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第21号 平成15年6月26日(木曜日)

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平成十五年六月二十六日(木曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 遠藤 武彦君
   理事 荒井 広幸君 理事 佐藤  勉君
   理事 林  幹雄君 理事 八代 英太君
   理事 安住  淳君 理事 武正 公一君
   理事 桝屋 敬悟君 理事 黄川田 徹君
      伊藤信太郎君    岩永 峯一君
      岡下 信子君    上川 陽子君
      川崎 二郎君    左藤  章君
      滝   実君    谷  洋一君
      谷畑  孝君    野中 広務君
      馳   浩君    平林 鴻三君
      宮路 和明君   吉田六左エ門君
      吉野 正芳君    荒井  聰君
      伊藤 忠治君    大出  彰君
      玄葉光一郎君    島   聡君
      中沢 健次君    永田 寿康君
      松崎 公昭君    山田 敏雅君
      佐藤 茂樹君    山名 靖英君
      山岡 賢次君    春名 直章君
      矢島 恒夫君    重野 安正君
      横光 克彦君    金子善次郎君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   総務副大臣        加藤 紀文君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      中島 忠能君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  春田  謙君
   政府参考人
   (総務省郵政行政局長)  野村  卓君
   参考人
   (日本郵政公社総裁)   生田 正治君
   参考人
   (日本郵政公社副総裁)  團  宏明君
   参考人
   (日本郵政公社理事)   斎尾 親徳君
   参考人
   (日本郵政公社理事)   佐々木英治君
   総務委員会専門員     大久保 晄君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十三日
            補欠選任
             佐藤 茂樹君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  浅野 勝人君     馳   浩君
  佐田玄一郎君     岡下 信子君
  谷本 龍哉君     吉野 正芳君
  宮路 和明君     谷畑  孝君
  荒井  聰君     永田 寿康君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     佐田玄一郎君
  谷畑  孝君     宮路 和明君
  馳   浩君     浅野 勝人君
  吉野 正芳君     谷本 龍哉君
  永田 寿康君     荒井  聰君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 日本郵政公社法の一部を改正する法律案(内閣提出第八一号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――
遠藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、日本郵政公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省郵政行政局長野村卓君及び内閣官房内閣審議官春田謙君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本郵政公社総裁生田正治君、日本郵政公社副総裁團宏明君、日本郵政公社理事斎尾親徳君及び日本郵政公社理事佐々木英治君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
遠藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。荒井聰君。
荒井(聰)委員 おはようございます。民主党の荒井聰でございます。
 数少ない委員会質疑の場でございますので、きょうは、かねがね懸案と思っていることも少し聞かせていただきたいと思います。
 きょうは内閣府の根本副大臣にも来ていただいてございますので、最初に副大臣根本さんにお聞きしたいと思います。
 去る五月の二十七日、小泉総理と笹森連合会長の政労会見が行われましたけれども、それを受けて、六月四日に、石原大臣と連合との会談で、公務員制度改革全般について意見の交換を行って、政府と連合の協議の場を設けよう、そういうふうに承知をしてございます。
 ぜひその協議は誠意ある協議になることを期待してございますけれども、このような協議を行う、あるいはその場を設けたということは、当然、協議が調うまでは公務員制度改革関連法案の国会提出はあり得ないというふうに承知するんですけれども、どうも最近の新聞では、この法案を出すとか出さないとか、そういう議論が随分、政府の中でも考え方が整理されていないんじゃないかというような気もいたしますが、どうなんでしょうか。
 公務員制度の改革というのは国の統治にかかわる基本的なものであり、国民の批判に耐えるようなしっかりとした議論を尽くすことが必要であって、拙速な結論を出すようなことは好ましくないというふうに思います。政府としては慎重な議論が行われるべきだと思いますけれども、現状はどうなっているんでしょうか。お答え願えますでしょうか。
根本副大臣 ただいま、現状がどうなっているかという委員のお尋ねでありますので、お答えを申し上げたいと思います。
 公務員制度改革の法案につきましては、いわば公務員制度改革の法案というのは、これまで政府は、行政改革の最重要課題の一つとして中央省庁改革をやってまいりました。この中央省庁改革によりまして、内閣総理大臣のリーダーシップや内閣機能の強化、こういういわば器の改革をやってきたわけでありますが、公務員制度改革につきましては、IT時代への対応はもとより、幅広く時代のニーズに合った行政を行うためには、政府で働く公務員自身の意識、行動自体を国民の立場に立って大きく改革することが不可欠となっている、こんなことでやってまいりました。この辺の認識につきましては、委員と私は認識を共有するものと思っております。
 こういう観点から、公務員制度改革を抜本的にやろうということで、平成十三年末に公務員制度改革大綱を閣議決定するとともに、大綱に基づきまして今まで法案の検討を進めてまいりました。
 実はこれまでも、各府省、人事院、職員団体などと話を行ってきたところでありまして、委員の先ほどの御指摘にありましたように、石原大臣と草野事務局長、六月四日にお会いをし、意見交換を行ったところであります。全体の話し合いの中の一環として意見交換をさせていただいたところであります。この意見交換の中で、政府と連合との協議機関を設けることにつきまして、連合側から申し入れがありまして、石原大臣からは、具体的に検討して回答する旨お答えしたところであります。
 いずれにしても、公務員制度改革に関する組合との話し合いにつきましては、引き続き丁寧に話し合いをしていきたいと思いますし、努力をしていきたい、こう考えております。
荒井(聰)委員 今の御答弁では、丁寧な議論はするという御回答なんですけれども、それが調う前に出すか出さないかというのははっきりしていないんです。しかし、丁寧な議論をしていくということは、当然、丁寧な議論であって、それが調ってから出すというふうに思うんですけれども、そこのところはどうですか。もう一度お願いします。
根本副大臣 話し合いは誠意を持って十分にやらせていただきたいと思っておりますが、前回、総務大臣からもお話がありましたけれども、法案の提出権というのは内閣にありますので、法案の提出については、我々、できるだけ理解を求めて提出したいと考えております。
荒井(聰)委員 普通、役人言葉でできるだけというのはやらないということと一緒なんですけれども、根本副大臣は政治家ですから、政治家の言葉は重たいですから、できるだけというのは、今度は逆に、政治家の言葉としては、ちゃんとやりますというふうに理解をします。
 ところで、公務員制度改革の問題については、ILOの勧告だとか労働基本権問題というところに議論が集中しがちなんですけれども、私は、それ以上に、最近の公務員制度にかかわる問題についての象徴的な事例が、鈴木宗男さんの、外務省の人事を壟断していく、あの過程の中に象徴的にあらわれていたのではないだろうかと。
 今度の制度改革の骨格の中に、採用人員の定員を三倍とか四倍に引き上げていくとか、あるいは天下りの問題を、人事院を絡ませないで、内閣やあるいは大臣ができるといったような形は極めて恣意的な制度になってくるのではないか。こういう弊害は実際に地方自治体で非常にたくさん出ているんですよ、事件にもなったりしておりますし。そういうことがきちっと議論をされないままにこの公務員制度の改革の議論が何となく上滑りになっているという感じがしてなりません。
 公務員制度というのは国家の統治にかかわる基本的な問題ですので、もっとオープンな形で、単に労働基本権の問題だけではなくて、公務員の中立性とか公平性という、日本が公務員制度の中で、官僚制度の中で世界に誇る点というのはここにあったと思うんですけれども、そこのところでしっかり議論をして、オープンな議論をしていただきたいというふうに思うんですけれども、最後に根本副大臣から御決意を聞かせていただければと思います。
根本副大臣 私も、委員の意見とそこは共通するものが非常にあるわけでありまして、やはり公務員制度改革を何のためにやるのか、こういうところのきちんとした制度論をやった上で理解していただくのが非常に大事だと思います。
 これまでも、実は私もこの総務委員会で何度も立たせていただいて、昨年の秋も集中、それは総務委員会ではありませんでしたが、この問題につきましては随分と議論をさせていただきました。私も感じるのは、公務員制度改革をなぜやるのか、先ほど前段で簡単に趣旨を申し上げましたが、やはり我々が何をやりたいのか、その思いを共有してお互い十分に話し合いながらやることが大事だと思いますが、いずれにしても、我々、公務員制度改革につきまして理解が得られるように努力していきたいと思いますし、先ほど法案の提出の話もありましたが、できるだけ理解を求めて法案も提出させていただきたい、こう考えております。
荒井(聰)委員 十分な議論を積み重ねて、しかもオープンな、国民の批判に耐えるような形でしっかりとした制度改革につなげていっていただきたいと思います。
 最近、どうも霞が関の法案の作成能力に問題があるんじゃないかと思われるような節が多々あります。目的を削っちゃうとか法案の改正の骨格の部分を削除しちゃうとか、これは何のために出した法案なのかと思われるような法案作成が霞が関の中でまかり通っているというのは、恐らく片山総務大臣の時代には考えられなかった、そんな法案を出したら一発で首が飛んだという時代ではなかったかと思いますけれども、そんなことのないようなしっかりとした議論をぜひお願いします。
 ところで、片山総務大臣に、この法案のことじゃないことをもう一つだけ聞かせてください。
 三位一体論が今非常に盛んになっていますね。私は、三位一体という言葉は、恐らく片山総務大臣がつくられた言葉だと思うんですが、これはいい言葉だと思うんですよ。というのは、補助金と交付税と財源移譲、この三位を一体で改革しなければ改革できないという言葉の意味が込められていると思うんですね。そのとおりだと思うんですよ。
 補助金は各省庁が権益として持っているもので、なかなか手放さない。交付税は総務省がなかなか手放さない。あるいは、財源の移譲というのは旧大蔵省、財務省が手放さない。これを二段階、ここまでやったらこれを譲るとか、こういうやり方で二段階でやっていくとやっていたのでは絶対できないですよね。三つ一遍に、一、二の三でやらない限り、この三位一体の改革というのはできないんですね。
 ところが、出てきたものは、財源の移譲についてはどういう形で何の財源をやるのか明らかになっていませんし、補助金についてはどの補助金を削っていくのかということも出ていない。交付税に至っては何ら改革が明記されていない。
 私は、交付税の問題も大変問題があると思うんですね。全体の九割以上の地方自治体が交付税に頼らなければ地方自治体として経営ができないというような交付税制度のあり方ということは、銀行がつぶれていく最大の問題であった護送船団方式を全国の町村に行っているのと一緒の状況なのではないか。その意味では、今度の三位一体論というのは非常にいい機会だったと思うんですけれども、出てきたものは残念ながら本当の意味の三位一体になっていないという気がしてならないんですけれども、総務大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
 根本副大臣、もう結構でございます。どうもありがとうございました。
片山国務大臣 この三位一体の改革は、きょうの夕方の経済財政諮問会議で骨太方針二〇〇三を恐らく決定することになると思いますので、決定されればあすの閣議でそれをまた認める、こういうことになると思います。
 そこで、今、荒井委員いろいろお話がございましたが、私は、この骨太方針の中には大きな道筋を書いてもらえば十分なので、それは相当今回はいろいろな議論がありましたが書かれた、こういうように思っております。
 国の補助金、負担金の方は、これは大体今二十兆円あるんですけれども、社会保障の関係が十一兆あるんですよね。残りは、公共事業を入れまして、公共事業は約五兆円あるんですよ、それを除くと大体四兆円なんですね。だから、この四兆円を当面のターゲットにして、これについての縮減や、何といいますか、自由化というのか弾力化というか、そういうことを図っていく、こういうことですね。
 それから、税源移譲の方は、補助金の削減に見合って税源を移譲していく、基幹税を移譲する、基幹税とこうある。これは本当は税目を書くという議論もあったんですが、やはり政府の税調や各党、与党や自民党の税調との関係もありまして、基幹税と。基幹税というのは、だれが見ても所得課税と法人課税と消費税ですよ。だから、こういうものを移譲していく。今まで財政当局は、税源移譲だとか基幹税の移譲なんというのは頭から受け付けなかったんです。今回はそこまで踏み込んだ、こういうことでございます。
 交付税につきましては全体を圧縮していく、不交付団体の人口割合をふやすと。
 そこで、私も、三千三百のうち百しか交付税の不交付団体がないというのはおかしいと思うんです。これは必要な税源を与えていないからなんですよ。しかし、仕事はやらせにゃいけませんから、税を与えていなくて仕事をやらせるためには、あと補助金と交付税をやるより仕方がないんですよね。税源移譲を思い切ってやれば不交付団体はふえるんですよ。総理も不交付団体が少ない少ないと言われるんですけれども、それは税源移譲が不十分だからと私はいつも言っているんです。この状況は本当はよくありません。もっと思い切って地方に税を与えて、仕事に見合った税を与えて交付税を減らしていく、こういうことが必要じゃなかろうか、こう思っておりまして、大きな道筋が今回示されましたので、あと、具体的にどうやるかは来年度の予算編成等で固めていく。
