衆議院

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第1号 平成26年6月11日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十六年六月十一日(水曜日)

   午後三時開会

    ─────────────

 委員氏名

  衆議院

   委員長 山本 公一君

   理事 あかま二郎君 理事 石田 真敏君

   理事 小此木八郎君 理事 北村 茂男君

   理事 三原 朝彦君 理事 後藤  斎君

   理事 松野 頼久君 理事 井上 義久君

      石破  茂君    鴨下 一郎君

      河村 建夫君    高村 正彦君

      佐藤  勉君    塩崎 恭久君

      高市 早苗君    棚橋 泰文君

      野田 聖子君    浜田 靖一君

      平沢 勝栄君    細田 博之君

      松本  純君    大畠 章宏君

      海江田万里君    石原慎太郎君

      藤井 孝男君    浅尾慶一郎君

      小沢 一郎君    阿部 寿一君

      中村喜四郎君

  参議院

   委員長 長浜 博行君

   理事 岡田 直樹君 理事 宮沢 洋一君

   理事 柳田  稔君 理事 井上 義行君

      赤石 清美君    磯崎 仁彦君

      上野 通子君    滝沢  求君

      中原 八一君    野上浩太郎君

      福岡 資麿君    牧野たかお君

      郡司  彰君    榛葉賀津也君

      羽田雄一郎君    西田 実仁君

      山口那津男君    儀間 光男君

      井上 哲士君

    ─────────────

 出席委員

  衆議院

   委員長 山本 公一君

   理事 あかま二郎君 理事 石田 真敏君

   理事 小此木八郎君 理事 北村 茂男君

   理事 三原 朝彦君 理事 後藤  斎君

   理事 松野 頼久君 理事 井上 義久君

      伊東 良孝君    石破  茂君

      高村 正彦君    佐藤  勉君

      塩崎 恭久君    高市 早苗君

   とかしき なおみ君    永岡 桂子君

      野田 聖子君    浜田 靖一君

      平沢 勝栄君    細田 博之君

      松本  純君    御法川信英君

      大畠 章宏君    海江田万里君

      石原慎太郎君    藤井 孝男君

      浅尾慶一郎君    鈴木 克昌君

      阿部 寿一君

  参議院

   委員長 長浜 博行君

   理事 岡田 直樹君 理事 宮沢 洋一君

   理事 柳田  稔君 理事 井上 義行君

      赤石 清美君    磯崎 仁彦君

      上野 通子君    滝沢  求君

      中原 八一君    野上浩太郎君

      福岡 資麿君    牧野たかお君

      郡司  彰君    榛葉賀津也君

      羽田雄一郎君    西田 実仁君

      山口那津男君    儀間 光男君

      井上 哲士君

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   安倍 晋三君

       財務大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(金融))        麻生 太郎君

       総務大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域、地方分権改革))  新藤 義孝君

       法務大臣     谷垣 禎一君

       外務大臣     岸田 文雄君

       文部科学大臣

       国務大臣     下村 博文君

       厚生労働大臣   田村 憲久君

       農林水産大臣   林  芳正君

       経済産業大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構))      茂木 敏充君

       国土交通大臣

       国務大臣     太田 昭宏君

       環境大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(原子力防災))     石原 伸晃君

       防衛大臣     小野寺五典君

       国務大臣

       (内閣官房長官) 菅  義偉君

       国務大臣

       (復興大臣)   根本  匠君

       国務大臣

       (国家公安委員会委員長)

       (内閣府特命担当大臣(防災))        古屋 圭司君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、科学技術政策、宇宙政策))    山本 一太君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画))  森 まさこ君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(経済財政政策))    甘利  明君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(規制改革))      稲田 朋美君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官  横畠 裕介君

 委員外の出席者

  衆議院事務局

       国家基本政策委員会専門員    関根  弘君

  参議院事務局

       常任委員会専門員        工藤 政行君

    ─────────────

  本日の会議に付した案件

国家の基本政策に関する調査


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    ─────────────

   〔長浜博行君会長席に着く〕

会長(長浜博行君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 参議院国家基本政策委員長の長浜博行でございます。

 衆議院の山本公一委員長とともに、衆参両院の皆様方の御協力を賜りまして、その職責を全うしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

 この際、合同審査会における発言に関して申し上げます。

 野党党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が進められるために、御発言はそれぞれ簡潔にされるようお願いします。また、本日は時間表示装置を使用いたします。表示装置は発言者の持ち時間を示します。持ち時間が終了したときに表示がゼロとなり、赤色のランプが点灯しますので、御承知願います。

 なお、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に控えていただきますよう、御協力をお願いをいたします。

 それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。民主党代表海江田万里君。(拍手)

海江田万里君 民主党代表の海江田万里です。

 今日は、極めて重大な問題であります集団的安全保障の問題について、持ち時間二十六分でございますが、総理と議論を交わしたいと思っております。

 まず、総理は民主党の集団的自衛権の行使の問題について関心がおありのようですから、まず民主党の見解を申し述べます。

 民主党は、三月四日にネクストキャビネットで次のように決定をいたしました。集団的自衛権の行使については、これまで長年にわたる憲法解釈がありますから、この解釈を正面から否定して集団的自衛権の行使一般を容認する変更は許されないということであります。

