衆議院

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第3号 平成20年12月10日(水曜日)

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平成二十年十二月十日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 枝野 幸男君

   理事 秋葉 賢也君 理事 谷川 弥一君

   理事 寺田  稔君 理事 山口 泰明君

   理事 渡辺 喜美君 理事 平岡 秀夫君

   理事 横光 克彦君 理事 福島  豊君

      赤城 徳彦君    石原 伸晃君

      近江屋信広君    鍵田忠兵衛君

      坂井  学君    桜井 郁三君

      篠田 陽介君    菅  義偉君

      杉村 太蔵君    谷  公一君

      玉沢徳一郎君    冨岡  勉君

      広津 素子君    宮下 一郎君

      武藤 容治君    矢野 隆司君

      山本  拓君    若宮 健嗣君

      渡部  篤君    金田 誠一君

      小宮山泰子君    高山 智司君

      津村 啓介君    寺田  学君

      松木 謙公君    松本 大輔君

      松本  龍君    坂口  力君

      鈴木 宗男君

    …………………………………

   総務大臣         鳩山 邦夫君

   財務大臣         中川 昭一君

   農林水産大臣       石破  茂君

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       金子 一義君

   防衛大臣         浜田 靖一君

   内閣官房副長官      松本  純君

   財務副大臣        竹下  亘君

   文部科学副大臣      松野 博一君

   厚生労働副大臣      大村 秀章君

   厚生労働副大臣      渡辺 孝男君

   国土交通副大臣      金子 恭之君

   環境副大臣        吉野 正芳君

   会計検査院事務総局次長  増田 峯明君

   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       斉藤 邦俊君

   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       平川 素行君

   会計検査院事務総局第五局長            真島 審一君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 樋口俊一郎君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   香川 俊介君

   政府参考人

   (財務省国際局次長)   中尾 武彦君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      布村 幸彦君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         河村 潤子君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房長) 岡島 正明君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 石田  徹君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    長谷川榮一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        藤田 伊織君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  金井 道夫君

   政府参考人

   (環境省大臣官房長)   南川 秀樹君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   中江 公人君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  渡部  厚君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  井上 源三君

   参考人

   (日本郵政株式会社常務執行役)          伊東 敏朗君

   決算行政監視委員会専門員 菅谷  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十日

 辞任         補欠選任

  棚橋 泰文君     篠田 陽介君

  谷  公一君     鍵田忠兵衛君

  額賀福志郎君     若宮 健嗣君

  安井潤一郎君     近江屋信広君

同日

 辞任         補欠選任

  近江屋信広君     安井潤一郎君

  鍵田忠兵衛君     谷  公一君

  篠田 陽介君     棚橋 泰文君

  若宮 健嗣君     額賀福志郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 歳入歳出の実況に関する件

 行政監視に関する件


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     ――――◇―――――

枝野委員長 これより会議を開きます。

 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社伊東敏朗常務執行役の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

枝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として財務省主計局香川俊介次長、財務省国際局中尾武彦次長、文部科学省大臣官房布村幸彦文教施設企画部長、文部科学省高等教育局河村潤子私学部長、農林水産省大臣官房岡島正明官房長、資源エネルギー庁石田徹長官、中小企業庁長谷川榮一長官、国土交通省大臣官房藤田伊織官庁営繕部長、国土交通省道路局金井道夫局長、環境省大臣官房南川秀樹官房長、防衛省大臣官房中江公人官房長、防衛省人事教育局渡部厚局長及び防衛省地方協力局井上源三局長の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

枝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

枝野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。秋葉賢也委員。

秋葉委員 おはようございます。自由民主党の秋葉賢也です。

 きょうは、一般質疑の冒頭十分という限られた時間ではございますが、各論よりも、会計検査院のあるべき姿といいますか、大きなフレームワークの問題について冒頭伺っておきたいと存じます。

 御案内のとおり、会計検査院も国の行政機関から独立した機関として位置づけられているわけですけれども、採用は国家公務員の採用と一緒だったり、特別職じゃない一般職として採用されるという問題、また検査官会議も、三名で構成されているわけでありますけれども、基本的には合議制の中で、伝統的にそれぞれの各省出身の方がメンバーを占めているケースが多いわけでございます。

 これから二十一世紀における会計検査院のあり方ということを考えますときに、やはり独立性を高めていくということ、そして政治的な権力から自由な立場でしっかりと、会計検査のみならず、行政評価、政策評価を実施していく体制にしていくことが重要だというふうに思っております。特にこれからの時代に求められるものは、いわゆるアカウンティング部門の合法性や合規性といったことだけではなくて、やはり費用対効果の問題でありますとか、予算措置をした事業がいかに有益であったのか、経済的な観点も含めて評価できるような体制をしっかり構築していくことが大事だと思っております。

 そこで、まず、きょうは松本副長官にもおいでをいただいているわけでございます。これからの会計検査院のあり方の中で、独立性をより高めていくという観点から、現在三名の検査官はたまたま旧大蔵あるいは総務、そして民間出身者が一名という状況になっているわけでございますけれども、出身母体から検査官が誕生するというのは自然な姿だと思いますけれども、やはり極力他省出身者を排して、なるべく民間の有識者を内閣として任用していくという姿勢が大事だと思うんですね。

 よく会計検査院の議論で比較されますアメリカのGAOなんかの場合を見ておりますと、結局、議会が三人の候補者を院長に推薦して、最終的に大統領が決定するわけですけれども、まず一〇〇%民間人を登用しているという実態がございます。我が国も、この検査官の任用に当たっては極力民間の登用や、あるいは生え抜きの中から登用していくようにすべきだと思っておりますが、内閣としてどのようにお考えになっているのか、伺っておきたいと思います。

松本内閣官房副長官 お答えをいたします。

 検査官の人事につきましては、広く官民問わず人材を求めていくという基本的な考えによりまして、特に法律や行財政等に精通していること、そして豊富な知識と経験に基づく公正な判断力が備わっていると認められる人物を両議院の同意を経て任命しているわけでございます。

 今後とも、この適材適所の考えのもとに、検査官にふさわしいすぐれた人材を任命してまいりたいと考えております。

秋葉委員 ありがとうございます。

 もちろん行財政に精通しているということは重要なポイントだと思いますけれども、それが必ずしも各省の出身者でなければ精通していないということではないと思います。今、会計検査院OBの検査対象機関への天下りの問題でありますとか、その独立性を担保していく、あるいは行政官同士のしがらみや癒着を断ち切っていく、こういうことが問われているわけでありますので、そういう観点から幅広く在野に人材を求めて、その独立性や客観性をより高めていくということをぜひお願いしたいと思います。

 現に今、三名の検査官の中でも、院長をしていただいております伏屋さんの任期がたまたま来年一月に切れるわけでございますが、これも内閣で後任の人事を指名いたしまして、国会承認人事ということで国会にも上がってくるようになると思うんです。来年一月の任用に際して、どういった方向で、今副長官お答えのような認識の中で選ばれるんだとは思いますけれども、もちろん伏屋院長も大変立派な方でございますけれども、これからの後任人事についてはなるべく省外から選任をしていくということでお願いしたいと思いますが、現在の方針を伺っておきたいと存じます。

松本内閣官房副長官 先ほども御答弁をさせていただきましたが、伏屋院長の後任の検査官の人事につきましても、基本的には、適材適所の考えのもとに、検査官にふさわしいすぐれた人材を任命してまいりたいと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

秋葉委員 ぜひ、御提言させていただいたような趣旨を踏まえて考慮していただければと存じます。

 次に、きょうは検査院の増田次長にもおいでいただいているわけでございます。これも昔からよくある議論なんですけれども、会計検査院の職員が、国の行政機関ではない独立した機関だと言われているにもかかわらず、一般職として実際は登用されているわけですね。これを例えば裁判所の職員とか国会職員のように特別職として採用していくという考え方がより組織の独立性を担保していくことにつながるんだと私は思うんですが、その辺の、いわゆる職員採用の基本的な考え方について次長にちょっと伺っておきたいと思います。

増田会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 今先生がおっしゃいましたように、私ども、通常の採用試験を受けまして検査院に採用されているわけですが、院法上独立性が確保されているということで、特別そういった採用試験にかかわらず、しっかり独立性を確保して業務に邁進していきたいというふうに考えております。

秋葉委員 中長期の課題として、やはり特別職にして独立採用していくというようなことも大きなフレームワークの中に入れてこれから検討していくということが必要だと思っておりますので、強くそういう方向性を求めておきたいというふうに思っております。

 また、会計検査院が行う検査の実施率も、例年五割前後で推移をしてきております。アメリカのGAOが三千人を超える体制の中でやっているところを日本は千人ぐらいでやっているわけですから、そういったマンパワーの問題もございますけれども、従来の伝統的な会計処理の合法性を見るという検査からもう少し、例えば総務省も旧総務部門が行政評価を、毎年いい指摘をしているわけですね。その費用対効果がどうであったのか、そしてまた全体でいろいろな問題が出たときに、総務省の場合には行政評価局が全国都道府県にございますから、そういった手足を通じて大変有意義な指摘を例年しているわけであります。そうしたいわゆる総務省の行政評価部門とのタイアップも強化をしながら、もう少し実施比率を高めるとともに、その検査手法を大いに工夫して取り組んでいっていただきたいなというふうに思うわけであります。

 時間でございますから手短にお答えをいただきたいと思いますけれども、もう少し実施率を向上させていくということと、そしてあわせて、いわゆるポリシーレビューのようなものをメーンにしていくということについて今どういう取り組み状況で考えているのか伺って、終わりにしたいと思います。

増田会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 私ども、検査実施率といいますものを検査報告にも記述をしておるわけですけれども、この検査実施率につきましては、二万余りに上ります郵便局あるいはJRの駅、そういったものを含んだ率になっております。

 それから、重要な検査対象の施行率につきましては五〇%近い数字になっておりますけれども、このうち本省でありますとか団体の本部、そういった主要な検査対象につきましては、毎年実地検査を行っているところでございます。

 会計検査院といたしましては、与えられた予算、人員の中で最大限の成果を上げることが重要であるという認識を持っておりまして、ただいま委員が御指摘になりました趣旨を踏まえ、今後とも、綿密な事前調査と検討によりまして検査計画を策定し、検査手法を工夫するなどいたしまして、さらに効率的、効果的な検査の実施に努めてまいりたいというふうに考えております。

秋葉委員 どうもありがとうございます。ですから、全体で見ればたしか実施率は九%なんですね。ただ、その中で本省部門とか何かがやはり五割を超えるようにぜひしていっていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

枝野委員長 次に、渡部篤委員。

渡部(篤)委員 自民党の渡部篤であります。体調を崩して久しぶりの質問ですので、よろしくお願いします。

 現下の経済情勢は、雇いどめや契約の中途解除が三万人以上、新卒者の内定取り消しが三百三十一人、さらに倒産件数が五年ぶりに高水準を記録するなど、極めて深刻な状況にあると思います。まさに平時ではなくて非常時だと私は思っています。

 一方、アメリカでは、オバマ次期大統領がグリーン・ニューディールを打ち出して、環境エネルギー投資によって新たな雇用を大胆に創出しようとしています。我が国も積極的に財政出動を行い、特に内需を拡大しつつ、国民に夢と希望を与える景気刺激対策を徹底すべきだと思います。

