衆議院

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第3号 平成20年11月11日(火曜日)

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平成二十年十一月十一日(火曜日)

    午前十時九分開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 大野 松茂君 理事 岡本 芳郎君

   理事 実川 幸夫君 理事 林田  彪君

   理事 森山  裕君 理事 黄川田 徹君

   理事 原口 一博君 理事 谷口 隆義君

      猪口 邦子君    今井  宏君

      川崎 二郎君    木挽  司君

      坂本 哲志君    鈴木 淳司君

      田中 良生君    高鳥 修一君

      谷  公一君    谷垣 禎一君

      土屋 正忠君    土井  亨君

      葉梨 康弘君    萩原 誠司君

      橋本  岳君    平口  洋君

      古屋 圭司君    松本 文明君

      小川 淳也君    逢坂 誠二君

      玄葉光一郎君    田嶋  要君

      寺田  学君    森本 哲生君

      伊藤  渉君    塩川 鉄也君

      重野 安正君    糸川 正晃君

    …………………………………

   総務大臣         鳩山 邦夫君

   総務副大臣        石崎  岳君

   総務副大臣        倉田 雅年君

   総務大臣政務官      坂本 哲志君

   総務大臣政務官      鈴木 淳司君

   総務大臣政務官      中村 博彦君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      谷  公士君

   総務委員会専門員     伊藤 孝一君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十一日

 辞任         補欠選任

  稲田 朋美君     高鳥 修一君

  関  芳弘君     猪口 邦子君

  亀井 久興君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  猪口 邦子君     関  芳弘君

  高鳥 修一君     稲田 朋美君

  糸川 正晃君     亀井 久興君

    ―――――――――――――

十一月四日

 市街化区域外における事業所税の課税対象除外を求めることに関する請願(平口洋君紹介)(第二三四号)

 同(平口洋君紹介)(第二六一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件(人事院勧告)


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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 この際、鳩山総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鳩山総務大臣。

鳩山国務大臣 総務委員会の御審議に先立ち、一言ごあいさつを申し上げます。

 私は、特に、麻生総理からの御指示である、地域の元気を回復することを第一に、地方分権改革を進めること、地方税財源の充実確保を図ること、行政改革を進めること、ICTにより成長力を強化すること、郵政民営化を円滑に進めることなど、麻生カラーを発揮しつつ、私が大切にしている自然との共生の理念を取り入れながら、国民生活に活力と安心をもたらす改革を推進してまいります。

 以下、各分野について触れさせていただきます。

 まず、行政改革の推進についてであります。

 国の行政機関の定員については、平成十八年度からの五年間で五・七%以上の純減目標を確実に達成します。

 簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を充実させるための行政不服審査法の改正法案及び行政手続法の改正法案などを提出しております。

 国家公務員の給与等については、人事院勧告を踏まえ、できるだけ早く取り扱い方針を決定し、法案を提出する予定です。また、返納事由の拡大等を行うため、国家公務員退職手当法の改正法案を提出する予定です。

 少子化社会対策に関連する施策等の重要対象分野に係る政策評価を推進するとともに、随意契約の適正化などの行政評価に取り組んでまいります。

 次に、年金記録問題についてであります。

 まじめに保険料を払ってこられた方々が正しく年金を受け取ることができるよう、引き続き、年金記録確認第三者委員会における公正かつ迅速な調査審議を支え、年金記録の訂正に結びつけてまいります。特に、本年三月末までに申し立てられた事案については、おおむね一年を目途に処理を終えるべく取り組みます。

 この点につきましては、第三者委員会の皆様方には、できるだけ優しく、認めてあげられる方向で基本的に見ていただくように、この間もお話をしたところでございます。

 次に、地方分権、地方行財政改革の推進についてであります。

 現在、地方分権改革推進委員会において、年内に予定される第二次勧告に向け、国の出先機関の見直しなどが議論されておりますが、去る六日に麻生総理から、二重行政の廃止等の観点から抜本的な統廃合をすべきとの御指示を改めて受けまして、国の出先機関の廃止縮小に向けて積極的に取り組んでまいります。同委員会からの勧告を踏まえて、政府として、地方分権改革推進計画を策定し、新分権一括法案を来年度中にできるだけ速やかに国会に提出すべく、地方分権を強力に推進してまいります。

