衆議院

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第4号 平成23年7月28日(木曜日)

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平成二十三年七月二十八日(木曜日)

    午前九時十一分開議

 出席委員

   委員長 松崎 公昭君

   理事 石井登志郎君 理事 階   猛君

   理事 田村 謙治君 理事 手塚 仁雄君

   理事 松崎 哲久君 理事 赤澤 亮正君

   理事 西野あきら君 理事 富田 茂之君

      青木  愛君    石井  章君

      石田 三示君    大山 昌宏君

      柿沼 正明君    金子 健一君

      木村たけつか君    京野 公子君

      桑原  功君    小室 寿明君

      田中美絵子君    高井 崇志君

      高橋 英行君    中後  淳君

      中島 政希君    中屋 大介君

      橋本  勉君    宮崎 岳志君

      森岡洋一郎君    矢崎 公二君

      横山 北斗君    あべ 俊子君

      伊東 良孝君    加藤 勝信君

      北村 茂男君    齋藤  健君

      平  将明君    二階 俊博君

      松野 博一君    東  順治君

      佐々木憲昭君    中島 隆利君

    …………………………………

   総務大臣         片山 善博君

   総務副大臣        鈴木 克昌君

   総務大臣政務官      逢坂 誠二君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           田口 尚文君

   衆議院調査局第二特別調査室長           岩尾  隆君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十八日

 辞任         補欠選任

  川越 孝洋君     石田 三示君

  黒田  雄君     金子 健一君

  小室 寿明君     中屋 大介君

  武部  勤君     平  将明君

同日

 辞任         補欠選任

  石田 三示君     川越 孝洋君

  金子 健一君     黒田  雄君

  中屋 大介君     小室 寿明君

  平  将明君     武部  勤君

    ―――――――――――――

五月十七日

 衆議院比例定数削減反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第六二四号)

六月十五日

 衆議院比例定数削減に反対し、民意を反映する制度への改善を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五一八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一五一九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一五二〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一五二一号)

 同(志位和夫君紹介)(第一五二二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一五二三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五二四号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一五二五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一五二六号)

同月十六日

 衆議院比例定数削減に反対し、民意を反映する制度への改善を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一六七〇号)

 衆議院比例定数削減反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二一六三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する件

 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件

 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する件


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     ――――◇―――――

松崎委員長 これより会議を開きます。

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長田口尚文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松崎委員長 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ました。

 本起草案の趣旨及び内容について御説明申し上げます。

 今般の東日本大震災により著しい被害を受けた地域における実情を考慮し、選挙の期日を延期するための特例法案が、今国会の三月及び五月の二回、内閣から提出され、審議、成立しているところであります。

 もとより、選挙は民主主義の根幹をなすものであり、できる限り早期に実施されなければなりません。災害の復旧復興に多忙をきわめる中で、有権者の把握や執行体制の整備などの困難な課題を乗り越えて、多くの団体では延期期限内に選挙を実施することとなりましたが、それでもなお、選挙を適正に実施することが困難であるとして延期期限の延長を求める意見も関係団体から寄せられております。

 これを受け、理事会等において協議いたしましたところ、本委員会におきましては、前回、五月十三日に、特例法案を議決するに際し付した附帯決議において、本委員会は、「関係地方公共団体の意見を十分踏まえ、適切な措置を講ずることとする。」としているところから、各会派において合意し、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を提案することとなりました。

 次に、本案の内容について申し上げます。

 本起草案は、東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日の延期の期限を、平成二十三年十二月三十一日まで延期するとともに、特例選挙期日の告示日について、現行法に規定する告示日以前の日とすることができるようにするものであります。

 なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

松崎委員長 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。石井登志郎君。

石井(登)委員 おはようございます。民主党の石井登志郎でございます。

 短時間でございますので、早速、本件に関連をして、質疑に入らせていただきたいと思います。

 きょうは、三点お聞きしようと思っておりますが、まず一点目で、選挙の名簿に関してお伺いをいたします。

 選挙実施の主な要件で、名簿がしっかり整理されているかということ、そして投開票の環境が整備されているかということ、そして人員の手配がしっかりできているかということ、これが挙げられているわけでありますが、名簿の手配に関して、今回、庁舎とともにバックアップしたデータも流されてしまった、主に陸前高田、大槌、女川、南三陸というようなところがそうだったようでございます。

 その際に、幸い、出入りの業者がバックアップをしていたのでそれを活用したというようなケースが多かったと聞いておりますが、ただ、一方で、本来であれば、データというものは論理的には国でしっかりと標準化して管理をしていれば、もっと早くこうした対応ができたんじゃないか。

 特に、女川、南三陸というところは、三月十一日の時点よりも十日ほど前のデータのみが残っていたということで、それから十日間、やれ、亡くなられた、結婚したとか転居したというようなものを、まずそれからわざわざ消し込みをしてからというようなことであったというふうにお伺いをしております。

 そうした意味では、選挙のことのみに限らず、いわゆる自治体クラウドというのをしっかりと全国で標準化して進めるということ、これが事選挙の執行をしっかりと、また、こうした際に、短縮化することのみならず、被災地の復興に大変寄与すると思うところでございます。

