げて、経済産業省と一緒になってこの事業が成功するように頑張りますので、ぜひ経済産業省としても大臣の御決意をどうかよろしくお願い申し上げます。

 このエコタウン事業につきまして、RDF発電でありますとか先ほどの日本鋼管の高炉でありますとか、ある意味では大企業が大々的にやっている事業についての補助ということはよく目に見えて、また大変な成果を上げているんですが、地域全体でゼロエミッションを達成しようということでございますので、いろいろな地域の中小企業やまた地域の細かいものについてもいろいろな配慮がいただければなという声が現場から上がっております。ハード面においてリサイクル施設の建設等に対して弾力的な支援が得られないのか、また、ソフト面でもリサイクル技術の支援を得られないのか、こういう要望がございますが、この点についてはいかがでございましょうか。

日下政府参考人 先生御指摘のように、循環型経済社会を構築するためには、やはりその基盤をなすリサイクル施設の能力が円滑に拡大していくことが重要だと考えております。このため、当省におきましては、このエコタウン事業によるリサイクル施設整備に対する補助に加え、リサイクル施設に対する税制上の優遇措置や政策投資銀行などによる低利融資といった助成策も講じているところでございます。

 また、リサイクルが円滑に進むためには多様なリサイクル手法が確保されることが必要であることから、民間企業などが行いますリサイクル技術の研究開発や実証プラントの建設に対する補助などの措置も講じております。

 今後とも、リサイクル施設の能力を拡大していくために積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。

斉藤(鉄)分科員 よろしくお願いいたします。

 もう一つ、ソフト支援の一環として、地域の住民、NGO、それから事業者などの環境保全活動、こういうものを有機的につなぐネットワークの構築でありますとか、それから、学校で社会体験活動ということも出てまいります。この学校の社会体験学習の充実、それもこの環境学習の一環として行う等の支援策がこのエコタウン事業の中に組み込まれて行われれば、地域住民の人、子供も含めてみんなが今私たちの地域はエコタウンなんだという意識を持てるんじゃないかという意見がございますが、この点についてはいかがでしょうか。

日下政府参考人 御指摘のように、地域における循環型社会を構築していくためには、地域住民、地方自治体、事業者の連携を図ることが大変重要でございます。このような観点から、エコタウン事業におきましては、ハードの、リサイクル設備の整備に対する補助のほかに、地域住民や地域企業の環境リサイクルに関するセミナーやシンポジウムの開催でございましたり、地域住民や地域企業に対するリサイクル情報の提供事業を通じたネットワークの構築、さらには環境産業の市場開拓に資する見本市や技術展の開催などを通じた社会体験学習などのソフトな事業に対しましても助成を行っております。

 当省といたしましては、ソフトな事業に対してもこのように地域の必要性に根差した支援をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

斉藤(鉄)分科員 そういうプログラムがあるんですね。比較的それが自治体や関係者、地域住民の方によく知られておりませんので、PR方もよろしくお願いいたします。

 それから、これはエコタウン事業に関係している質問とは言えないかもしれませんが、一般にリサイクル製品は低品質、コスト高というイメージがありまして、市場での競争力が非常に弱いわけでございます。こういうエコタウン、一つの地域でゼロエミッションを達成していこうということであれば、リサイクル製品についても何らかの支援、保護策が必要なのかなと。これは、私自身もまたよく考えなくては真の意味での産業育成になりませんし、難しい問題ですが、このエコタウン事業との関連でこの点についてどうお考えでしょうか。

日下政府参考人 御指摘のように、リサイクルは、使用済みの製品の回収や原材料としての再利用を実施するだけでなくて、やはりリサイクル製品が市場で購入されて初めて完結するものであると私ども考えておるところでございます。そういう面で、リサイクル製品の需要拡大を図っていくことが重要でございます。

 このため、現在、第一には、リサイクル品の新規用途の開発、拡大を図るための調査研究、具体的には、例えばガラスカレットをアスファルト舗装に再生利用するといたしましたときに、試作品をつくってみたり、性能試験をしたり、安全性の試験をしたり、市場調査などをする、このようなことを行っているところでございます。

 第二には、環境に優しい物品の購入の促進、具体的には、先般施行準備ができたところでございますが、グリーン購入法に基づき、紙類や文具類などにつきまして、リサイクル品を初めとした環境負荷の低減に資する物品の購入を推進してまいりたいと考えております。

