衆議院

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第19号 平成16年5月25日(火曜日)

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平成十六年五月二十五日(火曜日)

    午前九時三十二分開議

 出席委員

   委員長 佐田玄一郎君

   理事 左藤  章君 理事 佐藤  勉君

   理事 滝   実君 理事 野田 聖子君

   理事 伊藤 忠治君 理事 松崎 公昭君

   理事 松野 頼久君 理事 桝屋 敬悟君

      石田 真敏君    今井  宏君

      岩崎 忠夫君    江崎 鐵磨君

      岡本 芳郎君    奥野 信亮君

      小西  理君    菅原 一秀君

      鈴木 恒夫君    田中 英夫君

      谷  公一君    谷本 龍哉君

      中西 一善君    西田  猛君

      萩生田光一君    松本  純君

      三ッ林隆志君    三ッ矢憲生君

      山下 貴史君    赤松 広隆君

      泉  健太君    稲見 哲男君

      大出  彰君    黄川田 徹君

      須藤  浩君    園田 康博君

      田嶋  要君    高井 美穂君

      寺田  学君    中村 哲治君

      西村智奈美君    村越 祐民君

      山花 郁夫君    若泉 征三君

      河合 正智君    長沢 広明君

      塩川 鉄也君    吉井 英勝君

      横光 克彦君

    …………………………………

   総務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣政務官      小西  理君

   総務大臣政務官      松本  純君

   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君

   政府参考人

   (消防庁長官)      林  省吾君

   政府参考人

   (消防庁次長)      東尾  正君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 石毛 博行君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        細野 哲弘君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   南川 秀樹君

   総務委員会専門員     石田 俊彦君



    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十四日

 辞任         補欠選任

  川端 達夫君     赤松 広隆君

同月二十五日

 辞任         補欠選任

  今井  宏君     江崎 鐵磨君

  奥野 信亮君     菅原 一秀君

  亀井 久興君     鈴木 恒夫君

  自見庄三郎君     石田 真敏君

  谷  公一君     中西 一善君

  谷本 龍哉君     三ッ林隆志君

  稲見 哲男君     泉  健太君

  田嶋  要君     園田 康博君

  寺田  学君     村越 祐民君

  塩川 鉄也君     吉井 英勝君

同日

 辞任         補欠選任

  石田 真敏君     自見庄三郎君

  江崎 鐵磨君     今井  宏君

  菅原 一秀君     奥野 信亮君

  鈴木 恒夫君     亀井 久興君

  中西 一善君     谷  公一君

  三ッ林隆志君     谷本 龍哉君

  泉  健太君     稲見 哲男君

  園田 康博君     田嶋  要君

  村越 祐民君     寺田  学君

  吉井 英勝君     塩川 鉄也君

    ―――――――――――――

五月二十四日

 地方公務員法及び地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一二三号)(参議院送付)

 行政機関の職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一二四号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。



    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二二号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

佐田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治財政局長瀧野欣彌君、消防庁長官林省吾君、次長東尾正君、資源エネルギー庁次長石毛博行君、資源・燃料部長細野哲弘君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長南川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

佐田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三ッ矢憲生君。

三ッ矢委員 おはようございます。自由民主党の三ッ矢憲生でございます。

 きょうは、消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律案について質問させていただくわけでございますが、私がきょう質問させていただくことになったのは、私が実は三重県の出身だからということです。御承知のとおり、昨年の八月にRDF発電所で爆発事故がございまして、消防職員の方二名が殉職され、ほかに五名の方が負傷されるという惨事がございました。こういうことで、恐らく、この事故も今回の改正のきっかけといいますか引き金になったのではないかということで、私が質問させていただくということになったわけでございます。

 去年は、今申し上げましたRDF発電所の事故、それからまた引き続きまして九月にはブリヂストンの栃木工場、それから出光興産の北海道製油所のタンク火災と、相次いで発生いたしました。こうした事故というのは、不思議なもので連鎖反応のように連続して起きる傾向があるようでございます。また、これはいたし方ない面もあるのかと思いますが、そのたびに所管官庁が慌てて対策を考えるというのがお決まりのパターンになっておるわけでございます。

 それはともかくといたしまして、まず大臣に、総務大臣というのは、地方分権やら地方財政の問題あるいは公務員制度の問題あるいは情報通信や郵政の問題まで非常に幅広く、ほとんど何の脈絡もなくたくさんの問題を所管されていて、なかなか並の人間では務まらないなというふうに私感じさせていただいているところでございますが、きょうは、これらの企業災害にかかわる事故原因の究明と再発防止に関する対策につきまして、消防防災を所管するお立場から、その原因究明あるいは再発防止に関する対策につきましての御見解をまずお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 今、三ッ矢議員御指摘のように、昨年は企業によります大災害、大火災というのが幾つか起きました。何日間にもわたって燃え続けるというような、栃木、苫小牧、いずれも大きな災害が起きております。

 これに関しましては、いろいろな理由が考えられるとは思いますけれども、企業において、保安とか安全とかいうものは、なかなかすぐには目に見えぬものですから。三ッ矢先生は何年生まれですか。昭和二十五年。じゃもう生まれているな。昭和三十八年、三井三池の大災害というのがあったんです。これは、昭和三十八年、六〇年安保の真っ最中、多分最大の事故だと思いますが、このときにもやはり保安関係の第一組合、第二組合との間の連絡が悪く、ガスがたまっているにもかかわらず、そのまま交代要員に教えず、結果として最大の災害を引き起こしたという事故がありました。

 保安とか安全というものは、これは最も生産につながらぬものですから、支出を伴うけれども収入を伴わないものですから、すぐ企業としては手を抜く魅力に駆られるところなんです。

 例えば、燃えやすい、爆発しやすいというようなものを扱っている工場、扱っている会社においては、やはりトップの意識としては、そこらのところに関してはきちんと対応する、人を配置する、金をかけるというようなことはやっておかねばならぬ大事な経営者としての姿勢の問題であろうと思います。

 そういった意味では、アウトソーシングをどんどんしていく中にあって、こういったものに関してはきちんとした対応を心がけるという姿勢は、最も大事なところであろうと思っております。

 またあわせて、従来と違って、こういった化学薬品が複合的に生み出す大火災というのは、従来の、水をかければ鎮火する、消火するというようなものと違って、新しい機材、泡を放射するとか、いろいろそういったものが必要になってきていることは確かだと思いますので、そういったものに関しましては、今後、新しい機材を導入する、またそういったようなものを準備する等々、緊急消防援助隊等々、今法律を通していただいていろいろやりつつあるところでありますけれども、こういった広域災害等に対しては、きちんと対応できる体制と、両方やらねばならぬものだと思っております。

 地震の多い国でもあり、いろいろな災害ということが複合的に生み出す火災等々につながっていきやすい土壌でもありますので、私どもは最大限の努力をしていかねばならぬものだと思っております。

三ッ矢委員 大臣御自身も会社経営に携わっておられて、御自分の経験からのお言葉だというふうに思います。

 企業災害、特に大規模な事業所におきましては、一たび事故が発生しますと、その企業だけではなくて、場合によってはその周囲も巻き込んだ大災害に発展するおそれもあるわけでございまして、徹底した事故原因の究明、それから再発の防止について万全の措置を講じていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。

 それでは次に、RDFの問題に関連してお尋ねしたいと思います。

 まず、現在日本にあるRDFの施設の数とそれらの施設におけるこれまでの事故の発生状況について教えていただきたいと思います。

林政府参考人 お答えを申し上げます。

 RDFについてでありますが、これは導入段階におきまして蓄熱発火の危険性はないという認識で事業化が進められてきたこともございまして、平成に入りましてからRDFの発電施設の建設が各地で進められてきております。私どもの実態調査の結果では、平成十五年十月に行いました調査によりますと、RDFの関係施設は三十六道府県におきまして百二十六施設が稼働している、こういうことになっております。

 これらの施設におきましては、先ほどお触れになりました三重県のごみ固形燃料発電所における爆発事故はございましたが、このような大事故はほかでは起きておりません。小規模なRDF関係施設におきましては小規模火災が九件ほど発生しているという報告がございますが、そのほかには異常発熱事例が数件報告されているにとどまっております。

三ッ矢委員 廃棄物の処理に関しましては、RDFの、特に発電を利用するということで一時脚光を浴びたわけでございますが、私は、廃棄物の処理に関しましては、まず、ごみを出さないといいますかごみを減らす、リデュースするというのが一番だと思っておるわけでございます。

 燃料として利用しようとしますと、継続的にある程度の量が確保されないといけない、あるいは施設運営の経済的な観点からは、逆にごみの量がふえてこないといけないというような、本来の意図と矛盾したような状況を招くことになってしまいかねないというふうに思っておるわけでございます。

 ここは環境委員会ではございませんので、この点についてはこれ以上申し上げませんが、今お伺いしたところでは、RDF関係の施設の数、全国で百二十六ということでかなりの数に上っておりますし、ごみ処理に悩む自治体が、安全対策が不十分なままに、ごみ処理と発電といういわば一石二鳥の特効薬みたいな形で飛びついたのが実態ではないかというふうに想像もしておるわけでございます。これまで、三重県の事故以外に大きな事故がなかったようでございますので不幸中の幸いということなのかもしれません。

 次に、RDF施設の安全対策がどうなっているのか、またあわせて、今後、市町村が火災予防条例を作成していく上での消防庁の対応についてお聞かせいただきたいと思います。

林政府参考人 昨年八月の三重県のごみ固形燃料発電所の事故を受けまして、私ども消防庁の中で、早速、ごみ固形化燃料等関係施設の安全対策調査検討会を設置いたしまして、安全対策の検討を行っております。

 この検討会におきましては、RDFの発電所の安全対策を講ずる上で必要な事項が幾つか提言されているわけであります。

 幾つか申し上げますと、例えば、水分量を一〇%以下に抑えるとか、発酵を防止するために大量集積を制限する必要があるとか、あるいは、発熱が避けられませんが、温度測定装置によりまして適正温度を監視する必要があるとか、発熱が起こりました場合におきましては散水冷却対策を行っておく必要があるとか、長期保管を回避する必要があるとか等々の提言がなされております。

 このため、私どもといたしましては、その提言の内容をすぐ関係団体に連絡をいたしまして、今後の安全対策に遺憾のないようお願いをいたしたところでありますが、お願いいたしております今回の法律改正におきましても、RDFを指定可燃物に指定することとしたい、そして、早期に市町村の条例改正を行いまして、今申し上げましたような検討委員会からの提言を受けた安全対策が講じられるようお願いをしたいと思っているわけであります。

 ただ、本法案の御審議を今いただいておりますけれども、先ほど申し上げましたように、既に既存施設が稼働いたしております。早速安全対策の徹底をお願いいたしておりますけれども、本法案が成立いたしました後におきましても、条例が改正されるまでの間の安全対策につきましても地方団体によく周知をお願いしてまいりたい、こう考えております。

三ッ矢委員 地方分権、地域主権の全盛の時代ではございますけれども、こうした保安対策あるいは防災対策については、一市町村でゼロから対応するというのは正直申し上げてなかなか難しいんじゃないかというふうに思っておるところでございまして、ぜひ消防庁の方でしっかりした指針なりをおつくりいただいて、今後、三重県の事故のようなことが二度と生じないように万全を期していただくようお願いを申し上げておきたいと思います。

 次に、ちょっと話がかわりますが、今回の石油コンビナート等災害防止法の一部改正では、事業者に対して新たな防災資機材等の配備の義務づけを課すことになっております。事業者にとってはこれは新たな負担になるわけでございまして、制度面では広域的な共同配備を認めるなど一定の配慮がなされているというふうに考えておりますけれども、企業の負担の軽減という面で、産業政策を所管する立場にございます経済産業省の御見解、何か軽減策があるのかどうか、お伺いしたいと思います。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 今般の石油コンビナート等災害防止法の改正によりまして設置が義務づけられます大容量の泡放射機につきましては、石油タンクの全面火災というようなものを鎮火するあるいは消火するということに大変威力のある資機材であるということで、消防審議会においてもその必要性が答申をされているところでございまして、当省としても事業の安全確保ということが第一に重要であるというふうに考えております。

 エネルギー政策基本法というのが一昨年成立をいたしまして、これに基づきますエネルギー基本計画というのが定められましたけれども、この中でも安全の確保というのが非常に重要だということが強調されておるところでございます。

 他方、石油の製品を国内に安定的に供給するという役割を担っております石油産業がそのために健全な経営基盤を有するということは、エネルギー政策上も極めて重要な課題でございます。

 したがいまして、当省としましては、安全確保という観点だけから直接に支援措置を講ずる、あるいは他の設備との関係もございましてこの設備だけに限って支援するということはやや難しい面がございますが、産業政策として行います石油産業の合理化支援あるいは技術開発に対する支援等によりまして、石油産業の経営基盤を全体として強化をするということは引き続き講じてまいる所存でございます。

 また、今般設置が義務づけられております大容量の泡放射砲に関しまして、その設備方法として想定されております広域共同防災区域につきましては、御案内のように政令で定めることになっておりまして、最も合理的かつ効果的な配備が可能となるように関係省庁と御協議をしてまいる所存でございます。

 さらに、石災法によって既に設置が義務づけられております消防車等の資機材につきましては、安全確保をしつつも、より事業者の選択の自由度が増す方向での規制緩和が実施されることが予定されておりまして、当省としても、事業者負担の軽減という観点から、こうした措置が今後結実するように、関係省庁と緊密に連絡をし相談してまいる所存でございます。

三ッ矢委員 保安対策というのは一義的には事業者の責任ということだとは思いますが、今の経済情勢を考えると、事業者も経営上なかなか大変な面もございますので、ソフト面を中心にして、経済産業省の方でもぜひ消防庁と十分協議をしながら対策を講じていっていただきたいというふうに思う所存でございます。

 次に、今回の改正のもう一つの柱でございます住宅火災の件について伺いたいと思います。

 新聞などで住宅火災について報道されていることが多いように思えるわけでございますが、実際にも住宅火災による死者数がふえているというふうに聞いております。特に、高齢化が進んでまいりまして、お年寄りの方の犠牲がふえてきているのではないかというふうに思うわけでございます。

 今回、消防法の改正をして住宅防火対策について充実を図るということになっておりますが、その背景となった住宅火災による死者数、さらに高齢者の死者数の状況などについてお教えいただきたいと思います。

小西大臣政務官 お答え申し上げます。

 住宅火災による死者数、平成十五年で千七十名、前年に比べ七十八名の増加となっております。その前年におきましても対前年比六十九名増ということで、近年急増の傾向にあります。

 また、平成十五年では死者のうちの五七%が高齢者でありまして、今後、高齢化の進展に伴いましてさらに増加することが懸念されているところであります。

 また、住宅につきましては、従来より消防法の規制がありますホテル、旅館等におきましては、昭和四十年代に比べて五分の一とか十分の一というふうに死者数が減少しておるところでありますけれども、住宅につきましては、百件当たり、依然として、自殺者を除きまして五人を超える水準でありまして、高い水準が続いておる、こういう状況でございます。

 こういう社会情勢を踏まえ、今回、私どもとしましては、住宅火災についても法制化が必要である、このような判断をさせていただいたところでございます。

三ッ矢委員 高齢者、高齢化が日本の社会はますます進んでいくわけでございますが、どうも火災の際の逃げおくれによる犠牲がふえてきているということでございます。

 今回、この消防法の改正によりまして住宅用の火災警報器等の設置を義務づけようということにされておるようでございますが、これは実は余り国民に知られていないのではないかというふうに思うわけでございます。住宅用の火災警報器の設置について、住民の方々がこの必要性を認識して、しかも迅速に普及させないといかぬということだと思いますが、その点についてどのように考えておられるのか。

 それから、設置を義務づけるということになりますとコストもそれなりにかかるわけでございまして、そのコストの軽減策等についてもあわせてお答えいただければと思います。

林政府参考人 先ほど来お答えを申し上げておりますように、住宅火災による死者数が急増しておる、それから、特に高齢者の方々の死者がふえているというようなことを踏まえて、今回、火災警報器の設置を義務づけるための法律改正をお願いいたしているところであります。