 ここで、現在政府が講じている二つの取り組みについてお聞きしたいと思います。

 まず、厚生労働省の新パッケージ事業であります。商工会議所や市町村が中心になって、自発的に雇用創造に取り組む、そういう協議会が提案した事業をやっているわけでありますが、現時点におけるこの新パッケージ事業の課題とか現状をどう考えているのか。現在の経済情勢を見据えた場合、このようなスキームの予算措置で到底十分ではないと私は思います。大胆な雇用創出のための施策を考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。

渡辺副大臣 地域雇用創造推進事業、いわゆる新パッケージ事業でありますけれども、雇用情勢が厳しい中で、地域の自主性そして創意工夫ある取り組みを支援するため、地域の市町村等から成る協議会からの提案に基づきまして、求職者の雇用機会の創出に資する、人材育成が中心となると思うんですけれども、そのほかにも就職促進等を内容とする事業を実施しているところであります。

 実績でありますけれども、本事業は平成十九年度から開始されておりまして、十九年度は三十六地域で千四百六人の求職者が就職をしておるわけであります。二十年度につきましては、十九年度開始地域を含めまして七十地域で実施しているところであります。

 本事業を着実に実施することによりまして、雇用失業情勢が厳しい地域の雇用創出に努めてまいりたいと思っております。

 二番目の問いに対してお答えを申し上げたいと思いますけれども、有効求人倍率が低下するなど、大変雇用情勢が厳しい状況にございます。こういうことに対応しまして、先般成立しました第一次補正予算におきまして、パッケージ事業を実施している地域において、これまで育成してきました人材等も活用しまして、雇用創造に大きな効果が得られると考えられております地域ブランド商品の開発、あるいは販路開拓等の新たな取り組みに対しましての支援を実施する地域雇用創造実現事業等の創設を新たに盛り込むことになっておりまして、より効果的な雇用創出を図ることとしておるわけであります。

 今後、このような事業を着実に展開することによりまして、雇用失業状況の厳しい地域での雇用機会の創出をより一層効果的に進めていきたい、そのように考えておるところでございます。

渡部(篤)委員 このパッケージ事業なんかを考えて、私、深刻だと思うのは、団塊の世代が退職して、そして雇用が地方でもふえてきたんですよ。ただ、アメリカの金融危機から始まって、また次の世代、つまり伝統的な産業とか地域の経済の担い手が確保できない現状を深刻に考えていただきたいと私は思います。

 次に、経済産業省にお聞きします。

 総理も、あるいはアメリカのグリーンスパンも百年に一度と言われる世界的な恐慌だ。地域の中小企業、小規模企業を取り巻く経済状況は極めて厳しい状況にあります。日々の資金繰りが死活問題となっており、政府はしっかり取り組んでいく必要があると思いますが、経済産業省においては、小規模事業者経営改善資金、いわゆるマル経という、無担保無保証で小規模事業者に運転資金などを貸し出す融資制度をやっているわけであります。

 例えば、無保証でそういう運転資金のマル経の限度額を五百五十万から一千万にふやすとか、あるいは信用保証協会の緊急保証制度の対象業種が大幅に拡大されたとか、このように地域の中小企業に対する金融支援が順次行われていることは評価したいと思いますが、しかし、大臣、地方経済はもっと深刻ですよ。商工会議所の人たちが、マル経の資金、これだけ今度有利になりました、借りる力ありません、どうやって資金繰り、暮らしていけばいいんですか、その声があるわけですよ。

 どうか、政府は全力を挙げて中小・小規模企業の年末の資金繰り支援に取り組む、大臣、その御決意をお願いします。

二階国務大臣 まず緊急保証制度でありますが、御承知のとおり、十月三十一日から制度を開始しましたが、昨日まででちょうど六万一千件を超え、さらに承諾実績は一兆五千億円を超えるようになってまいりました。セーフティーネット貸し付けは、十月、十一月の二カ月間で三千二百億円、対前年度比五一%増となっております。また、お尋ねのマル経融資でありますが、本年の四月から十一月までの貸付金額が前年比二〇%増となっております。多くの中小企業また小規模企業の方々に御活用いただいておるわけであります。

 一方、年末を控えて、資金繰り、中小・小規模企業の皆さんのことを考えれば、私どもはさらに力を入れて取り組むべきだと考えております。このため、十月の二日には、全国の信用保証協会の代表者に集まっていただき、これは二度目のそういう会議でございますが、年末を迎え万全の体制をとるとともに、中小・小規模企業の立場に立って対応を徹底するように私からも直接要請したところであります。また、十二月の三日には、中川金融担当大臣とともに、民間金融機関の代表者に対し、中小企業金融の円滑化について強く要請を申し上げました。

 さらに、昨日も経済産業局長会議を開催し、地域経済の状況や中小・小規模企業の金融についての報告を受けるとともに、中小・小規模企業が安心して年を越すことができるように、関係機関とも十分連携し、全力を挙げて年末の資金繰り支援に取り組むことにいたしておりますし、年末も三十日まで営業するようにということをお願いいたしております。

 そういう体制で臨んでいって、一社でも多く中小・小規模企業の皆さんが現下の苦境を乗り越えていただくように、そして将来の明るい日本を築くためには中小企業の皆さんがやはり元気を出していただかなくてはならないわけでありますから、議員御指摘のことを踏まえて、今後全力で取り組んでまいりたいと思っております。

 以上です。

渡部(篤)委員 最後に、財務大臣にお尋ねいたしますが……

枝野委員長 済みません、時間が過ぎておりますので。

渡部(篤)委員 この二つの政策だけで解決することはできないと私は思うんですよ。だから、第二次の追加補正、通常国会、私は、三十兆の国債枠にこだわらない、赤字国債を出しても、建設国債を出しても、地方経済はすごく厳しいですよ。やはり、あのオバマ次期大統領が言うグリーン・ニューディール政策、国家の目標を明確にして、政治家として、中川大臣、財務大臣として一億国民に対して大きな志を訴えていただきたい。

 二つのこの政策だけではなくて、やはり今、景気回復をするために、非常時だからあらゆる努力をする。特に、八年間、我が国は外需依存だったと思うんですよ。やはり内需を中心として大胆な財政出動をしていただきたい。その点についても質問します。

枝野委員長 時間が経過しておりますので、答弁は御簡潔にお願いいたします。

中川国務大臣 渡部委員にお答えさせていただきます。

 御指摘のとおりでございまして、日本の活力を回復するために我々も全力を挙げて取り組んでいるわけでございます。特に、麻生総理は就任当初から、景気回復、とりわけ生活者、中小企業、そしてその中でも地方ということを強く意識してやっているわけでございます。

 私といたしましては、財政規律を守りつつ、しかし、地方配慮を含めた必要な施策については最大の努力をして頑張っていきたいというふうに思っております。

枝野委員長 次に、福島豊委員。

福島委員 大臣、御苦労さまでございます。

 時間も限られておりますので、若干質問を整理しまして、二問、参考人の方と大臣にお聞きをしたいと思います。

 現在、我が国は、財政再建に向けて大変厳しい状況に直面している、また選択を迫られている、こう思うわけでありますけれども、しかし、例えば社会保障に関しても、安定した維持を図るための財源が十分確保されているのかというと、そうではない。

 しかし、国民の皆様にそうした財源の確保をお願いするとしても、次から次へと税金の無駄遣いというものが出てきて、率直に地域の方々とお話をすると、そんなものは無駄を削ってからやれ、こういう話になってしまうわけで、こうした将来を見据えた改革というものが実現するためには環境が大変厳しい、こう思うわけであります。

 どうしてこういう状況になってしまったのかということをつらつら考えますと、我が国の予算、そしてまた会計の制度そのものに内在する弱点というものがあるんだというふうに私は思います。

 こうした無駄遣いというものを漫然と放置する、こういう傾向はないか、そしてまた、決算にしましても、会計検査院のあり方を私どもは見直すべきだ、こういうことを申し上げ、与党でプロジェクトをつくっていただいて一定の結論を出させていただきましたが、さまざまな勧告がどれだけ実際に実践されてきたのか、こういう問題もあります。国会におけるそうした監査の機能がまだまだ十分ではない、こういう話もあると思います。

 予算編成のプロセスそのものにおいて、こうした予算の執行というものについての厳格なチェックがなされ、そしてまたそれが適切に反映されるということが何より必要であろうというように思っております。

 これは、小泉内閣のときだったと思いますが、PDCAサイクルが大事だということでスタートいたしました。この数年間、そうしたことでお取り組みをいただいておりますけれども、この点について簡単に御説明いただき、そしてまた現在の十九年度の決算におきましても、それぞれの予算、事業費におきまして多額の不用額を残すようなものも多数見受けられます。こういうものについては次年度の予算編成において適切に反映されなきゃいかぬというふうに思いますが、この点についてまとめてお答えいただければと思います。

香川政府参考人 予算執行の実態把握など、予算におけるPDCAサイクルの活用の重要性を踏まえまして、予算執行調査の結果あるいは決算に関する国会の議決、あるいは会計検査院の決算検査報告等を予算に反映するということで、予算の効率化に取り組んでいるところでございます。また、行政支出総点検会議における行政支出全般にわたる指摘なども踏まえながら、公益法人への支出あるいは特別会計への支出の抑制等々に取り組んでいるところでございます。

 不用のお話もございましたけれども、多額の不用を計上している経費につきましては、不用となった理由を予算編成過程で精査いたしまして、なぜそんなに余ったのかというようなことを精査の上で事業の見直しや予算の削減を行うということで、できるだけ予算への反映を図っているところでございます。

 今後とも、決算結果でありますとか予算の執行状況も踏まえながら、行政における無駄の排除に取り組んでいきたい、そういうことでございます。

福島委員 これは、徹底性、そしてまたどのような規模でこれを実践するかという問題だろうと思います。やっておりますということと徹底してやるということは若干違うわけでありまして、ぜひ、このような状況でありますから、人的体制の制約もあると思いますけれども、徹底してやっていただきたいと思います。

 二点目は、大臣に政治家として率直にお聞きをしたいわけでありますが、今、与党の支持率も大変厳しい。振り返ってみますと、最近、不利益分配型社会というようなことが言われております。半世紀にわたって自民党が政権与党として日本を経営してきた。この長期にわたっての政権の維持の最大の理由は何か。私は、日本の社会は戦後、高度経済成長いたしましたけれども、その中で利益の再分配ということをしっかりとやっていただいたがゆえに、自民党の長期政権があったんだというふうに思います。

 三つ柱があると私は思っているんですが、一つは公共事業、そして二つ目は地方交付税、そしてまた三つ目は社会保障、この三つの柱で利益の再分配を適切に行い、都市と地域の格差、そしてまた産業間の格差、そしてまた高齢者と現役世代の格差、こういったものを着実にバランスをとってきた。

 しかし、小泉改革は、財政再建に向けて、こうした利益の再分配にも限度がありますよということで、さまざまに切り込みを入れたんだと思います。そのことが、今までの信任というものを揺るがす結果になってきている。

 しかし、過去にまた戻るのか、戻れるのか、こういう話であります。制約があると私は思います。この改革というものは先送りを続けることはできない。一方で、財源を確保するという方途もありますし、削るという話もありますけれども、両方あわせて、本当にこのプロセスというものを国民の皆さんに理解していただくためにはどうしたらいいのか。要するに、この数年間というのは、そうしたプロセスに対して国民からの悲鳴が上がり、そしてまた政治家が右往左往し、こういう話だと私は思います。

