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第2号 平成21年2月13日(金曜日)

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平成二十一年二月十三日(金曜日)

    午前十時十七分開議

 出席委員

   委員長 赤松 正雄君

   理事 秋葉 賢也君 理事 実川 幸夫君

   理事 林田  彪君 理事 森山  裕君

   理事 谷口 隆義君

      今井  宏君    小川 友一君

      川崎 二郎君    坂本 哲志君

      鈴木 淳司君    関  芳弘君

      薗浦健太郎君    田中 良生君

      谷  公一君    土屋 正忠君

      土井  亨君    葉梨 康弘君

      萩原 誠司君    橋本  岳君

      平口  洋君    福井  照君

      古屋 圭司君    松本 文明君

      渡部  篤君    伊藤  渉君

    …………………………………

   総務大臣         鳩山 邦夫君

   総務副大臣        石崎  岳君

   総務副大臣        倉田 雅年君

   総務大臣政務官      坂本 哲志君

   総務大臣政務官      鈴木 淳司君

   総務大臣政務官      中村 博彦君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           岡崎 浩巳君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 細田  隆君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 村木 裕隆君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            山川 鉄郎君

   政府参考人

   (消防庁長官)      岡本  保君

   総務委員会専門員     伊藤 孝一君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月十四日

 辞任         補欠選任

  岡本 芳郎君     渡部  篤君

同月十九日

 辞任         補欠選任

  木挽  司君     秋葉 賢也君

同月二十八日

 辞任         補欠選任

  谷垣 禎一君     福井  照君

二月十三日

 理事岡本芳郎君一月十四日委員辞任につき、その補欠として秋葉賢也君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

二月十二日

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 行政機構及びその運営、公務員の制度及び給与並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

赤松委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ちまして、民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会民主党・市民連合及び国民新党・大地・無所属の会所属委員の御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。

 理事をして御出席を要請いたさせますので、いましばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

赤松委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会民主党・市民連合及び国民新党・大地・無所属の会所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に秋葉賢也君を指名いたします。

     ――――◇―――――

赤松委員長 行政機構及びその運営に関する件、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、鳩山総務大臣から所信を聴取いたします。鳩山総務大臣。

鳩山国務大臣 総務委員会の御審議に先立ち、所信の一端を申し上げます。

 私は、現下の深刻な地方の経済雇用情勢を踏まえ、地方税財源の充実確保を図り、地域の元気回復・活性化を図ることを第一に、行政改革を進めること、地方分権改革を進めること、ICTにより成長力を強化すること、郵政民営化を適切に進めることなど、麻生総理の目指す安心と活力のある社会を実現するため、私が大切にしている自然との共生の理念をも取り入れながら、改革を一層推進してまいります。

 以下、当面の重要課題について申し上げます。

 地域の元気回復・活性化のためには、地方税財源を充実確保し、地域の創意工夫による施策を推進することが重要です。

 地方交付税について、生活防衛のための緊急対策を踏まえ、既定の加算とは別枠で一兆円増額し、前年度を四千百億円上回る十五兆八千二百億円を確保するとともに、地方財政計画の歳出に特別枠、地域雇用創出推進費五千億円を創設し、雇用情勢や経済財政状況の厳しい地域に重点的に配分するなど、雇用創出や地域の元気回復の財源を確保いたします。

 また、地方公共団体の一般会計に長期、低利の資金を融通できるよう、地方公営企業等金融機構の改組により、地方公共団体金融機構を創設します。

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律の円滑な施行に努めるとともに、第三セクター等の整理、再生のための地方債の特例措置を創設する等の改革を推進します。また、地域医療の提供体制を確保できるよう公立病院への財政措置を充実します。前年度七百億円増しでございます。

 二十一年度の地方税制改正については、個人住民税における新たな住宅借入金等特別税額控除の創設、環境への負荷の少ない自動車について自動車取得税の時限的な税率軽減措置の導入、道路特定財源の一般財源化への対応等を行うため、地方税法の改正案を提出しています。

 なお、定額給付金事業は、家計への緊急支援であるとともに、あわせて、消費をふやす経済効果もある生活対策における重要な施策であります。年度内の給付開始の実現を目指し、各市町村における準備が着実に進むよう引き続き努めるとともに、地域における自主的な取り組みについて支援してまいります。

 自然との共生を図りながら、活力ある地域社会を形成するため、地方自治体、住民等のさまざまな主体が連携して行う取り組みを支援する地域力創造プランを打ち出しました。

 このプランに基づき、中心市と周辺市町村が自主的な協定により相互に役割分担して連携する定住自立圏構想を推進して、圏域ごとに生活に必要な機能を確保する方策を各府省と連携して講じてまいります。既に年末、定住自立圏構想推進要綱と総務省の財政措置を取りまとめており、各地の取り組みを支援してまいります。

 また、地域おこし協力隊員の派遣など、都市と地方のつながりの強化を通じて、地域における自然との共生を推進するとともに、時代に対応した新たな過疎対策の検討を進めます。

