衆議院

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第2号 平成13年4月4日(水曜日)

会議録本文へ
平成十三年四月四日(水曜日)

   午後三時開会

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 出席委員

  衆議院

   委員長 堀之内久男君

   理事 甘利  明君 理事 蓮実  進君

   理事 松本 和那君 理事 村田 吉隆君

   理事 石井  一君 理事 小沢 鋭仁君

   理事 北側 一雄君

      岩倉 博文君    尾身 幸次君

      大島 理森君    小島 敏男君

      古賀  誠君    谷田 武彦君

      林 省之介君    林田  彪君

      菱田 嘉明君    堀内 光雄君

      牧野 隆守君    大石 正光君

      桑原  豊君    鮫島 宗明君

      仙谷 由人君    手塚 仁雄君

      鳩山由紀夫君    冬柴 鐵三君

      東  祥三君    志位 和夫君

      土井たか子君    海部 俊樹君

  参議院

   委員長 本岡 昭次君

   理事 河本 英典君 理事 矢野 哲朗君

   理事 藁科 滿治君 理事 木庭健太郎君

      亀井 郁夫君    岸  宏一君

      久野 恒一君    鈴木 政二君

      西田 吉宏君    南野知惠子君

      勝木 健司君    北澤 俊美君

      直嶋 正行君    森本 晃司君

      筆坂 秀世君    山下 芳生君

     日下部禧代子君    水野 誠一君

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   森  喜朗君

       総務大臣     片山虎之助君

       外務大臣     河野 洋平君

       財務大臣     宮澤 喜一君

       文部科学大臣   町村 信孝君

       厚生労働大臣   坂口  力君

       農林水産大臣   谷津 義男君

       経済産業大臣   平沼 赳夫君

       国土交通大臣   扇  千景君

       環境大臣     川口 順子君

       国務大臣

       (内閣官房長官)

       (男女共同参画

       担当大臣)    福田 康夫君

       国務大臣

       (国家公安委員

       会委員長)

       (防災担当大臣) 伊吹 文明君

       国務大臣

       (防衛庁長官)  斉藤斗志二君

       国務大臣

       (沖縄及び北方

       対策担当大臣)

       (規制改革担当

       大臣)      橋本龍太郎君

       国務大臣

       (金融担当大臣) 柳澤 伯夫君

       国務大臣

       (経済財政政策

       担当大臣)    麻生 太郎君

       国務大臣

       (科学技術政策

       担当大臣)    笹川  堯君

 出席内閣官房副長官

       内閣官房副長官  安倍 晋三君

       内閣官房副長官  上野 公成君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官  津野  修君

 委員外の出席者

  衆議院事務局

       国家基本政策委

       員会専門員    鳥越 善弘君

  参議院事務局

       常任委員会専門

       員        宍戸  洋君

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  本日の会議に付した案件

国家の基本政策に関する調査






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   〔本岡昭次君会長席に着く〕

会長(本岡昭次君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。

 本日、会長を務めます参議院国家基本政策委員長の本岡昭次でございます。

 堀之内委員長とともに、本合同審査会に負託された使命を果たしてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

 この際、本合同審査会における発言に関して申し上げます。

 本日の討議配分時間は、鳩山由紀夫君二十六分、志位和夫君七分、土井たか子君七分であります。討議に当たって、各党首及び総理におかれては、発言を簡潔に行い、時間内に討議が終了するよう御協力をお願いいたします。また、本日は時間表示装置を使用いたしますが、表示装置は残り時間を表示し、配分時間が終了したときは赤色のランプが点灯しますので、御承知願います。

 国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。鳩山由紀夫君。(拍手)

鳩山由紀夫君 森総理との党首討論もあとわずかになりました。極力きょうは政策の議論を申し上げながら、自民党の政策と民主党の政策、国民の皆様方にできるだけわかりやすくお示しをしていきたいというふうに思っております。

 後で経済、財政の議論もしたいと思いますが、実は経済、財政よりも世界で深刻な問題があります。それは環境問題でございます。

 環境問題が、しかしややもすると日本でも、特に日本政府、まだまだ私は不十分だと思っています。どうも意識が十分ではありません。なぜか。考えますと、環境弱者という言葉がありますね、総理。この環境弱者、どういう方々を環境の弱者と呼ぶか、おわかりでしょうか。

内閣総理大臣(森喜朗君) この弱者というのはいろいろ範囲があるんだろうと思いますけれども、しかし、みずからも好まざるして環境全体、もちろん汚染もございますし温暖化もございますし、そうした問題が幅広く生活そのもの、人間の生存、あるいは人間のみならず生物も含めて、そういう皆さんの生存そのものについても、そういうことに対し、みずからそういう原因をつくり得ずしてそういう環境の中に置かれていくというような人たち、そういう人たちもまたあわせ含めて弱者ということが言えるんじゃないでしょうか。

