衆議院

メインへスキップ



第2号 平成22年4月21日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十二年四月二十一日(水曜日)

    午後四時開議

 出席委員

   委員長 今村 雅弘君

   理事 岡本 充功君 理事 郡  和子君

   理事 中川  治君 理事 柚木 道義君

   理事 吉田  泉君 理事 秋葉 賢也君

   理事 木村 太郎君 理事 東  順治君

      網屋 信介君    五十嵐文彦君

      石田 芳弘君    石津 政雄君

      大西 健介君    柿沼 正明君

      金森  正君    櫛渕 万里君

      後藤 英友君    笹木 竜三君

      城島 光力君    菅川  洋君

      空本 誠喜君    高橋 英行君

      玉木 朝子君    土肥 隆一君

      樋口 俊一君    本多 平直君

      松本 大輔君    三輪 信昭君

      宮崎 岳志君    谷田川 元君

      柳田 和己君    伊吹 文明君

      石原 伸晃君    田中 和徳君

      中村喜四郎君    細田 博之君

      高木 陽介君    与謝野 馨君

      小泉 龍司君    鳩山 邦夫君

    …………………………………

   財務大臣         菅  直人君

   文部科学大臣       川端 達夫君

   厚生労働大臣       長妻  昭君

   農林水産大臣       赤松 広隆君

   経済産業大臣       直嶋 正行君

   国土交通大臣       前原 誠司君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     平野 博文君

   国務大臣

   (行政刷新担当)     枝野 幸男君

   内閣官房副長官      松野 頼久君

   総務副大臣        渡辺  周君

   財務副大臣        野田 佳彦君

   文部科学副大臣      鈴木  寛君

   内閣府大臣政務官     泉  健太君

   内閣府大臣政務官     津村 啓介君

   外務大臣政務官      西村智奈美君

   防衛大臣政務官      楠田 大蔵君

   会計検査院長       西村 正紀君

   会計検査院事務総局次長  河戸 光彦君

   会計検査院事務総局第二局長            小武山智安君

   会計検査院事務総局第三局長            斉藤 邦俊君

   会計検査院事務総局第四局長            金刺  保君

   会計検査院事務総局第五局長            真島 審一君

   決算行政監視委員会専門員 尾本 哲朗君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十一日

 辞任         補欠選任

  石津 政雄君     樋口 俊一君

  田嶋  要君     柿沼 正明君

  松本 大輔君     空本 誠喜君

同日

 辞任         補欠選任

  柿沼 正明君     田嶋  要君

  空本 誠喜君     松本 大輔君

  樋口 俊一君     石津 政雄君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十年度一般会計歳入歳出決算

 平成二十年度特別会計歳入歳出決算

 平成二十年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成二十年度政府関係機関決算書

 平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

今村委員長 これより会議を開きます。

 平成二十年度決算外二件を一括して議題といたします。

 これより総括質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。本多平直君。

本多委員 民主党の本多平直です。

 きょうは、決算行政監視委員会での本格的な議論のトップということで議論をさせていただく機会をつくっていただきまして、ありがとうございます。

 私たち、与党になりましたけれども、決算行政監視という部分では、政府に対していろいろ質問をして明らかにしていくという役割は変わらない部分があると思います。特に、今回は二十年度決算ということですので、過去の政府の決算ということになりますので、しっかりと審議をしていきたい、そのように考えております。

 私たち国会議員に、決算をきちんと見ていく、決算という狭い意味だけではなくて国の財政をきちんと見ていくときに、やはり、どれだけ情報が私たちに提供されるかということが非常に重要になるという観点から、きょうは、二つの例を挙げて、もう少し情報を出していただいた方がわかりやすいんじゃないかなということを提案してお話をしたいと思います。

 その二つの例というのは、一つは、私たちはずっと今、民主党の中で、この決算行政監視委員会のメンバーと財務金融のメンバーで特別会計を一つ一つ勉強して、無駄遣いがないかというのを洗い直しています。その一つの外国為替特別会計をちょっと例に挙げたいなと思っております。それは私がちょうど担当しているということもございまして、菅財務大臣に御質問したいと思います。後半は、外交案件、防衛案件というのは、なかなかこれは表に出しにくいところがあるんですけれども、そこのところを、これでいいのかという問題提起をさせていただきたいと思っております。

 まず、外国為替特別会計からお話をさせていただきたいと思います。

 今、保有外貨資産というのは、百兆円の規模で、私たちの国は米国債を中心に持っているというふうに私は理解をしております。しかし、この正確な、例えば米国債がどの割合でというようなことは、全く真っ黒塗りで開示をされていないというのが今の現状でございます。

 こういう情報公開のあり方というのは、私たちも、例えばこの審議をしていくときに、もちろん、すべてを直後に明らかにしていきますと、為替相場に大きな影響を与えたり、いろいろな思惑絡みになることもあり得ますので、一定の期間隠すということはあり得るかもしれないんですけれども、ずっと未来永久にわたってこういった情報が開示されない中で百兆円規模の資金が動いているというのは、やはり財政透明化の観点からしても少し問題があるんじゃないかなと思っておるんですけれども、菅大臣の見解をお聞かせいただければと思います。

菅国務大臣 本多平直議員からこういう形で質問を受けるのはもしかしたら初めてかもしれませんが、いろいろこの外為のことについて研究をする中での御質問ということで、お答えさせていただきます。

 私自身も、この外国為替の特別会計というのはいろいろな意味で注目をされておりますし、どんな性格のものなのか、また、運用に当たってはどういうことを考えなければいけないのか、いろいろと事務方からの説明に加えて関係者からも話を聞いております。

 御承知のように、今、日本は、中国に次いで世界で第二番目の規模の約一兆ドル、円にして百兆円前後の外貨を保有しております。外為の準備の規模がどうだという問題もありますが、今の御質問は、その中身をもう少し開示していいのではないかという趣旨の質問だと思っております。

 外国為替に関する情報開示については、平成十九年秋以降、その運用利回り、国債か非国債かということや満期別の構成割合の公表は既に行ってきており、そういった意味では、他のG7諸国と比べても、開示の範囲については、この部分ではそう遜色ない水準になっている、このように思っております。

 ただ、通貨構成について確かに開示がされていないということで、通貨は、それをどういうものを持っているかというのが為替にも影響を与える、そういったところから、この点についてはまだ開示がされていないというふうに認識をしております。

 今後とも、市場における取引に影響を与えない範囲で、外為特会の情報開示に一層の改善の余地はないか検討していきたい。そういう検討について、またこれからも本多議員の方からも、こういう点なら、今も言われたように、多少時間を置いたら、過去の、例えば十年前の記録ならいいのではないか、もしそういった案があれば大いに検討材料にさせていただきたい、こう思っております。

本多委員 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 私も、今非常に規模が大きいので、アメリカなどは割とホームページで公開をしたりしています、事情が違うということも財務省の官僚の方からお聞きをいたしておりますので、それとそのまま横並びでというわけにはいかないとは思っています。しかし、今、菅大臣からも申されたとおり、未来永劫に通貨の比率がわからないというようなことではやはり私たちも外国為替の状況というのをつかめませんので、何年かたった後にはその程度の情報を公開していく、このことをぜひ御検討を省内でお願いしたいと思っております。

 さて、続きまして、関係があるんですけれども、その保有外貨資産のところというのは非常に黒塗りなわけですね。そうだとしたら、規模は非常に小さくなるわけですけれども、この外国為替特会にも、いわゆる事務経費というか、出張旅費とかそういうものがあるんです。これに対しては、ちょっと一点だけ大臣にお願いをしておきたいなと思うんです。

 私は、この委員会に所属してから、決算書というのを持ち歩いていろいろ見ているんですけれども、要するに、外国旅費の総額が一億二千万とかと出ていても、私たち、ああ、そうなのというだけで、全く審議のしようがないんですね。それで、実は、私たちの党内でやっている外為のチームでは、もう何週間も前から、何か怪しいというわけじゃないんですけれども、ひとつ決算というものをミクロで見ていく必要があるんじゃないかと。

 何となく総額を見てこれまで流してきた部分をちょっとミクロで見てみたいなという例で、この外国の旅費を、どういう会議に出て幾らかかっているんですかということを出してくださいとお願いしていたんですが、きょう、この質問が急に決まって、あの件はどうなったんだということで、非常に夜遅くなって出てきた資料を見ますと、何か幾つもの会議をまとめて、アメリカ合衆国ほかとか、ウズベキスタンほかで、まとめの金額が出てきて、全く意味をなさない。

 こんなのでは何を言っているんだかわからないよということで、きょう、非常に夜遅くまで作業をさせてしまったのかもしれないんですが、別にきのう言ったわけじゃなくて、何週間も前から言っていることなんです。ようやく出てきた資料には、今度は、会議の名前が、この一億二千万円の外国旅費の内訳は出ているんですけれども、会議ごとには出て、人数は出ているんだけれども、経費は出ていない。

 要は、一度もう作業されているわけですから、私たちのこの決算委員会の審議が始まるまでに、一つ一つのところの、ここのミクロの数字を出してくださいと言ったら、もうちょっとスピーディーに開示をしていただくようにしないと、本当に大まかな総額の数字だけで決算を見るということになってしまうんですね。

 ですから、今後、そこのところをぜひ改善していただけるように御努力をいただけないかというお願いですが、いかがでしょうか。

菅国務大臣 一般的に言っても、予算を議論するときはいろいろ、あるいは予算の獲得といいましょうか、それは非常に活発に行われるわけですが、では、ついた予算が本当に目的に沿って有効に使われているかという点では、もちろん決算委員会などでしっかり議論はあるにしても、必ずしもタイムリーに、あるいはわかりやすく開示がされていないという思いは私も従来から持っております。

 そういった意味で、今、具体的な指摘として、特別会計という形ではありますが、外国旅費についての開示ということで、このような形でしか開示できないのか、あるいは今の本多議員からのように、いついつ何人でこれだけかかった、足したら出ている数字のこれだけになりましたとごく普通に開示できないのか。それは私も今初めて具体的なことは聞きましたので、またきちっと検証させて、機会があればちゃんとお伝えしたいと思います。

本多委員 ありがとうございます。

 時間をかければできるんでしょうけれども、こういう審議があることはわかっていることだと思いますので、ぜひ、積み上げの数字というのもスピーディーに開示ができるような仕組みを各役所でも御努力いただければありがたいと思っております。

 順番が前後して申しわけないんですが、せっかくの機会なので政策論を一つお伺いしておきたいんです。

 百兆円規模の外貨資産保有というのは、これは開示はされていないんですけれども、米国債中心、つまりドル資産なわけですね。この規模というのが非常に大き過ぎるんじゃないか。これは、一遍に売ったりするとそれはまた為替が逆に振れますから問題なんですけれども、この規模を適宜見直していく必要というのはあるんじゃないかと私は思っているんですが、それに関しての財務大臣の御見解を一点だけお聞かせください。

菅国務大臣 先ほども申し上げましたように、今、日本は、一時変わったりしますが、中国に次いで世界第二の規模の外貨準備を保有しているということは御承知のとおりです。

 私も、外貨準備が百兆円という極めて大きな規模で、他の国に比べてもやや突出をしているということで、これだけの規模のものがなければならないのかということを時折議論しております。中国などがこれだけ大きな規模になったのは、やはり為替介入でドルを買うということが続いた結果だろうというふうに言われておりまして、我が国も、そういう意味では為替介入を、最近は余りやっておりませんが、一時期大きくやっておりまして、そういったものの結果が今日の規模になっている。

 そして、為替相場が落ちついたときに売ることができないのかということも多少の議論をしておりますが、一般的には売るということは円高を誘導することになりますので、私の理解では、必ずしも積極的にこの規模でなければならないからこの規模になったというよりも、そういう為替介入、どちらかといえば、ドル買いをやってきた結果がこういう水準になって、それを縮小することは逆に円高を誘発することにもなりかねないということでこの水準に維持をされている、そういう結果を生んでいるというふうに思っております。