 そこで、国の補助金、負担金についても、各省かなり今度は意識を変えてもらったと私は思っておりまして、直ちにやめなくても、やり方を大幅に弾力化して地方の使い勝手がいいようにしてもらう、こういうことを考えておりますので、ぜひ引き続き御指導、御支援をよろしくお願いいたします。
荒井(聰)委員 私たちの民主党は、補助金を一括交付金の形にしようという考え方を持っております。そのあたりについては後ほどまたいろいろな機会で議論をさせていただきたいというふうに思います。
 しかし、いずれにしても、この間、党首討論でうちの菅代表がマニフェストの論議をいたしましたけれども、なぜマニフェスト論議が今起きてくるのか、特に地方自治体から起きてくるのかというと、政治家や首長の国民に対する政治的な約束、契約というものが日本の場合にはスローガンのような形になっていて、本当の政治契約になっていないのではないか、そういう点からマニフェスト論議というのが起きてきたと思うんですね。
 マニフェストは、どういう時間的なスケジュールでやるのか、数値としてはどこを目標にするのかということをしっかり書き込むわけですから、マニフェストがしっかりできていれば、選挙のときにそれを提案して、そしてその後、今みたいな、内閣の中でごたごたした議論は起きなくて済むんですね、起こさなくて済むんです。マニフェストに基づいて政府は着々と法案を進めていく、あるいは予算をつくっていくという形になるわけですから、今のような、よくわからない、不透明な、あるいは族議員がたくさん介入するようなことがなくなっていくという意味で、私は、マニフェストという議論はもっと政府の中でも、あるいは政権党としてはしっかりとつくり上げていくべきなのではないかというふうに思います。
 さて、次に入らせていただきますけれども、今回の法案の審議に、ちょっと時間がなくなって申しわけないんですけれども、きょうせっかく生田総裁が来ておられますよね。来ておられませんか。――そうですか。通告をしておりませんので、それでは、團副総裁並びに総務大臣にお聞かせ願いたいと思います。
 今回の法案は、郵政公社の資金の運用についての幅を広げるという趣旨なんだろう。民間的な手法を取り入れていく、あるいはその手法を拡大していくという意味では当然のことだろうというふうに思うんですけれども、前回の郵政公社法のときにここまでなぜ考えなかったのかということも含めて、郵政公社の資産運用の基本的な考え方というものについて大臣の御所見を賜りたいと思います。
片山国務大臣 今のマニフェストについての荒井委員のお考え、我々もよく理解しているつもりですが、やはりこれからは各党も公約を、マニフェストが公約かという御議論がこの前クエスチョンタイムでもありましたが、もっと具体的に書く必要はあると私は思いますね。ただ、今のマニフェストそのものは、今の公選法からいうとやはり違反になるんですね。この辺も少し研究をする必要があるな、こういうふうに思っておりますので、蛇足でございますが、それを一口つけ加えさせていただきます。
 そこで、公社の資金運用の基本は、これはもう安全確実ということですね。これにつきましては、ここの中期経営計画あるいは目標でもはっきり言っておりまして、安全確実な運用、事業の経営の健全性の確保を目的とし、市場に及ぼす影響を少なくしながら確実で有利な運用をする、これがもう基本でございます。郵貯、簡保ともに、零細な小口の、個人の皆さんからお預かりしたお金でございまして、私は、いわば金融におけるセーフティーネットだ、こう思っておりますから、セーフティーネットの名に恥じないような運用をやっていく、こういうことでございます。
 コールでの運用についても議論はあったんですが、実は法案を出すときは、そこまではということだったんですね。しかし、ひとり立ちしてもらいますと、やはりコールに入っていくということはいろいろな意味で必要じゃないか、こういうことになりまして、今回、公社とも相談の上、法案を出させていただいたわけでありまして、これも、できるだけ市場に及ぼす影響を少なくしながら、資金の借り手のニーズに応じた、郵政公社としての資金運用の一つにこれを加えさせていただく、選択肢を広げさせていただく、こういうことでお願いいたしておるわけであります。
荒井(聰)委員 民間的な手法あるいは民間的な企業経営的な色合いを強めていくという上では、私はそうだと思うんですね。
 ところが、きょうの日本経済新聞に、無担保コール市場が初のマイナス金利になった、こういう記事があります。これは、無担保コール市場は非常に過剰に資金が流入していて、金融緩和の効果が出ているということの意味なんだと思うんですね。こういう過剰な資金がじゃぶじゃぶしているところに、さらに簡保だとか郵便貯金だとかという資金が、巨大な、世界最大の資金量を誇っている、資金をマネージしている公社ですから、それがどっと入ると、さらに無担保コール市場あるいは有担保コール市場が相当乱れてくるのではないか。マイナス金利なんというのはもう異常そのもの、資本主義の社会の中では考えられないような現象が生じているのがさらに促進されていくのではないか。
 この無担保コール市場の秩序ある、まあ運用と言うと、市場ですから運用はあり得ないんですけれども、そういうものについて、巨大な資金を有している公社をどのようにこの法案の中では考えているのか、それもひとつ、大臣、お答えできるでしょうか。
片山国務大臣 私も、ちょっとそれを見てびっくりしたんですよ。マイナス金利なんというのはおよそ想像できないあれなんですが、まあこれは一時的な異常な現象ですね。こういうものがしょっちゅう起きるとか長く続くとかいうものではないと思いますけれども。
 したがいまして、公社ですから、コール市場での運用についても、先ほど言いましたように、できるだけ市場に影響を与えないで、具体的な借り手のニーズに応じてやっていく、こういうことを心がけていただこう、こう思っておりまして、先ほども申し上げましたが、選択肢の一つとして今回こういうお願いをする、こういうふうにぜひ御理解を賜ればありがたいと思っております。
荒井(聰)委員 そこで、郵政公社にお聞きしたいんですけれども、これは具体的に年間どのぐらいのこのマーケットでの運用を考えておられるのか、そういう具体的なスキームみたいなものがあればお示しいただけるとありがたいんですけれども。
團参考人 お答えいたします。
 今の委員の質問は、コールに入った場合の運用計画ということとお伺いしましたが、コール市場につきましては、今回運用を認めていただくということは大変ありがたいことでございますが、市場の動向、今おっしゃいましたような、今非常に特別な状況とは思いますけれども、いろいろな状況がありますので、あらかじめ、最初から今幾らという想定はしておりませんで、いろいろ市場の動向等を研究して運用していきたいというふうに考えている次第でございます。
荒井(聰)委員 有担保コール、無担保コールのこの市場、特に出し手の方の、出し手と取引を受ける方ですね、これは、ある意味では銀行経営やあるいは金融機関にとって極めて重要な、金融の破綻というのは大体ここから生ずるんですね。北海道拓殖銀行も、無担保コールで出し手がいなくなっちゃったということで破綻になっていくわけで、その意味ではこの市場というのは極めて重要だと思うんですね。
 そういう中に郵政公社が関与していくということは、私は、民間的なセンスを養うという意味でも大変意味のあることだろうというふうに思うんですけれども、しかし、一歩間違えると、極めて機能的なマーケットが、鯨のような資金量を持った金融機関が介入するということで今までの秩序と全く違う秩序形成がされてくるということも考えられますので、ぜひ慎重な運用をされるように望みます。
 ところで、今度の改正のもう一つの内容では、投資顧問業者との一任契約ということがございますね。これも恐らく、投融資資産運用の幅を広げたいということの一環だろうと思うんですけれども、ただ、投資顧問業者というのは、数限りなく、優秀なものもあれば、よくわからないのもあるわ、外資系もあれば日本のものもある。どういう選考基準でこの一任契約ができるような投資顧問業者を選定していくのか、これはとても難しいことだと思うんですね。一歩間違えれば資産運用に欠損を生ずるということも考えられますので、そこのあたりはどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願えますか。
團参考人 お答えいたします。
 御質問の、投資一任契約をする場合の事業者をどう考えるかということでございます。
 これは、現在のところ、委託運用という面では、信託銀行に指定単という運用をしておりまして、これが、事業者数が二十七ということでございますが、投資顧問業者につきましては、委員御指摘のとおり、百を超える事業者がいるということで、いろいろな設立の経緯とか個性とか特性とかいうことがあるようでございます。
 そこで、同じ委託運用でございますので、これは委託運用の幅が広がるということで、運用先の競争ということもできますので非常にありがたい制度だと考えておりますが、現在の指定単の機関を決める場合にいろいろな選定の基準をつくっております。
 例えば、契約の資産の規模であるとか、それから信用基準、これも客観的なものもございます、それから資産管理体制、そういうふうな、信頼できるという、信頼性のある一定の基準を満たした運用機関を選定する。それから、そういう信頼できる金融機関であるということに加えまして、投資の方針とか運用プロセスとか運用の体制、それから過去に運用実績がどうであったか、こういうものを総合的に評価してやっておりまして、今度の投資顧問業者の選定に当たりましても、同様な基準を設けまして、もしものことがあってもいけませんので、いろいろなデータを集めまして、ふさわしいものを選定するということでやっていきたいというふうに考えているものでございます。
荒井(聰)委員 こういう専門的な業者を使っていくということですから、当然リスクも生ずる可能性もあるということですよね。そのリスクというのは、郵政公社の場合には、翻ってくると国民の税金で補てんするということにもなりかねないリスクなわけで、あくまでも慎重な資産運用というのが必要なわけですけれども、資産運用に関するリスク管理というものはどう考えておられるのか。リスク管理の基本的な考え方、そして、リスクが顕在化した場合、実際に生じた場合にどのように処理をしていくお考えなのか、そこをお聞かせ願えますか。
團参考人 お答えいたします。
 まず、郵貯、簡保の運用全般でございますけれども、このリスク管理が非常に重要でございますが、まずは、資産価値が変動する、こういうリスクをどう見ていくかということが大きな課題でございます。
 それに加えまして、郵便貯金につきましては、金利が変動した場合に預けかえというようなことがございますので、そこら辺をどう予測して対応していくかというリスクの管理が必要でございます。
 簡易保険につきましては、これは契約が長期でございます。言ってみれば超長期の契約でございますので、それに対応した資産が限定されておりますので、それにどう対応させていくかという資産側の対応関係というものが重要なものというふうに考えてございます。
 そこで、もちろん、運用対象とかにつきましても、信用リスクのほとんどないものを対象にしているということが一つでございますし、それから、債券の運用につきましても、満期保有を基本としております。
 そういうふうな安定的な運用に努めているほかに、今申しました預けかえリスクとか契約期間への対応のために、資産、負債の総合管理、ALMと言っていますけれども、そういうシステムをつくりまして、独立したリスク管理部門をつくりましてこれに対応する。
 金利の変動等につきましては、例えば定額貯金の金利にどう対応するかとか、そういう負債側の対応も資産の動向によってやっていくというふうなことでリスク管理に具体的に対応していくということになるものというふうに考えております。
 今回の法改正の関係では、先ほど御指摘がありましたように、かつてはコール市場というのは信用リスクがないというようなことでございましたけれども、必ずしもそうはいっていないということがございますので、相手先の信用についても十分確認していくというようなことを行うということで考えております。
 それから、投資一任の契約につきましては、市場の平均収益率からどれぐらい乖離しているかというふうなことでトラッキングをやっていくというふうなことが、そういう指標がございまして、そういう基準を設定しまして大きく乖離しないような運営にしていくというふうな管理を行いましてリスクに対応していくというふうなことを考えているところでございます。
荒井(聰)委員 余り具体的なお答えではなかったように思うんですけれども、これから民間銀行との対比もあちらこちらでいろいろな形で指摘をされるんじゃないかと思うんですけれども、そのときに、旧財投で貸していた旧財投資金、それの借りかえという話が当然出てくるんじゃないかと私は思うんですね。そのあたりについての御議論というのも、ぜひリスク管理と一緒に議論を進めていただきたいな、進めるべきではないかなということを指摘させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
遠藤委員長 次に、島聡君。
島委員 島聡でございます。
 本日は、郵政公社法改正案に対して質問させていただきますが、今、片山総務大臣が蛇足でございましたがと言われたので、ちょっとそれだけ確認します。
 マニフェスト、これは大分使われまして、党首討論でも使われたし、私が持っているものが日本にある数少ないものらしいのですが、これはいろいろなテレビ番組にも出ているんですけれども、研究するとおっしゃった。具体的には公職選挙法百四十三条、文書図画の改正だと思うんですが、与党の方も、今度公明党も出すとおっしゃっていますし、また、私どもも議員立法を用意していますけれども、研究するというのは具体的にどういうふうにされるんですか。
片山国務大臣 御承知のように、今の公選法は古いものですから、例えばホームページだって、インターネットなんか想定していない時代のあれですから、これも法律上をそのまま解釈すると違反になるんですよね。
 そういうことで、インターネットもそうですし、マニフェストもそうですから、そういう新しいものについて今の選挙法の規定の関係でどういうことかということをまず研究して、これは選挙法でございますからできるだけ国会における各党各会派の御議論が要りますけれども、もしそういうことで改正のお考え等がまとまるんならば我々としても研究して提供するということはあるのかな、こういうふうに思っているわけであります。
島委員 大体私も答弁をもう覚えちゃいましたよ。各党各会派で御議論いただいてという話になっちゃいますので、それではいろいろな意味で進まないことが多いんですが、本当に各党各会派できちんとやっていきますから準備をしておいていただければと思います。
 さて、いわゆる郵貯、簡保の運用に関して、郵政公社にことしからなったわけです。この前も郵便記念日のパーティーですか、そのときに大臣と話していましたら、つい先日までは主催者であって、今回は来賓なんでちょっと戸惑うみたいな話をしていらっしゃいました。主催者だった当時のことの責任をちょっと聞きます。