鳩山由紀夫君 一般論をお述べをいただいたわけでありますが、今、私たちが環境問題に対してややもするとまだおれたちの時代は大丈夫だ、そんなふうに思いがちなのも、環境弱者に対する配慮が足りないんだと思います。

 その環境弱者は、まず第一に次世代の人たち、それから発展途上国の人々、さらに言葉を人間と必ずしも通ずることのできない動植物、こういうものたちが環境弱者と呼ばれています。

 例えば、次世代のことを考えてみましょう。この東京、国会のある東京が過去百年の間にどのぐらい気温の、平均気温ですが、変化があったか、総理は御存じでしょうか。平均気温の上昇がどのぐらいであったか、百年間でありますが。

内閣総理大臣(森喜朗君) あなたはちゃんと調べてこられて私に聞かれるわけですから、私はそこまで細かいことを全部すべてを承知しているわけじゃありませんが、過去五十年間の地球温暖化の大部分は人間活動に起因している、こういうふうに言われているわけでありまして、そういう意味からいえば、ここ地球上は二十一世紀中には恐らくこれから約一・四度から五・八度まで上昇すると、こういうふうに言われているわけですね。あるいは、海面水位が九センチメートルから八十八センチメートル上るということも、これは公式的に言われていることであるわけです。そういうことから平均していけば、これから過去五十年どうだったのかということも考えられるわけであります。

 今お話ありましたように、そういう温暖化によって、そして水位が上昇することによって、例えば、私がたまたま総理になりました一年ほど前になりますが、太平洋のいわゆる島嶼国、島サミット、その会議に出ましたときには、フィジー、トンガ、ミクロネシア、そういう国々の皆さんが私におっしゃったことは、あと一メーター水位が上がりますと我々の国が水没をしてしまいます、そのことだけはどうぞひとつ念頭に置いて沖縄サミットでも十分御協議をいただきたいということを言われましたことは、非常に私は印象深く今でも記憶に残っているんです。

鳩山由紀夫君 今、総理がお答えになりました五・八度、これは今後百年間の世界の、この地球上の平均気温の上昇が最大でそのぐらい予想されているということであります。過去百年間は、特に東京だけとれば二・九度というデータがございます。したがいまして、これからの百年は、またそれに加速度で、倍の速度で平均気温が上昇してしまうという可能性があるということです。

 そのことが、今、森総理もお答えになりましたように、島嶼国の方々にとってみれば、まさに国がなくなるかもしれないという大きな問題になりかかっている。したがって、次世代の問題を今私たちの世代で解決しなければならない、急がなきゃならない問題であるということは言うまでもありません。

 動植物に関しては、多分、四万十川のアユは総理も召し上がったことがおありになるかもしれませんが、近年これも激減してしまった。冬の水温の上昇がアユを激減させてしまったというふうに言われています。

 食糧不足の問題も大変に深刻になりつつあります。これも現実です。そして発展途上国、今の島嶼国の話もありました。またさらに、現在は二千五百万人の方が環境で難民になってしまわれている。これからあと二十五年の間に五十億人の人が水不足で大変な苦労を強いられるというふうに言われています。すなわち、もはやこれは待ったなしの大変大きな問題だというふうに私は思います。

 COP3等、この間は十一月にはCOP6があったわけでありますが、そのような議論になると必ず対立するのがヨーロッパ諸国の考え方とアメリカの考え方であります。どうも日本は今までアメリカに協力をしていたように思われてなりません。私は、やはりヨーロッパの環境弱者に対する配慮というものをもっと日本は大事にしながら、ヨーロッパと協力をするという道を歩むべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(森喜朗君) 私は、アメリカとのみ協調してヨーロッパをないがしろにする、そういう考え方は日本はとってきていないと思います。恐らく環境会議等、むしろ日本が中心になって、フィンランドを初めいわゆる環境先進国と言われる皆さんと十分協議しながら、多くの国々に対して、日本だからこそ呼びかけられる国々、そういう国々にも十分呼びかけて、この京都会議を主催したのも日本のやっぱり意欲でありますし、そういう意味ではアメリカに対しても十分、恐らくこれからお話が出るのだろうと思いますが、アメリカ政府に対しても我々は強く協力をしながら、お互いにみんなで協力しなければこの地球環境は守っていけないということが大前提じゃないでしょうか。

鳩山由紀夫君 COP6が残念ながら成立をしなかった原因も、日本とアメリカが頑固なまでに主張して、ヨーロッパの意向を十分に聞き入れなかったからだというふうに私は理解をしています。もっとヨーロッパと協力をする道を私は行っていかなければ、環境問題はリードすることができないと思います。

 そこで、今総理がお話をされました京都議定書、COP3の京都議定書の話でありますが、先般、このことに関しては、ブッシュ大統領が京都議定書を支持しないということを話された瞬間に、総理も親書を送られたというふうに伺っております。それは当然なさるべきで、もっともっと厳しく抗議をしていただきたいことでありますが、私ども非常に大事なことに感じているのは、アメリカがどうこうするということではなくて、まず日本が率先をして京都議定書、まさに京都で行った議定書でありますだけに、率先してリーダーシップを発揮すべきではないか。アメリカいかんにかかわらず、日本が真っ先に批准をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(森喜朗君) 先ほど鳩山さん、フェミニストの鳩山さんらしくない発言だなと思って大変残念に思いましたけれども、党首のお立場だからやむを得ないんだと思いますが。