 そういうことで、この面は若干慎重に考えなければいけませんが、本来あるべき姿、国によってかなり状況が違いますので、場合によってはまたいろいろと検討してみたい、このように思っております。

本多委員 それでは、次のテーマに移らせていただきます。

 私、前回の任期のときから、インド洋の補給についてもうちょっと情報開示をすべきじゃないかということを言ってきました。そのテーマの一つとして、インド洋で給油をしている自衛艦が補給のために立ち寄っている国名ぐらいは明らかにしろということを、ずっと防衛省と、前回の任期のときも二回ぐらい委員会でやりとりをしました。船が入っているわけですから見えるわけですね。もちろん安全性とかいろいろな問題はありますけれども、開示をすべきじゃないか。自民党の政治家などは自分のビラにその国名を書いてばらまいていたりしまして、事実上秘密の意味をなしていないことが国会では秘密扱いにされている。

 前回、二〇〇四年の審議でも大野大臣は、ではオペレーションが終わったら出しますよ、相手国もそうなったら了解するでしょうということを言っているんですが、楠田政務官、どういう状況でしょうか。

楠田大臣政務官 本多委員にお答えをさせていただきます。

 まず従来の流れでありますが、海上自衛隊の派遣艦隊の具体的寄港国名については従来より公表を差し控えているところでありますが、その理由といたしましては、まずは、当然、実際の法が続いているときは自衛隊の部隊の安全確保というのが第一点、そして二点目として、寄港する国との信頼関係を総合的に考慮して判断してきたというのが我々の見解であります。

 平成二十二年一月に法が失効しまして今の状況を迎えているわけでありますが、我々といたしましては、しかし今なお、引き続き、寄港する当該国との信頼関係を損なわないようにする等の観点から、公表することは差し控えたいと考えております。

本多委員 安全性の問題というのは、終了しているのでクリアをされていると思います。外国との信頼関係ということが問題になると思うんですけれども、これに関しての外務省の見解をお聞かせください。

西村大臣政務官 お答えをいたします。

 大筋、先ほど楠田大臣政務官がお答えになったことと同じでございます。

 従来公表を差し控えてきた補給支援特措法に基づく海上自衛隊派遣艦艇の具体的な寄港国名でございますけれども、やはり、部隊の安全確保の点、そして寄港する国との信頼関係を総合的に考慮して判断をしてきておりまして、今も明らかには、公表にはなっていない、公表することを差し控えているという状況でございます。

本多委員 今現在の状況でいうと、いろいろな事情があるというのは外務省、防衛省からも説明を聞きました。

 新たに始まりました海賊対策のオペレーションなどでも関係国があり得るというようなこともこれあり、今すぐということは私もなかなか難しいのかなと思うようになりましたけれども、全然話は違いますが、これは先ほどの外為特会の話と同じで、未来永劫、日本の自衛艦がどの国に行っているか、それも単に一回立ち寄ったとかじゃないんですね、何年かにわたるオペレーションでその港に寄ってということは、事実上ある程度の非常な協力関係を結んでいるわけです。

 そういう国名を国会にこれだけ長期間にわたって明らかにしない、事後もいつまでも明らかにしないというのは、私はこれからの国際貢献のあり方などを考えるときにも障害になると思いますので、何か前向きな、将来的な御検討はできますでしょうか。

楠田大臣政務官 大変重要な御指摘をいただいております。情報公開というのは非常に重要であること、我が国の自衛隊が活動したものに対して国民の皆様に評価をしていただくこと、これは非常に重要だと考えております。

 ただ、一点、私が実際に中東にも一月に赴きまして考えたことでもありますが、先ほど、かつて自民党の議員さんがそういう国を挙げていたという話がありましたが、私が考えます相手国との信頼関係は、中東との、またイスラム国家との、アフガニスタン等々、海賊も含めて、そうした複雑な国際関係の中で、中東のある国が欧米諸国に協力をしているということを自国が認めてしまう、それをアナウンスされてしまうということ自体がやはり非常にリスクがあるといいますか、今までの信頼関係、中東の中での信頼関係も、イスラム国での信頼関係も失ってしまう、そのような関係もあると思っていますので、その点では慎重にならざるを得ない点もあるということを御理解いただきたいと思います。

本多委員 その状況、そういうことだと思うんですが、外務省としてはどうでしょうか。

 今後、相手国の了解ということがポイントになっているわけですから、相手国が拒否したらそれはなかなか難しいと思いますけれども、例えば、相手国に、国会でこういうふうに言われているんだということを交渉してみる、直近のこの課題に関してはそういうアプローチができないか。それから、もうちょっと先の話でいえば、事後の情報公開のあり方というのはもうちょっと検討していただかないと、このままだと未来永劫、どこの国に行っていたのかわからない。

 これは、実は決算で、油の値段がその土地ではどのぐらいだったのかという話とも関係して話題になっていましたので、ぜひ前向きに御検討いただけないかということなんですが、外務省、いかがでしょうか。

西村大臣政務官 おっしゃるように、決算行政に係る部分と非常に密接をした寄港国の問題だと思っております。

 現時点ではやはり公表を差し控えている、この状況はあるわけでありますけれども、おっしゃるように、既に、寄港している国がどこか、港がどこかということが一部の情報から明らかになっている部分があるという事実もございます。

 しかし、外務省として、相手国との信頼関係をやはり考慮せざるを得ないということはあります。ですけれども、相手政府の了解がなければこれは公表できませんけれども、逆に言えば、あれば公表の可能性はあるというふうにも言えますので、相手政府に対して照会を行う可能性については検討したいと考えております。

本多委員 ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。

 以上で終わります。

今村委員長 次に、木村太郎君。

木村(太)委員 各大臣、皆さん、本当に御苦労さまでございます。理事会でも答弁の方は簡潔にするということの確認をしておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 早速ですが、菅財務大臣、一国の財務大臣として、二十年度決算、これは自公政権時のものでありますが、本当に心から是認をしていただきたいという思いでありますか。

菅国務大臣 ちょっと、質問の趣旨を間違えて理解しては私も困るので。確かに、二十年度の予算というのは、現政権が提出をし、あるいは執行した予算ではありません。

 ただ、決算の審議というのは、まさに国会の機能として決算を審議して、そしてそれを議決するというルールになっておりますので、私の立場としては財務大臣ということでありますから、きちんと説明をして議決をお願いするというのが立場としての仕事であろう、役目であろう、このように思っております。

木村(太)委員 もちろん、それは与党に対してもその思いでありますか。

菅国務大臣 ちょっと、本当にどういう趣旨でお聞きになっているのかわかりませんけれども、決算というのは、私も改めて見ておりますと、予算の場合は、つまり、提出をして議決をすると書いてありますが、決算の場合は、提出をしなければならないと書いてあるだけで、議決ということは必ずしも憲法上の必要条件とはなっておりません。

 その差はどのように考えていいのか私も一〇〇%はわかりませんが、基本的には、その判断は、より多く委員会あるいは国会に、ある意味でそのことも含めた、扱いを含めた判断が任されているということではないか、このように思っております。

木村(太)委員 次に入ります。

 菅財務大臣は副総理も兼ねているわけですが、私ども議員としては質問主意書というものも国会活動での一つの手段であるわけですが、この質問主意書、返ってくる答弁書が余りにも不誠実、あるいは聞いていることに答えていないというのを強く私は感じております。

 そこで、私は、昨年の天皇陛下在位二十周年の式典について、実行副委員長である菅大臣が天皇陛下の御臨席で居眠りをしていたというふうに指摘したんですが、それに対して答弁書はこのように返ってきているんですよ。「式典副委員長である菅国務大臣及び平野内閣官房長官、式典委員である各国務大臣、内閣官房副長官等の政府の参列者は、式典挙行の趣旨を踏まえ、天皇陛下の御在位二十年を慶祝する気持ちで式典に臨んだ」、こう来ているんですよ。

 居眠りしていたでしょう。どうですか。

菅国務大臣 質問主意書は、私も、一九八〇年に初当選したときに極めて小さな会派におりましたので、よく活用をいたしました。私は、この質問主意書というのは、もちろん大きい会派でも重要かもしれませんが、必ずしも質問の機会の少ない会派にとっては大変重要でありまして、大変私も活用させていただき、いろいろな政策議論や、例えば薬害エイズの問題などの解明にそれを活用させていただいたということを今でもしっかりと覚えております。

 今御指摘になりました在位二十周年の会で、時折ほかの場面でも言われるんですが、私が座っていて目をつむっていると、そのことで、居眠りをしたのではないかという指摘をほかの場面でもいただきました。私は、目はつむっていても、耳も頭もしっかり状況を聞いているつもりですが、ただ、そういう誤解を招くようなことがあったとすればそれは大変申しわけなかった、このように思っております。

木村(太)委員 眠くなるのはみんな同じでして、ただ、事が事だけに、天皇陛下の在位二十周年の記念式典、しかも実行副委員長ですよ。では、居眠りしていなかったと言ってくださいよ。

菅国務大臣 今申し上げたとおり、目をつむっていたことはあったかもしれませんが、耳も頭もきちんと状況を把握しておりました。

木村(太)委員 私が見たのでは、首をかなりこっくりこっくりしていたんですよ。普通は居眠りしたと思いますね。

 では、していないと言えばいいじゃないですか。なぜ言えないんですか。していないと言いなさいよ、言葉で。議事録に残るんだから。していないと言いなさい。

菅国務大臣 私もそう気の弱い方じゃないので、本来ならこういう趣旨の話がこの場にふさわしいかどうかということも申し上げたいんですけれども、あえて先ほど来申し上げているように、私は、目をつむったことはあるかもしれませんが、耳も頭もしっかり状況を把握しておりました、そのことを申し上げているんです。

木村(太)委員 いつか一緒に式典のビデオを見たいと思います。

 同じく、松野官房副長官、私は、あなたは足を大きく広げ、背中をのけぞり、そういう姿勢に見えました。寝ていたでしょう。

松野内閣官房副長官 私も、日ごろから陛下に対しては尊崇の念を持っており、国民の一人として、あの式典には、心からお祝い申し上げたい、こういう気持ちで臨んで出席をさせていただきました。

 御指摘の点でございますけれども、私もそういう記憶は全くございませんで、質問主意書で御指摘をいただきましたので、残っているビデオまた写真等で確認をいたしました。ただ、そのビデオ、写真では確認ができませんでした。このことを申し上げておきます。

木村(太)委員 自分のことをビデオで確認しなければならないということ自体、私は理解できないわけです。だから、私は、お二人の答弁を聞くと、もう認めていると。居眠りはしなかったとはっきり言えないわけですから。普通はそうとりますよ。

 官房長官、万歳の作法について、私、総理のあの万歳を見てこれも取り上げたんですが、正式なものはない、こう認識しているということを答弁書として閣議決定したんですね。

 私は、別に、法律的に何か決め事が万歳の作法としてある、そういう趣旨ではないんです。例えば、神社の神主さんに聞けば、これが正式な万歳ですよと教えてくれますよ。逆に、私は、閣議を経て正式な万歳の作法はないということを決定したことは、将来に対して一つのマイナスの結論を鳩山政権は下した、こう感じるんですよ。私、地元の神主さんに聞いてもそういうふうに言っていました。どう思いますか。

平野国務大臣 先生が、あの式典で総理を初め皆さんが心を込めて万歳をした、その姿が、その万歳の作法が違うんじゃないか、こういうことでございますが、私も、そういう主意書を含めて、また改めて、きょう先生から質問があるということで調べましたが、正式な作法というものはございません。