 また、引き続き市町村合併を推進し、合併後の市町村のまちづくりを支援します。

 地方公務員の定員については、引き続き、国同様、五年間で五・七%以上の定員純減を進めるなど、地方行政改革、地方行革を着実に推進します。

 地方公務員について、能力・実績主義の徹底と退職管理の適正確保を図るため、地方公務員法改正法案を提出しています。

 地方財政について、地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源の総額を確保してまいります。

 税体系の抜本的改革や地方分権改革を通じ、税源移譲を含めた税源配分の見直しを行い、当面、国と地方の税収の割合を六対四から一対一に近づけることを目指して、地方税の充実を図ってまいりたいと思いますので、委員の諸先生方の御協力をよろしくお願い申し上げます。

 その際、地方消費税の充実を図るなどにより、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築することを基本に、改革を進めてまいります。

 また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の円滑な施行に努め、第三セクター等の経営改革や公立病院改革の取り組みなどを支援します。

 魅力ある地域づくりについてであります。

 地方自治体、住民等の協働により地域力を高める取り組みを支援し、中心市と周辺市町村が自主的な協定により相互に役割分担して連携する定住自立圏構想を推進して、圏域ごとに生活に必要な機能を確保する方策を各府省と連携して講じてまいります。

 これは、募集をしましたら四十近い団体から御連絡がありましたけれども、先行実施団体として中心市二十市を含む十八圏域を決定したところであり、年末を目途に本構想の具体化を図ります。

 時代に対応した新たな過疎対策を検討するとともに、地域のコミュニティーと地方自治体が協働する新しい地域経営の検討を進めます。

 次に、ICT政策について申し上げます。

 あらゆる社会経済活動の基盤である情報通信技術、すなわちICTの潜在力を発揮することにより、グローバル成長力と地域成長力の双方を強化します。

 まず、二〇一一年の完全デジタル元年に向け、残り千日を切ったデジタル放送への完全移行に万全を期すとともに、ブロードバンドゼロ地域、携帯電話不感地帯等の解消に努めてまいります。あわせて、公正競争環境の整備、電波利用の促進、通信・放送の融合、連携に対応した制度の検討を進めてまいります。

 また、研究開発や標準化活動の強化、新事業創出、人材育成など、我が国ICT産業の国際競争力強化に戦略的に取り組むとともに、遠隔医療やテレワーク、環境問題への取り組み等を推進します。

 他方、光が強くなれば影の部分への対応が重要となります。インターネット上の違法・有害情報、情報セキュリティーの脅威等の影の問題に対応するため、安心ネットづくりの取り組みを進めます。

 これらの施策を通じ、いつでも、どこでも、何でも、だれでもつながるユビキタスネット社会の実現に努めます。

 電子政府については、オンラインのメリット拡大や使い勝手の向上等の取り組みを推進してまいります。

 次に、郵政行政についてであります。

 昨年十月の郵政民営化から一年余りが経過をしました。民営化各社は新規サービスの展開等に努めておりますが、一方で、地域の住民等から、簡易郵便局の一時閉鎖や郵便配達員による貯金受け入れの制限など、さまざまな御指摘もあるところでございます。政府として、民営化後の状況を十分に検証し、必要な改善を行ってまいります。