 今回の教訓で、もちろんこうしたことを御検討いただいていると思いますが、選挙をしっかりと早急に実施するという意味でも、こうした自治体クラウドを進めていくべきだ、そう私は思っておるんですが、その点に関しまして、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 今回、御指摘になられました陸前高田市、大槌町、それから女川町、南三陸町では、選挙人名簿、それから住民基本台帳、それから戸籍、そういうものがすべて流失したわけで、これで一体どうなることかと案じておりましたけれども、戸籍は国にあるとか、住基台帳とかそういうものも、一部県にあったり、それから業者にあったりということで、何とかかんとか六月の段階で、もちろん完璧ではありませんけれども、復元ができました。これは大変よかったと思います。

 教訓としましては、やはりおっしゃったように、データベースというものをきちっと別のところでもバックアップしておくということ、これが必要だろうと思います。その際に、自治体クラウドというのは大変有効だろうと私も思います。

 これは、例えば学校の学籍簿とか成績なんかもすべて流失したということで、これは復元ができません。そういうものも、例えばクラウドに入れておけば安心だとか、それから医療情報なんかもそうだと思いますけれども、幅広くクラウドの活用について検討する時期だろうと思います。

 その際に、例えば選挙人名簿のようなものを国が一括して収集しておくのかどうか。これはなかなか議論のあるところでありまして、住民基本台帳ネットワークシステムをつくるときに、全国統一するのは基本四情報に限った。そのときにも、非常にプライバシーの問題だとかデータの他での利用の可能性だとか、いろいろなことを議論した経緯がありますので、そこは議論が必要だろうと思いますけれども、自治体独自でクラウドを共同利用するというようなことは、私はぜひ必要だろうと思いますので、そのための環境を整えることは、総務省としても努力をしたいと思います。

石井(登)委員 ありがとうございました。

 それでは、ちょっと次、がらっと変わりまして、二点目なんですけれども、今回、地方選挙が延期をされた件で、任期が延期をされた。その先例としてよく出されるのが阪神大震災の例でございます。

 私は兵庫県の西宮と芦屋の選出でございまして、兵庫県の西宮と芦屋、神戸市、それから兵庫県というのが、十六年前に二カ月延期をされました。そうした中で、今回も地方選挙が二カ月延期はされたけれども、恐らく先方の要望も入れた上で、地方選挙にしたいならしてもどうぞというような形で法律をつくった。任期は六月十日に切れるんですが、選挙は四月十日にやりました。

 そして、今、何が起きているかというと、落ちた人が二カ月ずっとバッジついたままでおる。そして通った人は、二カ月間そのまま何もない。その間、議会はもう実質開かれない。例えば民主党であれば、県議会の議員総会があると、落ちた人も通った人もそのまま通り続けている人も、みんないて、そのあたり、この二カ月、わけがわからないような状態になっていて、地元の新聞にもそうした点が指摘をされています。

 前回、我が党の階議員の質問に、こうした統一の話で、遠心力が働くものであって、必ずしも統一に固執する必要はないのではないかというようなことをおっしゃられました。

 こうした中で、私の地元、西宮と芦屋と神戸、そして兵庫県という意味では、また四年後もこの状態を続けるのか。私自身は、そういう意味では、いっそのこと統一という概念を外してしまった方がすっきりするんじゃないかと思っておるんですが、十六年たった中で、任期が延期された、しかし、この統一というものと、こういうおかしな状況になっている点に関して、私は違和感を持っておるんですが、大臣の見解をお聞かせいただければと思います。

片山国務大臣 私も、正直申しまして、違和感を持っております。

 もちろん、任期と選挙というのがぴったり合わなきゃいけないかというと、それはやはり、多少の幅といいますか弾力性があっていいと思いますけれども、それも程度問題だろうと思います。

 そもそも、昭和二十二年にこの統一地方選挙を、このときは全国一斉にやったわけですけれども、その後、例えば、長の死亡でありますとか、議会の解散でありますとか、合併もありましたし、いろいろなことがありまして、先ほどおっしゃられたように、遠心力が働いて、遠心力といいますか分散の方の力が働いて、統一されているものが非常に少なくなってきているということなんですけれども、阪神・淡路のときに、分散化といいますか、そういう傾向にあったものを、でも、せっかくだからというのでそれを無理やり統一に集めたという経緯もありまして、その辺で無理が生じているという印象を私も持っております。

 これは、決め方でありますけれども、私個人的には、自然体で、余り無理をして統一にしなくてもいいのではないかという考え方を持っております。これは、いずれまた四年後の統一地方選挙のときに特例法をつくることになりますので、そのときによく御議論をしていただいた上で決定すべき事柄だと思います。

石井(登)委員 ありがとうございました。

 大臣のそうした私と思いを共有していただいたということで、地元とまた、私の方からもそうした議論をなるべく早目にしっかりと問いかけていきたいと思います。

 最後に一点、お伺いします。

 今回の法律案の中で、告示日設定の弾力化というのがありました。

 これは、遠いところに避難されている方に立候補者の情報を届けて、そしてだれに投票するか決めて、また郵送で返してもらう。そういう際に、例えば町議選であれば、五日であれば短いだろう、三宅島の際にそういう例があったからというふうにお聞きをしております。

 ここで私がお聞きするのは、インターネットを活用した選挙の件でございます。

 インターネットを活用すれば、時空を超えて候補者情報はしっかりと届く。もちろん、投票という意味になるとまたこれは大きなハードルがありますが、少なくとも、インターネットを使った選挙運動を解禁することによって、そうした従来型の選挙ではなくて、時空を超えた候補者の主張を理解する大きなツールになる。それを推進してきて、昨年、できかかったんですが、ちょっと挫折をした経緯がございます。