 平成十四年九月末における郵貯資金及び簡保資金の資産別構成及び資産別の時価情報というのが出ています。これは、要するに、郵貯指定単にしてやったところで、十兆五千四百一億資産があった中で、二兆一千五百二十四億円の評価損が出ている。簡保の方は、十六兆三千億円の資産残高に対して、五兆四千百七十七億円の評価損が出ている。二つ合わせると七兆六千億の評価損が出ている。これは昨年の九月末ですから、当時の日経平均九千三百八十三円のときの状況である。そういう七兆六千億円の評価損が出ていて、さっき何か、安全確実な資産運用を今後も心がけるべきだと。安全確実に資産運用をしてこうなったんですか、片山大臣。
片山国務大臣 指定単というのも、運用の選択肢を広げて、場合によっては株式も、こういうことなんですよね。
 それで、確かに株式が大変有利だった時代もありますよね。その風潮にややとらわれたということがあるのかもしれませんけれども、こういう仕組みをつくって信託銀行に運用してもらった結果、今、島委員が言われたようなそれだけの評価損が出ている。これは事実でございまして、安全確実をモットーにやってまいったんですけれども、結果としては、そういう経済情勢、株式市況の中でこういうことになっている。言いわけになりませんけれども、世界じゅう、私どもだけじゃなくて、ほかにももっと悪いところもありますし、言いませんけれども。
 それから、世界的にこういう株安の状況なものですから、我々としてはこの結果は遺憾だと思っておりますが、全体としては、ほかの債券の評価益やあるいはいろいろな積立金等で、実際上お預けになったり加入した人に御迷惑をかけるような事態にはしない、こういうことでやってまいっております。
島委員 ほかのところがもっと低いからというのは、それは変な話でして、何か小泉さんは株価に一喜一憂しないとか言っているし。今回はあれですよ、指定単を加えた全体でも二千百二十五億円の含み損ですよね、九月。これは日経平均が九千三百八十三円の当時ですから。一時の八千円を割ったときで計算したら、これは多分大変な額になっていたでしょう。そうですよね。
 総務大臣、今、遺憾に思っているという話なんですが、遺憾に思って、これはまだ主催者だった時代の話ですから、それはどういうふうに責任をとられるんですか。
    〔委員長退席、安住委員長代理着席〕
片山国務大臣 それは先ほど言いましたように、全体としては、ほかの債券の評価益やいろいろな積立金、内部留保がありますから、この欠損をもって直ちにどうこうということは起こらないわけであります。ただ、今後はできるだけこういうことが起きないようなさらに努力はいたしたい、こう思っておりまして、その部分だけをつかまえて一々責任ということにはならないので、しかし、全体としてはちゃんとやる、こういう大きな責任はとっていく、こういうことであります。
島委員 いや、部分だけとってって、五兆四千百七十七億円て部分ですか、これ。この前まで、五・五兆財源移譲するってあれだけ騒いでいたでしょう、片山さん。五兆四千億円ですよ、評価損。それを部分だと言うことが今のあいまいな経営状況になって、あいまいな評価損をしても大丈夫だという話になっていた、そういうふうに私は思いますよ。
 ただ、今、主催者じゃなくなってきたから、今度、郵政公社だからと。郵政公社も大変だと思いますよ、生田さん、これ。七兆六千億円、もっと含み損あって、それで、さあ、これからやっていきなさいというわけだから。それからスタート、そういう状況の中でこれからやっていくわけです。
 今回の法改正、投資顧問業者を参入させて、今、團副総裁でしたっけ、選定基準についてはいろいろな話をされました。今、話聞いていたら、今まで信託銀行に預けたときも、投資の方針を聞いて、運用プロセスを聞いて、運用実績を聞いて、そしてやったという話をされました。今回のこの状況で、現在預けている信託銀行、投資の方針、運用プロセス、運用実績、まあ経営なんだから当然もう専門家でしょうけれども、プラン・ドゥー・シーだから、チェックした、まずチェックしなくちゃいけないんですが、この状況をどう認識していますか。
團参考人 お答えいたします。
 先ほど指定単の運用事業者の選定の考え方ということを申し上げたわけでございますが、実績としてこの株式の部分について特に評価損が出ているわけでございます。
 そこで、各社によって多少成績のばらつきが違いまして、これをいろいろ分析しておりますし、どういう体制でやったのか、これは事前事後見ております。おおむね、多少のばらつきはありますけれども、市場の指標からしますと、そう大きくはかけ離れていないというのが今の実績だというふうに考えております。
島委員 ということは、今、五兆四千億が簡保、全部で七兆六千億というのも、まあ市場が下がったから仕方がない、そういう判断だ、そういうことですね。
團参考人 この評価損が出たことについてやむを得ないということ、その評価の問題はいろいろあろうかと思います。
 ということはございますけれども、まず、今申し上げましたのは、運用の体制とか実績というものを見た場合に、市場の一般的な指標から離れていないということでございます。しかし、指標から離れていないといいましても、全体の指標が下がっておるわけでございますから、もともとそういうことをやるべきじゃなかったとか、いろいろな議論はあるかと思いますが、運用の能力とかそういう点から見て、事前に審査した体制とかパフォーマンスについて、大きくかけ離れたものはなかったのではないかというふうに考えているということを申し上げた次第でございます。
島委員 そういう感覚で今後も運用してもらうと大変だと思いますよ、私、そういう考え方で運用してもらうと。横並びならいいだろう、そういう話でしょう、だから。
 これは郵貯二百、まあちょっと今下がっているかもしれませんが、郵貯二百五十兆、簡保百二十兆。それだけのものを、たしか小泉総理がまだ総理になられる前に、私も郵政民営化研究会ということでいろいろな議論をしていました。たしか総理が、こういうのはね、島君、あそこだけ社会主義的に運用しているんだよなんという話をされたことがあります。それは総理になる前の話ですけれども。
 そういうような発想でまた運用されていて、つまり、全体見て、国全体が平均だから、平均の運用成績でいいんだ、そういう発想でやられたら大変なことになりますから。一歩、少しでも運用をよくするという発想にならなくちゃいけないと思いますし、もしだめだったら責任とる、そういうことがない限り預けられませんよね、これ。
 先ほどちょっとお話聞いていて、ちょっと最後うやむやで、何かもそもそっと言われたんで今後の、荒井議員の質問は、投資顧問業者を参入させることによって、どのような選定基準に基づいて投資顧問会社を選ぶのか、そういう質問だったんです。最後に何かぽろぽろっと、データを初めとして幾つか考えてやりますみたいな話をされたと思うんですが、もう一度きちんと言ってもらえますか。どういう選定基準でやるんですか。
團参考人 お答えいたします。
 この委託運用の事業者の選定基準ということでございますが、基本的な考え方につきましては、これは信頼できる運用機関というものを相手にしまして、公正な取引関係を安定的、継続的に維持するということを念頭に選定を行う。
 選定基準でございますけれども、現在考えておりますのは、少なくとも最低条件としましては、受託の資産規模が相当ある、それから、例えばBBB格以上の格付を得ている、それから分別管理、これはいろいろな資産の運用をやっておりますから、きちんと分別がされている。いずれも当然のことでありますけれども、そういうものは最低必要だろうというふうに考えております。
 それから、判断の基準としましては、それぞれ各社の経営の状況とか社会的な評価、それから運用の方針や運用のスタイル、手法、それから運用の意思決定プロセス、それから運用組織の安定性、管理運用の体制、法令遵守体制、それから運用担当者の能力、経験、国内における過去の運用実績、こういうものを判断基準として総合的に決めていくべきものというふうに考えている次第でございます。
島委員 当然、そうやって決めていただいて結果が出なかったらすぐに、いわゆるチェックして変えていくんだ、そういう判断でいいですね。
團参考人 これは、もちろんこういう契約に大きく離れることがあれば解約することもありますし、それから、運用の成績も多少違ってまいりますから、運用のより成績の多いところにより資金を配分するとか、そういうふうなことをやっていくということになろうかと思います。
島委員 ともかく郵政公社ですからね、まだ。だから、ある意味で市場のくびきというのは全部かからないんですよ、市場のチェック機能は。だから、民間企業以上の情報公開というのが必要だと思いますが、そういうのは。こういう運用基準でやって、かつこういう結果がだめだったからすぐに変わる、そういうふうにしないととても納得できませんので。
 まあこれはこれからですから、毎回きちんと、中央省庁等改革基本法三十三条七号、郵政公社に関しては、「財務、業務及び組織の状況、経営目標、業績評価の結果その他経営内容に関する情報の公開を徹底するものとする」とありますから、こちらも徹底してそれの情報の公開を求めていかないと国民に対して責任とれませんから、それをしていきますので、十分対応していただくようにお願い申し上げます。
 大臣、ある新聞を見ていたら、なるほどなと思ったんですけれども、七兆六千億円も損失出している。全体大丈夫だと言ったって、今回とうとう二千百二十五億円損失出した。今大体、銀行でも何でも内部留保というのがあって、損失に備えてリスクコントロールをやっているわけでありますが、今膨大ですからね、これ、郵貯も簡保も。大変な損失に備えた内部留保が、私が調べた感じでは、簡保で三兆三千億、郵貯で二兆円ぐらいだ。損失を埋められない場合にはいわゆる国民の税金で穴埋めをすることになるんじゃないかという懸念があるというのがあるんですよ。この点について大臣はどのように考えますか。
片山国務大臣 簡保についていいますと、評価損が五兆四千億ですね、委員の言われるとおり。これは、指定単で株式を中心にそれだけの損が出る、しかし、簡保本体では評価益が四兆五千億あるんです、それから内部留保が、これはいろいろなものがありますが三兆三千億ある。こういうことでございまして、株式も、日本経済の実力からいうと、いつまでも今の状況では私はないと思うんですよ。これは次第に上がっていくだろう。まだ評価の損ですからね、この損がだんだん少なくなっていくんじゃないか、こう思いますしね。
 それから、この評価益と内部留保を合わせますとこれは約八兆ですから、そういうことで国民の皆さんあるいは加入者、貯金をされている方に御迷惑をかけることはないであろうと思いますしね。今回は公社で、今までも十分やってまいりましたが、さらに十二分に公社として今の運用に細心の注意でやっていただける、こういうふうに思っておりますから、島委員の御指摘は杞憂であろう、こういうふうに思っております。
島委員 今簡保の話をされましたが、郵貯の方もそうですが、杞憂か杞憂じゃないかということを聞いているんじゃないんです、議論は。よくそうやってすりかえるんだ、小泉さんも、イラク支援法でも。金融というのは、あくまでもリスク管理してそういうときにはどうするか、プリペア・フォー・ザ・ワーストでどうするか、それを聞いているんですよ、大臣なんだから。大臣に聞いているんだから、大臣の答弁をしてください。
片山国務大臣 今回は、リスク管理は金融庁にもやってもらう、我々もやる、こういうことでございまして、そういう意味でのリスク管理体制は、私はかつてよりは今回の公社になった方が十分になっていく、こういうふうに思っておりますし、これはもう全体としてリスク管理については万全の対応をしていく、こういうことでございますので、ひとつ御理解賜りたいと思います。
島委員 失笑が漏れていましたけれども。この法案に対して民主党としてはリスク管理、今大臣は万全だとおっしゃったけれども、今の話を聞いていると、株もいつか上がっていくだろう、要するに、塩漬けにして上がっていくのを待っている、そういう話じゃないですか。私たちとしては、このリスク管理は万全と言われると万全じゃないと思っている、それをきちんと指摘しておきます。この法案をこれから運用していったときに、リスクが発生したときに恐らくきちんとした万全の体制じゃないということを、まずそこだけきょうは指摘をしておきます。
 さっきなるほどなと思って、さすがに片山大臣というのは大きく考えられるな、五兆四千億損しても、そんな一部だけとってと言われる。普通の民間企業で十六兆、大体一人のファンドマネジャーが責任を持てるのは、どんな優秀な人でも二兆から三兆だそうですよ、ファンドマネジャーというのは。十六兆やって五兆、簡保ですけれども、十六兆三千億やって五兆四千百七十七億評価損出した、超長期的に見ればいい、いつか上がるだろうと。
 だけれども、民間だったら大体一年ごとに決算出すんですよ、これ。そうすると、恐らく片山大臣みたいな大物の経営者というのはいないと私は思いますよ。十六兆やって五兆損出して、いや、それは一部だと言うのは。そういう感覚で運営していて本当に大丈夫かなということを私は思いましたが。
 これは公社の方に聞きますけれども、今度は公社だから。十六兆やって五兆損する、これは、一般的に考えたら、普通の民間企業なら大変なことだと私は思いますが、運用責任者が何らかの責任を負う体制というのが必要だと私は思うわけでありますが、どういうような体制をとられますか。
生田参考人 先ほどからの議論を大変深刻に受けとめながら承っております。私自身も、郵貯、簡保の指定単の運用で、民間センスでいえば極めて巨額の損が出ているということはもちろん認識しておりますし、深刻に受けております。
 その後いろいろ御議論も聞いておりまして、そのこと自体まことに肝に銘じて、今後、安全確実な運用をしなきゃならないという思いを深めておるわけでありますが、事業体としては、さっき大臣がおっしゃっていたように、それ以外の債券運用等による評価益等で積立金や内部留保を確保しておりまして、預金者及び加入者への支払いという面ではこれはきちんと責任を果たしてきており、事業体まとめて見れば健全性を保っているということで、その意味においては、マクロで見ると、大臣がおっしゃっていたように責任を果たしてきているのかなというふうに感じております。ただし、これは他人事じゃございませんから、さっきからの御意見、御議論は深く心にとめて今後運営していきたいと思います。
 今から見ますと、大臣がおっしゃっていたように、バブル期には社会的な一般的な風潮として、下振れリスクというのを多少、多少どころかかなり甘く見てこういった事態が生じてしまったわけで、郵政そのものも全くその例外ではなかった、こういうことでございまして、今後は、安全確実、なおかつその中でできるだけローリスクで有利な運用を図っていくということで、それに合わせましてリスク管理体制というものを今まで以上に強化していくべきだと思っております。
 企業会計原則が適用されるわけですから、時価主義が原則となります。このため、有価証券などの価格変動リスク、それから運用のリスクの管理、これを徹底する。具体的には、運用部門とリスク管理部門を分けまして、運用部門はそういった原則で思い切り安全な運用をするし、リスク部門は、にもかかわらず金利変動とか為替の価格変動リスクというのを常に横で厳しくモニターいたしまして相互牽制し合うというふうなことで、委託運用も含めましてチェックを強化していきたい、かように考えております。