 そして、もちろん、今の東アジア、十年前、二十年前と大きく状況が変わってきています。日本の国土、領海、領空を守るために、しっかりとした体制を整えなければならないということは言うまでもありません。そのために、グレーゾーンとか言われております、あるいはマイナー自衛権などと言われています我が国の防衛の法整備に裂け目があってはいけません。これに対しては、しっかりとした対応をやってまいります。

 そして、政府から十五項目にわたる事例が出ております。まだこれは国会などにお示しをいただいていません。与党の間の議論に使われている十五事例でありますが、私たちは今それを独自に入手をしまして、その一つ一つについて、これは従来の個別的自衛権でも例えば再定義をすることによって対応が可能であろう、あるいは警察権の行使によって十分対応が可能であろう、あるいはこれは実現、現実の可能性も低いし、これは無理だねと、こういう一つ一つにわたって精査をしている段階であります。

 これが今我が党で行っております集団的自衛権の行使についての現況の報告であります。

 そして、これから……(発言する者あり)どうぞ黙って聞いてください。

会長(長浜博行君) 御静粛にお願いします。

海江田万里君 この集団的自衛権の行使の問題について、安倍さんがこれまで進めてきたこのやり方、このやり方には私どもは大きな反対、大きなこのやり方ではいけないという声を、改めて安倍総理に申し上げたいと思います。

 私は今年二月の予算委員会でも安倍総理に申し上げました。この問題はまさに国家の安全保障政策の基本を根底から大きく覆すものだ、それは国民生活にも大変大きな影響を与えるものである、ですから、ここはまずしっかりと国会を通じて国民に説明をすべきである、国会での議論を積み重ねるべきである、こういうことを申し上げてきました。

 しかし、昨今の状況はどうでしょうか。この二十日にも、会期末が二十二日でありますから、その二十日にも閣議決定をしようという情報が流れています。総理が記者会見をやった、一方的な記者会見でございますが、これは五月の十五日であります。まだ一月たっていません。そして、与党の中ではいろいろな御議論がある、これは私どもも承知をしております。しかし、私どもはその中に入っていません。そういう中で、この会期内に閣議決定をしてしまう、これはまさに拙速であります。国民との議論がありません。国民を代表する国会議員との議論もありません。

 安倍総理、私は、集団的自衛権を本当に行使をしたいとお考えならば、それはまず、憲法改正の可能性、憲法改正の申出をするべきじゃありませんか。総理が仕えた小泉元総理、小泉元総理は、この集団的自衛権の問題はやはり憲法を改正するしかないんだと、だから自分の時代ではこの集団的自衛権のことは話さないことにすると、こういうことをおっしゃっていたじゃないですか。

 私は、まさに国民の生活に大きな影響がある、安倍総理は口を開けば国民の命を守る、暮らしを守るということをおっしゃっていますが、国民の命を危うくし、暮らしを危うくする可能性がある問題であるだけに、私は正々堂々と憲法改正の発議をすべきではないだろうかと思っています。

 国民投票法も間もなくこれは成立をいたします。一体、どうして総理は憲法改正の手続を取る必要がない、憲法改正は必要でない、閣議での変更だけでいいとお考えなのか、その点、まずお考えをお聞かせください。

内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、お答えをする前に、先般、薨去されました桂宮宜仁親王殿下の御冥福を心からお祈りをいたしまして、そして哀悼の誠をささげたいと思います。

 その上で、お答えをいたします。

 最初に民主党の立場を御説明をいただきましたが、果たして立場がどこにあるのか、これは皆さん、よく分かりませんでしたね。私たちは、国民の命と、そして国民の平和を守っていく大きな責任を担っています。その上で、例示として挙げました、近隣諸国でもし紛争が起こって、そこから逃れようとする邦人を輸送する米国の船が襲われたときに……(発言する者あり)

会長(長浜博行君) 御静粛にお願いします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) その船を守れなくていいのか、自衛隊はその能力を持っているのに守れなくていいのか。そして、このことについては既に法制局長官が答弁をしておりますが、現在の憲法解釈上ではできない、こう答弁されているわけであります。果たしてこの事態にどう対応すべきか。海江田さんはどう思っておられるのか、後ほどお伺いしたいと思うわけであります。私たちは常にその責任を持っている。

 そして、近年、アジア太平洋の状況は、極めて安全保障上の状況は厳しさを増しています。南シナ海においては、まさに力でもって現状を変更しようとする試みが続いているのは事実であります。そして、日本の上空においても自衛隊機に異常に接近をするという事態も起こっている。そうした中において、さらにまた、近隣国は日本をミサイルのその射程に入れて、かつ核開発を行っている。

 こういう中で、切れ目のない防衛を行っていく、かつ、同盟国との関係を強化し、強いきずなによってしっかりと抑止力を利かせていく必要があります。その問題意識の下に今我々は検討を行っているんです。そして、今、安保法制懇から出された報告書について、与党において真剣に議論をしております。この真剣な議論の結果においては、政府として立場を決定し、閣議決定いたします。

