衆議院

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第6号 平成27年6月18日(木曜日)

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平成二十七年六月十八日(木曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 山本  拓君

   理事 大串 正樹君 理事 坂本 哲志君

   理事 白須賀貴樹君 理事 田中 良生君

   理事 盛山 正仁君 理事 黒岩 宇洋君

   理事 浦野 靖人君 理事 佐藤 茂樹君

      穴見 陽一君    井野 俊郎君

      伊藤 忠彦君    今枝宗一郎君

      大西 宏幸君    門山 宏哲君

      神田 憲次君    坂井  学君

      助田 重義君    中川 俊直君

      長尾  敬君    長坂 康正君

      藤井比早之君    古川  康君

      三ッ林裕巳君    宮内 秀樹君

      宮崎 政久君    武藤 貴也君

      山下 貴司君    若狭  勝君

      岸本 周平君    後藤 祐一君

      玉木雄一郎君    福島 伸享君

      宮崎 岳志君    井出 庸生君

      木下 智彦君    牧  義夫君

      國重  徹君    角田 秀穂君

      穀田 恵二君    塩川 鉄也君

    …………………………………

   議員           逢坂 誠二君

   議員           黒岩 宇洋君

   議員           後藤 祐一君

   議員           重徳 和彦君

   議員           穀田 恵二君

   総務大臣政務官      あかま二郎君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           稲山 博司君

   衆議院調査局第二特別調査室長           細谷 芳郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十八日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     大西 宏幸君

  藤井比早之君     穴見 陽一君

同日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     藤井比早之君

  大西 宏幸君     小田原 潔君

    ―――――――――――――

六月十二日

 政党助成金の廃止に関する請願(斉藤和子君紹介)(第一八〇九号)

同月十六日

 政党助成金の廃止に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一九四三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇八五号)

同月十七日

 政党助成金の廃止に関する請願(畠山和也君紹介)(第二三一三号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四一八号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第二五九五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二五九六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二七〇〇号)

同月十八日

 政党助成金の廃止に関する請願(池内さおり君紹介)(第三〇四二号)

 同(笠井亮君紹介)(第三〇四三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三〇四四号)

 同(藤野保史君紹介)(第三〇四五号)

 同(宮本徹君紹介)(第三〇四六号)

 同(畠山和也君紹介)(第三一二一号)

 同(池内さおり君紹介)(第三二一七号)

 同(藤野保史君紹介)(第三二一八号)

 同(本村伸子君紹介)(第三二一九号)

 同(宮本徹君紹介)(第三三三一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(黒岩宇洋君外三名提出、衆法第一八号)

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(江田憲司君外四名提出、衆法第三号)

 政党助成法を廃止する法律案(穀田恵二君提出、衆法第一号)

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(穀田恵二君提出、衆法第一七号)


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     ――――◇―――――

山本委員長 これより会議を開きます。

 黒岩宇洋君外三名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案、江田憲司君外四名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案、穀田恵二君提出、政党助成法を廃止する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長稲山博司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山本委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山下貴司君。

山下委員 自民党の山下貴司でございます。

 今国会において、政治資金に関する質疑の一環として、補助金受給の法人からの政治活動に関する寄附が政治資金規正法違反となるか否かについて、たび重なる質疑が行われているところでございます。

 また、この問題については、与野党の議員を問わず指摘を受けたこともあって、本委員会にもさまざまな観点から政治資金規正法の改正案が出されているものと承知しておりますが、こういった質疑の前提として、私からは、まず、国から補助金等を受けた会社その他の法人に係る寄附制限について、その趣旨について確認させていただきたいと思います。

 お配りした資料の一でございますが、この寄附制限は、国から一定の補助金の交付の決定を受けた会社その他の法人は、一年間、政治活動に関する寄附をしてはならないということでございまして、この規定の趣旨というものは、そういう会社その他の法人が、補助金等を受けているということにより国と特別な関係に立っており、その特別な関係を維持または強固にすることを目的としてなされる不明朗な寄附を防止しようという趣旨だということでございます。

 そして、その不明朗な寄附ということに当たるかどうか、防止される寄附に当たるかどうかについて除外事由を設けていて、そこの資料一にありますように、規定の趣旨に照らし、補助金等を受ける会社その他の法人を利するような性質のものでないものについてはこの寄附制限を受けないということになっております。そして、そういった法人を利するような性質のものではないというものについて三つ、試験研究、調査に係るもの、災害復旧に係るもの、その他性質上利益を伴わないものというものが挙げられております。

 この、国から補助金等を受けた会社その他の法人に係る寄附制限についての趣旨というのは、このような理解でよろしいのでしょうか。まず総務省からお答え願います。

稲山政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の規定の趣旨でございますが、先ほどございましたように、国と特別な関係を維持、強固にすることを目的とした不明朗な政治活動に関する寄附を防止する見地から設けられているものと承知をいたしております。

 このような規定の趣旨に鑑みまして、補助金等の性質が直接に特定の会社その他の法人の営利を助長したりあるいはその経営を強化するものでない補助金等につきましては、この制限規定の適用除外とされているものと承知をいたしているところでございます。

山下委員 ありがとうございました。

 後に御説明するように、そもそも、会社あるいは法人、団体による政治資金の寄附というのは、憲法上は、公共の福祉に反しない限り、政治資金の寄附の自由を有するという権利でございます。

 そういったことから、微妙なバランスの上にこのような制限がなされているということでございますが、他方で、やはり今国会において指摘がなされたようなさまざまな質疑、疑問があるところでございます。

 こうした質疑の中で、先般の衆議院予算委員会、これは三月三日でございますが、総理から、現行法制のもとでこうした問題が生じないように何ができるのかということを考えたいという御発言がありました。政府としてはこのような取り組みを進めていると承知しているんですが、その取り組みというのを具体的に教えてください。

稲山政府参考人 お答えいたします。

 御指摘ございましたように、この国会におきましても寄附に関しまして御質疑等が行われたところでございまして、こういったことを踏まえますと、より規定の趣旨の明確化を図っていく、こういった取り組みを進めることが重要であると認識をいたしているところでございます。

 そうしたことから、政府といたしまして、寄附制限に係ります適用除外要件につきまして、ガイドラインを定めてそれを明確化するなど、現行法制下での運用改善を速やかに行うこととしたところでございます。

 具体的には、総務省におきまして、規正法の趣旨にのっとりまして、国から補助金等の交付を受けた法人に対する寄附制限に係る適用除外要件につきまして、可能な限りその内容を明確化したガイドラインを作成いたしました。

 これに沿いまして、各補助金等を所管いたしております各府省におきまして、それぞれの補助金を、適用されるものかどうかということにつきまして分類いたしまして、その結果を会社等その交付先に通知する、こういったことにしたところでございます。

 先般、各府省における所管の補助金等の分類作業が終了いたしましたので、五月二十九日以降、各府省が各補助金の交付決定等をする際に、その通知等にあわせて、順次、分類結果の通知を開始しているところでございます。

山下委員 政治資金規正法二十二条の三第一項に規定する「試験研究、調査又は災害復旧に係るものその他性質上利益を伴わないもの」、これに該当するかどうかというのは、やはり一義的には寄附に際しての寄附者の判断が基本となるものではありますけれども、そういった通知というのが法人が寄附できるかどうかの判断に資するということは言えると思います。

 ただ、この分類結果の通知、法人にとっては大変重要なものと考えられるところなんですが、総務省も、所管官庁として、各府省の通知の発出に漏れが生じないように、こういった配慮はしているんでしょうか。

稲山政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘ございましたように、この通知は、政治資金規正法の趣旨の明確化を図る観点から、大変重要な役割を果たすものと認識をいたしているところでございます。

 この通知を行うことにつきましては、補助金等を所管する各府省の責任においてなされるものではございますが、各府省におきまして、省内に通知漏れが生じないよう周知徹底を図っていると聞いているところでございます。

 仮に各府省からの通知が行われなかった場合には、各府省の責任が生ずるものではございますが、確実に行われることが必要でございます。

 当該通知が遺漏なく適切に行われますよう、毎年、私ども総務省といたしましては、各府省に対しましてもその周知徹底等を図ってまいりたい、このように考えております。

山下委員 先ほど来御説明がありました、まず、この規制につきましては、政治活動の自由と不明朗な寄附を防止するという微妙なバランスの上で、現行法にのっとって政府がさまざまな取り組みをしているということはわかりましたが、さらにここはしっかりと取り組みをしてまいりたいと思っております。

 そして、今回、各党から改正案が出されておりますので、そのことについて御質問をさせていただきたいと思います。

 昨今、あらゆる場面で法的根拠は何だということが問題になっておりますので、そもそも法人からの寄附がなぜ許されるのか、そういったことについて、法的根拠ではないんですが、八幡事件の最高裁大法廷判決、これを引かせていただきたいと思います。

 それがお配りの資料三でございますけれども、まず、この下線部で引かせていただいたとおり、憲法は政党の存在を当然に予定しているものというべきであり、政党は議会制民主主義を支える不可欠の要素だ、この健全な発展に協力することは、会社に対しても、社会的実在としての当然の行為として期待されるところであり、協力の一態様として政治資金の寄附についても例外ではない。

 そして、この判決は、憲法第三章に定める国民の権利及び義務の各条項は性質上可能な限り内国の法人にも適用されるべきものと解すべきである、自然人たる国民と同様、国や政党の特定な政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有するというのが法人でございます。政治資金の寄附もまさにその自由の一環であるということであり、これを自然人たる国民による寄附と別異に扱うべき憲法上の要請はないということでございます。