 次に、消防行政についてであります。

 消防団の充実強化など、地域の総合的な防災力の強化を図るとともに、緊急消防援助隊の充実強化など、大規模な災害に対応する危機管理体制の充実を推進します。

 また、救急相談窓口の設置促進など、身近な生活の安心、安全の確保に取り組むとともに、消防と医療の連携による救急救命体制の充実を図ります。

 次に、統計行政についてであります。

 新統計法の全面施行に向け、統計制度の抜本的改革を推進するとともに、経済センサスなど、統計の体系的整備を進めます。

 独立行政法人統計センターの職員を非公務員化する法案を提出しています。

 次に、生活対策についてであります。

 生活対策において、重点分野の一つとして地方の底力の発揮が位置づけられており、日本の元気を取り戻すためにも、それぞれの地域が誇りと活力を持つことが必要です。

 このため、道路特定財源の一般財源化に際し、一兆円を地方の実情に応じて使用する新たな仕組みをつくります。

 地方自治体の一般会計に長期、低利の資金を融通できる地方共同の金融機構の具体化に向け、速やかに検討をしてまいります。

 また、地域活性化に資するきめ細かなインフラ整備や、生活対策に呼応した事業を推進するため、六千億円の地域活性化・生活対策臨時交付金を地方自治体に交付いたします。

 生活支援定額給付金については、地方自治体の意見を踏まえつつ、実施方法等を早急に検討してまいります。

 以上、所管行政の一端を申し上げました。

 副大臣、大臣政務官とともに全力で取り組んでまいりますので、赤松委員長を初め理事、委員の先生方の御指導をよろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。(拍手)

     ――――◇―――――

赤松委員長 公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、特に人事院勧告について調査を進めます。

 去る八月十一日の一般職の職員の給与等についての報告、給与の改定についての勧告及び勤務時間の改定についての勧告並びに公務員人事管理についての報告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。人事院総裁谷公士君。

谷政府特別補佐人 人事院は、八月十一日、国会と内閣に対しまして、公務員の給与等に関する報告を行うとともに、公務員の給与の改定に関する勧告及び公務員の勤務時間の改定に関する勧告を行い、あわせて公務員人事管理に関する報告を行いました。

 このたび、その内容について御説明申し上げる機会を与えていただき、厚く御礼申し上げます。

 最初に、本年の勧告及び報告のうち、職員の給与に関する報告及び勧告について御説明申し上げます。

 国家公務員の給与水準については、民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本としております。本年におきましても、民間の月例給及び特別給を詳細に調査いたしました。特に本年の調査においては、調査対象事業所数を約九百増加させ、企業規模百人未満の事業所についてもより綿密に調査を行いました。その結果をもとに公務員給与との正確な比較を行いましたところ、月例給と特別給の双方について、公務と民間がほぼ均衡していたことから、本年は給与水準の改定を行わないことといたしました。

 一方、社会全体で勤務医の確保が関心事となる中で、国の医療施設においても勤務医の確保が重要な課題となってきております。国の勤務医、具体的には国立高度専門医療センター、国立ハンセン病療養所等に勤務する医師でございますが、その給与水準が、民間病院や独立行政法人国立病院機構に勤務する医師の給与を大きく下回っていることが明らかとなりましたので、若手、中堅医師の人材確保のため、年間給与が独立行政法人国立病院機構並みになるよう、平均で約一一%の引き上げを初任給調整手当の改定により行うことといたしました。この改定は、平成二十一年四月から実施することとしております。

 次に、給与構造改革につきましては、平成十八年度から、地域間給与配分の見直しや年功的な給与上昇の抑制などを実現するため、俸給水準の引き下げ分を原資として、改革を進めるための措置を講じてきているところでありますが、平成二十一年度は、本府省業務調整手当の新設及び地域手当の支給割合の改定を行うことといたしました。このうち、本府省業務調整手当は、国家行政施策の企画立案、諸外国との折衝、関係府省との調整、国会対応等の本府省の業務の特殊性、困難性を踏まえ、また、近年、各府省において本府省に必要な人材を確保することが困難になっている事情をあわせ考慮いたしまして、本府省の課長補佐、係長及び係員を対象として支給することといたしております。なお、この手当の支給に必要となる費用については、ただいま申し上げましたとおり、給与構造改革により生じました原資で賄うことといたしております。