 このプロセスを本当に納得していただくためには、予算でありますとか会計の制度でありますとか、国民に対しての説明責任をどう徹底するのか、透明性をどう確保するのか、もちろん無駄も排除しなきゃいけませんけれども、そういうところの抜本的な構えというものをしっかりしませんと、今後の数年間、改革を実現するとしてもなかなか難しいんじゃないか、こう思いますが、こうした私の個人的な考えに対して大臣は率直にどのようにお感じになられるか、お聞きしたいと思います。

中川国務大臣 福島委員の認識と基本的に私も同じでございます。

 困っている人、あるいは都市と地方との間に差があるとすれば、それをできるだけ埋めていくとか、産業間の格差、とりわけ中小企業とか個人商店とか、こういった一生懸命頑張っている人たちへの支援、あるいは貧しい方、困っている方への支援というものをやっていくということは、日本においての政治の一丁目一番地であるというふうに思っております。

 そういう中で、今お話のありました説明責任、透明性、無駄の排除というものを徹底的に前提としながら、今ワーキングプアという言葉がございましたけれども、今やワーキングという言葉がとれてしまっている人もいっぱいいる。つまり、仕事を失っている方が、今現時点においてもこの年末を控えていっぱいいらっしゃるという、本当にもう社会現象、社会問題と言ってもいいような状況になってきている。これは単なる経済の循環の一つの局面というには余りにも悲惨ともいうべき方々がふえているという状況、これを政治が看過することはできないというふうに思っております。

 そこで、麻生総理は、まず、生活者の皆さん方の困っているところを徹底的に対応していくんだ、景気をよくしていくんだ、そして地方を活性化していくんだ、働いている産業体の中でもとりわけ中小企業、個人商店といった方々へ支援をしていくんだということを政策の第一番に挙げているわけであります。

 しかも、このアメリカ発の金融危機、経済危機の影響もあって、日本経済も現在、残念ながら下りの状態にあるわけでございますから、これを徹底的にまず直していく。つまり、財政再建とか健全化とか、あるいはまた改革とかいったことも大前提としてありますけれども、まず景気をよくしていく、あるいは暮らしをよくしていく、これが第一章。

 そして、第二章が抜本的な税制改正、それによって中長期的な例えば社会保障のような制度が耐え得るような基盤というものをつくっていく、そして改革による成長ということ、同時並行的にこの三つの難しい問題をやっていく。中途半端のままだらだらと進んでいくということがあってはならないということで、まず一番目これをやる、二番目これをやる、三番目これをやっていく、そして元気なかつての日本を取り戻していこうじゃないかというのが総理の考え方でございます。

 そういう意味で、基本的に福島委員と同意見という前提の上で、我々もそういう工程で、さっきのPDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクション、その繰り返しで、元気な日本、さらに上昇していく日本を目指して今努力をしているところでございます。

福島委員 どうもありがとうございました。

枝野委員長 次に、松木謙公委員。

松木委員 民主党の松木謙公でございます。

 九月、十月ぐらいのことをちょっと思い起こしてみますと、お互い今ごろはもう選挙戦が終わっていたんじゃないかなという感じがしているんですけれども、我々が勝てば小沢代表が総理大臣になっていただろう、もし自民党さんが土俵際で残ったら、今ごろ中川大臣がひょっとしたら総理大臣になっていたかな、そんなことをちょっと思うわけでございます。

 私もいよいよかなと思って、厳粛な気持ちで事務所開きを行いまして、満を持して戦おうというふうに思っていたんですけれども、麻生総理が、景気対策、これを理由にして先送りをされた。結果的には、そのことも大きな要因の一つとなって、国民の皆さんに対しての支持率、これを大きく下げることになってしまわれたわけです。

 かつて私は、藤波孝生元官房長官の秘書を長くやっておりました。先日、一周忌がありまして、十二月三日にあったんですが、そのときに中川大臣も代理の方に来ていただいたような気がします。ありがとうございます。そして、与野党問わずたくさんの方にお越しをいただきました。ここでまた、そのことについてのお礼も言いたいというふうに思います。

 私が秘書をしていたときに、その当時、死んだふり解散というのがありまして、やらないよ、やらないよと言いながらやったということが実はあったんですね。解散というのは総理の大権と言われているわけでございます。うそを言ってもいい、こういうことでございました。しかし、私が当時の政治家の方々から聞いた話では、衆議院議員というのは大衆の衆である、だから、いつでも大衆の中にいて活動をするべきであるから、いつ選挙になってもいいんだというのがその心なんだと。こういうことを私は藤波代議士から教えてもらいました。

 しかし、やるやると言いながらやれなかったという総理は確かにいたと思いますね。ある大きな決断をしなきゃいけないと言った途端に総理大臣をおろされちゃった、こういう方がおりましたけれども、今回みたいな、やるやると言いながら二回にわたって先送りをした、こういう総理というのは初めてだというふうに私は思います。口悪く言えば、今はやりのやるやる詐欺とも言えるわけでございますけれども、そんな詐欺という言葉は余り使うわけじゃありませんけれども、そんな気持ちもしているわけでございます。結局、国民の皆さんが、どうもこれはおかしいぞというふうに一番明確に反応をされたんだというふうに思っております。

 やはり、麻生総理の不決断状況といいますか、景気対策か選挙かという、ある意味国の運命がかかっているはずの選択も中途半端にされてしまった。さらに、景気対策でも、党首討論の中で聞いておりましたら、なぜ二次補正を年内に組もうとなされないのか。これだけ経済的に、それこそ未曾有の危機状況が進行しているわけでございますね。こういう御認識をお持ちなんですから、我々は賛成じゃありませんけれども、例えば定額給付金に対してもそうですけれども、やるのであれば、どうして年末にもらえるようになされないのか、私はやはりちょっと不思議だなというふうに思っているわけでございます。

 最近の麻生総理の御発言、自公政権の政策への取り組みを拝見していますと、これは政治家としては当然なのかもしれませんけれども、票をもらわなきゃいけませんので、どうも選挙を強く意識され過ぎているのではないか、そんなような感じがしておりますし、今までの路線を、いつの間にかなし崩し的に路線転換をしてきておられるのではないかというふうに思われてなりません。

 そこでまず、総理の盟友である中川財務大臣、私と同じ北海道の御出身、まあ自民党が政権から落ちなければ総理大臣になるだろうと言われているわけでございますけれども、私は前回の委員会でもここで申し上げたんですけれども、前財務大臣の額賀先生が、それぞれの委員会で、いろいろな委員会で、特別会計の埋蔵金、そういうものは一切ない、実際はない、あり得ない、とんでもない、こういうことをきっぱりと否定される発言を繰り返しておられたわけですけれども、しかし、今大臣になられてから、例えば十一月二十日の財金で、埋蔵金と言うには透明性の高いものだという断りを入れながら、特会のやりくりをしてそれを財源に充てる、赤字公債は発行しない方針だという発言をされているわけでございます。

 随分軟化された、そんな気がしておりますけれども、額賀大臣より柔軟になられたと思いますが、これを、ある意味どういうふうに理解すればいいのか。つまり、額賀大臣の発言は若干間違って、ちょっと修正したということでいいんでしょうかね。

中川国務大臣 まず、松木委員がお仕えされた藤波孝生先生、私の父親の代から大変御交誼をいただきまして、私自身もそのけいがいに接して、大変立派な方でございまして、先日の一周忌、私、行かなければいけなかったんですけれども、代理で失礼させていただきました。本当に、藤波先生には改めて心から御冥福をお祈りさせていただきたいと思います。

 さて、いわゆる埋蔵金、私は埋蔵金があると言ったことは一度もないわけで、埋蔵金という言葉、つまり、埋めて隠すという意味でございますけれども、きょうも朝、埋蔵金という言葉を辞書で調べてまいりました。埋めてもおりませんし、隠してもおりません。

 いわゆる特別会計を埋蔵金と呼ぶんだろうという前提でお話をさせていただきますならば、特別会計というのはそれぞれ目的がございます。将来の年金の支払いのための準備でありますとか、あるいは、借りているお金の金利の変動のときの債務超過にならないための必要な予定しているお金でありますとか、目的がしっかりと決まっているわけでございます。しかも、これはもう、できるだけというか、御指摘があればきちっと、よりきちっと、より明確にオープンにしているつもりでございまして、決して隠しているものでもございませんし、また、いつでもその目的のために使えるようにしているわけでございますから、埋めてあるものでもないという意味で、埋蔵金という言葉は当たらないということを私は常に言い続けているわけでございます。

 いずれにしても、額賀大臣と私は全く同じ認識だというふうに考えております。

松木委員 額賀大臣は、何かもう国には全く金がないようなことをたしか言っていたような気がするんですけれどもね。しかし、後から後からいろいろといろいろなところから出てくるような感じがします。

 今回の追加経済対策の財源を賄うために、財政投融資特別会計の積立金の一部を取り崩すというふうに聞いていますけれども、少なくとも財務省は、これまで財政規律を悪化させるというふうに強くこういうことに反対をされてきました。それがどうして賛成に転じたんでしょうか。そこら辺がちょっと理解ができないので、ぜひ教えていただきたいと思います。(中川国務大臣「済みません、もう一度」と呼ぶ)

枝野委員長 済みません、質問者、質問の趣旨だけもう一度言ってあげてください。

松木委員 追加経済対策の財源を賄うために財政投融資特別会計の積立金の一部を取り崩すというふうに私聞いているんですけれども、少なくとも財務省は、これまで財政規律を悪化させるとしてそういうことにたしか強く反対をされていたはずなんですけれども、それがどうして容認するというか賛成の方に回ったのかというのが私にはよくわからないものですから、それを聞いているんです。

中川国務大臣 補正予算に当たりましては、赤字国債には頼らない、これを大前提としてまず考えております。

 しかし、今松木委員も御指摘ございましたように、必要な経費を賄うだけのものがすぐぱっと出てくるという状態にはとてもないわけでございます。そういう中で、例えば、ことし、平成二十年度におきまして、先ほど申し上げた金利変動のために用意をしておくべきいわゆる財投特会に繰り入れるお金がまだ予定が残っているというものを、緊急的な要因、つまり、生活者、地方、中小企業等が今大変苦しんでいて、しかも悪化状態にあるという状況の中でありますから、できるだけ、ある意味では非常事態、日本のそういう方々が非常事態という中で、財政投融資特会に繰り入れるべきものを、少し残っておりましたのでそれを使わせていただく、あるいはまた、もちろん無駄はあってはならないわけでございますけれども、無駄と節約というのは私は多少違うと思いますが、節約によって浮くお金というものもございました。そういうものも財源とさせていただきました。

 その他等々、赤字国債は発行しない、しかし緊急的にやらなければいけない、こういう対策でありますから、はっきりありていに申し上げれば、かき集められるものはかき集めて、そして必要な財政出動に耐え得るようにしたというのが第一次のものでございましたし、第二次もそういう前提で今作業を進めさせていただいているところでございます。

松木委員 赤字国債に頼らないということですね。つまり、今までは絶対だめだというふうに言っておられたと思うんですけれども、政策の緊急性や優先性を考慮すれば、まだまだ財源になりそうなところは特別会計の中にはある、そういうふうに考えてもよろしいんでしょうか。

