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第3号 平成22年5月20日(木曜日)

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平成二十二年五月二十日(木曜日)

    午後二時三十分開議

 出席分科員

   主査 吉田  泉君

      岡本 充功君    金森  正君

      菅川  洋君    宮崎 岳志君

      柳田 和己君    赤澤 亮正君

      今村 雅弘君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)     平野 博文君

   会計検査院事務総局第一局長            鵜飼  誠君

   内閣委員会専門員     上妻 博明君

   決算行政監視委員会専門員 尾本 哲朗君

    ―――――――――――――

分科員の異動

五月二十日

 辞任         補欠選任

  伊吹 文明君     赤澤 亮正君

  高木 陽介君     斉藤 鉄夫君

同日

 辞任         補欠選任

  赤澤 亮正君     伊吹 文明君

  斉藤 鉄夫君     高木美智代君

同日

 辞任         補欠選任

  高木美智代君     高木 陽介君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十年度一般会計歳入歳出決算

 平成二十年度特別会計歳入歳出決算

 平成二十年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成二十年度政府関係機関決算書

 平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書

 (内閣所管)


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     ――――◇―――――

吉田主査 これより決算行政監視委員会第一分科会を開会いたします。

 平成二十年度決算外二件中、本日は、内閣所管について審査を行います。

 引き続き内閣所管について審査を行います。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。赤澤亮正君。

赤澤分科員 本当は主査というのが正しいようですけれども、皆さん委員長とおっしゃいますので、委員長というふうに失礼をいたします。

 きょうは、平野長官にお話を聞かせていただきたいと思います。

 今、国政は、内外炎上中といいますか、普天間の問題も大変御苦労されていると思いますし、一方で口蹄疫の問題も大変今厳しい状況ということであります。

 そんな中で、ちょっとほかの厳しい話をしようかと思うのは、まず長官にお伺いをしたいのは、私は、国会議員が洗礼を受ける選挙というものは大変つらくて厳しいものだと理解をしております。しかしながら、非常に公明正大な手続で、我が国、民主主義社会では、不正とかもなく、きちっと選挙が行われている。そういう公明正大な手続で厳しい洗礼を受けるというのが国会議員だと思っています。

 選挙の厳しさについて、長官、どんなふうに認識されていますか。

平野国務大臣 今議員が申されたとおり、私も、選挙、選挙民から負託を受けて議員になり、今こういう立場でございますが、やはり選挙民の信頼ということがあって活動できるわけでありますし、選挙の厳しさ、みずからも、選挙戦を通じながら、あるいは日々の議員活動をする中で、そのことについては先生と同じ気持ちで対応している、こういうふうに思います。

赤澤分科員 今まさに平野さんがおっしゃったように、非常に我々、厳しい選別を受けるわけですね。日々の一挙手一投足、気をつけて発言もし、ちょっとした言葉の、失言といいますか、これで信頼を失ってということは大いにあるわけですし、不祥事とかがあれば、もちろんそれについての有権者の判断を受ける。そういう意味で、我々にとっては選挙という厳しい審査が行われているわけです。だからこそ、私は、国民が我々に歳費を払うことについて納得をしている、こういうことだと思います。非常に厳しい審査、しかも、それは公明正大な手続で行われて、厳格に選挙管理委員会が管理をする、そういうことですよ。

 一方で、同様に国民が血税から、税金から給料を払う、給与を払うということに納得をしていただいているものが国家公務員ですね。国家公務員については、厳しい公明正大な手続といったときに、長官、何を思い浮かべられますか。

平野国務大臣 当然、国家公務員というのは不偏不党で、国民に対する奉仕者でありますから、その奉仕者に対する対価として支払われるべきものであると思います。その基準というのは、やはり国民の、他の民間の給与所得あるいは国民生活全体の状況を見て、客観的に評価をして払われるものだ、その決定については当然国会が最終御判断をされての部分だ、このように思います。

赤澤分科員 今のお答えで私はちょっと納得をしないところがあって、実際、国家公務員について、これは指定職ともなってくれば年収一千万を超えるぐらいの給料を取られるわけですよ。事務次官ともなれば二千万近いような、そういう給料を取られるということであります。その給料、給与を血税から出すことについて国民がなぜ納得をするんだ、そこには厳格な手続、それも公明正大な手続があると私は思うんですよ。私が何のことを言っているか、おわかりになりますか。