 第三には、やはりリサイクル品の識別表示、消費者から見てリサイクル品であるとわかることが大変大切でございます。例えば、再生紙でございますと、グリーンマークというリサイクル製品の表示のマークがございまして、そのような形で消費者に情報提供することによって、リサイクル品が市場で売れていくようにするための取り組みを鋭意進めているところでございます。

 このような取り組みによりまして、リサイクル品の需要拡大に積極的に取り組んでまいる考えでございます。

斉藤(鉄)分科員 よろしくお願いします。

 それから、ちょっとそれに関連して環境省の方に来ていただいているので、一つ質問をします。

 エコタウン事業に直接関係しないんですが、広島県の北部、私は生まれが広島県と島根県の県境なものですから、馬は最近おりませんけれども、牛がたくさんおります。そのふん尿の処理ということについてある新しいビジネスがその地域で生まれようとしております。そこで、縦割りのいろいろな弊害が出てなかなか仕事がうまく進まないという声を聞いたものですから、それをちょっとお聞きしたいと思うんです。

 その事業といいますのは、広島市で出ましたいわゆる食品廃棄物、スーパーから出てくる食品廃棄物を、においが出ないようにある特殊な添加物を入れます。これは何か木酢液からつくるんだそうですが、ここにその企業の特許があるんだそうですが、それはどうでもいいわけです。この食品廃棄物、広島市内のスーパーから出てきた食品廃棄物にその添加物を加えて、いわゆる市街地の街路樹の剪定枝、それからいろいろな建設廃材から出てくる木材、そういう不要木材、不要草木を粉々にしまして、それにまぜて一つの物質をつくります。それをいわゆる牛のふん尿の処理に使うと、水分がほとんどなくなりまして、かつ、非常に有用な有機肥料になる、こういうことで、一つは食品廃棄物の有効利用と、それから酪農地域で大変困っておりますふん尿の処理、これは牛に限りません、鶏ふんも入ります、そういうものの処理に大変役立つということなんです。

 聞いてみますと、不要木材はいわゆる廃棄物処理法の枠内、それから食品廃棄物はこれは食品リサイクル法の枠内、これは農林水産省でございます。ところが、この一般廃棄物についても、食品リサイクル法の一つの法律の傘の中でうまく手続等簡素化してやろうといういろいろな特例措置はとられているんだそうですが、先ほど言いました、工程にどうしても必要な不要木材というのは特例品に入れてもらえない。そういう意味で非常に縦割り行政の中で困っている。

 ぜひそこら辺、縦割り行政を排して、一般廃棄物の特例等にそういうものが、せっかく循環型社会形成基本法ができ、その下にいろいろな個別法ができたわけですから、うまくそれが回るように、何度も何度も役所に行って一つ一つ許可をとらなきゃいけない今のそれをもう少し簡素化するために廃棄物処理法の特例をふやしてほしい、ちょっとうまく言えませんでしたけれども、要するにそういう声がありまして、これも広島県の県北の大きな環境問題に関係してくるので、この点についてはいかがでございましょうか。

岡澤政府参考人 今、木くずのお話がありましたけれども、木くずに限らずいろいろな廃棄物、使い方によっては再生利用の原料になりますけれども、取り扱いが不適切な場合には環境汚染にもつながるということがございます。そうしたことから、一般的にはリサイクルに使われるものでも、廃棄物処理法に基づいた適正な取り扱いの義務づけということをしているわけでございます。

 今お話がありました食品リサイクル法、昨年制定されましたけれども、この中で一部確かに特例規定を設けております。それは、一般廃棄物の収集、運搬にかかわる許可につきまして一部特例を設けてあるわけですが、先ほどの取り扱いいかんによって環境に悪影響を及ぼすということから、基本的な枠組みとしては廃棄物処理法の枠組みを利用しているわけでございます。

 しかし、廃棄物処理法の規定がリサイクルを阻害するということがあってはいけないわけでございまして、廃棄物処理法の中でも、このケースで必ずしも該当するとは思いませんけれども、再生利用認定とか、一定の廃棄物処理法の規制の枠を外す仕組みがございます。そうしたものを活用するとか、あるいは、こうしたリサイクルされるものであっても廃棄物処理法上の一定の手続を経なければならない場合には、都道府県、市町村等によりまして円滑に事務手続が行われるように、それを督促してまいりたいと思います。