 これは議員の中で積極的に議員立法でやってくれというような話なのかと存じますが、ただ、こうした観点から、大臣からも、確かにこれが解禁をされていたら民主主義の健全な発展と選挙にとっても大変よろしいと思うと言っていただくと心強いなと思いまして、最後に一点、インターネット選挙運動の解禁について大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

片山国務大臣 これは、おっしゃいましたように、各党各会派で御議論をいただいた上で、成案を国会審議を通じて得ていただきたいということが公式答弁でありますけれども、私も、選挙をやった経験がある者からしますと、個人的なことをあえて申し上げることをお許しいただければ、やはり一定の制約のもとにインターネットを活用した選挙は解禁されるべきだと思います。

 今回のケースに限りましても、それですべて物事が解決するとは思いませんけれども、しかし、現状よりは幅広く、候補者の見解でありますとか主張を遠方におられる有権者の方が知る機会は俄然ふえるだろうと思います。

 インターネットの問題を現行の公職選挙法に照らして見ますと、公職選挙法は、まるで今インターネットが社会の中で普及していないということが前提の法律になっております。

 一方では、私、何回も申し上げるんですけれども、ちょうちんの規制なんかが公職選挙法にはあるわけです、選挙事務所には一個を限ってという。私も選挙のときに、ちょうちんをつけて、何でつけているんだろうかと思ったら、そんな規定があるので、何か誤解をして、つけなきゃいけないものかと思ってつけているわけです。

 要するに、ちょうちんというものが、明かりをともして耳目を集める、そういう一種の媒体として活躍した時代の社会を反映した規定もあるわけでありまして、そういうものは整理をして、新しいツールというものが活用されることを前提にして必要な規制を加えて、そういう方向での改正が求められるし、早く実施されるべきだと私は思います。

石井(登)委員 ありがとうございました。

松崎委員長 次に、西野あきら君。

西野委員 自由民主党の西野あきらでございます。

 限られた時間で、早速入りますが、被災地等で選挙が実施できるために、私は、お話もあるとおり、最低の条件があると思います。

 それは、まず物理的に、投開票ができるというそのスペースが確保されるということ。それからまた、選挙人の名簿が確認できるということ、言いかえれば、選挙人のところに投票の入場券が必ず的確に届くということ。それから、選挙を執行するについて、役場とか市役所等で選挙執行のスタッフといいますか体制、選挙事務が行われるそういう体制が整ったところが、当然ながら最低の条件ではないのかな、このように思っております。

 ところで、被災地の一部では、あすの生活に対しての大変な不安だとか、蒸し暑い避難所で一体いつまでここで過ごさなければならないのか、自分はもとのところに帰れないのかどうか、そういう住居に対する不安とか、あるいは仕事がどうなるんだろうかという不安がまだ現実にあるわけです。そういう人たちに選挙なんということを申し上げますと、何を言っているんだと、とんでもないというようなことをおっしゃる方があるわけですね。私は、そういう心情も、現状の一部ですけれども、よく理解はできると思います。

 しかし、委員長からお話があったとおり、選挙というのは民主主義の、あるいはその地域の地方自治の根幹をなすものであるだけに、できるだけこれは実施をしなければならぬ。当然ながら、選ばれた為政者というものが、その町の復興をどうするのか、あるいは町づくりをどうするのかという方向づけを決める重要な役割、任務を果たすわけでありますから、一日も早く選挙が実施をされるべきだ、こんなふうにも思うわけであります。

 ところで、岩手県の大槌町では、町の人口の約一割、千六百人の方々が亡くなり、もしくはいまだに行方不明であるという。町の職員は、百三十九名で、何と亡くなったり行方不明の方が三十三名もおられるということであります。いわんや、そのトップであります加藤町長も亡くなられてしまった、こういうことであります。

 そんな状況であるにもかかわらず、八月の二十八日には町長選と町議選を同時に執行しようということで、東京都の千代田区とか静岡県、あるいは山形県の方から職員がそれぞれ応援に行っているわけですね。そして実施をしようとしている。

 この実施をしようとする理由は、やはりおくれをとった町の復興に一日も早く緒について、スタートしたいという思いもあるでしょう。そしてもう一つは、選挙人名簿なるものを確定するということは、その町の行政機能をスタートさせる、回復するための第一歩ではないのかな、そのように私は思うわけであります。

 したがって、実施困難と思われる大槌町でも選挙が実施をされること、この成否、成功するか否かということは、他の実施できない地域にもかなりの影響を与えるのではないかな、このように私は思います。

 したがって、お尋ねをしたいことは、九月二十二日までに実施困難だと言われておった宮城県の亘理町とか女川町などとこの岩手県の大槌町とは、どう状況が違うのか。まず教えてください。

    〔委員長退席、手塚委員長代理着席〕

片山国務大臣 例えば、岩手県と宮城県では一般的に仮設住宅の建設のスピードが異なるということが言われております。岩手県の方が比較的早く仮設住宅の整備が進んで、そこに入居されるということ。一方、宮城県の方では、なかなか場所によって仮設が進まなくて、一部の有権者の方の把握が困難であるというようなことが挙げられていると思います。

 ただ、私は、大槌の現状を伺いまして、相当の困難がある中で実施をされるということで、これは本当に敬意を表したいと思います。

 その背景には、今議員がおっしゃったように、町長も亡くなり、その職務代理を務めていた方も、六月二十日だったでしょうか、任期が終わって、次の職務代行者が今町政を執行しているわけでありますけれども、やはり、今後の復興に向けて、ちゃんと住民の皆さんの正当な手続を経た代表によって町づくりをやっていきたい、その意気込みが非常に強かった。