 すなわち、法人、企業、団体による政治資金の提供というのが、これが、実は企業、団体側からの人権であるというところであります。あらゆる企業、団体については、政治活動の自由、これは性質上認められるものでございまして、企業、団体のみならず、例えば、組合の政治活動であるとか、あるいは、組合の皆様の政治資金を集めて、そういう団体から寄附を受ける、あるいはパーティー券を買う、そういったことは当然の権利として憲法上認められているというところでございます。

 逆に、これを制約するということは、人権の制約にもなりかねない、そういったことも考えながらやらなければならないと思っております。

 そうした点からすると、やはりこういったことに関する規制というのは明確であり公平でなければならないと考えております。

 そういったことから、まず、民主党案について御質問させていただきたいんですが、民主党の黒岩先生、民主党法案においては、国から補助金等を受けた会社その他の法人に係る寄附制限についてのみ罰則というか改正をしておりますが、それ以外はいいんでしょうか。例えば外国人献金、この問題については今回の改正では全く手がつけられておりません。外国人による献金の問題についても、いろいろとやはり国会でも問題にされたということは事実でございます。

 この点について、なぜ国から補助金等を受けた会社等に係る寄附制限についてのみ取り上げるのか、御説明いただきたいと思います。

黒岩議員 山下委員の御質問にお答えをさせていただきます。

 私ども、今回、特に二十二条の三、補助金受給企業等に、寄附制限に対して法改正というものを提案させていただいております。

 昨年来から、補助金受給企業等からの寄附制限について、先ほど委員もおっしゃったように、これは与野党別なく、国会、政治の側にいる我々が国民から特段の疑惑を招いている。

 そして、その条文が不明確であるという御指摘がありました。特に、例外規定であるとか、または、知りながらという文言がありますので、知らなければいいのかといった国民からの疑念の声もございました。また、二十二条の三の主語が国となっておりますので、国から直接でなければいい、こういったことに関しても、国民からは、そんな甘い条文でいいのか、こういった強い御指摘もあったこともありましたもので、私どもとすれば、まずは、今、特段国民からの疑念を生じている問題について、条文上、対処をしていかなければならない、そういう観点から、特に補助金受給企業等に対応しておこう。

 先ほど委員のおっしゃいました外国人献金等、質的な制限を受けていることについても、今後また国会で議論を進め、検討していくことについては、何ら私どもはそれを否定する立場ではありませんので、多くの各党会派の皆様と議論をしていきたいと思っております。

 ただ、もう一点付言いたしますと、私どもは、企業・団体献金に関しては、やはり政党助成法の議論のときに、国民の税金から政党交付金をいただくということに関して、企業・団体献金については縮小、廃止の方向という議論がありましたもので、その方向性にのっとって禁止をしていこうという党の方針については変わっておりませんけれども、今申し上げた理由で、特段、この二十二条の三を中心に改正案を提出させていただいたところであります。

山下委員 御党の提案については、さまざまな議論もございます。ただ、ちょっと論点を絞って御質問させていただくことになりますと、先ほど、現行法案の条文が不明確だという御指摘がございました。

 ただ、他方で、御党の改正案を見せていただきますと、寄附の制限の対象とされない補助金を、「政党交付金その他法律で定めるもの」ということになっております。ある意味白紙的な、その他法律でどんなものが定められるのか、どういうものが禁じられているのか。これは、寄附をする側にとっても受け取る側にとっても、一体どこまで広がりを持つんだろうということが不明朗ではないかということがございます。

 特に、どのような形で法律で定めるものというふうにお考えになっているのかということを御説明いただくとともに、また、その定め方によっては、例えば、補助金をこうやって特定してやると、名称が変わっただけで性質が変わらないのに、これは寄附をできたりできなかったりするということにもなりかねないということで、その点について、私は、今のような試験研究、調査に係るもの、災害復旧に係るもの、その他性質上利益を伴わないものをという方が立法趣旨に合うのではないか、そしてより明確ではないかというふうに考えておるんですが、その点についてお願いいたします。

黒岩議員 お答えいたします。

 このたびの私どもの改正案は、基本的に例外規定というものは削除するという考え方であります。

 ただ、先ほど申し上げたとおり、政党交付金に関しては、これは法の趣旨からして、政党が受け取り、それが政治団体に寄附をされるということについては、これは法の趣旨にのっとって認めるべきであろうということで、政党交付金を除く。

 そのほかにつきましては法律で定めるとさせていただきましたのは、今の例外規定、試験研究、調査及び災害復旧、そのほか性質上利益を伴わないもの、この利益を伴わないものも含めて、試験研究についても、総務省のガイドラインでも、これは利益を伴う場合もあるというような解説もされておりますので、これは国民にとっても、もちろん献金する企業にとってもなかなかわかりづらいという認識に立ちまして、基本的には、例外は極めて限定的なものである。

 ただ、この国会の場におきまして、もちろんこの改正案が通った後の話でありますけれども、各党会派、また各階層の皆様から、この補助金についてはどうしてもやはり例外の対象にしてほしいということになれば、これをしっかりと議論し、そして法律で定めて、そして、これは限定列挙という形で、しっかりとこの補助金は制限の対象にはなりませんということを示すことによって、企業に対しても明確化が図れる、そのように考えております。

山下委員 それでは、端的に、例えば、法律で定めるものという場合の法律の定め方、具体的なイメージがあったら、おっしゃってください。

黒岩議員 今申し上げたとおり、私どもとすれば、極めて限定的なという立場でありますので、いざ国会の場におきまして、これは各党会派でございますので、山下委員の自民党会派の方からも、やはりこの補助金についてはという、そういった御提案があれば、それはこの場で議論をしていくということでありまして、現時点で性質とか、ましてや具体的な補助金名等を想定しているわけではない。

 いずれにせよ、将来において、しっかりと国会での議論によって明確に定めていくことが肝要である、そのように考えております。

山下委員 そうなると、基本的に、補助金を受けた企業、これは世の中にはたくさんの補助金がございます。そして、それは必ずしも政治的なものということではなくて、例えば、災害復旧にどうしても必要なもの、それが額についてもさまざまな額のものがあり得ます。それを一旦受け取ったら、一円でも受け取ったら政治的活動の一環である寄附ができないということになると、これはかなり大きな制限になろうかというふうに思います。私は、まだ現行法の方が明確ではないかということを考えております。

 また、もう一つは、政治的活動に関する寄附の制限の規定に違反した寄附であることを知りながらというふうな部分を削除するということですが、まず当局に、この知りながらというところが入っておる理由について御説明願います。

稲山政府参考人 お答えいたします。

 寄附を受ける側につきましては、寄附を行う側の会社その他法人の一つ一つにつきまして、寄附制限の対象となる補助金の交付の決定を受けているかどうか等の事実関係を知ることが困難でございますので、寄附制限の寄附であることを知りつつ、なおそれを受けるというような場合について禁止することとされたというふうに承知をしております。

山下委員 ありがとうございます。

 本当に、先ほどおっしゃるとおり、やはりこれはなかなか外形上はわかりません。例えば外国人であれば、外観であるとか名前とかでわかる場合もありますけれども、どんな財務内容であるとか寄附、補助金を受けたかどうかというのは外形上わからない。そういうことになると、いわゆる刑法で言う未必の故意だけでは足りないと思われます。そういったことで、こういうものがしっかりと要るんだろうと思います。

 最後に、民主党の御意見に。

 先ほど、外国人からの寄附の受領については、罰金は五十万のままなんですよ。ところが、補助金についてだけ百万に上げるんですが、罰金の額を違えるという趣旨についてはどのように御説明されるんでしょうか。

黒岩議員 これは繰り返しになりますけれども、昨年来、補助金受給企業からの寄附制限に対しての問題が発生したということがありましたので、特段、この国民からの疑念について、趣旨を徹底させていこうということで、罰金を百万に上げるということでございます。

 ただ、今委員御指摘の外国人、またその他の、例えば赤字企業であるとか匿名による献金であるとか、こういった質的制限についての罰金は五十万というままにしておりますけれども、これを引き上げることを我々も決して否定しているわけではありませんので、これはまた御議論の中で比較考量を図っていきたい、そのように考えております。

山下委員 ありがとうございます。

 各党さまざま、政治を浄化しようということでいろいろな御意見を出されているのはよく承知しているんですが、人権との微妙なバランスの中でやっているというところ。あと、資料四にもありました、各党さまざまな形でやはり政治資金は得ておるわけでございます。

 この政治資金の問題、例えばお金持ちしか、あるいはもうかっている事業しかやっていない政党しか出られないということになると、これはやはり政治上間違ったことになりますので、我々もしっかりと、与党としても、また一政治家としても見てまいりたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

山本委員長 次に、角田秀穂君。

角田委員 公明党の角田秀穂でございます。

 国の補助金交付が決まった企業から、与野党国会議員が代表を務める政党支部への寄附が政治資金規正法二十二条の三に抵触するのではないかと指摘される事案が相次いで起こったことから、この委員会でも、総務大臣から、政府として、政治資金規正法の趣旨にのっとり、国から補助金等の交付を受けた法人に対する寄附制限に係る適用除外要件について明確化したガイドラインを作成して、これに沿って補助金などを分類の上、その結果を交付先に通知するといった形で現行法制下での運用改善を速やかに行うとするような発言がございました。

 これを受けまして、寄附の制限の対象とされない例外的な補助金等について、政党交付金のほか、試験研究、調査または災害復旧に係るものその他性質上利益を伴わないものも含まれているわけですけれども、この要件が曖昧であるということで、できる限り法の趣旨を明確化しようとする取り組みが政府全体で行われているところで、先ほどの質疑の中におきましても、既に各省庁での分類が終了して、通知が今まさに行われているところだというような御答弁がございました。