 それから、御指摘ありましたように、情報公開につきましては、市場に無用のインパクトが起こらない範囲におきまして極力情報公開を徹底してまいりたい、かように考えております。
島委員 生田総裁とはいろいろな議論を実は総裁になる前からしていた関係でございますので、御苦労さまですというのがまず一言でございます、最初に。
 ただ、私も期待はすごくしました、生田総裁が総裁になられるということで。なぜ期待したか。ここでずっと議論していますと、郵便事業が何かどんどん小さい議論になっていくんですね。郵便局をどう残すかということで、郵便局で住民票をとらせるとかそういうような話になる。
 もともとのキャリアはよく存じ上げておりますので、グローバルに仕事をしておられた。御存じのように、ドイツ・ポストなんというのは、ドイツ・ポスト・ワールド・ネットというのに変えまして、例えばエクスプレス便なんというのは、ロンドン―ニューヨーク便をやって新たな市場を開拓したんですよね、ロンドン―ニューヨーク便。国内的に郵便局をどう使うかなんという発想じゃなくて、もっと国際的にどんな仕事をしていくかとか、そういうようなことができる。
 あるいは、例えばドイツ・ポストの話ですけれども、物流事業部というのをつくって、これは兵たん部にして、いろいろな会社を買収していって、ワールドにして、電子商取引なんかのリテール、オンラインなんかもどんどんやって、それで黒字に転換していった。そういう大きな枠組みの経営というのをやっていただけるんじゃないかという期待を私はしていますし、これから、まだこれからでしょうから、そういう発想でやっていかないとこれはだめだと私は思っています。
 いつまでも、確かに総務省だから、自治省と郵政省をくっつけたから、何か自治省の仕事であるところと郵政省をくっつけて郵便局をやってネットワークを残そう、それだけでは多分成り立たないと思います。
 それで、質問でありますが、赤字である郵便事業でございます。私、郵貯、簡保にも意見もありますけれども、大体、一応利益があるのが郵貯、簡保としましょう。郵貯、簡保であって、それは要は経営戦略、経営者に経営戦略論を言っても釈迦に説法でしょうが、金のなる木から何か投資してやっていくときには、もちろん独立採算制というのは知っていますけれども、やっていくときにはそれが将来、成長産業だと思うから投資するんですよね。成長産業だと思うから。だから、育成するわけですよね。
 どうも私にはそう思えないんですよ、郵便事業というのが。電子メールも普及します、これは、信書事業というので。それから、さっき言った郵便パック、ゆうパック、これはシェア五・八%。この郵便事業というのをどのように黒字化してやっていくというふうにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
佐々木参考人 ただいま御指摘の、郵便事業は成長分野かという点に関しましては、私どもは、種類別に違いはあるかと思いますが、確かに、IT化だとかあるいは競争激化によりまして、金銭関係等の通常郵便物は将来的には減少するのではないかと思っております。
 ただ一方では、電子商取引の普及に伴う小包等の小型物品送達の需要は拡大するでしょう、あるいは、データベースを活用した顧客管理の普及によるダイレクトメール等は伸びるのではないかと見ておりまして、そういう小包ですとかDMにつきまして、成長分野としてここに集中的に投資的施策を実施していきたいと考えております。
 そこで、黒字体質への転換という点についてでありますが、私ども日本郵政公社は、「真っ向サービス」というキャッチフレーズを掲げまして、お客様により信頼され、よりよいサービスを提供していくことによりまして、郵便事業の財政の健全化も図っていきたいということであります。
 具体的に申しますと、まず収益面では、スピードアップをいたします。それから、サービス、品質の改善、営業体制の強化を行いまして、小包でいいますと、三年後の十七年度には小型物品市場におけるシェア一〇%を目指していきたいと考えております。それから、ダイレクトメール、冊子小包等につきましても利用増を図りたいと考えております。
 では、どうしていくのかということでありますが、私ども、競争力強化に必要な投資的施策を積極的に講じていきたいと考えておりまして、具体的には、翌日配達エリアの拡大などによりますスピードアップ、あるいは小包の増加に対応するための運送便の増強、処理施設の整備ということをやっていきたいと思っております。
 それから二点目には、夜間再配達時間の繰り下げ等によりまして、夜間の再配達体制を整備したいと考えております。
 また三点目には、郵便物の追跡システムの高度化ですとか、あるいは代金引きかえ郵便物の決済システムの整備等によります、そういう情報システムの整備等も積極的に行っていきたいと考えております。
 また、営業担当職員の増員、あるいは企画提案営業のための営業体制の整備等もしていきたいと思っております。
 ただ一方、こういう投資的施策を実施するためには財源が必要でありますので、コスト削減策も積極的にやっていきたいということでございます。
 時間の関係もあるようですので、以上であります。
島委員 恐らく最後の質問になりますから、総裁、今の郵便事業をどのように黒字化するかということについてのもっとダイナミックな話をひとつしておいていただきたいのと、それから、長距離輸送の件で、いわゆるファミリー企業が落札しているので、総裁も次回の入札から方式を見直す考えを示されたというふうに新聞報道がありました。これも大事なんです。やはりドイツ・ポスト・ワールド・ネットも物すごくコスト削減したそうですから、その点についてもお答えをいただきたいと思います。
生田参考人 まず郵便なんですが、先ほどお話ありましたように、Eメールの関係で信書は減ってきているんです、世界的に、先進国は、年率一・五%ぐらいで。逆に、伸びているのはパーセル、小包、それからダイレクトメールは伸びてきているので、まとめて言えば、必ずしも減っていっている産業とは言えないわけで、伸びているところにどう活力を持って食い込むかということなので、それはさっき佐々木理事が言ったとおり、前向きに取り組み中。
 プラス国際的な面は、これは単に今までどおり国際便を扱っているというだけじゃなくて、まず、ほっておきますと外資が来るかもわかりませんから、国際競争力をどうやって回復しておくか。生産性を向上しておくということとともに、海外に逆に出ていけないかという思いで、経営企画部門に国際問題を取り扱うチームを設置いたしまして、まず人材の育成ということで、ことしの秋から十数名、海外に実務研修に、これはドイチェ・ポストも入ると思いますが、そういう実務をやっている連中、フォワーダーも含めまして出しまして、そういう国際問題を自分で考えられる人材の層をつくっていこうというふうに今考えております。
 前向きに考えております。何が何でも黒字化して、事業として存立さすという覚悟でやっております。
 それから、トラック便の方ですが、これは、すべて調達は原則は公開競争入札ということで、トラックにかかわらず、調達全体、原則はそうやっております。だけれども、現実はステップ・バイ・ステップで徐々にやっていかなきゃならないので、今回は、トラックに関していいますと、六路線、三百キロ以上でやった。
 第一回目の入札では、二社が昔からやっているところが落としまして、四社は全く今までやっていない新規参入であって、実は大変喜んだわけです。ところが、その四路線のうちの、一路線は残ったんですが、三路線がどうしても辞退したいということで、幹部も呼びまして、そんな一遍落としてからやるのは何事かということで、公社の幹部がさんざん説得したんですが、落ちちゃったけれども自信がないということで撤退しました。
 そのときに、第一回目の入札で二位につけていたところを入れてもよかったんですけれども、そうするとみんな昔の会社になるんですが、もう一遍仕切り直しで、何とか新しい血を入れようということで、改めて期限を延ばして仕切り直してやったんですよ。そして、その結果として、従来から入っているところが落としたという結果になったんですけれども、金額だけ見ますと、昨年よりも二三、四%低いところで全部決まりまして、金額面の効果は一応達成したのかな、こう思っております。
 ただ、反省すべき点は、初回であったために、安全確実、やはり郵便の使命というのは、さっきの運用じゃないですけれども安全確実ですから、それに重点を置いたために、品質のところにちょっと重点を置き過ぎまして、価格に二の比重をつけて、品質に三の比重をつけたので、そこでちょっと逆転する数だったのですね。
 今後は、そういうことの勉強も含めまして、その辺はもういわばイコールに考えていいんじゃなかろうかということと、落としてから執行までの準備期間というのを、一カ月ではちょっと入りにくいかもわからないから、今後は二カ月ぐらいに延ばそうじゃないかというふうなこともやっておりますし、自社保有車の比率、自分で持っているか、人から借りてくるかの比率、五割未満はノーとしていたんですけれども、五割未満でもいいじゃないか、今は所有するよりも借りる時代だぞというふうなことを含めまして、入札の条件を今、できるだけ皆が参入しやすいように再検討中でありまして、次回は十月にやる、こういう感じでおります。
 一応の効果は上げたと私は思っておりますし、やり方は、どういう条件をつけるかというのは事前に全部開示しておりましたから公正にやったというふうに考えております。
島委員 終わります。
安住委員長代理 次に、黄川田徹君。
黄川田委員 自由党の黄川田徹であります。通告に従い順次質問をいたします。
 日本郵政公社が四月一日に発足し、三カ月がたちました。まずは順調なスタートだと思っております。生田総裁初め理事の方々、そして職員の方々の御尽力に敬意を表しておきたいと思っております。
 そこで最初に、生田総裁に、お出ましでありますので、公社発足後の公社運営全般にかかわる率直な印象と申しますか、お答えいただけますか。
生田参考人 まず、今、先生から順調なスタートを切ったと言っていただきまして、皆様のおかげによりまして、自分で言うのは本当は僣越かもわかりませんが、まずまず順調な、いい方向に向かってのスタートが切れたというふうに思っておりまして、皆様方に厚く御礼申し上げたいと思います。
 具体論を言いますと長くなりますので、今御指摘のように印象だけ申し上げますが、四月一日以前以後、ずうっと全国のいろいろな郵便局、地方も回っております。それで、郵便事業に従事している職員たちの意識というものが大きく、行政という立場から顧客本位の立場に、それから、親方日の丸的な感じからコスト意識を持つというふうに大きく変わってきたな、まずそのように思っております。
 すなわち、公社運営に当たりまして、意識と文化の改革というのを重視いたしまして、その点を思い切り刺激してきましたし、今もその運動を進めております。
 意識の改革は、すべての顧客の立場に立って物を考え、商品を考え、サービスを考えるということでございますが、さらにこれを深めていきたい、かように思っております。
 文化の改革については、これは、意識は個人が変えれば変わるんですけれども、文化はみんなで組織として変えていかないとなかなか変わらないんですが、その中で一つ申し上げましたら、例えば官庁一般に特有な上意下達の文化、これはどうしても下の者の創造性とか能力が抑えられることになるので、上意下達の文化を排しまして、上下の間、それから地方と中央、地方の郵便局そのものがお客様との接点の一番重要なところですから、そこの持っている情報とか意見がどんどん支社及び中央に伝わるように自由濶達な議論をつくりたい、かように考えております。
 この二年間についての行動計画というものも現在かなり浸透中ということで、努力させていただいている最中でございます。
    〔安住委員長代理退席、委員長着席〕
黄川田委員 生田総裁、今お話しのとおり、私も公社化法案の質疑に際して、一年前でありますけれども、やはり職員の意識改革が一番大事だということをお話しさせていただきました。
 アクションプランですか、これでも、お話しのとおりの上意下達をやめよう、あるいはまた、フラットでオープンな意思決定をやっていこうという形でありますし、これからも職員組合等々といろいろな話をしながら、総裁は本当に着実な改革のためのリーダーシップをとっていただきたいと思っております。
 それから、公社設立以降、郵便事業については、翌日配達エリアの拡大ですか、あるいはまた写真つき切手の試行販売などですか、こういう国民利用者の立場に立ったサービスの拡充といいますか、これを行っておるようであります。しかしながら、これも大事でありますけれども、長期的に安定した事業経営を行っていく、これについては、公平な質の高い郵便サービスを提供していくため、こういう場合にはやはり基本とした財政基盤、これを確保しなきゃいけないと思っております。
 そこで、最近の郵便事業の損益に関して、平成十三年度決算では八十億円の黒字であったにもかかわらず、平成十四年度は三百七十九億円の赤字の補正予算を編成されたわけでありますけれども、端的に、その原因は何であるか、その分析を総務省にお尋ねいたしたいと思います。
野村政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、十三年度の決算では、郵便事業は八十億円の黒字を計上したところでございますけれども、十四年度については、当初予算では十億円の黒字を予定しておりました。ただ、十四年度の郵便業務収入が落ち込みが非常にひどいということもございまして、十二月に補正予算を組ませていただきまして、収益を八百十七億円減らしまして二兆一千五百二十八億円に、費用を四百二十八億円減らさせていただきまして二兆一千九百七億円といたしまして、三百七十九億円の赤字を見込んだところでございます。
 こういったことになった原因といたしましては、一つは、景気の低迷による企業の郵便物の差し出し抑制があったということでございます。二つ目といたしまして、IT化の進展によりまして郵便物が減少した。三つ目といたしまして、一部の郵便物の民間メール便への移行、こういったことによりまして引受郵便物数が減少した。これが収入落ち込みの大きな原因だと考えておるところでございます。
黄川田委員 総務省の方から、企業の郵便費の節約といいますか節減、あるいはIT化の影響、さらにはメール便の関係等々で厳しい状況にあるということであります。
 平成十四年度補正後予算において、収益が平成十三年度よりも五百四十七億円減少するという厳しい環境、これはそのとおりであるわけでありますけれども、そういう環境下の中で公社から今後二年間の行動計画、アクションプランが発表されたところでありますけれども、郵便事業の改革に具体的にどのような対策を講じようとしているのか、このアクションプランについて公社の見解を求めておきたいと思います。
佐々木参考人 公社の経営につきましては、本年度から平成十八年度までの四年間を対象といたします中期経営目標が定められておりまして、総務大臣の認可を受けたところでございます。その中では、例えば郵便事業につきましては、財務内容の健全性の確保、あるいは四年間で積立金五百億円以上の目標が定められているところであります。
 ただいま先生御指摘のアクションプランは、この四年間の中期経営目標を確実に達成するとともに、公社の経営ビジョンを具体化するために策定した二年間の公社の行動計画でございまして、五月二十一日に公社の理事会において決定したものであります。