 人口減少社会にあって、我が国の財政は非常に厳しい状況にあります。国民に温かい効率的な政府を目指し、行政改革を強力に推進してまいります。

 二十一年度の国の行政機関の機構・定員については、大幅な定員純減を行いつつ、生活者の安心を支える行政、日本の国際的地位に見合った外交体制などの分野に重点的に定員配置等を行います。

 簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を充実させるための行政不服審査法の改正法案などを提出しています。

 公務員制度改革については、さきに決定した工程表に沿った改革の具体化に向けて、私としても努力してまいります。また、人事評価に基づく能力本位の人事管理を推進します。

 経済財政諮問会議との連携のもと、医師確保対策等の重要対象分野に係る政策評価を推進するとともに、食品表示の適正化などの行政評価・監視に取り組んでまいります。

 次に、地方分権、地方行政改革等の推進についてであります。

 地方分権改革推進委員会において、昨年十二月に、国の出先機関の抜本的改革や、地方への義務づけ、枠づけの見直しについて第二次勧告が取りまとめられ、麻生総理からは、勧告に沿った見直しを進めるとともに、出先機関については今後の工程表となる計画を年度内に策定するよう御指示がありました。

 政府としては、同委員会の勧告を踏まえ、地方分権改革推進計画を策定し、新分権一括法案を来年度中にできるだけ速やかに国会に提出すべく、地方分権を強力に推進してまいります。

 地方公務員の定員について、引き続き、国同様、五年間で五・七%以上の定員純減を進めるなど、地方行革を着実に推進します。

 地方公務員の給与についても、一層の適正化を進めてまいります。

 地方公務員について、能力・実績主義の徹底と退職管理の適正確保を図るため、地方公務員法改正法案を提出しています。

 住民基本台帳制度については、市町村が適法に在留する外国人住民の正確な情報を把握し、住民行政の基礎とするための仕組みの整備等を行う改正法案を提出します。

 次に、ICT政策についてであります。

 景気回復に高い即効力を持ち、我が国の底力発揮の基盤であるICTを活用し、雇用創出、地域活性化、国民生活の安心、安全や利便性の向上を図るとともに、ICT産業の国際競争力の強化に戦略的に取り組んでまいります。

 まず、現下の経済危機に対応するための緊急対策を急ぐとともに、二〇一五年ごろを見据えた我が国のICTビジョンを本年六月までに策定し、直面するさまざまな課題の解決や社会経済の活力向上に貢献します。

 次に、だれもがICTを利用できる基盤を整備すべく、本日で残り八百九十一日となったデジタル放送への完全移行について、経済的困窮度が高い世帯への受信機器購入支援の実施等を内容とする電波法、放送法改正法案を提出するなど万全を期すとともに、ブロードバンドゼロ地域及び携帯電話不感地帯等の解消に努めます。

 また、ICTを活用した遠隔医療や地場産業の活性化、環境問題への対応やテレワークの推進等による国民生活の充実に取り組むとともに、インターネット上の違法・有害情報や、情報セキュリティーの脅威等に対応し、安心してICTを利用できる環境を整備します。

 ICT産業の国際競争力については、国際標準化活動の強化に加え、地上デジタル放送方式の国際展開、新規事業の創出、人材の育成、コンテンツ流通の促進等により、その強化を目指します。

 あわせて、公正競争環境の整備、電波利用の一層の推進、通信と放送の融合、連携に対応した制度の検討を進めてまいります。

 これらの施策を通じ、世界を先導するユビキタスネット社会の構築を目指します。

 電子政府については、オンライン申請のメリット拡大や使い勝手の向上等の取り組みを推進してまいります。

 次に、郵政行政についてであります。

 民営化後、簡易郵便局の一時閉鎖、郵便配達員による貯金受け入れの制限、郵便局における金融サービスの維持に関する懸念等、地域の住民等からさまざまな御指摘をいただいているほか、かんぽの宿の譲渡をめぐる問題など、課題が山積しております。政府として、こうした課題に適切に対応するのはもちろんのこと、民営化後の状況を十分に検証し、民営化を前提としつつ、郵政民営化委員会の意見も踏まえ、大胆に見直しを行ってまいります。

 次に、年金記録問題についてであります。

 まじめに保険料を払ってこられた方々が正しく年金を受け取ることができるよう、引き続き年金記録確認第三者委員会における公正かつ迅速な調査審議を支え、年金記録の訂正に結びつけてまいります。特に、昨年三月までに申し立てられた事案については、おおむね本年三月末を目途に処理を終えるべく取り組みます。第三者委員会の委員には、できるだけ温かく申立人の御主張を酌み取っていただき、適切な判断をしていただくようお願いしております。