 特に、死者の約七割が逃げおくれによるものであるという実態が出ております。私ども、このような実態を踏まえて、審議会であるとかいろいろな集まりで各界から御意見をいただいているところでありますけれども、火災警報器の設置の有無によりまして死者発生率の抑制効果が国内でも三・四倍程度となっているとか、あるいは、米国におきましては、火災警報器の設置を義務づけましたことによりまして死者数が半分程度に低減しているとか、こういうような効果も検証されているところであります。

 また、私ども、世論調査を行いまして、死者の防止につきまして、住宅用火災警報器等の設置についての御意見を伺ったところ、お答えをいただきました方の約七割がやはり義務化に賛成である、こういうような皆様方の御意見もあることを踏まえて、今回、火災警報器の設置が効果的であり必要である、こういう判断をして、お願いをしようとすることにしたものであります。

 しかしながら、御指摘いただきましたように、我が国ではまだ、火災警報器の効果であるとか設置の必要性であるとか、あるいはどういうものであるとかという点について、国民の皆様方に十分御存じいただいていない点もございますので、私ども、この法案の御審議をいただき、成立させていただきました暁には、できるだけいろいろな広報媒体を使いまして、その効果、必要性等々につきまして御理解をいただきながら、その普及の促進に努めていかなければならないと思っております。

 具体的には、法律を通していただきましたら、施行には二年の猶予を持っておりますけれども、新築の住宅につきましては、メーカー等の御協力をいただきながらすぐに普及をする必要があると考えております。

 また、既存の住宅につきましては、負担感もありますし、いろいろと御理解をいただく必要もありますので、いろいろな広報、周知に努めることといたしておりますけれども、特に、地域におきまして、消防団の皆さんとかあるいは婦人防火クラブの方とか、自主防災組織の皆さん方とか、そういう方々が連携してこの警報器の必要性、それによる火災による死者数の低減に対していろいろな活動をしていただくことを期待もいたしているところでございます。

三ッ矢委員 時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきますが、ぜひ実効の上がるような対策をおとりいただきますようにお願い申し上げたいと思います。

 どうもありがとうございました。

佐田委員長 次に、伊藤忠治君。

伊藤(忠)委員 民主党の伊藤忠治でございます。

 私にいただきました時間は四十分でございますが、RDF問題に絞って質問をさせていただきますので、お答えによっては時間が早く終わる可能性が十分ございます。余った時間は同僚議員の大出さんとか松野さんに有効に使っていただきたい、私はこう思っておるんです。

 一点に絞って質問させていただきます。なぜかといいますと、昨年の三重県のRDFの爆発事故、火災事故は起こっているんですが、爆発に至ったというような事故は初めてのケースだと聞いておりまして、私も同県人としまして、道義的な、悪いことしたな、迷惑かけたなという気持ちが非常に強くございまして、こういう大規模な事故は二度と起こしちゃいかぬ、こういう気持ちが強うございます。その気持ちの発露として、今回の法改正の中はRDFだけじゃございませんが、有効に時間を使わせていただいて、RDF問題に集中して質問させていただきたいと思っています。

 RDFシステムというのは、これは環境省が特に力を入れられて、循環型社会をどうつくるか。ごみゼロなんですな。ごみゼロ社会の実現と一口に言うんですが、ごみ戦争というのは、先生方、どの地域でも、それこそ毎日ごみ戦争が起こっているわけです。

 三重県の場合は特に、岐阜、愛知と隣接県でございますが、近畿からだあっと産業廃棄物がダンプカーで送り込まれてくる。それで、おれのところへ捨てられたら困るから、それを、警察の協力もいただいて県の職員、自治体の職員が一緒になって追い返す。追っ払うわけです。逃げていくのはどこに逃げていくかというと岐阜に逃げていくとか、それぞれ大変な、地域紛争に巻き込むようなごみ戦争が起こっているんです。

 これは産業廃棄物のレベルなんでしょうが、家庭のごみも毎日毎日、それをどう処理するかというのは日本列島全体の頭の痛い問題だと思っています。

 そういう意味で、これは関係省庁が一体になってやられているわけですが、まさしく中央政府やあるいは地方自治体が日夜懸命に取り組んでいる、住民ももちろん、ごみの分別から始まって、それこそアップデートに頑張っている問題じゃないか、こう思っているわけで、我々政治家としても、積極的な姿勢でこの問題の基本的な解決、絶滅に向けて頑張っていく必要があるだろう、こう思っております。

 一番大きな問題として私たちの脳裏を去らないのは、香川県の豊島、これは失政と言えると思うんですが、地方自治体、特に県議会のあり方を含めまして、当時は大変な問題になりました。中坊さんが現地に入られて、地域住民と頑張って、十年戦争、十五年戦争で、やっと今日まで持ってきたんですが、当時、橋本政権のときに、私、予算委員会で、テレビつきの一時間でその問題を取り上げました。

 橋本総理だって言われましたよ。これは本当に日本にとって恥だと。それぐらい大きな問題なんです。八十万トン、豊島に積み上げられて、もうなすすべがなかったわけですね。積み上がったごみをどう処理するか。十年ぐらいかかって今ほかで焼却しているじゃないですか。大変な金をつぎ込んだわけです。初期の問題できちっと手当てをしておけばああいう大きな問題にならずに済んだわけで、大変地元の島民や関係者に迷惑をかけた問題なんですね。

 ですから、あれが一つの大きな日本の、我が国の反省点の原点ではないのか、私はこんなふうに思っているわけでございます。そういうところから始まってRDFシステムが開発をされた。これは非常に、現時点でのごみ処理方式としては、ベストと言うのは難しいわけですが、また新しいシステムが開発されるんでしょうが、現在考えられるところではこれはベターではないのか、こんなふうに評価をされているのではないのかなと思っているわけです。

 したがいまして、全国に広がっているこのRDF発電システムも、施設数で数えますと、整備中を含めまして全国で三十カ所、RDF化施設が五十八カ所、かなり広がっております。ネットワークを張っておりまして、RDFを搬送する、そのことによってこのシステムに参加をしておる。ネットワークと一口に言わせていただきますが、これが広がりまして、百六十市町村にまで広がっているわけです。

 ですから、従来の生ごみを直接焼却する方法から考えますと、RDF化しまして、その火力熱で発電をして電力を得る。焼却灰は、さらにこれを完結させるという意味で、セメントのキルンとして使うというのが三重県で採用しましたことでございます。

 滋賀の場合もそういうふうなシステムをしておりますから、あとこの灰をどこへ運ぶかといいますと、わざわざ滋賀県から山口まで運んでいるというようなことだってあるわけで、つまり、可能最大限現在のリサイクルを応用したリサイクル処理システムとしては評価することができるんではないのか。

 なぜこれが大都会でできないのかとなりますと、大都会は一日の処理トン数が非常に大量になるものですから、だから生ごみ処理でやっていけるわけですが、地方の場合にはそんなに一時に大量のごみは集まりませんから、どうしたってRDFでもって、運び込んで、一定の期間貯蔵して、それで発電をやってということにならざるを得ない、こんなふうに専門家から聞かせていただいているわけです。

 現在の我が国における中小都市、地方自治体のごみ処理のシステムとしてはベターなシステムである、このシステムはそのように評価をされておりますから、事故はあったものの、これからもこの施設は拡大をさせていくべきではないのか。それだけに今回の事故の総括、つまり、いい点、悪い点、反省点を生かして万全の体制をとっていきたい、こんなふうに私自身も考えているわけでございます。そのようにこのシステムが評価できるのかどうか、私たちはそのように評価したいと思っているんです。

 これは環境省の役割になると思いますが、環境政策を出されております環境省としては、そういう基本的な立場に立たれるのかどうか、この点をまずお聞きしたいと思っております。

南川政府参考人 お答えいたします。

 廃棄物処理につきましては、再使用あるいは再生利用、そういったことが困難な廃棄物につきましては、できる限り熱回収を行った上で処分することが望ましいと考えております。

 このため、ごみの直接焼却による効率的な熱回収が困難な市町村、東京のように大量の生活ごみを一気に集めて燃やせる、そういうところを除きまして、比較的地方の市町村におきましては、ごみ固形燃料化ということは今後とも有力なごみ処理方法の一つだというふうに考えております。

伊藤(忠)委員 積極的に評価するというような表現はないんですが、とにかく広がっていくだろうということなんです。

 結局、この反省を生かして、このシステムの安全管理体制が強化をされて、これから信頼度が高まるにつれて、このシステムというのは、現在の設置されているところからさらに、必ずどのシステムをつくるか市町村は決めなきゃいけませんから、そのときにはRDFを採用される市町村がふえていくと考えられるのか、減っていくと考えられるのか。私はふえていくだろう、こう思っているんですが、その点はどうですか、傾向として。

南川政府参考人 どういう処理をするか、RDFを入れるかどうかということは市町村の判断でございますけれども、私ども既に計画しております二自治体につきましては、予定どおりこの建設工事に着手し、施設整備を進めるということで聞いておりまして、特に問題があって計画がとまったということは承知しておりませんし、引き続き相談があればぜひ支援をしていきたいと考えております。

伊藤(忠)委員 お役所の答弁ですから、どっちでもとれるような言い方にどうしてもなるんですが。

 とにかくRDF化をして、あと完結する方法は、最後はいろいろあるじゃないですか。メニューとしてあると思うんですが、この方法を採用する自治体が今後も減るんではなくて、ふえる方向に行くでしょうと私は判断をするんですが、いやいや、そうじゃない、ここでとまってしまうのか、いや、減っていくのか。

 そんなことにはならぬでしょう。でないと自治体は、これまでどおりの処理だったら、財政的には効率的にいくかわからない、経費はそうかからないかわからないけれども、同じようなことはできないでしょう。ダイオキシン規制というのはきちっとかかっているわけですから。これを一層強化せよというのがおたくの方針なんですからね。その方針を実現しようと思えば、これにかなうようなシステムを導入していくというのは当然考えられることでしょう。

 また、そのことは政策なりいろいろな面から指導されるのじゃないですか。だから、私は、拡大していくんでしょう、また、いかなければ、言うならば大気汚染の問題やダイオキシン対策にしたって進まないのじゃないのか、このように質問をしておるわけですから、そう理解していいですね。

南川政府参考人 基本的には、ぜひ推進されるべき方策の一つだと考えております。

伊藤(忠)委員 ありがとうございました。初めからはっきりそう言ってくれたらいいんです、時間が短縮できますので。

 それで、三重県は爆発事故が起こったというんですが、不幸にして消防士の皆さん二名が殉職されたわけですね。作業員が五名負傷しているわけです。これはサイロ方式の安全管理に問題があったというのが最大の原因になっているわけですが、これは三重県の例だけではございませんで、発熱の火災なんという事故は、大牟田でも石川でも福山でも起きていると私たちは聞いております。

 従来は、RDFが指定可燃物ではなかった、これは消防庁の管轄になるわけですが、そういう指定にはなかったわけですね。だからといって、安全対策に手を抜いたわけじゃないと思います。そういう言い方というのは語弊がございますので、気をつけないかぬと私も思っておりますが、つまり、指定可燃物にされていなかったものですから、自治体側においても、ハード面、ソフト面、いわゆる建設したり運用したりする部分が出てくるんです。つまり、認識の面で極めて十分じゃなかったということが比較をすれば言えるんではないのか、私はそのように思うんです。だからといってあの事故が起こった、そういう意味じゃありませんが、だと思うんです。

 これは消防庁だけではございませんで、資源エネルギーの問題、保安院もかかわるわけですからね。みんなそれぞれの分野、分野で、部門、部門でやはりにらんでいるわけですから、全体にそういう雰囲気があったとしても、それはやむを得ないのかなと私は思うんです。

 今回の法改正で、RDFに対して、消防庁が、指定可燃物の貯蔵または取り扱いの基準の充実、これを政令化し、市町村の条例化をしたい、ある意味では義務づけるわけですね、というところまで大きく踏み出しましたから、このことによって従来以上に安全防災対策に確信が持てる、一生懸命もちろんやっていただくわけですが、確信が持てる。そのために、施設の整備や管理体制の強化を当然求めることになる。消防庁としても、法改正をするんだから、それぞれの関係省庁のやられてきたこともそういう立場に立って求めることができる、このように理解をしたいと思うんですが、よろしゅうございますか。

林政府参考人 御指摘のとおりでございまして、昨年、三重県で大変痛ましい不幸な事故があったわけでありますが、私ども、それ以前は指定可燃物の品名要件に該当すると考えていなかったのは事実であります。また、平成八年時点におきまして自然発火等の危険性はないというNEDOの報告が出されていたこともあり、また、当時、発熱や可燃性ガス発生に対する知見がRDFの開発導入に関係した専門家にもありませんでしたために、私ども消防機関におきましても、指定可燃物と同等の危険性を有しているという認識を持つに至っていなかったことは事実であります。

 しかし、事故後直ちに専門家を集めました検討会を設置いたしまして分析をしていただいたわけでありまして、今後ごみ固形燃料発電所の安全性を確保するためには幾つか講じておくべき防災対策が必要である、こういう提言をいただいたわけであります。

 それを受けまして今回法改正をお願いいたしているわけでありますが、一つは、RDFを消防法上の指定可燃物として指定した上で、あらかじめ消防機関に貯蔵・取扱情報を把握できる仕組みを整えまして、消防防災上の対策を講ずる必要があると考えているところであります。

 これによりまして、消防機関におきましては、RDFの貯蔵・取扱施設の実態把握及び消防対策の確立を図ることができると思いますが、これをもとに地方団体における消防体制の徹底を期してまいりたい、こういうふうに考えているところであります。

伊藤(忠)委員 そういう姿勢でぜひともお願いをしたいと思っております。

 具体的には随分と綿密な防災体制、安全対策が必要になってくるわけで、最終的な管理体制をどう強化するかというところまでいくわけで、関係省庁、地方自治体が連携強化のもとに一層その対策を強めていただきたい、このように私たちも心から要望申し上げたいと思っております。

 そういう対策が必要だろうということもございまして、環境省としては、このための補助金を平成十六年度から措置されたやに聞いておるんですが、その点はどうでしょう。

南川政府参考人 この事故を受けまして、昨年十二月に必要なガイドラインを作成いたしました。その中で指摘しました計測装置あるいは消火設備など必要な設備を設置する場合につきましては、今年度から新たな国庫補助措置を追加するということで講じたところでございます。ぜひ、制度の活用によりまして、全国で安全なRDFの利用が確保されるようにしていきたいと考えております。

伊藤(忠)委員 そこで、このRDFのシステムがこれから拡大をしていく多くの市町村、自前でできないところがネットワークに参加をするというケースがふえていくと思うんですね。そうすると、末端の自治体でごみを集めまして、発電の処理場まで搬送しなきゃいかぬ、RDFを。これは大変経費がかかるわけです。自前でやりなさいとなると、当該自治体がその経費を負担しなきゃいけない。

 失礼でございますが、三重県のケースを一つ例に挙げますと、紀州の端っこから県北、最北端の桑名の郊外まで運ぶわけですよ。何と、距離をはかったら二百二十キロですね。山を越え、谷を越えて、高速道路が通っているところはそこを通るんでしょうが、二百二十キロ運んでいるわけですよ、RDFを。その間、時間がかかります。当然、トータルで時間がかかる。

 RDFというのは、時間がかかると水分を含むガスが発生をするというので、いろいろな悪循環がそこに蓄積しまして、最後はどかんといくわけですね。サイロという大きなところにどんどん積み上げたらそうなることは僕ら素人でもわかるような気がしますよね。だから、なるべくそういうケースは避けなきゃいかぬとなりますと、頻繁に運ばなきゃいかぬということが安全対策上はやはり求められることになると思うんです。