 郵便事業の関係で申し上げますと、郵便局のネットワークを維持していくとともに、事業の将来展望を確かなものにするために、黒字体質への転換と事業の拡大生産が不可欠だというふうに認識をしておりまして、そのために、競争力の強化による収益確保と徹底したコスト削減を行うこととしております。
 具体的に申し上げますと、まず、収益面では、先生も御指摘いただきましたように、翌日配達エリアの拡大等のスピードアップ、それから、サービス、品質の改善、営業体制の整備等を行いまして、一般小包については三年後にシェア一〇%を目指すとか、あるいは、ダイレクトメール、冊子小包につきましても利用増を図っていきたいと考えております。そういう形で中期経営計画で予定しておる収益額を確保したいと思っております。
 ただ、このためには、競争力強化に必要な投資的な施策を積極的に講ずるということも必要でありまして、これも先ほど島先生の質問のときにお答えしましたが、スピードアップや小包の増加に対応するための運送便の増強ですとか、処理施設の整備、それからIT関係の投資もやっていきたいと思っておりますし、営業関係の職員の増員等もやっていきたいと思っております。
 一方、こういう投資施策を実施するためには財源が必要でありますので、コスト削減策の前倒しと追加を行うことによりまして、その財源を賄っていきたいと思っております。
 具体的には、人件費の面では、郵便事業の常勤職員数については二年間で一万二千人を純減していきたいと思っておりますし、トヨタ生産方式を活用して生産性向上を図り、賃金、超勤等の縮減を図っていきたいと思っております。
 一方では、物件費の削減についても積極的に取り組んでいくということで、先ほど生田総裁の方からも言いましたように、調達方法の見直しですとか、あるいは車両や機器の仕様の見直しによる物件費の削減も行っていきたいということであります。
 厳しい事業環境の中ではありますけれども、こういうアクションプランの施策を着実に推進していきまして、郵便事業の健全経営の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上であります。
黄川田委員 郵便事業については、民間企業の手法を取り入れた経営改革が徐々に浸透していると私も思っております。
 しかしながら、具体的に、例えば民間宅配事業者等は、商品のこん包あるいはまた配送伝票の作成あるいはDM等の作成、封入、封緘を含む、発送代行業務から配達に至るトータルのサービスを提供することによりまして、企業顧客のニーズを的確に取り込みまして取扱数を拡大しておるところであります。
 そこで、最近、郵便事業においても、民間企業との連携によりまして、企業顧客にトータルサービスの提供を行っておるところでありますけれども、今後も郵便利用を維持、拡大していくためにはこのトータルサービスの推進が必要ではないかと思っております。
 郵便のトータルサービスの目指すところは何か、また、その実現のための民間との連携状況、これについてお尋ねいたしたいと思います。
遠藤委員長 日本郵政公社佐々木理事。簡潔に。
佐々木参考人 先生御指摘のとおり、郵便事業といたしましても、トータルサービスの重要性は十分認識しているところでございます。
 郵便のトータルサービスの目指すところといたしましては、郵便物として差し出す上で必要な作業から配達に至るまでのサービスをパッケージでお客様に提供するということを目的にしております。これによりましてお客様の幅広いニーズに対応することが可能となりまして、結果として郵便物の利用の拡大につながると考えております。
 そこで、民間との提携状況でありますが、既に物流分野では、倉庫会社の山九さん、それから三井倉庫さん、それから日立物流さんの三社と提携をしているところでございます。
 例えば、倉庫に保管しました商品をクライアントの指示に基づきまして、ゆうパックで配送するということ等で、お客様にとりましては、倉庫業者の得意分野の商品の在庫管理、こん包作業等から、私どもの郵便事業の全国ネットワークにより配送を行う、そういう一連の物流関係業務をまとめてアウトソーシングするということを可能にするというふうに考えております。
 また、十月一日から予定をしております家庭系のパソコンをゆうパックで回収するというシステムにも、株式会社山九さんと提携をして取り組んでいきたいというふうに考えております。
 以上です。
黄川田委員 それでは、今回の公社法の改正であります。
 コール資金の貸し付けと投資一任契約を追加するという内容でありますけれども、それぞれ専門的、技術的な改正でありまして、国民には、私も国民の一人でありますが、なかなかわかりにくい内容だと思います。
 そこで、今回の法改正の内容とその効果について、まず質問したいと思います。
 このコール資金の貸し付けについて、その内容と効果について改めて説明をいただきますし、そしてまたあわせて、投資顧問業者との投資一任契約の締結による信託会社への信託についても、その内容と効果について総務省に説明を求めておきたいと思います。
野村政府参考人 お答えいたします。
 今回の法律改正の内容と効果でございますけれども、コール資金の貸し付けでございますけれども、コール資金の貸し付けといいますのは、金融機関等が資金の過不足を調整するための短期の資金の貸借を行う市場、コール市場において資金の貸し付けを行うということでございまして、その効果といたしましては、即日決済による超短期の運用が可能となるということから、資金運用の効率性の向上を図ることができるというふうに考えております。
 また一方、今回、公社化に伴いまして日銀の当座預金口座を公社が使うことになりました関係上、日銀の行う金融調節に協力するという観点もございます。コール資金の貸し付けの導入によりまして、現在、金融調節のターゲットとなっている当座預金口座残高を機動的に調整することが可能になる、そういった効果もあるところでございます。
 二つ目の投資一任契約の関係でございますけれども、投資一任契約というのは、これはなかなか難しいんでございますけれども、顧客が投資顧問業者に対しまして、投資判断を一任するとともに、その投資判断に基づいて投資を行う権限を委任するということでございまして、今回の法律改正で導入を予定しております投資一任契約つきの特定信託とは、投資一任契約に基づき投資顧問業者が投資の判断とか売買の発注を行いまして、一方、資金の管理の方は、特定信託契約に基づきまして信託銀行が行うというスキームでございます。
 その効果といたしましては、現在、投資判断の委託先といたしましては信託銀行に限定されているところでございますけれども、投資一任契約の導入によりまして委託先に投資顧問業者が加わるということでございまして、委託先相互間の競争による運用成績の向上や委託運用におけるコスト削減、こういったことが期待できるのではないかというふうに考えておるところでございます。
黄川田委員 今お話をいただきましたけれども、この公社法が成立してから一年もたたないわけでありまして、この程度の資金運用であれば、同法第四十一条等の運用範囲でなぜそのとき想定できなかったのか、もっと早く取り入れてもいいんじゃないのかと私は疑問に思っているところであります。
 そこで、先ほど島委員からもお話ありましたけれども、信託銀行に委託して行っていた指定単運用について、この評価損の話であります。
 いずれ、公社への移行に当たっては時価で承継されることから、これらの指定単の評価損が表面化するわけでありまして、それについて大臣から、しっかりやれというふうな話もいただきましたけれども、この公社の経営の健全性の問題、私は副大臣にお尋ねいたします。
加藤副大臣 委員御指摘のとおり、公社に継承されるときに時価評価するということでありまして、指定単も時価評価によると評価損が発生いたしますが、先ほど大臣の答弁がありましたように、一方で、本体で運用している方で、国内債券とか各種準備金、国内債券等では評価益が出ておるわけでありますけれども、これらを通算して、いわゆる公社の資本金を算定するわけであります。
 これから評価委員によって行われる実際の評価、これは十四年度末時点では、株価や金利の水準等をもとにすると何とか一兆円を超える資本金が確保できるのではないかと考えております。
黄川田委員 それでは次に、郵貯、簡保の資金運用と金融市場との関係についてお尋ねいたしたいと思います。
 郵貯、簡保の資金量は、平成十三年度末現在で、郵貯は約二百三十九兆円、簡保は約百二十五兆円、合計で約三百六十四兆円であります。これは、ここ数年は減少しておりまして、今後も少しずつ減少するのではないかというふうに言われております。
 しかしながら、同じ十三年度末で、民間金融機関の大きなところでも、例えば都市銀行でいえば、三井住友銀行が預金残高約六十一兆円、生命保険会社でいえば、日本生命が四十五兆円であります。これらの民間金融機関と比較しても、その規模がいかに大きいかがわかるところであります。
 そこで、郵貯、簡保の巨大な資金が金融市場で運用される以上、その運用次第では市場の混乱は避けられないと思います。郵貯、簡保の資金運用に当たり市場への影響、これにどのように配慮をしておるのか、公社にお尋ねいたします。
    〔委員長退席、八代委員長代理着席〕
斎尾参考人 ただいま先生からも御指摘がありましたように、郵貯、簡保の資金は市場で大きな比重を占めておりますので、市場の価格形成メカニズムに影響を与えているのではないかという指摘があることは承知しております。
 この点につきましては、日本郵政公社法におきまして、郵貯、簡保資金の運用計画は、市場に及ぼす影響を少なくしつつ、確実で有利な運用となるよう定めなければならないと明記されておりまして、これを受けまして、公社では、運用計画の策定に当たりましては、長期安定的に保有する運用、いわゆるバイ・アンド・ホールドの運用手法を基本とすること、そして、各運用資産の市場規模に配意するなど、市場に及ぼす影響が少なくなるよう配意することなどを基本方針として定めておりまして、この計画に基づきまして実際の運用を行っているところでございます。この結果、国債を初めとします債券の売買高につきましては、市場におきます比重は大変に少なくなっているというふうな認識をしているところでございます。
 また、日々の資金運用の実施に当たりましても、市場の動向を常に注視しますとともに、市場関係者との情報交換も行っておりまして、これまでのところ、実務担当レベルにおきましては、郵貯、簡保の運用が金融市場に直接の影響をもたらしたといったような具体的な指摘は受けたことはないわけでございます。
 ただ、さらに、公社化後におきましても一層市場慣行を重視したスタンスをとりまして、今後とも、市場に十分配慮した運用を行ってまいりたいと考えております。
黄川田委員 お話しのとおり、しっかりやるということなんでありますけれども、公社の流動性リスクですか、日本郵政公社内部でもリスクの管理体制はもちろんのこと、そしてまた民間金融機関同様、日銀の考査ですか、あるいはまた金融庁検査が導入されるなど、公社の内外を通じたリスク管理システム、これが整備されておりますけれども、なおかつ万全を期していただきたいと思っております。
 それから、また一方、郵貯、簡保に預けられた資金の関係であります。これは、安全性を求めて国民皆、ローリスク・ローリターンということで預けておるわけであります。
 しかしながら、この五月に、関係閣僚による「証券市場の構造改革と活性化に関する対応について」というのがありまして、その中で、銀行等保有株式取得機構が政府保証債を発行する場合には、郵貯、簡保がその債券を市場から購入することを検討するという内容が盛り込まれておるところであります。このように、郵貯、簡保がその債券を市場から購入するなど、預金者、加入者の利益を目的とした運用が結果として証券市場の活性化に資するということも考えられるわけでありますけれども、そこで質問であります。
 国債中心の運用、これはよくわかるわけでありますけれども、他の運用対象もあるわけでありまして、国債に偏重することなく、政府保証債や社債を含め資金運用の多様化、これをもっと検討してもいいのではないかと思っておりますけれども、公社の見解を改めて求めておきたいと思います。
斎尾参考人 郵貯、簡保の資金運用につきましては、毎年度、預金者への元利金の支払いあるいは加入者への保険金等の支払い等を確実に行えますよう、安定的な収益を確保することが基本でございます。このため、国内債券を中心としまして、郵貯、簡保の負債特性を踏まえながら、適切に運用機関を選択した運用を実施しているところでございます。
 一方で、国内債券市場を見ますと、国債は発行量それから流通量が多く、また期間の多様性もありますので、現在、郵貯、簡保の資金運用に占めるウエートが大きくなっているところでございます。
 ただ、最近の経済情勢におきまして国債の利回りは極めて低い水準で推移しておりますので、先生御指摘の政府保証債や社債といった、国債よりも利回りが得られます債券の運用につきまして、リスク管理を適切に行いながら拡充をしてまいっているところでございます。
 こういった工夫をしながら、今後とも、預金者、加入者の皆様にこたえ、確実かつ有利な運用を実施するために、資金運用の一層の多様化に努めてまいりたいと考えております。
黄川田委員 残り時間が少なくなってまいりましたので、もう一点、郵便局ネットワークを活用した民間投資信託の窓口販売について、これについての検討についてお尋ねいたします。
 民間の金融機関がリストラして店舗数を減らしていく中で郵便局ネットワーク、これは二万四千七百ですか、そのネットワークの価値がむしろ高まってきているのではないかと思っております。
 また一方、日本は諸外国に比べまして、個人の株式保有が少ないだけでなく、投資信託の保有も少ない。郵便局ネットワークを活用して投資信託を窓口販売することは、証券会社等が近所になく、我が岩手もそうでありますけれども、投資信託に接することが難しかった人たちにもその機会を与えることができるわけでありまして、国民に投資信託を身近なものにいたしまして、そして投資信託市場のパイをふやすことにもなると思っております。
 そこで、このような意味におきまして、郵便局ネットワークを活用した投資信託の窓口販売、私は前向きに取り組むべきものと思っておりますけれども、大臣の見解を求めておきたいと思います。
片山国務大臣 今、株式市場が低迷していますよね。だから、どうやってこれを上げるかということの議論の中で、大綱をこの前、関係閣僚で決めたんですが、その中にも郵便局のネットワークを利用して投信等の販売をやる、こういうことが書き込まれておりますよ。
 ただ、これはおもしろいんで、証券業界は賛成なんだけれども、銀行関係が反対なんですよね。そのパイをとられると言う。だから、我々はパイを大きくするためにやるんですよ。もっと日本の津々浦々、二万四千七百の郵便局のネットワークで、欲しい人には投信をどうぞ買ってくださいと。新しい資金が入るんですよね、株式市場へ。株式市況の活性化のために、むしろそういうことのパイを大きくするためにやるんで、ぜひ実現したいと思いますけれども、銀行関係の反対もわからないでもないんで、その辺は十分話し合って善処をさせたいと思っております。
黄川田委員 大臣お話しのとおり、地銀なんかの民業圧迫ということで、そういう批判も私も承知しておりますけれども、やはり大局的な立場から、パイを広げるという形の中で推し進めていただきたいと思います。