平野国務大臣 厳格なる手続というのは、私は、そういう意味では、国会で、人件費等々を含めて、国民の代表である国会議員が判断をして議決される、これが一番民主的な手続だと思います。

赤澤分科員 まだ私の言いたいことが伝わっていないようなので、もうちょっと率直に聞きます。

 では、個々の、私も公務員でありました、私について、国の歳出として給料が払われる、私はなぜそれを受け取る資格が生まれるんですか。それについてちょっとお答えをいただきたいんですけれども。

平野国務大臣 当然これは、その仕事の評価に対して、あるいはその仕事を進めていく上においての役職、それに対する給与表に基づく評価だと思いますが。

赤澤分科員 今のやりとりをして、私はおもしろいことに気づいたんですけれども、やはり私と平野さんの発想に、もう出発点から違いがあると思うんです。

 私は、国会議員が歳費を税金からもらえるのは、選挙という厳しい洗礼、それも極めて公明正大な洗礼を受けるからですね。国家公務員について言えば、上級職試験あるいはそれ以外の試験、明らかに試験を通るからですよ。そのための試験というのは、極めて厳格なものがルールに基づいて行われて、その点数に基づいて厳格に順位づけをして、それで合格者を決める。その試験に通ったから、あの人は上級職試験に通った人だ、優秀な人なんだということを国民が認めて税金を払っている。

 もちろん、これは念のため申し上げておけば、国会議員の歳費が高過ぎるとか、国家公務員の、あるいは地方公務員の給料が高いといった水準の議論は別途ありますけれども、どの人に払うかについては、明らかに厳格な審査、選挙や公務員試験があって、しかもその手続は極めて公明正大、だれもその客観性について疑いがないような手続で行われているということで、その点について御異論はありますか。

平野国務大臣 そこは議員と少し違うところがございます。

 当然、試験を受けてという第一関門についてはそのとおりだと思いますが、一回の試験を受けただけで、それがすべてその人の勤める中での評価につながっていくものではない。やはり、その人の節目節目、仕事に対する評価が相まって初めて給与というものはでき上がっていくものだと思います。

赤澤分科員 そうおっしゃるんだけれども、少なくとも、初めて職場に行って、まだ仕事の実績もない人も給料をもらうんですよ。ということからすれば、私は、今の平野さんのお話だけれども、少なくとも試験に合格していることは最低限の条件。それを原則として、公明正大に試験が行われて、同じ条件でそれを受けて、その難関と言われる試験を突破した人たち、それぞれ上級あるいはそれ以外ありますけれども、突破した人たちが一定の基準を満たしているんだ、全体の奉仕者として国民に仕える、それだけの資格、能力を有しているんだ、こういう前提に立っているものと私は思っています。

 そこの試験をくぐり抜けるということは、我々が選挙を通るのと同じように、非常にこれは神聖なものであって、そこをすっ飛ばして国民の税金を払うということについては非常に例外的なものでなければならないし、そこについて本当に、それがむしろ原則みたいな、試験を通らなくても、今の平野さんのお話のように、国会がその人をできると認めればそれでいいんですみたいな話では必ずしもないと私は思っているんです。その点についてはいかがですか。

平野国務大臣 これは、議員、試験をしなければだめだということではない、私はこう思います。公務員という立場におきましては、前提としては当然そういう試験というものはありますが、評価というのは、試験だけが評価ではないと私は思います。政治任用というのは、そういう立場で見たときに、これはあくまでも政治的にその人を評価し任用していく、こういうこともあり得るわけですが、一概に試験でなければならない、こういうことではないと思っております。

赤澤分科員 それでは、試験と同じぐらいの厳しい水準を求め、それについて、しかも国民に対して、公明正大な手続で選ばれたんだという説明責任があるかどうかについては、平野さん、どうお考えですか。