 それに関して、一点だけ政府の方に確認のためお伺いをさせていただきますけれども、これがちゃんと通知されているのかどうかというチェックというものは、どこがどのようにやっていくのか。現行法では、知りながらやってはいけないということになっております。ここのところが非常にこれから大事になってくると思いますので、その点を一点確認させていただきたいと思います。

稲山政府参考人 お答えいたします。

 先ほど御答弁申し上げましたように、分類作業等について、各府省にお願いいたしました。それが終了いたしましたので、五月二十九日以降から、補助金等を所管する各府省におきまして、当該補助金の交付決定が行われる際に、この交付決定時期というのは各補助金によっていろいろでございます、それがあるときに順次、その中にあわせて通知をしていただくということでございます。

 主な省庁等、私どもも確認をさせていただきましたが、既に、交付決定等におきまして、実施されているときにはそういう通知が行われている、始まっているということは確認をしておるところでございます。

 ただ、この交付決定通知につきましては、本省ばかりでなく、出先機関とかさまざまなところで行われておりますので、先ほど御答弁させていただきましたように、確実に行われる必要がございます。

 それぞれ各府省におきまして工夫を凝らしてやっていただくところでございますし、私ども、そのように要請をしておるわけでございますが、私どもといたしましても、各府省に機会を見て毎年ちゃんとやっているかどうかということはお願いもし、また、何かいいチェックの工夫はないかということについては、よく意見等もお聞きしながら考えていきたいというふうに考えております。

角田委員 この辺については、しっかりとそういった体制づくりもこれから取り組んでいただきたいということを要望させていただきたいと思います。

 次に、提出されております政治資金規正法改正案について伺っていきたいと思います。

 いわゆる政治と金の問題は、国民の政治に対する信頼を損なう、政治家に対する国民の信頼なくしては政治を進めることはできないとの思いから、公明党としましても、これまでも一貫してこの面での改革に取り組んでまいりました。政治と金をめぐる事件、疑惑の防止策として、秘書などの会計責任者が政治資金収支報告書の虚偽記載などの違法行為を行い、議員が相当の注意を怠った場合には、監督責任のある政治家本人の責任を問い、公民権停止、失職となる政治資金規正法改正案を重ねて提出してきたという経緯もございます。

 政治と金の問題については、各党が真摯に議論をして、改革を進めていかなければならないと考えております。そうした思いに立って、今回、提出された政治資金規正法について幾つか質疑をさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず初めに、民主党・無所属クラブ提出の改正案についてお伺いをさせていただきます。

 まず、この法律案につきまして、提案理由の中で、「国民から急ぎ改正が求められている課題に対処し、補助金を受ける企業による献金規制の厳格化、すなわち、現行法制の寄附制限規定の曖昧さを排し、禁止事項を明確化すること、また、罰則の強化により、政治資金調達の適正化を促進する必要がある」という御説明でございました。

 民主党が平成二十三年三月に取りまとめた民主党政治資金規正法改正案の概要の中で、企業、団体による寄附、パーティー券購入の禁止が掲げられておりましたが、今回、改正案では、企業・団体献金については、禁止でなく、国等から補助金等の交付の決定を受けた会社その他法人による政治活動に関する寄附の制限の強化ということにとどめております。従来掲げていた禁止ではなく寄附制限の強化に絞った理由について、改めてお伺いしたいと思います。

 また、今回の改正は急ぎ求められている課題に対応するものだとするならば、今後、さらなる改正というものをどのようなスケジュールで目指していくのか、またその内容についてお聞かせいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

逢坂議員 お答えいたします。

 政治資金の調達については、先生方も、私も含めてでありますけれども、いろいろ御苦労が多いものだと思っております。

 基本的には、民主党は、二〇一一年の三月に決めたその方向は何ら変わるものではございません。ただ、政治資金規正改革を抜本的にやろうということになりますと、企業・団体献金を含め、この抜本議論というのは各党各会派でさまざまな御意見もございまして、なかなか簡単には結論は出ない問題だろうというふうにも思っているところであります。

 そこで、今般は、とにかく国民の皆様から批判の強い、特に今般問題になりました補助金の部分に限って、取り急ぎ提案をさせていただいたという次第であります。

 今、角田先生からも御紹介いただきましたとおり、民主党では、二〇一一年の三月に、パーティー券購入も含めた企業・団体献金の禁止を柱とする政治資金規正改革、抜本改正の骨子案を取りまとめたところであります。今後は、その骨子案に基づいて法案化の作業を進めてまいりたいと思っておりますけれども、この中で、個人献金のウエートが高まっていくというのももう一つの柱であろうかと思っております。

 したがいまして、個人献金をこれから促進するための方策なども考えながら、実現に際しての必要な事項の検討作業に取り組んでまいりたい、そのように思っております。

 以上です。

角田委員 次に、補助金等を受けた会社等が行う政治活動に関する寄附の規制強化ということについてお伺いをしたいと思います。

 改正案では、寄附制限の例外を定めた文言を削除する一方で、政党交付金以外の例外となるものについては別に立法措置をとることにより明確化しようとしておりますが、これまでわかりにくかったと言われるものをわかりやすくするという意味からも、これは極力具体的に示す必要があると思いますが、先ほどの質疑に対する答弁を聞いていても、かえって不明瞭になっているのではないかというような印象を抱きました。

 せめて、法案をつくるときには、法律で立法措置をするというからには、こういった性質のものは当てはまるというような議論は整理されているんじゃないかと思いますけれども、そうした新たに例外となるものの性質について、再度確認をさせていただきたいと思います。

逢坂議員 現時点で、具体的にどれがということは必ずしも明示をするということにはなっておりませんけれども、我々としては、例外規定はなるべく少なくしたいというふうに思っております。

 ただし、これまでも、私も自治体の現場におりましたので、そういう経験からすると、例えば、災害に対応して交付された、緊急避難的に交付されるお金というのはたくさんあるわけですね。そうしたものなんかはやはり例外の規定に入ってもよいのではないかというふうに、私の自治体経験からしてみて、個人的には思っているところであります。

角田委員 これは地方公共団体にも非常に密接に関係してくる話なので、できるだけはっきりさせていかなければいけないと思うんです。

 次は、地方公共団体についてということで伺いますけれども、その前に、改正案では、国や地方公共団体、補助金等、間接補助金等を交付する者に、交付を受ける会社等に対する寄附の制限内容を通知する義務を課しております。

 この通知する対象について確認をさせていただきたいんですけれども、寄附制限の例外となる補助金等の交付を受ける会社等も対象になるのか、その場合、通知の内容はどのようなものを考えていらっしゃるのかということについて、まずお伺いをしたいと思います。

逢坂議員 通知に対するお問い合わせでございます。

 まず、通知義務の対象となる補助金等の受給企業でございますけれども、これには例外を設けてございません。したがいまして、全ての補助金、間接補助金等を交付する者に対して通知する義務を課しているということであります。

 以上でございます。

角田委員 今、地方公共団体からの補助金等についても例外がないということですけれども、改正案では、例外となるものについて、当該地方公共団体の条例で定めるということにされております。

 まず、この条例に定める内容はどのようなものを想定しているのかということをお伺いしたいと思います。

逢坂議員 基本的には、地方公共団体が自主的に定めるものというふうには認識をしておりますけれども、国の方で定めた例外規定、これにやはり多くの部分は準ずるのではないかと考えておりますので、国の定めとは大幅にずれないというふうには思っております。

角田委員 そうなりますと、国の定めというのをできるだけ明確にしなければいけない必要が生じてくると思います。

 地方公共団体の補助金等も、条例に基づくものから、規則、さらには要綱に基づくものまでさまざまありますし、地方公共団体によっても、その数、種類は大きく異なっております。例えば、地方公共団体によっては、要綱集までは整えていないところもそもそもあって、そうしたところでは、どれだけの補助金があるのか誰も把握できていないのではないかと思われる団体もあります。これらの中から例外となるものを各自治体が選んで条例に落とすという作業は、それだけでもかなり負担になるのではないかと考えます。

 さらに、地方公共団体の長も、寄附制限の対象であるか否かを会社等に通知する義務を負うわけです。そして、寄附制限に違反した場合は罰則が適用される。この罰則についても、改正案では、三年以下の禁錮または五十万円以下の罰金から、三年以下の禁錮または百万円以下の罰金へと強化をされています。

 この条例で定めるところが地方公共団体によってばらつきがあっては法律の安定性も損なわれるのではないか、そしてそのおそれはかなり高いのではないかと思っておりますが、この点について、公平性確保のためにどのような手だてをお考えなのか、お伺いしたいと思います。

逢坂議員 今回この法をつくった基本的な考え方というのは、やはりなるべく例外規定を少なくしたいという思いがございます。まず、そういった観点で例外規定が少ないという考え方ですので、ばらつきの及ぶ範囲は少ないのではないかというふうに思っております。

 それから、二点目は、国の法律によっても例外規定を設けるわけでありますけれども、先ほど答弁しましたとおり、自治体においても国の法律に準ずる形で定めるのが場合によってはよいのではないかという思いもございますので、そういう点から、ばらつきという点については現時点では大きな懸念を持っているわけではございません。

角田委員 ありがとうございました。

 続きまして、維新の党提出の改正案について伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 改正案では、企業・団体献金を全面的に禁止することとしておりますが、企業、団体によるパーティー券の購入までは禁止をしておりません。このため、企業・団体献金がパーティー券購入に置きかわってしまうということも考えられるのではないかと思います。