 残りあと二分でありますので、最後の一問であります。
 資金運用の関係の人材育成であります。公社においては、この資金運用の職員の育成についてどのように取り組む所存か、最後にお尋ねいたしたいと思います。
斎尾参考人 私ども、資金運用の担当の職員の育成については極めて重要と認識しておりまして、これまで取り組んできましたものとしましては、例えば、海外の金融機関への派遣、あるいは部外講師による勉強会等への参加、あるいは証券アナリスト養成のための通信講座の受講といった取り組みを実施してまいったところでございます。
 また、こういった部内の人材育成に加えまして、特に郵貯におきましては、民間から直接、資金運用経験者を採用するなどしまして、資金運用体制の一層の強化充実に努めているところでございます。
 今後は、こういったこれまでの人材育成施策に加えまして、職員の派遣を広く海外、内外の金融機関に拡充するなどしまして、資金運用業務に必要な専門的知識、経験を持つ人材の育成をより効率的、効果的に図ってまいりたいと思っております。
黄川田委員 時間でありますので終わります。
八代委員長代理 次に、矢島恒夫君。
矢島委員 日本共産党の矢島恒夫でございます。
 私、法案の質疑に入る前に、去る四月三日、生田総裁に当委員会においでいただきまして幾つか質問をさせていただきましたので、そのことに関連して最初にお尋ねしたいと思います。
 そのとき取り上げた問題というのは、本来ならば郵政公社に移行する前に決着すべき問題だ、しかし、それが引き継がれているので、今後どうするかという観点から、一つは天下りの問題、それからもう一つは特定郵便局をめぐる問題についてお尋ねしたわけであります。
 天下りの問題については、私、ATMの保守業務をめぐる競争入札の問題で、事実上天下り会社が独占しているような状況になっているということを取り上げて、その改善を総裁に要求したわけであります。そのとき総裁は、「調達委員会というのをつくりまして、一定水準以上の調達については全部そこでスクリーンにかけて、きちっと公正さを保つと同時に透明度を持たす」、こういう答弁をされました。改革の進行をこれからも私は見守っていきたい、こういうふうに思っております。
 それから、もう一つの問題が、特定郵便局に関する問題でございます。
 いろいろこれには問題があるんですけれども、最悪の形で噴出したものが、あの公職選挙法違反、高祖事件だったわけです。その最大の反省点というのは何かということで、私が、業務上の組織である特推連とそれから任意団体である特定郵便局長会の間で公私混同があるんだという点を挙げました。特に、役員が表裏一体の形になっている点などを指摘したわけであります。生田総裁は、この問題については、まだ就任早々ですから、今後勉強させていただきますと、こういう答弁をされました。
 何か改革の方向が今日時点で出たかどうか、その点についてお答えいただければと思います。
生田参考人 まず、前半の、調達委員会、投資委員会は、ほぼ毎週開かれておりまして、副総裁の高橋が委員長をしておりまして、極めて厳正な審議を経て、今取り進め中であります。効果を上げておると思います。
 二番目の、特推連のことですが、特推連そのものは事業庁時代に事業庁の内規でできた組織でありまして、その意味では公的な組織でございます。
 目的は、特定郵便局というのはたくさんありますから、小規模なものが多数あるわけですから、これをグループ管理することによって、円滑な業務連絡等、能率的な運営をするというのが目的でできておりまして、その特推連の役員につきましては、人格、識見、それから、事務に明るいか、役員としての、まとめ役としてのリーダーシップはどうかというようなことを見まして、支社長が、その当時は地方郵政局長ですけれども、選考して適任者を指名する、こういう形をとっておりまして、特推連の連絡会の会長の指名に当たりましては、支社長が連絡会長に相ふさわしい者を要件を見ながら選任する、こういうことになっております。
 任意団体である特定局長会の選任を追認するという格好では全くなっていないということでございまして、先生が前に御指摘になった、ほとんど重複しているじゃないかというのは、十四年までは、先に特定局長会の方が決めまして、それから連絡会が決まるという形になっていたようなんですが、ことしから変わって、それが逆転しているわけです。支社長による指名は、例えばことしでいいますと、二月の中旬に行われておりまして、その数週間おくれで特定郵便局長会の方は選挙で選ぶということなんですが、結果としてかなりダブっておりますけれども、これは結果であるということで、我々は、公的な機関と私的な機関の混同がないように、今後とも十分指導をしていきたいと思っております。
矢島委員 昨年の六月二十五日のこの委員会で、我が党の春名議員から、特定郵便局長会と特推連の役員の表裏一体の状況について、資料を提出いたしまして、全く兼任されちゃっているのが九四%だったという状況を出しました。
 私、実は今年度、今総裁が言われたように、特推連と局長会との関係では、選挙の仕方が前後したということですけれども、偶然なったら仕方がないというお話ですが、大分重複しているんですよね、実際に調べてみましたら。私、調べてみましたら、調べることができた百九十六人についてだけですけれども、百八十四人が兼任しております。つまり、やはり九四%なんですね。非常に、例えば高祖事件の最大の反省点というのは、やはり公私混同、こういう事態であるということが指摘されたわけです。
 私のところに、都内にあります特定郵便局長の方から手紙が参りました。その手紙によりますと、まだこの公私混同といいますか、全く今までと変わらないなということを私はつくづく感じたんです。
 ある日の夕方、五時二十分から特推連の会議があった、郵便局のこれからの事業の進め方について、訓練も含めていろいろなことがあった、これが二階の会議室で行われたと。それが引き続いて三階に移動するわけです。そうすると、そのときにもう今度は局長会になるわけです。会長のあいさつや局長会次長の説明ということで七時ごろまで実施されたようです。特推連と局長会のすみ分けどころじゃなくて、癒着そのものですというのが手紙の内容なんです。
 さらに、途中省略しますけれども、生意気なことを言うな、だれのおかげで局長になれたというおどしの言葉はなくしてもらいたいんです、先代は先代、私たちは公務員として、是々非々をきちんと認め、地域のお客様に貢献していくことがあるべき姿なのです、ジキルとハイドの局長会が特定郵便局の信用を傷つけていると。こういう投書がありました。
 まさに、今総裁が言われるように、いろいろ工夫はされていると思いますけれども、現場の実態はこういう実態で、多くの特定局長さんが心を痛めている部分もあるわけですので、ぜひ、こういうものについての改善、そういう方向で取り組んでいただきたいと思いますが、何かございましたら。
生田参考人 今伺ったような実情があるのかないのか、十分参考にさせていただきまして、両方の、私どもの持っている公的な機関と任意団体である局長会の間の峻別というものを今後とも十分心がけていきたいと思います。
矢島委員 この問題については、経営的な問題にもいろいろと改善しなきゃならないことが、この局長会の問題やあるいは特推連の問題はたくさんありますけれども、時間の関係がありますので、ぜひ検討し、改善の方向を進めてもらいたいということだけ申し上げまして、次の問題に移りたいと思います。
 真っ向サービスの問題であります。
 実は先ほど、佐々木理事の方から、サービス問題で、特に翌日配達エリアの拡大ということでお話がありました。五月十九日から小包や郵便物の翌日配達エリアというのを拡大を行った。普通郵便物でいいますと、例えば東京都区では、郵便物の取り集め、配達を行う郵便局の窓口で三時までに預かった普通郵便物は、これまでは、北の方は福島県、西の方は静岡県までが翌日配達のエリアだった。これからは、午後五時までに預かった郵便物を、北は宮城県、西は大阪まで翌日配達ができるようにするという説明を受けました。確かに、この問題は結構なことだと私も思います。
 ところで、その陰で一つの問題があるのを指摘したいんです。それは、こういうような翌日配達エリアが拡大された一方、その翌日配達に間に合うための取り集めの時刻が早くなってしまって、今までの時間に郵便局に持っていったのでは、これまで翌日配達したところにも届かなくなってしまう、こういう事態が起きたんですね。
 そこでお尋ねしたいのは、これまで翌日配達したところで今度の取り集め時刻の変更によって翌日届かなくなってしまった、こういう郵便局はどのくらいあるのか。そしてまた、どういう地域にそういう郵便局が集まっているのか。その辺、わかりましたら、お答えいただきたい。
佐々木参考人 ただいまお話のありましたように、本年の五月十九日から翌日配達エリアの拡大を行ったところでございます。これに伴いまして運送便の見直しを行いました結果、より遠くまで翌日配達をするためには早く出発しなければならないということで、先生御指摘のとおり、差し出しの締め切り時間が早くなったところも出ております。
 今お尋ねの局数でいいますと、全局の約一七%の局、局でいいますと、普通局五百四十六局、特定局二千九百四十七局の合計三千四百九十三局におきまして差し出しの締め切り時間が早くなったものというふうに承知しております。
矢島委員 お尋ねしましたところ、私どもに寄せられた苦情が、確かにそういう事態が起こっているということがわかりました。しかも、両方合わせますと三千四百前後の局が実際にそういう事態に陥っているということ。
 そこで、事業者の方あるいは郵便局を利用される方は、翌日配達に間に合う最終取り集め時刻に間に合うように郵便物を郵便局に持っていっているわけです。例えば、今までは五時でよかった、ところが、早まったために三時に持っていかなきゃならなくなった、こういう事態が起きているのが今の地域の問題です。聞くところによりますと、今の郵便局は、大体東北地方や九州地方に偏っているのではないかと私は思うんですけれども、そういうことはまさにサービスの低下だ、こう思うわけなんです。
 そこで、私、こういうことをすべきじゃないかと。つまり、一七%の地域ではそういう事態が起きている、しかし、残りの八三%の地域は最終取り集め時間は変わっていないわけで、翌日配達エリアが拡大したわけなんですね。だから、これはもちろんサービスです。ところが、この一七%に住んでいらっしゃる方々は、このサービスの後退だけが残ってくる。そこで、何か最終の取り集め時間を据え置くような改善が図れないだろうかと。もし最終取り集め時間を早めないとエリア拡大が不可能だというようなことならば、少なくとも翌日配達エリアは拡大されたわけですが、その郵便数がどの程度その地域にあるのか、その辺の調査も必要じゃないかと。
 それからもう一つは、事業者やあるいは住んでいらっしゃる方々が翌日配達エリアの拡大を望むのか、それとも最終取り集め時間の据え置きあるいは繰り下げ、こういうものを望むのか、そういう地域の人たちの意向というものもぜひ聞いて判断していただきたい。これが本当の真っ向サービスじゃないかと思うんです。
 ぜひそういう方向で検討していただくということで、総裁、決意をひとつ、この問題で。
生田参考人 公社のコスト構造などから見ますと、値段競争で、安くして競争するというのは非常に難しいし、すべきでもない、公益性から見てそう思っているんです。
 質をよくして、ファーストクラスサービスを整備しようということでみんなで努力しているんですが、今回の翌日配達地域の拡大もその一環だったわけであります。ほとんどの方には喜んでいただけたんだけれども、今先生御指摘のように、一部のところで利便性が逆に損なわれたということで、私自身も、先週もある地方へ参りまして、直接そういうお話を承っております。
 今回の施策は、全体としてはいいんですが、そういった難点をどう改善するか。先生御指摘のとおり、運送便の設定を見直しまして、可能なところから差し出し時間をもとに戻すといいますか、繰り下げるということを至急検討するように指示している最中でございまして、まだ結論は出ておりませんが、品質が少なくとも一部とはいえ落ちることは防ぎたい、こう思っております。
矢島委員 それでは、法案の中身についていろいろ質問していきたいと思います。
 今回の改正というのが、資金運用の方法を、コール資金の貸し付け、それから投資顧問業者との投資一任契約、これによって信託会社への信託をつけ加えるというものであると思います。この投資顧問業者との投資一任契約による運用というのは、私たちがこれまで反対してきたいわゆる指定単による株式運用、これを行うところの運用先を多様化していこうということであろうと思うんです。
 ところで、安全確実な運用という問題が、きょうはずっと今までの質問の中でも出されておるわけですが、この間、いわゆる株式の運用を、つまり、郵貯、簡保の運用を株価対策にやろうというのが出てきている。与党が株価対策の一つとして郵貯・簡保資金による国内株式運用額の拡大というのを持ち出してきたという報道が、五月十七日付の週刊東洋経済、これに載っているんですね。
 この内容を少し見てみますと、相沢英之自民党デフレ対策特命委員長のインタビューとして掲載されております。その記事の中には、生田総裁と片山総務大臣に株式運用をふやすように要請してある、生田総裁は二〇〇三年度の運用方針は既に決めてあるから難しいと言っていたが、決めたことを変えたらいいと言っておいた、そうしたら、損しているから難しいと言ってきたから、損を取り返すのにこんなよいチャンスはないじゃないかと言ってやったと、こういうインタビュー記事が載っているわけです。
 この週刊東洋経済誌は、旧郵政省が与党の力をかりて郵政事業の民営化を阻止したいきさつもあるだけに、むげに断れない事情もあると。これは週刊誌の方のコメントですから、それは、そういうのが載っているということだけです。
 そこでお尋ねしたいのは、そもそもこの郵貯・簡保資金の運用、これを株価対策として行うことは、いわゆるPKOですね、これは資金運用の基本から私は逸脱しているものだと思うわけです。生田総裁、それから片山大臣の見解をお聞きしたいと思います。
生田参考人 郵貯、簡保の資金は、全国の個人の方々の大変貴重な小口の資金の集積でありまして、我々としては極めて慎重に運用する責務を負っております。
 運用は、事業経営の健全性は無論のこと、お預けいただいた方たちの利益を確保するという目的で行うべきものでありまして、リスクの非常に高い株価対策として、それも、下支え対策として使用するのは不適切であるというふうに私は考えております。公社法におきましても、中期経営計画の運用計画に関しては、郵貯・簡保資金の運用は、安全確実で有利な運用というふうに明記してあります。
 別の切り口から見ますと、資本金がまだ決まっていませんが、約一兆円ということだと思うんですが、それに対して今指定単の残高が、アバウトで言いますと約二十兆あるわけで、それだけでも非常に対資本で見ますと過大になっておるわけでございまして、特に資産の面で、金利連動のお金をお預かりしているわけですから、それを他方で、資産として大きなリスクマネーで運用するということは避けるべきであるというふうに認識しております。
片山国務大臣 かなり前に相沢さんが来られまして、今読まれたようなことを言われましたよ。私は、それは無理だと言ったんですよ。