 それと、もう一つ言いますと、もうこれが最後だというところなのか、ここら辺をちょっと教えてください。

中川国務大臣 まず、先ほどちょっと不正確な答弁をいたしましたので、訂正をさせていただきます。

 補正予算については赤字国債に頼らないと申し上げましたが、生活対策ということについての財源としては赤字国債に頼らないというふうに訂正をさせていただきたいと思います。

 その上での今松木委員の御質問でございますけれども、今回限りか、あるいはまたこの後もあるのかということでございます。

 財政規律あるいは本来の目的に使われるべきものというのが前提でございますけれども、今、とにかく生活者、中小企業、そして地方が大変苦しんでいらっしゃる、松木委員と同じ私も、北海道の状況を見ても、本当に日に日に温度が下がるのと同じような感じで暮らしや経済も下がってきているわけでございます。

 そういうことでございますから、今、何としてもできるだけ早く二次補正を、間に合うように編成の作業をさせていただいているところでございます。これで何とか少しでもお役に立てるようにしたいということのために今最善を尽くしているわけでありまして、その後のことについては、二十一年度の本予算の編成作業というものも現在やっているわけでございますけれども、その先どうなるのかということについては、今の段階では目の前のこの二つの予算編成作業に全力を尽くしているわけでございますので、私は現時点ではお答えすることが残念ながらできないわけでございます。

松木委員 わかりました。これからもこういうお金が出てくるのでしょうかねということを聞いたんですけれども、まあ、わからないということですね。

 私は民主党の立場として、基本的には予算の仕組みそのものを変えることでもっと特別会計から余剰金を生み出せると考えておりますけれども、まあ、そのことの論争をするためではないので、今は。

 これはちょっと財務省に御認識を聞きたいなというふうに思いますけれども、もう一つ気になるのが、道路特定財源の一般財源化の問題なんですね。

 国交省にお聞きしますけれども、平成十九年度の道路予算は一体幾らで、どれぐらい消化されたんでしょうか。そして、平成二十一年度の予算はどれぐらい要望されているのでしょうか。ここら辺をお答えいただきたいと思います。

金井政府参考人 道路の予算に関するお尋ねでございます。

 平成十九年度道路整備特別会計の決算額、どのくらい使ったかということでございますが、地方公共団体からの負担金を除きますと、三兆一千七百三十四億円という数字になっております。

 それから、二十一年度の概算要求につきましては、五月の道路特定財源等に関する基本方針を踏まえ、道路特定財源の一般財源化を前提とした要求を行わせていただいておりまして、具体的には、一・一九倍まで要求できるとされた概算要求に基づきまして、三兆九百四億円、国費分でございますが、これの要求を行わせていただいております。(松木委員「あと、財務省の方も」と呼ぶ)

枝野委員長 質問でやってください。

松木委員 質問したと思うんだけれども。まあいいや、そうしたら、次に行きましょう。

 ところで、既に自民党は、地域活力基盤創造交付金と称して、長い名前ですけれども、一兆円を予定して、地方への新交付金として、その八割を道路で使うと決められたそうですけれども、そういうことになると、道路特定財源から脱却して生活者財源への改革をするという閣議決定がたしかあったと思うんですけれども、その方針からすると、かなり逸脱しちゃうんじゃないかなという感じがしますし、結局は一般財源化ということが骨抜きになってしまっているのではないかなというふうに私は思うんです。私、もっと個人的なことを言うと、道路特定財源の中の暫定税率というのは早くなくせばいいというふうにも思っているんですけれども、中川大臣はそこら辺はどういうふうに思われているでしょうか。

中川国務大臣 一般財源化したということは、特定の財源を特定の目的のために使わなければならないと義務化されているものをそうではなくするというのが一般財源化でございますけれども、今回の、今御指摘のありました地域活力基盤創造交付金、まだ仮称でございますけれども、これで使われるお金というのは、一般の補助金や交付金と同様に、そもそも特定の税収を財源にする制度でもございませんので、一般財源化を決めた五月の閣議決定の趣旨に沿ったものであるというふうに理解しております。

松木委員 そうかな。まあ、大臣の意見ですから、それはしようがないですね。わかりました。

 それでは、今特別会計と一般財源化の問題なんかについてずっと触れてきたんですけれども、今までのいろいろなことで象徴的なのは、やはり郵政民営化の問題というのがあると思うんです。小泉内閣は、今は違いますけれども、民間でできるものは民間で、郵貯、簡保で集めた資金を民間に流れやすくすることで経済を活性化させるというふうに主張されて、郵政選挙では自民党のマニフェストで、郵政民営化はすべての改革につながる、郵政民営化が達成できれば何もかもがよくなるようなことを書かれていたというふうに記憶をしております。まあ、何もかにもとは言いませんけれどもね。そして、我々の情けなさもあって、三分の二の皆さんが、自民党さんが当選されて現在の衆議院が構成されているんです。これは、そのときの衆議院の民意というんですか、大衆の民意ということでしょうけれども、それはそれでしようがない。しかし、その人たちが今いるわけですね。

 それで、昨年の十月に民営化が実施されて一年以上の歳月が流れたわけですけれども、まずは総務大臣、小泉内閣の柱であった郵政民営化は成功だったかな、どうかなというのはどういうふうに思われますか。御評価でいいんですよ。

鳩山国務大臣 民営化というのはさまざまな段階があるわけでしょうから、経過期間経過後が本当の完全民営化ということなのでありましょうが、とりあえず、昨年の十月一日から民営化されまして、それは、小さくて効率的な政府をつくるという大行政改革という観点で、また組織も、あるいはできれば金の流れも官から民へという考え方、官でできるものは官で、民でできるものは民で、こういうことを小泉元総理は盛んにおっしゃっておられた。それから、自由度が増すことによって自由な経営で多様で良質なサービスを提供する、こういう基本路線をしいたという意味では、私は、郵政民営化というのは大変大きな事業であったと思うし、ひとまず成功していると思っております。

 ですが、光があれば当然影があるわけでございますから、この影の部分をどうやって解消するかということに全力を挙げる。見直しという言葉を私ども何度も使っておりますし、郵政民営化委員会も三年ごとの見直しというのをやっておりますが、見直しというのは、民営化を国営に戻すという意味ではなくて、今までやってきた路線の中でまずい部分、例えば郵便局長さんたちが集荷できなくなるとか、あるいは郵便配達の人に簡保や郵貯のお金を預けることができないとか、そういう問題、あるいは簡易郵便局の問題等ありますから、この影の部分というか生じてしまったマイナスと思われる部分をできるだけゼロに近づけるためには何をしたらいいかという観点での見直しを、懸命にそして大胆に考えていきたいと思っております。

松木委員 今大臣、影の部分もあるというお話をされていろいろな話をされていたんですけれども、影の部分をなくすのなら、やはりもっと一体化の経営なんかをさせるようにしたらいいんじゃないかなというふうに私は思うんですよね。大臣はどう思いますか。

鳩山国務大臣 昨日、皆さんが提案された株式売却凍結法案の審議が衆議院の総務委員会でございまして、そのときにも何度もお答えをいたしましたが、私は、民営化というのは巨大な行政改革であって、これは、小さく効率的な政府をつくるという意味では、偉大な事業だと思っておりますが、これはもともと、すべてが国民の財産というのか、共通の財産としてでき上がったもの、郵便局というものは、あるいは郵政というものはすべてそうでございますから、国民共有の財産を民営化したわけでございますので、それは国民のためには大胆な見直しをこれからしていくわけで、そのときには、例えばどこかとどこかの、今五つの会社がありますが、日本郵政のもとに四つの会社がありますけれども、どこかとどこかをもっと深い関係にするとか、くっつけるとか、そういうことまで含めて見直していくべきだと思います。

松木委員 ということは、また一体化して経営させようということも可能性はあるということですね。

 それと、今大臣は官から民へという話をしましたよね。それは、お金の流れを官から民へという話ですよね、たしか。お金の流れは官から民へ行きましたか。

鳩山国務大臣 そもそもですが、例えば、今から何年前でしょうか、二十年ぐらい前でしょうか、郵貯というものが民業を圧迫しているというような議論があって、仮に郵政を民営化したら、これは物流についてもそうかもしれませんが、超巨大な会社、超巨大な郵便事業会社あるいは運送会社、超巨大な銀行、超巨大な保険会社ができて、民業がみんなだめになるなんということを書いた本なんかも随分読んだことがあるわけでございまして、これは官から民へということでいろいろな想像、推定がなされておったと思いますが、この一年の間にそのお金が民へ激しく流れていったというふうには認識しておりません。

松木委員 認識してない。なるほど。

 九九年に二百六十一兆が今二〇〇七年で百八十二兆だから、結構……(鳩山国務大臣「減ったという意味ね」と呼ぶ)でも、私が言いたかったのはそれじゃないんですよ。

 官から民へというのは、このお金を民で使おうよという話がありましたよね、たしか。それが大臣の認識としてどうでしょうかということを一つ聞きたいのと、それと、小さく効率的な政府をつくるために郵政民営化、いろいろなことをやったというふうに大臣はおっしゃられた。そして、大成功とまでは言わないけれども、いろいろなことはあるけれども、また三社一体の事業にしなきゃいけないかなとかいろいろなこともありながらも、成功したというふうに大臣は言われました。成功したら一体何が起きるのか、小さく効率的な政府、これができたら何が起きるのかと思ったら、それはやはり、一番起きなきゃならないのは、私は国民が払う税金が少しでも安くなるということだと思うんですけれども、果たしてそうなったんでしょうか。答えられる範囲でいいですよ。

鳩山国務大臣 もともと郵政というのは国民共有の財産でございますが、税金で運営していたものではないと考えておりますから、その点の変化はないと思っております。

松木委員 そうしたら、大臣、小さく効率的な政府とは余り関係なかったということにならないですか。頭が悪いものだからよくわからなくなってきたけれども、ちょっと大臣、お願いします。

鳩山国務大臣 それは、行政改革というものはいろいろな意味があると思いますが、官から民への流れをつくることであり、スリムな政府をつくるという意味でございまして、今大変、経済も財政も非常に重要なときでございますから、そのことによって減税が起きたということではないと思っております。

松木委員 先ほど大臣は、小さく効率的な政府をおつくりになると言ったんです。それは、とりもなおさず、やはり税金が安い国づくりだと思うんですよ、僕は。それで、もともと税金を使っていなかったというお話もして、余り変わりないというお話をしていたのであれば、一体郵政民営化というのは何だったんだろうかなと、ちょっと私は余り頭がよくないものだからようわからなくなってきました。しかし、これ以上聞くと嫌らしくなってしまいますので、もうこのぐらいで。まだあるんですか、時間。

枝野委員長 時間です。

松木委員 終了しました。終了しましたのでこれで終了しますけれども、いろいろな改革というのは、やはり国民の皆さんがなるべく幸せを得る、我々政治家と行政もそうでしょう、やはり幸せを得る土台づくりを我々はするんだと思うんですね。それには、その土台は、なるべく大きなお金は払わなくても、いい土台がつくれるようにする、それが行政にかかわる人だとか我々政治家の腕の見せどころだと思うんですよね。ぜひこれは頑張っていただきたい。我々、もちろん政権をいただいたときには一生懸命頑張ってやっていこうというふうに思っておりますので、私の質問をこれで終了しますけれども、郵政のことはよくよく考えていただきたい。

 以上でございます。ありがとうございました。

枝野委員長 次に、平岡秀夫委員。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 限られた時間でございますので、答弁は簡潔にお願いしたいというふうに思います。