 提案理由説明の中で、まずは、マニフェストで掲げた企業・団体献金の全面禁止を実現する必要があると考え、政治資金規正法の改正を行うこととしたとの御説明がありましたが、この改正でパーティー券購入を禁止しなかったことで実効性が確保されるのかどうかということについて、どのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

重徳議員 維新の党の提案の法案につきまして御質問をいただきました。

 まず御理解いただきたいのは、企業献金の禁止につきましては、これは平成六年の、企業・団体献金をどうするか、そしてそれは政党交付金の導入とあわせてということだったわけですが、その当初から、政党交付金を国民の皆さんの税金を使って交付するということにする以上、企業・団体献金のあり方は、当面、政党及び資金管理団体に対するものは認めるけれども、五年たったらこれを見直そうじゃないか、ここがスタートであります。

 ですが、そこに対して政党支部というものが、事実上、政治家個人と一体となったような財布となりまして、ほとんど全ての議員が政党支部を設けるという形になって、税金と企業・団体献金の二重取りのような形がずっと続いて、そしてそれに伴ってさまざまな問題が発生をしているという点でありますので、まずこの点を、二十年前からの議論に決着をつけようじゃないか、この点が企業・団体献金の禁止についての規定でございます。

 実態を考えると、もちろん企業もそれぞれ皆さん先生方の地元では応援してくださる方もお見えになりますから、これまで企業・団体献金を行っていたけれども、パーティーでという形でこれからは応援しようという企業さんももちろんあるかとは思いますけれども、パーティーというのはそもそも対価性もあるんですね。飲食というものも伴いますし、それから、講師が講演するのであれば、それもただで呼べるわけではありません。そして、何より各政党あるいは政治家にとっての重要な政策や政治的な方向性についてのPRをする場でもありますので、そういったパーティーという場はそれはそれで活用することがあるというのは、これは今回の法案の中では特段禁止するものではないということでございます。

角田委員 あと一点、罰則についてお伺いしたいと思います。

 改正案では、法人その他団体の寄附を全面的に禁止して、これに違反した場合は一年以下の禁錮または五十万円以下の罰金、これは現行と同じ水準の罰則を設けておりますが、その上でさらに、補助金等または出資等を受けた会社等の寄附、これらに対する寄附の勧誘、要求、受領については二十六条の二の罰則規定に直接構成要件を定めて、三年以下の禁錮または五十万円以下の罰金を定めております。

 企業・団体献金を全面的に禁止して、それに違反した場合に罰則を設けた上にさらに罰則を設けた理由は何なのか。私は、この罰則はなくとも実効性は確保できるのではないかと思いますが、悪質なケースにはより重い罰則ということであるならば、重い方に合わせて一つにしてもよかったのではないかとも思いますが、この罰則を置いておかなければどのような不都合があるのか、これについてお伺いしたいと思います。

重徳議員 今の御質問につきましては、基本的に、この罰則規定は、現行の法定刑とあわせた形になっております。

 今回、政党に対する企業・団体献金を禁止することに伴って、殊さらに法定刑の上限を引き上げるということは、このことをもって論理的に説明がつくものではなかろうということから、二階建て方式でありますけれども、一般に禁止をした上で、補助金受給企業からの献金につきましては、これも現在と同じ法定刑であります、三年以下の禁錮または五十万円以下の罰金というものを科すこととしたものでございまして、いわば技術的な改正であるということでございます。

角田委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたので、私の質問は以上で終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

山本委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 民主党の福島伸享でございます。

 本日、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。

 さまざまな、補助金を受給した企業からの政治献金をめぐる問題が出て、大臣がやめるような事態にもなって、そうしたことをきっかけにこうした法案が出されているんだと思います。

 そもそも、政治資金規正法というのは、我々が見ても曖昧で、複雑で、わからなくて、恐らくこの規定は、献金をもらって、特定の企業に補助金などを渡す便宜を図るということを禁止した規定なのでありましょうけれども、そうした悪意がなくても、いつの間にか知らないうちに違法となって、大臣の椅子を投げ出すというようなことにもなってしまう。それで、法律が悪いと恨んでみたところで、我々は立法府の人間ですから、自分たちに返ってくるわけです。

 私は、政治資金規正法というのは、このようなそれぞれ各党が案を出し合って、自分たちの力で法律を変えていくということに一番ふさわしい法律であって、各党真摯に議論して、政府提案の法案だけではなくて、政治家が考えた法案で改正をしていくということが必要なのではないかなというふうに考えております。

 先日、予算委員会で、後藤委員の質問に対して総理は、まず、現行法制のもとでこうした問題が生じないように何ができるのか、その上で、規制そのもののあり方がどうあるべきかについて、御議論をいただくべき問題であるというふうに答弁しております。

 先ほど来答弁でもありましたけれども、現行法制の中で運用でやるというのは、具体的にどのようなことをやっているのか。先ほどの話ですと、寄附制限の例外となるような補助金を列挙して各省に示したり、あるいは、各府省に対しまして、補助金を交付するときには寄附制限があるというのをちゃんと通知しましょうということを徹底しているという話ですが、それ以外に何か運用でやっているようなことはありますでしょうか。

稲山政府参考人 お答えいたします。

 この規定の趣旨の明確化を図るという取り組みを現行制度の中でやっていこうということでございまして、先ほど来御答弁させていただきましたように、ガイドラインを定め、また各府省が分類し、その結果を会社その他の法人に交付決定に当たって通知する、こういう仕組みを行っているものでございます。

福島委員 それでは、民主党案の提出者にお聞きしたいんですけれども、今のような総務省の運用改善だけではなぜ足りないのか、今回、法律として新たに枠組みを設ける必要性というのはどこにあるのかということについて、御説明をお願いいたします。

逢坂議員 お答えいたします。

 まず、現行法の運用でやったらどうかということも、確かにそういう方法もあろうかとは思いますけれども、これまでもどちらかといえばそういうことだったわけであります。しかしながら、現行法の中でも既に問題が生じているということでありますので、国民の皆様の不信を払拭するためには、やはり法改正によって要件を明確化する必要があろうか、そのように思って今回の法律を提出しております。

 さらに、今説明がありましたとおり、ガイドラインなどに沿って個別の補助金について細かい分類を図るということでありますけれども、やはり法律で制定をして、国民の皆様に見える形で、ガイドラインではなくて、政治の意思もはっきりさせるというような改革が必要だというふうに思っておりまして、そうしなければ、政治と金の問題、国民の皆様の不信の払拭にはつながらない、そのような考えで、今回は法律によってやろうということで提出をさせていただきました。

黒岩議員 重ねて付言しますと、これは福島委員も御承知のように、総務省の発出した文書を見ても、寄附の制限を受ける補助金と受けない補助金と受けるおそれがある補助金、この三つに分けてくれと各省庁にお願いしている。これだけ見ても、このガイドライン、今委員もおっしゃられた、運用だけではこの条文の不明確さをカバーできるとは到底思えません。

 ましてや、我々立法府にいる人間が、いかに所管省庁とはいえ、所管省庁の判断によって違法性があるとかないとかということが決められ、しかもこれは科罰があるわけですから、議員の身分にもかかわる法律でございますので、これは、立法府において、立法府の我々与野党、皆知恵を出し合って、やはり法改正という形で明確化していくことが本旨であると思っております。

福島委員 確かにおっしゃるとおりだと思うんですよ。

 私ですら、総務省がどういう運用強化を図ったかということを先ほどまで知らなかったわけでありまして、ましてや国民の皆さんは知らないし、しかも、おそれがあるものという曖昧なものを残すと、また何か問題が起きたときに、意図しなくても、悪意がなくても違法になってしまう可能性が引き続き起きるという意味では、私は、きちんと法律で立法府の意思を示した方がいいんじゃないのかなと思う一方、この法案も幾つか欠陥があるんじゃないかと思うんですよ。

 それは、一つは、法二十二条の三の第六項で、何人も、「規定に違反してされる寄附であることを知りながら、これを受けてはならない。」という条文がありますけれども、三月三日の予算委員会で高市総務大臣は、「知りながら寄附を受けることが要件であり、知らなければ、そもそも違法の問題を生じることはございません。」と答弁しているんですね。

 知らなかったら一切違法じゃないんだということになっちゃったら、どんなにその前の規制を厳しくしようが、知りまへんと言っていればいいし、昔はやった記憶にございませんということでも違法じゃなくなっちゃうかもしれないんですよ。

 この法第二十二条の三第六項があると、高市大臣は予算委員会でこのように答弁しているんですけれども、実質的に法の規制効果というのは全くなくなってしまうんじゃないでしょうか。

あかま大臣政務官 ただいまの委員の質問に対してお答えをいたします。

 さきの予算委員会で高市大臣が答弁したとおりでございますが、恐らく、まず大前提として、このようにも大臣の方からおっしゃったかどうか、政治資金規正法自体が、そもそも政治活動の公明性の確保、これは収支報告書などを通じて政治活動の実態を国民の前に公開して、国民の不断の監視と批判のもとに置くこと、これをまず担保するものだということであります。

 その上で、先ほどの大臣の答弁のとおり、知りながらという要件が出てくるんだというふうに思っておりますが、いずれにせよ、今回の政治資金規正法のあり方については、各党において十分に議論されながら、各党会派においての議論の中で出てくるものというふうには思っております。

福島委員 いや、そういう答弁が一番不信を招くんですよ。だって、知っているか、知らないかというのは頭の中をあけて見るわけにいかないわけだから、政治家が知らなかったと答弁したんだから、この法律に基づいて違法性はありませんといってそれでおしまいというような、そういうやりとりが一番政治不信を招くのであり、それに対して、各党会派で議論をしてくださいという悠長なことを言うんじゃなくて、まさにこの場で議論しているわけですから。