斉藤(鉄)分科員 ぜひ円滑なリサイクルが行われるようよろしくお願いします。

 話をころっとかえまして、プルサーマルについて質問をさせていただきます。

 原子力委員会が原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画を昨年十一月にまとめました。その中で、日本のプルトニウム政策についてこのようにあります。「我が国のプルトニウムの利用については、利用目的のない余剰プルトニウムは持たないという原則を踏まえて、透明性を一層向上させる具体的な施策を検討し、実施していくことが重要である。」こういう文言。そして、これを受けて、「プルサーマルの技術的特性、内外の利用準備や利用実績、安全性の評価を踏まえれば、我が国としては、この計画を着実に推進していくことは適切である。したがって電気事業者には、プルサーマルを計画的かつ着実に進めることが期待される。」このように書かれておりまして、私も全く同感でございます。

 先ほど風力発電の話が出ておりましたが、風力発電も進めなければいけませんが、今世紀の日本の経済の発展とエネルギー安全保障を考えたときに、原子力がエネルギーの中核にならなければならない、私はこのように確信を持っております。そういう意味で、このプルトニウムに関する原則は貫徹されなければならない、プルサーマルも予定どおり実施されなければ大変なことになる、このように私思っております。そして、プルサーマルの技術そのものは既に確立された技術だと世界的にも認知されております。

 ところが、プルサーマルにつきまして、御存じのとおり、福島県知事が認めないという発表をされました。これは原子力の長計そのものが一からつまずく、つまり今世紀の日本の原子力エネルギー政策が最初からつまずいた、このように私は認識しておりますが、エネルギー庁はこの事態をどうとらえておられますでしょうか。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 科学技術政務次官としてこの原子力長計に深くかかわられた斉藤先生の御指摘のとおり、私どもは、プルサーマル計画につきましては計画的かつ着実に進める、この長期計画に従って事業を進めたいと考えております。これまでも、私どもといたしましては、プルサーマル計画を着実に推進いたしますように説明会の開催などによって地元の皆様方の御理解を得る努力をしてきたところでございます。

 現在、御指摘のような福島県知事の御発言もございまして、事業者であります東京電力におきましては、福島県と協議をしながら対応を検討しているというふうに承知をいたしております。

 国といたしましても、御指摘のように、プルサーマル計画の核燃料サイクル政策の中での重要性にかんがみまして、ぜひとも着実に進めたいと考えているところでございまして、何とか解決策を見出すべく、福島県とも協議していく、そういう考え方でございます。

斉藤(鉄)分科員 福島の佐藤知事の態度決定の裏に、東京電力の、たしか二月八日でしょうか、副社長さんの原発建設凍結という発表があるというふうに聞いております。私も新聞を読んでびっくり仰天しました。これはどうも今まで私が聞いてきた話と違うじゃないか、経済産業省はある意味で我々をだましてきたのかとも思いました。電力の本音は原発はつくりたくないんだな、しかし我々それは知らなかったわけですけれども、それを経済産業省、またエネルギー庁としては隠してきた、物すごく意地悪に考えればそう考えられなくもない気持ちに一瞬なりました。

 この点についてはどうでしょうか。

河野政府参考人 二月八日に、確かに御指摘のように東京電力の副社長が記者会見をいたしまして、原子力についてあたかもそのように報道がなされたのは事実でございます。ただ、その事柄は、東京電力にとりましても意外であったというふうに私どもは受けとめておりまして、事実を申し上げれば、東京電力は当初の発表の翌日になります二月九日に社長が記者会見をいたしました。

 そのまま申し上げますと、同社といたしましては、原子力発電も含めて、需要低成長というこれまで経験のない事業環境において電源設備計画をいかにすべきか検討してきた中で、地球環境問題への対応や我が国のエネルギーセキュリティー確保などの観点から、国策として進めるべき原子力発電については、今後とも着実に開発していくことが肝要であり、計画どおり推進してまいる所存である旨明確にされたところでございます。

 したがって、私どもといたしましては、東京電力の原子力発電に対する考え方は、この社長の発言どおりのものであるというふうに認識をいたしております。

斉藤(鉄)分科員 二酸化炭素排出抑制等の達成、この国際公約を達成するためにも、またもろもろのエネルギー安全保障を達成するためにもぜひ原子力は必要だということで、私などは広島におりますので、原子力に対してはかなり風当たりの強いところですが、風当たりが強くても一生懸命それを主張している人の、二階へ上がったはしごを外すようなことはぜひしないでいただきたいというのが私の正直な気持ちでございます。

 この発言がプルサーマルのつまずきになったんではないか。そういう意味では、これまで国の原子力政策に協力してきた佐藤知事の気持ちもわからないではない、私が佐藤知事だったら確かにああいう発言になるかもしれない、こう思うわけですが、この点についてはいかがでしょうか。