 さきのサミットでいろいろなことが話題になりましたけれども、私、どうしても不満というか、日本がリーダーシップを示せなかったということの一つに、原油価格の高騰に対する問題についてサミットの場でちゃんとした結論が出なかった。結論が出なかったのは、多分、その準備段階から日本がリーダーシップをとってこの問題に取り組んでいこうとしていなかったんじゃないか、こんなふうな気がしておるわけであります。結果的に、サミットでの合意というものについて言えば、財務大臣会合の声明の中にもありましたように、IMFそれからIEAが、最近の原油価格の高騰の背景にある実需、金融両面の要因等について分析して、次の年次総会に報告するように要請する、こういったことしか出せていないという状況にあったわけですね。

 その後、今はある程度原油価格が下がって安定しているというような状況になっているので、関心は薄れてきているのかもしれませんけれども、原油価格の高騰が国民経済に与えた非常に大きな影響を考えてみると、やはりこういうときこそしっかりと対応を考えておかなければいけないというふうに思うということで取り上げさせていただきたいというふうに思います。

 そこで、サミット等でも示されたIMF等による調査については、既に報告が出ているというふうに思いますけれども、どのような報告が出ているのか、この点について中川大臣にお聞きしたいと思います。

中川国務大臣 平岡委員御指摘のように、六月のG8財務大臣会合及び七月の北海道洞爺湖サミットでの要請を受けまして、十月に公表されましたIMF世界経済見通しにおきまして、原油価格高騰の基本的な要因は、需要が持続的に伸びているのに対して供給が制限されていること、二つ目として、金融的要因につきましては、これはやはり需給のタイトといった問題が絡んできて、マーケットがございますので、現物、先物を含めたマーケットでそれに対して金融的な、あるいは相場的な思惑が非常に強く働いていったと。つまり、どんどんどんどん上がっていく、六月、七月の段階はどんどんどんどん上がっていた時期でございますから、金融の面から石油というものをとらえていって、マーケットの要因というものが上げ要因としてどんどん強く働いていったと。この二つの分析がなされました。

 また、IMFのほかにも、IEAを含めまして、G7に対しても提出されたレポートにも同様の分析がなされております。

平岡委員 分析が出されただけでおしまいじゃ何にもならないわけですね。そういう意味で、これからどう対応するのかというのはしっかりと検討していただきたいと思うんです。

 あのときに、ちょっと私もいろいろな人から言われたんですけれども、日本には石油備蓄というのがありますよね、国家備蓄とか民間備蓄とかいろいろあります。価格が高騰したようなときにもその備蓄を取り崩すというようなことが政策的に行われてもいいんじゃないかというような指摘を受けたんですけれども、こういう価格高騰のときに対応する一つの政策として備蓄の取り崩しということは考えられないんでしょうか。これは経産大臣にお聞かせいただきたいと思います。

二階国務大臣 今平岡議員が御指摘のような点をしばしば我々も耳にすることがあります。このときに何とか対応ならないのかということでありますが、石油備蓄に関しましては、石油の量的な供給不足、またはそのおそれがある場合に、国際エネルギー機関、IEAの加盟国が共同して活用することとなっており、価格高騰対策のために活用しないのが国際ルールとなっています。

 そこで、国際石油市場では、原油取引量が圧倒的に多いために、我が国のみで今仰せのような政策をとってみても、いわゆる備蓄を活用してみても、価格の引き下げ効果というものは余り見込まれないのではないかという判断であります。むしろ、世界各国が十分な備蓄を緊急時の備えとして保有していることこそ原油市場の安心感というものを与えて価格の安定に資するということの方が国際的な共通の認識となっております。

 こうしたことから、石油備蓄につきましては、今後ともいざというときの備えとして引き続き万全を期してまいりたいと考えております。

平岡委員 いざというときの備えということで、国際的な合意のもとに行われているという話でありますから、我が国が単独でやるということはできないかもしれませんけれども、こういうときにも、いざというときにどこまで入るかというのはなかなか難しいですけれども、国民的経済に大きな影響を与えるときには備蓄をどう取り扱うのかということについて国際的な合意を求めていく、私は、そういう働きかけも日本もしていっていいんじゃないかということで、それはお願いしておきたいと思います。

 ちょっと時間がないので、この問題については最後に、今後、またエネルギーあるいは原油問題について、原油の価格高騰というような事態が発生するということも予想されるわけでありますけれども、そういう事態が発生しないように、あるいは発生しそうになったときに対処するようにどういう対策を講じているのか、あるいは講じようとしているのか、この点についても経済産業大臣にお聞かせいただきたいと思います。

二階国務大臣 これまでも本年初頭のダボスでの消費国閣僚会合を皮切りに青森でのG8エネルギー大臣会合など、国際会議や産油国、消費国との、いわゆる産消対話の場を通じて原油価格の安定化のために働きかけを行ってまいりました。

 具体的には、原油の増産や開発投資、省エネや代替エネルギーの推進、商品先物市場の透明性向上等を各国に呼びかけており、洞爺湖サミットでの首脳宣言も合意されるなど、こうした取り組みの重要性については各国が認識を共有してきているというふうに理解しております。また、商品先物市場の透明性向上に向け、アメリカの規制当局と協力関係を構築するなど、二国間での連携強化も進めているところであります。

 引き続き原油価格動向についても注視するとともに、原油市場の安定化に向けて、来週後半でありますが、ロンドンにおきましてエネルギー大臣会合等の機会をとらえ、今御指摘のようなことについても我々の側からも積極的に働きかけを行ってまいりたいと思っております。

平岡委員 時間がないのでこれ以上は申し上げませんけれども、ことし始まった原油価格の高騰というのは、国民経済に与えた影響というのは大変大きかったものと思います。そういうことが発生しないように、ぜひ当局の努力をお願い申し上げたいというふうに思います。

 次の質問でありますけれども、これは防衛大臣であります。大きく分けて二つほどあるわけでありますけれども、いずれの問題も私は今の日本における自衛隊に対するシビリアンコントロールというものが危機に瀕している、そういう問題であるという認識であります。

 まず第一点が、田母神前空幕長の問題でありますけれども、この問題については大臣もいろいろなところで質問があり答弁をされておられます。多岐にわたる問題があるということでありますけれども、一つだけ取り上げさせていただければと思うんです。

 浜田大臣は、田母神空幕長は空幕長を更迭されたことにより、空幕長としての六十二歳定年が適用されなくなり、空将としての六十歳定年の適用を受けることとなった。田母神空将については六十歳定年の延長期限は来年一月までしかないため、仮に懲戒処分をしようとすると、その手続期間、大体十カ月ぐらいかかるだろうというふうに予測されていたようですけれども、その手続期間が足りなくなるおそれがあることからこの時点で定年退職としたというように、処分をすることを見送ったというような経緯を説明されたわけでありますけれども、この説明を聞いてちょっと思ったのは、そういうことであるならば、定年間近の自衛隊員に対しては懲戒処分はできなくなってしまうというようなことにつながってしまうと思うんです。

 そこでお聞かせいただきたいのですけれども、これは佐官クラス以上の幹部自衛隊員で結構でございますけれども、定年間近ということで懲戒処分を見送った事例というのはあるんですか、これまでたくさんあるんですか。どうでしょうか。

浜田国務大臣 この件に関しては何度となく御説明をしてまいりましたけれども、特にお尋ねの件に関しましては、定年間近ということで懲戒処分を見送った事例については、結果として懲戒処分の手続をとっておらず、任命権に関する訓令に基づいて懲戒権を委任された部隊等の長が保管している懲戒処分ごとに作成された資料がございませんので、関係者から聞き取り等により調査を行うことになるわけでありますけれども、当該調査に膨大な作業を要することから、現時点において把握をしておらないということでございまして、規律違反の疑いのある隊員が定年間近であるという時期にかかわらず、事実関係に基づき適切に懲戒処分を行うべきものと考えているところでございます。

 しかしながら、隊員の規律違反行為の程度、行為の内容、動機、状況、改悛の程度、そしてまた部内外に及ぼす影響、規律違反行為が明らかになった時期、審理自体の有無、隊員が懲戒手続に協力的か否かという点について、個々の事案ごとに異なるわけでございますので、このため懲戒手続に要する期間も個々の事案ごとに異なります。例えば、規律違反の態様が軽微で、かつ懲戒手続が円滑に進められた場合には、短期間で懲戒処分を行うことも可能となります。

 いずれにしても、懲戒処分の実施に当たっては個々の事案に即して適切に対処してまいりたいと思っておるところであります。

平岡委員 長々と説明されましたけれども、情報量が膨大なので調査にたくさんの時間がかかるということであれば、私はある程度限定してやってもいいと思いますね。この問題については、ぜひこの決算委員会の理事会で取り上げさせていただいて、調査が行われるようにしていただきたいというふうに思いますけれども、委員長、いかがでしょうか。

枝野委員長 後ほど理事会で協議させていただきます。

平岡委員 それでは次に、もう一つの問題として、昨年七月の参議院議員選挙で初当選した佐藤正久参議院議員の関係で、ある報道によりますと、佐藤氏の政治資金管理団体に、田母神前空幕長や、当時はまだ空幕長ですけれども、折木陸上幕僚長ら制服組トップを含む七人の現職幹部自衛官が約四十六万円の政治献金をしていたということが報道されています。私もその書類を見させていただいてもおります。

 それで質問ですけれども、これまでに佐官クラス以上の幹部自衛隊員が政治献金をしていた例というのは、当局として承知しておられますでしょうか。

浜田国務大臣 隊員が個人的に政党や政治団体に寄附をすることについては、防衛省としては承知をしておりません。

 御指摘の隊員の政治的行為の制限については、自衛隊法第六十一条第一項で、隊員は、政党または政令で定める政治目的のために、寄附金その他の利益を求め、もしくは受領し、または何らかの方法をもってするを問わず、これらの行為に関与し、あるいはまた選挙権の行使を除く政令で定める政治行為はしてはならないというふうに規定をしております。

 これを受けて、自衛隊法施行令第八十七条では、第一項第二号に、政治目的のために寄附金その他の利益を提供し、または提供せず、その他政治目的を持つ何らかの行為をし、またはしないことに対する代償または報酬として、任用、職務、給与その他隊員の地位に関して何らかの利益を得、もしくは得ようと企て、得させようとし、または不利益を与え、与えようと企て、また与えようと脅かすことと政治的行為を具体的に定めておるわけでありますが、隊員が政治目的のために献金し、その代償として隊員の地位に関して何らかの利益を得ようとする場合には禁止されている政治行為に該当しますが、単に個人的に隊員が政党や政治団体に寄附することは可能であると考えておるところであります。

平岡委員 まず私の質問に答えてください。

 これまで把握していないということですか、まずは。佐官クラス以上の幹部職員が政治家に対して献金をしているという事実は把握していないと。

浜田国務大臣 把握はしておりません。

平岡委員 それで、これは寄附金を行ったということは認めておられるんだと思うんですね。ただ、目的が何のためかということで制約されているので、把握をしていないとか、あるいは何も知らないということとして説明されたんですけれども、寄附金がされていたら、その目的が何のためにされているかというのは、少なくとも確認しなければ、その個人がどんな思いで献金したかというのはわからないじゃないですか。ちゃんと確認しているんですか、それを。