 この点について、民主党案の提出者にお伺いしますけれども、民主党案でもこの第六項は改正しておりませんけれども……(黒岩議員「している」と呼ぶ)しているんですか。済みません、では、どういう認識か、お答えください。

逢坂議員 私どもは、やはりこの「知りながら、」という文言が相当問題だろうと思っています。

 今、福島委員御指摘のとおり、この「知りながら、」の文言があるがゆえに、知らなかったと言えばその場を取り繕うことができるということで、そのことが国民の不信増大につながっていると思うんですね。知らなかったと言いさえすれば、これは逃れることができるわけであります。したがいまして、今回この「知りながら、」の文言を民主党案では削除させていただきました。

 このことによりまして、献金を受ける側も通常の故意の立証、すなわち罪を犯す意思の立証があればこれを立件することができるようにしたということであります。

 以上でございます。

福島委員 済みません、勉強不足で。

 まさにその条文だけでも、私は今回改正する意義があると思っているんですよ。政務官が各党で協議してとおっしゃったわけですから、恐らく、この「知りながら、」ということを削除することに異論がある方は何か助平心を持っているからであって、削除するのに異論のある党は私はないと思いますよ。こういうのこそ、各党でまさにこの場で決めて、速やかに改正すべきじゃないかなというふうに思っております。

 民主党案では、法第二十二条の三において、対象の除外とされる補助金を、従来、「試験研究、調査又は災害復旧に係るものその他性質上利益を伴わないもの」というある意味どうでも解釈できるようなものから、「法律で定める」というふうに明確なものにしております。

 明確なものにするということで、私は大いに画期的なものであると思うんですけれども、ただ、補助金というのはいっぱい毎年出てくるんですよ。通常国会で、通常の予算で出るときもあれば、補正予算で出るときもあるし、災害が起きれば災害が起きたで緊急的な補助金が出るようなこともあるわけです。

 これを法律で定めるとなると、例えば国会情勢によって、ある党が審議拒否を行って、国会の日程がなくなっておよそ法律が成立しませんでしたとか、狂ったような総理大臣がいきなり解散といって途中でなっちゃったりとなったら、この例外規定に入らないという柔軟性のなさというのもあるんじゃないかなと思うんですけれども、その点、どのようにお考えでしょうか。

黒岩議員 そもそも、この法の趣旨は、先ほど総務省の説明によりますと、国と企業、団体等の特別な強固の関係、これを築き上げていくというようなことを防ぐとありますけれども、それと同時に、やはりこの補助金の原資は国民からの税金でありますので、我々は政党交付金を受けているという立場からすれば、国民からの税金が、特定な関係によって、補助金という名によって、これが政治の側に還流することを防ぐということがまた一つの趣旨である。

 その点において、先ほど何度か答弁しておりますけれども、私どものは、基本的には例外規定を設けるものではない、例外は基本的にはないものだ、そのように理解しておりますので、先ほど福島委員の御指摘されているような、機動性が著しく損なわれるといったようなふぐあいは生じないと承知をしております。

福島委員 基本的に、企業・団体献金の廃止に至る一歩としてだからこそ法律で例外的に厳しく限定して定めるという趣旨は、私は理解いたしました。

 そこでもう一つ、ちょっと別の話題なんですけれども、きょう資料でお配りさせていただきました毎日新聞の記事でございます。

 「「脱法パーティー」五億円」ということで、JA全中関連政治四団体が、六年間で計三百九十四回の政治資金パーティー、週一回政治資金パーティーを開いて、五億四千二百九十三万円の収入を得ながら、八割は本人は出席していない、ほとんどが都内のJAビルの会議室で開いていて、収支報告書を見ると、コストの部分は格安で、私もこういうパーティーを開ければいいなとうらやましく思わないではないんですけれども、なぜこういうことになるか。

 私は、政治活動にはお金がある程度必要ですから、特に全国比例の皆様方がその活動に必要なお金をしっかりといただくというのは、そこは私は否定しないんです。ただ、このJA全中やJA全農というのは、国から補助金を受けていて、今議論になっている規制にひっかかる可能性があるわけです。

 そこで、この記事の下から二段目のあたりに書いてあるんですけれども、「全国農政連の幹事長代理も務めた後援会と政党支部の会計責任者は「参議院の比例代表は選挙に億単位の金が必要。献金を禁じられている以上、パーティーで集めるしかない。パーティーの形式には法律上の定義がなく、どんな形であれ違法ではない」」としております。

 まず、これは本当に違法ではないんでしょうか。補助金を受けた企業の献金を禁止するという規定がある一方で、パーティーについてはない。だからもう、本人が出席しようがしまいが、会議室でパーティーとも言えないような弁当一つのものをやって、そこで、パーティー券を販売したと称して政治資金を集める、それを週に一回開いて、このような多額の特定の団体からの献金を受けるということは、これは今回の法律の趣旨から見ても違法であるか違法でないのか、どちらでしょうか。御答弁をお願いします。

稲山政府参考人 お答えいたします。

 総務省といたしましては、個別事案の具体の事実関係を承知する立場にございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。

 その上で、一般論として申し上げるならば、政治資金パーティーに係る収入につきましては、規正法上、寄附とは異なり、当該パーティーへの参加の対価として払われる事業収入でございます。また、政治資金規正法上、その収入金額等につきましては、収支報告書に記載の必要がございます。

 また、一のパーティーにつき、同一の者から支払うことができる上限額が、これは百五十万円以内でございますけれども、設けられているところでございます。

 一方、その開催回数、開催場所、開催形態や対価の支払いをする者につきましては特段の制限は設けられていない、このように承知をしているところでございます。

福島委員 普通、政治資金パーティーというのは、誰々さんを応援する会ということにして、私は必ず自分の政治資金パーティーは参加しますよ、当然。それが、参加もしないで、政治資金を集めるために、本人もいないところで、しかも自分の事務所で開くようなものが本当に政治資金パーティーと言えるんでしょうか。そもそも、政治資金パーティーの要件をこの場合は満たしていると言えるのでしょうか。どうぞ。

稲山政府参考人 お答えいたします。

 総務省といたしまして、個別事案につきましての御答弁は差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げますと、政治資金パーティーとは、政治資金規正法上、定義がございます。

 対価を徴収して行われる催し物で、当該催し物の対価に係る収入の金額から当該催し物に要する経費の金額を差し引いた残額、これを開催した者またはその者以外の政治活動に関し支出することとされているものをいう、こういう定義があるものと承知をしております。

福島委員 これは、百五十万以上は買ってはいけないという制限があるわけですよね。一人の人から余りにも多額の献金を受けたことによって、その人に不当な利益を与えたり、あるいはさまざまなもので影響を与えることを排除する規定だと思うんですけれども、この回数を多くして、事実上、その百五十万を超えるようなものになるとするのであれば、総額の規制の趣旨に反するんじゃないでしょうか。回数を規制はしていないと言ったけれども、回数を規制していないこと自体が法の欠陥なんじゃないでしょうか。どうですか。

稲山政府参考人 お答え申し上げます。

 政治資金規正法におきましては、繰り返しになりますけれども、一のパーティーにつき同一の者から支払われる上限額、これが百五十万円以内というふうに設けられているものでございまして、回数等に関する規制等はないところでございます。

 いろいろ御議論があるとするならば、これは政治活動の自由にかかわる重要な問題でございますので、各党各会派において十分御議論を賜れればと存じます。

福島委員 あかま政務官は、政治家として、このルール、私は、この新聞記事になった人が悪いとは言っていないんですよ。彼が政治活動を行うためにはこういうふうにせざるを得なかったのは、政治資金規正法のルールがこういうルールに定まっているから、そのルールの中で集める工夫をした結果、こうなったんですけれども、国民から見れば、何じゃこれはという話ですよ。どう思われますか、この政治資金規正法の状況について。

あかま大臣政務官 政治家としてというお話でございますが、政府の立場としてという部分もございますので。

 政治資金規正法については、ある種の、国民から見て、あれ、どうかなという部分はあるんだろうと思っています。そこをどう規制するのだ、どう改正するのだといった部分については、政治活動の自由という部分もありますので、徹底的に議論をしながら、また、国民の皆様方に説明がつかない話になってはならないというふうに思っております。

福島委員 一般国民からしたら、毎週パーティーを開いて、六年間で五億円も特定の団体からもらっているというのは、およそ常識に外れていると思うんですよ。いや、適法かもしれませんよ、しれないけれども、それは政治活動の自由だなんという弁明はおよそ通らないと私は思うんです。

 でも、今回、我々の民主党案でも、さまざまな、補助金を受けた企業からの寄附制限については法律改正いたしました。これを厳しくすればするほど、今度は逆に、パーティーで同じようなことをやって、山田さんはこういうことをやって工夫しているのか、なるほど、俺もやろうという人があらわれないとも限らないんですよ。

 このパーティー券の部分についての規制についてはどのように考えるか、その点について御認識をお伺いいたします。

黒岩議員 今、福島委員より御指摘した案件につきましては、詳細は報道でしか私どもも承知しておりません。民主党としても、真相を解明すべく、農林水産委員会において集中審議を理事懇において要求しておると聞いておりますが、いまだ実現していないというのは……(福島委員「しました」と呼ぶ)しました。そういった中で、真実がどういうものかということは国民にも理解をしてもらうことが必要だと思っております。