河野政府参考人 先ほど来御指摘のありました二月八日の発表でございますが、この発表自身が重大な関心を有しておられる地域にとってやや唐突なものというふうに受けとめられまして、これを契機として福島県知事の問題提起につながっているというふうにも思われますので、この点は私どもも非常に残念だというふうに思っております。

 何とか一刻も早く地域との信頼関係を取り戻して、地元の御理解、御協力が得られるよう、東京電力の努力も期待しておりますし、また、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましても、解決策を見出すべく福島県と協議をしていくという考えでございます。

斉藤(鉄)分科員 最後に、大臣にお伺いします。

 ワンスルーだけで使うのはもうもったいない、何度もリサイクルして使おう、その一環がプルサーマルでございます。しかし、高速増殖炉ができるまではプルサーマルで頑張っていかなきゃいけない、そういう意味でもぜひこのプルサーマル計画は成功させなくてはいけないと思っておりますが、大変大きな暗礁に乗り上げたという現状でございます。大臣の御決意をお伺いします。

平沼国務大臣 このプルサーマル計画につきまして斉藤先生から大変心強い御意見も拝聴させていただき、大変心強い限りだと思っております。

 原子力発電所の使用済み燃料から有用資源を回収しプルサーマルとして適切に利用していく核燃料サイクル政策は原子力政策の基本だ、私はこういうふうに思っております。

 つい先週の二十二日でございましたけれども、核燃料サイクル施設の多くが立地する青森県の木村知事の御訪問を受けた際にも、安全確保を大前提として核燃料サイクル政策の位置づけに変わりはないこと、地元の方々の理解を得る努力をしながらプルサーマル計画の着実な推進に努めることなども確認させていただいたところであります。

 福島県知事が立地地域の立場からされた問題提起については、事業者において福島県と協議しつつ対応を検討していると私は承知いたしております。国としても、本件の重要性にかんがみ、ぜひとも着実に進めたいと考えるところであり、解決策を見出すべく福島県と私どもも協議をしてまいりたい、このように思っております。

斉藤(鉄)分科員 よろしくお願いいたします。

 以上で終わります。

丹羽主査代理 これにて斉藤鉄夫君の質疑は終了いたしました。

 次に、大村秀章君。

大村分科員 自由民主党の大村秀章でございます。

 きょうは、午後、長時間審議が続いておりまして、大変恐縮でございますけれども、簡潔にやらさせていただきますので、簡潔に御答弁をいただけたらと思います。私は、愛知万博のことに絞ってお伺いをさせていただければというふうに思っております。

 これは、もう御案内のように、四年前の平成九年六月十二日に、モナコでのBIE総会で投票で勝利をしたということでございます。その後、その計画につきまして、海上の森の会場計画地のいろいろな御議論も踏まえて会場計画を変更し、そして、昨年十二月十五日にBIE総会で正式に登録をしたということでございまして、そういう意味では、平沼大臣また中山副大臣、その御尽力に本当に感謝を申し上げる次第でございます。

 そこで、ちょうどこれから四年後開催ということでございますが、その全体計画の進捗状況、そしてあわせて、つい最近、全体の最高顧問といいますか総合プロデューサーに堺屋太一先生に御就任をいただいたわけでございます。その堺屋先生はまさしく適任と思いますけれども、きのう、記者会見なんかをお聞きいたしますと、御本人はどうも、余り本意ではなかったようでありますけれども、皆さんの熱意でもう逃げられなくなった、こういう非常に正直なことを言われておるわけであります。

 その堺屋先生、本当に適任の方を得たと思います。その堺屋先生にどういう役割を発揮していただくか、その役割、位置づけも含めて、全体のこれからの進め方をお話しいただければと思います。

中山副大臣 お答えいたします。

 昨年十二月のBIE総会で愛知万博の登録が承認されました。県選出の先生方を初めとする関係者のこれまでの御支援に厚く感謝申し上げます。

 本博覧会は二十一世紀の初頭を飾る国際博覧会でありまして、国、地元、協会が一丸となって準備を進め、ぜひとも成功に導いていきたいと考えております。

 また、このたび、堺屋太一氏に協会の最高顧問に御就任いただく内諾を得たと聞いております。同氏には、大所高所の見地から幅広く博覧会事業全般について御助言をいただくということになっております。当面、堺屋氏からは、本博覧会のコンセプトストーリーづくりなどに関して御指導をいただくことになっておりますが、今後、このコンセプトの策定を受け、事業の実施計画等が早急に具体化するものと考えております。