 その上において、閣議決定をし、直ちに自衛隊が行動できるわけではありません。自衛隊が行動できるようにするためには法改正が必要であります。その法改正を行う際に、当然、国会において御審議をいただくことになります。

 今回の集団的自衛権の行使解釈の変更について議論をする際にも、あるいはまた集団安全保障の議論においても、例えばイラク戦争やベトナム戦争やアフガン戦争や湾岸戦争において、自衛隊が戦争を目的として参加することはないということは明確に申し上げておきたいと思います。

 その中で、私たちは、今までの憲法の平和主義にのっとって今後の道も歩んでいく、この基本を変える気持ちは全くないわけでございます。そのことは強く申し上げておきたい。

 今申し上げたとおり、我々は……(発言する者あり)

会長(長浜博行君) お静かにお願いします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) しっかりと議論を行っています。国会においてこの場でも議論を行っておりますが、先般の予算委員会でも集中審議を行いました。この問題について集中審議を行いましたが、民主党から出たお二人の質問者、一人は集団的自衛権の質問をいたしましたが、他の方はTPPとそして年金のことを質問されたじゃありませんか。(発言する者あり)

会長(長浜博行君) 総理、総理、簡潔にお願いします。簡潔にお願いします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 私たちは誠実に質問をしているということであります。(発言する者あり)

会長(長浜博行君) お静かにお願いします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) これからもしっかりと誠実に向き合っていきたい。まず、あえて申し上げたいことは、民主党の皆さんも今目前に起こっている出来事に対してしっかりと誠実に向き合っていただきたい、このことを申し上げたいと思います。(発言する者あり)

会長(長浜博行君) お静かにお願いします。御静粛に。

海江田万里君 やっぱり安倍総理は、私が危惧をしていました、私からの質問に真正面から答えず、必要のないことを時間を使ってだらだらとお答えをしました。

 さっき、内閣法制局長官は安倍総理が例示をした幾つかの例について、これは憲法の解釈上できないという内閣法制局長官の答弁があったと。そうであれば、当然これは選択肢として、解釈上できないんならその根元の憲法を変えるのかというところがまず真っ先の順番じゃないですか。どうしてそれをやらなかったのか、その道を選ばなかったのかということについて、やはりこれは端的にお答えをいただきたい。

 それからもう一つ。先ほど、ケースがありますねと、そして、そのケースで日本人が避難をする、そのときに襲われたらどうするんですかと、これ記者会見でもお話がありました。だけど、大切なのは、まさにそこで日本が、もう戦闘行為が始まっているわけですから、その戦闘行為に加担をする、戦争が始まるということなんですよ、これは。日本が戦争を始めるということなんですよ、紛れもなく。そうでしょう。そうした場合、いいですか……(発言する者あり)

会長(長浜博行君) お静かにお願いします。

海江田万里君 これはちょうど野田聖子総務会長がいらっしゃいますけれども、武力行使ができるようになれば自衛隊は軍になる、軍隊は殺すこともあるし殺されることもある、こうおっしゃっていましたね。それから、幹事長も、他国民のために自衛隊が血を流すことがあると、こういうふうにおっしゃっていますね、これは。

 総理、これからその意味では集団的自衛権を行使をすることによって自衛隊が血を流すことがあるということは、これはもう明らかなことですね。これは総理の口からおっしゃっていただきたい。

 しかも、この集団的自衛権の行使の……(発言する者あり)

会長(長浜博行君) お静かにお願いします。

海江田万里君 ケースの中には、ホルムズ海峡を想定をしているんでしょう、戦闘中ですから、戦闘中のこの機雷を掃海をするために自衛隊を出す、戦闘中ですからね、これはね。ここでもやはり、それは自衛隊員の命が失われる可能性があるんですよ、これはゼロではないんですよ。

 だから、そのことをしっかりとそう言って、これまで日本の国の自衛隊員は、殉職者はたくさんいらっしゃいます、総理も毎年一度お参りに行っていると思います。しかし、戦死者は一人もいないんですよ、これは。それがこれから戦死者が出るということ。

 とりわけ、これは事例の中に入っていますけれども、原油供給がストップすると国民生活に深刻な影響が出る、だから、その深刻な影響を止めるために、さっきお話をしたような自衛隊も武力行使を行うべきだと。油のためにこれは軍人、自衛隊員も命を落とせということはどこかで聞いたような話ではないですか。そういうときも総理は命を捨てろと言うんですか。

 日本の国の国土と領海、領空を守るためには自衛隊員は宣誓をして、犠牲を恐れず、犠牲を顧みず努力をするということを言っていますよ、防衛大学の卒業式で。総理、聞いたでしょう。新たに任官するとき自衛隊員は、犠牲を恐れず。

 ただ、これは、憲法を守り、日本の国民を守るためには犠牲を恐れず戦えるということであって、それに対して、油を確保するため、しかも備蓄もある、それから、その戦闘状況が終わったとき、その掃海をするということだってあるわけですから、そういうこともなしに自衛隊員にこれは犠牲を払ってくれということは言えるんですか。総理の口から私はお聞きをしたいと思います。(発言する者あり)