 他県のケースを余り言うと失礼なんですが、県越えで運ばれているところも滋賀や富山ではありますね。それで、都道府県を越えているところもありまして、御殿場から山口まで運んでおる。このケースを私知りましたので、どうして御殿場から山口まで運ばれているんですかと言ったら、今の話で、セメントの、キルンというのかな、あれをそちらへ持っていくと、山口のセメントは非常にあれなんで、そちらで最終処理してもらうというので、そこまで運ぶと言います。だから、予定外の搬送ケースというのはさまざま出てくると思うわけです。

 そのことによってこの自治体の負担というのが新たに加わる、このように考えられるんじゃないかと私は思うんですが、この点について、これは総務省お願いします。

瀧野政府参考人 RDF廃棄物の輸送費について、市町村の財政負担は非常に大きなものがあるのではないかということでございます。

 市町村の一般廃棄物の処理に対しましては、現在、普通交付税の基準財政需要額におきまして、ごみの収集、処理、リサイクルなどに必要な標準的な経費を人口に応じて算入しているところでございます。交付税の需要額の算入は、標準的な行政を設定いたしまして、それに必要な一般財源の額を算定する、こういう制度でございますので、現在のところ、RDFによる処理を行うか否かということで違う算定はしていないということでございます。

 また、RDFによる処理を行う場合には、当然経費が割り増しになる部分も御指摘のようにあるわけでございますが、逆に、広域化に伴いまして処理単価が低減するとか、あるいは、市町村で最終処分場の建設なり維持管理が不要になるというような部分もあるわけでございまして、各団体それぞれの判断で、RDFを導入する場合には、建設につきましては一般廃棄物の場合と同様な配慮をしておるところでございますが、処理費用につきましては、交付税で標準的な額を算入しておりますので、その中で各団体それぞれ工夫をしながら取り組んでいただきたいというふうに現在のところは考えております。

伊藤(忠)委員 現在のところはそうお考えなんですが、これからのことを私は聞いています。

 つまり、こういうケースに実は広がっていくんだと思います。一つの県で一カ所の発電装置で十分やっていけるというケースから、地方に分散する。マルチになると思いますよ。それで、ブロックでもって地域ネットをつくって、そこの中心で発電をするという方式に、細かくこれからは分かれていくんじゃないでしょうか。今は一県集中みたいなところがありますけれども、それが県のエリアで、南西、中西、北西というように、それぞれのブロックで発電所ができて、その周辺でRDF化のネットワークが張られていくというふうになると思うんですね。それまでの間は、現在のように、突出した県というか、先進的に取り組んだ県から始まって、これが全体に広がっていくという傾向じゃないかと私は思っているんです。

 なぜかといいますと、このごみ処理の問題、物すごく頭を痛めておるわけですね、みんな。経費がかかるものですから節約したいという願いがあるじゃないですか。それでなくても、交付税交付金が削られる、税源移譲は十分にいかない。三位一体の話になりますと国の形までいきますから、それは横に置きますが、当面、日々のごみ処理の問題では、やはりその辺を皆さんが頭を痛めて、そういう格好にこれから密着型で広がると思うんです。

 そうすると、今は、清掃費というんですか、一律交付税でやられておりますが、その中身を変えていただかなきゃいけないわけです。とりあえず、先進的な例としてやられているこのことについて、特別のそういう配慮というんでしょうか、そういうものは、五〇%もいったら考えますわと言われたって、五〇%のケースまで簡単にいくわけありませんからね。では三〇%までいきますわと言ったら、三〇%のRDF化が進むまでに十年かかるかわかりませんよね、五年で済むかもわかりません。

 そんな将来の話までいきませんから、搬送もいろいろな格好で出てきますので、これらを、特殊事情というんですか、検討に値する、そういうケースとして必要性を認めて財政措置をやっていくという方向性について、とにかく一遍検討してみようということになるのかどうか、この点どうですか。

 これは事務方に聞いてもそれ以上言えないでしょうな。最後は総務大臣の答弁になるんですが、どうですか、これは。

麻生国務大臣 この種の話、お詳しいという前提であれですけれども、伊藤先生、これは何でアッシュを、灰をセメント会社に持っていくか。

 元セメント会社の社長から言わせてもらいますと、これは基本的に窯じり温度の差なんですよ。普通のごみ焼却場でやりますと、八百度で焼きますでしょう、そうすると、ダイオキシンやPCBは分解しない。セメントの場合の窯じり温度は千六百から千八百度に上がりますから、PCBもダイオキシンも全部分解する。しかも、残った灰はそのままセメントにまぶして、添加物で売るわけですから、一切灰は出ぬ、だからセメント会社に持っていく、こういう話であります。セメント会社はもちろん、燃してやるわけですから、燃し賃はもらうんですよ。

 したがって、そういった意味では、全体としてのリサイクルとしては結構なシステムとしてのし上がっているんですが、ただ、御存じのように、セメントというのは近くに石灰石がないとなかなかさようなわけにいきません。石灰石の多く産出するところは山口県、福岡県、秩父ということになりますので、そういったところにどうしても集中しがちとなると、そこ以外の県からの搬送する距離が非常に長くなるところが問題だということに多分なるんだと思うんですね。

 多分、三重県だったら反対側の四国側に持っていった方が早いのかもしれません、あっち側にセメントの工場がありますので。あっちの方が早いのかなと思わないでもありませんが、いずれにしても、この灰の大量輸送というのは、今おっしゃるとおり問題であることは確かです。

 ただ、傍ら、これは、いわゆる交付税でやります場合は人口割りできちんとやりますので、その分において、もらった分において、そこで自分でごみ焼却場を建てる、その場合は搬送費は要らない。そのかわり、地域対策だ何だかんだ、メンテナンスだに金がかかるという話と、御自分のところでやらないでRDFでやる場合は、地域対策費やメンテナンス費は要らない分今度は搬送費がかかるということになりますので、そこらの選択というのは、これはかかって首長さんでまずはやっていただかないかぬところなんだと思うんです。

 ただ、そういった中にあっても、山の事情等々、いろいろあるんだと思いますので、そういったところは、よほどの特殊事情でもあればちょっと検討せないかぬところがあるのかもしれませんけれども、瀧野の方も申し上げましたように、ただいまの状況で、そういった実例でこれはどうにもならぬというところがあるかと言われれば、ちょっと私どもの持っている資料ではそういうのがありません。

 将来そういった特殊事情というようなものも十分考えられるところでもありますので、その時点になって改めて検討せねばならぬこともあり得ます。それは、考えねばならぬことはあり得るとは思いますが、ただ、ただいまの状況として申し上げれば、今申し上げたようなことになると存じます。

伊藤(忠)委員 問題点としては、今大臣も言われたように、事務方も言われたのはよくわかるんですが、これからは出てくるでしょう、だからもっと多くなるでしょうと。三重県の場合、セメントの関係があるんですよ。セメントをやっておるわけで、だから、そういうところへどうしても集中しますよね。そういうケースがふえていきますから、何かの対策費だったら別に総務省がやることはないんでしょうけれども、相手が自治体ですから税制上の関係でそうなるわけです。

 ぜひともその辺を、だから、将来のことも含めて検討していただきたいと思うんです、積極的な立場で。もちろん自治体も一生懸命経費節減のために頑張ると思いますが、目的はごみゼロ作戦でございますから、そういう社会をつくっていくためにお互いに汗をかこうということですから。この基本においては疑いもなく皆が一致しているわけですからね。そのために汗をかこう、頑張ろうということですから、どうぞひとつ、大臣におかれても御検討いただきますようにお願いを申し上げたいと思います。

 ちょっと時間が余っていますが、これで終わります。

佐田委員長 次に、大出彰君。

大出委員 民主党の大出彰でございます。順々に質問をさせていただきます。

 まず初めに、消防法関係の質問でございます。

 住宅用の火災警報器等の設置の義務づけということでございます。この点について、先ほどから、一番バッターの方からもお話がありましたけれども、住宅火災による死傷者数が、一九八六年以来十七年ぶりに増加に転ずるおそれがあるということでございます。とりわけ高齢者における、六十五歳以上ですが、死者発生率が、ほかの年齢層に比べて五倍以上であるということでございます。そうなってきますと、高齢者のみの世帯あるいは独居老人がふえているという状況の中では、大変心配なところでございます。

 そこで、この設置の義務づけについて、国民の約七割が義務化に賛成しているということですので、その点については、新築の場合には当然義務化ということはやりやすいんだと思いますが、既存の住宅の場合に啓発活動はどんなような取り組みをするんだろうか。

 というのは、やはり、既にあるところでコスト負担が起きるとしますと、この点についての住民の皆さんの御理解あるいは納得を得ることがどうしても必要であろう、そんな思いでお尋ねをいたします。この啓発活動についての取り組みはどのように行われるのでしょうか。

林政府参考人 お答えを申し上げます。

 住宅用火災警報器の普及促進を図りますためには、住民の方々の理解と納得を得ることが何よりも必要であるということは御指摘のとおりであります。

 そのために私どもは、御理解をいただくためには、やはり当該機器の必要性と効果をお知らせし御理解をいただくことが何よりも重要だとまず考えておりますし、あわせまして、それぞれの個人の御負担で設置していただく必要がありますので、負担感の軽減を図りながら御協力をお願いするということが必要であろうと思っております。

 このために、私ども、住民の方々には、まず住宅火災の増加の内容につきましてお知らせをしたいと思っておりますが、死者の方々の約七割は逃げおくれによるものであること、また、火災警報器の設置の有無によりまして死者発生率の抑制効果が三・四倍程度にもなっていること、さらには、米国等におきまして火災警報器の設置が既に義務づけされておりまして、この義務化によりまして死者が半減するような効果が出ていること等につきまして、住民の方々にお知らせをし御理解をいただきたいと思っております。

 このため、消防庁におきましては、地方公共団体とともにさまざまな広報活動を通じまして御理解を求めていくことといたしておりますけれども、特にお願いをしたいと思っておりますのは、地域に密着した活動をしておられます消防団の方々、あるいは婦人防火クラブ、自主防災組織の団体の皆様方が連携をしていただきまして、この制度の概要、効果あるいは維持管理の方法等につきまして、積極的な啓発活動を地域で行っていただけることを期待いたしているわけでございます。

 なお、費用負担の問題もございますので、現物をお示ししながら、このように簡単に取りつけができますと。新築の場合は、建設時に埋め込む方式も含めまして、いろいろな形で負担感が比較的低く設置をしていただけるものと考えておりますが、既存の住宅につきましては、簡単に取りつけることができるんですよというようなことを現物をお示ししながら御理解をいただく必要があるとも思っております。

 また、現在、必ずしも低価格であると言えない点もありますので、低価格なものの開発の促進を業界にお願いする、あるいはリース販売についても御検討をいただく、あるいは火災保険の割引制度などについても働きかけていくとか、さらには、外国製品の輸入、新規参入の促進などによる低価格化も検討の対象にして、いろいろと関係者と御相談をしながら普及促進を図ってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

大出委員 今、いろいろお話をいただきまして、この問題点はやはりコストの問題等ございまして、低所得者に対する配慮についてお聞きをしたいんですけれども、大量につくればコストは下がるだろう、こう思いますね。これは通告しておりませんが、今、リースや、あるいは火災保険の割引とか外国の製品というお話がございましたけれども、基本的には機器の単価についてどのくらいをめどに考えているか、質問通告しておりませんがお答えいただけますか。

林政府参考人 現在市販されているものの中には、煙を感知するもの、熱を感知するものとか、あるいはコンセントに直接接続するものから電池式のもの、いろいろございますが、国内製品で販売されているものの大体平均的な価格が七、八千円から一万円程度になっていると承知をいたしております。

 ただ、性能上いろいろ議論もされておりますが、外国で使用されているものは二十ドルから四十ドル程度のものもあるようでございますので、今後、そのような外国製品の競争参入も含めて、我が国における業界におきましてもコストの低減化を図っていただきながら、私どもとしては、現在の価格を半減するぐらいのコストで御利用いただけるようになればいいな、こういうふうに思っております。

大出委員 やはり値段の問題というのがありまして、半減するように努力をなさるということですが、この点、低所得者の方々、高齢者の方々あるいは障害者の方々等に負担がかかるのではないかなと心配をするわけなんですね。

 現に、今もお話がありましたけれども、アメリカのシアトルなどでは、低所得者、高齢者または障害者に対して、煙感知器を無償配付しているというデータ等ございますね。また、アメリカではNPOなどの団体が無償配付をしているという例がございまして、この辺について、今、半減をなさるとおっしゃったのですが、何かこの弱者層に対する対策ということについて具体的な取り組みがあれば、お示しをいただきたいと思います。

林政府参考人 火災警報器の設置の義務化に当たりましては、先ほど申し上げましたように、近年の住宅火災による死者数の増加の中で、特に高齢者の方々が過半を占めているという実態も踏まえますと、高齢者の方々の逃げおくれによる死者の発生を減少させることというのは、政策的に最大の課題になろうかと思っております。

 このため、火災警報器の設置を促進し、そのような効果を上げますためには、地域の実情に応じて、ひとり暮らしの高齢者の方々など、社会的に地域でハンディキャップを持っておられるような方々に対しまして、地元の実態に合わせて、市町村による支援策、助成策を含めたものをお考えになる団体が出てくるのではないかというふうに期待をいたしているところでありますけれども、地域に密着をしておられます消防団あるいは婦人防火クラブ等の方々による地域ぐるみの活動の中で、このような方々に対する支援策が出てくることも期待をいたしているところでございまして、最近、私のところにお寄りになりました知事さんあるいは市長さんの中には、敬老の日の贈り物の一つとしてこのようなものを考えると喜ばれるかもしれないなというような案を検討しておられる方もおられます。

 いずれにしても、高齢者の方々、障害者の方々あるいは低所得者の方々につきましても、この火災警報器が設置しやすくなるような方策を私どもとしても考えていかなければならないと思っております。

 なお、御参考までではございますが、厚生労働省において行っておられます事業で、六十五歳以上のひとり暮らしの高齢者の方や障害者の方を対象とした火災警報器等の給付事業があるともお聞きをいたしておりますので、本制度の活用につきましても今後働きかけをしてまいりたいと考えております。

大出委員 もともと防災は地域地域で対処していくというのが本来の姿だと思いますので、地域の皆さんが地域ぐるみで取り組んでいただけるということ、その視点は大変結構なことだと思っております。

 そこで、今度は既存住宅に対しての配慮でございますが、既存住宅に対するこの法案の義務づけ、自治体の条例に委任するということですが、法律の公布後二年ぐらいをめどにと考えてよろしいのかどうか、その辺を一つお伺いします。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 既存住宅に対する住宅用火災警報器の設置義務化についてでございますけれども、ただいまおっしゃいました公布後二年というこの年限でございますが、こちらは、新築住宅についてはそのようなことで今回お願いをしているところでございます。

 しかし、既設については、各地の住宅事情、あるいは居住者の状況や住宅の構造などが大きく異なるということとか、新築以上に経済的負担感が大きいという御指摘も先ほど来あったわけでございます。さらに、長官が答弁いたしましたとおり、各市町村がこの住宅用火災警報器を設置義務化する場合の支援策、このような状況とも関係がございますので、実施時期については、二年よりさらにおくらせて、各市町村条例で一定期間猶予期間を置くということを想定しているところでございます。

 具体的にどのぐらいの期間かということでございますが、先ほどのように実情が異なりますので、一律にはこれをなかなか言いにくいものがありますけれども、この課題が非常に重要であるということから、各市町村において早期に適用できますよう私どもとしても努力をしてまいりますし、必要な助言を行ってまいります。

 以上でございます。

大出委員 どうしても、無償配付ではないというのが基本ですので、なかなかすぐにということにならない。そしてまた、既存住宅については条例等で取り組むわけですから、そうしますと、各地域によってばらつきが出るだろうということになるんでしょう。しかし、やはり現に高齢者の方々のところが火災等によって死傷者数が多いということがもうわかっているわけでございますから、できる限り早くということの方がよろしいわけですね。