 私も、余り褒められることはありませんけれども、一番私褒められたのは、川口環境庁長官をお選びしたことが大変多くの皆さんから褒められました。今度千葉県の知事さんになられました堂本さんもわざわざ私のところに見えて、本当にすばらしい大臣をお選びになりましたと。

 それはなぜそうおっしゃったかといいますと、この間、ハーグでのあの会議ですら残念ながらまとまりませんでした。しかし、あれはむしろ川口大臣がおられて本当に、アメリカを初め、ヨーロッパ初め、もちろんアジア、多くの国々の中に入られて何とか取りまとめをされようと思って一生懸命に努力されたと。そのことについて、私はその後、いろんな国際会議がございましたけれども、どこの会議に行きましてもその川口長官の評価が大変高かった。そういう意味からいいますと、日本政府を代表して川口大臣がよくやってくださったというふうに、私はそのように理解をいたしております。それはぜひ、そういう党派を超えて、また環境問題に対する日本政府の取り組みがどのような姿勢であったかということは、やはり私はそういう点で理解をしていただきたいと思います。

 アメリカに対しましての、これは一生懸命私どもとしても、アメリカを除いてやってやれないことはないんだと思いますよ、こういう問題は。しかし、それでは解決にはならないんであって、みんなの国々がお互いにしっかりとこのことを確認し合って、協調していってこそ地球環境は守られるということでありますから、努力をしてアメリカに対する、今またアメリカも見直し中であって、必ずしもこの国すべて環境問題に対して反対しているというわけではないわけであります。その点は私やっぱりよく理解をしていかなければならぬと思います。

 日本だけで進めてしまうことも、やることは容易かもしれませんが、結果的にアメリカを残したまま進むということになるんじゃないでしょうか。

鳩山由紀夫君 総理は思い出していただきたいと思うんですが、地雷の話があります。地雷禁止条約に関してはオタワ・プロセスというものがありました。アメリカやロシアは嫌がっていました。御承知ですよね。それを、カナダがまず率先してこれを批准した、そして世界で流れをつくった。日本もそれに批准をして、最終的にアメリカも批准をせざるを得なくなった。こういうプロセスこそ私は大事だと思うんです。

 今、アメリカは同じようなことを言っている。また条件闘争みたいな話になっている。ここで日本がイニシアチブを発揮するとき、まさに京都議定書なんですから、京都プロセスのようなものをつくって、イニシアチブを発揮して日本がまず批准をする、そして世界の中で流れをつくる。日本は優秀な技術力を持っているわけですから、環境のさまざまな規制があっても、それを払いのけてむしろ産業界をリードしていけると思います。そのぐらいのリーダーシップを発揮して、まずアメリカを最終的に批准まで導けるような、そんなやり方をお考えにどうしてならないんですか。

内閣総理大臣(森喜朗君) アメリカを協力させ、そして批准をさせていくということに最大限努力する、その努力の方法が、今おっしゃった方法も一つの方法なのかもしれません。また別の方法もあるのかもしれません。できるだけ多くの国々が、特に、そういう意味での環境問題に対して一番やっぱり先頭に立ってもらわなければならないアメリカに理解を求める努力をすることが日本の一番大事な私は役割だと思います。

鳩山由紀夫君 アメリカに理解を求めるということをいつもおっしゃるけれども、結局はアメリカが批准をしなければ日本も批准をしないと。常にアメリカ追従の外交姿勢だからこそ、アメリカにも尊敬されない、世界の国々にもばかにされてしまうような日本になってしまっている。

 私は、川口大臣の御努力は認めますよ。でも、それも政府の大きな枠の中に入られてしまって、きょうも国会の本会議での御答弁を伺っていましたが、決して日本みずから批准をするとはおっしゃらなかった。

 私たち民主党としては、まず、これは野党の皆さんそうだと思いますが、協力をして、日本がまず最初に批准をする、そしてその流れをつくること、それを求めていく政党であることを宣言したいと思いますし、今お伺いすると、どうしてもアメリカよりも先に批准するとはおっしゃらない。そういう京都の議定書に対しては批准するということをおっしゃらないあいまいさを残しながら、常にアメリカに追随する、そんな未来に対する無責任な政権であるということが露呈されてしまったと私は思います。このような未来に対する責任感というものがあるかないかが、民主党の政治と皆さん方自公保政権の政治の基本的な大きなずれだというふうに私は思います。