会長(長浜博行君) お静かに。

内閣総理大臣(安倍晋三君) まず初めに、まず初めに私が挙げた事例、近隣国において紛争が起こって、そしてそこから逃れてくる邦人、運んでいる米国の船が襲撃をされた際に、それを自衛艦が守れなくてよいのか。今までの憲法の解釈では守れない。

 しかし、日本の憲法の前文そして十三条に平和生存権があり、国民の幸福追求権がある。これを守ることができるという中において、我々は自衛隊を創設したわけであります。個別的自衛権がある、自衛権が、必要最小限度の中で自衛権があるということを認めたわけであります。

 しかし、この国民の平和を願って、命を守ることを願って作られた憲法が、今私が挙げた事態でこの国民の命を守る責任を果たさなくていいと言っているとは私はどうしても思えない。だからこそ、今私たちは議論をしているわけであります。

 今、海江田さんは、やらなくていいと言った。だからこそ、私たちは今ここで、憲法が禁じているのかどうか、そのことについて議論をしているわけであります。そして、そのことについて民主党がどう考えているかのお答えを聞いたことはない。

 そして、今、海江田さんは、武力行使を行えば軍隊になるとおっしゃった。しかし、個別的自衛権においても武力行使を行います。ですから、個別的自衛権における武力の行使とそして集団的自衛権における武力の行使、当然それには必要最小限度という歯止めが掛かっている。それは同じように、集団的自衛権においても掛かっていると申し上げております。

 そしてまた、さらに、今、海江田さんは、ある国が機雷を敷設した際それを排除する行為、確かにこの行為は武力行使と、これは国際法的に区分されます。しかし、例えばホルムズ海峡において機雷が敷設され、封鎖された際、その段階において経済的なパニックが起こる、誰も何もこの機雷を排除できない、誰もやらないとなったら当然そうなってくるわけであります。特に、日本は決定的にその被害を受ける。ここではっきりさせておきたいことは、この機雷を敷設することは国際法に反することであります。しかし一方、この機雷を排除することは、安全のために排除することは、国際法上これは合法であります。非合法なことと合法なことを混同させている。そして、この責任を日本は果たさなくていいのかということを私は申し上げたいと思います。

 確かに、その機雷の掃海は危険な任務であります。私も先般出席をいたしました防衛大学の卒業式において、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務を完遂し、もって国民の負託に応えると宣誓します。私は、内閣総理大臣として、自衛隊最高指揮官として、この宣誓を受ける重さと責任をかみしめています。(発言する者あり)

会長(長浜博行君) 御静粛に。

 総理、簡潔にお願いいたします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 今この瞬間にも、今この瞬間にも、南西沖において、自衛隊の諸君は、あるいはまた上空において、彼らは身を危険にさらしながら日本人の命を守っているんです。その中において、私は彼らに、彼らとともに日本を守っていく責任を負っているわけであります。

 この自衛隊の諸君に、自衛隊の諸君に愛する家族がいることを私は知っています。その上において……

会長(長浜博行君) 総理、簡潔にお願いします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の命を守る、そして国民の安全な暮らしを守っていくという、平和な暮らしを守っていくという責任を果たさなければならない。

 私たちは何をすべきかということを、今与党において責任を持って議論をしているわけであります。みんなの党の諸君や……

会長(長浜博行君) 総理、簡潔にまとめてください。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 維新の会の諸君は、難しい問題ではありますが、あえてしっかりと国民の皆様にその立場を表明しているではないですか。

 私は、こういう立場こそ、苦しくとも、つらくとも、たとえ批判があったとしても、現実と向き合い国民の命を守っていく、その責任を全うすることこそが政治家に果たされた責任だと思います。

海江田万里君 総理は、演説をして自分に酔っていますね、これは。

 総理、「この国を守る決意」という本、これは総理がお書きになった本です。この中に、日本はアメリカと血の同盟を結んで、アメリカの若者は日本のために血を流す、日本の自衛隊もアメリカのために血を流す、これで日米の対等なパートナーシップができ上がると、こういう意味のことをお書きになっていますね、これは。書いている書いていない、まあこれはもう書いていますからね。

 私がここで申し上げたいのは、まず一つ、これは極めて危険な考え方ですよ。日米の同盟、日米安保条約によってこのきずなは結び付いています。総理は、日米安保条約というのは片務的、日本だけが何か得をして、アメリカに負っている、そういうような考え方ですか。これは全く違いますね。ただ、この考え方については、昨日の参議院での決算委員会での議論もそう受け取れる発言がありました。

 これは、日米安保条約というのは、これは防衛白書ではっきり書いていますよ。第五条があって、米国は日本のために守る。そして、第六条でもって、今度はその代わり日本は基地を提供する。その日本の基地は、これは日本国だけじゃなしに東アジア全体の安定にも寄与するものであると。こういう五条、六条の関係において、日米安保条約というのは、これは防衛白書の表現でありますけれども、総合的にバランスの取れた義務をそれぞれ負っていると、こういうふうに書いてあるわけですよ、これは。それを総理は、日米安保条約、紙だけのもので、信頼感がなければこれは守られることがない。そんなことありませんよ。誠実に守る義務がそれぞれにあるんです。