 そういったところで、こういう啓発活動等をする場合に、先ほど消防団だとかあるいは婦人防火クラブというようなお話が出ておりますが、こういった各既存の住宅の高齢者層にとって遺漏がないというようなところをやはりチェックしていく必要があるだろう。こういうグループの方々にお願いをするというのが本当の姿だと思いますが、その際に問題はプライバシーとの関係でございまして、それぞれプライバシーを持っておられますので、そこの部分についてプライバシーを侵すことのないような配慮というのはどのようにお考えでしょうか。

東尾政府参考人 住宅用警報器の設置、維持の広報、普及については、ただいま御指摘のとおり、各地の消防団、婦人防火クラブなどで連携してやっていくことが重要でございますけれども、そのことによってプライバシーが侵害されるということはまことに問題があるということで、私どもとしては、まず、この住宅用火災警報器について、いわゆる点検、つまりメンテナンスについてはフリーなものを考えておりますので、定期的な点検のために立ち入るということは想定しておりません。このことについて、まず、関係者、国民の皆様によく御理解をいただくような広報を行っていく必要があると思います。

 それでもなお、いろいろな事情によってお問い合わせがあったり、あるいはこちらからお伺いする必要があるような住宅もございます。この場合、消防団などがお伺いする場合には、個人情報保護ということもございますので、事前に本人の同意を得るなどして立ち入るなど、必要な措置を講ずるというふうに十分配慮してまいりたい、このように考えております。

大出委員 総当たり的に今お聞きをして、立ち入り等を行わないということで、プライバシーの点についても配慮がなされているということでございます。

 そこで、この問題についての最後でございますが、厚生労働省等の給付事業等もあるということもございます。そして、やはり明らかに設置をすれば被害を受けることが少なくなるというのはもうわかり切っていることでございますので、総務省も全面的な取り組みをしていただきたいと思いますが、麻生大臣の方に一言、通告しておりませんがお願いをしたいのですが。

麻生国務大臣 基本的には、つけた方が効果が上がることは、過去なり他国の例を見てもはっきりしておると思うんですね。

 これをただでつけてやったらどうなるというと、余り値打ちがない。これはやはり金を払った方が絶対信頼が高くなるものなんです。ただというのは、結果的には、だれかがつけてくれればそのまま忘れちゃう。金を払うと少なくともそれは、価格のあれにもよりますので、ただというのは余り。よくやる例ですけれども。

 これは自分の生死にかかわっている話ですので、これを安くつけることによって、損害保険金がある程度割引になるとか、どのみち、普及してきますと、今七千円とか八千円とか言っていますけれども、これは海外のものも入ってきますので競争になりますので、量がふえれば当然のこととして安くなると思っております。こういったものの方が、火災報知機が鳴ったおかげで焼け死なずに済んだという例が幾つか出てくることになろうと思いますので、その意味で波及効果というのは十分に期待できる。

 もって高齢者の火災による死亡というのをぜひ激減させたいと思っておりますので、私ども、広報等々は熱心にやっていかねばならぬものだと思っております。

大出委員 一理ございますが、しかし逆に、小さな居間に住んで、年金負担、介護負担その他を考えたときに本当に苦しいという方もおられますので、そちらの方の方も考えたときに、やはりもう少し何とか、まずは低減で行っていくというのがいいかもしれませんし、逆に、ボランティアの方々がわざわざ来たのだって、こういうつながりもよろしいのかと思います。そういう意味で、総合的な取り組みをお願いしておきたいと思います。

 続きまして、石油コンビナート等の災害防止関連について御質問いたします。

 防災体制の広域化と機動性についての点でございますが、北海道のコンビナートの事故が起きたことを契機にしまして、大容量の泡放射砲というんですか、それを広域的に配備するということですね。そういうことでございますので、そのことによって防災体制を整備していこう、一つの企業ではなかなかコスト的に大変だということもあるんでしょう。

 ただ、気になるのは、そのことによって逆に緊急時の即応態勢に支障を来すのではないかなという点もございますので、この点はどのようにお考えでしょうか。

林政府参考人 今回の事故にかんがみまして、大容量泡放射システムの導入をお願いしたいと考えているわけでありますけれども、特定事業者がその事業所におきまして災害の発生防止について第一次的な責任を負っているということは間違いのないところでございますので、基本的には、特定事業所単位で配備していただきたいと考えております。

 しかしながら、かなり高価なシステムであるということ、あるいは、全面火災の際に必要となるわけでありますが、このような全面火災の発生危険確率等を勘案いたしますと、より広域的な配備というものも可能にすることが必要ではないかということで、今関係者が議論をいたしているところであります。現在も、特別防災区域内におきます特定事業所が共同して配備することは可能でありますけれども、さらに都道府県単位の配備であるとか、あるいはより広域的な配備を可能とすべきではないか、こういう御意見もございます。今回の法案の中で、広域共同防災組織の設置について御審議をお願いいたしているところでありますが、その範囲につきましては、今後関係者と議論をしながらもう少し詰めさせていただきたいと思っております。

 ただ、その際は、御指摘もございましたように、この大容量泡放射システムが、全面火災が起こった場合、現場に配置できるまでの時間的な余裕をどの程度と見るのかというような問題のほか、浮き屋根式タンクの特別防災区域ごとの基数であるとか集中度であるとか、あるいは地震被害が予想される地域に設置されているものであるかどうか、あるいは長周期の地震動が生ずる可能性が高い地域であるかどうか、このようなことも勘案しながら広域的な範囲を決めていかなければならないと思っておりますが、私どもといたしましては、石油コンビナートの緊急時における即応態勢に支障を来さないようにしなければならないというのが基本でございますので、この考え方を中心に据えて今後検討させていただきたいと思っております。

大出委員 余りこの点について多くは質問しないつもりだったんですが、当時、事故を見たときに、タンクの周りを小規模にこういうようなものがこうやっているわけですね。こんなので消えるんだろうかと思って、要するに、あそこまで火がつかないだろうという予測のもとであったんだと思うんです。

 そのときに、それが消せるのはとなると、アメリカの製品、アメリカから借りてきたようなものでないとできないということを聞いたときに即思い浮かんだのが、砂漠の石油が大火事になっているときに爆発物でとめるというような、ファイアマンという映画がありましたけれども、そういうようなやり方というのは日本は持っていないんだなということがつくづくとわかったわけですね。

 それは何が言いたいかといいますと、もう少し予測を広めてそういう体制をとっておくべきではなかったのかなと実は感じたんです。今後とも、多分これを機会にその方向性は広がっていくんだと思いますから、これ以上質問しませんが、時間があったら後でまたほかの点を質問させていただきます。

 次に参ります。

 指定可燃物等に係る火災予防対策の強化についてなんですが、私も別の意味の危険物等の質問をしたこともございますけれども、危険物あるいは指定可燃物が技術革新によって新たに出てくるということがあるわけで、常に研究をしておかなければいけないと思うんですが、こうした研究体制について万全を期しているかどうかについてお尋ねをしたいと思います。

林政府参考人 私ども、今回のRDFの事故にかんがみまして、危険物についての知見を深める、また、それを共通の情報として各消防機関が危険物に対応する必要性を痛感いたしているところでございます。

 このため、消防庁では、学会や各消防本部から、消火活動が困難な特殊施設や物質等に関します新たな情報を収集し、これらを一元管理し、全国の消防本部に迅速かつ適切に提供できる体制づくりを急ぐ必要があるということで検討いたしているところでございます。

 また、危険物は必ずしも国内だけではないという特性も持っておりますので、新たに出現をいたします危険性物品の把握につきましては、関係各国で協力する必要もあるわけであります。現在、これは我が国も参加をいたしておりますが、国連の危険物輸送・分類調和専門委員会というのがありますが、そこにおきましての国際的な危険性物品の指定に係る検討状況を把握する、こういうことにいたしておりますし、また、国内におきましても、化学物品の製造事業者が開発段階等で得た物品の危険性状に関する情報を業界団体を通じまして早期に把握することといたしているところでありますので、このような情報を消防関係者としても共有しながら、地域における危険物の防災体制を強化してまいりたいと考えているところでございます。

大出委員 その点、よろしくお願いをしたいと思います。

 次に、罰則についてでございますが、消防法の四十二条一項八号及び二十四条の二において、火災現場における情報提供の強化という点がありまして、罰則が創設されるわけです。確かに、正当な理由のない情報提供拒否とかあるいは悪質な虚偽情報の提供などについて罰則ということはわかるんですが、気になるのは、情報の要求の仕方が強圧的になったりすると、かえって乱用的になるのではないか、信頼に足る情報収集の阻害要因になるのではないかと思いますので、この点については遺漏がないかどうかをお伺いしたいんです。

林政府参考人 近年、火災の態様はますます複雑化、多様化してきておりまして、消防隊員が火災の現場におきまして火災に関する情報を適時正確に把握して、安全性に配慮しながら必要な対策を講ずる必要性が強まってきているところでございます。これらの情報を得られないまま消防隊員が消火活動を行うということは安全管理の面で危険性を有するものでございまして、私どももこの点を心配いたしているわけであります。

 このため、今回の改正におきまして、これまでの火災現場におきます情報提供の状況も踏まえまして、消防吏員または消防団員が当該消防対象物の関係者等に対しまして、その目的達成のために必要な情報提供をお願いする必要があると考えますが、求めたにもかかわらず、正当な理由がなくしてこれに応じていただけない場合、あるいは虚偽の情報を提供されるような事態が起こりますと、消防法上やはり罰則で対応する必要があるという現場の強い要請も踏まえてお願いをいたしているところでございます。

 しかしながら、この制度は、御心配いただきましたように、消防隊が適切な活動を行うために必要と考えられるものでありまして、必要な情報が速やかに提供され、安全管理に配慮しながら消防活動が進められるようにするためでありますので、正当な理由がある場合にはもちろん罰則の対象にはならないものであります。

 消防庁といたしましても、これらの制度の趣旨を踏まえ、権限の趣旨、目的を踏まえまして、各消防機関におきまして適切な対応が図られるよう指導に努めてまいらなければならないと考えております。

大出委員 各論的にお話をさせていただいておりまして、今の問題はやはり限定的におやりいただきたいと思います。

 確かに、爆発物があるにもかかわらず、ダイナマイトが積んであるのを教えなかったりすればそれは大変なことになりますから、正論の部分は当然でございますが、議会でございますのでチェックを入れた、こういうことでございます。

 国民保護法制の質問をすぐにしようと思ったんですが、時間的に後回しにすることにいたしまして、消防職員の皆さんの権利等について、まず給与水準についての御質問を先にいたします。

 平成十五年度の消防白書においてこのようなことが書いてあるんですね。消防職員の処遇は、交代勤務という勤務の特殊性及び職務の危険性等を考慮して人員確保及び勤務体制の整備を図ることとされ、特に給与、手当等については業務の特殊性に見合った適切なものとすること、こうなっているんですね。

 もう一方、白書の記述の中で、消防職員の平均給料月額はどうなのかというと、一般行政職を下回っております。手当を含めると若干上回るんですね。しかし、これでは勤務の特殊性が考慮されているとは言えないのではないかと思うところがあるのですが、現状をどのようにお考えでしょうか。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 消防職員の給与水準でございますけれども、ただいま消防白書を先生御指摘いただきましたが、そのとおりでございまして、勤務の特殊性から当然、特殊勤務手当、出動手当、休日給の支給などが行われておりまして、これらについては各団体とも適正に支出しているものと考えております。

 本俸でございますけれども、団体によっては、公安職の給料表を適用する場合と行政職の給料表を適用する場合がございます。これについてはおのおのその特性がございますので一概に比較はできませんけれども、一般的には、公安職給料表を適用する団体においては、若年層において、比較的若い年齢の職員において給与水準が手厚くなっておる。一方、行政職給料表を適用しているところは、中高年以上、幹部級の者については手厚くなるというふうな特性がございまして、これらはすべてさまざまでございますので、一律に給与水準がどうかということは論議が難しいわけでございますが、全体としては公安職給料表の適用による影響が出ているものと承知しております。

 今後とも、消防庁といたしましては、消防吏員の勤務実態をよく把握いたしまして、その業務の性格を十分反映するようなものと給与水準についてはしていくよう各団体について働きかけをしてまいりたい、このように思っております。

大出委員 このお話をしているのは、実は、昨年の六月二日に神戸の火災で三人の方が殉職をなさっておられるんですね。ちょうどこれが六月の二日ですからあと八日後でございます、一年たってしまうわけでございますが、そんなときに、いろいろ職員の皆さんの給与あるいは労働条件等について気になるものですから、質問しておこうということで質問しているわけです。

 そこで、一つ特によく問題になるのは、実労働時間と拘束時間の点なんですね。消防職員の皆さんというのは週六十時間拘束されるのに、実労働時間として算定されるのは四十時間のみなんですね。簡単に言えば、このような無賃金拘束時間を解消しないといけないのではないか、この取り組みがどうなんだ、こういうことなんですが、一年間たっておりますのでさまざま質問などもされておりまして、よく例に出されるのが大星ビル管理事件ということでございます。

 これは、お答えをいろいろなさっておられまして、その違いというのがまず一つ重要なんだと思いますが、仮眠室での待機と、それから指令係員の業務命令というのが出てくるわけですね。いわゆるただの仮眠時間中の問題だけではないんだ、個別に判断をするんだということをよく言われるんです。しかし、その中で当時の片山総務大臣も、実態の調査をしますということを常々おっしゃっておられたんです。

 ですから、この点、まず、現場の消防職員の皆さんが実態的には仮眠時間の待機というのをどのように利用されているのかということを、実態調査があるならばお教えいただきたいと思います。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 消防職員の仮眠時間の取り扱いということでございますけれども、ただいまの御指摘のとおり、何回か国会で御議論がございますが、まず原則といたしましては、仮眠室での、睡眠時間が中心でございますけれども、これは労働時間として取り扱わないというふうに解釈して運用しております。

 しかしながら、仮眠時間の中で出動する場合があるということでございます。この場合には、その活動に要した時間を時間外勤務時間とするよう適正に取り扱うべきと認識しております。

 国会での御指摘を受けまして、平成十五年十二月に行いました管理運用状況調査、これは勤務時間に関する調査でございますけれども、夜間、休憩時間中に災害出動をしている場合の取り扱いでございますけれども、七八%の消防本部は法定の時間外勤務手当を支給している、また、九%の消防本部が休憩時間の振りかえを行っている、休憩時間の振りかえで対応しているという結果でございます。これ以外の本部については適正な運用をしていないおそれもありますので、現在、消防庁より個別に改善指導を行っております。

 具体的にどのように仮眠時間を使っているかということでございますが、ほとんどの場合にはやはり実際に仮眠をしているということでございます。一部、体力の錬成等に起きているという方もいらっしゃるようでございますけれども、大半はやはり休息をしているということでございます。

大出委員 私は、この仮眠も、この方々の場合には使用者の指揮命令下に入っている時間であろうと思うんですよ、これはどう見ても。

 今の実態調査、七八%は時間外として扱っているというのはよろしいのですが、そこで気になるのは、昨年三人の方がお亡くなりになられた、ちょうど火災が起こったのが十二時を過ぎておりますので、この方々は仮眠時間の中で行かれたのかどうか、それをお答えいただきたいと思います。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 問題になりました神戸市の事案でございますが、いずれも仮眠時間中に発生した火災出動であると報告を受けております。

大出委員 これは、実態調査をしますということ、あるいは実態調査をすべきだという理由は何かといいますと、署全体あるいは個別、個人を見たときに、ほとんどの方がそういう仮眠時間中に出動命令が出されれば義務として出ていくんだとすれば、これはやはり労働時間と考えるべきだ、これが言いたいために私は質問しているんですね。

 どうでしょうかね。大星ビル管理事件もそうですが、最高裁はあの場合に労働時間ということになったわけですが、同じように、偶然といったらあれなんですが、こういうことが起こったときでさえ三人とも仮眠時間中だったということだとすれば、これはやはり労働時間として。というのは、では、この時間帯に外へ出て行けるのかというと、やはり中にいなさいということになるわけですよね。ですから、仮眠時間の待機と、指令係員が別にいて係員が指令するから違うんだというのは通らないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 これは、もしよろしければ総務大臣、おわかりならばお答えをいただきたいし、あるいは御感想でも構いませんが。