平野国務大臣 原則、例えばこういう方を採用する、任用する、これは当然、説明責任はあるはずでありますし、その結果としての責任も任用した人にはある、こう思います。

赤澤分科員 そこまで議論した前提で、この先ちょっとお話を進めさせていただきたいんです。

 私は、国会議員が歳費をもらう、選挙を通っているから、みんな国民は納得していると思うんですよ。極めて厳しい、しかも厳格な手続によるものです。公明正大、客観性に疑いの差し挟む余地は基本的にない。差し挟まれれば選挙のやり直しまで議論される、そういうものです。

 国家公務員についても同じですよ。公務員試験、ほかのいろいろな就職試験も同じですけれども、何かそこで不正があれば、それは無効になったりやり直しをする、そういうたぐいのものです。それと同じ水準で、国民に対してきちっと、この人はその任務を務める資格がある、能力がある、そして公正な手続で選ばれたんだ、こういうことは当然私は求められると思っています。だから、試験以外で選ぶに当たっても、基本的には公募によるべきだとか、そういう基準は当然採用されるべき。

 そんな中で私が非常に危惧をするのは、今の政府、中心は民主党でいらっしゃいますけれども、見ていると、民主党は、そういう説明責任も果たさず、基準も不明確な状態で次々国民の血税から、こそこそとは言いませんし、かすめ取るという言葉も使いたくないけれども、そういうお金を支出していっているように私は見えるんです。その話を順番にしていきたくて、それは、最近提出された政治主導確立法案にも関係をしていくということです。

 まず最初に指摘をしておきたいのは、質問主意書でもお尋ねをしたんですけれども、総務省に例をとれば、原口大臣、原口さんが顧問を選んでいる。その中には、落選された議員、八代英太さんとか水島さんとか、あるいは亀井久興先生とか、そういう方たちが入っている。その方たちに顧問料を払っている。その人選はどうなっているのと言ったら、職務に適正な能力があるんだと。我々から見ると、端的に言って、お友達の失業対策をやっているように見えるわけですよ。

 それまでの間、基本的に役所というのは、顧問になるというのは、私が出身した国土交通省であれば、事務次官が顧問にしばらくの間つく。これは、退かれた後もしばらくは役所の仕事についてサポートをする必要はあるだろう。この方については、端的に言えば、もちろん試験を通った方ですから、私はそんなに適性について問題があると思えないし、何十年もその職場にいた人です、後進を指導する資格があることも、省にアドバイスする能力があることも明らかであります。

 しかしながら、落選議員の方たち、こういった方たちが顧問に就任をして、そして、そこに国の税金から顧問料みたいなものが払われる、こういったことについては長官はどうお考えになりますか。

平野国務大臣 これは、顧問という方々に対する、むやみやたらに所管の大臣が顧問にして職業を与えるように、給与を与えるようにする、いわゆる失業者対策のような、今先生おっしゃいましたが、そういう対応をして顧問に就任をさせている、これは全く事実に反することだと私は思います。

 なぜならば、当然所管大臣が、各府省の顧問の設置に対する規則というのがあります、その規則に照らし合わせて、責任ある大臣が人選をし、顧問に就任をいただいてその役割を果たしていただいている、こういうことであります。

 したがって、私は、今先生おっしゃるように、落選をした議員の救済策だなんという発想は、今回の顧問の就任に対しては当たらない。また逆に、先生がそういう懸念を抱かれるようなことは、一方で極力避けなければならないと思いますが、私は、現実、そういうことではないと信じております。

赤澤分科員 総務省顧問の問題については、質問主意書によれば、過去最大で顧問がいたとき、五人ですよ。ところが、原口さんが大臣になった途端に、二十人にも三十人にもなった。今後も、自分から見て総務省にとって貴重な知見を与えてくださる人ならどんどん採用したい、こういうようなお話なんですよ。私は、李下に冠を正さずということを肝に銘じていただきたいと思う。

 現に、八代英太さんについては、選挙が近づいたというのでやめられましたよ。形から見ると、やはり、何だかんだいって、次の選挙までの間、顧問になっておられたように現に見えるんです。この方については、顧問をやめてからもしばらく、自分のホームページで総務省顧問とずっと書き続けていたので、委員会でも指摘をして、それはやめてもらいましたけれども、そういう問題がある。

 しかしながら、顧問についていえば、名のある方たちなので、八代英太先生についていえば大臣でもありましたし、私も本来こんなことは言いたくありません。国民から見れば、ああ、でも、あの方ならいい仕事もされてきたと、まだわかるような気がします。