 そこで、同じように財政の議論に進めてまいりたいと思います。

 財政もまことに同じです。六百六十六兆円という、国と地方の財政、まさに破綻状態。宮澤財務大臣ですら財政は破局に近いとおっしゃった。まさにそれが本音だと思う。

 我々がいつも財政健全化の道を示せと申し上げても、決してその道筋をお示しにならない、示そうとしない。まずは景気最優先だ、景気をまず立て直してからというふうにおっしゃる。もうその論理は完全に破綻したんじゃないんでしょうか。経済政策も、まさに失政続きだからこそ景気がいつまでたってもよくならない。残ったのが赤字の山じゃありませんか。

 私が総理にお伺いしたいのは、財政の健全化の道を、もし景気を最優先してその後だとおっしゃるならば、例えば名目のGDP、成長率一%上がることによって税収はそれではどのぐらい上がることになるんでしょうか、お尋ねします。

内閣総理大臣(森喜朗君) 今は財政再建の論が先なのか景気かというお話でございましたけれども、やっぱり健全な体調にしていくということが一番今とるべき大事なところだと思うんです。

 これまで、いろんな苦労を今日までしてきました。お互いに、ともにやってきたと思います。そういう中で、民需回復へもう少しというところでこういう事態になったというのは、もちろんアメリカ経済の低迷もありますし、あるいはアジアの経済のこともございますし、そういう面の中で、引き続き私どもとしてはやはり経済に軸足を置いていきたい、景気回復に軸足を置いていきたいと、この考え方はこれからも私はとるべきだと思うんです。

 財政の構造のいわゆる改善をしていきたいというのは、これはやはり財政を、支出を抑えるとか、あるいは税金をふやすとか減らすとかいう、そういう私は問題ではないと思っています。ですから、やはり全体的に、地方と国との負担の問題もありますし、あるいは社会保障の負担の問題もございますし、あるいは税制全体の問題もございますし、そういうものを全体的に討議しようということで、幸い中央省庁再編の中で経済財政諮問会議ができましたから、ここで今議論を始めたわけです。

 そういう中で、従来と同じような形での予算というものの組み方ではなくて、この経済財政諮問会議が中心になって予算の編成もしていこう、全体も見直していこう、そういう中から新しい一つのマクロのプランができてくるでありましょうから、そういう中から財政の構造の健全化を進めていこうというのが私どもの考え方でございますが、まず基本的にはやはり健全な国の経済の状態に何としても戻していきたい。

 そのことをまず今やることが私は一番大事なことであって、まさにそういう意味では、野党の皆さんにも御協力いただいて十三年度予算も年度内に成立をさせていただいたことも大変ありがたかった。そして、補正予算と十三年度予算を連動してできる限り早くこれを執行して、まずは全体の景気をよりよくしていきたいということが政府の、私は今、プライオリティーからいえばとるべき道だろう、こう思って、ひたむきにそのことを努力してきているのだということをぜひ理解をしていただきたいと思うんです。

鳩山由紀夫君 総理は全然私の質問に答えになっていただきません。

 基本的なことに対して理解をしていただけなかったら話にならないのでありまして、GDP名目で一%、それは五千五百億円に相当します。大体そのぐらい税収がふえるということになります。例えば、ですから、それで計算をして、三%、そんな簡単に経済成長が三%に戻れるとは思いませんが、もし三%に戻ったとしても一兆六千五百億円です、そのぐらいのお金しか税収がふえません。

 今、歳入と歳出のギャップはそれよりもはるかに大きな額で、そして国の借金は五百六兆円あります。五百六兆円を、一兆六千五百億円、もし全額を借金返しに使えるとして何年という計算になりますか。大体の状況おわかりになると思いますから、計算していただければと思いますが、何年かかるかおわかりですか。

内閣総理大臣(森喜朗君) 鳩山さんの今の御議論の論点は、御自分で計算をしておられるわけでありますけれども、やはりまず今の日本の経済の状況を本格的な民需の回復の基調に乗せて、まず足元を固めなければ、税の収入もそうしたこともきちっとした数字は私ははじき出せないというふうに思います。それは、お話の設定の中からいろんな数字は出せるんだと思いますが、政府の私の立場からは、こういう数字でこういうふうに立てていくということは今申し上げるべきときではないと思っています。

 ただ、経済財政諮問会議では、あらゆる算定をしながら今計算をし、その中からどういういわゆるマクロの計画ができるだろうかということを今着手を始めているときだと、こう申し上げているわけです。

鳩山由紀夫君 私は、もう問題は簡単な数式でありまして、五百六兆円を一兆六千五百億円で割ればいいだけでありますから、それを単純で計算しても三百年かかるんです。すなわち、そのぐらい、経済成長をして財政を立て直そうと言ってもそれは論理にならない、完全に破綻しているんだということを申し上げたかったことであります。

 すぐに計算がおできにならなくてもそれは仕方ない話でありますが、複利計算でやったとしても百年以上かかる大変に気の長い話だということを国民の皆様方に理解をしていただきたかったから申し上げたのでございます。