木村(太)委員 しかし、全国の神主さんというか、こういう方々は、皆さんは笑っていますけれども、かなり憤りを感じております。(発言する者あり)聞きました。

 では、次に入ります。

 財務大臣、最近、政府・与党あるいは閣内において消費税についての発言が目立っているような気がするんです。しかし、その発言の内容が何かしらそれぞれ違うような感じの印象を持つんですが、菅大臣は、消費税について今後どうあるべきか、また税体系全体の中でどう考えるか、お答えください。

菅国務大臣 現在、私は税調の会長を仰せつかっておりまして、昨年の税調、その時点は当時の藤井財務大臣が会長でありましたが、昨年暮れの税調の二十二年度税制改正大綱の中で、所得税、法人税、消費税も含めたそうした税制全般の見直しを進めていく、特に消費税については、社会保障制度の抜本改革の検討などとあわせて消費税のあり方も検討していこうと。

 こういう形で、現在、専門家委員会をつくって、まずは専門家の皆さんに議論をいただいている、そういう状況にあります。

木村(太)委員 閣内においても、消費税に対する発言の内容を見るとかなり違うような印象を持っていますので、この辺、やはり閣内においてきちっと調整しながら、一番責任ある菅大臣がそのことを努力していただきたいなと考えております。

 それから、二十三日から事業仕分けの第二弾がスタートをするということですが、決算の是認を提案している財務大臣は、この事業仕分けというものをどう位置づけ、とらえておられますか。

菅国務大臣 これもちょっと趣旨をどうとらえていいのかわかりませんが、事業仕分けは、昨年も、行政刷新会議が中心になっていろいろな事業について、まさに効率的にお金が使われているかどうかとか、そういうことの仕分けを行って、それを行政刷新会議、さらには次の予算の編成に当たってのいろいろな参考にしてきたという経緯は、私もかかわりを持っている立場で知っております。

 ですから、そういうことをさらに今回も枝野行政刷新担当大臣のもとで行われるというふうに考えておりまして、財務大臣としてどうかという御質問ですが、そういうふうな認識を持っているということを申し上げておきます。

木村(太)委員 総務省が実施している政策評価の点検活動というのがありますが、これとこの事業仕分けとの整合性というのはどうなっているのか。政策評価の点検活動と事業仕分けはどちらが意味合いとして重いんですか、総務省。

渡辺副大臣 これまで、原口大臣が就任してから政策評価にまず最初に出したテーマは、一つには競争入札。入札という名前で結果的には一者応札にしかならないようなシステムに対して、これをあぶり出した。そして、今、二十二年度でやることの中、私も提案しましたけれども、技能検定とか、講習とか検定、一般国民から天下り団体が次から次へとある意味では負担をふやしているようなこういうシステムについて、我々はこの行政評価の中に命じました。

 それによって今わかったことは、これは当然、事業仕分けのチームに対してヒアリングした報告をすべてお渡ししています。ですから、非常に連携をしているということでございます。どちらが大事かと言われれば、まさに両輪となってやっているところでございます。

 我々としては、納税者を大事にしない、まさにあしき旧政権下のシステムを一つでもあぶり出す、そのことを全力を挙げてやっているところでございます。

木村(太)委員 会計検査院の役割と事業仕分けとの整合性はどうなっているんですか。

西村会計検査院長 会計検査院は、憲法上、国の決算についての検査機関とされておりまして、内閣から独立した立場で国や国の出資法人等の会計経理を監督する、そしてその適正を期して是正を図っていくということを目的にしております。したがいまして、政府部内に置かれました行政刷新会議とは、その立場、目的等が違っていると思います。

 また、検査院は、個々の会計経理等について、実施状況について検査をいたしまして、この検査においては、正確性とか合規性、経済性、有効性、効率性等の観点から検査を行いますが、その中で問題等があると認めました場合には、指摘をし、また検査報告に掲記をしております。そういう中には、国会あるいは政府等で予算編成等に活用していただくようなものもあるかと思っております。

 以上です。

木村(太)委員 菅大臣、今、総務省と会計検査院から答弁がありましたが、この政策評価の総務省の仕事、それから会計検査院の仕事、これに事業仕分けというものをゆだねる、そっちの方が効率いいと思いませんか。

菅国務大臣 先ほど申し上げましたように、行政刷新会議というのは担当は枝野大臣のもとにありまして、総理が議長で、私も行政刷新会議のメンバーでありますから、そういう立場で答えることはもちろんできますけれども、今言われたようなことのトータルのことを検討する担当の責任を私自身が持っているわけではないということをあらかじめ申し上げておきます。

 その上で申し上げれば、今それぞれ総務省なり会計検査院からもお話がありましたように、ある意味で共通した部分もあると思いますけれども、それぞれの特徴を持った立場での検証だと。例えば、政策評価は基本的には各府省がみずから自分たちのやったことについての評価を行うということでありますし、また、会計検査院は内閣から独立した立場で国の会計経理を監督するという立場でありますし、また、事業仕分けは冒頭申し上げたような位置づけでやっておられるわけであります。

 そういう意味では、事業仕分けや政策評価あるいは会計検査院などが、それぞれの特徴を生かしながらさまざまな改革に取り組んでいくということは、私は大変重要なことであろう、このように考えております。

木村(太)委員 菅大臣に聞きますが、国権の最高機関である我々国会、この国会の決算行政監視委員会の役割も、事業仕分け的な役割をしたらいいのではないかという期待をする気持ちはありますか。

菅国務大臣 実は私は、かなり以前、野党であったか自社さ政権であったか忘れましたが、国会に、アメリカで言うGAO、ジェネラル・アカウント・オフィスという、会計検査院的な機能をつくるべきではないかということで法案を提出したことがあります。当時、大議論がありまして、国会が行政にいわば勧告とかなんとかで口を挟むのは三権分立に反するのではないかということを、当時の総務庁でありましたか、行政監察局の局長と大議論をやったことがあります。

 私は、今言われたように、国会は国権の最高機関であって、総理大臣を実質的に選ぶ機関でありますから、当然、行政がやったことに対して国会がいろいろと、ある意味で検査をしたり、場合によったら勧告したり、場合によったら、将来、おかしなことをやれば予算はつけないということも可能なわけでありますから、そういうことをやることはあり得ることだと思っています。

 ですから、そういった意味では、この決算行政監視委員会がそうした機能をどこまで持たれるか、これは国会の中で議論されればいいと思いますが、比較的積極的な機能を認めるべきだというのが私の個人的な思いであります。

木村(太)委員 理事会で、私ども野党の方から吉田与党筆頭理事の方にそういう議論をさせていただいていまして、今、大臣のそういう期待の御答弁もありましたので、委員長、一度議運の委員長ともお話し合いしていただいて、政府が事業仕分けというものをやっているわけですから、国権の最高機関である国会のこの決算行政委員会の果たすべき役割を一度検討するということで、御努力ください。

今村委員長 ただいまの件につきましては、理事会の協議を含めまして、検討を進めてください。

木村(太)委員 経産大臣に聞きます。

 核燃料サイクル事業を鳩山内閣としてどう進めるのか。あるいは、ちょっと具体的に言いますが、高レベル放射性廃棄物の最終処分地を青森県にしないと閣議決定すべきではないか。それから、先般、大臣が、青森県や六ケ所村に低レベル返還廃棄物の受け入れを要請したということですが、その前に、内閣として、政府として、あるいは政府・与党として、統一した見解を持ってからこういうことに対応すべきではありませんか。

直嶋国務大臣 まず、核燃料サイクルを含めて、原子力については、エネルギーの安定供給だけではなくて、今後の低炭素社会の実現に不可欠であると考えております。したがいまして、安全を第一としながら、また国民の理解と信頼を得ながら、核燃料サイクルを含む原子力利用を着実に推進していくというのが、鳩山内閣の一致した方針でございます。

 最終処分場の関係については、先般も私は青森県に参りましたが、知事も、青森県をそういうふうにしてほしくない、こういう御要請がございました。そのことは承りまして、私も、知事の御意向に反してそういうことを決定するつもりはございませんということを明確に申し上げてまいりました。

 政府・与党内というお話でございますが、先ほど鳩山内閣の方針ということで御説明させていただいたとおりでございます。

木村(太)委員 でも、青森県にいますと、民主党の国会議員も原子力政策に反対のことを言うんですよ。ましてや、社民党は、直嶋大臣が青森県に低レベルの要請をしたのを受けて、社民党県連は青森県に抗議するんですよ。

 鳩山内閣に抗議すればいいでしょう。なぜ青森県に抗議するんですか。青森県はお願いされている立場ですよ。これはおかしいと思いませんか。青森県にお願いしているんでしょう。

直嶋国務大臣 私は、出かけていって、青森県にお願いをしました。そのことは何もおかしいとは思っておりません。

木村(太)委員 だから、連立を組む社民党は、受けるなと抗議しているんですよ。また、民主党の青森県から出ている国会議員も批判しているんですよ。

 おかしいでしょう。どう思いますか。

直嶋国務大臣 この原子力の問題については、国民の皆さんの間にもいろいろな意見がございますし、政党それぞれに考え方の違いもあると思いますし、同じ政党内でも、また県連の中でも考え方が違うかもしれません。そういうさまざまな御意見があることは承知をいたしております。

 ただ、政党がどこへどういうことを申し入れるかは、これはもう政党の御判断でございまして、私どもがとやかく言う筋合いではないというふうに思っております。

木村(太)委員 厚労大臣に聞きます。

 情報処理技術者養成施設、地域職業訓練センターを廃止するということでありますが、基準をクリアしている青森県の施設も廃止するんですよ、基準をクリアしたのに。そうしたら、民主党県連代表が、地方を切り捨てる小泉政権と同じだ、こう言っているんですよ。どう思いますか。

長妻国務大臣 今のお話は、雇用・能力開発機構にぶら下がっている職業訓練の場所でございますけれども、そもそも雇用・能力開発機構、いろいろ、私のしごと館とかスパウザ小田原とか、大変浪費の箱物が多いということで、今、徹底的にその見直しをしている状況でございます。

 そして、今御指摘いただいたのは、コンピューターカレッジ、地域職業訓練センターのことだと思いますけれども、これについては、我々は廃止ということを申し上げているのではなくて、今年度中に地方と交渉をして、これを地方に移管していこうというようなことで、地方が受け入れやすい条件を御提示して、それを今後進めていく、必要な場所については地方で続けていただくということで、今、今後交渉を進めていくという予定にしております。

木村(太)委員 違うんですよ。充足率を満たしていればということの条件をつけて、ちゃんとそれを満たしているんですよ。だれもそんなこと納得していませんよ。民主党の県連代表が批判しているんですから。

 もちろん、充足率を満たしていなければ、それはルールに基づいて整理した方がいいですよ。しかし、満たしているんですから。ことしも入学式が行われたんですよ。もう少し丁寧な考え方で、いま一度再考願いたい。

 時間になりましたので、せっかくお越しいただきました大臣の皆さんには失礼いたしました。ありがとうございました。

長妻国務大臣 我々は、これは地方と国の役割分担ということで、本当に必要なものは、国でやるべきものはやっていく。そして、地方が必要だと考えるもの、役割分担で、地方がやるべき、担っていただくべきと考えるものは地方にやっていただくということで、これから交渉の条件や譲渡の条件を地方が受け入れやすい形で提示して、丁寧に丁寧に我々としては交渉していくということでございますので、御理解をいただきたいと思います。

木村(太)委員 終わります。

今村委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 民主党の柚木道義でございます。

 きょうは、優秀な新人の皆さんもたくさんいる中、こうして質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。また分科会で皆さんにも質問の機会もあるようなので、チャンスをいただきまして、ぜひよろしくお願いいたします。

 まず、多少通告順が前後することがあるかもしれませんので、御了承いただきたいと思います。

 早速質問に入ります。

 菅財務大臣にお尋ねを申し上げます。

 大臣は、この十二日に東京都内の日本外国特派員協会で講演をされまして、消費税率の引き上げについて、増税をしても使う道を間違わなければ景気がよくなる、財政健全化法案については、財政健全化だけではなくて、成長と社会保障のあり方も含めた国会での議論の場をつくっていこうと準備を進めているとされておりまして、成長戦略や社会保障のあり方も法案に明記する方針を示されたと報じられています。