 しかしながら、さらに次の問題に行くと、わかりづらくなってくるんですよ。内閣専門調査員、こういう方が、私の知るところでは、少なくとも一時点で二十五人置かれております。この二十五人の方たちが各省に割り振られて、役所によっては二人ぐらい。大臣室の中に机がある人もいれば、副大臣室の場合もあるでしょう。とにかくそういう使われ方をされています。

 では、この内閣専門調査員の選任基準、これは国民に対してどういう説明責任が果たされて、いかに厳格な基準で、なおかつその手続が公明正大だということが言えるんですか。民主党職員の方が選ばれているので、そこについて公募があったわけでもないし、何でなんですか。

平野国務大臣 この問題につきましては、先ほど委員御指摘の、そういう懸念を抱かれないように、内閣官房において専門調査員を置く規則、これは平成二十一年十月内閣総理大臣の決定に基づいて、私の指示のもとに、各府省の大臣に、今までの各専門調査員の経歴を踏まえながら、専門的知見に基づいて情報提供と助言を行う、こういうことでございます。したがって、当然、採用に当たって、この人、この人、この人ということでなくて、それぞれの、その人の今日までやってきたものを十分に勘案して判断をして、採用したところでございます。

 したがって、判断基準としては経歴評定等を十分に勘案している、こういうことでございます。

赤澤分科員 政治は、特に税金の使い道については、国民の納得を得ることが物すごく大事だと思うんですよ。今の御説明で国民が納得できるかというと、私は全然できないと思います。だからこそ、私も国民を代表する気持ちで、質問主意書でそういった方たちの経歴を明らかにしていただきたいとお願いしたんです。どういう答えが返ってきましたか。それについては、個人のプライバシーに関することだ、個人情報だ、明らかにできないと。

 今、平野さんが、経歴をしっかり調べたんだ、任にたえるんだと。

 これは、特定の役所に迷惑をかけちゃいけないから、私は個別の役所名は言いませんけれども、私のところにも、こういう質問主意書を出したということが新聞で報じられてから、メールが来ますよ。メール自体には名前が書いてあります。ただ、自分の名前は言わないでください、この専門調査員たち、ひどいです、ろくに我が役所の仕事をわかってない、少しでもきちっと理解してもらおうとすると、怒ってどなるみたいな話で、とんでもないですと。およそわかっていない、常識がない上に学習能力もない。

 何か、どこぞの総理が今そう言われて、ようやく抑止力について、常識がなかったけれども、八カ月かけて学んだという話が出てきているけれども、総理にしてそのていたらくですから、民主党職員がそうでも何の不思議もないんですよ。これは私も個々の役所に迷惑をかけられないから言えませんけれども、そういう声も現に出てきていますよ。

 履歴をきちっと明らかにして、この人なら間違いないということを国民にわかるように明らかにする、そういう責任があるんじゃないですか。

平野国務大臣 議員の御指摘の、国民に明らかにしなきゃならない、これは私は政治の判断としてやっているところであります。

 加えて、個人情報についてすべて出すというのは今の状況にはありませんから、個人情報のたぐいについてはお出しはできない。

 加えてもう一つ申し上げておきますが、これは報酬を取っているわけではありません。ここだけは国民の税金を使ってやっている、こういうことで、それに対する対価として報酬を取っているわけではない、このこともぜひ御理解をいただきたいと思います。

赤澤分科員 それも、本当に答え方が不誠実なんですよ。

 確かに、聞くと無給であると返ってくるんですよ。私は何か怪しいなと思って、さらに質問主意書で聞いたんです。交通費は出しているでしょう。給与ということだけじゃなくて、一円たりとも国民の血税を費やすんだったら、それに費やす意味があるかは、これは責任を持ってもらわなきゃいけないですよ。