 続いて、職員の勤務時間に関する報告及び勧告について御説明申し上げます。

 国家公務員の勤務時間は、勤務時間法において、一日八時間、一週四十時間と定められております。勤務時間は、給与と同様、基本的な勤務条件であり、民間との均衡を図る必要がございます。過去五年にわたって調査してまいりましたところ、民間企業の所定労働時間の平均値は、おおむね一日七時間四十五分で定着していることがわかりましたので、国家公務員の勤務時間を一日七時間四十五分、一週間三十八時間四十五分に改定することを勧告いたしました。その実施に当たっては、これまでの行政サービスを維持し、かつ行政コストの増加を招かないことが基本であると認識しておりますが、各府省においては、業務の合理化、効率化や勤務体制の見直し等の所要の準備を行うことにより、現在の予算や定員の範囲内で、業務に影響を及ぼすことなく対応が可能であると判断しております。この改定は、国家公務員のワーク・ライフ・バランスにも寄与すると考えられますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。

 続きまして、公務員制度改革についての人事院の基本認識について申し上げます。

 さきの通常国会におきまして国家公務員制度改革基本法が制定されたところでございますが、人事院といたしましては、国民本位の公務員制度改革を進めるに当たり、第一に、公務及び公務員に対する国民の信頼の回復、第二に、時代の変化に適合する有効な人事管理システムの再構築、第三に、高い専門性をもって職務を遂行するとの職業公務員制度の基本を生かした改革の推進、第四に、公務員が使命感を持って全力で職務に取り組めるよう意識改革の徹底という、この四点を実現することが肝要であると考えております。

 そして、改革の具体化に向けまして、政と官、公務と民間、国と地方の役割分担についての基本を明確にしつつ、人材確保、計画的育成、処遇、退職管理など人事管理制度を総合的視点から再構築することが必要であります。また、適切な運用の実現も十分に見通した上で、制度及び運用を一体的に見直すことが不可欠であると考えております。

 人事院といたしましては、人事行政の中立公正性の確保及び労働基本権制約の代償という役割を担う中立第三者機関、専門機関としての立場から、国家公務員制度改革基本法の掲げる課題を含め公務員制度改革に積極的に取り組んでいく所存でございます。

 続きまして、公務員人事管理に関する報告について御説明申し上げます。

 ただいま申し上げました公務員制度改革に関する基本認識のもと、採用試験の基本的見直し、幹部要員の確保、育成、人事交流の推進、新たな人事評価制度の活用、超過勤務縮減、両立支援、心の健康づくりの推進、高齢期の雇用問題などの公務員制度改革に関する個別課題等につきまして、人事院の取り組みの方向等を報告いたしました。

 なお、まことに遺憾なことでございますが、近時、行政の破綻ともいうべき事態や幹部公務員の不祥事などが相次ぎ、国民の不信や批判を招いております。この問題の背景には、公務員の行政を担う使命感や倫理観の欠落があると言わざるを得ません。全体の奉仕者として公務、公共のために全力で尽くすという使命感は、公務員の原点であり、公務員の一人一人が、行政の円滑な運営は国民の支持が基盤であることに思いをいたし、それぞれの職場において職務に精励することによって、国民の信頼を一日も早く回復していくことが今必要とされていると考えます。とりわけ、幹部公務員には、現状に危機感を持ち、みずからの職務に係る責任をその所掌する行政の目的に即して改めて強く自覚し、率先して職務に当たる必要があると考えます。そのことを、勧告に当たっての私の談話で各公務員の諸君に訴えさせていただいたところでございます。

 以上、本年の報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。

 総務委員会の皆様におかれましては、人事院の勧告制度の意義や役割に御理解を賜り、この勧告を速やかに実施してくださいますようお願い申し上げる次第でございます。

赤松委員長 以上で人事院からの説明は終わりました。

 次回は、来る十三日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時二十八分散会


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