 そのことのあらわれとして、ある程度、かなりの困難はあっても乗り越えてやっていこう、そういう気構えがやはり感じられるわけで、私は、大変敬意を表したい、困難をぜひ克服して、できるだけ公正でルールにのっとった選挙の実施が行われるように願っているところであります。

 他のところも、それぞれなるほどという事情がありますので今回延期せざるを得ないということでありますけれども、ぜひ一日も早く、大槌の例なども見ていただいて実施に努めていただければと願っております。

    〔手塚委員長代理退席、委員長着席〕

西野委員 ところで、平成十二年に三宅島で噴火が起こりまして、全島民が五年間にわたって東京都内に避難をしたんですね。その避難をしている間に実は選挙が実施されたという実績といいますか例があるわけですね。

 福島県内では、延期をしましても、どうしても十二月末までに実施してもらうためにはどんな方法があるのか、それをお示しいただきたいと思います。

片山国務大臣 三宅島の先例があるのでありますけれども、今回、福島県の実情を見てみますと、三宅島は東京都に皆さん避難されたわけでありますけれども、福島県の場合には全国に避難されておられまして、その有権者の皆さんと自治体当局との間の連絡といいますか、情報のやりとりというものが困難をきわめると思います。

 したがって、全国避難者情報システムなどを総務省はつくりまして、避難されている方の居所把握に努めておりますけれども、それらをもとにしまして、自治体の方で、できる限り丁寧に全国に散在されておられる有権者の皆さんとの間で選挙情報をやりとりする、こういう努力が必要になりますし、そのためにかなりの経費もかかりますので、それに対する財政支援措置なども必要になると思います。

 それから、今回の法案にもありますけれども、町村の選挙の場合、五日間という期間が決まっておりますけれども、それを前倒しして告示が可能になるような仕組みも設けられることになりますので、そういうことを活用して、有権者の皆さんに丁寧な情報伝達がなされる、こういうことが必要になるだろうと思います。

西野委員 このたびの震災とか原発事故等によりまして、特例で十二月の末まで延期することを認めようとしておるわけでありますけれども、以前にも出ておったかと思いますが、このことが衆議院の解散・総選挙を拘束するのではないか、こういう考えの方もあると思いますが、これについては、大臣が適当かどうかわかりませんが、とりあえず片山さんの考えをお示しください。

片山国務大臣 国政選挙を拘束することにはならないと思います。憲法で国政選挙の手続が決まっておりますけれども、その期日の延期などの例外を認めるという規定は憲法にありませんので、例えば任期が満了したとか、それから衆議院の解散が行われた、そういう選挙事由が発生しましたら、それはもう例外なく実施をするということになります。

 もちろん、物理的に、一部の自治体の一部の地域において選挙が実施できないということはあるかもしれません。あるかもしれませんけれども、国政選挙自体が延期されるべきというようなことにはならないと思います。

西野委員 最後にもう一点だけ。

 昭和二十一年の四月ですか、いわゆる終戦直後、あの荒廃した、あるいは原爆投下の状況の中にもかかわらず、あの惨たんたる状況の中で総選挙が実施をされたということがあります。

 今回の大震災のこの被害と状況と、どこがどう違うのか、示していただきたいと思います。

片山国務大臣 戦災と津波被害ということで、そういう違いはありますけれども、しかし、一部の地域が壊滅的な被害を受けたとか、投開票所が確保できないとか、それから、今日は行方不明の方がおられるとか居所がつかめない方がおられるという、当時は大陸に大勢の方が行っておられてまだ帰ってこないとか、原因は違っても、似たような状況はやはりあったと思います。

 なぜ違うのかというのは、やはり時代状況が違うとか、それから、国全体が新しい憲法のもとで新しい国づくりに向かうためには、当然、国政の代表者をちゃんと新しい手法で選ばなきゃいけない、そういう事情も反映したものだろうと思います。

西野委員 終わります。

松崎委員長 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之でございます。

 今、石井先生と西野先生の質問を聞いておりまして、私が予定していた質問を全部聞かれてしまいました。ダブらないように、ちょっと視点を変えて御質問したいと思うんです。

 田口部長で結構なんですが、現地調査を総務省の方でされた、有権者の把握とか、選挙執行のための人員体制とか、投開票所の施設、選挙に必要な備品等の確保ができているかどうか等を、各自治体に行って、総務省の方で調査してきた。その上で、今回、まだ、九月二十二日までに実施が困難だというふうな団体が上がってきている。そこと総務省の調査とがきちんと整合性がとれているかどうかという観点から、調査結果についてちょっとお知らせいただきたいと思います。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 特例法によりまして選挙の延期をしております団体のうち、今回私どもが把握しております範囲では、宮城県内では四つの団体が選挙執行困難、そして福島県では八つの団体が選挙執行困難、それを包括しますそれぞれ県議選も執行困難というふうに回答をいただいたところでございます。

 宮城県につきましては、亘理、山元町について、津波被害で浸水した地域を立入禁止区域に指定しているといったことから、仮設堤防の整備によってそれが縮小するのが十月以降になるということで、今回は九月二十二日までの執行はなかなか困難とお聞きしております。

 また、女川町につきましては、町外避難者の一部、約千六百人が避難先が把握できていない、仮設住宅の整備も九月にずれ込むということから、執行困難と聞いております。

 あと、名取市につきましても、約千人の方々の避難先が把握できず、立入禁止区域からの避難者について十月までに調査をするということで、現時点では把握が進んでいないというふうに聞いております。