 今の例でいえば、どこの役所に置かれている方かわからないけれども、少なくとも、政務三役の随行でもなくて、アメリカに主張している。その航空運賃を出している。質問主意書を出した時点では精算中ということでしたけれども。まだ政務三役の随行ならわかりますよ。その日程は明らかですよ。政務三役のスケジュールなんかは、問われれば出すんだから。ところが、政務三役の随行でもないアメリカ出張の旅費を国民の血税から出して、それはどういう会議に出たんだと聞いたら、これは以後の政策遂行に差し支えるから御説明できません、こういうことなんですよ。国民の代表である国会議員が、質問権を駆使して質問主意書を出しても答えてもらえないものを、国民は解明のしようがないですよ。

 米国出張の旅費を出しておいて、会議の中身も説明できない。その人間が任にたえるだけのものであるかも、ろくな説明がない。このことについてどう思われますか。

平野国務大臣 彼が勝手にアメリカに行って、今議員の言うようなことではないと私は思いますし、加えて、これは総理の指示に基づいての米国出張でありますから、総理にそのことについて御報告をする、こういうことで、私は、必要な対価、交通費について払うことについては何ら問題はない、このように思っております。

赤澤分科員 私は、今の平野さんの説明では国民は全く納得しないと思いますよ。

 どういうことかというと、それは言葉で言いかえて、何か論点をそらすようなことを余りしてほしくなくて、私は先ほど履歴を明らかにしてくださいということを申し上げたけれども、それは、国民がこの方ならしっかりと専門的な知識経験に基づく助言、こういったものを大臣に、政務三役にできると納得できるだけの履歴を出してもらえばいいんです。すべて出してくださいなんということは一言も私は言っていないです。

 それにたえるだけのものは、これはぜひ出すべきだと思うし、しかも、今、平野さんがおかしなことを言ったのは、この人が勝手になんて、私は勝手に行ったなんて一言も言っていないですよ。勝手に行ったなんて一言も言っていないけれども、どこに行って何をしたのか、これは官房機密費の使い道を言っているわけじゃないんですよ。官房機密費ならまた、機密とついているんだから、言葉の定義上、議論はあるでしょう。そうじゃないんですよ、これは。勝手に行ったなんて私は言っていませんよ。すべて経歴を明らかにしろなんということも言っていないんですよ。ただ単に、予算について、税金の使い方としておかしくないのか、そのことについてきちっとわかるように説明する責務があるでしょうということを言っているんです。

 ちゃんとやっていますから私はこれを明らかにしなくていいんですなんという説明は、私は国民は納得しないと思いますよ。いかがですか。

平野国務大臣 これは、議員との議論では、見解の相違だと思っております。

 貴重な税金を使わせていただいている立場でいえば、適切に対応し、また、総理の指示のもとに公務としてアメリカに出張する専門調査員がいたということについて、何ら私は国民に隠す必要もありませんし、そういうことは、当然、税金を使わせていただいているわけですから、そういう出張があったということについてはオープンにしてもいいと思っております。

 しかし、中身については、これはいろいろなところがありますから、オープンにするかしないか、これは政治的な判断だと思います。

赤澤分科員 だったら、いつになったらオープンにしてくださるんですか。お答えください。

平野国務大臣 特にアメリカ、相手との関係もある、こういう意味で、中身をオープンにすることによって信頼が損なわれる、こういうケースも多々あると思いますから、そういうことで差し控えている、こういうことであります。

赤澤分科員 今の発言、議事録にも残っていますし、覚えておいてくださいよ。

 どういう会議に出られたのか、本当にそれはアメリカとの信頼関係にかかわるものなのかどうかというのは、これは検証できる形できちっとやらせてもらわなければ、それは血税の使い方として明らかにおかしいということですから、その点については、そこについて言質をいただいたということです。今の平野さんの説明であれば、そこについてはアメリカとの信頼関係にかかわるようなものだというお話でありますから、それを事後的に明らかにされた時点でしっかりと検証させていただかなきゃいけないと思います。

 というか、私はもうそれを乗り越えて、どういう会議に出たのかぐらいが言えない、それが実際にアメリカとの信頼関係を損ねる、あるいは何年たっても言えないみたいなことはあり得ないと思うので、そこは、今後ともそれについて伺いたいと思うので、どれぐらいたったら明らかにできるたぐいのものなのか、その辺についてはぜひまとめておいていただきたいというふうに私は思います。