 使い道を間違わなければ景気がよくなるというのは、成長につながる分野に投資することで景気が上向くという意味だと思われますが、では、どのような分野に重点投資すべきなんでしょうか。それにふさわしい投資分野として、私から一つ提案をさせていただきたいと思います。

 それは、今、実は党内の経済産業政策会議の中で成長戦略を、この週末、金曜日までに取りまとめることになっておりまして、メンバーの方もきょういらっしゃるかもしれませんが、この中の一つに、医療を通じた成長産業化、例えば国際健康観光総合特区構想、国際健康観光なので略してKKK構想と呼んだりもしますが、こういった構想。

 それは、医療、介護などの健康関連産業はこれまで、国の財政上、金食い虫、自然増毎年一兆円、そんなところを言われてきたわけですが、この発想を転換いたしまして、例えば、外国に負けている医療機器、医薬品、いずれも輸入超過でございます、その開発、実用化を進め、国内でのシェアを高めたり、あるいは将来的には輸出産業に育てる。あるいは、検(健)診や治療にかかわる患者さんを海外から呼び込む。

 そのためには、医療機器、医薬品の開発と医療ツーリズムを組み合わせた総合特区で規制緩和や補助金、融資の重点配分、さらには外資の誘導などを進めることが必要で、こういった健康関連産業の成長産業化を実現することで、例えば、今後十年間で、市場が十三兆から二十五兆円、雇用が百五十万人から二百三十万人、あるいは八兆円の医療費適正効果、つまりは、社会保険料や税負担によらない医療再生、医療立国につながるわけであります。

 この医療健康関連産業の成長産業化こそが、菅大臣がおっしゃられている成長戦略と社会保障のあり方を考える上で大変にふさわしいテーマだと私は考えるわけでございますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

菅国務大臣 私の講演の中から、特に成長分野への財政出動が重要である、そのことを踏まえた中で健康関連産業のことの御指摘がありました。

 御承知のように、昨年の十二月三十日に新成長戦略というものを発表し、六つの分野を指摘し、その中に、まさにライフイノベーションと言われる健康分野を柱として盛り込んだところであります。

 そういった意味では、今、党の方で、柚木議員を含めて、いろいろこういった問題を積極的に議論されていて、今お話がありました国際医療観光総合特区制度、こういった形の検討をされている。まさに、アジアの成長も含めて、医療、観光、アジア、それにまたがる課題をしっかり受けとめていただいていると思っていまして、ぜひそういうものが実現できるように私も私の立場で努力したい、こう思っております。

柚木委員 ありがとうございます。

 副総理として、成長戦略部分も国家戦略担当大臣とともに所管もされていらっしゃるということを伺っておりますので、今の力強い御答弁をいただきまして、本当に前向きにお進めいただけることを期待したいと思います。

 続きまして、今申し上げました国際健康観光総合特区構想、医療総合特区ということになると思いますが、この推進について国家戦略室の担当政務官にお尋ねを申し上げます。

 仙谷国家戦略担当大臣は、医療観光を振興するために、医療滞在ビザの創設や、外国人医師の国内診療を認める規制緩和などを含む特区創設の検討を枝野行政刷新担当大臣に要請されています。

 仙谷大臣が提案された医療観光に向けた規制緩和に加え、医療機器や医薬品などの開発、実用化に向けた税制優遇や補助金、融資の拡大、治験の大幅な期間短縮などを組み合わせた医療総合特区を創設し、さらに、特区の中で、先進医療を受けられる評価療養の範囲を拡大するという仕組み、つまりは、仙谷大臣がおっしゃるインバウンドの側面の政策に加えまして、外に出すというアウトバウンド政策を組み合わせることによる相乗効果を実現するための医療総合特区の推進、そして先進医療を含む評価療養の拡充についてぜひ推進をいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

津村大臣政務官 御質問、ありがとうございます。

 健康関連産業は大変大きな需要が見込まれる産業でございまして、成長戦略の基本方針におきましても、ライフイノベーションという形で、成長牽引産業として位置づけたところでございます。

 先ほど菅大臣の方からも、国際健康観光特区につきまして、柚木議員御提案の件につきまして、実現できるように努力をしていきたい、議論をしていきたいというお話がありました。私自身も、成長戦略を担当する政務官として、今、室内での議論はもちろんですが、各省との議論、そして最近では党の方の議論にも参加する機会をいただいておりまして、さまざまな角度から議員の先生方の御議論をいただいているところでございます。

 少し具体的なことも検討している中身を御紹介いたしますと、医療観光、例えば、これは柚木議員からいただいた資料にも出ておりましたけれども、タイでは外国人の患者が〇五年の時点で百万人を超えているであるとか、シンガポールでは外国人による医療関連支出が〇六年の段階で六百億円を超えている、こういった事例も既にアジアで散見をされているという中で、日本でも、この医療観光で海外から人を呼び込む、インバウンドをふやす一方で、さらには、日本発の医薬品、医療機器産業を育成して輸出によってアウトバウンドをふやしていく、こういう観点も重要な政策であると認識をしております。

 医療機器、医薬品の開発や医療観光を推進していく上でさまざまなボトルネックとなっている規制について、いろいろ資料もいただいて御指導いただいているわけですが、こうした規制緩和に関しましては、特区制度の活用は有効な手段の一つであると考えております。

 また、評価療養の拡大、これも大変重要なテーマでありまして、未承認の先端医療技術などに対する患者のニーズにこたえていくための重要なポイントであると認識しております。

 以上、先ほど菅大臣のおっしゃられたことの少し具体的な中身につきましてるる触れさせていただきましたけれども、これから新成長戦略の取りまとめが本格化していくわけでありますので、御示唆いただいた点を含めて、十分検討していきたいと考えております。

柚木委員 ありがとうございます。

 非常に財政難の中にありまして、こういった形での、税負担、社会保険料負担増によらない医療再生あるいは成長戦略化、ぜひ国家戦略として政権一丸となっての取り組みをお願い申し上げて、次の質問に入りたいと思います。

 前原大臣に何点かお尋ねを申し上げます。

 ちょっと時間の関係がありまして、私の方で質問を多少はしょらせていただくところもありますが、御了承ください。はしょるというのは、実は、私自身は、特別会計と天下りスキームの関係について、大臣が今、成長戦略会議の中でもいろいろな尽力をされていらっしゃる中で、例えば社会資本整備特会の空港整備勘定、これは特会と天下りスキームの関係から考えると、まず、事実関係は、空港使用料や航空燃料税をプールして空港を整備するという仕組みがあったために、必ずしも必要とは言えない空港が整備されてきたのではないかというふうに考えております。

 もちろん、赤字の空港がすべて不要というわけではないと考えますが、現在、二十六の国管理空港のうち二十の空港が赤字である。四類型の試算の中の一般財源非配分型、その他の四類型どれも赤字で、その比率は違いますが、いずれにしてもそういう試算がございます。その一因に、まさに空港とそれを取り巻く天下りスキームとの関係があって、この高コスト体質、独法と公益法人とのずぶずぶの随契の関係、こういったことを払拭することが非常に重要かと考えておりまして、その認識の上でお伺いいたします。

 ここに、きょう皆さんにお配りをしている資料を拡大したボードを用意させていただきました。このボードを見ていただきますと、この網かけをしているところがきょう多少触れさせていただこうと思っているところで、十一番目に財団法人空港環境整備協会というものがございまして、役職員数三百七名中、天下りの方が百六十九人、天下り率は五五・〇五%。五五・〇五%ではあるんですけれども、人件費を見ていただくと十六億四千五百六十九万円ということで、この五〇パー以上の国交省所管の公益法人、五十億円の中で最大の比率を占めております。

 この空港整備協会は駐車場管理を任されているわけですが、これは民間であればもっと効率的に運営できると私は考えます。今申し上げた、役職員三百七人中、百六十九人が天下り。そして、平成十五年の会計検査院の検査におきましては、「空港内駐車場の運営者の選定に当たって、複数の者から選定する仕組みを導入して、透明性、公平性及び競争性を向上させることが必要」との指摘を受けております。

 現在、財団法人空港環境整備協会が管理する空港は一体どの程度あるのか。また、今後、その公募を私は拡大する必要があると考えますが、この公募の拡大について、前原大臣、これを積極的に推進するお考えがおありでしょうか。

前原国務大臣 柚木委員にお答えをいたします。

 まず、事実関係からでございますが、空港環境整備協会は、現在国が管理する二十七空港のうち、十八空港において空港駐車場の運営を行っている。そして、同協会が駐車場事業を行っている空港数は、平成十七年一月時点の二十三空港から五カ所削減をし、現在十八空港に減っているということなんですが、これは今、成長戦略会議で二つのことをやっていまして、一つは、空港整備勘定についての抜本的な見直しを行っていくということ、もう一つは、今、枝野行政刷新担当のもとで事業仕分けをやろうとされておりますけれども、国土交通省の公益法人は実は千九十八ありますが、これを政務二役で担当を分けまして、すべての事業仕分けをもう前広に行っております。

 そして、この空港環境整備協会が行っている駐車場業務については、これから切り離す、切り離して、それぞれの空港のターミナル、そしてランウエー、こういったものを一体的に運営していくということで、今、成長戦略会議で整理をされているところでございます。

 基本的には民間にできる天下り法人は要らないということで、国交省みずから仕分けをしておりまして、この空環協については、そういう仕分けを行おうということで今作業を進めているところでございます。

柚木委員 ありがとうございます。

 民間にできること、これの天下り法人は要らないというその大臣のお言葉、リーダーシップをぜひさらに発揮をいただいて、推進をいただきたいと思います。

 さらに、これの一番上をごらんください。財団法人航空保安施設信頼性センター、役職員二百四十四名中、公務員OB天下りは二百三十四名、天下り率は九五・九%、人件費は十三億四千百九十六万円でございます。これも、まあ、天下りを養うための法人と言っても過言じゃないと私は思うんです。

 主な事業収入は航空交通管制機器の保守請負でございまして、これは空港から委託を受けています。事業収入の約九三%が空港整備勘定からの支出で、確かに管制機器の保守は高度な安全性が求められる仕事だと私も考えますが、本当にこの法人しかできないのか。

 これについて、この法人しか本当にこういう業務ができないのかというのがまず一点お尋ねしたいことと、仮にそういう面があったとしても、天下り率が九六%も占めているのは異常だと思われますが、先ほども御答弁ございましたが、この法人についても、その天下り率についても含めて、二点、お答えください。

前原国務大臣 今、政務二役で千九十八の公益法人の仕分けを独自に行っているわけでありますが、国土交通省の方針としましては、民間企業でできる法人については基本的には要らない、あるいは民間企業に再委託をしている法人も基本的には要らない、そういう仕分けをしております。

 今、柚木委員がお尋ねの財団法人航空保安施設信頼性センター、あるいは航空機安全運航支援センターでございますけれども、民間企業参入が一部でも進んでいるものがあるんですね。例えば、後者の航空機安全運航支援センターのやっていることだと思いますけれども、委員の御地元ではありませんが、山口から西、九州、沖縄、石垣、宮古に至るまで、これは民間企業が参入しております。ということは、民間企業でもできるんですね。

 ですから、民間企業でできる公益法人は基本的にゼロベースで見直すということでありますので、できるだけ、今、柚木議員もおっしゃっていただきましたように、航空安全にかかわる大事な仕事でありますので、民間に委託するときには厳しいチェックが必要だと思いますけれども、民間にできることは民間にやっていくということで、独自の仕分けを国土交通省としてしっかりやっていきたいと考えております。