 また、福島県につきましては、八市町村でございますが、そのうち相馬市と新地町につきましては、直接の原発事故の避難区域等には該当いたしませんけれども、原発事故に伴いまして自主避難をされていらっしゃる住民が多い、その方々の避難先の把握が困難。

 また、川俣町、広野町、川内村、双葉町、葛尾村、大熊町といった原発関連市町村につきましては、仮設住宅の整備が一部九月にずれ込む。また、一たんは居所把握をしたものの、二次避難によって居所が不明になっている方々がいらっしゃる。さらには、役場業務の方も、一時帰宅事業が一部、一巡するのが九月になる見込みがあるといった点から、九月の執行はなかなか困難であるというようなお答えをいただいております。

 現地調査の結果と各県からの聴取結果を総合しまして、現在の状況につきましてはそのように把握をいたしているところでございます。

富田委員 今の田口部長の報告を聞いていまして、二次避難先がわからないとか、そういうのが出てきているということになると、他の市町村とか他県に行った方たちに、仮に今度、選挙をいつやりますというようなときに、きちんと、選挙期日の通知とか、いろいろな形の広報が必要になると思うんですが、そういったところは総務省としてどんなバックアップを考えていますか。

片山国務大臣 これは、例えば、一番肝心なのは居所を把握するということでありますので、全国避難者情報システムを活用しまして、まだ現時点でも実は情報は届けられております。これをさらに続けていくということがあります。

 それから、基本は、それぞれの自治体が選挙をやるときに、必要な情報を遠隔地におられる有権者の方にお届けをするということですから、それを徹底していただく。そのために財源が必要になりますので、それは国の方で特別交付税などで支援をしたいと思います。

 それから、避難先で不在者投票をするということになりますので、最寄りのといいますか、避難先の市町村につつがなく不在者投票を受け入れていただくような、これは法律上やらなきゃいけないんですけれども、さらに、こういう事情でありますので、その事情を勘案して丁寧に受け付けていただくような、そういうお願いをするということは必要になると思います。

 それから、不在者投票のやり方自体が必ずしも国民の皆さんの間で共有されておりませんので、一般的な話になるかもしれませんけれども、政府広報を通じまして、被災者の皆さんに不在者投票のやり方、仕組みというものを理解していただくような、そういう努力もしたいと思っております。

富田委員 ぜひ、必要なバックアップをよろしくお願いいたします。

 先ほど、石井議員の質問を聞いていて、自治体クラウドというのは本当に大事だなというふうに思いました。

 ただ、大臣がおっしゃったように、住基台帳の審議の際に、個人情報の保護という観点から四情報に限られた。私も、当時の地方行政委員会で反対の立場からずっと論陣を張っていましたので、そのときのことを思い出しました。

 ただ、先ほどの学校情報とか医療情報というのは復元できないということになると、やはりクラウドシステムが今のところは一番使い勝手がいいのかな。そこを、国がやるのではなくて、自治体がやることを総務省がバックアップするという大臣の考え方が今一番自然ではないかなというふうに質疑を聞いていて思いましたし、私どもの公明党の千葉県本部でも実は先週そういう議論をして、何とかならないのかというふうに地方議員さんから問いかけを受けたところです。

 非常にきょうのやりとりはサジェスチョンを受けましたので、我が党でもしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。

 もう一つ、石井議員が質問されていた、前の阪神・淡路大震災の際に二カ月ずれてしまった、これは、実は私も地元からいろいろ要望を受けまして、この二カ月の差を何とかできないのかと。

 現実問題としては、当選された方は何もできない。六月十日まで前任者の任期があるので、当選はしたけれども、バッジもない。ところが、前任者は議会が開かれないから何にもしない。結局、二カ月空白になってしまう。

 これはどうやって解消するかというと、国が新たな特例法をつくるか、あるいは首長や前議員が辞職、あるいは自主解散、これしかないというふうにどうも地元ではいろいろ議論になっているようなんですが、国の方で特例法というのもなかなか難しいだろうから、議員立法してくれないのかとか、そういうお話がありました。

 もともと、これは阪神・淡路の後の次の統一地方選挙で復活しちゃったわけですから、ずっと問題になってきたんですが、六月一日を基準日として期末手当が出てくる。そうすると、六月十日までの任期は守りたい。あと、議員年金の話がありましたけれども、三期十二年やっていないと地方議員さんの議員年金が支給されなかったので、四月で任期を切ってしまうと十二年にならない、十一年十カ月。私たち国会議員もこの前切られました。私も九年十カ月で切られましたので年金がなくなりましたけれども、やはりそういう問題があって、なかなか地元でも困っていた。

 そういうことで、大臣は、無理に統一選に合わせなくていいんじゃないかというお話がありましたけれども、ここはやはり議論していく必要があるんだと思うんですね。

 阪神・淡路のときは二カ月でしたけれども、今回の特例法ではかなり、半年とか、今後どうなるかまだわからない部分があるので、ここの任期の兼ね合いをどうしていくかというのが一つ課題として残ると思うんですけれども、そのあたりについて、最後に大臣の御所見を伺えればと思います。

片山国務大臣 これは、次の統一選挙までによく検討する必要があると思います。

 いろいろな解決策といいますか解消策があると思うんですけれども、例えば、極端なことを言いますと、今回特例で延期したところは、本来、統一選で行われていたとしたならば任期はいつまでかということを念頭に置いて、任期の特例で任期を狭めてしまうということも極端なやり方としてはあると思いますけれども、果たしてそれが妥当かどうか。