 ただ、今委員の指摘のように、法規制を厳しくすればするほど脱法行為がふえるというのは、これは本末転倒な話であって、本来あるまじきことであります。

 本来は、政治家がみずから襟を正すということが求められる姿勢でありますし、今の総務省及び政務官の御答弁でも、やはりこのパーティーに関する部分も非常に曖昧さ、不明確さがあるということをお認めになっていらっしゃいました。

 その点については、我が党だけでなく各党会派の理解を得ながらきちんとした明確な規制をかけていく、条文も変える必要があるならば改正をしていく、その方向性を我々も追求していきたいと思っております。

福島委員 よくこの手の話は、答弁に立った政府に入った政治家の人が、各党各派でよく議論してくれというのを紋切り型で言うんですね。それを紋切り型じゃなくて、実際にこの委員会の場でしっかり議論して、我々はこうした法案の形で民主党案として出しているわけですから、その成立に向けて真摯に各党で御議論をいただいて、そして、結果として国民の皆様方に示すことで政治の信頼の回復に努めるということを我々もやっていきたいし、皆さん方とともにやってまいりたいということを最後に申し述べさせていただきまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

山本委員長 次に、井出庸生君。

井出委員 維新の党、信州長野の井出庸生です。よろしくお願いをいたします。

 今、福島委員の話を伺って、私も、これはちょっと関心があって稲山選挙部長にお尋ねしたいんです。

 今、福島先生のお話の中で、回数や場所、形態については制限はない、そんなようなお話だったと思うんですけれども、私も福島先生と同じように、また、国民があれっと思うようなことに対してはしっかりとただしていかなければいけないなと思います。

 そんな中で、かつて私がこの委員会でうちわの問題を取り上げたときに、総務省の方でおつくりになった昔の公職選挙法に関するQアンドAがあったかと思うんですけれども、こういった事例がQアンドAにあったらどんな御見解をお示しになるのかということを伺いたいと思います。お願いいたします。

稲山政府参考人 突然のお尋ねでございますが、政治資金規正法は、先ほど申し上げましたように、一定の制約、一のパーティーについての支払い額の上限等の規定があるのみでございまして、開催の場所、形態、支払いをする者についての特段の制限は設けられておりません。

 したがいまして、そういった規定に照らして、個々具体に照らしてどうなるかという、個別の事案に即して判断されるべきことと思いますけれども、規定上は先ほど申し上げましたような制約がないところでございますので、QアンドAでどう答えるかというのは大変難しい問題でございますけれども、そういった法の内容というものをお示しするということになるのではないかと思います。

井出委員 もちろん、法律そのものの政治資金パーティーの定義というものがあって、そこを満たしていても、国民から、あれ、こういうことというのはありなのか、そういうことが思われるような事例の一つとしてこういう新聞記事があるのかなと思うんです。

 総務省で公選法の絡みで出されていたQアンドAというものは、そういう法律と実態との間に立つ、非常に国民にとってわかりやすい見解を示すものとして当時おつくりになったと思いますし、こういう問題、最終的には、やはり国民の皆さんがどうお考えになるかというところを我々も重く受けとめなければいけないと思うんですが、QアンドAが今度いつつくられるのか、また、私がそのQを書いてもいいのかとか、その辺はわからないんですけれども、ぜひ問題意識の一つとして含んでおいていただきたいなと思います。

 用意をさせていただいていた質問に戻ります。

 今回、政治資金規正法、政党助成金の廃止、各党からそういった案が出されました。

 改めて、きょう提出者となられている民主党、維新の党、そして共産党提出者各位の見解を伺いたいのですが、政党と政党に所属する議員の政治活動に係るお金、この収入の手段としては、政党助成金、企業、団体からの献金、今話のありました政治資金パーティーや個人からの寄附、党費や機関紙等々いろいろな収入の手段というものが考えられて、それぞれの党のお考えがあってそれぞれの改正案が出されていると思います。

 実際、こういった政党助成金や企業・団体献金、政治資金パーティー、個人からの寄附や党費、そういったものがどういうバランスであることが望ましいと各党提出者の皆さんはお考えなのか、民主党、維新の党、共産党の提出者の順にお伺いできればと思います。お願いいたします。

逢坂議員 御指摘のとおり、政治資金の調達方法、いろいろな手法があると思っております。

 そのバランス論ということでありますけれども、例えば細川内閣のときに、政治改革四法案をめぐる議論の中でもそのバランス論の議論というのはあったように承知をしております。その際も、必ずしもこんなバランスがいいんだということではなかったように記憶をしているところであります。

 やはり原則的には、政党の収入、支出に関しては法令をまず遵守する、これは当然のことでありますけれども、そして、その政党の議決機関において民主的に決定されるということが非常に大事なことであろうというふうに思います。

 政治資金の運用において肝心なことは、やはり国民の皆様に疑念を持たれないように、法令の遵守をしっかりする、脱法行為を排除するということが非常に大事だろうというふうに思っています。

 なお、バランス論ということで聞かれましたので、参考までに民主党本部の場合の例をお話ししますと、二〇一五年の党の予算の収入ですけれども、二百二十七億円余りであります。そのうち、政党交付金が七十六億六千万というようなことであります。

 さらに、民主党本部では、この五年余り、企業・団体献金は受けていない、それから政治資金パーティーもやっていないということでありますので、理想のバランス論というのは何かというのはなかなか申し上げにくいんですけれども、民主党としては、民主的な手続によって今の予算はこんな状況になっているということをお話しさせていただきました。

 以上です。

重徳議員 維新の党につきましては、党が昨年、分党ですとか新党結成という経緯もありまして、昨年後半からの収入の記録に基づいての話になりますけれども、昨年後半で総収入額が二十二億円余りという中で、これはほとんど全てと言っていい金額が政党交付金でございます。そのほか、数百万円ですね、個人からの寄附や法人、団体からの寄附がございます。これは党の方ですね。

 各議員につきましては、何が一番望ましいかはそれぞれの議員のお考えというのが尊重されるべきであろうと思います。

 党といたしましては、まず、企業・団体献金については、もう既に決定したとおり、禁止する法案を出しておりますが、これが成立する前に、我が党が先んじて自主的に来年一月からは一切企業・団体献金を受け取らないということを決定いたしておりますので、これがゼロになっていくということになろうか。

 それから、個人献金については、私どもの「基本政策」の中で、これを促進する、つまり増額していくという方向を、これはもう我が党だけじゃなく、政治資金のあり方としてふやしていくということであります。

 何が望ましいかということは、これは一概には言えないかもしれませんが、党費に関して言えば、党勢拡大、党員確保によって、自然にそれに伴って党費がふえていくということになろうかと思います。

 あとは、党内での議論の中では、他党でやられているような機関紙を発行してその売り上げというものも、党のPRという活動の一環でありますので、大いに参考になる手法であろうというようなことで、そういった政党の、党としての政策等の有権者への理解、浸透というものを深めながら歳入をあわせて得ていく方策ということを考えながら、バランスのよい収入というものを考えていきたいと考えております。

穀田議員 私どもの考え方を明らかにしたいと思います。

 私は、バランスと言う前に、政治資金はどうあるべきかということがまずあると思います。

 政治資金規正法によりますと、「基本理念」で「国民の浄財」と明記しています。ですから、その点でいいますと、私どもは、政治資金は個人に依拠すべきである、これが一つ。

 それからもう一つ、参政権との関係について、私どもの考え方をついでに述べておきたいと思います。

 政治資金の拠出というのは、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権と結びついた国民の政治参加の権利そのものであります。つまり、その意味でいいますと、憲法十五条で参政権を「国民固有の権利」と言っている。ここで言う「国民」とは、自然人、一人一人の自由意思を持つ独立した個人を指しており、会社は含まれていないということを改めて述べておきたいと思います。

 その上で、政党とはいかなる存在かという問題が大事かと思います。

 憲法は、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」と始まります。主権者たる国民の参政権行使による議会制民主主義の中で、政治家、政党は存立しております。

 その政党が、特定の企業から献金を受け取る、税金によって賄われるということは、本来あり得ない姿だと考えます。政党が、国民、有権者から浄財を集める努力をしないで税金頼みになっていることから、金への感覚が麻痺しているのではないか。また、個人をはるかに超えた強大な財力で政治的影響力を行使するなら、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかであります。

 そういう点で、政党のあるべき姿として、政党は、何よりも国民の中で活動し、国民の支持を得てその活動資金をつくるということが基本でなければなりません。

 したがって、私どもは、企業・団体献金の全面禁止と政党助成金制度の廃止を一体として行うことが必要だ、その理念から考えていただければ幸いであります。

井出委員 ありがとうございます。

 今、それぞれの政党の考えを伺いまして、私も、特に企業・団体献金ですね、この新聞記事もそうなんですが、これを受け取る、受け取らない、そしてまた、いかにその透明性を確保していくのか。政治とのつながり、今、穀田さんのおっしゃった部分だと思うんですが、共産党さんと維新の党は企業・団体献金の禁止を明言している。

 今、民主党の答弁者の方から、党としては、五年間、企業・団体献金を受け取っていない、パーティーもやっていないというようなお話もあったんですが、まず、五年間、企業・団体献金を受け取っていないということは、ある程度問題意識を共有していただけているのかなと思うんですけれども、企業・団体献金についての問題意識をちょっと民主党の方に伺えればと思います。

逢坂議員 先ほど来答弁申し上げているとおり、二〇一一年の三月に、党としては、パーティー券の購入も含む企業・団体献金の禁止に向けた考え方を整理させてもらっております。