浜田国務大臣 これは当然、自衛隊員であるなしにかかわらず、寄附の行為というのは認められているわけでありますので、その意味では、一々それを我々の方で個人的にどのような寄附行為をしているかというのを確認ができないということであります。

平岡委員 寄附行為をしたことは報道でも出ているわけです。寄附行為をしたことはわかっているんです。では、その寄附行為をしたことが、先ほど大臣が読み上げられた施行令に違反しているかどうかということを確認しなければいけない義務があると思うんですね。

 先ほど大臣、長々としゃべられましたが、簡単に言えば、寄附金を提供することに対する代償として、職務その他隊員の地位に関して何らかの利益を得ようと企ててはいけない、これが政治的行為だと言っているんですよ。ただ単に寄附をすることだけではこれに違反するとは言えないかもしれない。だけれども、寄附したことがあるんだったら、それが何の目的のために寄附されたか、これを確認するというのは当たり前の話じゃないですか。なぜそれができないんですか。ちゃんと確認してください。確認することを約束してください。

浜田国務大臣 我々は、そういう意味では、要するに寄附行為に対する制限がしっかりと自衛隊法の中で書かれているわけですから、それに該当しないということできょうは申し上げているつもりでございます。

平岡委員 該当しないということが何で言えるんですか。どういう目的で寄附をしたのかということを確認しなければわからないじゃないですか。

 ぜひこれは、私は、調べていただくように、この決算委員会でも取り上げていただきたいと思います。委員長、よろしくお願いします。

枝野委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

平岡委員 もう一つ、この参議院選挙に関連してでありますけれども、佐藤氏は、みずからのホームページの中でも、自衛隊を退職した後、これは二〇〇七年の一月でありますけれども、その直後に、同じ一月の二十九日に、自民党の全国比例区の総支部長に就任をしておられますけれども、その後、積極的に、自衛隊内二百カ所で講話を重ねたことを明らかにしておられるし、現在も同様の行為を行っているということを自認しておられるようであります。

 佐藤氏が退職後、自衛隊内で講話、講演等を行った事実というのはどのように把握されておられますか。

浜田国務大臣 佐藤正久参議院議員は、陸上自衛隊に在職中、例えばゴラン高原とかPKO、そしてまたイラク人道復興支援等に従事されまして、さまざまな分野で知見を有しておられます。防衛省としては、このような佐藤議員の知見を隊員に教えていただくことは隊員教育の観点からも有益であることから、佐藤議員に自衛隊の駐屯地、基地内で自衛隊員に対して講話等を行っていただいているのは事実でございます。

 防衛省としては、現時点で佐藤議員の講話等の実績についてすべてを把握しているわけではございませんが、例えば二〇〇七年の五月十五日、陸上自衛隊八戸駐屯地、二〇〇七年七月四日、航空自衛隊芦屋基地等において佐藤議員に講話をいただいているものと承知をしているところであります。

平岡委員 まだほかにもたくさんあるんですよね。とりあえず、今調べていただいているというふうにきのうも報告を受けましたから、調べた結果をしっかりと教えていただきたい、この決算委員会にも出していただきたいというふうに思います。

 そこで、私もちょっと思うんですけれども、仮に、事実としてイラクとかの話をされるということであったかもしれないけれども、そこに隠されている意図というのはすごいものがあるんじゃないかというふうに思うんですね。そういう意図に基づいた行為による効果というものも、私は、選挙に大変大きな影響を与える、選挙の投票行動にも影響を与えるというふうに思うんです。まさに自衛隊の中で政治的行為が行われているというふうに思うんです。

 そう考えたときに、一体これはだれが許可をして、あるいはだれが佐藤氏が全国区の比例候補者となるという状態でありながら講話をすることを許したのかということについてお伺いしたいんですけれども、これはどういう手続の中で行われたんですか。

浜田国務大臣 今先生の御指摘のあったこと、それはイベントごとに全部手続の仕方が違っておると思います。

 我々の方から特に立候補が予定されている者に対して自衛隊内で講話等を依頼するに当たって、自衛隊法六十一条で規定される政治行為の制限との関係から、特段その手続は定めておりません。

 しかしながら、講話等を依頼している者が、自衛隊法令第八十六条第一号の衆議院議員また参議院議員とか、地方公共団体の長、そしてまた議会の議員、農業関係の委員とか、そういった選挙において、特定の候補者を支持し、またはこれに反対することというのは、この特定の候補者になった場合には、自衛隊内で講話、そして選挙運動への便宜供与と誤解を受けるおそれがありますので、留意事項を具体的に記入した参考資料を各機関に配付して、周知徹底を図っているところでございます。

 いずれにしても、自衛隊法第六十一条で制限される政治的行為に関与することを防止するための周知徹底を今後も図っていきたいと思っているところであります。

平岡委員 何かだらだらと規定を言われただけではよくわかりませんけれども、手続をとっていなかったということですか。それとも、現場のそういう講話を行おうとしている指揮官がみずからの判断でそれをやったということですか。どうですか。

浜田国務大臣 今も申し上げましたとおり、特にその手続はないわけでありますので、その部隊の長に任せているというところであります。

平岡委員 手続がないということによって、現場の指揮官が参議院選挙に全国比例で出ることが決まっている総支部長に対してそういう講話をする機会を与えているというのは極めて問題だと思いますね。これはやはり、自衛隊法の政治的行為をしてはならないということについて、現場の指揮官が違反しているんじゃないですか。

 大臣がいろいろ法律とかを言われましたけれども、非常に長ったらしいので、ちょっと私が簡潔に言うと、参議院の選挙において、特定の候補者を支持しまたはこれに反対することは政治的目的として、こういうことをしちゃいけないよという政治的目的になっているということですね。そして、どういう政治的行為がいけないかといえば、政治的目的のために国の庁舎、施設を利用し、または利用させることということですね。

 私は、現場の指揮官が、もう候補者になることが決まっている人に対して、自衛隊の施設を利用させて、話をさせているということで、まさに政治的行為をしているというふうに判断しますけれども、どうでしょうか。

 さらに、これに自衛隊の一般の隊員が、指揮官にしてみれば部下が参加させられている、そういう状態の中で行われているということは極めて問題があるというふうに私は思いますよ。その点についてもあわせて大臣の答弁を求めたいと思います。

浜田国務大臣 候補者というのは、法令の規定に基づく正式の立候補届または推薦届によって候補者としての地位を有するに至った者と解釈して運用しております。

 参議院比例代表選出議員の選挙であれば、名簿の届け出が受理された時点の前であれば、自衛隊法施行令の第八十六条第一号における候補者に該当しませんので、こうした者に講話させることは政治的目的を有するとは言えず、法第六十一条において制限されている政治行為には該当しないと考えております。

平岡委員 本当にそれでいいと考えているんですか、大臣は。

 施行令では確かに形式的にそう書いてありますけれども、なぜこういう規定になっているのかを考えたときに、既に自民党の公認候補者になるために比例区の総支部長になっている人ですよ。その人を自衛隊の幹部が呼んできて、自衛隊の隊員を集めて、自衛隊の施設の中で講話をさせている。これが政治的行為ではないと言われたら、これはもう世の中の常識からしたら極めて不自然なことが自衛隊の中で行われているということですよ。

 そうは思いませんか、大臣。もう一遍答弁してください。

浜田国務大臣 私は、知見のある方であれば、それが国会議員であろうがどなたであろうが、そこで講話として必要とあれば、これが隊員にとってプラスであるということであれば、お招きするのは別に悪いことではないというふうに思っておるところであります。

平岡委員 それでは、佐藤氏以外に、そういう知見を持っているということで、全国二百カ所以上の自衛隊の施設の中でこれまで講話をした例、どういう例があるか、だれが、いつ、何回ぐらいやったかというその資料もちゃんと出してください、この決算委員会に。

浜田国務大臣 それは確認をさせていただきます。

平岡委員 委員長、よろしくお願いします。

枝野委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

平岡委員 ちょっと時間がないので、旧令共済の問題に移ります。

 きょうは、舛添大臣が他の委員会でこちらへ来られないということなので副大臣に来てもらいましたけれども、軍人恩給について、ことしの二月に舛添厚労大臣が、軍人だったけれども軍人恩給をもらえるまでいかなかった人、その人が戦後、公務員であった場合とそれから民間の企業に勤めた場合、あるいは自営業者になった場合、そういう場合の継続の問題というんですか、連続性の問題について長妻議員から質問を受けまして、こういうふうに答弁しています。「昭和五十年代の終わりに決定した戦後処理のあり方というのを、例えば、どういう形でこれを見直すのか、そういう大きな問題にもかかわってくるというように思いますので、少し検討させていただきたいと思います。」福田内閣総理大臣も、「ですから、そういう経緯を踏まえまして、一度よく考えさせていただきたいと思います。」というふうに答弁をしておるんですね。

 それで、私は、別のちょっと違う問題ですけれども、軍人じゃないけれども、軍需工場なんかで働いておられた方々ですね。それは、旧令共済組合というのがあって、そこに所属した形でいたわけでありますけれども、この方々についても、軍人恩給と同様に組合期間は、報酬比例部分について、共済組合には引き継がれるけれども、厚生年金には引き継がれない制度になっているというようなことになっているわけですけれども、同じような問題だと考えてよろしいんでしょうか。

大村副大臣 お答えいたします。

 旧令共済のこの問題につきましては、平岡委員も質問主意書等々でこれまでも御意見をいただいていることは承知をいたしております。

 この問題は、まず、旧軍人と旧令共済のこの問題は、公務員に引き継がれる場合は同じく引き継がれるということで、同じである。ただ、厚生年金については、旧軍人の期間については引き継がれない。ところが、旧令共済、いわゆる軍需工場等々で働いていた方々につきましては、定額部分のところの期間、そういったものは引き継がれるということになっておりますので、それは旧軍人の扱いとは別の問題であるというふうに認識をいたしております。

平岡委員 確かに定額部分についてはそういうことなんだろうなということで、それも質問主意書の答弁でいただきました。

 しかし、継続する、しないというのは、どこまで継続させるかというような問題も含めて、継続がされないということになってしまっているということについては、同じような問題、同じようなたぐいの問題だというふうに考えていいんでしょうか、どうでしょう。

大村副大臣 御案内のように、これは、旧軍人の場合は公務員であるということで、公務員のところは引き継ぐ、しかし、民間のサラリーマンがつくっている厚生年金のところは、それは保険料を払っておりませんので、引き継ぐというのはいかがなものか、こういうことで整理をいたしております。

 ただ、軍需工場等々で働いていた方は、もともと戦前は陸軍、海軍、それぞれ公務員ということの扱いであったわけでありますからそれは引き継ぐんですが、ただ、実際に働いていた形態等々で、そこの部分は、民間のサラリーマンのところを引き継いでもこれは理解が得られるのではないかということで、昭和四十四年に国会の修正で、その部分を引き継ぐという形にされたというふうに理解しておりますので、そこはちょっと違う扱いだというふうに理解をいたしております。

平岡委員 ちょっと時間がなくなったので、この軍人恩給については、先ほど言った舛添大臣と総理大臣、どういう検討結果が出ているのかということ、それから、同様の問題をこの旧令共済についても私は抱えているんだろうというふうに思います。それについてもあわせて検討していただいて、その結果をまた後日教えていただきたいというふうに思います。