柚木委員 ありがとうございます。

 そういった形で、ほかにも実はありますが、少し時間がないし、たくさんありますから一つ一つ取り上げるわけにもいかないぐらいの状況でございますので、ぜひ今の御答弁の形を本当に実現していただくようにお願いを申し上げたいと思います。

 続きまして、高速道の料金制度について少しお伺いをさせてください。

 当然、国の、あるいは民営化後の資産の有効利活用というのは、まさにこの決算のテーマにもふさわしいテーマだと私は考えますが、まずお伺いをさせていただきたいのは、瀬戸大橋の料金についてでございます。

 これにつきましては、普通車を例にとりますと、今度の六月から試行の料金上限制は、二千円プラス三千円となっております。ただ、これに関連いたしまして、私が承知しております報道によれば、私は岡山の選出ですが、岡山―香川で本四架橋はかかっておりますが、香川県連の小川淳也代表が、昨日、これに関して、瀬戸大橋やJR、フェリーなどを含めた四国の総合的な交通体系を検討する新たな協議会の設置方針を求め、そして大臣が前向きな見解を示されたと報じられております。

 この報道を踏まえますと、今後、一一年度以降の料金見直しに向けてこの新協議会を設置する場合は、その議論の具体的なタイムスケジュールというものが、私は、来年度予算の概算要求の日程を考えると非常にタイトだと思われます。ですから、その新協議会を設置いただけるとして、具体的なタイムスケジュール、これをまず一点教えていただきたいです。

 そしてまた、この協議会の構成メンバーでございますが、先ほど、小川香川県連代表は四国の総合交通体系というふうな言及をされたようですが、私は、やはり本四国の総合交通体系を新たに検討する協議会であるべきであろうと考えます。その場合には、四国四県に加えまして、例えば私の考えでは、対岸であれば岡山県、あるいは三架橋であれば兵庫、広島、さらには出資自治体ということであれば大阪府、大阪市、あるいは神戸市等も含まれてまいります。

 私は、やはりある程度広域的な形での総合交通体系を議論していくことがこの新協議会の構成メンバーとしてふさわしいと考えますが、タイムスケジュールとその協議会の構成メンバーについて、現段階でお考えいただいている部分について御答弁をお願いいたします。

前原国務大臣 御質問いただいている柚木議員や、あるいは先ほど答弁されておりました津村政務官を含めて、宇高フェリーに関する御要望をいただいたわけであります。

 高速道路の、前政権での土日、ETC限定、千円、これによりましてフェリー業界は大打撃を受けるということで、一たんは四国フェリーと国道フェリーが撤退するということを発表し、そして、柚木議員の御尽力もあって協議会をつくって、一たんは運航を継続する、こういうことになったわけでございます。この方式を少し参考にさせていただきたいなと思っております。

 今のところ、六月から行おうとしている試行、なぜ本四架橋のみプラス三千円をいただくかというと、これは今お話をしたフェリーと、それからJR四国への大きな影響なんですね。JR四国と高速バス、そして内航フェリー、こういったものへの影響を勘案して、新たな料金というものをプラスさせていただいているということでございますが、これについても御意見はあります。

 今のところ、六月から来年の三月まで試行という形でやらせていただこうと思っておりますが、多くの、特に四国の皆さん方には、では三千円余分に取らない形でやった場合に、フェリーへの影響とか、あるいはJR四国がどのような状況になるかということについて具体的にイメージをしていただいて、やはり国民が公共交通を選ぶという観点からしっかり議論をしていただきたいというふうに思っているわけであります。

 そのために、今検討しているメンバー、四国地域における交通のあり方に関する懇談会、仮称でございますが、地元自治体、徳島、香川、愛媛、高知、地元の経済界として四国の経済連合会、あるいは、国の行政機関としては四国の地方整備局あるいは運輸局、そしてまた関係事業代表、こういったものに加わっていただきましてまずは議論をしていきたいと思っておりまして、今、柚木委員がおっしゃったように、中国地方も、あるいは場合によっては近畿も入れるということについては御意見として承り、そして、必要があればそういった形に広げて議論をしていきたい、このように考えております。

柚木委員 ありがとうございます。

 フェリーの件では本当にお世話になったと思っております。本当にありがとうございます。

 今、最後におっしゃっていただきました、まさに必要があればその参加自治体を広げていきたい、今後、各自治体の知事さんを初め、やはりいろいろな御要望がおありかと思いますので、そういった点もぜひ重々踏まえていただいて、御尽力いただきたいと思います。

 ちょっと時間が迫ってまいりましたので、あと二点ほどあったんですが、これはもうまとめて簡単に質問を差し上げまして、簡潔にお答えいただければ、恐縮です。

 まず、そういうフェリーに対する配慮等々、よくよく私も承知しておりますが、私は、やはり本来、橋もそうですし高速道もそうですが、利活用を促進していくという側面とフェリー等の公共交通網を守っていくというのは少し別枠でお考えいただくことがなければ、逆にその橋の利用促進が進まない面、非常に御苦労されていらっしゃると思いますが、そのように感じております。

 そこで、今回も、複雑な割引制度を整理することは必要で、上限料金制度の創設によるメリット、これも、割引の廃止によるデメリットの方が実は大きい場合もあるということは御承知かと思います。

 そこで、まず一つは、大口・多頻度割引や通勤割引などの現行の割引、これは大臣も、月曜日の参議院の決算委員会でも、今ある高速道の利活用をするということも非常に重視をされているということでございますので、六月試行後、この動向を本当に調査していただいて、場合によっては激変緩和という形でこれを残すことも必要かと私は思います。

 もう一点続けて伺いますと、本四架橋の部分も、現行では土日、ETC限定、千円プラス千円の二千円でございますが、今回、二千円プラス三千円ということで五千円になる。三千円の負担増、あるいは、もちろん平日でもいろいろな形での負担がふえるケースがございます。

 これも、日銀の地域経済報告の中で、本州は軒並み景気が上向いてきているが、四国は横ばいです、判断が据え置かれておりますので、今後、仮に景気動向等に影響が見られる場合は、この部分での激変緩和措置というのも、場合によっては、私は、この地域経済報告は一、四、七、十月でございますから、来年の本施行前の段階でも、必要な激変緩和の措置というものの導入を御検討いただくことも必要ではないかと思います。

 以上、二点についてお答えいただきます。

今村委員長 前原国土交通大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

前原国務大臣 大口・多頻度、それから夜間や通勤などの割引、これにつきましては、今五割でありますけれども、三割に率を下げはいたしますけれども、激変緩和措置として平成二十二年度の試行ではやらせていただこうと思っております。

 そして、柚木委員がおっしゃったように、あくまでも試行なんです。試行ですので、次の段階、あるいは最終形をどのようにしていくかということは、他の交通機関への影響とか、あるいは渋滞発生、さまざまな要因を勘案して決めていくことになろうかと思います。

 ただ、ベースになるのは、今あるインフラを徹底的に利活用するというところと、物流コストを下げて地域の活性化につなげていく、これが我々民主党の基本的な考え方でございます。他方、今ある公共交通機関というものは、高齢化や環境を重視したときには、移動の権利を確保するために非常に大事だろう。

 したがいまして、交通基本法案というものを今我が省の中で検討しておりまして、この交通基本法に基づいた、さまざまな公共交通への支援体制というものを拡充していき、そして今あるインフラの利活用もやっていく中で、国民に豊かな生活、そして活性化された経済、コスト削減、あるいは、さまざまな方が自由にいろいろな地域に今のインフラを活用して行っていただける、そういった状況というものを、ステップ・バイ・ステップでありますけれども、しっかりと前に進めていきたい、こう考えております。

柚木委員 済みません、ほかの方、来ていただいたのに、時間が来てしまいましたので以上で終わります。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、東順治君。

東(順)委員 公明党の東順治でございます。

 きょうは、せっかくの機会でございます。しかし、にもかかわらず時間が大変短い。それで、私はあえて川端文科大臣お一人においでいただきました。

 きょうは、川端大臣、いわゆる社会で子供を育てるということについて、どういう理念なり哲学なりをお持ちなのか、そういうところを少し議論させていただければありがたい、こう考えております。

 鳩山総理は、人の命を守りたいということを施政方針演説で叫ばれました。私もこれは全く同感でございますし、そういうことを基本哲学として、やはり政治は当然やっていくべきだというふうに考えております。

 政権がかわりまして、高校の無償化ということを実現いたしました。これについても、我が党は元来、やはり高校教育を中心に無償化すべきであるという考え方で来ておりましたので、これは賛成をいたしました。しかし、物事には光と影というのが必ずある。

 そこで、幾ら授業料を無償化しても学校に行けない子供たちがいる。つまり不登校児、あるいは学校を中退する、そういう生徒さんたち、さまざまにあります。それは、授業料がただになったから、さあ学校に行ける、行けないということとはまた別の世界であるというふうに私は思っている。

 今、不登校児が約五万三千人ぐらいいるんですってね。あるいはまた、高校中退児が約六万六千人ぐらいいる。そういう中で、こういう子供たちを受け皿として受けているいわゆるサポート校あるいはフリースクール、こういうものがございますね。まず、こういういわゆる受け皿としての存在を、当然でしょうけれども、大臣、御存じでしょうか。

川端国務大臣 こうして先生と議論できるのは、私も大変光栄でございます。

 御指摘のように、不登校児を中心としてでございますが、なかなか学校に適応できないという子供がたくさんふえています。そういう意味で、いろいろな切り口からそういう子供たちを応援しよう、バックアップしようということがやられておりまして、そういう中の一つに、フリースクールあるいはサポート校があることは承知をしております。

東(順)委員 先般も大変痛ましい事件が起こりましたね。愛知県豊川市、長男が一家五人を殺傷する、その原因は、父親がインターネットの契約を解除したから腹を立ててということで、最初にお母さんから刺して、果ては弟の子供さん、一歳の子まで刺している。その原因がまさに引きこもりなんでしょうね。この人は三十歳の長男。インターネットの契約を解除されたから腹が立ったということで殺した。

 私は、こういう事件は物すごく胸が痛いんですね。こういうものがやはり最近の世の中は頻発してきている、これは大変なことだなと。私は、こういう事件を起こす予備軍みたいなものがたくさん、氷山の水面下に今ふえてきているんだろうというふうに思います。

 そういう中で、いわゆる授業料がただであろうと、あるいはただでなかろうと、学校に行きたくても行けない。いろいろな理由があるでしょう。人間関係だとか教師との関係だとか、集団に適応できないだとか、あるいは家庭内のさまざまなあつれきとか、いろいろなことで、ともかく、ただであろうとあるまいと学校に行きたくとも行けない。こういう人たちをしっかり支えようということで、民間でサポート校やフリースクールというのが行われている。

 私も、あるサポート校に行ってきました。そこは、いわゆる音楽というものをきっかけにして、高校の通信教育も同時に受けながら、高校の卒業資格を取ろうということを目指している。いわゆる通信教育制を推進するところのサポート校なんですね。高校は行けないけれども音楽は自分は好きだと、一生懸命に音楽というものに取り組んで、そこでもって同時に、勉強の意欲を喚起させながら卒業資格まで取りたいということで頑張っている高校でございました。

 ところが、音楽というものを通すわけですから、楽器代とかあるいは設備なんかでやはりどうしてもお金がかかっちゃうんですね。そうすると、年間で百万ぐらい授業料がどうしても要るというようなこともある。しかし、そういうお金を払ってでも、ともかく、我が子が音楽というものを通して立派な社会人に蘇生していくならばということで、親御さんはお金を出す。また、そこで教育に当たっているスタッフたちは、もう体当たりで、毎日命がけで教育しているわけですね。こういうところ。

 あるいはまた、絵画というものを通して、何とか子供たちが社会に適応できるように、通信教育を受けさせて高校卒業の資格だけは取らせてあげたいと頑張っているところもあるんです。

