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第2号 平成15年2月20日(木曜日)

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平成十五年二月二十日(木曜日)
    午後零時三分開議
 出席委員
   委員長 遠藤 武彦君
   理事 荒井 広幸君 理事 佐藤  勉君
   理事 林  幹雄君 理事 八代 英太君
   理事 安住  淳君 理事 武正 公一君
   理事 桝屋 敬悟君 理事 黄川田 徹君
      浅野 勝人君    伊藤信太郎君
      岩永 峯一君    左藤  章君
      滝   実君    谷  洋一君
      谷本 龍哉君    中本 太衛君
      野中 広務君    平林 鴻三君
      福井  照君    宮路 和明君
     吉田六左エ門君    大出  彰君
      玄葉光一郎君    島   聡君
      松崎 公昭君    三井 辨雄君
      山田 敏雅君    山元  勉君
      福島  豊君    山名 靖英君
      山岡 賢次君    春名 直章君
      矢島 恒夫君    重野 安正君
      横光 克彦君    金子善次郎君
      三村 申吾君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   総務副大臣        若松 謙維君
   総務副大臣        加藤 紀文君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   総務大臣政務官      岸  宏一君
   総務委員会専門員     大久保 晄君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十日
 辞任         補欠選任
  上川 陽子君     福井  照君
  佐田玄一郎君     中本 太衛君
  中沢 健次君     三井 辨雄君
  久保 哲司君     福島  豊君
同日
 辞任         補欠選任
  中本 太衛君     佐田玄一郎君
  福井  照君     上川 陽子君
  三井 辨雄君     中沢 健次君
  福島  豊君     久保 哲司君
    ―――――――――――――
二月十八日
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)
同月十四日
 法人事業税の外形標準課税導入反対に関する請願(志位和夫君紹介)(第二七四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 行政機構及びその運営、公務員の制度及び給与並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――
遠藤委員長 これより会議を開きます。
 行政機構及びその運営に関する件、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。
 この際、片山総務大臣から所信を聴取いたします。片山総務大臣。
片山国務大臣 総務委員会の御審議に先立ち、所信の一端を申し上げます。
 私は、この一年の間、昨年のこの委員会の場で述べました結束と挑戦という考え方に立ち、着実に諸般の成果を上げてきたものと考えております。
 本年は、挑戦と創造をテーマとし、所管行政について、既存の考え方にとらわれない根本からの発想の転換、システムの改革に果敢に挑戦してまいる所存であります。
 以下、当面の重要課題について申し上げます。
 まず、行政改革の推進についてであります。
 行政改革については、行政改革大綱や、これに基づく一連の閣議決定等に定められた各般の改革に、行政改革担当大臣等関係大臣と十分に連携しつつ集中的、計画的に取り組んでまいります。
 平成十五年度の機構・定員については、機構の膨張を抑制しつつ食品安全行政の体制整備などを行い、また、十年二五%純減を目指した定員削減に最大限努力するとの目標のもと、重要施策に重点的に増員を行う一方、既存の組織・業務等を見直し、行政の減量・効率化を一層推進することなどにより、非現業の国家公務員につき、千八百七十九人と過去最大級の純減としております。
 公務員制度については、公務員制度改革大綱に基づき、国民の立場からの制度の抜本的改革を進めます。いわゆる天下りの弊害を是正し、公務員が志を持って行政に専念できる環境を整備するため、早期退職慣行の是正に取り組むとともに、国家公務員の退職手当について支給水準を引き下げるなどの改正法案を今国会に提出したところであります。また、公務員の政治的中立の確保についても厳しい姿勢で臨みます。
 政策評価については、評価の質の向上や評価結果の予算、機構・定員等への反映の促進を主眼として取り組んでまいります。
 また、行政評価・監視について、重点的かつ計画的に実施するとともに、行政相談についても、行政相談委員の皆様と連携しつつ、国民の立場に立った行政苦情の解決に鋭意取り組んでまいります。
 公益法人については、制度の抜本的改革を推進するとともに、指導監督及びディスクロージャーの充実を図ってまいります。
 情報公開制度については、その的確な運用を推進してまいります。また、行政機関等における個人情報の保護については、現行制度の的確な運用を図るとともに、与党三党修正要綱に沿って法案を作成し、今国会に提出いたします。
 統計行政については、その新たな展開方向を本年六月を目途に取りまとめます。また、報告者の負担軽減を図りつつ、諸情勢の変化に対応した統計を整備・提供し、統計情報をインターネット上で高度に利活用できる仕組みを構築します。
 次に、地方分権の推進についてであります。
 地方分権は、国、地方を通ずる行政の構造改革を進める上で極めて重要な課題であり、今後とも、地方にできることは地方にゆだねるとの原則に基づき積極的に推進してまいります。この観点から、公の施設の管理受託者の民間事業者への範囲拡大、目標管理と適正な実績評価を行うための地方独立行政法人制度の導入等に取り組んでまいります。