 委員長、理事会でも取り上げていただいて、よろしくお願いします。

枝野委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

平岡委員 ちょっと時間が足りなくなってしまいまして、終わりますけれども、よろしくお願いします。

    ―――――――――――――

枝野委員長 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として財務省大臣官房樋口俊一郎審議官の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

枝野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

枝野委員長 次に、高山智司委員。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 まず、先ほど、同僚議員の質問の中で大臣が答弁をし直した部分がありまして、そこをちょっともう一回、改めて伺いたいんです。

 先ほど、松木議員から、与党からも声が高い、二次補正を早く出せというような話がありましたけれども、その財源についてのお尋ねをしました。その中で、赤字国債を出すか出さないかという話について、財務大臣の方から追加の訂正の答弁で、景気対策については財源を出さないというようなお話があったんですけれども、二次補正全体についての財源についてちょっと伺いたいんです。

 これは、来年の年初に出すことを予定している二次補正の財源としては赤字国債もあり得るということなんでしょうか。ちょっとそこを整理して、もう一度御答弁をお願いします。

中川国務大臣 先ほど答弁いたしましたように、生活対策というこの緊急の課題については、赤字国債は頼らない、発行しないということでございます。

 ただ、二次補正全体として、当初見込まれていた税収が大変に落ち込んでいる。それがどのぐらいになるか、まだ数字がわかっておりませんけれども、二次補正の中の生活対策以外の税収の減収分については、これはもうほかに財源がございませんので、やむを得ず赤字国債を発行せざるを得ないという状況でございます。

 さっき高山委員、たしか景気対策とおっしゃったようでございますけれども、生活対策ということでございます。

高山委員 今財務大臣から御答弁いただきましたけれども、そうすると、細かいことは今まだ数字が出ていないということなので伺いませんが、ことし、かなりやはり税収見通しが悪化しているということだと思うんですね。

 それで、昨日、大学の就職課ですか、内定取り消しの人がどれぐらいいるかというので、私も足を運びましていろいろ話も聞いてきました。そしてまた、いわゆるネットカフェ難民というんでしょうか、家がもうなくて一日千九百円のところに泊まられている方のところにも行きましてお話も伺ってきたんですね。

 今、本当に民間では、特にその内定取り消しなんて聞いたら、ことしの四月の前期なんかは、ある意味、大量採用だ、人手不足だみたいなことで結構採用した、だけれども後半になったら、急に見通しが悪くなって、経営計画の見直しを余儀なくされて、その中で渋々新卒者を内定取り消しということ。あるいは、派遣の人の中には、つい一カ月半前に募集があって行ったんだけれども、急にきのう解雇されてしまったというような方。そういう、経営側の見通しが九月の金融ショック以降大幅に変わって、変更を余儀なくされているというような話があるんです。

 念のため伺いますけれども、きょう、公務員のボーナスの支給日だというふうに聞いておりますけれども、前期、後期でそれぞれボーナスというのは大体総額幾らぐらい公務員はもらっているんでしょうか。これは財務省に伺います。

香川政府参考人 国家公務員全体で六十万四千人ほどおりますが、二十年度予算におきまして、国家公務員の期末勤勉手当は一兆四百億円計上しております。夏が四千九百六十五億円、冬が五千四百三十五億円でございます。

高山委員 財務大臣に伺います。

 結構、今、総額一兆四百億円で、夏に四千九百六十五億円で冬が五千四百三十五億円を予算として計上しているということなんですけれども、民間で大幅に今経営見直しがなされている中、財務大臣、これは見直しの対象には今回なっていないんでしょうか。まず財務大臣に伺います。

中川国務大臣 民間が大変厳しい。今高山委員が、実際きのう視察されて実態をごらんになってきたということでございますけれども、私も、報道あるいはまたいろいろなところから直接聞いております。本当に、ボーナスどころか、もらえなくなっちゃったという方もいらっしゃるわけでございます。

 そういう中で、国家公務員のボーナスは、今政府参考人から答弁させたところでございますが、御承知のとおり、国家公務員に支給される期末勤勉手当はルールに基づいてやっているところでございます。本年度におきましても、人事院の調査のデータに基づいた計算でいきますと、公務員と民間との水準はほぼ均衡しているという結果になっているということでございます。

高山委員 先ほど、二次補正の中に税収の不足分があるというお話もありましたけれども、計画どおりすべて物事を進めて、足りなければ赤字国債というのが今の日本の政府のやり方のように私の目には映りますし、このボーナスの支給額だけ見ると、そう思う国民の方が多いと思うんです。

 この点、赤字国債を発行してまで、今、日本で、政府が計画されていることしの分をどんどんどんどん推し進めなければいけないものなんですか、これはちょっと財務大臣に伺いたいんですけれども。もうこれだけ税収が少なくなったので大幅に計画を見直します、こういうことはないんですか。

中川国務大臣 ボーナスは、平成二十年度当初予算で手当てされているわけでございますから、補正とは直接関係ないと思います。

 ただ、政治家として言わせていただきますならば、民間の皆さんの中に大変厳しい状況にある方が今現在もふえているということを我々は本当に真摯に受けとめていかなければならない。これは、私の大臣としての発言でございます。

高山委員 当初予算のとおりいろいろ執行しようとすると足りなくなるから、その分補正予算で出したりということもあるのかなと私は思いますけれども、ちょっとそのボーナスの話は、きょうもう支給日ですので、これ以上議論しません。

 ちょっと、私が配りましたこの資料なんですけれども、この一ページ目、二ページ目をごらんいただきたいんです。

 ここに、いろいろな地方の合同庁舎の建てかえの計画の話が出ているんですね。私、たしか、ついおととい、麻生総理が地方分権委員会から、今度、地方振興局ですか、あと工務局、何か二つに統合されて、地方の整備局や農政局等々は統廃合であるというような答申をもらったと聞いているんですけれども、そんな中で、地方の合同庁舎というのはやはり計画どおりつくっていくものなのかということを、まず国土交通大臣にちょっと伺いたいんです。

 とりわけ仙台の話ですね。新築で二十階建てのものを建てるということで、金子大臣も、どういう決断をされたのか、何か、当面見合わせるというようなことを会見でもおっしゃっていたんですけれども、それ以外にも、これは大体三十六カ所、いろいろな新築の計画があるんですね。私、こちらについて、今どういう計画でいるのかということを伺いたいんです。

 これは金子大臣に伺いますけれども、地方分権の流れがある、だから統廃合するので、合同庁舎の使われ方もということが多分背景にあったと思うんです。仙台のは当面見合わせということですけれども、実際、まず、この当面見合わせということの意味をちょっときちんと説明していただけますか。これは中止という意味なんでしょうか。

金子国務大臣 今御質問いただきました仙台につきまして、これは、地方分権改革、議論がまさに御指摘いただいたとおり進んでおりますので、当面見合わせさせていただくということを指示させていただきました。

 一方で、仙台につきましても、築後五十四年あるいは四十三年経過しておる、耐震性という意味で大丈夫なのかと。これは合同庁舎で、警察、経産省等々、財務局も入っておられるようでありますけれども、そういう意味で、耐震性という意味で十分検討されるということも一方で大事なことであります。

 国土交通大臣というよりも、やはり、そういう地方分権の議論とあわせて、それぞれの地区の拠点の耐震性という両面、これをどう考えるのか、関係省庁も含めて、政府全体として判断をしていきたいという趣旨でございます。

高山委員 済みません、当面見合わせるということは、では、地方分権改革推進委員会からの答申が出たり、この動きとこの建設の計画がリンクしてくる、こういうことですか。

金子国務大臣 地方分権委員会の議論は、ついせんだって出されました。我々麻生内閣として、今の点については、二重行政を排除する、あるいは目の届かないという部分をなくしていくということに沿って、各閣僚、誠実に進めていく。ただ、その問題と、一方でこういう耐震性の問題というものをどう解決していくのかというのは……(高山委員「リンクしているのか」と呼ぶ)それは委員も当然御承知の上で御質問されていると思います。こういう議論をよく注視しながら、これから検討をさせていただきたいと思っております。

高山委員 耐震性のことは、私、この後またみっちり聞きますので、ちょっと耐震性以外の部分で詳しくお答えいただきたいんです。要するに、地方の合同庁舎なんかも国土交通大臣のところの営繕部でつくっているということなので、その、つくる計画についての部分を伺いたいんです。

 そうしますと、次は、地方分権委員会の三次答申というのは、来年の春過ぎですよね、五月ぐらいだと聞いていますけれども、それを待ってという意味なんでしょうか。当面見合わせるというのは、いつまで見合わせるんですか。

金子国務大臣 当面、分権の議論を、これから政府部内あるいは与党でも当然でありますけれども議論いたしますので、その議論の方向を見ながら、その議論の中で、政府で、営繕でありますけれども、検討をさせていただくという趣旨であります。

高山委員 今、与党内で改革逆コースの議論がすごく出ていますので、大臣も答弁は苦しいと思うんですけれども。

 私の配りました資料で、これは三十六カ所、まだ新築、増改築の予定が出ているんですね。仙台の件は当面見合わせるということですけれども、これら三十六件は、大臣、いかがいたしますか。計画どおりですか。

金子国務大臣 あわせて今後検討させていただきたいと思っております。

高山委員 今後検討というのは、これは何も答弁していないのと同じなんですけれども、この三十六件に関しては、計画どおり進めるのか、それとも、検討するということは、その間は計画をストップするのか、どちらですか。

金子国務大臣 先ほど御答弁しましたように、仙台の問題も含めて、政府関係の、国交省だけの話ではありませんので、やはり政府全体として検討を進めさせていただくという趣旨でございます。

高山委員 検討している間にこれはどんどんどんどん建っちゃうんじゃないですか。事業で採択されているのが、十九年に採択された、二十年に採択されたものばかりなんですよね。しかも、二十一年度に向けて要求しているのも、次のページですけれども、二十一件もあるんです。

 では、どうなんでしょう。地方分権の話、民主党ももちろん地方整備局は廃止だということを言っていて、与党の方も、地方分権の時代だ、二重行政を廃止するために地方整備局は廃止だというような話がよく聞こえてきますけれども、本音は違うのかなと思わせてしまうような、この、平成二十一年度の概算要求でも、随分、二十一件も要求しているんです。これは、国土交通大臣としては、これから年末のいろいろな折衝に向けて、ほかにも使わなきゃいけないところがいろいろあるでしょうから、これに関して、組み替える予定とか、あるいは、しかもこれから検討されるということですから、二十一年度の概算要求に関して何か変更する予定というのはありますか。

金子国務大臣 出てきました地方分権委員会の第二次勧告は、今おっしゃられた廃止というのではなくて、統合という方向で今答申が出ております。これをベースにしてこれから議論を進めていくということであります。

 年末の予算に向けての議論は、その最後の編成過程の中で、先ほど申し上げたような観点から、政府全体として検討させていただく予定であります。

高山委員 しかし、世間では、とにかくこれだけ景気が悪くなってきて、内定取り消しですとか新規事業見直しですとか、ことしの前半に計画していたことががらっと今変わっているのですけれども、日本の場合は、これから地方分権をしなきゃいけない、しかも統廃合だという話をしているのに、建物を建てる計画だけは延々進んでいく。

 先ほど国土交通大臣が、仙台の建物は耐震性に問題ありだということで建て直さなければいけないというようなお話をいただいたんですけれども、ちょっと次の三番目の資料を見ていただきたいんです。