麻生国務大臣 これは見解の相違なんだと思うんですけれども、どこまでが拘束時間になるかならないかというところと、どこまでが義務であり、こっちから先は休んでいいという権利なんだというところは、これはなかなか意見の分かれるところなんだと思うんですね。

 しかし、では、おれは今休息時間中である、仮眠時間中であるときに火災発生となって、いや、おれは仮眠中の時間なんだからといって権利を行使して火災出動に協力しないという結果、死人が出た、何とかが出たという状況になったときに、いや、おれの方は仮眠時間中の権利の行使であって、おれの義務ではないという話になると話はさらに込み入ると思いますので、これはかなり難しい判断を要求されるところだと思いますし、過去も多分それに似たようなことが起こり得るからなかなか難しいという経緯だったんだと理解しております。

大出委員 お聞きをしなかった方がよかったかと思います。というのは、今のはそういう話ではなく、労働時間として数えるか数えないかの話でございまして、労働時間に数えられていなくても、当然、命がけで、身の危険を顧みないで出動なさる方々でございますから、それはもう間違いなくどんな状況でも行かれると思います。そうではなくて、先ほども勤務の特殊性ということを申し上げたように、だからこそ、民間人の中でも多くの、大星ビル管理事件のように、やはりこれは最高裁でも労働時間だとおっしゃっているわけですから、ましてやこういう方々については労働時間として扱うべきではありませんか、こういう話をしているんです。

 そして、ここのところですが、三人の職務の実態をお聞きしたのは、三人とも仮眠中であったということですから、これは実態調査する理由はどこにあるかといえば、各部署でどの程度の方が仮眠中に出ていっておられるのか、これはお聞きいたしませんけれども、ほとんどの方が仮眠中でも構わず出ていくんだとすれば、やはり労働時間に換算をすべきなんだ、こういうことを申し上げているんですが、お答えいただけますか。

    〔委員長退席、野田(聖)委員長代理着席〕

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 仮眠時間中に出ている職員の割合についてでございますけれども、私どもとしては、全国の消防本部の数は承知してございませんけれども、救急出動事案が最近非常にふえている関係から、確かに、御指摘のとおり、仮眠時間中に出動する割合は全体的には上昇しているものと理解しております。

 しかしながら、これについては各本部において大きな差があるということ、また、救急出動事案が増加している本部においても、これを極力、警防吏員と救急吏員とを交代運用させるなど、その職員が疲労感が余り出ないように努力しているなどのことから、現状ではまだ仮眠時間を労働時間とするほどの逼迫感はないものと私どもは承知しております。

 ただ、御指摘がございますし、今後も注意深くその勤務実態については調査してまいりたい、このように考えております。

大出委員 今お答えいただきました。将来的にこの点を見直していただけるかどうか、明言はいただけないでしょうか。

東尾政府参考人 職務の性格、今後の実態、救急の動向などを十分踏まえまして、調査してまいります。

大出委員 もう時間だというようでございますので、何とか明言をしていただきたかったんですが、調査ということでございます。

 きょう、わざわざ昨年の六月二日の三人の方々の話をしたのは、これを契機にしっかりと見直しをしていただきたいと思ったからでございます。どうかよろしくお願いしたいと思います。

 同時に、お三人の方々がお亡くなりになったことによって周りの方々が心的外傷後ストレス障害になったりしておりますので、そういった方々の健康面のケアもよろしくお願いしますと同時に、亡くなられた方々に対して心から哀悼の誠を表したいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

野田(聖)委員長代理 次に、松野頼久さん。

松野(頼)委員 民主党の松野頼久でございます。

 きょうは、本法案及び救急救命、そしてまた、今議論をしています有事法制、国民保護法制に絡む消防の体制等について質問をさせていただきたいと思います。

 冒頭、今回の法改正でありますが、住宅用防災機器の設置が今回の法案で義務づけられていると思います。確かに、なるべく管理をするということはいいことであると思いますが、これは個人の負担というものがどうしても伴うものでありますので、一体どこまでその個人の負担を軽減するかというのが一つの焦点だというふうに思っております。

 まず、今回、住宅用防災機器、火災報知機とは明言をしていないわけですが、この住宅用防災機器は何を指しているのか伺いたいと思います。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 住宅用防災機器の中には、消火器や防炎物品など、幅広い個人を守るための住宅用の防災製品を含みます。これに対しまして、警報器は、当該部屋において火災やそのほかの、特に火災でございますけれども、発生した場合に、鳴動、鳴るということのみを目的とする機器でございます。

 なお、火災報知機の場合には、そのような異常事象があったときに、それをどちらかのセンターに自動的に報知できるようなシステムも兼ね備えたものをいいますので、警報器はそのような機能は必要ないというものでございます。

松野(頼)委員 いや、そういうことを聞いているわけじゃなくて、今回のこの法案で何を各住宅に設置することを義務づけているんですかということを伺っているんです。

東尾政府参考人 失礼いたしました。

 住宅用火災警報器を設置するということを今回お願いしております。

松野(頼)委員 だったら、法案にそう書き込むべきじゃないでしょうか。住宅用防災機器ということは、今後、例えば消火器をつけろとか、いろいろと広がれるというようなニュアンスを持っているのではないかと思うんです。

 それで、今回、この義務づけをもし怠った場合には何かペナルティーは想定しているんでしょうか。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、今回の消防法の改正の中では住宅用防災機器となっておりますので、将来、住宅火災がさらにふえる、つまり、例えば高齢化がさらに進展したりして多くの方々がお亡くなりになるというような場合に備えまして、場合によっては他の機器類についても設置義務について検討できる要素を残しているということでございますが、当面はこの住宅用火災警報器による効果を見守るという趣旨から、条文上は幅広くお願いをしているところでございます。

 なお、罰則については予定してございません。

松野(頼)委員 では、例えば、条例で建築の確認申請が出て、その建築許可をおろさないということはありませんね。

小西大臣政務官 お答え申し上げます。

 今回のこの改正におきまして、関係の国土交通省とまた協議をいたさなければいけないところでございますけれども、我々といたしましては、建築確認の要件としてこの火災報知機の設置を中に入れる、したがって、建築確認は設置がされない場合はおりないというように考えております。

松野(頼)委員 それは次長、おかしいじゃないですか、今の話と。これが一つのペナルティーになるんじゃないでしょうか、要は建築許可がおりないという。

小西大臣政務官 ペナルティーという意味合いいかんのところがあるかと思いますけれども、万が一、確認があったにもかかわらず実際に設置されなかった場合、この場合について個人の罰則を問うことはしない。これは、みずからの命をみずから守るということで、そこまでは我々としては考えていないというところでございます。

松野(頼)委員 要は、住宅用防災機器としてこれからどんどんその範囲を広げていった場合に、それが設置をされてなければ建築許可をおろさないということが起こるわけですよね。そのコストというのは一体だれが見るかといいますと、当然、その個人になるわけです。

 聞くところによりますと、今回は火災報知機だけということでありますが、どうもその火災報知機に関しましても、海外との価格差が随分あるというふうに言われております。

 アメリカでこの火災報知機一つ買った場合の価格は大体幾らぐらいと思われているんでしょうか。

麻生国務大臣 今の火災報知機の話ですけれども、先ほどどなたかの質問にありましたように、約三千円、三千五百円、約三十ドル前後というものもあります。ただ、アメリカの火災警報器の場合は、全住宅の九四%に普及しております。傍ら、日本の方は現在約一〇%前後と言われておりますので、その差額は、日本の場合、約倍ぐらいになろうかと思います。

 そういった意味では、日本の方が高いのが現状ですけれども、これは普及してくれば安くなってくるのは当然のことだと思いますので、安くなりますし、また輸入というものも認めておりますので、御自分で選ばれる値段の方が日本製を信用されるかアメリカ製を信用されるか、個人の負担能力もありましょうけれども、そういったことで考えていただければよろしいんだと存じます。

松野(頼)委員 今大臣がそうお答えになったので、これは通告していませんけれども、じゃ、今現在、外国から輸入をされている火災報知機で国の基準を通っているものは入っているんでしょうか。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、ガイドラインに基づいて輸入されている外国製品はございます。

松野(頼)委員 そこで、日本消防検定協会というのが実はあるんです。消火器とか防災機器に関して幾つか検査をしたり実験をしたりしている外郭団体なんですけれども。

 今、日本で火災報知機というのが、私の聞くところによりますと大体六千円から八千円、高いものですと一万円を超えてくる、そして、設置料まで含めますと、一つ設置をするのに約二万円ぐらいかかるということも言われているんです。アメリカですと、ホームセンターみたいなところで買いまして、まあ千円から三千円で一個買ってきて、幾つか自分でつけられるという現状があるわけです。

 義務づけになりますと、今のこの外郭団体で多分これは試験をすることになると思います。そして、国内の基準というものをつくることになるかと思いますけれども、ここでよもや、輸入品が参入をしてくることを排除したり、価格の競争が起こることを排除することはないと思うんですけれども、往々にして今まで国の政策の中でそういうことが行われておりましたので、ここでひとつ、そういうことはない、どんどん競争させて国内の火災報知機の価格を下げていくんだということをどうか明言しておいていただきたいと思います。

麻生国務大臣 ありません。

松野(頼)委員 いずれにしましても、私は、この負担感を考えますと、今回は火災報知機でありますが、住宅用防災機器というところで、なるべくその範囲を広げないようにということを望んでいるところでございます。

 その辺はどうでしょうか。今後の進展等、この火災報知機と明言をしてないあたりに私は非常に心配を感じているんですけれども、どうか、そこのところの答弁をもう一回お願いします。

小西大臣政務官 委員の御心配がないように、これも科学的なさまざまなデータ、また実際の効果等を含めて、我々としても慎重にこれから判断をさせていただきたいというように思っております。

松野(頼)委員 ありがとうございます。

 それでは、次に移りたいというふうに思います。

 救急救命隊というのが消防の中にございます。私の地元でも、消防署を訪ねますと、本当に今不眠不休で働いている。現実に、その出動回数が多くなって、一隊の出動回数が一晩に十回以上を超えることがあるというような現状を聞いているわけでございます。

 この救急救命隊に関して幾つか伺いたいと思うんですけれども、まず、救急救命士法によって、救急救命士が現場に駆けつけてできる措置の範囲というのが非常に限定をされていると聞いております。

 非常に、事故とか人の病気、救急を要するときであります。ただ、現場に駆けつけておっても、措置の範囲が非常に厳しくて処置ができない、もっと早く、病院に搬送するまでの間にその処置が施されていれば助かる命も多かったのではないかということも聞いておりますし、秋田市では、気管挿管、要は、もちをのどに詰まらせた人の気管に管を入れて開通させるということを現場の判断でやってしまったらば、これが救急救命士法ではやってはいけないことだといって事実上の法律違反になってしまったという例もあるんです。

 そこのところについてちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども、まず、その辺いかがでございましょうか。今後の方向について伺います。

竹本大臣政務官 松野先生今いみじくもおっしゃいましたように、緊急事態で救急救命士がいろいろなことをもっとできればいいじゃないか、その方が現実に合う、助かる命も助かる、こういうような話がよくあるわけでございますが、ただ、救急救命士はお医者さんでございませんので、医療行為には当然制約があるわけであります。

 そこで、実は、平成十四年四月でございますが、厚生省と消防庁の方で合同で検討会をつくりまして、そこで、どういった業務が付加的というか拡大できるかということについて検討いたしました。

 それで、除細動といいまして、電気ショックを心臓に与えまして正常な動きに戻すこと。それから、今御説明のありました気管挿管、もちを詰めたケースの場合、チューブを気管に入れて肺へ空気を送り込むわけですけれども、これはなかなか難しいようであります。といいますのは、気管が後ろの方にあって食道が前にあるんですかね、ですから、食道の方にチューブを入れてしまうということもあるようでありまして、相当技術を要する。しかしながら、そういう必要があるものですから、それもできるようにしました。それから、薬剤投与といいまして、救命のために緊急に必要な薬剤、これは本来、医師ないし看護師じゃないとできないわけでございますが、それも一定の制約のもとにできるようにしたわけでございます。

 今、そういうことで、病院への搬送途上でできる範囲を、諸外国の例も参考にしながら、安全面も考え、また医療上のコントロール、必要なものは医師の指示あるいは承認のもとに行わなきゃならないという制約がございましたので、そういったことも考えて、今申し上げた三つのことについて救急救命士が一定の条件のもとにできるようにするようにしたわけでございます。

松野(頼)委員 多分これは消防庁と厚生省とちょっと見解が分かれているように聞いておりますが、今お配りした資料をちょっとごらんになってください。各国のパラメディックの業務範囲、いわゆる救急救命士の行える範囲。アメリカでは、パラメディックが一つという制度ではない、救急救命士がパラメディックだけということではないらしいんですけれども、大体これが各国の比較でございます。こうやって見ていただきますと、まだまだ日本はおくれているという現実があると思うんです。

 多分、厚生省の方はいろいろなしがらみがあって、ここをなかなか開放してこないという現実があるやに聞いておりますが、総務省として、今のこの表を見ていただいて、現状をどう思われますでしょうか。

小西大臣政務官 総務省といたしまして、やはり救急救命士が現場でいかに命を救うか、これを第一に考えなきゃいけない、これは認識しておるところでございます。私も初めてこの表を見せていただくわけでございますけれども、必要なものを鋭意検討しながら、しっかりと過誤のないような形で導入していく、これは重要なことだと思っております。

 今後とも、この検討会を含めましていろいろな場で検討を進めなきゃいけない、このように思っておりますけれども、現状、先ほど竹本政務官の方からも答弁ありましたように、メディカルコントロール体制の確立、また、今決まっております心拍再開に資する強心剤でありますエピネフリン、ここに載っておりますけれども、これらの使用状況等、しっかりと体制をつくっていく、これをまず第一義に考えてまいりたいと思っております。

麻生国務大臣 これは医師会との話で難しかったんです、みんな持って回った言い方しておりますけれども。そこが一番の問題なんですよ。

 これは確かに、間違った薬を投薬すると死亡につながりますので。血管拡張剤とかいろいろなものを打ってうまくいく場合もあれば、逆に、溶解剤を打って、それによって搬送中に血塊が固まらずに溶けたまま搬送されてくれば、下半身とか右半身不随にならずに済んで翌日退院になることが十分考えられますので、将来いろいろ、これは責任問題にかかわるところでなかなか難しいところだと思いますが。

 ただ、一つだけ、私どもの電波を担当する部分からいきますと、いわゆる今のデジタルハイビジョンというものが普及しますと、搬送する救急車から日赤なら日赤に電波を送りますと、顔の表情から全部きれいに出ます、ドット数というか画素数が全然違いますので。それが出ますと、顔を見ながら、救急センターの医者がそれを見ながら、おお、心筋梗塞と。救急救命士に、これはパムを打てとか、いわゆる血塊の溶解剤を打てということを医者が指示、その画面を見ながら。そうすると、搬送中四十分かかるところに血塊が溶けて、結果として翌日退院ということになりますと、救急医療費というものは大幅に下がる。

 本来だったら、手おくれのためにそのまま一週間入院の上、右半身不随、要介護者対象といって税金を支払う側になったのが、いきなり税金を受け取る側になり得るということを防ぐことになりますので、デジタルハイビジョンの救急車というのは、実験段階としては東海大学等々で既に始めておりますけれども、こういったものがどれだけうまくいけるかというのは、将来の方向としてはそれも一つの解決方法かなという感じはいたします。

 いずれにいたしましても、これは、死につながるというか、判断の間違い一発で責任を問われるところになりますので、救急救命士にそれを与えられても、判断が間違った場合のときのことを考えますとなかなか難しい問題かなという感じが率直な実感です。