 一つは、郵貯、簡保に行く金はリスクを嫌うマネーなんですよ。リスクマネーじゃないんですね。ローリスク・ローリターンでいいんですよ。だから、それは無理で、郵貯、簡保をPKOに使うというのはイメージが悪いと言ったんです、正直に言いまして。それから、公社ができたばかりで、政府が命令するようになっていないと言った。それからもう一つは、今言われました過少資本だと。
 こういうことで、それは、できることはします、しかし、これはできにくい、こういうことを申し上げたわけでありまして、やはり郵貯、簡保の資金は、安全確実、その上で有利、こういうことであります。
矢島委員 そこで私、ちょっとさかのぼりますが、実際の結果は去年出ているわけですから、それを聞きたいんです。
 といいますのは、この資金運用の基本から逸脱しているところのいわゆるPKO、これに投入されたということで、私、以前当委員会で質問したことがあるんです。
 それは、九八年三月末、株価が低迷する中で、何とかしようというので約一兆円、郵貯・簡保資金が株式市場に投入された。当時政調会長だった山崎幹事長、この郵貯・簡保資金によるPKOを主張した。どれだけ投入されたかというと、郵貯資金が千四百一億円、簡保資金が八千三百十一億円、合わせますと約一兆円。これが三月三十日に、株式運用できる指定単運用に投入されたわけです。
 指定単運用のために簡保事業団に貸し付けられるこの郵貯あるいは簡保の資金の貸付期限、これは通常十年なんですね。というのは、簡保資金を五年以上貸し付けますと国会の議決が必要になるわけですよ。ところが、この三月三十日のせっぱ詰まったところで運用しちゃおうというわけですから、そこで、四年六カ月という期間でこの八千三百十一億円を貸し付けたんです。つまり、国会の議決が要らない範囲でやったというわけです。
 こうした事実を、私、当時、二〇〇〇年五月十日の逓信委員会でただしたわけです。どこから見てもPKO運用だと批判したわけですが、当時の足立簡易保険局長は、後に郵政事業庁長官になりましたが、国債の利回りが高水準で株価が低水準なので、株価の反転の可能性が高いとして指定単運用を増額したと答弁したんです。まあ、あくまでもPKOだったとは言えないわけですけれども。
 しかし、九八年三月末から四年六カ月ということになりますと昨年の九月か十月になると思うんですが、もう運用期間が切れるわけです。そこでこの運用の結果が明らかになったはずなんですが、いずれにしろ、当時、九八年三月のときには一万六千円をちょっとオーバーするぐらいの日経平均株価だったのが、昨年の九月末ですから、一万円をもちろん割り込んでいます。大損をしたと思うんですよ。大失敗をしたと思うんですよ。
 そこで、投資した簡保資金八千三百十一億円、幾ら損したか、答えていただきたい。
    〔八代委員長代理退席、委員長着席〕
野村政府参考人 お答えいたします。
 先生御案内のとおり、平成十年の三月末に郵貯・簡保特会から簡保事業団に対しまして、総計で九千七百十二億円寄託されております。そのうち、簡保特会から八千三百十一億円寄託したわけでございますけれども、これにつきましても、先ほど先生がおっしゃるように、昨年の九月三十日、既に償還されているところでございます。
 この償還された資金につきましては、簡保事業団におきまして、各信託銀行との指定単契約に基づきまして、各行の既存のファンドに追加するという形で資金を配分しているところでございまして、既存のファンドと一体となって運用されているところでございます。そういった意味で、この追加した八千三百十一億円についての特化したそういう収支状況というのは、把握することは困難と考えております。
 ただ、全体を、資金運用上、例えば、会社ごとの指定単の運用実績とか、それから株式とか外国債とか、そういう種類別の運用実績については、簡保のディスクロ誌上に全体としては載せているところでございます。
矢島委員 わからないんですよ。つまり、いつもそういう答弁なんですよ。毎回、全部一緒になっちゃっていてわからないという答弁が続いているんですが、安全確実な運用ということは何回も話に出ているわけです。とりわけ九八年三月末の指定単運用というのは、これはPKO運用だったことは明々白々なんですよ。あなた方は時々こういう答弁もされるんですよね。計画にのっとってやっている投資である、だから特に問題はないんだという言い方をちょくちょく私の質問に対しても答弁しているんです。これは計画に従ってやった投資じゃないんですよ、運用じゃないんですよ。いきなり三月三十日になって、それでぼんと入れたのが簡保八千三百十一億円なんです。だから、非常に重大な問題をこれは含んでいる。
 そこで、総務大臣、最後に、こういうPKO運用であることがまさに明々白々のこういう運用、これは大失敗であったということをぜひ認めて、今後二度とこういう運用は行わないと明言すべきだと思うんです。ひとつその決意を言ってください。
片山国務大臣 今矢島委員御指摘の件についての経緯は私よく承知しておりませんけれども、しかし、失敗しようと思ってやったことじゃないですね。よくなれと思ってやったんですよ。それは、結果としては、やはり株式だとか経済だとかいうのはこっちの考えどおり動きませんから、結果論なんで、そこはぜひわかっていただきたいと思いますし、今後は公社もできるだけそういうことはしないということを明言されておりますから、ぜひその方針でやっていただきたいと思っております。
矢島委員 失敗しようと思ってやったことじゃないと言うけれども、この運用の仕方というのは基本原則に反しているんですよ。安全確実ということ、それから五年以上、国会の議決に従って運用期間を決める、全部なしにしていきなりぽんとやったものですから、これは失敗しようとしてやったんじゃないというのじゃないんですよ。もちろん、それは失敗しようと思ってやったんじゃないと思いますよ。だから、運用の仕方そのものに問題がある、安全確実、こういう面でも大きな問題があるということをどうしても指摘しておかなきゃならない。
 総務省には、さっき言った、どれだけ損したかというあの額、あれを何とか資料として提出してくれませんか、当委員会に。その部分、わかるでしょう、だって四年六カ月たったんですから。ほかのとも一緒だという話ですが、どうなんですか、資料を出してくださいよ。
野村政府参考人 先ほど御説明させていただいたとおり、一つのファンドの中に追加して資金を入れておりますので、全体としての評価損がどのぐらい出ているか、全体というのは、例えば会社ごとに、ある信託銀行に幾ら行って、それがどのぐらいの運用実績かというのはわかりますけれども、個別のお金が、じゃ、四年六カ月後にどうなっているかということは、先ほど言いましたように、ごったにして、まとめて運用しておりますので、それだけ取り出すことはちょっと把握できないということでございます。
矢島委員 時間が来ちゃったのでこれ以上はあれですが、大体八兆円を超える何かあれがありますよね、先ほどの審議の中で出ましたが。全体としての評価損、その中にこれも含まれているんですよ、このPKO発動によっての損も。ですから、とりわけ重要な問題だからというので指摘したわけで、少し研究してみてください、それについては。いずれにしろ、そういうような運用の仕方は今後しないという方向で、ぜひ公社、頑張ってもらいたい。
 終わります。
遠藤委員長 次に、重野安正君。
重野委員 社会民主党の重野安正です。
 公社が四月にスタートをしたわけでありますが、きょうまでの時間の中、私の感じました幾つかの点について質問したいと思います。
 まず、法改正問題に入る前に、先ほど質問もありましたけれども、職員の研修問題について聞きたいと思います。
 昨年十一月二十一日の本委員会におきまして、私は、特定郵便局長に対し、公務員の倫理観、中立性を高めるための研修を人事院の協力を得て実施する必要がある旨質問をいたしました。当時の事業庁次長から、人事院との連携を図りながらそのような研修を実施していきますという答弁をいただいたわけであります。
 そこで、その後、そういった倫理観や公務員としての中立性を高めるための研修について、どのようになっておるのか、また、実施しているとするならば、それについて、新しくスタートしました郵政公社としてどのように評価しておられるか、まず生田総裁にお伺いいたします。
生田参考人 特定郵便局の数、約一万九千、お客様はそこで公社を評価されるわけですし、そこでほとんど利便性を体験していただくということで、特定郵便局長の研修というのは大変重要であると認識しております。
 特定局長選考試験に合格した者に関しまして、特定局長に任用前に、まず二つの研修をしております。一つは、郵政研修所で、三事業の現状とか特定局長の役割とか、そういった業務上の研修をいたします。次いで、今度は郵便局で、実務研修みたいなものですが、お客様対応とか職員指導のやり方とか窓口の端末機の操作実務などをやるということでありまして、特に部外から登用した場合には、より一層日数をかけて研修をするということにしております。
 人事院との協力関係でありますが、これは事前に十分人事院と打ち合わせて協力をいただいているということで、研修所におきます任用前の訓練において、人事院職員から、公務員倫理については特に詳しく講義をしていただくというのが現状であります。
 評価といたしましては、研修後、アンケートもとるわけですが、受講者から、公務員としての責任を改めて認識しましたというふうな報告とか、また、繰り返し勉強していきたいというふうな感想も寄せられておりまして、特定局長に任用される者の公務員倫理に関します理解、認識が非常に深まっているので、さらにそれを強化していきたい、このように考えております。
重野委員 総裁としての、この研修についての評価される立場が明らかにされたわけでありますが、きょうは人事院総裁にも来ていただきましたけれども、人事院総裁、この研修についてどのような評価をされているか。
中島政府特別補佐人 先生の御指摘がございましてから、郵政当局の方は非常に前向きに受けとめておられるというふうに私たちは見ております。
 具体的には、本年の三月、また本年の六月、それぞれブロック単位で研修会を開催しておられますし、その際、人事院の方に講師を要請されるというようなことで研修を行ってまいりましたけれども、今生田総裁が答弁されましたように、受講者にアンケート調査をしてみますと、九五%以上の方から、非常に有意義だったというようなお答えが返ってきております。したがいまして、この研修に関する限りは、成功しているんじゃないかというふうに私は認めております。
 公務員の政治的行為違反につきましては、いろいろな事例がございますので、そういうものをひとつこの際集計いたしまして、もう少し、実地といいますか、イメージのわく研修ができないかということで、教材の開発にもう少し力を入れて、より有意義な研修ができるように努めてまいりたいというふうに考えています。
重野委員 そういういい傾向というものが出てきておるという話でございますので、そういう方向で、より国民からいろいろな指摘をされないような、そういうものにしていただきたいと要請しておきたいと思います。
 人事院総裁、あれでしたら、もういいですよ。
 次に、預貯金の過誤払い問題についてお伺いいたします。
 盗んだ預金通帳から印影をパソコンで読み取って印鑑を偽造し、預金者に成り済まして預金を引き出す、こういう預貯金過誤払いの被害が相次いでいると聞いております。郵便貯金においてはこのような被害状況があるのかどうか、現状についてお知らせいただきたい。これが第一点であります。
 それから、大手銀行などでは数年前から印鑑を通帳に押すのをやめている、このように聞いております。郵便貯金は公社化に伴って通帳のデザインを新しくしました。しかし、まだ、通帳に印鑑を押す仕組み、つまり副印鑑は残しているわけです。副印鑑を廃止しない理由はなぜか。これが二つ目です。
 この四月から、郵便貯金通帳の印影の上に特殊なシールを張りまして、届け出印の偽造を防ぐ対策に乗り出していると聞いております。十分な効果があるのか、あるいは効果が上がっているという認識を持っておられるかどうか。
 民間金融機関を相手取りまして弁護団が昨年九月から起こした預金返還訴訟の原告は、全国で約百人おられると聞いております。今月の七日に集団訴訟もしたわけで、社会問題となっている。
 郵便貯金の不正引き出しに遭い貯金の返還を求めて郵便局を訴えたケースは今のところない、このように承知をしております。銀行と異なりまして、旧郵便貯金法二十五条と同様の本人確認が約款によって措置されている。この運用の現状及び、今後もこれで過誤払いに対応できる、このように認識されておられるかどうか、この点について見解をお聞きしたいと思います。
斎尾参考人 三点の御質問がございました。
 まず第一点目でございますけれども、郵便貯金の誤払いにつきましては、正当権利者の確認等を行っておりまして、被害の防止に努めているところでございますが、残念ながら誤払いは発生しているというのが現状でございます。
 ちなみに、不法領得の通帳によります誤払いにつきましては、平成十四年度におきましては千三百九十六件、金額にしますと約二十七億八千万円発生しているところでございます。
 私どもといたしましては、今後とも、郵便貯金法の法令等を遵守しまして、郵便貯金の利用者に御迷惑をかけないようにしますとともに、郵便貯金の誤払いが起こらないように努めてまいりたいと思っているところであります。
 これが、現状あるいは現状に対する認識でございます。
 それから、次の、民間金融機関との比較でございますけれども、御指摘がありましたように、民間金融機関の一部では、印鑑照合システムを導入しまして、預金通帳への副印鑑を廃止しているところでございます。これに対しまして、郵便貯金の場合は、店舗数それから口座数が大変多いために、印鑑照合システムを導入する場合には相当の費用がかかります。したがいまして、現在は、その費用対効果を含めて、その導入の可否について検討しているところでございます。
 なお、盗難に遭いました通帳の印鑑をスキャナー等によりまして読み取ることを防止するために、先ほどもお話がありましたけれども、本年の四月以降、印鑑保護シールというものを通帳の印鑑の上から張りまして、盗難通帳による誤払いの防止を図っているところでございます。まだデータは出ておりませんけれども、これによりまして一定の成果は上がるものというふうに考えております。
 それから、三点目でございますけれども、どのような具体的な方法で本人確認等をやっているのかというお話がありましたが、正当権利者の確認につきましては、約款で「正当権利者であることを確認するため、郵便局において公社所定の証明資料の提示を受ける方法により確認を求めることがあります。」と規定しているところでございます。
 具体的にどのような形で正当権利者の確認を行っているかということでありますけれども、例えば請求人が疑わしい場合、具体的には異姓名義の場合等でありますが、こういった場合は、質問をしまして正当な権利者であることを確認しております。また、質問によっても正当な権利者であることが確認できないときは、証明書類、例えば運転免許証とか健康保険証等の証明書類の提示を求めて確認を行っているところでございます。
 郵便貯金の払い戻しにつきましては、ほとんどが正当な権利者ということでありますので、この確認方法をこれ以上厳しくするということは大多数の正当なお客様に大変な御負担をかけることになりますので、これ以上の確認方法については慎重に考えていきたいというふうに考えております。