 市町村合併については、合併特例法の期限である十七年三月まであと二年を残すのみとなりました。現在八割を超える市町村が合併を検討しているところであり、こうした流れを後押しするため、市町村合併支援プランに基づく各種の支援策を関係府省と連携を図って具体的に実施するなど、より一層強力に取り組んでまいります。
 また、簡素で効率的な地方行政体制を実現するために、地方公共団体に対し、定員管理及び給与の適正化、行政評価の導入等行政改革の一層の推進を要請するなど、主体的な行政改革の促進に努めてまいります。
 次に、地方税財政についてであります。
 十五年度の地方財政計画の策定に当たっては、極めて厳しい地方財政の状況を踏まえ、歳出全般にわたる徹底した見直しにより歳出総額の計画的な抑制を図るとともに、引き続き生じる大幅な地方財源不足について地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、適切な補てん措置を講じることとしております。
 税源移譲を含む税源配分のあり方、国庫補助負担金の整理合理化、地方交付税の見直しの三位一体の改革については、十五年度において芽出しとして国庫補助負担金の見直しとこれに伴う財源措置を行うこととしたところでありますが、今後、本年六月を目途とした改革案の取りまとめに向け、地方の自立に向けた大きな改革の道筋をつけるため、積極的に取り組んでまいります。
 また、十五年度の地方税制改正においては、法人事業税について、資本金一億円超の法人を対象として、外形基準の割合を四分の一とする外形標準課税制度を創設し、十六年度から適用することとしております。その他、不動産取得税等の土地関連流通課税の軽減、土地に係る固定資産税の現行負担調整措置の継続、道府県民税配当割及び株式等譲渡所得割の創設等を行うものであります。
 次に、高度情報通信ネットワーク社会の形成についてであります。
 我が国としては、テレビや携帯電話等の得意分野を生かした新たな戦略を早急に立案し、ネットワークインフラの整備とその利用促進をバランスよく進めることで、日本発の新IT社会の構築を目指してまいります。
 ネットワークインフラの整備については、既に高速・超高速インターネットの加入可能数が政府目標を達成する等、着実な成果があらわれており、引き続き、民間による整備に加え、地域公共ネットワークの整備等を推進してまいります。
 また、情報家電や無線アクセスなど新たな電波ニーズに対応するため、制度整備も含めた周波数の再配分に取り組むとともに、通信機器の迅速な開発を可能とする新たな基準認証制度の導入、無線局免許人の負担の公平性を確保するための電波利用料額の見直し等所要の改正法案を今国会に提出したところであります。
 さらに、地上デジタル放送が本年末より、関東、中京、近畿の三大広域圏で開始される予定であり、その円滑な実施に向け、関係者が一体となった積極的な取り組みを行うとともに、全放送メディアのデジタル化を推進してまいります。
 競争政策については、ネットワークや市場の構造変化に対応し、多様かつ新たなビジネス環境を整備するため、一種・二種事業区分の廃止等、現行の競争の枠組みを全面的に見直す所要の改正法案を今国会に提出する予定であります。
 ネットワークの利用促進については、デジタルコンテンツの流通促進、電子商取引に係るルール整備、専門家を含めた人材の育成、セキュリティー保護対策等の諸施策に取り組んでまいります。
 また、電子政府、電子自治体については、十五年度までに原則すべての行政手続をオンライン化するため全力で取り組むとともに、電子政府構築のための新たな方針を本年三月を目途に取りまとめ、手続の二十四時間化、ワンストップ化、IT化に対応した業務の合理化など、より身近で効率的な行政の実現に取り組みます。
 このほか、国際戦略の推進の観点からは、アジア・ブロードバンド計画を本年度中に策定するとともに、本年末にジュネーブで開催される世界情報社会サミットに向け、本年一月のアジア地域会合で採択された東京宣言を反映させる等、その成功に貢献してまいります。
 さらに、IT分野の研究開発については、諸外国に比べ強い技術力を有する光、モバイル、情報家電、IPバージョン6やユビキタスネットワーク技術の研究開発に取り組んでまいります。
 次に、郵政事業改革についてであります。
 本委員会での精力的な御審議の結果、日本郵政公社法等関連四法が成立し、本年四月一日に日本郵政公社が発足します。既に、民間より生田正治氏を公社総裁となるべき方として指名させていただきましたが、公社の発足が円滑に行われるよう、生田氏のリーダーシップを大いに期待しております。また、郵便事業への民間参入についても、引き続き環境整備に努めます。
 今回の郵政事業改革は、実に百三十余年ぶりの大改革であります。ユニバーサルサービスを維持しつつ、民間的手法を導入することにより、効率的で利用しやすい公社になるよう、今後とも取り組んでまいる所存であります。
 次に、恩給行政についてでありますが、恩給の有する国家補償的性格を踏まえ、受給者に対する適正な処遇の確保に引き続き努めてまいる所存であり、十五年度の恩給改定措置を実施するための所要の改正法案を提出したところであります。
 また、いわゆる恩給欠格者、戦後強制抑留者、引揚者等の方々に、平和祈念事業特別基金を通じ、慰藉の念をお示しする事業を引き続き推進してまいります。
 次に、消防行政についてであります。
 災害等が複雑多様化する中、緊急消防援助隊の充実等の大規模・特殊災害への対応体制の強化、消防設備に係る性能規定化等のための所要の改正法案を今国会に提出する予定であるほか、小規模雑居ビル等に対する防火安全対策の推進、救急救命士の処置範囲の拡大、消防団や自主防災組織の充実等、消防防災全般にわたる施策の充実強化を図ってまいります。
 以上、所信の一端を申し上げました。
 委員長を初め、理事、委員各位の格別の御協力によりまして、その実を上げることができますよう、一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。(拍手)