松野(頼)委員 そうですね。確かに、大臣がはっきり答弁をいただいてこれはありがたいと思います。

 救急救命士の養成課程を医師に近づけて、もう少し高度救急医療ができるような状態にするというのも一つの方策でしょうし、今のようなハイテクの技術を使ってインフォームドの形をとるのも一つのやり方かというふうに思いますけれども、ぜひ大臣、そこは、三位一体で今回救急救命の部分、また消防の部分も予算が削られているようでありますから、一律カットするんじゃなくて、本当に住民の喜ぶような、住民が助かるような行政サービスには今のハイテクの機器なんかもしっかりと予算をつけていただいて、そして、この救急救命の医療体制を私は強化をしてもらいたいというふうに思っているわけであります。ここは強く要望しておきます。

 次に、この救急救命、今言いましたように本当に現場は大変な状況であります。私たちは要らないところまで予算をつけろと言っているわけではありません。要らないところはしっかり削る。しかしながら、本当に住民にとって必要な部分の予算は、ある程度、今のこの中でもつけてもいいんではないかというふうに私は個人的に思っております。

 ですから、救急救命の部分というのは、今、出動回数とそれに伴う人員の増加率というのをお答えいただきたいと思いますけれども、これを見てもまだまだ足りない状況であります。どうか、そこをデータでちょっとお答えください。

小西大臣政務官 お答えを申し上げます。

 緊急出動件数、これは平成十四年で全国で約四百五十六万件、前年比十六万件増でございます。

 一方、救急隊、こちらの方は、全救急隊四千六百四十九隊中、救急救命士がいる隊が三千百四十二隊、全救急隊員数五万七千九百六十八名中、救急救命士が一万二千百五十二名、毎年千三百人から千四百人養成ということで今取り組ませていただいております。

松野(頼)委員 大臣、今聞いていただいたように、四百五十万回の出動を約五千隊でこなしているという現実があるんです。この状況を聞かれていかがでしょうか。

麻生国務大臣 松野先生、何となくタクシーがわりに呼ぶ例やら何やら含めまして、これは問題なんですよ。本当に緊急で呼ばれる場合もあれば、酔っぱらってタクシーがわりに呼ぶふざけたのもありまして、大都会では特にこの出動台数がふえておるという大きな理由というのは、非常に問題があるところではあるんです。

 したがって、私どもとしては、これだけ公務員の削減を全国でやりながらも、この点だけにおいては必ずふやしてきてここまでやってきたというところは、事実として、今、小西政務官の方からお答えを申し上げたとおりなんです。

 今後の問題といたしまして、引き続き救急救命士のレベルを上げる等はもちろんのことですが、一一九番通報に関しまして、これは民間の搬送事業者というのもおりますものですから、そういったものと連帯をしつつ、いろいろやっていかなきゃいかぬということ。

 もう一つは、いわゆる予防救急というのかな、とにかく、救急車を呼ぶまでのことかどうかという判断もちゃんとやってもらわぬと、本当にひっくり返ってぱくぱくになっているのと、単なる酔っぱらって崩れ落ちているのと一緒にされちゃかなわぬというので、予防救急やら何やらという知識もある程度普及させていくという努力もしていただかぬといかぬところなのかなというところでもあります。

 いずれにしても、これは消防庁だけで何ともなりませんので、厚生省やらいろいろなところと連携をしながら、この問題については人数だけふやせばいいというものでもないでしょうし、いろいろな問題と関係しているところでもありますので、御指摘はもう全くおっしゃるとおりです。

 私どもとしては、このほかにも、消防車の方がやはり火事になりますとよく目立つところではありますが、出動回数からいったら、消防車と救急車といえば、これは救急車の方が数が多い。だったら、金の関係からいって、どうしても両方使えるようなものにならぬかというので、消防車が救急車もできるようにならぬか。ついた名前が消救車、何となく霊柩車と混同して余り名前がよくないといって今申し上げているんですが、消防車と救急車と一緒にしたようなものを今、事実、開発しております。

 ちょっと今、長さの問題とか高さの問題が問題になっておりますけれども、少なくともそういったものが出ますと経費としては安くなるだろうと思っておりますので、そういったものの研究も含めて、御指摘の問題は大変大事な問題だと思っております。

松野(頼)委員 ぜひ、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 現場の人に話を聞きました。以前より、大したことなくても電話をしてくるという例も確かにあるようでございます。ただ実際、電話口では、電話を受けた救急隊は皆さん大変だって言うんです。いざ現場に駆けつけてみて、これは一日待ってくださいとか、これは大丈夫ですよということもあるんですけれども、やはり駆けつけるまでは皆さん大変だという現実をおっしゃるもので、そこのところもしっかりと考えていただきたいというふうに思います。

 あと、救急救命士が救急隊にまだいないという現実があるわけです。約三分の二ぐらいの救急隊にしか救急救命士がまだ乗っていないという現実がありまして、この養成というのも非常に急務な問題だと思うんですね。

 きょうは厚生労働から来ていただいておりますのは、この救急救命士の国家試験の日程が、非常に細かい話になって恐縮なんですけれども、現場にとっては非常に切実な問題だというふうに伺っております。平成十八年度から、年に二回行われていました試験が年に一回になるということなんです。

 そうしますと、例えば、今年度は四名の救急救命士を養成したい。資格者を採る場合はいいのでしょうけれども、中から救急救命士を養成しようとした場合に、半年間講習を受けるという制度がございます。その半年間、今まで年に二回あったので順番に二人ずつ行かせたんですけれども、例えば、前半に行かせた人間が試験を受けるまで半年あるということですと、職場の中でローテーションが非常に悪い、使い勝手が悪いという声がございますので、どうか、そこのところ、できれば年二回、そして、なるべく多くの救急救命士を養成していただきたいということを厚生労働省に伺いたい。ぜひ御答弁をいただきたいと思います。

竹本大臣政務官 今、松野先生おっしゃったようなケースはあり得るんだと思いますが、十八年度から年一回実施に変えていくわけでございますが、試験回数二回、一回にかかわらず、養成する救急救命士の数というのは必要なものに対応しなきゃいけないというふうに考えております。

 ただ、実際は、いろいろなコースといいますか、いろいろな研修施設を経由して六カ月間の研修を受けるわけでございますので、それに対応していかなきゃならないという意味で、年一回でも工夫をしてきちっと対応できるのではないか。

 と申しますのは、例えば大学でも、国士舘大学だとか杏林大学なんかのようですが、全国でも四つぐらいの大学がこういう救急救命士の教育をやるというふうになってまいりました。また、消防庁関係でも十二の関連施設でやっております。

 ですから、こういったいろいろな施設から上がってくる、そういう研修を終えた方に試験を受けていただくというふうにすれば、数の点において一応需要に対応できるのではないかというふうに思っておりますが、先生の御指摘もあります。現実に十分対応できるように工夫をしながら、年一回実施でございますが、そごを来さないように努力をしてまいりたいと思っております。

松野(頼)委員 具体的にいつまでに整備されますか。

    〔野田(聖)委員長代理退席、委員長着席〕

竹本大臣政務官 十八年からやるわけでございますが、薬剤投与の体制あるいはその手続等も、この十八年からの実施に向けてきっちり対応してまいりたいと思っております。

松野(頼)委員 そうすると、措置範囲の拡大まで含めた養成ということを今議論されているわけでしょうか。

竹本大臣政務官 もともと、先ほど議論いただきましたいろいろな業務範囲の拡大というのは、消防庁サイドからこういうふうに拡大してほしいと要望が出てまいりました。そして、それを検討した結果、先ほど申し上げたようなことにしたわけでございます。

 それで、十八年から年一回実施になるわけでございますが、その中で、薬剤投与とかいろいろなことについて、いろいろ検証していかなければならない。それで本当に大丈夫だろうか、それで事故を起こす危険性はないだろうかというようなことも検証しながら、具体的に経験を積み重ねて、おっしゃるようなさらなる業務の拡大が必要かどうか、その時点で考えていきたいというふうに思っております。

松野(頼)委員 いずれにしても、あとちょっと幾つかやりたいことがあるので、これだけに取っかかれないもので。

 ただ、人員の増員、また措置の範囲の拡大、そしてまた機材等のハードの面の充実ということをぜひここでは強く申し上げまして、次の質問に入らせていただきます。ありがとうございました。

 続きまして、消防庁の体制について伺いたいと思いますが、去年、消防組織法が改正をされました。そして今、国会で国民保護法制というのが約五十時間以上の議論をされているわけですが、今までは地域消防ということで、自治体消防ということで各自治体に任せていたものが、去年と今回の法改正によって、消防庁長官が指揮権というのを持つようになったわけであります。

 そうすると、ある程度、国民保護法制の議論の中でも危機管理をする省庁という扱いになってきた、その色が出てきたというふうに思われますけれども、大臣、今の消防庁の体制というものの変化、これをどのようにお考えになっているでしょうか。

麻生国務大臣 基本的には、直接的な原因は多分、大災害と言われます例えば苫小牧、栃木、三重、幾つかいわゆる広域消防というのになったのが一つ。そのもっと前は阪神・淡路大震災だったと思うんですが、応援に駆けつけたものの、いわゆる携帯の周波数が混線した、またホースの蛇口が合わなかった、これはニューヨークの九・一一のときも同じような事態になっておりますので、私どもの方がその点は早くて、今はそのようなことはなくなりました。

 そういった広域消防ということをやるに当たっては、基本的には、そういう命令、県をまたがるような広域災害というものの例が余りなかったものですから、あれを境にそういったことになっていったんだと思いますが、ああいった大きなものが予想される、もしくは今後テロ等々、いろいろ予想を超えるものが発生したときに当たって、その対応は、被害を最小限に食いとめるという目的のためにはこの種の命令系統がきちんとするというのはいい方向だと思っております。

松野(頼)委員 国民保護法制の議論の中でも、消防の役割というのは、消火、救急救助、避難の誘導、またそれ以上に国民の保護の警報、避難の指示の伝達、安否の情報収集、非常にたくさんの、消防庁に課せられたやるべきことが出てきたわけであります。

 私は以前から、消防庁の人員というものの手薄さを非常に危惧しておりました。もちろん、消防団がいたり自治体の消防があったりということで、全体的な人数、地域に限定すればある程度のものができるんでしょうけれども、危機管理庁的な性格を持った場合に、消防庁が百十三人という数字、これはちょっと考えられない数字であるわけです。警察庁、海上保安庁と比較をしてみますと、相当数少ないわけです。

 ちょっと簡単な質問ですが、警察庁、消防庁の人数、これを教えていただけますでしょうか。

小西大臣政務官 お答え申し上げます。

 平成十六年度初頭の数字でございますけれども、本庁定数、消防庁百七名、比較しまして警察庁は約千六百名、また海上保安庁は、船員約二百名を含めて約千百名というように承知をしております。

松野(頼)委員 約十分の一以下の人員でこれをこなそうとしているわけでございます。

 また、この十年間の消防庁の人員の伸びというのもちょっと答えていただきたいと思います。

小西大臣政務官 お答え申し上げます。

 十年前の平成六年度と比較いたしますと、当時九十七名でございまして、増員は十名でございます。

松野(頼)委員 その間に阪神・淡路大震災を含めた大規模災害、特殊災害というものがあっている状況で、これしか伸びていないわけですから、私は、もっとしっかりとここは手厚くして、そして危機管理庁としての役割、また、今議論をしています国民保護法制のもとでの消防庁のあり方というものをどうかしっかりと構築していただきたいというふうに思っておりますが、大臣、そこのところを、感想で結構です。

麻生国務大臣 基本的には、やはり消防は現場なんです。火事が起きたときの現場、災害が起きたときの現場。だから、どうしても本省にいるより現場に出す人の方の人数をふやそうとするので、枠を決められたらそっちを優先するという形で来たんだと思っております。

 この際、先ほど言われましたように、国民保護法制等々、今まで前例がないことをある程度想定してやらねばならぬということになりますと、現場の判断ではいかがなものかという状態も十分に起こり得ることだろうと思います。緊急消防援助隊等々、いろいろ新しい制度をつくらせていただくことにはなりましたけれども、今言われたそういったことを考えて、少なくとも消防の中でその種の話をやりますときに、ただ避難誘導ということ以外に、大量の人員の輸送とか大量の炊き出しとか、いろいろなことが出てくるということも想像できますので、そういった意味では、ある程度経験のある人たちを入れて、本庁の方でその種の計画をつくり上げるというような必要性は今後出てくるであろうと思います。

 人数をどれだけふやす等々についてはちょっとまだ検討の段階ではありますけれども、私どもとしては、本庁の方の体制をきちんと整えるという必要性は確かだろうと思っております。

松野(頼)委員 なぜこんなことを言うかといいますと、ちょうど一年前になりますが、私は、地元熊本県で、私の選挙区ではないんですけれども、水俣というところで土砂崩れの災害の現場を目の当たりにいたしました。そうすると、小さな町ですから役場の職員の皆さんが不眠不休で作業に当たられているんですが、皆さん素人ですから、よくわからない中でやっているんですね。もう少しここの部分が、専門家がいたり専門的なものにできたらいい。

 その一つが去年の消防組織法の改正にも出ていますし、また特殊災害ということで、今、国民保護法制というものが議論をされて、より一層広域的な部分、また、他県の消防の職員が応援に駆けつけられるようなスキームも今はつくられているというふうに思っているわけであります。

 一つ、これは私からの提案なんですけれども、別に僕は消防庁出身じゃありませんので、決して消防庁の肩を持っているわけではないんですけれども、そういう地元での土砂崩れの経験を見ますと、消防の皆さんがある程度、今非常に自治体も財政が悪いですからフルタイムというのは無理かもしれませんが、消防でもし退職をしたり、そのキャリアをせっかく持っていながら寝かしているような方がいれば、安い金額で自治体の中に入り込んで、いざというときの連携を深めるようなポストをつくられたらいかがなんだろうか。

 今回、鳥取県で自衛隊のOBを知事が任命したという例もあるんですけれども、そこまで大きくなくても、ちっちゃい町にはそれだけのゆとりがない中で、やはりそういう防災及び市民、町民の生命財産を守るような、その専門官を一人置いておきたいという希望も実際にはあるわけです。ですから、そのようなスキームをなるべく安い金額、コストのかからない範囲でぜひつくられたらいかがなのかなということを提案したいというふうに思います。

 今のままでおいておきますと、あくまで自治体の再任用という形ですと、その町なり市なりの職員でやめた方をどうしても任用してしまって、外の消防からは採らない、そしてまた何年かに一度しかない災害に備えるということをなかなか頭に描かないもので、どうかぜひそこは、国の財政出動を含めたそういう措置というもののスキームをつくっていただきたいということを提案いたしますが、最後に答弁をいただいて、質問を終わらせていただきます。

麻生国務大臣 熊本の場合、現場を見られたので御存じだと思いますが、あれはむしろ消防よりは建設省砂防部かなという感じがしないでもありません、あの例を引けば。土石流等々、土砂災害の話でありますので。

 ただ、そういった意味で、あの地域にあらかじめ避難誘導ができるような形が、消防職員等々の携帯がデジタルになっていて一方的に入ってくる等々できるようなものがあの時点であったとするならば、災害がもう少し少なくなっていたということは十分に考えられるところなんであって、そういった意味では、今御指摘のあったように、少なくとも、その役場の中においてそういう経験者、福井県で一等陸佐を退官後採用したというのは、やはり福井県にとりましては、対岸はと、いろいろなことを考えられた結果なんだと。鳥取県とか福井県においては、日本海側に面しておるところは同じような気持ちなんだと思います。

 同じように、この種の、同じ消防でもそういう大災害を陣頭指揮した経験者はそうはおりませんから、そういった経験のある人というのの経験則は大事にされてしかるべきだと思いますので、今の御提案は傾聴に値すると存じます。

松野(頼)委員 どうもありがとうございました。

佐田委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。

 石油コンビナート等災害防止法などにおいて大事なことは、私は何といっても、これまでの事故例等教訓をきちんと生かすということと、それから災害予測などに基づく研究報告等をきちんと生かしていくということが非常に大事だというふうに考えております。それを前提とした上で、定期点検の強化とか、それからタンク、塔槽類、パイプライン等石油コンビナート等における施設の必要な改修、老朽化が進んでおりますから。そして消防防災力の強化、これは自衛消防の面でも公設消防の面でも非常に大事な課題だというふうに考えております。