 だから、問題は、そういうものを全部民間にそのまま任せているだけで、果たして日本の社会というのはいいんだろうか。社会全体で子供を育てよう、そういう考え方は非常に大切だ、したがって、そういう考え方に基づいた政治哲学、政治理念というものをもうそろそろ具体化していかないと、民間だけに任せるというようなことでやっていっていると、もう日本の社会は危険水域に入ってきているんじゃないか。

 子供たちの教育を社会全体で育てるというのは、ただ言葉だけがむなしくこだまするような、そういう世の中であってはならないのではないか。人の命を守りたいというふうに強く叫ばれた、そして、そこから出発した新政権です。そこで、文部科学大臣という教育のトップに立っておられる川端大臣が、やはりそういう政治哲学というものを持つべきではないか、そういう理念というものを共有すべきではないか。

 その理念の上に立つならば、今、これからいよいよ始まる事業仕分け、こうありますが、仕分けというのは、何も削っていくばかりが能じゃない。本当に生きた予算の使い方ということであれば、私は、思い切って新しくそういう予算を創出して、プラスの仕分けをして、そうやって民間が必死になって体を張っているのを国も一緒になってやっていこうよ、そして、この国の将来、未来のために社会全体で子供をしっかりと育てていこうよ、こんな痛ましい事件なんかは本当に少なくなっていくように、そういう明るい世の中をつくっていこうよというようなことを新政権はやはり標榜して、そういうもとで私はやっていくべきではないのかなと。

 本当の教育というのは、何も学校教育、公立高校、私立高校ということのみではなくて、そこに来たくても来れない子供たちをどう下支えをしていくか、そこまで目配りをしたところの生きた教育ということを目指されるべきではないかと私は思いますが、大臣、いかがですか。

川端国務大臣 東先生のふだんからのその温かい目線と将来を見据えたお考えの部分で、今おっしゃったことは私も基本的には全く同感であります。

 そういう中で、今お触れいただきましたように、フリースクールは、本当に苦労をして、工夫をして、不登校の生徒児童に対して、さっき申し上げたいろいろな切り口でサポートしようということで、これも背景が本当に複雑多岐でありますので、カウンセリング、学習指導、体験活動、創作活動、絵画、音楽、ゲーム等々、いろいろな切り口で、子供たちの心を開いて、社会に参加できるようにということをやっておられるのが主としてフリースクールだと思いますし、通信制高校のサポート校というのも、その通信制に行くということの部分で、また同じような切り口と同時に、授業も含めてサポートしている。

 私は、高校の無償化に関しては、いわゆる高等学校レベルの教育は九八%ぐらいの子供が実際は行っている。この子たちが、その学びを通じて、そのまま社会に出たり大学に行ったりして、社会に貢献する人材としてそこを経て育っていくわけですから、そういう育った子が社会に対して貢献していくということでの恩恵と言ったら何か損得みたいな感じになりますが、やはりそういう子が育って社会が成り立つという以上、社会全体で可能な部分、その子たちの学びを支えてあげるべきだと。

 これは世界的な基本的な理念でもあるということで、人権規約のA規約は、後期の中等教育、いわゆる高校教育レベルを漸進的に無償化すべしという条約を、その項目に関して批准を留保しているのは日本とマダガスカルだけであったという、何かマダガスカルと日本だけだったのみたいな状況も含めて、そういうことで、今回は公明党さんの御理解もいただいて、また見直しもしっかり後でやっていこうということも踏まえて成立させていただきましたけれども、そうしたら二%の子供はどうするんだということになる。今回は、そういう高校レベルの教育を受けている者に対してその学びを応援しようということでありますが、社会全体としては、あまねくそういう子供たちをしっかり育てていってもらいたいということが当然であります。

 そういう中で、民主党政権の中では、今までいろいろな形でバックアップしていくという意味では、例えばサポート校なんかをやっていただいているNPOとかそういうところに対して、委託研究事業ということで、いろいろな工夫をされるところに委託するということで、こういう学びだとこういうふうに不登校が改善されたとか通信制の教育を応援できたとかいう、委託事業ということで公費を使うという制度は今までもやってきていたんですが、やはりこれからの社会は、まさに公で支えるというときに、新たな公共ということで社会全体がというときに、例えば、きょうは財務大臣もおられますけれども、税金を預かって使うということで支えるやり方と同時に、いわゆる税制で支えるというやり方。

 そのときに、NPOなんかの活動はもう社会の一構成要素としてなってきているから、そこへの寄附税制は、議論として言えば所得控除から税額控除にして、ある意味で、税金の個人の使い道が、財務省経由で使うもの以外に、一定枠ではじかに自分が使い道を選択するということで社会の構成を支えていくということで、新しい公共というものを育てていくべきではないかという議論もさせていただいております。

 そういう中に、私は、間違いなく、社会の中で大変苦労しながら頑張っている人たち、障害がありながら頑張っている人たちや、こういう若い子供がなかなか社会に適応できない中で、本当に苦しみながら何とかしたい、それをまた支える人たち、そういう人に、いろいろな活動が支えられる仕組みを社会全体でつくることが極めて大事だというふうに思っております。

 無償化の仕組みは高校というものを非常に前面に出した制度であるだけに、高校でないところに手が届かないということで、これは衆参の議論でも、特に公明党の先生方から文教委員会では御指摘をいただきまして、それは、だからまた別の考え方の中でしっかりと支えなければいけないという認識は持っておりますし、新しい公共という概念、公共の円卓会議という有識者の会議の場もできました。そういうことを踏まえながら、ともに中心的に取り組んでまいりたいと思っております。

東(順)委員 おっしゃるとおり、公助という哲学、これがいよいよ本当に大事なときに来ているというふうに私も思うんですよ。

 さっきは通信教育を受けているという話をしましたが、例えば、一つのサポート校でも、同じ十六歳から十八歳で通信教育を受けている子供たち、これは無償化の恩恵をこうむっているわけです。ところが、同じ十六歳から十八歳でも、通信教育というところに至らずに、ただ一生懸命いろいろな人がサポートして、例えば音楽だとか絵画で一生懸命社会適応しようというふうに頑張っている子供たちがまさに混在している、そういうサポート校の実態もあるんですね。そうすると、新しい格差が同じサポート校の中で生まれちゃうというようなことも現実はあるんですよ。

 それから、実際、私は、今回の高校授業料無償化ということに伴って、サポート校というのはどういう影響を受けたのかなというようなことで調べてみました。そうすると、授業料が無償化になるらしいよということが世間にずっと流れ始めてくる、そしてやがて春を迎える、入学時を迎える。あるサポート校は、平成十九年度三十五名の入学希望者だったのが、ことしは十七名と半減しているというんですね。

 それはやはり、我が子は登校拒否をするかもわからないけれども、公立はただになるんだ、あるいは私立も十二万から二十四万まで国がお金を出してくれるんだ、だから、我が子はとても高校には通えないかもわからないけれども、ともかく公立へ、あるいは私立へ一たん入れておこうというようなことで、後、高校に通えなくなったらサポート校でお世話してもらおうか、フリースクールでお世話してもらおうか、そういう親の心理が働いたのではないかとその責任者の方はおっしゃっていました。

 私がそこで言いたいのは、民間が一生懸命こういうサポート校やフリースクールというのを経営しているわけでしょう。光と影という話をさっき私はしましたが、無償化という光のもとに今度影になるこういうサポート校、フリースクール、現実に入学希望の子供たちがこうやって減ってきている、経営そのものが大変になってきている。しかし、心は志高く、一生懸命そういう子供たちを何とか守ってあげたい、支えてあげたい、閉じこもりにしたくない、そういう思いで必死になって経営しておられる民間の人たちがいるわけでしょう。国はそこに対して現実にサポートというのは何もできていない。ということは、これからはやはり目を向けるべきではないのかなというふうに私は実は思うんです。

 いろいろな理由があります。いじめ、あるいは学校教職員との人間関係、あるいはもう学業不振だからついていけない、クラブ活動や部活動に適応できない。入学したときに適応できなかったために一気にシカトされて、自分はもう学校に行けなくなっちゃった。あるいは親子関係、家庭内のトラブルが本当に絶えない、ドメスティック・バイオレンス。いろいろなことがあって、どんどんどんどん不登校になり、やがて引きこもりになり、先ほどのような、三十歳になって家族全員を殺傷しちゃう、一歳の子でも刺し殺しちゃうというようなことが起こってしまうこの日本という社会、これはもう危険水域に本当に入ってきている。

 だから、民間が必死になって支え守ろうとしているんだから、そういう民間のサポート校やフリースクールを、何とか国も、公助という理念、哲学のもとにやはり援助をする、助成をする、サポート校をそれこそサポートするということに踏み切るところに私は来ているのではなかろうかというふうに思います。

 だからといって、今、サポート校やフリースクールというのは七百校だとか八百校だ、こう言われますね。物すごい数ですよ。仮に国がそういうことに踏み切りましたとなったら、まさに、単なる経営で、単なるお金もうけで、実体のないそういうものを雨後のタケノコのようにだあっとつくり始めてしまって、国の助成金だけ取ろうというような、そういう不届きな考え方を持った人たちが出てくる可能性もなきにしもあらず。そこで、やはり真剣に現実に取り組んでいる、そういうサポート校あるいはフリースクールというのをチョイスして助成すべきではないかと私は考えます。

 一つのアイデアとして、今、国の教育ローンというのがありますね。これは、育英資金でもなければ今回の授業料無償対象でもない、だけれども、そういう対象にならない子供たちでも、フリースクールやサポート校に通っていても、国の教育ローンというのを受けられますよという制度があります。

 その条件が、修業年限が六カ月以上とされている教育施設、つまりサポート校やフリースクールですね。あるいは、教育を受ける人たちがおおむね四十人以上いる教育施設、あるいは一年間の授業時間がおおむね六百八十時間以上の授業を行う課程を有する教育施設、こういうところに通っている子たちは二百万までの教育ローンを受けられますよ、こういう国の教育ローンシステムというのがあります。しかし、それはあくまでも子供たちを対象にした一つのローンですね。

 私は、それも非常に大事、しかし、受け皿となっているその施設、フリースクールやサポート校そのものを助成するということから考えたら、例えば、今言ったような諸条件を満たすサポート校やフリースクールについては、何らかの助成措置、援護、まさにサポートの手を文部科学省として考えてあげる、そういう時期に来ているのではないか。それが、社会全体で子供たちを育てる、あるいは人の命を守りたい、新政権の言われる友愛、あるいはまた公助ということに通ずるのではないか、私はこう思うんです、文科大臣。

 したがって、三年後見直しですから、どうかひとつこういう考え方を取り入れていただいて、ぜひ踏み切っていただきたいと思いますが、いかがですか。

川端国務大臣 現実を踏まえた御指摘で、一々そのとおりでありまして、サポート校に行っていて通信高校に行っている子は、通信高校で無償化法の支援の対象になります。行っていないと対象になりません。今度は、サポート校自身が専修学校の高等課程というのに登録している学校もありまして、ないのもあります。そうすると、なっているところは、実はここが就学支援金の対象校でありますから、サポート校自身が対象校になるということでいうと、間違いなく、多分通信制の高校よりサポート校の方が授業料が高いと思うんですね、その部分では、高い方というか、マキシマムの就学支援がどちらかでとれる。

 というと、サポート校に行っているけれども、そういうところの専修学校高等課程という登録認可は受けていない、それで通信高校にも行っていない子というのは負担だけかかるというのが現実に起こって、いろいろなケースが出る。

 そして、中身が、先ほど言った音楽とか自然体験とかゲームとか絵画とか、自由な中身でいいですということでいいますと、先ほどローンのお話がありましたけれども、あれはどうしてああいうことが出てくるかというと、文部科学省として、あるいは都道府県として一定の要件を満たすものを教育施設、教育機関として認めるという水準を持っているので、そこに適合するかどうかという歯どめをかけている。