 なお、盗難通帳による誤払いにつきましては、個別に審査をしまして、郵便局の取り扱いに過失がある場合には原状回復をしているところでございます。
 こういったようなことをきちっとやりながら、お客様に御迷惑をかけないように、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
重野委員 次に、先ほども質問がありましたけれども、アクションプランについてお伺いいたします。
 五月二十一日、生田総裁は、四年間の中期経営目標を確実に達成することを目的にして、当面二年間の具体的な行動計画であるアクションプランを発表しました。これによりますと、公社発足時二十八万人を、今後二年間で一万七千人減らして、二十六万三千人体制に持っていくというものであります。
 そこで聞きますが、大臣認可の中期経営計画とアクションプランとはどのような関係に立つのか、その点であります。これについて総務大臣並びに生田総裁の説明をお願いします。
片山国務大臣 この中期経営目標、中期経営計画、これは法律に基づいていますね。それは、四年間の経営に関する目標、計画としてつくられて、そしてこれは総務大臣認可なんです。三月に認可いたしまして、その結果は国会に報告、こうなっておりますから、報告させていただいております。
 アクションプランは法律に基づくものではありませんで、公社自身の、中期経営目標や計画を実現するための、名前のとおりの行動計画、公社内部の具体的な行動計画、こういう位置づけだと思いますね。目標や計画、法律に基づくものの達成のために当面二年間でこういうことをやる、こういうことでございまして、私は大変結構なことだと。四年というのはちょっと長いですからね。二年ぐらいの具体的な行動計画をつくっていただくのはまことに結構ではないか、こういうふうに思っております。
生田参考人 今、片山大臣から極めて明快、正確にお答えいただいたので加えることはないわけでございますが、我々が最も尊重し、達成すべきものは、中期経営計画、四年の計画であります。
 これを確実に達成していくためには、まず、計画、改革をしていきましても、同時進行ではすぐ効果が出ないものですから、できるだけ改革というものは前倒ししながら、そうすると一、二年おくれて効果が出るということで、中期経営計画を確実に達成するために、四年を二期に割りまして、フェーズ1でできるだけ改革を先に進めておく、こういう内容を持つものでございまして、公社内部の各事業部ごとの、あるいは管理部門も含めまして、行動計画、行動指針を出したということであります。これを達成していくことによりまして初めて中期経営計画が四年後に達成できる、こういう性格と御理解いただければいいかと思います。
重野委員 確かに、大臣認可の中期経営計画のもとで、その中期経営計画達成のために、経済動向あるいは事業環境を踏まえた公社内部の行動計画をつくって、またそれを随時見直していく、これは事業体のプランとしてあり得ることだろうと思います。しかし、これだけの職員削減を図るとなれば、当然、当該労働組合の合意も得る必要があるだろう。また、実際これだけの人員削減をするとなりますれば、当然、いうところのユニバーサルサービスに影響を与えるはずであります。
 合理化による収益の確保とユニバーサルサービスの維持とはどういうふうに両立するんだろう、こういうふうな思いを持つわけですが、総裁、どのようにお答えしますか。
生田参考人 まず、ユニバーサルサービスは、これは公社法でも決まっているわけでありますし、実際上、地方を自分で回ってみて、いかに重要かということは体験しておりますので、これは確実に維持してまいります。それと収益性の改善、一見両立しないように見えるかもわかりませんが、これを両立させていくのが公社の使命である、こういうふうに考えております。
 経営の健全性とその公益性を、公共性を維持するためにも、アクションプランを推進いたしまして生産性を向上させていく、さらに、二万四千を超える郵便局を負の資産と考えるのではなくて、一遍頭を切りかえてみて、これは多分潜在的に大変貴重な営業資産だろうという認識に立ちまして、できるだけそれを有効に活用していくというふうなことも考えまして損益の改善に資していく、こういう感じでおります。
 それから、要員の削減でありますが、これはいわゆる首切りとかそういうものではないわけでございまして、自然減とそれから採用等を調整いたしまして極力穏やかにやっていくということにしておりますし、組合との協議というのは極めて重要であるというふうに思っておりますので、労使の協議会を設立することを提案いたしまして、もちろん、経営は経営としての決定はすべてしていくわけでありますが、その寸前まで、極力意見の交換をして、すり合わせをし、理解を深めていく、こういう手法をとるつもりでおります。
 また、組合も、今こそ改革しないとこれは大変になるという認識と、それから、とにかく健全でよい公社をつくっていこう、そのためには、ある程度短い時間、二年ぐらいで凝縮して改革していこうということにつきましては、大枠においては理解をしてくれておりますので、今後ともよく話し合いながら、相互理解のもとに取り進めるつもりでおります。
重野委員 ぜひ、そういう基本的な考え方を大事にしながら、労働組合はまさに経営のパートナーであるし、その辺をしっかりした目線でとらえていただきたい、このことを要望しておきます。
 次に、株価対策についてお伺いいたします。
 例えば、郵便貯金や簡易保険資金を使って百兆円くらい株式を買ったらいいんだというふうな話が飛んだり、総務大臣は、すぐやれる事柄として、銀行等保有株式取得機構向けの郵貯・簡保資金の活用を挙げるなど、低迷する株式相場のてこ入れに与党や政府内部から郵貯・簡保資金の株式運用拡大を求める声がある。しかし、公社は、政治や所管省から距離を置いた、自律性、柔軟性に富んだ経営を目指す、このように言われてきました。
 そういう立場に立てば、今いうところのそういう要請というものは、これは結果的に郵政公社の設立目的をゆがめるもの、こういうふうになるのではないか、このように思うんですが、これに対して、ひとつ副大臣、見解を出してください。
加藤副大臣 委員御指摘のとおり、株価対策の論議の中で、郵貯とか簡保の資金の活用ということが議論されておりますが、先ほど大臣や総裁の方からも答弁がありましたけれども、郵貯、簡保の資金の運用については、法令及び公社が作成し総務大臣が認可した運用計画等に基づいて、公社みずからの経営判断で行うべきだというふうに考えております。
 そして、今委員御指摘のとおり、公社化の目的の一つの、公社の自律的かつ弾力的な経営を可能とするということを忘れてはいけないと考えております。
重野委員 そういうことで、ひとつしっかりやっていただきたいなと思います。
 次に、時間も迫っていますから進みますけれども、株式運用の問題についてちょっと聞きます。
 二〇〇六年度までの中期経営計画におきまして、株式の運用比率は、郵貯が資産の二%、同じく簡保は六%が上限とされております。昨年九月末時点で、郵貯は二兆四千六百十九億円、全資産の一%、簡保が四兆八千九百八億円で四%にとどまっている。
 この郵貯の株式運用については、中期経営計画が、元本、利子を確実に支払う必要から、「安全・確実性を重視する。」このように規定しているわけでありまして、株式運用はあくまでも補完的な運用、このように位置づけられております。総裁も株式運用をふやす気はないと言っているようでありますが、いたずらな運用は厳に慎まなければならない。
 その判断、あくまでも公社の自主性によるべき、このように考えるんですが、重複して恐縮ですが、総裁の見解、もう一度お聞かせください。
生田参考人 先ほど加藤副大臣がお話しになりましたように、郵貯、簡保の資金運用は、公社法及びこれに基づく中期経営計画、年度経営計画などによりまして、公社総裁の責任において確実、有利に実施するというふうになっておりまして、私は、そのように正確に認識しております。資金運用に関する中期運用計画につきましては総務大臣の承認を必要といたしますけれども、年度運用計画など具体的な運用の内容につきましては公社が自主的に判断してまいります。
 あくまでも、原則は安全確実、なおかつできるだけ有利にということでございまして、先ほど二%、六%のお話がございましたけれども、これは、株価が上がってくればすぐ頭を打ってくる可能性がある。今値段が下がっているから少し余裕があるんですけれども、その辺も十分勘案しながら、できるだけリスクは小さく抑えておくということで、今後とも慎重に運用を考えていきたいと思っております。
重野委員 そこで、具体的にお伺いしますが、先ほども質問がありまして、重複しますけれども、株価が上がったり下がったりするわけで、その影響を受けるわけですけれども、郵便貯金、簡易保険資金のうち、信託銀行に委託して株式運用などを行ういわゆる指定単、この含み損はどのような状況にあるのかということを再度聞きます。
 それから、郵便貯金、簡易保険資金による株式運用拡大については、個人の少額の金が集まった資金であり、損失覚悟で証券市場の下支えをするなんということは、これはやっちゃならぬことだ、このように考えますが、この二つについて、局長、答えてください。
野村政府参考人 お答えいたします。
 指定単の含み損の関係でございますけれども、平成十四年九月末現在でございますけれども、郵便貯金の指定単の運用で二兆一千五百二十四億円、簡保の指定単運用で五兆四千百七十七億円、合計で七兆五千七百一億円の評価損が発生しているところでございます。
 それから、二つ目の御質問の件でございますけれども、先ほどから何回も出ておる話でございますけれども、郵貯、簡保の資金といいますのは、預金者、加入者から預かった小口の、個人のいわばセーフティーネットのお金だということでございますので、預金者、加入者の利益になるために安全確実に運用されることが必要だというふうに考えておるところでございます。
重野委員 もう時間もなくなりましたので、通告していた内容をちょっと飛ばしまして、最後になりますけれども、最後の通告にしておったんですが、いわゆる郵便局職員の人事の基本的な考え方の問題です。
 私は九州は大分県、もう大変田舎でありまして、郵便局並びに郵便局員に対する県民の信頼と期待というのは非常に大きい。それはなぜかというと、それこそ雨の日も風の日も間違いなく郵便物を送り届けてくれる。そのついでに、過疎地域ですからお年寄りが多く、そういう方々の話し相手になったりと、そういう不断の努力が、私の地域における郵便局に対する信頼になっておるわけですね。
 ところが、このごろ、行ってみたら、あら、何々さんはどこに行きましたかと聞くと、異動でどこか遠方に行っておるんですね。新しい人が来ても、その地域の地理を頭に入れるのに半年ぐらいかかるというんですね。
 公社になって、経営ということを重視しているところにしては、そんな人事というものはやはり余りよくない。もっとやはり、そういう実態に照らして、本当に公社設立の本旨に立ち返ったときには、どうあるべきかというのは、やはりいま一度考える必要があるんじゃないか、僕はそういう気がしてならないんです。
 機械的な人事というのは郵政公社には許されないと僕は思うんですね。やはり、そういう実態、現状というものに照らして、あるいは地域住民の期待というものも含めて、どうあるべきなのかという、そういう根本的な人事政策というのを考える必要があるんじゃないかと僕は思うんですが、これについて、総裁。
生田参考人 郵便局職員の人事異動というのは、お客様に最も適した対応ができるようないいチームを組んでいくという点が大変重要だと思います。それとあわせて、複数の職場を経験していくというようなことも重要ですし、職員の能力開発、キャリア形成というふうなことも重要だと思います。
 私もよく話を聞いてみたんですが、過去に非常に労使関係なんかの厳しい時代もあって、そのときに、地域ごとに若干濃淡はあるんですけれども、人事の停滞が見られた時期もあったようでございます。近年といいますか、この二、三年、そういった労使関係というのは非常にいい労使関係になっておりますので、職場の活性化の観点から、郵便局間の人事異動というものを、そういう停滞したところもできるだけ活性化するために、積極的に推進してきた経緯があったというふうに私は今理解しております。
 現在は、今申し上げましたように、非常にいい労使関係で、いわば公社をよくするためのパートナーという位置づけで一緒にやっているわけでございますから、今後、国民といいますか、全国の皆様に支持されるサービスを提供していくためには、今まで以上に我々は、お客様の視点に立って、人事も含めて経営全般に取り組む、こういうつもりでおりまして、人事異動に際しましても、適材適所を基本としながら、本人の教育も勘案しながら、地域やお客様との関係を十分留意してやっていきたい。
 それから、郵便局と直接関係はないかもわかりませんが、本社等の人事異動というものも、一年や半年でくるくるかわるんではなくて、やはり事業に真剣に取り組んでいくということで、事業型の人事異動に切りかえていきたい、かように考えております。
重野委員 以上で終わります。
遠藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
遠藤委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。春名直章君。
春名委員 私は、日本共産党を代表して、日本郵政公社法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。
 本法案は、日本郵政公社の郵便貯金資金等の運用方法にコール資金の貸し付けと投資顧問業者との投資一任契約の締結による信託会社への信託をつけ加えるものであります。
 反対の理由は、現在膨大な損失を出している株式運用の仕組みを前提にして、その運用方法を拡大するものだからであります。
 郵貯・簡保資金による株式運用は、昨年九月末で七兆六千億円の含み損を抱えており、ことし三月末にはそれがさらに拡大し、日本郵政公社全体を債務超過状態に陥れかねない事態であります。にもかかわらず、こうした運用実績に関する明確な総括がなされておりません。
 しかも、質問で明らかになったように、運用の失敗を加速させたPKO運用に関しても反省がありません。ことし四月に発足した日本郵政公社は、これまであった国会の予決算による縛りさえなくなっており、これまでの総括、反省なしに、これだけの損失を生んでいる株式運用の運用方法の拡大を認めるわけにはいきません。
 また、コール市場は、日銀による超金融緩和のもとで縮小を続けており、資金運用先として魅力がなくなっているだけでなく、短期金融市場としても十分に機能しなくなっており、郵貯・簡保資金の出番がないのも明らかです。
 改めて、郵貯・簡保資金の安全確実な運用を求めまして、反対討論を終わります。(拍手)
遠藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
遠藤委員長 これより採決に入ります。
 日本郵政公社法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
遠藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十分散会


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