 それから、私はやはり、かねて思いますけれども、例えば、首長さんが辞職をしたり失職をしたり、それから死亡されたりして選挙の期日が変わったときにはそのままにしているわけですから、無理に統一に合わせる必要はないのではないかという考え方の持ち主であります。それも、異論、反論はあるかもしれません。

 それから、さっきおっしゃったような細々としたこと、それは必ずしも議会の本質的問題ではないとは思いますけれども、しかし、現実には重要な問題だとすれば、では、それを具体的にどう解決すればスムーズに物事が運ぶのかということも視野に入れながら、ぜひこれは次の統一選までには検討したいと思います。

富田委員 ありがとうございました。終わります。

松崎委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 私の方からは、不在者投票の問題から質問させていただきたいと思っております。

 これから、被害が特に甚大な地域、それから避難者が非常に多い、そういう地域で選挙が実施されるということになりますと、投票権の最大限の保障というのが非常に大切だと思うんです。

 そこで、期日前投票はかなり皆に知られていまして、かなりふえておりますけれども、不在者投票ということになりますと、先ほど大臣がおっしゃいましたように、この中身がなかなか周知されていないということがありますので、まず確認ですけれども、不在者投票の手順、これを説明していただきたいと思います。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の震災に伴いまして、それまでの住所地、名簿登録地の選管ですが、そこ以外の市町村に避難している有権者の方々は不在者投票事由に該当すると考えられます。

 その手続につきましては、まず第一に、有権者の方が、選挙人名簿登録地の市町村選管に対して、郵便等で不在者投票用紙を請求する。そして第二に、当該名簿登録地の選管が、有権者の方に不在者投票用紙等を郵便で郵送する。第三に、それを受け取られた有権者の方が、受領した不在者投票用紙等を持って、最寄りの避難先の市町村選管に行っていただく、そこの投票記載場所で不在者投票を行っていただく。そして第四に、その投票を受け取った避難先の市町村選管が、その不在者投票用紙等を名簿登録地の選管に、そしてさらには投票管理者に送致をする、そしてその投票が開票に付されるというような手順になると存じます。

佐々木(憲)委員 今聞いても、これは比較的複雑なんです。例えば、有権者は、自分が何をしたらいいのかというのがすぐぱっと理解できない。今聞いただけでも、三回の郵送が必要になるわけですね。郵送作業を行うというのも、かなり膨大な仕事量になると思うんです。その人員も必要である。それから、選挙のための広報、これも必要になる。

 政府として、財政支援、人的支援、この点でどのようにお考えか、大臣の見解をお聞きしたいと思います。

片山国務大臣 これは、主として人的支援とそれから財政的支援になると思います。

 選挙を実施される自治体において、通常のときよりも作業が随分複雑になりますし、膨大になりますので、その面で職員の補充が必要だということになりましたら、全国市長会などと協力してつくっております職員の派遣システムを通じて応援をしたいと思います。

 それから、場合によって、例えば域外から多くの方を避難者として受け入れている自治体において、不在者投票のために人員が必要だということになりましたら、それも実情に応じて人材の派遣をする。これは実際に、既に統一地方選挙のときに、遠野市などに自衛隊の皆さんの不在者投票のための人員を総務省から大勢派遣した経験もありますので、そんなことも考えなきゃいけないと思います。

 それから、先ほど言われました、何回も郵便によるやりとりがありますので、かなり通信料といいますか郵送料がかかりますので、それに対しては、実情を伺いながら、特別交付税を通じまして支援をしてまいりたいと思っております。

佐々木(憲)委員 有権者にとりましては、住んでいたところから避難されて、かなり遠いところで生活をされている。その場合に、だれが立候補して、どういう政策をその人がお持ちなのか、情報がなかなか届かない。どういう方法で有権者に政見を知らせることが可能なのか。選挙公報を郵送する、これは一つの方法です。しかし、選挙公報ができないところもあるし、つくっていないところもある。そうなりますと、また時間もかかる。手っ取り早いと言うと語弊がありますけれども、各選管のホームページに掲載する。そうすれば、どこに住んでいようが、そのホームページを閲覧できるわけでありますから、例えばそんな方法も考えられないか。

 それからもう一点は、避難者が住んでいる、例えば千代田区なら千代田区の選管に行って投票するわけですけれども、その選管というのが一体どこにあるのか、なかなかわかりにくい。不在者投票所というようなものをすぐわかるような掲示ができないかというようなことですね。

 この点についてどういう対応をされるか、お聞きしたいと思います。

片山国務大臣 遠隔地に避難されている方に該当の選挙の情報が的確に伝わることは大変重要なことだと思います。特に、選挙の実施はもちろんですけれども、候補者が、どんな方が立候補されておられるか、それぞれの方がどういう公約を出されているのかということも伝わることが必要だろうと思います。

 それには、先ほどの不在者投票の手続に従いまして、選管から、候補者の名簿でありますとか、それから選挙公報、これは任意でありますけれども、多くの自治体でつくられておりますので、それが的確に届くようにするということが必要だろうと思います。

 さらに、先ほど来議論がありましたけれども、私は、やはり今回のことを考えましても、選管、選挙を実施する主体もそうでありますし、それから候補者の方もそうですけれども、インターネットを活用してそれぞれ必要な情報を有権者に届ける、そういうツールが早く公に活用できるようにする、そういう環境を整えるということは、この際、必要だろうと思います。