 官庁の施設における耐震性の目標ということで、一類、二類、三類といろいろなっているわけなんですけれども、今よく問題となっているのは、小学校が耐震基準を満たしていないじゃないか、だからその建てかえを今どんどん進めている最中だという話があるんですけれども、きのう伺っていて、ちょっとびっくりしたんです。

 まず、これは細かいことですので政府参考人で結構ですけれども、一類、二類、三類という分類がありますけれども、この三類というのが建築基準法相当というふうに伺っております。これが、いわゆるIs値という耐震性を示す基準だと〇・六という、建築基準法を満たしているという基準と大体同じ、同等というふうにきのう説明を受けていますけれども、それで間違いありませんか。

藤田政府参考人 御質問のIs値と官庁施設の耐震基準のことでありますけれども、Is値の〇・六と、一般の官庁施設であります、例えば労働基準監督署等の三類施設の評価値一・〇というのは同等でありまして、震災時に人命の安全確保が図られる性能ということでございます。

 以上でございます。

高山委員 ちょっと時間がないので、きのう伺ったことを私から申し上げますと、この一類、二類、三類の分類で見ますと、一類のところに農政局とか経済産業局とか地方整備局とか、まさに地方の出先機関が入っていて、その建物は、先ほどの仙台の話じゃないですけれども、耐震補強を物すごくしている立派な建物を建てるということなんです。

 翻って、例えば小学校であるとか、これは全部三類相当の基準でいいのだそうなんです。しかも、厚生労働省や警察庁にも聞きましたけれども、病院あるいは警察署、これはほとんど県警の警察が多いんですけれども、これも結局三類でいいのだそうなんですね。

 そうすると、大規模災害が起きたときに、地方整備局の建物はどおんと残っているけれども、まさに避難所になるような近隣の小学校や中学校の体育館などが壊れていたり、あるいは肝心の病院なんかも普通の建築基準法基準で壊れてしまっていたり、あるいは警察なんかも普通の建築基準法の建物ということであると。こういう優先順位づけが本当に正しいのかなと。自分が建物に入る立場である国土交通省の皆さんが、何か自分のところだけ立派な建物を建てている、いわば、電車の中に乗ったときに、シルバーシートならぬ国土交通省用の何かゴールドシートみたいなものがあって、まさにそこだけ何か確保されているという印象を持つ国民が多いと思うんです。

 これは大臣に伺いたいと思うんですけれども、なぜ病院や警察や小学校よりも国土交通省の建物だけ耐震基準を厳しくして、まさに先ほどの仙台の話じゃありませんけれども、建てかえる大きな大義名分となっているのか、説明してください。

枝野委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

枝野委員長 速記を起こしてください。

 金子国土交通大臣。

金子国務大臣 国土交通省だけでなく、一類は、管区警察局、農政局、経済局、地方整備局、管区海上保安部等が一類対象となっております。一類が適用される目標として、構造体の補修をすることなく建物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能が図られるという区分として持っております。

高山委員 病院や、また学校も、もちろんふだんの授業から大事ですけれども、避難所なんかに使われるのはほとんど学校の体育館とかですよね。いわゆる地方出先機関、国土交通省だけじゃないですよ、管区の警察、農政局、経済産業局、地方整備局、まさにこれは地方出先機関じゃないですか。ここだけ残ってきちんと機能するようにしたい、それ以外のところはもう建築基準法ぎりぎりの耐震基準でいいというのは、いかにも官尊民卑だなということを私は思いましたけれども、時間がないので、ちょっと次の話に行かせていただきます。

 タクシーチケットの問題です。

 これも、これだけ税収不足である、そして景気が悪くなっているというのに、あれだけことしの前半、居酒屋タクシーやタクシーチケットを何か不正に使っているという話で国会で問題になりましたけれども、それがいかに次の来年度の二十一年度に反映されているかということを伺いたいんです。

 まず、環境省に伺いたいと思うんですけれども、環境省は何かタクシーチケットを全廃したということを報道で見たんですけれども、それは事実ですか、そして、その方法というのは、どういう方法をとられたんでしょうか。

吉野副大臣 環境省は平成十四年に、環境マネジメントシステム、ISO14001、これを採用いたしました。そして、環境負荷の低減に努めておりまして、タクシーについては、相乗り、またタクシーチケットの刻印、これを徹底して、平成十九年の支出は十三年と比べて五〇%削減をいたしました。十一月から廃止の御指示を斉藤大臣からいただきまして、その削減効果は、十一月、これは暫定なんですけれども、四百十一件、三百三十万円となっています。これは、昨年の同月比で比べますと六割減の約四割となっております。ただ、今回、この臨時国会に提案する法律がないことなどから、一概に比較はできないと思っています。

 以上です。

高山委員 環境省の方でタクシーチケットを全廃されたということなんですけれども、私、ことしの前半から随分、道路特定財源の問題で、国土交通省さんでタクシー券が何かもう湯水のごとく基準もなく使われていたということで、いろいろ委員会でも指摘をさせていただいたんですけれども。

 まず、来年度、だから二十一年度の予算要求等で伺いたいと思うんですけれども、本省分と国土交通省の地方整備局分で去年幾らタクシーチケットを使っていて、そしてことし幾ら要求しているのか、教えてください。

金子副大臣 不適切なタクシー代の支出に対する国会の御指摘も踏まえまして、タクシー代については支出の適正化を図ることを基本的な方針といたしまして、国土交通省本省では、本省職員の業務に最低限必要なタクシー代としまして、対前年比で九千六百十三万円を減額いたしまして、七億一千六百五十八万円を二十一年度に要求をしております。

 また、地方整備局におきましては、公共事業費からの不適切なタクシー代の支出に対する指摘を踏まえまして、予算の透明性の向上を図る観点から、二十一年度予算の編成段階においては、予算科目の見直しを図りまして、タクシー代を明示する方向で関係機関と調整をしております。

 いずれにしても、タクシー使用については、国民に疑念や不快感を与えることのないよう、業務上の必要性の範囲内において適正な運用に努めてまいりたいと思っております。

高山委員 私が特に問題にしたいのは、道路特定財源から支払われていたという地方整備局の去年の二十三億円ですね、二十三億円もタクシーチケットが道路特定財源から使われていたということなんですけれども。それは、ことしもまた要求してきているわけですか。二十三億円分使われていたということですけれども、あれだけ何かあって、これからタクシーチケット代減らさなきゃと言っていたのに、環境省なんか全廃しているんですけれども、またことしの二十一年度の概算要求で同じぐらいの額を要求してきているんですか。

金子副大臣 今御答弁申し上げましたように、前年に比べまして九千六百十三万円を減額して要求をしておりますし……(高山委員「それは本省分ですよね。地方整備局分」と呼ぶ)はい。地方整備局につきましては、今、予算編成に向けて検討を進めておりまして、予算要求段階では、具体的な事業箇所とか事業内容を確定できませんので、細部にわたる積算ができないものですから、タクシー代としての要求は今行っておりません。

高山委員 いや、もともとその地方整備局は、タクシー代じゃなくて、いろいろな事業の中で、道路特定財源でどおんと来たお金の中から事務費だということでどんどんどんどんタクシーチケットを買っていたんだと、それで二十三億円にもなっていて、それが問題じゃないかという話をしているんですけれども、どう改まっているのか、ちょっと教えてください。

金子副大臣 今御指摘のとおり、これまでは調査費とか測量試験費等から必要なタクシー代を捻出しているわけでありますが、先ほど申し上げましたように、来年度の予算の編成段階において、予算科目の見直しを行いまして、タクシー代を明示する方向で今検討しております。

高山委員 概算要求段階では明示していないんでしょうか。

金子副大臣 今、予算編成に向けてやっているわけで、それについては明示をしておりません。

高山委員 費目を明示しないでやる、昔ながらの、道路特定財源で国土交通省の中だけで物事を決めていた時代と、結局これじゃ同じ出し方じゃないですか。だから、財務省で中川大臣が、国土交通省のタクシー代、では減らさなきゃということで見ようと思っても、費目で上がってこなかったらこれは減らせないですね。だから、結局、同じだけ要求してきているんじゃないですか。

金子副大臣 これまでは、先ほど申し上げましたように、調査費とか測量試験費で出していたものを、これからはタクシー代を明示する方向にするということでございますので、大きく変わっていると思いますけれども。

高山委員 ちょっと、繰り返しませんけれども、今まさにその予算の査定をしているときなので、今明示してくれなかったら、来年の査定、しようがないじゃないですか。きのう私が聞いた時点では、実は明示するとは言っていなかったんですよね、担当の人は。だから、今、これは答弁でそういうふうにすり抜けようとしているんでしょうけれども。明示する、しかも方向みたいなことだけで、そういうことで結局国土交通省のタクシー代を確保しようというような、そういう魂胆がありありだと思うんですけれども。

 それ以外にも私はもう一つ伺いたいのは、ガソリン税の無駄遣いの話で、道の相談室という事業があると。道についての何か相談を受け付けるという、電話で。年間七千万円近くも委託費を使っているにもかかわらず、一日十二、三本しか電話がかかってこないというのがあるらしくて、それは、私、視察に行ってきて、そしたら急に閉鎖になって、一時、業務を何かちょっと閉じたりとかやっていたみたいなんですけれども、これについて伺います。

 来年度もこの道の相談室というのは要求しているのかどうか、今の概算要求段階で教えてください。

金子副大臣 今委員から道の相談室についてのお話がありましたけれども、道路行政においては、いろいろな問い合わせとか意見とか要望等がございます。例えば、落石があったから危ないからとか、ここは歩道を広くしてくださいとか、あるいは中央分離帯をつくってくださいとか、道路が渋滞をしているとか、そういういろいろなものがあるわけであります。

 関東につきましては、これまでもかなりのお問い合わせというのはございます。平成十七年が二千九百六十三件、十八年が四千十九件、十九年が五千四百十八件、二十年は三千六百件、これは十月まででございますが、国民の皆さん方のそういうものにきちんと対応して、たらい回しをすることでなくてワンストップサービスでできるということで、私は、これは大変重要な事業だと考えております。

 さきの国会で、契約の方法、随意契約だったじゃないかということで、十八年は随意契約だったものを、十九年には一般競争で契約をしておりますし、二十年度においては、十月まではこれは一般競争だったんですが、ことしの十一月からは、これまで二十四時間でこの道の相談室を開いていたんですが、それを平日昼間の受け付けに変更いたしまして、職員のみで今対応をしているところでございます。

 専用スペースも廃止をいたしましたし、今言いましたように、契約方式の見直し、受け付け時間の短縮など、見直しを進めております。また、試行的に、今言ったように職員の対応もしておりますので、これからも、きちんと国民が理解のし得る、そういう相談室であるために頑張ってまいりたいと思います。

高山委員 もう時間が来ましたけれども、今の金子副大臣の答弁を聞いていますと、結局、あれだけ国民が注視して、道路の無駄遣いをやっても、また同じことを要求してくるわけですよね。

 これは最後にちょっと財務大臣に伺いますけれども、民間では、とにかく、これだけ不景気になったので、計画の見直しですとかどんどんどんどんやっているわけですから、国の方でも、ずうっと去年どおりの計画をたらたらたらたら続けるというような予算編成と計画のチェックの仕方というのは改めていただきたいと思いますが、時間ということですので財務大臣の答弁も結構です。

 これで終わります。

枝野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時九分散会


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