 そして、総理、総理にお尋ねをしますけれども、総理は、日本の国民がアメリカのために血を流して、そしてお互いイコールパートナーシップに初めてなる。じゃ、そうやってイコールパートナーシップになったとき、総理はアメリカに何を言うんですか。何を言いたいんですか、総理は。

 これは、総理はこれまでも余りお話しにならないけれども、総理のお友達、これは言っていますよ。今、アメリカに対して何が一番不安か。総理が昨年の末に靖国神社に行ったとき、アメリカはディスアポイントメント、失望したと。これを言ったときに、これを言ったときに、これを言ったときに……(発言する者あり)黙って聞いてくださいよ。

会長(長浜博行君) 御静粛にお願いします。

海江田万里君 総理のお友達は、いや、こちらこそ、こちらもアメリカに失望をしたと、こういうことをおっしゃっていたじゃないですか。

 イコールパートナーシップになって自由に靖国に行かせてもらいたい、あるいは、イコールパートナーシップによって、総理のお友達が言っているように、あのさきの太平洋戦争の問題についても一切その歴史をひっくり返そうとしているんですか。是非答えてください。

 そうであるならば、総理のそうした考え方こそが日本の安全保障にとって一番大きな問題である、総理の総理でいることが日本の安全保障にとって大きなリスクであるということを申し上げます。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 海江田代表も大分興奮しておられるようでありますが。

 そこで、今、日米同盟の双務性についてお話がありました。これは、旧同盟においては一条から五条までしかなかった。そして、日本防衛義務もなかった。それを六〇年に改定して、五条に、これは言わば共同対処するということが入ったわけであります。そして、六条に日本の施設を使って極東の安全を守ることができる。ここで双務性が保たれているのは事実であります。

 一方、先般、オバマ大統領が来日をされた際、尖閣を含め全ての日本の施政下にある地域についてアメリカは防衛義務を果たすと明言をしました。防衛義務を果たすということは、まさにアメリカの若い兵士が命を懸けるということを明言したわけであります。これはとっても重い。これこそ、海江田さん、抑止力なんですよ。

 そして、それが発動されるためには、その発動されるためには、兵士が命を懸けるということについて、アメリカの世論が、愛する人々が理解をしている。これが決定的に大切なんです。これが分かっていないからこそ、海江田さん、民主党政権であんなにがたがたになったじゃありませんか。

会長(長浜博行君) 総理、申合せの時間が来ております。時間が来ております。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 安全保障同盟というのはそんなに軽いものではありません。きずなが大切だということをはっきりと申し上げておきたいと思います。

会長(長浜博行君) 時間が来ております。

内閣総理大臣(安倍晋三君) たった二分しか私の残り時間がなかったからこれしか述べることはできませんが、民主党において早くこの安全保障の議論がまとまることを期待して、私の答弁を終えたいと思います。(拍手)

会長(長浜博行君) 以上で海江田万里君の発言は終了いたしました。

 次に、日本維新の会代表石原慎太郎君。(拍手)

石原慎太郎君 我が維新の会は、残念ながら分党いたしました。その原因は、国家の命運を左右しかねぬ問題、すなわち自主憲法の制定と集団自衛権の問題での党内での食い違いであります。維新の党内には、他の党との合流を熱願する向きがありました。その相手の何とかいう党の党首は、集団自衛権には反対、自主憲法制定などと言ったら外国からとんでもない誤解を受けかねないと公言しておりますが、これは昔の消えてなくなった社会党と同じような言い分ですね。

 一体その、他のどの国の憲法も自主的に制定され、何度も自主的に改定されているわけですけれども、これがもう世界の常識だと思いますが、総理、いかがお考えですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) そういう意味におきましては、今、石原代表が質問されたように、ドイツを始め多くの国々が、その時代時代に合わせて、その要請に応えて憲法を改正をしているわけであります。であるからこそ、我々自由民主党も、二十一世紀にふさわしい憲法について、既に草案を取りまとめ提出をしている次第でございまして、幸い、国民投票法、これは第一次政権で成立をいたしまして、今回、年齢要件等について新たな法律が今議論をされ、まさに成立をしようとしているところでありまして、今後更に国民的にこの議論が深まっていくことを期待したいと思います。

石原慎太郎君 最近の中国の露骨な覇権主義のやり方を見ていますと、これはもう世界中のひんしゅくを買っているわけですが、ごく最近のベトナムの領海の中で起こったあの事件の映像を見ても、自分でぶつかりながら、ぶつかったのはベトナムだと言う、まさに黒を白と言い張る盗人たけだけしい言動でありますけれども、こうした不祥事のたびに政府を代表して菅官房長官が遺憾の意を表明されておりますが、実はその心中を私は思いやるものがあると思いますね。これは、国民は怒っているんですから、遺憾の意じゃなしに、あなた、怒りの意と表明してもらいたい。