 次に、統計行政についてであります。

 新統計法の全面施行に向け、統計制度の抜本的改革を推進するとともに、経済センサスの実施など、統計の体系的整備を進めます。

 独立行政法人統計センターの職員を非公務員化する法案を提出しています。

 次に、消防行政については、消防団や緊急消防援助隊など消防防災体制の充実強化を図るとともに、住宅火災死者数の半減を目指し、住宅用火災警報器の普及を促進します。

 また、救急相談に関する体制整備を進めるなど、消防と医療の連携を強化するとともに、都道府県が傷病者の搬送及び受け入れの実施基準を定めること等を内容とする消防法の改正法案を提出します。

 以上、所信の一端を申し上げました。

 副大臣、大臣政務官とともに全力で取り組んでまいりますので、赤松委員長を初め、理事、委員の皆様方の御指導をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

赤松委員長 次に、平成二十一年度総務省関係予算の概要について説明を聴取いたします。倉田総務副大臣。

倉田副大臣 平成二十一年度における総務省所管予算案につきまして、概要を御説明申し上げます。

 まず、一般会計について御説明いたします。

 一般会計の予算額は、十七兆七千三百五十九億円であります。

 国民生活と日本経済を守るためには、生活対策に盛り込まれた地域活性化対策などの諸施策を速やかに実施するとともに、国、地方を通じた大胆な行政改革を進め、国民に温かい効率的な政府をつくり上げていくことが必要です。

 本予算案は、これを踏まえ、定住を支える地域力の創造、地方分権の推進、ICTによる成長力強化、行政改革等の推進、消防防災行政の積極的推進、経済社会の基盤としての安心、安全の確立などを重点的に推進するとの考え方に基づき、取りまとめたものでございます。

 具体的には、まず、定住を支える地域力の創造につきましては、定住自立圏構想の推進などに必要な経費として二百九十一億円を計上しております。

 次に、地方分権の推進につきましては、地方交付税財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費として十六兆一千百十三億円、地方特例交付金等財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費として四千六百二十億円を計上しております。

 また、合併市町村が、市町村建設計画に基づいて行う事業に対する補助金として五十六億円を計上しております。

 次に、ICTによる成長力強化につきましては、二〇一一年地上デジタル放送への完全移行に向けた総合対策、デジタル・ディバイド解消戦略の推進などだれもがICTを利用できるための基盤整備に必要な経費として三百七十一億円、ICT先進事業国際展開プロジェクトの推進、重点研究開発課題の推進などICT産業の国際競争力強化に必要な経費として三百二十八億円、ICTのつながり力による産業、社会の変革、地域におけるICTの徹底活用、ICT安心・安全対策の推進に必要な経費として三百四十三億円を計上しております。

 次に、行政改革等の推進につきましては、政策評価制度、新たな公務員制度の確立に向けた取り組み、電子政府、電子自治体の推進等に必要な経費として八十億円を計上しております。

 次に、消防防災行政の積極的な推進につきましては、地域における総合的な防災力の強化、危機管理体制の充実、身近な生活における安心、安全の確保などに必要な経費として百十四億円を計上しております。

 次に、経済社会の基盤としての安心、安全の確立につきましては、文官及び旧軍人等に対して支給する恩給費として七千四百七十億円、統計調査の体系的な整備、提供を実施するための経費として三百二億円、年金記録への信頼回復を図るため、年金記録確認第三者委員会による年金記録に係るあっせんの実施などに必要な経費として百二十四億円を計上しております。

 そのほか、政党助成法に基づき法人である政党に対し交付する政党交付金として三百十九億円、米軍や自衛隊の施設が市町村の財政に与える影響等を考慮して、基地交付金及び調整交付金合わせて三百二十五億円を計上しております。

 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計について御説明いたします。

 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は五十二兆千五百六十三億円であります。歳出予定額の方は五十一兆九千三百五十三億円となっております。

 歳入は、地方交付税及び地方特例交付金等の財源に充てるための一般会計からの受け入れ見込み額などであり、また、地方譲与税譲与金の財源に充てるための額を計上しております。

 歳出の方は、地方交付税、地方特例交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。

 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は八百五十一億円であります。歳出予定額の方は七百九十一億円を見込んでおります。

 歳入は、交通反則者納金の収入見込み額等を計上しております。

 歳出の方は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。

 以上、平成二十一年度における総務省所管予算案の概要の御説明を申し上げました。よろしくお願いいたします。

赤松委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房総括審議官岡崎浩巳君、大臣官房審議官細田隆君、人事・恩給局長村木裕隆君、情報流通行政局長山川鉄郎君及び消防庁長官岡本保君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中良生君。

田中(良)委員 皆さん、おはようございます。自民党の田中良生でございます。

 まず冒頭、与党理事の再三の呼びかけにもかかわらず、この重要な総務委員会の審議に出席しないということはまことに、民主党を初め野党の皆さん、遺憾の意を表させていただきたいと思います。