 そうすると、フリースクールやサポート校というのは、自由にいろいろな切り口で子供を応援するというのをやって費用をもらうということだけれども、一切制限もかけませんし、条件もつけませんという形とのすき間ができてしまったわけですね、公的に支えるという部分と自由にやってくださいという。そうすると、自由じゃなくて、やろうとするといろいろな制限が入ってくるということだと、財政的な制限もハードルになりますし、あるいは授業内容の制限を加えるとまたハードルになりますから。ということで、そういうすき間みたいなことが起こっているんだろうというふうに思います。

 そういう意味で、先ほど、授業料を無償化したら、こういうところへ行けなくなって、まずは高校へ授業料がかからないから行かそうかという傾向があるということでしたけれども、同時に、高校へ行くのはどうかなと思ったけれども、専修学校の高等課程で、ある種の専門学校みたいなところへ行っても同じように応援できるからそっちへ行こうかというふうな、ミスマッチが起こるという現象と、今までのミスマッチが解消されるのと、両面また、光と影とおっしゃる、何かやると必ず光と影が出るという部分であります。

 先生御指摘のように、やはり、いろいろな子供、特にいろいろな背景の中で苦労し、難儀している子供たちがちゃんと頑張れるように、それを支えている人たちを世の中がどう応援できるかということに尽きるんだと思います。いろいろな御提言も含めて、我々としてもいろいろな可能性をこれからも検討してまいりたいと思いますので、またいろいろと御示唆をいただければありがたいと思っております。

東(順)委員 これで終わりますが、高校授業料無償化と絡めて考えるのが難しければ、全く別個のものとしてこういう施設をしっかり支える、それを具体的に考えていただきたいというふうに申し上げて、私の質問を終わります。

今村委員長 次に、秋葉賢也君。

秋葉委員 自由民主党の秋葉賢也です。

 きょうはたった二十五分間の審議でございますから、時間も限られております。簡潔な御答弁でお答えをいただければと存じます。

 先ほど木村筆頭理事と菅大臣との議論を伺っておりまして、何年前になるのかよく詳細は存じ上げませんが、GAOの設置法案を出されたという話、興味深く伺いました。

 我が国の会計検査院も憲法上独立した組織として大変いい仕事をしておりますけれども、正直、これだけの何十万という行政の組織を、衆議院の場合は四百八十人の国会議員、そして千二百人の検査院だけでチェックするというのはなかなか難しい面もございます。ましてや、この決算行政監視委員会での議論こそが最大のチェック機関であり、ある意味では予算委員会以上に充実していかなければならないんだろうと思います。

 残念ながら私どもからすれば政権の座を失ったわけでございますけれども、今、大臣は、まさに財政の所管大臣、責任者としているわけでございまして、政府として日本版GAOの設置法案などを今後検討するお考えがあるのか、冒頭伺っておきたいと存じます。

菅国務大臣 この問題は、よく言われる行政と国会との関係の中で、かつては総務庁に行政監察局があり、また、憲法の規定で会計検査院があるわけですが、私は、国会の機能の中にもっとそうした機能を持ってもいいのではないかと、当時は、行政監察局を廃止して、そのスタッフを、行政と国会と若干仕組みは違いますが、ある意味でその人員をそちらに移すということも含めて法案を出したことを思い出しております。

 このことを政府として取り組むべきかということになると、政治家としては今もそういう考え方はまだ持っておりますが、今、政府としてそういうものを国会につくるべきということまで言うのは、やや、さすがに役割を超えているのかなと。まさにこういう委員会等で、今までもかなり決算委員会は権限を強くしてきた歴史があるとは思いますけれども、ぜひ、まさに議会としてそうした機能を持つということが必要ということであれば、議会としての発議の方がふさわしいかな、そのように思っています。

秋葉委員 これは、国会の自律的な権限の中での話ですから、政府が出すというのも筋違いの面は確かにございますけれども、例えば地方議会なんかも、あれだけ肥大な行政府に対して附属機関の設置もできないんですね。そして、議員の定数よりも事務局員の数が多いのは、唯一東京都議会しかないわけです。あとは充足率がみんな六割を切っているわけですね。

 やはり、予算措置するのは行政府なわけですよ。だから、そういう意味で、問題提起は国会からもしていきますけれども、やはり前向きに、地方自治体も含めて、そうした立法府の調査機能の強化というのは私は非常に重要だと思うし、そのことがしっかりしていけば、一々、行政刷新会議が主宰して事業仕分けなんかしなくても済む話でありまして、国会の外で、そういう行政刷新会議主宰でああいうのをやらざるを得ないところに、ある意味で、我々も一つ反省もしなきゃいけないし、残念にも思うわけでありますから、そういった議論を前向きに、今後、政府内でも、予算措置を伴うという観点からしていただきたいなと私は思うわけであります。

 きょうは、まさに財政の健全化は最重要課題なわけでありまして、報道によりますと六月末をめどに中期フレームや財政運営戦略を策定するとされておりますが、残念ながら、普天間の問題に象徴されるように、いろいろなことはやるんだけれども、まあ、今度結論が出るか、これはまだわかりませんけれども、まだ政権をとって一年たたないという事情があるにしても、改革の思いは伝わってくるんですが、いつ結論を出すのかということを問うと、任期中の四年間でということが非常に御答弁の中で多いわけでございます。

 今度の六月をめどに策定されるであろうこの計画では、達成時期や数値目標とか、あるいは財政健全化に向けた立法策も、我々がつくったものをベースに前向きに考えたいという大臣の答弁も伺っておりますけれども、できるだけ具体のものを策定して、やはり国民の皆さんに政府としてのこれからの取り組み状況というのを明示していくことが大事だと思うんですね。

 私自身に限らず、本当に、このままいけば、来年もこんな、当初予算で九十兆円を超えるような予算を組めるなどと思っている国民はいないと思うんですね。まあ、我々も、確かに昨年、通算では四十兆円以上を超える赤字国債を発行せざるを得ませんでした。しかし、当初予算では三十兆円台に抑えてきて、この点は、年々少しずつ抑えてきていたのは事実なんですね。リーマンの影響に対応しなきゃいけないということで、やむを得ない出費ではありましたけれども。

 ですから、昭和二十一年以来のことなわけです。つまり、税収の見込みを超えるこれだけの赤字国債を当初予算の時点で発行する。本当に、来年、予算が組めるのかな、どんな予算編成で出してくるんだろうと今から私も興味津々なわけでございますけれども、大臣に、六月に示されるであろうこのフレームワークの中身について、しっかりとお考えをお聞かせいただきたいと存じます。

菅国務大臣 私は、リーマン・ショックのこともありますけれども、実は、やはりもう少し前、一九八九年ごろの、当時、地価総額が二千四百兆円、株価総額が九百兆円を超えた時期、合わせると三千三百兆円の大バブルが発生して、その後、半分から三分の一にそれが破裂をしました。約二千兆円のいわゆる資産が消滅したわけです。その影響が今日まで残っているというのが、この間の私なりの、いろいろな意見を聞いた中でです。

 つまり、先進国でこれだけ長く、二十年間も成長がとまっている国はほかにはありません。その中でいろいろなことをやってきた中で、今日のような一八一%と言われるような財政赤字が蓄積をしております。

 確かに、今年度、来年度の予算、大変厳しいわけですが、一方で、そういう本格的な意味での長期の低迷からどうやって脱するかという戦略を持たないと、これまで、率直に申し上げていろいろ計画がありましたが、やろうやろうと思って結果的に当時の政権ができなかったいわゆる財政再建の二の舞になる、こういうふうに思っております。

 そんなことで、今法案のことも触れていただきましたが、実は、中期財政フレームというものと、今、私が少し準備をしているのは、成長・社会保障・財政健全化基本法といったようなものを出すことができないかと。まだ党内の調整が終わっておりませんので確実なことは申し上げられませんが、まさに、御党が出されている財政健全化責任法の部分に加えて、成長と社会保障のあり方についても触れたものにできないかと思っております。

 中期財政フレームについては、せんだって、これは仙谷大臣のところが担当ですが、専門家の皆さんの意見を取りまとめた取りまとめが発表されております。それをごらんいただければわかると思いますが、そのとおりになるとは言いませんけれども、ほぼ、自民党が出された、例えば五年後までにプライマリーバランスを半減したいとか、十年後までにプライマリーバランスをゼロにするか、あるいはGDP比で何%以下にする、そういった水準の年限と目標は明らかにするものにしなければならない。

 ただ、税制のあり方については、今、税調で議論しておりますので、ストレートに、税をこの時期までにこうするということにはならないと思いますが、大きい枠組みについては時期と目標値を出すことになるだろう、こう思っています。

秋葉委員 我々も、本当にリーマンがなければ二〇一一年にはプライマリーバランスは何とか達成できたんじゃないかなと、歴史にイフはタブーかもしれませんが、思っているぐらい詰めてきたところは詰めてきた。我々の政権の中でも、公共事業なんかもピーク時の二分の一まで減らしてきて、毎年三%以上着実に見直しをしてきたわけでありまして、そういう意味で、今、大臣も、できるだけ、単に財政にとどまらず大きなフレームワークの中でということでございますから、期待はしたいと思うんです。

 ただ、年末、なぜクリスマスの日だったのかわかりませんが、大方、もう年が押し迫ろうとしている時期に成長戦略が閣議決定されました。私も興味深く読ませていただいて、まず第一印象で思ったのは、何となく、ブレア政権が出てきたときの、第三の道を行くんだという視点、あるいは今のスウェーデン型の国家運営、こういったものが民主党政権の基軸になっているなという感じがするんですね。

 つまり、生産者サイド、供給サイドの視点じゃなくて、需要サイド、消費者側の視点に立って、そして、そこには実は成長戦略がたくさん内在しているんだ、こういうお話が強調されているんです。私も、理念的にその理屈自体はわからないわけじゃないんです。しかし、やはり一方で、現実には生産者側での雇用の供給というものがなければそうした需要も生まれない。まさに需給というのは一体の理念でありますから。

 我々も、与党政権に対して、法人税の引き下げを含めて、いろいろな成長戦略のための具体案を提示していきたいと思っていますが、そうした需要サイドということに余り固執せずに、需給のものを一体的にとらえた現実的な成長戦略というのを立案していっていただきたいということを要請しておきたいと思います。

 きょうは、時間が限られておりますけれども、独法改革について、枝野大臣にもおいでをいただいておりますので、何点か確認をさせていただきたいと思います。

 先般、我々も、野党として三党共同での対案を出したわけでございますが、残念ながら否決をされてしまいました。特に、なぜ独法改革が必要なのか。これはもう申し上げるまでもなく、特に国民の目から見れば、何でこんなに天下りが多いんだ、補助金とセットで人を受けなきゃいけないんだ、わたりが多いんだ、そして、ずぶずぶで、随契が多い。これは、当然我々も、政権時代からもちろん問題意識を持って、整理合理化計画にもしっかり書いて、確かに歩みは遅々としていたかもしれませんが、着実に少しずつ成果は上げてきた。我々も、十分ではないんだけれども、やってきたという自負はあるんですね。

 現に民主党政権も、政権をとって、公募制を導入したり、法律を通したわけじゃないのに、やっているじゃありませんか。我々のあの改革の中にも、法律規定を置けばもっと加速するわけだし、特定の独法だけじゃなくてすべてやれということを言っているわけですし、あるいはまた、あっせんの禁止についても、これを実効性を担保するために刑事罰までつけて、より踏み込んだ内容にしているわけですよ。

 報道によれば、私も目の前にいて聞いていたわけじゃないんですが、まず初めに確認したいのは、枝野大臣は、独法の見直しについて、独法通則法の廃止がゴールなんだというふうに報じられているんですが、この発言は事実ですか。

枝野国務大臣 どこかで、そう受け取られるのかなというような発言をしたことは間違いございませんが、私の申し上げた趣旨は、独立行政法人で改革しなきゃならない点は二つの側面があると。