 日本をめぐる諸般の状況からしても、やがては集団的自衛権の発動もあろうと思いますけれども、そのときに、どうかひとつ政府としては、過去の苦い経験というものを思い起こして、国益を損なうことのないように努力していただきたい。

 私が思い起こしますのは、かつて日本に非常に大きなコミットメントを強いたあの湾岸戦争。これは、フセインが突然一方的に隣のクウェートを侵犯したあの戦争でありますけれども、これ実は、アメリカがイラクにおける石油の利権のためにたくんだ実に作為的な戦争だったということが後に分かった。

 これ、レーガンの時代に副大統領だったブッシュと、それから後に彼の国務長官になるベーカーが画策しまして、チリにダミーの会社をつくって、それを通じて膨大な金と武器というものをフセインに供給した。この実態を暴露したのがピューリッツアー賞の受賞作家であるアラン・フリードマンでして、彼の書いた「スパイダーズウエブ」、クモのわなですか、網、日本語訳は「だれがサダムを育てたか」という本に書いてありますけれども、これを非常に嫌ったブッシュがこれを迫害しまして、この調査中にフリードマンは自分の身の危険を守るために数人のガードマンを付けて離さなかったという挿話があります。

 いずれにしろ、このとき、覚えていますけれども、突然、財務長官のブレディが日本にやってきまして、時に海部内閣でありましたが、海部内閣の閣僚の橋本大蔵、中山外務ですね、それから武藤通産、それから坂本官房長官を、今なくなりましたオータニの近くの福田家という料理屋に呼び付けて、そこでいきなり、とにかく戦費を調達するから四十億出せと言った。これ当然、驚いた四人の閣僚が断りましたが、ブレディが三度同じことを繰り返して、これ聞かないならば日米関係悪くなるぞと、あなたの責任だから、ちなみに名前を、四人の名前を教えてくれと自分の手元にメモをしたと。これで動転した中の閣僚の一人が立ち上がって本部に電話して、時の幹事長は小沢一郎君でした。それから、実質的に自民党を牛耳って政府を牛耳っていたのは金丸信という好ましくない政治家でしたけれども、これに相談して即座に四十億を出したんです。

 そして、ブレディは四時間日本に滞在して、帰ってワシントンで記者会見をしました。その内容は、私たまたま、外人記者クラブのメンバーでして、たまたま古い見知りの向こうのベテランの記者からコンフィデンシャルの情報として記者会見の模様を聞きました。これ非常に屈辱的なもので、私はそのときに同席していた日本の何人かのメディアの支局長に聞きましたが、まさにそのとおりだということでしたけれども。

 ブレディは、四時間でとにかく四十億せしめたということで、大成功じゃないかと言われたが余り機嫌が良くなかった。一体なぜ機嫌が良くないかとアメリカのメディアが聞きましたら、俺は二日間掛かると思ったけど、あいつら三度脅かしたら簡単に出したと、最初からもうちょっと吹っかけりゃよかったと言って、アメリカの記者はみんな大笑いするわけです。日本の記者は本当に屈辱的に下を向いていましたが、何人かの記者から同じことを聞きましたよ。

 そして、彼らは図に乗って九十億ドルの上乗せをとにかく請求してきた。私そのとき議員でおりましたけれども、九月に臨時国会を開いて、これはさすがに政府の一存で出すわけにいかない膨大な金ですから、追加九十億ドル出して、戦費でです、すなわち百三十億ドルの戦費を日本が調達したんです。そして、アメリカはあの戦争、何とか勝ったか負けたか分かりませんが、ああいう形で終結したと。

 その後、一体アメリカは何を言いましたか。日本はあの戦争に参加せずに血を流して戦わなかった、そしてけしからぬということで、秋に予定されていた日米首脳会談はやらないと、棚上げすると恫喝されて、海部という余り好ましくない総理は慌ててサンフランシスコまで言い訳に行って、あそこでとにかく懇願して日米首脳会談を開くことになりました。

 その後、ブッシュはもったい付けて、真っすぐ日本に来るわけにいかないから、言ったことの手前、オーストラリア、ニュージーランド、それからインドネシアですか、幾つかアジアの国を遍歴した挙げ句で日本にやってきまして、多分くたびれていたんでしょう、宮中の晩さん会で天皇陛下の横で疲れてげろ吐いたんですよ。これは本当、アメリカにとって国辱だったと思いますよ。

 そういういきさつがあって、日本はとにかくあの戦争に関して、非常に孤立無援といいましょうか、一方的な非難、中傷を受けましたけれども、実は、日本のやった貢献というのは金だけじゃなしに大変なものだった。その後に出ましたペンタゴンの要するに公式の文書の中には、イギリスは八万の軍隊を送って一緒に戦ったけれども、日本のやった功績はその数十倍だと書いてありました。これは私の悪名の高い、アメリカでは悪名の高い「「NO」と言える日本」の中に詳述してありますけれども。

 皆さんも御記憶があるでしょうが、あの戦争の初めに、アメリカのミサイルは何とバグダッドの、要するにイラクの参謀本部の近くの煙突からとにかく突入して、何階かにあるコンピューターを爆破して、あの戦争というのを有利に導いた。