 そしてまた、今、百年に一度と言われる世界的な金融危機そして世界的な大不況、日本が大変な危機に瀕している状況にあります。そんな中、国民が国会に求めること、それは迅速に結論を導き出す政治、国会は民主主義のもとに議論をして、そして反対であれ賛成であれ一定の結論を導き出す、これが国会の使命だと思います。にもかかわらず、昨日の衆議院本会議におきましても、事前通告もせず、いたずらに議事運営を阻害する。そしてまた、きょうのこの審議拒否という状況であります。今国民が何を求めているのか、民主党を初め野党の皆さん、もう一度認識をしていただきたい。

 そして、何といいましても、今この厳しい経済状況の中で、まずは一日も早く予算を成立させて、そしてお金を国内に循環させていくことが必要不可欠であると思います。民主党を初め野党の皆様には猛省を促したいと思います。

 それでは、質疑に入らせていただきます。

 まず行政改革、そしてまた地方財政対策、地デジに関して質疑を行わせていただきます。

 まず、冒頭に当たりまして、これは鳩山大臣の所管外の内容も含むと思いますが、今、所信の中で、公務員制度につきまして、さきに決定した工程表に沿った改革の具体化に向けて、私としても努力してまいりますという言葉がありました。

 公務員制度改革につきましては、わたり、そして天下りのあっせんをことしいっぱいで廃止するということを麻生総理が先日の予算委員会の答弁で表明されました。先ほど言及されました公務員制度改革の工程表には、平成二十三年度からの天下りの根絶に対応した人事制度を実現との記述がそのまま現在は残っております。

 これについて、総理の答弁に基づいた修正がなされることと思いますが、所管外の内容とは思いますが、ぜひ大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

鳩山国務大臣 今月三日の予算委員会における麻生総理の答弁につきましては、予算や権限を背景とする各府省のあっせんによる天下りとわたりを根絶する趣旨であったと思います。そして、各省があっせんをすると言われている暫定期間の三年間を待たずに、今年中に廃止することを話されたというふうに考えております。

 ですから、天下りとわたりのあっせんというものが今年中になくなるものと私は考えておりますし、また、わたりについては今から原則的にお認めにならないというお考えを総理は表明されたのではないか、こう思います。

 特に、わたりのあっせんというのは、既に国家公務員としての地位を離れた方のあっせんをするということは、昔は親切心で行われていたことでありましょうが、今、省内にいて、例えばやめるあるいは定年を迎える方の面倒を見るという慣行は、公務員の職務専念義務の範囲内と見ることもできたのかもしれないけれども、一回どこかに就職された方の再就職というわたりをあっせんするために現職の国家公務員が労力を使うというのは、公務員の職務を外れたことではないかと私は従来から思っておりましたから、これは速やかな根絶が必要ではないか、こう思っております。

 田中先生がおっしゃる、工程表がどうなるかということについては、国家公務員制度改革推進本部で決定した工程表でございまして、これは甘利大臣がどう判断されるかという問題でもございますので、私は、今、工程表がどうなるかということについては全く考えを持っておりませんが、実態として、事実として天下りとわたりのあっせんがなくなることが実現できれば、かなり先へ進んだことになるのではないかという感想を持っております。

田中(良)委員 ありがとうございます。

 国民は、この点に関しては大変注目をしていることと思います。一閣僚として、鳩山大臣のお力もぜひまたお願いしたいと思います。

 続きまして、地方財政対策に関しましてお伺いさせていただきます。

 生活防衛のための緊急対策として、雇用保険料の引き下げ、出産育児金の増額、また住宅減税ですとか環境対応車への減税、さまざまな生活支援策が盛り込まれているところであります。そして、地域の活性化策といたしまして、地方交付税について、既定加算とは別枠で一兆円を増額するということであります。その中で、地域雇用創出推進費五千億円を創設するとしまして、雇用情勢や経済財政状況の厳しい地域に重点的に配分を行うということが予定されております。

 この増額分、今、百年に一度と言われるこの厳しい経済状況の中で、いつごろ、またどの程度の効果を発揮していくものか、ぜひ具体的な見通しを教えていただきたいと思います。

鳩山国務大臣 麻生総理の決断で、別枠で地方交付税を一兆円積み増していただいた。もちろん、この積み増しがなければ、地方交付税の総額は、平成二十年度に対して二十一年度はマイナスになるところであったわけですが、これが四千百億円ほどプラスになったのはこの一兆円がきいているわけでございます。

 そのうちの半分の五千億円を地域雇用創出推進費という特別の枠にしたわけでございます。したわけではありますが、やはり地方交付税でありますから、地方が自由に使えるお金でございますので、いつ、どの程度地方がそのお金を使っていかれるかということによって、一概に雇用下支えや創出効果を算定することはできないと思います。

 例の、都道府県に四千億、雇用のためにお金を積むことになっております。そのうち千五百億円が緊急雇用創出事業となっておりまして、これは短期的に雇用するんでしょうが、全額給料に充てる、そういうやり方をすれば、五千億使えば五十万人の雇用創出ができるわけでありますが、それぞれやり方がいろいろあろうと思います。地方の創意工夫に任せるということが地方交付税の意味合いでございますので、大体十万人ぐらいの雇用創出は確実だろう、こういうふうに考えております。