 私が一番ここで申し上げたいことは、現実にはそれよりもはるかに大きな歳入と歳出のギャップがあるわけでありまして、それをまずなくさなければいけない。私どもにとって、特に民主党、政権をとってまず真っ先にやらなきゃならないのは、財政のこのプライマリーバランスを、五年間の間でバランスをとらせるということであります。

 そのぐらいのことを、どうして財政の健全化の道筋として示すことができないのかどうか。今すぐにやれということを必ずしも申し上げていません。でも、なぜシナリオというものをつくることさえ拒否されるのか、今でもなぜこのようなことを強弁されて、経済最優先だからといって何もその道筋を示されないのか、本当に不可思議で、わかりません。いま一度お尋ねをします。

内閣総理大臣(森喜朗君) 先ほども申し上げましたように、私どもとしては、今、経済財政諮問会議でこの作業を始めましたと、こう申し上げました。

 ですから、たびたび申し上げておりますように、税収のもちろん計算もしていかなきゃならぬのだと思いますし、将来ともに今の国と地方の関係はこのような関係でいくわけではないと思います。当然これから地方の分権はさらに進んでいくことにもなりますし、そういう負担の問題も出てきます。それから、税制そのもののあり方の問題もあります。ですから、すべてそういうものを総合的に計算してみよう。

 それから、私ども、恐らく来週の、次の経済財政諮問会議はいわゆる社会保障の負担がどうあるべきかということの議論が専門的に行われると思いますが、そういう形の中でいわゆる税金と、いわゆるそうした社会負担、国民負担というのはどの程度までなのか、そういう計算もしてみなきゃならぬだろう、そういういろんな計画を今やっている最中であります。これからまたさらに進めていこうという、そういう段階です。

 それから、予算も、今までのようにそのまま各省ごとに据え置きにする、あるいは何%アップしていく、そういうやり方も恐らくこれからはできないだろうと思います。

 ですから、どれを優先し、どれを国としては一番優先順位といいましょうか、プライオリティーを置いていくだろうかということもやっていかなきゃならぬだろうし、そういう中からやはり財政構造というものをどのように直していくかということであって、決して私どもはそれを怠っているわけではありませんし、既にその作業も今始めていると、こう申し上げている。

 いずれ皆様方にも御披露申し上げて、そして国民の皆さんにもきちんとした道筋を私は示すことができるだろう、そのための今努力をしているということをぜひ理解をしてほしいと、こう申し上げているわけです。

鳩山由紀夫君 改めてお示しをするからそれまで待ってろと、何年間同じことを繰り返されているのか。財政の、大変巨額になってしまったこの事実がいかに将来の国民の皆さん方の不安を募っているか、それを解消するシナリオを示すことを何で勇気を持ってなさらないのか、改めて甚だ残念に思いますが、改めて国民の皆さん方は、特に自民党を中心とする自公保政権がいかに財政規律に対しては無頓着であり、未来に対して無責任であるかということがおわかりになったと思う。

 私たち民主党としては、財政の健全化の道こそ、早く示すことが景気回復の一ページ目に重要なことだというふうに申し上げております。経済政策を私どもも昨日発表いたしましたが、まず最初にそのことを前提として申し上げている。

 基本的な哲学が違うと思います。不良債権の処理も二年以内にやらなきゃならないということは申し上げていますが、そのためにも当然厳しい査定を行うこと、そして経営者に対する責任、株主の責任というものを明確にしてから行うというところが基本的な哲学の違いとしてありますから、そこのところをぜひ御認識していただいて、ぜひ民主党の経済活性化策を御理解を願いたいと思います。

 最後に、自民党森政権に対して鎮魂歌を、鎮魂の言葉を申し上げたいと思います。それは、ソルジェニーツィンさんが昨年インタビューに答えた言葉であります。

 それは、自己抑制という言葉を我々はとっくの昔に海の底に落としてしまったと。

会長(本岡昭次君) 鳩山由紀夫君、発言時間が過ぎております。(発言する者あり)

鳩山由紀夫君 しかし、自己抑制ということが自由を得ている人たちが最も大事にしなければならない言葉であり、そして自己抑制ということを、自由を得るために最も必要なことだというふうにソルジェニーツィンさんは言っています。

 自民党、自公保政権は自己抑制をなくし……(発言する者多し)

会長(本岡昭次君) 鳩山由紀夫君、簡潔にし、締めくくってください。(発言する者多し)

鳩山由紀夫君 結果として自由をなくしてしまった。我々は自己抑制というものを大事にしながら、自由というものを獲得をして国民に信頼を取り戻す、そういう政治を民主党を軸になって行うことをお誓いして、党首討論を終えます。

 ありがとうございます。(拍手)

会長(本岡昭次君) 答弁しますか。

内閣総理大臣(森喜朗君) 二十六分というのはすべて鳩山さんのものなのか。党首討論ですから私の分もあるんだろうと思いますが、最後マイナスにされて終えてしまわれたら、私のそれに対するお答えもできないということになります。