 加えて、これは政治主導確立法案につながっていく話なんですね。まず、その審議入りには前提条件があるということは、平野さん、理解をしておいていただきたいんです。

 それは何かというと、この政治主導確立法案がもし出るとすれば内閣委員会でしょう。私どもの甘利明議員に対する懲罰動議の問題があるんですよ。

 政治主導確立法案を所管する内閣委において公務員制度改革法案の強行採決が行われた際に、甘利議員が三宅雪子議員を転倒させたとする懲罰動議ですよ。これは、我々は全く事実無根だと思っています。甘利議員にとって完全なぬれぎぬ、冤罪だと思っています。ネットに流出しているすべての動画が、甘利議員が三宅議員に一切接触しておらず、かつ、三宅議員は甘利議員が物理的に押した方向と全くあさっての方向にダイブしていることは明らかだと私は思っています。

 このようなふざけた動議を取り下げないまま、甘利議員の所属する内閣委員会の日程を一歩たりとも前に進めることは我が党としてあり得ませんし、甘利議員に対する動議を取り下げない限り、自民党は、内閣委の開会はもちろん、理事会、理事懇、筆頭間協議、いずれも開催に一切応じませんということです。甘利議員に対する懲罰動議を取り下げることが、この法案をもしやるのであれば、審議入りの第一の条件だということは強く申し上げておきたいということであります。

 あわせて、これもずっと話題になっていますけれども、国会法改正法案の提出の問題がありますね。

 国会法の改正は、これは他の政策マターとは全く性格が異なるんですよ。国会のルールに関することなんです。今回のように、与党が一方的に国会法改正法案を提出する、こういうようなことは、相撲に例えれば、横綱が、自分の都合で、最近若い力士が力をつけてきたので土俵の大きさや形を変えようと言い出すようなものなんですよ。与党がそれをやっては絶対いけないんです。断固として許されることではありません。

 私は、この国会法改正法案は政治主導確立法案と表裏一体の関係だと思っているんです。国会の調査の権能をある意味弱めようとしているように私には見えるんです。そこは議論しなきゃいけません。そういう内容の国会法改正法案と、政府の権能を強めようとする内容の政治主導確立法案、この両法案は、車の両輪として、党と政府の一元化の名のもとに政府に多くの国会議員を送り込んで、そこに権力を集中して政治主導をやっていこうという、まさに民主党が描こうとしているものを実現するためのものだと私は理解しています。

 したがって、自民党としては、与党が国会法改正法案の一方的な提出を撤回して、その取り扱いについて与野党で合意に達すること、これも、政治主導確立法案、車の両輪のもう一方の審議入りにとって大事な条件だというふうに理解をしております。

 自民党としては、少なくとも上記二つの条件が満たされない限り、政治主導確立法案の内閣委員会における審議入りには応じられないという立場であることは、あらかじめ申し上げておきたいと思います。

 その上で、政治主導確立法案、国民にわかりやすく説明するには、政治主導というのは、この場合、何のことを言っているんですか。

平野国務大臣 今議員がるる述べられましたが、甘利議員のことについては、私に申していただいても、これは国会、委員会でのことでございますから、我々の立場でいえば、法律を出している立場から申し上げれば、速やかに審議をいただきたい、こういうふうに思います。

 加えて、それがない限り審議に入らない、これは全く筋が違う中でありますので、これは委員会の中で御議論いただくことだと私は思います。

 加えて、国会法との関係、政治主導との関係を議員は述べられましたけれども、そもそも、この問題、政治主導の法案については、もともとは議員立法で出されてきた経過が過去にございます。それを踏まえて、今回も議員立法ということで国会法が出されているものと私は解釈いたします。

 加えて、私どもの政治主導法案というのは、設置を含めて、いわゆる国家戦略局並びに行政刷新、これを法律的に担保することによってより力強く活動ができ得る、このことを法律で担保いただこう、こういうことが基本の趣旨でございます。

 すなわち、そのことを踏まえて、政治主導とはどういうことかということでありますが、一つはやはり、私が理解いたしますものは、国民の審判を受けた政治家がみずから国民の視点に立って政策調整等々を少なくとも行う。すなわち、政府の運営云々につきまして名実ともに政治家が責任を持って行う、これがすなわち政治主導であると私は認識をしております。