 それから、避難先の自治体の選挙管理委員会がどこにあるのかというようなことは、これは尋ねていただければわかると思いますけれども、ぜひ、これは全国の市町村におかれまして、丁寧に対応していただくように、できるだけよくわかりやすく周知されるように、改めてこれはお願いをしたいと思います。

佐々木(憲)委員 最後に広報活動です。

 避難者に対して不在者投票の周知徹底を図る広報活動というのは大変重要だと思うんですが、自治体任せにしない、やはり政府として、この際、しっかり対応すべきだと思っております。

 総務省のホームページに、不在者投票の方法とか各地の選管の住所、投票用紙の請求のひな形、一番最初に請求しなきゃならぬのはそこから始まるわけですが、どんな請求書をつくっていいのかわからない、そのひな形が出ていれば非常にわかりやすいということもあると思います。

 そういうこともありまして、私は前回も指摘したんですけれども、明るい選挙推進協会に委託して啓発活動を行っておられましたが、これは事業仕分けだというのでカットされまして、これは復活すべきだと思うんですけれども、そういう点も含めて、御見解をお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 有権者の皆さんに、不在者投票の仕組みでありますとか、どんな様式であるかというようなことにつきましては、既に総務省のホームページに掲載をしております。これはできるだけ、さらにわかりやすく、わかりやすいところをクリックできるようにするとか、工夫をしたいと思います。

 それから、先ほど申しましたように、政府広報を通じまして、不在者投票の仕組みというのをインターネットを使わない方にも知っていただくように努力をしたいと思います。

 それから、明るい選挙の話が出ました。これは、選挙について広報することが、啓発することがいけないということではなくて、その契約の仕方でありますとか天下り関係とか、そういうことに着眼しての仕分けがあったわけでありますけれども、私は適切な周知と啓発は必要だろうと思います。

 当座、これは政府広報などを通じましてやりくりをしながらやりたいと思いますけれども、今後の問題としては、おっしゃったようなことも念頭に入れながら、選挙について国民の皆さんに十分正しい知識が周知されて、しかも、いわゆる明るい選挙、選挙の浄化というものがなされるような、そういう努力は考えていきたいと思います。

佐々木(憲)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

松崎委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利です。

 ほとんど質問項目が重複してしまっておりますが、冒頭に一つだけお願いをしておきたいと思います。

 選挙期日の延長については今回三回目を迎えるわけですが、先ほど来お話がありますように、復興復旧、とりわけ新しい町づくりを進めるためには、新たに選出された議員やあるいは首長によって進められるべきだというふうに思っています。しかし、今の状況からすると、選挙どころではない、こういう声がたくさんあるというふうにお聞きいたしています。今回延期されて、期日どおり年内にできるように、そのためには復旧復興を一刻も早く政府が総力を挙げる必要があると思いますので、この点も改めてお願いを申し上げておきたいと思います。

 それから、選挙が実施できない自治体の理由については、先ほど来出ております、有権者の把握が難しい、自治体の機能が喪失をしている、あるいは選挙まで手が回らない、こういう理由等が挙げられていますが、このほかにどのような条件がクリアされれば、今回の延期の対象となった自治体が選挙ができるのか。そのほかの理由について、ございましたらお願いをいたします。

 それから、県外の避難者に対する把握については、先ほど富田議員からの質問で数も出ました。

 そこで、県外に避難した方々の把握というのが非常に難しいと思うんですけれども、この把握のあり方あるいは周知の徹底をどうされるのか、改めて御答弁をお願いしたいと思います。

逢坂大臣政務官 お答えいたします。

 選挙を実施するために一番目に必要になるのが投票所、開票所、この物理的な場所がしっかり確保されるということがあると思います。それからもう一つは、御指摘がありましたとおり、マンパワー、それを執行するための体制が整うかどうかという問題。それと加えて、きょうもずっと議論になっておりますけれども、避難されている方がどこに住んでいるか、居所の問題。これらがクリアされるということが、選挙を執行する上で非常に大事だというふうに思っております。

 その上で、最後に御質問いただいた点でありますけれども、それでは実際に、今回、福島県内の指定市町村、特例市町村から県外にどの程度の方が出ておられるのかというところでありますけれども、福島県選管にこの点を確認いたしたところ、選管としても今一生懸命いろいろと把握に努めているというふうに伺っております。特に、義援金の配分などを通じて一たん居所が確認されたということもあって、これで何とかなるかなと思っていたところが、その先、またさらに避難先を変えられたということもあって、現時点では必ずしも十分に把握ができていないというのが現実だというふうに承知をいたしております。

中島(隆)委員 県外避難者の把握については、選挙だけじゃなくて、今お話がありました義援金の交付とか、いろいろな形で住民サービス、今後の連携が必要だと思います。ですから、行政の縦じゃなくて横、あるいは自治体関係の連携、これを十分しながら把握をしていただきたいというふうに思います。

 二点目ですが、今回の改正は、現行法の指定日をさらに、期日の前に告示を可能とするということでありますが、告示日が早まれば選挙運動期間も延びるわけでありまして、極めて実務的な質問ですけれども、選挙期日の延長によって法定選挙運動費用について何か変化があるのかどうか。あるいは、選挙期間が長くなれば当然選挙の費用がかかるわけでありまして、これらについての対策、対応というのが何かなされるのかどうか。

逢坂大臣政務官 今回の特例措置によりましてどの程度いわゆる告示日が前倒しになるのか、これは必ずしも十分に推測できないところではありますけれども、ただ、実際問題、そんなに大幅に前倒しになるものではないのではないかというふうにも思っております。