 したがいまして、企業・団体献金については、我々としては、ネガティブに捉えている、そういう基本的な考えを持っているということであります。

井出委員 一つこれからまた党派を超えて話し合いができるのかな、そんなような思いを持ちました。

 もう一点伺いたいのです。

 先ほど共産党の穀田先生からもお話がありました。穀田先生のお考えですと、政党の活動に税金が入るということはあり得ぬ、そういうことで、政党交付金、政党助成金の禁止をするべきだ、そういうことをはっきりとおっしゃられております。

 しかし、国会議員のお金、活動費のところに目を向けますと、立法事務費と文通費、歳費以外に活動費として税金から我々はお金をいただいております。

 税金が原資であるという意味では、政党助成金と共通するのかなと思っておりまして、我々は、それはやはり公開をするべきだろうと。まず文通費について公開を自主的にやっていく、今そういうことをやっておりますし、ほかの党の方でも、文通費を、自分が代表となっている政治団体の方にお金を入れて政治団体の報告にのっとってきちっと自主的に公開をされている国会議員の方もいると承知をしております。

 ですから、私は、立法事務費、文通費、そういうものについてもきちっと国民に説明をしていく必要がある。その一環で、我が党の自主的な取り組みはまだあれが完全無欠なものではないんですが、とりあえず我が党としては一歩を踏み出しました。

 立法事務費、文通費について、使途を公開するべきだ、私はそう思っておりますが、これは民主党と共産党の提出者にそれぞれのお考えを伺いたいと思います。

逢坂議員 政治と金の問題に限らず、さまざまなものを説明責任を果たしていくということは極めて大事なことだというふうに認識はしております。

 ただ、今先生が御指摘のとおり、政治に係るお金、さまざま税金によるお金があるわけですが、例えば、政党活動に着目した政治資金としての政党交付金、あるいは選挙会計における公費助成、さらには、議員あるいは会派に着目した活動費の支給、こんなものがいろいろあるわけですけれども、それぞれのよって立つ法令と趣旨、規定がいろいろと違っているのもこれは事実です。全部原資は税金だとしても、違っているのは事実なんですね。

 したがいまして、立法事務費、文通費も含めて、これら全体について、やはり、どういう位置づけがふさわしいのかということを検討する中で、どういう説明責任を果たすのかということを考えていくのが大事だろうと思っているところです。

穀田議員 まず、原資は同じとありましたけれども、私は、やはり議員の経費と政党交付金は同じかという設問を立てる必要があると思うんですね。

 それは、議員が、立法活動、政策活動並びに政府監視活動、議会への民意を反映させるための活動、これらを行うには、補佐するスタッフ並びに事務所、つまり人材や経費も必要になる。これは、国民の代表者として選挙で選ばれた議員が議員活動を行っていくために必要な経費であり、お金がなければ議員活動に制約を受けるようになってしまってはだめなんですね。ですから、このような経費は当然必要だと考えます。

 憲法四十四条には、議員の資格を「財産又は収入によつて差別してはならない。」と明記されており、四十九条には、「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。」と規定されています。これは、何人も国民の代表者としての国会議員の活動ができるよう、経済的保障を明確にしたものであります。この憲法の精神に沿って、国民の理解が得られる合理的なものにすべきであります。

 一方、自由な結社である政党に対して、その政治活動そのものを税金で賄う官営政党を生み出している政党助成金とは、原資が同じ税金であっても、根本的に、なおかつ本質的に違うものであります。

 最後の問いであります立法事務費並びに文通費の問題ですが、これらの公開という問題については、これらの経費をどのようなものとして位置づけるかにかかわる問題であります。同時に、国民にとっては、どのように使われているかの当然の声があるわけですから、その声に応えるのは当然かと思います。同時に、使途の限定を含め、何をどのように公開していくかなどを議論していくべきだと考えます。

 その際、私どもが常々主張してきた特権的な役員手当の廃止、東京在住者にも支払われている滞在費などの見直しも必要でありますし、ましてや政党助成金の廃止が必要なことは言うまでもないということを述べておきます。

井出委員 各党のお考えをきょう改めて拝聴しました。また、いろいろ会期末で、各党のスタンスということも言われておりますが、きょうのお話を聞いていると、各党でまた目的を一つにした話し合いも十分可能だなということを感じましたので、今後また頑張っていきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

山本委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 政治資金規正法の改正案及び政党助成法の廃止法案につきまして、それぞれ提出者にお尋ねをいたします。

 最初に、日本共産党の提出者の穀田議員にお尋ねをいたします。

 日本共産党は、今回、企業・団体献金の全面禁止法案及び政党助成法廃止法案の二本をあわせて提出しております。この二本を同時に扱う意義についてどのように考えておられるのか、御説明をいただきたい。

穀田議員 この間、安倍政権のもとで、国の補助金を受けている企業から閣僚への献金を初め、政治と金問題というのが何回となく問題になってきました。この問題が浮上するたびに、国民に疑惑を持たれてはならないとの議論が起こります。

 しかし、今こそ政治腐敗、金権腐敗政治の根源である企業・団体献金の全面禁止に踏み出すべきです。

 また、政党助成制度は、もともと金権政治一掃を求める国民の声を受け、企業・団体献金を禁止するからという口実で導入されました。しかし、実際には、政党本部、支部に対する企業・団体献金が温存され、政党助成金との二重取りが続けられています。こうした状況が腐敗政治を生み出す温床となり、政治の劣化と政党の堕落をつくり出しています。

 政党は、何よりも、国民の中で活動し、国民の支持を得てその活動資金をつくるということが基本でなければなりません。この際、企業・団体献金の全面禁止と政党助成制度の廃止を一体として行うことは、金権腐敗政治を根絶する上で不可欠の道だから、あわせて提案をさせていただきました。

塩川委員 金権腐敗政治一掃のために、この二つを一体に行うことが不可欠だという話でございます。

 それとの関係で、政党助成制度についてですが、一九九五年、政治改革の名のもとに、小選挙区制、比例代表並立制とともに導入、施行されました。

 この制度は、国民に一人当たり二百五十円を負担させ、毎年約三百二十億円もの税金を各党に配分する仕組みであり、この二十年間の政党助成金の総額は、約六千三百十一億円にも上ります。

 そもそも、国民は、みずからの思想、政治信条に従い支持政党に寄附する自由と権利を持っており、政治資金の拠出は国民の政治参加の権利そのものであります。ところが、税金を政党に配分する政党助成の仕組みによって、国民は、みずから支持しない政党に対しても強制的に寄附をさせられるという仕組みとなっている。

 日本共産党は、このような制度は思想、信条の自由や政党支持の自由を侵す憲法違反の制度であると指摘をし、その創設に反対するとともに、一貫して政党助成金の受け取りを拒否してまいりました。

 そこで、お尋ねですが、先ほどの答弁でも触れられましたが、政党助成金が政党の劣化や堕落を生んでいる、こういうことについて御説明をいただけないでしょうか。

穀田議員 重大なことは、政党助成制度が極めて深刻な形で政党の堕落を招いていることであります。

 予算委員会でも、私、安倍首相との討論で事実を示しましたが、政党助成金を受け取っている各党の本部収入に占める割合は、自民党が約六割、民主党が約八割、当時の日本維新の会が約七割です。

 この制度の導入の際には、提案者から、税金に過度に依存しないことが必要との議論がありましたが、今や政党助成金を受け取っている多くの党が、その運営資金の大半を税金に依存しているのが実態です。また、五人以上の国会議員を集めれば政党助成金をもらえることから、理念も政策も抜きに、政党助成金目当てにおびただしい数の新党の設立と解散が繰り返されてきました。

 政党は、何よりも、国民の中で活動し、国民の支持を得てその活動資金をつくるということが基本です。政党が、国民、有権者から浄財を集める努力をしないで税金頼みになっていることから、金への感覚が麻痺し、腐敗政治をつくり出す一つの根源となっていることも重大です。

 このように、政党助成金頼みの政党をつくり出す制度は、虚構の多数をつくり出す小選挙区制と相まって、政党の劣化や堕落を生み出しています。民主主義を壊す極めて有害な制度を続けていいのか、これが全ての党に厳しく問われていると私は考えます。

 このような、使途を無限定に巨額の資金を政党につぎ込む制度は、国際的に見ても異常です。このような制度を維持していることが民主主義の健全な発展を阻害していると言わなければならないと考えます。

塩川委員 ことしは、一九九五年の政治改革から二十年の年にも当たります。

 二十年前の政治改革は、リクルート事件に端を発して、ゼネコン汚職、金丸疑惑に至る自民党の金権腐敗政治に国民の厳しい批判が寄せられました。そして、非自民連立政権の細川総理は、就任直後の所信表明で、「政治腐敗事件が起きるたびに問題となる企業・団体献金については、腐敗のおそれのない中立的な公費による助成を導入することなどにより廃止の方向に踏み切る」と述べるに至ったわけであります。

 政治腐敗の根源が企業・団体献金であり、これを禁止して政治腐敗を根絶しなければ国民の信頼回復はないとの流れが国会の中でできたはずであります。

 ところが、いまだに政治と金の問題が尽きることがない。この点についてどのように認識しておられるでしょうか。

穀田議員 私も、当時、一九九三年、その細川内閣の議論に参加した者の一人であります。

 その提案された政治改革法案には、企業・団体献金については廃止の方向に踏み切るとありました。といいながら、実際には、政党支部への献金は認める、さらに政治資金パーティーを残すという二つの抜け道をつくって、この企業・団体献金を温存してきたわけであります。