 先生も御案内のとおり、先生は運輸省でしたか。(赤澤分科員「はい」と呼ぶ)おられたときにはよくわかると思いますが、やはり昔の各府省の縦割り、国全体の立場でやらずにそれぞれの省益のためにやっている、こういうことを私も野党時代に随分感じたところがございます。

 したがって、今までのあれは、実質的に官僚が決めたことを政治家が追認をしている、こういうことを何としてもなくし、国民の審判を得た国会議員が官邸主導で政府全体を動かしていく、政策決定をしていく。これを私は政治主導と考えているところでございます。

赤澤分科員 今の話については、私も運輸省にいました。それで、確かに大分昔に省縦割りなんてことがあったということは否定はしません。

 しかしながら、自公連立政権当時、内閣官房の機能をどんどん強化して、各省横断的な問題については相当いい結論、例えば海洋についての利用とか、ああいったようなものについては本部をつくりやってきた。そういう意味では、改めて政治主導と言われるまでもなく、そんなことは我々がやってきたことであって、延長線上のものだと私は理解をいたします。

 時間の関係で問題点を指摘しますけれども、質問主意書によれば、内閣専門調査員になっておられる民主党職員が、政治主導確立法案の関連でつくられる内閣政務参事、それから内閣政務調査官、そして政務調査官になる余地はあるんですかということを伺ったところ、その可能性は排除されない、こういうお答えです。

 この点について私は改めて伺いたいのは、この人たちは特別職ですから、政治的に中立である必要はないんです。政治的に中立的である必要がない人たちを職として、公務員としてつくって、なおかつその人たちは民主党職員がなる余地があって、加えて、内閣政務参事であれば最低でも七十二万六千円の俸給月額、高けりゃ八十五万円。内閣政務調査官であれば、安くても二十五万九千百円、高ければ六十二万一千円の給料を取られる。そのことで予算にも、私の理解が間違いでなければ、質問主意書で他の委員に対するもの、五億一千万の予算を計上している、こういう話です。

 公務員の人件費を片や二割カットする、いまだにその姿が見えません。肩たたきについてもいろいろなことをおっしゃっていますけれども、いずれにしても、今のまま、人数を減らすのか給与を減らすのかさっぱり見えないまま、しかも民主党職員が就任する可能性がある。極めてあいまいな基準で、国民から見えないところで、ろくな説明もなされないまま、民主党職員がなり得るポストをつくって、トータルで億円単位の血税が出ていく、こういうことは極めてわかりづらいと私は思います。

 政治主導の名のもとに民主党職員の給料を国民の税金から払おうとしているだけじゃないか、こういう批判が当然あり得るということについては理解をした上で、改めていただきたいというのが率直なところですけれども、その点についての平野さんの御見解を伺って、私の質問を終わります。

平野国務大臣 いろいろ御指摘されましたが、私は、今回の法案を成立させてもらう、これは、特別職として専門調査員、いわゆる政務参事あるいは政務調査官、こういう名のもとに特別職の座布団をお決めいただきたい、こういうことであります。

 先生はいろいろおっしゃっておられますが、党の職員をそういうところにはめて、国民の税金をそこにやって政党の職員の口減らしみたいな、そういう発想は全くございません。

 したがって、私どもとしては、そういうふうに先生が御指摘されるように国民の皆さんが思っているかどうかはわかりませんが、先生が少なくとも御指摘される、そういう御懸念のないようにこれは対応したいと思っていますし、法の制度上は、何人もそこに入っちゃいかぬ、こういう法律ではありません。しかし、先生が御指摘されるような御懸念があるならば、それについては十分にそのことを踏まえて運用、対応したい、このように思います。

吉田主査 赤澤君、時間が……

赤澤分科員 これで終わりますけれども、政治的中立でなくていいんですから、その方たちは選挙で出したって構わないんですよ。そういう人たちにこれだけの給料を払って、その選任過程も全部あいまいであって、表でなかなか説明してくれない、そういうようなことが許されるとは思わないでください。

 これについては、その意がわかったんだったらやめていただきたい、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

吉田主査 これにて赤澤亮正君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして内閣所管についての質疑は終了いたしました。

 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。

 この際、一言ごあいさつ申し上げます。

 分科員各位の御協力を得まして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午後三時三分散会


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