 きょうは、そういう角度から幾つか質問していきたいと思います。

 経験を生かすという点では、実はことし予算委員会でも、先ほども出ておりましたRDF発電の爆発問題を取り上げましたが、あれは実は、十年ほど前の福岡でのサイロ火災のときの経験とか、それから、数年前、アメリカの消防機関の研究報告が出ているんです。サイロ火災のときに上から水をかけたらバックドラフト現象などが起こって大爆発が起こる、殉職者を出すということは既に報告があったんです。しかし、それが十分生かされずに非常に悲しい犠牲者を出してしまったということがあります。

 コンビナートについても、実は七〇年代前半に随分災害が頻発しました。その中で、七五年に石災法がつくられたんです。あれから三十年たちますが、ちょうどその時代に、例えば、七〇年の三月に堺泉北コンビナートの石油基地における火災規模の予測及び必要消防力の調査研究だとか、七二年三月にも堺泉北コンビナート防災対策の調査研究、七五年三月には水島コンビナート防災対策の調査研究とか、一連のものが随分出されているんです。その中で、泡消火機材などどれぐらい整備しなきゃいけないかとか、随分それが出されて、それが本当は石災法に生きてきたはずなんですね。それで、石災法が後押ししてもっと前進したはずなんです。

 昨年のあの出光の苫小牧の事故のとき、泡消火原液が足らなくなって全国からかき集めなきゃいけないという、何でこういうぶざまなことが出たのかと不思議でたまらないんです。

 また、あのときに、タンクの全面火災に至る原因の一つとしての、地震動の周波数とタンクの装置とかあるいは液面の振動、これは固有振動数が一致したときに共振現象を起こすのは当然のことなんですが、スロッシング現象について、皆さんの、せっかく消防研究所がずっと前から頑張って研究していらっしゃるんですね。

 例えば、やや長周期地体における強震動の特性、これは国の地震研究所が既に七九年に出しておったり、それから、九〇年代の早い時期から消防研究所の報告の中でずっとやっているんですね。「苫小牧におけるやや長周期地震動特性」については、九八年に消防研究所でやっているわけですね。

 だから、ずっと前から取り組んでいらっしゃったのに、浮き屋根のスロッシング現象なんかを考えた対策というのをきちっとやらなきゃいけないのに、どうしてこんなに遅かったのか。

 ですから、その点で私きょう伺っておきたいのは、これは政府参考人に伺いますが、消防機関や大学、研究所でのこの問題の取り組み、スロッシング現象等浮き屋根タンクの問題についての取り組みの現状はどういうふうになっているのかというのが一つ。もう一つは、三十年前から浮き屋根式タンクの全面火災を想定して、それに対応する泡消火機材の整備は当然のことだったんですが、なぜ苫小牧に備蓄が十分なかったのか、タンク全面火災の予測研究はしたけれども、消防庁としては備蓄の必要量を低く見積もっておったのか、この辺がどうも今回の問題を見ておってわからないものですから、これは最初に政府参考人に伺っておきたいと思います。

東尾政府参考人 出光タンク火災につきましての御質問にお答えいたします。

 まず、消防庁として今回の地震の被害に関連する調査研究についてはどの程度把握していたかということでございます。

 ただいま先生からいろいろな調査について御紹介がございましたが、特に私どもの消防研究所では、御指摘のとおり、長周期の地震動特性から見ました地震地体構造区分という研究に平成十四年四月から着目しております。

 と申しますのは、それ以前からもタンクに対する地震の影響、そういうことがあるということは十分承知しておりましたけれども、かつては、いわゆる短周期、つまりその周辺で起こる地震に対する直接の影響についてのみが注目されておりました。しかし……(吉井委員「細かいことはわかっているから」と呼ぶ)そういうことでこの研究をしております。

 今回、これがなぜ反映されていなかったかということでございますが、この調査自身は平成十七年三月まで行う予定であったところ、ほぼまとまってきたところにこの事故が発生いたしましたので、最終的な結論を待つまでもなく、この研究を急がせまして今回の対策に結びつけております。

 なお、泡薬剤が不足していたのはなぜかという御質問でございますが、これにつきましては、当時、タンク火災が相次いだ際に調査しましたけれども、今回のような全面火災が起こる確率は極めて低いという関係から、その必要な泡薬剤についての算定を行ったものでございます。

吉井委員 まず一つは、幾らいい研究をしても、何度も何度も途中で発表をしているわけですから、生かさなかったら、これは研究者の人に対しても失礼だと思うんですね。あなたのところの消防研究所がやっているんですよ。何でこれが生かされなかったのか、これは非常に私は大事な問題といいますか、消防庁や総務省としては責任の重い問題だというふうに考えます。

 それからもう一つの方は、やはりそれに基づいて消防力の強化というものをきちっと図ることとか、必要な施設の改修を考えなきゃいけないんですが、それが実際にはやられていない。何か確率が少ないような話でしたけれども、私、水島や堺泉北関係、三十年ほど前のものを見ておりまして、その後もっとこれは進んでいるわけなんですね。

 そういう時代からきちんとした、大体、泡消火であれば放射砲の角度を幾らにしたらどれぐらいに及ぶかとか、そのときの原液量は幾ら必要かとか、全部研究されているんですから、全面火災を想定して、出光だけでは少々足りなくても、少なくともあそこのコンビナートを集めれば間に合う分ぐらいはあって当たり前のことだったと思うんです。それができていないのは、やはり、石災法をつくったんだけれども、実際に中身を生かすという点で、この間の総務省、消防庁の取り組みは非常に大きな立ちおくれを来しておったということを言わなきゃならぬと私は思うんです。

 次に、タンクの改修について伺います。

 七五年に石災法をつくって、十年前にも、阪神大震災の後、石油タンクの基準に合わないものの整備が問題になりました。しかし、苫小牧の出光興産北海道製油所事故の後、改めて見てみると、タンクの七三%が耐震性に問題あり。未改修タンクが一万七百八十二基中七千八百九十八基、これは五百キロリッター以上ですけれども、非常に今耐震性に問題ありというタンクを抱えているのが現状じゃありませんか。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまの未改修のタンクの基数七千八百九十八、五百キロリットル以上につきましてはそのとおりでございます。

吉井委員 ですから、七三%が未改修ということで、大変な事態です。

 企業のタンクの改修について、改修が遅過ぎるわけですが、未改修のタンク七千八百九十八基を、五百キロリッターから一千キロリッター、一千から一万キロリッター未満、一万キロリッター以上について、それぞれいつまでに改修をするということで取り組んでいるのか伺います。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の政令附則におきましては、一万キロリットル以上については二十三年末までに、千キロリットルから一万キロリットルにつきましては二十七年末までに、そして五百キロリットルから一千キロリットルにつきましては三十二年三月末までに改修を終えることとしております。

吉井委員 終了年次というのを今おっしゃったんですが、特に二〇二〇年三月末というもの、これは今のような状況でまだ二十年近く見ておかなきゃいけないというのは余りにも遅過ぎると思うんですね。少なくとも三年程度以上前倒しを図ってでも、やはり速やかにこれは改修をやらせ切るという立場で臨むことが必要だと思うんです。

 この点だけは、二、三年前倒ししてでもやらせる、やはりそういう取り組みについてはちょっと大臣の方から伺っておきたいと思います。

麻生国務大臣 おっしゃるとおり、地震というのはちょっと正直申し上げていつ起きるかわからぬという話で、東海地震も抱えておられるところもおありですし、特に場所もある程度考えてこれは前倒しをする必要があろう、私どももそう思いますので、検討させていただきます。

吉井委員 次に、浮き屋根式タンクの方です。

 要するに、消防研究所の解析結果では、タンクの液面揺動が大きくなるやや長周期震動が予測される区域として、苫小牧、秋田、酒田、新潟、東京、横浜、大阪が挙げられているんですが、この地域には浮き屋根式のタンクは何基あって、いつまでに改修を終わらせるということにしているのか、これは政府参考人の方からでも結構ですが、伺っておきます。

東尾政府参考人 お答え申し上げます。

 浮き屋根式タンクは全国で二千四百ほどございますけれども、ただいま御指摘のやや長周期震動の影響を強く受ける地域に約七割ぐらいは集中しているものと考えますが、これは必ずしも厳密な区域ではございませんので、大ざっぱな数字としてとらえていただければと思います。

 改修期限につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございます。

吉井委員 次に、だから、こういうタンク等の問題のあるのを早く改修するということが必要なことと、あわせて、定期点検やあるいは防災力の強化という点で、これは大臣に伺っておきたいと思うんです。

 きょうの日経新聞にもブリヂストンの全国十五工場に防災専従責任者を一人ずつ配置するという話も出ておりましたけれども、実は、昨年の出光の事故の後、日経、読売、毎日など各紙が社説を出して、何でブリヂストンにしろ出光にしろ、これだけ大企業の大工場の爆発火災等事故が頻発するのか、このことを社説で問題にしました。

 共通しているのは、リストラが進む中で安全操業、安全対策がなおざりになっているのじゃないか、ベテランをリストラして経験の少ない若い人たちが取り残されたことになっているという問題もあれば、設備の老朽化とか、これを挙げておりました。

 昨年の十月一日と前日の日経の社説や特集で書いておりましたが、出光興産の北海道のここは四年間で五回火災事故を起こしているんですね。余りにもひど過ぎるんですが、ここには、コンビナート事故そのものが全国的に、発生率は九一年に比べて二〇〇二年には二・二四倍になっている、二倍以上になっている、そして、その背景にあるのは、プラントの保安について規制緩和が進んだために、石油化学のプラントではこれまで二年に一回、四十日間とめてそれで定期点検をやっておったわけですが、四年連続運転が認められるようになってしまった、検査のコストは一九九四年に七百五十六億円かかっておったのが、二〇〇一年には二百八十億円へとどんと下がっておるんですが、自衛消防の専任社員などは二割以上どこでも削減されてしまっていると。

 やはり企業自身が、これは企業も事故をやったら物すごく大きい損害をこうむるわけですから。しかも、地域社会に大変な問題を起こすわけです。今度、防災体制・リスク管理等検討部会でも出光のことも挙げられておりますけれども、やはり一番問題になってくるのは、安全分野まで規制緩和をやり過ぎてしまって、企業の防災能力と体制の落ち込みが目に余る、やはりこれをきちんとやらないと、幾ら総務大臣が公設消防の強化あるいはそのための交付税だと力を入れはったとしても、やはりうまくないんですね。各紙もそういう社説を掲げておりますが、まずそこをきちっとやらせるということは、これは政府を挙げて取り組みをやらなきゃいかぬと思うんですが、大臣のお考えを伺いたいと思います。

    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕

麻生国務大臣 先ほど三ッ矢先生の答弁のときにも一部申し上げましたけれども、基本的には、企業のトップという人たちのやはり保安というものに対する意識がきちんとしているかしていないかというのは、これは吉井先生、物すごく大事なところだという点は私も全く同じです。

 保安というのは金を稼がぬで金を食うばかりなものですから、コストを下げるという話になってくると、どうしてもそこのところを何となく一人減らし、二人減らしということになるんです。また、何となく経験数の多い、給料の高い方から減らしていくという問題もありまして、そういったところが今いろいろな問題につながっていったのではないか。

 私、その社説を読んでおりませんからわかりませんけれども、そういった話であろうと想像いたします。現実問題としてそういう傾向は大いにあると思っておりますので、私どもとしては、その辺のところの指導やら何やらはきちんとやらないかぬと思っております。

 例えば、国会の上に雷が落ちたということがありますけれども、あれは、避雷針をつけるまではやかましいんですけれども、つけた後の補修はだれが面倒を見ているのかというと、実はだれもやっておらぬということになっておる例はいっぱいあります。

 そういった意味では、私どもは、保安とか治安とか安心とか安全とか、いろいろな範囲にわたって従来とは違った要素が出てきておる昨今の情勢を考えますと、今までとは違った観点から、今言われたような点について十分指導していく必要もあろうかと思っております。

吉井委員 もともと二年に一回定期点検をコンビナートなどでやっておったんですが、規制緩和で四年連続運転可能になってくる。ですから、九一年に比べて事故率が二・二四倍になった。そういう状況のもとで、今度、改正案の第二十条の二で定期報告というのがありますが、ここで改善命令が必要であるという判断を市町村長等がやれば、実際の企業に対してでも改善命令等をきちんと判断して出していく、そういう機会というものはここで保障されることになるんでしょうか。

東尾政府参考人 今回御提案しております石油コンビナート等災害防止法で導入されます定期報告を求める際に、業務が不適正と考えられる者についてはまず指導は申し上げますが、それでもやはり不十分と考えられる場合には改善命令というふうにつながると思います。

吉井委員 以前、歌舞伎町ビルの火災を踏まえて消防法改正というのがありましたが、立入検査など権限拡大した。それはいいんですが、実際には、消防白書を見ても、立入検査回数の減少というのは解消されていないんですね。なぜこういうことになってくるのか。

 ここには消防職員の充足がやはり今必要なんですが、私たちはこのことをこれまで取り上げてまいりました。二〇〇二年度の地方財政計画においても、雑居ビルへの立入検査の増員について、これは予防要員千七十七人を含めて千九十六人の増員措置ということだったんですが、実際には二千四百人の消防防災支援要員が緊急地域雇用対策で雇用されているところがありました。しかし、消防費の決算額も交付税の基準財政需要額を上回っているんだけれども、立入検査の回数が減ってくる、前年度を下回っている。防火対象物に対する立入検査の割合も三割を切った二八・二%と落ち込んでいるんですね。

 何でこういう結果になったのかということが一つと、最後に、実効性の水準をやはり確保していく、必要な定員というのは実数できちんと確保するとともに、実効性という言葉だけじゃなしに、新しい制度や権限を拡大しても実効性の担保が本当に生まれるような方向でどうやり抜いていくのか、この二点について伺って終わりにしたいと思います。

東尾政府参考人 消防、予防関係の今後の充実でございますけれども、まず、立入検査につきましては、確かに消防吏員が直接立ち入りをする方が効果的であることは御指摘のとおりです。

 しかし、新宿歌舞伎町ビルの教訓にかんがみまして、多くの防火対象物において適正な防火管理をしなければいけなくなったということから、立入検査については重点、効率的に行い、それを補完するために、先ほど申されました雇用対策事業また防火対象物点検資格者制度などを導入いたしまして、重点的、効果的な立入検査に努めているところでございます。

 しかしながら、今後の高齢化対策、住宅防火対策も含めまして、今後、予防要員をどうすべきかということについては、ただいま消防力の整備水準のあり方検討会を行っておりますので、この中で適正な見直しを図ってまいりたい、このように考えております。

麻生国務大臣 御指摘のありました消防団員の方は確かに少し減っておるんですけれども、消防職員の方は、過去、平成元年から見ますと、十三万二千六百から今日十五万五千まで、これだけどんどん地方職員が減らされている中にありまして、微々たるものではあろうかとは存じますが、少しずつふえておるという実態にはございます。

 ただ、それで十分かと言われると、なかなかさようには申し上げられないというのが実態だと存じます。

吉井委員 時間が参りましたので終わります。

 ただ、立入検査回数は実際に落ちていますので、強化を求めておきたいと思います。

 以上で終わります。

佐藤(勉)委員長代理 次に、横光克彦君。

横光委員 社民党の横光克彦でございます。質問させていただきます。

 まず、火災警報器の義務化についてお尋ねをいたします。

 現在、火災報知機は、床面積五百平方メートル以上の共同住宅にのみ設置が義務づけられているわけでございますが、こういった中で、住宅火災による死者は、先ほどから御説明がございますように、昨年の焼死者は十七年ぶりに大台を超えてしまった、千七十人を数えておる。しかも、この過半数が六十五歳以上である、五年前よりも高齢者の焼死者数が二百五人もふえているわけですね。高齢化に伴って、煙に巻かれる、あるいは逃げおくれる、そういった高齢者が急増している、七割にもふえているというお話がございました。消防力の増強で火災は軽微で食いとめられることが多いわけでございますが、そういった中であるにもかかわらず犠牲がふえている現実は非常に痛ましいわけでございます。