 一つは、今議員おっしゃられたとおり、天下りであるとか、わたりであるとかといった、共通して存在している独立行政法人の問題点ということ、これを改革しなければならない。これについて前政権においても一定の努力をされていたことは、私も認めているところでございます。

 ただ、もう一つの側面がございまして、当初、独立行政法人という制度をつくったときには、イギリスのエージェンシーなどに倣って、このことによって行政の改革が進むという趣旨でつくられた。そのことについても私は一定の評価はいたしますが、結局、いろいろ動かしてみると、多種多様な、さまざまな種類の事業が、一つの独立行政法人という仕組みの中で同じ枠組み、同じガバナンスを求められている。このことによって、片方では、同じお金でもっと力を発揮してもらわなければならないのに、現在の独法通則法の縛りの中ではなかなかそれがやりにくい。

 余り具体例を事業仕分けの直前に申し上げない方がいいのかもしれませんが、研究開発で本当にいい開発をしている独立行政法人などにおいて、この研究者の給与等待遇を普通の事務の方と同じような扱いで見ていいのかという問題があります。現在の独法通則法の中では、そこを大胆にやっていくことはなかなか難しいという側面があります。

 一方で、もっと国が直接的にかかわらなければならない種類のことも、国直接でなければ独法になるということの中で、私自身、直接公文書館を担当させていただいていますが、ここが、もちろん政府の内側でやる必要はないかもしれないけれども、しかし、ここは情報公開制度とも連携した、かなり行政に近いところである。

 こういった意味で、多種多様なものがある。そのときに、今の枠組みにこだわらずに、どういうガバナンスのあり方が一番合理的なのかということをゼロベースで検討したい。そうすると、もしかすると結果的にすべての法人が、もちろん廃止、統合などを含めてですが、今の独法通則法で一番適切だというものはなくなるかもしれない。そういうことも可能性として含んで見直し、検討していく、こういう趣旨でございます。

秋葉委員 やはり予断を持たずに、結果としてそういうふうになることはあるかもしれないけれども、この法律が平成十一年につくられたときは、当時民主党はもちろん反対されたわけですけれども、いわゆる特別会計ができたときにもある程度似ているのかもしれませんが、国の中で十把一からげにするよりも、やはり独立採算でやらせた方がチェックもしやすいし、監視もしやすいというメリットもあったと思うんですね。

 よく誤解されていることがあるのは、確かに組織が切り離されたわけですから、あるいは特殊法人が移設したのもありますけれども、役員がふえたじゃないかという議論とかがよく着目される。あるいは退職金の問題。これは国に限らず地方でも同じようなことがあるので、全廃していかなきゃいけないんだけれども、トータルとして見れば、かなり、これまでの間、整理合理化計画で決めた、あるいはその前で行革推進法で決めた総人件費改革、着実に実施してきていることも事実なんですね。

 ですから、役職員はふえたけれども、この間、国から戻したときよりも、それぞれの独法で、特に特定独法はそうです、病院機構以外は全部減らしてきているわけですよ。

 今、大臣から公文書館の話が出ましたけれども、これも、発足時から見れば二人ふえていますけれども、合理化計画をつくった時点からは減らしています。それから統計センター、これは、国でやっていたときには、確かにセンター長なり局長は一人だったかもしれませんが、千百九十五人いたんですよ。これが、この間、八百六十九人にまで削減してきていますね。

 それから造幣局、これも、国が直営でやっていたときには千二百七十一人いたんですね。今、これが九百九十三人ですよ。それから国立印刷局も、五千五百四十三人いました。これが現在では四千六百三十九人と削減してきました。それから、農林水産消費安全技術センターもそうですし、時間がないのであとは割愛しますけれども、間違いなく人員削減はやってきた。

 人員削減とあわせて、人件費改革の中で、我々は五年間で五%の純減というのを目標にやってきました。まだ三%弱の削減でございますけれども、平成十七年度には八千二百九十億円だった人件費が、平成二十年度には八千百九億円ということで、百八十一億円の削減をやってきた。ただし、この中で細部を見れば、いわゆる上の方が高額だとか、そういう問題がありますから、そこはさらにメスを入れていかなきゃいけませんけれども、こういった改革が我々の整理合理化計画の中でも着実に取り組まれてきたんだということを申し上げておきたい。

 百歩譲って、独法通則法を廃止して、統廃合になったり、結果として国に戻すのもあったり、いろいろあるのかもしれませんけれども、私自身が考えるのは、結局、では、なくしたときのことを前提にすれば、統廃合して国に戻すか、民営化するか、あるいはいわゆる公益法人に衣がえするか、大きく言えばこの三つの選択肢しかないような気がするんですけれども、その辺はどういうイメージを持たれているんでしょうか。

枝野国務大臣 そこは誤解を与えたとしたら反省しなきゃいけないと思っているんですが、むしろ逆でして、今の独立行政法人に相当するような、国直接でもなければ、それから公益法人は一応民間法人ですので、その間のところの組織を、一つの独立行政法人とくくってしまうのではなくて、それぞれの事業の特徴に応じて幾つかのカテゴリーに分かれる。極端なことを言えば、例えば、そこに五十の組織があれば五十の法律があってもいいかもしれない、あるいは、本当の共通点だけだったら本当にある最低限の共通のところだけで通則ということがあるのかもしれませんが、とにかくそれぞれの事業に最も適したガバナンスのあり方をまずは模索してみようと。

 こういう意味で、場合によったら廃止ということも含めてと申し上げたので、むしろその中間部分のところを多様にしたい、むしろ今の単純なものだけじゃなくしたい、こういう思いでございます。

秋葉委員 巷間懸念されているように、安易に、見直しの結果、国が直営の方が効率的だなんという議論にならないように注意していただきたい。

 私自身の問題意識でいえば、よく対象になる造幣局、印刷局、これは本当にもっと、むしろ自前でやらないで民間委託を進めるべきだと思うんですよ。安全管理上は、やはり金をかけて国でやってもらうと非常に国民的には安心なんだけれども、しかし、世界の現状を見ると、イギリスもドイツもカナダも、全部もう紙幣だって旅券だって印刷してつくっているじゃありませんか。その方がコストが安いからですね。日本の印刷局の場合も、技術は民間企業からたくさんかりているけれども、結果として、自前でつくっているから、かなりコストが高いものになっているんですね。

 まさに事業仕分けの本質というのは、人だとか何かというのは目につきやすいから簡単なんだけれども、本当にだれが担うのが一番コストが安いのか、費用対効果、事業のそこにフォーカスを当てて取り組んでいくことだと思うんです。

 これは所管は菅大臣だと思うんですが、どうでしょうか。造幣局、印刷局がやっている事業というのをむしろもっともっと民間に出すべきじゃないかと思うんですけれども、そういった世界の現状も含めて、大臣はどういった認識をされていますか。

菅国務大臣 みずからの、財務省自身が財務省の中の機構をしっかり見直すようにという一般的な指示をしております。

 今言われた造幣局あるいは印刷局等について、私も、多分、枝野行政刷新担当大臣のところで議論の上にのせられるものというふうに思っておりまして、そういう行政刷新の仕分けの中でも指摘をいただければ、しっかりと取り組んでいきたい、他の国の例も改めてよく調べて取り組んでいきたいと思っております。

秋葉委員 本当に時間がなくて、十分な議論が深まらなくて残念に思うんですけれども、今の百四独法の事業の本質の部分をゼロベースで本当に見直していくということが実は一番大事で、あとは、そういった関連だとか癒着だとかというのはすぐわかることだし、それはもうすっぱりやめさせていけばいい話ですので。

 その場合に、時間も来たんですけれども、最後にぜひ枝野大臣にお願いしたいのは、国民から見ると、独法も公益法人も区別がよくわからないというのがあるんですね。ただでさえもわかりにくいのに、政府は去年の年末だったか、閣議決定で政府関連公益法人というのを定義してみたり、さらに混乱してきているんですよ。

 独法は、御案内のとおり、今百四あるけれども、我々は公務員型をことごとく減らしてきたんですよ。今、特殊法人が独法になって、ぱっと数字はふえたけれども、特定独法は八つしかないですよ。これもさらに非公務員型にしていってほしいと思うし、進めていってほしいと思っているんですね。ですから、独法だけでも二種類あるんだということ。

 それから、公益法人というのは、そもそも二万五千、三万近くあるわけです。三万近くある中で、政府系公益法人と言ってみたり、政府関連公益法人と言ってみたり、それぞれの定義がわかっているのは関係者だけですよ。

 枝野大臣は、就任してその七類型をつくったのは、少しはわかりやすくしたいという思いがあるのかもしれないけれども、まさに政府関連の公益法人というのは二千三百五十三法人になるわけだけれども、私の定義でいえば、国が所管している法人が六千六百二十五あるだけであって、本来なら、公金を一円でも入れたら、それはやはり、政府系とまでは言わないけれども、国所管の、届け出が国だというだけに着目するんじゃなくて、お金を入れていればそうなんだということでくくっていかなきゃいけない部分もある。

 いずれにしても、国民にとってわかりやすい言葉、公益法人の中でも、この七類型を中心として、こういう部分が我々は問題だと思っているということをやっていかなきゃいけない。

 御案内のとおり、二十五年の十一月三十日まで、いわゆる一般社団になるのか公益社団になるのか、やっていかなきゃいけないわけですね。大臣、現状を御存じだと思いますけれども、今三%しか済んでいないんですよ、これへの移行が。間に合わないところはもう全部、公益法人じゃなくて一般社団になっていいのかという問題もあるし、言葉の定義の整理をして、国民によくわかりやすい、独法とは何なのか、政府系の公益法人とは何なのか、そして何を定義づけて、どういうカテゴリーで見直しをかけるのかというフレームワークを一度整理することが私は必要じゃないかなと思うんです。

 それは改革をさらに進めることにもなるというふうに思っているんですが、最後に、この言葉の整理というのか、定義の整理について大臣のお考え方を伺って、終わりにしたいと思います。

枝野国務大臣 激励をいただきまして、ありがとうございます。

 そして、今、お話の中で公益認定のお話がございましたが、実は公益認定も私の所管でございまして、御指摘のとおり、認定手続が大変おくれております。私が担当大臣になりまして、任期がちょうどかわったこともあって認定委員の皆さんにも一部交代をしていただきました。

 また、事務方を含めて、百に一つ認定すべきところでないところが仮に認定されても、事後的に幾らでもチェックができる、そのことを危惧して、認定されるべきところが認定されないでどんどんたまっていくという状況は、明らかに逆だということで、強い指示を出しているところでございます。

 その上で、御指摘のとおり、若干、言葉が、いろいろな言葉が使われているということは、整理しないとわかりにくいという御指摘は真摯に受けとめたいと思っております。

 ちなみに、政府関連公益法人という言葉は閣議決定で定義しておりまして、これは、公務員出身者が在職する公益法人ということで、昨年の十二月に定義をされておりました。(秋葉委員「混同されているんですね、政府系というのと」と呼ぶ)そうですね。

 今回の事業仕分けでは、より広範な範囲で、つまり、役員がいる、いないにかかわらず、例えば公金が入っているとか、あるいは公金が入っていなくても、権限を付与されて、その権限で会費とかなんとかを事実上強制的に集めているというようなところも、幅広く問題があり得るのではないかということで取り上げました。

 そうした意味では、今回、どこまで取り上げるかということに向けて、幅広い、若干概念としては確定していない概念で政府系という言葉を使わせていただきましたが、それこそ逆に、今回の事業仕分け、公益法人は後半戦ですので五月になりますが、それを踏まえて、従来の公益法人をもう少しわかりやすく整理をしていくということも、御指摘のとおり、行政刷新、行政改革につながっていくと思いますので、そのことも視野に入れて仕事を進めさせていただきたいというふうに思っております。

秋葉委員 五月はそれが対象でメーンになると伺っていますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

今村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時十六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.