 直近の、二〇一三年分の総務大臣届け出分と都道府県選管届け出分の合計を見ると、政界全体への企業・団体献金総額は、八十七億六千三百万円に上っています。政治資金パーティーの収入総額は、何と百七十六億四千三百万円になっています。パーティー券は、その大半を企業、団体が購入しているのが実態であり、形を変えた企業・団体献金にほかなりません。

 大体、これだけの巨額の金が流れているのに、どうして、誰が購入しているのか明らかにならないのか。献金の場合は、年間五万円以上すると収支報告書に企業名等が記載されるわけですけれども、パーティー券購入であれば、二十万円以上でなければ記載されないからであります。これでは、企業が小口に分けて購入していても、国民の前には明らかにされない。

 安倍首相は、政治資金で大切なことは透明化を図っていくこと、これは塩川議員の質問に対する答弁を行ったこともありましたし、私にもそういう答弁をしていますが、百七十六億円もの巨額の金が動いている政治資金パーティーは、透明化は図られていないということについても述べておきたいと思います。

塩川委員 企業・団体献金をめぐっては、きょうの質疑の中でも紹介をされました八幡製鉄事件の最高裁判決というのがよく挙げられます。

 この八幡判決に基づいて企業献金を容認する意見がありますが、この点についてどうお考えか、八幡判決をどう見るかについてお尋ねをいたします。

穀田議員 先ほども資料として配られました。

 いわゆる八幡裁判の問題でいいますと、この判決を引用して、会社は自然人と等しく社会的実在であるからということを、大体、献金を認める、容認の理由に述べてまいりました。

 しかし、企業が災害救援や福祉事業に資金協力することと、政治資金は本質的に性格が違うものであり、同列に論じることはできないと思います。献金という問題は、先ほど私が述べましたように、選挙権と結びついた、主権者たる固有の権利であるからだということをあえて述べておきたいと思います。

 もう一つ、八幡製鉄判決の、企業の政治的行為をなす自由についてというところが下の方にあります。判決が言うように、国や政党の特定の政策を支持し、推進し、または反対するなど、政治的行為をなす自由を有するとしても、その自由の一環として政治資金の寄附の自由を認めることは、憲法十五条の参政権は国民固有の権利を侵すことにつながると思います。

 しかも、この判決から四十五年の間、ロッキード事件、リクルート事件など、国民の権利侵害が繰り返されてきました。このような金権腐敗政治が起きるたびに、政府の選挙制度審議会が企業・団体献金の禁止を再三答申してまいりました。この判決の最後でも、企業献金が金権政治の弊害に対処する方途は、立法政策にまつべきことと明記されています。

 立法府としても、企業・団体献金を放置しておくことはできず、二十年前の政治改革で、企業・団体献金は禁止の方向に踏み出そうと議論されてきたわけであります。それなのに、今になっても、この判決にしがみつき、企業・団体献金を容認するとは、国民の権利を侵害している実態から目をそらし、立法府が積み重ねてきた議論を無視するものと言わざるを得ません。

 同時に、この判決について、一九九三年、衆議院の政治改革に関する調査特別委員会に元最高裁長官の岡原昌男さんが出席されました。あの裁判をもとに企業献金はどれだけでもいいという考え方はやめてもらいたい、あれは助けた判決だったんだ、助けた判決というものだ、こういうことを明らかにされています。そして、さらに樋口陽一さんは、それが足を引っ張ってきたんだ、ここまで述べておられるわけであります。

 したがって、こういう判決を使うことはもういいかげんにしたらどうだということをあえて言っておきたいと思います。

塩川委員 維新の党案の提出者にお尋ねいたします。

 維新の党も企業・団体献金の禁止の法案を提出されておりますが、企業、団体によるパーティー券の購入を禁止しておられません。

 先ほどの答弁のときにもやりとりがありましたけれども、パーティーの対価性もある、PRの場でもある、活用する必要があるというお答えでしたが、パーティー券というのが、実態を見れば、その大半が企業、団体が購入しているものだ、形を変えた企業・団体献金ではないのか。

 企業は主権者ではありません。企業が政党や政治家に金を出し、政治に影響力を与えるということは、国民主権の原則とは相入れないものだ、企業献金は本質的に賄賂性を持っているという点をいっても、企業・団体献金の国民の参政権の侵害、パーティー券を容認することがこの国民の参政権の侵害を残すことになるのではないのか、このように考えますが、いかがでしょうか。

重徳議員 先ほども他の委員に御答弁申し上げましたが、このパーティーにつきましては、対価性がある。対価というのは、単に飲食というだけではなくて、例えば講師を呼んで勉強会をやるときには、その講師もただで来てくれるわけではありません。また、党のPRという意味でも、政策の基本的な方針や各議員の活動の報告など、さまざまな場として活用されているものと考えております。

 一つずつ、問題になってきたことを解決していこうということで、私どもは、もう二十年前から、おっしゃるとおりです、二十年前からずっと問題になってきました企業・団体献金の廃止、禁止というものを、今回法案でも提出をいたしておりますし、いち早く、我が党だけでももう受け取るのをやめようということで、来年からは受け取りを一切みずから自粛するという決定をいたしたわけであります。

 パーティーにつきましても、やはり、これも先ほどのやりとりがございましたけれども、そのあり方、やり方についても、今回新聞沙汰になっているような状況もあります。こういったことについても、適切なパーティーのあり方ということについてもよく議論はしていく必要があると思っております。

塩川委員 パーティー券そのものが、実態としてその大半が企業、団体に依存するものだという点については、そういう御認識でしょうか。

重徳議員 これは、私もつぶさに、全てのパーティー券が企業、団体によって賄われているかどうか、存じ上げているわけではありません。

 ですから、個人、有力な個人の方にもそれは購入を依頼することもあるでしょうし、実態はどうかということについては、客観的に今見解を述べるものは持ち合わせておりませんけれども、いずれにしても、基本的には、私どもは、今回は企業・団体献金の対価性のないものを禁止していこうというところからまず入っていこうということで、皆様方の御理解を求めているところでございます。

塩川委員 対価性のないものということになりますと、でも、企業・団体献金そのものはその範囲では容認という話にとれるわけであります。

 先ほどの御答弁の中でも、二十年前の政治改革、これについて、税金と企業・団体献金の二重取りだ、この二十年前の議論に決着をつけようというものだというお話がありましたが、そうなると、税金と企業・団体の二重取りといいながら、政党助成金という税金と、パーティー券、企業・団体献金を含むパーティー券という形での二重取りが続くということになりはしないのかと思うんですが、いかがですか。

重徳議員 企業・団体献金を含むパーティー券とおっしゃいますけれども、パーティー券そのものは企業・団体献金ではありませんので、繰り返しになりますが、対価性のあるものでありまして、それは決して飲食だけじゃなくて、講師を招くですとか、あるいは、その会そのものも、単なる献金とは違いまして、パーティーという場を活用して議員や政党の活動をPR、理解いただく、そういう場として活用しているわけでありますから、これは企業・団体献金そのものとは異なるものと考えております。

塩川委員 企業、団体が購入する、実質、形を変えた企業・団体献金ではないのかとされるパーティー券という話として、ちょっと言葉が足りませんでしたけれども、私は、やはり二重取りという批判は免れないのではないかなと思います。

 あと、民主党案の提出者にお尋ねをいたします。

 先ほどの質疑にもありましたけれども、二〇一一年の三月に、企業・団体献金の禁止、パーティー券購入の禁止の法案化を進めるということを党として掲げられたと承知をしております。

 その点については、先ほどの答弁の中で、その旗をおろしたのかという問いに対して、それは何ら変わるものではありませんというお話で、とにかく補助金の部分のみ取り急ぎ提出をしたものだ、企業・団体献金の禁止そのものについては骨子案に基づき法案化作業を進めたいというお話でありました。

 あわせて、その際に、個人献金促進のための方策も考えていきたいという御答弁があったわけですが、私は、個人献金を促進するためにも、企業・団体献金の禁止とそして政党助成法の廃止が必要ではないのか、それでこそ個人献金の促進につながるというふうに考えますが、この点はいかがでしょうか。

黒岩議員 先ほど申し上げたとおり、二〇一一年三月十日に確認いたしました企業・団体献金禁止ということにつきまして、本年も三月に私どもの政治改革・国会改革推進本部におきまして再度確認をしたということで、方向性は何ら変更していることではございません。

 ただ、これも何度か答弁いたしましたけれども、補助金受給企業について特段の疑義が生じたということであって、決して補助金受給企業に二十二条の三を中心に限定をしたというわけではなく、なるべく、今各会派で大きな、企業・団体献金に対してもまだまだ考え方の違いがある中で、一定程度合理的に意見を集約できるということを願いまして、今回は補助金の受給企業の寄附制限について、法改正を出させていただいたというところでございます。

 また、個人献金の促進については、寄附金税額控除の制度の具体化とか、こういったことをこれからも進めてまいりますし、政党助成法等については、これは我が党でも、また各会派もいろいろな考え方で今後検討していくことになる、そのように承知をしております。

塩川委員 個人献金がふえない理由には、やはり国民の政治不信というのは無視できないと思います。国民の意見や要求とかけ離れたところで政治が行われているのではないのか、こういう声があるわけで、そういうふうに受けとめられるということになればゆゆしきことであります。

 政党は、何よりも国民の中で活動し、国民の支持を得てその政治資金をつくるということが基本でなければならないと考えます。企業・団体献金の全面禁止と政党助成金の廃止を一体で行うことが、主権者たる国民がみずからの意思で政治資金を拠出する、政治に参加する、そういう土壌が醸成されると考える。こういう取り組みこそ必要だということを申し述べて、時間が参りましたので終わります。

 ありがとうございました。

山本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十三分散会


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