 お許しをいただいて、いろいろ民主党としての経済政策というのは拝見をよくいたします。もちろん、参考にすべきことは十二分に参考にしていくということが議会政治のあり方だろうと思いますが、しかし民主党が果たして政権をとってやれるんですか。

 私は、きのう鳩山さんのところでお花見をなさっておられましたけれども、志位さんいらっしゃって恐縮ですが、共産党さんと御一緒になって本当に皆さん、どういう政権をつくられて、(発言する者多し)経済の問題もさることながら、防衛問題だとか憲法問題だとか、基本的な問題は違うんでしょう。私はそういう国家国民の一番安全の、生命も、財産、安全もやらなければならない、(発言する者あり)そういう問題がお互いに全く違う政党が協力しながらこれから政権を持っていくからお任せくださいと言ったって、国民の皆さんは理解なさらないと思いますが、これもちょっと最後だから申し上げておきます。(拍手)

会長(本岡昭次君) 以上で鳩山由紀夫君の発言は終了いたしました。

 次に、志位和夫君。(拍手)

志位和夫君 今、国民が政治に最も強く望んでいるのは、この深刻な不景気を何とかしてほしいという点にあると思います。私は、この点について伺います。

 今の日本経済の最大の問題点というのは、経済の六割を占める個人消費が冷え込み切っているというところにあると思います。特に九七年からの落ち込みがひどいものがあります。これは総務省の家計調査によりますと、九七年から二〇〇〇年にかけまして、勤労者世帯の可処分所得は月額で二万四千円減っています。それから、一世帯当たりの消費支出は月額で一万六千円減っています。ここが一番の問題点です。

 この点について、そちらにも座っていらっしゃいます宮澤財務大臣、一月十九日の講演録の中で大変興味深いことをおっしゃられております。ちょっと読み上げますが、

 国民経済全体の回復過程におきまして企業設備、あるいは企業利益というものは回復しつつあることは疑いのないところでございますが、それが家計消費というものに一向に連動していかないということ。私自身は実は昨年の夏ごろに企業もそうなれば、家計もそうなるだろうと期待していたことが間違いであったということになるわけでございます。

大変私は正直な御発言をされているなというふうに興味深く読みました。

 企業の収益が上がれば、やがては家計の消費も回復する、これが政府の経済論だったと思います。しかし、当の財務大臣がこれは間違っていましたとはっきりおっしゃっている。

 総理も一年間振り返ってみて、この考え方は間違いだったと、同じ認識を持ちますか。御正直に、端的に一言でお答えください。

内閣総理大臣(森喜朗君) 経済はやっぱり生き物ですから、我が国のバブルの崩壊以後、この十年間というのは大変大きな、我々がまた予測できないような事態がいろいろとございました。特に九年、十年、まさにデフレスパイラルの危機的状況にあったことも事実であります。

 その中から、小渕前政権そして私と、何とかこの危機的な状況を脱するような施策を考え、そのために思い切った財政出動もいたしました。そして減税もいたしました。さらにその後、守りの再構築といいましょうか、金融を安定させるための金融二法等で対応いたしまして、何とか落ちつかせてまいりました。

 そういう中から、確かにいわゆる民間の企業もようやく躍動的にもなってまいりました。設備投資もふえてまいりました。企業も非常に収益がふえてまいりました。しかし、今御指摘がありましたように、また宮澤財務大臣のお話にもありましたように、残念ながらそれは家計に回らなくなったといいましょうか、消費が思うように進まなくなった。

 これは、最近のいわゆるデフレ傾向といいましょうか、物価というものがここ三年ほどほとんど上がっていない、消費者物価が。物価が上がらないということは、国民にとってはある意味ではとてもすばらしいことなのかもしれません。しかし、その上がらない分だけはやっぱり所得として考えてもいいのかもしれません。いろんな見方がやっぱりあると思います。それから、国民の皆さんもだんだんやはり価値観も多様化してしまいましたし、いわゆる物を買うということについてのいろんな意味での工夫も行っておられるということにもなります。

 一方、企業はやはりリストラを進めていかなきゃならぬのですから、企業がリストラを進めていけば当然やはり賃金の問題も出てまいりますし、雇用、リストラの問題も出てくるわけでありますから、そういう意味では、家計部門、消費部門がはかばかしくなかったというそういう経緯を私は宮澤財務大臣が申されたのだろうというふうに思います。

 間違っているとか間違っていなかったということでは私はないと思います。

志位和夫君 企業の収益が回復しても家計に回らないという事実はお認めになったと思います。

 それは結局、今総理が言われた財政出動にしても、公共投資の上積みだとゼネコンに回っちゃうわけですよ。それから金融対策にしても、大銀行向けの七十兆円の枠組みをつくると、銀行支援なわけですよ。このやり方では家計がよくならないということは明瞭になったと。これが今の状況だと思うんです。

 私ども、先日、緊急経済提言を発表しました。そして、総理にもお届けしました。ですから、企業の収益さえよくすれば家計がよくなるということがもう成り立たなくなった以上、直接家計を応援する政治が必要だということで三つの提言をいたしました。