 いずれにしても、各自治体が、この地域雇用創出推進費を使って積極的かつ速やかに、そして大胆に創意工夫のもとで取り組んでいただきたいと願っております。

田中(良)委員 ありがとうございます。

 続きまして、第三セクター等の整理、再生のための地方債の特例措置を創設する、そういった改革を推進していくと所信の方で言及されておりました。この点に関しても、具体的にどのようなものを想定されているのか、お伺いしたいと思います。

鳩山国務大臣 今度、四月から、四つの指標を使って地方自治体の健全化を図るようにいたしますね。つまり、単純なフローで赤字を見る場合、連結で赤字を見る場合というようなことで、地方公共団体の財政健全化法ということでございますが、結局、実質公債費比率というのもありますが、将来負担比率というストックの概念まで取り入れた概念の場合には、地方公社や第三セクターが入ってくるわけです。

 概して、地方公社、すなわち住宅供給公社、土地開発公社、道路公社等が調子がいいとは言えない。また、一応第三セクターの中に勘定しておりますが、林業公社の問題は、我が国の林業の問題と絡んで、巨額の債務というか赤字を抱えているという状況にある。

 したがって、やはり地方自治体の財政の健全化を図るためには第三セクター等の抜本的改革を集中的にやろう、こう考えておりまして、そのために、その処理に要する費用として地方自治体が第三セクター等改革推進債というのを出していいように地方財政法を改めるものでございまして、そういう御理解の中で、いろいろなパターンがあると思いますけれども、調子のよくない第三セクターの処理が進んでいくことを大いに期待するところでございます。

 なお、御参考までに申し上げますと、三セクと地方公社を合わせたものが平成十六年では九千九百四十七ございます。統合、廃止が進んできたんですが、平成二十年段階でまだ八千八百六十一あるというので、まだまだ改革、統合、廃止を進めていかなければなりませんので、これを期待して今回は特別の地方債の発行を認めることとしたところでございます。

田中(良)委員 ありがとうございます。地方分権の観点からも、ぜひこういったものはどんどん推進をしていっていただきたいと思います。

 続きまして、ちょっと質問をかえまして、地上デジタル放送の件に関してお伺いさせていただきたいと思います。

 地上デジタル放送の伝送インフラは、だれでも容易にアクセス可能で、同時性、同報性にもすぐれ、そして安価で安定した伝送手段であること、これがこれまでの実績で証明されているということをかんがみて、地上波の中継局によるということが原則としてあるようであります。ただ、地上波による伝送が困難な地域、それを補完する手段、衛星通信ですとか、そういったものも講じる必要があろうかと思います。

 地上デジタル放送の推進に際して、昨年十二月の第九次行動計画の発表によりまして、今、その取り組みを一層強化するための体制づくりも進んでいると認識しております。

 しかし、新聞の一部報道によりまして、ケーブルテレビなどを通じて二年程度アナログ波の再送信をさせるのではないかという報道がありました。この点に関して、事実関係とともに、ちょっと見解をお伺いさせていただきたいと思います。

鳩山国務大臣 専門的なことは政府参考人の方からお答えいたしますけれども、ハワイは完全デジタル化したと聞いておりますが、アメリカ合衆国の場合、多分、当初はもう二年ぐらい前にデジタル化を完了するということだったのが、延びてことしの二月ぐらいになっておったのが、また延びて六月になるという報道がありました。

 それくらい、徹底してやることはなかなか困難が伴うので、よほどの決意を持ってやっていきませんと、デジタルへの完全移行、アナログの停波というものは実現できませんので、頑張ってまいります。

山川政府参考人 ケーブルテレビにつきましてのお問い合わせがありましたので、お答えを申し上げます。

 地上デジタル放送への移行に際しましては、ケーブルテレビによる地上デジタル放送を視聴可能とするという観点からは、まずは地上デジタル放送の再送信を行うことが基本であるというふうに考えております。

 こうしたデジタル放送の再送信とあわせまして、ケーブルテレビ局において地上デジタル放送をアナログ方式に変換して再送信するサービスというものもございますが、この場合、こうしたサービスが、残存するアナログ受信機器対策としては有効である一方で、ハイビジョン画質あるいは五・一チャンネルサラウンドの高音質による放送が視聴できないとか、電子番組表が活用できない、あるいは字幕放送も利用できない等の制約もございます。

 また、ケーブルテレビ事業者の方にしても、デジ・アナ変換の終了方法あるいは費用回収等の運用上の課題、地上放送事業者からのデジ・アナ変換の再送信同意の取得等の制度的課題などの条件整備に向けた課題もございます。

 総務省といたしましては、こうしたさまざまな課題につきましてケーブル事業者からいろいろ伺った上で、ことしの夏ぐらいまでに必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

田中(良)委員 二〇一一年の七月、地上デジタル放送への完全移行ということで進んでいると思います。しかし、さきの報告では、当初計画に比べて進捗が少しおくれているというような報告もあったのではないかと記憶しております。