 それだけじゃなしに、制空権を得るために砂漠に配置したたくさんのハリアー型戦闘機、これは垂直上昇型の戦闘機ですけれども、ペルシャ湾は非常に狭くてたくさん航空母艦を持っていくわけにいかないんだ。たくさんの飛行機を離発着させているうちに相手の領海に入ってしまいますからね。結局、彼らは、それを画策したのは、代わりに画策したのは、垂直上昇型ハリアー型戦闘機というものを量産して、これを、砂漠を削って、砂漠というか硬い土ですけれども、そこから離発着させた。

 この垂直上昇型の戦闘機というのは離陸するときに非常にロードが掛かって、ちょうど体操の選手のつり輪みたいなものですね、体をつり上げるときに非常にロードが掛かって、翼と胴体がもろくて、要するに壊れてしまうんです。これをくっつける、要するに翼を胴体につなげる部品というものを調達しようと思ったけど、これを製造するために削る工作機械がない。これはリチウムアルミという非常に硬度な金属でできている部品ですけれども、これ世界中に捜査したけれども、これを作る機械を持っている国はなかった。ということで、どこが応募したかというと、日本の松浦機械という北陸のこれ中小企業ですけれども、このメーカーがこれに応募しまして、アメリカの要望に応じてハリアー型戦闘機が離発着できる部品というものを作った。

 これによってアメリカは制空権を一方的に取った。だけではなしに、地上戦闘が始まったときに、偵察は主に戦車で行われますが、戦車対戦車の戦闘ですね。日本が提供した、日本の自衛隊しか持っていなかったコンピューターを、これを装備して、一旦停止して相手を視認すると、その距離と角度というものを計算して、即座にその大砲の仰角を決めて発射のセットをする。これによって、一方的にアメリカの戦車は、イラク側の戦車、ロシア製の戦車を打ち破って地上戦闘で圧倒的な勝利を得た。一旦戦闘が始まってみると、続々陸軍の兵隊が死ぬと思われていたけれども、一人も死なず、ほとんど死なずに相手を制圧したといういきさつがあります。

 これをもってアメリカは、金だけじゃなしに、日本がやった功績というものはイギリスの協力よりもはるかに膨大なものだということをとにかく喧伝してくれたんですが、これ、私たち、余り知っているようで知らない事実でありますけれども、日本はそれだけのコミットもしながら、結局、外交が拙劣なのか何か知りませんけれども、そのアメリカのそしりを受けて、結局その代償に、あの後、イラク側がペルシャ湾にばらまいた機雷の掃海作業に出かけていって、これは見事に果たして評価もされましたけれども。

 しかし、とにかく、こういう、何といいましょうか、屈辱的な、国益を実質的に喪失するみたいな集団自衛権の行使というものは私たちはやっぱり反省しなくちゃいけないと思います。これからいろんなケースが出てくるでしょうけれども、とにかく日中間にも非常に大きな緊張が今構えられていますが、この事態の中で私たちはアメリカとの関係を重視しなくちゃいけませんけれども。

 総理に知っていただきたいのは、最近のアメリカの公文書では、日本があの戦争に調達した戦費というのは百億ドルだと。実際に出したのは百三十億ドルですから、あの三十億ドルはあとどこに行ったんでしょうか、これは。誰がどうやって分けたんですか。こんな面妖な話はありませんが、いろいろうわさがありましたけれども、日本のメディアは度胸がないんだ、能力がないからこれをフォローしなかった。日本側にもそのシェアを受け取った人がいると思いますけれども、こういうことが今後絶対に起こらないようにしていただきたい。

 いずれにしろ、これから日中間の問題、いろいろ問題あると思いますが、中国は、はっきり言いますと、オーシャンネービーを保有しておりません、これは中国にとって決定的な私はハンディキャップだと思いますけれども。

 こういう状況の中で、アメリカは非常に衰退の兆しが強いんですが、しかしやっぱり、アメリカは依然として世界一のタスクフォースの第七艦隊を日本を拠点にして保有しておりますけれども、この第七艦隊にとって日本の海上自衛隊の対潜能力というのは絶大なものでして、それに対する非常に期待は大きいんです。その関係の中で私は日本としての自主性を保つべきだと思いますし、例えば情報の正確な共有というものは不可欠だと思います。

 これは、具体的に申しますと、佐藤さんのようなベテランは御存じでしょうけれども、ミサイルでの空中戦闘の際の日本は独自のGPSというのを持っていないんです。これはアメリカが保有して、アメリカの要するにGPSに従って日本がそういった戦闘を行使しても効果が上がりにくい。例えば、例の湾岸戦争なんかでイギリスはこれにコミットしてミサイルも発射しましたが、アメリカは、その功績が上がって戦争が終わった後の利権の配分というものに支障を来すので、わざとターゲットをそらすみたいな操作をしたんです。これに懲りて、イギリスはアメリカに腹を立てて、イギリス独自のGPSというものを装備するようになりました。