 以前に行われました三宅村の例でありますと、この際は、通例五日間でありますけれども、これが七日間、一週間に延びたということがございますので、これが参考になろうかと思います。そうして考えてみますと、選挙費用等、大幅に増嵩することはないのではないかというふうにも思っております。

 加えまして、現行の公選法、この中においても実は告示日の前倒しということは可能なわけですが、その際においても、選挙の法定費用ですとかそういうものに関する特例はないということになっておりますので、今回もそのように考えてまいりたいと思います。

中島(隆)委員 それから、これまでの支援については先ほども出ましたし、これからの支援についても出ました。

 統一地方選挙の支援については、被災地の自衛隊とか警察、消防関係の不在者投票を行うために、岩手県遠野市や仙台市に総務省からの派遣がありました。今回の岩手県知事あるいは岩手県議選、陸前高田市の市議会選挙にも、六月からもう既に川崎市から派遣をされているということであります。

 先ほど大臣の説明はありましたが、支援は、総務省などから支援をされると思うんですが、選挙事務であれば、当然総務省の専門の方も行かれると思うんですが、やはり一番熟練をされた自治体の応援というのが非常に重要だと思うんですが、これについての改めての体制をどういうふうにとられるか、お尋ねいたします。

逢坂大臣政務官 中島委員御指摘のとおりだと思います。私自身も選挙事務に直接携わったことがありますけれども、経験のない者があの事務に携わるというのは、これはなかなか簡単なことではありません。やはり選挙事務に対する土地カンのある人がやることで随分効果的になるというふうに思います。

 そこで、今回でありますけれども、都道府県選挙管理委員会連合会あるいは指定都市選挙管理委員会連合会、これらの協力を得まして、被災自治体から具体的な人的支援の要請があった場合には必要な人的支援を行うというような仕組みを構築したところでございます。

 先ほど御紹介のありました岩手県陸前高田市への派遣につきましても、今回のこの仕組みを利用して職員を派遣しているということでありまして、ニーズに応じて、求められる人材が派遣できるように支援をしてまいりたいと思います。

中島(隆)委員 支援につきましては、選挙期間の支援はもちろんでありますが、その準備のための支援も大変必要だと思うので、その点も含めて、やはり準備段階からそういう人的支援が必要であれば、そういう手だての支援をぜひお願いしたいと思います。

 最後に、今後想定される支援についてですが、先ほど来それぞれ出ておりますように、今回の支援というのは、やはり人的と財政、これが一番重要だと思います。十二月末までに選挙を完了するためにはこの万全な支援体制が必要だと思いますが、改めて大臣に支援の決意についてお尋ねをいたします。

片山国務大臣 幾つかのポイントがありますけれども、一つは人材の問題で、先ほど来るる話がありましたけれども、一般的には、市町村の職員を、全国の協力を得まして派遣をするということをやっておりますけれども、特に選挙の場合、非常に専門性が要求されますので、核となる職員、これは、例えば陸前高田に川崎市の選挙管理委員会の職員が今行ってもらっておりますけれども、そういう職員が必要になりますので、これは都道府県選挙管理委員会連合会でありますとか指定都市選挙管理委員会連合会でありますとか、そういうところに既にお願いをしておりまして、必要な人材を派遣していただくことにしております。

 それから、必ずしもそうでない、専門性が必ずしもなくてもいいという職員は、既存の市長会のシステムを使って派遣をしていくことになります。

 それから、もろもろの経費がかかりますので、郵送料その他かかりますので、それは特別交付税で支援をしていきたいと思います。

 それから、不在者投票が非常に多くなると思いますので、これは、それぞれ避難先の最寄りの市町村ということになりますので、全国の市町村の選挙管理委員会に対して、ぜひ丁寧な対応をしていただく。情報の提供も含めて、丁寧な対応をしていただくようにお願いをしているところであります。

中島(隆)委員 時間が参りましたが、特に人的支援については、やはり被災された方々は選挙の意識そのものも落ちているわけですから、そういう面での支援も含めた支援体制をとっていただきたいし、財政については、復興復旧で大変な状況にありますので、特に万全な支援をよろしくお願いしておきたいと思います。

 終わります。

松崎委員長 これにて発言は終了いたしました。

 お諮りいたします。

 東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

松崎委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松崎委員長 この際、手塚仁雄君外四名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。赤澤亮正君。

赤澤委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文を朗読し、説明にかえさせていただきます。

    東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する件(案)

  本委員会は、東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を提出することに決した。

  本案は、東日本大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日の延期の期限を、平成二十三年十二月三十一日まで延期するとともに、特例選挙期日の告示日について、現行法に規定する告示日以前の日とすることができるようにするものである。

  これらの選挙期日の延期は被災地域の実状を考慮した真にやむを得ない臨時特例措置ではあるが、もとより、選挙は民主主義と地方自治の根幹をなすものであり、地域住民の選挙権は最大限尊重されなければならない。今後の復興に向けた取組を可能な限り加速するためにも、関係地方公共団体において、できる限り早期に選挙が執行されるべきものである。

  そのため、政府は、関係地方公共団体の意向等を踏まえ、選挙実施体制確立のために必要な職員の派遣その他の人的支援、被災地域において選挙を実施するために追加的に必要となる経費に対する財政的支援、その他避難者の不在者投票を円滑に実施するための措置など、関係地方公共団体に対して十分な支援を行うべきである。

  右、決議する。

 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

松崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

松崎委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。

 この際、ただいまの決議につきまして、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。片山総務大臣。

片山国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

松崎委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時十分散会


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