 第一は、消費税の問題ですが、これは五%に値上げしたところから大不況が始まっているわけですから、三%に引き下げる。

 第二に、社会保障の問題ですが、これは医療、年金、介護・雇用保険、これでことしで三兆円、来年で一・五兆円もの負担増が計画されておりますが、これを凍結して将来の安心できる体系をつくる。

 そして第三に、雇用危機に乗り出して、この対策に乗り出して、特にサービス残業については直ちにこれをなくして雇用をふやす、これに乗り出していくと。

 この三つの提言しましたが、私、総理にお示ししたいのは、日銀が調査月報というのを十二月に出しております。ここで生活意識に関するアンケート調査というのをやっておりますが、ここで、あなたはどの項目が実現すれば支出をふやすと思いますか。この設問に対して、上位三つの答えは、一位が雇用や収入の不安の解消で四五・九%、二位が消費税率の引き下げで四二・六%、三位が年金改革や財政赤字に対する指針を示し、国民負担の将来像を明確化するで三五・〇%。

 これ、私たちの提言と一致するわけです。やはり、家計を直接応援して景気対策をやるべきだと。この国民の声にこたえるのが政治の責任ではありませんか。いかがでしょう。

内閣総理大臣(森喜朗君) 大変申し上げにくいんですが、共産党の皆さんは、そういう一部分だけをとらえて、(発言する者あり)そこだけをこうすればいい、ああすればいいということになるわけですが、基本的には日本の経済をやっぱり緩やかな回復基調から安定的な経済の成長に歩ませていくということが大事なんじゃないでしょうか。そのことによって、やはり国民の皆さんが収入もあり企業も栄えていく、それが、社会全体がそれによって膨らみを増していくということになるんじゃないでしょうか。

会長(本岡昭次君) 志位和夫君、ちょっと発言はもう終わってください。時間ですから終わってください。(発言する者多し)

志位和夫君 九七年とことしと比べてあなた方は消費税増税で五兆円、それから社会保障の負担増で五兆円、そしてリストラ応援のし過ぎで五兆円もの所得を家計から奪った。この失政の結果が今の事態を生んでいるわけですよ……(発言する者多し)

会長(本岡昭次君) 発言を終わってください。

志位和夫君 ですから、これは総理一人がやめたところで解決する問題じゃない……(発言する者多し)

会長(本岡昭次君) 直ちに終わってください。

志位和夫君 自民党、公明党の経済失政の責任とって総退陣願いたい。このことを申し上げて、終わりにいたします。(拍手)

会長(本岡昭次君) 以上で志位和夫君の発言は終了いたしました。

 次に、土井たか子君。(拍手)

土井たか子君 退陣はいつかばかりが取りざたされている森総理大臣に対して、クエスチョンタイムというのはとても奇妙なものだと私は思うんですね、これは。本来、クエスチョンタイムというのは、国政にかかわる総理の施政方針や政策に対して私どもが問いかけて、そしてまたこちらも考えをぶつけて議論する場所であるから、四分でこれができるはずがないんですが、しかし、今問題は山積しているのに、総理がいつやめられるかだけがクローズアップされているというのは、まことに不幸な政治だと言わねばならぬと私は思うんです。刻一刻、一日一日がこれ、不幸を重ねているというただいま格好だと思うんですね。

 さて、私は、先ほどアメリカ大使館に行ってまいりました。先ほどから問題になっておりますCOP3、京都会議の議定書に対して、アメリカ大統領が支持できないということを公にされたということに対して、ぜひこれは撤回をしてもう一度この議定書に対して採択するということをしっかり伝えてほしいという申し入れですよ、これは。これは総理もやられたと思いますけれども、しかし、日本がまず、先ほどからの話ですけれども、積極的な姿勢をきちっと持っていなきゃというときに、相手方に対しての説得にならないですよね。

 さて、本日、日米首脳会談、アメリカに行かれて持たれましたけれども、我が国の不良債権処理の問題がそこで取り上げられたということであります。事実、私は共同声明も読ませていただきました。

 さて、共同声明というのは、これ国際的な約束と総理は思っていらっしゃいますか。どうですか。

内閣総理大臣(森喜朗君) 私は、ブッシュ大統領とお話を申し上げましたときに、我が国の経済の状況、これからどのようにやっていこうかということもお話をいたしました。アメリカ側も、今のアメリカの状況についてもお話をいたしました。

 特に、不良債権の問題に今お尋ねがありましたけれども、アメリカ側は、ブッシュさんは私に対して、アメリカがそれを日本にこうしろああしろというようなことは私はやらないし、そういう手法は私は嫌なんだと。しかし、そのことについて日本が努力しているということが残念ながら余り聞こえてこない。だから、友人として言うが、その努力がしっかりと伝わるように、あるいはその努力をしっかりするようにしてほしいという、そういう気持ちがある。そういうアドバイスをしたいということをブッシュ大統領は私に直接言われました。