 また、できる限り多くの外国政府等に参加していただくために、今後、外国政府等に対する参加の呼びかけに最大限の努力を払う所存です。

 今後とも、自然の叡智というテーマにふさわしい博覧会を実現するべく、内外の広い理解と賛同を得ながら、また後世からも高く評価されるものとして開催するために、関係者一丸となって準備にさらに万全を期してまいる所存でございます。

大村分科員 ぜひそういうことでお願いしたいと思います。

 特に、今も中山副大臣言われましたけれども、これは最初からいわゆる自然との共生、環境万博ということで、その理念はすばらしいものだと私は思いますし、ぜひ成功させていきたいと思うわけでありますが、なかなか、博覧会としてなじみにくいといいますか一般の方に理解が十分進んでいきづらいテーマかなという感じもちょっといたします。

 そういう意味では、これをイベントとして、博覧会として仕立て上げて盛り上げていくためには、やはりわかりやすくかみくだいて広報、PRをしていくということが必要だと思いますけれども、そうした広報も含めたPR戦略、これについてもお聞きしたいと思います。

中山副大臣 御指摘のとおり、愛知万博を成功させるためには、万博のテーマや理念を国民の皆様方に十分御理解いただき、また、愛知万博を身近なものに感じられるようにすることが必要不可欠であると考えております。この観点から、国民の皆様あるいは諸外国に対する広報は非常に重要なものであると考えております。

 このような観点に立ちまして、博覧会協会ではこれまで、広報誌の発行やあるいはホームページの開設、市民参加のシンポジウムの開催、シンボルマークの制定等により愛知万博の意義や開催計画について広報を行っております。また、愛知万博開催千五百日前、本年の二月十四日でございますが、これを記念する行事を開催されたと伺っております。

 今後は、博覧会協会を中心に、地元関係者と協力の上、マスコットキャラクターの選定あるいは開幕千日前や開幕五百日前を記念する行事を開催される予定であると聞いております。

 また、当省におきましては、現在までに、経済産業省本館及び別館への懸垂幕の掲示、広報誌での特集記事の掲載等を行っております。また、中部経済産業局におきましては、毎月二十五日を愛知万博PRの日といたしまして、愛知万博広告塔の設置に向けた準備等を行っております。

 今後とも、政府、博覧会協会が一体となりまして、御指摘いただきました趣旨を十分踏まえて、できるだけ多くの国民の皆さん方が本博覧会を身近なものと感じられるような、わかりやすい広報活動を行ってまいりたいと考えております。

大村分科員 ありがとうございました。

 この計画でありますけれども、半年間で千五百万人の人にお越しをいただく、運ぶということでありまして、アクセスについても、これはどうしても避けて通れない大きな課題だと思います。

 特に、やはり名古屋の中心部、名古屋駅を中心にどれだけ運んでいくかというのが大きな勝負だと思いますけれども、それはもちろん、青少年公園、海上の森それぞれに、シャトルバスを中心に、またJR中央線から愛知環状鉄道を使ってということで、これはもう計画をしていただいておるというふうに思っておりますけれども、それはぜひきちっと進めていただきたいわけであります。

 そこで、名古屋駅から直接地下鉄を使って、そこをさらに延伸していくいわゆる東部丘陵線を延伸して、そこでリニアを使ってそのアクセスをつくったらどうかということがずっとあるわけでありまして、これはなかなか難しいな、本当に開幕までに間に合うのかということがずっと心配されておりましたけれども、つい最近の新聞報道等々で、どうも、県の方が用地買収も含めていろいろ当たったところ、何とかいけるんじゃないかというような報道もなされております。これはぜひ、そのリニアを使ったアクセス自体がやはり万博の呼び物にもなるということだと思いますので、いろいろまだ、実際もう四年ですから、これを全部これから、一からつくるというのは大変な突貫工事になるかもしれませんけれども、ぜひそれを進めていただきたい。

 その点について、国土交通省ですか、ぜひちょっと一言お願いします。

原田政府参考人 今御質問いただきました東部丘陵線でございますが、地下鉄の藤ケ丘駅から愛知環状鉄道の八草駅間を結びます延長約九キロの中量軌道輸送システムでございますが、これにつきましては、補助事業として支援すべく、既に平成十一年に着工準備箇所として採択しておるところでございます。