 私といたしましては、やはり計画当初の意思をしっかりと尊重して、低価格チューナーの開発ですとか、あとは共聴施設の整備促進による難視聴の解消に向けて、とにかく二〇一一年七月、地上デジタルへの完全移行という目標に向かって進むよう、またさまざまな施策を強力に推し進めていっていただきたいと思います。

 その点に関して、大臣の決意といいましょうか、もう一度改めてお伺いさせていただきたいと思います。

鳩山国務大臣 この後、伊藤先生から非常に専門的な御質問があるかと思います。

 ですが、例えば、私の職務柄、各都道府県知事がよく部屋にお見えになります。そうしますと、大体どの知事も、うちの県は山がちでして、山ですと、アナログ波だったら回り込めるけれども、デジタル波は直進性が強いのでなかなか大変なので、いろいろ、塔を建てないと、あるいは共聴施設等をつくらないと全世帯にいかないので、よろしく頼みますよ、こういうお話が非常に多いわけでございますから、こうしたものをまとめて、総務省としてできるだけ対応できるようにきちんとやっていく。

 それからまた、NHK等の放送事業者にも協力を呼びかけるということで、これはもう国を挙げて取り組む課題だ、こういうふうに認識して、頑張ってまいります。

田中(良)委員 ありがとうございます。

 二〇一一年七月の完全移行、アナログ停波という告知はかなり浸透してきたかと思うんですけれども、やはり、低価格チューナーですとか難視聴の共聴施設、これに対する財政措置、補完措置、そういったものの周知もあわせて徹底してやっていっていただきたいと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。

赤松委員長 次に、伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉でございます。

 国の景気、経済がこういう厳しい状況の中、本当に国民の皆様は現場で大変苦労をされている。立法府は寸暇を惜しんで議論をしなければならないこのときに、きょう、ごらんのように、野党の皆様方は審議を拒否されて、この場に出席してくださっていない。このことは明確に後世に愚行として記録されることを、まず冒頭、確信申し上げまして、質疑に入らせていただきたいと思います。

 きょうもまた、先ほど大臣からもおっしゃっていただいたように、地デジの移行のことに関連して、時間の許す限り質疑をさせていただきたいと思います。

 さきの臨時国会で質問に立たせていただいた際、鳩山大臣から、「国策としてやっていく以上は、国が最終的な責任をとるという思いで進めていかなければならないと思います。」こう御答弁をいただいております。地デジの推進に当たって、私どもの詰めの甘さが現場にしわ寄せされることのないようにしなければならない。この姿勢について、大臣の認識、お考えを、まず冒頭、改めて確認させていただきたいと思います。

鳩山国務大臣 先ほどアメリカの例を申し上げまして、デジタルへの完全移行が延期になるという話を報道で知りますと、それこそ、伊藤先生おっしゃるとおり、最後の詰めが甘くなると、アナログを停波したら見られないところがいっぱいできてしまったということになりかねないわけでございますので、これはまさに国を挙げての取り組みであり、国が責任を持っていかなければいけない、こう思っております。

 デジタル放送への完全移行ということは、放送サービスの高度化ということと、周波数が余るので有効利用できるということで、これは国策として取り組んでいくわけでございます。

 問題は、そこで詰めの甘さによって穴があかないようにしようというので、受信者相談体制の強化とか、受信障害対策としては共聴施設の改修支援について全力で国も応援をする、そういうふうな体制をとっておりますし、放送事業者、メーカー、販売店、自治体などすべての関係者にもよく広報をして、お願いをしてそれぞれの役割を果たしていただきませんと、この二〇一一年七月二十四日という日を無事迎えることができませんので、一層力を尽くしていきたいと思います。

 先ほどデジ・アナ変換の話がありまして、結局はデジタルで受信できないからデジ・アナ変換をしてアナログの受信機にアナログ波を送るというのはちょっと悲しい話でございまして、そういうことがなくて済むぐらいの七月十一日にしたいと思っております。

伊藤(渉)委員 きょうは、地デジへの移行の中でも、特に受信障害対策施設、つまり、これまではアナログ放送がされていまして、高層建築物が建設をされると、それによって受信障害が発生しますから、その受信障害の対策のいろいろな施設、こういうものがございます、これの改修支援のあり方について何点か御質問をさせていただきます。

 この受信障害対策施設、全国に約五万施設、約六百五十万世帯の方が利用されている。この施設のデジタル化改修を受信者等が行う場合、その負担が著しく過重となるものについて国が改修費用の一部を補助する。また、住民からの要望に基づき受信調査を実施し、デジタル化対応の加速を図る。総務省の資料にこう書かれておりまして、新規の平成二十一年度予算の予定額として五十三・九億が計上されております。

 まず、この受信調査実施の箇所、これは何カ所程度を考えておられますでしょうか。

山川政府参考人 先生御指摘の受信障害対策共聴施設でございますけれども、基本的には、受信障害の原因となった建築物等の所有者及び共聴施設の利用者を当事者とする協議によりまして、対応方法について決定されるものと承知しております。