遠藤委員長 次に、平成十五年度総務省関係予算の概要について説明を聴取いたします。若松総務副大臣。
若松副大臣 平成十五年度における総務省所管予算案につきまして、概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計について御説明いたします。
 一般会計の予算額は、十八兆八千七百五億一千六百万円であります。
 本予算案は、今日の我が国を取り巻く内外の厳しい情勢のもとで、構造改革を一体的かつ整合的に実施することにより、デフレに対応しつつ、我が国の持つ潜在力を発揮できる新しい仕組みをつくり上げることが必要とされていることを踏まえ、行政改革、地方分権、IT政策等を重点的に推進するとの考えに基づいて取りまとめたものであります。
 具体的には、まず、行政改革を積極的に推進するため、行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づく各府省の政策についての統一的、総合的な政策評価等の着実な実施、独立行政法人等も含めた情報公開制度の適正かつ円滑な運用、着実な整備、公務員制度改革大綱等に基づく国家公務員制度の改革を推進するための諸施策の実施に必要な経費として八億五千三百万円を計上しております。
 次に、自主的な市町村合併を推進するため、住民への啓発並びに市町村の合併準備及び合併に伴い実施する事業に対する補助金等に必要な経費として三十二億七千五百万円、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づき地方交付税交付金財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費として十六兆三千九百二十六億三千二百万円、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づき地方特例交付金財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費として一兆六十一億六千八百万円を計上しております。
 次に、IT政策を推進し、我が国が世界最先端のIT国家になるとの観点から、世界最高水準のネットワークインフラの整備を推進するため、インターネットの高機能化の促進、高速・超高速ネットワークの全国展開、放送のデジタル化の推進に必要な経費として三百五十一億二百万円、国民の利便性の向上、行政運営の簡素化、効率化及び透明性の向上に資する電子政府、電子自治体の実現を図るため、行政情報の電子的提供、申請、届け出等手続の電子化等に必要な経費として百五十九億二百万円、ネットワークの利用を促進するため、デジタルコンテンツの流通促進、電子商取引等の推進に必要な技術開発、情報通信分野の専門的、技術的な知識及び技能を持つ人材の育成に必要な経費として九十三億四千六百万円、いつでもどこでも情報通信を利用できるようにするための技術、ネットワークの超高速化技術、移動通信技術や衛星通信技術等の戦略的研究開発の推進に必要な経費として七十八億八千五百万円、情報通信セキュリティー技術の開発、地理的要因や年齢、身体的な条件に基づく情報通信の利用機会または活用能力の格差、いわゆるデジタルデバイドの解消を図るための取り組み、国際的な情報通信流通基盤の整備に必要な経費として百八十八億九千七百万円を計上しております。
 また、本年四月に発足する日本郵政公社の適正な運営を確保するための体制の整備や信書便事業の円滑かつ適正な推進に必要な経費として五億八千四百万円を計上しております。
 次に、複雑多様化する災害に対処し、災害に強い安全な地域づくりを推進するため、消防防災施設等の整備に必要な経費として百七十五億四千二百万円、統計調査を効率的かつ円滑に実施するための経費として二百九十九億五千二百万円、文官及び旧軍人等に対して恩給を支給するために必要な経費として一兆一千三百四十三億四千八百万円、政党助成法に基づき法人である政党に対し交付する政党交付金の交付に必要な経費として三百十七億三千百万円、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する市町村に対し交付する基地交付金及び特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し交付する調整交付金に必要な経費として三百一億五千万円を計上しております。
 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計について御説明いたします。
 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は六十七兆二千百七十九億一千三百万円、歳出予定額は六十七兆四百三十四億一千三百万円となっております。
 歳入は、地方交付税交付金、地方特例交付金等の財源に充てるための一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の三分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上しております。
 歳出は、地方交付税交付金、地方特例交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。
 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は八百九十六億五千四百万円、歳出予定額は八百三十億七百万円となっております。
 歳入は、交通反則者納金の収入見込み額等を計上しております。
 歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。
 以上、平成十五年度における総務省所管予算案の概要の御説明を申し上げました。(拍手)
遠藤委員長 以上で説明は終わりました。
 次回は、来る二十五日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十九分散会


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