 私たちは、どういう方法をとっているのか、そしてまた後ほどのいわゆる会談の後の食事のときにも、麻生大臣も入れまして私どもとしてとるべき方向を御説明申し上げた、このように考えております。

土井たか子君 私がお尋ねしているのはそんな問題じゃない。それは首脳同士の会談の中身についての説明でしょう。今も共同声明というのは国際的な約束事だとお思いですかと言っているんです、これ、共同声明の中身は。そうお思いになっていらっしゃらないというのを、実は、私はまた長い答弁を聞いていると時間がなくなりますから申しますけれども、時は三月二十三日、参議院の予算委員会での総理の御答弁を、会議録を見て私は驚きましたよ。少なくともこんな認識を共同声明に対して持っていらっしゃるというこの情けなさと私は思って読みました。会談の雰囲気というのは、別に約束をするということではなかったと、そうおっしゃってみたり、「お互いに述べ合ったことはこうした形で文書に交わすんだろうと、こう思います。」、こういうことです。

 これは文書を読んでみると、共同声明の中身では、これは経済に対して、「総理大臣は、引き続き適切な経済政策を遂行するとともに、企業債務及び不良債権の問題に効果的に対処することを含め、日本経済の再生及び金融システムの強化のための構造改革及び規制改革を精力的に促進する決意を改めて述べた。」と書いてあるんです。

 これは今まで、御存じのとおり、共同声明というのはこれは非常に重いものだというのは、いろんな場面で出てまいっております。このために辞任された外務大臣まであるのを御存じでしょう。伊東正義さんです。

 やっぱり、これは共同声明の中身に対して責任を持とうとするとそういうことだということをつくづく私思いますけれども、総理にその責任感というのが一つもこれではにじんでいない。だから、この中身に対しても何だかわけがわからない。アメリカの方ではこれは約束事と受けとめられていたら、これはまた、それをそうではないようなことを日本に帰って言われているということにもなるわけでありまして、これは不信買いますよ、こういうのは、第一。

 それから、いつまでこれが総理であるかわからない方が、後々六カ月なんというのを会談の席で言われてみたりするのも、また無責任と私は言わなければならないと思います。

 さてそこで、私は今まで総理に対してお尋ねする機会がそう多くありませんでした。けれども、その中で問題になってまいりましたことは何かというと、御存じのとおり、KSDの問題であったり、あるいは機密費の悪用の問題であったりしましたけれども、何一つこれに対して総理は積極的に取り扱いをされたということがない。万事自民党の派閥次元の問題じゃないですか、総理が頼みとされているのは。

 今ここで改めて憲法の前文にある部分を読みます。「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」とあるんですね。

 今、そもそも国民の厳粛な信託によるはずの国会をひとつしっかり取り戻すことのために、総理、なすべきことは早い解散です。早期解散ということをしっかりこれは申し上げさせていただいて、(発言する者あり)これは最近のこの総裁選挙をめぐるいろんな発言を聞いておりましても……

会長(本岡昭次君) 土井たか子君、総理の討論の時間がなくなります。

土井たか子君 自民党の方から聞こえてくるのは相変わらず派閥次元そのものです。情けないと思う。(発言する者多し)

会長(本岡昭次君) 土井たか子君、発言をやめてください。

土井たか子君 ひとつそのことをはっきり私はここで申し上げさせていただいて、終わります。(拍手)

内閣総理大臣(森喜朗君) まあ随分おっしゃりたいことをおっしゃって、ちょっと私はあと三十秒ぐらい言いますから。

 土井議員も議長までなさった方ですから、議会政治、民主主義というものはどういうものかということはよくおわかりだろうと、私はそう思っています。

 共同声明ということも、これは何も拘束されるものじゃないんです。政治的なその国の意思の表明をするということでしょう。そしてお互いにそれを努力していくということが国際的な私はおつき合いの中に生かされていくことだろうというふうに、私はそう思っております。

 いろいろおっしゃいますけれども、ここのところテレビをよく拝見させていただきますと、土井委員長は憲法改正をするとか有事法制をやるような政党かそうでないことが今度の選挙の争点ですとこうおっしゃっていますけれども、あなたが今そう考えておられることと鳩山さんたちがお考えになっていることと果たして御一緒なんだろうか。そういう方が御一緒になって豚カツ食べていらっしゃるというのは、甚だ私は不思議な現象だと思います。(発言する者あり)

会長(本岡昭次君) 森総理……

内閣総理大臣(森喜朗君) そんな状況で果たして解散して本当に、本当に私はいい政治に、いい選挙になるんだろうかと思います。(拍手)

会長(本岡昭次君) 以上で土井たか子君の発言は終了いたしました。

   〔土井たか子君「……御発言ですが、これは不穏当な御発言と受けとめます」と述ぶ〕

会長(本岡昭次君) 以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。

 次回は、参議院、衆議院、それぞれの公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。

   午後三時四十七分散会




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