 そのために、今回の消防法改正案、小規模な共同住宅や一戸建て住宅を含め、すべての住宅に火災警報器の設置を義務づけるという内容が盛り込まれております。七〇年代から義務化を進めたアメリカでは、このことによって焼死者は四割以上も減らしたという実績もある。非常に効果が期待されているわけでございます。

 しかし、警報器の普及率が九〇%以上のアメリカでは一個三千円前後だということも聞いておりますが、日本ではやはり二倍から三倍、設置工事費を含めると一個が二万円ぐらいになるんじゃないかとも言われておりますし、もともと、これまで防災関連機器は割高につくということで評判が非常に悪いですよね。しかも、消火器の詐欺的な押し売り商法も後を絶たない。

 そこで、大事なことは、適正価格での普及に努めることであろうかと思うんです。特に新築住宅への義務化が先行すると思うんですが、そうなりますと、警報器は建設費のごく一部なんだということで割安感を感じます。しかし、そういった割安感があるだけに、高値の販売がまかり通りかねない。しっかりと監視しなければ、この法改正は業界対策のための改正と言われかねませんので、どうか適正価格での普及に向けて、強力な業界への指導などあらゆる努力を講ずべきだと思うわけでございますが、いかがでしょうか。

林政府参考人 火災警報器の設置の義務化についてでございますが、御指摘のように、これが普及し、各家庭におつけをいただくためには、できるだけ負担を軽減する必要があると思っております。

 我が国においては、まだ普及していないこともございまして、残念ながら価格が、先ほども申し上げましたが、七、八千円から一万円ぐらい。ただ、設置の工事費はほとんどかからないような形態のものが出てきておりまして、フックをかけて、それにぶら下げれば大丈夫というような形にはなってきておりますが、まだ割高感がございます。

 米国におきましては、二十ドルから大体四十ドルぐらいのものが出回っているというふうにお聞きをしておりますが、今後、我が国におきまして普及を促進するためには、適正価格で、低価格化を図っていくことが何よりも重要であると考えておりまして、関係業界にも私ども関係者の方から、そのための努力をしていただきたいということをお願いしております。

 やはり多くの方につけていただくためには、簡単に取りつけることができることと低価格にする、また買い取り方式だけでいいのかどうかということを考えますと、維持管理も考えますと、リース方式というのもあるのではないかというようなことも関係業界と御相談をしております。また、負担感を和らげますために、住宅火災保険に入っておられる場合、割引制度が実現できないかということも関係業界に働きかけているところであります。

 ただ、低価格化のためには、やはり最も効果的なのは競争による低価格化だと思っております。今後、この法案を御審議の上通していただきました暁には、外国製品等も入ってくると思いますので、国内製品とあわせて競争していただき、できるだけ負担の低い形での品物が出回るように私どもとしても努力をしてまいりたいと考えております。

横光委員 これはあくまでも自己責任の問題だと思います。それを支援する体制整備だと思います。であるならば、それぞれが、すべての部屋につけたい人はつけることもできるわけで、義務化といっても、一家に何台ということはまだ決まっていないわけですね、これから条例等で決められるんでしょうけれども。やはりすべての部屋に欲しいという人が、それが安全につながるわけですから、そうしますと、今、一個一万円ぐらいだといいますと、三つ四つつけると大変な額になるわけですね。そういったことから、私は御努力をお願いしたい。

 そしてまた、競争意識というのを業界にこれから高めていかなければならないというお話でございます。私はそれがまた大事だ。いわゆる今回の法改正によって、こういった業界は、ある意味では景気対策になる、義務化になるとこれはどんどん売れるぞ、そういった意識になりかねない。そのことは逆に競争意識を弱めたり、あるいは技術の革新を弱めたりすることにもつながりかねませんので、どうかそのあたりを、今言われたようなことで御努力いただきたいと思っております。

 また、一般企業や学校、幼稚園、工場、あるいはお寺や神社、ファストフード、こういったお店などをねらって、消火器の点検と言って巧妙に訪問し、消火器の薬剤を詰めかえたり、そして高額な料金を請求するというような事例が増加しております。解約を申し出ると脅迫的な態度をとったり、これは事業者の契約には、訪問販売であっても特定商取引法のクーリングオフ制度の適用がないんですね。個人の家庭にはこの特定商取引法のクーリングオフ制度はあるんですが、事業者にはない。そのために料金を支払わざるを得ない状況に追い込まれるなど、トラブルが頻発しております。

 いわゆる点検商法の被害状況がどのような今状況になっているのか、これについて消防庁としてどのような対策を講じているのか。法改正に便乗した悪徳業者の横行を許さないためにもしっかりと対応していただきたいと思うんですが、この点をお聞かせください。

    〔佐藤(勉)委員長代理退席、委員長着席〕

林政府参考人 消火器に関します不適切な点検につきましては、平成十五年度の調査によりますと、トラブルの発生いたしております防火対象物件は千二百六十件あった、こういう報告を受けているところでございます。

 今回の火災警報器につきましては、またいろいろと対策を講ずる必要があるという御意見もいただいているところでありまして、特定商取引に関する法律に基づくクーリングオフ制度の対象としたいと考えておりまして、市町村の広報紙等で丁寧な広報を行いまして、悪質な被害を防いでいきたいと考えているところであります。

 それからまた、修理点検に際しましてそのようなトラブルが出ているようでございますが、今回の火災警報器につきましては、有効期限あるいは点検が不要である、いわゆるメンテナンスフリーである、こういう旨を明確に表示して、トラブルが発生することがないようにしていきたいと思っておりますし、特に地域の高齢者の方々がそういうトラブルに巻き込まれることが多いようでございますので、このような方々に対しましては、地域に根差した活動をしておられます消防団であるとか婦人防火クラブの方々にもお願いをし、またこれらの方々が連携をして普及活動に努めていただき、トラブルが少なくなるようにしていただきたいと思っております。

 なお、もしトラブルが発生した場合ということも考えておく必要がございますので、今、私ども、関係業界と御相談をしておりますが、火災報知機工業会というのがございますが、この工業会の方で苦情対応窓口を設けていただくような話し合いもさせていただいているところでございます。

横光委員 新たな法改正、義務化ということで、さらにそういったことが起きかねませんので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、出動件数の急増で救急車が不足しているような現状でございますが、そういった中、救急隊員が消防車で駆けつける体制を整えようとしている、あるいは整えている、そういった自治体がふえているわけですね。例えば東京消防庁は、救急隊員が待機中の消防車に乗り込んで救急現場に駆けつける制度を導入しております。二〇〇二年度は、計六十三万件の救急出動回数のうち、六分の一に当たる約十一万件が消防車によって出動しておるんですね。こういうふうに消防車も活用されている、救急対応で。

 そうなりますと、先ほど大臣がお話しになりましたいわゆる消救車、消防車と救急車のそれぞれの機能をあわせ持ったいわゆる消救車にたどり着くと思うんですね。この二つの機能をうまく発揮させようと思えば、ここにたどり着くだろう。そして、この消救車を全国で初めて導入する自治体も出てきた。例えば千葉県松戸市、ここでは、さらにこの救急対応を充実させるために、今年度から消防車と救急車の機能をあわせ持った消救車を導入することを全国で初めて決めております。

 この消救車の車両価格は、消防車と救急車の両方を購入した場合に比べて一、二割安くなると言われておりますし、病院からの帰路に連絡を受けて火災現場に出動するなど、非常に機能的、効率的運用も可能である。つまり、運営自治体のコスト削減も期待され、そして消防機能、救急機能両方もかなり迅速に対応できるということになれば、これは一石二鳥どころか三鳥にもなるわけですね。

 そういったことから、消防庁としても、消防車と救急車の両方の機能をあわせ持った消救車、名前は大臣が霊柩車にちょっと近いということで御意見がございましたが、この消救車の導入について、積極的に私はもう推進すべきときだと思いますが、いかがでしょうか。

林政府参考人 救急業務を取り巻く現場の状況はお触れになりましたとおりでございまして、いろいろ消防と救急が助け合いながら地域の方々の要請にこたえていくという中で、お触れになりましたような事例が出てきていることは私どもも承知をいたしております。

 お触れになりました消救車でありますけれども、これは消防ポンプ車と救急自動車の二つの機能を有する車両ということで現在関心が寄せられているものでありまして、その関心が寄せられている理由は、主として、財政的な問題に加えて、効率的な消防車両の活用ということにあるんだろうと思っております。

 こういう関心を受けまして開発業者におきましても検討がされているようでございますが、基本的には私どもは、救急業務を執行する上で支障がないような構造である必要があるというふうに考えておりまして、現在の消防車のままではなかなか救急業務を適切に執行するに不便なり不適切な部分があるという実態にもありますので、このような実態を踏まえて、消救車を開発、研究しておられる業者におかれましては、車両の改良を検討されているというふうにお聞きをいたしているところでございます。

 いろいろとその意味で課題があるのも事実でございますが、現場の消防職員等の意見を踏まえながら業者における開発が進められることを、今後とも私ども注目をしていきたいと思っております。

 ただ、実用化に当たりましては幾つか乗り越えなければならない問題があるのも事実でございまして、一つ、よく報道されている中に出てまいりますわかりやすいものとしては、車体の色の赤と白をどのようにして住民の方々に御理解をいただき、道路交通法上の問題をクリアしていくかというような問題もあります。

 また、現場におきましては、救急出場中に火災の対応力が低下しないような体制が組めるかどうかとか、あるいは逆に、救急業務の水準を、専門の高度な車体であればいいわけでありますが、そうでないような場合はその水準を落とすことがないようにできるだろうかといったような、消火、救急それぞれの面からの課題も寄せられております。

 私どもとしては、そのような動きを眺めながら、現場の需要にこたえるためにどのようにしたらいいか積極的な検討に参加してまいりたいと思っておりますが、ただ、消救車という考え方は、現況の中では有効な選択肢の一つとして大いに検討に値するものではないかと考えております。

横光委員 確かに支障があるようなことではいけませんし、そういった意味ではこれからの改良が非常に重要になってくるわけですが、現在でも、普通ポンプ車としての機能に加えて、患者用の救急ベッド、いわゆるストレッチャーを搭載でき、酸素吸入装置も備え、いわゆる普通救急車として遜色ないと言われている消救車もあるわけでございます。

 ところが、消防法の政令では、救急隊は救急車及び救急隊員三人以上で編成しなければならないとなっておりまして、応急処置をしながら患者を搬送できるのは救急車に限定されているんですね。

 しかし、救急現場というのは、まさに心肺停止などの救命処置には一分一秒を争う、いわゆる生死の分かれ目になるような処置が必要でございますし、応急処置までの時間を短縮できたり、あるいは救命率アップに効果を上げているわけですよ、この救急救命処置というのは。ところが、消防車や消救車では救急患者の搬送、いわゆる応急処置をしながらの搬送ができない、この規制があるために非常に効率が落ちる。ただ搬送はできるのですが、何も手当てができないという状況なんですね。

 これは、消防法の政令を何とか改正することによって、この現場の声、そしてまた救急対応、さらに効果を上げるために必要ではないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

林政府参考人 救急事案の場合に消防車を使って搬送するという事例も出ておりますが、ただ、御指摘のように、その場合、搬送途中で十分な、適切な手当てができないというような問題もありまして、やはり搬送する場合、できるだけ応急的な処置ができる態勢をとれるような機能を備えたものが必要ではないかというのが、今回、そもそも多くの人の関心が寄せられている消救車の事例でございます。

 私ども、今のままでは、なかなか空間的に適切な処置がとれると確信ができないものを大丈夫であるという判断はできかねるところがございますことを御理解いただきたいと思います。

横光委員 確かに難しい判断を迫られることもあろうかと思いますが、本当に、搬送だけではなくて、搬送しながら救急隊員の応急処置ができるということになれば随分助かる命も多くなるのではなかろうか、私はそういった思いを強くいたしております。

 消防庁は、女性の消防職員をふやすために、採用方法や職場の環境を改善することによって女性の消防職員でも男性と同じ業務ができるとの通知を、この二月に各都道府県に出しております。しかし、実際、東京のある市で、消防団に参加しようと申し込んだ三十歳代の女性が事実上門前払いにされていたという事例もあるわけでございます。

 採用時に男女差別をしない、あるいは勤務ローテーションを男女で分ける、出動機会に差をつけない、さらには消防署内に女性用仮眠室、トイレを整備するなどの対応を求めておるわけです、消防庁が。しかし、現場の意識はまだまだそういった意識改革には遠いようでございます。

 この通知の徹底ときめ細かなフォロー、これを求めたいと思うんですが、いかがお考えですか。

林政府参考人 地域の消防団の皆さん方が地域の要請にこたえていろいろと活躍をしていただく必要があり、またその期待も高まっているわけでありますが、特にその中で、地域のコミュニティーとつながりの深い女性の方々の活躍も期待されているようになっていると思います。

 法令上、男女の間で特別な制約はございませんし、むしろ女性の方々の活躍に負うべき点もふえてきている時代でございますので、私どもとしては、お触れになりましたように、文書をもちまして、女性の消防団への入団促進につきまして関係者にお願いをいたしているところでございます。年々、おかげさまで増加をしておりまして、平成十五年四月一日現在では約一万二千人ということで、十年前に比べまして約三倍に増加をいたしております。

 ただ、お触れになりましたように、現場では女性の方々が参加されるための条件がまだ整っていないような団もございますので、そのような団に対しましては、私ども、環境整備に努めていただき、女性団員の加入促進を図っていただくようお願いをしてまいりたいと考えております。

横光委員 まだこれもこれからの課題だと思います。一万人にふえたと言っておりますが、これは全体のまだ一%なわけでございますので。

 消防活動というのは消火活動だけではありません。消火活動というと、確かに肉体的な差があるわけでございますのでなかなか参加は難しいでしょうが、消防活動になりますとあらゆる業務がございますので、女性も十分に対応できる役割もあると思いますので、これからもどうぞその方での推進をよろしくお願い申し上げます。

 終わります。

佐田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

佐田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

佐田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

佐田委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、野田聖子君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。松野頼久君。

松野(頼)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨の御説明を申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 住宅用火災警報器等の設置が住宅火災における死者発生率低減に高い効果を上げていることにかんがみ、技術開発及び適正競争の実現を図るなど市場原理の活用による消費者の負担軽減、地域防災組織との連携及び地方公共団体等による支援方策による高齢者等の住宅における設置促進を通じて、その積極的な普及に努めること。

 二 ごみ固形化燃料等に起因する火災が多発している現状にかんがみ、施設における安全管理・搬送体制等が十分に確保されるよう財政的な配慮を含め適切な措置を講ずるとともに、火災発生の危険性が高い新物品が開発された場合には、その普及に先駆けて当該物品の危険性状を事前に十分に調査・把握するよう努め、必要な安全対策を講ずること。

 三 石油コンビナート等特別防災区域の事業者に対する防災業務の改善措置命令の発動に当たっては、市町村長等が不適正な状態の実質的な改善に向けて積極的に対応できるよう、運用基準の整備等に努めること。

 四 広域共同防災組織に係る区域を定める政令を制定するに当たっては、災害の発生頻度や特定事業所の集中度等を踏まえ、平成十五年十勝沖地震時におけるタンク火災の類似事故が起こった場合でも効果的に消火が可能となるよう、特定事業者による防災資機材等の配備が十分かつ重点的なものとなり、石油コンビナートの防災体制が十全に確保されるように配意すること。

   また、泡消火薬剤の配備については、地方公共団体もその備蓄を行えるよう、財源措置の充実に努めること。

 五 昨今の多発する企業災害や大規模地震等に対する危機管理の重要性にかんがみ、消防力基準の充実に努めるとともに、全国的観点からの消防庁及び緊急消防援助隊等の体制整備を地方公共団体等と連携しさらに推進すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

佐田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

佐田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。麻生総務大臣。

麻生国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

佐田委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

佐田委員長 次回は、来る二十七日木曜日午後一時二十分理事会、午後一時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十九分散会


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