 しかしながら、私ども、限られた期間の中で完全デジタル化を実現するということでございますので、こうした協議を強力に促進する必要があるというふうに思っておりまして、平成二十一年度の予算におきまして、例外的、暫定的措置ではございますが、国による受信調査や改修支援を実施していきたいというふうに思っております。

 特に、地上デジタル放送につきましては、受信障害に強い方式を採用はしておりますが、アナログ放送と比べまして大幅に改善すると予測されるものの、場所によっては受信障害が継続される場合もあり、調査が必要な場合もあると思っております。

 この受信調査でございますが、平成二十一年度予算案におきまして、三千施設につきましての実施が計上されているところでございます。

伊藤(渉)委員 全国約五万の受信障害対策施設に対して、調査が必要な施設はどの程度存在すると考えていらっしゃいますでしょうか。やはり総務省にお伺いします。

山川政府参考人 先ほどお答えさせていただきましたとおり、受信障害対策共聴施設のデジタル化につきましては、原則は、当事者協議により、対応方法等について決定されるものと思っております。

 この調査でございますが、総務省のテレビ受信者支援センター、デジサポでございます、これによります施設管理者の直接訪問等により、当事者間協議の進展ぐあいを把握した上で、必要な施設を徐々に絞り込んでいく必要があるものというふうに考えております。

 こうした意味で、三千施設ということにつきまして予算計上しているところでございます。

伊藤(渉)委員 ちょっと確認ですけれども、逆に言うと、その三千という数字以外の施設は、基本的に調査は必要ないんじゃないかというふうに考えられているのか、それとも、そうではないのか。ここをお聞きしておきたいと思います。

山川政府参考人 第一に、三千施設を計上しておりますが、これにつきましてはことしの予算でございます。ですから、この三千施設がすべてというわけではございません。

 ただ、先ほどお答え申し上げましたとおり、基本的には当事者間の協議により解決をしていただくということを原則としておりますので、国によって調査をするというのは、あくまで暫定的、例外的な措置というふうに承知しております。

伊藤(渉)委員 冒頭にも申し上げたとおり、地デジへの移行は国が主体的に進めていくべき施策だと私は思っています。よって、先ほどの繰り返しになりますが、その推進に当たってのしわ寄せが現場に押しつけられてしまう、こんなことは断じて避けなければいけない。

 この調査一つをとっても、基本的には民民だとか、そういうことが実は非常に気になっていつも聞いているんですけれども、やはり基本的には総務省が主体的に調査も含めて引っ張っていかないと、現場はなかなか動けない可能性があると私は考えております。デジタルとアナログが両方流れている現状において、住民からの要望に基づき受信調査を実施等と言っていたのでは、なかなか調査は進んでいかないんじゃないかと思っています。

 実態把握がおくれれば、それだけ改修作業のスタートもおくれます。すべての施設の改修は、仮に二〇一〇年七月以降、つまり地デジ完全移行の一年前以降になってしまったら、物理的に受信障害対策施設の改修は間に合わなくなってくる可能性もあると聞いております。ですから、平成二十一年度予算からの予算執行は既に詰めの段階にあり、冒頭から非常に緻密に進めていかないと、先ほどから大臣もおっしゃっているような状況になりかねないという危惧がありますので、少々細かいことを聞かせていただいております。

 きょうまでに、既存の受信障害対策施設五万のうち、改修はどこまで進んでいますでしょうか。

山川政府参考人 受信障害施設でございますけれども、基本的には、各世帯がアンテナを設置することによりデジタル放送を直接視聴することが可能となる部分もございます。

 受信障害が解消されない場合に、施設のデジタル化改修が必要となるわけでございますが、その状況につきましては現在調査中でございます。調査中ではございますが、大体、改修が実施されているのは全体の一割に満たない程度ではないかというふうに考えております。

伊藤(渉)委員 では、実際に現場の調査というのがどういうふうに進むのか、これは実は聞こうと思っていたんですが、時間の関係もありますので、説明させていただきます。

 きょう、配付資料として一枚住宅地図を配らせていただきましたが、現場調査をするときは、私の調べた限りでは、まず、きょうお配りした配付資料のように、机上のシミュレーションでどの程度の電波障害が出るのかを把握するようです。

 この地図は、地元名古屋のある物件で、真ん中がグレーに、1の右斜め上が対象の物件でございます。机上でシミュレーションをかけますと、その1の右上の物件に対して、左斜め下にハッチングが出てきておりますけれども、こういった形で受信の障害エリアというものが見えてまいります。ここまでを机上の、パソコンを使ってやるようです。

 その後、その出てきた机上の受信障害の形状といいますか、具体的に現場に行って、十メーターぐらいアンテナがはね上がる車がありまして、それでそれぞれこのシミュレーションで出てきた境界付近を実測して、実際に映るのかどうかというようなことを確認していく。この机上のシミュレーションと、シミュレーションに基づいた現地調査ということを実際の調査では行っていくようです。