 現在、愛知県及び名古屋市におきまして、都市計画法及び軌道法に基づきます手続を平成十三年度じゅうに完了すべく、鋭意作業をされているところでございます。あわせまして、これらの手続の後に必要となってまいります用地の明け渡しであるとか補償物件の収去につきまして、これを引き続き平成十四年度じゅうに完了すべく、関係者と既に下協議に入っているというふうに聞いておるところでございます。

 このような作業を円滑に進めることによりまして、二〇〇五年の博覧会開催前の開業に間に合わせるよう、愛知県と名古屋市より最大限の努力をしてまいりたいというふうに聞いておるところでございます。国土交通省といたしましては、これらの地元の取り組み状況を受けまして、引き続き支援をしてまいる所存でございます。

大村分科員 ぜひ間に合うように最大限の支援をお願いしたいと思います。

 それで、そのこととも関係するんですけれども、名古屋の大分郊外でありますけれども、今、青少年公園と海上の森というのが会場ということでありますが、名古屋駅のすぐそばの笹島という操車場の跡地も、これも会場にしたらどうかというような話があるわけでありまして、ぜひその点についても、どんな状況かお伺いさせていただければと思います。

 もう一つ、先ほど中山副大臣言われましたように、やはり世界各国から参加を募らないかぬと思いますし、特にアメリカが、どうもドイツのハノーバーの去年終わった万博は、アメリカが不参加だったというようなことも何か余り盛り上がらなかったことの理由にも言われておるようでありますので、そのアメリカをぜひ、政府としてはなかなか難しいというような話もあるようでありますけれども、それも含めて、各国への働きかけ、この点についてもお伺いできればと思います。

中山副大臣 愛知万博を成功させるためには、御指摘のように、できるだけ多くの外国政府等に熱意を持って参加していただきたい、特にアメリカに、こう思っているわけでございます。

 そのため、政府としましては、外交ルートを初めさまざまなチャネルを活用いたしまして、諸外国政府等に対する参加の呼びかけに最大限の努力を払う所存でございます。現在、政府及び博覧会協会で、博覧会紹介のための英仏語などのリーフレット作成を進めているところであります。

 米国につきましても、外交ルートなどいろいろなチャネルを活用して、何とか参加していただくように努力していきたいと考えております。

杉山政府参考人 御指摘のございました笹島の活用の点でございますが、これにつきましては、名古屋市を初めといたします地元の方々から、その地の利を生かして、例えばアミューズメント施設といったような協賛施設だとか支援施設、あるいは情報提供のための施設といったような場所に活用してはどうかという御提案がなされております。

 その具体的な活用の仕方につきましては、現在、名古屋市あるいは博覧会協会を中心に検討が行われておるところでございますが、私どもといたしましては、ぜひこの笹島地区を有効に活用いたしまして、博覧会の本会場の魅力が一層高まることになれば大変いいことだというふうに考えておるところでございます。

大村分科員 どうもありがとうございました。これからまだ課題がたくさんあると思いますけれども、ぜひ成功に向けて進めていただきたいと思います。

 そして最後に、ぜひ大臣の方から、大臣は、昨年七月に、この間の選挙が終わった直後に、私ども自民党愛知県連主催の政経セミナーにお越しをいただきまして、そこで万博についての熱意、お気持ちをお話しいただいて、私も本当に感激をいたしておりますが、改めてその推進方についての御決意をお伺いしたいと思います。

平沼国務大臣 愛知万博は自然の叡智をテーマに掲げているところでありまして、この自然の叡智をテーマとする我が国の提案が国際的に評価されて、御高承のとおり、昨年十二月のBIEで登録承認が行われました。愛知万博では、このテーマに沿って、来るべき時代の実験場として、二十一世紀における人と自然のかかわりなどについて、一つの姿を提示することをねらいといたしております。

 具体的には、二十一世紀の問題であります環境問題や高齢化問題など人類が克服していかなければならない問題や、IT革命、生命科学など新しい時代を開く技術課題など、二十一世紀に人類が共通して直面するテーマについて、万博という場を通じて問題提起をして、世界の一人一人に考えてもらう機会を提供する大変意義深いプロジェクトであると私は認識しております。

 今後とも、自然の叡智というテーマにふさわしい博覧会を実現すべく、内外の広い理解と賛同を得ながら、また後世からも高く評価されるものとして開催するために、関係者一丸となって準備に万全を期してまいりたいと思っておりますので、大村先生の御協力もぜひよろしくお願いを申し上げます。

大村分科員 どうもありがとうございました。

 終わります。

丹羽主査代理 これにて大村秀章君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二日金曜日午前九時より開会し、引き続き経済産業省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時十七分散会




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