 これは、私は、日本の要するに集団自衛権のこれからの行使のために、日本の自衛隊の要するに確実な功績を上げるためにも絶対に必要な装置だと思いますけれども、是非これを念頭に置いて、日本独自のGPSというものを専門家に相談して日本は装備するようにしていただきたい。この点でアメリカに頼らずにいただきたい。

 これひとつお願いします。いかがですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、防衛大綱も決定をしたところでありますし、国家安全保障戦略を初めて策定をいたしました。その中において、我々独自の日本の国を私たち自身の手で守るという考え方、基本的な考え方の下にしっかりと国民の命を守っていきたい。当然、日米同盟、強い日米同盟を維持をしていく、これも基本であります。

会長(長浜博行君) 以上で石原慎太郎君の発言は終了いたしました。(拍手)

石原慎太郎君 非常に大事な質問をしようと思ったんですがね。一つ、これだけ許してください。

会長(長浜博行君) いや、石原君、時間が終了しております。時間が終了しております。

石原慎太郎君 じゃ、また後日。

会長(長浜博行君) 次に、みんなの党代表浅尾慶一郎君。(拍手)

浅尾慶一郎君 先日の予算委員会で私どもの集団的自衛権に関する考え方を説明をさせていただき、また総理からもその考え方について御指摘をいただきましたので、今日はこの問題については取り上げませんけれども、主に経済政策について取り上げさせていただきたいと思いますが、一言だけ。こういった議論はしっかりと議論を尽くした上でお尻を切って決めていくと、その姿勢については私は評価していきたいというふうに思っておりますということを申し上げておきたいと思います。

 期限を切って決めていくという観点でいいますと、実は経済政策、みんなの党が得意としております経済政策、改革政策については、今年の四月あるいは三月に御提示をさせていただいております。この中には、例えばこの間いろいろと議論が出ておりますNISA、今百万円を三百万円にするというのが我々の案ですが、新聞報道では二百万円といったようなことが出ております。あるいはまた、法人の実効税率を二〇%に下げるというのが私どもの案でありますけれども、新聞報道では二〇%台といったようなことが出てきております。

 こういったことに加えて、私どもとしては、例えば、お金が動くようにしていくということが経済対策上重要だという観点からいいますと、今の償却税制というのは国が何年間でその償却資産を回収するというのが決められておりますけれども、これはむしろ企業等に自由に決められるような自由償却といったようなものも入れていったらいいんではないか。あるいはまた、多くの日本の企業が、大企業中心でありますけれども、利益は上がっている、しかし、将来に向けての投資というのがそれほど積極的でないために投資にも回らないお金が大体百六十兆円ぐらいあって、そのお金をじゃ動かしていくためには、例えば、今配当金の課税が個人に対しては源泉分離で掛かるけれども法人に対しては掛からないといったところを統合した上で、配当金を税引き前に落とせるように、損金算入できるようにするといったような提案もさせていただいております。

 そしてまた、私どもみんなの党は改革政党でありますから、一番是非やっていただきたいのは、所得税とそして保険料との徴収を一元化するといったような、まあ歳入庁と、これは提案はしておりませんけれども、そういったようなことも是非御検討いただきたいと思いますし、そしてまた、今、これからの人手不足という中で非製造業の生産性を高めていくと、その結果、日本全体の底上げをしていこうといったような、いろんな案を持っております。そうした具体的な案を是非これからも提案をして、いいものは是非採用していただきたいと。

 我々は政策を前に進めていくということが国民に対する責務だというふうに思っておりますので、この点についての総理のお考えをまず伺いたいと思います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま浅尾代表が指摘をされたように、経済においてデフレ時代に最大の問題点は、お金が滞留して動かなかった、これによってデフレ下の中で経済は低迷をしたわけでございます。

 そこで、私たちは三本の矢でもって経済を活性化しているわけでありまして、デフレからは脱却しつつあるわけであります。これは単に、例えば株価が上がったという話だけではなくて、有効求人倍率においても十七か月連続改善をしておりますし、また、株価が上がったことによって、我々が政権を取ってから、あるいは解散をしてからの株式の年金の運用においては二十四兆円、これはプラスになっているわけでありまして、年金財政にもプラスになる。

 今、様々、幾つかNISAを始め御提言をいただきました。大変私は傾聴に値する、基本的な方向性は共にできる御提案だと、このように思います。一つ一つそれぞれ精査をさせていただきながら、建設的な御提案をいただいておりますから、将来に向かって活用できるものは活用させていただきたいと、このように思います。

浅尾慶一郎君 冒頭、私申し上げましたように、いろんな物事は是非スピーディーに決めていただきたいと思いますので、是非この場で、どなたか政権の中で、総理とこんな五分間では決められる話でありませんので、どなたか窓口の方を決めていただいて、できるもの、できないものを決めていただければと思います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 窓口、麻生副総理というわけにもいきませんから、一つ一つ課題について、御党と我が党において一つ一つ誠実に検討させていただきたいと思います。

会長(長浜博行君) 以上で浅尾慶一郎君の発言は終了いたしました。(拍手)

 本日の合同審査会はこれにて散会いたします。

   午後三時四十八分散会


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