 そこで、この調査を積極的に進めるために、まず、全国的に調査の要否の目安となるようなマップを総務省として作成、公表する。そして、調査が必要な地域においては、この平成二十一年度からスタートするであろう補助のスキームを使って、行政府が主導をして、関係者立ち会いのもと調査を実施していく。このときに、調査の要否、これを判断するマップには、各地方の県域局、愛知県であればテレビ愛知という局がありますけれども、この電界強度も、二〇一一年七月二十四日、地デジ移行時の状態をできるだけ反映したもの、つまり、電界強度等の強化が技術的に行われるのであれば、それを反映したものにするべきだと考えるに至っております。

 三つ目に申し上げたことをもう少しわかりやすく言いますと、今、実際に、地元での調査に私自身も立ち会ってみました。地デジの電波がなかなか見にくいというケースがあります。しかし、その大多数が、やはり広域の局ではなくて電波の弱い県域局、愛知県であればテレビ愛知が映りにくいという状況が散見されました。しかし、このテレビ愛知については、別途、電波を強くするということを進めていくというふうに聞いております。

 なので、電波が強くなっていない状況で受信障害施設の改修をすると、二〇一一年七月二十四日の地デジ完全移行のときには実は改修をしなくてもテレビ愛知は見られていた、つまり、無駄な改修をしてしまったという状況が発生しかねないと思っておりますので、こういったこともこのマップには反映していくべきだろうというふうに考えております。

 こうした整理を、少し細かいことですが、ぜひ総務省としてやっていかなければならないと考えますけれども、大臣の御認識と、できれば前向きな御決意をお聞かせいただければと思います。

鳩山国務大臣 今先生からテレビ愛知のお話があって、実際、電波が強くなれば改修等をしなくてもよかったというケースが出てくれば、それに補助いたしておればお金の無駄遣いということになりますから、これはなかなか難しい問題だなというのが正直言って私の感想でございますが、先生は専門家であられて私は素人ですが、いわゆる共聴施設のデジタル化対応ということは絶対に必要なことでありまして、総務省として全力投球していきます。

 そして、今年度、全都道府県に前倒しして設置した、デジサポという愛称になっておりますテレビ受信者支援センターにおいて、施設管理者等への訪問、働きかけを行うとともに、必要な場合には受信状況の調査、これは国が全額補助するケースがございます、あるいは改修、これは二分の一補助するケースがございます。そういう財政支援もしていく中で、冒頭先生がおっしゃった、いよいよこれから最後の詰めを行っていく中で、漏れがないように、技術的な有効性とか予算の執行確保の観点など、いろいろな観点で見詰め直していかなければならないと思いますが、さっき七月十一日と間違って言いました、七月二十四日を迎えられるように、私も全力で頑張ります。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。ぜひお力添えをお願いしたいと思います。

 先ほど、山川局長の方から答弁の中で出てきましたけれども、このデジサポが、今後、受信障害対策施設を有する建物を個別に訪問していくということがございました。

 これも提案ですけれども、先ほど御説明した現地調査のうち、机上でのシミュレーションというのはパソコンで行うことができます。実際に目の前で操作するところも見せていただきました。ぜひ、できるだけ早く進めていくために、今の、訪問のときにデジサポの人がパソコンを持ち歩いて机上のシミュレーションみたいなことを現場でやって、調査に向けての目安を示していくようにしてはどうか。

 また、これは質問としては二つくっつけて聞いてしまいますが、各物件のシミュレーション結果をもとに、改修の要否、改修の規模、そして原因者の特定ということも、今は建物が乱立をしておりますので複雑なケースが出てくる可能性があります。そういう意味で、この原因者の特定ということも含めて総務省が主導をしていくことが重要ではないかと考えますけれども、改めて、最後に総務省の御答弁をいただきたいと思います。

山川政府参考人 先生御指摘のとおり、デジサポが受信障害対策施設を有する建物を個別に訪問する際には、何らかの事前調査を実施いたしまして、その結果も踏まえて訪問、相談に対応していくことが極めて有効というふうに私どもも認識しております。

 もちろん、受信障害対策共聴施設のデジタル対応につきましては、施設管理者等当事者の方による対応が原則でございますが、国としても可能な限りきめ細かな支援を実施していくことが必要だというふうに思っております。

 そのための方法の一つといたしまして、例えば御指摘のようなパソコンによる机上シミュレーションということも考えられるわけでございますけれども、どのような方法が可能か、そうしたことにつきましては幅広く検討をさせていただきまして、コスト面も含め効率的かつ適切な方法を検討し、見出してまいりたいというふうに考えております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 どこまでも本当に生活において必要欠くべからざる存在となったテレビ、これが一般の方は何も知らないうちにアナログからデジタルにスムーズに移行したという状況をつくり上げるために、全力を傾注していきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

赤松委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十二分散会


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